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94回国会参議院1981/03/20

農林水産委員会 第3号

発言数
209
登壇者
21
会派数
6
開催日
1981/03/20

会議録

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、中野鉄造君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。     —————————————

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 農林水産政策に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました豪雪による森林等の被害の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。鈴木正一君。

鈴木正一自由民主党・自由国民会議

○鈴木正一君 調査の概要について御報告申し上げます。  本調査団は、三月十、十一日の両日にわたって福島県下へ派遣され、森林等を中心に豪雪による被害の実情を調査してまいりました。  派遣委員は、井上吉夫委員長、川村清一理事、藤原房雄委員、下田京子委員、三治重信委員、私、鈴木正一の六名でございます。なお、現地では鈴木省吾委員、村田秀三議員がそれぞれ全日程同行されました。  われわれは、まず県庁において全県下の雪害概況説明を聴取し、あわせて陳情を受けました。次いで被害度の大きい市町村の現地を視察するとともに、被災農林家、市町村長等関係者の方々と懇談し、現地における切実な陳情を受けました。  今回の豪雪による当地方の積雪量は、福島地方気象台の記録によりますと、安政二年以来の豪雪に見舞われたとのことであり、三月九日現在における被害の内訳は、林道、林産物、林業施設、治山等林業関係が百八十八億三千万円、農作物、果樹樹体、ハウス及び蚕舎等施設、農地及び農業用施設、家畜その他農業関係が八十五億三千万円、漁具、漁船、養殖物等の水産関係が三億八千万円、合計二百七十七億円に達しております。  ちなみに、今回の豪雪による農林水産関係の全国被害見込み額は、二月十六日現在千百五十九億円に上っておりますが、そのうち東北六県における被害額は五百七十一億円に及んでおります。  また、東北六県に占める福島県の被害額は前述の二百七十七億円で、同地方のほぼ半分を占める惨状にあり、今後の会津地方における雪害調査の結果いかんによりましてはさらに累増していくことが懸念され、福島県下の被害がいかに甚大なものであるかを如実に示しております。  そこで、今回の豪雪の契機となりました気象の経過を顧みますと、昨年十二月二十三日、四国沖にあった低気圧が台風並みに発達しながら北上を続け、他方、寒気の流入が重なった結果、中通り、浜通り地方では通常の四・六倍もの密度の高い雪となり、一時間当たりの降雪量も福島地方気象台第二位という記録的なもので、積雪量は平地で三十センチ、阿武隈山地で百センチにも達したのであります。特に、今回の降雪は異常な湿雪で、しかも夜間に入って風が強くなったことが、例年雪の少ない阿武隈山地を中心として六十市町村にも及び、福島県の森林の半分が罹災するという前例のない規模の被害をもたらしました。  加えて、この森林被害地域は昨年の冷害地域とほぼ同じ地域であるため、被災者は大きな衝撃を受けているのであります。  こうした事態に対しまして、県当局は直ちに同月二十九日に雪害対策本部を設置し、雪害対策事業として国庫補助の対象になっている農林水産共同利用施設災害復旧事業や復旧造林、倒木起こし事業を実施いたしましたが、県の単独事業として農業施設等災害対策事業、農作物災害対策事業や折損木の整理事業を起こす等災害復旧事業に取りかかるなど諸施策を強力に推進してこられました。  われわれは、まず中通り地方の北部に所在する庭坂地域の果樹被災地を視察いたしました。同地域の果樹栽培農家は二百五十六戸でありますが、そのうち百四十二戸が雪害に遭い、近隣農家の協力を得て、押しつぶされたナシの樹体やたなを掘り起こし、倒伏した梅や桃の樹体の改修に努めておりました。しかし収穫共済には農家の三割程度の加入率であり、樹体共済にはほとんどの農家が加入しておらず、今後の樹園地の再建に困惑しておりました。  次いで、森林被害の大きい中通り地方からいわき市に通じる小野町、船引町、平田村、石川町、鮫川村、いわき市三和町の被災地域を訪れました。福島県の林野面積は全国第四位に位置し、至るところに緑の樹海が連なっております。特にこの地帯は久慈川流域と並んで林業地帯として発展したところでありますが、車窓から見る森林は、林家が長年にわたって労力と資本を営々とつぎ込み、将来の収穫を楽しみに撫育してきたもので、その森林の相当部分が一瞬にしてあたかも針山同然の卒塔婆の立ち並ぶ白い山と化し、もはや木材としての価値がほとんど失われるという無残なことになったのであります。しかもこの地域の林家も森林保険の加入率が低く、将来に強い不安を抱いております。そして一日も早く天災融資法並びに激甚災害法の適用を訴えておりました。  小野町では、町の年間予算が約二十億円でありますが、今回の豪雪で一千ヘクタールの森林が被害に遭い、保険で見た被害額は約四十億円前後に及び、予算の一般財源から七千万円を取り崩して応急措置をとっております。しかし何分にも賄い切れる力はなく、国において一刻も早くできるだけの救済措置をとってほしいと切望しておりました。  平田村における被害面積は、三月十一日現在八百六十三ヘクタールでありました。当初十七億円の被害額が出ておりましたが、今後なお増加傾向にあります。その被害木を除去し新たに植えかえを行うには、十アール当たり最低でも六十万円の経費を要し、木材を売る価格の倍の費用がかかるとのことであります。したがって、国においては森林の公益性を考慮され、施策及び予算措置を強力に講じてほしい旨要請しておりました。  次に、石川町は近隣の古殿町と並んで森林成育の速い地帯として知られております。この町における積雪は徳川時代に三メートルという記録がありますが、今回の一メートルという積雪も安政二年以来の豪雪で、石川町二千四百ヘクタールのうち五百十七ヘクタールが被害に遭い、被害額は一月現在で約七億七千万円でありました。しかし最終的には十六、七億円に達するものと見込まれております。そこで、町では昭和五十六年度の予算の伸び率を抑え、森林被害に対処した予算編成を行ったとのことであります。  鮫川村では、六十センチの湿雪をかぶった十年から十五年生以下の杉はすべて倒伏して曲がり、二十年生杉は幹折れし、松、ヒノキの造林地も十年生以内の幼齢林が全滅に近い被害を受けました。これらの樹木をそのまま放置すると病害虫や山火事の原因にもなりますので、村当局は救農土木事業を起こし折損木の処理に当たっておりますが、山から折損木をおろしてパルプ工場へ運ぶ搬出費用が折損木からは出ないと訴えておりました。  いわき市の場合は、元来造林が盛んな地域でありますが、今回の甚大な被害により林家の生産意欲が著しく減退することが危惧されております。その被害地域は、標高が三百五十から六百メートルで、杉、アカマツ、ヒノキの人工林が東南と北西に面していたため着雪しやすい環境となり、しかも樹木の成長がきわめてよく、若木の部分が多いため被害を大きくしたものと推察されております。  農林関係の被害面積は一月五日現在で二千八百七十二ヘクタールであり、被害額は農畜産八百六十万円、林産三十四億二千六百万円、水産三億八千二百万円、計三十八億一千六百六十万円に上っておりました。被害額の大部分を占める折損木が用材として使用可能な見込み率は約二割、チップを含めると三割程度と見られますが、林家の造林意欲を鼓舞するため再造林に対する県といわき市の予算措置はおのおの一億一千万円を用意し、林家を激励しているとのことでありますが、国における一日も早い救済策を待望しておりました。  最後に、同県を通じて陳情された主なものを挙げますと、第一は、天災融資法並びに激甚災害法の早期発動、第二は、自作農維持資金、林業改善資金、特に災害資金の融資梓確保と貸付条件の緩和、第三は、貸付金の償還延納措置、第四は、農林水産施設への特別助成措置、第五は、落葉果樹産地再開発事業採択条件の緩和措置、第六は、激甚災害復旧造林の指定と高率助成措置、第七は、折損木整理のための特別助成措置、第八は、森林国営保険の早期支払い、第九は、被害木の利用と販路の確保措置等でありました。  なお、本調査団の活動に御協力をいただきました福島県庁を初め、関係市町村及び団体等の各位に対し厚く御礼を申し上げます。  以上をもちまして派遣報告とさせていただきます。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 以上をもって派遣委員の報告は終了いたしました。     —————————————

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 次に、昭和五十六年度農林水産省関係の施策及び予算に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ただいま御報告ありました豪雪による森林被害の問題につきまして二、三お尋ねしたいと思うんでありますが、まず第一にお聞きしたいのは、今日現在全国的な被害状況、国有林、民有林ごとにどのくらいの総被害額があったかちょっと御説明ください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お答えいたします。  今回の雪害は全国で、青森から九州まで及んでおりまして、関係する県が二十二県でございます。なお、この報告は三月十六日現在県からの報告及び営林局からの報告を集計したものでございます。民有林につきましては、総計で八百九億四千九百万、それから国有林につきましては、八十億六百万という数字に相なっておりまして、合計八百八十九億五千五百万という被害額になっております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 その被害に対する救済策としていままでどのような措置をなされてきたか、それを簡単にちょっと御報告願います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) これまで森林国営保険及び森林災害共済にかかります保険金等の早期支払いの指導、それから被災造林地の整備等につきまして、農林漁業金融公庫資金及び林業改善資金の融通等の措置を講じまして、また天災融資法を発動する方針のもとに、それまでの間、被災林家の経営資金についてつなぎ融資を行うように指導してきたところでございます。  また、折損木の利用等につきましては、全国木材組合連合会でありますとか、製紙連合会でありますとか、パルプ連合会でありますとか、関係業界に対しましてこの有効利用について強力に指導してきたところであります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そこで、天災融資法の発動並びに激甚地域の指定等についての見通しは現在どうなっておりますか。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 今次の降雪等が大変甚大な被害でございますし、これがためにすでに農林水産大臣から天災融資法の発動の方針は明確にされたところでございますが、融雪期の被害等につきましても実態を把握する必要がございますので、三月十六日現在で調査を開始いたしております。目下鋭意被害の把握に努めておりまして、この結果を踏まえまして、あわせて同時に資金需要の方もとっておりますので、天災融資法をこの集計を待ちまして発動しようというふうに考えておりまして、関係省庁と協議してできるだけ早く手続を進めたいと思っております。  また、特別被害地域の指定につきましてでございますが、都道府県につきまして天災融資法を発動するための政令につきまして、これが出るわけでございますから、その中で特別被害地域を同時に指定するという方針でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それで、三月十六日から調査開始というようなことで、もう調査が相当進んでいるのかと思ったら、これから開始するようなものなんですね。そうしますと、いま首振っていらっしゃいますけれども、私の聞きたいのは、見通しというのは一体時期はいつかといったようなことをお聞きしたい。

松浦昭農林水産省経済局長

○政府委員(松浦昭君) 三月十六日と申し上げましたのは、その時点で調査を開始するということでございまして、すでに調査はやっておるわけでございます。そこで、通常の状態で調査を完了いたしまして、さらに各省と発動につきましての調整をいたしまして、実際の発動という時期になりますと、普通の手続で申しますれば、四月末ごろというふうに考えておりますが、それよりも一日でも早くというふうに考えてやっておる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 一番大きな問題は、長官からもちょっとあったんですが、折損木の伐倒、それからそれの搬出、それから搬出するにしては全然道路がないですから、作業道路をつくらなければならない。そういったような整備の仕事について特別の措置がぜひ必要ではないかと思うんです、現地でもその点については強くいろいろ陳情を受けてまいりましたので、そこで現行制度でこれに対して対応できるのかどうか。私どもは現行制度では、たとえば激甚災害法を見ても、現行制度ではめんどうではないかと危惧されるわけでありますが、これについてはどういうようなお考えでどういうような処置をなされようとしておりますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いま御指摘ございましたように、現行の制度では今回の折損木の処理につきましては対応がなかなかできないわけでございます。このため昨三月十九日、衆議院の災害対策特別委員会の災害対策の基本問題に関する小委員会におきまして、今次のような森林被害に対処するため、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案を議員提案することを全会一致で決定したというふうに承っておるわけでございますが、私どもといたしましては、これを受けまして、ぜひ今後適切に対処していきたいというふうに考えておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 これも先ほど長官から触れられておるわけでありますが、私たちも現地を見ましてこれはどういうことになるのだと思って一番心配している事項は被害木の利用ですね。豪雪によって折れた、こう言うから、上の方からぽきんと折れているものだと実は思っていたのが、そうではなくて、上から下までずっと裂けてしまった。こんな木は一体利用価値があるのかどうかということを非常に心配しているわけです。それで、さて今度はどうしてこれを売るか、買う者がいるんだろうかどうか。利用されれば買う者もいるかもしれませんが、ところがあれを切って運んで、それで何に使うのかわかりませんけれども、そういうものにつくり上げるのにコストがかかりますわな。そういうコストを賄う価格でもってこれらの折損木が利用されるのかどうかということを非常に心配しているわけですが、これはどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お話しのとおり、今回の折損木につきましては、被害の態様によりましては残った部分を製材用に使えるという部分もございますが、途中から全く折損してしまったというようなものはなかなか製材用というわけにはまいりません。そういたしますと、たとえばチップ用でありますとか、あるいは畜産資材用でありますとか、あるいはきのこ栽培用というような用途が考えられるわけでございますが、その販路の確保につきましては、被害態様のさらに詳細な把握に努めながら、先ほどもお答えいたしましたけれども、これに関連いたします全国木材組合連合会でございますとか、日本製紙連合会、あるいは全国木材チップ工業連合会、あるいは全国素材生産業協同組合連合会などの関係業界に対しまして積極的に協力をお願いするというような措置を講じてきておるわけでございますが、またこの折損木の有効利用を促進するために、現在ございます国産材産業振興資金、これがございますので、この折損木の引き取り資金としてこの資金が十分活用できるように措置をしてまいりたいというふうに考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それからもう一点お尋ねしたいんですが、これも先ほど長官触れられましたが、森林国営保険、さらに森林災害共済保険ですか、これらの保険があるようでございますが、これの加入状況はどうなっておるか。それに入っている者は早期に支払うと言っておりますが、加入していなければもちろんこういう保険は受けられないわけですね。そこで、加入状況はどういう状況かということをお尋ねいたします。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 全国平均で、いわゆる森林国営保険、全森連共済の加入率は大体三四%ぐらいでございます。ところが、この国営保険はどちらかと言いますと、一齢級、二齢級、つまり十年生未満のものが多いわけでございまして、これらが大体六五%ぐらいになっております。共済の方はどちらかと言いますと、それよりも大きい齢級のものが対象になっておるわけでございますが、今回の折損を受けました被害株分につきましては、両方合わせまして約二〇%ぐらいというふうに推定をしておるわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 非常に加入率が悪いようですな。たとえば昨年の冷害のときにも私は取り上げたんですが、畑作共済を制度化するまでにはずいぶん年数がかって、私なんかも本委員会でずいぶんこれ議論しまして、それでようやくそれができた。できたところが冷害を受けた。加入率はどうかということをお尋ねしましたら、五〇%以下である、こういうことなんですね。林業の災害、いわゆる森林災害というものは余りないわけなんですよ、幼木なら別として。そこで加入して、それで掛金をかけておってもそれがかけっぱなしになってしまう。ところが、こういう大被害を受けた、だれしも予期しないような被害を受けたわけですね。そこで、それに対応する保険がこのような状態であるということはまことに遺憾だと思うんですね。したがって、済んだことは仕方ないですけれども、これからの一つの対応策としまして、せっかくつくった保険にはもっと加入されるように行政指導をすべきではないかと私は率直に思うんですが、いかがでございますか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 先生御指摘のとおりでございまして、幼齢林は比較的被害にかかりやすいものですから、わりあいに保険に入るという気分があるわけでございますが、壮齢林以上になりますと、いままでこのような大被害がございませんので、まずまず被害にかからないという認識が非常に強いわけでございます。その点、私どもももっともっとこれに力を入れていかなきゃいかぬというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、日本の国は人工林が非常にふえてまいりましたし、また二十年生以下のものがいま七〇%、これから間伐対象になります林齢のものがふえてまいります。そういたしますと、やはり被害にかかる機会というものがだんだんふえてまいりますので、私どもといたしましては、森林国営保険並びに森林災害共済につきまして今後の運営をもう一遍見直すと同時に、積極的に森林所有者の皆様方に呼びかけまして加入をしていただく、できれば全部入っていただきたいというような熱意をもって今後とも指導力を強化してまいりたいというように考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 最後でございますけれども、ただいまのお話ですね、ぜひ行政指導を強くされまして、またこういうような災害があったら大変ですけれども、ないとも絶対保証できないことですから、それに対応して保険の救済の道を講じておいていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。  それから最後に大臣のお考えをお聞きしたいんですが、率直に言って、私も森林のああいう被害というものを見たのは全く初めてであります。話は聞いた、写真も見てきましたが、現地へ行ってみて本当に唖然としました、これは大変なことだなあと思ってもちろん農作物の昨年の冷害とか、あるいはいろいろ天災の災害があるわけでございますが、しかしことしはだめでも来年に希望を持てるわけです。ところが、あの林木は十年、二十年、三十年と営々としてわが資金を投じ育ててまいった。これは人間にたとえれば、父母が子供さんを一生懸命になって育てた、ようやく二十歳になった、大学も卒業した、もう就職するようになった、ところがある日突然何かの災害でもって、事故でもって亡くなってしまった、これと同じようなものではないか。したがって、これは本当にお気の毒というか、私はもう悲惨な気持ちで胸いっぱいになったわけですが、あれの救済をしっかりやってあげなければ、林業をやっていらっしゃる方々にはもう再生産意欲なんというのは全然生まれない、喪失してしまうと思うんですね。山にこれからまた木を植えたって、それが二十年、三十年たたなければ一人前にならないわけですから、そうすると、いま植えた人が生きている間に一人前の木にならないわけですね。それじゃとても希望なんか持てるものじゃないと思うんです。そして山が荒れ果ててしまって、だれも木を植えなかったならば、これは森林の持つ公益機能というものは全くなくなって大変なことになっていくというようなことで、本当に胸を打たれてきたわけであります。  もちろん大臣も福島県ですから早速行って御視察されたということを聞いておりますけれども、福島県だけの話ではなくて、全国的にこういうものがあると思うので、将来の日本の林業を考えてみても、この際本当に力を入れて救済に当たっていただきたいということを心から要望申し上げるわけでありますが、大臣のお考えをお聞かせいただいて私の質問は終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の豪雪による森林被害につきましては、農林水産省といたしましても、現行法による諸対策の万全を期すため、先ほど来長官から申し上げましたような線で全力を挙げてきておるところでございます。しかるところ、当委員会並びに衆議院の方の委員会におきましても現行法で十分かという御質問等もあったわけでございます。正直な話、百年この方初めて遭遇する雪害による折損木というような事態に対処するための適切な法的措置というものが私は十分ではないというふうに申し上げてきたわけであります。しかるところ、院におかれましてもそういう点御配慮をちょうだいしまして、昨日の災害対策特別委員会の小委員会において、各党一致で立法措置を講じていただけるという温かい配慮をお聞きしておるわけでございまして、その点が法律的に追加されれば、私は、必ずや林業者が造林意欲を失うことなく対策に精を出すことのできる措置が講ぜられるものと、こう確信をいたしておるわけでございます。今後とも全力を挙げて、いま御指摘のありましたとおり、いままでの十年、二十年の努力が一朝にしてもうゼロに帰したというようなことでもありますので、農家の気持ちが本当に沈んでおる状態、私も聞いてまいりました、そういう農家が本当に立ち上がることのできる施策たらしめていきたい、こう考えておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私は、主として大臣のこの前表明されました所信表明、これを中心にしていろいろとお伺いしていきたいというふうに思います。  まず最初に、これは直接所信表明にはないわけでありますけれども、大変大事な問題でございますので、特にこの点を大臣から御意見をお伺いしておきたいというふうに思います。そして、そのことがこれから私がいろいろ御質問する上においても大変大事なことであるというふうに考えるわけであります。  それはほかでもないわけでありますが、最近、これは大臣も御承知だと思いますけれども、いわゆる財界の大物と言われるような人たち、実力者と言われているような人たちがいろいろ、名前は申し上げませんが、マスコミその他でもっていわゆる農業過保護論というものを盛んに唱えております。何か特にそれが非常によけい目立ってきているように思われます。聞くところによりますと、一部では労働界においてもそういう意見が出てきているというふうな話もちょっと聞いているわけでありますけれども、このいわゆる農業過保護論というものについて大臣の所信をまず伺わなきゃならないというふうに思います。  申し上げるまでもなく、この過保護論というのは、農業に対して手厚い保護がなされ過ぎているんじゃないかと。農産物であろうとも安いものはどんどん外国から買ってくればいいというふうな、いわゆる国際分業論といいますか、そういうものがもとになっていると思います。そして、輸出第一主義といいますか、とにかく日本もできるだけ安いものをつくってどんどん売ればいいんだ、そしてまた安い農産物をどんどん買えばいいじゃないか、そういうわけでこの農業過保護論が出ていると思うのでございます。  それで、私がおそれますのは、通産省あたりも何となくそういった財界の主張というふうなものに押されぎみではないか。そうなると、これはもう日本の農政にとってもゆゆしき問題が出てくるわけでございます。確かに補助金なんか見ましても、かなり多額の補助金が農林省から出ておるわけでありますけれども、そういう問題についてまず大臣の所信をお伺いしたい。つまり現在は農業過保護であるか、あるいは農業保護不足であるか、あるいは現在はちょうどいいんだというふうに、この三つの考えしかないと思うんですけれども、これについて大臣のはっきりしたお考えをまずお伺いしておきたいと思うわけです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農業に対する財界の提言につきましては、農業問題に対する論議が全国民的な立場から活発に行われるという意味から私は一つの意義があろうかと思いますけれども、農業に対する実際の認識という点になりますと、果たして十分かどうかという点については私は十分認識がない。認識のない人たちが集まって、そして、まあどちらかというと、自分たちが会社を興し企業を興し、そうして成功をし、金をもうけるという経験を積んだ方々が寄って集まって、そしてそういう立場から、いわゆる経済合理性という立場から、日本の農業政策あるいは行政の面を批判し分析をし、そうして結論を出したように私には受け取らざるを得ないような感じがいたすわけであります。  したがいまして、あれをそのまま受け取るというようなことは、もちろん農業基本法から言うと、ああいう考え方というものも、確かに生産性の向上を図らなければならないという点は理解できるわけでありますけれども、高いから外国の安い物を買ってしまえというような行き方にはにわかに賛成しがたい、私はこういう立場をとっておるわけであります。  したがいまして、農業基本法にも明記してありますとおり、とにかく農業という産業は自然的にも社会的にも経済的にも不利な条件を持っておる産業であるから、その点を十分考慮して政策を進めなければならぬぞと、こういうことから言いますと、やはり農業というものは経済合理性からだけではなく、もちろん食糧の安定的供給という大事な仕事を持ち、しかも就業や住居の場を提供したり、国土や自然の環境を守ったり、これは余り論議されていないのですけれども、酸素をつくるという役割りを持つ農業は非常に大きな仕事をしていると思うのです。これは案外声を出して言う方は少ないわけでありますけれども、最近炭酸ガスがふえているというような時代においてこういう面、食糧を、あるいは木材を、あるいは魚をというだけじゃなくて、そのほかはかり知れない公共的な役割りを果たしておるという立場から見て、相当な助力を加えていかなければならないという立場から言って、あの財界からの提言に対しましては、生産性を向上しなければならぬというところを除いては、そうにわかに一遍に、はい、さようでございますかと言うわけにはいきませんぞと、こういうふうに申し上げておるわけであります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうしますと、現在は農業過保護ではない、こういうふうに大臣はお考えになっていらっしゃるというふうに考えてよろしいですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 私はもっともっと、基盤整備でありますとか、農道の整備でありますとか、品種改良のそういう面に対する国家投資でありますとか、さらには外国との農産物の貿易の問題、こういう問題につきましてはもう一度見直しをしなければならぬのではないかという感じがいたします。このままでいったら一体どうなるんだろう。よその国、たとえばフランスにいたしましても、西ドイツにいたしましても、アメリカにいたしましても、それぞれの国々は、自国農業に対する保護の政策というものをああ意味においては日本以上に強くとっておるのではないかなという感じがいたしてなりません。  私もせいぜい勉強いたしているつもりではございますけれども、もっともっとそういう面について勉強をし、そうして日本の実態をよく相手国にありのままに、しかも強く理解をさせる努力を積み重ねにゃいかぬのではないか。私は今度はASEANに行ってまいりましてしみじみとそんな感じを抱いております。そういう気持ちで、実はニュージーランドの酪農製品の問題やら、ECにおける擬装乳製品と申しますか、こういう問題についての取り組み方を事務当局には、そういう立場からとにかく強く当たってごらん、こういうふうに指導をいたしておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 財界の人たちが言うように現在は農業過保護ではないんだという非常に力強いお考えを承りまして、私ども実は安心したわけであります。  ただしかし、大臣がそういうふうに言っておられるだけでは困るわけでして、そういう財界の、わからないで言っているような、単純に狭い意味の経済合理性だけから主張しておられるようなそういう意見に対して、大臣としてももっと積極的に、そうじゃないんだ、こういうことなんだということを、いま私にお話しいただいたようなことをそういう財界の人たちにもちゃんと言っていただく必要があるのじゃないか。そうしませんというと、向こうは向こうで勝手に言いたいことを言っている、こっちはこっちでそうじゃないんだと言っている、いつまでたっても国政全般のコンセンサスが得られないということになりますと、これはもう議論が絶えず二つに分かれてちゃんとした農業政策もできにくくなる。こういう状況だと思いますので、そういう点をもっと、財界なりそういうわからないことを言っている人たちに対して、大臣でも農林省の方々でも構いませんが、ひとつ積極的に発言し対処して、一つの合意が得られるようなことをぜひやっていただきたいと思うわけです。財界の人たちがああいうことをいろいろ言いますと、知らない人はついその気になって、そうだ、そうだというふうな気持ちになりやすいわけでありますから、そういうことのないように、大臣からもあるいはその他の農林省の幹部の方々も、もっと積極的にそういう人たちに対して反論をしていっていただきたい。それで、単に反論するだけじゃなくて、本当の合意をそこにできるだけ早くつくっていただきたいというふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御趣旨の線、十分理解できるわけでありますので、今日までもそのような態勢で進んできたつもりでございますが、今後もなおあらゆる機会をとらえて、そういう立場を強く打ち出して国民の皆さん方からの協力をお願いするようにしていきたいと考えています、

