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94回国会参議院1981/03/31

予算委員会第二分科会 第3号

発言数
225
登壇者
18
会派数
5
開催日
1981/03/31

会議録

和田静夫日本社会党

○主査(和田静夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。  分科担当委員の異動について御報告いたします。  昨三十日、片山甚市君、大川清幸君及び井上計君が分科担当委員を辞任され、その補欠として山崎昇君、和泉照雄君及び栗林卓司君が選任されました。  また、本日、丸谷金保君が分科担当委員を辞任され、その補欠として松前達郎君が選任されました。     —————————————

和田静夫日本社会党

○主査(和田静夫君) 昭和五十六年度総予算中、防衛庁所管を議題といたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 まず冒頭に、長官に、けさのニュースでアメリカのレーガン大統領がピストルでやられるという事件が世界を駆けめぐりまして、私もあのニュースを聞いてびっくりした一人でありますが、先般外務大臣がアメリカへ行って帰ってこられ、近く総理がまた行かれる。また聞くところによれば、あなたもやがてアメリカへ行かれるという話を聞いているわけなんですが、この事件で私は、まだ犯人がどういう動機でやったのか何かも不明な段階でありますから、多くのことをあなたに聞くことを差し控えた方がいいという感じも持っています。持っていますが、あれ一つを見ても、あれだけ核兵器を持って、あれだけ軍隊を持って、そういうものでも大統領を守ることはできないいまのアメリカの病んでいる国情ではないだろうか。そういう気持ちも反面では持たざるを得ないわけなんですが、このレーガン大統領がピストルで撃たれた事件について、あなたはいまの段階でどんな考えを持ち、感想を持たれているか、まずこの点聞いておきたい。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) レーガン大統領の遭難のニュースは私もけさテレビで見まして、先生と御同様非常にびっくりいたしたわけでございます。先ほど閣議の席上、伊東外務大臣からこのことに関する報告がございまして、いま病院で手当てを受けておる、弾丸の摘出手術はすぐ行うことは危険のおそれもあるので見合わせることになっているが、ヘイグ国務長官の発表によると容態は安定しておる、こういうことでございました。そこで、私といたしましても、けがが一日も早く回復されることを心から希望している次第でございます。  いまお尋ねの点につきましては、背後事情等も明確でございませんし、またアメリカの国内の問題でございますので、いまの時点でいろいろ感想を申し上げることは慎まなければいけないと思う次第でございますが、こういった事件が起こったということは事実でございますので、今後の調査等、状況を冷静に見守っていく必要があるというふうに考えている次第でございます。    〔主査退席、副主査着席〕

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 この問題は、いま長官も言われますように、また私もそうでありますが、背景やらあるいはどういう動機かもまだ調査中でわからぬ段階ですから、多くのことをこの段階であなたに聞くことも私はいまちゅうちょしているわけなんで、これ以上多くのことを聞きませんが、いずれにいたしましても、多少のけさの解説めいたもので言えば、アメリカ国内には不満がもう爆発しそうな状況にあるんではないんだろうか。それは、国内政治そのものがかなり病んできているところへ、言うならば防衛費だけ増額して、福祉でありますとか国民生活そのものに対してはかなり極度な削減を行う。言うならば貧富の格差がますます激しくなって、そして政治的弱者といわれる諸君に対してきわめてレーガンは冷たいのではないか、まあそんなような空気があるというような趣旨のことがけさ述べられておりました。ですから私は、やっぱりこの事件を冷静にもちろん考えなければいけませんし、すぐ日本とどうというわけではないと思うにいたしましても、やはり国内の政治というのは防衛だけではどうにもならぬのだということを証明したんじゃないか、私はこう考えている一人なんですが、重ねてその点についてあなたの見解を聞いてこの点はやめておきたいと思うんです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 確かに、防衛だけでは国内の政治がうまくいかない、そのとおりだと思います。しかしまた、防衛なくして国の独立と安全は保てないということも同様に事実であると思いますので、先ほど申し上げましたように、冷静かつ沈着に対処していく必要があると私は考えている次第でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 次に、これは質問通告もしておりませんが、けさの神奈川新聞の一面トップで、あすの朝、横浜に沖繩からLPD、LST、このアメリカの艦船が二隻入港する。これがもう大変大きな報道をされまして、これに対して神奈川県知事あるいは横浜の細郷市長等も、きわめて遺憾である、早速国あるいはアメリカに対して抗議をしたいという趣旨のことが述べられておりますが、この艦船の入港は、長官も御存じのとおり、以前は沼津の千本浜から上陸をしておって、ことしの一月には気象条件ということを理由にして横浜が使われておる。今度は何の前ぶれもなしに、また気象条件という条件もなしに横浜に上陸をしてくる。いま横浜市民としては、横浜がこれの恒久的な基地になるんではないか、こういう不安で大変だということがけさ報道されました。一体、これは事前に防衛庁に話があったのか、あなたの方では知っておったのか、あるいはこういうやり方に対して防衛庁はどういう処置をとろうとするのか、これは通告しておりませんでしたけれども、お聞きをしておきたいと思うんです。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○政府委員(渡邊伊助君) 横浜ノースドックの使用の問題につきましては、先生ただいまおっしゃいましたように、先般におきましても艦船の使用ということがございましたが、    〔副主査退席、主査着席〕 その当時、沼津の方の気象の条件ということがございまして、横浜のノースドックを使用するということを国会等でも申し上げたことがございますが、気象条件が悪いのでノースドックを使ったというのが唯一の理由ではないわけでございまして、そういうこともあるということでございます。  今回の件につきましては、私ども通知を受けておりますが、私どもの考え方としては、横浜のノスドックというのは港湾施設でございますから、米軍が艦船の入港あるいは物資の積みおろしその他について使用するということにつきましては、地位協定上何ら問題はないというふうに考えております。ただ、地元におきまして、基地の恒久化につながるのではないかということとか、あるいは道路交通上の問題等を御論議されているということは承知しておりますが、米側の方の非公式な考え方としては、あの基地を近い将来返還をするということは全く考えておらないということでございますし、また道路交通上の問題は私ども直接の所管ではございませんけれども、これは米側の方から警察の方に通知があるというふうに承知をいたしております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いまのあなたの答弁は少し違うんじゃないでしょうか。一月の場合には、横浜経由の輸送理由に気象上の条件を使って、全くこれは一過性であって臨時的なやり方だ、こういうことで一月の場合は私ども済まされていると考えています。しかし、今度何の理由も示されずに、そしていまあなたの答弁によるというと、神奈川県も横浜市も強くこのドックの返還を希望しておる、今日まで運動も展開しておる。そういう運動に逆なでするようにあるいは水を差すように理由も示されずにやってくる、これはどう考えてみてもアメリカの行き過ぎじゃないでしょうか。また、あなたの気持ちの中には、地位協定だからやむを得ぬのだと、何か恒久基地として認めるようなあなたの考え方がにじみ出るような答弁である、これは許されないんじゃないでしょうか。そしてまた、横浜市内を相当な車両が通るということになると交通渋滞になりますから、そういう意味でも横浜市民は大変ないま恐慌状態にある。かつて戦車の輸送問題で、いまわが党の委員長をやっております飛鳥田さんが横浜市長時代にあの問題でずいぶん騒いだ事件がありました。そういうことを私はいま想起しているんですが、これは相当今後混乱を生ずる問題じゃないかと私は思うんですよ。  そういう意味では、当然あなたの方は米軍に対してどうして突然横浜を使うのかただすと同時に、県民感情や市民感情を背景にするならば当然やめさせるべきではないかと私は思うんですが、どうですか。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○政府委員(渡邊伊助君) 先般の件について、私どもは一過性であるとかあるいは臨時的なものであるということを申し上げたつもりはございません。  それから、このノースドックの返還の問題につきましては、かねてから地元の方から御要望があるということはよく承知をいたしておりますが、私どもが非公式に米側と折衝している限りにおきましては、先ほど申しましたように、近い将来の返還はきわめて困難であるという感触を得ております。ただ、地元の方の御要望につきましては、米側の方にもその気持ちは伝わっているというふうに考えております。  それから、今回の問題につきましては、先生ただいま御指摘のようにいろいろ地元で御論議がありますから、その点については米側の方にもよく伝えておきたいというふうに考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 重ねて聞いておきますが、沼津の千本浜をずっと使っておったのが気象条件を理由にして一月に横浜でやっておる。今度何もないのに横浜を使うと、そしていま私が申し上げたように、県民も横浜市民ももう恒久化されるんじゃないかという、こういう心配でいっぱいになっている。一体横浜を使うという理由について防衛庁はどういう判断をしているんですか。あるいはアメリカ軍との間に多少の、あなた方に対して横浜を使うという理由について述べられたことがあるのか、その点重ねて聞いておきます。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○政府委員(渡邊伊助君) 横浜をどうして使うのかという理由については米側の方にただしておりません。先般ノースドックを使用した際には、過去において沼津の方で非常に気象条件が悪いこともございまして米側の方としては計画的に事業を実施できなかったという経緯もありまして、恐らく米側としてはそのような事態を回避するために横浜のノースドックを使うということを考えているのではないかというふうに思いますが、なぜ横浜を使うのかということにつきましては、私どもは米側に理由をただしておりません。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 長官に聞きますが、きょう、恐らく知事も横浜市長もあなたを訪ねられるんじゃないか、あるいは米軍に対しても抗議の行動を起こされるんじゃないか。そういう地元の世論というものを背景にして、長官としては、米軍に対してこういうやり方というのはすべきものではないんじゃないか、したがって、あすどうも上陸するようでありますが、それはとりあえず中止してもらいたい、そういう趣旨のことを米軍側と折衝する考え方はありませんか。また私は強くそれをやってもらいたいと思うんですが、どうですか。長官から答えてください。

渡邊伊助防衛施設庁長官

○政府委員(渡邊伊助君) 先ほど申しましたように、横浜のノースドックは、港湾施設として、地位協定上の施設区域として日本政府から米側に提供しているところでございますから、港湾施設というその使用条件のもとでそれに適合するような使用をするということにつきましては、日本政府としては米側に対して何も申し出る理由はないというふうに思います。したがいまして、今回の横浜ノースドックの使用について中止を申し入れるという考え方はございません。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 防衛庁長官、どう。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいま山崎先生から、知事さんなり市長さんが私のところにお見えになる予定もあるようなお話でございますが、お見えになりましたならば、国会の都合のつく時間にお目にかかってよくお話は承りたいと思います。  しかし、あす入港予定のものを延ばすように申し入れるかという点のお尋ねにつきましては、いま施設庁長官がお答えいたしましたように、地位協定に基づいて現在提供している施設でございますので、直ちに予定を変更することを当方から申し入れることは必ずしも適当ではない。今後の問題につきましては、地元の要望もよく承りましてできるだけ対処してまいりたいというのが私の気持ちでございますので、あわせて申し上げます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それでは、この問題は地元の意見を十分聞いて、そして横浜市内としては大変なこれ交通問題に発展するおそれがあるし、混乱が生ずるおそれもあります。したがって、そういうことを政治としては未然に防がなければいけませんから、そういう意味でも強くひとつアメリカ側に反省を求めると同時に、防衛庁としても世論を背景にして強い姿勢をとってもらいたいということを指摘して、この問題を一応打ち切っておきたいと思います。  それから次に、これは通告してありますように、後二カ月後にまた旭川の護国神社の例大祭が始まるわけでありますが、過去この問題についてかなり議論がありましたが、    〔主査退席、副主査着席〕 私から一、二確認をしておきたいと思うんですが、一つは、一昨年の五月二十二日の参議院内閣委員会でわが党の野田委員から質問がありまして、当時防衛庁長官が山下さんでした。「宗教的活動につきましては、私どもといたしましては、宗教的色彩を帯びた行事に自衛隊の音楽隊、ラッパ隊等が参加することは宗教的活動に関与したことになるので、厳に慎むべきであるというふうなことで申しておる次第でございますが、その趣旨は十分徹底いたしておると思います。」と、こうなっておる。しかし、昨年はこの趣旨に反して多くの自衛官が出席をした。特に北部方面総監は初めて去年は式辞を述べておる。大湊の海上自衛隊からも音楽隊が出席をしておる。こういう状況になっておりまして、昨年の十一月の二十日に、これまたわが党の矢田部委員から質問があって、当時の防衛庁は、十分実情を調査してみたいという答弁がございました。その後、どういう調査をしてどういう状況であったのか、まずお聞きをしてから、具体的に聞いていきたいと思うんです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 昨年十一月二十日の参議院内閣委員会において、矢田部委員から御質問のあった北部方面総監等の護国神社への参拝等について調査いたしました結果を御報告申し上げます。  北部方面総監等の護国神社の参拝につきましては、北部方面総監太田穰ほか五名の者が北海道護国神社奉賛会長から招待状を受け、各人休暇をとり、昭和五十五年六月五日に私人として護国神社に参拝したものであります。その際、神社まではタクシー等公共交通機関を利用し、かつ玉ぐし料は私費で納め、記帳は肩書きを用いず、随行者もいない全く私人としての参拝でありました。  なお、制服は着用していましたが、私人として行動する場合の制服の着用は個人の判断に任せているもので、問題はありません。  祭詞については、奉賛会長の依頼により、北部方面総監である太田穰が肩書きなしの私人として読み上げたものであります。  なお、音楽隊の市中行進につきましては、自衛隊の北部方面音楽隊等の音楽隊は、六月五日、旭川市の主催による各種団体等の市中行進の一部として行進に参加したものでありまして、御指摘のような護国神社の例大祭に参加したものではございません。  以上のような調査の結果でございますが、今回の参拝及び音楽隊の行進は、防衛庁の指導方針——山下元長官が国会において答弁した、そして指導方針を定めたのでございますが、その指導方針の個々の条項に当てはまっておるものであるということが判明いたしましたので、この機会をかりまして慎んで御報告申し上げる次第でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それでは重ねて聞きますが、青森県の自衛隊大湊音楽隊は、これは出張ですか、それとも休暇で行ったわけですか。これは一体どういう調査を行われたんですか。そして、私の調査では第二師団に宿泊をして第二師団の営庭から行進に参加をしておる。一体これはどういうことなんですか。休暇をもしとっておると言うならば休暇願等を出してもらいたい。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) 先ほど大臣から御答弁がありましたとおり、この音楽隊の市中行進につきましては、護国神社の例大祭とは全く切り離された形で、旭川市あるいは旭川市の地区の吹奏楽連盟あるいは北海タイムス社が主催して行われたものであります。また、自衛隊の音楽隊はこの市中行進に参加しておりますが、これは旭川所在の各種団体、八十幾つあったと記憶しておりますが、そういう団体と一緒に行動している。しかも、自衛隊の音楽隊につきましては、一般の行進とは別に自衛隊の駐とん地から出発して途中で合流して旭川駅に行っているということが実情でございまして、決してこの宗教的行事に参加したものではないということをまず申し上げておきたいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それは論弁じゃないですか。六月の四日、五日、六日と三日間あるんですよ。この護国神社の例大祭と切り離した行事なんて一つもありませんよ。そして、これは平日に行われているんです。後で文部省にもお聞きしますが、そういう詭弁は言わぬ方がいい。私はいまここに当時の写真を持っています。いまこれ長官に見せますが、一つは北海タイムス社という、ボーイスカウトが標示を持って青森県自衛隊大湊音楽隊。そして重ねて私は許しがたいと思うのは、先頭の自衛隊員は自衛艦旗を持っている。これは私が調べたところによると、この自衛艦旗はどういう管理をしているのかわかりませんが、この「フォト」という写真に載った自衛艦旗と同じものでありますから、私は違うものじゃないと思っております。そして、さらに御丁寧に自衛隊員の一人は大日本帝国海軍という帽子をかぶって、これも写真がある。こういう行動をとっておってどうしてこれが個人なんですか。どうしてこれがこの護国神社の例大祭と違うんですか、別な日にあったのならいざ知らず。そして、さっきも申し上げたように、この大湊の音楽隊は第二師団に宿泊をしている。そして、ここに写真たくさんありますが、第二師団の営庭は全部こういう方々の、遺族会も入りますが、バスの駐車場に開放して、そこから出発しているんですよ。何でこれが個人なんですか。ちょっとこれ防衛庁長官に見せてやってください。一体自衛隊旗とか自衛艦旗の管理というのはどういう仕組みでやられているんだろうか、あわせてそれもお答え願いたいと思うんです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  先ほど、太田北部方面総監ほかの護国神社参拝につきましては、個人としての参拝であるということを申し上げたわけでございます。  音楽隊の方につきましては、護国神社の行事に参加したものではございません。別個に地元の要請に従いまして市中の行進に参加したものでございますので、個人としての参加ということではございません。  艦旗等についてのお尋ねにつきましては、政府委員をして答弁させたいと思います。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) これ、官房長の所管かもしれませんが、ちょっと私の記憶で、いま確かめておりますけれども、先生御指摘でございますが、ほかに何にも行事がなかったではないかと、例大祭以外になかったではないかという御指摘なんでございますが、市民音楽大会というのがたしかこの前夜に行われ、かつ当日は市民音楽パレードという行事が行われておりまして、これに対する広報活動としての出張でございまして、例大祭参加とは関係ないということでございます。  また、例大祭の行われました護国神社とこの御指摘の第二師団の入り口とは大変至近距離でございます。その関係で護国神社の前を通った事実はございますけれども、この音楽隊が参加をした行事は市民音楽パレードという行事に参加をしたものと承知しております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 あんまりあなた方、そういういいかげんなことを言わぬ方がいい。これは北海道護国神社慰霊大祭式次第がある、三日間の。護国神社の慰霊大祭と無関係の市中行進がどこにありますか。第一日目が六月四日、第二日目が六月五日、三日目が六日、全部これ式次第がある。その一環の行事として全部行われているんですよ。余りいいかげんな答弁せぬ方がいい。私は旭川知っておりますよ。私が陸軍二等兵で入隊するときに、護国神社の前にかつて工兵第七連隊がありまして、そこに私は入隊したんですから、あの近辺全部知っていますよ。そういうことも踏まえて私はこの間旭川へ行ってきた。一括書類全部これ、もらってきた。三日間の例大祭の行事なんだ。このほかにもたくさんありますよ。書道会だとか、あるいはここにもありますが、戦車を公開して子供に乗せているとか、たくさんの行事はありますが、いずれにいたしましても護国神社慰霊大祭式次第の中でこれが全部行われている。無関係なんということは言わせない。  それから、さっき指摘しましたあの自衛艦旗は、あれは何ですか。一体自衛艦旗とか自衛隊旗というのはだれがどういう保管をするのか。これは二本も三本もあって、そこに持っているそれはにせ物なのか本物なのか。そういうものを持って堂々と行進して、何でこれが個人参加なんですか。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) 先ほど来申し上げているように、北部方面総監の護国神社参拝が個人としての資格で参拝したということを申し上げているわけで、音楽隊が個人で参加したということは私ども申しておりません。音楽隊はあくまでも広報活動の一環として参加しておるというものでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 憲法上問題があるというこういう宗教的行事の例大祭に自衛隊が宣伝だというかっこうで部隊として参加したら、私はなおさら許されませんよ。だから、さっき私が読み上げましたように、かつて山下さんは、自衛隊の音楽隊、ラッパ隊等は参加することはいけないんだ、厳に慎むんです、それはもう行き渡っているんです、こういう答弁が行われて、なおかつそういう形のものがやられている。  それから、自衛艦旗というのは、あれ自由に音楽隊が持ち出してああいうことをやっていいんですか。それも聞いておきます。  それから、その写真にありますように、旧大日本帝国海軍の帽子をかぶって——これはまあ一名でありますが、仮装行列でも何でもない、そして行進に参加する、復古調もいいところです。そういうことが自衛隊としてあたりまえなんです、宣伝なんです、こういうふうに言えるんだろうか。一体自衛艦旗とか自衛隊旗というのはだれがどういう保管をして、いつどういうかっこうで使うのか、それもあわせてひとつ答弁願いたい。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。  たとえば護衛艦が就役をいたしますと、これに対する艦旗授与という行事等が行われまして、その連隊旗あるいは艦旗、こういうものはその部隊のいわば——昔からそうでございますけれども、士気高揚のためあるいは団結の象徴という形で、そういう部隊の象徴というものであろうかと存じます。しかしながら、パレード等を行います際にこれを使ってよろしいか悪いかということでございますと、先生ごらんになったかもしれませんが、観閲行進であるとか、あるいはその他の諸行事につきましては、指揮官旗あるいは自衛艦旗等を使用しておる場合がございます。旭川の市中パレード、もしもこれが宗教的な行事であるところの護国神社の大祭に参加をしたと、こういうことになりますと先生御指摘のような問題が生ずるかと思いますけれども、広報活動の一環として正規の旅費でもって参加をした場合、市中パレード等にそういう隊旗等を使用する場合もございますので、国旗もこれまた使用をしておる状況でございますので、その点は差し支えないのではないかと考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 先ほど来あなた言っているように、護国神社の例大祭でなければ、何であなた旭川市でそういう行事が計画されてやられるんですか。例大祭だからあなた方も行っているんじゃないですか。  それからもう一つ、大日本帝国海軍の帽子をかぶって歩いている。これは一体どういうふうに理解したらいいんですか。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) 帝国海軍の帽子をかぶっていたという事実は、実は私ただいま初めて承知をいたしましたので、これは調査をいたしたいと思います。  それから、行事につきましては、これは例大祭行事ではなくて恒例の旭川市の市民行事と承知をいたしております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そんなことありませんよ。  それから、北部方面総監のあいさつ文、私はここに全文持っています。そして、先ほどは個人ですから何も公的な名称は使わなかったという長官の話でありますが、そうじゃありません。最後に「陸将太田」。そして、この大祭の式次第によれば、「北部方面総監祭詞を奏す」「北部方面総監玉串を奉りて拝礼」。そして、きょう時間ありませんから私はこの述べられた祭詞の内容は一々言いませんけれども、この中にも「ゆう久の大義に生きられた御霊の御心を鏡として」、こういう言葉を使われたりね。これは全く私は、あなた方がどう抗弁しようとも、個人で参加したなんということにならない。また、出席を求める方は北部方面総監だから出席を求める。ここに、並んでおります写真もあります。海上自衛隊の方々の写真もある。一人や二人じゃありませんよ。先ほどあなた言ったように、五名と言われる。海軍の方々はここに四、五名、全部名札が並んでいます、制服で。これであなた方、個人でございますと言うのは——私は、二カ月後にまたことしのが始まるだけに、毎年毎年こんな同じことを繰り返して議論することもどうかという気も持っておりますが、いずれにしても自衛隊は余り詭弁を弄さない方がいいと思うんだ。例大祭と関係のない行事なんか一つもありませんよ。ですから、ことしは六月四日にまた始まるでしょう。そういうものには自衛隊は一切参加しないんだ、行かせないんだ。五十四年の五月二十二日の山下長官の答弁をそのまま守ってもらいたい。どうですか。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) お答えをいたします。  音楽大行進でございますが、私どもの承知しておりますのでは、この行事は北海道音楽大行進という名称であると承知をいたしております。六月五日十二時三十分から十五時三十分まで。主催は旭川市、北海タイムス社、旭川地区吹奏楽連盟でございました。これに協力参加してほしい旨の要請がございまして、広報活動の一環として参加をしたと、かように承知をいたしております。それから、このほかに旭川市市民文化会館におきまして音楽祭というのが行われておりまして、私どもはこれは旭川市の行事であって、例大祭そのものの行事とは関係ないと承知をいたしております。  それから、北方総監の祭詞でございますが、これは実は招待者でございます大祭委員長小笠原六郎氏。これは日弁連の副会長、体育協会顧問でございまして、この方からの招待状がございまして、道知事と北方総監がそれぞれ祭詞を読むことを要請されました。肩書きをつけないという条件で読み上げておりまして、この私ども原文を持っておりますが、最後の部分は昭和五十五年六月五日太田穰ということで、陸将という階級、肩書きはついておりません。  それから、この行事に今後参加をするかしないかということでございますが、これは先般の矢田部先生の御質問にもお答えを申し上げましたけれども、この北方総監なり、あるいはそれぞれの将官クラスの方々は第二次世界大戦の生き残りの方方でございますし、恐らくこの方々は自分の上官あるいは同僚、戦友、部下、こういう方を第二次大戦で亡くされた方でございますので、この方々が山下長官の示しました方針、すなわち玉ぐし料等の経費は公金で支出しない、二、公用車は使用しない、三、記帳及び玉ぐし料には肩書きをつけない、随行者を連れていかない、こういう条件を守って参加をいたしまする限りにおきましては、私人の行為として戦友の死を悼むという行為、この亡くなられた方には何の罪もないわけでありますから、国のために命を亡くされた方に戦友として弔意を表するということを禁止することはできないだろうと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 何遍あなたが言おうと、護国神社の慰霊大祭の中身の行事なんです、これは。三日間これあるんですね。三日間のちゃんと式次第が全部ある。そして、あなたの述べた中身は同じだと思うんですが、もしあなたの方が陸将という言葉を言ってないというなら、私はテープを持ってきます。きょうは持っていませんが、私は旭川へ行って持っているんです、これは。だからあなたに述べているんですよ。全く私人だというならやっぱり背広で行ったらいいんだ。こういう憲法上の疑念のある行為について、それがすべて制服で行って全部ここに並んで腰かけて、前には名札が、全部官職、氏名が述べられている。式次第にも全部、北部方面総監云々という言葉で式次第ができて、これでなおかつあなた方は違うと言い切れないと私は思うんです。だから、こういう憲法違反に該当するようなおそれのあることについては自衛隊はやっぱり参加すべきでないし、自粛すべきじゃないでしょうか。だから山下長官はこういう答弁しているんじゃないでしょうか。それから、自衛艦旗もそうです。私は全く遺憾だと思うんだ。  あわせて、文部省にも言ってありますからお聞きしますが、一体この小中学生、義務教育の子供が平日に学校行事でないものに参加をするという基準はどこにあるんだろうか。わけても、こういう慰霊大祭の一環行事の中に組み込まれて小中学生が普通の日に動員されるというのは一体どういうことなんだろうか、文部省の見解を聞いておきたいと思う。

