社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1981/10/15
会議録
○山下委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 厚生関係の基本施策に関する事項 労働関係の基本施策に関する事項 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上の各事項について、その実情を調査し、その対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山下委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○山下委員長 この際、御報告申し上げます。 第九十四回国会閉会中に行いました委員派遣の調査報告書は、同国会の委員会議録附録に掲載いたしましたので、御参照願いたいと存じます。 ————◇—————
○山下委員長 村山厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。厚生大臣村山達雄君。
○村山国務大臣 第九十五回国会における社会労働委員会の御審議に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。 わが国の社会保障は、国民の努力と要望を背景に、西欧諸国に比して遜色のない水準に達し、国民生活の向上に重要な役割りを果たしてきておりますが、今日、経済の安定成長のもとでの急速な人口構成の高齢化に直面し、新たな時代に対応する体制の整備が急がれております。 先般の臨時行政調査会の「行財政改革に関する第一次答申」におきましても、活力ある福祉社会を実現するため、行財政改革の急務であることが指摘され、社会保障制度の改革につきましても種々の指摘がなされたところであります。 国民一人一人の生活の安定を図るとともに、社会的、経済的に弱い立場にある人々の生活を守り、社会的公正を確保するという重要な責務を有する厚生大臣として、私は、このような時期こそ、二十一世紀への展望のもとに、長期的観点に立って社会保障制度の効率化を進め、温かい人間味あふれた活力のある福祉社会の基礎となるわが国独自の効率的な社会保障体系の構築が必要であるものと考えております。 また、さきの五十七年度予算の概算要求に当たりましては、ゼロシーリングという厳しい枠の中でも、老人対策、障害者対策など真に必要な施策については、引き続き改善を行い所要予算額の確保を図るとともに、臨時行政調査会第一次答申をも踏まえ、全施策について見直しを行い、必要な合理化、適正化の措置を講ずることとしたところでございます。 次に、今国会に提案されております厚生省関係の主要課題について申し述べます。 第一に、老人保健医療対策であります。 本格的な高齢化社会の到来を控え、国民の老後における健康の保持と適切な医療を確保するため、疾病の予防や健康づくりを含む総合的な保健対策を推進するとともに、その費用については国民皆が公平に負担するという制度の確立が急務となっております。 このような観点から、老人保健制度の基本的なあり方については、数年にわたり慎重な検討を続けてまいりましたが、先般社会保障制度審議会等の御意見もいただき、ようやく成案を得、本年五月老人保健法案としてさきの第九十四回国会に提出し、今国会においても引き続き御審議を煩わすこととなった次第であります。 第二に、いわゆる行革関連特例法案に盛り込まれ、別途行財政改革に関する特別委員会において御審議されております厚生年金保険事業及び船員保険事業並びに児童手当に関する臨時特例措置でございます。 厚生年金保険事業及び船員保険事業につきましては、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの特例適用期間中における国庫負担の繰り入れの特例措置が取り上げられております。この措置については、特例適用期間経過後に運用収入減収相当分を含め減額分が補てんされることになっており、年金財政にはいささかの支障をも生じないことを前提としているものであります。 児童手当につきましては、特例適用期間中その所得制限額を引き下げるとともに、これによって手当を受けることができなくなる被用者の一部に対し、全額事業主拠出による特例給付を支給しようというものであります。 これらの措置は、いずれも制度の根幹に触れることなく当面の財政負担の軽減を図り、行財政改革に資するため、特例適用期間中の臨時特例的な措置として行われるものであり、厚生省としてもやむを得ない応急的な措置と考えております。 以上申し述べましたことが今国会における中心的課題でありますが、厚生行政にはこのほか、医療保険制度を初め、年金、社会福祉、健康など各般にわたり、国民一人一人の生活に直結したいっときもゆるがせにできない課題が山積しております。 私は、皆さんの御支援、御鞭撻を得ながら、このような厚生行政の推進に全力を挙げて取り組み、国民福祉の着実な向上を図ってまいる所存であります。 何とぞよろしくお願い申し上げます。 ————◇—————
○山下委員長 第九十四回国会内閣提出、老人保健法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。村山厚生大臣。 ————————————— 老人保健法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○村山国務大臣 ただいま議題となりました老人保健法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現在、わが国は諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進んでおります。このような本格的な高齢化社会の到来に対応し、人間尊重の精神を堅持し、社会的公正を確保しつつ、効率的に機能し得る社会保障制度の確立と既存制度の見直しが喫緊の課題となっております。 わが国の老人保健医療対策は、昭和四十八年以来、医療保険制度及び老人福祉法による老人医療費公費負担制度を柱として推進されてまいりましたが、その後年々老人医療費は増高を続け、一方、対策が全体として医療費の保障に偏り、予防から機能訓練に至る保健サービスの一貫性に欠けていること、医療保険各制度間、特に被用者保険と国民健康保険の間に老人の加入率の差により老人医療費の負担に著しい不均衡があるなどの問題が指摘されるに至り、制度の基本的見直しについての要請が高まってまいりました。 政府といたしましては、このような要請にこたえて、長期的な展望に立って制度の基本的あり方について数年にわたり鋭意検討を続けてまいりましたが、このたび疾病の予防や健康づくりを含む総合的な老人保健対策を推進するための制度を新たに創設することとし、この法律案をさきの第九十四回国会に提出し、今国会において引き続き御審議を煩わすこととした次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、この法律の目的及び基本的理念であります。 この法律は、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、疾病の予防、治療、機能訓練等の保健事業を総合的に実施し、国民保健の向上と老人福祉の増進を図ることを目的とするものであります。また国民は、自助と連帯の精神に基づき、みずから健康の保持増進に努めるとともに、老人の医療費を公平に負担すること、年齢、心身の状況等に応じ、適切な保健サービスを受ける機会を与えられることを基本的理念としております。 第二に、老人保健審議会でありますが、この審議会は、保健事業の関係者及び老人保健に関する学識経験者二十名以内をもって構成し、老人保健に関する重要事項について調査審議していただくこととしております。 第三に、保健事業につきましては、市町村が健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康診査、医療、機能訓練、訪問指導等の各種保健事業を総合的に一体的に行うこととしております。このうち、医療については七十歳以上を対象としておりますが、医療以外の保健事業は、壮年期からの健康管理が老後の健康保持のためにきわめて重要でありますので、四十歳以上の者を対象として行うこととしております。医療についての診療方針及び診療報酬は老人の心身の特性等を考慮し老人保健審議会の意見を聞いて定めることとしております。また、老人の方々に健康についての自覚と適切な受診をお願いするため、医療を受ける際、外来の場合一月五百円、入院の場合四カ月間を限度として一日三百円の一部負担をしていただくこととしております。 第四は、保健事業に要する費用であります。 保健事業のうち医療以外の保健事業については、国、都道府県及び市町村がそれぞれ三分の一ずつを負担することとしております。なお、その対象となった者から費用の一部を徴収することができることとしております。医療に要する費用につきましては、国が二割、都道府県及び市町村がおのおの五%を負担するほか、医療保険各法の保険者が七割を拠出することとしております。