予算委員会 第17号
- 発言数
- 346 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1981/03/26
会議録
○委員長(木村睦男君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算、昭和五十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十六年度総予算三案審査のため、本日の委員会に自閉症児親の会全国協議会常任理事須田初枝君を参考人として出席を求めることについて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 本日は、お手元の質疑通告表のとおり、国際障害者年に関する集中審議を行います。 それでは、これより質疑を行います。岩上二郎君。(拍手)
○岩上二郎君 自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、質問をさしていただきます。 本年度は国際障害者年に当たりまして、そのサブタイトルであります「完全参加と平等」という理念の上に立って従来の福祉行政を見直すべき重要な時期を迎えていると思うのであります。したがって、いままでの福祉行政は、どちらかというと慈恵的な行政というか、あるいは措置行政というか、そういうふうな行政に終始していたかのように感ずるわけでございまして、したがって従来の法律体系は、ある程度入り口においては相当程度整備をされつつあるようでございますけれども、出口においてはきわめて迷路、渋滞を来しているような理状である、このように思うのであります。 たとえば具体的に、養護学校を卒業し、それぞれリハビリ等の施設に入っても、なおかついろいろな残存機能をどうするかとか、あるいは適応能力に対してどうしたらいいのかという基本的な詰めが十分になされていないために、それぞれむなしくも家庭復帰をせざるを得ないというような現実もあるわけでございまして、そういう一つの基本的な姿勢についてやはり総合的な対策が必要である。このように私も、かつて前島同僚議員から質問があったような内容と全く同じでありますけれども、そういう面について総合的な対策、特に厚生省は分断行政というか縦割り行政に終始しているきらいもないわけではございませんので、改めて厚生大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) ことしの国際障害者年をいい契機にして、身体障害者に対する基本的な姿勢を変えなきゃならぬときであると考えております。いままでは身体障害者の対策という消極的な一部門でありましたが、これからは身体障害者の対策のみならず、政治全般が、身体障害者が健常人と同等に社会づくりに参加できるという社会環境をつくることがその基本であると考えております。 そこで、それについては、いまおっしゃいました縦割り行政で横の連絡が不十分である。これは内閣全般として考えなきゃならぬ問題でありますが、厚生省自体でもやはりそういう点がいっぱいございまするし、あるいはまた、よってやるべき法律、制度等もいろいろ矛盾が出てきたわけであります。とりあえず私は、省内の縦割りと横の連絡を重くするために省内のすべての問題を総合調整する機関をつくりたいと考えておりまして、もうしばらくしたら具体的に御報告できる段階になると考えております。
○岩上二郎君 文部大臣にお伺いいたします。 福祉関係に従事する従業員、これがきわめて不足しているような現状でありますが、その実態について御存じであればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 実数その他計数の問題でございますので、政府委員からお答えいたします。
○政府委員(田中明夫君) 私の方からは、心身障害児のリハビリテーション等に従事しております理学療法士、作業療法士等についてお答え申し上げたいと思います。 先生御案内のとおり。わが国の医療の中でこのリハビリテーションの分野が従来から非常におくれておりまして、したがいまして、心身障害児の機能回復訓練などを行う理学療法士、作業療法士の数が非常に不足いたしております。従来から厚生省はこういう養成施設の整備の補助等を行っておりますが、幸いにして民間の御協力も次第に得でまいっておりまして、現在理学療法士につきましては二十二校、定員にしまして四百三十五人、作業療法士は十三校、入学定員二百七十人ということになっておりまして、今後さらにふえていくような情勢にございます。
○岩上二郎君 施設についての従事者がきわめて不足している実情にあるわけでございますが、この際、文部大臣にぜひお願いしたいと思う点がございます。 これは、従来福祉ということになりますと、短期大学なりあるいは福祉大学なり、そしてどちらかというと管理部門に対する需要、こういうふうな面についてのいろんな教育施設等が充実されようとしているわけでございます。特に保育施設なり保育専門学校なりあるいは看護学院なり、こういうふうな施設に対する充実の方向に向かいつつありますけれども、福祉という問題を考える場合に、やはり非常にハンディを背負った人あるいはもうどうすることもできないような植物的な人間をお世話するために、さわるとかあるいはおしりの世話をするとかというきわめて単純なそういう職員、そういう仕事に対するアプローチをどうするかという場合に、一般ではなかなか考え方はむずかしいかもしれませんけれども、いわゆる福祉高等学校といったようなものをおつくりになられてはどういうものであろうかと、このように感ずるわけでございます、一般に工業高校なりあるいは商業高校なりあると同じように、福祉という一つの力点を置いたそういう教育設備というようなものが、これは厚生省のサイドでおやりになるかあるいは文部省のサイドでおやりになるかわかりませんけれども、大学へということじゃなくて小学校、中学校、高校と、やはり福祉に対する一つの国民的な認識を持つという意味で、普通の福祉高等学校あるいは福祉高等専門学校というか、そういうふうな学校を設立するお考えがあるかどうか、お伺いしておきたいと思うのであります。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 福祉施設の従事者の養成と関連の深い学科で現在高等学校に置かれておりますものといたしましては、保母を養成する保育科、これは昭和二十五年でありますが、それから准看護姉を養成する衛生看護科、これは昭和三十九年からでありますが、かような関係の対策を立てております、昭和玉十五年度の現在、保育科は五十四学科、衛生看護科は百七十八学科と相なっておりますが、これらの学科の卒業者の一部が福祉施設に就職をいたしております。 なおまた、文部省といたしまして、今後ともにこれらの学科を新設いたし、また拡充しようとする計画でございますが、積極的に援助をしてまいりたいと考えておりますが、これらの学科以外の、福祉施設の従事者を専門的に養成する新しい種類の学科を新設することにつきましては、今後の課題といたしまして慎重に考えております。
○岩上二郎君 障害者年を迎えまして、福祉というものをやはり基本に置いた上に立って保育行政をどうすべきか、それから看護行政をどうすべきかという考え方にむしろ思考を転換されてはどうであろうかと、このように考えるんです。したがいまして、ぜひひとつ福祉重点というか、福祉の中に保育なりあるいは看護なりあるいは療法士なりそういうようなものを含めた形の高等学校なり専門学校なり、そういうようなものをやはりお考えになることの方がよりベターではないだろうかと思いますので、その辺ひとつ十分にお考えおきいただきたいと思います。 それから、最近は国立において医療と療養というものを併用し、特に病院等のあるところに併設して養育の施設がなされていくわけでございますが、公立あるいは私立関係になりますとまだまだ医療体制が十分でないために、まずリハビリテーションありきというところからスタートしている現状でありますが、なかなか重度、中度、軽度、こういうふうな区別がつかないまま機能のリハビリテーションを行っている現状であります。したがいまして、やはり医療機関の充実というものが必要であるわけでございますので、医療とそれから機能回復のリハビリテーションとあわせ持つ一つの施設への方向というものがこれから非常に重要であろうと思いますが、それについて厚生大臣のお考えをお願いしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 厚生行政いろいろ問題もあるわけでありますが、一番基本的な問題は、日本の厚生行政は時代の波につれてだんだん増築をしてきたという点で、総合的な体系立った行政になっていないという点が一番問題と考えます。そういう意味におきましても、先ほど言われた、医療から保健大学へと進んだように、福祉大学あるいはいろんな施設、機関、そういうものを総合的にやる対策及びこれに対する教育その他の重要であることは御意見のとおりだと考えております。
○岩上二郎君 もう一点。 身体障害者の福祉センターというものがございますが、これはA型とB型とあります。A型を各県においてそれぞれ整備を進めておりますが、B型については二十万都市以上というように行政的に措置されておりますけれども、この福祉センターはどちらかというと通院施設でございますので、やはり近いところにそういう施設があることが望ましいということで、茨城なんかでは二万とか一万五千とか、そういうところでも地域のニーズにこたえてそれぞれ単県でその施設をつくっている現状でありますが、やはり二十万というのは少しちょっときつ過ぎるんではないか、十万、五万と逐次引き下げるような方向をお考えになってはどうであろうかと思いますが、厚生大臣の御所見をいただきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、昨年までおおむね人口二十万以上というのを基準にいたしていたわけでございますが、五十五年度からこの福祉センターのB型を拠点にしましたデーサービス事業というものを新規に始めまして、今年度からはこれをおおむね十万程度というところまで切り下げる、狭い地域にも認めるという方向で要綱の改正を検討中でございます、御指摘のような方向で努力をさしていただきたいと存じております。
○岩上二郎君 それから、これは厚生省並びに県、それぞれドッキングしながら進めている事業の一つでございますが、身障者関係の相談員とか精薄関係の相談員、それぞれ各県に配置されておりますが、その給与体系というか、給与ということよりもむしろ、給与はゼロで若干お手当程度と、このような状態になっておりますが、聞くところによりますと、一人当たり千二、三百円ぐらいだと、こういうことではなかなか、その地域のニーズを発見し、そして具体的に福祉関係のアプローチがうまくできるはずがないのじゃないかと思いますが、そこらあたりの感触をちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 身体障害者相談員、これは身体障害者の方の中から身障福祉に熱意のある方につきまして知事さんから委嘱をしていただいて、いろいろな相談活動をしていただくという方でございます。御指摘のとおり、現在月千三百円という手当ということに相なっております、年々額を引き上げてきてはおりますが、なお十分ではないと思いますので、今後ともこの増額には努力をいたしたいと思っておるのでございますが、実は、五十五年度からこの身体障害者の相談員の方の研修活動、これについても新たに予算化をいたすというようなことで努力はいたしておる状態でございます。
○岩上二郎君 いわゆる福祉行政の手足というか、一番末端で仕事をしていく接点にある相談員であるだけに、これはもう非常に私は重要な働きを持つものであろうかと、このように期待しているんですけれども、大体平均して一町村一人か二人、こういうふうな程度で、わずかに月に千三百円というのでは余りにも粗末ではないだろうかというような感じがしてならないので、これらの問題についてはもう少し何かの措置をお考えになる必要があると思います。 それからもう一つ、これは労働大臣にお伺いしておきたいと思いますが、現在身障者の雇用促進法によって事業主あるいは官公庁等においては身障者の雇用が義務づけられているわけでございますが、実施状況を見ると、諸外国と比べまして日本の場合にはまだまだ十分でない、一・五%ということになっておりますけれども、現実は一・一三%であると伺っているわけでございます。これは相当改善すべき問題であると、このように思いますが、労働大臣の御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおり、ヨーロッパにおきましては非常に高率の雇用率といいますものを目標にいたしております、しかしながら、これは障害者の範囲をどのように考えるかということによりましていろいろその数字の規定がむずかしいということもございまして、単純比較するのは私は少し酷であろう、かように考えますけれども、いずれにいたしましても私どもが一・五%という法による目標といいまするものを定めて、そうして、それがなおかつ一・一三%というようにその目標すら達成することができないということは、まことに私ども自体の行政の効率、働きといいまするものに恥ずかしい感じを持ちます。これにつきましては重々ひとつ考えまして、今後の雇用率達成のための努力をしていかなければならぬ、かように考えております。
○岩上二郎君 「完全参加と平等」といったてまえから国際障害者年の行動計画というものが出されて、その第七、第八には「教育・雇用上の差別解消のための法律の見直し」等が列記されているわけでございます。したがいまして、身障者のためにも、やはり精いっぱいぎりぎり働くというその姿勢にこたえて、たとえ能率が悪くてもその一個の人間のぎりぎり精いっぱい働くというその主張にこたえるということがこれからの労働行政としてきわめて大事な問題である。したがって、官公庁関係においては一般の健康な者と同じように取り扱いをされておりますが、民間の場合には必ずしもそうではございません、したがって、民間の企業においても精いっぱい働く者に報いるためにやはり相当の賃金の保障が必要である、それができない場合には、ある程度公的な措置というか援助の手を伸べるということだってあっていいのではないか、こんなふうにも感ずるわけでございまして、どうも能率的に思うようでないから、これは全体として二分の一だとか、あるいは三分の一だとか、あるいは最低賃金でどうだろうかと、このような配慮があるやに伺っておりますけれども、むしろこういう障害者年を迎えた今日において、一個の人間が必死に生きようとしているその労働に対する報酬として、やはりこれは民間企業においても十分に配慮する必要がある、このように思いますが、いかがなものでしょうか、
○国務大臣(藤尾正行君) 私どもで考えておりますのは、御指摘のとおり労働に対するこれは報酬を考えるわけでございまして、事実御指摘のとおり、非常に障害のあられる方が民間に御就職になられました際に、一般の健常者と同じような賃金を享受できていない、場合によりましては最低賃金というようなものの適用も外れておるということがあることは残念ながら事実でございます。 しかしながら、民間の雇用を考えてみました場合に、これは労働に対する対価でございますから、この点はひとついろいろ考慮を加えてまいらなければならぬことはもちろんでございまするけれども、必ずしも全部が全部、十二分に健常者と同じ賃金であれと言いたいところでございますけれども、なかなかそれを労働行政といたしましては強制ができない。これは私はやむを得ないところもあるのではないかと思います。その足らざるところは、別個一つの福祉の問題といたしまして併用して考えていくべきであろう、かように私は考えます。
○岩上二郎君 ちょっと資料を大蔵大臣、三大臣にお見せしていただきたいと思います。 〔資料配付〕
○岩上二郎君 かつて渡辺先生厚生大臣のときに、私がサンケイの論説委員をやっていた際の資料としまして、社会福祉譲与税創設についてはいかんという問題を提起をしたところが、御親切にも御回答をいただきました。非常に結構だけれども、なかなか思うようにいきませんというような御回答でございましたが、改めて問題を提起いたしたいと思いますのは、いまのように、きわめて文部関係あるいは厚生省関係においても人件費その他いろんな措置をするためにも相当の経費がかかるわけでございまして、そのために赤字国債を十四兆円も出さなきゃならないと、しかしやはり地方にいろんな行政を進めていく場立には、福祉関係についてのニーズというのはものすごく多いわけでございまして、それにどうこたえるかということはきわめて重要なやはり課題になってきているのが現状であります。 そこで、ないそでは振れぬということでございましょうが、しかし私の一つの考え方として、目的税として福祉譲与税というものをお考えになってはどうであろうかということを実はもう十数年来から主張しておりましたが、なかなか、大蔵省はそれに対して、財政の硬直性を招くということから思うようにいかないということで拒否され続けてきているわけでございますが、しかし、今日消費税が大衆課税だとかいろんなことを言われている現状の中で、増税というのがむずかしければ、やはり基金制度というようなものを、特にこういう福祉関係はまだまだニーズというものはものすごく多いわけでございまして、まだ入口に入った程度でございまして、それに対する措置というものが十分に行き渡っていない現状であります。 したがいまして、やはりこれは大蔵省が十分に厚生省と御相談願って、具体の問題としてある程度の財源を確保する道をひとつつくり出してみてはどうであろうか、このように考えるのであります。これは一般財源の中で処置をしていくということになりますと——申し上げたいことは山々あるのですけれども、時間もありませんので申し上げることもできないのですけれども、わずかGNPに対して〇・一八%、約四千億程度のもの、これが国、県、市町村合わせてのトータルの事業費でございます。そういう程度の資金ならば、何とかもう少し知恵をしぼってお考えになればできないことはないのじゃないかと思いますが、やはり健康保険とかあるいは年金制度、そういうようなものが外国並みに逐次近づきつつあるためかどうかわかりませんけれども、まだ全国的にあるいは世界的な規模から見て、きわめて低い福祉施設問題を初めとして、福祉行政、特に落ち込んでおる重度あるいは軽度、中度、そういう人たちの幸せを願うという、そういう立場に立って、強い者が弱い者を背負っていくという、そういう姿勢をやはり貫いていくこと、福祉元年というか、障害者年を迎えた今日、改めて一つの発想の転換をされてはいかがなものであろうかということを最後に申し上げまして、御所見いただければお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 岩上議員のかねてからの御高説は私も承知をいたしております。私も福祉施設の充実についてどういうような一般社会の人が寄与ができるか。これらの点につきましては、いろいろ検討はしておるわけでございますが、まだ結論に達しておりません。目的税というのは、いま先生がおっしゃったように、いいときはいいんだけれども、財政の硬直化を招くというのも事実でございまして、まあ道路税のガソリンと道路という話がいつも出るんですが、これも非常に問題が実はいまになるとないわけではありません。したがって、そういうようなことにならなくて、みんながもっと出しやすい形で福祉の充実が図れないかと、いま日本には資産家もおりますし、所得の高い人もおるんですが、税務署へ払うのはどうも余り喜ばない。しかしながら、そういうような施設や何かに寄付するという人は意外と実はいるわけでありまして、相続税の問題あるいは所得税の問題等と絡んで、そういうような特定な公共のためになるような施設に対する寄付ということについて、いままでの枠でなくて何か別なものを考えられないか。私は、所得税や相続税の全面改正をやるときにはひとつそれは考えるべき筋合いのものじゃないか。そうすれば意外と、財産残したまま死んだって意味がない話ですから、そうして子供のけんかの種にするんだったら、それはもう寄付した方がいいという人がいるんですよ。ですから、そういうような人のために何か考えられないかということを実は私も研究しているんです。したがいまして、きょうあしたというわけにはまいりませんが、一緒になってこの問題は勉強さしてもらいたいと思っております、
○岩上二郎君 以上で終わります。
○委員長(木村睦男君) 以上で岩上君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、村沢牧君の質疑を行います。村沢牧君。(拍手)
○村沢牧君 国際障害者年に当たって、中央心身障害者対策協議会が長期行動の計画のあり方について政府に提言するのはいつごろで、その提言を受けて政府が長期行動計画を策定するのはいつですか。
○国務大臣(園田直君) 御承知の特別委員会で結論を出してもらいたいというのは本年末ごろになると思います。これを受けて政府が計画を策定するのは、見当でありますが、五十七年の春ごろになると思います。
○村沢牧君 そうすると、五十六年度のいわゆる国際障害者年というのは、それにちなんだいろいろな行事をやるんだ、あるいは計画をつくるんだということであって、身障者政策の長期計画が実際にスタートをするのは五十七年から、こういうことになるわけですね。
○国務大臣(園田直君) 第一歩を踏み出すことであって、いまの御発言のとおりだと思います。
○村沢牧君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、この長期計画が確定するのは来年の春だというんですね。そうすると、十カ年計画でありますから。すでに五十七年度の事業は五十七年度の予算に反映しなければならないのですけれども、こんなに遅く政府の計画ができて、五十七年度の予算にはどういうふうに反映していくんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ具体的に相談を受けておりませんので、相談を受けた段階でよく相談をしてやります。
○村沢牧君 相談を受けてないからその段階で検討するということでありますが、長期行動計画の実行計画は五十七年の春に決まる。では、五十七年度の予算編成に向けてはどういう方法をとるんですか。
○政府委員(山下眞臣君) 大要、国際障害者年のスケジュールでございますが、国連の勧告では、一九八一年に国内長期行動計画をつくれと、おおむね一九九一年にその評価点検をするようにしなさいと、こういう勧告が出ているわけなんです。それを受けまして、わが国では昨年、五十五年を国際障害者年の準備年とする。五十六年、今年度を国際障害者年そのものの年として、記念行事その他ことしの事業を行う。長期行動計画につきましては、ただいま大臣から御説明ありましたように、特別委員会が年末までに意見を出しましたのを受けまして、明年の春ごろまでに政府としての検討をいたしたいということでございますので、その長期行動計画の中で、新たに予算を必要として、新規に予算を組まなきゃならぬというのは、現実の問題としては五十八年度予算から予算を組んでいくという形に相なると思うのでございますが、ただ、その特別委員会なり各種審議会その他の審議経過というものは、私どもの省を初め各省よく承知をいたしておりますので、五十七年度の要求に当たりましても、そういった審議会の空気等を踏まえて五十七年度における障害者対策の充実を要求をするという形に相なろうかと思うわけでございます。したがいまして、からっとした長期行動計画に基づくこの予算だという形になっていくのは、残念ながら、五十七年春に長期行動計画が決まるといたしますと、五十八年度から反映をされるという形にならざるを得ないという状況に相なっているわけでございます。
○村沢牧君 厚生大臣に重ねてお伺いいたしますが、国際障害者年というのは、国連の関係、国際的な関係もあるとしても、これにちなんでわが国独自の行動計画なり身障者対策を立てなきゃならない。いまのお話のように、いま皆さん方が進めておるのは、実際の予算にあらわれてくるのは五十八年だということですね。五十六年度が国際障害者年だと言うけれども、五十八年度から実際に予算づけがされるんだということ、どういうふうに感ずるんですか、これ。
○国務大臣(園田直君) これは国連で何年までと決めたからどうこうという問題ではありません。これは御発言のとおりであります。したがいまして、長期計画は春からでありますけれども、それまでに厚生省としては、長期計画にこれは入れてもらわなきゃならぬと思うことは大体見当つくわけでありますから、できるものは財務当局と相談をして、そして予算的措置もできるだけやりたいと考えております。
○村沢牧君 長期行動計画を策定しなさい、早くしなさいということは、もうすでに昨年のうちからこういう問題が要求をされておったわけです、それに対しては政府の対応がきわめて遅いということですね、おくれておることなんだ。ですから、実際の予算づけをするのは五十八年度だ、そんなことになるわけですね。きわめてこれは遺憾だというふうに思うんです、 それから、国際障害者年の推進本部は五十六年度をもって解散をする。本部が解散をした後にどの機関がこの長期計画を統括し、調整していくんですか。
○国務大臣(園田直君) 計画が出て出発した後の総合調整というのはもう非常に大事だと思います。そこで、この障害者年に対する審議会はこれで終わりますけれども、これを実行するというのは一番大事でありますから、いまの総理府に持っております協議会を強化するか、あるいは改めて別個なものをつくって内閣全般として総合調整をやる必要は考えておりますが、私の考えでは、やはり総理府にそういうものを置いて、そして事務局は、私の方がわかっているのが多いわけでありますから私の方でやって、内閣一体としての計画の点検推進、こういうことをやるべきであると考えております。
○村沢牧君 総理府の協議会を中心としてやったらどうかというような答弁があったわけでありますが、中央心身障害者対策協議会は総理府の附属機関として置かれたことは事実だ。しかし、この協議会はときどき会議を開くいわゆる会議体ですね。そして、従来の施策を見ておりますと、この協議会では国の施策を調整し、統一的に行うことには基本法ではなっておりますけれども、しかし、予算要求一つをとってみても、各省それぞれに独自の要求をして後から中心協に報告をする、まとめていく、こんな程度のものですね。ですから調整し、統合するような力を持ってない。総理府長官は、あなたがこの後の仕事を受けて中心協でもって各省統一しあるいは総合的な施策をやっていけるというふうに思いますか、その力を持っていますか。
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの総理府の中央心身障害者対策協議会、こういうものが法的根拠に基づいて設置されており、その一般庶務、事務というものが厚生省の社会局更生課で行われておると、これが従来の経緯でございますけれども、国際障害者年に当たって、ただいま国内委員会ともいうべき特別委員会の五つの部会で御審議をいただいて、これからの障害者年に当たって政府がこれから何をするべきかということについては、この年末に企画部会で長期行動計画あるいはまた総合調整の機関等のあり方等についての御意見を承ることになっておりますので、その御意見に基づいて、政府としてはこれからの調整機能というものをいかにするべきかということを改めて協議をいたしたいと、このように考えております。
○村沢牧君 そうすると、この推進本部は解散をする、その後の組織機構についてはまだ固まっていない、こういうことなんですか。
