内閣委員会同和問題に関する小委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1981/08/21
会議録
○小委員長(藏内修治君) ただいまから内閣委員会同和問題に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 私は、去る五月二十一日の内閣委員会において、皆様の御推挙により小委員長に選任されました。 本小委員会の運営につきましては、円滑公正に行ってまいりたいと存じますので、よろしく御指導、御協力くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○小委員長(藏内修治君) 同和問題に関する件について調査を行います。 この際、同和対策室長から発言を求められておりますので、これを許します。小島同和対策室長。
○説明員(小島弘仲君) 同対室の小島でございます。 御承知のとおり、今月十八日同和対策協議会から政府に対しまして、これまでの審議を取りまとめた中間意見具申がされております。同和対策協議会は、実は五十三年の五月以降三年有余にわたって中断いたしておりました。この同和対策協議会の構成は、学識経験者及び関係行政機関の職員二十名以内をもって構成するという、法律と申しますか、総理府設置法上の根拠に基づきましてつくられております協議会でございますが、この学識経験者の中には関係の学者の方々、それから地方公共団体の代表と申しますか、地方公共団体で同和関係の施策に御経験のある方々及び民間の関係運動団体からというこの三つ、三要素をもちまして構成しておりましたのが従来の経緯でございましたが、そこに運動団体の中でもう一つ加えたいと、こういうようなことに方針を出しましたところ、非常にいろいろ関係者のなかなか合意を得ることができませんで、交渉を続け、かつ協議会の円滑な運営を図りたいと思いまして努力してまいりましたが、なかなかまとまりませんでしたが、最終的に六月の十日に、今回は学識経験者委員に運動団体関係者からの御委嘱は差し控えるというような形で会を構成いたしまして、今日までと申しますか、中間意見具申が出るまで八回にわたって審議が続けられてまいっております。 この審議におきましては、今回その委員としてならなかった運動団体の御意見もぜひ聞きたいということで、運動団体関係者からの意見聴取と質疑応答、あるいは地方公共団体で連合会と申しますか、同和関係の問題があります地方公共団体が協議会を構成しておりますのでその代表、あるいは市長会からの代表の方々の御意見を聴取するというようなことや、関係行政機関からの意見聴取をもとに審議を続けてまいられたわけでございますが、まだなかなか審議は尽きておりません。しかし、同和対策事業特別措置法は今年度限りで失効すると申しますか、期限が切れるわけでございますので、こういう時期に当たって、五十七年度以降の関係施策の要否等についても判断をぜひこの機会に示しておく必要があるということで、従前のこれまでの審議を取りまとめて、五十七年度以降の施策の要否等についての御意見を中間報告という形で政府に提出されたという経緯でございます。 お手元に「今後における同和関係施策について(中間意見具申)」というプリントをお手渡ししておりますが、今回の答申の趣旨というのが二ページ目の上から三分の一ぐらいまでのところに書いてありまして、これまでの御審議の結果、「現段階では、法律の問題を含む昭和五十七年度以降の同和関係施策の全体的構成についてはいまだ結論を得るまでに至っていないが、」という形で、法律問題をどうするか、あるいは全体的な施策の仕組みをどうするかという部分についてはまだ審議が尽きてなかったわけでございますが、「本日までの審議により、なお今後しばらくの間所要の施策の継続を必要とする状況等が明らかとなったので、現在各省が昭和五十七年度予算の概算要求を行うべき時期を目前にしているという事情を考慮し、これまでの審議結果を本協議会の中間意見として下記のとおり取りまとめ、提出することとした次第である。」と、こういう趣旨で御意見をいただいたわけでございます。 「記」以下に御意見が盛られておりますが、その二ページ目から三ページ目の上段までのところでは、この十三年間にわたる施策の進捗状況等を総括されまして、生活環境の改善を初め進学対策あるいは児童の保育、さらには職業訓練等の施策による成果も相当のものであり、また地域住民の生活改善にこれらの施策によって寄与するという目的を達しつつありまして、「また、国民の同和問題に関する理解度も高まってきている。」という効果を評価いただいておりますが、「しかしながら」以下が現状の分析でございます。