予算委員会 第19号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/04/01
会議録
○委員長(木村睦男君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任を行います。 委員の異動に伴い理事二名が欠員となっております。 理事の補欠選任につきましては、先例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に沓脱タケ子君及び柳澤錬造君を指名いたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより各分科会における審査の経過について、各主査から順次報告を聴取いたします。 まず、第一分科会主査平井卓志君。
○平井卓志君 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。 当分科会の担当は、昭和五十六年度予算三案のうち、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(警察庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、環境庁、国土庁を除く)、法務省及び外務省所管並びに他の分科会の所管外事項であります。 以下、日程の順序に従いまして質疑の概要を申し上げます。 まず、行政管理庁所管関係につきましては、「行政改革についての決意を伺いたい」との質疑があり、これに対し、中曽根行政管理庁長官及び関係政府委員より、「戦後三十数年たったが、行政肥大、非効率、国際情勢に対応できないことが反省される。今回の行政改革では、行政のあり方全般、政府機能の再検討をしたい。一方行政には行政固有の原則がある。これを守りながら、財政窮乏に合わせて行政改革を行い、効率的、簡素なものにしたい」旨の答弁がございました。 次に、国会関係所管につきましては、「開かれた国会に向けての参議院改革はどうなっているか」との質疑があり、これに対し、前川参議院事務総長及び関係職員より、「傍聴席改善等開かれた国会にふさわしい施設への改善を行ってきたが、今後は、委員会組織の再検討等かなりのむずかしい問題が取り上げられる」旨の答弁がございました。 次に、法務省所管関係につきましては、「三月十六日に成田燃料列車襲撃事件があったが、列車妨害は悪質化している。乗務員にとっては命の問題である。対応策はどうなっているか。最近の部落差別事件は子供を使って落書きさせるなどまことに悪質化しているが対応策はどうか。増大する登記事務量にどう対応しているか」との質疑があり、これに対し、奥野法務大臣及び関係政府委員より、「列車襲撃事件は重大な犯罪である。沿線は百数十キロもあり大変であるが、国鉄公安当局とも協力して警備に当たっている。落書きは卑劣な行為である。これは心の問題で、一朝一夕に解決できる問題ではない。意識を改革するのは、規制ではなく啓発によることが抜本的対策である。迂遠と思われるがこれしかない。粘り強い啓発活動を行う。登記事務量増大にはそれに見合う増員で対処したいが、現状では期待できないので、合理化、部外への委託等で対処している」旨の答弁がございました。 次に、科学技術庁所管関係につきましては、「五十六年異常豪雪で大きな被害が出たが、地域によって雪質が異なっている、地域ごとにきめ細かな雪害研究が必要である。原子力発電所の安全性について国民の不安は根強い。スリーマイルアイランド事故で得た日本にとっての教訓は何か。原子力船「むつ」の修理工事は約束どおり期限内にできるか。「むつ」母港問題での決意を伺いたい」旨の質疑があり、これに対して、中川科学技術庁長官及び関係政府委員より、「長岡市と新庄市に雪害研究所を設置し研究しているが、従来以上に地方自治体と緊密に連絡をとって、まいりたい。スリーマイルアイランド事故から五十二項目の教訓を得た。それにより安全審査の内容を深め、新設、既設の原子力発電所の安全性を高めることとするなど着実に進めている。「むつ」修理工事は着工のおくれ、特殊な工事で安全性を守るということ等むずかしい点があるが、十月までに修理を終えるよう努力する、「むつ」母港は現在では大湊にもう一度お願いしたい。四月十日から現地に行って何とか再母港化できるよう話し合いたい」旨の答弁がございました。 次に、総理府所管につきましては、「同和対策特別措置法の延長では、十三年間の反省に立って、差別をなくする施策を強化する方向で改正、強化せよ」との質疑に対し、中山総理府総務長官及び関係政府委員より、「差別のない社会実現のために全力を挙げてまいりたい。五十七年度以降の同和対策については、概算要求の時点ではっきりさせたい」旨の答弁がございました。 次に、内閣所管関係につきましては、「会計検査院法の改正問題について内閣で調整を行い、今国会中に結論を出すべきである」との質疑に対し、宮澤官房長句及び関係政府委員より、「公の権力が私経済に介入すべきなのかという議論があり問題がこじれているが、最大限の努力をし、できるだけ早く結論を出したい」旨の答弁がございました。 次に、沖縄開発庁所管関係につきましては、「沖縄県土地関係等事案特別支出金の実行は沖縄返還協定放棄請求権補償推進協議会ではなく、政府が責任を持ってやるべきである」との質疑に対し、中山沖縄開発庁長官及び関係政府委員より、「対米請求権処理問題で残ったのは土地事案である。処理方法はいろいろあったが、一番望ましい、県の要望である推進協で実行する処理方法をとった」旨の答弁がございました。 次に、公正取引委員会関係につきましては、「三月十六日に「独占禁止法と行政指導との関係についての考え方」を出した趣旨は何かしとの質疑があり、これに対し、橋口公正取引委員会委員長及び関係政府委員より、「行政指導それ自体を規制する考えはない。行政指導が従来カルテルの温床になりやすい点に着目して見解を出した」旨の答弁がございました。 次に、外務省所管関係につきましては、「日米安保条約について米国内で改定等の動きが伝えられる。政府として現体制で防衛努力をするのか、武装中立ていくのか等真剣に考えるべきである。レーガン米大統領狙撃事件で、日米自動車問題の決着は延びるのか。また、国際的波紋が大きいが、日本はどう対応するのか」との質疑があり、これに対して、伊東外務大臣及び関係政府委員より、「政府は現安保体制の堅持、円滑な運営が最善と考えている。防衛に限らず、経済的、文化的側面等総合的立場から日米間の関係を緊密にすることが大切で、これが基本的態度である。自動車問題解決は、来日する米側代表がどういう説明をするか等の事情があり、いまの段階で解決がおくれるか否かははっきり言えない。米大統領の狙撃事件の国際的波紋については、先日訪米して世界情勢についての認識、対応策について意見交換をしてきた、狙撃事件でアメリカの政策が変わることはないと確信している。あわてて反応する必要はないと考えている」旨の答弁がございました。 このほか、各所管事項について、三月二十七日、三十日、三十一日、四月一日の四日間にわたり熱心に質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上、御報告を終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 次に、第二分科会主査和田静夫君。
○和田静夫君 第二分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 当分科会の担当は、防衛庁、経済企画庁、大蔵省及び通商産業省所管の予算であり、三月二十七、三十、三十一、四月一日の四日間にわたり審査を行ってまいりました。以下、審査順に従い、質疑の主な事項について簡単に御報告申し上げます。 まず、通商産業省につきまして、「経済安全保障の観点から、ニッケル等希少金属の備蓄を進めてはどうか。窪川町長のリコールは従来の原発推進に反省を求めるもので、今後の政府の方針を聞きたい。自動車の対米輸出規制は経済や雇用に悪影響を及ぼすが、どのように対処するつもりか」との質疑があり、これに対し、田中通商産業大臣及び政府委員より、「世界動向からニッケル、マンガン等のレアメタルの備蓄は必要で、現在も行っているが、他の先進国に比べ少ないのが実情である、備蓄体制の整備強化を図る方策について、現在産業構造審議会で検討を願っているところである。窪川町長のリコールについては、町民の判断として受けとめている。原発はコストが安く、石油依存度を引き下げる重要な代替エネルギーなので、安全性の確保を先行させるとともに、被爆国であることも配慮しつつ、PRなど十分な対策を講じてまいりたい。特に公開ヒヤリング制度の運用に当たっては、地元住民が満足し得るよう改めていきたい。アメリカの自動車産業の苦悩は理解するが、日本にとっても自動車の対米輸出規制の影響は深刻である。しかし、日米の友好や自由主義貿易の維持のため、アメリカより具体的要請があれば話し合いに応じ、鈴木総理の訪米前に結論を出すよう努力するつもりである」との答弁がありました。 経済企画庁につきまして、「政府見通しを上回る物価上昇によって実質賃金の目減りが生じた責任をどう考えるか。五十五年度経済の実績から五十六年度は内需中心の五・三%の成長率を達成することは困難ではないか。今後の長期的な経済の安定と財政再建をどう調整していくつもりか」との質疑があり、これに対し河本経済企画庁長官及び政府委員より、「五十五年度消費者物価上昇率が政府公約の六・四%を達成できず、勤労者の実質賃金が目減りしたことは遺憾である。政府見通しを上回る物価上昇の原因は、異常気象のほか予想外の原油の値上がりによるもので、賃金だけでなく、中小企業倒産の多発や企業利潤の減少など、経済全体にひずみが生じていることも御理解願いたい。五十五年度経済は内需が落ち込んだが、五十六年度は民間設備投資や物価安定による個人消費の増加、住宅建設など工夫と努力を重ね、内需中心の五二二%の成長に努めたい。経済の激動期なので、予想外のことが生じ、計画どおりいかぬ面もあるが、その都度機動的に対策を講ずるつもりである。財政再建を達成するには、経済を安定成長路線に定着させ、一定規模の税の自然増収を生み出す活力を持続させることが必要である。また、財源を確保することで、ともすれば進みにくくなる行財政の改革を、増税という退路を断ち切って行うことが重要である」との答弁がありました。 防衛庁につきまして、「恒久基地化のおそれある今次米軍艦船の横浜入港中止を要請すべきではないか。最近のアメリカからの防衛力増強の要求にどう対応していくのか」との質疑があり、これに対し大村防衛庁長官及び政府委員より、「米軍艦船による横浜への入港やノースドックの使用はすでに前例があり、また、港湾施設の使用は地位協定上何ら問題もないので、入港中止を要請することは適当でないと思う。厳しい情勢の中で、アメリカは防衛費をふやしており、防衛力増強の要請は理解できる。しかし、わが国には憲法、専守防衛、非核三原則の制約があり、その範囲で財政も勘案し、防衛計画の大綱の水準に可及的速やかに到達するよう努力していく」との答弁がありました。 最後に、大蔵省につきまして、「五十七年度予算に第二次臨調の中間答申をどのように生かすつもりか。補助金の一律カットは国民生活や弱者へのしわ寄せになるおそれはないか。グリーンカード実施見直しの動きが強まっているが、大蔵大臣の所見いかん」などとの質疑があり、これに対し渡辺大蔵大臣及び政府委員より、「五十七年度は中期展望で示したように二兆円の要調整額があるので、放置すれば制度的にふえる歳出を削減するとともに、行政改革は鈴木内閣の課題なので、第二次臨調の中間答申を極力生かすよう努力するつもりである。機構改革や人員整理だけでは多額の財源が生み出せないので予算の三割以上を占める補助金の見直しが必要であり、文教、社会保障、公共事業が大宗を占め、また、大部分は法律補助であるが、一切の聖域を認めず、メスを入れる考えである。グリーンカードはすでに法律が確定し、その準備も進めている。実施に当たって所得税法の問題点をある程度手直しはするが、既定どおり実行する」との答弁がありました、 質疑はこのほか広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録をもって御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして第二分科会の報告を終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 次に、第三分科会主査宮田輝君。
