文教委員会 第2号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1981/02/24
会議録
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に下田京子君を指名いたします。
○委員長(降矢敬義君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 第九十三回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員より報告を聴取いたします。大島友治君。
○大島友治君 昨年の十二月十一日から十三日までの三日間、私どもは茨城及び栃木の両県に派遣されましたので、その調査の概要を御報告申し上げます。 派遣委員は、降矢敬義委員長、粕谷照美理事、本岡昭次委員、柏原ヤス委員、高木健太郎委員と私、大島友治の六名でございました。 第一日目は、茨城県の筑波研究学園都市を訪れました。筑波研究学園都市は新治郡桜村など六ヵ町村にまたがる約二千七百ヘクタールで、山手線の内側の広さとほぼ同じであります。予定された四十三の研究・教育機関はすべて移転し、その施設整備は昭和五十四年度末までにおおむね完了しております。また、都市計画道路、公園、公共施設、購買施設といった周辺環境の整備も着実に進んでおります。研究者の御努力と相まって、いよいよ研究学園都市としての成果が、期待される段階であると感じた次第であります。 ここでは、まず筑波大学を訪れ、新構想といわれる管理運営機構や教育研究組織などについて説明を受けた後、近代的な設備を誇る学内の諸施設を視察いたしました。また、五十五年四月より学生受け入れを始めた図書館情報大学では、情報化社会における本学の重要性とともに公開講座など大学開放に積極的に取り組んでいる現状について話を伺い、次いで視察した宇宙開発事業団筑波宇宙センターでは、人工衛星の追跡管制の仕組みや各種の実験・研究施設を案内されました。最後に、高エネルギー物理学研究所では、難解な素粒子の理論の一端を教示されるとともに、その研究ががんの診断や治療にも役立つことなど研究の重要性についても指摘を受けたのであります。 二日目には、栃木県に入り、まず益子町で、故濱田庄司氏蒐集の工芸品約二千点が展示されている益子参考館と、益子最大の窯元である塚本製陶に伺い、益子焼の工程を見学いたしました。次いで訪れた宇都宮大学では、雑草防除など特色ある研究に取り組んでいる現状を伺うとともに、研究費の増額など切実な要望を受けました。最後に県庁において、県勢や生涯教育の観点に立った教育施策の概況、さらには国に対する要望事項について詳しい説明を受けました。 三日目は、年々重い障害児を受け入れながらも、社会的自立を目標に教育に当たっている県立野沢養護学校を訪問した後、栃木県教育研修センターを視察いたしました。教員研修の計画や内容について説明を受けるとともに、障害児の教育相談等を行う特殊教育センターを案内されました。最後に、第三十五回栃木国体のメーン会場となった栃木県総合運動公園を経由して自治医科大学に向かいました。ここでは僻地医療という使命を持った医師養成のあり方や入学試験の方法等について説明を受けた後、最新鋭の医療設備を備えた附属病院を視察いたしました。 以上、調査の全日程を概略申し上げましたが、各視察個所の概要やそこで行われた説明と要望の詳細につきましては、本日の会議録の末尾に掲載予定の文書報告によって御承知願いたいと存じます。 ここでは、そのうちで、特に現地で強調された問題、要望、あるいは私どもにとって印象深かったことについて、簡単に御報告させていただきます。 第一は、筑波研究学園都市移転手当の存続についてであります。御存知のように、この手当は本年度末までに、その改廃について人事院勧告が行われることになっております。しかし、生活環境が未整備なこともあって、生計費は東京よりむしろ高いため、手当の存続が必要であると強調されたのであります。優秀な研究者を筑波に誘致するためにも、本手当の存続、または恒久的な「筑波手当」の新設について検討の必要があると思われます。 第二は、大学における教育研究経費の増額についてであります。大学における教育研究経費の伸びは、物価上昇等を考えると十分ではないとのことであります。特に、最近の光熱水料の値上げは著しく、教育研究費を圧迫しているのが実情であります。校費等の大幅な増額とともに、博士講座制、修士講座制、学科目制による単価格差の是非、積算方法のあり方など基本的な検討の必要性を痛感いたしました。 第三は、宇都宮大学の充実についてであります。栃木県には人文社会科学系の学部が皆無であるため、その設置について県民の要望は強く、しかも大学側も教育研究機能の充実の立場から増設で学内の意見が一致しております。地方における教育、学術及び文化の拠点として大学の果たすべき役割りの重要性を考えますと、今後一層、地方大学の整備充実に努力する必要があると思われます。 第四は、障害児教育の問題であります。養護学校の義務化が施行され、教育現場では卒業後の進路が大きな課題となっております。高等部の設置促進、職業訓練施設の拡充、新たな職業分野の開拓、雇用対策など関係省庁との連絡を図り、障害者の社会的自立を目標とした施策の確立が望まれます。