農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/06/02
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十九日、広田幸一君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。 また昨日、降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として大石武一君が選任されました。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 食管法のいろいろ御質疑に入る前に、大変緊急な事態が一つあるものですから、二、三分時間をおかりしてこの問題について当局のお考え、あるいは対策をお尋ねしたいと思うわけです。 実はきょうも朝日新聞に大きく出ておりましたけれども、「低温パンチ広がる被害」というふうなことで、最近の打ち続く低温について非常に危惧をされるということが新聞に出ておりますし、農業新聞にも大きく出ているわけでございます。すでにごらんになったと思いますが、とりわけ私のおります群馬におきましても、この被害が非常に大きいわけでございまして、いま手元に入った情報、速報によりますと、とりわけ桑が非常にやられている。利根郡あるいは吾妻郡といったような北部のいわゆる山間部でございますけれども、そういうところで桑が非常にやられた。あるいはトウモロコシのバンタムというんですか、これがやられている。全体で被害総額がいままでのところ四十三億七千万であるというふうな情報がいま私の手元に入ったわけでございます。地元の上毛という新聞でも大きく取り上げられているわけであります。そして桑につきましては、もう掃き立てを済んだところもあるわけでありますけれども、そういうところはもうすでに一部投蚕、蚕をもう投げ捨てなきゃならないというふうな農家も出てきている、あるいは掃き立てがまだ済んでいないところでは、今後掃き立てをやめましょうというふうな農家が出ているようでございます。非常に思いもよらない五月三十一日のこの凍霜によって相当大きな害を、被害を群馬あたりこうむっておりますし、この事態は恐らく栃木あたりも、あるいは福島も同じじゃないかと思うのです。 そしてまた、新聞にも出ておりますように、北海道においては牛が死ぬというふうな状態も出ているというふうに新聞報道で聞いておりますけれども、これらについて農林水産省として現状どの程度把握しておられるか、そしてまた、これに対してどのように対処なさろうとしているか、まず、そこをひとつお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(矢崎市朗君) 寒気団がオホーツク海、中国、東北部に南下いたしましたことによりまして、五月の下旬に北日本を中心として異常な低温に見舞われたわけでございます。このために、御案内のとおり、東北及び関東あるいは中部の山間部等におきまして、降霜、遅霜等によりまして、桑や野菜等の農作物にかなりの被害が発生いたした模様でございます。で、現在私ども関係機関を通じまして被害状況の詳細の把握を急いでおるところでございます。 気象庁によりますと、この寒気は現在徐々に解消に向かっておりますが、まだ一両日は低温状態が続くということでございまして、私ども、何をおいても当面非常に技術指導が重要であるということで、被害の防止、軽減に努めるためにその徹底を図っているところでございますが、今後ともさらに気象情報を迅速的確に把握しつつ、気象変動に即応した適切な対策をとってまいりたいというふうに考えております。 なお、ただいま御質問にもございましたように、こうした農作物の被害以外に、北海道の宗谷管内におきまして、放牧を始めたばかりの育成牛が、寒さ、あるいは降雪のために心衰弱を起こしたり、それから一カ所に集まって、そのために傷害等の、けがをしたりというふうなことで斃死したものが五十数頭出ていると、こういう状況でございます。これに対しましても、道庁を中心としまして、直ちに気象状況に応じた技術指導をいたしておりますが、私ども現在早急に把握いたしまして、これに応じた対応をいたしたいというふうに思っております。 なお、いま御指摘の蚕繭、桑の被害等につきましては、御案内のとおりこれはいわゆる農業共済の当然加入制度をとっておりますので、それからまた乳牛等も、任意加入ではございますが、ほとんどのものが、特に北海道等におきましては加入いたしておるという現状にございますので、こういったものの早期支払いにつきましても十分に指導をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○山田譲君 群馬あたりの農村のお年寄りなんかに聞きましても、私によく、山田さん、冷害というのは必ず二度続けて来るものだからよく注意してくださいというふうな話があります。そういうわけで、非常に今後も心配されるわけでありますけれども、ぜひ事前によく対策を立ててやっていただくようにお願いをしておきたいと思います。 それでは食管法に入りたいと思いますが、まず最初に、ぜひ大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、日本農業の将来について一体どういう構想を持っていらっしゃるか。そして、その中において食管制度というものの位置づけをどう考えていらっしゃるか。そこをまず最初にお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 日本農業の将来の展望についてどのように考え、またこれに伴う食管制度の位置づけという御質問でございますが、私どもといたしましては、やはり日本農業は、民族のある限りこれを発展せしめて、食糧に不安なからしめるということでなければなりませんし、しかも、昨年国会で決議を受けましたように、できるだけ自給力の維持向上を図るという努力を続けなければならないと、これが基本ではないかと、こう考えておるわけであります。したがいまして、当面する重要課題といたしましては、何としても、この過剰ぎみにありますところの米の需給のバランスをとるということ、さらに、土地利用型農業部門における経営規模の拡大等によって生産性の向上を図ることが必要であると考えるわけであります。したがいまして、今後の農政は、農政審議会からも御指摘がありましたように、今後の農政の基本方向に関するあの答申の趣旨を踏まえまして、長期的な展望に立って水田利用再編第二期対策を推進してまいらなければならないということで、米の需給調整のバランスをとりながら、小麦や大豆などの、国内で不足して輸入に仰いでいるものをできるだけ国内で生産を増大していく方策をとろう、こういたしておるわけでありますし、規模拡大というようなための根拠法も制定していただきましたわけでありますので、この法の精神を生かして経営規模の拡大を図る努力をしてまいる。このためには、やはり農村の地域社会のコミュニケーションを密にいたしまして、部落の振興と申しますか、環境整備と申しますか、そういう点をあれしまして、二種兼業の農家の方々が気持ちよく専業農家に土地を貸すなりあるいは分けるなりということの進みやすい環境をつくってまいるということも大事かと思います。と同時に、いつも申し上げております、生産性を向上するためにはやっぱりりっぱな品種を提供してまいるということも大事なことでございますので、この品種改良、栽培技術の改善等に努力をいたして、これが普及を図ってまいる、こういうことも今後の重要な施策の一つとして進めてまいりたいと考えております。 さらに、優良農地や水質源というものを確保するために、どうしてもやはり農業生産の基盤を整備してまいるということが大事であろうと思います。とりわけ考えまするのに、この農業基盤というのは、いままで昭和三十年以降やられてきたわけでありますけれども、その実態を見ますと、比較的平場で条件のいいところが話もまとまって土地条件の整備が進んできておる。条件の悪いところ、なかなか込み入って、整備事業もやりにくいし、また部落の話し合いもつきにくいというようなところが整備がおくれておる。したがいまして、そういうところを土地条件をよくしてまいりませんと、いつまでたってもやはり日本農業の生産性の問題というものは後に残されていく。もう基盤整備は終わったかのごとき感を与えるような論がなされる向きもあるわけでありますけれども、これは私は、大きな間違いじゃないか、こういうふうにして指摘をいたしておるわけでありまして、やっぱり基盤整備は全国の農地にわたってこれを強力に推進をしてまいらなければならない、こう考えておるわけであります。 先ほどもちょっと触れましたが、そのほかに大事なことは、やはり、農村の地域社会と申しますか、農村の部落と申しますか、そういうところで部落のコミュニケーションがうまくいっておりませんと、土地基盤整備もなかなか進みませんし、基盤整備が進みませんと交換分合等も思うようにまかせない。さらに、農地利用増進法に基づく農地の譲渡でありますとか、貸し借り、賃貸等についても話がうまく進まないということであってはいけませんので、やはり農業委員会あるいは農協、農業団体等が中心になりまして農村の部落、地域社会のコミュニケーションを緊密にしていくような方途も、これはやはり農政の一部門として取り上げていかなけりゃならぬ、こう思うのです。 実は私も建設省におりまして、道路は建設省だからということで、農村部の道路を建設省の方でどのくらいの年月をかければそこまで手が回るかというような検討も、大まかなところ実はやってみたこともあるわけでありますが、非常にもう後に後に延ばされていかざるを得ない、こういうふうになりますので、農道等の整備に関する事業等は農林省の行政の範疇で整備するようにしてまいりましたことが、農村の発展にも非常に役立っておる。やはり、これはもうそのほかの下水とか何とかも都市が終わってからということになりますと、どうしても農村が後回しになればそれだけやはりコミュニケーションの場が遠のくわけでありますので、そういう面においてもやはり農村の地域にふさわしい環境整備のことは、最小限農政の範疇の中でやらしていただかないといかぬのではないか、こんなふうに考えて、今後も積極的に進めてまいりたいと思います。
○山田譲君 それでは参考までにちょっとお伺いしておきたいのですけれども、これはもちろん大臣でなくて結構でありますけれども、諸外国においていわゆる食糧管理というふうなものはどのような形で行われているか、これをちょっとお伺いしたいと思うのです。もし日本と同じようなものがないとすると、日本だけにそういう食管制度があるというのは一体どういうわけであるかということについてちょっと聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 諸外国におきましても、国民生活にとりまして最も基本的な物資でございます食糧の安定供給を図ることはきわめて重要でございまして、そのような考えのもとにおきまして、やはりその国々の国情に即しまして、農業の維持、振興を図るための各種の政策をとっておることは事実でございます。 具体的に申し上げますと、たとえばアメリカでございますが、アメリカは本来農産物の大輸出国でございますので、国内に対する食糧供給という体制から農業政策をとっているという、そういう状態ではございません。そのような点ではわが国とは若干違った面を持っておりますけれども、やはり世界の穀倉という立場から、生産振興を図るという角度から食糧農業法というのがございまして、この法律に基づきまして、需給の関係につきましては土地をセットアサイドしたり、あるいはさらにそのセットアサイドを解除するといったようなことで需給の調整を図りますほか、小麦とかあるいは飼料穀物等の価格、及び供給の安定のために対しましては、農業者に対しましてCCC、いわゆる商品金融公庫というものがございまして、これを通じまして融資等の措置が講ぜられており、これによって価格及び供給の安定を図っておるという状況でございます。輸入国、一部は、フランスは輸出国でございますが、ヨーロッパの諸国でございますけれども、これは英国、フランス、西ドイツ、こういった国は、いわゆるECの共通農業政策を持っておるわけでございまして、このもとにおきまして、主要農産物につきましては再生産の確保を前提としましたいわゆる域内共通価格というものを設定いたしまして、その価格の安定というものを図りますと同時に、一定の農産物につきましては、その一定の農産物の価格がある水準以下に下落するといったような場合には、いわゆる介入措置、これは買い入れ措置も含んでおりますが、それによりまして農業者に対しまして補償をいたすという形で食糧供給が安定的に確保されるように考えられております。 なお、不測の事態の備えといたしましては、西ドイツあるいはスイスなどにおきまして一定の国家備蓄が行われているということも承知いたしております。
○山田譲君 大体わかりましたけれども、そういう国々で日本のように米、麦だけというふうに限定しているところはありますか。
○政府委員(松浦昭君) 米、麦だけということで限定はいたしておりませんが、その国における主要農作物という形でもって対象に取り込んでいるということでございます。完全にオーバーオールに全作物をカバーするという状態ではございません。
○山田譲君 食糧ですから、米とか麦に限定されるのはおかしいということについては、後でまたいろいろお聞きしたいと思いますけれども、この辺でやめておきます。 その次に、最近大臣ごらんになったかどうかわかりませんが、この「エコノミスト」に、「日本農業には未来がある」という非常に注目すべき論文が載っているわけであります。この中身を見ますと、われわれとしてもいろいろ考えさせられる点があるわけでありますけれども、一番やはり問題なのは、いわゆる先進国と言われるのはいまや先進農業国であるということを言っておるわけです。工業国なんというのはむしろ古いのだと。そうして、やはり先進国と言えば工業国あるいは後進国は農業国というふうなことを言っておるけれども、これからはむしろ逆で、後進国ほど農業が発達していない、先進国ほど農業は非常に発達して、アメリカなんかその一番いい例でありますけれども、輸出なんかもどんどんふえている、こういうことでございます。 そこで、国民の所得水準と教育レベルが非常に高い、そして人的資本のレベルも高いというふうな日本においては、当然これはもうもっともっと農業の基本的な性格から言ってもこれは伸びていいのである。そして農業はまさしく先進国型の産業になってきていると、こういうふうな前提のもとに、それならばどうすべきかというふうなことが非常に細かく書いてあります。非常に私にとっても勉強になったわけでありますけれども、いずれにしましても、日本農業には未来があるということは、やはりわれわれ自信を持ってひとつこれから対処していくべきじゃないかというふうに思うのです。 ところが、実際の最近の農政を見ますと、臨調の問題とかいろいろありますけれども、何となく守りの農政というふうな感じがしてなりません。ですから、「日本農業には未来がある」という論文じゃありませんけれども、ひとつこの際攻めの農政といいますか、そういうものに転じていくべきではないかということを考えざるを得ない。特にまた、工業のまあ財界と言われるような人たちが主導しているというようなことは、考えようによってはこれは後進国の証拠じゃないかということにもこの論文からいくとなるわけであります。ですから、ひとつ、日本農業には未来があるという自信を持って農政当局の方、あるいはまた農林水産大臣におかれても、ひとつがんばっていただきたいと思うのですけれども、この辺いかがなものでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘の論文は、たしか五月十九日の「エコノミスト」に掲載されました竹中一雄さんの論文と拝見いたします。これは国民経済全体の立場から、今後の農業の問題、農業の未来について御指摘された点でございまして、特におっしゃった点での従来の先進国における農業の地位について、従来の理論的なパターンと違った目新しい方向を示されたということで私どもも注目すべきことと考えますが、やはりこれは一つの私どもとしては参考になる点かと思います。 ただ、比較されます対象が、日本農業とアメリカの農業というような形で非常に大きな条件の相違があるという点、こういった点について、私ども比較が余りにも条件の相違が大き過ぎるという点、あるいは農業政策自体が、やはりこうした未来とかそういう展望に立ちましてのプロセスがやはり重要な課題であろうと、未来像はございますが、まだこうしたプロセスについての納得すべき点がないというように感じます。 ただ、全体として私どもこの論文からも、今後の課題として、基盤整備の充実あるいは技術的な技術開発ということが重要な問題、かつ人的資本といいますか、農業者の資質に関する問題点について非常に示唆に富む御指摘があると存じますし、方向として、やはり日本の農業におきましても、生産性の向上を果たしていくという形では、昨年からことしにかけましての各種の制度的な改変あるいは国会の御決議、これらの条件はいずれにしましてもそうした方向へ農政も向かいつつあるというふうに私どもも考えておりますし、また、そうした方向に私どももいずれは達するかもしれませんが、いま長期見通しなりで示した私どもの方向でこれからの農業の将来を描いてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○山田譲君 官房長はこの論文をよく読んでおられないのじゃないかと思うのですね。どうしてかと言うと、アメリカと比較してアメリカとは全然違い過ぎるとさっきおっしゃったけれども、これはまさしくアメリカと違わないということを詳しく書いてあるわけですよ。だから、アメリカと比較してのいままでの俗論として、アメリカとは日本は全然違うのだという考え方がいかに違うかということを一生懸命書いてあるのですから、ひとつそこのところを間違えないでよく読んでいただきたいと思うのです。 それはそれとして、この辺大臣にもちょっと御感想を承りたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 日本農業の将来につきましては、先ほどもお答え申し上げたとおりでございまして、とにかく一億国民の食糧を自給力を高めながら安定的に供給してまいるというためには、その生産に従事する農家の諸君が本気になってやっぱり生産の意欲に燃えるというような施策を打ち出さなければならない。その施策を打ち出すことによって、いま先生が御指摘になったような日本農業というものは私は確立することができると、こういう私は私なりの信念を持っておる次第でございます。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 ところがその進め方がやはり大変むずかしいと、こう思う次第でございまして、それがために国会でも、昨年、その方向づけをするために、決議と同時に規模拡大の基礎である農用地利用増進法等の制定もお願いし、さらに、とにかく私どもといたしましては、科学技術の振興によりまして品種改良の実を上げて、とにかく優秀な品種を造成をしてまいる。これも私は生産性向上の大きな方策の一つであるということと同時に、やはり何といってもある程度の規模を持たせませんと生産性はいつまでたっても向上いたしませんので、その点については、何遍も申し上げるわけでありますけれども、農用地利用増進法の精神にのっとって、そうして農地の賃貸、農地の譲渡、そういうものが円滑に行えるような環境をつくってまいる、そういうことによって日本農業というものは私はこれを発展せしめていくことが必ずできる、生産性の高い農業をつくり出していくことは不可能ではないと、こう考えております。その中でもやはりこの食糧管理制度というものが一つの大きな柱になると、こう考えておるわけでございます。 一番先の質問にお答えできなかったわけでありますが、日本農政の中の食管法の地位というものはどうかというような御質問もあったわけでありますが、その点につきましても、この食糧管理制度、日本農政を維持発展させていくための私は一つの大きな柱であるというふうに食管法を位置づけておるわけでありまして、さらには、それぞれ作目ごとに国会で立法化されております農産物価格に対する諸制度というものもこれを活用をしてまいれば、私は日本の農政というものは、必ずしも竹中氏が指摘するまでもなく発展の可能性というものは大いにあると。そういう点を農政審議会においてもこれを方向づけていると、こう考えてやってまいりたいと考えております。
○山田譲君 これも大臣に端的にお答えいただきたいと思いますけれども、日本は本当に食糧不足の国であるか、それとも食糧過剰の国であるか、どちらとお考えですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) まあ一言で言って、私は不足の国であると、こう考えます。
○山田譲君 もし不足であるとすれば、その不足分はこれは輸入に頼らざるを得ないと、こういうことになろうかと思います。 そこで、片方ではやはり何といっても、先ほどのお話にもちょっとありましたけれども、食糧の自給力——自給率というのですか、これを高めなきゃいけないということは、これは国会の決議にもあるとおりでありますけれども、そうかといって、絶対的に、大臣がおっしゃったように、日本は食糧不足の国であるということになりますと、やはり最終的には多少輸入をせざるを得ない。鎖国の時代じゃありませんから、ある程度輸入ということも考えざるを得ないと思いますけれども、 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 そこで大臣にお伺いしたいのは、そういう安いものは外国から持ってくればいいじゃないか、日本はできるだけのものをつくると、こういう国際分業論といったようなものと、食糧の自給力向上強化論といったようなものの調和をどこに求められているかということをお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 実はなかなかその辺の調整点をどこに置くかということは非常にむずかしい問題であろうと思います。私どもといたしましては、現在の日本の農政が、このような工業国家の中において、とにもかくにも農家の諸君が生産にいそしんでいただいておるというこの現実を私は厳しくやはり直視をしなければならないと。少なくともこれ以下に日本の農家の立場を陥れていくというようなことは、農林水産大臣としてはもう絶対に避けていかなければならないと、最低限この辺に基礎を置いて、輸入はもうできるだけふやすということじゃなくて、国内生産の増大によってまいるということが私は国会御決議の趣旨であろうと、こう考えるわけであります。したがいまして、そういう方向をとりますためにも、一面においては、やはり農家の生産性を高める努力というものを納税者の前にしていかなければいけないという問題が一つ存在しておるわけでありますから、この点も兼ねて、やはり両々相まってやっていかなければならないと、こう考えるわけであります。農林水産物資だけでも、二百八十九億ドルから昨年は二百九十億ドルを超しておるという情勢でございますから、安いから外国から入れておればいいということになれば、それはもう日本の農家の生産意欲が落ちるということは自給力を弱化する原因になっていくわけでありますので、これは厳に慎まなけりゃいかぬと、こう考えております。
○山田譲君 これも大臣にぜひお伺いしたいと思うのですけれども、よく三Kというふうなことで食管赤字が問題になるわけでございます。そして、国鉄や健保と同じように、米の食管の赤字が猛烈によく議論されるということがあるわけでありますけれども、こういう赤字の性格として、ほかの健保や国鉄なんかと同じように考えておられるかどうか。もし違うとすれば、食管赤字についての基本的な大臣のお考えを聞きたいと思うのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 国民食糧の確保並びに国民経済の安定の観点から申しますと、食管の財政負担というものは非常に私は重要な意義を持っておると、こういうふうに考えております。もう命から二番目の大事な食糧、これなくしては生存をしていけないということでございますので、これを確保するためには、幾ら最小限の財政負担とは申しながらも、やはり最小限の一億国民の食糧を確保するというための経費、これは私は国民全般で負担してまいるということはこれはもう当然のことであると、こう考えるわけであります。 しかし、食管の財政負担につきましては、やはり現在の財政事情が非常に厳しい情勢にあるわけでありますので、米の過剰問題、この過剰という問題が非常な国費を支出するもとにもなっておるわけでありますので、この過剰問題を早く解決する。さらに売買逆ざやはできるだけ少なくしていく努力をしてきておるわけでございまするし、今後もその努力を続けていかなければならないと、こう考えます。と同時に、管理に要する経費、運賃であるとか保管料でありますとか、あるいは金利及び事務の人件費等というこの財政負担、これらの問題につきましてもできるだけ経費のかからないような状態にしてまいるという努力をしていかなければならないと、こう考えておるわけでございます。 何といっても、米の消費拡大、水田の利用再編対策等の推進によって米の需給のバランスをとるということ、逆ざやについてはできるだけこれを是正してまいること、管理経費の節減を図って、機構、定員についても合理化を加えてきておるところでありますが、今後もさらに合理化を徹底してまいると、こういうようにいたしまして、本当に国民から信用される食管制度というものにしていかなければならない。そのための最小限の財政負担というものはこれはやはり見てまいりませんと、国民食糧の確保と国民経済の安定というものが期せられないと、こういうふうに考えております。
○山田譲君 むだを省くということ、これはあたりまえな話でして、そういうことは当然やらなければいけないと思うのですけれども、私が聞きたかったのはそういうことじゃなくして、食管制度というものがある限りは、これは多少の赤字はしようがないじゃないかということか、それとも赤字は一切もうやめるんだというふうなお考えか、どちらかということをはっきりお聞きしたかったわけです。
○国務大臣(亀岡高夫君) できることなら最小限の赤字で、いわゆる食管の中心であるお米の値段を決める際には、生産者の値段の決め方と消費者に対する決め方と、食管法にはこれはもう全く同じに書いてございません。したがいまして、そういう面についての考え方から、若干の赤字というものがこれは生まれるような仕組みになっておるわけであります。そうかといって、もう赤字が幾ら出てもいいんだと、そういう考えはとらないと、こういうことでございます。
○山田譲君 最小限の赤字は制度のたてまえ上やむを得ないのじゃないかと、こういうお話で、私もそのとおりだと思うのですけれども、そこでお伺いしたいのは、それじゃ、最小限の赤字というのは大体どの程度を考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 最小限の赤字を具体的に表現することはなかなかむずかしいと思うわけでございますが、先ほど大臣がお示しいたしました、いわゆる需給の均衡を図ることによって残ってくる部分、それからまた、逆ざやにつきましてもある程度の解消を図ってくると、また、管理経費につきましても、管理経費の節減を図るというような努力をしました結果なお残ってくるものということになろうかと思いまして、中心はやはり過剰なものではない備蓄等に要する経費と、それから管理の、いわゆる政府が直接管理をするための経費、それから自主流通に対する助成、こういったものはどうしても残ってこざるを得ないものというふうに考えております。
○山田譲君 きれいごととしてそういうことを言うのは簡単でございますけれども、現実に食管赤字はいま幾らあって、そして一つの目標として、いまおっしゃるところによると、いろんな冗費を節約していこうということのようですけれども、それじゃ本当にいま一体冗費があるのかないのか、あるとすればどのくらいかということ。逆ざやにしましても、どの程度が一応いまのところやむを得ないというふうに考えているか。そういう考えがなければ、これは口ではそういうことを言っても、実際にはなかなかそのとおりになっていかないのじゃないかと思うのです。その点、具体的にある程度——それは確実なことを言えないのはわかりますけれども、ある程度の数字を述べて食糧庁長官に答えていただきたいと思うのですが。
○政府委員(松本作衞君) 現在、食糧管理特別会計につきましても中期の見通しというようなことも検討しておりますが、いまの段階におきまして具体的にどの程度のものになるかということにつきましては、ただいま申し上げました抽象的な方向以上のことをまだお答えできる段階にはなっておりません。
○山田譲君 やはり食管赤字とかいうことで三K、三Kというふうに言われているくらいで、かなり世間的にも注目を浴びている赤字なんですから、やはりこれでもっていいんだというのならそれで開き直ればいいし、なるほど世間のおっしゃるとおりだというのだったら、ある程度目標を決めて減らしていかなきゃいけないと思うのです。赤字を減らすように努力しなきゃいけない。それはただ口先だけじゃなくて、本当にこういう部分は確かにむだであるとか、逆ざやから言ってもこれはちょっと大き過ぎるとか、そういうことがなければ世間の批判にこたえられることにならないと思うのですよね。もちろん、現在が正しいのだ、だからこれは赤字とはいうものの世間が言うほどの悪いことじゃないんだ、これならまた別です。その点どう思われますかね。
○政府委員(松本作衞君) 私ども、先ほども大臣からお答えしましたように、食糧管理をいたしまして国民に対して安定的な供給を図る、また主要農産物である米についての再生産を確保するということになりますれば、それ相当の国の負担が必要であるというふうに考えておるわけでございますが、この程度につきましては、やはり私どもの立場で考える場合と、それからまた広く消費者の立場ないしは国民全体の立場で考える場合と、いろいろ意見が異なってまいるわけでございますので、いま検討されております第二臨調等におきましてもそういった点の議論がなされておる段階でございまして、私どもといたしまして、いまここで客観的に、これだけなら大丈夫だ、これだけで済むのだということを申し上げられる数字的な根拠はまだ持っておらないわけでございます。