山田譲日本社会党

○山田譲君 ぜひそういうことでがんばっていただきたいというふうに思います。  それからその次に、先ほど大臣のお話でもちょっと触れられたわけでありますが、食糧の輸入につきましての基本的な考え方を大臣からお伺いしていきたいというふうに思うわけです。  特に酪農の製品の場合なんかは、最近よく言われておりますように、擬装乳製品というふうなことで非常に問題になっている。しかもその輸入が減るどころかどんどんふえているような現状でございます。牛乳について言えば、余っている、余っているというふうに言っておりながら、そういうことでどんどん輸入をしているというふうな状況はこれはもう大臣よく御存じたと思います。大臣の先ほどのお考え方からいきますと、それはどうもおかしいのじゃないかということに当然なるはずでありますけれども、なおかつそういう事情の中で外国からの安いといいますか、そういう食糧を輸入しなければならないその事情はどういうことにあるかということをはっきりとお伺いしたいと思うわけです。  それからそれに加えてもう一つ。そういう事情があるとすれば、そういう事情を踏まえてあえて輸入をしなければならない、その陰に農民が犠牲にならなければならないというふうなことについて問題になるわけでありますけれども^そこら辺の問題もひとつ御意見をお伺いしたいと思うわけです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 実は昨年五月でございましたか、衆参両院において食糧自給力強化に関する決議が出されたわけでございます。私も衆議院の一員としてあの決議の審議に参加をさしていただいたわけでありますが、あのときあの決議をやろうという一つになりましたのは、やはり農林水産物資が年々輸入がどんどんふえてきておると。そうして、あれは昭和五十四年でしたかのときでも、もう三百億ドル近い二百八十九億ドルという農林水産物資の輸入がなされておる、こういうことではもうこれは大変なことになるよということで、国会において食糧自給力強化の決議がなされたものと、私はこう思います。  そういう国会の御意向を受けて、私も就任以来、国内でできるものは国内で生産すべきであるということと、しかもどうしても国内で低廉に供給することのできないえさ類等については、これは輸入もやむを得ないかもしらぬけれども、とにもかくにも国内でできるものはできるだけ国内で生産をしていこうという立場で、農政審議会からの答申もちょうだいできたわけでありまするし、私どもといたしましても、農政審議会の議を経ました食糧の需要と生産の長期見通しも決めたわけでございます。したがいまして、私といたしましては、自分の在任中はその輸入量をできるだけ減らした実績を積み上げてやらなければ、いろいろ役所の諸君から書いてもらったことを上手に申し上げてみてもこれは何にもならぬと、こう思いまして、やかましくその点は指導をいたしておるつもりでございます。  一例を申し上げますと、養蚕関係の生糸あるいは絹織物等の二国間協定におきましても、やかましく言って、三割減とかあるいは二割減とかと、前年よりも減少させておりまするし、酪農製品にいたしましても、やっぱり前年よりもふえないように実績をつくらにゃいかぬと、こういうことで、いまそれぞれの通産省なり、あるいは外務省なり大蔵省なんかとも協力しながら、各国との個個の話し合いを説けておる次第でございます。  農産物の輸入については、できるだけ国内でできるものは国内でつくって、万やむを得ざるもの以外は輸入はなるべくせぬようにせなけりゃいかぬ。しかしお互い貿易をやっておるわけでありますから、そういう面についてはお互いの立場をざっくばらんにぶつけ合って、そしてお互いの国々が持っておりますところの農家の諸君に納得してもらえるような話し合いが、必ずどこかでその合意点が見出されるんじゃないかなと、私はこう思うんです。そこまで努力すべきであるということでやらしておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 食糧の輸入につきまして、とにかく自分の国でもってできるものは全部それをつくる、どうしてもできないものを外国から輸入するんだというふうな基本的なお考え方をお聞きしました。大変力強く思うわけでありますけれども、しかし現実を見ますと、大臣おっしゃっているようにはなかなかいっていないんじゃないか。もちろんそういうことで努力が実ったものもありますけれども、まだまだ食糧の輸入がかなり多く行われている。そういう現状を見ますときに、一体これはどういうわけだろうということを考えざるを得ないわけであります。恐らくは大臣のお考えのような方が大体多いと思うんですけれども、それにもかかわらず外国の食糧がどんどん入ってきているということ、これは一体どういう事情があるか、大臣のお考えを伺いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) その理由というのは、商社関係やらあるいは業界関係やら、とにかく輸入すればもうかる、一言で言えばこういうことではないかなと、こういう感じがいたすわけです。  たとえば一例を申し上げますと、繭、外国産の繭を入れますと、非常にこれは安く入ってまいります。そうしますと、これを糸に引きますと、日本の蚕糸事業団に売った、買ってもらったというだけでも、これは大変な利益になるということになるわけでありますので、私どもとしてはそういうことがなされないようにということで貿易管理令の発動を蚕糸関係にはさしていただいておるわけでございますが、酪農関係にはそこまでまだ、擬装乳製品をIQ制にしようと思っても、なかなか一遍自由化したものは容易じゃないということで、いま七転八倒して苦労しておるわけでありますけれども、日本に持ってきますと相当高価にさばける、外国から持ってくれば外国のものは安い。そういうところに商売上の魅力というものがあるのか、その辺が一つの外国農産物の入ってくるゆえんではないかなという感じがいたすわけでございます。菓子業界なんかでも擬装乳製品を大分使っているということを聞いておるわけでありますが、いろいろ調査してみると安いということなんですね。そこに日本の農業の持っておる一つの現実的な悩みもあるわけでございまして、そういう点をどう解決していくかということも、これからの日本農業のしょった一つの解決しなければならない問題点ではないかと、こう思うわけでございます。  そのほかもう一つは、開発途上国等において農産物しか売る物がない、しかし日本からも相当買っておる。貿易のバランスがどうしても日本からの輸入超過になるので、何としてでも日本からバナナでもあるいはパイナップルでも買ってほしい。そういうものが日本の果樹農家を圧迫するというような問題もあろうかとも考えられます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 鎖国の時代じゃなくて、国際社会に生きている日本でございますから、そういう微妙な国際情勢というものは当然加味して輸入も考えていかなければならないということは確かにあると思うんです。ただ基本的には、私が特に言いたいのは、一部の商社の単純なもうけ主義といいますか、もうけさえすればいいんだというような考え方でもって大ぜいの農民がその陰で泣くというふうな、こういうことがあっては相ならないということで、特にその点は、大臣もお考え同じだと思いますから、ひとつ今後ともがんばっていっていただきたいというふうに思います。それで、先ほどもちょっとお話ありましたとおり、亀岡農林大臣のときに食糧の輸入がこれだけ減ったというふうな実績を明らかに出していただくようにひとつお願いを強くしておきたいというふうに思うわけであります。  その次に進みたいと思いますが、大臣の所信表明の中に三カ所ばかり出ておりますが、いわゆる「食糧自給力の維持強化」というような言葉がときどき出てまいっております。それは所信表明ではそれなりにわかりますけれども、具体的な施策として、どのようにその考え方が施策に具体化されているかということをお伺いしたいと思うんです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 一番大事なのは、農政審議会でも大分論議されたわけでありますが、日本型食生活と申しますか、米を中心にした食生活を確立して、それを基本にした農業の生産構造というものがうまく調和してでき上がっていくということが自給力強化の一番基本ではないかと、こう考えまして、その日本型食生活という問題についての考え方の徹底を図るために努力をすること、これが一番大事じゃないか。そして米が一番よくできるわけでありますし、モンスーン地帯でしかも最高の食品と言われておるわけでありますから、この日本型食生活によって米の消費を増大をしてまいる。これがもう直接的な自給力強化の一つであると、こう考えておるわけでございます。  また、生産面では、国内で生産可能なものはできるだけ先ほど申し上げたようにつくっていくという体制を築き上げていくことが自給力強化の方策である、こう考えます。したがいまして、米は食ってもらえないものを倉庫に積んでおいて、高い倉庫料を払っておくというだけのことであり、しかもやがて国庫に損失を与える、こういうものはできるだけつくらないで、そうして不足なものをつくるという考え方に立って生産体制を積み上げていっておる現在のやり方、これも自給力強化の一つの方策であると、こう確信をいたしておるわけでございます。  それから何といっても農地の利用というものを高めなければならない。私ども実は昭和二十年代から三十年代の初頭にかけて農政運動を展開いたしましたころは、農地の利用率は一三三%まで実はいったわけであります。もうどこを見ても菜の花が咲き、どこを見ても麦が実りといったような時代が日本の風土にもあったわけでありますが、最近はもう一〇三%か一〇四%、五%に農地の利用率がダウンしてきておる、こういう点で耕地の利用度を高めていくという方策をとろうということで、実は麦作奨励等もそういう点からの一つの自給力強化の方策でございます。  と同時に、私やかましく言っております技術の振興ですね、技術の振興、品種改良、こういうのに全力を上げなくちゃならない。それがためには農林省全体の行政力をもっともっと発揮できるような仕組みをつくるべきであるということで、来年度から技術総括審議官というものを置きまして、そして技術総括審議官にいろいろな権限を与えまして、そして技術者の諸君がもっともっと技術の面においても行政の面においても持てる力を十分に発揮できるような体制を農林省の中にしくべきである、こういうことで、そういう体制をとらしていただくことに予算措置も、それから近く閣議決定の政令公布もできるというふうにいたしております。こういう点も自給力強化の陰の力であるということであります。  それから何といっても、これからは、農用地利用増進法をつくっていただいたわけでありますから、あの法律の精神を十分に発揮さしていただくようなことをしていくためには、農村の地域社会の、何と申しましょうか、心の通う地域社会、昔は部落と言ったわけでありますが、その地域社会の連帯感というものがだんだん薄れていくような感じがいたすわけでありますから、連帯感を深くして、そうしてお互いの土地の貸し借りというものが本当に信頼関係の上に円滑にできるような地域社会の振興、農村振興というものをつくり上げていく指導をしていく。これが自給力を強化していくゆえんである、私はこんなふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 農政審から出された答申の中で、いわゆる「日本型食生活」という非常に耳新しい言葉が出ているわけであります。その内容についてもそれなりに私も調べてみたわけでありますが、そこでお伺いしたいのは、「参考資料」というのがありますね。官房長お持ちだと思う。これで一番最初に一ページのところに「栄養水準の見通し」というのがございます。これが大体いわゆる日本型食生活の内容じゃないかというふうに思いますが、特にその下の方でたん白質、それから脂質、炭水化物、PFCというふうに分けて、五十三年度から六十五年度までにはこういうふうに移行さしていくんだ。恐らくこれがいまおっしゃった日本型食生活というものの内容ではないかというふうに私は思うんですけれども、それでよろしゅうございますか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 私どもは日本型食生活の一つの大きなメルクマールといたしまして、ただいま御指摘がございましたようなPFCの熱量比率が重要なものだろうと考えておりますが、同時に食生活の特徴としては、一人一日当たりのカロリーにつきまして二千五百キロカロリーという、先進国に比べますと比較的低いカロリー水準、恐らくこういう低水準であるということも一つ大きな特徴として考えております。さらに動物性のたん白質の中で、わが国の場合には水産物が占める割合が比較的高いということも特徴として考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 二千五百キロカロリーということで、これを一応固定させる。この表を見ましても、五十二年度も六十五年度も二千五百キロカロリーというふうに書いてあります。その内訳がそれぞれに分けて、六十五年度には多少変わっていくわけでありますけれども、これを見ますと炭水化物が現在六三・二%である。これを五七から五八に減らしていくというふうなことにこの表ではなっているわけでありますけれども、炭水化物というのは、これは恐らく大体お米だろうと思うのです。そうしますと、米の消費拡大と言っておりますけれども、少なくともこの表で見る限りは、むしろ米はもう少し少なく食えというふうな結果になるんじゃないかと思うのですけれども、この辺はどうでしょうか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) この「長期見通し」におきまして、御存じのように、一人年間の米の消費量を六十五年時点で約六十五キロ程度に見通しておるわけでございまして、現状よりは低下しておることは事実でございます。  ただ、全体の趨勢的に現況から申し上げましても、現在の米の消費量というのは、都市・農村を問わず、減少傾向をたどっていることが一つございますのと、年齢別の構成から見ましても、都市の家計調査から見ましても、四、五十代の方は七十キロ前後の消費量がございますけれども、現在の二十代ぐらいになりますと三十キロ程度と、半分以下程度が現状になっております。こういう人たちがこれから五年、十年というふうにたっていきました場合に、いまの中年層といいますか、程度までいくかどうかということも考えられます。片や、畜産物に対します需要等は傾向的には、従来ほどの伸び率ではございませんが、若干なりとも伸びてくるという現状で、かつ二千五百キロカロリーという一つの頭打ちしました熱量の中でこうしたものを考えますと、やはり米麦ともにその比重は下がるものだろう。ただ、その水準は、お示ししたところの厚生省が一つの基準としております熱量比の適正比率目標という中におおよそはまるという形で健康的な食生活が維持できる、こういうふうに考えておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 官房長おっしゃるのは、そうすると一生懸命消費拡大をやって、それでちょうどこのぐらいにおさまるんじゃないか、こういうお話でございますかね。  そうすると、同じくこの資料の十二ページにありますが、これはちょっと別な角度になりますが、これでいきますと、五十三年度の穀物自給率は、下の方にあります、三四%に現在なっている、五十二年度ですね。これを六十五年度には三〇%に減らす。そしてまた、その上の欄を見ますと、食用農産物総合自給率というのは五十二年度は七三%でありますけれども、これは六十五年度も自給率としては七三%、現状を維持させると、こういうふうに一応この表ではなっている。  そうすると、この表で見る限り、自給率が果たして強化あるいは拡充されていると言えるのかどうかという疑問を持たざるを得ないんでありますけれども、そこのところはどうでしょうか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) この見通しにつきましてよく御議論、御指摘をいただく点でございますが、この見通しを立てました際の考え方をもう一度説明さしていただきますが、食用農産物総合自給率は七三%に維持する、主食用穀物につきましても六八%の自給率を維持するわけでございますが、御承知のように目下米から他作物への転作というような形で、先ほど大臣が申しましたように、国内で生産できるものは極力国内で生産する、そういう観点から、小麦の場合におきましては約六%の自給率を一九%に、大豆につきましては、食用の大豆の自給率は現在三一%でございますが、これを六一%、食用の六割をこれで占めよう。かつ飼料の面につきましては、自給飼料をおおよそ六割増しぐらいの規模に拡大する。草地あるいは青刈り作物等の面積をかなり意欲的に拡大する。したがいまして、小麦なり大豆、あるいは飼料の自給率というのも表に出してございます。  この飼料の自給率というのは、穀物飼料も入りますが、先ほど申しました自給飼料、牧草、青刈り作物等の自給飼料は二九%から三五%に引き上げる。これが当面わが国の農業の自給率の点で最も問題になる、第一義的に伸ばさなければならない自給率と、このように考えておるわけでございまして、三四から三〇に穀物自給率がなるというのは、これは飼料用の穀物——中小家畜向けのトウモロコシ、マイロの類でございますが、先ほど申しましたように、畜産物の伸び、中でも豚、鶏の類の若干とも伸びが出ますと、これは現状におきましては輸入穀物に頼らざるを得ない。物価その他家計への影響、その他万般考えましても、これはどうしても輸入に頼らざるを得ない部分が出てまいりますので、したがいまして、それを先ほどの主食用の炭水化物が減るのとあわして考えますと、穀物はそういうふうに三〇%にならざるを得ないという状況でございますが、この自給の見通しては、繰り返すようでございますが、小麦なり大豆、自給飼料は、国内で生産できるものは極力生産するという観点で自給力度を高めようと考えておるものでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 自給力強化についての農林省の考え方はよくわかりました。しかしそれについてはまだ今後もいろいろとお尋ねしていきたいと思いますけれども、一応先に進みたいと思います。  次に、少し角度を変えてお尋ねしたいんですが、いわゆる農業後継者の問題、これは所信表明の中でもうたわれておりますけれども、この農業後継者の育成のためにどのような今後努力をなさっていくかをまずお伺いしたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 将来の農業を担いますすぐれた農業後継者を育成、確保するというためには、何といいましても、まず農業そのものが魅力のある産業ということで育成されまして、住みよい農村をつくり、後継者が意欲を持って取り組めるようにする、これが基本的に重要なことであると、かように認識をいたしております。  そこで、農林水産省といたしましては、農業生産基盤の整備なり、あるいは農用地の流動化の促進なり、地域農業の振興、はたまた農村生活環境の整備というような各般の施策を講じておるわけでございますが、これとあわせまして、高い経営能力を持つすぐれた農業後継者を育成するという観点からいたしまして、やや農業後継者育成というところに焦点をしぼった形の施策をやっておるわけでございます。  異本例を挙げますと、農業後継者に対します実践的研修、教育の強化というようなことで、県の農業者大学校の設置運営に対しまして助成をするというようなことをやっておる。あるいは就農青少年の自主的な集団活動の促進ということで、四Hクラブ活動等に対しましてもいろいろ助成等をやっておる。それから農業後継者の方々がいろいろ部門経営なり、そういうことで農業経営に取り組むその際の資金援助ということで、農業後継者育成資金の無利子貸し付けの制度なり、あるいは農林公庫によります総合施設資金の融資なり、そういう面での資金援助をやっておるわけでございます。今後ともこういう施策の充実強化を図っていきたいと、かように考えているわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 当然育成するというからには一つの目標がなければいけないと思うのですけれども、現在不足しております農業後継者は大体どのぐらいに考えておられるか、そしてまた目標としてどのくらい後継者を今年度といいますか、五十六年度に養成しようとしておられるか、その点はどうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 農業後艦者はどのくらい確保したらいいかという、いうなれば目標なりあるいは不足数字がどうかというようなお尋ねでございますが、この面につきましては、いろいろな見方もあろうと思いますし、具体的に目標というようなものは立てておりません。  ただ、先生おっしゃいますように、現在のたとえば新規学卒者の就業の状況というようなものはきわめて数字的にも少のうございます。五十五年度におきまして七千人というようなことでございますので、非常に少ないということでございますので、今後ともこういう新規学卒者なり、あるいは若い方々が他産業から流入をする際の経営の面へのいろんな研修なり、そういうこと等、いろいろこれは今後とも強化していきたい、かように考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 不足している、不足しているというからには、何人ぐらい不足しているんだということは当然つかんでおいていただきたいというふうに思います。それを育成するためにも、現在何万人不足しているけれども、五十六年度は少なくともこのぐらいはひとつ養成しようというふうな計画的なことをやりませんというと、先ほどいろいろおっしゃられたような細かいことを幾らやっても、基本的には皆さんどうしても村を出ていってしまうということになるんじゃないかと思うのです。  先ほど局長が言われた魅力ある農業、農業が魅力ないから後継者がなかなか出てこないんだというようなことは、それはそのとおりだと思うのですけれども、私はここでお伺いしたいのは、なぜ魅力がないかということなんですね。その魅力をつくらせるためにいろんなことをやるんだとおっしゃるわけですが、私はその魅力の一番のもとは、収入が雇用労働者に比較しまして、賃金労働者に比較して少ないということが一番魅力のないもとじゃないかと思うのです。それで、魅力あらしめるためには農業の収入、所得というものを雇用労働者並みに引き上げていくという、そういうことをしなければ、いまの子供たちですから、皆さん収入の高い都会の雇用労働者の方へどんどんみんな行ってしまうというのは、これはあたりまえの話であります。  そこでお伺いしたいのは、現在農水省として、この前もちょっとお伺いしたところではありますけれども、もう一遍教えていただきたいのは、いわゆる雇用労働者、賃金労働者といいますか、それに比較して一時間当たりの賃金、所得がどのくらいの違いがあるか、そこをちょっと教えていただきたい。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 一時間当たりというお話ございましたが、私どもは比較は一日当たりということでいたしておりますが、ただ賃金といいますか、所得の比較につきましては、労働条件とか地域の相違、あるいは当該経営の中心となる作目によりましてかなり振れがございますんで、多少乱暴でございますが、全国平均的にこれを見ますと、最近の製造業、五人以上の製造業の方面の一人一日当たりの賃金に対します全農家平均、すべての農家の平均の一人一日当たりの農業所得の割合は、五十四年度の数字で申しますと五二%というふうになっております、製造業はかなり大規模な点まで入りますので、これを五人ないし二十九人まで、三十人未満の製造業というようなものとの比較でいたしますと七二%と、平均的にはこういう数字になります、多少専業的な農家という意味で、規模の大きい二ヘクタール以上の農家で製造業の平均と比べますと六八%、製造業でも三十人未満の従事者の製造業どこの専業的なものと比べますと九四%と、このような格差になります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 賃金労働者と農業労働者、比較がむずかしいのでなかなか簡単にはいかないと思いますけれども、大ざっぱに言ったところ、やはりいま官房長言われたようなことじゃないかと思うんです。そうしますと、最初言ったように、魅力ある農業というふうなことを観念的には言っても、具体的に収入がないということになれば、これは魅力が出てくるわけはないんで、どうしても高い収入の方へ皆さん行ってしまうということは言うまでもないことだと思うんです。  そこで、そういった魅力ある農業、つまり具体的には収入がもっとふえるような、そういう農業にしていかなければならないと思うんですけれども、そこら辺についてのお考え方はどうですか。いまのままでいったんじゃいつまでたったって、いろんなことをやったって、結局は所得が少なければ高い方へ移るのは、これはあたりまえの話だと思うんだけれども、そこら辺どうお考えでしょうか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 確かに所得もそうした労働力の流動いたします大きなファクターであると存じますが、最近の動向で若年の就業者が少ないという一面では、比較的一度都市に出ましてから還流する労働力の憎みたいな傾向もございまして、農村自体の持っている意味の評価というふうな点もあるんではないかというふうにも考えられます。私どもは所得自体については均衡できることが望ましいとは思いますけれども、農業経営者自体が一つの経営者として単なる賃金労働者と違う性格も有しておりますし、全体の需給の関係で生産を営んでまいるということで、目標としてはそういう所得の目標を掲げましても、現実の需給の関係で達成し得るには規模の拡大なり生産性を高めるような経営をつくっていく、同時に都市なりとの関係では、生産の環境だけではなく生活環境まで含めた環境諸条件も整備していくというような、各方面からの整備とあわせて考えていかなければならない問題だと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 職業というものは必ずしも賃金の多寡だけで決まるもんじゃないということは私もよくわかります。ですから、賃金は少ないけれども、所得は少ないけれどもこういう点が非常にいいんだというふうなことがあれば、それは必ずしも高い方にいくとは限りません。ですから、それはもう当然のことですから、ぜひそういう意味でいまおっしゃられたようなことをもっと強力にしていただくと同時に、やはり所得そのものももっとふえるようにひとついろんな意味で強力に手だてを講じていただきたいというふうに思うわけです。  そこで、一つお伺いしたいのは、労働省おられますか。——労働省にお聞きしたいんですが、労働省が考えております今後の労働力の需給見通しといいますかね、そういうものをひとつお聞かせいただきたいと思うんです。その中で特に第一次産業の労働力をどういうふうに持っていくのか。恐らく第二次産業、第三次産業に労働力が第一次から移っていく。かつては第二次が多かったやつが最近は第三次が多いとかいうふうに聞いておりますけれども、そういう関係で、第一次産業につきまして、もしできれば農業、林業、水産業というふうに分けて、そこの労働力の需給関係を、需給の見通しをひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。

