行財政改革に関する特別委員会 第10号
- 発言数
- 384 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/10/28
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 久しぶりに総理がお見えでございますので、南北サミットへの御出席御苦労さんでした。したがいまして、きょうはそのことからお尋ねを始めていきたいと思います。 メキシコのカンクンで二日間にわたって開かれました南北サミットでありますが、総理としてどのような評価をされていますか、それから伺います。(私語する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○鈴木内閣総理大臣 南北サミットのために当委員会を長く留守をいたしまして大変恐縮でございました。御協力を大変心から感謝いたしております。(私語する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○鈴木内閣総理大臣 南北サミットは、御承知のように、国際間の相互依存関係が深まっておりますときにおきまして、南北二十二カ国の首脳が一党に会しまして、開発と協力の問題につきまして率直な意見の交換を行ったところでございます。 この会議におきましては、世界経済の活性化、そしてそれを通じて世界の平和と安定を図っていかなければならない、こういうような共通の認識に立ちまして率直な話し合いをしたわけでございますが、大変建設的かつ有意義であった、このように私は評価をいたしております。 今後は、このカンクン精神を踏まえまして国際間の一層の協力を進めてまいりたい、またわが国といたしましても国力、国情にふさわしい貢献をしていかなければならない、このような考えを強くいたしたわけでございます。
○安井委員 南北二十二カ国の首脳の集まりという意味では意義はあったと思いますけれども、ただ最大の焦点とされた国連包括交渉の問題ではほとんど進展がなかうたという点は残念であります。それも南の側とアメリカ側との対立で最後まで妥協点がなくて、議長総括というようなかっこうで最終的に国連の場にゆだねるというような先送りのような決着になったというような感じを受けるわけであります。 そこで、総理はおいでになる際には、南北のかけ橋になる、そういうおっしゃり方でありましたけれども、しかしこのGNの問題では各国の出方をながめながら、とりわけ最終段階にはかたくななレーガン大統領の横車に押されてアメリカ寄りの態度に変わってしまい、そういうことが結局、もう少し南北の調整役として日本への期待があったのだと思うのですけれども、十分にその役割りを果たすことができなかったのではないか、こういう印象を受けるのですが、それはどうですか。
○鈴木内閣総理大臣 この包括交渉の問題は、御承知のように、国連総会において決議をされたのでございますが、その後進展を見ずに時間が経過をいたしておったわけでございます。その点を七月に開かれましたところのオタワ・サミットにおきまして、関係国が、これをひとつ世界経済の活性化のためにも、また世界の安定のためにも促進をしなければいけない、こういう方向で合意をいたしまして、これを南北サミットにおいてひとつ南側も含めて協議をしようということで、共同の宣言及び議長サマリーでそれは明らかにしたところでございます。 今回それを受けまして、カンクンに南北の有力な国々が集まってこれを討議をしたわけでございますが、幸いにいたしまして南側、北側、大局的な立場から合意をいたしまして、国連総会において早急にこのGNの具体的な発展になるようにこれを推進をしよう、こういうことで合意を見たわけでございます。 御承知のように、メキシコの大統領、カナダのトルドー首相が共同議長国と相なりました。日本とは非常に深い友好的な関係があり、私、個人的にもメキシコのポルチーヨ大統領、トルドー首相とは懇意でもございまして、いろいろ御相談に乗りながら、この会議が前向きで前進するように努力もいたしたわけでございます。 なお、南側の強い立場を主張しておりましたところのタンザニアの大統領も、この前日本に国賓としておいでになってよくお話し合いもしておったところでございまして、そういうような関係もございまして、私なりに積極的にこの会議が前向きに進むように努力をしたつもりでございます。
○安井委員 総理の御自分でのお考えはそうだったということはわかるのですけれども、客観的にはいろいろ問題がある、そういうふうに私は理解するわけでありますが、そこで、これからの外交政策の展開の問題であります。 一つは、今度のGNが後回しにされたというような動きの中で、アメリカの東西問題の方は重く見て南北問題は軽く見るというような、そういう姿勢、とりわけ自分の利益になるところには援助をするけれども、そうでなければやらないというようなことが見え見えのような、そういう、つまり海外援助協力を戦略化するような物の考え方がどうも出てきているわけであります。そういうことが、どうもこれからの日本の低開発国、開発途上国とのかかわりにおいて問題が出てきやしないかということを私は心配するわけです、アメリカに弱いものですから。しかし私は、あくまでも日本は日本独自の道を当然歩んでいくべきだと思うのですが、この点のわれわれの心配に対してひとつしっかりお答えを願いたいことが第一と、それから第二番目は、五年間で政府開発援助、例のODAを倍増するというようなお約束をされたわけであります。これは可能なのかどうか、その二点について伺います。
○鈴木内閣総理大臣 第一点の、アメリカの南北問題に対する基本的な姿勢の問題につきましてお尋ねがございました。 今回のサミットにおきましては、アメリカのレーガン大統領、ヘイグ長官あるいはリーガン財務長官等御出席でございましたが、そういうような偏った主張は全然いたしておりません。むしろレーガン大統領は、食糧増産あるいは農業、農村の開発のために、そういう要請のあった南側の国々に対してはタスクフォースを派遣してでもわれわれは積極的に協力しようではないか、こういうことも言っておるわけでございます。 わが国は、もとより国会でしばしば申し上げておりますように、経済社会開発に重点を置きまして経済協力を進めてまいりまして、そして民生の安定、福祉の向上に寄与することを基本として進めてまいる、これはよその国の政策に左右されるものではない、この点は強く私の冒頭発言においても主張をいたしたところでございます。 なお、第二の点の、ODAを七〇年代後半の倍に八〇年代前半においてふやすというお約束をいたしたわけでございますが、五十七年度予算の編成に政府もこれから具体的に取り組むわけでございますが、その際におきましても、この点につきましては十分な配慮をしてまいる考えでございます。必ずこれを達成していく所存でございます。
○安井委員 もう一つ、ついでに伺っておきますが、総理のこれからの外交日程は中東訪問が準備されていると聞きますが、どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 これからの外交日程といたしましては、来月にかけましてタイのプレム首相が来日をされることになっております。なお、サウジアラビアのファハド県太子もおいでになることに相なっております。なお、来年春にかけましてイタリーの大統領、それからフランスのミッテラン大統領、中国の趙紫陽首相等の訪日が大体両国の政府間において進められておるわけでございます。 私の中東訪問につきましては、まだ情勢も流動的でございますし、具体的な考え方なり計画というものは立てておりません。
○安井委員 次に、この委員会でしばしば取り上げられました夕張炭鉱の事故の問題で、きょうがおしまいになりそうでありますから特に伺っておきたいわけでありますが、直接の所管委員会、それからまたこの委員会でも政府の対策等を取り上げてまいりましたが、あの事故の大きな原因は、生産第一主義で保安を軽視したことによる人災だということになると思うのであります。とりわけ事故が発生して十二時間足らずで注水を提案するというような会社側のまさに人命軽視の態度、これなどは強く批判されなければならないところではないかと思います。 そこで、これからの段階において、三つの点について政府としてのお考えを伺っておきたいと思います。 第一番目は、注水がいま進んでいる最中でありますが、坑内にとどめられた五十九名の方を一日も早く家族のもとに帰すことに全力を挙げること、これがまず第一です。 それから第二は、この炭鉱だけでも負債が五百三十二億円、北炭の会社全体で千二百五十九億円という大きな負債を抱えている、そういう会社の状況の中で起きた事故でありますだけに、これからのお金の問題が大変だと思います。特に休業補償だとか遺族補償、弔慰金、退職手当、あるいは仕事がないわけですから、ここ四、五カ月のいろいろな資金手当てが必要になってくるのではないかと思います。これらの応急対策の費用に対して政府も十分協力をするということが一つ大変大事なことだと思います。それから、夕張市に対する財政援助も、自治体としての夕張市も大変だと思います。そういう問題もあると思います。そういう応急対策が二番目。 それから三審目は、あの夕張市は四万数千人の人口の半分がとにかく炭鉱にかかわりのある、いわゆる運命共同体の町であります。二千万トン体制を維持するためにもこの山を継続していくということは大切でありますけれども、このような社会状況の中でも山の灯を消すわけにはいかぬと思います。その再建策をひとつ具体的に立てるべきではないかと思います。経営主体がこれでいいのかどうかという問題もあるかと思いますけれども、いずれにしても山の灯を消すなという、そのことを大事な問題として指摘しておきたいわけであります。 この三点について伺いたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 いま安井さんから御指摘になりました点は非常に重要な問題でございます。政府としても、このような事故が発生いたしましたことにつきまして深い反省の上に立ちまして、今後このような事故が再び起こらないように保安に最善を尽くしてまいりたいと脅えております。 なお、御指摘の諸般の対策等につきましては、私も留守をいたしておりましたので、田中通産大臣の方からの政府の考えを申し述べたいと思います。
○田中(六)国務大臣 ただいま総理からこの痛ましい事故についての遺憾の意の表明がございましたが、私ども政府といたしましては全く遺族の方々、被災者の皆様に非常に済まなく、心から哀悼の意を表したいと思います。 お尋ねの第一点でございますが、五十九名の遺体につきましては、私ども一日も早くこれを収容しなければならないという方針に変わりはございませず、三十三日から注水しております。それがなかなか一進一退で思うようにまいりません。ガス並びに発火というようなことが果たしてどうなっておるかということが定かではございませんが、あと一日、二日すればこのこともはっきりするだろうと思います。その後、揚水、それから取り明けというものにかなりの時間がかかると思いますけれども、あらゆる努力を尽くして、こういうものに対する対処は万全を期していきたいというふうに心がけて、いま鋭意会社側も組合側も私どもも三位一体となって努力している最中でございます。 第二点の会社の資金繰りでございます。まさしく私どもも、まあ花よりだんごということもございまして、だんごの方がどうなっているかということがやはり切実な問題でございまして、これにつきましてもあらゆる角度から検討しておりますが、まず言えることは、上期の炭価アップの残りがございます。したがって、炭価アップは御承知のようにトン当たり千二百三十六円をやったわけでございますが、そのアップの残りがございますので、当面の資金繰りはこれをカバーできると思っておりますけれども、退職金の問題、慰労金の問題あるいはその他の問題がございますけれども、会社と組合との協定がございまして、それにのっとって法的な手当てはできます。また災害保険もございますので、そういう法的な分につきましてはきちんと払うように、それから問題の組夫、雇い入れの人たちに対しましても、そごのないように会社側に十分の配慮なり、直接の関係の人々と同じように取り扱うようには指示しておりますし、金融面からの措置につきましては、私ども、これもまた万全を期したいと思います。 三番目の夕張市民の状況あるいは市そのものに対してどうかということでございます。これはもちろん御指摘のように再開という問題と直接結びついておりまして、夕張の四万一千人にわたる住民の方々の一番大きな関心事だと思います。これにつきましても、去る八月の発火のときの再開のときに、夕張市民の人々は、市民の人々がみずから拠金といいますか、そういうものをいたしまして、約二億近い金を市民そのものが出しておりますし、市役所もまた金を出すと同時に、北海道庁も知事初めみんなの配慮で七、八億円を出しております。 そういうことを勘案いたしますときに、私どもはやはり閉山ということよりも何とか再開へということを目標にいたしましてやらねばなりませんけれども、まず第一に、会社とそれから労組、職組、そういう人たちの労使一体になった態度、それが何よりも私は先決だと思いますし、それに引き続きまして、債権者と関連会社のとる態度、それから日本のエネルギー政策、それから市民のそういう要望、そういうものをそれぞれ組み合わせて考えた上で対処して、できるだけ善処してまいりたいというふうに考えております。
○安井委員 総理、いま通産大臣の発言がありましたが、確認されますね。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま通産大臣が申し上げましたように、政府としても最善を尽くしてまいる考えでございます。
○安井委員 行革の本体の問題に入りますが、私はこの間うちからのこの委員会での論議をお聞きしながら、何か大事な問題が出ますと、政府の方はこれは臨調待ちですと、そういうふうにお逃げになるわけであります。何か臨調ができてから政府のすべての隠れみのになってしまっているような感じがしてなりません。自主的に政府がやるべきものまで、そういうことを隠れみのにしてやらないのじゃないかという気がしてならぬわけであります。むしろ具体的な方針をきちっと出して、それの具体的な方法論を臨調に考えてもらうとか、それが本当なんじゃないかと思うのですが、あべこべなんですよ、これは。どちらが主人公でどちらがあれなのか、わからないという感じがするわけであります。(「土光内閣だ」と呼ぶ者あり)やはり臨調内閣でなしに鈴木内閣ですから、ひとつ明確な態度で対処していただきたいと思うのですが、どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 五十七年度予算の、編成に向かいまして、私は内閣としてゼロシーリングを決定をいたしたわけでございます。これは五十六年度予算の編成におきまして、五十九年度までに特例公債から脱却をしたい、そういう特例公債依存の体質を根本的に改めたい、こういうことで国会の御協力をいただきまして、五十六年度予算で二兆円、特例公債減額をいたしたわけでございます。そして、引き続き五十七年度におきましてもそういう基本的な目標を立てまして、ゼロシーリングを決定すると同時に、臨調に対しまして当面五十七年度予算において緊急に措置すべき事項についての御答申をお願いをした、こういうようなことで、臨調任せというようなことでございませんことは、いま申し上げたように一つの方向を定めて御審議をいただいておる、こういうことでございまして、今後とも臨調と十分連携をとりながら、政府の方針をお示しをし、方向をお示しをして御協力をいただいてまいりたい、こう思っております。
○安井委員 主体がはっきり鈴木内閣だということをきちっとしていただかなければならぬと思うわけであります。 それから、国会でいろいろなことを決めたり、特に附帯決議等があるわけであります。ところが、その国民から選ばれた国会でつくった附帯決議が安易に臨調で覆されたりする、そういうような例もいままでないわけではないのであります。これからも出てくるかもしれません。国会というものとその臨調というものの相互位置づけをひとつ明確にしていただきたいと思うのですが、どうですか。
○鈴木内閣総理大臣 いろいろな法律制度につきましては、政府としては国会にお諮りをし、また御指摘のように国会からも附帯決議その他で政府に対していろいろ御指導もいただいておるわけでございます。しかし、その後における情勢の変化、これをどうしても改めなければならない、変えなければならない、そういう事態も起こってくるわけでございまして、そういう点につきまして、特にこの高度経済成長時代に肥大化したところの行財政、これを抜本的に改正をすべしというこの考え方、そういう点からいろいろ臨調からも出てまいりますが、それを政府が受けとめまして政策としてこれを決定いたします際におきましては、改めて国会の御判断また国会の御承認を得なければそれはできないことでございますので、国会にお諮りすることなしに国会の前の御方針に対して政府が勝手にできる、こういうものではございません。改めて事情を具し、情勢の変化等も申し述べて国会の御判断を求めながら進めてまいる、こういう考えでございます。
○安井委員 中曽根長官に伺いますが、臨調の答申を受けてこれから政府は作業を始める、もうすでに始めてまとまった分が今度の法律案ということで出ているのだと思うのですが、これからあと残ったものをどう処理するかということになってくるだろうと思います。今度の緊急答申が五十七年度の予算編成にかかわるものであるだけに、次の通常国会でそういったものが処理されるということになるのではないかと思うのでありますが、今度の通常国会の段階で、行革に関連する法律案がかなり提案されなければ臨調の答申を実行に移すわけにはいかぬと思うのです。その法律案はリストをおつくりになっておられますか、どれぐらいの中身になりますか、その辺の事情を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 まだ流動的でございまして、十二月になってからそういうリストをつくることになると思います。いままで行啓当局として推進してまいりました法令の整理あるいは許認可の問題等も当然いまわれわれが進めておるところでございます。 臨調当局におきましては、中間答申を随時出していただけるということになっておりまして、きのうもここで圓城寺さんから御発言がございましたように、許認可の問題で特に急いでやるようなことがあれば随時答申を出したいということで作業をおやりいただいております。恐らく十三月または一月ころにはその中間答申が出てくるのではないかと期待しております。もしそれが出てまいりました場合には、できるだけ早くそれを尊重して実行するという方針でございますので、通常国会におきましても、法案としてこれを提出して御判断、御審議を得たい、いまのところそういう心組みをしております。
○安井委員 少し時期が早過ぎる疑問提起なのですけれども、たとえば国民健康保険の負担を都道府県に預けるなどということになると、国保法の改正というような問題になってくる。その他明年度の予算編成にかかわる行革関連法案がかなり出てくる。それをまた一つにまとめて、三十六本を一緒にまとめたような形で一括法案にしてまた国会に出してきて、さあ特別委員会でやってください、そういうような仕組みをおつくりになるようなことになりはしないかということの心配を持っているものですから私はいま伺ったわけです。いまのお見通しはどうですか。
○中曽根国務大臣 事態はまだ流動的でございまして固まっておりませんので、いまのところ御答弁申し上げることは非常に困難でございます。
○安井委員 財政の関係について若干お尋ねをしていきたいと思います。 今度の増税なき財政再建の目標になっている特例国債の減額、これは第一年度、筋二年度、第三年度とどういうふうな計画でお進めになりますか。
○渡辺国務大臣 一応目下のところ中期財政展望に示されている程度の減額一兆八千三百億円ぐらいをぜひともやりたい、こう考えております。
○安井委員 その中身はあの中期計画のとおりの数字で順々にいかれるわけですか。
○渡辺国務大臣 これはまだ財政の規模が決まっておりませんし、税収の見通しがはっきり決まっておりませんから、はっきりした数字は申し上げられませんが、大体あの程度の数字はぜひ減額をしたい、こう考えております。
○安井委員 そういたしますと、来年度の特例公債の発行額は三兆六千五百億円ということになるわけですね。
○渡辺国務大臣 さようでございます。
○安井委員 次に、五十七年度の歳出削減目標はどれぐらいになるのかという点について、十月八日の橋本委員の質問に対して、大蔵大臣は、臨調による削減分九千億円、こう言われたわけであります。ところが、各省庁から削減額の数字を出していただいて、これがわれわれの方に資料として配られてきているわけでありますが、これを合計してみますと七千八百九十二億七千万円ということになります。若干開きがあるわけですが、これはどういうふうなことでしょうか。
○西垣政府委員 各省からどういう資料が出ているか私ども存じませんけれども、私どもで試算、推計しましたところでは約九千億でございます。九千億ということでお考えいただいてよろしいかと思います。
○安井委員 私が言った数字は、私の方で勝手にまとめたのじゃなしに、各省から委員部の方に出していただいて、そのリストとして委員全体に配られている数字ですから、時間がかかるかもしれませんが、この質問は午後まで続きますので、午後の質問までの間にその違いの問題についてひとつ明確にしていただきたいと思います。いいですね。
○金丸委員長 いいですね、西垣君。——はい、それじゃ続けてください。
○安井委員 そこで大臣は、概算要求をさらに一兆円くらい削減しなければつじつまが合わないというようなことを言われてもいるわけであります。いわゆるゼロシーリングとして出ている概算要求をまた削り込むというのは大変な作業になるのではないかと思いますが、それはそのとおりなんですね。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、要調整額というのは二兆七千億円ございます。問題は、税収が中期展望のとおり入るかどうかという問題が一つありますから、それ以上入れば問題はうんと楽になる、それ以下になればなお大変になるという問題がございます。しかし、現在のところ一応あの程度入るという見通しを持ってやりましても、公務員のベア等どうするのか、五十六年分はいずれにせよ、五十七年分で仮に五・三二を採用するということになれば、これはその分は概算要求に入ってないわけですから、ゼロシーリングの中でそれをはめ込むということになれば、さらにどこかの概算要求した経費を切るか、事業をやめるか何かしなければならぬ、そういうことを言っておるわけでございます。
○安井委員 その中身についてはさらにまた伺っていきます。 そこで、五十八年度以降の増税があるのかないのかということについて、八日の私の質問でかなりやりとりがあったわけであります。あの中で、五十七年度だけは増税なき財政再建というのはわかるが、五十八年度以降はやるとも言えないしやらぬとも言えないというようなことで、あの段階では大蔵大臣、それから総理の御答弁も終始したように思います。その後、中曽根行管庁長官がかなりはっきりしたお考えをおっしゃったり、渡辺大蔵大臣も最初のニュアンスから大分変わってきつつあるということにもなりますし、それから特に、昨日この場におきまして圓城寺臨調会長代行から、いま行革をやりながら増税というのは不謹慎であるというような意向も出ました。したがいまして、きょうはこの場で財政再建中は増税は絶対しないのだということをはっきり言明されますかどうですか。大蔵大臣と総理に伺います。
○渡辺国務大臣 私どもといたしましては、中期展望の要調整額を何で消すかということですが、ともかく増税で消す方法、歳出カットで消す方法、半分けにする方法、いろいろあるわけです。五十六年度は半分けにした。半分けといってはちょっとなんですが、両方からやった。五十七年度は増税をしないで歳出カットだけでやる。五十八、九年はどうなのだ、これは歳入との見通しがございますから一概には断定できないのです。しかし、歳入は確保されるという前提に立ってやるならば、行政改革をやるのですから、そういった歳出カットができれば増税は必要ないのです。その分だけ歳出カットができる。もっとわかりやすく言えば、三年間ゼロシーリングができれば、しかも税収も思うとおり入れば増税どころじゃない、減税だって可能かもわからない。しかし、三年間予算を伸ばさないということは、むずかしい点もありますよ。人件費も伸ばさない。物価スライドもやらない。予算は全部凍結だ。ただ伸びるのは借金の利息と、税収が伸びた分の地方交付税だけだということができれば、それはもう一番できますが、断定はなかなかしかねる。しかし、いろいろ政策上の予算の経費の入れかえ、伸びるものはある程度仕方ない、伸ばさないものはうんと切るということをやって、極力埴税なき財政再建を図るということに全力を挙げてまいりたいと考えております。
○鈴木内閣総理大臣 私は、この委員会でしばしば申し上げておるとおりでございますが、納税者である国民の皆さんのお立場からいたしまして、できるだけ負担はふやしてもらっては困る、また、せっかく負担をして出した税その他の財源に ついては、これをむだのないように効率的に使ってもらいたい、そして福祉の問題にいたしましても教育の問題にいたしましても、その中でひとつ行政サービスを下げることなしにやってほしい、これが国民の皆さんのお考えであろう、願いであろう、このように考えるものでございます。したがいまして、政府としては、そういう国民の皆さんの気持ちを体しまして、今後この財政再建期間中におきましても最善を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○安井委員 そうしますと、最善を尽くすという方向はわかります。そのとおりですね。それこそそんなことを言わなければ不謹慎だということになるわけですよ。しかし、それが本当にできるのかできないのかという見通しの問題ですね。それから意欲の問題。その点をこの際、国民が安心できるように明確におっしゃっていただきたい、こういうことです。
○鈴木内閣総理大臣 私の考えにつきましては明確に申し上げたところでございます。その内容、見通し等につきましては、先ほど大蔵大臣が申し上げたとおり、政府としては増税のない財政再建に向かって全力を挙げる、こういうことをはっきりと申し上げておきます。
○安井委員 しかし、全力を挙げてもうまくいかない場合は半分けというようなことで、行軍と増税とを半々にするとか、いろいろなことを大蔵大臣はお考えになっておられるようでありますが、その辺が何かやはり奥歯に物がはさまったような感じがしてならないわけであります。いずれにしても、少なくも財政再建の間だけは増税はすべきでないというその約束を完全に守っていただくということをひとつお願いしておきたいと思います。 そこで、最近いろいろな報道の中で、私どもが企業優遇税制と言っているところの退職給与引当金の改革だとか、あるいはまた租税特別措置法にあります交際費の課税の強化とか、こういうようなことについて検討が進んでいるという報道があるわけであります。そのようないわゆる企業に対する優遇、これはそれによって増税になるということにはなるかもしれませんけれども、これは実質的には企業に対する一つの補助金なんです。農業やなんかの補助金の方は一律カットでばんと切っておるわけですから、いろいろな形での優遇を少なくもカットしていくということは非常に大切な問題であろうと思うわけでありますが、現在の検討状況はどうですか。
○渡辺国務大臣 引当金は補助金ではございません。これは債務性のものでございます。しかしながら、こういうような財政事情のときでありますから、これは全部は認められないということにしてあるわけでございます。しかしながら、実際の退職給与等の場合は、退職者に要する出費と引き当ててある数字の中にはそれでもまだ余裕があるのじゃないか、だからもっとそれを認めないという特例をつくってもいいのではないか、これも一つの考え方でございまして、国会でいろいろな党からも人からも強い御指摘がございますので、主税局は増税をやらぬから毎日暇でいいなんというわけにいかぬわけですから、そういう点については学問的にも実務的にもいろいろ勉強をしておけということは言ってありますから、いろいろな勉強はしております。
○安井委員 交際費の問題についてもそうですね。
○渡辺国務大臣 実際に勉強しておる方から答弁させます。
○安井委員 勉強家がたくさんおられるようですから、その一部をここでひとつお話しください。
○矢澤政府委員 御指摘のございました交際費、退職給与引当金あるいは企業関係の租税特別措置の見直し、これにつきましては、昨年出ました五十五年の中期答申におきまして、今後とも引き続き検討すべきであるということが指摘されております。現在、私どもは五十七年度の税制改正におきまして、こういった項目を具体的にどのように切り込んでいくか、それをまたどういうかっこうで御提案するか、案をまとめている段階でございますが、税制改正の御提案は御承知のように年末になるものでございますので、まだその具体的内容を御説明する段階には至っておりませんが、いろいろな方法につきまして勉強中でございます。
○安井委員 そういたしますと、暮れの税制調査会にはかなりの提案があると見ていいわけですね。
○矢澤政府委員 予算全体の編成の過程とも関係してくると思いますが、従来以上に厳しい立場に立って見直すことは出然でございますので、そういう方向での御提案を検討したいと思っております。
○安井委員 もう一つは減税の問題です。 土光臨調会長が、臨調の答申どおりやれば、五十九年度は財政的にゆとりができるはずだから、減税だってやれないわけはない、こう言われたということであります。五十九年度になったらそう財政のゆとりが出るのかどうか、これも問題でありますけれども、とにかく国民の世論は、どんな調査をしても、やはり今日の税制の中では個人所得税の増税感が非常に強い、それが大きな不満の一つになっているわけであります。したがって、この段階において、この前も私は大分しつこく申し上げたわけでありますけれども、私だけではありませんで、各党の質問もそこにみんな上策申しているわけであります。したがって、この物価調整減税、言葉はそれでいいのかどうかわかりませんけれども、そういうようなものについてやはりこの際きちっとした結論をお出しにならないと因ると思うのですね。どうですか。
○渡辺国務大臣 これもいろいろ勉強しておるわけでありますが、現実の問題として、確かに課税最低限を据え置いているということについて、特に一千万円以上の人は実質的な可処分所得がへこんでいる、これも事実です。事実でございますが、これは財源との問題がございまして、各国との比較の問題というものもございまして、私どもといたしましては、そういう全体的な問題から勉強をしていきますと、なかなか減税をする余裕が出てこないというのが実情でございます。歳出カット等においても、どんどん歳出カットも思うように進むというならば、臨調答申がみんなすらすら歳出カットでできて、国会の御承認も容易に得られる、これはどんどん切っていい、財政事情に合わせて歳出をどんどん削減して補助金を切りなさいということの御承認が得られれば、それはできますよ。なかなかそれはむずかしい状態でございますから、いまのところどうも減税ができるという目鼻が立っていないというのが、まことに申しわけないが実情でございます。
○安井委員 私がこの前から申し上げているのは、歳出のカットだけで減税財源を出せといったってこれは出ませんよ。なかなか大変だと思いますね。先ほど主税局の方で勉強中だと言われる企業優遇税制をもっと切り込めばそれぐらいの財源は出てくる。企業の負担はちょっとふえるかもしれないけれども、そこの従業員の方は課税最低限が上がることによって減税になるわけですから、そうすればその会社でつくった品物も可処分所得がみんなふえてくることによって売れるわけですよ。だから私は企業優遇税制をカットして、それを財源とすることによって軽減措置をやるというのは、一挙両得とは言いませんけれども、非常に意味のある、味のある政策だということになるのではないかと思うわけであります。 そこで総理、いまも大蔵大臣は疑問符を幾つもっけた答弁で終わっているわけでありますけれども、国民の声として、自分のもらい分よりも税金で引かれる方が二倍もふえていくような状況をもう少し何とか解決してほしいという切実な願いに対して、総理としてはどうおこたえになりますか。
