環境委員会 第1号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/10/27
会議録
○山崎委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事戸沢政方君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの戸沢政方君の辞任による欠員のほか、理事でありました粕谷茂君が去る五日委員を辞任されておりますので、現在理事が二名欠員となっております。この補欠選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に 近藤 鉄雄君 及び 玉生 孝久君 を指名いたします。 ――――◇―――――
○山崎委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 環境保全の基本施策に関する事項 公害の防止に関する事項 自然環境の保護及び整備に関する事項 公害健康被害救済に関する事項 公害紛争の処理に関する事項 以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました ――――◇―――――
○山崎委員長 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野口幸一君。
○野口委員 まず、大臣にお尋ねをいたします。 昨年の十月二十四日、本委員会におきまして、私どもの同僚の土井たか子議員が質疑をいたしました空きかんの回収問題につきまして、それに関連をいたしまする若干の質問をいたしたいと存じます。 初めに、昨年六月、環境庁の中に空きかんの回収問題に関する対策としてプロジェクトチームができたという御答弁があり、さらにまた、当時の環境庁長官官房審議官石川さんからも、空カン問題検討会を設置し、まずはその実態把握を行う旨の御説明があったわけであります。 それの中間的な締めくくりとしてといいまするか、その一定の目標期限というのを昨年末に置かれておるわけでありますが、その昨年末時点におけるそれらの審議の模様、中身といいまするか、できれば一できればと言うよりも、むしろ長官の御答弁では、その時点において対策の大綱を取り決めたい、こういうような御意思の御発言もあったわけでありますから、その点について、どのような状況に今日あるかということをまずお聞きをいたしたいと存じます。 そこで、その内容につきましては、もう私から申し上げる必要もないと思いまするが、まずは、その際に言われましたことは、全国の環境モニター一千五百人に対して、散乱の実態と防止策の意見を聞きたい、また、全国三千三百の市町村に対してこの空きかんの散乱の実態と汚染の現状、それに対する対策の有無、さらに、それらに対しての問題点について集計をしたい、その結果について、いわゆる解析を含めて、この際、これは政府委員で結構でございますが、説明員でも結構でございますが、御説明をいただきたいと存じます。
○鯨岡国務大臣 お答えいたしますが、空きかん問題は、私が就任をいたしました去年の七月、どういうことが問題かなと思っていろいろ考えているうちに、これは空きかん問題というのは大変なことだ、何せ一年間に百億本ですから、そのうちの三十億本ぐらいしか再資源に回らずに、七十億本というのはそのまま使い捨てというのですから、資源の問題としても大変だし、また環境の問題としてはわれわれの方としては見逃すことができない、こう思いまして、どういうふうにやったらいいのかということで、わが役所の中でいろいろ検討しているときに、いまお話しの土井委員から御質問がありまして、そのようにお答えをいたしました。 その後、やはりこれは業者にもひとつ考えてもらわなきゃならぬと思いまして、業者に会う機会がありました。そして、業者の方も知恵も出せばお金も出してひとつ考えてもらいたいということを私から要請をいたしましたときに、業者の団体から、この問題について官の方に何か言おうとしても、いろいろ部門があって、どこへ言っていいかわからぬ、できれば一本に窓口をまとめてもらえないかという話がありましたから、わかりました、私どももそう考えておりましたから、それはやりましょう、そのかわりあなたの方も私の言い分を聞いてくださいというようなことがありまして、それで十一省庁が集まって検討会を開いて、窓口を一本にして、民間の方から来た話はそこで受け取る、そしてそこはもう常に会議を開いて前向きにいろいろ検討していく、こういうことで、いま先生いろいろおっしゃいましたようなことを今日までやってまいったわけであります。おかげさまで、委員の先生方の御協力もいただきながら、全国的大きな問題になりました。 きょうなどは、たまたま関東知事会が静岡県に会してこの問題についての会議を、最終的な会議と聞いていますが、それを開くということでございます。私はその熱心な態度に対して敬意を表する電報を先ほど打ってきたのでございますが、去年と比べて、これだけ騒いで、どれだけの成果があったろうかということを、去る九月一日の時点で調査をしてみよう、こういうことで調査をいたしました。 調査をいたしました結果は、とにかく膨大なものでございますのでまだまとまっておりませんけれども、十一月の声を聞けば概算のことはわかってくるのではないか、こう思います。そして、私の感じでは前よりはよくなったのじゃないかな、こう思うのですが、それでも国会の行き帰り見てまいりますと、道路の安全地帯みたいなところにはいっぱいありまして、きょうなんかも国道四号線の周りには勘定し切れないぐらいあるのですね。とてもこれは尋常一様のことではだめだという感をいま深くしているわけであります。 いままで十一省庁の会議で決まった問題といいますか検討しつつある問題については、後刻政府委員の方から答弁させていただきますが、かくして大変な騒ぎになっております。そして、空きかんを拾う運動なんというのが、子供会から婦人会から老人会から町会からあるいは工場、いろいろなところでそういう運動が行われております。そういうことは報道機関を通じてニュースになって出たり、あるいは私の方で調べたりいたしまして、ずいぶんそういうのがありますが、そういうところへ全部私は礼状を出してまいりました。ことしはその礼状の名前のサインをするだけでも、大変な時間を費やしてやってまいりました。話は大きくなって大変だ大変だということにはなってきたのですが、この大変だをどう縮めていったらいいのかという問題については、申しわけありませんが、こう縮めたらいいということにはまだ至っておりませんけれども、鋭意検討しておりますことだけを申し上げて、お答えといたします。 いままでの経過については政府委員から答えさせます。
○大山説明員 お答えいたします。 いま先生から御質問のございましたアンケートでございますが、これは昨年の九月に実施いたしたものでございまして、いま長官からお答え申し上げましたように、本年の九月、ちょうど一年後ということで、また同じような調査を実施いたしております。それが現在集計中ということでございます。したがいまして、この一年間のいろいろな運動等につきましてどういう効果が上がったかというのは、今度の調査でわかるということでございます。 昨年の調査につきまして概略を申し上げますと、主な内容でございますが、環境モニターのアンケートにつきましては、空きかんの散乱場所、それから屋外での空きかんを始末する方法、空きかんの投げ捨て経験のあるなし、あるいは投げ捨て理由、こういったようなものを調べたわけでございます。これは調査対象が千五百人でございまして、回収率が九五・五%ございました。かなり高い回収率でございました。 空きかんの散乱につきましては、この一年間で捨てられているのを見たというのが八〇%ございます。これはどういう場所で見たかということは、一般道路またはその周辺、あるいは住宅付近の空き地や山林、あるいは行楽地の周辺、こういったところで見たということでございます。 それから、こういうかん容器に入った飲料についての利用ということでございますが、これにつきましては、自動販売機で手軽に買えるという理由を挙げたのが三三・一%、持ち運びが非常に便利だからそれを買っているというのが三〇%、あるいはかんに入ったまま飲める、食べられる、これが一四・五%、こういったようなことでございます。 それから屋外での空きかんの始末の方法でございますが、ごみ箱に捨てるというのが六九・八%、約七割の方がちゃんと捨てているということでございます。それから家まで持ち帰っているとしうのが二五・六%、それからその辺に捨てる、人目につかないところに捨てる、こういったようなのが二・三%あったわけでございます。 それから、投げ捨て経験があったかないかということでございますが、決められたところ以外に捨てたことはないというのが七一・五%、一、二回ぐらいは捨てたことがあるというのは二三・八%、三回以上捨てたというのが四%ございました。 それから、投げ捨てた理由でございますが、近くにごみ箱がなかったからというのが四三%、それから自動車に乗っていて始末に困ったというのが一四・六%、ごみ箱や家まで持ち運ぶのがめんどうだからというのが一一・九%、あるいはごみ箱がいっぱいだった、あるいはみんなが捨てていた、人目につかないと思った、あるいは特別な理由はない、こういったような理由で捨てられているのがございます。 それから、清掃方法についての意見ということで、市町村、メーカー、販売業者、ボランティア、土地管理者、こういったものがみんな一体になってやればいいのじゃないかという考えを持っている人が二七%、それからメーカー、販売業者に義務づけたらいいのじゃないかというのが一八・二%、市町村、メーカー、販売業者にやらせるのだけれども、これは足りないところをボランティア活動を足した方がいいのじゃないかというのが一〇、五%、市町村、メーカー、販売業者、これらが共同でやった方がいいのじゃないかというのが八・四%、そういったことでございます。 それから、未然防止策についての考え方でございますが、子供のころからの教育のしつけをきちんとすべきであるというのが三二・八%、メーカーや販売業者に買い取り義務をつけさせたらいいのじゃないかというのが二七・一%、それからごみ箱をふやした方がいいのじゃないかというのが一五・八%、あるいは立て看板等PRをしっかりやるべきである、あるいはもう少し罰則を加えたらいいのじゃないかという意見もございました。 昨年の環境モニターのアンケート結果は大体このようなことでございます。 それから同時に、昨年地方公共団体に対する調査もいたして、散乱状況というのを調べてあるわけでございます。
○野口委員 数を言わなくて、そういう結果に基づいて解析をひとつやってもらいたい。どういうことだったからどう考えているか。中身の説明は要らない。数字だけでなくて……。
○大山説明員 地方公共団体のアンケートの側から申しますと、半数以上が問題視される場所があるということでございますので、これはやはり対策というものは講じる必要があるということでございますが、その場所等につきましては、やはり道路周辺あるいは市街地あるいは行楽地、こういったようなところでございますので、こういったところに対する対策、こういった散乱場所がこういう場所であるということを十分頭に置いた対策というものが講じられる必要があろうかと思います。 それから、散乱の防止等につきましても収集かごの設置あるいは立て札、広報車、車等における呼びかけ、あるいは持ち帰り袋というものの配布、こういったものがいろいろいいのじゃなかろうかということが出ておりますが、こういったこと等もあわせまして、環境モニターの調査結果と地方公共団体のこういう調査結果とあわせながら、具体的な施策に生かされるようにわれわれも検討してまいる必要があろうかと思う次第でございます。
○野口委員 いまお聞きしましたが、内容的なものは大体あらかじめお聞かせいただいておりますし、また、すでに環境庁からも資料をいただいておるわけでありますが、数字の羅列の御説明じゃなくて、そういったいわゆる調査結果に基づいて、環境庁としては今後の施策に対してその結果をどのように見ておられるかという点をかいつまんで御説明をいただきたい、こういう意味で御説明をいただきたいという質問をしているわけでございます。 昨年の質問の際にも、大臣もたびたび言っておられましたが、答えるまでに実態を把握したい、だから実態を把握して、その上に立って、空きかん問題とはこういう形で実態把握をした、それだからこうこうこういうような施策を考えなくてはならぬだろう、こういうような前向きのお考えを環境庁としてもぜひとも出してもらいたいと思いましたし、また、そのことをお約束をいただいたのですから、一応その目安に基づいてひとつ、先ほど長官ちょっとそのことにお触れになりましたけれども、十一省庁が集まってさらに御検討いただいているわけですから、何らかの結論とまではいかなくとも、それに対する調査結果に基づいての対応のあり方というのをおつかみになっていらっしゃると思いますので、それをお聞かせいただきたい。
○鯨岡国務大臣 前にも申し上げましたけれども、そしてまたいま先生お話しのように、これをどうするかという場合に、現状がどうなっているかということを正しく把握しなければならぬ、こう思いまして、ことしの九月一日、もう過ぎましたが、その時点で前の年よりはどうなっているかというようなことを詳細に調べまして、いま審議官が言ったとおりですが、いまそれを集計している最中でございます。終局には、その集計を見て、それを踏まえて、こういう結果が出た、それならどうするかということになるわけでありますから、いまから申し上げるのはちょっと早いような気がいたしますが、それでもおよそのことはどうかと言えば、私は、結果は先ほど申し上げましたように去年の九月一日よりはことしの九月一日の方が幾らかよくなっているのではなかろうか。しかし、とてもよくなったというようなことはとても考えられない。 しからばどういう案があるかと言えば、これは先になって決めることではありますが、いままでのところではデポジット方式なんというのも一つの方法であろうと思います。それからやはり罰則を強めるという問題も一つの方法であろうとも思います。しかし、いずれの方法にも非常にいい面もあれば非常に問題の面もあります。こういうことにはこういう問題は避けられないわけですから、とてもいいことで心配な点は何もないなどという案は何もないのですから、そこで、あるときには思い切ったことをやらなきゃならぬかなあと思ってはいるのですが、いまわれわれがそれをこう決めようと思いますというところまでは行っていないのでございまして、これはどうぞお許しをいただきたいと思います。それは集計がまとまったときには決めなければならぬかなあと思います。 一方、地方自治体もこれを非常に心配し始めてくれまして、これはありがたいことだと思うのですが、それぞれ条例などをつくろうということであります。それで、デポジット方式に力を入れるところもあれば、デポジット方式でなしに第三セクターをつくってというようなところもあります。私は、いずれもその真摯な前向きな態度に対して敬意を表しておるわけであります。しかし、その内容について私に賛成か反対かともしも言われれば、私は、いい案が自分のところで浮かばないのですから、浮かばないのに人の考えていることをそれはだめだとかなんとか言うことは差し控えたい、言うべきでない、こう考えておりますので、ともかく熱心に心配してくださる方々のその熱心な態度に対して敬意を表して、どうか何でもいいからひとつやってみてくださいということを言わざるを得ないという心境にあるわけであります。
○野口委員 私の質問するのを先に先にお話しになるものでちょっとやりにくいのですけれども、長官がこの前の委員会で、私も聞いておりましたが、いわばよそのことといいますか、市町村とか地方の段階でいろいろやっておる、それはありがたい、そういうことだけではなくて、環境庁として、国としてこの空きかん問題をどうするかという立場を、やはり自分たち政府自身として考えなければならぬということだけは明らかですから、よその状況だけを見てそれは結構でございますだけで見ていってはいけないのだろうと思うのであります。 そこで、やっておられるその実態、それからそれをいわば決められていく過程、たとえば京都で条例を決められていく過程における問題点等を、大臣は大臣なりにやはり把握をしておられるだろうと思うのですね。今回京都はあのような条例をつくりましたが、それに対してどのような見解をお持ちなのかということをお聞きをして、その見解が言えないという意味じゃなくて、なぜそういう形にならざるを得なかったかというところから問題点を探り出さなければならぬと思うのですよ。これはデポジット方式になるわけですけれども、デポジット方式に成功しなかったわけです。だから、しなかったというのはどういう理由で成功しなかったのだろうか。京都がなぜそれを取り上げることができなかったか。これは果たして行政の責任なのか、それとも業者の協力が得られなかったのか。業者といいましても製造業者と小売業者があるわけですけれども、仮に小売業者が、とてもじゃないが繁雑で協力できないとか、いろいろなものがあったとするならば、その隘路をどう取り上げて調整をしてやるかということが国としても非常に大事なことだと思います。 そういった意味で、前段の問題というのをまずは一つ調査をして、環境庁はどう問題点があると見ているか、それはこれからお聞きをいたしますが、京都の条例などができてきましたが、その条例を環境庁としてはどう見ておられるかということをまずお聞きをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 カラオケの問題をちょっと参考に申し上げますが、カラオケ条例のモデルというようなものを環境庁はつくりまして、それを地方に流しまして、こういうモデルをつくりましたが、どうかそのモデルにのっとってそれぞれの地域に合うように条例をつくっていただけたらというようなことをいたしました。その結果、方々で条例ができていること先生御承知のとおりでありますが、空きかんの問題も願わくばそういうふうにしたいと実は思うのですが、なかなかそこまで行っていない。その間に京都を初めとして方々でいろいろ条例などを考えていく、こういうことになってきている。私の方としては非力を嘆かざるを得ないわけであります。 けれども、そうやってやってくださることは、またこれ一面ありがたいことでございまして、御質問の京都の条例についてどう思うか、京都は初めデポジット方式というものを採用しようとしたことはおっしゃるとおりであります。どうしてできなかったのだろうかということは、これはどこからも聞いたわけではありません、いろいろな情報を入れて私なりに判断したところでございますから、間違えておりましても私の責任でありますが、京都だけでそれをやっても、京都のほかで買ってきた、要するに上乗せしてないかんをどうするかという問題があるんじゃないか、これはひとつ大きな問題だと思います。 それからもう一つは、アメリカでそれが成功しているかどうかわかりませんが、仮に成功したとしても、日本の、東京でも京都でもそうですが、小さな酒屋へ空きかんをどんどん持ち込んでこられたら、お店小さいですからどうにもならぬ。それで、少し飲み残しなんかがあった場合に、それがこぼれたり何かして不衛生になって、食品を扱う店先が不衛生になるから困る。だから、小売業者などは、酒屋へ持っていけばいいんだというようなことだったらはなはだ困るというので、小売業者なんかは反対をするんじゃないかな、そういうような問題もあろうかと思います。 先ほど申し上げましたように、どんな案でも、いい点ばかりで悪い点が一つもないという案はないのですから、あるいはそういう場合でも踏み切ってやらなければならぬ場合もあるでしょうけれども、京都がデポジット方式を採用できなかったのは、まだほかにもありましょうけれども、そういったようなことが原因ではなかったか。その結果、京都は第三セクターというようなものをつくって、業者にもお金を出させて、そしてその集まったお金で集めよう、運ぼう、そして再資源のセンターみたいなものをつくって、もったいないからそれを再資源にする工場みたいなものをつくろう、こんなようにしていくことになったのではないだろうか、こんなふうに思っておる次第であります。
○野口委員 いま大臣が、京都の条例に対する見解といいますか見方といいますか、そういうものを御発表になりました。その一番初めにおっしゃったように、確かに、京都の条例を私どもが見た場合、成功しなかった理由として、デポジットというのは、恐らく一つの地方だけがそんなことを考えてみても、とてもじゃないがむずかしい問題だ。それはいま大臣がおっしゃったように、よその地域で買ってきたものを一体どうするのかとか、あるいはまた、地域が、たとえば県境みたいなところで、百メートルか二百メートル離れて酒屋さんがあるとか、あるいは食料品店が並んでおって、片方へ買いに行けばデポジット方式だが、片方ではその方式が採用されていないというような問題など、あるいはまた、メーカーの方としても、そういった価格を上乗せしなければならない地域としなくてもいい地域だとか、いろいろな問題がありまして、むしろ、これこそ国が、環境庁なら環境庁が、法令を定めるなりあるいはまた行政指導をするなりしてやらない限り、このデポジット方式というのは成功しないのじゃないだろうか。 実は、先ほども御発表になっておられましたが、関東の都県が集まりまして、デポジット方式に基づくところの空きかんの回収条例をつくろうとしている会議をきょうやっておられるようであります。長官は、昨年当委員会においてはデポジット方式に賛意を表されておられるような御発言でございましたが、いまも変わりはございませんか。
○鯨岡国務大臣 私、先ほども申し上げましたように、自分にいい考えがないのですから、デポジット方式というものに対してはそれはだめだというだけで、それでは何かいい考えがありますかといって、私はないのです。それは私のとらざるところでございますから、そういう意味で、デポジット方式も十分考えるに値する、こう思っているのです。ですから、そういうことでひとつぜひお聞き取りをいただきたいので、デポジット方式は有力な一つの方式だと私は思います。 ただ、問題を言えば、先ほど言ったような問題があります。さらに私が大きく問題にいたしますのは、子供たちがそれを拾ってお小遣いになりますね。そうすると、お金がそこらにおっこちているのと同じことですね。それで教育方針として子供にお金を預けないで、そして買いたいものがあったらばお母さんが品物を買っては与えるというような教育方針をとっておられる方もずいぶんいるだろうと思いますよ。私はそういう教育方針に対して賛成するのですが、子供はやはりお金が欲しいですから、そこらを歩くとお金がおっこちているのと同じことになってしまって、教育方針としてどうなのかなという感じだってしないわけではありません。けれども、一つ誤解しないでいただきたいのは、だから反対というのではないのです。それにもかかわらずいい案がなければ仕方がないじゃないか、やってみる価値もあるのじゃないかなとさえ思う。前から変わっておりません。
○野口委員 私も、確かにデポジット方式が一〇〇%のものであるとは言い切れないと思っています。大臣おっしゃるように、そういった教育面の問題もございますが、一つは、ぽい捨てされる部分の空きかんというのは、先ほど御説明があったように、百億かんつくって一〇%程度でしょう。だから、百億のうちの十億を回収するために、いわば残りの九十億かんにも同じように上乗せの金額をしなければ意味ないわけです。このかんはぽい捨て用でございます、これは回ってくる分でございますというわけにいかないから、そうしますと、一〇%の空きかんを回収するために、あとの九〇%の空きかんにも回収のためのデポジット方式の上乗せをしなければならぬという問題も出てきます。いろいろな問題がありまして、確かに隘路があることはぼくらもわかります。しかし、いま考えてみますと、デポジット方式を採用しなければこの空きかん問題は前に進まぬのではないだろうか、こういう気がするのです。 そこで、京都の条例の賛成されるときの附帯決議として、国に対して財政援助とその法制化をお願いしたい、こういう附帯決議が出ているわけです。御存じでしょうか。――もちろん御存じと思いますが、それに対して環境庁長官はどうお考えでございますか。この京都の考え方について、財政援助というのはともかくとしましても、法制化をしてもらいたい、その法制化ということは、結局デポジット方式に対する京都の願いは、全国一律にそういう制度をとってもらえないだろうか、こういうことだと思うのです。そういう点では、先ほどのお答えと重複するようですけれども、法制化の問題についてはいかがお考えですか。
○鯨岡国務大臣 何でもかんでも法律でもって縛っていくということは、政治家として私のとらざるところでございますが、しかし、これだけ社会問題化してくれば、全国に通用する法律というものをつくる必要はあるのではないか、こういうふうに思います。
○野口委員 それでは、デポジット方式の中身について、若干各方面の御意見を聞きたいと思うのですけれども、いま私が申し上げましたように、デポジット方式は一地方、一都市においてはなかなか成功しがたい。国という範囲で行って初めて効果が上がるものだ。環境庁長官も法制化の必要あり、いまこうおっしゃっているわけでありまするから、デポジット方式について少しく検討されているだろうと思いますので、環境庁の十一省庁をお集めになった検討委員会でも、このデポジット方式について一定の御見解をお持ちと思いますので、それをまずお聞かせいただきたい。
○大山説明員 先生御指摘のように、関係省庁連絡会議におきまして、デポジット制度も制度といたしまして、たとえばアメリカにおきます制度とか、そういった意味で検討はいたしておりますが、日本にそれを適用した場合の法律をどうするかというところまでは現段階では検討いたしておりません。
○野口委員 デポジット方式に関連をいたしまして、去る九月二十日、NHKの「視点 空きカンの告発」という放送でございますが、そこでいろいろなことが述べられておるわけです。ここで言われておるわけですけれども、外国におけるデポジットの実態、外国といってもアメリカだそうですけれども、アメリカの実態というのは一体今日時点ではどうなっているか、まずそれをお聞きして、日本にはそのような実態というのがあるのかないのか、あったらその事例をひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
○大山説明員 アメリカにおきましては、連邦政府として、全国にわたるデポジット制度というものは行われておりません。現在行われておりますのは、一九七一年の二月にオレゴン州で採択されましたボトル法、通称ボトル法と言われておりますが、そういった法律によりまして、最低の戻し料金をつけなければならないといったような法律がスタートになりまして、現在ではオレゴン州、バーモント州、メーン州、ミシガン州、アイオワ州、そういったような州で実施されているというふうに聞いております。それから、それ以外の国につきましては、こういう法律はまだ行われていないというふうに存じております。 それから、日本におきますデポジット制度につきましては、御承知のように、ビールびんにつきましては、酒屋さんに持っていけばお金が戻ってくるということでデポジット制度が実施されているわけでございますが、これは特殊なケースで、日本におきましては、ビールびん、あるいはコカコーラのような直販方式をとっておりますびんにつきましては、同じような制度が行われているというふうに理解しております。
