内閣委員会 第11号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/05/28
会議録
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 まず、防衛庁に対する質問を前回に続いて行いたいと思います。 昨年の六月に行われた北海道旭川における護国神社の例大祭に、北海道の北部方面総監それから青森県の大湊の海上自衛隊の地方総監、北海道の各部隊の師団長が大量に参加をしている問題が同僚の矢田部委員から指摘をされております。これについて防衛庁長官は、よく調査をする、こういうことでありますが、あのケースは、明らかにこれは憲法二十条で禁じられている政教分離、これに違反をする疑いが私は非常に強いんではないか、こういうふうに思うわけです。 その後、現地から当日の写真とかいろいろ具体的な資料を送ってきておりますけれども、まず私が伺いたいのは、現地の模様、ここには写真は持ってきておりませんが、写真で見ると、現職の陸上自衛隊、海上自衛隊の幹部の人たちが着席をした席に、それぞれ官職氏名を書いた札が全部立てられているわけですね。そういう形のところに制服を着て着席をしている。こういう状態は、どのように言われてもこれは公的な出席、こういうふうにしか考えられないと思うんですが、その実情について長官は調査をされてどのような認識をお持ちになりましたか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(大村襄治君) 昨年の旭川の護国神社例大祭への自衛官の参加問題についての御質疑に対する調査の結果につきまして、担当の政府委員からお答えさしていただきます。
○政府委員(石崎昭君) 調査の結果を御報告いたします。 まず一つは、この旭川の護国神社例大祭には北部方面総監以下五名の者が参加しておりますが、これは前にも国会で申し上げましたとおり、私人として出席したものであるということでございます。 それから二つ目の、調査の結果は、音楽隊についてでありますが……
○野田哲君 音楽隊のことは聞いてない。
○政府委員(石崎昭君) それでは音楽隊は省きます。 それからそのほかに、何か海軍の帽子とかいろいろありましたが、この点についてはいかがでしょう。
○野田哲君 いや、まだ後。聞いてないことまであなた答えることはない。聞いたことだけ順番に答えてもらえばいいんだ。 〔委員長退席、理事藏内修治君着席〕 休暇をとった私的な出席と、こういうことなんですか。 これは長官ね、長官の判断で答えてもらいたいと思うんですが、防衛庁は事あるごとに北海道へ侵攻のおそれがある、こういうふうなことをよく述べておられるわけですが、そういう地域の自衛隊の現地の最高の指揮官が同じ日に一斉に休暇をとって護国神社の例大祭に出席をする、こういうことが常識的に考えて私的行為、こういう理解ができるんですか、これは客観的に考えて。いかにもこれは不自然じゃないですか。また、一斉に休暇をとるというやり方、もしそれが手続がされておるとすれば、それを許可するやり方としても非常におかしいんじゃないですか、いかがですか。
○政府委員(石崎昭君) これは前にも御説明したとおり、それぞれ各人が休暇をとって私人として出たのでありまして、たまたま同じときに何人かが休暇をとって、それが集団で何か行動しているというふうに見られるのか、個人個人が休暇をとってたまたま行ったのがばらばらの行動としてとられるのか、これはとり方の問題であろうかと思いますが、とにかく当日各人が休暇をとって私人として出席したと、参拝したと、こういうことでございます。
○野田哲君 いや、長官に私は判断を聞いているんです。そういうふうに北海道なり青森の大湊の海上自衛隊なりの、あの地域の自衛隊の第一線の指揮官が一斉に申し合わせたような形で休暇をとるという形が防衛庁長官の判断として許されるのかどうかと、こういうことなんですよ。
○国務大臣(大村襄治君) 休暇の申し出につきまして、 〔理事藏内修治君退席、委員長着席〕 それぞれの場合について検討しまして、差し支えないと判断して許可が与えられたものというふうに報告を受けております。
○野田哲君 北海道における各部隊の最高指揮官が一斉に任務を離れているという状態をあなたは差し支えないという判断をされたのはどういう根拠に基づいてですか。そういうことがあっていいんですか。
○国務大臣(大村襄治君) 個々の場合に審査して支障がないということで許可されたものであるというふうに考えております。
○野田哲君 人事院に伺いますが、人事院の藤井総裁、あなたの方では一つの役所の幹部が一斉に休暇をとって留守になる、こういう状態についてこれを適正だという判断をされますか、どうですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 一般的、画一的にある事態を仮定をして物を申すことは適当ではありませんので、その点に対する私のこの場における見解というものは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、これは任命権者の判断でやることでございますけれども、そのやり方自体の問題について特段のやっぱり問題があるかどうかということは、これは法の精神、運用の問題としておのずから一つの基準というものはあるべき問題でございましょう。そういうことから申しまして、どういう意図でどういうかっこうになっておるのか、そのことが職場の運営、公務の運営に支障があるのかどうかというようなことについて、仮に問題が生ずるというような場合がありますれば、それは人事院は人事院といたしまして、服務の厳正な運営を図っていくという面からこれは無関心であり得ない、一般の公務員については。そういうふうに考えております。
○野田哲君 長官ね、ことしもまたあっちこっちの護国神社の例大祭が近づいておりますが、ことしもし去年と同じような状態で北海道の自衛隊の各部隊の第一線の幹部が一斉に休暇をとる、そして護国神社に参拝をする、こういうような形の手続がとられたとしたら、長官はどう判断されますか。
○国務大臣(大村襄治君) そのときの情勢にもよりますけれども、ケース・バイ・ケース、慎重に検討してまいりたいと考えております。
○野田哲君 去年と同じような形がまたことしやられようとした場合にはどうされますか。
○国務大臣(大村襄治君) 個々の場合について慎重に検討してまいりたいと考えております。
○野田哲君 慎重に検討ということですから、余り大きな問題として疑惑を持って見られないようにひとつ判断をしてもらいたいと思うんです。 先ほど参事官は先走った答弁をされておられたようですが、この楽器を持って参加をした楽団ですか、あれはどういう形なんですか、形式としては。
○政府委員(夏目晴雄君) 今回の旭川の音楽祭への自衛隊の音楽隊の参加につきましては、あくまでも護国神社の例大祭とは切り離した形で、北海道の旭川市あるいは北海タイムス社あるいは旭川地区吹奏楽連盟というところの主催によりますいわゆる音楽祭というものに参加したわけでございます。しかもその参加の仕方に当たっても、この音楽祭には地元の音楽団体等八十幾つの団体が参加していると聞いておりますが、自衛隊の音楽隊の参加につきましては、市中行進のコースも一般とは変えて、あくまでも護国神社の例大祭と関係のない形を配慮しながら参加したというものでございまして、これは護国神社の例大祭に参加したというものではございません。
○野田哲君 音楽祭そのものが協賛行事になっていますよね。それに参加をしたということは、護国神社の例大祭に一切関係ないとは言えないんじゃないですか。回るコースを少し変えたからと言って、音楽祭そのものが護国神社の協賛行事になっておれば、当然これはやはりその行事に参加をした、こういうふうになるんじゃないですか。ちょっと官房長の答えは詭弁じゃないですか。
○政府委員(夏目晴雄君) この音楽祭というものの実施をされました日にちがたまたま旭川の護国神社のお祭りと同一期日であったということはそのとおりでございますが、あくまでもこの主催者の形も違いますし、行事としても別個に独立に企画された行事であるというふうに聞きまして、私どもとしては広報上きわめて有意義であるということを判断して参加を認めたというものでございます。
○野田哲君 現地の状態から言えば、これははっきりと協賛行事、こういうふうに扱われておりますよね。だから、私はやはりどういうふうに理由づけをされようとも、自衛隊が音楽隊という部隊を組んで護国神社の行事に協賛して参加をした、こういうふうにしか客観的に見えないし、現地の人たちもそう受けとめているわけであります。 加えて、あの日に旭川の自衛隊の構内を護国神社に参拝をする車の駐車場などに提供をしておりますね。これはやはり国の財産を宗教団体の行事に便宜供与をした、こういうことになるんじゃないですか。その点いかがですか。
○政府委員(夏目晴雄君) いま突然のお尋ねでございまして、私その自衛隊の施設を護国神社のお祭りのための駐車場として使用させたということについての実態をつまびらかにいたしておりませんが、ともかく旭川の護国神社のお祭りというのは、北海道の旭川の最も道民の何といいますか、春を迎え夏を迎えた喜びをあらわすための非常に市民祭的な行事であるように聞いております。したがって、私どもとしても、そういう中にあって護国神社の宗教的な行事とは切り離した形で音楽隊を参加さしたわけでございますが、そういうふうなことから、あるいは施設の借用についての申し入れが旭川の市当局、そういうところからあったのかもしれませんが、その辺は事態を調べまして回答させていただきたいと思います。
○野田哲君 これは前に矢田部委員、山崎委員から写真を示して見解を求め、それに対しては防衛庁も調査しますと、こうなっているから、私はこの機会に防衛庁の見解を聞いているんです。 旭川市から協力要請があったかどうかというふうに言われましたが、旭川市から協力要請あるはずはないんで、もし旭川市が協力要請をしているとすれば、防衛庁も旭川市当局もあわせてこれは政府や地方公共団体が宗教行事にかかわってはいけないということに対してかかわっていることになるんですよ。 私の手元にも写真がありますが、この護国神社の例大祭の期間中、旭川の自衛隊の構内を参拝者の駐車場に開放したり、あるいは音楽隊、あなた方の方では私的だというふうに言われるかもわかりませんが、明らかにこれも協賛行事なんです。その協賛行事に参加をした自衛隊員に宿舎や、あるいは食事を提供している。こういうことになれば、自衛隊そのものが護国神社の例大祭に便宜供与を行った、財産の便宜を図った、こういうことにしかならないんじゃないですか。長官いかがでしょうか。
○国務大臣(大村襄治君) 政府委員からお答えいたしましたとおり、護国神社の例大祭そのものとは別個の行事としての音楽会が開催され、またその翌日に市内行進に参加したということでございまして、宗教団体に直接便宜を供与したという事例には該当しないのではないかと考える次第でございます。