○鈴木内閣総理大臣 先ほどは増税のない財政再建をやるべきだ、五十七年度はもとより、五十八年、五十九年もやるべきだ、こういうことを強く御指摘になりました。私は納税者である国民の立場に立ちまして、行財政の改革によって何とかそういう方向でやりたいということも申し上げたところでございます。 さらに重ねて、それをやりながら一方において減税、こういう大変結構ずくめのお話があるわけでございますが、私はあえて申し上げますならば、第一には、何とか増税をしないで財政再建を図りたい、これをまず第一に考える。そして、しかる後にそういう余裕が、めどが立ってくれば、これは政府としてはそのような国民の期待にこたえるというのは当然のことであり、また努力しなければならない問題であろう、こう思いますが、当面は私はまず第一の目標に向かって全力を尽くしたい、こういう考えでございます。
○安井委員 私と大分意見が食い違っているのは、増税なき財政再建と言うけれども、実際は増税になっているんですよ。自然増税に勤労者はなっているわけです。そのことへの不満を言っているわけで、本当の意味の増税なきをやってほしいということになれば、特に段階的に課税最低限あるいはその他の控除を変えない限り、ぐんぐんベースアップをすればするだけ上がっていくわけですね。その自然増税に何とか手をつけてほしいということを言っているわけだし、しかもその財源はいろいろな支出を減らしてそこに向けろと骨っているわけじゃないわけですよ。企業優遇税制を削ればそこに財源が出てくるじゃないかという、財源まで添えて私は実施を要求している、こういうことであります。これはなかなかすぐに結論が出るような問題ではないと思いますが、切実な国民の要求は私は明確にお伝えをしておかなければならぬと思いますから、そういう意味で申し上げておるのであって、これからの検討にゆだねたいと思います。 そこで、景気対策その他の問題でありますから、河本経企庁長官を中心にして伺っていきたいと思います。 貯蓄の伸び率が最近下がってきているということが、これは貯蓄増強中央委員会の調べで出てきているようですね。前年度に比して八・九%増、一けた台に落ちたというのは昭和三十九年以来のことだという報道になっています。やはり実質所得の伸び悩みということがそういう形でもあらわれてきていると思います。そういうような状況。一般的に素材型の産業だとか第一次産業への依存、そういうようなところから内需の行き悩みが出てきているわけであります。最近の円安ということも拍車をかけていると言うこともできると思います。それに対して、十月の二日に政府が発表されました当面の経済運営の内容はきわめて貧弱であって、これでGNPの非常に大きな部分を占めている民間消費支出が改善されるというようにも思えないわけであります。もう少し意欲的な対策をお出しになるべきだと私は思うわけでありますが、いかがですか。
○河本国務大臣 現在は、御承知のようにアメリカの金利が依然として高い水準にございます。その影響を受けまして、わが国もなかなか金融政策がやりにくい、こういう点が一つございます。 それからもう一つは、財政力も非常に弱まっておる。したがって、景気対策をやる場合に、従前のように補正予算を組んで公共事業を追加する、そういうこともやりにくい、こういうことになっておりますので、選択の幅が非常に狭い、こういうことであります。 その中におきまして、できるだけのことを工夫をしたわけでございますが、御指摘のように力としてはそんなに強くないと思いますけれども、ある程度の現在の景気に対する軌道修正にはなろうかと考えております。
○安井委員 私は、特に消費支出をふやすという点から消費者物価を幾らかでも下げるというようなこととか、あるいは減税をできるだけやるとか、そういうようなことで可処分所得をふやす道をさらに進めていくべきだし、それからもう一つ大事なのは、公務員のベースアップが非常におくれているというようなこと、これも公務員の数が多いし、そのベースアップが全体に大きなつながりを持つものであるだけに考慮すべき大事な問題ではないかと思います。そういうことで、いまのベースアップの実施時期を革めていくというようなことが必要なのに、政府はいまだに公務員給与の改定法案を国会に出そうとしておりません。しかも、けさの朝日の報道によりますれば、ベースアップはいつかやるにしても、期末手当だけはふやさないとか、そういうようなこそくな対策が検討されているというような報道もあります。どうなんですかね、これは。いまの段階でひとつ政府の検討状況をお聞かせ願いたい。
○中山国務大臣 公務員給与の引き上げの問題につきましては、去る八月七日に人事院勧告が出まして、当日、第一回給与関係閣僚会議を開きまして、その日は財政事情等の問題も含めなかなか結論の出る状態でございませんで、九月の十八日に第二回の給与関係閣僚会議を開いたわけでございます。筒口は大蔵当局から国の歳入状態、税収状態の一・四半期の状態の御報告がございましたが、今年は昨年に比べて一層状況の把握がむずかしい、こういう状況説明がございまして、暫時その後の歳入状態を見きわめなければ国としての方針が立てられない、こういうことで第三問が終わったわけでございまして、近く第三回の給与岡係閣僚会議を開きまして、その後のいわゆる歳入状態がどうなっておるのか、これからの対策というものをどうするかということを、方針というものをさらにひとつ検討しなければならない、このように考えておりますが、けさの朝日新聞の報道はわれわれの全然関知するところではございません。
○安井委員 それじゃ、いまのその一番最後のところだけひとつ確認いたしますけれども、期末手当は仲裁裁定のときにも何か変なやりくりの材料にされそうになってやめたはずでありますけれども、そういうような経過もあるし、またぞろ期末手当という妙なところに問題を持ち込もうとしているような気がしてならぬのですが、そういうことはありませんね。
○中山国務大臣 期末手当の問題等につきましては、まだ給与関係閣僚会議の議も経ておらず、私どもといたしましては、とにかく第三回給与関係閣僚会議を開きまして、誠意を持って安定した今日の労使関係を今後とも維持するように努力をいたすということ以外に、現在のところ私として申し上げることはないわけでございます。
○安井委員 法案の提出はいつごろになりますか。
○中山国務大臣 法案の提出時期につきましては、今日の段階で日限を申し上げる状況にないということでございます。
○安井委員 総理、この問題は非常に重大な問題にこれからもなっていくと思うのです。私は、内需をいかに改善していくかという点から論点を進めてきたわけでありますけれども、しかし本来の労働基本権にかかわる憲法の規定から人事院ができて、それのいわば準判決というようなかっこうで出た勧告、それをきちっとした形で一日も叩く実行に移すということが非常に大切な問題だと思うのでありますが、いまのようなもたもた状態はちょっと困ると思うんですね。どうでしょうか。少し早めていただきたいと思います。 〔委員長退席、海部委員長代理着席〕
○鈴木内閣総理大臣 この問題は、総務長官が申し述べたような経過に相なっております。率直に申し上げまして、まだ税収その他のめどが実は立っておりません。財政当局からの話を聞きますと、予想以上に税収の伸びが伸び悩んでおる、こういうことも聞くわけでございます。しかし、いま御指摘になりましたように、人事院勧告という権威のある勧告もいただいております。政府としては総合的にあらゆる角度から検討いたしますが、誠意をもってできるだけ早くこれを国会にお諮りをするというようにいたしたい、こう思っております。
○安井委員 一日も早い提出を求めていきたいと思います。 経企庁長官にさらに伺いたいのは、経企庁で地域経済動向の現地調査をやっておられるそうであります。九月二十八日のまとめでは、全国の十都市で、それは釧路とか神戸とか熊本等だそうでありますが、そのうち関東、東海、近畿等は比較的よい状況であって、北海道、東北、四国、九州等の景気回復は弱いというように伝わっています。そのような地域格差を考慮に入れた対応というようなものが必要ではないかと思うわけであります。特に開発がおくれている地域は、公共事業に対する依存が多いわけですね。その公共投資が行革で抑えられていくということになれば、特にこの地域格差は開くばかりになりはしないか。この格差の問題を考慮に入れた総体的な内需振興対策というものがなければならぬのじゃないかと私は思うのですが、この点はどうですか。
○河本国務大臣 企画庁では年に二回か三回、地域経済調査をやっております。先般は九月に行いましたが、内容は御指摘のとおりでございます。地域によって県気に相当なばらつきがある、こういうことでございます。そこで、やはり今後経済政策を進めます場合には、地域に対して相当な配慮が必要であろう、このように思います。 そこで、十月二日に決めました経済対策におきましても、補正予算こそ組んでおりませんけれども、地方地方で単独事業を希望に従ってできるだけやっていただく、こういうことで、特に景気の悪い地域での単独事業をいま自治省、建設省が中心になりましていろいろ打ち合わせをしていただいておるところでございますが、地域的な配慮が今後とも必要であろう、このように考えております。
○安井委員 いま長官から建設省、自治省の方と御相談をされているということでありますが、それぞれの省のいまの検討状況はどうなんですか。
○安孫子国務大臣 現状におきましては、地方の単独事業の重要性はきわめて重要だと考えております。したがいまして、各都道府県、特に関係県に対しましては、極力単独事業を推進するようにという示達をいたしております。また、個別的にもそういう指導をいたしておるところでございます。財源措置等につきましては、自治省としては十分に考慮するつもりでございます。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 いま自治大臣からのお答えがありましたと同様、建設省といたしましても、そのことによって地方における事業等に支障なきように、それなりの金融、財政上の措置をするということ、これは法文にも明記してございますので、そうした考えのもとに対処してまいる所存でございます。
○安井委員 いまの経企庁長官のお話からすれば、特に建設大臣などにはお考えを願わなければならぬのは、それらの公共投資の配分の問題もあるのじゃないですかね。配分において、いまのような弱い地域と強い地域とを考慮に入れた配分方式というようなものにもお答えが及んでいかなければ、経企庁長官の言われたようなことにならぬのじゃないかと思うのですがね。先ほどの御答弁ではちょっと私は理解しかねるのですが、どうですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 東北、北海道あるいは山陰、四国、九州、先生御指摘の地域における公共事業に依存度の高いところ、これに対する景気関係も考えて、これからの建設省事業の中においては当然配分において配慮しなければならない、このように考えております。従来からもそれなりの対応はしてまいっておるわけでございますが、今回のように特に財政事情の厳しい折で、行政事務という枠の中で有効適切な事業執行を図る上からも、また地域格差を解消する上からも、そうしたことは当然配慮して進めてまいる所存でございます。
○安井委員 経済問題でもう一つ伺っておきたいのは、これは大蔵大臣ですかね、金本位制への復帰論がアメリカで非常に高まっているという点についてであります。まさかとは思いますけれども、レーガン大統領のことでありますから、何をやるかわからぬということにもなります。とにかく歳出削減、大幅増税というものを絡み合わせたレーガンの経済構想というものが何か余りうまくいってないような状況でありますだけに、大統領の行政命令一つで金本位制への復帰が可能になるということが、特に金準備の圧倒的な優勢を誇るアメリカであるだけに、全く可能性なしとは言えないのではないかと思います。自民党の中にも、六月ごろそういうことになるぞと言っている学者の議員の方もおられるそうであります。したがって、万一の備えというようなものは要るのか要らないのか。金準備が非常に少ない日本のことでありますだけに、もしもそういうことになれば非常に大きな打撃になるわけであります。為替関係にも大きな変動が来る。ですから、これは大蔵大臣、経企庁長官、いずれにもまたがる問題かもしれませんけれども、いまの段階でわれわれはどうとらえておけばいいのですか、政府としてはどういうお考えを持っておられますか。
○渡辺国務大臣 よくそういうことが言われるわけでございますが、これはもし戦争が起こったらという話と同じで、どれだけの準備をしてあるのかと言われても、なかなか万全の準備はできてない、そんなようなものでございまして、実際アメリカで本当にできるかどうかということについては、いろいろ専門家等にも実は勉強はしてもらっておるのです。しかしながら、アメリカであっても、産金量といいますか、金を産出する量は非常に少ない。金が南アとかソ連なんかに非常に偏在しておる。結果的には、そういうことをやることはソ連などに非常に有利になるのじゃないかという説ももちろんあるわけでございまして、レーガンさんがソ連が有利になることをやるわけがないじゃないかという説も一つあるわけであります。いろいろございますが、うわさの域を出てないし、私は総合的に判断して現実性がないというように見ております。しかし、勉強はいたしております。
○安井委員 経企庁長官、ありますか。
○河本国務大臣 基本的にはいま大蔵大臣がお述べになったとおりだと思いますが、レーガン政権のもとで十七人委員会をつくりまして目下検討中である。現在のところは積極的にやってみようという人が約三割、反対だという人が約七割だ、このように聞いておりまして、来春までに一応の結論が出るであろう、こういうことでございますから、日本といたしましても、いろいろな場合を想定して十分な研究と準備が必要だ、こう思います。
○安井委員 これはなかなか先の見通しができるような問題でありませんけれども、特に大蔵省は勉強をする人がいっぱいいるようでありますから、十分に勉強をしておいていただきたいと思います。 経済問題の一つで農業の問題にここで触れておきたいと思うわけでありますが、今度の臨調答申の中で、農政について、とりわけ食管法がまずやり玉に上げられているというわけであります。さらに水田利用対策、その他の農業助成、こういうふうにいくわけですが、来年度の予算編成に関連する問題に限って伺ってまいりますと、農林水産省の説明を受けますと、来年度の予算要求については、食管関係は、まだ作柄がわからないので、新しい要求は何もなしに去年と同額をただ機械的に乗せただけです、そういうふうにお話を承っているわけであります。 ここで一つだけ心配になりますのは、逆ざや解消ということをここで書いてあるわけでありますが、逆ざやということになりますと、生産者米価と消費者米価との差ということになると、生産者米価はもうすでに決まってしまっているわけですから、あと残るのは消費者米価をどうするのかということが残ってくるわけであります。このことについて臨調の答申から言えば、この差を縮めるということになれば、上げるよりほかないことになるわけですが、どういうお考えをいまお持ちですか。
○亀岡国務大臣 消費者米価につきましては、具体的にはまだ何も決めてございません。ただ、現在も御指摘のように相当な売買逆ざやが存在をしておりまして、食管の大幅な財政負担の要因になっておることは現実でございます。臨調から御指摘を受けておることも十分承知をいたしておりますので、今後、米の需給やあるいは物価及び家計の動向その他、その改定が生産、流通、消費など各般の面に及ぼす影響等を十分配慮いたしまして、総合的に判断して決めていきたい。したがって、現在のところまだ何も決めておりません。
○安井委員 消費者米価を一%上げるような腹づもりで作業が進んでいるとかという報道もありますけれども、そうじゃないのですか。
○亀岡国務大臣 現在のところそういう考えを持って作業をしていくというようなことはございません。
○安井委員 来年度の予算編成にかかわる問題でありますけれども、先ほど申し上げましたように、まだ作柄の実態等がつかまれていないからだと言われますが、いつごろまでに作況状況をつかんで、そして来年度の食簿会計やあるいは水田利用再編対策等についてのお考えをおまとめになるおつもりか、その時期はいつごろですか。
○亀岡国務大臣 十月十五日現在の作況指数は近く公表することができると思います。それらをにらみ合わせまして、来年度の予算編成作業時点までにはきちっと方針を決めたい、こう考えております。
○安井委員 それに関連してでありますが、水田利用再編対策では、第二期の計画は六十七万七千ヘクタール。ところが五十六年度は、昨年の冷害凶作の状況を踏まえて米の生産調整、いわゆる減反割り当てを四万六千ヘクタールぐらい減少しているわけです。ところが、ことしもまた北海道の大水害、それから総理、岩手県なんかもあるようですね。青森県やその他冷害がかなり深刻だという報道もあります。これらの地域から、ことしも減反割り当てをやったのだから五十七年度も当然減少措置を講ずべきではないかという要求が強まっていると聞いておりますけれども、これについてはどうですか。
○亀岡国務大臣 結論から申し上げますと、慎重に対処していきたい、こう考えております。御指摘のように、北海道は水害、さらには東北は十五号台風といったように、その後の冷温の継続というようなことで、九月十五日現在よりも相当ひどい結果が十月の調査によって出てくるのではないかというような予想もしておるところでございます。 しかし、これらに対しましてはそれぞれ十分なる配慮のもとにすでに対策を実行をいたしておるところでございますので、来年度の減反も五十六年度と同様にやるというようなことまでは、いまのところ考えておらないわけでございます。五十六年度の軽減措置は、昨年の冷害が全国的かつ未曽有の災害であったということ、それから転作三年計画の初年度を決めるということで、大幅な転作面積の増加、十四万二千ヘクタールも昨年一遍にふやさなければいかぬというような、二期対策の発足という年でありましたというような特殊な条件下に、五十六年度限りということで行った措置でございます。転作の推進は避けて通れない課題であり、各地ともすでに配分済みの第二期目標のもとで転作に取り組んでおるわけでございますので、期の途中の変更は転作の推進上適切でないというふうに考えておるわけであります。したがいまして、当初申し上げましたとおり、緩和措置は非常にむずかしい、こう考えておりますので、慎重に対処したいと考えております。
○安井委員 これは大事な問題でありますから、いま最後に慎重にとおっしゃいましたけれども、今後のいろいろな状況を見ながら十分な対応をしていただきたいと思います。 そこで、今度は防衛の関係に移りますが、その前に総理、軍縮議員連盟が原爆の写真展覧会を憲政記念館できのうまでやったのですが、総理はおいでにならなかったようですが、そうですか。
○鈴木内閣総理大臣 私は、憲政記念館の方には参りませんでしたが、先般、広島の原爆慰霊祭に参りました際に御案内をいただきまして、つぶさに拝見をしてまいりました。あの悲惨な原爆の事態を私、見まして、本当に心の痛むことが強く、また、平和への決意をさらに新たにいたしたような次第でございます。
○安井委員 ほかに閣僚ではあそこへ行かれた方はおられませんか。何か新聞を見ると奥野さんが行かれたとか一ああ、そうですが、さすが奥野法務大臣だと思います。しかし、御答弁をいただくとまた問題が起きるといけませんから、答弁は求めません。 いずれにしても軍縮、それから特に核の恐ろしさを唯一の被爆国として世界の人たちに訴える資格を持っているのは日本だと私は思います。そういう意味合いで、ああいう場合には閣僚の皆さんも、奥野法務大臣のようにもっとどんどん行っていただくということをこれからもお願いをしておきたいと思います。 そこで、そういうような状況の中で、どうも行革の名のもとに七・五%の高いシーリングを防衛予算が与えられて作業が進み、そして、この前も明らかにされましたように、自衛隊の人件費まで含めれば九・九%ぐらいになるのではないかということであります。そういうわけで、この委員会でも大蔵大臣は、いや、九・九どころか七・五でも抑え込むのだというようなお話をされていたわけであります。防衛庁長官は、その七・五というのはミニマムなのか、それともシーリングなのか、一体どう理解されているわけですか。
○大村国務大臣 お答えいたします。 防衛庁といたしましては、昭和五十七年度の概算要求を五十六年度に対しまして七・五%増の要求を出しているところでございます。これを提出しました理由は、現下の国際情勢等から見まして、必要最小限の防衛力の整備を図るための経費を盛り込んだつもりでございます。御指摘の人件費の問題は、シーリング策定当時は人事院勧告も出されておりませんので、対象にしておらないわけでございます。したがいまして、防衛庁といたしましては、現在要求しております概算要求の実現を期して今後とも対処していく、そういう考えでおるわけでございます。
○安井委員 そういたしますと、人件費はこの外枠だ、七・五プラス人件費——人件費といいますかベースアップ費用といいますか、そういう御理解であるということですね。
○大村国務大臣 人事院の勧告の取り扱いにつきましては、政府内部で現在検討中でございます。私どもの提出いたしました概算要求は、これを含んでおらない次第でございます。
○安井委員 大蔵大臣のこの前からのお話は何度も伺っておりますけれども、同じなんですか、お考えは。
○渡辺国務大臣 七・五%はシーリングでございます。したがって、それ以下に圧縮されることもあり得る。 問題は人件費の問題でございますが、この人件費は、先ほども言ったように、仮に五・二三を認めるとすれば、全体で四千億円以上の金口になる。それを私はゼロシーリングの中に封じ込めたい。したがって、どこかの事業費を切るか、他の部分を切ってでもやりたい、こういま思っておるわけです。しかし、これは防衛庁だけの問題ではございませんので、全省庁みんな一律に扱わなければならない。ある省は外枠、ある省は内枠というわけにはいかないだろう。したがって、幾らにするのかということも決まってないわけですから、押し込められる程度のものになれれば一番いいわけでありますが、それらを含めて全体的に決まっていない。私の念願としては、なるべく内枠の中に全部押し込めたいというのが財政当局の願いでございます。
○安井委員 それでは、総理はこの両大臣のお話をお聞きになって、これは大分違うわけですよ、外か内かで、シーリングかミニマムかで。総理としてのお考えを伺います。
○鈴木内閣総理大臣 防衛庁長官、大蔵大臣の言っておりますことは、別に違っておるわけでもございません。防衛庁の概算要求というのは人事院勧告前のことであって、それには織り込んでないということをそのまま申し上げておる。大蔵大臣は、人事院勧告をどのように扱うのか、それは自衛隊の問題だけではない、全体としての公務員のベースアップ等をどうするか、こういう問題であって、財政当局としては、シーリングの中にそれをおさめるようにしたい、こういう考え方を述べておるわけでございます。 現在はシーリングの段階でございまして、いよいよこの暮れに五十七年度予算の編成ということに相なりますので、私は、総合的に、その後における税収その他を判断いたしまして結論を政府として出したい、こう考えております。
○安井委員 そういたしますと、財政当局が予算を組むわけです。ですから、そちらの方の考え方で大体結論をお出しになるということですか。
○鈴木内閣総理大臣 これはシーリングの枠内で来年度予算というものを何とか編成をしたい、そして財政再建の目標に向かって前進をしたい、このように考えております。
○安井委員 財政再建が至上命題だということを一つの前提に置いて取り組まれるということですね。 そこでちょっと、防衛庁から、私の方から、五十八年度以降の主要装備の後年度負担の見積もりについて資料を要求していたのをお出しいただいたわけであります。これによりますと、増員は、逆に艦艇や航空機が減ることによっての減員もあるものですから、プラスマイナスして総計六百人がふえるというわけですが、これは五十六年度までの予算にのったものの後年度負担ということなんですね。これだけでも、いま人員においては六百人ですか、それから所要経費の見積もりは十一億円余り、そのほかに後年度負担の支出予定額が五千五百二十一億円、こういうことになっているわけですね。五十六年度以前だけでもこんなにあるのですね。そこへもってきて五十七年度の今度の概算要求がそのまま認められるようなことになれば、恐ろしい数字がこの上に重なってくるということになるわけであります。したがって、防衛庁が要求している概算要求のこの予算をそのまま認めるというようなことになると、財政破綻はもうさらに極に達するということになるのではないかと思うわけであります。大蔵大臣のお考えは……。
○渡辺国務大臣 わが国といたしましては、外国との関係で国際的責任の分担は、これはやるべきものはやっていかなければならない。しかしながら、これにも限界がございまして、やはり予算というものがありますから、財政の中でしかできない。したがって、財政が破滅するようなことでは結局は長続きしないわけでございますから、やはり財政の枠内において可能な限り分担すべきものは分担する、そういう考え方でございます。
○安井委員 ですから、後年度負担は想像以上にふえていく、そのことが財政に大きな影響を与えていくというようなものについては、今度の概算要求の中でもきちっと対応していくというふうに受けとめてよろしいですね。
○渡辺国務大臣 後年度負担が極端にふえる、そのために財政上非常に困るということはやはり困るわけでございますし、やはり財政とのバランス、他の経費との整合性、こういうものは十分調整をしてやらなければならない。特に後年度負担がある年度に集中するというようなことでは、ほかの予算は全部だめになってしまうということもあり得るわけですから、そういうことはできるはずがない。したがって、全体のバランスを見て予算の編成は行っていきたい。したがって、そう極端なことはできないですよ。ちゃんと全体のバランスがとれて、しかも日本の防衛上必要最小限度のものは着実に守っていくという方針でございます。
○安井委員 小林委員が関連がありますので、ちょっとかわります。
○海部委員長代理 小林進君。
○小林(進)委員 大臣にお伺いいたしたいと思いますが、いまこの行革に上程をされている法律案が三十六でございますが、その中で厚生省が三つ、文部省が三つ、農水省七つ、大蔵省三、自治省八、運輸省三、国土庁五、通産省一、建設省二と、若干の違いがありますが、これぐらい各省所管の法律案が一括してここへ持ち込まれたわけでございますが、いま申し上げましたそれぞれの省には、その省をこの国会で主管して扱う常任委員会が全部あるのであります。しかも、いま申し上げましたこの三十六の法案は、それぞれの常任委員会で、長きは数十年にわたり、短きは数年にわたり、それぞれの専門委員が血を吐くような研さんを重ねてきた歴史があるのであります。その歴史があるにもかかわらず、一体皆さん万はなぜその常任委員会を無視して、一括して特別委員会で審議をするような方式をとられたのか。いま申し上げました大臣の中から、どなたかひとつ代表してその理由を申し述べていたたきたい。——あなた、だれ。
○中曽根国務大臣 行管庁長官です。
○小林(進)委員 行管庁長官の名前は、私は各省の中に入れなかった。入れてないはずだけれども、やっぱりのこのこ出てきたくなったの。それでは伺いましょう。
○中曽根国務大臣 私、この法律の担当を命ぜられておる担当大臣でありますので、御答弁申し上げます。 この法案の内容を点検していただきましておわかりと思いますが、三年間の財政再建期間にみんな一括して同じ性格を持たしてあります。それから、国庫金の調整あるいは負担軽減等々に関する内容におきまして同じような性格を持っております。こういうような関係からいたしまして一括法としてこれを提出したものでございます。 その背景には、七月十日の第一次臨時行政調査会答申がございまして、その臨時行政調査会の答申を受けた当面の措置として行われる、こういう背景がございまして、それを受けて行われるという点においても共通の性格は持っております。そういうような関係から一括して提出した次第でございます。
○小林(進)委員 これは後でも申しましょうが、調査会、審議会と行政、立法府との関係、同時に、これも後で言いますけれども、いまも言うように、こういう行政府と立法府の権限の問題、これは重大な根本的な問題ですよ。でありまするから、私はあえてわが党の貴重な時間を割愛して出てきのでありまするけれども、八月二十五日の閣議で、こういう特別委員会をつくって、それぞれの三十六の法案を、いままで審議をした常任委員会を全部無視してこの特別委員会へ入れるということを決定しておる。閣議でありまするから、これは皆さん方関係大臣が全部これに賛成したことになるのであります。どういう意味で賛成したのか、私は関係の閣僚に聞きたいと言っている。行政管理庁長官に聞いているのじゃない。なぜ一体あなた方は賛成されたのか。いままでは常任委員会で、文部省は文教委員会で法案をちゃんと審議してきたのだ。それを文教委員会というものを無視してこの特別委員会へ持ってきた。一体その理由はどこにあるのか。それをだれかがひとつ代表して言っていただきたい。閣議で決めたのだから、八月二十五日の閣議でそれぞれの大臣がやはり肉情を持って賛成されたと私は思う。その理由を聞かせてもらいたいと思う。一番法案の多いのはどこだ。自治省だ。国土庁は五つ、自治省の法文は八つも入っている。安孫子君、どうだ、ここへ来て。あなたのいわゆる地方行政委員会でいままで審議をしてきた八つの法案を、それを無視してここでやることになぜ閣議で賛成したのか、その理由をひとつ言ってもらいたい。
○安孫子国務大臣 この問題は、臨調の答申に基づくものでございます。それからまた時限立法でございます。そしてまた内容も補助金等々の性質の同じようなものでございます。したがいまして、一括処理することも適当であると考えて賛成をいたしました。
