予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/27
会議録
○源田実君 ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査の選任につきその議事を主宰いたします。 これより主査及び副主査の選任を行います。 選任につきましては、先例により主宰者の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○源田実君 御異議ないと認めます。 それでは、主査に和田静夫君、副主査に田代由紀男君を指名いたします。 ――――――――――――― 〔和田静夫君主査席に着く〕
○主査(和田静夫君) ただいま皆様の御推挙によりまして主査を務めることに相なりました。皆様の御協力を得ましてその責務を果たしたいと存じます。 よろしくお願いを申し上げます。 ―――――――――――――
○主査(和田静夫君) 審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたします。 本分科会は、昭和五十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、通商産業省、経済企画庁、防衛庁及び大蔵省所管を審査することになっております。 来る四月一日の委員会において主査の報告を行うことになっておりますので、議事を進める都合上、主査といたしましては、本日は通商産業省、三月三十日は経済企画庁、同三十一日は防衛庁、四月一日は大蔵省の順序で進めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○主査(和田静夫君) 次に、お諮りいたします。 各省庁予算審査の冒頭、各省庁から聴取する予算の細部にわたる説明は、これを省略し、それぞれの審査日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(和田静夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ―――――――――――――
○主査(和田静夫君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。 本日、中村鋭一君が分科担当委員を辞任され、その補欠として、伊藤郁男君が選任されました。 ―――――――――――――
○主査(和田静夫君) 昭和五十六年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中西一郎君 時間が余りございませんので簡単に申し上げるのですけれども、まず第一に、けさの新聞によりますと、アメリカの自動車の関係、こちらの政府は百七十万台を確保したい、アメリカは百四十八万台と言っておるというような記事がございます。いずれにしてもこれからのことでございますから、御要望を申し上げるのですけれども、こちらにも独禁法がある、向こうにも独禁法がある、自由貿易のたてまえでやっていくのだと、両方そう言っている。しかも数字はどうするか、その期間を二年にするとか三年にするとかということも伝えられておる。自由と統制というものの合間をどう処理していくか、これは大変むずかしい問題だと実は思うのです。繊維などでもすでに御経験がおありなのですけれども、その辺について万遺憾なきを期していただきたい。これは要望でございますので答弁は要りません。 それから次に、先般の総括で若干触れまして、大臣から御答弁ございました。問題意識は十分持っていただいたと思うのですけれども、対策がもう一つはっきりしないというので、きょう質問をさしていただくわけです。 まあレアメタルとか、クリチカルマテリアル、これは何といいますか、言うならもう戦略物資、アメリカの方ではGSA――調達庁ですか、調達局をこしらえて全産業、全生活にかかわりのある物資であるということで、量的には大したことない。しかし、御存じのように、その品目は相当多岐にわたります。そういう意味で諸外国を調べてみますと、アメリカが一番よく非常用の備蓄をしている。ところが日本の場合は余りやってない。というよりも、この間も御答弁ありましたが、ニッケルで九日分だったですか、六日分だったか、それからクロムで三日分、平常在庫のほかにはそのぐらいしかないんだという御答弁がありました。そんなことではさあというときに大変なことになるんではないか。特に産出国の一番大きいと言われておるアフリカの中部から南部にかけての周辺にはキューバ兵が張りついておるということも申し上げました。いろんな国にいろんな人数のキューバ兵と東ドイツの顧問団が張りついておる。アメリカの方ではその事態をもう十年ほど前から騒いでおるのですけれども、このままでは、ソ連自身はそういった希少金属については相当国内で産出をする。にもかかわらず、アフリカを押さえようとしておる。これはアメリカに対するソ連の一種のバーゲニングパワーを強めるための、資源地帯の、何といいますか、制圧にあるのではないか、こういう観点で実は騒がれておるのであります、御承知のとおりであると思う。石油とか、今度はプロパンガスですか、備蓄をする、これは非常に結構であります。ところが、マンガンとか、コバルト、クロム、アスベスト、ニッケル、亜鉛、銅、そのほかいろいろありますが、こういったものについては鉄鋼業界も若干関心を持っておる。フェロアロイ業界ですかも若干の関心を持っている。それぞれ関心は持ちながら、非常用備蓄ということについてはだれも本気になって考えてない。最近産構審で専門委員会ですか、何かできたそうですが、その経過をちょっと簡単に教えてください。
○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。 いま先生お話のございましたように、希少金属につきましてはその備蓄の重要性は私どももかねがね認識いたしておりまして、できる範囲ではいろいろなことをやってはきておりますが、御指摘のようにまだ全く不十分な段階であるということはそのとおりでございます。今後どういうことでこういう備蓄体制を整備していくかということで、関係業界でその認識を高めるための努力はもちろんいろいろいたしておるわけですが、同時に、私ども通産省といたしましても現在の備蓄体制を強化することが経済安全保障その他の観点からも非常に重要であるということで、産業構造審議会の中に経済安全保障対策小委員会というものをつくりまして、そこで、今後経済安全保障の一環としてレアメタルの備蓄などについてもその場で今後検討を進めていきたい、かように考えております。
○中西一郎君 いま局長から御答弁がありました。私、手元の資料で言いますと、テレビからラジオから自動車、ステンレスそれから工具、特に超硬工具なんかもそうでしょう。電子炉もそうだし航空機もそうだし、いろんな用途、われわれの生活を取り巻いておる、音響機器なんかもそのようです、いろんなものにこれ、必需品になっている。だから、これがなくなりますと日本の全産業がストップすると言って過言ではない。輸出はできなくなる、外貨はかせげなくなる、そういう意味では石油やプロパンガスに劣らない大変な重要品目ではないかと思う。ミサイルでもそうですし魚雷でもそうですしね、そういうことを考えますと、物騒な話は別として、一人一人の消費者に、生活者といいますか家庭の奥さん方にこういう問題があるということを認識してもらうことが第一。それから家電メーカーとかあるいは自動車メーカーとか、いま申し上げましたような関連産業、そういった人たちがこういうことについて余り意識を持っていない。このままでほうっておいていいのだろうかということを大変心配するのですが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(田中六助君) せんだって中西委員にお答えしたと思いますけれども、私どもも石油あるいはLNG、LPG、そういう問題の備蓄方法についてもいろいろ国会にもお願いしておるわけでございますけれども、レアメタル、この希少金属というものに対しましても世界の動向を見ておりますと中西委員の心配、御指摘の点が私どもも十分わかりますし、またいろんな資料等で認識をしておるわけでございます。いま、わが国では社団法人の希少金属の備蓄協会というものができておりまして、政府並びに民間からの出資でこの備蓄を行っておりますけれども、現在のところ、やはり非常にその備蓄の量が世界の先進国に比べますと低くございます、ニッケル、クロムあるいはいろいろなものがございますが、私ども聞いておるところ、せいぜい一週間分ぐらいというふうに聞いております。したがって、これをさらにふやさなければならないという強い認識を持っておりますし、この点、中西委員の御心配ももちろんでございますけれども、私ども、国家のためにもそういう点を十分踏まえて努力していきたいというふうに考えております。
○中西一郎君 もうこれで終わりますが、物価対策にも関係があるのじゃないかと思うんです。何かのときにコバルトが二倍、三倍どころじゃない、五倍にも何倍にもなったという時期もございました。そういうことを考えますと、物価対策とは決して無縁でないということもございます。 そこで、金利、倉敷の補助をするのか、どうするんでしょう、あるいは特殊金融機関から融資をするとか、受けざらの方としては、いま私が申し上げましたようないろんな産業界にその危機意識を持ってもらいまして、何ぼかお金を出して、団体でもこしらえて共同備蓄するというようなことも考えていいのではなかろうか。さらに、アメリカの方もこのことには大変関心を持っておりますから、日本の方から何と言いますか日米共同備蓄のようなことについて話し合いをしてみる。向こうもそれには乗ってくるという感触を持っておる専門家もいます。そのことを申し上げておきますが、どうか、時間がかかるというこの間御答弁をいただいたので大変気になりましたので、重ねてきょう質問をさしていただきましたが、できるだけ早い機会に経済安全保障、あるいは経済だけの問題ではございません、広い意味で対策を早急に立てていただきたい。 特に、重ねて申し上げますが、末端のそういう需要家の死命を制する材料であるということを末端の業界に知らしめる、よく知ってもらうということから出発せざるを得ない。ひとつ、しっかりやっていただきたいと思いますので、御決意を伺って質問を終わります。
○国務大臣(田中六助君) 先ほども申し上げましたように、日本だけではなくて米国と日米共同備蓄やったらどうかという御意見も含まれておりますけれども、IEAなど、やはり各国は百四十日分ぐらい石油を備蓄して、それを相互に埋め合わせていこうというような発想法もすでに石油の関係はでき上がっております。したがって、日米間で共同備蓄しよう、あるいはその他の国々も含めて共同備蓄ということは当然私は将来の展望としては考えられますし、そういうことも含めまして備蓄体制を整備すると同時に、民間の人にも十分こういうレアメタルに対する危機意識という認識も含めて、ぜひともそういう方向に努力していきたいというふうに思います。
○対馬孝且君 政府の原子力基本政策についてひとつお伺いをしたい、こう思っているわけです。 それは、最近の柏崎・刈羽原発、つい最近では浜岡原発の公開ヒヤリングもございました。また窪川町の原発推進派の町長リコールも成立をいたしております。こういったような問題をめぐりまして、地域住民の不安というのも非常にやっぱり高まってきている。また各地での大きな混乱も生じている。言うまでもなく原子力発電所のアメリカのスリーマイル島の事故に見られるような予想しない事故も発生しているわけですから、これから実用化推進のための安全性の問題はきわめて重大な問題だと言わなければなりません。また、いまなお放射性の廃棄物がいまだに政府側においても処理方法が決まっていない、むしろ検討の段階にあると言わなければなりません。そういう意味では、耐用年数を過ぎた原発の処理を一体どうするのか、あるいは先ほど申しました廃棄物処理のこれからの問題等も山積しているわけでありますが、こうした危険性のある、いままだ国民の、住民のコンセンサスが、また非常に不安が高まっている、こういう段階で、これから政府としても原子力発電を推進するというわけでありますが、まずこれに対してひとつ大臣なり政府側の基本方針をお伺いをしたい、こう思っているわけです。
○国務大臣(田中六助君) 原子力発電所につきましては、政府としては長期エネルギー需給暫定見通しという計画を持っておりまして、十年後にはぜひとも現在の原子力の需要量を五千百万キロワットから五千三百万キロワットまで持っていきたいと、これは日本の石油に対する依存率が非常に強うございますので五〇%までに十年後低めたいと、そのかわりとして代替エネルギーといたしましてあるいは省エネルギーなども含めましてこれらを半分の五〇%ということを考えております。したがって、その中の主要なものとして石炭とか原子力あるいはLNGとか地熱、太陽熱もございますけれども、その中の代替エネルギーの一つとして原子力というもの、そして原子力発電所というものを考えておるわけでございます。 原子力発電所はコストの面でも石炭、石油などの火力発電よりもかなり、極端に言えば半分くらい程度じゃないかというふうにも言われておるコストでございます。現在二十一基から二十三基ぐらい稼働しておりまして、将来はこれを三十五基ぐらいに持っていきたいという考えでございます。 しかし、そういう考えが実現するためにはやはり安全性というものの確保が先行しますし、ぜひともそうなければなりませんので、そういう点の配慮あるいは研究というものは間断なく続けていくと同時に、また日本は御承知のように特殊な原爆の経験も背負った国でございますし、その点も言うと言わぬとにかかわらず頭に十分置きましてPRあるいはそれらに対する立地の助成金などあるいは立地交付金なども含めまして何かと十分な対策をとって原子力発電所の推進に当たりたいという基本方針を持っております。
○対馬孝且君 いま大臣から基本的な態度ございました。何といっても安全性という問題がいまなお国民の間の不安、最大の課題になっている、この認識は大臣もしているようであります。 特に被爆国民としての認識を深めて安全性をひとつこれから研究を進めたいということ、同感でありますが、そこで私は大事なことは、このたび高知県の窪川町における原発推進派のリコール運動が成立したわけでありますが、これをこれからの原発を推進する場合に、いわゆる政府側としてどうこれを受けとめどのような教訓として生かすべきなのか、ここらあたりが非常に私は大事な、これから原発を進めるに際しての問題点だと思っておりますが、この点、まずひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) ただいまお話のございました窪川町の町長のリコール問題につきましていろいろ地元の事情もあるやに聞いておるわけでございますけれども、とにもかくにも結果がああいうふうになったわけでございましてリコールが成立したわけでございます。これはまあ窪川町の町民の皆様の一つの御判断というふうに受けとめざるを得ないというふうに考えております。 いま先生からお話のございましたように原子力発電問題につきましては何といいましても安全性ということが基本的な問題でございまして、今回のリコール問題に絡みましても、その他の事情があったにいたしましても、結果がああいうことになりましたことは安全性の問題につきまして窪川町の町民の皆様方の中に必ずしも十分なる御認識が得られなかった、つまり言葉を返して言いますと、安全性の問題につきましてかなりな不安な御意見があったのではないかというふうに受けとめざるを得ないということでございまして、私どもは基本的には原子力発電は安全なものであると思っておりますけれども、なお国民の皆様、特にこのケースで申し上げますと窪川町の町民の皆様に十分その辺の趣旨が徹底されなかったということにつきまして反省をする必要はあるのではないかということでございまして広く国民の皆様方により一層の安全性のPRに努めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○対馬孝且君 いま森山長官からこの窪川町の結果についてのいわゆる受けとめ方について、私なりに謙虚に受けとめられていると、こう思います。やっぱり私は大事だと思うのは、朝日ジャーナルの、お読みになったと思いますが、三月二十七日号のこの間の窪川町の実態に対して出ておりますが、私はやっぱりこの三点が非常に大事じゃないか、こう思うのは、これは私はほかのことを申し上げませんが、北海道電力、北海道ですから、私申し上げるのでありますが、どうしても北海道においては電力会社というのは一つであって、一社体制というものが、おごり高ぶった独占の体制というような、北海道では後からも申し上げますから、いまの段階は抽象的に申し上げますが、そういう受けとめからいきますと特にきのうも環境庁長官が朝日の投稿欄に大臣みずからこれは投稿しているというわけですから意外性を感ずるのでありますけれども、環境アセスメントがなぜ早期に成立できないかと。これに対してはかなり一部の財界が抵抗していまなお提出に至っていない、非常に遺憾だということを投稿欄にまで大臣が出すというのは、私もここへ入ってずいぶん国会へ出てきて七年になりますが、初めてのことであって、そういうところからいくとやっぱり私は第一点はどうも電力資本、電力会社というのが環境アセスメントに対してかなりの抵抗をしてきた、これはやっぱり率直に私は言えることだと思うのですよ。そういう意味では電力会社の基本姿勢というのは反省されるべき、窪川町の経験というものを、むしろ北電を言っているのじゃなくて、私は電力会社として、資本として反省されるべき点があるのじゃないかということが一点。 それから二つ目の問題は、やっぱり大事なことはいまも原発に対する安全性という問題が非常に問題だ。そこで科学的な環境影響に対する評価ということが住民にいまなおはっきり受けとめられていない、理解されていない。これが私は第二点の問題点である。 第三は、大事なことは住民のコンセンサスを得る、これは後からもひとつ浮き彫りにして質問してみたいと思うのでありますが、やっぱり公開ヒヤリングがただ非常にマンネリ化しているというよりもやればいいという式に終わっているのじゃないか、ここらあたりがどうも儀式化して形骸化しているのじゃないかという問題。いま一つは朝日ジャーナルでも言っておりますけれども、私も五十一年五月十一日、当時の河本通産大臣に北海道の現状の問題で触れて言ったことがあります。やっぱり札束で往復ビンタをはってそして原発を強行するという事態は必ず行き詰まる。私は現にこれ五十一年国会で質問しております。時の河本通産大臣もこれに対しては全くその点はそういう誤った原発の仕方、電力行政のあり方は直さなければならないということを言っておりますが、私はそういう意味で朝日ジャーナルに出ておりますけれども、金で何でも問題解決をしようという、たとえば交付金を出した、今度新たにことしの予算で地元の電力料金を三百円から七百円まで下げるといった何か金で地元を説得すれば何とかなるというこの物の発想はいかぬと私は五十一年からしゃべっているんですよ。これは後から申し上げますけれども、これも具体的な事例があるから申し上げておきたいのですが、そういう視点を私が言っているのじゃなくて、朝日ジャーナルが取りまとめた世論の声を総括的に四点ほどまとめていますが、私はこれやっぱりいま長官が素直にあんな反省で受けとめていますから申し上げませんけれども、こういう受けとめ方をやっぱり原点として見直していく必要があるのではないか。こういうふうに考えますが、この点まずどういうふうにひとつ受けとめておられるかちょっとお伺いします。
○政府委員(森山信吾君) いろいろ問題の御提起があったわけでございますけれども、特に公開ヒヤリングの問題あるいは五十六年度の予算で御審議をお願いいたしております新しい特別交付金の問題につきまして御批判があったわけでございます、確かに私どもが考えましても、いまの先生のお言葉をおかりいたしますと、札束でほっぺたをひっぱたくというようなやり方はおかしいというのは、まさにそのとおりだと思っておる次第でございます。ただ、電力会社がいろんな発電所を立地するに当たりまして、いろいろ地元との権益の調整ということになりますと、たとえば漁業を従来長い間やってこられた方が転換をされますと、漁業からほかの方向へ生活の転換をされますにつきまして、そこに何らかの補償が行われることは、これは当然のことではなかろうかというふうなことでございまして、そういう意味におきまして、私どもは生活様式の転換に対する補償という観点からは十分なことを考えなくちゃいかぬのではないかという気持ちを持っている次第でございます。 それから、特にただいま御審議をいただいております予算の中の原子力発電所周辺地域特別交付金制度につきましては、これは単に原子力発電所の立地を促進をするという観点だけではなくて、そこに地元の地域振興という観点を取り入れていく必要があるのではないかというのがもう一つの大きなねらいであるわけでございまして、従来は電源立地、特に原子力発電所の立地の是か非かという二者択一の議論がずっとまかり通ってきたわけでございまして、これは私は大変不幸なことじゃないかなと思っているわけでございます。私どもは賛成推進派でございますし、また逆の価値観をお持ちの方はそれをとにかく阻止をしようということでございまして、原子力発電所の立地をやるかやらないかという二者択一の議論ではなくて、むしろエネルギーサイドの問題と同時にあわせて地元の振興という観点も検討していく必要が出てきたのではないかということから、新たに特別交付金制度を設けさしていただきたいというわけでございますので、原子力発電所をてこにいたしまして、その地域の振興を図っていくという考え方を取り入れたということをぜひ御理解を賜ればありがたいというふうに考えている次第でございます。
