行財政改革に関する特別委員会地方行政委員会大蔵委員会文教委員会社会労働委員会農林水産委員会運輸委員会建設委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 446 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/10/19
会議録
○金丸委員長 これより行財政改革に関する特別委員会地方行政委員会大蔵委員会文教委員会社会労働委員会農林水産委員会運輸委員会建設委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が委員長の職務を行います。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨につきましては、お手元に配付してあります資料によって御承知願うこととし、直ちに質疑に入ります。
○金丸委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口一男君。
○田口委員 私は、行革の問題に入る前に一言、この十六日に発生をいたしました北炭夕張炭鉱のガス突出事故について、二、三お伺いをいたします。 聞くところによりますと、ガス突出事故というのはわが国炭鉱史上最悪の惨事ということで、大変痛ましいことでございます。この機会に、死亡された方々の御冥福をお祈り申し上げると同時に、御遺族さらに御家族の心中察するに余りあるものがございます。心からお見舞いを申し上げます。 そこで、政府は、すでに調査団を派遣して一応の調査をやったという話でございますが、その概況をこういった時間ですので手短に御報告をいただくと同時に、総理御自身、もうすでに報告を受けられておると思います。したがいまして、救助対策、再発防止などについてどう考えてみえるか、まずお伺いをいたします。
○田中(六)国務大臣 このたびの北炭夕張の炭鉱事故はまことに遺憾と思いますし、心から被災者に対して弔意を表したいと思います。 現在のところ、四十三名が死亡しておりまして、五十名がいままだこれを救助作業中でございまして、詳細のことについては、私ともども参りました事務当局の局長からお答えさせていただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 今回の夕張新炭鉱の災害につきましては、多くの犠牲者が出まして本当に痛ましいことであり、御遺族の皆さんに対しましても、この機会に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 政府としては、早速現地に田中通産大臣を派遣をいたしまして、いまだ救出を見ていない方々の救出に対しまして、全力を挙げるように指導いたしますと同時に、今後の対策につきまして、関係者といろいろ話し合いを願ってまいりましたが、その報告も受けまして、対策本部を設置することにいたしました。今後は、さらに救出に万全を期するということ、それから原因の究明を十分やる、一体どういうところに原因があったのか、そういう点を究明をいたしたい。その原因究明の上に立ちまして保安対策、今後このような事故が再発いたしませんように、万全の対策と指導を進めていかなければならない、このように考えております。 私は、人命尊重、保安の確保こそ最も重要な点でございまして、生産の増進もその上に立って初めてなされるものである、こういう基本的な認識に立ちまして今後これらの対策を進めてまいりたい、こう思っております。
○田口委員 この問題に関して、あと二つだけお聞きをしたいと思います。 なお詳しくは、さらに突っ込んで同僚議員からもあると思うのですが、いまも総理からお話がございましたように、この炭鉱の保安、こういう問題について、事故が発生をいたしましてからきのう、きょうまでの新聞、テレビの報道を見ておりますと、まず死亡者の確認に相当手間取った、こういう報道がございますが、聞いてみますと、組夫、下請などの労働者の方が多い、こういった関係から死亡者の氏名の確認に手間取ったという話でございます。この辺のところからも、いま総理が言われましたように、こういった事故が相も変わらず起こる、起こるたびに生産第一主義、保安、安全は二の次といったことが指摘をされる。私は腹立たしくさえ思うのでありますが、こういう点について再度お聞きをしたいと思います。 もう一点は、行革絡みという言葉が最近のはやり言葉でありますけれども、炭鉱の労働安全なんかを見た場合に、言うならば通産の側の鉱山保安局、労働省の側の労働安全、この二つが入りまじっておる。これが今回の事故の原因とは私は言いません。原因とは言いませんけれども、やはり徹底をした保安対策の一つの妨げになっておるということはないだろうか。したがって、これは両大臣から私が聞くというよりも、ここでどちらにするといったような端的な答えを求めるのは急かと思います。しかし、こういった行革絡みですから、いずれ通産、労働、安全対策の面で一元化をする必要があるのではないか、そう思いますので、それについての御見解をまず承りたいと思います。
○田中(六)国務大臣 第一の、生産第一主義をやっておったんじゃないかということでございますが、御承知のように、この夕張新鉱は、昨年の八月火災が起こりまして以来数カ月、私どもは再開について慎重に慎重を重ねていって再開計画を立てたわけでございます。したがって、保安につきましては、生産第一主義よりも保安第一主義だということをあくまでたてまえとするだけじゃなく、それを貫くように労使双方を私は通産省に呼びまして、その点は懇々と指示いたしておったわけでございます。と申しますのは、この炭鉱は、不幸にして非常に脆弱な地盤であると同時にガス炭鉱でございまして、ガスがいつ発生するかわからないという性質を持った炭鉱でございます。したがって、保安第一主義であらねばならないということは、強く強く申し上げておった経緯がございます。 それから第二点でございますが、通産省と労働省との関係で保安についてそごがないか、意見はどうだということでございますが、私ども、第一の答えで申し上げましたように、保安第一主義、人命に影響があってはいけないということから、労働省とも十分連絡をとりました上で、私ども保安局でその対策を練って、実は昨年の十一月以降三十三回にわたって保安関係のチェックをしておりまして、これも実は珍しい、数多いことでございますけれども、それほど私どももこの炭鉱につきましては、用心に用心を重ねてきておったわけでございます。
○鈴木内閣総理大臣 先ほども御答弁を申し上げましたように、保安の確保、これは私は最も重視しなければならない点である。人命尊重、保安の確保があって、初めて安定的な生産も持続できるわけでございます。いやしくも、増産のために保安対策がないがしろになるというようなことはあってはならないわけでございまして、十分通産、労働両省におきましても緊密な連携をとりながら保安の確保に万全を期してまいりたい、こう考えております。
○田口委員 では次に、臨調問題について、私は年金制度との関係でまずお伺いをいたします。 その前に、本年七月に臨調の答申が出ましてから、この特別委員会または本会議などで総理それから所管大臣である中曽根長官の、片言隻句をとらえて言うわけじゃないのですが、この答申に対して総理は、最大限に尊重し、断行といった表現がたびたびございました。また中曽根長官は、答申が改革を必要と言っておるならば改革しなければならぬということで、答申の最大限尊重という趣旨はしばしば表明をされておるわけでございます。 こういった御発言から私は一言ちょっと、御注意というのはおかしいのですけれども、ちまたではこういう話が出ておるのですね。もし、中曽根さんが近い将来主要な地位につかれて、その際、軍需会社の社長か会長といった人を長とする軍事増強何とか調査会というようなものをつくって、二言目には、臨調じゃなくて軍調が言っておるからということでやってくるのではないだろうか、こういう話が実はちまたではなされております。どうも臨調、臨調と臨調任せじゃないのか。 私ども三重県が生んだ、憲政の神様と言われておる尾崎咢堂先生がかつて内閣を弾劾する演説の中で、詔勅を障壁としてという、これは総理も御存じだと思います。詔、いまそんなものはありませんが、詔勅を障壁としてということで弾劾演説をされた。私は、咢堂先生のお言葉をここで借用させていただくならば、いまの鈴木内閣は臨調を障壁として四旗本五奉行によって守りを固めておる、こういうことになるのではないか。どうも臨調、臨調ということでここに逃げ込もうという姿勢が私は不満でなりません。 そこで、年金に絡んで、この答申の中には三項目、大変問題な表現がございます。老齢年金の支給開始年齢の段階的引き上げ、二つ目には給付の内容と水準を基本的に見直す、保険料を段階的に引き上げる、こういった内容で、年金制度の抜本的な改正を検討し、早急な実施を図ることという内容があるわけですが、私は、このことに絡んで、ひとつ共済組合も含めたわが国の公的年金制度の主務大臣から、いまの臨調の答申に対する具体的な対応を、以下申し上げる三つの点について一言ずつ簡単にお答えいただきたいと思います。 第一、それぞれの主管をする共済組合について、年金財政の余裕の有無。第二番目、掛金率について、引き上げの余地があると思っておるのか、余地のありやなしや。それから三つ目は、この臨調答申を至上命令とする場合に、その具体的な検討作業の段取り。こういったものについて、国公共済は大蔵省であり、地方公務員共済は自治省でありというように御存じでしょうから、お答えを願いたい。 同時に、その際、今回の法案の第二条から第七条までに絡んで、単年度幾ら、この特例適用期間中の削減金額というものは、運用利回りも含めて幾らぐらいになるのかということも含めて、お答えをいただきたいと思います。
○村山国務大臣 お答えいたします。 ただいまの話は長期的な話でございますので、今度の特例措置とはまず関係がないということだけを最初に申し上げておきます。 それから、特例措置による金額はどれぐらいになるかという話でございますが、三年間減額いたしますと大体六千七百億になるわけでございます。それに対しまして、運用利益相当額を返していただく、こういうことになります。この問題は、保険料あるいは給付水準、国庫負担、こういったものとは関係ございません。 それから、各年金財政の状況いかん、こういう問題でございますが、その前に、保険料の見直しにつきましては、御承知のように別途五年ごとに年金の再計算をやっております。御案内のように加入者よりも受給者が非常にふえるわけでございますので、そのときには給付水準につきまして、現行水準を維持するものとして、それを前提にして別途保険料の見直しがやられることは御承知のとおりでございます。今度の措置とは何の関係もございません。 それから最後に、いまの臨調答申の問題でございますが、これは非常に長期的問題を含んでおりまして、国庫負担のあり方の問題、それから給付水準をどうするかというような問題、それとの絡みにおける給付水準と保険料のあり方、これはいずれも長期検討の問題でございまして、たとえば厚生年金におきましてもやはり長期検討を開始すべき時期が来ておるわけでございます。大体目標年次といたしましては、昭和七十五年から八十五年にかけてが非常に大きな問題になるわけでございますので、その辺に問題意識を置いて長期検討を始めるつもりでございます。 それから、別途総理が申し上げております年金の一元化問題、これをどうするか、こういう話でございます。方向としては、もちろんそれが望ましいわけでございますけれども、白紙で物を書くわけではございませんので、やはり具体的に積み上げ作業をやっていって、そして漸次その方向に行く必要があるであろう。 具体的に申しますと、いま理由のない各年金間の格差がございますので、それをできるだけ是正していくということ。それからもう一つ、共済年金につきましては、もう御案内のとおりに、共済年金制度基本問題研究会というのが設けられております。これは鋭意やっているわけでございますので、検討を進めております。ですから、そこの検討結果をひとつ見たい。私の方では厚生年金についての、先ほど申しました昭和七十五年から八十五年ぐらいまでの展望を持って厚生年金の方の長期計算をしてまいる。その辺をつけ合わせていくというあたりから始めるのが最も実効的じゃなかろうか、このように考えている次第でございます。
○塩川国務大臣 共済年金のことでお尋ねがございました。国鉄につきまして財源の余裕はあるかという仰せでございますが、全くございません。現在、国鉄の財源率は千分の百七十二になっておりまして、加入者の負担が七十二で国鉄負担が百、こういうことで千分の百七十二になっております。これを他の共済に比べましたら三割ほどの相違がございまして、電電並びに国家公務員、地方公務員に比べまして、相当な財源率並びに負担率の相違がございます。しかも五十五年度で成熟度は七三・八%、七四%になってきておりまして、昭和五十九年には一〇七%になります。 そうなりますと、これで財源率はもう限度いっぱいに来ておる。他の共済と比べて相当高いところへ来ておりますし、成熟度は上がるということになってまいりますと、私どもの方は長期検討という段階じゃなくなってくる。実は、直ちにあす、あさってどうするかということの問題になってきておる。 そこで、とりあえず共済の一本化ということをお願いいたしておるのでございますが、何分この国鉄共済のように極端に財政状況の悪いところと他の共済とが一本になるということはなかなかむずかしい問題がございまして、これはぜひひとつ何らかの対策を講じてもらいたい。それがためにどうするかということにつきましては、共済年金制度基本問題研究会において鋭意検討してもらっておるのでございますが、できるだけ早くその結論を得て対処してもらいたい、こう思っていま懸命に努力をいたしておるところでございます。
○亀岡国務大臣 田口委員御承知のとおり、農林年金につきましては成熟率が低いわけでありまして、単年度収支におきましても収入が支出を相当上回っておるということでございまして、特例期間中の減額分、約百六十億になりますが、これを立てかえるという形をとりましても積立金の増加額に影響をするということでございまして、年金財政上特に支障はございません。
○安孫子国務大臣 地方公務員共済組合の財政の現状を先に申し上げます。 五十四年度で申し上げますと、収入が一兆七千九百億円、支出が九千三百億円でございまして、差し引き収支残が八千六百億円、こういう状況でございます。年度末におけるところの積立金でございますが、これは六兆四千七百億円ございます。いろいろな前提をおきまして今後の推計をいたしてみますと、おおむね六十九年におきましては単年度収支が赤になるだろう、こういう予測があります。それから七十八年になりますと積立金がなくなる、大体こういう予測をいたしております。 そこで、この際財源率を相当大幅に上げるかどうかという問題の御指摘がございました。現在の財源率は、地方共済組合におきましては千分の百二十一から千分の百二十六までのばらつきでございます。こういう財源率を見ますと、引き上げの余地はないというわけにはいかぬ。それはあるだろうと思いますけれども、この問題は給付水準の問題とそれから組合員と受給者との間の公平の観念、そういう問題がまあ絡んでくるわけでございまするので、この辺の問題については、申し上げますとおりに、共済年金制度基本問題研究会におきまして十分に検討してもらわなければいかぬ、こういう現状でございます。
○田口委員 いまお聞きをいたしますと、それぞれニュアンスの違いはございますけれども、まあ国鉄共済は例外として、相当逼迫をしてきておるというように受け取れるのです。そうなってくると、これは大蔵大臣にお聞きをしたいのですが、今度の特例適用期間中に、それぞれの共済は減になる。それは特例期間が済んだ後に返さなければならぬ。 この問題については、先般わが党の森井委員の方からも相当突っ込んだお話がありましたから、私は重複を避けますが、いままでの大蔵大臣のお答えを再確認をしたいのですが、特例適用期間、昭和六十年度に必ず返済をするということになるのか。それからこの条文の表現を見てみますと、一遍には無理というふうにとれるわけですね。もっと砕いて言うならば、あるとき払いの催促なしというやり方になろうとしておるんじゃないか。したがって、六十年度に返そうとするのか、六十年度からぼちぼち返そうとするのか、どうなんでしょう。
○渡辺国務大臣 前の質問について私どもの方にも質問があったんですが、お答えをしませんでしたので、お答えをさせていただきます。 国家公務員共済年金の財政収支は黒字でございまして、積立金も約二兆六千億円ぐらい五十五年度決算でございます。したがいまして、今回の措置によって特別に支障を生ずることはございません。 それから負担割り当ての変更等は、別に今回の措置によって考えてはおりません。 それから、ただいまの御質問でございますが、いつから返済するんだ、昭和六十年からか、ぼちぼちかということでございますが、それはそのときの年金財政に支障を来さないようにしながら、国あるいは特別会計等の財政事情等も考慮して、相談の上返済をしていきたいということで、一度あるいは五回とかあるいはその他とかいうようにいま決めておるわけではございませんが、いずれにしても支障のないようにしたいと考えておりまます。
○田口委員 そうすると、ちょっと具体的な問題で、大蔵大臣が主務大臣である国家公務員共済組合、この中で特別会計に所属をする共済組合員がありますね。印刷、造幣、林野、こういった問題は一応私は抜きまして、郵政省関係は国家公務員共済組合連合会に入っていない。そうすると予算処理について、普通いままでのやり方はこういうことなんでしょう。事業主としての各省各庁の長が保険料を集めて一緒に連合会に払い込む。それに国の一八%、一五%といったものも含めて毎月連合会に払い込む、これが普通の共済組合の運営ですね。ところが、郵政省の場合は連合会に入っておりませんから、郵政省共済組合の場合には自分のところの組合に払い込む、こういうやり方をしておると思うのですが、この特別会計の共済組合に対する国庫負担金の予算処理というものはどういうふうになっておりますか。
○奥田政府委員 お答えいたします。 郵政省共済組合における今回の国庫負担減額の措置、また特例適用期間終了後の措置につきましては、一口に申しまして、すべて他の一般国家公務員の共済組合と同様の措置をすることを予定いたしております。すなわち、特例適用期間後におきまして、国の財政状況を勘案しつつ、減額された金額、また利息に相当する問題も含め、郵政事業特別会計において一般会計と同様の取り扱いをすることを予定いたしております。
○田口委員 ちょっと、もう一遍念のために。一般会計と同様の処理ということは、郵政省、特別会計を持っておるけれども、共済に関する限り郵政大臣が事業主の負担金を持つ、それから郵政省の職員が掛金を出す、それに国庫負担というものを一般会計から入れるんだ、こうですか。
○奥田政府委員 御指摘の国庫負担分、事業主負担分、いずれも現在において郵政事業特例会計が負担をいたしております。その関係は、今回の減額措置、またその終了後の取り扱いについても同様に考えております。
○田口委員 そうすると、郵政大臣にお聞きをしたいのですね。 私が聞いた限りでは、この特例期間中四分の三に減額になることによって、初年度四十億程度いわゆる国庫負担が減になるわけです。ですから、五十七、五十八、五十九の三年間で、運用利回りなんかも含めると大体二百億程度、国庫負担分として数字が上がってくる、こういうふうに聞いておるのですが、どうなんですか。
○山内国務大臣 ただいま人事局長から説明をしましたけれども、郵政共済年金には郵政事業の特別会計、これは独立採算制でやっておりますが、そこから一般のいわゆる雇用者負担分、あるいは国が国家公務員へ一般会計から出している国庫負担分を出しているわけでございます。その金額は、今度の法律が実施をされれば郵政省の特別会計で百十億、利息はたしか十二億でございまして、利息を入れますと百二十二億というものを特別会計から郵政省の共済組合に繰り入れている、それを六十年以降返済する、こういうたてまえになっておるわけでございます。
○田口委員 そうすると、いまのお話でのみ込めましたが、仮に昭和六十年度にいま言った金額を一遍に払う——一遍に払うという言い方はなんですが、一遍に郵政共済組合の財布に入れる、こうなってくると、郵政事業全般に影響がないかどうか、そこをひとつ……。
○山内国務大臣 その返す方法あるいは年限等は、一般国家公務員と同じようにやりたいと思っております。したがって、それによりましてやるわけでございますが、いろいろ郵政事業特別会計において事業を効率化、能率を上げることによって賄って返済に応じたい、こういうふうに考えておるわけでございます。もともと出すべきものを出さないであるわけでございますから、その点はいろいろ工夫をすればできると考えているわけでございます。
○田口委員 ですから、一般会計で処理をする共済組合、これは、わかりやすく言えば、大蔵省の方から各省各庁の共済組合に国庫負担としての分は出していかなければならぬ。したがって、特例適用期間中の減になったものは、いま言った厚生年金と同じようなことでいずれ返していかなければならぬ。 〔金丸委員長退席、小渕(恵)委員長代理着席〕 ところが、特別会計を持っておる共済組合は、自分のところでもうけるという表現はなんですが、いまの郵政大臣のお答えのように、自分のところで金を工面して共済組合の方に穴があかないようにしなければならぬ、こういう違いがあるんですね。したがって、たとえば印刷、造幣といった特別会計では、その金を何とか生み出そうということで少々企業努力、無理をする。すぐには国民に影響がないかもしれぬ。ところが、郵政事業特別会計の場合には、いろいろ企業努力というものをやったけれども金がなかなか浮いてこぬ、じゃひとつ郵便料金でも値上げをしなければということにこれはなるんじゃないのか。その違いがあるんですね。一般の他の特別会計は、企業内努力で、そこの職員を首切るとかどうとかこうとかということで何とかやれるだろうけれども、郵政事業特別会計の方は、そういう努力をした上になおかつ不足ならば、大蔵省何とかしてくださいと言うよりも、郵便料金を値上げしてその不足部分を調達しようということになるんではないのか、こういう心配を私はするんですけれども、そんな心配は絶対御無用ということになりますか、どうです。
○山内国務大臣 いま共済組合に出しております金は、郵政事業特別会計の金でございます。しかし、それを三年間出さないで置いておくわけでございます。したがって、そういう考え方からいって、なおかつ企業努力をいたしましたらこれは十分に、返済というのはおかしいんでございますが、三年出さなかった分を六十年以降出すことはできる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○田口委員 ここは大事ですからね……
○山内国務大臣 ちょっと訂正します。 三年間出さないで特別会計にあるわけでございますね。これは、四分の一削減して特別会計に置いてあるわけでございます。郵政事業の特別会計の金を郵政省の共済年金に入れるんですから、これを四分の一削減して、出さないで郵政事業の特別会計に置いてございます。そこで、返す段取りになりましたら、先ほど申し上げましたようにいろいろ企業努力をいたして、従来出さなかったのを今度は出すということでございますので、努力によって十分賄えるものである、私はこういうように考えておるわけでございます。
○田口委員 ちょっとだめを押しますけれども、そういう努力をするから、仮に六十年に一遍にこの三年分をまとめて返しても郵政事業そのものには何ら影響はない、こう言い切ってもいいんですね。
○山内国務大臣 この共済年金の掛金の問題については、これは何ら影響ないんでございまして、しかし事業がいろいろ変化がございます。人件費が高くなるとか変化がございまして、今度は料金にはね返るかどうかというような点もございますが、これは従来と同じでございます。企業努力によって郵便料金は上がらないようにやってまいる、こういうことでございますので、共済年金との関連はちょっと絡んでまいりますけれども、そういうことがないようにやってまいりたいと考えているわけでございます。
○小渕(恵)委員長代理 関連質問の申し出がありますので、これを許可いたします。森井忠良君。
○森井委員 郵政大臣、五十七年度、五十八年度、五十九年度三年間、単年度別に四分の一減額をした場合に金額は幾らになるのか。 それから、後で返すということですが、従来のやり方でいきますと、五十七年度も五十八年度も五十九年度も、いわゆる国庫負担分に相当する額は利回りも含めて運用できるわけですね。今度は、その間運用は凍結されるわけでしょう、財政再建期間中は。郵政特別会計から国庫負担に相当する分を入れないわけですね。入れないとなると、単年度、単年度の運用ができないわけですね。三年間凍結をしておいて、先ほど聞きますと、利子が十何億という御返事でありましたけれども、これはおかしいのであって、むしろ国の措置に右へならえすることによって郵政の共済年金は逆に被害を受けるのではないか。三年間凍結をして、三年たったら国の例にならって、いつ返すかわからないが、少なくとも郵政特別会計から必ず返すということでしょう、これは。返すのだから、三年間は運用できないですね、金を出さないのですから。その金は宙に浮いておるわけですね。これはかえって、国の例に右へならえすることによって被害が起きるのではないか、私はこういう感じがしてならないわけです。納得のいくような説明をしていただかないと困ります。
○奥田政府委員 ただいまお尋ねの三年間の国庫負担の減額の数字でございますが、昭和五十七年度が約三十六億五千万円、昭和五十八年度が約三十七億円、昭和五十九年度約三十八億円でございまして、合計いたしますと、大臣がお答えいたしましたように約百十億円ということになるわけでございます。 この間、この金額につきまして共済組合として運用ができないのは事実でございます。先生御指摘のとおりでございます。それにつきましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように、この特例期間終了後におきまして、利息の問題も含めまして処理をするという考え方の中で、共済組合に実害が生じないようにしたいと考えているところでございます。
○森井委員 どうしてこういうふうに無理をして、国の国庫負担の減額の例にならわなければならないのですか。いま明らかになりましたように、五十七年度、五十八年度、五十九年度、それぞれ運用ができるものをしないで、どうして凍結をしなければならないのか、これはどうしても納得できません。 いま事務当局の説明では、なるほど減額をする金額については明らかになりましたが、本来ですと、単年度ごとに掛金その他と含めて運用しておったわけですね。運用しておったのが、その間できなくなる。そして特例期間が済んで、六十年度以降でいつか返すわけですけれども、今度は、運用もしないのにしたものとして、運用利益も含めて返すというようなばかなことがどうしてできるのですか。絶対にこういうやり方は納得できない。この点ぜひ明らかにしてもらいたい。 それから、郵政大臣は、企業努力等によって郵便料金値上げにははね返らないようにすると言われますけれども、いま示された数字は、せっかく努力をした郵政特別会計、去年はあれだけの料金値上げをしておりますが、これにもろに響くじゃないですか。少なくともいま以上に郵政特別会計に、郵政の共済年金に関して、すねをかじることになりませんか。こういうことは実際問題としてできないですよ。右へならえしなきゃならない法的な根拠は何ですか。法的な根拠も明らかにしてもらいたいと思うのです。
○宍倉政府委員 お答えいたします。 郵政の共済も国家公務員の共済も、御承知のように国家公務員共済組合法で一括になっておるわけでございます。でございますから、制度的には単一の制度でございますので、その単一の制度の中で制度の統一性を保存するためには一括の処理をせざるを得ないだろう、こういうことで、国家公務員共済組合審議会というのが先生御承知のようにございますが、審議会でも御議論をちょうだいいたしました。 審議会の答申では、こういうふうに言われております。「公務員の中には、特別会計所属の者も相当あり、今回の時限措置において、区分的に取り扱うことは至難であろう」、こういうことで、制度的に見ますと一緒に取り扱わざるを得ないのではなかろうかというような御答申もいただきまして、一括処理をいたすように御提案申し上げている次第でございます。
○奥山政府委員 お答え申し上げます。 特例期間中における郵政事業特別会計における国庫負担金の減額分、これにつきましては、先ほど来大臣が申し上げましたように、元金が百十億円と利子が十二億円、合わせて百二十二億円でございますが、先ほど来人事局長が申し上げましたように、この国庫負担は一般会計としての国の支弁ではございませんで、郵政特会としての国、つまり郵政省の事業から支弁されるものでございます。したがいまして、特例期間三年間における負担額の減額分につきましては、それぞれ三年間における郵政事業特別会計の帳じりがそれだけ好転するということになります。 したがいまして、三年経過後における扱いにつきましては、先ほど大蔵大臣も述べられましたように、一般会計並びに各特別会計の財政事情を十分考慮して適切な措置を講ずるということでございますので、その時点でどういう形での措置が講じられるか、必ずしも現段階では明確ではございませんけれども、いずれにいたしましても、元本並びに利子を含めた総額百二十二億円の扱いにつきましては、この分だけが三年以降に先送りになる、つまり後倒しになるということでございますので、直接郵便料金にははね返ってこないというふうに考えておりますし、なおかつ、郵政大臣が申し上げましたように、郵政省といたしましては、企業努力を重ねまして郵便の増収、さらには経費の節減に今後とも努めてまいる所存でございますので、その中におきましてもこういった問題を吸収してまいりたい、かように考えております。
○田口委員 いろいろなお話を聞いておりますと、相当中身が苦しい、苦しいけれども三年たったら何とかなるだろう、そういう答弁だと私は思う。したがって、大蔵大臣どうなんでしょうね、いまの郵政特別会計の話を聞いたって、国鉄の二年先、三年先じゃなく、きょう、あすの問題だというふうな共済の運営、そこに今度国庫負担を減らすというのですから、結局昭和六十年度前後、たとえば厚生年金の財政再計算期は昭和五十八年と聞いておるのですが、そういった見直しの時期に、返さなきゃならぬ金を人質にとって、臨調が言っておるように、もっと掛金を上げなさい、年金支給開始年齢をもっとずらしなさい、給付水準はちょっと高いのじゃないかというふうなことを一挙にやろうという魂胆が、見え見えとまでは言いませんけれども、あるように思うのですが、そういうことはありませんか。
○渡辺国務大臣 それほど人が悪くないのです、私の方は。私どもの方は、とりあえず三カ年間だけ国庫補助で出すものを一部分は削減させていただく。しかし、それは年金財政は困るでしょうから、三年後になったときに、それは利息のことも含めて、運用益その他のことが当然あるわけですから、そういうものを含めてそれはお返しいたします。一度に返すか数年に分けるか、それはそのときの財政事情で決めさせてください。 また、再計算のときにどういうふうにするかということにつきましては、これはもう全然別個の問題でございますから、たとえば厚生年金等においても、現在の保険料率が一〇・六ですか、それで現在の給付水準と現在の給付開始年齢を守っていけるとは、恐らく専門家はだれも思っていない。したがって、その問題は全然別な問題でございまして、私どもの方は、お借りした金はお返しする、利息もそれにつけましょうというだけのことでございますから、これは別問題というふうにお考えおきいただきたいと存じます。
○田口委員 では、年金関係はこれで終わって、あと、老人保健法の費用負担に限ってお伺いをいたします。 これは厚生省からいただいた資料なんですが、仮に今度の老人保健法が成立をするとしまして、この費用負担の割合が、国が二〇%、都道府県五%、市町村五%、他の保険者が七〇%、こういうやり方でいきたいとなると、試算I、試算IIという計算例を持っておりまして、数字だけを私読み上げますが、これによりますと、たとえば組合健保であるとか共済組合の短期給付なんというものは、現行組合健保でいきますと二千五百三十億の負担であったものが、試算Iの計算によりますと三千百六十億で六百三十億ふえる。共済の短期の場合には、千四百四十億が千五百七十億というふうに百三十億ふえる。試算IIの場合には、前者が千六百五十億ふえて共済が四百六十億ふえるというふうな、もちろんマイナスの保険者もありますけれども、こういう数字が出ておるわけですね。 そこで、これは端的な質問なんですが、十五日の本会議での厚生大臣の御答弁は、計算方式は試算Iといった方でやりたいと言っておるけれども、いま申し上げたように、試算IIの方はちょっと国が負担が軽くなる。大蔵省の場合には、この試算I、試算IIという二つの方式でどちらを採用したいと思っておるのか、そこのところをまず伺いたい。
○村山国務大臣 これは関係審議会でも非常に論議がされたわけでございますが、関係審議会では、やはり医療費の実績を尊重するようにということがございます。それから同時に、厚生省といたしましても、この拠出金による費用の負担のあり方について激変いたしますと、なかなかこの制度が円滑に運用できないと思っておりますので、試算Iでやりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○渡辺国務大臣 大蔵省が試算IIで固執をしているというわけではございませんが、いろいろ全体のことも検討しなければなりませんので、試算IIも含めてよく協議をしようじゃないかということを言っておるわけでございます。
○田口委員 そこで、いま、審議会になるでしょうけれども、試算IIを含めて検討ということですが、厚生省の資料に忠実に読んでみると、こういう数字が出てくるのですね。 現行国庫負担分が三千二百二十億、それから国庫補助が七千五百十億、臨調と言っても中身が違いまして臨時財政調整交付金の臨調ですが、これが一千九十億。老人保健法が仮に成立したといたしますと、試算Iの方でいきましても国庫負担分が四千九百七十億円で、実は千七百五十億プラス。ところが国庫補助が五千九百八十億になって千五百三十億マイナス、そして臨時財政調整交付金というものがなしになりますから、千九十億実は要らなくなる。この数字でいきますと、被用者の各保険は、国民健康保険それから日雇い健保を除いて全部プラスになる。患者負担が、三百二十億が六百十億に二百九十億ふえる、こうなっておるのですけれども、市町村もふえる、県もふえる、さらに患者負担もふえる、その中で国だけが八百七十億減になる。これが、実は老人保健法の財政面から見た数字なんですね。 いま言ったように、市町村が八百十億、県が八百十億、それが千二百四十億、千二百四十億で、それぞれ四百三十億ずつふえる。ところが国だけが八百七十億減になる。これは、この老人保健で十五日に総理も言っておられましたけれども、確かに医療費の問題は大きい問題であるが、余りにも一方にばかり負担をかけて、おれのところは知らぬよ、おれのところは減っていくんだよということになるのじゃないかという気がいたします。 したがって、ひとつこれは厚生省なり各短期経理を持っておる共済の主務省で、試算I、試算IIというものを使った場合に、現行は幾ら、それから試算Iの場合にはどれだけの増減がある、試算IIの場合にはどれだけの増減があるということを、たとえば健保組合で東芝とか日立とかいろんな組合がありますね。それから共済の場合にも、自治省とか地方職員共済組合の何々県とか、そういった細かい単位まで、これは数字を出してもらわなければならぬ。検討の材料にさしてもらわなければならぬ。ところがいま出していない。これを出してもらえるかどうか。出してもらいたいということを言いたいのですが、その辺のところも含めてお答えをお願いいたします。
○村山国務大臣 これは、できるだけ出すようにいたします。 ただ、いまおっしゃった中で、国庫負担だけが減るのじゃないか、こういうお話でございますが、これは結果でございまして、御承知のように、今度は老人医療の分は全部各保険から抜き出しまして、そして国民全体が負担するということで、七割は各保険の現在の保険者、それから三割のうちの二割は国が持ちます。それから五%ずつを都道府県、市町村が持ちます。そして、その七割の配分について、現在国保は老人が非常に多うございます。そのことによって財政が窮迫しておる。それによっていろんな問題を起こしまして国保財政が苦しんでおるわけでございますので、等しく国民が分け合うという趣旨で、それで先ほどの試算IとIIというものがあるわけでございますが、激変緩和の意味からいいまして、いま試算のIを出しているわけでございます。国庫負担が減るということ、それを目的にしているわけではございません。結果的には、その程度になるわけでございます。 なお、いま先生の挙げられました数字は、恐らく満年度といいますか平年度計算でございますが、来年度でいいますと、初年度は来年十月から実施する予定をいましているのでございますが、それによりますと、国庫負担は公費負担を含めましてマイナス三百億、都道府県、市町村がそれぞれ二百二十億プラス、それから保険者の負担が被用者と国保合わせましてマイナス二百七十億程度でございます。それから、患者負担が全体として百億ぐらいふえるかな、この程度のものでございます。
○田口委員 これで終わりますが、そうは言うけれども、自治大臣、一遍調べると同時に、たとえば新潟県が、今度の特例法の関係、さらに概算要求などを含めてどれだけ影響があるかという数字を出しておるのですが、新潟県だけでも五十九億の持ち出しになる。こういう中で老人保健法をやっていけば、都道府県五%と言っておりますけれども、それだけ増になる。ところが国の方は八百七十億減になる。これでは片手落ちではないのか。こういう問題がありますから、いずれ老人保健法は社労の方でじっくりやりますけれども、財政再建、行財政改革という中身は、結局国のそろばん合わせ、勘定合わせにしかすぎぬ、借金公債の完済計画を見ましてもそう断言せざるを得ないのであります。 時間が来ましたから答弁は無理ですが、そのことだけ申し上げて終わります。
○小渕(恵)委員長代理 これにて田口君の質疑は終了いたしました。 木島喜兵衞君。
○木島委員 まず最初に、四十人学級の問題についてちょっとお聞きいたします。 いままでわが党では、湯山さんや中西さんが御質問なさいました。それらを通して、大蔵大臣、いま四十人学級の法律が出ておりますね。御案内のとおり、あの法律は十二年後、すなわち最終年度昭和六十六年には、たとえば四十五人を四十人にしますとか、福祉学級は何名にしますとか、あるいは獲護教諭だとか事務職員は学校の何%にしますとかという、最終年次だけを決めておるわけですね。 したがって、もう一回念を押しますけれども、その十二年間というものは変わらないし、その数値も変わらないとおっしゃったと理解してよろしゅうございますね。
○渡辺国務大臣 十二年間のうちに四十人学級を実現するという結論は変えておりません。
○木島委員 そこで湯山さんは、そうならばこの法律なんて出すことないじゃないか、なぜなら、最終年次はこうします、それまでの各年は実質的には予算の査定でもって決まっていく、すなわち毎年政令で決める、児童の増減とかそういうものを勘案しながら決めていくわけですから、実際には財政事情を考慮して決めるわけですから要らないじゃないの、こういう質問をされましたね。 それに対して最初に大臣は、「法律で義務づけた方がやりやすい」。それに対して湯山さんがさらに追及されたら、「少し言葉が足りなかったかもしれませんが、仮にこれを法律に書かないで予算のときだけ大蔵大臣がカットするといっても、実は非常に抵抗がございます。そればかりでなくて、ちゃんと計画が決まっているのだからやるべきだという意見の方がむしろ強いかもわからぬ。法律で決まっていることを勝手にそこの期間だけやめたとか圧縮したのはけしからぬという議論も出る」からとおっしゃいましたね。 しかし、これを三つに分けますと、一つは、最後の法律で決まっているから。こうはなりませんね。最終年次だけでもって各年次は決まっておらないのだから、あなたのおっしゃる法律で決まっているからということは当たりません。 それからもう一つは、抵抗があるから。確かに抵抗があるでしょう。しかし、これは先ほどからの議論にありますように、議院内閣制ですから、一般的に予算編成のときに、野党は常にすべて抵抗しますね。しかし、一番抵抗があるのは自民党の中でしょう。自民党の中に抵抗があるというのに、法律をわざわざ出すことはない。これは議院内閣制として当然のことですから、これも当たりません。 すると第三の、ちゃんと計画が決まっているのだからやるべきだという意見が強いという、その一つだけですね、あなたのおっしゃることを前提にするならば。とすると、法律的には余り意味のないことなんだけれども、その無意味なものをあえて国の財政事情を考慮するということで入れたものは何かというと、最終年度に行くまでの間に文部省としては一応毎年の計画がある。それは査定というものがあるわけでありますから、文部省とすれば希望的計画と言ってもいいかもしれませんね。したがって、そういう経過があるんだから、その希望的計画を変えるんですよという意味が今回の法律を出した意味だと理解するしかないのですが、そう考えてよろしゅうございますか。
○渡辺国務大臣 希望的計画を変えるというのかどうなのか、よくそこらのところわからないわけですが、実は木島委員のように非常に好意的に、物わかりのいい方ばかりならば、確かに十二年というものを変えなければ、大蔵省が財政事情を勘案して切れるじゃないかという御議論も一つあるのですよ。あるのですが、なかなかそうわかっていただける人ばかりいるわけでもございませんから、またこれには理屈がいろいろあるわけですから、したがいまして、私がこの前御答弁申し上げましたように、また、いろいろここで御批判も受けているわけです。三年たったらば検討すると言ったじゃないかというような御議論もあるわけです。 しかし、その三年たったら検討というのは、何にも書いてありませんよ。後ろ向きに検討も前向きに検討も書いてないが、しかし、当然前向きに検討ということが頭の中にあってつくられたものであろう、こういうようなことですね。ということになりますと、まだ三年もたたないうちに、一時的にせよそれを削減するというのは、法律事項ではございませんが、ちょっと違うんじゃないかという話になってくるわけですよ。(木島委員「そのとおりです」と呼ぶ)そうでしょう。だから、それでは困りますから、この際は法律を出して各党にも御相談を申し上げて、表座敷で、ともかくこういう財政事情なんでございますから、三カ年の間削減できるようにはっきりさしてくださいということで、御相談を申し上げておる最中でございます。それだけなんです。