○山田譲君 私は食糧庁長官をひとつ激励しようと思って言っているわけですよね。いままでだってあなた方そんな自信のない行政をやってきたはずはないのです。いままでだってみんなこういうところで慎重審議をやってそして予算も何も決まってきているわけなんであって、いまさら世間からいろいろ言われたからといって、あなたがそんなにびくびくすることはないのであって、ひとつがんばって自信を持ってやっていただきたい。先ほど私が、守りの姿勢じゃなくて攻めの思想でやれ、姿勢でやれというのはそういうことなんですよね。世の中ではいろんなことをいろんな人が言います。しかも、それが特に財界主導というような形で最近極端に目に余るような議論が出てきている。そういうやさきですから、それに引きずり込まれるようなことじゃなくて、とんでもない、おれたちはいままでこれだけちゃんとやってきているのであって、この赤字はそんなに文句言われるほどのものじゃないのだというくらいのことでがんばっていただきたい、こういうふうに思うわけです。臨調の問題がたまたま出ましたから、後でまたそれは触れますけれども、そういうことでなきゃこれはますますもってずっと守りの姿勢に入っていってしまう、それで農政が先細りになっていっちゃう、こういうことでございますから、そこはひとつ長官がんばっていただきたい、自信を持ってやっていただきたい、こういうふうに思うわけです。 そこで、食管法の中身といいますか、次に基本的な食管法の精神、これはこの前も同僚議員のお話でいろいろお聞きしたところでありますけれども、これをまずお聞きした上で、さっきもちょっと言ったわけですが、どうして米麦だけに限定するかということをぜひ聞いてみたいと思うのです。 最近の学説なんかによりますと、概してヨーロッパあたりでも麦というふうなものがずっと需要が減ってきておる。日本においても米の需要が減っていく。そして食糧というものは非常に多様化されてきている。こういう傾向を学者なんかも指摘しております。それからまた農政審の答申を見ましても、日本の米が麦に食われているということはないわけで、米そのものもずっと麦と一緒に減っていくというふうなことですから、世間に言われているように、麦を食うようになったから米を食わなくなった、こういうのじゃないと思うのですね。両方合わせてやはりずっと減ってきている。そして、かわりのいろんなものを多様的に皆さんが食べるようになってきている。こういうことの現状を踏まえますと、いわゆる食管法というものが単なる米麦管理法だけでいいかどうかということで、やはり総合的ないろんなその他の食糧も含めて、それを国が管理するというふうな基本的な精神は間違っているのかどうか、あるいはそういうことは妥当でないと、こういうふうにおっしゃるか、その辺ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 日本の食生活におきまして、主食という概念はやはり日本の独特のものであろうかというふうに考えておるわけでございますが、現在におきましても総カロリーの摂取量の約三〇%は米からとっております。また、小麦も入れますと四二%が現在の食管物資によってカロリーが供給されておるという実態からいたしますと、現在の食管法は、やはり主食というものを前提にいたしました国民生活の安定という考え方に立っておるかと思います。また一方、農業生産におきましても、総生産額の約三分の一は米によって占められておるという意味から、農業の再生産確保の面でも米の安定的な価格と流通の確保を図るということが重要であろうと思いますが、こういった点からいたしますと、やはり現在の食管法の考え方は、こういった主食である、また日本の農業にとっての一番の基幹的な農産物であるということで管理の対象を考えておるというふうに思うわけでございます。ただ、世の中の変化によって、こういった主要食糧の考え方に幅があるということはあろうかと思いますが、従来からの考え方といたしまして、やはりエネルギー源の基礎となるものを管理するというような考え方に立って運営しておりますので、現時点におきましてはそういった考え方で運営してまいりたいと考えておるわけでございます。
○山田譲君 この前の委員会のときに、食管法というのはあくまでも米麦のものである、その他のものを扱ったことはないというふうなお話でしたけれども、これはたまたま私の話で恐縮ですけれども、終戦後東京で学生生活をしていたのですが、あのころは米も麦も配給なんかないわけです。たまに砂糖が配給になったり、あるいは干しバナナが配給になってきたりする。あるいはまたかん詰めが来たりする。こういうふうなことで、これでもって食糧にしろというふうなことでわれわれ非常に苦労したことがあります。しようがないから、私たちはそんなものを食ったってだめですから、すぐにやみ市へ行って売っ払って、その金で川越に行って芋を買って帰ってきたというふうなことで、辛うじて飢えをしのいだわけでありますけれども、そうするとあのときのかん詰めだとか干しバナナというのは食糧管理法上やったのか、何か別な根拠でやられたか、そこをお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 確かに、御指摘のように、戦中戦後の非常に食糧が不足しましたときにはあらゆるものが主食に準じた食物として摂取されておったという事情がございまして、この食管法におきましても、米麦以外にそういった形で、たとえばバレイショでありますとか雑穀でありますとかというようなものを加えたこともございます。また政令上、いわゆるかん詰め、またはいま御指摘がありました干しバナナまで含めて配給の対象にした事実はあるわけでございます。ただ、私どもといたしまして、これは非常に食糧が窮乏いたしました時代におけるきわめて考えられる限りの主要食糧の拡大の範囲ではなかったかというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 再びああいう時代に来てもらいたいとは思いませんけれども、やはり食糧というものは、どうも米だけに限らず、やはり考え方としてですけれども、全体の主要食糧は包含して国がある程度の管理をしていくというふうな考え方が必要じゃないかというふうに思うわけです。 それで、その次に進みます。 これはもう大臣も御承知と思いますけれども、農民の方々が非常に水田というものに固執をされている、執着していると。ですから、なかなか転作しろと言ってもされない。そこで、転作奨励金というふうなことで辛うじて転作がなされているという状況でございます。ですから、お伺いしたいのは、この転作奨励金というようなものを一体いつまで続けられるのかと、こういうことでございます。私どもの考え方は、もし転作奨励金がなくなったら、再び農家の方々は水田に逆戻りするのじゃないかということを考えますときに、転作奨励金がいつまで続くかということは非常に大きな問題なのですが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編奨励補助金につきましては、これは米の需給均衡を早急に回復をしまして、需要の動向に即応した農業生産の再編成を期するという意義を有するものでございます。そこで、この水田再編対策は五十三年度からおおむね十カ年間という長期的な事業としてやっておるわけでございます。したがいまして、この水田利用再編対策といいますものをやっております間につきましては、奨励補助金を交付する必要が続くものというふうに考えております。 ただ問題は、ただいま先生からもお話ございましたように、この奨励金がなくなればまた稲作に復帰をするということでは困りますので、おおむね十年間という期間におきまして、転作農家が次第に奨励補助金依存から脱却し得るような、そういう生産性の高い、しかも定着性のある足腰の強い転作営農を育てていきたいというふうに考えておるわけでございます。 おおむね十カ年間ということでございますから、六十二年度ぐらいになろうかと思いますが、その期間経過後さらに米の生産調整が必要かどうかというようなことにつきましては、その時点におきまして米の需給事情なり転作作物の定着化の状況というような諸事情を総合的に考慮して、さらに続けるかどうかということにつき判断をするということが必要であろうかと考えておるわけでございます。
○山田譲君 それでは先へ進みます。 次に、最近盛んに言われております第二臨調との関係でございます。 第二臨調が特に農林関係の補助金に目をつけて、これを整理しようというふうなことで一生懸命やっているというふうなことは盛んに言われております。そして、これもあるところからもらった資料ですけれども、相当確実な資料じゃないかと思うのですけれども、農林水産省関係の予算がずっと補助金が並べてあります。これはもう全部廃止すべきであるとか、これは一部残すべきだとか、これは統合すべきだというのは全部丸印、二重丸までつけて全部詳細に書かれている。各省の関係のやつも全部載っていますけれども、何といっても農林水産省が圧倒的に多いわけです。この資料、ごらんになっているかどうかわかりませんけれども、これは相当確かな関係のものですから、かなりこういったものが臨調でも根拠にされるのじゃないかというふうなことが心配されるわけでございます。 それから、これは新聞報道でありますけれども、すでに臨調の人が農林水産省に行っていろいろ聞かれたと、そういう中で生産者米価は下げなきゃだめじゃないかとか、あるいは過剰米は廃棄したらどうだとか、あるいは補助金が一体多過ぎやしないかとか、こういうことをいろいろ言っていったと、安上がり農政を求める質問が続々出されたというふうなことが、これは日経ですか、に出ております。それで、それに対して所管の農林水産省は、政府部内のことでもあり、批判をすれば左遷されると腹のうちを明かさないが、いずれも苦しい表情であったと。そして亀岡農相も、言えば何かと言われると、いまはじっとがまんの状況であるというふうなことが書いてございます。だから、これはじっとがまんで、いつちゃんと発言されるかどうかわかりませんけれども、こういった考え方でもっていわゆる財界主導の行革というふうなものが行われるということになると、これは大変なことになる。それでしかも、先ほどもお話ししたとおり、そんな必要のない補助金を私はいままで出していたと思われないわけですけれども、こういう考え方に対して大臣は一体どういう構えでいこうとしておられるか、ひとつ決意のほどをお聞かせいただきたいと思うのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 臨調の答申がどのような答申になりますか、予断はできないわけでありますけれども、私は事、農業関係につきましては、先ほど来論議していただいておりますように、とにかく一億国民の食糧を供給する、輸入ばかりに頼るというようなことはもう絶対にできないと。やはり自給力を上げて国内生産をやらにゃいかぬ。国内生産をやらにゃいかぬと口では言いますけれども、これを生産するのは農家の皆さんであるわけですから、その農家の皆さん方が、とにかく農業に対する処置が自分たちが生きていくために不十分だというようなことになれば、だれも農業に従事する人がなくなっちゃうということになったらこれはもう大変なことになるわけでありますので、それを避けてまいりますためにも、食管法におきましても、農産物価格安定諸法律によりましても、やはり農家の生産の意欲を持たせるような配慮を常にしなければいかぬぞと、こういうことを明記いたしてあるゆえんもそこにあろうかと思います。したがいまして、そういう立場を考え、なおかつ今度はそういう農家が所得をふやすために農産物を無限に上げていくということはとうていできない。そうすれば、生産性の向上をみずからの努力によってやはりやっていかなければならないということで努力もいたしておるわけでございます。したがいまして、臨調から指摘を受けております土地改良のやはり基盤整備の問題、さらには第二期水田利用再編対策事業、さらには食管の問題等々、やはり私どもとして今日まで約束して施策を行っておるという問題につきましては、その約束を大きく変更するという場合にはやはりまた了解を得なければならぬ。たとえば自治体でありますとか、道府県、市町村あるいは農業団体、農家の皆さん方にも納得のいくような方策を講じていかなけりゃいかぬ、こう考えておりますから、その点は私どもといたしましてはじっとがまんしておるばかりではないわけでありまして、水面下でもいろいろこう足を動かすという方策もございますので、そういう努力もしておるつもりでございますから、私はそう農家が再生産意欲を失うような第二臨調の答申というものはないであろうと、やはり筋の通った答申が出るものと、出ることを期待しておるわけであります。
○山田譲君 ぜひそうお願いしたいと思うわけです。先ほどもちょっと言いましたように、そんなに皆さん方自信のないいままで農政をやってきたとは私は思わない。ぼくはまたそんなつまらない補助金を出していたとも思わない。みんな慎重審議の結果出された補助金であるはずなので、いまさら臨調がそんなことを言うからといって直ちに引っ込む必要は全然ないと思うのですよ。ですから、何か物を言えば左遷されるなんとちょっと書いてあったけれども、そんなけちなことを考えずに、ひとつ堂々と主張すべきところを主張していただきたいと思うのです。これはもう大臣ばかりでなくて、農水省の方々にもぜひそういう意気込みで、今後相当強い圧力が来ると思われますけれども、そのくらいがんばっていただかなきゃこれは向こうの方に負けてしまうということになりかねないわけでありますから、ひとつがんばっていただきたい、こういうふうに思います。 その次に、これは別な角度からの問題でありますけれども、農政審の答申なんかを見ても二、三行しか触れてありませんけれども、私はやはり食糧安保というふうなことも問題ですが、食糧が外国から来なくなるというふうな事態も考えられないではないけれども、それよりも、可能性として強く考えられますのは石油の問題じゃないかと思うのです。石油が一たび来なくなったりする、そうしたら日本農業は一体どういうことになるか、こういう問題でございます。これもある学者の説によると、たとえば茶わん一杯のお米が百カロリーというふうに仮定しますと、これが炊き上げた御飯になるまでには、農機具だとか肥料だとか農薬だとか、直接間接に投入をしたエネルギーが約五百カロリーの石油になっている。ですから百グラムのお米を食べるときに五百グラムの石油をいわばがぶ飲みしていると同じようなものだというようなことをこの学者が書いておられる。これは本当かうそかわかりませんけれども、もしそういうことであるとすればこれは大変なことである。そうでない、学者の説をまつまでもなく、いまの日本の農業がいわゆる石油づけになっているということはこれは事実でありますけれども、そういう中で一たび石油が来なくなる、あるいは減らされるというような事態になった場合に、一体日本農業はどうするのだということについでどういうふうにお考えでいらっしゃるか、お聞きしたいと思うのです。
○政府委員(渡邊五郎君) 石油の輸入の状況に対応いたしまして農林水産省としていかなる対策を講ずるかということでございます。農林水産省にもこのためのエネルギーの対策室を現在設置いたしまして、石油消費の全体の節減の指導に努めてきております。先般来の石油の変動に対しましても、供給上の円滑な確保は図ってまいりました。今後にいたしましても、関係省庁なり関係団体との協議組織を持っておりまして、こうした機関を通じまして節減の努力をいたしていかなければならない。 ただ、長期的な問題としまして、技術会議等を中心にしました石油代替エネルギーの開発導入とか省エネルギー技術の活用というふうな面についても、これは農林水産省独自の考え方に立って進めてまいっております。全般的な供給制約が起きた場合には、これは国全体の問題として、恐らく現在の石油の需給適正化法の発動というような事態、これになりました場合にも、先ほど申しました関係者が集まりまして適切な対応ができるような十分な備えをして、農業生産に支障を来さないような体制をとらなければならないと、このように考えております。
○山田譲君 工場なんかでも省石油のために非常な設備投資をやっている。現に工場などで使っている石油の量はかなり大幅に減ってきているわけですね。ですから、当然農業といえどもそういったおくれをとってはならないわけですから、ひとついまから考えて、そして省石油のための施策というふうなものを具体的に進めていっていただきたい、こういうふうに強く要望したいところでございます。 その次に、これは食糧庁長官に伺いたいのですが、いわゆる食糧の全量管理という言葉がよく言われますけれども、これは一体どういうことかということです。日本でとれる一粒残らず米を国が管理するという意味なのか、それとも、需要に見合う分だけは国が管理しましょうと、こういう趣旨なのか、これはどういうことですか。
○政府委員(松本作衞君) 管理の概念は非常に広いものであろうと考えておるわけでございまして、直接的には、流通する米につきまして政府が責任を持って管理をするということになるわけでございまして、その内容といたしましては、政府が直接買い入れ売り渡しをする管理。それから自主流通米のように、政府の定められた枠の中で一定の流通ルートに基づきまして政府の助成のもとに行われる管理。それともう一つは、例外的でございますが、特定の流通につきまして、政府の許可等に基づきまして流通を認めるものというものが、いわゆる具体的な流通面についての管理でございますが、私どもといたしましては、そういった流通に乗ってこない、いわゆる農家の所有するもの等につきましても、それが流通に乗ってくる場合には当然管理の対象になるというような意味におきまして、いわば潜在的な管理といいますか、そういうものが及んでおるというふうに考え、そういう意味で全体の管理であるというふうに申しておるわけでございます。
○山田譲君 そうしますと、全量管理というのは、要するに、日本国でとれる米は一粒残らず、まあ管理の方法にはいろいろあるでしょうけれども、国が管理するというのが食管法の基本的な考え方であると、こういうように考えていいわけですね。 その次に、現在六百五十万トンの余剰米があるというふうに聞いておりますけれども、なぜこの六百五十万トンの余剰米ができたか、その理由と、そしてまた今度の食管法の改正によって、こういった余剰米をなくすことができるというふうに考えているかどうかということをお伺いしたいと思うのです。 それからもう一つあわせて、いわゆる余剰米と備蓄というものがあると思うのですけれども、この余剰米と備蓄との関係ですね、この考え方は一体どういうふうに考えておられるのか。できれば、備蓄と余剰米についてはひとつ数字を挙げて具体的に御説明いただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 過去におきまして、生産調整を行いながらなぜこのような過剰が発生したのかという御指摘でございますが、確かに生産調整を行いながらもこういうふうな過剰が出ました点は、いわば需要面、供給面、両面におきまして予想以上の変化があったというふうに考えております。 まず需要面につきましては、一時、昭和五十年前後におきましては需要が一人当たりについては若干上向くというような事情がございまして、今後の需要については比較的——失礼いたしました。需要の総量について若干上向くのではないかというような見込みが立てられた時期がございまして、そういった時点におきます需要を前提とした第一次の生産調整というものの時期におきまして、需要が予想以上に減少したというような点がございます。 一方におきまして、生産面におきましても予想されました以上に米作の生産力が高まっておりまして、したがって、五十年代における豊作の影響もありまして生産が非常に伸びたというようなことから、こういった過剰が発生した次第でございます。 今後こういうものが新しい食管法になって十分に抑制できるのかどうかという点につきましては、一つは今回の法律案の中におきます基本計画というものによりまして、米の需給についての計画的な調整を行っていくという考え方があるわけでございますが、特に品質別にわたる需給という考え方をとりまして、いわゆる需要に応じた供給を図っていくという考え方を打ち出すことによりまして、そういった需給の調整がよりやりやすくなるとともに、また需要面につきましても、消費者の選好に応じた供給によって需要の確保が可能になるのではないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。この需給問題につきましては、やはり年々の変動ということがございますので、こういった基本計画による年々の需要を、需給の関係を見定めながらこのような過剰が生じないように努力してまいりたいと考えておるわけでございます。 それから備蓄との関係でございますが、備蓄というのは計画的に需給操作を円滑にするための余裕の米を持つという考え方でございますが、従来はそういった余裕のある部分を漸次繰り延べていきまして消費をしていった、いわゆる回転備蓄というような考え方をとっておったわけでございますが、今後におきましては、そういった回転備蓄のほかに、一定量をたな上げをいたしまして、それによって一たん不足した場合に備えるというような備蓄のやり方と組み合わせることによりまして、この備蓄機能をより高めていきたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、数字に即してとの御質問でございますが、従来の過剰と在庫との関係といたしましては、五十五年十月末の古米在庫が六百六十六万トンほどあったわけでございますが、このうち五十四年産米の百七十八万トンにつきましては、これは備蓄と考えておるわけでございます。そのために五十五年産米が約百万トンほど不足をいたしましたが、これをいま申しました五十四年産米の百七十八万トンによって十分にカバーすることができたということで、備蓄的な役割りを持っておるわけでございまして、こういった実態からも、いわゆる過剰米と備蓄というものを仕分けて考えておるわけでございます。
○山田譲君 そうしますと、六百五十万トンと言われている数字は、備蓄もその中に含められているわけですか。
○政府委員(松本作衞君) 実は過剰米、いわゆる余剰米の数字につきましては時点によって違っておりますので、通常六百五十万トンと言っておりますのはいわゆる過剰処理の対象としてきたものでございまして、一部処理済みのものも含めて全体で六百五十万トンというふうに申しておりましたので、六百五十万トンにつきましてはいわゆる五十三年産米までのものにつきまして五カ年計画で過剰米の処理をするという形の対象にしたものでございますが、その後とれました五十四年産米も入れまして五十五年十月時点での在庫を別に集計しましたものを先ほど六百六十六万トンと申したわけでございまして、過剰のいわゆるとらえる時点が違うということでございます。
○山田譲君 何か先ほどのお話ですと、基本計画ができると何となく在庫がなくなるであろう、余剰米がなくなる、今後はこんなにたくさん出ないであろうというふうな話でしたけれども、これはしかしいままでだって毎年予測して一つの需要、供給は調べてきたわけでしょうね。ですから、今度基本計画を法律によってつくることにしたからといって、そこが急に変わることもないのじゃないかという感じがするのですけれども、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 確かに、従来からも予測をしながらやっておるわけでございますから、これが急に変わるということを申し上げるのは言い過ぎであろうかと思いますが、ただ、従来の生産調整は、いわゆる食管の外側から食管に入ってくる米を抑えていくというような形での生産調整でございましたが、今回の基本計画におきましては、食管制度の中においてみずから需給の方向づけをしていくということをはっきりいたしまして、そういった国の指針を明確にすることによりまして、生産者を初め関係者の方々の御協力を得るという方向づけをはっきりさせるという点は一つ違ってくるかと思います。 それからもう一点は、今回の基本計画におきましては、品質、内容に及んだ需給の見通しを立てることにいたしておりますので、いわゆる品質面等につきましても、需要にできるだけ供給を対応させていくという形の努力が可能になってくるものというふうに考えておりまして、そういう面での需要の確保ないしは需要に見合った生産の内容的な方向づけというようなことを考えることによりまして、より需給の均衡が図れる努力が可能になってくるものというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 法律の中に生産調整についての考え方が入ってきていると言っても、これはいままでだって同じ農政の中なんですから、食管法にあるなしにかかわらず、需給見込みというふうなものは立ててやっておられたわけです。ですから、私が心配するのは、せっかく基本計画というようなものをつくっても、再びまた余剰米をたくさん残すような、そういう需給見込みをしないように慎重にひとつやっていただきたいと思うわけです。過去のずっと十数年の歴史を見ましても、すでに四十五年とか四十六年になりますと、七百二十万トンとか五百八十九万トンというふうな膨大な在庫量を抱えているところもあるわけで、 〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕 そういうときだってやはり一応、基本計画こそなかったにしても需給の見通しはきちっと立ててやられたはずなんです。ですから、今度基本計画をつくるに当たっては、そういう過去の実績を踏まえて、ひとつぜひ余剰米を出さないようにうまくやっていただきたいというふうに思うわけです。 もう一つ先ほどのお話で聞きたいのは、備蓄について、回転式とか何かたな上げ式とかいうお話がありました。この前の委員会でもそういうお話がちょっと出たのですけれども、よく理解できないので、もう一遍説明していただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 従来の米についての備蓄の考え方といたしましては、不作年が約二年程度続いた際にも対応できるようにということで二百万程度をめどにいたしまして備蓄をしたわけでございますが、これらの備蓄につきましてはこれを漸次消化をしていくというふうに考えておりますために、結果としてはいわゆる古米を相当量消費をしていかなければならないということになるわけでございますが、最近における消費者の嗜好等からいたしまして、また現在のような需給の緩和した状況におきまして、いわゆる古米を多量に消化するということが事実上問題が多くなってきております。したがって、こういうふうに順次に繰り延べて主食用として消化する部分だけではなくて、一定量につきましては別にたな上げいたしておきまして、そのものが備蓄を放出する必要がある時点には消費いたしますが、その必要が起こらなかった場合には、これを主食用ではなくていわゆる加工用等に別に使っていくということにいたしますと、その分だけは古米を消費者に消費していただかなくてもいいというような関係になりますので、 〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕 そういったいわゆるたな上げ部分と繰り延べの分と組み合わせた備蓄の形を今後検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 それでは先へ進めます。 法律の提案理由の中で、「弾力的に対応しがたい側面を有する」と、こういう表現を使っておられますけれども、一体、「弾力的に対応しがたい側面」というのはどこの部分であるか。それともう一つ、いままで弾力的に対応できなかったのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法におきましては、法律のたてまえといたしましては、あくまでも政府が買い入れましたものを配給の仕組みによりまして、配給計画、配給割り当て等の仕組みによりまして各国民、消費者一人一人までの割り当てをし、それに対応して購入券というものを発給いたしまして、その購入券に基づいた流通だけが認められておったわけでございまして、法律上のたてまえからいたしますと、消費者が自由に好きなものをどのような量でも購買するというようなことは制度上からは出てきておらなかったわけでございます。しかし、実態といたしましては、経済環境が変化をいたしておりますために、できるだけの運用の緩和はいたしましたが、この配給面につきましてはどうしても法律上のたてまえと実態との間の食い違いが非常に大きくなっておったということでございまして、いわば法律的に言えば法律違反という形にならざるを得ないような形での米の流通が行われておったということから、法律上から行きますと弾力的に対応しがたいということを申し上げておるわけでございます。
○山田譲君 何か法律違反をいままでやっていたようなことを言われるけれども、それはおかしいのじゃないか、法律でもって命令に委任してあるわけで、その命令でもってやっていたわけですからね。だからそのことを、何かあなた方は、あれですか、法律違反だというふうに考えておられるのかどうか。それは非常に大事な問題だと思うのですよ。恐らくいままでは、「命令ノ定ムル所ニ依リ」というのがあるから、命令でもってかなり弾力的に運営していたのであって、法律違反をやっていたというふうには私は考えないのだけれども、その点は自分で法律違反をやっていたというふうにお認めになるのかどうかですよ。
○政府委員(松本作衞君) 実は、いま先生から御指摘がありました政省令等で対処をいたした面もいろいろとあるわけでございまして、たとえば自主流通米でございますとか、政府の買い入れ限度数量でありますとかいうような措置をとっておりまして、これは何も法律違反でもなくて法律の枠内で実施をしておったわけでございますが、いま申し上げました配給制度につきましては、これは法律上やはり、配給計画、配給割り当て、それを裏づけるものとしての購入券、または購入券の売買移動の禁止というようなことは法律上残っておるわけでございますから、この点については命令上特に操作をしたということはやっておらないわけでございます。やはり法律のたてまえとすれば、配給制度によって配給を受けるという仕組みしかできておらなかったわけでございまして、これを法律を変えて、命令でこの配給制度を変えてきたということはやれなかったわけでございますので、そういう意味で、やはりこの配給面につきましてはあえて法律違反をやっておったと申し上げざるを得ないわけでございます。
○山田譲君 それは、法律違反というよりも、これはまあ長官のために言うのですけれども、むしろ法律が死文化されていたというふうなことであって、積極的に違法なことをやっていたというふうなことをあなた方が考える必要はないと思うのですよね。違法をやったら大変なことになるのであって、違法じゃないけれども、法律そのものが空文化していた、死文になっていたという意味だと思うのです。それで、そういうふうに言って助けておきたい。だって、違法をやったなんていうとこれは大変なことになりますからね。 それから、従来の食管制度が露呈したこの矛盾の大きさに比較しまして、改正案が余りにも現状追認的じゃないか、そして、現状食管制度を改革しようとする必要認識に欠けているのじゃないかというふうな見方もあります。この食管法の改正についていろいろな考え方があるけれども、大きく言って三つばかりあるのじゃないかと思うのですね。これは大体あなた方のおっしゃるような現状追認であるという言い方と、それからもう一つは、部分的な改善、運用の弾力につながっていく、そういう内容じゃないかという見方と、もう一つは、本格的な食糧制度改革への一歩を踏み出したものだ、こういうふうな三つの考え方が今度の改正について出てくるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、これに関して農林水産省としてはどういうふうに考えておられるか。そしてまた、いずれ近いうちにこの抜本的な改正を行うのだというふうな考え方はあるかどうかというふうなことをお聞きしたいと思うのです。もしそうだとすると、当然、今回の改正というのはそのための第一歩を踏み出したというふうに考えられるわけでありますけれども、そこら辺はどんなものでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 御指摘のように、今回の改正につきましてはいろいろと見方があろうかと思っておりますが、私どもといたしましては、一面におきましては、現状の基本をより明確にしたという意味で、現状追認であると言われてもやむを得ないという点があろうかと思うわけでございますが、一方におきまして、ただいま御指摘がありましたように、部分管理を方向づけたとか、または、これによってさらに抜本的な改正の方向を打ち出したとかいうようなことを考えておるわけではございませんが、現時点においてできるだけこの食管制度が国民にとっても農民にとっても有益に作用し得るようにというような点での改善を図ったつもりでございます。先ほど来申しております基本計画によって需給の基本的な方向づけをし、また、供給計画によって消費者の需要の動向に応じた供給を確保していくというような、食管制度の中における需給の動向に対応した計画的な方向づけをいたしますとか、または流通のルートにつきまして、集荷業者、販売業者というようなものにつきまして指定制、許可制というような形でこの流通の秩序を改めて明確にいたしますとともに、特に販売業者等につきましては、消費者の動向に応じた責任のある販売活動をしてもらうという形での地位と責任の明確化をしたというようなことにつきましても、積極的な意味を持っておるものというふうに考えておるわけでございまして、現状の環境のもとにおいてできるだけの改善をしながら、現在の法律の基本である国が責任を持って食糧を管理をするという考え方をそのまま維持をしておるというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 そうすると、どちらかといいますと、さっき私が言った三つの考え方のうち二つ目といいますか、これに大体属するというふうに考えてよろしいのじゃないかというふうに思います。 それでは先に進ましていただきますが、そもそも現在の生産者米価、これは一体高いか低いか、こういうことについてお考えを聞きたいと思うのです。農政審の答申を見ましても、今後長期的に見ていくと、生産者米価の算定基準を中核農家に移しかえることが提言されているわけであります。そして、「要すれば、価格算定方式についてこの観点からも検討を行う必要がある。」というふうな提言がなされておることは御承知のとおりであります。そういう観点から見て、現在の生産者米価をどう考えられるか。この農政審の答申の中でも言っている中核農家というのは、稲作の総生産額に占める中核農家のシェアというのはわずか三三%しかないわけでありますけれども、そういうところに移しかえていくというふうな農政審の答申の内容から考えてみて、現在の生産者米価をどういうふうに理解すればいいか、この点をお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 農政審の答申がありました米価についての考え方は、確かに需給の観点とか、中核農家の所得確保というような観点を打ち出しておりますが、これはやはり将来にわたっての農政の方向を考える際によりどころになるものというふうに考えておりまして、ただいま現時点の米価についてこれによって簡単に判断できるものではないというふうに思っておるわけでございます。 したがいまして、現在の米価が高いか安いかということにつきましては、今後私ども、米価を決めていく段階でございますので、高いと申しても安いと申しても非常に言いにくいわけでございますが、いままでは与えられた環境のもとで最善の米価を私どもつくってきた、農民の方にも消費者の方にも最善のものをつくってきたというふうに現時点では考えておるわけでございます。