○野田哲君 護国神社へ団体で参拝をする人たちのために自衛隊の敷地を開放して駐車場の用に供しているということは、国の財産を宗教団体のために便宜を与えた。こういうことで、これは憲法二十条、それから八十何条かの財政的な援助を与えてはいけない、こういうことの精神からして、これは間違った行為ではないかということを私は中心にして聞いているんです。
○国務大臣(大村襄治君) そのころにいろいろな行事があるわけでございまして、市民に協力する意味で施設の一部を駐車場に充てたと思うわけでございますが、直接宗教団体の行事に参加する人のために施設を供与したということではないのではないか。事実関係をつまびらかにしなければならないと思いますが、先生御指摘のように、宗教団体の行事に参加する者だけを対象として施設を供与するということがありとすれば、その点は問題ではないかと思うわけであります。
○野田哲君 去年のことをあなた方は調査をしてお答えしますということになって、そのままになっているから私は聞いているんでありまして、もし何でしたら、私はここまで大人げないから写真をきょうは持ってきておりませんが、写真もあるんですよ。護国神社へ参拝する団体客のために自衛隊の敷地を提供していますからそこへ駐車をしてくださいということで、団体のバスがどっと駐車をしているんです。そういう標示もあるんです。だから、一般市民に開放した中にたまたまそこへ来る人の車が入っていたということじゃないんですよ。護国神社へ参拝をする人の専用の駐車場として自衛隊の敷地が提供されているんですよ。それだったら、明らかにこれは自衛隊の用地を宗教団体の便宜に供したということになるでしょう。どうですか。
○国務大臣(大村襄治君) 前回の御質問の際には施設云々の点はお尋ねがなかったものでございますので、調査の対象にしておらなかったわけでございますが、本日お話がございましたから、そういった事実関係は必要があればなお調査してみたいと考えます。(「いまの答弁許さぬぞ、そんないいかげんな答弁」と呼ぶ者あり)
○野田哲君 ちょっといまの最後は聞こえないんで、もう一回。
○国務大臣(大村襄治君) 駐車場云々の点につきましては、(「いいかげんなこと言うな、写真で示したんだ、いいかげんな答弁許さぬぞ」と呼ぶ者あり)写真につきましては、旧軍の帽子をかぶっている人の写真は見せていただきましたが、駐車場の標示に関する写真は、私の記憶におきましては御提示があったものというふうに記憶いたしておりませんので、(「政府委員がみんな持っていったんだ、私から。いいかげんなことを言うなよ、でたらめ言うな」と呼ぶ者あり)私の拝見しました中には、駐車場の標示に関するものは記憶になかったものでございますので、いまのような御答弁を申し上げたわけであります。
○野田哲君 この部分については質問を留保して、後刻また私は写真を持って、山崎委員と同じ写真を私も持っているわけですから、それをこの前一括して提示をしているにもかかわらず、そういう答弁では納得することができませんので、防衛庁関係に対する質問は留保して、後刻改めて質問をいたしたいと思います。 公務員制度全体の問題についてまず伺いたいと思うんですが、まず行政管理庁長官に伺いたいと思いますが、臨時行政調査会でいまいろいろ検討を進められている。この中で、七月に予定をされている緊急課題の中に、公務員の問題についての給与の抑制措置、あるいは人員の合理化等々が課題として挙げられているというふうに伺っているわけですが、それで、このことに関連をする先日の本会議における矢田部委員の質問に対する長官のお答えでは、これらの問題を進めていくに当たっては、必要なことについて、特に人事院の所管事項にかかわることについては人事院に要請をするんだと、こういう意味のことも答えられているわけでありますが、まず緊急課題として検討されている公務員制度については、どのような問題が検討課題として具体的に取り上げられているのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会におきましては、簡素にして効率的な政府をつくる、またそういう中央、地方関係を充実する、そういう考えのもとにいろいろ審議が進められておりまして、中央並びに地方の公務員問題につきましてもいまのような観点から審議が進められております。特に、地方の公務員問題や諸制度につきましては、地方自治の本旨を尊重しつつ中央との関係において、国の制度との関係において審議を進めると、こういう原則のもとに審議が進められております。 どういう結論が出てくるかわかりませんが、定員管理問題とかあるいは給与問題等も国の制度あるいは国の状況との対比等も考慮されて検討されておられるのではないかと思います。それらの結論が出ました場合には、政府は、法律にも明記してありますとおり、これを尊重して実行していくと、こういうことになっております。その際に、政府が単独で諸般の手続をして立法化、政策化を行う問題もございますし、あるいは人事院の所掌に属することもあるのではないかと思われますが、人事院の問題につきましては、しかるべき機関からそれを要請して立法化あるいは法制化の努力を願う、そういうことになるのではないかと思います。
○野田哲君 総務長官に伺いますが、いまの中曽根長官のお話ですと、国家公務員についてはしかるべきところを通じて必要なことは人事院に要請するんだと、こういうふうなお答えでありますが、そういたしますと、恐らくそれは公務員の諸制度については総理府を通じて人事院にしかるべく要請をされると、こういうことになるんじゃないかと私は推察をするわけですが、そういう理解でいいわけですか。
○国務大臣(中山太郎君) いま行政管理庁長官からお話がございましたが、現実的にどのような形をとられるかという具体的な御発言もございませんので、私としてはそのようなことが行われた時点で判断をさしていただきたい、このように考えております。
○野田哲君 人事院の総裁に伺いたいと思うんですが、いまの中曽根長官のような形で、公務員問題について、給与制度とかそれらの問題について臨時行政調査会から一つの答申といいますか、ある意見が出される、それを実行に移すために政府の方でしかるべき手続を経て人事院に要請をしていくんだ、こういう形になると、これは公務員に対しては争議権や交渉権、協約権を大幅に制約をしたり禁止をしたりしているその代償措置として人事院が設けられ、人事院の勧告制度があるわけでありますが、この人事院の性格あるいは勧告制度、この根幹に触れるようなことになってくるんじゃないか。使用者である政府の意向によって人事院に対していろいろ注文がついてくる、こういうことは人事院の公正、中立性というものに対して大きく性格が損なわれてくるんじゃないか、こういうふうに私は受けとめるわけでありますが、この点、総裁としてはどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 臨調は臨調としての立法のたてまえ、法律の精神、目的というものがございましょう。それはそれなりの存在意義というものを、これは法律が成立をいたしておりますので、そういう観点からこれは尊重するというたてまえでいかなきゃならぬことは申すまでもありません。ただ、いまお示しになりましたように、人事院には人事院としての任務なり性格なり一つのきちっとした線がございます。この線を踏み外すことは人事院の存在意義から申して許されないことであり、その点は限界があろうかというふうに思っております。 いま臨調でいろいろ御審議をなさっておられる段階でございますので、どういう結果が出てまいるかはむろんいまは予測の限りではございません。それらが固まってきた段階において、いま総務長官の方からお答えになりましたように、総務長官自体もその段階においてどうするかということを判断したいというふうに言われておりますが、さらにわれわれの方といたしましては、その判断の上で総務長官がどういう御判断をなさるかということになりまして、それを受けて、その段階においてまた人事院としての判断を下すということになろうかというふうに思います。 ただ、現行制度があります限りは、人事院の性格なり機能なりというものは、これははっきりとした一つの目標なり意義がございます、機能がございます。したがいまして、それを崩すような線ということにつきましては限界があるということははっきり申し上げておきたいと思います。
○野田哲君 人事院では、いま春闘が一段落をして、民間給与の実態調査をやられていると思うんです。これは例年の例によってやっていくというふうに伺っているわけでありますが、ことしの勧告については、やはり従前のような較差を解消していく、こういう方式で例年のようなテンポで進めていく、こういうふうに理解してよろしいわけですか。
○政府委員(藤井貞夫君) そのとおりでございまして、従前どおりのテンポで進めておりますし、目下調査の段階で、連日係官が苦心をしていろいろやっておる段階でございます。同じペースでもって処理をするつもりでございます。
○野田哲君 中曽根長官に重ねて伺いたいと思うんですが、臨時行政調査会の方は緊急の課題として、ことしの七月を目途にして公務員の給与の諸制度についての検討をされている。しかし、これはその結論を実行に移していくための具体的な手続を定めた法律は現在ないわけですね。現在あるのは国家公務員法あるいは給与法、こういう形で人事院がやっている作業、勧告、これを定めた法制度があるわけです。ことし緊急に七月を目途にしてやられているというこの公務員の給与諸制度の見直しというのは、具体的にはどういうことになるんでしょうか、実行に移すためには。ちょっとその辺が私はよくわからないんですが。
○国務大臣(中曽根康弘君) お答えが非常にしにくいのでございますが、どういう内容の報告が出てくるか、それがいまのところ見当がついておりません。各省庁からヒヤリングをやり、あるいは人事院の皆様方からも意見をお聞きして、目下案をつくっておる最中ではないかと思われます。したがいまして、出てきました案の性格、内容等を検討しました上で、これはどういう手続で処理さるべきものであるかということをよく関係機関で協議して決められていくべきものであると思っております。