○対馬孝且君 これは五十一年にも申し上げて、いま事例を私挙げましたが、電気料金の予備費の中に当時一億二千八百万という金を使って、当時岩内町の町の反対のボスを実は玄海灘であるとか東海村に連れていって調査までは結構なんだが、帰りにあなた率直に申し上げて、これは私が言ったんじゃなくて、全部道議会で問題になったことですから、取り上げられまして、晩には、畳が終わってから東京をはとバスで見学をさして、夜はチャンチキオケサで騒いで、そして帰っていったら途端に反対が賛成に変わっていったと、こういう露骨なことが実際行った人の中から告発を実はされたという問題がこれは五十一年にもありまして、それが電気料金の一部に実はかかわっているというようなことが、私が言っているのはそういう意味のことを言っている。そういう意味の札束でほおを何とかやれば、原発というものはとにかく理解いくのだという物の発想が、私はやっぱり今度の窪川町の例が教えたと思うのです。そのことを私は言っているのであって、それはもちろん公共施設あるいは地域の振興対策としての施設なんというものは、それなりに私は評価していますよ。ただ、そういう物の発想で電源開発ができるのだという、そういう物の考え方をやっぱり直さない限り私は住民というものはそうじゃない。やっぱり体は売っても心は売らぬという、安全性に対する怒りなり安全の確保というものがしっかりなければ、ぼくはこれからの原発行政というものは推進しない。 これは私も現地に一月に行ってきたわけですから。一月十一日にばくは行ってきたのです。去年の十月も行ってきていますがね。そのことを率直に私は受けとめておるものですから、そういう視点で窪川町のひとつ体験を生かして、まあいまも長官からありましたからあれですが、この点ひとつ大臣、そういう物の考え方がどうかと、私は率直にそう思うのです。決して痛めつけるとかどうだとかそんなことを言っておるんじゃなくて、国民の立場からもそういう原点からやっぱりスタートしなければならない原発行政のあり方が問い直されているのではないかと、こういうふうに私は受けとめて、何も責めるとか責めないとか、そんなみみっちい根性はありません。私を含めてそういうやっぱり原点に返る必要がある、こう思っておるのです。大臣、いかがですか。
○国務大臣(田中六助君) 窪川町の町長リコールの問題にあらわれておりまするように、非常に投票率も九一%を上回る投票率でございましたし、結局リコールが成立したわけでございます。これは私ども、先ほどエネ庁長官からも申し述べましたように、大きな反省として受けとめておりますし、またこれとは別に、原子力発電所を誘致する場合に、それぞれの住民の方々、関係者などを招待してどんちゃん騒ぎをするというようなことで、つまり札束でいろんな心を動かさせるというような発想、これは全く本質をゆがめたもので、そういうもので原子力発電所あるいは原子力行政というものを結びつけ合わせることは全く笑止千万なことでございますし、私どもはそういう考えは持っておりませんけれども、まあそれぞれの関係筋でそういうことがあるならば、そういうことのないように、もちろん私どももいろいろ現地へ赴いて視察あるいはいろんなPR体制がございますので、そういう変なPRの仕方じゃなくて、本質的な物の考え方、健全な物の考え方でPRをするように努めると同時に、本当の理解、本当の協力、そういうものこそとうといものでございますし、長続きがするわけでございますので、その点は十分踏まえて行動したいというふうに思います。
○対馬孝且君 いま大臣から率直なあれがございまして、まさにそういういわゆる住民の安全の理解ということのやっぱり基本的な立場に立って進めていくものであると、こういう受けとめですから、そのとおり私もぜひひとつそういう考え方でこれから推進をしてもらいたいと、このことを申し上げておきます。 そこで、公開ヒヤリングの問題、これは私もずっと世論を聞いてみました。五十四年一月二十二日原子力発電所立地に係る公開ヒヤリング実施要綱、これまあ出まして、一応私もこれ全部検討して、最近の柏崎・刈羽、一番近い例では浜岡原発がございます。もちろんこれ第一次公開と第二次公開がありますが、そこで問題は――私はずっとこれ社説を取りまとめをしてみました。朝日、読売、毎日、北海道新聞などの総括的な社説をずっとこうヒヤリングに対する問題点ということを私なりに整理してみたのですが、大体こういうふうに浮き彫りされていますね。 確かにヒヤリングをやることは、これは原子力行政懇談会、原子力安全委員会の発想ですからそれなりにあれですが、しかし、いままでやってきた島根にしても柏崎にしても、つい最近の浜岡原発にいたしましても、やっぱり一つは異口同音に言っていることは、ヒヤリングが形式的、形骸化しているのではないか、これは率直に社説の中で言われていますね。第一点。 それから第二点は、もう一つは、やっぱりこれは対話という、この発想が対話から出発してきたわけですから、対話というものをやっぱり重点にしたヒヤリングというものを問い直すべきじゃないか、何かこう限られたもう時間、人数あるいは陳述の仕方という制限列挙の中でやられているわけですが、そういうものはやっぱりどうもこれは対話の精神が貫かれていない、これは第二点、これが異口同音に言われています。 第三の問題は何かといいますと、私はやっぱりこれは問題だと思うのでありますけれども、最終的にはとにかく警察機動隊を導入、そしてそういう監視の中で陳述、そして終了、こういうパターンになっていますね。このことは本当の意味での住民の不安なり安全というものに対して陳述がなされ、解明されているのか。こういう不穏な状況でヒヤリングが行われて、これは本当にヒヤリングとしての生きたヒヤリングになっているのかどうか、これはやっぱり問い直すべきであるというのが第三の問題であると実は言われています。 それから、第四の問題は何かというと、住民の理解を得るためにいま一度このヒヤリングの見直し、ルールというものをやっぱり見直してみるべきではないか、これがまず原点に立った住民の理解を得るという立場での公開ヒヤリングというものをやるべきである、こういうことが基本になっているのですが、この点まずひとつ、どういうふうに現在までの公開ヒヤリングのあり方、これに対して政府側として、通産省側としてどういうふうに受けとめているのか、まずこれを冒頭にお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(石井賢吾君) 私ども実施しておりますのは第一次公開ヒヤリング、住民の理解と協力を得るという観点から、住民代表から陳述人を選び、設置者に計画概要を説明させると同時に、住民の陳述に対して質疑応答を行う。先生の御指摘のように、対話を中心とした運用ということをねらっておるわけでございます。柏崎・刈羽の第二号、第五号機に関しまして第一回の一次公開ヒヤリングを実施いたしましたが、先ほど先生御指摘のような、対話の欠除ということが、われわれも反省としてございます。そこで、第二回目の島根原子力発電所の場合には、発言時間を必ずしも十分に限定いたしませんで、議事運営の許す範囲におきまして質疑、再質疑等を重ねまして、徐々に対話の精神を生かしつつ、その運用を図っておるところでございます。確かに先生の御指摘のような、警察に囲まれた形におきまして公開ヒヤリングを実施しなければいかぬということはきわめて不幸なことだと私ども思っております。たとえば、非常に数多い傍聴人の希望がございますけれども、会場の制約から傍聴人の数は制限しなければいかぬ。必要があれば、あるいはまた私どもは、可能であれば第二会場を設置し、そこにテレビなり何なりを設置しまして、さらに地元住民の方々が公開ヒヤリングの現場、かつその間におきます陳述者、設置者サイドの質疑応答を十分御理解いただくという場を設置したいと思っておるわけでございますが、いろいろな反対行動の関係からそういうこともできないのが現状でございまして、私どもは、できましたらこの反対するサイドにおきましても同じ土俵に上がっていただいて意見を交換し合っていただくということが最も望ましいのではなかろうか、現在の反対行動が阻止行動という形までエスカレートしておりまして、そういう環境制約の中でわれわれは精いっぱいの努力をいたしておりますが、いま先生の御指摘のような、対話のより充実した実現ということで一つずつ改善を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○対馬孝且君 公益事業部長ね、この間柏崎の代表が来まして、これは幹部じゃないですよ、住民の方が来まして、一応私もわが党のエネルギーの対策のメンバーの一人なんですがね、実は懇談をやってみたのですよ。懇談会でいろいろ意見聞きました、私も。ところが、いまあなたが言う対話の方針を貫いて改善していきたいということを言っているわけですが、これはやっぱり実態認識がぼくは全然違うと思うのですね。これは言っておかなければならぬ。これ間違いであれば指摘してもらっていいのだが、柏崎の場合は一応実施要綱に従って、まず電源開発基本計画案、開発調整審議会に付議される前に一応都道府県の地域内の公開ヒヤリングに都道府県の協力を得るということになっているわけだ。そこから始まって、告示が始まり、そして陳述人の告示の手続をやるということになる。ところが、手続といったって、ずいぶん農民団体、漁業関係者、漁業の関係者も来たし農民代表も来ましたが、出したって全部陳述をカットされちゃって、そして柏崎の例を申し上げますと、ぼくが聞いたあれでは、二十人の陳述に対して、これは極端な話、ぼくはまた聞きですからあれですが、賛成している電力関係者の下請の業者だとか、はっきり申し上げますよ、それから労働組合の場合でも、これは電力の関係で賛成している組合員だとか、それから、率直に言うけれども、町の電力推進派になっているポス的商工会議所の代表だとか、どうもそういうメンバーが大半のスタッフを占めたというのだね。素朴な一農民の訴え、漁民の訴えなんだが、私は出したけれども全部とにかく却下されている、受け付けられない。最初からそういう者で、そして十分だ、十五分だ、こういうことで、しかも二十人と。あの柏崎の関係は、ここに和田先生もおりますけれども、新潟のあれですからよくわかるのでありますが、たとえば岩内原発、後から申し上げますけれども、岩内村にしたって、三十キロ以内周辺をずっと回って北海道に当てはめて考えますと、何だかんだ言ったって小樽、あれも入りますから、あそこからずっと入れる、そうすると、約二十万を超える原発周辺の関係町村というと、仮に最大限しぼっても一万六千ぐらいになるのですよ、北海道の場合、仮に余市まで入ったとして。その一万六千の中でだった二十人の代表を出して、これで原発の疑問が解消されましたと。しかも時間は六時間、こういうやり方では、私はやっぱり社説が異口同音に訴えているように、やればいい、やったという儀式、形骸化というのはぼくは免れないと思うんだな、この点だけは。だから、その点について、本当に聞きたいという方々が陳述から全部除かれる。しかも、これは本当に代表質問と同じだ、ぼくも聞いたけれども。あなた、ちょうど国会の本会議場の代表質問と同じで、私も何回もやっているからわかるが、演説ぶって大臣が答えるということで、そういうものだというのです。これじゃ対話じゃないでしょう。あなたが対話を貫きたいとおっしゃるならば、少なくとも疑問点について、後から申し上げますけれども、たとえば地質学上の問題、漁業問題、環境影響評価の問題、農業問題、幾つかあるわけね、課題が。そういうものに対してやっぱり、きょうのこの委員会のように疑問を解明し、ただすというならわかるけれども、代表質問みたいに、ただ事前に陳述をさしておいて、十分間しゃべらして、そして通産省の政府専門家がそれに対して、ただ、お答えをいたしますというふうに書いたものを読み上げるという、鈴木総理と同じで棒読みで読んで、はい、これで一日終わりました、これでは私はやったというだけであって、それはやっぱり形骸化と各社が世論的に批判するのは当然であって、私はそういうやり方ならやめた方がいいと思うのですよ。私はこれは五十一年ですね、当時、北海道で北海道ガスというのが七名の事故を起こしたときに、私が提起しまして民間公聴会をその後やるべきだと。電力料金問題、それからガス料金の値上げの際も申し上げましたが、民間公聴会をやれと。そして北海道はやりました。日本で初めてのケースであれをやったわけでありますが、当時の増田エネルギー庁長官と私話し合って、増田長官も理解していただきまして、やって、それなりに成功したわけですな、結果的にあれば。だから、どうも民間公聴会のときはきちっと、思う存分安全問題について言いたいことは言う、それから聞きたいことは聞く。だから、こういうたとえば柏崎の場合もそうですけれども、少なくともやっぱり二万なり三万の、関係市町村が集まって、それでたった二十人と、時間は六時間、しかも十分程度と、こういうようなことで、こういうことは本当の意味での安全を解明し、住民の危険というものを解消することにならないと私は思う。この点公益事業部長そうおっしゃいますけれどもね、私はそういうことにならないと思う。これこそ本当にただやったというだけに過ぎないと、こういうふうに考えるのですがね。どうですかね、これ。
○政府委員(石井賢吾君) ひとつ御理解を得たいのは、公開ヒヤリングだけを抜き出しました見方と、一連の立地手続を進める過程におきます公開ヒヤリングの位置づけという後者の見方もまた必要ではなかろうかと思っております。私ども電力会社を指導いたしまして、周知徹底と同時に疑問解明に当たるという地元説明会の開催を通じ、かつその間にあらわれました意見は私ども十分承知しておりますし、それらの集約の上に立ちまして公開ヒヤリングを実施いたしておるわけでございます。その意味におきまして、先ほど先生御指摘のような、何十万という住民の中からわずか二十人というお話でございますが、設置者サイドにつきましてはいわば地をはいするような形で小集会における説明会を行い、また通産省のルールで定めました環境影響レポートができました段階におきましては、その一ヵ月間の縦覧期間中に地元説明会を義務づけておりまして、たとえば前回東北電力の巻原子力発電所に関します地元説明会は数日にわたって開いたわけでございます。そういうような形で行われました地元説明会の実績の上に立ちまして、言うならば総括締めくくりのような形で公開ヒヤリングを開催いたしておるわけでございます。 それで、御指摘の柏崎の例で言えば、陳述希望が相当大幅にカットされたというお話でございますが、私ども柏崎・刈羽の場合は陳述希望者四十三名ございました。そのうち陳述項目の重複を避け、かつ地域の偏在を避けまして、立地市町村及び隣接市町村から陳述人を選定いたしたわけでございます。また、島根原子力発電所の場合には四十名の陳述希望のうちから選定をいたしておりまして、私どもとしましては原子力発電所の立地にかかわる諸問題につきまして二回の経験を経まして、地元の住民との関係におきます大きな問題点はせいぜい二十五ないし三十項目ではなかろうかというふうに考えておりますが、それらの項目の重複を避け、かつできるだけ幅広く立地市町村、隣接市町村の方々の意見を聞くというのであれば、能率的運営をする限りにおきまして二十名の陳述をお伺いし、かつそれに対して疑問を解明するということで地元住民の生の声を直接伺いまして、今後の環境審査あるいは安全審査に反映させる。それから、同時にこれは当省だけではございませんで、陳述結果は各省庁にすべて通告いたすわけでございます。各省庁のそれぞれの立場におきます審査におきまして十分反映をしていただくということを行っておりますので、私どもとしては一応これまで二回の経験を通じました限りにおいて確かに一つずつ改善を積み重ねておりますので、すべての経験において反省すべき点がなかったとは言えませんが、一つずつ対話の実現という方向で改善をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○対馬孝且君 そこで、やっぱり抽象的なことを言っているんだが、私具体的に申し上げたいのだけどね。たとえば、安全問題とは一体何ぞやということになるのだよ。そうすると、いま具体的に申し上げると、一つは泊村原発の例を後からでも詳細にお伺いしますけれども、たとえば地質調査の関係は一体どうなっておるのだ。それから岩内湾のスケトウダラの環境影響に対する漁業の評価というものは一体どうなるのだ。 〔主査退席、副主査着席〕 あるいは農業に対してカドミウム米その他が出てこないかというようなこと幾つかあるわけだ。そういうものを聞くとすれば、聞くということになれば、そんな十分程度で、そして二十人ぐらいで、それは要点は同じだとかなんとかとあなたはおっしゃるけれどもね、それぞれの持っている疑問というものはたくさんありますよ。私は何もいま言ったことを言うわけではないが、反省の上に立って浜岡の場合は再質問できるようにいたしましたというようなことを言っていますが、大体そもそも二十人という頭数を限定したり、時間を限定する場合に、どの程度が大体ひとつの住民の意見を聞いたかという範囲のものがぼくはあると思うのだね、そのことは。たとえば極端な話を言うと、その関係町村の中から反対者が一人も出なかったという例だってあるというんだ、ぼくは聞いているけれども。そういうことだっておかしいじゃないですか。関係町村の中から反対者が一人も出ていないという、反対陳述が一人もできないというようなこと。だから、そういう問題をずっととらえてみると、異口同音に社説が言って、世論が言っておりますように、一つはこの際本会議のような方式で、儀礼的なことをやめて、まず関係町村の人口単位を見て、やはりそのために地質調査問題、あるいは海域の問題、農業の問題、あるいはその他の問題というものを幾つかしぼった場合に、大体少なくともある程度希望者があった場合に、そうたくさんあるのか、あなたがいま言ったように四十何人というんだ、四十何人全部やったって、これは何日、二日間あればできるじゃないですか、率直に申し上げて。四十三人、二日間でやったとしたってできるでしょう。そういうものを、何か陳述の疑問というものを、言葉では安全、安全と、解消のためにと言って、やっていることは逆に安全を切り捨てるという、こういうことではだめだと私は言うのだよ。だから、私は四十三人だったら二日間かけでやると、あるいは納得して、いま言ったように対話方式でもってやると、こういうことだったら、そういう態勢なり条件がないから、片やあなた、訴訟しようと出ていくのであって、何も訴訟していくことは最初から計画しているのでも何でもないんだよ。この柏崎の場合も、聞いてみたら――これは農民だよ、私が言っていることは、農民の言っていることは、われわれが陳述を受けられないからああいう行動に私は参加したと言うんです。何も労働組合の皆さんと一緒にスクラム組もうと思っていなかった。なかったが、私が出した陳述が受けられない。こんなやり方だったら何が住民の意思を聞くんだということで腹立たしく思って、労働者の皆さんと一緒に私は行動したと、こう素朴に言っているんですよ、私が聞くと。だからそういう受け入れ体制のないところに官憲をすぐ配置する、警察を配置するというなら、私はそういう警察がなぜ配置されるあるいは訴訟をされるというような条件が一体どこにあるかということをもう一回見直してみる必要がある。四十二人なら四十三人は二日間やらせる、出た人員は原則としてやらせる、陳述されたものは。時間は多少七時間が八時間かかって――国会だって八時間も十時間もやっているのだから、それはかかったっていいでしょう、それは。陳述が一日が二日だっていいじゃないですか。 そういう、まず住民の納得いく公開ヒヤリングをやる。この社説の中にも出てきますけれども、公開ヒヤリングがすべてではない。やっぱりひいては住民投票をやれと、これが率直ないま国際的に見ても、オーストリアにしてもスウェーデンにしてもスイスにしてもやりましたが、やっぱり国民投票ということが国際的なひとつ現象としても出てきたわけだ。そういう点からいくと、住民投票だってこの際やるべきである。これについては法制局の見解等もあるようでありますけれども、そのくらいの問題提起があるのだから、まず直すところ、どこから直していくんだということを明快に答弁してもらいたいと思うのだね、私は。 ぼくはなぜこれを聞くかというと、北海道はこれから始まるんだよ。ところが、その場合同じパターンでやると私は思っていないんです。そういうことを私はもちろんこれから住民と対話するのだが、私はそういう考え方は持っていない。それにはまずそういう条件をつくってもらわないことには、これは参加するとかしないとかと言ったって、どういうふうに具体的に公開ヒヤリングをそれじゃ見直していくのか。これは言葉で言うのじゃなくて、私は直し方を具体的にそれじゃ出してください、ひとつ。
○政府委員(石井賢吾君) 公開ヒヤリングは設置にかかわる諸問題に関しましての第一次公開ヒヤリング、それから安全問題に限定いたしました第二次公開ヒヤリング、こういうシリーズで続けておるわけでございまして、問題は、一次、二次のヒヤリングを通じまして極力重複を避けながら、いま先生のお話のようにすべて陳述希望を入れました場合に、今度傍聴の方がどう受け取られるか。全く同じ問題を、同じような質疑応答が繰り返されるというような問題もございまして、やはり効率的な運営ということを考えねばならないと思います。私どもとしましては、朝八時半から大体五時半ぐらい、これも集会の時間を決めておって運営しておるわけじゃございませんで、その間ほぼ九時間近い時間になろうかと思いますが、その間の効率的な運営ということで、島根第二回の場合には十分の陳述時間を超えまして、再質疑の機会を設けまして対話をしたわけでございます。 それで私どもも、これ二回私議長として出席いたしました経験で申し上げますと、それぞれの陳述人の方々が三ないし五項目につきまして意見を陳述されるわけでございます。これまでの記録でまいりますと、確かに十分と制限時間を設けたからだという御批判はあるいはあるかもしれませんが、すべて十分以内で陳述を終えられております。特に再質疑が必要な場合には、先ほど申し上げましたように全体の時間の許す限りでやっておるというのが実情でございまして、私は、そういう意味におきまして一つずつの改善ができていくのではなかろうか。現に御指摘の共和・泊に関してどうするのかということでございますが、共和・泊の場合には、北海道条例によりまして環境アセスが実施され、公聴会が開かれる予定になっておるわけでございます、その公聴会との関係を今後どうするかという問題ございますが、もし両立させるということでございましたら意見を述べる機会はふえるわけでございます。そういうようなことも考えながら、今後具体的な改善点を見出していきたいというふうに思っております。