○山田譲君 もうじきまた米価のシーズンがやってくるわけでありますけれども、ひとつ自信を持って、先ほどの話じゃありませんけれども、生産者のためになるような、生産者が喜んで農業にいそしめるというふうな基本的な考え方でもって生産者米価を決めるようにひとつ努力していただきたいというふうに思います。 その次に、今度は法律の形式の問題ですけれども、これはばかばかしいような話ですけれども、なぜかたかな書きであんなむずかしい法律をつくったか。この間も私の子供に読ましてみたらほとんど読めないわけです、あんな字はですね。それで、いまどき実態と乖離したといってあれほど大きな実態の乖離の文章はないと思うのですけれども、これはもっとわかりやすい文章に当然すべきじゃないか。長官以下そんなに古い人はいるはずでないのだけれども、あんな古臭い文章をいまどき書いて、句読点もないような法律じゃわかりにくくてしようがない。ですから、これをもっとわかりやすくなぜされなかったか。法律の数が現在全部で千五百ほどあるそうですけれども、このかたかな書きの文章は、古い文章は百八十そこそこしかないと。ですから、新しくつくったこの法律、ぜひともだれでも読めるような法律にしてほしかったと思うのですけれども、この点どうしてかたかなにあえてやったか、そこをまず説明していただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 御指摘の点は、法制局とこの法律改正を検討いたします際もいろいろと議論をした点でございます。しかし、現在の法律改正の考え方といたしましては、先ほど来申しておりますように、この法律の基本を守るという考え方でございまして、そういう意味からいたしますと、法律の形といたしましてもできるだけ現在のものを大切にいたしまして、最小限度直さざるを得ないようなところを直していくというような形の方が妥当であろうというふうに考えまして、いわゆる修正をするということでかたかなを前提としたわけでございます。もしもこのかたかなをひらがなにいたすということになりますと、やはり新法をつくるというような考え方になりまして、形式的にも実質的にも大幅な見直しをすると。そのことがいわば従来から食管制度の基本と言われていたこと自体も改めて再検討をするというようなことにもなりかねませんので、私どもといたしましては、なるべく従来の基本を守るという意味で、かたかなが基本かどうかということはあろうかと思いますが、形式、実質をできるだけ従来のものを残していくという考を方をとった次第でございます。
○山田譲君 こんなことで余り議論するつもりはありませんけれども、私たち気持ちとしては、しかも実態と乖離しているから法律を改正するんだと言うのならば、これほど乖離した文章についてもやはりわかりやすいようにやっていただきたかったというふうに思います。 それから、これはこの前の委員会で私の方の村沢委員からもお話ありましたとおり、法律全体として非常に政令委任事項が多過ぎるのじゃないかというふうに思われます。そして、もちろん政令というものは法律で許されているわけでありますけれども、見込み事項なんかを見ましても、当然これはもう法律事項じゃないかというふうなものがたくさんあるわけです。たとえば、政令見込み事項の第四を見ましても、あるいは第八、第九だとか第十二とかいうところを見ましても、これはかなり実際に業者の方たちの具体的な、具体的といいますか、権利義務というふうなものを書いたものであると言わざるを得ません。ですから、実際に商売をやられる方がこの法律を見たって、一体自分はその資格があるのかないのかわからないような、こういう法律になっているのです。それを政令でもってそこまで委任しちゃっているというのは、ちょっと政令としては私は行き過ぎじゃないかというふうに思うわけです。それで、具体的、個別的な委任は許されると。しかし、抽象的あるいは一般的な委任というものは許されないのじゃないかというのが政令についての普通の説のようでありますけれども、やはり私は法律というものは、今度指定業者になりたいと思う人は、この法律を見れば、大体どういうふうにしてやれば自分はそれだけの資格があるんだとかいうことがある程度わからなきゃこれは法律にならないと思うのです。そういう肝心かなめなところをこの政令にゆだねてしまっているというところはどうも納得できません。 それと、もう一つこれお伺いしたいのは、法律の中に命令と政令というのが出ております。命令は、もちろん政令とか省令を含むものであるということはわかりますけれども、この政令見込み事項のところを見ますと、法律では命令と書いてあって、そして政令見込み事項のところに書いてあるものも二、三カ所見られる。そうしますと、これはなぜ命令という言葉を使われたか。ほかのところと平仄を合わして政令という言葉で書くべきではなかったかという感じがするのですけれども、その命令と政令についての考え方をまず説明していただきたいということと、先ほど来話をしましたように、どうしてこんなに大事なことまで政令にゆだねてしまったかということをお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 御指摘の点も、実は法制局との審議の段階でいろいろと議論をした点でございまして、確かに現在の法律学の考え方からいたしますと、若干政令委任事項が多いのではないかという御指摘もあるかと思います。 実は、先ほどのかたかなとも関係するわけでございますが、今回の法律改正の考え方といたしまして、従来の食管法の法律的な形式というものをなるべく残しまして、それを必要なものだけ変えるという形にしたわけでございますが、現在の食管法におきましては比較的この政令ないしは命令委任事項が多いわけでございまして、こういった法律のバランスということも今回の法律改正に若干影響をしておることは否定できないと考えております。 ただ、私どもといたしましては、法律案の作成に当たりまして基本的な事項は極力法律に規定をするというふうに考えまして、基本計画、供給計画の問題でございますとか、生産者に対する米穀の売り渡し義務の賦課の仕方とか、自主流通米の位置づけとかいうようなことにつきましては法律上はっきりするようにしたと、また集荷業者、販売業者の規制、それから緊急時の配給統制の実施というようなことにつきましてもできるだけ法律上明確にするようにしたつもりでございます。政省令にゆだねられます場合でも、権利義務に関するような事項につきましては、できるだけ法律においてその政令に書くべき趣旨が明らかになるというようなことを努力したつもりでございまして、ただいま御指摘がございました集荷業者なり販売業者に対する指定なり許可なりの要件につきましては政令にゆだねてございますが、そのための趣旨というものについては法律上明らかにいたしまして、そういった法律上の趣旨に基づいて政令にゆだねると、具体的な指定、許可をゆだねるというような形にしたつもりでございます。 なお、政令と命令との関係でございますが、従来の法律ではいわゆる命令というようなことで一括されておるものがございますので、政令、省令というふうにあらかじめ分けないで考えた方がいいものにつきましては命令というふうにしておきまして、明らかに政令として定めた方がいいというものにつきましては政令というような表現をとったわけでございますが、この点も従来の法律との継続性というようなことがあるわけでございます。
○山田譲君 ここで余りこんな法律論争するつもりはありませんけれども、いま言われたようなことであれば、特にいまの命令の問題ですけれども、明らかに政令見込み事項の中に入っていて、法律では命令と書いてあるものがあるわけですね。そんなものはどうして最初から政令に書かなかったかということなんです。政令にするか、省令にするかわからないというようなものも確かにあると思いますけれども、それは従来どおり命令でやむを得ないと思うけれども、明らかに政令見込み事項の中に入っているのですからね。それで、しかも法律上は命令になっているというのはおかしくないかと、こういうことなんです。
○政府委員(松本作衞君) お手元にお出しいたしました政令の見込み事項は、政令段階として考えられることを申し上げましたので、命令と書いてあるのが政令という形で表現されておるのは御指摘のとおりでございますが、このほかにまた省令で定める部分があるというふうに考えておりまして、その点についてはまだ十分詰まっておりませんので明らかにしておらない点もあるわけでございますので、この命令については、政令部分と省令部分と両方含むというふうに私どもは考えております。
○山田譲君 そうしますと、ここで政令見込み事項、もう一つ省令見込み事項がありますよね、この間いただいた資料の中で。そうすると、これはまだ必ずしもはっきりしていないということですか。
○政府委員(松本作衞君) できるだけ現時点で明らかになるものは明らかにしたつもりでございますが、なおもう少しこの法律が制定されました後で検討さしていただきたい余地が残っておるということでございます。
○山田譲君 これは一つの水かけ論みたいになるし、程度問題でもありますから、これ以上言うのはやめますけれども、まあいずれにしましても、せっかく法律を改正するというからには、やはり普通の人がこれを読めば大体見当のつくような法律をつくってもらいたいわけでありまして、命令を読んだり、政令、省令まで見なきゃ中身が全然わかってこないというふうな法律では、やはり少なくとも新憲法以後における民主主義的な法律と言うことはできないだろうというふうに思うのです。それは、私の気持ちを述べさしていただいて、先へ進みます。 その次に、自主流通米の問題について、従来政令でやっていたものが法律に出てきたと、こういうことで、これは現状を追認したにすぎないのですと、こうおっしゃるわけですけれども、何といっても、先ほどの話じゃないけれども、法律違反とまでは言わないにしても、やはり政令でやっていたということは、いわば従来は一種の日陰の子供みたいな感じであったと。これが晴れて法律によって認知されて、そして白昼公然と天下の公道を歩き回るというふうなかっこうになると考えざるを得ないと思うのです。そうすると、いままでいわば認知されずに日陰の子であったものが、そういう基本であったのが今度そういった形でもって認知されるということになると、これはどう考えても、やはり食糧管理法の基本がそこで変わったと言われてもしようがないのじゃないかと思うのですけれども、この辺はどういうものでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) この点につきましても、自主流通米の制度ができまして以来、いろいろ御議論のあった点でございますが、私どもといたしましては、やはり自主流通米は、従来の食管法の枠内において、十分に制度としての有効性を保っておるものというふうに申してきておるわけでございますし、また実態といたしましても、生産者に対しましては、品質に応じた適正な価格の形成を可能にいたしておりますし、消費者に対しては消費者の好みに応じた品質の米の流通を円滑化する、そのことによりまして、いわゆる不正規米の侵入というものを食いとめる役割りも大きかったと考えておるわけでございますので、こういった形での自主流通米というものをより食管法の枠内で明確に位置づけるということが望ましいというふうに考えまして、法律上明らかにしますとともに、基本計画におきまして、これを数量的にも明確に把握するという形にしたわけでございますが、法律との関係におきましては、私どもあくまでもこれは確認的なものであるというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 最近この自主流通米が非常にウエートが大きくなって、強くなってきている。そして、きのうも千葉に皆さんと一緒に視察をさしていただいたわけでありますけれども、あの辺は特にまた自主流通米の比重が多いように、これは長官も行かれたからわかっていると思います。これは、全体的には三二%か三%かと言われておりますけれども、私はやはり今後ますます自主流通米のウエートが多くなって強くなっていくのじゃないかというふうに思うわけです。そうしますと、これはどうしても食管法の根幹がそこで崩れていくのじゃないかということが心配されるわけでありますけれども、一体自主流通米をどの程度の歯どめで考えておられるかどうか。そこら辺をお聞かせいただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、地域によりましてそのウエートがいろいろと異なっておりまして、昨日ごらんいただきました千葉の場合のように四〇%を超えるところもありますが、東北地域のように一〇%台のところもございます。一体に、大都市近辺が高くて地方が低いというような状況でございますが、この自主流通米の比率は、最近におきまして三十数%というような形で、それほど大きな変化をしておらないわけでございます。ただ、五十五年産米が非常に品質が悪かったために、ことしは特に自主流通米の希望が強いという実態があることも否定できません。したがいまして、自主流通米の比率につきましては需給の動向によって変化をいたしますので、画一的にどれだけということを申し上げることはむずかしいわけでございますが、私どもといたしましては、すでに自主流通米についても過剰を生じた時期がございます。こういうふうなことも考えますと、今後自主流通米の現在の比率がそれほど大きく増大するというふうには考えておらないわけでございます。なお、今後とも基本計画等におきまして、その需給の実態に応じて適切な自主流通の割合を保っていけるように計画上明確にしてまいりたい。また、自主流通計画につきましては農林水産大臣の承認ということになりますから、その承認の際にもそういった点は十分に配慮してまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 私が聞きたいのは、要するに、成り行き任せでもって幾らふえていっても構わないというふうに考えているか、それとも、ある程度行けば、たとえば五〇%以上行くというふうな事態になれば、ある程度そこに制限的なことを考えるかどうかと、こういうことなんです。
○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたように、今回の法律によりまして、基本計画の中で自主流通米の数量を明確にいたします。また、農林水産大臣の許可という形で自主流通米計画を承認をいたすという形にいたしておりますので、その中において十分適正な割合が維持できるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○山田譲君 その程度ではどうもよくわからないのですがね。やっぱり一つの基本的な考え方がなきゃおかしいと思うのですね。特に自主流通米というのは、本来から言えば、先ほどの日陰の子の話じゃないけれども、食管法の基本から言えばちょっと外れたところの位置づけだったものが、どんどんどんどんふえていって、むしろそちらの日陰の子がいばり出すというふうなかっこうになれば、これはやはり嫡出子の方が文句も言いたくなると、こういうことじゃないかと思うのですよ。ですから、大体の歯どめというふうなものはある程度やっぱり考えておかないとおかしいのじゃないか。基本計画で決めるにしても、何かの考えがあるからこそ基本計画でもってその比率を立てるのでしょうからね。そこら辺どんなものです。
○政府委員(松本作衞君) 私が申し上げましたのも、基本計画を立てる際にそういった需給の実態に応じた適正な数量というものをつくっていく、また、農林水産大臣が自主流通米の計画を承認する際にもそういう点を判断して決めてまいりたいということで、野方図にしていくというふうには考えておらないわけでございます。
○山田譲君 要するに、成り行きに任せるという考え方と、やっぱり国の考え方でもって、これ以上は自主流通米はだめだと、こういう考え方が二つあると思うのですけれども、まずどっちをとるかということなんです。
○政府委員(松本作衞君) 成り行き任せではなくて、そのときどきの需給事情の実態に応じて適正な量にするというふうに考えております。
○山田譲君 需給事情の実態に応じてということは成り行き任せということだと思うのですよ。需要と供給は、これは天然自然に決まっていくものであってね。だから、やはり需給の状況を見てというのじゃなくて、自主流通米に対する基本的な考え方があって初めて、逆に需給をある程度調整することができるのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、需給状況だけ見ていったのじゃ、これは一種の成り行き任せと同じになるのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、やはり需要者の良質米等に対する需要の動向というものが前提にありまして、それから生産地における良質米等の生産の割合というようなものもあって出てくるわけでございますので、そういった需給の実態を抜きにいたしまして、あらかじめ固定的に定めておくというわけにはなかなかいかないと思うわけでございますが、ただ、そういった需給の実態が全体の食糧管理上不適切にわたらないようにという判断をして、先ほど申しましたような基本計画ないしは自主流通計画という中で明確に指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 自主流通米の問題については、まだいっぱい問題があると思うんですけれども、とにかくそこは、どうも長官のお話じゃ納得できません。やはりある程度のめどを考えて、幾らでも野方図に自主流通米をふやしても構わないという考え方じゃなくて、ある程度の基本的な考え方をまず立てて、そうしてそれ以上になっていった場合には別な対策を考えていくと、こういうことにしませんと、せっかく食管法ができていて、根幹は崩れていないとは言うものの、実質的には私は崩れたことになると言わざるを得ないと思うのです。そこら辺を特に要望して先へ進めたいと思います。 その次に、自主流通米の価格の問題ですけれども、価格はこれは自由にさせておくのかと。つまり、食糧管理というのは単なる量あるいは流通の管理であって、価格は勝手にしろと、こういう考え方かどうか、これをちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米の価格につきましては、現象的には生産者団体と卸売業者の取引によって定まるわけでございますが、その水準はやはり政府管理米の価格によって支えられておりまして、それとの品質差というものが反映されて自主流通米の価格水準が定まってくるというふうに考えておりますので、この自主流通米の価格につきましてもいわゆる野方図にしておるということにはならないと思います。 それともう一点は、自主流通助成がございまして、政府の自主流通助成は、単位当たりにいたしまして政府の直接買入れる米穀に近いほどの自主流通助成をいたしておるわけでございますが、実はこの価格形成におきまして自主流通助成の果たす役割りというものが非常に大きなものになっておりますので、この自主流通米助成によって支えられておる自主流通米の価格というものはやはり十分に管理をされたものであるというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 政府米の方が決まるから反射的にこの自主流通米の方も大体決まっていくのだと、こういうお考えですけれども、それはたまたま偶然そうなるということであって、それは黙っておれば大体そういうふうになるかもしれないけれども、やはり自主流通米の価格については、単に政府米が決まったから大体それにならうであろうというような消極的な姿勢ではなくして、その価格の面につきましても、法律上どうこうということはできないかもしれませんけれども、かなり監視していっていただきたいと、こういうふうに思います。 それから、先へ進めますが、縁故米あるいは贈答米と言われておりますが、この縁故米の縁故とは何か。縁故の範囲が非常に拡大解釈していって流通が乱れるような結果になりはしないかということが危惧されるわけでありますけれども、縁故米なり贈答米の定義といいますか、それと、大体今年度においては縁故米と贈答米をどの程度分量を見込んでいるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 縁故米は、農家の段階におきまして農家の縁故者等に対して贈与される米というふうに考えております。また、贈答米は、消費者が買い受けました米を知人等に対して贈答する米というふうに考えておるわけでございますが、縁故米につきましては現在いわゆる農家消費等という形で農家の保有米の中に織り込まれておるわけでございまして、この数量につきましては必ずしも明確ではございませんが、平年におきましては五、六十万トン程度ではないだろうか、平年作のときにはその程度ではないだろうかと推計をいたしております。また、贈答米につきましては、これは消費者間の贈答になるわけでございますので、数字的な把握は困難になっております。 御指摘のように、この縁故米、贈答米等が今後の不正流通の源泉になるのではないかという御指摘がございますので、私どもといたしましては、縁故米、贈答米のようないわゆる個人間の譲与行為を一々把握するということは困難でございますが、これがいわゆる流通ルートに乗りまして、商売としてないしは業として営利行為の範囲内で行われるということになりました場合には、流通ルートの特定をいたし、また流通ルートからはみ出たものにつきましては十分に取り締りをするというふうに考えておりますので、この面からこういったものが不正規米に流れないように十分な取り締まりをしてまいりたいと考えております。
○山田譲君 そうすると、縁故という定義が先にあるのじゃなくて、生産者がただでだれかにやればその人は縁故者ということになるわけですね。
○政府委員(松本作衞君) 無償で譲渡すれば、それが縁故米になるというふうに考えております。
○山田譲君 その次に、いわゆる米穀のやみ業者といいますか、こういう実態をどのようにつかんでおられるか、そしてその取り締まり方法はどうかと、こういうことなんです。もう時間がありませんから少し急ぎますけれども、これはたまたま日農に載っていた、川越のスーパーにロジャース川越店というのがあって、ここで新潟のコシヒカリを十キロ三千九百円で店頭販売した。そうしたら、これに対して川越の業者たちが、仕入れ量が割り当て制でなかなか手に入らないやつをそんなに安く手に入れるわけはないじゃないかと、こう言ってやったと。だけれども安売り業者の方は、食管法は死に法だ、そんなものは構わないから安売りは続けるのだ、こう言って強引に安売りを続けていったと、こういうことですね。さらに、日曜日にはさらに安くして三千八百円でもって売ったと。こういうふうなことが書いてございます。それで、県庁の人たちにも言ったところが、食管法じゃどうしようもないのだ、取り締まれないのだということで黙ってこれを見過ごしているというふうな記事が載っておりましたけれども、こういったやみ業者というのですか、何かわからないけれども、そういう人がかなりいるのじゃないかということが、実はきのうの千葉の視察でもわかったわけですけれども、この辺はどうですか。どういうふうに実態をつかんでおられるか、そしてまたその取り締まりとしてどういうことを考えておられるか、お聞かせいただきたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘がありましたものは、いわゆる販売店において、無登録の販売店が米を扱っておるというやみの形であろうと思いますが、そのほかにもやみの形といたしましては、集荷段階における自由米の取扱業者というようなものが考えられますし、また、現在の登録を受けておる業者の中でもやみ行為をするというようなことも考えられるわけでございますが、これらの業者につきましては、私ども明確な数字をつかまえかねる実態になっておりまして、問題が出た際にこれに対応するという形が実情でございますが、こういった業者につきましては従来必ずしも取り締まり等が十分でなかった点を反省をいたしておりますので、今後、先ほど申しましたように集荷業者の指定、また販売業者の許可制ということで流通ルートを明確にいたしますとともに、これらの指定、許可を受けない者についての不正な取り扱いにつきましては厳格な態度で処置をしてまいるという考え方を持っておりますので、今後の流通ルートの特定をされた段階における取り締まりについては、万全を期してまいりたいと考えておるわけでございます。
○山田譲君 そういうことでがんばっていただきたいと思うのですが、業者に、食管法なんていうのは、あんなものは死に法だから何をやったって構わないんだというふうな勝手なことを言わしておかないで、せっかく法律を改正をしたわけですから、そして業者にもそれぞれ指定なり許可というふうな制度をつくってきちっとやっていこうということですから、今度はそういうことのないように、何かそういう問題が出てきたら、すぐその場でもってその状況を調べて適切な対応をされるということを特に要望しておきたいと思います。 最後に、一つ大事なことですから、ぜひこれは聞かしていただきたいわけですけれども、法律の第八条ノ四ですね。これは、「米穀ノ需給ガ著シク逼迫シ又ハ逼迫スルノ虞アル場合」に昔あった配給制度に戻ることがあり得る、こういうふうな内容の八条ノ四でございます。 一つまずお伺いしたいのは、「虞アリト認メラルルトキハ其ノ事態ヲ克服スル為必要ナル限度ニ於テ政令ヲ以テ米穀ノ割当、購入券ノ発給其ノ他」云々と書いてあって、この「政令ヲ以テ」というのがここに書いてある政令の見込み事項にこれはないわけですね。政令見込み事項、いただいた資料の方に、ここの第八条ノ四の政令というものの内容が書いてありません。ですから、まず、どうして書いてないのか、あるいはどういう内容を考えておられるか、まずそこをひとつお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(松本作衞君) この第八条ノ四の緊急事態におきます措置につきましては、実はこの法律上、米穀の割り当て、購入券の発給その他配給に関し必要なる事項を政令をもって定めるとあるわけでございますが、どういう事態になるかによってこの政令の中身が変わってまいるというふうに考えておりましたので、政令の見込み事項としてお示しできなかった次第でございますが、一般の場合には、現在の法律において配給制度が、配給計画、配給割り当てないしは購入券の発給というような配給制度が定められておりますが、現在の配給制度の法制がそのまま緊急事態においては発動されるということを念頭に置いておるわけでございます。
○山田譲君 どういうことですか。「政令ヲ以テ」という政令の内容というのはいま聞いた限りではよくわからないけれども、事態がわからないというのですが、たとえばの話でその事態を、何か事態をここに書くのですか。そうじゃないでしょう。
○政府委員(松本作衞君) 政令上は具体的な流通規制のあり方を書くわけでございまして、ここに書いてございますような米穀の割り当てに関するやり方、それから配給計画に関するやり方、または購入券の発給等に関するやり方、購入券の売買の禁止等の措置というようなものが実は現在の食管法において規定されておるわけでございますが、その食管法の規定と同様のものを政令をもって発動するというふうに考えております。ただ、先ほどちょっと申しましたのは、その程度によりまして、たとえば割り当てだけをするということにとどまるのか、配給券まで発給するのかというようなことが程度によって異なるのではないかというふうに考えまして、一律の見込み事項としてお示しできなかったというわけでございます。
○山田譲君 それでは、その次の同じ八条ノ四の問題ですけれども、そういう事態が「生ズルノ虞アリト認メラルルトキハ」と、こう書いてありますけれども、それではだれが認めるのですか。つまり、その次に政令が来るわけだけれども、そうすると、内閣においてそういうことを認めたら政令を出すのかと、こういうことで、私はそれじゃおかしいのじゃないかと。非常に緊急事態で大事な事態ですから、これはやはり当然国会でもって決める、そして緊急事態であるかどうかということは国会が決めるべきじゃないかと。そして、これから配給制に入りますよというようなことは法律で決めるべきじゃないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) このような緊急事態がどういう形で襲ってくるかという点については必ずしも予測がしがたいわけでございますが、私どもといたしましては、こういった事態は、たとえば非常に短期間の間に襲ってくるということを考えますと、その短期間の間に適当な措置をとらないと食糧需給についての混乱が生ずるというような心配がございますので、緊急に対応し得るためには、行政府の責任において時宜を失せず措置をとるということが必要であろうかと考えてこのような政令事項にしたわけでございますが、もちろん、こういった事態というのは国家全体にとっての重要な時期でございますから、国会の御審議というような余裕のある場合にはできるだけ国会の御意見を聞くというようなことも必要かと思いますが、やはりこういう緊急事態というのに対して緊急に措置をするためには、行政府の判断でやるということを原則にしておるわけでございます。