○宮田輝君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会の担当は、国土庁、農林水産省、運輸省、郵政省及び建設省所管の予算で、三月二十七日から本日までの四日間にわたり審査を行ってまいりました。 以下、日程の順序に従い、質疑の主な事項について御報告申し上げます。 まず、郵政省所管につきましては、「独立採算制をとる電電公社から、財政再建を理由に納付金を求めるのは不当ではないか。郵便法改正による五十五、五十六年度の郵政財政への影響と見通しはどうか。大幅な赤字を抱えた逓信病院、電電公社所管病院の状況は、職域病院としての価値、意義をすでに失っているのではないか。むしろその地域の中心的な総合病院として、民間医院の関連の中で地域医療を推進する方がよく、赤字解消の一端にもなると思うかどうか。電電公社の会議費等の不正経理は遺憾である。二度とこのような事態を起こしてはならぬと思うが、再発防止の対策は十分か。特定郵便局を含めた郵便局の身体障害者に対する配慮はどうなされているか」などの質疑がありました。 これに対し山内郵政大臣及び政府委員より、電電公社の納付金については、電電公社の財務状況、最近の営業成績などを検討した結果、国家財政の見地から郵政省としては臨時的、暫定的な措置として了承したものである。郵便法改正による影響は、実施時期が一月二十日とおくれたこと、第三種料金について当初案の値上げ幅を抑制したことで、当初案で二十四億円の黒字を見込んでいたが、結果的には五百六十億円の欠損となり、五十五年度末の累積欠損金は二千六百八十億円となる見込みである。五十六年度は単年度で一千五十億円程度の利益が生ずる見通しである。逓信病院、電電公社所管病院は、御指摘のとおり赤字経営であり、あいている病床は、一般の方々に一部開放しているが、その地域の医師会との関係もあり、簡単にいかぬ面がある。しかし、その方向で努力いたしたい。電電公社の不正経理問題は、まことに遺憾であり、残念に思う。基本的には、予算は国会で細目まで決められており、そのとおり執行していればこのようなことは起こらなかった。それを勝手に解釈したところに問題がある。今後は十分監査をしてまいりたい。郵便局舎の新増築に際しては、身障者の便を配慮し、窓口業務と出入り口の段差の解消に努めている。既設の局舎についても、地域の状況、局舎事情のある中で、要望のあるところから逐次改善を進めてきている」旨の答弁がありました。 次に、運輸省所管につきましては、「今回の国鉄運賃値上げは、増税と各種公共料金の値上げがなされる中で四年連続の値上げで、国民になお重い負担を課そうとしている。運賃値上げの実施時期を延期してはどうか、また、昨年の国鉄再建法の成立により、国鉄合理化計画の実施に乗り出したが、これらの計画を推進するに当たっての所信を伺いたい。赤字ローカル線を廃止して第三セクターで運営する場合、国鉄も資本参加する考えはないか」などの質疑がありました。これに対し、塩川運輸大臣、政府委員及び日本国有鉄道当局から、「国鉄運賃の値上げによる影響は大きいので、現在、運輸審議会と御相談しているところだが、結論が出ればその決定に従うつもりである。国鉄再建については、労使の協調と、国鉄内の規則、基準等を民間企業に準じた見直しを行うなどの経営努力によって、国鉄が国の交通機関の幹線になり得るものと確信している。第三セクターの鉄道運営については全面的に協力するが、国鉄再建法の趣旨からいって資本参加はできない」旨の答弁がありました。 次に、国土庁及び建設省所管につきましては、今後のダム建設実施には、地元民に対する補償の問題だけでかなり長期にわたると予想されるが、対策はどうか、住宅問題解決のためには、ます住宅基本法を制定する必要があると思うがどうか。公団住宅共益費の多額に上る利子相当分については、これを住民に還元すべきであると思うかどうか一などの質疑がありました。 これに対し、斉藤建設大臣及び政府委員から、「ダム建設に際しての補償については、地元民の立場に立ったきめ細かな配慮をしてまいりたい。住宅基本法については、建設省としてはある程度の成案を得ているが、なお各党の御意見の集約を待って、今国会提出に間に合うよう努力をしているところである。公団住宅の共益費については、有効適切な運用がなされているものと考える」旨の答弁がありました。 最後に、農林水産省所管につきましては、農産物の自給率を高めるためにも、えさ米についての試験研究を推進すべきでないか、民有林における林業労働者の振動病の認定患者が年々増大している実態に時間規制を行うなどの措置を講ずべきでないか」などの質疑がありました、これに対し、亀岡農林水産大臣及び政府委員より、えさ米については、水田農家の多いわが国の農業の実態から望ましいことであるが、食糧米との識別性、脱粒性、収益性等問題が多い。これらが解決できれば、国としても時間をかけて研究を推進したい。民有林における林業労働者に対しては、巡回方式による健康診断を行っているが、時間規制などは、雇用形態も異なっており、労働時間と所得との関係もあって、その実施は困難であるが、予防措置の強化や振動の少ない機械の開発を一層推進するとともに、休業補償についても、林業労働の実態を十分把握した上で、家族が安心して生活できるよう適正な措置を講じたい」旨の答弁がありました。 質疑はこのほか広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 以上をもって報告を終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 最後に、第四分科会主査亀井久興君。
○亀井久興君 第四分科会における審査の経過を御報告申し上げます。 本分科会の担当は、昭和五十六年度予算三案中、警察庁、北海道開発庁、環境庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管でありまして、三月二十七日及び三月三十日から本日までの四日間にわたり、熱心な質疑が行われました、 以下、質疑の要旨を日程順に簡単に御報告申し上げます。 まず、厚生省所管につきましては、一総理は補助金整理の対象から身体障害者など弱者に対する補助金は除外すると述べているが、厚生省はこの中に同和対策経費が入ると考えているか。厚生大臣は薬価基準の引き下げを五十五年度内に行うと明言したが、あと数日しかない。年度内改定はできるのか一との質疑があり、園田厚生大臣並びに政府委員より、一補助金の整理は、第二次臨調の方針や総理の考えが決まれば全力で努力しなければならない。補助金をぬるま湯のように出すことは不適当で、厳しく対処していかなくてはならないが、どうしても必要な補助金は残していかなくてはならない。同和対策経費はこれに入ると考えている。薬価基準の引き下げについては、鋭意作業中でもう少しで終わるところである。年度内に望みを捨てずがんばっており、おくれても、それほどおくれない時期に行えると思っている一との答弁がありました。 また、環境庁所管につきましては、一北海道日高山系の国定公園指定はいつ実現するか、日高中央横断道路の建設をやめるべきではないか一との質疑があり、鯨岡環境庁長官並びに政府委員より、一日高襟裳国定公園の指定は、北海道庁から申請を受けており、雪解けを待って調査を行い、自然環境保全帯議会の審議を経ておおむね秋には指定できると思う。旦高山系中央横断道路の建設については、国立公園、国定公園に指定した地域はあとう限り手をつけず子孫に残したい、しかし、道路が経済上どうしても必要というのなら、建設許可申請が出されてから慎重に対処したいとの答弁がありました。 次いで、警察庁、北海道開発庁及び自治省所管につきましては、「第二次臨時行政調査会と地方制度調査会の関係についての衆議院予算委員会第一分科会における政府統一見解は、広く議論さるべき第二次臨調の議論に枠をはめることになるのではないか、最近における住宅団地、文教地区等へのノーパン喫茶の進出は、青少年の育成や社会風紀上まことに問題である。厳しい対策を講じるべきではないか」との質疑があり、安孫子国務大臣並びに関係政府委員より、「第二次臨調と地方制度調査会との関係についての統一見解は、第二次臨調の議論に枠をはめるものではない。地方の定員や給与は地方が独自に決定するものの、地方の定員の七、八割は国の制度との関係で決まる実態があり、この面から広く議論することは好ましい。しかし、答申の取りまとめの段階では、地方が独自に決める問題は地方自治の本旨を尊重する上で限界があり、統一見解はこの点を示したものである。また、いわゆるノーパン喫茶については全国で二百九十九軒、うち住宅地域に四十七軒あり、児童生徒の出入りがあるなしにかかわらず、こうした店が存在することが問題である。直接の取り締まり法規はないが、現行法規の範囲で取り締まりを強化するほか、関係官庁がこの現状をよく認識して総合的に努力すれば解決できると思う」との答弁がありました。 労働省所管につきましては、一失業対策事業就労者の年齢を六十五歳で切ることは、働く能力のある者の就労の場を奪い問題ではないか、出かせぎ労働者の賃金不払いが多発しているが、対応策はあるのか」との質疑があり、藤尾労働大臣並びに政府委員より、「失業対策事業は戦後の異常時に対処するために生まれた制度で、ここに高齢者が滞留する現状は、社会福祉政策ならともかく、労働政策の事業のあり方から見て限界のところへ来ている、正常な雇用形態への転換のために六十五歳の上限を置いたが、いま直ちに実施するのではなく、今後五年間のうちに仕事のあっせんや生活相談の場を設けるなどして円滑に進めてい言だい。出かせぎ労働者の賃金不払いなどの事態を根絶することは、下請建設業者への縁故採用が多い実態等からむずかしいが、被害者には賃金の支払の確保等に関する法律を発動するほか、何よりも公共職業安定所で出かせぎ労働者の実態把握ができることが前提で、公的機関を通した就職の方が企業の信用も高く、救済体制も講じられることを啓蒙していきたい」との答弁がありました。 最後に、文部省所管につきましては、「早稲田大学商学部の成績原簿改ざん事件はまことに重大である。文部省はこれにどう対応するのか。幼児の基礎体力低下が心配されているが、幼稚園のフィールドアスレチックなど独創的な遊器具を補助対象とし、体力の向上を図ることが必要ではないか」との質疑があり、田中文部大臣並びに政府委員より、「早稲田大学商学部の事件は残念である。目下警察当局の捜査が行われているが、今回の事件は、大学自身が入試問題漏洩事件以来一年かけて内部調査してきた自助努力の結果発覚したものであり、第一義的には大学自身が絶対事件が起こらないよう対応することが必要である。文部省としては、その行方を見守り、必要な指導を行っていくが、早稲田大学のみならず全国の大学に対してもあらゆる機会をとらえ指導の徹底を図っていきたい。幼児の基礎体力の低下について、その改善に努力をしているが、幼稚園におけるフィールドアスレチック等、幼稚園の独創的な遊器具に対する補助は、現状においては補助基準の対象になっていない。しかし、こうした基礎体力向上のための新しい考え方については、間もなく幼稚園教育振興計画が終わるので、各界の意見を聞いて全般的に検討したい」との答弁がありました。 質疑はこのほか広範多岐にわたりましたが、詳細は会議録をもって御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして第四分科会の御報告を終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 以上で各分科会の主査報告は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、締めくくり総括質疑に関する理事会における協議決定事項について御報告いたします。 質疑日数は本日及び明日の二日間とすること、質疑時間総計は百九十二分とし、各会派への割り当ては、日本社会党八十七分、公明党・国民会議四十八分、日本共産党及び民社党・国民連合それぞれ十九分、新政クラブ及び第二院クラブそれぞれ十分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。昭和五十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に「羊の声」代表宮尾修君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよ保つ決定いたします。なお、出席時刻等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) それでは、これより粕谷照美君の締めくくり総括質疑を行います。粕谷君。
○粕谷照美君 きょうから公共料金がメジロ押しに大幅に上がる値上げ元日だというふうに思います。厳しい年度明けであります、きのう大蔵委員会で増税関係諸法案が、わが党並びに各野党の反対を押し切って自民党多数で可決決定いたしました。本予算委員会の物価、財政などの集中審議の際に、わが党の同僚委員が政府見通しの物価指数を根拠とする本年の公共料金などの物価値上がり、租税、社会保障等の掛金、そして住宅ローンなどの非消費支出や固定支出を合算すると、標準世帯の負担額は約十三万一千三石八十二円となることを指摘し、経企庁はこれを認めました。年収三百万円のサラリーマンが一〇%の年収増で三十カ円、この中から先ほどの十二万円余りを差し引きますと十七万円にも及ばない額しか残らないというふうに考えております。 そこで伺いたいのは、国民の生活を守るために、第一に財政法六条に関する減税は大蔵大臣——大蔵大臣いらっしゃいませんから後ほどにします。 経済企画庁長官、不況克服に最大の期待をかけている個人消費の回復に自信がありますでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 現在個人消費が計画どおり伸びておりませんが、その一つは、やはり消費者物価が五十五年度は比較的高い水準にあったということ、それと実質所得がマイナスになったということ、この二つが影響があったと思いますが、幸いに最近は消費者物価の方もだんだんと安定をしてまいりまして、ここ二、三カ月は六%台が続いております。今月にはおおむね五%台になるであろう、こう想定をしておりまして、消費者物価の安定とともに個人消費も次第に活発になるであろうと期保持をいたしております。