「しかしながら現在まだ、生活環境、産業基盤等の改善、整備について事業を継続又は計画中の対象地域は大規模なもののみならず小規模なものも少なくなく、その事業量を勘案するとなお数年を要するものと見込まれる。」と、こういう御判断でございます。 しかも、「なお、これらの地域のなかには、事業規模が大きいこと、事業実施についての関係者の合意作りに時間を要することなどの事情により、速やかな事業の遂行が困難であると考えられるところもある。また、対象地域住民の生活の現状についても、なお中高年層を中心に不安定就労者の割合が高いこと、生活保護受給率が高いことなど、今後に問題を残している。さらに、同和差別問題については、いまだに結婚、就職等に関する差別事件の発生を見ているほか、悪質な差別落書や文書等の問題もおきており、今後においても引き続き人権思想の普及高揚に努める必要があると認められる。」というような形で、いわゆる物的施設整備に関する事業もまだ必要事業量が残っている、あるいはその他のソフト面での生活改善対策、就労対策というものについても、さらには啓発の関係でも、まだ施策をここで打ち切っていいという状態には達していないという御判断でございます。 その「一方」以下がいままで続けてきた施策についての問題点の指摘でございまして、「一方、法施行後、今日まで同和関係施策が実施されてきた間に幾つかの問題が生じてきた。その一は地方公共団体の財政に相当重い負担となってきたことであり、その二は施策の中に今の時点でみるとその内容や運営が果して妥当であったかどうか問題視されるものがあることであり、その三は地方公共団体等において民間運動団体の施策の要求への対応や児童生徒の差別発言問題等の処理に苦慮している事例が見受けられることであり、その四は以上のような事にも関連して同和対策事業に対する国民の批判的意見がみられるのも無視できないことである。」という問題点の御指摘がございました。 また、「いうまでもなく同和関係施策を円滑に推進し、同和問題の解決を期するためには、すべての国民の理解と協力がなければならない。特にその間においての民間運動団体のあり方が重大であると考えられる。したがって上に述べたような幾つかの問題点の解決についても、民間運動団体の一致した協力が必要である。その実現があってはじめて啓発活動も十分な効果をあげることができるものである。」というような問題点に対応する対処の方向等を一応御指摘いただいた上で、最後として結びの部分に、「このような現時点における同和問題の実態にかんがみ、本協議会は、政府に対し、国及び地方公共団体が実施する施策の内容及びその運営についての再検討を行い、その適正化と効率化を図りつつ、なお今後しばらくの間、対象地域における生活環境等の改善整備、進学の奨励等教育の充実、中高年層を中心とする雇用の安定等を図るとともに国民の人権思想の普及高揚を促進するための所要の施策を講ずるよう強く要請するものである。」という御意見をいただいておりまして、これをもとに、政府におきましては、関係各省と協議を行いながらこの五十七年度概算要求時期に、予算要求についての対応を含めまして今後の方向についての調整、検討を現在行っておるところでございます。
○小委員長(藏内修治君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○小委員長(藏内修治君) 速記を始めて。 この資料に関する説明を続けてください。
○説明員(小島弘仲君) 五十三年の法律延長の際に三項目の附帯決議をいただいております。その三項目と申しますのは、第一点は、同和問題について実態をよく把握し、それらをもとに法律の改正及び運営の改善について総合的に検討を進めることというのが第一点でございます。第二点が、地方公共団体の財政負担の改善を図るというのが第二項目でございます。第三項目は、なお差別事件が続いているというような差別問題の実態にかんがみまして、人権啓発活動をさらに積極的に行えという御趣旨のもので、この三つから成っていると思います。 それらについてのこれまでの対応の仕方を簡単に御説明申し上げますと、まず実態問題につきましては、関係各省庁がそれぞれの担当する施策の分野につきまして地方公共団体等からのヒヤリングによる実態の把握に努めておりまして、なお必要がある場合、担当官等を直接現地に派遣して実地調査を行う等により実態の把握に努めてきているところでございます。 第二点の地方の超過負担等と言われておるような財政負担の解消の問題につきましては、政府は五十三年度以降も逐年同和関係施策の予算の十分な確保を図りつつその内容の改善等に努めてきたところでございまして、ちなみに、たとえば五十四年度以降の同和関係予算の伸びをざっと申し上げますと、五十四年度は一般歳出の伸び率、これは一般会計予算総額から国債費と地方交付税を差し引いたものの伸び率を比較したもので、いわゆる一般行政経費の国における伸び率でございますが、それが五十四年度は一三・九%でありましたが、同和関係予算については二二・九%の伸びを確保しております。