文教委員会 第13号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/05/21
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 本委員会委員浅野拡君は、去る十五日、急性心不全のため逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表したいと思いますので、御出席の皆様方の御起立をお願い申し上げます。黙祷始め。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(降矢敬義君) 黙祷を終わります。御着席ください。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に佐藤昭夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) この際、お諮りいたします。 去る四月二十八日、放送大学学園法案について、逓信委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに決定いたしましたが、その後、当委員会に対案である放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案が付託されました関係上、逓信委員会から同法律案について連合審査会の案件として追加するよう申し入れがありました場合には、これを追加することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 放送大学学園法案及び放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 四月の二十一日の日、法案第十二条の役員の欠格条項についての私の質問の言葉の中に正確を欠くものがありましたし、また答弁漏れもありましたので、確認をしておきたいと思います。 まず、宮地局長は、十二条一号についての私の質問に対して、放送大学学園は本来国とは別個の法人格を有する団体であるから、政府または地方公共団体の常勤の職員が役員になることは、一、法人の運営の自主性が損なわれるおそれがある、二、政府または地方公共団体の職員についても、国公法、地公法の規定により職務専念の義務があるので、役員となることから除いていると答弁をされました。それでは、政党の役員が放送学園の役員になるということは、法人の運営の自主性が損なわれるおそれがないということかと、こういう反論もできると思いますが、そうであるというふうに言い切れるのでしょうか。法案第十二条三号で放送法十六条四項四号を排除したことは、文部省としては法人の自主性を損なわない、こう判断をして提案をしているというように理解をしてよろしいですか。
○政府委員(宮地貫一君) 法人の自主性の判断のところは、私、御答弁申し上げた点について申し上げておるわけでございまして、政党の役員を入れることはそれでは自主性は損なわれないのかということを申し上げているわけではございません。それで、先般御質問、さらに御答弁申し上げた点は、国とは別個の法人格を有する団体であるから、政府または地方公共団体の職員が役員になることについては法人の運営の自主性が損なわれるおそれもあるということで御答弁を申し上げた点でございまして、その点はむしろ政党の役員を欠格条項に規定していないことについては、やはり同じ御趣旨の御質問に対しまして、従来の立法例等に照らしてそういう欠格条項としては掲げていないということで答弁を申し上げたわけでございます。自主性云々の点で申せば、政党の役員を入れることについては、やはり法人の運営の自主性を考えれば、その点は慎重な配慮が必要であろうと、かように考えております。
○粕谷照美君 郵政省にお伺いしますけれども、放送法十六条の四項四号が政党の役員を明確に排除をしているという、その意味はどうなんでしょうか。
○政府委員(田中眞三郎君) NHKの経営委員の欠格条項でございますけれども、これはNHKは国民的基盤に立つ公共放送といたしまして、公共の福祉のためにあまねく日本全国において受信できるようにいろんな種類の放送を行うという特質にかんがみまして、その適正な運営を確保するため必要と考えて政党の役員を排除したものでございます。繰り返しますと、政党の役員を掲げて欠格事項といたしましたのは、広くNHKは言論の報道機関といたしまして自主性を確保し、政治的に公平でなければならぬ、そういう趣旨からだと考えております。
○粕谷照美君 郵政省もこの法律を出すときに相談を受けていたというふうに考えますけれども、この放送大学の持つ放送そのものはNHKよりは確かに放送内容の狭さというものはありますけれども、全国に行き渡っていく、そしてだれでも見ることができる、そういう意味とあわせて、公共的な放送でありますね。その放送大学学園法にこの条項を排除したということは一体どういうふうに理解をしていらっしゃるのですか。
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。 NHKは先ほど御説明したような物の理解でございますけれども、放送大学学園は確かに放送でございますけれども、教育を行う大学を設置すると、そして放送大学におきます必要な放送を行うその目的なり業務というものに照らして決められておるわけでございますけれども、学園の役員につきまして政党の役員を欠格事項に掲げなかった理由でございますけれども、やはりいま先生の御質問にもございましたように、放送学園の放送というものは放送大学におきます教育に必要な放送という非常に限定的なものでございますし、具体的には放送大学におきまして授業の内容として制作された番組が放送される、そういうところから学問の自由なり大学の自治の保障によりまして番組編集の自由は十分保障されているというのが一つの考え方でございますし、また、教育基本法の第八条におきましても「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治的教育その他政治的活動をしてはならない。」という規定がございます。そういうこと等、政治的公平については十分保障されているというふうに考えて、政党の役員を欠格事由に特に掲げなかったという考え方でございます。
○粕谷照美君 私たちはそういうふうに理想的にならない心配があるから質問をしているのです。もしそういうふうに純粋になっていくのであれば、先ほどの局長の答弁に慎重に配慮をするという必要は私はないのじゃないかというふうに思いますよ。やはり四月二十一日の私のその点に対する宮地局長答弁、「しかしながら、もちろんこれは規定としてはそういう規定で考えておるわけでございますけれども、先ほども申しましたように、放送大学学園が大学を設置するという特殊法人であるという、そういうことにかんがみまして、役員の任命に当たりましてはそういう特性を十分配慮した慎重な対応というものは必要であろう、かように考えております。」と、こう答弁をされております。さらにまた、重ねての私の質問の中に「たとえば仮に政党の役員のうちに放送大学学園の役員としての適任者があった場合におきましても、その者を学園の役員に任命するということについては十分慎重な配慮がなければならない」、こう答えていらっしゃるんで、そんなにきちっきちっとスムーズにいくというふうには思われません。 それで、宮地局長にお伺いをしたいと思いますけれども、いま私が読み上げました「十分慎重な配慮」というのはどういうことを言うのでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 実はその日の御質問が、さらにその点は大臣にも確認のお尋ねがございまして、先生の御質問で「もっとはっきり言っていただきたいと思いますけれども、政党の役員がこの放送大学の役員になると、このことは好ましくない、あってはいけない、こういうふうに理解してよろしいですか。」というお尋ねがございまして、大臣からは「基本的には全くそのとおりでございます。」という御答弁を申し上げておるわけでございまして、私どもとしても、もちろんそういうここで、国会でそういう質疑が行われておりますことを十分受けて対応をするというぐあいに考えております。
○粕谷照美君 私は、大臣への質問に際しまして自分では正確な言葉を使ったつもりでいたのですけれども、議事録を読みましたらやっぱり間違っているんですね。八ページの上段のところに「政党の役員がこの放送大学の役員になる」、こう言っておりますね。これ大学学園というふうに言い直したいと思います。大臣ももちろん私の間違いに気づいて、なおかつ、多分言わんとした意味を察してお答えいただいたものだというふうに思っておりますけれども、その点は確認してよろしいでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) そのとおりでございます。
○粕谷照美君 そうすると、電波局長にお伺いをいたしますけれども、電波局長が先ほどお話をなさったことについてはわかりましたが、禁固刑だとかそういうような人たちと一緒に並んでこの放送大学学園の役員に政党の役員がなるということが出ているのはおかしいという意味からも、それは欠格条項から外したというふうに、こういうことについてはいかがでしょうか。
○政府委員(田中眞三郎君) そのとおりであると思います。
○粕谷照美君 文部大臣の答弁でよくわかりましたし、いまの電波局長の話でもよく内容がわかりましたので私はこの点については終わりたいと思います。 局長どうもありがとうございました。 次に、放送大学の位置づけ、管理、運営、電波利用の方法、教員人事、教育課程など各会派からさまざまな角度から質問が行われました。非常に参議院文教委員会は突っ込んだ討議を重ねて、どうしたら放送大学が真に国民の学習権を保障する大学となるかを検討してきたというふうに思っております。その質疑、答弁の中から私は教学という点からこの放送大学が頭の中に描かれてきましたけれども、しかし、この放送部門の点からはいま一つイメージが出てきていないように思います。したがって、これからはちょっと放送部門についての質問をいたします。 まず第一に、五十年の基本計画に関する報告、この中に大学本部の一の二として「放送施設・設備」の項目と価格、こういうものが載っております。この放送の施設において行う放送業務というのは一体自前でどの辺のところまでのことをやるのでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 放送関係の部分についてのお尋ねでございますが、私ども第一期の計画として関東地域を対象地域として発足をするということで考えておるわけでございますが、「放送大学の基本計画に関する報告」におきましても、たとえばこの基本計画の十九ページでございますけれども、放送教材の制作部門につきましては、この基本計画では、その点は「放送大学のスタジオにおいて、請負契約のもとに制作に従事するスタジオ関係専門職の協力を得て行う。」ということが述べられておるわけでございます。具体的に関東地域を対応地域として発足いたしますこの放送大学の第一期計画においては、全体的には約三百名程度の職員を予定しておるわけでございますけれども、このうち放送関係者としては五十名程度を見込んでいるわけでございます。その具体的な配置計画というのは、これから大学の教育課程に基づきます番組制作、放送計画等に対応しまして適切に人員配置をするということがもちろん必要でございますし、関係省庁とも協議をして予算措置は講じていくわけでございますが、考え方としてはその程度を見込んでいるわけでございます。
○粕谷照美君 放送局をつくりますね、そのつくった放送局で自前でやる部分、たとえばNHKのようにずうっと最後までやるというようになるのかどうかということです。
○政府委員(宮地貫一君) 考え方といたしましては、制作の部分、それから放送に関していえば放送を送り出すといいますか、送出、運行に関しましてはもちろんこの放送大学学園の対応としてやるわけでございますが、先ほどもちょっと基本計画のところで申し上げましたように、具体的な放送番組の制作に当たって、もちろんいわゆる専門のテクニカルディレクターでございますとか、カメラマン、その他の番組制作スタッフについては、それら番組制作関係の機関と契約をしまして行うことも含めて考えておるわけでございまして、実際の番組制作にはもちろん支障のないように対応をしておるわけでございますけれども、そういう番組の実際の制作、教材の制作というような点では外部委託をするということも含めて検討しているところでございます。
○粕谷照美君 確かに十九ページのところには、「放送教材制作部門」について、どういう言葉で言ったらよろしいでしょうかね、制作は、「スタジオにおいて、請負契約のもとに制作に従事するスタジオ関係専門職の協力を得て行う。」と、こういうふうに書いてありますから、確かにそういうことになるんだろうと思いますけれども、その点でまたわからない部分がたくさん出てくるわけです。 同じく、「授業科目の編成のために必要な職員数の見積り」と、これが十九ページにありまして、二十ページのところに、助教授の数、専門職の数、そして今度は、チーフディレクターとプログラムディレクターの数が載っております。しかし、これはまあ全体構想の中でチーフディレクターが三人、プログラムディレクターが五十人と、こういうことになると、合わせて五十三人ですね。 いま局長の説明によれば、放送関係者五十人ぐらいをまず一期計画として、予算の関係があるから明確には言えないけれども、考えたいと、こんなお話がありましたけれども、その一期の中にチーフだとかプログラムディレクターなんかはどの程度入るようになるんですか。
○政府委員(宮地貫一君) 一応この第一期の計画におきましても、先ほども申し上げましたように、制作部門についてチーフディレクター、プロデューサーというようなものも具体的に配置をする考え方で対応をいたしております。 それと、放送部門として、たとえば放送の実際の送出、運行というようなことも行う技術者を、この放送大学学園としてそういう人員、スタッフを置くことを予定して、計画を立てているところでございます。
○粕谷照美君 しかし、この送出だとか運行なんていうのは、どれだけのものをやるかということじゃなくて、時間的に決まっているわけですから、数字としてはきちっと出てくるわけですね。その辺の数字もまだ明確でありませんけれども、一体どういう職種の人たちがありますでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 放送の技術的な分野になるわけでございまして、具体的には、私ども、郵政省とも十分御相談をしながら対応をしていくわけでございますが、送出、運行というような具体的な技術的な面では、実際の計画をいたしております職員数としては、それぞれ放送部門、制作部門というものについて十五名ないし三十名を予定いたしておりまして、それらを合わせまして、先ほど申し上げましたそういう分野として、放送関係の分野としては約五十名程度を見込んでいるということを申し上げたわけでございます。 制作部門で言えば、プロデューサーなりチーフディレクターあるいはチーフディレクターの補佐というような職種の人たちが考えられるわけでございます。
○粕谷照美君 この基本構想、基本計画で言いますとね、そのチーフディレクター、プログラムディレクターは、「VTとATの制作に必要な台本の作成、資料の収集を行う。」と、こうありますけれども、この人々の役割りはそこまでですか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん、この基本計画に関する報告には、そういうことが述べられているわけでございますけれども、さらに具体的な制作については、具体的にはたとえばプロデューサーについて言えば、その全体の制作を指揮をするといいますか、そういう職務が一番大きい事柄になるかと思います。 先ほどの御指摘の点で言いますと、基本計画の十九ページにその点は説明があるわけでございますが、専門職のチーフディレクターのもとに制作主任のプログラムディレクターが置かれ、「台本の作成、資料の収集を行う。」ということが述べられておりますが、さらに放送教材制作のためのプロデューサーの仕事を担当する者は、別途置かれるということが言われております。こういう具体的な制作なり放送の専門分野の問題につきましては、もちろん関係の郵政省と十分協議をしながら、実務的にそれらの点について十分慎重な対応なり検討が必要なわけでございまして、具体的な制作に当たりましては、さらに従来NHKが実施をしております豊富な経験と申しますか、そういうようなものについても、具体的な技術者の面ではそういう御協力もいただきながら、実務的に進めていくというぐあいに考えているところでございます。
○粕谷照美君 放送教育開発センターで、現実にもう試行に入っているわけですからね、そちらの方からだってきちんと答弁が出ると思っていたんですけれども、NHKという言葉が出てきましたのでびっくりしましてね。NHKにまだそういう協力を頼んでいるわけでもないのに、どうしてそういう御答弁が出てくるのか、その辺が不思議でなりません。要はこの辺のところは、全く文部省としてはわからないで、郵政省の方にもうお任せだというような感じですけれども、それはどうですか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん、そういう分野について放送教育開発センターでも、現在実験番組という取り組みで対応はいたしておりますが、実際に放送局のスタッフの確保というようなことについては、郵政省もこの特殊法人の主管としては、私ども共同でこの特殊法人を共管をしているというぐあいに考えておるわけでございまして、そういう放送関係の技術的な分野については、もちろん専門の郵政省の御協力もいただき、さらに先ほど申しましたように、NHKを初め既存の放送事業者の協力もいただかなければならぬ点でございます。それらの点については、私どもとしてもこの法案が成立をいたしまして実際に大学の設置に向かい、あるいは放送局の開設に向かって実務を進めていくに際してはNHK側にも御協力をいただくということで、これはそういう方向についてはもうすでにNHK側にもお話もいたしておるところでございます。
○粕谷照美君 同じ十九ページのところですけれども、(4)の(a)「放送教材制作部門」の下の方の段に入りますけれども、スタジオ関係専門職の協力を得て、放送教材の作成は請負契約で、しかも放送大学のスタジオにおいて行うと、こういうことになっていますね。契約をやるというわけですが、一体どこと契約をするのか、それから「スタジオ関係専門職」というのは一体どういうような職種の人たちを専門職というのかということについてお伺いします。
○政府委員(宮地貫一君) スタジオ関係の専門職としては、たとえば番組制作の場合に必要となりますテクニカルディレクターでございますとかあるいはカメラマン、音響係、照明係というような番組制作の技術スタッフが考えられるわけでございます。そして、外部に委託をすることももちろん考え方の中には考えておるわけでございまして、それらについては、番組制作の関係の機関と契約をするということをも含めて、もちろん学園当局と郵政省を初め関係省庁とも協議をしてそういう具体的な番組制作に支障のないような対応を考えていくという事柄を述べているわけでございます。
○粕谷照美君 外部に委託をするということは外注、外注と言えば大変聞こえはいいですけれども、これはもう完全に下請ではないんですか。その辺は下請でないということで考えていらっしゃるのですか。
○政府委員(宮地貫一君) 具体的に放送番組の制作量と大学の教育課程に基づきますその教育のための必要となる番組の数がどうなるかということから考えていかなければならぬわけでございまして、ある一定の期間内で必要となる番組制作の量と実際にこの学園の番組制作スタッフの数などから見まして、番組の一部について制作を外部に委託する必要はやはり出てくるのではないかと考えておるわけでございます。もちろんその場合にも原則的には、この放送大学学園の番組の自主性という観点から学園の番組制作スタッフがその制作に当たる体制をとることは必要であるわけでございます。外部委託する場合についても、その自主性を確保するというような観点から学園の担当プロデューサー等の制作スタッフがその番組の実際の制作に十分対応をしていくということはもちろん必要でございまして、それは当然のことでございます。 具体的な外部委託に際しましては、従来、番組の制作の際に申し上げておるわけでございますが、コースチームをつくって、そこで企画検討した番組内容に即してディレクターなりプロデューサーの統括のもとに制作が行われるようにすることを考えておるわけでございます。もちろん、そのコースチームには、実際に制作に当たる外部機関の、委託の場合の外部の担当ディレクターも参加をして具体的な制作の仕事を進めていくということになろうかと思います。
○粕谷照美君 それで、どういうところと契約を考えていらっしゃるんですか。NHKは先ほどから協力をいただくというんですから当然考えられるとして、それだけですか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろんNHKにも、十分いままでのNHKの技術なり経験というものを生かしていただきまして御協力をいただく、それは技術スタッフ等についてもお願いをしなければならぬ点でございますが、ほかに民間の番組制作についての専門のそれぞれ機関があるわけでございまして、適切なそういう番組制作の機関については民間のものを含めて委託をしていくということは考えられるところでございます。
○粕谷照美君 そういうことが考えられると、こう言いますけれども、民間の放送事業所でそういう教育番組についての専門的な経験を持っているところは幾つぐらいありますか。具体的な名前もちょっと教えていただきたい。