○山田譲君 もう時間が来ましたから余り詳しくやりませんけれども、それは私は基本的におかしいのじゃないかと思いますよ。やはり緊急性があろうとなかろうと、国会はずっといるのですから、すぐ出てこいと言えばみんな来るわけですよね。緊急性があるんだから政府の責任でやるのだというのは、本当に明治憲法時代の考え方であって、当然これほど重大な、配給制にして国民の権利、義務に相当大きな影響を及ぼすようなことになるのを、政府が判断してそして政令でもってやってしまうというのは、私はこの法律の精神じゃないのじゃないかと思うのですよ。法制局あたりでどういう議論がなされたか知りませんけれども、私はやはり当然、そういう事態になったからこれから配給になりますよということは、まず国会でもってきちっと決めるべきじゃないかと思うのです。それから、その内容についても、政令じゃなくて法律事項として当然法律でもって決めるのだということを決めておくべきじゃないかと。法律にすれば時間がかかるから政令だというのじゃなくて、やはり急ぐときは法律でもって当然それは早く法律をつくるわけですから、これだけの重大な問題については、ぜひとも——この法律に書いてないのはそもそもおかしいと思うけれども、実際の運用としては必ず国会でもって諮る、そしてこれは法律でもってこういう内容の配給制度をこれから実施しますということをやるべきじゃないかと思います。 それから、いま長官言われたような、もしそういう精神で、あしたからすぐやらなきゃいけないからどうしても政令じゃなきゃいけないのだと、昔の緊急勅令みたいな考え方でやろうというのなら、それはそれで今度は後でもってちゃんと国会に報告する義務を政府に負わせるべきじゃないか、こういうふうに考えます。 時間が来ましたから、これで終わりますが、よろしくお願いします。
○委員長(井上吉夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○熊谷太三郎君 前の御質問とあるいは重複する個所があるかもしれませんから、そういう点は簡単にお答え願って結構でございます。 第一に、中長期的に見まして世界の食糧事情は必ずしも楽観を許さないと存じますが、このような世界の現状から見まして、政府は今後の世界の食糧事情の現状と将来に対してどのようなお考えを持っておられますか。簡単で結構ですから一言お答え願います。
○政府委員(松浦昭君) 現在の世界の穀物の需給事情につきましてまず御説明申し上げますが、一九八〇年は、日本も大変な冷害の年でございましたけれども、世界的に見ましても、先生御案内のように、米国の熱波による飼料穀物等の被害がございましたし、またソ連が連年の不作、さらに中国の不作といったように、世界各地で異常気象による農作物の被害が見られまして、一九八〇年の世界全体の穀物生産量は、FAOの発表によりますと十四億四千一百万トンということで、非常に低迷をいたしたわけでございます。特に米、小麦につきましては需給にやや余裕がある状態でございますが、粗粒穀物あるいは大豆につきましては世界全体でも減産になっております。このような状況を反映いたしまして、世界の穀物在庫水準は粗粒穀物を中心にいたしまして低下いたしまして、FAOによりますと、一九八一年は一四%まで落ち込むと言われておる次第でございます。 ただ、その後若干世界的に需給状況はやや持ち直しのきみでございまして、今年の穀物生産について申し上げますと、特にアメリカの冬小麦が作付面積が前年をかなり上回りまして、しかもその成育の状況も良好ということでございますので、前年を約一〇%ぐらい上回る五千六百五十万トン程度ではないかというふうに見込まれております。また、ソ連の冬小麦も、作付面積は前年よりやや下回りましたが、現在までのところ成育状況はおおむね良好というふうに伝えられております。ということで、北半球の冬小麦はわりあい作柄は良好ではないかというふうに考えております。それから大豆は、特に南米がわりあい豊作でございましたので、これも持ち直してまいりました。問題は粗粒穀物でございますが、これにつきましては、南米の粗粒穀物はかなりの豊作でございましたが、一番中心でございますアメリカ等の北半球の粗粒穀物がこれからどうなるかということが最大の問題でございまして、いまのところはまだ相当雨もございまして、いわゆる水分がいいという状態でございますけれども、何と申しましてもこの夏が一番の問題でございまして、われわれといたしましてはまだまだこの将来の状況はわからないというふうに考えておりまして、今後の穀物生産の動向を十分に見守っていかなければならないというふうに考えております。 また、世界の食糧需給につきましての長期的な見通しでございますが、この点につきましては、何分にも生産面では可耕地面積の拡大が限られているという制約がございますし、また一方、需要面では、開発途上国の人口の増加、あるいは所得水準の向上、あるいは先進国を中心としました畜産物の消費の増加、これに伴う飼料穀物需要の増大といったような需要の増加要因がございますので、私どもといたしましては必ずしも楽観を許されないというふうに考えている次第でございます。
○熊谷太三郎君 食糧安保という観点から、食糧自給率の向上を図らねばならぬことは言うまでもありませんが、そこで、現在の食糧の総合自給率、それからその中の穀類自給率、それから豆類の自給率、並びに飼料の自給率をお伺いしたいと思いますが、それに加えまして、近い将来、たとえば昭和六十五年度のこの申し上げた四つの自給率を大体どういう目安にしておられるか、承りたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) 食糧自給率の現況並びに見通しでございます。食糧の総合自給率は五十三年度七三%でございます。六十五年の見通しもこれを維持するということで七三%といたしております。穀物につきましては、これは主食用の穀物並びに飼料用の穀物を合わせまして、五十三年度三四%、六十五年見通しでは三〇%。豆類につきましては五十三年度九%、六十五年の見通しでは一二%。なお、豆類のうち大豆の、特に食用の大豆につきましては、五十三年度におきましては約三一%、豆腐、納豆等の豆類、食用大豆でございますが三一%でございます。六十五年ではこれを六一%を見通しております。飼料につきましては、飼料全体の、これは先ほどの飼料穀物並びに飼料作物、牧草、青刈り作物等を合わせましたものは、五十三年度で二九%、六十五年の見通しにおきましては三五%とすると、こういう考え方でございます。
○熊谷太三郎君 いまお答えになった中で、飼料の自給率は、私どもはふすま類とかああいうものをいろいろ加えますと現在一〇%ぐらいだということに承っておりますが、いずれにしましても、非常に自給率を高めますことは大切な問題でありますが、しかし、いろんな事情で、いま申し述べました豆類でありますとかあるいは飼料でございますが、いろいろな努力にもかかわらず、これらについてはおよそ自給率達成という目標からは非常に離れているのではないかと考えるわけです。しかし、これはいかに努力しても達成できないというような面ももちろんあるわけでございますが、こういう点につきましては、率直にその目標なり、努力しても達成できないそういうわけを、理由を、もう少しはっきり国民の前に知らせて広い理解を求めるということが私は非常に必要であろうと思いますが、そういう点につきまして御所見を承りたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) ただいま申し上げましたような自給率、また六十五年の見通しにつきましても、やはりわが国におきまして生産可能なものはできるだけ国内生産をするという、今後十年間の現在の技術水準なり、今後開発されることを前提にしました技術水準なりを想定いたしまして、かつ生産を引き上げていくための諸条件を整備するといたしまして、可能な限りいたしましてそのような水準であると。まあ、特に過剰になっております稲作から、麦、大豆、飼料作物のような、わが国におきましても生産可能であり、かつ国民生活に直結するものをできるだけこの十年の間に引き上げるということに私どもとしては最大限の努力を払いましてそういう状況になっておる点を御理解いただきたいと思いますが、こうした点について私どもも昨年閣議決定をいたしまして、その後これらについての事情につきましては関係各団体等についてかなり御理解を深めていただくように説明等をいたしてまいっておりますが、まだまだそうした点について私どもの努力の足りない点もあろうかと思います。十分国民の皆さん方にも、そうしたわが国における農業生産の状況について御理解を賜るように私どもとしては努力をいたしたいと考えております。
○熊谷太三郎君 そういう理解を深めていただきますとともに、そういうどうしても国内でできないという食糧につきましては、やはり安定供給という立場からいろんな施策を考えていただかねばならぬまた、そういう方策を確保していただかねばならぬわけでございますから、そういう点についても十分の、一層の御配慮を望みたいと考えているわけでございます。 それから、これも先ほど山田先生の御質問にあったと思いますが、ことしも、現在におきましても例年に比べまして非常に低温でありまして、いよいよ今夏もまた昨年に引き続いて冷温の、冷夏の憂えがあるのではないかと言われております。そこで、昨年は異常の冷害でございましたために、特例的に四万六千ヘクタールの転作の軽減が行われてきたわけであります。ことしはどういうことになるか知りませんが、いろいろ天気予報その他の観点から見ましても、去年のような冷害がないということは予測できない状態でございますから、いまから予想してこうだという具体的なお考えを承るわけにもいきませんが、そういうときにもやはりその状態に対応した適当な手段を講じていただきたいと思いますので、そういうことに関しまして何かお考えがありましたら承りたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございましたように、水田利用再編対策、五十六年度から第二期に入ったわけでございますけれども、その際に、転作等目標面積、これは六十七万七千ヘクタールというふうに二期を通じての目標面積は考えたわけでございますが、ただその際に、初年度でございます五十六年度につきましては、五十五年産米の広範かつ深刻な冷害の実情というようなものを考慮いたしまして、五十六年度限りの特別措置ということで、目標面積を四万六千ヘクタール軽減をいたしまして六十三万一千ヘクタールというふうにいたしまして、現在その推進に努めておるわけでございます。 本年度のこの気象状況の推移につきましては、気象庁等により三カ月の長期予報とかいうものが逐次出てはおりますけれども、まだ明確に見通すということはきわめて困難でございます。したがいまして、昨年のような被害を及ぼすことのないように、そういう気象情報等も十分頭に置きながら営農指導に万全の措置を講じておるところでございます。 現在、水稲につきましては北海道なり東北は田植えが大部分済んだわけでございますけれども、まだ西日本等におきまして田植えの最盛期でもございます。したがいまして、現段階におきまして仮に冷害が本年も起きるということになったにいたしましても、どの程度の広がりとどの程度の深さの被害が出るのかということも全然わからぬわけでございます。そういう冷害のないようにいまいろいろ努めておる最中でございますので、現段階におきまして昨年度と同じような冷害配慮の措置をするかどうかという点につきましてはお答え申し上げかねる段階でございますので、御了承を得たいと、かように思います。
○熊谷太三郎君 それから、米の消費拡大という問題でございますが、これはやはり現在の情勢から見まして非常に大切な、重要な問題であります。役所においてもこの消費拡大のためにいろいろなお考えを実行に移されなければなりませんし、またそうしておられることと思いますが、これにつきまして、具体的にたとえばどういう方策をとるか、それから一歩進めまして、そういう方策によって、その限りにおいては大体どれくらいの消費拡大になるか。あるいは少々むずかしい点があるかもしれませんが、ただこういうふうにして消費拡大するんだ、するんだと言うだけでは、まだ、何といいますか、頼りないわけでありまして、たとえば学校給食をこういう程度にして、その限りではこの面で幾らの拡大をひとつ目指すとか、あるいはその他の方法ではということを、お話しになれる程度で結構ですが、一遍そういう裏づけを持ったお考え方をお示し願えればひとつしていただきたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 米の消費拡大の推進につきましては、一つは医師、栄養師等の専門家の協力を得まして、正しい栄養知識、特に日本型食生活というようなものを定着させるような啓蒙活動を行っております。それからまた、市町村段階における地域ぐるみの米消費啓発活動ということで、市町村に中心になっていただきまして、関係者を集めたいわゆる地域ぐるみの消費拡大事業を進めていただいております。それからまた、ただいま御指摘がありました学校給食、米飯給食につきましても、五十六年度において週二回の目標を達成するという考え方で現在推進をいたしておるところでございます。 こういった消費拡大事業によってどの程度消費が伸びるのかという点でございますが、なかなか計測、予測を立てることが困難でございますが、実は従来米の消費の減退が続いております。これは年率にいたしまして二・二%ないし二・三%程度ずつ年々米の消費が減少しておるわけでございますが、こういった努力によりまして、できるだけこの消費減退の傾向を食いとめていきたいというふうに考えまして、この二・二%ないし二・三%というのを二%以下、できれば一・九%ぐらいの水準まで減退傾向を緩めていきたい、それによって消費の維持を図ってまいりたいというふうに考えております。
○熊谷太三郎君 なるべくひとつ、そういう米の消費拡大につきましても、実質的なお見込みがなるべく立つような強力な対策を進めていただきたいということをお願いいたします。 それから、今回の改正案におきまして、集荷業者については農林水産大臣による指定ということになっているようでございますが、現状におきましては、御承知のように、多くの場合各市町村を一集荷区域といたしまして主に各農協がこれに当たっておりますが、この体制が崩れますと、市町村単位で行われておる減反計画の実施にもいろいろな混乱が生ずるおそれがあるように考えるわけであります。政府としましては、この現状を踏まえまして、実際の運用に当たって何かお考えがあればお示しを願いたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 今回の法改正におきまして、集荷業者というものを指定制にいたしまして、その地位と責任を明確化いたしまして、活発な集荷が行われるようにという業務運営についての推進を考えることにしておるわけでございます。この集荷制度につきましては、お話しのように現在九五%が農協、約五%が集荷業者の手によって集荷が行われておるわけでございますが、今後におきましては、できるだけ完全集荷を全うするというような考え方からの条件整備を考えておるわけでございます。そのためにどのような措置をとるかという点につきましては現在検討中でございますが、集荷区域につきましては市町村を基本とするという従来の考え方を継続したいと思っておりますが、ただ、いま申しました集荷の効率化、適正化、特に完全集荷、全量集荷を達成いたしますための活発な集荷活動の促進というようなことのために、地域によっては指定制度の運用を弾力的にする、また、指定集荷業者の指定要件の取り扱いにつきまして数量を加えるというようなこと等も含めまして、現在改善策を検討しておるところでございます。
○熊谷太三郎君 それから同じく販売業者についてでありますが、これは知事による許可の対象とするということになっておりまして、厳正な基準を設定して、業者の乱立による不当な競争による悪影響が起こらないように配意されることかと思いますが、これに関しましても、現状におきましてはやはりそのルートを乱すようないわゆるやみ業者といったようなものも一部に存在しているわけでありますが、この府県知事の許可の対象とするという法案につきましても、その実際の運用についてどういう考え方で臨まれる御方針か、一言承りたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 販売業者につきましても、今回の法改正によりまして、消費者の消費動向に対応した活発な販売活動が行えるような、そういった形での流通ルートの特定をしていきたいということで、いわゆる許可制ということを考えておるわけでございますが、この許可の要件につきましては、業務の十分な経験を有するかどうか、また、業務運営に必要な資産信用を持っておるかどうか、また、業務運営に必要な事業の規模の保持が見込まれるかどうか、または法令等の違反についての遵法要件を満たしておるかどうかというようなことにつきまして、要件を定めて適正な許可をしてまいりたいと考えておりますが、その際には、ただいま御指摘ありましたような従来の登録業者との連続性というようなことも十分考えますとともに、一方におきまして、消費者に対する十分なサービスができますように、それぞれの地域の実情に応じて適正な店舗の配置というようなことについても改善を加えてまいりたい。また、そういった改善を加える際には、地域における商業調整の問題というようなところで関係者との話し合いも十分にしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕
○熊谷太三郎君 それから、行財政の改革問題が進みまして、このたび第二臨調の発足になったわけでございますが、この第二臨調におきまして、食管の赤字が一層問題になってくると考えられているわけであります。われわれとしましては、食管制度の円滑な運営のためには、必要やむを得ない赤字というものはやはり認めざるを得ないのではないかと思いますが、それにしましても、現在の赤字の内容、すなわちその大きな原因になっております管理経費等につきましては、一層その合理化を促進していただかなければならぬと考えるわけであります。 率直に言いますと、たとえば従来からとかく問題になっておりました食糧検査ないし検査員制度などに関しましては、その合理化の一層の促進が望まれると思いますが、これにつきましての今後のお考えを承りたいと、このように思います。
○政府委員(松本作衞君) 食糧管理制度に伴います財政負担につきましては、国民の食糧を安定的に確保するというために必要な支出というものにつきましては、財政負担を今後ともお願いしていかざるを得ないというふうに考えておるわけでございますが、しかし、現下の厳しい財政事情等を考えまして、合理化し得る余地のあるところはできるだけ合理化していくというような点で今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 その内容といたしまして、一つは米の需給バランスを失するための過剰米による赤字というものが非常に大きいわけでございますので、今後需給均衡を早期に回復をしていきたい。それによりまして過剰による赤字を少なくしてまいりたい。それからまた、売買逆ざやというのが問題になっておりますが、この点につきましては、両米価の適正な決定によりまして逆ざやの是正という点にも努めてまいりたい。それから第三番目には、ただいま御指摘がありました管理の経費でございますが、これにつきましては、集荷、運送、保管ないしは金利負担というようなものがございますが、それぞれにつきましてできるだけの合理化を図るとともに、特に過剰に伴っての管理経費が累増しておりますので、過剰をなくすことによって管理経費の節減も可能であると考えております。それから、御指摘がありました人員の問題につきましては、特に食糧検査官についての節減合理化を進めていきたいというふうに考えておるわけでございますが、そのためには検査方法を合理化をするということで、いわゆる従来の悉皆検査から抽出検査に計画的に移行をすることによりまして、現在一万三千人ほどおります食糧検査官につきまして、おおむね六、七年間の間にこれを半減するということで合理化に取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 一応御了承申し上げますが、特にこの問題についてはこれでいいということではありませんから、ひとつでき得る限り合理化を厳しく促進していただきたいということを御希望申し上げておきます。 それから、今回の改正に当たりまして、農協側におきましては、自主流通米、それから予約限度超過米等につきましても、政府の主体的な管理責任を明確にしていただきまして、政府によります適切な対応をお願いしたい、御要望したいという声が特に農協方面で強く上がっておりますが、これに対する御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、今回の法律改正によりまして、その性格づけを明確にいたしますとともに、これを基本計画、供給計画の中に明確にいたしまして、その数量的な管理をするというような考え方に立っておるわけでございますので、今後とも自主流通米の適正な運営ということについては十分に指導してまいりたいと考えております。 それからまた、予約限度超過米でございますが、これは政府の予約限度数量を超えたものが結果として出てくるわけでございますが、この点につきましては基本計画の中にあらかじめ織り込むことは困難でございますが、供給計画の中に織り込みまして、適切な管理の対象にしていきたいと考えておりまして、その流通につきましては、従来と同様自主流通米のルートと同様のルートによって適切に流通されるよう規制をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○熊谷太三郎君 最後に一つ大臣のお考えを承りたいことがございます。実はある県の農協の青壮年部におきまして申し合わせというのがありまして、それをちょっと見たわけですが、その中に、「政府による大幅な稲作減反対策の強行などによって、われわれの営農と生活はきわめて重大な危機に立たされている。」という一言があるわけでございます。つまり、減反政策を非難し、これを取り上げて、これが強行されるからわれわれの営農と生活が非常に危機にさらされるのだということであります。いろいろ調べてみますと、こういう申し合わせば昨年の五月に三重県下で行われました全国農協青年組織協議会主催の全国委員会委員長会議で決議された考え方に基づいて、それが、その考え方が各県の農協に流され、そしてそれが取り上げられてそれぞれの農協の青壮年組織でこのような申し合わせになっているということを耳にしたわけであります。言うまでもありませんが、農協の青壮年部といえばいわば農業者の中の中堅でありまして、わが国の今後の農業を担って立っていくきわめて重要な存在であると思っております。このような農家組織におきましてきわめて重要な人たちの集まりが、国の減反政策、何としても食管法をも守り、堅持し、そして米の安定的な需給のための策として取り上げられているこういう政策を理解しないで、これをかえって非難するというようなことでは、せっかくの農業政策の円滑な実施にいろいろな面で大きな支障になるのではないかと考えておるわけであります。これは農業政策の上では看過することのできない問題のように考えておりますが、このような問題につきまして農林水産当局はどういうお考えを持っておられますか。また、これらにつきまして今後どのような理解の方法を進められるか。特に大臣の御所見、御決意等を承ることができればまことに幸いでございます。
○国務大臣(亀岡高夫君) 水田利用再編対策は、もう熊谷先生も御承知のとおり、長期的視点に立って米の過剰をなくし、需要の動向に安定的に対応した農業生産体制をつくっていこうということで、昭和五十三年から十カ年で米の需給のバランスをとっていこう、こういう趣旨で始められた施策でございまして、これなくしては日本の農政の確立が非常に困難である、食管法の堅持も容易ではないという事態に追い込まれることは明らかであるわけでございます。したがいまして、稲作からこの他作目への転換をしていかなければならないという事態にぶつかるわけであります。 いままで米を中心にして米作によって生計を立てておった農家の諸君は、地域的に見ましても、また個別に個人として見ましても、農家の苦労といいますか、農家の立場から言えばなまやさしいことではない、こういうふうに考えられるわけでありますが、しかし、将来の日本農業の生々たる、活力ある農業体制をつくり上げていくには、どうしてもこの生産調整という道は避けて通れない道である、こういうことで、生産調整、水田利用再編対策を開始をいたした次第でございます。 したがいまして、この施策を進めるに当たりましては、農業者はもちろん、農業諸団体さらには市町村さらには道府県の協力なしにはこの生産調整という大事業はできないと言っても過言ではないわけであります。いかに政府が逆立ちをいたしましても、農家の協力なしではこの厳しい生産調整というものはもう実行できないということで、第二期対策を始めるに当たりましても、何遍か私自身も農業団体に足を運び、全国市町村会にも足を運び、知事会にも足を運び、そうして、この生産調整の避けて通れない情勢を誠意を尽くしてお話を申し上げ、そうして膨大な生産調整の割り当てに協力をいただくということで今日まで来ておるわけでございます。まあ、幸いと申していいのか、あるいは農業者の皆さん方、団体の皆さん方もある程度の米過剰の実態を克服しなければならないという情勢も理解していただいておる点等もありまして、とにかく今日まで生産調整はおおむね計画以上に進めてくることができたわけでございます。 しかし、これを進めるためにも、やはり農家がこれをやることによって農家の所得がぐんと落ちてしまうというようなことになりますと、これはやっぱり農家としても生きる立場を強く主張をするということで、ただいまも先生から御指摘のありましたように、農協青年部等が、とにかくこうして一応は生産調整はやらなければならない、協力はしますということで協力はしていただいているものの、その気持ちにおいては、この決議にあらわれておりますとおり、農家の立場も忘れてもらっては困るぞ、こういう気持ちを私はこの決議に表明しておるものと、こういうふうに理解をいたすわけでございます。 したがいまして、これからも厳しい中を来年、再来年と第二期生産調整対策、水田利用再編対策も進めていかなければならぬわけでありますから、この点はひとり経済合理性あるいはそろばん勘定だけで推進してまいって果たして協力が得られるかどうかという問題がこれからあろうと思います。と同時に、転作した作目による収入、これもやはり相当政府としても考えていかなければならない。しかるところ、大豆あるいは野菜さらにはその他の果樹類等に転作をいたしてみたとしても、いずれもこれは過剰の状態というようなことで、収入も思うとおりの所得を得るという確信もなかなか困難であるということで、とにかく一部では品種改良なり何なり技術的の検討を加えまして、単収を上げるという努力をしながら農家収入の増大を図るという処置をとっていかなければならない。そういう意味におきましても、なおかつ米をつくったときと比べれば所得がぐんと低くなる、その分をある期間転作が定着するまで見てやらにゃいかぬ、こういうことで奨励金を出す、こういうことにいたしておるわけでございまするから、私どもとしては、やっぱり農家に約束したことを約束した期間において忠実に実行いたしませんと、日本農政の基本であるところの米の需給のバランスをとる——いま御審議いただいておる食管法の堅持という目的を果たすために大変困難な情勢になっていくということも考えなければなりませんので、私どもといたしましては、農協青年部が、農業に従事する彼らの立場をやはり一般の消費者の皆さん方からも理解してほしいという私は切なる願いがこの決議にある、こういうふうに考えておるわけでございます。 もう少し言わしていただければ、やはり一般の勤労者は昨年の物価上昇の分だけ賃金を上げてもらっておる、農村は冷害で実質収入ががんと減っておる。そういうときに農産物の価格問題等については非常に厳しい批判、指摘を受ける、そういう情勢に対処いたしますれば、やはりこういう決議をしたくなってくるのが、これはまあ自然の気持ちではないか。 〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕 そういう気持ちをわれわれといたしましては十分理解した上で、やっぱり厳しいことをやってもらうためには、その厳しい状態を十分説明をして納得してもらえる最小限のことはしていかにゃいかぬ、こういうふうに私は考えておるわけでございます。
○高木正明君 もう残り時間が余りありませんので、簡単にこの際質問をさせていただきたいと思います。 私は、今回の食管法の改正については、現段階での問題点ができるだけ整理がされており、この食管法が長く維持できるように、あるいは再生をめどとして提案されておりますから、このことについては私は全面的に支持をいたすものでありますが、この際三点ほどひとつお尋ねをしておきたいことがございます。 まず第一点は、大臣にお尋ねをしたいのでありますが、食糧の安定供給の確保のための農業生産の地域分担ということについてどうお考えになっておられるのか。その際、北海道農業についてどのように位置づけをし、どのように北海道農業を振興していくお考えか、お伺いをしたいと思います。これは国の三全総の中で、北海道は日本の食糧基地であるという明確な位地づけをされてきたのでありますが、最近なし崩しにだんだん、だんだん、お米であるとかあるいは牛乳やてん菜、バレイショなどがどんどん生産調整をされてまいりますので、この辺について、北海道の農業の位置づけというものがだんだん日本全体の農業の中で後退をさせられていくような気がいたしますので、いま申し上げました点についてまず大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業基本法を制定いたしまして、日本の農業を大いに発展をさせ、農家の所得を向上しながら食糧の自給力を強化してまいる、そうしてできるだけ国内で生産をしていこう、輸入をできるだけ防遏をしていこう、こういう方向をとってきておるわけでございます。したがいまして、基本法制定以来、やはりその地域地域の適地適産という施策を中心にして進めてきたことは御承知のとおりでございます。 したがいまして、北海道のことを御質問でございますけれども、北海道のことにつきましては、これはもうわが国の農業の生産基地ということは当時と今日とは全く変わらないわけでございます。ただ、御承知のように、米の過剰という問題が起き、さらに牛乳の過剰という問題が起き、この困難な状態を克服しながらいかに日本の農業を発展せしめていくかというその過程における一つの悩みを現在解決するために一部の生産調整も行われておると、こういうことでございまするし、しかも、北海道は酪農あるいはてん菜等、さらには林業等々、いわゆる農林水産関係におきましても、北方漁場は狭められながらもやはり積極的な沿海漁業、沿岸漁業等の努力もいたしておるわけでございまして、とにかく政府といたしましては、北海道に対しては農林水産業の基地として今後も大きく強力にやはり施策を講じていかなければならないということで、今日までもその姿勢は変えずに、将来も変えずにやっていかなければならないと、こう考えておる次第でございます。
○高木正明君 問題点の第二でありますが、食管法の第二条ノ二で、基本計画は品質別にも需給の調整を図るものと私は承知をいたしておりますが、これは特定地域の生産調整に直結することにならないだろうかどうだろうか、この点をまずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 基本計画におきましては、需給の調整を図るという目的のために樹立されるわけでございますが、この需給の調整につきましては、全体需給の調整におきまして、現在進めております生産調整の基礎になります需給の調整と一致すべきものといべふうに考えておるわけでございますが、その中におきまして、できるだけ需給の動向にも沿い、生産の実態にも沿った品質別の需給の調整を図っていこうということになるわけでございます。この品質別の需給の調整を図ってまいります場合には、したがいまして需給の動向に合わせた生産の動向を考えますとともに、また一方、生産の実態を前提といたしました品質別の需給の確保ということも図っていくという両面から需給の均衡を図っていこうと考えておるものでございます。この基本計画は、いわゆる政府の食糧管理に関する基本的な方向づけを示すものでございますし、これがいわゆる関係者にとりましての指針として役立つということを期待をしておるものでございますので、この基本計画によって特定地域の生産調整を強制するというようなことを考えておるわけではないわけでございます。 なお、特定地域の米の需給のギャップが生じておるという実態はあるわけでございますが、こういうふうな点は、全体需給が非常に緩んでおるというために、そういった全体需給の過剰のしわが特定の品質にしわ寄せされてあらわれてくるというようなことがあろうかと考えておりますので、この全体需給の調整を図っていくということがまず重要であろうと考えておりまして、そのためにも、現在の生産調整というものは、基本計画が適正に運営されるための前提として進めてまいる必要があると考えておるわけでございます。