野見山眞之労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(野見山眞之君) お答えします。  一昨年に閣議決定いたしました第四次雇用対策基本計画におきましては、今後安定成長への転換あるいは産業構造の変化の中で、労働力需要全体としては、従来に比べて伸び率が鈍化していくし、また就業構造も産業構造の変化の過程で動いていくだろうというふうに見ております。  そこで、産業別に見てみますと、第一次産業につきましては、従来の減少テンポに比べるとやや低下いたしますけれども、引き続き減少傾向にあるということで、昭和六十年でございますが、見通しといたしましては、農林水産業一本で出しておりますが、昭和六十年度で約五百十万人程度、五十年の六百六十一万人、これは労働力調査を基礎にいたしておりますが、減少していくというふうに見込んでおりまして、全体の就業者の中に占める比率が、昭和五十年の一二・七%から約九%程度に下がっていくのではないだろうかというふうに見込んでおります。  一方、二次産業につきましては、構成比は大体同じ程度で、伸び率としてはそう高くないんではないか。それから三次産業につきましては、今後国民生活のニーズの多様化、高度化に伴って三次産業の増勢は引き続き高いというふうに見ているわけでございます。  そこで、他方、供給面でございますが、労働力人口の伸びは従来に比べてやや鈍化いたしますが、労働力人口の増加の中心が、むしろ中高年齢者あるいは女子の就業への参加というものが中心になるのではないかというふうに見込んでおりまして、その結果、労働力需給といたしますと、第一次産業につきましては、従来から農業から他産業への流出はやや減少傾向にございましたし、また他産業から農林業への流入の方は横ばいないし多少ふえてきているというような状況に見ております。  したがいまして、二次産業あるいは三次産業の労働力の供給源といたしましては、従来の高度成長期には農林水産業からの流入がかなりの部分を占めておりましたけれども、今後は第三次産業では、むしろ新規学卒者あるいは女子の就業化、あるいは第二次産業の中高年齢者が定年退職等によって退職した後にサービス産業等に就業するというような形で、第三次産業の就業者がふえていくのではないかというふうに予想いたしております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 大体の予想はよくわかりました。いずれにしましても、六十年までに第一次産業が現在一二・七%が九%に減るであろうと、こういうことですね。  それで、労働省としては、いまのは見通しであると思いますけれども、労働省としてこういうふうにすべきだというふうな考え方というものは持っていないわけですか。つまり第一次からできるだけ第二次へ持っていこうとか、第三次へ持っていこうとか、そういう計画は特別には持っておられないかどうか。つまり職業訓練なんかでいろいろやっておられると思うんだけれども、そういうことでその点は関係あるんじゃないかと思うんですけれども。

野見山眞之労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(野見山眞之君) 雇用政策といたしましては、それぞれの産業に必要な的確な労働者がそこに就業するということを基本的な目標といたしておりますけれども、二次産業あるいは三次産業につくことを希望している方々に対しまして必要な職業訓練、あるいは職業紹介等をやることはもちろんでございますし、また農業から他産業に安定的な就業機会を求められる方々がおられます場合には、転職のための職業訓練、あるいは職業安定機関におきまして適切な職業指導、あるいは職業紹介を進めていく、あるいは農業者から転職を希望される場合には、それに必要な援護措置等につきましては引き続き講じてまいりたいというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 農林省の方、いまお聞きになったとおりで、いずれにしても、第一次部門の農林水産、これは全部入っているようですが、これは五百十万人に減っていく、六十年には。こういう状況にあるわけでありますけれども、これについてどうですか、これでは足りると思うか、足りないと思いますかということなんですがね。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 私ども長期見通しなり立てる際に、そうした問題の意識はございましたが、これについて計数的に把握をしておるわけではございません。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 ただ、農業就業人口につきまして、かつて四十年から五十年の間に年率にして五%ぐらいのかなり減をたどった。それよりはあるいは半分以下程度の、前後の減少はたどるだろうというふうな予想は立てておるわけでございますが、同時にそうした傾向が一面では、農業自体での規模の拡大なりあるいは構造の変化の契機たり得るんではないか。そうしたことから利用増進事業等これから農業自体の経営の方につきましても再編成をいたしまして、先ほど御指摘のような所得の問題の実現あるいは地域社会のあり方というようなことがこれからの課題であろう。計数的にはつかんでおりませんが、政策の方向としてはそのように考えておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いろんな生産についての見通し、今後十年間の見通しみたいなものはかなり詳細にもうできているわけでありますけれども、それに見合う労働力といいますか、第一次産業に働く人たちの数というものも当然出てこなければおかしいというふうに思うわけです。もちろんいろんな生産性の拡大とか何かがあればそう単純には出ないと思いますけれども、一応農家人口というものは将来の十年後はこのくらいになっていくんじゃないかというふうなことはある程度押さえて、それによっていろんな対策を立てていく。またある程度押さえたからには、その人たち、その人数は外へ逃げていかないようにするというふうな配慮をひとつ今後ともやっていっていただきたいというふうに思います。  それからその次に、大臣の所信表明の中で同じく出ておりますが、特に林業労働者につきまして非常に減少しているというふうなことが言われておりますけれども、この状況、現在どのくらい減っているか、それからなぜ減っているかということと、それを減らさないようにするための対策はどういうふうにお持ちであるかということをお伺いしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お答えいたします。林業従事者数はわが国の経済の高度成長期以降減少してきておるわけでございますが、最近十ヵ年間は、従来の一方的な減少傾向から転じまして、二十万人前後で横ばいで推移しておるわけでございますが、ただ、質的に見ますと、高齢化の現象が見られるということでございます。  このような傾向が見られる理由といたしましては、高度経済成長による他産業従事機会の増大等によります山村人口の流出のほか、新規参入の減少、あるいは他産業に比して林業の就労環境が厳しいということなどが考えられるわけでございます。わが国の林業はどちらかといいますとまだ資源の育成過程にあるものでございますので、たとえばこの基盤整備の立ちおくれ等々いろいろ問題があるわけでございます。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕  従来からこれらの点に着目いたしまして、造林でありますとかあるいは林道、あるいは林業構造改善事業等林業振興のための施策を進めてきておるわけでございますし、また最近では林業地域総合整備事業等山村の生活環境整備のための施策も実施しておるわけでございます。また直接、林業労務改善促進事業あるいは林業退職金共済制度の推進など、就労条件の改善のための施策も実施しておるわけでございます。また林業後継者に対します教育指導体制の整備でございますとか、あるいは林業後継者育成事業、あるいは児童生徒等の森林事業に関する理解を深めるというようないろいろな施策を進めておるわけでございまして、今後ともこれらの施策を通じまして、拡充を通じまして林業従事者の確保を期していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 全国二十万人が大体林業労働者としてやっておられる、こういうふうに聞きましたけれども、大体それで横ばいで現在推移しているわけですか。いつごろから横ばいになったかちょっと教えてください。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 総理府の労働力調査によりますが、四十三年が二十七万人でございました。四十四年が二十二万人、四十五年が二十万人、それ以降十七万、十八万、二十一万、二十一万、二十二万、ずっとまいりまして、五十二年がまた二十万、五十四年が十八万、五十五年が十九万という数字になっております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 大体二十万人前後で推移しているのでございますが、その中身を見ると、先ほど言われたように、高齢化がどんどん進んでいくんじゃないかというふうに思いますときに、今後林業を担って立つ林業労働者の育成、特に若い人たちに対しても、先ほどのお話じゃありませんが、魅力ある林業というふうなものを、環境をつくるためにも、あるいは所得の面でもひとつ十分考えていっていただきたいというふうに思います。  それから先に進ましていただきますが、今度はお米の問題でありますけれども、一番新しいところでお聞かせいただきたいんですが、お米の在庫状況は幾らでございますか。それからその内訳として古米が幾ら、古々米が幾らというふうに分けてお聞かせいただきたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 五十五年十月末の在庫状況でございますが、全体で六百六十六万トンでございますが、そのうち五十四年産が百七十八万トンございますから、いわゆる古米としては四百八十八万トンでございます。この四百八十八万トンの内訳でございますが、五十年産が二十九万トン、五十一年産が百二十九万トン、五十二年産が二百一万トン、五十三年産が百二十九万トン、こういった内訳になっております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 去年の冷害で生産が大分減っていると思うんですけれども、向こう一年間で六百六十万トンというのは減ると思いますか、ふえると思いますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しました六百六十万トンの中には五十四年産で今米穀年度に使っていく部分があるわけでございますが、これ以外のいわゆる古米と考えております四百八十八万トンにつきましては、計画的な古米の処理をいたしますためにこれは減少さしていけるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 十月末六百六十万トンあるとおっしゃったわけですけれども、これが一年間で減るか、ふえるかということなんです。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたように、古米の部分については計画的な過剰処理をやってまいりますから、減ってまいるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 六百六十万トンを抱えているわけですけれども、今後これをどういうふうに処理していこうとなさるのか、この点お聞きかせいただきたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 古米の部分の全体の処理は五十三年産米につきまして五十四年度から計画的に進めておるわけでございますが、そのうち従来実施してまいりましたものは、五十四年度につきまして百二十万トン処理をいたしました。それからまた五十五年度につきましては百十四万トン処理をしてまいったわけでございますが、五十六年度につきましては百二十万トン、それから五十七年から五十八年につきまして二百九十万トンの処理をしてまいりたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これはどういう処理をなさるわけですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 五十六年度につきましては、工業用におきまして約三十万トン、輸出用につきまして約四十万トン、えさ用につきまして約五十万トン、計百二十万トンでございます。それから五十七年、五十八年につきましては、工業用で七十五万トン、輸出用で七十六万トン、えさ用で約百四十五万トンという計画で二百九十六万トンでございます。なお、このうち輸出用につきましては、今後できるだけこれをさらに拡充するように関係国とも交渉してまいりたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 次にお伺いしたいのは米の消費拡大策でございますけれども、所信表明の方を見ましても、いわゆる地域ぐるみの米消費拡大対策をやるとか、あるいは米飯学校給食をやりますとか、こういうふうなお話がちょっと出ておりますが、これについて最初に地域ぐるみの消費対策というものはどんなことをやっておられるか。恐らく五十五年度もやられたと思いますけれども、その実績として相当効果が上がっておるかどうか。これは内容的にはなかなかそう簡単に出てこないかもしれませんけれども、一応まず五十五年度の実績をお伺いしたいと思うわけです。  もう一つは、米飯学校給食についてもその実績、実施状況をお伺いしたい。ことしはどの程度拡充するつもりか、こういうことをお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 地域ぐるみの消費拡大事業につきましては、米の消費拡大を地域の市町村を中心とした運動として推進していただくということでお願いをしておるわけでございますが、その事業のやり方といたしましては、一般事業で千八百十一市町村、それから特別事業といたしまして二百市町村を指定をいたしまして、これらの市町村におきまして、具体的には生産者、販売業者、消費者というような関係者を一丸とした消費拡大の推進事業体をつくっていただきまして、その中におきまして、たとえば料理の講習会でありますとか、さらには児童の体験農園の設置でございますとか、いろいろな催し物というようなものも行いまして、その地域ごとにおける消費の拡大を地域の実態に合わせて具体的に進めていただくというふうな仕事をやっておるわけでございますが、これによりましてどれだけ消費量がふえたのかということを数量的に把握することは困難でございますけれども、私どもその成果は漸次実りつつあるものというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 学校の方はどうですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 学校給食につきましては、現在学校給食用の米の値引き売却をいたしておりまして、通常の場合には六〇%、新規学校につきましては七〇%というような値引きをいたしましてこの事業の促進に当たっておるわけでございますが、この学校給食の実施校といたしまして、いわゆる一週間に二回ということを目途としておるわけでございますが、実施した学校数といたしましては、全体で八四%というところまで実績が上がっておりますので、この学校給食につきましても所期の目的に対して着実に増加をしておるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 八四%がすでに週二回の米飯給食をやっているというふうに考えてよろしいんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 八四%が全部週二回実施しておるというわけではございません。月平均の実施回数といたしましては五・七回ということでございますので、全校が週二回というところまではいっておりませんが、実施の回数も漸次拡大をしておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 五十六年度も同じようなことをおやりになると思うんですけれども、大体目標としては、八四%ですか、これを何%ぐらいに上げようと考えておられるわけですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 具体的に何%というふうに申し上げかねるわけでございますが、私どもといたしましては、できる限り一〇〇%に近づけるような努力をしていきたいというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 東京都内でもって米飯給食をやっているところはありますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) あると思いますが、ただいま調べます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 聞いた限りでは、東京都内で余りないんじゃないかというふうに思います。現にうちの小さいのが中学校に行っておりますけれども、全然米食はない。そうしますと、一体どうして都心では、都心といいますか、首都である東京都において、おひざ元においてさっぱり行われていないのか。その理由はどういうふうにお考えですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 学校給食が進みません理由といたしましては、従来のパンの給食からの切りかえがなかなかむずかしい点があるわけでございますが、米飯学校給食ということになりますと、新たに米を調理するというような人員がどうしても必要になりますので、地方自治体が直接米飯の供給をするということになりますと、そういった人員の問題というようなことも出ておるわけでございますが、私どもといたしましては、できるだけ委託炊飯というような形で、地方公共団体の人員の拡大を招かない形で米飯の給食が実施できるようにというようにしておるわけでございますが、どうしても大都市地域におきましてはこの切りかえについての自治体としての対応がおくれておるというのが実情でございますが、名古屋等につきましてはこの切りかえが行われておりますし、最近におきましては仙台等の大都市でもこういった切りかえが行われておりますので、漸次大都市におきましてもこういった米飯への切りかえが可能になるものと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 せっかく米飯学校給食をやろうとして予算までとっていて、肝心のおひざ元でもってさっぱり行われていないというふうな状況はやっぱり問題であろうと思うんです。ですから、いまの委託炊飯ですか、というふうなことも一つの考えでいいと思うんですけれども、それすら実行しようとしないということになりますと、これはもっともっと積極的に食糧庁あたりがやっていただかなきゃ困る。もしやれないとすると、委託炊飯も無理だというならば、無理な事情は一体どういうことにあるかということを調べた上で、その事情を克服するようなことをひとつぜひやっていただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうかね。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 先ほど東京都の普及率はどうなっておるかということでございましたが、実施枚数といたしましては、実は八一%まで普及をいたしておるわけでございますので、広がりはある程度あるわけでございますが、ただ回数が少ないというような問題がございます。ただいま御指摘がありましたように、大都市についておくれております点を具体的に解決していきますように最大限の努力を払っていきたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 学校給食についてもう一点だけお伺いしたいのは、東京都でやっておりますのは、八一%とお聞きしましたが、これは委託炊飯形式でやっているんですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ちょっと八一%の内訳が、委託炊飯と自校でやっておるのが明確でございませんが、委託炊飯が多いものというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その次、同じくお米の問題で、食管制度についてお伺いしたいんですけれども、所信表明によりますと、制度のたてまえと実態が乖離している点を改正したいんだ、検討したいんだというふうなことが言われておりますけれども、制度のたてまえと実態が乖離しているというのはどの点でございますか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法におきましては、戦時中の統制立法の形をとっておりますために、米の配給面につきましていろいろと親御があるわけでございますが、具体的に申しますと、消費者が小売店から米を購入する際には必ず購入通帳を持っていかなければ買えないことになっております。それからまた売る方の小売店におきましても、購入通帳を持ってきた人についてだけ売れることになっておるわけでございますが、現状からいきまして、こういった購入通帳というようなものはほとんど利用されておらないという実態がございます。  それからまた、購入通帳のもとになっております配給割り当て、配給計画というものも有名無実化しておるという実態がございます。  それからまた、現在の食管法の制度のもとにおきましては、個人間の米の譲渡というようなものを一切禁止いたしておりまして、農家が自分の子弟に対して米を送るということも禁じられておりますし、消費者間で無償の米の譲渡を行うということも一切禁止しておるわけでございますが、実態といたしましては、米をもらったことがあるという消費者が圧倒的に多いわけでございますので、こういった面におきましても、実態と制度のたてまえとの乖離があるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 実態と制度のたてまえが乖離しているという点はよくわかりました。それを改正しようということを検討しておられるわけですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) ただいま申しましたような点を改正いたしまして、だれもが守れる食管法にしていきたいということも食管法改正の大きな理由でございますが、それだけではございませんで、現在の食管制度が需給の状況の変化に対応して、過剰のときも不足のときも弾力的に適正な食糧管理ができるように、こういった需給の状況に対応した食糧管理をしていくということを制度上も明確にしていくという点も必要であると考えておりますし、それからまた最近におきます米の需給事情が品質面を重視する形で運営されておるわけでございますので、こういった品質面も含めた消費者の需要の動向に対応する流通の円滑化を確保するというようなことを制度上明確にしていくというような点も、この食管法改正の大きな内容になってくると考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 現行法では需給の状況に対応したような弾力的な運営ができないと、こういうことですか。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法は、先ほど申しましたように、戦争中いわゆる不足の時代につくられた法律でありますために、数量の少ない物を公平に配分するというような考え方が基本でございまして、したがいまして、法律の形におきましても、配給の仕方というようなことを細かく規定をしておるわけでございますが、需給の実態に対応した政府の管理をするというようなことにつきまして法律上明確になっておりません。したがいまして、この点を明確に打ち出していく必要があるのではないかと考えておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 さっきおっしゃいました、明らかに現在実態が乖離しちゃっているというふうな問題は、これは改正するというお気持ちわかりますけれども、それ以外の点につきましては、こう言っちゃ何ですけれども、現行法でずっとやっているわけなんで、それをどうしてこの時期に積極的に変えていかなきゃならないかということがよくわからないわけです。  もう一つ、巷間伝えられておりますところの麦の問題でございますけれども、麦価の問題についてもいろいろ言われておりますけれども、あの辺についての食糧庁長官のお考えを聞いておきたいと思うんです。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在の食管法の規定の中で、麦の政府買い入れ価格につきましては、内容が二つになっておりまして、一つは二十五、六年を基準とするパリティ価格を下回らないという点と、それからパリティ価格を基準にして、経済事情その他を参酌して再生産確保を図ることを旨として定めるという規定とから成っておるわけでございますが、現実におきましてこの二十五、六年を基準としたパリティ価格というものは、価格決定そのものにはなっておらないわけでございますので、この実態と異なっておる点を改めていくということが必要になるのではないかと考えて検討しておったわけでございますが、関係団体等理解を得るよう努めてまいりましたが、現在までのところ、この規定の改正が生産農家に対しまして非常に不安を与えるというような点について十分な納得を得るだけの余裕がございませんでしたので、麦価格の改定につきましては次の機会に送ることにいたしまして、今回の法律改正の案からはこれを取り下げてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、麦の問題は今回は出さないけれども、その他の先ほどおっしゃったようなことについては改正案をいずれ出されるということですか。そうしますと、その時期は大体いつごろかお伺いしたいと思います。