○野口委員 いまアメリカのオレゴン州における実施の状況というのは、詳しくはお聞きをしていないわけですけれども、NHKがやりました放送の中身の中で言われているのは、いわばプラス面とマイナス面というものが非常に明らかにといいまするか、プラス面が非常に大きくてマイナス面もまたある程度それに対応するように出てきているということがございます。 そこで、きょう関東で都道府県知事が集まって決めまする条例というのは、デポジットというものをいわば目標にして条例が決められるようでありまするけれども、こういった日本ではビールぴんとか酒びんだけしかやっていない現状の中にありまして、一地方といいまするか、都道府県がこのような条例をつくっていくことについては、それなりのやはりむずかしさというよりも、政府とか環境庁あるいはまた農林水産省とかいろんな立場のものの援助がなくては、とてもじゃないが成功しないのじゃないかと思いますし、また、きのうの新聞なんかによりますると、東京都知事はちょっとむずかしいのじゃないかというようなことを言い出しているというようなこともございますが、いわば具体的なこういう動きに対して、環境庁は、ただ各地方がそれぞれおやりになるのは結構だといって見ているだけではなくて、先ほどの京都の例もありますし、今回の関東のきょうの条例発足という件もありますので、そういった点から、今後早急に、デポジット方式に対する効果をさらに上げていくようなその方式が、仮に、先ほども長官がおっしゃっておるように一つの方法だと言われるならば、その方法を取り上げようとしている都道府県に対して、どういう形の今後行政指導なり援助をしようとなさるのか、その辺もちょっとお聞かせいただけませんか。
○鯨岡国務大臣 先ほどから再三申し上げておりますように、この方策に対してこうすればいいだろうというのはまだ浮かんでないのです。 そこで、ことしの九月一日に、去年の九月一日に調べたときとどう違うかということを詳細に検討して、その上で一つの案をつくっていきたい、こう考えている。それで、デポジット方式は、そういう調査と関係なしに前々からアメリカがやったということで一つの方策として考えられている方策、しかも有力な方策。それで、このことを最終的には法律で決めるということも別に決めているわけではない。私は、これだけ社会問題化してくれば、そしてこれだけなかなか解決のできない問題であるならば、強力に法律をつくってやっていく必要もあるかなとは思っておりますが、申し上げましたように、何でも法律で縛ればいいというものでもない、こういうふうに思っているわけであります。 そこで、各地方がそれぞれ御心配になってそれぞれの考えでもってやっていくことに対して、私は敬意を持って見守っていくという限度をいま出ないわけであります。京都の方式もそうです。それからきょう静岡でやっているというのもそうです。ですから、私は、この問題に対する真摯な御態度に対して敬意を表するという電報を打っておったのはそのためでございまして、まだ、これに対して政府がどう援助するとか、そういったようなことについては思いが及んでおりませんことを申し上げたいと思います。
○野口委員 ちょっとかみ合わないので弱っているのですが、というのは、ここまで各都道府県がいろいろ心配をして始めたのだから、いろいろ問題はあるだろうけれども、そのデポジット方式を加味した方式でもって空きかん回収というものを少しでも前進させようとしているその姿に対して、結構でございますというだけではなくて、もう少し一歩踏み込んで、全国的な規模になるようにするとか、あるいは業者に対する協力というものについても少しく強く要請をするとか、あるいはまた、消費者に対する啓蒙活動をもっと強めるとか、いろいろな形でそういうものを強めてやらないと、それは結構でございますよというだけでは済まないだろうと思うのです。だから、それは先ほどから何遍も同じことになりますけれども、長官おっしゃっているように、ことしの九月の調査の結果を見て具体的な対応を考えてみる。それが何もかも法制化するというのではないわけですから、法制化ばかりを言うわけではありませんけれども、その中でいわば一番いい方法というものを見出して、早急にこれら進んでいる京都なりあるいはその他の府県がとろうとしている条例に対してバックアップしてやる、あるいはまたそれを横につなげてやる、また、そういうような条例のないところの府県が、同じような条例をつくりなさいよと言ってみてもなかなかむずかしい条件等があるとするならば、国として一定の横につながるところの指導をしてやらないと、今度は消費者の方が戸惑うわけでありますし、またメーカー自身も困るでありましょうから、そういった点についての指導を早急にお立てをいただかなければいかぬだろうと思います。その点について、きょうは質問をしようというのはちょっと狂っておりますのでやめますので、ひとつ最終的にその辺のところの締めくくりの御答弁をいただいておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 地方地方でそれぞれお考えになって、そこの議会を経てこれが条例で決まるということになれば、いま先生が幾つかお述べになったようなことで政府ができるだけの支援をこれに対してしていくというのは、私は当然のことだろう、こういうふうに思っております。ただ、見守っているということは、はすに構えて冷たい目で見ているというのではないのです。非常に温かい目で見ているということでございますので、何でもやってみてください、やらないで議論していたって始まりません、こういうことを私は思いますから、ぜひひとつ合意を得て、議会等もありましょうからそれを経て、実施していただきたい。その暁には、われわれがそれについて御協力申し上げられることはどんどん御協力申し上げますし、また、それが非常にいいことだということであれば、それをまた宣伝することもわれわれは一生懸命やりたい、こう思っております。
○野口委員 それでは、その問題ちょっと預からしてもらおうと思うのです。というのは、ぼくと長官とのかみ合わないのは、温かい目で見守ってやるというだけでは、それぞれの都道府県のやろうとしていることが見ているだけではそこから先へ伸びない、少し手だてを加えてやらないとだめですよ、そういう意味で申し上げている。たとえばデポジット方式なんかやろうとしても、一都道府県なり一地方でやってみてもそれは成功しないというのが大体言われているのです。メーカーなんかもそれでは困ると言っているし、先ほど言われたように、小売業者は、たとえばその小売業者一つがやられて店にごみ箱がたまってどうのこうのというよりも、むしろ、たとえば都道府県が違って、隣は東京とは別だ、東京だけはこういう条例ができた、隣はできてないとすると、価格が違う、小売価格が違う、それから回収の方式が違うとなってくると、消費者自身も困るわけでありますから、そういった意味で、積極的に介入してもらわないと、むしろ、消極的な立場で見守っている、結構だ、皆さんおやりなさい、どんどんおやりなさいと言うだけでは、余りにも策がないんじゃないですか。 それから、大臣、非常に環境庁長官として積極的な行政をおやりになって、そして各地へお出かけになっていろいろな実態を見ておられて、その御努力に対して、私は高い敬意を表しておるところなんでありますが、もう少し何か締めくくりというか、それを見てきてこうだからこういうようにしていこうという締めくくりが何か、見てきた、実態はこうだ、大変だ、そのことの表現はよくわかるのですけれども、もう一つそれをつかんで、強力に指導をしていこうというのが足りないような気がして、失礼な言い方かもわかりませんが、そういう気がしてならないのです。 だから、要するに、いまのデポジット方式にしても、ぼくが言いたいのは、つまりそういった状況が生まれているのだからそれを援助する、温かく見ているというだけではなくて、援助を何とか形でしてやる。また、それを広域に広まっていくように、またそのデポジット方式というものが広まっていくように、仮にそれがいいとするならば広がっていくように、どうすればいいかということについて、もっと積極的に各省庁に対して勉励をしていただきたいし、その十一省庁が集まっているところの連絡会議でも、ひとつよろしく御指導をいただきたいということを申し添えておきます。 そこで、湖沼法の関係について少しくお尋ねをいたします。 水の問題は、当委員会でも再々取り上げておりますし、長官も非常に熱心に再々にわたってサミット等もお開きになって、意欲的にこの問題を何とかして前進させようという姿勢に対しまして、敬意を表しております。いまさら私から申し上げるまでもなく、釈迦に説法のたぐいでありますけれども、地球上に水というものはたくさんあるようですけれども、九七%は海水だし、残る三%のうちの六〇%から七〇%は北極及び南極の氷山だと言われているわけでありますから、人間が利用する水というのは全世界の中の水の一%、まことに少ない資源ともいうべき水を、今後どのように子孫に残していくかという課題は一番大切なことであり、忘れてはならない問題でございますが、長官、就任以来、たびたび琵琶湖等にもお越しをいただいて、過日はサミット等をお開きいただいて、積極的な湖沼の水質保全等について施策をしていただいておることについては、敬意を表するところであります。 そこで、サミットで出てまいりましたいわば問題点というのは、各知事それぞれ意見を吐いたと思いますが、どのような問題が話題に上りましたか。それをまずお聞きをいたしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 やや詳細には、局長が来ておりますから局長から答弁をさせたいと思いますが、とにかく閉鎖性水城の水質の汚濁というのは、これは非常なものでございまして、大努力を払ってややとめているとはいうものの、ちょっとの油断もできない。ところによっては、もうほとんどこれは対策も立てられないというくらいに汚れてまいります。そこで、どなたもみんな心配しております。これは何とかしなければならぬということでみんな心配をしておられまして、それはもう異口同音、特に閉鎖性湖、沼、そういうところは、これは利用がいろいろにありますから、特に心配なのはこれを飲料水にしているというようなところは、これはいま何とかしなければ大変だというようなことで、たとえば下水道を早くつくるというようなことや、それからまた、汚れないためのいろいろな規制とかいうようなことで、もうみんな心配しておる、こういうことでございますが、詳細につきましては局長から答弁させます。
○小野(重)政府委員 いろいろな御意見が活発に出されたわけでございますが、取りまとめて申し上げますと、五点だと思います。第一点は、湖沼の性格がいろいろ違いますので、その特性に応じた計画を湖沼ごとに立てて、富栄養化の要因物質でございます窒素、燐の削減を含めた総合的な対策を強力に推進すべきである。また、これらのために必要な財政措置についてもその充実を図るべきであるというのが第一点。第二点は、適切な対策を速やかに実施できるように、湖沼ごとに関係者、幅広いわけでございますが、その一致協力体制を確立すべきである。三点は、湖沼環境保全に関しまして住民に対する教育あるいは啓蒙活動の一層の強化を図るべきである。四点は、湖沼環境保全のための技術開発あるいは調査研究、これの推進に努めるべきである。第五点といたしまして、上、下流相互の理解と協力のもとに、水共同体と申しますか、流域共同体と申しますか、そういう意識の高揚に努めるべきであるというような、以上五点が、取りまとめますとそういう御意見であったというふうに考えております。
○野口委員 いまお答えの範囲の中に、湖沼の水質保全の法制度の確立というものは早くやれということはなかったのですか。
○小野(重)政府委員 私、若干抽象的に申し上げたわけですが、第一点は湖沼法の問題でございます。それと、窒素、燐対策、二つございます。湖沼法の早期制定、それから窒素、燐対策、これを急ぐべきである、こういう御意見がございました。
○野口委員 もう一つ、上流、下流の協力体制を強化してというその項に入るのかもわかりませんが、いわゆる保全基金と申しますか、資金対策といいますか、そういう問題については話題になかったですか。
○小野(重)政府委員 具体的な資金対策という点、そういう御意見より、幅広い上、下流の流域一体とした対策という御意見がございまして、これはたとえば東京の場合ですと、小河内ダムとその上流の山梨の問題とか、あるいは神奈川県でございますと、相模湖とその上流の山梨の問題というようなことで、ただ湖だけでなくてその流域全体として協力体制をとるべきであるという御意見がございました。
○野口委員 琵琶湖サミットと言われておりますこのサミットは、そういう名前ではなかったのでありますが、琵琶湖環境保全懇談会というのですが、新聞では琵琶湖サミット、サミットと書いてありますからサミットと言わしていただきますが、ここで言われた中で問題点は、湖沼法を早く成立さしてほしいというのが一つ。それからもう一つは、上流、下流の協力体制を強化をして、そういうのを国が主導をとって、そして保全基金の問題を明らかにしてもらいたい、そういうことをひとつ努力をしてもらいたいということが主流であったと私どもは承っているのですが、そのときに大臣の御答弁がございまして、抽象的ではありますけれども、かけがえのない湖沼と自然環境を、私たちの世代だけで汚して、そして使い果たすことはできないものであるから、何としても水を汚さない、あるいはまた水に捨てない、水に流さないという三ない運動を初めとして、いわゆる上流、下流の協力体制を強化するという、問題のいわゆるその中身は言葉には出ておりませんでしたけれども、いわばこの基金問題について前向きの姿勢をとるという態度であったと私どもは承っておりますし、この下流負担が、一説には年間四十億ぐらいをひとつ何とかしてもらえないだろうかという、琵琶湖を持っております滋賀県知事の発言も、そういう数字的なものは出なかったとしても、あったように承っておるわけですが、これに関連して、琵琶湖の水質保全、琵琶湖だけの問題ではありませんけれども、湖沼の水質保全を図っていくために、いわゆる受益県と申しますか利用県と申しますか、そういう府県が協力をして、政府ももちろん御拠出をいただかなければなりませんが、それらに対する基金をつくっていこう、こういう考え方について、長官は、具体的にその問題についてはどう思っておられますか。この辺でひとつはっきりとお聞かせをいただきたいと思うのです。
○鯨岡国務大臣 東京に、重要な湖沼を持つ県の知事さんにお集まりをいただいて、総合的な大きな会をいたしましたことは先生御承知のとおりであります。その際に出たのが、いま局長が五つにしぼってお答えをいたしたことでございます。その前に私は霞ケ浦へも行きましたし、琵琶湖へも行きました。 滋賀県の知事は、東京で全国知事会議がありましたときに、湖沼法を早くつくってもらわなければ困るという話をおやりになりました。そして、全国知事会議の話というのは、思いつきの滋賀県の知事だけの話ではなしに、それは知事会議としての話を彼が代表した、こういうふうに受け取っておりますし、それは間違いないと思っているわけでございますから、せっかく努力をして湖沼法をつくって、その湖沼を持つそこの知事さんが計画を立てたらいいだろう、そして、その計画に基づいてこれを国がいろいろな形で応援していくというのが一番いいだろうというので、この法律をつくるために目下努力をしているわけでございます。 それから、琵琶湖の周辺、京都で会議をやったのですが、そのときに、やはり滋賀県の知事がこういうことを言うのですね。滋賀県に琵琶湖はあるから、滋賀県だけのことを言えば、たとえば下水などは二次規制まではやらなければならぬから、これは私の方の責任でやらなければならぬ。しかし、あの水がだんだん汚くなっていくし、この水を京阪神一千三百万の人たちが飲んでいるのだから、そうなってくると、三次規制までして本当にきれいなものにしなければならぬ。こういうことになってくると、二次規制まではこれはもう言われるまでもなく自分の方でやるが、三次規制ということになるとお金がかかるのだが、そのお金は、飲んでいる一千三百万のこの京阪神の人たちも、どういうふうに分担するかは後の問題として、持っていただくということにはならないものだろうかという話がありました。私は、これは十分うなずける話だと評価いたします。ただ、どういうふうな形でそれを分担していただくかということになればいろいろ問題もありましょう。けれども、その滋賀県の県知事の話はまことに道理であって、反論のできない問題だ、私はそういうふうに承って帰ってまいりました。
○野口委員 そこで、そのいわば資金の問題に関連をいたしまして、問題の湖沼法なんですが、大臣は次の国会でということで張り切っておられたわけでございますけれども、今日出てきておりません、まことに残念でございますが。聞くところによると、工場排水の問題が隘路だと言われておりまするが、それはさておきまして、私どもがお願いしたいのは、そのことも含めてでありますが、いま申し上げましたいわゆる保全基金の制度というものを、たとえば、それはいま大臣は、法ができてからその関係する知事さんがおやりになっていくというようなことをおっしゃいましたけれども、そういったような形ではなくて、法の中でそれらの問題が明らかになるような示し方をしてもらえないものだろうかということをひとつお聞きをしたいのでございます。
○鯨岡国務大臣 いま二つに分けて申しましたが、後の方の問題を、いまわれわれが苦労している一の方の、最初の方の問題の中に取り入れていく考えはないか、こういうお話ですか。(野口委員「はい」と呼ぶ)それはいまのところ考えておりません。いまのところそういう考えはないのですが、お話は承って、なるほどなといま承ったわけでございます。
○野口委員 きょう私は、実は、水質保全の立場というよりも、むしろ湖沼法を早く通してもらいたいという地元の意見も強うございますので、それをお願いしたいという意味もありまして質問しようと思いましたが、聞いておりますると、先ほどちょっと私も申し上げましたように、工場排水の問題が一つ隘路になっているという。それから、それと話がついたと言われておりまするのは、いわゆる水辺の問題が削除されたというような感じで話がついたと聞いておるのですけれども、これはまあ私の聞き間違いかもわかりませんけれども、いずれにしても、その問題も含めて早期に、特に湖沼を持つ府県はこの法律の成立を望んでいるわけでありまして、環境庁長官、いろいろな意味で大変でありましょうけれども、この湖沼法の成立のためにさらに一段とお力を出していただいて、いま申し上げましたような、この湖沼法が、単なる精神だけではなくて、やはり政府が一定の資金を投入して、財政援助も含めた法律になるように、さらにまた、いま申し上げましたような湖沼の保全に対する基金の問題も、その中で何とか形を入れていただくような方策というものを含めて、お考えをいただきたいということを、いま改めてそこへお考えをいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 この辺について、先ほど長官からお話を承りましたので、答弁は結構でございますが、水質保全局長の方からその問題についてお答えをいただきたいと思います。
○小野(重)政府委員 三点の御質問でございます。 水辺の環境保全問題でございますが、これは中公審の答申でも、いろいろ問題があるので検討しろ、こういう答申が出されておるわけでございます。これは、いままでの都市計画の問題、あるいは自然公園法、いろいろな制度との関係がございまして問題があるわけでございますが、関係各省と協議したわけでございますが、独自にそういうゾーニングということはこの湖沼法では盛らないで、いろいろな既存の制度がございますので、それを活用するというような方向で協議が調っている、こういうことでございます。 それから、工場排水関係でございますが、これは許可制の問題でございますが、これについて関係省との間で調整がついてないということはそのとおりでございます。今後とも精力的に折衝したい、かように思っております。 それから、基金問題でございます。これは流域共同体という観点から大変傾聴に値するというか、そういう問題だと思いますが、一方では、汚染者負担か受益者負担かという原則論みたいなものがございまして、なかなか問題のあるところでございますけれども、今後十分に検討いたしたい、かように存じております。
○野口委員 私の質問を終わります。 ―――――――――――――
○山崎委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件調査のため、本日、参考人として石油公団理事松村克之君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山崎委員長 御異議なしと認めます。すって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○山崎委員長 質疑を続行いたします。村山喜一君。
○村山(喜)委員 ちょうど鯨岡長官に初めお尋ねをいたしてまいりまして、その次に石油公団の松村参考人にお尋ねいたしたいと思っております。 十月二十四日に自然公園の五十周年の式典が挙げられたと承っております。総理府の自然保護世論調査によりますと、九三%は自然保護が非常に大切だという世論の調査が出ておりますし、それに対して、政府の姿勢は消極的だ、五七%はもっと積極的に取り組んでもらいたい、そういうような声を上げているようでございます。 私は、ちょうど十月二十五日に志布志の柏原の現地で、一万人の志布志湾の石油国家備蓄反対の集会に出てまいりました。白砂青松の松原を見ながら、そしてはるかびょうびょうたる太平洋の水平線をながめるなぎさに立ちまして、本当にそこに集まった人たちの自然公園制定五十周年の記念すべき式のあくる日に行われた集会でございますが、大変な盛会な状態でございました。 そういう状況を踏まえながら問いただしてまいりたいと思うのでございますが、まず、長官にお尋ねをいたします。 国立公園、国定公園内の開発で、国内においてあるいは世界において、そういうような石油開発の一連のプロジェクトというものが展開されているということは、私は寡聞にして知らないわけでございますが、国定公園内の開発、これは世界的にございましょうか。
○鯨岡国務大臣 えらい大変調べたわけではないのですが、石油備蓄というものはこのごろのことでございますから当然なんでしょうが、石油備蓄なんというようなことは初めてのような感じがいたします。その他細かいことでは、多少のことは国立公園、国定公園の中でも絶無だとは言えないだろうと思いますが……。
○村山(喜)委員 いろいろなレポートを見てみましても、国定公園内の開発、しかも、それは単なる石油貯蔵というだけの問題ではなしに、石油関連の石油コンビナートを含めた開発、そういうような開発計画というものは寡聞にして私は知らないのでございます。そういうような立場から、一体こんな、長官がいつも言っていらっしゃるように十七キロ、奥行き三百メートルのまさにもう日本でも余りない海を持ち、砂浜を持ち、松原を持ち、そして空を持っている、そういう地域の中に、一連の開発計画をつくる、そういうような県の真意というものは那辺にあるかということについて疑問を持っている。長官もこの前おっしゃいました。そのお気持ちはいまでもお変わりございませんか。
○鯨岡国務大臣 変わっておりません。
○村山(喜)委員 そこで、この新大隅開発計画というのが昨年の十二月の十八日に決定をしたということで、私もここに資料を持っております。その計画によりますと、三号用地においては一千万キロリットルの石油の貯蔵施設をつくる。同時に三十万キロリットルの石油精製の事業をやる。この結果これだけの用地が必要であり、これだけの雇用量がふえるというような計画が鹿児島県においてつくられておるわけでございます。これは一連の新大隅開発一号用地から三号用地に至るまでの臨海工業開発の業種と規模、配置の計画内容でございます。これと石油国家備蓄との関係は、どういう関連性があるのだろうか、私たちはわからないのであります。いわゆる石油の国家備蓄という問題をそういうような新大隅開発計画の一連のものとしてわれわれはとらえていかざるを得ない。後から石油公団に聞きますが、どうもそれは別個の問題として、石油公団としては、いやこれは県が頼んできたから国家備蓄についてのプロジェクトというものを立てたものについて処理をしたのであって、そういうような鹿児島県が考えている一連の開発計画とは別のものだ、こういうとらえ方をしているのじゃなかろうかと思うのでございます。しかしながら、現地の人たちは、いやそうじゃないのだ、これは一連のものとして取り上げていることは間違いない、こういうふうに考えているわけでございます。私たちも、今日まで十二年間のこの住民の間にあります行政に対する不信あるいは開発行為に対する今日までの取り組みの姿の中からは、そういうふうにしか受けとめられないのでございまして、長官はこれは一体どういう関係にあるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、この認識について承っておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 端的にお答えすると、実はこれ
○正田政府委員 この志布志湾の特徴と申しますのは、一つに、国定公園であるということ、一つに、いま先生おっしゃいましたような状況があります。それから一つに、海岸線が十六キロという、十キロ以上の長大な海岸線であるということ、しかも、その海岸線が他の海岸線と違いまして、弓状と申しますか弧を描いておって、いずれの場所でも湾内の景観が見られるというような状況、それからもちろん砂浜、それから、最も長いところに至っては実に一キロにわたるようなクロマツの高木林、こういう状況にあると思っておりまして、国定公園の中でこういう状況の公園はまことに数が少ないというふうな認識を持っておる次第でございます。
○村山(喜)委員 そこで、これは石油公団に対する質問にもなるわけでございますが、石油公団が景観対策といたしまして、フィージビリティースタディーの結論を出すに当たりまして特別に配慮をして、そして幅二百メートルの海を残し、石油タンクのところまで五百メートルもあるという距離を置きながら、樹木によってそのタンクを覆うような形で人工の島をつくり上げていくというような、景観対策についていろいろ苦労をして一つの案を出したものは、それなりに見方としては、違和感というものを少なくする意味において一定の計画であろうとは思うのです。しかし、それはあくまでもタンクをつくるための景観対策であって、その緑樹で調和を保つという意味は、タンクを建てるための公団側の景観対策にすぎないのであって、いま、生命であります四点セットで景観を考えなければならないときに、そういうようなものが出てきたからといって、その基本的な考え方というものは変化するものではないんだというとらえ方をしなければ、海も生きているわけですし、松林の緑も砂浜も太平洋から打ち寄せてくる波とともに生きているわけですから、そういうような人工の島が忽然としてあらわれる、それはタンクに対しては一つの景観対策かもしれないけれども、全体の景観の中で考えたら、これは異質のものとしか受けとめられないのでありますが、その点はいかがでございますか。
○鯨岡国務大臣 おっしゃるとおりのような感じがいたします。
