文教委員会 第3号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1981/03/24
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に勝又武一君及び下田京子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査中、文教行政の基本施策に関する件及び昭和五十六年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。 本件について質疑のある方は順次御発言願います。
○勝又武一君 文部大臣の所信を先日お伺いをいたしました。どうもどこかで聞いたことがあると思いまして、昨年の二月十四日、本院の文教委員会、前谷垣文部大臣の所信と比較をしてみました。本年は国際障害者年であるという一行、校内暴力にかかわる五、六行、この二つだけが異なっているだけでありまして、あとは文章も全く同じか、順序を逆にしているか、表現が変えてあるだけ。文部大臣の所信でありますから、大臣みずからがやりたいこと、おっしゃりたいことを表明してしかるべきだというように私は考えますが、大臣いかがでございますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま勝又委員からの御指摘の所信表明に関する問題でございますが、所信表明を申し上げる私の方は初めての文教行政でございまするし、非常に真剣にかつ情熱を持ってお話を申し上げた次第でございますが、たまたま文教行政の一貫性という上から申しまして、そう文部大臣がかわりますごとに抜本的に変わるものでもございませんことだけは御了承いただきとうございます。 なお、さきの所信の中で申し上げましたと存じますが、特に教育はもちろんのこと、ただいま非常な重大な案件をたくさん抱えておりまするし、あるいはまた学術問題につきましても、御案内のとおり、私は就任以来、開かれた大学、特に国際レベルに達しました日本の学術振興につきましては非常に情熱を傾けておるような次第でございまするし、文化方面におきましても私は特に国際化という点では、もっともっと世界、地球規模におきまして全世界に目を広げていかなきゃならない新しい意味の文教行政につきましては真剣に考えておる次第でございまして、右の次第をどうぞ御了承いただきとうございます。
○勝又武一君 教育の一貫性というお話でありますが、そのことは理解ができますが、それにしても所信表明の九十何%が同じだというのは、私は何としても理解できません。この五、六行わずか違うという、たとえば校内暴力の個所について拝見をいたしましてもきわめて抽象的であります。具体的にどうするということはございません。現時点でまさに大きな問題だと思うわけです。たとえば教員養成制度につきましても、この非行、暴力問題の底にあるものとつながっているんじゃないか。そういう意味からも、たとえば教育大学や体育大学の創設というそういうことはありますけれども、むしろ私たちが前々から主張をしておりますように、大学四年卒後の一年間のインターン制度、こういう問題についても、こういう時期であるだけに具体的に大臣として検討されてしかるべきじゃないか。あるいは教育実習が二週間程度でお茶を濁されています。教科実習に加えて生徒指導、学級運営、子供たちの生活指導、人間教育のための研究、修養期間というのが最低一年間ぐらいは当然必要じゃないか。医師や司法修習生と同等にするぐらいの気概があっていいんじゃないか。現時点であるだけにそう思うわけですが、たとえばそういう点について大臣は所信表明の中で触れるというお気持ちはなかったのかどうなのかお伺いしたいわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御指摘のインターンの問題等につきましても、いろいろなお論議をされておる次第でございますが、なおまた、この教育のいろいろな諸制度のもとにおきましてもいろいろと改善工夫をしなければならない問題もございます。特に新しくできます放送大学といったような、新機軸を開いていこうという問題等につきましても、あるいはまた当面の一番大きな問題につきましては、非行青少年の問題あるいは校内暴力の問題、まあそういう問題にももう非常にやっぱり頭を悩ましておるような次第でございますが、よろしく当委員会におきまして御協力をいただき、りっぱな文教行政を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○勝又武一君 教育公務員特例法第十九条で、教員になった後もこの研究、修養が欠くべからざるものであることを法律的に規定をしておりますね。私は、そういう観点から、当文教委員会の中で、もう毎回のごとく、教員が授業を行うために教員みずから自主的な研究時間を確保することが必要だと、このことを主張をし続けてきました。そして、一時間の授業を行うためには、四十四時間の勤務時間の中で教材研究、事前準備、事後指導等で最低一時間必要だということを文部大臣も初中局長も担当の方もすべて認めてこられました。実際教員の一週間における担当授業時間数、勤務の実態はどうなっているのかということを再三追及をしてまいりました。そして私は、小学校では一週間二十五時間から二十八時間、中学校では二十二時間から二十五時間、この担当授業時間数が圧倒的に多いという現場の実情を指摘をしてきました。文部省が少なくとも授業一時間に対して自主的な研究時間一時間が確保できるとするならば、四十四時間ですから、職員会議その他の勤務時間が一週間に八時間あると仮定すれば、受け持ち授業時間数は小学校、中学校ともに十八時間、教材研究等に充てる時間が十八時間、合計四十四時間、こうなるんだけれども、余りにも現場と開き過ぎているんじゃないか、こういうことについても再三指摘をしてきました。一体その後、この現場の実情について文部省のおっしゃっていることと余りにもかけ離れていることについてどういう具体的な手だてをされてこられましたか。そのことがむしろ非行、暴力の遠因にもなっているんじゃないか、そう思うがゆえにお聞きをするわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘の教員の授業の内容の問題でございますが、教員定数の積算基礎といたしましての一人当たり週当たり担当時間といたしましての小学校二十六時間、中学校二十四時間というような想定でございますとか、現行法におきまする定数の算定率の問題でございますとか、担当の政府委員から詳細お答えをいたします。
○政府委員(三角哲生君) ただいま大臣が申されましたように、昭和三十三年の標準法制定のときには、教員定数の積算基礎といたしまして、週当たり担当時間を小学校は二十六時間、中学校は二十四時間と、こう想定しておったわけでございます。現行法におきます定数の算定率は、三十三年の標準法の基本的な考え方の上に、第二次から第四次までの定数改善によりまして、小学校の専科教員定数の改善、小規模中学校におきます免許外担当教員の解消、それから生徒指導担当教員定数の措置などの定数改善を行ってまいりましたので、五十二年現在では、教員一人当たりの教科担当授業時数は、小学校が二十二・四時間、中学校が十七・九時間に減少しておるところでございます。勝又委員御指摘の、授業に対します必要な準備あるいは事後のいろいろな仕事、これは一つのあるべき姿として私どもも前から拝聴しておるところでございまして、昭和五十五年度を初年度といたします第五次改善計画におきましても、小規模学校の専科教員定数あるいは免許外担当教員の解消等の定数改善を行っておりますので、これによりまして授業担当時間数というものはさらに若干減少していくであろうということを期待しておるような次第でございます。
○勝又武一君 これは局長にも昨年の十月二十三日にずいぶん指摘をいたしました。もう大分時間かけましたよ。恐らく二週間ぐらい前、小・中・高別、校長、教頭、主任、他の教諭別、そして国立、公立、私立別に、しかも簡単な平均でなくて、受け持ち授業時間数ごとの、一時間刻みごとのパーセンテージ、これを出してくれという資料要求をいたしました。これ一枚ですよ、大臣、出てきたのは。大臣、これいつの調査ですか、五十二年。公立学校の主任というのは、ない、ないと言ったやつがやっと出てきたら、五十年、一行書いてあるだけですよ。こんな程度のものを要求しているわけじゃないんですよ。これ、守秘義務ですか。あるいは調査をしていらっしゃらないんですか。しかもこれは、何回もおっしゃっているけど、平均ですよ。単なる平均で、小学校が公立で二十二・四時間とか中学校が公立で十七・九時間というから、私はいつも文部省は雲の上の存在だと、こう言うわけですよ。あらゆるデータがそろってますよ、小学校で二十五時間から二十八時間、中学が二十二時間から二十五時間のこの層に圧倒的に多いというのは。この資料は具体的にもう私は何回も提起をしている。そういうことこそやるのが文部省の役割りじゃないんですか。たとえば、ゆとりというところがありますね。このこともきわめて抽象的にしか書いてない。しかし、ゆとりの時間というのは文部省はどう指導されたのか。本来、ゆとりとは文字どおり子供と教師にゆとりのある自由な時間を持たせるということじゃないんですか、教育的な観点は。ところが実際には、現場では四十五分の授業が五十分授業となった。ゆとりを特設するためのモデル競争、アイデア競争、これが拍車をかけて、以前よりゆとりがなくなってきている。これはもう朝日、毎日、読売等の大新聞がみんな指摘しているところじゃないんですか。むしろそういう意味では四十名を三十五名に、教員の受け持ち担当時間数を減らす、そういう教育条件の整備ということが、当然教育基本法で明らかになっている、文部省や教育委員会に課せられた責任と義務じゃないですか。大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ゆとりの時間の活用の実態につきまして、去年の六月の調査の結果では、ほとんどが学校で創意を生かした時間で特別な活動を実施したり、あるいはまた休憩や給食の時間を増すなど、その時間の活用についてはいろいろとやっておるように聞き及んでおりますが、現場の実態につきましてはいろいろと学校学校によって違うでございましょうが、われわれの方といたしましてはその時間をかように考えておるということは御案内のとおりでございます。 なお、詳細なことにつきましては責任の局長からお答えいたします。
○勝又武一君 局長、ちょっとお待ちください。局長答弁の前に、局長が何回も認めていらっしゃいますね、勤務時間中、授業一時間に対して教材研究の自主的な研究時間を一時間確保する。そのことだけでいいから答えてください。それを文部省として本気でやるために、どういう調査をし、どういうように指導されるのか。そこだけお答えください。
○政府委員(三角哲生君) ただいま、前回あるいはその前からの勝又委員のお考えと申しますか、御主張でございますが、これは私どもはそういうことは望ましいことである、こう思っておるのでございますが、必ずしも全部一律にそれですべてを律しなきゃならないかどうかは、これは現実のいろいろな教育現場の姿があると思いますので、その辺のところは、言葉はよくないかもしれませんが、若干の留保ということもあり得るかと思っております。 それと、それに対応する調査と申しますか、こういうことでございますが、委員の方に差し上げました資料は、これは五十二年の十月一日の教員統計調査でございますが、これは大臣官房の調査専門の部局におきまして、ずっと以前から三年に一遍というインターバルで継続的に調査をしておるものでございますので、現時点はちょうどいわば端境期みたいなときでございまして、これが一番新しい資料である、こういうことでございます。主任の資料は、当時の必要から事務的に各府県を通じて調べたものでございまして、その後はこういう調査をしておらない、こういうことでございまして、別に守秘義務とかそういうことは考えておるわけではございません。こういった調査もかなりやり方によりまして悉皆の調査になりますと教育委員会あるいは現場の手を煩わすことが多うございますので、そういうことでそういう度合いを考えながらやっておる次第でございます。 五十五年の調査もいま恐らくまとめておることだと思いますので、そういった調査の結果をまた見ながら、勝又委員御指摘の問題に対する私どものいろいろな考えを検討してまいりたい、こう思っております。
○勝又武一君 戦後三十数年になりますが、戦後の教育を考えてみますと、経済の発展と政治の動向とにきわめて緊密な関係があり、そして経済の発展に反比例をして教育の荒廃が進んでおる、そういうように私は思うわけです。世界一流の経済大国と発展している、それは事実だと思います。そしてまた、自分の子供だけはエリートコースに乗せたいという親の願い、それが受験競争、受験戦争を激化させており、家庭教育や社会教育をおくれさせておる。そしていま、政界や財界が余りにも強く教育の分野に介入をしてきている、こういう事実について大臣はどう思われますか。 教育基本法にある「真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」、その方針にまさにいま逆行しつつあるのではないか。そういう意味で、少なくとも教育基本法の第十条にあります「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」、このことについて少なくとも教育内容にまできわめていま介入をしてきている現状を大臣はどういう決意で防ごうとなさ?ていらっしゃるか、お聞かせいただきたいわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、日本の地位というものも日進月歩、非常な躍進を遂げておりまするし、それのみならず、全世界の状況というものは目まぐるしい姿において回転をいたしておる中に日本の教育というものを進めてまいるわれわれの責任というのは非常に重大であろうと存じますが、この先生のおっしゃいました中に他の勢力の教育に対する支配というような御意見もございましたが、やはり教育とても社会の中にあります一つの部門でございまして、この客観的な環境の非常なスピーディーな回転やらあるいは価値観というもののいろいろと変わってまいります中におきまして、少なくとも文部省におきますわれわれの行政というものは、真剣に取り組みながらいろんな御批判、評価もありましょうが、私も責任者といたしまして全力を尽くし、また職員一同もよくやっていると、かように考えておる次第でございます。