○木島委員 そこで、計画があるわけね。この計画には大臣、いまは連合審査会ですから連合審査会の立場で言っているのですよ。たとえば文教委員会では、この定数の小委員会をつくりまして一年間議論しました。文部省は、大変な金を使って全国の学校、全体の調査をしまして、何年ぐらいというふうに、というのは総数じゃありませんからね。二十、三十の学級があるわけですから、それはやらぬわけですね。だから、全国の学校から調査をしてコンピューターに入れて、そしてたとえば五年にせい、九年にせい、いろいろありましたが、学年進行でもって一年ずつやっていくということですね。そのほかに、また養護教諭だとか事務職員だとか、そういうものもどうしたら一番いいか、というのはやがて児童生徒も減っていく、そういうことも含めて検討した上でもって決めたのです。 だがしかし、それは決めたけれども、さっき言ったとおり、それは毎年毎年の政令で決める、すなわち予算で決める。予算で決めるということは国の財政事情で決める。だから、余り意味がないんじゃないかと思うのですが、そういうことです。 しかし、そういうことの一応の計画はある。あるけれども、この間中西質問にあなたは、ことしならことしの文部省の概算要求を大蔵省は認めるかと言ったら、そんなことはわからぬとおっしゃった。すると文教からすれば、それほど一生懸命に全部の計画をつくった、それが何にもわからないわけですよ。十二年はわかった。しかし、その中はどうなるかわからない。毎年毎年、ことしのだってわからない。文部省は臨調の立場を踏まえて概算要求をしました。したけれども、それもわからない。じゃ、文教とすれば、一体何を審議したらいいんだか全然わからないのです。出さないでいい法律を出して、そしてその中身はわからないというのじゃ、これは審議してもしようがないじゃないですか。一番大事なのはそこなんです。まともにかかってみょうがないのですよ。
○渡辺国務大臣 私どもは、非常に厳格な意味でわからないと申し上げたのでございまして、それは予算の規模が決定されなければわからないわけですから。しかしながら、やはり臨調答申を踏まえて概算要求が出ておるものにつきましては、私はできるだけ自主性といいますか、そういうものは尊重すべきものである、そういうように考えておるのです。ですからその中身について、臨調答申の精神を踏まえてよく出ているかどうかという問題が一つございます。それはいま査定といいますか、検討している最中でございますから、私のところまでどういうふうな食い違いがあるとか、全く考え方が一緒だとかということの報告が来ておりません。したがって、私にとってはわからないということでございます。 それからもう一つは、予算の規模その他についても一応いまのところは中期展望というものがございますから、それを土台に頭の中で考えておるわけですが、最終的に規模を幾らに決めるかということは、来年の経済見通しが決まらなければわからないのです。毎年わからないのです。来年の経済見通しがわからなければ税収がわからないわけですから、はっきりしたことの予算が組めないわけですね。これは一番最後の土壇場でわかるのです。ですから、そういうところで動くところがあるかもしらぬ、あるいはそのとおりいくかもしらぬというようなことを考えますと、全部ここでわかったということを言い切れないものですから、最終的にはみんなわからないということだけれども、大まかなことは当然想定して物を言っているのですよ。だけれども、確定的なことはわからないという意味で申し上げたわけでございます。
○木島委員 出さなくてもよい、法律的には無意味なものを出したものは一体何かというならば、さっき言いましたように、十二年間の計画というものを変更することがあるということですよ。その十二年計画というのは確定したものでなくて、毎年毎年決めるわけですよね。それを出したのですから、ここでもってわれわれに審議せいというものは一体何かというと、わからないのですよ。法律的に何にも意味がないわけです。十二年間やるというわけでしょう。それは中身を変更しますよ。しかし、中身は変更といったって確定したものはないのですよ。そうでしょう、毎年決めるのですから。それは要らないでしょう。法律的には意味がないでしょう。法律的に意味があると思っているの、大臣。
○渡辺国務大臣 それはもうそれと正反対の御意見もございまして、各党間で話し合いまでしておるものがあるんじゃないのか。それを、それじゃ法律も出さないで、政府だけが勝手に、幾ら自分たちで法律違反じゃないから自由にできるといったって、それは少しひど過ぎるじゃないかという御議論もあるのです。したがって、そういうものについてはやはり正式に御相談申し上げて、そういうような見通しは十二年間変えませんが、中身についてはここ財政再建期間中非常に苦しいので、まあまあこういうふうなことで、もっと早く進めようというお話もございましたが、とうていそれはできません。したがって、この三カ年間については抑制をせざるを得ないので、これは御相談申し上げたい。しかも、法律でこれを決めさしていただければ、大蔵省としてもやりやすいということを申し上げたわけでございます。別に法律問題でやりやすいということばかりでなく、道義的にもやりやすいと思うのです。
○木島委員 道義的とおっしゃるが、道義と法律は別だ。たとえば文部大臣、五十五年度の予算編成のときの各党合意によって、三年後に見直すというのがありましたね。それを受けて、文教委員会でも特別な決議をいたしております。きょうは迎合ですから、文教委員会でもって決議をしたのに、その決議をした文教に何ら相談もなく、議論もなく、ぽっと出したということは、自民党の文部大臣としてどうお考えになりますか。それでただ済むとお考えですか。国会という国家の最高の機関が決めたこと、そのことが臨調からそう言ったということだけでもって、委員会が決議をしておるのに何にも——きょうは連合ですから全体のことは言いません。文教だけのことで言うならば、文部大臣どうお考えになりますか、黙って出すということはありますか。
○田中(龍)国務大臣 お答えいたします。 ただいまの御質問の中で、自民党のという言葉がございましたが、私は文部大臣といたしまして、政府の文部大臣でございまして、自民党がどういうお考えか、その点はまたおのずから立場を異にするものがございます。この席からのお答えは、政府の一員といたしまして、政府自体がこのような窮迫いたしました国情に照らして、財政の特別な緊縮を臨調を通していたしました。それを閣議で決定をいたしました以上、閣僚としての一員といたしましてこの問題を処理したい、かように考えております。
○木島委員 質問と違うのです。あなたは確かに日本の政府の文部大臣です。けれども、議院内閣制なんですから、あなたの基盤は自民党に置くことになるでしょう。そういう大臣として、文教委員会でもって——いまの政府の立場はわかりますよ、それはあなたのおっしゃるのは仕方ないでしょう。けれども、文教委員会でも特別の決議で、三年後に見直すといったことと今回出すということと、出すまでには文教委員会でもって議論ぐらいして、満場一致で決議したのだから、それを黙って出す、それじゃ文教委員会の軽視もはなはだしいじゃございませんか。そう思いませんか。
○田中(龍)国務大臣 同様のものが、必ずしも文教ばかりではないと存じますが、事文教に関します限りにおきまして、政府といたしまして臨調というものの意見を尊重するということを閣議決定をいたし、同時にまた、閣議といたしましてそれを受けまして、今回の御提案をいたしておるような次第でございまして、いまの各党の御要請に対しまするその問題は、ただいま大蔵大臣が申しましたような、この御提案を御審議いただくことの結論といたしまして、御協力をいただき得るいただき得ないということが終局的に法制的に決定いたすものだ、かように心得ております。
○木島委員 私聞いておるのはそうじゃないのですよ。あなたは閣僚の一員として、この提案に共同責任を持っているわけでしょう。同時に、文教委員会の決議をあなたは知っているわけだ。それを、あなたじゃないが尊重すると言ったんだよ、文部大臣は。なのに、それを一言のあいさつもなく、議論もせずにぽっと出すというのは委員会軽視じゃないか、議会軽視じゃないか、こう言っているのです。そう思いませんか。
○田中(龍)国務大臣 文教委員会の多年にわたる御主張並びに各党の御意見、これは各党の一致でございますから、共同の御提案でございます。でございますから、それに対しまして、これを軽々に処理するということは最も戒めなければならないことでございます。そういうことに照らしましても、やはり政府の考え方というものを連合審査を初め皆様方にお諮りいたしまして、そうしてここで決定していただきますれば、いままでの各党提案並びに皆様方の御主張というものが終局的に合意されることに相なるわけでありますから、いま大蔵大臣が御提案いたしたような次第によって御審議を願っておるわけでございます。
○木島委員 大臣、答えてくださいよ。委員会の決議は軽々に変えることは戒めなければならないとあなたはおっしゃっておる。軽々に変えているじゃないですか。文教委員会の決議をあなたは知っておる、文部大臣は尊重すると言った。しかし提案をしている。だから、これをどう考えておるのか、議会軽視じゃないのか。これは、全体では各党の合意と同じ問題でありますけれども、連合審査会でありますから、私は文教だけのことを言っているのです。
○田中(龍)国務大臣 でございますから、そこでこの御審議をいただきまして、もし皆様方の御賛成を得ることができますれば、政府といたしまして、いままでの経過を踏まえまして、そして新しい皆様方の合意といたしましてこの問題が成立するもの、かように心得る次第でございます。
○木島委員 委員長、これをお聞きになってどうお考えになりますか。これは少なくとも文教でもって決議した限り、これを出す限りについては、少なくとも文教でもって議論をして、その結論は、それはいろいろあるかもしれません。しかし、少なくともそれが道じゃございませんか。国会を軽視しちゃいけないとおっしゃるけれども、実はしておるわけですよ。このことは、単にこの問題だけでなしに、議会全体の問題として、この点は後に理事会でもって十分な御審議をいただくと同時に、文教委員会においてもこの議論はもう一回やり直していただきたいと要望をいたしておきます。 その次、教科書問題についてお聞きをいたします。 教科書問題については、私は、今回の自民党の教科書問題のいろいろな議論やあるいは献金をも含めまして、きょうはそのことを言うのじゃありませんが、ただ、教科書を発行しておる会社というものは一体どうあるべきなんだろうか。企業はやはり利潤を追求します、そういう宿命を持っております。だから、たとえば自分の会社の本はよりたくさん売れることを期待します。そのためにいろいろな行為が行われておる。事教科書に関して、子供に渡るのに教科書の質で採択されるのじゃなしに、その他の要素によって採択され、それによって教育をされるとするならば、私はきわめてゆゆしい問題であると思う。だが、企業である、利潤追求の企業である。その行為によって教科書の採択というものが、選択というものが左右されるとするならば、私はゆゆしい問題だと思うのであります。その点、公取委員会はどうこれをお考えになりますか。
○相場政府委員 お答えいたします。 教科書の発行業者あるいはその販売業者が教科書の採択に関与する方々に対しまして、金銭を贈ったりあるいは供与したり供応したりというような行為につきましては、これは独占禁止法上不公正な取引に該当するとして禁止いたしております。したがいまして、そのような行為がありますならば、私どもといたしましては厳正に対処する方針でございます。
○木島委員 確かに、昭和三十一年十二月二十日の公取委の告示五号によって、「教科書業における特定の不公正な取引方法」という告示があり、それに関連いたしまして、教科書業の指定に関する運用基準というきわめて詳細なものが出ております。それをもとにして、たとえば昭和三十五年には学習指導要領の改定に伴って、小学校用教科書は三十六年から、中学校用教科書は三十七年から変わるから、したがって十分気をつけろ。ところが、「当委員会としては、かかる事態について重大な関心を持ち、不公正な取引方法を予防する見地から調査を実施中であるが、発行業者のうちには下記のような不公正な勧誘行為を潜行的に行っている。」と言って、ずいぶん常識で言われることがたくさん書かれております。このことは三十六年ですね。 今回文部省もまた、ことしの四月十七日に、「昭和五十六年度における教科書採択の公正確保指導調査について」という文書を出しまして、その中では、その調査の費用は文部省が持つとまで言っているわけね。このことは何かというならば、もはや常識的にすでに行われているということを前提にしてなされておるところのものだと思うのです。そういう点について、今回のあなた方の考え方、とるべき態度等をお聞かせいただきます。
○相場政府委員 お答えいたします。 先生御指摘の昭和三十七年におきまして、実は私ども六件の差しとめ命令を出しております。ただいまのような状況にございますならば、私どもといたしましても十分監視を続けたい。したがいまして、もしそのようなことがございましたら、厳正に対処すると先ほど申しましたが、そのように対処いたしたいというふうに考えています。
○木島委員 私、きょうここでもっていろいろな実例を挙げようと思っておりません。これはむしろこの場よりも文教独自の方がいいかもしれませんから。けれども、もはやこれはあなた方も数十項目指定をしておる。数十項目禁止すべきことを挙げておる。これらはもはや常識的に常時行われておる。それはさっき言った、教科書発行会社というものは企業ですから販路を拡大したい、そのためにいろいろなことがなされておる。あなたはさっき三十七年六件とおっしゃったけれども、実態はそんなものじゃないでしょう。まず、そう思いませんか。
○相場政府委員 お答えいたします。 三十七年に先ほどの排除措置をとりまして以降、実は私どもの方は、そのような端緒といいますか、情報に余り接していないわけでございます。したがいまして、それが地下にもぐっているのではないかという御指摘だと思いますが、私どもといたしましても十分に注意いたしたい、十分に監視を続けたいというふうに考えております。
○木島委員 三十六年のあなたのところの通達によると、「下記のような」といろいろずっと並べて、それが潜行で行われているという文書が出ている。今回もそう思いませんか。
○相場政府委員 お答えいたします。 現在の状況につきましては、私どもまだそういった情報に実は接しておりませんが、もちろんそのようなことはあり得るかとは思っております。したがいまして、十分に注意を続けたいということでございます。
○木島委員 最近公取委では、建設業界の談合の立入調査をなさいましたね。あれもまた言われて古いことであります。なされてりっぱでした。けれども、それと比較して教科書というものの性質を考えたならば、さっき触れましたように、企業というものは利潤を追求するのですから、やはり公正というものとは大変矛盾する要素は持っているわけね。しかし、企業は販路を拡大したい、それでいろいろなことをする。そのことによって他の企業は縮小するわけでしょう。公正と独禁と両方絡む要素があります。そういうことがもはや潜行で行われておる。情報は入らない。しかし、常時あなたは知っておる。知っておるなら、なぜ調査しないのですか。
○相場政府委員 お答えいたします。 独占禁止法上いろいろ調査権限というようなものは広範に与えられております。ただ、私どもといたしましては、具体的な相当の被疑事実といいますか、相当の端緒、こういったものがなければ、実は調査そのものが一つの強制行為でもございますので、容易に踏み込めないという状態にございます。したがいまして、私どもといたしましては、情報の収集、こういったものに努力いたしたいということでございます。
○木島委員 私はさっきこの場では言わないと言ったけれども、いろいろなことを知っておる。情報がないからやらないのですということでは済まない。もはや常識化しておるのです。もう一回あなたの決意を聞きたい。
○相場政府委員 お答えいたします。 企業のいろいろな情報といいますか、これは私ども鋭意努力して収集に努めているわけでございます。先生御指摘のような疑いがあるとすれば、ますます私どもとしては情報の収集に努め、そして私どもとして、独占禁止法違反行為があると十分に疑うに足る事実がございましたならば厳正に対処するということでございまして、やみくもにと言ったら恐縮でございますが、調査するわけにはまいらないわけでございます。 なお先生、情報をお持ちでございましたらお見せいただければ結構だと——大変恐縮なことを申し上げましたが、そのようにさえ思っております。
○木島委員 ちょっと別な問題でありますが、今回の教科書協会の献金について、十七社がおのおの献金したと言っておりますね。これはその十七社の販路開拓と関係があるのだろうかどうだろうか、どんなお感じですか。
○相場政府委員 お答えいたします。 事実関係を私ども十分把握いたしておりません。したがいまして、予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきたいということでございます。
○木島委員 新聞でそう見たら、そういうこともあるかなとしてひそかに調べるということがあなたの任務じゃないのですか。
○相場政府委員 お答えいたします。 そのとおりでございます。したがいまして、私どもとしては、端緒に至る一つの情報としては十分に注意いたしておるということでございます。
○木島委員 そのこといかんでは、あなたのところの運用基準の中にそういうものがあるいは入る場合がある。いまそれは入っていませんね。私、政治献金には二通りあると思うのですよ。いわゆる中央に出すもの、あるいは販路開拓のために有効なる手段としての個々の献金というものもあり得るだろうと想像します。ですから、そういう意味でお聞きをしておるのです。 献金問題が出ましたから、ついでに文部大臣、献金問題では政治団体に対する政治献金だとこの間総理大臣がおっしゃいましたね。あなたもお答えになりましたね。これは十七社にお聞きになったのですか。
○田中(龍)国務大臣 お答えをいたします。 自治法上の調査によりまして、政治献金の記事が新聞あるいは週刊誌に出ておりましたのでありますが、しかし、その問題は文部省といたしましては行政それ自体の関心事ではございますけれども、事の性質上、民間の企業と政党あるいはまた政治団体との関係でございますので、私からお答えする限りではないと思います。
○木島委員 これは、予算委員会か何かでそういうふうにお答えになっていらっしゃったでしょう。そこで、私がいま言っておるのは、教科書会社のあり方というものから私は言っておるのです。だから、今回の献金は政治団体に対する献金だ、こうお答えになっていらっしゃいますけれども、しかし、教科書会社に聞かなかったら教科書会社の意図はわからないじゃありませんか。もし販路開拓のための献金だと仮にすれば、さっきから繰り返しますように、教科書が子供に渡る間にそういうことの行為によって渡ってはならないから、そういうものは文部大臣としてお調べになる必要があるんじゃないですか、こういう意味で聞いておるのです。
○田中(龍)国務大臣 ただいま御質問の件につきましてお答えいたしましたように、文教の行政といたしまして、そういうふうな新聞記事あるいは週刊誌の記事というものは重大な関心を持つことは当然でございますけれども、しかし、それ自体の問題といたしましては、行政の問題とは直接には関連のない問題でございます。でありますから、事務当局といたしましては、もちろんそういうふうなことについての調査もいたしたとは存じますけれども、しかし、それはそれだけの話でございまして、私がただいま文部大臣といたしまして先生にお答えをする範疇外の問題であろう、かように考えます。 ということは、いわゆる文部省の責任といたしましての行政行為、あるいは例を申すならば教科書価格の形成要素とかいうような問題につきましては、先般もお答えいたしましたように、検定審議会の中に価格委員会を設けまして、厳密な公正妥当な価格を決定いたしておるというようなことから、それと営利行為との関係は全くない、かように考えております。
○木島委員 行政行為と関係があるかどうかわからないとおっしゃるけれども、献金する方の意図を私は言っておるのです。それは教育における教科書ということの重要性を考えるならば、教育行政としてそういう視点で物を見ることが必要でしょう。範疇から外れておるとおっしゃいますが、そうですが、そういう問題と御理解なんですか。私はそう思わぬ。
○田中(龍)国務大臣 教科書会社がいかなる意図を持ったかということについて、私はお答えを申し上げる範疇外、こういうことをお答えしたわけでございます。
○木島委員 私、いま言っておるように、私がいま取り上げておるのは政治家の問題でなしに教科書会社のあり方、教科書会社のその意図が一体どこにあるかということ、そのことを重視しておるわけです。そういう意味で聞いておるのです。そういう意味では、証人を喚問するかあるいは公取委なり公安委員長等が手を下す以外に中がわからないわけです。ですから、文部大臣にお聞きになりましたかとお聞きしたわけです。 そういう問題では、意図がなかなかわからないのですよ。たとえば、蓬庵会に五十年から五十五年までの六年間に七千五百万献金された。ところが、新聞で見ると、稲垣さんのお話しになっておることがずいぶんぐるぐると変わっておりますね。最初は空領収証でもって三十万、五十万と分けてやった、日下などとやったのだ。その後には、いや、そうじゃないのだ、配ってないのだ、こう言っていらっしゃいますね。ですから、証人を喚問せぬとなかなかわからない要素があります。 そこで、国家公安委員長にお聞きいたしますが、最終的にはこういうことになってしまうのだな。稲垣会長と日下事務局長が蓬庵会の佐藤比呂志事務局長に頼まれて献金を始めた、十七社の献金を一まとめにして直接佐藤局長に渡したが、金を特定の文教族に配ってほしいと頼んではいないと言っていらっしゃるわけですね。そして、佐藤事務局長は、石井先生が四十七年に政界を引退してから会の資金が先細りになったので、五十年に知人の日下事務局長を通じて献金をお願いして献金を受けた、合っていますね、これは。 ところが、田中伊三次さん等の調査では、蓬庵会の入金は事実上なく、というわけ。すると、教科書業界の十七社から、蓬庵会から頼まれて献金をした、文教の人に配ってくれなんて言わなかった、入っておる、ところが金は入っていない、これが最終的な新聞によるところの結論のようです。そうすると、これは横領じゃないですか、佐藤さんの、という気がする、もしそうだとすれば。 国家公安委員長、そういうように御理解にならなかったですか。
○中平政府委員 お答えいたします。 警察は、この問題につきましてはかねてから関心を持ちまして、それぞれ必要な情報なりあるいは資料の収集を行っておるところでございます。しかしながら、ただいままでのところ、具体的な犯罪の容疑ありとして捜査に着手しているという報告は受けておりません。しかしながら、この種の問題につきましては、私どもである程度の事実関係を調べ、その中に犯罪を構成する事実があり、刑事責任を問うべき内容があるとすればそれなりの処置をしてまいる、こういうような基本的な方針で考えておるわけでございます。 ただいま御指摘の事実につきましても、私どもは捜査機関という立場でございまして、したがって事実を証拠によって明らかにし、刑事責任を問うという形において真相を明らかにしてまいる仕事を持っておるわけでございますから、まだ犯罪の成否が明らかでない事実についてこういう席でお答えを申し上げることは差し控えさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○木島委員 一般論として、仮にいま新聞に出ているというようなことになれば、私は横領になるのじゃないかと思う。しかし、それはお調べになっていらっしゃるのでありますから、それ以上言ってもお答えにならない性質のものであります。 ただ、私がこういうようなことを言っておりますことは何かというと、繰り返しますけれども、逆に教科書会社が蓬庵会におつき合い程度で出したということであれば、これはまあ自民党の他の派からすれば、じゃ教科書会社はおれの方をおつき合いしないでいいのかという問題は残るかもしれませんけれども、おつき合いだともし仮にすれば、それは教科書会社という、子供への影響という点では大変薄くなるかもしれない。けれども、私はそうではないだろうと思う。公正な取引、あるいは教科書の中立、こういうものにいささかでもかかわってはならないのです、事教科書の問題だけに。 そういう意味で、厳正な立場で、毅然とした立場でもって調査をしていただきたいと思いますが、公安委員長、いかがですか。
○安孫子国務大臣 ただいま刑事局長から申し上げましたとおりに、捜査当局といたしましてもこの点については関心を持ちまして、それなりの情報収集には努めておるところでございます。今後もそういう態度でまいるつもりです。
○木島委員 かつて明治の初めに、検定制度が教科書疑獄によって国定教科書になった。もし、これがそのようなことであるならば、再び国定化の動きになってくるならば、これは教科書会社そのものの崩壊につながるわけでありますから、そういう点では、検定制度を前提にするならば、こういう企業たらざるを得ないわけでありますから、文部大臣は、どうですか、教科書発行の各社に今後一切政治献金はやらないという誓約書をとりませんか。そして、誓約書の中に、もしそのようなことを再びやったならば、教科書会社は発行を自主的にやめますというような政策をとりませんか、教育の正常化のために。
○田中(龍)国務大臣 ただいまの御主張を御意見として承りますが、それは私がたびたび申し上げておりますような文教の役所といたしましての範疇を越えた問題である、かように考えます。
○木島委員 大臣、あなたは範疇から離れるとおっしゃるが、そうじゃないのです。義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律とその施行令によるならば、その施行令の十五条に、発行者の指定の要件として、その四に、「図書の発行に関し著しく不公正な行為をしたことのない者」というのが指定の条件なんです。そして、この法の十九条の指定の取り消しには、虚偽または不正の事実に基づいて指定を受けたことが判明したときには取り消しがある。 だから、あなたは文部行政の範疇でないと言うけれども、この法律によってあなたはその権限を持っておるし、範疇に入っておるのです。そういうことがあり得るでしょう。
○田中(龍)国務大臣 教科書会社が民間企業であるという前提に立ちまして、民間の企業が政治献金をしてはならないということを文部大臣が命令をするということは権限外の行為でございます。
○木島委員 誓約書をとらないかと言ったのです。いいでしょう。もう時間がありませんから、教科書問題はそのぐらいにいたします。 これは大したことないのでありますけれども、今回の臨調の答申では、「財政再建期間中の公立文教施設の整備は、緊急性の高いものに限定し、事業量の大幅な削減を行う。」等もありますけれども、ただ、これは義務教育諸学校施設費国庫負担法によって国が金を出しているわけですよね。 そこで、大蔵大臣、負担金というのと補助金の差では——いやいや、私の言うことがいいかどうかだけでいいのです。書物によるならば、負担金とは、「一般的に相手方が行う事務または事業に費用を要する場合であって、国等においても当該事務等に何らかの関連がある場合において、それらの義務あるいは責任の程度に応じて相手方に対して交付する給付金をいう。」すなわち、補助金の奨励的、援助的なものとは違うというように負担金を理解してよろしゅうございますね。
○窪田政府委員 負担金、補助金の区別につきましては、いまおっしゃったとおり、負担金につきましては、当該経費について国が責任を持って支出すべき義務的性格を有する給付金というふうに一応は解されますけれども、しかし御承知のとおり、これにつきましてはシャウプ勧告以来の長い考え方の歴史がございまして、地方財政法十条その他の法律によっても必ずしも統一的に名前が確定、仕分けをされておりません。 そこで、義務教育諸学校施設費国庫負担法につきましては、まず、政令で定める限度において、その一部を負担すると法律に書いてございまして、その施行令の第一条では、政令で定める限度は、「一平方メートル当たりの建築単価に建物の構造の種類別に文部大臣が大蔵大臣と協議して定める面積を乗じて得た金額」、こういうふうになっております。したがって、予算で定められた金額の範囲内で負担をすればいいというたてまえでございますし、また御承知のように、先生もうすでに五十三年の文教委員会で御指摘をされておりますが、いまの施設費の負担金の中には予算補助のものも含まれております。そういった点を総合的に考えまして、予算上の名前は補助金ということになっているわけでございます。 なお、法律で負担するとなっておりましても予算上の名前が補助金となっているものは、生活保護費の補助金ですとか保健所関係の補助金でございますとか、例はいろいろあるわけでございます。
○木島委員 学校教育というのは、子供と教師と学校、その場、これが最小限の三大要素ですね。ですから、子供に対しては義務教育の無償の原則があり、そして教員の給与は、身分は市町村の身分ではあるけれども、県が出して、国がその半額を負担をしておる。校舎もまた法律で定めるところのおのおのの比率によって負担をしておるという、そういう意味では、教育というものの国と自治体とが共同責任ということからそういう措置がとられている、法体系全体がそうだと思うのです。 文部大臣、そう理解してよろしゅうございますか。
○田中(龍)国務大臣 結構でございます。
○木島委員 したがって、そうなりますと、今回のゼロシーリングでもって文部省が帳じりを合わせたものは、言うなれば四百六十億ほどの施設費の負担金を削ってそれで帳じりを合わせたと、大きく言ったら言っていいわけですね。それで果たして市町村の——先ほど次長がおっしゃった予算の範囲内という意味のことがありますけれども、それはそう書いてないのです。そういう意味のことがありますけれども、しかし、いま大臣にお聞きしましたようなその三要素というものを考えれば、事業主体は市町村でしょう。そうすると、市町村がやることは原則的には負担法という趣旨からするならば国が見なければならない、その分は負担をせねばならない、共同責任だから。そうすると、それを四百六十億削ったらやれるかというと、文部省は大体やれるとおっしゃるでしょう。それはなぜかというと、都道府県に面積を割り当てて、そしておまえのところはやめる、こうなるから、なるのですよ。市町村は、実はやりたくてもやれないのです。それでは負担法の趣旨に反するのじゃないかという気がするのです。 文部大臣、どうお考えになりますか。
○田中(龍)国務大臣 いまのお話は、単独、一方的にいたしますればさようでございますが、本年をもっていわゆる小学校、中学校の児童の増数というものは一応ピークになりまして、漸減傾向にあるということもあわせ考えますれば、いまの文教の施設の中におきましても、市町村とお話し合いの上、調整可能な量が出てまいるわけでありまして、それをできるだけ無理のないような姿におきましていまの四百二十六億という施設の問題が出てまいるわけでございまして、先生ただいまお話しのように、この計画それ自体についてもできるだけ無理のないように、できるだけ自治体の方に迷惑がかかりませんように相談をしながらまいった、かように考えております。
○木島委員 時間がありませんから。 ただ、いままでにおいてすら、県でもって割り当てて、それで多くの市町村が実は計画を放棄せねばならぬというような実態なんですよ、例年削られておりますから。ですから、児童生徒の減少なんということではないのです。あなたは、むしろその実態を御存じないと思う。だから、そういう意味では、負担法の趣旨というものをきちっと把握されるならば、自治体がやるというものを調整せずにやるというのが原則だと思うのです。 大蔵大臣、そういう趣旨で、四百六十億も削ったんですから、これは足らなかったらふやしていただけますか。
○渡辺国務大臣 それは財政事情その他を勘案して、予算の最終段階で決定をいたします。
○木島委員 中曽根長官、気象庁が運輸省の所管ですね。これはちょっとぴんとこないのですよ、行革全体の中で。たとえば文部省は、地震なら地震の場合、地震や噴火の研究の費用もついておりますよね。あるいは宇宙開発共同研究所も文部省でつくりましたね。ですから、そういうものではむしろ文部省の方へ移した方が、金がそれで少なくなるかどうかは別としまして、有機的な結合ができるという気がするのですけれども、どうお考えになりますか。
○中曽根国務大臣 気象庁は現業官庁でありまして、特にいま交通運輸政策の上から、安全確保という面で運輸省につけておいた方がいいんではないかと思います。外国の例を見ましても、交通政策を担当するところへつけているところが多いようであります。
○木島委員 それからもう一つ。この間、湯山さんが主任問題を取り上げましたね。もう時間がないから簡単に言うのですが、けれども大蔵大臣は、これは自民党の政策なんだから。しかし、自民党の政策でもって大抵やっているわけね、行政全体は、予算なんというのは。(「違う、文部省なんだよ」と呼ぶ者あり)いや、予算全体で言うならば、自民党の政策というものが予算編成のときに中心になってやられるわけね。その中でもって今回いろいろ削る。たとえば地域特例なら地域特例を削りますね。しかし、住民はそれを求めておるわけです。求めておるのだけれども削っておるわけです。 主任手当も自民党の政策かもしれないのだけれども、しかし、これは要らぬと言っているの。受益者はない。この間の話では七十億。さっきの四十人学級を減らすというのは八億くらいですね。(「もらわないのが間違いなんです」と呼ぶ者あり)間違いであるかどうか、これはおのおのもらう人間が決めることであって、要らないと言うのです。みんな欲しいというものを切っているの。要らないというものをまず与える。それで七十億。四十人学級は八億だと言われているわけです。 これは行革としてどう考えますかね。みんなが求めておるものを切っているの、要らぬというもの無理にやっているの、それでもらってないの。これは行管庁、どう考えます。
○渡辺国務大臣 これは一つは法律で決められたということもございますし、われわれは、民主政治ですから、議会政治でできるだけ他党の意見も取り入れて予算編成をやるつもりでやっております。したがって、毎回各党首会談とか総理大臣もやって、私も立ち会って、できるだけ共通なものはつくりたいと思っておりますが、党が違うと全部一緒というわけになかなかいかない問題が実はございます。そういうようなことで、政党の基盤が違うものですから、そういうところではなかなか全部取り入れるわけにはいかない。これは法律の問題も自民党が中心になってつくったことも事実でございまして、教育に非常に効果がある、いや効果がない、こういう論争がございますが、どちらが正しいのか、これは私も効果があるという方に加担をしたものですから、それを切るということは目下考えておりません。
○木島委員 最後ですが、それは法律で決めたからといったって、法律で決めたのを今度法律でもって住民が望んでいるのを切っているんですからね。他党の意見も聞く、他党では、わが党はこれは要らないと言っているんです。ですから、そういう意味では、効果があるかないかといったって、くれたって要らぬというのなら効果があるとは費えぬのだから、こういうのはむしろ、あなたもいろいろ考えていらっしゃるようでありますが、中仙根長官、これは臨調に相談してみませんか。臨調に相談しませんか、意見を聞きませんか。
○中曽根国務大臣 臨調は、聖域がないという考えであらゆる方面を審議し、また検討もしていると思います。いまどういうふうに審議しているかは、私、いまの問題については存じませんが、改めて相談をするほどのこともないと思います。
○木島委員 時間が来ましたから、終わります。
○小渕(恵)委員長代理 これにて木島君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 まず最初に、午前中同僚の田口委員からも御質問があったようでありますが、北炭の夕張炭鉱のガス突出事故についてでありますが、御報告がございましたように、死者四十三人、行方不明五十人という大変な事故になったわけであります。 まず、深い悲しみを込めて、北海道炭鉱災害上最大の大惨事の犠牲者の方々の御冥福を祈り、御遺族の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思うのであります。 まだ救助作業中でありますし、原因の調査などにつきましてもこれからのことでありますから、ここで深いお話ということにはならないと思いますが、しかし一、二の点だけ、この際率直に御質問申し上げたいというふうに思います。恐らく通産大臣も、このこと等で大変に忙しいことと思いますから、十分くらいで結構ですから、あとは陣頭指揮をおとりいただきたいと思います。 まず第一に、御要望申し上げたいのでありますが、何といっても当面、救助活動に全力を挙げてほしい。どうも、非常に早過ぎた注水宣告というようなこともありまして、大変に私どもも心配をして拝見をしているわけでありますが、ぜひひとつ万全の力を尽くして救助活動をお続けいただきたい、このことをまず御要望申し上げておきたいのであります。 同時に、不幸にして亡くなられた御遺族の皆さん方には、万全の御措置をまたお願いしたい。特に、今回の場合には下請の方が非常に多いというようなこともございまして、これは組夫の方々の場合は特に企業が弱体ということもあって、その間に万一にも差別が起こることのないような措置をひとつおとりいただきたいというように思います。 次に、今回の事故は、面接的な原因はこれからいろいろ究明をしていくことになろうと思うのでありますが、しかしその背景には、これは明らかに会社の、いわば保安手抜きの生産第一主義の経営方針が大きく影響をしたのではないかという感じがするのであります。さあ赤字採炭だ、かせげかせげという採算第一主義というものが暴走をした結果ということも言えるわけであって、そういう点を一体どういうぐあいにごらんになっておられるか、同時に、企業がこういう保安軽視の無理な経営に突っ走るということの背景に、政府の石炭政策の問題点はないか、率直に反省すべき点をお感じになっておられるかどうか、お伺いをしたいのであります。 午前中のお答えを聞きますと、大臣は、行政指導に手落ちはないというようなお答えをなさっているようでありますが、しかし、現に事故が発生しているわけでありますから、こういう点から考えて、ことに保安法の改正を含めて、保安の監督指導についての抜本的な洗い直しということなどについてもお考えになっておられるかどうか、お伺いをしたいと思います。 最後に、山はつぶすなということをお願い申し上げたいのです。いま夕張で、たとえようのない深い悲しみにみんな沈んでいるわけでありますが、しかし、同時にもう一つは、山がつぶれるかもしれぬという大変に重い不安感というものがあの地域を包んでおるのだと思うのであります。これは、あれほどひどい目に遭いながら、そういう中でしか生活のできないという、あそこで働いておる人たちの心情というものもぼくはやはり考えてほしいと思う。 それは、一方でもちろん国産エネルギー政策というような意味からも力を尽くしてほしいが、地域のそういう人々のためにも、何重にも北炭の再建問題がむずかしいことはよく承知しておりますが、しかし、前向きにこの再建の問題には取り組んでほしいというふうに思いますので、大臣から率直な御見解と、できればその後総理からも一言いただければ幸いだと思います。
○田中(六)国務大臣 十六日の十二時四十分に発生しました夕張新鉱のこの災害につきましては、心からどうも言いようのない気持ちでございます。犠牲者が、現実に死亡いたしました四十三名と未収容の五十名がいるわけでございまして、地下八百メートルの底にどういうぐあいになっておるかということは、率直に申して胸の痛む思いでございます。 まあ生産第一主義ということと私どもが行政上に手落ちがなかったということは、私ははっきり言ってどちらも言えないのじゃないか、万全を期しているようなつもりでございましても、現実にこういう事故が起こっておりますので、行政上万全を期しておったという断定は、私自身率直に言って申し上げかねるのです。ああすればよかったのじゃないか、こうすればよかったのじゃないかということも考えられますけれども、昨年の八月に火災が起こりまして、その後検討に検討を重ねた結果、十一月に再開ということになったわけでございまして、それもこの炭鉱は、宿命的に非常に地盤が緩くて、しかもガスが非常に多い炭鉱でございます。しかも深部。 それで私ども、気にするなと言っても一番気にかかる炭鉱でございますし、累積の政府出資とかいろいろなものを合わせましても一千億円を超しておる炭鉱で、これ以上は政府はどうにもなりませんよということもたびたび申してきた炭鉱でございます。労使とも、本当に協調してこれからやろうという意気込みに燃えておったというのは否めない事実でございまして、どっちが悪い、こっちが悪いというようなことは、神様ではない限り私は言えないのじゃないかと率直に思います。 しかし、こういう事故を起こしておりますので、私どもこれからもその対策をどうすべきかということは、すでに十七日に私向こうに参りまして、夜十時からまた連絡会議を本部で開きまして、四つの項目を決めているわけでございます。まず、罹災者を一日も早く救うということ、それから罹災者に対する弔慰並びに遺族に対するいろいろなそごのない処置をとるということ、それから各省との連絡会議を密にすると同時に、地方の代表も含めて会議を推進するということ、それから四番目に、技術的な、これはどういうことでこうなったかということが必要でございますし、技術班をつくってこれの究明に当たるということを、総理の指示もございまして、夜、夜中決めて、一応対策の考えられることはやってきておるわけでございます。 まあ、起こったものはしようがないと言えばおしまいでございますけれども、いずれにしてもこの対策には今後とも万全を期していくつもりでございます。 それから、この炭鉱を再開するようにしておけというお話でございますが、火災が昨年起こったときも、いろいろ問題がございまして、私ども率直に言って再開をちゅうちょした心境にもなったわけでございますけれども、夕張市民四万人の人人の熱型があって、実はその後、融資、出資をするのに市民からも金がかなり出ているのです。つぶしては困る、つまり住民の准分は炭鉱関係でございまして、これがなくなった途端にこの町は消える可能性があるわけでして、そういう熱望もあって再開に踏み切ったわけでございまして、今回もまた同じようなケースが出ておりますが、私どもも、十分日本のエネルギー政策、それから住民の意向、そういうものも勘案して、できるだけそういうことを配属して対処したいという考えでございます。