○村山(喜)委員 そこで、現地に集まりました一万人の、特にエプロンがけで集まりました現地の柏原の住民や高山の漁民たちが言うのには、鯨岡長官ぜひがんばってもらいたい。もうわれわれは、子々孫々に至るまでこの志布志湾というのは一つの銀行だと考えている。海に行って魚をとってくれば、そこに貯金をしているのと同じなんだ。だから、自分の代だけじゃなくて、自分の子も孫もチリメンジャコやあるいはシラスをとり、そして漁業の中で蓄積をして――あのあたりはストックの所得というものが非常に大きい。フローの所得よりもストックが大きくて、フローの所得が都市部の方よりも少なくてもそれで生活ができる。何百人かの人たちが漁業に携わって生活をしているわけですね。私はそれから見まして、この新大隅開発計画の中で一体何名の雇用力があるんだろうかというのを調べてみると、これには石油備蓄では四百名と書いてあるのですね。四百名の新たな雇用をそういうふうにして生み出していく、そのかわり、漁業で働いている東串良の漁民や高山の漁民は、それ以上の者が職を失っていくというかっこうにならざるを得ない。こういうような状況の中で、異口同音に言われているのは、失われた自然というものは二度と復元はできないんだ、こういう気持ちで鯨岡長官がんばってほしい、ぜひお願いしますという声が非常に高いわけでございまして、これは一鯨岡環境庁長官だけじゃなくて、大石武一環境庁長官以来もう十何代環境庁は長官がかわっていらっしゃるわけですが、その間一貫して流れているのが、郷土を愛し、そして国定公園を大切にしていかなければならないという気持ちに燃える住民の声だろうと考えているわけでございますが、その声はもう十分に長官の胸の中に入り込んでいるんだというふうに考えてよいのかどうか、この点について長官の、特に五十周年の自然公園の式典を挙げられた直後のこの委員会でございますので、御所見を承っておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 私はこう考えます。経済の目的というのは、経済が目的じゃないので、経済は手段でございまして、やはり目的は人間の幸せです。ですから、今日のようにエネルギーの問題でやかましくなってくれば、やはりいろいろ油の備蓄等のことについても考えていかなければならぬでしょう、それを私は決して否定するものじゃありません。ありませんが、山を崩したり海を埋めたりするというようなことはそろそろいいかげんにしたらいいのじゃないかなという感じがするのです。われわれは大きな経済を得るに至りましたが、振り返ってみると、日本の海岸線の半分はセメントで埋められてしまったのです。これ以上は、もし必要があるならば後世の者がやったらいい。開発かあるいは自然保護かということに迷ったならば、これはやはり自然保護の方に決定しておいた方が間違いないのじゃないだろうか。というのは、開発はいつでもできますから、やってしまってからしまったと言ってもこれは間に合いませんから、そしてそういうところが幾つかありますから。私はあえてこれは志布志のいまのところを言っているのじゃない、全体的な問題としてお答えをしているわけですが、そういう考えで今日までやっているわけでございます。 しかし、どうぞ誤解をしていただきたくないことは、油の備蓄ということに対して、あるいは開発ということに対して、全然無関心であるというのじゃないのです。大いに関心があるのです。これは政治家として当然のことでございまして、言うまでもないことでございますが、思い迷っているというのが私の心境であります。
○村山(喜)委員 私たちも石油の国家備蓄を否定するものではございません。それは適地がほかにもあるわけでございますし、ぜひそこにつくってくれと言って満場一致で県議会でも決まった地域もあるわけでございます。四地点ほど、そのFS調査をやってもらいたい。ところが、県は、調査依頼に当たりましては、志布志を最重点の条件をつけて、そうして四地点の調査をお願いをした。そこで、石油公団は、志布志を第三次の中に入れるということで、ちょうど二月の知事選挙の二日前の日でございました、知事選挙を推進をする人に有利にするような政治的配慮が働いたのかどうかわかりませんが、そういう第三次計画の中に入れるという発表をいたしたわけでございます。 そういうような意味において、私はやはり、その希望地なり適地がなければという気持ちで迷っていらっしゃるのでしょうが、それがあれば、いまさっきおっしゃったように自然保護というものを優先的に考えていく、これが環境庁長官の気持ちであり、また政治家としての鯨岡さんの気持ちであろうと思います。われわれもそういう立場をとりたいと思っております。長官には、ぜひ、決断をされる日が近いだろうと私は思うのですが、そのときに、やはり環境庁長官として毅然たる態度を示していただくように要請を申し上げておきたいと思います。 そこで、石油公団にお尋ねをいたしますが、さっき長官にも私お尋ねいたしましたが、石油公団は、新大隅開発計画と石油国家備蓄の問題とは、どういう関連性があるものとして受けとめて調査をなさり、そしてフィージビリティースタディーの結論をお出しになったのか。その関連性はないものとしてとらえて出されたものですか。その点を認識を統一しておきませんと困る問題が出てまいりますので、お尋ねをしておきたい。
○松村参考人 お答えいたします。 先ほど先生からもお話ございましたように、私ども今度の志布志のFSをいたす際におきまして、新大隅開発計画の土地利用計画の中で石油の備蓄計画が示されているということは存じていたわけでございます。ただ、私ども石油公団といたしましては、これは鹿児島県の長期計画の動向ということを検討すると申しますよりは、やはり国家的な石油備蓄基地としての候補地と考えて、これに対して検討を行っている、こういうことでございます。
○村山(喜)委員 国家的な石油備蓄というものを中心に置いて結論を出された。 そこで、志布志のプロジェクトの建設費の内訳は、この前参議院の決算委員会でわが党の粕谷照美参議院議員が質問をいたしまして、その中身の説明は資料として出されているわけでございますが、それについての説明を願いたいと思います。
○松村参考人 FSで検討いたしております工事費でございますが、これは、せんだっての参議院での御説明のときにも申し上げたわけでございますが、このFSと申しますものが、その目的が、当該地域における原油備蓄というものがフィージブルであるかないかということを、ちょっと言葉が悪いかもしれませんけれども、大ざっぱに見当をつける、こういうところに主たる目的があるわけでございます。それで、私ども志布志について調査いたしました結果、その総工事費を千八百億円というふうに算定いたしたわけでございますが、その報告の中にもございますように、今後現地のデータ等によってこれは補完していくものであるということを申し上げているわけでございます。
○村山(喜)委員 さらに、その千八百億の中身ですね、用地造成費、それから設備費、それから付属船舶係留施設費、これの分類をした数字がございますね。それを説明願います。
○松村参考人 概算でございますが、千八百億円を分類いたしますと、用地造成費関係が約四百億円、設備費関係が約千三百億円、付属船舶の施設費というものが約百億円と、こういうふうになっております。
○村山(喜)委員 そこで、漁業補償費はどの中に入るのが通例でございますか。
○松村参考人 いろいろな考え方があろうかと思いますが、一般的に言いますと、こういった分類でございますと用地造成費というところで考えるんじゃないかというふうに考えます。
○村山(喜)委員 そこで、国家備蓄であっても、それはやはり一定の限界がなければならない。従来キロリットル当たり三万円というのが費用の限界であるということが基準として示されているわけです。この建設費を五百四十万キロリットルで割り崩してまいりますと、一キロリットル当たり三万三千三百三十三円という線になりますね。これはもう限度すれすれのところに来ている。したがいまして、いま大体概略として千八百億という数字が見積もられているわけでございますが、これがさらに工事費がかさんでまいる、そういうことになりますと、一つの限界点というものを超えてしまう。そういうおそれがある。その場合にはこの志布志のプロジェクトというものはなくなるというふうに解釈をしてよろしゅうございますか。
○松村参考人 総工事費の概算が約千八百億円ということを申し上げたわけでございますが、この金額がどのように変化するかという点につきましては、先ほども申し上げましたように、詳細の設計をする段階におきましてさらにこれを検討する必要があるわけでございますが、私どもといたしましては、現在のところ、志布志プロジェクトについてはおおむねこの程度の水準で達成できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○村山(喜)委員 資源エネルギー庁の市川備蓄課長、これはやはり経済的なものがなければならないわけですから、キロリットル当たり四万円もかかるようだったら、それはアウトですよという答弁がいままでなされておりますね、三万円というのが一つの基準だと。それはまあ三方三千三百三十三円、それははみ出ているからだめだとは私も言っていない。しかし、それを大幅に上回るようになれば、採算的に見ても、それだけの国民の税金を注ぎ込むわけでございますから、そういうようなところは不適格でございますよという判断を下さざるを得ない。これはそういうふうに確認をしてよろしゅうございますね。
○市川説明員 先ほど松村参考人から申し上げたように、一応の基準といたしましてキロリットル当たりの単価が定められているわけでございますが、やはり全体といたしまして非常にコストがかかるということは問題でございますので、全体としてどのような立地地点が三千万キロリットルの体制を整備するために必要であるかという状況を見ながら単価を考えていくこととなると思いますが、先生おっしゃるとおり、一定の限度はあると思います。
○村山(喜)委員 そこで、運輸省の御巫計画課長おいでになっているようですが、ちょうど五十五年九月十一日に台風十三号が大隅半島に上陸いたしました。そのときに、まだ志布志の防波堤が完全に完成しておりませんでしたので、そのために護岸がやられまして、そして災害を受けました。その災害復旧に一億数千万円の金をつぎ込んで処理をしなければならなかった。そのときの台風気象上の状況を調べてみますと、当時はのろのろ台風で、沖では十一メートルの波高の波が打ち寄せてきていた。それが長時間、二十時間も続いて襲来したということで、ケーソン工法自体についてのなには間違いないけれども、まだ防波堤が完成していなかったためにそういう不可抗力による災害を受けたのだという説明を当時受けたわけでございますか、そういうふうに見てよろしゅうございますか。
○御巫説明員 昨年起きました志布志港の十三号台風による被災の件のお尋ねでございますが、被災を受けましたところは志布志港の第二埠頭の護岸背後のエプロンと防波堤の一部でございます。これは台風が来たために工事中の手戻り災害が起きたということでございまして、防波堤も工事中だったために災害を受けたわけでございますし、それから第二埠頭も防波堤の全延長ができていないために手戻り工事として被災を受けたわけでございます。
○村山(喜)委員 そういうふうに台風が襲来する地域でございますから、石油公団が建設をするのに当たりましては、当然そういうようなものも織り込みながら考えているだろうと思うのです。 ちょっと具体的な技術的な問題に入って恐縮でございますが、固定式の係留施設、シーバースのところは、地図によります水深を見てみますとマイナス十六メートルということになっております。常識的には、二十万トンタンカーが満タン積載をしてまいりますと、これは水深が十七メートルから十八メートル必要だとわれわれは聞いているわけですが、シーバースはなぜ三十万トンのそれで係留施設をつくるときに水深十六メートルのところにつくるのですか、なぜそこで受け払いをするのですか。
○松村参考人 御指摘のように、現在シーバースをつくる地域の水深は、三十万トンのタンカーを持ってくるにはやや浅いわけでございますが、この基地をつくりますには埋め立てが必要なわけでございます。その土砂のしゅんせつ等を含めましてこのシーバースのあたりはもっと深く掘り下げる、こういう予定でございます。
○村山(喜)委員 砂は肝属川から流れてくる、あるいは太平洋から打ち出して波が砂を運んでくる、そこを掘るのですか。そして掘削をして水深を深くするとおっしゃる。ところが、図面を見る限りにおいては、シーバースの周りにはそういう防波堤の計画はございませんね。 というのは、私はお尋ねをしたいのは、あなた方は海上保安庁との間の連絡は密にしていらっしゃると思うのですが、私は先ほど海上保安庁の海上防災課の方に問い合わせたのです。これは現在も変わらないかどうか。それは「大型タンカー用バースの安全性に関する指導について」、昭和四十九年三月二十日付の指導の基準ですが、これは、風速が十五メートル、波の高さが一・五メートル以下でないとそれはだめですよ、こういうことが指導されているわけですね。そうしますと、シーバースの前に防波堤はつくらない計画、つくったら水深二十メートルくらいのところですから、メートル当たり三千万円くらい金がかかるでしょう。そんなのを入れていったら、四百億の用地造成費はパンクしてしまう。だから、そういうようなものはもう考えないであの設計をせざるを得ない、こういうふうにしか見えないのですが、この海上保安庁の大型タンカーの安全性に関する指針などは、皆さん方がプロジェクトの概略建設計画をされる場合には、要素に入れてございますか、ございませんか。
○松村参考人 先生から御指摘ございましたように、こういった石油の備蓄をいたします場合には港湾施設というものが非常に重要なファクターになっているということでございます。したがいまして、このFSを検討いたします際にも、関係の方面とは十分連絡をとって作成していると考えるわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、詳細設計の段階ではさらにこれを詰めて検討するわけでございます。 実は私、先週も海上保安庁の第七管区本部あるいは運輸省の第四港湾建設局と現地の方にも参りまして、今後さらに一層コミュニケーションを強くしていこうということでお願いをしてきたわけでございます。 いまお話がありました阿波堤の問題について、私どもが持っております資料で申しますと、あの志布志湾に枇榔島という島があるわけでございますが、この波浪データ等から、シーバース位置付近の稼働率を推定いたしますと、波の高さが一・五メーター以下で九八%、また波の高さ一メーター以下といたしましても九三%の稼働率が推定されるといったようなことでございまして、細かいことは省略いたしますけれども、私どもの感じでは、あそこに現在フェリーが通っているといったようなことも含めて考えますと、備蓄基地としての利用上は防波堤がなくてもそれほど問題がないのではないかというふうに考えるわけでございます。
○村山(喜)委員 松村参考人、環境庁がだめだよと言う可能性が大きいわけですね。その中でどうしても公団はここでなければならない、国家石油備蓄基地は志布志でなければならない、馬毛島があるじゃないかと言うと、馬毛島はデータが不足をしております、これからやるのです、こうおっしゃる。しかも、世界的にも日本の国内においても、国定公園の敷地内にはそういう石油の貯蔵基地をつくった例がない。それをあなた方は、県が委託をしたからそういうような結論を出したのですよとおっしゃるのですか。県が施行者であってわれわれはその可能性調査を委託をされたから発表したんだ、こういう受け身の形でございますか。
○松村参考人 私の説明の答弁が不十分であった、大変申しわけございません。 私どもは県からこの地域のFSをやってほしいという希望をいただいたことは事実でございますが、私どもといたしましても、三千万キロリッターの国家備蓄を推進していくという立場から、この志布志プロジェクトにつきまして、それが国定公園あるいは国定公園のそういった美観、景観というものをできる限り保持して、しかも石油備蓄ができるにはどういったふうな工夫をしたらいいか、どういう知恵を出したらいいかということで、私どもとしてもできる限りその実現に努力をしている、こういう段階でございます。
○村山(喜)委員 じゃ、聞きますが、公有水面埋立法がありますね。五十ヘクタール以上は主管大臣の許可を得なければならない。知事じゃありませんよ。じゃ、ここは主管大臣はだれですか。建設省ですか、運輸省ですか、どっちです。あなた方が推進をするとおっしゃればどこが受け持つのですか。
○松村参考人 私の立場から御答弁できることかどうかちょっと心配でございますが、建設省あるいは運輸省というところが主管でございまして、関係いたしておりますのが環境庁と幾つもの官庁がこれに関係しているというふうに存じております。
○村山(喜)委員 だから、主体的にあなた方が動いているんじゃない、委託をされて、そして国家石油備蓄基地として三千万キロリットルを確保したいというその気持ちはわかるけれども、しかし、公有水面埋立法の上からいっても、それは今後埋め立て権者がだれになるのか、そしてそれは港湾区域になるのか、一般海岸になるのか、その状況によって主管大臣が変わるわけでしょう。そのときに、環境庁長官に意見を求めなければならないとなっているのですから、そういうような意味においては、どうもあなた方、県に言わせると石油公団、石油公団に言わせると県の方が、これは主体的に進めるのだという、キャッチボールの投げ合いをやっている、そして時間をかせごうとしている、われわれにはそういうふうにしか見えないのです。 私は、最後に、時間がありませんので、自然保護局長に確認をしておきたいと思いますが、先ほども長官がおっしゃいましたように、安楽川以南肝属川に至る間の開発計画は認められない、これはそういうことでだめなんだよということで従来も言われてきておるわけでございますが、特にここは海岸部の砂浜、松林、特別地域で二種に指定をされているわけですから、そういうような意味においてはこれはきちっとしていると思うのですが、その点を確認をしておきたいと思います。 それから、公団の池田徳三部長は、検討した景観対策で環境庁をクリアできるだろう、こういうように新聞では発表しているようでございますが、それに対してはどうなのかということをきちっとしていただきたいと思うのでございます。なおそのほかにもございますが、その二点を承ってみたいと思うのです。 そして、石油備蓄の貯蔵施設の立地対策等の交付金の交付規則やあるいは通達を見ましても、二市十七カ町が新大隅には関係をしているわけですが、該当する町村というのはほんの限界があるというふうにわれわれは見ているわけでございます。 そういうような意味において、これはそういう国の四十億の金が流れてくるから地域はいいぞという太鼓が鳴らされているようですが、とんでもない太鼓のばちさばきだと思うのですが、そういうような意味において、この点にも問題があることを指摘をしながら、最後に、自然保護局長の見解をお尋ねしておきたいと思うのです。
○正田政府委員 冒頭にお尋ねの件についてお答え申し上げますが、安楽川以南の問題につきましては、志布志港の港湾改定計画に際しまして環境庁が見解を表明しているわけでございますが、その中身は、従来より申し上げておりますのは、志布志地区は国定公園としてきわめて重要な地域である、したがってこれを安易に解除するつもりはない。それから、第二に、志布志港の港湾計画に基づきますところの開発というのは、全体計画は先ほど大臣がお答え申し上げたとおりで、私の方に別に何の御相談もございませんが、志布志湾の国定公園としての風致維持上、先般の改定計画が限度であるというようなことを申し上げておりまして、この点の方針の変更ということは従来から変わっておりません。
○村山(喜)委員 時間が参りましたので、これでやめたいと思いますが、長官が言われたことを私はノートにメモしておりまして、本当に県がこう国定公園の敷地内にこんな計画をつくるとはその真意が理解できない、環境行政を預かる長官のお気持ちはまさにそのとおりだろうと思うのです。また。石油公団の今度の景観対策というものがこれで十分であると思うかどうかに対しましても、長官は決して適当であるとは考えていないということも言われた事実を私は手帳にメモしておいたのです。うなずいていらっしゃいますから、そのとおりであろうと思うのです。そういうような意味において、やはりほかに適地がなければという前提があって推進をする場合と、これをその一つの突破口にして臨海工業地域の開発に乗り出していこうという考え方と、しかも土地の値上がりを待っている、そういう人たちが土建業者を中心にしておる。この前中山総理府総務長官に会いましたら、こう言っておりました。志布志のあたりは土地の値段が上がって大阪のあたりと変わりがなくなりました、私の祖先伝来のところも土地の値上がりで大変困ったことですね、ということを言われておりましたが、これは雑談でございますけれども、そういうような意味において、志布志の国家石油備蓄プランというものは、単に今日の問題だけで考えるのじゃなくて、将来の長期展望の上に立ってきちっとした結論を環境庁としてはお出しをいただくということを、最後に強く希望申し上げたいと思いますが、長官のコメントがございましたらお答えをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 国土全体がそうですが、国立公園、国定公園、あるいは県立自然公園は、すべて大事に保存して子孫に伝うべきものである。これは法律に書いてあるのですから、何人も否定できないことだろうと思います。しかし、いろいろ経済の問題もありますから、先生が言われたように、これはどこにもつくらなければしょうがないし、どこへもつくるところがないという場合でしたらあるいは――その場合でもいかに自然を保護しながらということはあるでしょうけれども、やはりそれは考えていかなければならぬと思いますが、そう安易に自然公園の地区が汚されていくということに環境庁が無関心でいるということはできません。
○村山(喜)委員 では、終わります。
○山崎委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十二分開議
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村正三郎君。
○中村(正三郎)委員 まず第一に、ただいま非常に当委員会でも懸案になっております環境アセスメント法案の法制化の問題について環境庁の御所見を伺いたいと思います。 ここ数年の間、このアセスメント法案をやるんだ、やるんだということで、前回も私環境庁長官に御質問させていただいたのですが、かけ声が大きくて、また、いろいろな自治体のこれの法制化に対する期待が非常に大きい中で、なかなか日の目を見てこないという状況があったわけでございますが、こういうことが長引くことによっていろいろな自治体が混乱しているような様子も見受けられるわけでございます。私どもの選挙区のございます千葉県におきましても、環境アセスメント法案ができるということを前提といたしまして、条例をつくるのはちょっと待っていようということで、しかし、法案がないといって環境アセスメントをやらないわけにはいかないわけでありますから、要綱をつくって対処しているわけでございます。そういう中で、最近私がこういうことがあって大変困っておるのだということで陳情を受けました件がございますので、この例を引きまして御所見を伺いたいと思います。 と申しますのは、福岡市の市長から受け取った「環境影響評価法案の成立促進に関する要望」というのがございます。この問題に関する経緯を若干御説明申し上げますと、福岡市では、昭和五十三年三月に運輸大臣から、博多湾の埋め立ての計画の許可をもらいまして、いわゆる西地区というところを本年一月公有水面の埋め立て免許というのを申請し、九月三十日に運輸大臣の認可を受けたわけでございます。この埋め立て計画は、都市の施設を計画的に配置して内陸部のスプロール化を抑制すること等の目的をもって住宅、学校、下水処理施設などの建設用地を確保しようとするものでございますが、延長二千五百四十メーターに及ぶ人工海浜や公園とか緑地を計画する等、実施に当たって環境の保全にも十分な留意がされたものであると伺っております。しかし、こういった中で福岡市民の間から、やはりアセスメントをやるべきであろうという話が出まして、そしてこの環境アセスメント条例を市で制定してやれということの住民の直接請求がなされたわけでございます。これが五万七千人の署名を集めて行われたと聞いております。しかし、この条例案は福岡市議会に提案されましたが、地方公共団体で条例をつくるよりもいま提案されている国の法律を早期に成立させてもらいたい、それに基づいて環境行政を行うべきだとの理由で否決されたのでございます。それで、否決されてそれじゃ何にもアセスメントをやらないでこの計画をやるかというと、これもまたそうもいきませんで、何とかしなければいけない。それにはやはり国の環境アセスメント法案を早くつくってもらって、それに基づいてやりたいということでございます。そして、同市においては、五万七千名の直接請求に対抗いたしまして、国の法案を早期に成立させてくれという市民運動が爆発的に盛り上がりまして、七十二万人の有権者のうち四十二万六千人の署名が集められて、この環境アセスメント法案促進をお願いするという陳情になってきたわけでございます。 このような環境影響評価法案の成立を待ち望んでいる自治体、そしてこれを手控えていて国の法律を待っておる自治体、こういったものがどれくらいあるか、どのような地方自治体の現状になっているか、環境庁の御説明をいただきたいと思います。
○清水政府委員 ただいまのお尋ねは、全国を見回してみて環境影響評価ということの一つの制度化ということがどの程度必要だという機運が盛り上がっているか、こういう御趣旨に出る御質問かと思いますが、お尋ねの点について実情を申し上げますと、これは先生御案内のことでございますが、すでに四つの道と県、市におきまして条例が制定をされております。それから十六の団体、これは福岡県を初めといたしまして大体は県でございますけれども、最後には横浜市というのもございますが、この十六の団体におきまして要綱を作成しております。こういう状態でございますが、しかしこれだけではございませんで、その他の団体におきましても要綱の検討をしているというような状況がかなりたくさんございますが、もう一つ申し上げたいことは、それらの団体におきましても、やはりばらばらで地方自治体がつくっていく、あるいは検討するということにはなかなか問題が多いので、ぜひ早く国としての一元的な法制化を実現してほしい、こういう要望を申し出てきているというのが現状でございます。
○中村(正三郎)委員 国の法制化を期待している自治体の様子をよく把握しておられると思うのでございますけれども、一日も早くこの環境アセスメントに関する明確なルールの確立が必要でございますが、これがどうもいまこういう状態であるということで、このような五十七ある地方自治体の大体五十一ぐらいが早期法制化を望んでいるということであります。その望んでいる案というのは、私はいま現に委員会にかかっております政府案であろうというふうに想像するわけでございますが、こういったことに対しまして、環境庁長官といたされましては、国としてこの地方自治体の努力に対して、誠意をもって応ずるべきではないかと思うわけでございますが、環境庁長官の御意見を伺いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 前の国会のときに大変御心配をいただきまして、御理解をいただいて国会にお出しすることができたわけでありまして、これは非常にありがたく思っているわけでございました。しかし、諸般の事情から、提案理由の説明をするに至らず、前の国会は終わりました。しかし、先生方の御配慮によって継続して衆議院で審議してあげよう、こういうことになっておりまして、私どもの承知する限りにおきましては、次の国会、すなわちいまの国会ですが、これが始まったらばこの委員会で御審議が賜れるというふうに考えて、私どもはおるわけでございまして、一日も早く提案理由の説明をさせていただいて、先生方の御審議をいただき、権威あるそういうルールづくりに邁進したい、こう考えているわけでございまして、どうぞよろしくお願いします。
○中村(正三郎)委員 いま局長からもお話ございました、国の法制化を待ち切れずに条例を制定したのは東京都、神奈川県、北海道、川崎、千葉、埼玉、横浜市など十六団体ということでありますけれども、これら自治体、それぞれ特色ある制度をやろうということで努めておられるようでございますけれども、広域的な道路とか鉄道等、他の自治体とどのように整合性を保っていくか。また、条例を制定している地方自治体において国の法制化が実現したときにどのように対応していくかというような、いろいろ問題があると思うのでございますが、このような問題点が多い中で地方自治体の制度化が進行していく現状に対しまして、法制化を促進する立場から、長官はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか、お伺いいたします。
○鯨岡国務大臣 地方には地方でいろいろお考えもありましょうしそれぞれでございましょうが、その地方がやはり条例をつくる前に法律ができていてもらった方がよろしいということから、いまお話しのように大ぜいの地方団体が法制化の要請をしているわけでございます。私といたしましても、やはりこの国会の先生方の両院における審議を経た権威あるそういうルールをつくって、またその範囲内で、われわれが対象とするものは国がやる仕事ですから、その国がやるものではないけれども環境影響の評価を十分にしなければならぬというような地方のやる仕事については、これは地方の条例でやっていくというようなことはぜひ必要なことだと思っておりまして、先ほどもお願いを申し上げましたが、すでに国会の方に提案されておりますものでございますので、一日も早くこの審議に入っていただけないかなと切にそれを要望しているわけでございます。