○勝又武一君 少なくとも去年のいまごろとは違いますよね。それは大臣よく御存じだと思うんですよ。だから、去年と違ういまの時点でそういう教育基本法十条を守るという決意を、そういうことこそ所信表明で私は明らかにすべきだというようにこれは指摘をしておきたいと思います。 そこで次に、そういう状況の中で、先ほども触れましたが、教員の研究体制というものは一体現場でどうなっているんだろうか。(資料を示す)ここに全国連合小学校長会ですよ、これは。「全国一連合小学校長会研究紀要」、これによりましても、文部省、県教委が行う研修会においては、いわゆる行政による研修回数が多過ぎる。学校現場を多忙化さしている。学校現場の実情には合っていない。画一的に割り当てられる命令研修等々の批判がこれずいぶん出ていますよ。一体、文部省これどうお考えになりますか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまも申し上げましたように、非常な変化をいたします中における文教行政でございまして、いろいろ研修その他において教育に携わる先生方が勉強もしていただき、しんぼうもしていただかなきゃならぬ、かように考えております。 なお、本件につきましては担当の局長からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) 私どもやはり学校の教育の充実のためには、先ほども委員もおっしゃいましたように、授業なり指導の充実ということが非常に大事でございますし、そのために教員がやはりいろいろな意味で研修、研究をしていただくということがその基礎になると思っておりますので、文部省並びに各教育委員会で研修計画を立ててこれを推進しておるところでございます。ただ、やり方につきましては、私どももいろいろと現場なりあるいはそれぞれの学校、教育委員会の考えをお聞きして時期あるいは対象あるいは内容等については逐次その改善を図っていかなければならない、こう思っております。 なお、学習指導要領などが変わりますと、これの新しい指導要領の趣旨、内容の普及のための会とかそういうものも重なりますので、時期的にはそういう研修というものが非常にふくそうするということも若干あったのではないかという気もいたしております。
○勝又武一君 校長会が指摘をしていることについて、全国校長会がしているこういう資料についてどうだという点についてのいまの局長の答弁は全く適切でないと思いますね。はっきり答えていただきたい、本来は。しかし、それはもうお答えその程度しかできないと思いますけれども、たとえば予算で見ますと、教員研修事業費補助、教員海外派遣費、これで約二十億ですね。主任手当というのは五十五年度で小学校が九十四億、高等学校で三十一億。校長会でさえこう言っているほど一体この二十億なりあるいは主任手当というものなどを考えれば考えるほど私は効果は上がっていない。むしろ弊害の方が多い。これらについて一体文部省は本気で反省されているか.どうか。私は、むしろこういう費用こそ削って、先ほど私が指摘しているような四十名学級をさらに早めるとか、教員の担当授業時間数を減らして研究時間の確保をするための手だてを具体的に考えるとか、そのことこそすべきじゃないんですか、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘でございますが、やはりちょっと私どもとはお立場の場所が違うような感じがいたしまして、私どもはやはり研修はこれは先ほども申し上げましたように、その内容、方法はいろいろと工夫をしなければなりませんが、これは充実していかなければなりませんし、それから主任の制度も、これはいろいろな経緯を経て制度として確立していただいておりまして、私どもはこの制度がそのねらいどおりに生かされて学校の運営というものが非常にきちんとしたものになるようにという期待を抱いて、これの実施が定着してまいるように、そういうぐあいに願っておる次第でございますので、御意見ではございますけれども、私どもの立場はいま申し上げたようなことなのでございます。
○勝又武一君 この二十億の教員研修という中に教育研究団体補助というのが二億六千百万円ありますね。で、資料要求をいたしました。中央教育研究団体と都道府県教育研究団体、これ明細を出してほしいと言いましたら、大臣、出てきたのはこれ一枚。大臣、これ明細ですか。一枚ですよ、文部大臣、出てきたのは。「教育研究団体補助金を出している団体名」という名前だけで、「教育研究団体補助金を出している主な団体は次のとおりである。」、一、日本国語教育学会から始まって全国連合小学校長会、全日本中学校長会、一日本教育会、全国海外教育事情研究会、こうあるわけですよね。これを要求したんじゃありません。何でこの程度のものが出せれないんですか、大臣。各団体ごとの具体的な金額まで入れたのを当然提出すべきじゃないんですか。そしてたとえば、こういうものが出されない理由もあると思いますが、教育会とか校長会、こういうものに出ていますね。そして、教育研究をまじめにやっている団体に出ていない。しかも、聞くところによりますと、文部省だけでも百万とか二百万とかというのをどこかの勢力がつけたとかつけないとか、何千という団体に出しているとか、これはもう尾ひれがついて、それこそまさに一般的、社会的な事実となっているんじゃないですか。こういうものこそもっと明らかにして、本当に必要なところの団体には出す、必要でないところには出さない、まず一番最初にこの辺からやるべきじゃないんですか、いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生が御指摘のような御要望に対しましては当然おこたえをしなければならぬのでありまして、格別積極的に公表はいたしておりませんけれども、方針といたしまして公表しないというようなことではないんでありまして、従来からの資料の御要求に際しまして、補助団体等の数が多いので主な研究団体については作成いたして提出してあると存じておりましたが、この点につきましてはただいま申し上げたように御要望におこたえをいたしたいと、かように考えるわけであります。
○勝又武一君 それでは、これは後で大臣明細を出されるということですね。出していただけますね。
○政府委員(三角哲生君) 委員のお手元に差し上げたいと存じます。
○勝又武一君 それでは、それを拝見してからまた別の機会に具体的にお聞きをしたいと思います。 さらに教育研究グループ補助というのがあるわけです。これは昨年の十月二十三日の本文教委員会で私は指摘をいたしました。自主的な職場の自由なグループに対して出されるんですねと言ってお聞きをしたら、局長はそうですとお答えになった。ところがこの予算書を見ますと、全国で五十五グループだけに対する補助とある。全国五十五グループで自由に形成をされたグループの一体どこにどう公平に補助ができるんですか。私が十月指摘をしたように、県や市の教育委員会がコントロールをしてそこでされたものにも出すというのは歴然としてくるんじゃないですか、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘の教育研究グループ奨励事業は五十六年度は若干ふやしましたですが、一県市当たり三十グループという積算になっております。そのグループの選定と申しますか、これは県の方にお願いしてやる、こういう考えで進めておるのでございます。
○勝又武一君 これ、一つずつ見ていくとこれだけで本当に二時間ぐらい終わっちゃいそうですけれどもね。研修センター設置費の補助だとか研究指定校だとか、本当に現場では校長会でさえ指摘するようなのをみんないままでどおり出しているんですよ。そして今度は逆に、大臣、公立学校施設整備費を見ますと、危険校舎、小・中・高校校舎等を含めて昨年より四百五十億減額をしている。小学校の児童減、危険校舎の減少が理由だとこうおっしゃっているんですけれども、実態と余りにも違うんじゃないですか。まさにこれは政治的な減額をした理由がほかにあるんじゃないんですか。大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) このいまのいろいろと研究、研修等につきましての自発的なあれにつきましては、文部省といたしましては教育研究団体とか教育研究グループの研究活動を大いに期待いたしておるところでありまして、決してそういうふうな御指摘のようなあれのものではないと思います。
○勝又武一君 大臣、私立大学についてお聞きをしますが、経常費補助額は二千八百三十五億、二百三十億円の増となっています。この十年間で二十一倍ですね。お聞きをしたいのは、莫大な黒字を出している私立大学にも莫大な補助金がなされている、この点についてどう思われるのか。入学者から何千万というような寄付金や学債を納めさせている大学についても同じ方法の補助金配分ということが妥当なのかどうなのか、一体これらの点をどう改善をなさる決意なのか、こういう当面の重要課題についても所信表明で一言も触れていないというのは一体どういうお考えなのかお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(田中龍夫君) 所信表明におきまして、私どもは、私立大学というものの、なかんずく理科系におきましては経費のかかる問題でございまするし、年度予算におきましてもこの補助につきましては非常に努力をいたしたのでありますが、たまたま新聞等で出ましたような事件が起こりましたことは非常に残念でございます。 なおまた一般補助におきましては、私立大学ごとに専任教員数でありますとか専任職員数及び学生数にそれぞれ所定の単価を乗じまして得た標準補助額を当該私立大学ごとに教育条件を考慮した係数で調整して配分いたしたものでありまして、あるいはまた特別補助におきましても大学院教員や夜間部等における教員等に着目いたしまして増額補助を行った次第でありまして、私立大学等が自主的に教育条件を高めるように配慮もいたしておるところでございます。 現行のこういうふうな補助金の配分方法というものは基本的には適切なものと考えておりますが、巷間伝えられるようないろんなものにつきましては、たまたまただいまが入学試験の受験期でございましたので、受験が終わりました段階におきまして各大学を招致いたしまして厳重にこれに対しまする調査もし、また措置をとりたい、かように考えておりまして、そのことは今朝の記者会見でも私から各社に通達をいたしたような次第でございます。
○勝又武一君 受験が終わるのを待っていた慎重な配慮だという意味合いだと思いますが、具体的にいまから着手されるということですから具体的にお聞きをいたします。 この北里大の虚偽の会計報告だけではなくて、もう私立医大の金権体質というものは目を覆うものがあるという社会的な指摘がありますね。それについて識者の人たちが言っているのは、まさに私立大学の経理の公開、学校法人会計基準の改正、補助金の奨学金切りかえ、この最低三つが必要だということをおっしゃっているわけです。まさに、いまそういう意味で、私大の経理の公開の問題、特に文部省としてはこの学校法人の会計基準の改正、これについては少なくとも商法並みの監査法人による監査の義務化とか、そういう点で再度こういうことが起きないように、社会的な批判を払拭できるように、大臣としては、この際これらの三点について具体的に対処すべきだと考えますがいかがですか。
○政府委員(吉田壽雄君) いま先生の御指摘になられました三点についてでございますが、まず経理の公開ということでございますが、これにつきましては私ども従前から各大学が自主的な判断をされて必要な大学の経理を大学の関係者に明らかにするというふうに指導してまいったところでございます。したがいまして、私どもは現在各大学についていろいろと見ておりますと、それぞれの大学がいろいろと考えられまして、たとえば最も多いのは、学内公報等におきまして大学の予算なりあるいは決算等を掲載いたしましてそうして学の関係者にこれを周知している、そういうようなケースが多いわけでございます。そういうようなことで、私どもは今後とも経理の公開につきましては、各大学が必要に応じて関係者に明らかにされるということを期待いたしているところでございます。 さらに第二点の会計基準の改定ということでございますけれども、この会計基準につきましては、私ども平素から学識経験者によります研究調査を続行いたしておりまして、必要の都度、部分的ではございますけれども文部省の会計基準を改正してまいったところでございまして、この点につきましては今後ともその改正のために引き続き調査研究を進めてまいりたい。で、その結果によりまして、必要の都度、文部省令の会計基準を改正してまいりたいというふうに考えております。 それから第三点の、経常費助成をやめて奨学金への切りかえというような御指摘でございます。この点につきましては、私ども現在私立学校振興助成法によりまして経常費助成を行っているわけでございまして、これによって各大学等の教育研究水準の維持向上を図る、あるいは父母の負担軽減に資する、いまそういうようなことをねらって現在法律に基づく経常費助成が行われて、現在経常費の総額の約三〇%程度の割合の国庫補助を行っているところでございます。しかしながら、これにつきましてはなお私ども今後これを拡充する必要があると考えております。一方において日本育英会による奨学事業もあるわけでございます。あるいはまた、私立大学ごとの私大奨学事業に対する助成も文部省として行っている、こういうようなことでございますので、私どもは一挙に奨学金への切りかえというようなことは現在のところ考えておらない。当面はやはり私ども、この私大経常費助成の拡充に力をいたすべきであるというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま私が申し上げました言葉でちょっと言い違いがございます。 各新聞社に対して通達をしたというように言ったのは間違いでありまして、学校に対して通達をいたしましたことを新聞社に報告をした、こういうことでございますから、どうぞあしからず。
○勝又武一君 所信表明の質問でやや多岐にわたりましたけれども、私は所信と予算を総括しまして、昭和四十年から昭和五十六年までの過去十五年間に及ぶ文教予算と国の一般会計予算との対前年度の伸び率との比較、それから昭和四十年を一〇〇とした場合の指数での比較をしてみますと、いずれも大幅に文教予算が激減をしているのが一目瞭然です。まさに、経済と財政が優先をし教育が軽視をされている、教育が政治に屈服をしている、こういう点が見られるわけです。そこで、戦後教育が経済優先、拝金主義に陥っている、もうまさに教育がむしばまれてきたということが言えると思うんですが、そういう意味で、特に昭和三十五年以降の高度経済成長政策以来この傾向が著しくなってきている。そして教科書制度が無償になることと広域採択制度が抱き合わせになってきている。そして、いま教科書問題がやかましくなってきている。 ここで、教科書問題に入る前に大臣に率直にお伺いしたいのは、すべてこういう経済優先、教育軽視、すべてが拝金主義、金が一番の問題になる。本来教育というものはそういうものであっては私はいけないというように思います。他の目的のために教育が毒されてはいけないというように考えます。そういう点で、大臣はどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 先生方と御一緒に教科書の問題を主張いたしまする際にも、経済その他の問題と文教政策というものとは本質を異にするものだということを主張してまいったことは御案内のとおりでございますが、他方また、日本の国全体の財政というものが非常に厳しい姿でありますことも御了承いただけると思うんであります。 で、五十六年度の文部省の所管予算でございますが、五十五年度に対しましては四・七%増の四兆四千六百八十七億と相なっておりますが、この伸び率は近年にない厳しいものとなったことはお話しのとおりでありますが、一般会計歳出から国債費等地方交付税の交付金を除きました一般歳出の伸び率は四・三%でございまするのに比較しますれば、なお相対的には若干の伸びがありたということを申すのであります。しかしながら、減っておりますことは事実でありまして、伸び率が若干八四・三に比べて四・七だということを申し上げてもいささかおもはゆい感じでございますが、しかしながら、五十六年度の文部省所管の予算の内容について見ますれば、厳しい財政事情のもとにありましても、なおわれわれの主張というものは、あるいは教育に学術に文化に貫いておりますことは御案内のとおりでありまして、ただいま申しました義務教育の教科書の無償給付の問題でありますとか、第五次学級編制、教職員の定数改善計画に基づく教職員定数の確保でありますとか、あるいは私学助成の充実、科学研究費の充実、鳴門教育大学及び鹿屋体育大学の創設、教育、学術、文化等の国際交流の推進等、文教施策の充実に努めてまいったことは先生よく御承知いただけると存じます。かような中に、苦しい財政の中ではありますが、われわれはより高い次元に立ちまして文教というものを考えていかなければならない。 なお、本当にいまや国際的にも非常に厳しい日本の環境下にありまして、人の心と申しますか、本当の精神的な問題を深く反省しなければならない段階におきまする文教予算というものは、私はあくまでも守っていかなければならない、かような覚悟でございます。
