物価等対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/05/06
会議録
○委員長(丸谷金保君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 当面の物価等対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁澄田智君の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(丸谷金保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(丸谷金保君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 五月一日付の東京都の区部の物価についての速報を見ますと、物価は前月比〇・三%、そして前年の同月比五・〇%というふうに非常に鎮静している傾向が、この数字の限りでは見られるわけでございます。そして私、考えまするに、このように物価が鎮静している原因として、一つは卸売物価の鎮静の波及があらわれてきたんじゃないか。それから二つ目は、電力・ガスの値上げ分が一年だったために消えたわけでありまして、それが二つ目の理由。それから三つ目としては、公共料金の値上げが昨年度に比べて小さい。それから四つ目として、公共料金以外のサービス価格が比較的落ちついているというふうなことが一応考えられるわけでございます。 ただ、今後、私鉄、あるいは国鉄、バス、塩というふうな公共料金がさらに値上げされるわけでありますし、また酒とか自動車等税金の引き上げ分が反映してくる。そしてまた今後、去年に比べて上回りました賃金のベースアップ、これがサービス価格にも影響を当然及ぼしてくるんじゃないかというようなことも考えられます。そしてまた消費が回復した場合にどの程度価格の上昇がなされるか。二月調査のいわゆる企業短観というのを見ますと、六月ごろには素材業種あるいは加工業種ともに製品価格が上昇するんではないかというふうにすでに判断されているわけでございます。 そういうわけですので、五月一日付の東京区部の速報を見る限りではかなり鎮静したというふうに言われるとは思いますけれども、今後そういった不安材料がかなりあるわけでございますので、ひとつそれらについてまず企画庁長官のお考えを伺っておきたいというふうに思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 物価の現状につきましては、いまお述べになったとおりでございます。 今後の見通してありますが、ことしの消費者物価目標五・五%という水準は十分達成できると考えております。最近の卸売物価の動向、石油価格の動き、それからさらに、ことしは公共料金が昨年度に比べまして物価を押し上げる要因としては非常に低い、こういうこと等もございまして、十分達成できると考えておりますが、今後ともいろんな角度から十分注意をいたしまして、五十五年度のようなことのないように、目標が達成できるように努力してまいりたいと考えております。
○山田譲君 もちろん、こういうふうに物価がある程度鎮静しているということについて、これは非常に喜ぶべき現象であるというふうに思いますけれども、ただ問題は、いま言ったように不安材料もかなりあるわけでありますし、物価というものはよっぽど注意していないとどうしても上がる傾向があるわけであります。したがって、いま長官言われたように、五・五%の公約は大丈夫だというふうに言われましたけれども、ひとつこの五・五%を公約どおりにぜひとも実行していただき、去年のように公約が大幅に崩れるというふうなことがないようにしていただきたいと思うわけです。 そこで、もう一遍長官に聞きたいんですが、やや物価が鎮静してきている、こういった状況、安定基調をずっと持続させる、こういうことが必要であると思いますけれども、それについてどのふうな対策を具体的に考えておられるかどうか、そこをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この物価の動きを基本的に考えてみますと、第二次石油危機による物価押し上げ要因が次第に吸収されつつある、ここに最大の原因があろうかと思います。したがって、国際的に見ますと、やはり石油価格が国際的に安定しておるということ、これはやはり一番大きな原因じゃなかろうかと、このようにいま考えております。幸いにただいまのところは需給関係も緩んでおりますので、昨年のようなことはまずないと考えておりますけれども、しかし国際会議等を通じまして、石油価格の上昇が世界経済全体に非常に悪い影響を与えるんだということについての認識をOPEC諸国に求めまして、世界的に安定化の傾向に進んでまいりますように、そういう努力が必要だと、こう思っております。 国内的には、何と申しましても、生産性の向上のための努力を引き続いて行っていくということだと思います。第二次石油危機をわが国が比較的軽微な被害で切り抜けることができましたのは、産業全体の生産性の向上がここ数年間非常に進みまして、海外からの値上げ要因をほとんど吸収することができた、こういうことでもありますが、しかしながら、なお引き続いてこの努力は怠ってはいけないと考えておりますので、この点に引き続いて努力が必要であろうと、こう思っております。
○山田譲君 それでは次に、五十六年度のいわゆる予算関連の公共料金が上がるわけでありますけれども、これが物価に及ぼす影響はどうであるかということでございます。 先日も私、御質問したところでは、政府としては大体〇・三%というふうなことを考えておりますと、こういう話でございました。しかし、これは本当に間違いないかどうか、もう一遍はっきりとお答えいただきたいわけであります。 どうしてそういうことを言うかと言いますと、昨年政府は、ちょうど昨年のいまごろでありますけれども、公共料金の値上げについては〇・八%ぐらいだというふうに言っておられたのですけれども、実際には、ふたをあけてみると、二・二%程度になっていたわけでございます。もちろん二・二%のうち、電気・ガスというふうな値上げ分が大体一・一%くらいありますから、それを差し引いても一%以上にはなったわけでございます。そういうわけで、公共料金の値上げというものは果たして五十六年度、政府の方が言っておられるように〇・三%程度で済むか済まないかということをもう一遍はっきりお答えいただきたいというふうに思うわけです。 それからまた、これは予算関連の公共料金じゃございませんけれども、たとえば私鉄あるいは酒とか物品に対する税金、こういうものが値上がりをしているわけでありますから、これらも当然物価に相当影響してくるんじゃないかというふうに考えられます。この辺について、これは長官でなくても結構でありますけれども、企画庁の方のお返事をいただきたいと思います。 それからもう一つ、これはぜひ長官にお伺いしたいのですけれども、私鉄運賃の値上げ、これはすでに私鉄の方から平均一九・六%というふうな申請がなされているというふうに聞いております。で、前回の値上げは五十四年の一月にあったわけですが、これは十三社の平均で一二・八%というふうなことになっておりますけれども、それに比べますとかなり高い率の私鉄の値上げ申請が出ておりますけれども、これに対して一体企画庁としてはどういうふうに対処なさろうとしているか、その辺はぜひ企画庁長官にお伺いしたいと思いますけれども、以上のことについてお返事を賜りたいと思います。
○政府委員(廣江運弘君) まず最初に、五十六年度の予算関連公共料金がどうなるかということでございますが、先生もお示しになりましたように、私どもといたしますと、五十六年度予算関連の公共料金の消費者物価指数への影響は〇・三%程度と考えております。 五十五年度は、政府は当初〇・八%と言っておったのが、二・二%程度になったではないかということに関連してでございますが、五十五年度は当初、予算関連の公共料金といたしますと、〇・八%と申し上げました。実績は予算関連の公共料金は〇・五%にとどまっておりまして、そのほか予算関連以外の公共料金がございまして、それは先生も御指摘になりましたように、電気・ガス料金が一・一%程度の寄与度でございますし、その他といたしまして〇・六%程度、合わせまして二・二%になったわけでございます。 そういう意味で比較いたしますと、本年の場合〇・三%が、昨年の場合は〇・八%と言い、そしてその〇・八%が〇・五%になったわけでございまして、本年の場合、五十六年度の場合、予算関連の公共料金は〇・三%程度でおさまるものと考えております。 次に、私鉄とか酒、そのほか物品税の値上がりがあるではないか、それがどういうふうに響くのかというお尋ねがございました。これに関連いたしましては、まず酒税、それから物品税等につきましては、これは公共料金ではございませんが、政府は大体〇・二%程度の影響があるものと考えております。これは年度を通じての影響でございまして、そのうち大方のものが五月から施行ということになりますけれども、そういうふうに考えております。 次に、私鉄でございますが、これは公共料金ではございますが、予算関連の公共料金ではございませんが、五月六日実施、本日実施ということで、大手民鉄十四社の運賃改定によります消費者物価指数への影響は〇・〇六%程度と考えております。これに関連いたしまして、当初申請は一九・六でございましたですが、内容につきまして厳正に調整をいたしまして、一五・九と三・七%ダウンをした形で認可されております。 この調整の過程におきましては、いろいろの要因を厳正に見るということ、すなわち経営につきまして徹底した合理化を求めるという前提に立って調整がされていることはもちろんでございますが、具体的に申しましても、増収努力をさらに見るとか、あるいは経費の節減努力をさらに見る、あるいは生産性の向上努力をさらに見るということを各社則それぞれの態様に応じまして見ておりまして、こういう姿に調整をされているということを御了解いただきたいと思います。
○山田譲君 いまの一五・九%というのは平均ですか。何社の平均ですか。 それからもう一つついでにお伺いしたいのは、一番高いところで、会社の名前を言っていただきたいんですが、何%で、低いところで何%かということをお願いしたいと思います。
○政府委員(廣江運弘君) 申し上げましたのは、大手民鉄十四社の平均で一五・九%でございまして、一番高いところは京成電鉄でございまして二〇・六%でございます。一番低いところは東急でございまして一〇・三%でございます。
○山田譲君 これだけ上げて、あれですか、物価に及ぼす影響が、先ほどちょっと聞き漏らして恐縮ですけれども、何%ということになるわけですか。
○政府委員(廣江運弘君) 全国消費者物価指数への影響は〇・〇六%程度と試算されます。
○山田譲君 昨年度の物価が異常に上昇したわけでございますけれども、その原因について私どもは何回もいろいろな場所でお尋ねしております。それに対する企画庁長官のお返事は、大体において、石油の値上がり、それから異常な冷夏というふうなことがその最大の元凶であるというふうなことを言っておられました。しかし実際に石油の値段を調べてみますと、必ずしも去年そんなに値上がりしているわけじゃない、数字を見ますと、昨年の四月が五万六百六十六円、これは一キロリットルでございますが、ことしの二月になって四万七千六百二十五円とむしろ下がっているわけです。 冷夏についても、長官言われるほど、それほど高く寄与度があるとは思われません。しかしそれはともかくとして、いずれにしても、お天気というようなものはこれはもうわれわれの思うとおりにならないのは常識でございます。ですから毎年、ことしは長雨があったとか、あるいは冷夏だったとか、あるいは干ばつがあったというふうなことで、お天気のせいにして物価の値上がりを説明される、こういうようなことでは困るわけでございます。もちろんお天気というのは、そんなこちらの思うどおりの天気になるわけはない。ですから、絶えず天気というものはいろいろ変わりやすいわけでありますから、そのたびに異常気候のせいにされては困るんじゃないかというふうに思うわけです。当然天気は変わるわけですから、そういった変わりやすい天気に対応するような価格の安定対策というものを常に準備しておかなければ、特に農産物につきましてですけれども、いけないんじゃないかというふうに思います。そういうことで、ことしは、あと一年たった後でまたお天気のせいにするようなことのないように、事前にそういうものに対する対策、予算面でも特にそうですが、対策として考えておくべきではないかと思うんですけれども、この点いかがでしょうか、伺いたいと思います。
○政府委員(廣江運弘君) お答えをいたします。 昨年の物価につきまして、いま先生おっしゃいましたですが、私どもはやはり一番大きな理由は石油であったと思います。少しお答えの前に石油について御説明させていただきますと、石油の場合、輸入いたしましてそれが国内の物価に反映してくる前には、タイムラグを考えないとまいりません。そういう意味でタイムラグを考えて、どの程度のタイムラグを考えるかということもございますが、なるほどおっしゃいましたように、円ベースで見ますと、昨年の四月は非常に高い数値を示しておりまして、その後多少下がっておりますけれども、タイムラグを考えた場合、仮に五十五暦年がどのくらいその前の暦年に対して上がったかということを見てみますと、これは八〇%近く上がっているわけでございまして、そうした想像を超える大きな値上がりといったものが消費者物価にわけてもじわじわと大きな影響を及ぼしたという点を考えなければいけないと思います。 次に、野菜を中心といたします季節商品が、やはり五十五年度の消費者物価を引き上げる要因として寄与したと私どもは思っておりますが、これは何分にも何年ぶり、何十年ぶりといった大きな異常気象が影響いたしたわけでございまして、数字で見ましても、その前の年の五十四年度が〇・七一%の寄与度であったのをさらに、わずかではございますが、上回るといったような上がり方になっております。五十三年が〇・一五%ぐらいの寄与度であったところへ五十四年度は〇・七一と大きく上がったわけでございまして、われわれはこれほどの上昇を考え得られなかったというところに原因があろうかと思います。 そういう事情がいろいろ作用いたしまして五十五年度の消費者物価を押し上げたわけでございますが、五十六年に関してはどうかということでございます。いまお尋ねは、野菜等を中心といたします季節商品についてのお尋ねでございましたですが、季節商品の価格安定を図ることの重要性は、五十四年度、五十五年度の価格の情勢等に徴しましても明らかなところでございまして、私どもといたしますと、これにつきましては、農林水産省とも緊密な連絡をとりまして、経済企画庁に計上いたしております国民生活安定対策等経済政策推進費を中心といたしまして、一般会計の機動的な活用によりましてこういう季節商品の価格安定に十分努めてまいりたいと思っております。 そうして、これは本年三月十七日の経済対策の中にも述べておりますが、特に野菜につきましては、十分な作付を指導するなど、供給の確保に努めるとともに、今後とも需給の動向を注視しながら、必要に応じて所要の措置を講ずる所存でございます。その間、関係省庁と密接な連絡をとり、予算等も機動的、効率的に活用いたしまして、価格安定に十分に対処してまいりたいと思っております。
○山田譲君 企画庁が出されました物価対策関係経費というものがありますけれども、その中で低生産性部門の生産性向上というふうなことで一兆九千億ほど計上しておられる。それからまた流通対策として五百三十三億ほど、これは昨年より五億ほど減っておるわけで、この説明もちょっと伺いたいと思うんですけれども、これだけの膨大な金を物価対策経費として、その中でも低生産性部門、主として農業関係が多いと思いますけれども、あるいは流通対策として計上しておられるわけであります。この経費は去年と大体同じ、流通対策につきましては五億ばかり減っておりますけれども、その説明は伺いたいわけですが、そこで昨年度の大体ごとしと同じような規模の予算について、一体それが本当に効果があったかどうかというふうなことについて、これは農水省の方もいらっしゃると思いますから伺いたいと思うんです。 もう一つ細かいことですけれども、いわゆる出荷奨励金というものが出されたと思います、ことしになってから。それはどの程度お金にして、あるいは野菜にして出されたものであるか、その内容を少し伺いたいというふうに思います。 それからもう一つ、台湾からキャベツを輸入したということが言われておりますけれども、その量は幾らくらい輸入されていたか。そしてまた、それを輸入するのは当然商社を通じてだったと思いますけれども、その商社に対して一種の補助金的なものを出されたのか出されていないかというふうなこと。補助金が出たとすれば、一体金額にして幾らくらいか。そしてまたそれはどの予算から出されているかということ。ちょっと細かいことになりますけれども、あわせてお伺いしたいと思います。担当の方にお願いします。
○政府委員(廣江運弘君) 政府が物価対策関係経費として計上いたしておりますものは、五十五年度が約四兆三千億でございますし、五十六年度は合わせまして約四兆五千億でございまして、伸び率にいたしまして三・七%総体では伸びておるわけでございます。この内訳は、先生の御指摘の低生産性部門の生産性向上に要する経費、あるいは流通対策に要する経費、さらに、項目だけ述べさしていただきますと、労働力の流動化促進経費、競争条件の整備に要する経費、生活必需物資等の安定的供給に要する経費、住宅及び地価の安定に要する経費、その他でございます。 流通対策の経費が落ちているではないかということでございますが、これは内容を精査して見ますと実態的には落ちていないわけでございます。 その効果、こうした物価対策経費の効果はどうかというお尋ねがございましたので、これについてお答えいたしますと、物価問題は、総体としての国の経済全般の運営にかかわる問題でありますと同時に、広く生産、流通、消費の各段階におきます経済活動、それから産業構造、市場構造と深いかかわりを持っております。そのため、物価の安定を推進していくためにはこうした各種の諸施策を総合的に積み重ねていくことが必要であるわけでございます。こうした経費が具体的に、たとえば定量的にどのくらいの効果があったかということになりますと、期間を見ましても、長い目で見ないといけませんし、またそれが数字にあらわれにくい面もあるわけではございますが、こうしたもの、わけても生産性の向上努力、あるいは流通対策といったようなものが効果をあらわして、世界的に見ましても、日本の経済パフォーマンスの優良さということに役立っておるというふうに考えなければいけないと思います。わけても生産性の向上といったようなものは、今後の物価を考える上でも、過去の物価をまた省みる上でも、一番重要な要素であったと思います。こうしたものを大いに促進するといいますか、役立たせるような経費、そうしたものを中心として役立たせる経費がこうした物価対策関係経費だと私どもは考えております。
○政府委員(戸田博愛君) お尋ねの三点についてお答え申し上げます。 第一点でございますが、野菜対策の基本は、何と申しましても、安定的な生産を確保して、それを適期に消費地に運ぶことであるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、農林水産省といたしましては、現在百三十七の都市を指定消費地域というふうに指定しております。その上、約千百余りの指定産地を配置をいたしまして、そこで計画的に生産したものを安定的に供給していく、そういう対策が基本でございます。同時に、野菜は価格が下がりますと翌年の作付が減少いたしますので、農家の生産意欲を維持強化するために、下がりましたときに価格補てん事業を行っております。これは国と県と生産者団体が金を出しまして価格の補てんを行っております。その金がここにあります流通経費の中の大半でございます。 さらに、先生先ほどから、天候のせいにというふうなお話がございますが、不幸にして、特に冬場の露地野菜というのはどうしても天候の影響を免れないわけでございまして、そういうことで、あらかじめタマネギとかバレイショというようなものを野菜価格安定基金が買い入れ、保管しておきまして、価格が高騰したときに販売する、あるいは契約したキャベツを高騰時に持ってくる、そういうような対策を行っております。それらがここにございます、この対策の経費の中に書いてございます約百数十億の生産流通対策、野菜対策でございます。 なお、今年度の出荷奨励金を出したであろうということでございますが、五十五年度におきましては二回、異常気象に見舞われて不幸にも価格が高騰したわけでございます。一つは夏の冷夏、二つは冬場の低温と異常乾燥の影響でございます。そのときに、いずれも中心は、並み級野菜と呼んでおりますが、通常では市場に出回れないような野菜、たとえば曲がったキュウリ等でございますが、そういうものを市場に出荷してもらうための出荷奨励金、これが中心でございまして、その他にも若干違う趣旨で使っておる出荷奨励金もございますが、夏場に約五千六百万、冬場に一億七千六百万程度の出荷奨励金を交付いたしました。これはいずれも、先ほどからお話がございます経済企画庁に計上してございます三十億の資金の中から使ったわけでございます。 これらの対策が効果があったかということでございますが、われわれといたしましては、価格を下げる力があったかどうかについては必ずしも自信はございませんが、少なくとも高騰を食いとめる力はあったんではないかというふうに判断をいたしております。 それからキャベツの輸入でございますが、本年の一月から三月までの間に台湾及び韓国から約八千トンのキャベツが輸入されました。私たち異常気象下、一月の中・下旬に韓国と台湾に調査に参りました。その結果によりますと、二月の上・中旬まではかなり商社の手当ても行われておって順調な輸入が期待できたわけでございますが、二月下旬以降になると、現地の価格も上がってまいりまして、なかなかリスクがあって商社が輸入しないだろうという判断を下しましたので、二月二十日から三月十日までの間、緊急輸入促進措置ということで、欠損が出た場合に一定の補てんを行うということで措置を講じたわけでございます。これによって輸入されたキャベツの量は八百五十トンで、輸入促進協力金は約一千万円の支出でございます。 以上でございます。
○山田譲君 いまの最後のところをもう一遍お伺いしたいんですけれども、これは商社に対して損をした場合には金を補てんしてやると、こういうことですか。
○政府委員(戸田博愛君) そうでございます。輸入してそれを市場で販売して欠損が出た場合には、一定の割合で商社に対して補てんすると、こういう措置でございます。
○山田譲君 それはどの金から出すわけですか。
○政府委員(戸田博愛君) 経済企画庁に計上されております国民生活安定対策等経済政策推進費でございますか、ちょっと正確な名は覚えておりませんけれども、いわゆる三十億の金でございます。
○山田譲君 次に、特に酒と自動車の問題でありますけれども、非常に便乗値上げが行われているんではないかということが言われております。これについてどう考えるかお伺いしたいわけです。たとえば酒について言いますと、これは端数整理というふうな名目で、たとえばウィスキーの特級について言いますと、今度の税制でやりますと一銭の端数整理が出る、この一銭を十円上げている。つまり増税額が二百五十九円九十九銭だそうですけれども、こいつを一銭上げりゃ二百六十円になる。それでいいわけですけれども、それにもかかわらず端数整理という名のもとに二百七十円にしている。一銭の端数整理に対して十円も上げているという問題があります。あるいは清酒の特級につきましても、一円四十四銭というやつを十一円上げてしまっている。つまり百八十円でいいものを百九十円にしているというふうなことが、すでに新聞なんかでも報道されているし、事実このとおりだと思います。 これは明らかにどう考えても便乗値上げと言わざるを得ません。端数整理ならば端数整理でもって引き上げるのはやむを得ないにしても、こんなに必要以上に上げることはないんじゃないか。しかもそれだけの利益で、この便乗分だけで約三十億円になるんじゃないかというふうなことも言われております。 そしてまた、自動車につきましても、小売価格に対する物品税の影響というのは、大体一・八%ぐらいと言われているわけでありますけれども、実際の価格を見ますと平均で二・一%も上げている。特に評判のいいような自動車につきましては、二・二%以上も上げているというふうなことが言われておりますけれども、こういった税金が上がった、これだけの問題でありますけれども、それに対して、それをいいことにして、端数整理というふうな名前でもって極端な値上げをしてしまう。これはどう考えてもおかしな話だと思いますけれども、こういうことについて経済企画庁としてどうお考えになられるかお伺いしたいと思います。
○政府委員(廣江運弘君) お答えの前に、先ほど流通経費が落ちている理由をはっきりと言われたわけでございまして、私はそのとき実態的には落ちてないと申し上げたわけでございますが、流通経費の中に基金と称するものがございます。魚価安定基金であるとか果実生産出荷安定基金といったものがございますが、これは繰り入れの額が実態的には前の剰余金等の関係で多少減った面がありまして、トータルの面でそういう数字になっておりますが、実態の事業規模では落ちてない、先ほどお答えしたような次第でございますので、少し補足さしていただきます。 次に、税金が上がった際に便乗値上げがあるではないかということでございます。酒税の増税でございますが、酒税の増税に際しまして、それに伴う流通経費の増といったようなものが考えられるわけでございます。たとえば取引金額が大きくなる、あるいはそのことに伴う金利負担の増加、貸し倒れ金の増加といったようなもの、あるいは破びんによる損失の増加といったようなものも考えられるわけでございます。 さらに、端数でございますが、経済取引の過程におきまして、最近の経済取引といたしまして、ある程度の端数処理といったようなものは避けられないところもあろうかと思っております。現在の取引あるいは特に機械類を用いて販売するような場合等も考え合わせますとそういう点もあろうかと思います。 いずれにいたしましても、私どもといたしますと、酒税の値上げに際しまして便乗値上げが行われるといったことは最も警戒をしなければいけないところでございまして、関係省庁を通じまして、関係の業界等に対しまして、そういうことの万行われないよう十分に注意をせよというようなお願いをしておるわけでございます。今回の場合は従量税が引き上げられたわけでございますが、従価の分についてそういったことがあってはいけないとかいうことを考えているわけでございまして、十分にその辺は注意していただくようにお願いをいたしておるわけでございます。 ただ、実際の価格は、これは自由市場で自由に形成されるものでございまして、その間におきまして、そうした一方から、監督官庁等を通じます一つの指導、監視といったようなものでこの辺の値上げを防ぎますと同時に、いろいろ私どもの方でも、必要に応じまして、モニター等を通じます監視綱を通じまして便乗値上げが行われないよう注意してまいりたいと思っております。ただ、ある程度、先ほど申し上げましたですが、最近の取引といったようなものの実態も考えなければいけないとは思っております。
○山田譲君 それは一般論として、自由主義の経済の世の中ですから、売り手、買い手の関係で自由に値段が決まっていくのは、これはやむを得ないと思いますけれども、それにしても税金が上がったのに籍口して、しかも一銭の——端数整理もある程度やむを得ないと思いますよ。確かに一々五十九円九十九銭なんという値段じゃちょっと無理なんで、せいぜいこれを二百六十円にするというふうなことなら、いかにも端数整理ということでわかるわけです。それをもだめだというふうに無理言っているわけじゃないんですけれども、それをさらに十円も上げて二百七十円にしてしまうというふうな、こういうやり方についてはどうしても納得できないわけですよ。これについて経済企画庁、これは大蔵省が大体担当しておられると思いますけれども、大蔵省の方は来ておられませんが、大蔵省からのこういう相談なり打ち合わせというふうなものを一切しないで、大蔵省としては簡単にこれを認めてしまうものなんですかね。
○政府委員(廣江運弘君) 先ほどもお答えいたしましたように、酒類につきましては、これは自由市場で決まる価格でございまして、監督官庁で決めてやるというわけではございません。ただ、酒税を上げます過程におきまして、先ほど申し上げました手数料といいますか、流通経費といったようなものが、先ほど申し上げましたような理由に基づきまして必要だという話は承っておりますが、いずれにいたしましても、私どもがそれを認めたとか、あるいはこうしろといったような筋ではなくて、これは自由市場で決まるべきものだと、こういうふうに考えております。そしてそういう過程では十分に便乗値上げの行われないような指導が必要である、そういうふうにお願いをしておるわけでございます。
○山田譲君 くどいようですけれども、自由主義ですから、それは市場で決まるということは当然だと思いますけれども、便乗値上げをしないように監視するのがやっぱり経済企画庁の一つの仕事じゃないかというふうに思います。 ですから、いろんな理由を言っておられるようですけれども、それにしてもこれは納得できない話でして、ひとつこういう端数整理に名をかりて大幅な値上げをしてしまうというようなことのないように特に注意していただきたいと思うんです。一般の人はわかりませんから、これは税金上がったからしようがないということで、二百六十円で済むものを二百七十円取られてもわかりませんからね。ですから、これは二百七十円が増税になったんだというふうに考えるかもしれない。だけどそうじゃなくて、そのうちの十円分というのは、いまいろいろおっしゃったけれども、どうもへ理屈のようにしか聞こえないわけでして、その分というのは、どう考えても、この税金が上がったことに籍日して、それをいいことにしてよけい便乗値上げをしてしまうということは明らかだというふうに思うんです。さっきの自動車の場合も恐らくそういうことだと思うんで、経済企画庁としても今後ともこういう便乗値上げ、端数整理というふうなことを名目にしての便乗値上げは特に注意をしていただきたいというふうに思います。 先へ進めます。これは企画庁長官にぜひお伺いしたいと思いますが、最近いわゆる行政改革の問題で、行革デフレという議論が出ております。つまり行政改革で政府の支出が減れば景気が悪くなるんじゃないかというふうな、いわゆる行革デフレ論が新聞などでもちらほら見えております。それに対して、これも新聞報道ですけれども、経済企画庁長官は、行革デフレ対策を考えるべきじゃないかというふうなことを言ったと言われている。そしてその対策として、一つは住宅建設をさらに促進しなければならない、それから二つ目として設備投資のてこ入れをやらなければいけない、それからプラント輸出の拡大をすべきであるというふうなことを挙げておられるということが新聞に出ておりました。そのことが本当かどうかをまず伺いたいわけでありますけれども、もし本当であるとすれば、その具体的な内容あるいは長官がこの行革について考えておられる長官の本音といいますか、そういうものをぜひ長官から直接お伺いしたいというふうに思うわけです。 新聞報道ですけれども、経団連はそれに対して、行革デフレ論なんというのは本当の錯覚であるということを言っておられるというふうに聞いておりますけれども、この辺について企画庁長官どうお考えになっておられるか、直接ぜひお答え願いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 行政改革の問題でありますが、これが冗費の節約であるとかあるいは合理化、それから機構の簡素化さらにまた合理化、これを中心に行われます場合は、いまおっしゃったようなデフレ議論などは起こってこないと思います。むしろ国民経済全体に対して非常にいい影響が出てくるのではないかと、このように考えております。 さらに本来の行革以上のことが行われる、たとえばいろんな建設的な投資、あるいは国民経済上必要な経費、こういうものの仮に削減が行われる、そういうことになりますと、これはやはり経済に相当大きな影響が出てくる、このように判断せざるを得ないと思うんです。 もっとも一面、最近はいろんな議論がございまして、財政を縮小すれば国債も発行が減るではないか、さらにまた増税をしなくても済む、ときには減税になる場合もあり得るだろう、だからそういう場合には国民経済上プラスの影響が出てくるであろう、こういう議論もございます。 そこで、経済企画庁といたしましては、いろんな議論がありますので、一体どういう影響が出てくるのか、総合的にこれをよく研究してみたいということで、いまその準備をしておるところでございます。もっとも、行革の中身がわかりませんので、その作業はこの行革の中身が判明するとともに具体化してくる。このように考えておりますが、いずれにいたしましても、いろんな影響が出てくるであろう、このように考えておりますので、万遺漏ないような経済対策が必要である。もしデフレ効果が出てくるということであれば、これは民間経済の活力を拡大することによってそれを補っていくと、こういう対策が必要だと思います。 それじゃ、どの分野で補うかと言いますと、いまお述べになりましたような幾つかの対策があろうと思います。それは可能であるかどうかということになりますと、私どもは十分可能である。来年のわが国のGNPはおおよそ三百兆と想定をしておりますので、その中においていま申し上げました程度の民間経済の活力を拡大していくということは、これはもうそんなにむずかしいことではないと考えております。 いずれにいたしましても、行政改革はいまどうしてもやらなければならぬ大きな課題だと思いますが、これが円滑に進むように、国民経済全体の中においてこれが円滑に進むように総合的に考えていくことが必要だと、こう思っております。