また、義務化後、養護学校で重症児の受け入れが多くなったことに伴い、学級編制の一層の改善や医療保障の問題にも目を向ける必要性を痛感いたしました。 第五に、栃木県からは、高校の用地費に対する補助制度の創設など公立文教施設の整備拡充について強い要望を受けました。 なお最後に、自治医科大学からは、施設整備費を除いた教育研究等経常費について伺いました。すなわち、学生一人当たりの額にいたしますと、都道府県の分担した経費が年間六百十四万円、国の助成金が百八十五万円で合計年間七百九十九万円、六年間で約四千八百万円であります。医師の養成には多額の経費が必要であることを改めて認識させられました。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) 以上で報告の聴取は終わりました。 なお、別途詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(降矢敬義君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 まず、田中文部大臣から文教行政の基本施策について所信を聴取いたします。田中文部大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) 第九十四回の国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たりまして、所信の一端を申し述べます。 私は、教育、学術、文化の振興を図ることは、国政の基本であると考えております。特に、わが国が将来にわたりまして発展を続け、活力に富んだ国家社会を築いてまいりますためには、学校・家庭・社会を通じ、また、国民の生涯の各時期における課題に即して教育の機能を充実し、創造力に富み、心の温かさと社会的な連帯意識を有し、国際的に開かれましたたくましい国民の育成を期していかなければなりません。また、わが国のみならず世界の発展に貢献し得る独創的、先駆的な学術研究を一層振興し、同時に、すぐれた伝統文化の継承発展と新しい文化の創造に努めていくことも重要な課題でございます。 私は、このような認識に立ちまして、教育、学術、文化の振興に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。 以下、当面いたします文教行政の諸問題について申し述べます。 第一は、初等中等教育の改善充実についてであります。 初等中等教育は国民能力の基盤を培う重要な課題であります。 ゆとりのある、しかも充実した学校生活を実現いたしまするために、小学校に引き続き、本年四月からは、中学校において新しい学習指導要領によります教育を実施することとしており、高等学校についても、現在、新学習指導要領に移行する措置を講じております。教育内容の改善とあわせまして、一人一人の児童生徒の能力と適性に応じましたきめの細かな教育を行うことができるよう、昭和五十五年度から小・中学校における四十人学級の実現を初めといたします学級編制と教職員定数の改善計画を発足させたところであります。今後とも、これらの円滑な実施のため努力してまいる所存でございます。また、教育の成果は個々の教員の指導力に負うところがきわめて大きいものがございますので、優秀な教員を確保するとともに、その資質能力の向上を図りまするための現職教育の充実に意を用いてまいります。 本年が障害者の「完全参加と平等」をテーマとする国際障害者年に当たりますることにもかんがみまして、特殊教育の一層の振興に努めてまいります。また、人間形成のための基礎を培う幼稚園教育の普及充実を図ってまいる所存でございます。 さらにまた、児童生徒の健康の増進と体力の向上を図りまするために、学校における体力づくりを含め、体育指導の充実を一層進めるとともに、学校保健、学校安全、学校給食の改善充実に努めてまいります。また、これらの健康増進の施策と相まって、日本学校安全会と日本学校給食会を統合いたしまして、新たに日本学校健康会を設立することといたしております。 公立の小・中・高等学校の施設の整備につきましては、教育環境の改善充実を図りまするため、危険建物の改築基準の緩和措置、児童生徒急増市町村における学校用地費に対する補助及び高等学校新増設に対する補助をそれぞれ継続するとともに、必要な補助事業量を確保し、補助基準面積、単価の改善を行うなど、学校施設の整備を促進するための施策を講ずることといたしております。 また、義務教育教科書の無償給与制度については、引き続き存続させることといたしております。 最近、児童生徒の校内暴力等が増加をいたし、社会的な問題となっておりますことは、まことに憂慮にたえません。校内暴力等を防止するためには、まず第一に、教育関係者が学校教育の現状について謙虚に反省し、この問題に積極的に取り組むことが肝要でございます。先般教育課程の基準を改善し、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童生徒の育成を図るとともに、学校における生徒指導の充実等に努めているところでございますが、今後ともに、これらの施策の充実を図る所存でございます。