○勝又武一君 ここに、少し古いですけれども、OECD教育調査団が一九七〇年に来日をした報告、「日本の教育政策」というのがございます。この中に、「日本の教育は経済というアウトプットのためのインプットと見られていた。」、こういう指摘が一つございますし、なお、調査団の一人でありますフランスの元首相、エドガー・フォール氏は、「経済という機関車に連結されている「教育」という車両をいまや機関車から引き離すべき時期に差しかかってきている。」、こういう指摘を一九七〇年、つまり十年前にしているわけです。私は、そうでなくって、ますます経済と政治に教育が引っ張り回されてきたからいまこうなってきている、こう思いますけれども、大臣の見解はいかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおり、十八世紀から二十世紀に至る日本の過程というものは、非常にやはり同じような国際的な厳しい中におきましても、日本を引っ張ってこれを今日のようなりっぱな日本にいたしたのは教育の力であった、かように評されておるのでございます。ただいま先生の御指摘の外国の文献等にいろいろとございましょうが、私は、少なくともあの敗戦の中からきょうの日本をつくり上げたのはやはり教育の力であった、教育というものの基礎の上にいろいろな文明開化も行われ、あるいは戦後の新しい学術、文化の興隆もあった、その基礎をなすものはやはり教育である、この点については変わりないものである、また今後もそうでなければならぬ、かように考えております。
○勝又武一君 教科書問題について二、三具体的にお聞きをしたいと思います。 まず最初に、公正取引委員会にお伺いをいたします。 昨年の三月十四日の予算委員会の総括質問で、私が教科書協会発行によりますこのしおりの中にある「教科書の体様について」という業者の談合による取り決めは独禁法違反ではないかという質問をいたしました。この日に橋口公正取引委員長は独禁法上問題があると答弁をされ、そして十月二十三日の当文教委員会で奥村審査長が、文部省が発注者である、こういう考えから独禁法違反にはならないという意味の答弁をされました。そこから私もいろいろ勉強してみましたが、一体教科書の検定にはだれもが参加でき得るわけです。教科書会社というのは不特定多数であるわけです。そういう段階で、文部省が発注者となり得るというのは一体どういう根拠なんですか。
○説明員(相場照美君) 事実の経緯はいま先生のおっしゃったとおりでございます。私どもが、発注者として関与しているこの発注者と申し上げた意味を申し上げますと、教科書につきましては、ここにいわゆる文部省がこれを検定なさり、そして価格を認可するという行為をなさるほかに、市町村の教育委員会等で採択されました教科書につきましては、これを受けまして文部省でその発行業者を指定いたしまして、発行すべき教科書の種類あるいは部数も指示してこれを一括購入するなど、購入取引の当事者になっておるわけでございます。こういう事実関係を総合勘案いたしまして、文部省は発注購入者の立場であるというように認定したわけでございます。
○勝又武一君 そうしますと、二つ問題がありますね。業者指定をするから文部省が発注者になる。しかし、検定に通ってすぐに業者指定を文部省はしておりませんね。一体この点は公取いかがですか。それからもう一点、文部省が購入なさるという。確かに無償ですから、購入をして国庫支出をするでしょう。しかし、それはあくまでも小中学校が義務教育だから、無償だから文部省が購入しますよね。高等学校は無償ではないでしょう。そうすると、高等学校の教科書について文部省が発注者となるというのはおかしいじゃないですか。
○説明員(相場照美君) 発注者だと、こういうふうに申し上げました理由、二点ほど申し上げましたが、一つは、文部省が検定権限と申しますか、そういった教科書を検定する権限とか、あるいは価格を認可する権限とか、こういった権限と同時に、先ほど御質問ございましたまうに、発行者を指定して一括購入する。こういう二点を総合勘案いたしまして、購入取引の当事者だと、こういうふうに認定したわけでございますが一二点のうち確かに後の一括購入という問題は、高等学校についてはございません。御指摘のとおりだと私考えておりますが、とはいえ、前段の権限といいますか、文部省の権限というようなものはあるわけでございまして、そういったこの本件につきまして私ども問題にいたしましたのは、先ほど御指摘の先般の予算委員会、あるいは昨年の当委員会においていろいろ先生の御質問もございました、御指摘もございました直接の案件は、義務教育諸学校についての教科書の問題であったかというように考えております。ただ、私どもとして調査をいたします過程で、いろいろ高等学校についても検討すべき問題があったのは事実でございます。 以上でございます。
○勝又武一君 私は義務教育の小中学校のことしか聞いてないんじゃないです。刀教科書全般を論議をしているんです。いまの後段の私の言った業者指定をすぐにしないという問題や、いまの、無償だからという——高等学校は有償ですから、これらについてはきわめてあいまいですよね。私は納得できません。しかし、仮にいま公取がおっしゃっているようなあやふやないまのような形で、文部省が発注者だから独占禁止法違反にはならないと。しかし、わが国は社会主義国と違って自由主義国ですから、文部省が仮に発注者であっても国定教科書にはしていない。自由主義競争の原理に基づいて一定レベルの基準を確保するために検定制度を設けているんじゃないですか。いかがですか。
○説明員(相場照美君) そのような趣旨であろうかと思っております。
○勝又武一君 そうしますと、当然公取としては、この検定制度というのはあくまでも守っていくということになりますね。そうですね。
○説明員(相場照美君) 検定制度を守るかどうか、これは文部行政の範疇の問題であろうかと思います。公正取引委員会として介入すべき性質のものではないと、こういうふうに考えております。
○勝又武一君 しかし、公正取引委員会が、いま私がお伺いした程度のあやふやな文部省は発注者だという、しかし実質上の発注者というのは教育委員会でしょう。採択委員会でしょう。文部省は発注者だといっても包括的な発注者であり、形式上の発注者にすぎないんじゃないですか。個々の検定審議会の検定基準を越えて文部省が関与するということになったら独占禁止法違反となるんじゃないでしょうか、いかがですか。
○説明員(相場照美君) 御趣旨よく理解できない面もございますが、文部行政必ずしも明るくないという点もございましょうが、よく理解できない点もございますが、文部省がいろいろそういったものに介入なさるということ自体が直ちに独占禁止法上問題があると。というのは、文部省自体が独占禁止法に違反するというようなことは、これは独占禁止法の性格からしてございません。ただ、そういった介入を受けた事業者の行為瀞場合によっては独占禁止法上問題になり得る場合があるという趣旨でございます。
○勝又武一君 表現の仕方が悪かったですけれども、そういうことを含めまして、たとえば公取が、文部省が発注者だということを言い出したことによって、実は私はいまとんでもない状況が生まれつつあると思いますよ。そういうことになりかねない状況だと思っていますよ。一体最初は、確かに発端は昨年の三月十四日ですよ。で、そのときにはこの独占禁止法違反の疑いがあるということを橋口公正取引委員長が言われたんです、この「教科書発行のしおり」に基づきましてね。そして皆さんそれから十月までいろいろ研究された。そして今度は独禁法違反ではないと言う。まあ私にはつじつま合わせのようにしか聞こえないのです。そういう意味で文部省が発注者である、こういうことを言い出してきているというふうに思われてなりませんが、そのことは、結果的にいまさっき私が指摘したような検定制度の問題を含めて、国定化に向けて、あるいは国定と同じことになっていく、そういう状況に、文部省が発注者だということを公取が言い出したがゆえになる心配があるわけですよ。そこまで公取は腹をくくって文部省が発注者だということをおっしゃっているんですか。そういうふうに言い切ってよろしいですか。
○説明員(相場照美君) 私どもといたしまして、発注者だと、発注者であるということを一つの本件違反を構成しない理由の一つとして挙げているわけでございますが、発注者だということについてのそういった先生の深い御洞察、そういった意味は私ども全く持っておりません。発注者であるからそれが国定につながるとか、あるいはそういったおそれがあるとかというような意味で私どもは、またこの可能性を示唆して私どもは便りているというようなことでは全くございませんので、この点は御了解いただきたいと思っております。
○勝又武一君 そうすると、だんだんますますわからなくなってきた。そうすると、いままであなたのおっしゃっていた公取の見解というのは本当に公取委員長の正式の見解なんですか。公取を代表された正式の公取の代表意見だというようにここで確認しでよろしいのでしょうか。
○説明員(相場照美君) そのとおりでございます。
○勝又武一君 そうしますと、私はもう一回、あなたが最後におっしゃった国定化に向けてのそういう検定制度の根幹に触れるようなことまでなるというような心配を持って言ったんじゃないんだと、こうおっしゃっているんですから、まさにそういう意味ではもう一度、昨年の三月十四日の総括質問の際に予算委員会で指摘をしたように、あの時点にもう一回立ち戻りまして、そういう場でいろいろな状況を指摘しておりますから、再度もう一回公取委員長の見解を明らかにすべきだと、三月十四日に独占禁止法上この業者が談合をやっているという事実は認めていらっしゃるんですから、この「発行のしおり」にある細かい規定はね。これはやっぱり独占禁止法上問題があるんだという昨年三月十四日の時点にもう一回立ち戻って、公取としての検討を再度やり直していただきたい。そういうふうにこれを強く要請をいたします。
○説明員(相場照美君) 御趣旨はよくわかりました。ただ、私ども委員長は直接発注という言葉は使っておりません。この前の当委員会におきます私ども担当課長がそのような発言をいたしたわけであります。発言の趣旨は、外形的に見ましてそういう形態をとっているからというにすぎないわけでございまして、深い意味を持っているものではございません。ただ、私どもさらにつけ加えさせていただきますと、そのような形態をとっております教科書の購入形態一購入体制といいますか、それと加えて文部省当局で先ほどのページ数とか装丁等の基準の制定、そういったものに関係しておられるという両方の事態を認めまして、私どもとしては全体として本件違反を構成しないという結論に達したわけでございまして、この二点でございまして、発注者だという認定、これは事実上の問題でございますが、事実形態的に発注者であるということと、それから文部省でいわゆる「しおり」といいますか、「めやす」と申しますかの作成に事実上関係しておられるという両方を勘案いたしまして、本件について特に独占禁止法上これを問擬しないという結論に達したわけでごございます。発注者であるからという一つの理由だけではないわけでございます。 以上補足させていただきたいと思っております。
○勝又武一君 もう時間が——ほかの問題もありますからこれ以上差し控えますが、私がなぜ執拗にこの問題を昨年の三月以来取り上げているかといえば、国民の教育をいかにするかという立場で、この教科書問題というのは重要だから、そしてこの業者の談合が大きな弊害を与えているから、公取は厳正な立場で公取本来の使命を達成すべきだと、こう思うから執拗に言っているわけですから、十分ひとつ先ほどの私の要望に沿って再検討していただきたいと思います。 次に警察庁にお伺いをいたします。 これも昨年の三月十四日と十月の二十三日と二度にわたりまして教科書採択をめぐっての汚職、供応等について質問をいたしました。警察庁は十分な関心を持って対処すると答えられているわけです。その後具体的にどういうような調査をなさったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○説明員(漆間英治君) 御質問の件につきましては、確かに昨年の三月十四日の参議院の予算委員会とそれから十月二十三日の参議院の文教委員会におきまして勝又先生から再度御質問がございました。その都度いま御質問にありましたような御答弁を申し上げております。それを受けまして、私どもの方もそういう御質問があったということとその内容、それからそれに関連してさまざまな報道があるということも添えて、都道府県警察のこの問題を担当しております捜査二課という主管する部門がございますが、そこにそのような内容の連絡をしております。その後、事柄がこういう事柄でございますから、捜査をしましたから直ちにすぐ検挙に至るというようなことはございませんけれども、各都道府県警察とともに現在でも十分な関心を持って対処していることに変わりはございません。 また、ごく最近におきましても、予算委員会におきまして玉置先生からもこの問題について御質問がございまして、そういう意味も兼ねて各都道府県警察から主管の課長が事務連絡等で上京いたします折にもこの問題について関心を持って十分に実態を見きわめるように、そういうような指示をいたしているところでございます。
○勝又武一君 一人五千円の商品券を授受した、あるいは研究会援助の名目の会合費の負担もしている、これは新聞社には投書が来ている。少なくとも金品の提供なり酒食の供応に当たるんじゃないですか。そして、いま各県の捜査二課とおっしゃったでしょう、各県の捜査二課とというのはまさにこの道のべテランですよね。何で、新聞社にこのくらいのものがみんな来ているのに、各県の捜査二課が、一番専門の——ほかのことはすごいんじゃないですか、捜査二課がやっていらっしゃることは。私は、この程度のことは朝飯前だというぐらいにさえ捜査二課の方々なら思われてしかるべきだというように思いますけれども、何でもっと真剣にこの辺は当たられないんですか。