○小林(進)委員 そこでぼくは言いたいのだ。この閣僚の中をながめても、君のように行政官から上がってきた閣僚もいれば、本当の政党人として立法府だけで半生を送ってきた閣僚もいる。行政官上がりというのはいつも君の答弁のような行政ベースの答弁しかできない。しかし、われわれ立法府というものは、立法府というものの権限を守るという重大な使命がある。本能もある。わが日本の新しい憲法は——旧憲法の時代は、国会というのは本会議が制度だった。本会議中心主義です。委員会というものは補助的存在であった。けれども、新憲法のもとにおいては常任委員会制度が中心なんです。終戦後の常任委員会というものを中心にして国会というものは動かされてきた。その常任委員会の権限を縮小したり常任委員会を無視したりして、あるいは時の都合によっては特別委員会をぽっぽぽっぽつくられるようなことをされたら、立法府それ自体の新憲法下における権限は、これは事実上無視される。でありまするから、これは重大問題なんです。 ですから、私は皆さん方に言いたいことは、ここにいらっしゃる皆さん方は行政府の各省の長官だ、責任者であるが、同時に、みんな立法府のメンバーでもあるのです。だから、皆さん方は二足のわらじを履いているから、行政府の長として、行政が赤字だからさっさと手やすく赤字退治もやりたいというふうに一括して法案を審議するという気持ちにもなろうが、やはり一方は立法府の議員という資格を持っているのだから、新憲法下における最高機関である立法府の権限も正しく守るという、そういう姿勢がなくちゃいけない。その姿勢を君のような行政官上がりはすぐ忘れてしまうのだ。いいですか。新憲法ができたあたりの議会制度には、初め常任委員会制度というものが明確に打たれておりました。国会法四十五条ですよ。いずれの常任委員会の所管にも属さない案件については、審査を要する場合に特別委員会を設けるというのが終戦直後の国会法のしきたりだったのです。常任委員会のどの委員会にも所属しないものだけを特別委員会を設けて審議をする、これが国会法のたてまえなんです。ところが、昭和三十年に初めてこの国会法が改正された。その改正のときに、各常任委員会に所属しない場合と、そのほかに、議院が特に必要と認めた場合には特別に特別委員会を設けて、そうして審議を付託してもよろしいというふうに改正せられた。その議院の特に必要と認める場合は無制限じゃないのだ。(発言する者あり)それを必要と認める場合にもちゃんと枠があるのです。勉強していらっしゃい。勉強もしないで不規則発言をするのはやめて。それを勝手に政府の都合でこういうことをやられたのでは困るから、八月二十五日の閣議で皆さん決定されたから、その内容を教えてくれと言うんです。これは立法府と行政府のあり方に対する重大問題、だから教えてくれと言うんです。(中曽根国務大臣「委員長」と呼ぶ)あなたに聞いているんじゃない。その各法案を持って、常任委員会にいままで付託してきてやってきた関係閣僚の一人に代表して答弁してくれと言っているんだ。あなたの方はないが……。
○中曽根国務大臣 八月二十五日の閣議で、特別委員会をつくってここで審議を願うということは決めておりません。八月二一五日の閣議で決めたのは、一括して法律として出す、そういうことは決めました。特別委員会をつくって審議するということは国会の作平でございまして、われわれは法案を一括して提出したまでで、それをどういうふうに御処置なさるかは各党が御折衝なさいまして、そして院議でお決めいただいたものでございます。
○小林(進)委員 時間がありませんから言いますけれども、あなたはちよいちょいうそを言う癖があるよ。あなた、八月二十五日の閣議の決定資料をここへ持っていらっしゃい。その中にはちゃんと臨調に基づく三十六の法案は(1)の中に含めてこれを一括して特別委員会に付託する、別の法務委員会のは臨調答申にないから、法務委員会に所属する供託金の無利子の問題と外国人登録法は三十六本と別に扱うという、ちゃんと八月二十五日の閣議にあるじゃありませんか。あるのです。その扱い方も決めてある。特別委員会も決めてある。それをあなた見なさい。あなたと議論しちゃだめだけれども、あなたはちよいちょいそういう威勢のいいうそをおっしゃるからだめなんです。私はちゃんと八月二十五日の閣議の決定事項を見てきている。 そこで申し上げますが、私は時間もありませんが、議院が特に必要と認める場合ということについては、これはこの条文が成立したときに学者がこういうことを言っているのです。すべての事件はこれを常に常任委員会に付託するのが原則だ、特別委員会がみだりに設けられることは常任委員会制度を崩すことになる、国会法のもとでは特別委員会の設置はやむを得ない異例の場合に限るものとしなければならぬ、こう言っているのです。今日のこの場合が異例の場合ですか。しかも、特別委員会を設けなければならないという前例がありますか。このたびのこの三十六本の法律を付託したこの特別委員会は、終戦後今日のわが日本の衆議院にはない初めてのケースだと私は思っております。いかがです。 今度は行政管理庁長官にお尋ねしましようか。過去にはこういう特別委員会を持った例はありませんよ。これも私の調査だ。あなたがあるとおっしゃるならあるとおっしゃい。 〔海部委員長代理退席、委員長着席〕
○中曽根国務大臣 先ほどのお話で、八月二十五日閣議で決定してないというのは、調べてみましたらやはりそういうことはありません。特別委員会にお諮りするというようなことは越権のことでございまして、閣議ではそういうことは決めておらないのでございます。 それから、こういう前例があるかということでございますが、これは沖繩復帰に伴う特例法案の場合におきましても、こういう特別委員会で御審議をお願いしました。沖繩の場合にも各省に関係することが決められておるわけでございます。
○小林(進)委員 いみじくもあなたは沖繩とおっしゃった。その沖繩の特別委員会が、アメリカとの行政協定、返還その他沖繩という地域の問題もありましたから、確かに各省にまたがる法案をつくって御提出になりましたが、結果はどうなりましたか。参議院へ行きましたでしょう。参議院の議長は河野さんでした。河野さんは、こういうことは立法府としてあるべき姿じゃないと言って、ばらばらにされたじゃないですか。七つの法案にばらばらにして、それぞれのもとの委員会に付託をされて、継続になって、そして参議院に仕上げを受けた、こういう形になっている。さすがに河野さんという議長はりっぱだと私は思いましたよ。こういうような特別委員会をみだりにつくることは、常任委員会制度という終戦後の議会の本質を失うことなんですから、そんな安易なことでしばしば扱ってもらっては困るのです。だから、たった一つ言った沖繩もそのとおり、ちゃんと参議院において修正をされているというこの事実を、あなたはやはり正しく答弁をしてもらわなくちゃいけないですよ。それを言わないで、半分だけ調子のいいことを持ってきて小林進をごまかそうたって、そうはいきません。 そこで、特別委員会を設けるような形の場合には——まあこれは時間がありませんからやめましょうか——もっぱら国政調査を目的とする場合、これはロッキード特別委員会とか航空機特別委員会、あるいは各省庁にまたがる国政部分について、または沖繩のような一定の地域、こういうような問題については特別委員会を設ける。あるいは特定の案件の審査を目的とする、たとえて言えば皇室に関する問題だとか、選挙法に関する問題だとか、国家の将来に関する条約その他の問題だとか、日米とか日ソとか沖繩とか、こういうふうな特定の枠の中で例外を設けて特別委員会で審査して、常任委員会制度という新憲法の精神を断じて傷つけないように、むしろこの権限を幅広くするように持っていっても狭めるような方向へ、いやしくもあなただってここで三十何年も飯を食っているんだから、そういうことをちゃんと頭の中へ入れてやってもらわなくちゃいけない。昔は警察官だったろうけれども、それも余り長く飯を食ったわけじゃないんだろう、警察官の飯を。立法府の飯が長いのだから、立法府の権限を守るという気持ちでひとつやってもらいたいというようにお願いする。 そこで、時間もないから申し上げますけれども、どうですか総理大臣、こういう悪例を残さない意味においても、形だけでもいい、どうせ議会制度というのは形式を重んずるのが議会制度でありますので、形式を重んずる。(発言する者あり)形式ですよ。議会制度というものは形式、ルールを整えなければ議会制度は成り立たない。一番大事なんです。だから過半数というものも必要だし、やはり議会においては、数はわかっていても投票というものは、あんなのは投票なんかしなくたって数はわかっているんだけれども、やはり形式を重んじて投票して、多数、少数を明らかにする。これ皆形式です。(発言する者あり)まじめですよ。その意味において、この三十六法をいま申し上げましたそれぞれの常任委員会に一応返して、形式でありますけれども、半日でもいい、一日でもいい、審議をして、そして本衆議院を最終の仕上げをするというお考えはございませんか、どうですか。いわゆる常任委員会制度を尊重する意味においては、これは第一の問題です。どうです、お返しになりますか。
○鈴木内閣総理大臣 小林さんは長い議員生活をされておりまして、私も国会における大先輩として尊敬をいたしておるところでございます。しかし、この問題は、先ほども行管庁長官からお答えを申し上げましたように、審議の方法等につきましては国会に御一任をいたしまして、国会では議院運営委員会等で慎重に御検討の上でこのような方式でやろう、こういうことに相なった次第でございますので、私としては十分国会の権威に沿うものである、このように考えております。
○小林(進)委員 まあ総理大臣の御答弁ですから、これ以上総理に恥をかかせるようなことじゃいけませんのでなんですが、しかしこういうことは前例がないんですよ。いま中曽根さんはあると言ったが、ないんだ。だから、将来もこういうことは前例にしないという確約をやってもらえるかどうか。三年か五年たって政府の行政が間違って赤字になったからといって、そのたびに関係する常任委員会を全部休ませて、こんなふうに特別委員会を設けてさっさとやって、五千億円節約しますの、あるいは倹約しますのとやられたのでは、事実上常任委員会制度を空洞化する始まりなんですよ。どうですか、こんなことを将来またおやりになりますか。いいですか。あなたの方が多数決でもって詰めてきたからやったんだ。この点をひとつ。委員長どうですか。あなたも議会運営のベテランだけれども、こういうようなことをやって、行政が赤字になったからといって十も九つもの常任委員会を全部空洞化して特別委員会を設けられたのなら、これは常任委員会制度の否定です。将来はやりませんという一言、どうですか、総理大臣。総理大臣、いかがですか。御返答できませんか。
○鈴木内閣総理大臣 これは国会の運営にかかわる問題でございますから、国会にお任せいたします。
○小林(進)委員 私は、いまの答弁で満足しませんが、関連でございますからいま一問、私は申し上げます。 加藤寛先生、これは御承知のとおりこの専門委員でもあり、専門部会、第四部会の部会長でもある重要なこの行革のメンバーの一員であります。その人が発行せられたこの本の中で「行革は、国家機構の革命であって、改革などというなまやさしいものではない。」そこで、これを「成功するか否かは、どうやっていくかというプロセスと、それを実現するかという政治論なのである。」これからなんだ、問題は。「幸い、今回は、鈴木首相がやる気になり、土光会長が協力する以上、もし政治家がこれに協力してやる気を示さねば、選挙の時に財界からシッペ返しをされるおそれもあるというので行革の意欲はいままでにない高まりをみせている。」(「おかしい」と呼ぶ者あり)おかしいでしょう。おかしいでしょう。土光さんを行革の委員長にしたというのは、財界の巨頭だ。この人がにらんだら政治家は選挙のときにしっぺ返しを受けるから文句は言えないで、それが行革の出る力になるとおっしゃる。この点は他人が言うんじゃない。これは専門委員ですよ。この行革の専門委員がおっしゃる。おかしいでしょう。しかし、この点、われわれ社会党に関する限りは、土光さんににらまれて恐ろしいような者は一人もおりません。おらぬけれども、加藤専門委員がこう雷うからには、どっかにいらっしゃるのでしょう。どっかにいらっしゃるのじゃないですか。(「いない、いない」と呼び、その他発言する者あり)そこで……
○金丸委員長 静粛に願います。
○小林(進)委員 そこで、私は言い足りないのですけれども……(「もう時間だ」と呼び、その他発言する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○小林(進)委員 行革というのは——一体調査委員会とか審議会というのはどういうことなんだ。一体、行政とこの審議会、調査会との関係は、中曽根さん、どういうふうになっているのです。あなた方は、いわゆる臨調の報告は小骨一本抜かないの、あるいはこの言うことを拳々服膺して守りますの、なかなか国民の側から見ると、臨調というものは行政府やあるいは国会の何か上にあるような錯覚を思わせるような発言がある。一体どういうことになっているのですか。この点もひとつお聞かせを願いたい。この臨調と行政府との関係であります。
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会は政府の諮問機関でございます。いわゆる審議会の一種でございます。ただ、法律に、その答申を政府は尊重する、そう書いておりまして、法律的にも尊重する責任をしょっているということであります。
○小林(進)委員 もう時間が来ましたから、残念ながらやめますけれども、あくまでもこの行政の責任は、あなた方が責任を持って国会へ持ってきて、国民の負託を受けたわれわれが仕上げをするんだ。臨調などというものは立法府の上にあるような、そういう錯覚を起こさないように、十分発言を注意していただきたいと思います。 以上で終わります。
○金丸委員長 午後三時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後三時三十三分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。安井吉典君。
○安井委員 午前に引き続き、まず理事会等でいろいろ話し合われた事項を中心にいたしましてお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、厚生大臣からお答えをいただきたいわけでありますが、厚生年金その他の年金について国庫負担がカットされ、そのカット分については利子を付して繰り入れをしていくということのお話でございますが、それにつきまして、この段階で政府としての明確なお答えをひとついただきたいと思います。
○村山国務大臣 お答えいたします。 厚生年金それから船員保険の年金のカット分につきましては、法律にありますように、元本はもとよりその運用利子分も再建期間後、入れることには間違いございません。したがいまして、年金財政にはいささかの影響もございません。
○安井委員 その補てんについては必ず適切な措置を講ずるということでなければならないと思いますし、関係各省はたくさんあるわけです。それで、ともに協議をして、年金財政の安定を損なわないような措置が必要であると思います。地方公共団体の場合も同様に行うべきであると思います。したがいまして、これらの場合における返還計画をひとつ明示していただきたい。これはできれば大蔵大臣からお答えをいただきたいわけでありますが、厚生大臣と大蔵大臣との間の合意文書を取り交わすくらいの措置があってもいいのではないかと思うのですが、いかがですか。
○渡辺国務大臣 これにつきましては、保険財政を損なわないことを旨といたしまして、なおそのときに一括して払うか、分割して払うかというような問題については、元利を含めて財政事情を考慮して、お互いに無理のないようにして払いましょうということになっておるわけでございます。われわれとしてはなるべく向こうの御要望のように支払いをしたいと努力をするつもりでございます。
○安井委員 私は、なるべくというのは必ずと言いかえていただきたいということ、それから財政事情を勘案という言葉は除いていただきたいと思います。どうですか。
○渡辺国務大臣 それは法律に書いてあることですから除くわけにはまいりませんが、必ずお支払いをするということは申し上げて差し支えありません。
○安井委員 いまの御答弁では私どもは了承できません。この問題については後でまた触れたいと思います。 次に、文部大臣、に伺います。 公立小中学校の学級編制の標準に関する経過措置の特例についてでありますが、昭和五十五年度予算案の審議に際して、四十人学級などの改善計画について、自民党から三党に対し、「概ね三年後に、各般の状況を勘案し、その後の計画につき検討する」旨の回答がありました。しかしながら、財政再建に対する方針について臨調第一次答申が出されるなど、昭和五十五年当時から見ますと新たな事態が生じているということで、計画停止という形を政府は提起しているわけであります。私どもは、国会での審議経過もあることでありますし、あくまでも計画どおりに実行すべきであり、むしろ三年後に見直すということでお互いの当時の合意はさらに促進するということであったわけです。そういう形でこの問題の処理を要求したいと思います。いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 各党間のお話し合いもありました四十人学級の問題でございますが、ただいまお話がございましたように、特例期間中の調整の問題はございますが、しかし終期でございます六十六年度までに必ず計画どおりこれを完遂するということを大蔵大臣並びに総理大臣ともお話し合いを重ねておるところでございます。
○安井委員 もう一度確認いたしたいと思いますが、六十六年度達成という目標には何ら変わりがないというふうに理解してよいかどうかということが一つと、それからもう一つは、国会対策委員長会談におきまして、公党間の合意は十分に尊重したいと考えているという内容の自由民主党国対委員長の回答が私たちに届いているわけであります。このことも含めて確認していただきたいと思います。
○田中(龍)国務大臣 前段の問題はそのとおりでございます。 なお、第五次の改善計画につきましては、申し述べましたように、各党間の合意事項がございますなどの経緯のある事柄でございますので、行革関連特例法案に、特例適用期間中特に国の財政事情を考慮いたしまして、毎年度の改善措置を定める旨を規定することといたしまして、国会にその是非をお諮りいたしておるところでございます。
○安井委員 国対委員長会談の中身は、むしろ前倒しにしていくという含みを持たせた話し合いだというふうに聞いておりますが、どうですか。
○田中(龍)国務大臣 国対のお話し合いにつきましては、私どもは、本計画についてあくまでも既定計画どおりそれを完遂するということを考えておりますので、党と党との間のお話し合いの問題は、私の方といたしましては、現時点におきましては六十六年度達成という目標は何ら変わらないということで十分だろう、かように考えております。
○安井委員 社会党の私たちとしては、あくまで会談の中身は前倒しという意味を含んでいるというふうに理解をしている、したがって、いまの答弁は決して満足できるものではないということを申し上げておきたいと思います。 第三番目には、これも文部大臣の関係でございますけれども、臨調答申に基づく児童生徒の増加に伴う教職員の増員の弾力的対処という問題について、八日のこの委員会でもいろいろやりとりがあって、きわめて不満な内容でペンディングにしておいたわけでありますが、この問題についての文部省としてのお考えをお聞かせください。
○田中(龍)国務大臣 臨時行政調査会が、財政再建期間中、児童生徒の増加に伴う増員措置は弾力的に対処することによって大幅に縮減する旨の答申をいたしておるのでございますが、この趣旨を尊重いたしまして、昭和五十七年度限りの臨時的な特例措置といたしまして、昭和五十七年度の自然増の定数九千百二十人の約五%に相当する五百人の縮減を要求いたしておるところでございます。これはわれわれ文部省といたしまして、概算要求としてこの要求をいたしております。
○安井委員 湯山委員からの関連をお許しください。
○金丸委員長 湯山委員から関連質疑を行います。湯山君。
○湯山委員 ただいまの件につきましては、委員長のお計らいで、後日文部省から提起があったときに質問するようにということもございましたので、関連質問をいたします。 いま文部大臣の御答弁では、財政再建期間中、児童生徒の増加に伴う増員措置は大幅に縮減するという旨であった。文部省の答弁によれば、しかしこれは財政再建期間中ではなくて、自然増がなくなる昭和五十七年度限りの臨時措置だ、つまり財政再建期間中じゃなくて一年だけのもの、だという御答弁でしたが、間違いございませんか。
○田中(龍)国務大臣 私がお答え申し上げたとおりでございますが、なおさらに詳細な経過措置等が御必要ならば、政府委員をして答えさせます。
○湯山委員 では、事務当局にお尋ねいたします。 今回の自然増は九千百二十名、小学校はすでに自然減に入っておりますから、この九千百二十名というのは中学の教職員である、したがって、この五百名の縮減というのも中学の教職員だというように理解してよろしゅうございますか。
○三角政府委員 明後年以降は自然増がございませんので、したがいまして、弾力的に対処して大幅に縮減するということは、自然増については結果的にないわけでございます。 それから、ただいまの五百人縮減の問題でございますが、小学校の先生、中学校の先生が必ずしもぴったり固定しているものではないことは湯山委員に申し上げるまでもないと存じますが、これは県によりましてのいろいろな人事のやり方もございまして、そして両方の免許状を持っておる先生もたくさんいることでございますので、これをどのように措置するかにつきましては、各県においていろいろと工夫をしていただくということでございまして、必ずしも自然減が生じますところの小学校からだけというふうには考えておらないのでございます。
○湯山委員 いまのはちょっと間違っております。小学校だけでないというんじゃなくて、中学ですね。いいですか。
○三角政府委員 増員措置がございますのは中学校でございますから、縮減のこの考え方は中学校の先生からということでございますが、具体的にどういうぐあいにやりますか、定数そのものは各県に総数として配置いたしますので、その間の工夫はいろいろあり得るであろう、こういうふうに思うわけでございます。
○湯山委員 小学校は自然減に入っていますから、いま言われたように大体中学だということ、それはそうだと思います。 問題は第二の措置なんです。第二の縮減の方法についてですが、「実情に応じ、教諭等の担当授業時数の調整、」これはいいとして、「専科教員の兼務措置」というこの「専科教員」というのは、今度削減の対象になる中学には専科教員というのはあるのですか、ないのですか、文部大臣からお答え願います。
○田中(龍)国務大臣 ただいまお答え申しました中で、いま御質問の専科教員の問題でございますが、これはもともと中学校の教科というものは分科しておりますが、小学校の場合におきましては専科教員というものがあり得る、こういうことになります。(湯山委員「中学にはありませんね」と呼ぶ)はい。
○湯山委員 そこで、問題はここにあると思うのです。大体自然増は中学だけですね。そして、中学が削減の主な対象になると言いながら、その措置として「専科教員の兼務」とありますけれども、中学は教科担任ですから専科教典というのはないのです。どうやるのですか。幽霊を持ってくるしかない。 大臣、小学校は専科がありますが、中学校は専科がないのです。これは兼務はどこから持ってくるのでしょう。これは幽霊ですよ。
○三角政府委員 教職員の定数につきましては、公立の小学校及び中学校に置くべき教職員の総数ということで、これは両方を合体させたものを各都道府県ごとに私どもとしては割り振るわけでございます。 そこで、確かに委員のおっしゃいますように、増員があるのは中学校ではございますけれども、小中全体を見ていろいろな意味での調整を各都道府県が考えることができるわけでございます。でございますから、この全体のいろいろな調整の中で専科教員について兼務措置を図る、専科教員にいろいろな意味での余裕があります場合はそういう工夫もやることができる、こういうふうに考えておるのでございます。
○湯山委員 時間をとりたくないのですけれども、とにかく中学校には専科教員がいない。それに兼務さすというのですが、小学校にいるからといって、隣の小学校から兼務さすなんということはできないのですよ。そして原則は、自然増については削減するけれども、自然減はやらないと。小学校は自然減ですから、それは法律の文章でどうこうじゃなくて、自然増は中学、増の中から五百引いておるわけですから、これは中学ですよ。それを持ってきて、いない専科教員に兼務さすといったって、これは幽霊にやらすということはないし、お隣の小学校から借りてくるといったって、そんなことじゃ兼務になりません。これは全然だめです。
○三角政府委員 これは小学校、中学校両方の定数は総体として県で扱うということでございますので、いろいろな工夫、調整の中ではあり得るということを先ほど申し上げましたが、小学校の教職員は、全国的には明年確かに減になるのでございますが、都道府県によりましては、なお小学校について増のある都道府県もございますので、そういった県の場合には幽霊ということではなくて、実体のあるものについての工夫ということが成り立ち得るのでございます。
○湯山委員 これはとんでもないです。最初に確認したのは、この再建期間というのは三年ある、しかし自然減には手をつけない、そこで一年限りだというのを確認したのはそのためなんです。そうしたら、小学校は自然減ですから当然対象にはならない。どうせこの五百というのは、中学の一万以上あるのを小学校の減で補って九千幾らになっておるのですから、これへ手をつける、これはもうさっきそうだと言われたとおりです。 それでは、それをどうするか。専科を兼務さすといっても専科はいない。小学校に専科はいますけれども、余っておるのがあったにしても、それと兼務にするなんということはできっこないですよ。これは全然答弁にならない。これではちっとも安心できません。最初の原則を忘れたらだめなんです。これはちょっと委員長、おわかりのごとく幽霊を持ってくるような答弁で、これじゃ……
○金丸委員長 三角局長、はっきり納得のいくように説明するのがあなたの役ですよ。
○三角政府委員 自然増九千百三十人というのは全国的な全体の状況で、各県でどれだけ増の県があり、どれだけ減の県がある、それの総トータルでございます。そうして総トータルとして中学校は増、小学校は減になりますが、小学校の減というのは、減になる県と増になる県がございます。ただし減になる県の方が多うございますから、千何百人という全体の小学校としての減のトータルが出るのでございますが、数県においてなお増になる県がございますから、そういうことを考えますと、そういう場合には、それは冒頭の御質問に、中学校を主体として私どもは五百人というものを考えたと申し上げましたけれども、委員の論法によりましても、小学校について増のあるところについて、いろいろまた調整、工夫するということはここで出てくるわけでございまして、私どもは一つの縮減の工夫をする場合の例として申し上げておるのでございまして、必ずしもこのやり方一本でやるということでもございませんが、こういうやり方をするということも当然都道府県の教育委員会としては考えることはできる、こういう意味で言っておるわけでございまして、そのほかのいろいろな工夫ということをやってもらうということも必要なわけでございます。
○湯山委員 お聞きのとおりちっともわからないのですが、いまの言い方だと、五十七年度以降も県によって増のところもある、減のところもある、増のところをまたやるなんて大蔵大臣言いやせぬでしょうけれども、これはもう全然いまのは答弁になっていませんから、私は一応……
○金丸委員長 湯山さん、継続で、あなたの質問はぼつぼつ終わりのようですが、まことに恐れ入りますが、三角君と十分よく話し合って、そして三角君に明快な答弁ができるように、後刻やるということで御了承願います。
○湯山委員 承知しました。
○安井委員 どうも季節外れの幽霊は困りますから、こんなようなやりとりでは、私どもはこの問題については納得できないということをひとつ明確にしておきたいと思います。 それから第四は、国民健康保険、児童扶養手当、特別児童扶養手当の都道府県への負担転嫁の問題でありますが、厚生省のこれまでいただいていた答弁は全く納得できないものであります。その後の経過の中で別な見解が出たかどうか、それを伺います。
○村山国務大臣 この点につきましては、しばしば申し上げましたように、厚生省といたしましては、厚生省の分野全体を見直しまして、初めからもし制度をつくるとしたらどういう制度が一番適当であったであろうか、こういう意味で提案いたしたわけでございます、もう繰り返しませんけれども。しかし、同時にこれは財政問題にも関係いたしますので、臨調の答申にもありますように、それが明らかになります予算編成のときに、財政当局を含めて両省間で十分詰めて合意を得たい、かように考えておるものでございます。
○安井委員 自治大臣に伺いますけれども、このままで強行されるというふうなことになれば、地方財政法違反のおそれが出てくるということも、この問指摘済みであります。最終段階までいろいろ詰められると思うわけでありますが、自治大臣としてのお考えもこの際伺います。
○安孫子国務大臣 お尋ねの一点で地方財政法の関係がございましたが、これは改正をしなければこの制度はできない、こういうふうに私どもは考えております。 それから、国民健康保険の一部の府県負担でございますが、これは非常に理論的にも実際的にも、また地方財政の現状から申しましても、私どもはそういう制度はとるべきじゃないという考え方を持っておるのであります。いま厚生大臣からお話し申し上げましたとおり、この問題は、年末における予算編成の過程におきまして、財政の問題も関係をいたしますので、厚生並びに自治、大蔵の三省間におきまして結論を出したい、こういうことで努力をいたそうと考えておるところでございます。
○安井委員 この問題は、各都道府県のいろいろな調査によりましても、たとえば栃木県もこれだけで三十五億円負担がふえるのだそうです。和歌山県も四十億円ふえる、広島県は五十五億円ふえる、こういう大変なことなんですよ、自治体にとっては。それは県だけじゃなしに、地方の自主財源そのものに食い込むわけですから、市町村にまで全部地方交付税がそこへ行く分だけ減るわけですから、みんなにかぶされてくるわけで、いわば国と地方の財政秩序をここで大きく曲げてしまうという重大な問題であります。そのことを十分踏まえた解決がなければならぬと思うのですが、自治大臣、もう一度お答えください。
○安孫子国務大臣 この問題は、地方財政にとりましてきわめて重大な問題でございます。したがいまして、各地方自治団体も非常な反対の意見を述べております。また、地方制度調査会等におきましても、これに対して反対の意思の表明があるわけでございます。 そういうことを踏まえまして、自治省といたしましては、私どもの考えを各省においても十分了承していただきまするように、年末にかけて最大の努力をいたす考えでございます。
○安井委員 総理、これはいま自治大臣からもお話がありましたけれども、きわめて重大な問題に発展する可能性もあることであります。総理としてのお考えも、この機会にやはりしっかりお聞きしておきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 来年度予算の編成の段階におきまして、厚生、自治、大蔵財政当局の三省間で十分詰めまして、政府として国民の皆さんにも、また地方団体等においても御協力いただけるような結論を出したい、このように考えております。
○安井委員 五番目は、住宅金融公庫の貸付金利の特例に関する点でありますが、十三日の委員会において中村茂委員の指摘した事項がございます。建設省の事務当局の発言と大臣の発言との違いというような点でやりとりがあったわけでありますが、この際明らかにしていただきます。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 去る十月十三日の当委員会において中村茂委員からの御質問がございまして、私の当委員会の発言と事務当局の国会内の発言が食い違いがあるのではないかということでございまして、その折、調査いたしますと申し上げたわけでございますが、その結果、当臨時国会に行革関連特例法案を提出いたしておりまして、住宅金融公庫貸付金利の弾力化を図ることとしておりますが、建設省事務当局の国会内での発言の趣旨は、本法案制定後、政令策定段階において、所管省としては、公庫貸付金の社会的必要性に配慮をし、慎重に検討したい。その際、最近の住宅建設の状況等にかんがみ、できればその根幹を維持したいとしたものでありまして、私の当委員会での質疑に対する政令策定段階で社会的、経済的必要性と財政負担の調和に配慮をする旨の発言とは、食い違っておらないと考えております。御理解をいただきたいと思います。