それから五十五年度につきましては、国の一般行政費の伸び率が五・一%にとどまっておりましたが、同和関係予算は一一・五%の伸び率を確保しております。さらに五十六年度につきましても、非常に厳しい財政状況のもとでございますので、一般施策関係予算は四・三%の伸びにとどまっておりましたが、同和関係予算は一〇・六%の伸びを確保するというような形で、施策の物的施設整備等につきましては、法律の存続期間内にできるだけ片づけたいということで対処してまいってきたところでございます。 それから啓発関係につきましても、近年は同和関係施策の中でも最重点施策という位置づけをいたしておりまして、この伸び率を見ましても、五十四年度は対前年度比三五・二%、それから五十五年度は対前年比二三・八%、五十六年度は非常に本当に厳しい財政状況のもとでございましたが、三四・九%の伸び率を確保するというような形での施策の推進に努力してまいったところでございます。 最初の実態の把握の問題につきましては、現在いわゆるまだ生活環境あるいは生産基盤、社会福祉関係施設等の整備を継続中あるいは計画中の地方公共団体が相当数に上っておりますので、その状況について各省現在まで総体として地方からの申告は一応取りまとめが終わっておるような段階まで来ておると思いますが、現在まだその内部の審査と申しますか、内部の詰めが十分できてない段階でございますので、まだ数字の上での問題は十分お話し申し上げられませんが、現在までおおよそ地方公共団体のお申し出のあった事業費を取りまとめてみますと、これは事業によって多少でこぼこがあります、住宅関係とかそれから都市施設の整備とか、あるいは教育関係施設の整備、生活環境施設の整備と、それぞれの事業内容によって量的には多少でこぼこがありますが、総体としては、五十六年度の事業費ベースで行った場合に、ほぼ二、三年分程度のものがまだ必要かもしれないという大ざっぱな状況でございますが、さっき申し上げましたように、内部の詰めは現在さらに各省で急いでいるところでございます。 そのほかのいわばソフト面と申しますか、生活実態についての現況を現在まで取りまとめましたのがお手元に配付申し上げております資料でございます。非常に十分な整理ができてないもので大変恐縮でございますが、まず生活保護の状況を見ますが、これは十府県を選びまして、その中で、大都市型、中都市型、農漁村型というそれぞれのタイプ別に対象地域を抽出した調査の取りまとめでございますが、生活保護の保護率は、今回の調査によりますと、右から二番目の欄でございますが、全国平均では一・二%、一二・三パーミリというかっこうになって、一・二%でございますが、対象になった十府県では一・五%それから同和地区では五・七%というような形になっております。これを五十年調査のときの状況と比べますと、全国でもそう大きな差はございません、五十年調査のときの今回調査した十府県の同和関係地域の生活保護受給率は括弧内の五・八八%ということでございますので、生活保護率にはそう大きな動きは全国的に見ても保護対象地域に見てもないという状況が一つあらわれております。ただその内容として、非常に最近老人世帯の保護家庭がふえてきているというような状況もいろいろ言われておりますが、その内容分析はまだ十分できてない段階でございます。 二番目が保護率の倍率分布と申しますか、全国平均と比べてどの程度の倍率のところが多いかという、これは一応の参考でございますが、三倍未満というところが三五・五%、三倍から六倍というようなところが四一・九%、六倍から十倍未満というところが一六・一%、十倍以上になっているというようなところが六・五%、全国平均と比べることのどれだけ意味があるかという問題もございますが、一応こういう数値が出ております。 第二番目が身体障害者の状況でございます。これも今回の実態調査、五十五年に行いました身体障害者の実態調査等と対比してみますと、人口比率で見まして全国では二・四%というかっこうになっておりますが、同和関係地域におきましては四・五%、やっぱり全国平均より率が高いという状況が出てまいっております。そこで、その次の(2)が障害の種類別状況でございます。これは全障害者を一〇〇とした場合に、その内訳として視覚関係、聴覚関係あるいは肢体不自由関係というのがどういう比率を占めているかという中身でございまして、同和関係地域に、この調査によっては一つ特徴的と思われるものが、視覚障害者の割合が非常に一般地域と対比しますと高く出ておるという状況でございます。