行財政改革に関する特別委員会 第8号
- 発言数
- 463 件
- 登壇者
- 51 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/10/21
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小沢和秋君。
○小沢(和)委員 きょうまでの本委員会での審議を私はつぶさに聞いてまいりまして、わが党が最初から指摘してきたとおり、政府の行革の方針というものは、福祉、教育を切り捨て、その一方では軍事費や大企業向けの補助金などはふやすというにせ行革であることがますますはっきりしてきたと思います。政府は、行革法案の中身や本質が国民にわからぬよう、その易しのぎの答弁や、国民に大した負担にならないかのような答弁に終始しております。 そこで、まず、厚生大臣に児童手当制度についてお聞きしたいと思います。 政府は、児童手当については制度の根幹は残すという答弁をしておりますけれども、これに間違いありませんか。
○村山国務大臣 間違いございません。
○小沢(和)委員 制度の根幹は残すと聞くと、国民はほっとするわけでありますけれども、それが安心するわけにいかないのであります。 そこで、次の数字をお聞きしたいと思います。昭和五十一年度から昭和五十五年度までの支給率及び所得制限により支給が除外された児童数、これについては私の手元に厚生省から資料をいただいております。これによりますと、昭和五十一年度には支給率が九二・五%で、二十一万人除外されておったわけでありますけれども、その後、所得制限が四百九十七万円でずっと据え置かれてまいりましたために、昭和五十五年には支給率が五・四%低下して八七・一%、三十六万人も除外されるようになっております。この数字に間違いありませんか。
○幸田政府委員 ただいま御指摘の、昭和五十二年度は九二・五%、それから昭和五十五年度におきまして八七・一%の支給率、御指摘のとおりでございます。
○小沢(和)委員 それでは、所得制限が昨年まで据え置かれておったわけですが、ことしはそれが四百五十万円にと一層厳しくなったわけでありますが、今年度の推計がどうなるかという問題であります。 私は、専門家の協力を得て推計いたしましたところ、支給率はついに八〇%を割り、七九・五%まで落ち込み、支給されなくなる児童は、驚くべきことに、一挙に五十八万人にもなってしまう。大まかな数字ですが、厚生省の推計値も大体こういうところかどうか、お尋ねをいたします。
○幸田政府委員 五十六年度でございますが、私どもの推計では、支給率が七九・五%でございます。この支給率をもとにいたしまして推計をいたしますと、支給されない児童数はおおよそ五十八万人というふうに推計をいたしております。
○小沢(和)委員 いま確認したとおり、大幅にこの支給されなくなる児童が激増するということになるわけであります。 ところで、来年、昭和五十七年度は、この所得制限をさらに厳しく三百九十一万円まで下げる、その結果、五人未満事業所の労働者を含めまして、自営業者の子供が十四万人切り捨てられることになるわけであります。厚生大臣は、切り捨てられる十四万人分は、サラリーマンの子供を十四万人ふやして支給率は維持するので、後退することにはならないと言うわけでありますけれども、支給をふやすという十四万人のサラリーマンの子供さんの児童手当には、国庫からの支出はなされるのですか。
○村山国務大臣 被用者の方は、御承知のようにそれによりまして激減するわけでございますので、事業主の方から拠出をしていただきまして、そして支給率を自営者と同じ大体八〇%程度まで上げよう、こういうことをしているわけでございます。 なお、自営者によります所得制限の結果減る十四万という数は、およそその程度でございます。そして、特例支給とそれから所得制限と合わせまして、全体の対象数は大体二百二十五万、現行と大体同じ水準を保つようにいたしているわけでございます。
○小沢(和)委員 結局は、国の負担というのは国庫から支出をされる金額になるわけですから、そういう点から見れば、児童手当の対象が十四万人国の方では減るということになるわけでしょう。だから、支給率を維持するから後退にならぬと言っても、国の方は負担を減らすという目的はちゃんと貫徹するわけで、私は、こういうバランス論というのはごまかしだと思うのであります。 年々、名目上の所得は上昇します。しかし、政府は所得制限を逆に一層こうやって厳しくする、その結果は、支給される子供はますます減っていくわけですが、こういうことは児童手当だけではありません。 たとえば、保育所についても私は資料をいただいたわけでありますが、この保育料、昭和五十二年からことし四月までの五年間、全体の入所児童数は十五万人ふえているのですけれども、しかし保育料を全額徴収されるか、または高い保育料を取られるいわゆるD階層の子供さんたちは、二倍の三十万人もふえている。つまり、これより徴収額が低いA、B、Cの階層は十五万人減っているわけであります。名目上所得がふえるということで、こういうふうにどんどん高額所得者扱いになって、保育料なども非常に負担がふえる。だから、ほかのものも同じでありまして、政府は制度の根幹は残すと言うけれども、このように制度は残っても、その制度の適用を受ける人が激減していくのでは、結局それは制度を残すことにはならないのではありませんか。アガサ・クリスティーのミステリー映画で「そして誰もいなくなった」というのがあります。この題名じゃありませんけれども、政府のやろうとしていることは、まさにそういうことになるのではありませんか。 この機会に、政府が今度の法案の中で、三年後を目指して児童手当制度について抜本的な検討を行うということにしていることで一つ質問をしておきたいと思うのです。これについては廃止を示唆するような答弁もあったというようなことが言われていますけれども、それは全く論外といたしまして、私たちは、あの中央児童福祉審議会で答申をされたとおり、いまこそ第一子から支給するように根本的な見直しをすべきではないかと考えるわけです。 最近わが国の出生率は急速に低下しておりまして、これがわが国の超高齢化を促進している。わが国の活力ある今後の発展を考えるならば、これは深く憂慮すべきことだと言わなければなりません。わが党は、こういう立場から、第一子から支給するということで試算をしてみたわけでありますけれども、いま税制で扶養控除されている分をこの児童手当の財源に回すということにすれば、第一子から十分現行水準を上回る額で支給が可能ではないかと考えます。特に、この制度というのはいわゆる中低所得者にはきわめて有利な結果となり、安心して子供を生み育てることができる。私たちは、抜本的な検討をするというのであれば、ぜひ第一子から支給をするという方向で検討してもらいたいと思いますけれども、この点についての厚生大臣の見解を伺いたいと思います。
○村山国務大臣 いま御質問がありましたことにお答えする前に、児童手当三百九十一万円でございますが、これは来年度予想される六人世帯の平均給与収入でございます。したがいまして、そんなにひどいことをやっているわけではない、平均だということでございます。 それから、保育所の関係でございますけれども、御案内のようにあれはA、B、C、Dというふうに分けておりまして、そして保護者世帯あるいは住民税の非課税世帯あるいは住民税のみの世帯、それから所得税の世帯、それを税額でやっているわけでございます。したがいまして、所得水準が上がってまいりますと自然に保育費を払う人がふえてくるわけでございます。しかし、現在でも大体公費負担が四割ということになっておりますので、年金が国民年金で三分の一でございますので、まあまあかなりいい線にいっているのではないかと私は思っているのでございます。 それから、御質問の将来第一子からやったらどうかという話でございますが、これは、この児童手当制度は一体どういう政策として盛るのか、これと深くかかわり合っているわけでございます。現在は所得保障制度でございますけれども、決して低所得政策でないということは何遍も申し上げましあ。子共を持っている人の経済的負担、それから児童の健全育成、こういういわばかなり中立的と申しますか、経済的負担あるいは子供の健全育成という観点でやっているわけでございます。 いまおっしゃるのは、恐らく人口政策的にこれを動かしたらどうか、こういうお話だろうと思いますが、この問題は、やはり今後の人口がどういうふうになってくるか、そして一体どれぐらいまでの子供を生んでいただくのが、国民経済として、あるいは社会として適当であるのか、それから現にどれぐらいの子供が生まれておるのか、そここ合わしてやるべき筋合いの問題である。これは仮定の問題でございますけれども、もし人口政策をやるとすれば、多ければ多いほどいいということでもございませんでしょうし、それからまた少なくても困るわけでございますので、そういう遠い将来を見まして、どこに焦点を当てて、何人ぐらい生んでいただくのが一番いいのか、こういうところでまた国会で御論議いただいて、そして整合性のあるいわば助成政策として、第何子からがいいのか、この辺は非常に広い角度で検討すべき問題であろう、かように思っておるわけでございます。
○小沢(和)委員 いま大臣は、児童手当は貧困者対策として考えているのではないというふうに言われたわけですけれども、結局のところ、所得制限を年々ずっと強化をしていけば、最後には低所得者しか残らぬわけでしょう。だから、あなた方は、福祉というのは最終的には生活保護みたいな制度は残しても、それ以外のものは自立自助ということでどんどんどんどん抑えて、制度は残しても中身はないようにしていってしまう、こういう道をいまたどっているのじゃないのですか。私はそのことを批判をしているわけであります。 それから、人口政策的な面も私はこの児童手当というのは考えるべき時期に来ていると思うんですよ。特に四十九年ごろから出生率が急激に落ち出してきている。四十九年というのはちょうどオイルショックのころからということでして、やはりあのころから日本の経済は非常に不安定になってきた、みんなが生活の将来について心配するようになってきた、そういうような時期から出生率が落ちているということは、私は注目すべきことだと思うのです。どうしても子供を安心して生み育てることができるように、私はそういう立場からもこの児童手当というのは考えていかなければいけないというふうに先ほどから指摘をしているわけであります。 時間の関係がありますから、次に、年金についてお尋ねをしたいと思います。 この年金についても、減税が見送られた昭和五十二年と五十五年の課税対象者数、それから実際に源泉徴収された者の数、徴収額の推移を率で示した厚生省の方からの資料をすでにいただいております。これによりますと、昭和五十二年をいずれも一〇〇とすると、昭和五十五年には、課税の対象となる老齢年金の受給者数が一九七、約二倍に伸びるだけなんですけれども、実際に税金を取られる人は四〇一%、四倍、三十六万人、取られた税金の額は六一七%、六倍以上で、百六十六億円も税金で取られる、こういうような数字が出ております。大臣、これは間違いありませんか。
○村山国務大臣 間違いございません。
○小沢(和)委員 老齢年金のようなものまでが、こうしてどんどん税金で持っていかれるわけであります。これでは福祉も社会保障もますます後退することになるのは明らかだと思います。これらの後退を食いとめるために、主務大臣として、所得制限の引き上げ、あるいは年金生活者のための特に老齢者年金控除の大幅引き上げなどがどうしても必要になっているのではないかと思うのです。この点について厚生省としてどう取り組んでいくのかという姿勢を伺いたいと思います。
○村山国務大臣 老齢者年金につきましては、たしかあれは五十年でしたか、七十八万というもの、六十五歳以上というのをやったわけでございますが、これは全く特例中の特例として設けられたのでございます。厚生省といたしましては、それは上げてもらえればそれだけ社会福祉につながるわけでございますから、これはまた税制の方でわれわれの方の希望を伝えて、そして検討をお願いしたいと思っておるところでございます。 それから、老齢年金全般についてどうかというお話がちょっとございましたが、これは社会保険料の方は全額損金にいたしているわけでございます。したがいまして、その結果として得られる所得を全部非課税にいたすというようなことは、私はいま厚生省の立場でございますが、税制上よほど考えていかねばいかぬ。だから福祉と税制をどこに結びつけるか。これから老齢年金の受給者はたくさん出てくるわけでございまして、これをいま給与所得として扱っておるわけでございます。そういう広範な見地から、どの辺に調節するべきであるかということを慎重に検討してもらいたい、こう思っております。
○小沢(和)委員 私が承知をしておるのでは、厚生省の方がこの年金生活者の老齢者年金控除の大幅引き上げなどについては、大蔵省に対して来年度の税制についての要求ということで出しておるわけですね。だから、大臣としては、それを実現するために積極的に努力をするということで、きっぱりその立場に立たなければおかしいのじゃないかと私は思うんですよ。いまあなたは、厚生省の立場に立っておりますがというふうに言われながら、損金になっているとかなってないとかいうような、大蔵省の人が答弁するんじゃないかと思うようなことをくっつけて、立場が大変あいまいなんですが、本当にこういう所得制限の引き上げとか、老齢者年金控除の大幅引き上げなどのために努力をするという立場をはっきり表明していただきたいと思うのです。
○村山国務大臣 全力を尽くしてやるつもりでございます。
○小沢(和)委員 では、厚生大臣に対する質問をひとまずこの辺で終わりまして、次に、同和行政の問題について質問をいたしたいと思います。 同特法が御存じのとおり来年期限切れとなるわけであります。これまでの十三年間に国費だけで一兆四千四百億円の巨額が同和対策事業のために投じられてまいりました。これは自治体などと合わせて考えれば、もっともっと大きな金額になるだろうと思うのです。 わが党は先日、同和対策についての見解を発表いたしまして、これらの事業が一定の成果を上げたことを評価し、今後なお数年続ける必要を認めております。しかし、部落解放同盟などが暴力的な糾弾で自治体を屈服させて、同和行政を事実上支配下に置き、そのためにこれまでとは逆の差別あるいは新たな差別や腐敗現象など、各地で大きな問題を起こしておりますし、財政的にも大きな浪費が発生をしております。 最近、政府の諮問機関であります同和対策協議会が、こういう問題について四点にわたって現在の同和行政の問題点を指摘をしております。それはどういう内容か、総務長官に御説明を願いたいと思います。
○中山国務大臣 同和対策協議会の審議の過程で問題となりました点を申し上げます。 第一の点は、地方公共団体の財政に相当重い負担となっていること。第二の点は、施策の中に、いまの時点で見ると、その内容や運営が果たして妥当であったかどうか問題視されるものがあること。第三の点は、地方公共団体等において、民間運動団体の施策の要求への対応や、児童生徒の差別発言問題等の処理に苦慮している事例が見受けられること。以上のようなことにも関連して、同和対策事業に対する国民の批判的意見が見られるのも無視できないという以上の四点であります。
○小沢(和)委員 いまの同対協の中間意見というのは、私は、やはりこういう同和行政のあり方に対して国民の批判が高まっているということを反映しているものだと思うのです。ところが、これだけの世論の批判が集中している同和行政について、行政管理庁はいままで一度も本格的なメスを入れたことがないというふうに聞いておるのですが、それは事実かどうか。 それから、中曽根さんは臨調の主管大臣でもありますけれども、臨調ではこの同和行政についてどういう議論がなされたのか、あわせて伺いたいと思うのです。
○中曽根国務大臣 特別措置法はサンセット法でありまして、もう期限が来る問題で、これはもう現実的に、各党が現実的処理を決める段階に来ておるものでございますから、臨調では特に取り上げておりません。 それから監察の問題は、実施しておりませんが、これは必要に応じて監察するということで、いままでの情勢を見てまだそういうふうな情勢に来ていないと考えたものと思われます。
○小沢(和)委員 いま大臣も確認されたとおり、結局、行政管理庁としてはこの同和行政についてメスを入れておらない、つまり全くの聖域扱いだと言わなければなりません。同和行政の乱脈不公正にメスを入れれば、私は膨大な浪費をなくすことができると思いますし、行政改革というのであれば、こういうことを抜きにしてはならないと思うのであります。 具体的な事例として、いま全国で一番この乱脈不公正な実態がさらけ出されている北九州のことについて、以下若干質問をしてみたいと思うのです。 いま北九州市では、部落解放同盟などが市当局と結託して行ったいわゆる土地転がしが次々に暴露され、重大な社会問題となっております。ここ数日は連日新聞のトップを飾っているような状態であります。 一つだけその内容の概要を御紹介してみますと、解放同盟の小倉地協、木村書記長が、北九州市八幡西区笹田字七田の東洋不動産所有に係る山林、雑種地など約五万二千平米を市に同和住宅用地として買うように持ちかけまして、市はこれを住宅供給公社の手で五十三年十一月と五十四年五月の二回に分けて買い入れたのでありますが、その直前、二カ月足らずの間に、この土地が東洋不動産から江口産業へ、さらに江口産業から太陽興産へと次々に転売され、価格も一億九千万円から、市が買い入れたときには何と六億四千万円へと、三・四倍にもつり上げられておるのであります。これは結局、市民の税金で支払われるわけであります。まさに典型的な土地転がし事件だと言わなければなりません。 国土庁にお伺いをしたいと思うのですが、国土利用計画法第二十三条は、このような不当な地価つり上げを防ぐために事前届け出を義務づけているのではありませんか。今回は、この届け出が全く行われていません。これは明らかな同法違反ではないか。お答えをお願いします。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 国土利用計画法施行以来、土地取引の届け出制の趣旨の徹底に努めてきたところでありますが、いまお話のありました北九州市の取得した公用地に関して、お話のような無届の取引があったことは事実でございまして、まことに遺憾に存じております。 それからまた、先般これを知りましたので、国土庁では直ちに市当局に対し報告を求め、措置をさせたところでございます。またさらに、市の各部門においても連絡が非常に悪いので、市の各部の間の連絡も密にして、以後かかることの絶対にないように指導いたしたところでございます。
○小沢(和)委員 この国土利用計画法によれば、市当局はこれを守らせる責任があり、違反した売買当事者を告発しなければならないわけであります。ところが、市当局はこれを告発しませんでした。これをやったのは、本年九月この事実を知った北九州民主商工会の村田浩一郎氏らであったわけであります。彼らが検察庁に、この解放同盟の木村書記長とそのダミーである太陽興産を国土利用計画法違反で告発し、これを受理した福岡地検小倉支部の手で起訴され、すでに福岡地裁から罰金五万円が言い渡されているわけであります。市当局が大体こういう違反をつかめないはずがないわけであります。契約するとき必ず土地登記簿を見るわけでありますし、そうすれば、二カ月足らずで二回売買をされておったということはすぐわかるわけであります。そして、北九州市は政令市でありますから、みずから同法の事前届け出を受ける立場にもあります。要するに、市当局は、自分自身がこの土地転がしを認めて買った当事者だから、国土計画法違反で告発できるはずがなかったということではありませんか。いま大臣の説明では、市当局の中の連絡が悪かったのでこういうことが起こったかのように説明がなされたように思います。私は、市当局のこういう立場こそがこの国土計画法違反を見逃す、容認するということになったのではないかと思うのです。この点はどうか。そういう立場に立って明確な指導をする必要があるのではないかということをお尋ねします。
○小笠原政府委員 お答え申し上げます。 私どもも、八月末にそのような事実があったことを承知をいたしまして、市当局を再々招致をいたしまして事情を聴取いたしておりますが、市当局といたしましては、大変怠慢で申しわけなかったけれども、その辺の調査が不十分であった、特に土地を買う方の部局と国土法を積極的に適用すべき部局との間の連絡が十分でなかったというようなことで、いろいろ釈明をしております。 私どもといたしましては、行政能力といいますか、そもそも市の土地取引自体につきましては、適正なことをやっていただくという前提で国土法の届け出の適用がないくらいでありますから、しっかりしてもらわなければいけない市がそのようなことでは困るということで、重々注意をいたしておるところでございます。
○小沢(和)委員 市当局は悪いことをしないということを前提にしてこの法律がつくられておる、全くそうだろうと思うのです。ところが、その市当局自身が部落解放同盟の言いなりになって土地転がしを容認するというような事態に対しては、結局この国土利用計画法というのは全く無力だということになるわけですか。
○小笠原政府委員 言いなりになったかどうか、その辺の事実については私ども把握できないものがございます。したがって、今後そのようなことが絶対ないような行政水準の向上を求めますとともに、関係業者に対します再発防止の厳重処分をするように指示をいたしたところでございます。
○小沢(和)委員 だから、違反した者を厳重に処分するように指示をしたと言っても、市当局自身の姿勢が変わらなければ、そこは改まらないわけですよ。 ついでですから申し上げたいと思いますけれども、私はいま一件だけについて申し上げたわけですけれども、先ほどから申し上げているとおり、最近になって続々この土地転がしの内容が暴露されているわけであります。調べてみますと、この暴露されている分のどれをとっても、一件も事前の届け出がなされたことがないのです。 さらに申し上げますと、いままで私は部落解放同盟ばかり言ってきましたけれども、ごく最近は、全日本同和会会長松尾正信という人がやった土地転がしも出てくるわけです。松尾正信という人の名前は、きっと総理府総務長官は御存じじゃないかと思うのですが、どういう人か御存じですか。
○中山国務大臣 全日本同和会の会長と承っております。
○小沢(和)委員 いや、私は、かつてこの人が総理府に関係する公職を経験しているということでお尋ねしたわけですが、元同和対策審議会の委員も務めておった人であります。こういうような、人の上に立って、悪いことなんかしちゃならないような立場のはずの人までが土地転がしをやっている。若松区安屋というところの土地三万五千平米を転がして、半年間で七倍につり上げて三億円以上の差益をかせいでいた、こういう疑惑が最近暴露されているのです。これも届け出がないわけであります。 こうして北九州市は、国土利用計画法については全く無法地帯に成り下がってしまっているわけですね。土地転がしはもう野放し。国土庁は、こういうような状態を今後どうやって改めさせるのか。私は、直ちに実態を調査して必要な手を打っていただきたいと思うのです。
○小笠原政府委員 私どもは、かねてから国土法担当の責任にあります地方公共団体みずからが疑惑を招くような取引を行わないように厳に指導しているところでありますが、北九州市のような事実が発生することはまことに遺憾でありまして、さらに細部を調査の上厳正な指導をいたしたい、市当局に対する調査の上厳正な指導をいたしたい……(小沢(和)委員「必ず改めさせるというわけですね」と呼ぶ)かねてからの方針どおり疑われないようなことをやるというような指導をしたいと思います。
○小沢(和)委員 次に、法務大臣にお尋ねをしたいと思うのです。 木村と、この木村のダミーである太陽興産とは、このような土地転がしで莫大な利益を上げてきたわけであります。木村は、この解同小倉地協の書記長になる前は非常に貧しい生活をしておった人なんですけれども、いまはもう大変な金持ちなんですね。本人が認めただけでも、土地は三万五千平米も持っておるのです。預金も、広島相互銀行とか朝鮮銀行、福岡信用組合など六カ所に約二十億円も預けているのです。ところが、このダミーである太陽興産は税金を払っておらない。先ほど出た笹田の土地を売った五十三年度は、莫大な利益があるはずなのに、七千六十五万円の赤字決算だということになっておる。五十四年の十月には倒産してしまったということで、結局全く税金を払っていないのですね。 この点についても、先ほど国土利用計画法で告発をした村田さんたちが、脱税の疑いでも地検に告発をしておるのです。この方の捜査がその後どうなっているか。前の国土利用計画法の方は、先ほども申し上げたとおり、もう有罪ということで判決も出ておる。これはそれなりに評価できると思うのですが、こちらの方の捜査はどうなっているかということをお尋ねします。
○前田(宏)政府委員 お尋ねの事件につきましては、先ほど来お話がございましたように、先月に検察庁の方に告発がなされておるわけでございます。したがいまして、現在福岡地検において捜査中でございます。
○小沢(和)委員 その捜査については、ひとつ厳重にやっていただくことをこの機会に要求しておきたいと思います。 次に、このような土地転がしがまかり通るというのも、もとは部落解放同盟が市当局を暴力的な糾弾で屈服させて、同和行政を彼らの思いのままにやらせているからであります。同和住宅用地の購入も、解放同盟と協議することが義務づけられているわけであります。それを利用して彼らが、使いものにならぬ土地をどんどん高値で押しつけて荒かせぎをしておるわけです。わが党が暴露した先ほどの笹田の例は、私も最近視察したのでありますけれども、住宅建設どころか利用計画も立たずに放置されたままなのです。このような市が買収しても利用目的も立たないような遊休地が実に四十一万平米、その費用七十六億円、利子も含めたら百億円を超えるという、とんでもない浪費になっているわけです。市長が市民から背任罪で告発をされたのは私は当然のことだと思うのです。 ほかにも常識では考えられないような事件が次次に起こっております。ことしの二月ごろ、北九州市で暴力団が対立してピストルの乱射事件が何回も起こったことはよく知られております。この事件の捜査の過程で、福岡県警察当局が——暴力団の組事務所を建てるために山本和義組長が組員の小松恵に住宅新築資金、これは同和の資金でありますけれども、五百万円を借りさせたわけであります。この資金は国の補助事業でなされております。市当局は、解放同盟を通じて書類が出されたので、何の審査もせずに貸し付けたわけであります。国の貸付要領によれば、完成したら完了審査をしなければならないことになっております。もしこれをすればその段階で市もわかったのでしょうけれども、それもしていなかったわけですね。結局、この事件は警察がキャッチしなければ永久にやみに葬られてしまったわけであります。この事件では、書類につけるにせの住宅設計図を一級建築士のAさんが脅迫されて軟禁状態のような中で書かされて、自責の念に耐えかねて自殺をしてしまったわけです。申しわけないという遺書も残されております。 この暴力団事務所建設に、いま申し上げたように、国の補助金が入る同和住宅新築資金が使用されておるということは、私はまことに重大だと言わざるを得ません。ほかにもこういう事例は考えられると思いますけれども、会計検査院にお尋ねしたいと思うのですが、会計検査院は、当然、国費の適正な執行の問題として、これについて検査を行うべきではありませんか。
○坂上会計検査院説明員 お答えいたします。 国費の支出に関連いたします問題でございますれば、当然私どもの検査の対象になり得る問題でございます。
○小沢(和)委員 検査の対象になるべき問題だとおっしゃったのは、検査をする意思があるというふうにとってよろしゅうございますか。
○坂上会計検査院説明員 先生の御指摘がございますれば、私ども事実を調査して厳重に今後対処していきたい、こう思います。
○小沢(和)委員 いろいろ例を挙げてきましたけれども、あと一つだけ例を挙げることをお許し願いたいと思うのです。 それは、先ほどから指摘をしております笹田という土地転がしの場所のすぐ横に、最近同和向けの市営住宅が建ちました。これは七田団地というふうに仮の名前がつけられているわけであります。私もこの間この土地転がしの場所を見に行ったときに、たまたまここを視察したわけでありますけれども、ここに簡易耐火の二階建て十七戸が建設されまして、すでに今年三月八日に竣工しておりました。総工費二億一千五百万円、国の補助金七千九百万円が投入されているわけであります。ところが、竣工してすでに半年たつのに一人も入居していないのです。だからがらんとしているわけですね。同和向けは駐車場とか物置もついていて、一見してわかるようなデラックスなものでありますけれども、半年以上も一人も入らぬ。全くもったいない、これ以上の浪費はないと思うのです。一般の人たちは何十倍という競争率でなかなか市営住宅などに入れないというのに、ここについては、入居者を市はそのうち入れる、そのうち入れると言うのですけれども、私は、結局、もうその辺では同和地区の人たちの住宅事情というのはほぼ満たされておって入り手がつかないということだと見ておるのですが、調べてみますと、北九州市内にはほかにも同和向けの住宅の中に空き家がいっぱいあるところが幾つもあるのです。これについても会計検査院としてはやはり検査をすべきことではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂上会計検査院説明員 未入居の実態でございますね、その理由はどういうものであるか、そういうことをよく踏まえまして、その未入居が長期にわたる理由について十分検査したい、こう思います。
○小沢(和)委員 では、中曽根行政管理庁長官にお尋ねをしたいのです。 先ほど私がお尋ねをしたところが、いままでに同和行政については行政監察をやったことはない、その中でまだその機が熟しておらないというふうな趣旨の御答弁があったように私理解をしているのです。しかし、いままで私がいろいろ申し上げてきたことから、どれほど同和行政というのは乱派不公正をきわめておるか、そのために国費も浪費をされているかということは、長官も十分納得いただけたのじゃないかと思うのです。私は、だれもが納得できるような同和行政を実現していくためにも、この機会に行政管理庁としても行政監察を実施すべき時期に来ているのじゃないか、ぜひやっていただきたいというふうに考えるのですが、長官はいかがお考えですか。
○中曽根国務大臣 わが国は、憲法のもとに、すべて法のもとに国民は平等であるべきであります。いまいろいろお話を承りましたが、よく研究してみます。
○小沢(和)委員 研究をしてみますというのは、そっぽを向いているのから比べるとちょっと前を向いたかなというぐらいの感じはするのですけれども、いままで私が話をしてきた内容というのは、これは重大な問題だというふうにお考えになりませんか。まだこの期に及んでも研究をしてみるという程度のことだということになれば、やはり私は、この同和行政というのは行管庁は聖域として手を触れようとしないという姿勢ではなかろうかというふうに見ざるを得ないのです。国がそういう姿勢をとるならば、自治体のいまのような状態を改めさせることはできないのじゃないかと私は思うのです。その点で再度答弁をお願いします。
○中曽根国務大臣 別に聖域は設けておりません。公的住宅の問題とかあるいは国土利用計画という問題は、個別的にみんな必要に応じて監察するところはしております。 いまいろいろな問題の御提起がありましたが、そういう点も踏まえてよく研究してみるつもりであります。
○小沢(和)委員 それでは、今後の行管庁の出方を私は注目しておきたいと思うのです。 最後に、窓口一本化の問題で、これは本来だったら総理大臣に尋ねたいところですけれども、総理がおられないので総務長官にお尋ねをしておきたいと思うのです。 北九州市では、同和の施策、たとえば同和住宅への入居とかあるいは高校奨学金などを受けようとする場合は、まずその申請用紙を解放同盟の事務所にもらいに行かなければなりません。市の行政にかかわる申請用紙が市の窓口には一枚も置いてないのです。それで、私どもの党の議員がどういう書式なのか見本を見せてくれというふうに言っても、いやあれは印刷したら一枚残さず解放同盟の方にやってしまうので見本も一枚もありませんというほどこれは徹底しているのですね。ですから、解放同盟ににらまれたら最後、同和地区の人たちは、申請しようとしても申請用紙から手に入らない、こういう仕組みになって一切の施策から締め出されてしまうわけです。 本来、同和行政も市の行政である以上、市の窓口に用紙をちゃんと置き、申請を市自身が受理して審査をして、そうしてその方向に従ってすべての同和地区住民にその利益が等しく及んでいくように同和行政というのはやっていかなければならないと思うのです。 ところが、いま言ったような状態であるために、多くの住民が被害を受けて、裁判を起こしまして、すでに北九州市当局が連戦連敗、何と十七連敗という状態になっているわけです。市はいまだに、これだけ負けてもまだ改めようとしないわけです。総理府は、これを是正するためにどのような指導をするのか、その考え方をお伺いいたしたいと思います。
○中山国務大臣 先生も御指摘のございました窓口一本化の問題、この問題は同和対策協議会におきましてもいろいろ論議が出ておりまして、今後この問題については、やはり窓口一本化というものについて大いに努力をしなければならない、こういうふうな中間的な意見がただいまは出ておりますが、やがて全体的ないわゆる集約された答申が出てまいった段階では、文書の上で明示されてくるだろうと私どもは見ております。 総理府本府組織令で、すでに御案内のとおり、行政組織といたしましては総理府は各省の調整機関という機能を与えられておりますけれども、各行政官庁に対して直接指揮監督する権限は認められておりません。そういうことで、関係各省庁集めまして、総理府の同和対策室は、先生も御案内のとおり、鋭意この問題の解決のために調整をやっておるところでございますが、先生からもその努力は十分評価されていると同和対策室から報告を受けております。
○小沢(和)委員 総理府の担当者の方々がそれなりに努力をしていただいておるということは私も承知をしているのですけれども、しかしいまも申し上げたとおり、北九州市の実際の対応を見ていると、改まってこないわけです。 そこで、私は、いつも調整機関だというので全体としてそれを改めさせるための大号令がかからないというところを何とかしてもらいたいものだと考えているわけです。あなたはそういう調整機関の長の立場かもしれませんけれども、先ほどから私の話を聞いていただいて、どれほど弊害が深刻になっているかということをおわかりになっていただけるなら、個々の分野ごとに指導をするというようなことではとてもこの姿勢は改まらない。どうしても抜本的に改めさせるように、政府としての大方針だということで市に対して強力な指導をやっていただかないと、私は改まらないと思うのです。ぜひそういうような方向に長官として努力をして持っていっていただきたいと思うのですけれども、その努力はお約束いただけるでしょうか。
○中山国務大臣 政府として総合的に指揮をせよというような御要望でございますが、この北九州市というのはちゃんとした地方自治の自治体でございまして、自治体の問題は、市議会もございますし住民もおられることでございます。政府としては、かねて同和行政推進については基本的な方針を各自治体に示しておるのでございますが、その地方自治体のあり方というものは、全く地方自治の精神によるものだと私は思っております。 そういうことで、その政府の方針を受けてちゃんとやっておられる市もたくさんあるわけでございますから、ひとつ北九州市においてこれからもさらに御努力をいただくように総理府としては期待をしておるところでございます。
○小沢(和)委員 自治体ごとのあり方というものがある、それは私はそうだろうと思うのです。しかし、地方自治ということに名をかりて、憲法やあるいは地方自治法などの精神にも反するようなことを、その自治ということを壁にして、隠れみのにして横行させるというようなことがあってはならないと思うのです。ですから、私は、北九州市に対しては、もっと政府として強力な指導をして取り組んでいただきたいと思うのです。 きょうは私は、北九州の問題をいま全国でもいわば同和の乱脈不公正ぶりが最も典型的にあらわれている例ということで申し上げましたけれども、私たちは、先日の党の提案でも明らかにしておりますように、この同和行政については各地でそういうような問題がたくさんある、だから、本当の意味での国民が理解できるような同和行政を進めていくためにも、ここのところを改めさせるということはまさに全国的な課題だというふうに考えているわけです。そういう立場から、北九州だけでなく、全国的にもこういう改善のための努力をお願いしたいと思うのですが、その点についてはいかがでしょう。
○中山国務大臣 同和対策協議会の中間答申、そういうものも十分踏まえまして、政府としては、八月二十八日関係閣僚が協議をいたし、今後一定期間同和対策事業というものはまだやる必要があるけれども、有効かつ適正にそれが行われるように今後努力をするということで各関係大臣がその趣旨を了承し、総理大臣もそれを了承したところでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○金丸委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。 小川省吾君。
○小川(省)委員 臨調の第一次答申とは直接かかわり合いはないのでありますが、当面をする重要な問題でありますのでお伺いをいたしたいと思います。 宅地並み課税の問題であります。臨調で行財政の不合理や、ややこしい問題等については整理をされてくると思うのでありますが、どうも福祉や教育や医療の切り捨てにばかり目が向いているようであります。世の人の中には、宅地並み課税こそ不公正税制の最たるものであるというような声もあります。臨調の論議を進め、答申を受けて政府が断を下す、いまこそこの悪名高い宅地並み課税こそ廃止をすべきではないかと思うわけであります。総理が不在でございますので行政管理庁長官、いかがお考えですか。
○中曽根国務大臣 宅地並み課税につきましてはいろいろないきさつがございまして、また今日におきましても政府の税制調査会におきましていろいろな検討がなされておるやに聞いております。これらの問題が適切に勧告され、かつ処理されることを期待しております。