○安井委員 二つの発言が同じものだとすれば、その根幹を維持したいということを建設大臣も確認されたということになるわけです。そうなりますと、五一五%をそのまま維持したいというそういうことだと思いますが、そのとおりでよろしいですね。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 ずばり五・五%維持という明確な御答弁を私から申し上げるという環境にございません。いろんな幅広い意味の根幹でございまして、法案の中で政令の策定においてそうしたことで対処してまいるということでございますので、そこはひとつ大所高所から御理解をいただきたいと思います。
○安井委員 いまの御答弁は、ここで五・五%維持とは言いかねるが、それは環境云々というようないろいろな回りくどい表現ながら、いまのままでいくんだというふうに受けとめていいと思いますよね。これは委員長も同感だと思いますよね。どうですか、建設大臣。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 こういうときの答弁は、どのような発言をしていいのか、いささか困惑いたしておりますが、とにもかくにも十分先生おわかりで、御理解いただいておられると思います。ひとつよろしくお願いいたします。
○安井委員 それじゃ、いまの段階では、建設大臣の言外の意を察して、そのとおりやっていただくことで了承します。 六番目には、未竣工工事の竣工の問題につきまして、これは横山委員の指摘があったわけであります。この問題につきまして、これはどこでしたか。建設省ですね。(「自治省もそうだ」と呼ぶ者あり)自治省と建設省における御措置の内容について伺います。——会計検査院か。
○金丸委員長 会計検査院は来ておりません。
○安孫子国務大臣 はっきり私いま理解脅しなかったのですが、米竣工の繰越工率の問題でございますか。——繰越工事というものは、繰越明許をすることによってそれはできるわけでございます。そういう措置を十分に考慮すべきだろう、こういうふうに思っております。(「しないことだ」と呼ぶ者あり)しないことはよろしくないことでございまするから、これはぜひ繰越明許をとってやるようにいたさなければならぬ、かように指導いたしたいと存じます。(発言する者あり)
○金丸委員長 番外の答弁は要りません。
○安井委員 この問題については、法律的な措置をすれば問題ないわけで、おっしゃるとおりですね。ですから、必ずできるようなそういう簡易な措置をやはり考えるべきではないかと思います。その措置を明確にきちっと、簡易な措置でもやれるんだということさえしておけば、これに違反する人は厳重な処罰をする、こういうことでいいと思います。いまなかなかややこしいようですね。その辺の配慮をぜひやるべきだと思いますが、どうですか。
○安孫子国務大臣 それはやはり建設省等におきまして繰越明許の手続の簡素化というようなものを考えることによりましてこの問題は解消すると考えておりますので、自治省といたしましても、建設省あるいはその他の公共事業施行官庁に対しまして、その点についての配慮を特にお願いしたいと考えております。
○安井委員 次に、老人保健法の問題に関連いたしまして、日本医師会の議事録問題がこの委員会で出ています。この問題につきまして、厚生大臣の御処置を伺います。
○村山国務大臣 老人保健法案は、いま衆議院社労委で御審議を願っているわけでございまして、厚生省といたしましては、あの法案で出しておりますものが厚生省の案でございます。日医等でいろいろの記事があるやに伺いましたが、厚生省は全然関知していないということをはっきり申し上げます。
○安井委員 それじゃ、医師会の理事会ですか、その議事録の方に習いてあるので問題なんですね。厚生省の方にはないかもしれませんけれども、向こうの議事録の取り消しを明確にすべきではないですか。
○村山国務大臣 新聞にいたしましても何にいたしましても、いろいろな報道がうかがわれるわけでございますので、それを一々取り消し要求をするというつもりはございませんし、私が申し上げておることを御信用願いたいと思います。
○安井委員 それでは満足できません。ぜひこの問題は、もっとみんなが納得ができるような措置を講じていただくことを要求しておきます。 次に、問題はまだたくさんあるわけでありますが、児童手当の問題についてちょっと触れておきたいと思います。 あの条文には、今後手当の制度について検討するという内容になっていたようでありますが、それはあくまで存続をするという方向で行われるべきだと思いますが、どうですか。
○村山国務大臣 この点も、私からもまた総理からもしばしば明言いたしておりますように、存続を前提として検討さしていただく、こういうことでございます。
○安井委員 さらに伺いますが、各種の年金についてスライドを約半年下げて実施するというような予算要求を厚生省はなさっておられるようでありますが、それぞれの年金について五十六年度よりもどれだけずらせるのか、その内容をちょっとお話しいただきます。
○村山国務大臣 これは理由についてはもう申し上げたので、御質問だけにお答えいたしますが、厚生年金につきましては法律どおり十一月施行、それから国民年金につきましては一月施行ということでございます。したがいまして、今年の例で言いますと、厚生年金は六月、それから国民年金の拠出年金は七月、福祉年金は八月でございますので、それだけ繰り下がるわけでございます。
○安井委員 いま厚生年金、福祉年金の問題までお話しになりましたけれども、これらの人たちは、物価の値上がりの中で苦労をして、一日も早く生活が安定できることを願っているわけです。いままで国会でもいろいろ論議の結果、予算委員会で修正とかなんとかでようやく半年ぐらい法定よりも早めてきた、そういう経過があるわけですけれども、それを一挙にして半年ずらせる。少なくも半年の間は泣きなさい、これが行革の犠牲なんですよと、行革というのは痛みを知るべきだと総理は言われるわけでありますけれども、お年寄りにそこまでの痛みをしょわせなければならないのかという点に私たちは大きな疑問を感ぜざるを得ないわけであります。 そしてまた、恩給だとか、それからその他の公務員の年金等でありますが、それらについては何ら言明がありません。きのう臨調の方の話を聞きましても、新たな措置はいけないけれども、物価スライドを認めないというわけではないのだということを言うわけでありますけれども、その点についての解明が全くないわけであります。恩給は総理府ですね。それから各種の年金は、まあいろいろありますけれども、軍人が二百三十二万人、文官が十五万人、私学の年金が四万人、農林年金が九万人、国家公務員の年金が三十七万人、地方公務員の年金が七十三万人、三公社が三十六万人。軍人を除いても、百六十万人の人の生活がかかっている問題だと思います。これは総理府総務長官と大蔵大臣ですね。お答えください。
○中山国務大臣 年金問題につきましては、公務員の方々の老後の生活に大きな柱になるということで、政府といたしましても重大な関心を持っております。 なお、厚生年金は物価スライド制を道守入しておりますけれども、共済年金、恩給等は公務員の給与の引き上げ率を基準にして積算する、こういう従来の経緯がございますので、今年度もそのような扱いをさしていただいております。
○渡辺国務大臣 各種の年金は、現職の公務員とのバランスに配慮して、予算の編成過程で適正に対処してまいりたいと考えます。
○安井委員 そうなりますと、いよいよもって、人事院勧告の国家公務員給与法の改正法案を政府は一日も早くお出しになって、それとのかかわりにおいてこの問題の解決が必要だ、こういうことになりますね。そういうお運びを願いたいわけであります。 それからもう一つは、給与の方が引き上げということになった場合に、それらの年金の引き上げ時期はいつというふうにお考えですか。
○中山国務大臣 お答えいたします。 来年度の恩給につきましては、今年度の概算要求方針を立てるときに、五十六年度のベースアップ分の平年度化の分と一般の経費というものを計上して、大蔵省に概算要求をいたしております。この公務員給与の引き上げ率が決定をされる、こういう決定を見ました後、年末に来年度予算の詰めをいたす際にそれで交渉をさせていただきた一い、このように考えております。
○安井委員 そうしますと、いつからスライドさせるかということについてはまだお考えになっていないわけですね。その点が、先ほど国民年金等の六カ月バックが問題だということを私は申し上げているわけでありますが、それとのかかわりでお考えになる気なのかどうなのか。
○中山国務大臣 その点に関しましては、給与関係閣僚会議の最終決定が出ました時点において、政府としても取り扱いの方針を決定させていただきたい、このように考えております。
○安井委員 いずれにいたしましても、お年寄りの生活を確保するというこの問題に関連して考えていただかなければならないと思います。それだけに、総理、八〇年代は老齢者社会だ、こう言うのですけれども、これはもうその目先の、当面の課題です。お考えをひとつ伺います。
○鈴木内閣総理大臣 いま厚生年金その他、所得保障関係の問題につきましてのお話がございました。この点につきましては、政府としても十分配慮をいたしておるところでございますが、財政事情その他いろいろの事情を総合的に勘案をいたしまして結論を出したい、このように考えております。 なお、公務員の給与の問題につきましても、先般来申し上げておりますように、この税収その他のめどがつき次第、できるだけ早く誠意を持ってこれに対処していく考えでございます。
○安井委員 いつも同じ答弁ばかり伺うわけでありますけれども、ひとつ速やかな決定を、給与の方は次の国会でいいのだというような、そういうばかげた考え方でなしに、この国会中に必ず処理をするということを要求しておきたいと思います。 次に、地域特例のかさ上げの問題でありますが、六分の一カットに対する財源補てん、このことにつきましては、たしか、まず地方債を認め、その元利償還金を地方交付税で見る、そして地方交付税の穴を臨時地方特例交付金で補う、こういうふうな方向でお話をいただいたと思いますが、そのとおりですか。
○安孫子国務大臣 そのとおりでございます。
○安井委員 臨時地方特例交付金が必要額の二分の一しか入らないわけですね。そうなりますと、勢い、関係の都道府県や政令都市に対する地方交付税措置も、必要額の半分しか措置されないというようなことになるおそれが十分あるのではないかと思います。やはり穴があいた分の総額を、つまり地方債の要償還額の総領を臨時地方特例交付金できちっと見るべきではないか、こう思うのですが、どうですか。
○安孫子国務大臣 特定の県やその事業を執行する政令都市だけにそれを措置するということではございませんで、交付税全体でもって措置をいたしますから、そういう御懸念は私はないと考えております。
○安井委員 いずれにいたしましても、この法令にありますところの財政金融措置を完全補てんという立場で処理されることを要求しておきます。 もう一つ、育英奨学金の問題について伺います。これはたしか戦争中にできた制度ではないかと思いますけれども、無利子で、そして償還免除も含まれている制度であるわけでありますが、臨調の指摘もあって、それをこのとおりやれば、これらを廃止して銀行ローンと変わらない形にしてしまうということになるおそれがあるわけであります。長い間国民になれてきた仕組みであり、日本の教育制度はこれを基礎にして今日まで成り立ってきたと言っても、言い過ぎでないぐらいであります。 とりわけ憲法の二十六条の規定に基づいても、能力のある人はその能力に応じてということになるわけですが、これが利子を払えとか銀行ローンと同じようなことになれば、力のある人だけが学校に入るということになるわけですね。そうなりますと、これが問題で、金持ちが医科大学や歯科医科大学に入るだけのことになってしまうというおそれがあるわけであります。文部省は、今度の予算要求の中では従来どおりの要求の仕組みをされているようでありますが、その点、いかがですか。
○田中(龍)国務大臣 この問題は教育の根本に位する非常に重大な問題でございまして、世界各国の場合には給費制度が基本でございますが、わが国の場合は貸与制度をとっておる、こういうことでございます。 本件につきましては、なお高等教育に対する助成等もこれあり、関連するいろいろな重大な問題がございますので、これはぜひとも関係方面の意見も十分に聴取いたしまして、昭和五十七年度の概算要求におきましては、そのために調査研究費を要求いたしております。 なお、五十七年度の概算要求におきましては、政府貸し付けといたしまして九百十八億円を要求いたしておるところでございまして、なお本件につきましては十二分に今後ともに審議を重ねてまいりたい、かように考えております。
○安井委員 大蔵大臣、文部省の要求はいまのようなことでありますが、それで大体決着がつきますね。
○渡辺国務大臣 これは、これから予算編成にかけてよく話し合ってまいりたいと考えております。
○安井委員 やはり中曽根長官がこの委員会の主役だそうですから、最後に一つ伺います。 情報公開、オンブズマン制度等の問題であります。答申を待っているというようなお話でありますが、それは一体いつごろになるのか。待っているうちにどんどん時期がずれてしまって、気がついたらもう終わってしまったというようなことになりはしないかという心配を私どもは持っているわけであります。臨調がたとえ出さなくても、これは政府自身だってお出しになることができる問題だと思います。ひとつ明確な決意を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 情報公開制度とオンブズマン制度は、われわれがこれから試みなければならない重大な制度であります。したがいまして、行政管理庁といたしましては、臨調発足前から重大な関心を持って検討を加えてまいり、あるいは調査団を出したりしてまいっております。発足後も引き続いていま検討を加えておりまして、できるだけ速やかにわれわれ自体の考え方というものをまとめてみたいと思っております。臨調の方はまた臨調独自の線でおまとめになると思いますが、われわれの方といたしましても大いに急いで努力したいと思っております。
○安井委員 とにかく急ぐ仕組みをおつくりにならないとずるずるになってくるおそれがあると私は思います。しかもその中身は口で言うようなことにはならぬのではないかと私は思います。それぞれの各省の、防衛庁は防衛庁、外務省は外務省というふうに情報公開等の問題については問題が出てくるわけですから、よほどの決意を持って臨んでいただかなければ、これは問題の解決にはならぬのではないかと思います。重ねて決意を伺います。
○中曽根国務大臣 御趣旨を体しまして一生懸命努力をいたします。
○安井委員 臨調の第二次答申をめぐってのいろいろな作業の中で私ども気になることが大分あります、そういう報道の中で。その一つは、防衛庁を防衛省ですか国防省か知りませんけれども、省に昇格をするというような言い方が一つあります。これは行政の簡素化に逆行するものだし、われわれがきょうも午前中言いましたけれども、平和を目指す、そういう方向にも逆行するということになるのではないかと思います。防衛庁の方でそういうふうな働きかけをされているのではないかという、そうではないと思いますけれども、そのお考えをひとつ伺いたい。 それからもう一つ、これは自治大臣でありますけれども、道州制ということがこれもまた臨調の中の話題になっているようであります。自治大臣のお考えもこの際伺っておきたいと思います。
○大村国務大臣 お答えいたします。 防衛庁の省昇格について臨調でどのような議論が行われているか、実はまだよく承知しておらないところでございます。 防衛庁といたしましては、防衛庁の任務の重要性あるいは予算、定員、そういった点から見ますると、防衛庁は省にふさわしい実態を備えているとは考えております。しかしながら、この問題は、先生御指摘のように重要な問題でございますので、国民のコンセンサスを得て進めるべきものである、防衛庁としては現在そのように考えている次第でございます。
○安孫子国務大臣 道州制の問題は、御承知のとおりに十数年前ずいぶん論議をされた問題でございます。地方制度調査会において論議を重ねました。しかしながら、非常に困難な問題であり、またわが国の地方制度の根幹に触れる問題でございまするので、その当時はそのままになりまして、その後ずっと来ておるわけでございます。この問題はきわめて重要な問題でございますので、軽々な結論を出すことは私は適当でない、こう思っております。 私自身の見解というようなことのお尋ねでございましたが、私はこの問題については消極的な考え方を持っております。また、道州制を施行した場合における国の権限移譲の問題というものを一体どういう形で考えるのかという問題が根底にある問題でございます。さような点も十分私としては認識しておるつもりでございます。論議を重ねることは適当であろうと思いますけれども、なかなか困難な問題だと思います。
○安井委員 最後に、総理に伺います。 八日以来の審議の中で、いろいろな問題をお尋ねしてまいりましたし、きょうのこの最後の段階で、私は、理事会の集約に基づく問題点のお尋ねもしてきたわけであります。しかし、その御答弁は、一部前向きだというふうに評価できるものもありますけれども、総体的には、とても私たちの満足できるものになっていないということであろうと思います。 いずれにいたしましても、いわゆる鈴木行革がどういくかということは国民の大きな関心の的になっています。しかし、いまの段階では、八千億円もの削減のうち厚生省だけが六千数街億円を負わされなければならないというような福祉切り捨てや弱い者いじめというようなことでは困るという国民の声が高いわけです。そういうような動きの中で、臨調はまた次の答申の準備を始めています。あくまでも国民の生活をしっかり守っていく、福祉を高めていくという八〇年代の国民的な要求に従った方向で作業は進められるべきであり、政府の行革は進められなければならぬと思うわけでありますが、お考えを伺って終わりたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 今回、国会で御審議をいただいております特例法案、これは五十七年度予算編成に向かいまして緊急に措置すべきものを取りまとめまして、国会の御審議をお願い申し上げておるわけでございます。これはあくまで全体のわが国の行財政改革のいわば突破口である、一環であるわけでございまして、私どもは、今後引き続いて、真に合理的な、そして簡素でむだのない、国民に対する行政のサービスも低下しない、そして新しい時代に対応できるような、そういう体制をつくるということを目標にいたしまして進めてまいりたいと考えるわけでございまして、経済的、社会的に恵まれない立場にあられる方、そういう方々に対してわれわれは理解を持たない態度をとるというようなことは決してございません。むしろ私は、そういう方々に対して十分な配慮をしながら、全体としての行財政改革が国民的な御理解が得られるような方向で努力してまいる所存でございます。
○金丸委員長 先ほどの湯山君の質疑に関連して、文部大臣、大蔵大臣から発言を求められております。これを許します。田中文部大臣。
○田中(龍)国務大臣 お答えいたします。 湯山委員の先ほどの御質問に対しまして、教育水準を低下せしめないように十分に配慮いたしまして努力をいたすことをここに申し上げます。
○金丸委員長 渡辺大蔵大臣。
○渡辺国務大臣 文部大臣とよく相談をいたします。
○金丸委員長 湯山勇者。
○湯山委員 この際、この機会にひとつお尋ねいたしたいと思います。 いま文部大臣は、教育水準を低下させないように十分配慮して努力するという御答弁でございました。そうすれば、当然小規模学校は非常に厳しい条件にありますが、それらについての御配慮、並びに今回の概算要求では、比較的新しい養護訓練の教諭の配置については百五十名でございますか、特に御配慮になっておられるようで大変結構だと思いますけれども、一般の身障者の教育も、この際、非常に重視していただかなければならないと思いますが、文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
○田中(龍)国務大臣 ただいま御指摘の、特に養護教育の問題につきましては、特例期間中におきますこの処理に当たりましても、大蔵大臣並びに総理ともお話し申し上げた中で、養護訓練担当教員につきましては特に明年度におきましては概算要求を出しておるところでございまして、今後ともにその重要性は十分に認識もいたし、また善処いたすつもりでございます。
○湯山委員 委員長、どうも御配慮ありがとうございました。
○金丸委員長 これにて安井君の質疑は終了いたしました。 正木良明君。
○正木委員 いよいよ本委員会も大詰めを迎えることになったわけでございますが、そこで私は、まず私の考える最も大事な点について、総理並びに中曽根長官にお尋ねをいたしまして、その決意を承りたいと思います。 それはもう皆さん方十分御承知のとおり、今回のこの法案は、まさに行財政改革の序幕中の序幕にしかすぎないと思うのです。しかも、その内容は、主として地方自治体と弱い人たちに向けられていると言っても過言でないと私は思います。したがいまして、国民の多くは、中曽根長官が、来年の初夏ごろ臨調から答申が出ると覆われている、いわゆる本格的な行財政改革の断行の成否に最も深い関心と期待を持っていると考えなければなりません。 〔委員長退席、藤波委員長代理着席〕 また同時に、行財政改革の断行について、今日ほど国民的な政治エネルギーの高まりを見たこともありません。このことは多くの世論調査や意識調査の結果を見ても明らかであります。ところが、従来再三にわたって企てられた行財政改革は、少々の成果があったとはいえ、その多くは無残に挫折をいたしておるのであります。その挫折の主なる原因は、この委員会の公聴会の公述人が述べました意見を待つまでもなく、多くの圧力団体、業界そして官僚の抵抗と妨害によって挫折をしたということは周知の事実であります。 たまたま今回の法案には、見るべき圧力団体の圧力も官僚の抵抗もないものと思いますけれども、今後の本格的な行財政改革において、再びこのような圧力団体や官僚等の抵抗や妨害が十分予想されるのでありまして、それに政府や政党が屈服するようなことがありましたならば、国民の挫折感と絶望感、さらに政治に対する不信感とともに国民的エネルギーは消滅し、もう今世紀中には再び行財政改革を断行するエネルギーと機会は失われるかもわかりません。同時に、わが国の財政は破局的な道を急速に歩むと思われます。かつまた、先ほど申し上げましたように、今回の法律案に圧力団体も官僚の抵抗もなかった。それだけに、これのみで終わった行財政改革というものについては、恐るべき結果が予想されるのであります。 そこで私は、鈴木総理と中曽根長官に、もう二人とも、かねて政治生命をかける、このように申されておりましたので、私のただいま申し上げた憂慮に対し、国民に対して行財政改革断行の決意をまず表明をしていただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 ただいま正木委員がおっしゃいましたことにつきまして、私も全面的に同感でございます。いまお聞きをいたしまして、さらに責任の重大なるを覚えた次第でございます。今日ぐらい国民の皆様方の御支援をいただいていることはございませんし、また各政党からの御協力もいただいておることもないと思います。これも行財政改革の重大性を認識して、そのように御配慮を賜っておるものと心得ます。 いよいよ来年の初夏にかけて、いわゆる基本的答申というものが出てまいると思いますが、これにつきましても相当な障害が予想されますが、初心に返りまして、正しいと思うことはあくまで国民を頼りにし、また国会を頼りにして勇敢に断行していく、そして私たちの公約を守る、この決意をさらに固めてまいりたいと思っております。
○鈴木内閣総理大臣 正木さん御指摘のとおり、わが国をめぐる内外の諸情勢は、行政の面におきましても、また財政の立場におきましても、この際思い切った改革を断行しなければならないときに当面しておる、私はこのように認識をいたしております。 その際に、私は納税者である国民の皆さんの心を心として、できるだけ国民の皆さんの負担を軽減をし、また、その御負担を願ったものは、むだのないように効率的にこれを使っていく。今後の新しい時代が求めておる日本の活力ある社会の建設にいたしましても、あるいは国際的に増してまいっておりますところのわが国に対する責任を果たしてまいるためにも、そのことが非常に大事である、私はこのように考えております。全力を挙げまして、行財政改革を推進をいたしまして、新しい時代に対応できる体制を確立をしたい、そういう決意で取り組んでまいります。
○正木委員 この行財政改革問題については、公明党へ民社党、新自由クラブ、社民連、国会内の会派におきましては新自運ということで二党一会派、これを三会派と申しておりますが、中道三会派で従来から何回か行財政改革に対する要望並びに要求等を政府に伝え、臨調にも伝えてまいりました。そして、この委員会に当たりまして、この三会派が自民党に対しまして、また政府に対しまして要望をいたしました。 いよいよ委員会の大詰めということで、昨日この三会派の政策責任者が自民党の安倍政調会長と話し合いをいたし決した。この三会派の要求事項に対する内容についての検討が行われたわけでございます。これに対しまして、一口に申し上げましてきわめて前向きの実りある結果を生むことができたわけでございますが、このことについて、なお総理大臣初め関係各大臣の統一的な見解というか答弁をいただいて、それを議事録にとどめて、それを誠実かつ確実に実行していただきたいと念願いたしておりますので、順を追って質問をいたしますので、明快にお答えをいただきたいと思います。 私たちの要望のまず第一は、厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんの明確化という問題でございました。 御承知のように、今回の措置は返済計画なき借金と言われておりますし、長期的設計に立つ年金財政から見て問題があると脅えております。特に、特例適用期間後の措置については、その繰り入れ等の期間それから方式等が明示されておりませんで、さらに、措置を講ずるに当たっては「国の財政状況を勘案しつつ、」という言葉が入って、これを行うことになっております。したがって、特例適用期間後の国の財政状況が必ずしもバラ色ではないと予想されるために、国の財政状況いかんによっては返済がおくれたり、運用収入相当分を含めて必要な補てんが行われないのではないかとの懸念が国民の中にもございましたし、公述人の中にもあったわけであります。 国民の信頼なくして年金制度というものは成り立ちません。国民の不安感をぬぐうため、きちんとした答弁を求めたいわけでございますが、特にわれわれの要求といたしましては、この法律の中の字句「国の財政状況を勘案しつつ、」というこの部分の削除を求めておるわけでございますが、それに応ずるべきではないかと考えておりますので、御答弁をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 特例期間後に行う繰り入れ等の措置の期間、方式を決めるにつきましては、国の財政状況を勘案する必要がどうしてもございます。「国の財政状況存勘案しつつ、」の文言を削れという御主張でございますが、これは全体の法律のバランスからしてぜひとも必要であります。 しかしながら、政府において、年金財政の安定を損なわないよう減額分の繰り入れば必ずいたします。なお、積立金運用収入の減額分につきましても、必ず適正な措置を講ずることといたしまして、保険に心配のないようにする決意でございます。
○正木委員 それでは重ねてお尋ねをいたしますが、減額分の繰り入れ及び積立金の運用収入の減少分については、少なくとも特例適用期間後に直ちに返済を開始するということをここで確約をしていただきたいと思うのです。
○渡辺国務大臣 保険財政は、それらのお金は運用しておるわけでございますから、その運用で不利なことが起きたり支払いに困るというようなことがあっては困るわけでございます。したがって、私どもは、年金財政の安定を損なわないという本法の趣旨にかんがみて、特例適用期間後の繰り入れ措置については、できる限り速やかに着手することをこの場でお約束をし、また努力をする決意でございます。
○正木委員 ところが、厚生年金等につきましては、御承知のとおり少なくとも五年ごとに財政再計算を行うということになっております。そうして保険料率等を決めることになっておるのですが、現実問題として、この特例適用期間中にも財政再計算が行われる可能性があるわけであります。したがって、その際、今回の措置はどのように扱うのか。財政再計算に絡ませてうやむやにしてしまって、結局保険料の値上げにしわ寄せするようなことがないか、このような懸念が一般に強いわけであります。このようなことをしないというならば、その点を明確にお答えいただきたいのです。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、年金の財政再計算というのは、その年金が将来にわたってその年金財政を健全に運営していく、そういうために行うものでございます。今回の措置はどこまでも臨時特例の措置でございまして、年金の財政再計算とは全く異質のものでございます。次の財政再計算では、今回の減額措置の分については必ず繰り入れを行うという前提で、つまり収入に見込んで再計算を行うことといたします。したがって、今回のことで保険料などにしわ寄せをするということは絶対にございません。
○正木委員 次に、教職員定数問題でございますが、これはいま湯山委員の方からいろいろと御質問がございましたので、その点についての重複を避けることにいたします。 そこで、特例適用期間中に、この法律に基づく教職員定数計画の実施をなさるわけでありますが、御承知のように、ことしは国際障害者年でもあるわけですね。したがって、私たちとしては、特にこの中で重点施策として特殊教育の諸学校等については十分に配慮するという、こういうお約束をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○田中(龍)国務大臣 御指摘の特殊教育の問題につきましては、先ほどもちょっと触れましたが、大蔵大伍並びに総理とも、特に特例期間中におきましても本件につきましては十分に配慮するということを確約いたしております。
○正木委員 時間がありませんから次へ進みますが、われわれといたしましては、特定地域に係る国の負担、補助金の特例に関する財政金融上の措置の明確化ということを要求をいたしておるわけでございます。いまも安井委員との間で質疑応答が行われましたが、この点非常に重要でございますので、重ねて私から御質問を申し上げて御答弁をいただきたいのです。 この法律の中にあるいわゆる地域特例問題でございますが、すでに法律として存在するいわゆる地域特例立法、これは自然的、社会的諸条件の制約によって開発のおくれている地域について、その地域の振興と、その地域住民の福祉の向上を図っていって、均衡のある国土の建設を目的といたしておるわけであります。通常の国の補助率等のかさ上げというようなものとは性質を異にしていると考えなければならぬと思うわけであります。政府は臨調の答申を受けまして、このかさ上げ補助率等を一律に削減することにしておりますが、これは目下叫ばれている地方の時代に逆行するものであると私は思いますし、さらに、財政基盤の弱い地方団体に多大の影響を及ぼすことが懸念されるのであります。 それについて政府は、これらの地方公共団体の「事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる」としているわけでございますが、これらの地方公共団体の懸念、これはもう非常に大きいものがあるわけでございます。したがいまして、これらの懸念を払拭するために、この際、この措置の内容について、さらに明確にしていただくように求めたいと思います。
○渡辺国務大臣 「財政金融上の措置」の内容につきましては、政府内部においても次のような覚書を交わしております。これを誠実に実行することとしているので、その御懸念はないものと考えます。 一として、かさ上げ補助等の減少相当額について、地方債による措置を講じます。 二、その元利償還に要する経費については、地方交付税の算定を通じて適切な財政措置を講じます。 三、元利償還に要する額の二分の一に相当する額については、臨時地方特例交付金で手当てをいたします。それとともに、地方財政の状況に応じ必要な場合には、この臨時地方特例交付金の額については配慮することといたします。