○山田譲君 行政改革というのは、いま長官おっしゃったようなことが本来の行政改革であろう。いわゆる冗費を節約していくということは当然だと思いますけれども、どうも最近のいろんな世論なり、政府の言い方を聞いておりますと、何となくその一番集中砲火を浴びているのが補助金であるように思うんです。補助金をとにかく減らせばいいんだというふうな考え方、そうなりますと長官がいまおっしゃったような意味の行革でなくなる。ただ補助金を減らして財政規模を少しでも小さくすればいいというふうな、そういう考え方で一律に補助金を減らすというふうなことになってきますと、これはやっぱり長官が心配したような事態が起きないとも限らないと思うんですけれども、この辺はどうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) まだ中身がわかりませんので、具体的にどうだということは答えにくいんですけれども、いろんな意見がありますし、いろんな作業が進んでおりますから、どんな場合でも、国民経済全体の足を引っ張る、こういうことのないような対策を総合的に進めていくことが必要だと、こう思います。 そこで、先ほども申し上げましたように、どういう影響が出てくるかということについては、これは正確に判断しなければなりませんので、作業のためのチームをつくりまして十分その点を検討しておきたい、こう思っておるところでございますが、いま準備をしておる最中でございます。
○山田譲君 じゃ重ねて、最初に長官がおっしゃられたような行革に対する本来の考え方、こういうもので今後対処していっていただきたいというふうに思いますし、またそれに対応していろんな対策を企画庁としても当然考えていっていただかなければならないと思いますけれども、その辺ぜひ慎重に考えていっていただきたいというふうに思います。 その次は、これは国土庁あるいは建設省にお伺いしたい点なんですが、特に最近の地価の高騰の問題でございます。 最近の地価の高騰は相変わらずかなりひどいもんである。国土庁の調査によりましても大体全国平均九・六%となっている。昨年に比べればやや低くなっておりますけれども、依然として高い。とりわけ東京圏におきましては一二・八%、大阪が一二・六%、名古屋が一二・八%というふうな状況に、まだ二けたというふうな地価の高騰ぶりが依然として衰えていないわけでございます。 特に最近の傾向として注意しなきゃいけないと思っておりますのは、地方の三十万、五十万というふうないわゆる中核都市がこれまた一〇・四%というふうな二けたの大台に乗ってきたということは、相当注目すべきことじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、国土庁としてはこのような地価高騰の原因、そして特に地方の中核都市と言われているような都市が上がりつつある、非常な勢いで上がっているということについてどういうふうな分析なり考え方をしておられるか、まずそれをお伺いしたいと思うんです。よろしくお願いいたします。
○説明員(渡辺尚君) 地価の題点でございますけれども、五十六年の地価公示、いま先生がお示しのような内容でございます。お示しのように全国では九・六、昨年が一〇・〇でございますので、多少伸び率の鈍化が見えているわけでございます。ただ、全体のパターンといたしましては、やはり三大都市圏の住宅地が中心であるというパターンは変わっておりません。確かに地方の地価というものの上昇というのが一つの特徴といいますか、そういう形になっておりますが、絶対水準、地価の高さというものを考えてみますと、商業地はちょっと別でございますけれども、住宅地をとってみましても、三大都市圏のものが非常に高いということになっておるわけでございます。 その原因でございますけれども、一つはいろいろな交通網の整備でありますとか、市街化の進展でありますとか、そういった形での、われわれ効用増というふうに呼んでおりますけれども、そういうものが一つあると思いますけれども、住宅地を中心に考えてみた場合に需給ギャップが非常に大きい。つまり住宅地を求める需要というのがかなり根強いのに対して供給が非常に落ち込んできておる。これは御案内と思いますけれども、過去の全国の数字を見てみましても、四十七年ごろ一万四千ヘクタールを超えるような新規宅地の供給があったわけでございますけれども、最近では九千ヘクタールを割っておるというような状況でございまして、そこにやはり大きな原因があるのではないかというふうに考えております。
○山田譲君 需給のアンバランスからどうしても地価が上がっていかざるを得ないというお話でございますけれども、そうなるとどうしても供給をふやしていかなきゃならない。そのためには宅地を造成する必要がある。これは当然の話だと思います。 そこで、これは建設省の問題かとも思いますが、建設省における宅地の造成計画は一体どうなっているかということを伺いたいと思うんです。 それから最近の傾向として、宅地の造成量が特に三大都市圏において他の地方に比較して非常に停滞しているということが見られますが、その理由。特に、市街化区域の農地の利用転換が非常に停滞してきているということが数字的にも明らかに見えておりますが、この辺についてその理由と、それに対してどう対処しようとしているかということもお伺いしたいと思います。 それからもう一つ、これは大事な問題だと思いますが、いわゆる宅地の開発抑制策をとろうとしている地方公共団体が非常にふえてきている、こういう現象が最近極端になってきている。そういう地方公共団体に対して、国といいますか、建設省が考えておられる宅地造成計画、こういうものが一体どういうふうになるのか。国が一生懸命宅地を造成しようとしても、肝心の地方公共団体がむしろそれに対して抑制策をとろうとしている。そういう現象が地方公共団体においてふえているということは、これは数字的に明らかでありますけれども、この辺について、これは建設省だと思いますが、ぜひお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤茂史君) 御説明申し上げます。宅地の供給の問題は計画局の宅地企画室が所管でございますが、ちょっと参っておりませんので、私から手持ちの資料で知っている範囲で御説明申し上げたいと思います。 御案内のとおり、三月二十七日に第四期住宅建設五カ年計画を閣議決定いただいておりますが、五カ年間の建設戸数七百七十万戸となっております。このうちDIDの外で新しく市街地を造成する分、あるいはDIDの中で、既成市街地の中で新規に宅地になっていく、たとえば工場跡地を宅地にするといったものも入ると思いますが、そういったものを全部含めまして、新規に宅地を必要とする戸数が四百二万戸、七百七十万戸のうち四百二万戸程度要るであろうという推計をいたしておりまして、全国で六万二千五百ヘクタール新規の宅地が必要だということで推計をいたしております。これに対しまして、既存の宅地供給計画とか、あるいは現在までの制度の枠内で、これからも開発許可あるいは道路位置指定等を通じまして現に宅地が供給されてくるわけでございますが、そういったものを通じて既存の計画あるいはこれから制度の枠内で供給されるであろうと思われます供給量が五万九千二百ということになっておりまして、その差額が三千三百ヘクタール、全体が六万二千でございますから、五%程度でございます。首都圏の場合には全体量が一万五千に対しましてその不足量は千四百ということで、ちょっと一割近いということで、全国的には大した量でございませんが、首都圏を中心にしまして大都市圏では一割程度宅地の供給は不足するというふうにわれわれ考えております。 この不足分をどうするかということでございますが、せんだっての国会を通りました農住法あるいは今後いろいろ議論されます宅地並み課税を初めとしますいろんな宅地対策等々を考えまして、特に既存の区画整理済み地の供給を促進する。区画整理済み地の中には、農地のまま使われておりましたり、空閑地のままほうっておかれたりするのが相当あるわけでございますが、これを通常のペースよりももっと早いスピードで宅地化していくというようなことを考えますと、首都圏で一割程度の不足量、あるいは全国ベースで見ますと五%程度の不足量というものはほぼ何とかなるんではないか。政策的に手の届かない供給量ではないというふうにわれわれ考えております。したがいまして、建設省としましては、今後各省とも協力をいただきながら、こういった不足量を埋める施策というものを的確に実施をしてまいりたいというふうに考えております。 あと、農地の転用の話は、ちょっと私どもの所管でございませんのでお答えしにくいわけでございますが、宅地開発指導要綱の話を最後にちょっとしたいと思いますけれども、指導要綱につきましては、昨年、一昨年になりますか、自治省と建設省で相談いたしまして、目に余るようなひどいものはこれからはできるだけ指導しましてやめさせようではないか。そして、宅地開発指導要綱で得ました寄付金が入ってくるわけでございますが、その寄付金の使途につきましては、十分ガラス張りにしてやっていこうではないかということで共同通達を出しております。したがいまして、今後もその線に沿いまして、目に余るものがあれば話し合いでそういうものをやめていただくようにしていくということをぜひ徹底してまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 最後の、いまの宅地開発指導要綱の話ですけれども、建設省が造成計画をつくられるときには、当然地方公共団体に相談しておつくりになるんじゃないんですか。地方公共団体の意向を全然無視して造成計画をつくられるかどうか。もし無視してやるとすれば、かなり無理な話でして、地方公共団体が国のそういう方針に反するようなものをつくるのもしようがないと思うのです。そうじゃなくて、地方公共団体と十分話し合いをした上でもって造成計画をつくるということであれば、それに対して地方公共団体が反対するのは、むしろそちらがおかしいと、こういう話になると思うのですけれども、そこら辺どんなものですか。
○説明員(伊藤茂史君) 先ほど申しましたように、所管でございませんので細かな点はつまびらかでございませんが、私ども聞き及びますところによりますと、先ほど説明しました宅地供給の見通してございますけれども、このはじき方というのは、公団あるいは公社、あるいは県、市町村が現に計画を持っておるというものを積み上げるというやり方でございます。それからあと、開発許可でありますとか道路位置指定等につきましては、過去の趨勢で算出するということでございまして、現行の制度の枠内でどのくらい宅地供給が行われるであろうかということを上積みしていっておるというやり方をいたしております。 したがいまして、先生いまお話しのように、宅地開発指導要綱との絡みで、人口抑制等を行っております公共団体がそれを十分承知をしておるのかという点につきましては、過去の趨勢でございますから、今後とも宅地開発指導要綱が過去よりも縛りがきつくなるということであれば、それほど出ないという場合も考えられるかもわかりませんけれども、むしろ傾向的にはいままでの行き過ぎを是正しようという方向でございますから、その点は過去の趨勢あるいは制度の枠組みという説明の中でほぼ出てくる量を見込んでおるんではないかと思っております。 それから今後の話でございますけれども、都道府県別に宅地需給の見通しを個別につくっていただくということで指導してまいりたいというふうに聞いております。したがいまして、今度これを県別に、これは大都市圏だけだろうと思いますけれども、そういうところでブロック別にあるいは県別にブレークダウンする際に、先生がいま御心配の点もだんだんと明らかになってくるということではないだろうかと私は思っている次第でございます。
○山田譲君 この問題はこれ以上申し上げませんけれども、いずれにしましても、これは当然土地政策なんというものは国がやるべきだと思いますけれども、国がやろうとしているこの計画、これは当然地方公共団体に直接的な影響のある問題でありますから、その辺は円滑にいくように十分地方公共団体と話し合いをしていっていただきたいというふうに思います。 そこで、さっきもちょっとお話がありましたけれども、目に余る宅地開発指導要綱をつくったところについては、その都度地方公共団体に注意をするというふうなことを言っておられましたけれども、そんなことじゃなくて、初めから十分相談をした上でもって円滑な造成計画を立て実行するように、ぜひこれは要望しておきたいと思います。 それから、これはぜひ企画庁長官にもお伺いしておきたいんですが、土地政策の基本的な問題でありますけれども、よく言われますように、土地はあるんだ、土地はあるけれども政策がないんだということが新聞の社説などでもときどき見られます。要するに土地政策の無策ということが問題であるというふうによく言われますけれども、その基本は、どうしてもいままでは土地の所有者を優遇し過ぎているんじゃないかというふうに私は思うわけでございます。つまり土地の所有者が地価を決定する一つのポイントを握っている、こういうようなことである限り、国が幾らりっぱな造成計画を立てあるいは住宅政策を立てても、肝心の土地所有者の権利を余り優遇し過ぎているために、それがなかなか思うように進捗していかない、こういうことだと思うんです。そういうことで、土地所有者の優遇策についてもっと積極的にこれを制限するような、制御するような方向でもって土地政策をやらない限り、土地政策の解決は絶対できないというふうに私は思うわけです。 それともう一つ、この土地政策につきまして、どうも機構がきわめて多岐にわたっていやしないかということが考えられます。国土庁ももちろん主管でやっておられるようですけれども、これは主として地価が幾ら幾らで幾ら上がったというふうなことを大体調べているにすぎない。建設省は建設省で、造成計画を立てたり、あるいは住宅の建設計画を立てていく。先ほどのお話のように自治省もまた一枚加わってくる。こういうふうなことで、一元的な土地政策をぜひこの際考慮すべきではないかというふうに思うわけであります。 それから、これは去年の話ですから、企画庁長官が夢のような話をされたことを覚えていらっしゃるかどうかわかりませんが、思い切ってこの際東京湾に橋をかけて、房総半島を全部平らにしてしまう、そうすれば土地はかなり安くなるんじゃないかというふうな、非常に雄大な構想を企画庁長官が去年十月の委員会の際にお答えになられた。私はこれをなかなかりっぱな構想であるというふうに思って聞いたわけです。これは夢じゃなくて、実際にそういうふうな雄大な構想を実現する、そういう大きな観点からやっていきませんと、いままでのような程度の土地政策をやっている限りは根本的な解決にはならないんじゃないかというふうに思うわけです。 建設省の方でも、建設白書にも現に、今後十年間の宅地必要量に見合う土地はマクロ的に不足しているわけじゃないということをはっきり言っておられる。そういうことになりますと、土地政策というのはまさしく、今後のさらに一層積極的な、そしてもう一つ基本的には土地を持っている人たちの権限というものをある程度制御していくというふうな考え方でいきませんというと、土地政策の解決はできないと、こういうふうに思いますけれども、これはひとつ企画庁長官にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府は、去る三月二十七日に住宅建設新五カ年計画というものを決定いたしました。第四期住宅建設計画でありますが、これは五カ年の間に七百七十万戸の家を建てようという、そういう計画であります。これに必要な土地の九五%は、いま建設省から説明がありましたように、従来の政策で供給が可能である、こういうお話であります。ただし、大都会は九〇%程度であると、こういうお話でございますが、物の値段というものは需給関係で決まるのが原則でありまして、その場合に、五%足りないから五%物の値段が上がるかというと、そうではありません。あるいは一〇%足りないから一〇%上がるかというと、そうではありませんで、五%足りなくても三割、四割と上がる場合もありますし、また品物によっては二倍、三倍になる場合もある。また逆の場合も、仮に五%とか一〇%物が余れば、非常に値段が下がる、こういうこともあり得ますので、五%ないし一〇%土地が足りないのを埋めることは、これは政府の決定をいたしました新五カ年計画を遂行する上にも非常に大きな課題であります。 もっとも、この住宅を建てます場合に、土地の問題だけではありませんで、ほかに金融の問題もあれば税制の問題もある、所得の問題もあると思います。そういういろんな問題がございますので、とにかく政府の方で新計画を決定したけれどもそれがうまくいかないということでは、これは新七カ年計画を円滑に実施する上にも大きな影響がございますので、何とかこの五カ年計画を円滑に推進するためにどういう方法を考えていけばよろしいのかということについて関係閣僚の間で相談をしようと、こういうことになったのであります。 先月十七日に第一回の会合をいたしましたが、いまも御指摘がありましたように関係する省庁が非常に多うございまして、約八省庁ございます。八省庁の大臣が集まりまして、いよいよ作業に取りかかっておるわけでございますが、七月中ぐらいには何とか問題点を全部整理してみたいと、こう思っております。いまいろいろ建設的な御意見を拝聴いたしまして、そういう点も十分参考にさせていただきたいと、このように考えております。 もっとも、今回の関係閣僚会議は、この五カ年計画を円滑に推進するための関係閣僚会議でありまして、十年とか二十年とか、そういう長期にわたる、あるいは中期にわたる計画まで議論はしないということになっておりますけれども、いま後段でお話のございました東京湾に橋をかけるという問題につきましては、これは昭和四十二年以降、建設省が中心になりまして政府の大きなプロジェクトとして調査が進んでおります。もうすでに調査は終わりまして、もういつでも橋をかける工事に着工できるという段階ではないかと思うんです。もう十五、六年も調査をいたしておりますから、調査は終わっておると思います。ただ、財政との関係もありますので、また地元との関係もありますので、いつ工事にスタートできるか、これはこれからの大きな課題だと思いますが、中期的に考えました場合には、こういう計画を進めることができますならば、東京の土地問題の九分九厘までは解決できるのではないか。こういう感じもありますので、国の建設計画というものは中期的なあるいは長期的な視野で絶えず考えていくことも必要であろうと、このように判断をしております。
○山田譲君 これは建設省か国土庁かわかりませんが、お聞きしておきたいんですけれども、最近の学者の言うことを聞いていますと、土地政策がうまくいかないのは、都市計画法によります線引き、こいつが失敗の原因じゃないかというふうなことをよく言われております。これについて国土庁あるいは建設省はどう考えておられるか聞きたいわけです。つまり線引きによってある程度のスプロール化は防ぐことができた。しかしかえって、市街化区域内の地主さんたちは、ある程度一定の土地を売り払いますと、また金が困らなくなってしまう。金がそれ以上必要なくなる。そうしますともうその土地を売る必要はないんだというふうなことにかえってなってしまう。そうしますと、どうしても供給が減って土地の値段が上がってくる。そうするとますますまたこの地主さんそれを売らなくなる。こういうふうな悪循環が繰り返されて、そしてかえってうまくいかないんじゃないか。こういう説を説く学者がおります。 それで、その原因は、先ほどもちょっと言いましたように、この市街化を促進する土地、これはすべて地主の一存で決まっていく。いろんないい計画を立てましても、最終的にはこれが地主の一存で決まっていくというやり方に基本的な問題がありやしないか。そういうことで、土地所有者の所有権に対する思い切った制御が必要であるというふうなことを学者先生が言い出しておるようでありますけれども、ここら辺について、これは建設省か国土庁かわかりませんが、どちらでも結構でありますから、ひとつ御回答をいただきたいと思います。
○説明員(渡辺尚君) 線引きの問題についてまず御指摘があったわけでございますけれども、線引きそのものは都市計画法に基づくものでございまして、御案内のように建設省所管のものでございます。 線引きそのものにつきましては、これは都市計画法体系の中に位置づけられているものでありますし、先生が御指摘になりましたような、いわゆるスプロール防止というような面でも非常に効果のあるものというふうに思っております。 ただ、お示しのように、市街化区域というふうなところの宅地化がなかなか進んでいないじゃないかという点が一つ現実の問題としてあると思います。市街化区域の中にたとえば相当の農地がまだあるわけであります。三大都市圏だけをとってみましても、五十四年の段階で九万五千ヘクタールぐらいの農地があるわけでございます。これをどのようにして宅地化していくかということで、先ほど建設省の方からもちょっと説明ございましたけれども、国土庁と建設省、農水省共同で農住組合法というものをつくって、そして地主といいますか、農民の方々の自発的な意思の総合というふうにわれわれ申しておりますけれども、そういうものによって宅地化を進めていこうというふうに考えておるわけでございます。 で、また一方、五十七年度からのいわゆる宅地並み課税の問題について、政府税制調査会の答申があるわけでございまして、それに沿っていま自治省、国土庁、建設省、農水省、課長レベルではございますけれども、いろんな具体の検討に入っておるわけでございます。もちろん宅地並み課税は、単に宅地供給の促進ということだけではございませんで、いわゆる均衡といいますか、税の公平という観点からも行われようとしているわけでございます。 で、いずれにしましても、先先御指摘になっております、いわゆる利用に重点を置いて都市の土地というものを考えていくべきではないかという点、私も傾聴に値する御意見だというふうに考えております。 ただ、土地の問題というのは非常にいろんな基本的な権利にもかかわるものでございまして、そういった問題を進めていく際には、法律なり制度なり、そういったものの裏打ちを持って進めていく必要があると思うわけでございます。で、われわれすでに関係九省庁の局長を中心とする連絡会議というものをつくっておりまして、中長期的な問題も含めて、そういったような問題も含めていろいろな検討を進めていこうというふうに考えておるわけでございます。そういう際にそういった御指摘を十分参考にさしていただきたいというふうに考えております。
○山田譲君 最後に一つだけ、時間が来ましたので一つだけですが、そういった土地を造成するとか、あるいは市街化区域を宅地化していくとかいうふうなことは結構だと思いますけれども、それと同時に、現在ある都市の中で、東京都の場合ももちろんですけれども、遊休地がかなりあるんじゃないか。あるいはまた最近言われておりますいわゆる木賃住宅、木造賃貸アパートというふうな戦前からのようなものもあるんだ。しかもそういうものが百万戸以上東京都だけであるということになりますと、これは非常にもったいない話ですから、東京都内においても、市街の中でも、これは防災上も非常に問題があると思うので、こういうものを思い切って高層住宅に切りかえていく。そしてまた遊休地につきましても、国土庁の調査の結果によりますと、ほとんど大半は法人がこの遊休地を持っているという話のようであります。しかも所有者たるや、県外の人たちが皆持っている、いわゆる不在地主みたいな者が遊休地をたくさん抱えているというふうな問題、この遊休地の問題とこの木賃住宅の問題について、これは建設省と国土庁になると思いますけれども、それをお伺いして、簡単で結構でありますから、私の質問を終わります。
○説明員(伊藤茂史君) 前半部分の木賃アパートの建てかえの個所につきまして御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、昭和三十五年あたりから四十年、四十四、五年にかけまして大都市に大量の人口が集中した際に、結果的に住宅問題を解決するという意味合いで大量の木賃アパートが供給されまして、それが現在残っております。われわれ試算するところによりますと、東京都にあります木賃アパートの面積、敷地面積でございますが、大体台東区一区に当たるというような計算もあります。したがいまして、これをどういうふうに今後有効に活用していくかということは、都市構造上も非常に重要でございますし、住宅問題としても非常に大きな点であろうというふうにわれわれ考えております。 で、現行いろんな制度がございますけれども、余り有効に働いてないということもございます。したがいまして、現行制度をどういうふうに改善をし、先生御指摘のような方向で処理できるようにしたいということで検討いたしておるところでございます。
○説明員(河村勝三君) 遊休地について御説明申し上げますが、私ども所管しております国土利用計画法の中に遊休地の利用に関する措置という制度がございます。その制度につきましては、法律上それぞれの制約条件ございますが、現在その制度が本格的に動き出してございますので、昨年そういう意味で初めて、総点検という意味で網羅的な調査を実施したわけでございまして、引き続きそれらの調査結果に基づいて、各地方公共団体におきまして現地指導を行っておるわけでございますが、本年さらに新しい角度からまたその調査に取り組んでいきまして利用の促進を大いに進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第であります。
○山田譲君 じゃ、終わります。
○仲川幸男君 河本経済企画庁長官に物価の問題を中心として、特に流通の問題の中で商社の役割りについてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 もう一つは、中小企業の史上最高の倒産が起こりまして、また関係があると思われる公定歩合の問題についてあわせてお尋ねをいたすわけでございますが、それより先、まず中小企業庁おいでをいただいていると思うのでございますが、お尋ねをいたしたいと思います。 中小企業が日本の産業の基盤の大方を占めておりますことも御承知のとおりであります。その中小企業が五十五年度、史上最高の倒産という数字になりました。数字は中小企業庁で確認を願いたいと思いますが、私の手元にありますもので見ますと、五十五年度の年間倒産件数が一万八千二百十二件、五十四年度は一万六千五百件ほどでございますから、大体一一%の増になったわけであります。負債総額では、二兆八千七百万円ということでございますので、前年度比にいたしますと、一二%ぐらいの増になるんではないかと思います。倒産の危機ラインというのは、一カ月に千五百件というのが言われておるわけでございますので、昨年の後半はずっと倒産危機ラインを超えておるわけでございます。 ちなみに、昨年十二月の一カ月を見ますと、千六百五十四件でございます。ちょっと機械的にこれを割ってみますと、私は持ち時間三十分しかございませんので答弁に御協力を願いたいと思いますが、この三十分の中で一件ずつ、一件以上の倒産が起こっておるということでございまして、そこには倒産した会社に関連をいたしております弱小企業というのが大変多うございまして、大きな影響を受けておるわけでございますが、特にその会社で働いております従業員というのは、家族も含めまして大変なことでございます。昨年二万件に近いものでございますから、これはもう基礎がございませんから、ざっと計算して百人といたしましても、影響しておる者が二百万人ということになるわけでございます。いまちょうど春闘でございまして、それなりの成果があったのでございましょうが、官公労、大企業がそれぞれに成果をおさめておりますが、この人たちは実は給料の目減りだの、赤旗を担いで振ったりすることにはなりませんので、この間からの大型連休、一週間以上の連休だのという新聞記事を横目に見ながら、実際は健全なる経営のために努力をいたしておるわけでございまして、ある意味では孤塁を守っておると言ってよかろうと思うわけであります。 それともう一つは、材料の値上がりという問題が一たび起こりますと、これは社長だの従業員だなんということではない、おやじさんと若い衆という形で、夜も寝ずにその材料の値上がりをどう消化していくか。というのは、受注をいたしておりますので、受注の中からどう消化していくかという問題、大変厳しい問題が起きておるわけでございます。 そこで、中小企業庁にお尋ねをいたしますが、放漫経営とか計画倒産というものもこの中にはごく一部あると思うのですが、そうでない良質な良識のある倒産した人たちのために、中小企業庁はこれをどう受けとめて、どう対策をしてこられたか、そして今後またどういうふうにこのことに対策をしようとしておるのか。大変大きな問題でございますので、持ち時間短うございますから、要点を得て御答弁をいただいたら大変ありがたいと思うわけであります。
○政府委員(中澤忠義君) 中小企業の倒産防止対策でございますが、先ほど先生御指摘のとおり、この原因を調べてみますと、約四割が販売不振でございます。また約一二%が連鎖倒産ということになっておりまして、半分以上がいわゆる不況型の倒産でございます。したがいまして、このような倒産を極力未然に防止することが最も中小企業対策としては大事だというふうに考えております。 簡単に柱を申しますと、従来行っておりました中小企業の倒産防止のための対策の柱といたしましては、一つには金融対策でございます。政府系の三金融機関によりまして、中小企業の倒産対策貸付制度ということを運用して特別な条件で別枠の金融を出しております。また、それのうらはらでございますけれども、信用補完の面が大事でございますので、信用保証協会を活用いたしまして、倒産関連の特例保証を運用しております。このほか第三点といたしまして、倒産防止の共済制度の普及を徹底する。さらに第四点といたしまして、倒産防止特別相談事業を拡充しております。 特に五十六年度におきましては、この倒産防止特別相談事業、これが非常に効果があるということがわかりましたので、各商工会議所あるいは県の商工会連合会にこの特別相談室を増設いたしまして、中小企業の倒産のおそれのある企業からの御相談を受けるということにしております。 また、去る三月十七日に経済対策のための総合経済対策が決定されたわけでございますけれども、その中で、特に最近の中小企業の倒産増加傾向が強いということから、倒産防止のために特に中小企業の体質強化資金助成制度、これは府県と国が協力して、各府県でそれぞれの倒産の危険のあります企業に対しまして有利な条件で融資を行うものでございますが、これを繰り上げて三月から実施するということで各県に連絡しております。また、特に建設業その他の問題が深刻でございますので、関係各省庁と連絡するための体制をスタートするということで、倒産防止対策各省協議会、これを本省ベースでも三月に開きまして、またこれに応じまして、各地方ブロックにおきましても、地方の推進協議会を各通産局ごとに開催いたしまして、各省の出先機関とも十分連絡調整を行っていく、かような対策を講じておるわけでございます。
○仲川幸男君 倒産の保証制度も少しお聞きしたいんですが、時間がございませんから、またの機会に譲りたいと思います。 通産省にお尋ねをいたします。言うまでもなく物価と流通機構というのは切り離して考えられません。特に私は商社が持つ役割りというものについて大変大きいものがあると思いますので、この点についてお伺いを通産省にいたしたいと思うわけであります。 昨年鉄鋼の値上げの際にも見られましたように、あるいは商社の姿勢がその価格の抑止力を勤める場合もあります。また一つ誤りますと値上げムードを醸し出す、助長するようなこともあると思いますし、鉄鋼のときにまざまざと見せつけられた思いがいたしました。通産省は、この物価、流通の中で特に商社についていかがお考えでありましょうか。指導また協力態勢などをとっておられると思いますが、その点についてもお答えを願いたいと思うのであります。 この点については、実は日本の経済を大変左右する問題でもございますので、後ほど河本大臣からの御答弁もいただきたいと思うわけでございますが、商社と言われるものの役割り、メーカーに向かってある程度市場にある需要者の要求などをまとめて、価格と数量の調整をする役割りは商社が持つべきであり、また持っておると思うのですが、また商社は一方では、傘下の中小の商工業者に対して健全な育成をしていかなければならぬと思うのです。社会的な責任とかなんとかいうことを言っておらない昔、江戸時代から大あきんどと言っておったわけなんですが、その時代からその大あきんどが実際はその当時の経済危機を救っておる、こういう歴史を持っておるわけでありますから、私がここに持っておりますこの資料は、商社が大変良質で良識的で、そして社会的責任を重んじて、公益性に立って中小の商工業者を倒産から救った例を一つと、また救わないで倒産に追いやった例を二つ三つ持っておりますが、きょうはそれを一つ一つ聞いていただいて、その中から本当の中小企業の中の苦しさというもの、危機に面したときどうなるかということを実は知っていただきたいのでございますけれども、これは時間の都合上次の委員会、または商工委員会、決算委員会の場へ譲りたいと思いますので、きょうは通産省から、商社に対してどう取り組んでおられるか。これをやりますと、大臣にお答えをいただく時間がないようになりますので、大変恐縮でございますけれども、なるべく要領のいい御答弁をいただければ大変ありがたいと思います。