○小川(省)委員 国土庁と建設省に伺いたいのでございますが、十四日、自民党の都市農政確立議員連盟設立総会で、五十七年度から、C農地への拡大を含めて宅地並み課税について説明を行ったと言われておりますが、これは事実でありますか。説明の概要について国土庁長官と建設大臣から述べていただきたいと思います。
○原国務大臣 過般の自民党の都市農政確立議員連盟のお尋ねでございますが、御承知のように昭和五十七年度以降のいわゆる宅地並み課題については、税制調査会の昭和五十五年度の税制改正に関する答申に示された基本的考え方に基づいて実施することが決定いたしております。 次に、御指摘の自民党の都市農政確立議員連盟の設立総会の件については、国土庁の土地局長が出席いたしましたので、土地局長から詳細答弁いたさせます。
○小笠原政府委員 去る十四日の自民党の都市農政確立議員連盟の設立総会に、私ども出席と現在の検討内容の説明を求められたわけでございますので、その際、まだ検討中ではございますがということで現段階の検討の内容について若干申し上げまして、意見の交換を行った次第でございます。 私が説明いたしました内容といたしましては、まずこの問題につきましては、大臣からもお答え申し上げましたとおり、昭和五十五年度の税制改正に関する税調答申を踏まえてやりたいということと、三年ごとにこれをどうするかということではなくて、少し長もちのする安定的な仕組みを考えたいということで申し上げました。 内容的には、三大都市圏の一定の地域内の市街化区域内農地のすべてにつきまして等しく固定資産税の課税の適正化を行うこととしたい。 三番目に、それに当たりまして一定期間以上営農を継続する場合におきましては、徴収猶予制度という形で営農に対する配慮をいたしたい。この一定期間についではいろいろ御意見もありますが、私ども事務的には十年ぐらいが妥当ではなかろうかと考えているということを申し上げました。それからさらに、その一定期間の途中で営農をやめた場合、これは公共用地に買収をされたとか営農者の死亡などやむを得ない場合を除いて、さかのぼって徴収猶予額を徴収するということとすべきではないか。 最後に、これに関連いたしまして譲渡所得税の特例の延長も検討すべきであると考えておるが、営農継続者の営農継続期間中の譲渡には譲渡所得税の軽減措置は不必要ではなかろうかというような意見を申し上げまして、いろいろ御批判を賜ったところでございます。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 自民党の土地農政確立議員連盟から宅地並み課税について説明を求められましたので、所管の局長が伺いまして説明をいたしました。内容につきましては直接局長から説明をいたさせますので、お願いをいたします。
○吉田(公)政府委員 お答え申し上げます。 私も十四日の会議に出席いたしましたが、まず国土庁の方から、ただいま土地局長が御答弁申し上げましたような説明がございました。基本的な考え方において国土庁と建設省とは、この税制に関しましては大体同様に考えております。 ただ、建設省の立場といたしましては、市街化区域内の市街化というのは土地問題、住宅供給の非常に重要な問題でございますので、市街化区域の整備について五十五年度税制調査会の御答申の線に沿いまして、長期営農の希望のある者についての配慮ということはいたしますが、それ以外の者の税制については適正化を図り、かつ市街化に必要な仕事の仕方、これは計画事業あるいは関連公共施設の整備、そういった面につきまして建設行政といたしまして全面的に努力をしていくということをあわせて行ってまいりたいということを申したわけでございます。
○小川(省)委員 宅地並み課税は地方税であります。なぜ建設省や国土庁が自治省を飛び越えてこんなことを先に検討しているのか、私はわからぬのであります。 そもそも宅地並み課税のねらいというのは、宅地の供給にあるはずであります。あなた方はこんな方法で宅地の供給が可能だと思っておられるわけでありますか。また、一般のサラリーマンとしても、これらA、B、C農地の価格に手が出ると考えておられるのですか。国土庁長官、建設大臣、もう一回お伺いをいたします。
○小笠原政府委員 この宅地並み課税問題に関しましては、私どもがいろいろ考え方をまとめておりますのは、実は他の土地税制についてもそうでありますが、土地政策全体の一環としていろいろな対策を取りまとめていくその中の政策税制としてこうあるべきだということで私どもが御提言を申し上げようとしているわけであります。私どもは、この宅地並み課税問題を考えるに当たりまして基本的な考え方として、税負担の著しい不均衡と、それからこの際宅地供給にも若干資する、そういう形でものを解決したい。 いずれにいたしましても、現行制度がことし限りで切れるものですから、来年以降安定的な仕組みを考えてやる必要があるということで考えている次第でございます。
○吉田(公)政府委員 私どもといたしましても、税制の均衡と申しますか、そうした問題と並びまして、現在でもそうでございますが、いわゆる宅地並み課税のかかっておりますところにつきましては、譲渡所得税その他税制でございますとか、あるいは区画整理事業の助成でございますとか、金融公庫の融資でございますとか、そういう面につきまして各般の宅地化の促進あるいは計画的市街化の促進の施策が並行してとられておりまして、長期営農を選択する方と、そうした市街化についての道を選択される方と分けまして、それぞれに行うことによりまして市街化の整備には相当の貢献があると思っております。
○小川(省)委員 いま宅地並み課税の実態について申し述べますと、三大都市圏には百八十五の市がございます。A農地が約二千ヘクタール、B農地が約八千ヘクタール、C農地が約六万三千ヘクタールで約七万三千ヘクタールであります。現行税法でA、B農地に課税をすることになっておりますが、百八十五のうち百七十五の市では、条例によって税の減免がなされております。そしてこれは自治省によって交付税で補てんをされておるわけであります。そして残りの十市のうち七つはA、B農地がありません。残りの三市は一たん取って、補助金という形で返還をしているわけであります。これは、この部分については完全に地方税法のしり抜けであり、まさに有名無実というのが実態でございます。自治大臣、このことに間違いありませんか。
○安孫子国務大臣 間違いありません。
○小川(省)委員 これはC農地に拡大をしていっても恐らく同じような方法がとられるだろうと思うのであります。中曽根長官、こんなむだなことはこの臨調のこの時期にこそ廃止をすべきだと思うのでありますが、再びお尋ねをいたしますが、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 この問題は税制調査会におきましてもいろいろな御検討がなされており、かつ関係当局におきましても、また政党側におきましてもいろいろな考えがいま出されておりまして、来年度に向けてある程度の具体化がなされようとしておりますので、それを見守ってまいりたいと思っております。
○小川(省)委員 国土庁長官、建設大臣、宅地供給の道はほかにあります。最近でこそ土地はほとんど動かないわけでありますが、四十年代に大企業を中心にして土地の取得がかなり行われたわけであります。これは全国全体でありますが、約四十一万ヘクタールと言われております。いまこれらの土地には特別土地保有税が課されておるわけでありますが、古分の一・四であります。何とか企業が土地を持ちこたえられるような税額でございます。これを企業が特別土地保有税を払って持っていられなくなるところまで上げれば土地は出てまいります。調整区域が多いのでありましょうけれども、決して市街地から遠い距離ばかりではありません。そして線引きの見直しをやればよいはずであります。この道しかいま宅地の供給の方法はありませんし、またサラリーマンにも手の出る額であるというふうに思っています。 特別土地保有税の引き上げによる方法について国土庁長官、建設大臣、自治大臣いかがお考えですか、それぞれお聞かせをいただきたいと思います。
○原国務大臣 特別土地保有税は、仮需要の抑制と土地の供給促進を目的として創設されたものでございますが、これは御承知のように、取得価額を課税の標準といたしておるのであります。でありますから、かなり税金の負担は高くなっております。現行の税率をもし上げるということになりますと非常な高率になります。現在でもこういう取得したときの価額でありますから、実際に非常に即しておる、こういう結果になっております。 そこで、たくさんの土地を持っておるとおっしゃいますが、国土庁で資本金一億円以上の企業の昭和五十五年三月末の三大都市圏内の販売用土地の所有状態を調べたのがあります。それを申し上げますと、全体で約二万五千ヘクタールあって、そのうちで市街化区域内に約二九%でありまして約七千二百ヘクタール、市街化調整区域内に約四八%、約一万一千九百ヘクタール所在している、こういう結果であります。そのうち市街化区域内に所在する販売用土地については、約六一%とかなりの割合がすでに造成工事を終えるか、または工事に着手しているということで、未着手土地は約二千八百ヘクタールにすぎません。また、市街化調整区域内にかなりの量を所有する販売用土地については、円滑な宅地供給に資するため線引きの見直しの適切な実施や開発許可の適正な運用を推進していくことがかなり重要であって、現在の税制でかなり適切に運用されておると考えております。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 土地保有税に対する考え方は国土庁長官と同感でございます。すでに現在相当高額な課税をいたしておりますので、これ以上引き上げるということは無理ではないか、このように私は考えているものでございます。
○安孫子国務大臣 将来の検討問題ではございますけれども、当面いろいろな経過がございまするから、これはいますぐにどうこうするという考えは持っておりません。
○小川(省)委員 都市に緑をという声は強いわけであります。また、近代都市の具備すべき要件の一つでございます。市街化区域内農地はこの役割りを十分に果たしております。政策のない農業施策の中で市街化区域の農地を減反の休耕田に当てている農家もあります。これを見てすぐ宅地にできるなどと考えても、とても手の出る価格ではありません。都市農業は都市農業としてやられてこそ近代都市ができるのであります。宅地供給のため宅地並み課税などという発想自体が誤りであると考えます。この際再考をされて、宅地並み課税の考え方を撤回すべきであると思いますが、再び建設省と国土庁に考え方を聞かせていただきたいと思います。
○吉田(公)政府委員 私どもといたしましては、市街化区域の計画的な宅地化ということも、緑の保全と並行しまして非常に重要な課題と思っております。その上からこの課税の適正化というものが一つの大きな効果を持つ要素であるという考え方は強く持っております。
○小笠原政府委員 固定資産税の課税の適正化と宅地供給の促進に資するという二つの見地から、来年度から長期安定的な制度をぜひつくりたいというふうに考えておりますが、その際、長期営農希望者の意思は十分配慮する方向で考えていきたいと思っております。
○小川(省)委員 また自治大臣、私の提言をした特別土地保有税について後ほど検討をすべき課題だというふうなお答えがございましたけれども、検討をしていただく対象にしていただけるかどうか、重ねてお伺いをいたします。
○安孫子国務大臣 当面はそれを変える考えはございませんけれども、全体の税制の中におきましてどういうふうにするかという問題については将来ひとつ検討する問題ではあろうかと考えております。
○小川(省)委員 次に、地方公共団体における定員管理の適正化についてお尋ねをいたします。 国の行政改革による地方へのしわ寄せや地方の定員に関する抑制や関与についての是正措置、地方公共団体における定員の適正化について、どのような指導を行おうとするのかということでありますが、現下の厳しい情勢にかんがみて、国とともに地方公共団体についても行政改革の断行、行政の減量化を推進することが求められ、特に地方公務員の増加が指摘をされております。しかしながら、地方公共団体は福祉や教育など地域住民に密接な関係を持つ業務を担当しており、職員の配置そのものが行政サービスにつながるところがあり、職員増もやむを得ない面があるものと考えるわけでございます。自治大臣、特に知事をやられた大臣としては、私の言うことに間違いがないと考えておられると思うのでございます。 現在地方公務員の数は三百十六万余を数えており、昭和四十二年度以降約八十万人の増加になっておりますが、その状況を見ると、教員や警察官、消防職員を初め福祉関係等の部門で増加数全体の約八〇%を占めており、国の施策や法令等に定める配置基準によるものの増加が大部分でございます。このため、地方公共団体における定員抑制について実効を期するためには、単に地方に対して是正措置を求めるのみでは片手落ちであり、国の行政改革による地方公共団体へのしわ寄せとか、地方の定員に関する多岐にわたる規制、関与等のあり方について是正措置を図ることがまずもって必要であると考えます。また、地方公共団体みずからも適正化に努める必要があると考えますが、自治大臣はどのように対処をしていくつもりなのか、お伺いをいたします。
○安孫子国務大臣 現下の情勢にかんがみまして、定員をできるだけ抑え、あるいは減らしまして、そして冗長な行政でないようにしなければならぬことは既定の事実でございます。現下きわめて必要な問題だと思っております。 そこで、地方公務員については、おっしゃるとおりに中央官庁が比較的企画的な要素を持ち、また地方団体は現場的要素を持っておる。その点における性質の違いは私はあると思っております。それからもう一つ、お話のように国の方針に基づきまして地方の定員がふえざるを得ないという関係もございます。この点については、中央各省に対しましてその是正方について自治省としては強く考慮してもらいたいということを申し入れているわけでございます。しかしながら同時に、地方自治体におきましても、この定員の抑制等につきまして、また行政が効率的にできまするように最大の努力をしてもらわなければならぬ、こういう点は強く私どもは希望しておるところでございます。そういう方向に基づきましていろいろ努力をいたしておる地方団体も私は承知をいたしております。
○小川(省)委員 次に、給与の関係について若干お尋ねをいたします。 政府は、この時期になってもいまだに税収の見通しが立たないとかなんとか言って人事院勧告の完全実施を決定をしておりません。税収の見通し云々といったら来年までかかるわけであります。仲裁裁定についてはどうやら結論が出たようでありますが、政府は参議院における公務員二法とか、あるいは行政改革法案の行方をながめているのが実態だろうと思うのですが、私は土曜や日曜に地方へ帰って公務員の諸君によく会います。勧告の行方がわからないので、ほとんどの者がやる気をなくしております。総務長官、この辺で完全実施の線を打ち出さないと士気の低下によって行政の停滞は免れません。人事院勧告を完全に実施する方向を打ち出すべき時期だろうと思いますが、いかがですか。
○中山国務大臣 人事院勧告の扱いにつきましては、先生もすでに御承知のように、政府は、八月七日勧告を受けまして、直ちに第一回の給与関係閣僚会議を開き、去る九月十八日に第二回の給与関係閣僚会議を開きましたが、問題は、ことしの歳入状態が悪い、こういうことから、いわゆる財源の問題でただいま見通しが立たないという段階で、すでに第二回以来一カ月近い時日を経過しております。 昨年、この人事院勧告は財政事情が厳しい中でいろいろと政府も誠意をもって努力をいたしまして、昨年十月二十八日でございました、第四回の給与関係閣僚会議でこの人事院勧告の扱いを決定したわけでございますが、昨年よりもさらに財政事情の悪い中で政府は誠意をもって努力をしておりますが、近く第三回の給与関係閣僚会議を開いて、その後の税収の状態等を財務当局からぜひ聞かなければならない、このように考えております。 以上、御理解をいただきたいと思います。
○小川(省)委員 毎年勧告が行われるのはわかり切ったことなんでありますから、ぜひひとつ早急に結論を出すようさらに努力をお願いいたしたいと思っております。 自治大臣、各地方自治体と国との事情はすべて同じじゃないことは御承知のとおりであります。この際、各自治体の判断によって給与の改定を早期に完全実施をしてよろしいのではないかというふうに思っていますが、地方を本年に限って国より先行させるというような方法について、自治大臣はいかがお考えですか。
○安孫子国務大臣 先行するというようなことは地方公務員法上いかぬことだと私は考えております。やはり国に準ずべき問題だ、こう考えております。
○小川(省)委員 また、人事院勧告の五・二三%よりラスパイレス指数の高い地方自治体には給与の改定を見合わせるような指導をしたというような報道がございます。自治省は給与改定や期末、勤勉手当について、このような介入的な指導をした事実はありますか。
○安孫子国務大臣 勤勉手当等について、ラスパイレス指数その他から判断いたしまして相当高いというような団体があるわけでございます。これは現下の諸情勢に照らしぜひ是正をしてもらわなければいかぬ、こう思っております。そうした指導を加えていくつもりでございます。
○小川(省)委員 自治省は要らぬような指導をときどきやられるわけでありますが、そういう不必要な指導はぜひ慎んでいただきたいというふうに思っております。 次に、給与の指導についてお尋ねをいたしたいと思いますが、給与水準の高い団体等に対する個別指導の対象団体、指導方法等についてどう考えておるかという問題であります。このような指導は地方自治に対する不当な介入と思いますが、介入の根拠を示していただきたいと思っています。 また、報復措置といいますか、所要な財源措置をとるというようなことを言っておるようでありますが、これこそ不当の介入ではないかというふうに考えます。どのような方法で、いつ行うつもりなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○安孫子国務大臣 自治省は各地方団体に対しまして指導監督の権限を持っております。したがいまして、そういう点についていろいろと指導監督をすることは当然のことだと私は考えております。 それからまた、給与水準の非常に高いところについていろいろな財政的な措置を講ずるという点につきましても、やはりそういう団体は財政が非常に十分だという判定をせざるを得ません。この点につきましては財政上の措置を講ずることも私は当然のことじゃなかろうか、こう考えております。
○小川(省)委員 特に地方自治の本旨に反するような不当な介入については慎んでいただきたいというふうに思っています。 それから、これは自治省の給与課だろうと思うのですが、自治給第三十三号、昭和五十六年七月二日に大阪府の知事に対して出した通達でありますが、これは地方自治に対する前例のない介入であるというふうに考えています。この通達に屈したと言われる市長会の申し合わせについて自治省は報告を受けておりますか。また、どのような見解をお持ちでありますか、お伺いをいたします。
○安孫子国務大臣 大阪府下におけるところの地方自治団体が非常に高い給与水準であるということは周知の事実でございます。これはやはり是正をすべきだと考えます。そこで大阪府知事に対しまして、この点について私どもとしては通達を出しまして、十分この点に対応するようにという書簡を出しております。そこで、現在は大阪府知事のもとに各関係市長が集まりまして、この処置について協議をいたしております。その最終的な報告はまだ受けておりませんが、私はこれは当然やらなくてはならぬ問題だろうと考えております。
○小川(省)委員 指導されるのは結構でありますが、介入になるような関与はぜひ避けていただきたい、このことを強く要請をいたしておきたいと思います。 また、職員の給与は、議会に提出をされる給与費明細書で十分公開の趣旨は達しており、住民公開の必要性はないというふうに考えています。また、住民に公表するかどうかは各自治体の自由に任せたらよいのではないかと思います。自治省は十月十三日に事務次官名で各都道府県知事と指定都市の市長あてに職員給与に関する公表の様式を示して通達を出しておりますが、この点については私は不当なものだというふうに思っておるわけでありますけれども、このような様式を議会の給与費明細書に付すれば公表の趣旨は十分に達せられるというふうに思うわけでありますけれども、これは住民公表にかえて、この十月十三日の通達については撤回をしてもらいたいと思いますが、いかがでございますか。
○安孫子国務大臣 いま給与水準が非常に高いということは現実の事実でございまして、これを是正する必要がある、これは法制上もそうだと思うのですが、しかしこれは議会の承認を得てやっておる問題でございまするので、要は住民がこの点について十分の関心を持つということがきわめて重要な問題だ、こう考えておるので、そういう通達を出しました。これは是正の方法といたしまして非常に重要な問題だと私は考えております。したがいまして、これを撤回するというような考えはございません。
○小川(省)委員 撤回する意思はないということでありますが、議員は地域の住民の信託を受けて議会に出ているわけでありますから、議会に提出をする給与費の明細書で十分なはずであります。もしそれで不十分とするならば、これに示されたような様式を付して議会に提出をしていけば十分だと思っています。もしもこのような方法をとると、私は、自治体の中で反市長派の悪宣伝等の材料として利用されて、いたずらに地方自治体に混乱を招くものではないかというふうに考えるわけであります。そのようなことで、公表にかえて、議会の給与費明細書の中にこのような内容を加えて提出をして、この公表の問題についてはぜひ撤回をされるように求めるものであります。円滑な地方自治を進めるためにもその方がよろしいのではないかというふうに思っておりますが、自治大臣、重ねて御答弁を承りたいと思います。
○安孫子国務大臣 結局、地方自治体は住民の意思の反映によって運営される問題でございます。したがって、議会において議決をしておるから、それは形の上におきましてその住民の同意を得たものだというふうな理論はあるわけでございまするけれども、住民の実態から申しますと、地方団体の給与につきましてそう関心を持っておるわけでもございません。したがいまして、その内容について十分承知をさせて、そしてそれが議会にも反映し得るというような措置を講ずることは当面きわめて重要な問題だと考えておるわけでございます。さような点について私どもは今回の措置をとったわけでございます。
○小川(省)委員 また改めて地方行政委員会でやりますが、いま御答弁にありましたように、住民はそう大きな関心を持っておるわけではないわけでありますから、議会に対して給与費明細書に付してこのような様式を示せば、それで事足りるというふうに思うわけでありますから、せひひとつ再考をして、このような十月十三日の通達については撤回をしていただきたいということを重ねて申し入れるわけでございます。 さて、北炭夕張の事故については、全国民を衝撃に陥れております。私どもテレビの報道を見ながら憂慮の念を禁じ得ないところでございますけれども、この問題に関連をして、同僚の五十嵐委員からの関連質問を許していただきたいと思います。
○金丸委員長 この際、関連質疑の申し出がありますので、これを許します。五十嵐広三君。
○五十嵐委員 ちょっと早目に進んでいるものですからまだ通産大臣が来ていないようでありますが、しかしせっかくでありますから、通産大臣が来るまで、それでは行管庁長官にお伺いしたいと思います。 これは、私ども実は新聞報道を見てびっくりしたのでありますが、つい三、四日前の報道であります。臨調が政府・自民党のこの間からの行革特別委員会等に対する答弁なんか見て、臨調の首脳としては減税の志向を五十八年以降はしていくんだ、そのためにいろいろな工夫をしようじゃないかということでやっているんだが、しかし総理以下あるいは行管長官にしてみても、減税どころか、五十八年以降は相変わらず増税志向という答弁の傾向が強い、これについて大変に臨調首脳が不満を持っているというような報道が一部なされているわけであります。 しかも、その報道に関連して、臨調の首脳と大蔵首脳がいろいろ非公式に話し合っているが、その話し合いの中で、大蔵首脳が、われわれが聞きますと、きわめて不当に臨調の審議の方向に介入している。たとえばこういうようなことは答申してほしくない、軽々しく減税だとかということは言ってほしくない、これはとんでもない話じゃないかと思うのです。もっと明快に、これはかねがね政府としても、臨調に、行革について本当に大胆に真剣に取り組んでほしい、しかもその意向を尊重して政府はやっていきたい、それこそ政治生命みんなでかければこわくないと言われるぐらいに、各大臣はこれに政治生命をかけるというくらいの意気込みでやってきているわけであって、こんな報道がもし事実であるとすれば、ぼくはとんでもない話だと思う。それでなくても、従前第一次臨調のときにも言われたが、この間の第二次臨調における第一次答申も非常に官僚主導だった。結局は去年の暮れのゼロシーリングだとか、あるいは大蔵省で出した「歳出百科」だとか、あるいはそのほかのさまざまなもの、大蔵省等の出しているものをいわば拾い集めたようなものではないか、これは官僚主導ではないかというようなことがずいぶん聞かれている。しかし、出面、あの第一次答申というのは何といったって財政再建の問題にしぼって、臨調自身も答申に当たって、これは政府から、当面五十七年度の予算に関連する問題を急いでやってくれ、こう言われているからこれを出すんだ、本格的な論議はこの後だ、こう言っているわけだが、その本格論議がこれからなされるに当たって、そういう不当な介入が依然として行われるというような形跡があるとすれば非常に問題だとぼくは思う。長官、いかがですか。
○中曽根国務大臣 一部の新聞にどんな記事が出たか知りませんが、大蔵省が臨調に対して圧力をかけたり、不当な要請をしたということは全くありません。そういうデマに迷わされないようにお願いいたします。
○五十嵐委員 誤報というのはときどきありますからそれはわかりませんが、しかしとにかく大変な報道がなされているわけで、政府としても、こんなことが報道されたということ自身、またもし事実であるとすれば、これは国民に非常に問題なイメージを流すことになるわけであって、恐らく実態を調査なされたのではないかというふうに思うのですが、われわれの聞くところによると、実際にはかなりそういうことが行われているような感じも受けるのであります。長官、この際ですから、そんなことがないように明確に実態を調査して、そういうことがあるのならあるように、ないのならないように、大体行政改革を妨害するような官僚は処分するということさえ総理も言っているし、長官も言っているのですから、事実こういうことがあるとしたら、この大蔵首脳というのは処分の対象でしょう。一部新聞にそんなことは出ているかもしれませんがと言っているけれども、それはちゃんとごらんになってもらって、そういう事実があるかないか、あれば、これは調査の結果に基づいて厳重に処分するぐらいな気持ちでなくてはいかぬと思います。もう一遍お答えをいただきたい。
○中曽根国務大臣 あの新聞記事が出ましたので、情勢を聞いてみましたら、あれは全くそういう事実はありません。
○五十嵐委員 いろいろな調査にこたえるということはいいけれども、不当に介入するようなことのないように、それでなくても世間では、どうも大蔵主導だということも言われている行革でありますから、ぜひお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 それから、長官にさらに一つお伺いをしたいのでありますが、この間、薬事審議会について厚生大臣は百人ほどの委員の入れかえを決めたようであります。その入れかえを決めたというのは、あらかじめ決めた任期を大幅に超えて留任しているような人もいるから、そこでこの際入れかえようということで、もちろんこれは、例の丸山ワクチンに関連してこの際大幅に審議会の委員を入れかえたということであろうと思うのでありますが、しかしこれは薬事審議会に限ったことではないわけです。政府関係の審議会というのは二百十一からあるわけでしょう。この二百十一の調査会、審議会等は、調べてみると、昭和四十年ですかに、閣議では口頭了解でそれぞれ任期についての確認をしている。任期三年のものはこうしよう、任期五年のものはこうしよう、二年のものはこうしよう、そうして余り長期にわたらぬようにしようではないか、あるいはそれぞれの審議会というものを兼任するようなことのないようにしようではないか、こういうようなことを申し合わせている。そして四十年以降も何回かそういうことを徹底してやろうという確認もしている。それなのに薬事審議会のような事実がある。しかも薬事審議会に限らない、ほかの審議会でもそういうようなことがたくさんあるわけです。この閣議の了解というものが各省で行われていないのではないか。この機会に、薬事審議会に限らず各審議会が、その政府の確認事項に基づいて、すっかり入れかえて新しい息吹を注ぎ込むことが必要ではないか、こういうふうに思うが、長官、いかがですか。
○中曽根国務大臣 長期的に滞留して停滞しているということは余り好ましくないと思います。各省庁においてそれぞれの審議会を持っておられると思いますが、そういう精神に基づいて適切な処理をしてもらいたいと思っております。
○五十嵐委員 やはり非常に大事なことだと思いますから、せひお願いいたします。 それでは、通産大臣がお見えになったようでありますからお伺いしたいと思いますが、一昨日北炭夕張炭鉱について御意見をいただきまして、事故発生後直ちに大臣も現地に行かれたり、その後本当に夜も昼もなく大変に御苦労をいただいていることについて敬意を表したいというふうに思う次第であります。 お伺いすると、大臣も小学一年生のときに炭鉱災害を目の当たりにごらんになられて、同級生の人たちなんかも実はたくさん親を亡くしたというその悲惨な体験があるようでありますので、ことのほか、今度の問題につきましても、ことに現地に入られて深刻なお受けとめをいただいて、最善の対策をとっていただいているというふうに思うわけであります。しかも事態は非常にむずかしい状況になってきているようであります。報道等あるいは現地の話なんかによりますと、どうも部分注水の判断もやむをえないかというようなことも言われているようでありますし、大変に重大かつ慎重な判断をしなければならない時期でないかと思います。これはもちろん人命を第一にしながら、また遺族のお飢持ちも十分に御了察をいただいて、ぜひ適切な御判断を願いたいと思います。 この前申し上げましたが、また大臣も行かれて御承知のように、いま夕張は非常に深い悲しみに覆われている。しかもまだ四十九人の行方不明者がいるわけでありますから、非常に深いいら立ちのようなものがあろうと思うのでありますが、同時に、夕張を覆っているのは、そういう悲しみとともに、この山がつぶれるかもしれぬということです。夕張は、炭鉱に関連した経済が町全体の約八割ぐらいでしょう。約半分ぐらいの住民というものは、炭鉱に直接間接に深い関係を持って、そこに住んでいるわけであります。だから、夕張の山がつぶれるかどうかということはもう大変なことだ。そういうような夕張の住民の苦慮というものを大臣はよく知っておられて、一昨日の御答弁では非常に理解あるお答えをいただいたとぼくは思います。したがって、夕張の皆さんもその点につきましては率直に評価し、少しは明るさを感じたのではないかと思うのです。 ところが、夕べ並びにけさの各新聞等を見ると、私は目を疑った。「北炭夕張、閉山も」、一体これは大臣、どうしたことか。調べてみると、きのう閣議があって、閣議の終わった後、大臣は記者会見をなされた。この記者会見で、記者の諸君の御質問に答えていろいろお話しになられたのが報道されているようであります。しかし恐らく、ぼくは好意的に考えて、いろいろな経過があったことだから、そしていろいろな問題も含めていることだから、大臣の気持ちも揺れるところがあるだろう、いろいろなこの問題を思えば思うほど、ぼくは発言にすかっとしないところも出たのではないかなという気もしないものでもない。あるいは発言の部分的な面をとらえられたきらいもあるのかなという感じもないわけではない。少なくとも、おとといのあの連合審査における大臣答弁というものは、昔の話じゃない、おとといの話だから、実は私は本当に一言一言よく覚えている。だから、今度の記事なんか見ても、これは大臣の真意でないな、何かどこかおかしいな、十分な発言ないし報道でないのではないかな、あるいは舌足らずがあったのでないかなという感じがしてならぬのであります。 どうかこの際、この北炭夕張の再建について、改めて大臣の御意見をいただきたい。山はつぶさないでほしい、何としても山はつぶしてほしくない、そのことを心から念願しながら、改めて御質問を申し上げたいと思います。
○田中(六)国務大臣 せんだっての御質問にお答えいたしましたように、現在、私は、まず遺家族並びに罹災者の救済に万全を期すること。それから、その当時、いまもそうでございますけれども、まだ行方不明者というものが四十九名います。したがって、これらの人々の人命尊重、人命第一ということで対処してほしいということ。それから、すでに死亡を確認しております、そういう人たちの家族並びに遺族対策については万遺漏なきようにということを指示しております。 現在のところ、まず原因究明が第一だ、そういうふうに思っておりまして、それにつながるものは、やはりいかにこの炭鉱をうまく再開できるかということでございまして、原因究明それから債権者の問題、国のエネルギー政策、そういうものを全部含め、それからまた、この炭鉱の持つ保安というようなことを総合的に考えながら、いかにしたら再開できるか、個々の住民の熱望もございますし、そういうことがまず第一で、それにはどういう方策をとったらいいかということを考えつつあるのが現状でございます。
○五十嵐委員 まず、いろいろなこともあるが、再開ということ、再開を目標として、いろいろその障害について一つ一つ対処しながら、北炭夕張炭鉱の閉山のないように、再建を目指してやるつもりだ、こういうことですね。
○田中(六)国務大臣 まさしくそのとおりでございますが、ただ、保安対策はどうだ、それから、率直なことを申しますと、地下三千メートルのところで、ガス突出とかガス爆発とかあるいは出火とかいうような非常に不安定な場所で、二十世紀の後半においていろいろな仕事がたくさんあるのに、なぜ働かなければいかぬのかなという一つの考えがどうしてもわくわけでございます。 それから、私が小学校一年生のときに明治鉱業所の爆発事故を目の当たりに見まして、私の同級生の幼い子たちが泣きわめき、家族たちがいろいろおって、百人前後の人が死んで、ガスを吸って人体が三倍ぐらいにふくれ上がっておる、それを見てきたこともありまして、なぜという疑問がどうしても小さいときからあるわけですね。なぜこういう底もので働かなければいかぬのかなという、それがどうしてもよみがえってきますと、保安対策というようなことでいろいろ問題があるものですから、つい、質問を受けますと、保安を中心としたそういうことについての答えが部分部分取り上げられて、そういうふうな閉山というふうに短絡させられるところがございますけれども、冒頭に申し上げましたように、まず、再開するにはどうしたらいいのかということを一つ一つ丁寧にチェックして、できるならば万全の措置を講じてこの炭鉱がうまくいくことを願っております。
○五十嵐委員 大体わかりました。しかし、前段でちょっとお触れになられました、なぜ三千メートルの下で、しかもこのガス山で働かなければいかぬのかな、もっといい働き口があればなというお気持ちは、ありがたいことはありがたいのでありますが、しかしそんな厳しいひどい目に遭いながらも、大臣、やはりそこにすがって、そこで働いていかなければならぬ人たちが何千人も現実にはおるわけですね。それを包みながら夕張という町があそこで営みをしているわけであって、もちろんこの際、保安について、夕張もそうだし、全国的にもぜひひとつ見直していただいて、その対策をしっかり確立するのは当然のことでありますし、何としたって保安を第一に経営を進めていかなければだめなのは言うまでもないのでありますが、しかしそうしながらも、ぜひひとつ、お言葉のようにまず再建ということを目指して、いろいろな御苦労はあると思いますが、御尽力をいただきたい、こういうぐあいに思う次第であります。 以上、きのう来の報道で大分不安がありましたのがかなり晴れたような気がいたしますので、今後とも御尽力をお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○金丸委員長 これにて小川君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、最初に、中曽根行政管理庁長官に役人の海外出張の問題についてお尋ねをしたいと思うのでございますが、公務員が外国へ参りました際に、目的地外に行って遊んできてしまった、こういう場合にはどういうような措置がとられまするか、その点をちょっと長官にお伺いしたい。
○中曽根国務大臣 出張の目的と違うことをやった場合には、当然上司が監督すべきでありまして、それぞれ各省の内規に従って処置すべきであると思います。