○正木委員 この覚書を法文上明確にしてもらわぬといかぬわけです。それが今回の法律においてはできていない。これはどうなんですか、その理由をおっしゃってください。
○渡辺国務大臣 そのところが問題なんでございますが、ただいま覚書を国会の場で明らかにしたわけでございます。法文上明らかにしなさいということにつきましては、かさ上げ補助等の減少相当額についての地方債措置は、現行法令の地方債許可の運用上実施するものでありますから、特に法律上の措置は必要としないと考えます。 もう一つは、地方公共団体別の実際の引き下げ額並びにこれに伴う地方債の発行額及び臨時特例交付金の額は、五十七年度以降にならないと確定をしない。こういうような点から、確定しないもの等も含めて法律にするということは適当でないと考えるわけであります。 なお、地方債に係る元利償還に要する経費の財政措置については、昭和五十八年度以降の各年度における具体的な所要額に対し、地方交付税法等の改正を行うことになると存じます。
○正木委員 そうであったとしても、どうしてもやはり瑕瑾は残るのです。これはもう明確に申し上げておかなければなりません。 一つは、地方債の償還に当たって、二分の一は別途国から金が出るわけでありますけれども、二分の一は地方交付税の中で処理をしなければなりませんから、要するに国税三税の三二%という地方交付税の総額は変わらないで、その中で処理されるということは、自分で自分を食っていることになりますね。それともう一つは、不交付団体にはそれがないということが一つの大きな問題点です。これは一つの瑕瑾として、この実行に当たって十分配意をしてもらわなければならぬと思いますので、念のために申し上げておきます。 それから、最後に児童手当制度の存続の明示ということを申しております。私も児童手当関係には相当時間を割いて皆さん方にも申し上げました。児童手当制度というものは、これからの日本のためにぜひ残しておかなければならない制度であるし、児童手当制度というものはあるけれども、それは先進諸外国に比べて内容的にはきわめて見劣りするものであるということであります。したがいまして、もしこのままいくとするならば、三人目の子供を産まぬというふうな風潮が非常に強い現在においては、第三子から児童手当を支給するというような状況のもとでは、制度はあっても内容は空っぽになるおそれがありますので、まず第一に、この制度をこの法律案の中ではこの三年の間に見直すといたしておりますが、この見直しの中にはどうしても廃止ということが含まれているのではないかという懸念があるわけでございます。したがいまして、その検討に当たっては、ぜひ存続を前提として、なおかつその拡充を期待して検討を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○村山国務大臣 正木委員も御承知のとおりに、この児童手当制度というのは、わが国の福祉政策の中で最後に取り入れられたものでございます。いろいろな議論がございまして、わが国のいろいろな企業からの扶養家族手当の制度、あるいは税法上における担税力理論から出てまいります扶養控除制度等々あるわけでございまして、この辺が各国と多少事情が違っているわけでございます。もとよりこの児童手当制度は、低所得者政策でもございませんし、所得保障政策に属するものでございますけれども、やはり児童福祉を中心としたものでございます。 今回、臨調の関係で、御提案のような形で実質上バランスがとれ、困らないようにしたつもりでございますが、法文にも書いてありますように、この問題は特例期間の終了時をめどに再検討すべきである。各党から、この存続の問題は強く言われております。総理も私も、必ず存続を前提にして検討すると申し上げているわけでございます。今後の人口構成がどういうふうになってくるか、こういう問題も十分考えながら、これからの高齢化社会を迎えるときに、逆に年少の児童に対してどういう処遇をすべきであるか、こういうところを幅広く検討してまいりまして、御趣旨に沿うような形でやりたいものだ、かように考えているわけでございます。
○正木委員 一つを残して、われわれが要求をいたしましたものについての政府の見解が明らかになったわけでございます。そういう約束というのは継承されていくものでありますから、内閣改造がうわさされているとはいえ、内閣はその約束を守ってくださることであろうと思いますけれども、今度の内閣改造で総理はおやめになることはありませんから、ただいま私どもが確認をいたしまして、それぞれ関係の大臣の皆さん方からお答えをいただきましたこのことについては、どうかひとつ、鈴木内閣はもちろんのこと、自民党の内閣が続く限り約束を実行していただけるように、総理からお約束をいただきたいと思います。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま数点にわたりまして、木特例法案の審議の過程において問題点として特に取り上げて御論議をいただいた問題につきまして、政府に対して答弁を要求をされました。関係閣僚から明確にお約束を申し上げたところでございますが、私も最高の責任者といたしまして、ただいま各担当閣僚から申し上げたことは、誠実にこれを実行してまいることをはっきりお約束申し上げます。
○正木委員 終わります。
○藤波委員長代理 これにて正木君の質疑は終了いたしました。 大内啓伍君。
○大内委員 ただいま正木委員の方からもお話がございましたように、私どもいわゆる中道三会派は、今度の行財政の改革に当たりまして、五項目にわたります共同の要求を提示をいたしまして、政府並びに与党の御理解と御協力を得たいということでお願いをしてまいりました。昨晩の会談の段階で、鈴木内閣を支える政府・与党である自民党の安倍政調会長の方から、おおむね次のような口頭による回答がございました。 その一つは、厚生年金等に係る国庫負担金問題につきましては、公明、民社、新自連三会派の要求については十分理解をいたします、しかし、この際は、法案の修正については何とか御容赦をいただきたい、そのかわりに、今後のそれらの問題の処理に当たりましては、三会派の要求が実質的に実現されるように最大限の努力をすることをお約束をいたします、その他の四項目につきましても、三会派の要求は御指摘のとおり措置するよう最善の努力を尽くします、実はこういう口頭による御回答をいただいたわけでございまして、それをいま三会派を代表するという意味で正木委員の方から一つ一つお確かめをいたしました。最後に総理の決意もお伺いをしたわけでありますが、わが党という立場からも、この政府・与党政調会長のお約束につきましては、鈴木内閣としても誠実に実行される、こういうふうに確信をいたしておりますが、いかがでございましょうか。
○鈴木内閣総理大臣 ただいま大内さんからお話がございましたような件につきましては、わが党の安倍政調会長から、中道三会派との間のお約束、こういうことを約束をした、法案の修正には応じかねるけれども、しかし御主張なさっておることについては十分理解を持ってお約束のとおり実行しましょう、政府にこれを伝え、そして政府とともに責任を持ってこれを実行いたします、こういうことをお約束を申し上げてきたということを私、報告を受けたところでございます。先ほど正木さんにもお答えをいたしましたが、政府といたしましても、誠意を持って誠実にこれを実行してまいりますことをここではっきりとお約束を申し上げます。
○大内委員 それは大変ありがたいことであります。 正木委員は五項目のうち住宅金融公庫貸付金利据え置きの明確化等につきましてただしておりませんので、私の方からお伺いをするわけでございますが、日本はいわゆる経済大国としてあらゆる分野で先進国の水準に達しているわけでありますが、やはり諸外国と比べて一番おくれているのが住宅問題であります。したがいまして、この住宅金融公庫の貸付金の金利の据え置きという問題は、やはり今後の日本の住宅政策を円滑に進める上でもきわめて重要である、こういうふうに考えておりまして、この見地から、私ども中道四党は、この住宅金融公庫の貸付金利さらには農林漁業の金融公庫、自作農維持資金融通法あるいは北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法、南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法等々の金利につきましては、これを特例適用期間中においても、現行制度並びに現行金利の存続を明確にするように、こういうことを求めてきたわけであります。 そして、これに対しまして、先ほど私が申し上げましたように、安倍政調会長は、それらの諸点につきましては御指摘のとおり措置するよう最善の努力を尽くします、こういうお答えをいただいているわけでありますが、これらの点について所管大臣からお答えをいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 住宅金融公庫を初めただいまお述べになりました各種公庫等の貸付金利に係る具体的な政令の制定に当たりましては、特例適用期間中においても、社会的、経済的必要性と財政負担の調和に十分配慮しつつ、慎重に、慎重に対処してまいりたいと存じます。しかし、今後の金利水準、経済動向によっては現行金利の見直しを機動的に行う必要が生ずることも考えられますので、これらの点についても十分に留意してまいりたいと存じます。
○大内委員 そうしますと、たとえば住宅金融公庫の貸付金利につきましては、いま大蔵大臣は二つの点で新しい物の言い方をされたように私は思うのであります。その一つは、特例適用期間中においてもということを明確におっしゃられました。それからもう一つは、財政負担の調和に十分配慮しつつ慎重に、慎重に対処したい、こう言われたわけでございます。この意味は、たとえば住宅金融公庫の貸付金利については現行の五・五%、これを特例期間中は維持する、こういうふうに理解をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○渡辺国務大臣 私は、ただいま特例期間中においてもいろいろな条件のもとで慎重に対処したいということを申し上げました。気持ちは気持ちでございますが、数字をここで申し上げることは、やはり法案を提案をしておる以上いかがなものかと考えますので、気持ちをくんでいただきたいと存じます。
○大内委員 これまでの答弁からしまして、その気持ちとは、特例期間中五・五%を維持する、こういうふうに理解をさせていただきたいと思っております。 その他、米沢議員に質問を順次譲りますが、一つだけ私はお伺いをしておきたい問題がございます。それは今後の人事院勧告の取り扱いでございますが、この臨時国会中に公務員給与改定に関する法律案を出す用意がございますか。総務長官ですか、これは。
○中山国務大臣 お答えを申し上げます。 先般の九月十八日の第二回の給与関係閣僚会議におきまして、この給与法の一部改正法案の国会提出等も含めたいわゆる公務員給与の引き上げの問題について種々協議をいたしましたが、御案内のように今年の一・四半期の歳入状態はきわめて悪いということで、その日は結論を得るに至っておりません。近く第三回の給与関係閣僚会議を開催いたしまして、その後の歳入状態、そういうものを大蔵当局から十分聴取の上、その結論が出せるように努力をしたいと思っておりますが、その結論が出ました際にこの給与法の改正というものに踏み込めるであろうと思いますが、今日の時点ではその日限について明確に御答弁できないことはまことに恐縮に存じております。
○大内委員 私は大体見通しは立つと思うのでありますが、それらの状況の中で今国会に提案できるという可能性はありますか。
○中山国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、給与関係閣僚会議で十分誠意を持って協議をさせていただきたい、これでひとつ御理解をいただきたいと考えております。
○大内委員 大蔵大臣としては、これは財源の裏づけを知らなければならないという立場から、この問題をどういうふうにごらんになっていますか。
○渡辺国務大臣 大蔵大臣も閣僚でございますから、この問題については政府で統一した見解を持っておりまして、かねて閣僚会議で、現下の厳しい財政事情を総合的に勘案して慎重に対処したい、その一方、いままで維持されてきた良好な労使関係にも十分配意していきたい、こういうことでございまして、全く同じであります。 ただ、私といたしましては、財源の見通しがつかないとどの程度まで応じられるのかということがよくわからない。現段階で言われた場合には、要するに六百三十億円の準備はございますということはいまの段階でも申し上げられるわけでございますが、これは完全実施とはかなり遠いものである。したがって、この人事院の勧告というものがあり、一方財政事情、国民世論、いろいろなことを考えて、できるだけわれわれも努力をしたいと思っておるわけでございます。
○大内委員 税収の見通しがおおむね立てられる時期は、しからばいつですか。
○渡辺国務大臣 これはもう正確なことを言えと言われれば、それは年度を越さなければわからないというのが事実でございます。それは、ことしでも、去年の十二月、一月補正予算を出しまして、現にでかい見込み違いをやったわけですから、たった三カ月先が読めない。それぐらい厳しい問題が経済の問題としてございます。ございますが、大まかなことしの収入の見込みというものについては、本来なら半年決算が入ってくれば、年度の半分ですね、四月から九月で仮決算、中間決算、十一月申告、それから十二月の中というようなことになれば、実際は大まかのことはわかると思うのです。したがって、一番早い時期で予算編成、来年の経済見通しを立てるころということではないだろうか。その点でやらないと、今度は来年の予算の見通しもつかぬということになりますから、大体十二月の初めか中ごろかになれば半分以上はわかるというのが実情でございます。
○大内委員 官房長官にお伺いしますが、そうしますと、今度の会期は十一月の十七日までです。いまの大蔵大臣のお話ですと、税収の見通しがほぼ立つというのが十二月の初めごろということになりますと、先ほどの総務長官の答弁にかかわらず、幾ら努力しても今国会にはこの人勧の処理、つまり公務員の給与改定法案というものがなかなか出せないで、結局この問題の処理については通常国会の冒頭で処理したいというふうに政府としては考えている、こういうふうに理解した方がよろしいのですか。
○宮澤国務大臣 給与関係閣僚会議等において、この国会では御審議を願わないというようなことを決めた事実はございません。大蔵大臣は以前から、税収の見積もり、経済情勢の推移について早い時期にはむずかしいということを実は言っておいでになります。それはそのとおりであろうと存じます。他方でまたしかし、たとえば災害、台風等々、かねて予見しておりませんでしたようないろいろな経費がどのぐらいあるかといったようなことは、一応税収とは別にある程度時間が進んでまいりますとわかる要素もございます。それと予備費の関係等との問題がございます。 したがいまして、大蔵大臣のお立場はそれとしてよくわかっておりますが、給与関係閣僚会議全体におきまして、この国会中に御提出することはむずかしいという結論を出したというわけではございません。できるだけ早く誠実にやりたいということをみんな考えております。さりとて、この国会中に御審議願えるという結論を出しておるわけでもございません。一生懸命その辺をみんなで検討しようとしておるわけでございます。
○大内委員 皆さん答弁がお上手でして、どっちに理解していいか、これはとうていわかりません。しかし、この辺はなかなか政治的にデリケートな問題でございましょうから、腹の中に入れておきましょう。 実は、かつて期末、勤勉手当をベースアップにはね返らせないで前年度の旧ベースで支払った前例がたしか昭和四十四年にございました。私は、これは不完全実施になると思うのでありますが、実はきょうのある種の新聞報道でも相当大きくこれが報道されておりまして、午前中の質疑の中で総務長官は、政府としてはこれは関知していない、こういうことを答弁されておるわけでありますが、そういう可能性はあるのかないのか。その点はどなたが御答弁されるのでしょう。そういうことも考えられるのかどうか。
○中山国務大臣 先生のお尋ねの、いわゆる期末手当に関係するのかどうかということでございますが、けさもお答え申し上げましたように、政府としては、そのようなことを給与関係閣僚会議でまだ一度も相談をいたしたことはございません。
○大内委員 政府としてはそういうことは考えていない、こういうふうに理解してよろしいですね。
○中山国務大臣 まだそれをどういうふうに処理するとか、そういうことが議題になったこともございませんので、その点は何もまだ相談がされていない、とにかくいまは大蔵当局からの歳入状況がどうかということをめぐることでの会議でございまして、それがどうなる、財政がどうだということに基づいた、いわゆる方針の論議というものはまだするに至っておらないというふうにひとつ御理解をいただきたいと思います。
○大内委員 これ以上押し問答する気はありませんが、中曽根長官にお尋ねをいたします。 長官もきのうお聞きだったと思うのでありますが、昨日、第二臨調の圓城寺会長代行は、この公務員の給与の抑制問題につきまして、答申でねらっているものは公務員の総人件費の抑制というところに主たるねらいがあるのであって、人事院勧告については、言質をそのまま申し上げますと、当然守るべきものである、こういうふうに説明をされたわけであります。したがって、政府が人事院勧告の抑制を行うということが仮に行われますと、それは答申の精神、圓城寺会長代行が説明された方針に反する、こういうことになるのじゃないでしょうか。その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 答申の中の給与に関する部分は、社会経済情勢とか、あるいは労働基本権に関する問題であるとか、あるいは財政事情であるとか、国民世論であるとか、こういうものを考えた上で適切に抑制する云々、そう書いてあるわけです。それを受けて圓城寺さんの御発言になったと思いますが、園城寺さんは原則的にということをおっしゃっておりました。人事院勧告は原則的に尊重さるべきである、私もそのとおりであると思っております。
○大内委員 圓城寺氏は、当然守るべきものである——私は調べてきているわけであります。その辺で問答してもしようがありませんが、やはりこの辺は非常に重要だと思います。答申を誠実に実行するということが政府の方針であるとすれば、この圓城寺氏の国会における答弁というものは相当重みを持ったものである、私どもとしてはそう受けとめておるわけでありまして、今後のこの問題の処理に当たりましては、その辺を十分御留意をいただきたいと思うのです。 そこで、最後に総理にお伺いをいたしますが、私は、人事院制度を政府あるいは関係の労働組合が尊重をするかどうかという問題は、今後の官公労使関係において非常に重要な問題である、もし政府がこの人事院勧告の抑制を一方的に行い、そしてこれに対して、ルールが破られたとして労働組合が、その代償が欠如したことを理由にして争議行為に入っていくということになれば、このルールはめちゃくちゃになってしまう、つまり人事院制度は崩壊するということを前の質問でも申し上げたわけであります。 私は、これからこの問題が徐々に大きな問題として発展していくと思うのでありますが、この種の問題こそ、総理みずからが関係の労働組合のトップの方々に、本当に虚心坦懐に政府の立場、日本の置かれている財政状況というものを説明し、理解と協力を求める、こういう姿勢が必要だと思っているのであります。そのことなしに、政府が一方的にたとえば人事院勧告の抑制措置をとるようなことになれば、これは非常に重要な問題をそこから発生させる。私は、けさも実はその労働組合における日本の指導者の一人とこの問題について話し合いました。その指導者は、こういう問題こそ、総理はわれわれとの間に本当に心を開いて話し合うべきだ、こう言っておりました。これはなかなかむずかしい問題ではございますが、総理としては、ある段階に入り、その必要があれば、そういうことも検討する方針がおありかどうか、そのことをぜひお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○鈴木内閣総理大臣 私は、公務員に対する人事院制度の存在、これを非常に重く見ておるわけでございます。いま給与関係閣僚会議で、あらゆる角度から、この人事院勧告にどう対応できるのか、そういう問題と誠意を持って実は取り組んでおるところでございます。先ほど大蔵大臣から申し上げたように、税収の見通し等がまだ十分めどが立たない、もう少しそういう点もはっきりと把握をした上で誠意ある措置を講じたい、こういう御答弁を申し上げておるところでございます。私も、健全な良好な労使関係、これは大事にしていきたい、こう考えております。給与関係閣僚会議で、一つの、政府としてこれがぎりぎりの最善の措置である、こうお願いしなければならない、そういうような結論が出た時点におきましては、国民の納得を得るような立場で対処したい、こう考えています。
○大内委員 以上をもちまして、米沢議員に質問を譲ります。ありがとうございました。
○藤波委員長代理 米沢隆君。
○米沢委員 まず最初に、国鉄再建問題に関連いたしまして質問をいたします。 去る十月の十六日、私は当委員会におきまして、国鉄というものがもう待ったなしの再建途上にありながら、国鉄当局が行った五十四年、五十五年の違法スト処分のでたらめさ、職場の荒廃が生んだやみ休暇の実態を指摘をし、国鉄当局に猛省を促したのでございます。ところが、私が質問を行いました後、だれがこの秘密をばらしたのかと、そういうことで国鉄内部では犯人捜しに大わらわだったと聞きました。人情としてはわかりますけれども、国鉄みずからのでたらめな管理体制や、遵法思想さえ失った、国民を欺く擬装処分をたな上げし、みずからの責任の所在さえ明らかにしないままに犯人捜しに躍起になるとは一体何事か。まさに一事が万事、この国鉄の秘密主義、非公開性、ばれなければばれないままにうまくやっていこうとするこの姿勢こそ、国民にわからぬところで労使双方お互いでたらめを許してきた国鉄当局の親方日の丸無責任体制そのものだと私は思います。したがって、この秘密主義を是正すること、正すことが国鉄再建の第一歩であると私は信じて疑いませんが、国鉄総裁、運輸大臣に所見を伺います。
○高木説明員 ただいま御指摘のような空気がないわけではないわけでございまして、これを直すということが非常に重要でございます。しばしば国会におきましても、現場におきます実態についての監査報告、二点ほど御指摘がございますが、こういうことを始めましたのも、私どもがなかなか目の届きにくい現場の実態を把握をしたいということから起こってきているわけでございまして、ぜひそういうことを進めることによって、私ども自身が最末端の実態を少しでも正確に把握をするようにしたいという気持ちを持っておるわけでございます。決してそういうことを隠すとか、いまのような問題についての犯人捜し、そういう気持ちがあってはいけないわけでございまして、私は、指導が足りませんけれども、それはそういうことを直していくということで取り組むということをお約束申し上げたいと存じます。
○塩川国務大臣 指摘されましたことはまことにごもっともな点でございまして、私も先日の委員会で申し上げましたとおり、昨年来監査制度を特に厳しく実施するようにいたしておりまして、最近におきますいろいろな——以前にございましたそういう習慣というものを、つまり現場でいろいろございますことをこの際監査制度にのせて、みずからの努力で正していくように強く行政指導をいたしておるところでございまして、まことに遺憾至極と存じます。
○米沢委員 先般私がここでその問題を取り上げました後、何通かの手紙が舞い込んでまいりました。そのうちの二、三を持ってきたわけでありますが、それを読んでみますと、もう職場の規律の荒廃はまさにここにきわまれりという感じがしてなりません。先ほど来、職場の管理体制を強化して五十二年以来御努力をいただいておる、そして少しずつはよくなっておるというふうに伺ってはおりますけれども、私はこの手紙を読んで、そういう五十二年以来の努力というのは一体どこに出ておるのであろうかという気がしてなりませんでした。そこで、簡単に手紙の内容について触れてみたいと思うのであります。 国鉄の再建問題が重要な段階を迎えたいま、このようなやみの休暇が存在することは絶対に許されることではなく、先生の御指摘を受けるまでもなく、国鉄の労使がまずえりを正さなければならない問題だと思います。しかし、残念ながら、先生から御指摘を受けた佐賀電気区のやみ休暇、やみ協定などは、まだまだささやかな問題であり、私の職場ではさらに悪質な慣行が改善されずに残されています。これが国鉄の実態です。私の職場は、中央線の大月保線区ですが、私の職場では多くの悪慣行があって、当局の方も、労務監査などを行って改めようとしているようですが、なかなか改まらないようです。 一例を挙げると、たとえばこの前指摘しましたのは、やみ休暇三日とか四日の問題でありましたが、ここで指摘されておりますのは、「年次有給休暇のほかに年間六日から十日のやみ休暇が付与されている。」第二に、「このほか職場のレクリエーションとして一年間に七日のやみ休暇が与えられている。」また、「勤務時間内の入浴が恒常化しており、午前、午後のたばこ時間や昼食休憩の延長などで、毎日規定よりも一時間三十分以上のやみの休憩時間が設けられている。当然この分勤務時間が短くなっている。」あるいは「夜間作業が都合により中止になった場合でも、集合した場合には夜間重労務手当を支払うことになっている。」あるいはそれぞれの作業、たとえばタイタンパー作業などに人数規制が設けられて、そのために一人か二人休んだ者が出た場合には、作業ができる場合でも人数がそろわないとして仕事に入らない。「これはほんの一例ですが、このようなぐあいです。これでは国鉄そのものがだめになってしまうのではないかと日夜悩んでいます。」「私の姫君につきましては、大変失礼とは存じますが、私の名前が外に出ますと職場で大変問題になりますので、ぜひ御容赦ください。一国鉄職員」こういうことで、大変な事態が現実にはまだたくさん残されておる。 もう一通甲府から来たのは、ここではポカ休、突発休の問題が指摘をされておりまして、この六カ月、半年くらいの間に約五百件近くもこのポカ休、黙って休むのが発生をし、これらのために管理者が職員の代務についたことが七百回を超えておる。大変な問題だ。 私はそういうことで、手紙だけでは大変ですから、いろいろ中身を調べてみました。確かにこのおっしゃる事実というものはまさに本当なのでございます。たとえば年間のやみ休暇の問題は、これはもう当然のことでありますが、そのほか手紙以外にわかったことは、たとえば期末手当支給日は早退を認めておる。組合の執行委員会出席に対してやみ休暇を与えておる。こんなのは不当労働行為じゃないの。そして、このように職場規律が乱れているにもかかわらず、昇給に当たっては注意昇給なんかほとんど行われていない。処分も何もなされていない。これで五十二年以来一生懸命やっておりますと言われても、こんなのが現存し、何にも、処分さえ行われていない実態は、こんなのは本当に放置していいのですか。この実態について当局はどう考えますか。
○高木説明員 ただいま御指摘の大月の保線区それから甲府の駅というのは、率直に申し上げて非常に頭を悩ましておる場所でございます。五十三年ぐらいからいろいろ注意をいたしまして、たとえば人事面等におきましてもこれを強化するということを通じていま現状把握をしながら改善に努めておるわけでございますが、私どもが持っております感触では、大月の保線区の方はまだまだ不十分ではございますけれども、だんだんと作業効率が上がってまいりました。一方、甲府の駅の方はなかなかうまくいかないということで、これは私どもも、全国に相当数ございます問題職場の一つでございまして、こういうところを直していきたい、どういうふうにするかということでいま苦慮いたしているところでございます。ぜひともこれを早い段階で、大分よくなったなと言っていただける状態に持っていきたいと思っております。
○米沢委員 この実態については率直に総裁もお認めになりましたけれども、たとえば甲府駅を調べてみますと、何しろ職制麻痺を企画する抵抗闘争というのがいわゆる日常化しておる。たとえば現場協議、しょっちゅうやっていますね。大体六カ月の間に約三十五、六回やっていますね。月に六回、五日置きに一回、そのたびごとに約五時間も六時間も時間がとられる。その間管理者は皆つき合わなければいかぬ。これでは職制が麻痺するのはあたりまえですね。それなのに、堂々と現場協議が認められているからといって、果たして管理者は何にも考えないのでございましょうか。 あるいはまた、そういうときに、結局、現場協議の最中には休むわけですから、だれか代務しなければなりません。管理者も引っ張られておりますから、出る者がおりませんね。残った管理者がみんなそれを穴埋めする。 〔藤波委員長代理退席、委員長着席〕 そういう現場協議の影響あるいはポカ休といわれる突発休——大体この六カ月の間に、五百回近い、四百六十何回突発休が生じておる。そのたびごとに管理者はみんなその穴埋めをしなければならぬ。管理者は現場協議の影響それからそのポカ休の影響で、大体六カ月に七百回もその代務をしなければならぬわけです。一日も休む者はありませんよ、管理者なんというのは。これは病気になるのはあたりまえです。死にたくなるのはあたりまえですよ。こういうのが全然是正されない。一生懸命努力され苦慮されていると言われるだけではどうも問題が大き過ぎるのではないかという、私はそんな気がするのです。 たとえば職場監査を五十二年からやっておられますよね。そういう監査をやりながら——例年のごとくこういうものはわかっておったはずですよ、当局には。それが監査報告にはどうなっておるのですか。丸めて二行ぐらいで書いてあるだけでしょう、大変だけれどもがんばっていると。そういう報告書を出しても、人が読んでもわかりませんよ。なぜそれを明らかにしないのですか。明らかにした上で世論を沸騰させやっつけねばなりません、こんないいかげんなものは。したがって、たとえば現場協議なんというのも、御承知のとおり労使で、末端で協議をしながらやっていくという、善意でこれは認められたものでしょう。ところが、これを悪利用して職制を麻痺するものに使うなんというのは、現場協議をやめてしまったらどうか、こんなものは。現場協議のあり方なんか変えなければなりませんよ、総裁。もしこの管理者がみんな代務について事故でも起こったらだれが責任をとるのですか。民間ならこんなのは皆首ですよ。一体この点どう考えるのですか。
