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94回国会参議院1981/05/28

農林水産委員会 第13号

発言数
409
登壇者
7
会派数
5
開催日
1981/05/28

会議録

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、坂倉藤吾君が委員を辞任され、その補欠として広田幸一君が選任されました。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 食糧管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 さきに国会に提出された農業白書は、農業基本法制定以来二十年の農政を総括していますが、そこに描き出されているものは、農産物の選択的拡大や構造改善が意図したように進まなかった農政の歴史であります。白書も指摘しておりますように、現在の農業生産は過剰と不足が同時に生じており、農業所得も減少し、農産物消費の伸びも減退をしております。農業がこのような事態になったということはいままで進めてきた政策の欠陥によるものである。また、第一次産業製品の需要の落ち込みは、勤労者の所得が目減りをするような経済政策の結果によるものと言わざるを得ません。農業白書では、農業をこれまで追い込んできたことについての政府としての反省はほとんど読み取れないわけであります。  大臣は自民党の政府が今日まで進めてきた農政をどのように反省をしておるのか、そして今日のような状態の上に立って今後どのような農政を展開をしていこうとされるのか、まず基本的な見解を尋ねます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農業者の所得を都市並みにということで農業基本法が制定されまして二十年間、この間に法に基づく長期見通し等を制定をいたしまして、それに基づいて進めてまいったわけであります。しかるところ、まあ私は農業の面における基本法農政というものは、ある程度基本法の精神を生かす路線を進むことができたと。ただ、ここに当時の日本の一般経済の進展ぶり、成長ぶりがこれほど急速に伸びるという見通しはだれもつかなかった、そこにいろいろと農政面における反省というものが起きるような結果が生じてまいったと、こういうふうに私は見たいわけであります。しかし、現実においては、いろいろ御指摘にありましたような点が出てきたことはこれはもう争い得ない現実であるわけでございます。  農業基本法が示しました目標の観念で農業の動向をとらえてみますと、生産につきましては、食糧消費の増加と多様化に伴って、畜産物、野菜、果実等のいわゆる選択的拡大というふうに考えておりました面の生産は拡大いたしたわけでありますけれども、麦とかあるいは大豆などは、その生産は極端に減少をしてきたという状態になり、また米は、目標は達成したのでありますが、消費が減退してきておりますために過剰となっておると、こういう状態が現実でございます。  また生産性につきましても、製造業の生産性の伸びが農業より大きかったこと、それから、格差の是正はもっともっと縮まるべきであったと思うのでありますが、格差の是正は基本法で期待したほど是正されておらないという状態が続いておるわけでありまして、まあ幸いと申しますか、農外所得の増加等によって辛うじて勤労者の世帯の生活水準と均衡を図っておると、こういう現状でございます。  構造改善につきましても、養豚、養鶏等の中小家畜あるいは施設園芸等の面においては、規模拡大による生産性の向上等が相当進んだわけでありますけれども、稲作などの土地利用型農業では生産規模拡大というものが非常に停滞をしておるというのも、これは御指摘のとおりでございます。  したがいまして、今後の農政は、このような動向を背景といたしまして、昨年農政審から答申のありました「八〇年代の農政の基本方向」と、閣議決定をいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」を踏まえまして、需要面では、米などのわが国風土に適した基本食糧を中心とした日本型食生活を確立をしてまいる努力を続けますとともに、生産面では、生産性の向上を図りながら、国内で生産可能なものはできるだけ国内で生産を賄うという基本的な考え方を立てまして、需要の動向に応じた態勢、過剰なものから不足なものへの農業生産の再編成を進めていこうと、こういう方針を立てておるわけでございます。  また、価格政策につきましても、価格の持つ需給調整機能の面を重視してその運用に努めろと農政審からも答申が出ておるわけでありますので、そのような精神も取り入れなければならぬのではないかと考えておりまするし、さらに農用地利用増進事業、これは昨年国会でも法制定をしていただきましたその精神を十分に活用させていただきまして、農用地利用増進事業により、地域ぐるみの話し合いを基礎とした経営規模の拡大を図らなければならないと考えております。  と同時に、いつも申し上げております農業技術の向上、さらには普及と農業生産基盤の整備をどうしてもこれはやはりやっていかなければならぬわけでありますので、この点に力を入れてまいりたい。  いずれにいたしましても、今後経営規模の拡大等につきましては、やはり農村の地域社会の持っておる特性、そういうものを巧みに活用をしてまいるというために、やはりコミュニケーションを持つということが非常に大事でありますので、心の通う地域社会の整備を進めていくということ、これは最近いろいろ農業外から批判は出ておりますけれども、私はこういう点は非常に大事な問題であるとして進めてまいりたい、こんな感じを持っておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま大臣から答弁があったように、農業を取り巻く情勢が厳しいとき、またこれから農業発展のために果たさなければならない課題が多いときに、食管法の改正案が今回提案されたわけであります。  食管法は、昭和十七年に制定されて以来、農業の発展や食糧の安定供給に寄与してきたわけでありますが、反面、いまお話がありましたように、過剰と不足が共存するという食糧をめぐる厳しい情勢、あるいはまた米の過剰等の深刻な問題を抱えており、食管制度改革の提言がなされてきたことも事実であります。大臣は食管法の今日まで果たしてきた役割り、その功罪をどのように評価しており、また今回なぜ改正をしなければならないというふうにお考えになっていますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 食管制度は、主食であります米について国が責任を持って国民に安定的に供給してまいりますとともに、その必要量を確保することを通じて国民の食生活の安定を図り、わが国農業の基幹である稲作農業の安定を支えてまいった、国民食糧の確保と国民経済の安定にきわめて重要な役割りを果たしてきたと、こう考えております。  戦後四十年近い間、とにかくこの食管法のおかげで、まあ終戦直後食糧に困った時代は別といたしまして、独立して以来今日まで、とにかく主食の問題によって食糧の不安を国民に与えたということは一度もない。石油ショックのとき並びに昨年のあの冷害のとき、あのような時代においてすら、主食については国民は全く心配の片りんさえも示さずに乗り切ることができた、こういう事態を見てまいりましても、この食管制度というものが果たした役割りは大きい。特に消費者から、米価審議会等におきましても、この制度はもう堅持をしてほしいと、もう生産者以上に強い声で消費者代表からもそういう声が聞かれるということ、そのこと自体が私はこの食糧管理法というものが主食の供給に非常に大きな役割りを果たしてきたと、こう考えております。  しかし、この現行制度は、御承知のように食糧が不足の時代にできた法律でありますために、需給の変動に応じた米の管理という考え方や方法が法律上実は明らかにされておりません。また最近、需給均衡を回復させなければいかぬ、需給均衡を図らなければならないというような状態になってきておるわけでありますので、この面においても、現在の食管法、現行の食管法はきちんとこれに対応する規定等がない。また、品質面を重視してまいっております消費者の多様な米に対するニーズに対する対応というものが、現行法ではまあ全くないと言ってもいい状態でございまして、流通面の乱れがやっぱりそういう点から出てきておると、こう言えるわけであります。  もう一つは、購入券制度に見られるように、制度のたてまえと実態とが著しく乖離をしておるという問題が実際にあるわけであります。このまま放置いたしてまいりますと、せっかく消費者からも生産者からも堅持してほしいというこの制度が、食管の制度が空洞化してまいるということになりますと、いろんなやはり批判が起きてまいる。ここでやはり守られる食管法、本当に信頼される食管法、きちんとやっていける食管法という形にすることが私ども行政に携わる者の使命ではないかと、こういうことで、今回の食管法の提案ということで御審議をちょうだいしておると、こういうことにいたした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管法については、財界を中心として各方面からいろいろな提言が、意見が出されておりますが、その代表的なものは日経調の「食管制度の抜本的改正」という提言であります。提言の趣旨は、米の部分管理を基礎として、米の流通に一層競争原理を導入し、過剰生産の抑制、流通の合理化を図る、このようなものであるというふうに思います。また、現在進められている第二臨調においても、農業に対して厳しい態度を示しておりますが、その背景には、食管法に基づく財政の負担もあるというふうに思います。大臣はこれらの提言や動きをどのように受けとめておるのですか。そしてこうした提言を今度の改正に何らかの形で表現をしようとされたのですか。その辺について伺います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の改正案を国会に提出するに当たりましては、食管制度の根幹はこれはもうそのまま堅持をしていこうという態勢をとりました。したがいまして、日経協の提案等を改正案に盛り込む——特に部分管理とでも申しますか、私は日経協の提言はこれはもう部分管理である。約四分の一、二五%の、農家の生産した米、国の必要とする米の四分の一を持っておれば十分価格調整なり何なりで対応できるじゃないかという考え方のようであります。しかし、私は、主食をそういうふうにいたしました際にはやはり相当の不安が起きてくるのではないか。やはり相当な力を持った面で——さなきだに、モチ米等の買い占めで見られたとおり、また雑穀等のいわゆる相場というようなものを見ました場合に、米の主食を相場の対象にしてしょっちゅう価格の変動があるというようなことであっては、やっぱり国民生活に相当大きな不安を持つ。現在は国が米びつを持っておりますから、個人の家では米びつをほとんど持っている家はないと思うのです。大きな米びつ、私どもの子供のころには大きな一俵くらい入る米びつはみんなどこの家にもあったわけでありますが、いまはそういうことは必要ない。米屋さんに行けばいつでも買える。この安心感、これが私は現行法の一番の利点ではないかというふうに考えるわけでございます。  したがいまして、日経協の提言をそのまま採用していくというような気持ちは全く私はいまのところ持っておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 第二臨調が、どういう形で食管制度なり食管財政に打ち出してくるかは今後の問題であるというふうに思いますが、そういう場合でも大臣はこの食管法を守っていくのだ、現状は、基本は維持していくのだと、そういう態度をとられていかれますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) そのとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、食管制度が国民食糧の確保と経済の安定に重要な役割りを果たしてまいった、今後もそのような基本を維持していきたいという認識に立つとするならば、法律を改正しようとする際にはこれはむしろ強化改善すべきだというふうに私は思うのです。  そこで確認をしておきたいのですが、今度の改正は制度の実態と乖離部分の改正、いわば現状追認であって、この改正でもって米の直接管理体制から部分体制へ移行していくような、こういう考え方は毛頭ない、このことを確認されますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) そのとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 部分管理になる可能性があるかないかということはこれから論議をしてまいりたいというふうに思います。  そこで、次に進めますけれども、八〇年代のわが国の農政の課題は、食糧の安全保障をいかに確保するかということであるというふうに思うんです。食糧の安全保障については、改めて申すまでもありませんが、世界的に食糧不足時代が来ることが予想される中で、国民の最低必要量の食糧を国内で自給することがわが国の農政に課せられた最大の課題であります。食糧の安全保障については政府も強調しているところでありますけれども、具体的にどうするかということは明確でない。この食糧安保に関連をして食管制度はどのように考えますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 昨年の国会での御決議、食糧自給力強化に関する御決議、さらには農用地利用増進法の御制定等々、国会の御意思というものを十分に踏まえまして、さらにまた農政審の答申、特にこの農政審の答申には食糧安全保障の問題も非常に強く深く取り上げていただいておるわけでございまするし、それを踏まえて閣議決定をいたしましたところの生産と需要の長期見通しと、こういうものを一応目標にいたしましてこれからの行政を進めていこうということで、私どもも真剣に取り組んでおる次第でございます。  食糧は国民生活に最も基礎的な物資であり、その安定的供給の確保を図っていくことが国の総合的な安全保障にとってこれはきわめて重要な問題でありますので、その主要食糧の主食の集荷供給を図ってまいりますところの食糧管理制度というものをきちんとしてまいるということが、したがって、この安全保障問題を解決してまいりますための一つの大きな柱であると、私はこう考えておる次第でございます。したがいまして、米と麦につきまして国が責任を持って安定供給を図る、その必要量を確保することを通じて国民の食生活の安定を図る、稲作農業の農業経営の安定を支えてまいる、結果として国民食糧の確保と国民経済の安定に重要な役割りを果たすことになると、こういうこの食管制度でありますので、先ほど来申し上げてきておりますとおり、いろいろ守られない食管法でありますとか、もう食管の体制は崩れかかっておるのではないかとか、いろいろ批判をされ、指摘を受けてきておるわけでございまするし、しかも過剰の際、需給が安定した際の運営の指標が法律の中にないというようなことがございまして、守らなくてもいい食管法といったような空気さえ一部に出ておる。やはり法治国家として行政府にある私どもといたしましては、そういう点の改善を図って守られるように指導をしていける法的根拠をつくっていくということが大事であると、こう考えまして、きちんとして本当に守られる、消費者からも生産者からも信頼を受け、そうしていい法律であるという考え方のもとに主食を供給し、食生活安定の基本を支えていくというふうにすることが、私は私ども農林水産省におる者の役目であると、こういうふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管制度は食糧安保の大きな柱である、私もその点は同感でありますけれども、食糧の安全保障、自給度を高めるためには、食管制度の機能を一層強化しなければならないわけであります。食管制度の機能を強化するためには、まず第一に、食管が対象にしている食糧を米麦のみに限らず、飼料穀物、大豆まで拡大する必要があるというふうに私は思い、指摘をするのです。政府は飼料作物や麦や大豆を水田利用再編の転作作物として期待をしておりますけれども、輸入を野放しにしているような現状では、とてもこれらの作物が定着するというようなことは望めないわけなんです。穀物自給率を高めるためにも、特にこの飼料穀物を食管対象作物にして国の管理下に置く、そのことが重要な食糧安保ではないか、食管の機能ではないか、このように判断しますが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 飼料穀物が食糧問題として重要であることは当然でございますが、ただ、現在の食生活の実態からいたしまして、米、麦というようなものの大きさというものは、直接国民の食生活に大きな役割りを持っておるわけでございますし、一方におきまして、農産物としても米の主要農産物としての地位は非常に高いわけでございますので、こういった米麦を対象といたします食管制度におきましては、やはり管理の方式が米については直接管理であるというようなこともございまして、私ども飼料穀物等とは区別をして考えるべきものであるというふうに考えておるわけでございます。大豆、飼料穀物等につきましては、それぞれの価格政策、輸入制度というようなものがございますので、これらの点から言いましても、米、麦と同一に扱うということは困難でなかろうかというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 穀物の自給率は年々低下しておって、先ほど大臣の答弁にありますように、国会決議やあるいは農政審答申があってもなかなか向上してこない。それからこの見通しを見ると、六十五年には三〇%になる。これは政府みずから認めているところであります。これに対して農水省には、穀物自給度を高める具体的な対策は余り見受けられない。そこで私がこの飼料穀物を食管の対象にせよということは、食管の対象にこれらの穀物をして価格や流通の必要な措置を講ずれば、これは生産を刺激して自給率が高まることは確実である。また、えさ米を含めた飼料作物を政府管理として生産体制を整えておく。そうすれば、不測の事態には直ちにこれを、この生産体制を食糧穀物の生産に転換することができるではないか。また、改正案に盛られている基本計画にも、食糧を安定的に供給するためにはどうしても飼料穀物等もこの基本計画の中に対象にすべきだ、このように重ねて指摘しますが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法改正は、従来の食管法の基本を堅持をしておるわけでございますので、従来の食管法が米につきましての直接統制、麦につきましての間接統制という形でその管理をしておるということについての改正を図ろうとするものでございます。ただいま御指摘のように、飼料穀物等が今後の日本の自給力向上のために大きな役割りを持つことになることは当然でございますが、今回の食管法改正におきましては、この主食である米を中心とする改正というふうに考えておるわけでございまして、いまの段階におきましてこれ以上対象を拡大するということについては、なお多くの検討課題があろうかというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管法の第一条には、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為」にこういう法律があるのだという目的をうたってある。第五条には、「政府ハ必要アリト認ムルトキハ米穀及麦以外ノ主要食糧ノ買入又ハ売渡ヲ為スコトヲ得」と食管法でもうたってある。法的に言って、米麦以外のものをこの食管法の対象にするということは法律的にできないのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法におきましても、御指摘のように、主要食糧の定義におきまして、米穀、大麦、裸麦、小麦粉のほか、米粉等政令で定めるものを加えることが可能になっておるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、やはり現在の食管法は米、麦という主食を対象とした制度というふうに理解をいたしておりまして、この主食によって国民の食生活の重要部分を占めておるということから、特にこの主食についての米麦の管理を定めておるというふうに考えておるわけでございますので、ただいま御指摘のように範囲を広めていくということは、それ自体の農産物のあり方ないしは流通、価格のあり方、貿易のあり方というものに即してさらに検討すべき課題であろうというふうに考えておりまして、現状におきましてそれぞれの制度が仕組まれておるというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は提案された改正案にこんなものを入れろと言っているのじゃないのですね。今日いま入れろということじゃないんですよ。この法体系から言って、食管法の精神から言って、あるいは将来の展望の中からこうしたことが必要になってくるのではないか、検討しなければいけないのではないか、このことを指摘しているのですね。ですから、食管制度対象作物として私が指摘をしたような作物はできない、やる必要はないのか。絶対そんなことはやらなくてもいいというのか。あるいはまた、必要性は認めるけれども、輸入との関係あり、財政的な問題等があっていまはできないというのか。その辺はどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この食管法の考え方はあくまでも米穀、麦ということに対象を考えておると思っておりますので、この食管法の中で飼料穀物一般を扱うということは法の体系として困難ではないかというふうに考えておるわけでございますが、今後、飼料穀物というものが国内で大いに生産されるというような状況ができました段階におきまして、ただいま先生が御指摘のような問題について検討すべきことは当然であろうかと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管法を、米麦を中心にして政令等で運用をつくったり行ってきたからそういう答弁になってくるのですけれども、食管法第二条の主要食糧の定義についても、政令でもってこれは決めることができるということになっている。だから、将来の食糧の需給状況や将来展望から見れば、これは絶対食管法の対象にしてはならないということにはならないと思うのですけれども。私は基本的な考え方を聞くんですよ。絶対そういうことはできないのかどうか。どうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども現在の食管法の読み方といたしましては、主要食糧の管理というふうに考えておりまして、主要食糧といたしましては、法律上例示をされております米、麦を対象と考えておるわけでございますが、政令で定めるものというのは、こういった主要食糧という考え方の範囲内で米粉等のものが含まれるというふうに理解をしておるわけでございます。  ただいま先生がお話しありましたような、飼料穀物が今後大きな課題になってくるというような時点において、それに対応する制度というものがこの食管法でやるかどうかということについては、さらにこの食管法の考え方を大きく変えるということになろうかと思うわけでございますので、私どもといたしましては、やはり畜産のあり方と関連いたしました飼料穀物のあり方として検討すべき課題ではないかというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、この改正案では米麦、特に米を中心としての論議がされ、改正がされようとしておるのですけれども、この主要穀物の範囲を広めて、それをやっぱり国が管理をしていくのだと、この将来の展望が必要だというふうに思いますが、大臣はどういうふうに考えますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 私も、この食管法で米と麦以外のものを取り扱うということはいままでだれも考えていないのじゃないかなという感じが率直にするわけでございます。この条文を見ましても、価格の決定の仕方でありますとか、そういうものは米と麦のことが書いてありまして、ほかの、その他のことについては全く触れていないということ、まあ政令委任の問題につきましては、その米と麦がいろいろな形で流通される際にいろんな規制を政令で定めなさいよと、こういうふうにしてあるわけでございますので、私はやはり立法当時の経緯並びに今日までの長いこの食管制度の運営という、法律そのものが果たしてまいりました実態というものを振り返ってみましても、やはりいま食糧庁長官から答弁申し上げましたような考え方、これが私ども政府の考え方の基本であると、こう私も思う次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この食管法の条文を見ると、米麦中心にうたってあるわけですけれども、大臣、一方別な観点から、この食管法、この法律、本法にたとえ関係しなくても、米麦、それから大豆、飼料穀物、これらはやっぱり国が総合的に管理をしていくのだと、こういうさらに強固な法体系なり国の組織をつくらなければならない、私はこのことも指摘しているのですが、どういうふうにお考えですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) そういうお気持ちは十分理解できるわけであります。したがいまして、政府におきましても、農産物価格安定法、畜産物価格安定法、繭糸価格安定法等々、その作目の特質等を十分踏んまえた、それぞれのその法制度によってその生産の伸展を図る、さらに価格の対策を講ずると、そういう処置をとってきておるわけでございまして、その点は食管法に一緒に扱っておらないからといって何もしていないというわけではないと、それぞれの作目ごとに適切なる施策の運営をすることによって生産を上げてまいる、これがすなわち自給力を高めていく一つの方策であるということでありますので、そのような法律がそれぞれございますので、それらの法律の問題としてやっぱり考えてしかるべきではないかと、こんなふうに私は思う次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いろいろな法律や制度のあることも承知をしておりますが、それらの法律や制度を使っても、先ほど申しましたような主要穀物の自給度が上がってこない。だから、政府の現在までとってきたこと、あるいは現状は非常に手ぬるいと思うのですよ。だから、そこで社会党は、今回のこの食管法改正案に対峙して、米穀、麦、大豆、飼料作物などの主要食糧を政府が管理するための総合食糧管理法をこの国会に提出して、先ごろも提案説明をしたとおりなんです。食糧の自給度を高め、日本農業を発展させるためには、こういう社会党のような考え方でなくてはならないのではないか。この社会党の提案をどういうふうに評価しますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 一つの考え方かとも思います。しかし、私どもといたしましてはやはり私どもの今日まで進めてまいりました点でやっていきたいと、こう考えておるわけでございまして、社会党提案の法案につきましては当委員会で御結論をお出しになるわけでございましょうし、私どもとしては一つの構想であり、考え方であると、こう申し上げる以外に、まあ批判は差し控えさせていただいた方が御審議に支障を来さないと、こんな感じを持つわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 政府の改正案を、これから私も、きょう持ち時間三時間で、あとまだずっと時間がありますから検討していきますが、これを検討していけばいくほどいろいろな問題点があり、やはりこんなことで本当に食糧の安定供給が確保できるかどうか疑問に思うのですね。ですから、食糧の確保や自給率の向上あるいは農民の生活や地位の向上のためにも、食管制度、あるいは別な名前の法律でもいいですが、そうしたものをつくることが、やっぱり社会党のような考え方が政府の案よりもいかにまさっているか、そのことがやがてこの論議の中でわかってくると思いますから、そこでひとつ、大臣も余り批判を加えないということでありますから、改正案を指摘することによってこの改正案が期待できないということを申し上げておきたいというように思うのです。  そこで、政府は、いままで食管法の根幹を守る、こういうことを歴代農水大臣も公約をしてきたわけでありますが、最近は根幹とは言わず基本を維持するということになっている。特にこの言葉が変わったのは、亀岡大臣になって、ことしから基本を維持するということに変わったのですね。この根幹と基本とはどう違うのですか。そして、政府が維持しようとする食管法の基本とは、具体的に言ってどういうことなんですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 食管制度のいわゆる根幹とこう言ってきたわけでございますが、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保をして国民経済の安定を図るため、政府が米の需給及び価格を調整をして米の流通について必要な規制を行うということが根幹であるというふうに考えており、このことは今度の改正案につきましてもきちっとそのまま踏襲をしておりまして、言葉だけ「配給ノ統制」という言葉を「流通ノ規制」というふうにさしていただいたということでありまして、その精神は変わっておらないと、こういうことでございます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、現行の食管制度は食糧不足のときのことを前提として、特に配給制度による量的な公平配分という理念に立ってまいったわけでありますので、このままでは昨今の需給事情等に即応し切れないという問題が出てきておるわけでございます。したがいまして、今回の食管法の改正は、こうした問題に対処するため、自主流通米も含めて国民の必要とする米を国が責任を持って管理をする、自主流通米も含めて全部の米を管理をすると、こういうことでございまして、その安定供給を図るという現行制度の基本を維持しながら、過剰、不足、いかなる食糧事情にも的確に対応し得るような制度に再編成したいというのが今回の改正案であるわけでございます。  何遍も申し上げるわけでありますが、いわゆる制度の根幹は何ら変更するものではないと、こういうことでありまして、基本と根幹がどう違うという御指摘でありますけれども、言葉の違いはありましてもそう内容は私は変わっていないと、こういうふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その政府が維持しようとする基本ですね。いま大臣から答弁もあったのですが、もう一回この基本とは何か。大臣としての見解を簡潔でいいですから示してください。ということは、私は何回もこの基本問題、根幹問題について当委員会や予算委員会でもやったのですが、答弁する人によってニュアンスが大分違っているのですね。大臣によって違っているんですよ。だから亀岡さん、あなたの言われるこの食管法の基本とは何か。これひとつ、大臣も、もちろん食糧庁長官も見解を異にするわけじゃないと思いますが、大臣はこう言ったけれども長官はこう言ったという変なことがないように統一した見解を示してください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど大臣からもお答えいたしましたように、私ども根幹と考えておりますのは、食管法の第一条の「目的」が根幹に当たるというふうに考えておるわけでございまして、具体的には、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保し、国民経済の安定を図るため、政府が米の需給及び価格を調整し、米の流通について必要な規制を行うという、この「目的」に書いてある趣旨が私ども制度の根幹であると考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、従来の「配給ノ統制」という表現をより包括的な概念であります「流通ノ規制」ということに改めました関係もございまして、その点を含めて基本というふうな表現をとっておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、食管法の基本は第一条の「目的」にあるというような答弁だったのですが、そうであるというふうに思うのですけれども、その「目的」に書かれている文句と、いま基本であるという発言のあった、国民の基本的な食糧である米の必要量を確保してという、「目的」にはこんなことは書いてないですね。「目的」は米だけうたっているわけじゃないのです。必要量も確保も言っていないわけですね。あえて皆さん方の基本と言われるときには、米の必要量を確保するということを非常に強調されておるわけですね。これは食管法の基本に照らしてどういうことなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま食管法の基本について申し上げましたのは、米についてこれを言えばという考え方でございまして、当然、先ほど来御議論がありましたように麦も含めて考えておるわけでございますが、現在議論の対象になっておりますのは米でございますので、米について言えばということで申し上げた次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 同じことが麦についても言えるわけですね。  そこで、私は食管法の根幹というのは、国民食糧を確保し、国民経済の安定を図るために、これを法体系で法律的に言うならば、一つには米の全量を政府が買い入れること、二つ目には生産者米価と消費者米価とそれぞれ異なった原理で決めるいわゆる二重米価制であること、三つ目には米の流通を国家によって管理をすること、四つ目には米麦の輸出入を国家が一元的に管理をする、おおよそこの四点であるというふうに思いますけれども、米麦管理の現実面やあるいは流通面、米の過剰面だけでとらえるのではなくて、食管法という法体系から見て政府はどういうふうに思いますか、私の指摘に対して。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私どもも御指摘の点とほぼ同様に考えておるわけでございますが、この具体的な内容といたしましては、米につきまして政府が必要とする数量を管理をするということ、それから、これに必要な価格につきましては、再生産を確保する価格として買い入れ価格を決めるということ、それから第三点は、消費者に対して責任を持って供給を図るということ、そのための売り渡し価格は、消費者家計の安定を旨として定めるということ、それから米の流通につきまして必要な規制をして国による管理を明確にするということ、それといわゆる米麦についての輸出入の管理をする、規制をする、この点になろうかと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私の見解と異なっているのはそんなにないわけですけれども、その中で大きく異なっているのは、政府は米の必要とする数量を管理するのだということが、私の指摘をした食管法で言う米の全量買い上げ、これと大きく違っているわけですね。  そこで、私が全量買い上げが食管法の根幹である、少なくとも今日まであったのです。そのことの法的な根拠は、第三条、四条、八条にあるわけです。この法的な根拠があるにもかかわらず、政府は食管法を今日まで政令その他の改正によって空洞化をしてきた。その中心になるのが予約限度制度であって、四十六年に予約限度制度を導入する前までは、これはこの法律が制定されてからそれまで、生産者が政府に売り渡そうとする量を政府は全量を買い上げた、また買い上げなければならなかった。