○鈴木内閣総理大臣 夕張新炭鉱の事故は、先ほども午前中にも申し上げましたように、本当に痛ましい大惨事でございまして、犠牲者の方々に対しまして深甚なる弔意を表するところでございます。 政府におきましては、直ちに田中通産大臣が現地に参りまして、つぶさに現状を視察、把握をいたしますと同町に、その報告に基づき対策本部を政府として設置をいたしました。その対策本部がいま重点を置いてやっておりますことは、通産大臣からただいま御報告を申し上げたとおりでございます。 私としては、特に原因の究明をしっかりとやって、その原因究明の上に立ったところの保安体制の確立、二度とこのような災害が起きてはならないということから、保安体制において欠くるところがなかったかどうか、十分チェックをいたしまして、今後万全の措置を講じてまいりたい、このように考えておるところでございます。 私は、人命尊重、本当に保安が確保されて初めて持続的な生産が続けられるわけでございますから、まず保安体制をしっかりとやるということに、政府はもとよりでありますが、関係者を督励をいたしまして、そのようにしてまいりたい、こう思っております。
○五十嵐委員 いまの段階では、本当に原因究明と申しましても、これから作業にかかるわけでありますから、ぜひいま総理のお話がございましたように、徹底した原因究明に基づいて、それで通産大臣、あれこれ責任をどうこう言ってもなかなかと言うが、しかし、やはりそれは明確に、責任の所在は企業は企業なりに、行政は行政なりにはっきりさせて、いま総理のお話のように、そういう点はしっかり究明して、その上に立って二度とこういう事故の起こらないような、保安対策についての基本的な洗い直しをしていただいて、同時にひとつ、私も心強く実はお聞きしたのでありますが、山はつぶさぬという考え方で、非常に困難な問題ではありますが、積極的にお取り組みをいただきたいと御要望申し上げまして、お忙しいであろうと思いますから、どうぞ……。 それでは、まず総理に一つ。ごく感覚的なお答えで、気軽なお答えで結構なんでありますが、大体いま地方自治体で、いろいろな仕事を県でもあるいは市町村でもやっておる。たくさんの職員がそこで仕事をしているわけですが、たとえば、どこの県でもいいですが、県庁で仕事をしている、その職員の仕事のうち大体国の機関委任事務というのは、全く感覚的でいいのでありますが、どの程度だとお感じになっておるか。つまり、一割ぐらいなのか三割ぐらいなのか五割ぐらいなのか、どのぐらいなのか。これは感じだけでいいです。耳打ちなしにひとつどうぞ。
○鈴木内閣総理大臣 国の機関事務を地方にお願いをしておるというものは、相当あると、私はこのように見ております。今度の行財政改革の大きなポイントは、国と地方団体との間の機能分担と申しますか、そういう点が非常に大事なポイントであろうと、こう思っております。そういう意味からいって、いまの機関事務がどういうぐあいに地方行政の中で重荷になっておるか、また改善の余地があるのか、しなければならないのか、そういう点を十分焦点を当てて検討していかなければならないと、こう思っています。
○五十嵐委員 行政管理庁長官はどうですか、大体何割ぐらいと……。これは長官はわかっていますな、専門家だから。
○中曽根国務大臣 相当なものであると考えております。
○五十嵐委員 これはいよいよ本当の専門家の方で自治大臣、大体県庁で——これは知事さんやっておられたのですからよく御存じなわけでありますが、あわせて、この機関委任事務というのはふえているのか減っているのか、どのような推移になっておるのか、そんなことをごく簡単にひとつお話ししてほしいと思います。
○安孫子国務大臣 先に機関委任事務の数でございますが、昭和二十七年に二百五十七ございました。四十九年には五百二十二にふえております。四十九年以降、法律制定その他関係いたしまして、私ども考えてみますと、約三十ふえていると思います。したがいまして、現在はまず五百五十というところが機関委任事務であろうと、こう考えております。 なお、機関委任事務の事務の分量でございますが、いろいろ見方があると思いますが、人員の配置その他事業の内容から見ますと、六割程度は機関委任事務であろうと、こういうふうに想定をしております。
○五十嵐委員 総理も長官もお答えがなかったわけでありますが、いま自治大臣からお話がありました。六割というのは、一般的な言い方からいうとむしろ少な目でしょうね。七割とも八割とも言われているんですね。大変な数の職員がどこの県庁でも働いている。 中曽根長官は、どうも地方公務員はこのごろふえてどうもならぬというようなお話があるわけでありますが、しかし、実際にはそのうちの、いまのお話で六割、あるいは七割も国の方の事務を委任を受けてやっているんだということなんですね。しかも、この機関委任事務というのは、地方制度調査会であるとか、一次臨調でもそうでありますが、いろいろな機会に一貫して言っているのは、この機関委任事務というものは減らせと、これはもう毎年毎年、いろいろな審議会で常に総理や関係大臣に答申の続けられてきているところなわけです。 そうやって、減らせ減らせと言われてきているんだけれども、実際にはどうかというと、いま大臣から答弁あったように、二十七年から見ると二倍以上になっている。これは地方自治法の別表に言う機関委任事務ですね。そして、全体の職員のうちの六割も七割もの職員は、その県の固有の事務じゃなくて、国の機関委任事務をやっているというような状況にあるわけです。これが職員の増というものにも非常に深くつながっているので、どうも簡単に地方公務員はふえているなんということを言われても、長官、困るのです。 たとえば、昭和四十九年六月に国土利用計画法の制定による事務が地方に委任された。その関係だけでいまどうかというと、約千四百人やっているわけですね。それから公害関係で見ると、四十二年の公害対策基本法あるいは四十三年の大気汚染防止法、騒音規制法、四十五年の水質汚濁防止法あるいは農地の土壌の汚染防止法、四十六年の悪臭防止法、五十一年の振動規制法、こういうようなさまざまな公害関係の法律が出ているわけでありますが、この法律に基づく職員は一体どうなっておるかというと、都道府県の公害担当職員数は今日七千三百十一人に及ぶそうです。市町村の公害担当専任職員は六千四百九十一人。これは皆、そういう国の法律に基づいて機関委任事務としてそれぞれ都道府県や市町村が必要な職員としてやって、また一生懸命働いてやっていただいているわけです。 ですから、いまお話しのように、これが五百も六百もの件数があるわけですから、それがどんどんふえているのだから、そういう中で地方公務員というものがふえている。国が余りふえていないというのは、一つ言えば、そうやって地方に委任しているからふえなくて済むわけですね。地方は逆にふえるということも含んでおいてもらわなければならぬというふうにぼくは思うのです。 しかし、この機関委任事務というのは、いつも問題になるわけですが、それぞれ各省の縦割りでおりてくる。したがって、そこに指示や通達があり、あるいはそれに対して地方側からの照会であるとか報告というような事務が非常に重複している。行政の責任区分というものが非常に不明確だということが言えるわけです。いま、都道府県の職員というのは百六十八万と言われているわけですね。市町村の職員は百四十五万。この職員の六割なり七割というものが、日常そういうような繁雑な重複行政に悩まされているということは、まさに行政改革のいま考えていかなければだめな最大のポイントでないかというふうにぼくは思うのです。 しかも、その機関委任事務を一つずつ見ると、こんなこと何でやっているんだろう、どうして一体国がこういうことにいつまでも口出ししなければならぬのだろうと思うようなことも少なくない。興行場法、旅館業法、公衆浴場法に基づいて、旅館やパチンコ屋さんあるいはサウナやおふろ屋さんの営業の許可、施設の立入検査のごときものまで、一体なぜ国が権限を握っていてこれに関与していかなくちゃならないのか。これは、その地域の公衆衛生上、風紀上の見地から実施されているものでありますから、全く地域的な事務の問題なわけですね。こんなもの、地域に任してしまえばいいじゃないですか、自治体に。何でこんなことを一々上に上げて命令を受けなくちゃならないのですか。あるいは墓地や埋葬等に関する法律によって、墓地、納骨堂あるいは火葬場の経営の許可、墓地の施設の整備改善、火葬場への立入検査に至るまで、なぜ国は口出しをしなければいけないのか。 例を引くと、まだまだ山ほどあるのです。知事会だとかあるいは市長会なんかがいろいろ具体的なことを言ってお願いをしているのでありますが、これはうまくないですよ。こうやって一々それに開運する書類の交渉事務は膨大なものだ。この際、行管長官、御見解があればひとつ承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 私も、五十嵐さんのお考えに同感なんでありまして、今回の行革の一つの眼目は、国の仕事と地方の仕事を見直す、どこまでが国がやり、どこまでを地方が受け持つか、特に地方の固有事務という概念をこの際もう一回再検討してみて、地域に密着したものは地方の仕事である、国が上から指導したり統制したりしてやるべき問題ではない、しかし国家的整合性を保つ必要があるであろう、そういう考えに立ってぜひ見直しをやってもらいたいと思っております。
○五十嵐委員 結構ですね。固有事務、委任事務のいままでの概念というものを一遍この辺で洗い直すべきだろう。ぼくなんか、やはり機関委任事務という概念はこの際廃止すべきだと思うのです。やはり地方になじんだものは地方の事務に移してもらいたい。これはどう考えたって国がやるべきだなと思うものは、多少国にやってもらうものもぼくはあると思うのです。しかし、共同でやらなければだめなものもやはり残ると思います。相当部分あると思う。それは機関委任事務なんというものではなくて、委託というような関係を対等に結ぶ、それで必要な財源はきちっと措置してもらうというような整理が非常に大事でないか。これを主要な眼目としてやっていこうということについては、ぜひ期待をしたいというふうに思います。 自治大臣にお伺いしたいのでありますが、前国会で地方自治法の一部改正案を準備なさっておったのに、なぜ提出できなかったのか、率直に、簡単に……。
○安孫子国務大臣 いまお話のございました機関委任事務に関しまして、この事務を都道府県等の監査委員の監査に対する方が実情は適しておると私は思っておるのです。そこで、機関委任事務についても監査対象にしたいというのが改正案の一つの眼目でございました。これに対しましては、非常な抵抗があるわけでございます。この点について、提案を断念せざるを得なかったということが一つございます。(五十嵐委員「どんな抵抗」と呼ぶ) やはり、機関委任事務というものを地方団体の監査に付するということはおかしいじゃないかということですね。しかし末端から申しますと、固有事務と機関委任事務というものは、まあ大体一体となって仕事をやられておる事情がございます。したがいまして、単に監査を固有事務だけでなくて機関委任事務についてもやることの方が非常に適切であると私は思っておりますが、しかしながら、理論的にこれはおかしい、こういう議論が相当強うございまして、断念せざるを得なかったということが一点ございます。 あと、地方団体の連合会が意見書を出したいということについても、この意見書というものは少し重みが加わるからこれはどうもいただけないと申しますか、余り賛成できぬという意見もございました。 それからまた、市町村は別でございますが、都道府県の場合に基本計画を策定する義務はございません。この点についても、府県行政におきまして基本計画というものを策定をするということを法定をしてもらう方がベターである、こういう考え方で、これも法案の内容に入れておったわけでございますが、これにもいろいろな異論がございました。 そういうことで、この前出そうといたしましたが、地方自治法の改正は断念をいたしたわけでございます。
○五十嵐委員 ぼくら見ると、一体どういうことかと思うのです。あんな程度のこともできぬで、一体何が行革ですか。 いま自治大臣からお話があった。じゃ監査委員が実際にはどうかといったら、県の場合でも市町村でもそうですが、監査対象に何々課、何々課とやるわけだ。課の監査をするときに、これは機関委任事務だから別だよなんという分け方なんか、何にもしてないですよ。実際には全部監査の対象にしているのです。地方の議会でどうか。これは機関委任事務だから予算審議から外そうとしていますか、してないですね。これはひっくるめてやっているのですよ。何で一体、それをいま自治法改正できちんとしていくということが各省で賛成できないのか。ぼくはおかしいと思いますよ。 それから、いまお話がございました、知事会なんか地方六団体が、地方に重大な影響を与える法令なんか出るときに、これについて意見を言いたい。いまもやっていますね、これだって。これも制度的にきちんとしたい。これを受けたときに総理は、これをちゃんと重視して措置するというようなものを今度の法律の案として出そうと考えた。これをけしからぬと言う。地方で町づくりの基本構想をつくる、あたりまえじゃないですか。それをきちんと制度化する、こんないいことはないじゃないですか。これはだめだと言うのですね。簡単に言えば、要するに国の仕事に地方は口出しするな、こういうことらしいですね、理由をいろいろ聞くと。うまくないですよ。しかし、各省では事実こういうような抵抗がある。ちょっと聞くところでは、行管なんてすごく抵抗があったというのですね、余り長官の耳に入ってないのかもしれませんが。 これは総理、各省でだれが考えたってあたりまえだ、行政改革の上でも一番最初にやるべきようなことについて抵抗があったということについては、やはり総理は総理としてのリーダーシップでこれを取りまとめてもらわなければいかぬのじゃないだろうか。再提出の考えがあるかどうか、総理、お答えいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 いま臨調で大きな仕事の一つとして国と地方の仕事の分担の見直しということをやっておりまして、その根本を確立すればそれは雪が解けるがごとく解決する問題である、部分的にかけらを拾っても意味がない、そう思っておりまして、いま臨調の審議をぜひ期待して待っている次第であります。
○五十嵐委員 余りそんなようなふうではなかったですよ、この前のときは。そういう前向きの考え方でちょっと抑えたというようなふうではなかったようです。しかし、いま長官は、そういうわけだから、本当にこれについては抜本的にやっていこう、行政事務の再配分であるとかさまざまなことをひとつしていこう、そういう中で機関委任事務も整理しちゃおうという、基本的な方向に基づいていまの発言があったわけでしょう。そうであれば、それでいまのところ結構じゃないかと思いますから、ぜひひとつそうしてください。 さて、お聞き及びのように、各地方公共団体で情報公開の制度を準備している。神奈川を初め相当たくさんの都道府県及び市町村でこれについて取り組んでいて、早いところは来年から条例制定という段取りになっているわけです。こういう傾向について総理、どう思いますか。
○鈴木内閣総理大臣 情報公開制度の確立をするということは、行政を国民の立場に立って民主的に運営をしていくという観点からいたしまして非常に重要なことである、そういうような観点から地方ですでに着手しておられることも私、承知をいたしております。 政府におきましても、昨年五月でございましたか、大平内閣におきまして、この情報をいかに国民の皆さんに利用していただくか、可能な限りにおいてこれを活用していただくために、目録の作成でありますとか、あるいは資料の整備でありますとか、あるいはこれを閲覧に供する際の仕組みでありますとか、保存であるとか管理であるとか、いろいろな面につきまして一つの通牒を出しまして、それに基づいて現在やっておるわけでございます。欧米先進国の実情等も調査いたしておりますし、臨調におきましても重要な一つのこれからの課題として御検討をいただくことに相なっておりますので、その答申を得まして政府としても本格的な情報公開制度を確立したい、こう思っております。
○五十嵐委員 はなはだ恐縮ですが、もう一言。 総理は、公文書というものは公開が原則、まあ特定のものは非公開ということになろうと思いますが、原則的には公開すべきものだ、つまり原則的には国民は知る権利を持っているし、政府は知らせる義務があるのだというふうにお考えですか。
○鈴木内閣総理大臣 原則的にはそのように考えています。
○五十嵐委員 そこで、機関委任事務に関連してお伺いしたいのでありますが、いま各自治体で情報公開条例を制定する準備をしていて、その上で非常に大きな問題は、さっきお話しのように六割とか七割とか言われるような機関委任事務を抱えている、この機関委任事務は公開できるのかどうかということなんですよ。これは、しかし国から執行を委任されているわけですから、委任をされた自治体の長の判断によって一つは条例ができて、それを公開するしないということになる、それでいいのではないかと思うのですが、しかし、さまざまこれをめぐっての議論がまだ残っているようです。 いま総理のお話のように、原則的に公文書というものは公開するものなんだ、特定のものについては非公開というものが残るかもしれぬが、基本的には公開するものだということであれば、機関委任事務についても原則は公開というのが当然ではないのか。その判断は、現場にいる自治体の長が判断すればいいのではないか、こう思うのですが、行管長官いかがですか。
○中曽根国務大臣 筋から言いますと、委任された仕事は、これを表へ出すというときには、委任した人に了解を求めるのが筋であると思います。だから、原則的にはそういう筋を立てて公開するというのが正しいと思います。しかし、公開をするということが一つの原則になっておりますると、その公開するという方針のもとに委任した方もできるだけ協力する方が望ましい、こう考えます。
○五十嵐委員 つまり、いま総理もあるいは長官もおっしゃるように、公文書というものは原則として公開するのだ、その原則として公開する文書を含む事務というものを委任しておるわけですね。それを地方で執行している。したがって、これは委任している側の意思というものは公開が原則だということは、いまも発言のあったとおりです。地方自治体はこういう趣旨に基づいて、まあ事務的にいろいろ話し合う点ももちろんあると思いますが、原則としては機関委任事務も公開だということで、ややいまのニュアンスというものはそうであったと受け取りたいと思います。 そこで、もう一つは、情報公開条例が制定されますと、地方公務員法三十四条一項のいわゆる守秘義務の範囲というものは、条例が公開してはいけぬという非公開の範囲において守秘義務というものは特定されるというふうに思うのですが、自治大臣どうですか。
○安孫子国務大臣 機関委任事務は、結局公開する場合に条例事項になると思いますが、機関委任事務について条例とすることができるかどうかということについては問題はあると思っております。
○五十嵐委員 恐縮ですが、いまの場合は機関委任事務に限定したものでなくて、一般的な地方の扱う事務全体について、条例ができて非公開の範囲はこうだと決まるわけですね。その場合は、非公開の部分については守秘義務の対象になると思いますが、公開していいというものについてはむしろ積極的に知らしむべし、知らせよということなわけですから、それを知らせて守秘義務違反なんということは全くナンセンスだと思うのです。そのことを聞いているのです。
○安孫子国務大臣 原則として、公開につきましては条例制定が一つの道筋であろう、こう私は思っております。
○五十嵐委員 ということは、つまり、いまぼくが申し上げたことでいいということですね。うなずいていますね。それじゃそういうことで結構です。 次の問題に入りますが、地方財政への負担転嫁の問題であります。 自治大臣にお聞きいたしますが、臨調第一次答申にかかわる地方の負担はどの程度と予測されていますか。
○安孫子国務大臣 臨調答申について全部はまだ判明をいたしませんが、少なくとも地域特例に関する問題ははっきりいたしております。これは四百数十億だと思っております。 それから、今度一般の、たとえばゼロシーリングによるところの問題で、それが地方に負担が転嫁されるものもなきにしもあらずだろう、こういうことがございます。これはまだ今後の問題でございます。 それから、国民健康保険等につきましては、今後の折衝にまつ問題でございまするので、まだはっきりいたしません。 結局、いまはっきりいたしておりまするのは、以上のとおりであります。
○五十嵐委員 大臣、地方特例は、いまのものは法律に基づくものですね。そのほかに政令のものが百二十億ぐらいというのですから、合わせると五百八十億ぐらいになりますか、大きいものであります。以下、ゼロシーリングにおける問題あるいは国保等はこれからの問題で、みんな加わると莫大なものになるわけですね。 そこで、自治大臣にお伺いしたいのですが、地方財政法第二条二項には「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」とあるのでありますが、今回の行革の地方への財政負担転嫁は明らかに地財法違反ではないか、御見解をいただきたい。
○安孫子国務大臣 地財法の規定するところは私も承知をしておりますが、今回の地域特例の問題につきましては、従来の補助金に対してまたかさ上げをするという性質のものでもございまするし、それは補助金自体というものも国とあるいは地方団体とが協力して地域開発のために仕事をやるという関係でございますから、特に今回のかさ上げの問題のカットにつきましては地財法に違反するものではない、こういうふうに理解をしております。
○五十嵐委員 それじゃ自治大臣、まだ今回は出されていないが、国保であるとか児童扶養手当とか、こういうものの地方負担については地財法の違反と考えていると受け取っていいか。
○安孫子国務大臣 国民健康保険の問題でございまするけれども、いまの国の制度というものは、国とそれから保険料をもってこれを措置するというたてまえになっているわけでございます。それを今度は地方にまた負担させるのだということにつきましては、新たなる負担になるわけでございまするので、地方財政法上は問題があるだろう、こういうふうに思っております。
○五十嵐委員 そうですね。地方財政法違反である。地方財政法は「(この法律の目的)」のところに、「地方財政の運営、国の財政と地方財政との関係等に関する基本原則を定め、もつて地方財政の健全性を確保し、地方自治の発達に資することを目的とする。」こう言っているわけですね。これはもちろん、憲法で言う九十二条の「地方自治の本旨」を受けてこれがあって、この条文に基づいてさっき言った二条二項というのが出てきているわけでありますから、これは地域特例だって、自治大臣、さっきの話はちょっとおかしいとぼくは思うんですね。それはいま提案しているわけですから、ここのところでどうも問題があると言ったのではえらいことになりますから、いまのようなお答えにとどまったのだろうが、しかし、これはおかしいのじゃないですか。地財法違反じゃないですか。 国保の問題やあるいは児亜扶養手当の問題は地財法上問題がある、いまの地域特例については余り問題ない、全然おかしいですよ。全くおかしい。児童扶養手当なんかについては、特に地財法十条の四の七、ここにわざわざ「地方公共団体が負担する義務を負わない経費」、こういうことで「児童扶養手当及び特別児童扶養手当に要する経費」というものが明記されているのだから、これは全く疑いの余地なく厚生大臣、うまくないですよ。だから、地方財政法の上からもそういう考え方というのはよこしまだとは言えるのじゃないですか。自治大臣、いまのお答えにぼくはちょっと承服できぬのですよ。
○安孫子国務大臣 かさ上げの特例に関する問題でございまするけれども、これは従来既定の補助金に、また地域の発展のために特例措置といたしまして補助金をかさ上げするというものでございまするから、どうも地方財政法のお話でございまするが、その条項には触れないと私は思っているわけでございます。しかもまた、この問題につきましては、その財源措置等を講ずることにいたしておりまするので、問題はないと考えております。
○五十嵐委員 それは財政措置を講ずるといったって、改めて言うまでもありませんが、六分の一カット分、そのうちの——それは当面は起債で認めながら、半分は国の方から交付税の方に入れてくれるけれども、しかし、半分は地方全体として持たなければいかぬということになるのですから、当面の財政措置がとれたからそれでいいのでございますというのは全く論理的におかしいですね。委員長、これはぼくはどう考えてもおかしいと思うので、どうしたらいいですかね。
○金丸委員長 どうしましょうか。
○五十嵐委員 どうしましょう。後でちょっと相談してもらえますか。
○金丸委員長 はい、わかりました。理事会でも相談します。
○五十嵐委員 お願いします。 どうも時間の残りが少ないのでありますが、しかし、いまの問題にしてみても、厚生省が国保だとかあるいは児童扶養手当だとかこういうものを、われわれから見るととんでもないツケ回しをしようと考えている。これも、厚生大臣はそうしたくてやっているわけじゃないので、ゼロシーリングの中で苦し紛れにそうせざるを得ない。やはり基本的には、国の全体の財政の組み方の中で福祉というものを軽視する姿勢というものが、こういうところにしわ寄せになってきていると思うのであります。ぜひひとつ、こういう点については全体的に総理がよくごらんをいただきたいというように思うわけです。 それから、この機会にちょっと確認しておきたいと思いますが、総理、児童手当は存続するということに確認して結構ですね。
○鈴木内閣総理大臣 これは基本はあくまで堅持をしていきたい、存続していきたい、このように考えております。ただ、財政的にも非常に厳しい状況下にございますので、経済的に負担能力のある方々に対しまして所得制限等の措置は今後十分検討すべき課題であろう、このように考えています。
○村山国務大臣 五十嵐委員から財政法第二条第二項の引用があったわけでございますが、私もその条文はよく知っているわけでございます。しかし、もしあの条文をそのままやりますと、もう何にも現行の法律は動かせないという結果になるわけでございます。私たちが考えておりますのは、そういうことではなくて、現行法を一体どういう角度から根本的に見直すべきであるか。現行法をそのままにするということであれば、これは率直に申し上げまして私は行革は必要ないと思います。そして改めて厚生省の行政を、環境衛生初め全部検討させていただきました。そうしますと、どうも国と地方との役割り分担からいって現行制度を少し改めるべきではないかという点に気がつきましたのが、実は国保と児童扶養手当と特別児童扶養手当の問題でございまして、これはもう役割り分担の見地から言っているわけでございますので、御了承願いたいと思います。
○五十嵐委員 もちろん了解できないわけです。少しお話をしたいけれども、時間が余りないものだから先に進みたいと思います。 地方財政の問題でありますが、大蔵省は公共事業の長期五カ年計画のうち住宅建設を除く七計画——大臣がいないので後にしょう。 それじゃ、運輸大臣に先にちょっと聞いておきましょうか。例の国鉄地方線の問題であります。知事会も市長会も大反対で、協議会には参加できぬ、こういうようなお話もあります。あるいは、各地域でこういうことがあるのじゃないですか。国鉄の管理局長と市町村長との間で、合理化に協力する、しかし線路廃止は困る、廃止するときには、もしそういうことになれば合意をしてからやります、こういう確認書のようなものを交わしているなんということはずいぶんあるのじゃないですか。こういうのは一体どうなるのですか。
○塩川国務大臣 お尋ねの件は北海道におきまして、特に先年貨物の合理化を進めましたときに、たとえば御承知のように相生線なんか、その線の合理化に伴って鉄道管理局との間であったということは、私も先日、北海道に行きましたときに、地元の方がおっしゃっておられました。私は、そういう覚書があったということは聞いておりませんし、また現に、国鉄の部内を私は厳しく質問いたしましたが、覚書はつくっておらないのでございます。それは事実ない。 けれども、そのやりとりの間で、貨物線の合理化を何とかなし遂げたいというので、職務に余りに熱心な気持ちから、これさえやっていただいたら、後の問題についていろんな問題が起こりましても、絶対に廃止さすようなことはいたしませんからとか、いわば熱心さからそうい言葉が出たかもわからぬ。しかし、公式にまとめましたのは、なお努力するということ等につきまして、ちょうどいま持っておられる紙、まさにそのとおりでございまして、実はそのようにまとまったということでございまして、それは廃止に対する覚書というようなものではございませんので、どうぞ御理解いただきたいと思うのです。
○五十嵐委員 ここにというやつはこれなんですが、努力するというのではないですよ、大臣。「地元のコンセンサスを得て対処する。」と書いていますよ。自治体や地方の住民から行政訴訟が起こったらどうなりますか。これはうまくないですよ。 時間が余りないから、いま大蔵大臣にちょっと聞かなければだめなことがあるしあれですが、これは二カ年間という見切り発車までの時間があるわけだが、ぼくは余り二年にこだわらない方がいいのじゃないかと思う。いろんな問題がある。知事会だって市長会だってああ言ってきている。これはこの際、あくまで慎重を期してほしい。なおも二年が三年でも四年でも、やはり了解を得られるまで努力するという考え方があっていいのじゃないだろうか。一方的に二年で見切り発車というようなことは、ぼくは考え直した方がいいと思うのです。そういうことについて検討する気持ちは、総理、ないですか。少しは検討する気はないですか。いまのような問題がさまざまにあるわけですよ。地方協議会に参加しないという自治体だって、相当出かかっているわけです。総理、どうですか。
○塩川国務大臣 これは直接所管でございますので、一言……。 いま、知事会なり市長会からいろいろな要望が出てきております。協議をいよいよ十一月一日から開始いたしたいと思いますが、それに伴いますところの陳情が出てきております。それに対しましては、私の方も知事会、市町会等に、いま誠意を持って話し合いをしておるところでございます。 特に、協議開始するといたしましても、その構成員の、メンバーの指名というのがございますが、これ等につきましても、知事会等とも十分に相談をするということをいたしておりまして、いま私たちも、ただ単に二年で見切り発車するのだという姿勢ではございません。けれども、法ではそうなっておりますので、それは二年の間に何とかして協議をまとめてもらいたい。そのためには、こちらも尽くせるだけのことは十分いたして、そのかわり地元の方も、ただ単に反対だ、反対だではなくして、やはり話し合いをしていただく姿勢もとってもらいたいということで、問題点等もあらかじめ整理いたし、これから鋭意詰めて協議に入りたいと思うておる次第であります。
○五十嵐委員 自民党内にも、ずいぶんいろいろな意見が強く出ていることはぼくらもわかっているのでありますが、ぜひひとつ——いま多少のニュアンスがぼくは残されたと思うのです。法律は法律だけれども、しかし、いろいろ考えてみなければいかぬというようなことにも、何だかちょっとよくわからぬ表現ではありますが、受け取れないでもないような気がいたしましたので、なおまた機会を見てお伺いしたいと思いますが、慎重に対応してほしいと思います。 最後になりましたが、大蔵大臣、長期五カ年計画について国費負担を軽減したいということで、各省との話し合いに入るというような報道がありました。これは、国の補助率の低いようなものを特に選んでみたり、あるいは補助対象の事業を減らしたりすることによって、結果として地方の負担がよけいになるというようなことにならないようにしてほしいと思うわけです。五十六年で見ましても、公共事業の伸び率はゼロだったけれども、国の負担は百二十六億減っているのですね。しかし、地方の負担は三百十四億ふえている。これを今年なんかもっと厳しい中でやられると、こういうシフトがもっと強まるという可能性もあるわけです。地方では、実は大変に心配をしているわけであります。 あるいは、これも最近のお話を聞きますと、以前からその話はくすぶってはおったけれども、臨時特例交付金だとかあるいは交付税特別会計の資金借り入れに対する利子補給というようなものについて、大蔵省が手をつけるというような話なんかも出ているわけですが、しかし、地方から見ると全くとんでもない。これには、それぞれ一つ一ついわばいわく因縁のようなものが、理由がついているわけですから、一概にそんなことはひとつ考えないようにしてほしい。本来なれば地方交付税というものが、率は三二%より上がらなきゃならないわけなんですから。しかし、それを抑えているということの見合いとして、さまざまのことがとられているということも御承知のとおりでありますから、ぜひひとつこの点についてはお考えをいただきたい。 このことも申し上げて、時間が終わりましたので、大蔵大臣並びに自治大臣からも、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。
○渡辺国務大臣 歳出の削減については、かねて言っているように、聖域は特に設けないということでございます。 もう一つは、国と地方は車の両輪のようなものでございますから、やはり地方の方も行政改革ということは一緒にやっていただかないと、余り全体としてうまくいかないということもございます。また、現段階としては、いま言ったような臨時の地方の交付金等について、具体的にどうするというようなことは考えておりません。 ただ、一言言えることは、公債を発行しているときは国の財政は豊かなんです。しかし、公債を減額するときは国の財政は極端に苦しくなる。なぜかと申しますと、減額した国債の財源は、結局税金に頼るということになります。その税金の三分の一近くのものが地方に行ってしまう、残りはない。二兆円減額をして、七千億円地方に行くということになると、実際は大変につらいということが事実でございますから、こういうふうに国債を増額するときは豊かなので地方にいろんなことができたのだけれども、減額するときには非常に、倍ぐらいつらいという事情がございますから、これらの点も御勘案をいただきたいと思うわけでございます。
○安孫子国務大臣 今後における地方財政の問題でありますが、臨調の関係におきまして、いま五十嵐さんがおっしゃるように、単に中央と地方の負担の転嫁に終わるというものはできるだけ避けてもらわなければいかぬ。これは補助金等の整理につきましても、そういう観点から十分取捨選択をすべきであろう、こう考えております。 なおまた、交付税の問題は、これは補助金等じゃございませんので、法律上制定されました地方団体の財源でございます。そして、臨時特例交付金あるいは借入金等は、いまお話のございましたいろいろなそのときどきの経過に基づきまして、当然交付税率を引き上ぐべきであるけれども、それが国庫の関係でできないのでそういう特例措置を講ずるという経過で来ておるものでございまするので、これはこの経過というものを最大限度に尊重いたすべきであろうと考えております。
○五十嵐委員 終わります。
○金丸委員長 これにて五十嵐君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。 〔金丸委員長退席、藤波委員長代理着席〕
○薮仲委員 私は、行革の問題に入ります前に、十六日に発生いたしました北炭夕張の大変痛ましい事故、亡くなられた方が四十三名、まだ行方のわからない方が五十名という大変悲しい事故でございましたが、亡くなられた方に対しまして、また行方不明の方々に対して、心からお悔やみ、またお見舞い申し上げる次第でございます。 このような悲しい事故に遭った上で、われわれは、こういう痛ましい事故は二度と起こしてはならない、再発させてほしくないというのが、まず何といってもここにいる全国民の等しい願いであろうと思いますし、総理初め関係閣僚の方も大変心を痛めておられることと思うのでございますが、現在この原因の究明が行われておりますけれども、まだ正確な原因は明らかになっておりません。これが不可抗力であるというようなことよりも、むしろ人災ではないかというようなことが一部言われつつございます。石炭鉱業審議会の下部機関の札幌坑口開設専門分科会でも通気施設か不備だ等々、あるいは保安管理、安全という点に非常に問題が多いのじゃないか、特に、国の二千万トン体制に対しましてやはり生産優先という立場があったのではないか、保安がなおざりにされていたのではないかという点も指摘されております。 こういうことで、私はまず通産大臣にお伺いいたしたいのは、原因の究明はもちろんでございますけれども、現時点においてまずとらなければならないのは、他に全国二十八のこのような炭鉱があるわけでございますが、保安基準の見直し、安全の総点検、これをいまの時点で徹底的になさって、できることは速やかにやっていただいて、保安基準、安全基準をしっかり守って、このような事故だけは起こしていただきたくない、こう思いますが、大臣の御見解を冒頭に伺いたいのです。
○田中(六)国務大臣 おっしゃるとおりに全く痛ましい事故でございまして、取り返しのつかないことが起こった、私自身もそういうふうに思いますし、いろいろと問題があることは十分認識しております。つまり安全性の確保、総点検、こういうものにつきましては、昨年からずっと私ども口を酸っぱくして考えてもおり、また、保安監督官を通じまして非常に努力してきたわけでございまして、労使もこの点は非常に認識しておりまして、と申しますのは、この山が非常に地盤が緩い上にガスが非常に多いわけでございます。 御承知のように、ガスというのは一分前に点検しておっても、一分後にガス突出、ガス爆発あるいは自然発火、そういうものが起こりやすい点がございまして、十分配慮しておりますし、北炭そのものが過去三十数年間小さな事故、大きな事故いろいろございまして、この夕張新鉱は五十年に新鉱として発足しておりますし、火災もあったりして再開されておるわけで、石炭鉱業審議会も、経営者も、それから炭労関係の労務者も、本当にそういうことのないように心がけて心がけてきたわけでございますけれども、こういうことになって私自身も遺憾に思います。 といって、先ほどの委員の方にもお答えしたのですけれども、だれがどうといって責めようがないし、といって私どもに手抜かりがあったというふうにも結論としては思えないところもありますが、しかし、これからも安全第一主義、人命尊重ということを推進していかなければならないと強く心に決めております。
○薮仲委員 私の申し上げたいのは、他の炭鉱でも現在指摘されている中でも、ブザーが鳴っても余りそれを気にせず作業を続けたというようなことも言われております。ここで再度、保安基準については厳守するということの確認を、どうか大臣の方からくれぐれも徹底方を重ねてお願いをいたしますし、私は、このような危険な作業を伴うところについては、将来は日本のこの技術を駆使して、人命に危険を及ぼさないような、一番危険な個所だけでも無人化の方向はできないものかどうか、その点いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 いま残っております五十名の人たち、地底におるわけでございますが、これも結果が徐々に日とともにわかってくるわけでございますが、これに対する原因の究明ということ、これは私ども十七日の夜の会議で技術班を特設いたしまして、これの解明に当たるわけでございますが、いままでも保安技術あるいは監督技術につきましては、こういう事故があったから十分とは言えませんが、必死でやってきたつもりでございますし、これからもこの原因究明について十分な処置をとると同時に、過去における保安あるいは技術あるいは監督、そういうものの点検についてはより一層厳重に行うようにしていきたいという指示はすでにしておりますけれども、今後も、将来ともあなたのおっしゃるような方向で厳密な対処をしていきたいというふうに考えます。
○薮仲委員 この問題で、最後に総理にお伺いしておきたいのでございます。 これは確かに、一つの企業の非常に痛ましい事故ではございますけれども、総理も御承知のように、この企業が経営基盤が非常に悪化しておるといいますか、経営内容が悪い。これからの問題で、先ほどの大臣の御発言のように取り返しがつかない。取り返しがつかないかもしれませんけれども、御遺族に対するお見舞いというものは可能な限りわれわれは配慮してほしい。特に、亡くなられた方の中に労働条件の悪い下請の方もいらっしゃる、こういう方のことを考えますと、われわれはやはり一抹の不安を覚えます。既存の制度というものはそういう制度かもしれませんが、企業としてできる限りの弔意をあらわすべきが当然だと思うのでございますが、経営基盤がこういうことでございましてなかなか思うに任せない。この点、やはり総理としても十分その辺は関係省庁と協議をいただいて、可能な限り御遺族に対する配慮をお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○鈴木内閣総理大臣 今回の事故は、本当に痛ましい事故でございます。下請その他の方がその犠牲の中心になっておるというようなことも聞き及んでおるわけでございます。したがいまして、救済対策につきましては十分配慮していかなければならない、こう思うわけでございまして、政府としても対策本部におきまして十分検討さしていただきます。
○薮仲委員 どうかよろしくお願いいたします。 それでは、北炭の問題はこれだけにしまして、次に、きょうは連合審査の主たるものが建設でございますので、建設大臣に先にお伺いしておきたいのでございます。 やはり大臣の御発言というのは、建設業界に与える影響が非常に大きいものがございます。これは、去る十六日の閣議後の記者会見での大臣の発言として、見出しだけ読みますと、新聞報道では「談合入札やむをえぬ」「談合入札やむを得ぬ面も」というようなことが出ておるわけでございますが、これは後ほど訂正なさったというようなことも伝えられております。やはり公式の場で、この委員会において大臣がこの問題についてどのようにお考えか、国全体の建設業界に与える影響、公正な入札という行政の立場からも重要でありますので、大臣の御発言をここでいただきたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 閣議後の記者会見の席で誤解を招くような発言がありましたこと、新聞報道のとおりでございます。問題が問題なだけに、またその前々日か、当委員会でもはっきり、この問題についてはいけないことであるし、厳しい態度で指導監督し、いやしくも法令違反があった場合は厳罰主義で臨むということを公式な場では発言しておりましただけに、いささか軽率な発言だったということを反省しまして、すぐ二度会見いたしまして、前のを取り消したわけでございます。もとより私の真意は、当初当委員会で申し上げましたように、いやしくも談合等これあり誤解を招くような問題があってはならないということ、従来から厳しい指導もいたしておりますし、違反の場合は厳罰主義で臨むということにはいささかも変わっておりません。