○高木説明員 ただいま御指摘がございましたいわゆるポカ休の問題、それに伴って管理者が代務に入るということは、残念ながらかなり一般的に行われておったのではなかろうかと私も考えております。この問題につきましては、四年あるいは五年ぐらい前から、そういう体制ではどうにもならぬということで、むしろ代務に入るというようなことをしてはいけない。要するに、代務に入るということは物事をごまかす結果になりますので、むしろ代務に入らぬというぐらいの勢いでいかなければいけないという指導をだんだんやってまいりました結果、現在ではかなりいわゆるポカ休の発生する職場は減ってきております。かなり明らかに減ってきております。 それがなかなか全部刈り取れないという状況が何で出てくるかということでございますけれども、地域によりまして、若い青年の中にかなり激しい行動をとる者がありまして、当局側はもちろん、組合といたしましても、そういうことがあってはならぬということで、そういう職場をいまつぶしにかかっておるわけでございます。残念ながら、これは一般的な組合運動ということではないわけでございまして、むしろ組合の統制にもなかなか服さぬ、こういう状態であるわけでございますので、これを私どもだけではなくて、組合も一緒になって減らしていくといいますか、整理していくといいますか、そういう方向で進んでおりますが、どうも一部の地域におきましては、実は、他に責めを転嫁するわけではございませんけれども、私どもの職場だけじゃなくてその地域全体どうもそういう空気の強いところが全国的にまだ何カ所か残っておるわけでございまして、したがいまして、これはかなりそこを是正するということは骨が折れることでございます。 しかし、そういうところにはいままでいわばキャリアと言われておりますような職員が配置されておりませんでしたものですから、そういう職場にはそういう職員も配置して、そしてわれわれの方にも事情がよくわかるような体制にしながら直しているわけでございます。いまおっしゃいますように、それはかなりむしろ問題をオープンにした方がよろしいわけでございまして、そういうやり方をとることによって直した職場もございます。これはまことにお恥ずかしいといいますか、申しわけないといいますか、むだな金をそこで労務賃を払っているという結果にもなるわけでございまして、赤字問題としてもどうしても取り組まなければならぬことでございます。 どうかひとつそういう事例につきましては、むしろいろんな機会に御指摘をいただいて、一つ一つ直していく以外にないというふうに考えております。
○米沢委員 申しわけないはもうちょっと聞き飽きたな。たとえばやみ休暇なんというのは、この前の電気区の場合には年休で消化したなんというふうに書いてありますけれども、一体十日もやみ休暇をもらったり、やみ休憩をもらったり、今度はどういうふうにきれいにするのですか。やみ休暇をもらったり、やみ休憩をもらったり、こういうポカ休をやったり、これは何にも処分の対象にならないの。
○高木説明員 佐賀の場合には、その日数分は正規の休暇であって、それはアディショナルな、追加しての休暇は許さぬということで正規休暇の日数の中に組み入れるということにして解消したわけでございます。たとえば正規の休暇日数が年間何日かございますと、そのほかにプラスしてそういうことが行われていたわけですが、それはプラスは認めないということで、それを当然の通常の休暇の中で休んだものとして扱うということでもとへ戻したということでございます。(米沢委員「賃金カットしたの」と呼ぶ)正規の休暇の中に織り込みますから、そういう意味では賃金カットにはならない、正規の休暇日数に入っておる、こういうことでございます。(米沢委員「ポカ休は処分の対象にならないのか」と呼ぶ)
○金丸委員長 立ってやってください。座っての質問は答えになりません。
○米沢委員 先ほど質問しましたように、ポカ休は処分の対象にならないのですか。
○高木説明員 ポカ休というのは非常にむずかしいのでございます。というのは、医者の診断書とかいろいろなものがついてまいりますので、その限界が非常にむずかしいわけでございまして、従来からそういうものについてとかくルーズになっております。しかし言ってみれば、同じお医者さんの診断書というようなことがありますので、それをそうしたところからつぶしていかなければならないわけでございまして、一応形式的にはいろいろ具備条件がそろっているものですから、それをだんだんとつぶしていくということにしなければいけないということだと思います。
○米沢委員 そういういいかげんな管理体制、処分しなければならぬところを処分してない、そういう積み重ねが、どうせでたらめやっている、また処分なんかできやしないわ、またやれ、こういうことになって荒廃が荒廃を生むことになっているんじゃありませんか。私は、当局としてもう一回この処分のあり方等について徹底的に研究をされて、厳重な処分を行ってもらいたいと要請いたします。 また、これは保線区の名前は番いてないのですけれども、たとえば保線区というのはどこか線路のところへ行って、ちょっと遠く離れたところで仕事をされますな。現地の出勤は認めない。まず支区に集合してラジオ体操して、済んだら今度は運んでいく車の整備が必要だ、三十分ぐらい時間をちょうだいとやって、着いたらもう休憩時間。一時間働いたら今度は昼休み。畳一畳の広さの休憩所がない限りおれたちはここで休めないと言って、また時間をかけて支区に帰る。そこで休憩なさって、また車で行かれる。そうしたらもう三時のお昼休み。もう勤務時間内に入浴せねばいけませんから、じゃあさよならだ。働く時間なんか二、三時間しかありませんよ。こういうところがあるんですね。そういういやがらせをしながら、時間内でもやみの超勤をくれと言うて認めさせる、現場長が判こを押す、こういうのを聞いておる。こんなこと聞いたことありますか、総裁。
○高木説明員 恐縮でございますが、何回も聞いております。これは一番ぐあいが悪かったのは四十八年、四十九年、五十年、そのころが一番悪かったわけでございます。それで、名前は挙げませんけれども、〇〇保線区ということで、そういうのがかなり一般化しておったわけでございまして、これを直すということを大分やってまいりました。 これはどういう事情でできたかといいますと、一つは保線のやり方が昔は手作業、それからタイタンパーというのを使いまして、最近はマルチプルタイタンパーという形に作業のやり方が変わりましたときに、こちら側といいますか、当局側のいろいろなそういうものについてのルールの決め方に不十分な点がありましてできた、そういう事情にもなったことがあるわけでございます。いまそれは直りまして、毎年どのくらいの突き固めができておるかという実績をごらんいただきましても、毎年かなり改善の跡を見つつございます。 しかし、いまおっしゃったようなことが、全国で何百何千とありますところの全職場で完全になっておるかということにつきましては、私はこの場で、全職場が完全によくなりましたと、とても申し上げられる状態ではないわけであります。しかし、これはいつも申し上げますが、甘い甘いと言われるかもしれませんけれども、これはよくなる、なくすことができるという自信を持っております。ずいぶんよくなった場所もあります。せひいろいろ御指導といいますか御督励をいただいて直してまいりたい、完全なものにしてまいりたいと思います。
○米沢委員 この前のこの委員会で行管庁長官が、国鉄駅員を私鉄と比べて行管庁で調べた結果が出てまいりましたね。約半分だという結果でございました。こういう保線区を見ておりますと、これはもう人間が余ってしょうがないんじゃないかな、それで仕事が勤まっておれば。私はそんな気がしてなりませんね。大体国鉄に対しては行管庁も行政監察をやっておるんでしょう。一体こういうことを調べて、本当に調べがついておるんですか。こういうものが出てきて指導か何かされたんですか。もし中途半端であるならば、私は徹底的にこういうところは行政監察を強化してもらいたい。そしてお願いしたいのは、この保線区、これを民間とぜひ比較したものを出してもらいたい。私鉄の保線区をやっている連中と国鉄の保線区の連中と人間の数、能率、ぜひその実態を調べてもらって明らかにしてもらいたい。そういうところから本当はオープンになって、大変だ、何かをしなければならぬという議論にならざるを得ないのです。行管庁長官、いかがですか。
○中曽根国務大臣 現在行政管理庁では、経営改善対策を中心として国鉄の行政監察を実施中であります。この監察の中で、国鉄の保線業務についても、私鉄の保線業務の実施状況との対比をもしつつ、調査を実施しているところであります。本年の四月から六月にかけて、十六局を動員して現場を調べて、いまその報告をつくっている最中であります。 米沢さんのこの間の御質問の内容は、勤務の内容について具体的に御提示いただきましたが、ああいう点も非常に参考にさしていただきたいと思っております。
○米沢委員 私は、行政監察をされて問題であるというものはぜひ明らかにしていただきたいということをお願いをしたい。 同時に、この保線区というのは一番荒れておる感じですね。駅員の数を調べる以上に、問題は非常に大きい深いものがありますから、行管庁としても保線区のいわゆる生産性について実態を調べてもらって、ぜひその結果をわれわれ委員会にも資料として提出してもらいたい。 委員長、いかがですか。よろしくお願いいたします。
○金丸委員長 はい、わかりました。
○米沢委員 大蔵大臣、いまいろいろと話をしておりますように、国鉄再建というのは本当にいま大事な問題でございます。そういうところで、確かに国の補助金が七千億も八千億も投入される。どういう感じを持たれますか。いま国鉄再建のために地方ローカル線はつぶされようとしておる。全部つぶしても七百億か八百億だという。ところが、違法ストライキはするわ、たるみ事故はやるわ、職場規律はこんないいかげんなものがあるわ、そして外にはそれを出さないで何とか中でうまいことやろうとする。こういうことを見ておりますと、七千億、八千億、確かに公共性があるからという理由がついて出さなければならぬものもありますけれども、こういうものを本番にまじめにやってくれたらローカル線なんかつぶさぬでいいよ。そのことを考えたときに、金を握っている大蔵大臣はどういう感想を持たれますか。 そして総理大臣、こういうのが国鉄の実態なんですよ。そして、それを躍起になって一生懸命やっておりますけれども、一向によくならない。国鉄再建は臨調で議論になると思いますけれども、民間になろうと、それを分線にしようと、いろいろ議論が出てきますけれども、国鉄再建そのものは、完全に荒廃した労使関係の是正以外に、幾ら手を加えても、幾ら金を投入しても絶対よくならない。総理大臣、どうお考えですか。
○渡辺国務大臣 国鉄問題につきましては、私一番頭が痛いわけです。御承知のとおり、構造的な赤字、これもございます。しかしながら、もっと生産性を上げればもう少し少なくて済むと思われるものもあります。われわれは、これだけ苦労をして、来年は一兆八千億円借金するのを少なくしよう、これ、だけ騒いでおる。ところが、国鉄は、来年は二兆円借金をふやさしてくれと言ってきておる。ことしはわれわれが二兆円借金を減らした。国鉄は一兆八千億円借金がふえた。政府が減っても国鉄がふえれば、国全体としては何にもならぬ。現実問題として、国鉄で二十兆円を超える借金が間もなくできる。国鉄に払えと言っても、結局払えない。ということになれば、国鉄に乗らない人を含めて、税金を払う人に払ってもらうほかないということになる。したがって、事は国鉄だけの問題ではなくて、われわれ全体としてこの問題には本当に真剣にかかっていかなければ財政再建など成らない、そう思っております。
○塩川国務大臣 仰せのように国鉄でいままでの悪い慣行がございますが、これはただ単に、組合といわば管理職という関係だけではなくして、この関係の中には、戦後ずっと一貫して社会風潮そのものがこの中にしみ込んできておるように思うのでございます。でございますから、かつてのいわば権利主張の中心としての労働運動の中に、自由ほうだいの習慣が築かれてきた、そういうことの集大成が国鉄の中に生きておる。しかも、経営母体といたしましては非常に大きい母体でもあるし、しかも、運転をしなければならぬと絶対的な命令があるので、管理職にある者も、動かすためにはという妥協もしてきた、その積み重ねが今日まで来たと思うのであります。 しかしながら、今日におきまして、低成長下におきましては、労働運動そのものも正常化していくであろうと思いますし、その社会風潮は必ず国鉄労使の関係にも影響してくる。先ほど大蔵大臣が言っておりましたが、国民的な課題だというのは、私は一面から言うならば、まさにそういうものもあるであろうと思うております。 そこで、昨年来私も申しましたように、国鉄の方で監査制度を非常に厳しくやっております。それであるがためにいろいろな問題が出てきておる。しかしながら、この長年の間に積み重ねてきた、いま米沢先生がおっしゃっておる問題も、数年前からあったものが出てきておるわけでございまして、これは一朝にしてようかんをかみそりで切ったようには直ってはいきませんけれども、必ず日を積み重ねていかなければならぬ。 そのためには、一つは、私は責任体制の確立が大事だと思います。たとえば一番大事なポストは管理局長、こういうところが一年半ないし二年でかわっておるようなことでは、とうてい現場に目が行き届きません。でございますから、ここらに、いわば現場における管理者の最高の責任者としての管理局長なんかが長期にそこに在職し、そしてすみずみまで目が行き届くようにすることによってそういうものも相当に救われていく、改善されていくのではないかと私は思うのであります。国鉄の従業員がそういう投書をするということ自体、ここにもまだ健全性が残っておる。でございますから、全部の組合員がそういうものではない。一部の指導者によってそういうことが起こってきておる。それを排除するのには、やはり現場におります高級幹部並びに中堅幹部が奮起をし、いわばそこに在職期間を長くすることによって、その責任体制をとることによって相当改善されてくると私は思うておりますので、いま国鉄とも協議し、そういう方向で私は進めていきたいと思うております。国鉄自身もその体制をとりつつありますので、御了解いただきたいと思うのであります。
○米沢委員 いま運輸大臣からるる御説明がありました。しかし問題は、こういうものがみんな一連の合理化闘争との取引で当局が譲歩するという、そこが一番大きな問題です。 たとえば佐賀の電気区の問題は、結局あのやみ休暇の取引材料は、五十八年三月、福岡市常地下川鉄との相互乗り入れに備えて行われている筑肥線の電化工事と見る向きが多い。その他、これは何もないのに当局が譲歩するわけはありませんね。結局合理化をしなければならぬ、人減らしもしなければならぬ、したがって何とか協力してくれ、だからこれはまけるから何とかしてくれ、みんな取引材料としてこういう甘い処分ができておる。甘い取り扱いができておる。したがって、当局そのものが、これから一切合理化案とこんな理不尽なものとは取引しないという決意を示し、そして示すだけではなく実行するという、そのことなくしてこういう問題は払拭できない。私はそう思うのでございます。その点国鉄総裁に決意を伺わしてもらいたい。 同時に、これは予算委員会で私が議論しましたが、例のスト権ストのときの二百二億円損害賠償請求訴訟、この取り下げの問題は、自民党筋にも、もういいかげんに取り下げさせてもらいたい、何とか労使関係を良好にして合理化をうまくやりたいというような動きがかなりあることも私は聞いております。それゆえにこの際、この二百二億円損害賠償請求訴訟とは絶対にバーターしないということの決意を語ってもらいたい。 もう一つは、御案内のとおり、ことしは一万二千名の減員をしようという計画です。ところが、九月現在ではわずか五%しか達成していませんね。これだけ当局が譲歩をされながら、わずか五%しか削減できてない。あと九五%をこの六カ月の間にやらなければいかぬのですよ。本当にやれるんですか。譲歩に譲歩を重ねた上に、たった五%だ。こういう当局の甘い姿勢の積み重ね、運輸大臣がおっしゃいましたようなそういう悪慣行の積み重ねが現在の荒廃の大きな要因である。確かに一、二の三ではうまく解決できぬかもしらぬけれども、一つ一つ厳重に対処する当局のその積み重ねが、こういう問題解決に大きな役割りを果たすであろうということを私はお訴え申し上げまして、答弁をしていただきたいと思います。
○高木説明員 御指摘のいずれの点も全く私の考え方と同じでございます。ぜひともこれをこの辺できちっとするということが最も大事なことだと考えております。一万三千人という減員の仕事も容易ではございませんけれども、それは御指摘のような取引みたいなことでやっては絶対にならぬわけでございまして、その辺のけじめをきちっとつけていくことによって、何とか、先ほど運輸大臣から御答弁いただきましたような体質を直すということに焦点を合わせて取り組んでまいります。
○金丸委員長 もう時間が参りましたから、簡単に。
○米沢委員 時間がありませんが、明言してもらいたいのは、これから合理化とは取引しない、二百二億とも関係ないと言うてください。
○高木説明員 そのとおり取り組んでまいります。
○米沢委員 終わります。
○金丸委員長 これにて大内君、米沢君の質疑は終了いたしました。 東中光雄君。
○東中委員 行革特例法では、福祉、教育関係の国の補助金削減の問題が問題になっておりますが、私は、大企業への実際上の補助金が非常に問題があるというふうに思いますので、農林省がやられております神通川流域におけるカドミ汚染地域での農用地復元事業、これの補助金について聞きたいと思うのですが、農林省、これは一昨年から事業が進められているようでありますが、補助金は一昨年、昨年、ことし、どういうふうになっておるか、お伺いしたい。
○亀岡国務大臣 神通川の御指摘の事業は、事業主体が富山県になっております。総事業費は二十二億一千七百万円、うち、国の補助対象が十五億五百万円、計画の面積が九十四ヘクタール、地域は富山市、婦中町、大沢野町でございます。年度が五十四年度でございまして、五十六年度の事業費は五億二千三百万円でございます。
○東中委員 神通川流域の三井金属によるカドミウムの汚染は、汚染指定地域が千五百ヘクタールあります。いま大臣が言われましたのは、その第一次工事として九十四ヘクタールについて始まった、こういうことでありますが、千五百ヘクタールに広げていくという性質のものであります。もしこれをこの割合で、現瓶のペースで千五百ヘクタール全体に事業を広げますと、現在のペースの換算で国の補助は百数十億になると思うのです。それから工事全体は三百億、四百億、こういう形になっていくわけであります。 それで、非常に大きな補助金になるわけでありますが、この三井金属は、いわゆるイタイイタイ病判決の直後、昭和四十八年の八月の十日に、公害被害者団体に対しまして土壌汚染問題に関する誓約番というものを出した。農用地復元対策事業が行われる場合には、原因者として三井が事業費総額を負担するということを誓約をしているわけであります。このとおりに加害企業である三井が実行すれば、補助金というのは問題にならぬわけであります。たとえば、昭和五十一年四月九日に承認されました兵庫県の東芝電気太子分工場周辺農地カドミ汚染対策事業におきましては、一〇〇%企業が現実に負担をしている。補助は何も出ていないわけであります。三井金属に関してそういう誓約書が出されて、これは環境庁もよく御承知のはずであります。そういうものがなぜこのような補助事業として進んでいくようになったのか、その点をお伺いしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 三井金属の原因によることであるから、三井金属が全部お金を出せばいいじゃないか、それを三井金属が全部お金を出さないでいるというのはおかしい、こういう御質問ですね。
○東中委員 そういう誓約をした。
○鯨岡国務大臣 それはそういう話があったことを私どもも承知いたしております。しかし、この種の仕事は、御承知のとおり公害対策基本法に基づいて、公害防止事業費事業者負担法というのがありまして、それで、これはいま農林大臣からお話がありましたように、別に農用地の土壌の汚染防止等に関する法律によって、県の仕事になった。 そこで、県はどうするかと言えば、審議会に諮ってこれを案分をするわけですが、もちろん三井金属だけの理由によってそういうことになったということになれば、それはもう全部三井金属が一〇〇%やるのですが、その審議会でいろいろ審議した結果、前々からあの土壌の中にはいろいろあったのだろうとか、あるいはもうつぶれちゃったけれども、前に作業場があったのだろうとかいうようなことをずっと勘案していくと、三井金属がいまやっている事業では、全体の三五・一三%を持てばよろしいということをその審議会が決めた、そこで県知事はそれでやったというふうに私どもは承知いたしております。
○東中委員 その三五・一%企業費用負担ということが非常に問題なんですね。昭和五十年ぐらいまでは、あちこちで同じような事業をやっておりますけれども、大体七五%ぐらいが企業負担になっている。ところが、七五%企業負担ということになりますと、公費負担が二五%で、国の補助金は一七%弱になる。ところが、三五%ということになると、これは国の補助が四三%になる。要するに、企業負担の減った分だけ補助がふえていくわけですから、それで三五・一%と言えば、従来の例からいっても非常に低いわけです。しかも、企業は全責任を認めて、全部自分たちの費用でやりますという誓約を天下に明らかにしたわけですね。環境庁にもそのことはちゃんと報告されているわけです。それがなぜ三五・一%になったのか。それは審議会で諮ったからということですが、審議会はたった三日しか開いていないじゃないですか。こういう異常な、補助金の率がえらい上がる、企業負担はうんと減るという事態が起こっておるのについて、どうしてそうなったのかということについては、補助金を出される農林省なり、あるいはこの企業負担法の所管庁である環境庁なりは検討されていると思うのですが、その内容をお聞きしたい。
○鯨岡国務大臣 細かい点については、政府委員がいますから政府委員から答弁させますが、私の承知している範囲では、確かに病人や何かが出ちゃった、これは大変なことになった、そのときには、これは申しわけありません、私の責任において全部治します、私はそういうふうには言うだろうと思いますね。 そこで、先ほど申しました三つの法律に基づいていろいろやっていくと三五%でよろしいということになった。その三五%が低いか高いかということについては、私は、県知事が責任を持ってやっていることですし、その審議会のやったことが、企業のために特に甘いことをやったとは思いません。もしそうだとすればこれは大変なことですから、そうだとは思いませんが、約束したのだからそれでやるべきじゃないかというのは、いささかいかがかと思います。
○清水政府委員 ただいま大臣からお答えを申し上げたとおりでございますが、先生の御質問の中でも御指摘がございましたが、この種の事業の場合の負担割合の例といたしましては、七〇%台、六〇%台というのもかなりあるわけでございますけれども、かなり前の年度におきましても四四%あるいは三二%、四一%、極端な八%というのもございますし、あるいはまた三二・七%、そういうのもございまして、特に最近になって低いようになってきたというようなことは、この数字の上ではないんだろうというふうに思います。法律の規定に基づいてやった措置であるということは、ただいま大臣からお話のあったとおりだと思います。
○東中委員 いま特別に下げたというふうなことになればこれは大変な問題だと環境庁長官はおっしゃいました。ところが、これは本当に特別下げているんです。いま企画調整局長が言いましたけれども、あれは最近になって、五十年の後半から後はずうっと下げるような鉱業協会なんかの動きがあって、ずうっと下がってきているというのも事実です。その中でも、この三井の場合は特にひどいということを私たちはいま指摘をしているわけであります。 それで、なぜそんなに低いのかということについては、第一の理由は、あそこで——それと裁判があって、そのときだから感情的に全部負担しますと言うたんだと。これはちょっといただけませんね。裁判では完敗したわけでしょう、会社側は。それで大論議をやって、そして誓約書を書いたわけですよ。その誓約書はたくさんの書類の中の一つとしてあるわけですよ。環境庁にも行っているわけです。そんな感情的にというような問題ではないということをまずはっきりしておきたいわけです。 それで、なぜそんなに低くなったかということの一つの理由は、しかもこれは非常に重要だと思うのですけれども、この汚染地域で汚染されていない、要するに三井の関係で汚染されていない地点、農用地でない、たとえば神社仏閣とか宅地とか、そういうところは農水で汚染するということはないわけですから、その地域について、これは自然の汚染だということを言っているわけですけれども、その自然汚染したというそのデータが、とんでもないデータでやっているということが明らかになったわけであります。この汚染地域の中の汚染されていない土壌についての自然汚染が、この地域だけは他の地域と比べて実に〇・三三ppm、これだけ自然汚染があるんだ、特性分があるんだ、こういう評価に立っているわけです。そのパーセンテージは三三・六七%、だから企業が負うべきものを自然汚染だと言うて企業の責任を外してしまったのが三三・六七%になっているわけです。どうしてそういう数字が出てきたかということで調査データ、根拠のデータを県側で発表しているわけです。 いま資料をお渡ししていると思うのですけれども、ひとつこれを見ていただいたらわかるのですが、お渡ししました資料の中で一番極端な例を言いますと、この資料の右の一番下ですね。ナンバー百三十七「大沢野大橋左岸(岩木新村社)」というのがあります。ここでデータをとったというのです。 それで、県の分析値によりますと、この宅地で、だから汚染されていない土壌に四・一〇PPmのカドミウムが検出された、こういう発表をしているのです。ところが、実際に東京農工大の本間慎教授が現場へ行って調べてみた。そうしますと、この説明に書いておりますように、非常に高い数値が出ておるのは全部用水路の横で、用水路の汚染された土壌を積み上げたところ、そこからデータをとって分析しているわけです。すぐ隣のそうでないところ、同じ地域でありますけれども、この村社のB地点というのを調べますと、ここに出ておりますように表層では〇・〇九ppm、五センチから十センチの深さで〇・四〇ppm、三十センチから三十五センチのところでは〇・一二ppm、こういうふうになるんですね。四・一〇ppmが自然汚染でございますというふうなことを言えば、これはもうだれもが承知しないことなんです。全国的な調査で言うても、一・〇ppm以上というのは全部何か自然じゃなくて人為的なものが加わっているということで調査をするものなんです。 ところが、この調査データでは、三井関係で汚染していない土壌が四・一〇ppmも自然汚染があるんだという報告が出されておるわけです。実際に調べればそうじゃないということになってくる。それはサンプルのとり方に、汚染されていないところのサンプルをとったことにして、実際は用水路から底質を引き上げたその汚染されたものの分析をしてデータを出している。非常に高いわけです。こんなことをやれば、全部がそういう式でやれば、すべてが自然汚染になっちゃうですね。これは百二十六の地点でのサンプルをとってやったということが明らかにされているわけです。そのうちの三十四地点が自然汚染一PPm以上だというのが出ているわけですね。その一番極端なのがいま言った四・一ppmなんです。この本間教授が全部について調べてみたら、結局三十四のうちの三十二まで、自然汚染だと言うているデータが実は自然汚染じゃなくて、汚染物質なんです、汚染土壌なんだということが明らかになってきているわけであります。 こんなことを許しておったら、そういうサンプルのとり方がもう三十四にも及びますと、あるいは三十二にも及びますと、これはたまたまの間違いでは済まない。大変な作為的なものになっている。自然汚染でないものも自然汚染だと言うて、そしてデータを挙げて企業責任を減らしている、こういうことになっているということであります。こういう点について、三五・一%というような結論が出てくる、あるいは自然汚染一ppm以上の地域が三十四地点もあるという、こういう異常な問題について何の調べもしない、そういうことで補助金を出す。そういうことだったら、まさに環境庁長官言われたように、ゆゆしい問題になるわけですよ。その点はどうなんでしょう。
○清水政府委員 ただいま先生からの資料、いまここでとっさに拝見いたしましたので、ちょっとこの資料についてはもう少し念入りに検討させていただきたいと思うのですが、私どもが県の方からの説明として伺ったものがここにあるのですが、いま先生のお話しの分け方で言えば三三・六七%が自然汚染であるということになっているわけですけれども、これの数値は、たとえばいまおっしゃっているあたりの点については、つまり神通川の扇状地以外の周辺地域での非農用地における平均濃度、これがいわゆる自然賦存濃度ということになりますが、この数値は〇・三四ppm。それで、これを引き舞いたします相手側は、神通川の同じ扇状地の非農用地における平均濃度です。これが〇・六七です。ですから、扇状地の中の非農用地、つまり水田以外のところの平均濃度が〇・六七ppmで、それから扇状地以外のところが〇・三四ppm。この差し引きしたものを分子にいたしまして、分母はいずれも農用地でとっておりまして、対象地域の、対策地域の農用地の一・三八ppmから神通川の扇状地以外の周辺の農地の平均濃度の〇・四ppmを引きまして、それを分母にして割りまして、その結果が三三・六七%というのが自然賦存率である、こういうことになっているというわけであります。
○東中委員 私はそんなことは聞いてないのですよ。そんなことは百も承知の上で言っているのです。百も承知しているからこそ、いま言ったような質問になっているんじゃないですか。 なぜ〇・六七ppmになったのだ。地域内における非汚染土壌が周辺地域における非汚染土壌と比べて〇・三三ppmも多くなっているのは一体どういうわけなんだということで、そのデータを調べてみたら、非汚染地域だ、宅地だ、あるいは神社の敷地だと言うておる部分が実は用水路から揚げた汚染物、汚染土壌でやっているのだ、だから四・一なんということが出てくるのだということが明らかになったと言っているんじゃないですか。 それについてあなた方は、これはもういろいろなところで発表もされているのですね、最近ですけれども。そういうことについて、環境庁はこれはおかしいじゃないか、もしそれが本当だったらゆゆしい問題だというふうに長官が言われた。それなら調べるべきじゃないですか。それをやっているのですか、やってないのですか。
○鯨岡国務大臣 三井金属の流した金属によって病人ができた、裁判をやった、そうしたら君が悪いんだということが決まった、それは申しわけないということで、いかような弁償でもいたしましょうということは、私は当然人情としてそうあるべきだと思います。しかし、先ほど申し上げましたように、これには幾つかの法律がありますから、その法律に基づいて県知事が審議会に諮って、そうしてこういう数値が出てまいった。それで私どもはその報告を受けております。いま先生からこういうものをいただいて、これは本間教授というやはり専門の人が調べたのでしょうから、それは私は決してでたらめなものだとは思いません。しかしながら、そういうと今度は通ってくるから、どうだと言われれば私はこれを調べますよ。これを聞きっ放しにしませんよ。どういうことになっているかな、どっちが間違えているのかな。私は会社のためにはかってはならぬと思います。会社のためにはかるべきものではない。だから、会社のためにはかったなどということは万あるべきではない。しかしながら、そこまで専門家が調べたものを先生からいただけば、私どもとしては調べないわけにいきませんから調べますが、いままでのところでは、私どもの方は不当なことがあったとは思っていない、こういうことを申し上げたので、せっかく教えていただいたのですから、これは早速調べます。
○東中委員 審議会で調べたのではないのですよ。調査をし、分析をするのは、県が委嘱をした民間の何とかセンターというようなところがやっているのです。それがそのまま審議会にかかって、審議会は三回しか開いていないのです。そういう実態についてよくせぬままにさあっといってしまった。そういうことで三五・一%では余りにもおかしいじゃないか、それは国からの、あるいは公費負担をふやすためにやったのではないか、余りにもおかしいぞということで、被害者たちが、あるいは専門家にいろいろ聞いて調べたわけですよ。調べた結果こういう事実が出てきた。もしそうだとすればゆゆしいことだと長官が言われたのですから、これは当然調べ直してちゃんとしなければいかぬじゃないか、こう思うのですが、どうですか。