河野石根文部省初等中等教育局小学校教育課長

○説明員(河野石根君) お答えいたします。  この行事は、先ほど防衛庁の方からも御答弁ございましたように、旭川市、北海タイムス社、旭川地区の吹奏楽連盟などの共催で行われておりまして、昭和二十八年代からすっかり今日では旭川地区の行事として定着しておるものだというふうに聞いております。  先生御承知のように、学校教育におきましては、音楽の器楽の合奏というものは小学校、中学校ともにすべての学校でやるわけでございますが、その共通にやりますものよりもさらに器楽の合奏に力を入れて、これを部員活動として希望参加の活動の形態で行う学校も多いわけでございます。そういうところが次第にプラスバンドの演奏などに熟達してまいりますと、これをとにかく演奏を皆さんに聞いていただいて、あるいは同じような演奏をする他の学校などと比べてさらに腕をみがいていくというようなことを考えるわけでありまして、そういうことでプラスバンドの合奏の大会というのは、ここのみならず、いろんなところで行われているわけであります。  そういうことでございますので、この音楽大行進に対します学校の参加は、課外の部活動として参加しているということでございますが、この部活動等における対外的な校外の演奏大会とか、あるいはスポーツの競技大会なんかでも同じような性格のものでありますけれども、そういうものに児童生徒が参加する場合の学校の扱いでございますが、これは校長が学習上の支障の有無、その教育的意義等を考慮いたしまして、参加を許可するかどうか、あるいはこれを出席の扱いとするかどうか等を決定するということにいたしております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そうして、行って歌っている歌が何か、奏楽している中身は何か、「海行かば」「同期の桜」、ほとんど軍歌です。そして、いま何でも旭川市の主催だとかこうあなた方は逃げますが、護国神社の例大祭に合わせていろんな行事が設定をされて、その一環でやられているわけです。もしこれ旭川市の護国神社の例大祭がなければ、六月四日から六日までの行事はありませんよ。そして、小中学生は自分で判断できるわけじゃありませんから、当然いまあなたの言われる学校長が判断するでしょう。私は、強いて言えば憲法二十条の二項に該当してきやせぬだろうか、どうしてもこれ宗教的色彩が濃いのではないかという疑点があるわけです。現地でもある。参加している人の中にもかなりある。そういうところに学校行事でもないものに、特に義務教育の生徒が動員をされる。これはやっぱり考えなおさにゃいかぬじゃないでしょうか。  それから最近は、ボーイスカウトなんぞというまた別な団体でこれがまたいろんな行事に参加をする。ここにも写真幾つかあります。あるいはまた、この中にあります展覧館みたいなところには、全部これはもう昔の軍人勅諭、祝出征軍人、こういうものがずらりこれは掲げられて、そこを見学させられる。軍人勅諭の場合には、これは天皇陛下でしょうかね、馬に乗って軍人勅諭を背景にしてやっている。書かれております書き初めその他は神を崇拝、こういうものが全部ずらっと並べられたところに子供が連れていかれてこれに参加をさせられる。最後には、これは自衛隊の宣伝でしょう、タンクに子供全部乗せて喜んでおる。この例大祭の行事がなければこんなものやるわけじゃない。これは文部省として私は一考を要する問題ではないかと思うんですが、どうですか。

河野石根文部省初等中等教育局小学校教育課長

○説明員(河野石根君) ただいまいろいろ御指摘の点でございますが、演奏される曲目につきましては、私どもどういう曲目が演奏されたかを詳細に調べておりませんけれども、一般的に申しますと、こういう行進して歩くというような場合にはどうしても行進曲というようなものが多く演奏されるわけでありまして、意識的に軍歌ばかりを演奏するというような気持ちで選曲しておるというのではないのではなかろうかと、このように考える次第であります。  それから、ボーイスカウトの参加につきましての御指摘でございますが、社会教育の場でこの青少年団体——ボーイスカウトもその青少年団体でございますが、この青少年団体がどのような活動を行うかということは、それぞれ団体ごとにその責任と良識で自主的に判断するという事柄でございますわけで、この場合は、地元のボーイスカウトが参加団体のプラカードを持って歩いたり、沿道の整備を行ったということがあるようでございますけれども、郷土の行事におきまして積極的に奉仕活動を行うということはスカウトの公徳心を養う上からも大変結構なことだと思っておりますし、授業に支障のない限りにおいて参加しているというふうに聞いております。  なお、こういうことが宗教教育に該当するのではないかというような先生の御指摘でございますが、これは私どもの解釈でございますけれども、宗教教育というのは、特定の宗教の教義を教える、あるいはさらには典礼を行ったり典礼に参加させたりするとか、そして究極的にはその特定の信仰に導くということをねらいました教育活動ということでありまして、そういうことでございますので、このような音楽大行進というようなものは決して宗教教育には当たらないと、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いや、私は宗教教育なんて言っていませんよ。こういう宗教団体の行う活動に公に参加するということは憲法二十条に違反しませんかと。その場合に、子供が学校の行事でもないものに動員されて連れていかれるということは、二十条の二項の「強制」に当たらないかという気さえしているわけです。加えて、やっていることはどう強弁しようとも、一三日間の式次第ができて、その中の一環行事として行われている。やっていることは、いまも申し上げましたように、吹奏はほとんど軍歌、見せるものはかっての、神をたっとびなさい、軍人勅諭、そういうものを展覧館で見せて、そして後は銃剣術、戦車、こういうものに乗せてこの行事が終わっているんですよ。それ以外の何物もないですよ。そういうことに義務教育の子供を動員することはやっぱりおかしいのではないか、私はそういう気持ちがしておりまして、もう時間がなくなってきましたから一方的に指摘しておきますが、文部省としても十分この点は検討願って、今後そういうことのないように私はしてもらいたい、こう思います。  それから、防衛庁もまた、これだけ議論になるわけでありますから、本来ならばこのほかにも英霊を守る会の仕事の問題でありますとか、たくさんありますけれども、それはまた他日に譲りたいと思っています。いずれにいたしましても、いま二、三写真見せましたように、これはこの例大祭の一環行事だということをぜひ頭に入れてもらって、憲法違反にならぬようにしてもらいたいということを指摘をしておきたいと思います。  それから、次に私がお聞きをしておきたいと思いますのは、私も内閣委員会に籍を置いておりますので、    〔副主査退席、主査着席〕 一度北海道の師団を調査したときに、夜、第一線の指導される方々と懇談する機会がありました。そのときに、第一線の人に、いま自衛隊で何が一番問題でしょうかと私から聞いた。そしたら、訓練なんぞというのは、これはある程度時間と、それから訓練の内容にもよるでしょうけれども、技術面については相当達することができる。しかし一番問題は、隊員の緊張状態といいますか、あるいは精神状態といいますか、そういうものをずっと持続するのに一番苦心しています。言うならば、隊員の人事管理が最も苦心をするところですというのが第一線の方から私に言われた言葉でありまして、私もなるほどという気持ちがいたしました。私も千歳で戦車に乗せてもらいまして千メートルぐらい走りました。あるいはまたホークの基地も見ましたし、いろんなところも行ってみましたけれども、いずれにいたしましても、訓練はある程度行き届くんじゃないんだろうかと。しかし、この精神面といいますか、緊張状態をもっていくということは、大変私は第一線の諸君は苦労しているんじゃないかと思います。  そういう意味で言えば、この人事管理というものについて一体防衛庁はどんな目の配り方をしているんだろうか。特に最近は、一つ一つ言いませんが、相次いでいろんな事件が起きる。それも、酒に酔っぱらって夜中人の家に入ったとか、言うならばその辺の諸君と同様のような事故が大変起きてくる。こういうことを考えるというと、緊張状態がやっぱりかなり緩んでいるのかなという気もしますし、そういう意味で、この人事管理についてどうされているのかということが一もう時間ありませんから、私の方から一、二重ねて申し上げますが、そこで、私は自衛隊内部ということは余りよくわかりませんが、ここに一冊の本があります。これは、かつて自衛隊に勤務されて、この説明によるというと昭和四十年の七月に海将補で退官された、瀬間喬さんというんですか、この人の本があります。これによりますというと、「あとがき」で、ここに書いていることは八割方本当である。二割について書けば内局官僚の名前を出さなければ説明できぬことであり、それは世人があきれ返ることで、それが文官支配の実態とでも言えることであるが、人身攻撃になるおそれがあるからやめますと。しかし、書いていることの八割はこれは真実でありますということを「あとがき」で述べて、いろいろここに書かれています。  そこで、私は人事管理の面と関連して最も遺憾にこの本を読んで思うのは、これは実名で書かれていますから、実名で聞きます。金丸防衛庁長官時代に、自衛艦の命名に自分の出身の町の名前をつけたというんです。「しらね」という名前をつけて、後からそこの町長さん方が礼に参上したということが書かれている。あるいは、私と同僚でありますけれども、政務次官やった土屋君については、大ぜいの自分の支持者を連れていって、パレードというんですか閲兵というんですか、そういうものに参加をしているとかやら、あるいは名前は伏せられておりますが、幹部は防衛庁の車を使うことはあたかも自分の車を使うような使い方だと書いてある。朝の早くから夜遅くまで、私用みたいにして使っているということがここに書かれておる。そして、この人は断定をして、いまの自衛隊は私兵だと思う、こういう断定の仕方をしてこの本が書かれているわけです。  私は余り自衛隊の内部なんぞということは具体的にわかりませんけれども、努めてそういう方々のものを読むことにしているんですが、これを見てびっくりした。そのほかにも、文官対制服のあつれきだとか、さまざま書かれておりますけれども、いずれにいたしましても、こういうことが私は隊員の士気に甚大な影響を及ぼすんじゃないんだろうか。人事管理の面とあわせて、防衛庁長官、こんなことが目の前でやられたら、どんなに一生懸命訓練やりなさい、あなた方はまじめにやりなさいとあなた方は号令かけても、中間にいる幹部がこういう気持ちになっておってどうして自衛隊が士気が上がるんだろうか。私どもの党は自衛隊に反対でありますけれども、いま存在しておりますから私は質問しているのであって、これは大臣読まれたかどうかわかりません。私はこれ見てびっくりした。何ならこれ、官房長でも局長でも、買って読んでみてください。「自衛隊を裸にする」というんです。  それからもう一つ、重ねてお聞きしますが、これは法学セミナーの増刊号です。この中に、これもかつて防衛大学の助教授をやった人が書いておるわけでありますが、最近防衛大学の卒業生の任官拒否が多くなってきた。その一つの理由かもしれませんが、あの猪木さんが学校長になってから、もうやめられたようでありますが、防衛大学のあり方が大分変わってきたのではないかというふうに書かれている。どういうふうに変わったのか。それは、かつてのように自由な空気でなくなってきている。そして、猪木さんの訓話がずいぶんここに載っているわけでありますが、きわめて教育がイデオロギー的になってきていると。ざっと読んでみますというと、「マルクス理論攻撃のあと、彼は話の締めくくりとして、「今後の三〇年間というのは大変重要な、いうならば思想的決戦の時代である」とし、「思想防衛というものについて、しっかりした信念を持つということが絶対必要」である」というふうに、きわめてイデオロギー的教育が行われているのじゃないか、こう指摘をされております。ですから、私は防衛大学というところは行ったこともありませんし中身はよくわかりませんが、いろいろな方々、内部におられた方々のものを読むというと、どうも最近の自衛隊といいますか防衛庁というのは一定の方向に走っているきらいがあるんではないのだろうかという気持ちを持ちます。さらに、きょうは本を持ってきておりませんが、作家の佐木隆三さんが自分の防大の体験記を書いています。これを読んでみてもまことにいろんな点が指摘をされているわけでありますが、一体こういうことについて防衛庁長官はどういうふうに考えるでしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  その前に、ちょっと追加報告をさしていただきます。  レーガン大統領のその後の状況についてでございますが、九時四十分外務省に入った連絡によりますと、レーガン大統領の医師団は、弾丸摘出手術は終わりリカバリールームで休んでいるが、安定かついい状況だ、意識は明白でいかなる状況でも重大な時期になったことはなかった、腹部の出血も認められず、あすにもいろいろな決定ができるのではないかという発表をしたという報道がその後入りましたので、追加をいたします。  さて、ただいま人事管理についていろいろ事例を引いての御指摘がございました。  まず、最近起こりました、春日基地に出張しておりました一等空曹が酒を飲んで民家に侵入して、家人に暴力行為をふるった後放火して地元警察に現行犯逮捕された事案につきましては、きわめて遺憾な事態であると存じております。人事管理につきましては、防衛庁といたしましては、国民の信頼にこたえるためにも厳正な規律を維持することが最も重要であると考え、平素から指導教育を行っていたところでございますが、にもかかわらず、このような事態が発生しましたことはまことに遺憾でございますので、今後一層注意を払ってまいりたい。隊員の心情をしっかり把握すること、適正な人事管理を行うこと、また教育におきましても人間としての修養に努めることに留意する、また事故の未然防止に努力する、あらゆる面から努力を払ってまいりたいと考える次第でございます。  それから、元自衛官の方の著書を二、三引用されまして御指摘があったわけでございます。  最初に引用されました方の著書は私の手元にも送ってこられておりまして、いま読んでいる最中でございます。その中には、やはり体験者としてのいろいろ適切な意見もあるように私は承知しているわけでございます。給与の問題とかそういった点につきましては、やはり中におった人でなければわからないような率直な意見も記されていると思うのでございます。ただ、先生が御指摘になりました、末尾に記されております自衛艦の命名の問題あるいはパレードの問題等、私はその事実は一々詳しくは承知しておらないのでございますが、感じとしましては、ちょっと誇大な表現ではないかという印象も持っているわけでございます。町の名前を自衛艦の命名にそのまま用いるというようなことは、ちょっと私の常識から言いますとあり得ないのではないかという感じも持っているわけでございます。いずれにいたしましても、しかし国民の信頼を傷つけるような行為は特に幹部の場合は慎まなければならぬということは御指摘のとおりでございますので、そういった点につきましては一層自粛自戒をしてまいらなければならないと考えている次第でございます。  また、防衛大学校の卒業者がそのまま自衛官にならない、その数が最近若干ふえてきている理由は何であるか。私も調べてみました。そうしたら、一番多い理由は、四年間にいろいろ健康を害したために隊員として服務することがむずかしい、これはやむを得ない事由だと思うわけでございます。そのほかに、お父さんが亡くなったとか、地元に帰って家業を継がなければいかぬとか、個人的な事情も相当あるようでございます。また、中には、防衛大学には大学院の制度がないので他の大学の大学院へ行って勉強したい、こういう者も相当あるようでございまして、それぞれの事情はあると思うのでございますが、御指摘のように貴重な国費を使って養成した学生でございますからできるだけ隊員になっていただくというのが本意でございますので、そういったことが今後出ないように、否むしろ減るように、教育のあり方、あるいは採用のとき、その後の教育のあり方等につきましても一層徹底を図って、国費のむだ遣いにならないように努力してまいらなければならないと考えている次第でございます。  その他、著書を引用されての御指摘でございますが、その他の著書については私まだ拝見をいたしておりませんので意見を申すことは差し控えさしていただきたい、さように考えている次第でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いや、だから、あなた読んでなければ。私の方からいま指摘したのだから。ここに明確にこの人は、もっともっと書きたいことはいっぱいあるけれども八割程度にとどめたと「あとがき」で書きながらここに書いているわけでしょう。特に、「政務次官は盲腸的存在であると言った人があるが、自衛隊というもののある防衛庁においては、ときどき盲腸炎を起こして害毒を与えるので困る。」とさえ書いている。そしていろいろ述べてきて、「自衛隊は自民党の私兵である」、こうさえ書いている。その幾つかの事例として、私がいま挙げましたように、金丸防衛庁長官は自衛艦の命名について自分の出身地の名前をつける。政務次官は、これ何と言うのですか、閲兵式というのですか、これに自分の支持者をたくさん連れてきて参加をさしてやる。また、名前は載っておりませんが、ある中国地方出身の政務次官だそうでありますが、これが郷里に帰るときには朝早くから夜遅くまで無理無体な車の使い方をする。こういうことが具体的に指摘をされている、たくさん。ですから私は、第一線の指揮官は隊員の士気を上げるために一生懸命だと思うんですよ、私が行ってみても。少なくとも中央部における幹部がこんなでたらめばかりたくさんやっておって、どうして第一線の隊員の士気なんぞ上がるんだろうと。正直な気持ちで言えば私は第一線の指揮官かわいそうだ。  そのほかにも人事管理上の問題、しかしきょうは時間がもうありませんからやめますが、最近隊員募集にしましてもほとんど公開試験なんぞというのはない。ほとんど選考採用。それでもなおかつ陸上の場合にはろくすっぽ集まらない。あるいはこの中でも言われておりますが、私もまた三、四年前から言っておりますように、防衛庁の給与体系というのがまことに複雑怪奇でわからない。一向にそういうものが直されていない。どうも私はこれだけ膨大な機構になってきて、内部を一々私どもわかるわけじゃありませんが、少なくとも内部におる方々がこれだけのことを書くについては、実名を出してまで書くわけですから、相当な私は決意で書いていると思う。どうですか、長官、いま私が指摘した事項について、あなたはまだすっかり読んでないそうで、読むでしょうが、答えてください。もうそれ答えると私の質問時間なくなると思うんですが。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 先ほど申し上げましたように、長官以下幹部は部下の信頼を損なうような行為は慎まなければならない。また、一般国民に対しましても信頼を傷つけるようなことは慎まなければならない。そういった点では、私を初め幹部に徹底してそういうことが起こらないように一生懸命努力するということを申し上げているわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いや、一つ一つ答えてくださいよ、私の指摘したことについて。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 先ほど、ちょっと艦名については町の名前をつけるということはあり得ない。やはり名前をつけるにつきましては相当な理由があったと私は承知しているわけでございます。  それから、パレード云々の点は、これは過去の事実でございますので、どの程度であるのか、しかとお答えする材料は持っておらないわけでございます。  公用車使用云々の点につきましても、現在その事実があったのかどうか、またどの程度あったのか、それはお答えするだけの材料は持っておらないわけでございまして、しかし仮にそういったことがあったとしましても、そういうことは今後は起こさないというように徹底を図っていくということを申し上げておきます。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) いま艦名につきまして御質問ございました。艦名につきましては、海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令というのがございまして、該当いたしますところの船は護衛艦でございますが、これにつきましては天象、気象、山岳、河川、地方の名をつけることになっております。同型艦の場合にはなるべく同じ系統、たとえば山岳なら山岳、河川なら河川ということでやるようになっておりますが、この船の場合には一号艦が「はるな」でございまして、その次「しらね」というのにしたわけでございますが、「しらね」というのは山の名前でございまして、かつこれは正確な記憶ではございませんけれども一日本の複数の地方にございますところの山の名前でございまして、そういったことからつけられたものだというふうに記憶しておりまして、決して町の名前ではございません。いま申し上げる趣旨は、要するにいま申し上げました訓令に適法に従いかつ同型艦につけられました榛名山でございますとか、そういったのと同じ意味で白根というのが選ばれたと、そういうふうに承知しております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 あなたから言ったから、私の方から読んでみせましょうか。「進水式では、戦前の艦名にもなかった「しらね」のウワサが流れていた。「しらね」というのは金丸長官の選挙区、山梨県の白根三山であって」——あなたの言うとおり山です。「艦名は同型艦は統一する内規がある。すでにヘリ護衛艦は「はるな」と「ひえい」があり、次の候補は「金剛」と「霧島」だった。」、それが突然「しらね」に変更されたと書いているから聞いているんですよ、私は。  こういうことは内部におった人が——私どもにはわかりませんよ、何で「しらね」なんという名前つけたのか。土屋政務次官の行為についてもわれわれわかりませんよ。あるいは中国から出た政務次官の行為についても私どもわかりませんよ。少なくとも海将補ぐらいやった人がこういうことを指摘しているんですよ。ですから私は、こういうことがひいては重なってくるというと、どんなにこの場はあなた方逃げても、隊員の士気そのものがまずくなるんじゃないんだろうか、そういう気持ちがして、私は第一線の指揮官かわいそうだという気持ちを持っているから聞いているんです。あなたに聞いてない。  ですから、人事教育局長に、もう時間ありませんからやめますが、重ねて私はそのうち人事問題等についてお聞きをしたいと思っていますが、最後に、一体給与体系等はどの程度いまどうなっているのか。もう三年も四年もたって、この中でもかなり指摘をされているんだが、その点だけ聞いてやめます。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) いまのお話で、次の船は「こんごう」とかというものが決まっておったということでございますが……