○薮仲委員 どうか、そのような御決意で公正な行政を図っていただくことを重ねてお願いしておきます。 それでは、本論の行革の問題に入りたいのでございますが、一番冒頭に、総理に真意といいますか、確認をさしていただきたいのは、これは昨日の新聞、朝日でございますが、「五十八年度以降の行革方針」「臨調が政府・自民に反発」というようなことで出ておるわけでございます。これはもう総理も御承知だと思うのでございますが、ここで対立点の主なものというのは、臨調側が五十八年度以降は減税を志向しているのに対しまして、政府・自民党側は大型間接税の導入、いわゆる増税に傾斜しておる、こういう点。第二点は、臨調側としては不公正な税制是正など財政分野の検討に意欲を見せているが、財政当局がこれに対して拒否反応を示した、こういうことが新聞報道でございますが、これはやはりわれわれが行革の審議に当たりまして一番根幹にかかわる。鈴木総理が行革に政治生命をかけるとおっしゃった、これは行革体制の一番根幹でございますし、臨調側もその存在の意義を問われるような重要な課題だと思いますので、質問に入る前に、まずこの点の総理の真意というものをお伺いしてから入りたいと思います。
○渡辺国務大臣 税金の話でございますから、総理がお答えする前に私から一言お答えします。 われわれは、五十八年度以降増税するというようなことを言ったことは一回もございません。もう増税はしない方がいいに決まっておるわけでございますから。 問題は、五十八年度以降も予定の収入が中期見通しのように入る、それから歳出カット、五十七年が、いまやろうとしておるわけですが、同じようにゼロシーリングがもう一遍できるということになれば、それは余裕財源が幾らか出てくるから減税も不可能ではないかもしれませんが、これだけは生身の体の話ですからやってみないことには断定しかねる。極力われわれとしては歳出のカットでやっていきたい、そういうことを考えておるわけでございます。 以上であります。
○鈴木内閣総理大臣 一部新聞にいま御指摘のような報道がなされておりますが、五十八年度以降の問題につきまして、臨調の首脳部と意見を交換したことは実はございません。私どもは、ただいま大蔵大臣も申し上げましたように納税者の立場に立って、つまり国民の立場に立って行財政の改革を進めたい、こういう基本的な方針でございますから、できるだけ増税等、特に大衆増税を国民の皆さんにお願いをするというようなことは極力避けまして、行財政の縮減合理化によって財政再建を達成したい、こういう方針で取り組んでおることを改めて申し上げておきたいと思います。
○薮仲委員 国民は、増税に対しては拒否反応といいますよりも、増税を避けて財政再建、行政改革の推進を願っておりますことを、どうかただいまの御決意のように十分踏まえて、推進方をお願いする次第でございます。 それでは、具体的な問題に入らせていただきますけれども、わが党は、この行財政改革は一言で言えば推進しなければならない、しかし、それはあくまでも国民の立場に立って、国民のいわゆる同意といいますかコンセンサスの中に、この行政改革は強力かつ積極的に推進していかなければならない、こう考えております。しかし、臨調の答中も評価はいたしておりますけれども、あくまでもそれは社会的、経済的に弱い人に負担をかけてはならない、社会的、経済的に弱い人は守ってほしい、これがわが党の基本的な見解でございまして、これは今日までわが党の委員が質問するたびに指摘した点でございます。 この点について、私、きょうは政府が公開している資料に基づいて質問を展開してまいりたいと思うのでございますが、まず最初に、先ほども御質問のございました地域特例から質問を始めたいと思います。 まず、閣僚のお手元に行っていると思いますが、表題は政府から出されている「地域特例に係る嵩上げ補助等の縮減額」ということでございますが、削減されるということですから、四百五十三億これで減額されるということでございます。私は、ここに挙げております法律一つ一つは、この法律成立のために、国会において、国土の均衡ある発展、それにはどうあるべきかということで長い年月かけてできてきた経緯があろうかと思います。特にこの中でも後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例、これが一番大きくて三百十二億削減されます。あとは離島振興法等々が出てくるわけでございます。 この中の法律の趣旨をここで読むまでもございませんけれども、読んでみますと、この後進地域の法律の第一条「目的」「この法律は、後進地域の開発に関する公共事業に係る経費に対する」云云と、当然、国がこれを負担して国土の均衡ある開発をいたしましょう。また、離島振興に係りましても、本土より隔絶せる離島の特殊事情からくる後進性を除去するためにこの法律は必要です、こういうことでこの法律が成立しているわけでございます。このいわゆる地域特例に対して、このような趣旨から長い年月かけてできた法律に対して、臨調だからといって、ならばその法律成立のときの原則を切り崩すのはどうか。これに対して建設大臣、国土庁長官、自治大臣、この特例法の趣旨と臨調と、臨調にあってもやはりこの地域特例の必要性というものは堅持しなければならないと思うのでございますが、まずその点、三大臣の見解をお伺いしたいのですが。
○安孫子国務大臣 地域特例にはいろいろな制度があるわけでございますが、この終局の目的は、日本の経済的な格差、地域格差をなくす、均衡ある発展を図るというたてまえからこの特殊立法が行われたわけでございます。この趣旨はいまでも尊重されるべき状態にある、こういうふうに思っておるわけでございます。そこで、これに関して補助金のかさ上げの措置を講じておるわけでございますが、臨調におきましてはこれをひとつ縮減する方向で考える、また、期限が切れた場合には廃止の方向をもってこれを考えるべきであるという答申を得ているわけでございます。 そこで、廃止の問題は別といたしまして、さしあたりこの縮減の問題についていろいろ論議をしたわけでございまするが、臨調の答申を尊重いたしまして縮減することにしたわけでございます。しかしながら、その結果は、この地域格差をますまず増大させるというような結果にもなりかねない。そこで、どうしてもこの措置を講じなくちゃならぬということで、この縮減したものに見合うところの特別の起債を認めて仕事はやってもらう。そして仕事をやって、起債でございまするから後年度負担が出てまいりますけれども、この後年度負担については二分の一は国庫で見ましょう、二分の一は交付税の中で措置をしましょうという、一つの妥協でございまするけれども、そういうことで、この法律の目的としておるところの仕事が、財政窮乏の折からでもございまするが、円滑に維持できるようにという配慮をいたして措置をしたわけでございます。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 いま自治大臣から答弁のあったのと同様でございまして、われわれ国土庁としては、そういう地域特例、そして国土全体のバランスをとって開発をいたしたい、こういう方針でありまして、離島その他、地方においてはいまだ十分バランスがとれておるとは思いません。だが、いま御承知のように臨調の答申もございまして等々、諸般の情勢も考慮して、なるべく将来とも地方振興に支障を来さないように万全の策を講じて、御期待に沿いたいと思っております。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 地域特例のことにつきましては、すでに自治大臣からその本旨は御説明がありました。建設省関係につきましては特に奥地産業開発道路の問題がございます。奥地という名前がついておることをもって御理解いただけると思いますが、やはり地域格差ということを考え、奥地の産業開発ということで、これは必要欠くべからざる道路の関係でございますが、御案内のような行財政という大きな命題の中における一つの措置でございますので、それはそれとして、当然この問題につきましては、その他の措置等々考えながら前向きで対応していかなければならない問題ではなかろうか、またそのような心組みで対処してまいる所存でございます。
○薮仲委員 それでは、その三大臣の決意に基づいて私が何をしていきたいかといいますと、資料の二枚目をごらんいただきたいと思います。 これは、各県でどのような形でその影響が出てくるか。確かに六分の一ということで、二分の一は国があと財政再建期間が終わったら補助します、これはわかります。ところが、これを見てください。私が申し上げたいのは、この試算によりますとどういうことになってくるか。では、一番影響を受けるところは一体どこなのだ。一番ひどいのは、この表にもありますとおり鹿児島でございます。二番目に影響を受けるのが、北海道、青森、新潟、長崎、山形という順番で影響を受けるわけでございます。ということは、確かに一本の法律に対しては六分の一、言うなれば三十六分の一カットされるということだけかもしれませんけれども、地域特例というのは、後進地域には幾つもの法律がかかっているわけです。特に離島を抱えている鹿児島、あるいは活動火山、特殊土壌を抱えている地域には、いろいろな法律が何重にも重なって均衡ある地域の発展に役立っている。 ところが、成立する方ではそういう特殊事情を勘案して法律をつくっておきながら、カットする方では一律カットするから、結果としてはどうなるかというと、非常に特殊事情を抱えたところあるいは離島、そういう非常に後進性の地域に一番カットがかかってくる。これを同じように二分の一手当てしますというようなことでは、国土の均衡ある発展にはならない。これはわが党が主張する最も弱い者いじめ、後進性が激しいところほどよけいにカットされるというのがこの政府がお出しになった資料。これをちゃんとごらんになってください。いみじくも、これでは弱い者いじめと言われても仕方がないのじゃないか。やはりこれは、私は検討の余地があると思います。 来年度の予算編成、まだわかりません。ゼロシーリングあるいは公共事業についての臨調の答申はいまより抑制しなさい。でも、一つ一つこれは予算編成、でき上がった段階で見ますけれども、ある公共事業にはふやしている。ふやさなければならない部分もあるかもしれない。本米かさ上げは、一般公共事業よりも何とかという優遇措置でございます。そうすると、逆に予算編成が終わった段階では、この地域特例にかかわった地域はより過酷な結果に終わらないとも限らないわけでございます。こういう地域特例がたくさんかかっているところほど被害が大きいというこの実態に対していかがお考えか、これはまず国土庁長官と自治大臣とお二人だけ御意見をちょっとお伺いしたいのですか。
○安孫子国務大臣 お話の点は十分理解をいたします。均衡ある発展を図るための特別立法でございまするので、これを保持していくことがやはり日本のためにはなる、私はこう考えておるわけでございます。ただ、臨時のこの行革の問題と関連いたしまして、どうしても整理をしなくてはならぬという答申も得ておりまするので、この点を尊重いたしまして三年に限ってその措置を講じたわけでございます。 そこで、仕事の関係はどういうことになるかというと、特別の起債をもちまして仕事はいままでどおりにやっていけるわけでございます。したがいまして、この点についての後退はございません。特に問題となりました、県もそうでございまするが市町村の場合には、また非常により打撃が多いわけでございます。したがいまして、市町村に対するかさ上げの分については、この特例措置から外しておるわけでございます。そこで、県と政令都市だけの問題に限ったわけでございます。市町村と政令都市あるいは県とを考えますと、財政基盤も違いまするので、この点は三年間に限ってそういった措置を講じましても事業自体ができるわけでございまするし、後年度負担の問題は残りますけれども、この点についても特別の措置を講ずるということで答申の趣旨にも沿って、そしてまた一方特別立法の趣旨をも生かしていきたいと、両方相兼ねまして今回の措置をとった次第でございます。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 いまおっしゃいましたように、たとえば鹿児島なんかにおきましては特例の法律がいろいろ適用されることになります。離島振興法もあれば特殊土壌等々、あります。そしてそれを総計してみると、やはり鹿児島では非常に補助がダウンする、こういうことになりますけれども、しかしいま自治大臣がおっしゃったように、それについては特別にまた政府の方でてこ入れもして、仕事についてはほぼ支障を来さないようにやるという配慮をいたしまして、しかもそれは三年間でありますから、そういうあれもこれも重なるようなところについては非常にお気の毒でございますが、なるべく害の少ないようにいろいろな手当てをしていきたいと、こう思っております。
○薮仲委員 私は自治大臣の答弁ははなはだ不満でございますし、私の趣旨をもう少しわきまえて御答弁いただきたい。私は、弱いところにこのような削減が直撃しますよ、と。あなたは地方自治体の苦しみを代弁する方でございますから、少なくともこの辺のところはもう少しわかって御発言いただきたい。 もう一度申し上げます。鹿児島県が三十一億、北海道が二十六億、青森が二十三億、新潟が二十二億、長崎が二十一億、東北とか北海道、九州、そういうところに直撃してくる。二分の一返せばいいのでしょう、仕事の量が減らなければいいでしょう——そうではないのだ。やはり財政規模の弱いところは、再建期間を終わった後もその残りの二分の一を抱えて県民の生活を守っていかなければならない。 では逆に、もう少し楽なところを申し上げましょうか。表を見てください。たとえば大阪〇・二、神奈川は〇・一、だから私はそれだからいいということを言っているのじゃないです。それでも大変だ。でもこれに比べると——〇・二というのは単位で言いますと二千万。全然違うのですよ。神奈川は一千万。だからいいということではありません。 でも、このように弱い地域にそれだけ負担がかかるというようなやり方については、自治大臣もう少し御認識いただいて、大蔵省とも協議いただいて、いよいよ再建期間が終わったときにどうするか、あるいはこういう国土の均衡ということになってくると、この特例のやり方についても一律六分の一でいいのかどうか、あるいは返済の場合も、強いところと弱いところに十分な配慮があって私はしかるべきだと考えるわけでございますけれども、大蔵大臣がうんと言わないと困るのです。大蔵大臣いかがでございましょう、総理いかがでございましょう。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、地域特例というのは大体高度経済成長になってから税収に余裕ができて、そしていまおっしゃったように地域の不均衡か何かを直そうという時限立法でできたものです。したがって、これは当然期限が大体ついておる。補助金の上のおまけの補助金というわけですから、目的を果たせば自然になくなるものでございます。こういうような非常に厳しい財政事情でございますので、したがって、その六分の一を節減をさせていただく。しかし、それには地方自治に支障のないような財政上の裏づけもいたしましょうということでお願いをしておるわけであって、われわれといたしましては、全部なくすわけではもちろんないわけでございますから、この際三カ年の間行政改革も一緒にやっていただきたい、こういうことでお願いをしておるわけでございます。
○薮仲委員 総理、いかがですか。
○鈴木内閣総理大臣 いま各関係大臣から御説明申し上げましたように、この地域特例は一つの政策目的を持って、臨時的に一定の期間を設定をして実施をいたしておるものでございます。したがいまして、その中には首都圏とか近畿圏とか比較的財政力の高いところもございます。また、新産業都市の建設とかそういう政策目的のものもございます。これはその後における経済社会の状況を見ながら、法律の期限の際に存続かあるいは廃止を含めて見直しをする、こういうことに相なっておるわけでございます。 しかし、薮仲さんがおっしゃるように、また離島振興でありますとかいろいろ経済力の弱い地域に対するかさ上げ補助というものもございます。しかし、そこで政府がこういう財政再建の期間でもありますので、この期間の間かさ上げ分の六分の一という最小限度のひとつ御協力をいただく。また一面において、それに対する起債でありますとか事業の実施に支障のないようにする、あるいは市町村はこれを適用の除外に置くとか、いろいろな細かな配慮もいたして実施しておるわけでございますから、どうか今回の財政再建という大きな問題の解決をするためのやむを得ざる措置であるということを御理解の上、御協力を願いたい、こう思います。
○薮仲委員 私はいま指摘いたしました点は、非常にやはり納得のできないといいますか、十分な配慮をしてほしいという希望を捨て切れません。やはり弱い者いじめにならない、国土の均衡ある発展。私も鹿児島へ行ってまいりまして、特殊土壌やあの活動火山を見てまいりまして、その地域の特殊性の困難さというのははだで感じておりますので、どうか十分今後の対策の中で総理初め関係閣僚の方にこの点の御配慮をお願いして、この問題については終わりたいと思います。 問題がたくさんありますので、ちょっと急いで質問させていただきたいと思うのでございます。 次に、建設大臣、お伺いしたいわけでございますが、これは手元の資料、もう大臣はよく御承知のいわゆる建設省の三期五計が終わりまして、現在は四期五計に入っているわけでございますが、手元の資料をごらんになってわかりますとおり、住宅建設は八九・五%という達成率に終わっているわけでございます。 この表を見てここで私が何を指摘したいかといいますと——これは大蔵大臣に篤と見ておいていただきたいのでございます。大臣には後ほどまとめて御質問いたしますが、三期五計の表を見ていただきたい。この三期五計で、計画に対して達成が非常に落ち込んでいるものが数多くあるわけでございますが、たとえば公団住宅などは五二・六とか、民間自力も七八・五。全体を合わせればいま申し上げた八九・五でございますが、やはりこの中で大勢は落ち込んでおる。しかし、ここで突出して達成率が上回っている住宅が一つある。それは公庫住宅です。達成率一三四%、これは目標を約三割方上回っているわけでございます。さきの委員会でわが党の政審会長の正木委員も指摘いたしましたように、公庫住宅の五・五の貸出金利というものが、この三期五計の中にもはっきりと数字の上であらわれているのではないかと思うわけでございます。 そこで、さしあたって建設大臣に二点だけお伺いしたい。この三期五計が達成できなかった一番の要因は、挙げれば数限りなくあると思いますが、なぜできなかったか、その原因を上位から五つほど、簡単で結構でございます。土地の高騰とか資材の高騰、いろいろあるかもしれませんが、どういうことが一番の達成阻害の要因であったか、上位五つほど挙げていただきたいと思います。 第二点は、この三期五計全体では八九・五という中で公庫住宅だけみごと達成が一三四・一%、これはやはり国民金融公庫のこの仕掛けといいますか、融資というものが住宅建設に非常に役立っているんだ、こう考えますが、建設大臣、簡単で結構です。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 先生お示しのとおり、三期五計、数字的に明瞭でございます。要は、三期五計の前期から中期にかけて、住宅の需要者といいますか要望者が高所得者、老齢から低所得者、若年層へシフトされてきたという基本的な大きな問題もありますけれども、何といたしましても地価の高騰、それから建築費の上げ、金利、それから所得の問題、こういうような問題が諸要因になってきておったかと思います。したがいまして、四期五計につきましても、そうしたことを勘案しながら十分な配慮をもってやっていかなければならぬ問題ではなかろうかと思います。 それから、もう一点の金融公庫の問題につきましては、やはり国民のニーズが一戸建て、自分の家というような志向が非常に強うございまして、そうしたことで公庫住宅関係につきましては率としては非常に上昇したというように私は考えておるところでございます。
○薮仲委員 いま大臣のおっしゃった後段部分の、国民のニーズというものが最近は大分変わっているんじゃないかということは、後ほど、お手元に配りました資料等でお示しいたしますが、それはさておきまして、いまの三期五計、これが計画を下回っておる。さらに、この三期五計に引き続きましての四期五計の表も見ていただきたいわけでございますが、この点は、いま言うなれば非常に深刻な問題を抱えているんじゃないか。いわゆる住宅建設が近年とみに落ち込んでおる。 三期五計を具体的に申し上げますと、この建設計画が民間自力等を合わせまして八百六十万戸の建設目標で、これを年度で割りますと年間百七十二万戸の建設計画になるわけでございますけれども、この三期五計をずっと見ていっていただきたいのですが、本来一年間百七十二万戸という目標を掲げながら、五十五年度は新設着工件数で言えば百二十一万四千と、五十万戸ほど建設が落ち込んでいるわけでございます。 さらに、手元の資料の四期五計を見ていただきまして、五十六年度着工戸数、四月、五月、六月、——八月まで出ておりますが、この戸数を見ましても五十三万八千戸、対前年同月比では七・六%の落ち込みであります。四期五計では建設総数が七百七十万戸でございますので、これも年度で割りますと年間、本年度当初百五十四万戸の計画でありますが、いま八月までの経過を見ますと本年度は百千万だ、四十万戸ぐらい建設着工件数が落ちるのではないか。これは建設業界並びに関連産業にとっては非常に深刻な問題ではないか。ここ連続して年々、建設戸数が予定よりも五十万戸あるいは四十万戸というふうにどんどん減ってくる。 建設大臣初め大蔵大臣にちょっと御認識いただきたいのは、このように建設戸数が非常に減っているという点でございます。それの要因は、いまありましたように一つは所得が減だ、乖離している、一番大きな問題は土地の問題になったわけでございます。 これは国土庁長官にお伺いしたいのでございますが、余り時間がありませんのでこちらで具体的な数字は申し上げますけれども、それも資料がついております。「昭和五十六年地価調査 圏域別・地方別・用途別平均変動率」、これは国土庁の資料でございますが、これでいきますと、国土庁は地価が鎮静化の方向と言いますが、三大圏に限って申し上げますと、三年連続の二けたの上昇になっておるわけでございます。このように、国土庁では全体的には地価は鎮静していると言いますけれども、ここにありますように五十四年度は一二・六、五十五年は一六・〇、五十六年が一〇・二と、五十四、五十五、五十六とずっと二けたの地価の高騰でございます。この地価の高騰に対して抜本的な施策を講じませんと、これからの住宅事業はもちろんのこと、一切の公共事業も大変な事態に陥るのではないか、こう私は考えるわけでございます。 時間がありませんので要点だけちょっと申し上げますと、もう一つの資料を見てください。公共事業にかかわる用地費、これも建設省の資料でございますが、特に住宅対策事業、五十一年度から五十六年度までの資料がそこにあると思いますが、公共事業のいわゆる住宅対策事業では用地費が約三割、平均三〇・四%が土地代にかかっておる。 こうなってまいりますと、政府としてこの地価上昇にはよほど真剣に取り組みませんと大変なことになるのではないか。先般、正木委員が申し上げた用地費のかからない公共事業というのは、こういう点からも、この行革の中でもやはり地価の鎮静化を図らなければ公共事業はやりにくくなってくる、大事な国民の税金が土地代にだけどんどんと食われて、事業そのものが進まなくなってくるのではないか、こういう点が私は非常に懸念されます。 そして、そういう地価の鎮静化の方向と同時に、これは総理にも住宅事情をよく知っていただきたいのでわざわざ住宅局の資料をここにつけたのです。これは五十四年の、五年に一度やる住宅需要実態調査でありますが、それを見ますと、日本の国全体で住宅に困窮している方が三八・九、約四割の方が困窮しているわけです。特に東京圏、大阪圏ですと、四二・四、四三・二というように四割を超えています。 しかも困窮の一番の理由は何か、住宅が狭いということがお手元の資料に出ていると思います。しかも、公営住宅あるいは公団住宅は住宅が狭いという理由が六四・一です。六割以上の方がいまの公営住宅——都営、市営、県営件宅に対して狭いという認識を持っていらっしゃる。 さらにもっと大変な問題は、公営住宅に永住したいかどうかという資料、やはりここについていますね、見てください。公営住宅、公団住宅で永住したい方、公営住宅が二〇・二%、八割近い方はもうすぐ出ていきたいという気持ちを持っていらっしゃる。公団・公社住宅では永住したい方が一〇・三、一生住み続けたい。九割方の方はもうよそへ出ていこう。これが日本の住宅の実態です。 しかも、これは貯蓄増強中央委員会「貯蓄に関する世論調査」これもちょっと総理、見てください。いわゆる貯蓄をしてお金をためておりますけれども、四十六年からの資料がございますが、五十六年、家を建てますかというアンケートに対して、今後は予定はやめた、家を建てるのはあきらめた、五三・〇です。さっき建設大臣が持ち家とおっしゃったけれども、もう家を建てられないという方が五三・〇。これは所得、地価の高騰、資材の高騰、庶民には家を持つことが高ねの花になってきてしまった。 これはまだあります。まだ資料をお示ししますと、時間がありませんからこちらで言いますと、たとえばいま国税庁の試算ですと、五十五年度のサラリーマン平均給料、年収二百九十五万でございます。ここにあります社団法人の都市開発協会、ここが出しております民間企業による宅地建物の値段が出ています。これも指摘だけしておきますけれども、建築面積が百平米、一月建ての平均価格が五十五年では何と三千六十五万です。 〔藤波委員長代理退席、三塚委員長代理着席〕 これは三大都市圏に限っておりますけれども、一戸建て平均が所得の十倍です。 同じようにマンション。マンションは六十五平米の建物、これは大体三Kくらいになるかもしれませんけれども、この平均価格が二千四百四十九万です。そうすると、これは年収の何と八・一倍です。土地の値上がり、資材の高騰等で、もうサラリーマンには家を建てることが——年収の十倍あるいは八・一倍という数字がここに出てきているわけです。 こういう事情を考えて、きょうは時間がないので指摘だけしておきますけれども、地価の鎮静化というのは、総理、これはどうしても政府として真剣に取り組んでいただかなければならない重要な課題です。 そこで、時間がありませんので、こういうことを踏まえて私が何を申し上げたいかといいますと、いま住宅金融公庫の金利を一%上げる、弾力化ということが論議されているわけでございますが、大体結論から言って、住宅金融公庫の金利を一%上げますと、建設大臣、これは正確な数字を出すということは非常に無理かもしれませんけれども、もしも一%上げると大体何万戸くらい落ち込むのか、おわかりになれば御答弁いただきたいのです。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 もとよりアバウトな数字かもしれませんが、一%で十万戸くらい減るというように言われております。
○薮仲委員 いま建設大臣がお答えになりましたように、一%金利が値上がりすると約十万戸という数字が出ているわけでございますがこれは正確な数字ではないかもしれません。さっき私が長長と三期五計あるいは四期五計の数字を申し上げました。いまですら落ち込んでおりますのが、もしもこの住宅金融公庫が一%上がると、これは大変多くの落ち込みになるのじゃないかなと懸念されます。 また、一般の方が木造住宅で公庫融資を受けた場合、これは具体的な数値を申し上げますと、公庫融資で五百万を借りました、二十五年の元利均等返還ですと年間返済額は四十万五千二百八十八円。これがもしも金利一%上がるとどうなるかといいますと、年間の返済額は四十四万五千六百三十二円、四万三百四十四円年間でふえまして、二十五年間累計しますと約百万円の負担増ということになるわけであります。 また、一戸建てでなくマンション等の場合は、さらに負担が多くなります。一千万借りて三十五年元利均等で返済しますと、年間の返済額は六十四万四千四百十二円、これがもしも金利が一%上がりますと、年間返済は七十二万四千九百円になります。そうすると、年間八万五百四十四円ふえて、三十五年間では約三百万、マンション購入の場合は一%の金利のアップで負担増になってくるわけでございまして、私がここで申し上げたいのは、いまの建設省の住宅政策の中で住宅金融公庫の果たしている役割りというのは非常に大きいのではないか。 いまの政府の施策の中で、いわゆる庶民のニーズにマッチし、非常に有効な手段といいますか、住宅を得るのに最も適切な手段としては、住宅金融公庫が非常に重要な役割りを果たしておられる。こういう点から私は、大蔵大臣に結論として篤とお願いをいたしたいのは、何とかこの五・五の金利の弾力化の問題については、日本全体のこのような悪化している住宅事情を私長々申し上げましたが、この上からも住宅金融公庫の金利がどれほど国民にとって必要なのか、御認識いただいてというよりも御理解いただいて、十分な配慮をいただきたいと思うのでございますが、大蔵大臣、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 住宅公庫の金利というものが住宅の普及に大変役立った、これは私は実情であろうと思います。しかし、その一方で、これは財政負担もかなり年々ふえてまいりまして、たとえば五十六年度の予算額二千百七十四億円、五十七年度ですといまのベースでいっても何もしなければ三千四百六十一億円、五十八年度四千百億円、五十九年が四千五百億円、六十年が約四千九百八十五億ざっと五千億円、年々五百億円ずつ増加をいたしてまいります。 これは数千億の単位の毎年のお金のことで、しかもかなり長期にわたってのことでございますから、財政上もこれはただふやせばいいというだけだったならば、その分を今度はどこかで集めてこなければならない。増税はやらないということでございますので、全体との整合性というものを持たせなければならぬ。そういうような観点もございますので、今後仮に金利が、いま財投金利七・五ですか、さらにそれが八・五とか上がるということになると、これは加速度的にふえるわけですからとても維持できなくなる。したがって、それらの整合性を持たせる必要があるというようなことから今回の提案になったわけでございます。
○薮仲委員 その提案の趣旨は、私も大臣の言うことはわかるわけでございますが、きょうは時間がありませんので、これはもう一度当該の委員会でやりますけれども、住宅金融公庫の持つ役割りというのが重要である、こういう点を十分踏まえて、国民の住宅に対する問題解決のために十分な配慮を私は重ねて要望いたしておくものでございます。 時間がございませんので次の問題に移らせていただきますけれども、私は国土庁長官にどうしても伺いたいのは、今後の一番大事な問題の焦点はやはり地価の鎮静、これは何よりも最優先して努力をいただきたい。いろいろ施策を講じていらっしゃるようでありますが、この問題は後でお伺いいたします。 私は、しからば、先般来指摘されております用地費のかからない公共事業というのをどうやって促進したらいいか、まずこれは建設大臣にお伺いしたいのでございますけれども、これはいわゆる首都圏にある区画整理が終わった土地が一万八千ヘクタールほどありますよというような数字が、いろいろな報道機関で論ぜられることは大臣も御承知ですし、いろいろ論ぜられたところでございます。いずれにしましても、区画整理が終わって良好な空き地がたくさんありまして、これは今後六年分の土地の需要を満たすということも言われております。そこにはいろいろな経緯もございますが、きょうはそのことはさておきまして、私は、この区画整理事業の中で今後、大臣に、こういう点はいかがかということを篤と御意見を伺いたいのでございます。 このように遊休地がなるべく発生しないような努力、これは今日まで大臣もいろいろと推進方をおやりになっているのは私も承知の上でお伺いするわけでございますが、まず一つは、区画整理を推進するために保留分があるわけでございます。これは当然事業主体が持っておる部分でございますが、それを売却して区画整理事業を推進する。この保留分の処分についてもっと有効適切なあり方、たとえば区画整理をやった後、この保留地に公園をつくった、あるいは保育所、幼稚園が地方自体と協議の上できた、あるいは図書館ができた、いろいろな文化的な施設ができた等々、人が住みやすくなる、住みたくなるような環境をそこでおつくりいただくことはいかがなものか。 また第二点は、この処分に当たって、購入なさる方に、少なくとも二、三年後にはおうちを建てていただけないかというようなことを条件に保留分の処分をできないものか。しかも、二、三年で建てられない、転売するというようなケースの場合には、わざわざ国が投資をしてできた保留分を不当に値上げされたのでは何にもなりませんので、購入なさる段階で、保留分を転売なさるときには、消費者物価の動向を勘案して不当な高い値段で転売はおやめいただかなければなりませんというような枠をはめる、これができないかどうか。 三点目は、そこに地価の高騰を招かないために、建設省が公団等と協議の上でモデル的な一つの分譲、土地はこのぐらいの値段、上物はこのぐらいというような形で分譲住宅をつくって、区画整理したところの地価の標準的な目安になるようなものをつくって地価の高騰を抑えられてはどうか、こう考えるわけでございます。特にこの保留分の処置について、私は非常に大事なことだと思いますので、建設大臣のお考えをお伺いしたい。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 保留地の処分が地価の高騰あるいは未利用地の有効適切な利用に最も効果的なこと、先生のいまの御指摘は全く同感でございます。ただ、その方法、やる手段において、従来からも一応直接関係事業団体には指導をいたしております。しかもなおかつ、いま御指摘のように、下水道あるいは公共施設等々のみならず、公園あるいは極端な場合はマーケット等をつくる必要もありましょう。こうしたことを積極的に、地方公共団体なり直接関連の事業団体に指導してまいりたいと思います。 それから、転売する場合の高騰の抑え方でございますが、これは当然評価額というものは公的に決まってまいりますし、標準価格をもって、やはりこれは指導性の問題でございますので、これからもそれなりの、ケース・バイ・ケースもあろうかと思いますが、強い指導をやってまいりたいと思います。 三点目はモデル的なハウスでございますか。これも一つの案として考えられることかもしれませんけれども、具体的な問題でございますので、可能性につきましては検討させていただきたいと思います。
○薮仲委員 残念ながら時間がそろそろなくなってまいりましたので、これは問題の指摘だけにとどめさせていただきますけれども、やはり用地費のかからない問題ですと、一つは、公営住宅のうち木造住宅、これは耐用年数二十年でございますが、建設省では、耐用年数の二分の一を過ぎたものは建てかえの対象にする。お手元の資料にも載っておりますけれども、先般も指摘がありましたように、二十年過ぎたものは十七万三千、さらに耐用年数の二分の一等を含めますと、二十四万二千百五十三戸というのが公営住宅の木造の部分でございます。これは、四十五年以前に建てられたのがほとんどでございます。これはやはり今後、こういう木造の建てかえというのは、いろいろな問題があって困難かもしれませんけれども、十分検討していただきたい。 先ほど、公営住宅が狭いという困窮の一番のあれでございますが、ここに一つ千里ニュータウンの問題が出ております。これは、六畳間を地方自治体が建て増しさせた。そのことによってどうなったかといいますと、永住の希望が六二%になりました。また、子供をしからなくなった。いろいろ好ましいことがここに数字として出ております。やはり、居住環境を改善する、いまの公営住宅を広くしてあげる、これも非常に大事な点でありますので、大臣、これは十分御配慮いただきたい。 また、わが党がかねて主張しております、木造住宅等をいわゆるセミパブリック、個人の住宅に公的資金を導入して半分公共アパートのようなものをつくったらどうですかという点、この点、どうかこれからの用地費のかからない対策として御留意いただきたい。 きょうは指摘できなくて残念でございますが、住宅公団関係でも十分有効な土地を持っております。その中で、関連公共施設がおくれているために入居できない等々の問題をここに具体的な資料として持っているわけでございますが、これは後日指摘するといたしまして、こういうきめの細かい点をどうか十分配慮をいただいて、今後の施策を建設大臣に要請いたしまして、最後に、国土にかけられましたこの土地対策が一番大事でございますので、国土庁長官と総理の御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 住宅政策を進めてまいります上からいたしまして、この宅地の供給確保ということは非常に大事な問題でございます。土地の値上がりを見ておりましても、大体大都市圏を中心としまして、住宅地の地価が連年高騰を続けておるわけでございます。 私どもは、この土地投機を厳に監視し抑制をいたしますと同時に、宅地の供給という施策に特に力を入れまして、地価対策を今後重点的に進めてまいりたい、このように考えます。
○原国務大臣 ただいま総理が決意を表明されましたとおりでございますが、地価をなるべく上がらないようにするために、引き続いて国土利用計画法をもっと適確にやりたい、あるいは宅地供給促進のための各種の施策をいろいろやりたい。 その具体的施策については、いわゆる投機的な土地取引の抑制には、不要不急の土地取引は融資を抑制するとか、税制の活用をするとか、また宅地供給促進のために、昨年できました農住組合法を活用いたしたり、あるいはその他都市計画区域における区分の見直しとか、いろいろそれらを積極的にやりまして幾分でも御期待に沿いたい、こう思っております。
○薮仲委員 終わります。
○三塚委員長代理 これにて薮仲君の質疑は終了いたしました。 青山丘君。
○青山委員 民社党は、これまで行財政の改革に最も真摯な態度で取り組んでまいりました。今回の三十六本の法案を一括して処理する問題についても、私ども民社党は、行財政改革を進める上でやむを得ないという立場から、これに賛成をしたものであります。そして、本委員会においても、国民のための行政改革をいかにして行っていくかということについて、わが党からすでに四人の委員が行政改革に臨む政府の姿勢をただしてきたところであります。しかし、残念ながら、総理並びに関係大臣の答弁は、必ずしも私どもが期待していた答弁と違うものがあります。 ここで私は、政府が地方分権という視点から臨調答申をどうとらえておられるのか、一括法案をどう位置づけておられるのか、そして行政改革にどう取り組んでいかれるのかという政府の見解をただしていきたいと考えます。 総理、七月十日に出されました臨時行政調査会の第一次答申は、行政改革を進めるべき視点、観点として、「変化への対応」「簡素化、効率化」「信頼性の確保」この三つを挙げておられます。もう一つ大事な点が欠落していると私は思います。それは、住民に身近な行政はできるだけ住民に身近なところで、こういう地方分権の観点でございます。臨調が行政のあるべき方向を示す羅針盤の役目であるならば、政府はそれに向けてかじを取っていかれるのであると考えますが、その際、この地方分権という観点についてもかじ取りの方向を向けていただきたいと考えております。その点で、総理の御所見をまず伺っておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 いま御指摘がございました国と地方の行財政上における機能分担、役割りを適正に定めるということは、今回の行財政改革の大きな重要な点であるわけでございます。 いまお話がございましたように、一般的に申し上げますならば、地域住民に密着した行政、一番身近なところで行われる行政事務、そういうものはできるだけ地方にこれを移譲するあるいは委任をする、こういうことが国民の皆さんに対するサービスも行き届くわけでございますし、親切な心の通った行政もできる、このように考えるものでございます。そういう意味合いにおきまして、この国と地方との行政の役割り分担、機能分担ということは大事な視点であろう、このように思います。
○青山委員 地方分権という立場でこれから行政改革に取り組んでいただく姿勢の中に、このかじ取りを非常に重要な一面だということで私は理解していただきたいと思うのです。その点ではいかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いま私申し上げたとおりでございまして、十分そういう点を重視をして、今後行財政改革に取り組んでまいりたいと思います。
○青山委員 ありがとうございます。 行管庁長官はおられませんね。私は、地域特例のかさ上げ率の引き下げについて行管庁長官にその背景をお尋ねをいたしますが、それではその前に自治大臣にお尋ねをいたします。 地域特例のかさ上げ率引き下げに関して、法案の第十六条には、国は「その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる」こう規定されておりますが、これはどういうことかということになると、内容は、私の手元にも来ておりますが、自治省、大蔵省、両省間で合意に達したというこの文書の内容だと理解してよろしいでしょうか。
○安孫子国務大臣 地域特例のかさ上げのカットにつきましては、その分は各団体に対して起債を認める。その起債に関しましては、元利につきまして交付税上全額を措置する。それから、この元利の二分の一については、国庫が地方特例交付金の方に繰り入れる、端的に申しますと、あとの二分の一は交付税で負担をする、こういう取り決めでございます。 以上が内容でございますが、その中に一つ、地方財政の状況によりまして、地方財政が苦しいような場合には国庫は二分の一にこだわらない、二分の一以上を措置をします、原則は二分の一であるけれども、地方財政の状況によりまして二分の一以上も国庫は特例交付金に金を出します、こういう内容でございます。
○青山委員 行政管理庁長官お帰りになりましたので、地域特例のかさ上げ率の削減についてお尋ねしたいと思います。 臨調答申は、公共事業関係費について前年度と同額以下に抑制する、このことを求めて、これに加えて、さらに補助負担率の地域特例のかさ上げ率の引き下げ、これを求めております。 政府もこれを受けて、法案の中に、かさ上げ率の六分の一カットを盛り込んでいる。地域特例は、本来、先ほどからも論議がなされておりましたが、地域開発に関する格差を是正する、開発のおくれている地域、財政力の乏しい地域に財源を補てんするという制度であると理解しておりますが、後進地域など財政援助を行わなければならない地域に対して補助の削減を求めてこられました。この理由は一体どこにあるのか、行政管理庁長官にお尋ねいたします。
○中曽根国務大臣 第一次答申の中にも、その点について御指示をいただいておる点がございますが、行革の一つの目標である減量経営、また緊急的な財政措置、そういう面から見まして、中央も地方も同じように痛みを分けてこの危機を突破しよう、そういう意味で、中央の方もある程度減量にも応ずるが、地方にも同じように痛みを分けていただきたい、そういう趣旨が入っておるのだろうと思っております。 特にかさ上げの部分にさわりましたのは、かさ上げは通常補助されているより以上の補助を行うというその部分にだけ、しかもそれを全額でなくしてある部分だけ手をつけるという趣旨でありまして、この程度は全体のバランスの上からも、痛み分けという点からも、地方でも御苦労をお願いいたしたい、お認めいただける範囲としてやった次第でございます。