○小川(国)委員 実は私は、百を超える特殊法人、この経営のあり方についていろいろな角度から検討してまいっているわけでありますが、その中で、特に農林省所管の中央競馬会の海外出張の実態というものは非常に目に余る状態があります。これをひとつ長官にも申し上げて、これは行政管理庁の立場からも御検討を、特に行政改革という立場から検討いただきたいと思うのです。 実は、この中央競馬会は、年間約五千万円くらいの予算をもって海外出張をやっておるわけでありますが、昭和五十五年アジア競馬会議というものが開催地韓国で九月十一日から九月十七日の間行われたわけでありますが、これに九名が参加しまして、二名は九月十七日に会議が終わりますと直ちに帰国をしたわけでありますけれども、残る七名は、その会議が終わった日から今度はソウルからマニラに飛びましてサンターナ競馬場に参りました。またマニラ・ジョッキークラブなどへ参って、さらに二十一日にはマニラからシドニーに飛びまして競馬場訪問をする、それから今度は、二十五日にはシドニーからシンガポールへ飛びましてシンガポールの競馬場を訪問する、それから二十七日には、今度シンガポールから香港へ飛びまして、ここでまた香港の競馬場を訪問するわけですが、これも一日ではなくて三日間滞在して三十日に帰国する、こういうような状況でありまして、会議は一週間、ところが、現実には大変な長期間、ソウルから日本を飛び越えてマニラからシドニー、シンガポール、香港、いわば観光旅行的なことをやってきているわけであります。 それから、もっとはなはだしい例は、昭和五十五年、ニューヨークのジョッキークラブの研修というのがございまして、これは日本人向けだけの競馬会のための研修をアメリカがやっているわけでありますが、これが五月十一日から五月二十九日まで十九日間会議があったわけであります。それが終わった後、今度はアフターサービス旅行ではございませんが、ロンドンのイギリス・ダービーを見て、パリへ飛んでフランス・ダービーを見て、それからケルンからマドリード、ローマ。結局二十一日間競馬場めぐりの旅行をやりまして、四十日間海外旅行をやってきているわけであります。 これが五十四年の場合にはもっとはなはだしいわけであります。実は、これは会議が十九日間あるわけでありますが、その会議が開催される十四日前に日本を出発いたしまして、そして十四日間アメリカの各地の競馬場を見て歩いて、それからこの北米州の会議に十九日間出席した。それが終わりますと、今度はロンドンへ行きましてイギリスのダービーを見まして、パリへ行ってフランスのダービーを見まして、ケルンからマドリードへ行って競馬場を見まして、ローマへ行ってまた競馬場を見まして、これもはなはだしきは六十日間の長期の海外旅行でした。 会議の前後に一カ月に上るこういう、調査旅行とはいいながら、いま国会でも財政緊縮の折で、国会議員でも海外出張は三週間以内、しかも経費も百四十万以内ということでやっておりますのに、こういうことで過去六年間に百十九回、二億五千万円に達する海外旅行費を使って、しかもいま申し上げたような、韓国の会議にしましてもあるいは北米州における会議にしましても、ニューヨークの会議にしましても、会議以外のところで、視察と称して目的地以外で遊んできている。こういう実態というものは行政改革の本旨から見ていかがなものか。これは長官からひとつ厳正な立場に立った御答弁を願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 どういうふうな事情でそういうことになったか、それは出張の稟議書あるいは経費、そういうものを見てみないといまのところ即断できませんので、農林省に調べさせてみたいと思いますが、どうぞ農林大臣の方へ御質問をお願いいたしたい。
○小川(国)委員 それでは、農林大臣はこの点いかがお考えになりますか。
○亀岡国務大臣 御承知のように、中央競馬会は昭和五十六年に約二千億ほどの国庫納付金をするわけでございます。そのためには競馬を円滑に、しかも競馬を楽しむ大衆の皆さん方の納得のいく線で競馬を開催していかなければならない。いろいろレースを愉快におもしろくということでやっていくことが、やはり競馬の責任者として指導しなければならない方向であろうと思います。 したがいまして、常に、世界における競馬の実施の状況でありまするとか、あるいは事故防止のための競馬場の施設のあり方でありまするとか、あるいは馬主と調教師、それから騎手とか、あるいは馬のお世話をする方々とか、そういう方々の一致団結した体制ができておりませんと円滑な競馬ができませんので、その辺の運営の状況でありますとか、競馬を実施してまいりますために必要なあらゆる知識、技術、さらに運営の要領等々を調査研究するために調査に出向くということは適切である、私はこう考えております。日本中央競馬会は競馬法に基づいてその任務を果たすために最小限の出張であろう、私としてはこういうふうに判断をいたしておるわけであります。
○小川(国)委員 農林大臣、参考のために、行政管理庁長官はこれは当然これから行革の中で検討するわけですが、最近五年間行われたこういう海外出張の稟議書なり復命書なり報告書なり、そういうものをごらんになりましたか。
○亀岡国務大臣 とにかく八万三千数百人の国家公務員が農林水産省関係の職員であり、また各種公団、特殊法人等も勤務者がたくさんおるわけでございます。私は一々その稟議書とかそういうものは見たことはございません。これはもう競馬担当公務員に競馬会の指導を任せておるわけでありまするし、中央競馬会は、理事長の統率のもと一糸乱れずその任務を果たしているものと私は思います。やはり部下を信用しなければ、一々下から上がってくるものを全部目を通しておったら農林水産大臣は何人あっても足りない、こういうことになりますので、私は、申しわけないですけれども見たことはございません。
○小川(国)委員 稟議書も報告書も見てなくて、そういうことを一遍も考慮を払ったことがなくて、八万何千人職員がいるから一々目を通せない、そういう答弁で、私が申し上げた事実を真剣に考える気持ちがない。そういうところにこれから私が申し上げるようないろいろ綱紀弛緩の問題が起こってくる。これは順次質問の中でいずれ農林大臣の責任を明らかにしていきたいと思います。 その次に、中央競馬会の理事長にお伺いいたしますが、ハイヤー、タクシー代が五十三年に三億八千万円、それから五十五年は幾らハイヤー、タクシー代をお使いになっていらっしゃいますか。
○内村参考人 三億一千万円でございます。
○小川(国)委員 このハイヤーの使用実態については隠しておったわけでありますが、最近明らかになった資料の中で、役員しか使わないのに本部役員のみで四千八百十六万円、それから一人当たりにすると役員が大体年間五百万使っているわけですね。役員は十二人しかいないわけでありますし、そのうち二人は専従の車を持っているわけでありますし、あとは監事が二人ですか、そうすると八名の役員で年間四千八百十六万というのは、五百万を超えるハイヤー使用料なんですが、一体これはだれがお使いになっていらっしゃるのですか。
○内村参考人 ハイヤーの使用はすべて総務部で管轄しておるわけでございまして、総務部の使用顧がそこに上っているわけでございます。したがいまして、お客さんが見えたときお帰しするとか、その他のものも入っておりまして、全部役員が使っておるわけではございません。
○小川(国)委員 あなた方はすぐお客さんだとか公用だとか言って逃げるわけでありますが、それでは、私どもが一体だれが三億に上る膨大なハイヤー、タクシー代を使っているのかということを皆さんの方にただしても、何の部が幾ら使った、だれが幾ら使った——いま民間企業ではすべてコンピューター処理で、どういう部がハイヤー、タクシー代を使い過ぎる、こういうことはおのずからコンピューターで明らかになって是正措置がとられている。ところが皆さんの方は、コンピューターは大変りっぱなものを入れているのに、なぜこういうコンピューター処理をして一人一人の使用料あるいは各部ごとの使用料、そういう中で三億を超える膨大なハイヤー、タクシー代を節減するということはお考えにならないのですか。各部、各人別の内容をコンピューター処理になぜなさらないのですか。
○内村参考人 競馬会といたしましては、コンピューター時代に入りましてまず最初にやりましたことは……(小川(国)委員「いや、それをなぜやらないかということだけです」と呼ぶ)ですから、経緯をお話しいたします。 まず、勝馬投票券の払い戻しその他のコンピューター化を進めたわけでございます。それが大体六十年までには完成するわけでございます。現在各競馬場におきましてコンピューターを使用してかなりそうしたことをやっておりますけれども、六十年までには全部完成する。それから、人事管理の問題等につきまして五十五年までに調査をいたしまして、給料の支払いとかそういうことにつきましてはコンピューター化が行われておりますけれども、そういった業務のそこまではまだコンピューター化ができておりません。したがいまして、コンピューターを使ってそういうことの個人別の集計等はまだできない段階でございますが、逐次そういう面につきましてもコンピューター化を進めまして事務の合理化に努めなければならないものと思っております。
○小川(国)委員 各部、各課別はいかがでございますか。
○内村参考人 部別とそれから競馬場別の資料はお出ししてあると思います。
○小川(国)委員 時間がございませんからあれですが、皆さんの方は三年間かけて、約一億五千万から二億近い大変な予算をかけて人事管理のコンピューターシステムをやっておるわけなんです。そういうことをやっておりながら、こういう個人別の処理、部、課別の処理——課別の処理は出ていませんですよ。課別の処理はできてないですよ。できているのですか。コンピューター処理ができているかどうか。
○内村参考人 ただいま申し上げましたとおり、ハイヤー代等につきましては部別の処理はできております。しかし課別まではまだ行っておりませんけれども、コンピューター化を逐次進めましてそういうこともやらなければならぬと思っておりますけれども、現在まだコンピューター化されておりません。
○小川(国)委員 常識的に考えて、三億を超えるハイヤー、タクシー代があるのに、個人別の処理も課別の処理もやってない役所というのはないし、民間でもそういうところはないと思うのです。この点は今後の是正を指摘しておきたいと思います。 それから食糧費は五十五年に幾らお使いになっていらっしゃいますか。
○内村参考人 五十五年の食糧費は九千百万円でございます。
○小川(国)委員 その数字は違いますね。競馬会が全体で一年間お使いになった食糧費はお幾らですか。
○内村参考人 ただいまのは本部の数字でございまして、場・所を入れますと二億四千万円でございます。
○小川(国)委員 皆さんが競馬会の決算書というのを出しておりますが、この決算書で見ると毎年交際費は七百万しか出ていないのです。大変つつましやかに特殊法人の報告では出ているのですが、内部を全部洗ってまいりますと、いま言われた二億四千万円になるわけです。千八百人の職員で割りますと一人当たり年間十三万円の飲み食いをしておるということになるのですが、こんなに多額の食糧費を使う企業というのは日本にはないんじゃないかと思うのですが、使い過ぎるというふうにお考えになりませんか。
○内村参考人 ただいま申し上げた額は別に内部の職員だけで使っておるわけじゃございません。中央競馬会としていろいろ必要な経費として開催のときに使っておるものが多いわけでございます。
○小川(国)委員 ですから、皆さんはこれを交際費に出さずに開催費の中に隠しておったわけでありますけれども、競馬会は一般の商社や企業と違って、販売経費とか営業経費とか、そういう面の努力をするための経費というのはかかってないはずなんです。これは恐らく農林省なり各省庁の交際費なり食糧費と比較になったら、官庁としてあるまじき大変な高額になる。一人当たり十三万円にも上る食糧費を使っておる。たとえお客さんの接待であっても、この二億四千万というのは競馬界の常識を超えた食糧費だというふうに私は考える。これはまた今後皆さんの方でどういうふうな目的で使っておるかを明らかに出していただきたい、こういうふうに思います。 次に、競馬会は年間収入一兆三千六百三十億の売り上げがあって、払い戻しに一兆百十二億、国庫に千三百六十億、業務勘定に二千百五十七億、これにその他収入をプラスすると二千三百十四億円を使えるわけでありますが、これが千八百人の職員で二千三百十四億円という大変な業務勘定を使っておる。ここにむだ遣いが始まっておると思うのです。 私は、中央競馬会の内情をつぶさに見てまいりまして、これは犯罪が起きたKDDの直前の状況である。皆さん金が余って、三億を超えるハイヤー、タクシー代、それから二億四千万を超える飲み食い費、それから五千万を超える大変なむだな海外旅行、こういう形で大変な内部のむだ遣いが行われておると思うのです。そういうことで内部で皆さんは使ってきたけれども、使い切れなくなった。そこで今度は競馬場周辺のいろいろな団体に金をばらまき始めてきておる。 そこで、ちょっと伺いますけれども、競馬場周辺の自治体へ五十五年幾らのお金を配分しておりますか。
○内村参考人 五十三億円でございます。
○小川(国)委員 次に、競馬場周辺の町内会、学校、警察、消防関係、ここへもこのお金を配分しておりますが、これはお幾らになりますか。
○内村参考人 五億八千万円でございます。
○小川(国)委員 次に、競馬会から福祉施設へやっているお金がございますが、これは総額お幾らになっておりますか。
○内村参考人 競馬会から直接ではございませんけれども、福祉財団を通じまして二十億出しております。
○小川(国)委員 実にこれで八十億になるわけであります。大変な金を競馬会は周辺の自治体から町内会から学校、警察、消防、福祉施設とばらまいているわけです。このばらまき方が私は非常にまた問題があるというふうに思うのです。 競馬場周辺の自治体に、ここ十年来、最近においても、五十三年で五十億、五十四年に五十一億、五十五年に五十三億、これは自治省並みに——自治大臣おりますね。こうした毎年五十億を超える金を下排水道、社会福祉施設、教育文化施設、公園緑化、消防施設、交通安全施設、スポーツ、レクリエーション施設ということで配分しておるのですが、こうした自治省並みの予算配分について自治省は相談にあずかっているのかどうか。
○安孫子国務大臣 自治省自体としては相談にあずかっておりませんが、各地方団体におきまして十分規則を定め、経理をきちんといたしまして処理をいたしておる金でございます。
○小川(国)委員 各自治体できちんと経理をして処理をしている、こういうことでございますが、この予算が配分されておりますのは三十足らずの自治体であります。 〔委員長退席、三塚委員長代理着席〕 これは競馬場があるとか駐車場があるとかいうところの自治体に配分しておりますが、この五十億円の予算はその三十足らずの自治体の中の、しかも競馬場の周り二キロ以内の下水道とか学校とか社会施設とか、そういうところに限られておりますので、毎年三億から五億くらいの金をもらう市町村が競馬場の周りの二キロ以内だけにこの予算を投入しているので、もう使いようがないという状況になっているのですね。それで今度陳情してまた三キロに広げましたけれども、それでももう使いようがない。そういうところへまた毎年毎年予算をつけて配分しているのですね。この点、地方行政を公平均てんならしめるということを考える自治大臣として、こういうあり方がいいかどうか。
○安孫子国務大臣 競馬場の開設によりまして、やはり交通の安全とか、あるいはその地域におけるところの住民の生活の安全確保というような点についていろいろ支出があるわけでございます。また環境整備の問題もございます。したがって、そういうものに充当されるような金でございまするので、これはそれで問題はないだろうと思っております。 また、お話の一点は、それは全体の公平性からいってどうだろうかというお尋ねの趣旨もあったように思いますけれども、一般公共事業等につきましては、そうした観点から各省におきましても全国的に見て公平な配分をしておるわけでございまして、そのほかに競馬場があるということによりましてそうした需要があるわけでございまするから、これに対応するものを経理をきちんとしてやっておる以上、問題はないと思っています。
○小川(国)委員 自治大臣は実態をごらんにならないんで、ごく一般的な競輪、オート、競馬、こういう開催地の自治体という考え方だけでお考えになっていますが、この局限された競馬場が、いわば競馬公害という言葉が適切かどうかわかりませんが、そういうことのために、特定の町内ですよ。市町村じゃないです。特定の地域だけに毎年三億、五億の金をこれからもつぎ込んでいったら一体どうなるのか。これは自治大臣、もう一度反省して考えていただきたいと思うのです。 次に、厚生大臣、競馬会が急速に余剰金が余り始めた昭和四十四年から中央競馬社会福祉財団というものをつくりまして、先ほど理事長の答弁にあったように毎年二十億を超す補助金をばらまいておるわけです。五十六年も五百五十件、二十二億五千五百万でありますけれども、この予算の配分について厚生省との協議はなされておりますか。
○金田政府委員 ただいまの中央競馬財団の社会福祉に対する配分につきましては、厚生省と協議をいたしております。
○小川(国)委員 協議はいつ、どういう形で行っておりますか。
○金田政府委員 協議は毎年一回、時期は私ちょっと正確には覚えておりませんが、福祉財団と協議をいたしております。 なお、申請いたします場合には、申請者はその県の共同募金会に申請書を提出いたします。この申請書にはその都道府県知事の意見書を添付して進達することになっております。
○小川(国)委員 厚生省は、そういう中で五十五年には辞退返納金が千三百万出て、さらに繰越金が九十五百五十万、毎年一億近い金を繰り越している。福祉事業のいろいろな施設の建設に予算がない、予算を欲しい、こういう痛切な状況、要望がある中で、こういう金を返上したり使い残したり繰り越したり、そういうことの御協議をやはりなすっているわけですか。
○金田政府委員 ただいま言われました繰り越しの実態は私個々には存じませんが、これは先生御承知のように、その他の団体等からの寄付その他におきましても、災害その他でおくれるというようなことがございます。御承知のとおり国庫補助につきましても繰り越し等もあるわけでございますので、この場合だけではないというように承知いたしております。
○小川(国)委員 でたらめですよ、あなた。実態は存じないのでということで、実態を知らなくて協議をしているということは、全くこれは協議になってない。しかも二十億の予算を五百五十もの団体に出している。あなたは共同募金会から出してきているというのですが、五百五十件の大半、六、七割は馬主会を窓口にしてこの申請が出されているのですよ。そういう実態も御存じですか。
○金田政府委員 失礼いたしました。馬主会を通じて出しているものもございます。
○小川(国)委員 厚生大臣、あなた答弁なさらないけれども、年一回の協議でこういう繰り越しの実態とか申請の実態、採択の実態、それからその後の監査、指導、こういうものがきわめて不十分だというようにお感じになると思うのですね。こういうものについてやはり厚生省として今後きちっと協議した上でなければ、こういうものをなくしていかなければならぬ、こういうふうにお考えになりませんか。
○村山国務大臣 社会福祉施設の拡充につきましては厚生省の非常に重要な施策でございます。そのために国庫、国の一般会計からも多額の補助をいただいておるわけでございます。しかし一方、関係団体からも任意の寄付があるということは、私は全体的に好ましいことだと思っているのでございます。ただその場合、それぞれいろいろな公営競技をやっている人は、それぞれの規定に従って厳格に出していくということが必要であろうと思います。ただいま聞きますと、いま日本競馬会の方からは、実はもう農林大臣がお答えになったように、国庫補助といたしまして納付金の四分の一が民間の社会施設の整備費に充てられているわけでございます。国が一般財源をつぎ足しまして、そして二分の一の補助をいたしておる、こういう仕組みになっております。片や、ただいま御指摘のいろいろな競馬関係の方の特殊法人あるいは自転車振興会、さらにはオートバイ、それからモーターボート、こういったところは、それぞれどういうふうに処理するか、それぞれの剰余金に関しての処分規定がございます。そういうものが出されているということは承知しております。それにつきまして、先ほど申しましたように、それぞれの申請者、主としては民間の社会福祉法人でございますから、これが直接申請するわけでございまして、府県知事はそれに副申をつける。経由機関としては、ほとんど募金会が大部分でございますが……(小川(国)委員「いや、大部分じゃないですよ」と呼ぶ)競馬関係は馬主の方があるようでございます。いま伺いました。一方、厚生省といたしましては、そういうルートを行くほかに、ことしはこういう方に重点を渇いていただきたいということは申し上げるわけでございます。たとえば、ことしは障害者年の年でございますから……(小川(国)委員「わかりました」と呼ぶ)そういったことでございます。個々の配分については関与いたしません。
○小川(国)委員 いや、もう結構です。 いま、あなた一番最後に言われたことが大事で、個々の配分には関与していない、このことが厚生大臣の一番重大な責任のある問題なんですよ。 私は、いま中央競馬会を指摘しておりますが、船舶振興会しかり、あるいは日本自転車振興会しかて、ここからみんな福祉と言えばいいということで補助金がばらまかれている。そういう実態について、先ほど社会局長が言ったように、年一回しか協議しないで、一体本当に全国の福祉団体の切望にこたえているかどうか。 これを調べてみますと、馬主会は、野党には少のうございますが、自民党には馬を持っていらっしゃる方も大変たくさんいらっしゃって馬主会の役員も多い。こういうことになれば、どうしても馬主会中心に、選挙対策にこの金がばらまかれる、こういうことになってくるわけでありまして、そういう点から、こういうもののあり方を厚生大臣はきちっと掌握していかなければならない、これは御指摘にとどめておきます。 それから次に、競馬会の理事長に伺いますが、競馬場周辺の自治会、学校、消防機関、警察機関に対して、先ほどのお話で五億八千万の物品寄贈をやっていらっしゃる。どんなものを寄贈しておられるのでございましょうか。物品名をひとつ挙げていただきたいのです。
○内村参考人 非常に多岐にわたっております。たとえばテレビから始まりまして、いろいろな物品が贈られております。
○小川(国)委員 理事長、一つしか言われなかったんですが、これは恥ずかしくて言えないんじゃないかというふうに思うのです。各町内会に配っておる物品は、町内会の放送設備、こういうのはまだまともな方で、舞台の幕、商店街の街路灯、自治会の冷暖房設備、神社の屋根のふきかえ、いす、テーブル、くずかご、それから、みこし、太鼓、こういうのをたくさんもらい過ぎて、もうもらいたくない、こういう町内会や自治会もあるんですよ。だから——行管長官、どこへ行きましたか。行管長官、大事な審議中にいなきゃ困りますね。
○三塚委員長代理 中曽根長官、こちらへお座りください。ちょっといま……。
○小川(国)委員 大事な行政改革ですね。それは太鼓、みこしの細かいお金だからといっても、やはりきちっとひとつ総理代理の長官に聞いておいていただきたいと思うのですが、競馬会がサンタクロースではございませんが、こういう大変なばらまきをやっているんです。 さらに不思議なのは、この競馬会の方で全国の防火協会、防犯協会、交通安全協会に、二百万円から四百万円の自動車が大半なんですが、こういう団体に三年に二台のペースで車を配っている。そのほか印刷機、クーラー、ビデオ、テレビ、柔道衣、剣道衣、複写機、タイプライター、カメラ、映写機、何でもお好みのものを配っているんです。しかし、これらの物品が最終的にだれの手に渡ったか、どこで使われているか、これが確認されてないのです。 競馬会の理事長、このたくさん配った中であなたもとても申し上げられないと思いますが、この中で防犯協会と防火協会と交通安全協会に配ったものはどこで使われているか、確認をしておられますか。
○内村参考人 地元協力費につきましては、地元の要望があって、たとえば太鼓を祭りに使いたいから欲しいということがございまして差し上げているわけでございまして、こちらが配っているわけではございません。地元の要望にこたえてやっているわけでございます。それから、防犯協会等を通じて出したものは警察にいっているものがございます。
○小川(国)委員 あなたの方の配った資料は、大変でたらめな資料が多いわけなんです。私が、皆さんの方からサンタクロースのように配分したものの行方を、全国はとても調べ切れませんから、東京の府中競馬場あるいは中山競馬場、二競馬場の周辺を調べたのですが、あなたの方で、たとえば市川の交通安全協会に昭和五十三年に交通指揮車を一台、それから五十四年に一台、二台贈ったというふうに皆さんの提出文書には書いてある。ところが、市川の交通安全協会に行ったら、二台ともこの車はないのですね。これがどこへいっているのか不明なんです。それから音楽隊の制服を同じく五十三年に贈っているのですが、受け取っている人がいないのですね。これは物品横領の疑いもあるのじゃないか。皆さんの方で、こんなにたくさん全国に何千点というものを毎年ばらまいていたら何がどこへいったのかわからなくなってしまうのじゃないか。中には、警察署の車庫の修理まで皆さんの方でやっているんです。これは会計検査院にも伺いたいと思うのですが、官公庁の車庫の修理まで競馬会がやらなければならないのか。警察庁には警察庁の予算があるはずなんで、みこし、太鼓はもとより、こんなところまで競馬会が負担しなければならないのか。これはちょっと伺いたいのです。五十三年の交通指揮車、音楽隊制服はどこへ行ったかですね。
○内村参考人 ただいま資料をチェックいたしまして、お出しいたしますけれども、消防隊の制服——たしか警察と書いたのは消防署に贈った間違いだったということで、その点は訂正させていただきたいと思います。なお、いま資料をチェックしておりますが、その点は間違いでございます。しかし、制服はちゃんと出ております。
○小川(国)委員 明確にしておきたいのですが、あなたの方は、市川の交通安全協会に交通指揮車と音楽隊制服。では消防署は、どこの消防署に贈ったんですか。
○内村参考人 船橋の消防局でございます。
○小川(国)委員 では、国会に出された文書と違うじゃないですか。 それから会計検査院に伺いますが、府中警察署の車庫の修理ですね。百万近くかけてやっているんですが、こういうふうに官公庁の施設をこうした民間団体が直すということはいかがなんでございましょうか。
○丹下会計検査院説明員 お答え申し上げます。 官公庁に対する寄付金につきましては、昭和二十三年、昭和三十年に、昭和二十三年の場合には「官公庁に対する寄附金等の抑制について」それから三十年に「官庁に対する寄附金等の抑制について」という、それぞれ閣議決定があり、かつ次官通達がありまして、こういうふうな寄付というのはとかく強制になる、あるいはこれによって行政の措置の公正に疑問を持たれるようなことでは困るというふうなことで抑制する方針が出されております。昭和二十三年の場合には「地方公共団体に対しても前各項に準ずるようその自粛を求めること。」というふうなことがございまして、この方針にこれまで官公庁は従っているというふうに考えております。
○小川(国)委員 農林大臣、あなたはもうすでに農林大臣になって一年有余で、しかもあなたが決裁した中央競馬会の決算書で執行された五十五年の執行の中で、いま会計検査院が指摘するように、閣議決定、次官通達でそういう公共の施設が寄付を受けてはならないと厳命を下しているのに、そういうところに寄付をしなければならぬ、そういうきわめて次官通達、閣議決定に違反するようなことが行われているのですね。ですから、あなたとしても、たくさんあることだからわからぬことといったら、これはもう大臣は勤まらないと思うのですね。やはりこういった中央競馬会、非常にKDDと似た問題点の多いところに対しては、あなたの責任で、こういうことをきちっと掌握されるべきだと思います。 これは私は一点を指摘しましたけれども、しかし自治体の全国の競馬場所在のところにまかれている、これは大変な問題ですよ。しかも、これは皆さんは迷惑料だ、あるいは競馬公害だとおっしゃるかもしれないけれども、私が調べていった中では、たとえば競馬の総合研究所、都内の世田谷にある競馬の総合研究所から馬事公苑、こういうところは別に人が来るわけではないし、迷惑も何もないですよ。この町内まで配っているんですよ。それから日高の牧場のあるところまで配っているんですよ。いかに競馬会が金が余ってしまって、もう自分のところで使い切れなくなったから何でもばらまけ、こういう形が私はここにあらわれていると思うのですね。 行管長官、いかがですか。こういう自治体に対する問題、あるいは福祉のばらまき、それからこういう町内へのばらまき、これだけでも実に八十億になるわけです。せっかく行管長官が一生懸命おやりになって、今度の行革法案で削減は百二十二億なんですよ。これは行管長官、大変御苦労なすったと思うのです。この百二十二億を出すのに政府が大変な苦しみをしているのに、こういった競馬会の補助金のばらまきだけでざっと八十億円。末端へ行けば一つ一つ問題を含んでいるのですね。そういうことをお考えになったら、こういった特殊法人のあり方というもの、これは厳密にこういうものの内部検討を行革の中でもなさるべきじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○中曽根国務大臣 競馬会につきましては、特に五百億円納付金を増額していただいておりますが、もし余っているようでしたらもっといただきたいと思います。
○小川(国)委員 余っているようでしたらということではなくて、これは大蔵大臣にも伺いますけれども、大蔵省は金がなくて困っていると私は思うのですが、こういうところを節減して、これをモデルにして、やはりこういった特殊法人の中から、ゼロシーリングを各省庁にやったように、削るところは削ったように、これは大蔵大臣も大変な苦労をして削ったと思うのですが、この八十億もばらまかれている補助金の実態などを検討していったら、特殊法人の全体の運営の問題をもっともっと検討して財源を求めなければならぬという立場があると思いますが、こういった特殊法人についても、このゼロシーリングのお考えがありますか。
○渡辺国務大臣 ゼロシーリングは考えておりませんが、ただいまいろいろな貴重な御意見を伺ったので、事実に照らして十分調査の上、適切な処理をやりたいと思います。
○小川(国)委員 行管長官もこの削減の中で金ができればと、大蔵省も事実に照らしてということの両大臣の御意見がありますので、そういう方向で、われわれも国会の中で一緒に取り組んでいきたいというふうに考えるわけであります。 そこで行管長官、きょうは日本シリーズの第四戦をやっているわけなんでありまして、ちょっと出席者が少ないのはそちらに行っている方もあるのではないか、こんなふうに思うのですが、野球の中継放送が行われているわけでありますけれども、この野球の中継放送料は、きょうはジャイアンツと日本ハムがやっているのですが、その球団が払っているのか、放送しているテレビ会社が払っているのか。この中継放送料というものはどっちが払って、どっちが受け取っているというふうに大臣、お考えになりますか。
○中曽根国務大臣 これは郵政省の担当でございますので、郵政省にお聞き願いたいと思います。
○小川(国)委員 せっかく大蔵大臣から農林大臣、厚生大臣、自治大臣とおいでいただいているのですが、博識な大臣が多いと思うのですが、この野球の中継放送、たとえばジャイアンツが出てやっておる、日本ハムがやっている、こういう場合にテレビでやっていますが、そのテレビ会社の放映料というのは、たとえばテレビ会社が球団に払っているのか、球団がテレビ会社に払っているのか、その辺、御存じの大臣おりますか。
○石川(弘)政府委員 競馬の中継に関しての御質問でございますので、私からちょっとお答えさせていただきます。 野球とかあるいは大相撲のように大変スポンサーがつきやすくて、そういうスポンサーの料金で放送できるものもあることは事実でございます。それから競馬の中継にいたしましても、最初のうち非常にスポンサーがつきにくうございまして、かなり高い金額の放送料金を払ってでも、と言いますのは、全国にこういう競馬の実況を放送いたしておりますので、そういうものを四十年の初めごろまでは、かなり高額の料金をこちらが払ってでも放送するということをお願いしたわけでございますが、その後四十年代の後半から、そういうスポンサーも若干つきまして、一部はスポンサーに持っていただいて、一部は競馬会が持つという姿で現在放送が行われています。この種のものの要するに地方競馬とかあるいは競輪とか、そういう若干ギャンブルにかかわりますようなものにつきましては、なかなかスポンサーがつきにくいというような事情があるようでございます。
○小川(国)委員 畜産局長は非常に気を回しまして、私が質問することに先答えをしたようでありますけれども、中曽根大臣もお忙しくて好球も見る間がなくてお気の毒で、参考に申し上げておきたいと思うのですが、野球の場合は、私、後楽園の関係者に伺ったら、大体一試合平均二千万円ぐらいテレビ会社が球団にお金を払って試合を放映させてもらっているのだそうです。もちろんテレビ会社はスポンサーを求めまして、野球の合間、合間に広告を入れて、それで放映をする、こういうふうに野球はなっておる。 ところが、畜産局長いま答弁に出てきましたが、競馬中継は無料になっているわけですね。無料どころか、競馬会は逆にスポンサーになってテレビ会社にお金を払っているのです。競馬の主催者がテレビ会社にお金を払っている。逆なんですね。これも私はお金が余り過ぎておる結果ではないかというふうに思うのですが、競馬のテレビ実況中継のためにテレビ会社三社に三千八百万円、それからラジオ会社四社に一億一千三百万、合計で一億五千百万もお金を払って放映してもらっておるのです。全然野球と逆なんですね。これがスポンサーをつけてなければ、私はいいと思うのですよ。ところが、競馬の実況中継をやっているテレビを見ていますと、次々とたくさんのスポンサーがテレビでもラジオでも出てくるのです。そしてこれらの会社が数億円ももうけておるわけですね。この競馬会とテレビ会社、ラジオ会社のおかしな関係というものはやはりやめさせるべきではないか、こういうふうに思うのですね。この点、いかがでしょうか、所管の農林大臣。
○石川(弘)政府委員 そのようなこともあろうかと思いまして、いろいろ調べさせていただきましたが、競馬の中継というのは、御承知のように競馬をやりまして、それからしばらく三十分の間、競馬の競走はないわけでございまして、そういう意味でなかなか番組制作がむずかしくて、やはり似通った競輪とかそういうものの中継も、いずれもスポンサーと主催者が共催してやらざるを得ないというのが現在の放送会社の言っております理由でございまして、先ほど申しましたように、かつてはテレビ中継等につきましても若干料金が高かった時代があるのですが、それをむしろ競馬会の負担を下げるというようなこともやりながら現在に至っている実情でございます。
○小川(国)委員 いまの答弁は納得できません。 わが党の山口鶴男議員もこうしたギャンブル問題についての権威でありますが、——ギャンブルといっても、やる方ではなくて、これを適正な研究をする方の専門家なのでありますけれども、その先輩の言をかりますと、いま競馬の実況は、大手のテレビ会社は一社に限られているわけです。これを、そうではなくて数社の競争の中でやらせるとか、公開の中でやらせる、こういうことになれば、のみ行為も減って中央競馬会の売り上げもふえる、これが山口委員の見解なのです。これは私の主張がやはり競馬会の繁栄のためにもなるし、のみ行為や不正行為をなくすことにもなる。 いずれにしても、そういう見地から考えて、しかも行政改革で、行管長官も大蔵大臣も、いろいろなところからの財源探しに必死になっておられるわけでございますから、競馬会がこれに一億五千万も払っているならそれはやめて、一体、競馬の中継放送をどうやらしたらいいのか。各社の公開入札でやれば、いやおれのところはこれだけ払ってもやるよ、こういうところが出てくるはずでありますね。そうすれば、ここで一億五千万どころか、農林大臣の言い方で言えば、いわゆる興行なのですからね。野球の球団のように、逆にテレビの放映会社から競馬会にお金が入ってくれば、また国庫納付金もふえよう、こういうふうになるわけで、行管長官、こういう点いかがでございましょう。
○中曽根国務大臣 私らの常識から見ると、日本ダービーとか菊花賞とか、相当国民を沸かしている部面もあるので、これはスポンサーがつくだろう、金を出すまでもなくスポンサーがつくのじゃないか、そういう経営努力が足らぬのじゃないかという感じがいたします。
○小川(国)委員 いま長官おっしゃられたように、こういった問題も経営努力をされれば中央競馬会も収入がふえる。収入がふえることは悪いことじゃないので、それが国庫納付金の増額となって、そしてその中から、また国民の税金を少しでも引き下げていく、こういうことになっていけばいいわけでありまして、私どもはそういう面での改革を期待しているわけであります。 それで実は、私は中央競馬会の全体の予算を分析してみました。そうしてみますと、この中央競馬会という特殊法人を分析していく中で、現在、剰余金合計額は三千百九十億円に上っているわけです。これに資本と資本剰余金百十億円を加えますと、三千三百億が剰余金の総体になってまいります。この中で競馬会が固定資産化しているものが約二千億。したがって、三千三百億の中から固定資産——土地、建物になったものは差し引いても一千三百億の流動資産が残るわけであります。もちろん競馬会が当座必要とする支払いについては二百億ないし三百億の流動資産をまた充てておくことができるわけでありまして、現金、預金それから債券、こういった流動資産の中で約千三百億は自由に使える金がある、こういうように私ども判断をしているわけであります。 それからさらに、先ほど申し上げましたような八十億に上る補助金のばらまき、これを全廃すればそこで百億、それから競馬会は毎年六百億か七百億の利益を上げて、特別積立金が三百五十億、剰余金が三百五十億ぐらい出ておりますが、その中からまた百億ぐらいの節約をすれば、合計で千五百億ぐらいの国庫納付金を出せる。(「船舶振興会から取れ」と呼ぶ者あり)先ほど行管長官の言われたように、この春の国会において五百億、中央競馬会が電電公社と一緒に国庫納付をしてくれた。しかし、その五百億の中身も、たどってまいりますと、実質的には第二次国庫納付金が三百億近くございましたから、競馬会が本来の会計から出したのは二百億で済んでしまっているわけなんです。けがは少なかったというのが春の国庫納付金の実態であります。ですから、私はきょう中央競馬会について申し上げましたが、いま御指摘があったように船舶振興会についても、あるいは自転車振興会についても、あるいは百を超える特殊法人の経営実態についても、これを徹底的に洗い直すならば、競馬会のようにこうした国庫納付金を十分見出す余地がある、こういうふうに考えるわけであります。 この点について私は、もちろん中曽根長官の陣頭指揮のもとに、臨調の中で検討を加えてもらうことも当然でありますけれども、国会の中で、この百を超える特殊法人の経営改革に取り組んでいくならば、この中から相当な財源を生み出すことができる、財政再建の道が開ける、こういうふうに考えるわけでありますが、行管長官、この点に対する積極的な御見解をひとつ承りたいと思います。
○中曽根国務大臣 小川さんの毎回にわたる精細なる御調査と御見識にはいつも敬意を表しております。いまもいろいろ拝聴いたしましたが、われわれの勉強の足りないところもあるのではないかと思いました。帰ってよく研究いたしたいと思います。