保険者の拠出金の領は、当該保険者の七十歳以上の加入者に係る医療費の額と当該保険者の加入者の総数を基準として案分し、保険者間の負担の均衡を図ることとしております。なお、現在、医療保険各法により療養の給付費について国庫補助を受けている保険者に対しては拠出金の一部についてその補助率を基準として国庫補助を行うこととしております。 第五に、保険者から拠出金を徴収し、市町村に対し交付する業務は、社会保険診療報酬支払基金が行います。 第六に、関係法律の改正であります。この法律の施行に伴い、老人福祉法の一部を改正して、老人医療費の支給に関する規定等を整理するほか、医療保険各法においては、七十歳以上の加入者について療養の給付等を行わないこととする等の改正を行うこととしております。 最後に、この法律の施行期日でありますが、老人保健審議会に関する規定は公布の日から三月を、保健事業の実施等に関する規定は諸般の準備が必要でありますので公布の日から一年六カ月を、それぞれ超えない範囲内で政令で定める日とし、できる限り速やかに施行することとしております。 以上がこの法律案を提案する理由及びその内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○山下委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○山下委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽雄哉君。
○丹羽(雄)委員 年々ふえる一方の国民総医療費は、五十六年度十三兆円で、そのうち老人医療費は実に二兆五千四百億円に達しているわけでございます。しかも高齢化社会は急ピッチで進行中で、昭和八十年には七十歳以上のお年寄りがいまの二倍にもふえる。国民の一割、十人に一人の割合で老人になるわけでございまして、医療費のむだを省くためにも今度のこれを機会に老人医療のあり方を見直さなければならない、このように考えるわけでございまして、まことに時宜を得た法案として評価いたしたいと思います。その一方で、行政改革及び財政再建の高まる中で老人に犠牲を強いるものだとの意見もあることも事実でございます。現に、老人医療費の有料化に不安を感じている老人も少なくないわけでございます。 そこでまず私は、厚生大臣に、財政再建と今度の老人保健法案との関連、位置づけについて所見をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、戸井田委員長代理着席〕
○村山国務大臣 老人保健法の目的は、先ほど提案理由でも申し述べましたように、これからの高齢化社会に備えまして本当に健康な老人づくりをやろうということ、それから同時に、特に疾病に関する費用につきまして、国民が等しくひとつ負担しようという角度から、それぞれのものが適当な拠出金を持ち寄りまして、そして費用の負担を公平にしよう、こういう二つの理念からできているわけでございます。したがいまして、今度の行政改革案というものとは直接関係ないのでございますが、しかし、その理念から申しますと、まさにこれから到来する活力ある福祉社会のためにどうするか、基本的に制度を見直すべきである、こういうことでございますので、結果におきましては、その趣旨におきましては全く合致するものであろう、このように思っておるのでございます。
○丹羽(雄)委員 大臣、いま行政改革法案には直接関係ないということでございますけれども、いずれにいたしましても、今度の法案の最大のねらいは、増大する一方の医療費を抑制することにあるわけでございます。 それではまず、一部負担を導入することで老人医療費は全体でどのくらい費用が浮くのか。これは老人一人当たり平均で幾らぐらいか。 それからもう一点。現在、毎年一五%前後老人医療費が伸びているということでございますけれども、この法案が成立すれば、この伸び率をどの程度抑制し落とすことができるのか。当面、とりあえず来年の見通し、そして将来の見通しまで言及いただければ幸いだと思います。この二点についてお聞きいたしたいと思います。
○村山国務大臣 数字については後で政府委員から答弁させます。 この医療費の伸びというのは、御承知のように過去において、オイルショック後大変な伸びを示しました。その後ずっと一六、七%できておりまして、五十四年度から、ことしは予算ベースでございますけれども、GNPをちょっと伸びるか、あるいはGNP程度に落ちついておる。 こういう現状を分析いたしますと、やはり何と言っても実体的な問題が基本にあったのじゃないか。やはり疾病構造が非常に変化して成人病がよけいになってきたという問題、それから高度の医療技術を、日進月歩でございまして世界的なあれで進歩しておりますが、日本は勇敢にそれをどんどん保険制度に取り込んでおるわけでございます。そういう問題。それから、日本は急速に老齢化が進んでいるわけでございますので、入院日数あるいは通院日数はふえる、あるいはいろいろな疾病を持っておる、こういうことが重なったことが非常に急角度で伸びた最大の要因だと思っております。 しかし、そうかといってそれ以外の要因がないということは言えないと私は思うのでございます。一体薬価の実勢調査が正しかったかどうか、あるいは薬価基準の算定方式についても問題等が提起されておるところでございますし、それからまた、多くのお医者さんは、私の知っている限りでございますが、きわめて一生懸命に医療に当たっておるのでございますけれども、西高東低と言われるように、一部ではいろいろなことがうわさされ、また指摘されていることも事実でございます。そういったことが重なっているわけでございますので、今度のことをやるに際しまして、こういうものを独立させると同時に、そういった患者のためになることはどんどんやっていきたい。そして、国民のひんしゅくを買うようなことは、そしてまた一部の人のために多くのお医者さんの信用がなくなるというような制度、これは厳重に抑えていきたい。 そういう基本的な方向で考えているわけでございますけれども、この法律案を出した効果は、恐らくかなり長期的の先でないと出てこないのじゃないだろうか。現に、長野県等に行ってまいりますと、あそこで予防から始めたという人がございますが、聞きますと、終戦直後からでございます。それがいま実を結びまして、もう医療費は非常に少なくなっておる、保険料も安くできるというようなことでございます。しかし、こういった問題と相まちまして、やはり一人の人間が生涯にかかる医療費、これが当然少なくなるはずでございます、医療の問題を考えましても。そうであれば、その一部負担という問題もそういう長い目で考えていただきたい、そういうふうに考えておりまして、この制度は必ず医療資源の適正化に通ずるし、われわれもこの法案の趣旨を生かしまして、今後とも間違いない行政をやってまいりたい、かように考えているところでございます。
○吉原政府委員 老人保健法案におきましては、一部負担は外来の場合に月ごとに五百円、入院の場合には四月間に限りまして一日三百円お願いをしたいと考えておるわけでございますけれども、その総額は、五十六年度で試算をいたしまして全体で約六百十億円と見込んでいるわけでございます。七十歳以上の全体の老人医療費の総額が二兆五千億でございますので、それに対する比率といたしましては二%強の割合になるわけでございます。 それから、一人当たりにしてどのくらいの負担になるかという御質問がございましたけれども、老人一人当たりにいたしまして、一部負担の額は一年約九千円でございます。老人医療費の老人一人当たりの額は約三十七万円でございまして、一部負担の金額は一人当たりにいたしますと年約九千円という金額になるわけでございます。 それから、老人医療費の伸びがこの一部負担の導入によってどうなるかということでございますけれども、この一部負担によってどの程度医療費の伸びに影響してくるか、厳密な意味での試算というのはなかなかむずかしいわけでございますけれども、私どもといたしましては、明年度からこの新しい制度を実施することによりまして、半年間でございますけれども、老人医療費全体の約一%程度の減少というものは見込んでいるわけでございます。
○丹羽(雄)委員 一%というと余り効果がないような感じがいたしますけれども、大臣も長期的に考えてほしいということでございますので、この問題につきましては言及を避けたいと思います。 いま審議官のお話にありましたように、今度の医療費の一部負担は外来が一カ月五百円、入院時は四カ月を限度に一日当たり三百円となっているわけでございます。これは老人の健康に対する自覚を促す意味でも結構なことであると考えておりますけれども、幾つかの点で不合理な面があるわけでございます。 その一つは、たとえば診療が二カ月間にまたがる場合でございます。たとえば十月三十一日に初診にかかる、そして十一月一日に再診の場合、たった二日間で五百円、五百円で千円の負担となる。ところが十月一日から三十日まで三十日間かかっても、これは月がかわらないわけでございますから、五百円でございます。二日間で千円、三十日間で五百円、どうもこれは非常に矛盾でございまして、こういう矛盾を老人にどう説明なさるのか。私はこれは十分に検討の余地があるのじゃないかと考えますけれども、大臣、どう思いますか。