○対馬孝且君 私は、いま言った再質問できるとか時間の制限とか、これはやっぱりあなた直すと、こう言っているんだが、対話というのは一応代表質問のようにしゃべった、回答しましたということじゃないでしょう。あなた安全、安全と言うけれども、安全とは一体何ぞやというものも問題なんだよ。これも私五十一年にやっていますよ。安全とは――少なくとも当時の長官なりにいつもお答え願っていることは、安全とは少なくともやっぱり建物に対する安全性、それから地盤に対する安全性、あるいは環境に対する安全性、そのほかに全体のものがあるでしょうと、こういうものを全体を含めてやっぱり安全が得られるというものが安全であって、何かあなたに言わせると、基本計画のような計画性のものだけが安全であって、あとは後でやるんだというような意味に聞こえたんだけれども、そういうものではないと思うのだな。安全とはいま私が言ったことだ、やっぱり。そういうものが解明されなきゃならないわけでしょう。 その意味で私が言いたいことは、再質問をする、まあそれ結構でしょう、そういうことをやるというのだから。それから時間帯だって十分とか頭から決めるべきじゃないということ、私が言っているのは。それから陳述人だってね、これはあったら原則的に受けていいんじゃないですか、これ。さっき言った、仮に百歩譲って四十三人、二日間やってまるまる全部聞いたって、それは二日間で全部できるじゃないですか。そういう原則的なものに、ぼくは一日に限定することないと思うんだな。そういう物のとらえ方するから、結局何か危なっかしいところにさわらせたくないというような、言うならばこれは印象にとられると思うのだよ、そういうことでなしに、やっぱり通産自身が積極的に、公開ヒヤリング主催者側がそういう原点に立つなら、わざわざ何もこれ拒否をしたり、ピケを張って阻止をする何物もないでしょう、実際には、全部やれやれと、解明できるというのだったら。そういうことないからこれピケ張ったり参加しなかったり、最後にあなた方警察官を過剰介入させるということになるのであって、私は、そこらあたりがいまやる方もそれから参加する方も含めて、これは批判をされているわけですから、まずその受け入れ側の方がやっぱり受け入れる条件をつくる必要がある。それにはあなたが言った再質問は結構でしょう。それから時間的に十分のものは十五分にしようと、それはいいでしょう、私は。それが納得いくまでやっぱりできるということに再質問はしないと、国会答弁みたいに一回やって本会議で終わりというようなそんなことでやったって、これ何も、それこそ再質問にならぬのであってね。対話だから、対話とは何ぞやということだ。これは私も有澤さんにお会いしたことあるのだけれども、発議したときのこれは有澤さんの会長、まあ私もエネルギー、石炭もやっておったから、有澤さんと長いつき合いしておりますけれども、この前もちょっと有澤さんとその話したことがある。それは当時発想したのはあくまでも対話なんだと。だから、どうもやっぱり官僚ペースではなくて、民間公聴会のように、北ガスでやったように、納得いくまでやっぱり応酬を交わしていくと、現に北ガスの場合そういうことをやったわけだ、あの事故を起こして以来。それがやっぱり円満に解決したわけだ、決着をしたわけだ。だから私はそういうものだと思うのだな。ところが、それがどうも対話とおっしゃるならば、あなたが言う対話というのは対話ではなくて、ただ公開ヒヤリングは既定の手続に従ってやりましたということでしょう。もう一歩突っ込んで聞くならば、たとえば地質問題に対してわれわれ住民が疑問を持ったにしても、これは専門家でなければわからないよ、正直申し上げて。 〔副主査退席、主査着席〕 あるいはまた環境アセスメントの問題だって、たとえば寒水に住む魚、それから温水に住む魚のプランクトンが違うというわけだ。これは私も、当時北大の安倍三史教授にお会いしていますから、四十五年私自身が、当時のこの主催さした主催者側のこれシンポジウムやった私は責任者だったから、全部聞いておりましたけれどもね、このときだってこれ言っているんですよ。そういう問題になれば、これはわれわれ素人がわかるわけないんだよ、はっきり申し上げて。やっぱり専門家が、地質学者だとか、海洋の実際の魚の権威者とか、水産の権威者だとか、こういう方々が住民にやっぱり委託を受けて、その代表を出して解明すると、それじゃ大丈夫かと、大丈夫ならいいじゃないかと、こういうことだって解明できるわけでしょう。このことは拒否されるわけだ。そういうことだって私は問題じゃないかと思うのだ、これはっきり申し上げて。だから地質学者の権威者を、いや私としてはこの先生に聞いてもらいたいのだ。対馬としては反対なんだが、この先生に聞いてもらいたいと、あるいは安倍先生に聞いてもらいたいと、このスケソウダラのプランクトンが実際に影響はないのか、温排水が出た場合にどうなるのだと、放射線を含んだ場合どうなるのだと、聞いてもらいたいのだ。それで安倍三史さんに、ひとつ私の代弁者として公開ヒヤリングで聞いてくれないかと、こういったときにどうするんです。これはいまだめだと、こういうわけだ。ところがこれでは私は解明にならぬと思うのだ。やっぱり問題は、どうしたら住民が持っていることを解明して――何ら言わない漁協の連中だって反対したわけじゃないんだよ。いま断固反対していますよ、いまは。それはやっぱりそういうことが解明されないから反対しているのだよ。ぼくはこの間も行ってきたんだ、一月の十七、十八日に。現に漁民と会っていますよ。そういうことを言うと、さっぱりこれは受け入れてくれない。だから対馬さん、ぜひこれを国会の場でひとつそういうやり方について直してくれないかと。私も柏崎傍聴に行ってきました、この漁民は、こう言っているのですよ。玄海灘へも行ってきましたよ、この漁民は。私もおととしの二月に玄海灘へ行ってきましたよ、私も。ところがそういう問題について、やっぱり本当に解明しようというのは、生きたものを生かしていくと、生の声をどういうふうに生かすかと、生の声を生かすのならば、地質学の権威者であるならば、地質学者に私の委託として代表で聞いてくれと、あるいは漁業問題でやるならば、至急その漁業問題の水産の権威者に聞いてもらいたい。これいいじゃないですか。そういうことで解明されて、原発についてコンセンサスが得られることは結構なことだと思うのだよ、これどうなんですか。このことについて。
○政府委員(石井賢吾君) 専門家の御参加ということに関しましては、私どもこういう理解をいたしております。 先ほど先生がお話しいただいた安全性の問題、これは私の先ほども申し上げました、舌足らずだったかもしれませんが、きわめて多岐にわたる問題でございます、岩盤その他の地質構造の上に立ちました耐震性の問題、あるいは機器そのものの安全性の問題、あるいはそれを格納いたします建屋の安全性の問題、その幾多の専門的な分野に分かれることは事実だと思います。その意味におきまして、一次公開ヒヤリングは、設置にかかわりますあらゆる問題を討議していただくという意味におきまして専門的な掘り下げたこういう原子力発電所特有の安全性の問題に関しましては第二次公開ヒヤリングということでこれを実施すること、この第二次公開ヒヤリングは専門家の御出席をいただいて、委託を受けて質疑を行っていただくということでやっておるわけでございます。 ただいま御指摘の海象の問題でございます、温排水の問題でございますが、現在北海道電力が環境影響評価を行っておりまして、いま取りまとめ中の段階でございます。北海道庁の水産部の専門的な評価を受け、かつ今後私どもの環境審査をいたす場合に、専門の顧問の先生方にいろいろ御審査をいただきまして、私ども厳正な審査をしていくつもりにしておりますが、北海道電力自体が行いました環境影響報告の中にその海象調査及び温排水の漁業への影響ということはすべて記述されることになります。 いま、確かに先生のお話のように、専門的な見地からの御質問ということもございますが、私どもは、たとえば具体的におれは漁業でもう五十年食ってきている、私の判断が一番正しいのだというふうな陳述を受けておりまして、漁業者の方々がいわばその場にいて体で受けとめていただくというような回答が、対話が行われるというのが一番望ましいのじゃないかなというふうに思っておりまして、そういう問題点につきましては十分今後環境影響評価の中で、かつ審査の中で十分見きわめをしていきたいというふうに思っております。
○対馬孝且君 第二次公開ヒヤリングのことは私もわかっているので、これは何回もやっているから。問題はいま言ったように、私は対話というものを原点にやっぱり見直していく、そのために時間的にある程度の、十分が十五分になるとか、陳述人の数が二十人が三十人になるとか四十人になるとか、そういう原則的な考え方を見直して、本当に対話的にできる、そうしてやっぱり安全という、危険というものを解明されると、ここだと思うのだ。やっぱりこういう方式に、いままでの例を、柏崎あるいは島根、そういうものを通して考えた場合に、あなたは見直し見直しといって、反省するところは反省して、対話というものを貫いていきたい、こう言うから直してもらわなければ困るのであって、それであれば、私は言っているのは、このことだけに時間をかけていくわけにいかぬが、そういう対話というものを中心にしたやっぱり陳述のやり方、それから解明の仕方、それから関係市町村における陳述人の出し方、それから時間帯あるいはそういう専門的なことにおける解明――もちろん第二次やりますよ。やりますけれども、基本だけの問題じゃないのだから、そんなこと言ったって、うまいこと言ったって第一次公開ヒヤリングで基本計画を決定してしまえば電調審でしょう、そんなうまいこと言ったってね。基本計画決定して電調審で決まったらこれは基礎がもう決まったということでしょう、どんなうまいこと言ったって、あとは第二次で安全性があるかどうかというだけのものであって、基礎的にはもうレール敷かれちゃって外堀が埋まったということでしょう、本当のこと言うと。そういう官僚的なこと言ったってだめなんだ、ぼくに言わせれば。基本計画は第一次ヒヤリングが終わったら決まるのだから、電調審で決まったらこれ第一次基本計画決まるんだから、決まったら土台が決まったということで、あとどう家を建てることに対して障害物があるか、その障害物を取り除くための、安全のための第二次公開ヒヤリングをやる、こういう仕組みのものなんだから、そんなうまいこと言ったって。だから、私はこの点を踏まえていま窪川町における問題、先ほど大臣も長官も言われておりますから、ひとつヒヤリングの見直しということは異口同音に世論が見直すべきだ、こう言ってるのですから、そこらあたりを本当に安全を解明するならばひとつ見直してもらいたい。それは対話も結構ですよ、時間帯も改善すると言うのだから。それは子としますよ、時間帯も対話の仕方も再質問もそれはいいでしょう。さらにやっぱりそういうものを少し踏まえて対話の具体的な内容を充実させる意味での対話方式というものを見直していくかどうか、こういうことについてむしろ公益事業部長より長官にひとつお伺いしたいと思うんですけれどもね。
○政府委員(森山信吾君) 対馬先生のおっしゃっておられますことは私も全く同感でございまして、一方的なヒヤリングだけで国あるいは電力会社が強行するという姿勢はこれは好ましくない、こう思います。 そこで、いかにして対話をうまくやっていくかということが私どもの課題だというふうに受けとめておりまして、第一次公開ヒヤリングの例で申し上げますと、先ほどからお話のございますように、二回の経験があるわけでございまして、先ほど石井公益事業部長から答弁しましたように、公益事業部長が二回にわたって議長を務めたわけでございまして、それなりの報告も私どもも聞いておりますし、そういった地元の方々の御不満、これをいかに解決していくかということが一つの課題だという気持ちを持っているわけでございます。 そこで、基本的に対話と申しますのがすれ違いの対話であっちゃいかぬわけでございますので、やはり同じ次元での対話というものが望ましいわけでございます。私どもも率直にそういった気持ちで、同じ次元での対話ができるように最大の努力をしてまいりたいと思いますけれども、また一方、同じ土俵に上っていただいて、たとえば反対の御意見の方も私どもの意見も、あるいは電力会社の見解も率直に聞いていただくというような雰囲気づくりをしていくことも必要ではないかということでございまして、要は本当の対話というものが対馬先生のおっしゃるように同じ土俵で対話ができるということが望ましいことでございまして、私どもも一たん決めました対話の、ヒヤリングの仕組みをもう未来永劫変えないということでこのまま強行するという姿勢ではございませんので、幾たびかの公開ヒヤリングの積み重ねをしながら、できるだけ皆様方に満足していただけるような公開ヒヤリングの制度に改善をしていきたい、こういう基本姿勢を持っております。
○対馬孝且君 いま長官から公開ヒヤリングを見直していきたいという基本的な考え方がございましたから、ぜひひとつ――いま私も幾つか申し上げました。時間帯の問題、陳述人の取り扱いの問題、それから対話方式の問題、それからやっぱり安全性を解明するための専門的な立場での解明、それからそういう受け入れ、その土俵に上るようにと長官言いますけれども、土俵に上るような体制をつくり上げるのはそっちなんだ。それをつくらないでおいて、ただ上がってこい、上がってこいと言ったってこれは上がりようがないんだ、正直に言って。その土俵というのは一つのルールがあるのだから、ルールをそっちの方で無視しておいて、ただ体だけ上がってこいよなんと言ったって、これはなかなか上がり切らぬのだから、そこらあたり、ぜひひとつ改善をしていくということですから、ひとつ実りある改善をしてもらいたい、よろしゅうございますね。 そこで、時間もありませんから、それじゃひとつ北海道の共和・泊原発についてしぼって簡単に、一問一答式に申し上げますから、明確に答えてください。 いま北電が流している情報は、基本的には五十八年審査完了、安全審査会の完了を願って六十三年に運転開始ということを原点にいたしまして出ているのは、ことしの六月公開ヒヤリング、そして九月に電調審、遅くても年内、こういうPRになっているんだよ。これは通産省もそういうふうに受けとめているのですか、また通産省としてはどのようにこれを考えているか、この点についてまず冒頭お伺いしておきます。
○政府委員(石井賢吾君) 北海道電力としまして、地元調整の関係から一つの計画あるいは希望を明示したものかもしれませんが、私ども、公開ヒヤリングを実施し、かつ電調審に付議するというのは通産省及び政府としてこれを行うわけでございまして、いまの段階で具体的な日程をそのような形で決めておることは全くございません。
○対馬孝且君 そうしたら、六月とか年内とかということはありませんね。それをはっきりしておかないと、六月といま言っているのだから、六月がまずあるかないかということをはっきり言わないと、それなりにやっぱりみんな地域の住民は疑問に思っているんだから。六月といったって、もう来月四月なんだから、あと二カ月ちょっとしかないのだから、そういうことなのかどうかということをやっぱりはっきりしてもらわぬと、政府としてはそういう六月ということはいまちょっと考えられぬなら考えられないということを言ってもらわぬと、私は混乱のもとになるから言うのだ。盛んに六月、六月と言っているものだから――政府が決めることでしょう、国家として、あなた方として六月を考えているかどうかということは。北電はそう言っているから聞いているわけであって……。
○政府委員(石井賢吾君) 共和・泊の計画につきましては、環境影響調査を実施し、それを完了した上で、一言で言えば環境レポートでございますが、これを一カ月間地元で縦覧をするという手順が必要でございます。そういう手順を踏まえて、地元情勢を勘案の上で公開ヒヤリングをいたしますので、私どもとしては、北海道庁及び関係市町村と十分打ち合わせて時期を決めてまいるわけでございますので、果たしてそういう至近時点で、幾つかの手順を経て果たしてできるかどうかという点については、私個人としては非常に疑問ではないかというふうに思っております。現段階で具体的な日程を政府として決めているということはございません。
○対馬孝且君 疑問だということはよくわかりましたが、長官ね、私は、何も、こだわっていることは、六月ということになると、六月にもうすでに公開ヒヤリングが行われるのだということになっているものだから、現地はそれなりにやっぱり緊迫してくるわけですよ。そういう意味でぼくは言っているのであって、いたずらに、何か、そういうことを、六月だ六月だということを言って、何か危機感をあおるようなことを言って、そして何かまたここで激突を好んでいるのかどうか知らぬけれども、そんなようなことをあおり、そそのかすようなことをやる必要はないのじゃないかと思うから、これは政府が決めることだ、ぼくの言いたいことは。あなた方が決めることなんですから。私が言っているのは、六月ということはいま疑問持っているという公益部長の答弁ですから。六月ということは、私がいま知っている限りでは、そんなことはあり得ない。なぜならば、日程をぼくは持っているから。北電の日程からいったって六月はあり得ないのだ。これは、地質調査の最終的なあれは、私の聞いているここに出ている限りでは、地質は大体三月、早くて三月末まで、四月ころまでかかると、こう言っている。それを終えたってもう一回やると言っているのだ、地質の結果によっては。そうすると、これ六月でしょう。ここに出ている資料では六月だと言っているのだ。地質の最終的な取りまとめが、どうしてこれができるのですか、これ。それが盛んに六月だ六月だと言うものだから、現地の方は、何回も、盛んに、きのうも来ているのですよ、私のところへ、現実の問題として。そういう意味で私は聞いておるのです。どうなんですか、長官にお伺いします。
○政府委員(森山信吾君) 北海道電力に聞いてみたわけです。六月にやるというようなことを言ったのかというようなことを聞いてみましたら、大体ことしの秋ごろの電調審にかけたいという希望を言ったことはあるけれども、公開ヒヤリングをいつやってほしいということは言ったことはない、こういうふうに言っております。 それで、一方、北海道電力の立場に立ってみますと、やはり北海道におきます電力の安定供給という観点からいたしまして、やはりそこに一つの供給義務者としての使命感といいましょうか、電力供給に対する使命感という立場からいろんな計画をつくっていくことはこれはまあ当然のことでございまして、電力会社がそういう努力を怠れば、これはかえっておかしなことになります。電力会社は当然そういうことを考えなくちゃいかぬわけでございますけれども、一方、地元との調整というものも大事な問題でございまして、電力供給義務と地元との調整という問題をいかにうまく解決して供給義務を果たしていくかということが電力会社に課せられた課題だと思っておりますので、公開ヒヤリングというものは、先生もよく御承知のように、たとえば、通産省だけで、あるいは電力会社だけでやりたいということでできるものでもございませんし、環境が十分整備された段階で私どもはやりたいというような気持ちを持っている次第でございます。
○対馬孝且君 だから、これは北電だけでできることじゃないのに、北電が言うから。現に言っているんですよ、これは反対共闘会議の代表で、全道労協という三十万組織が中心になった共闘会議と北電との話し合いのときに、まさしく年内に電調審に持っていきたい、そのときに六月ころに公開ヒヤリングを行うと。現に言っているのだ。名前まで言ってもいいよ。次長が言っているんですよ。佐藤という次長が。そんなことを言ったってだめなんですよ。だから、私は、いまそういうことについて、それは疑問に思っているし、そういうことになればいまのところ六月ということは考えていないと言うなら、通産省がやらなきゃできないことなんですから。それが、私が知っている限りでは、土地買収がまだ、二十一戸あるんですよ、ここの茶津というところに。二十一戸のうち六軒がまだ土地買収に応じてないのですよ、これ。どうしてできるのですか、この問題は。その問題だって法律上に問題があるのですよ、これ、はっきり言って。そういうことをぼくは知っているから、現地へ行って。それなりに北電も知っているはずなのに、盛んに六月とか年内とかと言うからぼくが言っている。それは計画をお持ちになることは結構だが、事実でないことをそのように言われてしまうと、現地がやっぱりエキサイトしてくるということをぼくは言うんですよ。いまの六月というのは考えなくていいですね、どうですか、その点。
○政府委員(森山信吾君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、公開ヒヤリングを実施するためには、通産省なり電力会社だけの判断でやって達せられるものでもございませんので、地方自治体の方々との十分な調整が行われて初めて実施されるものでございます。 それから、いま御指摘のように、北海道電力がそういうことを言ったということは、私は寡聞にして聞いていないわけでございますけれども、別な観点で考えますと、北海道電力は、たとえば、北海道の農民の方々から、電気料金が少し高いじゃないかと。いまはほかの地区より安いと思いますけれども、昨年八電力に先駆けまして電気料金の値上げをした際に、電源構成が大変単純化されておって、もう少し多様化した電源開発を行わなきゃいかぬということも道民の方々から意見が出たわけでございまして、そういう点を反映いたしまして、何とか発電単価の安い原子力発電を急ぎたいという気持ちは北海道電力は持っているわけでございまして、これは、私は当然のことだろうと思うわけでございまして、ただ、先ほどもお答えいたしましたとおり、それを急ぐ余りに地元と摩擦を起こしちゃいかぬというのが私どもの基本姿勢でございますから、十分地元との調整が行われた段階で公開ヒヤリングを実施するということで、六月にもう既定の路線として公開ヒヤリングを実施するということは毛頭考えていないということでございます。
