予算委員会第三分科会 第4号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/01
会議録
○主査(宮田輝君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。 昨三月三十一日、松本英一君、桑名義治君及び下田京子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として片山甚市君、鶴岡洋君及び立木洋君が分科担当委員に選任されました。 また本日、山田譲君が分科担当委員を辞任され、その補欠として目黒今朝次郎君が分科担当委員に選任されました。 —————————————
○主査(宮田輝君) 昭和五十六年度総予算中、農林水産省所管を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。片山甚市君。
○片山甚市君 私は、まず長崎の南部総合開発に関してお尋ねしたいと思います。 これは、昭和二十八年以来の懸案事項でありますが、すでに多額な補償金も支払っておりまして、月日がたってまいりましたが、まだ結論が出ないようであります。特に、大蔵省の御意見によると、今回で引き延ばしは終わりだから、昭和五十七年度の予算の見積もりをするまでの間に提案をしてもらいたい、こう言っておるようでありますが、このいわゆる諌早の湾を締め切る作業についての進渉状況について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(杉山克己君) 長崎南部総合開発事業、略して南総、南総と称しておりますが、この事業は先生いま申されましたように、戦後間もないころから構想されておったわけでございます。幾多の変遷ございましたが、現在の事業は四十五年に調査を開始いたしまして、四十八年から実施設計に入っているところのものでございます。この時点からでもかなり時間は経過いたしております。ただ、地元といたしましては、大部分の関係者の同意も得ており、長崎県も強い意欲を持ってこれを実施したいということでございますが、現在なお一部の漁業者の反対もございまして、それらの意見を取りまとめつつあるところでございます。 それから、予算の関係でございますが、補償につきましては、これは漁業権者との間で一応の仮合意といいますか、調印がなされておりますけれども、実際にまだ事業取りかかっておりませんので、補償の額の一応の算定はなされておりますものの、支払いには至っておりません。 それから、毎年調査、それから一部の事業実施の経費が計上されているところでございますが、現在までのところ、本格的な着工にかかっておりませんので、それらの経費は過去数年にわたって繰り越し、繰り越しということで、実際には使われないでまいっておるわけでございます。五十六年度予算の編成に当たりまして、いつまでもこのような状況ではぐあいが悪いということで、財政当局ともいろいろ調整いたしまして、五十六年度のしかるべき時期までには、必ず地元の同意も取りまとめて、事業実施のめどをはっきりつける。じんぜん毎年同じように繰り越しというようなことのないように、きちんと措置をするということで合意がされているわけでございます。地元といいますか、長崎県初め関係者も十分そのことはよく承知しておりますので、残された期間に関係各方面の同意を得て、さらに積極的に意欲を持ってこの事業に取り組みたいという意向でございます。私どももその地元の取りまとめを見守りながら、これを積極的に推進するという考え方でおるところでございます。
○片山甚市君 ただいま御説明ありましたように、この開発事業は昭和二十八年以来かかっております。と同時に、今日食糧の自給、食糧の安全保障という立場から言えば、農地、農用地、この確保は日本の国にとっては欠くことはできない。しかし、大変なお金がかかる問題でありますから、行政改革の今日の段階では、地元の住民の合意を得られないまま強硬に作業にかかるわけにまいらないことは言うまでもありません。そういう意味で九州農政局を中心にして努力をされておるようでありますが、関係方面の同意を得た上で円満にひとつ努力をしてもらいたいということを希望申し上げておきます。 さて、私から大臣に対してお聞きしたいのですが、わが国の農政が直面している重大な課題について、本予算委員会を通じましてもしばしば提起されております。昨年十月末、農政審議会が答申した「八〇年代農政の基本方向」の中でも、いわゆる食糧安保を農政の重要な柱に立てておるのでありますが、鈴木内閣の総合安保構想は、大増税を国民に強いる一方、きな臭い軍備増強の強化路線を突っ走っている印象が強いのでありますが、食糧安全保障の重要性について大臣から御所見を賜りたい。特に亀岡大臣は福島県の出身で、その道については人後に落ちないと思いますから、きっぱりとお答え願いたいのですが、いかがですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、食糧自給力強化に関しましては、昨年の国会で衆参両院において自給力強化の決議をちょうだいしたわけでございます。両院がこのような決議をして政府に農政の重要さを認識させなければならないというあの当時の事情、私も議員の一人としてこの決議に参加をさしていただき、また現在農林水産大臣として職務を執行さしていただいております立場からかんがみますと、よくぞこの決議はしていただいた、こういうふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、当時、昨年の四月、五月、日本に対する各国からの農林水産物資の輸入が年々増加をいたしてきております。その輸入農産物の圧力と申していいのかどうかわかりませんけれども、国内の農民諸君の立場が年々困難さを増してくる。これらの相関関係にメスを入れなければ日本農政は確立できないということで、あの決議がなされたものと私は承知いたしております。したがいまして、あの決議に沿うためには、就任以来どうしても農政審議会の結論を一日も早く出してもらいたい、そういうことをいたしまして、農政審議会から、基本方向と十年後に対する需要と生産の長期見通しというものを答申を受けたわけでございます。これらの答申を踏まえまして、過剰なものから不足しているものへ需要の動向に応じた農業生産の再編成を図ることが大事であると考えまして、そうして国会の御決議の趣旨に沿わなければならない、こういう姿勢で取り組んでおる次第でございます。 具体的に申し上げますれば、需要面では、本来わが国の気候風土に適した基本食糧を中心とした日本型食生活というものを基本にして、そして生産体制を固めていく。生産面では、もちろん国内で生産可能な農産物は極力これを国内で生産をいたしましてその努力を加えてまいりますとともに、昭和六十五年度を目標にいたしまして先ほど申し上げた需要と生産の長期見通しを閣議決定をいたしたわけでございます。そうして、今後の十年間における展望を明らかにし、これを基本にして具体的な行政としての取り進め方をやってまいろう、こういうふうにしたわけでございます。 また、具体的施策といたしましては、輸入の依存度の高い小麦、大豆等を含めまして米や野菜や果実、畜産物など、国内で生産可能なものは、これはもう当然国内生産で賄うこととして、需要の動向に応じた農業生産の再編成をやっぱりやらなければならない、こういうことで昨年国会でおつくりいただいた農用地利用増進法を中心にした農地法、農業委員会法の改正案を中心にいたしまして規模拡大の努力を図りますとともに、農業技術を向上させまして品種改良等を早急に進め、その普及を図ってまいる。さらに優良農地や水資源、これを確保することはもう何といっても農業を進展せしめる基本でありますので、これらを実施してまいりますとともに、生産基盤の整備は、ただいま先生からも御指摘のあったように、相取り進めてまいらなければならないわけでありますので、これらを強力に進めてまいりたい。と同時に、やはり農村の地域社会の連帯感というものを大事にしてまいりませんと、真の生産力の増進というような目的は達成できない。特に農地の賃貸等をめぐっての円滑なる実施ということになりますと、どうしてもやはり地域社会の連帯感を増進するような農政を進めてまいらなければならない。こういう立場から、農村の整備、推進を進めるといったような考え方を中心にして、今後わが国農業の将来に明るい展望が持てるようにしてまいりたい。 同時に、やはり先ほども触れました外国からの農産物の輸入につきましては、相手国とも十分話し合った上で、そうして適正輸入量とでも申しますか、日本の農業、農民諸君に本当に首つりをさせるというような事態にならぬような、やはり日本農民諸君にもある程度の納得を得てもらえるような量に限定をしていく、それを相手の国に十分理解してもらう、こういう努力をしていかなければならぬということで、実は擬装乳製品等につきましても、今回ニュージーランドあるいはEC等にそういう体制で事務当局も各省協力して努力をした結果、ある程度の話し合いに達したと、こういうこともございますので、これからもそのような姿勢でやってまいりたいと、こう考えておる次第であります。
○片山甚市君 いま大臣からるる御説明がございましたが、決議の中にありますように、「先進諸国に較べ著しく低位にある我が国の食糧自給力の向上をはかり、国民食糧を安定的に供給することは、将に国政上の基本的且つ緊急の課題である。」と述べられております。そこで、いま大臣からも申されましたように、農業をやっていくためにはどうしても農地が必要ですが、杉山構造改善局長のお答えによると、全国の農地が毎年約八万五千ヘクタール程度宅地になっておるようであります。こういう件についてもどういうお考えなのか、これは御所見を賜りたいと思いますが、特にいま御説明がありましたように、わが国の食糧の自給率は、昭和五十四年度では穀物自給率は三四%しかないという御説明でありますが、政府の昭和六十五年長期見通しではこれをさらに三〇%にするということでありますが、食糧安全保障を口にするからには、自国における自給体制の確立ということが大原則だと思うんですが、そのためにいま申されたように幾つかの問題がありましょうが、もう一度この三〇%になる理由について御説明を賜りたいと思います。
○政府委員(杉山克己君) 一番初めに、農地の改廃の状況についてお話がありましたので申し上げます。 恐らくある新聞の記事によられたのかと思います。私もそれを拝見しましたが、構造改善局長が年々八万五千ヘクタールの農地が改廃されているというように書いてございますが、全くの誤報でございます。実態は、最近の状況を申し上げますというと、五十三年が五百四十九万六千ヘクタール、それが五十四年になりますと五百四十七万四千ヘクタールというようなことで、二万ヘクタール程度の年々の減少がございます。その理由といたしましては改廃があり造成があるということでございますが、改廃はこの時点でも五万ヘクタール程度になっておりまして、最近の動向としては、むしろこれは最近の経済情勢を反映しているのでございましょうか、やや減少するきみにある。これからはむしろ私どもはできるだけ改廃が小範囲にとどまることを期待しながら、同時に造成をできるだけ図っていくということで優良農用地の確保、できれば増加ということを図ってまいりたいというように考えているところでございます。
○政府委員(渡邊五郎君) 自給率の点についてお答えいたします。 今般、長期自給見通しを立てました際の自給率の考え方でございますが、大臣からも御答弁申し上げましたように、自給力決議等を踏まえまして、農林水産省としては第一義的に重要な農産物の自給率を高めてまいりたい、そうした意味で国民生活に直結し、かつ国内で生産可能な農産物を供給いたしたい。こういう観点から特に小麦、大豆、飼料作物というような作物については、それぞれ意欲的に自給力を高めてまいりたい。いわばこれらのものについてはかつて相当の生産を上げ得た実績等も有しております。そうした国内で生産可能な農産物をできるだけ高めたいということで、小麦につきましては六%から一九%へ、食用の大豆につきましては三一%を六一%、あるいは飼料作物につきましては約六割増しというようなふうにいたしたわけでございます。 そのようなことにいたしまして、これらの作物についての意欲的な自給率の向上を考えておるわけでございますが、問題は穀物の自給率の点でございます。御承知のように穀物の自給率自体は、主食であります米麦の国内生産と、これらの増産は当然するわけでございますが、飼料穀物とされますトウモロコシ、マイロの類でございまして、豚肉、鶏肉等の畜産物需要の今後の増大に見合いますこれらの飼料穀物の供給につきましては、やはり国内資源の制約と収益性の面からわが国でこれに対抗し得る生産を確保することができません。全体の消費生活面その他を全般的に考慮するならば、やはり飼料穀物は当分は輸入に依存せざるを得ない状況がございます。そうした意味から大体二割程度飼料穀物の増加がございます。これらのトウモロコシ、マイロ等の輸入によりまして総合いたしました飼料自給率が低下するということがございます。そうした意味でこの問題も重要な問題でございまして、先ほど申しました大豆、麦、飼料作物の自給率をまず高めることが第一でございますが、なお今後の飼料穀物をどのように自給してまいるかというのが次の課題として私ども考えておるわけでございます。
○片山甚市君 そういたしますと、いま御説明になりました輸入食糧については一わが国では約二千万トンに及んでいると聞いていますが、それは間違いありませんか。先ほどマスコミの、新聞によると八万五千ヘクタール、こう書いてありますのを全くけた違いの二万ヘクタールと、こうなりますから、もう一度輸入食糧の総数二千万トンに及んでおると聞いておるのですが、それは間違いありませんか。しかもそれはアメリカからの輸入が七〇%を占めておると言われています。一口で言ってわが国の命はアメリカにゆだねておると言っても過言でないと思います。不幸にして局地戦争や港湾ストなど思わぬ障害が起こって輸入が半減した場合はどうなるのか、政府は試算をしたことがあるかどうか、まずお聞きします。
○政府委員(松浦昭君) ただいまお尋ねの穀類に関する日本の輸入量でございますが、ただいま先生おっしゃいました、約二千万トンとおっしゃいましたけれども、その数字はほぼ当たっております。
○政府委員(渡邊五郎君) 輸入食糧が変化した場合の状況につきまして、計算したことがあるかというお尋ねでございますが、この件につきましては農政審議会におきまして、審議の過程におきまして私どもも一つの試算をいたしまして、現状の耕地面積おおよそ五百五十万ヘクタールでございますが、こうした状況で輸入の食糧が二分の一あるいは三分の一程度削減された場合を想定いたしますと、やはりそれに応じたカロリー水準といたしましては現在約二千五百カロリーと言われておりますが、それぞれ二千三百カロリーなり二千四百カロリー程度まで落とさざるを得ない。それに見合いまして耕地の利用率、端的に申しますと、水田の裏作等を相当大きく広げなければならない、あるいは畑作につきましては熱量効率の高いカンショ、バレイショヘの転換、畜産につきましても豚、鶏を中心にしまして減少は避けられなくなりますが、飼料用の大麦、裸麦の裏作の導入等、各般の営農的な面での対応は考えなければならない、こういった点も検討をいたしましたが、これらの問題についてはかなり前提が多いものでございます。また、耕地を六百万ヘクタール台にまで上げれば相当程度の自給度に達するわけでございますが、こうした方法論についてなお農政審議会におきましては検討を要すべき課題というふうな御指摘も賜っておりまして、そこで先般来省内にこの問題についての検討グループを結成いたしまして、目下こうした問題への積極的な取り組みにかかっておる段階でございます。
○片山甚市君 そうすると、穀物の自給率が六十年に向かって低下する理由は何でしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 先ほどお答えいたしたところでございますが、トウモロコシ、コウリャンといったこの種の穀物と、もう一つは小麦のような麦類がございますが、私ども長期見通しにおきましては、小麦についてはこの長期見通し、十年後におきましては輸入量を減ずるという方向で小麦の増産なりを図っておりますが、飼料穀物でございますトウモロコシ、コウリャンにつきましては、これからの食生活の見通しを、日本型の食生活に移行いたすようにいたしましても、なお豚肉の消費なりあるいは鶏肉の消費なりは約四割程度ナショナル・ベースでは増加するだろう、こういうふうに見込まれます。できるだけこうした飼料穀物、雑穀類の節減に努めましても千六百万トンから千九百五十万トン程度、約二割程度の増加は避けられない。したがいまして、主食はほぼ国内の主食であります米麦については相当の高い自給率を保ち得ましても、これらの飼料穀物の二割程度の増加によりまして、全体の自給率が三〇%になる、穀物自給率が三〇%になる、こういうことでございます。
○片山甚市君 いま農水省の方からは国民一人当たりの供給カロリーは二千三百カロリー程度だとおっしゃっておりますが、私の方が見た資料によると、輸入の食糧がストップした場合は、国民一人当たりの供給カロリーは千六百カロリー程度でありますから、労働ができないような状態になる。非常に国民の生命に対する飢餓線上にあると考えておるのです。見解の相違、また資料のとり方の相違があるとすれば後でお答え願いたいと思うんですが。世界貿易に占める日本の食糧の輸入シェアはどういうことになっていますか。
○政府委員(松浦昭君) 国連の機関でございますところのFAOの統計をもとにして御説明を申し上げますが、一九七九年におきましての世界の農産物の総輸入額でございますけれども、これは二千百九十八億ドルでございます。このうち日本の輸入額が百六十一億ドルでございますので、シェアは七・三%ということになっております。なお、これを主要な品目別について見てみますと、わが国でなかなか、国内で生産がむずかしいという穀類等を中心にいたしまして、この輸入の比率が大きいわけでございまして、穀物について申しますと、世界の輸入額が総体で三百四十九億ドル、日本の輸入額は三十五億ドルでございますので、シェアは一〇%でございます。大豆につきましては世界が七十五億ドル、日本が十三億ドルで、シェアが一七・三%。それから粗糖でございますが、世界が九十七億ドル、日本が七億ドルでございまして、シェアが七・二%。かようなぐあいになっております。