○粕谷照美君 今月は五%程度になるんではないかと、こういうお見通してございますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 消費者物価は五%台見当になるであろう、このようにいま想定をしております。
○粕谷照美君 消費者物価が五%台になる、非常に私どもとしては信じられない。増税などのツケを消費者に転嫁をさせないために、具体的にそれではどのような施策をされようとするのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は政治の目標というのは、国民生活の安定、向上、充実にある、このように考えております。したがいまして、経済も事情が許せば所得がふえるようなそういう私は給与体制が望ましい、こう思っておりますが、ただ、やはり国民経済全体の中で考えなければなりませんので、経済の各分野で活力のある業種と活力のない業種のそういうばらつきもございますし、それからまた、生産性の向上ということも配慮しなければなりません。生産性の向上を無視してペースアップが行われますと、これはまた悪い影響が後になって出てまいりますので、国民経済全体という立場で考えなければなりませんけれども、私はできるだけ所得がふえるということが望ましい、このように考えております。
○粕谷照美君 それではお伺いしますけれども、五十五年度の消費者物価上昇率七・八%というのは一体いつの時期で明確になったのでしょうか。当初見通しが六・四%、一月二十六日の閣議決定のときが七%程度、それから二カ月もたたないうちに大きく狂っているわけであります。その要因は一体どこにありますでしょうか。
○政府委員(廣江運弘君) お答えいたします。 全国の消費者物価の確報が出ておりますのは二月まででございます。まだ三月は、東京都区部の速報が報告をされたばかりでございますので正確なことはわかりませんが、二月の全国の確報によりますと、一月に比べまして〇・一%の上昇、前年同月比で六・五%ということでございます。なお、三月の東京都区部速報——これは速報でございますし、また東京だけのものでございますが、前年同月比で六・五%、前月比で〇・六%ということになっております、基本的には、このところ物価は非常に落ちついてきておると思います。そういう落ちつき線上にありまして、まあこの四月はよほど異常なことがない限り、先ほど長官がお答えいたしましたように五%台が実現するのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 さて、そこで、まだ三月が出ておりませんので、五十五年度をどういうふうに見るかということでございますが、基本的に、最近は非常に落ちついておりますけれども、一年全体を通してみますと、二月の指標で、まあ三月のその水準のまま推移するといたしますと、一年間を通じまして五十五年度に七・七%程度ということになろうと思いますが、仮に三月も東京と同じように全国が上がると、こういう想定を置いて計算をいたしますと、先生が先ほどお触れになりましたように七・八%程度ということになろうと思います。政府は当初六・四%と、こういうふうに見通しを立てたわけでございます。しかし、その後当初予想しておりませんでしたような異常な石油価格の上昇といったものがございましたし、これが一番大きな理由でございますが、さらに去年の夏、あるいはことしの冬にかけましての異常気象といったようなものが当初見通しを大きく押し上げまして、先ほど申し上げました、これは予想ではございません、一つの計算ではございますけれども、そういう状況になっているのが実情でございます。
○粕谷照美君 対前年度比消費者物価指数の中で、それでは公共料金の寄与度というのは一体どのくらいで、野菜の寄与度というのは一体どのくらいのパーセンテージになっていますか。
○政府委員(廣江運弘君) まず、公共料金からお答えをいたします。 公共料金の寄与度は二月までの段階でほぼ二・二%程度と、こういうことになっております。 それから季節商品全体というふうにつかまえてお答えをいたしますが、野菜がどうかということでございますが、これは〇・三程度だと思います。ただ、この場合に考えなければいけませんことは、すべてこれは前年比で見ておりますので、季節商品等につきましては、昨年は、先生もう御記憶のとおりだと思いますが、一月以降非常に野菜等が高騰したときでございます。それとの比較でございますので、それをお含みの上、御了解いただきたいと思います。
○粕谷照美君 そうしますと、長官にお伺いいたしますけれども、物価指数が非常に上がった理由として、一つには石油がある、これは戦争ということでありますから理解をいたしますけれども、野菜というのは、私たちは、大したことはなかった、影響はあったけれどもそう大きなものではないというふうに考え、やっぱり公共料金が物価上昇の元凶なんだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 昭和五十三年と昭和五十四年は、大体公共料金は物価を〇・八%ぐらい押し上げております。五十五年度は、先ほど答弁いたしましたように、二・二%押し上げておりますから、公共料金の影響が非常に大きかったということは言えると思いますが、公共料金の中でも一番大きく物価を押し上げましたものは、電力とガス料金でございます。約一・一%物価を押し上げておりますが、この背景は、やはり戦争による石油の高騰、こういう背景があったということだと思います。
○粕谷照美君 この物価指数が政府見通しを大きく上回るであろうということは、早いころから指摘をされていたわけでありますけれども、しかし修正がずいぶん遅くなって行われているわけであります。なぜ国民にもっと早くその見通しについて報告をしないのか。私たちは、これは春闘を押さえ込むための政府の意図的なものではないか、こう考えますけれども、長官、いかがですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 決してお説のようなことはございません。やはり政府といたしましては最大限、当初は六・四%という目標を実現するために最後まで努力を放棄しない、こういったてまえでやってまいりました。一 なお、修正をいたしました七%程度というのも、これも最後までこの目標実現のために努力を放棄しないと、こういったてまえでやっておりますので、若干修正がおくれたということは、そういう事情に基づくものであると御理解賜りたいと思います。
○粕谷照美君 消費者物価指数の統計的な意義は私は認めます。しかし国民は、生活実感と非常に何かかげ離れた数字であるような感じを持っているわけですけれども、家計の実態を如実に統計の上に出している、そして国民になるほどと思わせるようなことを政府としてはやっていらっしゃるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(廣江運弘君) 消費者物価指数が生活実感と乖離しているのではないかということでございますので、まず、それについて私からお答えをいたします。 わが国の消費者物価指数は、家計の消費支出に係ります商品とかサービスの物価水準の変化をはかることを目的としまして、これは国際的にも広く認められております方式に基づいてやっております、そういう方式のもとで所定の手続で客観的な調査をしているもので、十分信頼できるものであると考えております。先生はあるいはお考えの中で、そのほかの先ほど来のお話にもございましたですが、税金であるとか社会保険の負担等の非消費支出といったようなものが含まれてないじゃないか、そういったようなものが含まれておるところで考えたらどうかということだと思いますが、先ほど申し上げましたように、消費者物価指数といいますのは、一般世帯の消費の実態、消費支出に係る商品とかサービスの水準をはかるものでありますためにそういうことになっておりますし、また、それは国際的にも広く認められた方式であると、こういうふうに考えております。
○粕谷照美君 それでは、たとえば貯金の動向がどうだとか、あるいは税金がどうか、社会保障はどうか、光熱費はどうか、こういう統計はきちんとしてありますでしょうか。
○政府委員(小金芳弘君) 私どもといたしましては、名目の所得の中から、税金などの場合は税金を名目で差し引きまして、残りを可処分所得といたしまして、その可処分所得が消費に向かうわけでございますが、それが物価の値上がりによってどれぐらい実質的に目減りするかというやり方ではかっております。また住宅ローンなどは、これは家計として、支出いたす方から申しますと、金は出ていくわけでございますが、これは経済上は貯蓄でございますので、貯蓄としてその分は引く。消費的な支出を、名目を物価指数で実質に直すというやり方をやっておりますので、結果的には同じように家計の負担というものは計測できるというふうに考えます。
○粕谷照美君 その数字をもちまして、いまの場合、一体いままでの生活、昨年に比べて、あるいは五十年に比べて国民の生活はどのようになっているという分析をしていらっしゃいますか。
○政府委員(島村史郎君) 家計調査の結果によりますと、昭和五十五年の平均の全国の勤労者世帯の実収入は、前年に比べ名目では七・三%増加しておりますが、消費者物価の上昇分の八・〇%を除きますと、実質では〇・六%の減少ということになっております。また消費支出の、いわゆる生活費というものを前年に比べてみますと、名目では七・一%の増加でございますが、実質では〇・八%ということでございます。 その内訳を見ますと、実収入に占めます税金、社会保障費などの非消費支出の割合が、要するに構成比でございますが、一二・六%でございまして、五十五年でございますが。これは前年の一二・〇%に比べますと、若干上昇しているということでございます。それから可処分所得、いわゆる手取り収入から消費支出に回す割合、いわゆる平均消費性向というものも七七・九%でございまして、五十四年の七七・六%に比べますと若干上昇している。一方、貯蓄に回す割合、貯蓄の純増率というものは一三%でございまして、前年に比べますと、前年が一三・三%でございますので、若干減少しているということでございます。 また、御指摘の光熱費につきましては、前年が三、八%の構成比でございますが、五十五年は四・七%ということで若干上がっております。そのほかの項目につきましては、余り変化はないというのが実情でございます。
○粕谷照美君 どうも政府の統計というのは私たちの生活実態と合わない、こういう国民の声が非常に大きくなっている。その一つの例といたしまして、先日、神奈川の生協連の家計簿調査が発表されております。とにかく昭和五十四年と比較をしますと、一カ月の収入は六・七%伸び、税金は一一・六%伸び、社会保障費が七・一%、住居費が一三・三%、光熱費が二四・二%、教育費が六・九%と、軒並みに収入の伸びを上回っているということが出ておりまして、税金や社会保障費など義務的な経費が増大し、家計を圧迫していることが明確になっているわけであります。そういう中で、ぜひ何とかして物価を安定させていただきたい、こういうことで昭和五十五年度予算で、社公民三党によって予算が修正をされまして、物価対策費の五百億円が計上をされたわけであります。この金額は一体どのように使用されましたか。そして、その目的に対しての成果はどのようなものであったかということを御報告ください。
○政府委員(廣江運弘君) いわゆる物価対策費五百億円につきましては、四党間の合意が前提となって使用されるべき性格のものであったと承知いたしております。この物価対策費五百億円の使用につきましては、昨年十月三十日及び本年の二月五日に四党間で合意がありまして、内容を申し上げますと、野菜供給安定基金の資金造成、それから物価安定推進運動、それからフードウイークの拡充、食料品特別販売事業等、さらにこれも野菜対策でございますが、春白菜緊急作付特別事業、最後に野菜供給確保緊急特別対策事業等に総額約四十四億円が支出されました。この効果につきまして、これを計数的に申し上げることはなかなかむずかしいところでございますが、このような一連の対策の効果もありまして、最近の消費者物価は総じて先ほど申し上げましたように落ちつきの方向にあると考えております。 五十六年度におきましても、現在の物価の落ちつき傾向をより確実なものとするため物価の動向には細心の注意を払いまして、必要に応じて適切な対策を講じていくこととしておりますし、これにつきましては経済企画庁に計上することになっております国民生活安定対策等経済政策推進費の活用を含めまして、一般会計の機動的な執行によって対処してまいりたいと思っております。