○対馬孝且君 わかりました。いま長官から明快にございましたから、それで結構です。ひとつ、住民のコンセンサスを十分、六月はいまのところでは考えられないということですから、住民のコンセンサスをひとつ得るという立場で考えてもらいたいと思いますね。この点特に要望しておきます。 そこで、次の問題、時間がありませんから。今度は、地質学者の生越教授とそれから東大の貝塚教授のグループが中心になりまして、どうもここには活断層がある疑いがあると、こう言っているわけですね。したがって、これはその点ではやっぱり不適地だと、こういう見解を出しています。一方、いま農民側はどういうことを言っているかと言いますと、これは大変だと言っているんだ。最近は、原発を設定して以来、土地が十アール当たりいま百三十万円になっている。共和村の土地が岩内のこのあたりで百三十万円だそうです。十アール当たり百三十万円というと札幌と大差ないんだよ。農業を、米づくりをするために十アール当たり百三十万円にもなったら、これは、とても農民は土地を買い求めることはできない。米づくりができないといま嘆いている。これは結果的には原発の影響で尻別全体が土地の値段が高騰している。この一点、率直にいま訴えられています。 それから第二点の問題は何かと言いますと、現在二十七万俵の米をつくっています。これは岩内、原発の周辺の農村ですが、そこで雷電スイカと言って、スイカ、メロン、イチゴ、こういったものを全部含めますと、あそこの地域住民が生きるための酪農の振興を含めますと、これは、何だかんだと言って、相当な大きなものになっているわけですよ。これが一体本当に放射能が出てきたり何かした場合に一体どうなるのだということで、でき上がったら、メロンだとかイチゴだとか、ここの産地の北海道でも有望なところにこれがなっているのだが、これが全部離れちゃって、これはまさに先行き不安だというのが率直な農民の一つは声です。 いま一つの問題は、私が先ほども言いましたが、漁民の問題を言いますと、北部日本海のスケトウの産卵地ですよ。最大の産卵地、これは。安倍三史教授も認めておりますが、そこで、問題は、二百海里で規制をされて、なおかつ、今度温排水によってスケトウがとれないということになったら、これは岩内沿岸の岩手と、こう言うのですが、四カ町村の漁民は壊滅であります。こういう大きな損害が出る、これは岩内港の水揚げだけで水産加工含めて、スケトウだけで七十五億ですよ、七十五億の実は水産加工、スケトウの損失をしているんです。こういう問題が実はある。 それから、もう一つの問題を言いますと、先ほど言った地質調査の問題で、そういう問題が出てきている。そこで、私言いたいのは、ずいぶん住民の安全、コンセンサスを得るためにこの間も北電と話し合ったそうでありますが、とりあえず中間データだけでも出してもらえぬかということを申し出てたと言うのだ。ところがデータは出せないと、こう言っているのだ。これでは、長官もひとつ、先ほど大臣にもお答え願っているのだが、安全が最大の問題だというのであれば、どうしてデータが出せないか。しかも生越教授が入ったときに北電はこういう談話を出しているんでしょう。これは公式の談話ですから、私も申し上げておきたいのでありますが、これは生越さんが入りまして、それから同時に、先ほど言った貝塚教授を中心にした四十人の活断層グループ、ここに活断層がある、こういうのが、ここに私は持ってきています。図書館から借りてきましたが、日本活断層の最終的な、日本の最高の資料でありますが、これちょっと政府委員の方、大臣と長官に見せてください。(資料を手渡す)これはこのように、十七キロ活断層現に入っていますね。こういう疑いがあるということをこれははっきり鮮明にしているわけである。ところがこの生越教授の発表のときに、不適地だという発表に対してどういう発表をしたかというと、こういう発表をしているのだ。活断層の徴候はない、単に地質、地盤が不適だとか道とかという問題については、まさにこれは学者の中傷である、したがって、北電のあれとしましてはいささかもこのことについては問題はない、地質については問題はない、こういう談話が出ているんだ。これどうなんですか。そういう談話を出すくらいならどうして、住民が疑問に感じていることに対して正式なデータを出してもらいたい、あるいはそういうものをひとつ出してくれぬか、私らも反対のための反対をしているのじゃないのだから、こう言ったら、どうして出せないのですか。これはむしろ通産省側として疑問に感じませんか、こういうことについて。
○政府委員(森山信吾君) いまの御指摘は地質に関する中間レポートだろうと思うわけでございますけれども、ある部分部分で調査をいたしまして、その都度発表いたす形も大変いい方法だと思いますし、総合的に判断をしてレポートを公開するという制度もいいのではないかと思うわけでございます。と申しますのは、住民の方々が必ずしも地質に関して専門的な知識をお持ちでないケースが多いわけでございますから、総合判断というものでお示しをした方が結果がかえってよろしいのではないかというケースもあるわけでございます。もちろん段階的にレポートをすべて公開するということの必要性も私も感ずるわけでございますけれども、たとえて申し上げますと、人間の体をチェックを受けたときに、全然素人が、ある部分がちょっとおかしいからということだけをお医者さんから聞きますと、大変心配して、私はもう命はなくなるのじゃないだろうかというような心配をすると、かえってそれがおかしなことになる。総合的に全部チェックをした結果、あなたの体は異常ありませんよと、こう言われた方がその人の精神衛生上もよろしいのじゃないか、そういう例もまさにあるのじゃないかなという気がいたしておりまして、いまの先生の御提案は一つの一般論としてはまさにそのとおりだと思いますけれども、ケース・バイ・ケースに応じた公表の仕方が最も望ましいのじゃないかということでございまして、要は、総合的に見て安全性の問題を理解をしていただけるということが必要なので、安全でないものをわざと隠すという意味で公開しないということは、私はおかしいと思います。
○対馬孝且君 だから、公表するということでしょう、長官がいま言っていることはね。公表すべきものだと。しかし、総括的にやることがいいか、あるいは都度中間的にやることがいいかということは、それは私も、その方法の仕方だからわかる。公表すべきものでしょう。それを先ほども言っているわけだ、公表すべきものだと。問題は、大事なところはそこなんだよ。それやったら北電がいま調査中なんだから、調査をいたしておりますと言うのならわかるのだ。私は、何も住民がわかっているようなことを求めようとはしないと思うのだ。ところがそのときに、これはここにはっきり載っているのだ。忘れもしない去年の八月二十五日、ここにこれ、ちゃんとあるのだよ。ここに八月二十五日に談話が出ているのですよ、北電の側の。生越教授の言うことについては先ほど言ったとおりだ、いささかもこのことについては活断層としてのあれは認められない。構造物設置で問題になる断層などは毛頭認められない。きわめてはっきりしたあれが出ているのだよ。これうそじゃない、私が言ってるのじゃない、私が捏造して書いているのじゃないのだから。北海道新聞と読売新聞だ。こういうふうに全部わざわざ書いていますよ。だから、なぜそれなら私はそういうことを言うのだというのです、おかしいと思いませんか、あなた。言う限りは、住民が出してくれと言ったら出すべきものでしょう。ここに問題があると思うのだよ。だから、調査中なら調査中だといって、まだ、北電は最終的に調査をして、住民の安全、理解のいくような調査を、データを出しますと言うのならこれでいいのだ、結構なんだ。ところが、いささかもそういう徴候ありませんと言うから、住民の方は、それじゃ、徴候がないと言うのなら、調査した結果を出してくれと言うのはこれ、きわめて自然じゃないですか。反対とか賛成とかそんな低い次元でぼくは物を言ってるのじゃないのだよ。まず原理として、北電側が、そういうふうに調査をされて徴候がないとおっしゃるのであれば、確信を持ったデータを出してくださいと、こうこの間言ったというのだ。ところが、それは出しませんと。これだから私は問題にしているのであって、それでは真の公表ではないじゃないか。何が安全性だと言いたいのだよ、住民のコンセンサスだと言いたいんだよ。そうでしょう。先ほども大臣もあなたもお答えしているのだけれども、そういう意味で私はこれは出してもらいたい。 私は炭鉱屋だからわかるんだよ。ボーリングやって、たとえば炭鉱でボーリング十本おろす。浅いところと深いところがある。たとえば炭鉱で言うなら、炭層分布で言うなら、美唄來炭層、一番浅いところで登川、夕張來炭層、新登川來炭層、私自身がボーリングやってわかっているから、そんなものはわかるんだよ。第一次十本おろしたときの結果は、大体ここに炭層が何メーターあって、それから岩盤、岩層が何ぼあって、その沿層が何ぼあると、専門的な用語で言うなら。そんなものわかりますよ、はっきり言って。だから、第一次、第二次やった結果は、私もポーリング実際手がけているからわかるのだが、そういうものだと言うのだ。それなら、なぜ対外的にこういう談話を出すのだ。山さにゃいいのです。いま調査中だから、皆さんの安全性がいくまで、それは結果が出て地質結果を発表いたします、こういうものじゃないですか。
○政府委員(森山信吾君) 私もまあ専門家じゃございませんから専門的な言葉はなかなか使いにくいわけでございますけれども、一般的に申し上げまして、日本の地質調査所におきまして、これは通産省の所管でございますが、日本全国についての断層については、特に活断層については調査がほとんど完成しておるという段階でございまして、もちろん具体的な地点を、たとえばいまの原子力発電所を設置するような場合に一般的な地質調査だけで処置をするというわけにもまいりませんので、その地点地点の特別な調査はする必要があると思いますけれども、基本的に地質調査で調べた範囲内におきましてはそういうものは認められないという趣旨のことをあるいは会社の方が申したのかもしれませんが、具体的な問題としてのポーリングの調査につきましては現在調査中と聞いておりますので、それを調べた上での判定ということになろうかと思います。 なお、正確を期する意味で専門家にちょっと答弁をしてもらおうと思います。
○政府委員(高橋宏君) どこのサイトにおきましても、最近は特に、日本のような地震国でございますので、地質問題が大変問題になります。と同時に、地質学、地質調査技術を含めまして大変一方では進歩しておりますし、その対震設計も一方では進歩しておるというのが現状かと思います。そういう両方の突き合わせにおきまして、どこのサイトでも対震問題、地質問題が焦点であるということは御承知のとおりでございます。そこで私どもも、安全審査、これがあるプロセスを経まして、審査をするときにはそういうことを十分現地調査を含めてやるつもりでございまして、現在北海道電力自身がこれをどういうぐあいに調査し、どういうぐあいに発表しておるかということは、私どもとしましては、これはもしもそういう誤解を招くようなことがあればはなはだ迷惑でございまして、恐らく何かの、どこかの食い違いからそういうことになったのじゃなかろうかと思いますが、これはおっしゃるとおり科学的な調査でございまして、右を左というようなものではございませんので、私どもはそういう立場から理解しております。 恐らく誤解があるような――先生のおっしゃるようなことがあるとすれば、それは余りよくないことでございます。
○対馬孝且君 そういうことならそういうことできちっと現地でそういう談話を北電が発表すべきなのだよ。 ただ、そこで、時間がありませんから、長官ね、これ私持っているのだ。私も全部会って、北電も呼んでぼくはこれを聞いたのだから。北電自身が第一次、五十五年の三月に完了しているのです、第一次ポーリング調査。これ十本打っていますわ。それから第二次ポーリングは十三本打っている。五十五年十一月に完了しているのだ。ぼくは全部持っているんだ。これは波多という所長にも、ぼくは現地の所長も呼んで聞いたのだ。だから、そういうことであれば、なぜそういう新聞談話を発表するのだとぼくは言うのだよ。これが住民の非常に怒り心頭に発しているところなんだよ。私、ここではっきり長官にひとつ求めたいのは、まずいま住民反対側がこの間申し入れをしてこれを話し合ったというのだ。それをやっぱり発表できないのだというのだ。将来ともできない、こう言ったと言う。これはひとつやめてもらいたい。 そこで、ぼくは、行政指導として通産省側として、むしろ私の聞いているところは、五月と聞いているのだ、完了するのが。そうしたら、五月なら五月の時点で一応最終データについては住民側に対して公開データを発表します、これは行政指導でひとつやってもらいたい。これは私、これからのことを言うから言うのですよ。これからひとつ混乱なく、やっぱり住民のコンセンサスを得たいから、これは大臣も聞いてもらいたいが、私は言っているのであって、ためにするがために言っているのじゃないんだから、あなたも知っているとおり、長官なんか特に知っていると思うが、私は苫小牧の去年の石油備蓄の問題でも現地へ行って十分対話して、ぼくは決着、解決しているわけですからね。だから、そういう問題でぼくは言っているのであって、このことは、ひとつ言いたいことは、まず中間データで、第一次、第二次終わっている、これははっきり言って。終わっていますよ。これは波多所長も言っているのだから、終わっていますと。だから、それでは、その時点でのとりあえず中間の第一次、第二次のでいいから、概要でいいと思うのです。ぼくは、詳しいことは別にして、トータルの問題だから、私も炭鉱屋でポーリングやってわかっておるから。だから、その第一次、第二次は、ひとつ中間的なものでいいから一回出すということ、それから、最終的には私は五月と聞いているのだ。五月にした場合は、通産省としては責任を持ってひとつ住民側に要請のデータを出すようにいたします、こういうことでいいです。私これをいま聞いているのであって、住民側はそこを聞いているのです。それだけはひとつやってくれ、そうでなかったら、私ら納得いきたいといったって納得できないのだ。納得それでできるものなら納得したい、こう言うのだから、納得さすことが目的なんだから、いかがなものですか、私の言っていることは。
○政府委員(石井賢吾君) 地質調査につきまして、いま先生御指摘のような、たとえば発電所周辺ボーリングの実施あるいは弾性波探査等々の手順で調査が進捗していることは事実でございます。しかし、耐震設計上の一番の大きな問題はいわば原子炉建屋の岩着構造物についての検査でございまして、それらを含めて総合的な解析評価をしなければ、中間段階の数値を発表いたしますと、きわめてミスリーディングなものになり、あるいはそれが一人立ちしてしまう、一人歩きしてしまうという危険もないことはないわけでございますので、そういう総合的な解析結果をできるだけ早く外に出させるということで考えてまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 いや出したいって――しかしその北電側はいま出すと言ってないのだから。そこで出したいということはわかるが、私の言っているのは、五月に大体これは終了すると言っているのだ。あと二カ月よりありませんからね。それは五月終了した時点で、これはむしろ長官に聞きたいのだけれども、お答え願いたいのだが、この五月の終了した時点で住民側に対して――個人にぼくは言えと言っているのじゃないんですよ。住民側の共闘会議に対してそういういま話し合いをやっているのだから、継続しましょうというので、現在継続されているのだから、北電側との間に。だから通産省側としては住民の理解と協力を得るために五月の最終結果の時点でひとつ公表させるように行政指導いたしますと、これなら私はそれでいいと言うんだ。それを聞いているのですよ。
○政府委員(森山信吾君) 会社側の話を聞きますと、最終的な調査は夏ごろまでかかるというようなことを言っておりまして、全部でき上がりました段階で十分なる説明を地元の方にさしたいと思います。 先ほど先生からも御指摘のございましたように、それで納得できることであれば先生としても納得していただけると、これは大変心強いことでございますので、りっぱな結果が出ましたら、ひとつぜひ御協力を賜りたいと、こう思う次第でございます。
○対馬孝且君 納得できるかどうか、納得できるものを出してもらわぬことには、私理解できるかどうかということをここで言えないので、私だけじゃなくて、住民がやっぱり理解しなきゃならぬことですから。 大臣、そこでね、いま長打からありましたから、私はこの種の問題はどうも北電だけでない、電力業界側も言うのだけれどね、たとえば学者が言う、気に合わない学者が発言する。そうすると、すぐそこでコメントしちゃうのだよ。これいいと思いますか。確信持って言うのなら堂々と言えばいいのだけれども、調査も完了していないのに、ここに御丁寧にわざわざ徴候はございません、いささかも問題ありませんなんて、こうやって言うものだから住民とのトラブルが起こる。こういう問題がトラブルの原因になっているのですよ。私はこういう業界に対してむしろ慎重にやっぱり安全性を理解、納得を求めるということに立って、ひとつ電力業界としても住民側にどうしたら理解を求められるかという立場での考え方に原点にやっぱりもう一回戻ってもらいたいということを大臣から特にひとつ業界に対しての私は見解を、指導をひとつしてもらいたいということが一生。 それから、いまも長官からございましたから、ひとつ、夏に完了するって、私聞いているのは五月ないしは六月を目安に完了すると、こう言っているのですよ。だからおそくとも六月には完了すると、こう言っているのだが、この時点ではやっぱりひとつ、総括的には別にしても、とにかく出た時点では住民側に対して、個人にぼくはやれと言っているのじゃないのだ。ちゃんといま話し合いしているのですから、そういう団体に対しては、やっぱりきちっと書類をもって通産省側としては責任を持ってひとつ公表させる、説明させる、このことをひとつ大臣に最後のあれとしてお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) いま対馬委員の質問の内容につきましては、長官並びに担当者からお答えしましたように、私どももそれを十分保障した行動をとらなければならないと思っておりますし、十分な説明を住民の方々にして、住民の人々の納得の上の行動をとることが非常に大切だというふうに思っております。
○対馬孝且君 以上をもって終わります。
○主査(和田静夫君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ―――――・――――― そこで、特別措置法の期限が残り一年に迫っている今日、私は法の強化改正についてもひとつはっきりとした態度をとっていただきたいと思いますし、またそのようにしていただくことが当然必要だというふうに考えますが、その点はいかがなのでありましょうか。 それと同時に、まず通産大臣にお伺いしたいことがあるのでありますが、特別措置法の強化改正国民運動中央実行委員会が発行いたしましたここにサンプルを持ってまいりましたが、「全国のあいつぐ差別事件」という本を御承知であると思います。読まれておりましたならばどのような御感想をお持ちでございましょうか。また、この中には通産行政にかかわる問題もございます。そういう中から差別が生まれているということにもいろいろ筆記が書いてありますが、そういう点につきましてはどのような責任をお感じになっておるでしょうか、大臣からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) この前その本をいただきましたけれども、実はまだ読んでおりませず非常に恐縮でございますけれども、その内容について一々事例を挙げて御答弁することができないことをおわび申し上げたいと思います。
○政府委員(中澤忠義君) 先生御質問の第一の同対法の期限切れに対応して、通産省はどのように取り組んでおるかという御設問でございますが、同和対策事業特別措置法につきましては、その取り扱い、それから政府全体としての今後の同和対策の推進につきまして、現在総理府が中心となりまして、関係各省相寄り参加いたしましてその検討が進められておるところでございます。通産省としても先ほど先生が御指摘になりましたように、その検討に対しましては、積極的に参加していくという方針で進めでおります。 なお、本法の取り扱いにかかわりませず、同和地区産業の実態に即応して、通産省といたしましては、今後なお相当期間かけまして小規模な零細地区事業者の振興に対策を進めていくということにつきましては、先ほど先生御指摘のとおりでございます。