○国務大臣(中山太郎君) ただいままでのいわゆる身体障害者対策というものは、いま申し上げたように、法律的根拠に基づきましていわゆる総理府に中央心身障害者対策協議会というものが設置される、そして事務方を厚生省にお願いをするということで、予算は各省でそれぞれ要求をされておるというのが今日までの姿でございます。 しかし、先生の御指摘のように、そういう組織で身体障害者対策という、政策というものが十分効果を発揮していないということが今年のこの五つの部会における審議の結果出てまいりまして、ベターなものはこうあるべきだということになりますれば、既存の法律と既存の制度とにどのようなあり方というものを求められるべきかということについては政府としても改めて検討する必要があろうかと、このように考えておる次第でございます。
○村沢牧君 それではその問題は、午後にこの推進本部の本部長である総理も出席するようでありますから総理の見解もただしたいというふうに思いますが、できればその前に、皆さん方内閣としてどういう組織でやっていくんだと、この方向づけをしておいてください。 次に、具体的な政策の問題について伺っていきたいというふうに思いますが、その前に一点だけお聞きをしておきたいというふうに思います。 実はいろいろと問題もあり、また要求もされておりますところのてんかんの障害者を身障者として認定ができないかどうかということなんです。てんかんに悩む人は全国で約百万人とも言われているわけでございますけれども、一般の人の無知と偏見によって悪質な差別を受け、就職にも支障を来している、就職に支障を来しているだけでなくて、せっかく就職したある市役所をてんかんであるがゆえに免職をされ、いま裁判で争っている事件もあるわけなんです。てんかんの障害者は常に薬を飲んでいるし医学が発展をした現在といえども、一生涯苦しい生活を送っているわけです。したがって、病状の重い人、軽い人の差はあるにしても、たとえば内部疾患の心臓病や呼吸器病などと同じように、これは身体障害者の認定の中に入れるべきだと、このように考えますが、どうでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) 現在、てんかんは精神衛生法の対象ということで、精神障害者に含まれるという形の整理になっております。身体障害者福祉法に言う身体障害者の概念あるいは範囲につきましては、いま専門審議会に鋭意御審議をいただいておるところでございますので、一応御相談をいたしますけれども、私どもの考え方といたしましては、身体障害者の福祉法というのは、やはり精神薄弱者福祉法や精神衛生法とすべて一緒にするというわけにはなかなかまいらないので、非常にむずかしいのではなかろうかというふうに考えます。
○村沢牧君 そうすると、てんかん症状の人は精神薄弱者と同じ部類だということなんですか。心身障害者基本法の第二条には、いろいろあるけれども、「長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」を心身障害者として規定をしているわけですね。この中にてんかん障害者は入らないのですか。入れることはできないんですか、入ってはいないから。
○政府委員(山下眞臣君) 先生よく御承知のとおりに、全体を総合する法律といたしまして心身障害者対策基本法というのがあるわけでございます。これは身体障害者も精神薄弱者も入っておるわけであります。精神障害者も緩解以後の者も入るということ、その総合法の下に各法がございまして、身体障害者福祉法あるいは精神薄弱者福祉法あるいは精神衛生法等の分野があるわけでございます。 御指摘のように、心身障害者対策基本法の対象には入り得ると思うのでございますけれども、その受けました下の分野の各法の中における身体障害者の福祉法というのになりますと、むしろてんかん症状というのは精神衛生法の分野で従来から扱ってきておりますので、慎重な検討が要るというふうに申し上げた次第でございます。
○村沢牧君 従来の経緯はそうですけれども、心身障害者対策基本法の第二条でも、当初は内部疾患は入っていなかったんです。途中で入れた方がいいということで入ったんですね。ですから、この種の問題についても今後の検討の中には入れるように努力をすべきだと思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、確かに現在の身体障害者の範囲、内部疾患としては呼吸器、心臓、腎臓だけでございます。そのほかに問題になりますものといたしまして、人工肛門でありますとか、人工膀胱でありますとか、非常に各種の問題が出ております。その中の一つの問題点であることは事実だろうと存じますので、専門審議会の御意見は十分承りたいと思いますけれども、やはり身体障害者という福祉法でございますために、いまの法体系から申しまして精神薄弱、精神衛生、精神障害というところまで手を伸ばすのにはおのずから限界があろうと思うわけでございます。よく先生の御趣旨も承りまして、専門審議会に御意見を承っていきたいと存じます。
○村沢牧君 ぜひ前向きに取り組んでください。 次は、雇用問題と所得保障の拡充について伺いますが、雇用問題については同僚安恒議員の方から後ほど詳細に指摘をいたしますので、私はただ一点だけ伺っておきます。 雇用促進法によるいろいろな制度の実施状況は必ずしも十分とは言えない。たとえば大企業において、政府の関係の特殊法人において雇用率がきわめて低い。あるいは中度、重度の雇用率が非常に悪い。したがって、この実施状況を点検をするとともに、納付金の額の改定はもちろんのこと、中度あるいは重度の障害者の雇用率や障害種類別の雇用率を定めて、それから企業に対してこれらの人を雇用するのだ、こういう制度をつくるべきだと思いますけれども、労働大臣の前向きなひとつ考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) 私どもといたしましては、当然のことでございますから、できるだけ前進する方向でこれを進めていくという姿勢はとっておりますけれども、いまのところは、たとえば特殊法人というようなものに例をとってみましても、確かに全体の特殊法人の中では一年間の間に五法人くらい雇用率を達成をしたというところもふえてまいってきておることは間違いございませんけれども、なおかつ未達成のところが多うございます。ここに名前を挙げてまことに恐縮でございまするけれども、建設関係あるいは運輸関係の特殊法人におかれましては、全部が全部その雇用率が達成できていないというようなことでございますので、その点は重々心得まして。これから一層こういった部門におきまして雇用を前進させていただきますように格段の努力をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。 全般といたしましては、御案内のとおり、私どもはこの雇用率の問題といいまするものを五年ごとに見直すということになっておりまして、本年はその見直し時期に当たっております。したがいまして、このような諸般の情勢といいまするものを十二分に考慮をいたしまして、審議会等にもお諮りをいたしまして、適切な前進ができまするようなひとつ措置をとってまいりたい、かように考えます、
○村沢牧君 大臣、私がいま指摘をしたことは、雇用率がどういうふうに悪いということの問題は後ほど指摘があるというように思いますが、そのこととは関連をしますけれども、重度やあるいは中度の雇用率、あるいは障害種類別の雇用率、これをやっぱり決めて、それを雇用に義務化する、こういう制度にすべきではないかということなんですよ。
○国務大臣(藤尾正行君) 御趣旨のほどは十二分にわかりますけれども、この心身の障害者といいまするものの障害の種別あるいは程度といいまするものごとにそれぞれの雇用率を決めるということは、現実には非常にむずかしい。たとえば、まことに御不幸なことでございまするけれども、視覚に障害がおありになられるというような方々に対しまして特別の雇用率を定めて、どの会社にもこの目に障害のあられる方をこれだけ雇用をしろというようなことは、なかなか画一的にこれを押しつけられるものでは私はない、かように考えるわけでございまして、先生の御趣旨のほどはよくわかりますし、そういった方向といいまするものをできるだけ取り入れてはまいらなければならぬと思いまするけれども、これを障害別に、かつその障害程度に応じて雇用率を決めてまいるということは、なかなか言うべくして私は行われがたい、その精神を拳々服膺さしていただくという程度にひとつとどめていただきたい、かように思います。
○村沢牧君 基本法の第七条には「心身障害者の年齢並びに心身障害の種別及び程度に応じて、」施策を策定し実施をしなければならない、このように法律はなっていますね。ですから、この努力をしなければならないと思いますが、どうなんですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 御趣旨のとおりでございまするけれども、雇用促進の方法ということにつきましては、実際にそれが成果が上がっていくことでなければいけないわけでございますから、その点は多少とも裁量の余地をおとどめおきを願って、そのようなことを頭に置きながら推進をしていくということにしていただかなければならぬと考えます。
○村沢牧君 次に、年金問題ですが、昨年の障害者の実態調査で、年金を受給してない人が六十一万二千人もおるわけであります。受給をしてない理由が、障害の程度が低くて年金の必要がない、こういう場合ならいいわけですけれども、障害の程度が著しいのに支給を受けてないとすれば、これは問題であります。年金を受けていない人の実態調査を厚生省は行ったことはありますか。
○政府委員(山下眞臣君) 昨年の実態調査によりまして年金受給の状況を調べたわけでございますが、御指摘のとおり、約二百万人のうち百三十六万人年金受給者があるということで、六十万人程度年金を受給してない方がおられるわけですが、その受けていない理由という調査は実はいたしておらないわけでございます。御承知のとおりに身体障害者の障害等級は一級から六級までございます、年金の等級は別にございますが、おおむね一級から四級までの程度が年金受給対象者になるということでございますので、恐らくただいま先生のお話にございました四級、五級というところは年金受給対象になっておらないと、こういうふうに推定をいたしておるところでございます。
○村沢牧君 そういう制度がありながら年金を受給ができない、こういう問題もいろいろ生じてきておりますから、これらについては厚生省も十分な調査をして、せっかく制度があるんだから受給できるように取り組んでもらいたいというように思うんです。 それから、障害福祉年金は障害者の生活保障のための目玉的な施策であるけれども、しかしこれも年金額が非常に低いわけです。五十六年度で上げたとしても一級が三万六千円、二級が二万四千円で、これは障害年金そのものが老齢年金と機械的に連動によって決められるというようなこんな構造になっているからこういう形になっているというふうに思いますが、したがって、これは身障者のニーズに対応するものではない。障害年金のあり方あるいは金額についてどのように考え、あるいはどのように拡充をしていこうとされるんですか。
○政府委員(松田正君) 障害福祉年金あるいはその他の障害年金等々におきまして、それぞれ制度の歴史的な経緯なり経過を踏まえております関係上、非常に格差があるという点については御指摘のとおりかと思います。ただ、障害福祉年金あるいはその他の年金等の格差を現行の年金制度の中だけで解決するということは非常にむずかしいわけでございますが、ただ御指摘のようないろいろな点につきましての各方面からの御意見は十分承っておりますので。二の問題については、その他の施策とあわせて総合的に今後研究をしてまいりたい、かように考えております。
○村沢牧君 いま厚生省当局も認められたように、非常に格差もあるわけです。あるいは同じ障害年金制度の中にあっても、障害の等級とそれから認定基準がまちまちであるから、同じ程度の障害であっても、厚生年金では年金が支給されるけれども国民年金では支給がされない、こういうことも実際あるわけですね、矛盾をしている。そうして、私は何といっても当面の施策として、無拠出の障害年金をもう少し上げなきゃいけない。日本の障害年金は、拠出制国民年金あるいは厚生年金、共済年金とも最低保障の制度があるけれども、無拠出にはこれはもちろんない。したがって、当面の対策として、障害福祉年金の二級を拠出制の年金の最低保障額にせめて合わせる、このぐらいのことをしなければならないというふうに思うんですが、どうでしょうか。等級によって違うということもあわせて。
○政府委員(松田正君) 各年金制度におきます障害年金の算定の方法なりその程度、内容、これはそれぞれ制度によって違うわけでございます。特に私どもが所管をいたしております国民年金、厚生年金の間で障害等級あるいは認定基準にばらつきがあるのではないか、これにつきましては、厚生年金は御承知のように労働能力の喪失……
○村沢牧君 時間がありません。内容は知っているから、内容の説明はいいですよ。
○政府委員(松田正君) まあこれらにつきましては、いろいろそういうような経緯を踏まえて現在認定基準ができておるわけでございますので、御指摘のような点につきましては、先ほど申し上げましたように障害年金、障害福祉年金を含めましての今後の研究課題として勉強いたしてまいりたい、かように考えております。
○村沢牧君 厚生大臣、いま幾つかの点について指摘をしたんですが、時間がありませんので細かくはさらに問題を提起することはありませんが、以上のことを総合して、障害者に対する年金制度は総合的な障害者対策の一環として実施するように位置づけて、必要なやっぱり制度の改革前進を図るべきである。他の年金と連動してこういうことになっておるんだということでなくて、私が言ったいまの無拠出の福祉年金の引き上げも含めて、やっぱり年金制度そのものを改善をしなきゃならない、新しくつくらなきゃいけないというように思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 額の問題、最低保障の問題、格差の是正、特に同じ障害者の程度で全然額が違うと、こういう問題は、経緯は別としてこれはだれが見ても矛盾。しかしながら、これは年金そのものの骨組みを改善していかなきゃできぬことでありますから大変な問題でありますが、これはおっしゃるとおりでございますから、そういう方向に努力をいたします。
○村沢牧君 次は、租税の減免の問題でありますが、厚生省は昨年、五十六年度の税制改正に関する要望で、国税について障害者控除や特別控除の引き上げを要求をしておりますか。
○政府委員(山下眞臣君) 改善の要望をお願い申し上げたと記憶いたしております。
○村沢牧君 どんなふうに。
○政府委員(山下眞臣君) 昨年の場合、税の要望の場合、老人、障害者含めましてその控除額を引き上げてもらいたいという要望でございまして、金額を幾らに引き上げてもらいたいという金額はたしか出さなかったというふうに記憶いたしております。現在の控除額の引き上げを要望するという要望でした。
○村沢牧君 出しているよ。金額、出しているよ。
○政府委員(山下眞臣君) 失礼いたしました。ちょっと調べていま……。
○村沢牧君 大蔵大臣、厚生省が特別控除等の引き上げを要求するのは、いわゆるそれだけの理由があってのことなんです。増税や物価高の中で弱者にしわ寄せがいっている。したがって、この所得税減税が強く叫ばれているときに、身障者くらい配慮してやってもいいのではないか。私は、それが政治であり、国際障害者年、その踏み出す厚生省としてのまず第一歩の施策だと思うのですけれども、せめてこのくらいのことをやったって日本の税収にそんなに恐ろしい影響を来すわけじゃないんですけれども、それができないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 特別障害者控除の引き上げということにつきましては、すでに一般よりも高く引き上げておって、基礎控除ともに六十万円まで引き上げておるわけでございます。そういうような観点から今回は引き上げないということにしたわけで、実際に該当で高い、特別障害の人で高い所得の人というものも実際に余りいないということも実情でございます。
○村沢牧君 大蔵大臣、一般の控除以外に身障者控除をやっておるということを、さもりっぱな施策をやっているようなことを言われておるのですけれども、これは心障基本法の二十三条に税制上のこういう措置を講じなければならないことが法律で決まっておるんですよ。やるのは当然なんだ。当然だけれども、もう少し控除額を引き上げる必要がある。五十六年度はできなかったとしても将来に向けて前向きに取り組んでいくんだという、そのくらいの誠意をひとつ示してください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 所得税法の見直しをするときには検討します。
○村沢牧君 次に、地方税についても障害者の控除の引き上げをすべきであります。住民税のいろいろな控除が一般に国税より低いことは、これも納得はできないけれども、特に障害者控除に大きな差があるんです。これはどういうふうに考えますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 住民税における障害者控除は、基礎控除のほかに御承知のとおりに障害者控除については、一般障害者については二十一万円、特別障害者については二十三万円、こういう控除をしておるわけでありますが、今回これを見送りましたのは、従来基礎控除と関連して障害者控除を考えております関係上、地方財政の現状から見まして、基礎控除を見送りました関係でこの問題を見送ったと、こういうことでございますが、今後十分に検討してみにゃならぬ問題だと考えております。 なお、地方税における障害者控除は、所得税の場合でございますと大体一・〇七になります。基礎控除に対する特別障害者の控除の比率でございますが、しかし地方税におきましては一・〇五でございますから大体似たところじゃないかと、こんな現状でございます。
○委員長(木村睦男君) 村沢君、時間が参りました。
○村沢牧君 自治大臣、特に特別控除が低い、このことを申し上げておきますから、十分検討してください。 それから、最後にお伺いしますが、自動車の重量税の免税については、第七十一国会で参議院でも請願が採択をされておるんです。これに対して大蔵省は、用途外使用防止が困難であるからなかなか認めることはできないというようなことを言っておるわけでありますけれども、三千八百万台にも及ぶ車両の中で身障者用の車の重量税を免税したとしても大きな負担になるものではない。身障者の車両は、身障者の足のかわりになるものだ、足に対する税金なんか行うべきじゃないんです。これはどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 身障者用の自動車関係諸税については、すでにそれぞれ特殊なものについては所要の措置を講じております。
○委員長(木村睦男君) 以上で村沢君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 総理が午後でありますから大変質問がしにくいんですから、その点で各閣僚の皆さんのところには私の資料をまず全部配っておいていただいていますから、参議院社会労働委員会の二号、二号、それから労働省から出してあります雇用率の問題がございます。これはひとつお読み置きを願うということで質問に入ります。 まず私は、総理府長官と厚生大臣、総理がおいでになりませんからお二人にお聞きをしたいのであります。簡潔にお答えを願いたいんですが、長期行動計画は中央心身障害者対策協議会中心に策定すると、こう言われています。それは当然であります。しかし、私は国際障害者年に当たりまして、この際わが国の障害者対策を総点検し、欠けでいること、不十分なこと、充実して行わなきゃならない点等、すべて洗い出しまして、それについて達成の目標と年次計画を示していく必要がある、こういうふうに思いますが、まず総理府長官も厚生大臣も副本部長ですから、あなたたちの問題意識として、何と何が欠けているのだろうか、何をどうすればいいのか、そういう考え方についてごく簡潔に聞かしてください。
○国務大臣(中山太郎君) お答えをいたします。 これからの長期行動計画、これは先生御案内のように、国連が一九八一年の終わりまでにこれからの長期行動計画をつくって、それを一九九一年までの間にフォローアップしろということでございますから、私どもとしては何が欠けているという問題については、いろいろこの委員会でも各種の問題点が指摘されております。そういう点につきまして、私どもとしては十分頭に入れながら、今年末のいわゆる国内特別委員会の五つの部会からの作業結果を求めて政策として立ててまいりたいと、このように考えております。
○国務大臣(園田直君) 基本姿勢その他については、しばしば申し上げておりますから。具体的には、やはりいままでの厚生行政、福祉行政を見直して、新しい方向を見出すということが重点でありますから、そのためにはいまある法律制度、それからいろんな施設、こういうものの見直し、それからもう一つは、いままでと違って政治全体として社会環境をつくるということに重点を置いてやるべきだと考えております。
○安恒良一君 厚生大臣はある程度わかったのですが、総理府長官、本部長でありながら答申を待って待ってでは、大変私はお粗末だと思います。私の方から問題意識を出しますから、賛成か反対か、お答えください。 身体障害者福祉法の抜本的な見直し。最も施策のおくれていると言われている精神障害者の医療、社会復帰、福祉のための精神衛年法の全面的な改正あるいは精神障害者福祉法とも言うべき法律をつくることの検討。第三番目には、障害者雇用拡大のための雇用率達成計画の作成。第四番目は、障害者が自立した生活が営めるような所得保障制度の改革。第五番目は、障害者が自由に移動できるような施設の改善などの計画的な町づくり、その他共同教育や保育等々の問題があると思いますが、総理府長官それから厚生大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(園田直君) まず、いろいろ挙げられましたが、御意見は私も全くそのとおりであると考えております。特に、福祉法の改定、これはもう福祉法そのものが制定以来二十年たっておりまするし、いろんな逆にその法律に縛られて仕事ができにくいという点もありますので、ただいま審議会にこの問題に対する法改正を含む総合対策を諮問しておりますから、そういう方向で全面的にやるつもりでおります。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま厚生大臣がお答え申し上げましたと同様に、私も先生の御指摘の点は十分認識をしておるつもりでございます。
○安恒良一君 それなら、それらを進める事務機構や機構のあり方は、いま村沢委員が関係大臣とは大分やられましてらちが明いておりませんから、これは後から総理に直接お聞きをすることにして次に入ります。 次は、いわゆる「完全参加と平等」のテーマで国際障害者年が行われますが、私はその中の一番重要な問題、社会参加の基本は労働参加、すなわち働く意思のあるすべての障害者に対して就労の機会と雇用の場を具体的に保障することが重要だと思います。現状がどうなっているか、関係閣僚全部にいま、私が昨年の参議院社会労働委員会で労働大臣との間に議論をしましたことの資料を配っていますから、現状認識はそれでできると思います。 そこで、具体的な中身についてまずお聞きをいたしますが、政府関係のいわゆる特殊法人の雇用率が非常に悪いわけであります。悪いのでありますが、その中で特に一つ、まず副本部長であります厚生大臣のところにも一つあるわけですが、これはどこであるかということを御承知でしょうか。どう改革されますか。 それから、運輸省と建設省は法定雇用率に全部一つも達していません。全部達していない。大体特殊法人が百十ありまして、雇用率対象の法人は七十であります。その中で運輸省関係が七、建設省関係が七ありますが、一つも達していません。運輸大臣、建設大臣、どのように国際障害者年に当たってこの問題を解決されようとしますか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、運輸省関係で所管いたしております公社、公団、要するに特殊法人でございますが、七つございまして、これが全部未達成でございます。これで鋭意努めてまいりたいと思っておるのでございますが、私も一つ一つその責任者に聞いてまいりますと事情がございまして、たとえば京浜、阪神の外貿埠頭公団は整理の対象になっておりまして、これは採用停止いたしておりますし、日本鉄建公団におきましても同様でございます。でございますから、あと帝都高速度交通営団とか、あるいは大きい雇用を持っております新東京国際空港公団等につきまして、これからの努力の対象をしぼって努めてまいりたいと思っております。
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。 建設省所管の特殊法人七公団がございますけれども、御指摘のように、達成いたしておりません。大変恐縮いたしております、なお今後、御指摘の面につきましては十分指導をして、雇用問題について解決をし、障害者の方々のために雇用状況の改善に努めてまいる所存でございます。
○安恒良一君 労働大臣、この前、私の質問のときに、いまあなたのところに議事録を差し上げていますが、公庫、公団、こういうものについては達成しないのはいけないのだ、おれは閣議でひとつ発言をしてでもやるという強い、大変りっぱな御意見を承っていますが、すでにそれは十月の二十三日のお話でありますが、その後、閣議でどのように、いまお聞きになったように建設大臣、運輸大臣のところは一つも達していないのですからね、一つも。あなたは閣議でどのような御努力をされたのでしょうか。
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、申し上げましたとおり、率先をしてこの雇用率の達成を実現をしなければならぬ、そういう立場にあります。各官庁所管の特殊法人がそのような非常に不満足な成績であるということは恥ずかしいことでございますから、閣議におきましても発言をいたしまして、各閣僚にお願いをいたしました。また、かつ各特殊法人のそれぞれの担当理事、これに対しましては、お集まりを願いまして、そのような未達成の成績をいつまでも続けておいてもらっては困るということで、雇用率達成のための計画書を出すようにということで、計画書もお出しを願っておるという状態でございます。 さらに、各特殊法人の責任者でございます総裁あるいは理事長、こういう方々に対しましては、さらに私の名前をもちまして、できるだけ早く各理事等々が言っておりまする、出してきておりまする達成表といいまするものに沿って、その実現を期してもらいたいということをお願いをいたし、その結果がどうかわかりませんけれども、おかげさまで五法人だけは達成をしていただくことができたわけでございます。
○安恒良一君 対象が七十で達成が二十二、未達成が四十七、ことしそれから五ふえましたから四十二もあるわけです。 ですから、少なくとも私は特殊法人については、これはそれぞれ各大臣の監督下にあるわけですから、これはたとえば厚生大臣のところも一つあるわけですからね、こういうものについては御承知だと思いますから、場合によれば私は名前を公開をしたらどうかと思うのですが、労働省に聞きますと、やっぱり民間だからできないと、こう言う、しかし、私は純然たる民間じゃないと思うのです、特殊法人は。だから、せめてこれぐらいのことは名前を公開して少し恥をかいてもらってそれでやると、こういうことについて厚生大臣どうですか。民間会社なら一遍に恥をかかせるわけにいかぬということでしょうが、せめて特殊法人ぐらいのところは恥をかかせないと、たとえば建設省のように一つもない、運輸省のように一つもないのですからね。労働大臣、いろんなことを言われても、閣議で言ったといっても一つもないのですからね。せめて半分とか三分の一ならまだ努力しているのはわかりますけれども、一つもないのですからね。こういう扱いについて——まあこれはもしも厚生大臣お答え願えなければ後から総理に答えていただきますが、そこらはどうですか、これは。