○政府委員(宮地貫一君) 従来放送教育開発センターで行っている実例で申し上げますと、放送教育開発センターは放送教育の実験番組の制作なり放送に当たっておるわけでございますが、民教協と言われておりますが、民間放送教育協会に請け負っていただいて実施をしているわけでございます。さらに、この民間放送教育協会がセンターとの契約に基づきまして、実際の制作について申しますと、たとえば五十五年度で言いますと、全国朝日放送でございますとかテレビ朝日映像、ラジオ関東というようなところに請け負わせて実施をしておるというのが、従来放送教育開発センターの実例で申せばそういうようなことが行われている実例としてはございます。これからの放送大学学園の放送の際にはそういう放送教育開発センターの従来行っております経験ももちろん生かしながら対応をしていくということになろうかと思います。
○粕谷照美君 私は北海道の方の公聴会に出ましたので聞きませんでしたけれども、広島へおいでになった方々からは、スポンサーの圧力で放送が中止をされたというようなことも公述人から出されたというような話も聞いているわけでありまして、そういう民放がスポンサーの圧力に、これはあれがありませんからいいですけれども、聞いている人たちから、あんなようなことをしゃべるものをおまえの会社でつくったのはおかしいなどと言うような圧力が出てくるのではないか、あるいは、そういうことを請け負う民放が放送法にありますいわゆる善良な風俗を害するような放送というものをやっているのかいないのかなどということなどについての心配というのは委託をするに際してはないものでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) ちょっと私も広島の現場へ参っておりませんのであるいは正確な理解でないかもしれませんが、言われている点は、スポンサーの干渉で放送中止になるということもあるという、放送の自由と憲法なり放送法との関係の点でそういうことが言われている点かと思いますけれども、もちろんこの放送大学学園の行います放送というのはほかにスポンサーを得て実施するというようなものではもとよりございませんので、そういう、御指摘の点がスポンサーの干渉等によって放送中止になるというようなことがあっては困るというようなことであれば、そういう事態は、ちょっと放送大学学園の放送に関して申せば、そういうことは考えられないところかと思います。
○粕谷照美君 私もそういうふうに思いますけれども、そういうようなところでフィルムを、教材をつくるわけですね、つくったのはけしからぬなどというような圧力がかかりはしないかということを心配をしているのであります。なければそれはそれで結構ですけれどもね。しかし、いまのお話で言いますと、外注ということは、はっきり言えば、上で決めたものを下はそのまま請け負ってやっていく、こういうことになるんで、制作管理の責任というのはどこにありますか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん、これは放送大学学園の放送でございますし、制作についての責任というのは放送大学学園が持っているわけでございます。委託をするということが事実上、実際的にはもちろん予想される点でもございまして、その点は先ほど来御説明をしておりますような形で委託ということが考えられるわけでございますが、この放送大学学園の番組ということの自主性はもちろん確保されなければなりませんし、それの番組の制作なり放送なり、そういうようなものについての責任というものは、もちろん放送大学学園みずからが持っているものでございます。
○粕谷照美君 開発センターが五十五年度にテレビ朝日やラジオ関東などに頼んでそういうものをつくってもらったと、私どもも調査に行きましてその画像を見てきたわけですけれども、NHKのものなんかは実にすばらしいというふうに思うわけですね。特に開発センターのお願いをしたフィルムを私ずっと見ていましたら、なかなか女の先生が出ていらっしゃらないけれども、NHKの場合など一番ケ瀬康子さんが出てこられたり、水田さんが出てこられたりして非常に生き生きした感じもするし、内容も非常にすばらしいと思うんですけれども、あれをNHKにお願いをしなかった理由は一体何ですか。
○政府委員(宮地貫一君) 従来、四十六年から四十九年までについては実験放送の実施というようなことでNHKにお願いをして調査もやってきた経緯はございます。現在、放送教育開発センターでは、民間放送教育協会と、特に電波で申せばテレビ朝日の電波で放送をいたしておるということでございまして、先ほども申しましたように、NHKに過去に放送大学の教育方法に関します調査研究ということを従来の検討の経過でやってきたわけでございまして、その際にはもちろんNHKにも実験放送の実施をお願いしてきたわけでございます。 現在の放送教育開発センターでは、そういうことで、これは民間の電波に乗せる、実際に電波を出す関係から電波の点ではテレビ朝日にお願いをしておりまして、民教協とセンターとの契約に基づいて制作を行っているというのが、現在の放送教育開発センターでやっております民教協なりテレビ朝日との関係でございます。
○粕谷照美君 NHKの技術はすばらしいけれども、電波をあけてもらえなかったので開発センターはこれを委託をしなかった、このように理解をして間違いじゃないですか、それじゃ。
○政府委員(宮地貫一君) そのように御理解いただいて結構かと思います。
○粕谷照美君 それではもうちょっと今度細かいことについて伺いますが、放送大学教職員の横並びで考えてみますと、ディレクターの地位ですね、一体どの辺のところにいるのでしょうかね。十八ページのこの図を見ますと、授業担当教員と横並びのように、同じ地位にいらっしゃるのかもしれません。それでは一体こういう方々の賃金というのは何が基準でつくられるのでしょうか。その他のスタッフなどという人たちの賃金は何を基準にもってつくられるのでしょうか。
○政府委員(宮地貫一君) 制作部門のスタッフの方々の、特に放送番組の制作に携わる方々の給与なりそういうようなものについての考え方でございますけれども、基本的には放送大学学園は特殊法人でございまして、特殊法人としての、他の特殊法人との均衡というようなことももちろんあるわけでございますけれども、他方いま御指摘のようなチーフディレクターというような、放送関係の方で申せば日本放送協会の場合ももちろん特殊法人でございますが、そういう専門職種についてはそういうものの給与水準ということの均衡も十分考えなければならない点ではないかと思っております。 なおちなみに、プロデューサーなりチーフディレクターと他の職員との位置づけはどの程度のものかというお尋ねでございますが、チーフディレクターについて言えば、それがほぼ一般の職種で申せば課長とやはり対応するような地位ということになろうかと思いますし、プロデューサーというのは言うなれば制作部門の次長というような職種に該当することになろうかと思います。
○粕谷照美君 特殊法人では、そうすると、課長というのが一番偉いのですか。もうちょっと偉い役があるんですか。
○政府委員(宮地貫一君) それぞれ放送なり制作を担当する分野のその部門の責任者としては部長というような者が通例考えられるわけでございます。したがって、プロデューサーとしては、いわばその部長に次ぐ次長クラスという地位になるのではないかと、かように考えております。そのもとにチーフディレクターというような者が位置づけられることになるかと思うわけでございます。
○粕谷照美君 こういう方々は多分任期制ではないのだろうと思いますけれども、今度採用されますと一度にどっと入ってくるわけですね、最初のときに。ずうっと定年までいられるのだというふうに思いますけれども、課長どまりで大体終わるということになった場合に、それはその他の放送事業所の関係で言えばどういうものなんですかね、将来展望がないというように見られるのではないですか。もしそんなふうに見られたとしたならば、優秀な方々はあんなところに行っていられない、こういうことで来ないということになりはしないか、その辺はいかがですか。
○政府委員(宮地貫一君) 教官スタッフについては、任期制というような形で人事の交流ということに努めるという考え方を打ち出しておるわけでございまして、この委員会の御審議でも任期制というもののメリットも考えられるけれども、しかし、やはりそれは、ほかのそれぞれ国公私立の大学の協力が本当にどこまで得られるのか、その点が任期制の面では問題点ではないかという御指摘もいただいておるわけでございまして、その運用については私どもも十分メリットが生かせるような形でほかの国公私立大学の御協力というものをお願いしなければならないと、かように考えております。 そして、いま御指摘の点は、たとえば放送関係の専門職員の方々の処遇なり将来の展望というようなことについてどう考えているのかというお尋ねかと思いますけれども、そういう放送関係の専門職員についても、もちろん先ほども申しましたような、NHKを初めといたしまして実際に放送事業を行っておりますところから専門の方々の職員についても御協力をいただくという形で対応をしていくわけでございまして、処遇についても、もちろん、そういう実際に放送のスタッフについての現実の、NHKを初めとする対応と均衡をとることも必要でございますし、またその辺はこれからNHKを初めとして今後の対応としては十分御相談をした上になるわけでございますけれども、やはり広い意味では、人事の交流というものが図られるということも、職員の方々には将来の展望という点から見れば、そういうことを積極的に考えていかなければならないのではないかと、かように考えております。
○粕谷照美君 大臣にお伺いしますけれども、やっぱりこういう特別の技術を必要とする方々、そして非常に重要な役割りをこれは果たしていただくわけであります。放送大学が成功するかしないかというのは、先生方と同時にこの放送部門に働く方々の資質というものが非常に重要になってくると思いますけれども、そういう方々の身分、将来展望などが十分に開けるような条件というものをおつくりいただけますでしょうか、御確約いただけますでしょうか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御指摘のように、こういう言葉を使っていいかどうかわかりませんが、いわゆる縁の下の力持ちとか裏方とか、そういう技術の関係の方々のバックがあって、初めて教育効果なり、その教育がなされるわけでありますから、その点についてはむしろ本当に、ひとつ十分に考えてまいらなくちゃならないと、かように考えております。
○粕谷照美君 先ほどからもNHKの問題についてずいぶんお話をいただいて大体わかったんですけれども、しかし、NHKに協力を要請をする、協力するにやぶさかではないと、こうNHKが答えているとおっしゃっているんですけれども、その協力というのは内容がわからなければしょうがないわけですね。一体どの程度のことを考えていらっしゃるんですか。
○政府委員(宮地貫一君) 具体的な内容については、もちろんこの放送大学学園ができまして、その責任者とNHKとの間で具体的にお話は進めていくことになろうかと思うわけでございますが、もちろんこれをつくるに、この放送大学学園法案を国会で御審議をいただいているという現状をも踏まえまして、すでに大臣からNHKの会長にも御懇談の機会をいただいて、そういう学園の成立の暁におけるNHKの従来持っております経験なりそういうものを生かした形で御協力をいただきたいということは、抽象的な形ではございますが、そういう形で対応もしてきておるわけでございます。 実際に具体的な点で申せば、たとえばやはり制作の関係でございますとか、あるいは送信の関係というような、そういう特に技術的な分野については技術的なスタッフをやはりこの放送大学学園のスタッフとして人員の面でも御協力を賜るようにお願いをするつもりでございますし、また番組制作の、特に放送にかかわる分野について言えばそういう技術的な協力をいただきたいと。 それから、やはり従来NHKが学校教育の分野でいろいろ番組を制作してきた経験で申しますと、たとえば自然科学の分野等におきましても非常にすぐれたテレビフィルムなりをずいぶんもう持っておられるわけでございまして、そういうようなものをこの放送大学の教育の中でどう生かせるかというようなことについても具体的に御相談を進める必要な分野ではないかと、かように考えております。
○粕谷照美君 まあ下請化ではなくて、協力していい放送ができるようにお願いをすると、こんなふうに考えて、私はそのことは了解をしたいというふうに思います。 ではもう一つ、このできましたVT、ATのカセットですね、これは著作権があるんですか。もし、自分の家で勉強したいなどというような人たちが出てきて、これをビデオにとって、またたくさんつくって回すなどというようなことについてはどう考えておられますか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん著作権はあるわけでございますが、自己使用といいますか、自分の学習のために使うことであれば、著作権法上で言います私的な使用のために複製ということについては、複製することができるという著作権法の規定が適用されることになるわけでございますから、著作権はもちろんございますけれども、それを自己使用のために、私的な使用のための複製ということはもちろん許されることであると、かように考えます。
○粕谷照美君 それでは最後に、大学法制における学問の自由、教授の自由と放送法四十四条三項との関連についていままで種々論議が深まってきていますけれども、もう一つ私は具体的にお伺いをしたいと思います。 たとえば、憲法九条と自衛隊の解釈だとか、あるいは原子力発電の危険、性だとか、あるいは自然科学などという部分につきましては環境アセスメントなんというようなことも非常に大きな教材になってくるのではないだろうかというふうに考えます。そういうときに、政治的な、科学的な争点にかかわる教授みずからの学問的立場から見解を述べることについてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(宮地貫一君) 具体的な、たとえばということで憲法第九条の解釈と自衛隊についての問題、この放送大学の放送において講師がそういう問題について自己の学問的見解を述べることができるかどうかというお尋ねでございますが、そういう政治的な判断を含む問題がそういうような問題についてはあるわけでございまして、もちろん慎重な対応が必要なことは当然でございます。しかしながら、講師が自己の学問的見解を述べることそのものでございますが、放送法四十四条三項二号のいわゆる「政治的に公平であること。」という規定との関係で問題はあるわけでございますけれども、大学における教授の自由と放送法四十四条三項の規定の趣旨に十分留意をいたしまして、大学側が放送という点について言えば、適正な自制のもとに対応するということで教授の自由の本質は損なうことはないと、かように考えております。それは講師が自己の学問的見解を述べるということは禁止されているものではないと、かように考えるからでございます。
○粕谷照美君 わかりました。 もう一遍確認をしますと、放送法四十四条の三項の四号、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」、こう書いて多角的な論点の問題は要求をしていますけれども、しかし明らかにされた論点のもとでいかなる結論も下してはならないと、こういうことは明示していない、こういうふうにとってよろしいですか、この放送法の問題は。
○政府委員(宮地貫一君) 第四号の方は、おっしゃるように「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」という点が必要なわけでございまして、そういう観点から意見の対立している問題については論点を明らかにする方策について特別の規定を設けているということになるわけでございまして、そういう意味では講義の方法に対する一種の制約ということにはなろうかと思いますけれども、講師がみずからの学問的見解を述べることそのものが禁止されているとは考えていないわけでございまして、したがって、この規定によって学問の自由が損なわれるものではないと、かように考えております。
○粕谷照美君 それでは、同じ部分の二号ですね、「政治的に公平であること。」、こういうふうにありますけれども、政治的な公平というのは一体何がこの基準になるかということでは、予算委員会における大臣の答弁、非常に私はすばらしいと思っていたんですけれども、この部分、あれかこれかの選択を禁止しているというふうには読めないと思いますけれども、どうでしょう。
○政府委員(宮地貫一君) 二号の「政治的に公平であること。」という規定は、もちろん放送であります以上はかぶるわけでございまして、学校教育の観点からは教育基本法第八条第二項というのがございまして、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」を例に掲げて、学校というものが「政治的活動をしてはならない。」という点が、学校教育の観点から、教育基本法の方でそういう規定があるわけでございます。この放送法の「政治的に公平である」ということでは、これは放送法制上から出てまいります規定でございまして、そういう意味で教育基本法と放送法との観点では若干の差というものもあろうかと思いますけれども、やはり政治的中立性の確保という観点から見れば同趣旨の事柄であろうかと思います。 この放送大学は、もちろん正規の大学でございますし法律に定める学校でございますので、政治的公平ということが要請され、それを受けてこの放送大学の教育も行われるということになるわけでございまして、先ほども申しましたように、講師が自己の学問的見解を述べること自身を禁止しているものではないと、かように考えておりますが、大学における教授の自由と放送法制上の要請とを十分留意をいたしまして、放送に関して言えば、大学側がみずから適切な自制のもとに対応していくということで、この教授の自由の本質ということは損なわれることなく対処できると、かように考えております。
○粕谷照美君 教育基本法の物の考え方につきましては、局長の答弁わからないわけではありませんけれども、しかし、やっぱり教授をする人が、いろんなことがあるけれども、自分自身はこう思うんだと、こういうことを禁止しているというふうには思わないわけであります。だから、あれかこれかの選択を禁止していないというふうに私どもは考えておりますが、この放送法の四十四条というのは、四十四条の特に三項なんかについても罰則規定のない倫理規定なんですね。そういう意味では大変心配があるわけです。その意味も込めまして、放送大学における教授の自由というものが確保をされるように私は文部省としても十分な注意をしていただきたい、こういうことを要望いたしまして文部省に対する質問はこれで終わりたいと思います。 次に、放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案、この発議者にお伺いをいたします。 第一に、衆議院の放送教育に関する小委員会は特殊法人方式で一致して報告書を出しているわけであります。ところが、この法律案は国立大学とNHKに分けると、こういうことになっているわけでありますけれども、小委員会報告とも違っております。この設置形態を国立大学として提案をするその理由についてお伺いいたします。
○勝又武一君 衆議院の小委員会報告の中で問題が二つあると思いますが、その一つは、この放送大学の設置形態につきまして小委員会の報告は「大学と放送局とを一体のものとした放送大学を設置するとすれば、」、こう言っておるわけでありまして、「設置するとすれば、現時点では現行放送法制上の制約にかんがみて特殊法人方式によらざるを得ないものと思われます。」、こう言っております。大学と放送局とを一体のものとすればという前提のもとでは特殊法人方式が好ましいと言っているのでございまして、別々の主体が放送と大学とを担当する場合については小委員会報告は十分な言及を行っていないのでございます。 そしてさらに、小委員会報告では、「この特殊法人方式をとる場合には、特殊法人の組織及び大学の管理運営のあり方について、大学の自治が尊重されるよう事前に十分な措置を講ずることが必要であります。」と、こういう指摘を行っております。 この二つは非常に重要なことだと私たち考えたわけでございまして、そういう意味合いで、これに対しまして政府案では、このような肝心な大学の自治の確保につきまして全く不十分であり、きわめて問題が大きいと、この点はとうてい容認できるところではございませんし、文教委員会での審議を通しまして大学の自治を十分に確保するために、国立大学とする以外にないことが明らかになったと、このように私たち考えまして、本案を提出をした次第でございます。
○粕谷照美君 提案理由を読んでみますと、大学の自治を確保するためにそういうことをやったというのですけれども、国立大学とすれば、まず人事権を初めとする重要な事項については権限が教授会に属することになりますね。大学の運営についての教員全体の意見がそういうことになると非常に反映をされていくと、こういうふうに考えます。また、国立大学協会の一員として大学協会やあるいは全国立大学によってその大学の自治がますます補強されるということは見逃せないと、こういうことも書いております。そのとおりだというふうに思うんですけれども、しかしその際に、この放送大学というのは普通ではなくて全国各地の地方センターに分散をしているわけです。そういう意味で教職員の実態を考えるときに、具体的にはその教授会そのものをどのようにして運営をしていこうとされているのですか。