○青山委員 私たちが心配しておるのは、本来地域格差をなくしていく、格差の是正をしていくという方向にこの地域特例の趣旨があるわけです。そこに補助率の削減が求められてきたことは、地域格差をさらに拡大していくという心配があります。そういう点で、ひとつぜひこれからはこういう点にも十分配慮していただきたいというふうに考えます。 自治大臣の先ほどの御答弁では、大蔵省との間に合意に達したということで、一、二、三項内容が示されておりますが、先ほども自治大臣の御答弁にもありました第三項のなお書きに、「地方財政の状況に応じ必要がある場合においては、この臨時地方特例交付金の額について、配慮するもの」、これは増額と理解してよろしいというふうに私は受けとめました。ただ、今回ここに「額について、配慮するもの」という書き方がなされておりますが、なぜ増額と明確に書かれなかったのか、大臣、お答えいただきたい。
○安孫子国務大臣 当然のことだと思って書かなかったわけでございます。減額ということはあり得ません。
○青山委員 当然のことならば、増額と書くべきであると私は思います。増額と理解させていただきます。 大蔵大臣、いま自治大臣の答弁、私はそのまま理解いたした次第です。この「額」というのは、増額を意味するものですね。
○渡辺国務大臣 それは、二分の一の額を特例交付金として一般会計から繰り入れる。なお、状況に必要な場合には配慮するわけですから、必要な場合には増額する。必要な場合には。
○青山委員 結構でございます。 総理、ちょっと席を立っておられましたので、その間の経過、御存じないかもしれませんが、自治省と大蔵省との間で取り交わされた合意の内容、御存じですね。この中に、いまなお書きの点で、「なお、地方財政の状況に応じ必要がある場合においては、この臨時地方特例交付金の額について、配慮するものとする。」「額」は増額を意味しておるということで理解をしておりますが、今後の財政措置をどうするかということは、地方財政にとってきわめて重大であります。大変重要な関心の問題でございますが、これが、自治省と大蔵省だけの合意内容、どれだけの拘束力を持つかわからないという不安も同時にあります。したがって、なぜ法律の中で財政措置を明確にされなかったのか。私は、法律の中でこの財政措置を明確にするべきであったと考えておりますが、総理、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、法律の中でほとんど必要な要件は明記しておると思っております。なお、それに関連しての御質問に対しましては、政府の関係閣僚から明確に政府の方針を述べて、御理解をいただいておるところでございます。 最後の特別な配慮というのにつきましても、いま大蔵大臣が申し述べましたように、特別交付税等で十分配慮もする道がある、そういうことも考えておる、こういうことでございます。
○青山委員 いや、この財政措置が地方財政にとってきわめて重要なんです。法律の中でこの財政措置を明確にしていただきたかった。これは、拘束力がある当委員会で両大臣からの明確な答弁があったからそれで明らかではないかということかもしれませんが、そこにはやはり法律の中で財政の措置を明らかにすべきであったと考えますが、いかがでしょうか。
○中曽根国務大臣 何でも法律でがんじがらめに縛ってしまうというお考えよりも、われわれといたしましては、行政権の範囲内にお任せいただけるところはできるだけお任せいただいて、そしてそれは大臣の答弁なりあるいは各党の了解事項なりあるいは内閣の了解、そういうような形で調整措置としてこれを維持さしていただけるようにする方が、行政権の側としては好ましいやり方であると思っております。そのかわり、約束しましたことは必ず実行いたします。
○青山委員 答弁は結構でございます。私は、大変明確だったと思うんですが、しかし、国の財政事情はきわめて厳しい状況だということはみんなが知っていることなんです。したがって、今回の合意内容については明確に御答弁いただきましたけれども、たとえばきのうの日経新聞の一面には、「増税によらない来年度予算編成のため苦慮している大蔵省は十七日、一般会計からの地方自治体向け予算を大幅に削減する方針を決めた。具体的には——五十年度から続けている臨時特例交付金を打ち切る2交付税特別会計の資金借り入れに対する国からの利子補給も極力圧縮する」こういう方向で大蔵省が姿勢を打ち出しておるわけですね。これは、地方自治体にとっては非常に重要な問題であるだけに、私は、この財政措置をもっと明確にすべきであったのではないかと思うのです。 次に進みます。 厚生大臣にお尋ねいたしますが、国民健康保険給付費の一部を都道府県に負担させるという案を厚生省は五十七年度の概算要求に盛り込んでおります。その内容について、額、その理由を御説明いただきたいと思います。
○村山国務大臣 お答えいたします。 今度は、臨調答申にもありますように、福祉行政につきましても根本的に洗い直しを行いまして、そして国と地方との役割り分担という点から全部ひとつ洗い直して見直すべきではないか、こういうことでずっと見直してまいりますと、医療保険の中で地域保険であります国民健康保険、それから所得保障の一部であります児童扶養手当、特別児童扶養手当、こういうものについてはやはりほかの都道府県の負担状況、それから新しく見直しました各種の観点からいいまして、都道府県に一部負担していただくことも理由があるんではないか、こういうことで概算要求に出させていただきました。 その金額は、国保につきまして約二千四百億、それから児童手当及び特別児童扶養手当につきまして合計で三百二十億円でございます。
○青山委員 いま厚生大臣からこういう御説明がありましたが、自治大臣どうですか。あなた、どう思われます。
○安孫子国務大臣 この点については、厚生省当局と見解を異にしておるものでございます。 第一点は、国民健康保険、これは国の国民皆保険の一環といたしまして、医療制度というものが国の負担と保険料をもって運営をされておるものでございます。国民健康保険もその例外ではございません。市町村がこれの実施に当たっておりますることは、国の委任事務として行っているのでございまして、その点から申しますと、これを地域保険と言うことは妥当ではないという見解を持っておるものでございます。 なおまた、この制度をいじるとするならば、より広範な基本的な問題を十分に論議を尽くした上で結論を出すべきである。そしてまた、今回、臨調の立場において、当面、来年度の予算編成に関連いたしまして、財政上の見地からこの問題を取り上げるということは必ずしも妥当ではないのではないか、もっと基本的な問題を十分に論議をした上に結論を出すべき問題であろう、こういう見解を自治省としては持っておるわけでございます。 なお、これは相当多額の負担でございます。現在の地方財政の中において、この負担に耐えるものではございません。また、先ほども御質問がありましたが、地方財政法上も問題があるわけでございます。 かような点におきまして見解は異にいたしますが、要点は、財政上の問題が相当ウエートを占めております。したがいまして、五十七年度の予算編成期におきまして、財政当局も交えまして、厚生、自治並びに財政当局との間で論議を尽くした上に結論を出さなければならぬ問題である、こういうふうに承知をいたしております。
○青山委員 いま、厚生大臣と自治大臣の御答弁をいただきましたが、国民健康保険に対する御見解は大きく違っております。こんなにも長く続けられてきた現行制度に対する見解というのは、こんなに違っておっては私はいけないと思う。 その前に一つだけ厚生大臣にお尋ねをしておきますが、この国保事業は、いま市町村が国から委任事務を受けて事業主体として進めてきておるわけですが、今回、国の負担を地方に転嫁する、都道府県に一部負担を肩がわりしてもらうということになりますと、委任事務も都道府県にさせようとしておられるのかどうか。厚生大臣、いかがでしょうか。
○村山国務大臣 現行法でも、都道府県に対しまして団体委任あるいは機関委任をいたしていることは御承知のとおりでございます。 なお、根本的な議論につきましては、わが党で五十二年に、広域保険にすべきだということに関連して、閣議の了解事項があったことはもうお話し申し上げました。広域団体である都道府県にその運営の移管を含めて根本的に検討する。 それからまた、各党におきましても、従来、この問題は大きな問題になっております。社会党さんでは、五十三年六月、医療保障政策大綱という中で、被用者保険と地域保険の二本立てとし、老人医療については別制度を創設する。二つ、地域保険の事業主体は市町村とし、都道府県及び国が財政調整を行うこととする。やはりここに都道府県という言葉が入っております。 また、公明党におきましても同じ趣旨が入っておりまして、これは五十四年九月「八〇年代の医療基本政策」という中に入っておりますが、被用者保険と地域保険の二本立てとし、老人医療については別制度を創設する。二つ、地域保険の事業主体は、現在の市町村から漸次県単位に、さらにブロック単位に移行させる。 民社党もまた同様でございまして、昭和五十三年、中期経済計画、一つ、被用者健康保険、国民健康保険及び老人医療保険の三本立てとする。それから二つ、国保の事業主体は市町村から都道府県に移す。 ですから、この問題はもう根本問題としてはみんなあるわけでございますが、そういう意味でわれわれは根本的にこれを取り上げまして、そしてこの際いかがであろうか。しかし、さっき自治大臣さんがおっしゃいましたように、これは財政問題が大きく絡んでおるわけでございますので、両省でそれらのそれぞれの筋としての主張がございますし、それからとりわけ財政問題でございますので、これは年末にならぬとわかりません。そういった意味で、両省で煮詰めてまいりましょう、こういうことで、両省がいまその点に関する限り合意いたしておるわけでございます。(「それは違うんだよ」と呼び、その他発言する者あり)
○安孫子国務大臣 先ほど御答弁申し上げることを失念いたしましたが、児童扶養手当と特別児童扶養手当の問題でございますけれども、これはどうも児童手当と同じように考えておる向きもあるので、県も負担しておるから県が負担していいんじゃないかという議論があるのでございますけれども、これは全く違うのでございまして、児童扶養手当の背景をなすものは母子福祉年金でありまするし、それから特別児童扶養手当の背景をなすものは障害福祉年金でございまして、これは生別と死別の関係、二十歳以上の障害と二十歳未満の障害、こういう区別になっておるわけでございますから、比較をいたしまするならば、母子福祉年金、障害福祉年金を前提とすべきであると考えておるわけでございます。 ところが、この両年金はいずれも国でもって措置しておるのでございます。したがいまして、この関係から申しまするならば、児童手当というものが県も一部負担しておるから、県が負担してもいいじゃないかということは全く見当違いの問題じゃないか、こういうふうに考えております。(発言する者あり)
○村山国務大臣 委員長……。
○青山委員 厚生大臣、ちょっと待ってください。——それでは、すぐ答えていただくことになりますが、給付事務を都道府県にやらせるということですね。(「さっきのは取り消してもらいたいな、あんなとんちんかんなことは」と呼び、その他発言する者あり)
○三塚委員長代理 ちょっとお待ちください。——いいですね。 それでは、村山厚生大臣。
○村山国務大臣 いまの御質問にお答えいたします。 給付事務は、これは相変わらず市町村が実施主体でございます。御案内のように固有事務、団体委任事務それから機関委任事務という三つの種類が都道府県であるわけでございます。しかし、これは国民であると同時に住民でございますし、都道府県、市町村の協力がなければやはり国民の身近な問題ができませんので、都道府県なりあるいは市町村にいろいろ事務をお願いし、あるいは実施主体になっておっていただいております。 しかし、費用をどう持つかということは、固有事務であるか機関委任事務であるか、あるいは団体委任事務であるかということによって何も違いがないのでございまして、通観いたしますと、ほとんど当該事務の利害関係、どれだけ一体都道府県と関係しておるか、あるいは市町村と関係しているかということによりまして、実は補助率が決まっておるわけでございます。したがいまして、機関委任事務それから団体委任事務、固有事務——固有事務についても、もちろん国が負担していることはもう同様でございます。 それからなお、いま児童同扶養手当と特別児童扶養手当についてお話がございました。いきさつからいうと確かにそういうことでございます、先ほど自治大臣が言われた。しかし、これは根本的に見直してみますと、こういうことなんですね。 国民年金に加入した人、これは二十歳から加入するわけになります。しかし、その場合に、本来の拠出年金であるところの障害年金あるいは母子年金、これをもらうためには払い込み要件が必要なのでございます。一年間払い込まなければだめですよ、と。そこで、一年間払い込まないうちにその人が母子家庭になった、あるいは障害児になった、これを救済する必要があるわけでございまして、それは本来、年金体系の中のいわば補完的なものでございます。したがいまして、その分は年金体系、年金会計を通じて出しておりますが、保険数理の方ではそういうものは実は拠出年金の中に入っておりません。したがって、その財源は国が持つということでございます。ただいま申しました補完的なものでございますから、人数は非常に限られるわけでございまして、財政負担にはほとんどならないのでございます。 ところが、国会の方でいろいろ御審議がありまして、児童扶養手当、これは生き別れでございます。今度は生き別れの方もやったらどうか、こういう話から発足いたしまして、それで生き別れについてもやったわけでございます。しかし、これは考えてみますと、本来の年金会計を補完するという年金の方の、母子年金を補完するという意味の母子福祉年金とは全く体系の違う話でございまして、これは生き別れの話でございます。 確かに、母子福祉年金の方は、そういった補完的意味で全額国庫負担にしたのでございますが、当時恐らく財政の状況が非常によかったということだと私は思うのでございますが、全然違う別途の制度につきましても全額国庫負担にしておる。しかし今度はほかの福祉手当——これは児童福祉の手当の一部なんでございます、本来からいいますと。児童福祉についての基本法を見ますと、やはり都道府県が責任を負うべきであるということが書いてあるわけでございます。 それからまた特別児童扶養手当、これは先ほど申しましたように、拠出年金の障害年金の補完としては、二十歳になって払い込み期間が一年たたないうちに障害になった、これはごく一部補完するという意味でやっているわけでございますが、今度は同じように、二十前障害の者についてもやはり同じような考えで持つべきである、そういうことから発展いたしまして、それがいわば障害福祉年金と横並びでそのままいっているわけです。 ところが同じような、その中でも受けます福祉手当、これは障害者について介護を要する者ですね、これはもう都道府県が持っているわけでございます。月一万円でございますけれども、ちゃんと持っているわけです。そういうことになりますと、いわば児童福祉法の基本的な考え方あるいは障害者に対する障害者の福祉法に基づく基本的な考え方からいっていかがなものであろうか、こういうことで提案いたしているわけでございまして、単純な肩がわりなんということで申し上げているわけではございません。
○青山委員 厚生大臣、先ほど私は財政的な面で尋ねたのに、事務の調整について各党の考え方を述べられましたけれども、私はそのことを聞いているんじゃないのです。たとえば二千四百億と言えば、今回の法改正の額そのものと近いくらいの額ですから、これは重大な問題です。しかも、一般に社会保険というのは国庫負担と保険料とでいままで運営されてきたということから考えると、国保だけを地方に負担させるということは、社会保険金体の中では不合理だという見方が私は正しいと思うのです。その辺をお尋ねしておるわけです。 そこで、総理大臣にお尋ねをいたしますが、いまもお聞きのように、国民健康保険制度、昭和三十六年に創立されて二十年間実際に行われてきておって、現在行われておる制度がどういう性格を持つ制度であるのかという基本的な考え方について、厚生省、自治省との間に大きく食い違ってきております。財源問題をどうするか、これも重要な問題です。制度をどういうふうに改正していくのかという問題は年末までに検討をするということでありますが、現在すでに行われておるこの国保事業、この保険制度、これについての基本的な考え方が違うというのはまことに納得できないものであります。そういう意味でひとつぜひ統一見解を示していただきたい、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 御承知のように、わが国の医療保険制度の中におきまして、地域を一つの単位といたしまして国民に医療サービスを提供いたしておるわけでございます。それは、今日まで国の一部負担と保険料の徴収によりまして、医療保険財政が運営をされておるということは御承知のとおりでございます。そして都道府県は国の委任に基づきまして、支払い請求等につきましてこれを審査し、これをチェックして適正にこれが行われるように、そういう事務を都道府県においてやっていただいておる、そういう仕組みに相なっておるわけでございます。 今回臨調の方から、この都道府県が行っておりますチェック機能をもっと責任あるポジションの上に立ってしっかりやってもらわなければならないというような意味合いを含めまして、都道府県に国庫負担の一部を負担してもらうべきではないか、こういう答申がなされておるわけでございまして、これは御指摘のようになかなか重要な問題であるわけでございまして、いま厚生省それから自治省それに財政当局におきましていろいろ検討が進められておりますが、五十七年度予算の編成の時期までに政府としては最終的な結論を出したい、このように考えております。
○青山委員 総理、厚生省は国民健康保険を地域医療保険だという考え方のようであります。実は自治省は、社会保険全体の中で社会保険そのものは国庫負担と保険料とで行われてきたものだということからしますと、国保だけ地方に負担を任せるということは全体の社会保険制度の中で不合理ではないかという考え方なんです。これは鈴木内閣における国民健康保険に対する考え方としては非常に大きく違っておる。現在すでにもう二十年間もこの国民健康保険制度が実施されて運営されてきておる。にもかかわらず、国保の制度に対する認識がこんなにも違うというのは、これは大変なことだ。これからどのように運用をされていくのかということは、年末までに決めていただければ結構であります。しかし、国民健康保険制度に対する考え方の違いというのはおかしい。それは、正しい一つの統一見解を出していただかなければ、国民の皆さん方に理解ができなくなってしまう。この点をお尋ねしておるのです。統一見解をひとつぜひ出していただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 いま私が御答弁申し上げたことでわかりませんか。
○青山委員 これは大変重要な問題ですが、これから詰めていくということでは私はだめだと思う。二十年間もやってきておるのです。
○鈴木内閣総理大臣 私が申し上げたのは、職域を中心としたところの医療保険とそれから地域を単位としたところの医療保険と、これは形態としてそういうものがございます。しかし、この国民健康保険というのは、そういう地域を対象としておるけれども、一部国の国庫負担と、それから保険料を受益者から徴収をいたしましてその財源とで行っておりますところの医療保険制度でございます。これはきわめて明確でございます。したがって、これを通称地域保険だからといって地域で全部やれとか、そういうことを申しておるのではございません。保険財政というのはそういう仕組みになっておって、ただ、実際にそれを運営する場合に地域単位でやっていただいておるということを申し上げておることであって、決して国民健康保険制度に対して鈴木内閣になって解釈とか見解が変わってきたというものではない、きわめて明快でございます。
○青山委員 今回もし——もしと言ってはなんですが、仮定の問題で申し上げるのはちょっと行き過ぎかもしれませんが、地方にたとえば負担をさせるということになりますと、地方財政法第二条第二項「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」ということが明らかにされておるのです。自治大臣、地方財政法の法のたてまえからしますと、今回のこの国民健康保険の地方肩がわりの考え方というのをどのように受けとめておられますか。
○安孫子国務大臣 これを負担するということに仮になったといたしますと、地方財政法上の問題がありまして、改正を必要とするのではないかという見解を持っております。
○青山委員 結構です。 道州制度についてお尋ねをいたします。 行政管理庁長官、現在、第二臨調の第三部会で道州制の問題が検討項目の一つとして取り上げられるようであります。この議論は、昭和三十年代から四十年代にかけて行われたことがあります。が、しかし、今回は少し唐突に出てきた感がするわけですが、臨調において道州制論が取り上げられるに至った背景を行政管理庁長官はどのように受けとめておられるのか、お尋ねいたします。
○中曽根国務大臣 道州制が取り上げられました背景には、最近の日本の国情の変化ということが指摘されているように思います。広域行政の必要性が非常に叫ばれてまいりまして、環境問題にしてもあるいは交通あるいは河川行政、あらゆる面において広域性が要求されてきております。そういう意味で、いままでの府県の範囲だけではコントロールできない共通問題がかなり多く出てきておる、こういう問題を共通的に処理するという必要性が叫ばれてまいりまして、いままでの府県の境界というものを何とか考えるときに至ったのではないかというのが一つ背景にあるだろうと思います。 しかし、道州制が第二臨調において取り上げられるということは決まったわけではないので、そういう理論と申しますか、意見が一部にあるということで、いずれ部会におきまして皆さんが正式に検討をすべき項目を決められる、そのときに至ってどうなるかということがはっきりするわけであります。
○青山委員 もうすでに一つの考え方として、中央政府がある、そして住民に直結した地方の市町村行政主体がある、この辺についてはいいのですが、その中間にどのような行政体を持つのか、ここが議論の分かれ目であろうと思うのです。 そこで、総理大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、道州制をもし施行して県を廃止するということになってきますと、廃藩置県が行われた明治維新以降、これは非常に大きな改革になると思います。総理は、道州制についてどのような見解を持っておられますか。
○鈴木内閣総理大臣 これは、御指摘のようにきわめて重大な問題でございます。第二臨調におきましても、いま行管長官が御説明申し上げましたように、これを提言をするとか、そういうような方針等もほとんどまだ固まっていない、そういう段階で私がこの問題について見解を申し述べることは、これは適当でない、このように思います。
○青山委員 臨調に対して配慮されることは、私は大切だと思います。しかし国民は、総理はどのように考えておられるのかを非常に関心を持って見ておられます。もしそんなことになりますと、たとえば臨調で道州制を導入ということになれば、総理は十分前向きでこれは取り組むというふうに受けとめてよろしいでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 仮定の問題につきましていまここで申し述べることは適当でない、いたずらに混乱を招くだけでございますから、御遠慮申し上げます。
○青山委員 結構です。 行管庁長官にお尋ねしますが、今回のたとえば地方特例の補助率のかさ上げの削減についても私どもは思ったのですが、これはいわば行財政改革ではない、財政再建の一助として必要だからこれは協力しなければならないという考え方があります。ありますが、果たして抜本的な行政改革であるかというと、地域特例の補助率のかさ上げ削減などというのは、行政改革にはそのままつながっているものではないと私は考えています。やはり大きな問題を残してきておるのは補助金制度であろうと思うのです。政府は、補助金制度の改革についてどのような方針を立てておられるのか、お尋ねしておきたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 補助金の整理という問題については、かねてから政府もいろいろ努力してまいりまして、一番大きいのは、最近では昭和二十九年に一括整理法案を提出いたしました。その後も各内閣が個別的に、行革の一環として補助金整理を部分的に取り上げてまいりました。今回、第二臨時行政調査会の発足に当たりましても、補助金整理というのは大眼目でございまして、その部会が設けられまして、その問題にいま真剣に取り組んでいただいておるところでございます。これらの答申の帰趨を待ちまして、われわれも断固として実行したいと思っております。
○青山委員 厚生大臣にちょっとお尋ねしますが、厚生省が昭和五十四年度、愛知県下のある市に対して結核児童療育事務費として年三十円の補助金を交付したと聞いておりますが、これは事実ですか。
○幸田政府委員 お尋ねの結核児童療養事業費事務費は三十円でございますが、私どもが交付決定をいたしておりますのは、身体障害児援護費等補助金ということで四千五百六十六万七千六百九十一円を名古屋市に昭和五十四年度において交付をいたしております。いま御指摘のものは、そのうちの積算の内訳といたしまして上がっているものでございます。
○青山委員 その三十円という補助金があったことはあったのですね。
○幸田政府委員 積算の内訳としてそういうものはございました。
○青山委員 厚生大臣、積算の内訳ということですけれども、一つの事業に三十円の補助金を出して、これはどういう意味ですか。三十万円じゃないのです、三十億円でもない、三十円です。これはどういうことができるのですか。
○幸田政府委員 健康保険等で医療費の請求が保険医療機関等からございました場合に、社会保険診療報酬支払基金で審査、支払いをいたすわけでございますが、これが現在、健康保険でレセプト一件当たり、これは五十六年度でございますが、被用者保険の場合に六十五円、国民健康保険では同じく六十円台ということになっているわけでございます。 いまお尋ねのございました名古屋市のものは結核の児童のものでございまして、たまたま名古屋市で昭和五十四年度間に一件しかなかったということでそのような金額になったわけでございますが、いま申し上げましたように、保険医療機関等の支払いに対する審査、支払い事務手数料でございます。
○青山委員 この三十円の補助金で、行政も大変きめが細かいと評価を受けますか。補助金に対する考え方が少し不合理ではないか、やはり出てくると思います。厚生大臣、どのようにお考えですか。行政管理庁長官、どのようにお考えですか。
○村山国務大臣 いま児童家庭局長から聞いたところでよくわかりました。これは審査、支払いをやっているわけでございますが、そのときの審査、支払いレセプト一件当たり単価を決めているわけでございまして、それが六十円、補助率二分の一、こういうことで、多くの場合はたくさんやるわけでございますので、それはまとまった金額が行くのでございますが、これは結核の児童の療育費、それから審査、支払い事務でございますから、やはり同じ補助単価になって二分の一の補助になった。たまたま一件しかなかったから三十円になった、こういうことであろうと思います。そのことを考えますと、普通の場合はないわけでございますが、たまたま結核児童が一人しかいなかった、こういうことであろうと思います。
○中曽根国務大臣 計算上の端数みたいなもので、しかし、そういう実費弁償みたいな性格を持っているのだから、やらぬと会計法上やはり困ることが起こるのじゃないかと思います。
○青山委員 こうして行政がますます複雑多岐にわたってわかりにくくなっていく。一体、行政の効率をよくしていくとか財源を効率的に配分していくとかいうことから考えてくると、いささか……。まあしかし時間がありませんから、余りこれについては触れないことにいたします。 補助金制度には数多くの弊害がありますが、さまざまな事例としてもこれまで幾つか指摘してきております。挙げれば切りがないほどあるのですけれども、いまの補助金制度というものは、限定した範囲で補助が出されておる、計画性なしに、国の予算や過去の実績に対して交付されている場合がある、複雑な手続や陳情行政が行われている、幾つかの問題があります。そこには、地方の自主性や主体性を大きく阻害しておるものがあります。 私ども民社党は、公共事業関係の補助金を一括して地方に交付する第二交付税制度の創設を主張してきておりますが、総理大臣、現行の補助金制度は私は幾つか問題があると思っておりますが、総理のこの第二交付税に対する御所見をいま一度伺っておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 私は、補助金制度につきましては、一つの政策目的を持って行われた場合におきまして、その政策を実施する上でそれなりの効果をおさめておるものが多い、こう思います。しかし、青山さん御指摘のように、補助金がすでにいままでの間において十分政策目的を達して、今日ではその必要がないものもございましょう。それから、少額の補助金をひもつきのような形でこれが行われるということで、政策効果よりもむしろ弊害を生んでおる、陳情行政にも相なっておるというような面があろうかと、こう思います。そういうようなことからいたしまして、補助金制度を根本的に見直しをする、これを効率的に使用する、こういうことが必要であろう、こう思います。 ただ、第二交付税のように、しからばこれをまとめて都道府県なりに一本で与えた場合においてどうなるか、こう申しますと、全国的に見まして整合性を失いますと、そこにまたいろいろの支障を来すわけでございます。ある県では、道路は非常によくなったが、治山治水の方は大変なおくれをとるとか、あるいは福祉関係は大変伸びたけれども、その他の分野においては立ちおくれを来すとか、そういうような問題も出てまいります。でありますから、私どもは補助金制度というものを抜本的に見直しをして、そして効率的にこれが行われるということ、そのために統合メニュー化等もやって、そして、地方のある一定の範囲内で地方の特殊事情に合うようにそれを効果的に使っていただく、そういうことも工夫をしなければならない、こう思っております。 結論的に言いますと、せっかくの御提案でございますけれども、第二交付税のようなもので一括して全部交付するということはまたそれなりの問題があろうか、こう思っております。
○青山委員 時間がありませんから最後になりますが、総理大臣、少し見解が違っておるかと思います。第二交付税で補助金制度、これでもういいというふうには私どもも考えておりません。ただしかし、現行の補助金制度の中で地域がそれぞれ知恵をしぼり、計画を立てて総合的に事業を推進していきたい、しかし、国の縦割り行政のためになかなか地域にとって総合的な計画の推進ができない。したがって、今回は、私どもは公共事業関係の補助金を一括して地方に交付する第二交付税制度を申し上げているわけであります。 この件については、中道四党の共同要求でも一致して要求しております。また、自民党の議員さんでも、公共事業関係の補助金については、一括して地方の自主性に任せて交付していく考え方を朝日新聞に今月述べておられます。したがって、政府はもっと前向きに検討していただいてもいいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。最後の質問といたします。
○鈴木内閣総理大臣 公共事業関係にしぼって第二交付金のようなものを考えたらどうか、こういう御提案でございます。こういう点は、私は、地方の実情に合うように、地方の特性を生かすように公共事業費も総合的な立場で、地方がある程度弾力的、自主的にこれを使う、そういう御趣旨は賛成でございます。ただ、全部の公共事業を第二交付税のようにして交付をするということは、さっきも御答弁申し上げたように、あるところでは道路に重点を置く、あるところは治山治水が手抜かりになるとか、いろいろ全国的に見て整合性を失うということは、均等でない面も出てくるのではないか、そういう点を十分考慮しながら今後補助金制度を検討していくべきだ、こういうことであります。
○青山委員 終わります。
○三塚委員長代理 これにて青山君の質疑は終了いたしました。 三谷秀治君。
○三谷委員 このたびの北炭夕張新鉱の大災害でとうとい生命を亡くされた方々に、私は心から哀悼の意を表するものでありますが、犠牲者の中には、会社の保安無視、生産第一主義に対して、終始一貫して闘い抜いてきましたわが党の夕張市会議員田口睦夫君も含まれております。私は、この大災害を引き起こした北炭と、必要な処置を怠ってきました政府に対して、怒りを禁じ得ないのでございます。 本日の質疑で、総理も通産大臣も、北炭夕張は危険な山である、生産第一ではなく保安第一でやらなければいけないと繰り返してお述べになりました。しかし、災害が起きてからそんなことを幾ら言ってみたところで、これは遅いのであります。わが党はこれまでたびたび現地を調査しまして、去る七月には小沢和秋議員、小笠原貞子参議院議員が、今回の事故の現場に実際に入坑して調査をしてきたところでございます。その結果に基づいて札幌鉱山保安監督局と会社に対して会見を申し入れるとともに、国会でも事実を挙げて追及してきたところであります。 その改善すべき点といいますのは、第一に、ガス警報器が現に鳴りっ放しのままで、そういう状態の中で作業を続行しておったということ。第二番目には、メタンの濃度が一・五%で鳴るはずのガス警報器が、二%程度になるまで作動しないように不当に操作されておった疑いがあることでございます。そうして第三番目には、ガス抜きボーリングを手抜きしていることであります。これらの点につきまして、何ら改善をされていない、放置されてきましたために、今回の大惨事を引き起こすことになったものでございます。これに対して政府はどういう態度をおとりになったのか。 五月七日の参議院の商工委員会におけるわが党の小笠原議員の追及に対して、田中通産大臣は「私はそれだけでも何か事故につながるような予感もします」とおっしゃっている。御指摘の点は経営者にも指摘して指導してまいりたい、こう答弁していらっしゃるのであります。また、八月七日の本院の石炭対策特別委員会における小沢委員の追及には檜山参事官が答えに立ちまして、厳重な監督をやっております、改善されてきておりますと答えておるのであります。しかし、現実にはこの点についての改善がなされていなかった。 現に、事件発生後わが党は調査団を送っておりますが、わが党のさきの三点の指摘に対して会社は、従来はそんなことはないと否定しておりましたが、それを一昨日取り消しをしたのであります。つまり、この点の不十分さを認めたわけであります。会社の責任は当然でありますが、政府の責任も一居重大であります。総理は、この責任についてどうお考えになりますか。——あなたは総理大臣ですか。
○田中(六)国務大臣 私が担当でございますので、私がお答えしたいと思います。 いま御指摘の三点につきましては、共産党の方方はそれを事実調査したということでございますけれども、私どもはそういうふうに聞いておりませんし、警報器が鳴りっ放しであった、なのに作業をしたというようなことは今回の事故と結びついておりません。それから、メタンの濃度でございますが、この点につきましても早目に会社側は探知しておりまして、これも坑内に早く知らせておりますし、いま御指摘の三点について私は経営者並びに職員組合それから労組、三者に会ってただしましたけれども、いま御指摘のような三点は向こう側からの答えはありませんでした。 いずれにしても、そういうことは別といたしましても、保安第一、それから安全体制というものに全くの欠如がなかったということは言えませんし、従来も私どもは、この炭鉱につきましては特に私自身も十分注意をいたしてきておりますし、労使に対する警告もたびたびでございますし、昨年の十月末から再開されたことに対しましても、実に三十三回の保安体制のチェックをやっておりまして、これも未曽有のことでございますけれども、それは何回やったからどうという言いわけではございませんけれども、私どもは事故の起こらないように、労使が一体になり、しかも、私どもも直接保安監督局の吏員を動員して、常日ごろ心がけてきたところでございます。しかし、こういう事態に立ち至りまして、心から私も全く遺憾に思いますし、今後の対策に万全をより一瞬期さねばならないというように思います。
○三谷委員 いま大臣が、現地に行かれて会社側や組合に会ったとおっしゃっていますが、その会社側と組合が同じ歩調をとって、わが党の指摘に対して当時は抗議をするという態度をとってきた。その指摘がいま申し上げましたような坑内における欠陥事項であります。現地の、中で働いている労働者は一体どう言っているのか。中で実際にこの状況を毎日目撃している労働者、経験している労働者、これについてどのような調査をされましたか。いま私たちが申し上げました安全上の欠陥というものがあり得なかったというふうなことをいまおっしゃいましたけれども、あり得ないという断定がどこでできますか。
○田中(六)国務大臣 私も、一日や二日寝泊まりして実態をより一瞬細かく知りたいという願いを一応述べましたけれども、私があそこにおっていろいろすることはむしろ、端的に言いまして邪魔になるというようなことは、経営者も労働者の方もそういうことを言っておりましたので、個別に各労務者に会って意見を聞くということはできませんでしたけれども、労使、職員組合も挙げてそういうことでございましたので、一応私も引き揚げて帰りましたけれども、保安監督官並びに立地公害局長なども残っておりまして、これに対する対策あるいは詳細な調査というものはするよう指示してまいったわけでございます。
○三谷委員 いまの三点の指摘について、当時労働組合と会社とが、そういう指摘は正当ではないということを言っておりましたが、いま申しましたように、一昨日、会社側と組合のわれわれの指摘に対する抗議というものは取り消しをしますと言ってきた。つまり、この指摘が正しかったことを会社自身が認めている。そして、現場の労働者が最もこれをよく知っている。それを、あなたが、そんなことは全然あり得ませんなんということがどうして言えますか。それは取り消しなさい。
○田中(六)国務大臣 あり得ませんという断定はまさしくできないでしょう。ただ、私が詳細に各関係者に聞いたことでございまして、あり得ないという断言はしておりませんけれども、そういうことはなかった、聞いていないということを言ったわけでございまして、それを全く断定的に、ないということは言えないと思いますので、もしそういうふうに解釈なさいますならば、そういう解釈をされた私の言動についてははっきり取り消します。
○三谷委員 取り消して、詳細な調査をやってください。 総理は人命尊重、保安第一、原因究明と、万全の対策をお答えになっておりましたが、これはお言葉だけではだめなんだ。 現に事故発生後わずか十数時間の後に、まだ五十人以上の労働者が坑内に閉じ込められておるというのに、会社は坑道水没のための注水の方針を打ち出したのでございます。まだ生きておるとも死んでおるとも確認されていない坑内に水を入れて、水浸しにするんだという方針を出したのであります。こういう方針について、通産当局が事前に連絡を受けていないとは考えられない。協議に参加しておると考えるのが当然であります。大臣は、事後になってから知らなかったとおっしゃった、注水はとんでもないことだとおっしゃいましたが、果たして通産省は、この点については現地から何の連絡も受けておりませんか。会社から受けておりませんでしょうか。 それから、実際には通産当局が直接の指揮をする救護隊員が入ったわけでありますが、この通産当局が直接の指揮をする救護隊員が十名も第二次災害に巻き込まれておるのでございます。これで人命の尊重が貫かれておるのか、安全に対する対策というものが真に貫徹しておったのか、だれしもが疑問を持つわけでございます。この点についても御意見をお聞きしたい。 そうしてもう一つは、総理、坑内に残されました労働者を最後の一人まで救出する方針を貫くべきだと思いますが、その点はどうでございましょうか。
○神谷政府委員 まず第一の水没の問題でございますが、本件に関しまして、御指摘のように会社側がかなり早い段階におきまして、火が起きたので水を入れることを検討したいということを労働組合あるいは家族と協議し、あるいは私どもに通報してまいりました。私どもといたしましては、現地におきまして、災害発生個所並びにその周辺で火災が起き、人命が絶望的であるということについてのデータの要求をいたしておりまして、基本的には人命尊重第一でいくべきである、したがって全員絶望であるというデータの提出を求めておりましたところ、会社側より、家族とも組合とも話し合ったが、現段階においては水を入れることは差し控えますという連絡がございましたので、私どもといたしましては、むしろ現状の把握に努めるべきである。したがって、非常に危険な状態ではございましたけれども、ガスの状況その他の内部の状況を外部においてできるだけ探知した上で、安全な個所、安全な個所ということで一次、二次、三次という救助隊を派遣しながら現状の把握をし、その結果において、なお絶望とも——生存の確認はもちろんでございますけれども、可能性が高いとも言えませんけれども、絶望とも言えない、こういうことから今日に至るまでの措置を講じさせておったところでございます。 第二に御指摘の、通産省あるいは鉱山保安監督局直接の指揮による救助隊の被害の件に関してどう考えるかということでございますが、御承知のように、救護隊は私どもの監督局の直接の指揮ではございませんで、これは山の保安統括者の指揮下に入るものでございます。その保安統括者の指揮のもとにある救助隊でございますけれども、私どもといたしましては、救助隊に対する訓練、あるいは特に心得べきいろいろな規定を遵守するよう常時指導してきたところでございますので、保安統括者の責任とはいいながら、救助隊の災害に関しては非常に遺憾に存じておるところでございますが、この原因につきましても、なお事故の原因、第二次災害発生の原因を究明した上で、所要の問題点を解明してまいりたいと考えております。ただ、急激にガスが回ったということは考えられますので、退避が非常にむずかしい状況ではなかったかというふうに考えておるところでございます。 最後に、現時点において、生存の可能性の大きさというのはきわめて小さくなってきておるとは思いますけれども、われわれとしては、やはり少しでも可能性の残っておる限り、その可能性を追求したい、こういうことでございますので、現時点、火災がかなり大きくなっておることは事実でございますけれども、やはり水を入れるよりも、まず入気を遮断し、それによって火勢を弱めることを指示しておるところでございますし、なお生存者が存在する可能性もございますので、入気を抑えながら、しかしながらビニールテントの中の酸素だけは、火にはよくございませんけれども、やはり人命尊重から送り続けておる、こういう状況でございます。 現時点では、人気を抑えた後の状況、いろいろ作業した後は非常に危険な状況でございますので、ガスの推移その他を慎重に見守り、その結果を見て次の手を考えたいと考えております。