○粕谷照美君 五百億円が使い切れないで四十四億円だった、私はこの使い切れなかった理由というのは一体何だろうか、このことを政府に問いたいと思いますが、本日はそのことだけを指摘いたしておきます。 とにかく実質賃金もマイナス、家計も実質的には大幅に赤字になっていく、明らかに政府の失政であって、国民の不信は高まる一方だというふうに思います。来年度の見通しを先ほど経企庁長官から御報告をいただきましたけれども、本当に確信を持って進んでいらっしゃるのか、このことについての総理の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十五年度の消費者物価の問題につきましては、政府の当初目標の六・四%を相当上回った結果に終わっております。この点は政府としても大変残念に思っておるわけでございます。五十六年度の見通しにつきましては、先ほど経企庁長官から御答弁申し上げましたように、卸売物価もほとんど鎮静化いたしておりますし、年度末における消費者物価もきわめて落ちついた推移をたどっております。また、五十六年度は、五十五年度の物価を大きく押し上げましたところの電力、ガス料金のような大きな公共料金の値上げということも予想いたしておりません。そういうようなこと等からいたしまして、私は政府目標の五・五%程度の達成というものは十分これはお約束できるものと、こういうふうに考えています。
○粕谷照美君 質問通告と順番を変えたものですから、大蔵大臣、失礼しました。先ほどぜひ大蔵大臣から確認をいただきたいと思いましたことは、財政法の六条に関する減税はもう絶対に実行するということでございます。御返答をお願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 仰せのとおり絶対に実行いたします。
○粕谷照美君 一番最初に質問すればよかったなあと、いま反省をしているんですけれども……。 総理、レーガン大統領が狙撃をされましたことにつきまして、総理は現在どんな御感想をお持ちですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) レーガン大統領があのようなことで重傷を負われたということは、本当にお気の毒なことでございます。心からお見舞いを申し上げておるわけでございまして、私も早速お見舞いの電報をお届けしたところでございます。その後、手術の経過等もよろしいようでございまして、一日も早い回復をお祈りをしておるというのが現在の心境でございます。
○粕谷照美君 当面の日米間の大きな課題についての総理の見通しといいますか、そういうものについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) アメリカからの報告等によりますと、手術の経過も非常によろしい、二週間前後で退院も可能ではないかというようなことも報告がございます。私は、したがいまして、なおその後において御静養があろうかと思いますけれども、私としては従来日米の両政府間で詰めましたところの訪米日程、五月の七日、八日の首脳会談を目途といたしまして、現在のところそのような心づもりで訪米の準備を進めておるというところでございます。
○粕谷照美君 それでは、参考人の宮尾さんの方に質問を変えていきます。 宮尾さん、大変御苦労さまでございます。ことしは国際障害者年でございますけれども、きょうは、障害者として長い人生を送ってこられました宮尾さんの生活を通じての今回の予算、年金を含んでのお考えなどについてお伺いしたいと思います。
○参考人(宮尾修君) ごらんのように、私は車いすに乗っております。この私の目の前にある答弁席は立って話をされる方のためにあるものでございまして、多少話しづらい、さらにお見苦しいところがあるかもしれないと思いますけれどもお許しをいただきたい、こういうふうに思います。 私は生まれると同時に脳性麻痺というものになりまして、以来四十七歳の今日に至るまでこういう体で生きてきたわけでございます。 いま日本には二百万人の身体障害者がいると言われておりますけれども、そのうち私のようないわゆる重度の身体障害者と言われている人たちは約七十万人ほどいるというふうに言われております。私はその一人といたしまして、私が住んでおります千葉県の船橋市というところで「羊の声」という障害者のグループを十数年前からしている者でございます。 きょうは粕谷先生の御好意によりまして話をする機会を得たことを大変ありがたいと思いますので、いま御質問のございました生活について、また国際障害者年長期行動計画をめぐる問題について及び教育の問題について皆さんのお耳を汚させていただきたいと、このように思います。 まず、生活についてですけれども、私は四年前の五十二年の国会においても当委員会で意見を述べる機会を与えられました。その際、自分の生活について、妻と二人で暮らしていること、一カ月の平均支出は九万二千円であること、受給している福祉年金は二万三百円であること等をお話しした記憶がございます。それから四年たちました現在、私の家庭は、三歳になる長男と一歳の次男と、子供が二人ふえました。また、昨年からは私の両親と同居しましたので六人家族で暮らしておりますが、この六人の生活実態は、お手元に配らせていただきました家計簿のとおりでございます。 これは一番最近の二月の支出でございますけれども、十四万九千円の総支出のうち、子供のおやつやミルク代を含め食費が九万八千円余りになっております。九万二千円という支出でございました四年前は、食費が二万五千円でございました。当時も生活は苦しく、いわゆる教養、レクリエーションなどに割く費用はございませんでしたが、それでもエンゲル係数は約四分の一でございました。それがお手元に配りました家計簿によると、三分の二が食費にとられているわけでございまして、いかに食べるだけの生活であるかということがこれだけでもおわかりいただけると思います。両親と合わせて大人が四人いるわけですけれども、ごらんのとおり、新聞を除くと雑誌をただ一冊買っているにすぎません。私がいま身につけております背広は、最近、国際障害者年特別委員会などの公式会議に出る機会がふえましたため、まあ初めてあつらえたものですけれども、これをつくりますのにはわずかにあった貯金をおろさなければなりませんでした。 下の参考までにお示ししました図は、友人の家計との比較でございますけれども、この友人はインフレで実質賃金が下がり生活が容易でないことを訴えています。そして、家族三人で幾らかでもゆとりのある暮らしをするためには最低三十万以上が必要であると述べております。恐らくこの友人の訴えと要求というものは、いまの働く人たちに共通したごく当然の訴えであり要求であると思われますけれども、私たち一家の生活はそれよりもさらに極端に低い状態に置かれているわけであります。 私は職業についておりませんので、決まった収入というものがありません。この二月の場合で言いますと、私の方から七万円ほど出しておりますけれども、このうちの四万三千円は福祉年金と福祉手当でございます。残りの二万七千円は原稿などを書いて得た収入ですが、そういう収入はその場限りのものでございまして当てにはならないものであります。したがって、支出の半分以上は親たちが出しているわけですがいその親は父が八十歳に近く母も七十歳をとうに過ぎております。そういう高齢になっているにもかかわらず、子供や孫たちの生活を支えるため、いまだに商いを続けております。つまり、私たち夫婦と子供二人の生活は年老いた親たちの労働によって支えられているわけで、状況的には以前に増して深刻であると言えるだろうと思います。 このような意味から、私たちは生活を支えることのできる経済保障、わけても年金、福祉手当というものの引き上げを要望したいと以前から強くお願いをしているわけでございますが、そこで、特にこの際触れておきたいと思いますのは、今年度の予算における福祉年金の問題でございます。 私は、昨年発足いたしました国際障害者年特別委員会の委員として五十六年度事業のあり方というものにかかわりましたが、この昨年八月政府に提出をされた五十六年度事業のあり方の中で「生活安定のための諸施策の推進」という項目がございます。そして、これは経済保障のことであるということが特別委員会の会議の中で確認をされております、したがって、私は今年度予算においては国際障害者年の当年でもあり、恐らく年金の改善というものが行われるだろうと期待したのでございますけれども、現実の予算を見ますと一級の障害福祉年金が三万六千円と、二千八百円の引き上げでしかございません。これでは前年度と全く変わらないだけでなく、特別委員会の提言を軽視したことにはならないだろうかというふうに思うわけでございます、最近は障害者政策の転換ということが言われ、施設中心主義から在宅対策の充実ということが強調されております。しかし、在宅対策のかなめである所得保障というものが充実しなければ、地域で自立した暮らしをしたいという私たちの願いはかなえられません。 特にここで申し上げておきたいのは、現在養護施設などに対しては入所者一人当たり二十万以上のお金が使われていると言われております。その点、地域で生きている者として、その半分とまではいかないまでも、せめて七万から八万の安定した経済保障というものを在宅障害者に対してしていただきたいということを、この際申し上げておきたいというふうに思います。 さて、私たち障害者がこの国際障害者年に期待しておりますものは、単なる言葉としての「完全参加と平等」ではございません。一つ一つの具体的課題における具体的実現でございます。現在、特別委員会では福祉生活環境、教育育成、雇用就業、保健医療、企画の五つの部会に分かれて長期行動計画のあり方を審議しておりますが、そこで取り上げられている問題は、どれも具体的な問題でございます。そして、こうした問題が正しい方向で解決され、障害者年のテーマが実現されるためには、何よりも国による施策の推進が行われる必要があると存じます、この点で気がかりなのは、この長期行動計画の実施ということを政府がまだ御決定になっていないことでございます。 去る三月十六日に当委員会で行われた御質疑をテレビで拝見しましたが、その際、政府のお答えは、年末になって特別委員会の提言が出るのを待って態度を決めるというものでございました。これは私などの立場からいたしますと、自分たちが必死になって議論している事柄が政府によってどの程度重要視されているのかということに対して、疑問を生じることになるのではないだろうかというふうに思います。 第二に、この長期計画は明年、一九八二年から一九九一年までの十年計画ですが、その第一年に当たる明年について、そのための予算化が行われているのだろうかどうだろうかということでございます、行われているのであれば非常に結構でございますけれども、これがもし行われないとなりますと、スタートから長期計画はつまずくことになり、一体その先がどういうふうになるのだろうかということが案じられるのでございます。私は決して政府の御熱意を疑うものではございませんが、多くの障害者の期待にこたえ、特別委員会の審議を生き生きとしたものにするためには、できるだけ早い機会にこの国内長期行動計画の実施をするという御決定を下されることが望ましいというふうに思います。 長くなりまして恐縮ですが、最後に教育のことについて少し申し上げさせていただきたいと思います。 私は、学齢を迎えたころに、まだ戦前でございまして、養護学校がほとんどありませんでした。そこで、私の母は近所の普通の小学校に入れようということを考えたようですけれども、その小学校から断わられたそうでございます。当時は、私のような体をした子供は就学できないのが当然であり、私自身、長い間、自分が学校に行けなかったのは障害が重いためであるというふうに思い込んでおりました。しかし、考えてみますと、普通の子供はだれでも学校に行っていたわけでございまして、私は当時の学校と制度からいわば拒否されたにすぎないわけでございます。現在は、障害児の就学権というものが一応保障されております。しかし、今度はそこでは障害児は養護学校に行くのが当然ということになっていないだろうかということを思うのであります。 つい最近のことですが、私の住んでおります市の養護学校の先生からこんな話を聞きました。この養護学校は知恵おくれの学校でありますけれども、第一に、地域との接触を図ろうとして、学校の外での遊びを行おうと計画した。ところが、地域の偏見が強くて遊ぶ場がないということでございます。つまり、普通の子供たちが遊んでいるところに知恵おくれの子供を連れていくと、普通の子供が逃げていったり邪魔をしたりして、一緒に遊んでくれないということを訴えておりました。それから二番目には、就職先が単にないというだけでなくて、働く訓練という意味での実習の場を持とうとしても、そういう実習の場すら引き受けてくれる企業がない。