○野田哲君 自治大臣、地方行政委員会の方を割いて来ていただきましたので、自治大臣にできるだけはしょって短時間で済むように進めてまいりたいと思うんですが、先ほどまだ出席がないときに、中曽根行政管理庁長官の方で国家公務員、地方公務員についての諸問題、給与制度とかあるいは人事管理の問題について検討を進めている。地方公務員についても、地方自治を尊重するというたてまえを崩さない形でやっていきたい。こういう趣旨のお話があったわけですが、地方公務員の場合には、やはり国家公務員に対する人事院の制度と同じように、給与諸制度については都道府県あるいは指定都市等については人事委員会という制度がある。そして手続についても、これは地方議会の条例でそれぞれの手続が定められることになっています。さらにまた、地方公営企業労働関係法の適用の現業あるいは公営企業の職員については、労働交渉に基づいて労働協約で定められる、こういう仕組みになっていると思うわけですが、そういう中で臨時行政調査会から地方公務員の人事管理にわたる面についての一つの答申といいますかあるいは勧告といいますか、見解が示されたとするならば、それは、地方自治を尊重する自治のたてまえを崩さない形でこれやろうとすれば、一体どういう方式があるでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 問題は、どういう答申が出るかということに係ると思っております、私は。 そこで、地方公務員の人事制度につきましては、いろいろな現行制度があるわけでございまするから、それが阻害されないような形においての問題解決をしなくちゃならぬことは当然のことだと思います。したがいまして、この点は第二臨調におきましても、地方制度あるいは地方の問題については第一次臨調でも答申がございましたが、そういうことも踏まえ、そしてまた現実の問題も十分に理解をしながら答申が行われるものだろうと私は予期をいたしているわけでございます。この点は、たとえば臨調の委員には地方制度調査会の会長もおることでございまするし、この辺の問題の扱いは臨調内部におきましても十分配慮されるのであろうと私は考えております。 したがいまして、その答申が、いまの問題提起されました事柄について非常に支障を来すというようなことにはならないだろうと、こういうふうに私は考えておるところでございます。また、臨調におきましても、そういう趣旨を十分に踏まえて答申というものを決定をいただきたいものだと希望いたしております。
○野田哲君 地方自治制度については、これは人事管理の面も含めて、もう一つ地方自治制度について検討をやっている機関として、地方制度調査会という機関が総理の諮問機関としてありますね。私は、やはり地方自治制度に関する限りはそこが基本的に審議をする場じゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、この地方制度審議会での審議と、それから臨時行政調査会での、これは人事管理問題に限らず地方自治制度、行政機構等について不一致の状態があらわれたとするならば、これは自治大臣としてはどういう判断をされるわけですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方制度調査会におきましては各般の答申をいままで提起をされておるわけでありますが、そこで、第二臨調においてこの地方の問題をどう扱うかということは、一つの問題点はあったと思います。しかしながら、現下の情勢といたしまして、地方の問題というものは国とかかわりなく行われるものではないわけであります。あらゆる面において国と密接な関係がある、制度の上においても、運用の面におきましても。そういう関連がありますから、地方自治の本旨が損われない範囲において第二臨調が地方の問題を扱うことは決して不当なものではないと、私はそう理解いたしております。そして国との関係が、特に人員の配置の問題なんかもそうでございまするし、これは国の方の制度をある程度見直してもらわなければ解決しない問題があるわけであります。そのほか、多くの点において国の制度にかかわっての地方の問題というものが大変なウエートを占めておるのも事実でございます。この点は、第二臨調におきまして国の制度というものをその点からも見直してもらわにゃならぬと私は考えておるわけでございます。 そういうことで、第二臨調においては、地方自治の本旨を踏まえて、その中に立って国の行政のあり方というものも考えてもらわにゃいかぬし、また地方自治の本旨も生かすような、そうした答申に相なるべきものだろうと私は考えておるわけでございます。 そういう方向でこれからは進められると思いまするが、さてそれが相矛盾するような形において答申が行われた場合には自治省としては一体どう考えるかというのが御質問の要点のように承りました。 この点は、地方自治の本旨というものは日本の発展のために車の両輪としてきわめて重要な問題でございまするので、その答申が出た暁におきまして、その問題の根幹に触れるようなことがございますれば、自治省としてもまた意見を申し述べにゃならぬ、そういうことに相なろうと思います。
○野田哲君 地方制度調査会でも議論をされ、そして地方行政委員会やあるいは当内閣委員会、予算委員会等でも何回も議論をされた問題として、地方事務官制度というのがあることは、大臣も知事の時代からよくこれにかかわってこられて御承知だと思いますが、地方自治法発足以来、私もこの「当分の間」という法律で使っている言葉が三十年以上も続いたというのは、日本語の「当分の間」というのはずいぶん都合のいいものだなあとあきれ返っているんですけれども、これについては安孫子自治大臣としてはどういう解決の方向を考えておられますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方事務官制度は、約十数年前からこの問題がありまして、そしてそのとき閣議の一応の了解といたしましても、これはきちんと形をつけるべきじゃないかというような了解もできておるわけでございまするし、自治省は自治省なりにその間におきまして最大のこれに努力をしてまいりましたが、御承知のとおりに現実の問題といたしましてはなかなかこれが解決をしない。一部解決したものもございまするが、大体解決しないで今日に至っておると、こういう状況でございまして、この点、私といたしましてもはなはだ遺憾に思っておるところでございます。 地方団体の立場から申しますというと、どうしてもこれを早く片づけてもらわにゃいかぬと。まあ「当分の間」という論議は別といたしましても、とにかくこれを片づけにゃいかぬという、片づけてもらわにゃいかぬというそういう要望が非常に強いわけでございまして、それを受けましてまた閣議了解の趣旨もございまするので、自治省といたしましては、いまでもその問題についてはいろいろと努力をしている最中でございます。 今度第二臨調というこの制度が発足をいたしましたについては、とにかく国と地方との関係について、ひとつ機能分担なりあるいはその体制をきちんとしようじゃないかという問題も提起されておるわけでございまするから、この第二臨調におきましてもこの問題をけじめをつけるというような形に、ぜひしていただきたいものだと、こういうふうに私としては希望しておるところでございます。
○野田哲君 けじめをつけてもらわなければいけないと思うんですね。法律の附則の中で「当分の間」という扱いをされている公務員が全国で何千人もいるというのは、これは全く変則的ですよね。 そこで、問題はけじめのつけ方の問題です。国会で総理なりあるいはいままで行政管理庁の長官なりが答弁をされている、あるいは地方行政委員会で何回か決議がされている、これを尊重する方向でのけじめ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) そういう方向でけじめをつけていただくことを私としては希望いたしております。
○野田哲君 中曽根長官はいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方事務官制度の問題がまだこういう状態であることははなはだ遺憾でございまして、今度の行政改革ではぜひ解決を実現したいと念願しております。どういう答申が出ますか、その答申を待ちまして判断いたしたいと思っております。
○野田哲君 自治大臣ありがとうございました。結構です。 中曽根長官にはもうちょっと出席をしておいていただきたいと思いますが、臨時行政調査会の事務局の方見えておりますか。――この間の新聞の発表、各紙見たわけですけれども、五月十一日に、七月の第一次答申に向けての具体的な項目というのが十一項目ばかり挙がっているわけですが、この中に「高齢者の退職促進」それから「財政再建期間中の給与の抑制措置」「退職手当の合理化」、こういう項目が挙がっているんですが、これはこのとおりのことを検討課題としてやっているわけですか、どうなんですか。
○政府委員(佐々木晴夫君) お答えいたします。 五月十一日に部会の方から総会に対しまして、部会長から審議の方向につきまして種々御報告を申し上げました。その中の項目が、公務員の問題につきましては定員、それから給与、退職金、こうしたものにつきましてこの緊急課題の中で取り上げるべきではなかろうかということで御報告したのが事実でございます。その際の問題の視点としまして、世上種々論議されておりますものの、項目が一応議論の対象として提出をされております。部会長からの御報告の一部にそうしたような項目があったことは事実であろうと思います。
○野田哲君 総務長官、私どもいま公務員の退職の制度について法案が出て審議しているわけですね。それから退職手当の問題も改正案が出ているわけです。これ審議しているさなかに臨時行政調査会の検討課題として出す。全く、私どもがいま審議していることについて、高齢者の退職促進の具体的な方策とか、あるいは退職手当の合理化と、こういう問題が七月に向けての第一次答申の課題として第二次臨調で議論をされている。こういうことであれば、いまの改正案は一体何のための改正案なのか、私どもはこういう疑義を抱かざるを得ないんで、こういうものがいま臨時行政調査会で検討されているのであれば、しかも七月の答申の中へ入れる項目として検討されているということであれば、今後の取り扱いについてはそれを待って検討してもいいんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、そうじゃないでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 臨時行政調査会では先生御指摘のような点も御検討が行われるというふうに風聞をしておりますけれども、この法律案が成立をするかどうか、この国会ではまだはっきりとお約束をいただいていないわけでございますから、臨時行政調査会としては当然公務員制度全体についても意見を述べられることもこれはあってしかるべき問題だろうと、このように考えております。