○村山国務大臣 これはおっしゃるとおりでございますが、いろいろなかかり方をするわけでございます。極端なことを言いますとそうでございますけれども、こういうのは平均値で考えてみるということ以外にはないのではなかろうか、そういたしますと大体ならされてしまうということになるのじゃないか、やはり制度は簡明の方がいい、こういうことで考えておるわけでございます。
○丹羽(雄)委員 尊敬する宏池会の最高幹部の大臣でございますので、この問題につきましてはもう余り言及はいたしませんけれども、私は正直に言いまして不合理であると考えておりますので、この問題について老人に説得力のあるような方向でこれからひとつ十分に検討していただきたいと考えております。 それから、もう一点お尋ねいたします。 先ほども本会議でもちょっと質問がございましたけれども、複数の医療機関にかかった場合や総合病院で複数の診療科目にまたがると、その都度五百円支払わなければならない。特に老人の場合、その病症が複合的な要因によるところが多いわけでございます。最近の総合病院では、担当医局が非常に細分化されてきているわけでございます。老人の場合、一つの病気で内科に回されたり神経科に回されたり耳鼻科に回されたりすることがあるわけでございまして、一つの病気で二つも三つもたらい回しされる。これではもう老人はたまったものではございません。それでなくても非常に厳しい老人でございます。医療費の支払い方式につきましては、この出来高払い、いろいろ問題がございますけれども、後で同僚の長野委員が詳しく質問することになっておりますので、この点についてだけちょっとお答えをいただきたいと思います。
○吉原政府委員 その問題につきましては、医療機関ごとに一部負担をお願いをしたい、総合病院につきましては診療科ごとにお願いをするということにいたしているわけでございますけれども、それは事務的な理由もございまして、この一部負担の負担の仕方といたしまして、一件ごとに一枚ごとにレセプトを処理をしていくというような関係がございますので、医療機関ごとにレセプトというものは違ってくるわけでございます。同町に、総合病院におきましても診療科ごとにレセプトが違ってくるというようなことがございますので、いろいろおっしゃったような御意見、ごもっともだと思いますけれども、なかなか事務的に医療機関を全部通してということがむずかしいという事情もございまして、医療機関ごとということにしたわけでございます。 ただ、病気ごとに一部負担という考え方はとっておりません。老人の場合には一人の方が複数の病気を持っておられる場合が多いわけでございますので、病気ごとという考え方はとっておりませんけれども、医療機関ごと、総合病院においては診療科ごとというのはやむを得ないということでこういったことにさせていただいたわけでございます。
○丹羽(雄)委員 次に、いわゆる上乗せ福祉の問題についてお聞きしたいと思います。 東京や大阪などでは、現在、国の七十歳以上の無料化よりも早く、六十五歳でございますか、無料化を進めているわけです。今度老人の一部負担が導入されるわけでございますけれども、この上乗せ福祉、上乗せ無料を禁止する考えはないかどうか、お聞きしたいと思います。
○村山国務大臣 われわれがこの七十歳以上ということを考えておりますのは、やはり何と申しましてもこういう際でございますので、できるだけ社会的に弱い人に重点的にやっていきたい、こういう考えが基本にあるわけでございます。そういったことから言いますと、七十歳というところはやはり節目でございますし、従来からそうやっているわけでございますので、七十歳ということにいたしたわけでございます。 それから、地方が六十五歳から七十歳までやっておる、あるいはまた七十歳にはしておるけれども所得制限でまたやっておるとか、いろいろなことを単独事業でやっていることは承知しております。私たちのねらいは、やはり今後の福祉のあり方との連係において七十歳にしたのだから、この法案の趣旨をよく理解していただきたい。あるいはまた、そのまま継続いたしますとやはり妙なことになりまして、一部負担の有無の問題等もありまして、なかなかこれは整合性にも問題が出てくると思うのでございます。 そういう意味で、ぜひひとつ理解を得まして、そして歩調を合わせてもらうように行政指導をやってまいりたいと思いますけれども、何分にもこれはやはり地方自治ということがございますので、厚生省自身で強制的にやるわけにはまいりませんので、大いに行政指導でその理解に努めたい、こう思っておるところでございます。
○吉住説明員 おっしゃいましたような老人医療といったような個別の行政分野につきまして統一的に何らかの指導をするという考えは、実は現在のところ持っておりませんけれども、ただ、御質問の御趣旨に通ずるようなものではないかと思いますが、実は、たとえば本年度につきましては、私どもの次官名で「地方財政の運営について」という通達を出しているわけでございますが、それを若干引用させていただきますと、単独事業一般についてでございますけれども、「事業の選択にあたっては、行政が真に責任を持つべき分野を的確に見極め、地域の実情に即して十分その緊急度を検討し、更に将来の財政負担についても考慮して、財源の重点的配分に徹すること。」こういう一項目がございます。 このような基本的な考え方に従いまして、今後とも指導を続けていきたい、かように考えております。
○丹羽(雄)委員 いま厚生大臣も、地方自治の問題もあるけれども、非常に整合性の問題でいろいろ問題があるということをおっしゃったわけでございます。ところが、東京も大阪も、つい最近現在の六十五歳以上の無料を継続する方針をもう何か知事が明らかにしております。これは私は新聞で見ただけですけれども、これでは六十五歳から六十九歳までが東京や大阪では無料で、七十歳になると有料になる。これはまあ言葉が適当かどうかわかりませんけれども、腸捻転のようなものでございまして、バランス上まことにおかしいし、地方自治体にゆだねるという、これはなかなか行政指導しかできないということでございますけれども、地方自治体にゆだねるということの、いわゆるあなた任せのような感じで見切り発車すれば、大変混乱が生じるのではないか。 この問題について厚生省は、自治省や地方団体と十分に話し合って、まず納得を得ることが先決ではないか。住民の税金が国の基準からはみ出された使い方をされているというのが非常に納得できないわけでございますので、この問題については厚生大臣、ひとつ自治大臣とじっくり話し合って、やるからには説得した上で、このような非常な不合理性がなくなった上で実施しないと、迷惑するのは老人だけでございますので、再度この問題について大臣の御決意をお聞きします。
○村山国務大臣 おっしゃる趣旨はよくわかりますので、自治大臣とも篤と相談していきたいと思っております。
○丹羽(雄)委員 老人保健の問題につきましては、この後長野委員も詳しく御質問なさるということでございますので、私ちょっと問題を変えまして、次に、救急車内における応急処置、治療についてお尋ねしたいと思います。 せっかくの救急車も、わが国では肝心の救急隊員が一切の医療行為を禁じているために、救急車の中でなすすべもなく死亡するというケースが少なくないわけでございます。 ここに十月六日の読売新聞がございますけれども、この読売新聞によりますると、昨年の一年間だけで東京都内で救急車で搬送中に死亡した人が千人以上いる、このうち何らかの手当てをしていれば何%かの人たちを助けることができるというふうに指摘しているわけでございます。 この救急車の治療の実態についてどうお考えになっているか、お答え願いたいと思います。
○田中(明)政府委員 救急医療対策といたしまして、厚生省は、昭和五十三年度から所要の予算措置を講じて、総合的な体制整備を進めておるわけでございます。 先生いま御指摘の、救急車を使っての救急医療でございますが、これは救急医療を必要とする患者を一刻も早く適切な医療機関に搬送するということが必要であるわけでございまして、そのためには救急患者及びそれを担当する医療機関に関する情報を的確に把握しているということが必要であるわけでございまして、現在の救急医療対策におきましては、救急医療施設の応需体制を広域的に常時的確に把握するために、救急医療情報センターというのを各県に一カ所整備するということにいたしておりますけれど、この情報センターのシステムの開発が少々おくれたために、現在のところまだ二十一都府県に整備されているというような状態でございます。今後この情報センターをなるべく早く全国的に整備いたしまして、救急医療を必要とする患者が適切な治療を施すことのできる医療機関にできるだけ早く逆られるというようにいたしたいと考えております。 なお、救急車内においての応急的な処置でございますが、これはその行為によって違うわけでございますが、まあ医師が乗り込んでおる場合にはもちろん問題ないわけでございますけれど、医師が乗り込んでいないという場合には、おのずから応急的にできる処置というのは制限されるわけでございまして、こういう点に関しましても、今後関係の機関とどういうふうにやっていくかということを詰めてまいりたいというふうに思っています。