○安恒良一君 まあ大臣、読まれてないということは非常に残念ですし、また国会開催中でもありますから、お忙しいということはよくわかりますが、ぜひひとつ一読をしていただきたい。 実は、私のところにきょうお客さんがありまして、安恒さん、どういうことをきょうやられるんですか、私は余りこの同和問題は詳しくないということから、ちょっとこれを見てくださいと読ました。そうしたら、そのお客さんびっくりしまして、今日の民主主義社会に、日本にこんなことがまだ残っているのでしょうかと、ああ、本当にいい勉強になりましたと言って、これを見てその方は、わずか十分か十五分、この中の主だったところをちょっと見られただけで、私たちが考えるととってもこんな事件が残っているというのは考えられないということを、私のところにきょう訪ねてこられた方が実はびっくりされている方です。それで、その方は率直に言って年齢がまだ三十歳ちょっと過ぎの方ですから、私たちはとても私たちの周辺にこういう差別がまだ日本に残っているとは思いもしませんでした、戦争の前の話じゃないでしょうかと、こういうことがあります。しかし、現実にこういうことが残っていることは事実なんですから、どうかぜひひとつ大臣もこれを読んでいただきますと、いま私はたまたま私のところにお見えになったお客さんがおっしゃったように、まだこんなことが日本に残っているのだろうか、こういう御感想をお持ちだと思いますが、ぜひ読んでいただきたいということをお願いをしたいと思います。 次に、では質問を進めてまいります。 それと同時に、いま通産省当局からお答えになりましたような点はよくわかっています。これは私は議事録拝見しました。そこで、私が申し上げましたことは、これからもう議論進めていきますが、もう残りが一年に迫っている中において、ぜひ法律の強化改正についてひとつ積極的な理産省として態度をとっていただきたい。それはなぜかというと、これからおいおい通産省の責任というところ、問題点というところ、これから私は持ち時間の中ではっきりしてまいりますから、どうかまた最後にそれらを含めてお聞きしたいと思いますが、そのことは申し上げておきたいと思います。 法務省の調査によりましても、差別事件の続発、悪質化の状況は明らかであります。たとえば、部落地名総鑑に象徴されておりますように、依然として地名総鑑が販売をされておりますし、私の手元にはそれらを購入しました一連の企業の名前も全部私は持っておりますが、こういう中で就職の差別、それから結婚の差別が依然として行われております。でありますから、そういうような中で、同和地区の多くの人々は仕事をされている、またしがみついていかなければ生きていけない。これが私は今日における同和地区の実態だというふうに思います。そして、主として働いておられる産業が皮革、食肉、それから再生資源などが主としての部落の産業になっておりまして、そのほとんどが零細企業、経営基盤も極端に悪い。でありますから、そこで働いている労働者も低賃金、こういう状況で全く無権利状態に置かれています。こういう点について通産行政、たとえばいま申し上げましたような皮革、食肉、再生業など等々の産業は通産行政の一環だと思いますが、このような状態について通産省としてはどういうふうにその実態を把握されておりますか、そのことについてまず聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(中澤忠義君) 同和地区産業に対します施策を有効に進めるということのためには、その対象地区の経済的実態を正確に把握するということが必要でございますし、また不可欠であるということだとわれわれは考えております。このため、私どもといたしましては、昭和五十年に行われました総理府のいわゆる五十年調査というものをベースにいたしまして、毎年これを補うために通産省として府県を中心といたしまして産業振興調査というものを実施しております。昨年度は二十六地区でございましたけれども、本年度はさらにそれをふやしまして三十七地区に対しまして実態調査を行うことにしております。われわれの実施しております実態調査によりますと、先生御指摘になりましたように、その地区の産業の実態は、いわゆる伝統的な産業が多くございまして、しかもなおその経営主体は非常に小規模で零細な企業であるということがはっきりしております。その地区ごとにそのような零細企業に対しまして、通産省といたしましてはその経営の合理化あるいは技術の改善、それから設備の合理化等々を進行するために諸般の施策を進めているという状況でございます。
○安恒良一君 同対法の産業、職業に対する基本方針というのがございますが、これの中で、そこの中心になっているところを読み上げますと、「同和問題の根本的解決をはかる政策の中心的課題の一つとしては、同和地区の産業・職業問題を解決し、地区住民の経済的、文化的水準の向上を保障する経済的基礎を確立することが必要である。」。これはいわゆる同対法の産業、職業に関する対策の基本的な方針として特別措置法の中に定められていることは大臣御承知のことだと思います。そこで、いま毎年毎年そのような実態調査をやっている、そして実態調査をやった結果は私の指摘しているとおりに、皮革や食肉や再生資源などこういうものが部落における産業の中心になっておるし、しかも零細企業で経営基盤も非常に悪い、こういうことなのであります。そこで、そういう問題について実態調査をされて、いま抽象的にそれらについて施策をやられているということですが、いま私が同対法を読み上げましたようなことに応じて、具体的にたとえば去年の実態調査なりおととしの実態調査に基づいてことし通産省としては、いまあなたが言われたようなことをその実態調査に基づいてどういうことをたとえば五十六年度はやろうとされていますか、抽象的じゃなくて具体的にちょっと説明してみてください。
○政府委員(中澤忠義君) ただいまの施策の内容をやや具体的に申し上げますと、五十六年度の予算におきましてはこのような産業振興調査等を活用いたしまして同和対策地区の産業の実態、それから発展の方向を十分に把握してまいりたいと思っております。また、その政策を進める一つの柱といたしまして、同和地区の経営指導員、いわゆる商工会議所あるいは商工会に付置されているものが大部分でございますが、経営指導員等を増員いたしまして、具体的には百十五名増員する予定にしておりますが、同和地区産業あるいは企業の経営指導に万全を期したいということが一つございます。 また、もう一つの非常に大きな柱といたしまして、同和地区におきます産業を高度化するということのために、高度化資金の融資制度というのがございますが、来年度は資金的にも二十億円増加いたしまして、また、その融資条件を抜本的に改善いたしまして、同和地区におきます返済の条件を、一番長い場合には二十五年まで延長いたしまして、その地区の産業あるいは組合が設備の合理化、技術の改善等々を進めやすいようにするということを来年度の予算では盛り込んでございます、このような制度の活用によりまして、先ほど申し上げましたように、経営の合理化と設備の近代化を進めてまいりたい、かように考えております。
○安恒良一君 そこで労働省と厚生省にお聞きしたいのですが、まず労働省にお聞きしたいのですが、いま申し上げたような状況の中におきまして、非常に中小零細企業が多い。労働条件も劣悪だ。と同時に、労働災害の発生率も非常に高い。これは私どもも、ここに私は総評が全国的に調査をいたしました調査結果表というのを持っておりますが、労働省、厚生省の皆さん、これ御承知ですか、こういう実態調査をやった結果、この結果は御承知ですか。まず、ちょっとそれを聞かしてください。
○説明員(西島茂一君) 労働省といたしましても……
○安恒良一君 知っているか知らないか、ちょっと、これを。
○説明員(西島茂一君) 昨年、大阪で実施いたしました企業連の資料等につきましては存じております。
○安恒良一君 厚生省。
○政府委員(吉江恵昭君) 部落解放基本政策樹立要求国民調査報告書という、このことでございますか。
○安恒良一君 違うです。解放同盟の皆さんや、社会党、総評なんかが一緒になりまして全国的な被差別部落の実態調査というのを調査しまして、一つにまとめているのですが、あなたたちはこういうことを見たことがありますかと、こう聞いている、まず。見たことがありますかと聞いている。あるならある、ないならないと、こう言ってください。
○政府委員(吉江恵昭君) 私は社会保険庁に属しておりまして、厚生省では窓口が社会局の生活課でやっておりますので、そこでは十分熟知しておると思いますが、私はございません。
○安恒良一君 労働省は知っている。労働省は御承知ですね、わかりました。 それじゃ厚生省の方もぜひ、せっかくいい調査をしていますから、同和対策を進めていく上に当たってこういうものを参考資料として、何なら私が総評から届けさしても結構ですから、ぜひ読んでおっていただきたい、こういうことをお願いしておきます。 それじゃ、その上に立ちまして、まず労働省に質問したいのでありますが、私は非常に全国的に見ましても同和地区の住民の労働災害発生率が非常に高いように実は私の手元にある調査では出ています。こういうような実態がどうなっているのか。 それからまた、労働省所管に係る各種の保険の適用ですね。たとえば労災保険であるとか、失業保険であるとか等々の適用状況も、同じ中小零細企業同士で比べても非常に低いように思いますが、そういう実態について、まず労働省で実態を把握をしているならば、少し説明をしてください。
○説明員(西島茂一君) 先生の御指摘のように、同和地域の産業におきます労働災害はやはり私どもの資料によりましても高いという判断をせざるを得ない問題があるというふうに存じております。その背景には、先ほどからも御質疑がございますように、就労しております企業の態様、また労働条件等、いろいろの問題があるわけでございます。そして私どもの方では、一応この災害の成績を度数率というような指数であらわしておりますけれども、一例を申し上げますと、なめし革、同製品、毛皮製造業、こういう業界におきましては全国の産業の平均度数率は三・四一でございますが、先ほどの資料等によりますと同和地区の住民の災害発生度数率は五・七六というように出ております。また一般貨物自動車運送業では全国の平均は一〇・九一でございますが――失礼いたしました、いままで申し上げておりますのは昭和五十四年の数字でございますが、同和地区の住民におきましては一五・八四と、そのほかいろいろな業種の数字もございますけれども、ただ全国平均度数率の場合は従業員の百名以上の事業所を対象としております。 しかし、そういうような問題を踏まえましてもやはり同和地区の方々の災害発生率は就業の態様からいって高いというふうに判断をいたしております。
○説明員(春日原秀隆君) それでは労働保険の関係の適用状況につきましてお説明申し上げます。 いま先生御指摘ございましたのですが、同和対策対象地域における労働保険の状況につきまして五十二年に就業実態調査というものを労働省もやっております。それに基づきまして結果を見てまいりますと、全体的に見た場合にはそれほど大きな差はないのですが、まさに先生御指摘のとおり中小企業、特に一人から四人、要するに五人未満の事業所につきまして適用状況を見てみますと、数字的に申しますと、労災保険でまいりますと全国平均は五人未満ですと、これは事業所センサスとの対比でございますから正確にははっきり申し上げられませんけれども、全国平均でいきますと四四・四%という適用状況になっておりますが、それに対して同対地区の労災の五人未満の適用状況は二〇・九%、それから雇用保険につきまして申しますと、いまと同じように全国の方で見ますと二七・六%に対しまして、同対地区の雇用保険の適用状況は九・一%と非常に低い状況になっております。
○政府委員(吉江恵昭君) お答えします。 先生御承知のように、私ども健康保険、厚生年金は全国一律の仕組みでやっておりますので、地域ごとの加入状況等については把握しておりません。おらないというのが事実でございます。ただ、私どもは出先の社会保険事務所を通じて、少なくとも強制適用事業所につきましてはそういうことのないようにやっておりますし、そう無適用の実態はないのではなかろうかというように考えておるところでございます。 また、個々の適用事業所は別にしまして、その中の被保険者ということになりますと、もし同和地区に社会保険の適用者でありながら適用を受けておらないという実態があるとすれば、それはパートタイマー等が多くて、そこのところの適用があるいはうまくいってないんじゃないだろうかということが考えられるわけでございます。そのほかに、ただ私どもは総理府の資料で見てまいりますと、五人未満事業所、これは私どもは任意の適用の事業所でございますが、五人未満事業所の割合は、同和地区では七九%、一般の地区では七一・八%――ちょっと時点が違いますと若干ずれがございますが、従業員三十人以上の事業所の割合、これは若干大きい事業所でございますが、同和地区が一・三%に対して一般地区が三・八%ということで、逆に言いますと、同和地区では従業員三十人未満の事業所の割合が多いのじゃなかろうかというふうに考えております。
○安恒良一君 労働省の方ではいろいろ調査をされておるようでありますし、私どももたとえば大阪なら大阪だけの状態を見ますと、さらに同和地区におけるところの従業員に対する雇用保険の適用状況や、それから万人保険の適用状況か非常に低い。たとえば健康保険で見ますと、大阪で実態調査がされている一人から四人の小規模事業所でやっておりますと、たとえば全体では一六%の適用になっている。ところが同和地区では一〇・六%、こういうふうに落ちております。 そこで、きょうは厚生大臣来ておりませんからまあ保険庁のあなたをしかってもしょうがないのですか、ぜひ私からも改めて社労委員会で厚生大臣には言いますが、私はなるほど健康保険なり年金なりか全国一本でやられていることを承知してますが、これだけ同和対策問題か重要な問題になって、議題になる以上、サンプル的でも結構ですから、私は厚生省といたしましても地区的にやはり健康保険法や年金の適用状況はぜひ実態調査をしてもらいたいということを強くここで言っておきます。また改めて社会労働委員会で大臣そのものに申し上げますが、そのことを言っておきます。 以上、通産大臣、お聞きのとおりの現状にあるということの状況のひとつ御認識をお願いを申し上げて、次に進めていこうと思います。 そこで、次の問題といたしまして、部落産業がいま言われたような特定の業種に限定をされている。そこで、部落産業にかかわる公害問題が発生をしておりまして、そして、それがまた部落の差別につながっていくと、こういう悪循環を今日来している問題であります。 これは、私どもいまさっき申し上げましたような兵庫地区、これは非常に日本の皮革産業ではいわゆる革のなめし、なめし革では全国で有数の産地なのであります。そこの実態調査でありまして、姫路市のある地区でございますか、企業の七割はやはりちゃんと共同でつくった処理場を持っておりまして排水などをそこで処理をし、送っている、何らかの形で排水処理ができております。ところが、残りの企業は零細であるために処理施設がつくれない、こういう企業が多いのであります。そうしますと、どういうことになりますかというと、そのまま下水へ流してしまっている。そうすると下水道か褐色に濁りますし、臭気を放ちます。そのために公害問題となりまして、率直に申して周辺住民は非常にこのことに対して反発をいたしまして、そしてそのことがいわゆる部落の中でそういうことが行われているからこっちにこうなるんだと、こういうことで部落差別を助長する結果に現在なっておるのであります。これと同じようなことは、この実態調査を見ますと他の都道府県でも、たとえば食肉産業、それから再生資源業、解体業等々が見られるわけでありますが、このような実態につきましては、通産省としてはどのように把握をされておりますか、把握状況について、それからまたどういうこれに対する対策をお持ちなのかひとつお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(中澤忠義君) 同和地区産業におきます公害対策、特に小規模零細企業で成り立っております各業種の公害対策か非常に困難な問題を含んでおるということは、私どもも逐年の産業実態調査でそのような側面につきまして把握しておるところでございます。公害対策か特に零細企業にとりまして資金の負担になりますところでございますけれども、生産性の向上につきましてはそういう結果をもたらさないということで、その資金負担と、それから技術の面で多くの問題をはらんでおります。このような公害対策投資、公害対策技術につきましては中小企業の施策の中でもかねてからいろいろな工夫をこらしまして対策をあるいは制度を設けておるところでございますけれども、高度化事業の中におきまして工場か集団をして形成をするいわゆる工場アパート事業の中におきましては、高度化事業の融資条件につきまして大幅な緩和をしておるところでございます。 具体的には、公害防止施設につきましては二十五年まで毎利子でその施設を設置する費用負担を軽減するという措置をとることとしております。また技術面につきましても、各府県にございます公設試験研究機関に対しまして技術研究費を補助するということも制度として行っております。また、中小企業者自身が公害防止のための技術を開発するということにつきまして必要な補助を行うということもとっておるわけでございます。 このようなもろもろの金融的あるいは技術補助につきましての制度を設けておりますけれども、特にその企業に対します技術の研修あるいは指導の事業か大事でございますので、先ほど申しましたように、経営指導員の充実につきましても逐年その増加を図っておるというところでございます。しかし、これまでのところで必ずしも十分であるということは言い切れない面がございますので、今後とも公害対策に対しますいろいろな施策の充実を引き続き図ってまいりたいと、かように考えております、
○安恒良一君 いろいろな施策についての考えわかりましたが、実態についてどういうふうに把握されているのでしょうか、いま私か申し上げましたようなまあ部落の産業で、そしてそれが率直に申し上げて臭いとか汚いとか、こういうことで地域住民の反発を買っていると、こういうのかなめし革とか食肉とか再生資源業とか解体業にうんとある。そういう地区がまだ全国的にどのくらい残っているように実態を把握されていますか。これはやはり通産行政に係ることですから。
○政府委員(中澤忠義君) 具体的に何地区ということをただいま申し上げる資料を持っておりませんけれども、各通産局、それから中小企業事業団がそれぞれの地区におきまして、各府県、市町村と協力しながら実態調査を進めております。それによりますと、やはり車の解体業、廃車の解体業でございますとか、皮革の処理業あるいは製造業というようなものにつきましては、やはり付近の住民との関係におきましていろいろな摩擦を生じておるということは私ども承知しております、
○安恒良一君 大臣、いまお聞きくださったように、私はやっぱりそういう個所がまだ何カ所残っているのかという、これはぜひひとつ調査をしてほしいと思います。それに基づいていまいろんな施策を講じていただかないと、通産省自体がそういういわゆる地域住民とのトラブルか起こっている地区が全国に何カ所あるかわからないでは、私はその施策は立たないと思いますね。もちろん部落の皆さん方もできるだけそんなことに御迷惑かけないように、自分でてきるところは一生懸命やっておられることは事実なのです。ところが、中小零細企業でできなくて、やむを得ずそういう状況になっています。そういうところがやっぱり全国では大体何カ所くらいあるのだろうか。そしてそういう個所をつかんだ上で――それはまあ一遍で一年でできない場合もあると思いますね、二年、三年かかる場合もあると思いますから、そういうことでやはりいま申されたようなたとえば資金的な融資の制度であるとか技術指導であるとか、こういうことがきめ細かくやられていくことが私は必要ではないか。 それはなぜかというと、これも同和対策事業、目標の第五条に、「同和対策事業の目標は、対象地域における生活環境の改善、社会福祉の増進、産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化等を図ることによって、対象地域の住民の社会的経済的地位の向上を不当にはばむ諸要因を解消することにあるものとする。」と、こういうことがこれは明確に書いてある。そうしますと通産省といたしましては、まずその実態を正確につかんでいただいて、何カ所ある、それがためにはどういうふうにしてその問題を解決をしていくのか、いわゆるその業者自体に努力をさせること、また通産行政なり、それから公害ということになりますから、ほかの関係官庁とも協力しながら、やはりいま申し上げた臭い、汚いと、こういう公害をなくすための年次計画的なものを私は持ってもらう必要があると思いますから、ぜひ大臣、そこのところどうでしょうか、やはります大臣のところで、通産行政としても全国的なこの実態をきちっとつかんでほしいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(中澤忠義君) 同和地区の小規模零細事業の合理化のためには、通常の政府系機関におきます金融その他もございますけれども、一番進んだ方法といたしまして、中小企業事業団によります高度化事業というのがございます。これによりまして、その地区の環境を抜本的に改善するということで進めておるわけでございますが、これはすでにその事業が進んでおります、あるいは融資が行われております組合が全国で百三十二組合ございます。融資が二百数十件、それに対しまして高度化事業の融資が行われておりますけれども、そのほかに現在進行中のものとして各府県が事業団と診断をいたしまして進めておるものがそのほかにあるわけでございます。ただ、概数といたしましては、組合数で百三十三件、融資案件で二百数十件ということが現在の同和高度化事業の概要でございます。