○野田哲君 いずれにしても、いまの法律案についても実施については昭和五十七年、一番最短距離でいって昭和五十七年一月ということになっているわけですね。定年制についても、いずれにしてもいますぐ即実行ということにはなっていないわけですね。そうすると、ことしの秋には、第二次臨時行政調査会の緊急課題の答申を受けて、行革国会と銘打って第二次臨時行政調査会から出されたものを鋭意検討しようというスケジュールが組まれているわけでしょう。それならばそこで審議しても同じことじゃないですか。そうでしょう。いまやっておいて、また何も臨時行政調査会から出たものを審議をする、こういう二重手間をやらなくても、第二次臨時行政調査会で出たものを待って、秋の行革国会と言われている国会でやってもこれからの実行効果についてはちっとも変わらないんじゃないですか。会期ももう残り少ないですから、どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 私はもし、この法律は御指摘のように五十七年一月一日というふうに衆議院で修正をされた、また定年六十歳六十年ということでございますけれども、この法律案をこの国会で成立さしていただきますと、臨時行政調査会の方も、ああ、あのむずかしい法案もやっと野党の御協力のもとに成立をしたかと、こういうことで、この問題はもうよけてもいいという御判断をいただけるのではなかろうかと、私はそのように考えております。
○野田哲君 いずれにしても、法律の手続は二重手間になることは間違いないんで、これこそ私は行政改革じゃないが、改めなきゃいけないと思うんですよ。実行の結果がいずれにしても昭和五十七年以降の問題であれば、すべてが出そろったところで秋の国会で審議をして十分同じ結果が得られると思うんですが、中曽根長官、いかがでしょうか。そういう二重手間を省くことこそ大事なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) やっぱり先発列車は早く着駅さして、車庫入りさして後発列車を出させることが能率的じゃないかと思います。
○野田哲君 一つの列車へ積めるものを二回に分けて積むことはないんです。まあこの問題の押し問答はこのぐらいとして、こういうふうな同じ課題を片一方国会でやり、その足元からまた次をやるぞと、私はこういうことでやられることはそれこそ省くべきむだじゃないか、こういうふうに思いますが、長官、もうこれで終わりますから、ありがとうございました。 引き続いて、行政管理庁の方に伺いたいと思うんですが、行政管理庁から「国家公務員の定員管理の経過と現状」、こういう調査資料が示されたことがあると思うんですね。そこで、その内容について伺いたいと思うんですが、日本の公務員の数、これが就労人口に比較して何人に一人、幾らの割合になるのか、あるいはまた総人口に比較をしてどういう状態になっているのか、その現状をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(佐倉尚君) 人口千人当たりの数を申し上げますと、わが国の場合国家公務員並びに政府企業、地方公務員、国防を除きますと四十二・四人と、こういう数字が出ています。それから就労人口当たりという御質問でございますけれども、わが国の場合就業人口千人当たり、同じ性格の数字でございますが、九十一・九という数字になっております。ただいまの四十二・四の方は一九八〇年の数字でございますが、就業人口千人当たりの数は一九七六年の数字でございます。
○野田哲君 就業人口千人当たりで、国防関係を除いて約九十二ですね。イギリス、フランス、アメリカ、西ドイツなど、いわゆる先進国と言われているこのサミットに集まってくる各国との比較ではどうなるでしょうか。イギリス、フランス、アメリカ、西ドイツ等どうなっていますか。
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話、公務員の数を外国と比較するということでございますが、これは御存じのとおり、国によりましていろいろ役割り分担の問題あるいは国が直接経営する企業と申しますか政府企業と申しますか、そういうものの範囲が国によって異なっております。そういうことでございますので、なかなか単純に比較するということはできないわけでございますが、いまの御質問の数、現在の制度をそのままにして比較申し上げますと、就業人口当たりというお話でございますので、わが国の場合には、先生いまお話しのとおり約九十二と、イギリスの場合二百十五・四という数字があります。フランスの場合百五十・〇、それから連邦国家でございますと、アメリカの百六十八・九、西ドイツの百七十九・一と、これそれぞれ一九七六年の数字でございますが、一応そういうような数字になっております。
○野田哲君 人口当たりにするとかなり少ないですよね、日本の場合は。総務長官もよくひとつ聞いて認識を深めていただきたいと思うんですよ。日本はイギリスに比べるとまさにこれはもう半分をかなり下回っている。西ドイツ、アメリカの約半分、こういう状態です。フランスに比較しても非常に少ない。確かに局長の言われたように、民業と官業との分野というものが一定していないということは、多少は出入りがあると思うんですけれども、しかし資本主義体制ということの中ではそう大きな開きはないと私は思うんです。あるとすれば、これはやはり公営企業の分野が官業か民業かというのが若干あるいはあるかとも思うんですけれども、違いが。しかし、いずれにしても世間が公務員の数は多いんだ、多いんだというふうに一般的な印象を持って受けとめられていることとは実態はかなり違う。こういう点は、私はやはりそれなりに具体的な数字として受けとめておかなければならないんじゃないかと思うんですね。 これらの資料は臨時行政調査会にはそれぞれ提供をされるわけですね、こういう実態ですよということは。
○政府委員(佐倉尚君) ただいま申し上げました数字その他の関連する数字も、その部分につきましては当然臨時行政調査会の方に提示し御説明申し上げている数字でございます。
○野田哲君 そこで、引き続いて行政管理庁に伺いたいと思うんですが、一口に公務員と言っても職種が非常に多種多様ですね。世間では、一般的に公務員と言えば各省庁の机に向かって仕事をしている俗に言うホワイトカラー、こういう認識が非常に強いと思うんですが、私はやはり一口に公務員、公務員と言われているこの公務員の内訳についても、正しい認識を持っていかなければ処理を間違うことになるんじゃないかと思うんで、公務員の中の内訳について、私がいまから私の資料で申し上げることについて事実かどうか答えていただきたいと思うんですね。 割合をまず申し上げたいと思うんですが、私の調査では、一般会計については約五十八万人、これは全体の公務員の中で特別会計等との比率で言えば五〇%以下、四八%ぐらいで、そのうちで一番大きな分野を占めているのは自衛官、これが二十数万人で約二二%ぐらいを占めている。その次にこの比率の高いのは、防衛庁の職員で自衛官でない人たち、これが二万数千人いて、これを加えると約二五%、全体の四分の一ぐらいは自衛官で占めている。その次の大きな比率が国税庁、これが五万三千人ぐらいでしょうか。それからその次が国会の職員とか裁判所の職員、会計検査院、人事院等ここが二・六%ぐらい。こういうふうに、大きいところで言えばずっとこの比率を占めている。こういう資料があるわけですが、あとは矯正官とか試験研究関係の職員とか、海上保安庁とか検察庁とか、職業安定関係とか税関とか、いろいろあるわけですが、大体そういう比率になっている。この実態は間違いございませんか。
○政府委員(佐倉尚君) 一般会計の中でのお話でございますが、先生のおっしゃるとおりでございます。
○野田哲君 特別会計の方を見ますと、五現業が約三十数万人ですか、三十五万人ぐらいで、の特別会計の職員のうちの約三〇%近くを占めている。その中では特に郵政事業が一番大きい、約三十一万人。それから国有林野。この五現業に次いで大きいのが国立学校、これが約十二万七千人、その次が国立病院、これが約五万人、それから公共事業が約三万五千人、それから社会保険が二万七千人程度、こういうふうな形の比率になっている。これも間違いございませんか。
○政府委員(佐倉尚君) 五現業の人数が特別会計の中で約三〇%を占めているというのは、約三〇%――二九・五%という五現業の数字は公務員全体の数字でございますので、特別会計の中だけではございませんで、そこだけちょっとあれでございましたが、あとは全部先生のおっしゃるとおりの数字を把握しております。
○野田哲君 いまの公務員の比率からいきますと、大体自衛官と、それから五現業、一般会計、特別会計含めると、これだけでもう圧倒的な、半分以上を占めているということで、こうやってずっと拾い上げていくと――総務長官、よく聞いておいてくださいよ。いま公務員削減という議論が大きく議論をされているわけですが、こういう比率から見ると、まず一般会計の中で公務員の削減によって財政効果を上げていこうとすれば、その比率から言えば圧倒的にこれは自衛官になってくるんですよ、抑制の分野で一番大きい比率というのは。特別会計の分野でいけば、これは郵政あるいは国立学校、病院、こういうことで、これらは自衛官にしてもあるいは特別会計の中の各事業あるいは国立学校、国立病院は社会的な要請からいってもとても抑制されるような雰囲気ではないわけですね。一体、佐倉局長、どこが抑制の効果が上げられる分野だというふうに行政管理庁では考えておられるのですか。
○政府委員(佐倉尚君) 抑制の効果が上げられるという意味はなかなかむずかしゅうございまして、国家公務員の数をできるだけ抑制し、簡素にして効率的な政府をつくるというのが行政改革の趣旨でございますが、そのためにはなるべく国家公務員もぎりぎりの抑制を続けていくということが必要であろうかというふうに考えておりますが、いま先生御指摘のように、それぞれ現業的な分野につきましては、かなり前からかなりの抑制も続けてきておりますのでなかなかむずかしい点がありますけれども、さらにその合理化を進める、機械の導入等によって合理化を進めていく。あるいはその他の事務につきましても、時代が変わって国がやらなくてもいいというようなものがあれば、そういうものについての数を減らしていくというようなことでせっかく努力しているわけでございますが、なお一層この努力は続けるべきであろうというふうに考えております。
○委員長(林ゆう君) 午後一時から委員会を再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時十分開会