○勝又武一君 ただいまの御質問は大学の自治という重要な問題にかかわるわけでございますが、私たちも大学の自治は大学の管理運営、大学がみずからの判断によって行うものだと、こういうふうに考えておるわけでございまして、この場合に最も重要なことは、大学の運営に教員全体の意見が反映されることにあると思います。そういう意味で、従来の大学におきまして当然教授会に人事権を初めとする重要な権限を付与してまいりました。放送大学の場合にも、確かに教員が全国の地方センターに分散をしている、あるいは教授会を構成する教員数も非常に多い、教員全体による教授会を頻繁に開いて意思決定を行うというようなことが一般の大学と比べて非常に困難を伴うということについては私たちもよくわかるところであります。しかし、考えてみますと、こういうような事情というのは多かれ少なかれ大きな学部を持つ総合大学、既設の大学等においてはいろいろとある共通的な事情かとも思うわけでありまして、そういう意味で教授会の効率的な運営を工夫することは当然でありますけれど、大切なことは教員全体の意見の反映をどう保障するかということにあると思います。そういう意味では、政府案のように教授会から重要な権限を奪ってしまって、少数の評議員に集中するというようなことになっている点よりは、この私たち社会党の法案の方がはるかに教授会の民主的な運営の保障なり学問の自治を保障するという点についてすぐれていると、そういうように考えるわけでございまして、なお、この教授会の適切かつ効率的な運営を図るために、事柄に応じましては各種の教員会議の設置とかあるいは各地方センターからの代表委員制の採用とか、さらに、最重要な事項につきましては教員全体の意思による最終決定を行うというような運営上いろいろの工夫をすることによって対処してまいりたいというように考えております。
○粕谷照美君 それは文部省の説明でもずっとありましたので、大体似ているようなことになっていくのではないかと思いますが、発想そのものが違ってくるわけですね。そういう教授会の決定によって、このような人たちの代表による評議員会というものをつくろうではないかというようなことはあり得るのですか。
○勝又武一君 そのように考えております。
○粕谷照美君 非常に重要な事項について教授会が非常に強い決定権を持つということは、私は大変にすばらしいことだというふうに思います。 その次に、この政府案については教員の任期制についての問題が出されているわけであります。国立大学にすれば任期制というものはなくなるというふうに思いますけれども、任期制にしないで——大分国立大学の定年というのも相当のものになるわけですからね、いつもブラウン管の中に年配の方がお顔を出してくるなんということになりますね。女のアナウンサーなんて、年とったから見るにたえないなんといって、アナウンサーの職から引きずりおろされたなんという、こういうこともありましたりして、いかがなものであろうか。この放送大学というのは非常に人事交流というものが重要になってくるんじゃないかと思いますが、その辺はどのように考えていらっしゃいますか。
○勝又武一君 国立大学にする最も私たちの主張する意味合いは、いま御指摘のありましたように、しかもこれは提案理由の中に事細かく申し上げましたが、国立大学間の相互の人事交流というものをきわめて円滑にすることができる、もう一つは政府案のような任期制ということをやらなくて済む、こういうように考えているわけでありまして、そういう意味では、地方センターの教員が教授会の構成員となることにつきましても、そういう意味合いで、国立大学としての特殊性といいましょうか、そういう点からいま御質問者がおっしゃっていましたような要素というものを十分考慮することができるというように考えております。
○粕谷照美君 国立大学間の人事交流というのは非常にうまくいくかもしれませんね。しかし、先日の質疑討論の中で高木委員から、国立大学は非常に学閥というのがはびこっていて人事交流は容易じゃないんだというようなお話もありましたので、そう簡単にいくというふうには私は考えません。しかし、国立大学間だけの人事交流であっては放送大学というのは開かれた大学にならない、私学の協力もいただいて大ぜいの方々にこの放送大学に入っていただくというようなことが大事になるというふうに思いますけれども、そういう場合に給与体系が、あの特殊法人のときには国立大学の先生や職員よりは一五%高くしましょうと、こういうことがあったわけですけれども、今度の場合は低水準になるというおそれが多いですね。もっとも国立大学の先生よりは低い水準の大学もありますけれども、高いところは、あの特殊法人、政府案ですら低くて来ないのではないかという心配を持っている。今度は国立大学になればなおさらであります。この辺のところはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○勝又武一君 いま御指摘のありましたように、私たちもこの放送大学自体が学問の自由、大学の自治を確保するために現制度のもとにおきまして国立大学にすることが最も適切だと、こういうように考えたわけでありますが、そのことはただ国立大学との協力なり人事交流がうまくいけばよろしいというだけの狭い意味では決してございません。放送大学の運営に当たりましては、他の公立大学や私立大学の関係者あるいは幅広く社会教育関係者の方々の協力というものが非常に必要だというように考えております。国立大学の共同利用機関における制度等もそういう意味では今後参考にいたさなければなりませんし、特に御指摘のありました給与水準の低下の問題でありますが、私学の教員の十分な協力が得られなくなる、あるいは協力することができないんじゃないかという意味合いの御質問の向きもございましたが、まず一つは、私たちは私学の方々につきまして現給保障制度ということもひとつその中で考えてよろしいんじゃないか、私学と国立との交流の場合におけるいままでの国立大学あるいは人事委員会規則等によりましても、きわめて前歴換算率の低さとかあるいは経験年数の換算率の低さとかということが、従来から国立と私立、特に民間から公務員なり国公立の教員になる場合に非常に問題になっているわけでございまして、私たちはそういう意味ではこの放送大学等を一つの契機にいたしまして私学の方々の現給保障というようなことを思い切って検討していくべきだと、そういう中から私学の方々の人材をまず放送大学に大きく受け入れていくということにひとつしてまいりたいというように考えているわけでございます。
○粕谷照美君 考え方はわかるんですけれども、この提案者及び賛同者の名前を見ますと、そういうことが簡単にできるような政治情勢ではないと思います。私、文部省に対する質疑は終わりますと言いましたけれども、宮地局長ね、この私学から国立大学に入ってくる、あるいは民間から国立の放送大学に入ってくる、そういう場合に現給保障などという制度がいまあるか、これからできるような条件になるのか、その辺はいかがですか。よく外国の大学から日本へ帰ってくると、がくんと給料が下がるなんというふうな話もありますけれども。
○政府委員(宮地貫一君) 現給保障という形がどういうものを指しますか、ちょっと正確に把握していないかもしれませんが、国立の教官になる場合について言えば、これは国家公務員でございまして、これは一般職の給与法があるわけでございまして、もちろん前歴の計算その他についても、これは人事院がその準則と申しますか、基本を定めているわけでございます。それに従って給与というものが決められるということになるわけでございますので、国家公務員にする場合に現給保障という——考え方としてはわからぬでもないんでございますが、やはり給与法なり給与法に基づきます法体系の中で考えなければそれ以上のことは無理かと思います。特殊法人の場合については、これはまあ特殊法人がその給与体系というようなことも定めることになるわけでございまして、やはり基本的には、この放送大学がまさに成功するためには優秀な教官スタッフというものを確保するということが一番基本だという点は、この委員会でもるる指摘を受けている点でございまして、そういう意味で、優秀な教官スタッフを確保するために給与のことももちろん考えなければならない一つの要素というぐあいには考えるわけでございます。もちろん、先ほどのお尋ねの際にも申しましたように、特殊法人の職員でございまして、特殊法人としての一つのバランスと申しますか、そういうことももちろん必要でございますが、一般論から申せば、通例でございますと、特殊法人の場合には国家公務員の給与水準よりは、先ほど御指摘もございましたように、約一五%程度水準としては高いところで決められているというのが現在の特殊法人の給与体系の一般的な原則でございまして、そういうようなことも考え合わせて決められることになろうかと思います。したがって、現給保障というような考え方がどっちの方がとりやすいかといえば、どちらかといえば国家公務員の方がその点はむずかしいんではないかと、かように考えます。
○粕谷照美君 特殊法人にしたらそれでは本当に一五%上に上がるんだろうか、現給保障ができるような条件がとれるんだろうかということについては、私は非常に不安を持っているんですね。具体的に特殊法人の労働組合が理事長などと交渉をしている、その議事録なんかを見ますと、国家公務員の例に準ずるとかね、もうそれを上回ってはいけないとか、こういうような答えが次から次へと返ってきていて既得権が下げられているわけです。いまもその健康会法などというものが衆議院を通ってまいりましたけれども、給食会と安全会の合併のときに給料をどこに位置づけるか、大変な問題点があるわけでしょう。先回国立になりましたオリンピック記念青少年総合センターの問題にしましても大変苦労するわけですね。だから、そう簡単になるというふうには思いませんので、私はそのことが明確になれば勝又委員の答弁は了解をいたしました。 それで、提案理由第三について伺いますけれども、放送大学の教学権と日本放送協会の番組編集権についてはオープンユニバーシティーとBBCの関係をモデルにしている、こう説明をされていますね。それで、このオープンユニバーシティーとBBCの関係というのは一体どういうことなんですか。こんな簡単な提案理由ではわかりませんので説明をしていただきたいと思います。
○勝又武一君 ちょっともう一度、事情がよくわかりませんでしたので。
○粕谷照美君 それでは質問をし直します。 この教学権と番組編集権についてはオープンユニバーシティーとBBCの関係をモデルにしている、こういうふうに提案理由では説明をされておりますけれども、質問は国立放送大学の教育課程編成権、これはNHKの放送番組編集権によって侵されるおそれはありませんでしょうか。
○勝又武一君 放送大学は放送等の媒体を使用して教育を行うという点で通常の大学とは異なっておりますけれども、当然学校教育法上の大学でありますから、大学教育に必要な教育課程を編成する権能を有する、そのものが放送大学における教育に必要な放送はNHKが行う、こうしているわけでありますから、その規定との関係もありまして国立学校設置法第三条の四として放送大学の編成した教育課程に準拠して放送番組が編集されるべき旨を定めまして、この両者の関係を明らかにしたつもりでおります。つまり教育課程の編成権というものとNHKの有する放送番組編集権というものとの相互を侵さないためにこのように、また本法案の中では学校教育法上の大学であるという点と、それから放送大学の編成した教育課程に準拠して放送番組が編集されるということを、この両者の関係をそういう意味で明らかにしたつもりでおります。
○粕谷照美君 この提案理由を読んでみますと、「イギリスにおけるオープン・ユニバーシティーとBBCとの関係のように、放送大学と日本放送協会とが教育界における提携者の関係に立って、両者の調整が国民に開かれた形で行われることを予定しております。」と、こういうふうに書いているわけですね。そして「この調整は、必ずしも容易な問題ではなく、その真剣な努力がよりよい放送番組をつくり上げるゆえんでもあり、さらには印刷教材、通信指導、スクーリング等の充実をもたらすことに結びつくものと考えるのであります。」と、こう言って説明をしておられますけれども、私も本当にそのとおりだと思います。非常に長い間の討論の中でもここのところが一番問題になってきたわけですが、逆に言いますと、今度はNHKの番組編集の自由、これが放送大学番組の編集は放送大学の編成した教育課程に準拠をすべきものと勝又、小野委員提案の本案第一条中に国立学校設置法の改正規定、第三条の四によって制約をされるのではないだろうか、こういう気持ちがいたしますが、いかがでしょうか。
○勝又武一君 この番組編集の自由は、放送法第三条の規定によりましてNHKを初め放送事業者のすべてに保障された基本的な権利であります。したがいまして、放送大学の教育放送につきましてもNHKが番組編集の自由を有することは申すまでもございません。 一方、この放送大学の放送は大学教育のためのものでありますし、正規のカリキュラムに従った授業内容のものでなければ、当然大学教育のための放送ということもできないわけでありますから、番組編集の自由の制約といいましても、それは大学教育のための放送という目的及びその性質が備えている一種の枠の中で行われる、つまりそれは本質的な制約というものではない、こういうように私たち考えております。つまり、放送大学の放送という目的及びその性質が備えている枠、これは通常の放送番組にはないものであります。それだけに、このような枠づきの放送をNHKに行わしめることは、放送事業者としての権利の侵犯だという疑いを生ずるかもしれませんけれども、それは本来的な公共放送の一種である以上、特別な放送番組というべきものでございまして、そういう疑義は問題にはならないというように考えるわけであります。そういうように私たちはこの放送番組というものを解釈をしております。こういうように考えますと、そういう枠を超えることはできないわけでありまして、その枠内における番組編集の自由ということを何ら侵すことにはならないというように考えます。 なお、放送法第四十四条第五項によりますと、教育番組で学校向けのものは「その内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠するようにしなければならない。」というように規定されているわけでございまして、この放送法四十四条の五項の趣旨を考えてみましても、私がいま申し上げましたようなところと全くその本質は同一であろうというように考えております。
○粕谷照美君 次に、法律案の第三条の四ですね、「放送大学における教育に必要な放送は、放送大学の編成した教育過程に準拠して編集された放送番組により行われなければならない。」、こうありますが、そうすると、NHKは単なる下請機関となるのではないでしょうか、どうでしょう。
○勝又武一君 先ほどからるるお答えしておりますが、この関係がなかなか御理解をいただけないところでございますし、政府案の中にも私たちがたびたび指摘をしてきたところでございますが、私たちは放送法第三条というのは、放送番組の編集が法律による合理的な制約を受けることがあることを予定をしているというように考えております。そういう意味では、本案による改正後の国立学校設置法第三条の四の規定は、まさにそういう意味で合理的な制約を法定するものであると考えますし、同条に従って放送大学番組を編集することが番組編集の自由を侵すということにはならないと考えております。また、同条の定めるところによりまして、いかに有効適切な放送番組を編集するかがNHKに問われることになると思いますし、そこにたびたび指摘をされてきましたように、NHKが有する番組編集の自由に基づく自主的な、かつ創造的な幅広い活動が保障されると考えますし、過日、NHKの現地調査に参りました際に、NHKの担当される方々の御説明等を伺った折りにも、このことは両者の協議、そしてまた両者の問題点を統合して適切にやっていると、なかなか問題としてはいろいろむずかしいけれども、この両者の統合ということが、あるいは両者の意見を一致させるということができなかったことはなかったというようなことを、担当者がいままでの実験番組等の経験からいって言っていたことを私いま思い出してみましても、そういう意味で単なる下請機関にすぎないというようなことにはならないというように確信をいたしております。
○粕谷照美君 政府案にはここのところがないわけですね。政府案にここのところがなくて、いままでのやり方でやってみて問題がなかった、何とか克服ができた、にもかかわらずあえてここのところに法律を出してきたというところがやっぱり大きな違いになるというふうに思うわけであります。 さて、放送大学の放送と放送法第四十四条三項の関係について、本当にしばしばどころではありません、もう毎回毎回論じられてきたところでありますけれども、この点に関する調整について、いま勝又委員は、NHKにおいては過去の経験からして大丈夫だった、調整できないことはないと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、具体的に本当に大丈夫なんでしょうか、いかがでしょうか。
○勝又武一君 先ほどNHK側の方々の御主張等も御紹介を申し上げましたが、私たち今度法案を提案する立場に立ちますと、決してそういう過去の経験だけではいけない、やはり法的な保障をどうこの問題についてするかということがきわめて重要だということで、本法案をつくるときの私たち関係者の最大の苦心はここにございました。そういう意味で一つつけ加えましたのが、いわゆる準則を法定化するという問題でございます。放送法の第四十四条第三項のいわゆる放送コードはNHKに対する規制でありまして、NHKは放送コードに反しないように放送大学番組を編集しなくてはなりません。そうしますと、放送大学は直接放送コードの規制を受けるものではないわけですから、放送コードを遵守すべきNHK側との間に見解の相違または意見の対立の生ずることが予想されます。このような放送大学とNHKとの間の番組編集上の対立の調整につきまして、放送法第四十四条の八第一項の改正規定において定められた放送大学番組の編集に関する準則でその手続、方法等の基本事項を定め、これによるべきものとしているわけでございます。共通の目的意識に支えられた信頼関係に基づいてこのようなむずかしい問題の解決も図られるというように期待をいたしております。 なお、両者の折り合いがつかなかった場合に、NHKは番組編集権を有するから、準則に従っているとみずから信ずる限りにおきまして、放送番組を編集し放送することはできるということになろうと思います。また一方、放送大学は当該放送番組の放送を放送大学における教育に必要な放送ではないと否認することもできるわけでございます。仮にこのような事態が生じました場合に、一般のテレビの放映等があるわけでありますから、そういう場合には学生なりその他の視聴者の信頼を失うということも当然出てくるわけでございまして、そういう意味で、そういうことの起きないように放送大学側とNHK側とが事前に十分な調整を図るということがその意味でも期待をできますし、そういうことを盛り込んだ準則ということになろうというように考えております。
○粕谷照美君 準則があってもこの問題は非常にむずかしいんだということはよくわかりました。 NHK側のことをいま質問したわけですが、今度は教授の側から考えてみますと、放送法の四十四条第三項第二号、第四号の放送コードが教授の自由というものを制約をすることになるのかならないのか、この辺はいかがでしょうか。
○勝又武一君 この点につきましても、私たちは両者の調和ということを十分図っていけるというように考えておりますが、特に本法案の中で、放送大学でありますから、大学そのものが編成をした教育課程、いわゆる教育課程の編成権、これが大学本来の命といいましょうか、使命でございますので、この範囲における番組編集権ということになろうというように考えます。そういう意味では、先ほどから繰り返しておりますけれども、教授側の学問の自由なりあるいは教育課程の編成権ということが逆にNHK側から侵されるというようなことの心配は毛頭ないというように確信をいたしております。
○粕谷照美君 さっきの説明でよくわかりましたけれども、それでも、まだもう少しだめ押しをしてみたいと思います。 本法案で言っております放送法の第四十四条の八第一項に言う放送番組に関する準則というのはどうしても必要であったのかということであります。
○勝又武一君 重ねての御質問でございますが、私たちはこの準則を法定化することがどうしても必要だというように率直に思っておりまして、特に本法案におきましては学校教育法に基づく教育課程編成権を有する放送大学と放送法に基づく放送番組編集権を有するNHKとがおのおの分担する責任に応じて協力し合う、そして放送大学における教育に必要な放送を行う、こうしているわけでございまして、これらの二つの権能が調和的に行使されるということが必要不可欠だというように考えております。そういう意味で、本法案による改正後の放送法四十四条の八第一項に言う「放送大学番組の編集に関する準則等」というのは、いま申し上げましたような考え方から放送大学の編成した教育課程に準拠し、学生その他の視聴者に効果的に理解されるための放送大学番組を編集するための、たとえば基準とかあるいは方法とか手続その他編集に関し必要な事項を定めなければならないと思っておりまして、これらの事項の具体的な内容はNHKと放送大学とが自主的に協議し決定するものでありますけれども、いま申し上げました事項のほかに、たとえば放送大学番組の録音及び録画に関係する事項、そしてまたNHKと放送大学との間に具体的な放送大学番組の編集に関し両者の意見つまり放送大学側とNHK側との意見が相違した場合におけるその調整手続等が定められることを期待しておりまして、そういう意味でもこの準則を法定化するというのは私たち提案者側のこの法案の命とも言うべきところだというように思っております。
○粕谷照美君 それでは、その次に新構想大学方式——筑波大学だとか兵庫教育大学あるいは鳴門教育大学、こういう方式をいままで排除していらっしゃった提案者の方々が、この法律案になぜ国立学校設置法附則第三項による定員措置をしていらっしゃるんですか。