○高木正明君 最後になりますが、昨年から四類、五類米の自主流通の取り扱いが始まりましたが、その実績はどうなっておるのか、さらにまた、今後どういった方向に持っていこうとしておるのか、その辺をお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 五十五年産米から実施をされました四、五類米の自主流通米につきましては、五類米で三万トン、それから四類米で二千トンというような実績になっております。これは昨年大冷害でありましたために、計画に比べまして大分下回った数量というふうに理解をしておるわけでございます。 今後の四、五類米の自主流通につきましては、やはり四、五類米につきましての適正な市場を開拓をしていくというための生産者の方々の御努力というものが非常に重要であろうと思っておりますし、また、消費地におきまして四、五類米に対する適正な理解をするというためにも、この四、五類米による自主流通というものが有効に作用をするものというふうに考えておるわけでございまして、今後とも関係者の御努力によって、この四、五類米の自主流通米が充実されるということを期待しておるわけでございます。
○高木正明君 終わります。
○中野鉄造君 初めに、私、国際的に見ましてお米というものが、その流通量が麦あるいは大豆と比較して非常に余裕が少ない、だからこそ国家管理としての食管法があると、このように理解しておりますが、そこで、近年その貿易量の推移でありますが、米の世界の総生産量に占める貿易量の比率はどうなっているのか、この点をお尋ねをいたします。
○政府委員(松本作衞君) 米の総生産量に対する貿易量の割合は三%から四%程度ということになっておりまして、小麦の一五%から二〇%等に比べますと低いものになっております。
○中野鉄造君 最近、アメリカのカリフォルニアを中心とした一帯では米の生産がかなり伸びているということを聞いております。しかも、聞くところによれば日本人好みと申しますか、非常においしくて安いお米がつくられておるということも聞いております。また、そればかりではなく、ここでとれた米で日本酒も醸造されているということですが、こうした一連の事実から見て、アメリカの米の市場のねらいどころはどこであると考えておられるのか。特に今後考えられることは、加工食品という形でわが国にも大なり小なりいろいろな影響を及ぼしてくるのじゃないかということが懸念されるわけですが、どうでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 先ほども御質問がございましたように、米の貿易量は現在時点では生産量に比べて非常に低いわけでございますが、最近におきまして東南アジアないしは中近東諸国等におきまして米の需要が漸次増加いたしております。したがいまして、アメリカのような大農産国といたしましては、米についても輸出農産物として非常に力を入れておるというふうに理解をいたしておるわけでございまして、ただいま御指摘がありましたカリフォルニア産米等につきましても、主としてこういう米を自由に輸入をしておる国についての市場確保を念頭においておるかと考えております。したがいまして、直ちにわが国に対しての輸出を意図しておるというふうには考えておらないわけでございますが、今後ともこれらの産地における動向は十分注意して見守る必要があると考えております。
○中野鉄造君 ところで、先ほども質問が出ておりましたけれども、昨年はわが国は近年まれに見る冷害による大凶作を招来いたしました。しかもことしもまた、昨今の異常低温から見て、去年の繰り返しが十分予想されるところでございます。きょうの新聞等を見ましても、東日本あたりではかなりの被害が出ておるようでございますし、この現在の異常低温が稲の活着に悪影響を与えているのじゃないかと、こういうふうに私は思うわけですし、また今後の秋までの天候の長期見通しあるいは稲作に与える影響をどのように見ておられますか。
○政府委員(二瓶博君) 六月一日現在の水稲の生育概況でございますが、これは県からの報告によりますると、低温の影響によりまして、先生がおっしゃいましたように、北海道及び東北地方の一部を中心にいたしまして生育の遅延等が見られるわけでございます。 北海道につきましては、もう田植えは約九割終わったわけでございます。生育ステージはほぼ平年並みでございますけれども、一部で幾分活着のおくれ、生育の停帯というのが見られます。 それから東北は、各県ともほぼ田植えは終わったわけでございます。その後低温で全般に活着遅延が見られております。 なお、青森県の一部におきまして、低温の影響によりまして葉枯れ、俗称といたしまして代枯れとも言いますけれども、そういうものが発生をいたしております。 その他の地域でございますが、北陸及び西日本の早期水稲、これはすでに田植えが終わっております。関東以西の地域では四国及び九州の普通期栽培地帯、これは大分おくれますので、この地帯を除きまして、多くの地域では現在田植えの最盛期というふうに相なっております。したがいまして、山間の一部を除きまして低温の影響はそれほどまだ大きくはございません。生育は平年並みというふうに聞いております。 農林水産省としては、いろいろ技術面の通達等も出しまして、適地適品種の選定なり健苗の適期移植、それから稲の生育状況及び気象の推移に即応した施肥なり水管理、あるいは病害虫防除の徹底というようなことを内容といたします技術指導を行っておるわけでございます。 今後どうかということでございますが、まだただいま申し上げましたような状況でございまして、田植えが行われておる最中でございます、全国的に見れば。したがいまして、稲作のスタートを切ったばかりであるという状況でございますので、今後気象の方の推移もどうなるかという問題もございますが、現時点でどうこうということのできないまだ段階であろう、こう思います。しかし、いずれにいたしましても気を緩めずに、引き続き現地の実態なり気象情報を的確に把握いたしまして、気象変動と生育状況に応じた適切な対応が行われるように、技術指導の面におきましては万全を期するよう心がけてまいりたいと、かように考えております。
○中野鉄造君 現在のところは心配ないというお答えですけれども、やはりこの気象の長期見通し等を見ましても本当に楽観は許さないし、ことしもまた昨年の繰り返しになるということが十分懸念されるわけですが、仮にことしの作況が去年と同じような程度であったと仮定した場合に、米の需給関係がどうなるか。古米があると申しましても、必ずしも食用に供されるようなものばかりではないと思いますし、その辺も含めての見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 五十五年産米につきましては作況八七ということで非常な不作になったわけでございまして、そのために単年度の需給では約百万トンほどの不足が生じたわけでございます。しかし、一方におきまして、備蓄米といたしまして五十四年度産米を百七十八万トンほど持ち越しておりましたので、この百万トン不足をカバーいたしましてなお八十万トン程度の余力が残ったわけでございますが、さらに五十六年産におきましては、生産調整を、災害対策も考慮いたしまして一部緩和をいたしましたので、このために二十万トン余の供給余力が出ております。したがいまして、合計で約百万トンから百十万トン程度の供給余力があるというふうに考えておるわけでございます。もしも今回のことしの作柄が同様な冷害になったということを考えました場合に、昨年も約百万トンほど不足したわけでございますので、その程度のものはこの持ち越し量によってカバーすることが可能であるというふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 ここで本法案の本論に入ってまいりますけれども、今日まで政府は、食管法を語る場合必ず根幹という言葉を使ってまいりました。食管法たたけばコンカン音がすると言われるくらいに根幹という言葉を使ってきたわけですけれども、特にまた去る四十四年三月、食糧庁が自民党の総合農政調査会においても、この根幹ということについて定義づけた説明をされております。ところが今回、大臣の所信表明の中にもついぞこの言葉は使われていないわけでございます。 そこでお尋ねいたしますが、今回は根幹という言葉のかわりに「基本は維持しつつ」というような表現をされておりますが、この根幹と基本とはどう違うのか、中身が変わっているのか変わってないのか、その辺をお尋ねいたします。
○政府委員(松本作衞君) 従来から根幹という考え方といたしましては、食管法第一条の目的を示しておりまして、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保し、国民経済の安定を図るため、政府が米の需給及び価格を調整し、米の配給の統制をするということを根幹というふうに申しておったわけでございますが、今回の法律改正によりまして、この「配給ノ統制」という言葉を、より広い概念でございます「流通ノ規制」という言葉に改めまして、過不足いずれの事態においても対応できるような食管制度の仕組みにいたしましたために、従来の根幹よりは若干概念が広まってきたというふうにも考えまして、しかし、基本的な考え方は全く変わっておりませんので、基本を変えないというふうに説明をいたしておるわけでございます。
○中野鉄造君 少し細かなことをお聞きいたしますが、全中が五十五年の二月、「食糧・農業と食管制度」という小冊子を出しておりますが、その中にこういうことが書かれているわけですね。「根幹とは1全量ではないが、多くの量を政府が直接買い入れる2政府が統一した価格で買い入れる3集荷から配給まで政府が流通を管理する4輸出入を政府が一元的に統制する」と、この四点を挙げておりますけれども、政府は、全量管理の中に米の輸出入を一元的に政府が統制するというこの考え方が入っているとみなしているかどうかですね。これは確認の意味でお聞きしますけれども、根幹なり基本ということの中にこの米の輸出入管理も含めて考えておられますか。
○政府委員(松本作衞君) 米の輸出入の規制の部分は法律の規定を全く変えておりませんので、従来どおり、輸出入についての管理の規制は行うという考え方でございます。
○中野鉄造君 この根幹と基本との問題は以上でわかりましたけれども、基本を厳守すると言われておりますので、その基本についてお尋ねいたしますが、この基本計画を策定する場合に、政府は米審等の意見を聞くということを言っておられます。具体的にどのような手続をもって意見を聞くのか。私、聞くところでは、米価を決定する場合のように、事前に米審に諮問して答申を受けるというような形をとるのではなくて、米審に大臣が報告するという形をとると聞いておりますが、これもまた確認の意味でそこのところをひとつ明確にお尋ねしたいわけです。
○政府委員(松本作衞君) 基本計画につきましては、米価を米価審議会に諮るように、諮問、答申を得るというような形式はいかがかと考えておりますが、実質上、重要な内容でございますので、米価審議会の御意見を聞くということで、米価審議会で御議論をしていただいて、その結果を基本計画作成に反映さしてまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 この基本計画の策定に当たっては、少なくとも米価決定の場合と同様に、やはり米審の意見を十分これは聴取すべきじゃないかと思いますが、その辺のところ再検討の余地はございますか。
○政府委員(松本作衞君) 米審の御意見を十分に伺うようにしてまいりたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 次に、自主流通米についてお尋ねしますが、去る四十四年に自主流通米を発足させたその背景とねらいはどこにあったのか。やはり大きなねらいは、一つは財政負担の軽減、そしてまた二つ目には消費者のニーズに合わせるということではなかったかと思います。しかるに、今回改正される基本計画の考え方の中には、需要の実態をも考慮して基本計画の内容を定めるということになっております。このことは、基本計画が自主流通米のお株を奪うというような形になって、自主流通米の存在意義というものがかなり薄れるような気がいたしますが、今回のこの改正案の中で、わざわざこの自主流通米を法律で明定したその理由は一体どこにあるのか、これが一点。 それとまた、財政負担の問題にいたしましても、現在自主流通米に対する政府の補助金が交付されておりまして、政府買い上げ米とその財政負担の面においては余り大差ないようになってきているところから見ましても、負担の軽減という本来の特性が薄れてきたのではないかと思いますし、発足当時の、消費者のニーズに合わせるとか財政負担の軽減を図るといったこういうこと以外に、今日のこのような段階において、自主流通米が果たす役割りに期待する何があるのかということをお尋ねしたいわけです。
○政府委員(松本作衞君) 昭和四十四年に自主流通米を発足させましたときの考え方といたしましては、ただいま御指摘がありましたように、一つは、米の需給が緩和いたしまして、国民の米に対する嗜好というものが品質を重視するという傾向が強まりましたが、政府の買い入れ売り渡し米だけではそういった消費者の十分な選好にこたえられないという点と、それからまた、生産者といたしましても、こういった消費者の需要に対応した良質の米を生産するということになりますと、コストも高くつくわけでありますので、それに応じた価格形成が必要になってくるというようなことから、品質の需給実態に応じた適正な価格形成がされる仕組みということで、この自主流通米が定められたルートの上で形成されてきたわけでございます。しかし、その後四十七年には、政府管理米におきましても品質別の格差というものを設けましたので、確かに政府の直接買い入れ売り渡し米につきましても、漸次品質の要素が加わってまいっておるわけでございますが、やはり自主流通米のような非常にきめの細かい品質に応じた流通ということは、政府の直接買い入れ売り渡し米の中では困難でございますので、実態といたしましても、流通量の三分の二が政府の買い入れ売り渡し量、三分の一が自主流通米ということで、並行してこの品質に応じた需給の流通が行われてきておったと理解するわけでございます。 したがいまして、今回の法律改正におきましては、こういった実態を踏まえまして、この自主流通米につきましても法律上の位置づけを明確にするということにいたしまして、消費者に対し計画的に適正かつ円滑なる供給がなされるものという形で自主流通米を法律上性格づけまして、また基本計画におきまして、政府米と並んでこの自主流通米の数量を明確にするというような形にしたわけでございます。 したがいまして、ただいま御指摘のように、自主流通米も政府米も需要の動向と対応させながら流通をするという点においては基本的に同様でございますが、ただ、政府管理米でできる範囲と、自主流通米が特色を発揮する部分というものが両々相まって政府管理を円滑にしていくということが望ましいであろうということで、今回法律上その両者を明確に規定をしたという考え方でございます。
○中野鉄造君 自主流通米が今後余り伸びないのではないかということも一部で言われておりますが、この見通しは、確かに良質米においてはこういう傾向が指摘できるかもしれないと私は思いますけれども、四類、五類についての伸びの見通しというものはどうでございますか。
○政府委員(松本作衞君) 四類、五類米につきましては、生産者が四類、五類米の販売を促進し、市場において四類、五類米の特色を十分に理解させるという意味での役割りを果たしていくべきものと考えておりますので、この四類、五類米につきましては、主体が自主流通になるということは実態としては困難であろうと考えておりまして、あくまでも主体は政府の買い入れ米ということになろうかと思いますが、それをさらにその政府米の需要を喚起するような役割りを果たすものというふうに考えますと、この自主流通米、四、五類米の自主流通につきましての規模というものがそれほど大幅なものになるということは考えられないと思っております。
○中野鉄造君 そこで、この自主流通米の取扱量をこれから安易に拡大させていくというようなことは、これはもう食管法の基本を大きく崩すようなことになるのではないかと思うわけですが、自主流通米の流通量が今後大きくなって定着していった場合、いざ緊急というときに全量を配給制度へバックさせるということは、これはきわめて困難なことになるのではないかと考えるわけでございます。 そこでお尋ねいたしますが、政府はこの自主流通米の適正比率をどう考えておられるのか。たとえば、米の流通量の三分の一ぐらい程度だったらいいと、このようにお考えになっているのか、そこいらのところをお尋ねいたします。
○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、今回の法律改正によりましても法律上の位置づけを明確にいたしますとともに、その内容につきましては、数量的には基本計画、供給計画によって明確に枠をはめますとともに、自主流通計画について農林水産大臣の許可にかかわらしめておるということになっております。 また、流通ルートにつきましては、定められた生産者団体と許可を受けた卸売団体との間における流通ルートを特定をいたしておるわけでございますので、私どもといたしましては、この自主流通米が一たん緩急の場合にもう政府管理の中で政府買い入れ米に戻ってくることが困難だということにはならないであろう、要するに、同じく政府の直接買い入れ米と同じように、自主流通米につきましても政府管理としての枠内で適正な運営をすることが可能であると考えております。 そういった場合に、この自主流通米の適正な比率がどの程度かということにつきましては、やはり需給の実態によるわけでございますので、一律にこれを固定的に定めることはなかなかむずかしいと考えておりますが、現在の約三分の一という比率が近年余り変わっておりませんし、また、従来の自主流通米が一部過剰になったというような実態もございますので、私どもといたしましては、現在程度の自主流通の割合というものが推移するものというふうに考えておるわけでございますが、今後やはり需給の動向によりまして若干の変動があるということはやむを得ないかというふうに考えております。 といいますのは、去年の五十五年の産米が非常に不作によりまして品質が悪くなったというような場合には、どうしても自主流通米に対する需要が増加するというような年々の変動もございますから、なかなか固定的に決めることはむずかしいと思いますが、大宗といたしましては、現在の比率が大きく変わるということにはならないであろうと考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 この基本計画では、品質別、流通態様別の数量の見通しを掲げるとしておりますけれども、生産段階における品質別生産なりあるいは自主流通数量というものは、この計画によって規制を受けるのでしょうか、それともそうでないのでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) この基本計画はあくまでも政府の管理についての基本的な方向づけでございまして、これは関係者、関係団体等に対しまして指針としての役割りを果たすべきものというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この基本計画によって品質別等に生産を強制をするというようなことは考えておらないわけでございます。
○中野鉄造君 政府が言われておるこの全量管理と言っている中には、もちろん直接管理と間接管理があるわけでございまして、この直接管理というのは政府の買い上げ米であり、間接管理は自主流通米であるわけですけれども、今回のこの改正の中でも、自主流通米をただし書きの規定で法定しているように、あくまでもひとつこの自主流通米の運用に当たっては直接管理という基本を尊重していくべきだと私は思います。これが本当に食管法の基本にかかわる重要なことであると思いますので、ひとつ十分留意をしていただきたいと思います。 次に、やみ業者の取り締まりの件についてお尋ねいたしますが、今回の食管法の改正は、いわゆる守れる食管にするということが大きな旗印となっておりますし、そのためには、基本を堅持しつつも守りやすい制度にすることが肝要ではないかと思いますが、同時にまた、やみ業者、違反業者に対しては徹底した取り締まりをする必要があると思います。しかし、この徹底した取り締まりをすれば、今度は逆に消費者の反発を買って、消費者の側から見れば何のためのこの食管法の改正であるかというような批判も出てくるのじゃないかということも懸念されるわけですが、その辺のところはいかがですか。
○政府委員(松本作衞君) 私ども、今回の食管法改正によりまして、守れる食管法にするとともに、この食糧管理制度のもとにおいて消費者の需要に応じた米の安定的な供給を図っていくという仕組みを明確にしていきたいと考えておるわけでございます。したがいまして、こういった食管制度によりまして消費者のニーズに応ずるような供給が可能になっていくものと、またそのための努力をしていかなければならないと考えておるわけでございますので、不正規米の取り締まりということが逆に消費者の不利益になるということにはならないと考えております。で、逆に不正規米によって内容、品質等が明確でないものが消費者に供給されるということはどうしても避けていかなければならないと思いますので、やはり正規米を適切な流通に維持をしていくということを図りながら、消費者のためにもなる食管制度にしていきたいと考えております。
○中野鉄造君 私、不正行為について、聞くところによりますと、九州のあるところでは、減反をしておりながらもそれとは別にコシヒカリといったようなああいう良質米をつくる、そうすると、その生産されたコシヒカリは正規の集荷業者に必ず買い上げてもらえるというようなことが起こっておりまして、減反をされておりながら、奨励金はちゃんともらっているわけですけれども、そういうようにして、片方ではそういうものをつくってちゃんとまた買い上げてもらっているというようなことで、本当にまじめに減反政策に協力をしている農家の人たちが何かばかをみるようなそういう面も出ておるわけですが、こうした不正行為というような点について、今後どういうように取り締まりをしていかれるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 現在、いわゆる減反、生産調整をいたしますと、それに対応した政府の買い入れ限度数量というものが与えられることになるわけでございますので、減反をしておりながらなおかつやみ流通に出すということになりますと、限度数量を売り渡しをしないでよそに流すということが考えられるわけでございますが、あるいは十分な減反をやらないでそういった余分の米が、限度数量外の米が生産されるということから御指摘のような点が出てくるのかとも考えるわけでございます。いずれにいたしましても、生産者の段階におきまして、いわゆる余分の米が正規の流通ルート以外に流れるということが考えられるわけでございますので、今後におきましては、集荷業者の指定制によりまして、集荷業者の全量集荷体制というものを確立してまいりたいと考えておりますし、また集荷業者につきましては、その業務についての指導監督を厳格にしていくということになっておりますので、ただいま御指摘がありましたように、集荷業者が不正規米を取り扱うというようなことをなくしていくということを法律上も明確にしているわけでございます。
○中野鉄造君 そのことは十分に当時者同士もわかっていることと思いますけれども、なおかつそうしたことが現実行われているわけでございますので、再度申し上げますけれども、そうした正直者がばかをみるようなことにならないようにひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、超過米についてお尋ねしますけれども、超過米については、供給計画の段階で取り込んでこれを自主流通米のルートで流す方針と聞いております。この方針に対しては必ずしも満足しているものではございませんけれども、それはともかくとして、政府の方針を前提としてお尋ねするわけですが、供給計画に超過米を盛り込むとすれば価格の面で問題が生じるおそれがあるわけでして、すなわち、超過米の発生で自主流通米の価格が下がると思いますが、これをどのように思われるのか。それが第一点ですね。 それといま一つは、その超過米については現在全く何の手当てもなされていないわけですが、米を国が全量管理するという基本に立つならば、何らかのめんどうといいますか、見るべきじゃないかと思うわけですが、この二点をお尋ねします。
○政府委員(松本作衞君) 超過米につきましては、ただいま御指摘がありましたように、出来秋になってそれがわかるわけでございますので、供給計画に織り込んで適切な流通ルートによって供給されるという仕組みにしたいと思いますが、その際に、これが自主流通米への悪影響があるのではないかという点につきましては、従来も超過米は出ておりますが、これが自主流通米の建て値等に悪影響があったというふうには考えておりません。それは数量的にも自主流通米に比べまして少ないわけでございますし、また時期的にも、建て値が決まるということが先行する場合が多いというふうに考えております。実質上は、むしろこの政府の売り渡し米が限度超過米と調整をしているというのが実態でございまして、政府売却の操作の中で、超過米が円滑に販売されるような操作をいままでもやっておるわけでございますが、今後とも供給計画の中でそのような円滑な流通を図ってまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 いまの第二点に対して、今後の超過米に対する手当てと申しますか、そのお考えはどうでしょうね。
○政府委員(松本作衞君) 超過米についても何らかの助成をしろという御質問かと思いますが、この超過米につきましては、やはり限度数量を超えて生産される米でございますので、この超過米について限度内と同様な扱いをいたしますと、限度数量自体を決めて守っていただいておるという農民の方々に対する問題もございますので、私どもといたしましては、やはり価格的には政府の売り渡し価格を基準とした価格になることもやむを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○中野鉄造君 この過剰米の処理について、その一つの手段として輸出に依存をしているわけですけれども、韓国に約五十二万七千トンの成約を見ておりますが、最近における米の輸出環境及び今後の見通しについてどういう御見解を持っておられるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(松本作衞君) 過剰米の輸出につきましては、アジア、アフリカ等におきましてここ一両年不作等がありましたために、予想以上に輸出が伸びておりまして、五十四、五十五年度合わせまして百六十万トン余りの輸出がなされておるところでございます。また、本年度におきましては、韓国が昨年冷害のために大幅に減収をしたということもありまして、すでに韓国に対して五十四万トンの輸出契約を締結いたしまして現在般積み中でございます。 今後の輸出につきましては、世界の米の作柄等の需給の動向または輸出に対する要望というようなことがあるわけでございますが、一方におきまして、この日本からの米の輸出は、アメリカ、タイ等の伝統的な輸出国の米輸出に影響を与えるところが大きいわけでございますので、これらの国からは、日本の米輸出に対して慎重に進めてもらうという要望がいろいろと出てまいっておりますので、これら伝統的な輸出国との調整も図りながら、適正な米輸出を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 次に、米穀の政府売り渡し規定に関する件でお尋ねいたしますが、今回の改正案の中で、大臣が随意契約によることが不適当と認めるときは競争契約により売り渡すものと、こうなっておりますけれども、具体的にどのような米を想定されているのか。また、売り渡す相手というのは、もし限定があるならばお聞かせいただきたいと思います。競争入札の場合はどういう人に限るというような限定があるのか。こういうことをお尋ねするのは、いわゆる大臣が不適当と認める場合というのは、多分不適当なお米というようなこととも言えるのじゃないかと思いますが、そういう場合の不適米の混米、そういう危惧もあるからでございますが、この点お尋ねいたします。
○政府委員(松本作衞君) この随意契約が不適当の場合ということは、現在古米を加工用やえさ用等に売却する場合のように、古米の品質がいろいろ差がございまして一律の価格が決めにくい、または、他の競合する原料との関係がありまして価格を一律に決めにくいというようなときに競争契約ということを導入してまいりたいと考えておるわけでございますが、その場合の相手先といたしましては、こういった用途の関係上、いわゆる米菓等の加工業者ないしは飼料工場というようなものを対象に考えておりますし、またその際には、いま御指摘がありましたように、これが他の用途に流れないように、用途の制限というようなことも明確にしてやっていきたいと考えておるわけでございます。この用途の制限につきましては、現在の古米の処理をいたします際にもこの点は特に気をつけてやっておるわけでございますので、今後競争契約による場合におきましても、この点は厳格に守っていきたいと考えております。
○中野鉄造君 そうしますと、いま申しました既存の認定業者、これは入らないということでしょうか。いわゆる競争入札の場合です。競争入札の場合には既存のそうした認定業者というものが入るのか入らないのか。
○政府委員(松本作衞君) 私ども通常の主食用についてこの競争契約を実施することを考えておりませんので、ただいま御質問の業者がいわゆる許可を受けた米穀の販売業者という点であれば、通常の場合は入ってこないというふうに考えております。
○中野鉄造君 次に、政府の現在の調査の中でも、農家の自家消費米が多過ぎるという見方が強いわけですけれども、俗に自家消費米の中の五十万トンが贈答米、縁故米として流通し、さらに五十万トンがやみ業者に流れていると、こう言われております。この合計百万トンを、政府はすでに管理計画の中にこれだけを見込んで米に関する流通計画を作成してきたと言われておりますが、この点どうでしょうか。今後基本計画の中できちっとこれはひとつ取り組んで計画を立てていくその対応というもの、その点をひとつお聞かせいただきたいのですが。