○国務大臣(園田直君) 公開をして激励をし注意してもらうことは、ありがたいことだと考えます。厚生省の関係では一般率、御承知のとおり一・八というのが目標になっておりますが、厚生省関係では年金……
○安恒良一君 医療金融公庫はだめだ、医療金融公庫。
○国務大臣(園田直君) 医療金融公庫は〇・五五で二の水準には達しておりません。しかし、計算の仕方は、御承知のように分母が大きい場合にはこれは他の数字とは一緒になりませんので、だからといっていいとも思っておりません。本家本元でありますから、これは十分努力をし私も督励をいたします。
○安恒良一君 それから、あとこの点で各大臣お答え——文部大臣、教育委員会が四十六だめですね。これをどうされますか、自治大臣、数は申し上げません、議事録がそこに配ってあります。これも都道府県、市町村が非常に悪いですね。それから大蔵大臣にお聞きしますが、大蔵大臣の方のいわゆる金融機関が民間では非常にこれまた悪いわけです。私はむしろ金融機関なんかは雇いやすいと思うのです、化学産業だったら危いんですが。こういう点について労働大臣の御指導だけではうまくいかぬと思いますから、大蔵大臣、金融機関はあなたの監督といえばおかしいのですが、所管下でありますから、それぞれ大臣、この雇用率達成についてのお考えを聞かしてください。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 全体といたしましては文部省の関係は一・九でございまして……
○安恒良一君 文部省じゃない、教育委員会だ。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の教育委員会の問題でございます。これは対象の機関数四十七、達成の機関数が四十六と相なっております。 このまた理由でございますけれども、御案内のとおりに……
○安恒良一君 未達成が四十六だよ、未達成が四十六ですよ、あなた達成と言ったけれど。
○国務大臣(田中龍夫君) はい。それで、教育委員会の分は、御案内のとおりに法定の雇用率一・九の未達成となっておりますが、その職員の大部分を占めます学校の教員は教員免許状というものを持たなければならないという関係でございます。教員の採用試験を受験する身体障害者の員数がもともと少ないという事情にございまして、受験されたのが二百二十人でありますか。しかしながら、文部省といたしましては身障者雇用促進法の趣旨にのっとりまして、教員の適格者はできるだけ採用することが必要であると、こういう指導をしております。 なお、そのほかいまの雇用促進法の雇用率でありますが、小学校、聾学校……
○安恒良一君 いや、もう簡単でいいです、簡単で。
○国務大臣(田中龍夫君) 聾学校、養護学校、幼稚園等は適用除外になっておりますことは御承知のとおりでございます。
○安恒良一君 時間がない。簡単にやってください、簡単に。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省関係では、政府関係の銀行いま二つは達成します。いま一つ残っているのはありますが、これは今週じゅうにでも達成はできませんが、それはすぐに、なるべく早く達成するように申し渡しをさせます。銀行関係も確かに低い、生保、損保の方がもっと低い。これは、この次の採用時期を待たなくとも極力採用するように申し伝えたいと思います。きょうじゅうにでもやらせますから。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 市町村の状況は現業が一・八、非現業が一・九の目標になっておりますが、全体としては達成をいたしておりますけれども、個別的な市町村になりますと、まだ相当未達成のところが多いわけでございます。これにつきましては、知事に対して機関委任事務をやっておりまするので、私の方からもこの点については篤と激励をいたしまして、職場の開拓その他この達成のために努力をさせるつもりでございます。
○安恒良一君 官房長官、お忙しいところをお見えになっていますが、いま少しやりとりを聞かれたと思いますが、総理がおいでになりませんから、午後総理にもお願いしますが、政府関係の特殊法人であるとか、それからいわゆる都道府県、市町村であるとか、教育委員会であるとか、こういうところがまず率先をして雇用率を達成しないと、民間企業にやれやれと言ってもどうにもならないと思うのですね。もちろん、民間企業もやらせなきゃなりません。そういう意味で、官房長官としては各省横並びに連絡調整に当たられるわけですから、これは幾ら厚生大臣が命令されても、総理府長官も命令されるわけにいかぬと思います、そういう意味で官房長官にお見え願ったのですが、お考えのほどを、ひとつそこのところを。
○国務大臣(宮澤喜一君) 特殊法人につきましては、身体障害者雇用促進法に基づきまして労働大臣がかねて指導を行っておいでになりますし、また、それぞれの監督官庁に対して労働大臣の方から指導方を要請しておられるわけでございますが、なお、その他につきましても、ただいま各閣僚から御答弁がございました。大事な問題でございますから、閣内一致いたしまして御趣旨に沿うように、今後ともお互いに努力をしてまいる所存でございます。
○国務大臣(藤尾正行君) 私の不敏のいたすところで成績が上がらなかったこの問題につきまして、ただいま非常に強力な御指導をちょうだいをし御後援をいただきまして、この問題が近く大きく前進をする契機をおつくりをいただきました。心から感謝を申し上げる次第でございます。どうもありがとうございました。
○安恒良一君 労働大臣に感謝されたわけですが、そこで、また午後、雇用率の引き上げその他の問題は、少し村沢さんの質問があったんですが、なかなか前進しませんから、総理おいでになるところでお聞きすることにしまして、雇用拡大について、雇用率達成のためには雇用拡大をしなきゃなりません。そこで、私はさきの委員会でこの優先雇用、それから保留雇用、保護雇用、庇護雇用等諸外国の実例を出しながら、ひとつぜひわが国においても真剣に検討してもらいたい。そういうことがないと雇用率達成、達成と言ってもむずかしいだろうと、こういうことを申し上げておきましたが、大臣は大変示唆に富んだ御指示でありまして、それに向かって努力したいと、こういうことを答えられているのは議事録にありますが、その後いま申し上げましたような優先雇用なり、保留雇用なり、保護雇用、庇護雇用等のヨーロッパ各国の先進的な事例に学ばれて、どういう方向にいま指導をされようとしているのですか、お考えを聞かせてください。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げますし 先生のただいまの御指摘の問題は、いま直ちには、そのままでは通常の一般雇用につくことが非常にむずかしい、いわば非常に重度の身体障害者の雇用をどうするかということで、いろいろ外国の例も参考にしながら検討すべきであるという御指摘でございました。私ども、重度障害者特別雇用対策研究会というものを設けまして、そして、そのまま直ちには一般雇用につきがたい、こういった方々につきまして、現在厚生省の福祉関係でいろんな施策もございますが、そこに雇用対策としてどういう対策を講じていったらそういった方々にやがて通常の雇用についていただくようなことができるか、そういった観点から、諸外国の事例等も参考にしながら御研究をお願いしている段階でございます。
○安恒良一君 これは厚生大臣も聞いていていただきたいのですが、障害者の中で、重度障害者というのは三二・八%あるわけですね。就職率は大体一〇%なんです。そして、福祉工場というのは、これ法律調べてみましたら社会局長の通達で出ているわけですよ。私は福祉工場なんというのはやっぱり労働省がいま申し上げた雇用の形態の一つとして考えるべきだ、それが依然として厚生省の社会局長の通達のもとに福祉工場があるなどというのは、もう全くおくれているわけですよ。そういう意味から言いましても、私は労働大臣に問題を提起しておったわけですから、そのときに関係大臣ともよく御相談ということですからね。ひとつ積極的にいま言った、重度障害者をどう雇用するかというためには、私がいま申し上げたような方法を、しかもこれは労働省だけではどうにもならぬと思うのですね。総合的な角度からいま申し上げたような、たとえば優先雇用であるとか留保雇用であるとか保護雇用、庇護雇用と、諸外国はそれぞれ知恵を働かせてりっぱな実例があるわけですから、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。 これには率直に言って若干金もかかることですから、大蔵大臣にもお願いをしておかなきゃならぬことですが、そういう点はどうなんでしょう。一遍そこらを、法律も見直さなきゃだめだと思うのですよね、保護工場というのが依然として厚生省の社会局の管轄下にあるようなことじゃどうにもならぬと思いますが、どうですか、それは。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 法律で決まっておるやつは負担はそれは仕方がありませんが、やはり企業が社会的恩恵を受けてやっておられるのですから、何も政府の金をもらわなくてもそれはもうある程度のものは、極端なことを言っておるわけじゃないのですから、採用するのはあたりまえのことで、極力採用してもらうように、これは一つの社会運動ですよ。私は、やらせるべきだと思っております。
○安恒良一君 いや、お金もかかることだということを申し上げたたけで、いま言ったことの中身は厚生大臣と労働大臣の方に言ったわけですから、ぜひ前向きに取り組んでもらいたい。 そこで、次は所得問題について。これは村沢さんからも聞かれました。私は少し所得問題の中身に突っ込んでお聞きをしたいと思いますが、実は、「完全参加と平等」のテーマの中の、私はこの平等というのが非常に重要だと思うのです。その平等というのは何かというと、障害者の中には、働く意思があっても労働不能の人があります、もしくは一部の労働しかできない方があります、そういう人の平等というのは何かというと、人間らしい暮らしが確立できる、そういう所得保障が必要だ、これが私は国連の呼びかけている趣旨だというふうに思います。 そして、では障害者は、現在何と何によってその点はされているかというのは、一つは年金ですね、一つは手当、それからいま一つは、いよいよの場合には生活保護法。こんな三つの仕組みの中で障害者の生活が仕組まれているわけです。しかし私は、どうもこれは、だから年金局長や社会局長に答えてもらおうと思いませんが、いわゆる最低賃金法の適用問題、それから年金のあり方、それから手当、生活保護法等、関係法全部を一遍洗い直す必要があるのじゃないか、たとえば、年金局長に答えさせると年金の観点から答えるわけです。社会局長に答えさせるとやはり所得保障の観点の方を強く答えるわけです。ですからひとつ厚生大臣どうでしょうか、とりあえず厚生省の中にプロジェクトチームを設けられて、労働ができない人、もしくは一部労働しかできない人が人間らしい暮らしができるための所得保障のあり方という問題について、すでに前の委員会でもあなたに宿題として出しておきまして、予算委員会では、総理あなたに聞きますよと、こういうことは言っておりましたが、このことはその後御検討くださって、どういうふうに進んでいるでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 所得保障、それから年金の問題、村沢さんからも同様の発言があり、かつまた、所得保障についてはしばしば安恒さんは委員会等で発言をされております。所得保障は厚生省にとってはきわめて重要な問題でございます。 そこで、年金、手当、社会福祉、こういうものの調整を図りつつ検討してまいりますが、特に国際障害者年の本部が内閣にありますが、厚生省の中でも、専門的な立場から検討するように、これに対する対策本部を設けてやっております、その中の重要課題は、いまの所得保障に関する問題の検討を命じております。十分努力をいたします。 なお、それからもう一つは年金の額の問題。特に、おっしゃいますような、同じもので縦割りによって年金の額が違うというのは、これは経緯は経緯としてわかりますし、それから年金問題の骨組みにかかわる問題でありますから、なかなか大変ではありますけれども、現実問題としては、これは許されるべきことではございません。十分検討いたしますが、いま言われた御意見は非常にいい意見で、ちょうだいをいたしまして、すぐ省内で特別のチームをつくって検討することにいたします。
○安恒良一君 省内で特別チームをつくってということでありますが、私はやはりその場合にぜひお願いしておかなきゃならぬことは、働きたくても労働ができない、また、一部労働しかできないと、そういう人が人間らしい暮らしができる所得保障という角度から御研究願わないと、もちろん年金の手直しも、いま村沢さんが言いましたように、同じ二級障害である場合全然手当がもらえないなどというのは、全くこれはばかげていると思いますね。それから、いわゆる金額が違っているということも、私は非常にいけないことだ。しかし、どうしてもそこは、年金ということにとらわれますとそうなります。そこであえて私が、年金、手当、それから労働省の関係もありますが、最低賃金の適用と、こういう問題等も含めて一遍御検討願いたい。 ですから、まず省内でプロジェクトチームを設けられて御検討願うと同時に、総理府長官、いま言ったようなことは、あなたの方の中央心身協ではどこの部会でやっていますか、この問題は。やっておられますか、いま申し上げたような所得保障については。
○国務大臣(中山太郎君) いまお尋ねの所得保障の問題は、雇用就業部会、ここで、労働省職安局、厚生省社会局、この両部局がそれぞれ主な関係者として雇用促進の対策あるいは授産事業の振興と、こういうふうなことをメーンテーマにしながら、そういうものも含めて御相談をいただいております。
○安恒良一君 そうしますと、厚生大臣、いま部会の中では、学識経験者なりその方が入っておられるところで議論されているそうでありますから、ぜひ厚生大臣がおつくりになりますプロジェクトチームとそこの連携をよくとって——私は、この問題はどうしてもことしから来年にかけて答えを出さなきゃならぬところへきておる。これなんか長期十年計画では困るわけですから、そういった意味で御努力をぜひひとつお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(園田直君) 先ほど言われました工場の問題は、労働大臣とよく相談をいたします。 なお、年金と社会局と、事務当局のお答えや意見が少々違うということは、これは事務当局から言えばいまある法律を基本にして言うわけでありますから、若干あると私も認めます。しかし、そういうことを御注意もいただきましたので、両方の事務当局を呼んで、所得保障の充実に向かって検討するように、意見は一本にしております。
○安恒良一君 もう二分しかありませんから、法定雇用率の引き上げ問題は、労働大臣、各大臣、いまお手元に、諸外国の法定雇用率の現状それから、法定雇用率を守らなかった場合のペナルティーであります一人三万円の問題、この現状も全部ありますから、どうかひとつ昼休みの間によくそこのところをお読みくださいまして、総理並びに労働大臣が中心になると思いますが、私はすでに、ことしの十月には関係審議会の答申を得ると、こういうことはお答えいただいておりますから、どの程度この作業が進んでいるのか。そのことだけちょっとお聞かせを願って、あとは午後の質問に譲りたいと思いますが、関係審議会で結論を得るということに聞いていますから、どの程度作業が進んでいますか。
○政府委員(関英夫君) 雇用率の問題、それから納付金の額、あわせて調整金、報奨金の額、こういったことにつきまして、ことしの一月に身体障害者雇用審議会に対しまして、ことしの十月までに結論をいただきたいということでお願いをいたしております。現在、その審議をいたします前提といたしまして、身体障害者の雇用状況、あるいは身体障害者を雇用した場合の月平均の特別に要する費用の額、そういったような問題については実態調査をする必要がある、こういうお話になっておりまして、実態調査の準備をいたしておりまして、近々実態調査にかかろうと、こういう段階でございます。
○安恒良一君 実態調査をして、その実態調査にまた年数がかかって、結論が出るのが遅くなりはしませんか。
○政府委員(関英夫君) 期限が十月まででございますので、実態調査を早急にやり、その結論を早急に審議会で御検討いただいて結論を出していただこうと思っております。
○委員長(木村睦男君) 以上で安恒君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、小平芳平君の質疑を行います。小平君。(拍手)
○小平芳平君 国際障害者年に関する集中審議に当たりまして、私は二、三点質問したいのでありますが、第一に、自閉症の問題を質問いたします。 自閉症について、厚生省に伺いたいのですが、病状、原因、現在の患者数、そういうことがおわかりになっていたら御報告いただきたい。 それからまた、診断基準ができましたかどうか。できておりましたら御報告いただきたい。
○政府委員(金田一郎君) まず、自閉症の具体的な症状といたしましては、自閉、孤独、同一状態の保持等に特徴がございます。また、両親や兄弟などに対してさえ無関心となり、交渉を持とうとしなくなるというような特徴が挙げられます。 自閉症の原因につきましては、学問的に解明されていない面もいろいろあるわけでございますが、脳の器質障害によるものという考え方が支配的でございます。 自閉症の実態につきましては的確な把握はきわめて困難でございますが、従来の調査によりますと、児童一万人に対して二人から二・四人ぐらいであるとされております。わが国の児童人口から計算いたしますと、自閉症児は約七千人というように推計されるわけでございます。 次に、自閉症は精神発達障害に起因する特異な行動等を特徴とする症候群とされております。理学症状を呈する疾病とは異なりまして、明確な診断基準を設けることは種々困難な面がございますが、基準設定は非常に重要な問題でございますので、心身障害研究の中でただいま関係の学者先年等に鋭意検討をお願いいたしているところでございます。
○小平芳平君 非常にむずかしいという答弁でありますが、また、該当数も七千人くらいというふうなお答えでありますが、自閉症は、一般に無口だとか精薄だとかそういうふうに言われるものとは全然違うわけでありますね、 それから、昭和二十七年に名古屋大学で事例の報告があって、昭和三十年代に多発したということ。現在でも発生が減ってはいないということ。それで、元児童家庭局長の竹内さんが局長時代に次のような講演をしております。全国で五千人とか四万人とか十万人とか言われておりますが、つかみようがないというふうに竹内さんは言っておられる。あるいは、指定施設がわずかに四カ所、治療研究費の補助を入れても五百人に満たない行政対策であって、まことに貧困そのものであるということを竹内さん自身が講演しております。したがいまして、厚生大臣に、もっと国が積極的な施設あるいは研究の充実を推進していただきたいと要請します。いかがですか。
○国務大臣(園田直君) 実態の把握をさらに進め、これに対する対応の施設は充実、拡大するように努力をいたします。
○小平芳平君 実態の把握にしても充実にしましても、具体的な前進を期待しているわけです。 それで、きょうは自閉症親の会全国協議会常任理事の須田初枝さんにおいでを願っております。全国協議会のお話はまた別の機会にお聞きするとしまして、主に、御自身が自閉症のお子さんを持って悪戦苦闘なさった経過、特に私は聞いていただきたいことは、いかに親が努力しているかということを聞いていただきたいのです。これだけもう一生懸命親が努力しているときに、それを背景にして、それを受けて国がどうすべきかということを聞いていただきたい。厚生大臣にも文部大臣にも聞いていただきたいと思います。 では、参考人の方からお願いします。
○委員長(木村睦男君) 自閉症児親の会全国協議会常任理事須田初枝参考人。
○参考人(須田初枝君) 御紹介にあずかりました全国協議会の須田でございます。きょうは、小平先生もお話しになりましたように、母親の立場で、いま二十二歳になっている自閉症児を抱えたその経過の中から、自閉症児というものがどんなに大変か、また、どれだけ親が自分の人生を犠牲にしながら活躍してここまできたかということを皆さんにぜひ聞いていただきたいと思います。 いま厚生省からもお話がありましたように、自閉症の原因というのはまだはっきりとはつかめておりませんけれども、私どもが十七年前に親の会を結成した当時は、自閉症は心因性、心の病気だということで、親の扱いが悪いとか、育て方が悪いとかいろいろな、そういうような問題で、親はその谷間に入りまして、大変世間の人から白眼視されるような目で見られながら子供を育ててまいりました。しかし、医療の進むにつれまして、現在は機能の障害である、機能の障害であるけれども、治ることはこれからの問題でございまして、自閉と精薄との違いというのは、やはり機能が自閉の場合には眠っているのであるということで、特にリハビリ、脳のリハビリをしていけば相当改良されるということが最近わかってまいりました。 そして、親としまして一番困る問題は、先ほども異常行動があるというお話を厚生省の方でなさいましたけれども、まず一番最初に子供が自閉であるということを親が気づきますのは、非常に言葉の発達が小さいときに悪いということなのです。それと全然言葉を発しないという問題で親が初めて、この子はおかしいといって気がついて、お医者さんのところへ連れていくわけなんですけれども、私どもの息子の時代には、お医者さんでさえ自閉症という言葉を全然御存じがなくって、日夜親はあっちの病院こっちの病院へと奔走して歩いたわけです。でも、何人かの先生はやはり自閉というものを御存じでございまして、そこへたどり着くまでに親は心と体力を使い果たして困ったわけなんです。でも、そこでもやはり治療の方法、療育の方法というものは全然わかっておりませんでした。 それで、まず困ることは、すごく激しく動き回るということ、それから一つのことに固執しますとどうしてもそれから抜けることができませんで、それをやめさせようと親が努力しますと、非常なパニック、異常なほどのパニックを起こしまして、どうしようもなくなってしまうということなのです。それから、恐怖感が非常に強うございまして、たとえばうちの息子などは、銀色の東横のバスを見ますと、こんな小さいような形がはるかかなたにあったとしても体を硬直させまして、一歩も道のところから動くことができなくなるほど興奮状態になってしまうわけです。 それと、もう一つ親として一番悲しい問題といいますのは、子供は八カ月、九カ月になって、笑ったり、それから喃語を言ったり、だあだあ言ったり、いろいろしますけれども、そういうことで母親とのコミュニケーションがついて本当にかわいいと思うのですけれども、自閉症の子供の場合には、対人関係、いわゆる人と人との関係が非常につかないわけです。大きくなってもつかないものですから、親、特に母親とのそういう愛情の交流というものが非常に抜けております、そこに母親としての悲しみ、父親としての悲しみが家庭の中に蔓延するわけでございます。 しかし、こういう子供たちも、私どもの努力によりまして、試行錯誤の中で二十二歳まで育ててきたわけですけれども、やはりこうしたらよかった、ああしたらよかったということが、多数の年長の成人自閉症児が出てきて初めてわかってきた問題というのはたくさんございます。でも、この年長になった子供は、暗いトンネルの中をずっと歩いてきまして、もう五里霧中で歩いてきたために非常に発達のアンバランスが改善されておりませんで、大変いま年長の子供を持つ親たちは、親は年老い、体力がなくなり、子供は非常に背が高くなり、体重もふえて、母親などは突き飛ばされるとどこへ飛んでいってしまうかわからないような状態になっているわけなんですけれども、義務教育までは一応学校で預かってくださいますけれども、義務教育終了後に私どもの子供たちの行き場というものは全然皆無でございます。そして、精薄施設の中でやればいいではないかという一般の考え方もございますけれども、やっぱりその発達の仕方というものは精薄とは全然違いまして、療育の基本的な考え方というものが非常に異なっているために、精薄の施設で退行現象を起こしてだめになっていく子供たちを多数見かけます、 そういう意味合いで、私どもがまず厚生省にお願いして走り回っておりますことは、成人対策の問題でございます。でも厚生省では、やはり子供の問題が解決しないうちはどうしても成人のことを考えるわけにはいかないということで、私どもは、自閉症児について、制度というものの中で、措置費体系にでも載せていただけたらばという希望が基本にはあるのですけれども、それには実績をつくらなければどうしても行政の方たちは私どもに目を開いてくださいませんので、その大変な子供を小わきに抱えながら、私どもは、自分たちのサラリーの中からお金をため込みまして、自分たちの力で何とかその実績をつくろうということで、全国におります親の会の年長を持つ親たちが、必死になっていま施設づくりをしております。 それは自閉のための施設づくりなんですけれども、それの第一号が三重県あすなろ学園の「檜の里」という施設となって、三重県に第一号がこの六月に開所する予定になっております。でも、これは涙ぐましい努力でございまして、親はもうおかゆをすするような思い、また大変な努力で資金集めにいま奔走しております。しかし、この中から成人自閉症児のための年長療育というものが培われて初めて行政を動かすのじゃないかというふうに考えておりますし、私のおります埼玉県の親の会でも、私を中心としまして、最近国有林貸与の決定を得まして、一生懸命施設づくりをしておりますけれども、住民運動の反対をどうするかという問題で、いま大変行き悩んでおります。 一応私どもとしましては、成人になってからの自閉症児をできるだけ振り返って療育し直すということ。これはなぜかと言いますと、小さいときにわからなかった発達のアンバランス、ひずみというものが、大きくなりましてから非常にはっきりと浮き彫りに出されるわけです、子供の状態像の中に。そこから初めてその子の欠陥というものをもう一度療育し直せば社会自立も可能ではないかというところまで、医療の間では言われております。ですから、私たちは必死になってその成人施設の中で年長成人の療育の場を充実させまして、子供たちを社会の中に自立させていきたいと思っております。 これが親の会としての厚生省関係の一番大事な重点要求項目なんですけれども、実は私は十七年前から教育行政に対しての運動をずっとやってきておりまして、実は、自閉症の教育というものは、普通児との交流が効果的であるという、そういうことを踏まえまして、私どもは教育行政に運動してきました。そして、坂田文部大臣のときに、情緒障害児学級を通級制、普通学級との通級制という形で発足させております。しかし、その通級制も、現在は子学級を超えるほどになっておりますけれども、地方自治体におきましては千差万別の通級制のやり方をしておりまして、特に担任の不足から、先生は毎日子供の後ろを追いかけ回すだけで、教育などというような、そんななまやさしいことをしているような先生というものはなかなかおりません。担任が何人かあってこそ子供の教育ができるのであって、ぜひこの情緒障害児学級の担任の増を私はお願いしたいと思います。養護学校全入で重度の子供たちも現在救われてきつつありますけれども、教育行政の中で、養護学校に一般の親たちが入れようとしないものですから、軽度の自閉症児まで、手がかかる大変な子供だということで養護学校に、一般学級との交流の中で十分にできそうな子供でも養護学校へ養護学校へと追いやられているような現状がございますので、ぜひ教育行政の中でもこういうことのないように、私はお願いしたいと思います。 私は、統合教育をなぜ主張しますかといいますと、私の息子がその統合教育の中で人間らしく生き生きと育ったからなのです。たとえば、ある先生はこういうことをお話しになっていらっしゃいます。障害者だとて特別扱いしてはいけません、かわいがられ、命令ばかり受ける障害者ではなく、自分の力で生一き抜く自立する障害者でなければならないと、これは国際障害者年の「完全参加と平等」につながる問題だと私は考えております。 実は、私の息子は最初養護学校に入りました。それはなぜかといいますと、普通学校ではとても受けてもらえなかったからなんです。しかし、三年の後期におきまして普通学級への転校を許されました。そして、中学一年まで普通学級で行きまして、最後中二、中三は特殊学級で勉強した子供なんですけれども、その普通学級での人間回復というものは、いま現在、彼が私の片腕となって家庭の中でお仕事を手伝ってくれる子供に育った一番のキーポイントだったと私は考えております。 それと同時に、その一緒に育った普通児、健常児がすばらしいのですね。いつも私はこういう機会をいただきましてお話ししているのですけれども、たとえば小さいとき運動会のときに組み立て体操をいたしました。そのときにお互いにがんばり合うのですけれども、私の息子は一番最下段で右から二番目のところでもって一生懸命崩れないようにがんばっているのですが、一般の子供たち、同級生が須田君がんばれ、須田君がんばれと言って手を支えて一生懸命してくださることに、彼は耐えて耐えて耐え抜いてその組み立て体操を完成させたことがございます。その仲間が大学に入ってからも、うちの息子と町で会いますと、肩をたたいて須田君いま何している、ぼくたちは大学へ行っているけれども、おまえいま何しているんだと言って声をかけてくれます。その姿は息子にとっても非常にうれしくて、対人関係のない自閉と言われながらも、非常ににこにこした顔をして喜んで肩を組み合っております。この一般の健常の子供たちがこういう気持ちを持ってこそ、社会に出たときに、この障害児を一般職場の中で受けとめてくれるときに一番大事な心なのではないかと、私はつくづくと感じております。 ですから、この国際障害者年はさることながら、やっぱりじみちなそういう下積みの教育の中でこういう子供たちの教育をしていただいたらば、改めて国際障害者年などとうたわずにいても、人間の心の中に人間らしいそういう愛情がはぐくまれるのではないかと考えております、 以上です。(拍手)