その反面、右から二番目の内部障害とか最後の重複障害、二つ以上の障害を合わせ持つというようなところは比較的少ないという調査が出ておりますが、全国調査でございませんのでこれをもって正確な分析はまだできませんが、一応の目安とお考えいただければと思います。なぜ視覚障害が多いかという原因等につきましては、現在でもトラホーム、目の病気にかかっていらっしゃる方というようなものがやはり出現率が高いようでございますので、その辺もかつて高年齢層に影響が残っているのかというのが一つ推定されますが、詳しい分析はまだございません。 次は障害の程度別でございますが、身体障害者福祉法等による等級区分に当てはめて見た結果でございまして、ここでは二級がちょっと高いかなと、こう思われる程度で、ほぼ全国状況との大きな差はない、全体としてなかろうと、こう思っております。あとは年齢の状況でもございますが、ここでもそう大きな開きはございません。 第三番目が高齢者の状況でございます。六十五歳以上の人口がどのぐらい占めるかということでございますが、全国的に見てみますと九・〇%、同和地区では八・五%というかっこうになっておる。ただ、五十年調査で見ますと、全国は七・九%、同和地区が八・一%でございますのでこの関係が逆転しているかのような状況も出ますが、今回抽出調査でもございますので、まあそう全国平均と大きな違いはないというのが実態ではなかろうかと、このようにも考えてございます。 その次が寝たきり老人や一人暮らし老人の状況でございまして、全国調査につきましては、当日寝たきりか、あるいは半年以上寝たきりかというような調査をしておりますが、今回は単にその時点で寝たきりであるかどうかというような調査でございますので十分な比較は必ずしも適当でございませんが、その状況も、全国では当日寝たきりが三・九%、半年以上は三・一%でございますのに対し、同和地区では三・七%という状況でございますので、これもそう大きな違いはなかろうと、こう考えております。 次は、一人暮らしの老人の割合がその右の欄に出ておりますが、全国では八・六%に対し、同和地域では一三・八%と高い状況になっております。この辺に一つ、若年労働層が学校を出まして勤めを得ますと、やはり地区を離れて老人が取り残されるという状況がある意味では一つ出ているところがあるということが推定されますが、この辺もさらに詳細な分析を必要とするところでございます。 その次の六十から六十四歳の人口比率も参考までに挙げてみましたが、(3)で家庭奉仕員の派遣状況でございますが、これは一番右の欄で見てございますと、たとえば寝たきり老人を抱えている世帯の何割に家庭奉仕員が派遣されているかという状況でございますが、全国平均では、寝たきり老人を抱えている世帯の二一・二%が奉仕員の派遣を受けている。同和地域におきましては、四〇・六%の寝たきり老人世帯が家庭奉仕員の派遣を受けている。こういう状況を見ますと、施策の密度が濃い反面、そのような家庭奉仕員の奉仕を必要とする寝たきり老人が同和地域に多いという実態もうかがえるという感じでございます。 四番目は、保健所による相談、指導等の状況を次のページまでに掲げておりますが、さらに二枚めくっていただきまして、次が保育の状況でございます。五番目として保育の状況を掲げてございます。 同和地域の一つの教育問題として、家庭教育が十分行われてないというようなことがよく言われておりまして、この辺の制度的な肩がわりと申しますか、それらの関係で保育というものの占める役割りは非常に高かろうと、こう考えております。 一番上の保育所の入所状況でございますが、対象地域におけるその保育所にはいれる年齢のゼロ歳から五歳までの児童でございますが、その何割が保育所に入っているかという数字でございます。同和地区で見ますと、五九%が保育所に入っている。同年齢層のと申しますか、ゼロ歳から五歳までの層の五九%が保育所に入所の措置を講じられている。全国平均ではその率は一七%でございます。保育所入所率が非常に高いという状況が出ております。一方、幼稚園について見ますと、同和地域は一二・二%の方が幼稚園に入っているのに対し、全国平均では二一・八%。したがって、幼稚園との分担で見ますと、保育所で児童の保育なり教育を行っている割合が同和地域においては非常に高いという結果が出ております。 その次が年齢階層別の要保育率でございますが、ここで調査の結果としては、同和地区の要保育率、いわゆる世帯で家庭的に保育をなさることが困難で保育所に入れる必要があるという方々の率ですが、それが五一%。一般地域では二〇・六%ということですが、この形だけからは要保育率を超えた保育所の入所が行われていると。