○片山甚市君 このように世界第一の輸入シェアを持っておる日本の国ということは、言葉を変えて言えば食糧の安全保障が十分行われておらないということであります。そういうことから、先ほども申しましたように国際情勢が変化する、各国の状況が変わってくるということを検討されましたときに、日本、わが国の食糧自給の現状については、国民の好みでなくて、むしろ世界の食糧を買いあさって日本が何とか生きておるというような状態は克服されるべきだと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 不時の出来事等がありました際には、食糧、農林水産物資を相当輸入に頼らざるを得ない日本の現状を見るとき、いま先生のような心配を持つのは、先生ばかりじゃなくて私どももその考え方を一にするわけでございます。したがいまして、できるだけ国際平和を維持する努力をいたさなければなりませんし、平和のもとであれば戦後三十数年の間実施してまいりましたこういう情勢も維持して、実行していくことができるわけでありますが、不時の出来事等がありますとどうするかという問題は私としても常に頭を悩ましておるところでございます。したがいまして、できるだけ安定的に供給できるような態勢を輸入面においても考えて実施をしておるわけでありますけれども、それよりもさらに国内でできる物は国内で自給をすると、そういう意味においてこの甘味資源と申しますか、砂糖、てん菜糖等の増産等も年々実施をされておりまするし、やはり何といってもこの飼料穀物が一番大宗を占めておるわけでございます。したがいまして、アメリカという安定した供給国家があるわけでありますけれども、やはりこれらをあるいは南半球に求めたり東南アジアに求めたりというような努力を今後積み重ねていく必要があると、こういうことでいろいろと検討をし努力をし、計画をして実施をいたしておるところでございます。タイがトウモロコシ以下日本の技術協力によって相当大きく進んでおるわけでありますが、日本には直接そのタイのトウモロコシは来ておりませんとしても、やはり国際食糧需給関係の中に非常に大きな貢献をすると、間接的には日本の飼料確保に好影響としてあらわれてくると、そういうような立場を今後インドネシアあるいはフィリピン等でもやりたいとこう言っておりますので、日本の農産物と競合しない面でもありますので、そういう面にも力を入れてまいりたいと、こう思います。
○片山甚市君 飼料穀物全体で言えば、先ほども御説明のように世界貿易量の約一二・一%を買っておるし、それは世界第一でありますが、中でもトウモロコシなど粗粒穀物、大豆は世界貿易量の約二〇%でこれも第一位だということで、説明が農林水産省の資料であります。 そこで、不測の事態に備えるためにということで、結局輸入食糧の備蓄基地の確保あるいは輸入ルートの確保のため、どこかの国と戦争をしてでも手助けをしてもらう、また軍備拡張をするというようなことでは、総合安保の実態はならぬと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(亀岡高夫君) わが国は、総理からもたびたび申し上げてありますとおり、平和国家としてどこの国とも平和関係を結び、そして信頼関係を結んで、その上に国づくりを進めてきておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後も平和国家として国家的に果たさなければならない責務を十分果たしながら、農政面においても貿易面においても、日本の農業と競合するようなことなしで、外国の農産物を供給してもらえるようなやはり体制をつくり上げていくということが、私の努めであろうということで努力をいたしているところでございます。
○片山甚市君 少し質問の問題が多過ぎますから、簡略にお答えをいただくことにして質問をします。 国連食糧農業機構の西暦「二〇〇〇年の農業展望」の指摘では、栄養不足人口が世界で四億人も出る予定になる。したがって、食糧は現状の五〇%増産しなければならないと訴えておりますが、世界の食糧在庫総量は年々減少していると聞いてますが、経過的に計数をお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 世界の穀物の在庫量、在庫率でございますが、経過的に申し上げますと、現在の段階はいわゆる八一年見通しでございますが、これが約一四%でございます。七九、八〇穀物年度では一七、七八、七九が一九、七七、七八が一七、七六、七七が一八、その前の年が二年悪うございまして、七五、七六が一四、七四、七五が一四、その前の七三、七四が一五、七二、七三が一三、七一、七二が一七でございまして、最近の在庫率はかなり低下しているということが言えるわけでございます。
○片山甚市君 世界の食糧事情の逼迫の主な原因はどういうことでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 最近、食糧の事情がかなり逼迫してきておるわけでございますが、この要因は、まず一九七九年にソ連の大きな不作がございまして、これによりまして世界の穀物在庫がかなり減少したわけでございます。ところが、二年続きに世界的な穀物の供給の不足がございまして、特に一九八〇年の穀物生産につきましては、いわゆる米国の熱波による飼料穀物等への被害がございましたし、またソ連が前年に引き続きまして不作になりました。さらに中国が不作になる。日本も不作でございましたが、このようなことで世界的な異常気候によりますところの農産物の被害が見られたわけでございます。かようなことが要因かというふうに考えております。
○片山甚市君 私の手元にあります気象庁のデータによると、一九七〇年には東欧の寒冬、七一年にアルゼンチンの豪雨、アマゾンの洪水、七二年にはソ連、インド、西アフリカなどの干ばつ、七三年には西アフリカの干ばつ、七四年には北米の霜の害、西欧の寒波、七五年にはソ連の暖冬、猛暑、七六年には西欧の猛暑と干ばつ、七七年にはアメリカの寒冬、七八年にはアメリカの寒冬と欧州の冷夏、七九年にはアメリカの寒冬とインドシナ半島の干ばつ、八〇年にはアメリカの熱波、東アフリカの干ばつ、日本の国の冷害、こういうことがありますが、異常気象を受けておる今日の状態の中で、農業は自然の気象の状態に非常に大きく作用されるということから、何としても私たちは予測することができないし、それからこれを防ぐことができないような事態も多い中で、農林水産省としては、これからの食糧の、先ほど言いましたように備蓄をもって、一たん事あるときに賄うつもりでおるのかどうか、もう一度お答え願いたい。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 備蓄につきましては、現在政府関係の団体等をも含めまして、おおよそ各農産物について主要なもの、米や、食管でございますが、その他大豆あるいは飼料穀物につきまして一、二カ月程度の備蓄を備えておりますが、これらはあくまで短期的な対応というような考え方に立っておりまして、五十六年度要求予算におきましても、これらの若干の積み増しをいたして備えておりますが、なお長期的な観点に立ちますと、やはり需要に合った農業生産になるべきであるということで、先ほども申し上げましたように、小麦、大豆あるいは飼料作物のような国内で生産可能なものはできるだけ生産を高めていくという形で、現在水田利用再編対策等も進めまして、国内の長期的には自給力を高めていくことがまず第一に必要なことだと、このように考えておるわけです。
○片山甚市君 世界の食糧事情はこれから余裕がある時代じゃなくて、大臣、余裕がなくなってくる時代だと思います。それはよろしゅうございますね。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもも中期、長期的には先生と考えを同じくしております。
○片山甚市君 三月中旬に来日されたタンザニア、ニエレレ大統領のわが国に対する率直な要望は何でございましたでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) タンザニアは近年干ばつによりまして食糧が不足しておるわけでございまして、このためにわが国といたしましても五十四年度には三万四千トン、それから五十五年度には五万トンの米を延べ払いで輸出をいたしておるところでございます。先日来日されましたニエレレ大統領との話し会いでも、困難な食糧事情についてのお話があったと聞いておりますが、具体的に食糧援助の要請があった点は聞いておらないわけでございます。今後具体的な要請がありました場合には、わが国として関係国との理解も得ながらできるだけの協力をしていく考え方でございます。
○片山甚市君 いま大統領から食糧の援助をいただく要求はなかったと言っておられるんですが、農作物についての品種の開拓や食糧輸入に一層の努力が必要だと言っておるようでありますから、私たちはむしろ、なぜ大統領が来られたかわかりませんが、日本に対する援助があったはずであります。それについては、日本の国が余剰米があるというようなことならば、むしろそういう国民の飢餓を救っていくのが当然でないか。そのときに必ず、何十万円で買ったものを何万円で渡すのはもったいないとか、そういうことをよく国の税金を損するんだなどというような大蔵ベースの話をするようでありますが、大体人間の命を金で買う考えである大蔵省とか日本政府はそういうことを言いましょうが、農林水産大臣としてどうでございましょう。私の意見について御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう仰せのとおりと私どもも考え、タンザニアに対しましては、無償援助というような形で今日までも出しておりまするし、あるいは今後もそういう要請があれば——延べ払い方式及び無償の両方ですね——五十四年度には無償と延べ払いとやっておるわけでございますので、その点今後も十分相手の国の立場を考慮しまして、やはりお米を輸出する場合には、生産者からは三十万円近くで買いましても、輸出する際には国内価格よりもむしろ低位な価格で輸出をしておると、こういう点も御理解をいただきたいと思います。
○片山甚市君 できるだけ大臣が、世界の平和のために、世界の人民のために手を取り合って生きていく日本のいわゆる国民の気持ちを表現ができるように国務大臣として一層の御努力を願いたいと思います。日本の国だけ米を余らして飼料にする、何か工業製品にしなければならぬと、こう言っておるようでありますが、その前にすべきものがあろうと、こう思います。特に世界の四十億の人口のうち十億に値する中国の食糧事情は非常に困難な状態があって、国連への食糧緊急輸入の要請や、最近十年間では輸入食糧の増加で五百万トンから一千五百万トンぐらいの傾向になっておると聞いておるんですが、中国の食糧事情について資料がございましたら御説明願いたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 最近の中国の食糧生産の事情でございますが、この食糧というのは穀類だけではなくて、豆とイモとあります。この食糧生産は一九七八、七九と増産を見た後に、一九八〇年には北部で干ばつがございまして、南部では洪水がございました。これによりまして前年を約五%下回る三億一千六百万トンという状態にとどまったというふうに聞いております。特に北部の河北省の干ばつ、それから南部の湖北省の洪水の被害が大きゅうございまして、両省で約四千三百万人、これは両省の人口の約四四%でございますが、災害を受けるという状態になりまして、農業生産が三ないし五割減少したというふうに聞いております。いずれにせよ、十億にも達しますところの中国の人口の食糧をすべて国内で賄うということは容易でないわけでございまして、先般亀岡農林水産大臣が中国においでになりましたときも、先方からそのような話がるるあったわけでございますが、最近は穀物輸入が増加する傾向にございまして、一九八〇年におきましては一千一百万トンの輸入が行われたというふうに聞いておる次第でございます。
○片山甚市君 私は、日中友好という立場から、農業技術の交換の問題やいろんなことについて御努力を願っておることについて承知しておるものですが、何はともあれ、隣の中国がやはり食糧について自給自足、自立できるということが世界の平和のためにもなるし、いわゆる日本が外国から食糧を購入しておる立場から言えば、市場の緊張化を起こさせないためにも大変有益なことだと思いますから、ひとつ中国との農業に関する技術交流や、あるいは協力については一層深めてもらいたい。これは希望でありますから御答弁は要りません。 そういうことで政府の言う食糧安全保障とは、核安保と同じように食糧もアメリカのかさの中でいいではないかということでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 先ほど来お答えしておりますように今後の輸入ソースにつきましての多元化あるいは各般の農業技術協力等いたしまして、国内で供給できないものにつきましてはこうした方式によりまして安定的な輸入が確保されるようにいたしたいと思います。同時に、国内におきましては需要に合った生産可能な農産物の自給度をできるだけ高めていくというふうに努力いたしたいと考えております。
○片山甚市君 アメリカの食糧のかさの中でおるということでなくて、日本の国もいわゆる自給率を高めて、独立国らしい生活のできるようにしたいという意味だと私は勝手にとっておきます、あたりまえのことですが。 そこで、輸出万能主義で、アメリカ国民が求めている自動車や電気製品は日本から売ると。しかし、そのかわり食糧とアメリカの農産物と軍備だけはアメリカに押しつけるというようなことについては納得できない立場であります。アメリカの国はいわゆるアメリカの農民を救うために日本の農業をつぶすようなことになる。日本の工業製品を買ってやるからということで農産物を買う。農産物を買うかわりに日本の農業が崩壊していくというふうな、いままでの六〇年から今日までの道のりは改めてもらいたいという意見を持っておることを申し上げておきます。 そこで最後の問題でありますが、わが国の米の自給問題についてただしたいんですが、政府の過剰米の年度別在庫量はどうなっていますか。
○政府委員(松本作衞君) 過剰別と年産別の在庫量は五十五年十月現在におきまして、五十年産が二十九万トン、五十一年産が百二十九万トン、五十二年産が二百一万トン、五十三年産が百二十九万トン、ここまでがいわゆる過剰在庫と考えておりまして、合計で四百八十八万トンでございます。このほかに五十四年産が百七十八万トンございまして、合計で六百六十六万トンでございます。
○片山甚市君 そこで、米が余り過ぎておると言っておるんですが、昭和五十五年度は冷害によって米作もかなり被害を受けたことは御承知のとおりです。予想収穫高よりも二百万トンほど減収になりましたが、生産農家には打撃があったと聞いておるんですが、政府の米の需給見通しはどうなっていますか。
○政府委員(松本作衞君) 五十五年産米につきましては御指摘のように非常な不作でございましたので、生産量が約九百七十五万トンというふうに見通されております。これに対しまして五十六米穀年度、五十五年産米を消費いたします五十六米穀年度の需要といたしましては千七十五万トンが見込まれますので、差し引き約百万トンほどの不足が単年度であるわけでございますが、これに対しまして政府といたしましては従来から備蓄といたしまして前年産を持ち越しているわけでございますが、この備蓄の数量が百七十八万トンでございますので、この百七十八万トンを使っていきますと、五十六米穀年度末におきましては持ち越し量が約八十ないし九十万トン残るという計算になっておるわけでございまして、したがいまして、五十六米穀年度の需給につきましては何ら心配がないわけでございます。
○片山甚市君 そこで、気象のデータを見ますと、昭和六年と七年あるいは昭和二十六年と二十七年というように、冷害等については特にいわゆる連続する可能性があります。昨年に引き続き、ことしも御承知のように豪雪を迎えたように異常に気象変化をしています。三十日の、一昨日の読売の夕刊を見ると、海流が大移動しておるということでサバのとれ方、スケトウダラのとれ方などというものについて漁民は大変だと言い、学者は不思議なことだと言っておるんですが、いま、ことしも仮定をして冷害になったときに、大体米は余裕があるんでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま申し上げましたように、五十六米穀年度末で八十万ないし九十万トンを次年度に持ち越すという考え方でございますが、このほかに五十六年産米におきまして生産調整を冷害対策として若干緩和してございますので、ここで約二十万トンほど余力が出る計算になっております。したがいまして、ただいまの持ち越し量と五十六年産米の需要以上の余力の二十万トン程度を足しますと約百万ないし百十万程度が通常年であれば、さらに次の年度に持ち越されるという計算でございます。したがいまして、ただいま御指摘のように五十六年産米におきましても、非常な冷害等によりまして不作があったということを考えましても、この百万ないし百十万トンがあれば対応できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。五十五年産米におきまして非常な不作でございましたが、この年におきましても先ほど申しましたように不足分が約百万トンでございますから、百万ないし百十万トンというものが持ち越せれば、これで対応が可能であるというふうに思っております。
○片山甚市君 それでは、とりあえず大丈夫だという話を聞いておきたいんですが、御承知のように石油ショックがあったときにあらゆる物が、物価がうんと上がったときに、米が御承知のように統制でありましたから、いわゆるこれが投機の対象にならずに国民生活が安定したということを農林水産省としては胸を張って考えてもらいたい。あのときに国民が何を心配をしなかったかというと、食べることだけは心配せずに済んだ。これはもうかつて不況時代だとか恐慌時代にないことであります。われわれはおなかいっぱい食べておって文句が言える世の中です。そういう意味では、今日お金の形にして五千億円とか六千億円とか七千億円とか金が要るから、お米のいわゆるちゃんとした統制をやめて、勝手でたらめに市場機能に回せなどという寝言に耳を傾けられたら亀岡大臣はやめてもらわなければいかぬ。そういう意味でひとつ意見を述べておきます。 さて、先ほど飼料の問題について言われておりますから、結論的に申しますと、大臣も筑波に行ってみられたらまだ自信ができないと言われた飼料米、えさ米の問題についてでありますが、政府は米の過剰を理由に米の減反政策を農民に強制しておるんですが、農民はえさ米の生産について希望をいたしたいと、こう言っておりますが、それについて政府はどのようにこれから協力をしていただけるんでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 飼料用の米穀の生産につきましては、かねがね農林水産省からも申し上げておるんでございますが、やはりこれ自体が将来の食糧の安全保障というような観点あるいは現在の稲作技術がそのまま活用される、水田が保存できるというような利点はあるんでございますが、一方、そうしたことがただいま先生が申されました食糧、食管によります直接統制下におきまして、主食との識別性の問題あるいは収益性につきましても、トン当たり約三万円程度の評価で、通常の主食用の場合の三十万円程度のものとかなり差があるというふうな点がございまして、同時に技術的な問題といたしましてもより多収穫なものでなければ収益性が償えない、あるいは脱粒性、耐寒性等各種の技術的な問題もあるというような短所もあるわけでございます。したがいまして、農林水産省としては、この問題につきましては目下技術的に開発を急ぐという形で技術会議を中心にしまして超多収穫品種の開発、研究に取り組みたいと、このように考えておるわけでございます。