○説明員(漆間英治君) 御承知のように、この問題に関して仮に犯罪があるといたしますと、ただいま御質問にもありましたように、刑法で申しますと贈収賄罪という罪名が一般的じゃなかろうかと考えますが、その罪名は御承知のように贈った方も贈られた方もともに罰せられるいわゆる必要的共犯でございます。このために、その新聞社には仮に投書等でそういう情報が入ってくる場合でありましても、警察が調査に参りますとなかなかこれはその実態がわからない、言った方もうっかりすれば自分も罰せられるということでございますので、そういう意味でこの事件特有の情報収集のむずかしさがあるわけであります。したがいまして、十分な関心を持って対処していることは間違いございませんけれども、といりて直ちに結果が出るという性質のものでないことについて御理解をいただきたいというふうに考えます。
○勝又武一君 まあ民主社会ですよね。朝日、毎日、読売等の大新聞がこの問題を一大キャンペーンを張られていることも御承知のとおりですよね。そうしてまた、毎日、朝日等は具体的に書いていらっしゃいますよね。だから、それを読む国民はどう思うでしょうか。警察はなめられているんじゃないか、教育がないがしろにされているんじゃないか、データがないないと言うけれどもデータはそろっているんじゃないか、調べようとする気がないからやらぬのじゃないかという国民の不信感が生じている。私は、やっぱり警察庁というはこの国民の不信感をどう払拭するのか、国民の期待にどうこたえるのか、このことが民主社会というのはなければいけないというように思うわけです。そういう意味で、たとえば昭和三十六年の大阪の教科書事件というのがございますね。これは一人五千円の商品券の授受でしょう。それで起訴されているわけですよね。ますますもって本当に警察にやる気があるのかないのか、再度重ねてお伺いしますよ。
○説明員(漆間英治君) 私どもの基本的な態度はまさに先生御指摘になったような立場でございまして、その点には全く変わりはございません。ただ、事柄が犯罪捜査ということでございますので、その事柄の判断をしていきます場合に、あくまでも証拠に基づいて判断をしていくというそういう捜査機関特有のむずかしい立場にあることも御理解いただきたいと思うわけでございます。
○勝又武一君 捜査二課がやっていらっしゃるのは、たまたまこの間新聞に出ただけでも、ある県は五百万、ある県は五千万、ある県は五億と、ちょうど五百万、五千万、五億とまさに符合したような数字がありましたがね。この教科書の販売合戦の営業費というのは定価の三〇%が使われているというのが教科書業界の常識だというわけですよ。四百億の三〇%は百二十億ですよね。今度は四百五十億ですから百三十五億ですよ。このまさに巨額な金が国民の税金から払われているわけですよね。そして、それが教科書の販売合戦のために使われているというわけですよ。これは私は大変な数字だと思いますよ。そうしてまた、国民の不信感を除くにはどうするか、有効な事実があれば適応に厳正に処理するというように公取はおっしゃっているんですね。 もう一つ、ここは公取にもお聞きしますけれども、両方にお伺いしたいんだけれども、有効な事実があれば厳正に処理するというように公取は答えられているんですけれど、公取としても本気で有効な事実ということが具体的に幾つか出ているんですからね。本気でおやりになる気があれば、有効な事実というのがいま幾つか指摘をされている中だけに、厳正に処理するというこのことをひとつ具体的におやりになっていただきたいと思いますけれどもいかがですか、両方にお伺いします。
○説明員(相場照美君) 先生の御承知のとおり、私ども昭和三十一年に教科書業における特定の不公正な取引方法ということで、いま先生御指摘のような行為を禁止いたしているわけでございます。したがいまして、この禁止行為に触れれば、私どもとしてはこれを違反行為として規制する立場にあるわけでございます。現に昭和三十八年には何件かの措置をとったわけでございますが、以来、特に昨年来、先生からの御指摘もございますし、私どもとしても監視を強化しているつもりでございますが、現在までのところ有効な端緒といいますか、事件と思われる事件の端緒に接していないというのが実態でございます。もちろん、違反行為につきまして端緒を得ましたならば、私どもとしては厳正にこれはもちろん対処する考え方でございます。
○説明員(漆間英治君) ただいまの御質問の点に関連しまして、たとえば教科書の売り込みに従事している方たちの覆面座談会というのを読んでみましても、やはりその中に御質問にあるような、いろいろなさまざまなことが行われているやに書かれてあるわけでありまして、そういうようなことも含めまして、いま県警察には関心を持つようにということを言っておりますので、その結果、証拠上、公務員が職務に関して賄賂を収受したというような形態に当たるような行為を事実として把握いたしますれば厳正に対処することは当然のことでございます。
○勝又武一君 大臣にお伺いいたします。——警察と公取の方は結構です。 いままでお聞きをしましたように、この広域採択制度というのは非常に大きな問題をはらんでおる、そのことを昨年の予算委員会でも私は指摘をいたしました。大平総理は、こういうような問題のある採択制度ということについて文部当局に検討をさせるという確約をされたわけです。ちょうど一年たつわけですけれども、文部当局がどういう具体的な採択制度について検討されたのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) 就任前のことでもございますので、政府委員からお答えいたします。
○政府委員(三角哲生君) 私どもは、やはり現在の広域採択制度というものがいろいろな理由でやっておることでございまして、これは、まあいろいろございますけれども、たとえば地区内の先生たちの学習指導あるいは教科書の活用に関するいろいろな研究に便利である、あるいは地域内での子供たち相互のいろいろな教育上の展開をなす上にも共通の教科書であるということが有利である、あるいは価格の合理化、さらには供給の円滑化等の問題もございます。 そういったことから、私どもとしては現在においては定着しておると思っておりまして、検討はいたしたわけでございますけれども、この制度の趣旨がやはり生かされておりますので、なおこの制度で続けたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 それから、先ほど来御指摘のようないろいろな弊害面も、これはもしあるとすれば大変よくないことでございますので、これはやはり当事者としては十分にそういう点は自粛していただかなければなりませんし、それから私どもはそういったことに至る以前の宣伝行為等につきましても、前から通達を出しまして各発行会社に対してきちんとした営業活動をやるということを指導しておるわけでございます。
○勝又武一君 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律、いわゆる無償措置法がございますね。 私は、最近教科書問題がばかにいろいろ各方面で出ておりますので、もう一度この無償措置法を読み直してみました。まさにこの法律の名称のとおり、教科書の無償措置に関することが規定をされているわけです。しかし、この中に十二条、十三条、十四条、要するに採択地区に関することだけが無償と何にも関係のない全く異質のもの、これだけが唐突とした形でこの法律には挿入されているわけです。一体採択制度ということがこの無償措置法に挿入をされた理由というのは一体何なのか。無償にする代償として広域採択を抱き合わせにしたというようにしか理解されないんですが、そうなのか、あるいは言い方を変えれば、学校採択という従来の教員の採択権というものを取り上げるために無償にしたのか、大臣いかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) よい教科書を育てるためには広域採択をどう考えるかというお話のようでございますが、広域採択の制度というものが教師の学習指導及び教科書に関する共同研究の便宜でありますとか、あるいは地域内の転学に際しての便利でありますとか、教科書価格の合理化に資するとか、それからまた教科書供給の円滑に資するといったような、こういう理由からとらえたものでございまして、現在におきましては定着しておりますし、制度の趣旨は十分に生かされておると存じます。 私がかつて県知事時代におきましても、教科書の売り込みというのはシーズンによりましては大変なものであったことを思い起こすのでございまして、こういうふうな広域採択制度というものが定着いたしましてから、ようやっと安定いたしておるような気がいたしますので、これはいい制度である、かように考えております。
○勝又武一君 私の質問と全然すれ違っちゃっているわけですけど、なぜ入れたのかお聞きしたんですよ。 そこで、小中は無償だから広域採択になっておりますよね。高等学校は有償だから従来どおり学校採択のままですよね。つまり、もうここで明らかですね、無償だから引きかえに広域採択になっているという、この現実が最もいい証拠だと思いますけど、この辺はどんなにお考えになりますか。
○政府委員(三角哲生君) 勝又委員御指摘の無償措置法の一条に書いてあるのでございますが、無償措置の円滑な実施に資するため、義務教育諸学校の教科用図書の採択及び発行制度を整備する、こういうことでございまして、やはりこの無償の制度によります採択あるいは供給、これをできるだけ円滑に実施をいたしまして、どんな奥地にありましても新学期の初めには新しい教科書が行き届くと、こういうことを確保するための一つの仕組みでございます。
○勝又武一君 だから、抱き合わせじゃないかと言っているんですよ。お答えくださいよ。つまり、高等学校は無償制度でないから学校採択でしょう。小中は無償だから広域採択にしちゃったんだと、抱き合わせになっているんだと。高等学校には学校採択、教員の採択権というのは残ってますよね。ところが、小中の方はもはや学校での採択権はない、広域採択になってしまっている、それは無償だと。つまり抱き合わせにやったんでしょう。非常に端的に聞けばそうじゃないかと聞いているんですよ。
○政府委員(三角哲生君) 抱き合わせという言葉を考えますと、何か非常にいい物に余り大したものじゃない物をくっつけて売るとか、そういう感じがいたしますけれども、そういう意味で抱き合わせというわけではございません。やはり教科書の無償ということと、それから、こういう採択、供給の制度、これはやはりそれぞれいろいろ考えて、こういう二つのことが一つの法律に入っておる、こういうふうに考えておりまして、高等学校はやはり勝又委員先刻御承知のように、非常に教科ないしは教育の内容が多岐にわたっておりますし、多様でございますし、それから同一の教科におきましても、学校によりましては、若干何と申しますか教育の水準を高めるような教科書、高いといいますか水準の高い教科書を使う、あるいは学校によりましては生徒の実情に応じて少しやさしい教科書を使うというようなことがございますし、義務教育に比べますと非常に多様化しております。そういったこともございますので、一概に無償といまのこういう採択制度とがおっしゃいますような抱き合わせというふうには考えておらないわけでございます。
○勝又武一君 百歩譲りまして、この無償法のいまの一条及び受けた十二条は採択地区を設けよという規定だけですね。一条の方は「採択及び発行の制度を整備し、」と、「整備し、」ですよね。書いてあるだけですよね。十二条を読んでも十二条は採択地区を設けよという規定だけです。しかし、この採択地区が現在全国で四百九十六ヵ所、各県単位で見ますと七ヵ所から十ヵ所程度になっている。どうしてこのような広域採択になっちゃったんですか。
○政府委員(三角哲生君) これは、広域採択制度のメリットというものにつきましては、先ほど私からも、また大臣からも申し上げたようなことでございます。それから、なおもう一つ事実関係といたしまして、今日の無償制度の実施以前におきましても、一定地区においては同じ教科書を使うということがいろいろな意味で便利であるということ、そういうことの理由で郡、市等を単位とします共同選択というものが事実上かなり広く行われておる、そういう実績の上にも立って今日の姿ができておるというふうに考えておるのでございます。
○勝又武一君 十二条に基づく採択地区をさらに細分化するということは現行法のもとでもできるんじゃないんですか。再検討するということはできるんじゃないんですか。いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) やはり十二条の第一項にございますように、これは採択都道府県の区域について、市もしくは郡の区域またはこれらの区域をあわせた地域に地区を設定するということでございますので、一番小さな単位が市または郡ということでございます。ですから、変更するとすれば二つの郡別々にやったのを一つにするというようなことはあり得るかと存じます。
○勝又武一君 無償給付が始まりました昭和三十八年に教科書会社というのが小学校で二十三社、これが現在十六社です。同様に中学では四十二社が現在二十二社と激減をしています。五十五種類の教科書が減っています。現在中学で十一種日中七種目が五〇%以上のシェアです。小学校では五種目が五〇%以上のシェフを占めています。今度の中学の地図帳で言いますと、A社は四百九十六の採択地区のうちの四百九十五地区、百七十四万九千八百二十三部、九九・九四%、B社は一地区で千六十九部、〇・〇六%です。まさにこれでは広域採択制度が教科書の国定化になっていると、こういうように事実の上で思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) これまでの推移はただいま勝又委員おっしゃったとおりであろうと思います。ただ、これは広域採択の結果としてこうなつたかどうかは即断できない事柄ではないかと思うのでございます。 それから、教科書の発行業者が余り多いとこれは非常に乱立ではないかというような御意見も他方にございますが、また余り少ないといろいろな学習指導要領の幅の中における多様な教科書が期待できないではないかということもございまして、どのあたりが適当かと考えることは非常にむずかしい問題でございますけれども、私ども教科書を検定する立場におきましては、その辺のところは余りはっきりした物の言い方はいたさない方が適当であろう、こういうふうに考えておりますが、いずれにしましても、現在の採択制度のもとにおきまして、その責任の立場にある教育委員会というものがしっかりと教科書につきまして検討を行いまして、それぞれの地域なり学校なりの実情、実態に最も合った教科書を純粋な意味で選定をして採択をしていってもらいたい。その結果として、何種類かのいい教科書が競い合うという姿になるのが望ましいというふうに考えておるのでございます。