○小平芳平君 どうもありがとうございました。全国協議会の常任理事の立場でいらっしゃいますけれども、全国協議会の悪戦苦闘もありますけれども、それはさておいて御家庭内の問題を話してくださって感謝いたします。 そこで、具体的な問題ですが、三重県にいまお話に出てきましたあすなろ学園、それから都立梅ケ丘病院、そのほか二カ所、厚生省の施設がございます。ここでは自閉症のほか登校拒否症なんてあるのですね。登校拒否症とか緘黙症、夜尿症、そういう情緒障害のお子さんを療育しておられます。ところが、赤字施設なんです、それが並み大抵の赤字施設じゃなくて、大変な赤字が出るわけです。それもそのはずで、いまお話がありましたように、とにかく手数が足りない、人手が足りない、それで医師、看護婦のほかにケースワーカーとか児童指導員とか十余りの職種があるわけです。十余りの職種の人が一体となってこの療育に当たるわけです、そうしますと、診察を受けに来ます。特に外来などの場合診察を受けに来ますが、三十分、一時間とゆっくりお話をしなきゃならないわけですが、しかし、一般の病院でやる検査とか注射とか投薬とか手術とかそういうことがほとんどありませんから、ですからわずかの初診あるいは再診そういうものでやっていくということになると、赤字になって大変なんですね。 そこで、厚生大臣にお願いしたいことは、小児精神科という診療科目を新しく立てていただきたい、それから診療報酬体系を適切に立てていただきたい。それで、その小児精神科も、診療科目を立てるとともに、内容を充実して、そんなに赤字にならないで済むような経営ができるようにしていただきたいという要請なんですが、いかがですか、
○国務大臣(園田直君) 私は、いま各所の施設でいろいろ財政的あるいは問題が起きて非常に胸を痛めておるところであります。ところが、いま言われました二つの、三重県の「あすなろ」ですか、これは調べてみますと、いろいろ問題もあります。一番大きな問題は、厚生省で基準を決めておりますそれ以上に職員を置いて、そして子供さんたちのために奉仕をしているというのが一番大きな原因のような気がいたします。東京都の方もいろいろありますが、東京都の方は、他の都道府県よりも職員の給料が割り高になっておりますので、これも赤字の原因になっている。いずれにしても、経営のずさんさからくるものではなくて、一生懸命まじめにやればやるほど出てきた赤字だと、この二つのあれについては私考えます。 そこで、いままで重度加算とかいろいろやっておりますが、さらにこの点は十分検討をして拡大をして、事務当局が当事者とも相談をしていろいろ考えたいと考えております。 小児精神科の問題は、ただいま精神科に入っておりますが、小児精神科を設けるかどうか、これは専門の学会の方々ともいろいろ御意見を聞いた上で検討をいたします。
○小平芳平君 それからもう一つ厚生大臣に、措置費でありますね、さっきもお話の中にちょっと出ましたが、五十五年度から措置費が支給されることになりまして補助されますので、梅ケ丘病院にしても「あすなろ」にしても、それで一つのレールが敷かれたといって、親の会でも、また施設の側でも喜んでいらっしゃるわけです。喜んでいらっしゃるわけでありますが、いま御説明申し上げたような経過がありまして、その措置費でもなお足りないわけですね、それで、いま厚生大臣もおっしゃったような赤字になるわけです。したがいまして、措置費も自閉症に合うような措置費にしていただきたい、措置費として精薄と同じ組み方をするだけでなくて、全然精薄と別の観点で措置費の体系を組み直すなり計算し直すなりして要するに加算していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(園田直君) 参考人からいろいろお話を聞きまして非常に感銘したところでありますが、自閉症の子供さんに対する問題、やっぱりほかの病気と違って気長に母親のようなつもりで時間をかけてやるべきことで、そして子供さんと健常な子供さんと溶け合うようにやる。そして、自閉症の子供さんたちが自分たちの価値というか、社会に参加する価値というか、そういうものをだんだん心にしみ渡らせることが必要だと思います。そうすると、いまおっしゃいましたいろんな問題、点数の問題、これも改定するという必要があろうと思いますので、その時期が来ましたら十分考慮をいたします。
○小平芳平君 措置費を、これは専門家の御意見なり審議をしていただくなり、なさるかどうかよくわかりませんけれども、厚生省の組み立てはよくわかりませんが、措置費を別立てにして考えていただきたいという点です。
○国務大臣(園田直君) お答えが落ちましたけれども、きわめて大事な問題でございますから、見直すかあるいは州立てにするか、どのようにやれば一番うまくいくか、財政上の問題もありますけれども、十分その点を考えて検討いたします。
○小平芳平君 それから、大事な問題は、小学校、中学校の教育でありますね。それで、三重県の「あすなろ」、これはどこの施設も大体同じようにやっているかと思いますが、「あすなろ」の場合は特殊学級を持っているわけです、その特殊学級で、先生が大変なんです、これまた、小学校は先生が四人で生徒が十九人。中学校は先生が七人で生徒が四十三人。これがとても、いま私がここで説明し切れませんけれども、新聞にも「あすなろ」の紹介が非常に長きにわたって連載されたこともあります、とにかく特殊学級を担当している「あすなろ」の分校があるわけです。この分校の先生は、教育の原点は「あすなろ」からだというふうに叫んで取り組んでいらっしゃる。ときどき子供たちがパニック状態になるのですね。机をひっくり返す、いすを投げつける、教師の顔や髪をかきむしる、そういうことが間々起きる。特殊学級を希望する先生は多いとしても、「あすなろ」へ来たいという人はないだろうというふうに、やはり田辺先生とおっしゃるんですが、おっしゃっていた。 そういうわけで、結論だけ文部大臣にお尋ねしますが、まず児童精神科という、大学でそういう講座を設けて取り組んでいただきたいということが第一点です。 それから、先生が足りない。十二人に一人という基準ですが、とても無理。補助員でも生活指導員でも、名前はどういう名前でもいいから、職員をふやしてほしいということを言っておられました。この職員の問題が第二点。 それから第三点としまして、高校進学の場合など、分校にいたというだけで差別しないでほしいという、当然のことではありますけれども、そういうことがありました。あるいは将来、校長や教頭を決める場合には、特殊学級を担当したかどうかということを、経験があるかないかを問うくらいの、そういう施策をしてほしいということがありました。 あれこれ申し上げたが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま参考人から、切々として御体験を伺いまして、本当に感動いたしました。 ただいまの御質問の冒頭の、児童精神科の講座というものは置かれておりませんが、すべての医学部に精神医学及び小児科学というものが置かれておりまして、その授業内容といたしまして、自閉症児の問題については教育研究を行っておるところでございますが、今後いろいろな形でこの方面の教育を充実してまいりたいと、かように考えております。 なお、学校の問題でございますが、小中学校における自閉症児を含めました情緒障害児の問題は、特殊学級を設けまして教育を行うことといたしておりますが、現在全国に小中学校では千五百三十三の情緒障害特殊学級が置かれておりますが、その中で七千二百二十七人の児童生徒が在籍いたしております。これらの自閉症の方々の情緒障害の問題につきましては、今回の標準法の改正におきましても、特殊学級の児童生徒数の標準を十二人から十人に引き下げたのでございますが、また、養護教諭の問題につきましては、従来四校に三人の割合で配置することといたしておりましたが、今回の教職員の定数改善計画におきましては、四学級以上の小中学校に一人、三学級の小中学校四校に三人の割合で配置いたしておる次第でございまして、未配置の学校の改善にも努めておるところでございます。この改善計画によりまして完成後は一昭和六十六年でありますが、約九八%の小中学校に養護教諭を配置できるという過程にございます。 また、その自閉症の原因等に関しましての治療法の解明がまだ不十分で、できておりませんが、国立の特殊教育の総合研究所におきまして研究を進めております。 ただいまの御体験を伺いまして、この自閉症の問題、またそのお母さん方の御家庭の本当に暗くなってしまった姿というものをはだで感じまして、貴重な参考人のお話につきましてはわれわれも真剣に取り組んでまいりたい、かように考えております。
○小平芳平君 最後に、厚生大臣にあと一、二点伺いますが、いま参考人の方が最後におっしゃった、年長児、成長してしまって二十二歳くらいになっても小学校、中学校と同じ施設へ入っているというわけです。この年長児の対策はいまはゼロなんです。何もないんですが、そこで先ほどお話があったように、いま三重県に社会福祉法人で「檜の里」を建設中です。それでこういうものに対して厚生省が手をかしてくれないわけです。とにかく先ほどお話があったように、子供の問題が解決できないで年長児まで手が回らないというのが実際の実情のようです。したがいまして、子供はどんどん大きくなりますから、年長児の問題が深刻な問題になってきております。この点についてお尋ねしたい。厚生省で何とかして手をかす方法を考えていただきたいということ。 それから第二には、特別児童扶養手当あるいは障害福祉年金等は、自閉症児を精薄の子と同じ条件で扱おうとすると無理があるわけです、先ほどのような。したがいまして、これはいまでも別にして扱っていると思いますけれども、その点をお尋ねしたい。 以上二点です。
○国務大臣(園田直君) 自閉症は、大人になると治る方もありますが、これが続く場合があります。これについては、まだ学問的には未解明でありまして、ただいま盛んに研究をやられておりますが、この成人自閉症の方々に対しどういう位置づけをするか、どういう施設をするかというと、心身障害研究においていま研究してもらっておりますので、その結果を踏まえて、なるべく早く施設それからこれの位置づける法律というものを急いで検討をするつもりでございます。 なお、手当その他の問題については、これは十分現行法でも考慮してまいります。不都合な点があれば、そういうものは何とかして制度を変える方に持っていきたいと思います。
○小平芳平君 終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 須田参考人には、お忙しいところを御出席をいただきましてありがとうございました。御退席なさって結構でございます。 以上で小平君の質疑は終了いたしました。 午前の質疑はこの程度にとどめます。 これにて午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 —————・————— 午後一時十四分開会
○委員長(木村睦男君) 予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。安武洋子君。
○安武洋子君 私は障害者雇用、特に就労の意思がありながら一般企業に雇用してもらえない障害者の雇用問題についてお伺いをいたしたいと思います。 この人たちにつきましては、一般企業に対して雇用率達成のための強力な指導を行っていただくということとあわせまして、多面的な形態で雇用を確立させる必要があると思います。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 国連の国際障害者年の「完全参加と平等」の趣旨、すなわち一人の人間として尊重され、可能な限り社会生活に参加をして、社会的、経済的に自立をしていく、こういう立場を踏まえて雇用対策に私は取り組まれる必要があると思いますが、これはもうお伺いするまでもないことと思います。 そこで、一九五五年、身体障害者の職業更生に関するILOの九十九号の勧告がなされております。この勧告に基づきまして世界的に保護雇用が促進してきていると思いますが、この点でお伺いをいたしとうございます。三点お伺いいたしますので、御答弁をお願いいたします。 第一点は、保護雇用制度とは一口に言ってどのような制度とお考えなのかということです。 それから第二点は、諸外国で保護雇用制度が取り入れられている国はどのような国があるかということです。 第三点は、わが国ではこのILOの九十九号勧告に基づきまして保護雇用の検討はどのようになされているかということです。この三点、御答弁願います。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げます。 九十九号勧告に基づきます保護雇用につきましては、その勧告の中におきまして、「雇用市場における通常の競争に耐えられない身体障害者のため、保護された状態の下で行われる訓練及び雇用のための施設を設けかつ発展させる措置を執るべき」だというような形で述べられておりまして、保護雇用の目的は、そういった直ちには一般の労働市場で雇用されることが困難な重度の身体障害者に対します雇用機会の提供なりあるいは訓練、こういったものが保護雇用という概念の中に含まれると思います。 そういった制度、いろんな形のものがございますが、国の名前ということでございますので、私ども承知しておるところでは西ドイツ、オランダ、スウェーデン、イギリス、アメリカ等でこういった制度が行われているというふうに思っております。 わが国では、厚生省の施策のもとで福祉向上といったような形のものがございますが、現在労働省といたしましては重度障害者特別雇用対策研究会におきまして福祉施策との関連で、雇用政策でどういった手段を今後講じていくことができるか研究をしていただいているところでございます。
○安武洋子君 ILOが勧告されましてから二十六年たっております。ヨーロッパ各国では保護雇用というのは完全雇用の一環として位置づけられております。専門職員の人件費、これを補助するとか、あるいは作業施設とか障害者への賃金補助とか、あるいは官公需の優先発注とか運営にも必要な補助などを国庫で行っております。そこで、社会福祉施設ではございますけれども、実態的にはいま障害者の就労の場になっております授産施設とか共同作業所の実情についてお伺いをいたしとうございます。 授産施設は通過施設、このように位置づけられておりますけれども、実態というのはそうはなっていないと思います。非常に滞留者がたくさんおります。この滞留者の平均滞留年数というのは一体何年ぐらいになっておりましょうか。また、作業工賃は平均幾らぐらいになっておりましょうか。さらに、授産施設を通過して就職した者は全体の何%ぐらいおりましょうか。お答えをいただきます。
○政府委員(山下眞臣君) ちょっと古うございまして、五十二年度の実態を全国の授産施設協議会が調査をいたしましたものに基づきまして御報告を申し上げたいと思います。 まず、平均の在所期間でございますが、身体障害者授産施設五年八カ月、それから重度身体障害者授産施設四年一カ月。それから、五十二年当時の平均作業工賃でございますが、身体障害者授産施設、平均いたしますと月額二万五千円、重度身体障害者授産施設、平均月額一万六千円。なお、授産施設を通過をいたしまして一般企業へ就労いたしました状況は、五十三年度、身体障害者授産施設三四%、それから重度身体障害者授産施設、対象者のうちの二四%と、こういう状況に相なっております。
○安武洋子君 いま全国授産施設協議会の資料ということでお答えになりましたが、私は政府の資料に基づいてお答えをいただきとうございます。
○政府委員(山下眞臣君) 大変申しわけないことでございますが、政府としてそこまで詳細に調べた資料を持っておりませんので、大体この社会福祉協議会の中における全国授産施設協議会の数字は、政府といたしましても正しいものと認識をいたしております。
○安武洋子君 私は、政府としてもこのような授産施設あるいは共同作業所の実態を把握されるということが何よりも必要ではなかろうかと思います。私は実態調査をしていただきたいということ、授産施設、共同作業所ともにです。そのことを要求いたしますが、していただけますでしょうか。
○政府委員(山下眞臣君) 努力させていただきます。
○安武洋子君 必ずやっていただきたいと思います。 そこで、私は、これは全授協の調査の資料を持ってまいっておりますが、施設利用者の滞留年月です。これは五十四年四月現在で、身体障害者が五年八カ月です。それから重度身体障害者が三年十一カ月です。それから精薄収容者は四年九カ月です。精薄通所者は二年十カ月です。で、平均しますと四年三カ月になっております。これを見てもおわかりのように、通過施設と言われながら、いかに一般の雇用が困難な人たちがここに滞留しているか。言いかえればこういう人たちの重要な就労の場にこういうところがなっているということがわかるわけです。ところがです、工賃を見てみますと、五十四年四月現在、これは身体障害者で二万五千百十五円、重度身障者で一万五千七百八十一円、精薄の収容者で五千九百五十一円、精薄の適所者で五千四百二十七円、平均しますと一万三千六十九円です。共同作業所の方では二千円から三千円というふうな状況もございます。こういうふうな状況では、勤労意欲とかあるいは自立を阻害してしまうと思います。 国際障害者年の趣旨である一人の人間として尊厳を尊重され、可能な限り自立させるよう構成された施策を受ける資格があると、こう言われておりますけれども、このことに私はそぐわないと思います。働く意欲があるのに金銭的補助を与えて、福祉の枠内での施策しか行っていないというふうなことではだめだと思うんですけれども、厚生省としてはこういういま私が申しました授産施設、共同作業所をどのように位置づけられているのか。単に金銭的補助を与えて福祉の枠内でお考えというふうなことでは現状に合わないと思います。 それから、労働大臣に伺いますけれども、この人たちは雇用面に乗らないというふうなことで、雇用政策をとらないというふうな、こういう立場ではもうだめだと思うんです。労働省としても厚生省としても、お互いの所掌ということにこだわらないで、ここはひとつ考えていただかなければいけないところではなかろうかと、こういうふうに思いますので、両大臣にお伺いをいたします。
○政府委員(山下眞臣君) 先生のお話の中にもございましたとおり、授産施設というのは本来そこで必要な訓練、手に職をつけまして、そしてそこから巣立っていただくということを目的にいたしております施設でございます。ただ、御指摘のとおり、身体障害者の特に重度者の一般企業への雇用等、なかなか困難な状況にございますために、御指摘のような実態になっておるわけでございますが、本来の趣旨はそのようなものとして考えておるところでございます。ただ、厚生省といたしましても、一般企業への雇用は困難ではあるけれども、やはりもう単に授産で訓練をするというだけじゃなくて、そこに一つの就職の場を考えなきゃならぬということで考えましたのが、先ほど職業安定局長のお話にもございました福祉工場というものがあるわけでございます。四十七年度から始めたわけでございますが、今後ともこういった福祉工場等の拡充、充実というようなことにつきましては努力をいたしてまいりたいと考えております。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げます。 福祉工場あるいは共同作業所、授産施設、いろんな名前で呼ばれているものがございますが、いずれにいたしましても直ちには一般雇用になじみがたい人について仕事をする機会を与えあるいは訓練をする、そういった施設としていわば福祉政策の一環として行われているわけでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 私ども、福祉施設、福祉政策の対象であるからといって、雇用政策に全く無縁で一切関知しないということではなく、どういう形でそこから一般雇用に結びつけることができるか、どういう施策が可能か、そういった点を特に重点を置きまして研究会で十分御討議を願い、必要な措置をとってまいりたいと考えておるところでございます。
○国務大臣(園田直君) いまの問題、御指摘のとおりでありまして、具体的な数々の問題もそういう矛盾がございます。これは結局一言で言えば、おっしゃいました福祉の枠内で雇用を処理しようとしておると、ここに問題があると思います。したがいまして、福祉というものを足場にして障害者の方々の雇用をどう進めていくか、多様多面的にやらなければならぬことは事実でありますから、労働省ともよく相談をして、検討をいたします。
○安武洋子君 いま福祉工場の件を御答弁いただきました。しかし、福祉工場は生産面に補助がございません。ですから、ここに就労できる者は採算に合う就労能力のある人ということになります。ですから、いまこういうことにならない重度の障害者について私はお伺いをしているわけです。ですから、単に福祉面だけで考えるというふうなやり方、厚生省の御答弁はそうでした。厚生大臣はそこから一歩出て、労働大臣とよく相談をしようとおっしゃっていただきましたが^やはり労働省としても雇用面に乗らないということでなくて、ここは労働大臣、厚生大臣とも国際障害者年の完全参加、平等、この趣旨に立ち返って、授産施設、これを雇用の場として位置づける、こういうこととともに保護雇用制度の確立に向けて、私は両者で具体的な協議を始められるべきではないかと。これは私は単に行政的な措置だけにはとどまらないと思います。政府の障害者雇用の基本的な姿勢と思われますので、この点両大臣に重ねてお伺いをして私の質問を終わりたいと思いますので、御答弁をお願いします。
○国務大臣(園田直君) 御発言の趣旨は十分わかりましたので、労働省ともよく相談をして、新しい天地を開くようにいたします。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま厚生大臣がよく私の方と相談しようということでございますが、御相談がございましたらいつでもその御相談に乗っていく覚悟はあるわけでございますけれども、御案内のとおり、私どもの方では雇用という関係が成立をいたしませんとどうしても私どもの対象になっていかないということがございますので、できるだけその関係ができまするように私どもとしての配慮を進めてまいりたいと、かように考えます。
○委員長(木村睦男君) 以上で安武君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、中村鋭一君の質疑を行います。中村君。
○中村鋭一君 朝から本委員会で、身体障害者の雇用率について達成率が非常に低いということで本委員会の他の委員方も指摘をされていた点でございますけれども、ここにありますこれは労働省の身体障害者の雇用の現状、昨年の十月に出されたものですけれども、これを見ますと、特にたとえば従業員一千人以上のいわゆる大企業の未達成率がたとえば八一・五%、非常に成績が悪うございますけれども、まずこの事実をどのように把握しておられるか重ねてお尋ねをいたします。
○政府委員(関英夫君) お答えいたします。 雇用率の達成状況につきましては、毎年六月一日現在で調査をいたしております。いま先生御指摘のものは、その六月一日現在の昨年の調査結果を取りまとめたものでございまして、現状ではその数字しかございません。で、御指摘のとおりに企業規模が大きくなるほど雇用率達成状況が悪いと、こういう状況にございます。そこで私どもこの雇用率達成指導に当たりましては、特に企業規模の大きいところを重点的に、また悪い業種を重点的にというような形で指導を進めておりまして、大企業も最近は身体障害者の雇用には非常に熱心になってまいりました。昨年一年間におきます新しく雇い入れた身体障害者の数等においては大企業が非常に大きな割合を占めておりますが、出発点が低いものですから、その達成率は努力にもかかわらずまだ低いところにあるというのが現状だろうと思っております。
○中村鋭一君 いま努力とおっしゃいましたけれども、じゃ行政指導はきっちりとやっていらっしゃるわけでございますね。具体的にどういうふうにやっていらっしゃるんですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 昨年六月に私ども調査をいたしました段階では、まことに残念でございますけれども、一般の雇用率達成率は一・五の目標が一・一三しかできなかったということでございますけれども、その後一年間の指導の結果、具体的に申し上げますと、名前は申し上げてもよろしいわけでございますが、都内のある大手の都市銀行では、五十三年の調査の時点におきましては二百二十三名の雇用未達成があったわけでございますけれども、お話し合いをいたしました結果、五十六年の四月で全部雇用率を達成されるということもございますし、大手の地方銀行では、五十三年には八十名の雇用未達成がございましたけれども、これも五十五年度では全部御達成をいただいたということもございます。あるいは大手の非常に大きなスーパーでは、百店舗で二名ずつ御採用を願うというお願いをいたしまして、これまた社長が陣頭にお立ちになられて全店長にその指示をしていただきまして達成をいたしております。あるいは大手の化粧品会社におきましても、百営業所に一人ずつの身障者の御採用をお決めを願いまして、現にそれを進めておられるところでございます。 学卒者の集団面接会というような方法をとって進めております方法といたしましては、この春百九十六名の求職者に対しまして二百五十社一千七百六十九名の求人がございまして、百七十九名の御就職はすでに決定をいたしておる、こういうことでございますから、いま昨年の十月に発表さしていただきました一・一三という数値は、その後今日までに、六月に調査してみなければわかりませんけれども、かなり上方に向かっておるということだけは言えると思います。