松本作衞食糧庁長官

○政府委員(松本作衞君) 現在法案の準備をいたしておりますので、私どもといたしましては、今月中には法案として提出するようにいたしたいということで準備をいたしておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 食管法改正、非常に大きな問題であるだけに、私としてもきょうはこれだけにとどめておいて、いずれ改めてその法案が出された段階でもいろいろと御意見を言わしていただきたい、御質問さしていただきたい、こういうふうに思います。それでは一応先に参ります。  次に、養蚕業の問題でありますけれども、所信表明の中で養蚕業については一言も触れられておらないわけですが、まず最初に養蚕業についての基本的な考え方を大臣からお伺いしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 所信表明の中に養蚕業を特に取り出して説明はいたさなかったわけでありますけれども、農政全般の中で申し述べてあるわけでありまして、農業の部門の中に当然養蚕の事項も含めておるという気持ちで実は申し上げたわけでございます。それはもう当然養蚕業も農政の大事な一角として進展をさせてまいりたいという気持ちを持っておりますことはここで改めて申し上げたいと思います。  養蚕業は、蚕しかやれない地帯、山地帯でありますとか、あるいは土壌のよくない畑作地帯、そういうところで養蚕業が行われておるわけでありますが、今日まで農家所得の向上に非常に大きな役割りを果たしてきておりますし、わが国の伝統的な絹産業というものの基礎をつくっておる。こういう意味においても大事な産業であると、こう認識しております。  したがいまして、農林水産省といたしましても、手間のかからない養蚕業ということで、生産性の高い養蚕をするための奨励措置を講じてまいってきておるところでございます。これからも一つの大事な農業の一角として進めてまいりたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 もうじき糸価について審議会の方に諮問することになっているようですけれども、その諮問はいつやられるかということをお伺いしたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 基準糸価は三月いっぱいに決めるということでございますので、いまの予定といたしましては、今月の二十八日、蚕糸業振興審議会繭糸価格部会に諮問をいたしたいというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 二十八日に諮問をするわけですね、大体予定としては。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) そういう予定で現在いろんな準備をいたしております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 諮問するときには当然政府の考え方をきちっと入れて、これでいいですかというふうな諮問をすると思いますけれども、そこで基本になる生産費については一体どういうふうに考えていらっしゃるかどうか。あと一週間近くあるわけでありますけれども、大体もうお考えもまとまっていると思いますが、現在の生産費が高いと考えておられるか安いと考えておられるか、どちらかはっきりお答えいただきたいと思います。

関根秋男農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(関根秋男君) 五十五年産の繭の生産費につきましては、ただいま集計中でございまして、来週の後半までにこれを取りまとめるという予定で作業を急いでおるところでございますので、いまの段階で生産費の上下の問題についてお答えをいたしかねるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そういう御回答だと思っていましたわけですけれども、それにしても何か感じぐらいは大体わかるんじゃないかと思うんです。感じで物を言えと言っても、言う方が無理かもしれませんけれども、私どもはどう考えても生産費というのは相当上がっているのじゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。  もう一つお聞きしておきたいのは、生産費が上がればその糸価、繭価にそれが反映するのはあたりまえである。ですから私どもとしては、細かい数字はこっちは申しませんけれども、生産費が上がって、それに伴って諮問すべき内容の糸価なり繭価がそこで大幅に上がっていただかなきゃこれは困るんじゃないかというふうに思うんです。  ただ、その次に問題にしたいのは、当然その需給関係というものをやはり考慮せざるを得ないということから、必ずしも生産費にパラレルに現在の糸価なり繭価が上がっていくということは考えられませんけれども、もし需要供給の問題を考えてということになりますと、私どもとしてそれは問題にせざるを得ない。つまり現在供給に対して需要が非常に減っている。そしてすでに事業団あたりが十四万俵以上の在庫を抱えちゃっているというふうなことが言われておりますけれども、それは事実ですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 事業団の在庫でございますけれども、この五十六年の二月末で十四万五千俵程度の在庫に相なっております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その十四万何がしの在庫の内訳、つまり輸入と国内産と分けてどのくらいになっていますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 十四万五千俵ほどの在庫でございますが、これの内訳といたしましては、輸入糸の方が十万八千俵、大体七五%、その他が国産糸二五%というような内訳に相なります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そこで問題にしたいのは、冒頭にも大臣からお伺いしたわけでありますけれども、国でできるものは極力国で賄う、どうしても足りなくなったら輸入するんだというふうなお話を伺ったわけでありますけれども、いまの話ですと、十四万五千俵のうちの十万俵以上が輸入である。恐らく韓国、中国あたりだと思いますけれども、そこで私たちとしては、生産者も当然でありますけれども、前々から、自分でできるんだから、足りない分はやむを得ないにしても、できる場合に何も輸入しなくていいじゃないか、輸入はぜひしないでくれということを言っていたと思うんです。ところが、そういう生産者の声を無視してどんどん韓国、中国から輸入してしまった。その結果、いまお話がありましたように、十万俵以上の輸入の生糸なり繭が在庫になってしまっているということになると、そういう在庫ができたのはまさしく政府の責任であるとこれは言わざるを得ないわけです。ですから、諮問するに当たっても、この事業団にたくさん在庫があるんだから繭価も下げなければいけないというふうな理屈は、これはどう考えても納得できないわけですけれども、そこら辺はどんなものでしょうかね。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 基準糸価につきましては、繭糸価格安定法に基づきまして、「生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情からみて適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として」定める、こういうふうに規定をされておるわけでございます。したがいまして、生産条件なり需給事情等を十分検討して適正に決めたいということで現在資料を収集し、また検討をいたしておるという段階でございます。いずれにいたしましても、この法の定めるところによりまして適正に決定をいたしたいと、かように考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 時間がありませんからもう一言しか言わしていただけませんけれども、いずれにしても、いま言った経済情勢とかあるいは需給状況というものを当然反映させられると思うんですけれども、少なくとも需給状況については私がいま申し上げたとおりであって、いま非常に在庫がふえているというのは、これはまさしく必要以上に輸入し過ぎた結果であるというふうに考えざるを得ません。もう一つの経済情勢についても、何も生産者価格を少し下げたからといって——下げるか下げないかまだわかりませんけれども、たとえばの話で、下げたからといってそれが経済情勢といいますか、実際の着物の値段なりに反映されるわけはないと思うんですね。  ですから、どこか非常に複雑な中間段階がたくさんあるようですけれども、そういうところで全部吸収されてしまって、生産者価格がたとえば五百円下がったから、こっちの方の生地も五百円下がりますなんてことになるわけはないんです。だから、むしろ喜ぶのは中間の人たちであって、泣くのは生産者でしかない。そんなばかな話はどう考えてもないと思うんですよ。ですから今後、いまはっきりした回答をいただけないので残念でありますけれども、どうしてもそういうことを考慮した上で本当に生産者を泣かせないような、泣く泣かないにかかわらず、道理に合わないようなそういう諮問はこの際しないでいただきたい。そして当然上がっているであろう生産費を基準にして、それ相当の繭価なり糸価を上げていただくように特にお願いをしておきたいと思います。  あとわずかしかありませんけれども、同じく養蚕業の問題について、去年十月問題になりましたいわゆる青竹問題というやつがあります。これは新聞なんかにも発表になりましたけれども、中国産の生地を薄く青く染めて、そして何かいんちきな証明書をつくってスペインから輸入してきた。百三十七万平米だそうですが、それが非常に国内の流通界を撹乱させたという事実がございます。まだ真相はなかなか明らかでないようでありますけれども、もう十月から半年近くたっているわけでありますので、その辺について、これは恐らく通産省の所管かと思いますけれども、通産省の方からその事実、経過、とった措置、それから今後どうしようとなさっているか、この点についてお伺いしたいと思います。

末木凰太郎通商産業省生活産業局通商課長

○説明員(末木凰太郎君) 御説明いたします。  御指摘のとおり、昨年の十月にスペイン原産と称する大量の絹織物が輸入通関されまして、私ども十一月に入りまして統計が発表されましてその事実を正式に確認したわけでございます。いろいろな事情から、これはスペイン原産のものではないのではないか、はっきり言いますと、中国産のものがスペイン産と擬装して輸入されたのではないかという疑いを抱いたわけでございます。  と申しますのは、中国産の絹織物につきましては、御承知のとおり、国内の絹関係その他の業界の、産業の保護のために、日中両国間で協議をいたしまして日本への輸入量を取り決めております。その取り決め量の範囲内で通産大臣の事前の許可を受けて輸入するということになっておりますが、この百三十七万平米につきまして許可をいたした事実がございませんので、そういう疑いを持ったわけでございます。  一方、スペインの生産量からしましても、スペインにこれほどの供給量があるとも思えないというような事実がございましたものですから、早速調査に着手をいたしまして、大蔵省税関当局とも協力をしつつ今日まで調査をしてきております。  その結果わかりましたことは、少なくとも申請書類に記載されたとおりの、スペインのバルセロナから船積みされたという事実はないということを確認いたしまして、品物は恐らく中国産のものであろうと思います。  それでは一体どういう経緯で、どこから船積みされて日本に持ってこられたものかということでございますが、何分海外にわたる調査でございますので、御指摘のように時間はかかっておりますが、なお調査を続行しているところでございます。もちろん全然見当もつかないということではございませんで、ある程度の輪郭は浮かび上がってきておりますが、こういう国内業界に大きな影響を及ぼした問題でございますので、将来きちんとした処理をするためにもしっかりした裏づけのある調査にしたいと考えまして、現在調査を続行中という次第でございます。  なお、御指摘の国内業界への影響につきましては、確かにこれは大きな影響を与えたわけでございますので、国内業界への悪影響を少しでも緩和するという観点から、私ども行政指導をもちまして、関連の流通業者の協力を求めまして、この品物を扱った人たちに少しでもその品物を取引先の上流、つまり売った先から買い戻して買ったところへ売り戻すというような形の回収をするように協力を求めまして、今日まである程度の回収をさせております。その結果、一時市況に悪影響を与えたことは事実でございますが、ことしに入りまして、その点は幾分緩和されてきていると認識しております。そういう状況でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 大蔵省の方いますか。——当然関税法違反とかなんとかいう問題があると思うのですけれども、それについてはどうですか。

田中史大蔵省関税局監視課長

○説明員(田中史君) 本件、スペイン青行事件につきましては、現在東京税関におきまして輸入申告に際し虚偽の申告をした、つまりスペイン産でないものをスペイン産ということで申告をしたということで、関税法百十三条の二に虚偽申告罪という罰条がございますが、その嫌疑事件として調査を行っております。  そこで、現在鋭意調査を急いでおりまして、ほぼ詰めの段階に入っているというふうに私どもは見ておりますが、調査が終了しまして関税法違反の事実が明らかになりましたら、罰条に照らしまして厳正な処分を行いたいというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その罰条に該当する人というのは当然輸入してきた貿易業者であろうと思うのですけれども、その貿易業者というのははっきりわかっているわけですか。一説によると、この間千葉県知事に五千万円出したニッタンの深石さんだという話があるんだけれども、それは本当ですか。

田中史大蔵省関税局監視課長

○説明員(田中史君) 本件、スペイン青行事件の申告の名義人は株式会社ニッタンでございます。そしてその代表者は深石鉄夫氏でございます。  そこで、本件につきまして関税法百十三条の二、虚偽申告罪で問擬する場合に、いかなるものを反則者と考えるかということにつきましては、現在調査中でございます。ニッタン及び深石氏の役割りがいかなるものであったかというような点につきましても現在調査を行っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 もう時間が来ましたから、これでこの問題やめますけれども、通産省も大蔵省の方もひとつ徹底的にこの問題は調査してもらいたいと思います。相当悪質な行為でございますから、それがしかもそういう日本の市況を非常に撹乱したということについてはわれわれも黙っていられない。その結果また改めてお聞きしたいと思いますから、きょうはこれでやめさせていただきます。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時十七分休憩      —————・—————    午後二時一分開会