○丹羽(雄)委員 医師法の第十七条では医師以外の治療行為を厳しく禁止しているわけでございまして、救急車の場合は消防隊が運営しているということでございまして、単に患者を運ぶだけであるということでございます。血圧の測定、点滴はもちろんのこと、たとえば心臓発作などが起きた場合の緊急の手当ても強心剤一本打てないというのが現在の実情でございます。 ところが、最近、御案内のように非常に交通渋滞がひどくなってくるわけでございまして、なかなか最寄りの病院に運ぶことができない。また病院に行ってもたらい回しされることも間々あるわけでございます。 いま局長おっしゃったが、いろいろ法律の問題はあると思います。しかし問題は、法律を遵守することを最優先することではなくて、人命を救うことが私は一番大事なことではないか。いまの法律に不備があり不都合があるならば、実態に合ったように改正する必要があるのではないか。 このことにつきまして、ちょっと大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○村山国務大臣 なかなかむずかしい問題だとは思います、いま医務局長の話も聞きまた丹羽先生の話も聞きまして。今度は逆の場合で、応急措置をしたら助かる者が助からなくて、そしていった、それは医療法違反、医師法違反である、こういうケースもたくさん考えられると思うのでございます。したがいまして、現行制度を踏まえながら、どの程度それを、おっしゃるような欠点をカバーできるのか。情報の早い伝達こそが何よりも大事なことでございましょう。しかし、たとえば看護婦ならどこまでやれるのか、これもまた大変な問題でございます。 問題点はよくわかりましたので、根本的にはなかなかむずかしいと思いますが、十分検討さしていただきたいと思います。
○丹羽(雄)委員 いま大臣が十分前向きに検討してくださるということで、大変うれしく思います。こういう救急車の問題、非常に医師法との関連がありましてむずかしいわけでございますけれども、救急車が搬送するだけというのは、実は私、外国の方もいろいろ調べてみたのですけれども、わが国だけでございます。イギリス、アメリカでは救急隊員を十分に訓練して応急手当をさせております。またソ連の場合は、医者を乗せ、また救急疾患について訓練を受けた医療職員のようなものを置いているわけでございまして、医薬品も器具も装備しているわけでございます。 何しろ非常に法律的にはむずかしいという大臣がおっしゃったようなことでございますけれども、ただ本当に時間というものが一刻も争うから救急車を依頼するわけでございますから、この点についてひとつ、どうも私は縦割り行政の矛盾が出ているのではないか、こういう感じもするわけでございますので、この点について前向きに検討していただきたい。答弁はもう結構でございますからひとつお願いいたしておきます。 余り時間がないわけでございまして、四十分間で終えろということでございますので、次に、丸山ワクチンのことについて一言だけお聞きしたいと思います。 丸山ワクチンは、さきの中央薬事審議会で有効性が認められなかったわけでございますけれども、三万人を数える患者の不安をなくすために、供給を引き続き行うということを大臣みずから要請した。私は、まことに適宜な処置である、このように評価するわけでございます。そのことによりまして、将来医薬品として承認を受けるためのデータを集める、いわゆるこれからは治験薬として扱うということでございます。 これに伴いまして、現在は指導料という名目で患者から四十日分で五千円いただいているということでございますけれども、今度の治験薬ということになりますると、この基準を上乗せしなければならない、当然こういう問題が出てくると思いますが、どの程度のことを考えていらっしゃるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
○持永政府委員 先生お話しのように、丸山ワクチンにつきましてはさきの薬事審議会で、現段階では有効性を確認することができなかった、しかしながら、無効と断定するものではないので、したがって引き続き研究継続をする必要があるというような異例の意見が出まして、これを受けまして私どもは、これをつくっておりますゼリア新薬工業に研究継続の要請をいたしますとともに、お話しのように現在丸山ワクチンを使っておられる患者さんが多数おられますので、そういった人たちのニーズにこたえるべく、供給についても検討をお願いしている段階でございます。 その場合に、いま先生おっしゃったように、薬事法上の規定に基づいて治験薬という形でこれを医療に供する、こういうことになろうかと思いますが、治験薬につきましては無償の治験薬、それから有償の治験薬という形がございまして、この場合はたくさんの患者さんにそういった薬を出すということで有償の形式をとらざるを得ないだろうというのが私どもの現在の判断でございます。 そこで、現在ゼリア側とそういう基本的な話をしておる段階でございまして、この有償の幅をどうするか。先生おっしゃったように、現在は四十日分で五千円という指導料を患者さんが払っておられますけれども、この有償の幅をどうするかにつきましては、私どもといたしましては、この丸山ワクチンをできるだけ患者さんが入手しやすいような形で、時間的なロスあるいは経済的なロスをできるだけ少なくするという形での治験の実施方法を考えております。それとあわせまして、この有償の薬をどうするかにつきましては、できるだけ患者さんの負担を増大しないような形で現在ゼリア側と話し合いを進めておる段階でございまして、現在のところ、まだ具体的な幅までは煮詰まっておらない状況でございます。
○丹羽(雄)委員 具体的な数字は結構でございますけれども、これは人件費あるいは研究開発費、こういうものは当然加算されるわけですか、どうですか、この問題。
○持永政府委員 治験というのは、本来研究開発する、この場合ですとゼリア側が基本的に開発研究するという立場でございまして、現在医薬品として承認された薬ではございません。したがって、そういう意味合いにおきまして、この有償の幅をどうするかということにつきまして私どもといたしましてまだゼリア側から何も聞いておらない段階でございますけれども、その中身を想定しながら私どもの方で現在言っておりますのは、先ほどの繰り返しになりますけれども、患者さんの負担をできるだけ増大しない形でひとつ十分な努力をしてほしいというところを言っておるわけでございまして、具体的にその有償の中身がどういうことなのかということについてはまだ詰まっておらない段階でございます。
○丹羽(雄)委員 いままでデータを集める場合は供給元のゼリア新薬工業が行ってきたわけでございますが、厚生大臣がお願いしてまで供給の継続を要請したわけでございます。こうなりますと国の責任も重大になってくるのではないか。これまではいま申しましたようにゼリア工業の方が独自でこのデータを集めていったわけでございますけれども、これを機会に基礎的な実験を国が責任を持ってやるべきである、いつまでもこのままの状態を続けることはますます不安を増大させることばかりになるのではないか、このように私は考えるわけでございます。 たとえば癌研究所などで臨床実験をするとか、国立大学を使うとか、いずれにいたしましてもこれを機会にそういう形で国が責任を持ってデータを収集する用意があるかどうか、このことについてお聞きしたいと思います。
○持永政府委員 審議会の附帯意見を受けまして、ゼリア新薬工業側も基本的には試験研究を継続するということで、現在検討をされている段階でございます。私どもといたしましては、この研究継続がああいう異例な附帯意見に基づいて行われたことでもございますし、また先生おっしゃったように私どもの方からこの要請をした経緯もございますので、そういった経緯を踏まえまして、試験研究に際しましては十分に相談に応ずる、あるいはその試験研究のやり方その他についてできるだけの行政的な指導を親切にやっていくということを基本に対処していきたいと思っております。また先生おっしゃいましたように、臨床試験その他についてゼリア新薬工業からの試験研究機関のあっせんなどについての依頼がございますれば、それにこたえてできるだけのあっせんをしてまいりたいと考えております。
○丹羽(雄)委員 次に、余り時間もございませんけれども、一点だけ国保の地方負担の問題についてお聞きしたいと思います。 臨調の第一次答申で国民健康保険の地方負担について触れられているわけでございまして、行革の特別委員会、また本会議でこの問題につきましてはいろいろ取り上げられているわけでございますけれども、大変な地方財政の圧迫になるわけでございます。四〇%のうち五%を都道府県に肩がわりさせるというような観点から五十七年度の概算要求を行っているわけでございますが、五%ということで私、計算しましたら、全部で二千四百億円になるわけでございまして、これは都道府県ごとに負担しますと大体どのくらいになるか、数字を教えていただければと思います。
○大和田政府委員 各都道府県……(丹羽(雄)委員「平均で結構です」と呼ぶ)ちょっといまその数字は持っておりませんので、至急調べたいと思います。