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 書いてあるから言っているんだ。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) はい、それは書いてあるかもしれませんけれども、私ども内部ではそういうふうに次の船をどういうふうなことにするということを決めるということはございません。これは、私どもは海幕の方から案をいただきまして、内部で検討して決めるわけでございますが、海幕の方があらかじめ特定な名前を候補として決めておると、次は「こんごう」であるというふうに決めておるという事実は私ども承知しておりません。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) 給与の問題については、かねてから山崎先生からも何回も何回も御指導いただいておりまして、給与問題について関心を抱いていただいておりまして私ども感謝をいたしております。  御指摘になられました問題点の幾つか、私ども解決の努力を部内でいろいろ検討いたしてやっております。たとえば将(二)と将(一)の関係でございますが、これも改善の努力をいたしましたが、本年度特殊な財政事情、御承知のような事情でございましたので、指定職の改善のあれがございませんでした。これも現在のところ、昨年の秋御答弁をした段階にとどまっております。  また、自衛官俸給表のリンクの仕方、これの是正、特に三尉から二曹まで、この間に今度は曹長が入りましたので、これが公安職五等級にリンクされておる、これを何とかしなきゃいかぬ。この問題もわれわれ鋭意検討を進めておりますが、これは全体の体系のリンクの仕方になりますので、まだ、昨年の御指摘をいただきましてから半年、残念ながら成果を見ておりません。  なお、その他自衛官の退職金の問題等につきましては、任期制自衛官の退職金の通算措置につきまして若干の改善措置を試み、今回の国会に自衛官等俸給表の一部改正案ということでお願いを申し上げているところでございます。今後とも御指導をいただいて、鋭意努力をしてまいりたいと、かように考えております。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 最後に、お許しを得まして、自衛隊が私兵ではないかとこの著書に書いてあるということについて、私の所信だけを述べさせていただきます。  自衛隊は、もとより法律に基づいて国の独立と安全を守るために設置されております機関であり、隊員は特別職の公務員であります。絶対に私兵であってはならないと思います。そういう基盤が損なわれないように私を含め自粛自戒して、国民の期待に沿うように今後最善の努力を尽くすということを申し上げまして、お答えといたします。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 長官にお尋ねをいたしますが、最近アメリカから日本の自衛隊に対する増強要請及び北太平洋、北西太平洋防衛の分担など防衛分担の要請が相次いでおりますけれども、憲法第九条及び専守防衛の立場、総理の軍事大国にはならないという誓い、あるいは非核三原則等の制約が日本にはあるわけでございますが、このアメリカの要請を長官としてはきわめてこういう立場から迷惑なものと思われるのか、それともそういう機会に防衛力の増強ができる絶好のチャンスと、このように内心ほくそ笑んでおるというふうなとらえ方、どちらなのか本心を明かしていただきたい。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 現在、米国は厳しい国際情勢にかんがみ、緊縮財政の中で国防費の大幅な増加を図る一方、日本みずからの防衛のため一層の防衛努力を行うことを一般的に期待しているところでありますが、まだわが国に対して具体的な要請が来ているわけではございません。  わが国の防衛方針は、先生いま御指摘のとおり、平和憲法のもと、専守防衛に基づき、非核三原則を堅持するなどを基本にいたしております。このことについては米側もよく理解しているところではないかと私は考えているわけでございます。そういうことでございますので、いま迷惑と考えるか、増強のいいチャンスだと、このどちらかというお尋ねでございましたが、わが国はわが国としての制約がございますので、アメリカの一般的要請の気持ちはわかるといたしましても、わが国の基本原則の範囲内で、またわが国はわが国の中でまたそれ以外に財政その他の事情もございます。できる限りの努力をしていくということでございまして、決してアメリカの要請があるからといってそれに便乗するとか、そういうことではなく、あくまで自主的な判断に基づいてなすべきことはなしていく、そういう考え方でおるわけでございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 去る三月の二十四日に参議院の予算委員会で、防衛庁長官は、わが国の周辺海域については防衛庁としては周辺海域数百海里、航路帯では千海里程度の海上防衛力の整備に努めると、このように答弁をしておられるようでございますが、南方への千海里については東京、横浜及び大阪、神戸より千海里、こういうことになりますとグァムの以西及びフィリピン以北に至る航路帯になりますが、しからば北方への航路帯も千海里と、このように理解していいのであるかどうか。北方への千海里ということになりますと千島全域、カムチャッカ半島の半分、オホーツク海に至る。こういうことになりますと、ソ連の二百海里専管水域及びソ連の防衛組織網と交差するということになりますけれども、この辺はどうなりますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) わが国の海上交通保護のための海上防御力の整備目標としましては、いま先生お述べになりましたとおり、わが国周辺数百海里、航路帯を設定する場合に大むね千海里程度をわが国の周辺海域と考えておるのでございますが、このわが国周辺数百海里というのは、もともとわが国周辺の地理的状況等に応じて幅のある問題で、一概にその範囲を述べることは困難であると考えております。  いま御指摘のありました北の方の日本海等につきましては、太平洋側と比べおのずから狭くなるものと考えております。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 わが国の防衛の地理的な範囲は、南東航路と南西航路について見た場合には、米軍のシーレーン、中東方面から米国の西海岸サンジエゴに至るこの航路との間に完全に空白地帯ができるようでございますけれども、現在北西太平洋の防衛分担構想というものを少し三百海里ぐらい広げてくれと、何かしてくれということは、この空白を埋めてくれということになるんじゃないかと理解するんですが、いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま何か具体的に何百海里か埋めてくれという要請云々というお話でございましたが、先ほどから大臣もお答えいたしておりますように、アメリカ側から北西太平洋の防衛について具体的に日本にその分担についての話があるわけではございません。したがいまして、私どもは従前から申し上げておりますように、わが国周辺数百海里、航路帯を仮に設けた場合には約千海里という防衛構想というものを従前どおり整備していきたいというふうに考えているわけでございます。もし、御指摘のような、空白はどうするかというような御指摘でございますが、ガイドラインにもありますように、日本の自衛隊の及ばない機能の面については米軍の支援に期待する、こういうことで従前からやっておるわけでございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 いまアメリカが、今度外相が行ったときに、アメリカはインド洋まで努力してやっておるんだと、だからその手薄なところをやってくれという要求があるわけで、そういうことで防衛構想の分担の拡大を求めておると思うんですが。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまお話しのように、アメリカ側は中東からずっと分担といいますか、自分で防衛努力をしておるという、それは確かにお話があったそうでございます。その際に、だから日本はどこを守ってくれと、どこをやってくれという話ではなくて、アメリカはそういうことをやっているんだという話はあって、日本に対しては一般的な従前からの防衛の強化についての期待があったというだけでございまして、具体的にどこに穴が、空白ができるから分担を新たにしてくれと、こういうような話であったというふうには闘い七おりません。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 空白地帯になりますと、そこが非常に相手国のそういうような潜水艦の跳梁するということになると、空白を埋めるというのはこれはもう防衛の常識だと思うんですよ。そして、南西と南東とその間にある三角地帯のそういうところの線から面の防衛の分担も北西太平洋構想ではあるようでございますけれども、そうなると、これは憲法第九条集団防衛権ということに相当抵触することも出てくるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 海上防衛のことを考えます場合に、いまお話ございましたように、分担区域を決めて日米が分担をするというような考え方をとりますと、確かに集団自衛権の観点から憲法上議論の余地が出てくるおそれはあり得ると思います。それは、先ほどから申し上げておりますように、私どもそういった海域の分担をするのではなくて、機能的に海上自衛隊の能力の及ばないところを米海軍の支援に期待する、こういうことでございまして、その点は従前からの私どもの方針と一つも変わっておらないわけでございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 次にお聞きしますが、三月四日にワインバーガー米国防長官が上院の軍事委員会の公聴会で国防方針を表明をしておる中で、NATO諸国、日本に共通の防衛のためにさらに貢献するよう要請することが必要不可欠として、一、新兵器や高度科学兵器の共同開発、生産を行う、二が戦略、戦術、訓練などの共通化を図るの二点を挙げているが、来る四月の五日に米国国防総省の幹部が来日をするようになっておりますけれども、このワインバーガー国防長官の声明について詳細にわたっての事務レベルの話し合いが行われるのではないかと思うのでございますが、この点はいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 御指摘の米国防総省の高官と言われます方はアミテージという方のことだと思いますが、確かに近く来日されるというふうに聞いております。この方は、今度政権がかわりまして国防総省の中でアジア地区の担当官になられた方でございまして、そういう意味で日本だけじゃなくて、新任に当たりましてアジアの各地域を視察しに来られるというふうに私ども聞いております。したがいまして、私どもとしましては当然お見えになればいろいろお会いしまして話をする機会は持ちたいと思っておりますが、具体的にいま御指摘のような話の中身を持って来られるとかなんとか、そういうことは一切わかっておりません。議題等も打ち合わせをして来られるわけじゃなくて、いま申し上げたようなアジア各地を視察される、そのときに日本に寄られると、こういうふうに承知しております。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 きのうの決算委員会で外務大臣のお話では、そういうような事務レベルの詰めがまず行われるんじゃないかと、こういうふうな答弁もあったように聞いておるんですが、そうなりますと新兵器の共同開発、共同生産、共同販売ということまでエスカレートしていくのではないか。去年の六月の十五日に、マシュー・ニメッツというアメリカの国務次官が講演をした中では、やはりそういうことを言っておるんですね。共同に開発をして共同に生産をして、中進国あるいは低開発国あたりにそういうものを販売するということになりますと日本がそれに組み込まれると、きょうの本会議でも当院も武器輸出の三原則の決議が行われるわけですが、これに巻き込まれるという重大な問題になると思うんですが、その辺の御見解はいかがですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) まず、先ほどの御質問にも関連することでございますが、これまで新兵器や高度科学兵器の共同開発、生産の話があったかというわけでございますが、そういった事実はございません。関連いたしますことといたしますと、昨年の九月と十二月に日米装備技術定期協議というのがございまして、ここで資料交換に関します取り決めの活発化というふうなことにつきまして話し合いを行ってございますけれども、いまおっしゃいましたような共同開発あるいは共同生産あるいは共同販売といったようなことについては向こうから一切話は出てきておりません。なお、この定期協議の冒頭に、私どもの方から、日本は武器輸出三原則というものがございますという点につきまして御説明をしておりまして、アメリカもそれなりの理解はしているというふうに受けとめておる次第でございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 昨年の三月十九日大来外相が訪米するに際しまして、アメリカより三大海峡、宗谷、津軽、対馬封鎖のため効果的に行い得るための機雷数が日本では非常に不足しておる、半分しかない。ですから、この機雷数の増加と機雷敷設能力の向上、魚雷戦力の強化、潜水艦、艦艇探査能力の向上等の要請があったようでありますが、それにこたえて大来外相は、弾薬備蓄のほか機雷、魚雷についても弾薬庫の新設、実装調整場の整備を行い、即応態勢の促進を図るなど、アメリカの要請に積極的に対応する姿勢を示したわけでございますが、その後の防衛庁の対応の措置はどういうふうになっておるかをお答え願いたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) まず、昨年の三月十九日の当時の大来外務大臣の訪米に当たりまして、例の中期業務見積もりの一年繰り上げとかいうような話は出たというふうに聞いておりますが、いまのような具体的な三海峡がどうであるとか、機雷、魚雷がどうであるとかというような話が具体的に出たというふうにはちょっといまそういう記憶がございませんが、仮にそういう話が出たとしましても、特に当時の大来外相がそれに応答して積極的な姿勢を示したというようなことは当然考えられないんじゃないか。話が出たとしても聞いてこられただけではないかと思いますが、ちょっと、いずれにしましても、いまそういった話があったかどうかといった事実関係についていま私記憶がございません。  ただ、いずれにしましても、機雷あるいは魚雷の整備につきましては、私ども中期業務見積もりにおきまして逐次整備を図っておりまして、あるいは調整場の問題にしましても、あるいは貯蔵場の問題にしましても、逐次整備には努力をしておるところでございます。また、対潜水艦作戦能力向上といった点につきましても、御承知のように中期業務見積もりの各艦艇の整備に当たりましては、そういう点は十分配慮しながら現在整備に努めておるところでございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 私の党の矢野書記長以下が訪米をしまして、アメリカ側が率直に言った意見としては、現在の自衛隊は通常兵器による小規模の侵略に対しても領域保全の能力がきわめて低い。どうも最近正面装備のぴかぴかだけはそろえるけれども、後方装備の方はがたがたである。大来外務大臣に要請があったということがアメリカの本音だと思うんですよ。たとえて言いますと、基地の中の航空機も地上でそのまま一撃を食らったら全滅というような状態のまま放置されておる、レーダーサイトの防護の手段も講じてない、弾薬、燃料というものは備蓄がほとんどない、こういうような体制ではまさに威勢ばかりよくて、張り子のトラで何日持てるかというようなところがしかじかされるのも私は当然だと思うんですが、当然小規模のそういうような侵略があったときには手痛い打撃を相手に与えるような、そういうような装備を、防衛力を日本自体で持つのが本当じゃないか。ある程度持ちこたえておって安保条約の支援のもとに米軍の来るのを待っておるというような、そういうようなことで果たしていいのかどうかというような疑問も投げかけられたそうですが、長官の御所見はいかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 御指摘のとおり正面だけではなく、後方支援体制を充実しなきゃならない、まさに御指摘のとおりだと考えております。  そこで、防衛計画の大綱におきましても、限定的、小規模の侵略に対しては原則として独力で対処するというのが基本原則でございます。そのためには国際的な技術水準に適応する正面の整備も図らなきゃいけませんが、これと関連を持つ後方の整備の問題もゆるがせにするわけにはいかないわけでございまして、防衛計画の大綱に基づいて現在進めております中期業務見積もりにおきましても、後方の問題はしっかりやるんだということを明記しているわけでございまして、そこで、五十六年度の予算編成に当たりましても、正面のうち特に緊急を要するものを促進するとともに、密接な関連を持つ後方の問題につきましてもできる限り促進を図ることにいたしておるわけでございます。弾薬等の備蓄の推進の問題、あるいは抗堪性を高めるための短SAMあるいは個人用のミサイルの装備、さらには通信連絡、そういった方面の充実強化、そういった点につきましては重点を注いで相当な予算も織り込んで御審議を願っているところでございます。ただそれだけでは、いま御指摘になりました即応能力、抗堪性あるいは継戦能力、そういった点の不備な点が今回の予算だけで解決されるとはとうてい考えておらない次第でございますので、今後も引き続いて努力を続けてまいらなければいけない、さように考えている次第でございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 有事の際の一番大事なことは、燃料、弾薬、これの備蓄がどういうふうになっているかということだと思うんですが、その点はいかがですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 自衛隊はいま大体年間の燃料の、主燃料でございますが、所要量は八十万キロリットル台でございまして、日本全体で言いますと大体二億五千万前後ということでございますが、したがいまして、日本全体の油の消費量のうちの大体〇・三%ぐらいになっておる、こういうような状況でございます。そんなようなこともございまして、いま御質問の燃料の備蓄そのものは行っておらない、こういう状況でございます。しかしながら、各年度末におきまして、次年度当初におきますところの調達のリードタイムに必要なものといたしましてランニングストックを保有をするということになっておりまして、これが事実上一年間を通じましてストックというかっこうで存続しておりますので、それがある意味での備蓄的な機能を果たしておる、こういう状況でございます。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 弾薬のことにつきまして、私の方から。  弾薬につきましては、自衛隊が発足しまして米軍から弾薬を引き継いだ当時は相当の実は備蓄量があったわけでございますが、その後ずっとだんだん減ってまいりました。実は私どもも大変憂慮しておりまして、自衛隊の欠点の一つということで各方面から指摘を受けておる状況でございます。ただ減ってまいりましたけれども、五十三年以来少しずつではありますけれども、ともかく年間の訓練の消費量よりはたくさん購入しまして備蓄ができるように予算の措置をお願いしておりまして、五十三年以降逐次備蓄増加という方向に向けて現在努力をしておる、こういう状況でございます。  なお、海や空の点につきましても決して十分な状況でございませんので、これらの点につきましても、今後一つの重点として弾薬の備蓄について考慮してまいりたいというふうに考えております。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 アメリカから防衛努力を要請をされて、F15とか護衛艦とかC130Hとか七四式戦車を幾らそろえても、油切れ、弾切れになったら使い物にならないんですから。ですから、やっぱりそういうような後方装備をきちっと抗堪力があるように整備をすること、いま自衛隊の弱点というのはそういうところかと思いますので、そういうことをアメリカにもちゃんと了解を受けてやることがアメリカのそういう防衛の期待にもこたえるというような一面もあろうかと思いますので、燃料がほとんどないなんというと、これはもう大変なことでございますから、より以上の努力をしていただかなきゃならぬと思います。  また次は、日本の攻略の一環として考えられることは、北海道に上がるとかあるいは南方のシーレーンの通商破壊をやるとかという、こういうような生臭いことよりは、日本は資源もない、燃料もない、食糧も輸入をされておる。そういうところに一億一千五百万も島国におるということで、海上封鎖をやれば二、三カ月で工場生産は低下をするあるいは国民は飢餓状態になるというようなことで、夜間、飛行機あるいは潜水艦による主要港湾の磁気機雷による封鎖ということが一つの大きな戦略じゃないかと思うんですが、そういうようなこともお考えになって掃海能力というものを備えた海上自衛隊を装備をしなければ私はならぬと思うんですが、いまの海上自衛隊の掃海能力というのはどういう程度でしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 現在海上自衛隊は、自衛艦隊の中に掃海隊群を二個、それから各地方隊に掃海隊を一個、合計掃海艇を三十七隻、それに所要の母艦等を持って約四十隻でもって掃海能力を構成しておるわけでございますが、いま御指摘のように、有事の場合を考えた場合に、港湾の防備ということは非常に大きな海上自衛隊の任務でございます。そのことは、防衛計画の大綱の中にもはっきり港湾防備の任務等うたっておりますが、海上自衛隊としましても大変その点は市税をしておる点でございます。  掃海艇につきましては、毎年二隻のペースで現在新しい掃海艇を建造させていただいていますが、これは実際の作戦になった場合にどういうふうな形で動いていくかわかりませんので、一概に大丈夫であるとか、できるとかできないとかというようなことをここで申し上げるわけにはいかないわけですけれども、私どもいまの時点で言えば、世界各国の掃海部隊との比較においては、海上自衛隊は世界で最もすぐれた掃海能力を持った部隊であるというふうに、まあある程度自負といいますか、そういうことが言えるものを持っておるというふうに考えています。ただ、わが国は御承知のとおり、四面海の国でございますから、なかなかそう言っても容易ではございませんけれども、重点として整備に努めておる、こういうことは申し上げられると思います。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 第二次大戦の末期に米軍が相当に機雷で封鎖をしたわけで、そういうような実地訓練で能力は相当に上がっておるということはわかるんですが、しからば、三十六年もたっておるわけですが、そういうような海上自衛隊の掃海能力で戦時中に敷設された機雷というのは完全に掃海されておりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 結論から言いますと、海面で所要掃海海面の九三%約三万二千平方キロの掃海を完了いたしております。処分した機雷の数は約六千個でございます。ただ、いまだにまだ残っておるというのはどういう事情かと申しますと、主として瀬戸内海のような、しかも比較的海岸に近いところで、定置網等もございまして海上自衛隊の掃海艇が進入することができないといったような海面で土の中に埋もっておるというようなのがまだ依然としてあるわけでございます。  御参考までに申し上げますと、五十四年度で六個、五十五年度で四個というふうに依然としてときどき出てまいります。そういったところにつきましても、地元の漁協とかあるいは海上保安庁といったようなところと連絡をとりながらやっておるわけでございますが、いま申し上げましたように、そういう状況でございますのでまだ一〇〇%というふうにはちょっと申し上げかねる。しかし、実態的にもう一般の船舶の航行について不安になるような状況ではないという、そういうふうには申し上げられると思います。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 次は長官にお尋ねをしますが、総理、大蔵大臣は第二臨調に対して、徹底した歳出の見直しを行い、増税なき財政再建を図ることを政治生命をかけて実行すると言明をしておられるようであります。防衛庁長官は、総理並びに大蔵大臣のこの決意をどう認識をして、今後どのように自衛隊の歳出を見直して財政再建に取り組んでいこうとされるか、決意のほどを。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいま財政再建に取り組む決意についてお尋ねがございました。それにお答えしたいと思います。  その前に申し上げたいのは、わが国の防衛力の現状が、先ほど和泉先生の御指摘もございましたようにいろいろ不備な点があり、また五十一年に策定されました防衛計画の大綱に定める水準に達しておらないような点ございますので、私どもとしましては、わが国の防衛力を可及的速やかに同大綱の定める水準に到達させなければならない。これは先ほども申し上げたところでございます。しかしながら、一方において財政再建もぜひやらなきゃならない現下の最大の課題となりつつあることも御指摘のとおりでございます。このような環境下で、一体防衛関係費についてどう対処していくか、実は非常に頭を痛めている最中でございますが、私といたしましては、防衛関係費につきましても節減合理化の余地があればこれを徹底的に図っていくとともに、施策の優先順位に基づき重点主義に徹することが必要不可欠ではないかと、さように考えているわけでございます。  こういう観点で主な経費について見ますると、先ほども御質問に対してお答えいたしましたとおり、五十六年度予算におきましては、主要な正面装備の促進を図りますとともに、関連後方施策を重点的に進めることといたしております。その反面、隊員の生活関連施策等については当面必要不可欠のものに限定せざるを得ないと。隊員の皆さんには御迷惑と思いますが、しばらくがまんしてもらいたいという面で伸びをとめている面もかなりあるわけでございます。  一方、一般経費の節減合理化、これはもう一般行政費の抑制でございますから、これは徹底的に図ることにいたしているわけでございます。また、先ほど御指摘のございました油の備蓄の問題もございますが、省エネルギー対策の方針にのっとりまして、これも必要なものは徹底的に節減するということにいたしまして、本当に教育訓練に必要なものに限定するということで使用の規制を厳しくやっているわけでございます。  そのほか、艦艇、航空機の延命対策、通常の耐用年数の来ました艦艇につきましても数年の延命を図る。その際に、ミサイル装備とか近代化の工事も同時に行うということにいたしますると経費の効率的な使用が図られる。本年度から、いわゆるFRAMということで、まず護衛艦一隻を予算に認めていただこうとしているわけでございます。同様にいたしまして、航空機につきましてもいろいろ工夫を講ずることによりまして、たとえば五千時間の耐用年数のものを二千時間ぐらい延ばす方策も技術的に可能であるという面もだんだん出てまいっておりますので、そういった点につきましても、もちろんこれは安全、兵器としての使用目的の達成に支障を来してはなりませんが、それと両立する限りにおいての延命対策を講ずること。あるいは搭載武器の転用——航空機から外しましたものを地上の武器として活用を図っていく。あらゆる工夫を図って経費の節減合理化に努めているところでございますが、今後におきましてもこのような努力を一層進めてまいりたい、さように考えている次第でございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 近年著しく防衛費が増大をしてきております。私は、量の増大よりも質の向上、これが財政再建につながるのではないか、こういうようなふうに考えます。自衛隊もぜい肉を落として、そして不備は充足をして精強な自衛隊になってもらうためにも、以下問題を指摘したいと思います。  まず、その第一点は人件費でございますが、これは装備費に比べて多過ぎます。戦闘能力向上の拡大、充実につながる経費よりも間接経費の比重の方が多いということは、正面装備が少なくて人件費が多いということは、近代化されてない。人間だけ多くて兵器の方が、装備の方が劣っておるということになろうかと思いますが、特に前統幕議長の竹田さんがおっしゃるのには、陸上自衛隊は六〇%の人件費だというようなことをおっしゃっておりますが、そうなると陸上自衛隊はより以上近代化がおくれておるというようなふうに理解をするわけでございます。昭和五十六年の防衛予算は二兆四千億の予算でございますが、そのうちに人件費は四七・七%。ところが諸外国では、アメリカは三五・四%、イギリスが四三・二%、西ドイツが四二・四%、フランスが三八・四%と、いわゆる四〇%前後で人件費は抑えておるわけでございますが、日本は一〇%多いという。それに比べて正面装備は一九・一%ということで、要するに近代化がおくれておるんじゃないかという理論にも通ずると思うんですが、いかがですか。