それから三番目には、いま一番問題になっているのは、夏、冬の休み、土曜と日曜の過ごし方だそうでございます。つまり、学校にいる間はいいのですが、うちに帰ると全く友人がいない。地域から疎外されている。そこで、自治会や地区の子供会などでこうした子供たちを仲間に入れてくれないだろうか、こういう訴えを学校の先生から伺いました。私はこの話を聞きまして、子供の生活には地域とその地域の子供との交流が必要であるということを感じたのであります。その点は障害児でも健常児でも全く変わらない、養護学校はそうした地域との交流、普通の子供社会への統合というものを断ち切っているのではないだろうか。というよりも、断ち切ったところで障害児を社会的な意味で特殊な存在に仕立てているのではないだろうかというふうに感じたわけです。そしてそのことが偏見と差別を一層招くことになっている。 私は思うのですが、障害者年のテーマである「完全参加と平等」というのは、総体としてのインテグレートであると思います。つまり統合であると思います。そうであるならば、子供のときからその統合というものは出発すべきではないだろうか、つまり、ともに学び、ともに遊び、ともに生きる、そういう機会を学校の中でつくり上げていく、教育の中でつくり上げていく、こういうことが必要なのではないだろうかというふうに思うわけです。 私の子供のころに、どなたでも御存じのヘレン・ケラーが日本に来たことがあります。戦後にも参りましたけれども。私の母は、このヘレン・ケラーを育てたといいますか、教えた家庭教師のエド・サリバンという人がいるわけですけれども、このサリバンがこういうことを言ったということを私に教えてくれたことがあります。つまり、こういう障害のある子供ほど普通の子供と交わらせなくてはいけない、エド・サリバンはそう言ってヘレン・ケラーを教えたということです。私は、その後ヘレン・ケラーの「私の生涯」という自伝を読みましたが、そこでは、家庭教師のエド・サリバンは、目の見えないヘレン・ケラーを絵の展覧会に連れていき、耳の聞こえないケラーを音楽会に連れていった、こういうことでございます。 私は、障害者年の「完全参加と平等」というのは、何もむずかしいことではなくて、お互いが生きている地域社会の中で普通の人と同じように障害者を見る、そして普通の人と同じように障害者とつき合う、接しる、そこから始まるのだろうと思います。教育においても労働においても、どういう分野においてもそれは変わらないことだというふうに思います。したがって、人間をつくる基礎であります教育においては、ぜひ可能な限り普通児とともにの教育というものを推進していただきたいということを特に申し上げて終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。(拍手)
○粕谷照美君 総理大臣、そして厚生大臣、総理府長官、皆さんがいまお召しになっていらっしゃる背広、一着十五万円以上していらっしゃると私は思うのですけれども、その値段にも満たない額で一家六人が生活をしている。何とエンゲル係数が三分の二だという。こういう障害者の生活、それでなおかつ宮尾さんはきちんとした目的を持って、泣き言一つ言わないでがんばっていらっしゃるわけであります。こういういまのお話を聞きまして、大臣がどのようにお感じになったかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) いま参考人から感情をまじえないで静かに、お話を承りまして、静かであればあるほど深く胸に食い込む数々のことを受けとめたわけでございます。厚生大臣としては、何としてもやはり所得保障という問題を何とか解決をしなければならぬと、こういうことでございます。
○国務大臣(中山太郎君) いま参考人から切々とした人生の歩んでこられたお話を承りまして、脳性小児麻痺の子供たちが生きていく中でどのような苦しみがあるのか、また、育ててこられたお父さんお母さん方の御苦労というものと、現在の生活の実態というものを聞かされまして、私どもは、やはりこの「完全参加と平等一という理想を一日も早く実現するために、政府としては積極的に取り組まなければならないと、このようにつくづく感じた次第でございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま宮尾さんから、御自身の生活体験を通じての障害者の方々の切実な悩み、また政治に対する要請、そういうものを率直にお述べいただきました。 私は、この中におきまして、特に障害者対策の中で所得保障の政策というものを重要な課題としてわれわれは真剣に取り上げていかなければならないということを感じたわけでございます。年金の問題あるいは手当の問題あるいは福祉の諸施策を総合的に私は相関連してこれを見直しながら、今後所得保障の充実という面に一層力を入れていきたいと、こう思っております。
○粕谷照美君 大変うれしい御返事をいただいたわけでありますが、それではわが国の現在のその所得保障は一体どうなっているかということを見てみたいと思います。 まず、大蔵省にお伺いしますけれども、無拠出の障害者福祉年金と拠出制の年金との間に、この最低保障にはどのくらいの格差がありますでしょうか。
○政府委員(松田正君) お答え申し上げます。 厚生年金の最低保障、これは基本年金額がまちまちでございますので、最低といたしましては四万一千八百円が五十五年の数字でございます。拠出制の国民年金につきましては、まだ制度が完全に成熟をいたしておりませんので、二級障害でこれと同額の四万一千八百円でございます。福祉年金につきましては、一級が三万三千八百円、二級が二万二千五百円でございます。五十六年度につきましては、それぞれスライドを実施をする予定にいたしておりまして、厚生年金の最低保障につきましては、四万四千七百二十五円、拠出制の国民年金二級につきましては四万四千七百二十五円、福祉年金の一級が三万六千円、二級が二万四千円。それからなお福祉手当につきましては、五十五年が九千二百五十円、五十六年度は一万円の予定でございます。
○粕谷照美君 同一の障害の程度であって、年金額に非常に大きな格差がある。このことは非常に問題だというふうに思うわけであります。せめて拠出制の額に最低を合わせるべきだと、こう私どもは考えているのでありますが、老齢福祉年金や五年年金とのバランスと、厚生省あるいは大蔵省はすぐそういうことを言いますが、その老齢福祉年金、五年年金の低さももちろん問題でありますけれども、この受給者というのはこれから急速に減少をしていくのであります、増額ができないということはありませんので、緊急な課題と考えますから、ぜひ重要な問題点として御検討をいただきたい、こう思います。そして、この問題についてもすでにプロジェクトチームをつくると、こう厚生大臣お約束をされております。とにかく早急に、自立できる所得保障制度を検討して確立していただきたいと思いますが、大蔵大臣いかがでありましょうか。
○国務大臣(園田直君) いまの、障害者年金が年金の種類によって違うと、これはもうかねがねから各方面から意見を承っております。かつまた、先ほど言われた所得保障の問題でありますが、これは在宅福祉制度と並んで、きわめて重要な一つでありまして、これも解決をしなきゃならぬ問題でございます。そこで、厚生省では、関係各部局間が連絡をして、総合的な研究をするようにしておりますが、特に国際障害者年推進本部というのを設けておりまして、これの特別チームで検討に入っているところでございます。 かつまた、いま非常に感じましたことを、御質問にはございませんでしたが、私は、障害者の方々——ごく一部は別でありますが、特別に障害のあるという方とは考えておりませず、ある面は普通の人に劣っておるが、ある面は人よりまさっておる、これが身体障害者の実態だと、こう思います、いま参考人を目の前において失礼でございますが、あれだけの理路整然たる、われわれが納得するような、感銘を受けるような話をする、短時間に。そういうのは国会議員でもなかなか珍しいと、こう思います。筋肉労働その他については不適かもわかりませんが、会社の管理だとか経営だとかそういう職につければこれは非常にりっぱなものだ。ということは、身体障害者の持っておられる人にまさる特別なものを社会の中に生かしていく。身体障害者を救うという考え方であってはならぬ、持っておられる価値あるものをどうやって社会に生かしていくか、こういう政治全体としても考えなければならぬと、深く思いを新たにしたところでございます。
○粕谷照美君 ところで、先ほどから宮尾さんが指摘をされていますように、来年度の予算に盛り込まれないと。この辺のところに何とか、中間報告とまでいかなくても、何らかの形でやるということができないでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 事実は、参考人からも言われましたとおりに、長期計画は今度の年度末ぐらい、相当急いで政府は政府の案を、来年の春ごろになると思います。そうすると、明年度の予算ができますのは七月、八月でありますからこれには全然入らぬと、こういうこと私も絶えず考えているところでありまして、審議会、対策本部、特別委員会、こういう御意見を聞きながら、大筋のものはなるべく結論が出なくても明年度の予算でお願いをしたいと考えております。
○粕谷照美君 宮尾さん、どうもありがとう。
○委員長(木村睦男君) 宮尾参考人には、出席をいただいてありがとうございました。御退席なさって結構です。
○粕谷照美君 それでは、今度は文部省にお伺いをいたします。 障害者の問題に関連をしてでございますが、次の症状の子供は一体どういう学校に入るのでありましょうか。一つ、全盲。二つ、サリドマイド児。上肢がない、あるいはもうほとんど使いものにならない。三つ、車いすのいまの宮尾さんのような方。いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の三種類の病状の方でございますが、一応サリドマイドでありますとかその他いろいろの疾患を持っておられる方がございます。そういう方々の学校の問題でございますが、やっぱり人おのおの病状が違うのでございまして、これだからこうという、一概には言えない問題でございます。そういう方々の親御さんは、ただいまも参考人がお母様のことを仰せられましたけれども、やっぱりみんな同じように小中学校に上がりたいというお気持ちは当然お持ちでございます。しかしながら、同時にまた、軽度の方におかれましては小中学校にお入りになることもできましょう。しかし、重度の方になりますとそれができない。そういうことから、先生もよく御案内のとおりに、親のお気持ちはお気持ちといたしまして、何とか健常児とみんなで一緒に教育したらというお気持ちを持っておられますが、しかしながら、これの判断はやはり法令によりまして教育委員会が最終的な決定をいたしまして、親御さんなり御本人の希望をできるだけくんで入れるという姿におきまして学校の入学の判定をいたすわけでございます。
○粕谷照美君 大臣、ちょっとおかしいんですね。文部省の「特殊教育執務ハンドブック」、私が指摘しましたら書き改めましたということで、一体どのように書き改めたのかなと思って見たのですけれども、重要な問題点が含まれています。 旧はどのようになっているかと言えば、「学校教育法施行令第二二条の二で定める程度の盲者」、これはもう全盲の子供なんかは全部そうなんですけれども、それが、「盲学校へ就学する義務を負うことになり、小学校、中学校へ就学しても就学義務を履行したことにならない。」と、こう書いてあるわけです。だから、目が全然見えない子は、普通小学校へ入っても小学校の卒業証書をくれるということ自体はやっぱり法律上問題があるというように指導しているのであります。それはおかしいということで今度書き改められたものを見ますと、今度は親がその就学義務を履行したことにならないということでありまして、やっぱりいま大臣が最後に御答弁をされましたようなことがきちっと入っている。 それでは私は文部省の初中局にお伺いしたいと思いますけれども、親の承諾がないのに障害児を養護学校に在籍をさせるということの法的な根拠は一体どこにありますか。
○政府委員(三角哲生君) 学校教育法及び同法の施行令によりますと、市町村の教育委員会は、新たに学齢になりまして入学してくる者でございますが、そのうち一定程度以上の重い障害を持つ者の氏名を都道府県の教育委員会に通知いたしまして、これを受けて都道府県の教育委員会は、その子供の保護に対しまして、盲学校、聾学校または養護学校への就学通知をしなければならないと、こういうことになっておるわけでございます。そうして、その手続の間には、粕谷委員御存じのとおり、就学指導委員会というところでの専門的な健康検査あるいは親御さんからの成育歴でございますとか、現在の子供さんの状況等の説明の聴取、そういった手続をやりました上で、できるだけ適正な判断をして、教育委員会が最終的に決定する。したがいまして、この心身障害児の就学する学校の決定に当たりましては、法令上保護者の承諾ということを必要とすることとなっておらないわけでございますが、ただいま申し上げましたように、そういった手続の段階で保護者の意見を聞くなどして、これは慎重に行うように指導しておるわけでございます。 それから、ハンドブックの問題でございますが、かねてから粕谷委員の御指摘がありました、旧の記述は改めまして新しくしたわけでございますが、これはただいま御説明申し上げましたようなそういう手順で具体的にいろいろな就学指導委員会などの検討の結果として、都道府県の教育委員会から就学の通知、入学期日の通知を受けました場合に、その通知を受けた盲学校なら盲学校へ就学する義務がそこで生ずるというふうに具体的に示しまして、法令の規定を、前の旧のハンドブックでは裸で書いておりましたけれども、よりそういうような手順を含めまして具体的な書き方に改めたと、こういうことでございます。