○三谷委員 救護隊員が十名も災害に巻き込まれるということは、人命尊重が貫かれていないことを明確に示している証左なんです。最初の被害ではない、二度目の被害なんです。しかもこれは事件発生後でありますから、すでに鉱山保安監督局などがタッチして起きておる事件であります。こういう点についても、政府はもっと責任を感じてもらう必要があります。そして、この労働者は最後の一人まで救出するという方針を貫いてもらえますか。その点はどうでしょうか。
○神谷政府委員 私、災害の発生とともに現地に飛びまして、昨夜審議官とバトンタッチして帰ってまいったものでございますけれども、上司の通産大臣から、人命尊重第一で対処するようにという指示を受けて現地で指揮をとってまいったわけでございますので、先ほど申し上げましたように、可能性の残っておる限りは、その可能性を追求してまいりたいと思います。
○三谷委員 先ほど来、総理は、こうした事故は二度と繰り返してはならない、保安第一と繰り返しておっしゃいました。そうであるならば、この際、北炭系はもとよりでありますが、稼働中の全山について、直ちに保安の総点検をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 今回の夕張新炭鉱の事故は大変な大規模でございまして、これによって多くの犠牲者が発生を見たことは本当に痛ましいことであり、心からお見舞いを申し上げておる次第でございます。 そこで、午前中にも繰り返し政府の考え方を申し述べたところでございますが、保安第一で今後進めていかなければいけない。また、保安の確保ができて初めて生産も持続的にできるわけでございまして、生産を急ぐの余り、安全基準の保持なりあるいは保安の点がなおざりになるようなことは、あってはいけないわけでございます。そういう観点から原因を徹底的に究明いたしまして、今後の安全対策、保安対策を十分徹底するように進めてまいりたい。そういう意味で全国の鉱山、特に石炭関係の鉱山につきましては総点検をいたしたい、私はこのように考えております。
○三谷委員 今回の犠牲者に対して会社側が補償するのは当然でありますが、会社とともに重大な責任を持っております政府が、補償についても万全の処置をとるべきだと思いますが、その御意思と用意があるでしょうか。
○田中(六)国務大臣 この遺族並びに罹災者に対しましては、政府といたしましても十分考えなければならないというふうに思っております。
○三谷委員 考える用意ができておるわけですか。
○田中(六)国務大臣 会社には労使の規約がございます、根本的には。その規約どおりを行うと同時に、政府ももちろんこれに対して何らかの措置を講じなければならないというふうに思っております。
○三谷委員 まあ規約はどういう規約か知りませんが、こういう会社側あるいは政府側の責任による事故でありますから、そういう事故の際の補償の規定があるとしますならば、もちろん最大限の補償をするということだろうと思いますが、それはそのとおりでいいわけでしょうか。
○神谷政府委員 先生御承知のように、組合と会社との間の補償、に関しての取り決めがございます。 〔三塚委員長代理退席、稲村委員長着席〕 その取り決めを踏まえて大臣からも会社に対して、後の問題、救出後の問題でございますけれども、遺族に対しては万全のできるだけのことをするようにという指示もいたしておりますし、国の関連するところでは労災保険の問題がございます。これに関しましても、関係省庁と連絡をとりながら円滑に万全を期してまいりたいと考えております。
○三谷委員 国がとります万全の処置というのは、労災保険を適用するということなんですか、大臣。そこはどうなんです。
○田中(六)国務大臣 これらの問題につきましては、過去においてもそれらに対処する措置をとってきておりますし、労使の規約並びに政府関係各省とにつながる労災保険などもございますし、そういうものを十分踏まえた上対処していきたいと思います。
○三谷委員 今度の行革で鉱山保安監督官まで減らすつもりでいらっしゃるのか。臨調の答申を見ますと、そういう人減らしが盛んに強調されておるわけでありますが、事故の再発を防止するためにも、いまでも不足しております鉱山保安監督官をふやすことはあっても減らすことがあってはならないと思いますが、この際、減らさないということを約束してほしいと思う。
○神谷政府委員 私ども保安行政に携わっておる者といたしましては、人間の関係で保安面での力が弱ってはならないということで、省全体といたしましても、政府全体といたしましても、その点を十分認識していただいた上で、しかし政府全体の方針の枠内で、私どもとしては、いわゆる保安監督行政が俗に申し上げまして手薄になるような事態には至らぬよう、最善を尽くしてまいりたいと考えております。
○三谷委員 総理、お答え願いたい。これは行政的な答弁ではだめですから。
○中曽根国務大臣 五十五年行革の一環で鉱山保安関係の行革が若干行われましたが、その際も、機能障害を起こさないように、力を後退させないように、そういう配慮は十分いたしてやったつもりでございます。今回のこの事件にかんがみまして、さらによく検討してまいりたいと思います。
○三谷委員 減らさないということが約束できませんですか。こういう事故が発生をした現在において、当然そういうことについても今後の対策として必要だと思いますけれども。
○中曽根国務大臣 この前の行革のときでも、監督官の数は減らしておらないと思います。若干の看板の塗りかえはありましたけれども、しかし要員を減らすというようなことはしておらなかったと思います。(三谷委員「今回はどうだ」と呼ぶ)今回におきましても、この事件にかんがみまして、その点はよく検討してまいるつもりであります。
○三谷委員 総理、どうです。
○鈴木内閣総理大臣 行革の責任者である行管長官から御答弁を申し上げておるわけでございまして、それを政府の方針、こういうぐあいに受け取っていただいて結構でございます。
○三谷委員 要するに、以前も減らしていないし、今度も減らさないという意味だと思いますけれども、そのように理解していいわけでしょうか。
○中曽根国務大臣 先ほども申し上げましたように、実際監督に当たる人たちの数は減らさないようにいたしたいと思います。
○三谷委員 北炭で少し時間を食いましたが、私は、地方自治、地方制度、地方財政につきまして、幾つかお尋ねしたいと思います。 臨調の答申を見ますと、地方自治についていろいろ述べていらっしゃいます。地方の自主性の尊重であるとか、地方自治の原則に立脚した地方における行政の効率化、まあ地方自治と自主性がうたわれております。これは憲法に言うところの地方自治の本旨、いわゆる住民自治と団体自治という基本的原則をうたったものだと思いますが、その点は総理はどのようにお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 おおむねそのようなものだと思います。
○三谷委員 ところが、実際に臨調が示しております地方行財政に対する提案というのは、あるいは今後の検討事項というものは、地方自治を掲げながら、実際の提案や検討目標に示されておるものはそれとはまるきり逆のものになっている。たとえばその一つは、地方自治権の制約と地方自治制度の改悪であります。二つ目は、国の財政危機の地方への転嫁であります。あるいは財政面からの自主性の侵害であります。三つ目には、自治体の組織、定数に対する中央統制の強化になっております。地方自治の原則とか地方の自主性の尊重という命題とは似ても似つかぬものでございます。 そこで、その内容につきまして幾つかお尋ねしたいわけでありますが、地方自治権の侵害については、たとえば、地方の単独事業としての老人医療費無料化制度への介入、こういう問題もあります。時間の関係で一つ一つはお尋ねができませんけれども、行政制度そのものとしましては、臨調の今後の重大課題としまして広域行政、道州制が挙げられております。来年夏の基本答申の一つの柱に据えるということが伝えられておるわけであります。 これはすでに経団連の行革推進五人委員会の提言にも示されておりますが、かねがね地方財政危機を利用して、そして税財政制度の改革の反動的な対策として財界から提起されておった問題でございます。府県を合併して道州制度にするという構想は、府県の自治制度にかえて地方庁的なものにしていく、そして大企業のための地域総合開発を進めやすくする、あるいは規制の緩和や行政の民間委託などを並行して進めて、大企業の地域支配を強めるものとして、今日まで反対が強くて実現ができませんでした。 しかし、現に臨調の委員であります、たとえば宮崎旭化成工業社長という方がいらっしゃる。こうおっしゃっている。われわれは全国に工場を持っている、ところが、いろいろな法令にしばられて許認可手続は複雑、スピードが遅くて民間の活力は鈍らされておる、もう少し広域行政にできないものか、知事も官選にすれば国の出先機関との関係もうまくいく、憲法の九条があんなに柔軟に解釈されておるのに地方自治が金科玉条でいいのか、こういうことを新聞の座談会でおっしゃっています。つまり、もうけやすくするためには地方自治などやめてほしいんです、道州制がいいということをおっしゃっておるわけでございますが、このような憲法を無視した道州制志向に対して、総理はどのような御見解なのか。 先ほど、この問題について御質問がありまして、総理は仮定の問題だからとおっしゃいました。しかし、仮定じゃない。もうすでに臨調の答申の柱として検討するというわけでありますから、現実的な問題になってきておるわけでございます。そこで、総理は当然この時期におきまして、臨調のいかんにかかわらず、総理大臣としての見識、見解というものを示す必要があると思う。それを私はお聞きしたいと思う。
○中曽根国務大臣 第二次臨時行政調査会におきましては、地方制度も国の行政制度との関連において検討されることになっております。したがいまして、委員の中にはいろいろな御議論の方もあると思いまして、そういう自由な御議論が自由に出てくることはまた私は歓迎するところであります。しかし、憲法を逸脱するようなことは困りますが、地方自治の本旨の範囲内においてどういうふうに改革が行われるかということは、これは自由でありまして、その点についてはわれわれも、どういう答申が出るか注目しておるところでございます。 道州制につきましては、一部の委員の中に道州制を志向しているやに思われる御議論の方もございますし、これは言論の自由の範囲内のことでございまして、われわれがとやかく言うべきことではございません。われわれといたしましては、最近一面において地方の時代ということが叫ばれますと同時に、一面においては広域行政の必要という点もまた非常に唱えられておるところでございまして、また、国と地方との仕事の範囲をどういうふうにこの際区分けをするかという根本問題にも立脚して、いろいろ御検討願いたいと思っておるところでありまして、それらの問題がどういうふうに出てくるか注目しているところです。道州制が正式に議題に上っているというところまでは至っておりません。
○三谷委員 言論の自由についてとやかく言うわけじゃありませんが、臨調というのは、これは政府を支配する機関ではないでしょう。総理大臣の諮問機関であって、参考意見を述べるだけだ。だから、臨調がどういう決定をするか知りませんが、臨調がいかなる決定をしようとしましても、総理としての考え方、見識は当然あるべきものであります。その見識をお尋ねしているわけです。
○鈴木内閣総理大臣 私は、臨調から答申をいただいた時点——これは臨調といえども、国民世論がある程度一つの問題、一つの方向について成熟をしていなければ、軽々にはできない問題でございます。非常に重大な問題であります。でありますから、いま中曽根長官も申し上げたように、正式の議題になっていま論議されておるというものでもない、こういう段階におきまして、私がそれに対してとやかく言うことは適当でない、このように考えております。答申が出た時点において、私は、政府の責任においてこれに対して判断を下す立場にございます。
○三谷委員 成熟していないという意味のことをおっしゃったようですが、昭和三十二年には四次の地方制度調査会が、府県を廃止して道州制をしくという答申をしたのでございます。そして三十九年には府県連合法案というもの、そして四十一年には府県合併特別法案が提案されました。しかし、これはいずれも国民世論の反対によりまして実現してはおりません。そして四十四年、四十五年にも、財界から道州制構想が提案されてまいりました。そして、今度の臨調の答申の審議でございます。 ですから、この問題というのは、問題が成熟していないというものではありません。二十数年前からの、民主的な立場に立つ者とそうでない者との対決点になっている。ですから、この問題につきましては、臨調がどうあろうと、政府としては一定の見解があるはずです。総理としても、何らかのこの問題に対する見識をお持ちのはずなんです。それを私はお尋ねしておるわけです。
○中曽根国務大臣 昭和三十年代に地方制度調査会で道州制を行うような決定がなされまして、それが最近に至りまして、地方制度調査会は反対の方向に回ってきておる。これは時代の大きな変化であり、また地方自治体の性格が変わってきたか、あるいは地方自治体が成熟してきた結果こういうふうになったのか、ともかく時代の変化を物語るものでありまして、その辺がどういう原因があるのであるか、よくわれわれも見きわめる必要があるのです。 現に道州制の問題につきましては、学者においても論ぜられ、いろいろ功罪が言われておるところでありまして、われわれとしても、行政改革の一端として重大な関心を持って見なければならぬところであると思っております。 しかしながら、問題はその程度。ある程度成熟しておる。しかし、見解が成熟しておるわけではないのです。見解はこれから調整をして、正式議題にしてどうするかということへ進もうとするという問題でありまして、まだそれを議題として取り上げるか取り上げないかということも決まっておらない。そういう状態でありますから、政府としては、その動向をよく見守って、われわれ自体におきましても、よく検討し勉強しておくべき問題であると思っております。
○三谷委員 先ほど紹介しましたような、憲法を全く無視した考え方を学識経験者として臨調委員に委嘱しております限り、第二次答申で道州制が出てこないという保証は全くないのでございます。 〔稲村委員長退席、三塚委員長代理着席〕 ですから、私たちはこれに対して十分な警戒心を持っております。しかし、あなた方がいまごろから、それをよく見守りながら検討するとおっしゃるのが私はわからない。もう検討はできておるわけなんでしょう。ですから、一定の方針を政府もお持ちになっていると思う。道州制がいいのか悪いのか、その考え方を一度端的にお知らせ願いたい。
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会法を御成立させていただいて、そして臨調がいま活動しておりますのは、いまのような大きな重大な問題について国民を代表すべき方々の御判断をぜひわれわれは拝聴したい、そういう考えでやっておるのでありまして、それらの方々が判断を示す前にわれわれが先に示すということは越権のことである、われわれは現在は内部的にひたすら勉強しておる段階である、そう考えております。
○三谷委員 何も越権じゃありませんよ。臨調というのは諮問機関であって、政府が一定の見解を持っているということは何も越権でも何でもない、あたりまえのことなんです。しかし、これを繰り返しておりますと、時間もありませんから、依然としてあいまいなままですけれども、次に移ります。 二つ目には、財政危機の地方への転嫁の問題でありますが、国民健保につきましては先ほどからいろいろ議論がありました。厚生省と自治省がそれぞれに自説をここで吐露されたわけでありますが、そこで、総理にお尋ねしたいわけであります。 総理はかつて、国保の肩がわり問題については自治省と同じ立場——当時は、厚生省もそういう立場でありました。いずれも、国民健康保険制度の本旨からしまして地方に負担を持たすべきものではないというのが、当時の厚生省の考え方であり、自治省の考え方である、そして総理もそういうお考えに立って行動されたという記録がございます。当時、総理は自民党の総務会長でありましたが、絶対に五%問題は反対である、当時の厚生大臣でありますが、内田厚生大臣を援助すると約束されたことは、当時あなたにつききりで陳情したという地元の普代村長それから田老町長の報告として記録されておるのでございます。この考え方はいまでも変わりはないのか。健康保険制度というものは、当時もいまも何ら変わるところはありませんから、当時も反対であるならばいまも反対だと思いますけれども、その点はどうでしょうか。そして地方制度調査会を初め、地方六団体などの強い反対を踏まえて、この問題にどう対処されますか、お聞きしたいのでございます。
○鈴木内閣総理大臣 この問題は、過去におきましてもいろいろ論議をされてきた問題でございます。今回第二臨調から答申がなされましたが、率直に申し上げまして、この問題については依然として自治省、厚生省並びに財政当局の間でもまだ詰まっておりません。五十七年度予算編成の時点におきまして、政府としての最終方針を決定をしたい、このように思っております。
○三谷委員 総理が、四十六年当時でありますか、反対の立場をおとりになったそのことは、今日において豹変したわけではない、依然として基本的にはそういう立場だというふうに私は理解しておりますが、その点はいかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 今日までこの問題はいろいろ議論があり、経過がございます。党の立場においてもいろいろ論議をいたしました。そういう経過がございますが、今回第二臨調からあのような答申も出ておることでございますので、私は、いま申し上げたように、五十七年度予算編成の時点で最終的な結論を出したい、こう思っております。
○三谷委員 これはたとえて言いますと、姉娘に子守をさせておいて、その姉娘にミルク代を負担させた方が子守の責任をよく果たすという種類の考え方なんだ。こういう論理が通用するわけがない。そこで、このような措置というものは、先ほどから自治大臣が言っておりましたけれども、当然地方財政法の改定が必要になってくる。厚生大臣も改定をする必要があると言っているわけでありますが、自治大臣はこれに対して、地財法の改定を認めるか、あるいはこれは認めない、反対だという立場なのか、これをひとつお聞きしたいと思う。
○安孫子国務大臣 これは最終結論は、年末の予算編成のときに結論を出すわけでございまするが、私は、現段階におきまして、言うまでもございませんが、そうした地方財政法の改正というものはとるべきじゃない、こういう考え方をいたしております。
○三谷委員 はっきりとこれに対する反対をしてほしいと思うのです。 そこで、交付税の問題でありますが、財政危機の地方への転嫁の二つ目の問題といいますのは交付税の問題であります。経団連の行革五人委員会の提唱でも、緊急課題として交付税の切り下げを挙げております。これは地方自治体にとりましては全く死活の問題であります。五十一年以後、交付税特会御入等の措置によりまして補てんされました交付税の実質率を見ますと、国税三税を基準にした場合に四〇%から四二%になっている。ですから、三二%という規定は空文化してしまっておる。そういう状態に財政の状況が落ち込んでおるわけであります。 そこで、交付税の引き上げというものが地方六団体などの共通の要求になってきておる。しかし経団連は引き下げをしろ、財界は引き下げろ、こう言っておる。また、いま計画されております国庫補助金のカットあるいは地域特例補助率の切り下げ等は、実質的には交付税率の切り下げと同じ効果を持つわけであります。他に一般財源か特定財源かという差はありますけれども、しかし特定財源を減らされますならば一般財源で補てんするわけでありますから、同じことなんです。ですから、この種の措置といいますものは、交付税率の引き下げの入り口だという懸念が強くなっております。臨調答申の中に入るか入らぬか、これは別としまして、交付税に対する総理の見解をお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私どもは、いま三年間の特例措置としてお願いをしておるわけでございますから、交付税の引き下げということについては考えておりません。
○三谷委員 自治大臣、これは交付税の切り下げでなしに引き上げが必要と違いますか。その点どうですか。
○安孫子国務大臣 五十年来の地方財政の状況を見ますと、非常に苦しい、それで交付税率を引き上げるべきであるというのが自治省の主張でございました。国庫の情勢もございまするので、臨時特例の措置を講じて今日に至っておるわけでございます。交付税率の引き上げなどということは、現段階においてとうてい考えられない問題だと思っております。
○三谷委員 引き上げが必要であるということは認めるでしょう、財政状況からしまして。
○安孫子国務大臣 来年度の問題になりますと、来年度の地方財政計画を策定をいたしますが、その結果に基づいて措置をしなければならぬと思いまするが、ここ五十年来の経過を見ますと、常に交付税率の引き上げをしなければならぬというような地方財政状況であったということだけは事実でございます。
○三谷委員 特例というのはおかしいわけであって、交付税法によりますと、基準財政需要と基準財政収入の差額は交付税で賄う、こうなっているわけですから必要なわけです。交付税率の切り下げはしないということでありますが、補助率の地域特例についても臨調の答申は、終期到来時には廃止を含めて抜本的な見直しを行うとなっております。十七本の法律のうち幾つかの法律が、財政再建期間中またはその前に終期が来るわけでありますが、臨調の答申に照らしましてこの法律の扱いはどうする所存か、地域格差の是正という特殊な政治目標を持ってつくりました地域特例、これがどうなっていくのか、これを各省にお尋ねしたいと思います。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 これは御承知のように、全国の国土のバランスのとれた開発発展を期するために、そういう特例をこしらえてやっておるのでございますが、いまいつ期限が切れるか、昭和五十六年度末に終期の到来するのは、私の方の関係しておるものには琵琶湖総合開発特別措置法、豪雪地帯対策特別措置法、それから特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法、こういう三つが五十六年度末に終期が到来いたします。これらの法律につきましては、来年度予算編成時に各省庁と財政当局と相談してそのときに決める決意であります。その他のものにつきましては、この法律で決めておるようにやる考えでございます。 それから、その法律を延長するかせぬかは、いままだどうも全国的にはバランスのとれた開発や発展を遂げていない、それが実情でございます。しかしながら、それだけで直ちにどうというわけにいきません。いま直ちに私から延長するかしないかのことは申し上げにくいのですが、いずれ、これらの点につきましては、よくその他の事情、地方の実情、世論等も勘案して最終的な結論を出したい、こう思っております。
○中山国務大臣 お答え申し上げます。 沖繩振興開発特別措置法は、五十六年度末をもって一応その法律の期限が終了いたします。 今回のいわゆる財政再建三年をめどといたしました行革関係の法律案の中にはなじみませんので、この法案とは分離をして考えておりますが、御承知のように、沖繩の経済状態の本土格差というものは依然としてこれまた存在をしておりますし、去る五月に沖繩振興開発に関する審議会からの答申も出ておりまして、そういうものも踏まえまして、来年度以降の問題につきましては来年度の予算の編成時にその方向というものを決めさせていただきたい、このように考えております。
○田中(六)国務大臣 通産省の所管の分は産炭地振興法、十年間延長いたしまして、その中に市町村に対する、十条でございますけれども、起債を許されておりまして、その起債の利子率を六分の一カットする。それから政令都市でございますが、福岡市と北九州市、両市に対する事業費の補助金のかさ上げ問題がございます。これを六分の一カットするということでございますけれども、この十六条で、これらの地方が困らないように財政的な運営をうまくやれということを書いておりますので、実態的には大きな誤差はないというふうに思っております。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 建設省所管につきましては、奥地等産業開発道路整備臨時措置法がございます。これは、道路五カ年計画とあわせて五十八年の三月三十一日までの時限立法でございます。その後の処置につきましては、御案内の産業開発道路整備法は奥地の産業、経済の基盤道路の整備ということで、地域格差の是正あるいは民生の向上、経済を刺激することによってその地方の開発を図ったものでございますので、臨調の答申を踏まえ、なお継続的な問題でございますので、その時点でまた適切な対処を考慮してまいりたいと思います。
○安孫子国務大臣 自治省では消防施設強化促進法という特例法がございます。五十八年度末をもちまして終期が到来いたします。これは過密地帯におけるところの消防力の強化に関する特別立法でございまして、五十八年度末における消防設備の増強の状況、財政等を勘案して、慎重に措置をすべきものだと考えております。
○田中(龍)国務大臣 文部省の所管事項の中で、都市の過密化に伴います児童生徒急増地域の校舎の新増築事業に係るかさ上げの措置について、昭和五十七年度に終期を迎えますが、その後の処置につきましては、取り扱いについて地域の実情や関係方面の御意見を徴しまして善処してまいりたい、かように考えております。
○三谷委員 要するに、これは政策目標を持って特例措置をとったわけでありますから、その目的が達成されたかどうかという、その状況が一番の基礎になるわけであって、その状況を調べながらこの終期までに態度を決めるというお答えであったようでありますが、そのように考えていいでしょうか。つまり、機械的な切り捨てをするものではないということだと思いますが、そのように考えていいでしょうか。これは総理、どうでしょう。
○鈴木内閣総理大臣 もともと政策目的を持ってつくられた制度でございます。その終期に当たります時点におきましてその成果がどうであったか、十分目的を達しておるかどうか、また、そのときにおける国の財政事情その他を総合的に勘案をして結論を出したい、このように考えております。
○三谷委員 国の財政事情を言われるときに、聖域をのけておいてあとの財政事情とおっしゃる、これは正しくないのであって、全体の軍事費なども含めて財政の問題というのは検討しなければ、いままで聞いておりますと、その方は全部横せに行ってしまって、そこで金を使う分はのけておいて、財政が足りない足りないと言っておる。その点を私は指摘しておきます。 それからもう一つは、地域特例の補助率の切り下げでありますが、これについては先ほど答弁を聞いておりますと、減少額は全部地方債で処置をする、その地方債で処置したものにつきましては全部交付税の対象にする、こういうふうに承りました。 そしてもう一つは、元利償還の額の二分の一を国が負担するという話でありますが、これが問題の点であります。要するに、これは国の政策補助金でありますから、それを地方が負担をするというのはおかしいのであって、交付税特会の借り入れもそうでありますけれども、もともと地方の財政といいますものは、財政収入として全部捕捉されている。そうして財政需要を算定をして、足りないのが交付税になるわけであります。ですから、交付税の借り入れというのは当然交付税率の引き上げで処置するのがあたりまえであって、それが交付税法の定めるところでありますけれども、それがなされていない。そして、交付税特会の借り入れの半額を地方が負担をする。今度の地域特例の補助率の切り下げの減少額も、六分の一の半分を地方が持つというわけでありますから、これは国と地方との財政秩序を根本から破壊するものになる、こういうことは自治省としては認めてはいけないと私は思うのであります。しかし、これはいま答弁を求めておりますと時間がありませんから、いずれ地方行政委員会で議論さしてもらうことにいたします。 もう一つは、地域特例についての政令事項というのがありますが、これについてはどのような処置になりますのか、減少額をどうされますか、お尋ねしたい。
○土屋政府委員 政令に関しましても、いずれ関係省庁と相談の上で、切り下げ問題が出てくると思います。同じような対処の仕方をいたしました場合は、財政措置についても同じような対処の仕方をいたしたいと考えております。
○三谷委員 公務員の定数、機構についての臨調の答申をわかりやすく言いますと、教職員の定数改善計画等の基準は守らなくてもよろしい、児童生徒が急増しても教師はふやさないでもよろしい、そして国の法令等による職員等の配置の義務づけはやめる、あるいは緩和する、そして国の法令で定めたものを超えるものはこれは指導、是正する、この三点になっている。これは大変な答申ではありませんか。これは言いかえますと、教員の不足やすし詰め学級はほっておけばいいんだ、そして幼児や児童の安全な保育などには金を使うな、そして地方の現場で必要やむを得ずとっております処置はやめてしまえ、こういう内容であります。 そこで私は、時間がありません、もう簡単に聞きますが、消防職員の増員も厳しく規制するとおっしゃっております。一体消防職員の状態はどうなっておりますか。 いま消防職員の実態といいますのは、車両なんかも基準に達しておりませんが、その基準に達していない装備、器材に対して、人員の充足率はごく低いわけであります。全国的に見まして七七・八%。私が住んでおります八尾市などでは、基準が二百四十二名でありますが百八十名しかいない。お隣の松原市では二百二十六名でありますが、七十二名しかいない。基準の三一%しかいないわけであります。消防ポンプは、五人乗りを三人や四人で運転している。ですから指揮者が一人、運転者が一人、消防士が一人となりますと、四本のホースの一本しか使えない、そういう状態が随所にあるわけでございます。 臨調答申によりますと、増員を厳しく抑制するという方針でありますが、これは交付税でどう処置しているかということは別としまして、こういうしわ寄せが来る消防などにつきましては、基準をしっかりつくって守らせるということが必要でありますが、これは基準をなくするというお考えなんでしょうか。 それから保育所について聞きますけれども、保育所の国の基準というものは、三歳児未満は児童六人に対して保母さん一人であります。しかしこれは、実際これでやれるものではありません。総理、考えてみてください。いまたとえば五つ子が誕生しておりますが、この五つ子というものを一人のお母さんで本当に育てることができるでしょうか。一人の子供を育てるのも大変なことでありますが、五つ子を育てるなどということはできることではありません。それを六人で一人、こういう基準になっておる。ですから、これではいけませんから、地方自治体では、私たちの近所では三人に一人とかあるいは五人に一人とか、国の基準よりふやして保母さんを配置しておるわけでありますが、この基準を緩和する、つまり切り下げるとかあるいは廃止するというお考えなんでしょうか。 基準の廃止ということは、単に人員だけの問題じゃない。基準を廃止しますと、この基準というものは交付税の計算の単位になるわけでありますから、それから、国庫補助金の補助単価の単位になるわけでありますから、要するに国は金を出さない、こうなってくる。これに対してはやはり臨調が言っておりますような措置をおとりになるわけかどうか、これをお聞きしたいと思います。総理、どうでしょうか。
○村山国務大臣 保育所の定員につきましては、御案内のように厚生省令で最低基準の人員を配置しておりますが、そのほかに予算措置でいろいろなかさ上げをやっておるわけでございます。したがいまして、いま委員がおっしゃったようなことには実際上なっていないわけでございます。 それからなお、地方が単独事業としてさらにその上にかさ上げしておるのでございます。この問題は、国、地方にかかわる問題でございますけれども、やはり地方自治というものがございますので、地方当局の判断にまつべきものである。できるだけやはり国の基準でやっていただきたいとは思いますけれども、これは自治の関係がございますから、最終的には地方の判断にまたざるを得ないと思います。
○石見政府委員 消防力の基準につきましては、各消防機関の消防力を一定水準に保ちますためにつくっておるものでございますので、私ども、現時点におきましてこの基準を廃止する考え方は持っておりません。
○三谷委員 時間ですから終わります。
○三塚委員長代理 これにて三谷君の質疑は終了いたしました。 松沢俊昭君。
○松沢委員 私は、この行革特例法案の中で、農林省関係にかかわるところの問題点をまずもって質問してみたいと思います。 大体、農林省関係の問題につきましては、一つは共済年金、その四分の一カットの問題であります。それから二つ目の問題といたしましては、地域特例のかさ上げ部分に対しまするところの六分の一カットの問題。三つ目には、農林漁業金融公庫の金利の問題、大体この三つだと思うのです。 そこで、最初に年金問題について御質問を申し上げたいと思います。 これは九月三日に、社会保障制度審議会に対しまして、亀岡農林大臣の方から特例案についての諮問が出されておるわけなんであります。それにつきまして九月十八日に答申が出ております。その答申の内容を見ますと、「財政の安定と制度に対する国民の信頼が不可欠である年金制度にとつては軽々になさるべきことではない。しかしながら、財政再建期間経過後において、減額された国庫負担額及び減額に伴い生ずる運用収入の減収相当額の繰入れを速やかに行うことにより、年金財政に実質的損害を与えないこと、と同時に、この措置が現行年金制度の変更につながるものではないことを前提として、」やむを得ない、こう考えている、こういう答申の内容に実はなっておるわけなんであります。 ところが、この法律を見ますと、この法律の中には非常にあいまいな点がたくさんございます。それは、一つは「国の財政状況を勘案しつつ」、こういう言葉が使われておりますし、もう一つは「財政の安定が損なわれることのないよう」、こういう言葉も使われておりまして、三年後の措置に対しましてはきわめて不明確であるわけなんであります。つまり三年間年金に立てかえさせておいて、そして今度三年後においてはどうなるかということが非常に不明確になっている、こういうぐあいに私は受け取っておるわけなんでありまするが、この点につきまして政府の方としてはどのような考え方を持っておられるのか、御質問を申し上げたいと思います。 〔三塚委員長代理退席、金丸委員長着席〕
○亀岡国務大臣 国庫負担を一時、三年間だけカットするという問題でございますが、これにつきましては、三年後に利子も含めて返すということを検討するということを、財政当局ときちっと話し合いをいたしまして、そしてこの法案を提案をしておるわけでございます。 御承知のように、農林年金は開始後間もないわけでありますために、支出が収入を上回るという段階はまだずっと先になるということでございまして、年金財政もそう緊迫しておらないということでございますために、三年間の特別措置は、こういう財政の危機を乗り切る際にはやむを得ない措置ということでやったわけでありまして、しかも、その三年間カットした分は後で十二分にこれを埋めるということを確認した上で出してありますので、この点は先生の心配になるような点にはならない、こう私どもは確信をいたしておるわけでございます。
○松沢委員 いま農林大臣の方から、心配はないんだ、こういうことの御答弁がございましたけれども、しかし、三年後の状況というものにつきましては、これは「財政の中期展望」なんかを見ましても、必ずしも三年後においては非常に財政が豊かになるなんという、そういう見通しというものはないと私は思うんです。 でありまするから、もし本当にそういうことであるとするならば、こういう紛らわしい文言というのはこれを切ってしまって、そして三年後においては元利合わせて心配ないようにして国の方でちゃんとして出すんだ、こういうことを法律に明確にしておかなければならぬと私は思うわけなんであります。ただ、大蔵大臣と農林大臣が相談して、そのようにしてあるんだから心配ないなんて言われても、これは保証は何もないわけなんでありまして、本当にそういうつもりであるとするならば、これは条文を不明確な面は削除して、明確に修正して出し直す必要があるのじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○渡辺国務大臣 ただいまのお話は、農林関係だけでなくて、実はその他の年金あるいは地域特例等にも全部当てはまる話でございます。 仰せのように、三年先になったら確実に財政がよくなるかというと、わからない、これはわかりません。したがってはっきり書けない。財政が確実によくなれば一度に返すということもできるでしょうが、そのときの財政事情を勘案をして、年金財政にも支障を来さないようにしながら、財政当局の事情もごしんしゃくいただいて、一度に返すか、何年かけるかというようなことをそのときに決めさしていただきます、こういうことなので、わざとそこははっきりと固定的に書かないで、そのときの財政事情を勘案しながらお返しをする、こういうことになったわけでございます。
○松沢委員 ここにもありますように、もっと具体的に聞きますけれども、財政事情を勘案しつつという言葉が一つあるわけですね。それからもう一つは「財政の安定が損なわれることのないよう」に、こういう言葉があるわけです。 そこで、私が聞きたいのは、これは財政事情が損なわれることのないようにというのが優先するのか、あるいはまた、財政事情を勘案しつつというのが優先するのか、一体どっちなんだということなんですね。いま申し上げましたように、年金の財政事情が損なわれないようにということが優先するということになれば、無理をしてもこれは返さなければならない、こういう解釈になりますし、それと逆だということになれば、国の財政事情が大変なんだからまあまあということになると私は思うわけなんです。だから、この二つの言葉というのにはやはりそれなりの違った性格というのがあると思いますが、その点はどう考えたらいいのですか。
○渡辺国務大臣 それは年金の財政事情を損なわないようにしなければならない。支払いがつかないなんということは困るわけですから、それはやはり損なわないようにまず考えて、しかしながら、年金の財政事情に支障がない場合、国の方の財政事情が苦しいというのが続く場合には、一度でなくても何年かに分けて御返済をさしてもらう、こういうように御解釈いただいて結構でございます。
○松沢委員 適切な措置を三年後においておやりになるということでありますが、財政事情を勘案しながらやっていくのだ、財政事情が非常に困難な状況である、しかし約束事だからそれはやっていく。それを五十年間に分けてやるとか三十年間に分けてやるとかなんて言われたときには、これはどうにもならぬわけなんです。そのときにいって、いや、決して約束は破っていないのですよ、三十年間で分割して払いますよ、こう言われても、この法案の条文からして、また大臣の答弁からしても、これはうそではない、こうなるわけなんですね。 そこで、本当に大臣の言うとおりに心配するなということであるならば、つまり、元利というのはどの程度の期限で返す、あるいはまた、金利の面においてはこの程度のもの、この年金の金利というのは大体七分以上で運用されておるわけでありまするから、したがってその場合においては、支障が生じないように年金の運用の金利というものと見合った形で返すとか、あるいはまた、返す場合においては複利で計算して返すとか、そういう点をやはり明確にしておかなければだめなんじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
○渡辺国務大臣 先ほども申し上げたように、年金の財政事情を損なわないということになれば、何十年なんということはちょっと考えられないんじゃないか、そう思います。 それから、あとは利率の問題でございますが、これは、そのときどき運用利率というのは変更がございますから、固定的に幾らというふうに決めるわけにはいかない。いまより高い運用利率になるような高金利時代が来るかもわからないし、あるいはもっと安い金利の時代になるかもわからぬし、したがって、そのときの運用の利回りというようなものを考えるのがやはり当然であろう、そういうふうに思っております。したがって、いまここで固定的にそれを決めるということよりも、そのときどきに、どうせ毎年予算編成はやるわけでございますから、実態に即して、それぞれの各省庁の責任者の方と相談をしながら、この法律の趣旨どおりに実行してまいりたいと考えております。
○松沢委員 そうすると、金利の面におきましてははっきりしてきましたですね。この年金が運用するところのそういう利回りで考えていかなければならぬだろう、こういうことですね。 それからもう一つは、償還の問題も、それは三十年と五十年では問題がある、それでは年金の運営に支障が出るというお話でありまして、そうすると、大体何年ぐらいになるのですか。まあ支障がないという状態で返還するには、大体何年ぐらいだというふうに大臣は思っておられるのですか。
○渡辺国務大臣 それはそのときの財政事情を勘案して決めさしていただきたい。したがって、年金財政に支障がないようにするのですから、年金の方から見れば、要するに、自分は政府の方へ預けておいてそれで利回りをもらおうと、政府が別にお借りをして同じ程度で利回りを出そうと、これは同じことなんですね、どうせもらうのですから。(松沢委員「返してもらわなければ困る」と呼ぶ)いやいや、返すって言っているわけですから、同じことなんですよ。したがって、その支払いに支障を来すとかなんとかという問題は、それは困ります。ですから、政府の方の財政事情を見て、ともかくなるべく早く安心させるのが一番いいと思いますが、いずれにしたって運用部で預かっておいても利回りは決まっている、同じ政府なんですから。ここで立てかえたのを、またこちらは利息をつけますよというのも政府なんですから、そういうようなことで、われわれといたしましては、支障のないようにそれはお返しをいたしますということを申し上げておるわけです。