○小川(国)委員 私は長官を喜ばすわけではないので、もちろん長官にもこれを勉強をしていただかなきやならないし、各大臣にも、こういった特殊法人は各省庁にわたるわけであります。きょうはお見えになっておりませんけれども、通産省の中でも、自転車振興会から、やはり毎年数百億のいろいろな福祉とか教育とかいう名目の補助金がばらまかれて、将棋大会にまでその金がばらまかれている。あるいは船舶振興会からも毎年数百億の福祉とか何かそういう名目の補助金がばらまかれて、歌ったり踊ったりの詩吟剣舞大会にも出されている。そういうのはやはり財政再建を言うならば、国の予算でそこまで出しているという実態は洗い直さなきゃいけないのじゃないか。 これは私は、そういう意味では、特殊法人の予算書を各委員会に提出をされて、そういう中で特殊法人の洗い直しというものを政府と国会が一体になってやる、こういう考え方が必要じゃないかというふうに思いますが、この点はいかがでございますか。
○中曽根国務大臣 特殊法人につきましては、先般の法律の改正で行管が監察することができるようになりましてまだ日も浅いことでございますから、いろいろ貴重な御意見を拝聴いたしましたので、行管当局として、まずいろいろ検討さしていただきたいと思います。
○小川(国)委員 もう一つ進んで、こういった特殊法人の問題について、これは当委員会でももちろん検討をいただきたいと思いますが、いずれにしても、これからの臨調の中では本格的な行政改革に進むわけでありまして、当然特殊法人の部門にも及ぶと思うのです。現在百を超えるこの特殊法人というのは、いずれも各省庁に帰属しているわけでありまして、それは当然要求があれば各省庁からもちろんこの委員会には任意的には提出されているものであります。しかし、そうではなくて、政府みずからがこの特殊法人の予算書を国会に提出して、各委員会の中で審議を加えていく——私はきょうは中央競馬会の問題を取り上げましたが、これはほうっておけば、やはり経費の乱脈やむだな金遣いの中から第二のKDDのような刑事事件を引き起こすおそれもある。そういうことをなくして健全な行政運営を行い、それからまた国の財政再建のための財源捻出ということも、この特殊法人の中から行っていく、そういう見地に立つならば、私は、もう一歩進んで、この特殊法人の予算書を各省ごとに各常任委員会に提出をして審議を仰ぐ、こういうような姿勢、ひとつ総理にかわって、きょうは総理の代理でいらっしゃる中曽根長官にもう一歩進んだお考えをお示し賜りたい、こういうふうに思うわけであります。
○中曽根国務大臣 特殊法人につきましては、いまの臨時行政調査会におきましても特に部会を設けまして、三公社五現業とともにこれを分析し、そのあり方について見直しを行うことになっておりまして、これからその作業が進んでまいると思います。 また、政府当局といたしましても、これは監督官庁がおのおのあるのでございまして、競輪については通産省、競馬については農林省と監督官庁があるわけでございますから、まず第一義的に各省大臣がしっかりと把握していただいて、いやしくも乱費がないようにこれは注意していただくことが大事であり、また、行管といたしましても、先般の法律の改正をいただいて監察することができるようになりましたから、これを厳重に監察するようにいたしたいと思いまして、そういうことで御承知、御了承をお願いいたしたらいいと思っております。
○小川(国)委員 一つだけ最後に、国会の協力を求めていくという考え方はいかがでございますか。
○中曽根国務大臣 国会におきましては、小川さんのように非常に精細にお調べになって、われわれにそういう御注意を与えていただくことで非常に有益に役立っているのではないかと思います。
○小川(国)委員 もっと幾つも問題点を抱えておりますけれども、また次回の委員会に譲らしていただきます。
○三塚委員長代理 これにて小川君の質疑は終了いたしました。 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 最初に、私、大蔵大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、その前にこういう、これは小説の文章ですけれども、その文章の意義というものを恐らく御想像願えると思うので、読み上げてみたいと思うのです。「財政緊縮のためならば軍備をこそ制限すべしと説く者もあるが、その点は我々としても決して見逃したわけではなく、ただ海軍においては来るべき軍縮会議の場合を見なければならないし、又陸軍においては目下軍制調査委員会で軍制の改革を研究中であるから、それらが決定すれば必らず相当徹底した軍費の節約が可能となるであろうと思う。とにかく今回のことは情において忍びないが、国家の財政および国民経済の現状をよく考えてみれば、又やむを得ないことと諒解してくれると思う」というお言葉がございます。これは、実は浜口内閣の井上準之助大蔵大臣のお言葉でございます。文章そのとおりかどうかは別として、意は尽くされているように思います。 いま、この委員会で多くの委員が指摘をしてまいりましたように、今度の臨調というのは、福祉や医療や教育あるいは地方自治などに対するいわば切り下げの措置である、そのことが強調されてきたことは大蔵大臣も御存じのとおりであります。 そこで、鈴木総理もそしてまた大蔵大臣も、防衛予算といえども聖域とはみなさない、こういう御発言をなさっておられます。そこで伺いたいのですけれども、大蔵大臣は、聖域とはみなさないというお言葉を具体的に、とりわけ防衛庁の概算要求とのかかわりで御説明をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 私が聖域とはみなさないと言いましたのは、査定の段階において、どの役所のものであっても、それはずさんな要求をそのまま認めるなんということは一切ありませんよ。こういう時世ですから、後回しにしてもいいものは後回しにしてもらうとか、がまんしてもらうものはがまんしてもらうというようなことは、こういう非常に緊迫した財政の中ですから、そういうことは行います。 それで、あなたのおっしゃるのは、概算要求の中で聖域とは見ないということはどういうことか。概算要求それ自体は、防衛庁もゼロシーリングなんですね。原則的にはゼロシーリング。しかしながら、閣議了解事項があるように、外国との条約に関係するものあるいはエネルギーとか、それから人件費の定昇分とか、それから恩給その他の平年度化分とか海外協力とか、こういうものはいろいろな高度の政治的判断に基づいて別枠扱いをすることに決まったわけでございます。したがって、概算要求段階で聖域としないということは何だ、それは原則的には全部ゼロシーリングですということだと思います。
○岩垂委員 じゃ具体的に聞きますが、七・五%の伸び率の中には人勧によるベースアップに伴ういわゆる人件費の上積み、これが含まれているのかいないのかということで、実はお二方の大臣にお伺いしたいのです。大蔵大臣は含まれているというふうに御答弁をなさっておられるし、防衛庁長官は、いやそれは含まれていないという意味の御発言を十五日の参議院の内閣委員会でなさっておられます。お二方にこの扱いについて御答弁を煩わしたいと思います。
○大村国務大臣 お答えいたします。 私は、この前の御質問がシーリングと概算要求との関係でございましたので、ことしの夏の人事院勧告に基づくベースアップ分はシーリングにも概算要求にも含まれていないということを御答弁申し上げたのでございました。その点は現在も変わりはございません。
○渡辺国務大臣 先般の概算要求のシーリングの設定に当たっては、人件費については当然増分のみを特例としていたので——これは特例です。御指摘のベア分は含まれていない。そして、これは防衛庁だけの問題ではなくして、要するにベア分というのは、これは五十七年はするかしないか一切考えていないわけです。問題は五十六年の分、ことしの分ですからね。ことしの人事院勧告というものが出て、それはことしどうするかということはまだ全然考えていないわけです。したがって、ことしの分が決まらなければ来年も決まらないというわけでございまして、そういう意味において、このベア分というのはいま勧告されているものをおっしゃるのだと、これは来年度の予算編成についてはゼロシーリングを守っていくということになれば、この間お示しした中に入っていないわけですから、それに無理に入れるということになれば、どこかの経費をのかして人件費と入れかえしてもらう、こういう意味に私は解釈しております。
○岩垂委員 明快な答弁なんですが、防衛庁の概算要求の二兆六千八百一億円ですか、それに人件費が五百七十ないし八十億円だと言われているそうですが、それが入ってくるわけですね。そうすると、計算上は装備やその他の概算要求予算というものは最小限削られるものだというふうに見ていいですね。いま大臣、その意味のことをおっしゃいました。
○渡辺国務大臣 私は、これは防衛庁だけでなくて全国家公務員も同じ扱いだと思うのです。人勧をどうするか決まっていないわけですから。だから人勧を仮に決めるということになると、当然、それは何月から決めるかどうか知らぬけれども、仮に来年になってからでも決めたとすれば、来年の四月一日から実行されるわけですから、一年分、その分のお金は概算要求に入ってないわけです。どこの省でも入ってないはずです。定昇分は別ですよ。したがって今度は、それを取り入れるのにゼロシーリングでいくとすれば、各省とも現在の概算要求の中にはめ込まなければならぬから、予算の編成段階でその分だけどこかへっこましてならすということをしなければなるまい。しかし、経費その他の状況から見て、とてもはめ込み切れない、予算の枠そのものを少し大きくするんだという方針が決定されればまた話は別ですけれども、現段階においては、私は予算の概算要求の枠の中にはめ込んで、それでいきたい、そう思っています。
○岩垂委員 またそれではみ出た部分は予算で上積みということになれば、実際問題として七・五を超えてしまうわけですね。ですから、大蔵大臣がおっしゃった意味は、要するに、人件費が人勧で決まったもの、その措置をとる場合には、装備その他の予算というものは削られざるを得ないというのが枠であるといま明確に御答弁をいただいたものだと思います。(大村国務大臣「ちょっと関連して」と呼ぶ)いいですよ、もう質問をしませんから。 引き続いて大蔵大臣にお尋ねをしますが、鈴木総理は、防衛予算についても優先順位をつけろというふうに指示なさっておられます。承るところによると、防衛庁では陸海空の要求について調整がつかないままに、そのまままとめて概算要求を行われたということが言われております。新聞の報道によれば、陸上自衛隊へのリップサービスである、大蔵省の査定用として要求したにすぎないということさえ言われているのでございます。つまり、事実上査定が大蔵省に任されているわけであります。その意味で、陸海空あるいは正面、後方などのバランスについて当然大蔵省は優先順位を考えていかざるを得ないと思いますが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、私どもも防衛力の充実はしなければいけない、そう考えております。しかし、先立つものはやはりお金のことでもございますので、物には限界がある。こういうような厳しい財政事情の中でございますから、やはり重点的、効率的な防衛力の整備をしてもらわなければならない。それはみんないろいろな要求はあるでしょう。あるでしょうが、決められた金目の中でどういうふうにやるのが当面一番いいかということをわれわれは考えていく必要があるわけでございます。したがって、陸海空の自衛隊のバランス、それから正面、後方のバランス、こういうものは専門家の意見を聞いて、決められた金目の中のことなんですから、そこで公正に決めて、最終的にはどっちかに決めるほかないわけですから、最終的にはどうしたらいいか、よく防衛庁長官とも相談をして決めたい、そう思っております。
○岩垂委員 総理も優先順位ということを言っておられるわけですから、それは内閣の方針として当然削っていかなければならぬところがたくさん出てくるだろうと私は思います。 そこで伺いますが、二兆二千六百億円の後年度負担の年度別内訳をちょっと言ってくださいませんか。
○大村国務大臣 お答えいたします。 五十七年度概算要求における後年度負担額約二兆二千六百億円は、今後四年間にわたって歳出化が予定されるものでありまして、現時点でその年割り額を確定することは困難であり、また、今後の予算編成過程における調整等によって変動し得るものではございますが、現在の時点で試算を行ってみますると次のとおりに相なります。 五十八年度約一兆七百億円、五十九年度約五千九百億円、六十年度約三千八百億円、六十一年度約二千二百億円と見積もられております。
○岩垂委員 五十八年度は五十七年度の歳出化予算額よりも幾らぐらい上積みになるかということについて、防衛庁から承りたいと思うのです。
○大村国務大臣 五十七年度概算要求における後年度負担額約二兆二千六百億円の五十八年度歳出化予定額は、先ほど申し上げましたように約一兆七百億円でございます。これに対しまして、五十七年度の歳出化予定額は約七千億円という見積もりでございますので、その差額は約三千七百億円の増加と相なる見通しでございます。
○岩垂委員 その金額というのは、防衛予算を何%ぐらい押し上げる要因になりますか。
○大村国務大臣 五十七、五十八、これからのことでございますので、なかなか計算がやりにくいわけでございますが、せっかくのお尋ねでございますので、お答えさせていただきます。 五十八年度の防衛費がどのようになるかは、出化分以外のその他の——これからのまさに折衝の問題でございますので、現在の時点で見通しを申し上げることはまことに困難ではありますが、五十八年度の歳出化予定額、先ほど申し上げた一兆七百億円だけで見てみますると、五十七年度の概算要求額、先ほど申し上げました二兆五千八百億円——先生、先ほど二兆六千億と言われました。ちょっと数字が違いますが、私どもの概算要求額二兆五千八百億円と比較しますると約一四%程度に相なる、こういうことでございます。
○岩垂委員 いま一四%という数字が出ました。これは五十八年度のことを考えてみますと、五十八年度というのは五六中業の出発点ですがね、そこへもっていって当然人件費のアップということも考えなければいけませんね。それやこれや加えていきますと、私は伸び率で二〇%近いものになってしまうのじゃないだろうかという感じがするのですよ、いま細かい数字は言いませんけれども。私は正直なところ、非常識な後年度負担を概算要求を契機にして出したんだなと言わざるを得ません。 大蔵大臣、こんなことをやっておったら、それこそGNPの一%どころの議論でなくなるのです。こういうことについて大蔵省はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 これは防衛庁じゃなく、ほかの省庁にも少し気をつけなければならぬどころでございますが、五十七年度は少なくて枠に入っているけれども、五十八年度以降はもう非常に大きくふくらまるというような予算は、私の方はうのみにはできないのです。それはやはり財政を預かる者としては、五十八年、五十九年ということについても一応の腹づもりがあるわけでございますから、その年度だけに集中的に後年度負担がふえるということは、後でトラブルのもとになります。したがって、これは一応現在のところは要求でございますから、私どもはうのみにしたわけじゃない、これから査定をするわけでございますので、どういうふうにするか、それは実行可能なものでなければ了承できない。したがって、実行可能と思われるような妥当なものにそれは変えてもらうということもあり得るわけでございまして、内容については今後大蔵、防衛両省庁間で折衝してまいりたいと思っております。
○岩垂委員 言うまでもないのですけれども、五十七年度の概算要求のところで後年度負担というものを削らないと、後年度負担というものを縮小することはできません。ならしていくとおっしゃっていますね。けれども絶対数がそのままでならしたのじゃどうにもならぬことは、大蔵大臣一番よくわかっていらっしゃると思うのですよ。 そこで、私はちょっと防衛庁長官に伺いたいのですが、五十九年度発注予定分をF15十一機、P3C五機繰り上げましたね。正直なところ言って、五三中業があり、それがまだ始まらないうちにF15とP3Cを計画を変えて繰り上げ発注だというんだ。そうすると、やはり防衛庁の見積もりというのは、あるいは見通しというのは、判断として狂っていた、そういうふうに言われてもしようがないですよ。その点どうなんですか。
○大村国務大臣 いま先生ちょっと、五三中業が始まってないのに繰り上げるとは何かと……。五三中業は五十五年度から五十九年度、現在進行中でございまして、だからその範囲内で私どもF15なりP3Cの今後の調達の仕方を検討しているわけでございまして、別に始まっていないものを勝手に繰り上げているわけではございません。現に進行中のものをその期間内において、物によっては早める必要がある、物によっては後回しにできるものはする。年次別は別にないわけでございますから、五年間の割り振りをどうするか、これを選択して進めているわけでございます。
○岩垂委員 私の言いたかったのは、五三中業にはそれなりの整合性があったと思うのですよ。それのまだ、要するに最中に五十九年度分を先取りしてやるというようなことがいかがなものかと私は言っているのですよ。そうすると、五三中業というのはおかしかったんじゃないかというふうに言われても仕方がないよということを言っているわけでして、防衛庁長官、その点誤解のないように御理解をいただきたいと思うのです。 そこで、実は大蔵大臣に申し上げたい。いまうなずいておられましたけれども、大蔵省は、たとえばいまF15四十三機とかP3C十七機、言ってしまえば五十九年度の発注予定分を繰り上げて、そんな数字で予算を組めましょうか。当然私は削らざるを得ないだろう、こういうふうに思いますけれども、大蔵大臣どうでしょう。
○渡辺国務大臣 先ほども申し上げましたように、実際に財政を預かる立場からいたしますと、現実的でなくてはいけません。そういうことで、これは慎重に検討してまいりたい、こう考えております。
○岩垂委員 まだ中身に入ってまで言う時期じゃないのかもしれませんが、その意味はわかりました。 ゼロシーリングの時代に防衛費の伸び率が二けた以上にどんどんなっていくという状況を大蔵大臣、どう思いますか、長期財政見積もりを考えた上で。
○渡辺国務大臣 われわれは当面GNPの一%以内に防衛費を抑えていくという、鈴木内閣ではそういう方針をとっておるわけでありますから、その中での話だと思います。したがって、防衛予算だけがどんどん大きくなるというふうには考えておりません。 ただ、現実の問題として、日本における防衛予算というのはGNPの〇・八とか〇・九とかいうちっちゃな数字でございますので、伸び率だけを見てどうこうということもなかなか言えない、額の問題がございますから。よその国はGNPに対して三とか五とかいうのが普通でございますからね。やはり日本は世界的な国際間の責任もございますので、それらとの関連というものも考えなければ私は防衛の問題は議論できないと思っております。
○岩垂委員 確かに額が少ないと言ってしまえばそれまでですが、財政の状況というのは国際的に同じなんですよね。その意味では、私は、そこのところが何となく大きくなっていってしまうということだけは避けなければいかぬ、そういう物差しというものが大蔵大臣には欲しいということを申し上げたいわけでございます。 それで、五六中業というのはこれから進められて今年度中と言っていますね。今度は国防会議にかけることになりましたね。そうしますと、大蔵省は五六中業の作成過程できちっとチェックをしていかないと、私は、でき上がったものを国防会議に出して、それで決まりました、大蔵大臣どうぞと言われたって困ると思うんだ。そこで、作成過程できちっと財政運営の立場からチェックをするということを御答弁いただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、いままでは五三中業等も、防衛庁だけの目安というようなことで、向こうでいろいろおつくりになっても私知りませんよということを言えましたが、今度は国防会議で作業に着手することを認めると、私もその議員の一人でございますから、今度はそのでき上がったものを、いまおっしゃるとおり、これは国防会議で決まったんですと持ってこられましてもそれは大変なことになりますので、今度はひとつその作成過程においても財政当局とよく連絡をとりながらやってもらわなければ承服はできない、われわれとはそういう意味で極力綿密な連絡をとっていく必要がある、そう考えております。
○岩垂委員 防衛庁長官、今度の国会に防衛二法を出しましたね。それはそれとして、財政再建期間中には自衛官の定員増のための防衛二法というものは自粛すべきじゃないだろうか。さっき井上準之助大蔵大臣のことを言ったけれども、そう思いますが、その点は防衛庁長官、どんなスケジュールをお考えですか。
○大村国務大臣 お答えいたします。 防衛庁といたしましても、定員の問題につきましてはできる限り抑制していく方針をとっているわけでございます。五十七年度におきましても、艦艇、航空機の就役に伴って、やめるものを差っ引いたネットの増ぎりぎりだけを予算にもお願いし、また法律でも改正をお願いしておるところでございます。その方針を今後も堅持してまいりたいと考えております。しかしながら、防衛力の整備を進める過程におきまして、若干の配意はお願いしなければいけないと思います。 見通しを申し上げますと、陸上自衛官を除きまして、五十八年度以降におきましても、艦艇、航空機の除籍等による減員等、合理化、省力化を図りながら、艦艇、航空機の就役、機材の運用、部隊の新改編等に伴う必要最小限度の増員を行ってまいる所存であります。 また、予備自衛官につきましても、後方警備、後方支援体制の充実のため、五十八年度以降においても必要最小限度の増員を図ってまいる所存であります。したがいまして、これら定員増等のための防衛庁設置法及び自衛隊法の改正を国会にお願いすることになるものと考えておる次第でございます。
○岩垂委員 ことしやって、また来年防衛二法だそうです。これはちょっと常識的でないと私は思うんだな。 それはそれとして率直に申し上げますが、今度の行政改革というのは、軍備拡張のための予算をひねり出すために福祉や教育や医療というものの予算を削るんじゃないかという声がございます。つまり、行革ではなくて軍拡だという批判でございます。政府はこういう言葉にやはり謙虚に耳を傾けていただきたい。どこの軍隊もそうですけれども、制服は、より新しい、より性能のいい武器を欲しがるだろうと私は思うのです。それを抑えること、それを調整することが本当の意味のシビリアンコントロールだと私は思うのです。憲法第九条の初心に立ち返ってみれば、ますますそのことを強調せざるを得ません。のみならず「防衛計画の大綱」の中にも、防衛力の整備について「その具体的実施に際しては、そのときどきにおける経済財政事情等を勘案し、国の他の諸施策との調和を図りつつ」行うとはっきりと書いてあるわけであります。大蔵省は国民健保や厚生年金や四十人学級や各種補助金などを削って国民に協力を求めようとしていらっしゃるのですから、防衛費についても、井上準之助大蔵大臣じゃないけれども、きちんとした御答弁を大蔵大臣に承っておきたいと思います。
○渡辺国務大臣 防衛費につきましても、必要最小限度のものに厳選をして査定を進めるつもりでございます。
○岩垂委員 大蔵大臣、結構です。 せっかく官房長官お見えになりましたからちょっと順序を変えまして、去る十月二日に、レーガン大統領が八〇年代核戦略の総合的な強化の計画というものを発表されました。これは日本に連絡がございましたか。
○淺尾政府委員 お答え申し上げます。 レーガン大統領の新しい核戦略計画については、そのごく概要について事前に通報がございました。
○岩垂委員 それを説明していただきたいのですが、時間がございませんから、私の方で新聞報道で知らされた部分について申し上げます。特に海軍力の計画について申し上げます。 「トライゲント型原子力潜水艦を八七年まで毎年一隻の割合で建造する計画である。」それから別のパラグラフで「八二年からトライゲントII型を配備するための開発を行う。」こうなっています。この点、間違いございませんね。
○淺尾政府委員 トライゲント型潜水艦については、いまお述べになりましたように、アメリカとしては今後毎年一隻建造していく、一九八三年から八七年度に毎年一隻ずつ建造を進めていく、こういうことでございます。
○岩垂委員 官房長官に伺いますが、政府はこれまでポラリス潜水艦については明確に拒否の態度をとられてこられましたけれども、トライゲント型原子力潜水艦の器港についてはまだコメントを承っておりませんので、これらは非核三原則によって認めないということは当然だと思いますけれども、官房長官の御答弁を煩わしたいと思います。
○宮澤国務大臣 これからのことでございますので、詳しく存じませんけれども、わが国の非核三原則はもとよりどういう場合にも原則としてわれわれは持っておるのでございますから、それに抵触するものは認められない、当然のことと思います。
○岩垂委員 その次に「八四年から一般目的型潜水艦に数百基の核巡航ミサイルを配備する。」それから「現在の攻撃型潜水艦に巡航ミサイルを搭載する。」ということが列挙されています。そのような核搭載を前提とした原潜の寄港は、非核三原則にのっとって厳格にチェックすることが必要だと思いますが、官房長官の御答弁をいただきたいと思います。
○淺尾政府委員 若干事実関係でございますので、私の方から御答弁いたしますが、アメリカ側が考えておりますのは、いまお述べになりましたように一九八四年以降数百の海上発射核弾頭クルーズミサイルを攻撃型潜水艦に配備するということをレーガン大統領のその発表で述べているわけでございます。ただ、その攻撃型潜水艦にクルーズミサイルが配備されても、それがどこに具体的に配備されるかという点についてはまだ決定がなされておりません。したがって、この段階でわが方がこれに対してどういうふうに対応するかということを述べるのは、若干時期尚早という気がいたしますが、もしこのクルーズミサイルが核弾頭であるということであれば、当然事前協議の対象になる。事前協議の対象になった場合には、従来から核寄港を含めて核の持ち込みについては政府の立場、すなわち非核三原則に基づいて処理する、これは変わらないと思います。
○岩垂委員 六月の十日にアメリカの国務省が発表したところによると、トマホークと呼ばれる米海軍の巡航ミサイルが、カリフォルニア沖で原子力潜水艦ギタロの魚雷管から発射され、カリフォルニア州上空を巡航し、三百マイル離れたネバダ州の標的に命中したと報道されております。ギタロは、一九七五年九月二十四日と一九八〇年の四月二十八日に横須賀に寄港しています。 そこで、これも官房長官に御答弁いただきたいのですが、今後ギタロの寄港が要請された場合——これは御存じのとおりにシードラゴンが佐世保へ来たときのやりとりの中で、二十四時間前にということに決まっていますが、そういう要請が行われた場合は、これまでと同じような対応でいくということにはまいらぬと私は思いますが、私の理解が間違っていますでしょうか。
○淺尾政府委員 いま岩垂委員の御質問の趣旨を私必ずしも正確に把握したかどうかわかりませんが、トマホーク、これは現在アメリカが開発中でございます。それは間違いございません。このトマホークは、実はまだ核、非核両用でございます。いまお示しの船そのものがこのトマホークという巡航ミサイルを積んでおって、それがかつ核専用であるということがわかれば、これは当然やはり事前協議の対象になるということで、安保条約に従って事前協議の申し出があり、日本政府としては、核であれば非核三原則に従ってこれは寄港を認めない、こういうことになるわけでございます。
○岩垂委員 核を積んでいることがわかればということは、これはもう非核三原則にはまることは明らかなんですよ。問題は、トマホークの実際の写真なんかで見ましても、核、非核区別がつかないのです。SALTの場合でも、実はそれがわからないので既成の枠組みになかなかむずかしいという経過があることは皆さん御存じのとおりなんです。だから、そういう意味では、核、非核がわかっている、こういうことなら話は別ですけれども、もう限りなく灰色であるというものについて、やはり日本の政府が国民に対する立場というものを明らかにすることが必要ではないだろうか、私はこういうふうに思いますが、官房長官どうですか。
○宮澤国務大臣 問題の基本は、わが国が非核三原則を持っているということ、そしてアメリカはわが国のその原則についてよく理解をしておって、信義誠実の原則に基づいて事前協議をしてこなければならない、こういうことが基本でございます。したがいまして、将来いろいろな兵器ができて、いろいろな対応が生まれると思います。いまおっしゃいました、いまも御説明申し上げましたように、核、非核両用の場合もあるであろうと思います。そういう場合に、われわれの非核三原則、それを米国側が誠実に履行をする、事前協議をしてくるということさえしっかりしておりますと、どういう事態が起こりましてもわれわれとして困ることはない、われわれは非核三原則に従って行動していく、こういうことであろうと存じます。 〔三塚委員長代理退席、小渕(恵)委員長 代理着席〕
○岩垂委員 それはライシャワー発言以来のいきさつと全く一歩も変わらないわけですけれども、たとえば昭和三十九年の十一月十二日に佐世保に原子力潜水艦が寄港してから横須賀に百三十七回、実は横須賀は私の選挙区でございます。佐世保に二十二回、ホワイトビーチに十九回、計百七十八回、いろいろな種類の原潜が入っているのです。 それで、今度のレーガン発表によれば、この一般攻撃型原子力潜水艦に今後SLCM、つまり核弾頭巡航ミサイルが公式に搭載されることになるわけです。そういう点では、いままでの原潜の同じ対応、つまり佐世保へ寄港したときのいろいろなやりとりのままで一体国民が納得できるだろうか。こうなればやはり私はいろいろ問題が出てくるだろうと思うのです。その点では官房長官どうお考えになりますか。
○宮澤国務大臣 要するにお尋ねの趣旨は、ポラリスであるとかポセイドンであるとか、あるいは将来トライゲントであるとか、そういうものと違って、全く普通の潜水艦と申しますか、そういうものが巡航ミサイルのようなものを持ってきたときにどうなるのか、その巡航ミサイルが核兵器であるとした場合にどう考えるかといったような応用問題になるわけでございますから、わが国としては一般攻撃用の潜水艦というものは一向に差し支えございませんけれども、それが核兵器を持ってくるということであれば、これはもう非核三原則の適用を受ける、こういうことで考えるべきだと思います。
○岩垂委員 積んでいるということが常識である、それが寄港を求められた、そのときは事前協議で拒否をする、それはもうそのとおりでしょう。ところが、実際問題としてほとんど原子力潜水艦が積み始めてしまうという状況のもとで、原潜それ自体をどう見詰めるかということは、私どもとしてはできません。だから、どこかへ置いてくるものと確信をいたしますという延長線上で対応なさったのでは、私はやはり問題が残るだろうと思うのです。 そこで、それはこういうやりとりをしていてもしようがありませんけれども、いずれにせよ、このような核搭載を前提とした原潜の寄港はもちろんのこと、たとえばニュージャージーなどの戦域核搭載艦艇はもう非核三原則に照らしてきちんと認めないということをはっきりさせるべきではないかと私は思います。 それからもう一つ、B52の関連でALCMというものも問題になってくるだろうと私は思うのです。それらのことを含めて、官房長官からその立場を明確に述べていただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 基本の立場を申し上げることになりますと繰り返しを申し上げなければなりませんが、わが国が非核三原則を持っている、そしてそれにいわば抵触するといいますか、該当する場合にはアメリカ側は事前協議をしなければならない、そういう約束はアメリカ側は厳格に守っている。日米間にそういう信義の法則があるということでございますので、将来いろいろな兵器があらわれ、いろいろな艦艇があらわれましても、その原則が維持されている限り、われわれは応用問題として処理をすればいいものと思います。
○岩垂委員 核問題に入ってしまいましたが、せっかく官房長官来ていただいたので、核問題はそのくらいにして、給与問題をちょっと一、二問お許しをいただきたいと思うのです。 公労委の仲裁裁定、実はこれは、私も古い話を申し上げて恐縮ですが、一九六四年の四月十六日の池田・太田会談というのに実は立ち会わされまして、太田さん、岩井さんについて私もやりとりをしたのですが、民間準拠という筋道がその中から導き出されてきました。 あのときのやりとりを見てみますと、私は池田さんがきちんと決断をなさったことに敬意を表したわけですけれども、仲裁裁定の扱いについて、この民間準拠の原則というものは今後も変えるつもりはない、いや今後と言ってあえて悪ければ今回は変えるつもりはない、そういうふうにはっきり御答弁いただけますか。
○宮澤国務大臣 御存じのように、仲裁裁定につきましては、公労法十六条の規定にかんがみて、資金上、予算上実行が可能であるとは即断できない事情にございますので、国会の御議決を求めておるというのが現在の政府の立場でございます。
○岩垂委員 民間準拠の筋道を今後も守っていくのですかと聞いているのです、長官。
○宮澤国務大臣 政府として十六条の関係で判断ができませんので、国会の御判断にお願いをしておるわけでございますから、それがただいまの政府の立場のすべてでございます。
○岩垂委員 そうしますと、政府としては、今度の仲裁裁定の扱いについても労使関係に介入するということはしないと、はっきり言明いただけますか。政府としてはです。
○宮澤国務大臣 すでに行われました仲裁裁定につきまして、政府は公労法十六条の二項の規定にかんがみまして国会の御判断を求めておるわけでございますので、国会の御判断に従うというのが政府の立場でございます。
○岩垂委員 政府としては口出しをしない、たとえば国鉄を呼びつけてどうのこうのということはしないということを私は確かめておきたかったわけであります。 それから、公労協の仲裁裁定はともかくとして、人事院勧告ですが、大蔵大臣に言うと八月の勧告以後四カ月ぐらいかかる、こういうふうに言われているのですけれども、四カ月というと八、九、十、十一ですね。政府として人事院勧告を今度の国会に給与法として出すおつもりで取り組んでおられるのかどうか、その四カ月というのはどの辺になるのか、もうぼつぼつわかるでしょうから、お答えをいただきたいと思います。
○宮澤国務大臣 人事院勧告が行われましてから給与関係の閣僚会議をすでに何度か開いておりますが、ただいま御指摘のように、大蔵大臣のお立場は、本年度の経済状況の推移あるいは税収の見通し等々定かでないので、と申しますより税収の見通しについて大蔵大臣はかなり危惧をお持ちのようでございますが、それがもう少しはっきりしないと何とも決断ができないという立場を何度か閣僚会議の席で言っておられるわけでございます。 そういうことも勘案しながら誠実にこの問題について結論を出さなければならないと考えておりますが、まことに申しわけないことでございますが、結論を出して所要の法案をこの会期中に提出申し上げることができますかどうか、なおしばらく努力を続けてみませんと確言を申し上げることはできないのが現実でございます。
○岩垂委員 せっかく国会が開かれているのですから、国会に出すようにしたいぐらいのことは言ったらどうですか、官房長官。どうですか、その点は。
○宮澤国務大臣 できるだけ早く結論を出しますように誠実に最善の努力を続けたいと存じます。
○岩垂委員 給与関係閣僚会議のいわば事実上座長をやっていらっしゃる官房長官の姿勢というか態度というか、それがぼくは非常に今日の状況のもとでは重要だと思うから、やはり早くまとめて、そして出していきたい、できたら臨時国会に間に合わせるということをはっきり言っていただきたいのですが、そこまで言えといっても無理だとすれば、やはり誠心誠意努力をしてほしいものだ、このように思います。官房長官お忙しいところありがとうございました。 ちょっと時間があれですけれども、私の地元の関係でちょっと質問をしておきたいと思うのです。 横浜市の米海軍小柴貯油施設のジェット燃料備蓄地下タンクの爆発事故でございます。爆発音が金沢区一帯に響いて、その衝撃で近くの住宅のガラス類がめちゃめちゃになった、火炎が三十メートルにまで上って黒い煙が約一キロに達して約四時間も燃え続けて、住民の生活というものを恐怖と不安のパニックに陥れたということは、決して大げさな言葉ではないと思います。 この事故は、実は五十四年七月の米海軍鶴見貯油施設の爆発事故とともに、米軍基地の危険性というものを一層浮き彫りにさせているわけでございますが、これは横浜の消防局の関係者が発言をしているのですけれども、新聞の報道ですが、「小柴の施設内にはタンクの爆発炎上を消火するだけの防災設備がないばかりか、国内法では使用が許可されないタンクであることがわかった。施設内には一系統の消火パイプがめぐらされており、十数カ所に栓があって、ポンプ室の操作で水かあわ消火液を放水できるようになっているが、圧力はホース一本分しかなく、タンク周辺の芝火災に役立つ程度。しかもコンビナート火災では事前の訓練や防備点検、綿密な防災計画が欠かせないけれども、同施設は治外法権の壁が厚くていざという場合に消火活動に必要なデータも消防局が持つわけにはいかなくなっている。」こう言っているのですね。こういう現実というのを、これは防衛庁長官よりも施設庁長官なり消防庁長官なりにお答えをいただきたいと思うのです。
○大村国務大臣 横浜市小柴地区の米軍貯油施設で火災が起こりまして、付近の住民に多大の御心配、またかなりの損害を与えましたことは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。 防衛庁といたしましても、早速米側との話し合いの機会を活用いたしまして、事故原因の調査と再発の防止対策につきまして厳重な申し入れを行っているところでございます。また、被害の賠償につきましても早急に進めておりまして、十七日以降一部の補償事務の支払いを進めているところでございます。 ただいまお尋ねのございました防火施設等の状況につきまして、防衛施設庁長官から御答弁させていただきます。
○吉野(実)政府委員 いまお尋ねの消防施設が十分機能するような体制にあったかどうかというお話でございますけれども、詳細について私の方は存じておりませんが、このことだけは申し上げられると思うのです。それは何かというと、小柴の火災に少なくともそのときは十分でなかったので、他地域、すなわち横須賀から消火剤を至急緊急輸送でもって運んできて、それでもって消火をした、こういうことだけわかっております。