さらに、この問題の解決のためには、学校はもとよりのこと、家庭及び地域社会が一体となって、児童生徒に対する真の愛情を基盤として、次代を担う青少年の健全な育成に当たらなければならないと考えております。 第二は、高等教育の整備充実についてでございます。 経済社会の高度化が進む新しい時代の進展に適確に対処していくためには、国民の知的能力を最大限に啓発することが不可欠の課題でございます。そのために、高等教育につきましては、その質的水準の向上と地域的不均衡の是正に重点を置いて必要な諸施策を進めてまいりましたが、昭和五十六年度においては、鳴門教育大学及び鹿屋体育大学を創設するほか、地方における国立大学の整備を図りまするとともに、公私立大学に対する助成を充実し、全国的に均衡のとれた高等教育の発展を期してまいる所存でございます。 かねてから創設準備を進めておりました放送大学につきましては、昭和五十六年度にその設置主体となる放送大学学園を設立して具体的な準備を進め、多年の課題でありました放送大学の創設を推進したいと考えております。 大学入試の改善につきましては、学歴偏重の社会的風潮の是正や国公私立の各大学の整備充実等の施策とも相まって、より一層の努力を払い、改善の実を上げてまいりたいと存じております。特に、共通第一次学力試験を取り入れた新しい入学者選抜方法については、これまでの実施の経験をもとにして、さらに適正な運営を期してまいる所存でございます。 また、育英奨学事業につきましては、引き続き充実を図ることといたしております。 第三は、私学の振興についてでございます。 私立学校は、建学の精神に基づきまして特色のある教育を行い、わが国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をいたしてまいりました。このような私立学校の役割りの重要性にかんがみまして、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、私立大学等に対する経常費補助及び高等学校から幼稚園までの私立学校に対する経常費助成費補助を中心に一層の拡充を図り、私立学校の教育条件の維持向上等を図ってまいりたいと考えております。 また、専修学校につきましても、その特色を生かしました適切な振興方策について配慮してまいりたいと存じております。 第四は、学術研究の振興についてでございます。 国民の英知と創造力を結集し、学術研究を積極的に振興することは、わが国の発展の基盤となりまするとともに、世界の進展を支える上におきましてもきわめて重要でございます。 このために、私は、従来大学、研究所が学術研究推進の中心として果たしてきた役割りを高く評価し、その研究基盤の一層の強化を図ってまいりたいと考えております。昭和五十六年度におきましては、宇宙科学研究所及び国立歴史民俗博物館の創設等学術研究体制の整備充実と各分野にわたります重要な基礎研究の推進に資する科学研究費の拡充を図りまするとともに、特に、今日急務となっております核融合など各種エネルギーの研究開発を初め、がんその他の難病対策など社会、経済、国民生活に深いかかわりを持つ課題の解決を目指す学術研究及び加速器科学など未知の領域を探究する学術研究の推進に格段の努力を払ってまいる考えであります。 第五は、社会教育及び体育・スポーツの振興についてであります。 近年、自由時間の増大等社会的、経済的条件が大きく変化する中で、国民の間には、新しい知識や技術の吸収あるいは教養や趣味のための学習、心身の健康や娯楽のためのスポーツ、芸術の鑑賞や創作活動にみずから参加し、生涯にわたっての学習を続けたいという欲求が増大しつつあります。これらの欲求に適切に対応して、必要な諸条件を整備してまいることは、文教行政の重要な課題でございます。 このために、社会教育につきましては、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設の整備充実、地域における学習活動の促進、指導者の養成確保等の諸施策を推進し、生涯教育の理念に即した学習環境の整備に一層の努力を重ねる所存でございます。 また、社会状況の変化によりまするいろいろな影響を受けております青少年の健全育成を図りまするためには、学校における教育指導の充実とあわせて、家庭や青少年に関連をいたしました社会教育活動の一層の展開を図りたいと存じております。 体育・スポーツにつきましては、各種の体育・スポーツ施設の整備拡充、指導者の養成確保を図りまするほかに、学校体育施設の開放、地域スポーツクラブの育成等の事業を進めるとともに、特に、たくましく心豊かな青少年の育成を目指しまして、家庭・学校・地域社会が一体となった基礎体力づくりの推進を図ってまいります。 また、各種の国際競技大会における日本選手の活躍を期待する国民の声にこたえ、国際競技力の向上のための施策を推進してまいる考えであります。 昭和六十三年の第二十四回オリンピック競技大会を名古屋市に、また東海地域に招請することにつきましては、できる限りその実現に協力してまいりたいと考えております。 第六は、文化の振興についてでございます。 わが国は、古来から美しい風土と自然に親しみつつ、世界に誇る特色のある文化を形成してまいりました。