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、昭和五十六年度農林水産省関係の施策及び予算に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 大臣の所信に対しまして若干の御質問をいたしたいと思います。  現在農林水産省の当面いたしております諸問題、一つ一つ非常に重要な問題ばかりでございまして、これは後日その個々の問題についてはまだ議論をいたすことにいたしまして、大臣も所信で最初に去年の冷害のことについても触れられ、そしてまた森林被害の非常に大きいことについても適切な対策を講じていくということでお述べになっていらっしゃいます。また、私ども過日福島を中心にいたしまして森林被害の実態を調査さしていただきました。一月に私は北陸の方にも参りまして、新潟にも参りましたが、相当な雪で全貌はわからないといたしましても、相当な被害の状況でございまして、また過日の現地視察におきましては、午前中も同僚委員からお話ございましたが、それぞれについての切実な要望が寄せられております。こういうことからまず森林被害のことにつきましてお尋ねをいたしたいと思うんであります。  激甚災害、それに伴いましての天災融資法、こういうことについては午前中、三月十六日から調査、査定に入っているというお話でございますが、農林水産省としましては、このたびの被害は非常に大きいということから、そういう激甚災の指定ということについては当然だろうという、そういうことの上に立っていろんな諸政策を進めていらっしゃったように思うんであります。しかしながら、現実現場へ参りますと、これがいつはっきりと発動になるのかということを非常に気にいたしておるところであります。三月十六日から査定に入ったということでありますが、調査をしておるということですが、現実いつごろの目安でこれが最終的な結論が出るのか。これはいろんな法的な手続がありますので、まずは実態の把握ということから始まるのは当然のことといたしまして、およその見通しということについてはいかがなものでございましょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 実は二月の二日に、天災融資法を前提として、つなぎ融資のあっせん方の通達を実は出させていただいているわけでございます。と申しますのは、できるだけ早く——今回の雪害等でビニールハウスとか、あるいは養蚕とか、そういう施設が大分やられておりますので、そういうものはもう早目に準備しませんと春先に間に合わないというふうなこともございまして、そういう面に対する急ぐ面については、もうすでに天災融資法を前提としてのつなぎ融資のあっせん方を各金融機関に通達をいたしたところでございます。そのほか、国営保険でありますとか、共済保険でありますとか、そういうものの支払いにつきましては、もうデータのそろい次第と、こう言っておるわけでありますけれども、地域によりましてまだ雪の下に存在しておるというような事態もありまして、明らかになってないところもございます。したがいまして、実際の天災融資法の発動は四月の中ごろから終わりにかけて、できるだけ四月中に通達を出したいと、こういうことで仕事を急がせておるという実情にあるわけでございます。  それまでの間に施しましたもろもろの具体的な法律によりますところの処置につきましては事務当局からお答えさせたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 森林被害につきましては、昨日の衆議院の災害対策特別委員会小委員会におきまして、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律案を議員提案するということで決められたというふうに承っておるわけでありますが、この改正を見ました上で、いわゆる森林災害の従来の長官指定の激甚災害の復旧造林ではなくて、激甚災害法に基づきます激甚災の指定基準を決めてまいらなければならないわけでありますが、これは御承知のとおり中央防災会議で決めるということに相なっておるわけでありますが、それらと並行いたしまして、ただいま大臣からお答えございましたようにいまだ雪の下になっておりまして、詳細な被害状況というのはわかっていないわけでございます。激甚災害を発動するにいたしましても、これを的確につかまなければなりませんので、融雪時を待って被害を的確に把握した上で、いま申し上げました基準に従って指定をしていくという段階になろうかと思います。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 それは私どももよく理解しておるところであります。要するに、これは予算委員会のときにも大臣にいろいろお尋ねをいたしました。万全の対策を講ずると。現地の悲惨な状況からして、こういう激甚災の発動がなくても、それに準ずるようないまもお話ございましたように対策を講ずるということでありますが、それなりにできる範囲内のことは、お考えになっている範囲内のことについては国会でもいろいろ言われているわけでありますが、現実問題となりますと、これはまだ雪の下で被害の実態が明らかでないという一つの大きな障害がございまして進んでないのが実態ではないかと思うんです。  こういうふうにします、ああいうふうにしますと、いろんなことをおっしゃっていらっしゃるんですけれども、いまお話ありました長官の指定する激甚災害、これによりまして造林補助、たとえば復旧造林ですね、この処置についても実は被害の状況がわからなければこれは指定はできないわけでしょう。まだ現在してないわけでしょう。しかし被害の大枠からいたしましても当然なるであろうということは想像できるんでしょうが、そういうことでできるだけのことをといういま大臣お話ありましたけれども、現実はこれがはっきりいたしませんと実際に動き出すというのはやっぱり制約があるんじゃないでしょうか。  こういうことでこの被害の実態もわからずにやるということは、これは法の定めるところから言ってそういうことはできないでしょうけれども、これは早急にしなきゃならぬ。そういうことから、融雪期になりますとどうしてもしなきゃならない仕事がもう山積しているわけでありますから、そういうことで手おくれにならないように——去年のあの冷害のときにも大臣は素早くいろんなことをいたしました。それにはそれなりの効果があったことは私ども現地でいろいろ見聞きしておるわけでありますけれども、森林被害につきましては、特に被害が大きいということは、山奥で働く方々を集めることも、作業を進めることも、被害の実態を把握することすらもなかなか大変だという現状の中にあるわけですから、これは雪解けになりますとそれぞれの畑の仕事が待っているわけであります。いまからもうかかっておるところでしょう。とても山の方には手がつけられないという、こういうことになるわけですから。これはこういう制度があります、こうなりますと、これはもう私ども十分知っているわけですけれども、もう少しひとつ、これがはっきりしなければ動かない面もあろうかと思いますが、最大限ひとつあの冷害のときに見せた機動性といいますか、迅速さといいますか、そういうものでこれは積極的にひとつお考えいただいて対処していただきたいと、こう思うんですよね。どうぞしょうか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまもお話しのとおり、できるだけ早くやらなきゃならぬわけでございまして、先ほどお話ございました長官指定の激甚災害復旧造林につきましては、今回の災害はもちろん大きいわけでございます、指定になることは間違いないわけでございますが、先生御承知のとおり、市町村単位で個所を指定するわけでございますから、市町村ごとの被害の実態が明らかにならないとなかなか指定できないということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、今回の激甚災害法が改正になりますれば、早急にその基準等を決めていただきまして、そしてこの被害の実態も早急に積み上げていき、できるだけ早く指定作業を進めていきたいというふうに考えておりますし、また県当局に対しましてもそういう指導をひとつ進めていきたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 法改正云々の方はこれは激甚災害法の一部改正でしょう。長官指定のやつは、長官、この激甚災害にはまあ連動はするかもしれませんけれども、こっちが発令されなきゃ長官指定はできないということじゃないわけでしょう。そういうことでできる範囲内のことで対処できるものについては進めていただきたい。これは復旧造林のことですからね。  それから先月の予算委員会のときに大臣も、いろいろ時間、制約のある中でのお話でありましたが、大臣も現行法の中で何とか努力してみようという、こういうお話でありましたし、それに伴いましていろんな諸施策についても考えておるということでいろんなお話ございました。しかし現行法ではどうしてもこれは制約があって、その枠の中ではできないというのがやっぱり関係者の一致するところであり、そういうところから昨日のあの話に進んでいったんだろうと思うんであります。そういうことで、新しく法改正をする、現行法ではどうしてもこの大きな被害は救済できないという、こういう中で一歩進めていこうということですから、これは法律が制定になったらその時点でやるのは当然だと思いますけれども、それは話題になっているところでまとまってもまだ国会に提出されたわけじゃございませんから、大枠の話は話としましても、冒頭に申し上げましたように、現行法でできることは当然として、さらにまたこの指定ができなければ実際動かないということじゃなくて、できる範囲内のことについては、先ほど大臣のお話にありましたように、ひとつ極力先行的に進めていただきたい、そのことを強く要望いたしておきたいと思うんであります。  それから午前中もいろいろお話ございましたが、現地のいろんな問題ありまして、それを一つ一ついま申し上げる時間もございませんけれども、一番問題は、折損木の伐倒、搬出、ここにやっぱり議論が集中するようであります。このことにつきましては、先ほど午前中もお話ありましたが、いろんな法の運用をもってということのようであります。  それともう一つは折損木の有効利用、これも午前中国産材産業振興資金という、こういうものでということでありますけれども、農水省としましては、これは一月、二月ですか、各産業界にこういう折損木の利用等について口頭、文書等をもっていろいろ督促をなさったようでありますし、また福島県においても一生懸命そういう関係のところへ働きかけているようでありますけれども、実態としては現在、価格とか隆路はありますけれども、何か反応があったのかどうかですね、折損木の利用についての。督励をするということで一生懸命働きかけたことの話は伺っておるんですけれども、何か有効な利用方法とか、こういうものについてその後最近またそういう話があったかどうか、それをちょっとお伺いしておきたいと思うんであります。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 最近の話でございますが、それぞれの業界でどういうふうにこれを利用するか、いま私どもが申し上げておりますのは中央の団体でございますので、これをそれぞれ地区の団体におろしましていま御検討いただいておるということでございます。  ただ、事例的には、たとえば福島県のすでに雪の消えておるところで、用材にとれるものについてはすでに整理を進めておるという森林所有者もいるように聞いております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 被害の実態も明らかでないということで、これからだんだんその実態も明らかになる。そうすると被害額も、わずかの間にどんどん被害額が判明いたしているようでありますから、われわれが考えている以上に相当深刻な問題として提起になるだろうと思いますし、地元でもそれなりにいろいろ努力をいたしておるようでありますが、政府としても、農林水産省としてもせっかく督励をいたしているわけでありますから、それでやっておるということじゃなくて、ひとつ今後も粘り強くまたバックアップをするようにしていただきたいものだと思うんです。  それから最初申し上げた、この折損木の処理等について間伐促進総合対策の適切な運用によって対処するとか、それから農林漁業金融公庫資金、それから林業改善資金、こういうものの活用を図ると午前中も何か言っておりましたし、そのときいろんなことをお話しなさっておりますが、実際には被害木の整理というのは非常にむずかしいところだろうと思うんです。これは現地を御視察になった大臣はよく御存じだと思いますが、伐採して搬出してまいりましても、労賃にもならないということですと、どうしても意欲がわかないわけでありますから、そこらあたりどうするかというのが一つの焦点であり、今度の法改正につきましても議論のあるところだと思いますが、とにかくこれは個人差がありますから一概には言えないかもしれませんけれども、もうわれわれが行ったときにはそれなりに整理をしているところもありますし、全然手のつけられていないところもございました。こういう現況で放置はできないわけでありますし、また緑の効用ということが叫ばれておる反面では、こういう被害のときには対応が非常に弱いという、こういうことからぜひひとつこれは積極的な姿勢で取り組んでもらいたいと思います。  現在、こういう森林被害を受けた方々で公庫の融資を受ける、または林業改善資金等でやろうという、こういうことで積極的な相談や何かもあるんだろうと思うんですけれども、このあたりどのように林野庁なんかおつかみになっていらっしゃるか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 私ども直接というよりも、むしろ県段階でいまお話がございました農林漁業金融公庫の融資の問題、あるいは改善資金の被害森林整備等につきましての御相談、いろいろあるように承っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、いまお話しございましたように、森林所有者のいろいろな事情がございましょうから、一番使いやすい金融なり、あるいは今後実現を見ます補助によります状況なり、それぞれお使いいただくということで進めておるわけでございまして、林野庁としましては、いまどの程度の件数具体的な相談があったかということはつかんでおりません。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 どんどん流動的ですから、現時点でどうかということは適切なあれではなかったかもしれませんけれども、林家のそういう意欲というか、そういうものについて絶えず配慮することが大事なことだと思いますし、ぜひそういうそのときそのとき時点での状況というものを把握なさって適切な処置を講じていただきたいと思うんです。春になればもうしなきゃならないことが山積しておりますから、冒頭申し上げたようにひとつ迅速な対応というのが非常に待たれておりますので、何度も繰り返してお話ししておるわけであります。  それからこの折損木の有効利用については、国産材産業振興資金、こういうものを優先的に貸し付けるなんということも言われておりますけれども、これはどのくらいの枠があって、今日までどういうことに使われたか、どのくらいことしの枠があってこういうことに利用される可能性があるんですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 国産材振興資金につきましては、国産材の素材の引き取りと素材生産の両方に分かれておりますが、それぞれ合理化計画の認定を受けた森林組合等が対象になるわけでございますが、運転資金でございますから、短期では一年以内、あるいは長期では五年以内ということでございますが、一件当たり五千万を限度といたしております。  この枠につきましては、この国産材振興資金につきましては、国と県とそれぞれの出資によりまして金融を受けるわけでございますので、県によってそれぞれ枠が異なっておるということでございます。いま手持ちしてございませんので、必要があれば御報告したいと思います。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 じゃ後からひとつその資料をぜひ見さしていただきたいと思います。  それから森林国営保険と森林災害共済保険、これも非常に大きな災害がないとなかなか検討といいますか、見直すということはできない。今回はそういう点では非常に大事なときであったと思います。例年低気圧、台湾坊主が参りますと、岩手県、宮城県、面積の多い少ないは別としまして、必ず被害があって、こういうことで悩んでおるわけでありますけれども、今回は非常に広範囲にあったということで社会的な大きな問題になっているわけですけれども、大臣も、制度面の検討を含めて、保険、共済の加入促進を一層進めていきたいということを予算委員会でもおっしゃっておりましたけれども、現状がどうだ、何がどうだという細々しいことは、いま時間がありませんからそこまでのことは聞きませんけれども、林野庁としましては、農林水産省としてこの保険、共済について、制度面の検討とか、こういう面についてはどういう検討をなさっていらっしゃり、また今回のことを教訓としてどういうように対処しようとしていらっしゃるのか。その辺ひとつ基本的なことだけお聞きしておきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) この森林国営保険と森林災害共済につきましては、従来から相互乗り入れみたいな形でやっておるわけでございますが、森林所有者が入りやすいような環境づくりが必要であるということでそれぞれ努力をしてきておるわけでございますが、制度が二つあるということで、一つはどちらへ入ったらいいかというような問題もあるわけでございますので、そういう点をもう少し共同戦線を張りながら、どちらへ入っても同じでございますというようなことで進めていかなければならぬと思っておるわけでございます。今回、そういうような国営保険なり共済のあり方の問題は、基本的に今後時間をかけて検討しなきゃなりませんが、さしあたり国営保険なり共済が共同して、今回の災害を契機といたしまして、できるだけ全員に加入していただくような強力な運動を展開していかなければならぬというふうに考えております。  国営保険につきましては、具体的に森林所有者にカードを配付したり、パンフレットを配付したりいたしまして、一朝災害あった場合にはどんな損害になるかということを御認識をいただきまして、今後人工造林がふえていくわけでございますから、災害の補償ができるような措置をどうしても考えていただくということで、全力を挙げてこの加入促進にとりあえず取りかかっていきたいということでございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 これも山林所有者からいたしますと、これは国民的な立場といいますか、農林水産省といいますか、全体から見ますと、緑の効用ということや山林の持つ公益性ということについては、最近非常に言われるようになったわけでありますが、現実問題やっぱりそれは個人の所有のもので、民有林がもちろん中心でありますけれども、個人の資産という見方がどうしても根底にある。それは当然のことですが、しかしそういうことだけでいままでのような考えをずっと踏襲してきますと、どうしてもこういう保険にしろ何にしましても、山林所有者というのは三十年、四十年たたなけりゃ資金として当然入らぬというわけでありますから、期間が非常に長い。こういうことでなるべく手をかけずに、お金をかけずにというふうに流れてしまうのは当然だと思います。かけやすいというか、山林所有者の所得の現状に即した保険の設定といいますか、こういうものも十分に時代の推移の中で、今回の被害を一つの教訓といいますか、十年以上のものについては国営保険というのは率が非常に低いというこの現状にかんがみまして、ぜひこれは検討しなきゃならない大事なことだろうと私は思うんです。  おたくからもらった、農林水産省からもらったやつで見ましても、福島県で五齢級になりますと、国営は一%。この五齢級ぐらいになりますと大体入っておるのが少ない。全体でもちょっと少なくなります。それから四齢級で福島は、比較的いい方ですね、一〇%、それから共済が九%。岩手県なんか国営は五%、そのかわり共済は一八%。ですけれども、福島は国営と共済と合わせても一九%。新潟になりますと一四%。  地域の物の考え方といういろんなことがあるのかもしれませんけれども、またいまお話しありましたように、国営と共済とのバランスといいますか、両方どういうふうにするかというような、こういうことももちろん地元でもいろいろあるのかもしれませんけれども、地域によってすごく格差があり、また国営というのはどっちかというと共済よりもずっと低い現状にあります。こういうこと等考え合わせまして、ぜひひとつ森林国営保険につきましては、山林所有者の現状に即したものに検討いただきたい、こう思うんです、これは要望だけいたしておきます。  それから被害木についての山林所得の課税上の扱いについて、これは大きい面積を持っておられる方もいらっしゃいますが、統計等を見ますと比較的小さい方が多いんですね。山林所有者というのは、大きな農家でもない、山林専業という方はいらっしゃるかもしれませんけれども、比較的小規模というか、そう大きくない方々で、山林所得というものに非常に限界があって、このたびの被害におきまして山林所有者を守るために課税上の問題についても配慮しなきゃならない。こういうことについても林野庁としては実態を把握しながらそういうことでいろいろ検討なさっているんだろうと思いますけれども、これはどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) いまお話しの点につきましては、昨日の衆議院の災害対策特別委員会小委員会におきましても、被害木についての山林所得の課税上の扱いについては特に配慮するように検討するというふうなお決めがございます。  現在、私どもといたしましては、概算経費という控除は比率でやるわけでございますから、たとえば一千万の所得があるといたしますと、その三〇%ということになりますと三百万の控除ということになるわけですが、今回のように被害を受けた株分がたとえば百万円の収入がありました際に三〇%ということになりますと三十万、七十万に課税をされるわけでございます。これだけの被害を受けながらさらに課税されるというのは非常に矛盾がございますので、こういう点につきまして現在国税当局と検討を進めておる段階でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 時間もございませんから森林関係については以上ですが、大臣、お話し申し上げましたように、去年の十二月の二十三、四日に被害があってからもう三ヵ月たっているわけであります。いわゆる激甚災の発動がない、また雪の下に埋もれて実態が把握されていないということのために、いろいろな障害があって去年の冷害の比ではない現状にあります。そしてまた、春先それ相応の措置をいたしませんと、山火事とか病虫害とか、いろいろな被害が予想されるわけでありまして、ぜひひとつできるだけ早急な対処をしていただきたい。来月いっぱいで大体指定のことについては決着がつくようでありますけれども、それまでにできることについてはひとつ御努力をいただきたい、このことを強く申し上げて森林被害のことについては終わりたいと思います。  次、この前の予算委員会のときに大臣に申し上げたんですが、去年の二十三、二十四日、宮城県と三陸沿岸は大変な漁業被害がございまして、私もそれを目の当たりに見ましたから、この前御質問申し上げたんでありますが、漁業共済問題です。いろいろ御努力くださって漁業共済の制度ができたわけでありますけれども、年月たつうちに実態にそぐわないような問題が出ているのでこの前問題提起を申し上げたわけであります。大臣は、この漁業共済というのは漁業権との絡みがあって組合一括加入ということでなければならない、そこにいろいろ問題があって、共済というのは個人加入ということはむずかしいんだというようなことをお話しになっております。  これはちょっと大臣考え違いしているんじゃないかと思いますけれども、この前時間がなかったから余り言いませんでしたけれども、漁業権については第一種漁業権と第二種漁業権というのがございまして、第一種漁業権というのは漁業協同組合が管理し、これは天然物が中心になっておりまして、二種の方は区画漁業と言われておるように、大型定置とか養殖漁業とかいうのはこっちの方に入って、三年、五年免許、許可、こういうことになっておるわけです。ですから、漁業権が障害になって個人加入はできないということではないと思います。この第二種の漁業権、区画漁業につきましては、漁業組合から個々にそれぞれ区画の手数料を払いまして、使用料を払って漁場を借り、そしてそれぞれそこで養殖漁業を営むわけであります。  私がこの前問題提起申し上げたのは、組合一括方式の問題点で、十二月二十三日のあの台風により風を強く受けた湾と比較的風の被害のなかったのとありまして、高潮と相伴ってまいりましたので、ある漁業組合はもろに受けたところもあります。しかしそれは風向きによって全部ということではございませんで、ある一部がもう壊滅的な打撃を受けた。しかし組合として全体を見ますと、それは風向きの悪かったところが被害を受けたので、組合全体としては何割かの状況である。こういうことです。  この組合加入ということは、いままでも掛金のことをどうするかということでいろいろ問題になっていました。家族労働ですから家族が何人働くかということや、それぞれの力に応じて漁獲高も違いますし、掛金をどうするかということは、そういう実態の中で、また被害を受けたときにはその水揚げ高によって保険がおりるわけですけれども、どこの家庭が何人でどれだけの水揚げがあるかということだけで案分するということでいいかどうかということで、漁業組合としましても、掛金かけるにしても、それから共済金がおりてもおりた金額をどうするかという案分につきましても、それぞれ地元ではこれは大変問題になっているところなんです。そういうことから今回非常に被害も大きかったということで私はこの前申し上げたんですが、被害の大きいこの第二種の方、養殖漁業の方につきましては、この漁業権使用料を払ってやっておるわけですから、そこで一人一人の方々が漁業権というものに縛られずに水揚げをそれぞれの力に応じてやっているわけですから、個人で加入することは何ら差し支えないことだと思うんですけれども、ちょっと……。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) この共済制度を本当に漁業者のものにしていくというのが大事なことであることは申すまでもありません。今日、昨年の災害に際しましても、適宜適切な補償制度活用ができたあれだけの制度にまで育て上げたのも、そのときどきによってぐあいの悪い点、農家のためにならない点等は、何回か改正をしてあそこまで整備をしていったわけでございます。漁業共済におきましても、いろいろ経験を経ながら不整備な点は整備をしてまいるというふうにいかなければならないと考えております。御指摘の線につきましても、この前御答弁申し上げましたように困難な情勢もあるわけでありますけれども、しかしその困難を排除して、そして共済制度の健全な運営ができるようにしていくことが私どもの責任でもありますので、その点十分今後も検討してまいりたいと考えます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 漁業権のことについて大臣のお話はそれでそのとおりなんですけれども、大きな障害になるものはない。ただ、これを変えるということでありますといろんなことを検討しなければならぬだろうと思います。ただ、実際には非常に養殖が主体になってまいりました。天然物よりも養殖が主体になりました今日におきましては実態が変わってきておるということで、ぜひこれは検討していただきませんと、漁民のための共済、こういう被害を受けたときの実態に合わないんだということで、ぜひこれはひとつ、いま大臣も答弁ございましたが、御検討いただきたい。  それから最後に酪農のことについて申し上げたいと思いますが、これはいま非常に大きな課題で、また同僚委員からもお話があろうかと思いますが、先月私ども東北へ、北海道へ参りましていろいろ調査をいたしましたが、実態の把握ということが、農林水産省の実態の把握が非常に甘いんじゃないかということを痛感いたしました。安易な実態の把握、そこからは厳しい対処というものは出てきませんから、こういうことで現地北海道や、道の農業会ではその実態を把握しようということで、いろいろ検討しておるようでありますけれども、農林水産省としましても、今日の経営状況、資材の高騰、乳価の三年、四年据え置き、こういう中で悪戦苦闘していらっしゃる酪農民の実態というものは、数字の上からいたしましても、抽出の状況にもよるだろうと思いますが、非常に実態に即してないということを私ども痛感いたしました。ぜひひとつ実態把握を正確にしていただいて、適切な処置をしていただきたいものだと思います。  それで、ヨーロッパで少なくとも二百年、三百年かかって今日の酪農が経営されている。根釧原野で二十年かそこらで他国に劣らないだけの規模と多頭飼育をしようというわけですから、当然これは無理もかかっているわけでありますし、それにはそれなりの対処の仕方がなければならないのは当然です。農民の方々も、少なくともあと五年われわれに力をかしていただければ何とかやっていける、こういう声もありました。急激な高度成長の陰で酪農に対しても多頭飼育を指導し、今日まで規模拡大をしてきた。こういうことで、経済変動の激しい中ですから、いま一つ大きな波をかぶっているといいますか、こういう実態であることは、ぜひひとつ数字的なものもあわせてしっかりつかんでいただいて、適切な処置をしていただきたいと思います。  健全経営でいっているところがないわけじゃありません。私どもはごく少数の負債の大きい方々の声を云々しているわけでも決してございませんで、地域性やまた入植時点や、こういういろんな状況の中で、経済変動の激しい日本の四十年代から、今日こちらへ来ましてから非常に経済が揺れ動く、そういう中での農業経営ということですから、これは大変なことだ。こういう深刻な理解の上に立って、どうしてもやっていただきたいことは、超長期、超低利といいますか、金融制度を一本化し、そしてまた長期な低利なやつでこれは対処いたしませんと、みんなせっかく希望を持ってまいりましたのがバンザイしてしまう。特に大臣、若い人たちが非常に意欲を持ってやっているという、ここが救いでありましてね。しかもニュージーランドとかオーストラリアとかアメリカとか、それぞれ大きなところへ行っていろいろ研修をしてきたそういう方々が意欲的に取り組んでいる。そういう若い力強い芽をつぶしてはならないということで、金融対策を中心にして、いろいろ申し上げたいことはたくさんありますけれども、ぜひひとつこれは御検討いただかなければならない最大課題として、私も一言だけ申し上げておきたいと思いますが、大臣どうでしょう。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘の点、私どもも実は深刻に受けとめておるわけでございます。そういう厳しい環境、厳しい情勢の中で、法律に基づきまして今月中に乳価の決定もしていかなければならない。こういうことに相なっておるわけでございますので、その辺も十分考慮をしながら適正な乳価決定をしてまいりたいと考えておりまするし、負債の問題につきましても、私自身そういう酪農経営をやっておる若い諸君の話も直接聞いたこともございまするし、私は私なりに大臣やる前に何回か調査もしたこともございまして、その実態は十分理解はいたしておるつもりでございます。  いみじくも仰せられた、二百年かかってできたヨーロッパの酪農の水準にまで、わずか三十年ほどでそれにも劣らないところまで形の上においてはつくり上げていった。こういうことでありますから、どこかに無理がいっておるということはもうよくわかるわけであります。したがって、その無理をほぐして、酪農経営の意欲を盛んにして挫折感を与えないための施策というものを十分講じなければいかぬと、こういうふうに考えておるわけでございます。  それじゃ具体的にどういう施策を考えておるのかと、こういうふうに言われますと、いま北海道庁なり、あるいは各町村なり、あるいは団体なりの協力を得ましていろいろ調査をいたしておりますので、その調査のデータを十分参考にいたしまして、そうしてどういう施策を講ずればいいか、また負債に対してはどういう処置をとったらいいかというような点を十分対処していきたいと、こう考えておるわけでございます。  特に、大家畜は何といっても優良なる牧草というものが要る。私はいつも申しておるわけでありますが、そういう面において、だんだんと大規模経営の方々は牧草の重大性を十分認識されて、いろいろと工夫をいたしておるわけでありますけれども、国の機関におきましても、優良な牧草の研究と申しますか、品種改良と申しますか、日本の風土に合った優良な、栄養価値の高い牧草を造成していくということが、日本の酪農を非常によくしていく一つの要因ではないかというような感じも持ちまして、そういう面に対する努力も政府としては十分させていただいておる。こういうことを申し上げまして、酪農家の諸君に酪農経営の意欲を失わしめないような方策をとるように鋭意いま検討をいたしておるところでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 非常に厳しい情勢下にあるこの日本農業に対して大臣は深い理解と関心をお持ちである。これは国民にとって、また農民にとって大臣に対する期待は大きいわけでございますけれども、最初にお伺いしたいのは、農林水産省は昭和五十四年度の農家経済調査を発表しました。それによると、農家所得は四・七%増加したけれども、農業所得は農業粗収益の三割強を占めるいわゆる稲作収入が減少したことに加え、果樹であるとか工芸農作物収入の減少、また畜産収入の伸び悩み、いまもお話しありましたけれども、こういう影響で前年度に比べ五・八%の減少となったと、こういうふうに発表しております。こうした現状から見て、今日の日本農業全体を大臣はどう受けとめられておられるか最初にお聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、農業所得が落ち込んできておるということも十分承知をいたしておるわけでございます。特に、いつも申し上げておりますが、日本のような高度工業国家とでも申しますか、そういう中にあって農業に従事をしておる諸君がなかなか所得の向上を図ることが困難な環境になってきておるということでございまして、それなら農作物の価格政策によってその点をカバーすればいいじゃないかという議論もありますけれども、しかしその政策をずっととってきておりまして、もうこれまたある程度の限度に来ておるのではないかとさえ思われるほどの情勢になっておると、こういうことでありまして、本当にまことに農業を取り巻く諸情勢は厳しいということであります。  したがいまして、この厳しい日本の農業をめぐる情勢の中で活路をどういうふうに見出していくかということで、農林水産省といたしましても、各界の権威の方々にお願いをして農政審議会において御検討をちょうだいし、そうして昨年構想を打ち出していただき、また需要と生産の長期見通しを閣議決定してその方向づけをいたしておるわけでございます。  一方、輸入農産物というものが現に農林水産物資で三百億ドル近く入ってきておるわけでございます。これなんかも日本の農業に対して、農家に対して相当な圧力になっておる。こういう点を少しでも是正する努力を私どもはしていかなければならないという感じがいたすわけでございます。  ASEANの五カ国を今年一月回ってまいりましたけれども、話せば大体お互いに了解し合える。お互いに努力をしても、その努力の結果がお互いに消磨してしまうような努力よりも、長短相補うとでも申しますか、有無相通ずるとでも申しますか、そういうふうに日本の農家なり向こうの農家の諸君が努力をしたかい、その努力に報いることのできるような生産関係を互いに話し合ってつくり上げていくというようなことができれば非常にいいのではないかという話をいたしたわけでございますが、そういう点に対しては非常に共鳴を感じて、今後いろいろ援助協力をする際にも日本農業と競合しないようにそれじゃやるから技術協力をしてほしいというような要請が、これはもうアジアのみならず中国に参りました際にも、中国からもそういう点が真剣に強く要請をされてきておりますので、そういう方向に向かって最大の努力を行政府としては払っていかなければならないということで、現在もヨーロッパのいわゆる擬装乳製品の問題につきましても、あるいはニュージーランドに対する畜産物の問題にいたしましても、関係局長以下そういう観点から非常に厳しい姿勢で折衝をしておる最中でございます。そういう厳しい中で今度また価格決定もしていかなければならないと、こういうことであるわけでありまして、この価格決定等につきましても相当厳しい態勢で対処しなければならぬのではないかなというような気持ちで、実はいまいろいろとデータを集め、そうしてこれを検討をいたしておる最中でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 いま言ったのは五十四年度ですけれども、御存じのように五十五年度は、昨年は冷夏で非常に甚大な被害で、約七千億近くあったわけです。したがって、いま五十四年の農家所得が減ったということですけれども、もちろん五十四年度でも稲作収入が一戸当たり平均八十二万二千九百円ですか、前年度に比べて大体四・〇%減少している。その上に昨年はいま言ったように冷夏で被害をこうむっておるわけです。こうなってくると、農家の農業所得というのは大幅にことしはまた減ってくるんではないかと、こういうふうに予想されますけれども、農林水産省としてはどの程度の減少予測をしておられるのかお聞きしたいと思います。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 農家経済につきまして、現在統計情報部の調査しております農家経済調査によります速報値でお答え申し上げたいと思います。これは速報値でございますので、昨年の四月から十二月の間のことでございます。  まず、農家所得全体の中での農業所得の分だけ最初に申し上げますと、農業所得は四月から十二月の間で前年同期を恐らく一六・五%下回るという計算が出ている。これは農業所得でございます。御指摘のように、冷害等によります農作物の大きな被害が影響しておりますし、かつ生産者価格自体も弱含みの状況であり、光熱費等の資材価格が上昇しているというような面も反映しているかと思いますが、これは四月ないし十二月の間でございますので、あと一−三月までまいりますと、災害によりまず収入減等の影響がまだ若干あらわれるかもしれませんので、これを一六・五からさらに若干上回るかもしれないという状況かと思います。  なお、災害と同時に天災融資法等も出ましたが、一方で共済金等の支払い等も行われまして、したがいまして、こうした面を農家経済調査の同じく四月−十二月の間で見ますと、共済金だけを取り出すわけにはまいりません、共済金とかあるいは年金、恩給等の類、あるいは出かせぎ収入等を合わせました部門がございますが、その部門では約一八・六%の収入増になっておるわけでございます。先ほどの農業所得と合わせますと二・八%の減というふうになるわけでございます。  このほか、農外の所得につきましては、四月ないし十二月の間に八・四%増になっております。  全体この期間を対前年同期で比べますと、農家総所得としては四・一%の増と、こういうような速報値になっておるわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 わかりました。  あと次に、農業基本法と構造政策についてお伺いしたいんですが、今日の農業、農家をめぐるいわゆる経済的、社会的環境というのは大きく変わってまいりました。農業従事者が農村を離れ都会に移動し、また農産物の需要も非常に多様化してきたわけでございます。昭和三十六年に制定された農業基本法の当時は高度経済成長政策が始まろうとし、そして十年経済は大きく発展をいたしました。一転して現時点においては低経済成長時代と、こういうことになってきたわけです。構造政策におのずとこれは異なるものがあると思いますけれども、この農業基本法とこの構造政策、どのように位置づけをしたらよいのか、この点はいかがでございましょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 農業基本法は、天候、気象条件、いわゆる自然的不利な条件、あるいは経済的な不利な条件、社会的な不利な条件、そういう条件のもとで営まれる産業が農業である、したがってこの農業を発展せしめていくための施策を示してある法律であると同時に、そういう中で所得を都市並みの所得に均衡していくということを目標にして農業政策を進めなさいと、こういうふうに理解をいたしておるわけでありまして、その意味においては、私は現在も農業基本法の存在意義というものは大きく、高い存在意義を持っていると、こういうふうに認識をいたしておるわけでございます。  ただ、農業基本法で企図しておりました適地適産、生産性の向上というふうな示された問題がなかなか今日になっても実現を見ておらない。農地法の問題、あるいは零細な農業経営の実態、あるいは雇用の問題等々いろいろな錯綜した問題等が終戦直後から高度成長に至るまでの間あったわけでありまして、したがって基本法に示してあるようないわゆる目標というものがなかなか実現できなかった面がある。それが日本の農業の今日大きな問題点として残ってきた。そこで去年、国会においてそういう点を考慮されまして、農用地利用増進法、農地法、農業委員会法の三法の制定並びに改正が行われたものと理解しておるわけでございます。  したがいまして、農業基本法は改正すべきであるというような意見は農政審議会においても出ておらないわけでありまして、その出ておらないということは、いろいろ問題が出ておる中で、この農業基本法改正の問題は農政審議会の中でも取り上げられてはおらないわけでありまして、やっぱりその存在の意義は十分認めておる。こういうふうに私は認識をいたしておるわけでありまして、そしてこの基本法の精神の上に構造政策を進めていかなければならない。これは並み大抵の安易な問題ではないというふうに心得てはおりますが、しかしこれは日本の農業を生産性の高いものにしていくという立場からも進めていかなければなりません。しかしこれを余り急速に進めてまいりましても、第二種兼業農家という問題等との調整という大変むずかしい問題もありますので、この辺を十分調整をとりながら指導してまいりたい。そして生産性の高い、足腰の強い農業経営ができるような方向に進めてまいらなければならぬなと、こう考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 その構造政策ですけれども、消費者、財界等から、農産物価格が諸外国に比べてその水準がわりあいと高いんじゃないかと、こういう批判も私は聞いております。特に穀物類それから牛肉、こういう点が指摘されているわけです。わが国の置かれたいわゆる地理的条件、経済的条件、こういうことを考えると、政府の農業振興の努力、農家が生産性向上を目指しての価格の引き下げはきわめて厳しい情勢にあると私は思います。そういった点で、大臣は、構造政策を柱とした農政の目標、こういうふうにしておりますけれども、農産物価格をどの程度の水準に到達させたいのか、この見通しはどうですか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。  農産物価格政策の問題につきましては、先般農政審議会の答申にもございましたように、今後の価格政策の方向といたしまして、それぞれの農産物の需給の実勢を考慮するとともに、今後の中核的担い手とすべき農家の所得を確保するというような視点を特に、強調されておるわけでございます。  