○説明員(広海正光君) 昭和四十八年に、当省からの要請もございまして、日本貿易会が中心となりまして総合商社行動基準というものが策定されております。この基準は、商社活動の社会的影響が特に大きいという観点から、みずからの行動を律するんだということでつくられておりまして、その中にも、総合商社が常にその果たすべき社会的役割りと責任を自覚して節度ある経営態度をとるんだというようなことが書かれてございます。この点は、いま御指摘のございました御趣旨を体したものだというふうに了解される次第でございますが、通産省といたしましても、この行動基準を遵守するようにこれまで指導してきておるわけですが、今後ともそういう方向で努力を続けたいと考えております。
○仲川幸男君 それでは、河本大臣にお尋ねをいたしたい、御指導いただきたいと思うわけであります。 日本の商社は、海外においては自動車産業を初めイラン石化、中国の共同開発等々、数え上げれば限りがない強力な行動によりまして、メーカーとともに功績を上げ、国力の発揚に努めておると思って、その意味で大変敬意を払うわけであります。 また、国内においては、日々の生活物資を初め、あらゆる主要衣食住で商社の手を経ないものはまずないといってもいいのではないでしょうか。ある意味で日本の政府における経済面を担当いたしております経済省であるような感さえ私は実はするわけであります。 そこで、商社に、法律はもちろんでございますが、法律とはまた別な商業倫理と公益性というものが私は要求せられるゆえんのものであると思うのです。この商社の一挙手一投足は、直ちに日本経済に重大な影響を及ぼすことももちろんでございます。特に、国内産業の流通と価格につきましては、特別な私は力を持っておることも皆さんの承知をいたしておるところであると思うんです。 さて、世はまさに、政治経済はもちろん、全国民が第二臨調を中心に健全な日本の財政の立て直しに向かっておるときであります。その中身としては、先般各省予算の伸びゼロの査定指令の中で、地方自治体を初め関係諸団体は苦しい対応に迫られてきた。これはもちろんでありますが、一番基盤の弱い中小の商工業者に不況という形のものが直撃をするであろうと思います。ひいては国民の耐乏を要求せられるわけでありますが、財政再建は世紀の国民的課題でありますから、そのような中で日本の産業の核をなす商社が協力態勢の上で重要な分野を私は担当しなければならないと思うのです。 さて、私は長い間中小企業や弱小の産業の中から静かに見ておりますと、商社の独善的反公益性などが見えて仕方がございません。もう一つは、商社が余りにも大きくなり過ぎるので、政府の窓口の指導がむずかしいのではないかと思われる部面があるわけであります。かといって、商社の大きな功績を否定しておるものではございませんので、私が申し上げたマイナスよ力以上の大きな功績も持っておることは事実でありましょう。通産省にもお尋ねを申したように、本日その商社の功罪の二、三の例を挙げますと大変御理解をいただけると思うのですが、またの機会に譲りたいと思います。 さて、さきに中小企業庁にお聞きをいたしましたが、中小企業倒産に銀行と商社の重大な影響があることも、大臣御承知のとおりでございます。平素ももちろんですが、第二臨調が志向するこの重大な中で、国民が苦しいときにこそ各商社は商業倫理と公益性を重んじて、弱小企業への支援態勢を整えて、日本の経済の基盤をなす中小の商工業者の健全育成ができるように配慮をすべきではないだろうか。平素もちろんでありますけれども、この第二臨調というものの中でひとつ考えなければならないものが商社にできてきたんではないんだろうかと思うわけであります。 大臣、一つの省にも相当する巨大な商社が日本の流通機構とそして物価に重大な影響を持っておるのでございますから、第二臨調の成果も、その一角を商社が担当するという覚悟をどうしても持っていただかなければ財政再建にはならないのではないだろうか、こう思うわけであります。そのためには、いまこそ巨大な商社と鈴木総理を初め経済閣僚、政府関係者、指導者がともに話し合い、そうすることが絶対必要なんではないだろうかと思うのであります。時たまたまでございますけれども、御承知のようにメーカー、商社が、新日鉄の武田新社長を初め、トヨタ、川重、開銀と、経営指導層の交代が行われて新しい血が流れ始めておると思いますので、私は、政府が一つの新しいものとして話し合いの別なまた場をつくれる空気が漂ってきたのではないかと大変うれしく思っておるわけであります。大臣にお尋ねいたしました質問の中には、直接経企庁の分野でないと思われるものもございまして、また質問も雑駁でありますが、御理解をいただけたらと思います。 大臣は企画庁の長官であると同時に島木内閣の経済閣僚の中心であり、また経済界、特に経営面においてはその実情を最も理解をいたしておられる大臣であり、実業界の実力者であることも十分承知をいたしております。大臣、この流通機構の問題、商社の問題は、中小企業の盛衰にかかっておると私は思います。また日本の経済再建の問題にも大きな影響力を持っておると思うのであります。商社の一呼吸は中小企業が十社も二十社も倒産するかしないかということになると思うのです。よき御指導をいただきたいものであると思います。 最後に、先般公定歩合を下げましたが、これが景気対策、特にこれ一点にしぼって、時間もございませんから、倒産防止というものにどういう影響があるであろうか、大臣のお考えがございましたらお尋ねを申し上げます。実はもう一点ございますんですが、あと時間がありませんでしょうから、これで私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いまのお話は、一つは、商社のわが国経済に果たしておる役割りは非常に大きい、したがって企業行動には公益性と倫理性が必要である、特に中小企業に対する考え方としては、国全体の経済を総合的に考えながら商社は取引をすべきである、こういうお話でございますが、お説のように、商社の役割りは非常に大きくなっておる、私もこのように思います。 ただ、企業のことでありますから、企業に対してある程度の倫理性と公益性を持って行動せよということは、これはもう当然要求できると思いますし、通産省もそういう方向で指導しておられると思うんです。しかしながら、中小企業との取引関係ということになりますと、経済の原則というものがありますから、そこはある程度の限界があろうかと思います。しかし、これは長年の取引であるということでありますならば、経済原則だけで取引を判断するということではなくして、中小企業との取引関係が日本経済全体に大きな影響があるんだという、そういう判断からも決断をすべきことも往々にしてあろうか、こう思います。つまり商社と中小企業との関係、商社はもっと中小企業を大事にしろ、こういうお話であろうと思いますが、そういう点につきましては、私は通産省もそういう気持ちで指導しておられるのではないかと思います。 それから公定歩合が景気にどういう影響があったかということでありますが、第三次公定歩合、三月十七日に行われましたが、国際的な金融情勢等もございまして、長期プライムの下げ幅が当初予定しておりましたよりも相当小さくなっております。ただしかし、中小企業対策は非常に大事でありますから、中小企業に対しては特別な配慮をしようということで、一般の長期プライムよりも大幅に、しかもさかのぼって政府金融機関に対してはこれを実施する、そういうことにいたしております。 で、総合的に判断をいたしますと、当初考えておりましたよりは景気に対する影響は少ないと思いますが、しかしながら、いずれにいたしましても、よい影響はある程度出てくるのではないか、このように期待をいたしておるところでございます。
○仲川幸男君 ありがとうございました。
○原田立君 景気が四月に入って底入れしたという声がございますが、事実、日経の商品指数を見ると、一部の商品市況などでは下げどまりの動きも出てきているようでありますが、現在の景気についてどのように判断をなさっておられますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 景気は、昨年の夏ごろから相当悪い状態が続いておりましたが、おおむね現在が底ではなかろうか、ようやくいまは底からいい方向に向かいつつある。ただし各業種間でのばらつきが相当まだ残っておりますし、それから大企業と中小企業との間にも大きなばらつきが残っておりまして、問題点がずいぶんまだ残ってはおりますけれども、大勢としてはいい方向にようやく向かおうとしておるのではなかろうか、こういう判断でございます。
○原田立君 日銀、来ていますね、いまの問題。
○参考人(澄田智君) 一言で申し上げれば、この四−六月の間が大体底であるというような感じを私どもも持っております。 理由は幾つかございますが、従来在庫調整が行われておりまして、在庫が多過ぎるということでこの調整が鋭意進められておりましたが、この在庫調整が最終需要の伸び悩みから後ずれがしてまいりまして、これがずっとことしの一−三、さらに四−六と、こうずれ込んできておりますが、どうやら主要な業種などにおきましてこの四−六で大体めどがつくんではないか。 もちろん、ただいまも企画庁長官も仰せられましたが、業種によって違いがございます。四−六で終わらないで、その先へなおずれ込むというような業種もございますけれども、大部分の業種においては四—六で終了するのではないか、こういうふうな感じでございます。 しかし、今後の個人消費の動向等もございますし、それ以降の経済につきましてはまだいろんな不安定な要素もございます。したがいまして、一応底である、底入れがした、こういう感じではございますが、今後の回復は緩慢なものではないか、急速に上昇に向かうというようなことはちょっと考えられないんではないかというような感じを持っております。
○原田立君 昨年九月以来三回にわたって公定歩合が引き下げられたのでありますが、五十五年四月以来現在までの各種消費者ローン金利の推移を簡単にお伺いしたい。これは大蔵省の方から資料はもらっているので、一応説明していただければ結構です。
○政府委員(田中誠一郎君) 手元には住宅ローンの数字しかございませんので、大変恐縮でございますが、住宅ローンの金利でございますが、五十五年の四月に八・五二%、それから五十五年の五月に八・八八%と上がったわけでございますが、昨年の十二月に八・五二%と低下してございます。 なお、今後の予定といたしましては、五月の中旬から八・三四%程度に下げようという計画でございます。
○原田立君 教育ローンは九・四八であったのが五十五年四月は一〇・〇八、これが〇・三%下がって九・七八になるという。あるいは消費財購入資金については、五十五年四月が一〇・二五から一一%であったのが、五十六年四月は同じような状況でそのまま据え置きとなっておりますが、消費拡大の上から言いますと、こういうふうな状況ではまずいんではないか。消費拡大というような面からいってこのような政策では手落ちになりはしないか、こう思うんですが、長官どうですか。
○政府委員(井川博君) 先生御案内のように、金利は経済全体の中で考えていかないといけないわけでございます。したがいまして、消費者がローンを借りるという立場から言いますと、低い方がいいというふうなことになりますが、他面、その大もとになります公定歩合ということになりますと、海外金利の状況、その他というふうなことがございます。したがいまして、先ほど調査局長から住宅ローンの推移を申し上げましたけれども、公定歩合の推移、長期金利の推移、それらと連動して先ほど申し上げたような形になっているわけでございます。やはりそれぞれの金利が、金利体系として一つの体系に繰り込まれているということであれば、やむを得ないのではないかと考えるわけでございます。
○原田立君 公定歩合が下がった、ああまた金利も下がるんだろうと国民は期待しているわけですよ。あなたのいまのお話では、全体に組み込まれているからそんな簡単に下げられないんだと、こういうような御答弁では、非常に乱暴のようにぼくは思える。いまは住宅ローンの資料しか持ってきてないというからあれなんですが、住宅ローンの金利は、新規契約分につき五月二十四日前後から現行の八・五二%から〇・一八%下げて八・三四にするそうでありますが、このわずか〇・一八%下げることにより利用者の負担軽減はどうなるのか。新聞報道等もされておりますけれども、一千万円借用で二十年返済のローンで、月々五百六十円にしかすぎない、あるいはまたボーナス時の場合には三千四百三十円である、こういうふうなことで、わずか〇・一八%利下げでは、今後の景気対策振興のためにも、住宅政策は大事だということを河本長官は先ほどから何度も言っておりますけれども、この住宅需要の拡大に何ら貢献しないのではないか、いかがですか。
○政府委員(井川博君) 先ほど大臣の御答弁にもございましたように、公定歩合は一%下がったわけでございますけれども、預貯金金利が〇・七五、さらに長期プライムレートが〇・三というふうに、各種金利の体系でそういうかっこうになったわけでございまして、そうなりますと、民間住宅ローンにつきましても大体長期プライムの半分ないし六割。と言いますのは、上げますときの上げ幅も抑えてきたというふうなことがございまして、下げるときにもその程度になるというふうなことから八・五二が八・三四になったということは事実でございます。 しかしながら、実は従来もたとえば五十四年九月に八・二二が五十五年四月に八・五二、五十五年五月に八・八八、最高になったわけでございますけれども、昨年十二月に八・五二、そしてことしの五月から八・三四、上がるときも小幅でございますが、今回の下がる場合もそう大幅でない小幅にとどまったということでございます。 これが住宅建設促進に対する効果でございますけれども、先生おっしゃいますように、やはりもっと大幅であればより効果が出たということが言えるかと思います。そういう意味から言いますと、小幅というのは残念でございますけれども、これも先ほど申し上げたような金利体系の中でやむを得ないということになりますと、小幅とはいえ引き下げられた。いままで住宅建設不振の原因はいろいろございます。長期的、構造的な問題もございますし、あるいは資材の値上がりという問題もございます。しかし金利先安感、まだ将来下がるんだというふうな感じがあったということも事実でございます。そういう問題に対しては、今回とにかく引き下げたということによってある程度の効果が期待できるんではないかと考えておるわけでございます。
○原田立君 すでに融資済みの住宅ローン金利は、新規融資金利の下げが小幅となるため、今回は据え置かれる見通しであるというふうなことが新聞に出ているんですけれども、実のところ、多くの人がローンを利用して高い金利を払って住宅を建てている。また今後も安い給料で、実質〇・一%も下がった賃金で、なおかつまた住宅ローンを利用して家を建てようとする傾向もある。こういうようなことだと、新規のものについては若干下げられるということでありますけれども、ほんのわずかなんです、スズメの涙なんです。すでに借りているようなところ、これなどは何とか考えられないものでしょうかね、政策的に。あるいはまた、いや、もう実際これは組んじゃってあるんだからどうしようもないんだと言われれば、それも理解しないことはないんだけれども、できれば既融資のものについての金利の下げということも検討に値するんじゃないかと思うが、どうですか。
○政府委員(井川博君) 金利関係は大蔵省がお答えすべき問題かと思いますが、ただ、長期金利あるいは住宅ローンというふうなものは、期間が長いだけにそれだけまたほかのより特別期間を長くすると同時に、特別低い金利でというふうな体系になっております。ということは、反対から言いますと、借りた期間は大体最初の約束どおりの金利というのがこれがもう原則でございますので、従来借りたものを切り下げる、特別の場合以外は大変むずかしいんではないか。そのかわり反対に、安いときに借りたものはその後金利が上がったからといって切り上がることはない。したがって、そのときそのときの金利にならうとすれば、ある程度中期ないし短期にして転がしていくというふうな方法があるわけでございますが、これでは非常に不安定であるということから、長期、しかし政策的に多少安目にというふうなことになっておるわけでございまして、先生おっしゃるように、長期金利が下がったらその分下げてやれというお話は、お気持ちとしてわかるんでございますが、現実にはなかなかむずかしいんではなかろうかと考えるわけでございます。
○原田立君 あなたの言うこともわかるけれども、ある人が三年前に二千万借りた、十九年契約。十九年の間に元金の二千万払うのに対して利息は幾ら払うのですか。二千万円ですよ。四千万円出さなければならないという状況。それは安いとき借りた人は安いままだからいいじゃないか。それはそうだろうとは思うけれども、じゃ高いところで借りた人はもうごそっと払わなきゃいけない、負担しなきゃいけない、こういう悩みがあることをひとつお考えいただきたいと思うんです。 最近の円相場の推移を見ると、年の初めに一ドル二百円を突破し、一月六日には百九十九円六十銭していたものが、この一月六日をピークに下降を続け、四月には二百十八円六十五銭というふうに円安傾向に一層の拍車がかかっておりますが、最近の円安の原因は何か。また今後この円安傾向の推移をどのように見通しておられるか。
○参考人(澄田智君) ただいま御指摘のように、一月の初めには二百円を割るというような状態でございましたが、その後円安の方向になってきております理由は幾つかあるわけでございますけれども、一つは、ヨーロッパ通貨、ドイツマルクとかスイスフランとかいうような、従来から価値の高い評価を受けている通貨が、いずれもポーランド情勢の緊迫等によりまして、相対的にドルに対して弱くなってきております。円も、そういうようなヨーロッパ通貨と同じように、ドルに対して相対的に下がる。むしろそういう国際情勢等を背景にドルが非常に強くなったと、こういうことが一つございます。 それから第二の原因といたしましては、内外の金利差でございまして、アメリカの金利は御承知のように非常に高い状態でございます。最近もまた公定歩合が引き上げられた。一時少し下がったわけでございますが、またここに参りまして公定歩合も一四%というぐあいに高く引き上げられましたし、短期金利も一般に高くなっております。ヨーロッパ各国もアメリカの高金利につられまして金利を高くせざるを得ない、自国通貨の価値を維持するためには金利を高めざるを得ないという状態が西ドイツその他の国の状態でございます。 こういうことで、日本だけが金利を下げるというような形になっておりますので、わが国の金利は先進諸国のうちで最も低い金利水準というような状態でございますので、こういう内外の金利差というものはある程度は為替にどうしても影響してまいると、こういうところでございます。 こういった原因が重なりまして現在のような円の価値ということでございますが、幸いにいたしまして、わが国においては物価が落ちつき傾向を示している上に、国際収支も経常収支もほぼ均衡圏内に入っているというようなことでありまして、こういう点から欧米諸国に比べてわが国の方が状態がよろしいということもありまして、内外の市場の為替の相場観も大きく円安の方に動くというようなことではございませんで、多少円安になった場合でもまたある程度戻すというような、そういう動きになっております。 ちなみに、御指摘の昨年末からことしの初めの時点と、現在までの円安になった、たとえばけさの相場というところの下がりぐあいは、六%ぐらいでございますが、マルクとかスイスフラン等は一二、三%下がっているというような状態でありまして、全般にドルが堅調である、その余波をある程度受けている、こういうふうな形でございます。 現状は大体そういうことでございますが、これからのことでございますけれども、為替相場は変動相場でございますので、ある程度波動を繰り返すことはこれはやむを得ないわけでございますが、今後とも、物価でありますとか、あるいは国際収支でありますとか、そういうような為替に非常に強く響く、そういう経済の基礎的な条件というものを改善し、これを維持するということに努めることによりまして、為替相場の安定を期すると、こういうようなことが肝要であろうと思います。それと同時に、内外金利の動き等については、もちろん十分これを注視していかなければならないことでございますが、いまの相場観は、いま申し上げましたようなことで、年初に比べますと円安の方になっておりますが、ある程度落ちついた状態である、落ちついて、しかし金利の日々の波動等によりまして、ことにアメリカの金利の動き等によりましてある程度波動をしていると、こういうふうに了解しております。
○原田立君 長官、お伺いしますけれども、四月の二十二日までの円相場の下落率は八・二%にもなっておりますが、一般に円の対ドルレートが一%下がれば国内物価は〇・一%程度上昇すると聞いております。円安が物価に与える影響をどのように考えておられるか。 また、これは肝心なこと、先ほども質問がありましたけれども、政府の消費者物価目標五・五%は円の対ドルレートをどの程度に置いて試算したのか、その点いかがですか。
○政府委員(廣江運弘君) 最初に、政府経済見通しにおきまして、五十六年度の政府経済見通しにおきまして円の対ドルレートを幾らに見ているかということでございますが、変動相場制のもとで、特定の時点で将来の円相場を見通すことはきわめて困難でもございますし、また適切でもないと考えております。したがって、その見通し作成におきましてこういうふうに見ているということは申しかねるわけでございますけれども、ただ、作業の前提といたしましては、見通し作業開始直前の実勢相場を参考にいたすことといたしております。具体的には、五十五年十二月の作業におきまして対ドルレートは二百十三円と見ておりまして、五十五年十二月以降の対ドルレートを二百十三円と見て計算しておるわけでございます。五十六年度につきましてもそういうことになると思います。 次に、円安が物価に与える影響はどうか、こういう御質問でございます。わが国の輸入は原燃料が大部分を占めております。円安はまず卸売物価に影響を与えるわけでございます。卸売物価は、このところ、二月が前月比でマイナス〇・二、三月は〇%と落ちついて推移しているわけでございますが、先ほどもお話のございましたように円安でございまして、これによります直接的効果は、二月で〇・一、三月で〇・一%、それぞれ引き上げの方に働いているわけでございます。一般的に申し上げますと、一%の円安は直接的には卸売物価を〇・一%程度引き上げるものと試算いたしております。このとき私が申し上げております円安の率は、いわゆるヨーロッパ方式と言われるものでございまして。前月の円レート分の当月の円レートによっているわけでございます。 なお、続きまして、円相場の変動によります輸入原燃料価格の変動といったものは、加工過程を通じまして、中間品、さらには完成品にも影響してくるというわけでございますが、こうした間接的な影響、間接的にも卸売物価を変動させます影響につきましては、その程度はそのときどきの需給関係等によって異なるわけでございまして、先ほど申し上げました直接的影響以外のそうした間接的影響につきまして一義的に計測することは困難でございます。 次に。消費者物価でございますが、消費者物価に占めます輸入品のウエートはごく小さいものでございますため、円安の直接的影響はほとんどないものと考えております。 なお、卸売物価を通じての間接的影響につきましても、需給の緩和もありまして、卸売物価が全体として落ちついていることが消費者物価に好影響を及ぼしていると考えております。
○国務大臣(河本敏夫君) いま政府委員が答弁したとおりでございまして、原則的に、円安になりますと卸売物価が上がるという一応のことにはなりますけれども、しかし経済全体が生産性向上を進める、こういうことによって海外からのいろいろな輸入物資の値上がりを吸収することも可能でありまするし、それからまた物の値段は需給関係によって動くということが最大の要素であろうと、このように思います。そういうことがありますから、原則はいま政府委員が答弁したとおりだと思いますが、実際の物の値段の動きというものはまたおのずから別個になるであろうと、このように考えております。
○原田立君 長官ね、ぼくが聞いたのは、五十六年度の消費者物価の目標五・五%、これは一体対ドルレートが幾らのことで計算をなさったのかと、こう聞いているんですよ。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府は、五十六年度はもとよりでありますが、毎年円相場が幾らになるであろう、こういう想定は、変動相場制でありますから、しないことにいたしております。ただ、いろんな計算をしなければなりませんから、計算をする場合には、直前の円レートを参考にして一応の計算をする。そういうことでありますが、それは翌年度における実際の円レートの見通してはないと、こういうことであります。
○原田立君 全国勤労者世帯の家計収支の動向を見ると、五十五年の実収入は物価上昇分を差し引くとマイナス〇・六%と前年の水準を下回っております。一方、消費支出も実質でマイナス〇・八%と大幅に落ち込んでおりますが、これは収入や支出の伸びに比べ物価の上昇の方が高かったことを示しているのではないか。今回の春闘の賃上げはほぼ——これから集計されるんだろうと思いますが、巷間伝えられるところによると、約七・五%程度ではないかと言われていますが、この点を踏まえて、現在なお低迷を続けている消費支出が回復してくるのはいつごろになると見ておられるのか、その見通しをお伺いしたい。 また、公共料金の引き上げ等に加え、所得税の累進税率により、増税なき増税は五十六年度の勤労国民の負担増をさらに強めてくると思うんであります。たとえば五十五年の全国勤労者世帯の実収入を例にとって計算しますと、五十五年一年間の実収入は四百十九万六千二百円であり、このうち所得税は十八万二千円、税引き後の所得は四百一万四千円程度と計算されております。実収入が七・五%増加したとして計算すると、実収入は四百五十一万円、所得税は二十一万五千七百六十五円、五十五年に比べ一八%も税金の方はふえるけれども、逆に税引き後のいわゆる手取りは四百二十九万円程度で七%程度の増加にしかならない。これを見てもわかるように、個人消費の大幅な回復には減殺される要因が強く、消費の増加に期待が持てない、こういうふうに私は思うんでありますし、政府の見通しは大変甘いのではないかと思うんですが、長官の所見をお伺いしたい。
○政府委員(井川博君) 数字の点についてちょっとお答えを申し上げたいと思います。
○原田立君 簡単にやってくださいよ、時間ないから。
○政府委員(井川博君) 先生が個人消費低迷の理由が物価高とおっしゃいましたが、それは事実でございます。したがいまして、五十五年度個人消費の伸びというのが予想に反して非常に低かったということになるわけでございます。 問題は五十六年でございますが、私たちは、経済企画庁としてはマクロ的な計算をいたすわけでございまして、もちろん実質的な所得税がふえるというふうなものも計算いたしてございます。たとえば前半が八、九%伸びの際に社会保障負担とか直接税等の負担が一四%、マクロ的に。しかしとにかくその伸びは大きいということでございます。 しかし、基本的には先ほど先生が五十五年についておっしゃいましたと今度は反対のことが五十六年には言えるわけでございまして、五十六年度全体で五・五%の物価上昇、春闘をいわゆる所定内給与だけではなくて、雇用者所得全体ではじいておりますが、これを七・五%とはじいております。大体そのラインを現段階でわれわれ変える必要はない、大体その範囲内というような感じでおるわけでございます。それに就業者の、雇用者の伸び等々を加えますと、全体的にGNPとしては雇用者所得九%台の伸びになるということでございまして、その上物価が落ちついてまいりますと、当然のことながら消費マインドが出てくるというふうなことを考えますと、九・九%の個人消費の増は実現可能であるというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 数字の点はいま政府委員が答弁したとおりでございます。これから政府の考える対策といたしましては、消費者物価五・五%というものをどうしても実現する必要があろうかと、こう思います。むしろことしの物価対策は昨年に比べましてやりやすくなっておりますから、五・五%をいかに下げるというぐらいな考え方で物価政策をやっていきたいと、このように考えております。
○原田立君 まあ、決意ばかり述べられても、実際にまたことしみたいなようなことにならないように、先ほど山田委員からも指摘があったけれども、しかと要望いたしておきます。 それから長官、次の問題、プロパンガスの問題なんですけれども、輸入価格とか卸売価格とか、そういうものがどんどん非常に安くなっているのに、小売販売価格がちっとも下がっていないという事実があるのですけれども、御承知ですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 承知しております。
○原田立君 じゃ、承知しているということなんで申し上げるのですが、このプロパンガスの利用というのは、都市ガスなどと同じように非常にたくさんの人が利用されております。都市ガスの場合には、全国で千二百万軒、プロパンガスは利用者は千八百万軒、大変多うございます。 で、第二次石油危機の発生後、国民生活に不可欠な灯油、プロパンガスの価格抑制について、これは通産省でありますけれども、どのような方針で臨んだのか、あるいはまたプロパンガスのCIFはどのような推移をたどっているのか。数の上から申しますと、五十五年の五月には八万一千九百八十七円であったものが、現在では、五十六年の三月では七万円になっていますが、一番安かったことしの一月には六万八千五百三十三円と、こういうふうにぐっと輸入価格が下がってきておりますが、このような動きについて、消費者物価指数、卸売物価指数、どんなふうになっているかお答え願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘がございましたように、LPGの輸入通関CIF——これは通関統計でございます。実は通関統計のLPGの通関CIFと申しますのは、いわゆるプロパンガスとブタンガスと両方入っておりまして、そのまま消費者物価指数の動きと比べますのに若干問題があるわけでございますけれども、そういう前提でお答えいたします。 先生ただいま御指摘ございましたように、輸入通関CIFの動きを見てみますと、産ガス国のガス価格の急激な引き上げを反映いたしまして、昨年の五月にトン当たり八万二千円というところまで急激に、上がったわけでございます。その後産ガス国側におきましても、これはブタンを中心にいたしたわけでございますけれども、価格の引き下げというのがある程度行われた、また円レートが上がったというようなこともございまして、三月の通関CIF、これは七万六百七十二円ということになっているわけでございます。 そういった通関CIFの動きを反映いたしまして、元売の卸売価格の推移を見ますと、これは日銀の卸売物価指数でフォローしてまいりますと、昨年の五月が五十年を一〇〇といたしまして二一二・四、それがその後逐次下落をいたしまして、三月には一七八・三ということになっているわけでございます。この卸売物価指数によりますLPGの価格下落の割合というのは通関CIFの下落幅よりもやや高い、大きいという形で輸入価格の下落、これは卸売物価指数に反映されておる、こういう状況でございます。 ただ、消費者物価指数を見てみますと、これは昨年の八月に大体一六一ぐらいになったわけでございますが、その後大体一六一前後で推移をしてまいっておりまして、この三月の消費者物価指数は一六一・三ということになっているわけでございます。 ただいま数字でお示し申し上げましたように、この輸入価格、卸売物価、これは昨年の五月をピークにして、若干の一進一退はございますけれども、ほぼ一貫して下落傾向、それに対して消費者物価指数は、昨年の八月以降ほぼ横ばい、こういう状況になっているわけでございます。 そこで、この消費者物価のこういった動きというものについてでございますけれども、私どもの判断といたしまして、このLPGの場合には非常に流通経路が複雑多段階でございます。また家庭まで充てんをして持っていかなければいけない。あるいはLPGの特殊性から申しまして保安経費がかかる。こういった要因がいろいろあるわけでございまして、この消費価格の中でいわゆるLPGのガス代というものの占める割合は三割程度、七割ぐらいがそういった人件費であるとか保安経費、こういうことでございまして、そういった点に問題があるのではないかというふうに思っております。