○中村(正三郎)委員 いまの環境行政を取り巻く情勢は、しばしば環境庁長官がおっしゃられますように、一時よりも厳しい情勢にあるのではないか、一時よりもちょっとやりにくい情勢ということでございまして、この法制化にも必ずしも有利な状況の中にないのかもしれませんが、これ以上法制化がおくれてきますと、各地で独自の条例がどんどんできてきて、全国一律的な基準の法律をつくるというのに非常に支障になるのではないかということも懸念するわけでございます。地方自治体はその地域の実情に応じた適切な施策を講じていくという、基本にやはり国の統一した法制化というものを進めることを急ぐべきだ、私どもこのように思っているわけでございます。 そして、この福岡市の環境影響評価法案成立促進に関する要望書の最後にこのように書いてございます。「つきましては、政府において先の通常国会に提案され、現在継続審議となっている“環境影響評価法案”の早期成立を強く要望いたします。」これに四十二万六千人の署名がついて出されているわけでございます。こういった実情を踏まえまして、環境庁長官にばかりお願いするのは筋違いなのかもしれませんが、一層の御努力をお願いいたしまして、また野党の皆様方にも御協力のほどお願い申し上げる次第でございます。 次に、空きかんの問題につきまして若干御質問させていただきたいと思います。午前中に野口議員の空きかんに対する御質問がございまして、それに対して環境庁のお答えがございましたので、ダブるところは省略してまいりたいと思います。 空きかんに限らずごみの散乱ということがいま非常に問題になっているわけでございまして、そして、これがただ汚れるというばかりでなくて、いわゆる資源の再利用の問題、こういったものでも世界的に問題として取り上げられているわけでありまして、環境庁におかれましては、けさもお話が出ておりましたが、昨年六月、庁内に空カン問題検討会を設置されまして、空きかんの実態把握について本年の一月その調査報告書を発表されまして、関係省庁に呼びかけられたわけでございますが、そして空カン連絡会議を設けられて問題に鋭意取り組んでいらっしゃると聞いております。そして一方、京都市は本年の本月九日に空きかん回収条例の制定をされまして、また昨今新聞で大変報道されておりますが、関東地方知事会も広域的条例制定を目指して空きかん条例案の骨子を十三日に取りまとめるというようなことも伺っておりまして、条例制定の動きは急となっているわけでございます。これらの問題を中心に若干お聞きしたいと思います。 環境庁が本年一月に取りまとめられました空カン問題検討会の報告書につきまして、その数とかいろいろなことは調査を拝見しまして大体のところはつかんでいるわけでございますけれども、その空きかんの散乱状況につきまして簡単に御説明いただきたいと思います。
○大山説明員 お答えいたします。 これは昨年の九月に実施いたしました地方公共団体のアンケート結果でございますが、全国三千二百七十八市町村を対象にいたしまして調査いたしました。その結果、その散乱が問題視される場所がある市町村が一千八百九十一、五七・七%、問題がないというのが四二・三%でございます。それから問題視される個所というのは六千八百十四カ所ございました。それから散乱の状況でございますが、主として広い場所に散乱しているというのが六九・一%、約七割が非常に広い場所に散乱しているという結果でございます。それから散乱の場所の分類でございますけれども、大別いたしまして道路またはその周辺というのが約四五・五%、それから道路以外の主として市街地というのが一七・五%、それから行楽地、観光地三四・七%がほとんどのケースでございます。 それからその空きかんの収集を行っている実施主体というのがございますけれども、これは住民団体や社会奉仕の団体というのが単独で行っているといったケースが三七・三%、市町村の清掃事業というのが二三・八%、土地管理者というのが九・五%でございます。そしてこれら単独でやっておりますほかに、複数で、住民団体と市町村の清掃といったのが一二・二%、それから住民団体と土地管理者といったのが四・二%、こういったようなことでございまして、それ以外に、だれも収集していないという場所が九・八%といったようなのもございます。 これらを整理いたしまして、住民団体が関与している分というのが五四・八%、市町村が関与をしている分が三八・五%、それから土地管理者が関与しているというのが一五・七%、以上のようなことでございます。 それから、散乱の防止策というのをどういうふうにやっているかということでございますが、収集かごの設置というのが四七・七%ございます。この収集かごのほかに、立て札、広報車あるいは袋の配布といったものをあわせて行っているのが、この四七・七%の中で二一・五%ございました。それから、立て札、広報車による呼びかけというのを中心にやっているのが二五・四%、特に講じていないというのも二一・八%あったわけでございます。 それから、現対策に対する意見ということで、新たに対策を講ずる必要ありとしているものが五一・四%、現在の対策をさらに充実させた方がいいという意見が四〇・四%、こういった状況が概略でございます。
○中村(正三郎)委員 散乱状況、行楽地、河川、湖水だとか道路端、最近見ますと、海の中、湖水の中まで散らばっているようでございます。いまの調査の報告にもありますように、ありとあらゆるところに物すごいかんがはんらんしているような状況だと思います。それが、午前中の環境庁長官のお話で、本年度約百億かんになるのじゃないかということでございますけれども、これは看過できない問題で、強力な何かの対策を講じていただきたいと思っているわけでございます。 それに関連しまして、環境モニター・アンケート調査というのをやられたと思うのでございますが、この調査の中で、空きかんを一回ないし二回投げ捨てたという人が二三・八%もいる。三回以上投げ捨てたという人が四%ぐらい。合計二七・八%の者が投げ捨て経験者ということであります。 この中で、非常に憂慮すべきところと私が見ましたのは、投げ捨て経験者の中で学生が一番大きな比率をもって投げ捨てております。これは、私どもが学生のころは、たとえば郊外に参りまして弁当を広げても、その弁当のかすは持って帰ってこいということで、うちまで持って帰ってきて処理したということを覚えているのでございますが、学生の六七%が投げ捨て経験者である。投げ捨てたことがないと答えたのは三三・三%しかいないということでございますが、こういうような現状を見ますと、本当に環境のモラルを守るべき学生がこうだということは、やはり教育にも問題があるのかもしれませんが、また、教育だけに頼っていても解決しないところがあるのではないかと思うのでございます。こういった風潮につきまして、長官の御所見を拝聴したいと思います。
○鯨岡国務大臣 この空きかん問題に取り組みまして、これは前からですが、私が環境庁をお預かりするようになったのは去年の七月ですが、それからしばらくたってこの問題を大きく取り上げてまいりました。その当時、この委員会に呼ばれて、私は次のようにお答えをした記憶があるのです。 要するにモラルの問題、自分がされていやなことは人にしないという気持ちにみんななればもう空きかん問題なんかはないんだ。それからカラオケ騒音の問題、こんなのはないので、環境庁はそうでない問題についてもっと力を入れてやっていけるのですが、どうも困ったものだと思いまして、私は文部大臣とそれから総理府総務長官と三人で、雑誌の対談でしたが対談をいたしましたのは、この空きかん問題に端を発して、教育問題、モラルの問題としてこれは対談をした。いまでもその気持ちは変わっておりません。それで、一生懸命になってこのモラルの問題を、高揚するようにそれは子供のときからずっとやっていけばと、こう思っていまでもいます。いまでもいますが、今日どう思っているかというと、とてもそれだけじゃだめなんじゃないかなと――その気持ちは変わりませんよ。その気持ちは変わりませんけれども、それだけではだめなんじゃないかなという感じがして、これは情けないですね。まことに情けない。日本国民というのはそんなものじゃないと思うのですが、どうも現実はまことに情けない。きょうも私、自分の家から役所へ来る途中、国道四号線に緑の中間地帯がありますが、そこのところを見てまいりますと、数え切れないのですね。自動車の中で、走るのですから、一つ二つと勘定していても数え切れないぐらいあるのですね。おりていって一つ一つ拾いたいくらいの衝動に駆られるぐらいあるので、これはどういうつもりで捨てるのかな、捨てる人は一体どういう種類の人がどういうつもりで捨てるのかなということが私にはわからないのですけれども、とてもモラルの問題だけでは解決つかない問題だ。しかしながら、それが一番基本だ、モラルの問題として、教育の問題として考えてもらうのが一番基本だということには変わりはありません。変わりはありませんが、それだけではとても解決できない。そんな簡単な問題ではない。残念ながら、日本民族の性格を高くその面で評価できないことは日本人としてまことに残念ですが、そう言わざるを得ない、こういう気持ちです。
○中村(正三郎)委員 そして、いまのモニター・アンケート調査の中に、この空きかんを投げ捨てた理由というのがアンケートされているわけでございますけれども、この理由が、われわれから見ると全く常識を逸しているとしか思えないのですが、一番多かったのが、近くにごみ箱がないから捨てたというのだそうでございます。第二位が、自動車に乗っていたから中で始末に困ったから捨てた。第三位が、ごみ箱のあるところまで持っていくとかうちまで持って帰るのがめんどうだったから捨てたということであります。というのは、逆に言えば、自動車の中にいてめんどうくさくても、これはうちまで持っていけばうちで普通の一般ごみと一緒に出して処理できるのがわかっていながらぶん投げちゃうということでありまして、いずれもこれは理由にならない理由であると思うわけでございます。 そしてこれが、いまどこでこれをきれいにする責任があるかというと、法律的には市町村においていろいろなことをやれということになっておりますが、財政的な問題もあって市町村だけには任せられない問題ではないかと思います。そこに国の責任ということが出てくると思いますけれども、こうなってまいりますと、この社会的に出るごみをどう処理するか、どこでコストを負担するかという、社会的コストの分担の問題になってくるのではないかと思うわけでございます。これを地方自治体でやれば地方自治体はお金がかかるから、いろいろそこでもって税金にも影響してくる。国でやれば、やはりどこかの会計から持ってきてお金を使わなければいかぬわけでございますから、何かそのお金がかかる。そうかといって、デポジット方式がいま大変言われておりますが、このデポジット方式をやれば、やはり業者、流通段階なり生産段階の人に負担がかかり、またそういったことを処理するために機械が要り、人手がかかり、東京都知事は、千人当たり一つのデポジット場所をつくっても百億くらいかかっちゃうということで、どこでその費用を負担するかというのが大変問題になると思います。 これは、国民各人一人一人が一日に何十かんも飲むわけじゃありませんから、その人たちが持って、そのごみをしかるべく捨てるべきところへ捨てる、またうちへ持って帰る。言えば一人一人の負担というのはわずかなものだと思うわけであります。しかもこれは、従来私どもは子供のころ実際にこれをやっていたわけですから、日本にはそういう伝統があったわけでございますが、いま、そういうものがなくなってしまったということでございます。 そして、このデポジット方式においても大変な問題があるのではないかということを午前中長官も言っておられましたが、たとえば、確かに捨てたかんを持っていけば金になってしまう。それから、たとえばある地域でやったとしますと、これはアメリカの例でもそうだそうですが、デポジットが上乗せされている地域の人がほかの地域で買ってきてしまう。買ってきて、そこへかんをぶちまけたら、デポジット方式をやっているところはかんの回収だけで損をしていくということが起こると思います。それから、日本の場合などを考えると、私は、これは非常に悪くは考えたくないのですが、たとえば十円上乗せしている、二十円上乗せしているとかいう場合に、買った、おれは十円払っているから捨てる権利があるのだというので捨てる人があるかもしれない。また、そういうものを拾ってきて金にする子供があるかもしれない。そういう面で、このデポジット方式も非常にいい方法ではないが、こういうことも一つの方法として肯定するのだという長官のお話でございましたが、アメリカ等においてもワシントン方式で、いわゆる税金として、こういったごみになるであろうものには幾ばくかの税金をかけて、そしてその反面罰金を取ることにして、ワシントンでは一件どれでも十ドル以上の罰金、以下ではなくて以上の罰金というものをかけて、そういったもので裏打ちをしながら、原因者負担みたいなものでしょうが、税金を取って、そしてきれいにしていくというような方法をとっているのです。そういったデポジット方式、また、個人個人がもっと気をつけて持って帰ればそういった公共事業体の負担も減るのではないかということを含めまして、環境庁長官の基本的なお考え方をお伺いした いと思います。
○鯨岡国務大臣 この点については午前中も申し上げたので、私の悩みとするところです。デポジット方式でも、すべて何でもそうですが、いい点ばかりで悪い点は何にもないというものはない、それから悪い点ばかりでいい点が何にもないというものはない。デポジット方式でも、東京都知事の鈴木さんが言っているように、あれは機械がかんを読み取って、そこから十円ぽんと出てくる。しかも、それがのべつ故障を起こしていたらだめですから、故障の起こらないというような機械は、どうでございましょうね、やはりどう見ても五十万円以上、百万円ぐらいの顔をしているでしょうね。それがところどころにぽつんぽつんあったってしようがないですから、わりあいにあるということになれば、その施設のために相当お金がかかって、その負担にたえ切れないという欠点、これを指摘しておられましたが、それはそうだと思います。それから、午前中私が申し上げましたように、教育の面でいかがかという問題、私は深刻に考えるのですが、これもそうだと思います。しかしながら、そういう欠点があるにしたって、やはりそれじゃこれをほうっておいていいのかというとほうっておけないですから、いい考えが浮かばない以上は、それもひとつ十分考えていかなければならぬじゃないかなと思います。 それから、罰金の制度でございますが、罰金の制度というのは、シンガポールへこの前そのために視察に行きましたときに、おたくでは罰金を取っているということで非常に有名で、そのためか非常にきれいですねと言ったら、私の気持ちですが、何かちょっと恥ずかしそうに、罰金を喜んで取っているわけではないのです。ですから、あそこは礼節運動というものも同時にやっています。そして経済が成長するに従って人の心が貧しくなってくるということからでしょうか、礼節運動のポスターを町じゅうに張って、礼節運動をやって、人に迷惑をかけるなということをやっておりますが、それにもかかわらず罰金制度はやめるわけにいかぬ、こう言っておりました。私もやはりそうだと思いまして、これもあわせて考えていかなければならぬ問題だと思います。 それから、京都なんかはそういうことで非常に自治体としてお悩みになった結果が、ああいう第三セクターといって、これは、まず業者も責任がありますよ、これほど社会問題化すれば業者だって、わしは知らぬぞ、そんなわけにはいきませんよ。そこで、お金を出しなさいと言ってそれぞれからお金を取って、そのお金をどう使うかという使い方についてはまだよくわかっていないようですが、ともかくみんなで負担しよう、分担しましょうというようなことをやっているというのですが、それらをどういうふうにしたらいいでしょうか。いま私どもは、午前中申し上げましたように、いろいろデータを出して、それで考えていかなければならぬ。結論を出さなければならぬ。これは結論を出さないじゃ済まないことですから、結論は出さなければなりませんが、その間、現実に地方自治体ではいろいろのことをやっておりますので、そのいろいろなことを敬意を持って見守っていきたい。そしてそれをまた、そう言ってはなんですが、参考にもさせていただく場合もあると思って、そういう考えでやっているのです。
○中村(正三郎)委員 罰金を取っていくのが非常に上等な方法でないというような御意見もよくあるのでございますけれども、私は逆に、だれでもかれでも捨ててはいけないところに物を捨てておくのをほうっておいて、いわゆる甘やかして、これを税金で、国民の血税で整理していくというようなやり方も大変上等でないことだと思うのです。そういう意味で、私は、若干罰則を強化してもこういった不法な行為をさせないという方にいった方がいいという考えを持っておったわけですが、この間、たしかNHKかと思いましたけれども、東名高速の駐車場で自動車のアンケートをとってやっておりました。そうしたら、その中で、大分何人かの人が、投げ捨てるのが癖になって、何にも言われないからぶん投げるのだ、罰則も何もないから投げちゃった方が得だ。これは罰則をつけた方がいいですよ、きつく言われれば投げなくなりますよ、しかし、何にも罰則がなければ、これは癖になっているから投げますよというようなことも言っておりました。 そうしてそういう中で、いま現行制度でそれじゃこういったごみを取り締まれないかというと、そうじゃないわけですね。いろいろあるわけでございまして、廃棄物の処理及び清掃に関する法律でございますとか、軽犯罪法、道路交通法、河川法、自然公園法、自然環境保全法、これはそれぞれ三カ月以下の懲役または二十万円以下の罰金ですとか、三万円以下の罰金とか拘留または科料とか、いろいろ罰則があるわけですね。すると、現実には投げている人は法律違反をやっているわけです。やっているけれども全然取り締まっていないのです。これはおかしいのじゃないかと思いますが、ここらについての環境庁長官のお考えを伺いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 私も全くそういう感じを持つのです。 話はちょっと違います。お話の件については後段で申し上げますが、オートバイのマフラーという、あれを外してしまってバーバー音を立てる。あれはけしからぬというので、警視庁が乗り出しました。私はこの間警視総監に会ってきました。そして、まことに結構なことだ、よくやってくれました、これからもどんどんやってください。私らは、カラオケという、案外それだけのことなんですが、それでもいけないと言って規制しているのに、機械を外して音を立てて喜んでいる。それからまた、よけい音の出る機械を開発して、それをくっつけたやつがいるという。そういうばかなことは許されるものじゃない、反社会的なことですから、これに対して警視庁が強く出たということはまことに評価すべきことですと、わざわざ警視総監に会いまして申し上げましたら、警視総監はそれを取り締まりの方にすぐ流してくれまして、非常に喜んで意気盛んだそうですが、私は、空きかんの問題だってそうなんですね。やはり取り締まるべきものは取り締まらなければ、法律がないなら別ですがあるのですから、何かこれができないかということで、その方面でもいま検討を進めておるわけでございますので、いましばらくひとつ答えは待っていただきたい。 ただ、こういう例があるのです。大分県の県警の本部長が、その傘下の各署長に対して、空きかんを車の上から捨てる行為を取り締まれということを指示した。そうしたら、この通達によって、いま先生が申されました道路交通法違反に対して即座に三件の検挙がありまして、一件などは大分の簡易裁判所から罰金一万円の略式命令を受けた。これは、交通機動隊がスピード違反取り締まりか何かやっていたのですね、そこのところへやってきた乗用車の中に乗っている女の人がコカコーラのかんをぱあんと表に捨てたのです。それをこらっとつかまえて、大分の簡易裁判所で一万円の略式命令。もう一つはいま起訴、求刑の段階というようなことがありますが、こういうことができるのです。できるのですから、お話のようなことに持っていくというのも一つの方策として十分検討してみたいと思います。
○中村(正三郎)委員 いま長官の大変心強い御発言をいただきまして、大変ありがとうございました。前に長官は、空きかんまで法律で決めてしまうのはどうか、情けないことである、しかしどうしても直らぬというのであればやむを得ないという答弁もされているわけでございまして、世界のいろいろな罰金の実情に照らしましても、やはり悪意でなくても何にも罰則がなければやってしまうということがあるのでございますから、いろいろな教育でございますとか、デポジット方式とかとるにいたしましても、そのバックアップする方法としてこの罰金というものをぜひやるようにしていただけたらと考えております。 そして、この罰金でございますけれども、シンガポールのお話がいま出ましたが、シンガポールは人口二百四十万程度のところでございますが、そこでもって罰金が非常に重くて、日本円に換算して約五万円以下の罰金が物を捨てると科せられる。たばこを捨てたときに取られた罰金というのの実例が新聞に出ておりましたが、ちょっとたばこを捨てただけで四千円取られた。重犯になるとシンガポールドルで二千ドルまで取るということでございますから、相当な額になってまいります。それで、シンガポールで環境をよくしようということでこの法律ができましてから、初めの五年間で六万人が検挙されたそうでございます。これをたとえば一人五万円ずつ罰金を取りますと三十億円、五年で割りますと一年間六億円、これだけ取れたかどうかわかりませんけれども、大変な金額になります。 また、いま自動車がいろいろな交通違反でつかまりますが、これの検挙の仕方も、つかまった人が運が悪かったというような見方もございますが、ああいう検挙のやり方もあるのでございまして、抽出して見つけたやつをつかまえるということで罰金を科していっても、かんの方は百億個のかんの中の約一〇%から一五%が投げ捨てられているだろうということでございます。これが数にすれば十億個か十五億個になるわけでありまして、自動車の方は、いま台数が三千万台ぐらい、四千万台ですか、それに比べまして莫大な数になる。こういうことをやって、その罰金を取った金でまた回収したり何かする方の費用に充てるんだという考えがあってもいいんじゃないかと思いますが、これについて環境庁長官の御所見を承りたいと思います。
○鯨岡国務大臣 昔から法三章といいまして、余り法律のよけいなということは私は政治家として好まないのですが、しかし、世の中が複雑になってまいりましたから、モラルだの何だのと言ってたってそれには限度がある。やはり取るべきものは取って、悪いやつは罰してということにしっかりしなければ、甘いことを言っていたんじゃ何もできないと言われるお気持ちはよくわかりまして、まあお言葉を返すようでまことに恐縮なんですが、やはりそういうことだろうかなというふうに思わざるを得ない現在の心境であります。
○中村(正三郎)委員 重ねて環境庁長官から御答弁いただきまして、ありがとうございました。 実は、公害健康被害補償法関係の御質問をさせていただきたいと思っていたのですが、時間がなくなりましたので、次回に譲ることにいたしまして、質問を終わります。
○山崎委員長 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 京都市が今回、飲料容器の散乱の防止及び再資源化の促進に関する条例を去る十月九日全会一致で可決、成立いたしました。京都は御存じのとおり、私も京都に住んでおるわけでございますが、年間四千万人近い観光客が訪れます。その中で空きかんに関しては、年間一億三千五百万個ぐらい出てくるだろう、こういう計算をはじいています。そのうち九千万個はいままで市がごみとして処分してまいりました。したがって四千五百万個、これだけのものがあの京都の景観、大事な観光地としてのそういう中に捨てられておるという状況で、市長としてもまた市議会としても相当骨を折って、今回こういった形で条例が成立してまいりました。これは当初デポジット方式の実施ということも考えておりました。しかし、それには踏み切れなかった、業界の反対等あって、先ほども論議が行われたとおりです。そこで、飲料メーカーなど業者と市が共同出資してつくる団体、いわゆる第三セクターといったものが空きかんを回収する方式という形で、こういう形もこれまた全国で初めてでございますが、この条例を設けたわけでございます。 環境庁の考え方は今後また聞いていくとして、とりあえず、きょう各省庁、関連のところに来ていただいておりますので、罰則規定まで入った条例であるといった面から考えてどんな評価、見解というものを持っておるか、厚生省と通産省、それから農林省、簡略で結構でございますので、お聞かせ願いたいと思います。
○田中説明員 厚生省としましては、廃棄物の適正な処理を確保するという観点から、廃棄物の減量化、有効利用に関する諸施策を推進しているところであります。したがいまして、事業者及び一般消費者の協力のもとに飲料容器の散乱防止及び再資源化促進をねらいとします今回の京都市条例につきましては、基本的に賛同できるものであります。 また、このような環境の美化に関する事務は地方公共団体のいわゆる固有事務に属するものであり、法令に違反しない限りにおきまして、条例で必要な事項を定めることができるものと考えられます。
○青木説明員 お答え申し上げます。 何と申しましても、国際的な文化観光都市としての京都市におきまして空きかんの散乱防止また再資源化に関する条例が制定される運びになったということにつきましては、それまでの間の市当局の御努力に敬意を表するとともに、良好な都市環境の維持形成等を図るという観点から、まことに望ましいことだというふうに基本的に考えてございます。今後条例の施行に当たりましては、先生御案内のとおり、市長の策定する総合施策の具体化が大きな課題でございまして、この間におきましては市と事業者等との間で十分な意見調整が図られる必要があるわけでございます。それを踏まえた円滑な施行を心から期待を申し上げている次第でございます。
○平河政府委員 通産省といたしまして七、ただいま各省からお答えいただきましたように、京都の方で新しい条例の試みをしておられるということに対しては高く評価しているところでございます。その具体的な施策の内容等まだ必ずしも明らかになっていない点もございますけれども、関係事業者等々と十分調整をされて今後の実効を図られることを期待している次第でございます。
○竹内(勝)委員 この条例は来年四月一日より施行される予定でございますが、その運営は、市の説明では第三セクターの設立に三億円、その後の運営に毎年一億円が必要だ。費用は市と業者との折半としており、来春その施行へ向けてさらに負担などの話し合いを煮詰めていく、こういった段階でございます。非常に、いま行政改革云々言われておるときに、費用負担いろいろと問題がございます。地方自治体の負担というものを考えれば、国として何らかの助成というものを考える必要があるのではないか、こう思いますけれども、現在のお考え、将来どうするのか、そういった面の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 わが国は、ついこの間までわりあいに経済的には低い国だったですから、捨てるものもなかったというわけじゃないでしょうが、物を捨てる量は少ないし、土に埋めちゃうし、それから個人的に焼いちゃうしというようなことで、廃棄物に対してこれほど大きな問題になってきたのはきわめて近年のことだと思いますが、やはり使うものにお金をかけるくらい捨てるものにもお金をかけなきゃならぬという状態になってきたんだと思います。一体地方自治体あたりが幾らぐらいの割合でこの廃棄物にお金をかけているか、五%か六%ぐらいじゃないかと思うのですが、何かの書物で読んだところによると、日本以外の先進国では二〇%くらいそういうのにお金をかけている、こういうことを聞きました。だんだんとそういうことにわが国もなってくるだろう、好むと好まざるとにかかわらずそうなってくるだろうと思いますが、さて、そういう地方団体の問題に国が補助金を出したりなんかするかということになれば、私の考えとしては、それは地方自治体でやっていくべきものだ、そのための補助金というようなことはいかがなことかな、こういうふうに考えるわけでございます。