○鯨岡国務大臣 だから、いまあなた雷われたとおりなんです。だから、やはり専門家に——審議会がやるといっても、専門家のそういうことを知っている人がいるからそういう人に調べてもらって、それを聞いて審議会がそれを審議して、それでこういうことだろう、こう決めた、それが違っているということなんです。しかし、三十五・何%というのは決して特別に少ない数字でないということは、いまうちの局長が言うたとおりです。しかし、そこまでのお話があった以上、私どうして調べないでいられますか。これは調べます。当然調べます。
○金丸委員長 調べると言うのだから、それであなたの、要求は通っているのじゃないですか。
○東中委員 農林大臣、行かれるようですから一言だけ聞いておきたいと思うのですが、要するに補助金を出しておられるわけですからね。その補助金の額というのは、そのまま企業負担の額とパラレルになるわけですね。向こうがふえれば補助金が減る、企業負担が減れば補助金がふえる、そういうかっこうになる性質のものですから、それだけに、補助金を出されるときに、そういう問題については疑念があれば検討されなければいけないのじゃないかと私は思っているのです。そういう点について、補助金を出される、土地改良事業をやられる農林省として今後どう対処されるか、お聞きしておきたい。
○亀岡国務大臣 環境庁長官からお答えしたように、環境庁と十分協議をしながらこの種事業は採択をし、事業執行をいたしておるわけであります。それは先ほど来ずっと申し上げておりますように、三つの法律によって補助率なり何なりきちっと定まっておりますので、その執行の面において、農林省としても、特殊のところでございますので、今後十分に注意をしてまいりたい、こう考えます。
○東中委員 そのほかに、この企業負担が非常に少なくなってきておる理由として挙げられるのがまだあるわけです。不在事業者分というのがあるのですね。三井がここで亜鉛の採掘をやりカドミを出した。そういう三井がやり始めるより前の徳川時代、これは養老年間からやっているらしいですね。その昔やった部分について、これは不在者分だというて、ここでは二〇・五五%削っているのです。ところが、これがまた全く非科学的なんですね。というのは、徳川時代にやった、あるいは養老年間からやってきたやり方というのは、表面の銀をタヌキ掘りというて掘るそうです。亜鉛なんか掘らないのです。だから、カドミなんか出てくるわけがないのです。その両立てで二〇・五五%も持っておる。不在事業者分だ、だから、三井は責任がないのだ、こういうかっこうで負担分を減らす方向がとられている。これも事実経過からいって非常におかしい。 それからもう一つは、不知期間というのがあるのですね。三井が毒性があるということを知らなかった、知ったのは最近なんだという形で、昔の分は知らなかった期間が非常に長いようにこの算定基準に考慮したと書いてあるのです。ところが、三井というのは、カドミの有害性ということについては、これはもう百年も昔からみんな知っているのですよ。厚生省が言うたからというような、そんな最近のことじゃないのです。そういうかっこうだけつけて、そして不知期間が多いからそれも考慮するんだ。何とか口実をつけて補助金をたくさん取る、企業負担を減らす、こういう方向で動いているのです。この点もひとつぜひあわせて検討をしていただきたいと思うのですが、環境庁どうですか。
○鯨岡国務大臣 調べる場合には、万般注意して調べます。
○東中委員 これくらい、何といいますか、大企業にそのまま補助金が肩がわりしたみたいなかっこうでいく。向こうに責任があるものを責任がないかのようにしていってしまう。被害者側から見たらたまったものではない。何という加害者企業に対する国の援助か、援助というか補助が使われているということで、地元の、あるいは被害者の人たちは非常な憤りを持っているわけであります。だから、厳正にやっていただきたい、過剰補助金支出ということにならないように。会計検査院、こういう点について調べられるということはありますか。
○高橋会計検査院説明員 この点につきましては、この事業は五十四年度から実施しているものでありまして、五十四年度には幾らも金が出ていなかったというようなことから、私ども検査を実施しておりません。また、五十五年度におきましては、大体現有勢力からいきまして、私ども各県二年に一遍というような感じで検査しておりますので、検査は実はやっておらないわけでございます。 ただいまの点につきましては、私どもの検査は、事業の実施について会計経理が適切かどうか、こういった点から見ておりますので、審議会の審議内容などに入りますのはいろいろ困難がございます。しかし、先生の御指摘もありますので、土地改良事業との関連におきまして種々検討させていただきたい、かように考えます。
○東中委員 次の問題に移りたいと思うのですが、大蔵大臣は、防衛庁の五十七年度予算概算要求、シーリングの七・五%アップについては、中期展望程度のものを頭に置いてつくったものだ、二、三カ月見て経済見通しがはっきりした段階では、予算が小さくなることはあっても、まず大きくなることはない確率が高い、概算よりも小さくなる確率の方が多い、こういう答弁をされておるわけです。 この七・五アップの枠というのは、人件費の当然増、自然増は入っておるけれども、今度人勧の分は、いまは入ってない。それがもし人勧のベースアップの分が入るということになったら、七・五というのを上げることがあり得るのか。その確率は非常に少ない、こう言っておられるのですけれども、その点はいまも同じですか。
○渡辺国務大臣 人勧の取り扱いは、防衛庁だけ別にというわけにはいかないと思います。全体としてゼロシーリングをやるとすれば、現在の概算要求の中で人勧分を消化してもらわなければならぬ。概算要求の中にはめ込まなければならないということですね。その分は何かを切らなければならぬ。それはできるかどうか。私としてはそういうようにやりたいと思って努力をしておるところでございます。
○東中委員 防衛庁にお伺いしたいのですが、人件費の当然増あるいは自然増といいますか、概算要求で出されておる中では、五十六年度と比べてどれくらいアップになっておるのですか。
○大村国務大臣 お答えします。 先般の当委員会におきまして、人勧に基づく明年度の人件費の増加額がどのくらいになるかという御質問に対しまして、まだ決まっておりませんので正確な計算はできないわけでございますが、一応の推定としましては五百七十億円ないし五百八十億円が出るであろう、そういうことをお答えしている次第であります。そのとおりでございます。
○東中委員 いや、私が聞いたのは、それもお伺いしたがったのですけれども、それじゃなくて、いま概算要求をされているについては、自然増、当然増は概算要求の中に入っているわけですね。現在すでに、人勧のベースアップとは別に、当然増としての人件費増があるということで請求をされているはずですから、それは五十六年度と比べて五十七年度の概算要求ではどれくらい上回っているのかということを聞いているのです。
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。 御質問の人件費の当然増といたしまして、一つ昇給原資がございますが、これが約九十四億円入っております。それから、五十六年度予算で見ておりました増員の経費が平年度化してまいりますのが十七億円とか、そういったようなものが計上されておるわけでございます。
○東中委員 糧食費は、これも自然増があるわけですが、五十六年度は幾らで、五十七年度の概算要求は何ぼになっておるか。それから、油購入費についても、五十六年度と五十七年度概算要求では、これは自然増として要求されておるのがあるはずですから、その差は幾らか、医療費についてもどうかという点を経理局長から……。
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。 まず、糧食費でございますが、五十七年度の概算要求額として計上してございますのが約三百八十五億円で、これは前年に対しまして約三億円の増加でございます。それから、医療費は二百二億円でございまして三十八億円の増加、油購入費は七百六十六億円でございまして百八十九億円の増加、大体そんなことになっております。
○東中委員 私たちが聞いておるのでは、経理局長、こういうことになりませんか。人件費、糧食費は昭和五十六年は一兆一千三百九十二億、それから五十七年度は一兆一千五百六十億、百六十八億の増加、それから油購入費は五百七十七億が七百六十六億になって百八十九億の増加、医療費は百四十億に対して百七十三億で三十三億の増加ということではないですか。しかも、これはいずれも自然増だというふうに思うのですが、そうじゃありませんか。
○矢崎政府委員 お答え申し上げます。 防衛関係費の中の人件糧食費の金額は、五十七年度の概算要求額が一兆一千五百六十一億円、それで五十六年度の予算が一兆一千四百四十四億円でございますから、その差が百十七億円ほど増になっておるわけでございます。それから医療費は、先ほど申し上げましたように、概算要求額は二百二億円でございまして、前年度が百六十三億円、三十八億円の増加でございます。油購入費は、いま先生のお述べになったのと、先ほど私が申し上げましたのと合っているかと思いますが、五十七年度の概算要求額が七百六十六億円でございまして、前年度予算が五百七十七億円でございますから百八十九億円の増加、こういうことになっております。
○東中委員 それからもう一点。既契約の後年度負担の歳出化分、これは五十六年度は六千二百四十六億、五十七年の概算要求では七千五十二億、その差は八百六億ということではございませんか。
○金丸委員長 時間がないかち早くやってくれ。(「答弁できないのか」と呼ぶ者あり)
○東中委員 時間がもったいないので進めますけれども、これは防衛庁側が予算要求の大綱で出しておる、それから五十本年度の予算の中で見積もりとして出しておる数字に基づくものですから間違いないわけです。 そこで、私は言いたいのでありますが、これらはいずれも自然増、いわば当然増だと言っているわけであります。ことしの概算要求で七・五%アップになって、そこでふえる額というのは千八百二億であります。千八百二億のうちのいま申し上げた分を引いて、そして人勧実施分、推計として言われた五百八十ないし五百七十を入れますと大体千八百億近くになるのです。ということは、そのほかの正面装備について新規契約をされるP3Cとか、ずいぶんたくさんやられるわけですけれども、これはもう入れる余地がなくなってくるということになると思うのですが、主要な正面装備の点だけを見ましても、頭金だけで、地対空の誘導弾が四十八億七千九百万円、AHlSが六億八千五百万円、P3Cが十億七千三百万円、HSS2が六億四千九百万円、F15が四十四億七百万円、C130Hが十七億七千万円、それから艦艇が四十九億九千八百万円、合計しまして百八十四億近くになります。これは頭金が非常に小さくされているわけです。そして、後年度負担が非常に多いという状態になっているのですが、こういうものは当然増、自然増として防衛庁は七・五%ということになれば、当然これは削らなければいかぬということになると思うのですけれども、その点は防衛庁長官はどういうふうにお考えになっておるか、お伺いしたい。
○大村国務大臣 お答え申し上げます。 シーリングは、かねて申しておりますとおり、国際条約に基づく歳出化経費等の増額に着目しまして決定されたものでございます。五十七年度の概算要求は、そのシーリングの枠内におきまして、最近の厳しい国際情勢にかんがみ防衛力の整備充実を図っていく必要があること、また財政再建というきわめて厳しい制約下にあるということ等を総合的に勘案しまして、質の高い防衛力を整備するために最小限必要な経費を盛り込んだものでございます。したがいまして、防衛庁としては、現在要求しております項目が認められるように最大限の努力を尽くしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○東中委員 私の言うていることは、要するに、七・五アップの中で人勧の分を五百七十億ないし八十億入れれば、その分をならさなければいかぬ。どこかを削らなければいかぬ。要求をしていきたいということはいいけれども、削らなければいかぬことになってくる。その削るときには、すでに伸ばそうとしているのは、当然増、自然増だと言うている分が、先ほど申し上げたような約一千七百数十億になる分がある。そうしたら、もうあと自然増を削るわけにいかぬわけですから、正面装備の分は削らなければいかぬことになるのじゃないか。しかも、この入れ方が、たとえばP3Cなんかの場合は十七機で、非常にふやされた。頭金は五十五年発注に比べれば三分の一に減らしていますね。あるいはC130Hの場合にしましても、去年に比べて頭金は三分の一に減らしている。あるいはAHlSの場合でも、これは何と五十三年に比べますと十三分の一に減らしている。頭金をうんと減らして機数をうんとふやして、そしてとにかく後年度負担で入れ込むんだと言っている。その減らした頭金で見ても、七・五から言えばもう外れてしまうということになるのですが、大蔵大臣は先ほど七・五は守りたいということを言われました。総理大臣にお伺いしたいのですが、やはり七・五を守るということでいかれるのか、あるいはそこらの点はどうなんでしょう。
○大村国務大臣 先ほどのお答えで一つ漏れておりましたので、追加させていただきます。 先生は人勧費の分が当然食い込んでくるような前提での御発言でございますが、私どもとしましては、繰り返し申し上げますように、シーリングの際にも、人事院勧告に基づくベースアップの増額分は含まれておりませんし、また、概算要求のときにも含んでおらない、これは繰り返し申し上げているとおりでございます。また、その扱いは、現在、政府全体で慎重な検討が加えられているところでありますので、その点を、直ちに七・五の中に入ってきて後はどうなるかというお尋ねに対しては、先ほど申し上げましたようにお答えするわけにはいかないわけであります。 それから……
○金丸委員長 簡単にやってください。
○大村国務大臣 現在の防衛庁の要求が、これまでと違って初年度の分を極端に切り下げたような御発言でございますが、そういうことは全くございません。これまでの支払い条件に従って所要の見積もりを出して計上したものであるということを明確に申し上げます。
○東中委員 時間ですので、総理に、いま私の言っていることと防衛庁長官のお答えになっていることとは大分食い違いがありますので、それは別としまして、人勧を入れるとしても七・五%を守るというお考えなのかどうかということです。
○鈴木内閣総理大臣 シーリングの中にはベースアップ分は入っておりません。これは防衛庁の予算に限ったことではございません。全体がそうでございます。先ほど大蔵大臣から申し上げましたように、実際の予算の査定におきましては、何とかシーリングの枠内に抑えたい、こういうことで政府としては進めてまいりたいと思っております。
○東中委員 私の言っているのは、人勧を来年になったら入れるわけでしょう。入れた場合にも七・五を守るというのは大蔵大臣の言われたことですね。それは同じですか。
○渡辺国務大臣 それは総理大臣と私の言っていることと、全く同じことを言っているわけであります。それは防衛庁だけの話ではありません。原則ゼロシーリングというのは全体の問題であります。
○金丸委員長 これにて東中君の質疑は終了いたしました。 田島衞君。
○田島委員 大変皆さんお疲れだろうと思いますけれども、できるだけ早くやめたいと思いますから、がんばってお答えをお願いしたいと思います。 新自連として本委員会の議題となっております行革一括法案の締めくくりとしての質問を申し上げるわけでありますが、締めくくりとすれば、かねてから中道三会派から法案の修正を求めておりました、そのことについて当然取り上げるべきだと思いますけれども、それらのことについては、各項目にわたり、先刻来公明、民社両党の議員に対するまことに誠意ある答弁がありましたので、その重複を避けまして、その答弁が誠実に実行されることを強く希望して、私は重ねて取り上げません。 そこで、この国会はいわゆる行革国会と言われております。そしてまた、行政改革には鈴木総理がその政治生命をかけると言われておるわけでありますけれども、現実にこの国会にかけられたところの行政改革へのねらいといいますか、それだけを見る限りにおいては、一体氷山の一角なのか、それとも水面上にぽっかり小さく浮いている氷のかけらなのか、いささか理解に苦しむところがあるわけであります。 そこで、締めくくりの段階として、この国会にかかっておるところの行革法案によるところの実といいますか、そこに求められる実というものは、鈴木総理が政治生命をかけるとまで考えておられる行政改革全体の中ではどのような位置づけとして見られておるのか。これは本当の氷山の一角ですよ、これから本当の行政改革に取り組むのだ、その取り組もうとしておる行政改革の本体というのはこういうものなんですという、まことに頼もしいお話を聞かせていただけるかどうか、まずその辺からお伺いをしたいと思うわけであります。
○中曽根国務大臣 これはきのうも土光さんのごあいさつにもあり、私も累次御答弁申し上げているように、いわゆる基本答申というものは来年の初夏を期待しておる。それで、今回のものはそれに近づいて、それを遂行するための一つの突破口にもなる、切り口である、そういうふうに申し上げてありますが、そのとおりであると思っております。
○田島委員 突破口と言われるわけでありますけれども、考えによってはそう受け取れないこともないと思いますが、突破口というのはやはり相当な厳しい難関でなければならぬと思いますけれども、私どもに受け取られる感覚としては、現実にはそんなにむずかしい内容ではないのじゃないか。言うならば補助金のカットであり、そして行革が求めるべき本当のむずかしい面は全部横にずらしてしまって、どちらかと言えば弱者へのしわ寄せに終始した内容ではなかろうか。しかも年度末、明らかに国債残高八十二兆円が予測される中で、今度の行革一括法案によって得られるところの実質節減額は五百八十二億円ぐらい、これじゃまさか突破口だと言うにはいささかさびし過ぎるんじゃないか。別に額の問題で言うわけじゃありませんけれども、その内容、性格等から考えてみて、少なくとも鈴木総理が政治生命をかけるとまで考えておられる行革の入り口だ、突破口だと言われると、いささか理解に苦しむわけでありますけれども、もう少し理解できるような御答弁はありませんでしょうか。
○中曽根国務大臣 臨時行政調査会の答申は三段階を期待しておりまして、まず第一段階におきましては、緊急的な処置を御答申をお願いしたわけであります。これは主として緊急財政対策、来年度予算編成について増税をしない、そして一兆八千三百億円見当の公債を減らす、そういうものをまず基本課題にして、それを行うについて、緊急対策としてやるという意味でとっついたのが今回のことであり、この背景にはゼロシーリングという非常に大きなものがあるわけであります。今回の法案はその氷山の頭のところでありますが、ゼロシーリングという水面下にあるものはかなり大きなものがあって、いままでこういうことはできなかったことをやったのであります。それで、とりあえず緊急財政対策的行革の切り口を進めまして、そしていよいよ制度、機構等にわたる中心的課題にいま臨調が取り組んでおって、その答申をいただいてそれを断行しようというわけであります。したがって、これが第二段階。それから最後に、五十八年の三月に第三段階の締めくくりの御答中をいただく、こういうことでありますので、まず順序をつけて、急がずにあわてずにじっくりじっくりやっていく、こういう考えております。
○田島委員 急がずにあわてずにじっくりやられることも結構でありますけれども、できれば急いでやっていただく方がいいことでありまして、急がない方がいいということはないはずだと思うわけであります。 それから、このような言い方をするといささか批判を受けるかもしれませんが、私どもは、今度の国会にかかった行革法案というのはそんなに議論を呼ぶほどの内容じゃない、むしろいま長官が言われるような、今度のこれは氷山の一角なんだ、これからが大変なんだという、その大変なものが一体どの程度の決意を持ってどの程度の性格、内容を持って今後進められていくかに大変興味と期待をかけておるわけです。 しかし、現実問題として、この国会の経過の中で、これほどの内容のものでも結構なかなか与野党の折衝がむずかしかった。それには仲裁裁定の問題あり、人勧の問題あり、それらが絡んでいるものですから、そういう点での複雑さもあったでしょうけれども、内容のわりには結構その平たんな道でもなかったと思うのです。とすると、今後の行革の行く手を考えてみますと、たとえば、続く通常国会には予算審議という大変大きな目玉がある。その目玉だけでも大変だと思うのですけれども、そういう中で本当に氷山の実体、水面下にある中身のでっかい部分をみごとに処理できるのかどうなのか、まことに憂慮にたえないところがあるのですけれども、そんな私らに、愁眉を開くような決意のほどを総理からでも長官からでもお聞かせいただければまことにありがたいと思います。
○中曽根国務大臣 鈴木総理も私も政治生命をかけると皆様に公言申し上げておるのでありまして、木田に誠実にこれを断行する決意でおります。
○田島委員 政治生命をかけるということは大変なことでありますけれども、そのような長官のお言葉に別に反論するわけじゃありませんけれども、しからば、この国会にかかった行革一括法案等は、たとえば長官が政治生命をかけるに足る内容だとお考えですか、これはそれほどのことではないと思っていらっしゃいますか、どっちですか。
○中曽根国務大臣 一体不可分でありまして、すべて政治生命をかけて真剣にやっておるものであります。
○田島委員 人それぞれの考え方がありますけれども、もしそれ中曽根長官ともあろう方が、今度の国会にかかった行革法案の内容ぐらいに政治生命をかけているとしたら、氷山の本体があらわれたら一体どうなるのかなという憂慮がよけい強くなってまいるわけであります。 ややともすると人は易きにつく。上り坂と下り坂とどっちを選ぶかと言えば下り坂を選んでしまう。行革とは言いながらも、相手が相当こわい相手だと、そっちの方からだんだん顔が横へ向いてしまって、余り抵抗のない方へ物事が行ってしまうきらいがあります。行政改革もそういうような傾向に陥るおそれがなしとしない。その実例が現に今度の国会にかかったこの法案そのものの中身にあると思うわけです。この法案の中身で、本当の行革の相手にするような対象というのは全然出ていない。出ている対象はみんな弱い対象ばかり。本当だったら、この入り口だと称するところあたりで、少しはごつんと壁にぶつかっても、強い相手を対象にするような一部の案ぐらい出てもよかったんじゃないかなと思いますけれども、それが出なかったというその政府の取り組み方からすると、果たして氷山の本体にみごとに勇気を持って取り組めるのか、大変疑問に思うところでありますけれども、重ねてしつこいようですけれども、大丈夫でしょうか。総理でも長官からでもお伺いをいたします。
○中曽根国務大臣 大丈夫です。
○田島委員 時間をできるだけ早くすると約束しましたから早くしたいと思ったのですが、もう一つ聞かしていただきたいと思います。 それは、先ほどもちょっと触れましたけれども、今度の臨時国会は、一体目玉は行革法案なのか、それとも仲裁裁定、人勧問題なのかと思えるような経過が実態だったと思います。それも理解できないことではありませんけれども、その仲裁裁定とか人事院勧告とかの制度というものについて、率直に申し上げて、その制度があれば、その制度に従って出された裁定、勧告はできるだけ早い時期に完全に実施、実行されることが望ましいし、正しいことだということは何人も否定できないことだと思うのです。だけれども、現実にはなかなかそうはいかない。現実にそうはいかないということが毎年毎年続くとすれば、一体どこにその理由があり、どこに改善をしなければならない点があるのか。あるいは制度そのものの見直しをしなければならないということもあるのではなかろうかと思うし、現実に仲裁裁定やあるいは人事院勧告の制度そのものの中に、今後行政改革が取り組むべき対象として相当大きな部分があるだろうと考えますけれども、中曽根長官、その点についてはいかがお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 今回の臨時行政調査会の対象は、行政制度及びその運営が対象になっておりまして、公務員制度の一環としての現在の人事院制度等も当然対象の中に入っているものであります。
○田島委員 対象の中に入っているということではなくて、私が聞きたいのは、仲裁裁定とか人事院勧告の制度そのものの中に行政改革が取り組むべき問題点があると私は考えますけれども、同じように考えられますか、それともそういう点は一切ないと考えられますか、どちらでしょうか。
○中曽根国務大臣 行政改革には聖域はございませんから、それらすべて検討の対象に入るものと心得ております。
○田島委員 たとえば裁定、人勧、それらの制度の設けられた大きな理由の一つに、いわゆる労働基本権が抑えられている。それに対する一種の救済措置というような面が目玉だと思うのですけれども、だからといって、その労働基本権としての一つのスト権がないと知りつつやはりストをやる者がいる。現にあしたやるかもしれない。ストをやっているんなら、何も労働基本権は抑圧されていない。自由にやっておるわけじゃありませんけれどもね。そこらのところは、やはり相当政府としても勇気を持って改善に努力すべきだ。絶対ストはやらせないとか、あるいはストをやるんならやるでそのような対応をするとか。 それからもう一つ、毎日毎日この国会の周辺で、公務員と称する人たちが大ぜい行列をつくってわいわい騒いでおる。その時間はほとんど勤務時間帯。勤務時間帯にあれだけの大ぜいの人間がぶらぶら行列をつくって歩いているんなら、それだけ人間が余っている証拠。そこらのところをもう少し勇気を持って政府は対応してもいいのじゃないかと思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
○中曽根国務大臣 政府は慣行を尊重し、法律に従って処理をしてまいります。
○田島委員 これで終わります。
○金丸委員長 これにて田島君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、本案に対する質疑は終了いたしました。
○金丸委員長 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、順次これを許します。小渕恵三君。
○小渕(恵)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案、いわゆる行革関連特例法案に賛成の立場から討論を行うものであります。 申すまでもなく、行財政の改革は国家的、国民的課題であり、国政の中で最重要の課題として取り組まなければならないものであります。とりわけ、今年度末には八十二兆円にも上る国債残高を抱え、きわめて困難な局面にある財政の再建を図ることが急務となっているところであります。行財政の立て直しを図り、早期に対応力ある行財政を確立することなしには、今後のわが国に課せられた困難な課題にとうてい対処していくことはできないと考えます。 本行革関連特例法案は、このような行財政改革のための第一次の着手として位置づけられたものであります。本法案は、著しく不均衡な状態にある財政収支の緊急な改善に資するため、当面法律改正を要する事項を取りまとめているものであります。 本法案に盛り込まれた措置は、来年度予算編成過程における各般の歳出の見直し措置と相まって、昭和五十七年度において増税なき予算編成を実現するための不可欠の措置であり、今後の財政再建のための第一歩を踏み出すものであります。これをぜひとも成立させなければ、わが国の行財政改革はその進展を見ることができない旨を指摘せざるを得ないのであります。 このため、本行革関連特例法案については、今臨時国会を行革国会として位置づけ、この行財政改革に関する特別委員会を設けて審議をいたすこととなったのであります。 本法案については、去る十月六日に当委員会に付託されて以来、総理、関係大臣の出席のもとに、異例とも言うべきほぼ連日にわたる熱心な審議が行われ、また、中央地方の公聴会において各界を代表する方々から御意見を聴取したほか、関係委員会との連合審査を行ってきたところであり、十分かつ幅広い論議が尽くされたものと考えております。 このような審議の中で、本法案に基づく措置による国民生活等への影響、その他この法案に関する問題脈については建設的な質疑が行われ、具体的問題については、政府により、行財政改革の推進に立脚しつつも真に必要な配慮は万全になされていることが明らかにされたところであります。 また、これとともに、審議の過程において、本法案の必要性と、その内容の妥当性については、国民の大方の理解が得られたものと考える次第であります。したがって、以上の見地から、私は本法案につきましては速やかに可決、成立させるべきものと考えるのであります。 最後に、当委員会における本行革関連特例法案の審議を通じ、行財政改革の問題点が浮き彫りにされ、国民の強い関心と注視の中で、かくも広範かつ深く論議されましたことは、今後取り組まなければならない行財政改革の推進の上できわめて有意義なことであったことを指摘し、当委員会における審議の結果が今後の行財政改革に十分反映されるべきことを強く主張いたしまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
○金丸委員長 佐藤敬治君。