○原田立君 プロパンガスは輸入価格も卸売価格も、昨年五月と今年三月を比較すると、一五%前後値下がりしている、小売価格は反対に上昇している。おかしいじゃないですか。灯油は輸入価格、卸売価格等も下がり小売価格も下がっている、灯油の場合は下がっている。灯油価格とプロパンガスは必ずしも同じように論じられないのでありますが、仕入れコストが相当下がっているのに小売価格が上昇しているというのはどうもよく理解しがたいのであります。プロパンガスの需給が緩んでいる中で値上がりしているのでは国民は納得できないのではないか、こう思うのでありますが、いかがですか。 それからもう時間がないから聞くんですけれども、大臣、先ほど冒頭に聞きましたように、プロパンはちっとも下がってないことは承知しているというお話があったけれども、プロパンガス価格が卸売段階でも大幅に下がっているのに、それが末端価格に反映しないことについてはまずいのではないか。いかがお考えであるか。 五十三年のときには円高差益の還元について業界を指導したはずでありますが、現在もそうした指導をすべきではなかろうか。 いろんなことをごちゃごちゃとまぜて質問いたしましたけれども、お答えいただきたい。
○政府委員(志賀学君) 若干先に私からお答えをいたします。 昨年の五月の卸売物価指数とことしの三月の卸売物価指数と比べてみますと、約一六%の下落でございます。それに対しまして小売物価指数は、同じ期間で見ますと、二・七%となるということで、先生が御指摘になったような数字の動きを示しているわけでございます。 ただ、これにつきまして、先ほど申し上げましたように、このLPGの小売価格については、LPGの流通経路の複雑さ、あるいはLPGというもののその商品の特殊性、そういったものの反映というふうに考えられるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、そういった点について私どもとしても対策を講じていくべきであるというふうに考えているわけでございます。そういう観点からしPGの販売店、小売業者の近代化、合理化、これを推進していくことが必要だというふうに考えているわけでございまして、そういう観点から、中小企業近代化促進法に基づきましてLPG販売業界の構造改善に現在鋭意取り組んでいるところでございます。LPGの小売店というのは非常に中小零細企業が多いわけでございまして、そういった中小零細業者の方たちの近代化、合理化、これを推進することによって、できるだけ卸売物価の動き、あるいは輸入価格の動き、そういったものを適正に小売価格にできるだけ反映させていけるように、そういう形に持っていくことが必要だというふうに思っているわけでございます。 なお、為替差益の問題でございますけれども、為替差益は、元売段階あるいは輸入業者の段階で発生するわけでございますけれども、LPGの専業輸入業者の経営状況を申し上げますと、これはすでに発表されているものに若干推計を交えるわけでございますけれども、輸入専業者の経常利益は五十五年度におきまして赤字になっているというのが現状でございます。
○国務大臣(河本敏夫君) LPGは国民生活上不可欠の商品になっているわけでありまして、物価にも非常に大きな影響がございます。しかし小売段階で下がらぬではないかというお話でございますが、その点はいま石油部長からお話がございましたように、私はやはり流通問題だろうと思うんです。これについて思い切った合理化をやっておる、対策は十分考えておる、こういうことでありますから、私ども物価対策の上からもこの合理化が一刻も早くかつ強力に進むことを期待いたしております。
○委員長(丸谷金保君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(丸谷金保君) ただいまから物価等対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、当面の物価等対策樹立に関係する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渡部通子君 私は訪問販売並びに通信販売等に関する問題を若干質問いたします。 この数年来訪問販売に伴う消費者苦情、これは非常に増してきていると思います。訪問販売は、店舗販売に比べまして、販売者側にとっては、新たな需要の開拓ができる、あるいは店舗がなくても商売ができる、こういったメリットがございますが、反面セールスマンの積極的な販売、ともすると詐欺的とも言われるような強引な行動、こういったものがございまして、消費者の意思に反して商品を押しつけられる、こういう例も数多く見られるようでございます。こうしたトラブルを解消するために五十一年にいわゆる訪問販売法、これが成立したわけでございますが、その法が成立したにもかかわらず、かえって苦情というのは窓口に非常にふえてきているという皮肉な現象を呈しているわけでございます。 まず、通産省は、こういう法が施行されたにもかかわらずトラブルが増しているという原因をどう掌握なさっているか伺いたいと思います。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 先生御指摘のように、訪問販売に関する私ども通産省、通産局への苦情が年々ふえていることは御指摘のとおりでございます。 その原因でございますけれども、私ども実態をいまいろいろ検討中でございますが、まず一つ考えられますのは、訪問販売の業界の総売り上げと申しますか、実態が非常にここ数年ふえてきて、年率一割程度、推計ではございますが、業績が伸びてきている、絶対の器がふえたということが一つとして挙げられるかと思います。 それから二番目でございますが、いま先生から御指摘がありましたように、店舗もなしに簡単に商売ができるものでもございます。同時に、末端ではいろいろ品目に上ってはかなり過当競争が行われておる、セールスマン同士の競争でございますけれども、そういう実態を踏まえまして、かなり無理な押し込み販売等が行われているのではないか、そういうふうに推測をいたしております。
○渡部通子君 パイがふえたから事故もふえたんだというお話でございますが、最近の市場の実態というものをどうつかんでいらっしゃるかということを伺いたいし、それからもう一つ、セールスマンの数をどのくらいに見ていらっしゃいますか。 〔委員長退席、理事山田譲君着席〕
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 統計が非常に不備でございまして、現在整備中で推定の域を出ませんけれども、私どもの推計では、五十三年度で約八千五百億円、それが大体年率一割程度で伸びてきておりますので、現在ではほぼ一兆円になっております。 ただ、実態は、自動車の訪問販売に係る部分につきましては、統計がございませんものですから外れておりまして、自動車全体は十一兆以上ございますけれども、この訪問販売分が不明のために自動車は除いてございます。 セールスマンの数でございますけれども、これは非常に簡単に業界に進出できることがございまして、正確な把握は困難でございまして、私ども業界を把握している実態では百五十万、トータルでその程度と言われておりまして、私ども日本訪問販売協会というものを組織してもらったわけでございますが、その会員が八十万人と言われております。
○渡部通子君 行政管理庁にお伺いをいたしますが、ことしの三月に新規行政施策の定期調査として訪問販売法を調査されましたが、その調査概要及び問題点について、簡単で結構です、御報告ください。
○説明員(島田正君) 御説明申し上げます。 これは、いま御指摘のありましたように、新規行政施策の定期調査という調査として行ったものですが、これは新規行政施策が発足後大体五年程度経過した時点におきまして、その施策の実施状況あるいはその効果について調査を行うという、そういうようなものでございまして、訪問販売法につきましても、昭和五十一年に発足いたしまして、訪問販売法につきましては、販売業者と消費者のトラブルが多発してきているというようなことで、社会的に見過ごし得なくなってきているということで、販売に際しては売買契約書の交付義務とか、それからいわゆるクーリングオフ制度、そういうものの措置が加えられたわけですけれども、そういうものが本来の趣旨に沿って運用されているかどうかということを調査したものです。 それで、今回の調査結果によりますと、訪問販売に関する苦情の解決の促進にこういうようないわゆるクーリングオフ制度が役立っているのではないかという実態も見られたわけですけれども、それと、マルチ商法等の著しい減少が図られて、そういう面でも消費者保護に寄与しているという、そういう実態が見られております。 なお、問題点といたしましては、訪問販売に関する苦情、そういうものがまだ相当多く、先ほど先生の御指摘のように相当多く見られる。しかも、その中には訪問販売法による法令違反も見られますし、それから特定の商品について特定の業者にそういうものが特に見られるということで、そういう苦情を多発している業者へのいわゆる苦情につきましては、消費生活センターといわゆる地方公共団体等、そういうところが受けつけているわけですが、それといわゆる指導機関である通商産業省との連携を密にしまして、そういうものの指導を強化していくことが多発業者を減少させていく一つの対策になるんではないかと考えております。 それから日本訪問販売協会非加盟業者への苦情の方が圧倒的に多く見られたものですから、そういうものの同協会への加入を促進することを指摘しております。 それから消費者に相当周知が図られているわけですけれども、このクーリングオフ制度については必ずしも十分周知されていなくて、期間内での契約解除の申し出がかなり少なくて、期間外での解除の申し出が多いとか、その申し出の方法について知らないというようなこともありましたので、そういうことから消費者啓発を充実させるようにも指摘しております。 それから訪問販売における現金取引とか役務については、これはクーリングオフ制度の適用がないわけですけれども、これはその法を適用することがなかなかむずかしい問題もあるわけですが、これは是非も含めまして、相当むずかしいんですが、これにつきましても、ただそれだからということで放置できないということで、その対策も強化するように指摘しております。 大体以上です。
○渡部通子君 いま概略御報告いただいてもかなりの問題点があるわけでございますが、そうなるとこの法律の目的は必ずしも十分達成されているとは思えない、こう思うわけでございますけれども、通産省としては対応をどう考えていらっしゃいますか。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げますと、私ども、先生御指摘のとおり、また行政管理庁から調査報告をいただいております実態につきましては、よく勉強さしていただいておるところでございます。私どもさしあたり、確かに苦情がふえていることは先生の御指摘のとおりでございますので、まず一つは、私ども当面やるべきこととして考えておりますのは、法律の厳正な運用というのを一層強化していきたいと思っております。従来からも私ども個々のケースにつきましては、経営者を入れまして、特に先ほど行政管理庁からの指摘がございましたが、多発企業がございます、特に英語教材等あるわけでございますが、そういう経営者に対しましては厳しい指導を行ってきているつもりでございます。同時に、業界団体につきましては、それぞれ法の趣旨の徹底等につきましての通達等をいたしてきておるところでございます。 それから二番目に、今年四月から私ども発足させたんでございますけれども、本件一番の問題は、セールスマンの資質の向上と経営者の経営姿勢である、そういう観点から、セールスマンの教育、登録制度というのを発足させまして、四月から準備の整った業界から積極的にこの制度を実施し、かつ強化していきたいと思っておるのが二番目でございます。 それから三番目でございますけれども、市町村等の消費生活センター等で本件等の苦情処理をいろいろやっていただいたり、法律の解釈上疑義があったりしてはいけませんし、それから業者に対する指導もできるだけ明確に丁寧にやってもらう必要があると考えております。そういう意味で、もうすぐでき上がる予定でございますけれども、消費者相談処理マニュアルというものを、契約に関するものをつくりまして、これを早く市町村、公共団体等、それから私どもも持ちまして、実際の苦情処理に当たると同時に啓発を図っていきたい。 それから四番目といたしまして、私どもとしては消費者啓発というのを一層充実してまいりたいと思います。ラジオ・テレビ、それからパンフレット、リーフレット、それからいろいろな主婦連等婦人団体等の会議が開かれる場合、その都度私ども消費者に対する訪問販売の注意をしていただくということにつきましてできるだけ啓蒙と注意の喚起をしてまいりたい。そんなことをとりあえずやっております。 ただ、実態上かなり苦情が多く相談件数も多いわけでございますので、今年度早急に実態の調査をしてみたいと思っております。 以上でございます。
○渡部通子君 セールスマンの登録制度を発足させたということは結構なことだと思うんですけれども、その対象業種がどのくらいカバーできるか、あるいは登録人員等がどのくらい実効を持たせることができるのかどうか。さらに問題なのは、登録されないセールスマンが多数いるということの方が問題ではないかと思うんですね。先ほどの行政管理庁の御報告でもむしろ協会に加盟していない業種の方に多発している、トラブルが多く起こっているというような状況でございますので、登録制度のその問題点をちょっと説明してください。どのくらいの業種が対象業種で、どのくらいのセールスマンがカバーできるものかどうか。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 セールスマンの数、百五十万と私ども推定をいたしておりますけれども、この登録制度を始めております協会の参加セールスマンの数は約八十万人と私ども考えております。業種の数にいたしまして十七業種、個人企業の会員では九十九社でございますが、漸次これは増加してきております。 したがいまして、先生御指摘のように全員を網羅するということはなかなかむずかしゅうございます。特にアウトサイダーで事故を起こす場合があるわけでございますが、その辺につきましても、なかなかその実態上の把握がむずかしゅうございますけれども、私どもとしましては、この制度を主婦団体等を利用さしていただきましてPRすることで、アウトサイダーの企業がこの制度をやらないとなかなか商売がしにくいような実態を醸成することなどをいたしまして、インサイダーになることを勧奨してまいりたいと思います。先ほど申し上げた十七団体につきましても、できるだけ早急に、この一年ないし一年半以内にできるだけやるように指導してまいりたいと思っております。
○渡部通子君 努力をなさっている点はわかるんですけれども、それではまだ問題が防げないんではないかと思うわけです。 それは大体登録制度といっても、それを教育して、登録の免許証だか身分証明書か知りませんけれども、それを渡すのは企業がやるわけですね。だから、いまのセールスの実態というのを見ていると、それこそ営業成績を伸ばすために不当のセールスまでやらせるような教育をしている企業が、逆にその企業の倫理を教育してセールスマンとしての資格の証を与えようという、二律背反的なことをやらせるわけですから、どのくらいの実効が上がるかというところにまず第一の問題があると思うし、それによって登録をされたとしても、もしトラブルを起こしたり不当なセールスをした場合、登録を取り消すと言っていらっしゃるけれども、取り消したからといって販売はそのまま続けるわけですね。そうすると、登録を取り消してしまっても、質の悪い販売業者というものは、もぐりじゃないですね、これは別に規制しているわけでもなんでもないですから、正々堂々と野放しのままでセールスは続けるという状況は放置されているわけですね。 こうやって見てみると、登録制度はいい人にとったはいいですけれども、もともと悪質のセールスマンにとっては痛くもかゆくもないという一面も持っているわけです。ですから私は、補助金を出して登録制度を通産省が奨励してやるからには、むしろ悪質なセールスマンをどうカバーするか、そちらに重点を置いてもらわなきゃ困るわけで、それを野放しのままの登録制度というのは、ちょっとトラを野に放ったままの制度をこしらえるのではないか、こういう気がいたしますが、いかがですか。
○説明員(野口昌吾君) むずかしい御質問でございますけれども、確かに、企業でございますから、商品の販売をセールスマンの手段を通して行うわけでございますので、積極的な販売活動が行われることはこれはもう企業として当然のことだと思います。 ただ、私どもが実態を折に触れ勉強しておりますのは、何と申しますか、たとえば訪問販売法の存在すら知らないセールスマンが多いという実態が非常にあるわけでございます。そういう点は、少なくとも私どもとしては、セールスマンと言われる職業についておられる方々には、訪問販売法なりクーリングオフなどの制度につきましてはわかった上で販売をしていただかなきゃしようがないというふうに思っております。 この制度そのものでございますが、この制度につきましては、私どもは実態上の指導は問題の多い業種からやっておるつもりでございます。英語教材、エクステリアとか衛生用品とか、そういうものをできるだけ早く実施させるようにいたしておるつもりでございます。できるだけ問題の多い業種からというふうに考えております。 ただ、先生の御指摘のように、悪い企業とおっしゃることになりますとなかなかむずかしゅうございますけれども、これは登録制度で、登録証を持つことによりまして発行者の企業に責任を持たせる、つまりトラブルなり消費者にいろんな損害を与えた等、そういう問題が生じたときには、発行者の企業に責任を持たせるということを、この制度の実施に当たりまして業界には明確に指導をさしておりますので、万一そういうことがあれば、これは私どもとして企業に対する責任は十分にとらせるようにしたいと思っておるわけでございます。
○渡部通子君 どんなに手を尽くされても販売合戦の方がすごいわけです、現場へ行ってみると。だから、大阪の門真市で実態調査をなすった結果を見ても、現にクーリングオフという制度があるんだということをセールスマンが言ったのはわずか八・六%。訪問販売にその制度があるということを知っていたって、それは売りたい一心の業者が、クーリングオフの制度があることなどを親切に教える人はいないわけですね、実際上としては。したがって、登録制度だけで何とか問題を切り抜けていこうというのは少し甘過ぎるのではないか、どうしても法改正というものを検討せざるを得ない段階にきているのではないかということをお尋ねしたいんです。 行政管理庁の調査でも指摘がありましたけれども、たとえば現金取引についてクーリングオフの適用がございません。これはどうしてもお金を払ってしまった弱みででして、あと解約しようと思っていても逃げられてしまう。そこへもってきて、現金取引についていわゆるクーリングオフが効かないというのは、これは矛盾があると思いますが、いかがですか、これに適用するおつもりはございませんか。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 五十一年の法律をつくるときの考え方でございますけれども、クーリングオフの問題につきましては、先生御案内のように、民法上の例外であることは御案内のとおりでございます。 現金取引につきましては、金の支払いを済んだことで、商取引と申しますか、民法上一応済んだことになります。したがいまして、余り現金取引そのものまでもクーリングオフの適用にいたしますと、いわゆる商取引の安定性と申しますか、そういうものを阻害するおそれがあるということで除外をされたというふうに私ども聞いております。 ただ、もちろん商品等に瑕疵がある場合は、これは民法の原則で、また両当事者間で話し合いをすることができることはもちろんでございます。でございますが、私ども実態的に皆様の御指摘を承知しておりますし、現在また実態を調査していきたいと思っておりますので、先生の御指摘の問題点を踏まえましてよく勉強をさしていただきたいと考えております。
○渡部通子君 クーリングオフに関連して若干伺っておきます。 現行では、契約の交渉が営業所でない場合、申し込み、締結の場所が営業所等であってもクーリングオフが効かない、こういうことがあるんですが、電話での呼び出しとか、はがきあたりで呼び出されて契約のきっかけをつくるという場合が多いわけでございまして、こういうお誘いや交渉が営業所外で行われた場合にもクーリングオフを適用していいのではないかという点。 それからクーリングオフ制度を知らない消費者が非常に多い、そこへもってきてセールスマンが教えてくれないという事情があるわけですから、もう少し契約書等に、解約の場合は四日以内にとかということをちゃんと枠で書き込むとかというような義務づけをしたらどうか。大抵それは小さく書いてある。それがもっとはっきりわかるように別枠で書くというようなことを義務づけたらどうか。あるいはもう少し丁寧にすれば、申込書や契約書のところにはがきを一通つけて、そして解約の場合は四日以内にこれを御投函くださいというのをつけて出す。ここまですれば多少なりともクーリングオフの制度を消費者側に立ってPRすることができるのではないか、こういう気がするんですね。 さらにもう一点、四日間というのは大変短いんですね。それは普通の契約でいけば十分だろうとおっしゃるかもしれませんが、悪意のあるセールスマンの場合には、土、日留守をされたり、あるいは四日とも居留守を使われたり、あるいはそういう人は不在などと言って四日を経過されたりというような事例は山ほどあるわけですから、そういうことを考えた場合に、これを一週間に延ばす必要があるのではないか。 クーリングオフをめぐって、この三点についてお答えください。 〔理事山田譲君退席、委員長着席〕
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 まず、最初に御質問がございました営業所外の強引な勧誘等でございますが、私どもはこの法律の運用に当たりましては、可能な限り消費者保護の立場をとりまして、積極的に保護の対象に呼び込もうという姿勢で臨んでおるわけでございます。若干あいまいな点もございますけれども、その辺も勇気を持って私どもは拡大解釈で運用を指導さしていただいているつもりでございます。 それからクーリングオフの問題でございますけれども、まず契約書——通常の場合、個人割賦いわゆる月賦の支払いによるケースが多いのでございますけれども、そういう場合につきましては、契約書の中に必ずクーリングオフをできる旨を書かねばならないことに法律上なっております。と同時に、先生御指摘になりましたように、はがきの問題につきましては、昨年私ども標準約款というのを行政通達をいたしておりますけれども、その中に実は、断る場合こういうふうにお断りくださいというのを、官製はがきの例を契約書の中に参考につけさしていただいております。その実態は、信販業界でほぼ一〇〇%近く、その他を含めましても八、九割の浸透率というふうに考えておりますので、漸次さらにこれを浸透さしていきたいと思っております。 なお、セールスマンがクーリングオフを消費者に対して書面で告知しなかった場合、これはクーリングオフの消費者の権利は永久に続きますので、いつでも解除ができる。そういうところももう少し消費者には啓蒙していきたいと思っております。 それから最後に、クーリングオフの四日の問題でございますけれども、これは法制定時には、取引の安定ということと消費者保護ということのバランスで四日というふうに決められたというふうに私ども承知しております。これが長いか短いか、もう少し長くする必要があるかどうかということにつきましては、現在のところ勉強さしていただいているつもりでございます。
○渡部通子君 法制定のときに四日が議論になったことは私も承知をしているんですが、その後トラブルがふえ続けているという状況があるわけですから、この辺でもう一回御検討したらいかがですかと申し上げているわけで、余り長い間勉強中ということでなく、消費者保護に立ったお考えで、通産省にそれは聞くべきことではないかとも思いますけれども、もう少し延ばしていただきたいと思う。 それからもう一つは、対象の指定商品の拡大、これも必要ではないかと思います。確かに訪問販売の対象商品というものがずいぶん広がってきておりまして、現在では書籍とか家具、ミシン、化粧品、衣服など、そういう四十二品目に限られておりますけれども、最近トラブルの目立つ自動販売機あるいは非常に多いのがレジャークラブ会員権等ですね。それから近畿ブロックの消費生活センターの所長会議か何かから要望が出されておりますけれども、ぜひいまのレジャー会員権とかあるいは新聞ですね、そういったものも指定商品として拡大をしていただきたい。あるいは自動車もそのとおりでございますが、この指定商品を拡大する方向について通産省はどういう意見をお持ちでしょうか。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 現在の訪問販売法では、「日常生活の用に供される物品」ということで、政令指定になっております。先生御指摘のとおり、四十三品目が商品でございます。したがいまして、一部につきましては、商品ではないもんですから、現在では政令ではできないけれども、法改正すればできる、そういう実態でございます。一部につきましては、いろいろ契約形態がばらばら、複雑であったりすることもございますし、一部には若干投機的なものも入ったりいたします。それからケースによっては業そのものをある程度規制しないと実効を保てないということなどがございまして、現在勉強さしていただいている次第でございます。 新聞につきましては、御指摘の近畿ブロックからの要望も私どもちょうだいいたしておりますけれども、意外と苦情件数が少のうございまして、勉強中でございますけれども、年間十五件程度で、私ども通産省だけではわかりませんけれども、その辺の苦情の陳情の実態と私どものいただいている苦情の中身などをよく勉強さしていただきたいと思います。
○渡部通子君 新聞の苦情が少ないのは、きっと景品がすごいからだろうと私は思うんですよ。これはまた別途の話ですからここではいたしません。 経企庁に伺いますけれども、いまお聞きのとおりの通産省のお考えでございます。私は消費者保護という立場に立って見ますと、これほど通信販売とか、あるいは訪問販売というものが広がってきた現在、法のつくられた時点からいまの対象枠の拡大、あるいはクーリングオフをめぐる問題、こういった点については法改正を行って、消費者保護という立場の行政を強めるべきだと私は考えますし、それを要求いたしますが、経企庁の御見解を聞きたい。
○政府委員(小金芳弘君) 訪問販売に関する問題がいまのように多発しておりますことは御指摘のとおりでございますが、われわれといたしましては、一番基本は、消費者の側で訪問販売に関する健全な知識を持っておって、そして適切な対応をするということが一番の基本であると考えまして、その点につきましては、国民生活センター等を通じまして普及、啓発をやっておるわけであります。 なお、これに関係いたしまして、規制を拡充する、あるいはその内容を変えるという問題はもちろんございますが、これは実態を正確につかんだ上での調査分析ということに立ちまして、各省とも協議の上で検討していきたいと思いまして、通産省でも現在この調査を行われておりますので、われわれといたしましては、その結果を待ちまして検討したいというふうに思っております。
○渡部通子君 訪問販売の点はこれで終わりますが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、経企庁長官にちょっとだけ伺います。 経企庁長官は、景気の回復にとって何といっても物価が第一と、こういうことで力を入れていただいているのはわかるし、それから先進諸国の中で、石油危機以来、日本の国が非常にいい回復をした、うまくいっていると、こう政府が主張していらっしゃるのも、それも私は理解をいたします。しかしながら、生活実感が、日本の国は非常に高いという点ですね。 このことを裏づけるものとして、先日、国際的な民間調査機関であるビジネスインターナショナル社が、世界の主要八十三都市の年間生計費調査を発表いたしました、四月でございますが。これはニューヨークを一〇〇として、それによると東京は一六〇・四、第一位、こういうことです。生計費が先進国で非常に高いというこの事実に対して、政府は、物価はうまくいっているとおっしゃっておりますが、それがわれわれの実感と非常に違ってくるところでございまして、これについて経企庁長官はどのような受けとめ方をなさっていらっしゃるか、これが一点。 それからもう一点伺いますが、予算修正をめぐって所得減税の経緯については御承知のとおりでございますけれども、新聞報道によりますと、五十五年度は歳入不足になるかもしれない、こういう記事が見られます。もし減税ができないとすると、国民の生活もそうでございますが、景気対策の面にも重大な影響が出ると考えますが、この点経企庁長官はどうお考えでございますか。 以上二点伺って質問を終わります。
○国務大臣(河本敏夫君) わが国の経済、物価も安定をし、それから国民所得も数字の上では相当ふえております。ヨーロッパの一部の国をもうすでに追い越しておると、こういう状態であります。またアメリカのおよそれ割にも達しておる。こういうことでありますから、計算上は相当いい数字になっておるんですけれども、問題は、いま御指摘がございましたように、購買力の面でどうか、こういう問題が残っております。特に住宅関係の負担が非常に重い。それから食料費の負担も相当重い。こういうことで所得は計算上ふえておりますけれども、購買力という面では計算どおりいってない、これは確かに御指摘のとおりだと思うんです。 ただいまお話しになりました統計につきましては、この統計のとり方が果たして正確なものであるかどうか、そこらあたりは十分検討しなければならぬと思いますが、いずれにいたしましても、わが国ではそういう問題がある。住宅と食料の負担が相当重い。これは非常に大きな課題であろうと、こう思っております。 それから先般議長裁定がございまして、五十五年度の財政に余裕ができた場合には、それを各党間で相談した上で減税に回すと、そういうことになっておりますが、最近の税収の模様を見ますと、どうもやや心配な点がございます。果たして計画どおりの税の自然増収が入ってくるのかどうか、そこに若干問題があるように思うのでございます。いずれにいたしましても、五十五年度で仮に余裕の財源が出るといたしましても、そんなに大きな数字ではないと思いますので、このことが景気に響くと私は思いません。減税できないということのために景気に響くとは思いませんが、しかし政府の計画したような税の自然増収が期待できないという経済になっておること自体が非常に大きな問題であろうと、このように考えております。
○渡部通子君 終わります。
○小笠原貞子君 このごろ繊維製品を見ますと、家庭用品品質表示法というのによりまして、いろいろとその割合が表示されております。たとえば絹が六〇%とか、ポリエステルが四〇%というような表示のパーセンテージが出ておりますけれども、これはどういうやり方でこのパーセンテージを出すのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○説明員(徳武正人君) お答えいたします。 家庭用品品質表示法に基づきまして、繊維製品の大部分のものは、繊維の組成につきましてそれが重量割合でどのくらいの、混用率と言うんですが、になっているかにつきまして表示することになっております。
○小笠原貞子君 最近科学技術の発展によりまして、この繊維業界でも非常にいろんな問題が出てきております。たとえば絹の着物地とか、それから帯とか帯締め、帯どめといったようなものに、グラフト重合絹というような形でいろいろと樹脂が重合させられるというようなことになっておりますが、これの役割りはどういうことにありますんでしょうか。
○説明員(徳武正人君) お答えいたします。 いま御指摘ございましたグラフト重合というものでございますが、これは絹のたん白質の分子にスチレンとかアクリル酸メチル等のモノマーを重合させまして、製品に張りだとか、あるいは防しわ性だとか、あるいは形崩れの防止などのような特性を付するために付されている加工でございます。
○小笠原貞子君 そういうふうないろいろとお考えになってなさるんですけれども、大体どれくらいの割合でなされているか、適当だと思われるか。
○説明員(徳武正人君) お答えいたします。 普通のものは絹に——いまお話ししましたグラフト関係は絹に多いわけでございますが、主として帯、帯締めとか帯地でございますが、あのようなものに三割前後というふうに聞いております。はっきりしたことはわかりませんが、約三〇%というふうに聞いておりますが、そのくらいのものが加工されてつけてあるというふうに聞いております。
○小笠原貞子君 もう一度、小さい声だったから聞こえなかった。
○説明員(徳武正人君) 三〇%ほど絹に増量してあるというふうに聞いております。
○小笠原貞子君 それで三〇%くらい適当だとお思いになりますか。
○説明員(徳武正人君) 通常、業界等では、何というんでしょうか、絹そのものの性質等は変えないで、かつその用途に応じた特色を出すためにこのような加工がなされているのでございまして、三〇%がいいかどうか私もわかりませんが、通常はそのようにされているように聞いております。