吉野実防衛庁経理局長

○政府委員(吉野実君) 人件費が防衛費の中で占める率が多過ぎるんじゃないかという御指摘でございますが、先生いまお話しになりましたように、五十六年度の人件・糧食費をとってみますと、一兆四千四百億でありまして四七・七%の比率になっておることは御指摘のとおりであります。しかしながら、この人件費も、オイルショック後の昭和五十一年度ごろから比べますと近年シェアが減ってきておることも事実であります。正面装備は四千五百八十億でございまして、防衛関係費に占める比率は一九・一%、しかし伸びといたしましては、一九二%になっておりますので、前年に比べまして、前年度は一七・五%のシェアでありましたので、ずっと多くなってきているわけであります。  各国との比較がどうかというお話でございますけれども、簡単に申しますと、防衛費の中身というのはなかなか即座に比較がしにくいということでございますので正確なことは申し上げられないのでありますけれども、いま先生が御指摘になったような数字も私は見たことがあります。ただ、兵役の制度が各国とも違っております。アメリカについて見ますれば志願兵でありますが、ドイツ等については徴兵制を一部採用しているというようなことで、即座に比較することはなかなかむずかしい、こういうふうに思っているわけでございます。  ただ、正面装備という言葉を先ほど先生が御指摘になりましたけれども、防衛関係費といいますか、各国の軍事費の中で装備品費というのをちょっと研究をしたことがありますけれども、これは日本が正面一九・一%と申しましたけれども、装備品費ということになりますと二二・五%、この比率は大体各国とぼちぼちだということが言えるかと思います。いずれにしても、人件費が多いということは、それは確かに外国に比べて少ない方ではないということはおっしゃるとおりだと思います。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 次にお尋ねしますが、自衛隊の中には副の制度が多いようでございます。師団長に副師団長、副連隊長、副大隊長、副中隊長と、こういうふうに陸上自衛隊で言いますとありますが、三軍で言うと階級に副のつく方々は何名ぐらいおられるんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いろんな学校とか機関というのを別にしまして、いわゆる主要部隊について陸海空申し上げますと、ポストで約三十五、人員で七百三十人副のつく方がおります。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 私たちも旧軍におった関係上、この副というのは非常に一また私たちの感覚だけではなくて、あなたたちの現役の方々もこの副というのはおらない方がいいと、おれば実働部隊の指揮をとるのに副がおるためにかえって繁雑である。命令系統はもう真っすぐいった方がいいんで、この副というのは幹部のポストを確保するための手段にすぎないんじゃないか、これはもうやめた方がいい、自衛隊の中の剰員じゃないか、こういうような意見があるわけでございますが、この点はいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 自衛隊に限らず、組織体である場合に、副の制度というものをどういうふうに位置づけるかというのは組織論上いつも議論になる点だろうと思います。自衛隊におきまして、現在もちろん副というものがいいのかどうかということも当然議論しまして従前から採用してきておるわけでございますが、いま御指摘のように剰員といいますか、そういうかっこうで蓄えておるという意味ではなくて、やはり部隊の指揮運用という点からこの方がいいという判断で私たちとしては従前から採用をしてきておるわけでございます。決してそういう剰員というような意味で抱えておるというようなことではございませんで、その点は御理解賜りたいと思います。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 これはアメリカの軍制をそのまま準用したあんまりよくない制度じゃないかと。たとえて言いますと七百三十人とおっしゃいましたが、給与からすると約二十億ぐらいの金なんですよね。それで、あなた方の方では隠居所と言っているんですよ、隠居所。実戦の役に立たない、力が発揮できないと。これは検討をされる必要がある。日本の国土防衛に適したやはり自衛隊の編成をつくるべきじゃないか。アメリカさんのやつをそのまま——いままではよかったかもしれませんけれども、実際戦闘になったときに使いものにならないということではならないと思うんです。  また、曹の階級の人は陸海空合わせて十一万九百九十八名港られるようでありますが、ほとんどが二十五歳で三曹となって、停年五十歳まで二十五年の間に三つの階級を進むだけで、同じ任地でほとんど異動がなく停年まで勤務しているという実情であります。いわゆる老齢化、マンネリ化しているのが実情でありますが、これを何とか打開しなければならないと思いますが、どうお考えですか。

佐々淳行防衛庁人事教育局長

○政府委員(佐々淳行君) 曹の問題につきましては、ただいま御指摘のように、二十五歳でなりましてから、いままでの統計によりますと、たとえば陸が十四年、海が十四年、空十三年一曹の階級にいるというような者がおります。こういう問題がございましたので、実は前国会におきまして曹長制度の新設をお願いをし、これを実現をしていただいて士気高揚、配置の適切化を図ったところでございまして、初年度といたしましては曹長に四千百二十五名を昇任をさせまして、生涯でもって三階級しか上がらないというのを四階級まで上がれるような体制をとることによってこのマンネリ化の打破を図ったところでございます。曹長以下、曹の階級にある者の数がふえるということは、近年、装備の近代化等に伴いまして高度の技術知識が必要になりますので、これは世界的な傾向でございます。アメリカの例を見ましても、自衛隊は曹が四九・三%でございますが、アメリカこれ、一けた多くて百七万おりますが五三・三%、こういう傾向にございます。平均年齢も三十五歳でございまして、必ずしもこれによってマンネリ化、高齢化をするということはないのではないだろうかと考えております。何とか、この曹長の階級を新設していただきましたことを活用をいたしまして、士気の高揚を図ってまいりたい、かように考えております。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 次は、自衛隊の中でいま使用中の無線機にF1というのがありますが、この機数と費用はどれほどですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 機数は、いま保有している数でございますが、約千台でございます。それから、価格につきましては約二十二万円であります。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 どういうところで使っておるんですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) これは普通科連隊の中の小銃隊といいますか、小銃部隊が使っておりまして、小銃隊の中の組長用ということでございまして、組長と班長あるいは組長と小隊長といったような野戦におきますところの無線によります連絡に使っております。こういう状況でございます。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 小隊長と班長とはF2という無線機で交信をしておるようですね。F1はその班長と組長、組長は小銃士を指揮をしておる五名、それからMG——機関銃の五名指揮しておる組長が二人おるわけです。その方々が持っておるわけで、二十二万円になりますと二億二千万円になろうかと思いますが、これはあなたの方の実際使っておる人が言うんですから、必要ないんだと、これは。十一名の班の中で班長がおって、十一名ですよ、幾ら散開してもそんな何百メーターという範囲じゃありませんから、身ぶり手ぶりで指揮ができるのにそういうようなおもちゃみたいなものを持たしてやっておるということは、これは防衛費の余ったものをそういうことに装備で使っておるんじゃないか、こういうことはもう非常なむだ遣いであると、こういうような内部の声でございますから、これはどうお考えですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 先生よく御存じの、御指摘のとおり確かに身ぶり手ぶり、それから音声、言葉でございますね、これによって合図することもございます。ただ実際の戦闘状況ということを考えてまいりますと、まず基本的に第二次世界大戦は小隊単位で歩兵が戦っておったわけでございますが、現在の戦争は、昔でいいますと軍隊、現在の自衛隊で申し上げますと班長あるいは組長と、こういったような単位で戦うわけでございまして、おおむね四、五名が一団になりまして相互に百メートル以上の間隔を置いて散開する、そういうかなりまばらなかっこうで散開いたすということが通例でございます。こういったいわば教範で戦うことにしております。したがいまして、百メートル以上離れますと、その間地形の関係等によりまして必ずしも身ぶりとか音声とかは実際上有効でないということがあり得るわけでございます。音声の場合に、特に実際の戦闘状態になりますとかなりいろいろなほかの音響が入ってまいりますし、それからまた、ない場合にも音声を発することによりまして味方の位置を相手に示してしまうというようなことにもなりますので、やはりこの大きいトーキーといいますか、こういった簡易な携帯無線機も必要性があるんじゃないか、そういうふうに考えております。

和泉照雄公明党・国民会議

○和泉照雄君 まだ小規模のそういう侵略もない、過去そういうような歴戦のあったようなことをおっしゃるけれども、十一名の班員を掌握ずるのにそういうようなものでやらにゃならぬかというと、そういうことはほとんど必要ないと。それは現役の自衛官が所感として言っておるんだから、これこそ防衛費のむだ遣いだから、こういうようなものを省いてもう少し有効に使うのが当然であろう、こういうような所感でありますからここを検討してもらいたい。  以上、もう質問時間が来ましたが、先日来、私は自衛隊の正面装備、戦車、募集の問題、それから質問はちょっとできませんでしたが技術研究所の問題、あるいはまた司令部の機構の問題、教育体系の問題、こういう問題で簡素化しなければならない、ぜい肉を取らなければならない問題が自衛隊にもいろいろあろうかと思います。こういう問題を、ぜい肉は切って、そして充足するところは完全に充足をして、そして国土警備という崇高な目的を達成できるように練り直す必要があると思うんですが、そういうことに——大蔵省来ていますか、大蔵省の所感と、それから長官の決意を聞いて質問を終わります。

畠山蕃大蔵省主計局主計官

○説明員(畠山蕃君) 現下の厳しい財政事情のもとにおきまして、ただいま御指摘のようになるべく予算を有効かつ適切に配分するということはそのとおりだと思います。ただ、ただいま議員が御指摘になりました個々の事例につきましては、防衛庁からも答弁いたしました点もございまして、一般的に財政再建下における有効適切な予算の配分の問題ということで、一般的な心構えの持ち方の問題というふうに承っておきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 先ほどもむだを省いて有効適切な予算を組み、かつこれを執行することを申し上げたわけでございますが、ただいまいろいろ個々の点について御指摘がありましたので、さらにそれらの諸点につきましては一層留意して進めてまいりたいと思う次第でございます。

和田静夫日本社会党

○主査(和田静夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分まで休憩いたします。    午後零時十四分休憩      —————・—————    午後一時十六分開会