○勝又武一君 確かに、御指摘されましたように国立学校設置法の附則の第三項の趣旨と申しますのは、昭和四十八年度以降におきます大学改革の方向に即したいわゆる新構想大学の創設、そしてまた無医大学——医科大学のないという無医大学の県の解消計画等による国立医科大学の創設及び医学部や歯学部の設置の計画の進行等に伴います定員需要に対処していくために、その定員について行政機構の職員の定員に関する法律が定める職員の定員の総数の最高限度には含まれない、こういうようにいたしまして、当分の間国立学校設置法においてそのための所要の定員措置を講ずることによりましてこれらの計画の進行に対応しようとしたものでございます。そういう意味で、私たち国立学校設置法にこのことを入れますと、何か放送大学——私たちの提案している放送大学を新構想大学と同じ趣旨かというように受け取られがちでございます。しかし、よく考えてみますと、附則の第三項において「昭和四十八年度以後に設置された」という条件が付してあるだけでございまして、この規定に基づいて新たに設置される大学の定員を措置をしたからといいまして当該大学が法律上当然に新構想大学となされるというものではございません。このように私たち考えるわけでございまして、放送大学が国民の大学教育及び生涯学習の機会に対する要請に真にこたえるためには、学問の自由、大学の自治が保障され、国からの独立が確保されていなければなりません。そうでありますならば、放送大学においては副学長等の設置により大学の管理、運営を強化いたしまして、大学の自治を侵すいわゆるおそれのある新構想大学方式、あるいは政府案のようにあります文部大臣任命の理事長のきわめて強い権限、こういうような考え方からいきましても、政府案でない、国立学校設置法に基づくという先ほど御指摘のような疑問を生ずる心配はややございますけれども、私たちの立場に立つ法解釈によりますれば、定員措置を附則三項で行ったから直ちに私たちの提案する大学も新構想大学にイコールになるというようには考えませんので、ぜひこの点は委員各位の御理解をさらに深めていただきたいというように考える次第です。
○粕谷照美君 先ほどの部分がこの法案の命であるとすれば、ここのところは大変苦労してつくり上げたというような理解をせざるを得ないと思いますけれども、それで、この法案の中で国内番組基準の適用除外をしておりますけれども、放送事業者にとってこれを定めた場合、変更した場合は公表しなければならないと、こういうことになっている重要な部分なんですね。この適用除外をした理由というのは一体どういうことですか。
○勝又武一君 いま御指摘をいただきました点は、放送法のそれぞれ第四十四条に「国内放送の放送番組の編集等」がございますし、四十四条の二に「国内番組基準」がございまして、なお四十四条の三には「国内放送の放送番組審議会」という問題等きわめて放送法の重要な個所が並んでいる各項目でございます。この中で私たちが特に国内番組基準の適用を排除したのはなぜかということについて、そういう関連でお答えを申し上げたいと思います。 番組基準は放送番組の種別及び放送の対象とするものに応じまして放送事業者が制定しなければならないものでございまして、放送事業者の放送番組編集のよりどころとなっているものでございます。しかし、放送大学の番組について考えますと、大学の自治、学問の自由にかんがみ大学の自立性を尊重するということで国内番組基準の適用を排除したのでございまして、その趣旨からいいますならば、本案では改正後の国立学校設置法第三条の四の規定におきまして、放送大学番組は「放送大学の編成した教育課程に準拠して編集され」なければならないとし、また改正後の放送法第四十四条の八の第一項の規定におきまして、NHKは「放送大学番組の」「編集に関し必要な事項については、放送大学と協議して準則を定め」ることとしているわけでございまして、そういう意味で、この準則というのが現在の放送法の番組基準に相当するものだ、こういうように御理解していただけますならば、私たちが番組基準の適用を排除したという真の意味を御理解いただけるんじゃないかというように考える次第です。
○粕谷照美君 NHKの放送番組審議会というのがありますね、この法案が通りますと、これはもう放送大学の番組に関しては全く関与することができなくなる、こういうふうに理解をするのでしょうか、どうでしょう。
○勝又武一君 この点も、大変私たち法案作成の際に苦労をした個所でございまして、放送番組審議会は放送番組の向上、適正を図るために法定された機関でございます。放送法の四十四条の三にこのことが明確に規定をされているわけでございまして、放送番組に関するNHKの諮問機関であるとともにNHKの放送番組に関する批判機関でもあるわけでございます。 本案では、大学の自治、学問の自由という観点から、この改正後の放送法第四十四条の八第二項におきまして、放送大学番組については放送法第四十四条の二及び第三項を除く第四十四条の四の規定の適用を排除しております。そのために、放送大学番組に関しましては、NHKの会長の放送番組審議会に対する諮問も、それに対する答申もともにあり得ないということになります。 しかし、私たちよく考えてみますと、この放送番組審議会は放送法第四十四条の三第四項の規定に基づきまして、「放送番組の適正を図るため必要があると認めるときは、会長に対して意見を述べることができる。」、こういうふうにあるわけでありまして、このことをも否定をしているわけではございません。 そういう意味で、放送番組審議会に対しまして、放送大学側からより積極的に諮問をしたり答申を期待するということはございませんけれども、放送番組審議会の側から四十四条の四の第三項の規定によりましていろいろと意見を述べることはこれは法の精神からいきまして当然のことでございますし、そういう意味での審議会での議論がありました際に、会長がその意見を尊重して必要な措置をとることも当然だというように考えます。
○粕谷照美君 それでは、このNHKに放送業務を依頼する、このことについて最後に三点ほどお伺いをしたいと思っております。 まず第一に、経費の面において大変安上がりに終わるのかどうか、メリットがあるのかどうかということであります。 二番目には、いままで私どももとにかく関東一円中心だけではだめだ、日本じゅうに放送大学の恩恵が行き届くようになるためには早くそのことをやるべきだし、そういう体制がある程度見通しがつくられてからこの放送大学法案の審議が終わってもいいではないか、こういう主張もしてきましたが、そういう意味で、特に全国に行き渡るという中では地方のローカル的な問題も取り上げて大学講座にしてもらいたいという要望などもまた出されてきているわけであります。このローカル放送への展望などというようなことがNHKを使うことによって出てくるのかどうなのかという部分があります。最大のNHKに放送事業を委託するというこのメリットというものはどういうふうにお考えですか。
○勝又武一君 私は、提案者といたしましてただいまの御質問にお答えする前提といたしまして、放送大学を国立大学としてこの放送をNHKが担当する方式をとった理由といたしまして、一つは、政府案のような特殊法人方式では学問の自由、大学の自治が保障されない、国からの独立を保障することができない。そしてまた政府案は、国営放送問題を解決し得ない。 この二つのことを根本的に解決するということが、私たちのこの法案の最大のメリットといいますか、主眼だというように考えております。確かにNHKの放送施設も現行のテレビ、ラジオ放送で相当手いっぱいになっているということもあると思います。したがって、放送大学の放送を全国ネットワークで行うということになりますと、いろいろの新しい施設を付加することも必要だろうというように考えるわけです。しかし、政府案以上に経費がふえるというようなことは、これは考えられ得ません。まして、私は、政府案よりははるかに少ない額で済むというように考えますけれども、仮に同程度のような費用あるいはそれに近いものがかかったといたしましても、私たちの法案の方がはるかに先ほど言いましたような大きな目的を達成し得るという意味ですぐれているということが一つございます。 さらに、二つ目の御質問と関連をいたしますが、全国放送を実施しているのはまさにNHKでございまして、その意味でのNHKの経験と技術力を十分生かすということができると思いますし、そういう意味できわめて効率的に全国放送を実施することができるというように考えます。NHKの多年にわたる教育、教養放送の経験なりすぐれた放送技術の蓄積あるいはその開発能力を開発することもできますし、経験に富んだ専門家の活用等が十分図られるというように思います。これらが非常に大きな利点だというように考えるわけです。 さらに、ローカル放送の活用等によりまして文化の多様性あるいは地域性の要請等にこたえる放送番組を提供する可能性が大きいことも見逃すことができないと思います。 さらに、私は広島の地方公聴会で痛感をいたしましたが、本当に地方にいる方は、まず広島を先にせよ、東京、関東周辺よりは地方が先だということをおっしゃられるわけでございまして、この点は報告の中にもございましたように全く地方の切実な声だと思います。恐らく札幌でもそうだったでございましょうし、札幌、広島を問わず他の全国の地域、九州、四国あるいは北陸、東北、これらの地域すべての放送大学に期待する人たちの共通した意見だ、まさに関東周辺、東京中心より地方中心だということは全くそのとおりだと思うわけです。 これを実現するということは、私たち法案のNHKに担当させるということがまさに全国ネットワークに乗せるという点におきましてもすぐれている、政府案では放送衛星の問題だとか十数年を要するとかいろいろありますけれども、仮にNHKが全国ネットワークに乗せる困難点があるにいたしましても、政府案による困難点と比較をすれば、全国ネットワークに乗せ得る点においてははるかに利点が大きい、このように考えている次第です。
○粕谷照美君 私は、まだ質問時間五分ぐらい残っているようですけれども、賛成者でもありますので、以上で質問を終わります。
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、放送大学学園法案及び放送大学を設置するための国立学校設置法及び放送法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田沢智治君 放送大学学園法案は、衆議院におきましては五十八時間、参議院におきましても現在約四十五時間の慎重審議をいたし、さらに多数の参考人を招き貴重な意見を徴し、NHK、テレビ朝日、日本大学通信教育部への現地調査を行い、また札幌、広島での地方公聴会を開き、国民の各界各層からの意見を聞いた結果、多少の問題はあっても勇気ある決断で開校すべきであるとの意見が今日大勢を占めたと私は認識しているものでございます。 そこで、文部大臣にお聞き申し上げたいのでございますが、去る五月十四日、第二臨調の行政調査会第一特別部会である歳出削減、歳入確保部会で、義務教育教科書無償問題、私学助成問題、四十人学級編制問題などに対する意見の聴取をしたと新聞紙上で報じておるのであります。その時点で放送大学が行革の対象になっているか、また放送大学の予算確保について文部大臣の所見がございますれば、私が質問する前に基本的なお考えを聞かせていただきたいと存じます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のございました第二臨調は発足したばかりでございまして、放送大学が具体的な課題として取り上げられたことはまだございません。 放送大学は、わが国の生涯教育の充実と、高等教育の計画的な整備を図る上で緊要な課題でありまして、文部省といたしましては、放送大学学園法を早期に成立いたしたいと、鋭意努力いたしておるところでございますが、なお私も心配でございましたので、総理にも放送大学の問題については両三回、実はぜひ通過を図りたいという意向も申しまして、また総理も放送大学のことにつきましてはぜひ通したいという非常に強い御意思がございました。私も、十年来の法案でございますので、今国会における速やかな通過をぜひともお願いいたしたいと、かように考えております。
○田沢智治君 文部大臣のいまのお言葉を聞きますと、財政上予算確保は保証されているというように理解してよいのではないかと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、臨調におきます財政の問題、あるいはまた概算要求等の問題もございますが、この問題につきましては、ただいま申し上げたような、まず法案を通過させての話でありますので、その点はどうぞよろしくお願いいたします。
○田沢智治君 先般社会党より放送大学設置に関する改正法案が提出されておるのでございますので、社会党関係者に御質問をさせていただきたいと存じます。 まず第一に、特殊法人放送大学で放送教育事業を実施すれば、準国営放送的な性格になるおそれがあるので、学問の自由と大学の自治が保障されない憂えがあるから、国立大学として放送大学を設置し、放送をNHKにさせようとの見解であると私は理解したのでございますが、そのような理解でよろしゅうございますでしょうか。
○勝又武一君 そのとおりでございます。
○田沢智治君 そこで、私もいろいろな議事録を調べ、研究いたしました結果、昭和四十九年三月の参議院の逓信委員会でのNHKの会長は以上のようなことを言っております。放送大学問題に対してもしNHKが協力し得る性質のものであるならば、放送面についても長年の経験を生かして、放送面の分担、協力をいたすためには、どうしても現在の放送法から申して、番組編成の自主性はNHKが持たなければならないので、放送番組編集権確保の観点から、安易にNHKが放送を行うのは困難である。教育担当主管庁の認可のもとに大学をつくり、その大学が自由に番組を編集し、同時に放送事業を行うことは非常に結構なことであると、こう述べておるんです。ですから、NHKがやるとするならば、編集権は確保しなきゃならないことになる。学問の自由なり学園の自治の問題について多少問題点がある。もし現行法でNHKに放送大学の放送を行わしめようとした場合、その番組の最終編集責任はどこに一体あるのか、郵政省、NHK、社会党より御意見を伺いたいと存じます。
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。 現行放送法制におきましては、電波法上の放送をする無線局、放送局の免許を受けた者を放送事業者として捕捉しておりまして、放送事業者が番組編集責任を有することになっております。したがいまして、御質問のような場合、実際に放送を行うNHKが番組編集責任を有することになろうかと考えております。
○参考人(田中武志君) 私どもも、番組制作の上では放送法などに準拠いたしまして、放送制作者のわれわれの方で放送の自由、編集の自由を確保すべきであろうというふうに考えております。
○勝又武一君 御指摘になりました点で重要な個所が二つあると思いますが、一つは、政府案の中でもそのことは私はあるんじゃないか。つまり、教育課程のカリキュラム編成権と番組編集権の問題についての調和をどう図っていくかという問題については、当委員会でずいぶん議論が尽くされたところであり、政府案によれば、特殊法人である理事長、この権限がきわめて強くなっている。そこで私たち社会党案は、その点についてまず第一に、放送大学の教育課程の編成権、いわゆるカリキュラム編成権というものが、大学である以上きわめて必要である、重要である、このことをまず確保しなければ大学たるゆえんとならない。この点は私は政府案でも同じだと思うんです。政府案でもこのことは強調をしていらっしゃる。そして番組編集権との問題についてはきわめてあいまいである。そして、理解によれば、特殊法人である理事長の権限というようにさえ見ることもでき得るというように私たちは解釈をいたしております。 そこで、社会党案ではこの問題を、まず第一に大学は国立大学にする、そして大学の自治、学問の自由を保障をしていく。問題になるのは教育課程編成権と番組編集権の問題でありますから、このことを法律の中で明確にしていく、つまり放送大学という大学を規定する以上、そこの教育課程編成権というものは尊重をされ、その枠内における番組編集権という問題になっていくということを法律の中で明確にする。しかし、同時にまた、他方法律では番組編集権というものの保障をしているわけでありますから、この調和というのをこの準則によって行っていく、法的に基準を設けた準則で行うというように考えたわけであります。そして、それに法的根拠を与えた、つまり御質問者の最終的な権限はどこにあるかといえば、私はやはり国立大学とNHKとの協議によって、調和によって成り立つ準則のつくり方いかん、そしてそこの中でいままでの経験を十分生かしてやっていくというところに、この私たちの法案の基本があるというように考えます。 なお、四十九年ですか、NHK会長云々という議事録の紹介がございましたが、私たちが国立大学にし、NHKに担当をしてもらうというように考えたゆえんは、それ以降いろいろの情勢の変化等もございますし、私たちなりに、法案作成過程の中で、このことが法律で決定をいたしますならば、NHKに担当していただくということが適切になっていくというように判断をいたして提案をしているところでございます。
○田沢智治君 そこで、番組編集の具体的な内容として、放送台本の作成、素材の収集、番組の制作、出演者の決定等を含む教育内容と教育方法をNHKが最終的に決定するとなれば、学問の自由、大学の自治の保障が損なわれると、こう私は思うんです。 さらに、番組の出演講師の決定に当たり、大学とNHKとの間の協議が整わない場合が私あると思うんですね。そういう場合、放送法第三条の精神から見ると、放送法の編集の自由というものの保障の中では、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という独立権をはっきり明示している、これはとうといことだと私は思っておるのであります。でありますから、そうなると、結局は最終的にNHKに託すとなれば、出演講師を決定するということはNHKがなさることになるということにはっきり法律的にはなちっゃうわけですので、大学における教授の自由は保障されなくなる、そうしますとするならば、学問の自由も大学の自治も教授の自由も保障されない現行法律の中で社会党案が出されたということは無意味になっちゃうと、私はそう理解するのでございますが、結果として最終的に決定権がNHKにあるとすればやはりそういうことを言わざるを得ない、私はそういう見解でございますが、社会党、文部省、郵政省、どうお考えでございますか。
○勝又武一君 御質問者にお伺いしますが、いまのは社会党案について私はお答えすればよろしゅうございますか。
○田沢智治君 はい。
○勝又武一君 私たちの法律案は、提案理由の際にも申し上げましたように、そのことがございますので、第三条の四に「放送大学における教育に必要な放送は、放送大学の編成した教育課程に準拠して編集された放送番組により行われなければならない。」と、このことを明確にまず法律で規定をしてございます。そして、三条の五で「放送大学における教育に必要な放送は、日本放送協会が行う。」と、こういたしまして、これに基づいての調和の問題を先ほど御説明した第二条に四十四条の八を起こしまして、放送番組基準をつくるための趣旨の準則を設けると、こういうように定めたわけでございますから、NHKに最終的な放送を行う教授までの任命なり選択権なり、そういうものまでを一切白紙委任しているというような状況には決してなっていないというように私たちの案は考えております。 なお、私たちがこれを考えた理由は、たとえば政府案の場合にはこの両者の調整を同一法人内部の問題として処理できるんだから特殊法人方式を採用したんだと、こういうように言っているわけですね。私たちは放送大学とNHKとの調和というのは両者の努力で、そしてまた法的に規制をされた準則に基づいてやっていくんだと、こういう趣旨ですが、それでは特殊法人方式なら問題が解決するかと言えば、これはやっぱり逆に国民の目に触れないところで、しかも理事長の強い権限を背景にして番組編集権というのが優位性を持った中で決められる心配が出てくる。そうなれば、むしろ安易な調整が行われて、放送番組が生気を失い、魅力の乏しいものになりかねない。そういう意味で、私たちはNHKと放送大学というのが対等な当事者間の調整ということでやっていくということとあわせて、もう一つは、NHKにお伺いをしたときにとうとい御経験をNHKの担当者の方々から詳しくお聞きをしたのでありますが、そういうNHKが多年にわたる大学講座等の経験を生かして、そしてこの問題解決に当たっていただける。そのときのNHKの御答弁でも、いろいろそういう点で問題はあるけれども、十分そういう点での調和を図っていままで問題なくやってきておりますという意思表明があったわけでございまして、私たちの案の方がそういう意味では政府案よりもすぐれている、こういうように考え、むしろ御質問者の御趣旨に沿っているんじゃないかというようにさえ思うわけでございます。
○政府委員(宮地貫一君) お尋ねの点は私は基本的には先生の御指摘のような問題点があるのではないかと、かように考えております。政府案として御提案を申し上げております放送大学学園法案は、従来からも御説明をしている点でございますけれども、放送教育に関する小委員会報告、これは衆議院の文教委員会でございますが、そのいわば結論といたしまして、特殊法人方式で、新しい形態の特殊法人が放送大学を設置し放送局を開設するという形をとることによりましてその点の難点を解決するという考え方で御提案を申し上げているわけでございます。
○政府委員(田中眞三郎君) 政府案についてはたびたび御説明申し上げておりますので、どういう形で放送陣と大学陣と申しますか、教授陣が話し合われるかということについては御説明申し上げませんが、ただいま御質問の社会党の案によりますと、私どもといたしましては、かなりやはりNHKが主体性を持ってしまうといいますか、そういう形で大学としての学問の主体性と申しますか、そちらの方がかなり失われてNHKが教育の前面に出てくるというような気がいたします。