○片山甚市君 御承知のようにいままでの農業のうち、米の生産性が向上したのはいわゆる民間の方々が、農家の方々が汗を出して一生懸命に研究に研究をし、競争に競争をしたという結果だと思っておるところです。 そこで、政府の方は超多収穫研究にえさ米研究費として六千三百万円を計上されておるようでありますが、それに対してどのような期待を持てるのかということですが、その第一としては、民間研究ではすでに十アール当たり千キログラム、一トンの収穫を上げ、すでに実用化の段階に入っておるというように聞いておるんですが、私たちは民間のえさ米研究を評価し、これらと積極的に協力し合ってこれに助成を図ってもらいたい。近ごろ農林水産省の補助金は切れと言うけれども、こういうものは絶対切ってはならぬ、三倍も五倍もふやして、そこらのいわゆるコンビナートをつくるよりも、日本の人間を殺さないためにはこんな安っぽい六千三百万円程度の金じゃなくてやるべきだと思いますが、いかがでしょうか、大臣答えてください。
○政府委員(川嶋良一君) 稲の超多収性の品種の育成につきましては、先ほど官房長からお答えを申し上げましたように、国が一生懸命目下やっております。 また、先生御指摘のように、五十六年度からは本格的な品種あるいは栽培の改善を図っていこうということで目下鋭意努力をしているところでございます。 また、民間におきまして各方面で熱心にえさ米ということで研究、試作をしておることも承知しておるわけでございますが、いままでいろいろ言われておりますことにつきましては、技術的に見まして必ずしも私ども十分理解し得ないいろんなデータが世の中に出ておるわけでございますが、こういった点も含みまして、これから国の立場で責任を持って進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(亀岡高夫君) このえさが二千万トンも買わなくちゃ国民が肉を食べていけないと、こういう事情でございますので、どうしてもやっぱりこのえさという問題が日本の農政の大きな課題であるというふうに考えております。しかも日本の風土、気候等を考えます際に、やっぱりこの水田というものを活用できる、水田とえさ飼料というものがうまく結びついて生産ができれば、鬼に金棒ということになろうかと思います。 そこで、いま技術会議の事務局長から答弁申し上げましたように、農林水産省といたしましてもやはり超多収穫のものでなければ生産性から見まして、収益性から見まして奨励できないということが一つと、脱粒性がまたなかなか抜け切らないという問題があるわけでありまして、これらの問題がやはりきちんとしました際には、政府においても積極的な奨励策をとらなければいかぬと思っておりますが、それまでにはまだ相当の時間がかかると、こういうふうに考えておるわけでございます。民間の方々の協力を得る態勢につきましては技術会議の方を通じて呼びかけることといたしております。
○片山甚市君 日本の農事試験場も含めてでありますが、非常に熱心でありますから、お金を出していい意味で競争させればやはり開発していくことでありますし、しかもそれには時間がかかることも事実でありますから、ネズミを飼養して病院で研究するようなわけにはまいりません。月日がかかります。しかし何としても日本の国の生活、日本国民の生活を守るためにはどうしてもそれが必要だということになっておる。私のところに全国から請願趣旨としていわゆるわが国の農業の再建、食糧自給率の向上のための食管制度の拡充を求める強い要望が来ておるんですが、これらについて先ほどから申しますように、私たちは食管制度の必要でないものはなくしてもいいけれども、この根幹を守ってむしろ強化をしてもらいたい、こう思いますが大臣の御答弁を承りたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう御指摘のとおりでございまして、食管法がありましたからこそ、第一次石油ショックのときにも国民は何ら不安なく食生活については安心してその日を送れた。こういう実績を持っておるわけでありまして、最近消費者の方々からも食管法は堅持をしてほしいという声が高く高まってきておるわけであります。したがいまして今回もやはり守りやすい、守られる食管法、そうして国民の食生活をいかなるときにおいても不安のないようにしてきた食管法を、さらに信頼され、しかも法治国家の中で守られる食管法にしていきたいということで、今回国会に食管法のいわゆる改正案を提出をさしていただくつもりでございます。
○片山甚市君 もう一度お伺いしますが、えさ米についてはまだ定義をしていないようでありますが、転作作物として認めて奨励をしていくような準備はできませんでしょうか。
○政府委員(二瓶博君) えさ米につきましては、先ほど来官房長初め話がございましたように、収益性の問題——物財費も償わないという形で収益性に問題がある。あるいは識別性——えさ米と食用の米との識別、これが十分でない。それから脱粒性等の技術上の問題というのがございます。それから転作という角度になりますと、主食用の価格とえさ米の価格、えさ米の価格は大体トン三万円ぐらいと言われておりますが、こういうふうに大きく価格差がございますので、えさ米から主食用へ横流れというような問題もあろうかと思います。 それから現段階で考えますと、転作ということでなれない畑作物でございます麦、大豆、こういうものへ転作をお願いしておるわけですが、えさ米という角度のもので認めるという角度にいたしますと、お米は現段階ではどこでもつくれるわけでございます。そういう面でなかなか畑作物への転作の推進なり、それをまた集団化していくという面でもいろいろな難点があるのではないかというようなことがございます。したがいまして、五十六年度から第二期対策というものがスタートをするわけでございますけれども、この第二期対策の転作対象作物というふうに現段階においてえさ米を考えるというようなことは全く考えておらないわけでございます。
○片山甚市君 最後の質問なんですが、いま御答弁で実は不満でありますし、こういうリスクはありましてもとにかく飼料作物をつくり、外国から買っておる飼料穀物を少しでも自給ができるようにということで、農民に励みをつけさせていく、まあ農民を信用しないということを言われましたけれども、もう少し農民を信頼をしたらいいんじゃないかと。米などというのは二種兼業が大変たくさんつくっておるのは御承知のとおりであります。専業よりも多いという感じを数字的に受けますが、とにかく、これについて答えてもらうつもりはありませんが、とにかく農林省がやる気はないし、農林省というか大臣がやる気ありません。役人の方はまあ頭たたかれぬようにうまいことやろうという根性だということよくわかりました。もう少し農は国の大本であると言って日本の国民を今日まで二千年来食わしてきたのでありますから、農業というのは。それを切り捨ててしまって、三百万や二百万や四百万で農業がやっていけるんだと。百万か二百万しか、六十歳未満の人がおらないような農業で、日本の農業やっていけるんだなどというナンセンスな、農業に魅力のない、大臣がおっしゃたように、ないことはいかぬから、農業に魅力のあるようにわれわれは努力しなければ日本の国が滅びてしまうと思います。 そこで、財界が農政審の答申に色目を使いながら農産物を市場原理で操作し、先ほど言うように、お金の値打ちですね、農産物輸入制限の廃止を提唱しておるんですが、この是非についてはこの際国民にアピールすべきではなかろうかと。事は国民の生命、命にかかわる問題であって、これが好きとかきらいとか、金もうけができる、できないじゃありません。絶対必要なのが食糧です。ですからお金が高くつくかつかないんじゃなくて、あるかないかです。食べれるか食べれないのか、食糧の一番大きな問題です。アメリカでありましても、戦争になったり、暴風雨があったり、事故があったら、いわゆる船が運ばなんだら日本の国に入らない。タンザニアの諸君と日本の国の隣であったら、あんなことならないんじゃないかと。いわゆるアフリカの飢餓でもそうでありますが、そのようにちょうど砂漠があるように、日本の国には太平洋という大きな海原があります。生命線を養っていくためには軍艦をつくれ、P3Cをつくれ、こんなことを言っとるけれども、その前にやるべきことがあるということを申し上げたんですが、大臣、もう一度、日本の国民のために飢えることがないようにするための施策として、そして、外国に頼ることのない食糧安保とは、いわゆる穀物を含めて食糧の自給率を高めることだということで、御意見を賜りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) もう御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、食糧を安定的に全国民に供給をすると。そのためにできるだけ自給の努力をすると。同時に、どうしても輸入せざるを得ないものは安定的にこれが輸入を図るということに対しまして最大の努力を上げますとともに、やはり、農業に携わる皆さん方がその生産に喜びを感じ、生産に意欲を持つような環境をつくり、施策を進めるというのが私ども農林水産省の責務であると、こう確信をしてやってまいりたいと考えます。
○片山甚市君 質疑終わります。
○主査(宮田輝君) 以上をもって片山甚市君の質疑は終了いたしました。 次に、目黒今朝次郎君の質疑を行います。
○目黒今朝次郎君 私は、主として林業にかかわる振動病の問題について質問を集中的にいきたいと思うんですが、この大臣の所信表明を見ますと、マツクイムシの問題とか、林業構造改善対策とかというような文字はところどころ出てくるわけでありますが、ただ、林業の担い手対策と、こういうところが一カ所だけ何ページですか、九ページにあるんですが、林業にかかわる振動病というのは、現在認定患者は全国でどのくらいいらっしゃるか、これは林野庁の答弁の前に、大臣、大体概数御承知でしょうか。大臣から直接国有林と民有林、認定患者。
○国務大臣(亀岡高夫君) 民有林が大体四千人、国有林が三千五百人程度と記憶しております。
○目黒今朝次郎君 大分数字が違いますが、いいです。大臣がそういう認識を持っていると。 それから林野庁にお伺いしますが、「五十一林野厚第五百十五号昭和五十二年四月一日」「公務災害の認定について」という文書が出ておりますが、その文書を朗読してください。
○政府委員(須藤徹男君) この文書は高知営林局長あてに林野庁長官名で出されている公務災害の認定についてであります。 昭和五十一年九月十八日付け五一高福第三百四十二号で協議のあった貴局奈半利営林署常用作業員竹邑正一に係る死亡事案については、下記のとおり回答する。 記 本件は、本人の素因、病歴、死亡時の状況等から判断すると、脳出血による死亡と認めるのが相当であるが、本人の振動機械の使用歴及び本人の公務上の疾病(振動障害)の病状の推移特異性等から総合判断するに、当該脳出血は、本人の素因である高血圧症と公務上の疾病とが共働原因となったと判断するのが相当であり、公務上の災害として取り扱うのが適当である。 以上でございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると農林大臣ね、いまあなたが言った民間が四千あるいは国有林が三千でまあ約七千、七千という病気を持っている人も、病気の進展いかんによっては命にかかわる病気だと、いわゆる全身病だと、その進展のいかんによっては全身病だということを裏づけする、いま林野庁長官が読んだ公文書は、そういう認識を持っておっても間違いないと思うんですが、大臣の認識はいかがですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) いま長官からお読み申し上げた点は、十分認識しておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 いや、振動病というのは、病気の進展いかんによっては合併症も含めて命にかかわる病気だと、そういう認識を持っているかどうかということですから、いいならいい、悪いなら悪いと。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、そういう方面の医学の知識がございませんので、その振動病というそのものはよく事情は聞いておりますが、それがどういうふうになっていく可能性を持つかとこう言われましても、答弁申し上げるだけの知識を持っておりません。
○目黒今朝次郎君 五十二年の四月一日、林野庁長官名で高知の営林局長に竹邑さんの認定について、いま公文書読んだとおりですね。そういう事例があれば命にかかわるものだという認識はできないんですか大臣。これはあなたがやっぱり林野庁長官を直接管轄する大臣ですからね。大臣としてはそういう公文書が出た以上は、やはりそういう可能性があるということの認識はできないんですか。するとこの公文書は何ですか、この公文書は。人の命にかかわるやつは。 長官でない大臣、大臣答弁、長官要らない。あなたは直接書面を出した当事者だから、あなたを管轄する大臣に国務大臣として聞いているんだよ。答弁、大臣、長官要らない。
○主査(宮田輝君) 林野庁長官。
○目黒今朝次郎君 委員長、異議あり。
○主査(宮田輝君) 長官に先に言わせて。
○目黒今朝次郎君 長官に聞いているわけじゃない。私異議あり。長官が自分が出した書面ですからね。
○主査(宮田輝君) 長官に述べてもらって、それから大臣。
○政府委員(須藤徹男君) 林野庁が竹邑正一氏を公務上と認定した理由につきましては、先ほど公文書で申し上げたとおりでございますが、死因は脳出血ということでございますけれども、本人がもともと高血圧症ということがございましたし、振動障害もちろんございました。そういうことで共働原因になったというふうに判断したものでございます。したがって、振動障害そのものが脳の血管障害を発症させるような全身的な疾病であるというふうに考えて出したものではございません。しかしながら、振動障害によって支障が出るということもございます。その点は十分認識しておるつもりでございます。
○目黒今朝次郎君 林野庁長官ね、自分で書面出しておってそういう詭弁を弄するのはやめなさいよ。あなたは昭和五十一年十月二十一日社会労働委員会における私の質問と当時の林野庁長官の議事録を一回ぐらい読んでみましたか。これ読んだことありますか。
○政府委員(須藤徹男君) 読んだことあると思いますが、いま記憶いたしておりません。
○目黒今朝次郎君 この五十一年十月二十一日の社労それから五十二年三月十日の社労、この二つの社労委員会の議論を通して最終的に出した書面が、いま私が冒頭申し上げた五十一林野厚第五一五号、竹邑さんの公務認定。確かに脳出血であるけれども、同時に振動病の病歴の点からいって合併症だと、これは認めますね。死因は脳出血であったけれどもその脳出血を促進したのが振動病の病歴だと。その合併症であると。いわゆる合併症で命が亡くなったと、そういうことを認めた公文書であって、これは業務災害のいわゆる公務死亡と、こういう認定したんでしょう。これは間違いないですな。
○政府委員(須藤徹男君) 先ほど申し上げましたように、共働原因ということでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、大臣、いまわかりやすく共働原因という言葉使いました。この共働原因になるということは大臣認めますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたとおり、これは医学的なやはり判断に待つほかは私はないと、こう考えます。ただし、そういう事態に立ち至った方に対する林野庁としての判断ということになりました際には、やはりその医学的所見をもととして下されたものということで、振動病が一つの大きな原因になったということは、これはもうその診断の示すとおりであると、こう考えます。
○目黒今朝次郎君 じゃそれは確認します。 それで林野庁にお伺いしますが、一九七三年から八〇年まで、去年の十二月まで年度別の認定患者をちょっと数字言ってください。
○政府委員(須藤徹男君) まず、国有林と民有林に分けて申し上げたいと思いますが……
○目黒今朝次郎君 いや、国有林でいいです、最初は。
○政府委員(須藤徹男君) 昭和四十八年認定者数四百三十九、四十九年七百八十八、五十年四百八、五十一年二百一、五十二年百九十五、五十三年八十七、五十四年七十三、以上でございます。
○目黒今朝次郎君 八〇年十二月まで載っていませんか。
○政府委員(須藤徹男君) 三十名台になっております。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、いま数字を言ったとおり、七四年の七百八十八名がピークですね。ずっと年度別に減ってきて、いまは二けたと。大体八〇年でも二十五から三十程度というふうになってますね。このようにずっと減少傾向は私は非常にいいことだと思うんです。これは何に原因して、どういう施策が功を奏して国有林関係はこういうふうに減少したと、このように認識されていますか。
○政府委員(須藤徹男君) このように減少してきた理由につきましては、予防健診対策を充実してきたということがこの結果になってあらわれていると思います。
○目黒今朝次郎君 それ以外に労使の協約で何か抜けていることがありませんか。
○政府委員(須藤徹男君) 予防の一環といたしまして、時間規制について労使協約を結んでおるということでございます。
○目黒今朝次郎君 そうですね。健診と時間規制、そういう点がこういう功を奏したと、このように考えて、私もその点は本当に喜びにたえないことであります。 それで、今度労働省に聞きますが、いま国有林管轄の林野庁長官から聞いたんですが、民有林関係は一体、同じく七三年からずっと数字を並べてください、認定患者がどうであったか。
○説明員(林部弘君) 昭和四十八年の認定者数が百六十八人でございまして、以下四十九年から五十四年までの数字を順次申し上げますと、四十九年が二百四十一人、五十年が五百五十六人、五十一年が八百九十九人、五十二年が千三百四十八人、五十三年が千四百三十一人、五十四年が千八十二人、合計で五千七百二十五人ということになっております。
○目黒今朝次郎君 農林大臣、先ほど四千名と言いましたけれども、労働省の関係では民有林は五千七百二十五、これは、五千七百二十五は私の数字と合うんです。これはひとつ認識を改めてください。 それから、これで言えることは、国有林の方はずっと減ってきている、民有林は依然として増加の傾向にあると、この原因について一体労働省は何が原因なんだろうと、こういうように認識されていますか。全然国有林と違いますな。この問題について、なぜこんなに民有林の関係はふえているんだろうと、これについてどういう認識を持っておられますかお答え願いたい。