和田静夫日本社会党

○主査(和田静夫君) ただいまから予算委員会第二分科会を再開いたします。  午前に引き続き、昭和五十六年度総予算中、防衛庁所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。栗林君。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 私は、日本の防衛に関する基本政策について二、三お尋ねをしたいと思います。  その前に、防衛に携わる者が考えなければいけない一つの考え方のようなものをお尋ねしたいんですが、いまここに持ってまいりましたのが「民間防衛」というスイス政府が発行した本でございますが、これはお目通しになったことございますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えします。  いま先生お持ちになっておるのを見たことはございませんが、数年前に同じ表題の日本語訳したハンドブックみたいなものを拝見したことはあります。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 そこの中にこういう表現があるんです。  まず読んでみますと、「全く、われわれに将来何が起こるかは、だれにもわからないのだ。われわれの平和な生活をその手中に握っている強大国が、理性的であり賢明であることを、心から希望する。しかし、希望を確実な事実であるとみることは、常軌を逸した錯誤であろう。そこで、最悪の事態に備える覚悟をしておく必要がある。」、これが一つ。  それからもう一つは、軍隊に触れまして、「軍隊は、常に、外部から加えられる攻撃と、領土の内部で誘発される混乱に対処できるように、準備されていなければならぬ。その準備の度合いは、いかなる奇襲をも不可能とし、また、どのような侵略の企ても引き合わないようにさせるものでなければならぬ。」、以上、二点ですが、この点についての御所見をまず大臣に伺います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えします。  二つ御指摘があったわけでございますが、最初の、いかなる場合にも対処できるようにしなければならないという点につきましては同感でございます。  ただ、わが国の場合は、みずからの手による防衛と日米安保条約による安全保障、二つを柱にしておりますので、両者を踏まえて予測し得るあらゆる場合に対処しなきゃならない、さように考えているわけでございます。  後者の点につきましても同様でございますが、「軍隊」というふうに表現されている。わが国の場合は自衛のための実力組織でございますから、その言葉の点は相違はございますが、考え方においてはおおむね同様であるというふうに考えておるわけでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 従来から、わが国の防衛は専守防衛であるということが言われてまいりました。言葉の意味がよくわからない。むしろこれは軍事用語というよりも政治用語なんだろうかということも言われましたし、専守防衛というのはどういった意味なんだと質問をしますと、それはむしろ専守防御あるいは戦略守勢という言葉も大体同じでありますという趣旨のお答えがその都度返ってきたように思うんですが、この専守防御と専守防衛が同じだと仮に仮定をいたしますと、わが国は専守防御を基本姿勢として防衛に当たる、こう理解してよろしいですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 専守防衛におきましては、武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するということになると考えますので、このことは武力攻撃のおそれのあるような段階において先制攻撃はしないという趣旨でございます。武力攻撃が現実に発生した場合には防衛のために必要な限度において対処していく、そういう基本的な考え方でございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 ですから、一言で言いますと、わが国の防衛姿勢は専守防御である、こう要約して間違いないと思うのですが、ただ私が伺いたいのは、専守防御という言葉と見合って対立する言葉に攻勢防御という言葉があるんです。俗に攻撃は最大の防御なりと言われますけれども、攻勢防御と専守防御と相対立する軍事用語があるのですが、攻勢防御は片目で見ながらわが国は専守防御をとる、こういうことで理解してこれは間違いないわけですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 言葉の使い方ではございますけれども、専守防御とおっしゃいます言葉がもし、この前も予算委員会の方で御議論があったんですが、戦術攻勢をとらないという意味での専守防御でありますと、私どもはそういう立場をとるわけではない。あくまでも戦術上は攻勢をとることは幾らでもあり得るということでございまして、専守防衛と専守防御と同じという前提でいま御議論があったわけですが、専守防御という方を、いま先生は攻勢防御と対比して使われましたから恐らく戦術的な用語としての言葉としてお使いになっているのではないかと思いますが、もしそうであるとすれば、私どもは実際戦闘行動におきまして戦術的には攻勢は幾らでもとることがあり得るというふうにお答えしたいと思います。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 ずいぶん前ですが、田中元総理大臣が、専守防衛ないし専守防御というのは、防衛上の必要から相手の基地を攻撃することなくもっぱら国土及びその周辺において防衛を行うというものでございますと。この表現の限りで専守防御を使うとしたら、先ほど私が申し上げた要約でもそう大きな間違いはないんでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまの限りでは、それはそのように思います。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 そこで、日本の国を守るということで考えますと、自衛隊がどこを守れるかという質問ではないんです、日本の国を守るということで考えると、専守防御の面と攻勢防御の面と両方が必要になる。これは憲法論と関係ありませんからね。日本の国を守るということでいったら、先制攻撃をかける攻勢防御もそれから攻めてきたものをがっちり守る専守防御も両方とも必要になる。これはむずかしい理屈ではなくて常識であろうと思うのですが、この点大臣はいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま、先制攻撃をかけるという意味で攻勢防御のことをおっしゃいましたが、もし先制攻撃という意味が、戦争になる前、始まる前にこちらから先制攻撃をかけるという意味であれば、これはわが国の場合そういう立場はとらないということはもう明確に申し上げておるわけでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 私が伺っているのは、先ほど大臣がお答えになったように、日本の防衛というのは自衛隊と米軍と合わせて一本であるということでしょう。合わせて一本の立場で考えたら、攻勢防御の面も専守防御の面も両方なければ国が守れないという常識論を私は申し上げているんです。たとえば具体例を考えてみますと、何と申し上げたらいいか、専守防御ということになると、どこを攻めるかは攻める国の勝手次第ということになりますね。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 専守防御あるいは専守防衛でありますと、そのリスクは、時期、場所、手段、兵力規模、そういったことについては相手側、攻撃側に選択権があって防御側には選択権がない、そこが一番基本的な点でございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 そうしますと、どういう仮定でも許されると思うのだけれども、たとえば日本海に航空母艦が浮かんでおりまして日本に対して害意がある、事実害意が証明された。ところが航空母艦には直掩機を持っている、直掩機の基地は大陸内陸であるという場合に、その内陸の基地をたたかぬことにはどうにもならないと思いますよ。飛んでくるのだけ相手にしているわけにいかぬのだもの。そこで、大陸の基地をたたくのは専守防御だから日本にできない、これは米軍に頼むしかない。これを、大陸の基地をたたくのは攻勢防御というぐあいに強引に結びつけて言葉の議論をしているのじゃなくて、こういった場合に日本海に来ている直掩機の基地をたたくのはこれは米軍に頼むしかない、分担の問題として。それはそういうことでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 繰り返して申し上げますが、先制攻撃でなければ、戦争が始まった後の状態であれば、それは当然米軍に頼むといいますか米軍の受け持つ機能になるわけでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 日本は、アメリカと自衛隊と合わせて一本ですね。先制攻撃するかしないかというのは、日本にこの際選択権が一〇〇%あるのではなくて、米軍が米軍として判断して、当然これはたたいておかないとえらいことになると思えば先制攻撃あるいはあるかもしらぬ。だから、自衛隊では専守防御という御議論になれておられるからそうなるのだろうけれども、合わせて一本の議論をしたら、先制攻撃だってあるかもしらぬないかもしらぬという議論の中に入ってくるわけでしょう。私がお尋ねしたいのはここではないんです。  そうやって防衛分担して日本を守っている、しかも自衛隊には専守防御という枠がある。この専守防御という枠はなぜできたのですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) その枠の前に。  日米が分担ですから向こうへ攻撃することもあり得るという意味では申し上げたわけですが、何回も申し上げますように、先制攻撃はしない。その先制攻撃をもし米軍が日本と関係なしにやれば、これは、日本を守るということで米軍は日本と共同対処するわけですから、その原則から外れてくることになると思います。ですから、そこは私どもは、日本が攻撃されて日本を防衛するに当たって自衛隊と米軍とが共同態勢をとる、こういうふうにまず申し上げておきたいと思います。ですから、防衛分担も、結局日本が攻撃を受けて日本の防衛について米軍が来た場合の防衛分担というふうに私どもは考えておりますから、先生のおっしゃいますように、初めから日米一本だ、一本である以上は向こうに対する先制攻撃あるいは攻撃もあり得るのじゃないかという意味は、いま私が申し上げたような考え方で御理解をいただきたいと思います。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 どういう意味の御答弁だかよくわからないのだけれども、一応それはおきまして、そういう防衛分担が成り立っている大きな原因というのは、日本が専守防御であるということにあることは間違いありませんね。専守防御というのはどこから来ているのですかと伺ったんです。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 結局、現在の日本の憲法体制から日本は交戦権は否定されておる。しかし、私どもは自衛権まで否定されたものではないという解釈をとっているわけでございます。淵源的には私はそこに結局帰着するのではないかと思います。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 大臣にお尋ねしたいのですが、いま御答弁のように、とにかく米軍とわが自衛隊と両方が一緒になって、しかも防衛分担をしながら日本という国を守っているわけですね。わが自衛隊の方は、いまの御答弁にありましたように、専守防御がまずいかなと仮に思っても憲法上できない。専守防御というのは憲法上の制約なんです。そうしますと合わせて一本なんだけれども、片側の米軍の力が弱ってきたら日本としてどうしたらいいのか。普通ですと弱ってきたんだから助けてやれとなるんだけれども、日本は憲法上の制約がある。合わせて一本で国を守ってきた。しかも米軍の方は戦略爆撃機も含めて広範な軍事力を持っている。それ自体弱ってきたときに日本の国の防衛はどうなりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 大変むずかしい仮定でございますけれども、日米が一緒に共同対処する場合に、米軍の方が弱って相手方に対して攻撃力がなくなったという仮定でございますけれども、私どもはいまいろいろ日米共同対処のあり方等について作戦計画の研究等をいたしておりますけれども、そういう米軍が弱ってきて攻撃力を失うというような事態のことをいま現実には想定しておりません。大変むずかしい仮定でございますけれども、そういうことはとてもあり得ないということでいまの計画を進めておる、こういうことでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 これ、大臣にお答えいただくことなんですけれども、米軍が弱ってきたのはこれは事実です。ただし、立場によって見方が違うでしょうから、また言葉の議論になるのでこれ深入りするのは避けますけれども、ただ、いかなる事態に対しても対応しなければいけないという心構えはこれに書いてございました。御異論がないとおっしゃったし、何もスイスの民間防衛を持ち出すまでもなく常識ですよね。だから米軍と日本の自衛隊と合わせて一本で守っている相手が弱くなってきた、その場合どうしたらいいかということは、仮定の議論だから議論しなくてもいいんではなくて、当然考えておかなきゃいかぬじゃないですか、と思いませんか、大臣。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 先ほどからの御意見を拝聴しておりますと、専守防衛の意義につきましては、政府委員が答弁しましたとおり、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢が要るものと私は考えておるわけでございます。一方において、安保条約に基づく安保体制の問題がございますが、これは昭和三十二年の「国防の基本方針」以来、「外部からの侵略に対しては、将来国際連合が有効にこれを阻止する機能を果し得るに至るまでは、米国との安全保障体制を基調としてこれに対処する。」ということで、両々相まってわが国の防衛の基本方針とされているわけでございます。  そこで、最近のアメリカの軍事力が弱っているということを先生お述べになったわけでございますが、弱ってきているかどうか、これはいろいろ見方があると思います。ただ少なくともアフガニスタンあるいはイラン・イラク戦争の発生以来、極東に配備されております第七艦隊の勢力がインド洋に派遣されて日本周辺が若干手薄になっているという事実はあるわけでございます。しかし、それに対して米政府が全然何もしてないかというとそうではない。数量はまだふえておりませんが、質の改善はかなり図っているところでございます。また、新政権になりましても、新しい政策目標を打ち立てて、これはグローバルな観点でございますが、新しい計画も進めようとしているわけでございます。その効果もいずれは日本の周辺にもあらわれてくることが期待されるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、若干手薄になっていることは事実でございますから、私どもとしましては、現在進めている防衛計画の大綱の線にまで速やかに達成していく。これはわが国のみずからの努力でやろうと思えばできない問題ではございませんので、その線はひとつ強力に進めてまいりたいという考えを持っているわけでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 防衛力の大綱等に伴う整備については、あくまでも専守防御の枠内なんです。防衛分担は変わりようがないんですよ、こっちは憲法の枠かぶっているんですから。したがって、いまもおっしゃったように、特に海軍力を中心にして米ソ関係を見ると、わが海域の周りでは大きなアンバランスが出てきたように思いますし、だれの目にも明らかですね。いまアメリカの方では逐次整備を急いでいるというんだけれども、一体非常事態がいつ起こるかというと、これはわからない。たとえばきょうでもレーガン大統領が撃たれましたね、その間ホワイトハウスは、ブッシュがいまどこか飛んでいるんだそうですけれども、副大統領がどこにいるか、あとの大統領をだれが守るか、一分でも空白が許されない緊迫感の中にいまの世界の情勢があることは、これは事実ですよね。日本だって万が一が起こっていいとはだれも思わないけれども、もうしばらく待ったらアメリカがやってくるからしばらくがまんしてくれというようなことをだれが聞きます。本当にアメリカ側では艦隊を強化してあの第二次大戦直後のような形に復元してくれるかというと、条約というのは約束手形ですから、それを落とすか落とさないかは実力の問題でしょう。しかも、それにどんな危機感を感じたとしても、専守防御では手の打ちようがない。この点をまず申し上げたかったんです。  わが国として現在の憲法の制約下でどうするかというと、防衛計画の大綱で済むかどうかは別にして、いまアメリカに行っておられる福田さんの言葉をかりますと、ハリネズミのような防衛体制をとらなきゃいかぬ、こう言っているわけです。そこでお尋ねするんだけれども、専守防御というのは、どこをどんな手段で攻めるかは選択権は全部相手側にある。それに対してわが方はどう来たって間に合うようにこの四つの島を守らなきゃいかぬ。これは、大臣にお答え願いたいんですが、非常に高くつく。ハリネズミというのは非常に不細工なかっこうをしていますね。ライオン、ヒョウというのは非常にスマートですよ。攻勢防御ができるというのなら、スマートで効率的な軍隊の組み立てようがあるけれども、全部守るだけということになったら、あのぶざまなかっこうで全国土を守るしかない。しかもハリネズミは針一本一本に全部コストがかかっている。非常に高くつく防衛体制をわれわれは憲法下選択をしたんだと、これは間違いないですね。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  いま福田先生のお言葉をかりてハリネズミという表現を用いられたわけですが、これはあくまで比喩ではないかと思うんですね。ライオンやトラのように強力な攻勢的な力は持たないけれども、領域の範囲もしくは周辺において侵略者を阻止する、それを主眼として進めるというのがやはり専守防衛の精神ではないかと思うわけでございます。そういう意味におきましては、密度の濃い防衛力を狭い領域内で用意しなけりゃいけない。しかもわが国の場合国土の面積は狭いけれども海岸線は長い、そういった点がございますから、それは御指摘によりましては費用もかかるという面はあろうかと思いますが、また国土の性状また海岸線の状況によりましておのずから重点があると思うのでございまして、全部を全部張りめぐらすということはないと思うのでありまして、重点的に対処していくことによって効率的な防衛を進める工夫をする余地はあるんじゃないか。また、陸海空の連携等を緊密にして、より少ない費用でより高い防衛力を維持できるように工夫、努力しなければならない、さようには考えております。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 いま大臣、重点的にとおっしゃいましたけれども、その重点は決められないんですよ。全部あなた任せなんです。したがって、多々ますます弁ずるで守っていくしかない。現在、陸上自衛隊は定員十八万ですけれども、この十八万横に並べて日本列島守れるかといったら、だれが考えたって守れない。守れなきゃ困るんで、やっぱり備えなきゃいかぬというと、それは一体何十万になるのか何百万になるのか。専守防御の体制をとるというのは本来そういうことでしょう。あの小っぽけなスイスが七十万の軍隊を四十八時間で手配するわけです。その同じ比率でいったら、一千万に近い軍隊を日本がそろえて海岸線全部並んでいつでも来いと、これ十八万じゃとてもどうしようもない。だから高くつくと言っているんです。  では、この十八万人について現在欠員があって満員、充足してないわけだけれども、これについて十分だとお感じになりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 十八万人構想は、御承知のように防衛計画の大綱の構想でございます。これは御承知のように、限定的かつ小規模な侵略に対しては独力で対抗し得るというめどで考えられた陸の所要兵力が十八万ということで決められておるわけですが、そういう考え方のもとでできた十八万であります。したがいまして、それに対しては機能し得ると私どもは考えておるわけですが、御指摘のように、実際には八六%という充足率でございますのでその点は現在欠けておるわけでございますけれども、構想自体は防衛庁の大綱で言う構想に基づいて決められた十八万人である、こういうことでございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 いまおっしゃった限定的かつ小規模ということですが、あっちこっちに拝見するんだけれども、この限定的、小規模な攻撃というのは、具体的に言うとどういうものなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) この限定的かつ小規模というのは、一般に言われておりますのは相手方、つまり攻める方から見て、相手方に察知されないで準備をして攻撃し得る程度の規模というふうに普通言われておるわけでございますけれども、私ども具体的にそういう限定的かつ小規模の攻撃があるということにむしろつながるのではなくて、その程度のものであればみずから戦える力を平素持つべきであるという意味でいまの防衛計画の大綱というのはできているわけです。ですから、具体的に限定かつ小規模というのは一体何個師団あるいはどのぐらいの、何隻ぐらいの船で来るのがそうだというような定義があるわけではございません。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 限定的、小規模というのは決まってなくて、十八万だけ決まっているんですよ。限定的かどうか小規模かどうかというのは、毎度申し上げるように、こちら側に侵略しようという国の選択の自由の領域に入っておりまして、だから限定的、小規模な攻撃に対して云々というのはただ作文してみただけのことで、実際問題は意味をなさない。平たく言い直しますと、十八万で守れる範囲内の敵勢力が攻めてきたらということをややこしく表現しただけのことでしょう。では、その十八万で守れる範囲外の勢力が攻めてきたらどうします。日本に陸上自衛隊が一応定員十八万というのは天下周知の事実でしょう。攻めるからには十八万をふっ飛ばすぐらいの武力を持ってこなければ攻めてこないですよ。  時間なくなりますから一つ具体的に伺いたいんですけれども、先ほど燃料のストックのことはお答えになりました。そこで、それについて私伺いたいんだけれども、御答弁がわが国の原油使用量二億数千万キロリットルに対して非常にわずかな率だということであったんですが、船で運んでくるのは原油ですからね。原油を精製して、たとえば航空であればジェット燃料になるんです。戦時というのは船が港まで着くかどうかわからない。製油所はまず間違いなく爆破される。したがって、通常の生産流通段階でジェット燃料は幾らぐらい配達されますと言っても相成り立たぬのが戦時でしょう。したがって、戦時というのはいま手持ちのものだけなんです。ところが聞きますと、流通は流通でちゃんと流れることを前提にしてたまたまランニングストックだけ持っていますというお答えでした。これは戦時のストックとはまるで考え方が違うんじゃないですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 確かに先生おっしゃいますように、戦時ストックということで備蓄を持っているわけではございませんで、いわば私どもの考え方は、自衛隊全体の使用量がわが国全体の石油の消費量のごく一部であるということで、したがって石油全体として見ますと、これは十分に市中からあるいは政府その他の備蓄しているところから入手することが可能だろうということで、それを……