○中村鋭一君 そういうふうにせっかく努力をしてくださる企業がある一方では、やはり現実に特に大きな企業の達成率が非常に低いという事実は大臣、否めないと思うんですね。したがってこういった企業に対して、たとえば納付金を引き上げる、あるいは非常に達成率の低い企業については思い切って企業名を公表する等の制裁措置といいますか、こういった手段をおとりになるおつもりはございませんか。
○国務大臣(藤尾正行君) お話ではございますけれども、ただいま申し上げましたように大手の企業でどしどしと改善をしておられますので、その点は私もいざというときになれば、私の考え方といたしまして期するところはあるわけでございますけれども、いまのところはそれほどのことはなくて済みそうだという感触でございます。
○中村鋭一君 心に期するところがあるという御答弁をいただきましたので、これは重ねて大臣、お願いを申し上げておきます。改善の方向に向いているわけで、それは大変結構ですけれども、現実にたとえば一年後に思わしくない結果であるならば、私がいま申し上げました、たとえば納付金の引き上げあるいは企業名の公表等の手段も思い切って御採用くださるようにお願いをしておきたいと思います。 それから一方では会社の側に立ちますと、雇用率を高めるためには、やはりその会社の内部においていろいろ施設等を改善しなければなりませんですね。たとえば便所一つにしてもですね。で、そういったことについて、たとえばその企業に対する融資制度でありますとかあるいは特に中小企業の場合は税制上の格段の優遇措置を講ずる、あるいはそういった施設に要した費用は損金扱いをして差し上げる、こういうお考えはございませんか。
○国務大臣(藤尾正行君) 私どもがちょうだいをさしていただいております納付金は、そのようなことのために使わしていただいておるということでございます。ただいま後半にお申し出をいただきました税制あるいは損金扱いというような問題につきましては、大蔵当局でも非常に御理解をいただきまして御検討中であると、さように私どもも伺っておりますし、非常に御理解は漂うございますから、私どもの願いはそのうちには必ず一〇〇%かなえられるであろう、かように考えておるわけでございます。
○中村鋭一君 大蔵大臣、ただいまの大臣の御答弁ですね、大蔵当局でも御検討をいただいているし、またその件については一〇〇%かなえていただけると信じているという御答弁をいただいたんですが、大臣もひとつそのことについてお約束をいただきとうございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分検討いたします。
○中村鋭一君 身体障害者の方がみんなで手をつなぎ合っていわば楽しく仕事ができるような工場なんかがあればいい、これは他の委員方も御指摘をなさったかと思いますけれども、そういった福祉工場は、公的機関によるものもあれば民間のものもございますが、特に私は公的機関のそういった福祉工場の充実というのは、いま言われておりますたとえば行財政改革等の趣旨に場合によれば反することもあるかもわかりませんので、民間のそういった福祉工場の建設等について政府が、国が格段のこれまた助成措置を講じてやることが大切なんじゃないかと思いますけれども、たとえば融資等につきまして、その辺のお考えをお聞かせ願いたい。
○政府委員(山下眞臣君) 私どもも同様の考え方を持っておりまして、現在は福祉工場につきましては建設に当たりまして施設整備費の二分の一を補助するということになっております、それからなおあと運営費につきまして所長以下の人件費の補助をいたすということになっております。
○中村鋭一君 たとえばあんま、マッサージ、指圧、こういった職種は雇用率設定職種ということで、いわゆる身体障害者、重度の方が主としてこういう職に従事しておられるわけでございますけれども、最近いわゆる健常者がたとえばマッサージでありますとかこういった指圧等に進出をしておられると聞きますけれども、その割合はどのくらいか、もしわかっておりましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので正確な数字は申し上げられませんが、あんま、はり、きゅうの請願者の割合は最近わずかではありますがふえておりまして、五〇%以上になったのではないかと記憶しております。
○中村鋭一君 そういう次第ですからね、これはもう当然職業選択の自由ですから、健常者の方が私は指圧がやりたいというのをとめるわけにはいきませんけれども、その辺もひとつ格段の配慮をして、せっかくの仕事でございますから圧迫をされることのないように、さらにこういった身体障害者の皆さんの職種を拡大する、たとえばキーパンチャーでありますとか電話交換手でありますとか、そういう方向に国が努力をすることも大切だと思うんですが、それについての大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(園田直君) もともと、ばり、マッサージ等の職業は日本では昔からこういう人々のためにつくられた制度で、これは古い制度でありますが、非常に適切な制度であったと思います。 そこで健常な人をどうこうと言うことはできませんけれども、おっしゃるとおりにこういう身体障害者の方々の職場を圧迫しないように十分配慮をいたします。かつまた、さらにそれから一歩進んでそういう方々が一般職に進出されるという機会をつくり、そういう場所を検討してまいります、
○中村鋭一君 いま身体障害者の方には国鉄五割引き、航空運賃二五%引きなんですが、この航空運賃を五〇%に引き上げると同時に、それから内部疾患の方がいらっしゃいますね、たとえば腎臓病でありますとか心臓病、こういった方々についても国鉄、航空運賃ともに五〇%に思い切って割引率を引き上げてあげたらいかがか、こう思うんですけれども、運輸大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御承知のように国鉄では百キロ以上五〇%割引きしております、ところで航空運賃の方は割引率は確かに五〇%になっておりません。二五%ですけれども、しかし国鉄はやっぱり特急に乗るとか急行に乗るとかということがあるんですね。特急に乗るといたしますと、特急は割引がないんです、普通運賃についてでございますから。ですから平均いたしますと、たとえば東京−大阪を比べますと航空運賃は二五%、そして国鉄は二八・八%の割引になると、こういう状態でございます。それは割引の多い方がいいということでございますが、なかなか国鉄の現在の事情、あるいはまた航空会社の事情等から申しまして、早急にこの割引率を引き上げるということはちょっとむずかしいような情勢と思っておりまして、努力はいたすつもりでございます。 それから、なお内部疾患の方々に対する割引率でございますが、これはいま内閣審議室等が中心となりまして、各省集まりまして公共割引の負担をどうするかということで相談しておりまして、そこの結論を待ってわれわれといたしましても対応したいと、こう思っております。
○中村鋭一君 内部疾患はいま割引は一切ないわけでございますから、ひとつお言葉どおり努力をお願いしておきたいと思います。 時間がなくなりましたので最後に厚生大臣、二次臨調は補助金のたとえば一律一〇%カットと伝えられておりますね。思い切ってやるんだと。七月に答申が出れば総理大臣は政治生命をかけてやるとおっしゃっておるわけでございますけれども、その中で福祉関係予算、補助金、特に身体障害者に対する補助金等について仮に一律一〇%カットしなさいという答申が出た場合、厚生大臣はそれについてどのように対処なさいますか。最後にお尋ねをいたします。
○国務大臣(園田直君) 臨調の決意は新聞等で承っておるところでありますが、なお具体的なことについてはこれから始まるわけであります。そこで、これに対してお答えすることは軽率かもわかりませんけれども、しかし、臨調の答申、中間答申等が内閣の方針になった、こういう場合には一般行政改革の方針のもとに私も十分努力をする所存でございます。しかしながら、私のお預かりしておる部面ではどうしても外せないものと、それからやっぱり正直にやればむだがあるものとありますから、その点は私が苦労しなければならぬところだと考えております。
○委員長(木村睦男君) 以上で中村君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、前島英三郎君の質疑を行います。前島君。
○前島英三郎君 国際障害者年の基本的な問題につきましては総括質問等でお尋ねしておりますし、この後総理の御出席を得て質問する機会もありますので、いずれにいたしましても時間が八分でございますからひとつ、大変取り残されているいろいろな障害者の問題がありますが、一つの障害を持った事例につきまして厚生省にお尋ねしてまいりたいと思っております。 いわゆる二分脊椎、脊椎披裂の子供さんの問題にしぼって伺いますが、まず二分脊椎のお子さんに対してどのような施策を実施しておられるのか、簡単にお述べいただきたいと思います。
○政府委員(金田一郎君) 二分脊椎児につきましては育成医療の対象といたしまして公費により手術を行いますとともに、手術が終わりました後は肢体不自由児施設におきまして歩行訓練等の必要な療育を実施いたしております。また在宅児につきましては補装具及び日常生活用具の給付や特別児童扶養手当の支給を行っております、 二分脊椎の診断、治療、療育につきましては、心身障害研究の一環としてただいま研究を進めているところでございます。
○前島英三郎君 施策の項目をいろいろお述べになっておりますけれども、しかし実際、親の皆さん方や守る会などの話を聞きますと、現実にはなかなか厳しい面がございます。二分脊椎の場合は排尿障害を伴うことが大変多いわけであります。これは腎臓の機能との関係で生命にかかわることでもございますと同時に排尿、つまりおしっこのコントロールがうまくできるか否かということが現実的な意味で社会参加できるかどうかに大きな影響を与えております。私も下半身麻痺でありますからおしっこがすべてである、そう言っても過言ではないわけであります、そこで親の皆さん方が排尿訓練の合宿キャンプを実施するとかいろんな努力がなされているわけなんですけれども、その中で近年、尿意形成手術、つまり尿が漏れない手術ができるようになりまして、患者や家族の期待が高まっております。これは回腸開放弁膀胱固定術、こういう手術でございますが、ところがどういうわけか、この手術は大阪のあるところでしか、一カ所でしかやっていないという現実がございます。このため、北海道から九州まで、全国から治療のために大阪にわざわざやってくる親子が多いという実情でございますが、これはほかではできないような手術なのかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(田中明夫君) 御指摘の手術につきましては、枚方市にあります星ケ丘厚生年金病院というところの泌尿器科のお医者さんが、尿意再建手術とわれわれは聞いておりますけれども、ここ数年間のうちに百二十例ばかりやっておられるというふうに伺っております。ただ、この治療法につきましては、現段階では関係医学会の場で十分に確立された治療法として承認されていないような段階でございますので、先ほど児童家庭局長が申し上げましたように、私ども二分脊椎症につきまして従来から心身障害研究助成費による研究を行っておりますし、五十六年度からは神経疾患の研究委託費の一環として研究を推進してまいりたいというふうに考えておりますので、この場におきまして専門家の意見を十分聞いて、この治療法についても検討してまいりたいというふうに思っております。
○前島英三郎君 まあ大阪でやっていることを、実際そこにおいて効果が大変上がっているにもかかわらず、ほかの地域の医師がなぜ学ぼうとしないか、私大変疑問だというふうに思うんです。 厚生省はU−CONという器具を知っていると思うんです。これは排尿コントロールのために低周波の刺激を与えるものだそうですが、適切な指導のもとに使用すると大きな効果があると言われております。ところが、このU−CONも大阪以外では余り使われて、いないということなんですね。いいものはいいわけですから、まあいろいろかかわりがあるかもしれませんけれども、率先して厚生省が指導していただくということがやはり障害者の社会参加を促進することだというふうに思うんです。厚生省はこのU−CONについての情報やデータをつかんでおられますか。
○政府委員(山崎圭君) 先生御指摘のU−CONという商品名の器具につきましては、すでに医療用器具としまして薬事法のもとで四十八年時点で承認許可を与えているものでございます。そういうものでございまして、その器具の効能、効果というのは、先生、いまお挙げになりましたように、尿失禁症患者に使われる排尿コントロールを行うものだと、こういうことでございます。
○前島英三郎君 それがなかなか実際には使われている部分は非常に少ないというのも残念なんですが、二分脊椎については、その原因はまだ明らかではございません。日本には難病と称されるものが大体四十ぐらいあるということでございますけれども、治療につきましてはいろいろわかってきていることも多いんですが、現在も研究途上にありまして、確立されているとはとても言いがたいような気がいたします。とすれば、難病の特定疾患に入れるべきではないかと思うんですが、お母さん方も数年前から難病指定を訴えておるんですが、厚生省としてはその考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) いわゆる難病、特定疾患治療研究の対象は、原因不明、治療方法未確立でありまして、かつ重篤な状態に陥る危険性のある病気につきまして指定しているわけでございます。したがいまして、二分脊椎症につきましては難病疾患の対象とすることはなじまないというふうに私どもとしては考えているわけでございます。
○前島英三郎君 幾つか二分脊椎につきまして厚生省にお尋ねいたしましたが、お答えになる方がいろんな方が出てくるわけなんです。厚生大臣、簡単な二分脊椎の問題もこういうぐあいに答えがいろいろ変わってくるんですが、ひとつもう一遍御感想を伺いまして、私の質問を終わります、八分ですから。
○国務大臣(園田直君) 一つの問題が各個所にわたるいわゆる縦割りの弊害が出ている、これはこの前お答えをしましたから、省略をいたします。 いまの問題、厚生省としてはなかなか消極的になりがちであります。それは効能があるということと、副作用や弊害がはっきりしなければなかなか踏み切らない。しかし、そう言っておると新しい治療法とか新しい薬は開発できないわけでありますから、やはりそういうものを芽をつまないで、だんだんみんなが一緒に研究をして取り入れる。そして、みんなでまた欠点を補っていくという方向にやりたいと考えております。
○前島英三郎君 ありがとうございました。
○委員長(木村睦男君) 以上で前島君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田勇君。
○山田勇君 厚生大臣にお尋ねをいたします。 肉体的また精神的にも障害を有する人々の数は世界で四億五千万人とも推定されております。わが国だけでも四百五十万人と推定されておりますが、その内訳となりますと、目が見えないお方、口がきけない方、手足が不自由な方といった身体障害者、また精神薄弱者、内部機能障害者、それに戦争傷病者、公害などの被害者というふうに、障害者の範囲は大変広くなっております。したがいまして、障害者を隔離的な扱いをしてきた過去の対策から大きく脱皮した、障害者のいる社会がノーマルな社会であるという認識をだれもが持ち、お互いが立場を認め合って平等な社会生活を営むことが大切だと考えます。当然ことしの国際障害者年のテーマ「完全参加と平等」を国民に徹底して理解させることも必要であると思います。 時間がありませんので二、三お尋ねをいたしますが、障害者福祉都市についてですが、障害者の住みよい、参加しやすい都市づくりということで、一昨年から始まった事業のようですが、事業の内容、どういう都市が優先指定とされておりますか、ひとつ簡略にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(山下眞臣君) 一昨年から始まりまして、一昨年二十中、五十五年度二十五市、明年度の予算におきましては一県一市は少なくともということで、四十七市の指定をいたしております。具体的には各都道府県の御推薦を待ちまして、熱意のある都市から指定をしていくという考え方を持っております。
○山田勇君 この二月十九日から三日間、大阪でアジア盲人歩行訓練会議というのが開かれました。わが国の目の見えない人は二十九万人いると言われておりますが、歩行訓練士は約百五十人しかいないそうです。それでもほかのアジア諸国、フィリピン、インドネシア、タイ、ビルマなどに比べるとまだまだ恵まれている方だと言われておりますが、目が不自由でも町を安心して歩け、社会に参加するためにも歩行訓練士をもっと多く養成することは急務だと考えておりますが、この大阪での国際会議では、特に先進国としての日本の援助でアジア全域を対象とした歩行訓練指導員養成機構が設置されることを期待するということを、全員一致で決議したと報道されておりますが、政府はこのことについてどう対応されますか。 また、この訓練士の、これは朝日新聞ですが、職業生活訓練センターの所長代行は、最後の言葉としまして、日本もこれからいろいろなことを考えていかなければならない立場にあり、「民間でできることをさぐっていきたい」という言葉で結ばれておりますが、これは民間の人がこれだけの熱意を持っておられるのですから、厚生省としてもこういう問題について決意のほどを聞かしていただきたいんですが。
○国務大臣(園田直君) 決意は御発言のとおりでありまして、この問題についてのアジア諸地域の日本に対する期待は大きいわけであります。その期待を勘案しつつ、かつまた民間活動の自主性を損なわないように考えながら、できるだけの御協力をしたいと考えております。なお、訓練所その他の問題については、御指摘のとおり十分充実をしてまいります。
○山田勇君 特に厚生大臣はもう実力のある大臣でございます。決意のほどを伺いまして次に移ります。 郵政省にお尋ねをいたします。 口のきけない人のいる家庭では、電話料金が一般の家庭より高くかかると聞かされております。通話する際、手話を通じてまた代理人にかけてもらわなければなりません。どうしてもこれは時間がかかるものですが、ちょっと技術的にはむずかしい面があるかもわかりませんが、この料金割引について大臣にちょっとお尋ねをしたいんですが、団体とか、協会にはかなり料金の処置を講じておられるんですが、個人的にはいかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(山内一郎君) 料金の前にちょっと機械的なお話をしますと、いまテレメールというのがございまして、電話機に接続している送信機ですね、それに備えたボールペンで文字や図形を書きますと、同時にあちら側に同じ文字、それからその図形が伝わると、こういう記録をする機械がございます。これらを利用していただくのもようございますが、さらに研究しておりますことは、口のきけない方が字を書きますと音声になって向こうの人に伝わると、向こうの方の音声はこっちには字で出てくると、こういう、これはまだ研究中でございますけれども、そういうことをできるだけ安いようにやるようにやっております。 そこで、本当に電話は口のきけない方がおかけになる場合は二倍以上にこれは時間もかかるわけでございます。したがって、何とかしてあげたいという気持ちはございますけれども、その電話機の交換台に記録をされるのに普通の方と全く同じの記録しか出てこないんですね、しゃべり合っている記録と。そこをまあどういうふうにするかということも非常にむずかしい問題でしてね、いまのところはそれの方法で困っていると、こういう状況でございます。気持ちはよくわかっておりますけれども、そういう点で、いまのところは割引をするというわけには現在のところはいかないと、こういう状況でございます。
○山田勇君 郵政大臣ね、このコンピューター時代でございますし、また郵政省もいろいろそういう技術的な開発をなさってはおられると思うんです。ひとつ個人的にその電話に加入している御家庭に何らかの形の処置を講じていただきたいと、特に強く要望いたしておきます。 それと同時に、私は、これは個人的なことになるかもわかりませんが、厚生大臣に御陳情申し上げました。全国聾唖者の野球大会についてカップをちょうだいしたい、優勝カップをぜひ欲しいという要望がありまして、大臣に廊下の立ち話で御陳情申し上げまして、大変快く御承諾をいただきました。きのう書類を厚生省の方に固さしていただきまして、気持ちよく御参加いただきました。そこで大臣、実は文部大臣にもこの件についてお願いしたんです。そうすると、まあいいことか悪いことかは別としまして、文部省の方としては、厚生省の方が聾唖者の方に対していろいろめんどう見てきた、そこで、厚生省が先に優勝カップを出したら文部省が後から出しましょうということで、いい意味にしても悪い意味にしても、なわ張り的な問題がちょっとあるように感じられたんです。大臣が率先して優勝カップを全国聾唖者の野球大会に提供してもらえるということは、文部大臣賞もいただけるということで、そういうことの一つ一つの実行が、身体障害者の本当に生きていく力強い生活の条件になってきますので、その予算措置だとか、補助だどかばかりでなくて、ひとつ大臣のそういうような決断によって私は全国聾唖者の野球をやる者が大変勇気づけられたと思うので、そのことを感謝しまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(木村睦男君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 鈴木内閣総理大臣に対する質疑を行います。安恒良一君。
○安恒良一君 総理、お忙しいところでありますが、本部長でありますので、午前中に各大臣とのやりとりはほぼお聞きくださったと思いますし、また配付した資料も事前にお届けしてありますからごらんになっていただいたと、こういう前提で、ごく簡潔に質問をしたいと思います。 まず御承知のように、国連のテーマのもとで、十カ年の行動計画が中央心身障害者対策協議会でできるのは当然でありますが、午前中の質疑の中で、政府は政府として総点検——欠けている点、不十分な点を充実していかなきゃならぬ、全部洗い直してもらいたい、それについての達成目標と年次計画を明らかに示していくということはどうでしょうかということで、これは関係大臣との間に一致をいたしました。それから洗い出さなきゃならぬ問題点、意識点についても、私は六点挙げまして、この点も一致をいたしました。 そこで総理にお聞きしたいのでありますが、国際障害者年の推進本部並びにその事務局は本年限りということに一応なっています。ところが、いま申し上げましたような施策を積極的にやっていく、また横断的に、有機的に——縦割り行政でありますから、この弊害を改めるためにやっていくためには、私はこの一年限りでは無理だと。そこで、これは恒久的な機関として存在をして、政策のフォローや総合的年次計画を推進をしていく、こういうことが必要ではないかと思います、でありますから、どうか本部長の総理としまして、いわゆる障害者年の推進本部、少なくとも十カ年計画でやるわけですから、その事務局の設置についてお約束がいただければと、こう思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御承知のとおり、国際障害者年、これを真に意義あるものとし、これを契機として一層身体障害者の方々の社会への「完全参加と平等一、そういうことを十分やっていきたいということで、準備のためにこの本部を設置したものでございます。御指摘のように、これはしたがいまして単年度ということに相なっております。 いま御指摘がございましたように、身体障害者のあらゆる施策につきまして、総合的かつ効果的に今後の施策を進めてまいりますための総合的な調整機関、そういうものが今後要る、特に十カ年の行動計画を立てようという場合にその必要があるということでございまして、政府もその必要性というものは十分承知しておりますが、これはすでに安恒さん先刻御承知のとおり、中央心身障害者対策協議会、この協議会におきまして総合調整ということが、施策の推進ということがなされておるわけでございます。この基本法に基づくところの中央身障者対策協議会と一体どういうぐあいに調整をしたらいいのか、そういう問題がございます。そこで、現在特別委員会におきまして、今後の問題点、あり方等につきまして、せっかく御検討になっておるところでございますので、その検討の結果を踏まえて、政府としても対処していきたいと、こう思ってます。
○安恒良一君 総理、中央心身障害者対策協議会は、これはあくまでも協議会でございまして、その具体的執行を推進をするのには協議会ではなじまないわけです。 そこで、いまどうなっておるかと申しますと、総理府長官の所管のもとに、その事務は厚生省社会局の更生課が中心になりまして、文部省の特殊教育課、労働省の業務指導課の協力を得てやっていまして、どうも変則的だということで、たとえば五十五年十一月十八日の衆議院社労委員会の大原委員の質問に対して、藤尾労働大臣は、一仰せはごもっともでございます。いまの非常に大きな欠陥といたしまして、短期的な、しかも責任所管のない問題を全部総理府に集めていくという性癖があるわけです。きわめてよろしくない、私はこう思います仁」とこう言って労働大臣が答えられておるわけです。ですから、私は労働大臣のお答えはごもっともだと思いまして、やはり総理府なら総理府に事務局を置くなり、たとえば交通事故がうんと発生しましたときの交通対策特別室を総理府に設けられているのであります。同和問題も同和対策室が設けられて、各省から役人の方が出向して総合事務局ができて全部やっておるわけです。ところが、今回の場合は心身協は総理府長官の所管になってますが、その下に総合事務局があるわけじゃないわけです。その事務局の中心は厚生省の社会局がお持ちなんです。それに文部省の特殊教育課とか。ところが、これから十年間でフォローしていかなきゃならない問題は非常に重要な大きい問題ですから、私はたとえば厚生省なら厚生省、総理府なら総理府でも結構ですけれども、そこにやっぱり総合事務局が設けられて、そして所管大臣が明らかにならなければならない。厚生大臣なら厚生大臣、総理府長官なら総理府長官、そして関係大臣のもとに総合事務局が動かないと、心身協だけでいろいろなことを討議をして結論が出されても、これが政府の施策としては各省にばらばらにばらまかれたのでは、心身協でせっかくりっぱな建議ができても進まないと思います。そういう意味で、そのことをこの副本部長であります二人の長官に考え方を聞きたかったわけですが、もう時間がありませんので、ひとつ総理として、いま言った実態がそうなんですから、そこのところはどうなんでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いまお答えを申し上げましたように、特別委員会でせっかくこの問題を検討いただいておるわけでございます。安恒さん御指摘のようないろいろな問題点がございます。それを承知いたしておりますが、特別委員会でせっかく御検討、御審議を願っておりますから、その結果を見まして、政府としても適切な措置を講じていきたいと、こう思ってます。