○粕谷照美君 いずれそのことは文教委員会でやることにいたします。 それでは、こういう子供たちをできるだけ地域の小学校や中学校に入れるという努力を自治体がしているところ、名前幾つか挙げられますでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 私ども、普通の小中学校あるいはその小中学校に置かれます特殊学級に就学をしてもらうかあるいは盲、聾、養護学校等の特殊教育の小学校に就学していただくか、これの原則的な定めは、先ほど御指摘のサリドマイド児のように両手が使えないというような場合どうするかということは学校教育法施行令に書いてあるわけでございますが、これの具体的な適用につきましては、さっき御説明申し上げましたような手順でやっておりますので、その間に若干地域の状況によりましてどういうふうにすればその子にとって合理的でありかつ適切であるかというふうな判断には若干の幅はあると思いますので、いま御質問のような事柄に対する調べは特段にいたしておらないのでございます。
○粕谷照美君 私は、自分の足で大宮市、室蘭市、高槻市、それから滋賀の大津市などを見てまいりました。すばらしいことをやっていらっしゃるわけです。大宮あたりはもう市全体の方針として、室蘭は教員組合からの要望によって、新設校に新しい教室をつくって、そしてそういう子供たちのために就学前の指導もし、床にきちんと暖房を入れるなど、寒いところですから特別の配慮がされていましたし、高槻市のあたりでも、教員組合と教育委員会がとことん話し合った中で受け入れ体制をとっているわけであります。たくさんあるのですから、ぜひ具体的に見に行っていただきたい。心からお願いを申し上げます。 文部大臣のところ、理事のところに、町田の障害児教育のプリントを差し上げてあると思います。その資料の1を見ていただきますと、本当に町田というところは親の意見というものを大事にしているのだなということがわかる数字が出ています。ここは保育園にも幼稚園にも枠を設けまして、障害児を優先的に受け入れています。そういうことがわかるものですから、東京都内の障害児を持った親御さんたちが町田市に入ってくる、またそれだけたくさんつくらなきゃならない、こういう宿命を持った市の教育行政でありますけれども、最後の判断は親が決める、こういうことを教育委員会は大事にしていままで子供たちを学校に受け入れてもらっている、こういう資料であります。 資料2、見てください。とにかく小学校で、ことしはさらに二つふえまして三十一学級、中学校で一つふやしまして九学級、こういう子供たちを受け入れるための努力をしているわけであります。計四十学級あります。 資料の3を見てください。これは小中学校に町田市がどれだけお金を出したかということでありますが、予算の総額が一億ちょっと、国からの補助が三百万円。ですから、国からの補助金が三%で市の持ち出しが九七%だと。大変な重荷でありますけれども、こうやってがんばっているのだという数字であります。 その次は、番号が打ってありませんけれども、新設校の身障者施設を建設すみに当たって一体どれだけのお金がかかり国からお金が来たかと、こういう数字であります。山崎小学校です。まず建設費でありますけれども、建設費、校舎に対しては国は三分の二の、つまり六六%の補助を出すと、法律的にはそうなっておりますけれども、実際にやってみますと四一%ではるかに少ない、超過負担がものすごいという数字が出ています。また、体育館については、二分の一の補助が出されるということになっております。五〇%出されるはずなんですけれども、実際に来るお金は三七%であります。プールについては三分の一、約三三%出るということになっているのですけれども現実には一一%、一割しかお金が出ない。その理由は一体何かと、こう聞きましたら——大蔵大臣よく見てください、ここにプールがありますけれども、プールの水面だけの三分の一しか出さない、周りも出てこないし、シャワーのお金も補助金が出てこない、こういう実態になっています、そして、この町田では、障害で車いすに乗った子供たちもプールに入れるようにと入り口にスロープがつけてあるわけです。こういうものは一切補助金がありませんので、どうしても大変な超過負担の中で子供たちを大事にするという教育行政が行われているということを私は感じていただきたいわけであります。 そんなことを考えてみますと、教科書の無償四百億円、私はこの間文部大臣によく守ってくださったと感謝を申し上げましたけれども、その四百億ばっさりと施設整備の方削られているわけでありまして、大変な財政だなということを思うわけであります。 自治大臣、各地方団体がこのように超過負担を持ちながら一生懸命に努力をしているということをどのようにお考えでありますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方団体といたしましては、地域の実態に即しましていろいろと苦慮いたしながら施設の整備なんかやっているわけでございまするが、いわゆる超過負担の問題について論点となっておりまするものは、そうしたことじゃなくって、一つの標準的なものを考えて、それから超過するものという考えが一方あるわけでございます。これは国の補助制度におきましては、一々特殊な事情を考えるとなかなか収拾つかぬという観点からきているものだろうと思うのでございます。その辺をどういうふうに調整するかということが、超過負担の問題については大変むずかしい問題でございます。 自治省といたしまして、できるだけ超過負担を解消したいということでいろいろと努力をいたしているわけでございまするが、そうした点についていまだ十分に超過負担の問題が解消しないという問題がそこに残っておるということだけは私も認識をいたしております。
○粕谷照美君 自治省は、この国の基準以上にあんまり人間をふやさないようにという通達というのですか、指導を出されたのではないでしょうか。町田などは、こういう子供たちを預かるために、都が認めている負担職員のほかに、市単独で男百七人、女二百八十五人、大変な人数を小学校で持っているし、中学校でもさらに男二十一人、女十八人持っているわけでございます。こういうのをあんまり認めたくないから整理するようにという通達を出されませんでしたでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) それは定数のお話だろうと思います。定数につきましては、自治省として、定数は国で決めておりまするので、その定数をひとつ守ってもらいたいという通達はいたしております。 したがいまして、この問題はその定数を基本の方をどうするかという問題でございまして、その定数をオーバーすることは、現下の情勢から地方団体としては適当じゃないという指導はいたしております。問題は定数自体の問題に入ろうかと思います。
○粕谷照美君 そのことはおかしいわけでありますが、やり合っている時間がありませんので後ほどに譲ります。 それでは、私はこの二週間ほどの間にちょっと新聞記事などを集めてみました。サリドマイドの少女が普通の小学校へ入った。養護学校で受け入れてくれないから小学校でがんばっているというような記事も載っておりましたし、先日は車いすのスモン患者の八木さんが立命館大学卒業生の代表としてがんばられた。全盲の望月さんという方が千葉大の専攻科をトップで合格をした。全盲の石川さんという方が東大を卒業して大学院に入学をした。全盲の浅井一美さんという大宮の小学校を卒業した子供が中学校へ行った。この浅井さんのときには、五人の全盲の子供が大宮市の普通の小学校に入っているわけでありますから、全員五人が中学校へ行ったと私は理解をしているわけであります。また、同じく全盲の高橋しのぶさんという方が和光小学校の四年生に行って非常にお母さんが喜んでいるというお話もありましたし、また先日この委員会で、長崎大学薬学部の河原先生がおいでになりましたが、あの長崎市でも二人の男の子が普通の小学校に入れるようになったという記事も出ておりました。非常に学校へ行くために障害をはねのけてたくましく生きている障害児たちの姿が如実に紹介をされているのでございます。 私は、そういう意味で、去る十六日、本予算委員会で八代委員の質問に対して総理が答弁をされたこと、この御答弁の趣旨はもう本当に町田市のことではないかと、こういうふうに考えさせられるのであります。総理はこういうふうに言っていらっしゃいます。「養護学校の義務化という問題につきましては、これは私は最低の、強度の障害を受けた子供たちにも国としてはそれだけのやはり施設をやるべきだという、むしろ国、地方等に対して義務を負わした、こういうことが本旨であろうかと思うのでありまして、それを文部省等が、あるいは教育委員会等が、こういう程度の者は養護学校へ行くべきだと、こういうことを強制するというようなことは本旨に反すると、こう思うわけでございます。」と言っていらっしゃいました。非常に私はりっぱな、本当に全国のこういう子供たちを持つ親たちが勇気づけられる御答弁だったと思うのであります。 ところが、その直後の文部大臣の御答弁ですね。「総理を初め、国の方針にのっとりまして、文教政策といたしましても推進をいたします。」、私はここにひっかかったのであります。「総理を初め、国の方針」というのは、総理の言葉ではだめだ、もう一つ国の方針があるんだという否定の言葉ではないだろうかと思って質問をいたしました。先ほどの文部大臣の答弁そのままが返ってまいりました。 さらに、三月の二十六日だったでしょうか、わが党の村沢委員の質問に対して、総理はややニュアンスの変わった御答弁をされているわけであります、そして、教育委員会のメンツだとかあるいは親のメンツだとか、そういうようなことでこの問題が争われるような問題であってはいけないというようなことを言っていらっしゃいます。 どれを信じていいかわからないのであります。総理の御答弁をもう一度お願いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 総理のお気持ちは先生よくおわかりになったと存じます。総理の非常に温かいお気持ちから御答弁をなすったわけでありますけれども、同時にまた、やはり障害者の方々の本当に本人のことを考えますれば、親御さんのお気持ちはお気持ちでございますけれども、やはり教育をずっと続けておいでになる可能性があるかないかという、そこにはある判断がなされなければならない、こういうことから、親御さんは親御さんで最もよく子供さんのことは御承知でございますけれども、ただいま申しましたような教育委員会の最終的な判定、決定に従わなければ、やはり本当の正鵠を得たあれはないのじゃないか。 ことに、盲、聾あるいは養護学校には小学部、中学校等が設けられておりまして、それぞれの小学校や中学校に準じました教育を行いますとともに、あわせてその障害に基づくいろいろな困難を克服するための必要な知識や技能や態度を持っておるわけでございます。したがいまして、盲、聾、養護学校に入学いたしましては一般の高等学校や大学への進学がはばまれるかということは、決してそうではございませんで、その障害の程度や能力などに応じまして進学をすることは可能でございます。もちろん軽度の方であり、健常児と一緒に普通の小学校、中学校で学業をしていただける方は、もちろん教育委員会にしましても、親御さんの気持ちを十分にくんで、喜んで一緒に勉強をさしていただいておるわけでありますが、現に昭和五十五年の三月の盲、聾、養護学校の中学部卒業者のうちで、一般の高等学校や高等専門学校に進学いたした方が四百九十一名、また同高等部の卒業者、もちろんこれは一般の方々と御一緒でございますが、大学、短大を含めまして進学された方が五十七名というふうにりっぱに、教育委員会の方針にいたしましても、たとえば町田市のいろんな例を出されましたが、やはり親御さんの御希望は十分にくんで、そして最終的に教育委員会が一般の小中学校に入って結構だという判断を下したわけでございまして、その点は誤解がないようにしていただきとうございますと同時に、あの総理の非常に温かい気持ちに対しましては、どうぞ十分に御理解と御協力をいただきとうございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 障害児の就学受け入れにつきましての、私が先般前島さん並びに村沢さんに御答弁を申し上げた考え方にいまでも変わっておりません。と申しますことは、私は、文部省や教育委員会がその扱いにつきましてぜひこういう心構えで、考え方で対応してもらいたいということを、強く私、自分の考えを述べたわけでございます。 私は、基本的にはその障害を持った子供さんがどういう教育機関に就学をさしたならば幸せになるか、本人の教育のために、また将来のためになるか、こういう本人の立場というものを基本にして考えるべきことである。親御さんあるいは保護者の方々のお考えを十分お聞きをする、その希望というもの、また考えというものを十分しんしゃくをする、これが私は大事なことだ、こう思っております。それに基づきまして、専門家でつくっておりますところの就学の専門委員会、そういうところでも御検討いただくわけでございますが、町田市その他でやっておりますように、親御さん方の希望、考え方というものを十分にこれを取り入れ、これをしんしゃくをして、その運用に当たっては十分話し合いを尽くすということになれば、私は結論としては強制とかそういうことに至らないで問題の処理ができるものであると、このように考えております。