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 もう結構、そこで。お答え結構ですよ。  市中から入手できないのが戦時でしょう。もっと正確に言うと、入手できないことを想定しておかなければいけないのが戦時状態ですね。専守防御とかいう言葉を使っているからごまかしになるんだけれども、敵が攻めてきてそれを撃退するというのは、それ自体戦闘行動でしょう。戦争でしょう。それがそこに局限されると、ある基地に。そんなことはまああり得ない。しかもその自衛隊が向こうから入ってくるのを待っているんだもの。もとをたたけと当然なるでしょう。だからそういう想定のもとに大臣、いまの燃料だってあるんですよ。  では専守防御で伺いますけれども、よく出る話がレーダーサイトです。国が小さいものですから岬の突端、山の上に全部露出をしてある。全部で二十八基。これはまず最初に攻撃目標になる。しかも航空と海上と両方から攻撃される可能性がある。これに対して効果的に防衛することは非常に至難である。しかもレーダーサイトヘの攻撃というのはまずイの一番にやってくるでしょうね。これがたたかれちゃったとすると、あと幾ら戦闘機を持っていようと盲同然ですから。そこでしょうがないから予備のレーダーサイトを、移動式のもの、それをつくってカバーをしていくしかない。この予備のレーダーサイトはいま幾つありますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 間もなく三隊になります。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 それは二十八に対して三という意味ですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) そういう意味です。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 今度もう一つ立場を変えまして、海の上で向こうから船がやってまいりました、公海の、オープンシーの上ですから何ともどうしようもない、どうもぐあいが悪いなと思ってもこちらが先制攻撃をするわけにはいかない。そのうちにこっちに何か向けてきた、あっという間にミサイルが発射された、ミサイルはまずあらかたわが艦艇に当たる。これ防ごうと思うと昔の大砲みたいに遠い、近い、真ん中ドンというわけにいきませんから、最近ほとんどミサイルで要撃ということになると思うんです。では、その要撃態勢は現在どんな状態で整備をされているんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまおっしゃいましたのが相手方の船がわが方の船に対してということであれば、結局海上自衛隊の護衛艦艇の対ミサイル防御の問題になるわけでございます。現在率直に申し上げてほとんど進んでおりませんが、新しい艦艇には対ミサイル防御の配慮をしたものを逐次整備していくということでやっております。たとえばジャミングの問題もありましょうし、それからシウスという高性能機関砲によりミサイルを撃墜するというようなことを考えながら艦艇の対ミサイル化の整備を図っておるという状況でございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 このほか挙げてまいりますと、地べたの上に出してある戦闘機の問題もあれば、それから滑走路が穴があきますから、爆撃されますと、あれを一体早期に修復するための能力があるのかないのか。  時間がありませんから細かく言いません。ただ、大臣、これお答えいただきたいんですけれども、国民は何とかかんとか言っても、自衛隊がいるから国が守れるんではないかと錯覚を起こしているんだと思う。実際に戦争を好む人はおりませんけれども、万が一に対して備えるのがわが自衛隊の主たる任務ですから。そうすると、恐らくこういう絵になるんでしょう。まず飛行機で言うと、向こうはレーダーサイトを全部つぶす。つぶされますと、あとたった三つのレーダーサイトの予備軍が現在あるだけ。とても全国カバーできませんよ。それから、一部爆撃隊は、なけなしの燃料あるいは何トン爆弾上に落ちればだめになる。半地下式でしょう、せいぜいあったところで。全部パーですよ。辛うじて間に合ってスクランブルで飛び上がっても、帰ってくるころはもう滑走路は穴だらけ。まず数時間でわが航究自衛隊はオシャカです。それから、海上自衛隊はどうかというと、いまのお話しのように、要撃ミサイルがほんの数%しかまだ整備されてない。これも海のことですから数時間かどうかわからないけれども、時間の問題でパー。  海と空がやられた場合の日本の防衛というのがどんなに困難かということは申し上げるまでもありません。しかも、それはわずかに十八万。弾薬があるのか、これもない。日本の自衛隊というのは、そうは言っても侵略なんてあるわけないよと頭から決め込んでおられるんではないんですか。万一本当にあるかと思ったら、規模の大小は別にして、ある機能できるものを備えておかなかったら、これは税金のむだ遣い以上の何物でもないですよ。大変失礼な青い方かもしらぬけれども、軍艦ふやそうと飛行機ふやそうとおもちゃのパレード用ですよ。敵艦の第一撃に対して応戦能力がない。後、歯を食いしばって陸上で第二撃の攻勢をするかといっても、肝心の弾、鉄砲、弾薬がない。  これまで、時間をかげながら、しかも予算の制約の中でやってきたということはわかりますよ。だったら大臣、これ伺いたいんです。国民に向かってこれをおっしゃるべきじゃありませんか。いまの自衛隊では国はとても守れませんと、国土が戦場になることをまず覚悟してください。第二に、わが国の自衛のためには国土の一部もしくは全部が占領されたことを想定した対策をお立てなさい、いまのままじゃそうなりますよ。  それで、なぜこれを持ち出したかというと、ごらんになったようですが、国土が占領された場合にはどうするか、全部書いて全家庭に配られる、ここまでやるのがあたりまえでしょう。その意味でいまの防衛庁の実情について、それは第一線の皆さん、おそろいの皆さんの責任だとは思わないけれども、実態を率直にやっぱり言うべきですよ。言った上で、GNPの一%でいいのか二%要るのか、やっぱり資料を出すべきですよ。何となく守ってくれそうな錯覚の上に一億一千万置いてはいかぬですよ、と私は思うんですが、御所見ありますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。  ただいまいろいろ不備な点についての御指摘があったわけでございます。一部に対しましては政府委員からお答えしたわけでございますが、時間の関係でお尋ねのなかった点につきましても、私ども次第に努力をしているということは申し上げざるを得ないわけでございます。たとえば航空基地、レーダーサイトの抗堪性の増強の問題につきましては、予備のレーダーの問題もございますが、基地あるいはサイトそれ自身の抗堪性を増すための短SAMの配備の問題でありますとか携帯式SAMの整備等もすでに着手いたしているわけでございます。また掩体の整備ですね、五十三年度以降、若干ずつではありますが、整備を進めているところでございます。また滑走路が破壊された場合のことで、ネットでもって応急に離着陸を可能にする工夫も講じてあるわけでございまして、もちろん十分整っているということは申し上げかねるわけでございますが、今後とも引き続きそういった努力を続けることによりまして、まず着上陸を阻止するということに全力をもって当たりたいと考えているわけでございます。  しかしながら、それでどうしても着上陸を防げないという場合には、まことに国民に御迷惑をかけて申しわけないわけでございますが、やはり国土に上陸しました敵勢力を排除して、一日も早く国の独立と安全を保つための工夫、努力もしなければならない、これは御指摘を待つまでもないところであると考えているわけでございます。そのために国民の協力を願う。民間防衛——スイスあたりは民間防御が非常に整っているというふうに伺っているわけでございまして、その点になりますると必ずしも防衛庁だけでは進めにくい点がございます。そういった点は政府全体としてまた取り組んでいかなければならない。防衛庁としては、現在そのような考え方を持って防衛力の整備に当たっているということを申し上げる次第でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 きょう午前中実は外務委員会がありまして、アメリカの日本に対する防衛力分担、これに関する問題点等いろいろお聞きしてきたんですけれども、細かくなってくると防衛庁に聞いてくれということですから、きょう午後からたまたま一致しておりますので、いまからいろいろとお伺いしていきたいと思っておるわけです。  最初に、これ基本的な問題として一つだけお伺いしておきたいのは、専守防衛という言葉、これについて防衛庁の方でもあるいはその他の方でもいろいろと申されておるわけですが、わが国の現状からして専守防衛というのは、これ何回も言われていることかもしれませんが、まず最初に確認しておきたいと思うんですね。専守防衛というのは、どういうことで専守防衛と考えておられるのか、どの範囲が専守防衛だということであるか、それをまず最初に冒頭ですが、お伺いしておきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 専守防衛についてお尋ねでございますので、お答え申し上げます。  専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使するということでありまして、その防衛力行使の態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また保持する防衛力も自衛のため必要最小限度のものに限られるなど、受動的な防衛戦略の姿勢をあらわしているものと私ども考えているわけでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 自衛のための必要最小限というのがどうもよくわからないんですけれども、幾つか例を挙げておっしゃっていただけますか、自衛のための最小限の防衛力というのは一体どういうことなのか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 例を挙げてということでございますが、私ども端的に申し上げますれば、防衛計画の大綱に防衛体制のあり方について基本的な考え方を述べております。そこに見合うものとしての装備の所要数等を別表で掲げておりますが、こういったようなものは当然ながらいまの専守防衛の精神に基づいて現在考えておるわが国の防衛力の中身であるというふうに申し上げることができるかと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それはいわゆる装備ですね、装備というか、たとえば戦車だとか航空機だとかいろいろありますが、数はそうかもしれません。だけど、その数を決めていくという、一つの、数を決定するためのもとになる、やはり攻撃をされるというその攻撃としてどういうものが想定されるかと、そういうことです。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 攻撃はどういう攻撃があると想定されるかということでございますが、通常言われておりますのは、日本の場合は島国でございますから、日本について考えれば一応三つの形があり得るんじゃないかと。一つは、海上交通を破壊するという形の日本に対する侵略攻撃。もう一つは、海あるいは空からの日本に対する爆撃等を含んだ攻撃でございます。それから三つ目は、いわゆる上着陸作戦による日本に対する侵略。強いて形を考えますればそんなようなことが考えられるかと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、海上交通破壊に対してはシーレーンの防衛をしようと。さらに海空からの攻撃に対しては、これはまたいろんな攻撃があると思うんです。一般的ないわゆる爆撃とか銃撃とか、いろいろいままで行われたようなやり方もあると思いますが、そのほかに核攻撃というのもあるかもしれませんね。そういうのに対処しようというんですね。それから、上陸作戦というのは、これはいわゆる兵力が海から海岸を通して日本本土へ上陸してくる、日本国に上陸する、こういうことだろうと思うんですが、そのとき、よく奇襲という言葉が最近使われているんですね。その奇襲というのが一体どういうことなのか。いまのような情報が発展した時代に果たして奇襲というのがあるのかどうか。昔は、日本がパールハーバーに行ったときはあるいは奇襲だったかもしれませんが、そのころの状態といまでは情報活動は全く違っている。そのようなことで奇襲というのは一体どういうものなのか、言葉は奇襲というふうに使っておりますが、私も内容的にはどうもよくわからない面がある。それが一つ。  それからさらに、やはりこういうものを想定して防衛力そのものを整備するということであれば、当然、必ず相手があって、その相手からの攻撃に対してどうやって守っていくかというようなことを想定して内容を決めていくのが普通なんですけれども、その相手として、これはもう余り隠さなくていいと思いますが、どういうところを一体想定しているのか。これはソビエトであっても、もちろんそのとおりおっしゃって構わないと思いますが、とにかくそういったような問題ですね、その辺の問題の詰めがはっきりされた上でいまのような、必要最小限の防衛力とおっしゃいましたけれども、その内容が決められていくんだ。私はそういうふうに思っておったわけですけれども、その点いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 奇襲というのは、定義的に申し上げれば、やはり時期でありますとか場所でありますとか、あるいは兵力の規模あるいは手段、そういったことが要するに相手側にとって何といいますか、予期せざるものである、そういう形で攻めれば、要するに奇襲攻撃になるわけであります。ですから、奇襲ということ自体は、たとえば戦争が始まった後の個々の戦闘の場面においても、時期的に言えば夜中に攻撃をかけるとかいろいろなことで、要するに時期の問題もありましょうし、それから第一次大戦で言えば、いきなり戦車を出してきたと、これなんかも相手方に、ドイツ軍にとっては奇襲であったでしょうし、あるいはドイツ軍がいきなり毒ガスを使ったということも相手方にとっては奇襲であったと思います。したがいまして、そういう意味の奇襲という意味は、いま申し上げましたように、時期とか場所とか、手段、兵力、そういったことについて相手方の予期せざる攻撃をすることを奇襲というふうに言うんだと思います。  ただ、日本の場合、特に奇襲という問題が取り上げられます場合は、そういったことよりやや違った意味で使われておりまして、要するに日本が最初に攻撃を受けるという場合に、日本の現在の自衛隊法によりまして防衛出動が下令になる前は武力の行使はできない、攻撃を受けても対処することができないという現在の規定がございますので、そこで、その段階における攻撃に対してどういうふうに対処するかということが日本にとって特殊な奇襲の問題であろうと私は思います。そういう必要につきましては、いまも先生のお話の中にありましたように、現在のような情報収集体制の発達した時代にそういう意味での奇襲というのがあり得るだろうかということにつきましては、私ども、それはもうないようにできるだけの情報体制というものは整備していかなきゃならぬということで考えておるわけでございますが、実際問題、いま申し上げましたように、防衛出動の命令の下令前に攻撃を受けた場合の対処の仕方としての奇襲問題というのは、私どもにとって一つの課せられた課題でございまして、いまそれに対するあり方等の研究はしておるわけであります。  それから第二点の、必ず相手方があるじゃないかと、相手方の一体想定はどこかということでございますが、これは何度も申し上げておりますように、私ども特定の国をここで名指しして、そしてそれを相手方というふうに考えるという立場はとっておりませんので、その点の、率直に名前を言えとおっしゃいましたわけですが、その点につきましては遠慮さしていただきたいと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 奇襲という言葉の定義でどうのこうのと言ってもしようがないんですが、作戦行動中の、もうすでに戦闘が始まった中での奇襲というのは、これは常に奇襲をしようと思っておるわけですから当然それはあり得るわけなんですが、私が言っているのは、さっき後でおっしゃった、わが国に対する直接攻撃を最初に行う、それをしかもわれわれがそういう状況にまだなってないという判断のもとにいたときにぱっとやられていくという、これが奇襲じゃないかと思うんですね。ですから当然そうなると、情報が発達して情報網がわりと完備されつつある、あるいはいまですと、もうたとえばアフガニスタンに戦車が何台入ったまでわかるんですから、そういうふうな時代に、奇襲というのは遠いところからやってくるわけにいかない、パールハーバーと違うんだと。そうなると相手国というのは当然隣接国であろうと、こういうことになるんですね、まあ言いにくいかもしれませんから言わなくて結構ですけれども。そうなると、当然幾つかの国が挙がってくるということになろうと思うわけなんですが、それじゃそういう国——どこの国とは言いません、もうここではちょっとお答えしにくくなると思いますので。この奇襲というものは一体どういう内容で攻撃が行われるだろうかという推察ですね、そういうことまでやってないとそれに対応できないから恐らく防衛庁はやっておられるんじゃないかと思うんですが、その内容について、攻撃内容についてどういうことがあり得るのかと想定されているか、その辺ちょっとお伺いします。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 奇襲であっても仮に奇襲でなくても、日本に対するもし侵略があるとすれば、さっき三つの形があり得るんじゃないかというふうに申し上げました。海上交通の破壊という形、あるいは海空からの攻撃という形、あるいは上着陸、場合によってはそれらのすべての手段を一緒に使うということももちろんあるかもしれませんが、そういう形のいずれかあるいは全部を合わせたものという形での攻撃が、あるとすればあり得る。しかもそれは相手方から見れば、どの形をとるにせよ、なるべく奇襲という形で攻撃をしようとするだろうと、こういうふうに考えられるわけであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、海空陸ですか、その三つのすべての面でのことが考えられる、こういうことだと思うんですけれども、そういったことがもしあった場合、どうなんですか、専守防衛という立場から言うと、もしか勇ましい自衛隊が戦闘を始めたとすると、これはもう完全に、たとえば上陸が行われるようなことの三つ目の奇襲を考えた場合、恐らくそのときの戦場というのは日本の国土内が戦場となる、そういうことになると思うんですね。そういったときに果たして、安保条約というのがあって、それじゃアメリカがそれに対して何というんですか、外から支援をするのかどうか。その辺まである程度詰めてあるんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 現在、日米ガイドラインに基づく共同作戦計画の研究をしておりますが、まさにそういったケースの場合についての、もちろん一定の設想、想定を置いての話でございますが、一定の想定を置きまして、まさにそういった場合の日米共同対処のあり方を研究しているわけであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 その奇襲の場合、全面的に何といいますか、たとえば上陸などをするときに、日本各地に一斉にやるなんて、こういうことはとてもできないと思うんですね。ですから、恐らく想定されているのは局地的攻撃が多いんじゃないか、そういうふうに恐らく想定されているんじゃないかというふうに思うんですけれども。とにかく国境がない国ですから、日本の場合は。ヨーロッパとは違いますから。アフガンとも違うし、あるいはかつてのチェコですね、プラハの春ですか、あれとまた違うし、あるいはその他のヨーロッパの国のような陸地国境がないと、隣接国は海で離れているわけですね。そういうふうな国ですから、そういったところに外部からもしか侵略した場合、これは私はある意味で言うと第三次世界大戦の引き金になるんじゃないか、こういうふうに思うんですね。ただ単に外国軍隊が入ってきたということだけではなくて、やはりこれは堂々たる侵入ということになってしまうと思うんですね。ですから、そういう意味で言うと非常に侵入というか、局地的でもあれ攻撃が行われるということは、大きな世界の、各国も問題にするだろう、こういうふうに思っているわけなんです。  そうなってくると、それだけで済まなくなってきて、今度は核戦略時代ですから、いわゆる核を発動するという、そういうふうな形が当然——ローカルな核の発動かもしれません、ICBMが飛ぶかどうかは別として、ある程度そういうところまでエスカレートする可能性があるし、あるいは世界の世論といいますか、国際世論がこれに対して相当大きな非難もするであろう。日本側がしかけたんじゃないんですから、外国がやってくるんですから。そういうふうなことが想定され、その戦争そのものが、侵入したその事実そのものが非常に非難されるであろう、そういうふうに考えていいんじゃないかと思うんですが、この場合全面戦争になるという判断ですね。たとえばアメリカが日本を見捨てて逃げてしまえばこれは全面戦争にならないでしょう。しかし、安保条約があって、アメリカが日本に対するある程度の義務を持っているとなれば当然介入せざるを得ない。介入すればこれは、さっき想定した国の名前は出ませんでしたけれども、恐らく全面戦争に広がっていく可能性を持っている。こういうふうに私は判断しておるんですが、その辺一体防衛庁の方で、全面戦争に波及していく可能性があるかどうか。あるいは、「アメリカが日本を捨てる日」なんという本も出ているぐらいですけれども、さっさと捨てて自分の国だけよければというかっこうで日本を捨ててしまうのか。それはいま日本側からの見解ですから、アメリカが捨てるかどうかわからないかもしれませんが、その点についてどういうふうな御見解を持っておられますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 必ず全面戦争になるとかならないとかということは、なかなか、単に想定だけであればいろんな想定ができるわけでございますから、一概に言えないと思いますが、同時に、おっしゃいますように日本に対するどんな形の侵略にせよ、侵略した場合に第三次大戦の引き金になり得る可能性があることは当然考えられると思います。逆に言えば、そういう可能性があるからこそ相手方にとっても容易にはできないわけでございまして、そういう意味で日米安保体制というものが抑止力として働いておるということにもつながるわけでございますから、おっしゃいますように、全面戦争になる可能性があるかと、日本に対して攻撃した場合。それは可能性としてはあるんではないかというふうに私どもも考えられるわけであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 全面戦争になる可能性がないともあるとも言えないと思いますが、あると思っていて、可能性が非常に濃いわけですね。多分私もそうだと思うんです。  そこで、こういったことで奇襲攻撃を受けた場合、これは前に新聞の報道にもあったんですけれども、それに対して防衛をするとぎの、受けたときに、たとえば弾が飛んできた、何が飛んできた。それを防衛する。その後で防衛するのか。要するに向こうから飛んでから防衛するのか、それ以前に、そういうことが想定されたときに、その相手方の攻撃する基地なり何なりありますね、たとえばロケットの場合そうですね、そういうものをたたくのか。こういう問題が前に新聞で報道されたと思いますが、たしかあのときは、日本を攻撃するという可能性が物すごく大きいものに対しては防衛の立場からその基地をたたいてもいいんだというような見解が示されていたような気がしますが、その点どうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) その記事は、要するに相手方の基地をたたき得るかという問いに対しまして、どうしても他に手段がない、自衛上どうしても必要最小限やむを得ないと認められる場合に、相手方の、いまおっしゃいましたようなロケットの基地といったようなものをたたくことは法理論上可能かという議論に対しまして、法理論上は可能であるというふうな政府統一見解がございまして、そういうお答えをしたことがございます。  ただ、御指摘のように、おそれがあるから先に攻撃する、先にたたけということになりますと、これは話は別でございまして、専任防衛という現在の基本的な立場から言いましてそればできないんじゃないかというふうに考えます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうすると、できないということですね、結論は。結論はできないということになるんじゃないですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 向こうが何も攻めてきていないのにこちらから先にたたくということは、これはできないと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 では、やっぱり最初攻撃を受けたから、受けたからその報復というか——報復というのはちょっと違いますけれども、やむを得ずたたくことがあるということですね。そうしますと、アメリカの核戦略の中のカウンターフォースというものとちょっと意味が違ってくるわけですね、この場合は。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほどから先生ときどき核のことをおっしゃいますわけですが、いま私どもはアメリカとの研究その他におきまして、自衛隊の整備目標ももちろんそうですが、アメリカとの研究におきましても核のことについては全然考えておりませんので、では核の防備体制はどうかということになりますと、それは現在防衛計画の大綱でもあるいは日米ガイドラインでもアメリカの核抑止力によるということになっておりまして、それ以上のことは考えておりません。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 先回りしてそこまで考えられる必要はないと思うんですが、しかし、いずれにしても専守防衛というものが、日本の国土が戦場になるという、これはもうはっきりしていることだろうと思うんですね、要するに攻撃を受けた場合ですね。攻撃を受けるというのはそういうことですね。陸上に対する攻撃を受けた場合当然そうなってくるわけなんですが、どうもいろいろ見てみますと、いまの防衛力というのがどうも私ナンセンスなような気も一面持っているわけなんです。果たして奇襲攻撃があるかないか、これはちょっと予測できないかもしれませんが、いまの国際世論そのものは相当こういうものに対しては厳しく対処をしていることは一つありますね。  それからもう一つは、奇襲攻撃をやろうというのが、ミサイルみたいなのは別として、たとえば上陸作戦やるとか、そういうようなことは、さっき申し上げた情報的な能力が向上している今日、その事前にすべてが判明するはずである。そういうことからなかなか、奇襲攻撃という言葉は非常にいろんな意味を持っていると思いますが、これに対してはそう簡単にはできるものじゃないだろうというのが私の考え方なんです。  そこで、やはりいまの戦略全般をながめてみますと、やはり何といっても非常に恐ろしいのは核の問題だと私は思うんですね。最近はどうも米ソの核のバランスが崩れちゃって、ソビエトの方がたとえば弾道弾その他の保有数も多くなった、こういうふうなことを言っているわけですね。ですから、アメリカはそれに追いつかないと核のバランスにおける抑止力が出てこない。ですから、何とかしてそれに追いつくんだというふうなことで今後努力しようとレーガンが言っている、こういうことだろうと思いますが、この核のバランスについて防衛庁の方で恐らく情報をお持ちだと思うんです。どのように解釈されているのか、核と言ってもいろんなのがありますけれども、大体主なものだけで。その点をお聞かせください。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 御質問は米ソの核バランスのことと存じますけれども、細かいことは省きましてごく概略的に申しまして、まず戦略核戦力についてでございますけれども、戦略核戦力、御存じのとおり長距離爆撃機とICBMとSLBMと三種類、三本柱でございます。長距離爆撃機の数ではまだアメリカが優位に立っておりますけれども、ICBMの数ではソ連がアメリカの約一・三倍、SLBMの数では大体いま一・四倍になっております。それから、ただアメリカはMIRV化、いわゆる多核弾頭化がソ連より五年ほど早く進んでおりますので、いまでも弾頭総数ではことしで九千対七千、まだ若干優位にございます。ただ、これは昨年が九千二百対六千、一昨年が九千二百対五千でございますので、毎年千ずつ差が詰まっております。今後もソ連のMIRV化が進みますので、この差は詰まるというふうに思われます。それから、弾頭総数も現在アメリカが優位なんでございますけれども、にもかかわらず、全部のメガトン総数におきますとソ連の方が大きくなっております。それから、命中精度とか兵器の信頼性は従来もアメリカの方が進んでいたのでございますけれども、最近配備しているソ連のICBMの命中精度などは、これは数年おくれでございますけれども、アメリカの命中精度にほとんど追いついてきているというふうに考えられます。ということで、一概にどちらが優勢だということは言えないんでございますけれども、最近のアメリカの専門家、政府の言い方、大体総合いたしますと、いずれかが明白な優勢を持っているとは言えない状況になったということが第一点でございます。  それから第二点は、もしこのまま放置していくと、ソ連の方が優位に立ってしまうという見通しでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、大体弾頭数ではまだアメリカの方が数が多いし、命中精度はたしかアメリカの方がいいと。これは前から言われているんで、ですからメガトン数が幾ら多くてもソ連みたいに一発落としておいてその範囲内に近づいて落ちれば全部それでやっつけてしまうんだと、だからなるべくでかい方がいいという考え方がだんだん変わってきて、やはり小さな核弾頭で命中精度をよくしていって、ごく限定されたところだけに攻撃かけるというふうにいま変わってきているわけですね。特にその中でこれ、非常に関係が今後出てくると思うんですけれども、たとえばサイロなどの問題は、核の弾道弾のサイロなどについては固定されているから軍事衛星で査察すればほとんどわかってしまうし、これはアメリカあるいはソビエトのどこに何があるというの大体わかっていると思うんですね、いま、それぞれ。ところが非常にむずかしいのが、生き残る率が高いのが潜水艦だと、三百メートルぐらいの海底をうろうろしていますから、それから撃ち込まれたんじゃたまったものじゃない、潜水艦を何とかして見つけてその行動を追跡をしていく必要があろうというのがどうもアメリカの一つのプロジェクトになっているんじゃないかと思うんですね。  そうなってくると、やはり今後の問題として、アメリカ側が日本に対して、防衛分担をするとき必ず言ってくるであろうのは海峡封鎖の問題だと私は思うんです。要するにソビエトの潜水艦、たとえばソビエトという例を挙げればそれを、まあアメリカの場合ソビエトでしょうから、日本海に封じ込んでしまう、あるいはオホーツク海に封じ込んでしまうというための作戦を日本ができる能力を持ってくれと必ず言ってくるだろうと思うんですね。恐らく去年だったですか、アメリカから軍事関係者が二人ほどレーガンの選挙の前に来られたときに、やはりこれ、C130の売り込みに来たんですね。どうもC130という単なる輸送機じゃなくて、これはもう完全な機雷敷設能力を持つはずであると、もちろんP3Cも同じような能力を、まあ機雷はどうか知りませんが、早期警戒能力は十分持っておる。そういうことを恐らく中心にして日本側に要求してくるだろうということは、これは報道等でももうすでに国防総省の見解ですとかあるいはレビン議員ですか、という人がいろいろと発言している中にもちらほら出てくるわけです。そういったようなことが恐らく今後要求されるであろう。  それからもう一つは、シーレーンの防衛というけれども、事実はその防衛する能力は日本にないと思うんです、まだ。とてもじゃない、防衛して、じゃその行動に対して何らかの制約を加えられるかというと、攻撃ができないわけですから、これはもう話にならないんですね。ですからそういう意味からいくと、今度太平洋の北の部分における日本の警戒能力といいますか、早期警戒能力を増強しろとか、恐らく詰まってくるところ、そういうところにくるんじゃないかと思うんですね。それで情報といいますか、報道によれば、もう陸軍兵力なんて要らないんだと、もっぱら海軍兵力を二倍に増強しろなんということを言っているわけです。こういう見方もあると思いますけれども、しかしそういったことが想定されるのは、すべてアメリカの核戦略というものが基本になっているわけですね。日本のところへ奇襲があるからどうのこうのと、こんなことは問題じゃない、アメリカにとってみると。やはり核戦略というものを中心としてアメリカそのものがどう対応するかという中で日本にアメリカの防衛のための分担をどれだけやってくれるかと、アメリカと言って悪ければ、いわゆる自由世界といいますか西側といいますか、そういうふうなことだろうと私は思っておるし、恐らくそういうふうに進行していくんじゃないか。こういうふうに思うんですけれども、その点は防衛庁としてはどうお考えですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま三海峡封鎖から始まっていろいろお話があったわけでございますが、私どもはまず申し上げたいのは、アメリカの戦略の中で日本に分担を求めるといういま御指摘がございましたけれども、私どもは国防の基本方針にもありますあるいは防衛計画の大綱にもありますように、日本が日本をどうやって守るかということがまず基本でございまして、その日本が日本を守るに当たって、もし侵略を受けた場合にはアメリカと共同対処行動をとる、これは確かにそのとおりでございますが、そういうことがあるからと言って何もアメリカの戦略の中でアメリカの分担、アメリカの戦略態勢の分担として日本の防衛があるというふうには私どもは考えておらないし、また考える必要もないというふうに考えております。  いま、海峡封鎖能力のことでC130の購入などのお話がありましたが、C130はしばしば御説明申し上げておりますように、現在の航空自衛隊の輸送体制の整備ということで、かねてからの懸案であったものを今回導入をさせていただきたいということでいまお願いをしておりますが、それが機雷を敷設する能力があることは事実でございます。ただ、現在はまだ搭載能力ございませんけれども、搭載設備がございませんけれども、それはいずれ将来の検討課題として私どもも考えておりまして、そういうことは否定いたしませんけれども、海峡封鎖の事態にしましても、私どもは最初申し上げたように、アメリカの戦略態勢の中での海峡封鎖じゃなくて、日本の防衛の態勢の中での海峡封鎖ということはこれは防衛計画の大綱の中にはっきり書いてあるわけでございます。そういう意味での能力の整備ということは今後とも図っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、先生御指摘のように、アメリカの全体的な戦略態勢の中で日本が分担を求められているというふうには必ずしも私どもは考えておらないわけであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、どうなんですか、三海峡封鎖をやるとかシーレーン防衛をやるということは日本のためである。日本のためということは、日本自身に対する攻撃が直接加えられないような場合だったらこれやる必要ないということですね、アメリカが幾ら要望してきても。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 日本の防衛のためでございますから、御指摘のとおりであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、もっと突き詰めて言うと、核戦略に関してはわれわれは関与しないということになるんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほども申し上げましたように、核の問題につきましてはアメリカの核抑止力によるという考え方であります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、日本が核攻撃を受けること、これについてはちょっとこれは見方を変えるわけですが、核攻撃を受けるであろうことは想定されておりますか、想像されますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 単に想像されるかと言われますと、それは想像されないとは言えませんが、先ほども申し上げましたように、だから日本の防衛体制の中で核戦略のことをいま考えて何らかの準備をするということは考えていない、アメリカの核抑止力によると、こういうふうに申し上げているわけであります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 その辺で、もうそこから先は幾らあれしてもすれ違いになりますけれども。どうなんですか、いま核戦略時代なんですよね。核戦略時代に対して、核についてはアメリカにお願いして日本はもう何もしないんだと、それについては。そういうことで果たしてアメリカが引き下がるかどうかという問題が一つあります。それからもう一つは、核戦略時代という認識を世界じゅうのどの国も、たとえば西ヨーロッパ側でもどこでも持っているにもかかわらず、核武装をするとかしないとかという問題と切り離して言っても、そういう認識をやはり防衛庁が持ってないというのがおかしいんじゃないか。その時代における防衛をやるんだろうと、そういうふうなことだろうと私はいままで思っていたわけなんですけれども。ですから、アメリカのたとえば核戦略、アメリカの核を使うということはアメリカの核にとって生き残り率をよけいにしなきゃいけないから、そのためにはアメリカの核戦力に対する防衛もやらなきゃいけない。だから日本がその近いところは分担しろ。だったらこれはあたりまえの話なんですよね、本当は、アメリカ側にとってみれば。ですから、何もそんなに逃げる必要なくて、本当に言っていただいて結構だと思うんですが、いずれにしてもいまの時代というのは核の時代だということになりますから、当然核に対する問題を頭に置きながら世界戦略として詰めていく必要があろう、こういうふうに私は思っておるわけなんです。  最近、新聞などの報道ですと、とにかく第七艦隊がインド洋に行っちゃったから、中東の方をやらなきゃいけないからこっちの、日本の近くが非常に手薄になっているんだと、ですからそれに対して日本側がある程度の分担をしてくれ、これは非常に大ざっぱな話ですけれども、そういうことを言っているんですが、しかし本来そうじゃないと思うんですね。やはり核戦争時代に核戦略の中でSLBMというものが非常に脅威になっているのは事実なんで、ICBMよりも。それに対して何とか対応しないとアメリカそのものの軍事力が破壊される可能性がある、太平洋における。そういうふうなことで、恐らくそれがやはり日本の分担だということを向こうは言ってくると思うんです。これはもう全然関連があるので一つ切り離して考えられないことだと私は思っておるわけなんです。現状だと、これはもう皆さんの方が専門なんですけれども、たとえばソビエトのICBMあたりは大体ソビエト中央部にあるバイカル湖の北西部にありますね。町で言えばクラスノヤロスクですか、その付近から近くに全部配備されています。しかもそれがSS19とか、20はちょっと距離が短いからヨーロッパ向けですけれども、ヨーロッパ向けと言ってはおかしいんですが、そういうものが点々と配備をされているし、アメリカの場合でも大陸の大体中央部に多いですね。そういうところにサイロが幾つかもうあちこちにミニットマンIIとかIIIとかを含めて配備をされている。ところがこれはもうわかっちゃっているから、お互いに常に自分のところはやられるぞということはわかっているわけですね。  そういうことで、もうICBMの時代というのはただ準備しただけで終わったと思うんです。ぼくは、これ実際にICBMが撃ち出されるということは非常に可能性が少ないと思います。それよりもこわいのが、さっき申し上げた要するにどこにいるかわからないであろう潜水艦からの核弾頭の撃ち込み、これが一番私はこわいだろうと思うんで、そういうことで恐らくアメリカは日本に対する防衛の分担期待をしてくるだろうと私は想像しているわけです。それをさっき申し上げたわけなんですが、そのためには封じ込めで三海峡封鎖とかいろいろある。そのためにまたC130ももっと買えもっと買えと言ってくるはずである。その辺の一つの戦略、総合的な戦略から見ながら考えていかなきゃいけないことだろうと私は考えておるわけです。  それともう一つ、それはそれにして奇襲の問題にまたちょっと戻るんですけれども、たとえば日本が戦場となるとか上陸されたとか攻撃を受けた場合、私はもうそれで日本にとって戦争はすでに負けになったと思っているんです。ということは、これは第二次世界大戦——大東亜戦争と言った方がいいと思います、太平洋戦争と言いますか、これでかつてABCD包囲陣という包囲で経済封鎖をされ資源が入ってこなくなる。シーレーンの防衛と関係あるかもしれないけれども、船がどんどん沈められて、日本は資源がない。われわれなべかままで供出して、それでもって何かいろいろつくったり松根油を燃やして飛行機を飛ばす一これは果たしてやったかどうか別として、そういうふうな封鎖にあって自然消滅していったわけですね、消耗戦ですから。ですから、そういうふうなことで考えていきますと、日本そのものがエネルギーも資源もないし、周りが海でどこからでも攻撃かけられる、そういうふうな状態の中で上陸が行われたというときは私はもう戦争負けたんだと思っているんです。  ですから、それを防衛するということ、陸上の防衛力をつけて防衛したり、そこへドンパチやるということが果たして意味があることかどうか、しかもそういった奇襲というものがさっき冒頭に申し上げたようないろいろな世界世論の中で果たして許されるかどうか、そういう問題も含めて考えた場合、やはりここで防衛そのものに関してもう一遍考え直していく必要があろうと私は思っているわけなんです。そういう状況も含めて、ゲオフィジカルなことも入れて、あるいは核戦略の総合的な判断も入れながら今後日本をどう守っていくかというのが進められてしかるべきじゃなかろうかと思うわけです。ですから、正面兵力を非常に多くして日本を独自で守るんだというんだったら、ソビエトと同じ、あるいはアメリカと同じぐらいの兵力を持たないといけないわけですね。それができないから、じゃ自由社会でまとまろうということだろうと思うんですが、いずれにしてもどんどんエスカレートしていきますからこれはもう対処できない問題になってくるんじゃないか、こういうふうに私考えています。  それでは日本は何ができるか。たとえば非核三原則があるから核武装はとてもできない。核武装はできないと言いながら核による攻撃をすることができる、何かそういうことを政府見解出したことがありますね、核保有はできないけれどもアメリカから持ち込んだ核でもって日本から撃ち出せるというふうなことを。何かそういうことがあったと思います。しかし、核は持てない、それから平和に徹すると。いろんなそのことでできないこと尽くしはもういままでさんざん出ているわけなんですが、じゃ何をやるかということが恐らく今後アメリカからの具体的提案で出てくるはずであります。今度五月に総理が訪米されますけれども、それまでの間の、これは防衛庁長官も近々行かれるんじゃないかと思いますが、いわゆる事務レベルのアメリカとの折衝の中で必ず出てくると私は思っています。出てくるということを向こうの議員が言っていますから全くそれは出てくると思います。それに対して、やはりここでちゃんとした考えを持って臨んでいきませんと大変なアメリカの核戦略の中へ引きずり込まれる可能性が出てくるんじゃなかろうか、こういうふうに私は思っておるわけなんです。見解が違うかもしれませんが、その点どうふうにお考えでしょうか。長官にお願いします。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいまいろいろ核戦力を含めて広範な角度からわが国の防衛のあり方について御意見をお述べになったわけでございます。その中で、わが国に上陸があったらそれで終わりではないかと前大戦の終わりごろの状況と比較してお述べになったわけでございますが、なるほどわが国は島国であって国内に見るべき資源がほとんどない、その状態は当時と何ら変わりはないと思うのでございます。ただ、国際情勢から言いますと、あのときはほとんど主要国を全部敵側に回してしまって、ただ一つソ連が中立でありましたが、これも終わりごろはああいう状態でございます。それに比較いたしますと、今日は日米安保条約も存在しておりますし、中国とも友好関係に立っている。また東南アジアの国々とも友好関係が保たれているわけでございまして、国際環境は非常に趣を異にするのではないかと考えているわけでございます。  しかし、さらばといって、わが国みずからの防衛努力をなしで済まされるかというと必ずしもそうではない。日米安全保障条約をいざというときに有効に作用させるためにも、平時から効率的な運営も図っていかなければいけませんし、またわが国自身が国情の許す限りあるいは憲法その他の基本原則の許す範囲内で持つべきものは備えていると、そういう必要は私はあるのではないか。また、それで万一侵略があった場合に、仮に着上陸というような事態が出ましてもそれで終わりということには絶対ならない。あくまでわが国自身の努力を傾注することによって侵略を一日も早く排除する。残ったものにつきましては、粘り強い努力を続けることによって安保条約の発動による米軍の来援を待つ。こういうやはり方針を堅持することがわが国の防衛のために欠くべからざる要素ではないかと私自身は考え、また防衛庁といたしましてもそういった心構えで防衛力の整備に進んでいるわけでございます。  なお、私の訪米の点がお話に出ましたが、定期協議、先方の国防長官とわが国の防衛庁長官が毎年一回定期協議をすることに相なっております。行ったり来たりすることになっておりまして、今回はこちらから出向くことになっておりますので、その時期につきましてはまだ決まっておりませんが、私といたしましては、いま言った考え方のもとに、わが国としてなし得る範囲内における防衛努力をいままでも進めておりましたし、今後も進める考えであるということを明らかにし、また先方からいろいろ要請もあるかもしれませんが、そういった場合にも、諸原則に照らし合わせましてなし得ることはできる限りやっていくと、こういう心構えで臨む所存でございます。  また、事務レベル云々というお話がございましたが、事務レベルがいついかなる時期に持たれるか、これも例年一回というならわしがございますが、そういった点もまだ検討中でございまして、時期は決まっておりませんが、その場合における事務レベルの打ち合わせにおきましても、いま私の申し上げました点はしっかり踏まえて協議に臨みたいと考えているわけでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 いままでのお話をずっと伺っておりますと、結局は侵略があった場合にはとにかく自分で何とかある程度持ちこたえなきゃいかぬ、そしてそのうちアメリカが助けにきてくれるからアメリカの戦力に期待しようではないかと、これが安保条約の趣旨であるというふうなことだと思うんですが、そのアメリカからの戦力といいますか戦力応援というか、これは何を期待しているんですか。いわゆる人員的な兵力を期待しているのか、あるいはさっき戦略時代、核戦略時代だと言いましたけれども、核による報復を期待するのか、どちらでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 前段の方でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 アメリカは来ますかね。もうベトナムでこりているんじゃないですかね。なかなかそういうことは簡単にいかないんじゃないかと思うんですが、しかし、恐らく本当は防衛庁としては後で申し上げたのを期待しているんじゃないですか。そのぐらいの、一つの何というか、圧力というものをアメリカに期待しているんじゃないですか。そうじゃなかったら核のかさの下という言葉も出てこないです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 核攻撃に対しましてはアメリカの核抑止力に依存する、これはもう明白でございます。通常兵器による侵略に対しましては、原則としてわが国が独力で対処するわけでございますが、それを超える場合には米軍の来援にまつという基本的な考え方でございます。  また、そういった有事の米軍の支援ということを有効に実現するためにも、平時における安保体制の効率的運営ということが必要である。その努力を怠っておいて有事における期待をするというようなことになりますると、あるいは先生の仰せられるようなことになりかねないわけでございまして、平時において、安保条約に基づくわが国としてなすべきことは進めておくということが平時における重要な事柄である。それと両々相まってやはり抑止力というものが形成されるものであると考えている次第でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、防衛出動発令前における、たとえば民間の土地、家屋の収用ですね、こういったようなものを研究して、有事法制研究の中間報告というのが近く出されるというのが報道されておりますが、それは全くそういうことに対応するために、これこういうふうなことが研究されておるのですか。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) 御承知のように、有事法制の研究というのは、自衛隊法第七十六条によりまして有事の際出動を命ぜられた場合の自衛隊が有効適切に行動し得るような意味におきまして、いまの法制上一体問題があるかないかというふうなことを検討しておるわけでございまして、いま先生の御指摘の点に関連して申し上げれば、敵が上陸してきたらおしまいではないか、そういうときに有事法制を研究する一体意味があるのかないのかというふうな御指摘に聞こえましたが、そういうことであるならば、防衛力の持つ意義あるいは機能というものは大まかに言って二つあると思います。  先ほど大臣から御答弁がありましたように、一つはやはり侵略の未然防止ということで、これが一番大事であろうと思います。わが国みずからの適切な防衛力を持ち、それが安保体制と相まって侵略を未然に防止するということでございますが、不幸にして直接侵略がわが国に及ぶ場合には、われわれの持っている力をフルに活用してこれをできるだけ早期に排除する。限定的、小規模の侵略に対してはみずからの力、それを超えるものについてはアメリカの来援を待って粘り強くこれに抵抗するということでございまして、そういう意味合いからも有事法制の研究というものは意味があることであるというふうに考えております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 これはいずれ出てくるのですかね、国会にも。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) 現在まだ防衛庁所管の法令を中心に検討しておるわけでございまして、私どもできるだけ早くまとめるようにせっかく努力中でございます。ある程度結論がまとまり次第、中間的に御報告したいというふうに考えています。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 何か戦時中の総動員令みたいな感じをちょっと持つのですけれども、しかしこれはそのときにまた大いに議論しなきゃいけないことだと思います。  そこで、ちょっと話が変わりますけれども、防衛庁の予算の関係で、これもまたがって大平さんがアメリカを昨年訪問したときに、防衛費の伸び率ですね、これは数字は正確かどうかわかりませんが、一〇%以上ぐらいの伸び率が話に出たといううわさを聞いているわけです。ところが、その後それがカーター政権に入ってから、これはマンスフィールドさんが調整したということを聞いていますが、九・七%ということで一応落ちつきを、大体合意をしていた。ところが、五十六年度の予算を実際にふたをあけてみると七・六%に減少している。これじゃちょっとアメリカに対して非常に申し開きと言ってはおかしいんですけれども、アメリカの方が納得しないんじゃないか。こういうふうな経過から、一連のこれは数字だけの問題ですが、数字上の対米外交でいろいろと今後こういう問題の論議が行われてくる可能性があるわけですね。  そこで防衛庁、これも新聞の報道ですけれども、九月に補正予算を組んで結果的には九・七%になるはずであるというふうな報道があるんです。これはどうしてかというと、中の説明を読んでみますと、現在のたとえば人件費だとかそれから消耗あるいは石油関係の調達の費用とか、そういうものが恐らく非常に低く見てあるからこれはやむを得ず上げざるを得ない。上げたものを全部集大成してみたら結果的に九・七%になっている。補正でもってそれをしなきゃいけないような羽目になってくる。で、結論は九・七になったと、まあそれは先の話ですからわかりませんけれども。そういうことでアメリカにすでにそういうことの作戦を、国会作戦というのか何というんですか、もう通告して、裏にそういうのがあったから、今度外務大臣が行ったときも自動車にほとんど終始して防衛問題は余り俎上に上がってこなかったんだ、こういう報道が行われているんです。これについてどうお考えですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 今後の補正を前提として五十六年度予算を編成したということは全くございません。先生お述べになりました九・七とか七・六とかいう数字は確かに過去においてあるわけでございます。九・七は昨年の四月から八月にかけまして五十六年度予算編成の前提としてのシーリングのときに出た数字でございます。年末にかけて大蔵省と予算の折衝をしまして、結果として出ましたのが七・六%である。そういう経緯があったことは事実でございますが、いま御審議を願っております予算は、その七・六%に相当する予算を御審議願っているわけでございます。  人件費についてお尋ねございましたが、概算要求のときには人件費二%要求したわけでございますが、各省一律に一%と、これは大蔵省の方針で決まったわけでございます。今後ベースアップはどうなるか、これは今後の推移に待たなければいけませんし、また政府全体で取り組む問題でございますので全く未確定の問題でございまして、防衛庁として先の見通しを申し上げることは至難の問題でございます。  また、油代につきましては必要な額を五十六年度予算に計上しておりますので、油の値段でもうんと飛びはねて上がれば別でございますが、現状である限りは補正の必要はないと私ども考えておるわけでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、人件費がもしかベースアップがあれば、あるいは油やその他の物資が値上がりをすれば、これは油の使用量を抑えるわけにもいかない場合にはやはりそれだけ金が要るわけですね。その結果として、偶然九・七%になっていってもこれはそのときの問題であるというふうに解釈していいんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 全く未確定の問題ですから、そのときになってみなければ何とも申し上げられません。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それから、レビンという人、これはアメリカのカール・レビン、上院の軍事委員会の委員だと思います。この人がいろいろと防衛分担について具体的に対日六項目を出してきているという報道があるわけなんです。その後予算委員会の中でもいろいろとこのことは取り上げられたと思うんですが、六項目を読んでみますと、私がさっき申し上げたようなことも中に入っているわけです。こういうことについて、防衛庁としてはこれをどう評価しているか、このレビン議員の対日六項目をどう評価しておられるか、それについてちょっとお伺いしておきたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 御指摘の報道があったことは私たちも新聞報道によって承知しておりますけれども、その中身が米政府の見解として示されたわけでもございませんので、私ども、いまの時点でこの報道に対しましてコメントすることは控えさしていただきたい、こう思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 これは国会の委員会の場でなかなか言いにくいということかもしれません。どうもいつも、何も防衛庁だけじゃないんですが、正式にまだ言われてないからということがよくあるんですが、大体こういう情報というのはもう皆さん十分御承知なんですよね。ですから、これについてもこういうことがあればどういうふうに対応しなきゃいけないかぐらい当然もうすでにやられているはずだと私は思いますし、言った人が大体アメリカの議員ですから、しかも議員としてでも軍事委員会の委員であると。しかもレーガンの政権というのは、レーガン大統領が自分で判断し自分で方向を決めるのじゃなくて、スタッフ制をしいてそれぞれのスタッフで検討さした上でその政策を取り上げていくというやり方ですから、当然こういった情報というのは重要なんですね。そういう面で、ここでこれ以上申し上げませんけれども、こういう要求も含めて、さっきのにちょっと戻りますけれども、恐らく今後総理のアメリカ訪問までの間にいろいろと問題が出てくるんじゃないか。安保に対する打ち合わせその他もあるでしょうし、また、その他いろいろな具体的問題の提案に対しての打ち合わせも出てくるんじゃないか、かようにも思っておるわけです。  そこで、最後にちょっと一つか二つお伺いしておきたいのは、さっきから奇襲の問題についていろいろとここで質問さしていただいたんですけれども、相手国がどこであるかはちょっと言明できないと思いますが、たとえば最近北方領土の問題がいろいろと言われておるわけなんですが、この北方領土の中にソビエトがある程度の兵力を駐在さしているというふうな、そういうふうな情報があるわけですね。それに対してソビエトのキリアン中将という人の発言があって、ここに駐在している兵力というのは脅威を与えるような兵力ではないというふうなことを発言をしていると、こういうことも伝えられておるわけですが、防衛庁としていま北方領土におけるソビエト兵力についてどういうふうに評価し、内容的にどの程度つかんでおられるか、その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 北方領土におきますソ連地上軍兵力でございますけれども、これは約ここ一年間、防衛庁といたしましては師団規模に近づきつつあるという表現をしてまいりました。いまでも大体そういうものであろうかと思っております。あるいは師団規模に近い勢力であると言ってもよろしいのでございますけれども、装備あるいは兵員の数が完全充足の一級師団と同じものであるというふうには思っておりませんけれども、他方、通常の師団の持っておりません百三十ミリ砲でございますとか師団規模以上の装備を有しておりまして、プラス・マイナスで師団規模より、やや師団規模に近い勢力というふうに考えております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、その兵力という数においてはいま申されたようなんですが、その装備というのは一体どういう装備かわかりませんか、そういうことは。そのぐらいのことわかってないですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 装備は、われわれの確認しております限りでは、通常のソ連の自動車化狙撃師団の装備ですね、これは戦車、火砲及び装甲車両が中心でございますけれども、その種類のものは全部種類としては持っております。ただ、一つだけ確認しておりませんのは、ソ連の自動車化狙撃師団と申しますのは地対地核ミサイルを持っておりますけれども、そのミサイル大隊は恐らくまだ配備されてないのではないかというふうに考えております。他方、軍団規模の装備でございます百三十ミリ砲、これは師団は持っておりません。それから軍管区規模の装備でございます攻撃用ヘリのミル24、そのようなものは持っておるようでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それからもう一つお伺いしますが、それに関連して上陸用の艦船、何と言うんですか、専門的に言うと強襲何とかという名前。こういうものはその付近には存在するのですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) ソ連の強襲揚陸艦はイワン・ロゴフ、これはもう御存じの、ソ連もまだ二隻しか持っておりません一隻でございますが、それがございまして、それからあとアリデータ、ロプチャ等でございますけれども、これはいろいろな数字がございますけれども、はっきりした隻数は確認できておりません。ただ、これは択捉、国後の地域に常駐しているというものではなくて、これは沿海州全体にどのくらいかということが一番の問題でございますけれども、数そのものは未確認でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それからもう一つは、飛行場をつくってあるという情報がありますね。これについてはどの程度の大きさなんですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) お答え申し上げます。  ただ、いま北方領土についての御質問でございますけれども、御質問の一番初めの関連で、日本に対する脅威というほどのものではないというキリアン中将の発言御引用のことでございますので、結局これは北方領土だけとらえても意味はないのでございまして、樺太あるいは沿海州、極東軍管区の日本向けに使用できると思われます兵力の総合的なものから考えまして、その一部をなすものとして考えなければいけないのでございますけれども、飛行場は択捉、国後二島で主要な飛行場は三つというふうに考えております。ただ、滑走路の数は一つの飛行場によってもう少し多いのもございますので、全体としてはそれ以上の数になると存じております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 いまこれお伺いしたのは、そのキリアン中将の発言というのが北方領土に関連して発言しているんですね。樺太とかその他は含まれてない、もちろんそうなんです。ですから、そういうことで一体どの程度なのかなということで、これはもう参考のためにお伺いしたわけなんですが、たとえば飛行場一つとっても写真だって明白に出ているわけですね。ですから、その飛行場がどういう種類の飛行機をそこに駐在さしているのかという問題とかそういうものがはっきりわかりませんと、果たして北方領土にいる兵力が脅威になるかどうかということの判断ができないんじゃないかと思ったものですから・それでいまお伺いしたわけなんですが、それと同時に、やはりあそこは通路にもなっているわけですね。ですからいろんな意味で、たとえばソナーを置いておくとかいろんなことがあるんじゃないか。たとえばアメリカだってソナーを千島列島からずっとアリューシャンにかけて全部敷設しているわけですね。日本の本土の周りだけがないだけですね。あとは中国の方とか、それから対馬海峡に一つありますね。それから奄美大島の付近に一つある。そういうふうなことで、これは陸上です、陸上からのソナー。何せ全体的に見ると物すごく戦争準備というものが進んでいるような感じがしてしようがないので、その中にわれわれが置かれていて、東西の真ん中、谷間の中に置かれて、どっち向いてもどうしようもないような状態でいま今日ずっと進んできているわけなんで、その辺、われわれとしてもやはり今後十分こういうことを知らないでおいては困るので、知って実際に防衛の問題というものを論議しなければいけないし、果たしてそれじゃバランス上バランスできるぐらいの軍事力を持つかどうかということですね、相手に。持つことが危険なのか持たない方がいいのかという問題もあるわけですし、いろんな問題がぼくは出てくると思うんです。そういう意味も含めていまちょっとお伺いをしたわけなんです。  いずれにしても、アメリカの方から恐らく来る今後の防衛力分担というものが、シーレーンの防衛ということも含め、たとえばフィリピンまでとかいろいろ議論もされておりますけれども、今後もっと具体的になってくるはずである。それに一体われわれとしてどう対処しなければいけないのか、兵力だけを増せばいいのかどうか、あるいは基地の経済的な支援をすればいいのか、私はそういうことよりも、どっちかと言えば戦力を日本が持つということよりも、ある意味で言うと早期警戒能力を分担した方がいいような気がするんです。これは戦力じゃない、直接攻撃することでありませんけれども、少なくともその情報提供によって、安保を是認するならですよ、アメリカそのものが戦略的に優位に立てるようなことに協力するとすれば、日本だって電子産業はりっぱなのがあるわけですから、そういう方向で考えてみるのも一つの手ではなかろうか、戦車を幾つとか艦船を何隻とかということよりも、そういうふうな考え方もあるんじゃないかという観点でいま申し上げたわけなんです。  時間がありませんからそこまで議論いたしませんけれども、いずれにしてもアメリカの要求が厳しくなるということはどうも覚悟せざるを得ない。それに、防衛庁として、ただアメリカの言うことを聞いていくのじゃなくて、さっき申された日本を防衛するんだというのだったら、もっぱらそれを基礎にして問題解決をしていかなければならないはずなんで、ただしアメリカの戦略というのは核戦略という大きな戦略があって、その中に巻き込まれる可能性があるということですね。ですから、これだけは私どもとしては十分警戒して、やるやらないの問題じゃなくて警戒をしていく、そういう見方を持っていかなければいかぬ、こういうつもりで私いま質問申し上げたわけなんです。  時間がちょっと早いかもしれませんが、区切りがいいですからこれで質問を終わらせていただきます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいまいろいろ御指摘があったわけでございますが、最後にお述べになりました、奇襲を防止するための情報収集能力の向上という点につきましては全く同感でございまして、いま早期警戒機の整備の問題、あるいはレーダー網の一層有効化の問題等の問題には防衛庁としても真剣に取り組んでいる次第でございます。  ただ、先生おっしゃいますとおり、奇襲防止の情報の整備だけ図ればほかはやらぬでもいいんではないかという点につきましては私ども見解を異にする、先ほど申し上げたとおりでございます。  それから北方領土へのキリアン中将の発言を引いての御質問でございましたが、兵力量については私どもの発表しましたのと若干相違がございます。向こうは数個大隊、私どもは一個師団に近いもの、こう言っておりまして、若干のニュアンスの相違がございますが、いままでは全然触れておらなかった、ソ連の中将という地位の高いランクの方が数個大隊を配備しているということをみずから語られたという事実は相当大きな意味を持つものであると私ども受けとめておるところでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 私は、大変限られた時間でありますから、幾つかの点について御質問いたしますが、ひとつ簡明にお答えいただきますとありがたいと思います。  まず最初は、鈴木内閣が発足をしてから今日までの間に、国防会議あるいは同議員懇談会、これは何回、いつ開かれたのか、またそのときの議題は何だったのか、まずそれを承りたいと思います。