○勝又武一君 広域採択と売り込み合戦が教科書の会社を減らし、教科書の種類を減らしてきているというのはまさに歴史的な事実じゃないですか。しかも教科書だけではありませんね。それに参考書、ワークブックなどの教材が独占的な教科書とワンセットになっている、それが大きな弊害を呼んでいるというのはまさに世論の指摘じゃないですか。そしてそのことが供応、汚職の犯罪を生んでいる。広域採択が汚職の根源になっている。これもまさに社会的な事実だし、それがもう国定化の方向に進みつつあるという、傾向としてなりつつあるということもそのとおりじゃないですか。 大臣にお伺いしますけど、まさに歴史は繰り返すというわけですよね。現在の状況が明治の中ごろによく似ているというお話がよくあります。教科書会社は明治二十年に広域採択となっている。そして明治三十五年に教科書汚職事件が起きて、翌三十六年一挙に国定化が断行されているわけですよ。こういう状況を見ますと、いまの大臣の責任というのは私はきわめて重要だ、そう思うわけです。歴史を繰り返さないために、この国定化に進みつつある広域採択制度の再検討と同時に、絶対国定化にはしないという御決意のほどを承りたいわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) 文部省といたしましては、法令によって決められた現行の検定制度というものを通じまして、教科書が適切なものとなりますように努力をいたします。国定ということは考えておりません。同時にまた、広域採択という問題といろいろな売り込み合戦とか、あるいはいろんな汚職の問題とは私は先生の御指摘とは逆な見解を持っておるのでありまして、むしろ小さな単位の学校別の、終戦の後のようなああいう姿が、先ほど終わりにちょっと申しましたけれども、非常に教科書会社の売り込み合戦や何かいろんな問題を惹起いたしておる、そういう点で少なくともそれを安定し、正常化する意味において、広域採択ということがむしろよいのだと、かように考えております。
○勝又武一君 検定の問題なんですけれども、少なくとも検定後の教科書が書きかえられるというのは不当だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。教科書の内容について内閣が検討をする、これも違法ではないか、そういうふうに私は思いますが、この点はいかがですか。大臣、いかがですか。
○政府委員(三角哲生君) 御指摘の事項につきましては、正誤訂正の問題に関連しておっしゃっておられるのかと存じますが、検定規則では検定を経た教科書につきまして誤記、誤植はもちろんでございますが、統計資料の更新を必要とするものでございますとか、その他学習を進める上に支障を来すというふうに認められる記述を教科書会社が発見をいたしましたときには、自主的に文部大臣の方に正誤訂正の申請を行うということにしておりまして、そして文部省といたしましては、その内容を検討の上、妥当なものについてはその承認をいたすと、こういうことでございますので、教科書につきましては常にその記述の正確性、客観性等が要求され、非常に国民からの期待も多うございますので、三年ごとの検定の中間の時期にもそういう形での改善の措置ができるようにいたしてあると、こういうことでございます。
○勝又武一君 何か、正誤訂正だとか、事実誤認を直すだとか、統計が十年前で古いだとか、そんなことじゃないんでしょう、いま問題は。そんなことは大臣も局長も先刻御存じのことじゃないんですか。私が言っているのもそんなことじゃない。現実にいろいろさまざまな意見があるということは、いろいろの形で書かれるというようなことがあたりまえじゃないかというのに対して、そういうのは全部やめてしまえという意見がいまあるんでしょう。だからいろいろいま問題になっているんでしょう。そして教育基本法、学校教育法、学習指導要領に準拠した検定基準そのものさえ変えようと言っている、こういう事態だからいま大きな問題に教科書問題がなっているんでしょう。私はいまの局長のようなそういう答弁ではなくて、もっとやっぱりこれ基本に触れていただきたいんです。そういう意味で、公取や警察や文部当局にも聞いてきましたけれども、率直に大臣に伺いたいわけです。 私は、教科書会社というのはやっぱり利潤最優先、売るためには何をやったっていいという風潮がいまあると思います。そういう意味では完全なコマーシャリズムです。子供のための教科書がいまの状況ではできるはずがないと思っております。子供と親の方は学歴主義と受験準備教育にどっぷりつかっちゃった。大学は共通一次の点数でランクづけされている。高校はまた、この大学の入試序列で一流、二流、三流と格差づけられている。週刊誌が書いていますよね。東大に入学している学生の父母の収入が一体どのくらいか、年間収入がどのくらいか、年収三百万以下の人が一体何人入っているのか。ある特定の私学から幾人入っているかというのを全部発表しているでしょう。東大の医者になるコースも百人でしたか、そのうちの約四割は私立の高校の人たちだけで占められようとしているわけでしょう。一体医師がそういうことでいいんでしょうか。私はやっぱり違うと思う。やっぱり医師になるためには医師になるそういう意味の人間的な資格が必要なんだ。教師になるためには教師になるやっぱり私はそういう意味での適性というか、資格というか、そういうものが本当に問われるべきいま時期にきていると思う。ところが、全部共通一次のランクづけでしょう。一体これで日本の三十年、四十年後はどうなるんですか。そういうことを本気で心配になる。そういう意味でいま教科書が問われているというふうに思うわけです。 経済や財界や金の力で、不当な勢力の介入で教科書が、教育がねじ曲げられてはいけないというふうに私は思うわけだ。しかも、業者の談合で教科書のつくり方が決められている。独禁法違反だと言えばさっきのような議論になる。そういう意味でやっぱり大臣にもう一度お聞きをいたしますけれど、こういう状況について文部大臣として本気にこういう制度について是正をなさる、問題点がどこにあるかということをえぐり出してみる、そういうお気持ちはおありですか。
○国務大臣(田中龍夫君) いろいろな問題もございますが、私は、そういうふうな教科書問題につきましては、根本問題といたしまして、この本当の次の世代を担ってもらう青少年の基本になります教育の、そのまた基準になっております教科書、この教科書がどういうものかということによって非常にいろいろな結果を招来することを考えますれば、その重要性をいやが上にも私は感じるわけでございまして、りっぱな教科書をつくるというこの一点に帰すると思うんであります。そのりっぱな教科書をつくるためには、私は今日、いまの段階におきまして検定制度というものが、これが最良のものだと、こういうふうに考えております。 それは、あくまでも民主主義の今日の国家のあり方におきましても、やはりそこには教科書会社というものが自由につくられたこのいまの教科書、これに対しまして、さっき先生も一言おっしゃいましたコマーシャリズムというものが、この本当のりっぱな教科書をつくるに毒してはならない。そのコマーシャリズムをいかにチェックするか、そうして正しい教科書をつくるかという意味から言いまして、この検定という制度というものは私はなくてはならない、かように考えております。 なお、売らんかなということにやはり根源いたしますいろいろな問題は、売れるような教科書さえつくればいいというようなことになったらば、これはまた大変なことでありまして、やはりりっぱな青少年をつくっていくという上から言いますれば、そこにはやはりたとえ自由企業によりつくられた教科書で民主的につくられた教科書でありましても、一つのチェック機構というものがなければいけないんじゃないか。正しい教科書をつくりますために検定制度というものを評価し、同時にまたそれがさらにまた採択される場合におきまする教育委員会を通じての、しかも、それは広域における採択のあり方というものが、つまり現行制度が一番適当であろう、かように考えるものでございます。
○勝又武一君 いま広域採択と離れまして大臣にお伺いをしたいのは、こういう意見がありますね。 無償制度だから、政府が金を出しているんだから、国民の税金からの支出なんだから、教科書の中身に、内容に干渉するのは当然である、こういう政界や財界の一部の人たちがそこまで言い切っておりますね。これは事実だと思う。これは私は教育とは大きくかけ離れているというように考えます。大臣は、こういう意見をおっしゃっている方々と全く同じお考えなのか、いや私は違うとおっしゃるのか、どちらなんですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 金を出しているからどうこうというんじゃありません。それは憲法の精神に基づき基本法に基づいた、要するに義務教育無償というその基本的な立場に立ちまして無償ということが行われるんであって、そういう点は誤解がないようにいただきとうございます。
○勝又武一君 広告業者の欠陥が指摘をされる、あるいは総合商社、大企業の悪い一面が取り上げられる。教育の本質論あるいは教育本来のあり方から言えば、そういう画があるからそのことをまず先に直すという方が先決じゃないか。企業の要請によって教科書を直すという方が先じゃなくて、むしろ広告業者なり総合商社なり、みずからがその欠陥や弱点を直していく努力をこそやるべきじゃないか、そういうことと並行をして検討をすべき問題だ、そういうように思いますけれど、大臣のいまのお考えからいくと、無償制度だからそういう言うとおりになると。そういうことではなくて、あくまでも無償制度だからといっても教育本来のあり方で貫き通すんだ。そういう姿勢を取り続けられますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 教育制度の前に国家、民族というものがございます。国家、民族の理想なり、あるいはまたそれの一つの哲学というものが、今日の教育といたしましては非常に重要な問題でございます。私は、この制度のよって来る、あるいは弊害があったり、あるいはまた美点があったり、いろいろいたしますけれども、わが日本国というものの現状と将来を考えまして、冒頭申しました、一番大事な、次の世代を担ってもらう後継者の養成という点で、あくまでも厳正、中正でなきゃならぬ、かように考えます。
○勝又武一君 厳正中立とおっしゃるならば、そういう不当な介入なり、あるいはそういう検定についていろいろと干渉をしてくる、そういうことについては一切排除なさいますね。
○国務大臣(田中龍夫君) そういう次元の問題ではないと思うんであります。もっと高い次元で国家民族の将来を考えたりっぱな教科書をつくっていく、これが本来の姿でございます。
○勝又武一君 大臣は教科書の国定化ということについてはどうお考えですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど申しましたことを繰り返しますが、私は国定ということをとりません。
○勝又武一君 いまの無償制度が国定化につながるという心配を私は持つわけです。事実、先ほどから幾つか指摘をしておりますように、教科書会社の減少、そして特定の教科書のもう圧倒的な九九・九四%というようなシェア、このことを考えていきますと、実際に、現実の上では実質的に準国定化につながりているんじゃないんですか。だから、そう国定化を考えないとおっしゃるならば、法律的なことを別にして、法律で国定化を図るということは別にして、いまの現状の中でまさに準国定化の現実になりつつある、その状況をそうしないためにはどこをどう直したらいいのか。私は、広域採択制度をやめて各校採択にすべきだ。高等学校のように小中でも採択権を返すべきだ。教科書の無償制度というのは採択と抱き合わせとさっき言ったら局長がちょっと変な言い方をしましたけれども、教科書と取引をして、無償と引きかえに広域採択制度を導入したんだと、そういうことじゃないということが明らかになるんじゃないんですか。何で高等学校と小中が別でなけりゃいけないのか。教育というものは高等学校も、小中も同じでいいじゃないか。ただ、小中は義務教育だからお金は出しますよ、教科書の採択については高等学校も小中も同じですよと、どうしてその線までいかないんですか。そのことが広域採択制度の中で教科書の数を減らし、教科書の種目を減らし、大臣がおっしゃっているいい教科書、りっぱな教科書というのが、これ後でお話ししますけれども、最後にとってありますけれども、そういうものがされたいという現実があるから私は言っているんだ。そういう点をどう是正をなさるお気持ちなのか、もう一度大臣の御見解を聞かしてください。
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほども申し上げたとおり、私は戦後県知事をいたしておりまして、その当時の、あの自由販売と申しますか、教科書の現状というものは、本当に目に余るような各販売会社、あるいはまた売り込みの競争が各県の教育委員会にずいぶんあったものでございます。それに関連しましていろいろな事件が起こったり、弊害がありました。そういう過去の姿を、これを改めるという行為がその後逐次なされたのでありまして、そういう点から申しましても、私は、自分の体験に徴して、広域採択が適当であると、かように考えてまいったわけでございます。このことは、私が文部省に奉職しましてから教わって言うのではなく、私自身が戦後知事をいたしておりまして、教育委員会を持っておりました当時の考えでございます。 それからまた、正しい教科書という問題でございます。これは一つのコマーシャリズムによります行為をチェックしていかなきゃならない。あくまでも厳正公平な姿においてりっぱな教科書をつくるということのために、私はその必要性を、検定というものの必要性を感ずるのでございまして、先生が御心配になるようなことがないように、また御心配になるようなことがあってはならないという姿においてただいま文教をお預かりいたしております。
○勝又武一君 高等学校はなぜ学校採択で、小中はなぜ広域採択なのか。小中は無償だから広域採択にしたんだ、その論理なんでしょう。そうじゃなくて、なぜ高等学校は学校の教師に採択権があって、小中学校の方は教師に採択権がないのか。そのことをちゃんと答えてくださいよ。なぜなんですか。
○政府委員(三角哲生君) 先ほども若干申し上げたような気がいたしますが、小中学校は申すまでもなく義務教育でございます。したがいまして、やはり教育水準というものにつきましては、これはかなり全国的にも目を見張ってそこのところを注意してやっていかなきゃならない、こういうことが前提にあるわけでございますけれども、それから先ほども申し上げましたように、いろいろな経験を経まして、すでに昭和三十年代に入りますとやはり今日の姿に近いような広域採択と申しますか、郡市単位の採択をするということが一般的になってきておった。そういう動向、そういう状況を踏まえて今日のこの制度化された採択地区ということにいたしておるわけでございます。 小中学校は申すまでもなく戦前は国定だったわけでございます。しかし、今日、先ほど来大臣から申されておりますように、検定制度による教科書ということにいたしてございますけれども、やはり広域採択制度のメリットについて先ほど申し上げました、そういった観点からやっておる次第でございます。 高等学校につきましては、これは戦前からも国定でございませんで、検定教科書をそれぞれの学校が中等学校におきましては選んで使っておりまして、そして高校になりますと、これは戦前の中等学校とは現在は異なりますけれども、いろいろな意味での適性能力の多様な子供たちを入れまして、それに対応する教育を展開するということでもございますし、教科書の種類も非常に多いわけでございますので、現在の制度が適当であろう、こういうふうに考えておるのでございます。