ときには強権発動によって供出をさせた。ところが予約限度数量を設けて、これから後はそういうことをしなくなってきたけれども、予約限度数量の法的な根拠はどこにあるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来、ただいま御指摘にあった点はいろいろと議論をされたと聞いておりますが、私どもこの予約限度数量、すなわち必要量を管理するという法的な根拠は、従来、第三条の「命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府二売渡スベシ」という表現によって裏づけられておるというふうに説明しておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その命令は何ですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 政令によりまして、政府に売り渡すべき米穀に関する政令というものでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 つまり、政令によって予約限度数量を定めてある。つまり、昭和四十六年度から、この政令によって政府が全量を買い上げなくてもいいんだ、あるいは全量買い上げをしないという一つの法的根拠として第三条と政令を用いた、このことは間違いないわけですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) そのとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 だから、全量買い上げを否定してきた法的根拠は四十六年度の政令にある。今回の改正によって、第二条に米の管理に関する基本計画を設けてある。政府の買い入れ量を決める、この改正に関連をして、三条、四条、八条を改正する。このことは従来政令によって運用してきたことを、あるいは政令によって法を空洞化したことを本法によって正当化しようとするものである。つまり、食管法、法そのものによっていままで政令でやってきたことを正当化しようとするものである。したがって、この法律が通るとすれば、政府は米は全量買い上げなど行いませんよということを法律的に堂々と言うことができるようになるのです。改正案はこのことをねらっているのじゃないですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいまも申し上げましたように、従来から食管法において政府が買い入れるべき数量は命令で定めるものということで、政令によってその数量を決めておったわけでございますが、今回、一方におきまして基本計画をつくりまして、全体の需給管理の数量を明確にしていくということとも関連をいたしまして、政府が買い入れるべき、管理すべき数量というものを明確にいたしまして、これを法律上も規定をしたということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 だからいろいろ今日まで議論があった、政令によってこの法律の解釈を曲げてはならないと。法律は全量買い上げだと、政令によって全量買い上げをしなくてもいいようになったと、それを今回は法律を改正して全量買い上げをしなくてもいいのだと。その法的根拠を与えることになる。私は食管法の根幹の問題だと思うのですよ。どうですか、もう一回答弁してください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来から私どもは必要とする数量を管理するという考え方で、具体的にも政令に基づき限度数量を設けて実施をしておるわけでございますが、今回そういった実態をより法律上明確にするということにいたしましたのは、基本計画をつくりまして全体としての需給の方向づけをしていくということ、それから自主流通米につきましても法律上規定を明確にするという関係を含めまして、法律上政府の管理すべき数量というものを明確にした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 くどいようですけれども、法律上政府が買い上げるべき数量、つまり限度数量ですね、これを明確にしたということですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 御指摘のとおりであると考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 だから、食管法を強めるのではない、政府の買い入れるみずからの責任を明確にして、これ以上は買いませんよということを法律上明らかにしたのが今回の改正案だと、私はだから重要な意義を持っていると思うのです。そのことに関連しては後ほどまた伺ってまいります。  それから、次の第二点目に私が指摘をした米価の算定ですが、生産者米価と消費者米価をそれぞれ異なった原理で決める、したがって逆ざやは当然生ずる、これは食管法の根幹として今後も守っていくべきだというふうに思いますけれども、今後も米価決定に当たっては、食管法第二条、それから四条の明文ですね、この精神にのっとって二重米価制を堅持するのかどうか。二重米価制を表面に出さなくても結果的に二重米価制になるのですけれども、これは堅持してまいりますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正におきましては、価格に関する規定は直しておりませんので、従来どおり、生産者米価につきましては再生産の確保を旨とし、また売り渡し価格につきましては消費者の家計の安定を旨として定めるという、従来の法律の精神に従って実施をしてまいる考えでございます。ただ、そのことが当然逆ざやになるかどうかということは、それぞれの価格の適正な決定の結果でございまして、私ども当然のこととして逆ざやを考えるかどうかということはまた別問題であろうというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 当然逆ざやになるかどうかということは、生産者米価と消費者米価の決定の根拠が違うのですから、逆ざやになることは、大体のことは、大体そういうふうになるであろうということはわかるわけですね。あるいは逆ざやと言っても今度は逆にまたなる場合があるのですね。消費者米価の方が高くなるかもしれない。ですから、いずれにしてもこれは二重米価制である。しかし、二重米価制であるけれども、生産者の立場を、生産者価格を保護した、そのことを重点にしたこの二重米価制である、食管法の精神はそうであるというふうに私は理解するのです。  そこで、米の政府による管理ですけれども、政府は今回の法律改正に当たっては、政府による米の全量管理を基本としたものであって、だから食管法の基本は維持していくと、先ほど来強調しているところでありますけれども、全量管理についてこの確認を改めて求めるとともに、全量管理とは具体的な運用についてどのようなものを指すのか、それについて明らかにしてください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 必要とする米を全量管理するという考え方は、先ほど来申し上げておるとおりでございますが、具体的に申し上げますと、政府の買い入れ、売り渡しをする米、それから自主流通米、その他政府の流通の規制を行う米ということで全量管理を考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 具体的に言って、全量管理とは、端的に申し上げますけれども、農家が生産をする米で、農家の保有米と、今回の改正案で示されておる縁故米、贈答米を除いたもの、それ以外の米は政府が管理をする、こういう解釈でいいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 管理の考え方といたしまして、具体的に規制の対象になりますのは、ただいま先生が御指摘のように、総生産額から農家消費量、それから縁故米等を除くことになるわけでございまして、それ以外は規制の対象になるということで管理をするという考え方でございますが、しかしいま申しました農家消費等につきましても、これが動く場合は規制の対象になるという意味において潜在的な管理の対象になっておるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 改正案は、いま答弁がありましたような縁故米や贈答米などを認めることになるわけですけれども、政府の管理すべき米穀の数量からはこれは除かれる、枠外になるわけなんです。そうすると、全量管理との整合性はどのように考えるのか。そして、縁故米や贈答米の数量や流通についてはどういうふうに考えていますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 縁故米につきましては、農家の段階におきまして無償に譲渡されるものというふうに考えておりまして、これにつきましては、実質上農家のこういった流通を全部把握をして規制をするということも困難であろう、またその必要性にも乏しいということで、今回は規制の対象から外したわけでございますが、このことは、先ほど申しましたように、農家の縁故米等も含めまして、これが直接規制の対象になる可能性もあるということを含むわけでございますので、具体的には管理の対象にいたしませんけれども、潜在的には管理の対象になっておるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農家の保有米あるいは縁故米、贈答米などでも、市場に出回って流通段階になれば政府の管理下に入るということの答弁があったわけですけれども、そうだとするならば、贈答米でもあるいは縁故米でも、一定の数量的なものをやっぱり示さなければ、幾らでもやっていいというわけにはいかないでしょう。それはどういうふうにお考えですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、縁故米につきましては、農家の段階で農家の親族等に対して無償で譲渡されるものを認めていこうというふうに考えております。また贈答米につきましては、消費者が一度買い受けました米を消費者間で無償に譲渡するというようなものについて考えておるわけでございますが、これらの流通につきましては、その数量もそれほど大きなものが出るとは考えられませんし、またこれを具体的に全部チェックをして流通規制の対象にするということも困難でございますので、今回は流通規制の対象からは外したわけでございますが、ただいま御指摘がありましたような、数量をあらかじめ決めるということではなくて、むしろ流通の段階において、これがいわゆる営業としての流通になるというようなこと、さらには不正規流通になるというようなことがないように十分な指導、チェックをしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 たとえば縁故米であっても、これを法律を悪用するというか、悪く運用しようとすれば、大量のものを縁故米だと称して無償でやりましたよという、表面的にはそういうふうになっておるけれども、その裏の取引ではまた有償に近いものになってくるというようなことですね。あるいはまた、これがそうしたものが市場に出回ってくるようになってくれば管理の対象になってくる、それを取り締まる、指導するというふうに言っているのですが、その指導は法律的にどういうふうに規定されているのですか。あるいは実際そういうことができるのですか。もうこれは縁故米については、縁故米と名がついて無償でやれば幾らでも構わぬというのですか。それはどういうふうに考えているのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正におきまして、流通ルートを特定をいたしまして、集荷業者につきましては農林水産大臣の指定制、販売業者につきましては都道府県知事の許可制という形で地位と責任を明確にした次第でございます。したがいまして、これらの業者につきましては、その許可ないしは指定の要件を含め、業務の実態につきましても業務の運営基準を明確にいたしましてこれを指導するという体制が明確にされましたので、それに基づきまして不正規米等の取り扱いをしないということを明確に指導できると考えております。それからまた、こういった指定または許可を受けておらない業者が米を取り扱った場合には、これにつきましても厳格な罰則規定を設けましてこれを排除するような仕組みになっておりますので、こういったいわゆる特定されない業者がこういったものを取り扱うということにつきましても十分な取り締まりができるというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 予約限度超過米または自主流通米として集荷したものが売れなくて残ったもの、いわゆるUターン米ですね、これは全量管理との関係でどう取り扱うのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 予約限度超過米につきましては、これは基本計画を作成する段階ではまだ見込まれないものでございますから、基本計画には含まれないわけでございますが、実際とれた段階におきまして、出来秋の段階におきましてこういった限度超過米が発生したという場合には、これを供給計画の中に入れまして適正に管理をするというふうに考えておるわけでございますが、その流通ルートといたしましては、政府買い入れは行いませんが、自主流通ルートによりまして集荷、販売されるというような形の流通ルートを明確にし、その適正な流通を規制をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、Uターンにつきましては、従来と同様、必要の場合にはUターンをするという考え方を持っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、確認をいたしますが、予約限度超過米は自主流通米として取り扱う、それからUターン米については政府が引き取る、このように確認していいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 限度超過米につきましては、これは政府買い入れもいたしませんし、また自主流通米そのものでもないというふうに考えておりまして、自主流通につきましてはあらかじめ自主流通計画に乗ったものを自主流通と考えておりますので、超過米については自主流通米とは区別をいたしますが、流通のルートといたしましては、自主流通と同様の集荷団体から指定された卸売業者に流通されるというふうな流通ルートを特定をして流通させるというふうに考えております。  それから、Uターンにつきましては、御指摘のとおり、従来どおりの考え方でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 限度超過米については、自主流通米ではないけれども、ルートだけ自主流通米と同じように扱う。そうすると、自主流通米に適用されている補助金だとかその他のものはこれには対象にはならないんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米はあくまでもこれは予約限度数量の枠内でございますし、先ほど来申しております国民食糧の確保のために必要な数量というふうに考えておりますから、これについては自主流通助成を当然出していくわけでございますが、限度超過米につきましては予約限度外でございまして、この自主流通米とは性格を異にするということで、助成等については考えておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それは大変問題があるのじゃないですか。もし、自主流通米としてルートだけ同じように取り扱って助成は違うんだということになれば、これまた不正規米、やみ米になる可能性もある。そして同時に、政府が生産調整の限度を示して農家、農民は協力をする、政府の示した減反面積よりも多く減反をした、にもかかわらず米は予約限度よりも多くとれた、政府の目標とする数量よりも多くとれた。このことは過去の実績が物語っているわけですね。その場合に、最初に政府が決めた予約限度数量分に相当するものは自主流通米として扱うけれども、限度を超えたいわゆる超過米についてはそれは勝手に皆さん方売っちゃいけないけれども、補助金の対象にも何にもしませんよ、これじゃ余り矛盾があるし、政府が勝手がよ過ぎると思うのですが、その点はどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 予約限度超過米につきましては、ただいま申し上げましたようにいわゆる必要な米としての限度外でございますので、必要内の米でございます自主流通米についての取り扱い、助成というようなものとは区別をするということがやむを得ない措置であろうと考えておるわけでございまして、最近におきましても、こういった助成をいたしておらないで取り扱っておるわけでございますが、あくまでも管理といたしましては全量管理の枠内に入れていく必要がございますので、供給計画にも乗せ、また流通ルートも特定をして取り扱いを定めていきたいというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、生産調整に協力して減反をした、なおかつ超過米が出たということですね。これについては、いま答弁のように、自主流通米としてルートだけ扱うけれども、補助金の対象にはしませんよ、自主流通米とは違いますよと、このことについてはどういうように思うのですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 天候等の影響によってそれだけ増収をしたということでありますので、その増収した分が天から与えられた奨励金と言ってもいいのではないかという感じもいたすわけでございますので、私は、長官から申し上げましたように、やっぱり約束事でございますので、約束した分はきちんとやりますと、その面はよけいとれたわけでありますので補助金なしでという点も理解してもらいたい、こういう気持ちでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、農林大臣が、予定したより米がとれたとするならばこれは天から与えられた奨励金と思え、補助金と思えなんて、そんな気持ちで大臣やってもらったら本当にたまらぬと思うんですよ。  そこで、私はいま申し上げたような超過米についても自主流通米と全く同じように扱え、このことがやみ米も出さない原因になるし、いわゆる米の管理から言っても適当な方法である、そのように強く指摘をするものですけれども、これはきょう質問が終わるわけじゃありませんから、課題を後まで、まだ私の持ち時間もありますから残しておきます。このまま私は認めることはできません。  それから、改正法の第三条には、政府の管理すべきものとされた米穀を政府に売り渡すことをすでに決めておるわけですね。ただし、政令の定めるところにより政府以外の者に売り渡しされるものはこの限りでない、こういう規定もあるわけであります。万一政令でもってUターン米がこのただし書きに該当されるようなことがあったらどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 第三条のただし書きは自主流通米についての規定でございますので、このことによりましてUターン米を禁止をするということではないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 では、Uターン米は改正案第三条のただし書きには絶対に該当させない、そういう確認をいただけますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 制度的にUターンをこの規定によって認めないということは考えておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次に、米の管理というのは単に流通の量だけを管理することではない、つまり、再生産を旨とする買い入れ価格あるいは家計の安定を旨とした売り渡し価格、こういうことを決定することも法律上管理の中に含まれる、そのように思いますが、その理解でよろしいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 需給及び価格の調整を図るということがこの法律の目的にも書かれておりますので、管理の内容に入ってくると思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そうすると、政府米の生産者米価は政府が決めるわけですね。自主流通米については、価格の面から政府が全量管理と言えるのですか。どのように管理をしているのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来も、自主流通米は、品質に応じた価格の形成を図るということによりまして、生産者に対しても品質に応じた価格が維持されてきておるわけでございますが、私ども、こういった自主流通米の品質に応じた価格というものが、直接的には当事者間の交渉によって定められておりますけれども、その水準等につきましては政府米の価格水準によって規定をされておるというふうに考えております。また、品質格差等につきましても必要な指導をいたしておるわけでございますので、このことによりまして、全く自主流通米の価格につきましては管理の対象外にしておるというふうには考えておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 品質に応じて価格を維持されており、当事者間で決める、あるいは政府の価格水準に準じて決められておると思う、そういうことですけれども、これは法律的に言ってどういうふうな決め方をしているのですか。自主流通米の価格はこういうふうに決めなさい、どこかにその条文があるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 価格につきましては、生産者価格の全体的な考え方の中において当事者間において決めるということでございまして、具体的に自主流通米の価格についての規定というものはございません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 価格の規定がなければ、価格についても全量管理の対象になるのだと言うけれども、管理することはできないじゃないですか。自主流通米をこんなに法的に認知をしていこうとすること、これは後ほど指摘をしますが、それならば価格についてこの改正案でどういうふうに明らかにしているのですか。あくまで当事者間の合意によって決める、ただ、政府米に準じよう、その指導方針だけでもって管理と言えるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米の価格につきましても、先ほど申しましたように、政府の買い入れ価格、売り渡し価格というものがベースになって決まってくるわけでございますので、その影響のもとにおいて価格形成がなされるという限りにおきましては、政府の定める価格と無関係に決まるものとは考えておりません。また、消費者段階等におきます価格につきましても指導を行っておるわけでございますので、そういった枠内で決まってくる自主流通米の価格につきましては、具体的に品質に応じて非常に細かく分かれてまいりますので、これを一々法定するということは困難であるわけでございますが、大筋におきましてこの自主流通米の価格水準というものが管理の中において定まってくるというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 つまり、政府の買い入れ価格なり、売り渡し価格のペースによって決めると。そのことを期待をしていることなんですね。あるいはまた性質によって異なるから全部決めることは困難であるということですから、私は全部決めないにしても、やはり何らかの法的な根拠は与えておかなければいけないではないか。特に、これから政府買い入れ米が少なくなって、自主流通米がどんどんふえてくるようないまの状況でしょう。今後もそうだと思うのですよ。そういう中で、やっぱり自主流通米の価格をどういうふうにしていくのだという基本的な考え方を、何か法的なものをあらわさなきゃいけない。そうでなかったらば、指導方針でこれやれるんだと言ったってとても徹底し切れませんよ。ともかく、管理の中には価格も入るのですから、その点についてはもう一度答弁してください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども、やはり自主流通というのは、品質に応じた適正な価格が形成され、それによって、農民にとっても品質によった価格が確保されるというメリットを持っておるというふうに考えておりますので、これを法定をして固定をするということはむずかしいし、また、その必要性も薄いのではないかというふうに考えておるわけでございまして、むしろ、全体の価格水準を政府の買い入れ価格、売り渡し価格について定めることによりまして、それから、適正な品質格差というものをもって定められてくるというふうに考えておりますので、その適正な範囲内によって決まっていくものと考えております。  また、この適正な範囲を超える場合には必要な指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 これもなかなか問題のあるところでありまして、かつて自主流通米が多量に出回って、銘柄米の価格の暴落したときもあるわけでありますね。だから、政府のこの買い入れの仕方によっては、これは価格にうんと影響してくるわけなんですね。品質別に決める、あるいは当事者間の取引で決める、そうは言っても、そのような価格に大きな影響をしてまいりますから、これを法的に、これは細かい基準は示さないとしても、何らかのやはり考え方は出さなければならないであろうというふうに私は思うのですけれども、そのことは指摘をして、また後ほどの答弁にこれ譲ってまいりたいと思うのです。  それから、自主流通米については政府が補助金を出しているわけですけれども、この自主流通米に対する補助金も行革の実はやり玉に上がっているわけですね。これは自主流通米を認めていく限りにおいては、今後とも続けていく、そのことを確約できますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 適正な自主流通米助成は今後とも続けていく必要があるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 必要があることはだれも認めているのですけれども、大臣、どうですか。いろいろこの問題がいま話題に上っておるようなんですけれども、自主流通米に対する補助金は続けていくのだ、いまよりも低下させないと、そういう大臣の決意と自信のほどを示してください。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、この自主流通米制度というものを法定していくわけでございますので、従来どおりの補助は続けていくというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 以上、私が指摘をしたように、自主流通米は政府が管理をすると言っても、その管理の仕組みにおいて、あるいは価格において政府米とは異なると。また、自主流通米の対象を四類から五類まで拡大したと。こうした結果とも相まって、予約限度数量の中に占める自主流通米の比率は非常に大きくなってきておる。政府は、今日まで政令でもって自主流通米を認めてきたわけでありますけれども、これまた今回の法改正によってこれを認知しようとしている。あるいはまた縁故米や贈答米もこれは法的に認めてくる。こうしたことから、今回の改正は、米の全量買い上げということを表面には言っておるけれども、これはまたそうした自主流通米を法的に認知をしていって、部分管理への道を開いてくる、こういうふうに指摘をされてもこれはいたし方ないじゃないか。つまり、今回の法律改正は自主流通米を法律的に認知をすることだ、このことは間違いないですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来から私ども、自主流通米は法的に認知されておるというふうに考えておるわけでございますが、ただ、その取り扱いを政令にゆだねておりましたものを、今回法律の面におきましても明確にしたというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私が法律的に認知をするのではないかというのは、いままで政令でもって決めていた。政令は国会で審議するわけじゃないでしょう。それを今度は法律の条文に入れるわけですね。ですから、法律として、本法としてこれを認めてくる。ですから、これは単なる現状追認である、大した改正はないと言われていることと違うのじゃないですか、それは。法律として認めていくということでしょう。これが認められれば、今後自主流通米がいいとか悪いとかわれわれ論議することはできないのですよ、この法律が通れば。どうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正におきまして、私どもは需給の状況に応じた計画的な管理をするというために基本計画をつくりまして、基本計画によって需給の調整を図っていこうということが一つの内容になっておるわけでございますが、この基本計画におきましては、品質、用途のほかに、流通における管理の態様別ということで、政府米、自主流通米別にこの計画をつくろうというふうに考えておるわけでございまして、こういった基本計画というようなものを明確にいたしますと、それでは管理における流通の態様別というような政府米と自主流通米というのが法律上どういうふうな位置づけになっておるのかということも必要になってまいりますので、第三条におきまして政府買い入れのただし書きといたしまして、自主流通米を位置づけた次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ですから、基本計画において、あるいはまた第三条のただし書きにおいて、自主流通米はいままでは政令によってともかく運用してきた、法律をともかくごまかしても運用してきたのだけれども、今度は法律上認知をされる、法律上の規定になる、このことは確認していいですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米について法律上明らかにした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 だから、私は先ほど来指摘をしているように、これだってやっぱり食管法の根幹に触れてくる問題だと。単なる現状追認や、現実との乖離が生じたから改正したなんてものじゃないですね。だから、法律の中身を追求していけばみんなそういう形になっているわけなんですよ。この問題については、また後ほど取り上げていきましょう。  そうして次は、私は食管法の根幹として挙げた第四点に、米麦の輸出入に対する政府の一元的管理、このことを指摘をし、これは確認されたわけであります。そこで、この際伺っておきたいのですけれども、輸入に関する問題として、麦の生産が上がった場合においては、その上がった分について輸入を削減していくのかどうか。わが国の農業はあるいは農産物は、輸入の増加によって自給率も低下をされたし、破壊もされてきた、このことは論をまたないと思うのです。そこで、水田再編対策などによって、生産が上がった分については輸入は減らしてくる。そのように麦については食管法上も考えているのかどうか。あるいは農産物全体として、わが国の生産可能な農産物については輸入をしない、こういう原則が確立できるかどうか。その辺について、これは大臣からひとつ答弁してください。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) もちろん、十カ年の需要と供給の長期見通しで、麦類の自給力を上げる、自給度を上げるように確定されておりますので、やはり国内で生産がふえた分は輸入を控えていくということは、これはもう当然でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、わが国の農産物の自給度を高めていくために、転作などによって生産が高まってきたもの、その分については輸入を削減をしていくのだと、これは麦に限らず農産物全体について。これはひとつ大臣、確認できますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これは国民の食生活に対する需要の度合いと申しますか、ニーズと申しますか、そういうものもやはり十分考慮していかなければいけませんので、基本的姿勢としては、国内で増産した分は外国からはなるべく買わないようにというのが、これが原則であろうと、こう考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、いまこの改正案並びに食管法の基本問題について質問をしてきたのですけれども、以上私が指摘をしたように、今回の法律改正によって、まず、米の買い上げ、これは食管法そのものでいけば、生産者が生産をした米を政府が買い上げなければならない、そういう精神であるというふうに思いますが、それを政令によって今日まで予約限度数量を設けて運用してきて全量を買い上げなかった。それを今回の法律改正によって法律上そのことを認知をしている。あるいは管理においても、自主流通米をいままでは政令によって取り扱ってきたものを、この法律改正によって法律上これを認めていく。こういう内容になっているわけなんです。つまり、従来政令や運用によって食管法を空洞化してきた——私はあえて指摘しておきます。空洞化されてきました。それを今日の法律改正によってこの空洞化を正当化しようとするものである。したがって、この改正案が成立することがあれば、政府の意図する食管法の基本というのは法律上大きく変わってくる。このことを強く指摘をするのですけれども、大臣どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) まあそういう心配はないと、こういうふうに私は考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 理由をはっきりしてください。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) と申しますのは、とにかく一面においては、米の生産というものが需要と供給のバランスの上に立つように私どもも努力をいたしておるわけでありまするし、しかも、この米の政府買い入れ、自主流通米、全量をとにかく管理をしていくという基本姿勢を法定化してまいる。したがいまして、さらにその流通業務に携わる流通関係者の地位も法律的にきちんとしてまいる、取り締まりもきちんとすると、こういうことで、とにもかくにも国民の基本的食糧を不安なく安定的に供給をしていけるような体制をみんなで維持していこう、こういうことでございますので、私はこれらは世論の支持を受けて、この制度は国民のものとして発展していくと、こう思っておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、改正によって国民の食糧を確保することのできるか否かの心配があるかないかを聞いているのじゃないんです。いままで食管法という法律があった。しかし、その本法を、抵触するすれすれのところまで政令をつくってだんだんこれを崩してきたのですよ。骨抜きにしていた。それを今度の改正によって改めて法律として認知をしていくと、今度は法律として生きてくるのですよ。