○竹内(勝)委員 長官は、前に私が取り上げたときにも同じようなことを言っておるのですよ。それを現在のいままでの流れから、本日の論議を聞いていただいておってもわかるとおり、これだけの社会問題という形に全国的に大きな問題になってきておる、そういうものですよね。本日も関東知事会議において、何らかの一つの方向性というものが出てくる。あるいは九州においても知事会議を行っている。北海道や東北においても行っておる。各県におきましても行っておるというようなときですね。このときに、前と同じような考え方でいつまでも同じようなことを言うておったんでは、これは進んでいきません。全国市長会におきましても、国としての何らかの対応策というものが必要だと、こういう結論を出しておりますね。知事会議においても恐らくそういったものが出てくるわけでございますので、その面から、私いまの時点で考えておるのではなくして、将来どうするのかということをお聞きしておるので、もう一度答弁してください。
○鯨岡国務大臣 私は、やはり将来のことをお尋ねになれば、新しい日本国憲法には地方自治の一章をわざわざ設けたのですから、やはりもっと地方自治という趣旨にのっとって、地方に譲るべきものは譲っていって、それでそのことに対する補助金、これに対する補助金ということじゃなしに、やるなら財源をつけて、それであと地方自治体がそれぞれ、独自にやっているのですから、独自の考えでその金を自分が重要と思うところに使っていく、それが地方自治だと思うのです。だから、あえて先生から将来にわたっての構想を言えと言われれば、私個人としては、やはりそういうふうに持っていくべきものだ、こういうふうに考えております。
○竹内(勝)委員 京都の状況というのは、毎年一億円はかかる。設立に三億円。市と業者と折半していく。業者に関連し、またリサイクル、そういった面にも関連してくる通産省として、何らかの国としての対応、そういったものの御見解というものはあるのか、その方向をお聞かせ願いたいと思います。
○平河政府委員 お答えします。 京都市で考えておられる第三セクターにつきましては、まだその具体的内容を私どもつまびらかにわかっておりませんので、現段階で明確なコメントは差し控えたいと思いますけれども、私どもの方からこの第三セクターに直接補助金を出すというようなことはかなり困難ではないかというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 通産省では、クリーン・ジャパン・センターですかね、そういった面でのお考えとしては、こういったものと結びつく何らかの方法はあるのか、その辺も含めて、もう一度御答弁ください。
○平河政府委員 クリーン・ジャパン・センターでやっておりますことを御説明いたします。 私どもの方としましては、廃棄物の中で、特に資源の有効利用という観点から、一つの試みといたしまして、財団法人クリーン・ジャパン・センターを通じまして、市町村に対してごみの選別機、プレス機等の補助、あるいはボランティア活動の組織化等総合的な対策を展開するという点で、クリーン・ジャパン・センターの方に補助金を出して事業を行っているところでございます。
○竹内(勝)委員 兵庫県におきましても、去る十月八日環境美化条例ができました。その内容というのは、京都方式とは少々変わった、モラルというか、また業界の協力、そういったものを中心として処理していこうというものでございますが、どのような見解を環境庁としてお持ちでございますか。
○大山説明員 兵庫県の条例につきましては、先生御指摘のように、非常にモラルを強調、しかも、県民、県、市、あるいは業者一体になって環境を整備しようじゃないか、美化しようじゃないかという条例でございますが、これは私どもといたしましては、これで本当にきれいになるならば、できるだけこういう方向がよろしいのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○竹内(勝)委員 関東知事会議の状況というものも本日また明らかになってまいります。いままでの状況におきましては、まだちょっと、いま私が説明をしましたこの京都の方式、あるいは兵庫の方式、そういったものとまた変わってきておりますね。これをもしやるようになれば、日本におきましては初めて指定回収所、特定な回収所というものを決めた、いわゆるデポジットですね、そういうものを織り込んで、そしてそれも一定規模以上の小売店などを指定回収所にして、消費者が空きかんを返したら預かり金を払い戻すという考え方ですね。そこへまた、事業者らが責務を履行しない場合は罰則も科す。こういうような考え方もいままでの経過の中にはございます。本日、また明らかなものになってまいります。 そこで、私がここでお伺いしておきたいのは、京都や兵庫あるいは関東、九州、北海道や東北、そういったものがおのおの地方別に検討しておる、あるいはもう行われたところもあるというのでは、今後条例が別々に出てきて内容もばらばら、そういったもので処置されていっては一たとえばデポジットのようなものは広域制の方がずっと効果はあるように考えられます。そういう意味で、国としてどう処理するのか、バランスというものをどう考えていくのか、今後このままおのおのに任していったのではこれはちょっと支障が出てくるのではないか、国としてそれでいいのかどうか、お伺いしたい。
○鯨岡国務大臣 京都のように観光を主体とするようなところ、そしてそれが問題になってきた、そういう特殊な事情がありますが、そういうふうにいろいろ事情があろうと思います。あろうとは思いますが、この国の中で同じことにいろいろな条例でもってばらばらにやっていっていいとは思いません。ですから、ここにどうしても統一的なものがあった方がいいと思います。 午前中も申し上げましたが、カラオケ条例と称せられるあの条例も、わが方で一つのモデルをつくりまして、後はそれぞれの地域に適したようにひとつやってみてくださいということをお願いして地方に流しまして、ずっとそれによってできていることは御承知のとおりであります。できればそんなふうにでもできないものかなあと、いまそういうふうに考えて検討しておるところであります。
○竹内(勝)委員 流通部門の所管として、こういったものの考え方、国として何らかの対応をしなければならないのかどうかという面で農林省のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○青木説明員 空きかん条例が流通面に及ぼす影響についてでございますけれども、その条例の適用範囲、ただいま御指摘のような特定の自治体別に適用されるかとか適用範囲の問題、また規制の内容、運用の仕方等によりまして、これは一概には断定できない性格のものでございます。 ただ、条例で特にデポジット制度を採用するということにした場合につきましては、一般的には商品の出荷なり在庫管理の面で、条例の適用地域向けとそうでない商品を常に区分して二重管理するというようなこと、また、これまでも御議論がございますように、デポジットの採用地域につきましては自主的に売価の上昇というふうなことになりまして、周辺のデポをとっていない地域との競争条件が低下する等の影響が懸念されるわけでございます。そういう観点から、京都市の条例の場合につきましては、先生御案内のように第三セクターによる事業的な処理でございますから、流通面への影響というものはさほど大きなものではない。もちろん物流が回収ベースでのコスト増ということはあるわけでありますけれども、流通面の混乱は京都方式の場合は比較的小さいもの、こういうふうに考えているわけでございます。
○竹内(勝)委員 同じく製かんメーカーの立場として、国としての対応というもので通産省のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○平河政府委員 農林省さんからお答えいただきましたような同様な問題が生じてくるかというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 そうすると、長官、これはきょうの関東知事会議で、恐らくいままでの報道等によればデポジットというものは何らかの形で成ってくる。この場合に、一都九県ですからかなり広い面でございます。そうなってくると、いま農林省やあるいは通産省の考え、こういったものになってくると、京都の場合はそういったものはやらないからこの流通面においてはそう支障はないのだというような考え方をいま明らかにしました。これはデポジットを部分的にやっていくとなると、必ずそこに不公平が出てきます。その意味でこれは重要な問題ですよ。ここでやはり長官として、一つの方向性、こうしなければならないというある程度のものを、君らお互いにやってください、みんないいですというようなそんな甘い考え方でおっては、後になって収拾つかないような形になればよくないから言うわけですので、そのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 ただいま答えられた農林省も通産省もまじって十一省庁の連絡協議会ができているわけです。そこで、われわれの方がまだ結論に達していない間に、現実にやっている人は待ち切れないのですから、京都は京都でああいうデポジットではないけれども条例ができた、それからモラルの面に重点を置いた兵庫県の条例ができる、それから関東ではかなり広範囲にわたってそういうものができる。そうすると、流通の面にどういう影響が出てくるか、おっしゃるとおりだと思います。それで、われわれの方も、いまそれなりにお答えになりましたが、農林省、通産省まじえて、これらの方々に迷惑を与えないように鋭意考えをまとめていかなければならぬ、こう思っております。
○竹内(勝)委員 それでは、これは明らかにしてください。これも十一省庁にわたって連絡協議会を続けていますね。もう九回ですか、十回ですか、相当やってきましたね。そういう意味でもう何らかのものを出さなければいけない。いつ出すのか、どんなようなものを出すのか、その辺明らかにしてください。
○鯨岡国務大臣 いま先生がおっしゃったと同じようなことを私は言うているのですよ。せっかく検討、前向き検討ということばかりやっていたのではこれはだめだ。先ほどから申し上げているように、いい点ばっかりで悪い点のないというそういう対策はないのですから、そのかわり、悪い点ばっかりでいい点のないという対策もないのですから、十一省庁の連絡もそろそろ結論に達して、とにかくやってごらんなさい、何かやってごらんなさいということを言っている段階でございまして、いまここでこういうことをという一ないわけではありませんよ、ここまでやってきたのですからないわけではありませんけれども、いませっかくやっているのですから、ひとついましばらくお待ちをいただきたい、こう思います。
○竹内(勝)委員 それはわかっています。長官のお考えは、非常に意欲的にやっているというのもよく知っています。それならばやっぱりみんながわかるように、全国市長会でも全国知事会議でもみんな心配しているのだから、いつ出すか、大体のものだけでも言ってくださいよ。まるっきりそろそろなんというのは――そろそろなんというのは、一年でも二年でもそろそろになってしまう。
○鯨岡国務大臣 申し上げられないのは、それぞれの立場があるのですよ。私はいつでも、私の考えていることだけが非常にいい考えで、ほかの人の考えていることは実にくだらぬことだというふうに考えるのは幼稚だ。だから、農林省には農林省の考えがあるし、それからまた通産省には通産省の考えがある、それは立場上仕方がない。特に警察なんかには、なぜ罰金を取らないのですか、どんどん罰金を取ったらよろしい、こう私が、直接じゃありませんが間接的にでも言うている。そうすると、いろんな罪のバランスがあるのですね。何かこれだけつかまえてやると、それとは違うけれども、この罪とこの罪とのバランスがなくなる。私、法律のことはよくわかりませんから。それはやはり法体系の問題から非常にむずかしい問題のようです。 私はこの間そういう課長クラスの諸君が集まって検討しているところへ入っていった。そんなことは異例だ、大臣なんてそんなところへ入っていくべきものじゃない、こう言われましたが、あえて入っていってその諸君に激励して、もうそろそろ結論出せよ、考えてばかりいたんじゃ、困っている人はいるんだから早く結論出せよ、こう言ったのですが、おっしゃるとおりでございまして、それは私もそう思っているのですから、結論を出さなければならぬと思います。だから、出さないということには、これは許されないのですから。それで、方々でもってぼちぼちみんなしてやってくれば、そこに関連性がなかったら、この空きかんはそこだけの問題じゃないですから、そうするといろいろ支障を来すことは言うまでもありませんから、結論は出さなければなりませんが、いまここでどういうことを考えているのか、それを言えと言われても、努力している連中がみんないるのですから、どうぞそれはひとつ御勘弁願いたいのですが、ただ、言えることはこういうことでしょうね。私はこれは本質的に業者の罪じゃないと思うのですよ。PPPの原則なんていったって、それは私はこれに当てはめるということはちょっと拡大が過ぎると思うので、これは捨てるやつが悪いです。あくまで捨てるやつが悪いのですが、ここまで大問題になってくれば、業者だって、おれは売っちゃったんだから後知らないよでは済まないよ、それはそうです、私らも責任を感じます、だから私らも責任を分担しますから、こう言っているのです。ですから、業者も中へ組み込んで費用を出させるようにするのか、あるいは何をさせるようにするのか、業者にも相当つらい思いをしてもらってやっていかなければならぬ。それから、罰則なんかの問題も、いろいろ申し上げましたからもう申し上げませんが、やはり考えていかなければならぬのじゃないかな、こう考えておるわけであります。
○竹内(勝)委員 この十一省庁皆大事な立場でございます。その中でも特に、こういった京都の方式や、あるいは十都県に及ぶこのデポジット制を取り入れようとしており、さらに一定規模以上の小売店などを指定回収所にしようという考え方、こういった面は、一律にメーカーあるいは小売店が負担するという考えよりも一歩進んだ、そういった現実的な考え方のように関東知事会議の場合解釈されます。ただし、これが一府県の場合ですと、販売するときに他府県よりもこれはもう高く売らなくてはならない。また、一律に回収しなければならない小売店などは、この保管場所あるいは衛生面などに非常に問題が出ますね。したがって、京都の場合このデポジット方式を見送ったわけです。私もその経過というものはよく知っております。本委員会でも質問をさせてもらいましたけれども、その意味から今後もいろんな状況というものが考えられてくると思うのですよ。そこで、ばらばらにいろいろ出てくるということで非常に心配をするわけですので、むしろ長官としては、本当ならば、いつごろとか、ことしじゅうとか、あるいは今年度じゅうとか、何らかのものを出して、やはり責任ある答弁だと思うのです。その辺がもし言えるなら後で言うてほしいですけれども、むしろこの廃棄物処理法の観点から見て、厚生省非常にかかわり合いがございますね。そういった面で、何らかの対策を早急に打ち出していかなければならぬ、そういったお考えがあるのかどうか、厚生省にお伺いしたいと思います。
○田中説明員 空きかん問題につきましては、廃棄物の適正処理ということが問題になるわけでございますけれども、この空きかん問題について、さらに散乱防止とか再資源化とか関係する領域がきわめて広いわけでございます。そういうわけで、関係十一省庁が協力しながら対策を進めるという意味で、空カン問題連絡協議会で検討されているわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましては、いま申し上げたような多方面にわたる検討が協議会で行われているわけでございますので、あくまで協議会の検討結果を踏まえて、廃棄物処理行政を担当する立場から、空きかん問題に関します総合的施策が推進されるよう協力してまいりたいと考えております。
○竹内(勝)委員 厚生省、もう一度お伺いしておきますが、一部の報道に、厚生省が観光地や道路わきのこの空きかん散乱公害をなくすために、あんまり各地方においてばらばらになっちゃまずいということから、モデル条例というような、名前はわかりませんが、何らかの一つのパターンというものをつくった方がいいのかなというようなお考えがあるやの報道がございましたけれども、その辺は全くないのか、あるいは何かこう考えなきゃならぬ、それには一つのある程度のものは考えなきゃいかぬのかなというようなものがあるのかどうか、その辺、いいかげんなあれじゃなくて、はっきり答えてください。
○田中説明員 モデル条例につきましては、十月二十日付の毎日新聞に載っていたかと思いますが、私もそれを見ております。 ここでモデル条例についての状況を御説明申し上げたいと思います。 現在、先ほど申し上げました空カン問題協議会においては、デポジット制度、罰則の強化、諸外国の制度、そういうことと並びまして、モデル条例的なものを作成してみるということが検討されているわけでありまして、仮にモデル条例的なものを作成するとした場合には、その内容としては、消費者に対する啓蒙、業界に対する指導、あるいは回収、再資源化等、各省庁にまたがるさまざまな項目が考えられるわけでございます。しかし、モデル条例的なものを作成するに当たりまして、何かしら素材的なものが必要ではないかということで、とりあえず廃棄物処理行政を担当する厚生省がたたき台を準備して協議会の場にお出しする、そして協議会での検討に資するということになっているわけでございます。 いずれ協議会で、このモデル条例を実際に示すことの可否をも含めまして検討されるかと思います。厚生省としましても、この協議会の結論を踏まえて考えてまいりたい、このように考えております。
○竹内(勝)委員 その考え、長官どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 これはカラオケのときにもそういうふうにやったのですが、そういうふうにできたらおもしろいなと私個人は思うのですがね。 ただ、私の方としては、再三申し上げているとおり、九月の一日付で、去年と比べてどういう結果になったのか、どういうところがよくなり、どういうところが悪くなり、どういうところは同じだったかというようなことをいま集計しておりますので、そのモデル条例みたいなものができるということに合意がなされれば、その参考にもなる、おもしろいな、こう思っているわけです。
○竹内(勝)委員 それと、もう一点、長官、あんまり時間がないのですが、いまPPPの原則は何も業者だけじゃない、こう長官発言されました。それはそのとおりだと思うのですよ。いまのところ各地方自治体はおのおのの工夫をこらした考え方をもってこの対策に当たってきております。今後もよりよい方向へ頭を悩ましているのが現状です。そういう中で、いろいろな問題点が多過ぎますので、そこでひとつPPP、この原因者負担、応分の負担というものはこうあるべきだという一つの方向性は環境庁としてお持ちですか、答えてください。
○鯨岡国務大臣 これは環境庁としていまの御質問に対してのお答えを用意しているというわけではありませんが、PPPの原則というのは、たとえば水俣病におけるチッソというようなときには、まさに原因者負担の原則ということで、考え方も対策も確立しております。しかし、ジュースを売る人がいて、かんをつくる人がいて、それを小売店から買っていって、買っていった人が飲んで後始末をしないでいる、そこらじゅうに捨てた。それはジュース業者が悪いんだ、かん業者が悪いんだという、そこまで考えたら拡大解釈ではないかなと私は思うのです。ですから、事業者に責任がある、おまえの責任だぞとはいきなり言い切れないものがあるのじゃないかな、政治家として私はそう思うのです。しかし、再三申し上げているように、これだけ社会問題化すれば、業者といえども私には責任がありませんよとは言っていられませんよ、そう言ったら、業者も、全くそのとおりです、われわれも一緒になって心配をいたしましょう、こう言っているのですから、そこでそれをやはり原因者負担ということかなということで、そんな話にしているわけでございますが、やはり業者にも応分の協力をしてもらいながらこの対策は立てていきたい。 ただ、この種の問題は、私が提唱して十一省庁の連絡協議会を開いて今日までやってきたのですが、そう検討、検討ばかりやっていないで結論を出しなさいということを私も言っているのですし、先生もいまそういうふうに言われているのですが、われわれがここへ来て、先生方の御質問に対してちょっとこの場だけ逃れればいいわという答えを、環境庁も厚生省も農林省も通産省もしていていいというものではないのです。これは、ここでうまいこと答えて、終わればそれでいいというものではないので、先ほどおっしゃられたとおり、どうしても結論を出さなければならぬのですから、多少それはどうかなと思っても、それ以上いい考えがなければ、自分の立場ばかり考えないで、そろそろ結論を出さなければならぬということに対しては全く同感でございますから、いましばらくひとつお待ちをいただきたい、こう思います。
○竹内(勝)委員 それじゃ、時間ですから、もう一問だけお伺いして、終わります。 具体的に言って、京都方式は、もう長官御承知のとおり業者と自治体がおのおの負担していく。自治体が負担する、これは即一般消費者、市民が負担するということですよね。これは、今後景気の変動によって業者への負担が重くなったりあるいは自治体への負担というものが重くなったりしては不公平になってしまいます。PPPの応分の負担、こういった面から、その原則はどこにあるのかということをもう一度はっきりしておかなければならない点と、いまの京都の場合をひとつ答えてもらうのと、何らかのものを出すというのは、本年じゅうかあるいは本年度じゅうかあるいは来年度まで待たなければだめなのか。その辺だけ答えて終わりにさせてください。
○鯨岡国務大臣 それは、十一月には調べた結果がわかりますから、詳細に統計が出ますから、それらを踏まえて、関係省庁、十一省庁会議が特段の勉強をしてもらって、ひとつ年内には何らかの形をつくって、もしそれが多少の法律をつくるとかなんとかじゃなしに、御審議をいただかなければならぬということであれば、来年度の通常国会なんかには御審議が願える――これは法律をつくるという意味だけじゃありませんよ、そんなふうに考えております。
○竹内(勝)委員 京都の状況はPPPというのはどうなんですか。
○鯨岡国務大臣 京都の方は、京都の方で業者と地方自治体とそれから住民ですか、みんなでひとつやっていこう、こういうふうになったわけですから、その物差しは一応決まっているでしょう。先生のおっしゃるのは、景気が変わってきたときにどうなるかということですか。
○竹内(勝)委員 一般消費者に負担がかからないかどうか……。
○鯨岡国務大臣 それは一般消費者に負担がかかるようなことであってはいけないと私は思います。
○竹内(勝)委員 終わります。
○山崎委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 私は、四大公害裁判の一つと言われております大阪伊丹空港の騒音対策について質問をいたしたいと思います。 いよいよ来月結審が最高裁で出るということでありますけれども、まず環境庁から出されました航空機に対する環境基準の達成について、これが四十八年十二月二十七日の告示でございましたから、ここから十年間ということでありますから五十八年になりますか、これで環境庁から出されたところの基準の達成ができるのかどうか。これをまず航空局からお聞きしたい。
○鯨岡国務大臣 五十八年までには言うまでもなくまだ二年あるわけでございますから、鋭意努力はしておりますが、局長がおりますので局長から答えさせます。
○三浦政府委員 ただいま大臣から御答弁がございましたように、あと二年ございます。私ども運輸省の方とも十分連絡をとりながら、この達成に向けて努力したいというふうに考えておるわけでございます。
○岡本委員 航空局の方から……。
○栗林説明員 航空機騒音の環境基準の達成につきましては、運輸省といたしましても、当然従来から種々努力を重ねてきたところでございます。そのためには、低騒音機の導入とか発生源対策と、それから住宅の防音工事、住宅の移転補償など総合的に対策を進めて努力してまいりました。特に住宅の防音工事の問題につきまして、現在の対策区域、これはWECPNL八十以上ということでございますが、これを七十五というところに広げまして、対策をさらに広げる、環境基準達成に向かって努力するということで、現在作業中でございまして、五十八年度までには現在の対策区域については完了できると思います。 それから、WECPNL七十五までの区域については、いま具体的に線引きをしまして、対象の世帯数などもいま相談しているところでございますので、確定した言い方はちょっとしにくいのでございますけれども、あるいは五十八年度までにこれを完全に終わらすことはなかなか容易でないとも考えられますけれども、なおいま鋭意努力するという段階でございます。
○岡本委員 まず、いまの状況を見ますと、いま八十ですから、七十五の線をこれから広げるというわけですね。これがことしの秋に発表するという話でありましたね。これがまだおくれておりますね。これはいつごろ発表しますか。
○栗林説明員 この改定作業には、法律上県知事あるいは府知事の御意見も聞きながらやるということになっておりますが、そういった地元調整をやりながらということで、実は先生おっしゃいますように、ことしの秋とか年内ぐらいを目標にやっておったわけですが、ちょっとやはり作業がおくれておりまして、年明けから年度内にはやりたいということでいま鋭意作業を進めております。
○岡本委員 これは、年度内というと三月末になる。それが先ほどお話ありましたように、五十八年度で達成できないのではないか、ちょっとむずかしいというお話です。もしもこれが達成できないことになりますれば、環境庁としてはどういうふうな手を打たれますか。
○三浦政府委員 私ども、いろいろ迷惑を受けている住民がおるわけでございますから、いまから達成できなかったらなんということまでまだ考えておりません。とにかく全力を挙げて、迷惑を受けている住民もおるわけですから、何とかして達成したい、こういって努力をしている最中でございます。
○岡本委員 まあ、いまのところそういうふうにしか答えられないでしょうけれども、これはなかなかできない。 次に、現在運輸省が地域を広げようとしておるのがWECPNL七十五ですか、環境庁からこの地域の類型について指針が示されたのは七十以下と七十五以下、こういうふうにあるわけです。この七十以下というのは、運輸省に聞いてみますと住宅専用区域、環境庁にお聞きしましても住宅専用区域が七十以下。そうしますと、七十五以下にしましても、まだ七十以下というのが残っているわけですよ。伊丹、川西あるいはまた尼崎、この周辺の地域におきまして住宅専用区域というのがずいぶんあるわけですね。それは七十にしなければならなくなっておる。ところが、この年度末で七十五にして地域を拡大して、それからその対策をするというのです。それで、五十八年が四十八年に環境庁から出されたところの「十年をこえる期間内に可及的速やかに」、こういうことですね。そうすると、全然まだ七十という区域もせずに、七十五だけ来年の三月ですね。これはできないことが明らかになってきておる。したがって、この点についてひとつお答えを願いたいのですが、これは航空局からひとつ聞きましょう。