○小笠原貞子君 業界ではいろいろやっていますけれども、通産省としては、これがどの程度の割合でやられているかというのは、通産省としての御調査というのはあるんですか。
○説明員(徳武正人君) 特にしておりません。
○小笠原貞子君 具体的に帯締めの問題について伺いたいと思うんですけれども、帯だとお金がかかりますから帯どめで実験をした。その実験調査を社団法人北海道消費者協会が最近行いまして、この間行っていろいろ聞いてまいりました。なぜそういうことをやったかというと、絹一〇〇%と書いてあるけれどもどうも違う、おかしいというので苦情が来て、そして調査をしたと、こういうことからの調査なんです。 これは帯どめ、帯締めだけなんですけれども、四十三銘柄を扱いました。そのうち二十九点、つまり六七%がグラフト重合の絹の糸であったと、こういうことになるんですね。そしてグラフト重合した樹脂を含めた割合というのが五%未満が九点でございました。それから五%から二〇%未満が六点でございまして、それから二〇%以上四五%未満が十四点ございました。四十三点のうち全体の三三%を占めるわけですね、二〇%以上というのが。そして加工している全体の五〇%が二〇%以上という増量なり何なりになっているわけでございますね。そうすると、さっきおっしゃったように、大体二〇%、三〇%くらいやっているということですけれども、これはちょっと調べてもらいたい、私は過剰だと思うのです。 きょう私は、全部これ絹、オール絹を着てきたんですよ。これは奄美大島つむぎでございまして、それからこれも絹でございますよ、帯どめも。増量とさっきおっしゃったけれども、結局絹だけだと締めたときぎゅっと締まるんですね。これがたくさん含まれますと、樹脂でございますから崩れてまいりますよね。形は崩れないかわりに、帯なんか締めまして、そしてほどいて平らにしといても、絹のようにすぐにしわはとれないというようなことで、はだ合いも余りよくないと、こういうことが言えるわけなんですよ。 だから、三〇%が適当だなんて業者が言っているそのまんまをうのみにされては私は困ると思うのですね。これは絶対するなどは言わない。確かに手あかがつきません。それから雨にぬれても縮まないというような利点があるけれども、その割合が三〇%程度でよろしということになりますと、先ほど言いましたように、絹に比べて四五%、約半分も入っているというようなところまでどんどんエスカレートしてくるわけですよね。そうすると半分絹——確かに中の繊維は絹だけれども、これにグラフト重合で樹脂を結合させる、その繊維は半分近くは樹脂が入っているわけですね。それでも絹一〇〇%ということでいいという表示法にいまなっているわけですね。 そうすると、私たちにいたしますと、やっぱり絹のたくさんあった方が締めやすいし、ぎゅっと締まるしというような点から、絹一〇〇%はそれじゃいいなあというようなことで、消費者が正しい認識をするために品質表示法というのができたわけでしょう。そうすると、正しい品質表示法とは言えないのではないか、私はそう思うわけなんですよね。それはどうお思いになるかということ。 それからいま大島つむぎと言いましたけれども、結城つむぎもそうですし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律、いわゆる伝産法で、帯だとか着物だとかというものが指定されております。これは全部絹です。グラフト重合されてないんですね。そして全部絹で絹一〇〇%と表示になるわけです。そうすると全部絹のこの私の大島も絹一〇〇%、そして樹脂が半分近く入っているものも絹一〇〇%。これじゃちょっとおかしいんじゃないんでしょうか。
○説明員(徳武正人君) いま御指摘の点がございます。それで帯締めといいますのは、先生御指摘ありましたように、表示法におきまして繊維の組成というものを表示することになっております。それで繊維製品といいますのは、御承知のとおり、染めたり、それから精練をしたり、それから仕上げ等の加工をするのが通常の例になっております。さらに繊維固有の特質というものを補完するために、それぞれ繊維の持つ欠点というものを改良し、さらに用途に適した新しい性質を積極的に付与するという処理加工がなされております。いま私が申し上げました防しわとか、あるいは防縮みですか、このような樹脂加工だとか、あるいはまた燃えないようにするために断然の加工だとか、そのようなものがございます。これらの加工は、繊維そのものの有する特質を生かしつつ性能を付加するものとして、繊維そのものの性能を、本質を変えるものではないというふうに考えております。 それで、家庭用品品質表示法におきましては、加工の種類ごとに技術的な基準を定めるというのが非常にむずかしいというような特殊性がございますので、かつまた消費者にとっても、表示の意味だとかが複雑になるということから、表示事項とは現在はしておりません。 それで、いま御指摘の、グラフト重合等の増量加工というものを表示法に基づく表示事項に追加するかどうか、そのためには技術的な基準の検討のほかに、さらにいま申し上げましたその他の加工方法との関連もあわせて検討することが必要じゃないかというふうに思います。御指摘の点につきましては、グラフト加工等を行っている旨の付記表示をするように関係業界を指導する方向で検討したいというふうに思っております。
○小笠原貞子君 経企庁長官、いまの話を聞いていただけたでしょう。具体的に、いまで言えば、違反はしてないんだ、間違ってはいないんだと、こうおっしゃったわけですよね。しかし消費者の立場に立って品質表示というものは、この商品に対してこういう中身ですよと正しくわからせるための品質表示だと、そう思うわけでございます。そうすると、先ほどから言っているように、この帯締めの実験でも、四十三点ですか、そのうち十二点はゼロなんですよ。全く絹だけなんですよね。だから全く絹だけのものでも絹一〇〇%。いま言われたように絹にグラフト重合、樹脂を半分くらい結合させてその繊維で織ったものでも絹一〇〇%。伝産法でやられている大島の絹一〇〇%は絹一〇〇%ですね。そしてまた、こういうものに樹脂を結合させたものでも、もとが絹だから、それに結合させたものでもこれは絹一〇〇%でいい。絹一一〇〇%でも中身が違うんですね。 こういう表示方法について経企庁長官としてもひとつ考えるべき問題だと私は思うんですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(小金芳弘君) 製品の内容を消費者が適切に判断できるかどうかという問題は、消費者保護上のポイントでございますが、この場合は、何と申しますか、繊維製品を所管しておられます役所で、この表示においても、何と申しますか、消費者の適切な選択が阻害されないという御判断を技術的にとられるのならば、それでもいいんじゃないか。われわれの方といたしましては、消費者がこういうものを求めている、それに対して、その表示上の問題によりましてそれが誤ったものを買うというようになった場合には、これは消費者保護の問題になると思いますが、いま聞いておりましても、かなり技術的な問題が含まれていると思いますので、通産省の方ともよく相談いたしまして検討してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 相談した後云々、相談した後ぐちゃぐちゃと言われたのは、相談して検討するということですか。
○政府委員(小金芳弘君) この問題は、消費者保護の表示と申しますか、その問題としてこれは消費者保護上問題があるかどうかということは、通産省と協議の上で考えていきたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 問題があるかなんていまさら相談しなくても——私が言ったのは、まるまる絹のものも縄一〇〇%、それから絹の糸に半分くらい樹脂を結合させたものも絹一〇〇%、これじゃおかしいというのは相談しなくてもわかるでしょう。長官どうですか。それくらいわかるでしょう。同じ絹一〇〇%といったって、一つはオール絹、一つは樹脂を結合させたもの、同じ絹一〇〇%という表示はおかしいとお思いになりませんか、常識的に考えて。消費者の一人として、大臣じゃなくて、消費者の一人として考えておかしいと思いませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) それはおっしゃるとおりです。
○小笠原貞子君 そういうふうに素直に答えてほしいんだわ、そんなややこしいことを言わないで。だから通産省頭かたいのよ、この問題について。 確かにおかしいとおっしゃったんだから、じゃそういう立場に立って検討していただきたいということを重ねてお願いして次の問題に移りたいと思います。 消費者問題で最近またいろいろな内職の問題が起こっているわけですよ。長官御存じのとおり、物価は上がるし、実質賃金マイナスだと、何とか内職をしたいよというのが女の人の考え方だと思うんですけれども、その内職のやり方が非常に汚いんですね。安定的収入、確かな副収入なんて、こういうふうに書いてあるんですね。家でやれますよ、月収三万から四万というような。それはアニメ彩色、それから彩色手芸、それから色塗り内職というようなので非常に内職募集をやっているんです、上手に書きましてね。そういうものについてどの程度実態を把握していらっしゃるか、そういういろいろな内職の問題についてどんな対策を立てておられるか、労働省ですか、お伺いしたいと思います。
○説明員(藤井紀代子君) 最近のアニメブームの中でこの種の色塗り内職とか塗り絵内職がふえておることは承知しておりますが、その実態についてはいまだ十分には把握しておらないという現状でございます。家内労働につきましては毎年実態調査をしておりますが、家内労働は就労場所が自宅でございます。それから委託関係が非常に複雑でございます。そういうこともございましてなかなか実態を把握し切れないということがあります。特に塗り絵等は募集によって行われるということがございまして、なかなか実態把握できておりません。
○小笠原貞子君 そういう問題、実態把握できなくても、大体あるなということはおわかりだと。それに対して、そういう内職にひっかからないようにというので、労働省としてもいろいろ対策を考えられたと思うけれども、どういうものが具体的にありますか。
○説明員(藤井紀代子君) このような内職の中には、たとえば内職の講習会と称しまして多額の講習料を取りまして、でき上がりました製品につきましては種々の条件をつけまして買いたたくとか、それから買い上げを拒否したりする、そういったようなケースがございまして、いろいろ内職の希望者が思わぬ被害を受けるというケースがございます。 それで、家内労働法の適用があるものにつきましては、委託者の義務といたしまして、委託状況届けとか、家内労働手帳の交付、あるいは工賃の支払い確保等しなければいけないことになっておりますので、私どもといたしましては厳重に指導監督をしておりますとともに、悪質な違反の事案につきましては、司法処分も含めまして強い態度で臨むこととしております。 それからまた、このようなものにつきましては、特に誇大広告に問題がある場合がございますので、日本広告審査機構あるいは新聞広告審査協会に対しまして、広告の審査をいたします場合には十分に注意していただきますように申し入れを行いますとともに、私どもといたしましても、いわゆるインチキ内職というものにつきましての被害防止用のリーフレットをつくりまして配布するとともに、内職のグループリーダーの方たちともよくお話し合いをするということをしまして、被害防止に努めてまいっております。
○小笠原貞子君 いろいろ対策を立てていただいているわけですけれども、これも労働省労働基準局、労働基準監督署から、「内職を希望される人へ うま過ぎる話に御用心 いわゆる「インチキ内職」に気をつけましょう」、こういうのをおたくの方で出していただいているわけなんです。これ「インチキ内職」と書かれている、まさにそのとおりなんです、調べましたら。 私いろいろ調べましたんですけれども、たとえば株式会社ライセンスという場合、先ほどちょっと出しましたけれども、だれにでもできる仕事、一日二時間ないし四時間で三万、四万という収入があるというキャッチフレーズで、これ一つですけれども、宣伝していますね。 そこで、これならやろうということで説明会に出かけます。説明会に出かけますと、まずその人たちがその仕事をするために講習を受けるということが条件でございます。受講料は出さなければなりませんね。それから技術指導料、材料費、登録費等で一万九千八百円を出さなければならないわけなんです、初めに。 それで、こういう技術をやってもらいますからというのでこういうものをつくるわけです。セルロイドにいろいろと塗り絵をするわけなんです。それも一回ではなかなかパスいたしません。たとえばこれは一回から十六回まであるんですけれども、ここにこういう動物がいて、ここにはこの色この色と、簡単なところから始めまして、これ一回コース終わりますと、次に今度はこういうちょっと複雑なコースをとるわけです。これは物すごく複雑になってくるわけです。こういうことでこれ三回やるんです。非常にむずかしいというので、家庭で内職、ちょっと色塗ってなんていうものでないということがわかるんですね。もうこれではとてもやれないよということになって断念しちゃうわけです、もう非常に細かくむずかしいから。そうすると、まるまるさっき言った一万九千円というのはもうかっちゃうわけなんですね、その会社が。 それでもがんばる、手の器用な人がいます。そしてその人がつくってこれを送ります。そうしたら、材料代を出しますね、それから郵送代、全部自分持ちです。そして色つきが、こうやってできているけれども、余りできがよくないというようなことを会社から言われまして、工賃が七五%くらいだとか、また五〇%くらいというふうに値切られまして、そして全くもらえないというような状態も出てくるわけなんです。結局、調べますと、一カ月の収入が七百円とか千二百円といったようなわずかな収入しかならないわけですね。それで苦情が大変出てきたわけです。 そして、その会社をずっと調べていきますと、一つ一つ会社が残っているんじゃないんですね。たとえば世界社というのがあるんですね。で、世界社というのでやっているかと思ったら、今度いま言ったライセンス社というのがある。もう一つ日本プラザーズというようなのがある。そしてエメラルドというような会社があるというわけなんですね。またもう一つは中央通信教育連盟という会社があるわけですわ。職業開発養成センターというような形で次々と会社がかわっていくんです。 しかし、その会社の責任者はだれだと言ったら、名前出してもいいんですけれども、荒川というのと、杉浦というのが取締役になっている。これが全部の会社のね。みんな会社だけ名前かえで責任者も取締役も同じ、事務所も同じだというようなことがわかったわけですよね。 また、中央通信教育連盟というのがあるんです。これもさっき言ったライセンス会社や日本プラザーズや世界社なんかと同じように杉浦という人が会長をやっている。この中央通信教育連盟というのにまた下請みたいな会社みたいなのがあるわけですね。東宝動物画社だとか、国際手工芸センター、東洋文化通信学院だとか、それから近代手芸協会というようなのがまたここのところで同じようなのが幾つにも分かれている。そして内職はいいですよという宣伝、チラシをどんどん出すわけですね。 これでどれくらいかというのを調べてみました。五十五年上半期の状況を調べると、一カ月平均の受講者申込者数、その金額——この中央通信教育連盟は幾つも持っていますよ。ここのところの一つ一つを調べてみました。彩色手芸という会社では、申し込みが三百八十四人でした。そしてその初めの月に材料費や講習料に二万四千円払いました。アニメ彩色というところの会社には、二百九十一名が受講して一人二万三千円払いました。それから飾字手芸というところには二百二十三人が受講をしまして、これは一人二万円なんです。それから今度手造りカードというようなところもありまして、そこには百七十八名が受講いたしまして、ここは二万二千円というお金を取られるわけなんですね。 そうしますと、五十五年上半期の状況で、一カ月平均をとりますと、受講した人は一千七十六名なんですね。それでその月で幾ら入ったかといいますと、二千四百二十八万五千円入っていると、こういうことになります。これ一月ですからね、これ十二カ月掛けますと、年間では二億九千百四十二万円、約三億円という収入になるわけなんですよね。それだけ三億円の収入が入る。それで何万円か工賃払わなければなりません、ちょっと値切ってもね。その何万円か値切って払ったというのは、わずかに三%、三%くらいの支出にしかなってないんです、調べてみますとね。結局だから、もう受講料、材料費ということでまるまるもうけるシステムになっているわけなんです。 で、こういうことはやっぱり家内労働法の違反になるのではないかというふうに私、考えるわけなんですよ。これは北海道から沖縄までずっとつながっているということなんですね。こういうものについては実態を調査して厳しく対処していかなければならないと思うんですけれども、いかがお考えになっていらっしゃるでしょうか。経企庁と労働省、簡単に。こういうことがあるんだよということを御存じだったか。御存じでなかったらこういう事実をどうお思いになるか、お聞かせください。
○説明員(藤井紀代子君) ただいま先生が御指摘なさいましたアニメの関係では私ども把握してございませんが、ほかの関係で若干いろいろ把握しているものもございます。 それで、こういうものにつきましては、私どもの家内労働法の適用になる場合には、工賃不払いという具体的な事案が出てきた場合になると思います。いわゆる講習をしていた段階ではそれがインチキなものかどうかというのはなかなか把握がむずかしいわけでございますが、工賃不払いという事態が出てきた場合には、厳重に調べまして、悪質なものは送検するなり、何なりするようにいたしております。 また、今後ともこういった実態につきましては十分に把握いたしまして善処していきたいと思っております。
○政府委員(小金芳弘君) われわれの方といたしましては、たとえば国民生活センターの苦情の受付を見てまいりますと、大体最近のところで年間内職に関する苦情というのが四十件ないし五十件ぐらい出ておりまして、その内容は大体ただいま先生が御指摘になりましたようなことでございます。 これの問題につきましては、われわれは消費者保護という立場から問題に対処するわけでございますが、果たしてこのように内職ということでお金をかせぐ目的でやった場合のごたごたというのが消費者保護になるのかどうか。あるいはこれは先ほども御指摘がありましたように、名目上は内職を世話するということであっても、実態上はいろいろなサービスなり、教育のサービスであるとか、あるいは教材等を売るのがその主目的であるのかというような点は、なかなか灰色のところでございまして、われわれの方といたしましては、いままでのところ、正直申しまして、これを消費者保護の問題であるというふうにこれまで考えてきたわけではないわけでございますが、お話を伺いますと、いろいろ似たようなケースがほかにございます。たとえば自動販売機の販売サービスとか、いろいろ似たようなものがございますので、そういうものとあわせまして今後検討していきたいというふうに思います。
○小笠原貞子君 さっき例を出しましたね、彩色手芸という講座を受ける場合。そして、この講座を卒業しましたというときは、講座終了して家内労働手帳を発行しているんですよ。家内労働手帳を発行して、それを受けた人は申込者の約六〇%あったと。家内労働手帳をもらった。ところが、三五%が一円も収入ないというんですよ。記入されていないと、こういうわけなんですよね。だからこれは非常に問題だと思うんですね、こういうやり方で。ただ材料を売ったり講習料だ何だといって一年に三億円ももうける。本当にこの物価高で苦労してがんばろうというお母さんたちがみすみすえじきになってしまっているということを重重お考えいただいて、これはやはり消費者としての立場で保護していただくということを篤とお願いをしておきたいと思います。 で、それじゃ労働省、またお伺いしたいんですけれども、財団法人の職業技能振興会というのがございます。これは国の許可団体になっておりますか、そしてどのようなことをしている団体か、もしも許可を受けている団体だとすれば、どういうような特典が与えられているか、お伺いしたいと思います。
○説明員(野崎和昭君) お尋ねの財団法人職業技能振興会につきましては、昭和二十三年六月二十八日に労働省から財団法人の許可をいたしております。 その団体の業務でございますけれども、認可されました終戦直後におきましては、洋裁、刺しゅう、編み物等を戦争未亡人の方々にお教えするということが主たる事業内容でございました。その後、社会経済情勢が変化いたしましてそういう仕事はなくなってまいりましたので、四十年代ごろからはガス溶接というような関係の講習を行ってきております。そして、さらに五十年代に入りまして、いわゆるサイドビジネスと申しますか、講習の内容を非常に拡大してきているというのが現状でございます。 なお、この団体に与えられている特典でございますけれども、一般の公益法人と同じでございまして、法人格が認められますほか、たとえば税金の面におきまして収益事業以外は課税されないという特典等がございます。ただし、補助金等は全く支出されておりません。
○小笠原貞子君 そういう労働大臣の認可になって、いろいろ税法上の特典も与えられている。これがいま言ったインチキ内職のいろんな会社と業務提携しているんですよ。 そうすると、団体として認可していらっしゃるところが、消費者を苦しめてインチキ内職を進めるという一役を買っているんだ。結果的に見れば、まさに詐欺行為的なインチキ内職に手をかしているということでございます。これは厳然たる対処をしていただきたいと思う。そのインチキ内職の会社へ行きますと、この職業技能振興会から表彰状をもらったなんていう額が飾ってありますからね。そうすると、もうますますこれが利用されているということでございますので、しっかりと御調査をいただいて対処していただきたいと思います。よろしゅうございますね。
○説明員(野崎和昭君) ただいま先生から、その問題のある団体から講習を委託されているというのは初めて伺いましたけれども、この団体につきましては、その事業の範囲を非常に広げておりまして内容的に問題があるということで、私ども昨年来きわめて厳しく監督を続けてきているところでございます。ただいまの点を含めまして今後とも厳重に対処してまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 じゃ、よろしくお願いします。 もう一つまたいわゆるインチキ内職というのがあるんですよね。これはあて名書き内職。こういうわけなんですね。そうしますと、あて名を書けばあなたの収入がさっきみたいに三万、四万できますと、きれいなこういうパンフレットがどんどん出てくるわけですね。あて名書きというと、封筒やはがきのあて名を何百枚書いたら何ぼという工賃がもらえるという内職だと思いますね、普通の人は。それが実態がどうなのかと言ったら、これはあて名を書くんでお金をもらうんじゃないんです。 このあて名書きをやりたいといって申し込みますと、これも八千円から九千五百円の申込金が取られるわけなんです。そしてあて名を書くそのはがきを、つまりダイレクトメールのはがきをその申し込んだ人が買うんです、一枚九円ないし十二円で。そしてそのダイレクトメールのはがきに何が書いてあるかというと、たとえばネックレスだとか、それからいろいろなアクセサリーだとかというのがあって、これが幾ら幾らとこうなっていて、申し込みという欄があるわけなんですね。そしてこれに切手を申し込んだ人が自分で張る。いまのは四十円ですね、四十円を張って、そしていろんなところの名簿を借りてきてはがきを出すわけなんです、あて名を書いて。そうすると、そのダイレクトメールを見て、ああ、これはちょっと買おうかなといって買いますと、そのはがきは会社の方に行くわけですね、内職した奥さんのところに来ないんですよ。それで会社の方に行っているから、たとえ売れてもこの奥さんはわからないんです。それでこの奥さんにはどういうお金が入るかというと、あなたのはがきで買った人がこれだけいるから何%上げますというシステムになっている。ところが、自分はわからないから、会社の方で、あなたは出したけれどもあなたの分は何にも売れてないんだよと言われれば、一銭も入らないわけですね、自分はわからないんだから。というような、これまた悪質な、まさにさっき言われたインチキ内職そのものだということなんですね。こういうふうなインチキ内職というのがあるんです。 こういうことは一体どこで取り締まったらいいだろう。私もこれずいぶん大きな問題になってきましたからみんな聞いたんです。公取さんに聞いて、これは誇大広告の典型じゃないかと言ったら、公取さんは、これは誇大広告で取り締まる対象にはなりませんと、こうおっしゃるわけなんですね。それで今度は労働省にも聞いたんですけれども、家内労働法、労働基準法で規制できませんかというふうに私はお聞きしたいわけなんです。それから通産省では、これは下請法というもので何とかこれをひっくるめてこういうことがないようにしていただきたいと思うんですけれども、どうなんでしょうか、これは労働省、通産省、どういうふうにしていったらいいと思われますか。
○説明員(藤井紀代子君) 家内労働法は「物品の製造又は加工等」の業務に従事する家内労働者を対象としているわけでございまして、ただいま先生のおっしゃいましたあて名書きというふうなものはいわゆる「物品の製造又は加工等」に該当する業務とは認めがたいものですから、家内労働法の適用はないということでございます。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 詳細につきましては、私どもまだ実態を承知しておりませんものですから、よく勉強いたしましてまた御相談していきたいと思います。
○小笠原貞子君 これはどこへ聞いてもわからないっておっしゃるんですようちの対象外だ、いまの法にはひっかからないよと、こうおっしゃるんですよね。 そこで、長官も聞いていただきたいんだけれども、いまの法や規制にはひっかからないよと言ってほうっておいて消費者がみすみす泣かされていいものだろうか。法律というものがあって生活があるのではなくて、生活を守るために法律があり規制やいろいろなものがあるわけでしょう。主客転倒しないでもらいたい。こういうものをなくすためにこそ、どういう法律を運用で適用できるのか、もしもなかったら、どうしたらこういう家内労働、下請なんかという名前でもって犠牲になるようなことがなくて済むだろうかということについて、御存じなかったとおっしゃるから、早急に勉強してこの人たちの犠牲をなくすようにしていただきたいと思います。そういう意味で、さっきやりますとおっしゃったので、そう承っておきたいと思います。 もう時間がなくなりましたし、渡部さんが訪問販売についておっしゃいましたので、私はこれを大きく抜かして、一つだけ最後にお伺いしたいと思うんです。 つい数日前に函館消費者センターへ行きました。そうしたらことしの一月から四月までに百件の教材販売の苦情が寄せられておりました。これは中学生を対象として、そして塾を開くよということでこれを売ったわけですね。訪問販売、割賦販売をやったわけです。それで二十万から三十万近くかかる。だけど塾は一回か二回くらいやっただけで後、閉鎖してしまった。約束が違うというのでこれが大きな問題になっておりました。 それからまた東京でも、消費者が約束が違うというので支払いをストップしたら、逆にこれまた、今度改めて問題にしますけれども、いま信販会社が入っていますね、その信販会社から金を払えというので訴えられて、逆に犠牲となって、被害を受けている消費者が裁判にかけられるというような実態にもなってきているわけですよね。 それから先ほどの渡部議員へのお答えの中で、契約約款を変えたということなんですけれども、今度北海道消費者協会、それから札幌市消費者センターというところで調べてきました。そうしましたら十七件同一のトラブルがあったわけです。やっぱり塾を開くというようなことを言って、そして塾は開かない、それで会社が消えてなくなっちゃったというわけですね。その約款が改正された後のものがたくさんあるんですね。それで見せてもらったわけです。そうしましたら、これは丈和クレジット申込書、裏に約款があります。だけどこの約款が昔の約款どおりなんですね。いまの約款ではないわけです。 ここで私は言いたいのは、これは東京も函館も札幌も、全国各地でこういう訪問販売で大変損をさせられて苦労させられて問題が起こっている。おたくの方は標準約款というのをおつくりになったけれども、これはあくまで通産省としてこういう約款をつくってほしいというモデル的な約款ですね。これはこの約款でやらなければ罰するというようなものでないわけですね。そうですね、規制されないわけですよね。そうすると、こういう約款は、改正された後昔どおりの約款でやっているというようなことで事実非常に問題になってきているわけですよ。 だから、これは経済企画庁でお出しになりましたね、「消費者政策の新しい課題」(国民生活審議会消費者政策部会報告)というのをお出しになりました。これを私、読ませていただいたわけですよ。そうすると、この中にこう書いてありますね。「消費者信用取引と抗弁切断の制限」ということで、消費者が「購入した商品、役務に瑕疵があった場合には、消費者は売主に対する抗弁をもって信用供与者に対抗できるように、する必要がある。」「例えば、商品の瑕疵につきあらかじめ売主に通告しても十分な対応がとられない場合には、債務の弁済を拒みうることとするなど消費者が対抗できる抗弁の範囲を法律上定めておく必要がある。」と明確に書かれているわけですわね、これで。これが必要だとこうなっている。ここでもこういうふうに経企庁の方で御指摘になっている。そして実態を見れば、標準というものはあくまで標準であって義務づけられていないというようなことで、やっぱりここの指摘にあるように、法律的にこれをきちっと押さえていくというようなことが必要だと私は思うんです、ここに書かれているように。その問題について最後に通産省と経企庁の御意見を伺いたい、ここまでおっしゃっているんだから。消費者を守るために法的にもきちっとする必要があるのではないかというのが私の意見でございます。御所見を承って終わりにしたいと思います。
○説明員(野口昌吾君) 御説明申し上げます。 まず、苦情の場合の抗弁権の切断の問題、その報告書では書いてございますけれども、私ども昨年十月一日から、通常の場合、個品割賦購入あっせん契約ということでございますが、その中で信販業者と販売業者との間で消費者とトラブルを生じた場合につきましては、できるだけその両者で、つまり信販会社と販売会社が共同して消費者保護に当たるようにという趣旨のもとに、抗弁権の切断の問題につきましては一応手当てをさしていただきまして、実際標準約款の改定ということで通達をさしていただいております。これは先生御指摘のとおり確かに標準約款の改定ではございますが、私どもは実態上は、この標準約款によって実際のお取引をお願いしたいということで、個個の企業につきましては、厳正に指導さしていただいているところでございます。 それからこの改正前の約款につきましては、私ども消費者保護の立場から運営をさしていただいているわけでございますので、契約前のものであっても、個々のケースにつきましては改正後の趣旨を体しまして運用をさしていただいております。
○政府委員(小金芳弘君) この抗弁権の切断の問題につきまして、生活審議会の消費者政策部会の意見としては、ただいま先生が御指摘になりましたような意見が出ております。しかし、これを現実に法律にするかしないかということになりますと、これは実際の行政上ないし司法上の問題になりますので、今後長期的に検討していくべき問題ではないかというふうにわれわれは思っております。 現実の被害につきまして、しかし現実に被害が発生しておりますので、これを防ぐ、あるいはできるだけ早く救済するという必要があることはもちろんでございまして、この点につきましては、ただいま通産省からも御説明がありましたが、この訪問販売の抗弁の切断の問題、一番よけい出ておりますのが訪問販売等によります割賦購入でございますので、これにつきまして標準約款もできたことでございますし、これの運用でもってできるだけ被害を少なくするという方法と、それからもう一つの法律の方はもう少し長期的に検討していきたいというふうに考えております。
○木島則夫君 最初に経済対策七項目とその効果について伺いたいと思います。 第二次石油危機の影響についてインフレ効果とデフレ効果が問題になってまいりましたが、インフレ効果についてはほぼ終了したと見ていいと思います。デフレ効果については、在庫調整が見通しよりもおくれるなどその影響が長引いていたわけですが、こういったもたついた景気に対して活を入れるという意味で政府が七項目の対策を決定された。これは私はそれなりによかったと思います。 そこで、この経済対策七項目について、経済企画庁は現在までのところその効果をどのように判断をされているか、まず長官の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 三月中旬に七項目の対策を決定いたしましたが、だんだんと効果が出てきつつある、このように判断をしております。 具体的な内容につきましては政府委員から答弁させます。