○岩垂委員 施設庁長官、その辺はもうちょっとしっかり調べておかなければ困りますよ。消火剤は四万四千リットルのうち三万二千リットルは横浜の消防局が持ち出しているのです。いいですか。そういう状態というのをしっかりつかんでおいていただかないと、これからの対策が出てこないのです。 私は、実はいまから六年前ですけれども、五十年の六月と十月に地方行政委員会でコンビナート防災法の審議の中でこの問題を取り上げております。その際に、議事録はもう読みませんけれども、この法律あるいは消防法が米軍の基地にも、そのままという形ではいかないまでもそれが適用できるように努力をする、そのことを消防庁長官が答弁をしている。私は六月と十月の二回にわたってこのことを繰り返して質問をしています。ところが、今度の事故というのは、六年経過したけれども、それらの答弁が全く生かされていないということが証明されたと私は思うのです。 いま一例だけ申し上げました。政府はどんな努力をこれまでなさってきたのか、その結果はどうだったのか、そしてどこに壁があったのか。アメリカの安全対策や防災対策というものがそれで結構だと思っているかどうか、施設庁長官と消防庁長官に一言ずつで結構ですから御答弁をいただきたい。
○吉野(実)政府委員 お答えをいたします。 先生がそういう質問をされたことを私も存じておりますが、それにつきまして米側に厳重な申し入れをいたしまして、鶴見の地区につきましては、日米合同委員会におきましてすったもんだしたあげく日米間で合意ができまして、五項目にわたる防災対策をするということになって現在進行中であります。 今後の話でございますけれども、先ほど大臣から説明がありましたとおりでございまして、いろいろ機会あるごとにわれわれとしては事故防止のための申し入れをしておりますけれども、遺徳ながら今回の事故に逢着をいたしたわけでございますので、近く日米合同委員会が開催される予定でございますので、その際に私の方から事故の原因究明——いま実は横須賀から専門家チームが参りまして至急事故調査をやっておりますが、それの結果を至急出せということと、今後の事故防止対策を申し入れるとともに今後の安全対策、より一層安全性を保つようにするためにアメリカ側と篤と話をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○岩垂委員 そこでもう一言。神奈川県というのは、御存じのとおりに東海地震の被害対象区域ですね。マグニチュード八、九以上を想定しているわけです。この地震に対してタンクというのは絶対安全だというふうにあなたお考えになっていますか。県民にそのことを公約できますか。
○吉野(実)政府委員 お答えをいたします。 実は残念ながら私、技術のことはよくわからないということが一つ、それからもう一つ、まだ現地にタンクの実情を調べておりませんので、マグニチュード八のときに絶対安心だということを申し上げる勇気はございません。
○岩垂委員 神奈川県だけとってみても、横須賀の吾妻島というところにタンクが三十七基あります。鶴見で十九基です。小柴で二十四基です。しかも、その中で旧海軍時代からの肝油施設、タンクもたくさんあるわけであります。きょうは細かくお伺いすることはできませんけれども、こういう状態で、しかも今度の事故です。しかも、東海大地震には安全というわけにはいかない、こういうふうにおっしゃっていらっしゃる。 そこで、もう時間がございませんから申し上げますけれども、一つは、国内法というものを米軍基地の中でも適用させるようにする。これはいろんな基準がございます。地位協定には治外法権はございましても、災害による事故や被害には治外法権はないのです。だから、消防法やコンビナート防災法というものを適用させる。もう一つは、地域の消防と合同訓練や定期点検でもあるいは立入調査でもいいでしょう。それらのことをきちんと保証しない限り、私は今回のような事故、そういう不安が解決はしないだろうと思うのです。それだけやってもすべて解決をしたというわけにはいきません。 政府としてこの辺のところぐらいは誠心誠意、今度の被害に遭った市民の立場を含めてアメリカに日米合同委員会の場所で主張すべきだと思いますが、中曽根行政管理庁長官、せっかく長い間座っていらっしゃいますから、御答弁をいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 防衛庁においてよく検討していただきたいと思います。
○岩垂委員 私が言った筋を検討していただきたい、そういう意味ですね。施設庁長官、その辺を含めてぜひ対応をいただきたいと思います。
○吉野(実)政府委員 現在横浜市消防局と米海軍との間に消防協約がありまして、先生恐らく御存じだろうと思いますが、それがスムーズに動いてないようなところもあるように聞いておりますので、少なくともまず最初にそれがワークするようにお願いをしたいと思います。
○岩垂委員 結んだのですけれども、米軍の要請がなければ立ち入れないんですよ、向こうから言ってこなければ。それから、点検といったって案内づきの訪問なんですよ。これで一体点検や合同訓練ができますか。だから私は、繰り返して言いますけれども、二つのこと、一つは、国内法の基準に合わせるように努力をすること、もう一つは、合同訓練や立入調査といいましょうか、言葉が悪ければ防災点検といってもいいでしょう。そういうことを地方自治体がやれるように、政府としてアメリカにバックアップをしていかなければ、横浜と米軍とやっただけではだめなのです。日米合同委員会はそのためにあるのです。その点をきちんと御答弁いただきたいと思います。
○吉野(実)政府委員 いま申しましたように、そういう協定があって実行が必ずしも進んでいないということでございますので、われわれとしては中に入りまして、せっかくある協定ですから、それが動くように最善の努力をいたしたいと思います。
○岩垂委員 横須賀だって同じことなのです。いいですか。細かいことですけれども、最後ですから申し上げますが、さっき言った横浜の消化剤なんて三千二百万円もかかっているのです。これから補償を、住民が要求していたものを全額支払っていくということについては問題ございませんね。
○吉野(実)政府委員 補償の話だと思いますけれども、もうすでに実際の現地の調査はほとんど終わりかかっております。すでに賠償をしたものもあります。ですから、先生のおっしゃるとおり、法律に違反するような補償措置はいたしません。十分に補償の措置を講じてまいります。
○岩垂委員 以上で終わります。
○小渕(恵)委員長代理 これにて岩垂君の質疑は終了いたしました。 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 若干の資料がございますので、委員長のお許しを得て事務局の方から配付をしたいと思います。 まず最初に、国鉄の佐久間線の建設工事の問題で、特に凍結後のむだ工事と不用額と言われるものの取り扱いについて、関係大臣にいろいろとお伺いをしたいと思うわけでございます。 私がいま取り上げようといたしております国鉄の問題は、具体的には鉄建公団の問題になるわけでございますけれども、前提としてちょっと申し上げますと、実は国鉄の再建方針がつくられたのは、この表の中にもありますように五十二年の十二月です。五十四年の五月に森山運輸大臣が国鉄の赤字路線の廃止、鉄建公団の新線建設についての抑制方針を打ち出しております。さらに翌年の五十五年の一月九日に国鉄再建の基本方針に基づく地交線の対策要綱が発表されまして、予算が凍結をされたわけであります。しかし、その決定に反して完成のめどのないローカル線の新設工事がことしの七月まで二年近くも続いている問題を、これは財政再建上いかがなものか、こういう立場からまず第一に問題提起をしたいと思います。 場所は佐久間線でございますが、これは六十年に第二次廃止路線になっている東海道の新所原から掛川までのいわゆる国鉄二俣線でございますが、ここの遠江二俣から飯田線の中部天竜までの三十五キロの計画線のことを佐久間線と言います。しかし、これはあくまでも計画線でございまして、工事認可は遠江二俣から天竜市内の十三・四キロしかおりておりません。これが昭和四十一年から鉄建公団の手で工事を始められて約十五年間、四十億円の経費がつぎ込まれておりますが、着工率は七五%で、開通のめどが全くない細切れ路線であります。問題は、この表の中にもありますように、五十五年から佐久間線の予算はゼロになっておりますが、五十五年の三月十一日の年度末に、どうしたことかこの佐久間線の相津トンネルの工事が駆け込みで契約をされておるわけでございます。この点について事実かどうかお伺いします。
○濱参考人 お答えいたします。 五十四年度のAB線の予算の執行につきましては、五十四年七月十七日に補助金の交付決定を受けまして以来、逐次地元との協議等も経まして工事発注の準備を進めてまいったものでございまして、佐久間線のこの相律トンネルの件につきましても、他の線と同様の手順を経て発注になったものでございます。 なお、いま申されましたように、佐久間線につきまして五十五年度、五十六年度の予算が凍結されておりますために新規の工事はいたしておりません。
○草川委員 問題は、いまもお話がありましたように工事を着工したわけでございますけれども、この工事というのは、五十六年の七月までに五百メーター掘りまして、トンネルのちょうど半分だけ掘っていま中断をされておるわけですから、いわゆる防空ごう的なものになっておるわけです。私がここで指摘をしたいのは、佐久間線の予算がゼロにもかかわらず工事費が一体どこから出たかということでございます。 これは公団の全体の予算の中から繰り越した保留分が五十五年度に四十七億あった。あるいは五十六年度に保留分は四十九億あった。それをこの佐久間線の方に五十五年度は全体で五億二千六百万円、トンネルで四億三千四百万円、そして五十六年度に相律トンネルで七千四百万円が投入されておるのですけれども、問題は、契約の時点ですでに国鉄再建法が国会にも上程をされておるわけであります。あるいは地方交通線対策要綱で凍結をされておるわけです。凍結をされておるということは鉄道関係者であるならばもう全員常識でわかっておるにもかかわらず、この工事を始めたのですが、一体緊急性はあったのかどうか。あったのかなかったのかだけお答えを願いたいと思います。
○濱参考人 工事の計画を段取りどおり進めたということでございます。
○草川委員 だから問題は、これが民間だったら、工事の段取りといったって、だれだってわかっておるわけですよ。しかし、国の方針があるわけです。運輸大臣の方針があったら、だれだって常識的にやめるのが本当でしょう。にもかかわらず、決まっておるからやりましたということは、一体——これは私、後ほど申し上げますけれども、実は佐久間線だけのことではありません。全国のAB線総投資額が五十五年まででも二千七百四十一億あります。こういうことを考えていくとするならば、これはわれわれには信じられないわけです。 何回も申し上げますけれども、この「政府施策」のところは、五十二年から再建方針が出ておるわけです。五十五年からは二年も続けて工事が出ておるわけでございますけれども、鉄道監督をするところの運輸省は一体どういうような監督行政をしておみえになったのか、お伺いをしたいと思います。
○杉浦政府委員 お答えいたします。 先生の御指摘のとおり、五十四年度におきましては、AB線の工事の実施につきまして重点的な実施計画を組みました。ただ、これは全面凍結でございませんで、重点的に配分をしたということで、佐久間線につきましては、ただいま御指摘のような金額を配分もし、決算をしておるわけでございます。 ただ、これは契約が伴いまして、五十四年度末になりましたけれども、契約をいたしまして、これがいわば過年度にまたがるということで、五十五年度、五十六年度に債務の歳出化という形で繰り越しの金額を使って実行された。これは一般的に私ども、五十五年度からAB線の着工につきましては、新規について凍結ということを行政方針として出したわけでございますが、過年度の債務の実行にまでこれは実は考えておりませんで、その点の関係はやむを得なかったのではないかというふうに思うわけでございます。
○草川委員 いまの答弁は、私は国民の立場から聞いておるわけですから、それは役所の考え方はそういうへ理屈があると思いますけれども、これは長官に後でお伺いしますけれども、いまのような答弁は国民が納得しますか。だれだって、見通しのないトンネルを予算がついたから掘りました、しかも真ん中までしか掘りません、あとは何ともならぬでしょう。防空ごうができるだけでしょう。一月九日に凍結方針が出ておるわけですよ。なのに三月十一日にどうして契約をするんですかというのですよ。これは運輸大臣から一言だけ、いいことか悪いことかを答えてください。
○塩川国務大臣 総論的に申しまして、そういうことはあり得ざることだと思うのでございますが、しかしこの相律トンネルにつきましては、私は後で保安上の必要工事をせざるを得なかったという事情は聞いておりまして、そういうやむを得ざるものであって、これだけは特異な例であると私は承知いたしております。
○草川委員 それは全く事実と違います。以前に五百メーター掘って工事がストップしており、そしてさらにまたわざわざ五百メーター追加をしておるわけですから、既存のトンネルに、たとえばメンテナンスというのですか、安全上問題があるから工事を再開したというのとは全然事情が違います。事実、鉄建公団の中では、これは三分の一のペナルティーでしょうけれども、違約金を払ってこの工事をキャンセルした方がお国のためになるのではないかという議論があったと聞いておりますけれども、そういう議論をしたのかしないのかお伺いします。
○濱参考人 このトンネルのほかの件もあわせて、解約その他の検討はいたしましたけれども、雇用の問題あるいはいまの補償の問題、そういったものを概括して、結局大部分のものについては継続実施いたしました。
○草川委員 だから、いまの大臣の答弁と違うでしょう。雇用の問題を考えてと言ったでしょう。雇用は労働省が考えればいいじゃないですか。鉄建公団が考える筋合いはないのですよ。全体的なトータルの立場から考えないと、大臣の意見といまの公団の意見とまるっきり意見が違います。一体これはどういうことですか。大臣、いまの答弁は問題ですよ。そうじゃないですか。さらにまた後で大臣にお伺いします。 今度は会計検査院の方にお伺いしたいわけですけれども、いまのような事情で工事をやるわけでございますけれども、たとえばトンネルが貫通するというような見通しがあるならばいざ知らず、そういうものはないわけです。先ほどこれは債務負担行為として発注しておるからと言っておりますけれども、私はこんなむだな行政はないと思うのです。会計検査院の見解を問います。
○丹下会計検査院説明員 先生おっしゃいますとおり、この問題について御疑問を持たれるのは大変ごもっともだと思います。私どもといたしましても、先生御指摘のような不経済な事態があるのかないのか、検査の上で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 これは次の検査報告には出るわけですか。
○丹下会計検査院説明員 ただいま五十五年度の決算検査報告の作成中でございますけれども、検査報告に掲記するまでには、私どもの事務総局あるいは検査官会議でいろいろ検討を重ねてまいるわけでございますので、この場ではお答えできません。
○草川委員 私は、こういう問題についてはぜひ徹底的な解明をお願いしたいと思います。 そこで問題は、大蔵大臣にお伺いしたいわけですけれども、実はこのゼロの中にもかかわらず繰越金が使われておるわけですが、五十四年度で四十七億五千万、それから五十五年度で約四十九億の公団の繰越金があるわけですよ。これは本来ならば不用額として返せばいいのです。ところが、本来ならば不用額として返せばいいんだけれども、役所の性格というものは、不用額が出ることが恥ずかしいという風潮があるわけです。予算未消化ですから。だから、役所というものは、必ず前年度プラスアルファの予算を獲得しないとお役人として失格なんですね、現状は。これがもし民間ならば、予算が余ったら御苦労さんということになるわけです。あなたの行政執行は非常にりっぱだというおほめの言葉があるけれども、役所は不用額を出せば無能力になるわけですよ。こういうことがある限りは行政改革は私はできぬと思うのですよ。もしも不用額を出したら、次の年度の予算査定で大蔵省は、君は予算未消化じゃないか、だから次の新しい年度の予算は削る、こうくるわけです。だから役所は不用額を、どうあろうととにかく消化するわけです。この最大の理由はこれなんですよ。どうですか、それは。だから私は、不用額を出したら御苦労さんという大蔵大臣になるかならぬかが行革が成功するかしないかの問題だと思うのです。どうですか。
○渡辺国務大臣 こういう時代ですから、私は本当にそれが大事だと思います。いままでも国会などでは不用額が出ると大蔵大臣はえらくしかられたわけでございますが、これからは不用額を出したらおほめにあずかるというように時勢が変われば、私はみんなが変わる必要があるんじゃないか、さように考えております。
○草川委員 時勢が変わるかというのは、大蔵大臣自身が次の予算で示してもらいたいのですよ。今度の予算で、そういう態度をとるかとらぬかをお伺いします。
○渡辺国務大臣 一概には言えないことだと存じますが、私は極力予算を節約しろと言っているわけですから、節約が効いて予算が余るということになれば、それは御苦労さんということが当然でございますし、消化できないことが何年も続けば予算はカットされることもあるでしょう。しかし、それは実情によって言うべきであって、予算が余ったから来年少なくするという理由にはならない、私はそう思っておりますから、節約されたり合理化されたりして予算が余ったらばむしろほめてやるべきものである、さように考えます。
○草川委員 では、行管庁長官にお伺いしますが、いまの私の質問について、特に第二臨調の中で、これから本答申が出るわけでございますが、この問題、いわゆる予算獲得という闘いがないように、予算というものはやはり専門家なら専門家の御意見に従いながら、そしてまたわれわれはわれわれなりのいろいろな陳情、訴えをするわけですけれども、予算というものは必ず前年度プラスアルファでなければ役所の役人の使命が果たされないというようなことの風潮だけは、私はやめるべきだと思うのですよ。そうでない限り予算は膨張一方だと思うのです。行管庁の方の御意見を賜りたいと思います。
○中曽根国務大臣 全く同感であります。国民の税金でいただいておるものでありますから、一銭一厘といえどもむだにしてはならないし、またむだな方向に使ってはならぬのであります。臨調の内部でもいろいろそういう効率化の問題も話しておりまして、三月になるというと一挙に道路工事が起こる、あるいは出張がしょっちゅう行われる、こういう風潮は断固改めなければならぬ。そういう意味で、たとえば予算を残したところをかえってほめてやるような制度を考えたらどうか、そういうまじめに予算を国民のために検約したというようなところは、何かメリットシステムも考える必要があるんじゃないか、そういう意見もありまして、私はそういう考え方に同調しておりまして、そういう点で勉強してくださいとお願いしてあります。しかし、これは実行となるとなかなかむずかしい問題がありますが、精神としては正しいと思っております。
○草川委員 予算を残しても、次はそれを理由に削らぬとまでせっかく大蔵大臣が決断をされてみえるわけですから、私は中曽根さんはもっと強くこの問題を今回の行革の立場から言ってもらいたいわけですよ。その精神の問題ではなくて、やはり行動で示さなければ、いま大蔵大臣が言われましたように、こんなものその気に全体がならなければだめですよ、役所全体が。どうですか。それはもう一回念を押します。
○中曽根国務大臣 私もそういう考えを持っておりまして、それをある程度制度化し、前進さしたい、そう思ってこの八月二十五日の今度の政府の行革大綱の一番最後のところに、そういう意味のことを暗示したような文章にして出してあります。これはそういうことをやりたいという決意の表明であります。
○草川委員 次に移ります。 二番目は、受託研究費という問題の取り扱いで、特に国立病院にこの問題をしぼってお伺いをいたしますが、行革というのは新しい制度を打ち出すこともきわめて大切ですけれども、現行制度が厳重に実行されているか、厳しい点検もきわめて重大だと思うのです。政府の一部に国の歳入歳出という行財政の基本について紊乱があるように私は思うわけで、具体的な問題を取り上げます。 大蔵大臣にお伺いをいたしますけれども、いわゆる受託研究費というのは会計法の第二条に言うところの収入になるのか。この会計法第二条のことについて少し説明していただきたいと思います。
○窪田政府委員 仮に国の職員が国の施設設備を利用して行うようなものであれば、国の歳入になるべきものと考えます。
○草川委員 全くそのとおりのことが、実はそのとおりになっていないという問題があるわけであります。 ここで具体的に、農林省とか文部省とか運輸省とか、それぞれあるのでございますが、厚生省もあるわけですが、農林省にちょっとお伺いいたします。 農林省にはこの会計法第二条に言うところの受託研究費がありますけれども、この取り扱いについて、やはり収入に上げておみえになるか、あるいは研究を受けた場合に契約をなされておるのか、これをお伺いいたします。
○小渕(恵)委員長代理 いま来るそうです。
○草川委員 いなければちょっと先へ進めます。 問題は、厚生大臣の所掌に属する収入の中に、受託研究費によるところの収入があるか。特に、これは民間の製薬メーカーからのお金をもらって研究をしておるわけでございますけれども、国立病院等で特別会計にあるかどうか、お伺いいたします。
○村山国務大臣 ございます。これはもう御承知のように、主として治験の関係でございますが、国立病院で五十五年度約四億、国立療養所で五千万くらいのものがございます。
○草川委員 あるということをお認めになったわけでございますが、問題はその収入が毎年の予算、決算書には全く掲載をされていないわけであります。どうなっておるのか、事実だけを述べていただきたいと思います。
○村山国務大臣 御承知のように、治験に伴う収入、これは本来歳入であるわけでございます。そしてまた、それに伴う支出は歳出に上げられるべき性質のものでございます。 ただ、歳入の方は、これは見積もりでございますので、その年幾らになるかわかりません。歳出の方は、これは歳出権限で与えられるわけでございます。大体まあ歳入歳出とんとんになるわけでございます。なかなかそのときの治験に伴う受託収入が幾らになるかということはわからぬのでございます。そこで、いままでは便宜の方法といたしまして、医務局長通達で、それを厳重に経理するように、すべて出納官吏を置きまして、そして受託を受けるかどうかということを委員会に諮りますし、同時に、それを引き受けた場合には、その成果について報告し、経理については特別の会計を設けまして、そしてその資金はやはり院長名で預金しておりまして、普通の院長の判ことは違う判こで経理しております。一切の収入支出は、院長がこれが適当であるかどうかということでやっているわけでございます。問題はやはりその歳入が幾らあるのか、それに伴って歳出が出るわけでございます。なかなか歳出がめどがつかないわけでございますので、そのたびに一々補正予算を組むというわけになかなかいきかねる。その辺に問題がありまして——ただ、いろいろな不正がないように厳重経理だけは命じているところでございます。
○草川委員 受託研究は大体同様な事例が多いわけです。——農林省来ましたか、来ませんか。 これは私どもが調べた範囲内では、農林省、文部省、運輸省の受託研究費というのは正確に予算に上げております。問題は厚生省が、いま言われた受託金の収入というものを、いずれにしても会計法第二条の中では、明確に国庫に納めなければならないということになっておるわけですよ。厚生大臣も大蔵大臣の御経験者ですからおわかりのとおりであります。とにかく国庫に納めているのかいないのかだけ答えていただきたいと思います。
○村山国務大臣 先ほど申し上げましたようなことで国庫には入っていない、別経理になっております。
○草川委員 厚生省だけ別経理になっておるところに実は問題があるわけです。すでにこの問題については、会計検査院の方からも厚生省に過去いろいろと申し入れがあったわけであります。そこで、医務局長通達が出て、それを受けて、医務局次長の通達というのが昭和五十二年の二月七日に出ておるわけです。そうですね。それで「国立病院及び国立療養所受託研究費取扱準則について」という文書が医務局次長より出されているわけですけれども、その中で、いまおっしゃったように、職員は、院長が指定する郵便局や銀行に預金をせよということを言っておるわけでありますし、それから会計法第七条二項で「出納官吏又は出納員は、歳入の収納をしたときは、遅滞なく、その収納金を日本銀行に払い込まなければならない。」ことに決まっておるわけでありますけれども、この通達は、真っ向から実はこれを無視しておるわけですよ。そうすると、国の会計法というものを局長が無視していいのかどうか、それで、その局長の責任というのは一体どうなるのかという問題が出てくるわけですよ。厚生省というのはそういう歳入歳出をやっておみえになるのかという問題が出てくるわけですよ。そうでしょう。 そこで、私がなぜこの受託研究費というものを取り上げたかといいますと、ちょっと話が飛ぶようですけれども、実は丸山ワクチンに影響するのです。実は丸山ワクチンのいろいろな治験というものについては、日本医科大学以外に公の機関は協力をいたしておりません。ところが、丸山ワクチンは、私が何回か取り上げておりますけれども、非常にいやがらせがありまして、同様な免疫性の薬のピシバニールとかクレスチンだけは通ったけれども、丸山ワクチンは通らぬのですよ。そこでわれわれが問題にしまして、ピシバニール、クレスチンも丸山ワクチンと同じように一回治験をしなさい、比較臨床試験をやりなさいという問題提起をしたわけです。一部のお医者さんは、ピシバニール、クレスチンは効かぬと、こう言っておる。そこで、これは大変だというのでメーカーが五十五年の六月に厚生省の許可で財団法人をつくりました。がん集学的治療研究財団というのをつくって、あっという間に、全国の大学病院あるいは国公立の病院二百五十施設が手を挙げて、この治験に協力しましょう、こうやるわけですよ、片一方では。こういうところにお金がどんどん行くわけです、一件について五十万とか三十方だとか。大したことはない。だけれども、実際調べてみると、一番悪いのは、きょうは文部大臣を呼んでおりませんけれども、文部大臣の所管の大学病院ですよ。そこのお医者さんのところに、水面下にもぐったところのお金がどんどん入っていくわけ。それで表の金額だけが、私がいま取り上げておるところのいわゆる研究費になっていくわけですよ。厚生省だけがえらい犠牲になったようですけれども、私はそうはいかぬと思うのです、これは。こういう研究が一方では二百五十ぽんと認められるのが国立病院にも来るわけです。国立病院も手を挙げておるわけです。いらっしゃい、いらっしゃい、研究しましょう。丸山ワクチンになると、それは困る、いやだいやだと言って断るわけですよ。しかも、この共同治験だとか受託研究といったって、国の施設で、国から月給をもらっておるところの職員が研究するわけでしょう。個人が研究するわけじゃないのだ。趣味趣向でやってもらっておるわけじゃないわけですよ。だから私が言いたいのは、厚生省のそういう局長に国の根本的な法律に違反をしてでも準拠をするような準則というのをつくる権限が一体あるのかないのかという問題を聞きたいわけです。これは大蔵大臣に聞いた方がいいかもしれませんね。大蔵大臣、どうですか。これは財政法上一体どういうことになっているのですか。
○村山国務大臣 これは五十一年でございましたでしょうか、会計検査院からやはり指摘された事項でございます。それに対しまして、今後厳重な取り扱いをするということをお答えしましたが、同時に、先生の御指摘の点はごもっともでございます。したがいまして、私たちはそのことによって経理が不明になるとは思っておりませんけれども、やはり国の会計原則に従うべきだと思っております。ただ、そのときに歳入に伴って歳出がふえてくる性質のものでございます。したがって、これからはそれを弾力条項で歳出権限を与えてもらわないと、そのたびに補正予算を出さにゃならぬということになるわけでございますので、財政当局と篤と相談いたしまして、何らか弾力条項のようなものを歳出に与えていただいて、そしてこれを国立病院の特別会計の歳入歳出を通すというのが一番正しいのじゃないだろうか、そのようにいま考えておるところでございます。
○草川委員 私が何回か申し上げますように、問題は会計原則というものがあるわけです。財務原則というのがあるわけですよ。そういうものを明らかに局長通達によってねじ曲げておるところに問題があるわけですよ。立法府の権能を超越してそういうようなことをすることがいいかどうか、これは大蔵大臣にお伺いします。
○窪田政府委員 国立病院における受託研究費の実情は私どももまだ十分把握をいたしておりません。仮にその受託研究が先ほど申しましたように国の職員によりまして国の設備や施設を利用して行われるものであれば、これは当然歳入に計上すべきものであると考えますが、正規の時間外に私の立場で行われたものは別でございますので、まずその実態を十分把握する必要があると思います。実態を把握いたしまして、厚生省と十分協議いたしまして適切な取り扱いをいたしたいと存じます。
○草川委員 これは大蔵大臣に聞いた方がいいと思うのですが、大蔵大臣は厚生大臣の経験者でもありますし、厚生大臣の方からは現実にそういう受託研究があるという事例を認めておみえになるわけですよ。これは大臣から答えてください。
○渡辺国務大臣 厚生大臣がそういう事実があると言うのですから、あると思います。よく相談をいたします。
○草川委員 相談をするなどと、育って、実際これは簡単なものじゃないでしょう、現実に国の会計法の基本的な原則をねじ曲げておるわけですから。これは厚生省ばかりじゃないのですよ。ほかにもあるわけですよ。そういうのがいろいろなメーカーとの癒着になるわけです。出ておるのは一部だけですよ。水面下に隠れたいろいろな研究費に問題がたくさんあるということを、私はこの財団法人がん集学的治療研究財団の具体的なピシバニール、クレスチンの例を挙げて申し上げているわけです。ピシバニールとクレスチンをつくった製薬メーカー、大鵬薬品、これはフトラフールというのをつくっておるのですけれども、三共、呉羽、中外製薬、こういうところだけで計三億五千万円出して、自分たちだけの薬を国立の各病院の施設を使って、いかにも効いたというようなことを実証しようとしておるわけですよ。一方でそういうものだけには協力しておいて、片一方本当に国民の待望するものには協力しない。しかも、財政上の取り扱いがきわめて不明確になっておるわけですよ。 これは法制局にお伺いをいたしますけれども、法制局としてはどういうようなお考えを持っておみえになりますか。私は、これは明らかに違反だと思うのです。
○角田(禮)政府委員 先ほど大蔵省の政府委員から御答弁申し上げたとおりだと思いますが、受託研究費であっても、それが国に対する研究委託について支払われるものであれば、これは当然財政法十四条の規定に従って予算に計上すべきものであるというふうに考えます。
○草川委員 きわめて明快に法制局の方からもこういうお答えが出たわけですから、これは厚生大臣、相談をするなどというものじゃないと思うのですよ。もう一回答弁してください。
○村山国務大臣 さっきもお答え申し上げましたように、歳入歳出に計上する方向でやります。ただ、そのときに歳出の弾力条項は何としても認めてもらいませんと、会計が動きません。
○草川委員 だから問題は、私どももそういう歳出の現実的な弾力的な問題は十分理解をいたします。逆にいまは申請をされておる金額は過小な金額なのです。実際はその水面下で莫大なお金が教授に渡されておるわけです。これは特に国立の大学病院です。国立病院の場合は、まだドクターですから現実には私はうんと少ないと思うのです。逆にそれを大きく収入に上げるべきではないか。入るものはどんどん入れればいいじゃないですか。入るを制する必要はないわけです、出るものを制するわけですから。入るものは、国立病院の権威を求めて研究を申し込む人があれば受け付けて、それを明らかにして収入に上げるべきである。 ただ、ここでもう一回また大蔵大臣に申し上げますけれども、このような私のようなことを言いますと、今度は厚生省の国立病院の予算として、こんなに収入がふえるならば次もまた予算を抑えようというようなことを主計官が言うから、これはなるべくならいわゆる別会計にしよう、水面下にもぐらせようとごまかすわけですよ。だから正直なことを言ったら、主計官は全部関らかにしていて、そして予算についてはつけるものはつけるという態度をとらないと、幾ら私がこのことを主張いたしましても、結局国立病院がまた逆に困ることになるわけです。大蔵大臣、どうですか。
○渡辺国務大臣 実はそういうようなことはありそうな問題でございます。給与の問題がございまして、自分と同級生が自分の五倍よりもよけい取っている。開業している。自分は五分の一だ。成績はおれの方がよかったというようなことがあって早びけするとか、そういう話も聞いておりますから、私はありそうなことだと思うのです。やはり実態に合わせないと無理は余りききませんので、そういう点についてはちゃんと収入は収入としてきちんとするが、支出については厚生大臣も実情も考えてくれというようなこともありますから、そこらの点についてはよく相談をして、いまおっしゃったようにいびつにならないように十分に検討させたいと思っております。
○草川委員 これは本来ならば、五十七年度の予算から私はこの問題を取り上げていただきたいと思うのですけれども、五十七年はすでに概算要求を出した後になっておるわけでございますから、考えるというのはその次の年になりますか、あるいはその一年間は準備期間としてやるということですか。
○村山国務大臣 五十八年度をめどにやりたいと思っております。
○草川委員 ぜひこれは正しく実施をしていただきたいと思います。 そこで、これも最後に中曽根さんにお伺いをするわけでございますけれども、私、一つの例を申し上げました。違法と思われるものはずいぶんまだあると思うのです、会計上の中からも。これはやはりきっぱりと切っていくということが行革のそもそもの始まりだと思います。私がいま申し上げましたのはただ一つの例ではなくて、水面下あるいはその他のところにもこのような事例はたくさんあるわけでございますので、ひとつ厳格な指導を求めておきたい、こういうようにお願いを申し上げておきたいと思います。ですから、これはひとつ要望をして、最後にいまのことについての中曽根さんの見解を賜りたいと思います。
○中曽根国務大臣 国立病院等に関する非常に大事なポイントについて御指摘をいただきまして感謝をいたします。 確かに御指摘になるようなことがあり得ると私も想像しております。その間に会計経理が不明朗であったり、あるいは一部の薬の業者と不明朗な関係ができたり、そういうことはあくまでわれわれは排除しなければならぬと思います。しかし一面において、日本の医学や薬学の向上のために国立病院が協力するということもまた大事なことでもあると思います。その辺の分界を清潔に、しかも積極的にやれるような体制をつくっていくように、われわれも監査なりあるいは管理を厳格にしてやっていきたいと思っております。
○草川委員 では、三番目の問題に移ります。 実は、臨調でもずいぶん医療費の問題が具体的に話題になっております。同時に、医療費の中に占める薬の値段、薬価についてもかなり厳しい議論が行われておるわけでございます。その点について、私は私なりに大変苦労をして集めてまいりました資料をもとに厚生省の考え方をお伺いをしたいと思うわけです。 実は、薬といいましても奥行きが非常に深いわけでございますが、私どもは、薬の値段と現実に取引されておる値段の間に非常に乖離があるので、この薬価差益というものをどう見るのか、あるいは薬価というのを早く下げたらどうだろうということを何回か問題提起をしておったわけでございますが、ことしの六月から三年四カ月ぶりに薬の値段、薬価というのが下がりました。これは平均の引き下げ幅は一八・六%です。医療費のベースでは六・一%下がったわけでありますけれども、どうしたことか、薬価は下がったんだけれども、現実に取引をしている薬の値段が上がってきたのです。ちょっと信じられぬ話でしょう。薬価は大幅に一八%下がった。そしたら、取引する価格も下がるのが普通でしょう。ところが、これはどんどん上がってきたのです。 これはいかなることかというのを、私は東京の神田の現金問屋をずっと統計で調べました。あるいは大阪の道修町というのですか、大阪の現金問屋の方も探し、あるいはこれはすでに毎回私取り上げて怒られるわけですけれども大阪府保険医協同組合、間違いのないように申し上げますけれども、大阪府保険医協同組合の方々が、このような値段だったらお世話をしますよという、こういう表もございますが、これを全部突き合わせてまいりましたのが私がいま皆さんのお手元に配りました価格表で、ことしの一月から十月までの価格を調べてまいりました。このような価格表というのは、私、日本でも初めてだと思いますけれども、これは皆さん自身が調べられてもきわめて信頼性の高いものであります。メーカーからも全部これは突き合わせをした値段であります。 この左の品名は最もポピュラーな、毎日どこかの診療所、病院で使われておる薬であります。薬というのは一錠、たとえば一番上にありますアルダクトンA錠なんというのは、二十五ミリで一錠七十七円二十銭の薬価が右の方へ行きまして六十三円三十銭に下がりました。これは厚生省が決めたわけですね、下げてくれたわけです。ところが、実際の取引する値段は当時三千T、一つの単位です。一袋三千という箱があるのですけれども、これがことしの一月には十万五千円だったのです。当時の薬価は二十三万一千六百円だったのですが、実際は十万五千円で取引されておったのです。これが一月、二月、三月、四月、五月と大体十万五千円でいって、ことし薬価が下がったわけですね。厚生省は、六月一日からこうしなさいと言って下げた。そうしたら十万六千円、十一万四千円、十二万三千円、十二万五千円、十二万五千円と上がってきたのです。一九%上がってきたのです。これはおかしいでしょう。同じようにずっといきましょう。真ん中辺でサワシリンカプセル、藤沢薬品ですが、これも五百Pという一つの箱で、一月には二万三千円しておったのです。当時薬価では十一万五千円、一錠では二百三十円。これがことしの五月、二万三千円でずっと移行しておったのです、多少、五百円上がったり下がったりがありますが。薬価が下げられたら、七月には三万九千円、四万円、四万円、四万三千円。一番安いときと高いところを比較をいたしますと何と八六%というような上がり幅になってくるわけです。 こういうように、全部言えば切りがないわけでございますけれども、一体なぜ薬というものが、厚生省が薬価を下げておるにもかかわらず実質的に上がっていくのか。だから愛知県医師会の調査によりますと、一般診療所では一割以上診療収入が下がってきたというのです。医療費が上がったのですよ。医療費が上がったのだけれどもお医者さんの収入は減ってきたわけです。大病院でも四%から六%、いわゆる総売り上げというのですか、診療報酬が下がってきた。だからいま病院は困ってしまっているわけですよ。看護婦さんの給料も上げなければいかぬ、ところがこういうふうに下がってきた、一体だれがこういうことをするのか、これは厚生省が行政指導をして薬価を引き上げておるのではないかといって、実は京都の方のお医者さんだとか、あるいは日本病院会——日本病院会というのは会員千八百人、千八百の病院、内藤景岳さんが会長ですけれども、この方は公正取引委員会に、厚生省が何かおかしなことをやっておるのじゃないかといって、いまいろいろな陳情というのですか、いろいろなことをやっておみえになっておるわけでございます。 一体厚生省は、この薬の価格についてどのような指導をなされたのか。何か聞くところによると、厚生省はことしの六月一日の薬価基準の全面改正に対して、医薬品の公正な競争に基づく適正な価格による納入等について業界を指導する趣旨の通知を出したと私どもは聞いております。現実に、これは五月三十日ですが、第二十八号厚生省薬務局経済課長名で通知を出しておりますけれども、これがかえって逆用されておるのではないか、こう思うのですが、その点の指導はどうされたのかお伺いします。