このよき伝統文化を継承しつつ、新しい文化の創造をしてまいりますことが、現代に生きるわれわれの使命であります。このために、国民がすぐれた文化に接し、みずから積極的に文化活動に参加し、また、わが国独自の新しい文化を創造していくような文化環境の醸成に意を用いてまいります。 昭和五十六年度におきましては、第二国立劇場、国立能楽堂、国立文楽劇場等の文化施設の整備、地域社会における芸術文化活動の振興を図るとともに、貴重な国民的財産であります文化財の保存整備を推進する等の施策を講ずることといたしております。 最後に、教育、学術、文化の国際交流の推進についてであります。 教育、学術、文化の国際交流は、わが国の教育、学術、文化の発展に資するとともに、諸外国との相互理解をもたらすものでありまして、真の友好親善関係を築いていく上できわめて重要な意義を有するものであります。このような観点から、特に、発展途上国の人づくりへの協力のための留学生の受け入れ、ユネスコを通じての教育科学文化協力、諸外国との学術交流等の施策の拡充を図るとともに一海外子女教育の振興と帰国子女受け入れ体制の整備に格段の努力を払う考えでございます。 以上、文教行政の当面いたしまする諸問題につきまして所信の一端を申し述べました。文教委員各位の一層の御指導と御協力をひとえにお願い申し上げる次第であります。
○委員長(降矢敬義君) 引き続き、昭和五十六年度文部省関係予算について説明を聴取いたします。石橋文部政務次官。
○政府委員(石橋一弥君) 昭和五十六年度の文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、文部省所管の一般会計予算額は、四兆四千六百八十六億七千七百万円、国立学校特別会計の予算額は、一兆三千九百二十九億九千三百万円でありまして、その純計額は四兆八千五百三十九億六千万円となっております。 この純計額を昭和五十五年度の当初予算額と比較いたしますと、二千四百九十九億三千七百万円の増額となり、その増加率は五・四%となっております。また文部省所管の一般会計予算額の増加率は四・七%となっております。 以下、昭和五十六年度予算において取り上げました主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善につきましては、昭和五十五年度から、小・中学校における学級編制を四十五人から四十人に引き下げるとともに、複式学級、特殊学級等の改善及び教諭、養護教諭、学校栄養職員、事務職員等の配置率の改善を図ることを内容とする第五次改善計画を発足させたところでありますが、昭和五十六年度におきましては、この改善計画の第二年次分として、いわゆる自然増と合わせて一万一千八百八十二人の増員に係る経費を計上いたしております。 教員研修の充実につきましては、教員の自発的な教育研究活動の活発化を図るため教員のグループ研究に対する補助を拡充したほか、新規採用教員等研修、免許外教科担当教員研修、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等、各種研修を引き続き実施することといたしております。 また、児童生徒の非行を防止し、その健全な育成を図るため、小・中・高等学校を通じて生徒指導の充実強化を図ってまいることといたしております。 義務教育教科書の無償給与につきましては、引き続きこれを推進することとし、単価の改定など所要の経費を計上いたしております。 幼児教育の普及充実につきましては、特に私立幼稚園園児の保護者の経済的な負担の軽減を図るため、幼稚園就園奨励費補助について、保育料等の減免限度額を引き上げることとしたほか、引き続き幼稚園の施設整備の促進を図ることといたしております。 特殊教育の振興につきましては、本年が国際障害者年に当たることから各種の記念事業を実施するとともに、特殊教育の一層の充実を図るため、重度・重複障害児のための介助職員の増員等の措置を講ずることとしたほか、心身障害児の適正就学の推進等を行うことといたしております。 次に、小学校における新教育課程は、昭和五十十五年度からすでに実施され、中学校においては、昭和五十六年度から実施されることとなっておりますが、この新教育課程の実施状況について、昭和五十六年度を初年度として四ヵ年にわたり総合的に調査研究を行い、将来の教育課程や学習指導方法の改善に資することといたしております。 学校給食につきましては、魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設設備の整備充実を図ることといたしております。 また、児童生徒等の健康の保持増進に資することとするため、日本学校安全会と日本学校給食会とを統合して日本学校健康会を設立するとともに、児童生徒の健康状況に関する調査研究を行うことといたしております。 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について、必要な事業量の確保と補助単価の引き上げを図るとともに、危険建物改築補助基準の千点緩和措置の継続、高校新増設補助の継続、高校校舎基準面積の改定、児童生徒急増市町村の小中学校用地費補助の継続及び交付率の引き上げ等、公立学校施設の整備の促進を図ることとし、これらに要する経費として、五千八億円を計上いたしております。 