○政府委員(井川博君) 御案内のとおり、金融対策を弾力的にという事項につきましては、公定歩合の引き下げ、その他短期、長期プライムの引き下げが実施されたわけでございます。この効果は今後次第に出てくるであろう。 それから公共事業の前倒しにつきましては、現段階、政府部内でその集計作業をいたしておりまして、近いうちに七〇%以上というものをどれぐらいにするか発表するわけでございますが、これによりまして、低迷しております建設業にある程度国として力を与えていくという方向を出すわけでございます。 そのほか中小企業対策、住宅対策等々につきまして、いずれにいたしましても、現段階、政府が考えております施策を出すことによって、政府の施策の出た、明るい気分が経済界全体にそういう意味では大きいプラスを与えているというふうに考えるわけでございます。
○木島則夫君 景気の回復と物価の抑制という政策の中で何か矛盾が起こるような心配はないのか。いかがでしょうか。
○政府委員(井川博君) かつて、景気と物価はいま先生おっしゃいましたように相矛盾するという議論が行われたわけでございますが、特に第一次石油ショック以降の世界経済の動きを見てみますと、景気と物価というのを両立させていかないといけないというふうになってまいったわけでございます。すなわち、現段階の考え方といたしましては、物価は、先ほど先生おっしゃいましたように、第二次石油ショックの影響からほぼ抜け出してこれを退治することができたという状況でございますが、これを十分踏まえていかないと景気浮揚ということができない。したがって、物価を安定させながら景気を浮揚させるんだというのが現在の立場でございます。
○木島則夫君 さらに、五十五年度は輸出主導型の経済であったと見ていいと思いますが、五十六年度の内需中心の経済という政府の見通しは、現時点で実現可能な状況にあると御判断をされるかどうか、先のことですけれど伺っておきたいと思います。
○政府委員(井川博君) 御案内のように、わが国の輸出競争力が強い。したがって、現時点におきましても、輸出というものが非常に堅実な足取りで進んでおるわけでございますけれども、これを余り長く続けますと、国際経済は、特にヨーロッパあたり非常に低迷をしている。アメリカも底は過ぎたとはいうもののまだ着実ではない。先行きいろんな不安を持っているという状況でございます。したがいまして、わが国の経済、GNPとしては相当程度の数字、すなわち当初見通し五十五年度四・八は実現できそうだということでございますが、余り外需依存の成長をやっておりましては、世界経済の中で非難を浴びるということになります。かつまた五十五年度後半のような低迷した景気状態のまま放置するわけにはいかない。そういうことで先般の総合対策も出したわけでございまして、その結果、五十六年度の姿は内需中心の均衡のある成長、大体それが可能ではないか。総合対策の効果もございますし、今後政策運営よろしきを得ていきますれば、政府が出しました五十六年度の見通し五・三%、物価五・五%達成可能であると考えておるわけでございます。
○木島則夫君 長引いておりました在庫調整にもやっと明るさが見え始めてきていると言われるようになりましたが、この在庫調整のおくれを初めとして、中小企業の設備投資の後退、減退、あるいは資金難による企業の倒産等々、第二次石油危機のデフレ効果が予想外に長引いていた時期に景気対策が打ち出されたことは、これは当然のことであり、私もさっき申し上げたように御評価をしているわけでございます。 で、景気対策の一つの大きな柱、これは金利の引き下げであって、それによって、冷却しかかっていた中小企業の設備投資マインドというものが刺激されるようになり、また住宅建設に対する意欲も盛り上がってくるようになるんじゃないか、こう思うわけでございます。 ところで、現在、民間住宅建設が著しい落ち込みを続けておりますけれど、その原因はどこにあるんでしょうか。
○政府委員(井川博君) 特に五十五年ないし五十五年度は対前年比二割ないしそれ以上の落ち込みという状況になっているわけでございます。 いろいろの原因があろうかと思いますが、もちろん地価の高騰という非常に基本的、しかも対策としては非常に中長期を要する問題がございます。それと同時に、大きい面が三つあろうかと思います。個人所得が実質的に伸びていない、実質マイナスになっている。したがって、所得減に対して、住宅が大分、手の届かないといいますか、距離が出たというようなことが一つ。それからもう一つは、公定歩合の引き上げにつれまして住宅ローンも上がってまいったわけでございますが、住宅ローンが高過ぎますと、それじゃもう少ししんぼうしよう、こういうことになるわけでございます。それから第三番目は、建設費自体が非常に高くなったというふうなことが短期的な原因ではないかと思うわけでございます。 ただ、これらの点につきましては、住宅ローン、わずかではございますけれども、今回、公定歩合の引き下げに伴って下げるというふうな処置になっておりますし、それから建設材の値上がりにつきましては、物価の安定に従って順次下がってくるといういい面が出てまいっております。ただし、五十六年度を見渡して、かつて五十四年度以前の百五十万戸ベースにすぐ返るかということになりますと、われわれ経済企画庁としても、直ちに一気にそこまで返ることはむずかしいんではないか、徐々にそういう効果が出てくるということを期待をいたしているわけでございます。
○木島則夫君 五十六年度という年は、日本経済をこれまでの輸出主導型の経済から内需中心の経済に切りかえていかなければならない年であって、国内の金利の引き下げはそういった意味では正しい政策であったというふうに私も思います。しかし問題は、国内経済状況だけといって、だけという言葉が当を得ているかどうかは別としまして国内の経済情勢中心の要請によって、つまり海外の金利の動向を考慮に入れない金利の引き下げというものは、すでに昨今の為替相場にあらわれていると思うのでありますが、いわゆる経済の基礎的条件がおおむねいい状態にあるにもかかわらず、内外の金利差の拡大という事態を招いて、それによって円レートの下落が起きる、こういう心配につながるわけです。そしてこれがまた原材料の輸入ですか、そういうものに悪影響を及ぼす、つまり物価に悪い影響を及ぼすんじゃないだろうかということで、最近の円安というものは、日米間の金利差による円安という部分がかなりの部分を占めているというふうに私は考えております。 そこで、四月の円レートは三月に比べて相当円安となっているようでございます。これは今朝来の当委員会の論議でもはっきりしておりますが、円レートが一%円安になると卸売物価は〇・一%上がると言われていることからすれば、四月はかなりの物価上昇圧力を受けていると思われます。現在せっかく落ちついてきている物価に、この面、つまり円レートの下落からの物価上昇の圧力懸念はないのかどうか。いかがでしょうか。
○政府委員(廣江運弘君) 卸売物価に円レートが安くなることがどのように影響するかということは、先ほど先生御指摘のとおり、直接的な効果は〇・一%強と算定できるわけでございますが、卸売物価は、内容を見てみますと、加工段階別に見ますと、素原材料がございまして、中間品がございまして、そして完成品という段階に至るわけでございます。いま直接的な影響がまず輸入品を主体といたします原燃料から出てくるわけでございますが、それが加工過程でどういうふうに影響するかということは、その過程におきます生産性向上によります吸収努力というようなこと、さらに需給関係というものが大きく響くわけでございまして、直接的影響が〇・一%強あると申しましても、実態的に卸売物価がどういうふうにそのほかの面で動くかということは、これは一義的に申しかねるわけでございます。最近のような需給の状況からいきますと、その辺をそれほど大きく見る必要はないんではないかと思っております。 次に、消費者物価はどうかということでございますが、まず消費者物価につきましては、輸入品から直接来る消費者物価への影響ということも考えられないわけではございませんが、輸入品のウエートは消費者物価指数の中ではきわめてわずかなものでございまして、これはもうほとんどないと考えてよろしいと思います。そういたしますと、今度は卸売物価を通じての間接的影響がどうか、こういうことになってまいろうかと思いますが、卸売物価を通じての間接的影響につきましても、卸売物価自体が先ほども言いましたように需給緩和もありまして、全体として非常に落ちついているという状況でございますので、このことが消費者物価にも好影響を及ぼしていると思っております。いまの段階でそれほど心配をする必要はないと思っておりますが、基本的には先生の言われましたように、円安といったものが物価にどう影響するかということの方向は、おっしゃったような方向に動くと思いますが、そのほかにもいろいろ生産性の問題であるとか、需給の状況というのを考えなければいけないということだと思います。
○木島則夫君 言うまでもなく、物価の上昇は経済のあらゆる方面にデフレ効果を及ぼすわけです。したがって、景気浮揚政策としての金利の引き下げが、国内的にはいいとしても、対外的要因によって円レートの下落を招来する。それが物価の上昇としてはね返りまして、先ほどから論議をされている民間設備投資であるとか、あるいは民間の住宅建設促進の足を引っ張って景気浮揚政策の効果を減殺をしかねないような状況になっても困る、こういうことで伺ったわけでございます。この辺について長官の御見解を締めくくりとして伺っておきたいんでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 理屈の上から言いますと、金利を下げますと円レートは下がる、こういうことになります。しかしながら、いま世界で低金利政策をとる力を持っておる国は日本しかありません。よその国は金利を下げたくてしようがないんですけれども、いろんな関係で金利は下げられない。そういうことから、これまでは金利を日本が下げましてもむしろ円は高くなる、こういう傾向にありました。それは日本経済の基本的な力というものを世界が評価したからだ、このように思いますし、かつまたオイルマネーの量が非常に多くなりまして、年間一千億円を超えておる、その利用先に困っておる、投資先に困っておる、こういう状態でございます。投資をそういう連中が考えます場合に、金利が高いからそこへ今度は資金を投入するかといいますと、そうはしませんで、やはり確実に元本が回収できるということを一番に考えますので、日本の場合は、低金利政策をとりましてもむしろ外国から入ってくる外貨はふえておる、こういう状態でありますので、経済学の理論から言いますと、お説のようなことになるんですけれども、現実は若干違っておる、こういうことであろうと思います。 一方、日本の国内の景気の動向はどうかといいますと、先ほど来御指摘がございましたように、内需中心の経済運営をやらなければなりませんが、そのためには民間の設備投資というものを最大の柱に考えておるんです。で、設備投資は全般としては強含みでありますが、しかしこれをつぶさに検討いたしますと、比較的順調にその計画が進んでおりますのは大企業中心でありまして、中小企業の場合は、これまでのような高い金利水準では投資がしにくい、また金も借りにくい、こういうことから、計画はありましても、また希望はありましても、なかなか現実に投資が進まない。しかもことしの民間の設備投資は四十二兆と想定をしております。公共事業は中央・地方合わせまして二十四兆ぐらいでありますから、中央・地方の公共事業よりはるかに大きな数字であります。しかもその民間の設備投資の半分以上は中小企業の設備投資を期待しておりますが、その中小企業の投資が計画はあっても進まない。そのためにはどうしても金融問題を解決していかなきゃならぬ。そこで今回の金利の引き下げをいたしますと同時に、長期のプライムレートは〇・三ということでありますけれども、政府系の中小企業の金融機関の引き下げは〇・五ということにいたしまして、しかも三月十八日にさかのぼってこれを実行する、こういうことにいたしましたのも、中小企業の投資意欲をこれによって守り立てたい、こういう考え方からでございます。 したがいまして、低金利政策をとるから物価が上がって不景気になるんだ、こういうことにはならないと考えております。今回の低金利政策によりまして民間の設備投資が伸びる、そのことによって内需中心の経済運営を可能ならしめる、そういう方向に持っていきたいと考えております。
○木島則夫君 ありがとうございました。 次に、対米自動車輸出の削減と国内経済への影響ということについて少し伺ってみたいと思うんですが、わが国経済においては、自動車産業はきわめて重要な地位を占めていて、その生産及び輸出の動向は関連産業にも大きな影響を及ぼしているものであることは論をまたないわけでございます。第一次の石油危機後の景気回復は、カラーテレビを中心とした輸出主導型の経済によって果たされてまいりましたが、第二次石油危機後において景気下支えの役割りを果たしたのが自動車の輸出でございました。しかし、もはや五十六年度は自動車輸出にそれを期待することはできない状況にございます。 日本でつくった車が去年たしか千百万台売れております。国内で五百万台、海外で六百万台売れています。乗用車のみの生産輸出の動向を見ても、約七百四万台の生産のうち実に五六%の三百九十五万台が輸出されている。またこの輸出のうちアメリカ向けが半分近くの四六%の百八十二万台、これは生産された七百四万台の自動車のうち四台に一台がアメリカに輸出された、こういう勘定になっております。自動車産業がアメリカへの輸出に大きく依存している現状において、輸出台数の削減というものは産業全体に少なからぬ影響を及ぼすものと考えられます。 そこで、自動車の対米輸出が仮に、一応の決着は見ましたけれど、五十六年度で十万台減少したとしますと、雇用面あるいは雇用者所得など産業全体にどのような影響が出てくると見ているか、またそれがGNPに最終的にどういう効果を及ぼしてくると見ていいんだろうか、ここら辺についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(井川博君) 現段階、輸出の中で自動車の果たします役割りは、先生おっしゃいますとおり非常に大きいウエートがございます。かつまた産業といたしましても、全製造業の中で自動車産業のウエートは大体一〇%、一割ということでございますから、きわめて大きい産業になっているということができるわけでございまして、しかもその動向がほかの各業種にもいろいろ影響を及ぼすということでございます。 ただ、実は今回対米問題で一応の決着を見たわけでございますが、御案内のように、百八十二万台という昨年度の実績に対しまして十四万台減のところで今後、四月から来年三月までの間自主的に調整していこう、こういう状況でございます。一時百五十万台あるいはまたそれを切るというふうな議論からいたしますと、いわば削減の幅というものが非常に小さくなった。 ただ、これは産業全体あるいはGNPということになりますと、これはもう全経済の動きでございまして、個々の小さいミクロの問題がマクロにどの程度影響するかというのは、これは計算のしようによっていろいろ出てまいります。現に各新聞あたりで、たとえば住友銀行あたりは、乗用車アメリカ向け十万台を削減いたしますと、実質GNPは〇・一である、あるいは鉱工業生産は〇・二マイナスに出てくるというふうな計算をしておりますし、ほかにも計算の仕方はいろいろございますけれども、大体似たり寄ったりの数値が出ているわけでございます。われわれも前提を同じにすれば大体そこらあたり、ないしそれより多少下回るというぐらいの数字が出るわけでございます。 しかし、実際の趨勢というのは二つございまして、一つは、対米輸出十四万台だけでとどまれば、それはそれだけでそう大きい問題ではない。要するにそのほかの市場との関係がどうなるか、EC等々の問題がいろいろ問題だというふうな論調が新聞でも見受けられるわけでございます。 他面、わが国の場合に、その他市場、事実上自動車を輸出して余り問題のない市場、たとえば中近東あたり、最近は大いに出ていっているというふうな状況がございますので、それらがどれだけカバーするのか。 もう一つは、内需の問題がございます。昨年は登録台数でいきまして、自動車は年度を通じてマイナスでございますが、大きいときは十何%というふうなマイナスを続けておったわけでございます。ことしに入りましてからマイナスは一けたて、大体この調子からいくと、下期にかけていわば内需全体の伸びに比例して伸びていくことを期待するという声を自動車業界あたりは考えているようでございますが、これがどの程度伸びていくかというふうなことによってそれらの問題はいわば全般の中に埋没をしていく、こういう状況でございます。反対から言って、内需は全然進まない、EC、カナダその他も同じように削減していく、その他地域も出ていかないということになれば、これはこれで非常に大きい問題でございますが、そこらはもう少し見きわめないとはっきり出ない問題ではないかと考えているわけでございます。
○木島則夫君 この自動車の削減につきましては、これはこれから多方面、中東であるとか、あるいはECであるとか、そういうところがこれからどういう状況になるのか、にわかに私は判断はしがたいと思いますけれど、これは大変な問題だと思います。対米輸出削減の減少分を国内で補うことができるならば、それは政府のおっしゃるような内需主導型の経済ということになろうけれど、しかしこの望みは私は非常に薄いんじゃないかと思うんですね。 したがって、今度は長官にお伺いをしたいんでありますけれど、この自動車輸出減少のデフレ効果をどのようにして調整し、内需主導型の経済に結びつけていくおつもりなのか。あるいはその前提として、アメリカで減った分を中東そのほかに回せばいいんじゃないかというようなお考えがあるのかどうか、あわせて伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この問題は通産省でいろいろ検討しておられますが、私から原則論を申し上げてみたいと思います。 アメリカの自動車の需要は、御承知のように、昨年の秋は八百八十万台見当に落ち込んでおりまして、ことしはアメリカ政府の見通しの発表では九百五十万台と言っております。GMなどは一千三十万台と、こう言っておりますが、まあざっと一千万台程度というところでないかと思いますが、いずれにいたしましても、自動車の市場は回復過程にあることは事実であります。したがいまして、このアメリカの自動車市場の拡大に並行して日本の自動車輸出が仮に伸びると、昭和五十五年は、向こうのシェアの二一、二%でありますから、その見当で伸びるといいますと、数十万台伸びるということになります。それが逆に十四万台減るということでありますから、自動車メーカーの考えと相当違う方向に行っておると思います。 それからまた、先ほど政府委員も指摘をいたしましたが、EC市場でどういう影響を受けるのか、ここにも若干の問題が残っております。なるほどアメリカ、EC以外に市場拡大の可能性のあるところもございますから、そういう貿易上の努力、輸出の努力も当然期待をいたしておりますが、いずれにいたしましても、現在のところは波及効果がはっきりいたしませんので、具体的にどの見当であるということは、この影響を数字で申し上げることはできませんが、やっぱり相当な影響は出てくるであろうと、こう思っております。GNPにも影響が出てくると思いますし、雇用の面にも影響が出てくると思いますし、あるいは特に自動車産業は非常に第一次下請、第二次下請、第三次下請というように下請関係、中小企業の関係が非常に多いものですから、そういう面にも影響が出てくると思いますが、そういう影響の出るぐあい等を見まして、政府といたしましても必要な対策を考えていかなければならぬのではないかと、こう思っております。
○木島則夫君 またこの自動車問題につきましては、改めてその与える影響、それに対する対策、つまり内需をどうやって高めていくかというような問題もあるわけですから、これは改めて検討をさしていただきたいと思いますが、私の持ち時間もあとわずかしかございません。 実は、先ほども当委員会で話題に出ましたんですけれど、鈴木総理が政治生命をかけてまで行おうとしている行政改革について、世上では早くも行革デフレなる言葉が飛び交っております。行革デフレなる言われ方について、長官はどのように受けとめられておりますか、重複するかもしれませんけれど、改めて御見解を聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この行革の内容がどういうものになるか、これは第二臨調の方でいま作業をしておられますので、いまの段階で申し上げる立場にはございませんが、しかし大蔵省の昭和五十七年度以降の財政試算を見ますと、来年は税の自然増収が四兆七千億、五十八年は五兆二千億、五十九年は約六兆と、これだけの税の自然増収があると想定をいたしまして、先般の財政試算を国会に提出をしたと聞いておりますし、また現にそういう数字になっております。 で、大蔵省がそれだけの税の自然増収があるという算定をいたしました背景は、この一月に政府の方では、一昨年決定をいたしました新七カ年計画をある程度調整をいたしまして、七年間における社会資本投資二百四十兆円を百九十兆円に圧縮をいたしました。それに従って八本の新しい五カ年計画を最近決定したばかりでございますが、それらの計画が一応進むという想定をいたしまして、それによって来年度以降平均名目成長率が一一・七%である、実質成長率は五・五%である、そういう経済から先ほど申し上げました税の自然増収五兆ないし六兆というものが生まれてくるんだ、しかしなおそれに対して若干の不足金が生ずると、こういう試算になっておることは御案内のとおりであります。 したがいまして、行革が、先ほどもちょっと申し上げましたが、冗費の節約であるとか、あるいは機構の簡素化あるいは合理化であるとか、そういう本来の行革にとどまっておるということであれば、もちろんこれは国民経済上むしろよい影響が出てくるのではないかと、こういう感じがいたしますが、しかし行革の内容いかんによっては、つまり予算そのものあるいは財政そのものが非常に大きく縮小されるのだ、仮にそういうことになったといたしますと、それはやはり国民経済上また大きな影響が出てくる。大蔵省の試算の根拠になっております名目成長率一一・七%というものが達成できるかどうか、そこから議論を始めていかなければならぬ。したがって、税収そのものが期待できるかどうかという議論にもなろうかと、こう考えております。 そういうことでありまして、まだにわかに私どもはどういう結果が出てくるか判断はできませんが、プラスの面とマイナスの面と両方あるのではないかと、こういう議論もございますので、経済企画庁の中にそれらを総合的に検討するチームをつくりまして、どういう影響が出てくるか、対策としてどういうことを考えたらよいか、それを検討してみたいと思っておりますが、要するに私は、国民経済全体の整合性を維持することが肝心だと、こう思っております。行革と、それから財政、経済、税収と、これらが総合性を持っておらなければいかぬと、こう考えております。 ただ、特にこの際強調しておきたいことは、行革はどうしてもやらなきゃいかぬと思うんです。したがいまして、もしマイナスの面が出てくるということになりますならば、これは民間経済でこれを埋めていくということも考えていかなければならぬ、こう思います。民間経済の規模は来年は三百兆見当と考えておりますので、これを埋める力はやり方いかんでは十分持っておると思います。したがいまして、行革は私はこの際徹底的にやるべきである、そういう方向を指示したいと思っております。
○木島則夫君 その方向で大いにやっていただきたいと思います。 私どもの立場だけをきちっと申し上げておくならば、これは行革は徹底して進めていかなければならない。行革によるデフレがもし心配されるならば、そのことはそのこととして対応することが肝心であって、行革デフレなる言われ方が行革をチェックする言いわけになったり、また行革を後退させる口実に使われてはならない、こういうためにもしっかりとした見通しと対策を立てていただきたい、いま長官にお願いを申し上げたとおりでございます。 以上五十六年度の日本経済を展望してみると、現在までのところ物価についてはおおむね好ましい方向に向いているように思われるものの、国内にあっては、いま話題にありました行革デフレもその一つ、また対外的には自動車の輸出を削減をするデフレ効果がまず予想されずにはいられない。さらにこういった需要の減少を埋めるための政策、つまり金利の弾力的な運用、この金利の引き下げはアメリカの金利が非常に高いことによって円レートの下落を惹起する、その円安は物価にはね返って景気を減殺をする、つまりデフレ要因になる懸念もないわけではない。これはつまるところ、政府の言うところの本年度内需主導型の経済運営にしようとすることと矛盾はないんだろうか、政府は一体こういった経済そのものが内部に持つ自己矛盾あるいは政策の矛盾を今後どのようにして調整をしていくおつもりか、再度その考えを伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、日本経済は非常に規模も大きくなっておりますので、世界経済全体とのかかわりが非常に大きいわけでございます。したがいまして、世界経済全体が回復しませんと日本経済も計画どおり伸びないと、こういうことであります。先ほど来お話しの貿易摩擦の問題も、世界経済が回復をいたしまして、世界全体の購買力、それぞれの国の購買力がふえまして自然に解決できる問題が大部分である、こう思っております。 幸いに各国の経済を見ますと、まちまちでありますが、たとえばヨーロッパの経済はなお依然として悪い、こういう状態であります。しかしOECDの見通しを見ますと、ことしの後半から来年にかけて相当経済の力は回復するであろう。そういう傾向に動くことはまず間違いないのではないかと、こう思っておりますが、そういう世界経済全体の中にありまして、刻々に変化するいろいろな情勢を十分掌握、分析をいたしまして間違いのない経済運営を進めてまいりたい、政府目標が実現するようなそういう方向に経済運営を進めてまいりたいと考えております。
○山田耕三郎君 私は、さきの本委員会におきまして、昭和五十五会計年度の物価上昇率七・八%を招いた元凶は、野菜価格の異常値上がりではなく、それはむしろ政府自身が介入することのできる公共料金の値上げであり、さらには独占商品の値上がりそのものに多くの原因がありますことを強調いたしてまいりました。しかし、この野菜価格は、昨年同時期に比べては確かに本年の方が安値ではありましたが、近年における冬場の野菜価格としては昨年に引き続いて異常高値の部に相当をいたします。したがって、このように野菜価格の異常な上昇がなければ、物価指数の上昇率も若干は下がったであろうと思います。 したがって、野菜価格の安定を図ることは国民生活を守る上からきわめて重要であります。特にこの昭和五十六会計年度は、消費者物価の鎮静化を政策の焦点として、緩やかな消費の拡大を期待するのが適切な政策運営の方向であると言われております。 農林水産省におかれましても、供給の安定とそれによる価格安定を期待するための諸施策を講じておられますことは認めます。しかし、その施策が十分な効果を発揮しておらない面もありますことを否定することはできません。何よりも考えなければなりませんことは、施策の重点が生産と供給の分野に置かれまして、卸売市場を中心といたします流通機構の矛盾を解決することが若干なおざりにされておるのではないかと思われる点であります。生産者の生産意欲を阻害することなく拡大再生産を可能にするためにも、流通面の矛盾解決をあわせて行わなければなりません。 以上の観点から、まず生産、供給の分野において、本年度の反省の上に立って、来期への万全を期するために次の三点についてお尋ねをいたします。 第一点は、野菜の価格は、生産者の生産意欲を阻害することなく、再生産を可能にする価格が維持されなければなりません。そのために農林水産省においては、生産者に対して計画栽培や計画出荷を指導して供給の安定を図っておられ、安値に際しましては価格の支持政策をもって、また供給不足による高値に対しては安定基金による出荷奨励、規格外野菜の出荷促進及び緊急輸入等による供給増加を図っておられますが、何分にも自然が相手の業種であります。しかも短期の対応が必要であります関係から、必ずしも計画どおりに行っていない現状にあります。さらに創意を生かしてそれらの対応にあらゆる手段を講じていただきたいと思います。 特に輸入野菜について、去る二月二十七日の新聞に、「遅過ぎた援軍キャベツ」のタイトルで、一連の対策の中にはタイミングがずれて、税金のむだ使いに終わりそうなものもあるとの記事まで出ておりましたが、本年の緊急輸入の実態はどうでございましょうか。遅過ぎたとすればその原因は何であったのか。その反省の上に立って来期への対応をどのように考えておられますか。本年度の緊急輸入野菜の実態とあわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(戸田博愛君) お答えをいたします。 野菜の価格は、昨年末までは非常に順調でかなり安かったわけでございますが、昨年の暮れから寒波、干ばつということで徐々に作柄が悪くなりつつあるというような状況を把握いたしまして、本年一月から野菜基金が保有しておりますキャベツ等を放出する等の対策を行うとともに、担当者を韓国及び台湾に派遣いたしまして、キャベツの輸入の可能性等について調査をいたしたわけでございます。 それによりますと、台湾、韓国から一月の下旬あるいは二月の上・中旬はかなりの民間輸入が見込めるということが明らかでございました。しかしながら、二月の下旬以降になりますと、現地の価格が上がっているというようなこともありまして、かなり輸入に対する危険が伴うということで、商社等が手控えるという状況が明らかになりましたので、二月二十日以降市場に上場販売されるものを対象にいたしまして、緊急輸入促進措置を講じたところでございます。 ちなみに、ことしのキャベツの輸入量を申し上げますと、一月は千五百八十トン余り、二月の上旬は二千二百トン余り、中旬は二千三五トンでございますが、下旬になりますと非常に少なくて、この対策の対象以外の輸入量は二百トン程度でございます。 そういう状況でございましたので、キャベツの輸入対策を講じて、もし損が出た場合には、その損失額を限度として輸送費の補助をしようということで対策を行ったわけでございます。その結果、二月の下旬に約八百トン、二千トンを予定しておりましたけれども、実は八百トンぐらいしか入らなかった。それは二月の下旬から三月にかけまして気温が緩んだためにややキャベツ価格が低下したというような事情もあったわけでございます。 そういう状況で、私たち決して遅れたとは思っておりませんけれども、しかしこういう対策は時期を失すると効果のないことは先生の御指摘のとおりでございますので、今後はやはり状況を的確に把握しながら対策を進めてまいりたいというふうに思っております。 五十六年度につきましては、基本的には国内生産の供給によって対応することは基本であろうというふうに思っておりまして、現時点からキャベツを輸入するということは考えておりませんが、秋その他の状況を見ながら今年度の経験にも徴して適期に対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○山田耕三郎君 大変むずかしい問題ですので、なかなか思うようにはまいりませんと思います。ただ、やっぱり決断をする時期の問題であるように思いますので、来期については万全を期していただきたいことを御要望申し上げておきます。 第二点の問題は、昨年の十月より重要野菜の需給調整事業をスタートさせられました。この制度は、今日までの制度が供給不足に対する供給確保のものでありましたのに対しまして、供給過剰時代に対応する需給調整の制度であるように思います。そういったところに大きな変化を感じ取っておりますのでございますけれども、今日の野菜供給に対する過不足の基本的認識は人によってかなり変わってぐるのではないかと私は思います。 たとえば野菜が不作だとか豊作だとか言われましても、結果のデータで見る限りは余り違いません。目に見えてわかりますのは生産価格であらわした場合であります。二年続いて野菜が御承知のとおり異常高値になったけれども、果たして野菜が供給不足であったのかどうか、あるいは供給過剰であったのかどうか、明確にすることは困難なように思っております。しかし、このことがすなわち供給不足なのか、供給過剰なのかが明確にならない限りは、適正作付はどれくらいなのかという目安も立たないことになります。 ところが、また一面、キャベツだけをとってみましても、通常その植栽は一反に六千本と言われております。一個の重量を一キログラムを目指して収穫にいそしみます。そういった場合に、一キログラムのキャベツが収穫をされればそれは六トンということになりますが、仮に、天候相手でございますから、三〇%作柄がよい場合と悪い場合と考えてみますと、よい場合に比べて悪い場合は約半作しか取れないというような変化を生じることもありますものでございます。こういったところからその予測が非常にむずかしい。 それで、農林水産省が今日の野菜が供給過剰ともし判断をされておられるといたしますなれば、十月から発足いたしました重要野菜の需給調整事業の根本になるものはやっぱり野菜過剰というところから出てきておるように思いますので、農林水産省の考え方がそこにあると思います。だから、そのような過剰であるという判断をなされた根拠について御明示をいただきたいと存じます。