そのことがこの改正案の中で仕組まれておる、仕組まれるという言葉が悪ければ、そういうことになっている。このことは食糧庁長官、認められますね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 食管法は昭和十七年にできた法律でございますから、その後の大幅な経済条件の変化のもとで、運用上実態に合わせた運用をしてきたことは事実でございます。そのような中で、ただいま御指摘にありました必要量という考え方のもとでの限度数量なり、また、品質に応じた流通を確保するための自主流通米なりというものが法律の枠内でつくられてきたというふうに考えておるわけでございますが、今回の法律改正におきまして、私ども今後需給の変動に対応する米の管理ができるようにということで基本計画等をつくることにいたしましたので、その関係もあり、限度数量なり自主流通米なりというものについての考え方を法律上も明確にしたということでございます。決して、従来の法律の考え方をここで変えるというふうには考えておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管法の根幹について、私も食糧庁長官や大臣と大分見解を異にするものがある。さらにまた農業団体、農民の中にも、学者の中にも、私が指摘をしたように、政府が全量買わなければいけないのだ、政府が全部直接管理しなければいけないのだ、これが食管法の根幹であって、これがわが国の食糧を守っていく一番基本であるということを主張している人もたくさんあるわけなんですね。ところが、今日法律改正によってそういうことではありませんということをくどくどもう言うけれども、法律上それを決めちゃうのだと。ですから、これは食糧庁長官、大臣、あなたたちはそういう考え方を持っているけれども、私は重要な問題と思いますから、それはこれによって、改正したことによって食糧が確保できるかできぬかというような、当面の問題じゃない、長期的展望に立てば、こういう形で食糧が果たして確保できるかどうか、これだって問題になってくるわけですね。そのことを強く確認をし、指摘をしておきたいと思うのです。  それから、次にこの改正案にぼつぼつ入ってまいりますけれども、今回の改正案について、基本的な重要な部分は挙げてこの政令に任してある。食管法は、私が指摘をしたように、今日まで政令によって空洞化されてきた。あるいはいろいろの手続、あるいは運用基準によって取り扱いが変わってきた。それを今度は改正によって現状追認ということで今回のような法律改正になる。この改正案も重要な問題を挙げて政令に任されている。そうすると、今後もいままでと同じようなことがもっと極端に、法律はそうだけれども政令によって動かされるということになっちゃうのじゃないか。特に基本計画や供給計画の重要な内容がほとんど政令にゆだねられている。このことは、その政令のあり方いかんでは米の部分管理や自由化につながっていくような危険性を十分持っているわけなんだ。大臣、こんな重要事項を政令にゆだねるというような、こんな不見識、不親切な法律の提案されたことは見たことない。なるほど、政令にゆだねることはありますよ。しかし、こんなにたくさん政令を、全部重要なことは政令にゆだねている。一体これは国会を軽視することだ。大臣、どういうふうにお考えですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 戦後今日まで四十年近く、戦前もそうであったわけでありますが、この食糧管理法の果たしてまいりました大きな役割りについては、先ほど来の論議で明らかなところでございます。この国民の主食である米麦を全量管理をして、そうして不安のない食糧供給体制、生産体制を確立をする、こういうことでその基本を変えないということで今回の改正をいたしたわけでございます。したがいまして、法律的に重要な部分は、価格の問題でありますとか、そういう問題については手は触れておりません。ただ、流通面において、よりやみ米とかそういうものの出ないような体制、守られる法律と、こういうことで基本計画あるいは供給計画等をつくることにいたしたわけでありますが、これもいわゆる生産者、消費者の権利等を制約するという問題ではなく、一つのこれは指針としての問題でありますので、これの一部を政令に委任したからといって、私は国会を軽視したというような気持ちは一つも、実はこの法案の仕組みを検討いたしました際に考えたことはございませんので、この点は政府のこの案を提案をいたしますにつきましても、できるだけ多くの方々の合意を得る努力をした上で提案をいたしておりますことも御理解を賜りたい、こう思う次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、今回の改正は重要な問題については改正しておらないということですが、基本計画あるいは関連をする供給計画なんてことはきわめて生産者にとっても消費者にとっても重要な問題である、重要な問題であるがゆえに改正をしたのですね。それから基本は守ると言っているけれども、先ほど来指摘をしておりますように、食管法の法律もだんだん変えてきた、今回の改正によって変えようとしている。そこで国会軽視ではないという答弁があったのですが、政令の中身がわからなくて、ほとんどのものを政令にゆだねておって、私たちは何をもってこれを審議すればいいのですか。  食糧庁長官、改正法案は大体二十三条程度になっているというふうに思うけれども、この中で目的と罰則の数条を除いてはほとんどの内容が政令にまたなければならない。政令を見なきゃわからないんですよ。食糧庁は政令の中身、つまり政令の条文は別として、その骨子はもう固まっているのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律におきましては、先ほど来御議論がありましたように、従来政令で規定しておりましたものも法律上明らかにいたしまして、できるだけ法律の段階で内容を明確にしていこうというふうに考えた次第でございますが、なお政令にゆだねられている点もございますので、これらの内容につきまして、ただいま御指摘がありました骨子につきましては、早速お配りをさせていただきたいというふうに思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それで、いままでは政令にゆだねたものを今度は法律改正にした、法律の条文に挙げた。今度改正された法律はまたほとんどが政令にゆだねられた。政令の取り扱いいかんによってはどんなふうに変わるかわからない。何年かたつとまたこれが政令を法律に上げてくるというんですね。こんな不見識なやり方はないと思うのです。ですから、いま政令の骨子を配るというふうに言ったのですけれども、なぜ審議に先立って配らないのだ。私たちが検討する中において、政令を見ていないから検討ができないじゃないか。配ってください、大臣。内容を見なきゃ審議できないですよ。

川村清一日本社会党

○川村清一君 議事進行。  いま村沢委員の発言のとおり、当然これは審議に入る前にいまお配りになったものは配って、それを見てから審議に入るべきだと思うので、いまのような取り扱いは非常に不親切だ。したがいまして、政令をよく見てからさらに審議に入りたいと思いますので、いまの審議はこの辺で一応休憩にしていただきたい。これを要求いたします。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) いまの質問者の村沢委員は……。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私もこれからいろいろ法律の改正案について論議をしてまいりますが、政令、この中身の骨子を見ないと、これ一々聞いていたんじゃ時間がかかっちゃって何にもならないですね、私見ていませんから。もう審議にならないですね。だから、いま川村委員が提案したように取り計らってもらいたいと思うのです。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十五分休憩      —————・—————    午後一時八分開会

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、食糧管理法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 先ほど、私は今回の改正案に関連をする政令の骨子について資料を要求したところであります。資料を出してもらいましたが、これを見ても、何々をする見込みというようなことで、全部これは見込みになっておって、これを見たって何にもまたわからないわけですね。ですから、法律が通らなきゃ政令はできないとおっしゃればそれまでのものですけれども、やっぱり審議を促進をするために、たとえこの種のものであっても、衆議院段階では出しているのですから、衆議院で出したものを参議院の提案理由の説明のときにもう出していいと思うんですね。だから農水省の幹部の諸君は、私の部屋へ参りましても、早く食管法を通してくれ通してくれとそんなことばかり言っているけれども、中身のことについては何も言っていないわけですね。早く論議をしてもらいたいのだったら、そういう政令の内容なんかについてももっとわかるように話をしてくれればこっちも審議が早いわけだけれども、だから、そういう態度がおかしいのだ。  ですから、まずお聞きをしますが、これを見た限りではわからない。そこで、この政令を今度条文化して作成するに当たっては、当委員会における国会の審議、いろいろな要求、問題点、さらにはまた国会の附帯決議、これらも参考にして十分しんしゃくして政令はつくる、そのように考えておられますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 政令の作成に当たりましては、国会におきまして法律が決定いたしました段階におきまして、法律審議の経過及び附帯決議等、本院の御趣旨を十分体して作成をいたしたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、政令に基づいていろいろなことが決められていくわけですが、以下質問してまいります。  たとえば基本計画についても、基本計画は、つくるということは法律上決められているけれども、その内容に当たっては政令にやっぱり任せられているわけですね。  そこで食糧庁長官、基本計画というのはこの食管法の中で私はかなり重要な要素を持つものであるというふうに思いますが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど、大臣から今回の法律改正の趣旨について申し上げました際にも触れたわけでございますが、今回の法律改正によりまして、過不足いずれの需給状況にも対応した需給の調整、管理をするということを法律改正のねらいにいたしておりますので、そのような考え方を政府の方向づけとして明確にしていく。それからこの方向づけを関係者の方々の指針として食管の運営について活動を期待をするという考え方でつくるわけでございますので、そういう意味で重要な役割りを果たすものというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 さてその基本計画あるいはこれに関連をする供給計画は、いま答弁のありましたように、生産者にとっても消費者にとっても重大な影響を及ぼす、重要な役割りを果たす。そうだとするならば、この基本計画についてもどういうことを決めるということを政令で明らかにし、その内容を基本計画で具体的に決めていくというふうに思うのですけれども、これは法律によれば、第二条二によって、重要な変化があった場合には公表するということになっていますが、ただ皆さん方が一方的につくって公表するのではなくて、これを多くの人の意向が反映するような、そういう運営にしなければいけない。  さらに、具体的に言うならば、たとえば米価審議会でもよろしいし、あるいは別個に食糧審議会というのをつくってもよろしいが、そういうところへかけて十分論議をしていただいて基本計画を策定をし、これを公表する、その手続をとらなければならないと思うのです。ただ政令にゆだねるということで政令にゆだねられて、皆さん方が政令に基づいてつくってそれを公表するだけでは、きわめて一方的なものになってしまう。そのように私は思いますし、同時にそのことを指摘をするのですが、それについてはどういう考え方を持っていますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画につきましては、私どもとしては国の方向づけであり指針であるというふうに考えておりまして、これによって直ちに生産者、消費者を規制をするというものではございませんが、私ども重要な内容を持つと考えておりますので、その作成に当たりましては、ただいま御指摘がありましたように、十分に関係者の意向が反映できるように心がけてまいりたいと思っております。必要に応じて米価審議会の場というようなものもこの作成に当たっては活用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 基本計画策定に当たっては米価審議会の場等も活用していきたい、そのことは私も確認をしておきますけれども、そのために、このつくるべき政令の中にそのようなこともやっぱり織り込んでおく必要がある。これはどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ここで政令で定めるというのは、作成の時期、期間等について考えておるわけでございまして、作成のプロセスにつきましては、いま申しましたような趣旨に沿って作成をするつもりでございますが、特に政令上規定する必要があるかどうかという点は、私どもはいまの時点ではそこまでは規定しなくてもいいのではないかというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、この基本計画をつくる場合なんかに、先ほど申しましたような意見が反映できるようにしなさい、むしろこれは法律的事項として織り込むのが当然だと思うのですね。皆さん、なかなかそう言ってもやらないでしょうから、せめて政令でもってこのことをうたい込む、ただ時期だけうたい込むのじゃなくて、やっぱりそういうプロセスについても政令で規定をしていく。そこらが、皆さん方が審議会に意見を聞くかどうかという規定づけになるわけですから、せめてそれはやってくれますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいまの点につきましては、今後の作成の方法として検討さしていただきたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、勉強さしてもらうのじゃなくて、いま食糧庁長官もそのような、やっぱり米価審議会等にも意見を聞いてみるつもりもあるというような答弁ですから、これはやっぱり聞くのだ、あるいは聞かなければならないと、そのことを政令によって規定をしていく。長官もそういう答弁をしているのです、勉強すると言っているのですから、大臣の答弁をいただきたいと思うのです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 長官から申し上げたとおりに考えておるわけでございまして、やはり政令を作成する際に当たりましても、当委員会の審議の実態、さらには米価審議会等の御意見等を十二分に反映できるような政令にしたいと、こう考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 くどいようですが、ぜひそのことは私も確認をしておきますから、基本計画をつくる際には、そのことについて米価審議会等の意見を聞く、そのことを政令によって規定をする。ひとつ勉強するだけじゃなくて、そういうふうにしてください。  それから、次は基本計画についてですが、従来も米穀の、米の管理についてこういう需給の計画があった。今回、基本計画、供給計画を特に設けた理由は何か、あるいはこういうことを設けなければこの流通はうまくいかないのか、あるいは基本計画、供給計画との関連性は何か、この辺について、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいまの御質問の中で、米価審議会にかけるということにつきましては、実は米価審議会の現在の法律上の機能といたしましては、米麦価についての審議をすることになっておりますので、法律政令というふうな形式上の措置としてではなくて、私ども実態上米価審議会の御意見を聞く、また関係団体の御意見も十分聞くというようなことでただいまの御趣旨を生かしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、基本計画と供給計画との関係でございますが、基本計画につきましては、年の初め、一、二月ごろの時点におきましてその年における生産需要の見通しを立てまして、その見通しに基づいて計画をつくり、公表をするという事前の計画でございますが、供給計画は、出来秋になりまして、その年の米の供給がほぼ見通される段階になって、その米をどのようにして消費者に適正、円滑に供給をしていくかということを都道府県別にまで分けてつくっていくということでございますから、この段階におきましては、より具体的な供給の内容が明確になってくるという違いがあるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官の前段の答弁で米価審議会の話が出たのですが、米価審議会はなるほど法律によって特定の目的を持った審議会でありますけれども、私は強いて米価審議会だけに固定しなくてもいいと思う。米価審議会等として、あるいはこの意見を聞くにふさわしい食糧審議会でもいいし、何でもいいと思うんですよ。大衆の意見が反映できるような方法に持っていけばいい。いいですね、それは。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) はい。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 じゃ、そういうふうにしてください。  そこで、政令で定めようとする米穀の管理の基本事項、これには政府買い入れ米と自主流通米の基本的な考え方を規定をしておる。いままでも実施をしてきたことでありますけれども、今回政令でつくって法律的な裏づけをしようとする理由は何ですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 政府米と自主流通米、いずれも私ども政府の責任において管理すべき米穀ということを考えておるわけでございますが、それぞれに重要な役割りを果たしておりますので、その需給の見通しにつきましては、それぞれ区分を明確に立てていくというふうに考えておりまして、そのために基本計画においてこれを区別して樹立をしようというものでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 区分をすることはわかるのですが、従来は法律的な裏づけがなくて自主流通が行われてきたとも指摘ができるのです。つまり、政令でいつまでもごまかしをすることができなくなったと。そこで自主流通米も、先ほども私が指摘したこととも関連しますが、今回基本計画によってこれを法律上認知をしよう、やっぱり長続きさせよう、そのこともねらいがあるであろうし、結果的にそういうことになるわけですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、一方においてこの基本計画に管理における流通の態様別ということで、自主流通米と政府米を並べて内容を明確にいたしますとともに、第三条の買い入れの規定におきまして、「消費者ニ対シ計画的ニ適正且円滑ナル供給ガ為サルルモノトシテ政令ノ定ムル所ニ依リ政府以外ノ者ニ売渡サルルモノ」というような具体的な規定をいたしまして、自主流通米の性格を明確にした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いずれにしても、自主流通米を法律的なもういわゆる法定事項にしたわけです。  そこで政令によってさらにいろいろ定めるようでありますけれども、その自主流通米の定義とその役割り、これはどういうふうに考えますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、現在すでに流通量の三分の一を占めておりまして、生産者に対しましては品質に応じた価格を形成し、また需要者に対しましても品質に応じた供給を円滑にすることによりまして、不正規流通等の余地を防いでいるというような重要な役割りを果たしておると考えておるわけでございますが、今回の法律におきまして、先ほども申しましたように、第三条のただし書きにおきまして、「消費者ニ対シ計画的ニ適正且円滑ナル供給ガ為サルルモノトシテ」ということで、「計画的ニ」というのは、農林水産大臣の承認する自主流通計画に従って、消費者に対して適正円滑に供給されるという条件が満たされたものを自主流通米というふうに法律上明確にした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いわゆる自主流通米制度は、本来政府の管理下における米の流通のバイパス的な性格のものである、私はそのように思うのです。ところが、政府の買い入れ米が抑制される片方で、自主流通米のウエートが非常にふえてきた。政府の補完的措置であった自主流通米がやがて全体の量の五割にも達しようとしている。また自主流通米は良質米だけでなくて、四類、五類の米にまで及んできておりますから、ますますふえるというように思うのです。一体自主流通米をどこまで拡大していくのか。政府が直接管理をする米と自主流通米の比率についての基本的な考え方を伺っておきたい。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、需給の動向によりまして決定される性格のものでございますので、あらかじめ比率を固定して考えるということはなかなか困難であろうというふうに考えておりますが、すでに自主流通米につきましては、消費者の良質米嗜好というものがほぼ一般化してきた段階におきまして、しかも五十三年、五十四年産に見られますように、むしろ過剰の状態になって特別販売対策が必要になったというような事情も考えますと、私どもといたしまして、現在の自主流通米と政府米の比率が、今後大幅に自主流通米が拡大するというようなことはないであろうというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 自主流通米の数量を固定して考えるということは困難だということはわかる。しかし、おおよそのやっぱり目安があってしかるべきではないか。つまり、政府買い入れ米を少なくすれば自主流通米が多くなるのは当然。あるいは自主流通米を多くしていけば、政府は少し買えばいいということになっちゃうわけですね。したがって、政令をつくるにしても基本計画をつくるにしても、このおおよその目安がなくちゃ一体どんなものができるか不安にたえないわけですね。その辺の基本的な考え方はどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、需給の関係によって、品質別の需給の関係によって定まってまいりますので、あらかじめ固定的に考えるということは困難であると考えておるわけでございますが、しかし、一方におきまして過剰になればUターンというような形で政府米に戻ってくるという可能性も残してあるわけでございますので、私ども、需給の実態に応じて適正な割合が定まってくるものと考えておりますし、この点は、基本計画、供給計画において政府米と自主流通米の数量を明確にしていくところを通じても、その辺は適正に決まってくるものと考えておるわけでございますが、現時点において大筋どう考えるのかということになりますと、現在の政府米と自主流通米の比率がそれほど大きく変わるということにはならないだろうというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 法律が成立するとやがて基本計画を立てなければならない。その場合には自主流通米と政府米の数量を決めなければならないですね。だから、いまみたいな抽象的な答弁でなくて、おのずから答えは出てくると思うのですが、それじゃ具体的に伺うけれども、自主流通米制度ができた当時の政府米と自主流通米の比率と現在の比率、どの程度になっていますか。それを大幅に上回らないというような答弁もあったのですけれども、その比率を教えてください、数字でもって。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 実質上自主流通米が動き出しました時点の四十五年におきましては約二〇%でございますが、最近の五十四年におきましては三二%ということになっております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 先ほどの答弁を聞いておると、五十四年度三二%、大体このくらいな数字をめどにして基本計画を策定をする、そのように理解していいですか、大幅に変わらないということは。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の自主流通米の需給事情からいたしまして、その辺が目安になるものというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次は、この基本計画によって政令で定めようとする米穀の需給の見通しに関する事項ですが、政府が当該年度の米の需給量を明らかにすることが、生産者に対しては生産の方向づけをすることになるし、消費者に対しては今後の米需給の指針を与えることになるわけですけれども、基本計画と米の生産とはいかなる関係を持つのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画におきましては、米の供給と需要と両方の見通しを立てていくわけでございますから、生産面につきましては、従来の生産調整等によりまして方向づけのされました生産を前提とし、それから需要につきましては、その時点における需要の見通しというようなものに基づいて、需要の実績等に基づいた需要の見通しというようなものをつくって需給のバランスをとるような計画にしていきたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 生産調整の目標は通常年度何月ごろ確定をし、基本計画は何月ごろ確定するんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来、生産調整の目標は大体その前の年の暮れまでには確定するようにいたしておりますので、今後も生産調整につきましてはなるべく早い機会にその機能、目標を定めるということになろうかと思いますが、基本計画は年が明けまして一、二月の段階でつくるということになろうかと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 具体的に言うと、生産調整の目標面積は前の年の十二月ごろ、言うならばこれは予算編成に合わして決まるわけですね。そうですね。そうすると、今度は、基本計画は一月か二月ごろ決まる。その間の一カ月か二カ月間のずれはあるとしても、いずれにしてもこれは表裏一体のものだ。たとえば予算を要求するにしても編成するにしても、基本計画にやっぱり盛られるであろう数字を予定をしてこの生産調整もするであろうし、また逆に生産調整の決まった数量でもってこの基本計画ができる、これは別々のものではないというふうに理解するが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画におきましても、生産調整におきましても、総需給の均衡を図るという考え方においては同一であろうというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そうしてみますると、たとえば生産調整をする場合に、予算編成で示した生産調整の数量目標は、これは法的根拠は持たない、目標であると。ところが基本計画で示した数量というのは、法律に基づいて政令にしろ何にしろつくるのですから、これは法的な根拠を持つということになるというふうに思いますが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 生産調整は農家の理解と協力を得て進めるものでございます。行政措置で進めるものでございますし、基本計画は、これは法律制度に基づいた計画ということに相なりますが、ただ基本計画自体は、いわゆる直接生産者、消費者を強制、拘束するものではなくて、その年の需給の目安を立てるという考え方によってつくられることになるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その辺が、生産調整の目標は行政措置だ、この基本計画は法律措置だと。しかし、行政措置で決めた目標と法律措置で決めた目標はほぼ一致するわけですよ。これは違うなんということはあり得ない。そうすると、生産調整は予算のときには行政措置で法律的な根拠を持たないけれども、基本計画に組み入れられた場合においてはこれは法律的根拠を持つ。つまり、生産調整に対して法律的な根拠を持つと。法解釈上からはそういうことになるのじゃないですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 生産調整は、いわば一定の米の生産量からはみ出ましたものをどのように転作をしていくかという、いわゆる主として米からはみ出た部分についての生産の転換をしていくということであるわけでございますが、そのことが米の生産についての枠をはめるということは、現在におきましても、限度数量という形で政府の買い入れ量が生産調整を基礎といたしまして決められておるわけでございまして、この生産調整と限度数量の関係が、今後におきましても生産調整と政府の管理すべき数量との関係として同様の関係に立つものというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私が聞いていることは、生産調整によって限度数量も決まってくるのだと。あるいは生産調整の限度数量によって基本計画も決まってくるのだ。そうすると、生産調整の予算をつくるときにおいては行政措置だけれども、基本計画で決まった段階においては法律措置だと。だからこれは生産調整についても法的な根拠を持つと。全然関係ないのですか、この基本計画に盛られた数量と法律とは関係ないのですか。そのことを聞いているんですよ。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、全体の需給の均衡という点につきましては、生産調整の考え方と基本計画の考え方と同一のものというふうに考えられると思うわけでございますが、生産調整の方は主としていわゆる米の生産からはみ出た部分の農業生産の転換をどう進めるかということでございますし、それから基本計画においては、その枠内における米の需給を品質、用途等に基づいてどのように方向づけていくかというものでございますので、そういった意味での違いがあるわけでございますし、その意味で関連がないということはございませんが、事柄としての違いがあるということを申し上げておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 事柄としての違いがある、直接に関係はないかもしれぬが間接的に関係はある。そうしてみると、どうしてもこの基本計画で決めるのが生産調整の法律的な根拠になってくる可能性がある。法律的に絶対そういうことになりませんと、この条文を解釈してそのように言えますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画はあくまでも全体的な政府の管理に係る米についての需給の見通しを内容に基づいてつくりましてその政府の管理の方向づけを示すわけでございまして、この方向づけに基づいて生産者、関係団体、消費者等の協力と活動を期待をするわけでございますが、この基本計画によっていわゆる農民の生産を強制するという法律的な根拠はございませんし、この基本計画によって生産調整を強制するということは考えておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣、法律を読んでいくと、この基本計画によって生産調整の法的な裏づけになるのではないか、その可能性があるのではないか、こういう心配も出てくるわけです。したがって、大臣に御答弁願いたいのですけれども、政令によってつくる基本計画は生産調整に対して法的な根拠を持つものではない、このことを確認をしてもらいたいと思いますが、どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほどから御答弁申し上げておりますとおり、基本計画は、食糧集荷あるいは供給の指針を示すということに主眼があるわけでございまして、したがいまして、生産調整を法律的に拘束するということは考えておらないわけでありまして、また法律的にもそういうふうには理解しておりません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで次は、基本計画の中における備蓄についての考え方について伺いたいのですが、国民に食糧を安定的に供給するためには、不測の事態に備えて常に食糧の備蓄を図る必要がある、このことは申すまでもありませんが、基本計画では備蓄に対してどういう方針と数量などを示すのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 備蓄につきましては、この基本計画の中におきまして、そのあり方、数量等につきまして明確にしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。現時点におきましてはまだ新しい備蓄の考え方を明確にいたしておりませんけれども、私どもといたしましては、従来のいわゆる回転備蓄というような形のものから、さらにたな上げ備蓄というようなものも加えまして、より備蓄の効果を高めるような方式を考えたいということで、現在検討しておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 従来農水省は、備蓄は不作の減収カバーをするために必要な量、まあ二年間くらいは何とかなるであろうというようなことで、二百万トンぐらいが米の備蓄の量だというようなことを言ってきたわけですけれども、いま答弁によって考え方も変えていきたいというようなことですけれども、そういう考え方に立ってわが国で必要とする米の備蓄量は、どのくらいあったらいいというふうに考えますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来、二年間の不作があったときに備えて順々に食べていくという形の備蓄を前提として約二百万トンということを申し上げておったわけでございますが、ただいま申し上げましたように、一定量をたな上げをしていつでも使えるように持っておるというような状態にいたしますと、この全体数量につきましても再検討をする必要があるというふうに考えておるわけでございますが、この備蓄のあり方につきましては、非常な財政負担を伴います問題でございますので、現在どれだけの数量ということを申し上げられるまでの段階になっておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それで、備蓄についてもいろいろな要望や意見も出されておるが、その中でせめて米についても半年分くらいは持ちこたえられるだけの備蓄をすべきではないか、こういう強力な意見があるのですけれども、いま長官の答弁では二百万トンでは足らないと思うというような趣旨の答弁で、それに、ふやそうと思うけれどもどのぐらいにしたらいいかということはまだ明確でないということですけれども、たとえば必要な量の半年分、この考え方に対してはどういうふうな見解を持っていますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申し上げましたのは、備蓄のあり方について二百万トンがいいかどうかということを再検討しているということを申し上げたわけでございまして、この備蓄につきましては、非常な財政負担も必要とするわけでございますので、やはりそういった面からの制約も考えていかなければならないと思っておるわけでございまして、端的に申しまして、半年分からの備蓄を持つということは、現在の過剰として問題にしております数量をそのまま備蓄として保管をしていくということになるわけでございます。