○説明員(林部弘君) 何と申しますか、原因として一番大きな点は、林業の特殊性と申しましょうか、林業の雇用形態が非常に複雑で、雇用労働者であるのか請負契約の事業者であるのかといったような問題も判然としない場合が多い問題もございますし、林業に従事しておられます労働者が農業その他兼業をしている、あるいは場合によっては雇用労働者になる場合もあるし、場合によっては請負のような事業者のように転換すると、二つの顔を持っているという問題が一つございますし、また非常に雇用の期間が短くて、しかも事業者になる場合も零細であるとか、特定の事業者によって一貫したいろいろな予防対策というものを管理するということが非常にむずかしい、継続して作業管理なり健康管理というものを行うということが非常にむずかしいという問題が一つございます。それからもう一つは、林業の作業の態様そのものの問題がございまして、作業の現場が山間の遠隔地に点々として存在している。しかもそれが非常にある一定の期間だけに、しかも場所もどんどん移動していくと、こういうようなことがございまして、私ども監督指導の面からもこの作業管理という点につきましては、円滑な監督指導をしていく上でもいろいろと非常にむずかしい問題点を持っているという、そういう背景がございまして、私どもとしましては、先ほど林野庁の方からお答えいたしましたように、健康診断の実施なり作業管理の定着ということに努めてきているわけでございますけれども、それが非常に時間がかかるというようなことでございまして、先ほど数字で申し上げましたように認定患者の数が若干下降してきたということが、すなわち対策の効果というふうに即断はできませんけれども、できるだけ関係者多くの認識というものをそろえまして対策に取り組んでいくということになるのではないかと、いままでの経過を申し上げますと、やはり現実には政策を進める上で林業の特殊性というものが非常に大きなポイントになっているのではないかというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 大臣、いま言ったとおり、国有林の方は林野庁で管轄されているからある程度はわかるけれども、民有林の方はいま担当の労働省の方から、民有林労働者の作業の対応の仕方あるいは仕事の複雑性、こういうものについて把握が非常にむずかしいと、こういうことを言っているんですが、しかし振動病という病気は冒頭申し上げたとおり対応の仕方によっては命にまでかかわる共働原因を持っていると、こうしますと、やはり民有林の育成といいますか対応といいますか、この大臣の施策方針にも森林組合の問題などがずっと出ていますが、こういう民有林の職業病から来る対応等については、特段の配慮を農林行政でしなきゃならないんじゃないかと、こんな気がするんですが、大臣の見解を聞かせてもらいたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林水産省におきましても、いま御指摘された点は大変重大な問題として取り上げまして、そうして、できるだけ振動病に取りつかれないような方策を考えるということと、罹病した者に対する療養対策を速やかに行うという両面から対策を講じておるわけでございます。その具体的対策につきましては事務当局から説明を申し上げます。
○政府委員(須藤徹男君) いま大臣から御答弁ございましたように、やはり振動機械使用時間規制等の予防措置を徹底をしていくということが一つございますし、振動の少ない機械及び代替機械の開発を、現在もやっておるわけでございますがさらに徹底をしていく。それからもう一つは、振動機械使用者に対します振動障害の予防、健診等の巡回指導等の拡充をやっていく、これは五十五年から始まっておるわけでございますが、五十六年につきましては昨年度の約倍の市町村を対象に実施をしていくわけでございますが、ということで、年々拡充を進めていくということでやっていきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 ちょっと労働省お伺いしますが、いま林野庁の方では健診という話がずいぶんありましたが、一体民有林のチェーンソーを使っている総数の何割ぐらい健診が現在で終わっているのか、その大体の目安はつかんでいらっしゃいますか。
○説明員(林部弘君) 先ほども林業の特殊性ということについてるる申し上げたわけでございますが、現実にどのぐらいの方がチェーンソーを使って就労する可能性があるのかということが基本の数字になろうかと思うのでございますが、これは林野庁の方と私どもの方とでそれぞれ協力し合って進めてきている問題でございますけれども、チェーンソーを使って作業する方についてはやはり特別な知識が必要だということで、特別な教育ということが行われてきているわけでございます。たしかその教育を受けた方、これは本格的にチェーンソーを握らなくても、やはりそういう機会が将来あった場合のことを考えてということで受けておられるという方も含んでいるように私ども理解をしているわけでございますが、その数がおよそ八万三千人ぐらいに達しているというふうに記憶をいたしております。そうなりますと、その中でどのぐらいの人が現実に健診を受けているのかということになるわけでございますが、いま先生御指摘の巡回方式の健康診断でございますけれども、本来私どもの基本的な考え方といたしましては、職域の労働者の健康というのは事業主の責任において守っていただくということがたてまえでございますから、本来は事業主の責任ということになるのでございますが、いろいろな特殊性があるということで、応分の負担をいたしまして巡回方式の健康診断というものを四十八年から行っている。初めは数が少なかったのでございますが、現在は私どもの方のベースでおおむね年間一万四千人台でございますが、大体一万四千二、三百、それから林野庁サイドの方で一人親方対策、その辺は、二つの顔があると先ほど私申しましたが、両省でいろいろ相談をいたしまして、一人親方の問題は林野庁サイドということで、両方合わせますと、直近の数字で言いますとたしか五十四年の実績で両方合わせて一万九千数百ぐらいでございますから、約二万でございますが、当初からの延べ数で参りますと、私どもの巡回方式でたしか七万ちょっとぐらい、七万一千でございますか、延べ数ではやったということでございます。もちろん年々重複等がございますので、年間実績では五十四年は両方合わせて約二万、それから累積では約七万人ちょっとに健診を行ったという数字になっております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、林野庁、森林組合の管轄は林野庁でやっているんですから、各森林組合の労務班などを通していまこの健診を受けておる数字は林野庁はどういう把握をしていますか、森林組合と無関係じゃないと思いますから。実際の健診の指導は労働省がやっていますが、林業行政の指導ということで森林組合の指導を管轄する林野庁は、いま言った労働省の延べ七万一千、チェーンソーを教育を受けたのは大体八万三千、この辺の数字等、林野庁の認識はどうですか。
○政府委員(須藤徹男君) いま労働省からお話ございましたように、同様な認識を持っておりますが、私どもで五十四年度やりました一人親方等の特殊健康診断の対象人員が五千四十三人でございます。これは五十四年度でございます。五十五年度の予定者数が五千百四十一人ということに相なっております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、労働省と林野庁の共同の認識では、森林組合の労務班に使われておる方あるいは一人親方を含めて、大体一次健診はまあ八、九割終わったと見ているのか、まだ大分潜在している方がいらっしゃると、こういう認識なのか、その辺両方から——八万に対して七万一千、それから一人親方の方は五千と五千百、こういう数字を持っているんですが、大体森林組合その他を通じて一通りの第一次健診は終わったなと、こういう認識か、まだ終わらないと、こういう認識か。
○説明員(林部弘君) 私ども五十六年度も引き続き委託健診は続けるつもりでございますし、林野庁の方でも、先ほど御説明がございました制度は五十四年度が初年度でございますから、両省の委託健診方式をあわせて今後もやっていくという方針はいまのところ変わらないわけでございます。と申しますのは、先ほど私、民有林関係の認定患者の数を申し上げましたが、率直に申し上げまして、民有林ベースで申しますと健康診断というのはむしろ潜在している患者の発掘に役に立っているのであって、そういう意味では現在まだ認定患者の数が、これはピークを過ぎたかどうかわかりませんけれども、もしピークを過ぎているということであれば、さらに患者が潜在しているという可能性もないわけではございませんので、そういう意味では巡回健診というものはやはり今後も続けていくということになるというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 林野庁どうですか。
○政府委員(須藤徹男君) 延べ人員としてはただいま労働省から御答弁ありましたように、恐らく八〇%以上いっているというふうに考えておりますが、実はチェーンソー使用者の実態調査というものをやっておるわけでございます。これは大阪、沖繩を除きました四十五都道府県におきまして調査票を郵送するということでやっておるわけでございますが、基準日を五十四年三月三十一日といたしておりまして、つまり調査対象者は五十三年四月一日から五十四年三月三十一日までの一年間におおむね三十日以上振動機械を使用した者を対象として調査をいたしております。十万枚の調査票を配りまして、回収いたしましたのが七万五千枚でございます。その調査結果によりますと、時点が五十四年でございますから二年前の数字でございますが、受診したというのが四二%、受診していないというのが五三%という数字に相なっております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、労働省は延べで七万一千、教育を受けたのが八万三千、これから見ると大体八五%程度は受けた数字になるんですけれども、いまこちらの方は、十万枚やって回収したのが七万五千枚、これは回答した人が七万五千人おるということだね、実際に。七万五千のうちで健診を受けたのが四二で受けないのが五三だと。そうすると、労働省の数字と林野庁の調査の傾向値がちょっと食い違い過ぎていますわね。この辺の実態は、これは労働省が実態を把握するのが任務なのか、あるいは森林組合の指導育成とあと一人親方の組織化、共同化ということで林野庁が主体になって実数をつかむのか、これは実際、私は大臣、ここで食い違いを言ってもしようがありませんから、労働省と林野庁と厚生省ですか、三省集まって振動病の対策委員会をつくれ、これを私四、五年前に追及して、わかりましたと言って三者会議が持たれていると思うんですよ。三者会議を通じて国有林の方は一定の成果を上げて非常にいいことだと思うんですが、民有林がやっぱり野放しになっている。この点は三者会議で、きょうはやりませんが、この実態ですね、どのくらいチェーンソーを使っている者がおって、健診を受けた者が幾ら、そして年度別に二年なりあるいは三年なりで全部振動病の健診が終わる、こういう年度計画も含めて、私はこの実態の把握と健診の充実ということについて最大の努力をしてもらいたいということを労働省と林野庁にお願いするし、主管大臣である大臣もその点に対する、金がかかれば国務大臣として予算の裏づけをしてやるという方向性について努力してもらいたい、こう思うんですが、長官、大臣から。
○政府委員(須藤徹男君) 先ほどの数字、食い違っておるという御指摘ございましたが、あえて発表したわけでございます。二年のずれがございますから、その辺は御了解いただきたいと思います。 ただいまお話ございましたように、やはり実態をはっきりつかむということが先決でございますし、私どもといたしましてはせっかくの三省庁の協議会がございますので、それらの協議を通じまして実態の把握に今後とも努めていきたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 じゃ大臣もそれを了としてひとつ御努力願います。 〔主査退席、副主査着席〕 それで、私はことしの一月十日から十三日まで沖繩を見てきました。それから、三月十二日から十五日まで高知県を、主として民有林の方々を面接しながらいろんな事情を聞いてきたわけでありますが、やっぱりこれは労働省が四十五年の二月二十八日、基発第百三十四号、これで「チエンソー使用に伴う振動障害の予防について」、この書面出してますね。この書面のうちでやっぱり一番大事なのは、先ほども触れたとおり、林野庁の方で言った時間規制というのがやっぱり非常に大事だと思うんですよ。あるいは仕事の工程の組み方。この中で、四項で操作時間は一日二時間以内に規制すること、こういうふうになっておるんですが、いろんな民有林の諸君に会って聞いてみると依然として五時間ないし六時間使っている。また、出来高払い制でありますから、五時間ないし六時間使ってやらないと自分が生活できる賃金がもらえない。そういう生活の面と時間規制の面と、この二つのギャップに民有林労働者が常に置かれている。そして食わんがためにはやはり五時間ないし六時間をも目をつぶってやらざるを得ない、こういうのが民有林の実態なんですよ、これは。したがって、この二時間の規制という問題については、労働省の通達だけではもう限界に来ているんじゃないか、こんなふうに認識を持っているんですが、この使用時間の問題と生活の問題と出来高払い、この構造を、大臣としては林業の担い手対策という言葉を使っていますから、民有林の担い手対策としてこの三つのギャップをどういうふうに埋めて担い手対策を充実させよう、このように考えておるのか。大臣なり林野庁の方の見解を聞きたい、こう思うんです。
○政府委員(須藤徹男君) 先ほど来お話が出ておりますように、まだまだいわゆるチェーンソーの使用者の中で時間規制が守られないという者もございます。実はこの前先ほどの調査実態を調べてみますと、これは抽出になっておりますが、一県三事業体以上につきまして、一事業体三人以上のチェーンソー使用者を基準といたしまして、六百二十六人について作業時間におきます使用時間を直接時間観測いたしたわけでございます。その結果、これも五十四年四月一日から五十五年三月三十一日までの間の結果でございますが、二時間以下が五二%、二時間から三時間未満が二九%、三時間以上が一九%ということでございます。この調査結果を見ますと、いまお話ございましたように二時間規制が五二%は守られているというかっこうでございますけれども、逐次この時間規制も徹底をしてまいってきた——徹底したというのはちょっと語弊がございますが、守られつつあるという状況にあるというふうに考えているわけでございます。したがいまして、今後ともこの巡回指導等を徹底いたしまして、やはり自分の健康でございますから、やはり時間規制を守っていただくという指導は徹底してやっていく必要がある。それによって認定者を減少させるという努力をしていかなきゃならないというふうに考えている次第でございます。
○目黒今朝次郎君 私はこの前、四国勤労病院というところへ行ってきたんですがね、ここで民有林の方が中で百名近くおりました。一人一人聞いたら、いま長官が言った調査とやっぱり大分、あの方々はほとんど認定されて入院している方あるいは通院をしている方百二十名ばかり集まってもらいまして、そうして全部問診やりました。後でまた別の関係ありますが、全部問診やって調べたら、やっぱり五時間前後というのが圧倒的なんですよ。ですから、いま長官が言った五〇%程度は二時間に守られているという一つの数字も出ている。われわれがそういう病院に入院している諸君に直接問診すると、大体五時間前後使われている、このずれがある。労働省通達は二時間規制やれ、こういう通達出している。ですから、いろんなずれがあるんですね。しかし、効果が皆無とは言わぬけれども、依然として森林組合労務班あるいは一人親方を含めて、一人親方は自分の健康でありますから、ある程度本人の自覚が必要でありますが、森林組合の労務班で使われておる方については、やはりそういう通達があるにかかわらず、おたくの調査でも二時間が五一%、半分は守られてない、こうなりますと、もっとこの規制の強い指導といいますか、あるいは法制化するとか、そういうことを考えなければこの振動病の民有林の問題の根絶という点は図れない、こんな気もするんですが、労働省はどういう考えでありますか。この通達で巡回診断で十分だ、こう思っておられるか、その辺の考えを労働省からお伺いいたします。
○説明員(林部弘君) 先ほど先生がお示しになりました四十五年当時の通達の内容の問題になるかと思うのでございますが、私ども当時非常に緊急性の高い問題としてあのような指導通達をもって振動障害の予防対策というものをお示しし、その周知徹底に努めてきたということなんですが、その中で特におおむね作業時間を二時間程度にとどめてほしいという条項がございます。ただ、これはどうもその後いま先生が二時間規制という言葉を使われたんですが、どうも二時間規制ということだけがひとり歩きをどんどんしてしまっている感じもないわけではございませんで、私どもとしては実はその二時間規制という問題についていろんなところからいろんな御指摘があって、私どもなりにいろいろな調査研究を進めておるという現状でございます。と申しますのは、この四十五年当時に定めました当時に使われておりましたチェーンソーというのは、現在のチェーンソーとは全く振動の負荷の違う、わかりやすく申しますれば八Gとか十Gとか十五Gとかいったような非常に振動負荷の大きいもので、しかも私どもが通達でお示しをしましたような作業管理の問題ということについて余り考慮を払わないで、そのチェーンソーの馬力に任せてどんどん切っていたというような実態もあったんではないかということでございまして、現在はすでに構造規格を設けまして、三G以下の規制をやっておりますし、実はもうことし私も現場に行きまして、林野庁の方々と一緒に雪の中で玉切りを実際にやったんですが、現在もう一G以下のものまで開発されて出てきておるわけでございます。したがいまして、どうも私どもは法規制の名によって二時間というものが本当に確たる根拠のあるものかという議論が出た場合には、過去と比べて振動量自体が非常に小さくなっておりますので、やはり二時間規制の思想というのは平たく申し上げれば、できるだけ振動工具への暴露を少なくする、しかもそれは一連続十分ということがこれは非常に重要なことでございますが、そういう連続して長時間暴露を受けないようにするという作業の考え方をお示しすると同時に、一日当たりの総暴露量の目安としてああいうことを当時の経験から通達ベースでお示しをしたという内容のものでございますので、あれをそのまま規則の内容にして規制をするということには、なおやはり医学的な立場からの詰めも必要でございますし、何よりも私どもは一番苦慮いたしておりますのは、工具の持つ振動の大きさをどういうふうに把握し、それから一日の暴露量をどういう形で把握するのか。それができませんと、実際に時間規制というものの効果というのは、林野庁のように国が一元的に公務員に対して行うというような場合は、これはもう相当効果が上がっているということは私どもは評価をいたしておりますけれども、民有林の場合には非常に複雑な雇用形態、就業形態いろいろございますので、暴露管理の面で技術的にある程度確立されたものがあり、しかも現実にいまのように低振動チェーンソーが開発された段階でも、なおかつ二時間というものにどの程度の科学性があるのかという問い直しが出てまいっておりまして、その問題をめぐっていつももう先生方からもっと早く結論が出せないのかという御叱正を賜っておるのでございますが、そこのところが非常に現在技術的に問題が残っている。しかも非常に特殊ないわゆる林業という特殊性を持った業態の中に持ち込むといったようなことがございますので、その辺で最終的な目標としては法制化によってやるということを私どもは否定はしておりませんけれども、現実の問題としては、なかなかそこにまだ到達できないでいるというのが現状でございます。