以上のほか、要保護及び準要保護児童生徒援助の充実、同和教育の振興、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の充実、英語教育の振興等、各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第二は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、多年にわたり準備を進めてまいりました放送大学につきましては、昭和五十六年度にその設置主体となる放送大学学園を設立し、広く国公私立大学との連携協力のもとに、放送を効果的に活用した大学教育の実施を推進することといたしております。 次に、国立大学の整備充実につきましては、現職教員の大学院における研究、研さんの機会の確保と初等教育教員の養成を図るため、鳴門教育大学を徳島県鳴門市に、また、今後振興が期待される体育・スポーツ・レクリエーション等の分野の指導者の養成を主眼として、鹿屋体育大学を鹿児島県鹿屋市に創設するほか、資質の高い医療技術者の養成を図るため、神戸大学に医療技術短期大学部を創設することといたしております。 また、香川大学に法学部を設置し、千葉大学の人文学部を改組するほか、地方における国立大学を中心に学部、学科等の整備充実を図ることとし、大学学部及び短期大学の学生入学定員を千百三十人増員することといたしております。 大学院の拡充整備につきましては、滋賀医科大学に新たに大学院を設置するほか、研究科、専攻の新設等により、四百三十三人の入学定員増を行うことといたしております。 また、附属病院の整備充実につきましては、新たに高知、佐賀、大分の三医科大学に附属病院を創設するほか、既設の附属病院についても救急部の新設等その充実を図ることといたしております。 なお、国立大学の入学料、検定料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、昭和五十六年度にこれを改定することといたしております。 次に、公立大学の助成につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助等について、引き続き充実に努めることといたしております。 さらに、育英奨学事業につきましては、日本育英会の学資貸与について、大学院及び専修学校の貸与人員を増員することとし、これに必要な経費を含め政府貸付金を八百七十三億円計上し、返還金等と合わせて千三十五億円の学資貸与事業を行うことといたしております。 第三は、学術の振興に関する経費であります。 まず、研究体制の整備充実につきましては、東京大学宇宙航空研究所を発展的に解消し、新たに国立大学共同利用機関として宇宙科学研究所を創設するほか、分子科学研究所と生物科学総合研究機構を統合し、岡崎国立共同研究機構を創設することといたしております。また、これまで準備を進めてまいりました国立歴史民俗博物館につきましては、国立大学共同利用機関として創設することといたしております。 次に、重要基礎研究の推進につきましては、最近におけるエネルギー問題の緊急性、重要性にかんがみ、核融合などエネルギー関連科学の研究の推進を図るほか、人類未知の世界にいどむ加速器科学、宇宙科学あるいは生命科学などの研究を計画的に推進するとともに、地震・火山噴火予知研究についても、一層の充実を図ることとし、これらに要する経費として、四百八十八億円を計上いたしております。 また、学術研究の基盤を強化するため、研究設備その他研究条件の整備に努めるとともに、独創的、先駆的な研究を培うための科学研究費についても拡充を図り三百五十八億円を計上いたしております。 第四は、私学助成の拡充に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、補助単価の引き上げ等によりその充実を図り、昭和五十五年度に対して二百三十億円増の二千八百三十五億円を計上いたしております。 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、補助単価の引き上げ等によりその充実を図ることとし、昭和五十五年度に対して八十五億円増の七百八十五億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二十億円を計上するとともに、財政投融資資金からの借入金五百十二億円を計上し、自己調達資金と合わせて八百五億円の貸付額を予定いたしております。 また、専修学校につきましては、さきに述べましたように専修学校生徒に対する日本育英会奨学金の貸与人員増を行うとともに、教員の研修事業等に対する補助を充実することとし、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。 私立学校教職共済組合に対する補助につきましては、長期給付の改善を図るため、補助の拡充を行うことといたしております。 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。 