○田沢智治君 私もそう思うんです。結局学問の自由というものは教授の自由です。教授の自由というものは教授会が保障し、そして大学の自治そのものは教授会を中心とした学問の府を守る管理体制が主体的に守っていくというようなのが学問の自由、学園の自治の本体でございますので、そういう主体的な最終決定権がないというような状況のもとでNHKに委託するということは私は危険性がある。そういう意味において民主的かつ合理的な教授を選出し、教授会を軸に学校教育法できちっと決められておるのでございますので、それを充足していく、民主化していくというような方向の中でこの問題に処していくべきが筋だろうと、私はそう思います。 そこで、社会党案では放送をNHKにやらせるという点にも特色があると私思うんです。現在のNHKの放送大学の番組を放送する場合に、その施設、設備、番組編集のための要員、放送網などについて現状に余裕があるかどうかNHKからお聞き申し上げたいと思うんです。
○参考人(田中武志君) お答え申し上げます。 お尋ねのような具体的な条件を前提に検討したことはないんでありますけれども、直接のお答えにはあるいはならないかもしれませんけれども、御存じのようにNHKは現在テレビジョンの波が二系統、それからラジオが二系統、それからFM放送一系統と、合わせて五系統によりまして国内放送をやっております。さらにそのほかに短波によります国際放送も実施しているという状況でございます。したがいまして、NHKといたしましては、これらの事業の運営に当たりまして、御存じのように長期的な構想のもとに業務の運営をやっております。したがいまして、現状におきましては放送大学の放送のためにNHKの現在の施設や要員を充てるというような余裕はない状況にあるということであります。
○田沢智治君 郵政省の方として、NHKのいま余裕がないと言われる実態についていかがお考えでございますか。
○政府委員(田中眞三郎君) NHKの施設並びに要員というものは、現在NHKが本来なすべき放送、いろいろただいまNHKさんの方からお答えになったように本来業務としてやっていただいておるわけでございますけれども、それらを実施する上で必要と認められる範囲内で要員なり人員が配置されているというふうに理解しておりまして、いま計画いたしております放送大学の放送を実施するということになりますと、テレビないしFMでおのおの一日十時間ないし十八時間を行うということで、とてもそうした施設的ないしは要員的余裕はないというふうに私どもは理解しております。
○小野明君 ちょっと委員長、答弁させてください。 私も社会党案の提案者の一人ですから田沢委員の御質問に若干見解を述べさせてもらいたいと思うんですが、大学局長は、特殊法人形式でやったからすべては解決したんだと、こういうことをおっしゃった。しかし、これは午前中の粕谷委員の質問にもありますように、衆議院の小委員会報告にありますように、大学の自治が事前に十分に保障されたものとならなければならぬ、こういう報告があるにもかかわらず、大学の自治が保障された放送大学になっていないわけですよね。だから、大学局長が言われるように、特殊法人形式をとったから解決をしたんだと。これは私は当たっていないと思うんです。 それから、NHK側のいまのお話によりますと、そういう余裕はないと、こういうふうにおっしゃるんですけれども、これはいまの教育、教養番組をそのままNHKがおやりになるとすればそれは余裕がないかもしれません。しかし、新たに決められた法律で、国立大学の放送として国が費用を持ちそうしてこの放送をやるとするならば、いままでのNHKがいっぱいだというものを多少割愛してでも私はその放送番組を優先させてやるべきである、非常に文部省や政府側におべんちゃらを言うような見解では私はぐあい悪い、こう思うんです。 それから、いま一つは電波局長ですが、これは番組側に優先権がある、放送側に優先権があるなんて、こういうことをおっしゃるけれども、これはいま勝又委員が言われるように、カリキュラムの編成権が大学にあるわけですよ。編成権優位なんですよ。そして放送側とどう調整するか、アジャストするかという問題であって、私どもの案は大学の自治、研究の自由と、これにウエートを置いてあるのだから、当然これは放送側が優位を持つということは私は考えられぬ。これも茶坊主答弁だと私は思います。ここに社会党の優位性があると思いますよ。
○田沢智治君 いま小野議員の意見は意見として私も一理ある面はあると思うのです。最後の方でその辺のところは調整できるんじゃないかと私は思っているのですが、そこで、NHKに放送大学の番組を放送する余裕が現在ない、現在ないとすると現在の電波のほかに別途にテレビを一系列、ラジオ一系列の計二系列を新設し、さらに放送網の建設も含めるとするならば、社会党案は現実的に何らのメリットがないと思われる結果になっちゃうのじゃないだろうか。それならば放送大学で同じようなことをやったって別にどうってことはない。ただ、学問の自由、大学の自治の問題については社会党案においたって満たされないし、いま政府案においても問題があるとするならば、結局みんな問題があるものを代案として持ってきても、結局それにまさる結果が出ないとすれば、政府案の中でどうその辺のところを充実していくかという接点を見出していくというのが一つの私は道だろうと。私はやっぱり教育というものは超党派的な意味でひとつこの辺のところでみんなでやっていこうじゃないかということが一番いいと思うのです。そういう次元を思えば、率直に言って社会党案を出すとすれば、結局テレビ施設を新設したり、テレビ網をつくったり、いろいろせざるを得ない。そういうことになると何らメリットがないことをなぜやるかというような問題点が私は一点あると思うのです。 それと同時に、NHKに放送教育をさせるのに必要な経費を国が負担するとなっているのでございますが、もしNHKに委託するとするならば、その年間の経費は一体どのくらいかかるのか。文部省の方として、現状において概算で私はいいと思うのですが、お答えいただければと思いますが。
○政府委員(宮地貫一君) 放送大学の放送をNHKに委託する場合、どの程度の経費を要するかというお尋ねでございますが、文部省の立場から申し上げることはできないわけでございますが、現在放送教育開発センターがテレビ朝日及びラジオ関東を通じて実施しております大学放送教育の実験番組の制作及び放送の事業を例にとりましてお答え申し上げますと、放送番組一本当たりの番組制作費、電波料合わせてテレビ科目で約二百万、ラジオ科目約三十万を要しているわけでございます。 第一期計画の完成時では、テレビ八十科目、ラジオ八十科目、計百六十科目を開設するということにいたしておりまして、これに要する経費としては、再放送を行わないと仮定しまして約五十五億円見当が見込まれる、かように考えております。
○田沢智治君 第一期計画完成時においては、テレビで八十科目、ラジオで八十科目、計百六十科目、それにかかわる経費、およそ合計すると五十五億、再放送を行うとするならば六十億以上になる可能性はあると私は見るわけです。私もそういう試算だろうと、私は私なりに計算しておるのでございますが、放送大学が発足した時点で、一年間の予算経費は大方どのくらいになりますか。
○政府委員(宮地貫一君) 第一期の計画につきまして経常的経費といたしましては約四十七億程度を要すると試算をいたしております。
○田沢智治君 その四十何億よりも上回る六十億ぐらいになっちゃうというと、委託する分だけパアになっちゃうけど、一体そういう現実性があるかというと、私はないと思うんですね。しかも、毎年物価増による財源が増大するということはこれは必至でございますから、やはりそういうような現実になると、現在の試算の倍の予算をもっても足らないという結果を生んで、委託するということは現実にできない。これは国民が私は許さぬと思うんです。放送大学がみずから放送事業を行いながら六十億近くもしかかるとするならば、そういうものは大学の内容充実に向けるのが本筋である、私はそう思うのでございますが、そういう現実的な次元に対し文部省の考え、社会党の考えをお聞かせいただければと、こう思います。
○政府委員(宮地貫一君) 従来放送大学学園の経費につきましては、第一期の計画として、資本的経費として約九十七億余り、それから経常的経費としてはただいま御説明しましたように約四十七億程度ということで試算をいたしておるわけでございます。 御指摘のとおり、この放送大学学園法案で御審議いただいておりますものは、大学と放送局とを一つの特殊法人であわせ持つという形で御提案を申し上げておるわけでございまして、もちろんこの法案においても従来御説明もしておるわけでございますが、大学におきます学問の自由なり、大学の自治を確保するための手だてといたしまして、基本的には教学に関する体制を大学みずからがお決めになるという基本的な仕組みは確保されているわけでございます。そういう意味におきまして、私どもといたしましては、放送を大学教育に使う場合の方式といたしましては従来十分慎重に検討してきた結果を踏まえまして御提案を申し上げているような形で御審議を願っているところでございます。
○勝又武一君 二つございますが、第一点はいまの大学局長の答弁を聞いておりますと、何だか功守ところを変えちゃったようで大変奇異な感じがするわけでありますが、それは、むしろ特殊法人では大学の自治なり学問の自由が保障されないから、それで私たちはこういう国立大学方式という法案をつくったのでありまして、何か特殊法人の方がはるかに大学の自治と学問の自由が保障されているんだという言い方を盛んに局長されていますが、これは大変大きな間違いでございます。これがまず第一でございます。 それから二つ目は、経費が同じぐらいかかるんじゃないかというきわめて現実的な田沢委員の御質問でありますが、私たちは、NHKに担当してもらった方がこれははるかに経費が安くなる。いまのNHKの同じ人員なり施設でできないから、手いっぱいであるから新たにつくるという仮に想定に立ったにいたしましても、政府案でつくる放送施設設備よりも、たとえば土地一つを見ても、あるいは建物、設備、それを見ても、これは安くなるということはむしろもう理の当然でございまして、なおそれ以外の利点につきましては午前中の粕谷委員に四、五点にわたりまして現実的に利点があることを申し上げておりますので、時間の関係上重複を避けまして割愛をいたしたいと思いますが、御理解を賜りたいと思います。
○田沢智治君 NHKにちょっとお聞きしたいのですが、NHKの昭和五十六年度の予算はおよそどのぐらいであるか、そしてまたその財源は何に求めておられるか、ひとつお願いしたいと思います。
○参考人(田中武志君) 昭和五十六年度のNHKの事業収入の方は約二千八百二十九億七千万円、このうちの約九八%が受信料収入と、ほとんどが受信料収入ということでございます。事業支出の方は約二千七百十八億三千万円ということでございます。
○田沢智治君 これは大変なことだと思うんですね。よく受信料で九八%を賄っていると私は敬服します。 NHKの予算規模の中で、大学講座などの大学レベルの放送に使う経費は一体どのくらいに当たりますか、およそおわかりになりますか。
○参考人(田中武志君) いま先生お尋ねの大学講座につきましては、大体年間直接制作費で約一億円でございます。
○田沢智治君 これはもちろん人件費その他を抜きですわね。
○参考人(田中武志君) 当然そうでございます。
○田沢智治君 そういう現実から見ると、私は一般聴視者から集めるNHK独自の放送は受信料で賄っている、放送大学の放送は国が経費を負担することになるわけですが、そうなると無料となる。同一事業体で有料であり無料の放送が同時に行われるという矛盾に対し、受信料の不払い運動を助長させるおそれがあるのではないかとも私は思うんですね。私は、放送大学の放送を見るテレビですと、NHKは見ませんと言われた場合、強制的に払わない者を罰則規定を設けて徴収するという法律はございません。とすると、こういうような問題も一つの放送大学そのものの及ぼす媒体によってはNHKそのものの経営的基盤も揺がせるようなことになりかねないおそれが私はあるんじゃないかとも思うわけでございますけれども、NHKさんはどうですか、その辺のところ。
○参考人(田中武志君) 先ほども先生のお話にありましたように、基本的にNHKは受信料を唯一の財源ということで運営されている公共放送でございます。この受信料だけのNHKと現在は広告料を主な財源といたします民間放送、そういった中にいま御指摘のように新たに国費を主な財源とする放送大学の放送が加わることによりまして、受信料関係それから契約あるいは受信料の収納面、そういったところに影響を与えることにならないかといったことにつきましては、十分私どもとしてはあらかじめ部内でいろんなことを考えておかなければならないんじゃないかということで、現在考えているわけでございます。
○田沢智治君 私は、放送大学をより発展させるためには、放送大学がみずから放送事業体を有し、教育放送を行い、そしてNHKも、各民間放送局も、それぞれ教育放送を競って行いつつ、互いに切磋琢磨し合うことが一番いいと思うんです。教育はもちろん放送大学が責任持って放送するけれども、いまNHKが一生懸命いろいろやっている、各民間もやっているというようなことは大いに尊重し、やはり教育番組をよりよくするということにおいては一元化しない方がいい。私は、もう日本という国は国家統制けしからぬ、何々けしからぬというような意見も私は多くの国民の心の中にないとも言えない。ですから、一元なんかする必要はないわけです。NHKはどんどんやった方がいいし、政府がそれを支援するぐらいの幅広い国民的土壌、生涯教育もやるんだ、社会教育もやるんだ、家庭教育もやるんだとするならば、そういうように開かれた放送教育内容の体系に協力していくという意味においては、民放においても私はやるべきだと、そういうようなことが結果として国民のためにもなり社会のためにもなると私は思うんです。そういうような私の所見に対し、文部大臣はいかなるお考えを持たれますか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 今日の客観情勢からいいまして、一元的に統制をするといったようなことは、これはもう考えてもおりませんし、同時にまたこの開かれた大学という理想に対しましては、特にNHKさんの方で、今日までの経過におきましてはお願いをした過程もあるわけでありますが、なかなか御都合によりましてそれも実現できなかったということから申しまして、これが今回のような姿になりますことは、何ら私は差し支えないし、同時にまた民主的な意味から申しましても結構なことであろうと、かように考えます。
○田沢智治君 NHKどうお考えですか。
○参考人(田中武志君) われわれの方も、現在のような状況の中で、教育放送、そういったものが行われることにつきましては、放送大学が設置されていろいろ行われることに対しましては、先ほどから話が出ておりますように、長い間の経験と知識あるいはノーハウを持っておりますので、われわれとしましてはその中で十分対応していけるんじゃないかというふうに思っております。
○田沢智治君 いや、私は、やっぱり放送大学は責任を持って大学の自治、教授の自由というものを確保するには、みずからが放送事業体を持ってやるべきである。NHKはNHK、民放は民放でそれぞれやって、競い合っていいものをつくるということが、国民というか日本の文化国家の底上げ、充実していく道であるし、この基本は大いに文部大臣は理解なさられて関係者に私は話すべきだとこう思うんです。 そこで、社会党案では国立大学として発足させることがよいというお考えでございますが、私はちょっと異論があるんです。なぜかというと、既存の国立大学の学生は共通第一次、第二次試験を経て入学することになっております。放送大学の学生はいつでもどこでも入学できるということになると、同じ国立大学の学生でありながら、片一方は受験する、片一方は受験しない。この格差は結果において、放送大学と既存国立大学との格差をますます社会的に私は評価される結果になるとするならば、放送大学を充実し、かつ高度化するとすれば、よっぽど高いレベルの生徒をとり、生徒を卒業させる手当てをしなければ、大衆的な、教養的な次元の中での教学体制、カリキュラム体制という編成がむずかしいと思うんですね。もしそういうような学校差別、社会的差別というものが、大衆性を持つとしたとすれば出てくるのではないだろうか。これに対して社会党はどういうふうにこの矛盾をお考えになられておるか、ちょっと聞きたいんですが。
○勝又武一君 私たちは、放送大学というものを基本的にこのように考えるわけです。 それは、いままでもいろいろ議論がありましたけれども、特殊法人としての中で、大学の学問の自治あるいは大学の自治、学問の自由、これを保障するということは、いまの政府案では全くできないというように、くどくなりますけれども、これが第一でありますから、そのための方策として国立大学とするということが一つです。 いま御指摘になりました、そうすれば一般の国立大学、つまり国公立の共通一次で入ってくる学生との、放送大学の場合には先着順とかいろいろな点で矛盾が生ずるんじゃないかという御指摘でありますが、私たちは、本来大学への入学資格あるいは入学試験というものについていろいろの考え方を持つものでございまして、共通一次方式必ずしも万能ではございませんし、むしろいままでずいぶん共通一次についての欠陥なりを私なりに、あるいは文教委員会なりでずいぶん指摘をされてきているところでございまして、放送大学という新しい国立大学がとる入学方式というものが推薦あるいは先着順、そういう形であるから、いわゆるいままでの共通一次で入学をしてくる国立大学と大きな格差が生ずるんだということには私は決してならない。そのことは、むしろ政府案においても同じことが言えるのでございまして、きわめてそれは次元の違う話だというように考えるわけです。むしろ、放送大学の社会的な評価を高めるかどうかは一にかかってこれからの放送大学をどうしていくかということにあるのでありまして、その辺についてはこの創設準備委員会の中で十分な検討を加えていく、このことがより大切でございまして、入学資格の云々ということには相ならないというように思うわけでございます。
○田沢智治君 私は全然違う見解でございますが、勝又議員のそういう見解は見解として尊重したいと思います。 ところで、放送大学を成功させるためには、私は既存の国公私立大学関係者の理解と協力を得て努力しない限り私は成功するとは思われない、私はそういう見解を持っておるのでございますが、社会党、文部省はこの見解に対していかがお考えでございますか。
○勝又武一君 この点は、午前中もございまして、大変私たちも法案作成の中では苦慮をしたところでございます。ですから、もっと国立大学の共同利用機関のようなものを設立するというのも一つの案だというようにも思いました。そして、学問の自由なり大学の自治というものを確保するには、こういう私たちは国立大学設置法に基づく国立大学なんだということしかないという結論には達したわけで、これが最も適切だと、こういうふうに思ったわけでありますが、そういう意味で考えてみますと不十分なところがございますけれども、午前中も繰り返しましたように、国立大学であるから国立大学関係者の方々の理解だけ得られればいいというようにきわめて狭く考えているわけではございません。放送大学創設準備委員会の構成といたしましても、国公私立大学関係団体の代表者、NHKの代表者、放送に関する学識経験者、地方教育行政関係者、こういう方々にぜひ構成していただきたいというようにも思っておりますし、幅広い国民各層の意見を聞いて創設準備に当たってまいりたい。そういう意味で言いますならば、ぜひひとつ私立大学関係の皆さんに当たりましても、そういう意味での御協力をいただけるような形を創設準備委員会の中でぜひつくってまいりたい、そのことをまた期待をしているところでございます。
○政府委員(宮地貫一君) 御趣旨のとおりだと思います。
○田沢智治君 ぼくの見解に対しては社会党も、文部省も賛成であるという理解を私得たんですが、そうしますと日本の高等教育の実態を見ますと、大学等——これは短大も含めるんでしょう、千二十三校。そのうち私立が七百五十七校。私立と国公立の割合が、私学が七四%の比重を占めている。生徒数についても二百二十二万二千人、うち私立大学の生徒が百七十二万一千人、七七・五%。およそ、いずれにせよ八〇%前後が私立大学の学校であり、私立大学の生徒であるという現実を見ると、国立大学の一員ということになっちゃうとすると、なかなかこれなわ張り争いがあって、感情もあって、国立と私立の協会同士がうまく提携した授業をやったって私聞いたことない。私も私学の一員として恥ずかしく思っている。そういう日本の土壌的な非常にうまくない状況の中で放送大学が国立大学として、国立大学協会の一員として位置づけられちゃったとするならば、これやっぱりなかなか社会党の先生方が思うような協力は私は現実に得られないと、こう思うんです。そういうような総体的な次元から私は見た場合、全体から孤立しないような状況を醸し出すとするならば、特殊法人として発足し、放送事業もみずからが行う政府案が私は妥当である。さらに、政府案の中で学問の自由と大学の自治の確保のために教学優先体制の確立を附帯決議で明記して、これを実施させるんだという強い与野党一致の決意をここできちっと盛るようなことになると、懸案されるような問題も含めて多くの前進が私は見られるんじゃないだろうかと、こう私は思うのでございますが、文部大臣、それから社会党、そして大学局長の御見解をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の御意見まことにそのとおりだろうと思います。