そのための財政負担というのは非常に膨大なものになるわけでございますので、これなかなかそういった考え方は現実的にはむずかしいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 備蓄に財政負担がかかることは承知をしておるのですけれども、しかし、財政負担がかかるからといって、不測の事態が生じた場合に国民の食糧を安定的に供給確保するその備蓄ができない、これではやっぱり国民に対して食糧を供給する政府のとるべき姿ではないと思うのですね。ですから、二百万トンという数字は少ない、だけれど半年分まで持つのは大変だということも意見があるようですけれども、一体二百万トンでいいというふうに考えるのですか、またもとへ戻りますが。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 二百万トンが必要かどうかということも含めまして、結局備蓄のやり方を全体として考え直すわけでありますので、いわゆる回転備蓄という方式から、一定量いつでも使えるような形にたな上げをした場合の備蓄の量というものはおのずから変わってくるものというふうに考えておりまして、その辺の全体の数字につきまして現在検討中であるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 備蓄は国民の食糧に供することができる米でなくてはいけないわけですね。基本的には直ちに食べられるお米、そのことについては確認してよろしいですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 当然、備蓄は主食になる米を前提に考えるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そうしてみると、わが国の米のいまの現状、それから五十六年、五十七年度を見通して一体備蓄に相当するものをどのくらい持っているかということなんです。私が食べれる米と言って指摘をしたのは、いわゆる過剰米はこれは備蓄の対象にならない、五十年から五十三年までの米ですから。五十三年の米で若干食べられるのもあるでしょう。しかし、これはやっぱり除いて備蓄のことを考えなきゃいけない。そうしてみると、備蓄に相当すると思われる米はどのくらいいま確保しているのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 五十四年産米におきまして百七十八万トンほどを備蓄用として持っておったわけでございますが、これを現在使用をいたしておりまして、昨年の不作による約百万トンのギャップというものを十分に埋めて余りあるという状態になっておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 具体的数字を私申し上げますが、いまお話がありましたように、五十四年度産米百七十八万トン在庫があった。ところが五十五年度の不作によって昨年は米がとれなかった。九百八十万トンしかとれなかった。したがって、百七十八万トンと五十五年度の生産を足しても千百五十八万トンだ。それから五十六年度に消費する米を除けば、その次の年に持ち込む量なんてものはきわめてわずかなものになってしまうが、この辺についてどう考えますか。  そこで私の申し上げる数字が間違いないかどうか確認してください。五十四年度米の在庫が百七十八万トンあった。五十五年度生産が九百八十万トン、合計千百五十八万トンですね。五十六年度で消費をする米が千七十五万トン。そうすると五十七年度へ持ち越す米が八十三万トン、おおよそこのような数字になると思うのですが、この数字に間違いありますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私どももただいま御指摘のようなふうに考えておるわけでございますが、ただ、五十六年産米におきましては、生産調整も冷害対策ということで緩和をいたしましたので、その分の供給余力が約二十万トンほど出てまいるというふうに考えておりますので、ただいま御指摘ありました約八十万トンという数字に二十万トン余加わりまして、百万トン以上のものが供給余力を持つことになるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そうしますと、ことしも冷夏であるというようなことが心配されておるわけですね。五十五年のような冷害があるのではないか。五十五年度のような冷害があって、仮に五十五年度のような米の生産量、一千万トンを割るように生産量がなったとする、そうすると今度は五十七年度で消費する米でいっぱいいっぱいになっちゃう、足らなくなっちゃう。もし冷害があったとするとですよ。去年のような一千万トンを割るような収量しか五十六年にとれなかったとなったら、大変なことになるのじゃないですか。その辺はどういうふうに理解しておりますか。現在だって八十万トンしか備蓄がないんだから。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども、今後の五十六年産米の作柄を見なければ具体的な判断は出てこないと思っておりますが、もしもそういうふうな非常に異常な事態が参るということになれば、また備蓄のあり方を含めまして再検討をする必要があるというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 五十六年度の作柄を見なきゃ、一千万トン以上になるか、一千万トン以下になるか、もっとふえるか、これはわからない。私も議論してもわからないと思うんですよ。作柄を見て備蓄のあり方について考えると言ってみたって、大体五十七年度へ持ち越す米が八十万トンから八十三万トン、それに対して五十六年度でできる米が一千万トン程度であると、これは五十七年度の消費に足らなくなっちゃうんだよね、仮に不作があるとすると。じゃ備蓄をするといったってどこから持っていって備蓄をするのですか。五十年から五十三年の場合の残った米を備蓄と言うのですか。その辺はどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 昨年のような異常な冷害におきましても約百万トンほど不足があったわけでございますので、私ども五十六年産が昨年と同じようなひどい作柄になるということは予想したくないわけでございますが、百万トン余の余力がございますから、ぎりぎり言いまして昨年程度の不作に対応するものはあるわけでございますが、それから先どうなるのかという問題につきましては、先ほど申しましたように、もしもそういうふうな異常な事態が連続して起こるような場合には、その次の年の生産等について再検討をしなければならないであろうというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ですから、だれだって五十六年度に不作になるなんてことは願っていないのですよ。しかし、わからないんですよね。昨年も千百万トン生産があるであろうといって期待したのが九百八十万トンしかなかった。じゃ五十六年度で絶対一千万トン以上の生産があると、だれが保証するといったって保証する人もいない。あるいはまた、昨年と同じように冷害があることを保証できる人もいない。したがって、備蓄というのはそのために持っていかなきゃいけない。いま長官の答弁のように、ともかく五十七年度繰り越しの備蓄は百万トンばかりのものです、せいぜいね。二百万トン通常備蓄が欲しいといままで言ったけれども、食える米の備蓄は百万トンしかないじゃないですか。これでもって米は余っているんだ、備蓄は大丈夫だと皆さんが本当に責任を持って国民に言えると思うのですか。私はそういう事態のないことを願っていますけれども、きわめてこれは重要な問題だというふうに思うのです。  ですから、米が余った、余ったと、なるほど過剰米はありますよ。過剰米はあったって、五十年から五十三年の米を皆さんの計算によるとだんだん処理してきて、これは韓国へ輸出したり何だりして、五十六年度末ですか、五十七年の三月までには三百万トン以下になってくるわけですね。日本の国民に五十年、五十一年の米を食べてくださいって言えるのですかね。ですから、この備蓄のあり方についてももっと真剣に検討しなきゃいけないし、ことしの当面する五十六年度、あるいは五十七年度にかけての米のあり方について、やっぱりもっと責任ある、国民の皆さん安心してください、大丈夫ですと言い切れるような対応を示さなきやならないと思いますが、大臣どうですか。まあ不作になっても大臣の責任だとは必ずしも言い切れないというように思いますけれども。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) その点私どもとしても非常に深刻に考えておりまして、二年続くというような見方もあるわけでございますので、もうすでに二月の十六日だったかと思いますが、やはり不順な異常な気候にも対処するために必要な技術的な指導というものを、それぞれ県を通じ、地方農政局を通じて農家に徹底を期するために通達を出して、異常気象による米作の、農作物の作柄の被害をできるだけ少なくするような肥培管理の方法等につき、あるいは品種の選択等につき指導をいたしておるところでございます。先生御指摘のとおり、いかなる事態になりましても食糧についての不安を与えるわけにはまいりません。そういう意味において、食糧庁長官から答弁申し上げましたように、昨年くらいの冷害がもしも今年起きたとしても来年の食生活の不安はないと、こう申し上げてきておるわけでありますので、その点はひとつ政府を御信頼いただきたいと、こう思うわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 亀岡大臣は信頼しますが、天候によって支配されることですから、大臣でどうすることもできる問題でもないと思う。そうかといって、昨年はなるほど五十四年度から持ち越した米が百七十八万トン、ことしの場合は五十七年度へ持ち越す米はせいぜいあっても百万トン以下だ。昨年のような冷害があった場合、五十七年度で配給する米は足りなくなっちゃうですよ。備蓄どころの話じゃない。よく皆さん検討してと、もちろん皆さん専門家ですからやっているというように思いますけれども、私は強く指摘をしておきますから、十分その対策を講じていってください。  それから、この法律改正によって、緊急のときには米を割り当てて購入券を発給する、その他配給に対して必要な措置を設ける、こういうことにしているわけですね。米が余ったときには買い入れ制限だ何だといってやっているけれども、緊急いよいよ不足になってくると、これまた割り当てだの配給だのということになってくる。これはまあ米は政府が管理しているわけですけれども、これは生産農民にとっては全くやり切れない気持ちなんですね。政府の得手勝手なやり方なんです。権力主義者が農民の権利をじゅうりんしたような考え方になっている。  そこで、不測の事態が生じた場合には具体的に迅速な配給体制は確立できるかどうかという点ですね。ということは、水田の面積を減らして米作農民も減少している。しかも、米作農民というのは、これは中堅、中核農家ではなくて、零細な農家だ。緊急時が発生したからといって、いままで転作していたものを、水田を荒らしたのを、緊急に生産体制ができる、米穀の必要な数量が確保ができる、そのようにお考えになりますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この緊急時の扱いにつきましては、いろいろな緊急時の発生が予想されると思うわけでございますが、通常の外国における国際紛争ないしは輸出国における凶作というようなことでの一時的な緊急事態というようなものに対しましては、現在の流通ルートを特定をしておくということによりまして、直ちに配給制度というような体制への転換が可能になるものというふうに考えておりまして、そういった事態の準備をしておくわけでございますが、これが長期間続くというようなことで、先ほどの御指摘のように長期間にわたって生産規模を変えていかなければならないというような事態になりました場合には、当然それに応じた生産面からの再検討というものが必要になってくると考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、緊急時とはいかなる事態を想定をしておるのですか。政府が考えておられる緊急時ですね。その緊急時になった場合には日本の米の生産はどうなって、どういうふうに対応していかなければならないというおよその目安があるというふうに思うのですが、それを明らかにしてください。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども緊急時の想定はなかなかむずかしいと思うわけでございますが、最近における経験といたしましては、昭和四十九年ごろにいわゆる石油ショックが起きました際に、重油の供給が途絶をいたしまして、そのために一時的に輸入食糧の輸入がストップされた事態がございます。そのような事態におきましては、一時的に食糧の不足が出てくるわけでございますので、そういった事態にも混乱を起こさないように、配給の仕組みというものにすぐに移れるようにというふうに考えておるわけでございますが、それ以上長期的にわたる緊急というようなことにつきましては、この時点で具体的に想定はしておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 かつて農水省が、不測の事態が生じた場合の自給率等というような資料も出しているのですが、輸入量が現状の二分の一程度になった場合ですね、カロリー水準を現状程度に維持していくためには、耕地面積を現在の耕地面積の約一〇%ぐらいふやさなきゃならない、こういう資料を出しているわけですね。耕地面積をふやすといったって、そんなに簡単なぐあいにいかないわけですね。私はそのためにも、先般も指摘したのですが、たとえば水田にえさ米をつくって、それをやっぱりえさ米を転作作物と認知をしていく、そうすれば、不測の事態が生じた場合においてはえさ米をつくるのをやめて、また食用穀物に直ちに転換することができるじゃないですか。やっぱりこんなことだって真剣に考えなきゃいけないのですけれども、一体不測の事態が生じた場合に、日本の耕地面積を一〇%ふやすことができる、そういう自信を持っていますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 一般的に、現在の日本の農業の規模を維持していこうということで、長期目標を立てて需給の見通しをつくり、生産の確保をしようとしておりますのは、いま御指摘がありましたような、どのような状態に対応してもできるだけ国内の供給力を維持していこうというような考え方に立っておるわけでございますが、それの具体的な方法というのは、ただいま御指摘がありました試算といった以上のものまで詰めておらない次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 だから、法律を改正をして、緊急事態が生じた場合においては食糧を強制的というか、政府の必要とする量を今度は出してもらうのだというこの法律ですから、その法律をつくる手前も、やっぱり不測の事態が生じた場合にはどうするのだと、そのことをやっぱり農業生産全体、農業構造全体の中から考えていかなきゃいけないと、私はそのように思うのですけれども、これは何回もここでやり合ったことですから強いて答弁は要りませんけれども、そのためにもえさ米等は積極的にやらなきゃいけない。えさ米についても何回も質問しておりますから、きょうはあえて質問してまいりません。  そこで次は、こうした法律をつくることによってやみの米がなくなるであろうか、こういう心配をするわけですね。米は政府が全量を管理することになっておるけれども、市場には当然のことかのようにやみ米が出回っている。しかも組織的なやみ取引が行われている。消費者から見れば、これが政府管理米だかやみ米だか、そんなことは買う人はわからないわけですね。一体、食糧庁はやみ米の実態をどのように把握しているのか。せめて、この十年間ぐらいの間に食糧管理法違反事件はどのぐらい発生しているのか、それに対してどういう起訴をして、どういうことになっているのか。現状把握といままでの取り扱ってきた経過についてひとつ説明してください。    〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) いわゆる不正規流通米の発生の原因といたしましては、一つは生産者から直接に親戚、知人等に渡される縁故米に類するもの、それから生産者から自由米取扱業者等を通じて消費者段階に流れるもの、それから三番目に政府管理米として売り渡されたものがさらに横流れされるものというような形態があろうかと思うわけでございますが、そのうちのいわゆる縁故米につきましては、これは今回の改正の際に、あえて不正規米ということではなくて、無償譲渡にかかわるものは認めていこうと思っておるわけでございますが、この縁故米とそれから生産者から出る自由米との関係は、実態としては必ずしも明確ではございません。ただ、私どもが推定いたしますところでは、平年作の場合に約百万トン程度が縁故米ないしはいわゆる不正規米として生産者段階から流れ出ているのではないだろうかというふうに考えております。それから三番目の、いわゆる政府管理米が売り渡されてから後横流れするというものにつきましては、残念ながらその実態を十分把握しておらないのが実情でございます。  従来食管法の違反件数といたしましては、昭和四十五年ごろは二百九十件ほどございましたが、その後だんだん違反件数として表に出るものが少なくなってまいりまして、五十三年二十二件、五十四年二十一件というような形になっております。このうちで起訴されましたものが四十五年におきましては六十三件、それから五十三年におきましては三件、五十四年におきましては七件というような数になっておるわけでございます。それ以外のいわゆる不正規流通につきましては、都道府県、食糧事務所等におきまして必要に応じて警告等を発しまして、できるだけそういった不正流通の実態を是正するように行政指導として努力をしておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 長官の答弁を聞いておると、いわゆるやみ米のやっている件数等が減っているような感じを受けるのですが、減っているんじゃない、現実はどんどんふえているわけですね。それを取り締まるのが食糧庁でしょう、あるいは警察庁でしょう。あなたたちが、この法律があっても取り締まりができない、こういう現状があることは承知しながらも見逃している、そこに今日のやみ米の実態があるわけですね。  一つ具体的に伺いますが、私はここにこういう新聞を持っているのです。これは五十五年の十一月十五日の読売の記事ですが、「ヤミ米軍団」として「豊作・秋田に殺到」、つまり、去年はほかのところは凶作だったが秋田は豊作だということで、この銘柄米を組織的にこういう軍団が行って十五万俵も買いつけたと、こういう記事が出ているのですが、こういうのを見てあなたたちはどういう手を打つのですか。どういうふうにしたのですか、これ。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘ありました新聞記事を見まして、私どもといたしましても、秋田県等関係の行政機関に適正な指導をしてもらうように依頼をいたしまして、食糧事務所も入りましてその実態の把握とその是正について指導をしたところでございますが、実態といたしましてはすでに完了してしまった後というようなこともありまして、必ずしも明確ではなかったという点があるわけでございます。    〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食糧庁は、米の管理をするあるいは法的に取り締まる権利を持っているし、やらなければならないわけですよ。それが、こんなにでかでかと報道されている事実があるかどうか私は知りませんよ。しかし、それを県庁に依頼をしたとか現地でやった程度でもって、終わってしまったからどうしようもない、そんなことで済まされる問題ですかね。一体この結果はどうなったのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私どもが県から聞きました段階では、やはり実態が完了した後になったために必ずしも適正な指導監督に至らなかったというふうに聞いておるわけでございまして、確かに御指摘のように、従来の不正規流通についての指導監督というものが必ずしも十分でなかったという点を反省をいたしておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 米の不正規流通というのは、終わっちゃったからしようがない、やむを得なかったと、その程度のもので済む問題ですか。これは法律には罰則やなんかいろいろ設けてあるのですけれども、ほかの犯罪とは違うんですか、これは。事実とすれば犯罪行為でしょう。それで済むことですか、米だけは。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来も悪質な不正規流通につきましてはこれを厳重に取り締まりまして、特にそういうものをもとへ戻させるというようなこともやっておるわけでございますが、全体といたしまして、今回の法律提案で御説明いたしておりますように、実態がたてまえと乖離しておるという面から、全体の不正規流通についての十分な取り締まりがむずかしくなっておるというような実態があるわけでございますので、私ども、今回の法律改正を機会に、ぜひ厳正な取り締まりに当たりたいというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、今回法律改正したから、今後はこのようなやみ米が横行するようなことはありません、不正規流通はありませんと、この法律の改正この程度でもって言えますかね。自信持ちますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、現在の不正規流通米の発生源といたしましては、生産者から出るもの、それから生産者がいわゆる業者を通じて売り渡すもの、または流通段階において横流れするものというようなものがあろうかと思うわけでございますが、今回の法律改正によりまして需要に即応した供給を図っていくということによりまして、いわゆる正規米によって需要者の欲しい米が適正に行き渡るようにするということを心がけますとともに、流通ルートを特定をいたしまして、集荷業者についての指定制、販売業者についての許可制ということで、指定業者、販売業者についての業務の適正な運営を十分に指導をするということを考えておるわけでございますし、また、こういった指定、許可を受けない営業としての不正規流通についても厳正に取り締まっていくということが法律上も裏づけがされておるわけでございますので、こういった面において、今回の法律改正を機会にして十分な不正規米の取り締まりが可能であり、またやっていかなければならないと考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その取り締まりの参考に供するためにも、私が指摘をしたこの秋田の問題については追跡調査をして、どうなったのか、そのことをまた後日報告していただきたいと思いますが、よろしいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 早速調べるようにいたします。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次は生産者米価についてでありますが、今回の改正案で米の需給計画を立てて、ということは流通に市場原理や競争原理を導入していくということにもなるわけですけれども、結果的に、こうした基本計画や流通計画を運用することによって、生産者米価の抑制、これは直接にはないけれども、間接的には、結果的にはつながってくるのではないか。これはどういうふうにお思いですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の食管法の改正におきましては、価格面については従来のとおりでございますので、価格の考え方につきまして特に今回の法律改正によって変えるということは考えておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 価格はなるほど改正していないけれども、しかし、私はこの政府の米価算定に関する考え方についてもきわめて異議があるわけです。生産者米価は、食管法第三条二項によって決められておるわけでありますけれども、この規定は、政府の買い入れ価格は「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ」、そのために参酌すべき事項として、「生産費及物価其ノ他ノ経済事情」を挙げている。こういうふうに、「其ノ他ノ経済事情」、これを規定しているわけです。ところが、最近の政府の米価の決め方は、「其ノ他ノ経済事情」をうんと広範囲に解釈して、まず米価決定の一番柱に米の需要と供給、過剰だと、そのことを打ち出してきておるわけですね。こうしたいままでの政府の米価決定に対する考え方や方針の中から、今回の需給計画なり基本計画が必ずこの米価に関係を持ってくる。そのことを私は言い切れると思いますが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 米価についての考え方は、従来から、需給事情その他の経済事情も参酌をして決めるという考え方でございますし、実質上も、過剰が非常に累積をしたような時点におきましては生産者米価を据え置くというようなことも行われてきておるわけでございますので、今回の法律改正によって改めてこういった従来の考え方を変えるということは考えておらないわけでございまして、従来のいわゆる経済事情の参酌の中で今後の米価についても取り扱ってまいりたいというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食管法三条二項、これを厳密に読んでみますると、米価はこういうふうにして決めなきゃいけないとあって、「其ノ他ノ経済事情」というのは一番後なんですね。参酌するのは、経済事情は一番後。ところが、最近は政府は、さっき申し上げたように、この参酌する需給を一番前面に持ち出して、それによって米価を決めているわけです。ですから、基本計画や供給計画によって制限数量等が決められてくれば、米価等にもこれは響いてくる。  そこで、この今回の改正は、直接、価格の改正ではないけれども、基本計画や供給計画、その他の流通を改めたことによって米価を抑制する法的な根拠にはしない、また、これをもって米価を抑制するようなことはしない、そのことは大臣ひとつ確認をしてもらいたいと思いますが、どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたように、基本計画、供給計画はこれは一つの指針を示すものでございまして、生産者、流通業者、消費者にそれぞれの食糧に対する、一口で言えば安心感を得ていただくという役目も果たすということで、国の食糧に対する構え方というものをはっきりと法律によって国民の前に示すということに大きな意義を私どもは感じておるわけでございまして、その計画が米価に影響するというようなことは考えてはおりません。したがいまして、私どもとしては、米価あるいは麦価の問題については、改正案につきましては条文には何ら触れておらないわけであります。したがいまして、生産費及び物価その他の経済事情をしんしゃくし、米穀の再生産を確保するを旨として定めてまいるということについては、従来どおりの姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 米価の決定の仕方については、いま大臣から答弁があったところでありますが、そのような方法で米価は決定をしていく。したがって、五十六年度産の米価は幾らになるかわからないわけですね、生産費がいま幾らかかるかわからない。にもかかわらず、いまの段階からことしの米価は上がりませんよと、農林大臣もどこかで言ったことが新聞に出ている、大蔵大臣も言っている。何にもわからぬうちに上がらない、上がらないとPRするのは何ですか、これは。わかっているんですか、もはや。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今年産の生産者米価につきましては、政府といたしましてはまだ材料もそろっておりませんので、決定する段階になっておりませんので、従来から、今年度産米についてこうするということは申し上げていないつもりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 食糧庁長官は言っていないかもしれませんが、いろいろ新聞やテレビ等で報道されているのですね。また、予算の枠も決める時期になってきているのですが、もうその段階で、米価は上げませんと。これは食管法に基づいた決め方じゃないじゃないですか。以後そんなことを農水省当局が、大臣もそんな牽制するような発言は絶対やめてもらいたいと思うが、どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) この問題については、私はもう慎重にも慎重を期しておりまして、発言につきましては、もう私の口から米価に関してはどういうところでも発言はいたしておりません。ただいま食糧庁長官から申し上げましたように、これから生産費なり何なりの問題がきちんと出てくるわけでありますから、それらを精査をいたしました上に、この食管法の第三条の第二項に基づいて決定をしてまいります、いまのところ何も決まっておりませんと、こういうふうに申し上げてきておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 もちろんことしの米価は幾らになるかなんということを、決まっている段階じゃないし、私はそんなことを質問をしませんが、ただ考え方として、五十六年度の米価を算定する場合において、五十五年度にとってきたような算定方式を基準として米価は決定していこうとされるのか、さらに米価決定の時期も近づいてきているのですね。この算定方式についても何らかの変更を考えておるのか、その辺のことはこれはおっしゃることができるでしょう。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今年産米価につきましては、ただいま大臣からお話しいたしましたように、生産費等も内容がわかっておりませんし、全体の方式等につきましても検討中でございまして、いまの段階でどういう方式でということまで申し上げられるところまで煮詰まっていないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、この米価を含めて農産物価格の決定について、たとえば農政審の答申も一つの方向を出しているわけですね。たとえば農政審の答申は、需給事情が的確に価格に反映するように決めたらどうかという答申を出している。さらにまた、中核農家を育成するために、中核農家を中心とした価格体制をつくったらどうかという答申も出されているのですね。これらはいずれ米価についても決定の方法に大きな、何というか、役割りというか、力を持ってくると思うのですが、その辺についてはことしの米価を含めてどういうふうに考えられますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 実は今年産の米価のあり方につきましては、私どももただいま大臣からお話がありましたように、慎重に取り扱っていかなければならないと思いますので、その算定の考え方等につきまして、農政審の答申との関連がどうかというようなことも含めまして、現時点では明確に申し上げられる段階になっておらないわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 やがて一カ月もたてばその問題をまた論議しなければなりませんから、きょうはその程度におきたいというように思います。  次は、麦価です。麦価については当初農水省の改正案では、算定方式の改定方針が具体的に示されておった。ところが、農業農民団体や——それでわれわれも反対したわけですけれども、こういう反対によって改正が見送られた。そこで伺いますことは、今回は改正しなかったが、近い将来においてはやっぱりこれは変えていくのだと、こういう考え方は依然として持っておりますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 麦の生産者価格につきましては、私どもといたしまして、この規定が二十五、六年というように古い時期を基準としておりまして、その後の生産事情等の変化が非常に大きいという点でありますとか、またパリティ価格のみによって固定され、しかもそれを下回ってはいけないというようないわゆる硬直的な規定になっておりますために、麦作の生産性の向上の推移というようなものが織り込めないという問題さらにはまた、こういった規定でありますために、他の畑作物の価格規定との間でバランスを失するというような問題がございまして、でき得れば、今回の食管法改正の際にこの問題も取り上げたいというふうに考えたわけでございますが、現在、水田利用再編対策の第二期対策として麦作の推進に力を入れる段階における農民の方々に対する心理的な影響というようなことも考慮いたしまして、今回はこれを見送った次第でございますが、私どもといたしましては、方向としてはやはりこれは将来改正さるべきものというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで麦を取り巻く現状、日本の食糧を取り巻く現状の中から、麦価は改定しなければならないという方針のようですけれども、いつごろをめどとしているのですか。皆さんいつごろやりたいというように思うのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) その時期等につきましては、現在まだ具体的に決めておるわけではございませんで、方向として申し上げた次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私の持ち時間もぼつぼつ終わりになってまいりましたが、まだ残された問題が、集荷業者の問題だとか、自給度の問題だとか、まだまだたくさんありますが、これは後日なりあるいは同僚議員にお譲りいたしまして、そこで当面する問題として一点だけ質問をし、意見も決意も聞きたいと思うのですが、最初にちょっと申し上げました行革、臨調の問題ですね。食管法を改正しようといまやっているわけですけれども、しかし、この臨調が食管制度に対してかなり強い指摘をされてきておる。そのことも聞いておるわけです。きょう列席の皆さんの中には臨調から直接食管問題についてお聞きになった人もおるわけですが、臨調がどういうことを指摘しており、それに対して大臣はどういう考え方を持っているのか。