○松沢委員 農林大臣に聞きますけれども、大蔵大臣とあなたがいろいろと相談をされて心配がない、そういう御答弁であると思いますけれども、年金の財政の安定が損なわれるようなことのないようにやるには大体何年ぐらいなんですか。これは今度はあなたの所管なのであって、五十年も期限切って分割払いなんかやられた分には不安定なんですから。
○亀岡国務大臣 先ほど申し上げましたように、農林年金につきましては、昭和七十年ころまでは運用に支障がない、こういうふうに見ておるわけでございます。そして、大体いまの条件のままでまいりますと、昭和八十年代になって運用に非常に不自由を来すという事態に入る、こういうことでございます。その間約二十五年くらいありましょうか、そういう情勢になっております。 したがいまして、お貸しする総額が三年間で百六十億になるわけでありますが、その程度のものでございましたら、先ほどもお答えいたしましたとおり年金財政の運用には支障を来さない。しかも相手が大蔵省である、こういうことでございますから、これより信用をするものはない、こういうことでありますので、この点は最も確実であり、最も安全でありということでございますので、その辺は御理解をいただきたい。
○松沢委員 これははっきりしておかなければならぬけれども、昭和七十年までは心配がないというと、その間、返さないのですか。
○亀岡国務大臣 言葉が足りないわけでありますが、そういう意味で申したわけじゃなくて、いまの年金のままで運用をしてまいれば七十年までは大丈夫、収入を支出が上回ることはない、こういうことを申し上げたわけであります。 したがいまして、途中で三年間お貸ししても、それを返してもらうのは早ければ早いほどいいわけであります。しかも、利息もできるだけ多くの利息をつけてもらえればいいわけでありますけれども、これはお互いの財政事情というものを考慮して決めていこう、こういうことでございますので、その段階になったら、そのときの大臣同士できちっと話し合いをつけてまいる、こういうことになろうかと思います。
○松沢委員 年金問題につきましては、いま大臣の方からそれぞれ御答弁がありましたので、次に移りたいと思います。 次は、特定地域に係るところの国の負担、補助の特例につきまして御質問を申し上げたいと思います。 これも簡単に申し上げまするならば、たくさんの地域、特に後進地域に対しまするところの格差是正のために幾つかの法律があるわけなんでありまするが、その要するにかさ上げ部分の六分の一、これを三年間節約をする。これにつきましては、自治大臣と大蔵大臣との合意事項ですか、これがある、こう言われているわけでありますが、その合意事項をここでもう一回お聞かせ願いたいと思います。
○安孫子国務大臣 地域特例のカット分につきましては、事業執行ができないのじゃ困りますので起債を認めます。その起債についての元利償還については、交付税をもって措置をいたします。したがいまして、地方団体は困らないわけでございます。そして、そのカット分について、半分は臨時特例交付金といたしまして国庫が交付税特別会計に繰り入れます。したがって、半分は国が持つということになります。あとの半分は交付税の中で賄っていく。したがって、カットはしましたけれども実際上、仕事は円滑にできる、こういう措置を講じたわけでございます。そこで、二分の一国庫が繰り入れる場合に、地方財政の状況が悪い場合には二分の一以上、国庫から交付税特別会計の方に繰り入れる、こういう措置を講ずることに大蔵大臣と話をつけておるわけでございます。これが覚書の内容です。
○松沢委員 大蔵大臣と自治大臣の合意事項、これはわかりましたが、問題は、いま地域特例に関しまするところの法律は何本かございまするけれども、そういうふうにしていろんな措置を講じていかれるわけなんでありまするが、心配することは、そういういろんな措置をとる中で、やはり財政的に非常に苦しいということで、計画を立てておるものが若干手控える、そういうようなことは起きませんですか、どうですか。
○安孫子国務大臣 国のその方面の予算がどうなるかという問題でございまして、そういうものが決まりまして地方団体に配付になりますれば、それは地方団体は完全に消化できる体制にあります。
○松沢委員 私はちょっと心配しておりますのですけれども、農林省関係で長期的な計画というのが幾つかありますね。たとえば土地改良の第二次長期計画だとか、あるいはまた治山治水の長期計画とかといろいろありますが、こういうようないろんなことで裏づけはやっているのだと言われますけれども、緊縮財政が行われるということになりますと、たとえば土地改良の場合におきましては、四十八年からその計画は始まっておりまして、財政の面におきましては、これはある程度こなしておりまするけれども、事業そのものの量ということになりますと、圃場整備なんかの場合におきましてはまだ四五%ぐらいこなしていないわけなんであります。 私が一番心配しておりまするのは、行財政改革という名によって、そういう仕事がいまでもなかなかはかどっていないのに今後どうなるかという、そういう心配がございますのですが、その辺は農林大臣、どのように受け取っておられますか。
○亀岡国務大臣 土地改良十カ年計画は来年度で一応完了をするわけでありまして、来年になりますと新しい土地改良十カ年計画をつくらなければならないということで、準備をいろいろやっておるところでございます。 しかし、御承知のように、あらゆる角度から地元負担を増さないで基盤整備をやっていくための三カ年間のカット措置、こういうことを決めたわけでありまして、このことによって、その十カ年長期計画に影響をするということはないわけでございます。ただ、ここ数年間、国家財政の非常に厳しい中でございますので、基盤整備はもっと積極的にやらなければならないという事情は十分わかるわけでありますけれども、やはり財政再建をして、そして体制を強化して国家財政を強化をして、そうして、これから四年目からりっぱな予算が組めるような体制をつくることがさらにいま重要である、こういうことでやっておることでございまして、治山計画にいたしましてもあるいは治水計画にいたしましても、その面については、その長期的な方針並びに計画内容に変更を加えるというようなことはしなくともよろしい、こういう考え方を持っております。
○松沢委員 次に、政府関係金融機関の貸付金利の特例につきましてお聞きいたしたいと思います。 これは六・五%を超える場合には、その超える部分の範囲内におきまして金利の調整をやることができる、そういう政令をつくろう、こういうことだと思うのでございますが、問題はその後にあるのです。「その場合においては、農林漁業の健全な発展のために当該貸付金の融通を円滑にすべき社会的経済的必要性と国の財政負担との調和が図られるよう考慮しなければならない。」ということになっておるわけなんです。 大蔵大臣もおわかりのように、この農業関係、林業、水産関係の金の種類というのが非常にたくさんあるわけなんですね。三十幾つもございます。それで、その種類ごとによってみんな金利が違っておるわけなんですね。それというのは、やはりこういう政策目的のために、いろいろと歴史的な経過というのがございまして、そういう中で三分五厘の利息もあれば、あるいはまた最高七分というのもあれば五分というのもある、こういうぐあいに非常に分かれてまいりまして、そして三十幾つかの種類になっていると私は思うわけなんであります。 したがって、健全なる発展を図るために財政と調和のとれたところの配慮というものがなされなければならないというのは、もうなされているんじゃないか、もうこんなことは言わなくとも。とにかく、これは七分ぐらいでいいだろう、これはしかし農地の取得ということになると大変なんだから、まあ三分五厘にしておかなければならぬだろう、こういう調和をとりながら三十幾つかの種類に分かれた金利になっていると私は思うわけでありますが、この点はどうお考えになりますか。要するに、普通の金利とは違っているのじゃないかと思うのです。
○渡辺国務大臣 それは公庫等の借入金の利息が六・五%というところで大体調和をさしているのです、実際は。しかし、これが高金利になってどんどん上がるということになりますと、貸し出しの方は固定して動かないということでは、要するに政府の持ち出しが一般会計で莫大な金になってしまって、制度そのものをとても運営できない、やめたらいいじゃないかというような議論も出かねない。したがって、そういうことは困る。でございますから、そういうような国の財政事情というものを一方において考えながら、いまのような制度を存続さしていきたい。 しかしながら、存続させるといっても、では仮に金利が上がったら幾ら上げるのだと言われても、それもここではっきりと言うわけにはいかないので、そのときの社会的、経済的な必要性というものを考えなければならぬ。たとえば、そんなに末端金利を上げたのでは土地改良ができなくなってしまうよとか、あるいは家が建たないよ、それじゃいまの経済政策に逆行じゃないのとかというようなものは、広く経済全体を見なければならぬから、その社会的な経済的な必要性というものもやはりあわせて考えて、国の財政事情と両方両にらみで決めなければいけませんということでございます。
○松沢委員 大蔵大臣も総理大臣もみんな農林大臣の経験者なんでありまして、要するにその道の専門家でおられるわけですね。そこで、亀岡大臣もいろいろ苦労しておられると思いますけれども、いま農業関係の金利を上げるなんという時代じゃないんじゃないですか。たとえば畜産農家なんかの場合におきましては、これをどういうふうにかして、たな上げしてくれという要求が出ているわけでしょう。つまり、農家の負債整理をどうするかというのが大変大きな問題になっております。北海道あたりに行きますと、酪農ではもう一億円近い負債で困っているという農家もある。これも御承知のとおりだと思うわけです。 ですから、むしろ金利を上げるということなしに、低金利、長期で、その借金のたな上げをやってやらなければならないというのが農家の実態だと私は考えているわけなんでありまするが、まず農林大臣から、その辺の実態をどう受けとめておられるのかということを、お聞かせ願いたいと思うのです。
○亀岡国務大臣 農業基本法に、農業政策を進めるに当たっては、自然的な社会的な経済的な不利条件があるのだから、その分を十分心して施策を進めなさい、こういう指摘が明示してあるわけであります。ただいま大蔵大臣から説明いたしました、社会的な経済的な必要性と国の財政というものの調和を図ってまいるという、そういうふうにして金利を決めていこう、こういうことでございます。 ところで、戦後ずっと低金利の農業金利、三分五厘あるいは六分五厘あるいは五分五厘、それぞれの業種に応じた金利制度を実行してきておるわけでありますが、これらの低利の金利というものに対しては、利子補給という制度をもってやってきておるわけでございます。補給する利子は、これはやはり税金から補給をしていくわけでございます。したがいまして、低金利政策をとってまいりますには多大の税金を使っていかなければならない。御指摘のように酪農の負債整理の制度、漁業者の負債整理の制度等もことしから始めたわけでありますけれども、これらの制度を強化しようと思えば思うほど、やはり納税者の納得を得るような努力、農林水産関係に携わっておる諸君の努力を必要とする、こう私は考えるわけでございます。 したがいまして、御指摘のように低金利ということは望ましいことではありますけれども、それだけを主張をして国家財政全般のことを全く無視するようなことであっては納税者の協力が得られない、こういう考え方は私はいつも持っておりまして、そういう意味からも、今回とにかくこれだけの財政再建をしなければならない。もう八十二兆円という大きな公債に対処する対策をいまにしてとらずんばということで、行政改革を行い、財政再建をやるという国家財政非常のとき、こういうことでございますので、こういう際にも、将来農林水産行政にはもっともっと国家投資を必要としておるわけでありますから、それらを要求していかなければならない立場としても、こういうときには苦しみを乗り越えて協力をしておくということも必要である、私はそう考えて処置をいたしたわけでございます。
○松沢委員 それじゃ農林大臣に聞きますけれども、私さっき申し上げましたように、いま大変たくさんの制度資金というのがございますが、その中で政令をつくって利息を上げなければならぬところのものはどれとどれですか。
○亀岡国務大臣 これを法定金利を解いて政令にゆだねる、こういうことにいたすわけでございますので、どれとどれをどうするかという具体的な件については、そのそれぞれの金利の一件一件、案件が問題になった際に、これはやはり財政当局ととことんまで、納得のいくまで話し合いをして決定をしてまいる、こういうことになろうかと思います。
○松沢委員 これは、この法律が仮に制定されたとした場合、すぐおやりになるのですか。要するに、そういうやらなければならぬところの問題というのはございますか、どうですか。
○亀岡国務大臣 毎年予算編成の時期には、いろいろ財政当局と議論をいたしておるところでございまするから、五十七年度予算編成の時点においては、この問題については、さらに財政当局と一戦を交えなければならない、こんな覚悟をいたしておるわけでございます。
○松沢委員 次に、総理に聞きますけれども、御承知のように、農業に対しまするところのいろいろな提案というのがたくさん出ております。その中で符に財界からの提案、これは七八年の十一月には日経調の方で、これは現在の臨調の土光会長さんが代表理事になっておるわけなんです。それが、「国民経済における食品工業の役割」ということで、原料が高いからもっと農産物の値段というものを下げなければならない、こういう提言ですね。それから七九年の一月、経済同友会の年頭の見解におきましては、やはり農業は非常に過保護である、だから国民的な負担が大きくなっているんだ。したがって国際分業の推進、それから対外的な不均衡の是正、そういう立場に立って農業というものを考え直さなければならない。それから八〇年の七月になりますと、経団連の農政問題懇談会、これが食品工業と食糧の安定供給をめぐる問題点という中間答申を出しておりまして、やはり貿易制限を緩めて輸入の自由化を図る。そして、自給力向上よりも食糧輸出国との間に協定を結んで安定輸入を図るべきである、こういう提言というものが出されているわけなんです。 こういう一つの社会的な背景がございまして、それで今年の三月、第二次臨時行政調査会というのが発足をして、そして行財政改革問題につきましていろいろと議論が行われてきている。そして七月の十日に第一次答申が出された。その答申を見ますと、この答申には、食管の問題、それから水田利用再編対策の問題、その他補助金の問題、その中にはたとえば改良普及所の縮小の問題などというのが出されてきているわけなんです。 私は、総理大臣に聞きたいわけなんでありますが、こういう考え方というのは一体総理としては、日本農業発展のために、いいところの提言であるのか、これはやはりちょっとうまくないよという提言なのであるか、どうお考えになっているのかというのが一つと、それからもう一つは、臨調のメンバーには、さっき答弁を聞きますと、中曽根長官の方では国民の代表というふうにして表現しておられますけれども、私は、国民の一部の代表かもしれませんけれども、臨調のメンバー必ずしも国民の代表——国民の代表とこうなれば、国会議員が国民の代表だと私は思うのです。ですから、それは何のことはない、総理大臣が行政改革をやるに当たっての、まあ参考意見を聞くところの諮問機関にしか私はすぎないと思うわけなんです。しかも、その諮問機関が答申したものは、これは天の声であるかのごとく吹聴しておられるわけなんでありまするが、天の声というのは本当は民の声なんでありまして、下の方の声がどうなっているのかということを受けとめて、政治というのはやっていかなければならない、こんなぐあいに私は考えているわけなんです。 それにいたしましても、その臨調メンバーの中には、こういう提言をやったところの人たちは入っておりまするけれども、要するに、この攻撃を受けているところの農業団体、農民団体の代表は一人も入ってないわけなんですね。これについて一体総理はどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 松沢さんの御質問につきまして、まず臨調の委員の構成について、財界出身の方が多いのではないか。農林漁業関係の専門家といいますか、それを代表するような方が少ない。まず、この臨調の構成についての疑問を投げかけておいでになります。したがって、それから出る答申というものは、農林漁業に対して理解に乏しいのではないか、こういうような御趣旨が含まれておると思うのでありますが、限られた委員でございますから、各界の代表を全部網羅するということはなかなかむずかしい。しかし、それを補いますために、専門委員でありますとか、参与でありますとか、いろいろそれを補佐し補完をする方々に農林漁業関係の代表的人物も入っていらっしゃるわけです。 そういうようなことで、私は、これらの方々はいずれも自分がどういう分野から選ばれたというようなことにとらわれないで、国全体の大局的な立場からいろいろ御審議を願い、答申をいただいておるもので、しかもこの人選につきましては、国会の御承認もいただいておるわけでございますから、私はきわめて権威のある方々によって構成されておるものである、このように評価もいたしておるわけでございまして、この答申につきましては、政府としてはこれを尊重し、そしてこれを実行に移していくということを明らかにいたしております。もとよりそれは政府の責任において判断をし、これを採用し、実行に移す問題でございますから、国会に対し、国民に対しては、政府が全画的に責任を担っておるということは、これは明らかでございます。 さて、農業に対しましては、いままでいろいろ経済界、各方面からの提言なりあるいは批判的な御意見、そういうものが出ておるということもお話がございました。わが国の農業は、非常に国土も狭く資源も乏しい、非常に厳しい環境の中で日本農業が営まれておるということでございまして、これは農民諸君がそういう厳しい条件、環境の中で、できるだけ国内で生産できる食糧はこれを生産をし、自給力を高めて、そうして国民に奉仕をしよう、こういうことで熱意を持って御努力をいただいております。 と同時に、政府としては、一方においてそういう制約がございますから、自給力にも限度がございます。こういう点は、友好国その他の国々から安定的な食糧の輸入確保ができるように努力をいたしております。そしていやしくも食糧に関しては、国民の皆さんにいささかの不安もないように、やはり国民にとっては安全保障が一番重要な問題でありますから、政府としては、国内の自給度を向上する、安定的な輸入を確保する、そういう面につきまして最善の努力を払っておるところでございます。 そういう意味で、農民諸君が本当にその使命を達成できますように、御苦労もいただいておりますし、政府も今日まで農業の環境整備、条件の充実にできるだけ努力をしてきたということも、松沢さんよく御存じのところでございます。今日、わが国は財政的に非常に困難な環境、立場に置かれておりますが、そういう中でも、私は、日本農業の重要性というものは十分考慮しながら、財政等総合的な勘案をしながら、日本農業の育成と発展を図ってまいりたい、このように考えております。
○松沢委員 総理、なかなかりっぱな答弁でございますけれども、しかし、たとえばことしの生産者米価一つとらえてみましても、去年の算定方式であれば一一・七%上がったのです。生産費は一二・二%アップしているのですよ。それを抑えているわけなんです。そうしてさらにこの臨調の方におきましては、国際価格というものを考えながら価格水準の引き下げをやっていこうというところの答申をやっているわけなんですよ。そして今度は農林漁業金融公庫に対しまするところの利息の面につきましては、これを引き上げることができるように、そういう改正をやろうとしているわけなんですよ。 だから、金を借りるにも金利が高くなる、物をつくっても採算がとれない、こういう政策をやっていて、そして日本農業の繁栄なんということを言われてみたところで、繁栄しっこないじゃないかと私は考えているわけなんです。しかも、輸入というものが一段とシェアが広がってきておりまして、この前も農林水産委員会におきまして砂糖の問題なんかを取り上げておりましたけれども、転作をやって、そしてしようがないからてん菜をつくった、ところがてん菜が非常にたくさんできるようになって、そのことによって砂糖の価格が非常に不安定になる、一体どうすればいいんだということで、北海道の農民なんかは陳情に来ているという状況なんでしょう。だから私は、口で幾らりっぱなことを言っても、具体的にそういう施策をやってもらわなければどうにもならぬじゃないか。 しかも、臨調のこの答申を見ますと、食管を解体するという方針ですよ、極端に申し上げますならば。それから土地と水と労働力と技術がなかったならば農業の発展というものはないわけなんですよ。ところが改良普及員、これは縮小、削減をするというところの答申を出しているわけでしょう。そうして転作の面につきましては、奨励金からの脱却を第三次水田再編の場合においては考えると言っているわけでしょう。こういうことで、それを真に受けて総理が農政をおやりになるということになったら、全く日本の農業というものはつぶれてしまうじゃないか、だから、一体これはどうなんだということなんです。
○鈴木内閣総理大臣 いま松沢さんがるるお話しになりました点、この点は私も農林大臣をやった経験がございまして、松沢さんなどと一緒に苦労をともにした経験からいたしまして、十分理解がいけるわけでございます。 しかし、また一方におきまして、いろいろ不十分ではないか、金融の面あるいは価格の面あるいは補助金の面等々を見て、十分温かい手を差し伸べているとは言えないというような御批判がございました。しかし、私は、諸外国に比べまして、日本の政府が国民の理解を得ながら日本農業の育成と振興のためにいかに今日まで努力をしてきたか、これも言える点だ、こう思うわけでございます。 しかし、国際間における日本農業の立場というものは非常に厳しく相なっております。と同時に、消費者である国民の方々も、だんだん国際農業に対して日本の農業が対抗できるような、これと競争力を持てるようにしてもらいたいものだ、こういう要請も消費者の中には出てきております。そういう点を総合勘案しながら農政を進めていかなければいけない、こう思います。 それから、当面、いま議論をいたしておりますところの金利の法定化、これを弾力化する、こういう問題につきましても、金融情勢が大きく変わりつつある状況の中で、固定的にこれをやっていくわけにはいかない国民経済上の要請というものがあるわけでございます。しかし私は、この金利法定制の弾力化というようなことをやりましても、実際に金利を定める場合におきましては、経済的、社会的な状況、農業の置かれておる立場、そういうものを総合的に勘案して具体的な金利というものは決めていこう、こういうことでございますから御理解を賜りたい、こう思います。
○松沢委員 総理、あなたが農業に対して非常に見識の深いことはよくわかっております。ただ、いま諸外国と比較して、こうお話しになりますと、国会でも食糧の自給率の強化に関するところの決議を全会一致でやっておるわけですね。しかし、要するに日本の自給率というのは先進国で最低なんですよ。しかも、これは外国からどんどんと農産物を買っている。これもまた最高なんですよ。 それで、私が頭にくるのは、財界が農業攻撃をやっていることですよ。私の調べたところによりますと、基盤整備のために三十年間使ったところの金を五十三年の価格で計算してみますと、二十兆なんですよ。ところが電力あるいはまた鉄鋼、造船、肥料というところのいわゆる財界、その財界が、これは三十二年の経済白書を見ましたら出ておりましたけれども、それが使ったところの金、当初財投だとかいろいろなことで使った金というのは、五十三年の価格に直しますと三十兆、こうなっているわけなんですよ。でありまするから、財界こそたった一年間でそれだけなんだから過保護であったわけなんでありまして、三十年間で土地改良をやっても二十兆しか使っていないのですよ。 しかも、いま臨調が答申しているところのこの面をそのまま忠実に政府が実行するということになれば、それこそ日本の農業は壊滅するのじゃないか。いまでも農業後継者というのが一万人を割っているという状況なんです。一体これをどうするのだ、こういうのがいま問われているところの大きな問題なのじゃないか。だから行革というのは、はっきり言うと財界のためにあるのであって、農業つぶしのために行革があるのじゃないか、こう言っても私は過言でないと思うわけなんです。 また、この金の使い方でちょっと御質問申し上げますけれども、とにかく四十七年から生産調整が行われてまいりました。そしていままで使った金というのは五兆円を超えているわけなんです。でありますけれども、そのことによって戦略作目であるところの大豆は一%ぐらいしか自給率は高まっておりません。また麦の場合におきましても、三%から六%ぐらいしか高まっていない。こういう状態なんでありまして、こういう生産調整というのはやはり間違いである。五兆三千億も金を使って何の効果も上がっていないじゃないか。それよりも、いま水田関係の農民が主張している、いわゆる水田は水田とし、壊廃させるのではなく、その活用ができるような方法を考えてもらいたいということで、このえさ米を政府に対して要求しているわけなんです。 これを実行に移して認めていくとするならば、いまの日本の家畜にくれるところのえさの九八%は外国なんでありますけれども、水田でえさ用の米というのを奨励していくということになりまするならば、たちまちのうちに日本の自給率はぐんと高まってくる、これだけははっきりしているわけです。むだな金を使うのではなくて、こういうふうにして金を使ったらどうか。そういうことをやっていくというのが行財政改革なんじゃないかと私は思うわけでありまするが、その点はどうお考えになりますか。
○亀岡国務大臣 財界ベースの農政であるという御批判でありますけれども、決してそういうことはございません。私も経団連に参りまして、日本の農業の実情というものを率直によく話してございまするし、また私どもの自由民主党の農業に対する政策、これを率直にそのまま実行してきておる。その結果が、総体的に言うて、終戦直後の食糧事情を除けば、いろいろ各国では食糧問題を契機として問題が起きておるにもかかわらず、日本では食糧問題で一度も騒ぎを起こしたことがない。これは、やはりわれわれの行ってきた農業政策というものが農民の諸君に受け入れられ、また納税者の諸君に納得を得られ、そして三十六年間の食糧事情の確保というものをやりまして、そしてこれが日本発展の基礎を築いた、こういうふうに見ましても、私どもの行ってまいりました農林水産行政というものは、その大筋において間違いではない、こういうことは臨調においても認めていただいた、こう思っておる次第でございます。 いろいろ提言がありますのは、むしろ議論が活発になって、いろいろな問題が提起されるということは、それだけ農業問題がややともすると国民に忘れられがちなことでありますので、その点においては非常に歓迎すべきである、大いに議論をし、そしてその中から正しい政策を生み出していくというのが私どもの進むべき道である、こう考えておるわけでございます。 したがいまして、えさ米のことをよく言われるわけでありますが、私どもが責任を持って農家諸君に奨励をする以上は、やはり農家の信頼を得るようなものを奨励しなければなりません。えさ米は、いまのところは脱粒性が非常に強い、しかも収穫も一トンを超えることは非常にむずかしい、こういう段階では奨励するわけにはまいりませんので、いま政府におきましては、全力を挙げまして新品種の創生を急いでおるところでございます。数年いたしますと、五割収穫を増加して脱粒性のない品種をつくり上げることができるということで、全国にわたる農業試験場を中心にいたしましてやっておるわけでございまして、予算も五十七年度は、これだけはもう五倍ないし六倍……
○金丸委員長 簡潔に願います。
○亀岡国務大臣 今年よりも五倍ないし六倍の要求をいたしておることをごらんいただいても、私どもの気持ちをわかっていただけると思うわけでございます。 そのように、とにかく……
○金丸委員長 簡潔にお願いします。
○亀岡国務大臣 農家の諸君が再生産の意欲を失わないというところまで協力をしてもらってきておるわれわれの農業政策というものは、私は自信を持って今後も進めていってよろしいもの、こう確信をいたしておるわけであります。
○松沢委員 これで質問を終わりますが、とにかく私がいまるる述べましたように、総理大臣も財界の立場に立って農政を考えてもらっては大変迷惑だ。この点だけはひとつ念を押して、質問を終わりたいと思います。
○金丸委員長 これにて松沢君の質疑は終了いたしました。 山花貞夫君。
○山花委員 私たち日本社会党は、臨調第一次答申に関しまして、国土建設にかかわる部分につき、これまでに四つの問題点を提起してまいりました。 第一は、住宅難とローン地獄が拡大するのではないかという問題であります。答申で言っている公庫公団等の貸付金利の法制化の弾力化あるいは金利を含めた貸付条件の見直し、これなどは住宅金融公庫の個人住宅向け融資の金利の五・五%法定上限の撤廃、そして金利の引き上げの方向を示唆するものであります。一言で言うならば、ここから出てくる政策というものは、買うも地獄借りるも地獄の住宅政策である、こう言わなければならないと思います。第二番目には、過疎は切り捨てられ、自治が破壊されるということです。第三番目は、答申に基づいた公共事業が決して住民生活を豊かにしないということであります。第四番目は、万人が苦しんでいる地価問題、地価の高騰が野放しになっているということであります。 私は、きょうの建設関連の質問におきましては、特例措置法の第十七条の関係につきまして、いま申し上げました四つの問題提起のうち、第一と第四の関係を中心として質問をする予定であります。 さて、本論に入る前に一つだけお伺いをしておきたいのですが、つい最近になりまして、建設行政にかかわる行政の執行の公正に対して疑いを持たせる事件が続きました。 一つの事件は、きょうの委員会でも若干質疑がありましたけれども、静岡県における建設業団体に対する公取委の摘発の事件であります。これまでの公取委の調べによりますと、静岡県の業界におきましては、官公庁の工事のほぼ一〇〇%、これを談合の対象にして、落札した業者から落札額に応じまして賦金とか上納金を取っていた、この談合の事件が明らかにされました。 もう一つの事件は、これは東京の首都高速道路公団の関係の事件でありますけれども、首都高速の六号線の第二期工事に絡みまして、本来ならば十四億九千万円前後で済む工事契約につきまして、二億八千万円も多い十七億七千万円で発注され、契約がなされた事件であります。この事件につきましては、会計検査院の指摘を受けましてあわてて契約をし直して、水増しといいますか、払い過ぎた分についての返還の手続がとられたということのようであります。 いずれの事件につきましても、建設行政の執行の公正、特に建設省の監督の権限、こういった面から非常に大きな問題を提起するのではないかと考えます。前の事件は、とりわけ公共事業の執行ということであります。公共事業の執行でありますから、予算とのかかわり、特に行革が叫ばれている今日、こうした形でよけいな金が流れるというようなことがあったとするならば、大変大きな問題であると言わなければなりません。後者の問題につきましても、何億円というような計算のミスがあるというようなことは信じがたいことでありまして、事態の経過に照らして考えるならば、静岡の談合事件と同じように、ここでも談合があったことを疑わせる経過、こうしたことが非常に濃厚に感じられるわけであります。 この問題につきまして、それぞれの関係官庁から経過についてまずお話を伺いたいと思います。
○伊従政府委員 お答えいたします。 本年九月二十八日と二十九日に、官公庁の発注にかかわる建築土木工事の入札につきまして、あらかじめ受注予定者の決定をし、これを会員に実施させている疑いで、静岡建設業協会、清水建設業協会、沼津建設業協会らに対し立入検査を行って現在審査中でございます。関係法条は独占禁止法第八条第一項第一号でございます。
○山花委員 会計検査院の関係は。
○坂上会計検査院説明員 お答え申し上げます。 私ども一月下旬に、首都高速道路公団の今回問題になりました工事費の検査をいたしまして、その際計算誤りを発見いたしました。そして二月に第三局長名をもちまして質問書を出し、公団当局の見解をただしましたところ、これに対して公団側におきましても、私どもの指摘の事実を認めるとともに、その問題となりました工事契約を変更いたしまして、契約額を減額いたしております。さらにその後請負業者から前払い金の一部を返還させている、こういう事実でございます。
○加瀬政府委員 事実関係については、ただいま検査院から御答弁申し上げたとおりでございます。 これらの設計を電算処理する際に、コンピューターへの入力を誤ったことによる単純ミスでございまして、所要の契約変更を行いまして、前払い金の過払い額を返済させ、同時に過払い額について利息の支払いを受けているところでございます。
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま公取の方から御答弁ございましたように、九月二十八、二十九の両日、公正取引委員会が静岡県建設業協会ほか四団体の事業所及び当該協会役員会社三十三社に対し立入検査を行ったということを承知しております。
○山花委員 特に後者について若干説明をさらに求めたいわけでありますけれども、いまお話によりますと、単純な計算ミスであるというお話がありました。しかし、この工事は今回初めてやるという工事ではないわけであります。十年来同じ形の工事が続いてまいりまして、およそこの工事の金額はどのくらいであるかということは、公団の側でも業者の側でも百も承知のそういう契約の内容であります。そういう契約について、十五億円が三億円も計算が違うということは常識ではあり得ないところでありまして、加えて計算ミスということでありますけれども、受けた業者が気がつかないはずがない、大体の値段はわかっているわけですから。一割くらいのものでない、二割以上の計算違いがある。 その計算ミスの内容が一体どうだったのか、この点について明らかにしていただきたいと思いますし、さらにこの点につきまして、三億円以上の計算ミスがあったとするならば、本来ならば競争入札であるとするならば、計算の見込み違いがいろいろと出ると思うのですけれども、ぴしゃっと数字が合って一回で落ちている。これは談合がなければ絶対にそういうことはあり得ないわけであります。普通の入札でありましても、一回で落ちるか落ちないかという問題があるのに、三億円も、二割以上の計算違いがあって、そのちょっと下のところでぴしゃっと一回で落ちるというのは、談合がなければできないはずでありまして、これはそういう疑惑が大変強い。一体どこをどう計算間違いしたのか。単純な計算ミスではないはずでありますから、会計検査院の検査、その辺の中身についてさらに御説明をいただきたいと思います。
○加瀬政府委員 これは橋脚の張力を強化させるための鋼材の線を材料として使っているわけでございます。その施工本数を二百六十二本、延長にして三千八百二十メートルという数字がございますが、この本数と延長の数字を取り違えて設計書に記載してしまったということに原因がございまして、公団が現場説明をして業者に指名をし、業者が入札をするに際して金額抜きの本数を示した設計書を渡すわけでございますが、その設計書に記載する数字を誤ったことが原因と承知しております。
○山花委員 九つの足げたをつくるのに、二百六十二本のピアノ線が必要であった。単価が六万九千円のようであります。六万九千円に二百六十二本を掛けますと一千八百万円ぐらいのはずなわけでありますけれども、本数を掛けなくて全体のメートルを掛けたという。二百六十二を掛けるのではなくて、六万九千円に三千八百二十を掛けたようであります。そういたしますと、一千八百万円のはずが二億六千三百五十八万円になる。しかし、これに関連したさまざまな費用を書き加えますと、全体として三億円近くのお金が狂ってきた、こういうことであるようでありますけれども、常識的に考えますと、これだけの計算違いがあれば見つからないはずがないわけであります。 私は、静岡の談合事件と今度の談合が疑われる首都高速道路公団の事件は、性質が若干違うところがあるのじゃないか、こう考えております。前書については独占禁止法の問題です。後者については刑法の談合罪の関係が出てくると思いますけれども、警察庁の方に、この二つの事件につきまして関心をお持ちであるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中平政府委員 お答えいたします。 静岡の問題につきましては私どもも報道で承知いたしておりますし、県警としてもそれなりの関心を持って対応している、こういうことを聞いております。 なお、後者の問題につきましても、ただいまのところ事実関係は私ども把握いたしておりませんが、またそれなりの関心を持って対処してまいりたい、このように考えております。
○山花委員 静岡の事件と違いまして、この首都高速公団の事件につきましては、実害を発生させる心配があったというケースであります。二億八千万円返してもらったからよかったわけでありますけれども、実害を発生させるおそれがあったといたしますと、「公正ナル価格ヲ害シ又ハ不正ノ利益ヲ得ル目的ヲ以テ」した談合、こうなる可能性が強いのではないかと思いますけれども、この点につきましては、いまのお返事で関心を持っていただいているようでありますから、今後の推移を見守っていって、さらに他の場所で質問をさせていただきたいと思います。 さて、大胆にお伺いする前に、前者の事件に関連してでありますけれども、さらに国民が行政の執行について疑問を持たざるを得ない一つの事情といたしまして、こうして全体として二十兆を超すのでしょうか、静岡だけでも何千億という公共事業、公共事業だけについて談合がなされ、上納金が出されておった、その業界が政治献金をしていた、このかかわりについても見落とすことができない問題と言わなければならないと思います。 きょう実は静岡県の公報を拝見したわけでありますけれども、たとえば五十四年は、自由民主党静岡県支部連合会に対して、下田建設業協会から八十万円、三島建設業協会から百万、沼津建設業協会から百万、富士建設業協会から百万、清水建設業協会から百万円、静岡建設業協会から百二十万、島田建設業協会から百万、袋井建設業協会から百万、浜松建設業協会から百二十万、天竜建設業協会から八十三万三千円。その後公報によりますと、ずっと飛んだところで、実はこのところについては公報の誤りがあるのではないかという気も私はちょっとするわけでありますけれども、静岡県建設業協会から一千万三千円、これがこの五十四年度一月から十二月の収入として報告の出されたものであります。 昨年について見ると、五十五年度一年間の数字でありますけれども、これも静岡県の公報で拝見をいたしますと、自由民主党静岡県支部連合会、収入の内訳といたしまして、個人分と団体分があります。団体分の約半額でありますけれども、静岡県建設業協会から一千万円の寄付がなされているわけであります。 加えて、実はこの点につきまして、出した方が一体どうなっているであろうかということについても調べてみたわけでありますが、この点についての疑問は、社団法人静岡県建設業協会の昭和五十六年度通常総会及び理事会の資料として提出されました昭和五十五年度事業報告書、昭和五十五年度収支決算報告書、この内容を見てみると、一行もこの点について載っていないわけであります。もらった方はもらったと言っている。出した方は出していないと言っているわけです。そうすると、一体このお金はどこから出たのか。この点については、実は私もこの双方の書類について本日拝見したところですから、とにかくいまの段階で間違いのない事実は、もらった方は一千万もらったとして届けております。出した方は一行もこの事態について載せていないわけでありまして、これは政治資金規正法の幾つかの条項とのかかわりで問題が残るところではないかと思っております。 私が調査した今日までの結果は以上のとおりでありまして、こうした問題は、まさに行政改革をこの時期に行政の公正な執行を疑わせるような二つの事件ということになるのではないか、こう考えます。直接の監督官庁である建設大臣に対し、前者はお地元の事件で大変恐縮でありますが、後者につきましても、建設大臣の許可があって工事が始まるという仕事でありますから、監督官庁としての従来の事件の把握、それからこれに対する対応、今後の監督の処置などにつきまして、見解を明らかにしていただきたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 両件とも監督官庁の責任者として、事実関係が結果的に法令違反に問われるようなことでありますれば大変遺憾なことでありますと同時に、こうした疑惑を持たれるような行為につきましても、なお反省をいたしておるところでございます。従来から、私自身も、このことにつきましては非常に関心を持っておりましたので、特に公共事業に対する発注等々、建設業界については厳しい監督指導をいたしてまいったところでございます。したがいまして、いま公正取引委員会あるいは会計検査院で審査中の問題でございますので、当然審決の結果によって所管省としてなお事情調査を詰めまして、もしいやしくも法令違反のような結果がありますれば、当然のことながら厳重に処罰する所存でございます。 なお、首都高速の関係につきましては、どうも私の感じでは、先生は談合ということで非常に御懸念のようでございますけれども、余りにもコンピューターに頼り過ぎのような昨今のちょっとしたミスがこうした大きな問題になったかと思います。これは言いわけになろうかと思いますのでこれ以上申し上げませんけれども、やはりコンピューターに頼り過ぎるということは非常な危険を伴いますので、これはやはりあくまでも人的機関をもってなお精査をして、こうした大きな事業についてはなお一層検討を加えて、この問題については今後対処する一つのよすがとして指導をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○山花委員 後者の公団の事件につきましては簡単なコンピューターのミスだというお話でありますけれども、簡単なと言っても二億八千万円の実害が生ずるおそれがあった事件であります。したがいまして、この点につきましては、この公団の内部のこうした監督管理の体制などにつきましても、今後十分にその監督を強化していただかなければならないと思いますし、いま大臣の方は談合のおそれはないとおっしゃいましたけれども、事実の経過から即すると、その疑惑は私は大変強いと考えます。事態の推移に応じて十分監督官庁としての使命を果たしていただきたいと思います。 前者につきましては、私はいま、大臣が以前から関心をお持ちであったということを聞いて大変びっくりしたわけでありますけれども、関心をお持ちであったとするならば、大臣が十六日の閣議の後、なぜ談合入札やむを得ぬというような趣旨にとられる発言をしたのでしょうか。この辺の大臣の姿勢が私は問題ではないかと思います。後ほど取り消されたかもしれませんけれども、余り事情がよくわかっていなかったとなれば、先ほどの質疑の中で若干軽率であったというお話がありました、そういうかっこうで済むかもしれないけれども、以前からずっと関心を持っていたとするならば、これを談合入札やむを得ぬというような発言をして、あわただしく直後にまた記者会見し直して取り消さなければならないというのは、私は監督官庁の長の責任としては大変問題があるのではないか、こういうふうに考えます。 また、この点につきまして重ねて御所見を伺いたいと思いますと同時に、先ほどの話によりますと、公取の審理が進んで処分が出たらというお話がありましたけれども、公取の審理の対象というものは、被審人が一応四つの——三つの業者団体と県の業界ということでありますから、四つを相手にスタートするのか、下の三つを相手にスタートするのかということがあると思いますけれども、いわゆるそこでの被審人というのは三団体ということになります。三団体の中に構成されておりました個々の業者に対して監督官庁は何ら監督の責めを果たさないのかどうか、この問題について伺いたいと思うのです。 建設業法の五章以下にさまざまな個別の業者に対する監督の権限についても書かれておりますけれども、この点についてはいかがなんでしょうか。四つの業者団体だけが相手になるということになりますと、この中に参加をしておりました個々の業者は全く問題とならないということになります。その点について、建設省としてはどういう態度をいまお持ちなのかについて、重ねて伺いたいと思います。