お話は戻りますけれども、御指摘のような、わが国の農産物価格が国際水準からかなり高いというような点は従来ございましたが、最近におきます国内外の経済情勢の変化等もありまして、最近におきましては従来言われるよりはこういった点は是正されてきておるのではないかと見られております。国際価格水準に比べてある程度従来よりはわが国の食料品の価格の上昇は比較的少なくて、したがって従来言われたようなことにはなっていない。また家計費支出の方から見ましても、食料品価格自体が家計への圧迫要因としては従来よりも相対的には下がってきているように私ども見受けております。  そうした中でこれからの価格政策を進める際には、答申にも示された方向に従っての構造政策、先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、生産性の高い経営を持っていくという形の農用地利用増進事業等も進められまして、昨年の十二月の実績でも前年を大幅に上回る四万七千ヘクタールというような実績も示されております。こうしたじみちな構造政策の進展、土地利用の高度化等を通じまして生産性の向上が果たされるならば、これらをまた価格政策の方にも反映させて、中核的農家の所得の確保も図っていくという方向に誘導していかなければならないだろう、このように考えております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それじゃ、次に擬装乳製品についてお伺いしますけれども、その前に、午前中にお話があった中で、大臣が、日本でできる物は日本でつくろう、できない物は外国から輸入する、こういうお話がありました。ですけれども、現実の問題として、外国の農産物がどんどん日本へ入ってきている、それも増加している、その原因はどういう原因だと言ったら、大臣の午前中のお答えは、商社がもうかるから、だからそういうことになっているんだとその原因の一つをお話しされましたけれども、確かにそれは一つの原因かもしれませんけれども、そのほかに、いま自動車の問題とか、カメラの問題とか問題になっておりますけれども、ふえているのは——本当ならば、カメラの問題であるとか、自動車の問題というのは、これは政治的に解決をつけなきゃならない問題。それが逆な方向になって、工業製品との相打ちといいますか、そういうことが原因で農産物がよけいに入ってきているのではないか、こういうふうにも言われておりますし、私もそのように思うんですけれども、そうなってくると、外交政策の弱腰というか、こういう点も考えられるんですけれども、その点はいかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 工業製品との取引関係の影響を受けて農産物をよけい買っているということは、先進国との間においてはないと、私はこういうふうに申し上げることができると思います。と申しますのは、私も就任以来、実は、ニュージーランド、豪州、あるいはEC等と折衝をし、話をいたしてみ、また豪州との定期閣僚会議等においで議論をいたしてみましても、そういうことは感じられません。むしろ日本からの輸入超過で日本に売る物がないという開発途上国の方こそ、そういう意味においては、日本の物をこれだけ買ってるんだから、もっともっと農産物を買ってほしいというようなことを率直に言うた言葉は今度も聞いてまいりました。  しかし、この乳製品の問題につきましては、私も就任以来、少し厳しいとは思いましたけれども、もう少し姿勢をきちんとして、とにかく何としても——七割がバターであって三割がマーガリン、それをバターじゃないということで売ってよこしておる、買わなけりゃならぬということは、この辺はどうも私は納得がいかない。こういうことで事務当局に対して大分厳しく言うたわけでありますけれども、もうすでにそのときにはガットの会議で、これはバター製品じゃないんだという、何と申しますか、決定をしてしまっておる。こういうようなことで、してやられたなというような感じを私はそのとき持ったわけでありますが、そういう意味においてももう少し強く話し合いを進めていいんじゃないか。こういまでも私は思っておりまして、事務当局のバックアップをいたしておるというところでございます。  話し合うこと、話し合いで言うべきことは言って、そして日本の実態をよく相手に理解させて、そしてこれはもう一年、二年のことじゃないんで、今後何十年も平和にお互いに生きていこうという、そういう立場でやっていくためには、話せばわかるんじゃないかと、私はこういう感じがいたすわけであります。  と申しますのは、フィリピンでバナナの関税の問題があり、マレーシアに行ったときパイナップルのかん詰めの問題があり、いろいろその国々の要請がありますが、それに対して、日本でもいろいろ厳しい農業事情というものがあるんですよと。ミカンを二割以上、せっかくなりかけた木を涙を流しながら農家の諸君は切ってるんですよ。そういう中でも、国際関係の平和を願う日本だからあなたの国からもなるたけ買ってるんですよ。こういうようなことを言いますと、そういうことをはっきり言ってもらった方がよろしい、われわれも将来の増産計画を立てるについても、そういう面のことを十分あからさまにはっきり言ってもらった方が先を誤らないで済むと、こういうことで非常に話が通ったわけです。  ニュージーランド、それから豪州の関係者が来たときも、私ははっきりとそういう点は物を言ってきておるつもりでございます。  まあ、いま折衝中でございますので、こういうふうに申し上げても、結果が何だといっておしかりを受ける、こういうような結果にだけはならぬようにということで努力をいたしておるわけでございます。前年よりも幾らかでも少なくするという努力をしようということでやっておることを申し上げたいと思うわけであります。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 いま大臣、してやられたと。してやられちゃ困るわけですよ。先ほど藤原委員の方からお話ありましたけれども、あれは山林の問題ですけれども、この酪農の問題にしても、二月ですか、北海道へ行ったときにいろいろ実情を聞かしていただきましたけれども、そういう輸入の問題によって非常に犠牲になっている人がたくさんいる。そういうことでこの問題は、擬装乳製品の問題については国会でいままで何回も取り上げられてきた。しかし見るべき処置というのは見られなかったと、私はこういうふうに言っても過言ではないと思うんです。  またもう一つ、地元の酪農家の声はどういう声かというと、いろいろありましたけれども、一滴も入れるなとか、そういうことを言ってんじゃない。日本の生産者を圧迫するようなことはしないでくれ、その程度にしてもらいたい。こういう声もありましたし、それから耐乏生活はする、また一生懸命がんばることもやる、しかし将来の展望が欲しいと、こういう声もありました。  中には、根室地区でございますけれども、あそこは酪農しかやる仕事がない、そういう地区でございますので、もし酪農がこけたならば根室がこける。産業も、地場産業もそうでしょうけれども、教育面においても、また生活においても大変な影響がある。それを政府がこういうふうにやれと言われたからそういうふうにやった。ところが資材の高騰、ましてや借金を抱えて、前へも行けない、後ろにも下がれない、そういう状況になっております。  そこで、その一つの大きな問題になるのは、乳製品の規制の問題だと思いますけれども、食用調整油脂、ココア調製品、この擬装乳製品の輸入規制でございますけれども、この問題について、いま大臣からちょっとお話ございましたけれども、ECとかそれからニュージーランド——まあ要請は行ってきてるとは私は思います、またそうしなければならないと思いますけれども、かえって実情はよけいに輸入されている、こういう実情でございます。この交渉はどの程度進んでるのか、またどんな決意でどういうふうにやってったらいいのか、その辺をお聞かせ願います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これはもう先ほど申し上げたような気持ちで事務当局が懸命の努力をいたしておるわけでございます。  いま折衝中の段階でございますので、具体的にいろいろ回答申し上げるところまではまだ話がまとまってきておりませんので、事務当局の方からその辺の感じを御報告さしていただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) ただいま大臣から御説明がございました調製油脂の輸入の抑制の問題でございます。  で、実は昨年の秋、ニュージーランドとECに対しまして、関税分類の解釈の変更により事実上IQに移すという通告を進めたわけでございますが、この通報に対してニュージーランド、ECから、絶対反対であり、ガットの場に強行する場合は提訴するという通知があったわけでございます。  さらに、まことに不幸なことだったわけでございますが、昨年の十一月に開催されました関税協力理事会、いわゆるCCCの品目表委員会におきまして、われわれの主張と逆の関税分類の結論が多数決で採決された経過がございます。  この結果、われわれの主張いたしますIQの主張は、いわば関税分類の解釈として行うというのではなくて、明らかに最も国際的に厳しい交渉である輸入制限品目の新設という形をとらざるを得なくなったという状況に立ち至ったわけでございます。  で、今日の状況のもとでいまわが国がIQの問題を持ち出すことは容易でございますが、それを国際社会の場所で説得するという見通しはきわめて困難だと見ざるを得ないし、またかえって他の措置を発動することも困難にするおそれがあるとわれわれ判断したわけでございます。  で、先ほど大臣のお話にもございますように、私ども農林水産省としては、引き続きIQの実現のために国際的な状況に応じて努力を続けなければならないと思っておりますが、とにもかくにも増加している現在の調製油脂の輸入に対して合理的な歯どめをかけ、農民の諸君にも安心していただく、酪農経営者の諸君にも安心していただくということが必要であろうと判断しているわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、主要輸出国であるニュージー、ECと交渉を続けております。ニュージーランドとの交渉はある程度、かなり最後の詰めの段階に入っております。私どもといたしましては、国際的にはニュージーランド、ECとの交渉を続けながら、国内的には外務省、通産省、大蔵省、農林省、四省が協力いたしまして、各種の手法を組み合わせまして輸入に歯どめをかけるという措置を講じなければならないとして、現在具体的な仕組みについて詰めているところでございますが、ただいま大臣から御報告申し上げましたように、国際交渉の内容に応じてその仕組みを考えなければなりませんし、また現に交渉中でございますので、詳細につきましては、三月中に結論を出したいと思っておりますので、その機会に御報告さしていただきたいと思うわけでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 酪農家が困っているのは、いろいろな面がありますけれども、この規制の問題がやはり一番大きな問題になるのではないかな、こういうふうに思います。いま御説明がありましたように、歯どめをかけるということでございますので、形はどういう形かわかりませんが、とにかく誠意を持ってやっていただきたい。  具体的に数字をお聞きしますけれども、擬装乳製品の輸出国のうちニュージーランド、ベルギーが輸出量の九〇%を占めている、こういうふうに言われておりますけれども、その輸出相手国はどこになっていますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) ニュージーランドからの輸出につきましては、ちょっと古い七八年の数字しかございませんが、大部分が日本でございまして、他は近隣諸国十三カ国に輸出しております。  ベルギーの場合は、従来は日本向け輸出が大部分で八割方を占めておりまして、他はECの域内諸国がわりあい多かったわけでございます。ただ、最近は、ECから相当大量、これは日本に出すよりもはるかに大量の調整油脂がソ連に輸出されているという情報をつかんでおります。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、昨年一年間、五十五年の一月から五十五年の十二月、この間の乳製品の輸入状況はどうなっておりますか。その量と金額、そのうちのいわゆる擬装乳製品、これの割合はどういうふうになっていますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) まず、全体の乳製品自体の量で申し上げますと、一番大きな輸入量を持っておりますのはナチュラルチーズでございます。その次がいわゆる飼料用脱脂粉乳の輸入でございます。それからその次が学校給食等の脱脂粉乳の輸入でございます。その次が乳糖というふうなことになっております。  乳製品全体としての輸入量は、生乳換算で統一的に申し上げますと二百六万三千トンでございまして、五十四年が二百二十三万トン、五十三年が二百二十五万四千トンでございますから、かなりの減少になっております。  これに対していわゆる擬装乳製品という範疇のものでございますが、調整食用油脂につきましては、五十四年の生乳換算で十一万七千トン、製品量で一万二千八百トンの輸入量に対して五十五年は一万七千トン、生乳換算で十五万六千トンとかなりの増加を持っておりますが、ココア調整品の方は、これは年度によってかなり動いておりますが、従来どおり無糖のものについては行政指導で大体横ばいという指導をしておりますし、その結果といたしまして、輸入量は前年の約一万九千トンに対して一万九千八百トンと、四%の増になっておりますが、これはココア製品全体の輸入が大体七%伸びておりますから、一番低い伸び率になっております。  全体を合計いたしますと、五十四年度の乳製品関係のいわゆる擬装乳製品を含めました輸入量は二百五十万六千トンだったわけでございますが、本年、五十五年は二百三十八万一千トンと約五岩の減、十二万五千トンの減になっております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 その数字はわかりました。いわゆる輸入乳製品の生乳換算で先ほどおっしゃったと思いますけれども、その合計の金額と、そのうちいま言った擬装乳製品の割合はどのぐらいになっているか。大ざっぱで結構です。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) まず、輸入金額について申し上げますと、全体の合計は、一九八〇年の金額では九百十四億一千万円という輸入金額になっております。  それからそれぞれのシェアでございますが、割合で申しますと、実は先ほど申し上げましたように乳製品全体、調整油脂等の擬装乳製品も含めました輸入を一〇〇として計算いたしますと、一番大きいのがナチュラルチーズでございまして、これが四二%、それからその次が飼料用の脱粉でございまして二二・六%、その次が食用粉乳で八・九%、それからその次が乳糖でございまして八・七%、それからいわゆる擬装乳製品でございますココア調製品が六・八%、それから調整食用油脂が六・六%という数字になっております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは、この輸入をするのは商社でしょうけれども、農林水産省としてこの擬装乳製品を輸入している関係会社をどの程度掌握しておられますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 私ども擬装乳製品として今日の状況のもとで歯どめをかけ国際的に処理しなければならないと思っておりますのは、いわゆる調整油脂でございます。調整油脂につきましては、輸入商社は十五社ぐらいございまして、ユーザーは非常に多数ございます。主力はお菓子メーカー、それから一割ぐらいが乳製品関係の事業者でございます。  その用途は、これは実は急速にいま御案内のように洋菓子と高級。パン類の消費が伸びております。この種のものは従来マーガリン、ショートニング、特にショートニングが多く使われておったわけでございますけれども、量の拡大と同時に質の向上が急速に進みまして、より高級な調整食用油脂に切りかわったという形になっております。  これにつきましては、まだ正式な発足ということではございませんが、私ども大体業界を五つのグループに分けまして取りまとめをいたしまして、協議会をつくらずという方向で現在行政指導中でございます。先ほど申し上げましたような輸入に歯どめをかけるための各種の手法を組み合わせた措置の一環として、どうしてもしっかりした組織的な行政指導が要るという判断を持っておりまして、そういう体制についても現在進めているところでございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 商社がそうやって輸入するわけでございますけれども、現実の問題として、先ほど大臣の話じゃないけれども、安いから、もうかるから入ってくるんだ、こういうふうに思います、この点について、農林水産省はどちらの立場になるかと言えば、それは日本経済発展のためにもうけなければいけない。これもわかりますけれども、先ほど言ったように酪農関係の方は非常に厳しい状況にあるわけです、それが原因は規制だけではないけれども、そこに原因があると言っても私は差し支えないと思います。そういう点で、この商社に対して農林水産省は行政指導している、こういうふうに言っておりますけれども、具体的にはどういう行政指導をいままでやってきましたか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 私、先ほど申し上げましたように、いままで調整食用油脂については特段の行政指導はしておりません、いままでは。  そこで、先ほど申し上げたように各種の手法を組み合わせて輸入の抑止を図るためには、商社もユーザーの団体も、一つの行政指導ということをしっかりやれる体制をつくらなければならないということで、いま体制づくりをやっているわけでございます。この問題はなかなか微妙でございまして、商社が入れて振り売りをするという形ではございませんで、商社が入れたものがマーガリンメーカーを通して委託加工されて実は最終ユーザーである洋菓子店に回っていくという姿と、かなり大きな洋菓子屋さんが自分で加工するという形がありまして、商社とユーザーを分けて把握するのではなくて、それぞれつながりを持っているわけですから、一体的に把握することが必要であろうというふうに見ているわけでございます。  なお、何と申しましても、実は現在日本のバターの価格が百十五万円ぐらいの価格になるわけでございますし、国際価格が四十万円という実態があるわけでございます。そこら辺の格差もあることと、それから先ほど申し上げましたように、実は乳製品の輸入については、バター、脱粉は現在輸入しておりません。一元輸入で、もう輸入はいま過剰でございますからしておりません。そういう状況があるために、輸出国側からバターを買ってほしいという相当な圧力がある、それは断ってきたという状況もあるということも無縁ではないだろうと思っております。  しかしいずれにせよ、先ほど申し上げましたような状況のもとで組織的な組織づくりをやって、その上で行政指導する、それと他の手法を組み合わせていく、輸出国には節度ある輸出を約束させるという方向で現在努力中でございます。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 それでは大臣に最後に。  いま言ったような状況でございます。特に四年間にわたる加工現料乳の保証価格が実質的には据え置きになっておるわけです。その上、先ほどからいろいろ話があったように、多額の負債を抱えている、飼料は上がる、その上原材料も上がる。酪農経営というのはこれは大変な状況を迎えているわけです。現地へ行って実情を聞けば、それこそ百軒が百軒全部ということはございませんけれども、大多数はそういう状況になっておるというのが現状でございます。たとえば四年間据え置きということになると、サラリーマンの場合には給料が上がらないと、こういうことと同じになるわけです。事態は非常に深刻であるわけです。  政府は五十六年度の加工原料乳価格、これを決めるわけですけれども、一連の酪農政策の決定も同時にするわけですけれども、端的に言って一キロ当たり八十八円八十七銭、そういうことになっているわけですけれども、これを上げるのか上げないのか。上げないということはないでしょうけれども、上げると予想されますが、どうされるのか。その辺いかがですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 来週の二十七日に畜産振興審議会の酪農部会を開きまして政府としての考え方をお諮りすることになっております。したがって現在まだ検討中でございます。  ただ、状況といたしましては、確かに一方ではコスト要因がございますが、他方では非常に膨大な過剰乳製品の在庫を持っております。脱粉で八・八ヵ月、バターで五・六ヵ月というふうな在庫を持っております。基本的には牛乳の需給ギャップというのが生じつつあり、ポテンシャルには生産がなお五、六%伸びる。これに対して消費は、幾ら乳製品、牛乳の消費が強いといっても、三%台であるという現実があるわけでございます。また一方においては、従来の酪農経営が非常に順調な規模拡大をやってまいりまして、端的に申しますと、百キロ当たりの労働時間というのもこの数年の間に半減しておりますし、労働報酬も非常に上がってきたという趨勢、流れの中にあったわけでございます。そういう状況から見ますと、むしろ多少生産過剰をもたらすような刺激的な乳価ではなかったかという見方も一方において有力にあることは私、否めないだろうと思います。  そういう意味において、ロングランで見た需給の均衡を図れるような乳価政策を今日考えていくこともまた同時に必要なことだろうと思っております。いずれにせよ、これから十分検討いたしまして、大臣の御判断を得て方針を決めたいと思っております。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最初に森林被害についてお尋ねいたします。  折損木処理等については議員立法で検討しておりますので省くことにいたしまして、今回の森林被害が非常に大変なものであるということはもう大臣も御承知だと思うんです。特にその面積は三月十六日現在でも十七万七千ヘクタールにも達している。これはちょうど毎年造林していく面積の一・二倍、いわゆる二割増しというような状況でございまして、大変なものであるわけですね。復旧道林の問題がいろいろ言われておりますけれども、苗木はどうするんだ、あるいはまたいままでの予算の中でやれるんだろうかということで、造林そのものについてもいろいろと皆さん方から要望が出てきているわけなんです。  そこでお尋ねしたいことなんですけれども、市町村あるいは都道府県では、災害復旧造林の指定を受けるために被害状況、そして復旧計画を提出するわけですよね。しかし国としては既存の予算の中でそれを処理するというふうなことであったならば対応できないんじゃないかというふうなこともありますし、一つは苗木の需給計画を国自体も持ってほしいし、また復旧造林の計画も市町村、県任せではなくて、国自体でもどうかということを考えてほしいし、同時に予算についても別途考えていただきたいということをまず一つお尋ねしたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) お話しのとおり、今回の被害は相当な大面積に及んでおるわけでございまして、これを経常の経費でやるということはまことに不可能でございます。したがいまして、五十六年度につきましては、五十六年度の予備費をもって適正に処理するという考えでおるわけでございます。  それからお話しございました復旧計画でございますが、被害県からの森林災害の復旧計画を求めまして、林野庁といたしましても計画的に復旧事業を実施していきたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 もう一点お尋ねしたいのですけれども、林業改善資金五十五年度予算で総枠七十億だと思いますが、その中で被害森林整備資金額は三億だったと思います。五十六年は五億程度予算を組んでいるんじゃないかと思うんですけれども、これも同じように資金枠の中でやるということになると足りないんじゃないか。一月二十六日付で企画課長名で通達等をお出しになっておりますけれども、いままでの資金枠ではとうてい足りない。福島県の場合を申しますと、全体的な予算を聞いているものですから、県はまあ一億程度いただければと、こういうことを言っているんですけれども、東白河郡の非常に被害の多かった古殿町というところは、そこだけでも一億数千万円、これは無利子ですし、一ヘクタール当たり百二十万円というふうなこともございますので、ぜひ枠をふやしてほしい、こういう強い御要望がございましたので、それもあわせて検討いただけるかどうか御答弁いただきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) ただいまお話しございました林業改善資金の被害森林整備資金、実はこれは先生御承知のとおり、マツクイムシの跡地整備のための資金であったわけでございますが、今回こういう豪雪でございますので、これにも適用していただくようにお話を申し上げまして、実は五十六年度は一応五億ということでございますが、これは別に五億というふうに固定をしておるわけではございません。したがいまして、今後の新しい災害復旧、つまり災害復旧造林のもっと大型のものでございますね、これが実際に具体的に現地に根をおろしていくその状況を見ながら、必要があればこの融資についても先ほど申し上げましたような措置を講じていきたいというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣所信にかかる問題でお尋ねしたいのですけれども、大臣所信の中で、大臣は農業振興策の第二の柱として農業生産の再編成を掲げておられますね。その中で特に牛乳については、需給不均衡が見られる、そういう農産物として位置づけて、その生産を計画的に調整すると、こういうふう言われているわけなんです。これは一体どういうことなんだろうかと、他の委員からもいろいろ議論がありましたけれども、いま本当に酪農経営というのは大変な状態になっているわけですね。  私も北海道に行きましていろいろとお話も伺い、町長さんや農協の組合長さん、それから酪農民からも話を聞いてきたんです。具体的に申し上げますと、別海町の場合なんですけれども、それはもういままで順調に規模拡大をやってきたなんということをちょっと局長さん言われましたけれども、実態はどうかと言えば、五十五年の十二月末現在の調査によりまして、五つの農協で農家戸数が千四百三十二戸あるんです。負債総額が四百五十七億五千万円、農家二戸当たりにいたしますと約三千二百万円。組合勘定の赤字ですね、これは総額で三十六億円で、二戸平均にしますと約二百五十万円なんです。これは五十五年の酪農経営の推進資金約二十四億円、これを導入した上での赤字分であるということなんです。また標茶町に行きまして同じようにお話を伺いました。これは政府、農水省でも御説明聞いているというお話でした。この組勘が赤字農家でどのぐらいになっているかというと、五十四年では四百五十九戸あった。それが五十五年になりますと九十八戸増しまして五百五十七戸になった。じゃ黒字の方はどうかと言えば、逆に五十四年は二百五十二戸で、五十五年になりましたら百三十戸と減っているわけなんです。  そういう状況の中で緊急な金融対策を五十二年、五十四年、五十五年といろいろやってきておりますけれども、本当にこれだけじゃどうにもならぬということで、具体的に据え置き一年、そして五カ年償還というようなかっこうだけれども、たとえば五年据え置きの償還十五年というふうな資金を考えられないかというふうな御意見が一つ出ております。それからまたもう一つ、いわゆる経営資金、運転資金ではなくて設備資金で、四十九年以降のオイルショック後やってきたものについては多大な投資がかかっているんです。そういう焦げつきの固定のものがあるわけです。これについては一時たな上げ措置というふうなことも考えられないか具体的にお聞きしたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 非常に悪い、酪農経営が困っておられる例をお話しございました。私どもも全道的にも、また先生御調査の別海町の件についても伺っております。私も率直に言いまして、生乳生産が計画生産に移行している状況や乳価の低迷から酪農経営が悪くなっているということは否定いたしません。私どもの農家経済調査の北海道の例を見ましても、負債額は二戸平均でも四百万ぐらいこの二年ぐらいの間にふえているという数字が出てくるわけでございます。しかし御考慮いただかなければならない点は、同時に資産もふえているということもまた事実でございます。  結局問題は、先ほどの御指摘にもございましたが、要するに低成長へ移行したその過程で償還期に入った負債の償還が資金繰りの上で非常に困難な状況になっているという事実は、私どもも事実だろうと思って受けとめております。そういう意味で、従来も先生御指摘のように五十四年、五年と二カ年にわたって中期の運転資金を負債整理のことも念頭に置いて特別に支出する決定をしたわけでございますし、昨年からは御要望もございますので自創資金の適用対象にすると同時に、本年度は融資枠を広げる、また融資限度を引き上げることについて検討中でございます。  しかし状況がかなりのものについて非常に憂慮すべき状況にあることも否定いたしません。そこで、実は北海道庁の調査、中央会の調査、市町村の調査等いろいろいま状況を伺っております。十分に事情を精査して判断をすべきものと思っておりますが、ただ地域によって、それから創設時期によって、つまり経営の創設時期によってかなり差がある。場合によっては規模以上にそこに差があるというあたりの特徴もあるのではないか。また御指摘の組勘につきましても、負債の発生理由がどういう事情から生まれてきたかというのも幾つかのタイプがあるようでございます。そういったことを十分精査いたしまして、その上に立って先ほどの大臣のお話にもございましたように、農水省といたしましても腰を据えた対策を考えなければならないと思っております。当然その議論の過程において、いわば据え置き期間をどうするかとか、あるいは償還期間をこのままでいいのかどうか、そういったこともすべて含めて判断しなければならないと思っております。要素として、検討の課題として受けとめさせていただきます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 検討するし、対応は考えているということですから、時間もないので深くは申し上げませんが、ただ一つ、地域によりということで、別海町というところは酪農で生きているようなところで、商店の方も労働者もみんな一緒になって要望されていることも御承知だと思います。  そこで大臣にこれは聞きたいんですけれども、いま局長が資産もふえているんだよということですけれども、資産はできた、しかしそれは借金によってなんです。そうすると、その借金返すのにもどうしたらいいかということで、酪農家のお母さんの声なんですけれども、一日も休むことなく働いてきたと言うんです。しかし乳価はもう実質四年間も据え置きでしょう。ところが、電気は上がる、それから油代は上がる、機械は上がる、えさは上がる。そういう中で乳もしぼれない。本当にどうしたら借金返して赤字を出さない経営ができるのか教えてほしい、こう言うんです。  ですから、いま検討しているということですけれども、そういう実態にこたえられるような乳価決定に当たっていただける決意を大臣にお聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 数年の間据え置き乳価で苦労を突破して経営を続けておられる北海道並びに内地の酪農家の皆さん大変な御苦労だろうということは十分承知をいたしております。しかしながら、現実はまことに厳しく、需要を増大しなければならないという観点からいけば、余り値段を上げたら売れなくなるというこれまた一つの原則でもあるわけでございまするし、いま局長からお答えいたしましたとおり、いままでの既負債のおもしというものがひしひしと経営に大きな圧迫となって農家を苦しめておるということも事実でございます。下田委員も御承知のとおり、私も麓山の酪農家の話もよく聞きました。本当にどうしていいか途方に暮れているほかないと。しかし男としてやった以上は愚痴を言わずにやり遂げたい、やり遂げられるような政策をやってくださいと、こういう切々たる声も聞いておるわけでございます。そういう中で乳価決定をしなければなりません。いままでのうちで今度ほど厳しい環境というものは私はないんだろうと思います。  これはヨーロッパがなぜあんなに夢中になって本気になって日本に乳製品を売りつけようとしているのか。おとといドイツから来た村長さんに会ったら、私の顔を見るなり、もうドイツでは牛乳の洪水です、バターが山のようにあっちでもこっちでも積まれております、日本でバター買ってくださいと、これが一番先のあいさつ。それほどヨーロッパでは乳製品が生産過剰になっておるということが想像つくわけであります、  その圧力もそうかといって受け谷わけにはいきませんから、先ほど来申し上げておりますとおり、ベルギー等に対して、EC等に対しても厳しく日本の立場を説明をしながら調整をとろう、規制をしようと、こういう努力をいたしておるわけであります。  その中で、商社並びに関係業界、これらの協力なしてはもういけませんので、いままで余りそういう方面には、局長からもお話し申し上げましたとおり、何と申しますか、行政指導を強力にしてない向きがありますので、私も強力なそういう面に対する行政指導をしにゃいかぬと、こう思っております。蚕糸関係については業界の指導というものがある程度軌道に乗っておるわけでありますけれども、乳製品関係、酪農関係、そういう面の業界の指導というのがなかなか容易じゃない。私、ナチュラルチーズの工場を、一万トンの処理工場をつくろうということで農水省があっせんをして、去年、おととしあたりから始めたわけですが、これに業界が全然協力しようという意向さえない。それで結局話がだめになって、生産者だけでやろうと、こういうことになっておるわけでありますから、これはやっぱり業界を強力に行政指導して、国の、われわれの政策にある程度協力してもらうような方向を要請しなければならぬと、こう思うわけです。  それにつけましても感じます乙とは、本当に日本の酪農家が負債整理をして、そうして伸び伸びとした北海道のあすこで草を上手につくって、そうしてヨーロッパのコストに負けない牛乳をつくって、そうして自動車がヨーロッパに攻め込んでいくように牛乳がヨーロッパに攻め込んでいくくらいの意気込みまでなれないものだろうかという夢を見たり、そんなこと考えたりするわけでございますが、そういう繰り言を言っていてもしようがありませんので、それはしかし私はできない相談じゃないというくらいの気持ちを持って業界の指導に当たらにゃいかぬと思うんです。これはそんな気持ちで実はやっておるわけでございます。去年IQ制にするために相手国に通告をさせたときなんかも、私はそのくらいの気持ちで実はやっておるわけでございますので、ひとつ御協力をお願いいたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 本当に大臣の夢と希望と抱負が語られたわけですけれども、日本の牛乳の過剰問題というのはお米とちょっと質的に違うことは大臣はもう重々御承知だと思いますね。年間の生産量が約六百五十万トンというふうな中で、先ほども事務当局からも御説明がございましたけれども、輸入されてくる乳製品等々を生乳換算すれば二百五十万トン前後ですから、自給率はどういうことになるかと言えば、これは約七割というふうな形になるわけですね。だから本当に輸入問題というのは深刻になっていると思うんです。だからこそ大臣は決意を新たに臨んでいるんだと。その望みがかなえられるようにお仕事をしていただくのがまた大臣のお役目でもあると思うわけであります。  具体的にお尋ねしたいんですが、一つはその中で問題になっております調製食用油脂の扱いなんですけれども、これはほとんどいま日本向けに輸入されてきているわけでしょう。これを開発されたのはどこかといったらば三井物産のようですね。実際に輸入を受け入れているところはどこかというと、輸入のトップが大阪に本社がある今中というところで、第二番目が三井物産、それから次いで東食、住友商事、三菱商事、この五社だけで全体の輸入の八〇%を占めていると、こういうふうに言われております。  そこでちょっとお尋ねしたいんですけれども、ECの中でもいまいろいろ説得しているんだというわけですが、具体的にベルギーの場合ですと、日本貿易振興会の調査によりますと、バター、マーガリン、調製食用脂、その他の食用脂に関する一九三五年七月八日付の法律というのがありまして、その第十三条で、乳脂肪一〇%以上含む調製食用脂は輸入、製造、販売、陳列はもちろん、販売用に在庫または輸送し、あるいは流通させることを禁止するというふうに言っているんですね。これは事実かどうかということが一つ。  それから同じくECの中で、ちょっと大臣も言われましたが、西ドイツやオランダ、フランスの国内規制はどうなっているのか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) ECの内部でそういった国内規制をやっておりますのはベルギーと西ドイツでございます。ベルギーはまさに先生御指摘のように、乳脂肪一〇%以上のものは製造、販売を禁止しております。それから西ドイツはやはり製造、販売をこれは乳脂肪の含有率のいかんにかかわらずやっております。なお、ニュージーランドは国内の製造、販売については許可制をとっているという実態があります。  私どもも実はこの点を論拠として輸出の自粛ということを強く求めている、あるいはまたIQを過去に主張したと、こういう経過があるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 フランスだとかオランダはどうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) フランスとオランダは特別の規制はやっていないようでございます。私どもも全部の国については資料を持っておりませんが、フランスとオランダは特にやっていないようでございます。——失礼いたしました。フランスにつきましては、乳脂肪率四一%を超えるものについては製造、販売を禁止しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 これは大臣にお尋ねしたいんですけれども、いまお聞きのように、ニュージーもECの幾つかの国も、主な国が自国では禁止をしている。そして日本の要求にはなかなかこたえようとしない。これはやっぱり問題であると思うんですね。  で、私どもの調査では、ベルギーでは消費者保護の立場から国内規制をしているというふうな話を聞いているんですよ。この辺の実態を御調査いただきながらお話をこれから進めていっていただけるか、そして実効ある措置を期待したいと思うんですけれども、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) ただいま申し上げましたように、ECの中、全部ではございませんが、先生御指摘のありましたようなベルギー、西ドイツ、オランダ、フランスについては、それぞれ多少の差がございますが、国内規制をやっているわけでございます。一方、輸出は、ECからの例で言うならば、日本とソ連に集中しているという実態があるわけです。ニュージーの場合は自分の国は輸入許可制——事前審査というか、要するに許可制になっておりまして、日本と周辺諸国に輸出しているという実態があるわけでございます。  そういう意味では私どもこれを根拠として交渉のてこにしていることは御指摘を待つまでもなく事実なわけでございます。  ただ、私これは消費者保護と言えるのかどうかは、法律のたてまえは別といたしまして、そう簡単ではなくて、従来の歴史なり伝統なり、あるいは農業政策の問題であろうというふうにそんたくをしております。わかりません、そこは。しかしそうそんたくされるところがたくさんあるわけでございます。  ただ、わが国の消費事情で非常に違う点は、現在バターに対してマーガリンがかなり強くなってきている。品質がよくなって、これは先生も御案内だと思いますが、小売価格でもバターと同じ価格のマーガリン、むしろ高級なものが売れているというふうな実態まで生まれつつあるわけでございます。また表示の方も実は、たとえばコーヒーのミルクにいたしましても、そういったコンパウンデッドバター等につきましても、しっかり植物油脂ということを表示して荒らしておりまして、それは完全に守られているし、そのことが実は消費抵抗になってない、むしろ最近では逆転している。ここら辺に消費生活の変化というものをどうくみ取るかというむずかしい問題があるだろうと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 調査はもとよりですけれども、大臣が言われた基本的にはIQ化の方向を断念することなく、さっきを言われてますが、まず政府部内でいま統一を図っているということですから、ここで大臣に延々とお話しいただくと時間がなくなっちゃうんで、そういう方向でやっていただけるということを期待しましてこの点は終わりたいと思うんです。  消費拡大のことで最後にお尋ねしたいんですけれども、五十四年度から畜産振興事業団の助成事業でもって飲用牛乳消費拡大の特別事業がやられているわけです。その中で特に私問題にしたいのは、幼稚園牛乳の問題なんですけれども、これはお聞きしましたら、全国で一万四千三百八十一園ある中で六千九百五園、いわゆる六千九百五カ所の幼稚園がやっている。普及率約五割になるわけですね。だけどあとの五割はやられてないという中で、東京都牛乳普及協会が最近アンケート調査を実施したものがあるんです。御存じかどうかは別として、ちょっと御紹介したいと思うんですけれども、都内の幼稚園約一千三百の中で実施してないのが九百四十一ある。調べてみましたら、四つの項目なんですけれども、第一に幼稚園のお昼のときにどんなものを飲ませているか、実施してないところで。そうしたら圧倒的に多いのが麦茶四八・二%、お湯三三・二%。これだけで八一・四%占めている。それからこの制度、事業を知らないと答えているのが何と七二・三%あるんです。で、アンケートとりましたから、じゃ今度この制度を活用するかというふうなことについては二三%なんですね。制度活用をなぜしないかというふうなことについては、一つは取り扱いがめんどうだと答えたのが二二・二、それから量が多いと言われたのが二一・二だということなんです。  いずれにいたしましても、普及協会任せではなくて、こういったことをよく踏まえて文部省とも協議しながら、もちろん継続もし、それでいまいろいろ大蔵から攻撃がかかっておりますけれども、できるなら補助金の拡大というようなことも考えつつ、ぜひ普及を広げてほしいというふうなことをお聞きしたいわけです。簡単にお願いします。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 五十四年と五十五年度の二カ年に全国の幼稚園、老人ホーム、妊産婦等に対して消費拡大の一環として事業を実施いたしました。五十六年度につきましては、これは実は一般会計の予算で実施しておりませんで、畜産振興事業団の特別助成事業として行っておりますし、財源事情もありますので、できるだけ前向きに取り扱いたいと思いますが、なお検討中でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 検討中だけど前向きで取り扱うということですから期待したいと思います。  で、厚生省の方お見えだと思うんですけれども、保育所の措置費の中に、三歳未満児の場合には生乳を盛り込んでいるけれども、三歳以上児は脱粉というふうな形になっているわけですが、これは検討するようにということで以前に私は質問したこともあるんですけれども、とりあえずいま全国の保育所の中で施設数と児童数、どのくらい実施しているかというようなところを御報告ください。