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 人事院に伺いますが、人事院の方では昨年の勧告に当たって公務員制度全体の見直しを行う、こういうふうに述べておられるわけですが、この作業はいつごろ成案を得て、いつごろ実施をすることを目途にやっておられるわけですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 現在の公務員制度というものが大体定着をいたしまして今日まで来ているわけですが、これは三十年余を経過しているわけでありまして、その間いろんな情勢の変化があったということで、ここでやはり根本的また長期的、総合的な検討をすべき時期に来ておるのではないだろうかという判断に立ちまして、昨年の八月の給与勧告の際にあわせて報告としてその旨を申し上げたのであります。 この作業は、本年度から具体的にやっております。私の大体の見当といたしましては、本年度は基本的ないろんな調査、実態調査というものに重点を置きたいということでございまして、来年度、五十七年度はこの調査に基づいてもう少し掘り下げてやらなきゃならぬ、補足的にやらなきゃならぬというような問題もございましょうから、そういう補足的な調査を中心としてやりながら、検討、分折という作業に移ってまいりたいというふうに考えております。その結果、五十八年度には大体の方向を打ち出してまいりたいというつもりでおりまして、それから後はまだどういうふうになるかわかりませんが、法案の問題その他の諸準備のこともございましょうから、それらの点を頭に入れますと、大体六十年を目途にということに置きまして、目下諸準備を精力的に進めておるという段階でございます。
○野田哲君 その見直しの範囲といいますか課題といいますか、それは大体どんなものですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 非常に広範な範囲にわたっておりまして、これらにつきましても結論が出たという段階ではなくて、その中間の過程におきましても何らかの方法で、こういうことの問題があり、こういう点についてこういう掘り下げをやりながら対策を樹立しておるんだ、あるいは検討を進めておるんだというようなことを中間的に御報告を申し上げる機会もぜひ持ちたいというふうに思っております。 ただ、概括的に申しますと、ここで詳細、全部網羅的に申し上げることもいかがかと存じますが、われわれの目標といたしておりますのは、給与制度のみならず任用制度その他人事行政諸制度全般にわたって、ひとつ将来的な展望のもとに今後十年、二十年の長期にたえる制度というものをつくり上げてまいりたいという意欲を持っておるわけでございます。 具体的に申せば、たとえば任用問題一つとりましても、これは社会全体の高年齢化あるいは高学歴化というような状況が非常にどんどん進みつつあるような状況でありまして、たとえば具体的に申せば、大学進学率というものが全体的に見て平均してすでに二六%を超えておると。これはさらにいままでのように一本調子で上げるというわけではございますまい。おのずからその速度は弱まると思いますけれども、すでにいままで二六%、男子だけをとりますと四〇%ということに相なっております。 こういうことがたとえば試験制度の実態にも大変大きな反映をいたしておりまして、いつかも例示で申し上げたこともあったかと思いますが、たとえば四年制大学を卒業した、そういう者を対象として実施いたしておりまするものの試験の中に上級公務員の試験というものがあるわけです。そのほかに短大卒業を対象とした中級試験、それから高校卒の初級試験という、大まかにこの三つの段階の試験があるわけです。種類はもっといろいろございますけれども、段階別に申せば上級、中級、初級ということになっておるわけですが、この中でたとえば中級。本来は短大程度ということを対象にいたしておりますが、これが最近四年制大学の卒業者が非常にふえてまいりまして、に最近の調査でも九五%が中級の合格者になっておる、四年制大学の人が。それから初級試験は、これは高校卒のはずなのに、その合格者を見ますと一〇%を超えている、四年制の大学の卒業生が。というような結果が出てまいっておりまして、これにはいろんな背景なり理由なりというものを分析してみればそれぞれの理由があるかと思いますが、しかしこれはやはり社会の実態から見て、その試験、そもそもの区分というものが適当なのかどうかということは、やはり反省してかからなければならぬ時期に来ておるんじゃないだろうかというような点が具体的に申してございます。 それからまた昇任試験というのは、これは御承知のようにいままでは採用試験というものは全般的にやっておりますけれども、一たん入って、それから上の方に上がっていくための一つの関門としての昇任試験というものは、公務員法自体には書いてございますけれども、これが実際には行われないで事実上は全部選考でもって行われてきておった。大体それでいままではうまくいっておるというふうに見ていいと思うんですが、しかし、いま申し上げましたその試験区分の関連等から見まして、たとえば具体的に申せば、中級試験を通った四年制大学卒業者の方々がある省に採用される。これが、入ったときは、採用されましたときは、自分は中級試験を受けたんだからまあこういうことだという意識はございましょう。それが五年、十年たって、具体的に言って十年もたつということになりますと、そこにおのずから問題が起きてまいります。同じような仕事をしているんじゃないか、同じような私は資格があるんじゃないかというようなことになりまして、そこに職場の管理の面からもいろいろの問題が起きてくるということは火を見るよりも明らかであります。現実にいまそういう声がすぐにほうはいとして各職場に起きているわけではございませんけれども、必ずそういう問題はここしばらくすれば問題になる。これに対する対応策として、昇任試験その他のことも現実の問題として取り組んでまいらなきゃいかぬじゃないかというような点がございます。 それから給与制度自体も、これはもう長い間いまの制度が運用されてまいりまして、毎年毎年の状況変化に対応するそれぞれの手直しはやってまいっておりますけれども、基本は非常に変わらずに長い間維持されて今日まで来ております。その俸給表の種類とかそれから等級の構成とかあるいは号俸別、号俸のやり方とか、そういう問題についてもやはり実態に合わせてもう少し考え直して、根本的にやはり長期展望にたえるようなものを考え出さなきゃならぬ時期に来ておるのではないかというような問題もございます。そのほか、そもそも本俸と手当のあり方、その関連性というのはどうなのか、配分の際に、本俸にどの程度の重点を置いて手当その他にはどの程度の配分をすべきなのか、そういうような問題、あるいは地域給の問題、いろいろございます。こういう点をひとつ虚心に現状の分析をやり、問題点を掘り下げまして回答を出していきたいというようなことを考えておりまして、その他人事行政の諸分野にわたって同じような角度で検討し掘り下げをして対案を出してまいりたいと、かように考えておるのであります。
○野田哲君 いま、公務員の退職の制度と、それからそれに伴う退職手当の制度、この問題を審議しているわけですが、いま総裁が言われたような形で任用から昇任、給与制度、広範にわたって公務員制度の見直しを行う、こういうことにして作業を進めておられるわけですが、定年制の問題、これを制度として、法律として実施する、こういうことになりますと。後でまた具体的に詳しく聞きたいと思いますけれども、現在は退職勧奨制度というものがかなり定着をしていると思うんですね。したがって、五十六、七歳ぐらいのところでやめていく、こういう形でのローテーションといいますか五十六、七歳ぐらいのところでやめていくという形で、各省庁ともそれぞれ昇任、昇格等が行われている。そして大学の年次別の、わかりやすく簡単に言えば、局長には今度は第何年次の者がなっていく、今度次官に何年次の者がなっていったから、そこでそれぞれの局長になっている同期の者がやめていくとか、こういうおよそ公務員間の不文律のような形でのローテーションというものがおのずからいまできておりますね。 これが六十歳定年制ということになると、従来どおりの形ならばそれなりのことになると思うんですけれども、六十歳ということで、そこまで目いっぱいみんな勤めるということになると、そのローテーションはかなり変わってきます。変わってくるし、指定職なりあるいは行政職(一)表の一等級、二等級、三等級それぞれの在等級人員、年数、こういうものもずっとかなり変わってきますね。これらの問題点はどういうふうに考えておられますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 御指摘になりましたように、そういうローテーションというものはおのずから漸次変化をしてまいるということは、現実問題として当然あり得ることだろうと思います。また定年制というものをしく限りは、そういうローテーションの変化があらわれてしかるべきであり、それが自然の趨勢であろうというふうに考えます。それは、現在行われておりますような各省庁の実態から見て、おのずからローテーションが後にずれるという形になってあらわれてくるのではないだろうか、当然のことだと思います。御本人自体も、やはり一般的に言って六十歳まではそのまま安んじて仕事についていいんだということになりましょうし、人事管理の当局者にしてもそういう前提にして仕事を進めるわけでございましょうから、現在までの、各省によって違いますけれども、五十六とかあるいは五十七、八とかいうローテーションが先に少し延びていくというのは当然の勢いであり、趨勢であろうというふうに考えております。 ただ、それは人事の流れの問題ですから、急に定年制をやるからと言っていまから、来年からすぐにそれを変えるというような筋合いでまいるものでもございません。なだらかなやっぱり流れの中においてそれを処置していかなきゃならぬという点がございましょう。そういうことがございますので、この定年法案の条項にも、そのことを前提といたしましていろんなことの調整措置を総理府なりわれわれの方でひとついたそうではないかというふうな、そういう規定も設けておりますし、各省庁もそれなりにもうすでに具体的にいろんなことを考えつつ今後に対応する人事のローテーション計画というものを進めつつある、また、これから進めてまいるというふうに考えられるところでございます。
○野田哲君 これは人事院の担当局長で結構ですが、各省庁別に調査をした五十五歳以上、それからその内訳として五十五歳から五十九歳まで、六十歳から六十四歳まで、六十五歳以上、こういう形での比率を調査されておりますね。これ、ちょっとめんどうだろうと思うんですが、六十歳から六十四歳まで、それから六十五歳以上、これを省庁別にちょっと数字を挙げていただけませんか。
○政府委員(斧誠之助君) 主なるものを申し上げますと、在職率で申し上げますと、六十歳から六十四歳まで、六十五歳以上、つまり六十歳以上の在職率が非常に高い省庁としましては宮内庁、これが九・二%、それから北海道開発庁、これが四・七%、それから文部省、これが四・五%、厚生省四・一%、それから建設省が四%、これらの官庁が四%以上の六十歳以上職員の在職率でございます。
○野田哲君 平均して六十歳から六十四歳まで、それから六十五歳以上が何%になりますか。
○政府委員(斧誠之助君) 給与法職員で申し上げますと、六十歳以上職員は一万四千七百七十二名で二・九%でございます。