どういう決意でもって臨むのか。法律を改正する時期ですから、重要な問題でありますから、ひとつ具体的にあるいはまた率直に御答弁願いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 臨調からの正式の答申は、これは七月になってからと、こういうふうになっておるわけでありますが、臨調から私自身、臨調の意向というようなものはまだ聞いてはおりません。ただ、それぞれ食糧管理制度問題について聞き取りがあったと、官房長あるいは予算課長等が呼ばれまして、それぞれの関係者の委員の皆さん方からの聞き取りがあったと、こういう点は報告を受けておりますが、しからばどうするというような臨調の意向というものはそれぞれの推測の域を出ないと、こういうふうに私は判断をいたしております。したがいまして、これはもう関係問題ということでもう前々からこの食糧管理会計の刷新という問題が言われてきておるわけであります。わが省といたしましても、毎年食糧検査制度の問題でありますとか、あるいは食糧事務所の整理の問題でありますとか、いろいろ合理化、近代化を図ってまいり、経費の節減に努めると同時に、逆ざやの解消を七年間でこれをなくしてまいろうというような処置もとってきておるわけでございます。今回御審議をいただいております食糧管理制度も、きちんとした体制にいたしまして、そうしてできるだけ少ない経費で、そうして合理的な信頼のある食管制度にしてまいりたいと、こういうことでこの体制をとっておるわけでございますから、私どもはこの食管会計が第二臨調の趣旨に沿っていけるものと、こういうふうに感じておる次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 最後に大臣、大臣はこの場所では具体的に臨調から出された項目を挙げることを大臣の立場でできないかもしれませんが、私の仄聞するところによると、たとえば臨調から自主流通米の補助金の制度はどうだとか、逆ざや解消はどうだ、米価についてはどうだ、あるいは部分管理はどうだ、それから人員削減はどうだと、具体的なものが提起される、こういうことを聞いているんですね。ただ抽象的な問題じゃないのです。それに対して、一方では、食管法を改正しよう、何とかしようと皆さんしているわけですね。そこで、大臣としてはいかなる決意でもって食管法を守っていくのか。つまり、臨調からそういう指摘もあるでしょう。それに対していかに対応をしていくのか、その決意を最後にお聞きして私の質問を終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これはもう本院に対しましても、本会議を通じまして食管法改正の趣旨をるる申し上げてきたところでございます。その根幹を堅持をして、そうして生産並びに食糧供給という重要な使命を達成するためには、やはり守られる食管法という体制をつくり上げて、そうしてその会計の近代化、合理化を進めてまいるということが今回の法案提案の趣旨でもございまするし、またそのことがこの食糧の需給のバランスがとれているとき、不足のとき、過剰のとき、いかなる対応にも応じて法律の運用が適時適切に図ることができて、全く国民に対して食糧の心配を持つような事態にいたさないということがこの食管法の使命でもありますので、その使命を果たせるように運営をしてまいると、こういうことでございますので、そういう点につきましては第二臨調においても理解ある答申が出てくるものと、こう期待をいたしておるわけであります。私としてはとことんまでこの食管法は守っていきたい、こういう強い決意で臨みたい、こう思っております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 議題となっております食糧管理法の改正案について質問をいたします。  食管法は、昭和十七年という戦時下において、当時不足する食糧を国民に平等に配給すること等を目的として制定され、その後米の供給過剰という事態が十年余りも続く中で、その運用面での改善が何回か要求されてきました。しかし、米の過剰傾向は依然としていまも解消されていないわけでございます。そこで、このたびの改正は食管法の矛盾を実情に即した部分的改正とか現状追認、このように言われておりますけれども、米の過剰が始まってからもう十余年にもなりますし、現実の問題として米穀通帳が使われなくなったのも何年も前からでもございますし、やみ米だって先ほどお話あったように現在堂々と横行しているわけです。こういうことは、いま申しましたようにきのうきょう始まったことではない。  そこで最初にお伺いしたいのですが、事ここに至ってこの食管法の改正に踏み切った、この理由は何であるか、この点を最初にお伺いいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 私も就任しますとすぐに食管法を改正したいと。というのは私も政治家であると、やっぱり法律は守られるべきであるし、そういう政治家としての潔癖性とでも申したらいいのでしょうか、まあそういうことで、やはり国民に対する議員としての立場、行政大臣として、行政官としての立場、どちらから考えてもやっぱりその点はきちんとしておくべきではないかと、これが私日ごろ議員として仕事をしてきておりまして考え、なおかつ強く主張してきたところでございました。たまたま農林水産大臣に就任をいたしましたので、ぜひともその点は、食管を健全に発展をさせていくためにも、やっぱり守られるような法律にする努力をわれわれはすべきであるということを強く申しまして、そうして昨年の就任当初に食管法改正の方針を出さしていただいたと、率直に申し上げるとそのようなことでございまするし、具体的に申し上げますならば、現行制度は米の食糧の不足なときにこれを前提として立法されたわけでありまして、そのために種々の問題が生じて、このまま放置しておきますといろんな面で批判が高まってまいる、制度の空洞化が進んでまいるというわけでありまして、国民の望んでおります健全な、本当にきちんとした食糧管理制度というものを維持存続させていくためにも、私はこういう問題となっておる点を、たとえ現状追認でもいいからやっぱりすらっとした、守られる、守られている食管法ということに持っていくことによって、食糧供給の問題、生産の問題を強力に推進することができるということで提案をさしていただいたと、こういうことでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 いま申しましたように、先ほど言った状況というのはいま今日、去年、おととし始まったことではなくて、ずっと続いているわけです。それで今日まで延びてきてここに急にできたという理由は、いま大臣がおっしゃいましたけれども、私はそれだけではないのじゃないかなという気もするわけです。  大体米穀通帳が使われなくなって現在まで相当たちますけれども、米穀通帳は一年間にどのぐらいの費用がかかっているのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の米穀通帳発行のための予算は約六百万弱でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 六百万にしても十年にすると六千万ですか。これはもちろん長官も持っておられないし、私も持っておりません。市町村へ行ってもいまありません。ですけれども、つくっていることは間違いない。これは国家の損になる、こういうことになるわけです。  そこであとは追及いたしませんけれども、それでは、歴代農林水産大臣はこの食管法の根幹を守る、根幹を守ると、こういうふうに言ってきておりますけれども、法の根幹というのは端的に言ってどういうことなのか、お教えいただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 食管制度のいわゆる根幹と申しますのは、食管法第一条にありますとおり、国民の基本的な食糧である米麦の必要量を確保し、国民経済の安定を図るため政府が米の需給及び価格を調整をし、米の流通について必要な規制を行うことであると、こう考えております。この第一条の中で、現行法は「配給ノ統制」という言葉が使われてありますが、これを「流通ノ規制」というふうに、内容においてこういう字句を直しはいたしましたけれども、米価決定の問題でありますとか、全量管理の問題でありますとか、そういう具体的な問題については、本法改正に当たっては現行法とその本質を変えてはいないと、こういうことを申し上げておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この根幹に関連して、先ほどもお話ありましたけれども、大臣は所信表明でも「基本」という言葉を使っておりますね。それから趣旨説明の中にも根幹という言葉はたしか私なかったと記憶していますけれども、この根幹と基本、この違いはどのように違うのか、それとも同じなのか、もうちょっと詳しく教えていただきたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 根幹と基本とは、考え方においては、ただいま大臣が申し上げましたように異なっておらないと考えておるわけでございますが、従来根幹というときの表現といたしまして、「配給ノ統制」という従来の目的をそのまま使っておりましたので、今回これを「流通ノ規制」というより広い概念に改めようといたしておりますので、そういった点も含めまして、基本を守るということでそういうふうな言い方にいたしておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そこで、根幹というのは第一条の目的、これが考えられると。根本的には根幹も基本も変わらないと言いますけれども、先ほどお話あったように、根幹というのは第一条の目的がそう言えるのだと、そういうふうに私聞いております。今回の法改正は、法と実態の乖離ということで現状追認であると、こういうふうに言われてもおりますけれども、目的のところで、「配給ノ統制」から「流通ノ規制」と、こう変わっております。目的が変わったことは法の根幹にも触れると、こういうふうに解釈されるわけですけれども、中には、この目的が変わったのだから根幹に触れるのじゃないかと、こういうふうに心配する向きがありますけれども、この点はどんなものですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来の目的におきましては「配給ノ統制」という表現を使っておりましたが、これは従来の法律がいわゆる配給制度を前提といたしました制度でありましたためにこのような表現になっておるかと思うわけでございますが、今回は、いわゆる配給制度は緊急時において発動することにいたしまして、通常時におきましては配給制度をやめるというふうに考えましたために、この「配給ノ統制」よりもより広い概念といたしまして「流通ノ規制」というふうに改めた次第でございますが、この流通の規制は配給の統制も含んでおる、緊急時における配給の統制というような問題も含んでおるというふうに考えておりまして、この基本的な考え方、いわゆる従来根幹と言われておりました考え方は何ら変わっておらないというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この根幹の問題について、われわれが先ほど言いましたように、過去歴代農水大臣は根幹という言葉を使ってきましたけれども、その中で私たちが指摘してきたことは四点あるかと思います。もっとも、いままでは米の供給過剰という事態が起こって、過去において何回か運用面で改善が要求されてきたことは事実でございます。四十四年の自主流通米制度の創設とか、四十六年の予約買い入れ限度数量制の設定とか、四十七年の物統令の適用廃止とか、こうなっているわけでありまして、今回も根幹は変わらないといまおっしゃいましたけれども、われわれの認識しているのは、具体的に言うと、一つは、米の全量を政府が買い入れる義務があること、これが一つ。二つ目は、生産者米価と消費者米価をそれぞれ異なった原理で決めるいわゆる二重米価制。三つ目は、米の流通の国家による一元的管理。もう一つは、米麦の輸出入を国家が一元的に管理することと、こういうふうに私は認識をしてきましたし、過去においていま言ったように何回か運用面で変えられてきたことは承知しておりまして、先ほど大臣がお答えになった根幹というこの意味の中にこれが全部含まれていると思いますけれども、もしいないということならば、この四点について、一つ一つここがこういうふうに変わった、ここがこういうふうに変わったと、こういうふうに言っていただけませんか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘がありました四点につきましての考え方は、従来と変わっておらないわけでございます。  具体的に申し上げますと、米の全量買い上げと御指摘がございましたが、私ども従来から必要のある数量を管理をするということで、管理の形には、自主流通米による管理と政府が直接買い入れる管理があるということを申し上げておるわけでございまして、その点も変わっておりません。  それから二重米価というお話がございましたが、私ども生産者米価につきましては、米の再生産を確保することを旨として、また売り渡し価格につきましては、消費者の家計の安定を旨として、それぞれの考え方に基づいて算定をするということを申しておりまして、この点も変わっておらないわけでございます。  それから米の流通の国家管理につきましては、国が責任を持って消費者に米を供給するということも従来と変わっておりませんが、ただ、今回配給制度というものを通常時にはやめましたために、米の流通につきましては、集荷の段階の集荷業者につきましては指定制、販売業者につきましては許可制という形にいたしまして、地域を特定いたしますとともに、その流通についての責任を明確にするという形にしたわけでございます。  それから最後の米麦の輸入の国家管理につきましても、従来と変わっておらないわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、一番目の米の全量を政府が買い入れる、この点が全量管理と、こういうように変わったというんですか、根本的には変わっていないけれども変わったと、こういうふうに理解するわけですけれども、この全量管理というのは、全量というのもわからないけれども、管理というのはなお私はわからないんです。この言葉は非常に漠然としております。どういうことを言うのか。また、全量管理には量だけではなくて流通も含まれるでしょうし価格も含まれると、こういうふうに解釈していいと思うのですけれども、その点と、それから今回の改正案にこの点について明記していないように思いますけれども、この三点についてお伺いをいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 全量管理という考え方であるわけでございますが、その場合の全量といたしましては農家の生産される米の全量に当たるわけでございまして、具体的には、流通の規制をいたします対象といたしまして政府に売り渡す米、自主流通によって流通される米、それから超過米のように農林水産大臣の定める規制に基づいて流通されるものというようなものを管理の具体的な内容と考えておるわけでございます。したがいまして、管理は政府が責任を持ってその量と流通について規制をするという内容になるかと考えております。そういう考え方で今回それぞれにつきまして基本計画を立て供給計画を立てるということで、その計画の内容においていま申しましたようなことを明確にしていこうとしておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 価格の面は。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 価格、流通につきましても全量管理の対象になるというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると必要量を全量管理すると、こういうふうに解釈できるわけですけれども、いま一億一千万人の日本の私たちが食べる量というのは、消費する量というのは大体一千万トン前後と、こうなっているわけです。これはたとえばの話ですけれども、この必要量というのは私たちが消費するのが必要量でありますから、もしその必要量が五百万トン、消費する量が五百万トンということになった場合には、それは五百万トンを全量と、こういうふうに言うわけですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 必要量の規模が変わればいわゆる管理の対象が変わってくるということになろうかと思いますが、ただ、私ども管理の考え方といたしましては、農家の消費するものにつきましても、これが一般の市場に出回るというようなことになれば管理の対象になる可能性を持っておるという意味において、潜在的な管理が及んでおるというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それではちょっと話題が変わりますけれども、先ほども出ましたが、第二臨調の土光会長は、今月二十二日の自民党本部で開かれた政治資料研究会で、臨調の基本姿勢を説明したと報道されておりますけれども、その中で土光会長の言っていることは、これまで農業が手厚い保護を受けてきたとの考えから、生産者米価、転作奨励金は見直すべき時期が来たと、こういうふうに言っておりますけれども、大臣、この発言についてどういうふうに受けとめられておられるか、お伺いいたします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) まあ私直接お聞きしたわけでもありませんので、私は私として、農林水産省が今日までずっと実績を重ねてきたこの米価に対するもろもろの問題、農産物に対するもろもろの制度があるわけでございます。そういう制度に対しまして臨調からどのような答申が出てまいりますか、それが正式に出てまいりました上で私の意向は述べたいと考えております。私といたしましては、現行立法されておりますその法律に基づいてやはりきちんとそれを行政的に処理をしていくということが私の使命でもございます。したがいまして、ここでどのような所感があるかと申されても、いろいろ答申を出していただかにゃならない立場でございますので、私としても慎重にこの辺は対処してまいらなければならぬなと、こう思っております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それではもう一つでありますけれども、五月二十五日の農林水産関係との意見調整の場の話を聞けば、臨調側が歳出削減の主要対象項目として、一つ、食糧管理の運営の改善、二つ目には水田利用再編対策の奨励削減、こういうふうに言われたと、このように聞いております。今後改正案では、米の全量政府管理を前提とした食管制度ということであれば、当然行政改革問題と絡めて食管運営に大きな影響を与えることは間違いないと思うのでございますけれども、この点については大臣どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) どういう臨調の方々の御意向が固まってまいるのか、私どもとしては私どもなりの食管の近代化、食管会計の合理化、そういう面に対しては年々努力をいたしておるわけであります。また、その努力が足りないというようなことで具体的な御指図を受けるようになるのか。それにいたしましても、やはりそういうことになれば法律改正とか何とかという問題が伴ってくることも予想されますので、これは責任者の私としてどうこうと申し上げるまでの資料を私は実は残念ながら持っておらない。したがいまして、遠き将来においても日本の国政を推進するための合理的な近代的な、しかもテープな体制をつくり上げていくというための答申が出されるわけでありますから、その答申に当たりましては、やはり筋の通った答申がなされるものであろうということを私は期待しておりますと、こう申し上げるほかにない次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 中曽根長官が本会議のときに、一たん緩急あるときはと、こういうお話もありましたけれども、一たん緩急あってその場で考えるということはもちろんしないでしょうし、したがって、大臣としても資料を持っていないとおっしゃいましたが、いまから決意はなければならないと思いますし、いろいろ考えておられると思います。  そこで具体的にお聞きしますけれども、この臨調の食管の運営改善策として、具体的に自主流通米の助成金のカットが挙げられているわけです、現実に。行政改革によって自主流通米の助成がカットされるということになりますと、先ほどもお話ございましたけれども、大変な問題になるのじゃないかと思いますが、農林水産省としてこの点について見通しは立てておられますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま大臣からお答えいたしましたように、第二次臨調におきましては、いろいろとヒヤリングの段階で委員ないしは専門委員の先生方から御意見が出たということは聞いておりますが、具体的にこういう方向でやれというようなものが出ておるというふうには承知しておらないわけでございます。  ただいま御指摘がありました自主流通米の助成等の問題につきまして、私ども今後の食管運営におきまして自主流通米の役割りというものを考えます場合に、どうしてもこれに対して適正な助成というものは必要であろうというふうに考えておりますので、この適正な助成の継続ということについては努力をしてまいる所存でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 しつこいようですが、もう一回これを念を押す意味で申し上げますけれども、御承知のように、自主流通米制度はあくまで政府米の補完として実施され、政府米と同じ安定した価格と流通が保証されなければ、政府が自主流通米を含めて全量管理するということの基本が崩れてしまうわけです。そこで、もし自主流通米のいま言った助成がカットされた場合には、この自主流通米が減少してくることは間違いないと思います。そうすると、当然政府米に多く流れてくると、このような現象が起これば流通はこれは混乱を起こし、その延長線上として食管制度の機能が崩壊すると、こういうことになるわけです。そこで、いまお答えありましたけれども、もう一度、行革による自主流通米の助成金カットについてはいかなることがあっても断固受け入れないと、こういう決意をここで披瀝できるかどうか、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 行革は政府全体の方針でございますから、ここで行革の具体的な案が出てまいらない段階で、私ども政府の一員がそれを真っ向から反対するということを申し上げるわけにはいかないわけでございますが、先ほど申しましたように、私ども自主流通米制度というのは、今後の食管制度の運営の上におきまして重要な役割りを果たすものというふうに考えておりますので、適正な助成というものは今後も継続する必要があるというふうに考えておりますので、そのような方向で努力をしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それではいま長官がおっしゃったから、これと同じ問題ですけれども、こっちは大臣に答えてもらいます。  もう一つ、転作奨励金の切り捨て、これも取り上げられているわけです。話はお聞きになっていると思いますけれども、転作奨励金の切り捨てということになると、三年間は転作奨励金や転作目標を固定するといういわゆる昭和五十三年の一月二十日ですか、「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」のいわゆる閣議決定に反するという、こういうことになるわけです。また、現行奨励金ですら米並みの所得補償には十分でないにもかかわらず、これを切り下げるということになると転作はもちろん進まなくなります。そしてどういうことが起こるかというと、生産調整による需給均衡を前提とした食管制度を崩壊させる、これも先ほどと同じような結果になってくると、こういうように私は思うのです。食管の基本を守るということからも、いま言った自主流通米の助成金カットと同様に、この転作奨励金を切り下げるべきでないと、こういうふうに考えますけれども、これは大臣、どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これは昨年の暮れ、冷害に打ちひしがれた農村の皆さん方、豪雪にあえぐ皆さん方、そういう情勢の中で、農業団体、市町村、各都道府県等、さらに関係者の方々の合意によって、三年間第二期水田利用再編対策を行わしていただきますよということで予算を編成をし、そうしてこれを実行に移しておるわけでございます。したがいまして、この三年間は、私といたしましてはやはり国民に約束をした問題でありますから、この約束は忠実に実行をしてまいるという決意を持っておる次第でございます。しかし、しかるところ、第二臨調というものができまして事態は一応途中で変化をしておると、こういうこともございますので、私どものやっております事柄が、生産調整に対してとっております私どもの手法を臨調に認めていただくことができるような努力もいたしてきておるわけでありまするし、筋の通った答申というものの中に含まれるであろうことをいまのところ期待をしておると、こういう心境でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、約束を守るということは決意しているけれども、守られないことになるかもしれないと、こういうふうにも解釈できるのですけれども。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これはもうやはり私どもも鈴木内閣の一員としてやっておるわけでありますから、一度閣議決定したことはできるだけこれはもう一〇〇%実行しなければならないわけではありますけれども、しかし、さらに事態が進展をいたしまして、第二臨調の答申が出てきた際にはどうするかと、どういう答申が出るかわからぬうちに、こう出たらああ出たらなんというようなことは私は申し上げたくない気持ちでございまして、まあそういう事態になった場合にはそういう事態になったときに考えていこうと、こういうふうに思っている次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、約束を守るという決意があるというふうに理解しておきます。  次に、食管法の功罪の件ですけれども、法律というものは、社会情勢、時代の趨勢それから世の中の移り変わりによって、その効用というものはもちろん変わっていくのはこれは当然であると思いますけれども、この食管法ができてから三十八年、法改正もあった、また、先ほど言った運用面についての改善も何回かされてきましたけれども、この現行制度で米が余って十三、四年、この間にたとえば限定した場合に、現行法の功罪、よかった点、悪かった点、この点についてはいかがでしょう。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の食管制度は、主食であります米について国が責任を持って国民に安定的に供給するということで、必要量を確保することを通じまして国民の食生活の安定を図り、わが国農業の根幹である稲作農業の安定を支えてきておるというふうに考えておりますので、やはりこの基本的な役割りというものは現在も果たしておると考えておるわけでございますが、一方におきまして、ただいま御指摘がありましたように、その後の経済事情の変化というものが起こってまいりましで、現行制度のたてまえと実態との間の乖離がいろいろ出てきておるわけでございますが、一つは需給の変動に応じた米の管理という考え方や方法が法律上明確でないというようなことから過剰問題というようなものが発生しておるという実態がございます。それからまた、品質面を重視する消費者の多様な米の需要についての対応が十分でないというようなことから、流通面における乱れが出ておるというようなことも否定できないかと思います。それからまた、購入券制度、配給割り当て制度に見られますように、実態として実施できない、守れないような姿の法律の形が目立ってきておるというようなことも指摘されるわけでございまして、こういった面につきましてはいわゆるマイナス面というふうに考えられますので、今回の法律改正におきまして、制度の基本は維持しながらこういったマイナス面を是正をしてまいろうというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 いいところ。いいところはないのか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 最初に申しましたように、食管制度の役割りは現在においても十分果たしておる、国民に対して安定的に食糧を供給するという役割りと、それから、わが国農業の基幹である稲作農業の安定を支えておるというような役割りは、現在でも十分に果たしておるというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 食管法の使命というのは、国民の食糧の確保と国民経済の安定であると、言うまでもないことでありますけれども、この食糧管理に要する財政負担がいま問題となっておりますが、すでに各界から食管制度の改革については多くの議論が出ておるところであります。大臣は、この食管の財政赤字をどういま認識されているか。まず最初に、これは基本にかかわる問題でございますので、お聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 食管の財政負担は、食糧の確保、国民経済の安定などの観点から、これは重要な意義を持っておるというふうに考えております。  他方、この食管の財政負担につきましては、まあ厳しい財政事情下にもあるわけでありますので、米の過剰問題、これが非常な財政負担を増加せしめておる根源にもなっておりまするし、また売買逆ざや等も批判をされておるわけでございまするし、米の過剰からくるところのこの管理経費の膨大なる増加、こういうものが財政負担の要因をなしておるわけでありまして、これらを処理していくことが、解決をしていくことが、この食管の赤字対策ということに相なろうかと思うわけでございます。そういう意味から、水田利用再編対策を推進をし、さらに七カ年計画で古米処理の方途をやり、さらに食管の組織なりあるいは検査の方法等の近代化を図って管理経費の節減をやってまいる、そういうことにして食糧管理制度の健全なる体制を確立をしてまいる、こういうことが私はもう非常に大事なことであると、こう考えておる次第でございます。したがいまして、食糧管理制度を運営することによって、先ほど長官からも申し上げましたように、一億一千万の国民に対して食糧を不安なくとにかく供給をしてきておるというこの現実、さらには、それがひいては生産米作農民に対して生活の基盤を与えておる、そうして生産意欲を減ぜしめないで今日まできておる、こういうことは私は非常にこの制度の果たしてきておる大きな役割りだろうと。そういうものを守りつつやってまいりますために、まあ財政負担というものが、これはある程度あってやむを得ないと、こういう認識でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それじゃその健全化の対処ですけれども、ちなみに五十六年度予算を見ると、水田利用再編第二期対策費として、食管繰り入れ等を合わせると、その金額約一兆円——三千億幾らと六千億幾らで一兆円になるわけですけれども、農林予算の二七%を占めているわけです。このうち食管繰り入れ等に要する財政負担は約六千五百二十二億円と、こうなっておりますね。今後は、この食管会計の最大の赤字要因とされる、いわゆる売買逆ざやの解消とか、集荷経費、保管料等に要する経費の節減、これは真剣に取り組まなきゃならないと思いますけれども、健全化についての対処は具体的にどうされますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま大臣からもお話がございましたように、私ども食管の財政負担につきましては、健全化できるものはできるだけ努力をしたいと考えておりますが、具体的には、米の過剰問題が赤字の一つの大きな原因になっておりますから、この過剰を解決いたしますための需給均衡の早期回復を図る、消費拡大なり、水田利用再編対策の推進というものを図って進めてまいりたいと考えておりますが、それとともに、今回の制度改正によりまして需給の調整をよりやりやすくするという仕組みをつくってまいりたいと考えております。  それから、逆ざやにつきましては、生産者米価、消費者米価それぞれにつきまして法律上の規定があるわけでございますので、この法律の規定に沿いまして適正な価格というものを決めていく、その際に、逆ざやというものについてもこの解消の方向ということについて検討をする必要があると考えております。  それからいわゆる管理経費でございますが、これにつきましては、需給の均衡を回復することによりまして過剰による経費というものはできるだけ節減が可能になると考えておりますが、そのほか業務運営の合理化、流通の合理化等を図っていきますほか、機構、定員につきましても引き続き簡素、合理化に努めてまいりたい、そういうことでこの食管財政の健全化に今後とも努力をしてまいりたいと考えておるわけでございますが、今回の食管法改正におきましては、ただいま申しました需給均衡の回復を初めといたしまして、こういった運営の改善と相まって食管財政の健全化に役立つものというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 話はちょっと方向が違いますけれども、この財政負担という件について私から申し上げたいし、またお聞きもしたいと思います。いま言ったように、赤字は一兆円、水田利用再編対策を引くとまあ六千億、大体毎年赤字を抱えて、農林水産省としても——まあ持ち上げるわけではございませんが、苦労しているわけです。そこで、この食管赤字というのは三K赤字の一つになっているわけです。ですけども、これは国鉄の赤字も困る、健保の赤字ももちろんこれは困る、これは当然でございますけれども、私はこの食管赤字の六千億——五千億か六千億か七千億か、大体その辺ですけれども、これは売買逆ざやを政府管理ということから当然負担と、このように考えられますし、また管理経費も、政府管理という以上当然の負担である、こういうふうに私は思うわけでございます。  言うまでもなく、米は日本のわれわれ一億一千万人の主食でもございますし、それこそ一日たりとも米がなくてはこれは生活できないわけです。さらに世界の情勢を見ると、先ほどからも食糧自給率の問題、また世界の食糧供給の問題、いろいろ問題が出ておりますけども、食糧事情が非常に流動的というか、また予断を許さない状況にあることはこれは間違いございません。それに加えて石油にかわって食糧が戦略物資になるのではないか、こういうことも予想されるわけです。  そこで、日本の食糧安保、食糧確保という面から考えて、この六千億というものは当然負担という考えに立って、農林水産省関係予算の中ではなくて、どこの省にも属さないというような別会計予算に持っていけないのか。こういう議論は議論にならないのかどうなのか。また、そういう議論はいままであったのかどうなのか。また、しているのかどうか。