○粕谷照美君 総理、もう一つ私は確認をしたいと思います。 養護学校の教育も私は非常にりっぱだと思います。盲学校もりっぱな教育をやっているところを幾つも幾つも見てまいりました、それから、前にありました予算委員会で自民党の井上委員が、りっぱな養護学校で、自分の娘をそこに通わせているけれども、大変喜んで行っている、こういうお話もありました。私は養護学校や盲学校や聾学校を否定するものではありません。本当に先生方も一生懸命にやっている。子供たちもその中で伸びている。しかし、それでは学校を卒業した後は学校がめんどう見てくれるわけないのだから、親がやっぱりそれに責任を持つためには、親が普通の小学校に入れて、そして教育をしていきたいということを最後は私は肯定をするのかどうなのかという判断の問題になるのではないかというふうに思うのであります。 人権に関する世界宣言が一九四八年、ずいぶん昔でありますけれども、国連で採択をされました。その二十六条の第三項は、「親は、その子に与えられる教育の種類を選択する優先的権利を有する。一と、こういうふうになっているわけであります。最後の判断は親だというふうに総理はお考えかどうか。簡単なんです。いろんなことをおっしゃらないで結構ですから、そこのところを確かめたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来申し上げておりますように、親御さん、保護者のお考え、御希望、そういうものを十分しんしゃくをし、また子供の障害の程度、種類、そういうようなものを専門的にも検討して、子供さん本位で、親御さんの考えを十分尊重し、しんしゃくをしてやっていけば、私は最終的には結論が出ると、このように考えております、強制すべきものではない、このように思っています。
○粕谷照美君 しつこいですけれども、結論が出ないから何度も何度も確かめているのであります。最後の決断は親にあるのかないのか、このことであります。 文部大臣に私は申し上げたいと思いますけれども、筑波大学の盲学校ですけれども、いま五人の一年生、全盲の子供がいるそうでありますが、そのうちの一人が今度町田の学校に転校するそうであります、なぜかと言えば、盲学校の教育もりっぱだけれども、自分がこの子供を育てていきたいという考え方からは非常に問題があるということでやめさせるのであります。私はそこのところをもう一度総理にお伺いしたい。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話は、本当に町田の教育委員会というところが非常によく身障者の問題を理解をして、そして親御さんの気持ちを十分にくみ取ってくれておるということの私は実証だろうと、かように考える次第でございます。
○粕谷照美君 私は、総理の先回の御答弁、いまの御答弁を、やっぱり自治体がそういう条件を整えるということが非常に重要だ、それに国が手をかすことも非常に大事だ、こういうことをおっしゃったのだというふうに理解をいたしまして、これからまた努力を続けていきたいと思います。 それでは次に、旦産自動車の男女差別の定年で訴えておりました中本ミヨさんが最高裁で勝訴しましたが、この事件の経過について簡単にお伺いしたいと思います。 まず、地位保全の仮処分の訴えに対する判決はどんなようなものだったでしょうか。
○政府委員(高橋久子君) お答えいたします。 日産自動車の男女別定年制の事件につきましては、昭和四十四年以来地位保全仮処分申請事件及び雇用関係確認請求事件として争われてきましたが、仮処分判決では第一審、第二審とも労働者側が敗訴し、それから本訴においては第一審、第二審とも労働者側が勝訴し、これに対して会社側が上告していたもので、三月二十四日、会社側の上告を棄却するという最高裁判決が出されたものでございます。 この仮処分の判決でございますけれども、第一審判決は昭和四十六年に東京地裁から出されております。裁判所は、本件は会社の営業内容、女子従業員の職種等から見て合理的根拠を有し有効であるというふうに判断しております。また、この仮処分の第二審判決、これは昭和四十八年に東京高裁から出されておりますが、女子の定年年齢を男子のそれより低くすることは、それが女子であることのみを理由とするときは憲法十四条の趣旨に反し、公序良俗に反するものであるということを前提としながらも、人間の生理機能水準は男女で差がある、女子の五十歳のそれに匹敵する男子の年齢は七十歳と見られるということ、それから女子従業員の職場は男子のそれより狭く限定され、その職場での業務は入社後数年すれば習熟して賃金と労働能率のアンバランスが男子より早期に生ずると見られることなどを理由といたしまして、この本件の男女別定年制は合理的根拠があり、公序良俗に反するものではないというふうに判断をしております。
○粕谷照美君 そうですね、地裁の判決が出ましたときに、本当に女の五十五歳は男の七十歳に生理的機能水準が合致するというのですから、私も七十ぐらいになるわけでありましょうか。 ところが、その結論が出た十一日後に、その五歳差の差別は、これは公序良俗に違反だ、こういう結論が出ているのです。私は仮処分の判決を出した裁判官というのは一体どんな人なんだろう、一度会ってみたいと、こういうふうに思っているわけでありますが、その本訴を今回は高裁が支持をした、こういうことになっているわけです。実にこの間十二年間かかっております。 労働大臣にお伺いしますけれども、最高裁が、女子であっても六十歳前後までは通常の職務遂行能力に欠けることはないと断定し、定年の男女格差は違法だという判断を出したということは、もうだめ押しというふうに考えますけれども、労働大臣、これいかがでしょうか。
○国務大臣(藤尾正行君) ため押しもヘチマもないわけでございまして、ごくあたりまえの法則をあたりまえに判断されたということだろうと思うのです、
○粕谷照美君 まことに力強いお言葉をいただきました。 それではお伺いいたしますけれども、先ほども申し上げましたようにここまで十二年間かかっているわけで、その間にずいぶん男女差別に関する多くの訴訟が行われました、ほとんどもう訴えた側の勝利に終わっておりますが、この間の労働省の男女差別への対応をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋久子君) 男女別の定年制につきましては、先生おっしゃいますように、昭和四十四年に東急機関工業の定年年齢男子五十五歳女子三十歳を無効とした地裁の判決を初め、幾多の裁判例におきまして男女別定年の合理性が否定されているわけでございます、労働省といたしましては、こういった裁判の判決等を踏まえまして男女別定年制をなくすような指導を続けているわけでございますが、特に昭和五十二年度を初年度といたしますこのような定年制を五年間の年次計画でなくしていこうという計画をつくりまして、いまその計画の遂行を進めているところでございます。
○粕谷照美君 この問題に対して労働省婦人少年局が何回か通達を出しております。私はその通達を読んでみましたけれども、非常に及び腰であります。へなへな腰というふうに言ったらいいでありましょうか、大変頼りにならなかった、こう思います。 さて、いま五十二年度に計画をしてそのような差別をなくそうという御指導をなさっておられるわけでありますけれども、それは一体一〇〇%計画どおり指導が徹底いたしましたでしょうか。
○政府委員(高橋久子君) この計画の内容は、五十二年度に実態を把握するということで、どこでそのような定年差別を行っているかという企業を個別の企業まで名前を把握するという作業をいたしました。その後、やはり実態把握は続けているわけでございます。そうして五十三年度、五十四年度の両年度におきまして、結婚妊娠退職制、それから女子の定年年齢が四十歳未満のものを重点にいたしまして解消するということを進めました。そうして五十五年度、五十六年度の両年度におきまして、女子の定年年齢が五十五歳未満になっているものを重点として改善の指導を進めるということをやっておりますが、これまでに指導対象として把握されました企業は一万八千五百ございます。この企業のうち差別的制度を廃止した企業は九千四百でございます。また、差別はまだ残っているけれども、女子の定年年齢を五十五歳以上に改善した企業数四百でございます。それから、女子の定年年齢はまだ五十五歳未満であるけれども、何らかの引き上げを行った企業数というのは七百、それから改善計画を作成した企業数というのは二千百でございます。 これから五十六年度におきまして、私どもは五カ年の年次計画の最終年度といたしまして、ぜひともこういった差別的定年をとっている企業の解消に向けて強力に指導をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○粕谷照美君 中本さんの件は、中本さんは勝訴したけれども、同じ条件にある他の婦人労働者にはその判決は該当いたしません。労働省は一体何を根拠にして、何を行政指導する理念にして各企業を指導しているのか、その辺をお伺いいたします。法律的な根拠条件は何でしょうか。
○政府委員(高橋久子君) ただいまの法律におきましては、労働基準法では賃金につきましては女子であることを理由にして賃金について差別をしてはいけないという規定はございますけれども、基準法には直接この定年については違法であるというような規定はございません。したがいまして、私どもはこの裁判において憲法十四条男女の平等ということは公序良俗をなしている、したがって民法九十条によってそういった取り決めをしているものを無効であるというような裁判例が多く出されておりますので、そういったことを根拠に踏まえながら、定年につきましてはなくしていくということでただいま行政指導を進めているという段階でございます。
○粕谷照美君 公序良俗といいましても、それぞれの地域においては公序良俗いろいろな解釈があるわけで、法的な根拠というふうにはなりません、民法では。やっぱり問題は労働基準法三条に性別という言葉を入れる以外にないのじゃないか、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋久子君) 私どもが行政指導を進めておりますが、大変指導を進めていくに当たりまして企業に改善を求めるということが困難な点がございまして、行政指導にはおのずから限界があるということを私どもも痛感している次第でございます。したがいまして、さらに男女平等を進めていくための有効な方策というものを、ただいま労、使、公益、三者構成から成る審議会におきまして男女平等を法制的な措置というようなことも含めて御検討をいただいておりますので、その御検討の結果を待って適切な対処をしてまいりたい、このように考えているどころでございます。
○粕谷照美君 もう一度確認いたしますけれども、では労基法三条に性別を入れるということを含めて検討しているということでよろしいか。 それからもう一つ、そういう条件の中で苦しんでいる婦人労働者たちは一体どこへ駆け込んで訴えていったらいいのでしょうか、お伺いします。
○政府委員(高橋久子君) いま申し上げましたように、婦人少年問題審議会におきましては男女平等を確保するための方策につきまして法制的な措置も含めて検討しておりますので、先生がおっしゃいましたような点もその検討の中に当然含まれているということでございます。 それから、いま男女の差別に苦しんでいる労働者は一体どこに駆け込んでいったらいいかということでございますが、私どもは全国の四十七の都道府県に婦人少年室という出先を持っております。職員の数も少なく、その能力として十分とは私どもは考えておりませんけれども、しかしながら、婦人でそういうところに問題を持ってこられた方々に対しましては、全力を挙げてそういう問題を解決するように取り組んでいろところでございます。