○勝又武一君 附帯決議というお話ございましたが、私たちはあの附帯決議ではきわめて不十分だと思っております。御質問者のおっしゃっていますように私立大学を抜いて云々などとは毛頭私たちの趣旨も考えていないのでございまして、国立大学という形になりましても、まずこの放送大学をもっていまおっしゃっているような点を打破していく、この第一にこのことを位置づけてまいりたいと、こういうように考える次第です。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、わが国の大学全体の総数から申しますと、私立大学の占めている比重が大変重いということは御指摘のとおりであろうかと思います。そしてまた、この放送大学が本当に成功するためには国公私立大学の関係者の御協力をいただいて、優秀な教官スタッフを持つということがやはり基本的に大事なことだと思っておりまして、そういう趣旨から、私どもといたしましては、この放送大学を、そういう意味で従来の既存の大学がややもすると非常に固定化された形でのいろいろな言われております弊害があるわけでございますが、そういうものを打破していく一つのきっかけにいたしたいと。そういう面で国公私立の大学とも広く連携をとり得る体制をとっていくことが必要ではないかと、かように考えております。
○田沢智治君 国立大学の学長を任命する手続等について簡単にちょっと御説明いただけますか。
○政府委員(宮地貫一君) 国立大学の学長の任命手続のお尋ねでございますが、単科の大学と複数学部の場合と二通りあるわけでございますが、たとえば複数学部の大学の場合でございますと、学長、各学部長あるいは場合によりましては教養部長というものと、各学部ごとの代表の教授、あるいは附置研究所がございますれば、その長などで構成される評議会があるわけでございます。その評議会によりまして学長が選任される手続が——具体的に申せば、学長の選考についてはそういう評議会が行うことになるわけでございます。
○田沢智治君 学園法案でも評議会というものがあって、この評議会が大体人事権を持つというふうになっておるんですが、そう受けとめてよろしいですか。
○政府委員(宮地貫一君) この御提案申し上げております法案では、学長、副学長のほか、評議会で定めるところにより選出されます教授六ないし十二名で構成される評議会がございまして、その評議会が教官の選考その他の教授陣の選考に関する基準を定めるとか、基本的には、いわば大学人みずからがその教官の選考等を行うという意味で、基本的な大学の自治と申しますか、そういうものを確保するための手だてとして評議会という組織を設けているわけでございます。
○田沢智治君 そうしますと、結局国立大学の評議会と学園法案の評議会は構成メンバーについても同じであり、人事権等についてもここに託してあるとするならば、結果として調和がとれている組織づくりであると私は思うんですが、そういうふうに認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(宮地貫一君) 私どもも基本的には国立大学の場合のそういう構成に準ずる方法という形で、この放送大学学園法案で評議会に関する規定を法定をしたわけでございます。
○田沢智治君 もう時間がないです。最後に、私はそういう意味においては人は組織をつくり、組織は人をつくる、これは哲理だと思うんです。ですから、結果においてどういうようないい法案をつくったって人間がいいかげんな者が運営しちゃったらいいかげんになるし、欠陥が多いような組織は直さなきゃこれはだめです。私はいままで長い時間いろいろ勉強しまして、私の人生の中でも教育一筋ですから、ほかの人よりも私は勉強しているつもりであると確信していますが、じっと見てみると、この法案そのものは私はそう問題点はないと思うんです。とするならば、やはりこの法案がもし可決されたとするならば、大学の自治なり学問の自由を守る、教授の自由を守るということになると人の問題である。 そこで、文部大臣に私はお伺いしたいんですが、この放送大学の人事、特に理事長等についての問題が問題になると思うんですが、官僚の天下り用的な人事は絶対しないでほしいし、やっぱり衆人が見てなるほどいい人を理事長にしたなというように、やっぱり国民は二つの目でいい悪いを、それなりに私は見ていると思うんですね。ですから、問題は第一発目のどなたをどうするかということについて、民主的であり、合理的であり、本当に教育に情熱を燃やす活力のある人材を広くいろいろな意見を徴していただいて任命なされるとするならば、私はこの雰囲気は一掃する。社会党もいい法案をつくったなと言ってくれるんじゃないだろうか。もちろん公明党なり、共産党の方々なり、民社党の方々、多くの方々もそれなりに評価をなさると私は思うんです。ですから、やっぱり人は組織であり、組織は人をつくるという次元の中で、そういうようにみんながよかったという結論をその辺のところで集約されるような人事を私は文部大臣に強く要請したいんです。これができれば、いろいろな問題はじっと見てほしいという、文部大臣、やっぱり歴代の中でこういういい仕事をやったなという集約ができるんじゃないだろうかと、こう思うんですが、文部大臣はどう考えられますか。
○国務大臣(田中龍夫君) そのりっぱな人事をつくることによりまして、この長い間御審議いただきましたこの法案がめでたく通過いたしまするように画竜点睛をいたしたいと、かように考えております。
○田沢智治君 大学局長におかれては民社党の小西委員、公明党・国民会議の方の高木委員の先生方がお話されているように、やっぱり教員人事についても任期制任期制というようなことでいくというだけの芸当では私はだめだと思うし、再任を妨げない、いい人は残していくんだというような、原則は原則でありながらもいい人を残すということは、やっぱり教育というものは人ですから、すげかえちゃうと、土壌が違うとまた人間がかわっちゃって、出てくる花がいい花が咲かなくなります。そういうような弾力性を持つこと、それからまた、第一期の実施については調査を改めて真剣になさっていただいて、現実的であり、しかも信憑性の高いような計画のもとに五十九年度から実施とすれば、まだ時間があると思うんですが、そういうことにも全力を注ぐというような決意を持たれているかどうか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(宮地貫一君) この放送大学学園につきまして、ただいま御指摘のような運営に当たって大学の自治なり学問の自由と、放送の公共性、公平性というようなものが十分確保されるような形での役員構成というようなことに配慮すべきことは御指摘のとおりでございまして、私どももそれを受けて対応をしてまいりたいと、かように考えております。そして、十分な調査をさらにやるべきではないかという御指摘、これはこの委員会でもいろいろ御指摘をいただいておる点でございまして、私どもといたしましても、この法案の成立を待ちまして、放送大学学園が発足することになりますれば創設準備を具体的に行うことになるわけでございまして、その際、放送大学の教育需要というようなものについても、さらに具体的な調査項目等も設定して、十分慎重な調査をやるということについては、この放送大学に寄せております国民の期待といいますか、そういうものも十分受けとめるという意味において必要なことかと思いますので、そういう方向で検討さしていただきたいと、かように考えております。
○田沢智治君 終わります。
○柏原ヤス君 この法律案を拝見いたしますと、大学と放送事業者とをそれぞれ別の設置主体としております。 〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕 これに対して衆議院の文教委員会の放送教育に関する小委員会の中でこうした問題が論議されたかどうかということを調べてみますと、やはり大学と放送局を分ければどうなるかというような議論もいろいろされております。その結論は、NHKを使うことは非常に難点が多いということで大学と放送局を一つにした特殊法人方式によらざるを得ないという報告になったと思います。 そこで、この難点を小委員会の中で東大教授の伊藤正己先生、この方は放送法制の権威者と聞いておりますが、この先生が問題点を三つ指摘しているわけです。 その一つは、国からの資金が相当たくさん流れ込むということがNHKの体制に合うかどうかという、これが一点。また二点目は、ますますNHKが巨大化するのではないかという問題点。第三点は、これは最も重要な点として、NHKの持っている番組編集権と大学の講義の自由というものがぶつかると。この二つがぶつかるということは、きわめてむずかしい問題を生ずるというような点を指摘しているわけです。 これに対して社会党さんの方では、しっかりとこの三つの点への反論はお持ちの上でこうした法案をお出しになったと思いますが、この三つの点の反論をお聞かせいただきたいと思います。
○勝又武一君 この前提になります小委員会の議論でございますが、一つは小委員会報告が大学と放送局とを一体のものとした放送大学を設置するとすればという一つ前提に立っておりまして、その場合には特殊法人なんだと、こういうことを言っておりますから、大学と放送局とが一体のものでない場合にはどうなんだという議論は、やはり小委員会で不十分だというように私たち判断をいたしました。 それからもう一つは、この特殊法人方式をとる場合には、特殊法人の組織及び大学の管理運営のあり方について大学の自治が尊重されるよう事前に十分な措置を講ずることが必要なんだ、こういう指摘がしてありますが、この点も政府案ではきわめて不十分だと。お言葉では大学局長から盛んに学問の自由、大学の自治、保障保障と言ってきておりますが、特殊法人の方式の中では不十分だということを指摘をしているわけでございます。そして放送はNHKと、こういう構成に法案作成に立ったわけであります。その場合の、いま御指摘のNHKに対する三点の問題がございました。国からの資金の入る問題とそれから巨大化の問題でございますが、この点についてはNHK自体が取り扱う分野というのはきわめて大きいのでございまして、放送大学の分野というのはそのNHKの一部であるわけでございまして、これをやるから直ちにNHK全体の資金計画に大きな影響を及ぼすということのようには私たち考えておりません。 なお、この巨大化の問題につきましても、NHK全体の問題との比重からいきますと、そういうことに相ならないというように思っております。 それから、番組編成権の問題は午前中からも再三申し上げ、午後もいまお答えをいたしましたとおりでございまして、教育課程編成権というのを放送大学が持っているということをまず第三条の四で明らかにする。そして第三条の五で、しかしその必要な放送は日本放送協会が行うということでございまして、放送大学が大学という性格上、放送大学の編成した教育課程に準拠して編集された放送番組により放送を行うと、こういうことでございます。 番組編集権と教育課程編成権の調和の問題につきましては別途準則を設けまして、これらの点での協議を行っていく。むしろ放送大学とNHKとは事前にこれらの問題についての編集、必要な事項、こういう問題についてまず協議をいたしまして準則を定める。こういうことに考えておりますので、番組編集権なり教育課程編成権の問題についての調和を図れるというように確信をいたしているところでございます。
○柏原ヤス君 いまの御説明に対して、またしつこいような聞き方をするわけですけれども、放送大学とNHKとが教育界における提携者の関係に立って両者の調整を図ると、この提案理由にも述べられております。そして、それに対して調整は必ずしも容易な問題ではないというふうにお断わりになっておりますが、大学には学問の自由、大学の自治がある。放送事業者の方には表現の自由、放送番組編集権というものがある。こういう二つの対立したものというか、相入れないもの、そういうものを法律上調整を行うと言っても、それは独自の機関の憲法上の権限を規制することになると、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。 〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
○勝又武一君 私は、ただいまの御質問に対しまして、これは特殊法人方式である政府案の場合にも言えると思うわけでございます。むしろ政府案の場合にはそれらの点については、特殊法人であるので文部大臣が任命した理事長の権限で決められがちな番組の最終編集権までさえ理事長が持っているというように読み取れる向きさえあるほどでございまして、この点を私たちは一番危惧をいたして法案を出しているところでございます。 そういう意味で申し上げますと、放送を教育の手段とする限りにおきましては、学問の自由と放送の自由との調和を図るということは当然必要になってくる。放送大学構想のむしろこれは私は宿命であり、大前提ではないかとさえ思うわけです。これは政府案でも私はむしろ同じじゃないかというようにさえ思います。 そういう意味で、両者の独自性というものを認めながら調整することは可能である。具体的にこの両者が協議して定める準則によるということにしているのでございまして、憲法上の権限を規制することには相ならないというように考えているところでございます。
○柏原ヤス君 次に、放送大学が教育課程を編成する、放送大学の事業としての放送番組はNHKが編集する、こういうことになるんですが、これを現実の問題として考えてみると、やはりNHKの放送番組編集権という方が優位な立場に立つんじゃないかと。放送大学の放送番組というのは教科書みたいなものになるんじゃないかなんというふうに思ったわけですが、こうした放送大学の学問の自由が保障されるかどうか、保障されなくなるのではないかということを、心配いたしますけども、その点いかがでしょう。
○勝又武一君 本法案を提案いたしました理由は、学問の自由と大学の自治を確保するためにこそ社会党案を出したのでございまして、先ほどから申し上げておりますように、両者が協議して定めた準則に基づいて番組編集が行われるわけでありまして、特にそういう意味でNHKが優位になるということは考えられませんし、放送大学の学問の自由が保障されなくなるということはないというように思います。 第三条の四に、「放送大学における教育に必要な放送は、放送大学の編成した教育課程に準拠して編集された放送番組により行われなければならない。」これは端的に言ってしまいますと、たとえばテレビをやるときにじゃだれがやるかと。これは当然、この教育課程をつくり、教授内容をつくった大学教授がテレビで放送するわけでございまして、それをだれか全然別の人がテレビで放送するというようなことには相ならないのでございますから、このところは法案には書いてございませんけれども、この辺が一つ準則のさわりになるというようにさえ思いますので、その辺などをひとつ御明察いただけますならば、何か学問の自由なり、あるいは教育課程の編成権がNHK側から侵されるというような心配はなくなるんじゃないかというように思うのでございます。
○柏原ヤス君 英国のBBCがオープンユニバーシティーの放送番組の放送を拒否したということがあると聞いております。放送大学とNHKの間でも同じようなことが起こるおそれがあるのではないかと、こう想像するわけですが、この点はどういうふうにお考えでしょう。
○勝又武一君 この点は提案理由の際にも私たち申し上げましたが、オープンユニバーシティーとこのBBCの関係でございます。おっしゃられましたように、このオープンユニバーシティーの核軍縮を取り扱いました講義がBBCによって放映を拒否されたという事件がございました。しかし、これがあるから政府案の方式が好ましいということに必ずしもなるんだろうかということを私たち考えたわけでございまして、もし仮に政府案のような場合にもこのような事件が生ずる場合があり得るというように思うわけです。その場合に、じゃ政府案の場合にはどういうように処理されるかと言えば、恐らく文部大臣任命の理事長がいらっしゃって、そして、そこでひとつ内々の中で処理をされてしまう。つまり、国民の目に触れないところで行われる。田沢委員が再三、公開され、民主的だと先ほどから御指摘になったことが反するような事態が私はむしろ起こり得るというようにさえ思うのでございまして、そういう意味で、私たちが放送大学を実現しようとする場合に、確かに最も困難な問題といたしまして、この教学権と放送番組編集権との調整をどうするかということがあると思いますが、そのためにこそ両者の調整を、特殊法人である内部処理の問題としてでなくて、私たちは同一人格である国立大学の放送大学と、そしてNHKとが協議をして決めた準則でその点を処理をしていくんだと。そして、もし間違ったことをやったら国民が見ておりますよと、テレビで全国に報道されるわけでありますから。そのことを十分両者は考えれば、まさに両者の英知をもってこの点が解決をされていくというように思っているわけでございます。
○小野明君 柏原先生、確かに先生の言われるのは大きな問題点だと思いますよ。そして、私も文部省案を見ますときに、いまの原案を見ると、どうしても番組をつくる方に優位があるようにしか読めないですよ。番組の制作の方に優位があるようにしか書かれていないんです。ですから、これは私は比較論かもしれませんけれども、社会党案のように国立大学とすると、そして新たに準則をつくる、そして教育課程の編成権は大学側にあると、こういうふうにした方が私は文部省案よりも、むしろ先生の御心配される大学の自治、研究の自由というものが、正直に言って比較論かもしれませんけれども、こちらの方が私はいいんではないか。決してこれは自己宣伝ではありません。これは客観的にそういう評価をいただけるんじゃないかと、こう思うんですがね。
○柏原ヤス君 現在のNHKに、放送大学の事業としての放送の組み入れ、これは時間的な余裕の面では無理だと、こういうふうに言われております。そうすれば、放送設備的にNHKが全く新しいものをつくる以外にはないと思うんです。そういう点について、郵政省の放送部長さんが、先日、これ四月二十八日の日に答弁されておりますが、NHKが放送をやるとしても、放送大学学園がやるにしても、放送設備を備えるには、どちらも同程度の経費がかかるということですと、こういうふうに言っているわけです。経済性という面からもNHKに放送をやらせるということはメリットはないのじゃないかと、こういうふうに、こうした答弁を通して考えるわけですが、この点いかがですか。
○勝又武一君 御質問が二つございまして、一つは大変NHK手いっぱいになっているから無理じゃないかというような御指摘でございますが、この点はたしかUHFとFMとで新しい波を各一チャンネル用意をいたしておるのでございまして、これはNHKのいままでの御努力の中で工夫していただければ、私たちはやっていけるというように判断をいたしたわけでございます。 それから二つ目のいわゆる経費の問題でございます。私は先ほどもお答えいたしましたが、全く同じなんということはあり得ない。大体NHKは土地があるわけですから、もう新しい土地を買って、幾つかの放送設備を各地域につくることを考えれば、まずそれだけでも少なくとも安くなる。だから、もう政府案以上にかかることはまずない。政府案よりも相当程度安くなるということは明らかでありますけれど、NHKにいま手いっぱいですから、新たにつくるということについてはわかりますけれど、経費の点も同じということはあり得ない。もっとそれよりも、いろいろの意味合いを含めれば安くなるというように思いますが、経費のこと以上に、私はNHKが担当することは政府案でやるよりははるかに質がよくなるんです。つまり経費ということは質と一緒に考えていただかないとお話にならないというように思うわけです。これは、テレビ朝日へ行きましたときに、あの開発センターの方がいみじくもおっしゃってたけれど、もうはるかに問題になりませんでしたよね、お話聞いても。NHKの方が、同じ値段をかければ、はるかに質のよいものができてることは明らかでございまして、この点が一つと、それから先ほどから何回もお答えを申し上げましたが、ローカル放送の活用とか、文化の多様性とか、地域の要請にこたえ得るとかあるいは全国ネットワークがいち早く実現をできるとか、NHKにやっていただいた方が私はるかに利点が多いと、こういうふうに私たち提案者としては確信をいたしているところでございます。
○柏原ヤス君 社会党が対案を出す理由の一つとして、政府案の中に理事会を法定していないということが挙げられていると思います。仮にそれでは理事会を法定すれば、そうしますと、学長たる理事の参加のもとに事が決定される。学長はその決定に拘束されて、かえって大学の自主的活動を制限し、大学の自治を損なうのではないかということも考えられると思うんです。この点はいかがでしょうか。
○勝又武一君 この点は、御指摘になっているところにつきましては、私たちも相当そういう意味合いのことはあり得るというように率直に思います。ただ、私たちが提案理由の文書の中にこのことを書いた本当の意味合いを御理解いただきたいという意味でお答えさせていただきたいと思います。 確かに政府案は理事長の権限が強く、しかもそれは文部大臣の任命だと。ですから、学問の自由なり大学の自治を守るという観点からきわめて問題が多いというように私たちは考えました。ですから、理事長の権限が強いから、しかも理事は理事長任命で他の理事会のような法的な権限もない。そういう意味では法的な権限を少なくとも与えるべきだと。あるいは理事の数の中に、教学側の理事の数が非常に少ないということも問題が多過ぎると、こういうようにも思ったわけでございます。しかし、だからといってその範囲内だけでやれば御指摘のような向きも出てくるのでございまして、そういう意味合いで申し上げますと、私たちは理事会を法定するということで十分だと言っている意味ではございませんで、もちろんそれだけでは不十分でございまして、むしろそういう政府案の一部を修正し、手直しするということよりは、それでは先生の御指摘のような欠陥も非常に出ますので、そういう方法ではなくて、むしろ抜本的に特殊法人方式でない国立大学としての放送大学を設置すれば、人事権を初めとする重要な権限は教授会に属することになりますし、大学運営全体に教員の意見が反映をされますし、大学の自治も担保をされますし、同時に政府案のような任期制をとる必要もない、教育公務員の身分を保障されたままで人事の交流を行うこともできる、こういうような利点を考えまして一部修正ということを考えなかったわけでございます。そういう意味合いです。