○丹羽(雄)委員 いろいろ県の実情によって違いますけれども、大体一県当たり五十億円くらいにも達するのが実情でございまして、そういう問題は地方としては非常に困るわけでございます。これを強行すれば委任事務の返上も辞さないという非常に強硬な姿勢を示しております地方団体もあるわけでございます。そうすると、かえって福祉行政も混乱して、ひいては福祉の後退にもつながることになるわけでございます。また国保の実施主体である市町村が制度上負担することとされていないのに、監督権は都道府県にあるということでございますけれども、実施主体は市町村でございまして、その辺が非常に根拠があいまいである、私はこのように考えるわけでございます。 この点につきまして大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○村山国務大臣 われわれが言っておりますのは、今度の行革の基本精神に沿いまして、厚生省の分野、これはもう公衆衛生から医療の関係、それからあらゆる制度を根本的に見直そうじゃないか。つまり、現行制度をもとにして、それの維持という、あるいはその立法理由から考えていくか、あるいはこれからの福祉社会というものを考えて基本的に現行制度を見直すか、その立場の違いが一つあるんじゃないかと思うのです。われわれの言っておりますのは、こういう際であるから、根本的にやはり制度を見直すべきである、そういう立場で言っているわけでございます。 われわれがかつて国庫負担すべきであるということを昭和四十六年に言ったときに、大蔵当局が反対したことは事実でございます。そして、制度としておかしいと言ったことも確かです。それは現行制度を守るという立場、財政だけを考えるというところにわれわれは反対したわけでございます。今度言うのはそうではなくて、制度そのものが本来どうあるべきか、こういう点から考えてまいりまして、国と地方のいわば役割り分担というものから発想しているわけでございます。 その観点から考えていきますと、たとえば国保について言いますと、もちろん同じ社会保険制度ではありますけれども、そういう意味では国の法律によって強制したものではございますが、しかし、同時に、これは全国統一的なものではございませんので、市町村単位という、もうきわめて財政状況が区々であり、そして一番小さな地域にこの実施を担当さしておる、これは地域保険であるわけでございます。したがって、その問題は明らかに住民の健康につながる問題であるわけでございます。ですから、すでに現行法の中でも、ほかの社会保険の規定にはございませんが、都道府県が必要に応じて一部補助することができるという規定が特に入っているわけでございます。 そしてまた、いわゆる国保のあり方、制度的なあり方については、わが党におきましてもずいぶん広範な議論が過去において行われておるのでございまして、私の記憶では、五十二年の党の、出時は行財政改革調査会といっておったと思いますが、そこでこれは広域団体である都道府県に所管を移管すべきではないか、こういう議論が盛んに行われまして、そして、五十二年の暮れの、これは口頭による閣議了解でございますけれども、はっきり文書が残っているわけでございまして、国民健康保険のあり方については、広域地方団体である都道府県への移管を含めて抜本的に検討するものとする、こういうことがすでに五十三年の暮れに決まっているわけでございます。 そういうことを考えていきますと、現在でも補助することはできるという規定があり、それから指導監督の任に当たっているということもあり、そしてまた、医療費の適正化について監査する権限を持っておるわけでございますので、広域地方団体としての都道府県もやはり少し何らか負担してもらってもそんなにおかしいことはないんじゃないか、こういう考え方でございます。 また、ついでに申し上げますと、特児、児童扶養手当についても同様でございまして、これは発足しましたのは、確かに母子福祉年金あるいは障害福祉年金の方からスタートしてまいりまして、当時は高度成長時代でございましたので全額国庫負担になっておるわけでございます。しかし、同様の制度、たとえば福祉手当であるとか、あるいは生活保護に至るまでこれはやはりそれぞれ応分の負担をいたしておるのでございます。 本来、負担するかしないかという問題と、それから委任事務であるか固有事務であるかあるいは団体委任事務であるか、これは何の関係もないわけでございまして、その事業が持っている性質、利害関係、こういったものを考えまして現在負担関係が決められているわけでございますので、固有事務であるかあるいは団体委任事務であるかあるいは機関委任事務であるかということによって負担率が決まっておるわけでないことは、ずっと補助金制度を一覧なさればよくおわかりであろうと思います。そういう根本的な発想に基づいていかがかと、こういう提案をしているわけでございますが、おっしゃるように、何分にも地方にとって新たな負担増になることは間違いないのでございます。 そこで今度の行革によりまして、いわばゼロシーリングでございますから、あるいは地方の補助裏の方も、それからまた地方の歳出も同じようにやりますれば、恐らく経常経費は非常に少なくなる。一方、税収というものはそれとは無関係に経済条件によって決まるわけでございますので、そういうことは臨調は見通しておりまして、財政状況もこれあり、年の暮れの予算編成のときによく相談せい、こういった現実的態度をとっておりますので、私も自治大臣も、よく相談しましょうと、こういうことを両者で言っておるのでございます。いまのところは意見は一致してないことはやむを得ないことでございます。
○丹羽(雄)委員 医療費を抑制するためには、まず乱診乱療、薬づけの問題にメスを入れることが先決である。私は、都道府県の肩がわりが抜本的な解決につながるとは考えてないわけでございます。単なる負担のツケ回しではおよそ行政改革とは縁遠いというふうに考えるわけでございますけれども、この問題につきましては大臣と見解が異なるようでございます。 時間も参りましたのでこの辺で私の質問は終わらせていただきますけれども、いずれにいたしましても、八〇年代は地方の時代であるということでございまして、つい最近まで地方だ地方だと言っておいて、急にここに来て地方を軽視するというようなことは本当に困るわけでございます。私が先ほどから申しましたように、一都道府県で五十億円もの借金を抱えるわけでございます。恐らく大臣も新潟県の知事さんからは陳情を受けているのではないか、このように考えるわけでございますけれども、ひとつ今度のこの肩がわりが地方の圧迫にならないようにお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○戸井田委員長代理 次に、長野祐也君。
○長野委員 まず初めに、急速にやってまいります今後の高齢化社会においての社会保障をどのように進めていかれるのか、大臣の基本的な考え方を伺いたいと思います。
○村山国務大臣 やはりこれから高齢化社会が急速にやってまいるわけでございます。それだけに福祉行政といえども根本的に見直していく必要があるであろう、そういうふうに考えてまいりますと、やはり真に救済を要する弱者に重点を置いていくべきではないだろうかということを考えております。 それから同時に、またもう一つの問題点として、活力ある福祉社会とは一体何であるか、この問題が一つあるわけでございます。御承知のように、強制負担、租税とそれから社会保険料、強制負担といいますが、この合計で見てみますと、先進国家の中で恐らく日本が一番低いことも事実でございます。しかし、同時にまたそのうらはらとして、家計貯蓄が一番高いことも事実でございます。今日の日本のいわば活力ある社会が何によってもたらされたか。そしてまた、すでに負担が非常に重いと思われる西欧諸国においてなぜいま経済が停滞しておるのか。われわれは西欧諸国のいろんな例を成功の例としても見ることができるし、失敗の例としても見ることもできるのでございます。したがって、私たちは幸い少しおくれて進んでいる国でございますので、その辺を十分、日本の負担と給付の関係というものを十分見きわめる必要がある。 二つ考えておりますが、とりあえずいま私が厚生行政で考えておりますのは、一つは、何といっても高齢化社会を迎えるわけでございますから、健康な老人をつくる、つまり長生きしてもらうと同時に、それがいつでも健康体であるということ、これは今後の老齢化社会を迎えての、働く人をいかに確保していくか、それからまた、その人たちにとっていかに生きがいある生活を送るかという基本問題であると思うわけでございます。老人保健法の提案はまさにそういうことで厚生行政の基本に関する問題だと思います。 もう一つは老後の所得保障の問題でございますが、その問題が、実は私がさっき申しました活力ある福祉社会という中で、総合負担とそれから普通一般会計に伴うサービスをも含めたあるいは医療サービス、年金サービス、そういうもの全体を含んだ中で給付と負担というものをどう考えていくのか、ここは大きな問題、特に年金制度等のあり方については、やはりこれから三、四十年後に最大のピークがやってまいりますから、いまのうちから手を尽くしていかないと非常にむずかしい問題になるのじゃないか、こういう問題意識を持っております。 それから、いわゆる狭義の意味の福祉でございますが、どちらかと申しますと、私の感想でございますが、施設福祉の方に重点がおかれておったのじゃなかろうか、だからこれからは在宅福祉の方でいった方が、恐らく福祉の対象になる御老人の方々あるいは身障者の方々、精薄者の方々、いろいろおられるわけでございますが、その方が本人にも幸せであろうし、そしてまた家族の方も喜ばれるのじゃないか。仮にどうしても施設福祉にまたざるを得ないとしても、地域、家庭の連携を遮断することはやはり問題があるのじゃなかろうか、そのような方向で今後進むべきものではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