○目黒今朝次郎君 労働省、あなたは労働者のサービス機関ですからね。あなたの専門的ないまの研究発言についてはそれなりにわかる面もありますが、しかし、振動病の問題が始まった出発点は国有林なんです。国有林から摘発されて、私も六年前に国会に来てこの問題を社会労働委員会で集中的に取り上げて、そして先ほど言った三者会議でもってやれと、そういう歴史的な経過を経て、そしていま民有林の問題について集中的に取り組んでいる。だから、農林省も林野庁もやはり林業行政の担い手ということで労務班の育成強化という点も、やっぱり林業政策もありますけれども、職業病対策の問題で森林組合の労務班の強化という点が毎年毎年議論されて少しずつはよくなっていると。でありますから、この振動病が国有林でなくなったというのは、先ほど長官が言ったとおり予防健診と時間規制と両面からやった努力が今日国有林が二けたにになってきている。やっぱりこの実績を踏まえて、やっぱり労働省でも対策をやってもらわないと困ると私は思うんですよ。同時にまた私は別な点から角度を変えて、入院している患者の皆さんが一体現在どのくらいのお金をもらって保養しているか。その面から逆に私は労働省の政策の充実を図っていただきたい。これは全林野の皆さんが民間の皆さんの入院している患者の皆さんから直接聞いた話ですがね。大臣ちょっと聞いてください、これ。宮崎県の宮崎監督署、林田徹雄さん、こう書かれてあります。これは約千名のうち八百名程度全部調べました、これ。日額、休業補償ですよ。林田さんが四十七歳で二千百八十八円、一日。出水さんが二千八百七十二円、中武さんが二千八百八十円、四十六歳、那須さんが二千七百五十円、五十六歳、こういうふうに大体三千円前後の人がいっぱいいらっしゃるのですよ、民有林で。そうすると三千円と仮にしますと、三十日で三三が九万ですよ、九万。そうして入院していますから入院の雑費幾らかかりますかと、これはアンケートとってみました。アンケートをとりますとこうなんですよ。病院に入院してどのくらい、生活が苦しいのですが、でも最小限金はかかりますので一万円が一名、一万から二万が十二名、二万から三万が三十二名、三万から四万が二十五名、四万から五万が五名、五万以上が九名、無回答が五名、これは入院している患者さんに直接アンケートとったのです。大体平均して二万から三万かかると、入院。医療費は国から労災でもらいますから、医療費は労災ですから大体二万から三万、そうすると九万もらって二万患者が取ると七万ですね、七万で子供を抱えてこれはどういうふうに生活するのかと。本当に私はこれは家族に会ってみますと、土方をやったり子供を——大臣も福島ですから、私も宮城県だから食いぶちを落とすために、子供三人おれば一番小さい子供だけ手元に置いて、あとは皆おまえは兄貴の家へ行け、おまえはおばさんの家へ行け、おまえはじいちゃんのところへ行けと、皆子供を分散してやっと生活していると、こういうのが実態なんですよ、民有林は。これまた国有林の皆さんとは段違いですね、この生活の環境は。 ですから私は労働省にお伺いしますが、この二千円ないし三千円しかもらわないこの休業補償の問題がなぜこんなに低いのだろうかと、こういうものについて労働省はどういう認識を持っていますか。
○説明員(林茂喜君) 御質問の趣旨は、傷病にかかったことによりまして健康時の賃金水準が維持できなくなった者につきまして、より適正な給付基礎日額の算定ができるような措置を工夫しろと、こういう御意見だと思います。これにつきましては、傷病によってまず稼働日数が少なくなるということにつきましては、五十一年の法改正によりましてその分については考慮して適正な給付日額が算定できるように改善を図ってきたところであります。しかしながら、関係労組団体から振動病障害について、その疾病の特殊性から必ずしもそれだけでは適正な給付基礎日額を決めることができないという御指摘がございます。それは病気の状態によって労働の密度が少なくなり、発病時に賃金が低下しているというようなことでございますが、この点につきましては私どもの方としてもそれらの御要望にこたえまして現在調査を行っております。その調査結果に基づきまして、適正な給付基礎日額の決定ができますように検討を いたしてまいりたいと思います。
○目黒今朝次郎君 そうすると、いま労働省は長々と話があったけれども、結論から言うと、一言で言うとその発病に伴って働く日数が減ってくると、それについては五十一年法改正をやったと。それからもう一つはじわじわくる病気ですからね、時間がありませんから読み上げません。大臣、ここに全部これも現在入院している人、あなたはどこで働いておって、いつごろから異常現象があって、いつの健診で見つけられていつ入院したのだと、ずうっとこう記録的にみんなとってあるのですよ。そうするともう手が痛くなって、肩がこって、頭が痛くなってどうにもならぬといってがまんできなくて病院に行くんですね。民有林というのはやっぱり生活がかかっていますから、そうすると、どうしても伐採量が減ってくる。雑用の方に回される。そうすると出来高ですから、実収入が減ってくる。いよいよずうっと下り坂になって、どうにもならなくて健診と、こういきますから、いま労働省が言ったとおり、収入の非常に少ないところ三カ月だけ平均されて出されると、その六割の八割ですから四八%。いまこういう二千円ってことになっちゃうんですよ。ですから私は、これは社労で私もずいぶん議論したんだけれども、いまの生活保障は、四人世帯で生活扶助が五十五年度が十二万四千円。それから住宅保障が三万四千円。約十五万ですよ。そうすると、いま言った三千円に換算しますと、生活保護以下なんですね。ですから私は、少なくともチェーンソーという機械をつくって、職業病になって、入院しておって、その労災補償が生活保護以下だということについては、やっぱり私は大きな社会問題を含んでいると、こう思うんですよ。ですから、労働省の方は、いま調査中だと。ぜひ私は、これ皆持っていますから、私たちも協力しますよ。全部これ記録持っていますから。だからこの記録を早急に調べ、やはり私は、——検討中というのはあれですか。労災補償法の第八条の二項の、平均賃金に相当する額を給付日額とすることが適当でないと認められた場合は、労働省、労働基準局長の定めた基準に従って算定すると。この条項の適用を頭に描きながら、どういう方法が一番いいかということを、いま労働省は作業しておって、早急に結論を出したいと、こういうふうに理解していいかどうか。もう一度、労働省から。
○政府委員(吉本実君) ただいま補償課長から申し上げましたように、現在調査を実施しております。その調査結果によりまして、原則どおりのままの平均賃金の額を給付基礎日額とすることが適当でないと、こういうことになりますれば、監督能力がより適正に反映されるように、ただいまの御指摘の規則、精神にのっとりまして運用していくことを研究していく、こういうことでございます。
○目黒今朝次郎君 本当に、私も先ほど言ったとおり、一月沖繩、三月高知に行って多くの患者に会ってきていますから、非常に生活に困っていますから、ぜひ早急な結論と、生活できる補償方をお願いしたい。 それで、今度は大臣にお願いですが、いま言ったようにありますから、少なくとも私が申し上げた生活保護を下回っているというようなことは、私はやっぱりチェーンソーを監督する農林大臣としては、やっぱり私は考えてもらいたいと思うんですよ。それで、私も生活保護法をやってみますと、大体四人家族で五千円ぐらいですよ、一日。四千八百何円という数字が出てきましたがね。大体山地帯は物価が安うございますから、それを考えてもやっぱり四千五百円から五千円程度、この辺はやっぱり生活保護に見合うものとして、私はある程度頭に描いて、改定方について労働省の努力を要請したいと思うんですが、やっぱり金にかかわる問題ですから、大臣も、民間の方々でそういう患者がおるとすれば、その補償のために、農林水産大臣としても所管行政の大臣として、ひとつ大蔵省の折衝などを含めてがんばってもらいたいと、こういう希望を持っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 優秀な林業労働者を確保するということは、また後継者を確保するということは、これはもう日本の国政の中における林業発展のためには欠くことのできない要素でございますので、このような実態、林業関係の施策が十分でないというふうなことは、薄々私も察知はしておりましたが、具体的になかなかこういう細かい実態というものに触れる機会がないわけであります。なかなか林野庁の諸君からこういうことまで聞き出せないわけであります。先生からこういう点、指摘していただいて、なるほどやはり日本の林業というものは、これは衰退していくのは当然だなあという感じを受けまして、非常に私は、ふんまんやる方ない気持ちでいっぱいでございます。と申しますのは、やはり林業というのは国土保全、それから水源の維持培養、土壌をつくる。さらに空気の浄化、酸素をつくる。そういう大変大事な大事な役割りを果たしておりながら、最近マツクイムシなんかに荒らされておる。これはやっぱり全国民が林業に対する関心というものが少ないからだと。したがって、山に人がいなくなる。したがって、また山が荒れていく、こういうことを繰り返していったら、もう取り返しのつかないことになろうと、こういうことを私は就任早々、林野当局のみならず全国に向かって申し上げてきているわけであります。したがいまして、やはりこういうふうに、そういう林業の中で働く人たちを大事にしてやろうというのが全国民の気持ちでなければならない。そうして林業経営者だけに、山の保全、治山、治水というような、林業経営者が林業による利潤によってまた木を植えていくということじゃなしに、やっぱり全国民がその負担をして、山を緑にするという考えを持っていけば、やっぱりいまこういう指摘されましたこの休業補償なんという問題については、労働省は、そういう立場からもっともっと広域的な仕事をやるのが、これが林業でございますから、そういうことで、私は本当にもっと安心して休業して、早く病気を治して、職場に復帰してもらえるような措置を講じてもらいたいと、私も国務大臣として努力をいたしていきたいと思います。
○目黒今朝次郎君 大臣の決意を聞いて、私らもさらに意を強くいたしました。私も選挙は全国区ですから、三百の営林署、大体平均最低三回以上、私は北海道の果てから沖繩の果てまで、三回以上は全国の営林署を回っていますから、山の実態については、私も人後に落ちないくらい具体的な資料を持っておるつもりです。ですから当面は、民有林のそういう方々に対する対応の仕方について一段の努力を要請すると同時に、労働省の課長ねそういう実態でありますからね、私はやっぱり二時間という規制の問題については、やっぱり大事な一つのとりでになっていると思うのです。ですから作業の組合わせについてはいろいろあるでしょう。ですから、やっぱり私は、むしろ課長が先ほど言った、最終的には法の規制ということも必要だけれどもということがありましたけれども、やはりこの振動病が絶滅するまではさらに指導を強化する。基準監督官を使って現場の指導を点検する。それから林野庁も、この問題は、振動病の問題は労働省の担当だと、こういうなわ張りを言わないで、ひとつ労働省と協力して、国有林同様にやはり二年か三年後には下降、発生がどんどん減ってくると、そういうことを三年か五年計画で結構でありますから、きちっと年次計画を立てて、民有林の振動病絶滅を図っていく、そういう対応策をしてもらいたいということについて、この問題について林野庁長官の考えを聞いて、この問題終わりたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(須藤徹男君) 先ほど来お話ございますように、予防措置がまず大事でございますし、やはり徹底的にこの時間規制をやっていくと同時に、振動機械から離すということが大事でございますから、技術開発によりまして、すでに非常に振動の少ない機械が出てきております。そういうものを使っていただくことを徹底いたしまして、民有林の振動障害患者を絶滅していくという意気込みで指導を徹底してまいりたいと思います。
○目黒今朝次郎君 あと三分しかありませんが、私も協力する点は協力しますから、ひとつ努力方をお願いしたいと思います。 それから、先ほど同志の片山委員が、えさ米の問題ちょっと言ったんですが、ずいぶんこれは東北の秋田県で相当精力的に取り組んでおるんですが、もう先ほど答弁を聞きましたから、もう時間もありませんから繰り返しませんが、先ほど食糧庁長官の方で述べた識別とか転作の問題、技術的にどうのこうのとあったんですが、私は秋田県に行って、秋田県のあの八郎潟を青田刈りするよりは——本当に農民が泣き泣き青田刈りするあの干拓地に私も何回か行って、私も農家のせがれですから、私もともに泣きながらかまをとってあの青田刈りしました。でありますから、秋田の農民は非常に中心になってこの俗称えさ米、超多収米と言うそうでありますが、このえさ米の問題については勉強なり努力をしているんですね。そして、やっぱり転作の奨励の対象にしてもらえば、秋田はこの減反問題も含めて解決できるということを県もそういう認識を持っているし、特に大曲などは一カ所に二十万、三十万の補助金を出してこのえさ米の研究と開発をやっているわけですね。ですから、先ほどの片山委員とダブりますから言いませんが、こういう農民の努力といいますかな、それが生かされるような私は農業にしてもらいたい。そして、えさ米についてもっと現地の農民なり秋田県なりあるいは大曲市なり、そういう自治体とも十分連携とって、やはりこれが物になるように、自信を持つようにしてもらいたい。これは宮城県を含めて東北六県は足並みをそろえて、秋田が孤立しないように東北六県が足並みをそろえてこのえさ米について取り組んでいこうという点で宮城県もこういうのを、大臣ね、こういうものをつくりました、これ。宮城県もいま山本知事と話ししておって、県としても補助金を出せということでいま山本知事と折衝しながら宮城県でも来年から秋田と同じように、この品質も何ですか秋田ではアルボリオJ一とJ十といろんな種類があるけれども、この種類が一番東北の冷害地には適確だというもう品質選定までしちゃってね、これをやってみようということまでやっているんですから、単作地帯である東北の農民には一つの大きな私は目安としてこのえさ米の問題が検討されていると、こう思うんで、先ほどの問題につけ加えて、特に秋田県を中心とした努力について技術審議会ですか、さっき話がありましたが、そういうものの御検討を要望したいと、こう思うんですが、大臣も福島でありますから東北農民の気持ちはいやというほどわかっていると思いますから、御努力方をお願いしたいと思いますが、いかがですか大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほども申し上げましたとおり、農林水産省といたしましてもこの超多収穫のえさ米というものの造成は、水田農業を中心とする日本にとっては大きな意義を持つという立場で、奨励に足る品種をまずつくり上げていこうということで、全国の試験場のネットワークを組んでの試験研究体制を強化するようにして進めておるところでございます。
○副主査(増岡康治君) 以上をもって目黒今朝次郎君の質疑は終了いたしました。 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。 午後零時三分休憩 —————・————— 午後一時開会
○主査(宮田輝君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。 午前に引き続き、昭和五十六年度総予算中、農林水産省所管を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○鶴岡洋君 最初に大臣にお伺いしますけれども、きのう農業白書が閣議で了承され、わが国の現状の農業が明らかになったわけですけれども、農林水産業は日本にとってもこれは基幹産業の一つであり、重要なものであることは、これは承知でおるわけです。ことしの白書を読みますと、食糧問題を国の安全保障の一環として位置づけようとしているようにうかがえるわけです。食糧はもともと国の安全を確保する第一条件でもありますし、しかし、日本の農業の現状を見ると、農業形態はこの体系が断ち切られようと、こういうふうにしておるわけです。その原因は何かというと、一つは外国からの農産物、畜産物の急激な輸入の増加だと私は思うんです。もう一つは、経済合理性ということで農業が軽視されている、工業製品をつくって売って、足りない物はそのお金で買えばいいじゃないかと、こういうようになっているように思うわけです。きのうの夕刊にもこれ出ておりますけれども、「穀物、大豆の国際需給は、アメリカの熱波、オーストラリア、中国の干ばつ、ソ連の二年続きの不作などによって、供給が不足、世界の穀物在庫率は今年六月末には一〇・五%と、適正在庫率の一七%を大きく下回る見込み」と。そこでこの白書の中では、「主輸出国と穀物輸入の二国間協定を結ぶとともに、小麦、大豆など自給率が極端に低い重要農産物の自給率を高める必要がある」と、こういうふうに白書には載っているわけですけれども、そこでいまの課題の農業の再編成と自給率の向上と、農産物価格と生産資材の安定、こういうことを図る必要があるんじゃないかと、こういうように思うわけですけれども、大臣に最初に農業再建といいますか、農水産業再建の決意をお伺いいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 昨日、農業白書を閣議決定をして国会に提出をいたした次第でございますが、要は、いま鶴岡委員の御指摘のとおり、日本の農政の問題点として、やはり外国農林水産物資の輸入というものが年々ふえてきたと、こういうことが自給力を低下をさせ、国内農業諸対策を困難にせしめておるというような立場から、これではいかぬと、こういうことをしておったんでは事ある際には大変な混乱を招くというような、いわゆる安全保障的な立場等も踏んまえて、昨年、衆参両院において食糧自給力強化の御決議があったわけでございまして、私どもといたしましても、つとにそういうことで農業というものの政治面における位置づけを強化したいとかねがね思って農林当局もおったわけでございます。そして農政審議会に対して八〇年代の農政の基本方向というものをどうすべきであるか、十年後における需給と生産の見通しをどう設置すべきであるか等について検討をお願いしておったわけであります。なかなか結論が早まりませんために、私も就任して一日も早く結論を出していただきたいということで、昨年の十二月に答申をちょうだいしたわけでございます。そして、この答申に基づいて生産と需給の見通しを閣議決定をして、日本の農政の向こうべき方向を政府としても示したわけでございます。これを私、農林水産大臣に就任してみまして感じましたことは、国会における御決議というものが非常に大きくやはり農政推進、具体的に申し上げますれば米価決定あるいは予算編成、冷害対策、豪雪対策、さらには第二期転作の実施というような点に処置を講じます際に、非常にこの国会決議が私どもの支えになっておるわけでございまして、これからもこの国会決議の趣旨を体しまして、一番問題となっております一いま鶴岡委員が一番先に御指摘になりました外国農林水産物資の輸入問題、この問題については私も事務当局を督励をいたしまして、特に畜産物の輸入の問題について少しでも足がかりをつけたい、こういうことでニュージーランド並びにECに対しまして輸入調整融資関係の話し合いを始めたわけでございます。当初の意図とは大分ほど遠いものにはなりましたけれども、しかし両国間で話し合いをして、そうして輸出入量を決めてまいると、こういうところまでこぎつけることができたというのは、私は今後やはり日本の農業の実態を十分相手に納得してもらって、そして話し合いによる貿易ということでできるだけ日本の農業経営に悪影響を及ぼさないような外交と貿易ということを確立するための努力を私どももさらに続けていきたい。そうすることによって日本農政を確立をし、そうして国会決議にも沿って自給力を強化していくゆえんである、こう確信をいたしておる次第でございます。