○野田哲君 宮内庁の方見えておりますか。――宮内庁が各省庁の年齢構成から言えば飛び抜けて六十歳以上の比率が非常に高いんですが、これはどういう事情にあるのか、そしてどういう職種の方が年齢構成が高いのか、ちょっとその辺のいきさつを説明していただきたいと思います。
○政府委員(山本悟君) 御指摘のとおり、宮内庁の職員構成は他の一般官庁に比較いたしまして高齢の職員が多いということも事実でございます。考えてみますると、一つには、昔といいますか戦前の宮内官と言った時代からずっとそのままのかっこうで一生宮内官として勤めると、他には絶対終わっても行かないというような考え方でもって勤務をするという者が多かったのも事実であろうと思います。それが戦後、一般職の国家公務員というように大部分が切りかわったわけでございまして、そういった点の伝統もあろうかと存じますが、実際の取り扱いといたしまして、現在宮内庁では管理職は六十歳、それから一般の職員は六十五歳でいわゆる勧奨退職と、こういうことをずっと戦後いたしているわけでございまして、そういうような点から申し上げましても、他の一般の官庁の方々が比較的早くおやめになると、五十代で勧奨退職が行われるというようなところに比べますと違った事情があろうと存じます。したがって、六十歳から六十五歳のところは勧奨もいたしてないわけでございますから、非常に多いというようなことにもなっていると存じます。 さらに、そういうようなことが公務員の管理として宮内庁としてやむを得ずやっておりますという理由は、いま先生御指摘のとおり、宮内庁というところは、他の一般のデスクワークをやるような官庁と違いました非常に特殊な職種を多く抱えているということが申せると思います。約一千百人の宮内庁職員が全部でおるわけでございますが、そのうち三割強はいわゆる行(二)という職種でございます。そのほか研究職でございますとかいろんな者がおりまして、一般官庁並みの行政職(一)というのは約六割にすぎないと、こういった事情もございます。 さらに申し上げますと、ごく特殊な侍従でございますとか女官でございますとか、こういった者は初めから一般職じゃなくて特別職にしていただいている。それと比較的似たような職種というものを一般職のままで多く抱えている。たとえば侍医というものでございますとか、各宮家におります宮務官でございますとか侍女長でございますとか、こういったようなことになってまいりますと、ちょっと一般の職としての公務員というようなものと実は毛色の違ったような者もいるというような点もございます。それから奥の方のいわゆる侍側に奉仕する男性、女性の職員といったような者は非常に経験というものが一番重要になってまいりまして、若ければ若いほどいいというような言い方にもならないというような点もあろうと存じます。 そのほか特殊な職種といたしましては、たとえば式部職所管に楽部というものがございます。そこに楽師というのがございますが、これはいわゆる雅楽を中心にやっている者でございます。こういうのがございます。それから書陵部の中には図書課というところがございまして、古文書を持っているわけでございますが、図書課だとかあるいは正倉院だとかいうところには補修関係をする、いわゆるその古文書なんかを直す、そういった補修をするような職種もございます。こういったような者はどう考えてみましても非常に経験を必要とし、かつ人も得がたいというようなこともありまして、おのずとそういうところは長くならざるを得ない。急に変えてすぐさま新規採用して職を求めてくる者から採用できるというふうなものじゃございませんので、そういったような事情もあろうかと思います。 そのほか、わりあいにまとまった職種として多いのは、書陵の陵墓関係の管守をやっている職員が相当いるわけでございます。こういったような者も比較的いろんな各地に散らばっておりまして、必ずしも若い者がすぐさまとれるというわけではない。やはりそれはそれなりにその地域としてずっと御陵をお守りしてきたというような職員もずいぶんいるわけでございまして、そういうような特殊な事情というのがいろいろと宮内庁職員の中にはあるわけでございます。そういったようなことが反映をいたしまして、ただいま御指摘のような年齢構成になっているというようなことが申せるのではないかというように思うわけでございます。 最初に申し上げましたように、課長以上は六十歳、それから一般は六十五歳、医師なんかは六十五歳というようなことでやっているわけでございますが、たとえば医師等にいたしましても、六十五歳以上でも余人をもってかえがたく、ぜひともいてもらいたいということで、陛下さんの侍医あるいは東宮侍医というような医者の関係にはそれ以上の人も相当いる。それから一般の職員の方の六十五歳以上の者も数名おりますけれども、こういうようなのはどこが多いかと申しますと、いわゆる各宮家にいる宮務官だとか、侍女長だとか女嬬だとか、そういったような特別な職種の者が六十五以上になってもなおやはりこちらの立場から言っていてもらわなきゃ困るというようなことにもなっているというような事情もございまして、ただいまのようなことになっている。これが宮内庁というものが他の一般の行政官庁と違った特殊事情ではないかというように存じているわけでございます。
○野田哲君 そういたしますと、中山総務長官が強力に推進しようとしているこの定年法が一番大きな被害を及ぼすのは、あなたが尊敬してやまない天皇の身の回りが一番被害を大きく受けると、こういうことになるわけですが、次長ね、いま言われた大体一割ですね、おたくの職員で言えば。一割の人が六十年になるとやめていかなければいけない。これは宮内庁としては大変なこれ影響を受けることになるんですが、おたくの方はそういう実情を訴えて、余人にかえがたい職とか、あるいはこの充足が困難な職とかいうことで例外的な取り扱いを受けようというふうにお考えになっているわけですか。
○政府委員(山本悟君) 先ほど申し上げましたように、これらの高齢職員の中にも相当部分というものは、何といいますか行(二)的な、あるいはこの今回の御提案になっております法律におきましても六十三歳あるいは六十五歳というようなところに初めから該当するであろうと思われるような者も相当入っているわけでございます。そのほか、先ほど一、二申し上げましたが、たとえば楽師でございますとか宮務官でございますとか女嬬、そういったような者、あるいは陵墓守部の職員でございますとか、こういったような職種につきましては、やはりそれぞれその必要性とそれから獲得することの可能性、あるいは養成に多年を要するといったような特殊事情があるわけでございまして、それぞれはまたこの法案の成立の状況によりまして必要な部分に、人事院あるいは人事局、そういったところにそれぞれの特殊性はお話しをし御理解をいただくような努力をしていかなきゃならぬ、かように存じているわけでございます。
○野田哲君 中山総務長官、いま宮内庁の次長の言われたようなことからいくと、かなりこれは公務員の退職の制度ですね、ターミネーション、リタイアする制度にあなたや人事院の総裁の情実が入りますね、これ。どうですか。
○国務大臣(中山太郎君) お言葉でございますが、情実は入らないと思います。ただ、実態的に人事院がどのように判断するか、それはあくまで人事院が公正な判断の上で制度の運用を図っていただきたいと、このように希望をいたしております。
○野田哲君 その判断ということになると基準がないわけですから、人事院の総裁のかなり恣意的な情実が作用するんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 基準はつくるつもりです。いまでも大体のところは、事前に各省庁の御意見も実情もつぶさに検討をいたしまして、それぞれこの点はどうだろうか、この職員についてはどういう特例を設けた方がいいんだろうかというような点も考慮しつつ基準の作成に当たりたいと思っております。まだ最終的なものは今後さらに補正を加えなきゃいかぬと思っておりますが、大体の考え方の骨子というものはできておるつもりでございます。基準がございますので、そこに次意の働く余地がございませんし、人事院としての私の立場から申して、恣意など入るということはこれは最も悪いことでございます。そういうことは毫末もないように従来からも身を正しくしてやってきたつもりですし、今後ともその点は同じ姿勢でもって貫いてまいりたいと思っております。
○野田哲君 大蔵省の造幣局の方見えていますか。――造幣局の場合には、六十歳以上の人は私の調査によると一人もいない。これは造幣局、印刷局は非常に珍しいケースですが、各省庁の中では。六十歳以上は一人もいないということになっているんですが、そのとおりですか。
○説明員(田中泰助君) 造幣局の場合、六十歳代の方は現在二人いらっしゃいます。構成比で〇・一%でございますけれども、六十二歳の方と六十三歳の方で病院の医師でございます。
○野田哲君 医師だから、結局一般職は一人もいないということですね。
○説明員(田中泰助君) そうでございます。
○野田哲君 造幣局の場合に、各省庁の年齢構成をずっと見ると非常に珍しいケースなんですが、おたくの方は六十歳以上は一般職では一人もいない、医師が二人いるだけだ。これは、職員が退職する制度として何か特別の措置が講じてあるのか、それとも、おたくの場合には公労法に基づいて労働組合との間の合意によってやっているのか、その辺の事情をちょっと説明していただきたいと思うんです。
○説明員(田中泰助君) 造幣局におきましては、いわゆる勧奨退職をやっておるわけでございますけれども、これは労使間の合議に基づきまして医師が満六十四歳、その他の一般の職員は、今年度でございますと男子六十歳、女子五十九歳ということで、これまでは例外なくこういう線でスムーズに退職が行われておるということでございます。
○野田哲君 労使の合意でやられていると、こういうことですね。
○説明員(田中泰助君) そうでございます。
○野田哲君 印刷局見えておりますか。――印刷局の場合も、私の調査によると六十歳以上の一般職の方はいないという形になっているんですが、そういうことですか、実情は。
○説明員(山本六男君) お答えいたします。 六十歳ということで組合との間で協定を結んでおりまして、それが満六十歳でございまして、四月一日現在では六十歳以上の方が三十九人となっております。
○野田哲君 その三十九人もことしじゅうには六十歳に達した年でやめるわけですね、そうすると。
○説明員(山本六男君) 原則としてそうなっております。