○政府委員(松本作衞君) 従来の需給計画の作成におきまして、農家の保有米につきましては、農家消費等ということで今年も約三百二十万トンを織り込んでおるわけでございますが、この中には直接農家が消費する以外のいわゆる農家保有米というものも含まれておるわけでございまして、これは平年作の場合約百万トン程度というふうに私ども見込んでおるわけでございます。これらのものにつきましては、一部は、先ほど御議論がありました縁故米というような形で農家が無償で縁者等に贈与をするというものも相当あると考えておりますが、この中から不正規流通米が出る可能性というものも否定し切れないということに考えておるわけでございます。したがって、今後におきましては、こういった農家保有米をできるだけ正規流通に乗せるような集荷の促進を図っていく必要があると考えておりまして、今回の法律改正によりまして集荷業者を指定をいたしまして、この指定をされた集荷業者が責任を持って全量集荷に当たっていただくということを期待をいたしておるわけでございます。従来は集荷業者の方が御努力いただいておりましても、どうしてもこの程度の保有米は農家の手元に残さざるを得ないというふうな実態があったわけでございますが、今後におきましては、できるだけ余分の農家保有米が正規流通ルートに乗るように集荷の督励をしてまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 今回のこの改正に直接関係はないとされておりますが、食管法の運用の中でもきわめて重要な問題として生産者米価の問題があるわけでお尋ねいたしたいのですが、すなわち、五十五年十月の農政審議会の答申の「八〇年代の農政の基本方向」の中に、「政府米、自主流通米いずれについても品質別の需給事情をより的確に反映した価格体系が形成されるようにする等需給実態に即した運用」云々とありますが、これは今回のこの改正案で第三条第二項にかかわる生産米価決定の考え方に沿ったものになるかどうか、その点をお尋ねしたいのです。
○政府委員(松本作衞君) 従来から、生産者米価決定に当たりましては、経済事情を参酌するというようなこの法令の規定に基づきまして、需給状況というようなものも勘案の対象になっておるわけでございますが、ただいまお述べになりました農政審の「八〇年代の農政の基本方向」に書かれております問題は、今後の十年間の農政の方向として述べられたものというふうに私ども理解をしておるわけでございます。したがいまして、当面の米価自体につきましては、従来どおり、食管法の規定に基づきまして適正な米価を決定してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 また、この答申によりますと、「農業所得の確保を図る場合にあっても、価格政策においては、兼業度の高い農家も含めたすべての農家ではなく中核農家を中心に考えるべきである。」と、こういうふうになっておりますが、この答申の考え方をことしの生産者米価の算定方式の中に導入される考えがあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 先ほど申し上げましたように、この農政審の答申につきましては、「八〇年代の農政の基本方向」ということで、ある程度長期的に取り組むべき課題であるというふうに理解をいたしておるわけでございますが、本年産米の取り扱いにつきましては現在検討を始めた段階でございますので、いまの時点で、どのような考え方で生産者米価を決めるのかということについては、まだ申し上げられる段階になっておらないわけでございます。
○中野鉄造君 言うまでもなく、現在の生産者米価というものは生産者所得方式で決められておりますが、米価が生産費を大きく上回ってきた数年前と異なりまして、近年は米価と生産費の差が縮小して、五十四年産の場合は米価の方が原生産費を下回るという現象が醸し出されたわけでございます。このことは、生産費と所得を補償するという生所方式の目的に反するものであると私は思うわけです。したがって、ことしの米価決定においてはこのような矛盾が生じないようにやっていただきたい、こう思うわけです。いま長官が、まだ詳しいことは述べられる段階ではないと言われましたけれども、この点をひとつまた改めて確かめておきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 米の生産費の見方につきましては、評価にかかわる部分等につきましていろいろな見方があり得るかと思っておりますが、私どもとしては、あくまでもこの食管法に規定されております再生産の確保を旨とするという考え方に従って適正な米価を定めてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、先ほども申しましたように、具体的にいま申し上げられる段階になっておりませんので、それ以上の内容は御容赦をいただきたいと考えております。
○中野鉄造君 大臣にちょっとお尋ねしますが、ことしの米価、麦価のそれぞれの決定までのプログラムの概要でもお聞かせいただきたいと思いますが。
○国務大臣(亀岡高夫君) 麦価につきましては今月、六月いっぱい中に決めにゃいけませんので、六月中に決めなけりゃならぬと思っております。 米価につきましては、大体七月の上旬か中旬か、どちらになりますか、その辺を一応予定をいたしております。
○中野鉄造君 詳しくでなくて結構ですけれども、ことしの米価決定に臨む大臣の基本的な考え方をひとつお願いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 大変むずかしいわけでございまして、米価審議会の意向等も十分聞かなければなりません。その意見もまだお聞きしないうちから、私の方からこうしたい、ああしたい、こう言いますと、米価審議会でいつも、そういうことじゃ米価審議会は要らないじゃないかということでおしかりをちょうだいいたしますので、その辺はやはり日本農政の、米作農家の基本にも関する問題でありますので、慎重に取り組んでいきたいと考えております。
○中野鉄造君 余りいまの時期、詳しいことは言えない、こういうことだろうと思いますが、ことしの米価の場合、去年の算定方式と変わるかどうか、少なくともそこいらのところをお聞きしたいわけですけれども、特に平均生産費に対する考え方、また労賃の評価、自作地の地代の取り方、そういったようなものが昨年と比べて違うところがあるとするのかどうか、そこらでもひとつお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(松本作衞君) ただいま先生から御質問がありました点が実は米価決定に際しまして非常に重要な点であるわけでございますが、私ども、今後材料を詰めましてそのような点について検討したいと考えておる段階でございますので、まだ結論的なものを持ち合わせておらないわけでございます。
○中野鉄造君 では麦価についてですけれども、麦価については、生産奨励金を含めたいわゆるパリティ方式でことしも算定されるのかどうか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 麦価につきましては、昨年からパリティで指数を乗ずる部分と、それから奨励金部分とを分けて計算をする仕組みをとったわけでございます。ことしの麦価につきましても、やはりパリティ指数を乗ずる部分と奨励金部分とを分けて考えるということにならざるを得ないのではないかと考えておりますが、これらの点につきましても、今後の検討課題というふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 では、この間からいろいろ話題に上っております食糧検査士制度についてお尋ねいたしますが、昨年十二月二十九日の閣議において政府の行革プランを決定しているその中で、「「食糧検査士」制度の検討を含め、民間活力の活用方策の検討を進める」、こううたわれております。これを受けて農水省としては検討されていると思いますけれども、結論はいまだ出されていないようですが、出ていないとすれば、中間的にでもこれまでの経緯というものをお聞かせいただきたいと思います。 最近ある記事を読んで考えさせられるところがあります。米検査官を単純に悪者視して行政整理対象の筆頭に上げたりするのは間違っているというようなこと、その後にずっとありますけれども、要するに、角をためて牛を殺すというようなことは余りやるべきじゃないのじゃないかというようないろんな見方もあるようですけれども、結論ということが出ていなくとも、いままでのそうした推移といいますか、そういう点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法改正におきましても、品質別の需給ということを重視をしておるわけでございまして、そのためには、消費者にとっても安心のできる品質というものを保証をしていくための検査制度というものは重要になってくるというふうに考えておりまして、国によるこの検査の仕組みは今後とも重要な役割りを果たすものと考えておるわけでございますが、ただ、そのやり方といたしまして、従来のように一俵ごと検査をするという全量悉皆検査の形はこれを改善する余地があるというふうに考えておりますので、サンプルによりますいわゆる抽出検査というものを昨年度から取り入れることにいたしまして、これを計画的に拡大をすることによって検査能率の向上を図り、それによって検査官の定員の合理化を可能にするという計画を現在検討しておるわけでございます。現在、この抽出検査を計画的に進めることによりまして、おおむね六、七年の間に検査官の数を半減するということを目途にいま計画を立てることにいたしておるわけでございますが、こういった抽出検査を推進するということになりますと、当然この検査を受ける側の体制が整備されておらなければなりません。たとえば、抽出検査をするためにはまとまった規模の集荷がされておらなければなりませんので、集荷所の統合というものも必要になってまいります。また、事前にロットを分けるための事前協力をしていただかなければなりませんので、こういったロットを仕分けをするための責任のある人が必要になってくるわけでございまして、その意味で、民間の農協等、検査を受ける側で責任を持って品質の仕分けをしてもらう能力のある人を定めていきたいと考えておりまして、ただいま御指摘がありました検査士というのは、この抽出検査を進める際にどうしても必要になってくるものというふうに考えております。 この検査士につきましては、そういった品質判別についての能力を持った人を選んでいくようにしたいと考えておるわけでございまして、いまの時点でどのような団体にこれを所属させるか、ないしはどんな資格を持たせるかというようなこと等につきまして検討をしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この抽出検査の計画的な推進、それに伴っての国の検査官の定員の削減と歩調を合わせまして、この検査士制度というものを育てていきたいと考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 次に、今後の食糧危機の到来というものも十分これは予測しなくちゃいけないことだと思いますし、またそれを予測しての対処という面から考えますときに、この食管法のみで事足れりということではないと思います。そこで、飼料穀物ないしは大豆等の安定確保ということは、これはわが国の食糧安保を確保するという上からもきわめて重要なことじゃないかと思うわけですけれども、そこで飼料穀物とかあるいは大豆を現行の食管制度に取り込むということが、これはもうちょっと現在のところではまだまだなじめないものとするならば、別途これらの自給率の向上のための画期的な何か施策を講ずる必要があるのじゃないかと思いますが、この件についてはいかがでしょうか。
○説明員(井上喜一君) お答えいたします。 現在、わが国は年間千六百五十万トンの大量の飼料穀物を輸入しておりまして、わが国畜産の安定のためにはこういった大量の穀物の安定輸入ということが不可欠な状況になっているわけでございます。ただ、わが国の場合、これを国内で生産いたしますといたしますと約六百万ヘクタールぐらいの農地が必要でございますし、また、安いコストで生産することを想定いたしますと、大規模経営が何といっても不可欠でございます。こういった経営の成立条件が遺憾ながらわが国には現在のところ存在していないというような状況でございます。生産コストが非常に違い過ぎるというような現況であるわけでございまして、飼料穀物をわが国で生産するということは非常にむずかしい、こういった状況でございます。したがいまして、飼料穀物の安定輸入のためには、一つには関係国との密接な協議によります供給の確保、あるいは発展途上国に対します農業投資、あるいはまた、不測の事態を想定いたしましての備蓄の積み増し等を通じまして供給の安定確保を図ってまいるのが現実的ではないかというふうに考えているわけでございます。 ただ、草食性動物であります大家畜につきましては、粗飼料の寄与率を高める、粗飼料寄与率の向上ということが非常に重要でございまして、この点につきましては、草地開発の推進でありますとか、既耕地におきます飼料作物の導入あるいは効率的な利用、また最近におきます水田利用再編対策とも関連いたしまして、水田に飼料作物を導入していく等の施策を通じまして粗飼料の寄与率の向上に努めてまいる、このような考えでございます。
○政府委員(二瓶博君) 大豆につきましてお答えを申し上げます。 大豆につきましては油脂用といいますか、というのと、それからたん白含量の多い食品用というのとあるわけでございますが、三十六年に貿易の自由化をやりまして、油脂用の大豆につきましては安定的な供給が図られておるわけでございます。 そこで問題は、たん白含量の多い食品用といいますか、の大豆、これは国産大豆がこれに向くわけでございますが、これを極力生産を振興いたしたいということで、現在一つは大豆なたね交付金暫定措置法に基づく不足払いというやり方で所得補てんの措置をとっておるということ、それからもう一つは、生産対策ということで、地域農業生産総合振興対策というような予算によりまして、生産組織の育成なりあるいは機械施設の導入なり等に助成をするというような生産対策をやっております。それから、第三点といたしましては、水田利用再編対策を進めておるわけでございますが、その際に、大豆を特定作物というふうに位置づけまして転作奨励補助金の面でも優遇をいたすというようなことを考えておるわけでございまして、この結果、五十二年には七百九千ヘクタールの大豆の栽培面積でございましたが、五十五年は約倍の十四万二千ヘクタールというふうに増加をいたしておるわけでございます。 今後は、過般策定を見ました六十五年の長期見通しでは、六十五年に二十一万ヘクタールまで栽培面積を持っていこうというふうな一応の見通しを立てておるわけでございますが、これに向かいまして、ただいま申し上げましたような不足払いの方式、それから直接的な生産対策、それから水田再編と絡みました特定作物としての大豆転作の推進というようなことの適切な運用によりまして、自給率も、五十四年四%でございますが、これを八%、さらに食品用といいますか、そういう食用のものにつきましては三一%から六一%まで高めたいというふうに考えております。制度の適切な運用ということでもって十分対処し得るものと考えております。
○中野鉄造君 私はこの食管の法改正に対する質問の締めくくりとして、確認の意味でお尋ねするわけですけれども、これが改正されても、やはりその運用というものが最重要な課題ではないかと思います。実はあの農地法がそうでありましたように、今回のこの食管法の改正についても、まず最初に実態をなし崩しにして、現状追認という形で改正に持ち込むという傾向がありますが、これは非常にひきょうなやり方ではないかと思うわけです。今回改正をして、そしてこれを今後はもう守ると言いながらも、またそのうちに中身の部分を少しずつ形骸化して、部分管理なりあるいは間接統制の方向に進むのではないかというような懸念がなきにしもあらずということでございますが、いま申しましたような農地法だとか、そういったような過去の実例から見ても、その辺の姿勢はもう絶対にひとつ正すべきじゃないかと思いますが、今後、そこの運用についての決意と申しますか、それを大臣にお尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) いままでの食管法は不足時の場合に制定されたわけでございますので、需給の均衡のとれたとき、あるいは生産過剰のとき、どういうふうにこれに弾力的に対処していくかというような点については、法律の中身においては考慮されていなかったと、こういうことでございます。したがいまして、今回の改正に当たりましては、そういう点を一応きちんとさしていただくということが一つと、さらに、集荷、販売等につきましてもやみ等のないような体制を法律的にきちんとして、もしそういうものを行うものがあった場合には直ちに許可を取り消すとか、指定を取り消すとか、さらには厳重なる処罰をするとかいう処置をとるということによって、私はむしろ今回の改正によって、いわゆる食糧管理制度、国民の主食というものが安定的に供給され確保されるものと、こう確信をいたすわけでございます。むしろ実態と法律と乖離したような点がなくなりますので、そういう面で信頼が増し、そうしてさらに合理化等を進めてまいりますれば、食管に対する批判も少なくなり、これを適切に運用していくことによって食糧問題が安定してくるということに努めて私どもは持っていかなければならない、こう考えておるわけでございますので、これによって間接に持ってまいりますとか——もういまさら間接統制というようなことにすれば、さなきだにそれによって騰貴をするというような傾向も出てきたら、これはもうそのしわは消費者に寄っていくわけでありますので、そういうことは絶対許さるべきではないという立場から言えば、私はむしろ間接統制とかなし崩しにするとかという考えは全く持っていないと、こう申し上げたい次第でございます。
○中野鉄造君 終わります。
○喜屋武眞榮君 私、初めに食管法の法改正の根幹について大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、思うに、国民生活にとって重大な、かつ国民の権利義務にかかわる食糧問題に関する制度の改正というのは、基本的には法律改正で対処すべきであると私は思います。ところが、昭和三十年以降についての食糧管理制度運営の戦後における主要な変遷、これをたどってみますというと、ほとんど政令、省令で対処してきておられるように見受けられます。これは食管のいわゆるなし崩しと申しますか、その場しのぎと申しますか、そういった形で廃止の方向づけで行われてきたと、こう私は言っておるわけであります。また、今回の改正も、総合的に単なる現状追認に立脚した改正としか思われない、こういう判断をいたしておるわけであります。 そこでお尋ねしたいことは、一体食管制度の根幹というのは何なのか、どこにあるのか。その大事な根幹について大臣からお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食管制度の根幹とは、国民の基本的な食糧であります米の必要量を確保して、国民経済の安定を図るため、政府が米の需給及び価格を調整をいたしまして米の流通について必要な規制を行うこと、これは食管法の第一条の目的に書いてあるわけですが、このことが私は食管法の根幹であると、こういうふうに認識をいたしておるわけであります。 それで、この根幹を具現化するために主要な手法といたしまして、米の需給や価格を調整するために、必要な米は生産者から食管法第三条に基づいて政府が買い入れをするということ。政府の買い入れ価格は、食管法に規定されておりますとおり、再生産を確保することを旨として生産者米価を決めていく。消費者につきましては、必要な米の供給を確保するということで、消費者に対する政府の米の売り渡し価格は、消費者の家計の安定を旨として定める。こういうふうにいたしてあるわけでありまして、このような手法によって米の管理運営をしていくこと、これが根幹であり、しかも輸出入の米につきましても食管が全部これを管理をしてまいる、これが私は食管の根幹と、こういうふうに考えておる次第でございます。
○喜屋武眞榮君 いまの大臣の御答弁の中で、国民生活に必要量ということをおっしゃったのですが、そうしますと、実際問題として過剰米があるわけですが、この過剰米に対する対策といいますか、このことはどうなるのでありますか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま大臣から根幹の考え方として述べました、国民の食生活に必要量を管理をするということでございますが、これはそういった考え方でございますが、現実に過剰米が発生してくるというものにつきましても、当然政府の全量管理の対象として管理をいたすということでございますし、現に管理をいたしておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 ある権威あるその道の経済学者の方の説によりますと、現行食管法の根幹として四つの条件を挙げておられるようでありますが、その四つといいますと、第一点は、食管法の法の精神からして、第一には米の全量を政府が買い入れる義務があること、こういうことを述べておられます。第二点に、生産者米価と消費者米価をそれぞれ異なった原理で決めるという二重米価制をとるべきであると、これは法に立脚した考えを述べておられます。第三点に、米流通の国家による一元的管理。第四が、米、麦の輸出入を国家が一元的に管理すること。この四つを現行食管法の根幹の柱にしておられる。こういう発表もございますが、それに対してはどのように理解しておられますか。どう受けとめられますか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘されました点は、おおむね同様であると考えますが、ただ、第一番目の全量買い入れ義務という点につきましては、実は法律上、政府に売り渡し義務をむしろ生産者に対して課しておるということでございまして、しかも、それは定めるものを売り渡すべしということになっておるわけでございまして、全量ということにはなっておらないわけでございます。したがいまして、従来からの解釈といたしましては、先ほど大臣が申し上げましたように、国民生活の安定を図るために必要とする量を政府が全量を管理をするということを申し上げておるわけでございます。その他、価格につきましては、生産者米価については再生産を確保し、消費者米価については消費者の家計安定を旨とするという意味でそれぞれの価格の考え方によって価格を決めていく。それから、集荷から流通までの段階を国が規制を一元的にしていく。それからまた、輸出入についての管理をするというような点につきましては御指摘のとおりであろうかと考えております。
○喜屋武眞榮君 このいま私が申し上げました四つの柱も、私は非常に食管法の精神からしましても大事な問題、柱だと、こう思っておりますが、これもひとつ今後の農政の中で十分検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御説明いたしましたように、私どもといたしまして、この根幹ないしは基本につきましては従来どおり守っていくという考え方でございますので、いままで申し上げましたような考え方に基づいて、いま御指摘があった四つの点について守っていきたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 次に、基本計画について大臣にまたお尋ねしたいのですが、大臣はこれまで機会あるごとに、国内で賄えるものは国内で生産自給を高めていくと機会あるごとに強調しておられます。私も大賛成であります。ところで、実際面と結びつけて考えました場合に疑問を抱かざるを得ません。なぜなれば、まあ米についてはともかくといたしまして、麦、それから大豆、これについては今日まで転作奨励金もございます。それによってある程度の実績は着々あらわれつつあると、私もこのように理解いたしております。ところが、近視眼的じゃなく、その精神を将来に貫いていく場合に、もし食糧の輸入がとだえた場合の国民生活の必要量から見ると、まだまだ不十分であると思われてなりません。そうした場合に、その対策はどのように考えておられるだろうか、このことをお尋ねしたいのです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧が外国から入ってこない、こういう事態になった際にどうするかと、こういうお尋ねでございます。そこで、私どもといたしましては、やはり輸入先の多元化を図っておくという、一カ国からばかり輸入するという体制じゃなく、あるいは東南アジアあるいは南米、あるいはアメリカあるいはカナダといったように、とにかく日本の農林水産物資の輸入先々は現在非常に多岐にわたっておるわけであります。少なくとも数十カ国から輸入されておると、こう言っても過言ではないほど輸入先の多様化を図っておるわけでございまして、それが一つの私は食糧確保の、安定的輸入の一つの大きな柱ではないかと、こう考えておるわけでありますとともに、何といっても輸入の大宗を占めておりますのはアメリカ、カナダ、豪州、ニュージーランドでございますので、これらの国々との信頼関係を確保をして、輸入がとだえるというようなことのない外交を展開してまいらなければならぬと、こう思っております。 と同時に、やはり国内で生産する自給力を強めていくということも常々やっていかなければならないという昨年の国会の決議の趣旨も踏まえまして、麦作の奨励等もやってまいらなければならぬ。まあかつて日本農村も、昭和二十八、九年から三十年の間におきましては、土地の利用率が一三三%まで高まったときがあるわけでありますが、現在は一〇三%ということに土地の利用率が落ちてきておるわけでございます。やはりこの土地があるわけでございますので、この土地の利用率を高めるという方向もこれは日本農業がやはり克服していかなければならない一つの問題点であろうと思いますので、そういう方面に対して農家の生産意欲を持たせることのできるような施策を打ち出していかなければならないと同時に、私は麦等についても、単収がもっと多くなればやはり採算に合うというような品種を造出することによって相当今後伸びていくであろう、そういう点も考えておりまして、これは筑波の試験場においてもいま懸命の努力が続けられておると、こういうことも申し添えたいと思います。
○喜屋武眞榮君 この食糧問題は人間の命にかかわる、健康に、暮らしにかかわる重大な問題であるだけに、世界的に見ましても、人口の増加といわゆる食糧生産の増加の比率のアンバランスが、はるかに人口の増が高い、だから生産がそれに追っつかないという、こういった人類的な様相もありますし、またある人の言葉をかりれば、二十一世紀は人間と家畜の食糧の争奪戦であるとまで言われております。それほど食糧問題が人類にとって、わけても日本国民にとって非常に重大であると私はいつも思うのです。そういった観点から、いついかなる場合になっても、食糧が欠乏するがゆえに国民が困るようなことのない、こういう不動の方針のもとに農政を進めていただかなければいけない。こういうことを特に申し上げます。 それからさらに現状は、私の調査によりますと、いま自給が余っておるのは米とミカンだけである。特に大事な食糧としての大豆、麦、その他日常生活になくてはならない大事な食糧の自給というのはほとんどまだ五、六%にすぎない。砂糖にしても、砂糖は二〇%以下でありますか、大事な米麦もまだ五、六%であることは申し上げるまでもありません。こういう情勢の中で、いま地球的な規模でますます食糧の増産を必要としておる、こういうわけでありますので、ひとつ賢明なる大臣、いかなる場合があっても国民に不自由、不満を与えない、こういうひとつ遠大な見通しのもとに着々実績を上げてくださいますよう重ねて要望いたしまして、次に移ります。 次に、米の消費量の推移について私の調査に基づいてお尋ねいたしたいと思います。 この表からいたしましても、まずこういうことが言えるのではないかと思います、これは一応確認いたしたいと思いますが。米の消費量の推移からしますと、都市の一人当たり消費がだんだんだんだん減じておる、漸減しておる、こういう傾向にあると私は見ております。第二点には、農家の一人当たり消費もまた減少しつつある傾向にある。三つには、世帯主が若い層ほど米の消費量も低下しておる。四つには、肉体労働をやらない者ほど低い。言わばホワイトカラーと申しますか、こういう層の米消費量がだんだん低くなっておる、こういうふうに評価して間違いがないのでしょうか、どうでしょうか。念を押してお聞きいたしたいと思います。いかがでしょう。
○政府委員(松本作衞君) 米の消費量につきましては、ただいま御指摘がございましたように、まず都市のいわゆる非農家世帯におきましても年々減少傾向が続いております。また、農家世帯におきましても消費量の減少が続いております。それから、世代によりまして、若い層が消費量が少ないということもデータ上見受けられるところでございます。肉体労働と非肉体労働につきましてのデータは持ち合わせておりませんが、恐らく御指摘のような傾向にあるのではないかと考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 それでは、安心をして、次にその確認の上に立って進めたいと思いますが、この示されておる農産物の長期需給目標というのがございますね。これからしますと、五十四年度の一人当たり消費量は七九・八キロになっておりますね。それから、いわゆる十カ年後の六十五年度の一人当たり消費量は六十三キロから六十六キロ、こういうデータになっておりますね。間違いありませんね。 そこで、これを前提にするならば、これは見通しが甘くないかな、こういう感じを持つわけでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(渡邊五郎君) 六十五年を目標年次といたします長期見通しでは、いま先生御指摘のような、米の一人年間の消費量をそのように見通しておるわけでございます。 これにつきましては、私ども特に減少傾向が、先ほどの御指摘のように、若年層、現在二十代ぐらいは年間三十キロぐらい、四、五十代の世代では七十キロ前後ということで、若年層が半分以下というような状況から、こうした世代交代を考えますと、やはり減少傾向はやむを得ざるものがあるというふうに趨勢的には考えます。 ただ私どもとしましては、これからの日本型食生活におきましては、やはり米が食生活の重要な基礎部門として、これに各種の栄養食品をとることによりまして、バランスのとれた食生活をわが国において日本型食生活として定着させたい、そのための消費拡大等に格段の努力をしてまいりたいということを考えまして、ただいま御指摘のような十年後において六十五キロ程度、そして各種の食品との組み合わせからしましてもバランスのとれた食生活が確立できるのではないか、このように考えたわけでございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、日本型食生活が皆さんの予想どおり定着する、こういう前提においてこれが成り立つわけなんですね。そこに見通しの問題があるわけでありますが、私が甘過ぎるのではないかと申し上げる根拠は、いま日本型食生活とおっしゃいましたので、その問題に触れて結びつけてみたいと思うのでありますが、今日、こういう傾向はいかがでしょうか。 食生活の多様化と申しますか、あるいは合理的な健康食あるいはまたある人は自然食、こういったいろいろの立場からのブームがあることも御存じかと思います。これは健康と食糧、あるいは文化生活の様相から非常に多様化してきておるわけでありますが、そういう中で一つは玄米、それから七分づきとか、それから半つき米とか麦飯とか、こういうものが非常に愛用されつつあるということが国民層の中にあるわけでありますが、その実態を把握しておられるでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 最近におきまして、健康食、自然食というようなものについての嗜好が高まっておるという傾向は見受けられるわけでございます。したがいまして、米につきましても、たとえば胚芽精米、胚芽米というようなものにつきましてその需要がある程度伸びておるというような実態もあるわけでございます。五十三年におきまして四万トン、五十四年におきまして四万四千トン、五十五年におきまして四万八千トンというふうに、胚芽精米の販売数量がふえております。ただ、玄米食、七分づきにつきましては、量的にはこれよりは大分少なくなっておりまして、おおむね年間で千トンから二千トン程度というふうに推定されておりますが、これらの愛用者もふえておるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 こういうことをにらみ合わせますと、私は、日本型食生活と米需要の動向との関連というものが固定化的な考え方ではいかぬ。絶えず流動的であるという、こういう意識を持たないというと、これがかみ合わないのではないかと。なぜかといいますと、やっぱりわれわれの生活には、日本型食生活の定着を望みながらも欧米型食生活に傾きつつある、こういう傾向もこれは見逃せないものだと、こう思うのですね。そうしますと、日本型食生活は定着する見通しを持ちながらも、一面にはむしろ傾く心配があると。心配か、いいことか、これは別にいたしまして、とにかく欧米型食生活に傾いていく、こういうこともこれはもう必然だと、こう思うのですね。だから、そこをどう調和さしていくか、こういうことを思うときに、定着しておると見るか、まだ流動的であると、こういう判断に立つべきであるか、これは非常に私は大事な問題であると思うわけなんです。 そういうことを考えますときに、だんだん米の消費量が総体的に減じてくる傾向にある。あるいは部分的には増しておる面があるにしても、国民全体の立場からは漸減していく、こういうことを十分配慮願わなければその見通しは暗い見通しになるのではないかと、こう思うわけなんですが、こういう見方に対しては大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもといたしましても、自然の形にしておけば、欧風型と申しますか、そういう方面にいくであろうということは過去の実績からしてはっきりいたすわけでございます。二十年ほど、学校給食に米を食えというような指導はしておりませんでした。したがいまして、洋風化が急速に進んだということもございます。そこで、結局、米がやはり日本国民にとっては、健康保持上もあらゆる面から見ても、米の効用というものが最近特に見直されてきておるわけでございまして、学校給食等にも全力を挙げておると。また農林水産省としても、米の消費対策、その拡大を図るためにいろいろと努力をいたしておるわけでございます。あるいは医師会でありますとか、栄養士会でありますとか、そういう各界の協力を得まして米の消費拡大に全力を挙げておるということでありまして、何としてもこの日本型食生活の定着を図ることが農政の基本になってきておるわけでございますので、そういう点に全力、最大の努力を傾けてまいりたい。そうすることによって、先生の御心配になるように、私どもの閣議決定をいたしました需要と生産の長期見通しというものに狂いが生じないように、これはもう努力しませんとやはり欧風型になりがちであるというわけでありますので、その努力に大いに期待をしながら私どももがんばってまいると、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 まあ参考にしていただければありがたいと思います。 次に、この統計表を見ますというと、政府管理米について感じますことが一つありますが、それはどういうことかと申しますと、質の悪い米がよけい売れ残っておる、質の悪い米ほどよけい売れ残っておる、これは一体どこに原因があるのでしょうかということを感じておるわけなんです。いかがでしょう。