○栗林説明員 先生おっしゃいました「専ら住居の用に供される地域」七十以下、というところが具体的にどこの地域であるかという問題もございますが、環境基準のこういったことも含めた最終的な達成の期間というのは、環境基準にございますように、「十年をこえる期間内に可及的速やかに」行うということで鋭意努力をしていくということだと思います。 それから、七十五WECPNLというところにつきましては、改善目標として書いてあるわけでございまして、われわれは防音工事の問題も含めて、先ほど申しましたようになかなかむずかしい問題があるわけですけれども鋭意努力していく、また、もちろん基準の達成ということにつきましては、低騒音機の導入の問題とかそういった発生源対策も含めて、総合的な観点からできるだけ努力をしていく、こういう姿勢でいまやっております。
○岡本委員 そこで念を押しておきます。いま本年度内にWECPNL七十五の地域を指定をしてそこまでの対策が終わるということでしたが、次には、住宅専用地域については七十以下にもう一度対策を立てるようにいたしますか。どうですか。七十五でおしまいということはないでしょうね。
○栗林説明員 現在のところWECPNLの八十が若干残っておりまして、これをいま鋭意やっているところで、次に七十五というところでいま区域改定をやりまして、これを一生懸命やろう、こういうことになっておるわけです。それで、住居の防音工事その他いろいろな施策がございますので、発生源対策も含めてその様子を見ながら環境基準を最終的に達成できるように具体的な措置を考えていきたい、こう考えております。
○岡本委員 飛行場部長さん、話をそらしてはいけないのですよ。WECPNL七十五が達成できたら次は住宅専用地域については七十というのが環境庁からの指針なんですね。それに向かって今度は対策を立てるようにいたしますかと聞いているわけです。どうなんですか。
○栗林説明員 現在やっております七十五というところが仮に終わりましたらということで、「専ら住居の用に供される地域」について基準値七十以下ということで環境基準が決まっておりまして、これを「十年をこえる期間内に可及的速やかに」行うという環境基準でございます。なお、環境基準については若干の注がついておりますけれども、いずれにしても「極力環境基準の速やかな達成を期する」ということが明記してございます。当然それに沿って私ども考えていかなければいかぬと思っております。
○岡本委員 わかりました。一般の風評では、今度七十五に拡大された、それで大体対策が終わりじゃないか、この点について地元では非常に心配しておるわけですね。環境庁から示された七十以下という住宅専用地域がずいぶんあるわけですからね。いまあなたからお答えのように、七十五が達成された後、続いて対策は考えていく、こうとってよろしいですね。これははっきりしておいてもらいたいのです。
○栗林説明員 環境基準は私ども行政の非常に重要な努力目標でございますから、それに向かって努力していくのは当然でございまして、環境基準が住居専用地域、これは具体的にどこかという問題は別といたしまして、そういったところについて七十以下ということで努力していく。それは今後どういう総合的な状況になっていくかによって具体的な施策が決まってくると思いますけれども、それは当然のことと考えております。
○岡本委員 では、次に、一種、二種、三種区域に分かれておりまして、二種区域、三種区域は、住民が立ち退きたいというのはどんどん移転補償している立ち退き地域になっているわけですね。この地域にある農地に対して、A、B農地、今度はCになりますけれども、宅地並み課税をかけている。宅地並み課税をかけるということはどういうことなんですか、ちょっとお答え願いたい。
○湯浅説明員 いわゆる宅地並み課税は、現在三大都市圏の特定市の市街化区域内のA、B農地を対象としているわけでございます。それで、現在のこの二種区域及び三種区域内でございましても、それが市街化区域内である限りは、やはり現在の法制度からいきますと宅地並み課税を実施していかなければならないということでございまして、市街化区域内という前提がある限りは現行のとおりやらせていただくということになろうかと思います。
○岡本委員 そうすると、宅地並み課税をかけるということは、その農地を宅地にかえるという促進するための課税をやっているわけですね。ところが、そこは、これは伊丹、大阪区域ですから、都市圏になっているのです。そして、運輸省の方では、今度はそこには人が住めないからというので、そういうわけで追い出しにかかって、移転補償をして出てもらっている。片や農地の方は、宅地並み課税をかけて、それで早く宅地にせよ、これはずいぶん矛盾があるのですが、これも自治省のお考えをお聞きしたいと思います。
○湯浅説明員 ただいま申し上げましたとおり、その地域が市街化区域でございますと、これは農地を宅地に転用することが届け出だけでできるということでございますので、通常のA、B農地の宅地並み課税が行われるということになるわけでございます。
○岡本委員 そうしますと、先ほど言いましたように、要するに法制度はそうなっているのですね。農地を宅地に早く促進したいためにA、B農地に対して税金をかける。ところが、宅地にならない。要するに人が住まないわけですね。これは同じ都市圏ですよ。こういう場合、特例ということはやはり考えなければいかぬのじゃないかと私は思うのです。建設省の黒川さん、どうなの。
○黒川説明員 建設省としましては、来年度以降の取り扱いとしまして、現在、要望官庁の立場で、国土庁と一緒にいろいろ内容を検討しておりますけれども、その際、基本的には昭和五十四年十二月の税制調査会の答申に沿って検討しているわけでございますが、中身といたしましては、長期にわたりまして営農を継続されるというような意思のある方々に対してはそういった特例的な取り扱いをしたいということで検討させていただいております。
○岡本委員 長官、これは大分筋違いですけれども、お話をお聞きになっておって、どうもおかしいと思いませんか。要するに、都市圏の中でA、B農地になっている、まあC農地も入っておるわけですね、その中で、運輸省は、そこから人をどかせようとする、住めないからというので、移転補償をしてどんどん出しておる。それが宅地にならないからそうしているわけですね。自治省あるいはまた建設省の方では、宅地並みの課税をかけて、それを早く宅地にしようとしている。これはちょっとおかしいと思いませんか、どうですか。同じ日本の国ですよ。
○三浦政府委員 ちょっと先に私からお答えさせていただきますが、飛行場周辺に限らず、新幹線、道路交通公害、いずれも先生御指摘の問題があるわけでございまして、やはりこういう交通公害問題に対処するには、これから適正な土地利用計画というのは欠くべからざるものだと思うわけでございます。したがって、いま中公審の交通公害部会でこの問題も含めて抜本的な対策をとるべきじゃないかということで検討している段階でございます。
○鯨岡国務大臣 お話しのとおりですよ。横の連絡が十分でない。だから、飛行場とか新幹線とかということになってくると、だれも、家に住んでくれろと言ったって住まない。住まないから、なるべくなら出ていってもらいたいというのが役所の方。片一方では、こんなところに農地をつくる必要はないから、これは宅地にしなさいと言う。それはおっしゃるとおり矛盾ですが、世の中が複雑になってくるとそういうことが出てくるでしょう、横の連絡が十分でないから。そういうわけで、そこいらをうまくやるのがやはり環境庁の仕事ですから、ひとつよろしく。
○岡本委員 いまのような答弁じゃ全然話にならないよ、そこをうまくやるのが環境庁だなんて。いずれにしてもこれじゃお話にならない。いま局長の方から、中公審でいろいろと検討しておると言われた。これはそう検討しなくてもいい。これはもう矛盾しておるわけですから、早く調整をして、そういうところに対して宅地並み課税をかけないような、そうするようなことを考えないと、その農地を持っている人たちは本当にばかみたいなものですよ、考えてみると。これだけはひとつ、また今度、決まる前にもう一遍委員会で詰めますが、きょうは時間がありませんから、これで終わります。
○山崎委員長 中井洽君。
○中井委員 長官の戻られるまで、マツクイムシ対策についてお尋ねをしたいと思います。 最初に、現在のマツクイムシの全国的な被害の状況について御報告をいただきたいと思います。
○古宮説明員 お答えを申し上げます。 マツクイムシの被害状況は、実は、ごく最近五年間をとってみますと、昭和五十一年あるいは五十二年は全国的に約八十万立方という状態でございましたが、昭和五十三年に、夏の間に雨が降らないあるいは気温が非常に高くなるということで、八十万立方のオーダーでしたものが一挙に二百万立方という形で急増いたしております。その影響が昭和五十四年度にも残りまして、昭和五十四年度でさらにふえまして二百四十万立方というオーダーになってきております。昭和五十五年度の量は、昭和五十四年度に比べましてその約八六%ということで、約二百十万立方まで下がってきておるというのが現状でございます。なお、昭和五十六年度の被害も、そろそろ黄色くなってきておりますけれども、まだ被害の量は確定をしておりません。これからまだ若干被害が出てくるという可能性もございますので、最終的には年度を通して被害を把握する、こんな形になっております。
○中井委員 五十一年度、五十二年度は、私どもの郷里なんか余りマツクイムシはなかったのでありますが、最近ほとんどやられておるというような状態で、いまお話にあったように、全国的にもかなり広がって、政府はマツクイムシ対策の特別立法を五十二年から五十七年という形で、賛否いろいろある中でおやりになる。私どもも効果があるだろうと考えて、実はこの法案に賛成をしてきたわけであります。実際この法律でマツクイムシ対策というのはかなり進んだとお考えになっていらっしゃるのか。また、いろいろと制約等あってやりにくいわけでありますが、それじゃ来年の三月にこの法律の期限が切れたときに、この法律のやりにくい点を直してさらに対策をおとりになるのか、あるいは全く新しい点から対策をとられようとしておるのか、どのようにお考えになっておるのか、御答弁ください。
○古宮説明員 先ほどちょっと申し上げましたが、昭和五十三年に被害が非常に大きくふえてきて、それまでの間、先生おっしゃったように余り被害のない県で実は急激にふえてきたというような状態がございまして、被害の状況を全国的に見てまいりますと、このマツクイムシ被害そのものは、古くは九州地方あるいは四国地方というところに集中的にあらわれておりまして、たとえば山陰地方あるいは近畿等には余り被害がなかったのが実態でございます。 ところが、五十三年にそういう形で非常に大きな被害が出てきたということもございまして、被害の状態というのが全国的にいろいろ違った様相を示してきております。たとえば九州地方等の非常に被害の進んでいるところでは、もはや松林らしくない林が出てきておる。一方では、最近になって被害が出てきまして、いまのうちに対策をとらなければならない。そういうような地域的にいろいろと違いが出てきているということを踏まえまして、対策をこれから考えたいと実は思っておるのですが、昭和五十二年度から特別措置法をお願いをして、五カ年間でマツクイムシ被害を終息させるということで考えて対策を講じてきたわけでございますが、その当時考えておりました対策は、松くい虫防除特別措置法、それから、前からあるのですが、森林病害虫等防除法というこの二つの法律を軸にいたしまして対策を講じる。 その戦略は、被害がまだそう大きく蔓延をしていないということで、松林として非常に重要な、たとえば保安林等重要なところを中心に、それから、ほっておくと被害がこれから蔓延するであろうというところを予防的に防除をするという、空中散布と申しておりますが、ヘリコプターから予防的に薬をまいて、だんだんと被害の激しいところへそれを及ぼしていって終息をさせる、こういう戦略でございましたが、実は現状の段階で申し上げますと、被害の区域面積が全国で約六十四万ヘクタール程度ございます。六十四万ヘクタールのうち、ヘリコプターで予防散布をする区域が約十三万ヘクタール、被害の出ております松林面積の約二〇%をこの特別防除、ヘリコプターで薬をまくという事業をやらしていただいておりますが、残りの八〇%につきましては、秋口から冬にかけて黄色くなった、枯れた松を一本一本切りまして、切った上に薬をかけて木の中に入っておりますマツクイムシを殺す、こういう手法でやっておるわけでございますが、先ほど来申し上げましたように、ヘリコプターで薬をまく特別防除というのが、自然環境あるいは生活環境あるいは農業だとか漁業だとかへの被害が及ぶことを防止するというようなことで、約二〇%程度しか予防ができないということに相なっております。 そこで、これからの対策でございますが、先ほど申し上げましたような被害の状況、それから予防的に薬をまく空中散布が約二割程度しかいろいろな事情でまけない、そういう制約がありますので、そこで私ども新たな対策といたしまして、従来の対策に加えまして特別伐倒駆除と言っておりますが、秋口に松の木が黄色くなる、枯れる。それを全部切りまして、切った木を林の外に出してくる。出してきて全部焼いてしまうか、あるいはチップといいますか小さい削片にしてしまう。こういうものを実施して一〇〇%の駆除効果を持たせる、そういう対策を一本柱として加えたいというのが考え方の一つでございます。 もう一つは、先ほど触れましたのですが、被害が非常に進んでいて、防除という方法でマツクイムシを駆除するよりも、むしろ松の木以外の木に植えかえてしまう。たとえば、残っておる松の木を全部切りまして杉だとかヒノキに植えかえていく。私ども樹種転換と申しておりますが、そういうような事業を大きな柱に入れていきたい。先ほど申し上げましたような特別伐倒駆除あるいは樹種転換、この二本を従来の防除対策に加えて、新しい観点から総合的な防除ができるような法律をお願いしたいということでただいま検討中でございます。 以上であります。
○中井委員 御努力は多とするわけでありますが、実際そういう被害に遭った地区あるいは自分の所有されておる松がやられておる人たちにお会いして話を聞くと、空中散布というのは全然だめなんだ。虫や魚にいろいろな被害を与えるから全然できないのだという形の誤解された話が何か広がっておるような感じがあって、せっかくつくった法律による空中散布が、いまお話にあったように、二割あるいはそれ以下しか実際はできていないというのが実情じゃないかと思います。空中散布だけが決め手だとは言いませんが、林野庁あるいは農林省は、あの当時環境の委員会でもいろいろな議論がある中でこれが最大の決め手だ、そしてやるのだ、これで撲滅するのだということでずいぶん熱心にやられた。私どもはその意見を聞き取ってあえて賛成に回ったわけであります。それを、現在やってみたけれども、二割ぐらいしかできない。そしてほかのところにやるのだという後追いでは何ともならないのじゃないか。何のためにあの法律をつくったのかという気がいたします。もちろん足りない部分については新しい発想で法律をつくって対処していく。それはそれで結構でございますが、もっともっと各地域あるいは各地方自治体、あるいは松林をお持ちになっておる所有者、そういうようなところに十分な徹底をして、できる限り法律の実効が上がるような御努力をいただきたいと思いますが、そういった現在努力されておるあるいは森林所有者に対してどういう形で周知徹底をしておるのか、そういうことについて含めて御答弁をいただきたいと思います。
○古宮説明員 お答えをいたします。 この特別防除、空中散布を実施するに際しましては、当然のことながら、自然環境あるいは生活環境、農業だとか、漁業への被害が及ばない範囲で実施をする。しかも、実施する場合にはいろいろ地元の利害関係のある方々の御賛同を得られたところについて実施をしておるのが実態でございます。私ども毎年度、関係する県の方々あるいは市町村の方々の御努力によるわけでありますが、地元の方々と接触をしていただき、こういう形で実施をするという御了解をいただけるところにつきまして計画的に防除を実施するという形で実施をしてきております。その実施しておる個所につきましては実は効果が非常に上がってきておるというのが実態でございます。しかし、いかんせん、いろいろな関係で制約があるということも事実でございますので、そういう制約の中ででき得るものについてあらかじめの予防散布を実施させていただく。したがいまして、本来ならば空中散布をすれば被害を防除するという意味ではいいのだというところで空中散布ができないところにつきましては、地上から薬をまくような手法をとらしていただいております。さっきちょっと忘れたのですけれども、そういう手法もとらしていただいておる。したがいまして、今後も完全に予防したりあるいは防除しなければならないところにつきましては、ただいま申し上げましたような手法でまいりますし、次善の策をとらざるを得ないところにつきましては、全部木を切って外に出して完全に駆除をする、こういう手法、両面作戦をとらしていただきたい、こんなふうに思っております。
○中井委員 話はよくわかりますが、お願いをいたしておきますが、マツクイムシで被害に遭われる、本当にどうしようという形で県、市町村に相談する、あるいは組合に相談をする。もう切ってください。自分のところでやってください。たとえば、地上散布だとか空中散布だとかいう話が現実には実際余りやられていない。初めからこの地区はだめだとか、あるいはやれないのだとか、あるいは地上散布も金がかかるとか、地方自治体や組合も金を出さなければならぬということで、被害に遭われている方に、そういう方法があるのだ、やっていただけますかという問いかけをせずに荒れるに任してあるところが私はたくさんあると思います。ひとつ法律の趣旨を生かして、もちろんその生活あるいは産業等に悪影響があるということはいかぬことでありますから、十分法律の趣旨を生かしてできる限り散布の範囲を広げられるような努力もしていただきたい、そのことをお願いをしてマツクイムシの問題を終わります。 次に、ことし九月の中ごろに、東京地裁の方で住民団体がNOxの基準緩和の取り消しを求めての訴訟をされております。それに対して東京地裁の方が、これは訴訟の対象にならないという形で訴えを却下されたという事件がございました。この東京地裁の御判断について、環境庁としてどのようにお考えになっておるか、その点をお聞きをいたします。
○三浦政府委員 九月の十七日にNO2の環境基準の告示取り消し請求事件につきまして東京地方裁判所の判決がございました。これにつきまして、環境基準というものが政府が公害防止行政を総合的に推進していく上での政策上の努力目標を示すものでございますからして、環境基準を定める告示は行政訴訟の対象となる行政処分ではないという環境庁の従来の主張が認められたわけでございまして、私どもこれを評価しておるわけでございますが、私どもといたしましては、判決の中にも触れられておりますけれども、環境基準は国民の生命、健康を公害から保護するという目標を達成する上できわめて重要な指導的役割りを演ずるものでございますからして、今後とも環境基準の達成、維持に向けて最大の努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○中井委員 私も環境基準の改正については科学的にのっとってやってあたりまえであるという立場から賛成をしてまいりました。その点で、この判決理由の中に、できるだけ理想的なレベルを設定しなければならず、みだりに安易な妥協に走ってはならないのは当然だというくだりがあって、それが暗に環境庁の今回のNO2の環境基準の改正を批判をしておるというふうに一部言われておるやに聞いております。私は、裁判そのものがそういう形で判決の理由にそういうことがあったのかなという感じがあるわけでありますが、環境庁としては、地裁から暗に批判をされたというふうに御理解をなさっておるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
○三浦政府委員 私ども、五十三年に改定いたしました環境基準というものは、科学的判断に立った適正なる基準であるというふうに考えておるわけでございます。
○中井委員 次に、ここ一両日の新聞で私もちょっと走り読みをした程度なんですが、チッソに関する熊本県の県債の発行問題あるいはチッソ援助に対する各省庁の協議等かなり煮詰まったというふうに聞いておりますが、新聞報道どおりと理解していいかどうか、御答弁いただけますか。
○清水政府委員 最近の新聞で報じられました問題でございますが、御案内のとおり、チッソに対する金融上の支援措置ということで夏ごろから関係省庁の間で協議を進めてまいっております。できるだけ年内も早い時期を目途として結論を得たいということでやっておりまして、その検討の重要な柱といたしましては、一つは開発銀行の融資の問題がございます。あるいはまた熊本県の県債の継続の問題がございます。そのほかの関係省庁によるところのチッソの経営の維持強化に対する支援と申しますか、あるいは行政指導というような事柄も入っております。全体的にはこれはパッケージというふうに私ども関係者は言っておるわけでございますが、いわば全部を総括いたしまして補償金の支払いに支障を来さないでチッソの経営を維持強化していき、また地域経済にも悪影響を及ぼさないようにする、こういう目標を立ててやっておるわけでございますが、大体関係省庁の話し合いも煮詰まってまいっております。ただ、いま、現在新聞で具体的に報じられましたような一つ一つのことにつきまして、どの段階まできているということをちょっと御報告できるだけのまだ段階ではございませんけれども、しかし、融資の問題につきましては、その中でも特に一つがよく進捗しているというような状況はあるということは申し上げられると思いますが、そのほかのこともあわせまして最後の詰めに入っておるということでございます。
○中井委員 具体的に言えないというのは、それはそれで理解をするわけでありますが、その話し合いが、短期的なチッソの支払い能力を関係省庁あるいは銀行関係が寄り集まってどのように保証していくかあるいは確保していくかという議論であるのか、あるいは長期的にまだチッソのいわゆる水俣病として訴訟、あるいは訴えておられる方々が数千人おられるわけであります。こういった人たちがどのぐらいのパーセントで認定をされるかわかりませんが、将来にわたって大変支払い能力というものが不安であるわけであります。したがって、いまお取り組みになっておる対策というものが、あるいはこれから出されるであろう結論というものが、短期的なものか、長期的なものも含んで御議論をなさっておるのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○清水政府委員 その点はいわば中期的というふうに申し上げるのがよろしいかと思います。数年にわたりまする将来のチッソの経営の強化、設備投資が中心になりますけれども、そういうことを中心にして、それから、もちろん前提になります患者の動向ということも念頭に置くわけでございますが、ただこの方はなかなか予見はむずかしいということでございますので、これは一応の仮定ということにとどまらざるを得ないと思います。現実的に詰められるのは経営自体をめぐる中期的な計画、こういうことでございます。
○中井委員 わかりました。ただ、二年に一遍、三年に一遍こういう問題を繰り返し協議をしていかなければならないし、私どももどうなるのだということで心配をしなければならないというのは、私どもの心配はともかく、患者さんにとっては大変なことであろう、このように思います。したがって、経済状態も大変むずかしい時期でありますし、民間企業の経営ということでありますから、なかなか長期的な見通しあるいは対策というのは考えにくいことでありましょうが、何といってもこれはチッソに責任があることでもあります。したがいまして、どうぞ十分御指導いただいて、長期的な対策についても常々腹にたたんで御議論をいただけるように強く要望いたしておきます。 次に、過般総理府の方で自然保護に関する世論調査が行われ、それのアンケート結果というのが発表されました。私も全体を見ているわけじゃなしに新聞の切り抜き等で見ただけでありますから、あるいは認識違いで質問するかもわかりませんが、わかる範囲でお答えをいただきたいと思います。このアンケート調査の結果で、現在の政府の自然保護への取り組みというものはどうだというアンケートに対して、消極的であるというのが五七%あったということでありますが、こういったことを含めてどのようにこのアンケート結果を環境庁としてお考えになっておるか、御答弁願います。
○正田政府委員 先日の総理府の自然保護世論調査でございますが、御案内のように、ことし自然公園制度が発足いたしまして五十周年を迎えましたので、これを機会に一般国民の自然公園の制度に対する理解あるいは要望、さらに自然保護につきましての国民の意識をぜひ知りたい、こういうような発想で調査をお願いし、その調査の結果を私どもの方の施策に反映させたいということで行ったことでございます。 要点を申し上げますると、国民の大多数が野外の自然というものに触れ、さらに自然公園制度というものもたくさんの人が知っているようでございます。しかしながら、自然公園へ行くと、本日議論になっておりましたようなごみとか空きかんという問題が非常に問題だという意識を持っている。さらに、混雑がどのようにして解消されるかという問題意識もあるようでございます。さらに、自然保護と観光開発のいずれが優先すべきやということに対しては、国民の大多数が自然保護ということを考えている。また、野生動物の保護、さらに絶滅のおそれのある野生動物の保護、そういったものについても、人間生活と自然とのバランスを重視してやるべきであるという、ほぼ妥当と思われるようなお考えがあるようです。それから、九四%の人が自然保護が大切と考えている。まあそのように意識をしておる。さらに、自然保護活動につきましては、参加したことがないという人が大部分であります。また、さらに五〇%の人がぜひ参加したいということも言っておられるようでございます。 しかしながら、先生がただいま御指摘されましたように、自然保護に対する政府の取り組みについての評価、つまり十年前と比べてどうかということについては、確かに五七%がお説のとおりでございますし、二〇%は積極的にやっているというような御意見。それを踏まえまして、今後ぜひ教育の場で取り上げてほしい、あるいは規制をもっと強化すべきである、さらにはボランティア活動を支援しろ、こういうような締めくくりで御意見がまとまっておるようでございます。 私ども、自然保護についての意識がある程度想像以上にあるということについて大変評価し、喜んでおるわけでございますが、一面、御指摘のような点について厳しく反省して努力をしなくちゃいけないということを庁内でも意識し、考えを統一しているところでございます。
○中井委員 長官が来られるまでもう一、二点このアンケートの問題でお尋ねをしたいと思います。 ことしこの委員会で鳥取、島根、山口と視察をさせていただきましたときに、大山の国立公園に行きましたところ、年二回ぐらいボランティアで美化というかごみ掃除の運動をされておる、こういう御報告をいただきました。大変私どもは感心をし、ありがたいことだと感じたわけであります。今回のこのアンケートにも、美化や緑化運動に実際に参加したことがあるというのは三一%ぐらいだ、しかし機会があったらいまお話ありましたように参加したいというのが五〇%ぐらいおる、こういう結果が出ております。先ほどの空きかん公害の話ではありませんけれども、余りごみだとか美化なんていうのは環境庁が振りかざして予算を取ってやることではなく、国民の意識の問題であろうと思うのでありますが、そういう意識を高めていく上でも、こういう積極的に参加をしたいという人たちにボランティアでいろいろな形で参加をしていただく機会をつくっていくというのは、一つの環境庁の仕事でもないか、このように思います。 そういった意味で、環境庁がお役所仕事として美化運動とかいろいろなことをやるのじゃなしに、自然発生的に参加をしてもらえるようなボランティアの機会というものをどのようにつくっていくか、そういったことについて、局長の方でお考えがあれば、お聞かせをいただきたいと思います。