○勝又武一君 そうじゃなくって、金を出しているから小中は広域採択でしばると言うんでしょう。無償制度だから、金を出しているから広域採択にすると言うんでしょう。はっきり言ってくださいよ、違うんですか。
○政府委員(三角哲生君) 申し上げましたように、金を出す前から今日の形に近い状況が一般的になっておったわけでございます。それを踏まえてこういう制度ができ上がっております。
○勝又武一君 そんなことはありませんよ。それじゃ国立や私立はどういうことなんですか。私立はみんな学校採択でしょう。小中学校ですよ。 これは後にしようと思いましたけれども、たとえばここに、これは昨年三月十四日のときに、現物を、小学校の「子どもの美術」の方を大平総理にお見せをして、これを大平さんも、まことにりっぱな本だというように高く評価をされたんです、教科書だというように。今度この現代美術社が中学をやられましたよね。「少年の美術」、こっちですよ。(資料を示す)こっちは今度はどうですか。御存じでしょう、国立と私立の採択状況は。私立が三四・八%ですよ、国立が九・六%です。公立の方は昨年と少しふえただけ。明らかでしょう。何でこの「少年の美術」が私立の三五%、国立の一〇%近いところが採用なさるんですか。各校採択だからでしょう。学校に採択権があるからでしょう。小中と高校の違いじゃないんじゃないですか。たとえばここに「にほんご」という小学校一年生の国語の教科書、これは採択されてませんけどね、検定が通っていませんけど、これももう御承知のとおりだと思うんです、例の安野光雅、大岡信、谷川俊太郎、松居直共著のこの小学校一年生の国語の「にほんご」の教科書、こういう教科書こそ小学校一年生に使わせたいという、これはもう親の願望もありますよ。社会的なこれはもう評価を受けておりますよ。しかし、そういうものがいまなかなか教科書として使われないという根源は、私は無償制度と引きかえになっている義務教務の広域採択制にあるということをもう断言せざるを得ない。 それなら、大臣にお聞きしますけど、仮に、じゃ、有償制度にしたら、こういうものを一切撤廃してくれますか。教科書を有償制度にしたら、一切の干渉をやめるし、一切のこの広域採択をやめて教師の学校採択、高等学校や私立のように、こういうようになさいますか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、先般来大蔵省の有償論に対しまして先生方と御一緒に無償をあくまでも主張し貫徹した次第でございまして、私は有償というようなことは考えもいたしません。
○勝又武一君 大臣は有償を考えないと言いますけど、こういう教科書は私立で三四・八%も採用されている、私立の中学校ですよ。約四割近い、国立、私立含めますとね。公立では一%以下。これはやっぱりもう広域採択にあるんじゃないんでしょうか。そういう意味で無償制度のもとにおいても、じゃこっちを直されますか。そのことを直さないというなら、じゃ有償制度にしたら、そういういままでのとおり教師に採択権を、もとのように——局長さっき、前から何か広域採択みたいなお話をされているけれども、そうじゃない。無償制度になる前というのは、小中学校でも各校採択だったんです。そういう形に直されますか。
○政府委員(三角哲生君) 私自身も昭和二十年代の末に県で奉職していたことがございますけれども、各校採択というようなことではなくてやっていたというふうに記憶しております。 御指摘の国立、私立の学校は、まあ義務教育の小学校として数が非常に少ないわけでございまして、これでこれらは教育委員会の所轄のもとには置かれておらないというような状況もあるわけでございます。そういうことで、これはそれぞれの個々の学校が教科書を選定をするということにいたしてあるわけでございます。先般来の御指摘になっております美術の教科書につきましても、私も小学校の分は前に拝見いたしておりますが、これはまあ国立なり私立の学校で採択が多くなっておるということにつきましては、私は必ずしもそれが広域採択と個別採択が原因でそうであるかどうかは言い切れないんじゃないかというふうに感じております。これは教科書につきましては、先ほど来御指摘のような金品を使っての売り込みのようなことは、これははなはだよくないことでございますけれども、いろいろな意味で教科書の会社は自分が精魂を込めてつくりました教科書については、これが活用されますようなそういうPRはやるだろうと思うのでございます。そのPRのやり方とかそういったことも関連しまして、それは私立学校の方に伸びていくということもあろうかと存じますし、広域であるからなかなかそこへ入っていかないかどうか、これはそういう会社のやり方とかいろいろなことが関係してまいりますので、制度が即そういう先生がおっしゃいます非常にいいものが入っていくことがさえぎられるという原因になっておるとはあながち言い切れないというふうに受けとめております。
○勝又武一君 何か公立の小中学校の方は教育委員会があるからだというような向きがありましたけれども、私立の方はまるでそれでは教育委員会がないから義務教育じゃないように聞こえますよ。私立の小中学校も全く同じでしょう。そういうことを私は指摘をしているわけなんです。教育委員会がその間にあろうがなかろうが、私立の小中学校も、公立の小中学校も全く教育という点については同じじゃないですか。そういう意味で先ほどからこの点を指摘をしているわけです。正直言いまして、大臣、こういう重要な時期ですし、私は先日の大臣の所信表明、ひどい言葉で言いますと、九九%去年と同じだという所信表明については、大臣にもう一度、率直に言えば、書き直していただきたい一所信表明をもう一度やり直していただきたい、そのぐらいに思いますよ。これだけのいま教育の問題が問われている時期です。これだけの多くの国民的な課題が集中をしている時期だけに、大臣が国民に向かって文部大臣としてこうすると、こういうことをもう一度本当に田中文部大臣らしい、昨年の谷垣文部大臣とは違う所信表明を再度やり直していただかないと、本当にちょっと質疑が続けられないというぐらいにさえ思います。大臣の御決意はいかがですか。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は白紙で所信表明をそれこそ採択したのでございまして、そのいまのたまたま原稿が去年と同じものでピストンで出したとは私は少なくとも考えておりません。また、私がそれを見ました段階におきましては、私の冒頭申し上げました文教政策に対します考え方も十分に反映されておる。同時にまた文教政策というものの一貫性というものから申しまして、前任者、前々任者ずっと今日まできました文教政策というものが、そう私がなりましたから抜本的に変わるものでもないことは御案内のとおりでございます。日本の文部省、その文教政策というものはやはり一貫した一つの哲学、一貫した行政指導のもとに行われることは当然でございます。ただ、私が就任いたしました私自身の行政の執行あるいはまた理想に向かって私は文部省を指導してまいらなきゃならぬ、その責任を十分に持っておる次第でございます。
○勝又武一君 先ほどから言いましたように、無償制度だから、金を出しているから、国民の税金から支出をしているんだから教科書の内容に介入するのは当然なんだという政界や財界の一部の意見にはくみしないということを大臣は先ほど披瀝されたというように私は思いますが、そういう立場でもし無償制度のまま本当に国定化の方向に行くならば、大臣が望む方向ではないわけでありますから、無償制度のままにおいても、ここはこういうように直して国定化を防ぐ、こういう方針を明らかにしていただきたいんです。どうしてもそれができないなら、大臣は先ほどから有償にはくみしないとおっしゃっているけれども、あんたたちがそんなにまで言うなら有償にしようじゃないか、そのかわり、こことここはこうして日本の教育を三十年後、四十年後も誤りないようにしようと、こういう大臣のはっきりした決意を言うなら言うと、そこを私はちゃんとしていただきたいんです。どちらかあやふやでどうだかわからぬようなことでは日本の教育がどこへ行くかわかりませんよ。いま教科書問題が問われておりますけれども、私は大変な間違いだと思っています。いま教科書問題の何か問題が中学校社会科の公民分野だけにあるような議論が横行しています。しかし、教科書問題の本質というのは私はそうではいけないと思うんです。そうじゃないと思っているんです。ところが、例の中学校社会科の公民分野の問題だけが大きくクローズアップをして、何かすべての教科書がでたらめな教科書だというような教科書の不信を起こしていますね。日本の将来の教育のために、教育の本質論の上からいっても、大臣が言うよい教科書というのは一体どういうものなのか、厳正中立な教科書というものは一体どういうものかということをいまこそ明らかにすべきだと思うんです。そして、私が言っているように、こういう「にほんご」という、こういう教科書が使われるようになったり、こういう「少年の美術」や「子どもの美術」のような教科書がもっと公立の学校でも、少なくとも私立並みぐらいにはなるようになるとか、こういうことがなければ私は大臣のいま言っていることはすべて何かたてまえと本音の違いだということになりかねないというように思います。そういう意味で最後に、大臣がそういう人たちの言い方にくみしないというようにおっしゃっていますけれども、仮にそういうみずからの立場を放棄して大臣のおっしゃっている教育の政治的な中立を侵して教育の破壊を考えるような方向にいくということになると、これは大臣としての大変な責任になるんじゃないか、そういう意味で再度最後に大臣の御決意を承りたいわけです。
○国務大臣(田中龍夫君) 私は冒頭から申し上げておりますように、また最後まで申し上げておりますように、現行のこの検定制度というものを通じまして、そうしてりっぱな教科書を子弟に与えるという重大な責任を持っております。国定ということは考えてはおりません。のみならず、またあるべき日本の日進月歩の姿に対応いたしまして、いつもいつもこの教育の問題も、本当に斬新な、そうしてまた内容のあるりっぱな教科書を国民に、特に義務教育の子弟には教育の基盤を培う材料として提供しなきゃならない、これが私の教科書問題に対しまする本旨でございます。
○勝又武一君 時間が来ましたので終わります。
○仲川幸男君 これからお尋ねをする問題は私が誇張して申し上げるわけではないのですが、日本の教育史の中にかなり大きな汚点を残した問題だと思うのです。そしてまた、いまPTA、父兄、保護者の怒りの中にある問題でございますので、そういう認識に立ってお答えをいただきたいと思うわけであります。 去る二月二十四日、二十五日に東大阪市小阪中学校で起こりました大方の先生方の同盟休校問題についてこれからお尋ねをしていきます。 大変教育界に及ぼしておる影響も大きいと思いますが、これお尋ねに入る前に、文部省にこの種の問題が最近起きたのかどうなのか、ちょっと何かお調べをいただいておればお答えを願いたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 学校の教員の多数が集団で欠勤するというような事例は最近珍しいことでございます。
○仲川幸男君 珍しいということは、ないという物の考え方にしてよろしゅうございますか。
○政府委員(三角哲生君) 今回起こりましたようなケースはございません。
○仲川幸男君 それでは、これから個々の問題、少し細かくお尋ねをすることになると思うのですが、小阪中学の職員の構成と、年休と称して二十四日に休んだ十六名、二十五日には、年休であったかどうかわからぬのですが三十六名、こういうことなんですが、そのリーダーは一体だれなのか。校長初め校内の機構、それぞれの校内の責任——それぞれの学科主任もおりましょうし学年主任もおりましょうから、そういうものの機構を——ちょっと大変たくさんお尋ねをしたいものですから、ごく簡単によくわかるようにお答え願いたいと思うですが。
○政府委員(三角哲生君) 教員構成でございますが、小阪中学校の職員数は四十六名。校長、教頭と教諭三十九名、養護教諭一名、事務職員二名、学校用務員二名でございます。 二月二十四日に終日年休願を出した者が二十七名、ほかに午前中の半日の年休願を出した者が七名というふうに聞いております。二十五日につきましては教諭、講師のうち病休中の四名を除く三十九名、それから事務職員二名及び養護教諭の合計四十二名中、朝から出勤した者が三名、したがいまして三十九名は来ておらない。九時から出勤した者が三名、したがいまして三十六名はまだ来ておらない。十二時二十分に残る三十二名が出勤してきた、こういうような経過のようでございます。 それから、中心人物ということにつきましては、なお地元の教育委員会並びに大阪府の教育委員会でいろいろな状況をいまチェックをしておるようでございますので、確定的なことは私どもはまだ承知しておりません。
○仲川幸男君 それでは、問題の引き金になったと称する、これどの程度文部省がお調べをいただいておるかということがこれからお尋ねをするのに問題なんですが、A、Bの教諭の勤務状態、そのときに問題の発端が病欠であるのに海外旅行までしたというようなそのことが問題になったと称せられておるんですが、実際にそういうことがあったのかなかったのか。 ついでにもう一つお尋ねをいたしておきます。女子教諭の教育指導力を高めるために研修会をやりたというのですが、これは後ほどの新聞記事を読み上げましておわかりをいただけると思うのですが、この研修会についてA、Bの女教諭と他の教諭との間の問題点がどうなっておったのか。この二教諭に対しての研修会というが、暴力行為が警察——警察庁もおいでいただいておるわけですが、暴力問題を起こしておると思うのですが、特定の先輩や一部学年主任とかそれぞれの学科主任とかが研修会をやるのではなくって、つるし上げ研修会であったと、こういうふうに認識をいたしておりますが、いかがでございますか。
○政府委員(三角哲生君) まず、第一点の病気休暇中の女子教員のうち一人が海外旅行したということは事実でございまして、この点を含めまして府の教育委員会としては市の教育委員会の報告を待って必要な事後措置を検討するというふうに聞いております。 それから、研修会と称して昨年十二月に研修会というようなものが行われたようでございますが、これの動機と申しますか、これは二人の女子教員が採用後三年目で初めて学級担任となったと、こういうことで教え方に問題があるとか、あるいはできる子とできない子についていわゆるえこひいきをするといったような声が出てたというようなことが一つの動機であったというふうに聞いております。