○鶴岡洋君 きょうは時間がございませんので、私も質問が飛び飛びになってしまいますけれども、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。 これに関連してですけれども、増税なき財政再建ということで思い切った行政改革をやろうと、こういうことで総理大臣も政治生命をかけておやりになる、こういう話もございます。それに伴って第二次臨調も発足をいたしましたし、この第二次臨調は当面国家公務員の定員の削減とか、それから国庫補助金の大幅削減、それから許認可の整理、これを柱としております。これに対して、農林水産大臣にお聞きしたいんですけれども、新聞の報道によると、中身はこれは真意かどうか私わかりませんけれども、土光会長等は、行政改革の最大のネックといいますか、これは農林水産省関係だと再三再四言っている報道も聞いております。また聞くところによると、補助金整理ということに関してその対象となる科、その辺については農林水産省関係が一番多いようなわけでございまして、大蔵省からも、余り反対をしないでくれというような話も私は聞いております。いま大臣から自給率の向上、また輸出の規制の問題、いろいろお話ございましたけれども、この自給率の向上と日本農業の発展を決意しておられる大臣として、第二次臨調で答申が出るともちろん思いますけれども、近い間に出ると思いますけれども、これに対する大臣としてどういう考えを持っておられるか、この辺をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 大変重要なポイントを突いておられるわけでありますが、政府といたしましては行政改革を補助金もカットをして、増税をしないで、そうして五十七年度の予算を組みたいと、総理がそう政治生命をかけるということまで決意をされておるわけでありますから、内閣といたしましても、私どもといたしましても、この総理のお考えをぜひ実現するために全力を上げにゃいかぬと、こう考えております。私は、農林水産省が補助金の云々というような点は耳にいたしておりません。なぜがゆえかといえば、戦後三十数年の間、生産性の低い自然的、社会的、経済的条件に恵まれてない第一次産業である農業をして、今日のこの生産意欲を持続さしておると、これだけの高所得社会と申しますか、経済発展の日本において、生産性の低い農業にこれだけの生産意欲を上げる農業、酪農、漁業、林業というものを推進する体制を確保し得たということは、私はやはり戦後の農業基本法を中心にした第一次産業に対する施策のよろしきを得たからこそ、今日のこの日本の発展があると、こう確信をいたしております。したがいまして、そういう助成によって生産性を高める努力をしてきたわけでありまするから、もうその努力の必要のないところは補助金じゃなくともやっていけるような体制に育ってきつつある部門もあるわけであります。そういう部門に対しましては私はいろいろとやはりやり方があろうかとも考えております。したがいまして、どうしても内閣である一定額の補助金もカットをして、そうして来年度の予算を組まなければならないんだと、こういうことに相なりますれば、やっぱり農林水産省といたしましても協力をしていかなければならないということで、まあ実はあの閣議の話があった直後からわが省としてもその検討に入っておるわけでございます。まだ確たる方途、確たる方向はこれからでありますけれども、やはりそれくらいの覚悟で何と申しますか、みずからを発奮させながらとでも申しますか、やっぱり積極的に、八万数千人を擁しておりますわが農林水産省、決意を改めて、やはり日本の農林水産行政を進めてまいるために、最も合理的な、最も経済的な、最も国民的な農林水産行政が遂行できるような、やっぱり形をつくり上げていく最大の努力をしたいと考えております。
○鶴岡洋君 では、話かわりますが、自治省来ていますか。——二問ばかり質問いたします。 一般農地の固定資産税についてですけれども、現在農地の固定資産税というと、市街化区域内における宅地並み課税が社会的な大きな関心を持たれているわけでありますけれども、市街化区域外の一般農地にあっても来年度の税制改正においては見逃すことのできない状況に直面しておるのではないかと考えられます。したがって、宅地並み課税についてはこの論議はまた後日にいたしまして、一般農地の固定資産税についてお尋ねいたします。 昭和五十七年度から実施される農地の固定資産税についての評価がえの準備作業でありますけれども、いまどういう段階になっているのか。三月中には各都道府県の主な市町村の基準地価額が内示されるようですけれども、どういう段階になっているのか。また、今後の作業日程がどういうふうに予定されているのか。これが一点。 また、聞くところによりますと自治省が行った農地価額の動向調査の結果によれば、農地価額は三年前に比べておよそ一・二倍ぐらいと、こう聞いておりますけれども調査結果の概要はどうなっておられますか。また、その調査結果をどう受けとめて評価がえ作業に臨む方針か。 結論から言えば、現在わが国農業は未曾有のいわゆる危機に直面していると言っても私は差し支えないと思います。こういった事態を考慮するならば、当然来年度からの一般農地の固定資産税額も現行どおりに据え置くべきではなかろうか、こういうふうに思うんですけれども、自治省としてはどういう見解を持っておられるか。
○説明員(渡辺功君) お答え申し上げます。 まず最初に固定資産税の評価がえに当たりまして、そのスケジュール、段取り、現在の状況どうかという御質問でございますが、ただいま御指摘がありましたように本年度、五十七年一月一日現在で、三年に一度の評価がえでございますので、実質的には本年中がその作業の真っ最中ということでございます。市町村も評価がえを回を重ねるごとにもう習熟してきておりますので、それぞれいま御指摘の農地についての作業もそれぞれに作業を鋭意検討し、続行中でございます。御指摘のように自治省としましては全体としての各都道府県間のバランスということが一番の問題でありますので、御指摘の基準地の価額についても各ブロックごとに会議を開きまして意見を交換し、あるいはその基礎となります売買実例価額を収集するというようなことで鋭意検討中でございます。 お話がありましたように、そういう作業を円滑にやるために本年そのスケジュールも通達いたしましてやっているところでありますが、そこで示しました三月ぐらいにはその基準地の価額について内示をする。こういうようなスケジュールも話しておったところですが、若干これはおくれておりまして、まだそういう最終的なところに至っていないわけでありまして、そこに至るまで鋭意これを進めたい。こう考えておるところでございます。 そこで、ただいまお話がありましたように、私どもいろいろこの評価がえに当たりまして数字を調べたりしているわけでございますが、農地の価額の上昇というのはどの程度かというのはいろいろ数字がございます。たとえば田の売買価額の推移で見ますというと、日本不動産研究所調べによりますと五十二年から五十五年までの三年間の上昇でございますが、約二七%、それから全国農業会議所調べによりますと二二%というような数字が出てございます。固定資産税は資産価額に応じまして市町村の毎年の負担をお願いする税金でございますので、こういった価格の上昇ということも踏まえながら、しかしただいま御指摘にありましたようなもろもろの事情、それから農地につきましてはこれまた御承知のところでございますが、売買が買い足しあるいは切り売りというような実態がございますので、そういった実態も考慮して評価することになっております。したがいましてそういったことを全体的に考慮しまして今後の評価がえを進めたい。こう考えております。 次に、そういった状況にある評価がえについて、評価がえの結果、税負担がふえるというような場合は、これを据え置くべきではないかという御指摘でございますが、これにつきましては確かにそういう強い御主張はあることは承知いたしております。しかし同時に市町村におきます財政事情であるとか、そういった面からの一般農地といえどもやはりある程度の負担はお願いしなければならない事情がありますことも事実でございます。ちょうど三年前の五十四年の評価がえにつきまして、五十三年のちょうどいまごろから後やはりそういう御議論がありました。しかし一般農地についても、固定資産税はそもそも資産価額に応じてその自治団体の日常の財政事情を賄うものであるから、負担はお願いをしたいということであったわけであります。また同時に、現在の一般農地の税負担の水準から言いますというと、若干負担増はぜひそれはお願いしたいというようなことで決着がつきまして、現在のような負担調整措置による負担をお願いしているところでございますので、五十七年の評価がえに当たりましてもこうした事情、市町村におきます農業投資そのものでも非常に大きくなっているという事情を勘案いたしますというと、負担を据え置くという考え方は現在とっておらないわけでございます。
○鶴岡洋君 自治省結構です。 農林水産省に聞きますけれども、いま自治省から御答弁ありましたが、近年の農地価額の動向、これ見せていただきますと、これは非常に上がっております。また農業所得はそれに反して減っております。一般の他産業の労働者において賃金が目減りする、収入が減るということはこれは大変な問題であります。しかるに農家はいま言ったようにすでに減収になっているし、また農業所得が減っていると。米、牛乳等を初めとする過酷な生産調整、先日も委員会でお聞きいたしましたけれども、そういう問題、生産諸資材が高騰する中で農産物価格の抑制、加えて昨年は冷害でありました。またことしに入ってからの豪雪、寒波等の被害等がたくさん出ております。こういったわが国農業は大きな危機に直面していると思うわけでございますけれども、農地の価額が上昇したといってもそれは農業外からの要因が強く、それに加えて物価上昇、資産の保有性が強い、さらに転用価額が支配的であり、土地の生産力により町から遠いとか低いとか、こういう関係なしに土地は上昇しているわけです。地価の上昇の責任はこれは有効な地価抑制策を講じない政府の私は責任じゃないかと、こういうふうに思うわけですけれども、それだけに万一来年度から固定資産税が増大させられるとするならば、それはやはり政府の無策の責任を農家に転嫁するものであると、こういうふうにも見られるわけですけれども、この問題は自治省に本当はお聞きしたいんですけれども、農林水産大臣として、こういう点についてどうお考えになっておられるのか、お伺いいたします。
○政府委員(杉山克己君) お話しのように農地価額、一般地価の動向にある程度引っ張られまして近年かなりの上昇を示しております。市街化区域またはそれに準ずるようなところが最も値上がり率が高うございますが、そういう都市化の影響を受けない一般的な、線引きのまだなされていないような農地におきましても、最近の上昇率は年五%から八%の間にあるというような状況でございます。自治省の方ではこれらの農地の固定資産税の評価がえについて、先ほど御答弁ありましたように目下作業を進めておられるということでございますが、そのまだ内容について私ども承知いたしておらないわけでございます。評価がえを行うに当たっては、従来からもいろいろ農地については特例的な扱いを受けてまいったわけでございますので、農家の立場からすれば、もちろん税負担が低いにこしたことはない。農業経営の安定を願う点から私どももそういったことを念願いたしておりますが、自治体の財政事情なり、税理論、一般とのバランス問題というようなこともいろいろあるようでございますので、自治省の話も承って、私どもの立場なり事情なりも理解していただくよう調整に努めてまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 話がまた変わって大変恐縮ですけれども、柑橘類の被害のことについてお伺いいたします。 先月の二十六日、二十七日の異常寒波により近畿地方初め四国、中国、九州地方、相当な被害が出ているように聞いております。中でも和歌山県、広島県、愛媛県、九州では宮崎県と予想以上の被害が出ているようでございます。この被害状況ですけれども、現在掌握している範囲内で結構ですから、どのぐらいになっているか、簡単に御説明願います。
○政府委員(矢崎市朗君) 先月の二月の二十四日、五日、六日に西日本の方で非常に寒い寒波がございました。地域によりますと、平年に比べましてマイナス十度以上というふうな記録も出ております。そこで、特に柑橘類を中心にさらに梅あるいはビワ等の果樹にかなりの被害が出ている模様でございます。これはすでに樹上で越冬いたします果実は、果実そのものの被害がございますが、それ以外にもまた樹体がかなりの被害になっている模様でございます。さらに果実以外では野菜がやはり一部の野菜で凍害等の状況が出てまいっております。私ども農林水産省といたしましては現地に調査団を係官を派遣いたしまして、実情の調査を現にいたしておるところでございます。また、これと並行いたしましてそれぞれの統計情報の組織を通じまして、その被害の状況の調査及び取りまとめにも当たっておるところでございます。したがいまして、いまの時点におきましてはまだ数量的にどれだけの被害というふうなわけにはまいりませんけれども、できるだけ早期に状況もつかみ、またこれに対する適切な対応もいたしたいと、かように考えております。
○鶴岡洋君 たとえば愛媛県の場合は、私きのう聞いたんですけれども、果実では八十五億円、それから樹体で百五十九億円と、こういう数字が出ているそうです。九州の宮崎県も相当ひどいようですけれども、私がここで申し上げたいのは去年も冷害で大変な米作農家初め農産物が被害受けたわけですけれども、そのときももちろん七千億という去年の冷害は相当額に上ったわけですけれども、稲や小麦というのはこれはことし悪ければ、また来年いいということも多少考えられますけれども、今回の場合はこれは永年作物でございますし、それだけに農家にとっては非常に将来が危ぶまれるというか、どうしたらいいのかという思案に暮れていると、こういうことでございます。そこで、この被害の状況がまだはっきりわからないようでございますけれども、早急に天災融資法の発動と、激甚災害法に基づく地域指定、これを急ぐべきではないか。特に急ぐべきではないかと、このように思うわけですけれども、たとえば宮崎県の国営の美々津開拓パイロット事業ですか、これもあるようですが、共済金ももちろん全体から見ると一〇%ぐらいしかかかっていないと、こういうふうにも聞いておりますし、このパイロット事業には造成費等またたくさん投資をしているわけです。そういう面で、いよいよそれを返す年がことしか来年あたりからと、こういう農家が多いわけです。加えて、いまのような状況でございますので、天災融資法の発動と激甚災でございますけれども、これいつごろ発動されるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘なさいましたように二月下旬の寒波による被害は、特に果樹は樹体までやられているという状況で、大変被災農家にお気の毒な状態であるということは私ども承知しております。 まず、天災融資法の発動でございますが、今次の寒波につきましては先般の降雪と同じように三月の十六日現在で調査を行っておりまして、目下被害の把握をいたしておるところでございます。この結果を踏まえまして、あわせて資金需要の集計をも待ちまして天災融資法を発動するという方針で、目下関係省庁と協議をしている段階でございまして、できるだけ早期に手続を進めてまいりたいというふうに考えておりますが、降雪とそれから寒波両方を発動いたす時期ということになりますと、例年の例によりますと、通常四月末ごろというつもりでいままでやってまいりましたが、大臣からの強い御指示もございまして、できるだけ早く、四月末ということではなくて一日も早くできるように私どもとしては努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 なお、激甚災はこれは国土庁の方で取り扱うわけでございますが、両省よく協議をいたしまして措置をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○鶴岡洋君 それに加えて、いま言ったような被害でございますので、調査に行っておられるというから内容はよく御存じだと思いますけれども、私ども写真も来ておりますけれども、樹体も完全に元からやられている、こういうふうになっているわけです。そういうことで、もちろんいま天災融資法を一日も早く発動する、こういうことでございますが、当面生活するにつなぎ資金ということでこれも手当てをしてやらなければならないんじゃないか。去年の冷害のときも当然同じようなことが出たわけですけれども、自作農維持資金について十分な融資枠の確保と限度額の引き上げとこれは冷害のときにはいつも出てきますけれども、この点についてはどういう考えを持っておられるのか。
○政府委員(松浦昭君) 私どもの方からつなぎ資金の融資について御説明申し上げます。 今次の寒波につきましてはその被害が深刻な事態にかんがみまして、降雪等とあわせましてこのつなぎ資金の融資とそれから追加貸し付けについての条件の緩和ということをやらなきゃならぬというふうに考えておりまして、実は二月二日付の経済局長通達ですでに指示をいたしておりまして、これは降雪等ということでつなぎ資金の融資と借入金の返済猶予の指示をいたしておりますので、これが寒波にも適用があるということで各地方行政局を通じてすでに委託済みでございます。末端でこれを受けまして処理をいたしておるというふうに考えておる次第でございます。
○鶴岡洋君 これも同じようなことですけれども、制度資金の償還期限が来ているわけです。先ほど言ったパイロット事業なんか特にそうなんですけれども、この点について延長を認めてもらいたい、こういう要望も強い。利息の減免についても特段の措置を講じていただきたい。さらに共済金については収穫共済と樹体共済とありますけれども、何か私の聞いている範囲では共済に掛けている人というのは大体一〇%ぐらいしかいない。このように少ないわけでございますけれども、それにしても早期に支払いをしていただきたい、こういう要望が強いわけですけれども、こういう点についてはいかがでしょう。