○野田哲君 総務長官、いまお聞きのように、ずっと各省庁の状態を、年齢構成を調べてみると、きちっと六十歳以上のところは一人も一般職はいない。医師のような特殊の例以外はいないというのが、まれな例なんですけれども印刷局とそれから造幣局なんです。 それはお聞きのように、退職勧奨がしゃにむに強引に行われているからではないんです。労働組合が公労法の適用、五現業の組合では交渉権、協約権を一般職の公務員の組合よりは若干権利的に言えば保障されているわけです。労使の交渉事項、協約事項になっているから、そこでスムーズに処理がされているわけなんです。ですから私どもは、定年制度ということについて実際に各省庁の置かれている状態を見ると、きわめて対照的なのが組合等の組織のない宮内庁と、きちっとした公労法の適用を受けて交渉権、協約権がある程度保障されている印刷や造幣のところが一番対照的な例なんです。ですから、これは法律で画一的に切り捨てなくても、労働組合に交渉権や協約権を保障すれば退職制度についてはスムーズに処理ができていく、これをはっきりと示しているんですよ。 もっと言えば、私が省庁別にずっと調べたところによると、組合の結成を保障されていないところほど高齢者の層が多いんです。そういう例になっているんですよ。保障されていても実際に組合がないところ、こういうところが六十歳以上の高齢者が案外多いんです。組合との間で交渉権、協約権を保障されている、いないにかかわらず、労使間で交渉が慣行化され、そして職員の退職の処理については労使で交渉をやっていくんだということがずっとルールが守られているところは、きちんと労使間でけじめがついているんです。そういう実情を私はまず総務長官に知っていただきたいと思うんですが、いまの実情、ごく何カ所かの実情ですけれども、いかがですか、どういうふうに感想をお持ちですか。
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの、各省庁で組合があるところとないところ、組合があるところが非常にスムーズに人事管理が行われているという点は、私は事実として認めたいと思います。
○野田哲君 それならば、何もこの法律を出さなくてもいいんですよ。全体トータルしてもわずか二・九%ですね。百人のうちの三人の首を切るための法律をわざわざつくることはないんじゃないですか、こういうふうに考えるんです。 そこで、退職勧奨制度についてどういうふうに定着しているのかという点でお伺いしたいと思うんですが、人事院は各省庁の退職勧奨制度の運用の実態把握をされておられますか、いかがですか。
○政府委員(斧誠之助君) 勧奨退職の各省庁の基準年齢は調査しております。ただ、勧奨退職というのは、これはまあ法律上の制度ではございませんで自律行為でございますので、その運用まで人事院が立ち入って指導するとか助言するとかいうことは一切やっておりません。
○野田哲君 いや、あなたのところが立ち入っているかどうかということを聞いているんじゃなくて、実情を把握しているかということで伺っているんでありまして、あなたのところでお答えできなければ、私はこれは各省庁の人事担当の官房長かだれか全部ここへ並んでもらわなければ実情を知ることができないから、代表して人事院に聞いているんです。
○政府委員(斧誠之助君) 調査して把握しております。 それで、ごく小規模の省庁を除きまして、本来の任命権者を持っております機関四十三省庁でございますが、そこの調査結果では、基準年齢を設けてないところが十省庁ございます。基準年齢を設けておりますところでは、課長以上の場合は五十八歳が十二機関、六十歳が十三機関、六十一歳以上は三機関でございます。それから課長補佐クラスでは五十八歳が十一機関、六十歳が十三機関、六十一歳以上のところが五機関でございます。それから係員クラスのところでは六十歳が十九機関、六十一歳以上が十機関となっております。ただいまのは行政(一)の職員でございます。 それから、申し忘れましたので申し上げますと、行政(二)の職員では六十歳が八機関、六十三歳が十二機関、六十五歳が七機関、こうなっております。
○野田哲君 大体行政(一)表で言えば、ほぼスタンダードのところでは五十八歳ぐらいで勧奨が始まっているわけですね。 そこで、人事院としては、いま六十歳以上の人が二・九%ということをおっしゃった。九七%は六十歳までに大体やめているんだということが数字の上でも出ているわけですが、今度の定年制の実施に当たって、人事院として政府の照会に対して一定の答えを出されたわけですが、もし六十歳という形で定年制が実施をされた場合に、いまの五十八歳ぐらいで普通やめている勧奨制度、これはどうなりますか。もう余り実効がなくなりますね。どうでしょうか。
○政府委員(斧誠之助君) 定年制ができましたら、六十歳以下で現在勧奨しておりますそういう一般的な勧奨基準による勧奨はなくなっていくものだと考えております。
○野田哲君 そうすると、結果的に言えばいま大体五十八歳ぐらいで勧奨を受けてやめていく。百人のうち三人ばかりが平均すると六十歳を超えた形で勤務をしている。しかし、その勤務の中には、宮内庁のような、余人にかえがたい、あるいは補充ができない、あの雅楽をやっているような人とか天皇や皇后の身の回りのお世話をしているとかいうような、こういう人たちも含めての百人のうちの三人ですね。そうすると、この法律が成立したときには職員の年齢構成、公務員の年齢構成は逆にこれは高くなるんじゃないですか。五十八歳ぐらいで大体勧奨を受けてやめていくのが、もうこれは余り勧奨制度の実効が伴わないということになると、逆に公務員のやめる年齢というのは高くなるということになると思うんですが、どうですか、総務長官。
○国務大臣(中山太郎君) 私は現実的には、この法律が成立をいたしますと、勧奨をするということがたとえ行われたとしましても、公務員には権利が法律によって発生するわけでありますから、事実上一般の公務員の方々の勤務年限というのは長くなっていくということは一時的にあろうと、このように考えております。
○野田哲君 一時的じゃないですよ。それが逆に定着してしまうんじゃないですか。どうでしょう。
○国務大臣(中山太郎君) 私が一時的にと申しましたのは、いま先生も御指摘のように、ただいまでは五十八歳あるいは五十七歳、五十六歳というふうに各省庁でそれぞれ勧奨の年齢が違っております。しかし、それがいまそういうふうに年齢が段差があって勧奨によって職場を去られるという方々も、この法律が通ると、定年制度ができたから六十歳までは自分は職場にとどまりたいということを主張する権利が発生をするというふうな判断のもとに申し上げたようなことでございます。
○野田哲君 だから、職員の方々のやめる平均年齢が一時的に高くなるんじゃなくて、逆に六十歳の定年制が上限になって、そこまではみんな、五十八歳ぐらいで勧奨受けてやめていったのが六十歳までは勤めると、そこで定年でやめるということになると、いまよりもやめていく平均年齢は、一時的ではなくて、コンスタントに高くなっていくんじゃないですかと、私はそう思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘のとおりでありまして、公務員の諸君は六十歳まではいわゆる職場を離れることがないと。もし自分がそこに続けて勤務したいという御希望がある方は、六十歳まではその地位というものを確保することができると。私どもは、だからある意味で安定した公務員の人生というものがそこで確立されて、公務員の諸君は六十歳以降の自分の第二の人生をどう設計するかということが非常に安定したもとで考え方を決めていただくことができるだろうと、このように考えております。
○野田哲君 これは大分、総務長官、風向きが変わりますね。定年制の問題について賛成をされている皆さんや国民の皆さん方の受けとめ方とはかなり違うことになるんじゃないですか。結局は、鈴木総理も非常に固執しているのは、これによって公務員を人員を合理化していく、この目的のために行政改革法案の第一号として位置づけておられる。しかし、いま私と総務長官のやりとりのように、実態は公務員はいまよりもやめる年齢は上がるだろうと。こうなってくると、これは全然政府のいままで主張されていたこととは違うじゃないですか。
○国務大臣(中山太郎君) 政府の考え方としては、いま申し上げたように高齢化社会がやってくると、高齢化社会の波は公務員の社会にも遠慮なく押し寄せてくると。そうすると、現在では勧奨制度が非常にうまくいっていると、そしていま御指摘のように組合のあるところは特にうまくいっていると。しかし、これから先のいわゆる高齢化社会においては、やはり現在のままで置いておきますと、自分は年をとってもやめたくないと、こういう方々が出てくる可能性が非常に高いという予測をいたしております。そういう場合になってくると、いわゆる年功序列型、終身雇用型の日本の公務員制度の中では、そういう高齢者のためにはポストをたくさんつくっていかなければならない。しかもやめないと、やめさせる権利がない。こういうふうなことになってくると、若い公務員の諸君が上を見上げたときにはなかなか自分の人生というものにはポストが当たってこない、こういう一つの問題点もあろうかと思います。 ここで特に私どもが心配をいたしておりますのは、日本の公務員の雇用体系の中には幾つかの山がございました。過去の高度成長時代にも相当大きな山をつくっております。そういうものがこれから五年後ぐらいにはやってくるわけでございますから、そのときには国民のサイドで見て、主権者として見た場合に、公務員制度の中に定年制度がないというものではどうも全体の奉仕者の姿としては好ましいことではない。御案内のように、民間ではいま九七%の企業が定年制を導入しておりますし、世論調査で六〇%以上がやはり公務員制度に定年制を導入するべきだというのが世論の大半でございますから、政府としては、これからの長期にわたる人事管理を、しかもバイタリティーのある公務員制度というものを維持しながら安定的な人事管理をやると、こういうことから今回法案の御審議をお願いしている、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○野田哲君 ちょっと私は総務長官と見解が違うんです。いま、この調査でずっと各省庁別に数字がありますが、六十歳を超えている人というのは、これは大体、先ほど宮内庁が説明されたような余人にかえがたい、あるいは後継者がなかなか得られないこういうようなポストの人とか、何か特別の事情のある、一般職であれば中途採用で年金がついていないとか、あるいは家庭の事情からしていまどうしても職を離れるわけにいかない、こういうそれぞれ特別の事情のある人が踏みとどまって肩身の狭い思いをしながら、窓際族なんていうような世間で扱いがあるそうですけれども、そういう形でこの三%の人たちは踏みとどまっているんであって、特異なケースだと思うんですよ。これからも定年制がなければ、いま六十歳を超える人の数が全体の三%というのは、これから高齢化社会になっていけばさらに五%になり一〇%になっていくというようなことを長官は懸念をされているようでありますけれども、そういうことはございませんよ、これは。そう高齢化社会がどんどん進行していっても、公務員の年齢構成というのは大体五十六、七、五十七、八ぐらいのところでずっとコンスタントに今日まで来ている実情は私もよく承知をしているんです。 ですから、むしろ逆にこういう形で定年制を画一的に法律でつくって、そういう状態の中で、先ほど宮内庁のような形で例外扱いにしてもらいたいんだというようなところが幾つか例外をつくっていく、こういうことは、いまは五十七、八ぐらいのところで勧奨制度が定着をしてやめていっている形というのを逆に壊していく、全体の年齢構成は高くなっていく、長官はそのことを逆に、それによって公務員の勤務を保障することになるじゃないかと、こう言われるわけです。それなら何も定年制をつくる必要はないんです。勧奨制度のままで私はいまの公務員の運用というのはちゃんとできているんじゃないか、そして先ほど印刷局とか造幣局の例を挙げたように、労働組合との間できちんとした交渉や協定ができているところほどきちっとしたけじめが現実に労使間の合意でついている。このことを私は認識をしてもらわなければいけないんじゃないか。そういう点では、ちょっと総務長官の認識は私は理解できない面があるんですけれども、重ねて伺いたいと思っております。