○佐藤(敬)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、反対の立場から討論を進めるものであります。 今回の行革臨時国会において、大方の抗議を無視して強引に政府は一括法案として提出し、さらに、自民党もまた常任委員会の意向を無視して一括特別委員会の審議にゆだねましたことは、まことに遺憾にたえません。先ほどわが党の小林進委員が声を大にして警告したように、一つ一つの法律には、それぞれの成立の歴史と、常任委員会の努力がにじみ出ているものであります。このことを全く無視して一括審議に付することは、先達の努力に対する重大な侮べつであります。 今回のみならず、最近政府は、本来一つにすべきでないものを一括して提案する傾向が非常に強い。竹に木を接ぎ、あるいは薬と毒を一緒にして国会に提出しております。このことは国会の審議権、選択権を踏みにじるものであって、まさに議会政治の否定につながるものであります。今後このようなことのないよう、議会軽視のないように法案提出の際は厳に慎んでいただきたいと存じます。 この行財政改革特別委員会の政府答弁を聞いて強く感じたことは何でも臨調、臨調万能ということであります。何を聞いても、臨調がこう言っている、臨調でやっております、臨調の答申を待っております、まるで臨調は越中富山の万金丹のようであります。徹底して臨調を隠れみのにして逃げ込んでいる。これでは鈴木内閣ではなくて土光内閣ではありませんか。鈴木内閣は臨調の下請内閣と言わざるを得ないのであります。 また、公聴会でも各公述人が口をそろえて述べておりますように、この一括法案のどこを取り上げてみても、行革とは全く縁がない、全く結びつかないのであります。国民や地方に負担を押しつけて、単に国の財政のつじつまを合わせるだけに終始しております。まさに行政改革の根本を置き去りにした逆立ち行革と言わざるを得ません。 さらにまた、この法案の看板の大きさ、ふれ太鼓の音の高さに比べて、内容はまさに上げ底の弁当で、まことにお粗末千万であります。単に来年度予算編成の一過程にすぎず、大蔵大臣がやればよいことであって、あえて臨調の取り上げるべきしろものではありません。自民党内にも、こんな国会は開かない方がむしろ行革だと言う人もいるとテレビが報じております。臨調も、こんな法案で政府の隠れみのになるようなことではなくて、本来の任務である本格的答申に取り組むべきではなかったかと強く感じます。 この特別委員会の審議を国民は大変な関心を持って注視していることと思います。国民が最も疑問に感じ、危惧の念を持ったのは、莫大な後年度負担の問題ではないでしょうか。各党から異口同音に指摘された膨大な防衛費の後年度負担、各種年金の元利返済、地域特例補助削減の穴埋め等、すべて後年度のツケに回されております。その額は簡単に予測できないほど大変な大きな額であります。しかし、その一方で政府は、五十八年度も五十九年度も増税をしないと言っております。いろいろな経済事情等を考慮に入れて、果たしてこんなことができるのか、大いなる矛盾と疑問を残していると言わざるを得ません。 また、政府は経済七カ年計画を公表しておりますけれども、審議の途中で明らかになりましたように、臨調が所期のとおり進行していけば、逆に経済七カ年計画はだんだんしりすぼみになっていく懸念さえあるのであります。要するに、増税なき財政再建などとはまやかしであり、国民を欺瞞するものであると言わざるを得ません。 われわれは、この特例法案の審議に当たり、まず何よりも平和を守ること、そして福祉を最優先すること、さらに行政が身近で処理され、住民参加も可能になるような分権、自治の確立により、民主、公正、効率の三原則を貫く行政改革を進めるべきであると主張してまいったのであります。 ところが、政府の臨調答申を受けて出されましたこの行革関連特例法案は、厚生年金を初めとした各種共済年金の国庫補助の削減、児童手当の切り捨て、老人医療の有料化、年金スライドの延伸、四十人学級の廃止、地域特例措置のかさ上げ率の削減、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫等の貸付金利の引き上げなど、どれをとっても……(発言する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○佐藤(敬)委員 弱者の切り捨て……(発言する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○佐藤(敬)委員 地方自治体への負担転嫁で財政のつじつま合わせをしたものと指摘せざるを得ません。 総理は、臨時国会の所信表明の中で、「等しく痛みを分かち合う」と述べておりますけれども、これで果たして等しく痛みを分かち合っているのでありましょうか。低成長下で生活の不安、教育と医療の荒廃、来るべき高齢化社会を迎える国民にとって、この改革によって果たして明るい国民生活への展望が得られるのでありましょうか、大きな疑問を抱かざるを得ません。 私は、この特例法案の審議を通じて、改めて多くの問題点を指摘せざるを得ないのであります。 まず第一に、特例法案では約二千五百億円の予算が削減されることになっておりますが、そのうち二千億円以上が各種年金の国庫負担の減額であり、また昭和五十七年度予算概算要求、いわゆるゼロシーリングにおいても、削減総額七千八百七十二億円のうち六千百六十七億円、実に七八%は厚生省関係予算の減額であります。これをどのように弁解しようとも、弱者切り捨ての行政改革であることは数字が明らかに示しておるところであります。 特に年金の国庫負担の削減は、審議の過程の中で特例期間終了後には返還するとはいうものの、その時期、方法を明示しないばかりか、政府答弁の背後には、この機会を利用して制度の改悪を意図しているというような気配も見えるのであります。 また、児童手当についても、単に低所得者対策としてのみ位置づけ、制度の目的を理解していないばかりか、所得制限の強化を行い、現に児童手当を受けている家庭を締め出す暴挙は許すことができません。 さらにこの際申し上げておきますが、五十七年度予算において年金のスライド時期を繰り下げることは、物価高に苦しむ年金生活者に重大な影響を及ぼすものであって、断じて行うべきものではないと思います。もし五カ月、六カ月も年金改定の時期をおくらせるならば、鈴木内閣の命取りになると警告しておきます。 次に、福祉とともに切り捨ての対象とされているのが教育であります。四十人学級の停止は、長年の父母、国民の願いがやっと昭和五十五年度から実現したばかりのものであり、欧米先進国では一学級の児童数は三十人前後であり、四十五人を十二年間で四十人にするというささやかな計画をやめるなど、経済大国のとるべきことではありません。しかも、生徒児童の自然増に伴う教職員の増加を五百名も削減しようとしていることは、行き届いた教育を願う父母や国民の期待を裏切るものであると言わなければなりません。 また、教科書の無償配付は、義務教育無償の憲法の精神によって実施されたものであり、これを有償にすることは許されるべきことではございません。 また、育英奨学制度の有利子制、返還免除制度の廃止、返還期間の短縮などは、明らかに国民等しく教育を受ける権利を有する憲法の精神に反するものと指摘しなければなりません。欧米先進国の多くが給付制をとっている実情から、むしろ返還制度を廃止すべきものであります。 次いで、私学助成の据え置きは、私学の経常費が毎年増加をしている実情から、これは直ちに学費の引き上げ、父母負担の増加につながっているものであります。国公立学校と私学との負担の均衡を図る上からも、当然、法に示された五〇%に近づける努力をいたすべきであります。 こうした福祉、教育の切り捨てとともに重要なことは、政府の行財政改革が、数次にわたって分権、自治の実現を求めてきた地方制度調査会の答申を無視し、ひたすら負担と責任を地方自治体に転嫁しようとすることであります。 北海道、東北、南九州、四国などは地域経済が低下しているにもかかわらず、これら地域に重大な影響を持つ地域特例措置を削減することは許容しがたいことであります。しかし、さらに重要なことは、国、自治体間の財政秩序を根底から否定しようとすることであります。国民健康保険、児童扶養手当、特別児童扶養手当に対し、都道府県負担を導入しようとすることは、まさに地方財政法に違反し、国、自治体間の財政秩序を破壊しようとするもの以外の何物でもありません。国と地方を通じての行政制度の改革は、今次行革の最大の課題であります。行政のむだを省くために許認可事務、機関委任事務の地方移譲、零細補助金の廃止等を図り 身近なことは身近なところでと、分権重視の行革でなければなりません。 しかし、わが党の安井委員が最後に指摘したとおりに、臨調の中には地方分権よりも中央集権的な強い意見が見られることはまことに遺憾であります。地方財政は国の借金のツケ回し機関ではなく、住民福祉と民主主義の発展に責任を負う固有の領域と責任を負うております。この責任を十分発揮できるよう国、自治体間の責任と負担を明確にすることこそ、今日の行財政改革に強く求められている課題であります。 鈴木総理は、今度の行政改革に当たり、国民の前で防衛費も聖域とせずと言いました。ところが、いざふたをあけてみると、臨調答申を初め閣議決定された行革大綱にも、防衛費問題は何ら触れられていないばかりか、五十七年度予算概算要求には七・五%増となっているのであります。鈴木総理の防衛費も聖域とせずということは、国民の前にうそをついたことになります。しかも、この防衛費の伸びは、人件費の伸びを加えれば一〇%近くになることも明らかになっております。さらに重要なことは、五十七年度予算において主要装備の繰り上げ購入により五十八年度以降の後年度負担が増大することであり、しかも六十年度以降の後年度負担は財政再建期間から外れ、GNPの一%以内に抑制することは不可能と言わなければなりません。 福祉、教育など弱者切り捨ての反面、防衛費が拡大される中で、政府部内に防衛庁を省に昇格させようとする危険な動きが見られるなど、この特例法案の審議を通じて明らかになったことは、弱い者にしわ寄せをし、軍備増強、軍事大国への道を開く行財政改革と断言することができるのであります。 今度の臨調第一次答申に裏打ちされた行革法案は、国民の要望の最も強い不公平税制等には全く一指も触れずに、弱い者いじめの批判を招いております。国民的合意、特に弱い一般庶民の共感を得なければ行政改革は成功することはできません。来るべき通常国会、または六、七月に予想される第二次答申は、このような批判を受けることのないよう政府に強く戒告しておきたいと思います。 われわれは、まず不公平税制を是正して財源を確保し、後年度負担を増大させる防衛費を抑制し、原子力船「むつ」などを中心とする科学技術開発費の抑制、さらに不要不急の補助金を削減すれば、国民生活に直接関連し、弱者切り捨ての福祉、教育にしわ寄せをする削減を行うことなく、財政の再建と、いま国民の強い要望である物価調整減税を実現することができるものと確信しているものであります。 政府の行政改革法案に強く反対して、私の討論を終わります。(拍手)
○金丸委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 私は公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる行革関連特例法案に賛成の討論を行います。 賛成する理由の第一は、国民的要求である行財政改革を着実に進めるためには、部分的に問題があるとしても、本法律案を成立させ、文字どおり行財政改革の突破口を開くものとしていかなければならないと考えるからであります。 確かに本法律案は、鈴木総理が目指す行財政改革あるいは財政再建とどのように関連づけられるのか判然としないばかりか、内容的にも財政の帳じり合わせ的な支出削減が目立っていることは否定できません。特に国民の納得いく行財政改革を唱えながら、本法律案による支出削減額の八割までが福祉、文教関係の削減で占められていることについては疑問を呈せざるを得ないのであります。 しかしながら、財政再建は緊要の課題であり、このためにも行財政改革は何としても積極的に推し進めなければなりません。不満足な法律案とはいえ、本法律案が未成立に終わるとするならば、緒についたばかりの行財政改革の歩みは一歩も二歩も後退することは必至であります。また、共産党を除く各党一致の賛成で設置した第二臨調の存在をみずから否定する結果にもなりかねないのであります。われわれは広く国民の立場から行財政改革推進の立場を堅持してまいりました。そうして、責任政党として、総論賛成各論反対のたてまえ主義に陥らないよう戒めてまいりました。これからもこの態度は変わるものではありません。 鈴木総理は、論議を通じて、中央省庁の統廃合を初め、本格的な行財政改革の断行を確約されました。また、第二臨調の基本答申の尊重も言明されたのであります。行財政改革に政治生命をかけるとまで言い切った鈴木総理が、あくまでもこの方針を堅持するとするならば、五十九年までのこの三年間に限る特例措置を定めた本法律案の成立のみをもって足りるとしてはなりません。かつての行財政改革挫折の苦い反省の上に立って、来るべき本格的行財政改革を圧力団体や官僚などの予想される妨害を排除して断じて実行することによって、まさに「痛みを等しく分かち合う」という総理の言葉が生かされると思うのであります。したがって、本格的行財政改革を断行するためにも、この法案の実質的内容を改善して成立きせることが必要と考えたのであります。 賛成する第二の理由は、われわれが民社党・国民連合、新自由クラブ・民主連合とともにまとめた本法律案に対する要求事項が、政府答弁等によって、不十分とはいえある程度満たされたからであります。 三会派の要求事項は、第一に、厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんの明確化、第二に、住宅金融公庫等の貸付金利据え置きの明確化、第三に、緩急をつけた教職員定数改善計画の実施、第四に、特定地域に係る国の負担、補助等の特例に関する財政金融上の措置の明確化、第五には、児童手当制度の存続の明示等でありました。これら要求事項は、国民の立場に立った行財政改革を進める上で最小限度の範囲のものであると答えます。 政府・自民党は、三会派の強い要求を受けて、政府答弁という形で五項目について三会派の主張を認めたのであります。政府答弁による厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんの明確化等は、国民の不安を払拭するものであり、評価するものであります。 以上、本法律案に賛成する理由を申し上げましたが、実質的な行財政改革が具体化するのは五十七年度予算編成からであります。したがって、この際政府に何点かの要求をしておきたいのであります。 第一点は、五十八年度以降も大衆増税を行わないことを明確にすべきであります。安易な増税は本格的な行財政改革の意欲をそぎ、思い切った行財政改革の断行を拒む結果になることは明らかであります。増税なき財政再建が増税なき五十七年度予算編成にすりかえられるようなことがあってはなりません。 第二点としては、福祉、文教関係予算の確保であります。われわれは、福祉、文教関係予算を聖域化せよと言うものではありません。少なくとも現在の水準を維持しつつ、整合性のあるナショナルミニマムを確保することが第二臨調の答申で言う活力ある福祉社会の実現の理念に合致するものと信ずるからであります。 第三は、速やかに給与所得者の著しい実質増税を是正するために、所得税の課税最低限度額を引き上げるべきであります。財政再建と一見相反するように見える所得税の課税最低限度額の引き上げは、税負担の公正確保の見地だけでなく、景気の回復、税の自然増収の確保という財政再建の基盤づくりになることを政府は深く認識すべきであります。 以上、行革関連特例法案に賛成する態度を明らかにして、討論といたします。(拍手)
○金丸委員長 岡田正勝君。
○岡田(正)委員 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております行革関連特例法案に対し、賛成の討論を行います。 わが民社党は、すでに御承知のとおり、昭和五十二年に第一次行革三カ年計画を提唱し、五十四年には第一一次提言を行い、昨年は行革中道四党合意をまとめるなど、絶えず行財政改革断行の先頭に立ってきたところであります。 行財政の改革は、第一に、増税なき再建を行うために、第二に、社会保障、住宅など、より高度の社会福祉推進のために、第三に、簡素かつ効率的な行財政システムを確立するために、万難を排して断行しなければならない国民的緊急課題と言わなければなりません。 この意味からも、第二臨調が発足し、七月十日には第一次答申を出されたことは、行財政改革断行の第一歩として、わが党は一応の評価を惜しまないものであります。また、政府がこの答申を受けられて、行財政改革に対する当面の基本方針を閣議決定し、その一環として今臨時国会にいわゆる行革関連特例法案を提案したことについては、政府が行財政改革に前向きに取り組もうとしている姿勢として率直に評価しておるものであります。 しかし、この法案の審議の過程においては、わが党のたび重なる質問を通じても明らかなように、多くの疑問点、不明な部分、今後の行革方針についてのあいまいな態度などが浮き彫りになったこともまた事実と言わなければなりません。そこで、わが党は、公明党、新自速に相はかりまして、中道三会派としてこの十月十五日に、法案に係る最低限の要求として、厚生年金の減額補てんの明確化、住宅金融公庫貸付金利の据え置き、児童手当制度の存続など五項目を発表し、政府・自民党と折衝を続けてきたところであります。 これに対し政府・自民党は、厚生年金等の国庫負担減額分の補てん明確化に関しては、実質的に実現できるよう最大限の努力をする、その他の住宅金融公庫貸付金利据え置きの明確化などの諸点については、三会派の御指摘のとおり措置するよう最善の努力をすると確約したことについては、実質修正が行われたものとして評価したいと思っております。改めて政府が誠実にこの約束を実行することを強くこの際求めておきたいのであります。 以上私は、本法案に民社党が賛成した理由を述べてまいりましたが、本法案は、これから第二臨調によって出される本来の行革答申の第一歩にしかすぎません。 この際、私は、これからの行準を進めるに当たって、次の諸点の実現を強く求めるものであります。 その第一は、総理も所信表明演説で明らかにされましたように、行政改革は国家百年の計である以上、少なくとも今後三年間の財政再建期間中は、一切の増税は行わない決意を固めることであります。 第二は、総理の言われる民間の活力を維持向上させるためには、行財政改革の断行によるむだの排除、経費の節約並びに不公正税制の是正による増収等を所得税減税に振り向ける以外にはその具体策は確保されないということであります。 第三は、国民健康保険等の地方自治体への負担の転嫁などに見られる施策は即刻取りやめ、逆に時代の趨勢である地方分権をいかに進めるか、その具体策を国民に提示することであります。 第四は、本来の行革である公務員の実質削減、地方出先機関の整理統合、地方事務官の廃止、許認可事務の整理、特殊法人の削減、情報公開法、オンブズマン制度の導入などについて、政府は断固たる措置をとる決意を固めるべきであります。 以上の諸点の実行は、まことに政府にとっては苦しい選択でありましょう。しかし、まさにこれからが行革の正念場と言われなければなりません。極言すれば、内閣の一つや二つ崩壊する覚悟がなければ、行財政改革という大業は達成し得ないのであります。国民はこれゆえにこそ、行財政改革の断行に多大の関心を持っているのであります。 わが民社党は、今後の日本がより高度な福祉国家の建設のために、いまこそ行財政改革を断行しなければならないという観点に立ち、事行革については政府に積極的な協力をすることを惜しむものではありません。同町に、それゆえにこそ今後の政府の対応については一段と厳しく監視するものであることを明らかにして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○金丸委員長 寺前巖君。
○寺前委員 私は、日本共産党を代表して、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案に反対する討論を行います。 反対理由の第一は、本法案に盛り込まれた三十六本の法律が、分野も内容も制定された歴史的経過もすべて異なり、おのおのの関係委員会があるにもかかわらず、個別の法案として関係委員会で徹底審議するのを避け、無理やり一本化して短期間の審議で終わらせたことであります。これは国会の審議権を不当に制約し、国民の批判を封じようとするものであり、断じて認めることのできないものであります。 しかも、本委員会における委員の審議時間は、沖繩復帰に伴う特別措置法を一括審議したときと比べても八割程度にしかすぎません。 さらに、わが党が本委員会での審議の前提として提出を要求した資料のうち、たとえば「財政の中期展望」方式による昭和六十五年度までの財政予測値や、臨調事務局が集約したという大企業向け補助金一覧表などがついに提出されませんでした。このように最小限必要な資料すら提出せずに委員会質疑を終わるということは、どんなに審議が不十分であっても法案が通りさえすればそれでよいという政府・自民党の態度を明確に示したものであります。 反対理由の第三は、審議を通じて本法案の反国民性がますます明らかになったことであります。 たとえば、厚生年金等の国庫負担削減は、臨調答申がうたい、政府がねらっている年金の支給開始年齢の引き伸ばし、給付水準の引き下げ、保険料の連続値上げと国庫負担の恒久的削減などの年金制度の抜本的改悪の一環と見るべきものであります。その証拠に、政府は国庫負担削減額の返済の期限も返済計画も明示することを避け続けたではありませんか。 本法案による臨時特例の適用期間が一応終わる昭和六十年度以降、赤字国債の元利償還がスタートし、いわば第二の財政危機が始まる状況のもとで、国庫負担の削減は、結局は国民の負担に転嫁されるおそれは消えないばかりか、逆に強まっていると言わざるを得ません。 また、児童手当の全般的検討なるものが、たとえ制度の存続を政府が約束しても、この法案が示すように、所得制限を強化する道は、児童の健全な育成及び資質の向上に資するという制度本来の目的から逸脱し、制度の根幹をゆがめるものであります。いわば低所得者対策にかわるものであります。 さらに、本法案は、昨年スタートしたばかりの四十人学級編制計画を凍結することによって、落ちこぼれ、非行、校内暴力など憂うべき教育の現状を改善して、一人一人の子供に行き届いた教育をという国民の願いを踏みにじるものであります。 住宅金融公庫、農林漁業金融公庫の金利引き上げを前提と考えられる法定金利の弾力化や、特定地域にかかわるかさ上げ補助の六分の一カットも、国民生活と農林漁業経営、中小建設業者の経営、地域経済と自治体財政に重大な打撃を与えることは言をまちません。 反対理由の第三は、本法案は三年間の臨時特例措置と見せかけているが、関係者の中では延長が早くも示唆されており、これを突破口としてさらに全面的な制度の抜本改悪が企てられているということであります。 臨調第一次答申は、国全体の歩みを変えていくことに行政改革の最大の眼目があると述べ、医療、年金、福祉、教育、地方自治などの制度の根本に立ち返った検討によって、戦後日本国民が営々として築いてきた諸制度を抜本的に覆そうとしています。しかも、引き続き現孫臨調が行っている本格的行革なるものの実態は、道州制の導入や防衛庁の国防省昇格等が公然と論議され始めているところにはっきりとあらわれております。これらは戦後三十五年、自民党政治がやろうとしてできなかったことで、いまそれをやろうとしているのであります。鈴木総理は、第一次答申はもちろん、将来の答申も全面的に尊重すると繰り返し答弁しているのでありますが、私はこのような動きを絶対認めることはできません。 反対の理由の第四は、痛みを公平にとか、増税なき財政再建とかの政府の宣伝文句が全くの欺瞞にすぎないことがはっきりしたことであります。 莫大な利益を上げているコンピューター業界への補助金、三兆円を超える大企業優遇税制など、わが党が事実を挙げて追及した財界、大企業優遇の行財政の仕組みに対し、政府はその改革に取り組む姿勢さえ示しませんでした。ところが、国民の切実な要求である所得税減税については、財政難を口実に明白に拒否したばかりか、五十八年度以後いわゆる一般消費税の導入の企図を否定しなかったのであります。 また、本委員会でわが党が追及した同和問題や、教科書会社の政治献金などの不正、腐敗にメスを入れる課題に対しても、政府はこれに取り組む姿勢すら示さなかったのであります。さらに、ことしの災害がこの数年来最大の規模に達しているにもかかわらず、来年度概算においては、治水予算を抑え、災害予算を三割も減らしているのであります。 反対理由の第五は、本法案がこのような国民犠牲によってつくり出した財源を軍事費に振り向け、異常なペースで軍拡を推進しようとしていることと結びついていることであります。 アメリカのレーガン政権は鈴木内閣に対し、軍事予算の大増額を要求していますが、鈴木首相も五月のレーガン大統領との会談で、一九八四年度に財政面では防衛予算を立てやすくなると述べ、軍拡のためにこそ行革をやるとばかりにレーガン大統領に誓ったのであります。来年度は一機百五億円もするF15戦闘爆撃機を中期業務見積もり繰り上げで四十三機……(発言する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○寺前委員 一機百十億円もするP3C対潜哨戒機十七機というふうに……(発言する者あり)
○金丸委員長 静粛に願います。
○寺前委員 大雄に武器を発注しようとしています。この航空機を一機削るだけで四十人学級凍結も児童手当の改悪も行わずに済むことは、わが党が繰り返し明らかにしてきたとおりであります。 にせ行革反対の国民運動の高まりや、マスコミの世論調査の結果からも、臨調答申や政府の進める行政改革に対し、ますます批判の声が高まっています。また、今日までの審議経過からも、本法案が国民の願いに全く逆行することは明らかであり、真に国民の声に耳を傾けるのであれば、政府はみずからの手でかかる悪法は撤回し、国民の願う行政改革に向け、抜本的に出直すべきであります。 なお、審議の過程で一部野党から、修正要求と関連して政府に期待をかける発言がなされましたが、臨調答申を全面的に尊重するという政府の立場に変更がなく、法案が厳然として存在しているもとでは、それは何ら国民にとって意味のないものと言わなければなりません。 今日までわが党は、国民が真に望む行政改革を実施するために、八つの政策を提起してきました。すなわち 一、軍事費を大幅に削減し、国民犠牲の軍事大国化を阻止する。 一、大企業向け補助金の廃止など、補助金制度を抜本的に改める。 一、公共事業のむだと不正を一掃する。 一、特殊法人の腐敗構造にメスを入れる。 一、情報公開法の制定、行政監視官制度の設置により開かれた行政を進める。 一、国民生活関連部門を充実しつつ、簡素で効率的な行政を目指す。 一、地方自治を守り拡充する。 一、不公平税制の抜本的是正と所得減税を行う。 以上であります。 わが党は、国民が望む国民本意の行政改革実現に向け引き続き奮闘することをここに表明し、反対討論を終わります。(拍手)
○金丸委員長 小杉隆君。
○小杉委員 私は、新自由クラブ・民主連合を代表いたしまして、ただいま本委員会で議題となっておりますいわゆる行革関連特例法案について、賛成の立場から討論を行います。 戦後三十六年、行政機構の肥大化や既得権益擁護の拡大によって徐々に管理社会化し、往時の活力を失いつつあるわが国の現状を憂い、二十一世紀を展望して、再びわが日本民族がその自由な社会的活力を取り戻し、今後確実に予想される高齢化社会、資源エネルギーの制約、国際社会での責任分担の増大に対処するため、私たちはいち早く思い切った制度改革を含む行財政改革の必要性を訴え、強くその実現を望んでまいりました。 第二次臨時行政調査会の設置、鈴木内閣の行政改革に対する決意表明、行革国会の開会など、政府、国会がおくればせながらも前向きの対応を始めたことは、私どもの長年の主張が国民の世論となり、実現への第一歩を踏み出したものとして歓迎をいたすものであります。 しかしながら、今回の行政改革に対する政府の取り組みは、私どもの主張するところと出発点を異にしております。すなわち、現在進められている政府の行革は、今年度末には八十二兆円にも上ると見込まれている公債残高とその利払いが、大蔵省の「財政の中期展望」を見るまでもなく、財政の破綻につながるものとの認識から発しているという点であります。端的に言えば、こそくな金減らしで財政のつじつまを合わせることだけに焦点が当てられております。本来、行政改革は国民の行政需要に的確かつ効率よくこたえられる行政システムを整備することであり、結果は同じになるとしても、単に財政の緊縮だけを目的とするものではありません。行政システムの整備に当たっての前提は、行政サービスの範囲と責任分野を明らかにすることであり、鈴木内閣が掲げている簡素で効率のよい政府の実現は、まさにその仕事の範囲と責任分担を決定するところから始められなければならないものであります。 しかるに、当委員会の審議を通じて明らかになった政府の考え方は、中央政府の地方自治体への不信感、中央官庁の権限への執着、民間の活力の軽視などによる相も変わらない中央集権志向であります。この発想が改められ、国の政策の一大転換を行う勇気がなくては、真の行政改革はとうてい達成されるものではありません。 臨時行政調査会の第一次答申は、この法案において一部具体化されようとしている「緊急に取り組むべき改革方策」とともに、「行政改革の理念と課題」を明示しております。ここには、私どもが最低限必要と考える行政改革に取り組む視点がうたわれております。私どもが、このような行政改革への取り組みの姿勢をあえて申し上げるのは、今後の政府の行政改革にある種の懸念を持たざるを得ないからであります。 今回の法案は行政改革の入り口にすぎないものであり、本格的な行政改革への取り組みは、これから臨時行政調査会の第二次答申及び最終答申を得て実施に移されるものとされておりますが、今後の政府の取り組み方いかんでは、さまざまな圧力や既得権擁護の力に負け、行政改革の名のみが残り、国民の求める簡素で効率的な政府はつくられないと思うからであります。 今回提出されている法律案は、行政改革の推進を冒頭に冠しているにすぎない一種の財政調整法案であり、国民各層の要求並びに私たちの要求にこたえたものとは言えず、急場しのぎの方策の感はぬぐい切れません。しかしながら、国家財政の危機がすでに国民生活にも重大な影響を及ぼしつつある状況を考えたとき、財政再建を緊急に達成し、かつ、国民に今年度に続く増税という形での新たな負担増を課すことを避けることも重要な課題であります。われわれがこの法案に賛成の意思表示を行う理由の一つはここにあるのでございます。 財政調整法案としてこの法案をとらえたとき、手をつけやすいところ、圧力の少ないところに歳出削減が集中しているきらいがあります。このような傾向に歯どめをかけるため、われわれは、公明党・国民会議、民社党・国民連合とともに、厚生年金の国庫負担金の繰り入れ等の減額補てんの明確化、住宅金融公庫貨付金利の据え置きの明確化など、すでに明らかにしております五項目の要求を取りまとめ、政府の対応を注視してまいりました。私たちの要求に対する政府の先ほどの答弁が言葉のとおり実行されることを重ねて要望しておきます。 さて、当面の緊急課題でありながら、今国会において政府が何ら手をつけることなく、われわれの要求にも拒否の姿勢を変えない問題に税の不公平の拡大があります。所得税の課税最低限は昭和五十二年改正以降据え置かれ、給与所得者の負担増はきわめて深刻な問題となっております。財政再建期間中は減税はできないという政府の対応は、歳入の確保の優先の前には、税の公平も国民の声も無視するという、何が国政にとって重要かを忘れた発想としか考えられないのであります。行政改革が国民の理解と協力のもとで初めて成り立つことを改めて認識し、所得税の課税最低限の引き上げを含め、課税の公平確保のための具体的方策を強く要求いたすものであります。 これと同時に、増税なき財政再建を単に五十七年度だけのものではなくて、五十八年度、五十九年度も実行するため、ゼロシーリングの実施は五十七年度予算編成のみにとどめず、五十八年度、五十九年度でも実施されることが必要と考えます。 また、今後取り上げられるべき許認可事務の整理、補助金等の整理縮減、特殊法人等の見直し、中央省庁の統廃合などの改革に当たっては、反対や抵抗の強い部分を聖域化し、あるいは既得権擁護の圧力に屈することなく、国民全体の立場に立って、毅然とした態度と決意で臨まれることを要望しておきます。 最後に、かねてよりわれわれが主張しているとおり、行政改革に当たっては、国民に痛みを分かち合おうと呼びかける前に、国会の改革、議員特権の見直しなど、みずから姿勢を正すべきであります。みずから血を流すことなくして国民の納得と合意は得られるはずがありません。これを肝に銘じ、お互いに国民の選良としてふさわしい態度をとることを呼びかけたいと思います。 法案の内容には実が乏しく、行政改革とは名ばかりとの評価も可能ではありますが、財政危機を国民一丸となって乗り切るための第一歩として、あえて賛意を表する次第であります。千里の道も一歩からのたとえのとおり、政府の積極的かつ着実な対応を強く要望し、私の賛成討論といたします。(拍手)
○金丸委員長 これにて討論は終局いたしました。
○金丸委員長 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○金丸委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○金丸委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 去る八日より本案の審査を開始いたしまして以来、終始真剣なる論議を重ね、慎重審議を尽くし、本日ここに審査を終了するに至りましたことは、ひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものでありまして、衷心より感謝の意を表する次第でございます。 ここに、連日の審査に精励されました委員各位の御労苦に対し深く敬意を表し、感謝の意を申し上げ、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手) 本日は、これにて散会いたします。 午後八時十分散会