○長野委員 先ほども触れられましたように、国民医療費は年々ふえておりまして、五十六年度には約十三兆円になると言われております。医療費の増大は先進国共通の傾向でもございますが、このような医療費増大の原因がどこにあると大臣はお考えになっておられるか、大変恐縮ですが、時間が限られていますので簡潔にお願いいたします。
○村山国務大臣 私は大きく言いますと二つある。一つは実体的の理由でございます。やはり疾病構造の変化によりまして成人病が死因の過半数を占めておる。これは医療費が非常にかかるわけでございます。それから同町に、高度の医療というものが世界的に進んでおりまして、日本もほとんど各国にひけをとらないほど進んでおります。それをどんどん保険に取り込んできた。医療の高度化。それから第三番目には、老齢化が急速に進んでおる。老人はどうしても病気を幾つか持っておる。入院が長くなる。通院も頻繁になる。こういうことが実体的な理由であると思います。 そのほかにいろいろの問題がありまして、たとえば薬価基準が甘過ぎたとか、さらには、いろんな現在の問題と絡みまして、中に一部には不当な請求をする、あるいは不正の請求をする、あるいは濃厚診療をするというような、それが意識的に行われるというところも絶無であるとは言えないわけでございます。そういった点がやはりあるだろうと思います。 基本的には私は実体的な方が大きいというように考えているわけでございます。
○長野委員 増大する医療費をどういうふうに負担をしていくかということは、今後のわが国の社会保障の最大の課題の一つであろうと思います。医療費の増加にはいま大臣の御答弁にありましたようにいろいろな原因が絡んでおるわけでございまして、医療費を抑制しさえすればよいということでは私は必ずしもないと思うのであります。増大した医療費の中にはいわゆる医療費のむだというものが含まれているという議論もありますが、たとえば戦後わが国においては死亡率が急速に低下をしました。たとえば昭和二十年から五十三年までの間に半分以下に減っておりますし、特に乳幼児の死亡率は七六・七%から八・四%へ激減をいたしております。また平均寿命も大きく伸びて、世界一の長寿国として高い医療水準を世界に誇っております。これは戦後社会の大きな成果であって、その意味においても、私は、医療費というものは国民にとって単なる消費ではなくて健康を守るための必要経費、健康投資であるという考え方に立つわけでありますが、この点についての大臣の御所見を承りたいと思います。
○村山国務大臣 私も同感でございまして、日本人が長生きしたという最大の理由は、何といっても日本の経済水準が一番上がったということ、これが衣食住に非常に反映しておるであろうということ、それから公衆衛生が非常に進んでおりまして公衆衛生上に出ました疾病がほとんどもうなくなってきておるということ、並びに医療保険が非常に進んだという点、それからまた医療機関の体制が、日本の場合は第一次診療機関のところで大部分片づいてしまう。非常にかかりやすい。外国の話を聞きますと、あれは病院へ行く通過道にすぎぬというような話を聞いているわけでございまして、そういう医療体制もあずかって保険制度と相まちましてこれは非常に力があったであろうと思うわけでございます。 しかし同時に、ここで言っておかねばならぬことは、そうだからといってむだな医療費は節減しなくちゃならぬ。これは当然のことでございます。そういう観点で私は両面から考えてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○長野委員 大臣御指摘のとおり、医療費を有効に使ってむだを極力減らしていく工夫が必要なことは当然なことだと思います。同時に、いま御指摘もありましたように、医療費というものを経済面からのみ見るのではなくて、そのことによってどれだけ医学というものが進歩をし医療が普及をして国民の健康が守られたかという視点から見ることも大切だということを、この機会に私は申し上げておきたいと思います。 次に、本会議でも再三指摘をされました新制度における診療報酬の支払い方式の問題でありますが、再三触れられておりますけれども、大変重要な問題でありますので、改めて大臣の御所見を承りたいと思います。
○村山国務大臣 今度御案内のような形で法案を提出いたしておるわけでございますけれども、やはりその中の医療費の問題でございます。 老人の疾病には、普通の若い人とは違いまして、非常に顕著な特色が幾つかあると思うわけでございます。その一つは、何といっても主として成人病が多いということ、それから多くの病気をあわせ持っておるという点もございます。それから、ちょうど機能が低下していくということが複合的にいろいろな余病を併発する。機能の低下とちょうど合併してくるわけです。そしてまた考えてみますと、リハビリが非常に大切であるということももう間違いないところであろうと思います。 そういう疾病の特質を考えますと、何らかいままでと違った工夫がないかどうか。まあ、あるという表現はできませんけれども、何かそれに適したやり方で、そしてまた冗費を省くような何らかの方法が考えられないか。これを審議会がせっかく設けられるわけでございますので、その辺の意見を、ひとつ十分議論を深めて何か考えてほしい、こういう考えでおるわけでございます。
○長野委員 現時点では、大臣のお立場としては、どうもそれ以上のことは言えない事情は理解はできるわけでありますが、少し観点を変えてこの制度の考え方についての私の意見を申し上げますので、これに御同感をいただけるかどうか、御所見を承りたいと思います。 諸外国には、イギリスの登録人頭方式、あるいは西ドイツの総額請負方式といったものがありますが、わが国の医療制度や医療保険制度の仕組みから見て、これらの方式を実施できるような条件はないのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。 そもそも、制度の沿革や国情を無視して他国の制度を導入しようとすることには問題があるのではないかと思います。これらの方式は、財政の安定にはよい面があるかもしれませんが、いま大臣が御指摘になられたように、老人の特性、さまざまな症状を持つその老人の特性等ということを考えた場合に、患者の症状に応じた高度の医療を行うという医療の質の点では、私は率直に言って心配があるのではないかと思います。現にイギリスでは医者に診てもらうまでに何十日も持たされるという話も聞いております。 一方、出来高払い方式は、医療の質という面では最も医学的な基礎に立ったものではないかと思います。出来高払い方式には、一つは医学の進歩、社会の変化に対応できる点、患者の個性に応じた医療を行える点、地域特性に応じられる点、医師の職業的自由を守る点、患者と医者の信頼関係をつくる点等々、多くの長所があると言われております。近時、医師の不正を出来高払い方式のためだという論調が見られますけれども、ごく一部の心ない医師の行動のためにこのような長所を有する制度を放棄をするということは、国民の立場から見て大きな損失だと私は思います。また医療費の増大を単にこの出来高払い方式のせいにするのも、私は誤りではないかと思います。 こういう観点から、老人保健制度においても出来高払いの方式の基本はかたく守られるべきであると思いますが、大臣の御所見を承りたい。 さらに、もう一つつけ加えますと、従来の出来高払い方式は技術よりも物が重視をされていたという問題があったと思いますが、六月の診療報酬改定によって医師の技術を大きく評価をするという重要な改革が行われたということについての認識を、われわれは新たに持つ必要があるのではないかと思います。したがって、先般の改定によって現行支払い方式の欠点が是正された以上、この方式を変える必要はなくなったのではないかと私は思いますが、あわせて大臣の御所見を承りたいと思います。
○村山国務大臣 英国の人頭方式あるいはドイツの団体請負方式は、日本で入れることは少なくとも非常に困難であろうということは私もよくわかります。 それから第二点といたしまして、去る六月一日に行われました医療費並びに薬価改定、これが物と技術との分離、あるいは検査づけ、薬づけ、そういったものをかなり抑制したことも事実であろうと思います。これはこの方向でなお続けていきたいと思うのでございます。 しかし、それだからといって検討をお願いすることをあきらめているわけではございません。日本人は非常に知恵がございますから、何かいい知恵はないか。まあ老人というものは、さっき言ったようないろいろな特質を持っておりますので、そこで何かいい知恵はないであろうか。それぞれの制度に一長一短があるけれども、何かひとついいお知恵を出してもらいたいという願望を込めて審議会でお願いしてまいりたい、いま、こういうわれわれの心境でございます。