○仲川幸男君 問題が起こる数日前に学校の運動場で生徒の見ている前で先生たちのトラブルがあった。この大きな問題が起こるんですから、事前に問題があると思うのですが、そういう問題を恐らく校長、教頭という管理職もその他の方々も知っておったと思うのですが、文部省が地教委からお話を聞いた限りでどう受けとめておられましたか。
○政府委員(三角哲生君) 私どもが聞いておりますところでは、校内研修会について当時の校長は何ら関知して一なかったというふうに聞いておりまして、これは私どもとしては、やはり学校におきまして校長を中心にした教育指導体制というものが必要でございますので、そういった必要な教育指導体制というものが整っておらないということで、きわめてその点が不備であったという感じを受けております。 それから、トラブルということでございますが、二月の二十日に教員グループがいま御指摘の病休中の女教員に対する校長、教頭の態度を不満としまして、校長と教頭の机を廊下に運び出したというような事実があるというふうに聞いておるわけでございます。
○仲川幸男君 これからの質問は新聞報道によるものでございまするので、その事実が違っておればそういうふうにお答えを願いたいと思います。 いまお話のあった校長の机が問題が起こる四、五日前に放り出されたという、だれがほうり出して、どうして学校で——私たちはちょっと常識では判断ができないんですが、校長、教頭の机が廊下へほうり出されるだのいう学校の現場で教育が受けられるのかどうなのか。これ一番後で、地教委との問題ですから、非常にくつの上から足かきおるようなお答えにしかならないと思うので、地教委との法的措置も含めて、どう地教委と文部省とは今後やっていかなきゃならないか、法的改正も含めてひとつ提案いたしたいと思うことがございますが、いまのようなお話でございますからなかなかむずかしいであろうと思いますが、この間から、大変大分前からお尋ねをしておったことでございますから、できるだけ詳しくお答えを願いたいと思います。 次に、A、Bの女教師の一人の先生が、生徒がちょっとふざけたので、この生徒に罪として一年間の掃除を命じた。私はこれ何か違って一週間の掃除を命じたんだろうかと思ったが、一年間の掃除を命じた。ちょっと常識で判断がしにくい。 この問題の日に、二十四日には病欠の女の先生を訪ねて教頭さんは高松へ行っておったと、二十四日に。教頭さんが、女の先生が病欠をしておるのを、どうでございますか、出て来れませんかと言うて東大阪から高松へ行くほどのことを学校はやっておるのかどうなのか。 また、校長はこれは年休とっておった。二十四日、机をほうり出されたと称するんですが、ほうり出されたもう何日もしないときに、大事な学校で年休をとっておった。このあたりはもう教育の世界ではないという感じがいたします。ここでちょっとそのところまでお答えを願いましょうか。
○政府委員(三角哲生君) 私どもも余り事実の細部にわたってはまだ報告を受けてない部面もございますが、御指摘の、生徒が騒いだからというので一年間の掃除を命じたという事実については、そのような事実はなかったという報告を受けております。 それから、教頭さんが高松まで行かれたということは事実でございます。
○仲川幸男君 それから、二十五日の日に先生たちが休んだ。来とった生徒が爆竹を鳴らして騒いだ。報道関係者にも食ってかかったり、白墨を投げたりしたと、こういうことなんですが、ところがここで一番大事なことがあると思うので、ひとつ文部省、きょうお答えがいただけなかったらはっきりと御調査を願いたい。その爆竹というのはすぐつくれたりしないのですが、先生の中に生徒のあおり行為をしたことが後ほど新聞記事の中にも出ておりますが、このことは学校教育の中で大変重大なことであります。ひとつこのことをよう御認識いただいておるのかどうなのかお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 二十五日に一部の生徒が校門のところで爆竹を鳴らしたり、それから職員室にまで入ってきたというような事態が起こりまして、一時校内が騒然となったということは事実でございますが、市教委の指導主事の注意によりましてすぐに平静を取り戻したというふうに聞いております。 それからもう一つの、生徒をあおった先生がいたのではないかという問題でございますが、これにつきましては、生徒に対して事件に関しての事実関件の説明は行っておりましたが、ことさら生徒をあおった行為はしていないというふうに聞いておる次第でございます。
○仲川幸男君 それでは小さい問題を二つ、三つお尋ねをいたします。 この先生たちが集まっておった「なにわ会館」というのはどういうところでございますか。 それから、上岡治男という教諭が記者会見を教師代表などでいたしておりますが、この先生の学校での位置。もう一つ教員組合における位置がお答え願えれば大変ありがたい。また、ほかにも実際にリーダー集団があったと思うのですが、そういうことをいま文部省のお手元に把握をしておられますか。
○政府委員(三角哲生君) 「なにわ会館」は公立学校共済組合の施設でございます。宿泊でございますとか、食堂でございますとか、そういうものを備えた施設でございます。 それから御指摘の上岡治男氏、これは学校の数学の教諭でございまして、それから組合での立場は小阪中学校の分会長であるというふうに承知しております。 それからリーダーにつきましては、先ほども申し上げましたが、いろいろな事実関係について教育委員会がやっておりますので、まだはっきり承知しておりません。
○仲川幸男君 そこで、ひとつこれ、新聞は新聞でも日教組の機関紙の日教組教育新聞は、御承知のとおり、週に一回、発行日は火曜でございますが、この問題をいつ取り上げてどうするだろうかと思っておりましたら、二月二十四日も、三月三日も、十日も、十七日号もその後も見当たらない。私は、ここにこの人たちを包含しておる日教組がこの大事件に大変心配しておると思うんですよ、日教組の皆さんは。それを取り上げないのはどういうことなのかちょっとわからないんですが、普通このような問題があればすぐに調査団が現地へ参りまして、そしていろいろと記者会見もして、重大性を私らの胸には必要以上に感じるような記事も出てくるわけであります。私も実はこの新聞を数年間愛読をさせてもらっておる一人でございますので、十分流れの中で承知をいたしておるわけでございます。たとえば二月十日の新聞には、ちょっと事件が違いますけれども、比較をして物を申し上げますので……。福島県の双葉郡の浪江町という幾世橋小学校ですか、と一面張り出しで見出しを出しまして、二面の半分を使って報じられているわけなんですが、そこに報じておりますことは「小学校庭でコバルト60検出」。文部省御存じでしょうかね、このこと。まことにこれはついでで申しわけないんですが、ここでもう話が出ましたから、これもコバルトの問題でございますから一ちょっとおわかりいただいたら一言お答えを願いたいと思うのです。それがそういうように出てくるものと出てこないものとがあるんですが、ここで、最後に私が日教組と文部省との関係のことについてもお願いしたいここのあたりからの一因が生じておるわけであります。及ぼす影響大変大きいと思いますので、ひとつこのあたりのことについて文部省は幾分御承知をいただいておるのか。そういうものはお目に通しておらないのでなかろうか。私は、機関紙というのはその性格がきちんと出ておるものですから、その点を今後の教育運営の円滑なる効率的なものをするために、十分ひとつ御承知おきを願いたいと思うのです。 お尋ねの途中ですけれども、一言申し上げておきたいのですが、日教組はそれを文部省にいろいろなことが言えないというところにも私は問題があると思う。文部省の方もおじおじしないでひとつ話すことを考えなければならないのであろう。法律をともに守るという約束のもとで十分話し合いをする。まあストをせぬのだというところまで物を決めるなどということにはなりますまいけれども、法律を守るということ。本来私たちはストをすることを奨励した発言ではございませんから、間違わぬようにしていただかなきゃならぬと思うのですが、私も、教員組合と教育行政の中で二十年間いろいろの苦しみも喜びもともにしてきた仲でありますが、文部省がこの種の問題についてひとつ——文部省の方へお尋ねをいたしますが、日教組の方から、大変うちの方の組織人が不都合なことがございましたが御心配をかけております、まあお断りでないあいさつでも、何かそういう連絡でもあったのでしょうかどうでしょうか、ちょっとお答えを願いたいと思います。
○政府委員(三角哲生君) 何も聞いておりませんし、本件に関する日教組の関係については私どもわかっておりません。
○仲川幸男君 それでは、あの中で妙なものが入りましたが、妙な、本題と違うものが入りましたけれども、私の平素考えておりますことでございますので、あえてそこで出てしまったわけであります。 それでは、以後新聞の問題については、ちょっとこれ重要な問題でございますから、そのままを読み上げますので、お聞き取りをいただいて、その重要性を御認識いただきたいと思うんですが、「交通違反先生処分せず」、これは市文教委員会の質問の中でこう言ったら、男子の教諭が交通違反をいたしておりました。飲酒運転であります。いまごろ、どこに、飲酒運転の交通違反だのというので、処罰をしないで、この記事を全部読む暇がありませんが、しかりおいたくらいで済む社会がありましょうか。まして教育の現場においておやであります。それが今回の休校騒ぎの中心メンバーの先生でありますということ、私は唖然とするものを感じるわけであります。そして議員の質問に樫原教育次長は、「この半年間の小阪中には民主主義はなかった。教諭集団が行った研修は深夜に及んだり、途中で男子教諭がビールを飲んだり」、「これまでの事情聴取から暴力的」——警察も聞いておいていただきたいと思う。「暴力的行為や人権侵害が起きた疑いが強い。」もう一つは、A教諭は——これは女の先生なんですけれども、研修をしたのに運動場へ抜け出して、運動場で倒れて、三時に救急車が来て、A教諭を病院へかつぎ込んだ。また、もう一人は、保健体育の女教師四十一歳は、またこれも午前三時ごろに救急車で運ばれた。これ、午前三時でございますので、これが研修会の実態であると思うのです。そして、二回も救急車で三時に病院へ女の先生を運ぶだのいう研修会が日本の教育界にあるというのは、私はやはりひどいと思いました。これをひとつどう受けとめて文部省——これは地教委がどうだとかいう問題じゃございません。日本の教育の問題をどうするかという基本的な問題、教員の採用だの、そんな問題よりもっともっと以前の問題として、人間としての問題。私たちだったら、酒を飲んで恐らく交通違反をしたり事故を起こしたらバッジを返上せないかぬでしょう。かなり厳しい都道府県では、このことは大変かわいそうなほど処分をいたしております。どういうことでございましょうか。ひとつ文部省の受けとめ方をこれは聞かしてください。個々の問題じゃなしに、文部省はそしてこのことを今後どうされますかということでございます。 幸いにして五日延びたんですか、五日延びました卒業式ができまして、おかげさまで卒業ができたわけであります。できたわけでありますが、そのときに、校長さんは新しい校長さんです。これを生きた教材としてひとつということで祝辞がこのことに触れてお断りがあった。こんなもの、生きた教材なんかにしてもらったら大変なことになる。そういうことなのでございますが、生徒はこのことには触れなかった。当時の中で、一切の中で生徒はこのことには触れなかった。そしたら、ある父兄が、子供の大人ぶり、大人の子供ぶりと、こう言ってこの批判がございました。ひとつ一連のものとしてお考えお聞かせ願いたい。
○政府委員(三角哲生君) ただいまお述べになりました事柄は、三月十八日付の地元の各紙に出ておりまして、私ども新聞で見ておるわけで、事実関係の細かいことは的確には承知しておりませんが、お話のようなことであれば、きわめて私異常なことだと思います。これに対する仲川委員の評価につきましては、私も同様な感じを持つ次第でございます。
○仲川幸男君 警察に来ていただいておりますから、警察庁にお尋ねをして、お答えをいただいてお下がりいただいて結構です。 ただいままで申し上げました質問、答弁をお聞きいただいておったと思うんですが、この事件をどう受けとめて、どのような調査を現地でしていただいておるのかをまずお答えを願いたい。 そしてもう一つ、暴力というものは、いかなることをもって暴力と言い、あなた方の取り締まりの対象にしておるのか。私は、警察当局は教育現場に対して特別な考え方を持っておるんじゃないかという気がするんですよ。遠慮をしておるんではないかと思うんですよ。もちろん、教育の場は聖なるところであることに間違いありません。ただし警察庁、私は産業の現場であろうと行政の現場であろうと技術屋のホームであろうと、それはそこに働く者にとっては最も厳しい新鮮な聖なる場としておるんです。教育の場に異なることは、そこに学んでおる、世の中の色にまだ染まっておらない児童、生徒、学生がいるということ、このこと一事なのですよ。往々にして、教育者の人たちもまた周囲も、教育の場は何か聖なる場、これば手を触れてはいかぬのだと、こういう物の考え方をしておるんではないだろうか。事前にお聞きした中でもなかなか調査が、先ほど、新聞社がこれだけわかっておって、あんたの方はわからぬのかという勝又さんのお話もありましたけれども、実際はこりあたりもひとつ学校に警察を入れたと騒ぐ種類の人種もいますけど、それは入れ方の私は問題だと思うのです。学校へ警察を入れた入れ方の問題だと思う。この配慮をして、警察の指揮者は学問の自由を妨害する、それは言うことが多くてその実在はない場合が大変あります。私は、法を犯した者に対しては厳正に立ち向かわなければならない。教育界の不正常な罰を警察があなた方とともに背負わにゃいかぬようになります、やらないと。校内暴力しかりであります。暴力脱法行為に対しての取り組みもしていただかなきゃなりますまい。こういうこともひとつ十分お考えをいただいて、既成観念的な教育の現場は聖なる場、警察は入ってはならないのだという物の考え方は、一応事ケース・ハイ・ケースございますけれども、十分御考慮をいただきたい。 そこで、東大阪小阪中学の犯罪の質問でございますけれども、きのうの事前打ち合わせと違った情報が入っていま申し上げたものですから、少しお答えが十分いただけぬかもしれぬと思いますから、大変十分のことの打ち合わせがないままの分がございました。後刻、適当な機会でもいいですが、この問題の細かいものを委員長のところ誉ででもお届けいただければ私は大変ありがたいと思います。きょうお答えをいただけないものにつきましてはそうお願いしたいと思います。