○政府委員(松浦昭君) 先ほど申し上げましたように借入金の返済猶予につきましてはすでに通達を出しておりまして、その趣旨でいま努めているところでございます。それから共済金の早期支払いにつきましては、これも経済局長通達をもちまして三月二十日にすでに早期支払いの指示をいたしておりまして、今次の寒波によります農業共済関係の被害状況を把握をいたしまして、農業共済団体においてはできるだけ早く調査をするように、そしてまたその共済金の支払いにつきましては早期の支払いをするようにということで、各県に通達を出したところでございます。
○鶴岡洋君 今回の被害をこうむった農家というのは、いわゆる果樹専業農家、これがほとんどでございます。それで先ほど話したパイロット事業ということについても、これは国でやったわけですけれども、これをやるについて私の聞いている範囲では四十二年から四十八年までいろいろ調査をしてやった、気象条件やら立地条件やらいろいろ調査をしてやった、ここでならば大丈夫だ、こういうことでやったようでございますけれども、現実にはまた今度のような被害に遭っているわけです。危険分散を図るためにもこれから地元の農家の人もどうしたらいいのか、またこれ続けてやったらいいのかどうなのかと心配しているわけです。そこで複合経営を導入したらいいんではないかなと、こういうふうにも思いますし、こういうことがないとはこれはもう言い切れませんので、こういう複合経営ということについて、また今後の経営対策についてきめ細かい措置を講ずべきであると思いますけれども、この点についてはどういうお考えでございますか。
○政府委員(杉山克己君) 国営美々津パイロット地区——川南町それから都農町、この辺を対象にした事業でございますが、この事業は昭和四十六年度に着工して以来関係者の協力のもとに推進してまいっているわけでございます。工事ほぼ完成に近づいておりまして、メーン工事は完了、今後畑地、灌漑施設あと五十八年までかかって完了させるというような段階に至っておるわけでございます。すでにミカン等の樹体は植栽されているわけでございますが、二月の寒波によりまして特に都農町に大きな被害があって、柑橘二百三十八ヘクタールを中心として著しい被害を受けたと承知しております。確かに四十六年着工当時の前提では、今回のようなこういう寒波被害というものは予想しておらなかったわけでございます。その点南の宮崎県にもこれだけの被害が出たということは予想外で、われわれとしてもびっくりしているところでございます。今後どうするかということについて、私はやはり今回のような異常気象はまさに異常なんであって、そのことを前提に営農の設計をすっかり変えるかどうかということになると、これは県なり地元がどういうふうに対応するかという意向もきわめて重要な問題であろうと思うわけでございます。そこで私の方からこれを模様がえするというようなことを指導するよりは、県なり地元の皆さんがどういうふうに対案をお考えになってくるか、そしてそのことが私どもの事業の上にどういう変更を必要とするかというようなことを、今後それらの御意見も承って十分調整してまいりたいと思っております。これは私ども直接には事業、主として施設整備を中心に進めているわけでございますが、事業が完了後も引き続いて営農指導の問題として残るわけでございます。確かに雑柑が中心ではございますが、そのほかにも桑でありますとか、飼料作物でありますとかいろいろ経営については複合的なことも一部検討されているようでございます。いま申し上げましたように県の意向等も承って工事の遂行なり、さらにはその後の営農指導について十分注意してまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 それじゃ最後に、大臣、いま言ったような事情でございますので、昨年の冷害のときには大臣も現地を視察されて、農家の窮状をよくごらんになって実状をよくおわかりだと思います。今度の場合もこれも私は同じだと思います。そこで、現金収入もすぐはからなきゃならない、被災農家の救農対策についても特段の処置を期待したいと思いますけれども、雇用促進といいますか、救農土木事業といいますか、その辺についてお伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 昨年の冷害の後、豪雪さらには四日間にわたる寒波、これが西日本に大きな、特に果樹に被害を与えたわけでございまして、私どもといたしましてもいま被害の実態を集計するために全力を挙げておるわけでございます。そのことが判明し次第、天災融資法の政令を決定をし、激甚災の指定を受けて冷害対策に講じましたような適切な施策によって果樹農家の皆さん方が生産意欲を落とすことのないように全力を挙げさしておる次第でございます。
○鶴岡洋君 ありがとうございました。
○主査(宮田輝君) 以上をもって鶴岡洋君の質疑は終了いたしました。 次に、立木洋君の質疑を行います。立木君。
○立木洋君 大臣、水田再編対策、再編の第二期対策が始まるということで、私も農家に行っていろいろ話を聞いてみますと、やはり依然として何を転作するかということを悩んでおられるという実情が依然として続いておるわけですが、もちろんこれは農家の方々もどういうふうにするかということで一生懸命努力をされておるし、もちろん政府が何もしていないということを私は言うつもりではありませんけれども、しかしこういう事態、第二期対策を控えた状況の中で、転作で依然として農家の方々悩んでおられるという状況から、どのようなことをお考えになっておられるか、最初にまずお願いしたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) 五十六年度から水田再編第二期対策に移行することになるわけでございます。この水田利用再編対策につきましては、何に転作するかということでいろいろ農家の方も作目選択に苦労をされておるというふうには考えております。 実は、この転作の問題につきましては、第一期対策の場合もそうでございますが、やはり自給力を高めるという角度もございまして、農業再編成を進めるということで、いわゆる自給率の低い麦あるいは大豆それから飼料作物、こういうものを特定作物といいますか、戦略的な作物として奨励金の面などでも優遇をするというやり方をやっております。 したがいまして、そういうものが二期対策におきましても相当主流を占めるであろうというふうに考えております。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私一番頭を悩ましたのは米が食べてもらえないということ。したがって、二期対策をやりながらも米を少しでもよけい食べてもらいたいということ、と同時に、この水田文明の上に築かれてきた日本民族の生活態様、また食糧の態様の姿、これをやはりできれば存続させることが一番日本民族には幸せじゃないか。できない麦を主食にするというよりも、ここで一番よくできる米を主食にして生活をしていくということは、やはりわれわれは子々孫々に強く伝えていくべきだと、こういうような感じがいたします。したがいまして、やっぱりこれは水田を畑にすれば表土がすぐ流されてしまうと、そういう意味から言っても、水田文明は永遠であるが、畑作文明は三千年というふうなことを聞いたこともございますので、やはり水田からえさがとれれば一番いいんじゃないかという発想をこれはだれでも持つのは当然だなあと。そこから農家の諸君、団体の諸君がえさ米ということに着目されたということは、これはもうやはり自然的な姿である。したがって、そういうことを政府としても全力を挙げてやりたいということでいま取り組んでいる最中でございますが、品種改良というのがなかなか時間がかかるものでありますから、そのタイミングの一致しないところに私としても非常な苦痛を感じながら第二期対策にそのえさ米対策、えさ米の品種改良が間に合わないのがまことに残念だというのが私のただいまの率直な所感でございます。
○立木洋君 いま大臣おっしゃったえさ米のことなんですが、そのえさ米というのは名前自身がここ数年来始まってきたことですね。私はこの問題について本当にこれからの日本の農政を考えていく場合に、このえさ米という問題をどういう位置づけをするのかということが私は非常に大切になってきているんじゃないかということを考えているわけです。これは私の感じていることを述べてみて、大臣のお考えをお聞きしたいんですが、一つは今度の農業白書の中でも指摘されておりますように、世界的な食糧の需給が不安定になっている。これはFAOの資料を見ましても、この三年間の統計では大体消費量に対する在庫率が一九%が一七%になり、ことしは一四%ぐらいになるかと。常時一七%ぐらい必要なものがそんなに低くなると困るではないかというふうな状況も一つは出てきておる。それからこれはことしの一月発表されたアメリカの農務省の資料ですが、これは粗粒穀物、米や小麦を除いた粗粒穀物の在庫率を見てみますと、この三年間同じように一二%が一一・八%になり、さらに今回は七・四%になる、非常に大変な状況に私はなってきているんではないかと、これは長い目で見た場合ですね。問題がそういう点では私はやはり日本が外国にいろいろ食糧を依存する場合に、いつでも外国から容易に手に入れることができるという状態がいつまでも続くなんというふうなことにはやっぱり考えられない。どういう事態が起こるかわかりませんから。これは大豆の例を引くまでもなく、そういうことを一つは念頭に置いておく必要があるだろう。 それからもう一つは、先進七カ国の主な穀物の自給率を見てみますと、カナダやアメリカなどのこれは食糧輸出国という点では自給率一七〇%ですか、を超えるという状態ですからこれはもう例外としましても、フランスでも一五〇台に上っていますし、それからさらには西ドイツ、イタリア、イギリス等々でも八〇%から七〇%前後、日本みたいに四〇%を割るという、三〇%台なんということは先進七カ国の中では日本だけだ。こういう状況、とりわけやはり飼料という問題が九〇%を外国に依存しているという状態ですね。今回のこの農林省が出した説明の内容を見てみましたけれども、その中でもやっぱり畜産の育成の問題ですね、これはやはり一つの柱として重視するという考え方、そうすると畜産にとって必然的に飼料というものは今後どうしても重要になってくる。こうしますと今後の農業の構造のあり方、日本人の食生活もだんだん変わって、やはり肉に依存していくということも多くなるとしますと、必然的に飼料の必要とする度合いも多くなるでしょう。それから、先ほどおっしゃいましたように、減反する場合にどうしても必然である日本の、これが畑作に転換するといってもなかなかそうはいかない面もあって、そうすると勢い同じような系統であるこのえさ米ということの開発によって、それで何とか飼料を維持していくというふうなこと等も考えられてくる。 こういうふうなことを考えてみますと、世界の食糧事情やあるいは日本の自給率の状態、それから日本のこれからの食生活、そしてまた長年水田という形で行ってきた日本の農業がこれからどういうふうに、過剰米ということも当然きちっとやっぱりやっていかなければならないわけですが、そういう総合的に考えた場合に、私はえさ米ということを日本でどう位置づけるか、日本の農政の中で。これは短期の一、二年の間ではなくて長期にわたってどういう位置づけをしていくのかということは、私は非常に大切な点ではないか。これは多収という問題が問題になります。非常に多くとれないからこれはやっぱりコストの問題で問題がある。だけれども振り返ってみますと、一九四五年に十アール、つまり約一反当たりでとれたお米というのは百二十キロですよ、現在五百キロ近くまでなっていると言われますけれども、百キロ台しかとれなかった、いまから三十五年前。それが実際には農家の方々の努力によっていま四倍からの、お米自身ですよ、多収できるような状態にまでなってきている。だから私は、こういう問題というのは技術的にやっていけば改善できる。日本の農林省というのも決して知恵がないわけではなくて、私はりっぱなことをやっていくことができるそういう官庁だと思いますし、農家の方々も一生懸命努力していくことができると思いますから、そういうふうなことを総合的に考えてみて、私は日本の農政の中でえさ米ということをどう位置づけるかという基本的な考え方を、私はまあそういうことがあるのでぜひこのことは重要な柱とすべきではないかという感じがあるんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいんですが。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点については、農政審議会においても論議がされ、長期的な情勢のもとでえさ米というものの位置づけをどうすべきかというようなことをやはり検討すべし、こういう示唆をいただいているわけでございますので、農水省といたしましても、品種改良の面においては技術会議を中心にいたしまして、どの程度まで多収穫あるいは脱粒性の阻止、固定した新しい品種をつくることができるのかというような見通しもしっかり持たないうちに、いろいろと政策的な決定もするわけにはまいりませんので、そういう問題につきましてはやはり中期的な、長期的な立場に立って、大事なやっぱり問題でありますので、きちんとしたやっぱり施策をつくらなければならないということでいま検討中でございます。
○立木洋君 もちろん早急に、いいかげんにして結論を出していただきたいということは言っているわけじゃありませんが、午前中の同僚議員の質問に対しても、大臣自身水田とえさ米が結びつけばこれは鬼に金棒だという趣旨の発言もありましたし、食糧庁の長官のお話でも、これはえさ米の問題というのは食糧安保の上からいっても利点があるという趣旨の御答弁もあったわけですね。 私は、本当にこれが本腰入れて日本の農政の中で取り組むべきことなのか、あるいは、まあ利点があるからどうなるかやってみようということぐらいなのか、ここらあたりのやっぱり見通しはつけておく必要があるだろうと思うんですよ。やっぱりこれはきわめて重要なんだから、よし、本腰入れてちょっとやってみようかということなのか、まあ農民から要求があるからそこらあたりでちょっとやってみようかということぐらいだとちょっと困るわけで、やはり農水省としては、これは将来の展望もよく考えながらも、やはり努力の一つの問題として考えているんだという位置づけなのかどうなのか、そこらあたりもうちょっと御説明いただきたいんですが。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 いろいろ御指摘がございましたが、先般の長期見通しを立てる際におきます自給率向上の問題としまして、やはりこの十年間なりを考えました際の第一義的に必要な自給率の向上なりは、やはりわが国におきまして生産可能でありまして、かつ国民の生活に直結するもの、非常に急がなければならない面としましてはやはり小麦なりあるいは大豆、飼料作物という現実に生産可能な条件にある作物で自給率の低いものを上げるべきだ、これが第一義的なものであるという観点に立ちまして考えておるわけでございます。 したがいまして、水田利用再編の際も、戦略作物と先ほど局長から御答弁しましたように、そういう指定した作物を中心に展開していきたい。飼料穀物の問題は重要な課題でありますけれども、やはり相当時間を要すると。私どもといたしましては、水田がそのまま利用できるとか、あるいは不測の事態に当たっての食糧への転換等を考えれば、それなりの重要性のあることは十分承知しておりますが、一つは収益性の問題でございます。 先ほども申し上げましたように、トン三十万円とトン三万円というような大きな収益性の格差がございますのと、主食用との識別についての問題あるいは技術的な問題、こうした問題を考えますと、やはり時間をかけた問題として私どもは取り組まなければならない。こうした観点で、特に技術的な究明が急がれるのではないかということで、超多収穫品種の開発研究ということに技術会議を中心にしましていまスタートしたところでございます。
○立木洋君 そういう御説明というのは、いままで何回も聞いているわけです。私はきょう大臣のお考えを聞きたかったわけですけれども、私はこの問題というのは日本の将来の農政を考えた場合に、本当に亀岡大臣がいまの時点でこの問題をきちっと農政の上に位置づけするかどうかということは、非常に大きな意味を持つと思うんです。これはここ一、二年でどうこうという問題じゃ私はないだろう。何十年というやはり単位で考えた場合に、日本の農政を振り返ったとき、あの時期にこういうことが行われたということがきわめて重要な意味を持ったということが必ず問題になるということが出てくるだろうと思うんです。これは私の感じですから、私は何も農業の専門家じゃありませんから。私はそういういろいろなことを考えてみた場合に、どうしてもいろいろな総合的に考えてそう思わざるを得ないわけですが、それで大臣自身、いま官房長が言われたように、一つの重要な施策として考えているけれども、いろいろな難点がある、多収の問題にしろ、コストの問題にしろ、脱粒の問題だ、あるいは識別の問題だ、いろいろあることはよくわかります。これらの問題についても、しかし少なくとものんべんだらりといつまでもやっていくということは私はいけないだろう、ある程度の見通しだとかあるいは計画、段取り等々ももちろん持ちながら、この問題についての対応を進めていくということに私はなるだろうと思うんですけれども、そういう見通しなどの点についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私もこれはやはり技術上の結果を見ながら判断をしていかなければならないなという感じがいたします。したがいまして、就任早々筑波に参りまして技術者の諸君の意向を私なりに納得するまで討議をいたしてみました。その結果、多収穫品種固定試験研究というものはとにかく相当長い日月を要する、最小限三年、その次の区切りでは五年、その次の区切りでは十年と。そうして十年たてば現在のものよりも五割は確実に増収をして、そうして脱粒しないという品種固定まで持っていけますというのが技術者の大体の一致した見解でございました。 したがいまして、これは農政審議会からあのような答申が出たのはまあ当然なことであるなという感じもいたしたわけでありますが、そういう立場からやはり技術的にはそういう五割増収あるいはその以後における試験研究の結果、さらに五割増収を期待できる品種をさらに増収の品種改良まで持っていくこともこれは不可能ではない、こう言っておるわけでありますから、先ほど御指摘になりましたような一般の米でさえも、私ら子供のときから比べれば倍もとれているというのはこれは確かなんです。そういうことでありますから、そういう意味において粗放経営で経費をかけずにコストダウンを図っていろいろ研究を重ねて採算、収益性等もえさとして成り立っていくようなやっぱり構想も他面考えられるわけでありますから、総合的な面からその結果結果を見ながら判断していかなければいかぬ。しかし、方向としてはこれは相当な重要な課題として農水省としては取り組んでいかなければならないということで、五十六年度の予算の中にもえさ米という立場できちんとして、そして全国試験場を動員をしてこれが研究に取り組むという体制をとったわけでございます。