○柏原ヤス君 提案理由の中に「学習指導に必要な地方センターを設ける」と、こういうふうに示されております。これはスクーリングが非常に大事であり、また学生がこのスクーリングに苦労しているということを思いますので、社会党の考えているこの地方センターというのはどんなものなのか、政府案で言う学習センターと大体同じものなのか、できるだけお考えになっている具体的な御説明を聞かしていただきたいと思います。 そこで、私もこの学習センターの中に宿泊できるような設備もあればという希望が非常に学生の中に多いということを聞いておりますので、この点もあわせてお考えの具体的な御説明をお願いいたします。
○勝又武一君 この点につきましては、私たち地方公聴会を行ったことが非常によい意味での参考になりました。これらが本法案を準備する際の私たちの大きな勇気づけになったというようにさえ思っているわけでございまして、まず第一に、東京、関東周辺ということではなくて全国的な規模でまずやれという意味合いの御主張、それから特に通信教育を担当されていた方々がやれるような状況をぜひつくってほしい。一つは、私立大学の通信教育が本当に一〇%とか三%程度しか卒業し得ない。このことをも満たしていくというための条件をぜひ考えてくれと。あるいは特に放送大学にとっては私はテレビ放送だけでない、再三委員の皆さんから、この文教委員会で御指摘のありましたように、例のスクーリングの問題なりあるいはゼミナールの充実なり、そしてまた学習資料の充実なり、こういうことが占める位置が非常に大きいというように思いますし、全く地方公聴会等に出ていた方々のその意見を生かす法案にしなければならない。そういうことを考えますと、地方の学習センターの充実ということは先生御指摘になりましたようにきわめて重要だと思います。特にスクーリング等を行う際に、山村僻地から県庁所在地へ出てくるために一晩泊まらなければ出てこられないんだというような御指摘は、まさに私たちこの東京の真ん中にいて頭の中で考えていただけではわからない、実感として迫らないことでございまして、そういう山村、離島、僻地から県庁所在地へと来られる方々がやれるような意味合いでの学習センターにこそすべきだと。そういう意味では、先生御指摘のような宿泊施設その他等についても十分考えていかなければならないというように思いますし、それらの点につきましてはこの法案成立と同時にできます創設準備委員会の中の主要課題として検討していただく、またそのことを大いに期待をいたしているところでございます。
○柏原ヤス君 最後に文部省にお聞きしますが、社会党の案は、学校は国立放送大学、放送局はNHKと、こういうふうになっておるわけです。これが将来、番組についてもNHK一本でなくてもいいと、民放を使ってもいいんじゃないか。番組については民放の方がいいということも考えられると思うんです。同様に国立大学でなくても、私立大学が教育民放大学というようなものをつくる。そうした私立大学ができる。私立大学が学問の自由ということには非常に積極的な姿勢で今日発展しているわけで、そうした機運が私立大学の方から盛り上がってきた場合、国立大学ひとりよがり、NHK独占なんということはどうかと思うわけなんですね。そういうバラエティーに富んだ仕組みができた場合に、文部省としてはこれを認可するかどうか、これは将来の問題ですけれども、一応御意見をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 将来私学において放送を利用するという形のものが出てきたときにどう対応するかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、御提案を申し上げておりますこの放送大学学園によります放送大学というものをまず設立をいたしまして放送を大学教育に活用するという形を政府案で御提案申し上げている点で言えば、特殊法人が放送大学を設置するという形で進めておるわけでございます。幾度か御議論がございましたように、もちろんこの放送大学については国公私立大学の関係者の積極的な御理解なり御協力というものをいただきながら進めていかなければならないことは当然でございまして、そのことがこの放送大学を成功させることの一つのかぎだと考えております。そして、御質問の趣旨のように、そういう放送を教育の内容に直接使うということについていろいろ検討が進み、さらに私立大学においてもそういうことを実施したいというところがあらわれました場合には、もちろん文部省といたしましてはそういう事態に対応する形で処理をするということになろうかと思います。放送教育に使うということについての積極的な意味が十分理解をされてまいりまして、将来ほかの私立大学においてもそういうことをやりたいというところがあらわれました場合には、もちろんそれに対して対応する心づもりでございます。
○佐藤昭夫君 本日この放送大学に関しての政府原案と社会党の対案二つを結びつけて午前中から各会派の質疑が行われているわけでありますが、私ども共産党としては政府原案に対する修正案を用意し、すでにその内容の骨子については当委員会の理事の方々にも参考資料としてお渡しをしているわけでありますが、そうした角度から、主として文部省に対して、若干社会党発議者に対して質問をいたしたいと思いますが、時間の関係もありますので問題をしぼらざるを得ませんが、私どもの修正案の中で触れていることですけれども、学園並びに大学の管理運営を大学にふさわしくどう民主化をするかといった角度から、いまもちょっと触れられていましたけれども、たとえば学園について理事長の独任制じゃなくて合議制の理事会というものを法定をする。さらには、理事、運営審議委員、この過半数は、今日の大学関係者の一番広範に結集をしておる、法的にも認知をされている機関だと思いますが、日本学術会議の推挙を受けて文部大臣が任命をしていく、それから大学の管理運営の仕組みについて言えば、評議会は削除をして教授会を法律上きちっと定める、それから発足時の学長、教員の任命、これをどうするかというこの点についても、日本学術会議の推挙を受けて文部大臣が任命をしていくという形をとるべきではないかということを私どもは考えているわけでありますけれども、最後に触れました点について、きょうは時間の関係上お尋ねをいたしたいと思います。 この提案をされています法律案第二十二条で、この放送大学運営の最も重要な内容になってきます人事についての基準、これは評議会で決めていくんだということになっているわけでありますけれども、そもそもこの評議会は、放送大学の設立当初六カ月以内は、学長、副学長及び教授全員をもって構成をするということになっているわけですね。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の設立当初の評議会でございますが、附則の第九条に御指摘のとおり「学長、副学長及び教授全員で組織する。」という規定を置いているところでございます。
○佐藤昭夫君 ところで、この設立当初のその段階はまだ評議会が構成をされていないわけですから、人事の基準というものもまだできていない、したがって評議会の議を経てというこういう手続もとり得ない法文上の、何といいますか、設立当初の段階のそういう盲点のようなものが生ずるわけですけれども、そうした場合、学長は理事長の申し出で文部大臣が任命をする、副学長は学長の申し出で理事長が任命をする、それから教員は学長の申し出で理事長が任命をするという形で、いずれにしても文部大臣が理事長の任命で決まった者が全部そっくり評議会構成メンバーになって、その評議会が人事の基準を決める、こういう形でスタートをするわけですね。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のとおり、最初の成立後の学長、副学長、教授の選任につきましては附則に規定をいたしておるわけでございまして、その際、教授の任命について原則規定の評議会が置かれていないわけでございますので、「評議会の議に基づいて」ということが手続上とれないわけでございます。したがいまして、それは教学の責任者になります学長がその教授の選考については選任をいたしまして、その学長の申し出に基づいて理事長が任命をするということになるわけでございます。そして、その教授全員で評議会を構成をするということに、設立後六カ月間はそういう対応をするわけでございます。もちろん、これはスタートの最初の時期でありますが、手続的にはそういう手続をとらざるを得ないということでございます。 いずれにいたしましても、その際も、もちろん教官の選考については教学の最高責任者でございます学長がいわば責任を持つ形で行うわけでございますので、その点については、私ども、教学の責任者において選考が行われるという形では、基本的には大学の自治と申しますか、教学のスタッフをみずからが選んでいくという基本的な体制は確保されているものと、かように考えております。
○佐藤昭夫君 いろいろ答弁なさいましたけれども、いずれにしても、発足後一月とか半月とかごく短い期間ということでない少なくとも六カ月にわたって、いま確認をされましたように、学長または理事長が任命をした者すべてで構成をされる評議会、これが組織をされる、この評議会が人事の基準を初めとする放送大学の運営上の重要事項、これをいろいろ決めていく。もちろん六ヵ月後それの見直しということもそれはあり得るかもしれないけれども、少なくとも重要な問題が全部そういう形で決められていくんだということになるわけですけれども、昭和五十四年四月二十七日、国立大学協会と公立大学協会との連名で——公立大学協会の会長は当委員会におられる高木先生ですけれども、三項目の要望書というのが提出をされておる。その第三項目、この中には「「学園」の役員ないし運営審議会委員および設立当初の教員の選出等については、本協会をはじめ既存大学の意向を十分汲むこと。」ということで、やはり大学関係者は、この発足当初の学長を初めとして教員の構成がどういうふうにやられるのか、そこを非常に憂慮もし、また注意も向けてるという問題だと思うんです。で、こういう要望が文書でも正式に出されているので、この要望については極力尊重をしていきたいということを、前回別の角度から私がお尋ねしたときに局長は答弁をされていましたけれども、具体的にこの要望書第三項目のこの点について、そういう大学関係者の意向を十分くみ取る方向で、これにどういうふうに対応していくつもりなんですか。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、国立大学協会、公立大学協会のそれぞれ会長から御指摘のような要望書をいただいておりまして、もちろん、その第三項目にございますような、学園の役員ないし運営審議会委員及び設立当初の教員の選出等に当たりましては、こういう大学の関係者の意向を十分くむということで対応をしていくわけでございます。もちろん、教官につきましては、この放送大学学園が発足後、文部大臣に対しまして大学の設置認可申請を出すことになるわけでございまして、その認可申請が出ますれば、もちろん大学設置審議会においても具体的な審査が行われることになるわけでございます。そういう際に、もちろんこの放送大学の教官の候補者についても具体的な審査が行われるということでございますので、これは一般の大学と申しますか、通常の大学の設置認可申請と全く同様の手続がとられるわけでございます。したがいまして、お示しの要望書では私立大学の関係は入っておりませんけれども、私どもは、もちろん私立大学の関係者、特に通信教育の関係の方々、そういうような方々にも十分御意見を伺いながら具体的な候補者の選考というものが行われていく、かように考えております。
○佐藤昭夫君 意見を聞くといっても国立大学協会と公立大学協会だけでは片手落ちなんで私立の意見も聞かなくちゃならぬというふうにおっしゃるわけですけれども、そうした角度で、国公私立全部含めて大学人が総結集をしている組織、わが国の現状では、日本学術会議というのは、法的にも認知をされた組織であるし、選挙という最も民主的な方法で代表を選んでおる、そういう学者、研究者の、それを代表をする機関、これとして今日日本学術会議というものがあると思うんですけれども、たとえば私学の代表の意見を聞くといったってさまざまの組織があるわけですね、というので、限られた人数の人選についての推挙を受ける、あるいはそれの意見を聞くという場合に、やはりどこか一つの母体、ここからの意見を聞くというのが最もふさわしいんではないかというふうに私は思うわけですけれども、そうした点で、私が触れましたのは、最初に触れましたように、理事、運営審議会委員、こういう問題も含めてですけれども、発足当初の教員の構成について日本学術会議の意見をよく聞いていくというこの問題は、文部省として積極的に検討をする意思がありますか。
○政府委員(宮地貫一君) 確かに共産党から出されております修正案では、役員の任命等につきまして「理事及び監事は、文部大臣が任命する。この場合において、理事のうち五人は日本学術会議の推薦した者のうちから、」以下云々と、こういう規定が修正案として出されている点は承知をしているわけでございます。私どもとしては、学術会議はその目的なり趣旨が学術会議法で法定をされているわけでございまして、非常にそういう意味では学術会議も大変大事な機関だと心得ております。しかしながら、基本的には学術会議はわが国全体の科学者の内外に対する代表機関と申しますか、第二条で示されている点で申せば、「わが国の科学者の内外に対する代表機関として、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする。」というぐあいに規定をされているわけでございまして、構成員としては主として研究者が中心になっていると承知をしているわけでございます。大学は申すまでもなく教育、研究を行う機関でございまして、私どもは、先ほど申しましたような、もちろん私立大学についてもいろいろな団体のあることも承知をしておりますが、基本的には放送大学というものが大学でございますので、そういう大学人のいわば意見を十分慎重に聞いた上で対応していくということは必要なことと心得ておりますが、ただ、御指摘のような日本学術会議を、いわば大学の総意を反映する場としてつかまえることは必ずしも妥当ではないんではないか、かように考えております。 したがいまして、国公私立の大学の関係者の御意見を聞くについては、御指摘のとおりに私学団体については幾つかの団体もあり、やはりその幾つかの団体にはそれぞれの団体が置かれている理由も幾つかあるわけでございまして、それらについてもやはり大学人という意味で、私どもは国公私立の関係の方々に御意見を聞く機会は十分に持った上で対応をしていくつもりでございますけれども、修正案にございますような「学術会議の推薦した者のうちから、」という考え方をとるのはいかがなものであろうか、かように考えております。
○佐藤昭夫君 その学術会議の意見を聞くというか、推薦を受けてというその点に対しては否定的な答弁をなさっているわけですけれども、しかし、当然大学の関係の方々の皆さんの御意見は尊重をしてということを片一方で言っているわけですから、具体的には、しからばどういう団体の意見を聞いて対処をしていく考えですか。
○政府委員(宮地貫一君) もちろん、先ほど御指摘のございました国立大学協会、公立大学協会というのはそれぞれ国立大学、公立大学についての団体でございまして、そういう代表の方々の御意見を十分承ることはもとよりでございますし、また、私立大学に関しましては、先ほども申しましたように幾つかの団体が分かれておるわけでございますので、それらについてはそれぞれの団体の代表者、もちろん全体を取りまとめました全私学連合というような一つの組織体があることもあるわけでございますけれども、やはりたとえば私立大学連盟、私立大学協会、短期大学協会というような、私立大学については幾つかのそういう団体があるわけでございまして、やはりそういうところの代表者の方々に御意見を伺うということは十分慎重に手を尽くして対応をしていきたい、かように考えているところでございます。
○佐藤昭夫君 この問題だけで論争をしているわけにもまいりませんし、大体いまの答弁で国立大学、公立大学、私立大学それぞれの関係者、関係団体の意見を尊重していくべく対処をしていきたいという答弁であったと思うんですが、ちょっと最後にこの点で社会党にお尋ねをいたしたいと思いますが、当然理事や運営審議会委員のこのあれについては、社会党の案ではおよそ議論の余地はないということですが、新たに発足をする放送大学の教員の構成について、それをどういう組織で検討をしていくか、何かこの対案をつくられた背景にお考えがあればお聞きをしたいと思います。
○勝又武一君 御指摘の点につきましては、創設準備委員会で検討する主要課題だと思います。そういう意味で、私たち創設準備委員会の構成というのを、お話がありましたように、国公私立大学関係団体、あるいはいま御主張されております日本学術会議、そういうものも含めましたそういう諸団体の代表者、あるいはNHK、放送に関する学識経験者、そういう幅広い関係者の方々で構成をいたしまして、その中で広く国民各層の意見を聞きまして教授等の任命を行うということを予定をしているところでございます。
○佐藤昭夫君 それではもう一つ、次の問題で質問いたしたいと思いますが、私どもの修正案の中に異見放送を保障するということを提起をしているわけであります。これは、いずれにしましても、放送大学における放送教育というのは、在学生にとどまらず、非常に広範な国民に影響力を及ぼしていくものだと。そういう場合、学説上重要な見解の相違がある場合、放送された教員の学説が唯一正しいものであるかのごとく一般に受けとめられかねない危険性を含んでいると。そういう点で、片一方では大学における学問の自由、言論、表現の自由、こういう立場から、放送大学の教員がみずからの学問研究の成果を自由に教育の内容として放送ができると、こういうことは当然のこととして保障されなくちゃならぬということだと思いますが、この今度の法案でそういう学問の自由は保障をしつつ、しかし、学説上重要な違った意見があるというこの問題の取り扱いをどういうふうにこの放送大学の運営においては扱っていくのか、まずその点文部省の説明を求めたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 御提案の修正案では、「学術上の異なる見解に関する放送」という規定を設けられておるわけでございますけれども、放送大学学園の放送はもちろん放送大学の講義でございまして、講義の中身そのものであるわけでございますが、一方、実際には放送されるというものである以上は、放送の中立公平ということが守られなければならないことはもとよりでございまして、放送大学学園法案においては、放送大学の放送番組の編集について放送法第四十四条第三項の規定を準用をしているわけでございます。そしてその第四号で「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」とされておるわけでございまして、放送大学の放送内容については、その規定を受けまして大学が自律的な規制を行うということが期待をされるわけでございます。ただ、この学園の放送番組は、先ほども申しましたように、大学の講義の中身そのものでございますが、放送大学の学生を初めさらに広く一般の視聴者ももちろん見る機会がありまして、そういう視聴者の方々からもいろいろな意見が寄せられるということは当然予想もされるわけでございます。そして、それらの意見について、学園の放送が大学の授業としての実質を持つということを考えますと、授業内容に対する大学の自主性を尊重するという立場から、大学の外において処理するよりも、むしろ大学の側におきまして、たとえばそういう一般視聴者の意見等に対してそれを受けとめる組織、適切なたとえば委員会のような組織を設けてそういう意見を十分受けとめて、大学として自主的に対応するように配慮することが必要ではないか、かように考えております。もちろん学生については学習センターにおけるスクーリングというようなものを通じてかなり配慮をするということも考えられるわけでございますが、そういう一般視聴者に対する疑問でございますとか、あるいは反論でございますとか、そういう具体的な対応につきましては、放送大学の側において十分配慮し、検討しなければならない課題ではないかと、かように考えております。しかしながら、御指摘のような「学術上の異なる見解に関する放送」というような形で規定をするということは、ただいまのところ具体的には考えていないわけでございます。
○佐藤昭夫君 もう大分時間が迫っていますが、郵政省にお尋ねをしたいと思いますが、日本の放送法第四十四条、そこの三項を初めとして放送の公平原則、これに相当するものにアメリカでのFCC——連邦通信委員会、ここが一九四九年の報告で伝統的な論説放送禁止政策から承認政策へ転換をした。私どもの理解では、この論説放送について多くの論争的な争点を論じる場合に、放送事業者は対立見解の側から反論放送の要求に適切な機会を提供する義務を課すべきだと、そのことによって放送の公平を確保することができるんだという方向へ転換をしたものだというふうに私どもとしては理解をしているわけですけれども、この一九四九年のFCCの報告、この内容の概況をひとつ御報告願いたいということと、それからあわせて文部省に再度お尋ねをするわけですけれども、この異なった意見の放送の制度的保障をするということは、何か不満があるから、違った意見があるからそれを発表させようという受動的な問題ではなくて、本当にこの大学の自治、学問の自由を守ろうと思えば、あなたも引用された四十四条の三項の公平を害してはいかぬ、政治的に公平でなきゃいかぬ、あるいは意見が対立をしている場合には多くの角度から多面的な論点を提供するという形で、しかし、ということは結果として自由に物が言えないという、こういうことにならざるを得ないわけですね。だから、本当に自由にみずからの学問研究のここに立脚をして自由に自説が述べられるということのためには、法律的にも異なった意見を発表できるという制度的保障をつくるということが要るんじゃないか、本当に学問の自由を尊重していく積極的な保障になるんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、その点についての見解を求めておきたいと思います。