○安恒良一君 いま進んでいる状況については重ねてお聞きしてわかりましたが、私はまだまだそういう臭い、汚いということで、地域住民とのトラブルが発生している地域が残っていると、そういうことを聞いているわけです。また私どもの実態調査の中でも、行ってみましたら県当局の姿勢一つをとっても、積極的でないと、こういうことが、これもあなたも後でこの実態調査届けておきますから、よく読んでおいていただきたい、そうするとわかりますね。ですから、私は決してやってないとか、そういうことでしかっているわけじゃないのですよ。より正確に実態をつかんでひとつ対策を進めてほしいと、こういうことを言っているわけですから。 そこでそういう状況になってまいりますと、大臣、いまの私とのやりとりでお聞きくださってわかりますように、まだまだ私はこの行政の――皆さんは皆さんなりに御努力されていることは認めますが、立ちおくれがあることは事実だというふうに私は思います。そして、そのことが、残念なことでありますが、さらに部落差別を助長している、こういう側面を考えますと、私は通産省といたしましても、いま言われているような実態が、あと一年残っているということの中ですべてがやれるわけではないと思います。そういう意味でやはりこの同和対策を今後も相当期間実施していく必要があるというふうにお考えになるのが当然ではないだろうかと思いますし、またそういうことになりますと、あと一年で期限切れになるというこの法の延長問題にも積極的に参加すると、こういうことにとどまらず、まずこの部落差別を助長するような部落産業の劣悪な実態の改善を進める、こういうことは当然でありますし、また部落問題については、私が同対法の基本法を読み上げましたように、教育啓発活動の充実を十分行っていかなきゃならぬ、そういうことになりますと、やはり私はどうしてもこの特別措置法の強化改正が必要だと、こういうことはきょう私がいままでずっとやりとりをしておったことを通産大臣お聞きくださって、お認めくださるのではないかというふうに私は思うのであります。 特に、冒頭申し上げましたように、大臣自身が――私も福岡県の出身でありますが、同じ福岡県の御出身で、十分に部落問題については直接はたで感じておられる大臣だと思います。そういう意味から言いましても、ぜひ私は、これは大臣にお答え願いたいのですが、いま申し上げたような立場に立ちまして、ひとつ総理府でいま検討が進められておりますから、そこに積極的に御参加くだされて、ぜひひとつこの特別措置法の強化、延長、改正、こういうことについて御尽力をお願いをしたいと思いますが、この点大臣の御答弁を聞かしてください。
○国務大臣(田中六助君) 特助措置法の強化並びに延長、こういうことについて一生懸命努力していきたいと思っております。
○安恒良一君 じゃあ、私の時間はまだちょっとありますが、大臣が強化延長について一生懸命努力すると、こういうことをお答えをしていただきましたので、これをもちまして私の質問は終わりたいと思います。
○中尾辰義君 最初に、景気の見通しと中小企業の設備投資、あるいは金利問題等に関連して二、三質問を申し上げたいと思います。 政府の五十六年度の経済見通しは、これは個人消費と民間設備投資を強気に予想をしているのが特徴のように見られるわけでございます。特に設備投資につきましては、民間の研究機関がかなり慎重な予測をして発表をしておるわけであります。たとえば野村総研で一・六%、山一證券で四・九%、三菱総研で六・〇%、こういうような予測に対して、政府の見通しは実質が七・三%の伸びを見込んでおるわけであります。中でも、全設備投資の五、六割を占める中小企業の設備投資の伸びに大きな期待を寄せているように思われます。 そこで、中小企業の設備投資というのがどうなるのか。これは昨年末の中小企業の設備投資の動向は、金融引き締めと高金利の中できわめて低い水準に推移をしてきたのは御承知のことと思います。このため、昨年の九月の五日に、中小企業の設備投資を喚起する意味で第一次の総合経済対策が実施されたわけでありますが、現実には中小企業の設備投資は回復をせず、むしろ昨年下期は一段と落ち込んでいるわけであります。そこで今回は第二次の総合経済対策、これが打ち出されたわけでありますが、果たしてこれで冷え切った中小企業の設備投資意欲が回復をするのかどうか、これははなはだ疑問に思われるのでございますが、この点につきまして通産大臣の見解をまずお伺いをしておきたいと存じます。
○国務大臣(田中六助君) 五十五年度の中小企業の設備投資の計画を見てみますと、製造業で一・四%前年比ダウンしております。それからサービス業で一・五%、それから商業関係で一一・六%ダウンしておるというような実情でございまして、余り前年度の景気対策も刺激的にはなっていないようです。このたび私ども、新しい経済対策というものをこの十七日に打ち出したわけでございます。これは七項目に分かれておりますが、その中で中小企業対策として一番目玉になっておるのは政府系三金融機関、中小企業金融公庫、商工中金、そして国民金融公庫という三機関の金利のことでございます。御承知のように、公定歩合を一%下げまして、三機関の金利を公定歩合を引き下げたその日、つまり十八日から遡行して、借入金についての金利はそれに並行して下げるというようなことを打ち出しております。 そのほかは中小企業対策、大企業対策も含めまして、新年度予算が成立いたしましたら公共事業の七〇%以上を前倒しで使うというような中小企業対策を含めてとっております。それから、新年度予算の中には、具体的な対策といたしましては中小企業資金貸出制度の拡充というようなこと。それから、中小企業倒産防止のための共済資金の制度、共済制度ですね。それから倒産防止保証制度というもの。それから四つ目が、倒産防止のための相談事業と言いますか、相談室の拡大という四つの対策の柱を立てておりまして、これに並行いたしまして、前々からありました中小企業の体質の改善制度と申しますか、そういうようなもの。それから下請代金支払遅延等防止法に基づく確実な実施。そのほか、官公需の発注に対する中小企業の分野を十分広げていくとかいうようないろんな対策をとっておりますが、これも予算の範囲が非常に狭められております。 たとえば、中小企業対策の予算が私ども新年度でちょうど二億五千万程度、正式には二億四千九百六十九万四千円を計上しておりますし、財投で三兆五千というような金も準備しておりますし、こういうもので何とかなるまいかというような気持ちでおりますけれども、実体的には、御承知のように、倒産件数が昨年は暦年で一月から十二月まで一万七千八百八十四件という膨大なもので、ことしの一月に入りましてもその傾向は低まってはいず、むしろ高くなっておる。と申しますのは、一月が史上最高という千三百十三件で、二月が千三百二十七件というふうな調子でございますので、実は正直に申しましてこれは大変なことで、ますます何らかの施策を強化しなければならないというようなことを考えておる段階でございます。
○中尾辰義君 いずれにいたしましても、政府は五十六年度の経済運営を、まず内需の主導型と個人消費と民間設備投資に大きな期待を寄せておるわけでございます。しかし、個人消費の回復となりますと、これは物価の安定がどうしても不可欠である。それから一方、中小企業の設備投資の拡大につきましては景気浮揚が必要になってくる、こういうように二律背反する政策課題を同時に達成をしなけりゃならない、非常にむずかしい点です。確かに物価の方もこれは大事でありますが、いまは何と言っても冷え切った中小企業の設備投資意欲を回復させるために、きわめて高い高水準で推移いたしました、ただいま大臣から話がありました中小企業の倒産を防止する意味においても中小企業の景気対策、これはもっと真剣にひとつ取り組んでいただきたい。景気対策というのは毎年これは似たようなものを出されておるわけですね。公共事業の前倒しというものは毎年のこれはあれでありまして、特に変わったこともないわけであります。 そこで、中小企業庁は、昨年の九月の五日の第一次総合経済対策の決定にその趣旨を受けて、これは総合経済対策の中にあるのか知りませんが、昨年は中小企業の景気対策ということを具体的な措置としてこれも発表してあるわけですね。今回はこういうようなものは発表しないのかどうか、その点いかがですか。
○国務大臣(田中六助君) 昨年の九月の分には、はっきり中小企業対策ということをうたっておりましたが、このたびは別に中小企業対策という項目というものがないというふうな表現でございますけれども、むしろ今回の七項目の大きな目玉というのは、実は中小企業対策にあったわけでございまして、政府系三機関の金利を公定歩合を引き下げたその日、つまり十八日から、三機関から借りた金利に対しましては、まだその金利はある程度自然金利を待つ以外ございませんので、それの落ちついたところに従って金利が決まるというその点において、それを十八日まで遡行して、二月後になるかもわかりません、あるいはそれ以上になるかもわかりませんけれども、その十八日からずっと二月目までに借りた金利につきましては、そのときに決まった金利を十八日以降適用するということを、これは日本の金融史上始まって以来のことで、実は大蔵省あたり、あるいは専門家では、金利体系を乱すということで強く反対しておりましたけれども、私どもは現状の中小企業をながめまして、そういうわけにはいかないということ、それから、平均一%中心金利を下げれば〇・四ぐらいしか効果は――金利の内容に落ちつくだろうと言われておるのを、少しでも内容を引き上げようというような努力もしなければならないというふうに思っておるやさきでございまして、今回経済対策について、中小企業対策がないじゃないかというおしかりもありますけれども、現実にそういう金利体制の改善をもくろんでおるわけでございます。 これもなぜかと申しますと、私ども中小企業庁を中心にアンケートをとりましたところが、一番目は普通の売れ行き不振で倒産したのが多いわけですね。二番目が、価格が低迷している、いずれにしてもはっきりしないということが二番目。三番目が、金利が高いということがこの調査にあらわれておりまして、やはり中小企業の人たちの借りておる資金というものが非常に大きい、それが設備投資の不振にもなっておるということから、やはり金利が問題だということで、これを七項目の一番大きな眼目にしているわけで、したがって経済対策を今回ははっきりとっておるということが言えるのじゃないかと思います。
○中尾辰義君 いまの金利の話は、私が聞こうと思ったんです。もう話がございましたけれども、まあ再度、いま大臣がおっしゃったように、設備投資が伸びない、その一つはやっぱり金利が高いという点にあったんだろうと思います。そこで、今度は日銀の金利が、公定歩合が一%下がった、六・二五%になったわけですけれども、政府の三機関の貸出金利ですね、これは通産大臣だけじゃないんですが、通産大臣もかかわっていらっしゃるわけですから、これはどの程度まで下げる確信がおありなのか。巷間〇・四%ぐらいと違うかというようなことも言われておるわけですな。これじゃ、しかし中小企業者ははなはだ不満があるわけでして、通産大臣として中小企業救済のためにどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点まずお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) まあ、金利のことでございますので、御承知のように公定歩合が下がるとプライムレートが次に下がっていく、それから財投関係の金利に波及をする。したがって、政府三機関の金利というものはいつもタイムラグがあって、その期間が非常に長い。しかも、その波及効果というのは、いま御指摘のように、一%中心金利が下がれば〇・四程度しかならないということで、中小企業関係では、中心金利を下げても、まあ、ありがた迷惑とは言わないまでも、その効果の薄さを表現しているのでしょう、大方。大したことないじゃないか、かえって困るというようなことさえ言われるほどでございますので、私どもも、それじゃ中小企業者の要望に沿うことにもならないし私どもの意図していることとも全く違うというようなことでございますので、何とか〇・四以上には効果のあるようにと願っておるわけでございますけれども、御承知のように金利体系というものはそう人為的に、まあ中心金利は別でございますけれども、これらの金利をどうとかこうとかということよりも、いま申しましたように、中心金利、プライムレート、財投関係というように、落ちつくところに落ちつくような体制が普通でございます。 したがって、ここで私どもがどの程度の効果まで持っていくかというようなことは非常にむずかしいことでございますけれども、そこはいろんな方法で、私どもはできるだけ中小企業者向けのこの政府三機関の金利が強く大きな段階に及ぶように、一生懸命努力はしていこうというふうに思っております。
○中尾辰義君 それじゃ、大臣の答弁を子といたしましてこれ以上聞きませんけれども、どうかひとつ中小企業の要望にこたえられるように、担当大臣としてがんばっていただきたいと思います。 次に、総合経済対策の一つとして、プラント輸出の問題が出ておるわけですが、これに関連して二、三聞きたいと思います。 この総合経済対策の原案の中に、プラント輸出振興策として、混合借款の積極的な利用という表現が見られたわけです。原案ですよ、これは二月二十七日の新聞にも出ておるわけですが、ところが、三月十七日正式に決定をされました第二次総合経済対策の中には、この混合借款という表現がなくなっておるわけですね。このことは、第二次総合経済対策のプラント輸出振興策と混合借款利用は全く関係がないのかどうか、まずこれを大臣にお伺いしたい。
○国務大臣(田中六助君) 新しく打ち出しました経済政策の七項目目に、経済協力の中のプラント輸出の促進という点があるわけでございますが、その中に混合借款のことが触れられてないということでございますが、私どもはその中に混合借款、つまりミックスクレジットという言葉がなくても、頭の中には、あるいは実体面ではそういうことは考えておりますし、実際にはそれをやらなければならない立場にあるというふうに思っておりまして、表現はなくとも、その意味、内容の中には、そういう混合クレジットということは十分考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 それでは再度お伺いしますが、三月十七日に第二次総合経済対策、これは正式に決定したわけでありますが、そのときに通産省は、総合経済対策の柱の一つであるプラント輸出振興策として、今後輸銀融資と円借款を抱き合わせをした混合借款という新しい方式を積極的に適用する方針を明らかにした新聞の報道があるわけであります。この点は事実であるのかどうか。 それからもう一つは、混合借款を適用することになると海外から非難をされるようなことも考えられるわけでありますが、現に新聞報道によりますと、OECD事務局と英国、西ドイツは、わが国に対して混合借款の適用を慎重にするように再考を求めてきたという記事でございますが、混合借款の適用について、いまさっきもありましたが、再度政府のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 新聞記事のことでございますけれども、いずれも半分本当、半分まあまあのところじゃないかと思いますのは、いま後半の記事の中に触れておりますように、こういうミックスクレジット、混合借款というようなものがオープンになっていきますと、国際的にやはり批判を受けるわけでございまして、入札、競争というようなところに表向き、玄関から、日本はいつでも円借款と輸銀との混合したものの借款が表から出ていくというようなことは、やはり国際経済場裏においてプラント輸出などについては余り好ましいことではございません。したがって、そこには書いておらないのですけれども、いよいよになったとき、やはりこれは競争するという面がございますし、プラント輸出はやはり日本にとっては大きなこれは計画の中の一つでございます。 したがって、相手側がそういう混合借款みたいなことが出てくれば、日本もいつでもそれにすりかえられる体制で、有利な立場といいますか、少なくとも同じ立場に立つためにも必要な場合もございますので、そういうことは表に出さなくても十分頭の中では考えておるということが、この経済政策の七項目目の中に含まれていることで、それ以前、私ども事務当局で十分検討したことが、そのプロセス、過程の間で出ていったことが、ちらりほらりと新聞記事になっておるわけで、その結論は、いま申し上げましたように、表玄関から混合借款があるのだぞというようなことは国際的にも刺激の多いことでございますので、それは奥座敷に置いておいて、表向きはプラント輸出についての促進とか経済協力の促進というような形になっておるわけでございます。
○中尾辰義君 それじゃもう一つ、プラント輸出に対しては、これは家電とか自動車とかそういうようなもののように対外経済摩擦というものを起こさないで、付加価値が高いことから将来の期待がかけられておるわけですけれども、最近は中国の経済調整、あるいはイラン・イラク戦争などの経済以外の政治的要因、欧米レートの競合激化、さらに円高というようなことで、プラント輸出が五十四年度は百十八億ドルであったものが、五十五年四月から十二月、これが七十七億ドルと下がっておるわけですね。五十五年度では百億ドルを下回るものと予想されておるわけでありますが、そこで、この第二次総合経済対策の中に、輸出信用の活用、それから輸出保険の改善を図るとのプラント輸出の振興策を盛り込み、プラント輸出を景気回復のリード役に仕立てることを考えておるようでございますけれども、この輸出信用の活用というのはどのような内容のものであるのか、それからそれが景気対策にどの程度の役割りを果たすのか、これをお伺いいたします。
○政府委員(古田徳昌君) わが国のプラント輸出は、ただいま先生御指摘になりましたように、昭和五十四年度には約百十八億ドルに達しましたが、本年度に入りましてから大幅に減少しているわけでございます。前年度比で大体三割近くの減少ということになっております。 この理由としましては、石油価格の引き上げに伴う世界経済の停滞によるプラント輸入全体としての減退、あるいはプラント輸出先国におきます開発計画の見直しとか、あるいは為替レートの先行き見通し難等が考えられているわけでございます。しかしながら、このプラントの減少傾向に対しまして、私どもとしましても全体の景気対策の一環としてぜひこれを伸長していきたいということで、先生御指摘いただきましたように、今度の景気対策の中でも輸出信用の活用と輸出保険制度の改善ということが指摘されているわけでございます。 この輸出信用の活用といいますのは、つまるところ、日本輸出入銀行の融資の活用等を積極的に図るということでございまして、プラント輸出をする場合には相手国から中長期のファイナンスを求められる場合が非常に多いわけでございますから、そのためにもこの日本輸出入銀行の融資を積極的に活用していくということがどうしても必要になってくるわけでございます。 それから、このような形でプラント輸出の振興を図りますと、それは結局わが国の高度な技術力を活用した輸出としまして、産業構造や貿易構造の高度化、あるいは中小企業への波及など、国内産業活動の振興に大いに寄与するということが考えられますし、さらに加えまして、発展途上国への経済協力としても非常に大きな役割りを果たすというふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 それじゃその問題は終わりまして、次に生糸の一元輸入問題につきまして二、三お伺いをしたいと思います。 これは、生糸の一元輸入制度の実施以来、全国の絹織物産地が国際相場より割り高な原料糸を買わされる。そういうことで、私は京都ですけれども、京都の丹後とか西陣織、こういうところはもう完全に国際競争力を失い、輸入絹織物に圧迫をされておる。ヨーロッパあるいはECあたりから来る絹織物、ネクタイ、これは原料は向こうが安いわけですから日本の方が高い、それで大きな打撃を受けておるわけですが、この生糸の一元輸入問題について、これは五十四年六月五日商工委員会で、当時の栗原通産省生活産業局長は私にこういうふうに答弁しておりましたね。この一元化輸入の弊害は私どもも痛感をしており、今後多少の時間がかかっても絹業と蚕糸業が共存共栄できるような方向でこの制度の見直しを行っていきたいと答えておるわけですが、現在の生糸価格維持制度は経済原則を無視したもので、このため絹業界には多くのひずみと混乱がもたらされておるわけであります。こうした弊害の是正のため通産省は、その後、五十四年ですからそれから二年経過している、この一元輸入制度の見直しにつきましてどのような検討をされたのか、また関係省庁と、これは農水省ですな、どのような話し合いを行ってきたのか、これをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(若杉和夫君) 生糸及び絹業の非常に困難なむずかしい状況は、いま先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、通産省といたしましても一生懸命絹業振興のために努力をしてきております。 先生の御質問のあった約二年前以来の概要の経過をちょっと申しますと、まず織物を含めた輸入の調整といいますか、率直に言えば削減でございますが、精いっぱいの努力をしてきております。中国、韓国、台湾等との協定を中心に相当大幅な削減をして、それ自体は成果が上がってきておると思います。それから、一元輸入の根本にまではいきませんが、先生御承知かと思いますが、実需者割り当ての円滑な運用のために絶えず努力してきておりまして、一部その成果も出ております。それから、細かいことですけれども、中国との協定で、いままでは生糸はたとえば保税も含むということになっておったのですが、保税は外数ということにいたしまして、その結果、いままでは保税も含むということになると、中国側は内需用の糸を売りたいから保税用をなかなか回さない、あるいは値段を高くしてきたわけですが、保税は別ということになりましたので、中国も量的にも値段的にも非常にサービスといいますか、してきておりまして、そういう意味で、保税といいますか、日本から見れば輸出用の生糸の織物についてはかなり条件がよくなってきております。 そういうこととか、あるいはさらに絹需要の振興のための予算あるいは研究会開催ということも新たにその後やっております。したがいまして、われわれとしても一生懸命やっておりますが、いま端的に御質問の一元輸入制度、この問題につきましてはいろいろ矛盾、問題はあることは重々承知しておりまして絶えず検討はいたしておりますが、先生御承知のように、国際的に非常に劣位な日本の養蚕業をある程度守りつつ、しかも絹業を振興せにゃいかぬという命題でやっております。一元輸入をいまここで外しますと、率直に言って、そのまま外せば養蚕業は崩壊するという問題を抱えておるわけでございます。したがいまして、一元輸入問題については制度の改善その他の問題と根本的な問題とありますが、改善には努力してきましたし今後も努力する所存でございますが、一元輸入問題の根本的な改廃の問題は、率直に言って、何と言うのですか、これにかわる有効な手段を持たないと現実的に非常にむずかしい、それについては率直に言えば財政資金が要るということなのです。非常に大きな財政資金が要る。ここで御承知のような財政事情のもとで非常なむずかしい問題を抱えておるわけでございますが、いずれにいたしましても現行の状況でいいというわけではございませんので、いままでも各般の面で努力をしてきましたけれども、今後もそういう輸入問題を含めてとにかく一挙に解決するのはむずかしい、いろんな諸般の事情からむずかしいと思いますが、一歩でも二歩でも前進を絶えずしていくという、こういう姿勢で対処しておるところでございます。