○安恒良一君 それでは総理、少なくとも総合事務局の設置については十分ひとつ御検討を、特別委員会の方も検討をすると思いますが、総合事務局がないとこれは進まぬと思いますから、その点だけは強く要望を申し上げておきます。 次に、総理にこれまたお聞きしたいのでありますが、これも所管大臣にお聞きしたんですが、いわゆる完全参加、平等の中の中心の一つは労働参加なんであります。そこで、政府は雇用率達成を決めているわけでありますが、午前中に中央諸官庁それから三公社、それから特殊法人、それから地方自治体の各都道府県教育委員会等々達成率がきわめて悪い。中央官庁は国土庁を除いて達成しています。 そこで、それぞれ午前中に関係大臣の方に決意のほどを伺いましたし、官房長官にも伺ったのでありますが、少なくとも身体障害者年に当たりまして、まず政府みずからが範をたれると、こういうことで雇用率の達成はまず政府がやらないと、なかなか私は民間企業にやれと言っても、もちろん民間企業もやらなきゃなりませんが、進まないと思います。そういう意味で本部長として少なくともいま申し上げたところは本部長の威令が届くところでございますから、ひとついま申し上げたような政府の各省、それからいわゆる三公社、特殊法人それから各都道府県教育委員会等々は、本部長としては大号令をかけて達成させる、こういうことについて御言明をひとつぜひお願いをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) ここに私も資料をちょうだいしております。 御指摘のように、三公社並びに諸省庁別、特殊法人別の雇用率達成の状況がございます。さすがに労働省は一〇〇%達成をし、厚生省もよくやっておりますが、そうでない官庁もございます。これはすべて私の責任でございます。特殊法人等においてもどうも成績の悪いものもございます。民間におきましても中小企業等は比較的御努力の結果が出ておりますが、大企業は必ずしもよくないということも出ております。国際障害者年におきまして、身体障害者の方々の「完全参加と平等」ということが大きく国民的な世論として訴えられておるときでございますので、これを契機に政府の各機関等々を督励をいたしまして、達成できますようにいたしたいと、こう考えています。
○安恒良一君 特に総理、脚注目願っておきたいのは、運輸省と建設省は全く達成してないわけですからね。午前中にも両大臣には私から注文をつけておきましたが、特にそういう全く七あって七やってないなどというのはいけませんので、総理としての特段の御督励をお願いしておきます。 次の問題に入りますが、いま申し上げたようにわが国の法定雇用率は民間が一・五であります。政府関係が一・九、特殊法人が一・八なんです。ところが西ドイツは六%、イギリスは三%、フランスは十人以上の企業で三%、戦争犠牲者を含めますと一〇%という雇用率にこれはなっています。そしてこれは法律に基づいて五年ごとにこれは読みかえることになっていまして、現在労働省は関係審議会にいわゆる雇用率の引き上げ問題について諮問をしている。また総理も御承知のように、雇用率を達成しなかった場合に、一人三万円でいわゆる雇用促進のための課徴金を課しているわけですが、これが大体年間に百八十一億ないし二百億近くこれは入ってくるわけですね、金で済めばと、こういうやり方にこれはなっています。私は、やはりたとえばフランスの場合にはこのようなペナルティの金は最低賃金の三倍取ると、いわゆる金で済めばという感じを持たせないために三倍取ると、こういうことになっています。 そこで、私は少なくともわが国の公正競争という観点から言っても、法定雇用率、ことしの十月が読みかえの時期でありますから、やはり少なくともヨーロッパ並みにある程度引き上げていかないと法定雇用率が低いのじゃないだろうか。また金で済ませればという企業があってはいけないのでありますが、現実に年間百八十一億も入ってきているわけですから、この三万円が安過ぎると思うわけです、そういうことの引き上げについても労働大臣に要望しておきましたし、現在この点については関係審議会に諮ってと、こういうことになっていますから、本部長といたしましても、いまの二つの点についてぜひ御努力をお願いしたいと思います。御所感がありましたら聞かしてください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のとおりでございまして、私はまず現在の状態、これを完全に実施するようなことをまず努力をする。それからなおその上に立って見直しも逐次やってまいるということが必要だろうと、こう思っております。 それから、お金で済めばいいというよう在考え方、これは全く間違った考え方でございます。こういう点をどう改善をしたらいいか、これらの点につきましては労働省等で十分検討を願いまして改善方を進めてまいりたいと、こう思っております。
○安恒良一君 総理、まず一・五%を達成してということでありますが、一・五%が達成されないうちに、これもお手元に差し上げております資料を見ていただくとわかりますが、身体障害者はどんどんふえているわけなんです。身体障害者のふえる方が多いわけです、資料そこにありますから。そうしますと、雇用促進法十四条の第二項で「少なくとも五年ごとに、当該割合の推移を勘案して政令で定める。」ということで、読みかえることはこれは法律で定まっているわけです。 〔委員長退席、理事古賀雷四郎君着席〕 そういう意味で言いますと、私はもう一・五%というのは国際的な比較においても、また残念ながら国内における身体障害者がどんどんふえているという事実の中においても、これは引き上げをやらなきゃならぬと、そういう意味ですでに関係審議会に諮問されているそうですから、ぜひ雇用率の引き上げについては前向きにお取り組みを願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。——総理うなずかれて結構だということでありますから、次に参ります。 次に、総理、これも本部長としてぜひ御承知おきを願いたいのでありますが、実はこの「完全参加と平等」の中の第二の問題といたしまして、労働不能な人がいるわけであります。また、働けましても健康な人に比べるとごく一部しか働けないわけであります。その場合の平等というのは何だろうかということで、午前中関係大臣と私は議論をしましたが、それは人間らしい暮らしができる所得保障だと思います。これが平等だと思います。 ところが、現在これらの方々についてわが国はどのような施策を持っているかというと、一つは年金であります。一つは福祉諸手当であります。それから、いま一つはどうしてもどうにもならぬときにはさらに生活保護法と、この三つでこれらの人々の所得を保障しているわけでありますが、厚生大臣からも、すでに問題の矛盾点を十分御了解いただきまして、厚生省の中にプロジェクトをつくって、これらの見直しをやるというお約束をいただいたわけでありますが、総理ぜひひとつ御記憶しておいていただきたいと思います。 たとえば、同じ年金受給者の場合でもいわゆる障害福祉年金をもらっている方と、厚生年金、共済年金、国民年金でもらっている方と、同じ障害が一級であっても二級であっても金額に物すごい格差があるわけです。 〔理事古賀雷四郎君退席、委員長着席〕 これは私はいけないと思うのであります。それはなぜかというと、障害の二級は二級、一級は一級なんです。 ところが、すべてこれを年金ということを中心に考えますと、これは拠出しているからと、片一方は拠出してないからということで格差が現実はついてます。しかし、国連が言うところの「完全参加と平等」という中には、そういう問題がないというふうに思います。でありますから、私はぜひこのところにつきまして、総理、ひとついま申し上げましたように、働きたくても働けない、もしくは不十分な労働しかできない人については、ひとつ年金制度のあり方、それから福祉手当のあり方、それから最低賃金の適用の問題、それと生活保護法ですね、生活保護法の関係とを総体的に今回の場合はやはり洗い直しをして、そして洗い直しをやるということは、一番そのとき重点を置かれなきゃならぬことは、人間らしい暮らしが確立できる所得保障にはどうすればいいのか、こういう点でこの点は非常に重要な問題でありますから、ひとつ厚生大臣が言われましたような、まず厚生省の中に関係プロジェクトをつくって、これを十分検討する。それから総理府長官にお聞きをしましたら、中央心身協の中の一つの部会においても、このことが議論をされていると、こういうふうに聞いておりますから、ぜひひとつそれらの答申なり検討を踏まえて、早急にこのことについては手直しをしていただきたい。 なぜこのことを総理にお聞きをするかというと、率直に言って財政が伴うことになります、ある程度。これはたとえば計算をいたしまして、それも議事録に載っておりますから後で読んでいただきますが、そんなに大きな金ではございませんけれども、たとえば障害福祉年金の二級と障害年金の二級とを同じにする場合に、どうなるかということの財政計算も私はして厚生大臣には質問しておりますが、一方においては御承知のように、総理は行政改革にいわゆる生命をかけると、こういうことまでかなり強く言っておられますし、それからその場合の一つとしては、政治生命をかけると言われたのでありますが、総理はいわゆる各種補助金の削除、これを強く打ち出されています。でありますから、これは補助金とは違うのでありますが、それとの関係等で私は非常に重要な問題だと思いますから、そこらのところについて、いわゆる労働不能の方もしくは一部労働しかできなかった方の人間らしい暮らしが確立できる所得保障の問題について、ちょっと総理のお考え方をお聞かせを願っておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 身体障害者の方に本当に一般の方に劣らないような生活をしていただくようにしなければいけないし、そのために所得保障という観点で施策を充実すべきだという御意見、私も理解をいたしておるつもりでございます。それには年金の問題、手当の問題、社会福祉の問題、それからもう一つ生活保護という制度もございます。そういう諸制度、施策というものが必ずしも従来関連性を持って、それが納得できるような運用がなされていないうらみがあったということで、現在厚生省並びに心身協等でそれぞれ検討を進めておるところでございまして、その成案を得まして御趣旨に沿うように努力したいと、こう思っております。 なお、財政再建等と絡めて私がこういう問題を画一的に取り扱うのではないかという御心配からあえてお尋ねがあったと思うのでありますが、私は常日ごろ申し上げておりますように、福祉につきましても比較的経済的にも余裕のある方と、そうでない本当にお気の毒な方とはこれを十分に配慮しながら、お気の毒な方には手厚く考えるというような方向でやってまいりたいと、こう思っています。
○安恒良一君 私も身体障害者の問題について、総理が財政再建に絡ましてと、こんなお気持ちはないだろうということはよくわかっておりますから、それはなお承ってはっきりいたしました。安心いたしました。 最後に一つ、二つお聞きしておきたいのですが、この前私はいわゆる足立の金井康治君の問題について、それぞれ総理の目の前で、文部大臣それから自治大臣にぜひともひとつ、いろいろあるけど、協定もできておったのだから、四月からそれが実施できるように御努力願いたいということを申し上げまして、総理もなかなかむずかしい問題であるが、そういう実情はよくわかっているので努力したいということをお答えになっていただいたのですが、その後、これは総理からお答えしていただくことになるかどうかわかりませんが、そういう総理の御指示を受けまして、その問題はどうなったでしょうか。文部大臣なり自治大臣、どのように解決されたか、四月というと目の前でございますから。
○国務大臣(田中龍夫君) 当該案件は具体的な問題なので、政府委員からお答えします。
○政府委員(三角哲生君) 現在なお東京都足立区、それから関係学校の間で協議が進められておるというふうに聞いております。私どもとしては、できるだけ話が詰まりまして、円満な解決を見てほしいということを願いつつ、必要に応じてまた指導を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 総理、お聞きください。これ何もやってません。ああ言ったけれども、聞いておりますと希望してますと。何にもやってないです。私は、こういうことはもう詳細に、聞く以上調べているわけです。何を文部大臣はやったのか。自治大臣、あなたが言われたとおりに、その後相当日にちがたっていますが、何もやっていません。依然として東京都任せもしくは足立区の教委任せになっていますから、重ねて私は国際障害者年に当たって、そういう一つの問題も解決できないということでは、しかも協定があるわけですから、ぜひひとつ重ねて総理からきつく御指示をお願いしておきたい。でなければ、何にも両大臣やってないです、これは何にもやってない。 そこで、最後でありますが、総理、私はやっぱり雇用拡大という問題で、実はこれは労働大臣にも宿題としていろいろ申し上げているんですが、ヨーロッパの各国では、たとえばエレベーターならエレベーターとか、駐車場の管理は、これはいわゆる身体障害者優先雇用とかそれから留保雇用と、こう言っています、また、保護雇用とか庇護雇用と言って身体障害者の方だけが集まってみんなで楽しく仕事をやっていくということが、ヨーロッパ各国では非常に進んでいるわけです、わが国においては、福祉工場というのは一つありますけれども、余り進んでいません。ですから、私は雇用拡大のためには真剣にヨーロッパのいいところを学んで、わが国も率先実行していくべきだと、こういうふうに思いますが、この点については労働大臣にも私は二回にわたって要望いたしておりますが、やはり本部長として雇用拡大のための、いまも申し上げました優先雇用とか留保雇用とか保護雇用とか庇護雇用についての本部長の決意のほどを伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 欧米諸国と比べまして、日本がそういう御指摘の面で大変おくれておることは残念ながら事実でございます。こういうような身障者の雇用問題、社会参加という問題につきましても、日本の場合におきましては、とかく行政官庁が指導的立場あるいはお世話をしなければなかなか進まない。民間の善意なり社会的なそういう考え方の盛り上がりの中で、こういう問題がなされていくというところまでまだ残念ながら行っておりません。そういう点、今後この国際障害者年を契機としまして、国民全般に身障者の皆さんに対する配慮というものを——またみんなで力を合わしてやっていかなければこういう問題は前進しないということ、こういう点はよく御理解を願いつつある、こう思っております。政府におきましても、そういう気運を助長し、政府としてもできるだけのことをやってまいりたい、こう思っております。
○委員長(木村睦男君) 安恒君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、村沢牧君の質疑を行います。村沢君。
○村沢牧君 厚生省の調査によれば、身体障害者数はこの十年間に一・五倍も伸びております。この原因を分析してみますると、労災だとか交通事故あるいは公害によるものが圧倒的に多くて、先天性の障害の伸びは一〇%程度にすぎないのであります。したがって、障害者の増加はこれは天災ではなくて人災である、さらに社会的な問題であるというように私は思うのであります。このように事故だとか公害が多くなったということは、一つには高度経済成長のツケが回ってきたことであり、それに対して政府の対応がどうも前向きでなかった、このことも言えるというふうに思うのであります。 そこで総理に、こうしたことについての反省というか、考えはどういうふうに持っていらっしゃるのか。それと同時に、これからはこうした身障者が増加しないような積極的な対策を立てなければならない。そのためには、薬害や労災の防止あるいは環境アセスメントなど積極的な対策を政府が立てていかなければならないというふうに思いますけれども、総理の所信をまずお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま御指摘がございましたが、確かにこの十年間に一・五倍にふえておるということでございます。私も統計を見まして、初めてこれは大変なことだという感を深くしておるわけでございます。いろんな社会環境、生活環境の急激な変化、進展、そういう点もございましょう。また、生活環境が非常に悪化してきている、あるいは交通災害等々も起こっておる。いろんな状況からいたしまして——あるいは薬害等の問題もございます、身体障害者がふえてきておるということは事実でございまして、これに対して政府としても総合的な対策を急がれることを私は承知をいたしております。 薬害対策につきましては、厚生省等におきまして相当厳しくそのチェックを進めておりますし、またそれに対する医療の問題等につきましても鋭意努力をいたしております。 また、生活環境が悪化する問題等につきましても、一層環境基準の見直しであるとかあるいは防止であるとか、そういう面にも力を入れなければならない、こう考えております。そして、身体障害者が一・五倍もふえておるというこの現実に立ちまして、医療の問題、教育の問題あるいはリハビリテーションの問題、いろんな角度からそれに対する具体的な施策を進める必要がある、こう考えておりまして、国際障害者年を契機といたしまして、総合的な対策を政府としても進めることをここにお約束を申し上げておきます。
○村沢牧君 いま総理から、環境基準も見直して公害等もなくしていかなければならない、こういう答弁があったわけです。 そこで、一点だけ総理に単刀直入にお伺いしておきますが、例の環境アセスメント法案に対して、六年間も計画し、政府が五カ年もかかって国会に五回も提出しようとして試みたが、現在も提出されておらない。大平総理もまた鈴木総理も国会に出すということを約束しておられる。 実は、私は去る二十三日、当委員会においてこの問題について環境庁長官に強く要求し、追及したところ、鯨岡長官は、この国会に提出しますと、こういうことをはっきり言われたわけです。その後新聞を見ますると、どうも自民党がこの国会に提出することは問題があるのだ、反対であるというようなことが報道されておるのですが、総理・総裁としてはどのように考えるのですか、単刀直入で結構です。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府の成案をすでに得まして、これを党の政調会においていろいろ論議が進められております。登坂政調副会長を中心に最終的な調整をするために懇談会も設置しましてやっておるわけでありますが、なかなか意見の一致を見ていないというのが現状でございます。しかし、先日、数日前でございましたが、私、安倍政調会長にお会いしまして、政調会長のところで最終的なひとつ党としての方針を決めてもらいたい、できるだけ早い機会に国会に提案をするようにということを安倍政調会長にも指示してあるわけでございまして、私はここに改めて近い機会にこの国会に提案することをお約束を申し上げます。
○村沢牧君 総理からその決意を聞いて私も賛意を表するのですが、ともかく主管大臣はこの予算委員会で約束した。あるいはまた閣議でも出すということを決めている。もし出さないようなことがあるとするならば、総裁としての指導性も問われることになりますから、また環境庁長官の責任問題になりますから、ぜひこの国会に出すように、いま答弁があったようにしてください。 それから、午前中の答弁で、この長期行動計画を政府が決定をするのは五十七年の春である、したがって、五十七年度の予算の中にはこの行動計画に盛られた事業は間に合わない、実際に行動計画に盛られた事業は五十八年度から実際は出発するのだという答弁があったわけです。私はこれでは非常に遅過ぎると思うのです。そこで、総理がこの中心協の中間報告等も求めて五十七年度から予算に反映をしていく、そのような指導性を発揮すべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 中央心身障害者対策協議会で特別部会等を設けまして、この十カ年の行動計画のあり方につきまして鋭意検討を進めております。私に対する報告では、年末までにその検討結果が出るであろう、その検討結果を踏まえて政府としてはこれを具体的な施策の中で生かしていく、こういうことになるわけでありますが、年末までにということになりますと、五十七年度予算の編成が大体終わったことになる、こういうことでございまして、もっと急げという御指摘でございますが、なかなかいろんな雇用の面とか、あるいは医療の面とか、あるいは教育、育成の面であるとか、福祉の面とか、いろんな角度からこの行動計画というのをつくっておるのでございまして、どうも一部を切り離して中間報告的にどうこうというわけにまいらないという面もあるようでございます。私は鋭意急いで結論が出るようにということは努力をいたしますけれども、これをいまお約束として中間報告でそれを具体化するというようなことはちょっとむずかしい問題だと、こう考えています。
○村沢牧君 そうしますと、五十六年度はいろんな行事をやるのだ、実際にこの事業が発足するのは五十八年度だということになると、どうも期待が薄れてまいりますから、そういうむずかしい点はあるとしても、ぜひ玉十七年度の予算に生かすべきものは生かしていく、そういう前向きな姿勢を私は要請をしておきたいというふうに思うのであります。 そこで、身障対策の目標は、私はこの基本法の第三条の精神を生かすことだというふうに思うのです。基本法三条は、すべての身障者は個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するもの、このようになっておるわけであります。実は総理、私も身障者で、この三級の手帳の保持者なんです。したがって身障者の置かれている立場も十分味わっておりますし、身障者の人たちや団体の皆さんにもいろいろな要求も受けているわけなんです。ところが、政府は施策をいろいろやっておるけれども、やっぱり健常者が頭の中で考える机上のプランが多い。困った人には恵んでやるんだ、与えてやるんだ、こういう権力的な考え方が私はまだまだ強いというふうに思うのです。もっと身障者の要望を積極的に取り入れていく、そして身障者が置かれている立場に立って長期計画や身障者計画を立てるべきだというふうに思うのですが、総理の見解どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府の身障者に対する対策は、御指摘のように基本法の精神を踏まえまして行われておるわけでございますが、その施策が非常に多面的、多角的にいろんな角度からやっていかなければならない。これは経済的、社会的な要請として、そういうことにだんだん相なってきております。しからば、そういうことが十分横の連絡、総合的な調整がうまくいっているかどうかということになりますと、必ずしも御指摘のようにうまくいってない面がございます。そういう点は政府におきましても総合的な調整を進めながら、この身障者対策というものがすき間のないように実施されるように、基本法の精神が十分生かされるように今後も努力していきたい、こう思っております。
○村沢牧君 身障者に対する差別や偏見を持たないために学校教育の中で理解を深める、こういうことは大変に重要だというふうに思うのでありますけれども、しかし、現在の学校教育の中で子供に対して身障者の理解を深めるということはほとんど行われておらない。したがって、もっと福祉教育が文部大臣、大切だと思うのです。実は長野県では一般児童を対象に障害者に理解を深めるための副読本をつくって、ことしから理解教育を推進をしようとしている。こうしたことをやはり文部省として考えるべきではないかというふうに思うが、どうですか。
○国務大臣(田中龍夫君) お説のとおりでございまして、身障者に対しまする学校教育におきましても深い理解を持たせなきゃならぬということから、小中学校におきまする福祉の問題は、社会科等において生徒児童に対して教えておりまするし、また道徳の方におきましても、やはり小学校で、だれにも親切にして弱い人や不幸な人に厚く通さなきゃならぬということを申しております。また、中学校の教科書におきましても温かい人間愛の精神を深めるとか、こういうふうなことをいたしておりまするし、このほかに文部省では、一般の児童生徒の身障問題に対しまする理解と認識を促進いたしまするために、心身障害児童の問題についての、これを推進する学校を各県小中学校一校ずつ、計九十四校いたしております。 そういう問題やら、いまおっしゃった副読本の問題につきましても、心身障害者に対しまする問題を扱っております。特に国際障害者年の記念の教育映画等をつくろうというような計画も持っております。
○村沢牧君 そこで、障害児と健常児の共同教育こそ障害児の発達や生きる権利を保障することであるというふうに思うのです。障害児と親の、学校を選ぶ権利を認めるということが大切だというふうに思うのです。普通学校へ入学希望を無視して強制的に養護学校へ入学させる二とがあってはならない。鈴木総理は、三月十六日の本予算委員会で、障害児の就学問題について、文部省や教育委員会が障害の程度によって子供を養護学校へ行くべきだと振り分けるのは養護学校義務化の本旨に反する、こういうふうに述べられております、私は総理としての高い指導性の発揮だと思って評価しています、また、総理の発言に対して関係者は大きな拍手を送っているのですが、総理、この精神を貫いてもらいたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先般の当委員会でその問題につきまして私の所信を申し上げたことは、いまでも変わっておりません。ただ、その運用に当たりまして、私はこの機会に申し上げておきたいのでありますが、問題は、そのお子さんのためにどうすることが一番いいかという問題であろうかと思います。これは、教育委員会のメンツだとかあるいは親のメンツだとか、そういうようなことでこの問題が争われるような問題であってはいけない、本当に障害を持ったお子さんが、教育をよりよく受けて社会人として成長をしていくか、そういう本人本位に考える、選択をさせるということが私は一番大事なことだと。教育委員会がどうだとか、あるいは親御さんのメンツがどうだとかいうようなことを議論することは、私は不毛の議論だとさえ思っておるわけでございます。
○村沢牧君 総理からきわめて明快な答弁があったのですが、実は総理答弁の三日後、同じ当委員会で田中文相は、障害児の就学先決定は教育委員会の権限で行うのだ、親の希望に沿えないこともあるという答弁をしているのですが、あなたは、総理のいま答弁されたような趣旨には沿えないということなのですか。
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。 総理のおっしゃっておられますことも、親の気持ちになってそれを十分にくんで善処しなければいかぬということを深く言われておることでありまして、法令上の問題はそれを踏まえまして善処するようにということでございます。