○政府委員(田中眞三郎君) アメリカのFCC規則でございますが、その点についての私どもの理解は、FCCの基本原則といたしまして、放送事業者に対しまして公平の原則というものを課している。フェアネスドクトリンというふうに言っているようでございますけれども、これは、いま御指摘の公共的に重要な論争点につきまして、一方のある見解が放送された場合に、それと異なります他の見解のために公平な発表の機会を与えなければならないと、そうした義務が放送事業者に課せられているというふうに聞いておるわけですけれども、もう少し理解を述べてみますと、反論の機会をどのようにして与えるのかということでございますけれども、まず異なる見解を発表しようという者から発表の申し込みを事業者が受けるわけでございますが、そうした場合に、事業者としては公平な発表の機会を与えなければならないというわけですけれども、その原則的な考え方としまして、まず当該事項が公共的に重要な案件であるかどうか、あるいは論争点と言えるかどうかと。ここらは番組編集の自由の見地からいたしまして、実際上は放送事業者自体が合理的かつ誠実な判断をすべきものとされておるかと思います。また、公平な発表の機会というわけでございますけれども、放送時間等までにわたりまして厳密な均衡というものを求められているものではなくて、全般的な番組編成の中で考慮をすれば足りるものと。そうした手段、方法につきましても放送事業者の判断に任せられておると、そのように私ども承知しておる次第でございます。
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど御答弁した点で尽きるわけでございますけれども、この放送そのものが大学の授業としての実質を持つということから考えれば、やはり授業内容に対します大学の自主性を尊重するという観点で、大学側が外部のいろいろな意見等に対して十分受けとめることを自主的に対処することは望ましいところであろうと、かように考えております。対立する意見、その他についてそれぞれ主張をする場というのはもちろん放送以外にいろいろあり得るわけでございまして、もちろん、それぞれ学会誌でございますとか、そういうようなものを通じましてお互いに相対立する意見、見解を持っている方々が自由に主張をし合える機会というのはあるわけでございますが、この放送そのものから申せば、私どもとしては、これは大学の授業そのものの中身でございますので、繰り返しでございますが、大学の自主性の尊重という観点から対応すべきものではないかと、かように考えております。
○小西博行君 きょうの文教委員会では、主に社会党の提出されました対案に対しての質疑ということになっていると思います。しかし、先ほど田沢委員あるいは柏原委員の方からいろいろ質問がございまして、私が御通告申し上げた問題点についてはほぼもう言い尽くされたというふうに私は考えているわけでございます。したがいまして、二、三点の問題について後ほど御質問申し上げたいと思います。 その前に、先ほど田沢委員の方からお話がございましたが、この間の広島の公聴会、これは札幌もございましたが、私は広島の方へ参りました。そういう公聴会の感想につきまして、もう国民のコンセンサスは十分得られたというような御発言がございました。この間のまとめの中にもややそういうような言葉も実は入っていたわけであります。しかし、私は大変そういう甘さというか、実はその辺に大きな問題があるんではないかというふうに考えております。 もちろん公述人が六名出られたわけであります。これは、公開講座というのを広島でやったわけでありますから、その教える側と言いましょうか、教育委員長なりあるいは各大学の先生方三名ですね、それから今度は受講された方が三名、あるいは現在まだ玉川大学の通信教育部、これに在学中、これ十年間も勉強されてまだ卒業してないわけでありますが、そういう大変熱心な方々によって地方公聴会が——まあ私はある意味では大変成功だったというふうに考えております。 しかし、そうかといって、では県民の皆さん方がほとんどそういう放送大学に期待され、そして内容について十分理解されているというふうに私は感じなかったわけであります。特に、私は広島大学の今井先生あたりの御意見を聞いておりますと、どうも放送大学の利点という面については確かにあの先生のおっしゃるとおりだったと思います。しかし、一歩突っ込んで細かい現実の問題、たとえば財政の問題であるとか、あるいは現実にそれだけのカリキュラムを学生が消化できるんだろうか、あるいは地方での応援体制というものが本当に整いますかと、具体的に今井先生は来ていただけますかというようなお話をしますと、やっぱりあと定年まで四年あるんで四年した後にはぜひ協力させていただきたいというような、大変私はそういう意味では消極的な感じに実は受け取ったわけであります。 そういう意味で、私は何もこの放送大学全体がすべてだめだという表現をしているわけじゃなくて、それほど厳しい環境の中で放送大学というのはこういう利点があるんだと、財政が苦しいこの時期にどうしてもやらなきゃいかぬのだという面を踏まえた上で放送大学に対する具体的な対策を何としても立てていく必要があるんではないか。そういう意味で、先ほど田沢先生もちょっと言われましたことがすべてに私は当てはまるとは考えられない。十分その辺は文部省もひとつ考えていただきたいというふうに思います。 私は札幌の方には行きませんでしたものですから、この間の報告書で大変熱心な方の御意見があったというふうに承っておりますけれども、その辺あわせて文部省の姿勢をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 地方公聴会でいろいろ御意見が述べられたということについては、これから放送大学学園の法案の審議、さらにその成立後におきます放送大学の具体的な実施に当たりまして貴重な御意見として私どもも参考とし生かしていくことにしたいと、かように考えておるわけでございます。特に、御指摘の点では、大変財政的に厳しいこの時期の対応としてという御指摘があるわけでございますが、私どもとしても今日まで十分検討さしてまいったわけでございまして、なお先ほど、具体的には、たとえば調査というようなことについてもさらにもう一度取り組むべきではないかというような御指摘もございまして、そういう点についても、これはむしろ文部省の立場というよりも放送大学学園を発足させていただきましたらば学園としての対応としてやはりそういうことをやらしていただく心要があるんではないか。大学づくりを進めていくに当たってやはり国民の本当の需要と申しますか、その点についてさらにもう一度慎重に調査をすべきでないかという御指摘もございまして、私どももそれはそういう方向で検討さしていただきたいということで御答弁申し上げておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましてはいろいろ厳しい情勢、さらにいろいろ御指摘のありました点、そういうような点については、もちろん国会で御審議をいただいたそういう具体的な御指摘に対して、この法案が成立を見ますれば、その後の放送大学をつくっていく際に具体的に十分それを生かしていくということで対応してまいりたいと、かように考えております。
○小西博行君 この間の各公述人の中で千種先生という方がいらっしゃいました。これは修道大学の学長だったというふうに私考えておるわけですが、この方は私は二枚にまとめて大変要領よく報告されたというふうに思います。それは、放送大学というのはこういう存在意義があるんだという利点を六点ほど具体的に挙げられておりました。しかし、それは大変短かい言葉で要約をされておりまして、これ私が常日ごろから考えておりました問題点を大変簡潔に要領よくまとめていただいたんではないかというふうに考えておりまして、まさにこのことがこれから先の放送大学にとって一番考えなければいけない重要な要素になってくるんではないか、このように考えております。十項目の問題点を挙げられているわけでありますけれども、この十項目について文部省の方々はどういうふうにお考えでしょうか。なるほどそのとおりだというふうにお考えでしょうか、それともこの点はちょっとぐあいが悪いというようにお考えでしょうか。これをちょっとお聞きしたいんです。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の広島の公聴会におきます千種公述人の要旨、御指摘のように問題点として十項目ほど取り上げておるわけでございます。これすべてについてここで私どもこの点についてということで申し上げるだけの余裕がございませんが、基本的には私ども御指摘の点がうなずける点ももちろんあるわけでございます。しかしながら、やはりこういうその問題点として指摘されております事柄を私どもとしては受けとめ、それを乗り越えてと申しますか、そういう姿勢でこれからの具体的な大学をつくり進めていく際には、そういう御指摘のような点があるとすれば、それをどう克服していくかという点について私どもは対応をしてまいりたいと、かように考えております。
○小西博行君 ぜひそのようにお願いしたいと思います。もちろん、私どもも、この問題についてもっと具体的な問題を検討して、そして政府の皆さん方にぜひ理解していただきたいというように考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 もう一点、法案の中身についてちょっとお尋ねしたいんですが、実はこれが出ておりますね。「放送大学について」という薄っぺらい本でございますが、この中に開設予定授業科目一覧表というのがございます。実はこれをずっと見せてもらったわけなんですが、私の分野と言ったらおかしいんですけれども、たとえば「生活科学」なんていうのは私はほとんどわかりません。しかし、たとえば「産業と技術」であるとか、あるいは「自然の理解」といいますか、こういう分野にこうなってきますと、これは教養学部だからいたし方ないという論議も成り立つかもわかりませんが、どうも大学としての科目の積み上げがないような感じがしてならないわけであります。たとえば「産業と技術」という、これは六ページでしょうか、この辺に「経営管理論」とか「労働経済」「経営分析と財務管理」あるいは「企業と会計」と、その最後に「数理計画法」というのが出ております。そういう意味で、この辺の全体の科目の調整というのは、今度大学法案がもし通過いたしますと、その後各専門の先生方が集まってどの程度までの積み上げをやっていくのか、将来の専門につなげていくかということについては十分審議されるんでしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の「開設予定授業科目一覧」、これについては、もちろん従来の私どもの放送大学を進めるための準備段階におきまして、それぞれ専門の先生方の御意見を伺いながら立てたものでございます。 しかしながら、もちろんこれはそういう意味では専門家の御検討もいただいておるわけでございますけれども、実際に大学においてどういう授業科目を設けるかということは、もちろんこれは大学において御検討がこれからされることでございまして、その点はこれは一つの参考として開設を予定している授業科目としてはこういうものが考えられるということでお示しをしているわけでございます。 そこで、考え方として、基本的に大学の教育というのは積み重ねということで展開されるんではないかと、その点がどれほど取り入れられているのかというお尋ねでございますけれども、もちろん一般論でございますが、大学教育が高等学校教育の基礎の上に広く知識を授けるということで、さらに深く専門の学芸を教授するというようなことが事柄としては基本にございまして、おっしゃるような基礎から応用へといういわば積み重ねの上に教育課程を編成すべきことはもとよりであろうかと思います。 そこで、先生御専門の領域でいろいろただいま御指摘をいただいたわけでございますけれども、私どもとしては、放送大学の教育課程としては、個別専門分野の細分化された知識体系ということではなくって、むしろ専攻の教育目標に対応した幅広い授業科目によって編成されるというような考え方で、たとえば人文・自然コースの自然の理解専攻の専門科目として「現代数学特論」を履修する場合には、それに先立って一般教育科目の「基礎数学」を、そして専門科目の「統計学」を履修する場合には一般教育科目の「確率と統計」というようなものをそれぞれ履修できるように開設予定の授業科目の中では配慮をいたしておるつもりでございます。御指摘のようなことはもちろん十分私どもとしても、これが大学教育の基本としてはもちろんおっしゃるような積み重ねというようなことが、積み重ねの上に成り立つわけでございまして、そういう配慮をこの一覧においてもしておるつもりでございますけれども、さらに実際の大学が設置されました際に、大学みずからでその点はさらに十分検討されるものと、かように考えております。
○小西博行君 そういう意味でちょっと私も教養学士というイメージが不勉強なためによくわからぬのでこういう質問をさしていただいているわけなんです。たとえば「マーケッティング」というように書いてありますが、これはあくまでも文書の言葉でもって、マーケッティングの意義その他を述べるというだけじゃなくて、たとえば需要予測をするとか、あるいはこういう分析によって具体的にこうだというような、何かそういう方向づけをできるような基礎科目を十分やっておかないと、何かしら全体の科目を見ながら、一応全部知識として頭には入るんだけれども、実際に専門的なものに結びつかないというような実は感じがしたものですからそういう質問をさしていただきました。さっき局長言われましたように、具体的にもう少し各コース別に、その科目の積み上げというような形での各専門の分野の恐らく授業科目が開設されていくんじゃないかと思いますので、その点をぜひ専門の方々と十分御審議を願いたいというふうに思います。 ちょっと時間がなくなりましたので、勝又先生に二、三点お願いしたいと思います。 いつも審議を一緒にやらしていただいておりまして、確かに放送大学というのはいろんな問題があるということでございますけども、社会党のおっしゃるいわゆる国立大学にしなければならない、そしてNHKを使う、こういう点に力点を置かれて法の改正をするということでございますけども、その点だけにしぼられた理由はどうなんでしょうか、それを教えていただきたいと思います。ほかにもたくさんいろいろ問題点がございましたけれども、その点にしぼられた理由をお願いしたいと思います。
○勝又武一君 率直に申し上げまして、大学の自治、学問の自由、この点が、政府案である特殊法人では全く保障し得ない、このことをするにはいまの法体系の中ではこの国立学校設置法に基づく国立大学というのが一番の近道だというのが、率直に言って私たちの主張でございました。 それから、NHKを採用いたしました理由は、先ほどから繰り返しになりますが、政府案によりますよりは、まず全国ネットワークに乗せ得る、これが最大の課題でございますし、同時に番組編集権と教育課程の編成権という問題が、特殊法人である政府案の場合には文部大臣任命の理事長権限で左右されがちであるけれども、同じ独立の主体である放送大学とNHKとが長年の経験を積んで、しかも法的に根拠を持った準則に基づいて番組編集権と教育課程の編成権とを調和していく。特に法律の中には、教育課程編成権に基づいた番組によって教育を行うんだということを規制しているわけでありますから、その点での調和を図っていく。この二つが一番大きな理由でございます。
○小西博行君 私は、この放送大学学園というのは、いままでになかった、つまり国立大学でもない、いわゆる私立大学でもない、何かそういう教育界に大きなインパクトを与えるという意味で、私はある意味では大変期待している法案なんでございます。そういう意味でいきますと、何かしら従来の国立大学と同じような、非常に小回りのききにくいそういう大学になるんではないだろうかなあと。いろんな意味で、さすがやっぱりりっぱな大学ができたという形じゃなくて、従来とほとんど変わらないじゃないか、利点も欠点も同時に持ち合わせたような従来の大学というものがイメージにまず浮かぶんですけれども、そういう点は心配ないでしょうか。
○勝又武一君 この点は、御質問者のおっしゃっていますように、従来のような国立大学ということは全く考えておりません。そういう意味では、放送大学という、国民に本当に公開をされた、そしてまた地方センターを充実していくという意味合いを込めて考えてみましても、特殊法人である非常に閉鎖的な理事長権限の強いという意味合いのものを払拭するという意味で、教授会を中心にした国立大学ということを構想しておりますけれども、その放送大学自体は、まさにいままでの閉鎖的な象牙の塔的な国立大学ではなくて、国民に開放された、いわば放送大学というよりは公開をされた大学だというようにしていくことが、最も私たちの願うねらいでございます。
○小西博行君 私は、大学の自治と例の番組編集権、これはもう皆さん方がずっと出されておりますのでくどくは申し上げませんけれども、特に番組編集権というのは、実は先生を選ぶといいますか、排除することもできるわけですね。たとえば、あなたはだめですというようなことも同時にNHK側は持てるということだと私は思っているんですけれども、間違いでしょうか。
○勝又武一君 この点については、先ほども御説明いたしましたように、私たちは第三条の四というのを起こしまして、「放送大学における教育に必要な放送は、放送大学の編成した教育課程に準拠して編集された放送番組により行われなければならない。」と、これは明文化されているわけでございますので、当然テレビ放送を行う教授は、この教育課程に準拠して編集した放送番組をつくった教授、つまり教授会の中で基本が決定をされ、そしてNHKとの協議に基づいてできた準則に基づいてされるわけでありますから、当然NHK側の方がテレビに出る教授を左右するというようなことはでき得ない、このことを明確にしておきたいと思います。
○小西博行君 先ほど勝又先生の方からもう答弁があったわけですけれども、とにかくNHKでやる場合には、金銭的に、財政的に大分安上がりになるんじゃないか、それからNHKの技術をそのまま借りることができるんではないか、こういうような御意見だったんですけれども、文部省はそういうものに対してどのようにお考えでしょうか。これ金銭的なものを細かくはじくと、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、具体的なそういうものについてはもう見通しは十分立てていらっしゃるんでしょうか、その辺のところをちょっとお伺いしたいんですが。
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど経費の試算という形でお答えはしたわけでございますけれども、細かくその点について費用の突き合わせをしているわけではございませんが、すでにテレビ、ラジオについて波を一つ確保されているわけでございまして、この放送大学学園が放送局を持ちまして放送をするということでございますと、それがみずから行うことになるわけでございまして、電波料を払うというような問題がないわけでございます。他の放送事業者に委託をすれば、それは電波料を支払うというような問題も出てまいるわけでございます。 それから、私どもといたしましては、学園の放送を実施するに当たりましては、従来からNHKが持っております経験なり技術なりそういうようなものはもちろん高く評価をしているわけでございまして、具体的にNHKに対しまして、この放送大学学園にそういう従来の経験なり技術というものを積極的に御協力いただくように、その点はこれからNHK側とこの放送大学学園とが具体的に話し合う中身ではございますが、先ほど来御答弁も申し上げておりますように、NHKに対して御協力をお願いする対応で考えておりますし、また放送のスタッフ、そういうような方々に対しましても、この放送大学学園にそういう人材なりもやはり受け入れて対応していく必要があるんではないかと、かように考えております。
○小西博行君 時間が来ましたんですけれども、最後に、これは一点だけお伺いしたいし、相当決意を持っていただきたいと思うんですが、これはもう先日から再三こういう問題は出ておるわけですが、この放送大学を実際にやる場合に、何としても最終的には、この間からしょっちゅう出ましたようなすばらしい教官、若手の教官をいかにして集めるかという問題に私は焦点が移ってくるんじゃないかという感じがあるんです。これは現実にいろいろお話しても、たとえば研究機関を設けなければ、とってもじゃないけど若い先生方来ませんよ、定年後の先生ばっかりいっぱい集まって、新しいすばらしい教育をやろうと言ったって、それは無理ですよというようなことを再三申し上げておるわけですが、これは大臣、相当覚悟をして、その気でもって準備態勢を整えなかったら、とてもできるものじゃないというように私は考えるんですけれども、その辺の決意、本当にこれは約束していただくという意味で、はっきりした御答弁をお願いして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 先般来数回にわたって先生が御主張になりましたその点でありますが、全く同感でございまして、おば捨て山みたいなものになってはいけないんであります。そういう点から、将来に本当に希望の持てるりっぱな新しい大学を理想としてつくりたいと、その悲願をぜひこの際達したいと、かように思っておるのでございます。 また、皆様方の本当に御心配になっておられまする臨調との関係におきましても、私は、総理にはこの問題について真剣に両三度ほどはっきりとしたお返事をちょうだいしておりますので、それで私も勇気りんりんとして努力をいたしておるような次第でございます。
○委員長(降矢敬義君) 両案に対する審査は、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会 —————・—————