○中尾辰義君 そこでもう一つお伺いしますけれども、これも何回も議論されているのですけれども、これは絹織物業者と養蚕業というのはお互いに仲よくしていきませんと、養蚕業だけに重点を置いた保護政策を推進をしても、結局高い原料によって絹織物がつくられる。それが売れなきゃこれは養蚕業もだめなんですよね。結局、売れなきゃだめなんですよ。そこら辺を考えないとね。そこで、わが国の絹織物産業の国際競争力を回復させるという見地からすれば、養蚕農家の保護というのは別途の方法で考えられるべきものじゃなかろうか。そうして生糸の一元輸入制度は撤廃するのが本質である、こういうふうに考えるわけであります。別途の方法で何か考える。 しかしながら、一元輸入制度の廃止はその影響するところも大きく、ある程度の時間をかけなければ困難であるという事情についても理解ができますので、少なくとも一元輸入制度が存続しわが国の絹織物業界が国際市場において不利な条件に置かれている間は、輸入貿管令による絹織物の輸入規制は継続すべきであると考えられますが、通産省はどういう方針ですか。
○政府委員(若杉和夫君) 先生御承知のように、絹織物の輸入につきましては、主要な輸出国であります中国、韓国、台湾等については協定で調整をいたしております。そのほかのほとんどの国につきましては、承認制もしくは確認制ということで調整をいたしております。そして一言で言えば、ほとんど大部分のものはコントロール下にあります。そのような制度は自由貿易といったてまえからは好ましいことではございませんけれども、先生御指摘のとおり、国際的に見て生糸の値段がたとえば八千円、国産の生糸を使えば一万五千円近いという状況で、原料に倍近い差がある現在、この製品である織物を自由にしておくということはとてもできません。したがいまして、われわれとしてはそういう一元輸入なり、輸入生糸の原料価格差が現状のように非常に大きい状況においては、現在の輸入管理体制を崩すわけにまいらない、かように思っておる次第でございます。
○中尾辰義君 それじゃ次に、農水省見えているかな。―― ちょっと実需者売り渡し制度のことにつきましてお伺いしますが、これは一元輸入による内外糸価の価格差から生ずる織物業者の被害を緩和する目的で輸入生糸の実需者売り渡し制度、これが昭和五十一年以来設けられておるわけであります。年間約三万俵が割り当てられてきたわけでありますが、五十四年十月以降は実需者売り渡しルートは閉ざされたままになっておるように聞いておるわけです。この実需者売り渡しがストップをしている理由は、これは繭糸価格安定法により国内相場が基準糸価より下がった場合及び下がるおそれがある場合は、蚕糸事業団は輸入生糸を売り渡してはならない、こういうふうにこれは十二条の十三の三の二項に規定をされておるわけでございます。 そこで、このために織物業界は割り安な輸入生糸を使用できずに、また事業団は大量の在庫を抱えて金利負担に苦しむ等の矛盾を生じているわけでございますが、絹業界の現状を見ればこの規定は実情に合わなくなっておりはしないのか。この規定の見直しを行い、特例条項を設ける等の法律改正を検討すべき時期に来ておるのではなかろうかと、こういうように思われるんですが、農水省の見解をお伺いしておきたい。
○説明員(市川博昭君) 輸入糸の実需者売り渡しにつきましては、先ほど先生からお話ございましたように、五十四年の前半から実は実勢糸価が基準糸価の前後で低迷をするということが、長期にわたりまして続いておるわけでございます。このために、実需者用の生糸の放出ができないという状況下にあったわけでございます。これはやはり絹業者の経営安定のために問題があるということで、私ども昨年の六月、それから十一月の二回にわたりまして制度の運用の改善を図ってまいりまして、本年の一月及び二月には、それぞれ千俵ずつの売り渡しを行ってきたところでございます。 こうした制度の運用改善とともに、実需者の生糸を円滑に供給をするというためには、何と申しましても、現在非常に悪化しております需給事情の改善を図ることが基本的に必要なわけでございます。このために絹の需要の拡大とか、先ほど通産省の生活産業局長からもお答えございましたように、生糸それから絹製品の輸入数量の圧縮等に努めてまいりましたし、今後も通産省と密接な連携をとりながら、今後ともできるだけの努力を払ってまいりたいと考えております。 なお、実需者の生糸を糸価のいかんにかかわらず放出できるように法改正をしたらどうかということでございますが、先生御承知のように、実勢糸価を中間安定帯の中におさめるというのが、現在の繭糸価格安定法の基本的な考え方でございます。特に、現在のように需給が非常に悪化しておる状況下におきましては、日本蚕糸事業団が一方で輸入生糸を売り渡し他方で国産生糸を買い入れる。右で売って左で買うような同時売買をやっておる。これは事業団の売買操作によって価格安定をするという立場からしますと、全く底抜けになってしまう、こういうようなことがございますので、やはり制度の運用改善で努めてまいりたいと、こう思っております。
○中尾辰義君 それでは、時間がありませんので、最後に一問、もう一遍農水省に聞いておきます。 いまの答弁、私はちょっと気に入らぬのだけれども、どうかひとつ、あなたの答弁を了解しますから、その点で努力してください。 それから最後の質問は、蚕糸事業団、これは新聞報道にも出ておりましたが、現在空前の在庫を抱えて赤字転落の危機にさらされて動きがとれなくなった――大きな活字です、これは見出しが。あなた、ごらんになったでしょう。事業団の一月末の在庫は十四万四千俵に達し、事業団の金利負担、倉庫の保管料は年間百二十億円を超え、このままいけば絹が国鉄、米、健保、三K赤字に続く四番目のKとなることが必至である、こういうふうなことが出ておりました。大変なことでしょう、これは。このため、農水省も生糸の基準価格を五十六年度は今年度のキロ当たり一万四千七百円から数百円引き下げ、需要の拡大と事業団の在庫減らしを図る方針を固めた、こういうふうにこれは三月十二日の各新聞に出ておるわけです。 そこで、お伺いしたいのは、五十六年度の基準糸価を引き下げる方針を固めたというこの報道内容は事実なのかどうか。 それから二つ目は、農水省としては生糸の一元輸入等による価格支持政策を将来にわたってずっと続けていく方針なのかどうかをお伺いいたします。あなたも聞いておられたように、通産省はこれは見直し論が出ておるわけです。もう二年前にも栗原生活産業局長からぼちぼち見直してもいいんじゃないか、こういうような発言もあるわけですね。だから、主管の農水省としても、生糸一元輸入制度の存廃について再検討してよい時期に来ておると思うが、農水省の見解はどうか。 以上三点お伺いして、終わります。
○説明員(市川博昭君) お答えいたします。 第一点の基準糸価でございますが、もちろん先生御承知のように、繭糸価格安定法に基づきまして、生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情から見て、適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として定めでおります。それで、五十六生糸年度に適用する基準糸価の決定に当たりましては、現在、絹の需要の減退、また景気の低迷等を背景といたしまして、先ほど先生からお話がございましたように、五十四年の六月以来、二十カ月も実は事業団は売りがなくて買いで十四万五千俵の在庫がある。こうした厳しい需給事情に十分配慮して、決定をしていく必要があると考えております。 いずれにいたしましても、繭糸価格安定法に基づきまして、基準糸価の算定の基礎となる資料を収集検討をいたしまして、実はあす二十八日に開催を予定しております蚕糸業振興審議会の価格部会に諮った上で、決定をいたす所存でございます。 それから、現在の一元輸入を含みますこの繭糸価格安定制度を将来も続けるのかと、こういう御趣旨でございますが、私ども生糸の世界的な需給を見ましても、わが国は世界最大の輸入国でございます。現在、世界的に見ましても、生糸それから絹の供給過剰基調のもとでございます。そうした中で、蚕糸、絹業が一体となって振興を図るというためには、しかもわが国の伝統的な産業でもございますし、また伝統的な工芸品振興していくというためには、やはり関係省庁と知恵を出し合っていくことはもとより必要でございますが、私どもといたしましては、やはり世界的にもまた国内的にも供給過剰の基調のもとにおきましては、絹業とともに国内原料源である蚕糸業を維持発展させるというためには、現行の価格安定制度の適切な運用に努めていくということが必要であろうと思っております。
○中尾辰義君 それじゃ、終わります。
○伊藤郁男君 最初に、大臣にお伺いをしておきます。 いま問題になっておる日米自動車問題でございますが、昨日、伊東外務大臣も帰国されまして、アメリカとの話し合いの経過について大臣は報告を受けましたか。
○国務大臣(田中六助君) 報告を受けました。
○伊藤郁男君 そこでお伺いをしたいんですが、この問題、大臣も御承知のように、成り行きいかんによりましては、貿易立国であるわが国の運命を左右しかねない問題だと思いますし、あるいは事の処理のいかんによりましてはこれがECにも波及し、かつ他の産業ですね、特に日本が急成長をしているIC産業への影響もすでに懸念をされているわけでございます。 そこで、自主規制量についてアメリカはどのような言い分を持っておるのか、その点をお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) 新聞とかいろんなところに具体的な台数を書いたものもありますし、いろんなうわさも飛んでおりますけれども、私、伊東外務大臣が帰国して報告を受けましたところ、向こう側もそういう台数のことを数を挙げて触れておりませんし、特に伊東外務大臣は、立つ前の日、私と一時間以上打ち合わせしてアメリカに行ったわけでございますけれども、そのときも台数とか、あるいは具体的な方法論については話すことをよそう、むしろ向こうが頼むことであるから、向こうの言い分を聞いてこようということを二人で約束したわけです。伊東外務大臣はよくそのことを守って、今回の大統領を初め関係者の人々と会ったという事実を聞いておりますし、その間、伊東外務大臣が向こうにおるときに電報を打ってきたのも、全くそのとおりでございました。
○伊藤郁男君 それでは、伝えられるところによりますと、伊東外務大臣が訪米直前に、ヘイグ国務長官がマンスフィールド駐日大使を通じてアメリカの言い分を伝えてきた、そのことは事実ですか。
○国務大臣(田中六助君) 私が外務大臣から聞いたところによりますと、外務大臣はそういうことはないという表現でした。
○伊藤郁男君 アメリカのこれはマンスフィールド駐日大使を通じて日本の政府に伝えられた内容は、こういうことじゃないですか。日本車の輸入台数を一九八〇年代に先立つ複数年の水準にしてもらう、これがアメリカ政府の要望だと、こういうことですね。それに対して日本政府は、この一九八〇年代に先立つ複数年というのは、具体的に言えば七八年、七九年の平均台数を意味するのだ、こういうように受けとめているんだ、こういうように報道がなされておりますけれども、これも事実じゃないですか。
○国務大臣(田中六助君) 私もその一部の報道を聞きましたけれども、実はもう数時間前ですが、伊東外務大臣に会いましていろいろ聞きましたところ、私の方からそれを聞いたのじゃないのですけれども、伊東外務大臣の方から、そういう報道が一部あるようだがそういうことはないということを、いまさっき聞きました。
○伊藤郁男君 しかし今度、外務大臣が向こうに行きましてレーガン大統領ほかにお会いをいたしまして要求をされているのは、これはもう日本経済新聞でも大きく報道されて、百五十万以下を要請したんだと、こう言われていますね。マンスフィールドが政府に伝えてきた内容と、この百五十万台以下というのは実は符合していると思うんです、私は、それは七八年の対アメリカ向けの台数は百四十万八千台ですね、七九年が百五十四万七千台、平均すれば百四十八万台ですね。しかし昨年、八〇年は百八十二万台ということですね。だから三十万台近くの規制をしてもらいたい。となると、これが百五十万になる、こういうことになるわけですけれども、そういう理解はもう全然していない、そういうものは交渉の過程ではなかった、こういうように理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中六助君) そういう具体的な数字の――実は前提として申し上げますが、向こうがどういう話をしようとも、私どもはこれは交渉とかいうことじゃなくて話し合いだというふうに思っておりましたところ、伊東外務大臣も、実は自分も交渉とか考えたことはない、話し合いだと。たまたまレーガン大統領も話し合いという言葉をずっと使っておったそうでございます。 それから、具体的な数字につきましては、やはりどなたも、向こうの方は大統領を初めそれぞれの、ヘイグ国務長官も、そういうことは何も言わなかったというようなことでございました。
○伊藤郁男君 いずれにいたしましても、アメリカの自動車産業の現状から考えまして、このような無理な要求が出されることは、もう想像は私はつくわけです。百五十万台以下に抑制しろということはかなりむちゃな要求ではないか、こういうように私は考えているわけです。 そこで、もう一点お伺いをしておきますが、もともとアメリカの自動車産業がこのような危機を迎えたのは、これはもっぱらアメリカ企業の企業戦略といいますか、あるいはオイルショック以降の小型車生産ということに立ちおくれを来した、こういうことでありまして、日本からアメリカに大量に自動車が輸出されて輸入されているからこの問題が起こっているわけではないということは、これはもうレーガン大統領自身も言っておりますですね。今日の日米自動車問題というものは日本の輸出増で引き起こされたものではない、こういうことはもうレーガンさんも明確に言われておりますし、昨年の十一月七日のITCも日本車の輸入問題についてはシロの判決を出しておるわけですから。 そこで、自動車産業はもちろんアメリカにとっても重要な戦略産業でありますけれども、これは日本にとっても重要な戦略産業であるわけですね。だから、アメリカに非があるなら、何ゆえに日本に自主規制が押しつけられてくるのか、この点に関する大臣の見解をお伺いしておきます、
○国務大臣(田中六助君) 伊藤委員御指摘のとおりに、アメリカの自動車産業がアメリカにとって非常に重大であると同時に、私どもにとりましても日本の自動車産業はいまや基幹産業で、その中心の従業員が六十三万七、八千名おると言われておりますし、その関連の企業、下請企業、あるいはディーラーなどを含めますと膨大な人数にすそ野が広がっておる企業でございまして、むしろ私は、日本の自動車産業にどこかひび割れが入ることはアメリカよりも深刻じゃないかということさえ感じております。したがって、アメリカにレイオフ、日本の自動車産業によって失業が二十万とかそれ以上とかいうようなこともございますけれども、いま御指摘のようにITCの判定もシロだということになっておりますし、アメリカの有識者の中にも、アメリカの自己努力が足りなかったというようなことを堂々と言っている人もおるわけです。私どももアメリカの人々と話をするときに、安くてよくて燃料のかからない日本の自動車、しかも修繕も、私が聞くところによりますと、アメリカの車の四分の一。こちらが一回修理屋へ出すときに、向こうの方が四回ぐらい山さにゃいかぬというようなことさえ聞いておりますし、まあそういうことは別といたしましても、日本の車が優秀であるからアメリカの消費者が買うのであって、アメリカの業者とか国会の関係の人、それらがいろいろとやかく言うのもちょっとおかしいねというようなことは、向こうから来たときまず言います。 それから、いろんな交渉というか、話を聞くわけでございますけれども、ただ私どもも考えさせられるのは、アメリカの日本との貿易量というものは日本の貿易の四分の一はありますし、第二次世界大戦以後アメリカ側から立って日本をながめた場合に、あれもした、これもしたというような言い分もあるかもわかりませんので、アメリカの体が弱っておるときは、まあ少しはこの薬を飲んだらどうだ、この重湯はいかがというようなことも必要じゃあるまいか。過去の貿易量あるいは過去の歴史、それから、これから先自由貿易主義というものを日本がとっていく以上、アメリカも保護主義はいやだ、自由貿易主義でやろうじゃないかという基本路線は変わっておりませんし、そういう点もございますので、まあまあ日本が話し合いに応じ得るような話ならば、お互いに話し合ってもいいのじゃないかということを現在思っておるだけで、伊東外務大臣も私と、まあ多少の程度の差は人間でございますからあるかもしれませんけれども、基本路線においては少しも変わってないようなことも聞きましたし、私は私で、いま申し上げましたような考えで現在のところおります。
○伊藤郁男君 それでは、鈴木総理大臣も言われておりますように、五月の訪米前までにこの問題は決着をつけていきたい、こういうことのようでございますけれども、その方向で決着をつけられますか。
○国務大臣(田中六助君) きょうも伊東外務大臣、宮澤官房長官と数時間前にお話をしたわけでございますが、いずれにしても、アメリカ側が、伊東外務大臣が訪ねた今回、私どもの予想以上に、大統領も含めまして自動車、自動車という声が強かったわけでございます。したがって、この問題は声が大きかっただけに、早くしたい、何か話し合いをうまく持っていきたいという証拠でもあろうという分析の仕方に立ちまして、向こうの方もレーガン大統領自身が伊東外相に首脳会談、つまり鈴木・レーガン会談前にこの話し合いを折り合いをつけたいと言ったそうです。鈴木総理もそのような気持ちでございますので、先ほどの私どもの会合では、総理が渡米前にこの問題を片づけようと、この問題を片づけるべく、終止符を打つべく努力をしようという結論を先ほど出したところです。
○伊藤郁男君 そこで、先ほど大臣も言われましたように、六十万が自動車産業を中心に働いておりまして、関連企業、下請すべて含めて一千万人程度の人がこの自動車産業に関連をして働いているというきわめて大きな重要な問題でありますので、そしていま伝えられているように、百五十万台以下に押さえられるということになりますと、もうすでに十四、五万あるいは二十万程度の失業者も出るだろうと、こういうようにまで言われているわけでありますから、この点につきましては慎重適切に対処をしていただきたい、このように要望をいたしますとともに、この交渉経過の中で、アメリカの自動車産業自身が、アメリカの政府自身はアメリカの自動車産業の再建について一体どのような方向で考えておるのか、その点わかりましたら見解だけを伺いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 先ほどの伊東外務大臣のお話によりますと、私どもももちろんそうでございますけれども、こちら側からどうとかこうとかするということではそれは話にならない。アメリカの実情、アメリカが日本にお願いすると言ってはちょっと言い過ぎかもわかりませんけれども、アメリカが日本にどういうことをしてもらいたいのかということを出しなさい、そうしなくちゃこちらは何ら対応できないということを、伊東外務大臣も向こうで言ったそうです。私どもも伊東さんが行く前に私はそれを言っておいたのですが、それには外務大臣も、向こうから日本に説明に来さしてくれということを大統領に言ったところが、大統領が、それはもうすぐでもやりますということを言ったそうです。 それで、先ほどの結論の一つの中に、こちら側はいつでもいいから、あなたたちがいいとき――それはもうおそくなったらだめでございますけれども、できるだけ早くあなたたちの考えでいること、それからしてもらいたいこと、そういうことを説明に来なさいということを向こうに申し入れたらどうかということが、先ほどの結論の中の一つにございます。それで私どもも、向こうの話し合いの、どういうことを具体的にどうしてもらいたいかということをやはり聞かなければ、こちら側の業界に対する話も何一つできませんので、まず向こうの言い分を聞かなければならないという考え方でございます。
○伊藤郁男君 それでは、再度この問題に対する慎重かつ適切な対処、御要望を申し上げまして、別の問題に移りたいと思います。 一つは、輸出保険法の問題ですが、先ほども出ておりました、政府はプラント輸出の促進策ですね、確かにいまの政府の御見解のように、プラント輸出が落ち込んでいる。五十五年段階でも前年度比三〇%も落ちているということですね。そういう状況の中で、今度五項目にわたる輸出保険法の改正案を提案をしておりますけれども、果たしてこれが中国やイラン、イラク等における日本企業の活動に役立つものかどうか、この点の見解をお伺いしておきます、