○持永政府委員 いま先生御指摘のように、今回の薬価基準の改定に当たりまして薬務局の経済課長の名前で「薬価基準の適正化と医薬品の安定供給の確保について」という依頼の通知を出しているのは事実でございます。 この中身は、六月一日の薬価基準の全面改正に際しまして、改正の趣旨を知らせますとともに、個々の医薬品の実情に応じました適正な取引が行われるよう医療機関の理解を得るということについての協力依頼の文書でございます。もちろん厚生省といたしましては、こういった業界に対しましてかねがね医薬品の公正な競争に基づく適正な取引価格の納入についてということで指示をしておるところでございまして、御指摘のようなことでこれが誤解されたとすれば私ども大変残念に思いますけれども、私どもの気持ちといたしましては、あくまで公正な競争に基づく医薬品の適正な価格による納入というのを基本にした指導を行っているところでございます。
○草川委員 これは全く実は問題なんですけれども、厚生省の真意がどこにあるかということですが、ここの文章を読みますと、「このような状況下において、今後仮に、医薬品個々の実情を無視して一律の値引きの強要が行われると、」——これは多分病院だとかお医者さんが値引きの要求をするということを言うのでしょうね、「中には医薬品の品質低下や、安定供給に重大な支障を来すものも生じかねないと憂慮されます。」こういうものですから、メーカーは一斉にカルテルですよ、みんながんばりまして、お医者さんが薬の値段を下げろ、こう交渉しますと、先生、悪いけれども私は絶対下げません、下げたらほかのメーカーから買ってくださいといって、非常にメーカーが強気なんです。大体安く売っておったときにも薬はメーカーは一番もうけておったわけですよ。にもかかわらず、厚生省が薬価を下げたら上げるということはどういうことなんだろうか。それは何かというと、ことしもう一回薬価調査をやると厚生省はすでに声明しておりますね。薬価調査をやるから、それがこわいから、いま統一してやろうというわけです。自治大臣お見えになっておりますけれども、国公立の病院だとか自治体病院なんかも困っておるんですよ。自治体病院は価格が決まってないから薬が入らぬのですよ、六月から。だから、仮納入といって、仮に品物を入れさしておるんです。自治体病院であろうと、国公立の病院であろうと、いわゆる問屋さんにお金を払ってないですよ、半年間。だから、みんなひいひい言っておるでしょう、薬問屋は。薬価は決まったんだけれども、なぜ実際の取引価格が決まらないのか。これは自治体病院の方から一遍実情を聞きたいと思うのですが、どうなっておりますか。
○土屋政府委員 ただいまお示しのございましたように、薬価基準が一八・六%下がったわけでございますが、私どもも自治体病院の詳細について承知しておるわけではございませんけれども、下がった分だけ購入薬剤が下がったというふうには必ずしも聞いておりません。全般的にどういう影響があるかということについてはいま聞いておるところでございますが、自治体病院協議会あたりが調査しておるところでは、収入は減っておるというような状況でございまして、そこらの実態がどうなっておりますか、非常に多くの病院でございますので、そういった協議会等を通じて十分研究をし、私どもとしてもまた指導できる面はできるだけ適切な方法で指導いたしたいと思っております。
○草川委員 自治体病院は大変で陳情に来ておるんですよ、われわれのところへ。陳情に来て、何とかしてくれと言っておるわけですよ。 それで、厚生省にもうざっくばらんに申し上げますけれども、きょうは中医協もやっておると思うんですけれども、次回の薬価調査を、きょうの中医協にこれを提案をしているのじゃないかと思いますけれども、いつごろやるんですか、これは。
○村山国務大臣 これは中医協でも年に一回やるということを言っておりますので、今年中にはやりたいと思っております。
○草川委員 今年中にやるということがこれで初めて明確になったんで、これはやはり今年じゅうに再調査するということがこわくなって、メーカーはいまものすごくつり上げをやっているわけですよ、いま言ったように二割、三割と。しかも、弱小のソロソロメーカーというのが今度の——きょうはもう時間がないので触れませんけれども、三十円から百五十円とかといって、同じ効能の薬でもものすごい差があるものだから、三十円ぐらいに薬価が決められたメーカーはやめてしまうわけですよ。結局、高いところに薬価が認定された優良メーカーの品物だけが売れるということになるわけです。だから、この際、薬価を大幅に切り下げたことを理由に弱小の製薬メーカーを全部つぶすのじゃないかと、これは現実に言われております。 同時に、いま申し上げましたように、半年間売った薬の値段が自分のふところに入らぬわけですから、卸問屋はつぶれる運命になるわけですよ。これは厚生省は早急にこの指導というものを見直すことが必要じゃないでしょうか。公正取引委員会はきょう来ておりますか。——公取の方もいろいろな意味での陳情があると思うんですが、公取はこの実情についてどう思いますか。
○相場政府委員 お答えいたします。 公正取引委員会では、特に医薬品業界における流通の実態あるいは価格形成のあり方、こういったものにかねてから関心を持っておりまして、現在調査を続けているところでございます。本日、先生からいろいろ御説明いただいたわけでございますけれども、そういった点も考慮いたしまして、今後調査をさらに継続していきたい、かように考えております。
○草川委員 これは何回か申し上げますけれども、京都の私立病院協会、私、先ほど京都のお医者さんと言ったのは訂正いたします。京都の私立病院協会が薬価でやみカルテルの疑いありと製薬工業協会を訴えておるわけです。同じく内藤日本病院会長が同じような趣旨で公取委に日本製薬工業協会を相手に訴えておるわけです。このままだったら病院は倒産するところまで来ておるわけですよ。事は医療の問題で、これは行政改革の中でも大変問題になりまして、老人医療の問題もこれで出てくるわけでございますけれども、この薬価という問題についてはよほど十分な配慮をいたしませんと、金額が大きいだけに、これは厚生省のさじかげんでどのように変わっていくかわかりません。これは厚生大臣から答弁を求めたいと思います。
○村山国務大臣 御承知のように、薬価基準は実勢の取引価格を中心にして決めるべき筋合いの問題でございます。したがいまして、実勢よりも甘くしてもいけないし、辛くしてもいけない。やはり公正な取引によるところの実勢価格を基準にして決める方針でございます。 いまお話は、どうも公正な取引が行われてないんじゃないかという趣旨のお話と承ったわけでございます。そのようなことがないように厳重に指導してまいるつもりでございます。
○草川委員 これは公取も重大な関心をかねがね持っておみえになるということを言っております。そして大蔵大臣も、予算査定のときには何回かこの問題を言っておみえになります。経験者でもありますし……。そして中曽根長官の方も、臨調でこのような問題を持っておるわけでございますが、これは相当真剣に薬メーカーに対する指導をいたしませんと、私はいまの指導は甘過ぎると思っております、率直に申し上げて。そして、一番困っておるのは中小、弱小のメーカーであり、診療機関が困っておる。これは許せない事態だと思うので、早急な対応方をお願い申し上げたいというように思います。これは中曽根さんからひとつお答えを願いたいと思います。
○中曽根国務大臣 薬価基準が下がったら薬の取引値段が上がったというのは、国民の皆さんもこれをお聞きして非常に変にお感じになることであり、何かそこのメカニズムに妙なものがあるのではないかと感ずるだろうと思います。私も、いまお話を承って初めてそれを知りまして、大変なことだと思いました。何しろ国費を膨大に使う分野の薬価の問題あるいは医療の問題でございますから、御趣旨に沿って、これが厳格に行われるように指導していきたいと思います。
○草川委員 ある特定の薬が極端に在庫で保有をされまして診療機関に入らないというような例もございました。あるいは流通市場の中で薬が明らかに価格つり上げのために供給されないという例もあるわけでありますから、これは厚生省も特に御注意を願いたいと思います。 最後になりまして大変申しわけございませんが、法務大臣にお伺いを申し上げます。 外国人登録法の一部改正の法律案が別の委員会でいま行われておるわけでございますが、実は私は、これが行政改革の一環として出てくるところにはなはだ不満を持つものであります。現在の外国人登録法というものは、いろんな外国人の方方がお見えになるわけでございますけれども、いま少し柔軟な対応があってもいいのではないだろうか。この中には、常時携帯義務の問題から、あるいは登録証明書の交付の問題、あるいは指紋の登録の問題、いろんな問題があるわけでございますが、この行政改革で、業務の簡素化ということから外国人登録というものを提議するのではなくて、以前から私どもが提案をしておるように、あと二年の間にこれを改正するとかということを委員会等においても法務省は発言をなすってみえるわけでございますから、そういう立場からのこの法改正というものをやるべきではないだろうか、こういう意見を持ちながらの質問になりますが、お答え願いたいと思います。
○奥野国務大臣 いま若干問題点を御指摘になりましたような改正をしたいということで考えておるわけでありまして、来春には外国人登録法の改正案を提案したい、そう考えております。たまたま新年度の予算要求に際しましてゼロシーリングという問題が起こってきたわけでございまして、歳出の縮減を図れるものは図ってまいりませんと予算要求書ができないわけであります。そこで、外国人登録法で改正を考えておりました中で、歳出の縮減を図れ、仕事をやめればそれだけ歳出の縮減を図れるわけでございますので、その部分だけを取り上げまして、とりあえずこの臨時国会で提案をさせていただいた。そして予算要求書をつくりやすいようにしたい、こう考えたわけでございます。御指摘の点は、来春国会に提案する予定で準備を進めております。
○草川委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○小渕(恵)委員長代理 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 神田厚君。
○神田委員 民社党・国民連合の神田厚でございます。 最初に、大蔵大臣にお伺いをしたいのでありますが、鈴木総理は、十九日午前の総合安全保障関係閣僚会議の中におきまして、来年度の予算編成問題に触れて、サミットの問題に関連しまして「総合安保の観点から、ゼロ・シーリングの中でも経済協力、エネルギー、科学技術、防衛、食糧の面にはとくにアクセントをつける」という、そういう発言を行ったということでございます。このことは、財政当局といたしましては、各省庁に向けましてゼロシーリングの形で財政運用についての意見を求めている中で、総理が特にこういうことについてアクセントをつけるということについて発言をなさいましたが、大蔵大臣としての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 最近の国際情勢とわが国の立場を考えてみますると、単に防衛力の整備だけではわが国の平和と安全を確保することは困難である、したがって、経済、外交を含めた幅広い立場から平和と安全を守っていくという努力が必要だ、そのために総合安全保障という考え方が出てきたものと思われまして、われわれとしても、それは理解をしておるところでございます。しかし一方、五十七年度の予算の編成については、行財政改革による歳出の抑制ということをいまやっておる最中でございまして、財政の再建を進めることもきわめて重要であります。したがいまして、総合安全保障関連予算に私は理解は示しますが、しかし財政再建の途上であるということにも理解を示してもらわなければならない。したがって、これらは全体のバランスをにらみながら予算編成の過程で調整をしてまいりたいと考えております。
○神田委員 総理がアクセントをつけろということでございますが、渡辺大臣も私も栃木県でありますから、アクセントの方には自信が余りないのじゃないかと思うのですが、その点はどうでございますか。
○渡辺国務大臣 私が先ほど言ったように、日本の安全を守るには防衛だけじゃだめです。総合安全保障だということはよくわかりますが、やっぱりそこだけを突出させるというわけにもまいりません。しかし、よく理解は示すつもりでございますと言ったわけです。
○神田委員 次に、仲裁裁定問題と人事院勧告の問題が具体的な日程に上ってきたようでありますが、しかしながらこれはまだ明らかな形で問題が方向性をはっきりしてきておるわけでございません。末端の公務員の皆さん方では、果たして年内支給されるのだろうかというような心配もあるようでありますが、財政当局としては、年内支給のタイムリミットというのはどの辺のところに置いておられますか。
○渡辺国務大臣 仲裁裁定の問題は、すでに国会にお預けをした問題でございまして、私だけが財政当局として個人の意見を申し上げるという段階ではございません。 人事院勧告の問題につきましては、これは財源の問題という大きな問題がございまして、これも私だけでどうにもならぬ問題でございますから、給与関係閣僚会議において、どうすれば町源の見通しがつくかというようなことで非常に協議をして努力をしておるという最中でございます。
○神田委員 重ねてお聞き申し上げますが、年内支給について最大限の努力をなさるということでございますか。
○渡辺国務大臣 どういう形の支給になるのかも含めまして目下努力中でございます。
○神田委員 次に、大蔵省が「財政の中期展望」その他で五十七、五十八年度の問題を出しております。問題は、税の自然増収の問題でありますが、ことしの自然増収の問題を見てみましても、きわめて厳しい状況でございますが、大蔵省といたしましては、ことしは大蔵省が予想した税収が確保できるというふうにお考えでございますか。
○渡辺国務大臣 これは先ほども答弁いたしましたが、八月末で進捗率から見ると納税の割合はマイナスの二・六というようなことで、もしこの状態が続けば大変なことになるわけでございます。しかしながら、四、五、六、七、七ですね、七月の状況ぐらいではまだ国の予算がそう執行されていないし、納税時期にも来ていないということでございますから、私どもは、もう少し様子を見なければ何とも言えない。したがって、九月、十月、九月決算が入って十一月ぐらいのところまで半分ぐらい過ぎてみなければ実際はよくわからぬ。しかし、われわれとしては、できるだけ景気の動向には注意をしていかなければいけないということで、それは企画庁ともよく連絡をとりながら予定の税収が確保されるように十分に注意をして配慮していきたいと考えています。
○神田委員 日本の国内の状況やあるいは世界的な失業者の状況から見て、輸出産業がこれ以上うまくいくのかどうかという問題もあるし、この税収の問題については、私は、かなり悲観的な見方をせざるを得ないという状況だと思っております。 いま大臣が御答弁になりましたように、それでは、その半ばごろまでの中でいわゆる税収が上がらないという状況になってまいりますと、これは当然、それをもとにしてつくっております五十七、五十八年度の税の問題にもかかわってきますし、そうしますと、それでなくてもいろいろ歳入不足の問題のあるものが、これがきわめて憂慮されるような状況になってくるというように思うのですが、その点は、一四%ずつ税収をふやしていくという五十七、五十八年度に向けての展望はいかがでございますか。
○渡辺国務大臣 御承知のとおり、あの中期展望というものは、五十六年度予算というものが土台になっておりますから、これに狂いがくればみんな狂いがくるということは当然でございます。今年度の歳入については、まだもう少しなにを見ないと断定的なことは申し上げられませんが、しかし安心できる状態でないということも事実でございます。 〔小渕(恵)委員長代理退席、藤波委員長 代理着席〕
○神田委員 そういうふうな状況でありますと、中曽根行管長官は、昨日ですか、増税については、これは行革とはなじまないのだというふうな形で否定的な御発言をなさったようでありますが、財政の責任者といたしましては、こういう客観情勢の中にありますれば、五十七、五十八年度には——五十七年度はともかく五十八年度等については非常に大きな歳入不足をどういうふうな形でカバーをしていくのか、一切いわゆる増税というものについては、これを完全に否定し去った形で財政運営ができるのかどうか、その辺の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○中曽根国務大臣 私が申し上げましたのは、一つは筋を申し上げたのでございまして、行政改革ということを一生懸命やっておる今日、われわれはそれによって小さな政府をつくろう、冗費を節約しよう、そういうことで懸命にやっておる、そういう精神から見れば増税ということを考えることは邪道である。増税なしに小さな政府で国民の御期待におこたえするというのがわれわれの趣旨である。増税を考えるというような場合は、よっぽど重大な事態で、もうにっちもさっちもいかぬというような、とことんの事態が出てきた場合は、それは考えられるかもしれぬけれども、しかしわれわれは、ともかくそういう増税を呼び起こさないで財政を全うしていく、そういうことに全力をいま傾倒してやらなければならぬと考えておる次第であります。
○渡辺国務大臣 私も大体同じような考えでございまして、五十七年度予算については増税を一切考えないということで、もっぱら歳出カットによってやっていこう、また、それ以降の問題につきましても、行政改革で経費を少なくするという努力をいまからやろうというさなかでございますから、やはり増収のことを考えると緩みがくる。これはもう事実でございますので、そういうようなことは考えずに、歳出カットが本当に要調整額の分だけできれば増税は要らないわけでございますから、したがって、歳出の抑制、経費の節約ということを中心に行革を絡めてやっていこうという決意でございます。
○神田委員 御答弁でありますが、ことしの行政改革、いま出されている関連法案でも、とてもその税の不足に見合うような形のものではないわけであります。そうしますと、増税をやらないで歳出カットだけでやる、行政改革だけを推進していくということになりますと、これは五十七年度、五十八年度は思い切った行政改革、歳出カットをやらなければ追いつかないというような状況になると思うのでありますが、ことしよりももっと規模の大きいものを来年あるいは再来年は考えておられるというふうに思ってよろしゅうございますか。
○渡辺国務大臣 これは一つには、何といっても景気の動向が決まらぬと税収がわからぬわけです。来年の経済見通しがまだ立っていないわけですから、来年の税収も予定が立たないという段階で、五十八年、五十九年までいまここでどうこうということは言えない。したがって、ことしの暮れになりますと、いずれにしてもわれわれは中期展望で見込んだ程度の税収をこいねがっておるわけでございますから、何とかそういうふうに持っていきたいと思っておるわけですが、経済は生きておりますからどういうようなことになるか、その時期になって判断をして、そうして、まずは歳出カットによる五十七年度予算を編成する、それによって今度は五十七年度を土台にして中期展望というものをもう一遍こしらえてみて、どの程度の歳出カットならば増税なき財政再建ができるかということもあわせてその段階で検討させていただきたいと存じます。
○神田委員 そうしますと、その段階におきまして、たとえば大幅に歳入の不足が生じたということになりますと、思い切った行政改革を推進して、あるいは歳出カットを思い切ってやるというふうなことになるのであって、つまり増税はしない、こういうふうなお考えでありますね。
○渡辺国務大臣 要調整額というものは、歳出をカットして埋めるか、増収を図って埋めるか、二つしかない。あるいは借金をふやすということもあるのでしょうが、それはもう考えない。すでに国債費が来年度は公共事業費を上回るという状態でございますし、三、四年すると社会保障費を利払いが上回るという話ですから、それ以上借金をふやしていくということになれば大変な、何のために予算を組むのかというような話になりますので、これはもうできない。ということになれば、やはり歳出を極力減らすか、歳入をふやすか、二つしかないわけです。あるいは組み合わせるか。しかしながら、まだまだ歳出をカットする余裕があるではないか、国がやっていることも、まだまだこういう時期になれば、民間並みにやれば、もっと軽重な、もっと効率的な政府ができるじゃないかと言う識者がいっぱいいることも事実でございます。 したがって、そういうような世論の上に立って行政改革を、これはいまから第二臨調が本格的な答申を出してもらうというやさきでございますから、私としては、まず臨調の先生方の御意見を尊重するという内閣の立場もございますので、それは増税のない方向でやれと言うに決まっておりますから、増税のない方向でまず最大限の努力をすることが先決問題だ、そう思っております。
○神田委員 大蔵大臣、御苦労さまでした。結構でございます。 続きまして、アメリカ政府の対日防衛要求問題につきまして、防衛庁、外務省等に御質問を申し上げます。 私どもは過日、民社党の佐々木委員長、それから大内政審会長ともども訪米いたしまして、ブッシュ副大統領初め政府の要人の方と会ってまいりました。そのときに防衛問題についての話し合いがあったのでありますけれども、アメリカ側が日本に求めておりますのは、大体要約しますと、一つは経費の分担、一つは防衛協力のシナリオの進め方、一つは日本の防衛力の整備の問題、もう一つは装備技術、軍備技術の交流の問題、こういうことに大体要約されておりますけれども、こういうふうなことが中心になっておられるでありましょうか。
○大村国務大臣 お答えします。 日米首脳会談の後を受けましてハワイの事務レベル会談、そしてまた、私が渡米しまして国防長官等との会談をしたわけでございますが、その際出ましたような問題は、主として先生が御指摘になったような問題でございました。
○神田委員 その中で特にアメリカ政府が関心を持っておられると感じたものは、経費の分担問題と、それから軍備、装備技術の交流の問題でございました。 最初に、経費分担の問題についてお尋ねを申し上げますが、アメリカの方から具体的に経費分担についてどのような要望がなされておりますか。
○大村国務大臣 お答えします。 日米共同声明の第八項におきましても、安保条約に基づきます米軍の日本に駐留しますことに伴います負担の軽減に特に努力してほしいという要請があったわけでございます。 具体的に申し上げますと、いわゆる思いやりにつきまして、労務費の負担の軽減、光熱水費の負担の軽減、あるいは施設等に伴います負担を日本側でふやしてほしい、大体そういった関係の要望があったわけでございます。
○神田委員 ただいま項目についての御報告がございましたが、それをどのぐらい日本の方で負担をしてくれという具体的な数字についてはいかがでございますか。
○大村国務大臣 私どもの会談の席上におきましては、具体的に幾らという要請はなかったわけでございます。
○神田委員 伝えられておりますところによりますと、労務費、光熱管理費等については五〇%、この増額を要求しているというふうに言われております。仮にそういうふうなことであるとするならば、いわゆるこのアメリカ政府の要求に対しまして、日本はどういう形でこれにこたえていこうとなされているのか、その点はいかがでありますか。
○大村国務大臣 お答えいたします。 さしあたりこの五十七年度の概算要求をつくるに当たりまして、全般的には非常に厳しい状況でございますが、そういった要請も念頭に置き、安保条約を効率的に運用する上からも、必要なものは概算要求に織り込むということで努力をしているわけでございます。 具体的に申し上げますと、労務費につきましては、現行の地位協定の範囲内で精いっぱいやっておりますので、さらに新たに対象をふやすということはいかがかと考えているわけでございます。これまでの線で伸ばしていくということで努力しているわけでございます。 光熱水費につきましても検討いたしましたが、むずかしいというふうに判断いたしているわけでございます。 その他の経費につきましては、必要最小限のものは盛り込んでいくということで、米側と打ち合わせたものにつきまして必要最小限のものは概算要求に織り込むということでまとめているわけでございます。
○神田委員 私どもがアメリカ国防省におきまして、ワインバーガー国防長官、ウエスト次官、さらにジョーンズ海軍少将等と会談をした席におきまして、ジョーンズ海軍少将は、明らかに施設費に対しまして五〇%の増額を要求している、こういうことを言っておりますが、それは事実でありますか。
○大村国務大臣 お答えします。 具体的な率を挙げての要請は、私ども受けておりません。
○神田委員 そうしますと、言葉のニュアンスとして、かなり増額を要求されている、施設費についてもそういうふうな形で要求をされている、こういうふうなことで感じておられますか。
○大村国務大臣 この問題につきましては従来からもいろいろ要請がありまして、毎年度検討してやっておるわけでございますが、今回、財政事情は非常に厳しい状況でございますが、具体的な要望のあった項目につきまして、内容を判断いたしまして、重要な必要なものから織り込むということでできる限り努力しているところでございます。
○神田委員 そうしますと、かなりの増額の部分を概算要求においてこれを盛り込んでいくというようなこと、そういう方針でございますね。
○大村国務大臣 厳しい枠内でございますので、できる限りその範囲内で努力するということをやっております。
○神田委員 私どもの方の考え方によりますと、アメリカ側のこれらの要求にこたえていくということになれば、これは地位協定を改定していくということをしなければ要請にこたえられない、あるいはそれにかわる特別な法律をつくるということを考えていかなければならない、さらに地位協定の解釈を拡大解釈するか何かして解釈上の運用でこれをしていく、あるいは全くアメリカの要求を拒否する、こういう四つくらいのいわゆる対応の仕方があると思うのですね。 そうすると、防衛庁としては、いわゆる法律的な問題としては、このどの形に沿ってこれらの要求問題について、これにこたえようとしておるのでありますか。
○大村国務大臣 お答えします。 地位協定との関係でございますが、労務費につきましては、先ほど申し上げましたように、現行の地位協定の範囲内で対処してまいりたいと考えております。 また、施設費につきましては、地位協定の範囲内でなし得る余地がまだ相当ございますので、そういった範囲内で臨んでまいりたい。 また、光熱水費につきましても、いろいろ検討しているわけでございますが、いまのところ特別の方法を講ずることはいかがかと考えているわけでございます。
○神田委員 そうしますと、ただいまの御答弁を聞いておりますと、地位協定を拡大解釈する、これによって運用をするということでございますね。
○大村国務大臣 地位協定の範囲内で運用してまいりたい。解釈のできる範囲内でやっていく。別に拡大をするわけでございません。
○神田委員 これは解釈の拡大ですね。解釈の中でどういうふうにこれをやっていくかということについてはいろいろあるわけですから、私どもとしては、これは拡大解釈だという判断をせざるを得ない。アメリカのジョーンズ海軍少将が言っております解釈の運用、拡大解釈、これで日本に対応してもらうほかないのだ。いかがですか。
○大村国務大臣 解釈運用の範囲で対処してまいります。
○神田委員 本日は時間もございませんので、次の問題に移りますが、要するに拡大解釈しか道がないわけですね。これは拡大解釈しか道がないんだ。そうでなかったら、違うことをやるか、違うものをつくるか、何かしなければ、これはできるわけがないのです。
○吉野(実)政府委員 お答えをいたします。 光熱水料の方からまいりますけれども、これは運営費でございますので、地位協定からできない、これははっきりしているわけです。 労務費につきましては、すでに昭和五十三年度から、いわゆる思いやりと言われておりますけれども、地位協定の範囲内で、公務員よりも高い部分をこちらが持つとか、あるいは福祉福利費について持つとかということを運用しておるわけです。ですから、今後もその方針を続けていく。言いかえれば、いままでに日本側が分担することができると解釈されている、そういう項目をふやすことはなしにして、いままでどおり今後も続けていく。 提供施設の話でございますけれども、これは地位協定の範囲内で、先ほど大臣からもお答えがありましたけれども、まだやる余地はありますので、先ほど先生が五〇%というお話がありましたけれども、来年の概算要求では二九%増の要求をいたしております。これはアメリカ軍当局が非常に緊要だというものを選びまして、自主的に日本側において実は概算要求をしておるわけであります。今後ともこの問題については緊要度それからこちらの事情等を勘案の上、引き続き共同コミュニケの精神にのっとりまして続けていくつもりであります。
○神田委員 二九%増でこたえたということは、五〇%の要求、それに近い要求はあったわけでしょう。大体そういうふうな形だと思うのですよ、二九%増でこたえたわけだから。大体要求はこういうことであるということで、日本政府、防衛庁としてはそういうふうにこたえていくということでございますね。 それで、もう一つ関連しまして、要求の中で、有事即応態勢の問題を勘案しまして充足率を高めることが要求をされておりますが、五三中業では充足率を現在の陸の八六%を八九%、海上の九六%を九八%、空の九六%を九八%に充足をするというふうに決めておりますけれども、大変厳しい財政事情の中で、果たして五三中業の終わりまでに、つまり五十九年までですか、これを達成できる見込みでありますか。
○塩田政府委員 五三中業の中で、いま御指摘のような計画を持っていることは事実でございますが、しばしば申し上げておりますように、これは防衛庁限りの見積もりでございますが、私どもとしては、その実現に向かって努力をしたいというふうに現時点でも考えております。
○神田委員 次に、もう一つの問題は、米国との協力態勢、協力対応の中で、大体安保条約の五条関係は日米でほぼ詰めが終わったと言われておりますね。残るは極東有事の問題等に関連する六条関係だ、こういうふうに言われておりますが、この極東有事の研究というのは、いつごろからどういう仕方でこれの研究に入ることを検討しておりますか。
○塩田政府委員 まず最初にお答え申し上げたいのですが、五条関係について研究が終わったというのではなくて、しばしば申し上げておりますが、五条関係についての一つのシナリオについての研究が終わったのだということをこの際改めて申し上げておきたいと思います。 なお、六条関係についての研究につきましては、現在外務省と私どもの方で打ち合わせておりまして、できるだけ早い機会に米側との間に折衝に入りたいというふうに考えておりますが、まだその時期等を申し上げられるような段階には至っておりません。
○神田委員 そうすると、具体的に外務省と話し合いに入って、すでにもうアメリカと交渉するという段階まで来ているということですね。
○塩田政府委員 まだアメリカといつから交渉に入るかというところまではいっておりません。私どもと外務省との間の交渉中でございます。
○神田委員 次に、もう一つのアメリカが非常に関心を持っております軍事技術交流の問題について御質問申し上げます。 この問題については防衛庁、外務省、通産省、それぞれ考え方がおありのようでありますが、まず基本的な考え方を防衛庁からお聞かせをいただきたいと思います。
○大村国務大臣 お答えいたします。 防衛庁と米国防省との会談におきまして、防衛技術の日米間の交流につきましては、米側から、従来の一方的な技術の流れ、アメリカから日本の方への一方的な流れを相互的な流れに変えていくべきであるという一般的な期待の表明が行われたのでございます。ただ、いままでのところ、特定の技術についての具体的な希望が表明されているというところまでは至っておらないのでございます。 そこで、今後の進め方でございますが、いま御指摘のような問題を含めまして、担当の装備局長からお答えさせていただきます。
○和田(裕)政府委員 お答え申し上げます。 防衛庁がこれに対してどういう方針で臨むかという御質問だったと思いますが、これは大村長官がアメリカへ行きましたときに、相互交流につきましては原則としてこれを認めますということをおっしゃっておりまして、私もアメリカへ行きましたときにデラワー次官にそのように申し上げたことがございます。 それから具体的な問題になりますと、武器輸出三原則あるいは統一見解といったことは関連してくることもあるのではないかということでございます。これにつきましては、七月十日の閣議でのお話を受けまして、いま三省庁間で検討中という段階でございます。
○神田委員 いろいろ御質問がありますが、ちょっとおきまして、通産大臣がお見えでございますので、通産省として、この両用にわたる軍事技術の交流の問題について、どういうふうにお考えでございますか。
○田中(六)国務大臣 いま防衛庁長官並びに防衛庁の事務当局からお答えいたしましたように、いま現実にはアメリカから一方的な流れでございますけれども、相互的な流れ、つまり事務当局からも相互的にすることを検討をするようなことを言っておりますが、具体的には私どもそれを受けておりませんし、通産省といたしましては、あくまで武器輸出禁止三原則並びに慎重にという決議、国会の決議もございますし、それを尊重する腹でございまして、いまこの件については、外務省それから防衛庁で協議中だということは聞いておりますけれども、私どもといたしましては、あくまで武器輸出三原則にのっとって対処していきたいというふうに考えております。
○神田委員 通産大臣の答弁、大変重要でありますが、外務省の見解を先に聞かしていただきます。
○淺尾政府委員 お答えいたします。 先ほど来御質疑のありましたとおり、アメリカ側の考え方は、現在の一方通行を両面通行にしたい、こういうことでございます。しかし、具体的に何を、どういうものを欲しいということは、まだ私たちのところでは少なくとも承知しておりません。外務省としても、武器禁輸三原則、政府統一見解及び国会決議、こういうのがございまして、これは基本的にはアメリカにも適用されるということでございます。 ただ、アメリカとの間には安保条約あるいはその他の条約がございますので、これとの関連で、どういうふうに今後取り進めていったらいいかという法的な側面について現在検討中でございます。その過程において防衛庁とは内々に意見を交換しているというのが現在の段階でございます。
○神田委員 武器輸出の三原則との関連で、アメリカにも基本的に武器輸出の三原則の問題を適用するということは、これはきわめて重要な答弁ではないかと思うのですが、それと安保条約の中のいろいろ日米で取り決められている条約問題について、このままでは両方矛盾した形であるわけでありますから、これは一体外務省としてはどういう判断をとるのでありましょうか。これは国民が非常に迷うのではないでしょうか、どうですか。
○淺尾政府委員 先ほど私が申し上げましたのは、これはあくまでも外務省として、法律的にどういうふうに解釈したらいいかという立場でございまして、他方において武器禁輸三原則、統一見解あるいは国会決議等があるという、これは現実でございます。しかし、アメリカとの関係においては、相互防衛援助協定あるいは安保条約というものがございます。したがって、それとの関係についてどういうふうに外務省として考えたらいいのかということを現在検討中でございまして、まだ外務省として統一見解というものを固めていない段階でございますので、ここで外務省の決まった考え方ということを申し述べる段階にはまだ立ち至っていないわけでございます。
○神田委員 通産大臣にお聞きいたしますが、通産大臣は、さきの国会におきましても三原則の問題に関連しまして、武器製造の関連技術も対象として、これを三原則の中身に準じて守っていくというふうな形の答弁をされているわけでありますが、いまの御答弁を聞いておりますと、武器輸出三原則を厳守する方向に近い形で持論を述べられたと思うのでありますが、そういう観点でございますか。
○田中(六)国務大臣 たびたび答弁いたしておりますように、武器輸出三原則と政府統一見解、国会決議などは遵守していく方針でございます。 ただ、いま外務省当局からもお話がございましたように、日米安保条約並びにその他の日米間の諸条約との兼ね合いについては、いま外務省、防衛庁で協議、検討中でございますので、それを待っておる次第でございます。