○政府委員(戸田博愛君) 野菜につきましては、消費の面を見ますとなかなかふえる状態ではございませんで、おおむね横ばいで推移をいたしております。しかし先ほども先生御指摘ございましたように、単当収量は年々着実に増加いたしております。特に主産地のシェアが高まれば高まるほど単収は高まってきております。 一方、作付面積は都市化の進展等で減少をしておりますが、そういう単収の増加によって需給がほぼ均衡するという形でここ数年来推移をいたしておりました。しかし、御承知のように、稲作転換ということが非常に重要な課題になってまいりまして、水稲からの野菜への作付転換が非常に大きな量になってくるというようなことで、基調としては供給がやや過剰になりがちであるという状態にあるというふうに思っております。 しかしながら、先ほど御指摘ございましたように、基調というのをどう見るか、平年的な単収を前提にすれば、やや供給は過剰ぎみであるというようなことであろうというふうに思います。また、特に五十二年、五十二年と稲作転換によりまして作付面積が非常にふえ、特に先ほど二年高値と先生御指摘ございましたが、その前二年は超安値でございまして、そういう事態の中で、特に生産者団体の間におきまして、稲作転換により作付がふえて野菜は過剰になっているんではないかという非常に強い御心配が出されたことも事実でございます。 しかしながら、先ほど来御指摘ございましたように、特に露地野菜につきましては、気象による作柄の変動というのは非常に大きゅうございまして、露地野菜については気象変動による収量の変動を避けがたいという性格を持っておりますので、われわれといたしましては、生産者団体の需給調整をしたいというお気持ちと同時に、露地野菜は作柄変動が大きいという性格、この二つに着目いたしまして、作付段階ではある程度の余裕のある作付を行って、豊作で価格が低落するような場合には、生産者団体による自主的な産地廃棄等の措置によって需給を安定さしたいという、豊作、凶作両面を考えて重要野菜需給調整特別事業を実施したところでございます。
○山田耕三郎君 先ほど物価局長の御答弁の中で、野菜につきまして十分な作付を指導していく方針である旨の御答弁がありましたようにお聞きをいたしました。農林水産省は若干過剰ぎみという見方をしておられます。もしそうであったとしますと、野菜の十分な作付を指導していくということは、若干不足ぎみという前提に立たなければならないと思いますんですけれども、こういったことについて農林水産省と経済企画庁との、それぞれの担当の皆さん方の中にあって、考え方の相違がありませんのかどうか、その辺のことをお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(戸田博愛君) 五十六年度の野菜の作付でございますが、現在までのところ、稲作転換というようなこともございまして、春、初夏から秋口までの作付面積はいずれも総じて前年を上回る作付面積になっております。 野菜の問題点はやはり秋冬期、冬場の露地野菜でございます。本年の冬場の露地野菜をどの程度作付するかということで、われわれといたしましては、過去二年の経験にかんがみまして、できるだけ余裕を持って生産をということで生産者団体にお願いをいたしております。生産者団体にいたしますと、いや二年高かったので主産地でないようなところもことしは作付をする、そうするとほうっておいても作付面積がふえるので、そんなにたくさんは作付できないというような生産者団体側のお気持ちも、これは一概に否定できないわけでございますが、現在、関係の生産者団体とわれわれとの間で来年の作付計画をめぐって種々話し合いを進めておりますが、われわれとしては、五十五年度に設けました生産余裕を上回る生産余裕を五十六年産の秋冬野菜には見込みたいということで現在話し合いを進めているところでございます。
○山田耕三郎君 それでは次に、卸売市場を中心とする流通機構の矛盾点の解決方策についてお尋ねをいたします。 野菜の供給量と価格との関係については、供給量が一〇%減少すれば価格は三〇%上がると言われておるのがどうも定説のようでありますけれども、私は市場の原理はなかなかそのような簡単なものではないように思います、品薄高が品薄高を呼び、安値が安値を呼ぶとも言われております。供給量が変わらないのにかかわりませず価格が倍になることもあり得るのでございまして、何かの事情による集荷薄あるいは集荷の競争が高値を呼ぶこともあります。卸売市場における価格形成ほど重要なものはありません。しかも、その価格形成が供給と需要の量的な面からだけではなく、理解できない結果が生じてまいります。 したがって、私は第一点として、この前にもこれはお尋ねを申し上げまして回答もいただいておりますのでございますけれども、理解ができませんので再度お尋ねをいたします。すなわち、卸売業者間、いわゆる荷受け会社間の集荷競争をなくすることが必要だということを申し上げてきました。当局の御方針は、荷受け機関の複数制による適正な競争が行われることを前提として複数制を指導しておいでになります。 たとえば東京都の場合ですと九市場ございまして、それぞれ二つの荷受け機関、神田市場だけが三つでございます。そうしますと、都合十九の荷受け機関が競争を行って今日の価格形成をしておりますというのが実態なのですけれども、果たしてそれだけの荷受け機関が必要なのかどうか。私の選挙区に関係があります琵琶湖を控えます大阪市場の淡水魚介は、一社で荷受けをやっておりますけれども、これらは順調に運営をされております。金沢におきましても生鮮野菜は一社だと承り、その状況は別に問題ない、このように聞いております。 したがって、一市場一荷受け会社の方がむしろ好ましいようにも考えます。ただ、長い歴史の中で形成をされてきておりますものだけに、多くの問題点もありますと存じますが、複数制だけを最上のものとして固執されるのではなしに、それぞれの立地により適切な対応を心がけ、過当競争の防止には創意を生かしていかれるべきだと考えておりますのでございますけれども、これらについてもう一度ひとつ御所見を承りたいと存じます。
○政府委員(戸田博愛君) 中央卸売市場におきましても、一長一短があろうかと思いますが、われわれここ数年来の生鮮食料品の流通問題における関係の方々の御批判、御意見等は、卸売市場における競争がないことが価格の安定を阻害しているのではないかという御批判をいただくことはしばしばでございました。そういう意味で、私たちもある程度適正な競争が行われることは、消費者にとっても、あるいは価格の安定にとってもいいことではなかろうかという気持ちで、原則として少数複数制、できれば二社が、いままでの経験に徴しますと二社が望ましいのではないかというふうにも考えてきているわけでございます。 で、過当競争ということの内容でございますが、過当競争のために不正な手段でいろいろな集荷をするというような例が全くないわけではございませんで、前回もお答えをいたしましたけれども、そういう者に対しては厳正な態度で処分をいたして、そういうことのないように指導をいたしておるわけでございますが、適正な競争というのはやはりある程度望ましいのではなかろうかというふうに思います。 ただ、私たち少数複数だけがいいというふうに思っているわけではございませんで、市場間の競争がある程度行われ得るような条件のところでは、単数制もそれは適切ではないかというふうに思っておりまして、一概に少数複数、単数ということを決めているわけじゃございませんが、やはり競争の条件というものはどんな状況下でも生かしていきたい、適正な競争は生かしていきたいというふうに考えているわけでございます。
○山田耕三郎君 いずれにしても、この問題は長い時間をかけて考えなければなりません問題でございます。 その次には、第二点といたしまして、市場における卸売価格と末端の小売価格とに現状では連動性がありませんけれども、何らかの方策でもって連動を図っていくべきではないかと思います。たとえば卸売価格はまちまちでありますのにかかわりませず、小売店の店頭価格はおおむね統一されております。また競りによる価格形成が最も公正だと言われております。しかし、それは卸売価格と小売価格との連動性がないことには意味がないと思います。せっかくの競りによる価格形成がりっぱにできましても、それが市場内だけのものであって、消費者とかかわります小売店において関係、連動性がなければ無意味なように思います。たとえばその日の卸売価格の店頭表示の義務化や励行、あるいは卸売と同様に商品の、たとえば重量販売でやりますとかその販売の要領等、当然考えていかなければならないことと思いますのでございますけれども、競りにより公正な卸売価格が決定をされれば、その公正な卸売価格が八百屋さんの店頭まで連動していくという方策についてお考えになっておられますことがありますのかどうか、それはもう自然の流通に任しておられますのか、御所見を承りたいと存じます。
○政府委員(戸田博愛君) 先生のせっかくの御指摘でございますが、連動という意味は、制度的な連動性がないというふうに理解をさしていただきたいと思いますが、現実の青果物の野菜の小売価格は、ほかの商品に比べますと、あるいは短期的なラグはございましょうけれども、私たち卸売価格に比較的よく連動して動いているものではなかろうかどいうふうに考えております。 ただ、どちらかといいますと、卸売価格の変動よりも小売価格の変動の幅の方が小さい、安いときはちょっと底上げ、高いときはちょっと底下げをして、どちらかというと小売価格は変動をならす機能を果たしているのではなかろうかというふうな感じを持っているわけでございます。そういう意味で、大体仕入れましたものを二、三日のうちで販売する小売店頭のことでございますので、卸売価格に一定の率あるいは一定の額を上乗せして販売しているという意味で連動性は持っているのではないかという気持ちを持っております。 ただ、零細な小売店でございますので、卸売価格を表示させて商売してもらうということは、なかなかむずかしいのではなかろうかという気持ちは持っておりますが、一部の都市等では、卸売価格から試算しました標準小売価格等も新聞その他に発表される、あるいはそういうことを通じて卸売価格と小売価格の関係というものを進めておられるところもございます。 また、重量単位の価格表示の問題でございますが、この問題につきましては、われわれもかねてから推進にいろいろな努力をしてきたところでございまして、われわれの調査ですと、大体現在のところ三五%ぐらいは——二万店の青果物小売店を調査したわけでございますが、そのうちの七千店強、約三五%ぐらいは重量単位の表示で販売をしておられるようでございます。なかなか全部に行き渡らないわけでございますけれども、零細な青果小売店という実態を考えますと、全体にわたって普及をしていくということはなかなか容易ではなかろう。われわれも今後とも努力は続けてまいるつもりでございますが、そういう困難な面もあることも御理解をいただきたいというふうに思います。
○山田耕三郎君 私がただいまのことをお尋ねをいたしました根底にありますものは、今日の野菜の値段のうちで生産者の取り分がいかにも少ない。仮に生産者の取り分が少ないなれば少ないで、その価格を基準にして消費者に渡ればよろしいですけれども、消費者に渡るときにはかなり高くなっている。その中間にもう少し改善をする手段があるのではないかということからお尋ねをいたしました。 で、たとえば農林水産省の生鮮食品の調査が出ております。生産者の取得分は、たとえば大根では三五%と出ております。これは当然のこととして街づくり、運賃を含みます。そして、これらの場合に卸売は二二%の取り分、小売が四三%の取り分だと出ておりました。さらにこれはお魚ですけれども、サバに至ってはわずかに一七・六%ということであります。しかし豚肉のように生産組織から販売まで流通の合理化が一定程度なされておりますものは、生産者の手取りが五八・四%と、きわめて高いものもございます。こういった点から見て私はさきのことをお尋ねをいたしました。 それで、第三点としては、流通機構を改革して流通経費の軽減を図りながら、その余剰分を生産者や消費者にも配分すべきなのではないか。何かいまのところでは流通業者、すなわち卸、中卸、小売業者間でそれらの剰余価値がそれぞれ吸収されてしまっておるのは、私のひがみかもわかりませんけれども、思われてなりませんのです。そうでない限りは、十分な作付を指導しようとされましても、生産者にその意欲が出てまいりません。その辺のことの改善をわれわれはやっていかなければならないのではないかということを思います。 したがって、流通の改革は一朝一夕にできるものではありませんけれども、この辺で、農林水産省が調べておられます。その生鮮食品のそれぞれの関係者の取得分から見て、生産者や消費者がもう少し優遇されるような方策はないのかどうか。この辺についてこれでよろしいんだというお考えなのか、当局の御所見を承りたいと存じます。
○政府委員(戸田博愛君) 野菜の流通マージンの比率でございますけれども、品目によっても、あるいは高値のときと安値のときによってもかなり違っておりますが、平均的に言いますと、消費者価格のほぼ三割から四割ぐらいということでございまして、この率は、ほかの食品等と比べましても、あるいは諸外国の例等に比べましても、それほど違いのない数字だというふうに思っております。しかしながら、流通経費ができるだけ小さくなることは、消費者にとっても生産者にとっても望ましいということには間違いないわけでございます。しかし、総じて言いますと、やはり卸売業者にいたしましても、仲卸にいたしましても、小売業者にいたしましても、多数の人が競争をし、毎日消費者と接しておるわけでございまして、特に不当なマージンをかければお客さんが遠のいていくという全く完全競争下にあるわけでございますので、制度的にどうこうするということはなかなかむずかしゅうございますけれども、われわれといたしましては、産地の段階における案出荷施設をできるだけ整備をする、あるいは卸・小売業の共同配送等、流通の合理化に役立つような対策を徐々に講じていって、できるだけ流通経費が節減できるように努力はいたしておりますし、今後とも一層努力をしなければならないというふうには思っておりますが、そう急に、現在の流通機構、非常に多数の青果の小売店さんが毎日消費者にお野菜を売っておられるというような状況を前提にいたしますと、そう短期間に大きく変えるということはなかなか困難ではなかろうかというふうに思っております。
○山田耕三郎君 ただいまの問題に関連をいたしまして、たとえばこういうことは考えられないのかどうか、一点お尋ねをいたします。 現在、市場においては市場手数料として、果実は七%、野菜は八・五%が取られております。これは市場法施行以来この格差がありますのでございますけれども、私なりに考えてみて、こういった格差のありますことは、野菜は大変扱いにくい、規格も品種もまちまちである、そういったところに主たる原因があったのではないかと思っております。しかし今日市場の実態を見てみますと、共販体制もかなり進んでまいりました。また、その多くが果実と同様に箱詰めや袋詰めにされまして扱いやすく改善されております。しかも、これらはすべて生産者の責任において、それだけの経費をかけて進められてまいりましたことは事実だと思います。そういった点から考えてみましても、他の理由があって格差がつけられておるのなれば別でありますけれども、私の申し上げましたように、扱いにくいということだけから考えてこういった格差があるとすれば、それがいまだに残っておりますというのはやっぱり矛盾の一つではないかと思います。 そういった観点から、野菜に対する市場手数料の率を軽減すべきなのではないかと考えますけれども、それに対しての御所見を承りたいと存じます。
○政府委員(戸田博愛君) これはもう先生十分御承知のことで、よけいなことかと思いますが、現在の卸売手数料は、実は生産者が支払っておるわけでございまして、卸売価格あるいは消費者価格には直接影響がないことは先生御案内のとおりでございます。 卸売価格を引き下げるということは生産者手取り額がふえるということで、非常に望ましいことであるというふうに思っておりますが、しかし同時に、卸売業務ということ、あるいは卸売会社の経営の健全性、財務の健全性ということを確保しておくことも、また同時に、生産者といたしましても、支払いの円滑化等々によって必要なことであろうというふうに思います。 そういう卸売会社の現在の収益状況から考えますと、早朝の労働、かなりの重労働であるというような非常に困難な卸売業務の特殊性にもかかわらず、卸売会社によりかなり格差はございますけれども、必ずしも経営の状況は良好だというふうには言いがたいというふうに思っておるわけでございます。 そういう意味で、先生の御指摘のように、扱いにくいからというような面もあろうかと思いますが、やはり卸売会社全体の経営の健全性というような点から、この問題は判断していかなければならぬのではなかろうかというふうに思いますが、現在のところ、各卸売会社の状況等から判断いたしまして、にわかに卸売手数料を引き下げることは可能であるというふうには判断をいたしていないのでございます。
○山田耕三郎君 その辺のところもよくわかります。 それから卸売業者が取り扱います商品の中で、果実と野菜とではその金銭的な量において大変な違いがありますので、この辺で変化を生むことは非常な経営圧迫にもなりかねません。けれども、この格差が当然としていつまでも続けられていくところに私は問題があると思います。したがって、その辺のところはやっぱり考えるべき問題点の一つとして十分に今後の問題としてお考えおきいただきたいと思います。 以上私は、野菜に関連をいたしまして、野菜の価格が物価指数への影響を申し述べてきました。やはり物価指数を安定さそうと思いますと、野菜価格を安定させていかなければならない。安定さすためには、今日まで農林水産省その他物価に関係する省庁で施策を講じてきておられましたが、それは主として生産と供給の面に重点が置かれてきたように思いますけれども、もう一つの面として、むずかしいけれども、流通面での矛盾の解決も考えていただかなければならない、もちろん、これには長年の慣行として積み上げられてきたものでございますから、理屈に合わなくっても直すことのできないものもありますと思います。けれども、だからといってそのままでよろしいということにはなりませんので、その辺のところをお尋ねしてまいりました。 以上のことをお聞きいただきまして、これから半年先、また野菜の高値のシーズンが参ります。そのときのいろいろの意見交換の材料として提起をさしていただいた面もございますが、これらをお聞きいただきまして、物価に対する責任をお持ちいただきます経済企画庁長官の野菜価格に対する御所見を承って、私の質問を終わらしていただきます。
○国務大臣(河本敏夫君) 先日に引き続きまして、本日もまた野菜の価格問題につきまして非常に建設的な御意見を拝聴いたしました。感謝をしております。 野菜は、消費者物価に占めるシェアは小さいんですけれども、非常に価格が変動いたしますので、やはり大きな影響が最終的には出てまいります。農水省でもその点は十分配慮していただきまして、積極的な野菜対策を進めていただいておりますが、さらにいまの御意見等を参考にいたしまして、農水省ともよく打ち合わせをしながら、野菜を中心とする物価対策を進めてまいりたいと思います。
○本岡昭次君 私も、いま質疑されました野菜の安定的供給の問題について質問をいたします。 私の手元に、近畿管区行政監察局の「野菜の安定的供給に関する実態調査結果の概要」(昭和五十六年三月)というものがあります。この概要は、農水省の方も入手されておると思いますし、経済企画庁の方も、野菜の問題についてこれから安定的供給をするためにどうしたらいいかということを政策的にいろいろ検討されている以上、この行政監察局の調査結果についての検討も加えられていることと思います。ここへ行政監察局の方に来ていただいて報告してもらってもよかったんですが、私の方から内容を簡単に申し上げて、農水省なりあるいは経済企画庁の方のお考えをお聞きいたしていきます。 この調査結果によりますと、調査対象は、大阪あるいは滋賀県等京阪神地域における野菜流通の実態を調査しております。そして結論としてこのように述べております。 野菜を安定的にしかも適正な価格で供給するよう関係方面において種々努力されているところであるが、今回の調査では、一層の流通合理化の余地があるものと認められた。このように言っています。いまも流通問題が山田委員の方から述べられておりました。そして、その「流通合理化についての基本的考え方」として次のように述べています。 従来、遠隔又は中距離にある大規模指定産地→中央卸売市場ルートの全国的な広域流通の整備に重点を置いて施策が進められ、その結果、大消費地域に対する野菜の安定的供給の上で、この施策が果たしてきた役割は評価されなければならないが、一方、これまでも地方卸売市場(特に地場野菜)など地域流通の整備(特に地場野菜)にも配慮されてきてはいるが、今後は、一層地方卸売市場の活用、地場野菜の振興、産地直結事業の推進などにより、広域流通の整備と併せて地域流通の整備を積極的に押し進め、地域の実情に即したきめ細かい野菜対策を講じていく必要がある。こういうことで、流通合理化についての基本的な考え方を述べております。 以下、具体的なものは後ほど質問いたしますが、まず、行政監察局が野菜の安定的供給について流通の合理化が必要であると述べたこの基本的な考え方について、農水省はどのように受けとめていますか。
○政府委員(戸田博愛君) いま先生がお読み上げになりましたいわば今度の調査の総論的な部分については、全く同感でございます。できるだけ地場に野菜産地をつくってその地場野菜を供給していくということは、流通経費も非常に少なくて済むわけでございますから、野菜対策としても重視していかなきゃならぬということはそのとおりだと思います。同時に、一昔前までの日本の野菜供給と野菜の消費は、そういう形で行われてきていたんだというふうにも理解をいたしております。 しかしながら、二つの問題が戦後の経済の高度成長の過程で生じてきたというふうにわれわれは理解をいたしております。 一つは、都市近郊の地場野菜産地が都市化の進展によりまして徐々に宅地化、工場用地化して、地場の野菜供給が非常に困難になってきたという点が第一点でございます。 第二点は、消費の周年化ということが大変進んでまいりまして、いつの時期でも、たとえばキュウリでございますと、昔は夏だけのものでございましたけれども、いまは一年じゅうキュウリを消費するという構造に、いい悪いは別にしまして、なってまいりました。そういたしますと、地場でできる野菜の時期というのは限られるわけでございますので、広域的に全国的に冬でもキュウリがとれるような状況、あるいは夏でもキャベツのとれるような高冷地でキャベツを生産して供給する、そういう周年供給ということが消費構造の変化の中で起こってきたということから、われわれは指定産地、野菜の産地を各地につくって、年間切れ目なく野菜を供給していくという対策をとらざるを得なかったということでございまして、地場野菜が流通経費は安い、これはまさに常識であたりまえのことでございますけれども、やや輸送費をかけても遠くから運んでこなきゃならないような生産消費の構造になってきたという点は御理解をいただきたいと思います。
○本岡昭次君 いま答弁されましたような状況は私も理解しておりますが、この調査結果の中で具体的に出てきているこの対策の問題についてひとつ質問してみたいと思います。 問題は、中央卸売市場というところを拠点にして大消費地との間における流通のみにウエートが置かれ過ぎているのではないかということだと考えます。地方卸売市場と地場野菜との流通問題をもっと積極的にやってはどうかということがここに述べられています。 まずその一つですが、この調査によると、消費者の立場から見れば、地方卸売市場から結局仕入れて、そして小売、消費者と渡っていく野菜の方が全体として一割から三割安かった、あるいはまたおおむね新鮮であった、こういう結果が出ています。そして、先ほども生産者の手取りの問題が出ておりましたが、生産者にとっても有利な傾向があるという結果になっています。つまり生産者の手取り率が高い傾向が認められる。中央卸売市場に比して詳細な規格区分がなく、選別の手間と経費が省略されている。それから中古殿ボール箱の再利用などにより包装が簡素化され、コストが節約できていく。輸送距離の短縮に伴う省エネ効果がある。生産者は出荷単位量に満たないため中央卸売市場に出荷できないものでも出荷することができる。こういうことで、地方卸売市場が地場野菜の供給をすることによって消費者も生産者もともによい結果を受けている。こういう報告があるんですが、この点について農水省はどうお考えですか。
○政府委員(戸田博愛君) 恐らくその調査はそのとおり事実であったろうというふうに思うわけでございます。ただ、調査の技術的な問題については二、三問題ございますけれども、そういう細かい問題抜きにいたしまして、地場野菜が流通経費が少なくて済むということは全くそのとおりであろうと思います。 たとえばこの調査で、タマネギだったと思いますけれども、八月の大阪のタマネギと言えば、恐らく泉州とかの近辺、兵庫、大阪等で幾らでもタマネギが生産できて、それがつるしてある、そういう時期のものでございます。中央卸売市場は十一月だと思いますが、十一月には現在大阪でもかなりのものが北海道から供給をいたしております。そういうことでまさにその調査はそのとおりだというふうに思いますし、地方地場野菜を育成していくということについては農水省としても力を入れておりまして、地場野菜はそういうものだけではなくて、軟弱なニラでございますとか、ミツバでございますとか、われわれの生活に欠かせない野菜も供給しているわけでございまして、地場野菜の生産振興については農水省はかなり力を入れているつもりでございます。あるいは都市近郊の産地はわれわれが指定産地としてのまとまりの一定の要件を設けておりますけれども、都市近郊の産地はそれだけなかなかまとまりませんので、そうまとまらなくても生産振興していこうということで、地場野菜の育成には力を入れているところでございます。 ただ、中央卸売市場と地方卸売市場という対比で、そういう問題を提起されますことにはいささか私たちとしては異論があるわけでございます。と申しますのは、中央卸売市場というのは、たとえば二十万人以上の大きな都市に中央卸売市場を配置し、地方都市に地方卸売市場を配置していきたいというのが基本的な考え方でございまして、ただいままでの慣例といいますか、経験に徴してみますと、中央卸売市場はかなり信用力もございますので、かなり遠くの産地からでも荷物が集まってくる、しかし地方市場はなかなかそれだけの信用力も乏しいわけでございますのでなかなか食べ物が集まらない。一方、地場野菜は、長い取引の経験からいって、地方市場によく集まるけれども中央市場に集まりにくい、そういう傾向があることは事実でございます。しかしながら、現在は地方市場は地場野菜だけ扱っていていいというわけでございませんで、そうしておりますと、その周辺の消費者は非常に限られたものしが食べられないわけでございますので、地方市場がそういう遠距離からのものを値引きするだけの力をつけるように地方市場の育成を図るとともに、中央市場につきましても、地場野菜をできるだけ値引きして販売し、両者がそれぞれの機能に応じて力を発揮していくことができるようにしたいということでせっかく努力をいたしているところでございます。
○本岡昭次君 いませっかく努力しているところでございますということでありますが、具体的にせっかく努力しておられる中身をひとつ御説明いただけませんか。
○政府委員(戸田博愛君) 中央卸売市場におきましては、市場によって地場野菜コーナーというようなものも設けておりまして、そこへできるだけ地場野菜を値引きしてくるという努力を行っておりますし、地方市場につきましては、何といいましても、地方市場の経営の合理化、健全化を通じて信用力なり値引き力を強化していくということが必要だと思います。 で、先ほど来お話にあります野菜価格補てん事業というのがございまして、その市場に出荷したものが下がった場合には、基金から価格補てんをするというようなことをやっておりますが、私たち、地方市場につきましても、できるだけその対象市場にしていきたい。特に公設の地方市場については極力そういう対象市場にして、地方市場を価格補てんの対象としての市場にしていけば、生産者も安心してそこに出荷できるわけでございますから、そういう努力をいたしております。しかし何分にも、中央卸売市場は現在九十一でございますが、地方卸売市場は千八百余りあると思います。そういうことでございますので、零細な地方市場につきましては、できるだけ合併をしたりして、地方卸売市場の力を強化していきたいというふうに思っております。
○本岡昭次君 この調査結果に基づいていろんな資料が出ているんですが、「中央・地方卸売市場経山野菜の流通段階別価格構成要素対比表」あるいはまた「中央卸売市場経由野菜の流通段階別価格構成要素対比表」が出ています。そこで、細かいことで恐縮ですが、二、三お尋ねします。 生産者受取価額と小売マージン、これは小売店が受け取るマージン、利益なんですが、それがずっと対比されて出ております。これは何か異常な状態で起こったことであろうと思いますが、キャベツなどをとると、生産者が八・五%、それに対して小売マージンが四一・三%、あるいはまた白菜、生産者が三一・七%、小売マージンが三六・五%、タマネギ、生産者が二二・六%、小売マージン二四・七%。これらはいずれも小売マージンの方が生産者受取価額よりも高いという状況が起こっております。そのほかはおおむね生産者受取価額の方が多いんですが、こういう結果が起こってくる原因はどういうところにあるんですか。
○政府委員(戸田博愛君) ここにあります生産者受取価額というものでございますが、これは生産者の手取りと出荷経費で構成されておるわけでございます。一般に野菜価格の場合は、小売価格が非常に安いときは生産者手取り価額が非常に小さくなり、高くなると生産者手取り率が高くなるという傾向がございます。小売価格につきましては、どちらかというと、比較的固定的といいますか、一定額あるいは一定率を掛けるということもございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、高いときだからといってそれほど高い小売マージンを取らない、低いときにもしかしある程度のマージンは小売店を経由する場合には必要だということで、卸売価格の変動よりも比較的変動幅が小さいというようなことでございます。そういうことで、そのときそのときの価格水準によってかなり率が変わってまいります。 たとえば御指摘がありましたこの五十四年の十一月のタマネギの場合は、これは大阪市場でございますが、生産者の受取割合が二二・六%で、小売マージンが二四・七ということで、先生御指摘のように小売マージン率の方が高いわけでございますが、このときのタマネギの価格は小売価格で八百六十七円ぐらいだと思いますが、その一年前をとりますと千六百円ぐらいのときでございますが、そのときは四一・一%、あるいはその一年前をとりますと、生産者手取りが四三%で小売が二五・〇というようなことで、価格の変動によってマージン率、生産者手取り率等が変化する、ならしてみると、大体三割から四割ぐらいの水準であるというふうに考えているわけでございます。
○本岡昭次君 そうすると、通常は、生産者受取価額の方が小売マージンを上回るというのが通常で、そうすると、生産者価額が大体三割から四割、小売マージンは二割から三割というふうに理解していいんですか。
○政府委員(戸田博愛君) そのとおりでございます。
○本岡昭次君 次に、卸売と仲売の問題もずっと出ておりますが、卸売の手数料というのは大体四%から六%というふうに各品目にわたって安定しています。ところが、仲売のマージンということになってきますと、インゲン豆のように二七・三%も仲売のマージンが取られ、あるいはまたピーマンの一三・七とか、ジャガイモの一一・四とか、タマネギの一〇・七とかということで、そのほかは大体五%ないし六%と、こうなっているわけで、なぜこの仲売の段階のマージンがこのように大きな変動が起こるんですか。
○政府委員(戸田博愛君) 卸売手数料につきましては、卸売価格の八・五%ということでこれは決められておりますので、それを小売価格をもとにした率にしますと、回ないし六で安定しているということであろうと思います。 仲卸のマージンでございますが、仲卸業者、特に関西は、東京と違いまして、関西市場は、仲卸業者を経て小売店に野菜が渡るという率がきわめて高いわけでございます。したがいまして、仲卸業者はかなりのサービス機能を持っておるわけでございまして、あるいは配送するとか、あるいはそこで小袋に詰めかえて配送するとか、そういうことで若干大阪、関西の青果の流通市場というのは関東とは違っております。したがって、それらの経費というものが入ってやや高くなっている面があるのではなかろうかというふうに思います。 特にインゲンにつきましては、二七・三ということで大変高率でございますので、私の方も別途調査をいたしてみました。これは一つには、四キログラムの段ボールから石ないし二百グラム入りのパックに詰めかえをするということで詰めかえの経費、あるいは容器が必要だということが一つと、八月のインゲンというのは非常に水分が多くて傷みやすくて、この調査の時点でパック詰めの過程で相当のロスが出たというふうに承知をいたしております。 仲卸のマージンについては、現在制度的に規制をいたしておりませんが、いわば非常に大きなサービス業務でございますし、競争相手も大変多いわけでございますので、競争の条件の中からそういうマージン率が規制されてくるというのが一般的な条件であろう。たまたまインゲンその他についてはそういう事情があったというふうに御理解をいただきたいと思います。