○粕谷照美君 婦人少年室もずいぶんがんばっておられますけれども、まあ各県に一つぐらいしかないわけであります。それで十分であるとしたならば、東京都には男女差別苦情処理委員会などというものを大変なお金をかけてつくるということもないというふうに思いますが、この東京の苦情処理委員会、婦人少年室としてはどのように御理解していらっしゃいますか。
○政府委員(高橋久子君) 東京都が男女の平等の問題を解決していくために苦情処理委員会というようなものを設けてそれに努力をしておられるということでございますので、私どもは婦人少年室と十分にそういった東京都、地方自治体との連絡を保ちながら、婦人の平等の問題が進んでいくように取り組むことを願っているわけでございます。
○粕谷照美君 その婦人少年室の現実の働きについてはいろいろと私ども意見がありますけれども、一応いまの局長のお話を伺いまして子としたいと思います。 それでは次に移ります。医療会社の件についてお伺いをいたします。所沢の富士見産婦人科病院を初めとしまして乱診、薬づけ、検査づけなどの医療の荒廃がいま糾弾をされているときに、トンネル卸だとか第二薬局に引き続いて、医師が節税といいますか、私どもから見れば脱税のために有限会社を設立するというそういう報道を目にいたしました。その内容についての御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) いわゆる医療会社は医療法上の届け出、健康保険上の保険医療機関の指定、支払い基金に対する診療報酬の請求がすべて医師個人の名前で行われておるという事実から考えまして、当該医療機関の実質的な開設運営の主体は個人でありながら、税務対策上有限会社を設立したいわゆるペーパーカンパニーというふうにわれわれは考えております。
○粕谷照美君 医師のこういう営業行為については、医療法七条の四をもって禁止しているというふうに思いますけれども、厚生大臣いかがでしょう。
○政府委員(田中明夫君) 有限会社等営利を目的とする法人による医療機関の開設は、厚生省といたしましては、従来から一貫してこれを許可しないことにいたしております。
○粕谷照美君 そういうものはというふうにおっしゃいましたけれども、では、現実に静岡を初め全国的に広がっているというこのことはそれに該当しているのかどうなのか、実態をお調べになったのでしょうか。
○政府委員(田中明夫君) 私ども現在までに把握いたしております情報によりますと、静岡、愛知等の県におきましても、医療法上の届け出はすべて個人でなされているということを報告を受けております。保険の方の指定その他につきましては、現在調査中でございます、
○粕谷照美君 そうしますとあれですか、医療法七条の四の中に含まれないというように理解をするのですか。
○政府委員(田中明夫君) 先ほど申し上げましたように、私どもは医療法上の開設の届け、保険医療機関の指定、支払い基金に対する診療報酬の請求がすべて医師個人の名前で行われている場合は、医療機関の実質的な開設運営は個人が行っていると判断すべきであると考えております。
○粕谷照美君 総理にお伺いしますけれども、新聞によりますと、個人の名前を挙げて、どういうものかと思いながらも、写真まで出ているわけでありますから言ってもいいのじゃないかと思いますが、丸茂参議院議員がここに、非常な推進役になったという記事が載っているわけであります。この丸茂さんという方は元大蔵政務次打ですね。もうサラリーマンは税金を一〇〇%捕捉されて有無を言わさず税金を納めさせられる、七二%の、その後ちょっと変わりましたけれども、医師の優遇税制がある。それなのに、さらになおかつこういうことをやろうという方がどうもいらっしゃるということは、私どもとしては納得ができないのであります。この記事の中に、厚生省の医務局長が出した好ましくないという通牒を取り消せと言ったり、県から照会があったら診療については差し支えないと答えなさいという、とになっているなどと、こういうことを言っていらっしゃるわけで、こちらの方から厚生省に対して大分圧力があったのではないだろうか、私どもはこの新聞記事を見る限りにおいては思うのですね。その新聞記事というのは、この予算委員会でも、あれは全くでたらめだとか、あれは全然違うとかという各大臣からの御答弁がありますから、こういうことがあったのかないのか。それで、こういうことについて総理はどのようなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 新聞を拝見してからすぐ医務局長を初め医務局の幹部、これに関係のある幹部一人一人間いただしました。厚生省に関しては圧力を加えられたり、その意見を述べられた事実はありません。
○粕谷照美君 そうすると、この読売の新聞記事は全く推測であったと、こういうように理解をしなさいということになるわけですね。 大蔵大臣どうですか。元政務次官がこういうことをやっていらっしゃったという記事が出たということ、いかがお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は新聞だけてここでどうこうということを申し上げるわけにまいりません。
○粕谷照美君 総理もそういう意味でお答えにならないのかもしれませんけれども、私は非常に問題があるというふうに思うのです。このことかもし本当であったとしたならば、総理はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま粕谷さんが名詞を挙げられた方につきまして、私、実際にお目にかかってもおりませんし、よくわからないわけでありますが、しかし、先ほど来政府側から答弁を申し上げておりますように、そういう会社というものは、医療法に照らしましても、また診療報酬を請求をするという制度からいたしましても、私は適当でないと、こう考えておるわけでございまして、そういう会社を奨励したかどうか、そういうことは私は存じませんが、そういうことはあってはならない、これだけははっきり申し上げておきます。
○粕谷照美君 国税庁の対応を問いたいと思います。
○政府委員(渡部周治君) お答え申し上げます。 税法の適用に当たりましては、形式のいかんにかかわらず、それぞれの医療会社の実態に即しまして、実質所得者課税の原則に従って適正に対処してまいりたいと思っております。その場合の判断に当たりましては、先ほど厚生省から御答弁がございましたように、医療法上の開設届あるいは保険医療機関の指定、支払い基金に対する診療報酬の請求がすべて医師個人の名前で行われている場合には、医療機関の実質的な開設運営は個人が行っていると判断すべきであるという御見解がございました。それらを重要な参考として判断いたしたい、このように思っております。
○粕谷照美君 神戸の近藤病院が十六億円の脱税をした、こういうことが神戸地検から告発をされております。りっぱな医師たちへの信頼を高めていくためにも、また一〇〇%所得を把握されて課税されているサラリーマンの納税意欲に大きなかげりを落とさないためにも、私は、厚生大臣、しっかりとがんばっていただきたいと思いますが、御決意いかがですか。
○国務大臣(園田直君) 新聞で見たばかりでありますが、直ちに実態を調査をして、開設者が実質的にこうして有限会社をつくっている者は、法に照らして厳重な処分をいたしますしなお、今後についても十分、二重国籍で税を逃れるためにつくったもの等は、許可するときに十分注意をして許可をするようにいたします。
○粕谷照美君 大蔵大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、架空請求、水増し請求、濃厚診療、こういうものは絶対やめてもらわなきゃならない。それから、いろいろなそういうようなことで仮装、隠蔽のようなものがあれば、それは厳正に国税庁がやると思います。
○粕谷照美君 私は、これから児童扶養手当制度について伺いたいと思います。 児童手当の切り捨てたとか所得制限を強めていくとか、そういう中で、これもまたそのうちの一つに該当いたします児童扶養手当という、こういう制度が発足をした沿革とその支給状況についてお話を伺いたいと思います。
○政府委員(金田一郎君) 児童手当は、母子福祉年金が死別の母子世帯を対象といたしておりますことに対しまして、生別の母子世帯を対象として支給されるものでございます。最近の離婚の増加等を背景といたしまして、二の手当は月額おおむね三万円でございますが、最近の傾向といたしましては、毎年支給される世帯が二万ないし三万世帯増加いたしておりますし、支給額といたしましては毎年約三百億程度増加いたしておるわけでございます。
○粕谷照美君 厚生省はこの支給に当たって矢継ぎ早に通達を出しておりますね。私手元に持っているだけでもこれだけあります。一体、この通達は何のために出したのですか。
○政府委員(金田一郎君) ただいま申し上げましたような背景がございますが、私どもといたしましては、この児童扶養手当の執行の適正化に努力しているわけでございます。しかしながら一部におきまして、これは母子世帯でございますが、しかるに事実上の婚姻関係にあるようなケースが各地からいろいろ指摘もされておりますので、そういったケースにつきましては、やはり実施の適正化を図る必要があると考えまして通牒を出した次第でございます、
○粕谷照美君 私はこの通達の中身を見ましたけれども、非常に問題があるというふうに思います、厚生大臣、これはなるべく、とにかく切り捨てていきたいという考え方のもとに出した通達というふうに理解をしたらよろしいでしょうか。目的に沿って正しく支給をされるためにこういう通達を出したというように理解をしたらよろしいでしょうか。いかがなものでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 通達はいろいろありますが、いろいろな手続その他の通達だと存じますが、確かに児童手当については、未婚の母その他幅広く対象として実施することがこの目的でございます。ところが、決してこれは切り捨てのためにやったのではなくて、まじめな母子家庭あるいはその他の団体から陳情があったり投書が来るのを見てみますと、先生のようなまじめな御婦人には想像もできないようなことが社会の裏にはございますので、たとえば事実は婚姻している、そういうのは婚姻している婚姻の相手が払うべきだ。ときどき高級車が来てとまる、それは高級車が手当を払うべきだ。国の血税を使って払うべきじゃない。そういうむだはなるべく締めて、そして本当に困っているわれわれの方の手当をもっと考えろ、こういう御意見もありますので、なかなかむずかしい問題でありますが、その点は十分注意をいたすつもりでございます。ただし、その段階において、プライバシーというものをよく守り、それが漏れないように注意すべきであると考えております。
○粕谷照美君 まじめなというレッテルを押していただいてありがたいわけなんですけれども、しかし、私が見てもどうかなあと思う部分があるわけですね。たとえば父親から、まあ蒸発したといいますか、わからない父親から一年以内に手紙一本、電話一本でもあれば、この父親は子供を監護している、こういうふうに見なして支給をしないというように判断するなんということは、これは考えられないことであります。また夫以外に、夫側の家族と折り合いが悪いと、幾らもあることであります。あるいは夫に生活能力がない。非常になまけぐせだなとというのがあるわけですね。定職を持たないなど、いろいろな人様には言えないようなことで家庭生活を継続しがたい重要な事由があると本人が思っていても、その場合に、この理由はその他性格の不一致というところにあるわけです。性格不一致というのは支給をさせないなどというようなことがあるわけて、非常に問題点があるわけですが、この辺のところは、基本的な法律の目標に従って、今後も支給に当たっては運用を拡大をしていくというように理解をしてよろしいですか。
○国務大臣(園田直君) 未婚の母それから父親が蒸発した者、こういうものは幅広く対象として、本当に困っている方は国の方で何とかしてあげるのが当然でありますから、いまおっしゃったとおりで結構でございます。
○粕谷照美君 確かに、夫婦そろって子供を育てていくという、これが日本の道徳であるという考え方からすれば、いま指摘をされるような支給の実態というものはあると思います。私は、昨年の七月にデンマークへ行きましたら、あそこには未婚の母の家というのがありました。いまは、未婚の母ではなくて、男女同権でありますから、片親のない子の家というふうに名前が変わっているのですけれども、暴力をふるう亭主から逃げていった人もあそこの部屋に入っていける。そして、その夫たちが訪ねてくるということも、これはまたお客様として迎え入れるという、非常に何か幅の広い扱いをしているわけでありまして、私どもはその辺も考えながら、とにかく画一的な倫理観というものについては絶対に反対をしていくという立場でこの問題を見ていただきたいというふうに思います。 時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 以上で粕谷君の締めくくり総括質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会