伊藤圭一国防会議事務局長

○政府委員(伊藤圭一君) 昨年七月、鈴木内閣が発足いたしましてから、国防会議が二回、議員懇談会が一回、計三回開かれています。その議題は、議員懇談会は防衛白書の報告を受け了承をいたしました。それから国防会議は十二月の二日と二十九日に開かれておりますが、二日の段階では、防衛庁が五十六年度の予算で計画をいたしております防衛力整備の中の主要項目の説明を受けまして、二十九日に政府の予算案ができます時点におきましてその内容を決定した、そういう会議でございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 どうも鈴木内閣になりましてから総合安全保障と、こういうことが言われまして、その当時から一部ではいろいろと懸念をする声もあったわけでありますが、その後総合安全保障会議が何回か開かれる。しかし、実際現在のような厳しい情勢、特にレーガン大統領が防衛問題は最大の問題だと、こう言っておる時期において国防会議が開かれておらない。実質的に日本がどのような事態認識のもとに今後どのような防衛政策をやっていかなきゃいけないかといったような会議を一度も持たれておらない。それについては、ここらは国民だけじゃなくてマスコミの一部にもどうもちょっとおかしいなと、こういったような声もあるように私は理解をしておりますが、そういったことにつきましてひとつどのように認識をしておられるのか、事務局長、防衛庁長官に承りたいと思います。