○村沢牧君 文部大臣の答弁、納得いたしませんが、文部大臣がそういう答弁をすると、その後地方の教育委員会は、文部大臣がそういうことを言っておるのだからあなたは養護学校に行かなければだめですよ、総理はああいうことをおっしゃっておるけれども、文部大臣の言うことが正しいのだということで、また強要しているのですよ。そういう事実がすでに出ているのです。だから、文部大臣のいまの見解は、総理の答弁と大きく食い違っています、そういう指導方針であってはならない。私は時間がありませんからこれ以上論議いたしませんが、いずれまた別の委員会で論議をいたします。総理、ぜひ総理のそういう所信を貫いてもらいたいというふうに思います。 次は、国鉄の運賃割引問題について質問いたします。 国鉄の運賃を、百一キロ以上になっているわけですが、この割引を緩和してもらいたい、あるいは特急や急行料金についても割引を行うべきである、こういう要望が強いわけであります。このことについては、先ほどの質問によって運輸大臣から答弁もあったところでありますが、なかなか現状では困難だということでありますけれども、ぜひそれをやってもらいたいと思うのです。 そこで、私は、特にきょうここで問題にいたしたいのは、心臓または呼吸器の機能に障害のあるいわゆる内部障害者は国鉄料金の割引から削除されているのです。私はここに、申し上げたように三級の私の身体障害者手帳を持っております。これによると国鉄の運賃が減額できることになっている、私は最近は余り使っておりませんが。ところが、この内部疾患の人は一級であっても割引はできないのですよ。一体これはどういうことなんですか。基本法の二十三条には割引をするということが書いてあるけれども、内部障害者を除くということは書いてない。このことは法のもとにおいて不平等だし、行政の公平を欠くものだと思いますが、理論的に言って、法的に言ってどういうことなんですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 内部疾患によるところの身体障害者の方でそれを割引に扱えということは、もうかねてから私たちも要望を受けております。何とかその実現につきまして関係省庁と相談しておるのです、ところで一先ほどもお答え申し上げましたように、現在、公共割引の負担の問題をめぐりまして各省庁間で協議いたしておるのですが、そこでもこの問題を取り上げてもらうように議題となっております。しかしながら私は、先ほどちょっと私の所見として申し上げましたのは、この範囲を拡大するとかいうことはなかなか実はむずかしい情勢にあるということを協議をしております担当者から聞いております。けれども、われわれといたしましては、なお一層の努力をするように指示をしておるところであります。
○村沢牧君 私は、この問題について、実は昨年の七月二十六日に内閣に対して質問主意書を出したのです。この質問主意書に対して内閣総理大臣から参議院議長あて回答が来ているわけですけれども、それによると、いま大臣から答弁があったように、関係省庁において検討を進めておるということなんです。その後どういう検討をしたのですか。具体的に言ってください、いつ幾日に、どんなメンバーで、どのように検討したのか。うことをお願いをしておりまして人権相談等にも当たっていただいているということでございます。
○小平芳平君 法務大臣、保安処分をどう考えられますか。それで、何かいまの説明された人権擁護のための施策と保安処分とが矛盾することはありませんか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 現行刑法は明治四十年に制定されたものでございます。昭和四十九年、七年前に法制審議会から刑法の全面改正の答申をいただいたわけでございました。その中に、いまおっしゃいました保安処分のことが書かれているわけでございます。また、この保安処分をめぐりまして大変議論が沸いておるわけでございまして、日本弁護士会がこれに対して反対をするというようなことで、いまだこの答申が実現を見ていないということになるわけでございます。精神障害者が犯罪を犯しますと、責任能力がないということで処罰されません。そのままもとに帰されていく。なお衛生上問題がありますと、精神衛生法に基づいて先ほど来おっしゃっておりました措置入院の措置がとられるわけでございますけれども、日夜監視しているわけでもございませんのでまた再犯をするおそれが出てくる、そこで、一定の罪以上の重い罪を犯した場合であって、しかも裁判所で再犯のおそれがあると判断をした、こういう場合には、処罰しないということでそのまま帰さない。むしろ社会から隔離させていただく。しかし、もっぱら治療に当たるのだと。私は保安処分と言うよりも刑事治療処分と言うた方がいいのじゃないかと、こう申しておるわけでございます。そうすることによって、精神障害者について治療もやりましょう、反面また社会の安全も確保していきましょうと、両方満たしていきたいというようなことで刑事治療処分、おっしゃいました保安処分ということを考えておるわけでございまして、普通の犯罪人並みに扱おうという考え方は持っておりません。いままではそのまま、処罰はしないでまたもとの社会にそのまま帰してしまって、後は一般社会の処理にゆだねるということなのでございますけれども、やはり社会の安全も確保させていただかなきゃならないわけだから、社会から隔離して治療させていただきたい、これがねらいでございます。
○小平芳平君 法務省は社会の安全を守らなければならないとともに人権も守らなければならない。そこで、昨年八月の新宿西口のバス放火事件ですね、あのときに保安処分が急にニュースとなりましたが、そういうきっかけは適当でなかったのじゃないですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私が法務省を担当いたしてまいりましてから、刑法の改正問題が膠着状態になっているということを聞かされまして、打開をしたい、いろいろ苦慮いたしておりました。たまたまあの八月でしたか、月に四件目ぐらいじゃなかったかと思うのです。精神障害の疑いのある人が殺人等の罪を犯す。たまりかねて私はあのバスの放火事件のときに閣議で、打開を図りたい、御了解いただけますかという発言をいたしまして、御了解をいただいて発言をしたわけであります。バス放火事件で発言したとおっしゃいますよりも、あの月にたしか四件目じゃなかったかと思うのです、ちょっと正確じゃありませんけれども。精神障害のおそれのある方が殺人をされる。相手は何の関係もない方々。それが殺される。痛ましい事件でございました。そこで、やっぱりこの際、刑事治療処分のような仕組みを考えにゃいかぬのじゃないだろうかと。そして、同時に刑法改正、明治四十年からもうずいぶん世の中の考え方も変わってきておるわけでありますから、自然やはり改正に踏み切っていかなきゃならない、その打開をしていきたいということで申し上げたわけでございました。
○小平芳平君 総理はどう思われますか。ああしたバス放火事件を契機にして刑法改正なり保安処分が急にクローズアップされるということは適当じゃなかったんじゃないですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、必ずしもあの事件で急にこの問題が提起されたというぐあいには考えておりません、法務省の法制審議会等におきまして長年にわたっていろいろ論議を尽くしまして、そして人権の擁護と社会の安全と両面から検討したその結論を踏まえてこの刑法の改正の際に取り上ぐべきかどうかということが問題になっているわけでございまして、新宿の事件だけでこの問題が提起されたものではないと、このように承知しております。
○小平芳平君 次の問題に移ります。 精神衛生法による措置入院が一時ふえたわけですが、それが生活保護法の同意入院に変わっているのですね、ふえ方が。それはどういうふうに厚生省は見ておられますか。
○政府委員(大谷藤郎君) 措置入院につきましては、先ほど御議論ございましたように強制入院でございまして、これを慎重に行うべきだとする学会その他関係団体等の御意見もございますので、厚生省といたしましては都道府県知事にこれを慎重に行うように厳重に指導しているところでございます。したがいまして、措置入院という強制的手段による入院というのは毎年相当数減少しているわけでございまして、その中で生活にお困りになっている方が生活保護の入院という形に移っていっているものと考えます。
○小平芳平君 厚生大臣、生活保護法を適用されている医療扶助による精神科の入院患者数の約半数は五年以上入院しているということですね。そういう現象はおかしいじゃないか。政府管掌健康保険の適用されている患者さんで五年以上入院している人はそんなに大ぜいないわけですね。
○政府委員(大谷藤郎君) 健康保険で入院している方は一般に健康な方が多いわけでございます。精神障害の発病時期と申しますのが十五、六歳ごろから二十歳、青春時代に発病いたしまして、そういった方々は職業をお持ちになっておらないという方が多うございます。したがいまして、どうしても生保に該当されるような方は若い時代から入院を繰り返しておられるという方が多うございまして、どうしてもこれは一般の職業におつきになっている方で後になって発病された方よりも当然これは病気が長くなるわけでございます。
○小平芳平君 厚生省の局長はいろいろ説明しますけれども、厚生大臣が先ほど言われた、もうこの際一この際というか、精神衛生法の運用、それから精神科病院のあり方、そのこと自体のことにかかわってくるわけですね。詳しい説明をする時間がもうありませんけれども。ですから、精神科のあり方に根本的に取り組んでいただきたい。あり方について根本的に取り組まなくちゃならないと思います。いかがですか。
○国務大臣(園田直君) いま御指摘の問題もありますが、現行法、現行制度ではそれ以外にいろいろ問題が出てきておりまして、現行法の運用だけではなかなか解決できない。そこでそれが原因になって一定の基準もできない。まさに都道府県知事等の判断に任せるということで、むしろ都道府県知事の自由というよりも、その判断がまちまちであるというところもありますので、これはこの法律の検討をやるべき時期が来ている、先ほど申し上げたとおり、これに伴って、それを基本にして、この精神病院並びにその他の施設のあり方も変えていかなきゃならぬ時期が来たと、こう思います。
○委員長(木村睦男君) 以上で小平君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、安武洋子君の質疑を行います。安武君。
○安武洋子君 私は障害者のうち一般雇用の困難な人の問題についてお伺いをいたします。 国際障害者年は障害を持つ人の社会への「完全参加と平等」を目標に掲げております。雇用の面におきましても当然この目標が生かされるべきだと考えます。ところが、身体障害者の職業更生に関するILO九十九号の勧告が一九五五年になされまして二十六年たっております。世界的にはオランダ、スウェーデン、イギリス、西ドイツ、フに三倍にふえたということが、この病院経営のたとえば金権体質とか本質的な問題にかかわっていやしないか。ただ、そこに高度経済成長があった、核家族化があったということだけで済まされるものかどうか、その点いかがでしょう。
○国務大臣(園田直君) まことに遺憾でございますが、病院経営のあり方が少しずれてきた。特に、いろいろ医療問題が起きておりますが、精神科の病院が一番いろいろな問題が多いということはよく御承知のとおりでありまして、それから言っても御指摘の点が一番大事だと考えております。
○小平芳平君 それで、県ごとに病床数と入院数を比較した場合に県によってばらつきがあるわけですね、ほとんどこの病床数と入院数が同じくらい、あるいは入院数が少し少ないという県もありますけれども、県によって多い県もあるわけです。廊下へ寝ているかどこへ寝ているか知りませんけれども、そういうふうに過剰入院させているところが多いわけです。そういう点、何か手を打たれましたか。
○政府委員(大谷藤郎君) 精神病院の分布は必ずしも都道府県で均一ではございませんで、やはり都市部に近い、医師、看護婦の得られやすいところでは早く普及をした、こういうふうな事情がございます。したがいまして、若干都道府県間に偏りがあるということは事実でございますけれども、これにつきましてはできる限り指導によってそういうことのないようにいたしたいと思っております。 なお、精神病院の治療の内容につきましては、単にこうすればよいというふうなことではございませんで、やはり医師、看護婦あるいはその他の治療を行う客観的情勢というものが進歩してまいりませんと、英国やアメリカの一部で行われているようなそういった社会復帰の医療というのはなかなか早速にはそういうふうにはまいりませんので、できるだけ私どもといたしましては医師、看護婦の研修等も実施いたしましてそういう方向に持っていきたいというふうに努力しているわけでございます。
○小平芳平君 厚生大臣、そういうことではなくて、その集計を見ただけで県によってこれはと思う県がわかるわけですね。それに対する手が打たれなければならないではないですか。
○政府委員(大谷藤郎君) これにつきましては、精神病床を先ほど申し上げましたように均一的に全国に普及するということが肝心でございまして、いろいろな規制値に関しましても府県によりましてできるだけそれをふやしていって、そういったことがないようにいたしたいということに総合的な対策を講じているところでございます。
○小平芳平君 そうすると、次に、現行の精神衛生法を根本的に見直すお考えはありませんか。
○政府委員(大谷藤郎君) 精神障害の治療につきましては、従来からの入院治療だけではぐあいが悪い。英国あるいはアメリカ等におきましてはできるだけ社会復帰あるいは中間施設、保護工場その他等の施設を総合的に講じて、入院、治療から社会復帰を促進しているということでございます。したがいまして、私どもの方では数年前からたとえばデーケア施設あるいは精神障害回復者社会復帰施設等の中間施設を実験的に実施いたしておりまして、こういった結果を見まして、これからそういった新しい方向に展開していきたいというふうに考えているわけでございます。
○国務大臣(園田直君) 各県を均一にするように指導するということでありますが、均一ということは言葉が適当ではございませんので、やはり患者が多いところ少ないところとあります。 そこで、これに対する実態を掌握をして、そしてこれに対する施設あるいは助成等のことを適正に効率的にやるように努力をいたします。
○小平芳平君 それから、もっと院外ですね、入院させればというのじゃなくて、院の外において治療も社会復帰もできるような、いま局長が説明していましたような、そういう根本的な転換がなされなくちゃならないと思いますが、いかがですか、
○国務大臣(園田直君) 日本はだんだんふえておりますのに、ヨーロッパ諸国はだんだん減っておるという一番大きな原因は、いま御指摘の、ただ病院の中にくくりつけておくということじゃなくて、在宅あるいは通院それからまた社会の者となじんでいく、こういうことに方向を転換していかなければならぬと考えておりますので、先ほどの法の見直し、こういうことも検討すべき時期にきたと考えております。
○小平芳平君 外来とか往診の診療報酬が第一ほとんど低いわけですね、問題にならないほど低いわけです。その見直しが必要じゃないですか。 それから、強制入院、措置入院、これの問題がありませんか。
○政府委員(大和田潔君) 診療報酬でございますが、先生おっしゃいました精神科領域の中でもカウンセリングと、そういったような診療報酬につきましては従来から重点的に見直しを行ってきておるわけでありまして、かなりのピッチで増額をしてまいっておるところでございますけれども、今後ともさらに中医協の御審議等を踏まえまして見直しを行っていくというふうに努力をしていきたいと思っております。
○政府委員(大谷藤郎君) 強制入院につきましては精神衛生法によって厳重に指導するよう都道府県知事を通じて行っておるところでございます。
○小平芳平君 その強制入院の場合ですね、裁判所による事前審査制度とか、あるいは入院後の救済申し立て制度とか、そういう制度が精神衛生法に制度的に備わっていないという欠陥をどうなさいますか、
○政府委員(大谷藤郎君) 強制入院の手続上の問題につきましては精神障害者の人権にかかわる問題でありまして、世界各国ともこれについては非常に慎重な取り扱いをしているわけでございます。したがいまして、ヨーロッパにおきましてもわが国のように行政官庁がそういった手続を行っている国、たとえばフランス、ベルギー、それから裁判所が行っている西ドイツ、アメリカというふうな国等二つに分かれておりまして、どちらがいいかという問題につきましてはやはり学者の間でも議論のあるところでございますが、私どもの方としては従来から精神衛生法によりまして都道府県知事及び都道府県知事の委任する精神衛生鑑定医二人によって厳重に人権を損なわないようにして強制入院でやるという形をとっておるわけでございます。
○小平芳平君 総理、精神衛生法ですね、世界の流れは入院患者を減らしてきた、日本は急増してきたという、こういう点についてどう考えられますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国におきましては、精神衛生法の趣旨を踏まえましてやっておるわけでございますが、その対策もなるたけ社会復帰——社会の中へ溶け込んで、そしてだんだん健全な方向に持っていくという方向で努力をしておるわけでございますが、欧米先進国等のようなぐあいにいまだにそこまで進んでおりません。しかし、方向としてはそういう方向に向けて努力をしていきたい、こう思っております。
○小平芳平君 それから、法務大臣に伺いますが、精神障害者に対する人権擁護はどのように努力されておられますか。いま局長は十分慎重に対処しているというふうに言っておりましたが、大丈夫なんでしょうか。どうですか、
○国務大臣(奥野誠亮君) 精神障害者につきましても、すべて国民は個人として尊重される、十分に人権を守っていかなければならない、こう考えるわけでございます。したがいまして、そういうおそれのあります場合にはそれなりに調査立件をする。そして、人権侵犯事件に当たるというような場合には、障害になっております点をまず排除しなきゃなりませんし、同時にまたそれなりに説示、勧告をするということで、精神障害者の人権も守る。そのために各地方の法務局には人権擁護を担当する部局を置いておりますし、また民間のボランタリーの方々についても人権擁護委員とい
○政府委員(杉浦喬也君) お答えいたします。 昨年の五月に関係省庁、これは内閣審議室、大蔵省、文部省、厚生省、運輸省、こういうような関係省庁が集まりまして会議をつくりまして、それ以来十回にわたりまして検討会を続けております。 検討の中身といたしましては、公共負担全般の問題でございますが、その範囲それから負担をどこが負うかという問題、特に身体障害者割引の問題あるいは通勤割引の問題等にわたりましてかなり深く議論をしたところでございます。残念ながらまだ結論は出ておりませんが、鋭意今後検討を進めたいと思います。
○村沢牧君 総理、この質問主意書は、私、村沢牧個人でやったわけじゃない、個人で出しましたけれども。「総理大臣鈴木善幸一として」参議院議長徳永正利殿一と。政府としての答弁ですね、しかも、昨年の九月こういう答弁が出ておりまして、早急に検討する、と言われておるのですが、今日に至ってもまだ方向づけがなされない。これはやはり、国会に対して回答をしてくれたのですから、私は一定の方向を出すべきだと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま運輸省の政府委員から答弁もございましたが、政府としても御質問の趣旨を踏まえていろいろ検討を進めておる段階でありますが、結論がいまだ出ていないということは残念でございます。今後、これを促進をいたしますように運輸大臣ともよく相談をいたします。
○村沢牧君 国鉄の運賃割引については、これは国鉄財政の現状の中から国鉄だけに負担をさせるのは大変なことだと思うのです。したがって、障害者等に対する割引については、他にも例があるのですから、やはり国庫の財政というか、一般会計からめんどうを見ていくのだ、そういうことまで考えていかなければならないのではないかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問の趣旨は私もよくわかるのですけれども、いま国の財政はもう大変な状況ですし、また、われわれ国鉄といたしましても、再建をし、一年間に一兆円からの国からの援助を仰がなければならぬという状態から一刻も抜け出したいと思って、いま必死になっておるところでございますし、したがって、われわれはお気持ちはよくわかるのですけれども、いまのところなかなかこれは実現がむずかしい。そこで私たちは、この身障者の方々に対してどうしてこれを報いるかということをいろいろやっぱり省内でも相談いたしまして、たとえば施設の面とか何かでできないだろうかと、そういうことででもこれに対応する対応策を考えていくべきだということで、鋭意国鉄だけではなく私鉄、そういう関係のところに、施設の面で改善してそれにこたえていくようなことを努力しろということで、お互い相協議して進めておるところでございます。したがいまして、この割引の問題について早急に、私もちょっといろいろなアイデアも聞かされておりますから、そういうアイデア等が制度としていけるのかどうかということも問題がいろいろございますけれども、できるだけ早く結論を出すようにいたしたいと思ってはおります。けれども、運輸省だけで結論は出ないのですしほかの省庁が皆関係しておりますので、でございますから、過去において六回この会議を開いておりますけれども、この予算委員会等が終わりまして、国会が、われわれも審議が、何といいますか、少し余裕ができてまいりましたら、またこの協議を進めていくように進めていきたいと思っております。
○村沢牧君 時間ですから終わります。(拍手)
○委員長(木村睦男君) 以上で村沢君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、小平芳平君の質疑を行います。小平君。(拍手)
○小平芳平君 私は、精神衛生法の問題について若干質問をいたします。 精神障害者が入院する場合、厚生省に伺いますが、諸外国では、諸外国といってもアメリカ、イギリスがその例に挙げられておりますけれども、一九六〇年ころ、人口一万対三十床くらいのベッドがあって、入院患者がいた。ところが、わが国では一九六〇年当時は、一万人に対して十床くらいのベッド数で、そのくらいの入院者がいた。ところが、アメリカ、イギリスでは逆に三十から十に減る、日本では十から三十に急増しているというような事実はありますか。このとおりですか。
○政府委員(大谷藤郎君) ただいま先生御指摘のように、わが国では病床が増加しておりますが、外国では減少いたしております。しかし、これにつきましては多少精神障害者の発生の状況が異なりまして、わが国の場合、昭和三十八年に精神衛生実態調査を全国的に実施いたしまして、当時の調査結果で、入院の必要のある患者さんが二十八万人おられる、これが病院に入っておられない、こういうことでございまして、政府としては、そういった方々に入院治療をしなければならないということで病院、病床の整備を図ってきたということて、諸外国と若干精神障害者の発生の状況、治療の状況が、戦後の状況が異なっておるという点は御理解いただきたいと思います。
○小平芳平君 日本の国だけ精神障害者が急増したわけてすか。
○政府委員(大谷藤郎君) 精神衛生の状況と申しますのは、第二次大戦中からわが国ではやはり何と申しましても欧米諸国に比べまして非常におくれていたわけでございまして、そういったことでやはり諸外国と非常な違いがあったということでございます。
○小平芳平君 それでは全国の精神病院の病床数と入院している患者数を合計で結構ですからお答えください。
○政府委員(大谷藤郎君) 全国に千五百二十一の病院がございまして、精神病床数は三十万四千四百四十六床でございます。そこに入院しております患者さんは三十一万一千四百八十四人ということになっております。
○小平芳平君 病床数が三十万で入院患者数が三十一万なんですね。正確に言えば七千三十八人が病床数以上に入院しているわけですね。
○政府委員(大谷藤郎君) そのとおりでございますが、戦後はもっとひどい状況でございます。これは漸次わが方の指導によりまして、あるいは病床数の拡大によりましてこれは減少してきているわけでございます。
○小平芳平君 じゃ、この七千人の人はどこへ寝ているのですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 病床数は一応これは医療法によりまして許可病床ということでなっているわけでございますけれども、先生御指摘のようにベッドがないところに入れているというわけではございませんで、一応許可病床を上回って入院させているという実態でございます、
○小平芳平君 どうもよくわかりませんが、精神病院ですから、かぎをかけて中へ入るでしょう。あるいはまた二重にかぎをあけて中へ入るというふうにしてやっている場合、そういうときに七千人もどこかへあふれて寝ているのですね。
○政府委員(大谷藤郎君) 精神病院でかぎをかけているところはもう全部でございませんで、非常に最近少なくなっております。一般の病院と余り変わりのないところが大変たくさんてきてきているわけでございまして、先ほど来何度も御説明申し上げますように、一応医療法による許可病床、たとえば百床というふうになっておりますが、実際に病院にはスペースもございますので、そういった場合に五人、十人と必要に応じて緊急の場合に入れさせているというのが、これが全国にふえてまいりまして七千人ということになっておりますが、これは先ほども申し上げましたように戦後は病院が足りませんもので、もっとたくさんの過剰入院という状態でありましたけれども、これは年々解消しているわけでございます。
○小平芳平君 そういう実態にあるわけですが、厚生大臣に伺いますが、諸外国で入院患者数を半分にあるいは三分の一に減らした、わが国では逆ランス、アメリカ、こういうようなところでは保護工場があり、施設補助とか欠損金に国庫補助をしたり賃金補償をしたり保護雇用が進んでおります。ところが、わが国では先ほどお伺いをいたしてみますと、重度障害者の雇用はどうあるべきかというふうな審議が始まったばかりだというふうな御答弁がございました。わが国は経済大国でございますのにこの立ちおくれというのは大変はなはだしいと思います。 そこで、私は福祉施設ではございますけれども、実態的には一般雇用の困難の人の長期の就労の場となっておりまして、保護雇用の形態に接近しやすい授産施設、共同作業所についてお伺いをいたしました。ところが、この問題についても実態が把握されておりません。これは調査をしていただくということでお約束をいただきましたけれども、授産施設は通過施設と位置づけられているにもかかわらず実態というのは三年なり六年と長期に滞留していて、一般の雇用の困難な人の実質的には雇用の場になっているわけです。ところが工賃は授産施設で五千円から二万五千円、平均一万三千円、共同作業所では二千円、三千円のところもあるわけで、これではとても自立できませんし勤労意欲も喪失してしまいます。で、せめて実態に合わせて雇用の場としてこういうところを位置づけて自立できる賃金などにするべきでないかというふうに考えるわけです。 障害者の権利宣言にもあるように、「可能な限り通常のかつ十分満たされた相当の生活を送ることができる権利」を保障し、自立への意思と展望を持たせるべきだと思います。ところがいままで厚生省はこれを福祉面だけでとらえてこられました。労働省は雇用でないから所管外だという姿勢でございました。先ほどの私の質問に対し厚生大臣はこの矛盾を認められまして、労働大臣と協議を始めるとお約束してくださいました。これは大変前進で喜ばしいことだと思っております。ところが労働大臣はいままでの姿勢を固執なさっていらっしゃいます。私はこのまま放置をしておきますと障害者の雇用面での「完全参加」、「平等」というのは単なるうたい文句に終わってしまうと思います、両省で早急に協議を始めて保護雇用の場として位置づけるとともに、私はお願いしたいわけですけれども、国内長期行動計画の中に保護雇用の制度化を盛り込む、こういうことで検討をお始めいただきたいと思います。総理大臣にお伺いします。 そして各省庁間の調整役をなさっていらっしゃいます総務長官、ひとついま私が申し上げた趣旨を踏まえていただいて調整をしていただき、障害者の「完全参加」「平等」、これに雇用面でもこたえるように保障していただきたいと思います。答弁をお願いします。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の保護雇用の問題につきましては、きわめて身障者にとっては重大な問題であろうと私どもは考えております。御案内のように、ただいま特別委員会の各部会におきましていろいろと長期の行動計画について御審議をいただき、この年末には企画部会から全体的な意見としてその問題も含めたいわゆる政府への御意見が出てまいると、そういう問題もとらえまして政府といたしましてはこれからの身体障害者の保護雇用の問題について前進的に取り組んでまいりたい。 なお厚生省、労働省にまたがる二つの省の調整につきましては、総理府といたしましてもできる限りの努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま総務長官からお答えを申し上げたとおりでございますが、この保護雇用の問題は社会復帰の効果の面からいろいろ考えておりますが、雇用の問題とそれから福祉の問題と、こういう両面からいろいろ検討しどう位置づけるべきかという問題もございます。しかし、これは今後の身障者の社会復帰というものを改善してまいります上から非常に重要な施策でございますので、十分検討さしていきたいと、こう思っております。