○正田政府委員 まことにお説のとおりと私は思っておりますし、そういう考え方でこの行政を進めてきているつもりでございます。たとえて申せば、先生お話の中にうかがわれるような、いろいろな保存についてのトラストの問題とかそういったことについて、いわば公の指導あるいは官制のものでなくて、自然発生的と申しますか、ボランタリーな動きの中にそういった仕事ができるようなことを私どもは仕事の基本として考えていきたい。少なくとも将来の自然保護はそういうふうにしたい。また、ボランティア活動そのもの、美化につきましても、確かにこの美化活動というのはじみな仕事でございますので、いまのところ私ども都道府県あるいは市町村という公がやはりお願いしたりあるいは手を差し伸べたりあるいはともに協力し合ってやっていくという姿が現実でございまして、お説のとおりと思いますが、日本のモラルの向上あるいは先ほどの世論調査の国民意識の中身から見まして、私ども、こういったボランティア活動の方向と申しますか、将来の姿がこういう方向で期待できるんじゃないかという気持ちを持っておりますが、私どもは私どもなりに、こういったじみな仕事でございますので、政府のあるいは公としても一生懸命やってまいりたい、こういう気持ちがいまのところ強うございます。
○中井委員 もう一つお尋ねをいたします。 実は私、このアンケートを見てちょっと意外と数字が多いなと思ってびっくりしたわけでありますが、自然保護と観光開発との兼ね合いについて、これ以上もう観光施設を整備する必要はないという人が四八%で、ある程度自然が損なわれても多くの人々が美しい自然に親しむためにいろいろな施設等をつくれというのが二三%あるわけであります。私は二三%はちょっと多いなという感じがするわけでありますが、なかなか自然保護というのはむずかしゅうございまして、東京におりあるいは大都会におったら、地方の自然というのは残しておいてほしいなという気がある、地方に住む者にとっては、その自然を何とか開発して利用できないか、あるいはもっといい生活をするためにどういう感じが出てこようか、このように思います。先ほどやられた社会党の志布志湾の問題なんかも、そういった地域の人たちのいろいろな感じ方の差が出てくるのではないか、このように思って聞いておったわけであります。全国的に見ればやはり自然は保護すべきだ、あるいは環境を大事にすべきだという感じと、特定地域のここを開発したいあるいはここをこういうふうにいじってやっていきたいという感じと、そこの調整をするのが環境庁の一つの大きな仕事だ、私はこのように思います。往々にして環境庁サイドの意見等が新聞あるいはこういう議論のところでやられますと、どうしてもやはり、お仕事でありますから当然でありましょうが、自然開発は絶対まかりならぬのだというストップの姿勢だけが一番最初に強く出る。しかし、結局、行政の中でやっていけば、その地域の知事さん、市長さん以下、開発をしたいんだという熱望あるいは国のいろいろな事業との兼ね合いという形である程度開発をしていく、瀬戸の大橋だとかいろんな問題はそういうことであろうと思うのであります。そういったバランスのとり方あるいは環境庁の発言の仕方というのは、こういうアンケートの結果を見ても大変むずかしいものがあると思うのであります。 そういったことについて、大変抽象的な質問で恐縮なんでありますが、環境庁としてどのように対応し対処をしようとされるか、お聞かせを願いたいと思います。
○正田政府委員 今回の世論調査のアンケートの中身を見ますると、先生の御指摘の個所につきましては、特に観光開発と申しますか、たとえて申しますれば道路とかロープウエーとかホテル、そういったところにかなり重点を置かれた質問のようでございまして、私はこの結果を見ましてまあそんなところかなという感じがいたしますが、先生が特に力点を置いておっしゃられている点は、観光開発というよりはむしろ産業開発の面だろうかと想定いたしますが、これにつきましては、大臣が常々申し上げているとおりの基本姿勢で、やはり自然は大事なもので残していきたいという姿勢は変わりませんが、個々の問題につきましては、地元のいろいろな意識あるいは運動、そういったものにいろいろバラエティーもございまするから、よくよく留意して慎重に進めてまいりたい、こう思っております。
○中井委員 その点についてもう一つだけお尋ねをいたします。 実は去年の十月だったか、あるいは二月ごろだったかと思うのですが、ここへ通産省からもお越しをいただいて、地熱発電の開発について御質問申し上げたことがございます。国立や国定公園の中で特に多い地熱の開発について、環境庁と通産省ではこれ以上やらないという昭和四十七年の申し合わせがある。しかし、エネルギー事情が大変逼迫した中で、いわゆるクリーンなしかも日本独自のエネルギー源をどうやって開発をしていくんだ、それを通産省と環境庁が十分話し合って、両立できる方向で何か結論をお出しになったらどうだ、こういうことを申し上げた記憶があるわけであります。 昨今、新聞を見ますと、つい最近通産省と環境庁とようやくそのことで話し合うのかあるいはけんかをするのかというふうなことで載っておったわけでありますが、いままでにそういった形で通産省と環境庁で話し合いが行われてこなかったのかどうか、そのことが一つ。あるいはまた、これから話し合いが行われるとしたら、環境庁としてはどういう姿勢でこの地熱開発に対して臨んでいかれるのか。この二つについてお答えをいただきます。
○鯨岡国務大臣 最近において通産省の方から、こういうところでこういうことをしたいという、前々から引き続いてのものもありますけれども、特段とそういう相談があったということは、少なくとも私の段階までは上がってきておりません。 おっしゃるとおり、経済の発展というものはしばしば環境の問題とぶっつくわけですね。私が心配しますのは、この間どのくらい綱密な経済を日本がやっているんだろうかということを調査したのですよ。可住面積が狭い中でこれだけの経済をやっていますから、たとえばエネルギーの消費、一キロ平方メートルで日本が一〇〇とした場合に、アメリカは幾つだろうか、イギリスは幾つだろうか、自動車の保有台数、自動車の生産なんというようなことを詳細にやってきますと、もう驚くべき綱密な経済を日本はやっているわけなんです。そこで、経済の発展を年率五%ぐらいずつに見たって、西暦二〇〇〇年になる五、六年前に倍になるのですから、このまま量的拡大をしていったらば、これはだれが環境庁を預かったってえらいことになるぞという感じがいたしまして、そうかといってこれはやらないわけにいかないのですから。そこで、代替エネルギーの開発などについては、特に地熱、石炭の発電所等については十分に協議をして、ケース・バイ・ケースで考えていかなきゃならぬ。国立公園だの国定公園の中に何かやるということについては、原則的に私は喜びません。これは喜ばないのはあたりまえでしょう。ただ、そこしかないという場合にどうするかというときには、ケース・バイ・ケースで考えていかなきゃならぬ。 それから、答弁が長くなって恐縮でございますが、お許しいただきますが、それではどのくらい電気が要るのかと私は言うのですよ。電気をもう少し使わない算段をしたらどうかなと思うのですね。何か夏のさなかにクーラーをどんどんたいて甲子園の野球を見ているだけ、あのときがピークだそうですが、あれまで電気が要るんだ、それまでつくらなければならぬというのはいかがなものでしょうか。あんなことをやって、石炭を取るのにとうとい人命をあんなに大ぜい失って、その電気でトルコぶろのネオンサインを光らせているということはどこか間違いじゃないか、そういうふうに私は考えるのです。だから、そういうところから話し合っていく必要がある、私はこう考えます。
○中井委員 確かに長官のおっしゃるとおり、省エネルギー、省エネルギーという形できましたし、国民の中にも省エネルギーの意識はずいぶん強まって、電力の消費等は、去年は全国的に戦後初めて家庭の電灯の使用量が減ったというようなこともございます。省エネルギーという形を大いに進めていかなければならないのも事実であろうかと思います。しかし、国民全体がなかなか現在の生活レベルをダウンさせるということはよほどのことがない限り承服をしない、これもまた一つの事実であろう。現在は省エネルギーということでまあまあ需要等が十分賄い切れたとしても、将来、石油に不安があるというのはもう間違いのないことであります。それでは日本に新しいエネルギー源があるかといえば、石炭は御承知のように無理をするとこの間のような、北海道のような悲惨な状態に遭う、あるいはまた原子力そのものもなかなか住民の反対等があって進まない。こういう中で、少ないシェアではありますが、地熱発電というのは日本固有の、日本にたくさんあるエネルギー源の一つであります。これをエネルギーが大変になったというときになって通産省もにわかに環境庁にやらせやらせというときや、あるいは環境庁もそのときになって困る困るというときの話し合いじゃなしに、前々から長期的な対策を立てて、いまは要らなくても、エネルギーの危機のときにはどうするんだとか、そういう話し合いをしたらどうですかと私は去年申し上げたつもりであります。また、そのときには、十分両者両立ができるような話し合いをするというお約束をいただいたように実は記憶をいたしております。現在、長官のお話を聞くと、長官のお耳に達していない、また入ってきたら個々の問題について検討するという御返事をいただいたように思うわけでありますが、事務当局サイドとしては現実に話し合いをされてきたのか。そういうきょう、あすのエネルギーをどうするんじゃなしに、長期的に日本の地熱エネルギーをどう開発していくか、あるいは国定、国立公園の中に特に熱源があるならどうするんだということについて話し合われてきたのかどうか、その点を御答弁いただきたいと思います。
○正田政府委員 先般、先生からそのような御質問なり御意見を賜ったことは十分記憶いたしております。そのころから私どもの方でも、長期的な方針と申しますか、いろいろ考え、また内面的に関係エネルギー当局とも話を進めてまいりました。基本的には大臣が申し上げたとおりでございますが、事務的、技術的に申し上げますると、かつての六地点の覚書につきましては、これは厚生省時代のいわば経過措置みたいなものだというふうに考えております。それから、新しい事態に対応いたしましては、人間の体にたとえて申し上げれば、心臓だとか内臓だとか重要なところを避けなければいけない。少なくとも人間の体の外、国立公園、国定公園の外及び普通地域、現在でもやっておりますが、そういったところでどうか。少なくとも二十世紀はそういうところからやるのが順当ではないかということでいろいろ話をいたしまして、現在のところ関係当局とはとげとげしいものは一つもございませんし、かなり合理的に話は進んで了解に達していると私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○中井委員 それでは、行政改革について、大臣お帰りになったのでお尋ねをしたいと思います。 今国会は、御承知のように行政改革の国会だということで召集をされ、特別委員会も設置をされ、議論が進んでいるところでありますし、大臣も閣僚の一員として、ほとんど質疑の中にはお加わりになっていらっしゃらないと思いますが、その議論をお聞きになっていらっしゃると思います。環境庁長官としてじゃなしに、行政を預かる一人の責任者として、あるいは行政改革をやらなければならない鈴木内閣の閣僚の一員として、長官は行政改革そのものについてどのようなお考えをお持ちになっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。
○鯨岡国務大臣 組織というものは、日がたつに従って普通の場合だんだんと大きくなっていく、そういう性質があると思います。ですから、行政改革については常に考えていかなければならぬ問題だと思いますが、そうはいいますものの、毎日の仕事に追われてそれがおろそかといいますかなおざりにされている傾向は、会社でも何でもどこでもそうですね。そこで、先生御承知のような事情でここで行政改革をしなければならぬ、しかも第三者にお願いをして、いい知恵はないかということでいま答申をいただくということでございますから、それは謙虚に受け取って、これに向かって邁進をし、小さい政府といいますか、小さくて力強く能率的な政府にして、そして国民の幸せがそれにイコールされるようなことにしなければならぬ、切にそう考えております。
○中井委員 行政改革をやらなければならないし、財政的にも大変厳しい時期だということで、政府は来年度の予算編成等をいわゆるゼロシーリングで編成をする、こういう方針で臨んでおられるようでありますが、このゼロシーリングの予算というものに対して、すでに環境庁では概算要求を出されておるわけであります。どういう基本的な方針でこのゼロシーリングに対応なさろうとしておるのか。数字のつじつま合わせだけでこういうことはなかなかできないと私は思います。いまお話がありましたように、とにかく経費といいますか税金をできるだけ少なく払って、そしてできるだけ多くのサービスを国民にしていく、そういったことが常になされなければならない、私はこのように思います。そういった意味で、どういう基本方針でこの概算要求を出され、あるいはこれからの予算折衝をなされようとしておるのか、その点をお尋ねをいたします。
○鯨岡国務大臣 細かい数字の点については政府委員から……(中井委員「細かいのは結構です」と呼ぶ)それは私の方もゼロシーリングで概算要求をいたしました。今度は補助金対象ですし、私の方にも若干の補助金がありますから、そういうことを対象にしてゼロシーリングを出しまして、十億内ぐらいのことで概算要求を出しているわけであります。ただ、私のところの役所は、御承知のとおり生まれて十年ですから、そういうことを言ってはなんですが、誤解を恐れずに申し上げますれば、ずっと古い役所とは違いまして、そしてまた予算的にも小そうございまして、研究予算ですから、ほかよりは考えるに時間を要さないというようなことだろうと思って、しかしそれなりに真剣に考えなければならぬ。十分考えまして概算要求を出したわけでございます。
○中井委員 当然伸ばさなければならない予算あるいは必要とする予算もある中でゼロシーリング、まあ上限ぐらいの伸びでお出しになったということでありますが、私は、行政改革をやってもあるいはそういう窮屈な予算を組んでも、環境サービスといいますか、環境行政のサービスとしては別に国民にマイナスをもたらしていないのだ、こういう方向で御努力をいただいたものだ、このように理解をして、これからの予算折衝でも御努力をお願いして、次へ進みたいと思います。 この行政改革の一環かどうかは知りませんが、地方の自治体においてはかつて環境行政というのがずいぶん花形で、環境部、環境局というのがずいぶんあったわけであります。このごろは、私の郷里の三重県なんかもそうでありますが、環境衛生部なんという形で統廃合の対象になっている。そういった風潮について長官自身はどのようにお考えになっておるか、これが一つであります。それから、これはまた地方が出たついででありますが、私は去年の初めに申し上げたと思うのでありますが、環境庁のいわゆる技術的なあるいは学問的な積み重ねといったものと、地方の環境あるいは公害、こういったものを担当しておられる職員とのレベルの差がかなりあるのじゃないか、その人事の交流をもっともっとやりなさいということを申し上げたことがございます。たしか、何か半年くらい筑波かどこかへ来ていただいたりしてやっておるという御答弁をいただいたように感じているわけでありますが、地方自治体のそういった、後退とは言いませんが、行政改革の一環みたいな形で部が統廃合されておる機会に、環境庁としては地方自治体と職員の交流を大いに深めるのだというようなニュースが過般行われたわけであります。どういう基本的な考えでこの地方との職員の交流をおやりになるのか。ただ単に、他の省庁がやっておるように、環境庁のポストを広げるのだということで、地方の自治体へ課長なり何なりを送るということでは、行政改革の名にも逆に逆行するようなことでもあろうかと思います。そういった意味で、そういった職員の交流の基本的な考えを二つ目にお尋ねをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 二つの御質問でございますが、簡単にお答えをいたします。 公害が起きて、これは大変だということでもっていろいろ対策を立てた。そういう形の中からずっと整理していこうということならば、それはそれなりに私は意味があると思います。決して悪いことではないと思います。ただ、その結果、かつて受けたあの大きな被害、あの大きな悔やみ、あれを忘れてしまうようなことがあってはならぬ。要するに住民の幸せですから、その統廃合ということの名の結果、住民が不幸せになるというようなことになってはならぬ、こういうふうに考えております。 それから、確かにこれは技術的な問題も相当ありますから、知識がなければなりません。そこで、かつてそういう御心配をいただいて御質問をいただいたそうですが、うちの方には公害研究所というのがありまして、そこへどんどん地方のその方面に携わる人に来ていただいて、勉強していただくというようなことをやっております。もしそれ以外にありましたら、政府委員の方からお答えさせます。
○山崎(圭)政府委員 ただいま大臣から御答弁したとおりでございますが、公害研究所というよりも公害研修所というような機関がございまして、これが大体年間二十一コースにわたっての特別な技術的なものも含めまして研修をしております。そのうちの約六割前後だったと思いますが、地方公共団体の職員がそれに参加している、こういうような実情でもございます。 なおまた、人事交流その他につきましても、先生御指摘のようなことも踏まえつつ、努力をせっかくしてまいりたい、かように考えております。
○中井委員 最後に、湖沼法についてお尋ねをいたします。 茨城県の方で、滋賀県に引き続いて湖沼の条例をおつくりになったというニュースがこれまた報じられておったわけであります。環境庁の方も早くから湖沼法を出したいということで、ずいぶん御努力をいただいておるようでありますが、まだ政府提案として国会へ出されるというところまで来ておりません。現在どのような時点にあるのか、あるいはどういう見通しでおやりになっていらっしゃるのか、その点をまずお尋ねをいたします。
○鯨岡国務大臣 やや詳細には水質保全局長がいますから、水質保全局長の方から答弁させますが、これは先生方に対してまことに申しわけのない次第でございまして、冒頭からおわびを申し上げないわけにはいかない。私は言葉を飾ろうといたしません。それは、国会にわれわれが案を出して、御審議をいただいて、法律として決めていただくわけですから、そこで、私どもとしては、こういう案をつくりました、これで完璧でございますという案を仮に出しましても、これは不十分ですよ、あるいはこれはよけいですよと、先生方の方から訂正されるということもしばしばあり得ることだと思います。また、あっていいのじゃないかなと思いますが、それにしても、完璧なものをわれわれとしては出さなければならぬと思いまして、いろいろ考えてやっているんですが、それぞれ持ち場持ち場がありますから、なかなかうまいこと合意できません。 ただ一点、いまのところ通産省との間で、これから新しくつくる工場の排水の量を、わが方では百トン、こう言っているのですが、通産省では五百トンと言っておる。これはこのごろ余りなくなったんですよ、実はこの話は。そこで、われわれは新しい工場をつくる場合には許可制にしなければならぬだろう、こう言っているんですが、通産省は許可制ではちょっと困ると。まあ中小企業などを育成していくのがお仕事ですから、お立場から仕方がないかなとも思いますが、私の方としては許可制でなければ困りますので、その辺でちょっと行き詰まっているということでございますので、よろしくもう少しお待ちを願いたいと思います。
○小野(重)政府委員 先生、霞ケ浦の条例についてもお触れになりましたので、その点もあわせてお答えいたしたいと思いますけれども、私ども、広い意味の湖沼対策としては、いわゆる湖沼法案だけでございませんで、富栄養化防止のための燐、窒素対策、これも考えておるわけでございますが、琵琶湖の条例、それに引き続き、ほぼ同じ内容の霞ケ浦の条例がいま茨城県で検討されておりますが、私ども、これに対する燐、窒素対策といたしましては、環境基準の設定、またそれに関連して排水基準の設定、これは湖沼法ということではございませんで、公害対策基本法なりあるいは水質汚濁防止法、既存の法律でやりたい、こう思っております。 湖沼法の方は、いまさら私が内容を御説明するあれはございませんけれども、燐、窒素ということではなくて、一般的ないろいろな規制の強化あるいは下水道事業その他の事業の促進、こういうものを計画的にやりたい、こういうことで案をつくり、各省と折衝しておるわけでございますが、ただいま大臣から御説明がありましたように、いわゆる特定施設と申しておりますけれども、特定施設についての許可制の導入の問題をめぐりまして調整がつかない、こういう状況でございますが、なるべく早く、さらに努力をして調整をつけたい、かように思っております。
○中井委員 一刻も早く法案が国会に出されるように御努力をさらにお願いするわけであります。 最後に、環境庁が昨今、先ほどのアセスの法案でもそうでありますが、何かこういう新しい感じで法案を出そう、こういたしますと、環境庁が調整省庁的な要素を持っているために、他の省庁の権利、なわ張り、こういうものとひっかかって、なかなか政府内部あるいは自民党与党内部で調整がつかずに法案が出てこない、これが昨今の環境行政の姿であろうと私は思います。先ほど自民党の議員から、アセスを早く審議しろ、こういうお話がございましたけれども、私どもは実はあれを五年くらい、野党はそろって早く出せ、早く出せと、こう言ってきたわけであります。それが出なかったのは全く自民党内部と政府内部の調整ができなかったからと私は理解をいたします。この湖沼法につきましても、そういったことのないようにお願いをいたします。 行政改革、行政改革と言いますが、私どもは、やはり節約をすると同時に新しい行政の姿勢というものを常につくり出していくべきだ、このように思います。環境庁の仕事というのは、やはり新しい発想の行政のあり方である、これからもどんどんそういう調整の仕事というのはふえてくるのだ、それが従来の権利意識、なわ張り意識でがんじがらめにされて何一つできないということであれば、これこそ一番最初に行政改革をやってもらわなければならない、私はこのように思うわけであります。 そういった意味で、大変御苦労の多いのは十分わかりますが、湖沼が各地で、琵琶湖を初め死に絶えかかっておる。そういった状況にかんがみて、あるいはまた環境庁の無用論なんというのが自民党あるいは政府内部から出ないように、そういったことも含めて十分御努力をいただきますよう、重ねてお願いをしまして質問を終わりたい、このように思います。 ありがとうございました。
○山崎委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 改めて言うまでもありませんが、今国会は行政改革がその焦点であります。そして、きょうは、今国会が開かれまして初めて行われる当委員会の質問でございますので、私は、行政改革と環境行政についてお尋ねをしていきたいと思います。 去る十月二十一日の新聞報道によりますと、東京の空の汚れは依然改善される徴候が見られないことが都の環境保全局の昨年度の大気汚染状況測定結果で明らかになりました。NO2の基準が緩和されたその基準でさえ、二十三区中七八%の区がオーバーをしている。四月、九月の光化学スモッグの注意報発令は、五十一年以来五年ぶりのことであり、そして光化学スモッグ被害で入院した人が出たのは六年ぶりであったと報道されております。一部では、大気汚染は著しく改善されたにもかかわらず、公害認定患者が増加しているなど、多くの矛盾が生じていると主張する人もあります。しかし、実態はこういうことであります。 そこで、最初に長官にお伺いいたしますが、こういう都の観測結果など、現状についてどのような御見解をお持ちでしょうか。
○鯨岡国務大臣 御質問の御趣旨がよく理解できなかったので、まことに恐縮でございますが、先日来東京都の住民の方々がいろいろ調べてこられた熱心なデータ等を見せていただきました。私どもは、たとえばNO2で言えば、〇・〇六にしてこれを昭和六十年までに必ず実施いたします、こう言っているのですが、現在の段階でまだまだ十分でないと思っていますが、その十分でないことをまことに証明するような御研究のデータを見せられて驚いておる次第でございまして、とはいうものの、六十年までに必ず実施すると言ったことは国会に対する私どもの約束でございますから、何としてもやらなければならぬ、こういうことで、目下督励をして、お約束のとおり昭和六十年までには〇・〇六以上悪いところはないようにしたい、これでやっているわけでございまして、先日見せていただいたあの御熱心な検討の結果についてはまことに敬意を表し、驚いている次第でございます。
○藤田(ス)委員 私は、都の観測結果というものは、現在の公害行政のある意味では後退をあらわしているものではないか、こういうふうに考えるわけです。そして、こうした状況の中で、いま行政改革が本格的に進められようとしております。 そこで、長官にお尋ねをいたしますが、長官は、この行政改革については当然第二臨調の答申を尊重して取り組むということだと思いますが、もう一度お尋ねをしたいと思います。
○鯨岡国務大臣 行政改革は、先ほども申し上げましたように、いつでもやらなければならぬことであって、まあ第一次オイルショック、第二次オイルショックなどを切り抜けてきたものの、気がついてみたら大変なことになっていた、こういうことで、臨調に俗な言葉で言えば知恵をかりているわけですから、その答申については謙虚にこれを受けとめて、全力を挙げてそれを実施するというのが当然のわれわれの態度でなければならぬ、こう考えているわけであります。
○藤田(ス)委員 大臣のお答えは当然そういうことになろうかと思いますが、先ほど東京都の大気汚染の状態についてお尋ねをしたのに対しても、大臣は今後のこの対策を強化しなければならない、必ず六十年度には目標を達成しなければならないというお答えでございました。しかし、このことと臨調の答申を尊重していくということとの間には、きわめて大きな矛盾が生じてくるのではなかろうか。長官、この行政改革には聖域はないと思いますけれども、公害対策についても聖域はないというふうにお考えでしょうか。
○鯨岡国務大臣 公害対策なんかには特に聖域があってはならぬ、こういうふうに思います。 それから、臨調を守るということとそれからたとえば――たとえばですよ、たとえば〇・〇六にNOxを規制する、六十年までに必ずこれ以上悪いところはないようにいたしますということとの間には、何らの矛盾があってはならぬ、臨調を実施した結果それができなくなりました、そんなことがあってはならぬ、あり得べきことではない、こう思います。
○藤田(ス)委員 聖域というのは公害対策においてはあってはならない、こういうことでございましたね。もちろん、国民の命や健康あるいは生活環境や自然環境を守るという責務があるわけですから、そういうことがあっては困ると思うのです。そして、今度のこの答申を読みましても、そうはっきり書かれているわけではありませんけれども、にもかかわらず、これで公害対策が後退させられるのではいなかという危惧をするわけであります。このことについて、もう一度お答え願いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 どういう点であるか、私はつまびらかでありませんが、仮にどういう点であろうと、臨調というものを尊重しこれを実行する結果、公害問題がおろそかになって、後ろ向きになって、かねてわれわれが国会でお約束していたようなことが実行できないということは許されることではない。これは矛盾してはならぬ、矛盾すべきものではない、そうお答えをいたしたわけであります。