伊藤圭一国防会議事務局長

○政府委員(伊藤圭一君) 国防会議は二回開かれておりますが、これは法律に基づきまして必要な国防会議として開催したものでございます。  いまおっしゃいましたように、防衛政策について審議をしないのかというようなお話でございましたけれども、御承知のようにわが国におきます行政官庁——防衛庁、外務省がございまして、行政面におきます防衛政策については常に検討を加えているわけでございます。国防会議というところは、そういった防衛政策につきまして諮問を受けましたときにこれを議論する機関でございます。したがって、たとえばアメリカの安全保障政策のように、行政そのものを調整するという機能を持っておりません。したがいまして、どういう形でどういう内容を諮問するかということは、法律に定められている中で重要卒項の審議ということがございますので、これは、かかって政治的な判断にあると考えておるわけでございます。私どもといたしましては、決められた範囲ではいま行っているということでございますけれども、しかし私は、一番大事なことは国防会議の議員の方々が軍事問題について同じような知識を持たれ、同じような意思を統一をされるということが大事だと思いますので、その意味では軍事情勢その他について国防会議の場で御検討いただく機会があった方がいいんではないかというふうに考えておりまして、この点は官房長官も総理もそのようなお考えのように承っております。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいま国防会議事務局長がお話しになったとおりであると考えるわけでございます。  七月に鈴木内閣が発足いたしまして、八月の初めに、防衛白書を発表する前に懇談会で当時の状況を御説明したわけでございます。その後、概算要求も進んでおりますから、また国際情勢もございますので、秋の間にも国防会議もしくは懇談会を開催していただきたいと思っていろいろ連絡をとっておったわけでございますが、結果といたしましては十二月に入って会議を二回開催したと、こういう経緯でございます。  今後におきましては、会議そのもの、あるいは懇談会を活用いたしまして、激動を続けております国際情勢にも対応していくように事務局にもこれから緊密な連絡を図ってまいりたい、さように考えておるわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 総理は、防衛計画の大綱の水準に達してない、だからそれはまだ先だという基本方針をかねがね言っておられるわけでありますが、しかし情勢が変わった現在、少なくとも防衛庁としてはこういったような問題、軍事情勢に対する理解、認識もないのでありますが、そういう問題についてもフランクに国防会議、議員の懇談会等を通じてやるのはあたりまえじゃないですか。これが国民の本当の声じゃないか、私はそう思います。そういうような意味におきまして、総理も近く訪米される。私はもうそろそろ、総理渡米されるについても、そういったような会議を持たないで、数年前に立てた計画をそのままこうでございますと言っても、そんなものは説得力も何にもないと思いますね。今後国防会議、懇談会等を防衛庁の方から積極的に開いてもらうようにお考えになっているのかどうか、ひとつその点をさらにお聞きしたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) お答えします。  先ほども申し上げましたように、今後は努力してまいります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 ぜひとも、私は一度、二度じゃとてもコンセンサスは得られないと思います。頻度多くやっていただくように特に防衛庁からアプローチすべきだということを重ねて申し上げる次第でございます。  次に、防衛庁の方では五十六年度の予算案につきまして、中業の一年繰り上げの足がかりを得た、このようなことを言っておられるように承知しております。きょういただいた資料によりましても、「正面装備のうちでも主要なものについては、次のように高い達成率となるものが多い。」という説明でこの表をいただいております。ところが、これは年度別の、年次別の計画はないということですから何ともその辺はわかりませんが、一応五年間で平均して割った場合どの程度か、こう見ますと、すでに二年終わったと、そうしますと、平均しますと五年ですから四〇%行っていればまあそこそこだと、少なくとも一年前倒しの足がかりを得たということになると、四〇%以上行っておるものでなければそうは言えないと思いますね。そういう面で拾ってみますと、七四式戦車が四三・九%である、それから八十四ミリの無反動砲が四七・八尾である、それから七九式対舟艇対戦車誘導弾発射装置が五一・五%である、DDGが五〇%である、それからF15が四四・二%だ、E2Cが一〇〇%である、こういうふうに言われて、このように数字がなっております。しかし、それ以外は、新規着手したものが低いのはあたりまえですからそんなことは申しませんけれども、この程度で足がかりを得たと本当に言えるんだろうか、まあ足がかりにもいろいろありますからね。片足をぴしっと一段上げたのも足がかりでしょうし、つま先だけをちょっと触れさしたのも足がかりでしょうから、いろいろありますが、私は防衛庁がこんなことで足がかりを得たというような認識を本当に持っているんだろうかというような気がしてならないんですね。また、そういうことを言われることが私は政府の見識を内外に対して疑わすことにもなるんじゃないかなと、こう思うわけであります。その点につきましてちょっと御見解を承りたいと、こう思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 足がかりを得たと確かに申し上げております。その理由は、いま先生が表について御指摘のように、正面の中で主要なものについては四割から四割五分程度の達成率になる、年次割りがないわけですから、五分の一で二年分をやった場合に比較しますと、それを超えているものが相当たくさんあるということを申し上げたわけでございます。ところが、五十六年度から新たにスタートするのは非常に低いわけでございますし、正面装備全体では平均して三割五分程度、四割に達してないというのが実情でございます。でありますから、五十六年度だけで判断することはむずかしい、やはり中業は五十九年度までの見積もりでございますので、五十七年度以降も引き続きさらに努力をするということを前提として、足がかりを得たという表現を使わせていただいているわけでございます。先に期待を込めてのあれでございますので、不見識と言われればそれまででございますが、正面のうち主要なものについては平均二割の線をやっと越すことができた。逆に言いますと、初年度である五十五年度が平均二割にもなってなかったものを、いわばおくれを取り戻し、かつ二年目の分をできるだけ主要なものについては予算に計上できるように努力した、このあれを将来にできれば反映さしていただきたいという願いを込めての表現であるということを御理解願いたいと思うのであります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 長官、願いを込めてということを大きな声で言われましたので、よく気持ちわかるわけでございます。少なくとも、いまお聞きしました範囲では決して本当の、足がかりを得たとはいうものの、実質的には必ずしもそうじゃないので、今後努力しなきゃならないというお気持ちを述べられたと思いますが、本当にそういう気持ちで、大変失礼ですが、アメリカなんかにも話さないでもこの内容わかるわけですから、それで得々然とは言われないと思いますけれども、もっと実態を内外に知らした上で、さらにその努力をするというような姿勢を心から望みたい、このように思うわけであります。  次は、私は若干の装備品につきましてお尋ねしたいと思いますが、最近特に海空の増強の声が米国筋からも強く上がっておるわけであります。そこで、特にその中の一つでありますP3Cでございます。P3Cにつきましては、防衛計画の大綱では、海上自衛隊の作戦機約二百二十機で、それから陸上の対潜機部隊は十六隊だと、このようになっています。私は、このうちでP3Cは六十五機、P2Jが三十五機の百機体制、これを一応考えておられるのかなと、こう思います。また中業では、その中でP3C四十五機、P2J三十五機の八十機体制だと。しかもこのP3C四十五機が整備されるのは昭和六十三年ごろだと、このように理解しておりますが、それは間違いございませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) そのとおりでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 そこで、中業の八十機体制の問題、この能力の問題でありますが、この八十機体制で私はここで三つの問題提起をしたいと思います。この問題につきましてお答え願いたいと思います。  その第一は、数百マイル圏の周辺海域、これはこの八十機体制でどのような程度の密度でカバーできるのかということが一つ。  第二番目は、千マイル圏の南西、南東の両航路のシーレーン防護、これで先端部は本当に大丈夫なのかと、八十機体制で。  三番目は、現在もソ連の原子力潜水艦は五十数隻だと言われています。今後ますますこの比率が上がるんだろうと思います。P3Cの四十五機体制でどの程度の海域をカバーできるんだろうか。もちろん、五十数隻が全部この周辺に行動するとは思いませんよ。少なくとも、カバーできる海域として四十五機体制ではどの程度なんだと、この三つをお尋ねしたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまおっしゃいました八十機体制というのは、中業のP3C四十五機を前提にした体制でございますか一もちろん五三中業でございます。それでどの程度のカバーができるかということでございますが、かねて申し上げておりますように、そもそも整備目標としては数百海里、それから航路帯の場合約一千海里というのが目標でございますから、八十機体制の場合でも、それでできるだけの区域をカバーしていくということになるわけでございますが、具体的にP3Cの能力でもって何海里までのカバーができるかということにつきましては、数字を発表することは控えさせていただきたいと思います。ただ、いまの八十機体制で、いま防衛庁が言っている数百海里なり航路帯約一千海里というものがカバーできるという自信があるのかと言われますと、まだそこまでこの五三中業の整備目標では十分であるとは思っておりませんということだけを申し上げまして、具体的に周辺海域何海里までカバーができるかということは控えさせていただきたいと思います。  それから、千海里の先端部はどうかということでございますけれども、これもいろいろな条件があると思いますが、P3Cが四十五機そろった場合に、大体その千海里の先端のどの付近がどういうふうにカバーできるかということになりますと、これは具体的な作戦の内容になってまいりますので、一般的に先ほど申し上げましたように、いま私どもが整備目標としておる海域を十分カバーできる整備内容であるとはまだ必ずしも思っていないということだけで御了解いただきたいと思います。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 三番目は。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 原子力潜水艦が約五十隻おるではないかということでございますが、いま申し上げました海域の防護の問題は、結局こういった潜水艦に対する防護の問題でございますから、それに対しまして、いま申し上げましたように、この八十機体制で必ずしも十分と思っておるわけではない。ただ、五三中業の目標としてそこに整備目標を置いているんだ、こういうことでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 そうしますと、防衛計画の大綱で言われていますですね、百機体制。百機体制になれば、その海域は、その航路は大体カバーできる、こういうお考えですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) これも具体的にいろんな事情が想定されますので、一概にできるとかできないとかということは大変申し上げにくいんですが、百機になればずいぶん事情が改善される、こういうことは申し上げることができます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 私はこの辺、一応防衛計画の大綱も一つの枠でやりましたから、当然十全は期し得ないんだろうと思いますが、最近の状況を見ますると、やはり機数だってもっと要るじゃないか。百機じゃ足らないじゃないか。もちろんP2Jがその中で相当比率を占めている、それじゃ全く意味ないなんということは言いませんけれども、大変心配だな、こういう感じがいたします。これ以上は言いませんけれども、こういったような面をもっとはっきりと浮き彫りさして、実態をしかるべき責任者は知ってもらわなければいけないんじゃないかな、こう思うわけであります。  次に、E2Cについてお聞きしたいと思いますが、防衛計画大綱では一個隊になっていますね。それから防衛計画大綱では約四百三十機。私の理解では、作戦機四百三十機のうちで一個隊というのは大体十機ぐらいを考えておられるのかな、こういう感じでございます。ところが中業では一個隊八機になっています。それから、八機というのは大体二個ポイントをカバーするものだ、このように理解をしていますが、それは間違いありませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 八機で二個ポイントのカバーを目指しておることは御指摘のとおりであります。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 機数は。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 八機で二個ポイント。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 大綱。大綱の機数。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) これは八機の場合が在場予備をとっておりませんので、在場予備をあと二機程度は要るんではないかと思っております。そういう意味では十機ぐらいになると思いますが、具体的に大綱の中で何機というふうに決めておるわけじゃございません。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 このE2Cの一機の作戦行動時間というのは大体どのくらい、それも言えませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま正確に時間を覚えておりませんので、後ほどお答えいたします。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 そうしますと、実際に可動機が一個ポイント四機あれば二十四時間体制は大丈夫なんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) E2Cの滞空時間は六時間でございます。  それで、いまの最後のお尋ねの二十四時間体制は大丈夫かということでございますが、これは現在八機二個ポイントというのは二十四時間体制ではございませんで——失礼しました。一個ポイント四機で二十四時間体制でございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 それは実際に可動機が四機で二十四時間になるわけですね、一機で六時間ですから。ですから、ある期間やろうとすれば当然予備機がなければ穴があいてしまう、これはもう明瞭でございますね。私は、二個ポイントそれ自体にも問題があると思うんです。もちろん、必要のときに運用するのでしょうからある程度はカバーできると思いますが、二個ポイント程度で本当に日本の防空の穴を埋められるんだろうか。常識的に考えれば、とてもそんなことで埋められませんですよね。しかも私は、現在の情勢から見ますと、先ほどもいろいろ奇襲の問題も出ていましたけれども、何とかもっと必要な機数をもっと早くやるという考え方、これ強力にやはり、これもP3Cと同じように打ち出すべきじゃないか、こう実は思うわけであります。  もう時間がありません。最後に私は、陸の問題につきましてもちょっとお聞きしたいと思います。  どうも最近になりまして、アメリカ筋からの海空増強、海空増強といいますと、全く軍事をわかってない素人は、もう海空さえ増強すれば日本は安全なんだ、あるいは海空さえ増強すれば陸は減らしてもいいんだと、こんな短絡した考え方を持つのが大分多いんじゃないかと思います。まさか防衛庁はそんなことは考えておられるわけじゃないと思いますが、日本の防衛に占める陸上自衛隊の役割りというものをこの際はっきりさしていただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) わが国の防衛は、侵略の未然防止を基本とし、万一わが国に対する侵攻がある場合にはできるだけ早期にこれを排除することとしております。陸上自衛隊は、侵攻に際しては主として陸上において行動し、これを阻止、排除することを主たる任務としており、海上自衛隊及び航空自衛隊とともに、わが国の防衛にとって重要な役割りを果たすものと考えております。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 時間がありませんから、突っ込んだところをこれ以上の質問はしません。しませんが、その辺を本当に誤解しておる人が多いと思います。もっと防衛庁、よく国民にも政治家にも、だれにもかれにもわかるように積極的にやっぱりやっていただく必要があるんじゃないか、このように思われてなりません。  それでもう一つ、この前の予算委員会の総括質問のときに、玉置議員の方がわが七四戦車につきまして、レオパルトIIなんかと比較して問題にならないじゃないかということを強調されたわけでございます。恐らくもっといい戦車を早く出せと、こういうことだと思いますけれども、もちろん戦車につきましては、予想する戦場の地形とか運用の構想とかによってそれぞれ特性があるわけでして、七四戦車、私自身はもうもちろんいまの段階じゃ十分役に立つ戦車だと思っていますが、ただこの戦車の問題については、私は二つ問題があると思っています。  一つは、何といっても陸上自衛隊の場合、戦車の装備密度が低いじゃないかというのが一つであります。それからもう一つは、現在の程度でいきますと、七四戦車の比率、六一戦車に対してこれがやはり少な過ぎるじゃないかと。だから、七四戦車の装備比率というものをもっともっとふやさなければ、第一線の部隊は必勝の信念を持ってやれと言ってもやれやしないじゃないか、こんな気がするのが第一であります。  二番目は、この前比較されましたレオパルトIIにしてももうやがて量産に入ると、こういうことでございます。ところが、この戦車と比較すればやはりいろんな面において日本の七四戦車は落ちる。そこで、新しい戦車を早く出す努力が防衛庁でも続けられておる。ところが、これは私の認識違うかもしれませんが、現在の計画では昭和八十八年ごろにならなければ新しい戦車出ないんじゃないかと、このようなことも聞いておるわけです。それじゃいかに何でも遅過ぎるじゃないかと——これは間違いかもしれません。もっとスピードアップをして新戦車体制に移行する、これに対する努力をしなきゃならないじゃないか、こう思いますが、いかがでございますか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) いま戦車について有益な御意見をお教えいただきまして、全く同感でございます。実は私の地元にも戦車の大隊があるんですけれども、時たま行ってみるんですけれども、米軍供与の三十年前の戦車も若干ありますし、あとは六一でございます。もう十数年前のあれでございます。そこで、七四の戦車を中業におきましても三百両予定しているわけですけれども、できるだけ早く、早期に達成して、北海道だけでなくて、以外の内地の部隊にも早く整備できるように持っていきたいと考えているわけでございます。  それから、八八の点でございます。これは全く略称でございまして、私も先日技術研究所へ行きまして、いい研究が進んでいるのならできるだけ早めてほしいということを要望してまいったわけでございます。八八年採用だから八八だという名前をまだつけているわけでもございませんので、もっと早くできるように、しかも内容のしっかりしたものができるように技研にもさらに努力を要請してまいりたい、さように考えているわけでございます。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 さっき昭和八十八年と言ったのは大間違いでございます。一九八八年でございます。  いまから努力すればどのくらいそれスピードアップできるんですか、技術的に。一に金ですか、大蔵省の。

番匠敦彦防衛庁参事官

○政府委員(番匠敦彦君) 新戦車の研究状況は、五十六年度に最後の締めくくりの研究の予算をいま御要求しておりまして、これで研究段階が一応終わるという段階でございます。したがいまして、五十七年度以降の段階におきまして今度の新しい戦車のリクァイアメント、要求性能をどういうふうにするか、あるいは開発のスケジュール、どういうふうにすべきかということをまじめに検討する予定にしております。したがいまして、現時点におきましてどの程度スピードアップできるかということは、はっきりとしたことは申し上げられませんが、七四の戦車の場合におきましても、二回の試作で約六、七年の開発期間を要しております。しかし、やりようによっては一、二年の短縮ということは不可能ではないというふうに、私見ではございますが、考えております。

堀江正夫自由民主党・自由国民会議

○堀江正夫君 もう一つだけ。  私は平和なときの防衛力整備に対する考え方自体と、もう現実的なものになろうとしておるときの防衛力整備の考え方、基本的にもちろん違うと思います。したがって、平和な時期のあの現在の防衛計画の大綱、防衛力の整備計画の考え方と、現時点でわれわれが真剣に考えなきゃならない防衛力整備計画というのは当然違ってしかるべきだと。具体的に言うと、はっきりした政府の目標、時期というものを決めて、そうして総力を結集すべきじゃないかと思いますね。少なくも私は、防衛庁は、総理が言っておられるように防衛計画の大綱の水準達成が先なんだといったようなことでは本当の現在の実態をつかんでおられぬわけですから、そんなことでは国民は納得しないと思います。防衛庁としても責任が果たせないんじゃないか、国民に対する。こう私は思われてならないわけなんです、いつも言うことでございますが。特に私は武器の効率なんかにつきまして、効率で、耐用年数ということを言われますね。この耐用年数の問題なんかは、一般企業においては国際競争あるいは国内の競争に打ちかつためにはもう先行投資をやる、そうして絶えず競争力のある効率的なものにしていく、このために努力していますね。ところが武器の場合は、そういう観点よりも、まだ大砲はあんまり損耗していないからかえる必要ないじゃないか、こういったような考え方がやはり基底にある。そんなことじゃいつまでたっても変わるはずがない。何しろ戦闘が行われているわけじゃないし、訓練用の弾薬も少ないわけですから。そうすると、なるほど持っているけれども、相手の方に対応できないようなものを持っているということになる。それは武器そのものの持っている意義、これともう全く離れてしまっているんじゃないか、私はそう思うわけです。経済活動において競争力をつけるために常に新しいものを求めてそのための投資をやっていくと同じように、私はこの武器の問題も同じ考え方に立ってやらなければ、とてものことに張り子の大砲、トラになってしまうんじゃないか、このように思われてなりません。ひとつ、長官がもっと実態に即して責任を果たしていただきますように、何度も何度も繰り返して申し上げておるところでありますが、今後とも御努力を願いたい、心からお願いをしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

和田静夫日本社会党

○主査(和田静夫君) 以上をもちまして防衛庁所管に対する質疑は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会      —————・—————

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