○安武洋子君 審議会の答申待ちでなくて積極的な姿勢で、そしてひとつ、一般的な雇用が困難な人たちですので、いまの総理大臣、積極的な姿勢で進めていただきとうございます。 次に移りますが、「障害者の権利宣言」では、身体障害者とは身体的または精神的能力の不全のために、通常の個人または社会生活に必要なことを確保することが自分自身では完全にできない人として、身体、精神の双方を障害者と規定いたしております。ところが、わが国では身体障害者雇用促進法で精神薄弱者は対象から外されております。雇用義務も課せられていないということは、同じ障害者でありながら精神薄弱者に対する平等が私は保障されていないと思います。そこで行動計画の中で値、障害者の教育及び雇用に関し起こり得る差別的な慣習を除去するため現存する法律を見直すこととされております。そこで、この趣旨に立ちまして精薄者の雇用を促進するためにも雇用促進法の対象に精薄者をすべきだと、こう思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤尾正行君) 精神薄弱の方といいますのは、なかなかこの程度がそれぞれはかりがたいという非常に困難な問題がございますので、これを身体障害の方々と同一に見ていくということにはかなり困難が伴うということはお認めをいただかなければならぬと思います。私どもは、そういった一つの基本的な立場をまず見据えて、その上でなおかつ精神の非常に薄弱な方の中でもこれが一般的なお働きといいまするものに結びついていけるということでありますならば、またそういった方々に非常に合っておりまするような一つの職場、そういったものがございますならば、これはできるだけそれを結びつけていくという努力はやらなければなりませんわけで、ただいま私どもが身体障害者雇用審議会といいまするものにお願いをいたしましてその御研究を願っておるということでございますので、はなはだ、御質問は御質問でありがたいと思いまするけれども、多少の時間をとるということだけはひとつ御承知おきを願いたいと思います。
○安武洋子君 いまの身体障害者と同一に見るのは困難だから理解せよと、これは大変な私は問題だと思います。というのは、障害に差はあります。困難のいろんな差はありますけれども、この国際障害者年がうたっているのは「完全参加」であり「平等」であるわけです。そして、障害者は精神薄弱者であろうと身体障害者であろうと差別して扱ってはならないと、こう言っているわけです。それに対してのいまの御答弁というのは私は納得ができません。総理大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま労働大臣から答弁がございましたが、これは精神薄弱者に対して雇用率を直ちに適用するということについては、判定その他非常にむずかしい問題がございます。そこで、いま身体障害者雇用審議会でせっかく御検討願っておりますから、その検討の結果、答申等を待って政府としても措置してまいりたいと、こういうことを申し上げておるわけでございまして、決してこの問題はもうわれわれとしては取り上げる気持ちはございませんなどと、そういうことを申し上げておるのではございません。非常にむずかしい面が確かにございます。しかし、これは雇用審議会の御答申も、御検討も願っておることでございますから、その答申を待って政府としては措置してまいると、こういうことでございます。
○安武洋子君 時間があれば、本当はそんなにむずかしい問題でないと、雇用率の判定も本当はむずかしい問題でないということを反論申し上げたいんです。しかし、時間がございませんので、私は本当はむずかしくないんだということと、それから、まあ検討中ということでございますので、ぜひ前向きに検討をしていただきたいということを申し添えまして次に進ませていただきます、 総理は行政改革に政治生命をかけると、このようにおっしゃいました。いま自民党の方では多数の法律にまたがります補助金の削減を一本の法律でまとめて行う財政再建法、仮称でございますけれども、これを考えていると報道もされておりますし、二兆円削減というふうなことも言われております。私は不要不急の補助金を積極的に削減するのは当然だと思います。しかし、先ほどからの論議でもおわかりのように、雇用保護に関しましては、世界第三位の経済大国でありながら大変な立ちおくれを来しているわけです。せめて、先ほど私が申し上げましたように、いまの授産施設、そしてそれよりもはるかに劣悪な条件に置かれております共同作業所などに対しましては、補助金をやはり厚くし、そして補助金を支出したり、こういうふうにすべきだと思います。これで初めて障害者年の求めている「完全参加」、「平等」、これに雇用の面からこたえることができると思いますので、この点をお伺いして私の質問を終わります。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御案内のとおり、ただいま国連の言う国内の特別委員会各部会でその問題も含めて、障害者の方々も御参加をいただいて御討議をいただいておる最中でございます。いろんな御意見が出てまいろうと思いますが、そういう御意見を踏まえて、政府といたしましては国際障害者年のこの理想に向かって対策を立ててまいりたいと、このように考えております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 財政再建は避けて通れない重要な政策課題でございます。私は、これに対しましては全力を挙げて取り組むということを申し上げておるのでございますが、それを実施いたします場合におきましては、先ほども安恒さん等にお答えをいたしましたように、非常に社会的にも、また身体障害等をお持ちになって苦しんでおられる方々、ハンディをしょっておられる方々、そういう方々に対する福祉等につきましては十分な配慮をするということを申し上げております、そういう気持ちで財政再建にも取り組んでいく所存でございます。
○委員長(木村睦男君) 以上で安武君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、中村鋭一君の質疑を行います。中村君。
○中村鋭一君 現在難病対策の対象として指定されております特定疾患は幾つございますか、公衆衛生局長。
○政府委員(大谷藤郎君) 現在、特定疾患治療研究事業の対象となっております疾患はベーチェットあるいは全身性エリテマトーデス等二十二疾患でございますが、五十六年度予算で一疾患追加する予定にいたしております。
○中村鋭一君 その特定疾患はどのような考え方に基づいて選ばれているのですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 原因が不明、治療方法が未確立でございまして、かつ後遺症を残すおそれが非常にある、いわゆる難病のうちから特に生命に危険の大きい重症の疾患でございまして、患者数が比較的少ないために研究に困難をきわめているというものを、厚生省で委嘱しております専門家会議の意見を聞きながら選定いたしているところでございます。
○中村鋭一君 現在制定されております障害者関係法令の難病者に対する適用状況、それからその手順について簡単にお答えをお願い申し上げます。
○政府委員(山下眞臣君) 身体障害者福祉法は、原因のいかんにかかわりませず、決別表に定めるような機能障害が永続いたしますと適用します。したがいまして、難病患者でございましても、その機能障害が続きます場合には身体障害者手帳を交付いたします。手続といたしましては、福祉事務所に御申請をいただきますと、そこから手帳を交付するということでございます。 適用状況ということでございますが、例を申し上げますと、スモン患者につきましてたとえば肢体不自由者あるいは視覚障害者として認定をする、ベーチェット病に関しまして視覚障害者として認定する等々多数の例がございます。
○中村鋭一君 難病対策は大変大切な施策であると思いますけれども、統一された考え方について実施することが必要だと思うのです。したがって、たとえばホームヘルパーの派遣でありますとか、難病相談員を置くとか、そういったことにつきましてそれを有機的に、能率的に行うために特別措置法等を制定するお考えは厚生大臣ございませんでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 難病につきましては、先ほども申し上げましたような疾患につきまして調査研究、治療研究、医療機関の整備という三本の柱で総合的施策を難病対策要綱として推進いたしているところでございます。いま先生御指摘のような施策も含めまして、既存の一般社会保障の諸制度と現在の難病対策要綱と組み合わせまして、これによって十分難病対策というものを推進いたしたいというふうに考えている次第でございます。
○中村鋭一君 せっかく御努力をお願いしておきます。 現在、特定疾患対策、法令に基づかないで、いわゆる補助金行政の形で実施されているものが多いのですけれども、二次臨調で答申が出ましてこれが仮に整理の対象になった場合は、厚生省はどのように対処をなさるおつもりですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 第二臨調につきましては仮定の問題でございまして、私どもとしては答えることはまだむずかしい状態でございますが、いずれにいたしましても、先ほどから申し上げておりますような難病対策の基本的な施策の遂行というものが障害されないように十分努力いたしたいと考えております。
○国務大臣(園田直君) 失礼いたしました。いまの答弁は私がすべき答弁でございます。 第二臨調、いろいろ考え方が示されておりますが、まだ結論が出たわけではありません。しかし、いろいろ考え方については想像ができます。これができない前に答弁することは軽率ではありますが、臨調の答申が出、総理の方針が決まれば当然私はこの方針に従って努力をすべきものだと考えております。ただし、私の所管にはやむを得ざるもの、それからもう一つは正直に自分から考えてみてももっと適正に効率的に使えば締められるもの、それからむだなもの等もありますから、その点は十分しんしゃくをしてやるつもりでございます。
○中村鋭一君 ただいまの厚生大臣のお答えをわかりやすく言えば、強きをくじいて弱きを助けなきゃいけないのだから、強きを助けて弱きをくじくような、そういう政策の展開はあり得ないというふうに私は理解をいたしました。 総理大臣にお尋ねいたしますが、きのうおとといの毎日新聞、鈴木首相は「補助金のカットにより、二兆円の歳出削減を行う意向を明らかにした。」、「補助金について総理は「一部にシワ寄せすることはできない」としており、総額十四兆円にのぼるといわれる補助金・助成金の「一律一割削減」など、強い措置を取ることを示唆した。」、このように報じられておりますけれども、これは事実でございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 新聞の報道でございますから、表現その他全部が全部そのとおりということではございません。ただ私は、財政再建、これはわが国が当面する最大の政治課題である、これをどうしても五十六年度予算に引き続き五十七年度もやっていかなければいけない、このように考えております、その際に、増税による財政再建をするのか、あるいは行財政の思い切った縮減合理化によってこれを達成するのか、道はその二つしかないと、こう考えております。そこで今年度、現行税制の枠内ではございますけれども、一兆四千億に近い御負担を国民の皆さんにお願いをしたという経過からいたしまして、五十七年度予算の編成におきましては、そういう大型増税等はもう念頭に置かないで行財政の思い切った縮減合理化によってこれを達成をしたいと、こういう考えでございます。 そこで、それを達成いたしますためには聖域はない、あらゆる分野にわたって不要不急、あるいはその他、こういう際であるからこの程度のことはがまんを願いたいということで各分野にわたって思い切った見直しをして、これをやっていきたいと、こういう趣旨、そういう趣旨だけは出ておるかもしれませんが、二兆円の減額であるとか、あるいは一律とか、そういうようなことは表現が私の考えとはちょっと違う面もございます。趣旨はいま申し上げたとおりでございます。
○中村鋭一君 よく私いまの総理の答弁で理解が行き届かないのですけれども、新聞によれば「「一律一割削減」など、強い措置を取ることを示唆した。」とおっしゃっているわけでございますから、それはそのように示唆をなさったのでございますね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 一律一割などという示唆はいたしません。これは各省庁全体で公平に、やはりこの犠牲というものはみんなが負担していただかなければならないだろうと、こういう意味合いのことは申しております。
○中村鋭一君 きのうわが会派の大内政審会長が安倍政調会長とお会いになりました際に、多数の法律にまたがる補助金の削減を一本の法律でまとめて行う財政再建法をつくる考えを明らかにした。民社党の大内政審会長も大いにおやりなさいという意思を明らかにしているわけでございますけれども、これについて総理はどのようにお考えでございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) まだ私の考えは固まっておりません。わが党の安倍政調会長の御意見も有力な御意見であるというぐあいに私は評価をいたしておりますが、私の考えはまだ固まっておりません。
○中村鋭一君 お願いをしておきたいのですけれども、行財政の整理、それに伴って二次臨調の答申が出ます。おいおいそれ以後も出ると思いますけれども、これに対して総理は政治生命をかけて取り組むとおっしゃったわけでございますね。しかし一方では、ことしは国際障害者年であります。そういう点で、もし弱い者に対する予算措置等がないがしろにされるようなことがあると大変困ります。したがって、総枠でたとえば一律にカットをするということがありましても、たとえば厚生省の中でこれは重点的にやらねばならぬものには十分に予算をつける、こちらの方は削れるものだから削れるというふうに可変的な予算措置をぜひおとりいただきたい。厚生大臣にもこれはくれぐれもお願いを申し上げておく次第でございます。 ありがとうございました。
○委員長(木村睦男君) 以上で中村君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、前島英三郎君の質疑を行います。前島君。
○前島英三郎君 いろいろ総理にお尋ねしたいこと、厚生大臣にお尋ねしたいことがたくさんあったのでございますが、委員の方からあらゆる角度から国際障害者年に関する質疑がございまして、大変私も勉強させていただきました。 ここでひとつ考えを変えまして、総理に個人的にお伺いしたいのでございますが、総理はゴルフはハンディキャップお幾つでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 以前はオフィシャル十四でございましたが、いまはなかなかそういう、する服もございませんで大分落ちておるだろうと思います。
○前島英三郎君 私は、この人間社会はゴルフ場だというような気がするのです。なぜゴルフの話をしたかといいますと、つまりそのハンディキャップというとらえ方は、総理も何回もゴルフをやっても一向にハンディキャップが上がらない。そのハンディキャップは上がらないけれども、練習さえすれば十四、十三、十二となる。しかしちょっと油断をし、また体力的に衰えがくると十六、十八、二十と、こうふえていく、私はそういう意味では「完全参加と平等」の社会もゴルフ場のようなルールでなければならないというふうに思うのです。ところが、社会的不利な条件があるのだけれども、なかなかその不利を埋めてくれるものがない、しかし何とか社会に参加して、積極的に自立をして、雇用をされて、やはり少しでもハンディキャップを軽くしていこう、こういう気持ちをどの障害者も抱くだろうというふうに思うのです。そこで、そのハンディキャップはどこが一体受け持ってくれるかというと、これがぼくは政治だろうというふうに思うのです。そういう意味では、私はハンディキャップという言葉は——ゴルフを私も健康なときにやっておりました。オフィシャルは八までまいりましたけれども、いま車いすでも私はゴルフをやるようになりました。それで思うのですけれども、なぜこれが障害者の雇用の場にあるいは教育の場に使われないのだろう、片やハンディキャップ二の人も十四の人もあるいは三十六の人も一緒に仲よくプレーができる、堂々とプレーができるその背後には、それぞれハンディキャップをハンディキャップ委員会がちゃんと受け持ってくれているのです。ぼくはそれが一つの社会保障であり、所得保障であり、そして平等の原則だというふうに思うのです。そういう意味では、やはりゴルフのルールに似たような政治でなければ真の障害者の自立ということは考えられないような気がしてならないのです。私のこの考えに対して、質問通告してありませんが、総理はどのようにお感じになりますでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) ぼくはゴルフを含めましてスポーツはフェアプレーだと、このように考えます。そういう意味でやはり適正なハンディのもとにみんなが楽しくプレーができる、人生が送れるということが望ましいし、その一翼を担うものが政治であると、こう思っております。
○前島英三郎君 そこで、やはり社会的なハンディキャップをなくすには、それなりのその人の持っている重いハンディキャップを政治がどうカバーしていただけるか、そしてこの人間社会がゴルフ場だとすれば、全員がプレーヤーでなければならないというふうに思うのです。そして、ハンディキャップが軽い人も重い人もみんなやっぱり触れ合ってこそ「完全参加と平等」のこの国際障害者年のテーマに即応すると、こう思うのです。いろいろ考えていきますと、やはり一番そういう部分のお互いのコンセンサスを得られるところはどこだろうと感じていきますと、私はやっぱり教育の場じゃないかなあと、こう思うのですけれども、まあ十六日に総理は大変統合教育に対する理解ある前向きの御答弁をいただきまして、障害者を持つ親たちがどれだけ勇気づけられたかということを私は改めて申し上げたいわけでございます、社会労働委員会でも、園田厚生大臣も積極的に統合教育でなければ障害者のやはり社会参加はなかなかむずかしい問題があるし、どうしても未理解な人たちがふえてしまって、やはり自立という面も非常に道が狭められてしまう、こういう御答弁もいただいておるわけでありますが、重ねてきょうの議論の中にもその養護学校の問題が取り上げられておるわけでありますが、やはり養護学校というものは本当に重度の人たちが教育を受けるところとして保障されたものであって、やはり最終的には親がこの子にとってどこが一番教育としてふさわしいか、親がやはりその判断をするという総理の意向というものが尊重されなければならないのですが、どうも文部省の感覚が一番古い、おくれているという部分に非常に悲しい思いをしたわけでございます。「完全参加と平等」の中で、やはり最初の小さなグリーンで楽しむのは教育の場、その教育の学校社会の中で、やがて成長してみんながお互いにハンディキャップをカバーし合って楽しく十八ホールがプレーできるような、そういう人間社会を目指すために、私は総理大臣に推進本部長として心から温かい御指導をお願いを申し上げたいと思うわけでございます。 最後に総理のお答えをいただきまして、私は六分間しか時間がございませんので終わらせていただきます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 身体障害をお持ちになる子供さん方の教育の問題につきましては、先ほども村沢さんの御質問に対してお答えを申し上げたとおりでございまして、私の考えは変わっておりません。私は、その運用に当たりましては、子供さんにとってどういう統合学校に行った方が、その障害の程度その他から言って、また統合学校の施設等から言って幸せであるか、またどうしても強度の障害を持つことによって統合学校はどうしても無理だと、かえって本人が苦労されるというようなことで養護学校等を選ばれる、これは子供さんを中心として、両親、父兄と教育委員会等が十分子供さんを中心として話し合いをする、どちらが子供さんの幸せになるかということでお話し合いを願えば、私は必ずいい結果が出るものと、このように考えておるわけでございます。
○委員長(木村睦男君) 以上で前島君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
○山田勇君 八代君の本当に説得力のある角質疑の後は、なかなか私みたいな口べたはやりにくいものでございますが、労働省の労働大臣にお尋ねをいたします。身体障害者の雇用対策についてお尋ねをいたします。午前中の質疑応答の中で十分私なりの勉強をさせていただきましたが、いろいろこの原稿に基づかないで私は労働大臣にお尋ねいたします。時間もございません。 雇用率が一・五%という設定をされておりますが、その中でどうして雇用の促進がはかどらないのか、その原因は一体どこにあると大臣お考えになっておられますか。
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、いまはかどっていないという断定をするには少し早い、現にどんどんどんどん毎日毎日はかどっておる、かように思いますし、またはかどるように私どもは努力いたしておるわけでございますから、さように御承知おきを願わなければなりませんけれども、何といいましても雇用者が人を雇用する場合に、特に日本の場合はそうでございますけれども、学卒者をお採りになるというような時期、それが終身雇用でございますから、国お採りになりますと御退職になられまするまで同じ職場でお働きになられる、そういうことが多いわけでございます。そういったときに、やはり若い、より体の健康な者を採りがちであるということがあるわけでございまして、いま私どもは身体障害にある方々の雇用につきましても、お勧めをいたしまして採っていただいておるわけでございますけれども、そういった方々には余り難はございませんで、ただお年を召しました身体障害の方々につきまして非常にその御就職に困難を私ども感ぜざるを得ないということが大きな問題であろうと、かように考えております。
○山田勇君 事業主に問題があると思いませんか。たとえば納付金で事を済ませようという企業側の姿勢、雇用する側に問題があると大臣はお考えになりませんか。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいまはさようなことはございません。
○山田勇君 私はそうだと思いませんが、もう時間がございません。 企業によっては、先日京都の大丸の一階に車いすで売り場を担当している女性がおられます。企業によってはそういうふうに一番人の多い目のところにそういう肢体不自由の方を雇用しているりっぱな事業もあるわけでございますが、これからのひとつ労働省の大きな指導の中でそういうふうにどんどんと促進をしていっていただきたい。納付金をもらって終わりというようなものじゃないと思うのですね、働きたいのです。だからこそ、だからテレビのコマーシャルにあります、私たちにもできますとポールをほうっているコマーシャルが全国に流れております、私たちもできるんじゃなく、あなたたちもできるんですよという国の姿勢ですね、こちらから訴えているのじゃなく、国の施策の中にそういう温かい心遣いをいただきたいと私は思います。 最後に、国際障害者年の推進本部長としての総理にお尋ねをいたしますが、障害者自体の悲劇は、障害者を抱えた家庭にあると思うのですよね。いろんな心中事件など新聞記事も毎日のように目につきますが、障害者がいるのが正常な社会だという理解と認識をだれからももらい、ことしより来年一層の施策の充実を図り、予算面におきましても福祉の見直しをもう一度総理考えていただきまして、いろんな形の行政改革の中での見直しその他あると思います。厚生大臣も総理の一つの決定によって従っていくというふうな面もあります。切れる分切れない分、厚生大臣先ほど来ずっと御答弁なさっております。切るも切らないもやっぱり推進本部長を務めております総理の考え方にあると思うのです。一億二千万の人口のうちからの四百何十何万人の障害者ぐらいはみんなの力で救えると私は確信しております。総理の決断を伺いまして、質疑を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府としては、今日までいろいろな角度から身体障害者の社会に完全復帰する、また平等な社会的な立場をとっていただくということでいろいろ努力をしてまいったところでございますが、今年は国際障害者年でもございます。今後この障害者年を契機といたしまして、一層障害者の完全な社会への参加と平等の実現のために努力をしてまいりたい、こう思っております。
○委員長(木村睦男君) 以上で山田君の質疑は終了いたしました。 これをもって、国際障害者年に関する集中審議の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、分科会の設置に関する件についてお諮りいたします。 本件に関する理事会の協議決定事項について御報告いたします。 分科会の数は四個とし、各分科会の所管、分科担当委員数及び各会派への割り当ては、お手元に配付いたしました資料のとおりとすること、分科担当委員の選任並びにその辞任の許可及び補欠選任については先例により委員長に一任すること、分科会の審査期間は明二十七日及び三十日から四月一日までの四日間とすること、分科会への参考人の出席についてはその取り扱いを委員長に一任すること、以上でございます。 右、理事会決定どおり取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、ただいま委員長に一任されました分科担当委員の選任につきましては、お手元の分科担当委員氏名表のとおりに指名いたします。 明日は午前十時三十分から各分科会を一斉に開会することとなっておりますので、御協力くださるようお願いをいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十五分散会