○本岡昭次君 もっと詳しく質問をしたいんですが、どうも時間がうまく配分できませんのでこの辺で終わりますが、要するに行政監察局の言わんとするところは、生産者、消費者両方にとって利益になることは、地方卸売市場というものの充実強化、地場野菜の供給というものを強めていくこと、そしてできるだけ流通機構を合理化し、出荷経費等に金をかけないようにすること等々がこの中に出されているのであって、いままでの野菜の流通問題を大きくいま変えることはできないまでも、やはりここに指摘されている出荷経費あるいは仲卸マージン等々がここで軽減されることによる生産者、消費者のメリット、そしてしかも新鮮な野菜供給というふうな事柄について、農水省のさらに一層のひとつ努力をお願いをいたしたい、このように思います。 次に、前回質問をいたしました物価調査監視七事業の問題なんですが、前回も時間がなくなったために詳しく質問することはできませんでした。そこで、年度も新しく変わりましたが、物価安定のために実施している物価調査監視七事業にかかわる予算、五十五年度は八億八千四百八十七万四千円ということでしたが、五十六年度は各事業ごと全体としてどのようにこれが予算として計上されているのか、ひとつ説明をいただきたいと思う。
○政府委員(廣江運弘君) 全体の数字で五十五年度が八億八千五百万円でございますところ、五十六年度は九億五千七百万円で八・一%の増となっております。
○本岡昭次君 八・一%増といいますと、もう少し詳しく言ってください。いま言った七項目あるんですが、それぞれの内訳はわかりませんか。
○政府委員(廣江運弘君) 項目ごとに申し上げます。 物価モニターは、五十五年二千七百万に対しまして、五十六年度三千六百万円でございます。 食料品消費モニター、これは五十五年度千八百万円でございますが、五十六年度千九百万円でございます。 さらに、外食等価格調査事業でございますが、五十五年度千二百万円に対しまして、五十六年度六千八百万円でございます。 次に、食品価格需給動向予察事業でございますが、五十五年度五千二百万円に対しまして、五十六年度は四千六百万円でございます。 次に、消費者価格モニターは、五十五年度二千百万円に対しまして、五十六年度同じく二千百万円でございます。 次に、生活関連物資需給価格情報提供協力店システム、これは五十五年度七千四百万に対しまして七千四百万でございます。 最後に、物価安定対策事業は、五十五年度六億八千百万円のところ、五十六年度六億九千三百万円でございます。 所管省は、最初に申し上げました物価モニターが経済企画庁でございますし、食料品消費モニターは農林水産省、外食等価格調査は農林水産省、食品価格需給動向予察事業も同じく農林水産省でございますし、消費者価格モニターは通産省でございますし、生活関連物資需給価格情報提供協力店システムも同じく通産省でございますし、物価安定対策事業は、経済企画庁から移しかえまして農水省及び通産省で御所管になっておるわけでございます。
○本岡昭次君 わずかでも予算は伸びているわけですが、それぞれの物価調査監視の事業の内容で、特に五十六年度において五十五年度の反省の上に立って内容的に強化したというのはどういう事柄になりますか。
○政府委員(廣江運弘君) 五十六年度におきましては、特にまず経済企画庁の物価モニターでございますが、これは一県当たり約十名程度増員をいたしまして千六百五十名とし、その充実を図ったところでございます。 次に、外食等価格調査でございますが、これにつきましては、調査機関及び食糧事務所職員による巡回指導率等をそれぞれ昨年度の内容におきまして二倍程度にいたしますとともに、対象品目を八品目から一品目ふやしまして九品目に拡大いたしております。 それから最後に申し上げました物価安定対策事業でございますが、これにつきましても、物価情勢に応じて充実を図ってきたところでございますが、対象品目を、中の入れかえはございますが、トータルで七品目増加いたしまして五十九品目といたしております。これは農林物資で三十二品目、通産物資で二十七品目に拡大いたしております。さらに、この事業につきましては、東京都及び十政令市におきまして、食料品価格の調査結果を地域ごとに指数化いたしまして消費者の買い物の便を図りますとともに、一方、事業者の価格競争を促すことによりまして、食料品の価格と需給の安定に資するというような目的のもとに物価マップを作成するという事業を新しく拡充いたしておるわけでございます。 今後とも、物価の安定は国民生活の安定の基本でございますので、こうした監視事業を充実いたしましてより一層の効果を上げてまいりたい、こういうふうに考えております。
○本岡昭次君 前回の質問のときに、この物価調査に対して非定店方式が原則であるにもかかわらず定店方式をとっているということで、農水省あるいは通産省にお伺いしたんですが、そのとき農水省の方は、十県残っているが、恐らく四月からはすべて非定店方式になるだろうという答弁がありました。また通産省の方も、各県、指定都市に対してこの制度の趣旨から非定店方式で実施するよう指導しているということがありました。 非定店方式でやるこの調査は非常に困難が伴うと思いますが、正確な物価の動向を調査し、これをまた監督していく上にはやはり非定店方式でなくてはならぬと思いますが、農水省、通産省、その後の指導によって、前回答弁されたように、すべて非定店方式に改善されましたかどうかお尋ねします。
○政府委員(戸田博愛君) 農林水産省関係につきましては、今年度からすべて非定店方式に変更いたしております。前回も御答弁申し上げましたとおり、すべてが非定店方式になっております。
○説明員(大角恒生君) 通商産業省におきましても、前回お答えいたしましたように、二月に各県、各市に通達を出しましたほか、新年度を迎えまして、各ブロック別に担当の方面とこの点、非定店で実施するようにさらに趣旨を徹底いたしましたので、今年度から間違いなく非定店方式で実施できると考えております。
○本岡昭次君 河本長官にお伺いしますが、前回と今回も引き続いてこの物価調査監視の七事業問題について私は質問をいたしておりますが、生活関連物資などの価格を安定するためにいろいろな方策があろうかと思いますが、一つの大切な事業としてこうしたじみな調査監視の活動が消費者も交えて国民的な規模で行われていくことであろうと私は思っております。 ことしの政府目標が五・五%、できれば五・五%以下に抑えてもらわなければなりません。そのためにこの需給価格動向の調査監視というふうなものに対する経済企画庁の指導性、そうしたものを大いに私は期待しているわけでありますが、先ほども行政改革問題が出ておりましたけれども、いまも予算の金額を見ますと、一千万とかあるいは二千万とかいうわずかな予算しかついていないわけで、こうしたわずかの予算で一体何ができるんだということで、こうしたものを行政改革で削っていって、じみな国民的な物価安定に対する一つの活動というふうなものが停滞することのないようぜひ河本長官の努力をお願いしたいと、このように思うんですが、河本長官の、この物価安定に対するこうしたじみな事業、そうして各県あるいは地方自治体を巻き込んでの今後の対策、そうしてそれの指導、そうしたものについてのひとつ見解をお伺いしたいと、このように思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 物価対策には特効薬というものはございませんで、やはりじみな幾つかの努力を積み重ねていく、その結果消費者物価が安定する、そういうことでなかろうかと考えております。そういうことから、いま御指摘のような、これからもいろんなじみな対策を今後も継続して積み重ねていきたいと考えております。 幸いに政府の方でも、昨年と異なりまして、ことしは物価対策に取り組む方針もある程度私は前進したのではないかと思いますが、と申しますのは、昨年は野党からの要求によって、物価対策費を必要とあらば五百億円使うと、こういうことにしておりましたが、ことしは必要な金額は幾らでも予備費から出しましょうと、そういう意気込みで物価対策をやることを決めまして、先般も野党の要求に対してそういう御返事をしたところでございます。そういうことでありますから、物価対策に必要な予算というものはこれはどうしても計上していかなければならぬと考えております。すべての経済政策を進めます上におきまして、物価が安定をしておりませんと有効にこれを進めることができませんので、すべての政策の基本は物価にあると、このように理解をしておりまして、そういう理解の上に立って対策を進めてまいりたいと考えております。
○本岡昭次君 それでは次の問題に移りますが、昨年度の大問題と言えば、勤労者の実質賃金指数が前年を下回った、昭和五十五年と五十四年の年間の平均値で前年比〇・九%のマイナスが記録されたということ、そして三月末の年度比でも勤労者の実質賃金指数が、私は正確に知っておりませんが、一%前後マイナスになったということではないかと考えています。勤労者の実質賃金が指数的にマイナスになったということは、これは統計をとり始めてから初めての出来事であるということで、前回も、これは異常事態であると、このように考えてもいいという労働省の方の答弁もいただきました。 そこで、この勤労者の実質賃金指数がマイナスになったということは、勤労者の賃金上昇を物価上昇が上回ったということの結果でこのようなことになったわけであります。したがって、この物価の問題を集中的に取り扱う当委員会としてきわめて重要な問題として考えていかなければならないわけなんですが、河本長官にお聞きしますが、言葉で勤労者の実質賃金が〇・九%マイナスになったとか、あるいは一%マイナスになったとかという事柄の論議は簡単ですが、実際にこのことの持つ経済的な意味、あるいはまた勤労者の実際の生活、あるいはまた勤労者の勤労意欲の問題、あるいはまた消費生活にかかわるさまざまな問題等が一体どういうふうなことになったと考えていいのかということでございます。河本長官は、実質賃金がマイナスになったということは、そういう面からどのようにお考えですか、どのように受け取っておられますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、政治の目標というものは国民生活の安定と充実、向上にあると、こう思っております。そういう意味から考えまして、実質賃金が落ち込んだ、所得が減ったと、こういうことは非常に大きな問題だと、私はこのように認識をしております。 この点は、昨年の消費者物価目標が達成できなかったということで、大変申しわけなく思っておるわけでございますが、同時にまた、昨年景気が思うように伸びなかったというその一つの大きな理由が、個人消費が五十三年、五十四年に比べまして伸び率が非常に低い、このために経済成長の足を引っ張った、こういうことにもなりまして、こういう経済全体に対する影響もまた非常に大きかったと、このように理解をしております。 したがいまして、所得がやっぱりある程度伸びるということは、これはもういろんな意味から必要であると、こう思っておりますが、そういう点からいま御指摘の点は非常に深刻に理解をしておるということであります。
○本岡昭次君 金額の上では労働省の方に試算をしてもらいました。五十四年平均、五十五年平均をとって、実質賃金が〇・九%マイナスになりましたということです。そして、それをそれぞれ賃金指数、消費者物価指数等を基礎に置いて計算すると、年額で三万二百二十八円、月額で二千五百十九円ということにマイナス〇・九ということは当てはまるようでございます。しかし、実質賃金指数というのは年々ふえていくわけで、マイナスが三万円、大した金額じゃなかったということにはならないと考えます。実際は一・五ないし二日本のGNPはこう伸びていくにつれて、労働者の所得もふえていくということがいままでの傾向であったわけですから、この指数でいくと三万円は、もし一%指数がプラスになっておれば、上下六万円いわば実質的に労働者は賃金減になったと考えてもいいと思います。 あるいはまた、先ほども長官もおっしゃったように、これはもう消費生活そのものについて大いに手控えをして貯蓄に皆回していく、生活不安から貯蓄に回していくということから、これはもう個人消費が大幅に低下していくということにもなったわけでございますから、事態は大変であります。 ことしまだ最終的に賃上げの最終結果はわかっていませんが、七・六%、七%、八%というところに全体が落ちついていくような状況でございます。 そこで、ことしの物価指数が政府の目標が消費者物価は五・五%ということで、その間の開きは二%以上あるということでございますから、そのとおりになれば実質賃金指数はまたこれは上向いていくということになるわけですけれども、去年の事態を見ても要するに何が起こるかわからない。原油の引き上げが直接の理由だ、あるいはまた野菜もその理由であった、野菜はお天気次第、あるいはまた原油の問題はこれは生産国の考え次第、こういう問題がそこにあるわけで、政府のこれからの物価対策というものが、そうした政府の政策によって直接カバーできない原因がたくさんあるにしても、基本的には昨年度起こったような勤労者の実質賃金がマイナスになるというような事態は、絶対起こさないという強い覚悟での取り組みを、後手後手じゃなくて、事前に政治力を発揮して推進をしていくべきだ、こう考えます。 くどいようですが、物価上昇によって勤労者の実質賃金をマイナスするようなことを絶対にさせないという長官の決意のほどを聞かしていただきたい、このように思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、五十六年度は物価対策は非常にやりやすい、こう思っております。と申しますのは、昨年は一月から六月まで卸売物価は、年率に換算いたしまして、二割から二四%までぐらい上昇をしておりまして、いわゆる狂乱物価前夜と、こういう状態でありましたが、最近は卸売物価もずっと落ちついてまいりまして、前年同月に比べましてほぼ横並びである、むしろマイナスである、こういう安定的な状態が続いております。 公共料金も五十五年度は五十三年、五十四年に比べますと、ざっと三倍近い消費者物価押し上げ要因になっておりますが、ことしはそういうことはございません。相当低い水準になるであろう、公共料金の消費者物価押し上げが相当低い水準になるであろう、こう思っております。 また、石油の国際的な需給動向を見ますと、むしろ節約が行き届きまして下がる傾向にあります。昨年は九月にイラン・イラク戦争が勃発いたしまして、そのために急上昇をいたしましたが、ことしはまずそういうこともあるまい、こう思いますので、石油から来る悪影響もまずないのではないか、こう考えております。 そういうことからことしの五・五%という消費者物価目標というものは、これは昨年に比べまして相当やりやすくなっておる。そういうことからも、民間の最近の見通しなどを見ましても、大体四%台という見通しが多いようであります。政府はもちろん五・五%という目標を変えたわけじゃございませんが、昨年は御迷惑をおかけをいたしましたので、ことしは少しでも目標よりも一層低い水準にならないか、こういう努力を積み重ねてまいりたいと考えておるところであります。 また、所得の面につきましては、先ほどもいろいろ質疑応答がございましたが、雇用者所得の伸びは九・二%と考えておりますが、これは個人個人の所得の伸びのほかに、国民経済全体から見ました場合に、雇用者の数が一・六%見当ふえる、こういう想定をしておりますので、それ等を全部含めまして九%台の伸びになると考えておりますが、現時点ではその水準は十分達成できるであろうと考えております。 そういうことで、昨年は個人消費が経済の足を引っ張りましたが、ことしはまずまず政府の計画どおり個人所得も伸びるのではないか、経済成長もある程度目標が達成できるのではないかと、このように理解をいたしておるところでございます。
○本岡昭次君 ぜひそういうことで目標以下の物価安定というものを実現していただきたいと要望しておきます。 そこで、私は非常にうとかったんですが、恥ずかしい思いをしておりますが、消費者保護基本法というものが昭和四十三年に制定されたということを実は最近まで知らなかったんです。この消費者保護基本法というものを手にとって見てみました。そこで奇異に思ったことがあるんです。当委員会は、物価問題等特別委員会で、物価問題を中心にして国民生活の安定を図ろうとそれぞれ努力しております。この消費者保護基本法の中に恐らくそういう意味で物価安定ということが重要な問題として書かれてあるんだろうと思ってずっと見たんですが、そういう項目が一向にないわけです。辛うじて十一条のところに「公正自由な競争の確保等」という項目があります。これは公正な自由競争によって価格を決定せよと、こういうことであるわけです。 そこで、先ほども長官もしばしば、物価安定というのは日本の経済の発展にとって非常に重要な事柄であるとおっしゃっています。また消費者にとってもこれは非常に重要な問題です。この消費者保護という意味ですね、なぜここに消費者を守るということの中に物価安定ということが入っていないのか。私は、消費者保護ということの中に、昨年のような勤労者の実質賃金がマイナスになるというふうなことを絶対してはならない、消費者のあるいは勤労者の生活も年々わずかずつでも前年度よりもプラスになって増加していかなければならないんだ、そのことが豊かな生活を目指すということであり消費者の保護であろうと、このようにいろいろ思うんですが、この消費者保護基本法と物価安定というものはどういう関係にあるんですか、ひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(小金芳弘君) 消費者物価の安定ということは消費者の利益にとって最も重大であることはもう御指摘のとおりでございますが、物価水準というものは要するに経済全体の需要と供給のバランスの上で決定されますので、消費者保護以外の政策、需要管理政策なり供給力をつける政策なりというのが非常に重要な問題になってまいります。 一方、消費者保護基本法の精神は、消費者と生産者が対等になるということと、もう一つは、生産者の間で公正な競争が行われるというようなことから消費費の保護を図るというのがこちらの趣旨でございまして、物価安定それ自体を消費者保護基本法の目的にするということはわれわれとしては考えていないということでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 消費者の保護ということになりますと、広いかつ基本的な考え方から言いますと、まず物価を下げるということが一番消費者の保護ということになるわけでありますが、しかし物価政策というのは、産業政策、貿易政策、金融政策等と並びまして経済政策全体の一つの大きな柱になっておる、そういう観点から私どもはこれまで物価政策というものを進めてまいっておりました。 で、いまの消費者保護基本法というのは、政府委員が答弁をいたしましたように、別の角度から、この法律の「目的」というところに書いてありますように、別の角度から消費者の保護を具体的にこれこれしかじかの範囲において、また問題において図っていくんだ、こういうことでございまして、体系が違っておるように思います。しかし、広い意味から申しますと、消費者保護の最大の柱はやはり物価安定、こういうことになろうか、このように理解をしております。
○本岡昭次君 私も大体そういうことであろうと思うんですが、どういうんですか、物価問題が何か緊急対策的にのみ取り上げられているような気がしてならないわけで、消費者保護法の後に物価対策というのがありますけれども、そこは全部緊急措置法というふうな緊急的な立場での物価に対する対応が出ているわけです。だから、法律の物の考え方なり経済の仕組みの中からこの中に盛り込むことは適当でないということはわかりますが、物価安定問題が日常的に消費者保護を考えていく一つの重要な問題であるということの構えを、私は消費者保護基本法というふうな事柄の中に入れていただきたいという要望を一つ申し上げておきたい、このように思います。 長官、結構でございます。 長官が退席されるので、質問がちょっとばらばらになってしまいましたが、先ほどの一番初めの質問にちょっと戻らしてもらいます。 野菜の緊急対策の問題なんですが、二月から三月にかけて行われた野菜の緊急対策の結果、これはどういうことになりましたか、ひとつ御報告いただきたいと思います。
○政府委員(戸田博愛君) 本年の冬野菜の高騰時の緊急対策としまして、基本的には三つの性格の対策を行ったわけでございます。 一つは、あらかじめ野菜供給安定基金が買い入れ、保管しておりましたタマネギ、バレイショにつきましては、タマネギ一万トン、バレイショ八千トンを市場で売り渡しました。また、同じ基金が契約栽培しておりましたキャベツ七千二百トン、大根、白菜等も緊急販買をしましたほかに、並み級野菜の出荷促進とか、キャベツの輸入促進等を講じたわけでございます。 並み級野菜につきましては、一応八千二百五十トンの目標に対して七千五百トン、冬場ホウレンソウの出荷促進には、目標三千百トンに対して四千トン、キャベツにつきましては、先ほどから御答弁いたしておりますように、一月から三月にかけて八千トン、うち、この対策の対象になりましたのは八百五十トンということで、そういう対策を実施し、緊急対策はおおむね所期の目標どおり行うことができたというふうに考えております。 その効果でございますが、冬野菜が異常気象においてやられました場合、なかなか価格を下げるということはむずかしいわけでございますが、この緊急対策によってある程度高騰を抑止し、かつ天候の回復を待って野菜価格は順次安定化の方向に向かっている。特に現在時点では野菜の価格は非常に安くなっておりまして、きょう時点では相当品目の野菜について価格補てん金を支払わなければならないような水準にまで安くなっております。
○本岡昭次君 昨年の緊急対策の出荷状況ですが、なかなか生産者側がそれに応じ切れなくて、並み級野菜では目標に対して六五%とか七〇%とかいうことで、予算が余って、それを輸入の野菜の方に回したという結果が出ているわけです。それに比べて、ことしは所期の目的が達成できたということは、要するに、この野菜の緊急対策ということについて、生産者側あるいはまた出荷を扱うそれぞれの機構が、ここ二、三年の緊急対策に対する対応になれができて、これからの秋冬等例年野菜に対する端境期、あるいはまた天候によるさまざまな異常状態に対しても、ある程度対応できる力というものをつけてきたというふうに判断をしていいんですか。
○政府委員(戸田博愛君) 大変むずかしい御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、並み級も八千二百五十トンの目標が七千五百トンまでいけた、ホウレンソウは若干上回ったということでございますので、われわれも一生懸命努力したわけでございますが、産地におかれても、物価情勢、物価問題というようなことに対する御認識が高まって御協力をいただけたんではないかというふうに思っております。 ただ、やります過程におきましては、生産者サイドは、安いときはだれも何も言ってくれなくて、高いときだけどうしてそんなに騒ぐのかというような御批判もございましたけれども、物価問題が国民経済的に非常に重要な問題だということに対する産地の理解をある程度得ることはできたんではなかろうかというふうに考えております。
○本岡昭次君 そこで、野菜の流通の問題なんですが、先ほど中央卸売市場、地方卸売市場の問題について若干の論議をいたしましたが、野菜の流通は、そうした中央卸売市場あるいは地方卸売市場またその他市場というふうになっておりますが、そうした流通と市場以外の流通とがあると思いますが、流通として市場流通、市場外流通と大まかに分けた場合に、一体どのようないま状況にありますか。
○政府委員(戸田博愛君) 市場を通る流通量につきましては非常に的確に把握できるわけでございますが、それ以外の流通量を直接把握することはなかなか困難でございます。 一応われわれ最近の諸統計を基礎に推計をいたしますと、おおむね最近の一年間の野菜の流通量は千三百万トン強ぐらいではなかろうかというふうに思っております。そのうちで中央卸売市場、地方卸売市場及びその他市場を経由した流通量は千百万トン強でございますので、おおむね九割程度が中央卸売市場、地方卸売市場、その他市場を流通している流通量であろうというふうに把握をいたしております。
○本岡昭次君 細かいことを聞いて失礼ですが、それでは中央卸売市場、地方卸売市場、その他市場と三つに分けて、いまの千百万トンの内訳はどのようになっていますか。
○政府委員(戸田博愛君) いまちょっと手元に資料を持っておりません。ちょっといま調べますので、よろしければ後ほど答弁さしていただきたいと思います。
○本岡昭次君 そこで、二百万トン、一割弱ですが、それが市場外流通になっておるわけですが、それは一体どういうふうな流通をしているのですか。
○政府委員(戸田博愛君) 私たちの調査ですと、よく言われる朝市とか青空市場とかいうようなものが、大体全国で現在五百八ぐらいの市の数があるというふうに把握をいたしております。このうちの四分の一ぐらいは戦前から行われている伝統的な市でございまして、特に東海地方等では多いように理解いたしております。そういうものがあちこちございます。 それからもう一つは、わずかでございますけれども産地直結、生協と農協との間の産地直結というようなものもございます。あるいは俗に言う振り売りといいますか、産地の方が直接消費地へ持ってきて販売されるものもあろうというふうに思っておりますが、それらの詳細な数値については十分な把握をいたしかねておるという状況でございます。
○本岡昭次君 先ほど言いました行政監察局の調査結果の中に、いま一つの流通の合理化という中身として、青空市場の拡大あるいは生協等の産直事業の推進が挙げられています。そういう意味で私もいまお聞きをいたしました。 そこで、農水省として産直ですね、生産地と直結する流通問題、事業の促進のために、いまそれだけではないんでしょうが、何か生鮮食料品域内流通促進事業というふうなものを、昭和五十六年度一億六千万予算化して、いままで三年間ほどかけたモデルの実験による成果を生かそうと、こういう取り組みがあると聞いているんですが、その内容について御説明願えませんか。
○政府委員(戸田博愛君) 産地直結といいますか、新しい流通経路の育成ということは、恐らく中央卸売市場、地方卸売市場を通す市場流通が青果物の流通の中核をなすということには当分の間変わりはないだろうと思いますけれども、同時にそういう既存の流通経路に刺激を与えるというような意味で、あるいは競争条件を導入するというような意味で、新しい流通経路の育成ということには、農林水産省といたしましては、かねてからいろいろな努力を、不十分であるというおしかりを受けるかもしれませんが、いろんな努力をしてきたわけでございます。たとえば新流通経路モデル事業とかいろいろなことをやってきております。しかし、なかなかうまくいかないというのが率直な感じでございます。それは一つには、品ぞろえの問題あるいは値決めをどうするかというような問題等々がありまして、なかなか定着をしてこないということがございます。 そこで、五十六年度から、できるだけ遠くのではなくて、先ほど来地場野菜の育成というようなお話もございましたけれども、そういう域内の農協と生協との間でできるだけそういう取引ができないものであろうか。地場流通の促進と同時に、新しい流通チャンネルとしての産地直結と両方を兼ねて、先ほど先生御指摘ございました生鮮食料品域内流通促進モデル事業というようなことを進めているところでございまして、こういうものを核としながら、できるだけそういう産直が進んでいくということを期待をいたしているわけでございます。
○本岡昭次君 予算として一億六千万ほどついて、具体的にそうした事業が進められているというふうに理解しているんですが、そうではないんですか。
○政府委員(戸田博愛君) 具体的に現在の一億六千七百万円の予算でそういう域内流通の集配の拠点の施設をつくるということ、あるいは同時に処理加工をして結びつけるという意味で、処理加工施設を整備する等々の事業を今年度から新規の予算として実施する予定にいたしております。
○本岡昭次君 いま域内流通促進ということで、ある一つの一定の地域の中で生協と農協を結びつけて産地直結事業ということをやろうとする場合、いま具体的な事業として、それは農水省が指定をするんではなくて、自治体あるいはまたそれぞれの単位生協と農協とそうした考え方の一致したところの上がってくるのを待っていると、こういうことなんですか、その点は。
○政府委員(戸田博愛君) 先生御承知のように、通常の補助事業でございますので、国の補助のほかに地元の負担というふうなこともございまして、地方自治体あるいは地方のそういうところに趣旨を十分説明しながら、こういう事業に、推進をしたいという御希望のところにこういう助成をしていきたいというふうに考えております。
○本岡昭次君 そうすると、それは今年度初めての事業として自治体の方にすでにそうしたことはおろされているんですか。
○政府委員(戸田博愛君) すでにおろしております。 それから先ほどの御質問ございました千百六十八万トンのうち、中央市場を通しますのが六百二十九万トンということで、約五五%が中央卸売市場でございます。残りの大半が地方卸売市場で、若干のその他市場があるということでございます。
○本岡昭次君 私は、いまの野菜流通の中で市場外流通というのが一割弱で、全体の価格構成の問題なりあるいは野菜の消費者に対する安定供給ということについて、どういうんですか、基本的な問題の解決にはならないと思いますが、いま農水省の方から出たように、中央卸売あるいは地方卸売、それぞれ市場流通に対して刺激を与えていく、あるいは消費者側が野菜というものの消費についてみずからその知識を得、そして購買態度というんですか、そういうふうなものについての醸成ができるということで、この産直事業というものを地方自治体に対して、農水省の方からいま少し積極的に指導を行って、これが推定されていくようにぜひとも要望したい、このように思うんです。 この行政管理庁の求めている流通合理化の余地の問題も、そうした市場における価格形成というものが、一般の市民にとって、中間マージンがそこで多く取られているんではないか、あるいはまた卸売市場における複雑な流通機構そのものが、野菜の価格の非常に異常な値上がりあるいは値下がり、そして生産者あるいは消費者が非常に困った状態に置かれるんではないか、こういう考えを非常に強く持っておるわけでして、そういう意味で、こうした青空市場の問題なりあるいは産地直結の事業というものについて、いま少し農水省の方が積極的に取り組んでいただいたらという強い要望を私は持っておったんです。そういう意味で先ほどの事業について非常に私も賛意を表するわけですが、今後農水省として、こうした青空市場あるいは産直事業そのものを流通の問題として積極的に取り組んでいくことについて、何かいろんなお考えがございましたらひとつお聞かせ願いたい、このように思います。
○政府委員(戸田博愛君) ここ十数年来産直問題というのは、私たちもいろいろ取り組んでまいりましたし、社会的にもいろいろな産直推進に対する御意見等がございました。その場合の何といいましても一番の問題点は、品ぞろえをどうするか、それから集配、配送コストの負担をどうするか等々経済運営面で種々の問題があり、なかなか長続きをしないということで、最近はどちらかといいますと、低農薬とかあるいは鮮度の高い物ということで中央卸売市場では得られないような物が中心になる傾向がございます。 しかしながら、私たちの調査でも、積極的に産直に取り組んでおる農協あるいは生協等も多々あるわけでございますので、非常に困難な問題は多いというふうに思いますが、先ほども御答弁申し上げましたように、中央卸売市場等を通じる流通を補完しあるいは刺激を与えるという意味で、果たす役割りも大きいと思いますので、先生の御意見を十分念頭に置きながら今後対処してまいりたいというふうに思います。
○本岡昭次君 私は、刺激するということだけでなく、安い新鮮な物を消費者が手に入れる、また生産者も中間マージンなりあるいは出荷経費を抑えて、そして市場に流す以上に高額の生産価額というものを入手できる、こうした事柄がそのメリットとしてあるわけです、デメリットもたくさんありますが。 だから、これは一つの流通の問題として、刺激を与えるということじゃなくて、それそのものが野菜の流通の一つであるという立場に立って、積極的に生協なりあるいは自治体に対して指導をお願いしたい、こういうふうに考えております。
○委員長(丸谷金保君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会 —————・—————