まず、地域における社会教育活動展開の拠点となる公立社会教育施設の整備につきましては、補助単価を改善するとともに、図書館、博物館について補助対象館数を増加することとし、これらの施策に要する経費として百七十億円を計上いたしております。 また、社会教育において重要な役割りを果たしている社会教育指導者の確保につきましては、派遣社会教育主事の給与費及び社会教育指導員の設置費の補助について、これを改善することとし、指導者層の充実に努めることといたしております。 さらに、社会教育活動の振興につきましては、新たに家庭教育学級の中において、あすの親を対象とした子育てや家庭生活に関する学習事業を実施することとしたほか、民間社会教育関係団体に対する補助を充実するなど社会教育の幅広い展開を図ることといたしております。 次に、計画的な設置を進めております国立少年自然の家につきましては、北海道日高町に第六番目の少年自然の家を設置することとしたほか、引き続き所要の経費を計上いたしております。 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。 国民の体力つくりとスポーツの普及振興につきましては、まず、体育の基礎的、実際的研究を総合的に行う国立総合体育研究研修センターの設置準備を行うほか、広く体育・スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について、その拡充を図ることとし、これらに要する経費として、二百三十億円を計上いたしております。 また、学校体育につきましては、格技等の指導者の資質向上、人材の確保などに努め、格技指導推進校に対する補助の拡充を図るほか、学校体育大会の補助についても引き続き所要の経費を計上いたしております。 さらに、体力つくり推進校や伝統的スポーツの普及推進など家庭、学校、地域における基礎体力つくり推進事業の充実を図り、たくましい青少年の育成と明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。 以上のほか、日本体育協会への補助を充実し、新たに海外スポーツ技術協力事業、アジア地区ジュニア交流事業を実施するとともに、国民体育大会の助成等各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。 まず、地域社会における文化の振興につきましては、こども芸術劇場において国際障害者年に協賛して盲学校に音楽の巡回公演を行うほか、青少年芸術劇場、移動芸術祭等各般の施策について、引き続き所要の経費を計上してその促進を図ることといたしております。 また、芸術文化創造の援助等につきましては、芸術関係団体の創造活動に対する補助を充実するとともに、芸術家研修、芸術祭についても引き続き所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財保護の充実につきましては、国民の貴重な文化遺産の保存、活用を図るため、国宝、重要文化財等の修理、管理、防災等の充実及び史跡、埋蔵文化財等の整備、公有化の促進を図ることとし、また、伝統芸能等の保存伝承の充実を図るほか、歴史民俗資料館等の施設の整備を進めることといたしております。 また、文化施設の整備につきましては、地域社会における文化振興の拠点となる文化会館の補助対象館数の増を図るとともに、国立文化施設について、引き続き国立能楽堂、国立文楽劇場の建設工事を進めるほか、第二国立劇場についても、用地購入に要する経費の一部を計上するなど、その設立準備を積極的に推進することといたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際協力の推進に関する経費であります。 まず、国費留学生の新規受け入れを大幅に増員し、受け入れ体制を整備するとともに、ユネスコを通じた教育協力等を積極的に推進することといたしております。 さらに、学術の国際協力を推進するため、日本学術振興会が行う研究者交流事業、発展途上国との学術交流事業を充実するとともに、日米科学技術協力事業、国際共同研究事業等の拡充を図ることといたしております。 次に、海外子女教育につきましては、日本人学校の増設、派遣教員の増員、教材の整備等を行うとともに、帰国子女受け入れ学級の増設等を行うことといたしております。なお、派遣教員経費のうち、従来外務省に計上されておりました経費につきましても、昭和五十六年度から文部省に計上するとともに、学術国際局に海外子女教育室を設置するなど海外子女教育事業の一層の充実を図ることといたしております。以上、昭和五十六年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(降矢敬義君) この際、お諮りいたします。 お手元に配付してあります昭和五十六年度文部省所管予算概要補足説明につきましては、説明を省略し、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 以上をもちまして文部大臣の所信及び昭和五十六年度文部省関係予算の説明の聴取を終わります。 なお、本件に対する質疑は次回に譲ることといたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十七分散会