○立木洋君 これは大臣にお答えいただかなくて結構なんですが、いままでいろいろ各農業試験場でやってきた研究はもちろん農水省の方として掌握されていると思いますが、えさ米の研究開発がどの段階まできておるというふうな御認識をお持ちなのか。
○政府委員(川嶋良一君) このえさ米と言われている稲の問題、いろいろと収量とかあるいは大臣がたびたび強調しておられますが、脱粒性の問題ですとか病害虫の問題ですとかいろいろございますので、実際の品種として農家に実用栽培をするということになりますと、それらのいずれもがある程度の限界を保持したような形で踏み込まれませんと、政府が栽培奨励できない、こういうことになります。 御案内のようなわが国の稲の品種改良の水準というのは非常に高いものでございまして、良質でかつ多収ということでございますので、もうそれだけでも大変な成果であろうと思いますが、さらに現在米の流通しているものと識別をして、なおかつそれよりもはるかに高い収量性が保持されませんと、このえさ米として向かない、こういう状況がございますので、それが実際収量としてどの程度まであればいいのかということ等もいろいろあろうかと思いますけれども、これはいろいろ経済性の問題ですとか、経営の問題ですとかございますので、絶対値でどこまでということはなかなかむずかしいと思います。 私どもは先ほど大臣からもお話がございましたように、現在まで明治から百年、大体二・四、五倍になっておりますが、大体五十年で五割増収しております。まあ五十年で五割で、五割、五割で大体二・二五倍になるわけでございますが、大体そんな感じでこれは全国平均のベースでございますから、中にはいろんなもっと高いスピードで増収しているものがありますけれども、平均で見ますとそういうかっこうになっているわけでございます。 そういったようなことを踏まえまして、一つの目安として五割増収というのを一つのめどにしたわけでございます。それで十分であるかどうかという問題は別にいたしまして、技術上の一つの当面の目標としてそういう設定をしたわけでございます。 その場合、それも一気になかなかまいりませんので、それに近づくために途中の目標を立てました。まあ三年、五年、七年ということで、大体そういうことで計画を立てたわけでございます。そういうことでやっておるわけでございます。 そういう大筋の戦略目標から言いますと、現在どこまで進んでいるかといいますと、個別の段階でいろいろすぐれた特性を持っているものがあちこちで見つかっております。ですから、それをまとめたときに一体どうなるかというふうになりますと、まとめたときにはまたゼロでございます。まあ収量が非常に高いというふうな外国の品種もいろいろございます。しかし、それには脱粒するとか病気に弱いとか、いろいろございます。一方で非常に脱粒しにくいとか病気に強いとかいうものもございます。ですから、それを一本にまとめませんと具体的に現実に幾らの水準にあるのかということはなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、ある時点でそういうものがまとまればそこに明確な実態も出てくるわけでございます。そういうことを勘案しまして、現在のところまとめて国あるいは民間等でいろいろ試験をしているものがございます。これを総称してみまして、やっぱり一つの品種として推奨する段階にはなっていないということを言わざるを得ないと思うんです。 ことしから大いに力を結集しまして、そういった目標をできるだけ早目に達成するように努力をしてまいりたいというように考えております。
○立木洋君 大臣ね、私もいろいろ行って、見てきたり、話も聞いてきたんです。福島県の湯川村でもうやっておりますわね。それから山形でもことしから始めるというのでいろいろ資料もらってきましたし、それから先ほど話が出ましたように、秋田なんかでも、大曲なんかでは早くから大分やっているようでありますし、回ってきましたけれども、もちろんいまお話がありましたように、これはこれが非常にいいというふうに確定される段階にはもちろん至っていないということですが、これらのいろいろな内容については、もちろん民間あるいは地方自治体等々で研究されている内容についても、当然農林省の方としてはそれを把握されて生かされていかなければならないと思うんですね。 それでちょっと簡単に申し上げますと、たとえば秋田の場合ですと、行っておるのが三十六市町村でやっているわけです。やられているのは百七カ所でやられている。それで八町歩近いところでこれは試験をやっているわけですね。 それから秋田県の段階でも相当やっておりますし、ここでは外国からの入れてきた品種二十三品種をいろいろ交配して、それでどの品種がいいかというふうなこともやられていますが、これで出されてきた数字なんかを見ますと、たとえばアルボリオのB六ですね、これは交配したのがこれが脱粒も極少で、たとえば反収千三百十三・八キロと。だから一・三トンという、もちろんこれがいまお話ししたように全国的に集めてみるとまだゼロの時点だと。いろいろと個別的にはいいのがあるかもしれないという、そのお話かもしれませんけれども、そういうことも出ておるというふうなこともあります。ですからどのようにして多収で、脱粒の少ないものをやるかという研究が、やはり現に民間、地方自治体等々でも進められている。 それからもう一つは、これはいまの秋田の大曲なんですが、大曲でやられているのは有畜農家がいわゆるえさ米を開発して、それを自宅の家畜に使うという、これが市と共同してやっているんですね。これ内容は「飼料稲の多収技術の確立と採種を目的とする試作展示圃の設置」をやる。そして「エサ米の飼料化を図り栽培から飼料投与までの一貫した体系を畜産農家へ委託してのエサ米実用化試験」と、こういう内容で市の方が有畜農家と協力してそしてやっておる。いろいろやってみますとこの有畜農家でやられたえさ米のあれについては、冷害の時期でも非常に強いというふうなことが、これはどういう意味かわかりませんけれども、そういうふうなことも話としては出されておるという内容もあります。 それからもう一つは、これも同じく秋田の方で研究されている内容ですけれども、えさ米を家畜に実際に食べさしてみてどうかという研究ですね。これは転換田の有効利用と肥育飼料の自給率向上を図るため稲及びハトムギ、ホールクロップサイレージですか、発酵させるやつですね。これを供与した場合の肥育の効果について検討する。これは去年の十一月から開始されて、いままでの中間的なデータですから、これは完全なデータが出ておるわけじゃありませんけれども、いままでのところ健康上きわめていいと。それから乳をとる状態なんかでもいいというふうなデータが出ております。こういうような農家の方々や地方自治体などが協力し、これに対してたとえば先ほどの有畜農家と市が協力してやるというふうな場合でも、百十三万二千円、市として予算を組んでやっておるというふうなこともありますし、それから秋田で先ほど言いましたような牛に実際食べさしてみての実験などでは、ここで出されておるのは六百八十三万四千円という予算が県として組まれておるだとか、いろいろ地方自治体等々でもお金を出して非常に研究に努力されておると、こういうようなことは当然国の方でもつかんでおられると思いますが、こういうような研究に対して、今後国の方としてはどういうふうに対応していかれるお考えなのか、こういう研究をやっぱり奨励していくという立場なのかどうなのか。 それから、これらの研究の内容について余り意味がないというふうにお考えになっているということではもちろんないでしょうけれども、この研究の内容についての基本的な——具体的な点は結構ですから、基本的な考え方を。
○政府委員(川嶋良一君) ただいま先生がいろいろ御指摘になった事例につきましては、私どももその情報を入手しているわけでございまして、直接間接いろいろとお話し合いはしております。そのことにつきましていろいろと過程がございましたり、実際にいろんな点で検討するという点についてはまだいろいろ問題があろうかと思いますので、いろいろ言われている数字は実際に農家がおやりになっていることでございますので私ども否定するわけにはまいりませんけれども、それをもっと客観的にいろんな農家につくってもらうというためには、なおいろいろと検討する必要があるというものがあろうかと思います。また、私どもの立場から見てどうもこの点は検討がもうちょっと必要なのではないか、こういったような点も多々あるように思います。ことし私どもの方で本格的な検討を進めるという段階におきまして、そういった点、個々の方々となかなかお話し合いできませんので、かなりの指導者がおられますのでそういった方々と協議もしておりますし、また仕事をする上では十分連絡協議をしてやっていきたいと思っておるわけですけれども、これは大変いろんな問題がございますので、国が責任を持って大規模にやっていこうという段階でございますので、いろいろと連絡をとることは十分配慮したいと思いますけれども、私どもの責任でやらしていただきたいと思っておるわけでございます。
○立木洋君 この問題の最後になるかと思いますので大臣にお考えをお聞きしておきたいんですが、一番最初申し上げましたように、やっぱりえさ米の開発という問題については農林省自身も一つのこれを重要な点として考えておられると、もちろんこれは開発を急いでやってみようという点で努力をされておるというお話でした。それで、これについては、先般の予算委員会のときにも、これはただ単に国が国だけでやるということではなくて、官民一体となって推進していきたいというふうに考えておられるというお話でしたので、もちろん農家の方々もいろいろな意味でこの研究開発に努力をされ、それについては地方自治体としてもそれなりに協力して進めておるという状況があるわけです。ですから、大臣が当初おっしゃいましたように、できるだけ速かにそういう、どうなるのかきちっとやっぱり研究の結果を出して、それを今日の農政の中にどう組み入れていくかというふうなことにされることが農家としても望ましいわけですから、そういう点から見ると、農家の方々の研究されている実際の状況が十分にくみ上げられると同時に、そういう研究をより促進できるような施策というのが求められてもいいのではないだろうかというふうに思うわけです。そういう点で、先般検討されているというお話もありましたが、こういう状況の中で国の農林試験場が農家から水田を借りる場合のお金を払うというのはもちろんでしょうけれども、それを転作面積としてカウントするというふうなことも検討してみようかというふうなこともあるやに聞いているわけですが、その問題がどうなるのかということと同時に、それからこうした地方自治体その他でやっておられるいろいろな試験的なこういう面積についても、転作面積としてカウントされるような御意向がないかどうか、検討していただけないかどうか、これが一つです。 それからもう一点は、これはこの問題に関していまのやはり研究施策をより促進するという観点から、たとえば研究施策助成金というふうなものを御検討いただけないか。これはまた大蔵省の方の顔を見てはというふうなことになるかもしれませんけれども、しかし大臣のお考えとしてそれほどやっぱり必要性をお感じにならないかどうかという点で、研究施策の助成金という問題、転作面積としてのカウントが御検討になっていただけないかどうか、つまりこれは促進するという観点から、その二点をお尋ねします。
○政府委員(二瓶博君) 第一点の転作カウントの問題にお答えいたします。超多収品種の育成に関します試験研究につきましては、まだ緒についたばかりでございます。先ほど技術会議の事務局長からもお話ございましたように、現段階では国立試験研究機関を中心に責任を持って進めるということでやっておるわけでございます。民間の試験研究につきましては先ほどもお話がございましたように、その規模なりあるいは試験方法等、いろいろまだ問題があるとかように聞いております。したがいまして、民間の試験研究にかかります水田を転作カウントするということにつきましては、一般論といたしましてこれはきわめて困難であると、かように考えております。ただ、ただいまもお話ございましたように、国立の試験研究機関あるいは公立の試験研究機関等におきまして、この超多収品種の育成という試験研究をやります際に、試験場の圃場ではちょっと面積的に不十分だと、その際に、民間の圃場等を借り上げまして試験研究をやっていくという際に、その借り上げる面積につきまして転作カウントするということにつきましては、これは研究をいたしたいということで現在詰めを急いでおる、こういうことでございます。
○国務大臣(亀岡高夫君) この研究成果を早く上げるために、研究を促進する上から民間の活力も大いに活用せよということは、私は大変大事なことだと思うのです。と申しますのは、かつて昭和二十五年、六年ころでございましたが、日本の稲作に革命的な技術として取り入れられた保温折衷苗代という、これは試験場から案出されたんじゃなくて、軽井沢の一農家からの発想だったわけでございます。ところが、なかなかこれを行政の路線に乗せるまでには容易なことじゃなかったわけであります。私自身その運動をやった一人でありますので、よく知っております。その辺に日本の政府の試験研究機関の盲点と申しますか、そういうところも私はいまそういうことのないようにということで実は指導をいたしておりますので、その点は先ほど川嶋事務局長からお答えを申し上げたとおり、民間の活力も十分活用できるような体制も考慮しつつ、各府県の試験場、国立試験場等と協力しながら成果を上げたいと考えております。
○立木洋君 もう時間があと一分しかないので、これ最後一問で終わりますが、きょう外務省の方、おいでいただいたんですけれども、大分やりとりしたかったんですが、時間がなくてお尋ねすることができなくて大変申しわけないと思うのですが、それで最後に外務省に聞きたかったことも含めてちょっと大臣のお考えをお聞きしたいんですが、これは過剰米の処理の問題をめぐりまして、この二、三年間、いろいろアメリカとの間でトラブルがあったということは大臣十分御承知だと思うのです。ところが私は外務省からいただきましたいろいろな資料だとか、それから農林省の方で発行しました、農林省ですか、これは、「食糧政策研究」、この雑誌等々いろいろ見てみましても、いわゆる輸出補助金を出しているんじゃないかだとか、ダンピング政策をやっているんじゃないかだとか、アメリカに対していろいろな実害が生じているみたいなことがありますけれども、いろいろ調べてみても実際にアメリカの主張している道理というのは道理が通っていないというふうなことがほぼ私の方としては感じられるし、そういうふうな内容として、いままでのやりとりの中でも外務省ではやってきているように書いてあるわけですね、報告書の中では。だけど、いろいろとやはりアメリカとの間でトラブルを生じないようにさせたいという意向から、昨年ですか、協定が——協定というか、合意に達して、そしてアメリカとの話し合いで、過剰米を外国に輸出する場合に、アメリカと協議をして行うというふうなことになっているということのようであります。ここで私は日本でつくったお米、これが余っているわけですから、外国が欲しいと言っている国に対して日本が自主的に輸出するのに、アメリカに実際に害も与えていないにもかかわらず、またその他いろいろ国際的な貿易上にも差しさわりが生じているわけでもないのに、アメリカと相談をして過剰米の処理までやらなければならないということでは、余りにも何といいますか、みじめではないか、そういうやり方というものは。これはこういうような農政上の問題でアメリカが必要とするものがどんどん日本に輸出され、自由化され、そして大変な事態にいままでなってきたという経緯があることから、私はここで、牛場さんが、これは外務省の顧問の方ですが、牛場さんが、お米が自由化されるとアメリカのカリフォルニア米が日本に入ってくると、こういうふうな危険まで考えられるという趣旨のことを書いているんです。これは普通の民間の人が単純に書くならばこれは私は余り問題にならないかもしれないけれども、外務省の顧問の方が、カリフォルニア米というのを日本の米の値段に比べると日本の米は五倍ぐらいになっている。もし日本が米を自由化すればたちまちカリフォルニア米が入ってくるだろうということはだれでも考えることです。いまや過剰米の処理だけの問題でなくして、こういうふうなことまで指摘されるような重要な時期になってきておると思うんです。ですから、私は食糧の問題について、先ほど同僚議員も言われました食糧安保という観点から考えて、本当に日本の農政が外国の言いなりにならないできちっとやっぱりやっていくということがきわめて重要ではないかと。この問題で大分いろいろお尋ねしたかったわけですけれども、牛場さんまでそういうことを言われているわけですから、大臣に本当に、今後ぜひともそういうことにならないようにしっかりお願いしたいということで、そのことについての大臣のお考えを最後にお聞きして私の質問を終わります。
○国務大臣(亀岡高夫君) もちろん日本は憲法によって、独立国として一億一千万の幸せのために私どもは全力を挙げて立法し、行政を行い、そうして司法によって、国の政治を遂行いたしておるわけでございますから、農政といえどもよその国の言いなりになるなんということは考えてもおりませんし、そういうふうに応じたこともないと。今回の畜産物の問題にいたしましても、これはアメリカじゃありませんけれども、アメリカとは比較的事を構えておりませんから、ECあるいはニュージーランド、豪州とこちらの言いたいことも十分言って、そして二国間で話し合いに至らしめたと。アメリカでまた何か農業問題で問題があった場合には、やはりこちらのこういうことを言って、そうしてやっぱり言いたいことを全部言い尽くして、そうしてその中からお互いの協力関係をつくり上げていくというのが私は本当のパートナーシップのゆえんであろうと、こう思っております。したがいまして、言いたいことは何でも言うということで、私自身もマンスフィールド大使とも何回かお会いしておりまするし、漁業問題等に関しましても、ブロー法案の際などには十分こちらの意向を言うてございまするし、また水産関係等についても、水産庁長官が再度渡米をいたしましてこちらの要請をきちっと言うべきところは言っておると。また食糧の輸出の問題についても、細部は食糧庁長官から申し上げますが、アメリカの言いなりになっているわけじゃなくて、世界食糧会議の話し合いというような形をとっておりますことをひとつ御理解いただきたいし、アメリカの一部議員、上院、下院の議員諸君がいろいろその立場、立場で言うておりますことも、いろんなものに出ておるわけでありますが、そういうものに左右されるというようなことはみじんも考えておりません。
○主査(宮田輝君) 以上をもって立木洋君の質疑は終了いたしました。 これをもちまして農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土庁、農林水産省、運輸省、郵政省及び建設省所管についての質疑はすべて終了いたしました。 これをもって本分科会の審査は終了いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後二時二十五分散会 —————・—————