北郷勲夫厚生省児童家庭局企画課長

○説明員(北郷勲夫君) 保育所の数全体で約二万一千ほどございますが、そのうち脱脂粉乳を使用しております施設が約一万五千カ所でございまして、全体の七割でございます。それから使用料が約四千三百トンでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、これはぜひ頼みたいことなんですけれども、お聞きのように保育所の場合には脱粉使用が約七割なんです。そうしますと、もう多くをお話しする時間がないんですけれども、ここに「学校給食用牛乳供給事業実施要綱」が私、文部省からいただいてありますが、その中に「方針」として、「わが国酪農の健全な発達を図るとともに幼児、児童及び生徒の体位、体力の向上に資するため」と、こういうふうにうたってあるんです。そういう形で学校給食には生乳が入ってきた。ところが、幼児の場合には、幼稚園の場合には、生乳を一生懸命奨励しておきながら、保育所の方は三歳未満児だけは生乳で、三歳以上児は脱粉だと。一つは一貫性がないんですね。施行の問題から言ったってまず非常に一貫性がない。同時に、いまのこの学校給食の実施要綱から見ましてもまた問題があるというふうなことがはっきりしております。もちろん厚生省のことになると措置費の問題等々いろいろありますけれども、厚生省関係者とよく協議をして考えていただきたいなと思うわけなので、最後に大臣の決意を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○政府委員(森実孝郎君) 事務的な話でございますので私から……。  御案内のように、保育園の費用につきましては市町村の支弁ということでございまして、給食についても一〇〇%公的負担がたてまえになっております。そういう財源上の制約が一つあるのだろうと思いますが、私どもとしても実は、保育園で牛乳を使っていただくことは、お子さんのためにも酪農の振興のためにも結構なことだと思いますので、厚生省にできるだけこれからもお願いをしていきたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、一言決意を。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) いま畜産局長から答弁したとおり、とにかく需要の拡大の面からそれがうまくいくような方法を早く考えて実行できるように協力してまいります、