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。 先般の立入調査が独占禁止法第八条第一項第一号、事業者団体によります競争の制限の違反容疑でございまして、現在その内容について調査が行われているという状態でございます。私どもの建設業法の立場から申しますと、関係法令の違反が明らかになった時点で事情聴取に入るというふうにただいま考えております。
○山花委員 いまのお話ですと、公取の審理がどう続いていくかということにつきましては、従来の例を見ますと、約一年ぐらいあるいは早くても半年ぐらいということだと思うのですが、建設省としては、公取の結論が出るまでは全く動かないということですか、その点ちょっと確かめておきたいと思います。
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。 事情の聴取等についてはいたしておるわけでございますが、建設業法上の処分は、明らかに関係法令の内容違反が確認された段階で行われるというたてまえになっております。
○山花委員 大臣に重ねてお伺いしておきたいと思うのですが、これだけ大きな内容を含んだ事件だと私、考えております。したがいまして、どうもいまのお話のようなペースでは、建設省としての監督の実を果たしていないのではないか、こういう気がするわけでありますけれども、今後の問題は建設委員会、直接の委員会でまたいろいろお尋ねしたいと思いますが、こうした行革の中における公共事業あるいは問題の公団などを中心とした事件でありますから、余り余裕を持たないで、建設省としてできる限り早い時期に調査に入っていただいて方針を確立していただきたいと思いますが、この点につきまして建設大臣の御見解を伺いたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 直接、公取が現在せっかく調査中でございますので、もとより拱手傍観しておるつもりはございませんけれども、その推移を見ながら、当然監督官庁としては直接間接にもそういう問題について指導してまいる所存でございます。 なお、先ほど関心という言葉でちょっと私も、先生誤解されておられるようでございますので一言申し上げますが、談合の有無ということでなく、そういうようなことが巷間よく言われますので、そうしたことがないようにという意味の関心でございますので、この際はっきり申し上げておきます。
○山花委員 以上の問題につきまして、まさに行革を進めるこのさなかに起こった建設行政の執行をめぐることでありますけれども、総理大臣の御所見を伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 しばしば申し上げておりますが、行政を執行してまいりますに際しまして、国民の信頼を得るような、綱紀の弛緩がないように、また、公務員諸君が常に自粛自戒をしてそして事に当たる、こういうことでなければならない、こういうことを申し上げてきたところでございます。今日までも、いろいろ過去において国民の皆さんに批判を受け、また、指弾されるような事柄が起こっておりました。そういうたびごとにこの官庁の綱紀の粛正、公務員の倫理の向上、こういうことが問題になりまして、今度の行政改革に当たりましても、行革の一つの大きな柱としまして、国民に信頼を得るような行政の確立ということをうたっておるわけでございます。 いま山花さんから御指摘になりました二つの事件、これはまことに残念なことでございます。今後、公正取引委員会の審理あるいは関係方面の調査等の結果を十分見まして、政府としても厳正な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
○山花委員 次の質問に移ります。 建設行政の基本といたしまして住宅土地問題、特に私たちは住宅政策につきまして土地問題、究極の一つの目的は国民の安定した住生活を確保するというところにあると思いますから、住宅問題に大変大きな政策上の関心を寄せながら、従来から根本的な政府の方針というものを明らかにしていただきたい、このことを要求してまいりました。 実はこの点につきましても、行政改革以前の行政の姿勢の問題として伺いたい気持ちがするわけでありますけれども、建設省は従来から、住宅基本法について国会に提出して議論を起こす、こういうことについて幾度かお話しになったはずであります。私自身の経験でも、昨年の秋、十月の十五日でありますけれども、第九十三国会の建設委員会におきまして、大胆、局長に質問をいたしました。大臣は、住宅基本法につきましては、「住宅宅地審議会の答申を得て、いま鋭意検討を進め、次期国会には何とか提出いたしたい」、こうお返事になりました。住宅局長は、「現在私ども来年の通常国会に法案を提出すべく検討を進めております」、こういう答弁がございました。昨年の七月の住宅宅地審議会の基本的な答申に基づいて、一言で言うならば、いわばそうした準備は整ったのではないか。 私は、この前の通常国会に基本法が出てくるのではないか、もし出てこなければ、私たち社会党を初めとして野党が問題提起をしている住宅保障法その他について、議論をしていただきたいという主張をしてきたわけでありますけれども、先ほど引用いたしましたとおり、大臣も局長も去年のいまごろは、今度の通常国会に出しますから、こういうふうにお約束されておったわけであります。ところが通常国会に出ませんでした。今度も全く姿も見せていないわけでありまして、立法府における委員会審議重視という観点からいたしますと、大臣が出す、こういうように明言をしておきながら全く影も姿も見せないということは一体どういうものなのか、こういう気がいたします。住宅基本法につきまして、建設省としては御準備をされているのか、されているとするならばいつこれをお出しになるのか、この点につきまして、最も基本的な問題でありますから建設大臣にお尋ねをいたします。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 住宅基本法につきまして、先生の御指摘はそのとおりでございます。 御案内のように、住宅基本法は非常に重要な問題でございますので、その折も、何とか早く成案を得て次の通常国会ということで申し上げたわけでありますが、なお現在各方面の調整を図りつつあるということしか言えないわけで、大変恐縮いたしておるわけでございます。 特に、いま成案に盛るべき事項として細かく検討を詰めている問題でございますが、いわゆる基本的な住宅政策の目標あるいは国及び地方公共団体の責務、住宅及び居住環境の水準の目標の設定、住宅計画の策定、住宅に関する施策の基本的方向、その他住宅政策の基本的事項、こういうような問題を詰めているわけでございます。 御案内のように、住宅環境の変化等住宅政策あるいは基本的な問題として経済環境の変化等々非常にありまして、この問題はまだ成案を得るところまでなかなかいっていないということで、正直言って、現在のところそうした旨で御理解をいただくしかないわけで、なおお約束の向きもございますので、一生懸命に何とか検討を詰めて早い機会に出させていただきたい、このように考えているところでございます。
○山花委員 いまの話では、まだどれだけ時間がかかるかわからない、こういう御答弁のようでありますけれども、実はこの後お伺いしたいと思います第四期住宅建設五カ年計画、さらにはこの五カ年計画の適確な実施を図るということで、建設大臣だけではなくて、大蔵大臣も行管庁長官も国土庁長官も入って関係の閣僚連絡会議が方針を出したりしておりますが、実は根本的な政策がなくして、そして個々の対策を出していくということであれば、根本的な解決には詰まらないのではないか、こういう気がいたします。処方せんなくしていろいろ薬を調合したっていい結果が出てくるはずがないわけでありまして、これは住宅に対する建設行政ということだけではなく、国民全体の関心がこれだけ高まっている問題について政府としての意見を明らかにする、政府としての基本的方向というものを明らかにすべき段階が来ているのではないかというように考えるところであります。 きょうの委員会の審議におきましても、今日の住宅問題について議論がありました。私もこの後、幾つかの問題の現状について質疑をしたいと思っておるわけでありますけれども、総理大臣に、この基本的な住宅政策につきまして政府の責任において検討すべきではなかろうかということについて、ひとつ御所見を伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 住宅問題につきましては、昭和五十五年の七月末、私が政権を担当した直後でございましたが、住宅宅地審議会から住宅基本法制定についての答申をちょうだいしたわけでございます。自来、政府におきましても、建設大臣を中心に関係省庁で、この答申を踏まえて成案を得べく努力をいたしてきておるのでありますが、まだ最終的な集約ができておりません。ただいま建設大臣も申し上げましたとおり、できるだけ早く政府の内部の案を固めまして、党とも相談をして国会に提案をいたしたい、そうして住宅政策に対するところの基本的な国としての方針というものを明確にいたしたい、このように考えております。
○山花委員 建設大臣にお伺いしたいわけですけれども、先ほど、なお調整すべき点というお話がありましたが、単に行政の立場で、国の立場で調整するということだけではなく、野党のさまざまな主張もあるわけでありまして、野党間協議と申しましょうか、いろいろな問題点について野党の意見も十分聞いていただいて、基本的な政策立案に当たっては努力をしていただきたいと思うわけであります。 野党間協議につきましても、従来の幾度かの委員会の席でその点についてお話もありましたけれども、実際には全く進まないという現状だと思いますので、これからの住宅基本法提出に至るまでの手続の中では、そうした面について十分配慮していただきたいと思うのですが、この点についての御所見を伺いたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 国の重要な住宅基本政策でございますので、当然野党の方々の御意見も徴し、また自民党は自民党なりでいませっかく委員会等を設けて取り組んでおりますので、先生の御指摘を待つまでもなく、そうした御意見を聞きながら整合性を持って進めてまいる所存でございます。
○山花委員 そうした中での当然議論となる幾つかの問題について、お伺いしておきたいと思うのです。 きょうの午後の審議におきましては、第三期五カ年計画の問題点につきまして議論がありました。私はこの点は省略いたしまして、これからの第四期五カ年計画に関してお伺いをいたしたいと思います。 全体で七百七十万戸を目標としている、しかし今年度の住宅の建設新規着工が非常に少ないではないかということが各方面から心配されているわけであります。関連する非常に多くの皆さんが、大変ここに関心を持っておるわけであります。 建設省としては、初年度のことしは当初、大体どのくらいの建築があると見込んでおられたのでしょうか。現在は、今年度どのくらいになると見通しを立てておられるのでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 昨年度の住宅着工統計によりますと、昭和五十五年度一年間の住宅の新設は約百二十一万四千戸ということで、相当の落ち込みを見せたわけでございます。私ども、昭和五十六年度から第四期の住宅建設五カ年計画をスタートさせたわけでございますが、昨年度の落ち込みは、地価の上昇、建築費の上昇あるいはまた金利の問題、所得の問題等々の悪影響が重なったことが原因であると考えておりまして、その要素は五十六年度へ入りましてもある程度残っているだろう、しかしながら、建築費につきましては今年度に入りましてある程度安定をしておる、また、銀行の住宅ローンの金利につきましてもある程度引き下げを図ったというようなことから、環境も徐々によくなるであろうということで、今年度当初におきましては約百三十万戸程度の着工を期待しておりました。そういう事情でございます。
○山花委員 当初百三十万戸を見込んでおられたということでありますけれども、現在は一体どのくらい見込んでおられるのでしょうか。けさの日経新聞に出ております指標について見ましても、七月の段階では九万七千戸、八月の段階では九万三千戸、昨年がそれぞれ十一万六千戸、十万二千戸でありましたから、七月の段階で一万九千三百九十六戸少ない。八月の段階で九千八百二十八戸少ない。最近二カ月だけでも二万九千二百二十四戸少なくなっているわけでありまして、ことしの年当初からの着工の流れを見てみますと、昨年の場合にも十、十一、十二というのは非常に落ち込むわけでありまして、そういたしますと、とても百三十万戸はむずかしいのではなかろうか、このように思いますけれども、当初の百三十万戸が現在は一体どのくらいになったのか、この点につきましてもお答えをいただきたいと思います。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 先生からただいま御指摘がありましたように、五十六年度に入りまして四月から八月までの住宅着工統計を見ますと、昨年度に比しまして七・六%程度減少いたしております。五十六年度の着工の様相は従来と若干変わっておりまして、五月におきましては非常な伸びを見せておったのでございますが、七、八月でかなり落ち込んでおるというような状況が見られます。したがいまして、今後の環境がどのように変わるかといったようなことをいろいろと検討いたしているところでございますが、現段階ではある程度は持ち直していけるのではないか、しかしまた、そのためには住宅宅地対策等、関係の行政等を適確に進めていくというようなことによりまして、昨年度と同程度のところまでは回復するのではないかというふうに考えておるところでございます。
○山花委員 昨年度と同程度といいますと百二十一万戸余でありますけれども、私だけではなくて多くの皆さんが、そこまではいかないのではないか、百十万戸ぐらいまで落ち込むのではなかろうかと心配をしているところであります。お話がありました、問題となる要因四つ、地価と建築費と利息とそれから所得の明週について、建築費と利息が安定してきたとおっしゃいましたけれども、この所得の関係は、一言で言って大変乖離がはなはだしくなっているのではなかろうかというようにわれわれは考えておるわけであります。この住宅などの価格と勤労者の所得との乖離の現状について、建設省としては一体どういうようにとらえておられるのでしょうか。どうも私たちは、その辺の見方が甘いのではないかという気がしてなりません。 大体、建設省としては、標準的な住宅の価格をどれくらいに、所得をどれくらいに、資金調達の能力をどれくらいに、そして勤労者の取得の能力と申しましょうか、これを大体どれくらいに判断されておられるのか、この点につきまして具体的にお話をいただきたいと思います。
○豊蔵政府委員 お答えいたします。 ただいま先生お話がありました住宅の取得能力につきましては、統計の利用によりましていろいろと数字が若干動くところがございますが、私どもは、住宅価格につきましては不動産経済研究所のマンションの市場動向調査によりまして、首都圏の新規売り出しマンションの平均価格を各年度ごとにとってみました。また、所得につきましては、総理府の貯蓄動向調査によりますところの京浜地区の勤労者世帯の年間世帯収入の平均をとってみました。調達可能の資金といたしましては、自己資金、これはやはり貯蓄動向調査によりますところの勤労者世帯の、三年以内に住宅を取得する計画がある方々の貯蓄等をとらしていただきまして、そのほか、公庫あるいは銀行のローン、そういったようなものを計算をいたしまして一応の試算をしたものがございます。 それによりますと、私どもの計算では、昭和五十年度の取得能力を一応一〇〇と置いてみますと、公庫と銀行ローンを併用した場合におきますところの平均的な取得能力というのは八九ということになっておりまして、約一一%程度、取得能力が下がったというふうな試算をしておるところでございます。
○山花委員 建設省のそうした試算、その他のさまざまな機関からなされているものから比べますと大変数字が甘いわけでありまして、社団法人の都市開発協会などが計算したところによりますと、取得能力が一戸建ての家といたしまして、五一・六、マンションなどの場合で六五・三、こういう数字を出しております。また、その他のさまざまな資料について見てみたわけでありますけれども、大体取得能力五〇から六〇というところを出しておるのが非常に多いわけでありまして、先ほどの建設省の試算の根拠となっている住宅の価格とかあるいは所得とか——所得につきましても、首都圏全体というよりは京浜地区の労働者というかっこうにしておるようでありますし、住宅の価格につきましても、私は現状にそぐわないのではなかろうかという気がいたします。 最近は、公団の住宅でも、一戸建て四千四百万円というような値段があらわれてきているようでありますし、マンションなどにつきましても、横浜でも四千万円以上になりそうである。多摩ニュータウンでも、永山のタウンハウスが四千万円を超えるであろうというところからいたしますと、二千万円、真ん中あたりの取得価格と住宅価格というようなことを計算いたしますと計算がどうしても甘くなるから、八九というような数字が出てくるのではなかろうか、こういう気がいたします。したがって、この住宅価格と勤労者の所得の乖離という問題につきましては、それがだんだん激しくなっている。建設省の資料によってもそうだと思うのですけれども、そうなりますと、いよいよ住宅難というものがまた厳しくなるということだと思います。 もう一つの問題点といたしましては、住宅の着工の関係、所得と価格の乖離が激しくなればなるだけ、これがなかなかむずかしくなるわけでありまして、いま、五十六年度につきまして大体お伺いしたわけでありますけれども、今後、五十六年度以降一体どうなるのかということにつきましても、さまざまな資料がありますけれども、たとえば三大都市圏に対する人口の流入が少し減っているというような問題、あるいは昭和二十二年から二十四年ごろに生まれた女性が四十六年から四十八年にかけて結婚の適齢期を迎えたために婚姻の件数が大幅に増加しておったのだけれども、最近はこれが急に落ち込んでいる、こういうような意味から住宅着工件数というのは非常に少なくなるのではなかろうかという問題であるとか、御承知のとおり空き家の率が高まっているというような問題、こういう問題からも住宅建設が少なくなるのではなかろうか、こういうことを予測しなければならないと思うわけですが、ここでまとめといたしまして、第四期五カ年計画で計画をいたしました七百七十万戸というのは一体見込みがあるのかどうか。 ことし、第一年度すらこういう状態であります。今後の状況を見ましても、いろいろな要因があって非常に危ないのではないか、こう思うわけでありますけれども、七百七十万戸、一体大丈夫なのかどうか、一体そこのところの数字をどのくらいにお考えになっておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○豊蔵政府委員 ただいま先生御指摘のように、昭和五十六年度の前半の建設の状況は必ずしも芳しくないわけでございますが、第四期住宅建設五カ年計画は昭和五十六年度から昭和六十年度までの五カ年間の計画でございまして、まだその半年を経過したばかりでございます。したがいまして、今後の住宅宅地対策等総合的な対策を適確に講ずることによりまして、何とか達成を図りたいというふうに考えているところでございます。
○山花委員 適確に講ずることを目的といたしまして、五十六年七月二十八日、住宅・宅地関係閣僚連絡会議が開かれたのではないかと思います。この中で、住宅建設の促進あるいは住宅宅地供給の円滑化ということについて基本的な方向が出されまして、次官通達でずっと全国に回ったようでありますけれども、ここでは、宅地供給の円滑化という点にしぼってお伺いいたしたいと思います。 実は、住宅問題、土地問題、そこでの一番大きな関心の的は、宅地があるのかどうか、こういう問題であります。第四期五カ年計画によりましても、大体七百七十万戸建てるために必要な土地の量といたしまして、六万二千五百ヘクタールということが予定されておるようであります。ところが、このうちの三千三百ヘクタールにつきましては、さまざまな具体的な措置を講ずることによって調達をしたい、こういうことのように伺っておるわけですが、この三千三百ヘクタールをつくるための手段として、建設省としては、他の省庁との御相談の結果もあると思いますけれども、現在どんなことをお考えになっておるのだろうか。 新聞によりますと、宅地並み課税の問題あるいは譲渡税の問題あるいはこれに関連する線引きの問題、いろいろ出ておるようでありますけれども、土地をつくるための手だてとしては一体どういうことをお考えになっておるのか、この点について建設大臣からお伺いいたしたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 基本的なことは、いま先生がすでにお話がありましたとおりでございます。住宅問題は土地対策が一番問題点でございますので、いま先生のお話のような形でなおこの問題について対処をしておるわけでございます。 具体的な細部のことにつきましては計画局長の方からお話を申し上げます。
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど御指摘ございました宅地需給の長期見通しの中で、期待推計値という御指摘がございましたが、私ども、従来も土地問題の厳しさに対していろいろの施策を総合してやっているわけでございますが、今後に向かいまして、従来から行っておりますものについてなお一層の努力をしていくということとともに、今後さらに各般の、たとえば市街化区域内農地の宅地化の促進でございますとか、あるいは計画的宅地開発の推進でございますとか、その他の施策を講じてまいりますが、先生先ほど御指摘ございました税制の問題あるいは線引きの問題等につきましても、全体的な施策の一環として検討しているところでございます。
○山花委員 実は、大蔵大臣にこの点お伺いしたいと思うわけでありますけれども、いまお話しいただきましたような関連で、最近、建設省と国土庁が土地譲渡税を緩和する方向につきまして具体的な検討作業に入っているというようなこととか、土地税制が変わるのではないかということについていろいろ話題になるわけであります。実はこういうことが話題となりますと、与える影響が大変大きいわけでありまして、これは大蔵大臣とは関係ありませんけれども、ちょっと出た新聞が業界に大変大きな騒ぎをもたらすわけであります。 たとえば、いま具体的にはお話しいただけませんでしたけれども、線引きの問題などは、建設省がこういう方針を出したということになりますと、大体その翌日には、東京近郊の地帯ですと、その建設省の記事が写真入りでビラに入りまして、売り物が出るわけであります。土地が大体十分の一ぐらいの売り物になりまして、近く開発確実な地域であるとか、市街化へ積極的に編入されるというようなことが大きく出まして、売り出される。買った人が、買ってみると、それが調整区域であって家が建たない、こういうようなことがすぐ起こるわけであります。 私の手元にありますのも、実はついせんだっての新聞記事が出たすぐ直後に近郊に配られたものでありまして、打ち出の小づちが大きくなっているようなビラで、これを見てみますと「住宅街に隣接した環境最良の土地」、周りの隣接の関係は、環境が最良であることは間違いないのですが、この土地はだめなんです。値段を見ると大体十分の一くらいの値段でしょうか、周辺は緑の多い文教地区であって、立地条件も鉄道に至近な場所で将来が楽しめると、周辺のことだけ書いてありまして、一体家が建つか建たないかということが書いてないわけでありまして、実は税金の問題もしかり、この市街化線引き問題もしかりであって、非常に影響が大きいわけであります。 実は、その中で税制問題というのはさらに影響が大きいところがあるわけでして、大蔵省、大蔵大臣といたしましては、まさに今日の大変大きな住宅土地問題ということがあるわけですが、これに関連して土地税制についてどこかを変えるというようなことを検討されておるかどうかということについて、お伺いいたしたいと思います。
○渡辺国務大臣 両省から何ら具体的な相談は受けておりません。いまおっしゃったようなこともございまして、影響が非常に大きい。私としては、キャピタルゲイン課税との公平の確保もありますから、変える考えはありません。
○山花委員 建設省にとっては大変お聞きにくいことを私は伺ってしまったような気もいたしますけれども、ただ問題は、大蔵大臣はそうおっしゃったわけですが、この住宅・宅地関係閣僚連絡会議には、これは大蔵大臣も参加しておられるのじゃないかというように思うのですが、この中には税制を変えるというような趣旨のことがずっと出ているんですね。そうするとその辺は、どうも大蔵大臣のお話というのは、この閣僚会議で大蔵大臣も加わってまとまったのとは違うのじゃなかろうか、こういう気がするわけでありますけれども、実は時間の関係でその点はさておきまして、建設大臣に問題のその本体に戻ってお伺いしたいのであります。 実はその宅地並み課税問題につきましても、一体それで、税制としての議論は別におきまして、問題としてどうなのかということは、たとえばこれは東京の九段会館で開かれました宅地並み課税に反対する東京都農業者総決起大会に櫻内幹事長が来賓として出席をいたしまして、「農地の宅地並み課税を実施すれば、宅地が出てくるというのは全くの“コヂエ”でしかない」、「コヂエ」というのは小さい知恵という意味だと思うのですけれども、宅地並み課税などは考えられないということをおっしゃったり、そのことをすることによって一体土地が出てくるのかどうかということについては、大変疑問に考えざるを得ないわけであります。 先ほど、全体としての、七百七十万戸建てるための土地が一体足りるのかどうかということにつきましても、どうもお話を伺いますと、これをやればどのくらい出るという見通しは余りないようでありまして、そうなると結論的には、第四期五カ年計画は土地問題からも行き詰まるのではなかろうか、こういう心配が大変強いわけでありますけれども、土地問題とのかかわりで七百七十万戸の計画が一体大丈夫なのかどうか、この点についての建設大臣の所見を伺いたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 それほど土地問題が重要でございますので、閣僚連絡会議でもあのような結論をいただき、それぞれの御理解をいただいたわけでございます。とにもかくにも、先ほど来、また諸先生方からも御指摘がありましたように、日本の住宅政策は、政府といたしましても、また国民のニーズといたしましてもやらなければならない問題でございますので、そうした阻害要件を一つ一つ排除しながら、せっかくの五カ年計画でございますので、七百七十万戸、公的資金によりますものは三百五十万戸でございますが、何とか目標を達成するためにせっかく努力する所存でございます。
○山花委員 住宅基本法がすぐ策定がむずかしいならばということで、そうなりますと、当面は国土法の関係、きょうの議論でもその適確な運用ということについて長官からお話がありましたけれども、五十四年度のものでありますけれども、行管庁から、国土法が新規事業として五年間経過したということを受けまして、定期の調査の結果が出ておるはずであります。今後の国土計画との関係で大変大事なものだと思いますので、そこでの要点と問題点をお伺いいたしたいと思います。
○中曽根国務大臣 調査結果の概要は、国土利用計画を策定する趣旨を徹底させること、土地取引規制の一層適確な運用とその強化を図ること、遊休土地の利用を促進すること等であります。 なお、土地取引規制の強化に関しては、今後時期を失せず規制区域の指定ができるよう措置すること、地価動向の推移を注視しつつ、届け出基準の引き下げについて検討すること、無届け取引の把握に努めること等であります。
○山花委員 ただいまの御指摘に基づきまして国土庁長官にお伺いしたいと思うのですが、国土利用計画の策定あるいは土地利用基本計画の策定、この現状が一体どうなっているのかということについてお伺いいたします。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 国土利用計画法の全国的計画については、昭和五十一年五月に閣議で決定してあるところであります。それに従って現在はどうなっているか、都道府県計画については、全国の計画を基本にし、昭和五十一年度から策定作業に入っております。現在までに四十四都道府県において策定作業はもう終了いたしております。未策定のところは、東京都、大阪府及び鹿児島県の三都府県がまだ未策定で、将来どうか、これも早いのは昭和五十六年度中、遅くても来年度中には策定をするという見通しになっております。
○山花委員 いまのお話でも、最も基本的な計画につきまして、東京、大阪、鹿児島などについてなおということのようであります。全体としておくれているのではなかろうか。われわれはこういう問題についても、なお今後の委員会におきまして、いろいろわれわれの主張を展開する中で検討を要請していきたいと思います。 時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。
○金丸委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私どもの方からも昨日、小杉隆代議士を団長とする調査団が夕張に参りました。犠牲者に対して哀悼の意を表しますとともに、遺族の方に対してもお見舞いを申し上げたいと存じます。 この点について、一点だけ資料要求をしておきたいと思います。 かつて昭和三十八年、ちょうど総選挙のさなかでございましたが、三池の大事故が起こりまして、私も、選挙区は違いますけれども、選挙の車をおりて駆けつけた記憶があります。その際も問題になったところでありますが、小杉調査団の報告でもそうですけれども、夕張新鉱では、坑内の保安係の人や坑内員の人たちが無線機を持って絶えず連絡をしながら、そしてそれが総合的に地上の総合監視制御室に集められる、そういうふうに聞いております。当日八百人ぐらい坑内に入っておられた中で、百七十人ほどが無線機を持っていろいろ連絡されておったそうです。 で、この交信内容というのは、事後対策が適切であったかどうか、あるいは救助対策が適切であったかどうか、そしてまたこれが過失致死等の刑事事件に発展するかどうか、あるいは鉱山保安法に違反するかどうか、こういった問題の決め手になるところであります。重要なこれは資料となるものでありましょう。したがって、当然現地にはその交信内容のメモなり記録があると思います。これをできるだけ早く資料として出していただきたい。通産省の関係局長はよろしゅうございますか。イエスかノーだけで結構です。
○神谷政府委員 交信の記録につきましては、ボイスレコーダー的なものはございません。 それから、関係者が具体的な記録をとっておったかどうか、これに関しましても不明でございます。現在鉱務監督官は、必要な捜査資料は警察と共同で押収をいたしておりますが、救助活動にも全力を注いでおりますので、十分な資料を完全に入手した段階とは言えないと思いますが、救助活動とあわせて、さらに事情聴取その他の必要な捜査を行っていくことになろうかと思います。したがいまして、先生御要請の資料につきましては、捜査上の資料ということになりますので、まず捜査の結論をひとつお待ちいただきたいと思います。
○楢崎委員 いや、これは国会でも問題にしなければなりませんからね。捜査の結果が出るまで待ってくれ、そういうことじゃ了承できませんよ。私はこのことで時間をとりたくないから、ぜひ出していただきたい。委員長の方でお取り計らいを願います。
○金丸委員長 神谷立地公害局長、これは出せる範囲のもので出したらどうですか。出せないものは出せぬと。
○神谷政府委員 私ども行政上の資料はすべてお出しいたします。しかし、鉱務監督官が司法上の捜査ということで押収した資料につきましては、御勘弁をお願いしたいと思います。
○楢崎委員 まだ押収したかどうかわからぬじゃないですか。これは明日また問題にしたいと思います。 それで、総理のおられる間、時間が短うございますからしぼって、五十七年度の防衛予算概算要求についてお伺いします。 ゼロシーリングから突出した例外分として七・五%という数字がひとり歩きをいたしておりますが、これは六月五日の閣議で了承されたのでしょうか。
○渡辺国務大臣 先般のシーリングの閣議了解に当たりましては、防衛関係費だからといって特別扱いしたわけではありません。別途条約上の義務の履行に伴いまして必要とされるという経費の性質上、国際条約の実施に伴い必要とされる国庫債務負担行為等の歳出化にかかわる経費がシーリングの特例とされた結果——結果ですよ、防衛関係費のシーリング枠が計算してみたら七・五%になりましたということでございます。
○楢崎委員 じゃ、六月五日閣議で了解されたということですね。それで防衛庁長官、あなたはこの結果を持って六月二十九、三十訪米されて、ワインバーガー国防長官等と会談をされた。その際にもこの数字は出ていると思います。その前に、六月十日から三日間のハワイ会議においても出ていると思います。それは、いまの六・五閣議了解に基づいてそういうことを話されたわけですね。これもイエスかノーだけでいいです。
○大村国務大臣 お答えします。 六月五日の概算要求についての閣議了解の中に、いま大蔵大臣の申されているようなことが含まれております。そういうふうになっているということだけを話したのです。
○楢崎委員 総理は、この七・五%について、大村長官が訪米される前に御相談を受けられましたか。
○鈴木内閣総理大臣 これはもう申し上げるまでもなしに、シーリングでございますから、概算要求の一つの一番上の水準を示したものでございまして、その枠内で概算要求をする、これがシーリングを決めました閣議で決まったものでございます。
○楢崎委員 そうしますと、総理は本会議あるいは当委員会でしばしば表明されておりますが、大蔵大臣もそのようですけれども、人件費も含めて七・五%以下に見直したい。もしそういうことになったときに、大村長官もアメリカで国防長官その他といろいろ話をされていますから、これがもし七・五%以下になったときの対米信義則というのはどうなりましょうか、総理のお考えを聞いておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 防衛費といえども、これはわが国が憲法並びに基本的防衛政策に基づきまして自主的に決定するものでございます。
○楢崎委員 そうすれば、七・五%以下になっても対米信義則違反にはならない、こういうことですね。
○鈴木内閣総理大臣 シーリングというのはこういうものである。これは五十六年度予算の際も同様でございますが、その点は米側もよく承知のことと存じます。
○楢崎委員 この七・五%というのが六月五日の閣議で、先に決められたのか、それともこの辺にありますね例外のあれが。これで積み重ねていったら結局七・五%になったということなのか、どっちですか。
○渡辺国務大臣 閣議で特例扱いのもの四つばかり決めてございますが、それで計算をすると七・五%になった、こういうことでございます。
○楢崎委員 その七・五%の金額は幾らですかね。
○渡辺国務大臣 千八百二億円の増加かと記憶しております。
○楢崎委員 そのとおりですね。 そこで総理、本会議でも答弁されましたが、これを見直す。見直すと言われる場合の見直す対象は、いま答弁のありました七・五%に匹敵する千八百二億円の方を見直すのか、それとも七・五%のネットになった昨年度の二兆四千億の方も見直すのか、どっちなんですか。
○渡辺国務大臣 それは七・五%は根っこごと査定をするわけでございます。
○楢崎委員 そうしますと、五十六年度の防衛予算についても見直そうと思えば見直せたものがあったわけですね、これは。あなた方強行採決したのでしょう、との五十六年度の予算を。見直そうと思ったら見直す分があったのですかね。
○渡辺国務大臣 もちろん毎回、予算のときは見直すわけでございますが、要するに金額は二兆四千億であっても、どういうものを取得するか、中身についてはまだ聞いてないわけですから、その中身がいろいろ要求が出てくるわけであって、その中身を見直すということを言っておるわけでございます。五十七年度の中身は概算要求がなければわからないわけですから。
○楢崎委員 わかりました。じゃ二兆五千億の今年度の概算要求、全体的に見直す、こういうことですね。 そうすると、五十六年度で後年度負担分が終わる金額は幾らですか。
○渡辺国務大臣 事務当局から説明させます。
○西垣政府委員 いま手元にございません。もし必要があれば後刻差し上げます。
○楢崎委員 明日また質問の機会がありますから、ぜひ出してください。 これは要求しても出さないのですよ。いま手元に資料がないのじゃない。 防衛庁の方はわかっていますか。
○矢崎政府委員 詳細なるそういう分析までは資料を持っておりませんということでございます。
○楢崎委員 おかしいですね、おかしいのじゃないですか。これは去年の予算委員会でもことしの予算委員会でも出ているでしょう、資料が。「財政法第二十八条による昭和五十五年度予算参考書類」、それから同じく「昭和五十六年度予算参考書類」、こんなに厚いやつです。それをずっと調べてみて、私が当たった範囲内ではすぐ出てくる、これは。 じゃ、言っておきましょうか。いいですか、五十五年度の予算では二百五ページから二百十ページまで、五十六年度の予算参考書類では二百五十九ペーシ、これは継続費に関する——私が見つけたところはそれだけです。ほかにまだあるかもしれない。これを総計してみますと約千五十億になる。いいですか、大蔵大臣。これはもう五十七年度から要らないのです。要らない。要らないとすれば、じゃ、その約千億を、端数を切って千億としましょうか、二兆四千億から一千億を引いた二兆三千億と概算要求のことしの二兆五千億、これとの差がどうしても例外措置として認めなければいかぬということになるわけです。そうすると、二兆三千億からどうしても必要だというあれを出してみますと、これは手荒い数字になる、これは一二%超します。どうもその辺に問題がある。総理、見直す場合に参考にしていただきたいから私これを申し上げておるのです。 それから千八百二億の中の後年度負担分、これは「既」となっているでしょう、いまあなたが読まれた。すでに後年度負担にしている分、これですね、これと人件費が入っておるはずです。幾らになりますか。
○西垣政府委員 数字の問題でございますので私からお答えいたしますが、国際条約等の関係が千四百六十八億でございます。それから人件費の例外扱いの分が三百三十四億でございまして、合わせたものが千八百二億円でございます。
○楢崎委員 そうすると、いまのその三百三十四億の人件費、これは防衛二法が通ったものとしての金額ですね、人員増の。それに相当する部分ですね、これは。
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。 いまの三百三十四億円の中には、昇給原資でございますとか、それから五十六年度に予算で予定をしております増員の平年度化の分でございますとか、あるいは共済の整理資源とか、等々が入って……
○楢崎委員 いや、ちょっと待ってください。 私は、防衛二法の定員増の人件費も入っておりますねと聞いておる。入っておるのでしょう。
○矢崎政府委員 ええ、入っております。
○楢崎委員 そう言えばいい。 それで、まだこれは通ってないのです。通ってないのだ、これは。通ってない。
○大村国務大臣 お答えします。 定員増は、昨年の臨時国会で法律の通りました分の定員増は含んでおりますが、今回提出中の法律の定員増は含んでおりません。
○楢崎委員 これは間違いないですか、いまのは。間違いないですかね。大蔵省の私が聞いたところと違うのですよ、これは。
○矢崎政府委員 五十七年度に要求をしております分はもちろん入ってないわけでございますが、五十六年度の予算で成立を見ております予算がございます、それは法律的にはまだペンディングになっておりますけれども、これはこの計算の中に一部入ってございます。
○楢崎委員 違うじゃないですか。入っているのでしょう。入っているでしょうが。違うじゃないですか。防衛二法の定員増はまた出すのでしょう、通ってないから、五十六年度に。その分が入っているでしょう、この三百三十四億。何を言っておるのですか。
○矢崎政府委員 御説明が若干不十分でございましたので、お答えもう一回し直させていただきます。 ここに入っておりますのは、私の先ほどの説明は若干思い違いがございまして、五十五年度に成立をいたしました増員の分の平年度化増というものが入っているということでございます。
○楢崎委員 その点は明日やりましょう。私が説明を聞いたところと違うわけです。 それで時間になりましたから、最後に一点だけお伺いしておきますけれども、見直す場合に、総理、この人件費の問題もいままだ未解決です、あしたやりますけれども。それで要するに一千億というのはもう要らないのです、五十七年度は、さっきから言うとおり、五十六年度で後年度の負担分が消えているのですから。ここにちょっとした、あるいは大きなか知りませんけれども、からくりがある。これは明日明らかにしたいと思います。 終わります。
○金丸委員長 これにて楢崎君の質疑は終了いたしました。 明二十日午前十時より連合審査会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時四十分散会 ————◇—————