○政府委員(古田徳昌君) 先生御指摘のように、最近のプラント輸出が非常に停滞傾向に陥っているわけでございますが、これの増加促進を図るために、私どもとしましてもその措置の一環としまして輸出保険法の改正をお願いしているところでございます。 その内容は、共同受注のための規定の整備、あるいは技術提供契約のバックアップ等々五つの点から成っておりますが、この法改正が行われた場合におきましても、改正法はこの施行後に引き受けます輸出保険について適用されることになるわけでございます。現在すでに保険契約が結ばれております案件につきましては効力は及ばない、遡及して適用することはないということになっております。 したがいまして、ただいま御指摘の中国、イラン、イラク等の国々におきます輸出保険の適用につきましても、従来のものについてはそのままということになるわけでありまして、今後の引き受けにつきましては、これらの国につきまして、いわゆるカントリーリスクをどのように評価するかということによりまして、その方針を決めて運営していくというふうに考えております。法改正を行ったからといって、特定の国々について特別の運営方針をとるというふうなことではございません。
○伊藤郁男君 これに関連しましてもう一つ。 これは、先ほども出ておりましたが、混合借款の問題ですが、事務当局は積極的にこれを活用すると言い、大臣の先ほどの御答弁を聞いておりますと、私の考え違いだったら許していただきたいのですが、混合借款というものは影響が大きいものだから、表向きは活用するとかしないとかは言わず、奥座敷に置いておいてひそかにやるんだと、こういうような答弁のように聞こえたわけでありますけれども、この点はどうでしょう。
○政府委員(古田徳昌君) 混合借款、いわゆるミックスクレジットにつきましては、もともとOECDの輸出信用ガイドラインの精神に照らしまして問題があるわけでございまして、一部の国の混合借款につきましては、わが国は従来から国際会議の場等でも国際輸出信用競争を激化させるものがあるということで批判してきたわけでございます。 しかしながら、先ほども御説明いたしましたように、最近の世界的なプラント需要の停滞ということで、非常にプラント輸出についての競争が激しくなっておりまして、一部の国の混合借款の適用といった傾向が非常に強くなってきているわけでございまして、そういうことで他の先進諸国におきましても、次々に混合借款の対応策を講ずるような段階に至っているわけでございます。 こういう状況を踏まえまして、私どもとしましても、諸外国の混合借款に対応するための措置がどうしても必要であるだろうということで、私どもの方から積極的にそういうことをやるということじゃなしに、諸外国がそういう形の借款を適用しました場合には、いわゆるマッチングペースによりまして、防衛的にそういうふうな借款を供与することを考えていきたいということでやっておるわけでございます。
○伊藤郁男君 防衛的と言われますけれども、それで済むのかどうかですね。現実にイギリスなどは、かなり発展途上国向けのプラント輸出について、大幅な金利の引き下げによってこれらの地域に攻勢をかけている。そういう現状もあって、そういう状況の中でわが国が劣勢に陥っちゃいかぬということで考えられたとは思うんですが、こういうような形でいま御懸念のように競争が激化をしていきますと、やがてこれが金利戦争に発展する可能性があるのではないかというように思うわけでありますけれども、その点、御見解をお伺いしておきます、
○政府委員(古田徳昌君) 私どもとしましても、あくまでこの信用供与におきます競争の激化ということを回避したいという気持ちは持っているわけでございまして、そういう意味で防衛的に適用していきたいということでございます。OECDのガイドラインにおきましても、他国が有利な条件を提示した場合には同一条件を提示するということが、いわゆる先ほど言いましたマッチングという形で認められているわけでございまして、そういうことで私どもとしましても、認められたルールに基づく最小限の対応措置はとっていきたい、こういうふうに考えております。
○伊藤郁男君 それでは別の問題で一点お伺いをしておきますが、もうこれは通産省十分に御承知のところでありますが、鉄鋼二次産業の問題でございます。 鉄線、ロープ、これらの不況業種対策の問題でありますが、これらの業種はもう本当に停滞をして、一向に回復の兆しがない。それでこれからの見通しはどうかというと、これもなかなか見通しがはっきりしない。そういうことで、これらの業種の中には倒産を待つばかりだというようなところもあるわけでありまして、そこでこれらの鉄鋼第二次産業対策をもう少し前向きな方向で考えていただきたい。それは構造改善等の強力な推進、それから素材値下げなどの調整、それから乱売防止、こういうようなことも、これはまあ業界も望んでおるわけでありますが、通産としてこれらの鉄鋼第二次産業に対する新しい新たな救いの手というものがあるのかどうか、お伺いをしておきます。
○政府委員(小松国男君) 先生御指摘のように、鉄線とかワイヤロープの鉄鋼の線材製品はいま非常に不況にあえいでいるわけでございます。 その原因といたしましては、景気が低迷いたしておりますので、内需が相当鎮静化しておるわけでございますが、同時に輸出の方も停滞いたしておりまして、これは一つは国際景気が非常に悪いということでございますが、同時に中進製鉄国の自給率が向上してきている。また、そういう国の輸出の力も出てきているというようなことで、これが輸出市場でいろいろ競合するというようなこともございまして、輸出の点につきましても現在低迷の状態にある。そういうことで、内外ともに需要が落ち込んでおりますので、二次製品メーカーとして非常に苦しい状況にあるわけでございまして、通産省といたしましては、こういう事態をできるだけ早目に脱却させたいということで、現在鉄線につきましては、中小企業団体の組織に関する法律に基づきます生産設備の制限、それからさらに中小企業近代化資金等助成法によります構造改善対策ということで、先ほど先生の言われましたように、現在規模その他非常に過剰設備を抱えておりますので、これについては設備の廃棄等を含めた構造改善対策を進めると、そういうことを指導しておるわけでございます。 さらに、ワイヤロープにつきましては、現在法律としてございます産地中小企業対策臨時措置法に基づきます特定業種に近く指定をいたしまして、今後の構造改善、合理化問題を図っていきたいというふうに考えております。 いずれにしましても、全体の需要構造との関係で、単なる景気停滞だけでない構造面の問題もございますので、それに対応するような企業の体制を整備していく。あわせまして、大手の素材提供メーカーとの関係も強化し、その点の協力も得ながら、ぜひこの業界を安定させる方向で努力いたしていきたいと、かように考えております。
○伊藤郁男君 よろしく強力な対策をお願いをしておきます。 それで、文部省いらっしゃいますか。―― 御承知のように、日本企業の海外進出はますますふえるわけでございまして、それに伴いまして海外出張社員、こう言われている者も急増をしているわけです、そこで、いま海外に三カ月以上滞在をしているこれらの海外出張社員はどのくらいおりますか。そして、そのうち一年以上の滞在者はどの程度に上るのか。実態がわかりましたら、お知らせをいただきたい。
○説明員(岩崎允彦君) 外務省では、毎年海外に在留しております邦人数の調査を行っておりますが、昨年の十月一日現在で、ある特定の外国に三カ月以上長期滞在をしております邦人の総数が十九万三千五百人でございます。このうち、商社、銀行、メーカー等、民間企業の関係者及びその家族は十三万一千二百人でございます。 それから、第二の御質問にございました一年以上ということでございますが、その点につきましては、特に一年以上という基準の調査はいたしておりませんが、ただいまの民間関係企業の方々の海外在留は、大半が一年以上の方であろうと想像しております。
○伊藤郁男君 この海外社員が一番多い国から五つくらいわかりますか。
○説明員(岩崎允彦君) ちょっといま正確な資料を持ち合わせてまいりませんでしたが、一番多い国はアメリカでございます。それから西独、それからあとアジアの韓国とか台湾とか、そういうところも多い方に入っております。
○伊藤郁男君 いまのお話のように、三カ月の滞在者十九万三千五百人、一年以上が十二万一千二百人ということですが、これらの海外出張社員以外の者も含めると、実に昭和四十五年の海外在住者二十九万人程度のものが五十五年には四十五万人程度に上っておる、こういうふうにある資料にあるわけですが、いずれにいたしましても、これらの海外滞在者はそれぞれ悩みを持っておると思うわけですが、どんな悩みを持っておるか、把握されておりますか。
○説明員(杉野明君) 海外におきます日本の、わが国の発展を支えるいわゆる海外滞在者の方々の生活環境を妨げるすべての要因、これを私どもは海外滞在者の悩みであるというふうに考えております。具体的に申しますと、たとえば海外において家族を同伴される方々の子女の教育問題、それから特に不健康な土地におきます健康管理の問題等々といったことを考えております。
○伊藤郁男君 それだけのお答えでは、どうも不十分のように思います。 これは、ある商社のアンケート調査によりますと、これらの海外出張社員を含めて海外の在住者が抱えている問題というのは、幾つか悩みがあるわけです。いまおっしゃったような子供の教育の問題もしかりでありますけれども、医療問題もある。それから一番重要なものは、イラン・イラク戦争にも見られましたように、危険ですね。あるいは盗難事故もある、傷害事件にもぶつかる、こういう個人の防衛問題ですね。非常に重要な問題であるし、かつ、文化的欠乏症というものに陥る傾向があるわけです。これらの問題につきましては、後でまた逐一お伺いをしていきたいと思うんです。 そこで大臣、それぞれ海外におられる方々がさまざまな悩みを持って生きているわけですね。しかも、これは日本の海外の経済協力という部門も担っておるわけです。しかし、これらの悩みに対しましては、多くはそれぞれの企業がばらばらに、独自に対応しているというのが現状であると思うんです。だから、もっと本格的、積極的なこれらの悩みを解消する努力というものはやっぱり政府自体もやっていっていただきたいし、これらの部門にもっと目を注ぐべきではないかと思うんですが、この点についての御見解をお伺いします。
○国務大臣(田中六助君) 海外におる在留邦人の人々は、やはり風俗、習慣あらゆる社会情勢の違う、政治情勢も違う中で、祖国のために不便を忍んで活躍をしている人が多いわけでございますので、その点十分配慮して、これが対策に万全を期さなければならないというふうに考えます。
○伊藤郁男君 その点、本当にまだ政府の目の向け方というものは、私は非常にまだ少ないというように思いますので、積極的な御努力をお願いをしておきたいと思います。 そこで文部省にお伺いをしますが、海外の日本人学校の実情、これはどのようになっていますか。
○説明員(福田昭昌君) 現在、海外に在住しております義務教育段階の相当年齢の子供の数は、昭和五十五年現在で約二万七千人の数になっておるわけでございます。このうち、日本人学校が五十五年度で五十三カ国六十七校ございますが、その日本人学校に在籍して勉強しております者が一万二千人、全体の約四割強でありまして、そのほかの者は現地の学校で教育を受けつつ日本語等による補習を受けるという補習授業校、これが三十六カ国七十八校ございますが、そこに通学している者が九千七百人、四割弱でございます。あと、もっぱら現地の学校で教育を受けている者が五千人、全体の二割でございます。
○伊藤郁男君 全体の二割が現地の学校で勉強をしている、あとは日本人学校の教育ということになっておると思うのですが、日本人学校を今後も充実をしていく、こう考えておられますか。
○説明員(福田昭昌君) 海外子女教育の問題につきましては、従来から外務省と文部省と協力いたしましていろいろな施策を進めてきておるわけでございますが、特にここ数年、文部省といたしまして力を入れてまいりましたのは、一つは、日本人学校への教員の派遣の問題でございます。それから教科書の無償支給、これは当然のこととして従来から支給をいたしております。あと、日本人学校補習授業校の教材の整備及び通信教育の実施、その他特殊教育の問題というような施策を進めてまいっておりますが、冒頭に申し上げました教員の派遣につきましては、五十二年度から派遣教員制度を新たに確立をいたしまして、国内の公立の学校の先生を派遣する場合に、その国内給与に相当します人件費相当額を国が全額都道府県に交付する、俗に申しますと国が負担するというような制度を発足いたしまして、五十二、五十四、五十五年度で完成を見たわけでございます。同時に、海外へ出ていただく先生方の国内的な身分の安定ということを、従来、いろいろ県によってまちまちでございましたので、これは教育出張という形で身分を安定させる形で出張させるということを五十三年度から発足をいたしたわけでございます。 それから、教材の関係でございますが、これは五十四年度から、国内の学校の教材基準に準じて計画的に整備をするということで、五十四年度から本件が発足をいたしておるわけでございます。従来にも増して、今後ともそういう面では努力をしていくつもりでございます。
○伊藤郁男君 私は、日本人学校を現地につくって大いに日本の教育課程に基づいて教育を積極的にやる、これも結構だと思うのですが、弊害も生じておることは事実ですね。たとえば、ニューヨークに五年も住んでいた人が英語を全然覚えないで帰ってきた、こういう例も私は聞いているわけですね。恐らく、日本人学校というのは、海外出張社員その他が多いところに積極的につくられていると思うのですが、それは、先ほども御承知のように、アメリカとか西独とかアジア各地域、こうなるわけですね。だから、せっかくそういうところに、現地に子弟が親と一緒についていって、英語を覚えるチャンス、ドイツ語を覚えるチャンス、こういうものがありながら、五年たって帰ってきてもさっぱり現地のそういう英語もドイツ語もしゃべれない、私は本当にもったいないと思うんですね。だから、日本人学校を積極的につくって、それをこれからも大いに充実をしていく、こういう指導も必要かと思いますけれども、むしろ私は、将来、ドイツ語だとか英語だとかフランス語だとか、日本に帰ってきても大いに役立つ、将来の自分のために役立つ、こういうところに行く子弟についてはむしろ現地の学校に積極的に入らしていく、もちろん帰国後受験の問題がありますから親は心配ではありますけれども、しかし、それはその問題としてまた対策を立てるといたしまして、そういう方向の発想の転換というものが私は今日必要ではないかと思うんですが、その点の御見解いかがでしょうか。
○説明員(福田昭昌君) 私の説明でちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、日本人学校を設立していく場合には、当然現地の日本人会を中心とした考え方というものが前提としてあるわけでございますが、現在、先ほど申し上げましたように、世界的に見ますと四割を超える者が日本人学校に行っているということでございまして、残りの子供は現地校あるいは国際学校へ行っているわけでございます。ただ、そのうち相当数は、日本語等の補習を同時に受けるということで行われておるわけでございます。 従来、日本人学校が設立されておる状況を見ますと、たとえば北米でございますが、ここはやはり教育水準が現地の方も高いということ、あるいは受け入れというものもわりとスムーズに行われるというようなことから、御父兄もせっかくの機会だから現地校に行かせようかというお気持ちも強い。そのかわり、日本人としての教育はひとつ補習授業校といいますか、そういうものでやっていただきたいという形で、たとえば北米地区で申しますと、全体の子供の数から申し上げますと七二%の子供が補習授業校に行っている。で、日本人学校に行っている子供は三・七%と、こういう状況になっているわけでございます。逆にアジア等を見ますと、これはなかなか現地校といいましても二部授業をやったりいろいろむずかしい状況もございます。そういうところは、どうしても日本人学校設立というものが強い要望として出てまいります。その結果、アジアの場合を見ますと、日本人学校に行っている子供が九四・八%という状況になっておるわけでございます。 したがって、それぞれの現地の実情に応じて、現地のニーズにこたえながら施策を進めていくということであろうかと存じます。
○伊藤郁男君 アジアでは、日本人学校に行っているのが九四・八%ということですか。ここにまた、私は問題があると思うんですね。むしろアジアの地域、日本人にはどうしても言語の障害がありまして、日本人だけでかたまってしまう、現地の人となかなかなじめない、これがやっぱり経済協力の問題にも深くかかわり合いを持っていると、こういう現状が実はあるわけですね。だから、現地の人にむしろ積極的にこちらから飛び込んでいって、そして現地の子供同士で勉強し合う、あるいは現地の家族ぐるみのおつき合いもする、こういう方向をたどれば、むしろ経済協力の面からいっても、日本人の評価を高めることになると思いますがね。 だから、そういう意味において、これらのアジア地域などにおいては、むしろ現地の学校にというような指導がとれないのかどうか、こういうことを私は思うわけでございます。そして、現地でそういうことになりますと、日本に帰ってきたときに、日本語がなかなか今度はしゃべれないという言語障害が起こってくるわけですが、それについて今度は日本で特殊な学校をつくってそこで日本語を教えていくと、こういう対策を一貫してとられていくことが望ましい、こういうように思うんですが、もう一度御見解をお伺いしたい。
○説明員(福田昭昌君) まあ、一般的に申し上げまして、せっかく外国において生活をする機会というものを、十分にその利点を生かした生活をし、あるいは教育の機会を受けるということは、あり方としては望ましいということが申し上げられようかと思いますが、ただ、具体に考えますと、それは相手国の事情、あるいは相手国の教育事情というものも非常にかかわってくるわけでございまして、先ほど申し上げました先進国の場合は比較的日本人も入りやすい点がございますし、帰ってきてもわりかたスムーズに移行できるという形になっておりますけれども、開発途上国の場合、必ずしもそういう条件が十分じゃないという点もございますし、場合によっては二部授業、あるいは三部授業をやっておるというようなこともございますので、そういう結果、向こうに行かれている御父兄の御希望からしますと、どうしてもそういうところに日本人学校をつくってほしいという要望から、できてきているというような現状になっておるわけでございます。 そこで今度は、こういう日本人学校ができたときに、日本人学校での教育というものをどういうふうに考えていくかというのがその次の問題かと思いますが、これも、一般的には国内の教育に準じた教育を行っていただいておるわけでございまして、日本の教科書を使い日本から行った先生に日本語で教育を受けておるということでございますが、ただ、そういう教育にとどまらず、そういう外国において生活しておるという利点を積極的に生かしていただく教育、まあ私ども文部省ではこれは国際理解といいますか、そういうふうなとらえ方をしておりますが、そういう面に目を向けた教育を日本人学校としての教育方針としてよく考えてほしいということをかねがね申し上げておるわけでございますが、ほとんどの日本人学校は、そういう観点から現地事精の理解に努めるということを各学校で考えていただいておるというふうに承知をいたしておりまして、まあ例を申し上げますと、たとえば現地語を取り上げる、あるいは現地の歴史、あるいは現地の地理、そういったものを積極的に授業に取り入れるというようなことも行われておりますので、日本人学校自体も、単に国内の教育だけにとどまらずに、そういう積極的な面も取り入れた教育をやってほしいという方向にあろうかと思います。
○伊藤郁男君 時間が参りましたので、最後にお伺いを通産の方にしておきたいと思います。 先ほども私が申し上げましたように、海外の駐在社員というのが危険に対する自己防衛問題で大変苦労をされているわけです。で、これらに対しましては、各企業が自主性に基づいてやっていると、それだけで果たしていいのか。イラン・イラク戦争などの例を見ますと、果たしてそれだけで十分なのかどうか、このことを私は非常に疑問に感じているわけです。これはやっぱり国が、それらの自己防衛策というものに対して、それに要する補助金なりそういうものを企業に積極的に出すようなことをして、危険対策を拡充すべきだと思いますけれども、御見解をお伺いをして、私の質問を終わります。
○政府委員(宮本四郎君) ただいまの御指摘、本当に私どもも非常に重要な問題だと同感する次第でございます。 在外企業に働いております従業員が、その赴任地におきますところの戦乱とか紛争とかいうことで身の安全ということに問題が至った場合に、これをどうやって確保するか。これは、もちろん在外企業自身の問題でもございますけれども、それは当該国におきますところの日本の大使館あるいは領事館が一番大事なこととして考えておることだとも存じます。で、私ども、企業と大使館などがよく相談をしながら、最も必要な、かつ適切な措置をとっていくということが基本だろうと思いますけれども、通産省におきましても親会社を通じまして、あるいは外務省を通じまして、人命尊重第一という方針で臨んでまいりたいと考えております。
○主査(和田静夫君) 以上をもちまして、通商産業省所管に対する質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十分散会 ―――――・―――――