私はこういうふうにも思いますけれども、この点についてどういうふうに考えておられるか、お伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 政府が責任を持って国民の必要とする主食を管理をするということは、御指摘のように、安全保障対策としても重要な役割りを持っておると思いますので、その意味におきましてこれは安全保障費——広い意味における安全保障費ではないかというような議論はしておる事実はございますが、そのことが直ちに農林予算と別の枠として設定するかどうかということには必ずしもならないかと考えておるわけでございまして、やはりこういった食糧安保を含む食糧の安定供給、その再生産の確保ということは農林水産省の重要な仕事でもございますので、やはり私どもこの農林水産省の予算の中において適正な位置づけをしていくべきものというふうに考えておるわけでございますが、やはり御指摘がありましたように、適正な食管の財政負担というものは今後も国民にお願いをする必要があるものというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 六千億があるから構造改善もなかなか進まないとか、生産性向上のための新規施策ができないとか、こういうふうによく言われるわけです。そういった意味で、そういう議論もあってしかるべきではないかというふうに私は思うわけで、それで申し上げたわけです。  次に、基本計画についてお伺いをいたします。  このたびの改正の大きな点としては、米に関しては直接統制制度から需給調整制度に改められた点であると思います。第二条ノ二に、米穀管理の基本計画が明記されているということになっております。米穀の需給の調整その他本法の目的を実施するためにはこの基本計画が一番基本となっております。まず、先ほどもちょっとお伺いしましたけれども、基本計画を明記した目的はどこにあるのか、この点をお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正におきましては、過剰、不足、いずれの需給状況のもとに対応いたしましても、必要な米を安定的に供給するといういわゆる需給調整の役割りを果たしていけるようにというふうに考えたわけでございますが、従来の法律におきましては、そういった国の方針を明確に示すということが法律上定められておりませんでしたので、今回基本計画という形で、国の米の管理についての基本方針なり、管理の方法についての基本的な事項なり、または需給の内容別の見通しなりというようなものを明確にいたしまして、国としての管理の方向づけということを一般にお示しをし、それによりまして関係者の方々がこれを目安として、指針として食糧管理についての活動をしていただくというふうに考えたわけでございまして、これが国の食糧管理の方向づけを示すことになるものと考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この基本計画ですけれども、その目的はそういう目的かもしれませんけれども、その前に、この基本計画を法にのせよう、こういうふうになった理由というのはこれはどういう理由ですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたけれども、今後この食糧管理制度が、どのような需給事情のもとにおいても適正に需給の調整をしていく役割りを果たしていきますためには、やはりその方向づけが毎年毎年明らかになっておらなければなりません。特に食糧管理制度は、政府ばかりではなくて、集荷団体、販売団体はもちろん、生産者、消費者にも御協力を願わなければならぬ制度でございますから、そういった関係の方々に、政府はこういうふうな方向でこの年の食糧管理を進めるという方向づけを明確にしていく必要があるというふうに考えた次第でございまして、先ほど来申しております、どのような需給事情のもとにおいても適正な管理がされる、するというこの法律の目的を達成するために、この基本計画を法定した次第でございます。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 その辺はわかったような気もするのですけれども、要するに、この基本計画を法の上にのせるということについては、これはいま言ったような事情があって法の上にのせる。のせるのは、政府が、皆さんがおつくりになってここへのせたわけですね。これは政府が決めたことですし、それから、この後に出てくる毎年の基本計画の策定ですけれども、この策定については意見を聞く、こういうことになっておりますけれども、最終的には、また大臣がこういうふうにしなさいと言えばそれが最終決定になるわけです。そういうことを考え合わせると、この基本計画というのは、政府の一方的な、いわゆるワンサイドによる法文化ではないか、こういうふうに私は思われてならないのです。この後だんだん生産調整に影響してくるとかいろいろありますけれども、それはまたお聞きするとして、そういうように私は思うのですけれども、その辺はどうなんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正は食管法の制度の根幹を維持するということでございますが、その考え方は、やはり政府が責任を持って生産者と消費者の間に立って需給の調整をし、供給の安定的な確保を図るということでございますから、やはり政府の責任において、国としてはこういうふうにしてその年の食糧の管理をしたいということを明確に示す必要があろうかと思っておりますし、また、そのことが、関係者の方々に、食糧管理全体についての指針として協力をしていただく、また、協力していただいて活動を御期待を申し上げるということが可能になってくるというふうに考えておるわけでございまして、やはり、責任を持って政府が米の管理をするというたてまえからいたしますと、政府がこれをつくっていくという必要があろうかと思っておりますが、ただ、作成の過程におきましては、できるだけ関係者の方々の御意見が反映できるように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そちらの答弁によると、需給動向を踏まえて計画をつくり、これにより政府が責任を持って国民が必要とする米の管理を行うもの、これが一つ。計画は流通管理の指針であり、生産や消費活動を直接規制するものでなく、生産調整を強制するというものでもないとしておりますけれども、この基本計画は生産調整の影響や価格抑制等への影響は本当にないかどうか、これが心配なんですけれども、これはいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画は、ただいま申しましたように、その年々における政府の管理の方向づけを示すわけでございますし、関係者の方の指針としていただくためにつくるわけでございますので、法律的にこれによって生産調整を強制する、または、生産者米価を抑制するというふうな直接的な制約を持つというようなものではないわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、毎年の需給の動向を見て農林水産大臣が決定するわけでございますけれども、この基本計画の策定には生産者や消費者の意見がどの程度反映されるか、これは大事な点でございますけれども、この点について、具体的にどの辺まで検討されているか、お伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画は政府の管理の方針でございますが、できるだけ関係者の御意見をお聞きをして決めていきたいというふうに考えておりまして、米価審議会の場を活用するとか、または、特に直接的な流通の関係団体からの意見を聞く組織、機関を明確にしていきたいというようなことを考えておりまして、そういう形を通じまして、この基本計画になるべく関係者の方の御意見が反映できるようにしてまいりたいと考えております。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それじゃ、先ほども村沢委員の方から話がありましたけれども、具体的に、今回の法改正の中の基本計画の策定について、せめて、米価を決めるように、米価審議会に基本計画の策定について、価格の面だけではなくて、たとえば質の面とか量の面とか、これを諮問し、答申を受けて最終的に策定すべきである。ほかの機関を設けてもいいとは思いますけれども、そのようにしたらいいのじゃないのかな、こういうふうに思いますけれども、この点についてどう考えておられるか。また、そういうことによって米価審議会のあり方を政令で規定するかどうか。この二点についてお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 米価審議会は米麦価についての諮問を受ける機関になっております。また、今回の基本計画は米麦価のように直接生産者や消費者の利害を拘束するというような性格のものではございませんので、米価審議会に諮問、答申を得るというような、いわゆるきちっとした形での手続ということはいかがかというふうに考えておるわけでございますが、しかし、米価審議会は生産者、消費者ないしは中立の方々のお集まりでございますから、このような場において十分にこの基本計画の内容を御審議いただくようにしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 政令で規定しますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 政令につきましては今後具体的に検討したいと思っておりますが、私どもは、いま申しましたように、諮問、答申というような形はむずかしいのではないかというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 いずれにしても、多くの意見を聞いて、基本の基本でございますから策定には慎重にしていただきたい、こういうふうに思うわけです。  そこで、この基本計画で定めるべき事項というのがここに五つ出ておりますけれども、この中にいわゆる米穀の備蓄及び消費拡大に関する事項はございませんので、この規定を加えて、将来、先ほども備蓄の問題でいろいろ問題になっておりましたけれども、備蓄と消費拡大に対する方針を明記すべきではないのかな、こういうふうに思いますけれども、この点についてはいかがお考えですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 備蓄及び消費拡大につきましては、この基本計画の内容において重要な役割りを持つものというふうに考えておりまして、基本計画策定に当たりましては備蓄なり消費拡大にも触れてまいりたいと思っておりますが、ただ、法律の形といたしましては、現在の基本計画の表現が、米穀の管理に関する基本方針でありますとか、管理の方法に関する基本的事項でありますとか、また、ないしは、米穀の管理に関する重要事項というふうな抽象的な表現になっておるわけでございますが、これらの表現の中に当然備蓄の問題等も含めて考えていく必要があるというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 さらに、基本計画は品質別需給の見通しを定めておりますけれども、この定め方によっては特定地域米、特定品位米の生産規制に影響があるのではないかなと、これも心配されるわけです。長期的に見ると、需要に結びつく生産が必要になった場合には、いわゆる悪い米といいますか、それをつくるところから品質別需給調整でこの調整をする、こういうふうにならないかと危惧するわけですけれども、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども、今回の基本計画におきまして、できるだけ需要に応じた供給、また供給の実態を前提とした需要の確保ということの調整を図っていきたいと考えておるわけでございますが、ただいま御心配がございましたように、特定の地域だけを品質別需給によって生産調整を強制するというようなことは考えておらないわけでございます。生産調整につきましては、従来から生産調整としてのあり方について農民の方の理解と協力を得て進めておるわけでございますから、そういった考え方は今回基本計画をつくりましても変わらないつもりでございまして、そういった生産調整の実態を前提といたしまして今後の需給の調整を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もう一つ心配な点は、基本計画をつくる、そして米をつくる、しかし米をつくった場合に基本計画とずれが出る、ずれが出た場合に、次の年度の策定のときにどうするか、この点が心配なんですけれども、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画と実績とはどうしてもずれが出るかと思っておるわけでございますので、当然基本計画がその後の実績によって変わりました点は、来年度以降の基本計画の策定の場合の一つの参考になるというふうに考えておるわけでございますが、そのこと自体と、生産調整を直ちにこの基本計画のずれが出たことによって変えるというふうには考えておらないわけでございまして、現在の第二期対策の生産調整についてはすでに方針が決まっておるわけでございますから、今後の基本計画につきましてはそれを前提として計画を立ててまいりたい。実績との間にずれが出たというような点につきましては、いわゆる在庫の調整というようなことで調整をしていくべきものと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もう一つ策定時期ですけれども、いま言ったように実績でずれは多少あると。ずれはあるけれども、策定の時期ですけれども、これは毎年固定して、たとえば先ほどお話を聞きました一月とか二月とかということですけれども、それもずれることによって策定時期もずれると、こういうことですか。そうじゃなくて、大体決めたらば二月なら二月と、こういうふうに決めていくのかどうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 策定時期につきましては政令ではっきりと定めたいと思っておりますし、また、実態上も生産者の方々が播種前に明確になりますようにというふうに考えまして、固定をして、一、二月なら一、二月ごろに毎年決めていくというふうにしていきたいと思っております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 次に、自主流通米についてお伺いをいたします。  自主流通米については従来は政令としておったわけでございますけれども、改正案では第三条のただし書きに位置づけているわけでございます、法律にこのように明記した理由、また今後は、明文化したことによって自主流通米を奨励するという意味を含んでいるのかどうなのか、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 現在、消費者に対しましては品質の好みに応じた米の供給が可能となり、また生産者にとりましては品質に対応した価格の形成が図られておるわけでございまして、これによって需要の維持、増大なり、不正規米の防止というような役割りを果たしておると考えております。また、自主流通米の数量は現在流通量の約三分の一を占めるというような実態にもなっておるわけでございますので、したがいまして、この自主流通米というものの食管制度上の役割りを明確にしていく必要があると考えておるわけでございます。従来これは政令の段階で取り扱っておったわけでございますが、今回、先ほど来申しております基本計画を策定をいたしまして、    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 自主流通米、政府米というように区別を、区分をしてその需給の調整を図っていくということにいたしましたので、そのための自主流通米の政府に対する売り渡しの除外、例外ということも明確にする必要が出てまいりましたので、第三条におきまして、政府売り渡しの例外といたしまして、消費者に対し計画的に適正かつ円滑なる供給がなされるものというような性格づけを明確にいたしまして自主流通米を法定をしたという次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 自主流通米はこれによってふえると思いますか、減ると思いますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の規定は、いま申しましたような実態を法律上明確にしたというようないわゆる追認的な規定であるというふうに考えておりまして、この法制化、この法律に表現したことによって特に自主流通米の比率が変わってくるというふうには考えておらないわけでございまして、今後の自主流通米の需給状況等を予想いたしますと、現在の数量が急に拡大をするというようなことはないであろうというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もしこの法的に位置づけられることに伴ってその流通量が拡大されるということになると、政府管理というたてまえを形骸化させ、自由化を促進することにもなりかねないわけです。もしそういうことになると、いま言ったような事情で困るわけです。そうした場合に一定の歯どめ措置を講ずるべきだと考えますけれども、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、これは需給の実態によって、品質に応ずる需給の実態によって流通量が定まってくる性格のものでございますから、これを固定的に歯どめをするということはむずかしかろうというふうに考えておるわけでございますが、しかし、自主流通米が適正に流通されるということが必要でございますので、私どもも無制限に拡大するというようなことはないと考えております。そのために年々の基本計画、供給計画におきまして数量を明確にいたしまして、この自主流通米が無限に増加するというようなことにはならないようにしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、この流通する量というのは、自主流通米というのはいま言ったようにいま二対一の現状ですけれども、それが一番量としては適当であると、こういうふうに考えておられるわけですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申し上げましたように、自主流通米の流通量につきましては、消費者の良質米に対する選好というような嗜好の動向にもよりますので、現時点においてどれだけの数量で固定できるというようなことは申し上げにくいわけでございますが、最近における需給の需要の動向、また五十三、五十四年産米におきまして自主流通米の過剰が出たというような、自主流通米の中の良質米の過剰が出たというような実態からいたしましても、現在の比率というものがそれほど大きく変わるというふうには考えられないというふうに思っておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もう一つ、自主流通米のUターンの件ですけれども、Uターンは全量管理からして当然であると思いますけれども、このUターンの取り扱いについてどのように扱われていくのか、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米のUターンにつきましては、今後とも制度的にこれを禁止しようというような意図は持っておりません。ただ、実態といたしまして、自主流通米として流通されるというふうに期待しておった米が自主流通米にならないということは農家にとっても必ずしも有利ではございませんので、やはりこういったUターンというようなものが発生しないで済むような計画的な自主流通の数量というものを定めていくべきものであろうというふうに考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 政府は食管法の基本精神の米の全量管理のこの基本に基づいて、自主流通米はもとより、予約限度超過米についても政府の管理で行うということはこれは明確にすべきであると、こういうふうに思います。ここで念を押しておきますけれども、この点についてはそうされますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 予約限度超過米につきましては、これは基本計画を作成する段階におきましては予測できないものでございますので、基本計画にはのせませんけれども、供給計画を作成する段階になりますればこの数量が明確に見通されることになろうかと思いますので、供給計画の中にのせて管理の対象として明確に位置づけてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、この流通につきましては、自主流通ルートを通じた適正な流通が確保されるように規制をしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 次に、縁故米と贈答米でございますけれども、今回の改正で、個人間における無償譲渡行為はこれを認めるということになってきたわけですけれども、この認めることにした理由、これが一点。それから、こうしたことによって起きるメリット、デメリットをどのようにとらえられるか。それから全量管理ということから縁故米、贈答米というのはどのような関連をするのか、いわゆる縁故米、贈答米と全量管理ということについてどういう関連性があるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 縁故米は農家がいわゆる親類、知人等に対して贈与をする米というふうに考えておりますし、また贈答米につきましては、消費者が購入をした米をこれを無償で知人に贈るというものと考えておるわけでございますが、これらのいわゆる個人間の米の流通につきましては、これを一々把握をしようといたしましても実際上把握が不可能でございますし、また、これらのものをあえて取り締まりの対象にしなくても全体の米の円滑な流通というものには支障がないというふうに考えまして、今回これを無償譲渡に限りまして規制の対象から外すことにしたわけでございます。  しかし、こういった縁故米、贈答米というものが規制の対象から外れることによって、これがいわゆる不正規米になっていくのではないかというような心配があるわけでございますので、この縁故米、贈答米等が確かに無償の贈答に限る、無償の譲与に限るということを明確にいたしますために、特に流通業界の立場から、この縁故米、贈答米の名をかりた不正規流通が行われないように、いわゆる業としての不正規流通が行われないように十分に指導取り締まりをしてまいりたい。また、指定ないしは許可というような特定をされた業者以外の者がこれらのものをいわゆる商売として取り扱うというようなことについても厳重に取り締まってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。そのことによりまして、ただいま御心配がありましたようなマイナス面というものをなくしていきたいというふうに考えております。  これらのものにつきまして、贈答米につきましては一度消費者に販売された後の贈答と考えておりますから、これは国民に供給をする米の総量の中に入ってまいりまして、いわゆる管理の対象に直接なるわけでございますが、縁故米につきましては、いわゆる農家等の消費というようなことで、農家の自家飯米と同様な形になりますので、直接規制の対象にはならないわけでございまして、そういう意味では通常の管理の対象からは外れるわけでございますが、いわばこれが不正規流通に流れるというような場合にはいつでも取り締まりの対象になるという意味において、潜在的な管理の対象に含まれるものというふうに考えるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、たとえばこの縁故米の場合、米の消費拡大ということに通じると、こういう点については私もそれは結構だと思いますけれども、そうすると個人間に限るということになるわけですが、個人から法人ということも考えられないわけじゃない。まさか縁故米をトラックや貨車で持っていく人はいないと思いますけれども、その点については、いま不正規流通という点から、また流通面からいろいろ規制をしていくという取り締まりをしていくと、こういう話でございますけれども、数量的にも限界を規制する必要はないかどうか、この点は具体的にどうしますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたように、この縁故米、贈答米等につきましては、通常小口の個人間の譲渡でございますので、たとえ数量規制をいたしましても、そのとおりの数量であるかどうかということを一々追いかけて確認をするということはなかなかむずかしいわけでありますし、原則として大口のものがこういった形で流れることはないというふうに判断して差し支えないのではないかと考えております。  むしろ問題は、縁故米、贈答米という名をかりたいわゆる不正規流通米が流れることが心配でございますので、その点につきましては、ただいま申しましたように、流通業界についての十分な指導取り締まり、それからまた特定された業者以外の者が取り扱うことについての十分な取り締まりというような、いわゆる営業として行われる面の取り締まりを通じて、こういったものが不正に流れることを防止してまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 次に、全量管理ということは先ほども聞きましたけれども、単に量だけではなくて、価格についてもその責任を明らかにするものであると、こういうふうに考えるわけですが、消費者からは、それほどよい米でないのに高いとか、それから標準価格米はまずいとか、苦情が多々あると、こういうふうに聞いております。政府はこうした消費者へのいわゆる小売価格についていままでどういう指導をしてきたのか、また、今後こうした苦情に対してどうこたえ、適正な質と適正な価格について政府の責任としてどう対処していくか、この点についてお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 消費者に対する価格指導といたしましては、物価統制令を廃止しましてから以降は固定的な価格を原則として廃止しておるわけでございますが、ただ、いかなるときにも安定した価格で消費者が取得できますように、標準価格米制度をつくりまして、この標準価格米につきましては、その価格指導を各都道府県ごとに行っておるところでございまして、この指導に基づいた価格で販売されておる実態にございます。標準価格米以外の、いわゆる自主流通米を主たる原料といたします上米でありますとか、政府米の一、二類を原料といたします中米等につきましては、これは固定的に価格を定めるということはいたしておりませんが、この価格が不当に変動したり、また不当な価格形成にならないように、絶えずこういった価格の動向を把握をいたしておりまして、それによって適正な価格が指導されるように、問題があった場合にはいつでもこれを是正するような体制をとっておる次第でございます。  で、結局は消費者の方が、いまお話がございましたように、適正な品質及びその構成がどのようなことになっておるかということの判断をした上で適正な価格による購入がなされるようにする必要があるわけでございますので、そのために品質につきまして、どのような原料の米が入っておるのかということにつきまして原料構成を明確にする品質表示を励行させておりまして、こういった品質表示によって、どのような原料のお米が入っているということを明らかにすることによりまして、価格の適正な形成ということをつくり上げていきたいという指導をいたしておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 「農家消費等」という項を需給計画で定めております。この点なんですが、政府の調査によると、農家の保有米、それから種等は大体三百二十万トン、実際に農家が消費するのはこれは二百二十万トン。それを引いていけば百万トンになるわけですけれども、その百万トンのうち縁故米ということで出されるのは恐らく五十万トンから六十万トンぐらいじゃなかろうか。そうすると、残り半分の四、五十万トンというのはこれは不正規流通の米になっていくのじゃないか。こういう数字からいきますと、これは最初から不正規流通ということを容認しているような感じがするわけでございますけれども、この点。  それから三百二十万トンの決め方ですけれども、これは農家がどのぐらい食べるか、どのくらい種をまくかということでこれは決めるのでしょうけれども、これも政府の数字を見ると、山形は一人の消費量が大体百六十キロ、愛媛が百キロ。山形の人が大食い、そう言っちゃ失礼ですけれども、何か片方は百六十キロ、片方は百キロと、この算定基準というのですか、これはどうなっているのですか。この二点についてお伺いいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 「農家消費等」として計算をしております中に、直接農家が消費する以外のものが含まれておるということは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、従来から、私どももできるだけこの「農家消費等」の数量を実態に合わせて是正をしていくという努力はいたしておりまして、ただいまの三百二十万トンという点も、三百三十万トンから三百二十万トンに落としたというような形で是正をしておるわけでございますが、一方におきまして、従来までの集荷の実態がございまして、できるだけ全量集荷を努力をしてまいりましてもどうしても集荷し切れない数量というようなものがそれだけ残っていたという実態があるわけでございます。したがいまして、そういった集荷の実態に応じて地域に差がございますので、先ほど御指摘がございましたように、県によって「農家消費等」の見方が違いがあったということも事実としてあるわけでございます。  したがいまして、今後におきましては、いわゆる集荷業者の指定ということを通じまして指定業者の活発な活動を促進いたしますとともに、今回の食管法改正の趣旨を十分農家の方にも御理解いただきまして、できるだけ全量集荷体制というものに努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もう一つ、やみ米のことですけれども、先ほども村沢委員から、堂々とこのように大っぴらに行われているということでございますけれども、それは私も聞いております。そういうことだからそうなのかもしれませんけれども、まあ業界紙とか、それから中には一流新聞にもやみ相場が掲載されておるのを見ているわけです。これは生産者側にとっては非常に不信を抱くものでもありますし、政府側としては困るものじゃないかと思うのです。まあ一万七千六百五十円、これが二万六千円も、ひどいところになると一万円も高い二万七千円もというようないわゆる相場が出ているわけです。この点について何か規制をするというか、政府の方で対処する方法は何かないのですか。この点をお伺いいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私ども実態が残っている以上は、その実態についての報道がなされるということを直接規制するということは困難であろうかと思っておりますが、むしろ、ただいままで御指摘がありましたいわゆる不正規米、自由米というようなものの流通をなくしていきますことによって是正を図っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、いわゆる集荷の段階、流通の段階等におきまして不正規米が一般化してこういった新聞等で報道されるような実態をつくらないように努力をしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 幾らうまい米でも、二万六千円とか二万七千円と、それが堂々と相場として出てくると、農家の方としてはこんなにも高いのかというような不信を抱くのじゃないかと、私はこういうふうに思うわけです。そういう意味で申し上げたわけです。  それから次は「政令規定見込事項」、これについてお伺いしたいと思いますけれども、これお伺いする前に、先ほど午前中の最後に村沢委員からお話があったように、私はこの見込み事項について非常に不満というか、そうであってはならないのじゃないかと、こういうふうに思う点があるわけです。大体この見込み事項はけさこれ配られたわけです。それもそうですし、それから法律というものは、これはその法律によって私は違う面もあると思いますけれども、この食管法に関しては新法じゃないわけです。ですから、法律に条文をのせる場合には、恐らく普通の法律だった場合には、特に新法でなかった場合には、下から意見というようなものをまた積み上げて、それを検討してそして法文化する、こういうふうに載せるものだと、私はこういうふうに思っておるわけです。中には法律をつくって今度はそれを政令で定める、省令で定める、こういうことの法律もあるかもしれませんけれども、この食管法の場合にはいろいろいままで検討もされてき、また要望もあり、新法でないわけですから、そういう点からいけば、この政令規定見込み事項、この点については当然話題にもなっているし検討されている。そういう点から言って、これはもっと早くに知らせるべきじゃないかなと、こういう点。  それからもう一つ、肝心なところへいくとみんな政令と、こういうことになっているわけです。きょう配られたこの見込み事項の二番目でもそうです。「法第三条第一項本文の政令で定める米穀は、現行の政府に売り渡すべき米穀に関する政令に準じた手続」、これは何を言っているか私はさっぱりわからない。肝心なところは全部政令になっているわけです。ましてや、この文をずっと見てみても非常に抽象的で、それで、「政令で定める米穀は、現行の政府に売り渡すべき米穀に関する政令に準じた手続及び内容により定めるものとする」、最後は「見込み。」と、こうなっているわけです。何だかこれさっぱりわからない。  まあそういうことで、政令の規定というのですけれども、もっと悪く解釈すれば、こういうふうに政令がたくさんあるということは、これを運用面で政令で悪く規定すればこれは大変なことになるわけです。そういう面も含めて、この食管法は特に大切な法律でもございますので、この政令規定についてどういう考えを持っておられるか、お伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今回の法律改正の主な点は、一つは基本計画、供給計画というものを定める点でございますが、この基本計画、供給計画の策定に当たっての手続的なところを政令で決めるというのが第一点でございます。  それから第二点は、政府の買い入れ及び自主流通についての規定でございますが、この政府の買い入れ及び自主流通の規定につきましては、実は従来から政府に売り渡すべき米穀に関する政令というものと、それから自主流通についての政令がございまして、そういった従来の政令を引用するという考え方に立っておりますために、この表現は必ずしも適切でなかったわけでございますが、従来のこの「政府に売り渡すべき米穀に関する政令に準じた手続、内容により定める」というふうな表現になっておるわけでございまして、従来あった政令というものの考え方をそのまま引用、踏襲をしてまいるという考え方になっておるわけでございます。  それから第三番目の法律改正の大きな内容は、いわゆる集荷業者の指定と、それから販売業者の許可制に関する問題でございまして、この集荷業者の指定と販売業者の許可制に関する問題につきましては、指定の基準でありますとか、それから業務運営の考え方、それからこれについての取り締まりの問題、申請の手続というような、いわゆる手続的なことを指定制、許可制について定めようとする政令になっておるわけでございます。  それから、第四点が、緊急時における配給制度の復活でございまして、この緊急時における配給制度を復活するための政令というようなことが主な内容になっておるわけでございますので、法律改正の大きな点と対応して申し上げますと、以上のようなことになるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そういうことじゃなくて、大臣にお聞きしたいのですけれども、政令ということについて私が申し上げたいのは、要するにこの食管法の場合には政令が非常に多いわけです。