○説明員(石瀬博君) 要約いたしますと三点のお尋ねがあったように思うわけでございますが、第一点は、東大阪市立小阪中学校の教師の集団欠勤問題に絡む諸問題についてどう考えるかということでございますけれども、この問題につきましては学校内における教育上の問題でございまして、本来文部省あるいは関係教育委員会の調査にまつべき点が非常に多いというふうに考えておりますけれども、校内暴力問題というのは非常に大きな社会問題ということに今日なっておるわけでございますので、警察としても相応の関心を持ってこの問題の推移を見守ってきた、こういうことでございます。 先ほど来、文部省の方からお答えがございましたような程度のことは私どもといたしても承知いたしておるわけでございます。 それから二つ目は、暴力というのは一体どういうことなのかということでございますが、暴力という言葉につきましては、広い意味も狭い意味もいろいろございますけれども、一般的には人は他人に対して不当または不法な仕方で物理的な有形力を行使すること、こういうふうに解釈されておりまして、具体的には傷害とか暴行とか脅迫とか強要とかあるいは器物損壊、そういった行為がこれに当たるものというふうに考えておるわけでございます。 いまほど御指摘がございましたように、十二月の十五日から十七日にかけまして三日間深夜に及ぶ校内研修会があった。新聞の報道によりますと、そこに暴力行為があったとかあるいは人権侵犯の事実があったというようなこともございまして、私どもとしましてもやはり暴力を否定する立場にございますものですから、相応の関心を持って関係者から事情も聞いたわけでございますが、現在までのところ暴行とか傷害とか脅迫とか強要といったような事実関係までまだ把握いたしておりません。 それから最後、一般論といたしまして学校は聖域であるという考え方とかそういうものがありまして、警察はなかなかに学校へ立ち入らぬのじゃないだろうかというような御指摘だったかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、警察というのはいかなる暴力も否定するという基本的立場にございますものですから、学校内の暴力事件といいましても、それが犯罪を構成する場合には所要の捜査を行うことにいたしております。ただ、何分にも学校は教育の場でもございますし、教育の特性ということを十分われわれとしても考えなければいけないということで、学校内の事件捜査につきましては、当該学校及び教育委員会ともよく連絡をとりながら、慎重のうちにも的確な捜査を行うということで今日までまいっておるわけでございます。
○仲川幸男君 警察庁の方お帰りいただいてもいいんですが、ひとつぜひちょっと、女の先生たちの頭の髪を引きずり回したまで暴力的に——情報が入っていないというお話のようですけれども、ひとつお調べをいただいて、一連のものをお調べをいただいて、きょうのいまのお答えでは少々不足でございますので、お調べをいただいたもので新しいものができましたら委員長の方にでもお届けいただいたらありがたいと思います。それではどうぞ結構でございます。 それでは、これから大臣にお尋ねをいたすわけですが、この問題二つの、教師の教育本質に少々不完全なものがあったり、また管理職の不十分な対応があったからと、そういうことが原因ですが、この二日間のそのことが休校に追いやったのですが、全校の先生方のその行為については、私は言語道断だと思うんです。許されるべき事件ではないと思います。時たまたま生徒は進学を決定せねばならない、公立高校入学願書を受けつける時期です。生徒そして父兄にとっては一年で一番大事なときであったわけなんです。受験準備の仕上げの真っただ中でございました。そういう中でこのことが起こったわけであります。大臣のひとつお考えをいただきたいように思うんですが、時間がございませんのでもう一つ、二つ御一緒にお答えをいただきたい。 二十五日の夕方記者会見をしたこの先生たちはこのように話しておるわけなんです。二十四日の夜に——ここらあたりに私は大変教員、先生方の物の考え方に過ちがあると思うんですが、二十四日の夜、二十四日にもう十六人はやったんですよ。二十五日には正常な授業をやろうじゃないかというて決めておりましたやさきに、市教委から職務命令の口調で二十五日に出勤をするようにとの連絡があったので、わしらが出ようと思っておるのに出勤をせいだのいうことを言うのだったらやめだ、抗議のために二十五日は集団休校の行動に踏み切ったと、こうはっきりと、これは新聞が間違うたら話は別ですよ、これどう思いますか。私は、二人の教師の力不足や勤務の不正常化や管理職の甘さやを理由と言っておられるんですが、それは生徒不在のものでございまして、物のたとえで言うと、風吹いておけ屋がもうかるだのいうたとえがありますが、もっと、こんなたとえではとてもでないたとえられないほど遠いたとえを持ってこないと、この重さは全然違ったものだと思いますが、大臣いかがでございますか、お答えを一緒に願います。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生のお話を承りますれば承りますほど実に言語道断な話でありまして、どうも教育、教職というものの以前の私は問題を多分に含んでおると思います。のみならず、先生のお話のように、進学という、一番教職にある者としましては子弟の進学ということが最高最大の職責でなければならない問題まで放てきいたして抗争いたしておるその姿は実に残念な次第でございまして、こういうふうな問題が本当に二度とあってはならない、抜本的に根絶しなきゃならないという感を深くいたします。 なおまた、これに対しまする教育長あるいはまた教育委員会の人選をも含めまして地教委がその本来の機能を発揮しなきゃならない、こういうふうに思うのでございますが、今後の違法行為に対しまする処分の問題にいたしましても、教職員の服務規律の確保、また違法行為に対する厳正な処置、任命権者であります都道府県の教育委員会あるいはまた教育長のこれに対しまする対処、こういうふうな問題全部を含めまして、われわれといたしましてはなお今後断固とした処置をとらなければならない、かように考えるのでございます。 なお、具体的な問題につきましては、先生のただいまの御報告と申しますかお話に対しまて、事務当局といたしましてもいろいろと今後調査もいたし、あるいはまたわれわれも本当の教育者としての立場に、本然の姿に徹しましてこれらの救済処置を考えてまいりたい。 一番私は気になりますのは、進学の子弟、子供の問題でありまして、さらにまたこれに対しまする父兄のいろいろなPTAの考え方もございましょう。担当の局におきまして今後の処置の問題につきましては具体的に進めさせる、かように考えております。
○仲川幸男君 ちょっと局長お尋ねしますが、主任制問題を中心としてちょっとお尋ねをしたいんですが、小阪中学、東大阪市、ついでに大阪府についての主任制の実施の問題について、ごく簡単で結構ですから、いまの現実の、現状の問題としてお答えくださいませんか。時間がございませんので、ちょっと急いでお答え願いたいと思うんです。
○政府委員(三角哲生君) 大阪府におきましては、先週末に主任制、まあ主任制は前から決めておったわけでございますが、これに基づいて主任手当の支給に関する事柄を決めたわけでございますが、大阪府下の市町でなお五つのところが未実施ということになっておる、これが現状でございます。
○仲川幸男君 私が聞いたのは、この小阪中学、東大阪はどうなっておりますかを聞いて、その派生的に大阪府のも聞いたのですから、ここがどうなっているかということです。
○政府委員(三角哲生君) 東大阪は未実施の一つでございます。
○仲川幸男君 そこで、この一連の事件の中で、これはいろいろなものを抜きにして私が素直に考えるのですが、主任制を実施をしておったら果たしてこのような事件がこのような最悪の事態で起きたであろうか、起こったとしても、私は教育の中間指導の自信と責任を持っておる先生たちが善処をして最小限度に食いとめたんではないだろうか、何ゆえ文部省は、そんなことはわかっておる、当然わかっておると思うのですが、指導をしないのか。主任制は管理強化と言われるけれども、私はそんなことではないと思うんですよ。主任制というのはもう大方でき上がっているんだから、とこにやはり責任と自信を持たすということだと思うんです。私も二十年余りPTAの中で先生と別な立場からお世話をさせていただいておりました。先生の仲間の一人一人のいろいろな感情を含めて承知をいたしておりますが、それほど抵抗をしておるのではないのです。私はやはり説明が足らないのではないかと思うのですが。また、先日小阪中学校下に、実はこの問題に足を入れましていろいろ町のお話も聞いてまいりました。そのお話の中にもこんな話がございましたので、これが本当に私は父兄の声だというふうに思います。あの先生たちの中に責任と良識を兼ねている先生が二、三人おられたらあんなことにはならなかったのではないだろうか。今後このようなことが起きないように私は一日も早く主任制をここへ——ここだけじゃございません、残っておるところへひとつ実施ができるように文部省は努力すべきだと思います。主任制とこの問題についてのお尋ねをいたしました。
○政府委員(三角哲生君) 現在主任制は沖繩県とそれから先ほど申し上げました大阪府の一部の市町を除いてすべての都道府県、市町村で実施されているところでございます。文部省といたしましては、これは調和のとれた学校運営が行われるためにふさわしい校務分掌の仕組みを整えるというこの主任制度の趣旨がございます。これを十分に踏まえまして私どもは主任制度未実施の教育委員会に対しまして早急に主任制度の実施がなされるよう今後とも指導してまいりたいと思っております。 御指摘のように、学校が一つの調和のある有機的な運営体として機能いたしますために、主任というこの仕組みが有効にその機能を発揮するということが大変好ましいことであるという前提で今後しっかり進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○仲川幸男君 努力をしてください。 文部省と地教委の問題についてその権限関係についてお尋ねいたしたいと思います。 私は、どうも文部省と都道府県の教育委員会、都道府県と市町村の教育委員会との問題がいまの法律やいろいろなルールではうまくいかないのではないか。これは私も適当な機関にお願いをしてひとつこの問題を御研究願いたいと思うのですが、早い話が、酒を飲んで交通違反を起こした先生を、処分権は県教委が持っているんでしょう。——後ろはうなずいているから、そういうふうに受け取っておきますが、それで持っておるところへまで上がってなかったということなんですよね、まず。まず上がってなかったということなんです。 これ大臣に御答弁いただく分でございますので。先般東京都がストをやった。どの学校でどれだけやったかすぐ把握してくださいと文部省へ言ったでしょう。何ぼたってもできなかったでしょう。最後のお話が、それはなかなか都教委がありましてできにくいのです、学校も報告をせぬのです、こういうお話。中央をとっても大体それに似た話でございます。ここに私が言う酒飲んだ話、いろいろいま申し上げたような話を今後円滑な文部行政をやっていこうとするなれば、この関所を崩しておかないと、私は本当の文部行政が行われない、そしてアンバランスが起こる、こう思うのですが、その点についてどうするかと言っても大変むずかしい問題でございましょうが、そのことを痛切に感じておるのが私は文部省だと思うんです。ある県は大変厳しいものになったり、ある県は申告もしないままに脱法行為がなされたり——それではならないと思いますので、ひとつそういう問題について今後文部省がどういうふうに取り組んでいかれるのか。また、きょうこの文教をあずかる委員会においても、本当に真摯な気持ちでいろいろな党派とかあらゆるものを超越してこの問題を一回洗い直さなければ、今度あたりでもこれが東大阪と大阪府の教育委員会の密着したものがあったら、このことは未然に防げたんじゃないか。もう一つ、それが文部省へつながっておったら、せめていろいろな脱法行為については報告ぐらいは十分できるようにしなかったら、やりっ放し式ではないんですか、いま。やりっ放し式というのは、私が東京都のことを調査をしてくださいと言ったそのことでも十分御承知がいただけると思うんです。ひとつ組織、法律、そういうものを含めて考えなければ私は今後の文部行政が空回りをするのではないか、文部省で空回りをしておるんではないか、こう思います。 りっぱな先生方も実はいっぱいおられるんですから、力強い信賞必罰を教育の一本の柱に立てないと、そしていまの生徒たちが、知育は別として、徳育というものは先生方の後ろ姿で私は体に吸収をしておると思うんですよ。第二の小阪中学の問題が起こりませんように、また学校でその後ろ姿を学んでおる生徒たちが、校内暴力が起こる原因がこの事件になしとしないと思います。 最後に大臣にこの決意をお伺いをして質問を終わりたいと思うんですが、いまはやはり父母の願いというのは、国を愛して、家を愛して、そして家族も愛して、友人も愛して、そしてここで謙虚で勇気のある賢い子供をつくりたい、これが親の願いの全部であります。特に最近、謙虚であってほしい謙虚であってほしい、こう言っておるわけです。謙虚というのは、やはり私は反省が起こってくるから謙虚であってほしいと言うのだと思うのです。一連の中で大きな傷でございますけれども、大きな教訓としなければならないと思います。 先ほどから申しましたように、地教委との連絡も不十分で、きょう私が御質問申し上げたものも私が大方現地でとってきたものでございます。私は、やはり文部省もこれだけの問題が起こってれば、大阪、東大阪と連絡をとって、現地へいまの状態では出ていけないというのが文部省の苦しみであろうと思うんですよ。これがすぐに対応ができるような機構をつくってもらわなければならないと思います。恐らく文部省も大阪から呼んで聞いたことであろうと思います。いま文部省が現地に乗り込んでやったらいろいろな批判が起こるのでしょう。教育のいまの状態はそんなことではない。こういうことがこう大きなそれこそ歴史にないとおっしゃったそういう中で起きたのですが、これよりもっと小さいわからない山が、これに類するものがたくさん起こっておるとするなれば、その後ろ姿を見ながら教育を受けておる子供たちが、校内暴力などは当然起こりますよ。ひとつ心して当たっていただきたいとお願いをいたしまして、大臣の答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(田中龍夫君) すでに先生よく御承知でございますが、戦後の日本の機構といたしまして、文部省はあくまでも文教の責任を持っております。同時にまたその指導をいたす責任がありますが、権限は一切持ってないということは御承知のとおりであります。権限は教育委員会でございます。その教育委員会に対しまして指導をするということになっております。同時にまた、それはさらに教育委員会は教育長、また地方の教育委員会に下がってまいります。でございますから、この制度はちょうど警察の関係の公安委員会の制度と全く同じでありまして、公安委員長というもののもとに公安委員会があり、その下に警察本部長というふうな執行機関がある。このいまのお話の問題にいたしましても、文部省といたしましては責任はとらなければなりませんけれども、その執行の権限を持っておらないというところに本質的な問題があることは御指摘のとおりであります。いまの教育委員会を通じ、あるいは教育長を通じまして現場の指導に当たっていかなければならぬ。さらに具体的な法制上の問題は政府委員からお答えいたします。
○仲川幸男君 もういいですよ。
○委員長(降矢敬義君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後一時三十二分散会 —————・—————