○藤田(ス)委員 私、きょうはこの答申を持ってきましたので、私が危惧する点をちょっと読んでみたいと思うのです。 「活力ある福祉社会を実現するためには、自由経済社会の持つ民間の創造的活力を生かし、適正な経済成長を確保することが大前提となろう。その下で、資源・エネルギーを始めとする成長制約要因や経済摩擦要因を克服しつつ、長期にわたる経済発展を図っていくことが肝要である。」こういうふうに前段の「理念」の項で書いております。そして、一番最後に、「今後の検討方針」の項では、「経済活動に対しても、民間の創意と活力が自由かつ適正に発揮されるような環境をつくるために、行政が何をしなければならず、また何をしてはいけないかを施策相互間の優先順位を含め明確にすることが重要である。」こういうことを書いておりまして、特に規制監督行政のあり方については「抜本的検討が不可欠である。」こういうふうに最後を結んでおります。 これらは、経済成長の確保や民間活力の発揮を理由にして、規制監督行政である環境庁の公害対策の後退をも意味するものではなかろうかと、私はこれを読みましたときにそういうことを危惧したわけですが、もう一度お答え願います。
○鯨岡国務大臣 わかりました。何かのときにそういうような議論を展開されておられる論文を読んだことがありますが、企業というのは、これは慈善事業じゃないですから、企業は競争原理を採用しているわけですから、それで切磋琢磨して、人よりもうけようというのでもって一生懸命やって、この自由経済社会というものは発達してきているわけですから、そこにお知恵を拝借してそこから答申をもらってくれば、どうしてもそういうようなことになってくるから弱い者は置き捨てられちゃうんだ、そういうおそれはないかという御心配じゃないか、こんなふうに考えるのですが、そういうことがあってはならぬ、それはいかに尊重すると言っても。また、私は、答申がそういうことで出てくるはずがない、こう思っております。国家というものはそういうものじゃないですから、企業のように競争原理だけで動き、それが発展の原理であるということと、国家の運営というものはおのずから違うし、近代国家はまさにそうでない分配の面というものに非常に力を入れなければなりません。ですから、私は、藤田先生、行政改革の原理にそう書いてあるといっても、そこまで御心配になる必要はないし、またそうあってはならぬと私は思いますから、そういうふうにお答えをいたしておきます。
○藤田(ス)委員 私は、特にこういう問題についていろいろ考えますのは、確かに答申にはそういう言葉は出てきませんけれども、しかし、財界がこの点についてどう考えているのだろうか、こういうことを考えるからです。今度の行政改革の中で財界が公害環境行政をどう位置づけ、そしてどうしようとしているのかということは、私はきわめて重要なことだと思います。それは、今度の臨調が財界の意向をきわめて忠実に反映しているからなわけです。これについて余り多くを言う必要はないと思いますが、第二臨調の土光会長というのは経団連の名誉会長でありますし、臨調委員の九名中六名が財界を代表される方、そして、五十四年十一月の経団連の行革提言は、中を読んでみますと、今回の臨調答申と全くうり二つであります。そして、経済界は土光会長を支援して行革推進五人委員会というのをつくって、答申の出ました七月十一日にはこの五人委員会が答申の断行を強く要望するという声明を出されたことは長官もよく御承知のことだと思います。要するに、今度の臨調は財界の意向を忠実に反映するものとなっているのではないか。だから、財界が今度の行革で、企業活力の発揮とか許認可行政あるいは規制監督行政のあり方などという中で、公害対策をどう位置づけているかがきわめて重要なことだと私は思うわけであります。 この点、長官は、アセス法案などで経団連の首脳と会談をされたりして、財界の意向についてはよく御存じのことだと思いますが、この財界の意向についてどう認識されておられるのか、お答えを願いたいと思います。
○鯨岡国務大臣 日本の経済が戦後わずかに三十五年をちょっと過ぎたくらいでこれだけ大きくなったというその理由は、やはり自由主義経済というものを採用したからだ、私はそう思います。そして、先ほども申し上げましたが、企業というものは慈善事業ではありませんから、生産に力を込めてやっていきます。その際には、ややもすれば弱肉強食というようなことになってくるでしょう。その間にあって、近代社会はハンドルをとって弱い人たちが不当にいじめられることのないようにしなければならぬ、そういうようなことは国家のやる仕事だと思います。ですから、財界の人たちがどうしても経済至上主義になるのは理由のないことではないと私は思います。けれども、しばしば私はここの席でも申し上げましたが、経済の目的というのは、われわれ政府の立場、政治の立場から言えば、経済は手段であって目的ではないですから、目的は国民が幸せになることですから、一部の者が大金持ちになって、またその陰で力弱くして泣く人があってはならぬというのが政治の目標ですから、それはいかに答申を尊重するとはいっても、そういう点はわれわれがやるのですから、その点の御心配は、私は藤田先生の杞憂ではないかなと失礼ながら思わざるを得ませんし、また、藤田先生のようなそういう心配が現実になってはいけない、強くそう思います。
○藤田(ス)委員 私は、長官としても財界の考え方について十分御認識の上でいろいろのことに対処されているのだと思いますから、あえて財界の考え方についていまどういうふうな認識をされていらっしゃるのかということをお尋ねしているわけなんですが、少し答えをそらされたように思うのですけれども、どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 私、そうしていません。藤田先生の御質問に対して特に私はそらすつもりも何にもありません。 経済界を牛耳っておられる方々は、やはり経済というものに重点を置いて経済至上主義になるのは、これはある程度無理からぬことであろうと思います。思いますが、一方、行政改革はどうあるべきでしょうか、ひとつ御答申願いたい、教えてもらいたいとこちらが聞いているのですから、財界は経済至上主義でもって答申をつくるとは私は思っていないです、思っていないですが、経済界というものはそういうものだということは原則的にはそうでしょう、そういうことを申し上げているので、国家の機能というものはそれとはまた別なんで、経済の目的は何かということをしっかり踏まえてさえいれば、どういう答申が来ても間違いはない、こう思っているわけです。
○藤田(ス)委員 財界が、公害補償や健康補償法やあるいはNO2の総量規制問題などでどういう主張と行動を行ってきたかということは天下周知のことだと思うのです。私は、こういうものも財界は今度のこの行革を通して全部思いどおりにしようとしているのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。 それについてもお答えは同じだと思いますので、続けていきますけれども、もう少し例を挙げましたら、あのオタワで開催された先進国サミットでも非常に重要な位置づけにあったエネルギー問題、経団連は、このエネルギー問題の解決に当たって、経団連の五十五年度事業報告というのを見てみますと、「環境行政とエネルギー行政の乖離等、行政間のアンバランスの是正が緊急課題であり、この面でも内閣の強力な指導力発揮が望まれる。」こう言っています。そういう立場で、立地問題については、八一年八月の経団連の月報に書いておるのを見ますと、六月に「わが国沿岸開発の進め方に関する意見」、こういう表題をつけまして書いているわけですが、電源立地、石油資源開発、石油備蓄等の沿岸開発行政に整合性を欠く面が多い、したがって、許認可手続の合理化、簡素化を図るべきだというふうに書いております。まさに今度の行革で財界はいま何をねらっているのか、これがはっきりしてきていると思うわけですが、これでも財界が行政改革の基本に公害対策の後退を位置づけているというふうには考えられませんか。
○鯨岡国務大臣 どういう答申が出てくるかまだわかっておりませんけれども、こちらから思わざるうちに政府も大きくなりましていろいろ不合理の点もあるかと思います、つきましては、何かいい知恵がありましたら教えていただきたい、簡単に言えばこう言ったわけですから、その答申に対しては尊重するということは当然でございましょうが、いま藤田先生が言われたようなことで、環境なんか心配していたら経済は進まないんだから、合理的な仕事をしようとするなら環境なんかというものは考える必要がないというようなことを言ってくるはずはないし、もし仮にそういうことを言ってきたときには、それはわれわれとしては考えなければならぬ、当然のことだと思います。
○藤田(ス)委員 それは考えなければならないとおっしゃっても、先ほどから答申を尊重するという立場で言われているわけですから、大変むずかしい問題だと思うんですね。財界は非常に熱心なんです。そして、いままでは個別の問題でいろいろ主張していたけれども、こういうふうな場当たり的な対応だけではだめだということで、経団連の環境安全委員会が企画小委員会というのを設置して、産業界の環境問題に対する基本戦略というようなことまで検討しているわけです。御存じですか。私は、ここに経団連の内部資料でもある「経団連週報」というのを持ってまいりましたので、ちょっと長官に見ていただきたいのですが……。 これは五月七日付の週報です。この週報に、四月二十日に行われました行政改革に関する財界と臨調委員との懇談会の内容が書かれております。この懇談会は、そこに書いておりますように、宮崎、瀬島の両臨調委員が参加をしておりますけれども、この中で経団連は、ここにある「民間の活力」というものですね、民間の活力を阻害しているものとして、一、煩雑な許認可、二、適正を欠く環境規制、三、行き過ぎた福祉、この三点が大きな要因であるとして、「是非この三点を改め、民間活力発揮の条件を整備してもらいたい。」こういうふうに主張しているわけです。だから、まさに答申で言う「経済活動に対しても、民間の創意と活力が自由かつ適正に発揮されるような環境」づくりの中身というのは、適正を欠く環境規制を外していく、こういうことになるのではなかろうかと思うのです。 一般的なことは結構ですから、長官、財界が今度の行革で公害対策の後退をその基本戦略としているというふうに私はそれを読みまして理解をいたしましたが、どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 どうも私はそういうふうに思わないですね。どうしてそこまで藤田先生思われるか、私は不思議に思います。これは、煩雑な許認可ということですが、煩雑な許認可ならば、これを煩雑でないようにしたらいいと思います。それから、適正を欠く環境規制と言いますが、私どもは、どこが適正を欠くのかわかりませんが、適正をもしも欠いているとすればどういう点であるか、御答申をいただいたらいいと思います。謙虚に私はそれを考えていったらいいと思います。行き過ぎた福祉と言いますが、私個人で考えても、いろいろその場その場でできてまいりましたから行き過ぎたということがあるのかなと思います。どういう点が行き過ぎたか、その御答申でもってはっきりしていただいたらいいと思いますが、いずれも答申を受けたらば、国民が選んだ国会があるんですからね、先生方が衆参両院二院あって、そして答申を尊重といっても、それは教えてくださいと言ったんですから、教えていただいたものに対してはそれを尊重するというのは、私は当然のことだろうと思います。しかし、それを尊重して、制度としてもし直さなければならぬということになれば、国会で御審議をいただかなければならぬですから、私は、そういうもし万一間違ったような、どうしても国家、国民のために採用できないようなことがあれば、それは国会というスクリーンを通らなければできないんですから、それまでの心配は藤田先生要らぬのじゃないかなと思いますが、いかがでございましょうか。
○藤田(ス)委員 過去にも、こういうふうな、財界の意向によって現実にやはりその圧力で後退をしてきた、そういう事例があったから、なおさら、こういうふうな、財界の要望というよりかも基本戦略として行革でこういうことを位置づけてやっているということに対して私は指摘をせざるを得ないわけです。 しかも、こういうことが臨調のメンバーの構成の中でもきちんと反映しているのではないでしょうか。第二臨調のメンバーの中には、公害患者の切り捨てだとか、あるいは総量規制の解除、NO2の基準緩和など、これまで公害対策を後退させるために財界の先頭に立ってやってこられた環境安全委員のメンバーですね、この人たちが参与だとか顧問だとかということで構成をされているわけです。臨調と財界とは別だと繰り返されても、政府としてはまさにそれに対応する措置をいま現実にそこでやっているじゃないかと考えざるを得ないわけですが、どうでしょうか。
○鯨岡国務大臣 先ほどから申し上げますように、経済を指導する原理は、それはもちろん経済至上主義、慈善事業じゃないですから、それだから、今日のような経済にまで上ってきた、これだけのものになれた、こう思うわけであります。 そこで、そういう合理的なことを考えてきたお方に、いまわれわれが答申を求めている、そうするとそういうような答えになるかもしれない、そのおそれが十分にある。それはあるかもしれません、合理的にやっていけば。しかし、国家には国家のやる仕事があるのですから、強い者がどんどん伸びて、弱い者は死んじゃってもいいというんだったら、それは政治じゃないですから。そこで、ここにはやはり国民から選ばれた衆参両院議員というものが構成する衆議院、参議院があって、そこのフィルターを越えなければできないのですから、仮にどういう答申が――私は、そういう答申が出るとは思いませんよ、思いませんが、仮に合理主義、経済至上主義の答申が出たとしても、それはそんなに大きな問題にする必要もないのじゃないか。それは、われわれさえしっかりしていれば、それを国家の方針でちゃんと国家、国民のためにやれることじゃないか、私はそういうふうに思って、まだ出てこない答申に対して、そこまでの御心配は、藤田先生、ちょっと御心配のし過ぎではないか、こう思うのですが、いかがでございましょうか。
○藤田(ス)委員 それではお尋ねをいたしますが、五十二年の閣議決定です。「行政改革の推進について」に基づいて許認可の整理合理化の報告がされていると思うのですが、環境庁としてはどういうことをやってこられたのか、件数及びその内容を報告していただきたいと思います。
○山崎(圭)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の、五十二年十二月二十三日でございますが、閣議決定におきまして、行政運営の簡素合理化のために許認可等の整理合理化が行われましたが、これによりまして、全体で千二百四十件中、環境庁所管の許認可等八件につきまして合理化を行いました。 その内容は、たとえば都道府県でつくっております都道府県設鳥獣保護区の設定という仕事がありますが、これについては環境庁長官の承認を必要としておりました。それを事前の届け出で足りることにいたしました。それから鳥獣捕獲許可に係る都道府県知事の権限を拡大いたしました。こういう例に見られますように、ねらいは行政事務の迅速化ということでございまして、いま例に申しましたのは都道府県知事と環境庁との間の関係でございます。そういうようなものが行われております。
○藤田(ス)委員 もう少し詳しくおっしゃってくださいませんか。私は、これは環境庁からいただいた資料ですが、この中には、「権限の委譲」が一件、「五十三年度末までに措置済」が一件、「規制の緩和」が三件、「五十三年度末までに措置済」が三件、「基準の明確化」が四件、「五十三年度末までに措置済」が三件、そしてもう一件は五十五年度に措置した、こういう報告になっていると思うのですよ。間違いですか。
○山崎(圭)政府委員 御指摘のとおりでございます。 なお、付言して申し上げますると、いま申しましたように権限の委譲というものが一件でございますし、基準の明確化が四件、規制の緩和が三件でございますが、さらにそれを具体的に申しますと、基準の明確化としましては、たとえば第二種地域、大気系の地域についての疾病の認定、この判断条件につきまして基準をはっきりさせまして、認定業務の促進というものに資するためでございます。それから、規制の緩和三件の中身は、先ほども申しましたが、鳥獣保護の関係でございまして、知事が狩猟鳥獣の捕獲の禁止または制限、こういうことをする場合がありますが、その場合に、長官の承認を受けなければならないこととされておりましたのを、実態に即しまして迅速に対応するという見地から、事前に届け出て、そして都道府県知事がそういう禁止、制限を行う、こういう意味での規制の緩和でございます。それから、先ほど申しました、都道府県でつくっております鳥獣保護区の設定の承認を事前に届け出して都道府県ができる、こういうようなことでございます。それから、都道府県の鳥獣保護区の廃止の承認につきましても、承認から事前届け出にした、こういうことでございます。それから、権限の委譲は、やはり鳥獣捕獲の許可につきまして、都道府県知事の権限と環境庁長官の権限と分けておりましたのを、一定の事項につきましては都道府県知事の許可にする、こういう権限の拡大でございます。そのほか基準の明確化の例といたしまして、冒頭申しましたもののほかに、ばい煙発生施設の設置の届け出関係がありますが、これにつきましては、取り扱い上の技術的細目を明らかにしよう、こういうことでマニュアルをつくったというようなことがその一つでございます。あるいはまた、ばい煙発生施設の設置の届け出についての基準の明確化につきましては、適用対象にいろいろと疑義が生じておることが多うございまして、その疑義事例等の整理というようなことを通じましての基準の明確化を図ったということであります。最後に、農薬の登録につきましてこれまた基準の明確化を図ったわけでありますが、御案内のように、農薬につきましては、農林大臣の登録を受けなければ販売してはならない、こういうことになっておりますが、この登録保留の場合、これに該当するかどうかの基準、登録保留基準と呼んでおりますが、これにつきましてその基準の明確化を図った、こういうような内容でございます。
○藤田(ス)委員 その中で、基準の明確化ということで、第二種地域に係る疾病の認定、つまり内容としては、後天性水俣病の判断条件について熊本県知事に通知をしたあの五十二年度の部長通知なんでしょうか、確認をさせてください。
○山崎(圭)政府委員 先ほど大変失礼しました。第二種地域、大気系と申したと思いますが、間違えまして、大気系でないものでございまして、いま御指摘のように環境保健部長の五十二年七月一日の通知を指しております。
○藤田(ス)委員 長官、先ほどから、企業は自由経済社会の中では経済至上主義になりやすいんだ、しかし、国の方は、そういう弱国強食ということではなしに、まさに弱い者を守るためにあるんだ、いわんや環境庁というのはそのためにあるんだというふうにおっしゃったわけですが、いまるる御説明のありました五十二年十二月二十三日の閣議決定、「行政改革の推進について」ということで、環境庁がこういうふうに行革をいたしましたという報告の中にこの部長通知が入っているわけです。具体的に部長通知になったわけです。つまり、水俣病の患者に対して、医学的に見て水俣病である蓋然性が高いものというふうにこの通知は限定をしました。同時に、保留者については、新資料なきは棄却処分とする、こういうふうにしたのが、五十二年の七月十二日でしたか、それに基づく部長通知、そして翌年の五十三年の事務次官通知の具体的な中身なんです。それまでの部長通知というのは、四十六年に次官通知ということで出ておりますけれども、有機水銀の影響を否定できないものは速やかに認定せよ、それがそれまであったわけです。ところが、閣議によって行革をやる、その行革の一つに環境庁が取り上げたのが水俣病のいわば切り捨てであったわけです。 当時の新聞は、「条件厳しく蓋然性高いこと」という見出しをつけましたり、「水俣病認定大幅に後退」という見出しをつけました。そして、わからないものはほうっておかず棄却せよと県側に処分を促した形というふうにも書いております。五十三年以降認定率は落ちておりますけれども、とりわけ申請をして棄却された人が死亡後の解剖によって認定されたというケースが非常に多くなってまいりました。五十三年以降二人に一人の割合で出てきている。これが環境庁の行った行革なんです。弱い者を守るという政府がこういうふうな具体的なことをやってきました。 私は、こういう水俣病患者の切り捨てということまで行政改革の一環として行われたということに、非常に驚きとともに憤りを感ぜずにはいられないわけです。だからこそ、いま財界がああいうふうなことを言って、公害行政を大幅に後退させようとしているのではないかということを非常に危惧するとともに、すでに政府自身が行革の一環として公害対策を後退させてきたのではないかというふうに考えざるを得ないわけですが、どうでしょうか。
○七野政府委員 五十二年の部長通知、「後天性水俣病の判断条件について」という通知を出してございますが、この判断条件を出すにつきましては、五十年六月以降の水俣病認定検討会、これは水俣病の専門家の先生に集まっていただきまして、いろいろな角度から検討していただいたわけでございます。五十年六月以降検討していただきましたその成果を、たまたま五十二年七月に環境保健部長通知ということで都道府県にお示ししたわけでございまして、その趣旨は水俣病認定業務の促進に資するためでございます。 当時もうすでに水俣病の判断が非常に困難な事例が増加してきておったということがございまして、五十年以降、先ほど私が御説明申し上げましたように、認定検討会において検討した結果を五十二年七月に部長通知ということでお示ししたわけでございまして、これはあくまでも、いわゆる水俣病患者さんの迅速かつ公正な保護を図るという趣旨にのっとりまして、水俣病認定業務の促進に資するため発出いたしました部長通知でございます。
○藤田(ス)委員 おかしいと思うのですね。いろいろ弁解されましたけれども、事実こうしてわざわざ報告書に挙げられて、そして、いやそれはもう前からだと。仮に前から検討されていたことであったとしても、政府が行革推進に努力せよということで督励してきたことに対して、環境庁としてここで一つの決断が下されたのではなかろうか、こういうふうに思いますし、結局、五十三年度のこの疑わしきは認定せずという次官通達、つまり行革の一つが、被害者をしてあれは患者の切り捨てだと叫ばざるを得ない棄却の大なたになったことは事実です。 数字で言いますと、生存認定率が五十三年度以降九・七%、七・七%、二・三%、二・九%とじりじりと減っているのに、死亡認定、つまり解剖認定ですよ、死んでしまって、穴をあけてそうして認定をするというふうな死亡認定が、四七%、六〇%、五六・七%、四一・六%、五四・二%と実に大きな数字になって出ているではありませんか。申請者の半分以上が実は水俣病だったということがこういう結果で明らかになりました。死なぬと認定してもらえぬのか。世界じゅうでも驚くような公害病のあの水俣の患者たちは、しかも死んでから脳に穴をあけてもらえぬと認定されぬのかと、本当に地の底からうめくような声を上げていま苦痛で苦しんでいるわけです。長官、この事実をどう思われますか。
○鯨岡国務大臣 いまの問題は、せんだって私が私の部屋で関係者を集めていろいろ話し合ったことなんです。確かに調べたときには水俣病と認定はできない。もう一回調べてください。そうすると、そういう人がまた大ぜいいますから、それが時間がかかって非常に遅い。このところちょっと早くなってまいりまして、督励をしているわけですが、そうやっているうちに死んでしまった。それで、亡くなった方を解剖してみたらばこれはやっぱり水俣病であった。これは何とも申しわけない。こういうようなことは、行政に対する不信もあるでしょうが、それよりも亡くなった人に何とおわびしていいかわからぬ。そこで、そういうことのないようにということで、いませっかく対策を立て、推進をいたしておるわけでございますが、事実そういうことがありまして、これは本当に申しわけのないことだ、こう思って、この間実はその問題で私の部屋で遅くまで関係者が集まって対策の協議をして、とにかく認定を早めるということだと。ただ、疑わしきはみんな認定してしまうということはどうだろうか。それは一つの方法なんだけれども、なかなかそうもいかない。どうしていかないんだろうかというようなことでいろいろ検討したところでございまして、このごろ――実はきょうも認定が一つ出てまいりまして、私が承認をしたところでございますが、死んでしまってからその病気であったというようなことはまことに申しわけのないことだと私は考えておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 申しわけない、おわびをしなければいけないと、もしそのとき鯨岡長官がいらっしゃったら事情が変わったかもしれません。しかし、とにかく申しわけない、おわびをしなければならないような認定条件を非常に厳しくしたそのことが行革の一環であったということに対して、だからこそ、いまそこのところについて環境庁が本当に真剣に考えていかなければならない。長官は安易に、臨調答申を尊重されると言われるけれども、臨調答申、つまり臨調路線イコール財界路線イコール公害対策の後退、患者の切り捨てになるのではなかろうか。そのことは、繰り返しますが、臨調委員の構成だとかその内容だとか見ても明らかであるし、そして、かつて財界の指摘どおり環境庁もNO2の基準を緩和される、アセス法から発電所を外される、総量規制の一部の地域の見送りをなされた、あるいは補償法の改悪なども事実そういうふうな財界の力によって後退をさせてきたと言わざるを得ないと思うわけです。そしてさらに、いま民間の活力という非常にいい言葉で、民間の活力の発揮を妨げる要因として環境規制の見直しを基本戦略にして位置づけてきている、この経済界の力というものは非常にはっきりしていると思います。 最後にお伺いいたしますが、長官は、それでも臨調答申を尊重してこのような行政改革に取り組んでいかれるのか。環境行政は絶対に後退させないと言い切れるのか。これを最後の質問にして、終わりたいと思います。
○鯨岡国務大臣 先ほどから申しておりますように、あの食うや食わずの状態から、あれが二十年ですから、それから今日までの短い間にこれだけの経済がやられるようになった。これは高く評価していいことだろうと思います。その間に政府は、あるいはよその国から比べても出色な福祉というような問題、全部ではありませんが、一部はよその国から比べても手厚いというようなことにまで持ってきましたが、何せ大きな規模になりましたから、どこに無理があるだろうか、どこにむだがあるだろうか、そういう点について、自分でやれば一番いいでしょうが、そういう点について知恵のある経験のある方々に、ちょっと見てください、そして私に知恵をかしてください、こう言ったのですから、その知恵が出てきたときには、これに対して尊重して敬意を払ってそれを参考にするということは、当然の態度でなければならないと私は思います。しかし、政治がやらなければならない重要な問題に抵触する場合にそれでも尊重しなければならぬということではもちろんありません。政治は、強い人は何ぼでも強くなってください、しかし弱い者は死んでしまってもいいのです、そういうわけにいかないですから、それが政治なんですから、その点については、それに抵触するようなことまで、尊重すると言ったのだからそれは全部尊重してやらなければならない、そうは私は思いません。ですから、だんだんと御質問を承っておるうちに藤田先生の言われることはよくわかります。断じてそういうことはありません、断じて後退してはならぬ、そういうふうに考えております。その点については、私はかりじゃありません、環境庁はそのためにあるのですから。そしてまた、そのための法律を先生方がつくってくれたじゃないですか。法律改正しなければできないものがたくさんあるじゃありませんか。ちゃんとそのための法律をつくってくださっておるのですから、それに基づいてわれわれはやっておるのですから。その御心配はよくわかります。よくわかりますし、それはまたしなければならぬ心配でしょう。しかし、その心配が現実となってあらわれるということは断じてあってはならぬ、こういうふうにお答えをいたしておきます。
○山崎委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十分散会