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 日本の農政の大きな転換期といいますか、見直しの時期に来ておるわけですが、九十一回の国会で決議されました食糧自給力強化に関する決議というのをどのように受けとめ、そして基本的に進めておられるか、このことを最初にお伺いしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 昨年の国会で食糧自給力強化に関する決議をちょうだいしたわけであります。食糧、農業をめぐる内外の厳しい諸情勢に対処するために出されたものであると受け取っておるわけでございまして、政府といたしましては、この決議を踏まえまして、過剰なものから不足なものへ、需要の動向に応じた農業生産の再編成を図って自給力の強化に努めてまいりたいと考えておるわけであります。  先般政府が閣議決定として「農産物の需要と生産の長期見通し」というのをいたしましたゆえんも、この決議に沿ったものでありまして、今後の方向といたしましては、米など過剰になっておりますわけでありますけれども、何といったって米は日本の風土に最もよくできるもの、しかも最高の質のいい食品ということでありますので、これを中心にした日本型食生活というものを定着させていくことを基本といたしまして、生産面では、国内で生産できるものをできるだけ国内で生産をし、外国からはやむを得ないものを輸入するという立場をとってまいるということが自給力を強化するゆえんであると、こう考えておるわけであります。  何遍も申し上げるわけでありますけれども、過剰なものから不足なものへ、地域ぐるみの話し合いを基礎とする農用地の有効利用と、それから利用権集積等による中核農家を育成をしてまいる、農業技術の向上や優良農地、水資源の確保等をいたしまして自給力を向上すると同時に、農村の連帯性というものを重視をいたしまして、その連帯感の上に立った農村の豊かなゆとりある社会をつくり上げていくということを施策の中心といたしまして今後指導して進めてまいりたいと考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 お願いがありますが、持ち時間が少のうございますので、なるべく基本的な問題を簡明にお答えいただければありがたいと思います。  次に、八〇年代の農政の基本方向、これは大臣の所信表明の中に十分盛られておりますので、その所信表明を受けてお尋ねしたいことは、総合安全保障の一環としての食糧問題を農業政策としてどう位置づけていくかという見地から、まず具体的に食糧自給率の現状とその達成目標ですね、先ほども需給のバランスの問題を話しておられましたが、その対策をどのようにとっておられるのですか。いわゆる自給率の現状と目標。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 自給率の現状なり今後の見通しにつきましては、先般の「農産物の需要と生産の長期見通し」におきまして想定いたしておりますものから申し上げますと、食糧の総合的自給率につきましては七三%、現状がそうでございます。十年後の六十五年度の見込みとしましてもこの七三%を維持する。また内容的には、その中でも小麦の自給率を引き上げる、あるいは大豆の自給率を引き上げるというようなことを内容としておりまして、主食用の穀物の自給率は六八%を維持する、これは現状と同じ自給率でございます。飼料自給率については、自給飼料、輸入に係ります穀物飼料合わせまして二九%から三五%に引き上げる。こうした自給力の引き上げを意図してこれからの農政を進めていきたいと、このように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまあなたがおっしゃった総合的な分析した表がありますね。この資料に基づいてちょっと疑問がありますのでお尋ねいたしたいと思います。  大事な食糧自給の面で一つ疑問に思いますのは、穀物自給の面で、五十三年度、そして六十五年度の分析が出ておりますね。五十三年度の自給率が三四、六十五年度が三〇とダウンしておりますね、自給率がダウンしておる。これは一体どういうわけか。これは穀物ですね。  それから牛肉の面を見ると、これもまた七三が七一とダウンしていますね。この要因はどこにあるのでありましょうか。

渡邊五郎農林水産省食品流通局長

○政府委員(渡邊五郎君) 穀物の自給率につきまして三四%から三〇になると。これは御承知のように、主食用の穀物でございます米、小麦等でございますが、さらにこの場合には飼料用の穀物もあわせて含めております。したがいまして、全体の計算の過程を言いますと、食用にかかわる米の減、それから国内での小麦の生産の増でおおよそこの主食用につきましてはほぼ変わらないわけでございますけれども、畜産部門におきます中小家畜の増、具体的に申しますと、豚、鶏の増に伴いますえさが輸入飼料によらざるを得ない、トウモロコシ、マイロでございますが。そうしたものの畜産物の需要増に伴います穀物の輸入の増加する分がこの引き下げの要因になるわけでございます。  で、計算の中身はそういうことでございますが、これを要するに、今回の自給率におきまして、国内で生産できるものはできるだけ国内で生産をするという意味で、小麦とか大豆、飼料作物につきましては、かなり積極的な自給度の向上あるいは面積の増を図っております。国内で現時点におきましては生産増を大幅に見込めない飼料穀物につきましては、やはり輸入に頼らざるを得ないと、こういう考えでございます。  牛肉につきましても、現在これまでの動向なり牛の生産計画等とあわせまして算定いたしまして、七三%が七一%になりますが、ほぼ数字的にはそう大きな差ではないように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 農政の転換、そうして国内自給を高めていくというこの方針からしますと、何か矛盾を感ぜざるを得ません。そういうことでいまお聞きしたわけですが、この程度にいたしたいと思います。  次にお尋ねしたいことは、二百海里の制約を受けて日本の水産業が非常に影響を受けておることは間違いないと思いますが、その打開策についてはどのように考えていらっしゃるか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 二百海里時代になりましてわが国水産業は、御案内のように非常に打撃を受けたわけでございます。水揚げ量につきましては一千万トン、こういう大台は数年前と変わらないわけでございますが、魚種別に見ますと、遠洋漁業の過去でとっておりました漁獲量三百五十万トンが二百万トンに減った。この反面、沖合い漁業は約百五十万トン増と、こういうかっこうで水揚げ高につきましてはほぼ同等程度であると、こう考えたわけでございます。  これらの影響につきましては、政府といたしましては、約一千二百隻の減船を余儀なくされた、離職者については約一万人と、こういう数字が出ているわけでございます。これにつきましては、減船交付金とか、あるいは離職者対策等いろいろ講じてきているわけでございますが、長期的に見ますと、遠洋漁業の失われた分野をわが国二百海里周辺における漁業の振興、こういう点でカバーしなければならないと、こう考えているわけでございます。  具体的に申しますと、いわゆるいままでのとる漁業からつくる漁業への転換と、こういうことを頭に置きまして、魚礁の設置であるとか、沿岸漁場の整備開発、こういうことにつきまして推進をしていこうと、こういう一つの考え方でございます。  第二につきましては、遠洋漁業につきましては、沿岸国といろいろ接触を保ちながら粘り強い交渉をして、わが国の既得権でありました漁場の確保を図っていきたいと、こう思うわけでございます。  第三点といたしましては、過去におきまして官五十万トンもふえましたのが、主としてイワシ、サバ、こういう赤身魚でございますから、これを高度化利用を図りまして、わが国の食生活になじむような方向を位置づける、こういう考え方で長期的には対応したいと、こう考えているわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そこでお尋ねしたいんですが、大臣の所信表明の中にも十分その意図は盛られておると私受けとめておりますが、今後の日本農政の中身は、適地適産といいますか、あるいは地域に属する農業の組織化あるいは育成、こういうことが非常に重視されなければいけないと。これは同感でありますが、そういった見地に立って、特に日本農業政策の中で沖繩農業はどのように位置づけて考えていらっしゃるか、また展開しようとしておられるか、大臣のその基本的なひとつ見解を承りたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 沖繩はわが国唯一の亜熱帯性の気候でありまして、その特性を生かした農林水産業の発展が期待される地域であると、こういうふうに認識をいたしております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの基本的な位置づけに対して、特にいわゆる日本全体の食糧資源の生産地という立場からもう少し突っ込んでお聞きしたいんですが。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) まず、沖繩全体が私はある意味においては温室だと、この特質を活用いたしまして、最近物価政策がやかましい折から、野菜等の生産地として今後見直していく必要があるのではないかというような感じも持っております。と同時に、沖繩特有のパインでありますとか、サトウキビでありますとか、こういう産業を伸ばしていかなければならないと、こういうふうに考えておりまするし、林業、水産につきましても、やはり沖繩の特色を十分発揮して沖繩の皆さん方の所得向上に資するように農林水産政策を進めていかなければならないと、こう考えております。  と同時に、私はその品種改良等について沖繩を活用することによって、いわゆる品種改良の速度を、十年かかるところを四年なり五年で、沖繩のあの亜熱帯性の気候を活用することによってそういうこともできるのではないかと、こういうことも技術会議の方にいろいろと指示をいたしているところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そこで、日本国民の甘味資源の補給地としての沖繩、そうして沖繩の基幹作目としてサトウキビとパインがある。このパインに触れられたわけですが、この二つが毎年のように、実は価格においても再生産の面からも毎年のように問題を醸しておるわけであります。  そこでいまお聞きしたいことは、パインに触れられましたが、パインがまた国際貿易との関連もあって振り回されている。いわゆるグローバルと冷凍パインの問題、この問題にいつも振り回されて困っておるわけです。ところで、この問題について農水省が好意的に仲立ちをしていただいて、それぞれの関係業者との話し合いの場、三者会議と申しますか、それを持たれた、第一次ですね。第二次が三月十八日ごろの予定だとお聞きしておったわけです。三月十八日というとおとといであるわけですが、それが予定どおり持たれたのか、そして持たれたとするならどういうことが話し合われたのであるか、それをお聞かせ願いたいのです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) パイナップルかん詰め需給安定懇談会といいますもの、これは関係の方々が同じテーブルに着いていろいろ需給安定のために話し合いをするということで、初めてこういう懇談会が設けられました。二月の十二日に第一回懇談会をやりまして、第二回は昨日でございます、三月の十九日、昨日第二回の懇談会を持ちました。  で、その際の議題といいますか、テーマといたしましては、五十六年度のパイナップルかん詰めの需給見通し、これをテーマにして話し合いをいたしたわけでございます。それぞれの立場からいろんな意見が出たわけでございますけれども、結局パインかん詰めの需要、これが停滞的であるということからいたしまして、供給量については抑制の方向で対処すべきであろうという意見、集約すればそういう方向に動いております。需要量全体が二百四十万から二百五十万ケースぐらいではなかろうか、総体がですね。この総体には、もちろんグローバル物、冷凍。パインからつくったもの、沖繩産のパインかんというもの全部含めたものでございます。  そこで、具体的にそれではそういうグローバルがどうだ、沖繩の生産にかかるものがどうだというような数量等につきまして、いろんな見方の相違がございまして意見が分かれたわけでございます。結局、この沖繩産のパインかんがどのぐらいできるかということにつきましては、ことしの七月ごろから生産が始まりますので、もう一回六月ごろに第三回の懇談会を開いてそこで議論し、話を煮詰めていこうというようなことで昨日の懇談会は一応幕を閉じておると、こういうことでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまのお話の中で、従来の量を抑制するということは一応低目に見るということなのか。それから次の話し合いは何月か。そしてその話し合いというのは今後も継続されるものであるかどうか、そういった見通しもお伺いしたいんです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 抑制的に見るというのは、結局需要の見通しを五十六年度は総需要量どのぐらいかというのに対しまして、非常に低い線で見る向きと強気で見る向きといろいろございまして、いろんな話し合いをした結果、おおむね二百四十万から二百五十万ケースぐらい一応の目安として見ていたらどうかというような意見が大勢的であったということでございます。  それから第三回目はいつかというのにつきましては、沖繩の方の生産が七月から始まりますので、その前の六月ごろにも第三回の懇談会をやろうということでございます。  それからこういう懇談会は、お互いに話し合いをする、こういう場でございますので、今後とも続けていこうという意識で話し合いをしておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまのに関連してもっとお聞きしたいことは、沖繩産と輸入品との問題がありますね、グローバルの。そうすると、どういう形で沖繩産を、国内産を優先消化するのか。優先消化してほしいということが現地の強い要望でもあると思うんですが、そういった国内産を優先して消化していくという基本線が確認されておるのであるかどうか。あるいはまた、きのうの話し合いでいい意見も出たのであるかどうか、その辺もお伺いしたいんです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 沖繩産のパイナップルかん詰めについては、これは沖繩サイドとしては当然優先消化ということでやってくれという主張をしたようでございますが、安ければ当然さばけますよ、高ければむずかしいですよという意見もございます、それに対してですね。で、全体の枠が大体先ほど言ったように抑制的に物を考える、見通しとして抑制的に物を考えるとすれば、その狭くなったコップの中での分け取り問題になりますので、その辺についてはいろいろグローバルの人の立場もございましょうし、冷凍パイナップルを輸入してそれでかん詰めをつくっている方もあるわけですから、そちらの方の数量を一応どのぐらいは確保したいという意見もあったようでございまして、いろいろ議論が分かれたわけですが、いずれにしても、沖繩のかん詰めがどのぐらいできるのかということは、この七月から生産が始まるものですから、その辺の大体のめどといいますか、感じがつかめる六月にもう一回テーブルに着いて話し合いましょうということだったわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 一般論といたしましては、いい品を安くということ、これはもう原則論、間違いないと思うわけですが、ところがそこで問題は、いわゆる国内産の需要向上を図っていくという、こういう観点に立つならば、国際分業論の見直しの問題と需要向上との関連の問題、それから今後の農政を進めるに当たって国内農業の振興と輸入との関係において、一般論でいきますと、いい品を安く買えばいいじゃないかというこの原則に立ちますと、どうしてもそこに衝突してこざるを得ないはずであります。相反する面が生ずることが十分予想される。そこで生産者をどう守るか、貿易バランスをどうとるか、同時に今度は消費者の立場をどう保護するか、この関係調整は、非常にむずかしいことであることはもちろんでありますが、しかし非常に大事なことであると思い、基本的な問題だと思うんですが、その調整をどのように考えていらっしゃるか、また進めていこうと思っておられるか、大臣の御見解、あるいは具体的なことがまたありましたらひとつ補足してください。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) これは輸入農産物全般の問題に関しまして言えることでございますが、日本の農業との調整をどうとるか、日本の農業にできるだけマイナス影響を与えないような範囲内で外国の農林水産物を入れていく、これが原則でなければならぬと、私はこう思うんです。したがいまして、日本の外交等においても、そういうことを十分考慮しながら、相手の国に日本の意のあるところを十二分に理解させる努力をするということが必要であろうと、こう思うんです。  実は、マレーシアに行きまして、パインの問題、向こうの農林担当の責任者といろいろ話し合いました。そのときに、私が話し始めましたところ、ああ、日本には沖繩がありますからねと、向こうも沖繩の事情を知っているわけです。ですから、余り無理も言えないんですねと、こういうことを向こうでは理解しております。ですから、数量を増してくれとか、そういうことは出ませんで、とにかく早く約束したものだけは引き取ってほしいと。しかしこれ以上どうしてくれ、こうしてくれというようなことはまだいまのところ言わない、こっちはこっちで、日本にこれ以上期待されても困ります、できるなら市場をほかに求めてくださいと、こういうようなことを申してきたわけでございます。  そういう意味において責任者同士が、外交面において農林水産大臣が出ていって話し合いをする場というものがいままで少なかったんじゃないかなという、そういう感じを私アジアを回ってみていたしましたし、今度ニュージーランドあるいはEC寺といろいろと話し合ってみてそんな感じがいたすわけでございます。  中川農林大臣のときに、あれほど日米関係の険悪になった農産物の東京ラウンドのときでも、ああして懸命な話し合いの結果、ちゃんと話し合いがついて、しかも両方がとにかく落ちついて農業経営をやるような情勢をつくり上げることができたわけでありますから、私はそういう意味において、責任者が意を尽くして日本の実態を相手に理解させる努力、これが日本の農産物貿易、将来の貿易問題について最も必要なことではないかと、私はこう考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 時間が参りましたので結びたいと思いますが、まず率直に申し上げたい気持ちは、業者任せにせずに親身になって、農林水産省が大臣初め仲立ちになって、話し合いの場を、対話の場を持ってくださったということを大変うれしく私は思います。やっぱり話せばわかる。そこで、生産者としましても、質の向上、品種の向上ですね、そして合理化、この問題は当然また真剣に考えなければいけない問題だと思います。そこで私からもお願いしたいことは、どうか日本の農政のあり方として、当然これは要求してしかるべきだと私は思いますので、国内産を優先消化する、こうしていただくことによって生産者の意欲というものが再生産の意欲ということにつながるわけでありますので、ぜひそのような方向に、そうしてまた販売ルートにしましても優先、さらにまた輸入品に対しての販売もそれと抱き合わせて販売消化していくと、こういう切実な要求があるし、私もまたそう思っておりますので、ぜひその方向にひとつ話し合いが、お互いの本当に理解を持っていけるように、押しつけではなしに、好意的にそのような話し合いの中で取り決めてもらうことを要望いたします。  実は、沖繩の林業は六八%が軍事基地の中の位置を占めておるわけでありますが、これについてはまだ他日に譲りまして、とにかく特殊な沖繩では森林法の適用も基地内には、もう問答無用ですから、基地内には適用できない。そこで、基地の外における造林計画というのは、これはもう他県以上に力を入れてもらわなければいけない。こういう特殊な状況にあるわけでありますので、このことについてはぜひ触れたいとも思っておりましたが、もう時間でありますので、それで森林に対する基地の外の造林に対してはどのような方針を持っておられるか、策を持っておられるかということと、さっきのパイン問題のスムーズに生産意欲を持って立ち上がれるように図ってもらいたいということに対する私の要望に答えていただきたい。  以上申し上げまして、所見を求めて終わります。

須藤徹男林野庁長官

○政府委員(須藤徹男君) 沖繩県におきます森林造成の推進につきましては、現在の森林の現況を見ました際に、きわめて重要な課題であるということは御指摘のとおりでございます。林野庁といたしましても、そういう認識のもとに従来から特に高い造林補助率を適用するなどの施策を講じまして、森林の造成に努めておるところでございます。昭和五十五年には、御承知でございましょうが、造林地におきます不発弾等の埋没の有無を確認調査いたしまして、森林造成の円滑な推進を図るために不発弾等事前探査事業を創設いたしております。また緊急に造林を必要とする地域の森林の造成に資するために沖繩荒廃地森林造成推進対策調査を実施しているところでございまして、この結果をまちましてさらに積極的な造林の推進を図ってまいりたい、かように考えておる次第であります。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(二瓶博君) 生産者が意欲を持ってパイン生産にいそしめるようにということでございますが、一つは農家の方々もがん詰めというのに非常に傾斜した姿で現在やっておりますが、ジュースの面につきましても、十分の六の補助で石垣島本島にもジュース工場を整備いたしておるわけでございますので、そういうジュースの面、こちらについても力こぶを入れていくということで、生産の方が振興されていくということを一つ期待しておるわけでございます。  それからもう一つは、かん詰めにつきましては、生産性を高めながら、原料納入価格、この面について農家の方も十分御理解をいただきたいと思っております。結局、原料価格が高い、つくった製品がなかなか売れない、消費者の方も買ってくれないというようなところがふん詰まりになっておるわけでございますので、その辺は、かん詰めのメーカーの方及び農家の方も十分その辺のことはお考えをいただいて対処してほしいと思います。  で、先ほどお話ございましたように、抱き合わせ販売というようなことにつきましては、五十五年度の下期の二十万ケースの発券に当たりましても、これは抱き合わせでやって沖繩品は入ってもらうということを、一つの指導的な条件でございますが、そういうことで発券をいたしておるわけでございまして、沖繩品の消化という面についても十分考えていきたいとは思っております。

井上吉夫自由民主党・自由国民会議

○委員長(井上吉夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十九分散会      —————・—————

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