内容の分析がなかなかむずかしゅうございますが、結果的に見れば、保育所に入所させて保育を必要とする児童は、全国的に見ますともう同和地域においては十分な措置が全体としては行われているというような状況が一つ読み取れるのではなかろうかと、こう考えております。 次は保育所の現況でございますが、一番右の欄のところで、同和保育所として設置されたものは公立が設置されている関係上、同和地域においては公立の保育所の占める役割りが非常に高い。保育所数で見ましても八二・七%、定員で見ましても八二・六%というように、ほとんど大部分が公立の保育所によって賄われている状況でございます。 次が、一番下の欄が定員の充足率でございますが、全国平均で見ますと、定員の九一・二%の充足率になっているわけでございますが、うち同和保育所として設置されたものについてはそれが八〇・二%程度という、全国平均から比べますといささか下回っている数字が出ております。まあ、なかなか一般地域からの保育児童をそこに入れにくいのか、だから入らないのか、この辺の分析も必要でございますが、本当は周辺地域住民との交流を進めるという意味からは、この辺のところについても行政運用上さらに工夫が必要な面がありはしないかというような問題を感じております。 次が高等学校への進学率でございますが、法律の施行前の昭和四十二年で比べてみますと、全国で高校進学率というのは七四・五%でございましたが、同和地区ではそれが五一・一%にとどまっております。その差は二三・四%程度の開きを持っておりましたが、五十四年、まだ五十五年度の十分な数値がまとまっておりませんが、五十四年度では全国で九四%が高校進学、中学卒の九四%が高校進学を果たしております。それに対しまして、同和地域では八九%という水準に達しておりまして、その差はまだありますが、五%に縮まっている、相当程度進学の状況も改善を見ておるんではなかろうか、こういう状況が読み取れます。 次に就労の状況でございますが、新規学卒者の就職につきましては、同和地域についてもほぼ問題がなくなってきつつある、このように考えておりますが、ただまだまだ中高年層に問題を残しておろうかと考えております。不安定就労の代表としての臨時、日雇い等の状況を見ますと、同和地区は一五・二%でございますが、全国では六・八%というような対比になっております。ただ、これはちょっと調査方法が必ずしも十分でない面がございますが、四十七年度の調査で見ますと、同和地区の臨時・日雇い労働者は三〇%を上回っているというような状況も出ております。ただ、調査方法に多少違いがございますのでこの比較は十分でない、全くの参考数字とお考え願いたいと思いますが、それから見ますとほぼ半減しているような状況も一つは出ておりますが、なお、中高年の就労対策というのは、その生活なすっている周辺に安定的な職場がないというような地域が多数ありますので、これは今後の非常に大きな問題と考えております。 内職者の割合も高いというような状況も出ておりますが、三番目では全国平均と比べますと、公務、いわゆる公務員となっていらっしゃる方の数が全国平均は三・五%に対し同和地域は六・二%と高くなっております。ただ、この中身といたしましては、いわゆる現業関係の公務員の方が多いという問題がございますが、関係地方公共団体でできるだけ安定的な職場を確保しようという御努力のあらわれもこの辺に読み取れるかと考えてございます。 また仕事の中身を見ましても、現業的なものが多いということも考えまして、単純労働的な就労形態をとっていらっしゃる方の割合が非常に高い等々の問題が考えられます。 最後のページが同和関係の差別事件問題、いわゆる部落差別に関する事件件数でございまして、上欄は地方法務局が人権侵犯関係事件として受理した年度別の件数でございます。 近年、特に五十年度以降、一番右にありますように部落差別に関する事件数は一応増加しておりますが、近年は五十三、五十四、五十五と状況を見ますと、いわば安定的なかっこうになっている。まだ増加するか、あるいはこれから改善を見るかというところが必ずしも傾向としては明確につかめないというような状況でございます。 9として掲げておりますのが、一昨年の昭和五十四年度の差別事件として都道府県や市町村が取り扱った件数の状況でございます。合計では千三百三十六件というような形になっております。 以上、まだいろいろ取りまとめ中のデータがありますが、現在まで一応の取りまとめの終わったものは、まだ分析不十分なものがございますが、参考資料として提出させていただきました。
○小委員長(藏内修治君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午前十一時五分散会