○神田委員 そうしますと、要求されても出せるものと出せないものとがあるというような形での、いわゆる品物について、こたえるものとこたえられないものがあるというような形をとるということも一つの方法であるだろうし、いろいろな形で、これは今後やはり問題になってまいりますね。きょうはちょっと時間がありませんから、これはまた後にいろいろ御見解を総理も帰ってからお尋ねしたいのであります。 最後に、日米技術・装備定期協議が近々行われるわけです。そういう中で当然アメリカの方から、いまは何も具体的には言われていないけれども、私どもが行ってアメリカで感じた感じでは、この問題に非常に熱心であります。何とかこれを日本の方で受け入れてもらいたいというような気持ちが非常に強く出ておりますから、必ずどういう形かでこれは出てくるわけでありますが、いまの外務省のような、そういう非常に中途半端な形でこの問題を残しておりますと非常に問題が残る。だから、防衛庁は一番先にその対応を迫られるわけでありますから、防衛庁としては、どのくらいまでに、どういうことを、どういうふうにしてもらいたいというふうに、外務省その他の関係省庁と話し合いをしていくおつもりでありますか。
○大村国務大臣 お答えします。 防衛庁といたしましては、この問題はきわめて重要な問題であると考えますので、関係省庁との間に協議を進めまして、できる限り速やかに方針が固まるように今後引き続き努力してまいりたいと考えております。
○神田委員 通産大臣・結構でございます。 次に、沖繩の嘉手納町の嘉手納基地の共同使用の問題について御質問申し上げます。 嘉手納町が米軍に返還要求をいたしまして、そこに庁舎、警察署等々の建物を建てることになりました。ところが、この警察署等の建設に際しまして、県議会がその県費を出費することを否決をいたしまして、現在この庁舎が建てられないでおります。 そのことの理由は、一つには、そのときに問題になりましたのは、米軍側が示してきました条件は、工事の完了の上は建物直下の一メートルのクリアランスを加えてこれを返還する、残る部分については、駐車場等でありますけれども、共同使用により維持をするものとする、使用期限については、合同委員会の承認の日から三年間か、もしくは在日合衆国軍の必要が生じるまでの問いずれか早い時期として、通告後六十日以内に終了するものとする、こういうふうなことでございまして、期間の延長については、これは自動的な形で延長されるということでありますが、現在建設が宙に浮いているという状況でございます。 これはやはり私ども、こういうふうな状況で中途半端な形になっておりますのは非常に問題があると思うのであります。簡単で結構でございますから、その経緯と今後の対応についてお示しを願いたいと思います。時間がありませんので簡単にしてください。
○吉野(実)政府委員 経緯をまず簡単に申し上げます。 昭和五十四年の十二月に嘉手納町長から、嘉手納地区行政センターといたしまして町役場庁舎、それから嘉手納の警察署庁舎、嘉手納軍用地等地主協会の会館等を建設するため、嘉手納飛行場の一部の返還を受けたいとの要請を受けました。施設特別委員会を通じまして米側と折衝いたしまして、米側が提示した条件について地元と調整した結果、昭和五十五年十二月、日米間で合意に達したものであります。 今後の対処ぶりでありますけれども、実はこの経緯はいま詳しくは申しませんでしたけれども、当初この話を持ち出したときには、米軍側は、嘉手納の飛行場機能を阻害するおそれがあるのでやめてくれ、こういう話があったわけです。ところが、われわれの方としては、嘉手納町の非常に大きな部分が飛行場として使用されておるということでございますし、ほかに適地がなかなか見つかりにくい、何とかしてもらいたいということで大分もんだわけであります。 その結果、いま申しましたように共同使用の形で建物は建ちます。建った後は建物直下の土地、周り一メートルを加えまして、これは返還をいたしましょう。それから残りの土地といいますのは駐車場等でありますけれども、それについては建物等を建てたりいろいろなことがあると、飛行場の機能に、飛行機が飛ぶのに非常に問題が起こったりしますので、それは二4(a)で、つまり共同使用のままでならよろしいということで合意ができたわけでありますけれども、それに従いまして、いま申しましたように、建物が三カ所ないし四カ所あるわけですけれども、県の警察署以外は全部着工しておるわけであります。 それで、今後の話ですけれども、いま言ったような経緯がありますので、われわれの方といたしまして米軍の方にるる交渉して、やっとここまで来たのでありますので、これを共同使用を取っ払えということは、私の判断では無理と考えておるわけであります。
○神田委員 ですから、これは共同使用の条件の問題があるわけでありますから、県議会や地元の人たちを納得させるような形で、その条件等の問題についても努力をしていかなければならないのではないかというふうに私は考えておるわけであります。
○吉野(実)政府委員 先ほどあえて申し上げなかったのですけれども、実はこういう形で、共同使用のままでそこに建物を建てておるというようなケースが幾つかあるわけですけれども、公共の建物の場合はその性質に着目されまして、現在まで返せとかどうとかということはなくて、問題なく竣工しておるわけであります。ですから、先ほど合意の内容といたしまして、何か一朝有事の場合でも起これば、それは返してくれとか、そこを使わしてくれということは皆無とは言いませんけれども、おおよその見通しといたしましては、うちの方から言えば合同委員会の方にかけることなく、そのまま認めようということですから、それをコンファームすればよろしいのではないか、そのように私は考えます。
○神田委員 時間がなくなりましたので、農業関係で二、三御質問を申し上げます。 臨調では非常に厳しく農業についてのいろいろな見直しや、あるいはやり方の問題について指摘がされています。その中で、構造改善事業等につきましても、あるいは土地基盤整備等の問題につきましても、これを補助金から融資制度にかえろとか、いろいろ厳しい問題が出ております。 ところで、一つ問題がありますのは、島根県の方に中海干拓事業というのがやられておりますが、この干拓事業は本来米作を目的に始めたわけでありますが、どうも途中から、米の過剰の問題から畑作その他に方針も転向されているようでありまして、目的が、これから先も一つはっきりしない農地の造成だということも言われております。また同時に、この湖が淡水化することによりまして、水質汚濁その他環境問題でも非常に問題があるのではないか、こういうような指摘がされております。淡水化による、たとえばそこにおります魚とかそういうものが死滅をしてしまう、あるいはシジミが死滅をしてしまう、こういうふうなことも考えられますし、全国的に淡水化された湖沼というのが水質汚濁その他で非常に問題になっている。こういうことから、この中海干拓に関しまして、この事業を見直したらどうであるか、こういうような意見があるのでありますが、農林水産大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○亀岡国務大臣 中海干拓の実施に伴う環境保全について御指摘があったわけでありますが、淡水湖の水質保全の重要性は十分尊重をいたしまして、関係省庁、県、市町村と連携をとりつつ学識経験者で構成する委員会を設けて、中海、宍道湖の水質や生態系等の影響調査を行い、水質汚濁などの環境破壊を来さないよう配慮を十分いたしておるところでございます。 現在までの調査結果を総合いたしますと、本地区の干拓や淡水化と汚濁排除機能を備えた施設を設置することによって、湖水の流れがよくなること、湖底まで酸素が届くようになることもありまして、本干拓事業が必ずしも水質汚濁の原因となるものではない、こう考えておるところであります。 中海の水質保全を図るには、干拓地よりもむしろ背後地における下水の処理、すなわち下水道の整備等によって湖水への汚濁負荷量を増加させないことが基本と考えられており、農林水産省といたしましても干拓地の営農計画等について湖水の汚濁防止に十分配慮をして、問題が生じないようにいたしてまいりたいと考えておるところでございます。 御指摘のように、本地区の営農計画につきましては、当初は確かに水田中心であったわけでございますが、米の過剰という問題にかんがみまして五十三年度に見直しを行っております。畑作中心の営農としているところでありますが、その後の農業事情の変化を踏まえて最終的な営農計画を五十八年度に作成することにいたして、目下いろいろ検討を進めているところでございます。
○神田委員 この問題については、環境庁を中心に干拓での水質汚濁の問題を非常に心配をしているというふうな報道もございます。鯨岡環境庁長官は、新聞によりますと、これは朝日新聞でありますが、干拓問題につきまして、時代が変わってきているのだから、情勢の変化を無視してそのままこれを続けていくということは問題がある。農水省が、予想される自然破壊に対しましてどう考えているかを聞きたいというようなことも言っておられるようでありますが、環境庁として、この問題についてどういうふうにお考えになっておられるのか。そして同時に、農林水産省と環境保全のために話し合い、問題があれば協議をする、そういうお考えをお持ちであるかどうか、お聞かせ願います。
○鯨岡国務大臣 閉鎖性水域なのですから、当然水は汚れてくるだろうということは予想される。これは予想されるだけでなしに、いままでそういうところが幾らもある。たとえば岡山県の児島湖なんかはそのいい例なんです。ですから中海の問題についても非常に心配をいたしまして、農林省の方とは密接に連絡をとりましてやっておるわけであります。
○神田委員 今後とも、ひとつ環境保全の立場から農林省との協議をさらに進めまして、お話し合いを続行していただきたいと思っております。 大変恐縮でありますが、最後に一問だけ、自治大臣おられるようでありますので……。 五十七年度に農地課税の問題が起こるわけでありますが、その農地課税の問題で宅地並み課税についての考え方と、それから農地の固定資産税の考え方について御見解をお聞かせいただきたいのであります。
○安孫子国務大臣 宅地並み課税の問題は、税調の答申もございまして、本年度中に結論を出さにゃいかぬわけでございます。この点は建設省、国土庁とも関係がございますので、十分に連携をとりまして措置をいたしたい。目下検討いたしている最中でございます。 それから固定資産税の問題でございますが、これも税調でもって、課税の標準につきまして適正化均衡化を図って増強しろ、こういう答申があるわけでございます。そこで、年内にいろいろ準備をいたしまして、来年の一月一日現在の状況におきまして、二月中には結論を出す、具体的に決めるという作業をただいまいたしているところでございます。そういう状況でございます。
○神田委員 建設大臣と警察庁長官、ちょっと時間がありませんで質問を残しまして大変恐縮でございますが、また後の機会にやらせていただきます。大変ありがとうございました。
○藤波委員長代理 これにて神田君の質疑は終了いたしました。 中島武敏君。
○中島(武)委員 私は、災害と行革について聞きたいわけであります。 ことしは台風十二号、十五号などでたくさんの河川が決壊をして、甚大な被害が出ました。この十年で最高の被害だと言われております。私は、被災者の人たちに対して心からお見舞い申し上げるものであります。 被災者に対する補償、災害復旧は一日も早くやらなければならないことは言うまでもありません。台風の襲来というのは不可抗力でありますけれども、しかし災害は決して不可抗力ではありません。災害を未然に防ぐ、あるいは最小限にとどめるということが大切であります。そして、このことは行政改革との関係で見ても大事な点であると思うわけであります。 そこで、ことしの水害で、石狩川の水害と並んで国民の耳目を聳動せしめた小貝川の水害問題についてお聞きいたしたい。 未然防止のためには、起きた災害の徹底的な原因究明と、その教訓を生かすことであります。建設大臣に伺います。これはどこに原因があってあの小貝川の決壊が起きたのでしょうか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 いま総力を挙げて、その原因を追求中でございます。
○中島(武)委員 もうすでに二カ月を経ているにもかかわらず、いまだに原因究明ができていない。これは大変問題であります。現地では、被災者の人たちはみんな一様に、これは人災だ、政府の責任じゃないかと怒りの声を上げているわけであります。 二十八年の旧計画の計画高水位八メーター七十、今回の破堤時の水位は八メーター七十四。四センチオーバーしているとはいうものの、計画高水位いっぱいいっぱいであります。しかも、利根川のバックウォーターを考慮して、四十八年に暫定計画を立て、暫定計画高水位を九メーター七十八とし、漏水防止のためにシートウォールを打ち込んだわけであります。 〔藤波委員長代理退席、三塚委員長代理着席〕 破堤地点においては、そのシートウォールは五十一年に完了をしております。もっとも高水敷などの拡築はこれからだったとはいうものの、このシートウォールを打ち込むことをもって、暫定計画は基本的には終了していたと言ってよろしいと思う。暫定計画高水位から見れば、破堤時の水位は一メーター四センチの余裕があったのです。一メートル以上の余裕があった。 さらに、八メーター七十四を超える水位は、この付近では戦後九回経験している。しかし、堤防は破れなかった。これは、八メーター七十四程度の出水に十分耐えられるはずの堤防だったということであります。それにもかかわらず、堤防は切れたんです。これは天災ですか。建設大臣はあのとき空からヘリコプターで視察をされて、ヘリコプターから舞いおりてきて、これは天災だと語った。被災者の人たちはまことに怒りました。被災者の人たちの顔を逆なでするような発言だったわけであります。いまでも建設大臣は、これは天災だというふうに思っておられるのですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 前段、先生からお話がありましたような形で、この堤防護岸、漏水防止対策は万全の措置をしておったと私は信じております。したがいまして、思わざる出水によっての事故でありまして、私はいまでも天災だというように考えております。 地元の方々は憤慨して、逆なでということでありますが、私はあのとき行きまして記者団の質問にお答えしたわけで、地元の方々は、私がすぐ現地へ飛んだことによって、感謝こそすれ、逆なでをされたとか、そういう怒りの表情を私は承知いたしておりません。したがいまして、当時、担当の技官等を常時徹夜で泊まらせましてその対策を練ったところでございまして、この問題についてはいまなお総力を挙げて原因を究明いたしておりますので、その点につきましては十分配慮を持って、今後ともしかと対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○中島(武)委員 私は、いまの建設大臣の発言は、河川の管理に責任を持つ大臣の発言とも思えないわけであります。天災だと相変わらず言っておられますが、何をもって天災だと言われるのですか。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 想像以上の出水、時期的なずれ——一応あの堤防につきましては、いまある技術をもって、それなりの想定をもって技術的には万全の対策をとっておったというように承知をいたしておりますので、あえてそう申し上げたわけであります。
○中島(武)委員 想像以上の出水ではないのです。そういう認識ですか。さっきも私申し上げたように、あの程度の水位だったら戦後九回経験しているのです。九回経験していてもなおかつ切れなかった。ところが、現実に切れたんですね。これは天災だという理由にはちりともならない。これはどうも建設大臣、いまのは全くいただけない答弁なんですが、もう一回繰り返しますよ。 四十八年暫定計画、これは基本的には、シートウォールを打ち込んで漏水防止をすることをもって終わっていたと考えてよろしいのです。ところが、二十八年の計画高水位をわずか四センチ上回っている。四センチというのは、実にいっぱいいっぱいといっていいくらいなんです。それでなおかつ堤防が切れた。これはだれだって不思議に思うのです。だからあそこの住民の人たちだって、まさか堤防が切れるというふうには考えていなかった。建設省だって、堤防が切れるというふうには考えていなかったわけであります。これは政府の河川管理上における何らかの不手際があったんじゃないのか。そういう問題ではありませんか。
○川本政府委員 お答えいたします。 小貝川のこの地域につきましては、先生先ほどお話ございましたように、本川の利根川からの逆流の影響があるという区域でございまして、過去において、昭和十四年くらいでございますが、いまの小貝川の合流点の本川からの悪い影響を排除しようということで、本川と小貝川の合流点を下流の方へつけかえようという計画を立てまして、放水路案と称しておりますが……(中島(武)委員「いま私の問うている問題について何か言うことがあったら言ってください」と呼ぶ)そういったことで地元と折衝したわけでございますが、地元の反対があってそれができなかった。また、昭和二十年代になりまして、今度は背割り提案ということに変えまして、やはりつけかえ計画を立てたわけでございますが、これも地元の猛烈な反対があってできなかったという経緯がございました。 それ以後、いろいろとその計画案を実行できないかということで折衝しておったわけでございますが、どうしてもそれができませんで、その間、先ほど先生がおっしゃいましたような暫定計画をやむを得ず立てまして、それに基づいて堤防の拡幅であるとか、漏水防止の矢板工であるとか、あるいは低水護岸、そういったものでの暫定的な補強工事をやってきておったというところでございます。 実は昨年の暮れに利根川の全体の計画を改定するチャンスがございまして、そのときにいよいよつけかえ計画なるものをあきらめざるを得なかったということでございます。そういったことで、現在の小貝川の合流点をそのままにいたしまして、そうして利根川の本川並みの堤防に補強しようということでやってきたわけでございます。それで、本格的な改修にかかろうとしていたやさきでございまして、それまで先ほど大臣が御説明いたしましたようないろいろな努力を営々としてきておったということは事実でございます。 また、今回の災害は、八月二十四日の午前二時ごろと言っておりますが、これも時間が確認できておりませんで、推定時刻でございます。言うなれば突如として起こった災害でございまして、私どもとしても非常にわけがわからないといいますか、まことに不可解な現象でございます。 地元では非常にしっかりした歴史のある水防組合がございまして、その方々を含めて消防団あるいは建設省の出張所、そういったものを含めて、水防活動といいますか水防点検、巡視、そういったものをしておったわけでございます。破堤の起こります一時間とか一時間半くらい前、いろいろな方が巡視をなさいましたけれども、そのときには異常がなかった。午前二時ごろ、その消防団の方が破堤した事実を事後確認されたというかっこうでございまして、そういったことで、瞬間的にと言うとちょっとオーバーかもわかりませんが、非常に短時間に破堤したわけでございます。普通の堤防の破堤といいますのは、大体予兆といいますか、そういったものがありまして、だんだんそれが拡大してきて破堤するという一般的傾向がございますが、そういった傾向がなかったということで、先ほど大臣が説明されましたように、その原因というものをいま盛んに、今後の河川改修に資するためにも解明を急いでおる、そういう現状でございます。
○中島(武)委員 長い長い経過報告をいただきましたが、それはわかっているのです。 それで、いま局長の答弁にもありましたけれども、非常に不可解な災害だというふうに言われた。切れるはずのない堤防が切れている。なぜ切れたのか、ここは真剣に探求せなければならぬところであります。建設省ももちろんそれは全力を挙げているというさっきの建設大臣の答弁ですけれども、この原因を本格的に調査をする必要がある。切れるはずのないものが切れるというここです。一級河川、国の管理している河川でそうしばしば切れるものではありません。計画高水位にまで至っていないとか、そこそこということで切れるという例はそんなにないのです。これは国の責任ですよ。だから、これについては建設省も全力を挙げると同時に、私は、やはり地質学者であるとかあるいは河川工学者だとか、広くこういう学識経験者を集めて、そうしてこの原因を真剣に探求すべきじゃないのか、そういう調査委員会というようなものをつくってやるべきではないかと考えるわけですけれども、建設大臣どうですか。
○川本政府委員 お答えいたします。 ただいまその原因調査につきましては、土木研究所を中心にいたしましてプロジェクトチームをつくりまして調査に当たっているわけでございまして、いろいろといま御意見がございましたけれども、私どもといたしましても、先ほど申し上げたように、河川の将来の改修に資するということのためにも当然解明をすべきであるということでございます。土木研究所は、こういった堤防に関する、あるいは土に関する現場的な工学のレベルということでは日本で最高水準を行っているというふうに私は思っております。そういったスタッフを中心にしてやって公正な調査を進めてまいりたい、そう思ってやっておるところでございます。
○中島(武)委員 切れるはずのない堤防が切れた。そして住民の皆さんも、この原因は真剣に探求してもらいたい。それは建設省は全力を挙げるし、土木研究所もすぐれた能力を持っているでしょう。だけれども、住民の皆さんが一番納得しやすいのは、これは建設省だけで原因探求をやるというのではなくて、広くいろいろな知識を集めてやる、そういうことが一番説得力を持つのじゃないかと思うのです。局長の考えは聞きました。大臣の考えを言ってください。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 いま局長からもお話を申し上げましたように、先生のそういう御提案もさりながら、建設省の土木研究所というものは、私は、世界有数の研究機関でございまして、それぞれの専門家の方々を網羅して十分な対応ができると思います。それだけに私はこの研究所を信じて、現在またあわせて関係者総力を挙げて究明をいたしておるわけでございます。それでなおかつ不十分ということがもし起こるとするならば、そうしたことにつきましても検討するということは考えられますが、現在のところ、土木研究所というものは最高水準だというふうに信じておりますので、私は、それなりの結論を見出し、究明することができる、このように考えておるものでございます。
○中島(武)委員 私は、どうもいただけない見解だと思いますけれども、先へ進みます。 実際被害を受けたところからいろいろな陳情が建設省に対してもずいぶん出されております。これはぜひひとつ応じてもらいたいと思うのです。同時に、竜ケ崎市自身も非常に多額にこの問題で金を使っておられる。これはもちろん竜ケ崎市だけではありません。もう全国の被災をしたところの県、市町村はそうであります。こういう点で特別交付税だとか、きちんとこの要求にこたえるべきだと思いますが、この点について建設大臣並びに自治大臣の見解を聞きたいと思います。
○安孫子国務大臣 竜ケ崎市も非常に困るわけでございまするので、普通交付税については繰り上げ措置を講じました。 なお今後の問題でありますが、竜ケ崎市と相談をいたしまして、いまお話のありました地方債の配分でありますとか特別交付税の措置というものを通じまして、竜ケ崎市が困らないように処置をしたい、こう思っております。
○斉藤国務大臣 財政関係は、自治大臣からもお話がありましたような形で進めさせていただいておりますが、御案内のように、緊急災害復旧工事につきましては九月一日に完了してございます。 なお、今後の問題につきましては、本復旧に当たりましては当然万全を期するとともに、河川改修の促進に特段の意を用いまして、地元の方々が今後の災害についての御懸念のないように措置をいたしてまいる所存でございます。
○中島(武)委員 さっきお話のあった小貝川の五十五年の工事実施基本計画で、利根川並みの堤防をつくることによって、そしてもう再び堤防決壊が起こらないようにしなければいけないということになっています。この堤防拡築は本当に急がなければいけないと思うのです。一体幾ら費用がかかるのかということを聞いてみましたところ、二百億以上かかる。ところが、ことしはこのために使えるお金は幾らか、一億五千万円だと聞いております。まさか来年からこんな調子でいくんじゃないとは思うのですけれども、二百億以上かかるのに毎年一億五千万ということじゃ、これは百年河清を待つという言葉があるが、百数十年河清を待つということになってしまうので、これは特別なたとえば激特に指定をして一生懸命急ぐということが被災者の皆さんに対しても必要じゃないのかということを私は考えるわけであります。 また、全国の河川で危険個所は一千カ所ぐらいあると言われているのです。大都市でもそうなんです。たとえば東京なんかでも、新河岸川だ、石神井川だ、あるいは神田川だ、もうしょっちゅう、ちょっと雨が降ってもはんらんをする、あるいははんらん寸前に至る、はんらんしてもおかしくない、そういう状態なんです。やはりこれは大都市の場合には下水道予算をふやすとともに、治水予算をもっとふやすということが必要であります。 この点で二つ、小貝川のこの問題については、激特に指定をして急ぐという方針をとられるかどうか、また下水道予算、治水予算を増大させるために努力をされるかどうか、この点について建設大臣の見解を聞きたいと思います。
○川本政府委員 お答えいたします。 第一点の小貝川の今回の災害にかんがみまして激特事業を採択するかという御質問でございますが、その問題につきましては、現在いろいろと関係資料を集めて関係部局とも協議をしておる最中でございまして、先生おっしゃいましたように、小貝川の抜本的な改修ということがこれから必要でございます。そのためには、昨年末に改定いたしました基本計画におきましても、そのとおりやりましても相当の用地買収、家屋移転が出てまいります。そういったものでやはり地元の御協力を得なければならぬという点が多々出てまいります。そういった御認識をさらにいただくように、地元の方々にさらに御説明を加えることによりまして、現在激特事業の採択も含めて検討、さらに促進を図ってまいるように準備中でございます。そういうことでございます。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 治水事業につきまして大変御理解をいただきましてありがとうございます。御案内のように、すでに五十七年から第六次治水事業五カ年計画が始まるわけでございます。三十五年の第一次から現在まで十二兆六千億ぐらい投じてございます。第六次治水事業につきましては十二兆一千億をお願いしてございます。いままで十二兆六千億投じて、なおかつ御案内のように中小河川の整備率というものは一七、八%、大きい川につきましては五〇%ぐらいにはいっておりますけれども、とにもかくにも大変治水関係はおくれていることは事実でございます。非常に御案内のような行財政の厳しい折でございますが、財政当局の御理解をいただきながら、五カ年計画等々につきましてはなお十分な執行ができ得るように配慮しながら対処してまいりたい、このように考えているところでございます。
○中島(武)委員 もう一つこの問題で、先ほど原因が全く見当がつかない、不思議な災害だ、鋭意研究して探求しているという話でした。これは本来だったら何らかの前兆があったのじゃないかと思うのですね。しかし、それがわからなかっただけじゃなかろうかということが考えられるわけであります。 ところが、調べてみますと、この堤防を管理している人たちがどのように人員が変遷しているかということでありますけれども、ここを管理している取手出張所の職員は、総定員法がしかれました四十二年の四月は七十四人だったのですけれども、五十六年、ことしの四月は二十三人、三分の一になっているのですね。それから河川の巡視員も、これは三名が今日も三名なんですが、工事の監督をやる人たちは十一名が八名に減ってしまっている。それから草刈り工事の人たちは、二十四名いたのがゼロ、一人もいない。こういうふうになっているのです。事前に災害を察知する、決壊を察知するということは非常に大事なことでありまして、そういう点では、被害が起きてしまってからでは遅いのであって、その前に、事前にキャッチしなきゃいけない。したがって、河川の管理体制というものは強化されなければならないと思うのです。 もっと細かくなりますけれども、私は巡視員の質の向上とかあるいは専門知識の教育とか、特に住民との間の協力体制をつくり上げるということが必要だと思うのですね。危ないと思ったところはすぐ通報されてキャッチできるというような協力体制が必要なんです。ところが、実際にこのことに当たっている人たちの話を聞いてみると、それだけの仕事をやるのは三名ではとても無理だということを言っているわけであります。 それから、この堤防の表面は以前は芝生だったんです。ところが、いまは雑草に変わってしまっている。芝生の方が流水の流れはよいし、それから根も浅いから、これは適切なんです。この草刈りも、これも請負化されてしまっている。だから、草さえ刈ればよろしいということになっている。草を刈りながら堤防がどう傷んでいるかということを発見するというようなことが必要なんです。そういうことができる体制が私は必要だと思うのです。 災害が起きてから膨大な災害復旧予算を組んでいるというよりも、やはり堤防管理とか河川管理とか、こういう必要なところには人員を大いにふやしてむだなところは減らすというのが、これが本当の行政改革じゃないかと思うのです。この点で、私は、建設大臣並びに行管庁長官の見解をお聞きしたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 監理員といいますか監視員といいますか、人員だけというだけでもいかないようにも思います。幸いに地元の水防団あるいは防水、砂防関係の方方の御理解をいただきまして、民間の方々と相まって一応の体制というものについては整っているというように承知いたしております。したがいまして、これからは一つの、人的なものよりも監視体制の技術的な面で、強い指導といいますか、この経験を生かしてやっていければそれなりの効果があろうかと思いますので、いまのところ人員を云々ということについては考えておりません。 なお、あの地点では二、三週間前に水防演習をしたばかりでございまして、地元の方々もこうした河川周辺の関係につきましては非常に御理解をいただいて、御協力願っておりますので、一応それで対応ができるのではなかろうか、このように現在のところは考えているところでございます。
○中曽根国務大臣 調べてみますと、河川の監視員は五百二十名おるようであります。必要なところには人員は充実させておき、必要でないところから持っていく、そういう方針で、今後も必要なところには充実させていきたいと思います。
○中島(武)委員 建設大臣から十分だというようなお話がありましたけれども、現実をよく調べてください。やはりこれでは本当の堤防防衛、河川管理ということができがたいというのが現場の声です。人員だけではもちろんありません。人員だけではありませんが、同時に人員もふやし、また必要な協力体制なんかも確立をしていくということを私は強く要求しておきたいと思うのです。 それから、災害復旧予算の問題についてお尋ねしたい。 五十七年度の建設省の概算要求で、これは今年度よりも、今年度は二千三十八億円ですが、三〇%少ない千四百二十三億円を要求しているのはなぜか。えらいずいぶん少ない要求をしたなと思うのですが、どうですか、建設大臣。
○丸山政府委員 いまお話しのとおりの要求をしているわけでございますが、御承知のように、災害復旧は三年間でやることになっておりまして、五十七年度の概算要求は、五十五年度分の三年目と五十六年度分の二年目と五十七年に起こる災害の当年に執行すべき部分を要求したわけでございます。 それで、三割減っております主なる理由は、五十五年度発生災害の規模が被害報告額によりますと三千六百七十九億でございまして、五十四年度発生災害の規模が被害額五千六百十一億でございまして、約二千億そこで違いがあるわけでございます。その三年目の分で相当の減になる、これが主なる原因の一つでございます。 それからもう一つは、今年度の災害の発生の規模を当初約二千九百億と想定いたしまして、これは五十五年度の災害発生の規模三千六百七十九億に比べまして約八百億落ちているわけでございますが、これの二年度分の差が出ているわけでございまして、これらが主なる原因でございます。
○中島(武)委員 私がまたいろいろ聞いてみますと、一番低いところに視点を合わせて予算を組んだという説もあるわけです。どっちにしましても、ことしは過去十年間で一番大きな被害を受けている。大体、災害復旧予算に組まなければならない被害総額は六千億円だというように聞いております。六千億円以上でしょうけれども……。 いまもお話がちょっとありましたが、三分の二国庫負担で四千億円、初年度に三〇%、それから次年度に五〇%、最終年度二〇%ということになりますと、来年度に二千億円必要ということになりますね。ところが、そうなると六百億円不足するわけです。当然この六百億は来年度予算に組むと思うのですけれども、これは建設大臣に聞きたいのですけれども、この不足額六百億、六百億以上ですが、これは一体どうするつもりか。大蔵省に、別枠で災害復旧予算は六百億組んでくれ、こういうふうに要求されるのか、あるいは公共事業の枠内でこれは処理せんければいかぬなと考えるのか、ここはどうですか。まず、そこをお聞きしたい。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 すでに起きた災害対策でございますので、今後の問題として、予算編成時に財政当局と十分話をいたしまして対処してまいる所存でございます。
○中島(武)委員 大蔵大臣は、この問題についてはどういう見解ですか。
○西垣政府委員 いま建設省からお答えを申し上げましたように、建設省の要求では、五十六年度の災害の発生見込み額を実際の災害発生額よりも小さく見込んでおります。したがいまして、いまの予算要求の額では、五十六年度災害の復旧二年目の予算に不足を来すということは事実だろうと思います。 そこで、どうするかということでございますが、五十七年度の財政状況はきわめて厳しい、増税なしということで歳出の削減をしながら予算を組まなければならない、こういう状況でございますので、予算編成の過程におきまして十分慎重に検討して間違いないようにしたい。きわめて限られた枠でございますけれども、その中で十分検討しながら適切な答えを出したい、こういうふうに考えております。
○中島(武)委員 それはつまり適切では具体的でないからわからないのですけれども、基本的な方向というのは、やはり公共事業の枠内で見てもらいたいというのが大蔵の考えですか。そこのところをちょっとはっきりさせてもらいたい。それともこれは災害の予算なんだから別枠で全部大蔵が引き受けましょうということになるのか。そこです。いまの答弁ではそこがはっきりしない。
○渡辺国務大臣 どこの省もゼロシーリングを前提にしてやっておりますから、その中で、災害といりても公共事業に莫大な影響を与えるほど大きなものでもないし、やはりゼロシーリング前提ということになれば、既存の経費の中との行き来は考えられます。これは今後予算の編成までに決着をつける問題でございまして、いま確たることを申し上げる段階でございません。
○中島(武)委員 基本的にはゼロシーリングを維持していくというお考えですね。将来のことではあるが、そういう基本的な考え方だ。そうなると、先のことではありますけれども、私は今度は建設大臣に聞きたいのですけれども、大蔵の方がこれはゼロシーリングなんだ、災害復旧予算をふやしたらゼロシーリングは破れてしまうんだと言うてがんとしてやったときに、それはいろいろ交渉もするし折衝もするでしょう。折衝もするけれども、しかしどこか削らなければいかぬなと言ったときには一体どこを削るのですか。
○丸山政府委員 いま大蔵省からも御答弁がございましたように、これはこれから検討する問題でございまして、いまの段階でどこを削るとか、われわれの希望といたしましては削っていただきたくないわけでございますから、その辺はこれから財政当局と十分協議してまいりたいと思います。
○中島(武)委員 それじゃ、さらに進めて伺います。 治水関係はまさか削らないでしょうね。あるいは公園や下水道の関係、これも削らないでしょうね。あるいは住宅、これも削らないでしょうね。将来のことだからわからないわからないということでは、これは済まぬ問題なんです。これははっきりさせてもらいたいんですよ。
○丸山政府委員 いまも御答弁申し上げましたように、いまの段階で、どこを削るとか、どこを削らないとかいうことは申し上げられないわけでございまして、これから財政当局あるいは政府全体といたしましてこれは検討すべき問題だと考えております。
○中島(武)委員 きょうの日本経済新聞を見ますと、大蔵省は住宅金融公庫の貸付金利一%引き上げ、つまりこの行革関連法案で定められておる六・五%いっぱいいっぱいということを決めたという記事が出ているんです。そうすると、これは利子補給を一%下げる、やめるということになるわけであります。こうなりますと、もう事実上この話は住宅へしわ寄せが行ってしまうということになるんです。そこで大蔵大臣、これはそうじゃないんならないと、はっきりしたことを答弁願いたい。
○渡辺国務大臣 私は、大蔵大臣でございますが、こういうことを決めた覚えはございません。
○中島(武)委員 こういうことはやらないということについても言えますか。
○渡辺国務大臣 社会事情、経済事情、いろいろなそういう法律に書いてあるようなことを勘案した上で、政府全体としてどう決めるか、今後相談をして決めることでございます。
○中島(武)委員 これは事を進めていけば、の問題だからといってだけこの問題は逃げるわけにはいかない、いろいろな重要な問題が出てまいります。 そこでひとつ、これも大蔵大臣に聞きたい。 この道路予算は特定財源で大多数ができ上がっておるのです。結局どこかを削るというような話になってきて、公共事業から削るといっても、道路予算が先取りされてしまっている。これはまた一面言いますと、それは財政硬直化の原因にもなっているということであります。私どもは、必要な道路は一般財源から出すのがよろしいというふうに考えておるのですけれども、この間の臨調の答申によりましても、これは検討事項にはなりましたけれども、結局のところはどうなったか。道路その他の特定財源は自動車重量税を含むわけですが、そのあり方については幅広く検討する、こういう答申になって、財政硬直化の要因は、道路先取りの要因は相変わらずそのままになっているのです。これでは、いま言ったような生活関連のところが削られてしまうという危険性というのは依然として残っていくわけですね。大蔵大臣は、この特定財源の問題について検討しなければならないと考えるかどうか、これについても伺います。