○政府委員(松本作衞君) 最近全体の需給が非常に過剰基調になってまいりまして、そうなりますと、どうしても需要の強いものから順次さばけていくということになりますと、最近良質米嗜好が進んでおりますので、良質米を先に需要側で選択をいたしまして、結果として全体需給のアンバランス部分がいわゆる品質の低い米にしわ寄せされるというような実態があることは否定できないわけでございます。 これらの点につきましては、やはりそういった全体需給のギャップが特定の品質にしわ寄せされる傾向がありますから、全体需給の均衡を図っていくということが重要であるというふうに考えておりますが、一方におきまして品質別の需給ということを考えてまいりまして、やはりそれぞれの品質に応じた需要の確保ということが可能であるというふうに考えておりますので、そういった品質に応じた需要の確保を図っていくというようなことも心がけることによって、こういった一部のものについてしわ寄せされるようなことがないように努力していく必要があるというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 そうしますと、これは運営上の問題ということになるのか。あるいは現行制度上、うまくいっていない方の制度上の欠陥からくるものであるのか、あるいは運営上の問題であるのか、どちらなんでしょうかな。
○政府委員(松本作衞君) 現行制度におきましては、やはりたてまえといたしまして不足時における公正な配分ということを前提とした制度になっておりますので、こういった品質別の需給というようなことにつきましては必ずしも制度上明確な仕組みがつくられておらなかったと思うわけでございます。したがいまして、今後におきましては、基本計画、供給計画等におきまして、品質別の需給というようなことも明らかにするという制度上の改善の余地があろうかと思っております。 それからまた運用面につきましても、品質別の需給につきまして、たとえば市場の確保、開拓というような面につきまして、生産者ともども努力をしていくというようなことを考えていくというような運営面における改善の余地もあろうかと考えておりまして、両面が必要になるのではないかと考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 上質の米ほどよく売れるということは、一面食生活の向上という面もあると思うのですが、その面からもくると思うのですが、こういう点はいかがでしょうか。 この対策の一つに、いわゆる質の悪い米ほど多く残るということであるならば、米の品種改良にもっともっと力を入れて上質米に改良していくことはできないのか。そうすることによって、私は質の悪い米が売れ残る、こういうことを解消していく最も前向きな積極的な改善策ではないだろうか。こう思うのですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(川嶋良一君) 米の品質の改善について、御指摘のように品種改良が大変大きな役割りを果たすということについては、これまでもこういう成果を上げてきたわけでございますし、国といたしましても、稲の品種改良に、特に最近は品質改良ということに重点を置いてきているわけでございます。御案内のように、最近ではコシヒカリとかササニシキとか、こういったような国が育成をしました品種が非常に大きなウエートを占めているわけでございますが、まだ寒冷地あるいは条件の悪いところで必ずしも良質の品種がつくられる状況になっておりませんので、こういった点については目下非常に力を入れて努力しているところでございます。 最近北海道ではキタヒカりあるいは青森ではアキヒカリ、こういったような耐冷性があって品質のよい品種が順次できておりますので、これを普及させることによってなお一層品質が改良されるものと思いますけれども、まだまだ十分ではございませんので、今後とも大いに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 ぜひひとつ、質の悪いものほど残る、いわゆるかすが残る、こういうことになりませんように、一層の各分野からの御努力をお願いいたしたいと思います。 次に、五十五年の十月末の過剰米は幾らになっておるのでしょうかな。
○政府委員(松本作衞君) 五十五年十月末の過剰米は六百六十五万トンというふうに見込んでおります。
○喜屋武眞榮君 そうすると、米が六百六十万トンですか。それと赤字はどうなっているのですか。
○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しました六百六十五万トンというのは、いわゆる在庫量でございまして、いわゆる過剰米と考えております五十三年産米までは約四百八十万ほどでございます。 なお、この過剰米につきましては、全体といたしまして五十四年度から五十八年度までの五カ年間にこれを処分をするということで計画的に進めておるわけでございますが、この全体数量が六百五十万トンほどになっておるわけでございまして、この六百五十万トンの過剰米を処理するための財政負担といたしましては、いわゆる売買差損だけで一兆三千億円というふうに見込んでおるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 非常にこのことは私は重大な問題であると理解しております。 それじゃ、この問題についてはなおお尋ねしたいのですが、時間が迫ってまいりましたので、これはまたあさってに続けることにいたしまして、最後に沖繩の米作についてぜひお尋ねしたいことがございます。 まず第一点は、沖繩の現状は多くとらえて二割自給八割移入——外国並びに本土から、こういう状態にあるわけですが、一体沖繩の米作の生産目標はどこまで持っていこうと政府としてはめどを持っておられるか。
○政府委員(二瓶博君) 沖繩県の農業につきましては、沖繩がわが国唯一の亜熱帯地帯でございますし、かつ台風の常襲地域といいますか、台風の来襲を受けることが多い地域であるというような特殊性から見まして、主要作物でございますサトウキビ、パイナップルの生産性を高めていく、それとともに、畜産、野菜等を振興いたしまして、作目の多様化と災害の回避を図りながら農業経営の安定化に努めておるということでございます。 そこで問題は、この沖繩県の稲作でございますが、立地条件等から見まして、サトウキビ、パイナップル等と比べて総体的に生産性なり収益性が稲作の方が低いということがございます。その上、現在水田利用再編対策、これを推進をいたしておりますが、それとの関連もございまして、近年稲作の作付面積、これは減少傾向を続けておるわけでございます。しかし、やはり土地利用の面からいたしまして、どうしても稲作が必要な地域につきましては、必要に応じて基盤整備なりあるいは栽培技術の改善というようなことも進めて、極力生産性を高めていきたいというふうに思っております。 ただ、ただいまお話ございましたように、沖繩の米の自給率をどうするかというような具体的なお話もあったわけでございますが、国全体としては、米につきましては今後とも完全自給ということを考えておるわけでございますけれども、県別にどこまでと、この自給率というものをブレークダウンしては考えておらないわけでございます。沖繩というこの亜熱帯地域の特性を生かした農業というものを総合的に振興していくという角度で考えるのが適切であろうか、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 政府の方針は大体わかりましたが、これに対してもまた後日にいたしたいと思います。 きょうは特に食管法と沖繩のつながりにおいてお尋ねしたいのが本旨であります。沖繩県は現在食管法は適用されていませんね、食管法は。それはなぜかと言いますと、沖繩復帰特別措置法第百十条によって、「当分の間」というこの布石があるわけなんですね。これによって食管法が適用されておらない。そうすると、「当分の間」という内容は、いつかはこれは本土並みに完全適用される、こういうことになるものだと私は理解いたすわけなのであります。その「当分の間」ということが解除されて本土並み完全適用、この見通しはどのように考えておられますか。
○政府委員(松本作衞君) 従来から、ただいま御指摘がありましたように、沖繩においては食管法の適用がされておらなかったわけでございますが、今回の食管法改正におきましては、いわゆる従来に準じた適用されない部分は残すわけでございますが、一方におきまして基本計画でありますとか沖繩県の消費者に対する供給計画のようなものについては、今回の法律の対象にしていきたいというふうに考えておりますとともに、また、緊急時において特に配給が必要になってくるような場合においても沖繩県も対象にしていくということで、部分的にこの食管法の対象に取り組んだわけでございますが、全体としてこの食管法を全面的に適用することにつきましては、やはりそれに応じた条件の整備がいろいろと必要になってくると思いますので、そういった条件の整備を今後進めながら考えていくというふうに思っておるわけでございまして、いまの時点でいつにするかというようなことについては明確にはお答えしかねるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 すみませんが、関連して、これで終わりますから、ぜひひとつよろしく。 それは私がそれをあえてお尋ねしますのは、この「当分の間」という特別法の措置によって、いま特別に処理されておると思います。ところが、実際問題といたしましては、本土並みという前提において五カ年の一応期限がありましたね。ところが、二次計画でさらにまた八カ年に延びた、この消費者米価の立場ですよ。ところが、いま長官がおっしゃった、そのときの経済事情によって配慮する、このことは非常に大事だと思います。 そこで、一応はめどとしては決まっておりますけれども、そのときの経済事情によってまた再検討、再考慮もあり得る、こういうふうに私は受けとめまして、ひとつ緩やかな、無理のない緩やかな移行を望みたい。 なぜかといいますと、いま実情は御承知かと思いますが、沖繩産米は、農協扱いになっておる。農協が扱っておる。それから、本土米は政府から委嘱された四つの卸業者がおるわけなんですね。四社が卸売をしておる。そのもとに約一万店の小売商があるわけなんです。一万店の小売商がある。ところが、これが私が緩やかにスムーズにと言いましたのは、この改正法によりますというと、これを適用する場合には、登録制から許可制に当然なるわけでありましょう。そうしますと、一万近い小売店は、これがすべて許可制になるということになりますと、そこに大混乱が起こる可能性が十分予想されます。で、これをスムーズになだらかに混乱が起こらぬように、こういう配慮をしてもらわなければ、ただ紋切り型に、もう何年来たからすばりと、こういう形でくると大混乱が起こるということを私は強く申し上げまして、そのような配慮をお願いをいたしたい、こういうわけで、そうしてこれは、百十四条の法改正も当然伴うわけでありますので、そういった点からも非常に問題を含んでおるわけでありますので、その点重々御配慮をお願いいたしたい、こういうことを申し上げて、大臣のひとつそれに対する所信をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(亀岡高夫君) いろいろ沖繩の特殊事情等を述べられたわけでございますが、沖繩の特殊事情等を十分しんしゃくをいたしまして、沖繩の県民の皆さん方の希望に沿えるような方向で検討を進めてまいりたいと考えます。
○喜屋武眞榮君 どうも失礼いたしました。時間を見誤って、まだ残っておりますので続けます。どうもありがとうございました。 次にお尋ねしたいことは、食管の特別会計の経理の仕方についてお尋ねしたいと思います。 食管といいますと、すぐ浮かんでくるのは赤字、赤字、食管赤字と、こういうことが潜在的にも言われるほど食管と赤字はつきものであります。そこでお尋ねいたしたいことは、私は、これまで食管赤字と問題にされておるその中身についていま一応検討してみる必要があるのではないか、こう思われてなりません。それは食管経理に入れるのか、あるいは一般会計に計上すべきであるのか、こういった使い分けをいま一度検討する必要があるのではないか、こういうことであります。 なぜそれを申し上げるかといいますと、私が調べたところによりますと、食糧管理費の赤字は、五十六年予算によると九千九百四十八億円となっておりますね。その中身を見ますと、一つは、食管繰入費が五千六百七十三億円、それから水田利用再編費が三千四百二十八億円、それから過剰米損費補てんが八百四十七億円、締めて九千九百四十八億円となっておりますね。そこで申し上げたいことは、米の消費拡大に要する経費、約百八十億円が食管の負担となっておりますね。百八十億負担となっておる。これは私は農政費として一般会計に計上すべきではないだろうか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 特別会計の予算の中に一般会計から支出すべきものがあるのではないかという点につきましては、これを直ちに一般会計に移しかえて支出をするか、それとも、特別会計の中で操作をいたしますが、その財源については一般会計から負担をしていただくかという両面があろうかと思っております。 ただいま御指摘がありました学校給食のための安売りに伴います財政負担というようなものが、いまの消費拡大に対する財政支出になっておるわけでございますが、これは特別会計の中で安く売るということをやっておりますから、どうしても特別会計の中で支出をしなければならないわけでございますが、そのための財源といたしましては、先ほどお述べになりました特別会計への繰入額、五千億余の中で、これは処理をするということで、財源としては一般会計の負担に仰いでおりますけれども、会計上の処理といたしましては、あくまでも米の売却に伴います損失でございますので、特別会計に計上をしておるというような事情があるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 私の見解では、いわゆる赤字、赤字の食管赤字を幾分でも解消していくためにも、この問題は検討に値するのではないかと、こういう意図を持っておったわけでありますが、さらに御検討の余地があるならばひとつ検討をしていただきたい。 次に、備蓄量は、平常においては、ランニングストックといいますか、これは百万トン、それにネットの備蓄が百万トン、計二百万トンということになっておるようでありますが、このネットの百万トンについては、食管経費ではなく、これまた一般会計に計上すべき一般農政費ではないだろうかと、こう思うわけなんですが、これはいかがでしょうか。
○政府委員(松本作衞君) 備蓄につきましては、この備蓄の中におきまして、やはり国民の安全保障に相当する部分があることは御指摘のとおりであろうと思っております。ただ、これは会計処理の問題でございますが、やはり備蓄に相当する部分についてかかる経費、保管料等を別建てにして一般会計で処理をするということはなかなか技術的にも困難でありますので、やはり特別会計の中でそれは一応負担をいたしますが、その特別会計で負担をしたものについては、一般会計からの財政支出によってこの財源を補うという形で特別会計繰り入れというものが必要になってくるものというふうに考えておりまして、特別会計の中で計上しておりましても、特別会計の自前で負担をしなければならない部分と、それから御指摘のように一般会計の財政負担で支出をすべきものと両面があるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、この特別会計に対する繰入額は単なる食管赤字ということではなくて、やはり重要な政策的な経費を含んでおるというふうに私ども考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 これも私いまお聞きして一応理解もできるわけでありますが、やっぱり世評には、食管赤字、赤字と言いながらこのようなことをしたのじゃ、これは国民を、言葉はきついかも知れませんが、これは国民の声ですよ、国民といっても限度がありますが、国民をごまかしていると言わなければいけないということまで言う方もおりますよ。私もはっとして、なるほどそうかなと、こう思って、これは検討の余地があるとするならば十分この際検討してもらわなければいけない、こういう気持ちでこの問題を取り上げた次第であります。検討の余地があるとするならば、やっぱり食管赤字を幾分でも軽くしていくという、減らしていくというこの配慮は非常に大事であると思うのです。そういうことを私は率直に申し上げまして、ちょうど時間が参りましたので、終わります。
○田渕哲也君 まず初めに大臣に、食管制度がいままで果たしてきた役割りについて、どのように評価されるか。メリット、デメリット、すなわち功罪両面についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧管理制度は、戦後の日本の国づくりのために、敗戦に打ちひしがれた終戦直後数年は特別の事態といたしまして、しかし、このときにもこのときなりに食管の果たした役割りは私は非常に多かろうと思います。いろいろな政治的配慮というものもあったわけでありますけれども、やはり食管制度によって、米の集荷、配給等によって、餓死者が多く出るであろうと言われたときでも餓死者を出さずに乗り切ることができた。もちろん、外国からの援助ということもあったわけでありますから、食管の制度の効用ばかりではないわけでありますけれども、それなりに終戦直後も大きく効果を発揮してきたと。その後二十年代の後半から三十年代、四十年代にわたりまして、今日までとにもかくにも食糧問題で国民に不安を余り持たせなかった。第一次石油ショックのときでさえも、食糧に対する不安を感じた方はいないし、また去年のあのような世界的な異常気象に基づく減産という、不作という事態があり、日本でさえも一千万トンを割るという米の大凶作という事態に遭っても、国民は食糧に不安を感じなくて済んだ。こういうように、とにかく日本の発展を支えてきた一つの大きな柱をなしてきた、こう見ることができると思うわけであります。 そのデメリットは何かという御指摘でございますが、強いてデメリットと言えば、これは一般会計からの支出を非常に補てんをしなければ食管会計を維持することができないような情勢が続いておるということが、強いて言えばあるいはデメリットかもしれませんけれども、見方によっては、これだけの日本を育てるための食糧の保険料と思えば、私はそう大きな出費ではなかったのではないかなと、こう私個人の感懐としては、おしかりを受けるかもしれませんけれども、そんな感じを持っておる次第でございます。
○田渕哲也君 大臣の答弁をごく簡潔に言いますと、メリットの方は米の安定供給ができたということだと思います。それから、デメリットは財政負担の増大ということだと思いますけれども、私はもう少しあると思うのですね。 メリットの方は、米の安定供給と同時に、やはり農家の所得補償がこれによってできた。特に第二次産業が急激に発展する中で、第二次産業の所得と農家の所得のバランスをとってきた。その中に食管制度が果たしてきた役割りはきわめて大きいと思うのです。 それからデメリットの方は、財政負担の増大もさることながら、やはり高米価というものを来しておる。やはり日本の米が高いとか安いとかいろいろ基準があるでしょうけれども、国際価格と比べても非常に高い。それから現在学校給食を米にせよというような議論もありますけれども、これも六割補助というようなことをしなければなかなか進まない。これはやはり米価が高過ぎるのではないか。これはやはり食管制度がもたらしたデメリットではなかろうか。それからもう一つは、農業の構造改善とか生産性向上、こういった面で、もちろんこれは食管制度だけでできるものではないと思いますけれども、余りはかばかしい効果が上がっていない。それから米の、これは配給制度があるから当然でありますけれども、いざというときの安定は確保できるかわりに、流通部門の効率化ということがある程度阻害されてきているのじゃないか。この点については、私がいま申し上げた点についてはどう思われますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点は私も率直に認めていい、こういう感じがいたします。そういう点になりますれば、やはりもっともっと米作農業に農家の積極性というものを加える——積極性というものにブレーキが少しかかったかなという感じもしないわけではございません。と同時に、食品工業の面から見ても、やはりなかなか食品工業原料として入手ができないというために、そういう面でのおくれというものもこれは認めないわけにはいかぬのではないかという感じもいたします。 しかし私は、高米価とおっしゃったわけでありますが、それだけ所得の高い日本において、やはりその労働時間を勤労者の一時間並みの労働時間で米をつくればそのようになる、ならざるを得ないということも認めていかないと、農業をやる人もなくなるのではないかなという感じもいたしますので、その点は、確かに急速に一般産業の方が、農業以外の産業が非常に急速に伸びたために、農業の部門が生産性の向上の面でなかなか追いつけなかったという事態も、これは日本においてはむげに見捨てるわけにはいかない問題ではないか、こう私は考えます。
○田渕哲也君 私は、農家の所得を維持向上する、そのための補償が必要だということは否定しません。また、それについて食管制度は大きな役割りを果たしてきたことも否定できないと思います。私が言っているのは、農家の所得を補償しながら、しかも生産性向上をもう少し進めて——もちろん第二次産業と同じにはいきません。いきませんけれども、もう少し進めて、高米価の程度をもう少し下げることはできないかということを申し上げておるわけで、やはり、食管制度の果たしたきわめて功績もあればマイナス面もあるというのが私は現実ではないかと思うのです。 それで、食管法の改正に当たって、私は、食管制度というものの、これから時代が変わり、状況が変わるわけですから、いつまでも固定しておくというのは誤りで、やはり時代に沿って改善をしていく必要がある。その改善の方向というのは、食管制度の果たしてきた役割りは正当に評価し、そういう面は維持発展させながら、さらにデメリットの面は改善をしていく、それによってこそ国民経済に寄与がさらに大きくなるし、また国民全体のためになると思うのです。そういう観点から私は食管法というものを考えていきたいと思うのです。 ここで、もう一つの要素としての食糧の安全保障の重要性が非常に言われ出しておるわけですけれども、食糧の安全保障と食管制度の関係についてどう考えられますか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧は国民生活にとって最も基礎的な物資であり、安定的供給の確保はわが国の総合的な安全保障にとって重要な課題であることは申すまでもございません。食糧の安定的供給を図るためには、国土、資源に制約があるわが国では、国内生産と輸入を組み合わせて食糧の安定供給を図ってきておるわけでありまして、今後もその道をとらざるを得ない、こう考えております。米とか野菜とか、果実、畜産物はもとより、輸入度の高い麦類あるいは大豆についても、できるだけ国内で生産できるような努力が必要でありまして、長期見通しについてもその点を取り上げておるところでございます。そうして自給力の強化を図らなければならないということであります。 と同時に、輸入問題につきましても、やはりどのような事態になっても、危険分散をいたしまして、輸入先をできるだけ多くの国に分散を図るという着想も私は大事であろう、こう思う次第でございます。 と同時に、やはり農業生産に意欲を持つ人がいないとこれはもう安全保障も生産もできない、生産ができなければ安全保障体制もできない、こういうことでありますので、優良農地の確保でありますとか、水資源の活用を図るための施策でありますとか、そういうものをやはり大事にしてまいらなければならないということが先般の農政審議会からの答申にも示してあるところでございます。 こういう食糧の安全保障を確立してまいりますために食管法が果たしておる役割りというものは私は非常に大きいと。とにかく、米はもう一〇〇%自給できる体制をつくり上げてきておりますのは食管法があったからと、こう言っても過言ではないわけでございますので、この食管の運営を適切にやり、麦類関係の、せめても、めん類等に使う麦類はできるだけ国内産の麦で賄えるようにしていこうというようなことで自給力を強化をしてまいる、これが安全保障の一つの大きな役割りを果たすものと考えておりますので、食管法は、わが国の安全保障を確立してまいりますための一つの大きな柱であるというふうに考えております。
○田渕哲也君 一般には、食管制度というものは食糧の安全保障のために必要な制度である、このように考えられるのが常識だと思うのです。ところが、私は若干それに疑問を持つわけです。なぜかというと、食糧の安全保障というのは米だけではない。確かに米の自給率は一〇〇%以上は維持されてきたけれども、全体の食糧から見た場合、たとえば、昭和三十五年と昭和五十四年と比較しますと、主食用穀物は、昭和三十五年の時点で八九%の自給率であった。現在はそれが六九%に低下しております。それから、穀物全体、飼料用も含めた全体では八二%の自給率が三三%に低下しておる。それから、農業の生産量そのものが非常に低下しております。米は、三十四年で一千二百八十五万トン生産したものが五十四年では一千百九十五万トンに減っておる。米ですら減っておる。穀類全体では一千七百十万トンが一千二百九十五万トン、豆類は、九十一万トンが三十九万トン、みんな主要穀物は生産が減っております。それに反して、輸入量が物すごくふえているわけです。穀類が四百五十万トンが二千五百三十万トン、豆が、百十八万トンが四百四十二万トン、きわめて膨大な輸入の増大であります。 食管制度というものがずっとありながら、結果としては、主食用穀物を初め穀物全体を見ても、生産は非常に低下し、自給率は低下しておる。これは、食管制度というものが本当に食糧の安全保障に寄与したのかどうか、この結果から見た場合に私は疑問だと思いますけれども、どうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、もし、食管法がなかりせばと考えてみれば、その辺の問題点に答えが出てくるのじゃないかなという感じがいたすわけです。去年になって輸入農林水産物資が二百八十九億ドルですか、五十五年が二百九十数億ドルですか、いずれにいたしましても、とにかく非常に農林水産物資の輸入が急激にふえてまいった。これが、もし食管法という法律がなかったならばどうなったろうか、こう考えますと、麦なんかは、間接統制にしたというために、とにかく農地の利用率を一三三%まで持っていったその麦作がもうがたがたと後退して、とにかく、現在、一〇三%の土地利用率しか発揮できないという状態です。これは、非常に日本の経済成長が急激に参りましたから、もし、食管法がなかったら米まであんなふうな事態になったのかなあという心配、感じもいたすわけです。 そういう意味においては、やはり食管法というものが日本の農業政策の中核を守ってきた一つの大きな柱ではあるまいか、私はこういうふうに考えるわけであります。この点は先生とあるいは考え方を異にするかもしれませんが、私はそういうふうに考えます。
○田渕哲也君 確かに、米については非常に効果があったと思うのです。ところが、反面、それが逆に他の穀物については裏目に出た要素がある。だから、総合的に見た場合は必ずしも成功していない、これがこの数字ではっきり結果に出ているのじゃないかと思うのです。この点はどうですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その点が、私も先ほど申し上げましたように、日本の経済成長が非常に急激でありましたために、農業関係の所得がそれに追いつかないというために米に集中したという点は確かにあろうかと思いますが、しかし、やはり米が農家の基本収入としてがっちりと農村を支えてくれたと。そのために、その力を活用をして日本の農村の米以外のやはり野菜でありますとか、果物でありますとか、あるいは畜産でありますとか、林業でありますとか、そういう方面に対する間接的影響というものが、私は組合運動を通じ、あるいは農政運動を通じ、大きくやっぱり力になってきたというふうに見たいと、こう考えます。