これはいわゆるこの本法を変える場合に——まあ変えるわけですけれども、いろいろ積み上げてきているだろうと。そういうものが重なって積み上がって、そしてこういうふうに改正しようというふうに法の上にのってくる、こういうふうに私は思うのですけれども、肝心なところへいくといま言ったように政令、政令と、こういうようになって、それが月日がたつと今度は法案に上がってくる、法文に法制化してくる、こういうふうになってくるわけですけれども、この政令ということについて、検討段階で、見込みなら見込みでも結構ですけれども、私の言っているのは、もっと早くこれをわれわれに示すことができないのか、法案審議をする場合にその方がより細かく検討できるのじゃないか、こういうことを言っておるわけなんですけれども、この点についてどうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 大変資料をお届けするのがおくれたようでございまして、この点は深くおわびを申し上げる次第でございます。政令につきましては、法律が決まってから、その法律の基本的な精神を基本にして、法律事項まで持っていかずとも行政的な面でやってよろしいと思われるような問題については政令にこれを譲るというわけでありまして、ここにずっと「見込事項」ということを出してあるわけでございますが、この点についてただいま長官からも申し上げたわけでありまして、やはり法律屋さんのつくるやつはなかなかこれはわかりにくいと申しますか、もう少し親切さが足りないという御指摘もあったわけでございます。そういう点、この第三条第一項というようなときに括弧でもして、これはこうこうこういうふうに書いてあるのだということをちょっと説明書きをつければもっとはっきりすると、こう思いますので、これでは本当に一々法律をひっくり返して見ないと理解がいかないと、こういうことでございますので、この点は、これをつくって、つくってといいますか、加筆させていただいて提出するようにしたいと思います。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 もうちょっと丁寧にお願いします。  それでは、この「政令規定見込事項」について何点かお伺いします。「見込事項」の第一として、「第二条ノ二第一項の政令は、基本計画の策定時期等を規定する見込み。」と、こうなっておりますけれども、そこでこの「見込事項」で言っている「等」の事項の内容はどういうものを指しているか、まずお伺いいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この政令は策定をする時期とそれから策定の期間、これは一年間になろうかと思いますが、策定の期間を規定するつもりでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この自主流通米ですけれども、法文上に、先ほど聞いたように位置づけるために二条ノ二、第一項二号で規定しているわけです。三条のただし書きによって明確な位置づけをしようとしております。この内容ですけれども、質とか量とか、どういうものを規定しようとしているのか、その点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ここに書いてありますような「特定の者の取扱い」というのは、現在のいわゆる生産者団体とそれから卸売団体とによる取り扱いということでございます。一定の流通方式というのはその取扱業者による取引による流通ということを考えております。  それから、農林水産大臣の認可を受けた計画というのは自主流通の計画を認可をするということを考えておるわけでございますが、これらにつきましては現在の政令におきましても明確にされておる点でございますので、これを主としてそのまま引用をしていくということを考えておるわけでございます。ただ、従来は自主流通米の根拠が法律の第九条に基づいた政令でありましたものを、今回はこの第三条のただし書きということで根拠が変わるわけでございますが、政令自体の内容としてはほぼ現行のものと同様のものというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 現行の法第三条において、米は命令により「政府ニ売渡スベシ」と、こういう政府の強制買い上げの規定になっております。今度の改正案では「米穀ノ数量ヲ基礎トシテ政令ヲ以テ定ムルモノヲ」云々「政府ニ売渡スベシ」と、こういうふうに改めておりますけれども、これは上の方ですが、この文中で「ベシ」「ベシ」と、こういうふうに二つの「ベシ」がございますけれども、現行法の「ベシ」と改正案の「ベシ」との相違はどこにあるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来の「売渡スベシ」の考え方と今回の「ベシ」の考え方とは同様に考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 同じということですね。改正案の第八条ノ四には緊急時の規定がきちっとありますけれども、それを第三条でいま言ったように「政府ニ売渡スベシ」と、こういうふうにしていることは、緊急時の規定と何か関係性を持たせようとしているのか。そうでなければ、いま同じだと言いましたけれども、この「ベシ」というのは非常に生産者に対して圧力的であり命令調のような感じがするわけです。だから、売り渡すことと、こういうそれこそ親切なやわらげた語句にならないかどうか、これはどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この点につきましては、御指摘のような議論もあるわけでございますが、実はこの政府が全量管理をするという制度の基本を守ろうといたしますと、    〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕 生産者が必要なときにだけ売ってくるということでは全量管理が確保されませんので、実は麦の場合はそのような規定になっておるわけでございますが、麦の場合は間接統制になるわけでございまして、やはり国が全量管理をするというたてまえからいたしますと、この生産者に売り渡し義務を課するということはやむを得ない規定であろうというふうに考えておるわけでございますし、また逆に、この規定が従来から食管の根幹の重要な内容をなすというふうに考えられていた点でございますので、この時点でこれを変えるということは根幹を揺るがす、また、全量管理という考え方を揺るがすということにもなりますので、法律の形としてはそのまま残した次第でございまして、ただ、運用といたしましては、生産者の協力を得ながら買い入れをしていくということは当然と考えておるわけでございます。  また、ただいま御指摘がありましたように、この規定を残しておりますのは、緊急時におきまして政府がその必要なものが確保できるというための担保にもなるものというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、緊急時の規定に関係があるということですね。  次に、競争入札の件ですけれども、四条で、政府の米穀の売り渡しは一般の場合随意契約、こういうことで売り渡しておりますけれども、今回の改正には競争入札を導入しているわけです。この競争入札の対象となる米は、これは私が考えるわけですけれども、恐らく品質の変化によって価値がなくなったもの、それからまあ水ぬれで売れない事故米とか、それから古米とかえさ米だろうと、こういうふうに推定するわけですけれども、こうした米が今度は競争入札の対象になるのじゃないかなと思いますけれども、過去にもこういう米はあったわけです。そんなにずっと過去まででなくても結構ですけれども、こういういわゆる事故米、えさ米、対象になるような米というのは大体どのぐらいあったのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘ありました水ぬれのような米につきましては、従来も事故米としていわゆる食管の対象の米ではなくなるということで競争入札等で処分した例があるわけでございますが、従来は、食管の対象になる米は一応随意契約で売り渡すことにしておるわけでございます。  今後この入札を導入いたしますのは、基本としては随意契約によるということを明確にいたしますとともに、加工用等につきまして随意契約によることが不適当と認められる場合にこの競争入札が可能なようにしたわけでございますが、その対象といたしましては、いわば加工用のように品質によって非常に差がございまして画一的な価格決定がしにくいもの、または他の原料との競争というような関係で固定的に価格を決めがたいものというようなものに限って行いたいというふうに考えておるわけでございますが、具体的に数量がどの程度になるかということにつきましては、いまのところそう大きなものになるとは考えておりませんが、予測を立てることはちょっとむずかしい状況にあるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、競争入札の対象になる米というのは、えさ米だとかその事故米というのは、なるのですかならないのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) えさ米のようなものは、この競争入札の対象になるというふうに考えております。事故米につきましては、従来からこの競争入札が可能であったということでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そこで、いまえさ米が競争入札の対象になると、こういうことですけれども、私がここで心配するのは、こうした米を少しでも高く売って、競争入札をやって特別会計の負担軽減を図りたいと、それは私理解できます。それを売却する場合、米の品質低下、また品質変化等を検査し、その米の使用目的を定めて売るということをした方がいいと思いますけれども、この使用目的を決めるということはやってきたのですか、いまからやるのですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) いままでもやってきておりますが、今後も具体的に決めてまいりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そこで、なぜ私がそういうふうに申し上げるかというと、たとえばえさ米として安く売りますわね。その米が、競争入札ですからどこが落札するかこれはわかりませんけれども、それが食用、たとえばせんべいとか菓子とかいうことに使用された場合、これは健康上非常にゆゆしい問題になってくるわけです。これを私は心配するわけです。そこで、使用目的以外に使用しないという義務づけをする必要があるのじゃないか。またそのチェックは当然していただかなければなりませんけれども、この辺は大丈夫ですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 御指摘の点は非常に重要な問題でございますので、従来からその点は非常に気をつけておりまして、たとえば、まるのままは使わせないというような形で挽砕したものを使うとか、ないしは他の染料を入れるとかいうことをいたしますとともに、その使用に当たって立ち会いをしてチェックをするというようなこともやっておりまして、今後とも御指摘のような点が起こらないように十分に指導、チェックをしてまいりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 次に、改正案の八条の供給計画についての策定でございます。供給計画を定めたり変更したりするときには、その関係部分について知事の意見を聞くことになっておりますけれども、都道府県側の要望と農林水産省の計画がかみ合わないとき、たとえば供給量をふやしてくれ、反対に減らしてくれ、こういうふうになったときにどう調整するのか、これが一つ。  それから、知事の意見というものを聞くと、こういうことになっておりますけれども、知事の意見はただ参考にするだけなのか、それとも全面的というか、ある程度そちらを優先さして聞き入れるのか、そっちを優先するのかどうなのか、この二点をお伺いいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 実は従来も配給計画というような形で協議を都道府県と行いながら供給を行っておるわけでございますので、今後の供給計画の運用に当たりましても、知事の意見とわれわれの意見が食い違わないように調整をいたしませんと実際の円滑な供給ができないわけでございますので、十分に話し合いをいたしまして調整をするようにしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 知事の意見はどういうふうに……

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) したがいまして、その協議の過程で十分に知事の意見を取り入れていきたいと思っておりますが、具体的に知事の意見が優先するのか、国の立場が優先するのかということを一律的に申し上げることは困難でございまして、両方の立場を十分に調整をして一つの結論をいたしませんと、物の流れは一つでございますので、その物の流れが可能になるような調整を十分に図ってまいりたいというふうに思っております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 次は、集荷業務の件ですが、第八条ノ二に集荷の業務規定があり、大臣の指定を受ける、こういうことになっております。  そこで、集荷業者を指定する要件としてどのくらいの規模の施設、また集荷業務の経験、資産信用量の内容を考えておられるか、具体的に検討されていると思いますけれども、この点をお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 集荷業者の指定につきましては、その具体的な基準については現在までまだ結論を得る段階になっておらないわけでございますが、私どもといたしましては、従来の集荷業者との継続性というようなことも十分に考慮をいたしまして、指定集荷業者の指定の基準を定めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この集荷業務について大臣が必要な改善措置を命ずることができる、こういうふうになっておりますけども、その内容はどんなふうに、また、命令に違反した場合、業務停止処分とか指定の取り消しとかして、いわゆる守られる食管法にしたい、こういうことですけれども、違反についての内容というか、範囲を具体的に示していただきたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 指定集荷業者に対する改善命令につきましては、先ほど来議論が出ておりますような不正規な流通というような危険が生じたような場合、または全量集荷の目的が果たせなかったような場合というようなときに、適正な活動をしてもらうための命令を発するようにしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 この集荷の区域ですけれども、この区域の拡大を導入しようということはまだ言っておりませんけども、導入しようというふうに考えられます。もし区域拡大を導入した場合に、同業者間でそのシェアの拡大によってトラブルが起きるのじゃないかと心配するわけですけれども、トラブルが起きた場合に、調整は農林水産省が責任を持ってその調整役をするのか、また調整措置というのはどういうふうにやっていくのか。その辺は詰まっておりますか。お伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 集荷業務の運営改善につきましてはまだ十分に詰まった段階になっておりませんが、やはり先ほど来御議論が出ていますような、全量集荷をより徹底させるということからいたしますとなお改善の余地があろうかと考えておりまして、集荷区域につきましては市町村を基本とするという考え方でございますが、特に必要がある場合にはさらに指定制度の運用の弾力的な取り扱いというようなことも考えてまいりたいと思っております。  その場合に、業者間の調整というようなことが必要になってまいるかと思いますが、この点につきましては、十分に食糧庁が実態に即した調整を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 販売業者はいま登録制、これが許可制と、こういうことになるわけですけれども、この販売業務を的確に遂行するのにどういう要件が具体的に必要なのか、これが一つ。  その結果、現在の販売業者の中には要件を満たすことができないために落とされる者、これが相当、と言っていいか出るのではないか、この見込みはどうですか。この二点についてお伺いいたします。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 販売業者につきましての許可要件といたしましては、卸、小売の業務を的確に遂行し得る経験を有しておるかどうかというような経験要件、それから必要な資産信用を有しておるかどうかというような要件、または適正な業務運営に必要な経営規模が保持できるかどうかというような施設等の要件、または法令違反による罰則を受けた場合に一定期間を経過しておるかどうかといった遵法要件というようなものを販売業者の要件というふうに考えて許可をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、これらの要件を具体的に当てはめていきます場合には、従来の販売業者についての実態というものとの調整というようなことについても、地域の実態に即して判断をしてまいる必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 そうすると、その要件に満たないで落とされるというか、外されるというか、それは出る見込みはないということになりますか。    〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 必ずしも画一的に絶対出ないというようには申し上げられないわけでございますので、やはり実態に応じた判断が必要になってくると思いますが、私ども従来の業務の継続性というようなものについては、十分に配慮してまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 新規参入ももちろん申し込みがあると思いますけども、この新規参入については、既存業者との兼ね合いで全く認めないのかどうなのか、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 消費者に対して適正な供給を確保いたしますために、地域によりまして新規参入の必要性が出てくるところがあろうかと考えております。従来もこういった形での新規参入を行ってきておるわけでございますが、今後におきましてもこの法律の趣旨に沿った消費者に対する供給が可能となるように販売店舗の配置というものを考えてまいりたいと思っております。ただその場合に、当然既存業者との関係というようなことも出てまいりますので、地域における実態に即しまして既存業者との商業調整というような問題も考えていかなければならないと思っておりまして、このために必要な商業調整の期間というようなものも考えながら、実態に即した調整を図っていくようにしてまいりたいと考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 販売業者の件についてもう一つお伺いしますけれども、登録制が許可制になるということは、従来から行政改革で事務の簡素化、合理化、そういうことで許認可業務の縮小、これはいまも言われているし、いままでもやってきた。許可制にするということは、それが逆の方向に向いているのじゃないか、そういうふうに考えるわけですけども、これは権限強化につながらないかどうなのか、心配するわけですが、この点は言うに足らないものなのか、それとも権限強化なのか、いかがでございますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 販売業者につきましては、やはり消費者に対して責任を持って米の供給をしてもらう。その責任はただ単なる数量だけではなくて、品質、価格、販売方法というような面でも消費者の需要に十分にこたえてもらわなきゃなりませんので、そういう意味でこの販売業者の活動につきましては、日常から十分な指導監督を行う必要があるというふうに考えておりまして、その流通ルートを特定するとともに、責任を明確化するという観点からいたしますと、やはり許可制というものが必要であろうと考えておるわけでございます。  実は従来から登録という形の業務をやっておりましたので、この許可になって特に行政業務が増大するというふうには考えませんけれども、やはりこういった責任を持った流通ルートを維持するためには、許可という仕組みが必要であろうと考えておる次第でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、時間が来ましたので最後にもう一つ。  許可の内容は販売業者の生活権にかかわる重要なことでありますので、許可基準の骨子をあらかじめ示して、そして販売業者の施設、資産、先ほど言ったいろいろな要件、この充実が図られるように誘導していくいわゆる猶予期間を設ける、それに応じ得ない者は許可しない、こういうふうに配慮すべきだと思いますけども、この点はいかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この法律の附則におきまして、既存の業者につきましては法律施行後六カ月間はそのまま地位が認められることにいたしておるわけでございまして、そういった猶予期間を置きまして、ただいま御指摘がありましたように、この基準に該当するような改善を図ってもらうように十分な指導をしてまいりたいというふうに考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、今回の食管法の一部改正の法律案の審議の第一日目であるということもありまして、法案に即して以下何点かお尋ねしたいわけなんですけれども、一つは、第二条ノ二の関係でお尋ねいたします。  第二条ノ二のところでは、基本計画を定める、こういうふうになっているわけですが、その中身は何かといえば、第一にまず需給の見通しであり、そしてまた、政府の管理すべき米穀の数量、こういうふうに定めてあるわけです。こういうことが明確になっているだけに、全国の農協中央会はもとより、農家の皆さん、そうした方から、水田再編利用対策、つまり、いまの減反政策がこのことによって法的に裏づけられるのではないだろうかという心配が出されているわけなんです。ところが、いままでの答弁を聞いておりますと、いろいろと答弁の種類はあるようですが、まとめて言えば、基本計画というのは生産、消費者の両者にとる指針であって、その指針が達成されるように期待するものである、でありますから、生産面を直接強制するものではないのだというふうなことが言われているわけですね。  しかし、私は、第一にお聞きしたい点は、片一方、基本計画の場合には単年度でしょう、毎年毎年計画を立てるわけですね、需給の見通し等についても。ところが、生産調整は、少なくとも、いまの十年計画の中の第二期対策については三年間と固定しているわけですよね。しかし、実際に生産されるという生産行為そのものは結果を見なければわかりませんね。豊作の場合もありますし、昨年のような冷害の場合もありますね。とすれば、当然、こういう生産調整の制度とそれから基本計画がやられている制度的、仕組み的に矛盾がある、こう思うわけなんですけれども、そういう矛盾はどういうふうにやって調整されていくおつもりなんでしょうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画におきましては、毎年毎年の需給の見通しを立てていくわけでございますが、そのことと、ある一定期間を定めました生産調整とはずれができるではないかという御指摘かと思いますが、私ども、生産調整につきましてはそういうふうに一定期間を前提としてつくるわけでございますから、生産調整に基づく生産量というものをこの基本計画の中に反映させて考えていくというふうに考えておる次第でございます。その場合に、基本計画において需要との間でずれができるかどうかというような点につきましては、これは必ずしもずれができるというふうにも考えておりませんが、もしずれが出たような場合には、これは在庫調整というような中で調整をしていくべきものというふうに考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 方法としては、基本計画の中に定める在庫調整ということでやるということですけれども、私が伺っていますのは、とにかく、いずれにしても、生産、需給を意味づけるものですよね、見通すものですよね。仕組みで違うという点ですよね。だから、それをどうするのかと聞いているんです。  それじゃ具体的にお尋ねしたいわけなんですけれども、不測の事態が生じた場合の方が話がわかりやすいかと思うので申し上げますと、これは、農業新聞はもとより他の新聞でももうすでにいろいろ報道し、指摘されておりますけれども、ことしも冷夏の心配があるというふうなことで、とにかく、気象庁が二十日発表した六月から八月までの三カ月予報によれば、梅雨入りは早く、しかし長い、こういうことを言っているわけなんです。としますと、二年連続冷害という場合にどんな事態が起きるかということです。  具体的には、本米穀年度末で五十五年産米の持ち越しの予定数量は約百万トンと説明していたかと思うのです。昨年の冷害では約百万トンの減収がありますから、そういうことになりますと、ことしが昨年並みの冷害だったと仮に仮定した場合に、実際に来年持ち越し数量というのは一体あるのかと言えば、これはゼロになってしまいますね。としますと、そういう点から考えたときに、生産量の一定の確保が必要ですから、だとすれば、これを生産調整の方で見ていくのか、つまり、生産調整の目的を変更するのか、それとも基本計画の中で結果として見ていくのか、どっちなのかという点なんです。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) その年々の需給の見通しでございますが、基本計画におきましては、需要は、実態に応じた需要というものが見通されると思います。供給の方は、生産調整によって供給される数量というふうに見込んでいけると考えておるわけでございますが、いま御指摘がありました、具体的に現在の在庫量から見て、五十六年産がもう一年去年と同じような不作が起こったらどうなのかというような点につきましては、そういうふうな事態がもし想定される場合には、生産の規模自体を変えていかなければならぬというふうに思うわけでございますが、実は、五十六年産の生産自体につきましては、昨年のように大きな冷害が二度続くということをいまから予想を立てるということはできないと思います。また、逆に非常に豊作になってくるということになりますれば、五十、五十一、五十二年というあたりに発生いたしましたような非常に豊作による過剰な在庫というようなことも考えられるわけでございますので、いまの時点におきましてそういった予想を立ててこうするということを申し上げるのはなかなかむずかしいのではないか。いずれにいたしましても、適正な供給が可能なように私どもとしては最大限の努力をいたしたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、実態を予想して云々ということは、法律的に見て、生産調整と基本計画はどういうふうに関係するかという点での一事例で出したわけです。ですから、仮にそういった場合にどうするかといって尋ねたら、いろいろ言われたけれども、結果としてそういうことが出たときには、一つは生産の規模の変更ということは出ると言っておりましたね。つまり、それは減反目標を変えるというふうな手法になると思うのです、いまのお話だと。どうなんでしょうか。その減反の目標を変えるということになれば、減反そのものの目標を途中で変更するのか、それとも、基本計画で数量的には明示しなくとも、たとえば、この第二条の第二項の、どう書くかは別としても、ここに一から五までありますけれども、一、二のところで管理の問題で基本方針を書いてあるわけですね。そうすると、その管理のあり方として、ことしはもう在庫の積み増しが必要だという点から減反の面積はむしろ減らさなければならないという事態を、案にどう書くかは別としまして、そういうことをここに書くというふうなかっこうで、結果として生産調整なるものを誘導していく、こういうふうに理解してよろしいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 生産調整は、一定期間におけるいわゆる需給の安定を図るために生産の規模を一定量にし、それ以上のものについては転作によって他の作物に転換をしていくというために助成をしていく政策でございます。一方におきまして基本計画は、その年における需給の均衡を図りますための総体の数量の中で、品質別、用途別等の需給の調整を図っていこうといういわゆる管理の中における数量の見通しになるわけでございます。したがいまして、全体の需給といたしましては、生産調整で予定をする量も基本計画で予定をする全体の需給も、これは一致すべきものというふうに考えておるわけでございますので、従来の生産調整を変えるか変えないかということは今後の問題でございますが、現在のわれわれの考え方としては、従来の第二期対策を前提としてこれに基づいて基本計画を立てていくというふうに考えておるわけでございまして、それ以上の事態については現在のところは予想をしておらないわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 現在は予想していないということだけれども、逆に言えば、そうするともう将来——いつの将来かは別としても、考えられるというふうにも受け取れるわけですね。とすれば、基本計画というものは何なのかということになると思うんですよ。基本計画の主なものは米穀の需給の調整というのがこの第二条ノ二の中心目的でしょう。そうですね。この米穀の需給の調整をやるがために基本計画を立てるわけですから、その持つ基本計画が、単なる指針であるとかガイドラインだとかというものではなくて、生産調整という一定の長期的な固定化されたものであるけれども、どちらかで誘導しなかったらばつくる意味がないということになると、これは法律的にちゃんと読み取れると思うのですが、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 基本計画は、その年における需給の見通しを立てましてそれによって政府の管理の方向づけを明確にするということでございますから、その政府の方向づけを指針として関係者の方々に食糧管理についての協力をしていただくということを期待をしておるわけでございます。したがって、法律上、この基本計画が生産調整を強制するというような形のものは出てこないわけでございます。先ほど来申しておりますように、私ども生産調整も、需給の均衡を図るということを前提として生産調整を考えていくわけでございますから、この生産調整の前提とする需給の均衡も、基本計画が考えていく需給の均衡も、総体としては一致すべきものというふうに考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ですから、総体として一致すべきものだといって私が言ったのは、片や基本計画は毎年毎年になって、生産調整は生産の安定的なということになればある一定長期だから当面三カ年と、こうなっているわけですから、しかし、そういう中で生産の点でずれが出てきたらどうするかと聞いているのです。それにさっきから答えていないですよ。で、一致させると。じゃ一致させる手法はどうやって一致させるのだと私聞いているんですよ。そうすると、一致させることになれば当然私はこの基本計画というものが生きてくるのだと思うんです。つまり、農林水産大臣は米穀の需給の調整をするために基本計画をやるわけですから、単に一般的な指針じゃないわけですから、需給の調整のために立てる基本計画ですから、農林大臣の責任において課せられた基本計画だと、こう思うわけですし、同時にそれは行政的な責任を伴うものであると、こういうふうに思われるわけですが、再度どうでしょうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) お話は、基本計画においては、先ほど来申しておりますように生産調整を前提とした供給を考えるわけでございますが、その供給と見込まれる需要との間のずれが出るのではないかということを御心配になっているのかと思います。私どもとしては原則としてそういったずれはないというふうに考えておりますが、もしそういったずれが三カ年間に見通される場合には、在庫の調整というようなところで調整が可能であるというふうに考えておるわけでございます。基本計画の性格はあくまでも政府の全体需給の管理の方向づけを示すわけでございまして、何遍も申しておりますように、これが生産調整を強制するというような法律的な性格は持っておらないわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まあ、法律として基本計画を立てるという点での行政の責任という点はどうかという点で私は聞いているわけですが、それには答えていませんよね、答えていませんね。基本計画の持つ意味はどういう行政責任があり、法律的にはどういう意味があるのかということを聞いている。それには答えていないですけれども、時間も限られていますから、私はここの点でもう一度明確にしたい点は、生産調整というのはとにかく三年間固定していますから、基本計画というのは一年ごとにやる、そういう点で仕組み上の矛盾点があるというのははっきりしているわけです。そして結果として生産が足りないときも多いときもあるのです。足りない場合はどうするんだとこう聞いたわけです。それで一定の積み増し云々ということが必要になったらば、減反を、たとえば五十万なら五十万やっていたけれども、もっと米が必要だとなれば、五十万の減反調整のところは四十五万ヘクタールなり四十万ヘクタールに下げないと必要な米が確保できないということになってくるわけです。そうすれば、それは生産調整の部分で目標変更するのか、それとも基本計画でやるのかと言っても、さっきから一つも答えていないですよ。しかし、これだけ法律的にはっきりしているという点で言えば、とにかくはっきり言えることは、第二条ノ二で、農林水産大臣は責任を持ってその米穀の需給調整をするのだと、その目的を果たすために基本計画を立てるのだと、その基本計画には以下のようなものをやるのだと、これははっきりしている。ですから、法律的にはやはり行政責任が明確になっているし、そしてその法律的な意味合いというのは大きいと、これは指摘しておきたいと思います。  それから次に、やはり二条ノ二との関係でですけれども、備蓄の問題です。備蓄はどうするかという点では、さっきの他の委員にもお話がございましたけれども、いままでは全量回転備蓄方式ということだったけれども、今度はたな上げ備蓄方式をとるという点で検討している、細かい数字等はいま検討中だと、こういう話だったと思うのですね。