○長野委員 大臣の御答弁で、そういう外国の制度を日本に取り入れることは困難である、六月の改定でもかなり是正をされたと、かなりという表現を使われたわけですけれども、私は、六月の診療報酬の改定というのはある意味で革命的な変更であって、実質的に支払い方式を変更したというふうに理解をしています。 たとえば具体的に申し上げると、薬価基準の一八・六%の引き下げによって、御指摘のとおり薬の差益をなくしました。今後もこれは年一回きちんとやっていかれればいいと思う。検査づけもできないようになりましたし、点滴でかせぐというようなこともできなくなりましたし、あるいは理学療法その他を包括点数にしたことによって出来高払いの欠陥が排除をされたと私は思います。あるいは慢性疾患の指導管理料などというものも、実質的には請負方式のようなものではないかと思います。 こう考えてきますと、私はかなりではなくて、革命的な変更ではなかったかと理解をいたしますが、あわせてもう一回大臣の御所見を承りたい。
○村山国務大臣 革命的な部分も、その面を強調すれば非常に改善されたと思うところもございます。しかし、薬価につきましては、なお問題は残っているのではなかろうか、こういう認識でございます。
○長野委員 いいお知恵はないかということでありますけれども、私は現行をいろいろ考えてみると、現益の方式が最も望ましいと思います。したがって、支払い方式についてこれを財政的な対策からのみで考えるということについては慎重でなければならないということを指摘をしておきたいと思います。 次に、本会議でも触れられた質問でありますが、この行革が最大の課題になっている折に、老人保健審議会を新設をする必要がどこにあるのか。御答弁を伺っておりますが、どうも説得力に欠けるような気がしてなりませんが、もう一回、ひとつ説得力のある御答弁をお願いしたいと思います。
○村山国務大臣 これは御承知のように、予防の段階から健診の段階、それから医療の段階からまたリハビリテーション、それから家庭訪問、全部やろうというわけでございます。そういうものをうまく組み合わして老人の健康づくりをやろうというわけでございます。確かに公衆衛生の方にはそれの審議会がございますし、それぞれの部門部門をとりますとこれは審議会がありますけれども、それを一貫してやるところがない。現在ある審議会というのはみんな帯に短したすきに長しと申しますか、総合的にやるところがないものでございますから、まあ私は画期的な法案じゃないかと思っておりますので、そういう意味で総合的に御検討願う審議会があってもいいんじゃないか、こういう考えで御提案申し上げているわけでございます。
○長野委員 次に、この法案では、健康保険の保険医療機関や国民健康保険の療養取扱機関といった従来の仕組みとは違って、老人保健取扱機関なる仕組みをつくることにしております。これは従来の保険医療機関などに従来どおり老人の医療を取り扱わせれば足りるところを、新たな指定医等指定制とも言うべきものを設けて医療機関に対する監督制度をさらにふやそうとするものであって、行政の簡素化に反するものではないかと思われます。どうしてこういうような仕組みを設けなければいけないのか、改めて伺いたいと思います。
○吉原政府委員 老人保健取扱機関という制度につきましては、これは他の立法例にならいまして、この法律による老人医療を取り扱う機関を老人保健取扱機関という、ということに法律上整理をいたしたわけでございます。実質的に新しい指定医療機関制度を創設をしたということではございませんで、実際上は現在健康保険なり国民健康保険を扱っておられます保険医療機関がそのままこの老人医療を取り扱っていただくということになっているわけでございます。
○長野委員 この法案では、第二十五条で市町村長が医療を行うということが書いてありますが、これもどうも理解をしづらいところでございます。市町村長が実際の医療を担当するわけではなくて、実際の医療は専門家である医師がその責任と判断においてやるということは言うまでもないと思いますが、かりそめにも医師の主体性が否定をされることはないとは思いますが、この点を確認いたしたいと思います。
○吉原政府委員 老人保健法案第二十五条で、市町村長が七十歳以上の者に対し医療を行うというふうに規定しておりますけれども、ここで言う医療というのは、健康保険等で言う療養の給付というのに当たるわけでございまして、医療給付あるいは医療費の支給といった事業を市町村長が実施主体になってやる、そういう意味でございます。したがいまして、御指摘のございましたように、実際の診療行為は当然のことながら医師の判断と責任において行われるということになるわけでございます。その点については全く間違いございません。
○長野委員 そのとおりだとしますと、もっとここは市町村長がたとえば財源を保証する、そして医師が医療を行うというような形にはっきり明記すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
○吉原政府委員 その辺をこれまでの各種の立法例に照らしましてこういった表現をとっているわけでございまして、法律によりましては療養の給付という言葉をとり、あるいは法律によりましては医療費の支給と言い、あるいはこの法律のように医療を行う、というようなさまざまな法律の規定の仕方があるわけでございますけれども、そういったものを勘案いたしまして、この法律におきましては市町村長が医療の給付事業を行うというふうに規定をしたわけでございます。
○村山国務大臣 これは法律をごらんになるとよくおわかりだと思うのですが、従来の保険制度ではないのでございます。だれが保険者かということは、これは保険制度ではないのでございます。そこは基本的に違っておりまして、言いますればみんなが国、県、市町村、それから従来ある医療保険がそれぞれ金を持ち寄りまして、そして分担をしていく、保険者というのはない仕組みになっておるわけでございます。法律的に申しますと、そこが最大の違いでございます。 ですから、あとは法律整備の関係でございまして、金はみんな持ち寄るんだが、実施生体がいなくては困るわけでございますので、さっき審議官から申しましたように、実施主体は、これは市町村でございます。しかし、実際には金はみんな持ち寄るわけでございますし、医療に当たるのは従来どおり保険医が当たるわけでございますし、それから、金のやり繰りは支払基金がやるわけでございます。しかし、法律上実施主体がないというのは、これは困るわけでございます。そういう意味でやはり法制的な整備をしている、そういうふうにお考え願いたいと思います。
○長野委員 二十五条に、自己の選定する老人保健取扱機関について医療を受けるという規定がありますが、この規定によって医師の登録制がしかれて、自分の好きな医療機関には行けなくなるのではないかと心配をする声があります。このような心配は杞憂だと思いますが、確認をしておきたいと思います。
○吉原政府委員 この自己の選定する医療機関、老人保健取扱機関において医療を受けるというのも、健康保険等にならいましてこういった表現をとっているわけでございまして、登録医制を前提に考えているわけではございません。あくまでも医療機関は自分で自由に選べる、自分が一番いいと思った医療機関で老人医療が受けられるということでございます。
○長野委員 老人保健医療におきましても、医薬分業は妨げられない形を確保できるかどうか、御見解を承りたい。
○持永政府委員 先生御案内のとおり、医薬分業と申しますのは、お医者さんと薬剤師さんがそれぞれ相互にその職能を尊重して専門的な知識を発揮するというようなことで、医薬品の安全性、有効性の確保あるいは国民医療の向上、そういったものに役立つという観点から、現在厚生省としてもこれを積極的に進めていろわけでございます。したがいまして、老人保健制度が創設されましても、そういった医薬分業ということを進めるという基本方針は堅持いたしてまいりたいと思っております。
○長野委員 六月一日に実施をされた薬価基準の改正、大幅な引き下げとなったわけでありますが、先ほど大臣が御答弁されましたようにまだ問題があると言われたわけでありますが、今後薬価基準の改正について、厚生省はどのように対処していかれるつもりか。またその算定方式のあり方についての検討を始めたというふうに聞いておりますが、どうなっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○大和田政府委員 先ほど大臣申し上げましたように、六月におきまして一八・六%の薬価基準の改定がございました。その後中医協におきまして薬価問題につきましていろいろ議論が行われたところでございますが、薬価基準の適正化を図るためには薬価の算定、これを実勢価格に非常に近いものに算定できるような形で薬価基準を決めていかなければならぬというようなことから、私どもといたしましても、改めて中医協で御審議を進めていただく必要があると考えまして、去る九月の二十六日でございますけれども、中医協に対しまして薬価の適正化につきましての御検討を依頼いたしたという経緯があるわけでございます。中医協におきまして、今後薬価算定のあり方につきまして御論議いただきたい、こういうようなことでございます。 さらに今後の薬価基準についてどう考えておるか、こういうお話でございますが、これは何とか年一回薬価基準の改定を実施すべく努力をいたしたいと存じておるところでございます。