○田渕哲也君 先ほども申し上げたとおり、私は農業の所得補償ということはきわめて重要だと思うのです。それは否定するものじゃありませんけれども、その役割りを食管制度が果たしてきた。ということは、米だけにその役割りを負わせてきたのではないかという気がするわけです。だから、これ農業の所得補償というのは考えてみたら一種の社会政策だと思うのですね。だから、これは食管法という形でそれをやらなくても、ほかの形でやる方法はなかったのだろうかと。そうすると、現在のような米偏重にならず、米偏重ということは防げて、もう少しバランスのとれた農業の発展ができたのではないか。それから、現在、いわゆる中核農家の育成ということが必ずしも成功しておりませんけれども、これも私は農家の所得補償というやり方が食管法に依存し過ぎてきた、そういうことの弊害が出ておるのではないか。だから農業の所得補償という形態をもう少し工夫できないものかということなんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 農業の所得補償という点での価格政策の機能という面はございますが、価格政策がすべてそうした面だけをするわけではないと私ども考えております。やはり食糧を供給する産業としての価格政策の立場と需要する側との関係において価格が決定される。その価格はすべての農家の所得を一切補償するという観点ではないだろうというふうに私ども考えております。米だけではなく、そうした考え方におきまして、不足払い、牛乳におきましてもそうした制度はとられておるわけでございますが、やはり価格政策が一切の所得を補償するというような考え方よりも、むしろ農業自体の生産性の向上によりまして所得の確保という面もあるわけでございます。そうした面でのやはり構造政策と並んで価格政策が表裏一体になるような政策がとられるべきだろうと。むしろ私どもとしては、そうした観点で価格政策のみの立場ではなく、構造政策、さらには生産政策、あわせて全体の農業生産が進むことを私どもは考えておるわけでございます。あるいは別途給付金とか、あるいはそうした方式が言われることも聞くわけでございますが、やはり農業の一つの業として考えてまいります際に、そうした生産、構造、価格の三面にわたりました整合性を持って政策が進むべきじゃないかと、このように考えております。
○田渕哲也君 私は、食管制度というものがきわめて重要視されるというのは、単なる米政策だけではないと思うんですね。やっぱり農業の所得補償も含めた社会政策的な意味を負わされているからだと思うのです。それが私は米にばかりおぶさり過ぎるから今日のような過剰米の問題が生じたりあるいは高米価の問題が生じたりしておると思うのです。だから、もう少し所得補償のやり方を変えるということも検討してみていいのじゃないかと思います。急激に変えるわけにいかないでしょうけれども、その弊害がやっぱり出てきておるような気がするわけですね。 それから安全保障の問題に戻りますけれども、食糧の安全保障のために一体どういう政策をすればいいのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(渡邊五郎君) 食糧の安全保障の問題は、昨年の農政審議会以来課題とされております。具体的には、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、これまでの輸入国との間の外交関係で輸入の安定的な確保についての常時の努力ということが必要でございますが、同時に、やはりある種の不測の事態ということを想定いたしますと、短期間の対策といたしましては、やはり備蓄政策という観点から、現在麦あるいは飼料穀物等に、大豆等にとられておりますが、備蓄対策によって対応をすべき——たとえばかつてごさいました港湾スト、その他輸出国のトラブルに発生いたします調整はそうした短期間の対策によって調整すべきだろう。また、この規模は五十六年度におきましても拡充するというふうにいたしておりますが、なおこれらが長期化するあるいは不作が同時並行的に起きるというふうな問題といたしますと、やはり長期的な観点から私どもこれからの安全保障を考えていかなければならない。スイスのような各種の事例もございます。私ども、今後そうした事態におきます国民の食生活の水準なりをどの程度に設定して、期間をかげながらこの栄養水準を確保するような措置ということは農政審議会からも課題として出ておりまして、省内に現在チームをつくりまして検討をしておる段階でございまして、いずれそうした方式を私ども固めたいと、このように考えております。
○田渕哲也君 私は食糧の安全保障政策というのは、結局有事の場合にも国民の食糧を確保できるということだと思いますけれども、その有事でもいろいろな形があるわけで、いわゆる不作とかそういう面もあれば、あるいは戦乱とかそういうことで外国から入ってこなくなるという面もあるというふうに思うのですけれども、やはり最も基礎的なものは国内の生産力の増強ではないかと思うのです。つまり、自給率の向上だと思います。ただ、この自給率の向上も、結局生産性というもの、それから価格がある程度安くできるということと無関係には考えられないと思うのですね。生産性の向上や価格の低減を伴わない自給率の向上をやると、補助金ばかりたくさん要るか、あるいは価格差を補給せぬといかぬというようなことで、とても財政負担にたえられなくなるだろうと思います。だから、私はやっぱり農業の基本的な力をつけることが最も自給率の向上につながるのであって、食糧の安全保障につながると思うのですね。だから、やっぱり生産性の向上や低コストの農業をつくるということを無視して食糧の安全保障はあり得ないと思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) おっしゃる趣旨はごもっともでございます。常時そうした形での自給度の向上を図るにつきましても、中核的農家なりを中心にしましたこれからの構造政策を進める過程におきまして、生産性の向上を図りながら、当然自給度の向上を図るべきものだと考えております。
○田渕哲也君 理想的に言えば、やはり農業の国際競争力が強いというのは本当は一番安全保障力になると思うのです。アメリカのような国は圧倒的に食糧の安全保障の面では強いわけですけれども、日本の場合は国情が違うから一律にそうはいかないと思いますけれども。それと同時に、安全保障という立場からすると、そういう経済の合理性のみならず、ある程度の安全保障という観点からの国民の負担ということも考えられていいと思うのです。防衛費の安定などそうだと思うのですけれども、これはもうまるっきり出すばかりですけれども、これもそれだけの財政負担というものは、いざというときの安全保障の必要のために国民がその負担にたえるわけです。食糧の場合もある程度そういう部分があってもいいと思うのです。ただ、余りそれが過大になるとこれは維持できなくなる。米の場合はだんだんそうなりつつあるのではないかという気がするわけですね。この食管費が五十六年度で実に九千九百四十八億円。この食管費だけが安全保障費として負担されておるだけではありません。非常に日本の米価が高い。国際価格と単純に比較することは私は誤りだと思いますけれども、それでも何倍かの高さである。合計すると大体二兆円以上のものを米のための安全保障費として国民が負担しておると同じ理屈になる。これは少し右回過ぎるのじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(松本作衞君) 私ども、食糧管理制度が御指摘のように安全保障の役割りをなしておると考えておりますので、そのための財政負担につきましてはある程度一般国民に負担をしていただく必要があると考えておるわけでございますが、現時点において改善の余地がないかということになりますれば、やはり改善の余地があろうかと考えておりますので、過剰に伴います財政負担をできるだけ少なくしていく、逆ざやの適正化を図っていく、それからまた管理経費についてもできるだけの合理化を図っていくというような形で、この食糧管理に伴います財政負担の節減に努めてまいる必要があるというふうに考えております。
○田渕哲也君 やはりこの農業の生産力をつけるということ、それから自給率を高めるということが安全保障のためのきわめて基本的要件だと思います。 それと同時に、非常事態に対応する政策です。先ほど少し答弁の中でも触れられましたけれども、私はまず第一に備蓄だと思うのですね。最も手っ取り早く間に合うのが備蓄ではないか。それから第二はやはり需給統制だと思います、今度の食管法改正でも、いざというときの配給制度というのは入れられておりますけれども。当面は備蓄で賄う、それから需給統制をやってアンバランスな供給にならないようにする。それから第三は、やはり耕地を拡大する、あるいは作物転換をしてよりカロリーの生産の高いものに変える。それから労働力もそのときには足らなくなると思いますから、労働力の増大を図る。こういうことによってこの農業生産を増大するという、こういうことがやはり有事の程度に応じて段階を踏んで実行されることが必要だと思いますけれども、私はこういうことば有事になってからあわててもいけないので、やはり平時においてある程度の計画をつくり、それの実行について国民にも理解を求めて合意を得ておくことが必要ではないかと思うのですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のような点は、最もそうした典型としまして、スイスの例のあれは、国民投票によりまして一つの備蓄の体系と、さらに有事の発生後におきます三カ年におきます御指摘のような労働力あるいは耕地の拡大、国民の栄養水準の確保につきましての計画を策定し、かつまた各段階におきます、家庭、政府、民間におきます各段階の備蓄についての指導等をしている例もございます。私どもこうした調査資料なりをいま収集しておる段階でございまして、ただ、御指摘の中にもございましたように、有事の程度、あるいはわが国のような場合には石油資源を相当輸入に頼っている、これらのものとの組み合わせた関係での相当きめ細かく判断を要する問題がある。昨年、私どもも一つの試案を出したことがございますが、まだそうした前提についての諸要素、諸要因につきまして分析し、かつ吟味していかなければならない各種の問題があるということから、この四月から私どもも新たなチームを編成いたしまして、おっしゃるような趣旨の平時から備えをいたしたいということで作業を開始した段階でございます。
○田渕哲也君 次に、食管制度をこれからどうするかということについて少し質問をしたいと思いますけれども、私は現在の食管制度はいろいろな面で壁に当たりつつある、行き詰まりつつあるのではないかと思っております。 一つは、やはり過剰米の問題でありますけれども、これだけ過剰米がふえたというのも、私は食管制度の需給調整機能というものが十分働かなかったからではないかと思うのです。この点についてはいかがですか。
○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法は、いわゆる食糧不足時代に、不足する食糧を公正に、公平に配分するというような形の仕組みになっておりますために、御指摘ありましたように、需給調整に関する考え方、仕組みというようなものが明確でもありませんし、また、過剰、不足、そういった需給状況の変化に対応して食管制度の運営を円滑にするというような点についても制度的に必ずしも明らかになっておらなかったわけでございます。運用面におきまして、生産調整に伴います限度数量等によりましてできるだけ過剰を生じないようにというような努力はしてまいりましたが、やはりこういった需給調整機能が制度上必ずしも明確ではなかったという点がこういった過剰をもたらす一つの要因になっておったのではないかと考えておるわけでございます。
○田渕哲也君 それともう一つは、減反とか転作ということが本当にスムーズに進むのだろうかという危惧があるわけです。現在は水田利用再編対策費ということでかなりの補助、奨励金を出しておるわけですけれども、今後減反、転作がふえていくと、この奨励金というのも非常に莫大な金額に上って、いずれ財政負担が増大して維持できなくなるのではないか。また、財政負担を減らせば減反、転作が定着するかどうか、こういう矛盾にぶち当たると思うのですね。この点はいかがですか。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策を五十三年度からおおむね十カ年の長期的な事業ということで進めておるわけでございます。御案内のように、第一期といいますのが五十三年度から五十五年度でございまして、いずれも目標を上回る転作実績を上げてきたわけでございます。 そこで、本年度から五十八年度まで、第二期対策ということになるわけでございますが、その際に、転作等目標面積等につきましても拡大をいたしたわけでございますが、同時に、転作奨励補助金等の水準体系等につきましては、稲作所得と転作作物の所得のギャップの関係等を勘案をし、さらに、やはり足腰の強い転作営農を育てるというような観点からいたしまして、団地化加算等を設けるというような工夫などもいたしまして、全体的な面では奨励金水準といいますか、のものは合理化を図ったわけでございます。現在この新しく設定した奨励補助金の水準体系のもとで転作を進めておるわけでございますが、その際も、やはり生産性が高くて定着性のある転作営農の育成を図る。しかも転作目標は達成をするという角度で進めたいというふうに思っております。 なお、今後さらに五十九年度以降どうするかという問題につきましては、さらにその時点で具体的な転作目標の規模なり、あるいは奨励金の水準体系等もさらに見直すということになろうかと思います。具体的な財政負担等がどうなるのかというようなことにつきましては、現在そういうような具体的なあれはまだ詰まっておりません。その段階になりまして検討するわけでございますので、明確には申し上げかねるわけでございます。
○田渕哲也君 今回の食管法の改正は、この現在の食管制度のそういう問題点あるいは矛盾点、こういう問題について抜本的な対策を避けて、現状追認にとどまっておると言われる節もあります。この点はどうなのか。 それから、今回の改正のねらいは何なのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 現行の食管制度は、食糧不足時を前提といたしまして、いわゆる配給制度による量的な公平配分というような理念に基づいた制度になっておりますので、そういった点から、実態と法律のたてまえが乖離をするというような問題が出てきておるわけでございます。したがいまして、一方において、従来食管制度の枠内において改善をしてまいりましたものを法律上明確にするという意味での現状追認的な色彩があることも事実でございますが、一方におきまして、いま申し上げましたように、法律のたとまえと実態が乖離しております点を是正をするという意味では、実態に即した改正をいたしておるつもりでございます。しかし、この法律の基本となります考え方、いわば自主流通も含めて国民の必要とする米を政府が責任を持って管理して消費者に安定的に供給するという点は、これは変えないという考え方でおるわけでございます。 この改正の今回のねらいは、そういった従来の法律のたとまえと実態との乖離を是正いたしますとともに、これによりまして、いままでいろいろと御議論をいただきました食糧の安全保障というような役割りを果たすということもより明確にさせていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○田渕哲也君 今度の改正の中で、一つのポイントとして、米穀の管理に対する基本計画の策定ということがあるわけです。これはいままでかなり委員会でも論議されてきておりますけれども、これは法律の趣旨説明の中で、米穀の需給調整、その他本法の目的を遂行するためにやるんだと。主な目的は米穀の需給調整のためであるというふうにも理解できるわけであります。 〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕 ところが、委員会における政府側の答弁は、これは生産調整とは直接関係がないのだということを言っておられますけれども、この点はいかがなんですか。
○政府委員(松本作衞君) 基本計画がねらいといたしまして需給の調整を図っていくということは御指摘のとおりでございますが、この場合の需給の調整を図ります、いわゆる総需給の均衡を図るという点につきましては、生産調整の考え方と一致すると考えておりまして、私ども生産調整と関係がないというふうには考えておらないわけでございます。したがいまして、生産調整に基づいて限度数量を決めておるわけでございますが、この限度数量の考え方と基本計画の考え方というものも関連を持っておるというふうに考えるわけでございます。ただ、この基本計画をつくることによって生産調整を具体的に強制をするというような性格のものではないということを申しておるわけでございまして、基本計画はこういった政府の需給に関する基本的な方針、見通しでございまして、これは関係者にとっては指針として活用していただくべきものというふうに考えておるわけでございますので、そういう意味で直接生産調整を強制するというものではないということを申し上げておるわけでございます。
○田渕哲也君 この生産調整については法的強制力はないとされておりますけれども、法的強制力がないとすると、何によって生産調整をやるのか。これはたとえば価格操作といいますか、価格政策、いわゆる市場原理に基づく生産調整というのが一つある。もう一つは、この補助金政策で転換をした方が有利だからということでやる方法があると、このいずれかだと思いますけれども、今後どちらでやられる予定ですか。
○政府委員(二瓶博君) 現在水田利用再編対策ということで、米の一種の生産調整を進めておるわけでございますけれども、これはあくまでも農家の理解と協力を得てということで、いわば行政措置ということでやっておるわけでございます。その際の手段といたしまして奨励補助金というものを交付をいたしておるわけでございまして、その水準体系を決めます際には、定着性というような問題ももちろんございますが、稲作所得と転作作物所得との所得ギャップを埋めるというようなことも重要な勘案要素としてこの水準体系を決めておる、そういう補助金政策ということでやっておるわけでございます。
○田渕哲也君 補助金政策でやると言っても、私は農家の自由意思だけで決められてはいないと思うのですね。やっぱり法的強制力がないと言いながら、予約限度制度を設けて、それ以上つくっても買わないぞというようなことで半強制的にやられるから、奨励金もあることだし、いやいや転作をするというのが実情ではないかと思うのです。私はそれも一つの方法だけれども、それの結果一つの弊害が出てきておると思うのですね。たとえば米の生産が余っておるから生産を減らす場合に、本当は、米の生産に適したコストも安く品質もいいところが残って、その逆のところが今度は転換していくということになると理想的なわけですけれども、必ずしもそうはなっていない。 〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕 政府の決めた基準によって強制的に転換をさせられる。その結果が、私はこの適地適産ということに逆行する面も一部出ておるのではないか、この点はいかがですか。
○政府委員(二瓶博君) この水田利用再編対策を進めます際に、転作等目標面積というものをまずナショナルベースといいますか、全国ベースで決めるわけでございます。五十六年度の場合は六十三万一千ヘクタールということになるわけですが、問題は、これを今度国の場合は都道府県別に配分をいたします。配分を受けました県はさらに市町村別、市町村長さんはさらに農業者別ということでおろしていって、理解と協力を得て推進をしていくという仕組みをとっているわけでございますが、その際に、国が都道府県別に配分をするというときに、配分要素というものを考えまして、一つの基準をつくってやるわけでございます。その際には、やはり食味のいいところは比較的残そうとか、排水条件の悪いところ、そういう面も考えるとかいうことで、当初五十三年度にやりました際には、地域分担的な思想を相当取り入れたやり方でやったわけでございます。このときは三十九万一千ヘクタールという配分でございました。 ところが、だんだんこの転作等目標面積がふえてきております。五十五年度は十四万四千ヘクタール上積みをいたしました。そういうこともあり、さらに第二期の場合には十四万二千上積みする六十七万七千。初年度の五十六年度は、先ほど申し上げましたように冷害配慮がありましてちょっと減っておりますが。したがいまして、その際にだんだん上積みがふえるということでございまして、非常にきついところもあるということで、ある程度平等的な要素も取り入れなくちゃならぬということもございます。そういうことで、先生のおっしゃる地域分担的な思想というものも取り込み、さらにだんだん数量がふえてくるということも考えまして、すべての稲作農家に協力をいただくという角度から、均等割り的な要素も加味して第二期の配分は行っておるということで、考え方としては、先生のおっしゃるような思想も配分の中には取り入れて考えておるというふうに理解をいたすわけでございます。
○田渕哲也君 次に、流通部門についてお伺いをしますけれども、これはどういう方向に持っていこうとされるのか。まあ法制が緩和されたということですけれども、競争原理の導入についてどう考えられるか。あるいは効率的な流通ということも言われておりますけれども、これはどのような方向でそれを実現されるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(松本作衞君) 従来の特に販売部門につきましては、配給制度でございましたので、行政的に個々の消費者まで割り当てを行って、その行政的な措置に基づいて流通が行われるというような形、たてまえになっておったわけでございますが、今回の制度改正によりましてこういった配給制度を廃止することにいたしましたので、政府といたしましては、卸売業者まで現物を供給いたしまして、卸売、小売段階につきましては、販売業者が消費者のニーズに基づいて適正な販売をしていくという責任を持つことになるわけでございます。したがいまして、この販売部門につきましては、活発ないわゆる自主的な商業活動というものを期待をいたしまして、それによって需要の動向に対応した安定的な供給を確保しようと考えております。そういう点から、一方におきましては安定的な供給が確保できるためのいわゆる流通秩序というものを保っていく必要があるというふうに考えておりまして、その意味では流通ルートを特定をするというふうに考えるわけでございますが、一方におきましては消費者の需要の動向に対応いたしました適切な販売活動が必要でございますので、活発な販売活動を促進いたしますためには、ある程度の競争条件ということも考えていく必要があろうかと思っております。したがいまして、そういった流通秩序の維持、安定性という点と、活発な適切な販売活動をするための条件づくりというものを両方勘案しながら、今後の流通改善を進めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○田渕哲也君 今回の改正で米穀業者の登録制が許可制になったわけですけれども、この許可制ということは新規参入の抑制につながらないだろうか。また、それが競争原理の導入に逆行するのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(松本作衞君) 販売業界につきましては、いま申し上げましたように、いわゆる責任を持って消費者に対して数量のみならず品質、販売方法等につきましても適切な供給をしてもらうというようなことから、やはりそれらの流通ルートを特定をいたしますとともに、こういった販売業者の活動につきまして絶えず指導監督ができるような条件に置く必要があるというふうに考えまして許可制をとったわけでございますが、この許可制を具体的に発動するに当たりましては、先ほど申しましたように、消費者の需要にこたえて適切な販売ができるような流通条件の改善ということが必要であろうかと考えておりますので、地域の必要性に応じて新規参入というものも考えてまいる必要があるというふうに思っておりまして、そのために具体的な地域ごとの実態に対応する商業調整というようなことも必要になってくるかと考えておるわけでございます。
○田渕哲也君 既成の米屋との意見調整機関を設置するということですけれども、具体的にこれはどのような構成になるのか、あるいはどのような運営がされるのか、お伺いいたします。
○政府委員(松本作衞君) 既成の小売店と新規参入をする場合の商業調整のあり方につきまして、都道府県段階に所要の調整の場を設けたいと考えておりますが、これは現在都道府県に置かれております米穀流通適正化協議会というようなものを活用することも一つの案ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○田渕哲也君 それから、やみ業者の取り締まりは具体的にどうするのか。たとえば神奈川県では正規の業者三千に対してやみ業者が三千もあると、大体同数あると言われておりますけれども、これが完全にシャットアウトできるのですか、いかがですか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘ありました神奈川におけるやみ業者というのは、主として無登録の販売店の場合であろうかと思っておりますが、これらの販売業者につきましては、これはあくまでも不正規業者ということで、今後の販売業者の許可に当たりましては厳格な態度で臨んでまいりたいと考えておるわけでございます。一方、こういったやみ業者が発生する原因といたしましては、消費者の需要に対応する店舗の配置が適正であるかどうかという問題があろうかと思いますので、地域の実態に応じて適正な店舗の増大を図っていくというようなことも考えてまいる必要があろうかと思いまして、その点につきましては、先ほど申しました新規参入というようなところで検討してまいりたいと思っております。
○田渕哲也君 そうすると、いままでの無登録業者も許可申請をすれば中には認めるものもあるということになりますか。
○政府委員(松本作衞君) 無登録の実態が必ずしも明確ではございませんが、そういった食管法違法の事実が明確であるような場合には、これは今後の許可の対象にはならないというふうに考えておるわけでございます。
○田渕哲也君 たとえば今度不正規流通の取り締まりを厳格にしてそういうものを取り締まった場合に、やはり消費者に対する供給面できわめて不便になるということはあり得ないですか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたように、そういった消費者に対して消費者のニーズに応じた供給をする点に不便をかけるということがないように、その点につきましては新規参入のあり方を地域によって考え、先ほど申しましたような商業調整的な機関も通じまして適正な店舗の配置ということについての検討を進める必要があると考えております。
○田渕哲也君 不正規流通米、すなわちやみ米が発生するにはそれなりの原因があると思うのです。その原因は何とお考えですか。
○政府委員(松本作衞君) やみ米の発生原因といたしましては、一つは、農家の段階におきましていわゆる農家の保有米の一部が不正規業者等を通じて流通をする場合と、それからもう一つは、政府の販売いたしました米が流通段階において消化し切れない場合に、これが横流れしてやみ米として流通するというような場合があろうかと思いますが、それぞれの場合につきまして今回流通ルートの特定をいたしましたので、これらの集荷業販売業者に対する十分な指導監督の中で取り締まっていくほか、こういった指定許可を受けていないいわゆる不正規の業者の販売活動につきましても、罰則を設けてこれを厳格に取り締まっていくようにしてまいりたいと考えております。
○田渕哲也君 やみ米発生の原因というのは種々あると思いますけれども、次のようなケースも考えられると思うのです。一つは、政府米、いわゆる標準価格米の配給といいますか、売買の場合、あるいは自主流通米にしても、完全に自由ではない。本当に好きなものが好きなだけもらえるわけではない。中には高品質米をもらおうと思えば品質の低いものを抱き合わせで買わされる。完全な自由売買ではないわけですね。それでそううものが品質と需要供給というものとぴったりマッチしない面がある。それからもう一つは、政府米の中には品質と価格というもののバランスがとれていない部分もある。そういうものを業者がもっと的確な価格で売りたい、まあもっともうけたい、あるいはもっと必要なところに持っていきたい、こういう流通経路が自然にやっぱりできてくると思うのです。これが一つのやみ米のルートだと思うのですね、発生の原因だと思うのです。それからもう一つは、この自主流通米が売れ残って、いわゆるUターン米と言われておりますけれども、政府米として買い上げてもらうという場合があるわけですけれども、その場合に価格が非常に安い。自主流通米でせっかくいい米を、余ったからといって安く売らなければならないのは損だと、これはもう自由米、やみ米としてやみに流そうということになる。それからもう一つは、予約限度超過米というのがあります。これは、予約限度を超えた米は自主流通米として扱われるといいますけれども、自主流通米には奨励金が出るけれども、予約限度超過米には奨励金が出ない。農家にとっては非常に不利です。それなら高く買ってくれるところがあればやみに流した方がいい。それからもう一つは、農家保有米というのがあるわけですけれども、これがちょっと過大に見積もられているのではないか。だから農家自体は食べ切れない米が余ってくる。こういうような種々の原因があると思うのですけれども、やみ米をなくそうと思えばこれらの原因を除かなければならないと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘のように、やみの発生原因にはいろいろあると思いますし、これを除くためにそれぞれについて手を打っていかなきゃならぬということは御指摘のとおりであると思っております。その一つの、いわゆる品質と需要がマッチしないような場合、または品質とその価格が対応し切れないような場合に正規米以外のやみ米が発生するという点については、今後いわゆる品質別需給ということを十分に計画的に考えることによって、できるだけ品質と需給をマッチさせるような運営に努めてまいりたいというふうに考えておりますし、また、品質と価格の関係につきましても、特に自主流通米の活用というようなことでこの点が補えることになるというふうに考えておるわけでございまして、きめの細かい流通を考えることによりまして不正規流通米が入ってくることがないように努力をしてまいりたいと思っております。ただ、この場合に、私ども消費者の方々にも、いわゆるやみ米が品質的にいいかどうかということについては必ずしも明確な保証があるわけではございませんので、一方におきまして、正規米については消費者の段階で明確にわかるような品質表示を徹底させることにしておりますので、消費者の方々にも、こういった正規米の品質の保証されたものを需要していただくように御協力をいただく必要があるかと考えております。それからまた、農家の段階におきまして、限度超過米または農家保有米というものが不正規流通の原因になる危険性があるという御指摘がございますが、このような点につきましては従来からも指摘されておる点でございますので、私ども、限度超過米につきましては、やはり自主流通米のルートで適正に流通されるよう指導いたしますとともに、農家保有米につきましては、できるだけ集荷業者の努力によりまして全量集荷ができるように今後集荷の促進に努めてまいりたい、それによりまして農家段階におけるこういった過剰な米が不正規流通に流れないような努力をしてまいりたいと思っております。 なお、自主流通米が売れ残って不正規米になるという点につきましては、自主流通米につきましてはやはり農協等が管理をしておる米でございますから、事実、自主流通米が売れ残った場合がございますが、そのような場合にも、農協の管理下において特別の価格で売っておったというような実績からいたしまして、この自主流通米のルートに乗ったものがやみ米に行くということはほとんどないのではないだろうかというふうに考えております。
○委員長(井上吉夫君) 本案に対する本日の質疑はこの程度といたします。 次回の委員会な明三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十六分散会 —————・—————