としますと、そのたな上げ備蓄方式というのはどういうことかという点なんですけれども、これは一部は主食用として回転する備蓄分にしまして、あと一部分は専門にたな上げして、何年か後には工業用、いわゆる主食用以外に充てるのだと、こういうものの中身として理解してよろしいですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 一部はこれを回転しながら順次食べていく備蓄でありますし、一部のものはたな上げをしておいて、それで備蓄の必要が生じた場合には主食としてこれを充当いたしますが、この備蓄としての機能を果たしました後におきましては加工用等に処分をするということになろうかと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それから、基本計画の中で「政府ノ管理スベキ米穀ノ数量並二其ノ用途別、品質別」ということで書いてありますが、用途別数量の「用途別」という場合にはどういったものを指しているのでしょう、この「用途別」というのは。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 主食用、加工用というような形の区分を考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 現在、用途別は売り渡し価格においては格差をつけていると思うのですね。そうしますと、買い入れ価格に反映させるというふうなことはございませんか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在、加工用価格を安く売っておりますが、これは古米処理という形で安く売っておるわけでございます。今度のこの用途別の数量というものから、直ちに買い入れ、売り渡し価格について当然に価格を決めていくというふうには考えておらないわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 直ちにそういうことは考えていないと、こういうお話ですが、言葉じりを言うのじゃないですが、これまたやがてはどうなるかという含みもあるかにも聞き取れますが、実際的にたな上げ専用の備蓄の場合、これは予約限度数量の範囲で買い上げられたものだけれども、しかし、売るときの値段というのは安くなっているわけですよね。そうしますと、当然財政的な負担を政府がしないということになれば、実際に売る値段を見越して買い入れ値段を引き下げるというふうなことも考えられると思うのですが、いかがですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 備蓄のたな上げのやり方につきましては、なお今後詰めなきゃならぬ問題がありますので、必ずしも具体的にお答えしかねるわけでございますが、やはりこの備蓄に回る米というのはその年々の需給の実態に基づいて決めていくことになろうと思いますので、特定の米だけが備蓄に回るというようなことではないだろうと考えております。したがって、備蓄に回るかどうかということは結果として出てくるわけでございますので、あらかじめそういった備蓄用の米というようなものを特定いたしまして、これに買い入れの際に価格差をつけるということは考えておらないわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 考えていないと、こういうことでございますけれども、かつて過去の国会の論議を通じまして、ここに「用途別、品質別及流通ニ於ケル管理ノ態様別」云々とこう書いてある中で、用途別と品質別のことが並列的に並べられておるという経緯から、過去の品質格差が設けられた当時の話を振り返ってみたいと思うのです。  そうしますと、昭和四十七年に、売り渡し価格に減額I、減額IIという格差を設けたと思うんですね。その当時、これが生産者価格にもはね返るのじゃないかと心配して、当時津川委員が衆議院で質問しているわけなんです。それに対しまして、当時の足立農林大臣はこういうふうに答えているのですね。衆議院の農水委員会、昭和四十七年九月の十二日なんですけれども、「生産者価格につきましては絶対に将来とも差をつけないということを、きょうも米審でお約束してまいりました。」と、こう言っております。ところが、その七年後、五十四年産から生産者価格にも品質格差が導入されたというのは御承知のとおりであります。  こういう点から判断して、いまもう売り渡しの時点で用途別格差を実施しているわけですから、これが買い入れ価格に将来とも用途別格差が入らないということが断言できるのだろうかと。断言できますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在、用途別の買い入れ価格というものは考えていないわけでございますが、いわゆる遠い将来、価格のあり方をどうするのかというようなことにつきましては、さらに価格の考え方としての需給のあり方、財政負担のあり方というようなことも含めて検討すべき課題であろうと思っておりますが、これは一般的に検討すべき問題と考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いまいみじくも、現在は考えていないけれども、一般的という括弧つきでありますが、価格のあり方等については将来は当然考えるというふうに答弁されましたね、それなんです、心配は。これは農政審議会が「八〇年代の農政の基本方向」でお出しになっていますよね。その中にいまの価格の問題について、用途別の問題を明確に指摘しているわけですよ。つまり読んでみますと、「必要に応じ、同じ種類の農産物であっても用途別に異なる価格の形成を図っていくことも肝要である。」と、こういうふうに述べております。農政審の方でもこういうふうに述べていて、しかもなおかつ国会で議論して、しかも大臣が絶対にそういうことを、売り渡し時にやっていることを買い上げ時にもやらぬという言明をしていたにもかかわらず、それがやられていると。これは品質別の方ですけれども、それが用途別という点で絶対ないというふうなことが明確になっていないという、そういう点が私はここで明らかになったと思うわけです。そういう点で、いま今後の、将来として非常に危険性をはらんでいるという点を指摘しておきたいと思います。  それから次に、買い入れ制限と自主流通米の問題に関して幾つかお尋ねしたいわけなんですけれども、基本計画によりますと、これは「態様別ノ数量ノ見通ニ関スル」ものを入れるのだということで自主流通米のことが位置づけられているわけですけれども、これがさらに明確になっているのが第三条の第一項だと思います。売り渡し義務を課す米穀について、基本計画で定める政府の管理すべき数量に第三条一項で限定して、ただし書きの部分でもって売り渡し義務を解除する。自主流通米制度をきちんと法文化したというのが現行食管法と違う一つの面だと思うのですけれども、こういう形ではっきりと法文上こう明確に記入したという意味はどこにあるのでしょうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 自主流通米につきましては、私どもこれが生産者にとっては品質に応じた適正な価格の形成が可能となり、また消費者に対しては需要に応ずる品質の米が供給され、それによって需要の拡大なり、またやみの流通というようなものの防止にも役立っておるというふうに考えておりまして、今後とも食管制度の中において、重要な役割りを果たしていくものというふうに考えておるわけでございますが、その数量も全流通量の約三分の一にまでなっておるわけでございますので、従来、政令の段階で決めておりましたものを、むしろ法律の段階で明確にすることが望ましいのではないかと考えたわけでございますが、具体的には、基本計画を立てます際に、基本計画の中におきまして、「流通ニ於ケル管理ノ態様別」ということで、政府米と自主流通米を含めて全量管理の対象にするということを明確にいたしましたので、この基本計画における自主流通米というものが具体的にどういうものかというのを、法律の第三条で、政府に対する売り渡し義務のただし書きのところで明確にした次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、法制化する積極的な意味は特別ないのであって、実態からだよということと、それからいままでは政令で四十四年にですか、自主流通米制度が導入され、四十六年には買い入れ制限を導入してきたわけですけれども、それを法律的に表に出したのですよと、こういう話だと思いますね。とすれば、やっぱりこれはなし崩し改悪の食管法というふうに言われるのではなかろうかなと思うのですよ。つまり、政令でやっていたということはいままでは国会の議決によらなかったわけですから。閣議了解でしょう。それを今度は現状追認だというかっこうで法制化し、また次のやり方で政令で定まったものをまた今度法律にしてというふうなかっこうになっていったら、どんどん変わっていくというふうに、そういうまさに食管制度のなし崩し、これを法制化したものだという意見が大変出ているわけですけれども、いかがでしょう。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 私どもといたしましては、これだけの実態を備えております自主流通米につきましては、できるだけ法律上も明確にして、その性格を明確にいたしますとともに、数量といたしまして基本計画、供給計画において明確に数量を規定をいたしまして、全量政府管理の中における自主流通米の位置づけというものを明確にしたつもりでございますので、御指摘の御議論とはむしろ逆に、私どもとしてはこの自主流通米というものを食管制度の全量管理の中に明確に位置づけをしたということで、なし崩しとは逆の方向であるというふうに考えておる次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 なし崩し改悪か改変か改正かは別として、その法的な手続上として私はなし崩しであるというのは事実だと思うのです。一つは、いままで政令でやったと。そして現状が生まれました。その現状を今度は、これだけの現実になったんですからといって法律化したという点では、もともとあった法というものをそういうかっこうでなし崩し的に変えてきているというのは事実だと思うのです。そうですね。どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) この点につきましては、従来から、自主流通米というのは従来の食管法の中において位置づけられた制度であるというふうに考えておるわけでございますので、今回の法律に出したことによって特に制度の考え方が変わるというふうには考えておらないわけでございますが、しかし、法律上より明確になったと、しかも数量的にも法律上に規定されました基本計画なり供給計画において明確にされるということは、自主流通米の全量管理の中における役割りを明確にされたものというふうに考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 自主流通米のことは次に詳しく移したいと思うのですが、私は買い入れ制限も自主流通米も含めて、いままで言ってみれば政省令だったものを法律的に上げた、その積極的意味は何があるかと、こういうことでいろいろやってきて聞いたわけなんですが、実際には追認しているという点では、これははっきりしていると思うのです。  次に聞きたい点は買い入れ制限の問題なんですけれども、この買い入れ制限は農家にとってどんな積極的な意味があるというふうに考えていますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 従来から、政府の買い入れるものにつきましては命令で定めるものということで、国民の必要とする米について政府が買い入れをするということにしておりました。その政府の買い入れ量を定める際に限度数量を設けまして、その中から自主流通米に向けられたものを除いたものを政府の買い入れにするというような手続によって定められておったわけでございます。したがって、この買い入れ制限につきましては、従来の限度数量の運用と今回規定いたしました政府の管理すべき数量というものとは同一のものでございまして、これによって実態上農家に対して特に変化を与えるというものではないというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、実態上買い入れ制限という行為そのものが農家にとってどうかと、こう聞いているわけです。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 御質問の趣旨が必ずしも明確でございませんが、私ども、従来から生産者の方々には、食管制度において必要とする米の供給をしていただくということで生産調整をお願いをし、生産調整の結果といたしまして限度数量を設けまして、必要量を農家の方に売り渡していただくというような御協力をしていただいておるわけでございまして、こういった御協力を願うことによって農家の方々には御苦労をかけておりますが、一方において食管制度を守っていくという意味での役割りを協力していただいておるというのが実態であるかと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は農家にとっては、やっぱり生産者に具体的にいわゆる限度数量というものがあることによって、つまり予約限度数量を超えた米は超過米という形になるわけでして、これは確かに流通では自主流通のルートに乗るでしょう。しかし、値段はどうかということになれば、これは売りの段階では政府水準よりも安くという場合も出ますし、販売経費はどうかと言えば、一時いろいろと金倉なんか助成していたこともありますけれども、いまは全部農家負担というようなかっこうになっていると思うんですよ。とすれば、この限度数量を設けたということによって、豊作等で限度数量を超えた米の部分については、これは経済的に政府がきちんと責任を負っていないという点で、逆に言えば、農家というのは天候勝負ですから、冷害のときもあるし豊作のときもあるわけですから、米価を決めるときにも大体おおむね三年を見てと、こうやるわけですから、そういう点から見ていったときに、冷害のときに一〇〇%補償しているという実態でないのだから、豊作のときにも一定補償をするというふうなかっこうになっていないという仕組み自体は、これは経済性という点で生産農家にマイナスになっているということははっきりしているということを申し上げておきます。  それで、消費者にとってはどういうメリットがおありだと思いますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 限度数量という形で、従来から国民の必要とする数量については確かに供給をするという形にしておるわけでございますので、消費者にとって必要なものを供給することを確保しておるというふうに考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 買い入れ制限をやることが消費者にどういうメリットがあるのかと聞いているのですよ、私は。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 買い入れ制限は生産者に対して行うわけでございますので、これが直接消費者との関連ということは、むしろ、こういった形で必要な量についての適正な管理が行われるということによって食管制度が健全に維持されることが、消費者にとってもメリットがあるというふうに間接的に考えるのが至当かと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 買い入れ制限は生産者に対してやっていることだから、消費者にとっては直接メリットにはならぬと、しかし、総体として消費者に必要な米を供給するという点で意味があるのだということなんですけれども、生産者のところでは政府価格水準よりも安く卸屋さんにやられるという経過があるわけですね。ところが、そのお米が結果として消費者にそれじゃ安くいっているかというと、経済効果としてはさっぱり安くいっていないわけです。これはっきりしていますね、私は超過米の特別販売なんということを聞いたこともございませんから。そういうことになりますと、食管法の目的から言っても、これは実際に一体どうなのかという点からいくと問題じゃないかと思うのですけれども、どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 超過米が生産者には安くなるが、消費者には、いわゆる政府売り渡し価格水準になるからこれによって特に安くなるわけではないということの御指摘かと思いますが、これは超過米の流通につきましては、いわゆる政府の必要な米というものの範囲外というふうに取り扱っておりますので、この流通経費については生産者の実質的な負担になる場合が多いということから、消費者のメリットはないけれども、生産者の側にとっては管理経費の部分だけが負担になる場合が多いというのは御指摘のとおりであろうと思いますが、このことはいわゆる必要な米の枠外の米であるということからやむを得ない事情であろうかと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、生産者にとっても消費者にとっても具体的なメリットはないと。そうすると、最大の効果というのは何ですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 超過米はいわゆる政府が管理すべき必要な米からはみ出た部分でございますから、これの流通については、適正な流通を確保することによりまして混乱を生じないようにするということが必要であるわけでございますが、この過剰米というもの、超過米というものについては、これはやはり生産者の負担があるということは実態としてやむを得ない。だれがメリットを受けるかということではなくて、いわば天候等によってやむを得ず発生したものの流通でありますので、そういうふうな形になることはやむを得ないものと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 すると、いまの答弁で明らかになったことは、私もさっきちょっと言ったんですけれども、食管法の目的のところには何と書いてあるかというと、これは言うまでもありませんけれども、「国民食糧ノ確保」、量の確保と、それから「国民経済ノ安定」、こうなっているわけですね。そうしますと、「国民経済ノ安定」という点でのその「国民経済」とは何かという点ですけれども、これは政府の「食糧管理法の解説」を見ますと、この際の「国民経済」というのは何かということで解釈されているのです。「「国民経済」とは、「生産者(農家)経済」と「消費者経済」との二面があろう。」と。こういう点で、生産者とも消費者ともその経済性を保障していくというのがそもそもこの食管法第一条の大きな目的の一つになっているわけですが、それから反するということが非常に明確になったと、こういうわけですが、よろしいですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 食糧管理制度は国民の必要とする米麦についての管理をしておるわけでございまして、それにつきましては、いわゆる管理経費等も含めて相当の財政負担をしてこの適正な流通を確保をしておるわけでございます。このことがこの目的に書いてあります「国民経済ノ安定」なり、「国民食糧ノ確保」ということの責任を果たしておるというふうに考えておるわけでございまして、例外的ないわゆる超過米というものについての御議論というのは、こういう全体としてのこの食糧管理法の目的なり役割りというものを阻害するものではないというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いろいろ言われているけれども、阻害しないと言っても、結果的にはさっき答弁されているわけです。買い入れ制限をなぜ設けたかと、それを超えたお米はこういうルートでこうこうこういう経費でと言ったら、生産者にも消費者にもメリットがないと。何がメリットかという議論は別として、量の確保上必要なんだと、こう言ったわけです。つまりそこにあると思うんですよ、量の確保上という点で。そうしますと、この買い入れ制限のねらいは何かと言えば、やはりこれは生産調整の強制を裏づけるものだと、こういうふうに私は言われると思うのです。  つまり、これは買い入れ制限が持ち込まれました四十六年。四十六年に本格的な米の生産調整の対策のその一つの内容として買い入れ制限が実施されたわけですが、四十五年十二月二十九日に政府と自民党の間で予算折衝した際の最終決定された文書があるわけですね。これは全国農協中央会で出されているものですけれども、それによりますと、最終決定は党三役と政府の折衝に任されたそうですけれども、「米の生産調整対策について」として、「生産調整の実行のため、予約限度数量を定め、これを生産者に指示する」、こういうことが取り交わされていたという、これは御存じですね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) そういう事実があったと聞いております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 としますと、これはいままで政府が言っているように、生産調整というものは強制じゃありません、生産者の理解と協力を得るものなんだと、こう言っているけれども、事実そうでないということが非常に明確になったと思うわけです。どうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 生産調整につきましては、従来からたびたび申し上げておりますように、農家の方々の理解と協力を得てお願いをして実行しておるものでございます。この目的は、いわゆる食糧管理制度が国民の必要とする数量についての管理をしていくというために、必要な数量を維持するために生産調整をお願いをしておるわけでございますが、この生産調整の考え方を基準にいたしまして、食管の買い入れ数量というようなものについてもこれは限度を設けておるということは、法律上も命令で定めるものという形でその考え方が裏づけられておるというふうに従来から申し上げておるわけでございます。したがいまして、この生産調整がいわゆる強制であるということは私どもは考えておらないわけでございまして、今回の法律改正におきましても、生産調整はあくまでも理解と協力のもとに進めるというふうに考えておりまして、この食管法の改正によって生産調整を強制をするということは考えておらない次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 買い入れ制限を法制化することによって生産調整を強制するものでないと考えていると。それは考えるのはどうでも結構でございますけれども、実態として、いまの議論を通じてよく聞いていただければ、結果として、この買い入れ制限の目的は何かと言えば、まさに生産調整押しつけのてことして使われている、これが明らかになったということを私は言いたいわけです。  特にこれは歴史的に見ても明らかな点の、一つはさっきも言いましたが、もう一つ、農協米穀対策中央本部は、四十五年の十二月三十日、買い入れ制限の強行決定に際して次のような声明を発表しているのです。これもさっき言った全国農協中央会の出している「米価政策と米価運動」の中の話ですけれども、この米の買い入れ制限措置という方針が出されたことに対して、「このことは、政府首脳が公約に反し、自ら食管制度の根幹を破壊する行為をあえて進めようとしていることを示し、生産調整について生産者を信頼せず、協力を期待しないことを表明したもので、米生産調整の実施と結果については、あげて政府がその責任を負うべきである」、こういう声明も出しているわけです。  だから、こういうふうな歴史的な経過を見ていきますと、それを今度法制化をきちっとやるという点では、まさにこの買い入れ制限等も含めて生産調整押しつけのこれがてこに使われているというふうに私は読み取れる。大臣この点どうですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 下田委員の論点をずっと拝聴しておったわけでありますけれども、要は、なぜそういう事態の推移をたどってきたかという点も振り返ってみなけりゃならぬと思うわけであります。その私が申し上げる点も、それは政府の責任だと、こうあるいは御指摘になるかもしれませんけれども、やはり農業基本法をつくりまして、数次長期見通しをつくりました。その見通しの生産の面においては、見通しのとおりぐんぐん生産を増大してきたわけでありますけれども、消費の面で、一つの見過ちと申しますか、そういうものがあったということを率直にこれは認めざるを得ない。したがってそこに過剰という問題が起きてきた。それじゃ、この過剰をそのまま何も施さずにやっておったら、一体、日本の農家はどうなっていくのかということを、農家みずからもやはり反省をし、そうしてお互いに協力してやっていかなけりゃならぬということで、まあ、厳しい厳しい、よくぞこういうことを農家の皆さん聞いていただけると思うほどの厳しい生産調整という問題を、とにもかくにも協力の体制のもとに今日までやってきて、そうしてどうにかこうにかこれでやっていければ大丈夫将来の見通しをつけることができるというところまで来ておる。その過程の問題を一々こう取り上げて、だれの責任かれの責任——それはもちろんわれわれ政府の責任ということを自覚いたしますがゆえにこそ、いろいろ苦心をして、そういう事態を一日も早く脱却しようという努力、その努力の一つのあらわれが今回の食管法の改正でもある、こういうふうに私どもとしては考えておる次第でございます。  しかし、指摘を受けました点につきましては、なるほどわれわれも反省をしなけりゃならぬ点、御指摘の点もありますので、何といっても、消費者も生産者も、この食糧管理法という日本独特の政策として発展してきたこの食糧管理の仕組みというものは、私は、これは工夫を加えてわれわれの子々孫々によりいい制度として残してやるという意気込みがやっぱり必要ではないか。そうするためには、やっぱり結局は、モンスーン地帯で一番よくできる、一番食品としてはいいと言われておる米の消費拡大を懸命になってやってまいるというところに帰着するような感じもいたすわけでございます。  したがいまして、その点、御指摘を受けた点は十分私どもとしても反省をしながら、しかも、食糧管理制度を生産者、消費者の期待を裏切るような方向には持っていかないと私どもは申し上げておるわけですから、その私どもの申し上げている点に対して、いやそうじゃないんだ、自民党はもう部分管理に持っていく気があるのだ、それは自由米にする気があるのだというようなことを言われるものですから、農家の方々も、そうかなといってまた一種弱気になると、こういうことじゃないかと思うのでありまして、私どももその点は十分、提案を申し上げるにつきましては、もうそういう点を団体なり自治体なりいろいろな方々の御意向をしんしゃくをいたしまして、参考にいたしまして、そうして、まあこの辺の線なら私どもの希望もひとつ協力してかなえさしていただけるのじゃないか、こういう気持ちであることを申し上げまして答弁といたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣は、なぜ生産調整しなきやならなかったか、買い入れ制限しなきやならなかったかという点でいろいろ話されました。ただ、その中で、結果としてそのあらわれをどうするかという点で今回の法改正になったのだ、こういうお話からすれば、まさに生産調整の押しつけの一つのてことして買い入れ制限という行為を法制化したというこの事実ははっきりしていて、これが非常に問題であるということは、私は指摘にとどめたいと思います。  次に、入札のところでお尋ねしたいのですが、これは法第四条のところです。あらゆる主食について入札は実施しないというふうに断言できますでしょうか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 入札制度につきましては、いわゆる加工用やえさ用というような場合のように、品質も多様である、また競争する原料との関係上一本価格では決めがたいというような場合にこれを適用する考えでございまして、通常の主食用に採用するつもりは考えておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 通常の主食用についてはやらないということ、私はあらゆる主食にやらないのかと、こう聞いているのです。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 今後起こり得べき可能性をすべてここで断定するわけにはまいりませんので、通常の主食用に採用するつもりはないというふうに申し上げておるわけでございます。やらないという考え方でそう申し上げておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 はっきりした点は、今後起こり得るべきことについては断言できない。逆に言えば、今後いろんな形でいろんな問題が起こり得るということだと思うのですが、ちょっといまの答弁であいまいですから具体的にお聞きしたいのですが、引き合いの強いお米の場合に——主食用ですよもちろん。その場合にどうなりますでしょう。ちょっともう少し具体的に言えば、たとえばササニシキだとかコシヒカリというのは非常に引き合いが強いでしょう、卸段階でも。そういう中で二等だとか三等米というふうになれば、これは自主流通から外れていくと思うのですよ。非常に引きが強いですから、そういう点から当然量が不足していて、欲しいという人がたくさんいる場合、五十五年産米でいまなんかそういう話が聞かれるわけですが、そういう場合どうなります。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいまの良質米のような場合、これは自主流通米として原則として取引されるわけでございますので、政府売り渡し価格よりも高く売れるような場合には自主流通米として流通されるというふうに考えておりまして、これらのものが入札の対象になってくるということは考えておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 自主流通米から外れた二等や三等をと、こう言ったんですよ。特に三等なんかの場合には、もういま選別機なんかも非常に優秀ですから、歩どまりはちょっと落ちるにしましても、うまみのある米、こういうふうに言われているわけですね。すると引き合いが強いわけですよ。それがどうかと聞いたので、あと時間がないから、逆に引き合いの弱い場合にはどうなりますかということです。  これまたもうちょっと具体的に言いますと、入札に予定価格を決めてやるわけでしょうけれども、それが標準売り渡し価格よりも絶対に低くならないという保証がないのではないか。つまり、入札によって、引き合いがないわけですから、弱いわけですから、皆さんが要らないよと言っているわけですから、強制的に配給するものでない、割り当てるものでないということになれば、その引き合いの弱い米は一体どうなりますか。どういう処理になりますか。入札というかっこうで売りさばくために、安い値段という形も考えられるのじゃないですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、通常の主食用については入札制を採用するつもりはございませんので、ただいま御指摘のありましたようなものについて入札制を採用するということは考えておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 考えていないけれども、実態としては起こり得るというのは、私も舌足らずの部分があるかと思うのですけれども、出ますね。どういうふうに割り当てするのかというふうなことなんか含めて聞きたいところなんですが、もう時間がありませんから、最後に大臣にお尋ねしたいのですが、四条の部分というのは、「農林水産大臣ニ於テ随意契約ニ依ルコトヲ不適当ト認ムルトキハ此等ノ者ニ入札ノ方法ニ依ル」云々と、こうなっているわけですね。だから、はっきりしていることは、ここから、法律文から読めることは、だれが不適当と認めるかというと、農林水産大臣が認めるわけですね。で、何を基準として認めるかというその基準が明確じゃないわけですね。明確じゃありません。ですから、この法律からいけばいろいろと農林水産の判断によって基準も不明確なままでいろんなことが起こり得るという点は、私は予想されると思うのです。そうでないとすれば、大臣、ここにはっきりとあらゆる主食についてはこの入札という方式をとらないと明記できませんか。これは大臣に。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど申しましたように、私どもの考え方としては通常の主食用の物をこの入札の対象にすることは考えておらないわけでございますが、これはこの法律の考え方からいたしまして、いわゆる供給される米、食糧につきましては家計の安定を旨とした価格で売り渡すという考え方になっておりますので、そういった趣旨から申しまして、食用についての一般競争入札ということは考えておらないということを申し上げておるわけでございますが、この食管制度の運用に当たりましては、いま言ったような趣旨に基づいて実施をしてまいりたいと考えております。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 時間が参っておりますから簡潔に願います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最後に申し上げますと、いまこの入札方式の問題も含めて、とにかくその家計の安定という点が旨なんだと、こうおっしゃいましたが、さっき私が例に出しました引き合いの弱いお米の場合には、入札を下げていって売り渡すということがあっても、これは何も家計の安定という点から言って反しないという点が一点。  それからもう一つは、いままでの過去の経緯から見て、これは昭和四十四年の二月二十六日衆議院の農林水産委員会での議論なんですけれども、この買い入れ制限のことについて当時の長谷川国務大臣がこう言っているのですね。「昨日も申し上げましたように、買い入れ制限はいたしません。したがって、食管制度の根幹というものは維持してまいりたい、まいります」、これだけをきちっと申し上げておきますと。そしたら、委員が、「大臣、買い入れ制限は絶対しないという、これは国会で決議をしても御異論ございませんな。」と言いましたら、長谷川国務大臣が、「何も御異議はございません」、こう言っているのですね。国会で議論していて、絶対やらないよと言っていたその買い入れ制限が、実態としては政令で認められ、今度は法制化しようというふうに、こうなってきているわけです。  そういうことから見まして、私は最後に問題点だけを指摘しておきたいのですが、そういう点で国会の答弁が幾らでも覆されるんだと、それから同時に、そのときに使われる理由というのは情勢の変化という形で言ってきていると、こういうことから考えまして、本当に全体的な政策の方向から総合的に検討いたしますと、品質別の需給による価格格差を拡大していくという点で、その手法として、まず売り渡し価格の面で入札による競争を通じて価格形成をする、それがやがて買い入れ価格にも反映されると、こういうことが十分に予想され、非常に問題であるという点を指摘して終わりたいと思います。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。     —————————————

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  食糧管理法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十四分散会

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