○長野委員 その結論はいつごろに出るでしょうか。 それから、現在の九〇%バルクライン・オンライン方式が新しい算定方式に変わる、つまりアローアンス方式というものに変わるのではないかということを聞いておりますが、そのあたりはいかがでしょうか。あわせて、その新しい方式だと医療費が四千億から五千億ぐらいの抑制にもなるのではないかという期待もあるようでありますが、それも含めてお答えをいただきたい。
○大和田政府委員 実はまだそこまで私どもの腹が固まっておりませんし、中医協におきまする議論もそこまで行われていないわけでございます。その辺の先生のいまおっしゃいましたようなことにつきましては、これから精力的に中医協におきまして御検討願う、こういうようなことになっておるわけでございまして、それを踏まえまして私ども考え方をまとめてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○長野委員 健康教育、健康診査、訪問指導等の保健事業は、健康な老人づくりをねらいとする老人保健制度の眼目でありますので、国や地方公共団体は、厳しい財政事情のもとにおいてもこれらの事業を医学を基盤にして強力に推進していく必要があると思います。そのためには、医師の指導のもとに保健婦を初めその他のマンパワーやシステムの確保が不可欠であると思いますが、これらのマンパワーや施設を具体的にどういうふうに確保しようとされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○大谷政府委員 先生御指摘の保健事業につきましては、五十七年度より年次計画的に必要なマンパワーの配置、施設整備を進めまして、六十一年度には、それぞれの市町村におきまして本格的な事業が実施できるようにいたしたいと思っているわけでございます。 ちょっと具体的に申し上げますと、保健婦につきましては、現在市町村の保健所に派遣されておる保健婦の活用、養成所の卒業生の新規の採用あるいは退職保健婦等の雇い上げ等によりまして、五カ年間で必要数を確保したいというふうに考えているわけでございます。 また、医師、OT、PT、栄養士等につきましては、地元の医師会や医療機関等関係機関の御協力を得て確保することといたしたいと考えております。 また、これらを実施いたしますところの施設等の整備につきましては、たとえば市町村保健センターあるいは保健所等につきましてそれぞれの施設設備の整備を図ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○長野委員 時間が余りありませんので、本案の推進に当たりまして大事な点をあと二点御質問したいと思います。 保健と医療を総合して壮年期からの健康管理によって健やかな老後を迎えるという目的を達成するには、地域においてプライマリーケアを充実させることが必要であると思います。こうしたプライマリーケアの体制整備のために政府としてはどのような施策をとっておられるのか。 もう一つは、高齢化社会を迎えて老齢人口が増加をしていくのに伴いまして、痴呆、いわゆるぼけと言われるものでありますが、これを主とした老人の精神障害の増加が、健康な老後を確保する上で大きな社会問題となってくると思われます。したがって、壮年期からの一貫したメンタルヘルスの重要性が今後ますます高まっていくと思われますが、現在、この老年痴呆に対してどのような対策が講じられているのか。また今後こうした対策をどのように拡充をされていかれるつもりか。二点をお願いをしたいと思います。簡潔に。
○田中(明)政府委員 プライマリーケアのことについて私からお答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、老人保健事業の推進につきましては、プライマリーケアを実施する家庭医あるいは一般医というものがきわめて重要であるわけでございます。ただ、こういうプライマリーケアという考え方が主として英米におきまして近年発達してきておるわけでございますけれども、わが国は若干おくれをとりまして、プライマリーケア指導医の養成、並びに医師が医学部を卒業いたしましてから行う臨床研修の中におきまして、プライマリーケアを重視するという観点から、直ちに専門的な研修をするのではなくて必要な幾つかの科を回って歩くというようなことを推奨するということ、また地域の医療を担う医師につきましてその生涯教育というのを行うという観点から、地域医療の中心的な病院を地域医療研修センターとして整備しているというようなことを現在予算的に実施しているところでございます。
○大谷政府委員 先生御指摘の老年痴呆の問題は大変大きい問題でございまして、私どもといたしましては、まず第一に先ほど申し上げました成人保健、つまり健やかに老いるための予防事業ということで、健やかな老人をつくるということを第一に考えているわけでございます。特に老年痴呆というものは脳血管障害に基づくものが非常に多うございますので、これにつきましては、できる限り四十歳以上の壮年の時代にそういった脳血管障害を起こさないという形で進めたいというふうに考えているわけでございます。 第二番目には、やむなく痴呆老人となってしまいました者につきましては、その程度に応じまして、一番重い者につきましては精神衛生的な対策、つまり精神病院の病床の確保、またそこまで及びません者につきましては特養におきます収容、またそれよりももっと軽い程度の者につきましては在宅ケアというものを推進するために、保健所等を中心にいたしまして地域精神衛生のマンパワーあるいはいろいろな相談事業というものを実施いたしまして、これによって在宅の痴呆老人対策というものを推進いたしたいというふうに感じているわけでございます。
○長野委員 最後に、時間の関係で質問できませんでした数点を含めて、本法案の推進に当たって要望しておきたいと思います。 その第一は、この法案の大きなねらいであります医療と保健の総合一貫化が実際にうまく達成できるように十分配慮をしていただきたいということ。 第二は、歯科診療について二点を要望しておきたいと思います。 歯科診療においても若年期から管理をすることが重要でありまして、またこのことが医療資源の効率的な活用にも役立つと思います。こういうような観点から、老人保健制度の保健事業における歯科診療の位置づけについて十分検討して配慮をしていただきたいと思います。 もう一つは、歯科補綴の問題でありまして、老人医療に大きなウエートのある歯科補綴の技術評価は、日本におきましては諸外国と比較をしましてきわめて低く、今日の医療水準を軽視したものであり、その技術評価の改善は急務とされております。また歯科における補綴行為の特殊性にかんがみて、その給付方式、あり方について今後適切なる改革が行われますように改善方を強く要望しておきたいと思います。 最後に、老人保健医療対策をどういうふうに進めていくかということはきわめて重要な問題であって、国民各層にもさまざまな意見があることだと思います。政府としても、これらの意見に耳を傾けあるいは政府の考え方を説明し、理解を求める努力をしなければならないと思います。 特にそうした新しい制度をつくるに際して一番問題なのは、実際に老人の方々と接して医療を直接第一線で担当しておられる方々の理解と協力がなければ、制度の円滑な運営は期待できないと思います。政府としてもこういう点に留意をして理解と協力が得られますように十分な努力を払うことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○戸井田委員長代理 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ————◇—————
○戸井田委員長代理 この際、連合審査会開会申入れに関する件についてお諮りいたします。 行財政改革に関する特別委員会において審査中の内閣提出、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、同委員会に対し連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸井田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、連合審査会を開きます場合の開会日時等については、行財政改革に関する特例委員長と協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。 次回は、二十二日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十分散会