○渡辺国務大臣 道路財源の税収見通しとか道路の予算の規模が明らかでない段階で、自動車重量税どうこうという話はいま申し上げることはできません。できませんが、特定財源制度というのは、資源の適正な配分ということの観点からすると、ときどきこれはゆがめられることもございます。財政の硬直化を招くという傾向を持っているということも否定できません。したがって、こういう事情でございますから、常にこれは検討を忘れるわけにはいかない、吟味する必要がある。今回、臨調答申においても、特定財源制度のあり方について幅広く検討する旨指摘がございました。したがって、これは文字どおり幅広く検討してまいりたいと考えております。
○中島(武)委員 幅広く検討というのは、本当によくわかりにくいことなんですけれども、もう一つ、災害復旧予算六百億ふえるということに加えて、国債費も千五百億以上ふえる。それから、人勧が実施されれば、これも来年度の話ですよ、来年度予算は当然ふえてくる。五・二三%の勧告ですけれども、五十七年度は一%しか組んでいない。まことに妙な指導を大蔵省はやっていると思う。来年度のことなんですから、八月七日ですか、最初に人勧があって、もうきちんとわかってしまっているにもかかわらず、一%しか組んでいない。四・二三%分はどうしたって組まなければならないという、そういう中身ですね。そうすると、この災害復旧、国債費それから人勧の実施というものを合わせますと、六千数百億円ふえるわけですね。一体これをどうするかという問題なんです。 私は、時間がないからちょっとはしょってお尋ねしますが、税収見通しがふえないということになれば、どこかを削らなければならないということになるわけですね。これを小さく組んでおいて、そのことによって、たとえば軍事費なり何なりいろいろな聖域のものをふやすという仕組みをつくっておいて、しかしいまここで現実に金を支出しなければならないということで、今度は生活関連のところにずばっとかけられてくるということになったら、これは大変な一大事だと私は思うのです。いまこの行特委員会で三十六本の法律についての審議をやっている。総額初年度で幾らか、二千四百八十二億です。それの二倍以上、三倍に近いような額が概算要求の段階でもわからないのです。そしてこれがどこか削り込んでいかなければならない。それが生活関連にかかってくるということになったら、これは重大問題なんです。実に国民は何もわからないで、この法律においてもわからない、概算要求の段階でもわからない、そしてそれだけは削り込まれなければならないということになったら、これは非常に重大な問題であります。大蔵大臣は、この点についてどうする方針なのかということを明確に答えていただきたい。
○渡辺国務大臣 お答えをいたします。 政府は、予算を組むに当たりましては、歳出のための財源が必要でございます。財源は、税金か借金しかありません、あるいは少しぐらい税外収入というのがございますが。したがって、財源が少なければ、少なく歳出を組む以外にはないのでございまして、歳出をふやして歳入を減らす方法はございませんから、やはりそれに見合った予算しか組めない。したがって、増税はやらないということになれば、来年の財政規模というものはまだ見通しがついておりません。 いまの段階では一応中期財政展望を頭の中に描いておりますが、もう少し先になって経済見通しができれば、そこで税収の見通しを立てまして、国債についてはやはり一兆八千三百億円程度は減額するという方針が決まっておるわけですから、そうすればその中に歳出をはめ込む以外に方法はないわけですから、やはり歳出を抑制していくということになると思います。
○中島(武)委員 時間が終了しましたが、これから先のことではありますけれども、いまの大蔵大臣の答弁、どこを削るかが問題なんです。生活関連のところは削らない。福祉や文教は削らない。生活関連は削らないということをきちんとはっきりさせて国民生活を守る必要があるのじゃないかということを強く要求して、私の質問を終わります。
○三塚委員長代理 これにて中島君の質疑は終了いたしました。 菅直人君。 〔三塚委員長代理退席、海部委員長代理 着席〕
○菅委員 この行革特別委員会において長いかなりの審議を尽くしてこられたわけですけれども、どうもこの間のいろいろな議論を見ておりまして、大きな問題がまだ十分に議論をされていないのじゃないかと思うわけです。その一つが、いわゆる地方分権の問題とこの行政改革をめぐる問題との関連といいましょうか、考え方についてです。 昨今、地方の時代ということが言われておりまして、いわゆる中央の政府と地方の政府との間でどういう仕事の役割り分担をしていくか、また、財源的な面でもどういう役割り分担、財源の分担をしていくかということが相当議論になっているわけですけれども、現実には国が七割の財源を得て、そして仕事の方は地方が七割の仕事をしている、その間に地方交付税ですとか補助金という形で国から地方にお金を流すという、そういう形になっていることはもう皆さんよく指摘をされているところです。しかし私は、やはり地方自治体というのが生活をしている人にとって一番身近なわけですから、地方自治体でやれる問題については、基本的には市町村なら市町村でやっていく、それがむずかしい多少広域的な問題は都道府県でやっていく、そしてそれがさらにむずかしい大きな問題ですとか外交問題については国がやっていく、そういう形での大きな意味での役割り分担が必要ではないかと思うわけです。 そういった本質的な意味での行政の構造について、中曽根長官にお尋ねをしたいのですけれども、いわゆる行政改革において、もっと地方分権というものを進めるという方向を打ち出すべきだと私は思うのですけれども、その点について長官、いかがお考えでしょうか。
○中曽根国務大臣 この問題は、いま臨時行政調査会におきまして、国と地方との仕事の見直しという点で勉強してもらっておるところでありまして、その結果を見守りたいと思いますが、原則的に地方の方にもう少し仕事を移していいのではないかと思っております。
○菅委員 一般的に積極的な御意見を伺ったのですけれども、現実には、今年度の予算を見ても、そのうちの約三〇%は国庫補助という形で補助金になっている。そして、その補助金を通していろいろな施策が行われているわけですけれども、この補助金がもたらしている地方分権に対する一つの欠点といいましょうか、非常な弊害というものがあちこちであらわれていると思うわけです。 たとえば最近いろいろな新聞等において、自治体の県知事ですとか市長さんたちがいろいろな提案をしているわけです。そういう中では、逆に補助金というのは地方の自治を奪っているんじゃないか、たとえば一つの建物を建てるのでも、もし財源ごと自分のところにあればそれで自分の好きなものが建てられる、いわゆる自治体の住民の希望に沿ったものが建てられるわけですけれども、補助金を取るためには、なかなかその地方の状況だけではなくて、こういう建物なら補助金がいま取れるけれども、こういう建物では取れない、また、二つ取るためには建物の構造そのものを補助金に合わせて決めていかなければいけない、こういった弊害があちこちで出てきていると思うわけです。 そういった点で、これは大蔵大臣にお聞きしたいのですけれども、いまのような基本的な財政の構造、つまり七割の財源を国が取って、三割が地方で、そして七割が財源の中から相当の割合を地方に交付金とか特に補助金という形で個別に流していくというやり方そのものに対して、この行政改革を機に大きくそれを変えていくことをやるべきだと思いますけれども、大蔵大臣の御意見を伺いたいと思います。
○渡辺国務大臣 それぞれの地方でそれぞれの地方カラーがあって、そのカラーを生かして自主的な生活圏をつくる、それは私は必要だと思います。しかしながら、文教、社会福祉あるいは公共事業その他の問題において、極端なことを言えば、大幅の財源を地方に回してしまって、どうぞ御自由にお使いくださいということになると、むだがなくていいようにも見えるけれども、自治体の首長によってはいろいろ好みがございますから、私はもうともかく公共事業が大好きだという人もいますし、私は社会保障で、ともかくいっぱい銭湯屡の券までまいた方がいいなんという自治体の長もいますし、府県や市町村によってそういうようなもので水準の差が非常に極端につく。道路はいい町だが、道路ばかりよくても学校はおんぼろだとか、学校はりっぱだけれども、とにかく教育には熱心だけれども、社会保障の方はさっぱりだめとか、これも余り極端に差がつくということは日本でも困る。 大体同じくらいの水準が保てるようなことがいいのじゃないか、そういうような点から考えると、補助金のむだは、むだといいますか、余り手続がうるさいとか、そういう点はかなり直したり、メニュー化をしたり、簡素化をしたりする必要がございますが、第二交付税のような形でもっと交付税をふやしちゃって、国は余り干渉しないというやり方はいかがなものか、そこらの兼ね合いの問題が一番の問題だと思います。したがって、こういう点は公正な機関で冷静に、効率的という問題も含め、いろいろと御検討をいただきたいと考えております。
○菅委員 余り積極的な御意見を伺えなかったのですけれども、この十月、きょう発表になったと思いますけれども、全国知事会ですとか全国の市長会ですとか、いわゆる地方六団体が行政改革に関する意見書をまとめまして、たしか先週、臨調の第三部会にこれを説明に行かれたというふうに伺っております。 その中に、いま私が申し上げたような都道府県、市町村から見たときの、もっと分権化を進めるべきだ、財源をもっと自治体に持っていくべきじゃないかということがいろいろ出ているわけですけれども、いま大蔵大臣もみずから指摘をされましたけれども、実はその補助金が一体どういうことになっているかということを一つだけ例を挙げてみたいと思うわけです。 お手元に資料が行っているかと思うのですけれども、道路改良事業という事業があります。この道路改良事業について、いま申し上げた地方六団体がまとめたものの中に、どのくらい補助金をもらうのに手続がかかるかということが出ているわけです。要望のヒヤリングから始まって、認可申請があって、そうして交付申請、変更認可申請等等七段階に分かれて、そうしてどのくらいの人手がこのあらゆる書類をつくるのにかかるかというのが、次のページの右の一番下といいましょうか、右の端に所要人員という形で書いてあるわけです。何とこの手続を行うのに延べ人員にして二千二百六十人、補助金をもらうために、また後の報告に行くために人手がかかっているということが指摘をされているわけです。 実は、これは道路だけではなくて、あらゆる行政の補助金について、たとえば港湾整備であれば運輸省関係、農道であれば農林省関係でこういうことが行われているわけです。そういう点で建設大臣にひとつお聞きしたいのですけれども、これだけの複雑な手続をして補助金をそれぞれの地域に落としていくというやり方、果たしてこれが効率的な行政と言えるかどうか、具体的には道路の問題ですから、建設大臣からお答えいただきたいと思います。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 一見、事務手続はこの活字を見ますと非常に複雑のようでございますけれども、一応いままでのところ合理化、簡素化については詰めて、現在のような形になっておるわけでございます。御案内のように、公共事業関係、道路につきましては、地域によってそれぞれニーズも違いますし、価値観も違いますし、社会的環境も違いますので、あらゆることを精査してやらなければならないという問題と、公金を使うという受益者あるいは発注者等事業主体がそういう形になっておりますので、責任体制上からもどうしても念には念を入れるという形に相なろうかと思います。 具体的なことにつきましては、担当者からなおお答えを申し上げたいと思います。
○菅委員 それで結構です。 いま大臣みずから地域によっていろいろな差があると言われた。道路を引くのに、山が多いところ、海のそばのところ、いろいろあるわけです。地域によっていろいろな差があるわけですから、本来財源そのものを交付税の形なり、または財源そのものを移管して地方が持っておれば、こんなややこしいことをやらなくても地方自身の力でやれる部分もかなりあると思うわけです。そういう点では、まさに地方がやるべきものまでも国が抱え込んでいるために、こういった補助金という形で非常なむだが起きている。 たとえば、これはこの五月のある新聞ですけれども、自治体の職員に一体どういう業務に忙殺されているかという質問をしたことに対して、国や県への補助金申請事務というのが何と三六・九%で、自治体の事務の最大の仕事になっているというのが現実に出ているわけです。そういう点では、私はそういうことを大きく変えていく必要があると思うわけです。 特に、一つだけ自治大臣がおられますのでお聞きしたいのですが、最近一部の論調の中に、道州制の導入の問題が新聞紙上などで多少議論になっております。この考え方は、全部国に集めてしまって、細かい自治体ではなくて、全部大規模な道州制に変えていくことがより効率的だという全く誤った考え方に立っている。それではまた国と同じような補助金制度とかなんとかでやらざるを得なくなる。そういう意味では、道州制というものについては全く方向が逆であって、いま申し上げたように、補助金の廃止なり交付税に変えていくという方向がこれからの自治体にとってどうしても必要だと私は思うわけですけれども、自治大臣の見解をお願いしたいと思います。
○安孫子国務大臣 道州制の問題は、単に区域の問題じゃなくて、いかにそこに権限を付与するかという問題がきわめて重要な問題でございますので、もし考えるといたしましても、それとの関連において考えなくてはならぬ問題だ、こういうふうに思っております。
○菅委員 いまのお答えをどう受け取っていいのかあれですけれども、道州制の問題というのは、地域の広さの問題ではなくて、まさにその自治体の持っている本質的な、ある意味では民主主義の本質的な問題ですから、これはどうしても逆方向であるということで、ぜひそういう立場で自治大臣にもがんばっていただきたいと思うわけです。 先ほど大蔵大臣は、いろいろな地域によって、首長さんに、いわゆる知事や市長に任せておけばいろいろな意味で差が出るということを言われました。 ここにもう一つ資料をつけてあります。これは都道府県の歳入の決算の五十三年度と五十四年度の部分です。これを見ますと、この七番目のところに普通建設事業支出金という項目があります。これは自治省がまとめられたものですので、必ずしも建設省関係だけではないわけですけれども、都道府県段階で建設に係る項目の中で国が支出してくれたお金、土木費に対する補助ですね、それをまとめたものであるわけです。これを見ていただけると、どこがトップになっているか。トップは北海道で、たとえば五十三年度ですと二千五百二十三億何がしになっている。第二番目が東京都で千六十一億幾らになっている。三番目が新潟の千三十億幾らになっておる。北海道は大変広い地域ですからかなりかかるのはわかるし、東京も人口が非常に多いわけですからわかるわけですけれども、たとえば富山に比べても、新潟のこの金額というのは二・五倍にも上っている。ほかの府県と比べていただいても、三倍や四倍というところはたくさんあるわけですね。果たして一体どういう理由でこんなに国の補助金が大きくなるのか。これは建設関係が大部分ですので、建設大臣にその理由をお聞かせいただきたいと思います。
○丸山政府委員 建設省関係の公共事業費の配分に当たりましては、地域のニーズに適切に対応できるように、地方公共団体の要望をもとに各地域の公共施設の整備状況等を勘案して行っております。 たとえば、道路につきましては、都道府県別の人口、面積、道路の整備状況、交通量及び事故件数等を総合的に勘案して、全国的に均衡のある配分を行っているところであります。 いま御質問のありました新潟県についてでございますが、新潟県につきましては、五十四年度の建設省関係補助事業の配分について見ますと、人口当たりで第七位、面積当たりでは二十六位でございます。
○菅委員 データのとり方は、道路だけとかいろいろなとり方があると思いますけれども、少なくとも自治省がまとめられたこのデータによれば、絶対額で第三番目、そして一人当たりの費用も、同じような財政状況のところ——これは財政状況によって補助金のシステムが違いますから、たとえば富山と比べてみても、五十四年度で一人当たり三万八千五百八十五円が富山です。新潟は何と四万七千百三十二円になっている。大体同じような傾向が一人当たりにしても出ているわけです。一人当たりですね。 そういうことを含めて私が申し上げたいのは、個別の問題をいま取り上げましたけれども、つまり差をつけないためにやっていると大蔵大臣は言われましたけれども、実際上は政治力ですとかいろいろな力によって相当の補助金が左右されているというのは国民ほとんどがわかっていることだと思うのです。ですから、私は、予算をすべて地方に移す必要はもちろんないけれども、本来地方で使われるべきものは地方に移してしまって、その地方の中の議論としてやられることの方がより公平になるのではないか。先ほど大蔵大臣は差を縮めると言われましたけれども、政治力によって差がどんどんできたのではおかしくなってしまうのではないか、そういうふうに思うわけですね。(発言する者あり) そういう点で、分権の問題についてもう一言あれをしたいのですが、なかなかきつい質問ですからいろいろとやじが飛んでいるようですけれども、今回、たとえば参議院の全国区に立候補した人が自民党にもかなりおられるわけです。その中の多くが、たとえば農林省から何人、建設省から何人という形で出てこられた人です。つまり補助金というものが果たして国民のためだけを考えて出てきているのか、それとも、やはり政権の維持といいますか、自分たちの票田の培養に大変な効果を上げている——(発言する者あり)これはよく言われることですけれども、そういう面が余りにも強過ぎるのでは、補助金の本質的な意味が違ってしまうのじゃないか。そういう点でも、私は分権的な方向に進めるべきだと思うわけですけれども、まとめて行管庁長官に、補助金というものが、本来目的としている目的に効果を上げるのではなくて、ほかの方面の効果を期待をして決められているのじゃないかという問題について御意見を伺いたいと思います。
○中曽根国務大臣 補助金について考うべきことは、一つは各地域地域の住民のニーズに適合するようにやるということ、それと同情に、やはり全国的な整合性、公平性を確保する、両方が要請されていると思います。いままでの補助金の分配状況を見ますと、それは場所によっては多少のこともあるところもないとは言えませんけれども、大体において、いま補助金を配分するについて基準としている線に適合して各省ともやっているように思います。
○菅委員 最後に、最後といいますか、この問題に関連しての最後に、大蔵大臣にお聞きしたいのですが、非常に心配している問題としまして、今回のこの臨時国会にかかっている法案の中身、これも大変大きな問題がありますけれども、率直に言いまして、これからの方がもっともっと行政の構造に肉薄をしていかなければいけない問題があるのではないかと思うわけです。それは、いま申し上げた補助金の問題、また分権という方向もそうなんですけれども、どうも最近の傾向を見ておりますと、いわゆるこの国会なり次の通常国会までいろいろがんばられて、精いっぱいやった、これ以上やったら自分たちの足元を崩すことになるからということで、行革を一種の言いわけにして、もうこれ以上やるわけにはいかないから、あとは増税だというふうになるのではないかということを心配をしているわけですけれども、いわゆる行政改革を精いっぱいやったけれども、これ以上は無理だからという言いわけでもって増税に向かうことがあってはならないと思うわけですが、そのあたりについて大蔵大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○渡辺国務大臣 私といたしましては、増税が好きな大蔵大臣というのはいないと思うんですね。私も増税は好きじゃないのです。好きじゃないのですが、ともかく非常に歳出の要求が強い、法律等も必要であったので間に合わなかったということで、五十六年度は一兆四千億円に近い増税をお願いしたことは事実でございます。しかしながら、今度は増税をやらないで、歳出をカットしたり抑え込んだり簡素化したり、そういうことで財政再建をやれという御要求が強いと私は見ておりますので、極力法律の手もかりて、そのためには国会議員の皆様の御賛同が必要ですから、今回のような法案もお願いをして、歳出をカットすることで予算の編成をやっていきたい、そういうことでやることでございます。したがって、増税は頭のすみっこにもございません。
○菅委員 増税について頭のすみっこにもないということを大蔵大臣言われましたので、それを信じまして、この問題についての質問を終えて次に移りたいと思います。大蔵大臣、建設大臣、また自治大臣、ありがとうございました。 次に、情報公開という問題について、二、三お尋ねしたいと思います。 情報公開の制度については、これまで総理府が取り組んでこられ、現在は行管庁に移ったというふうに伺っておりますけれども、アメリカなどではいわゆる情報自由法という形で法律ができて、ある意味では行政の中身が非常に国民の前にオープンにされてきている。私は、行政改革という問題は、もちろん財政再建の手段の一つでもありますけれども、より大きな意味で国民が行政に信頼を持てるかどうか、やはりそういう意味では行政が適切に行われているということを知ることができるかどうか、つまり秘密にやっておかしなことになっていないかどうかという点で、情報公開というのは、現在大変に大きな必要性があると思うわけです。現在行管庁で概算要求でも二千万円ほど要求をされておりますけれども、この情報公開制度に対する取り組みの進展状況について長官にお尋ねしたいと思います。
○中曽根国務大臣 情報公開の方向は歴史の趨勢である、そう考えて、前にも本会議や委員会でしばしばお答えいたしましたが、その線に沿って鋭意いま研究しておるところであります。 来年度も二千万円の予算を要求しておりますけれども、これはどういう基準でそれが行われるのがよろしいか、あるいはどういうものを公開しないのがよろしいのか、あるいはその手続はどういうふうにするか、あるいは情報の保管というものはどういうふうにしたらいいのであろうか等々について、いろいろ研究をするための会議費やそのほかの費用として計上しているわけであります。
○菅委員 歴史の趨勢ということですから、歴史が前に進むに従ってこの制度ができ上がっていくということを期待をしたいわけでありますけれども、一つ具体的に、この数カ月の間に私自身が国会の審議を通して取り組んだ問題でもありますけれども、いわゆる中央薬事審議会の公開の問題について厚生大臣にひとつお尋ねをしたいのです。 これは他の委員会においても、基本的には公開をしていくという方向について努力をするということを言われておりましたし、またこれに関連をしまして、新しい委員を相当に入れかえるということが新聞などで報道されておりますけれども、中央薬事審議会の公開をどういう形でやろうとされているのか、またそれにあわせて中央薬事審議会のメンバーを大幅にかえるということは事実なのか、もし事実とすれば、大体いつごろまでに新しいメンバーの任命をされる予定なのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 まず、薬事審議会の審議の経過等についての公開問題でございますが、私は二つ考えているのでございます。 一つは、やはりそれぞれの委員が自由濶達に話ができるということ、そして大いに論議を闘わしていただくということでございます。したがいまして、一人一人の自由なる意見を拘束するような形の公開は考えていないのでございます。 第二番目は、言うまでもございませんけれども、企業秘密に関する問題、これは公開できないと思っております。それ以外の問題につきましては、できるだけ学界の人たちの批判を十分受けるように——いろんな批判があると思います。また一般の国民の方々に、やはり公正に行われている、こういう観点からできるだけ審議の経過並びに結論、どういう理由か、こういうことを公開してまいりたい、かように思っているところでございます。 それから、第二番目の委員の改任の問題でございますが、これは今度の十月で大体改選の時期が参ります。ずっとながめてみますと、内閣の方針であります、たとえば四年任期の場合には二期ぐらいにしなさい、三年任期の場合は三期ぐらいにしなさいということになっております。この薬事審議会の委員の任期は二年でございますので、四期ということになるわけでございます。 そこで、いままではこの専門家が非常に少なかったために、その内閣の方針は守ってきたのでございますけれども、やはり本委員と臨時委員の入れ繰りというような形でやりくりしております、実際問題といたしまして。したがって、今度はやはり委員については思い切って改選したい、厳格に内閣の方針を守りまして。そうしていやしくもその人事の公正について疑われるようなことがないようにしたい。これは十月末が任期の期限でございますので、それが過ぎましたらやってみたい、かように思っているところでございます。
○菅委員 審議の経過、結論の公開ということを大臣の方からいまお約束をされましたし、また新しいメンバーの構成についても、いわゆるいろんな問題で疑われることがないようにということを言われましたので、それについては、これからの具体的な進展を見守っていきたいと思います。 もう一つ、この行政改革とこれからの福祉のあり方について、幾つか特に医療問題を中心にお伺いをしたいわけでありますけれども、つまり福祉の問題として、いま医療費が大変たくさんかかっております。その中で厚生省は、医療費適正化という項目の中で千百七十億円の削減ができる、したいということを今回の概算要求の中に出されています。その中でどういう形で適正化を行うかということをいろいろ聞きましたら、薬価の問題、レセプトチェックの問題、医療費の通知の問題、監査、高額医療機器の共同利用などということであります。 きょう、前の草川委員のときにも薬価の問題がかなり議論になっておりましたけれども、せんだって薬価基準を一八・六%大幅に引き下げられたわけですけれども、果たしてこの薬価の引き下げがいわゆる薬価差益というものをどの程度なくしてきたかということについてここにデータをつけておりますけれども、ひとつ見ていただきたいと思います。 この最後の資料、これは大阪府保険医協同組合というところが、その組合員といいましょうか、お医者さんに向かって出しているいわゆる薬価のパンフレットです。これを見てみますと、いろいろなのがありますけれども、たとえばナンバー1という最初のアモキシシリンカプセルというこの薬は、薬価基準としては九十円であるけれども、単価は十九円だ、つまり薬価基準に対して何と七八・九%も、ダンピングというよりはそれだけの差益がそこに残るような形で売られている。七番目のものも六七%の差益になり、八番目のものも六五%の差益、そういった六〇%から八〇%を超えるような差益のものがまだまだたくさんあるわけです。 そういう点で、これまでの薬価基準の決め方が、これは何度も議論をされてきたことですけれども、今回もまだ実勢の価格に対して的確な形になっていないんじゃないか。そういうことを含めて、この余りにも大きな薬価差益を生み出していることに対してどう対処するか。さらには薬価の算定方式を見直すということが少しずつ伝え聞かれておりますけれども、薬価の算定方式、九〇%バルクライン方式を見直す予定があるのかどうか、厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○村山国務大臣 まず薬価そのものでございますけれども、六月一日薬価ベースで一八・六%引き下げたことは、もう御承知のとおりでございます。われわれが考えておりますのは、公正な取引に基づく実際の市場価格の実勢、それをもとにして、それで薬価基準にいたすわけでございます。そういう意味で、前回の改正に当たりましては非常に慎重な調査をいたしまして、それで改定したところでございます。 おっしゃるところのまだ差益があるじゃないかということですが、私たちは大体卸売市場の実勢価格を見ているわけでございまして、卸売市場から大体医療機関は買っておりますので、そこがキーポイントになるわけでございます。おっしゃるマージンというのがどういう意味なのかよくわかりませんが、もし製薬会社の原価に対する利益であるとすれば、それはわれわれその点は触れていないのでございます。その点は税金の話でやります。(菅委員「薬価と販売単価の差益です」と呼ぶ)ですから、いま言ったように、実際の取引価格を詰めていくということでございます。まだ私は十分であるということを断言するだけの自信はございません。しかし、あくまでも実勢価格を詰めていく、こういう姿勢でおるわけでございます。そして、この前もお話し申し上げましたように、年一回やりますということを言っておりますので、ことしじゅうにはそれを実施したい、かように考えているところでございます。 その次の薬価算定の方法についてどういうふうに考えているか、こういう御質問でございますが、これは、実は中医協の方にも保険局長を通じましてこのあり方の検討をお願いしたところでございます。いずれこれに対する中医協における——各方面の権威がおられますので、十分審議して答申が出されることを期待しておるわけでございます。それが出ましたら、その方法でやっていきたい、かように思っているところでございます。
○菅委員 これも関連する問題として、薬価の問題、また算定方式の問題でもうちょっとお聞きしたいこともあるのですけれども、これに関連して、これは大臣なり事務当局でもいいのですけれども、たとえばことしから来年への医療費の伸び、これはこの医療費適正化の問題などを含めてそれなりの見通しを持っておられて、こういう数字を出してきておられると思うのですけれども、大体どのくらいの伸びを見通されているわけですか。
○村山国務大臣 いま概算要求の段階では、三%くらい適正化を図っていく、それによりまして最大限度でも九%以下に抑えたい、こういう考えを持っているわけでございます。
○菅委員 私は、そういった医療費のむだなものを省いての伸びを抑えていくという考え方には、福祉の資源というものを有効に活用していくという上でぜひ必要だと思うわけですけれども、しかし医療費が九%伸びるときに厚生省の予算がゼロシーリングである。つまり医療費は九%、まあ物価よりちょっと多いくらいふくらんでいく、そして国の予算ベースではほとんどゼロでいく。そうすると、どこかで国がいままで負担をしていた割合と同じだけの負担ができなくなってくる。この臨時国会なり次の通常国会で予定されていると言われる国保の補助金の五%カットの問題なども、確かに国の費用はゼロシーリングかもしれないけれども、医療費はゼロシーリングになっていないわけですから、結局その差額をどこかに振り向けていく。その振り向ける先が自治体であったり、国民に対しての税金ではないけれども、保険料という形になっていくんではないか。そういう点で私は、その九%の医療費の伸びとゼロシーリングとの間の負担を一体どこに持っていかれようとしているのか、大臣の考えをお聞きしたいと思います。
○村山国務大臣 医療費の伸びは、これは当然増の問題でございます。したがって、先般改定いたしました医療費の点数、これをそのままという形で考えているわけでございます。 ただ、人員の増と単価の増があるわけでございます。何で出てくるかと申しますと、やはり人員の増は、これは人口がふえること、特に老齢化が進んでいるからでございます。単価の方は同じ点数にいたしましても、だんだんと老齢化が進んでまいりますと、やはり一人当たりにかかるものはふえてまいります。それから高度の医療をいま保険の方にどんどん吸収しております。したがって、そういうことにもなりましょうし、疾病構造の変化は、もう死因でおわかりのように、成人病がほとんど圧倒的なウエートを占めまして、合わせますと恐らく七〇%になっているわけでございます。成人病というものが非常に医療費がかかる、そういう性質のものでございます。 したがって、何もその医療費の増というものは、これを医療費の改定によってやろうということではございませんので、いわば人員の増と単価の増でございます。それをどういうふうにしてゼロシーリングの中でやるかということでございますが、もう皆さん御案内のように、今度出しておるのもその中の一つでございますし、それ以外にも、医療の適正化によりまして千百七十億であるとか、あるいは自治大臣といろいろ御相談申し上げて、何とかひとつ地方の方も役割り分担ということをお願いできないであろうか、あるいは高額医療の限度がもう五年間据え置かれているわけでございますから、そういった点も考えていったらどうか、こういったことで、あれやこれやと全体を見直しまして、しかも福祉水準が後退しないような杉でこのゼロシーリングをやろうということで非常に頭を悩ましておるわけでございまして、御提案のようなことをやりたいと思っておるのでございます。
○菅委員 これは行管庁長官にもぜひよくお聞きいただきたいのですけれども、この地方六団体からの意見書の中にもあるわけですけれども、いわゆる補助金の問題、先ほど取り上げましたけれども、補助金は残す、いわゆる財源は国が持っておく、権限も国が持っておく、仕事もそのまま残すけれども、負担だけは、事務事業の廃止を伴わないで補助金だけをカットすることを行ったら、これは行政改革といっても、国全体で見れば、結局はこちらのツケをあちらに回しただけで、本当の意味での行政改革には全然なっていないと思うのです。 そこで、私は一つだけ提案を含めてあれをしたいのですけれども、いわゆる予算のゼロシーリングという考え方だけではなくて、大変にむだがあると言われている医療費そのもののゼロシーリングということを考えられないか。本年度で大体十三兆円の医療費がかかっている。そのうちの三十数%が薬代で、その薬に対しても相当の飲み残し等のむだがあり、また先ほど申し上げた薬価差益の問題をめぐっていわゆるむだな薬が大量に売られているということは、もう何度も指摘をされてきたことですけれども、では、その十三兆円という医療費を、九%まではいかなくても、ぎりぎりでも物価上昇率なり賃金上昇率の手前ぐらい、何とかそのあたりで抑え込む、そういうやり方を考える必要があるのじゃないか。つまり外枠を囲ってしまえば、いままでむだに使われていたものからもっと有効なものに組みかえということが同じ医療の費用の中で議論が起きてくると思うわけです。 その点で大変に参考になるのは、西ドイツでせんだって行われた医療費総抑制法という法案があることは厚生大臣はもちろん御存じだと思いますけれども、つまり医療費の総枠を大体このあたりでいこうということを日本で言う医師会と支払い者側が契約をして、それを推し進めてきた。私は、日本でもそういった方向を推し進める必要、そういったことを検討していく必要があるのではないか。こういった点について厚生大臣に、西ドイツの医療費抑制法そのままではないにしろ、そういった考え方でたとえば制度化をしていくようなお考えがないかどうか、またされたらどうかということをお尋ねしたいと思います。
○村山国務大臣 いま西ドイツの例を挙げられたわけでございますが、国のいろいろな医療費の支払い方式につきましては、それぞれの国の現実の医療体制それから保険者の関係、そういった関係が大きく響くわけでございまして、直ちにそれを取り入れることは可能であるかどうか、そこは非常にむずかしい問題だと思います。 この間も西ドイツの厚生労働大臣がお見えになって、その辺をいろいろ議論したわけでございますが、御案内のように、あそこは州制度でやっておりまして、いわば保険医の方も——これは病院は入っておりません。こちらで言う開業医さんでございますけれども、ほとんど州ごとにまとまっておる。それからまた、医療団体の方も大体州ごとにまとまっておって当事者能力を持っておる。日本は御承知のように、もう保険団体が五千以上あるわけでございます。そしてまた、一般診療というものは長年の伝統がございまして、いわば自由開業ということでずっとなれておるわけでございます。そういう医療体制が全く違う。その意味で言いますと、日本は非常にかかりやすい性質を持っておりまして、向こうは、聞きますと、大体開業医さんに行くと、それは次に病院に行く一つの通路みたいになっておる。日本は、大部分は開業医さんの方で間に合って、それでどうしてもより精密な治療を必要とする、あるいは診査を必要とする者が病院に行くわけでございます。だから、そこは一長一短であろうと思います。だから、日本人が今日世界で一番長生きになったというのはいろいろな原因がありましょうけれども、やはり医療の進歩それからまた医療機関の配置の仕方あるいはできるだけ医療に良心的なお医者さんであればしっかりやれる、この体制も大いにあずかって力があると思うのです。 したがって、私たちがいま考えておりますのは、その支払い方式の長所を生かしながら、いかにしていわゆる一部の人から出てくる不正あるいは不当な請求であるとか、あるいは過剰診療であるとか、そういったものを是正するか、それに懸命な努力をしていきたい。それには何といっても医者と患者の信頼関係、これを基礎にいたしまして、そして一部その信頼を裏切る人に対しましては、的確な審査あるいは医療費の通知を励行いたしまして、厳正な措置をしていくというのが一番いいのじゃないかと私は考えているのでございます。
○海部委員長代理 菅君、時間が終わっておりますので、簡潔にお願いいたします。
○菅委員 いまの厚生大臣の御返事、よくわかりましたけれども、つまり医療費の総枠制をつくれば、お医者さんの中でも、いわゆる余り変な人がいると自分たちの取り分が逆に今度は相対的に減ってくるわけですから、外枠が決まるわけですから、そういう意味ではお医者さんの中でもそういった悪いといいましょうか、問題のあるお医者さんに対しての自律的な抑制といいましょうか、そういうことになってくるのではないかということと、もう一つ、西ドイツの場合もやったわけですけれども、いま一点十円という制度が厚生大臣の告示事項になっているわけですけれども、その一点十円を最終的なときには単価をフロートさせるということも含めて、厚生大臣には権限があるわけですから、そういった点では、この制度についてぜひもっと真剣に御検討いただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○海部委員長代理 これにて菅君の質疑は終了いたしました。 明二十二日午前十時より公聴会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十九分散会