○国務大臣(中山太郎君) 勧奨で五十八歳、五十七歳でやめていただいているということでございまして、非常にうまくいっている。それで法律ができても別に特段の問題が起こらないと、私はそのように考えております。
○野田哲君 法律ができれば勧奨ということは必要ないでしょう、どうでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 法律ができれば、当然一般の公務員の方には勧奨制度というものはなくなるだろうと思います。
○野田哲君 人事院はどう考えておられますか。この定年制の法律ができたときには、各省庁で現在やっている勧奨制度はどういう形の運用になると判断しておられますか。
○政府委員(藤井貞夫君) この定年制をしく場合に定年年齢をどうするかということを考える基本というのは、やはり各省庁の実際の勧奨退職の年齢の実態がどうなっておるか、それがどういうふうな働き方をしていままで来ておるかというような実態が非常に大事でございます。そのほかに、やはり民間の企業の定年制の実態、今後の労働政策上から出てくる問題、そういうような点を総合的に勘案をして決定をしなきゃならぬという問題だろうと思っております。そういう点から彼此考え合わせまして、われわれの意見といたしましても、原則定年年齢というものは六十歳がしかるべきことではないかということを申し上げたのでございます。 ところで、いま御議論になっておりますこの定年制の問題でございますが、これがいま総務長官もお触れになりましたように、私は勧奨と定年との関係で一つのやはりポイントがあると思うんですが、このポイントというのは、六十歳定年というものが実施される前とその後ということで大変変わった形が出てくるのではないかというふうに思っております。定年制が実施される前までは、これはやはり勧奨というものはある程度行われるだろうと思います。従来からずっと継続して人事管理をやってきておりますので、それの一環として今後一両年はそれを続けていかなきゃならぬ。その程度は変わってまいりましょうが、そういう要請というものは別の意味でございましょう。そういう意味では、勧奨というものがなおある程度行われる可能性というものは認めざるを得ない。 ただ、同じようにいくかというと、これはまいりません。いま大臣もおっしゃっておりますように、定年制というものができるということ、それがいつできるかということになりますと、従来までは円滑にやってまいりました勧奨というものが大変むずかしいことに相なろうかと思います。もうすでに現在でも、定年制がしかれるのだ、あるいは法案が提出される段階に来たということだけで、各省庁の勧奨退職を受け入れるその可能性、率というものがやっぱり影響を受けてきておるということが人事管理官会議等でも出ておりまして、それはそのとおりだと思います。そのうちに定年制ができるのだからいま勧奨を受けてもやめる必要はないのだというようなことで、勧奨が作用いたしまするそういう度合いというものがやはりむずかしくなっていくだろうという点は当然でございます。 それともう一つは、定年制が実施をされるという段階になりますと、これはいま総務長官もおっしゃいましたように、組織的な集団的な従来やっておりました勧奨ということはなくなると思います。ただ、いままでも累次機会のあるたびに申し上げましたように、たとえば幹部職員、具体的に申せば課長さんあたりということになりますと、これは各省庁の都合もあり、従来のいきさつ、また退職管理のあり方等から見まして、その分についてはやはりある程度勧奨というものは残していった方がいいというふうに判断されるところもあり得ると思います。したがって、そういうところはあるいは定年制が実施されるということになりましても、なお勧奨というものは一部で残っていくという可能性はございましょうが、一般職員を対象とする一般的なまた集団的な勧奨退職というものは定年制の実施とともに漸次消滅をするということに相なるだろうと考えておりまして、その点の様相というものはやはり定年制の施行の前後である程度の相違が出てくるのではないかというふうに感じております。
○野田哲君 総務長官、あなた自身もそれから世間の人も、公務員の定年制という問題についてちょっと誤解があるんじゃないかと思うんです。何回か総務長官のところへ公務員の組合の諸君も行ったと思いますし、あるいは請願デモをやっている声が届いたかと思いますが、公務員の組合の諸君が言っているのは法制化反対と、こう言っているんですよ、法制化反対。ですから、印刷、造幣などの例がありましたように、ちゃんとした交渉事項にして組合との交渉によって物を決めていく、こういうことの中で定年制度の問題は一切交渉事項として受け付けない、こういうことを言っているんじゃないんだということを、私は総務長官に、公務員の人事問題を担当する長官としては正しく認識をしてもらわなければいけないと思うんです。民間はみんな定年制があるじゃないか、公務員にないのは公務員の天国だと、こういうような認識があります。それを公務員の人事管理を担当している総務長官までが世間に迎合してそういう言い方をされたら困るんですよ。法制化反対ということであって、組合と交渉事項としてこの問題の処理に当たりましょうということならば、公務員の組合の諸君も受け入れるんです。その例が、先ほど私が、特例に各省庁の中でも六十歳以上の者が一人もいない例として、造幣と印刷の例を実情を説明をしてもらったんです。 もう一つ、私は具体的な例として人事院にお伺いいたしますが、特別会計の中で一番大きな比率を占めている郵政省の職員、私の調べたところではこれまた六十歳以上の構成というのは一・七%しかありませんが、人事院ではどういうふうに把握をされておりますか。
○政府委員(斧誠之助君) 郵政職員の場合は、五十五年三月現在で六十歳以上の方が一・九%でございます。
○野田哲君 郵政省の場合もやはり五現業の一つですから、内輪ではいろいろ陰惨な労使関係もありますけれども、一応公労法によって全逓信労働組合なり全郵政なり交渉権、協約権を持った国家公務員の組合ですね。で、やっぱり退職の問題は労使間の交渉事項で処理されているわけなんです。ですから、人員比率から言えば特別会計の中では非常に大きなウエートを持っておりますが、六十歳以上の構成というのは、いま説明があったように非常に各省庁の中でも少ないというのも、やはり労使間で処理をされていることを示していると思うんです。 だから私は、ここで画一的に法律をつくるよりも組合ときちっとした交渉機能を確立をして、それによって処理していくことの方が実効が上がると、これを例として申し上げたわけで、定年制というものについて総務長官の認識は民間を引き合いに出すわけでありますけれども、定年制というものは公務員の組合は一切受け付けない、こういうふうに言っているんではなくて、法制化を反対しているんだ、労使間の協議事項にすべきだ、こういう点を主張している。そのことを正しく認識をしないで、民間にあるから公務員にもあるのはあたりまえだ、こういうことで民間で労使で合意されたことと公務員の組合には一切の発言の余地を認めない法律という形でつくる定年制とを総務長官は混同されているのではないか、これは根本的に認識を変えてもらわなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 私は認識を変えるということは必要ないと、私はやっぱり民間準拠ということが民主主義の社会ではきわめて必要なことだと、特に公務員の諸君の給与あるいは賞与というようなものは、退職手当も含めて国民が出す税金によって賄われるわけでございますし、公務員の給与の引き上げ等につきましても、やはり民間のいわゆる給与体系、給与の変化というものを絶えず人事院が公正中立的な人事管理機構として調査をして、それを政府に勧告をする民間準拠、それを受けてここ十年近く政府は完全実施をする、そうしてできるだけ民間のベースに合わせるということを基本的な考え方として堅持してまいっておりますし、私は今後もそのような形を持っていきたい。このように思っておりますので、私はやはり民間の流れ、考え方というものを絶えず中心に、自由民主党政府でございますから、そういう考え方で政策の運営をやっていくと、こういう方針を持っておるわけでございます。
○野田哲君 民間準拠というのは、定年制を法律でつくることが民間準拠じゃないと思うんですよ。民間準拠とあなたがおっしゃるのであれば、民間がやっていると同じように労使間の交渉で定年制度を労使自主的に決めてもらいたいというのが民間準拠であって、あなたの言うのは民間準拠じゃないですよ、制度としては。そうじゃないでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 現業のあるところは、いま組合と主務大臣の間でいろいろ話し合いが行われておる。この法律においても、やはり特例定年とか再延長の場合でも、主務大臣がそれぞれの組合といろいろ相談をして決めていくということの一項を立てておりますから、決して全然組合の考え方というものを聞き入れないという姿勢はとっていない、私はそのように理解をいたしております。
○野田哲君 法律ができたときに総務長官、農水省の組合あるいは建設省の組合、どうやって自主的に運営ができるんですか、主務大臣との間で。法律ができてしまったら、いままで自主的にやっておられた勧奨制度の運用さえも拘束されてしまうんですよ。逆じゃないですか、それは。
○国務大臣(中山太郎君) 分限に関することでございますから、あくまでも人事院の意見というものを私どもとしては求めた。で、いま野田先生御指摘のようなことが法律が成立したら一切それができなくなる、それは先ほど申し上げたようなこれからのやってくる変化に備えるために公務員制度の中に定年制というものを導入すると、こういう考え方で、国民に対して政府としては公務員制度の運用について万全を期していくというふうな考え方の中でこういう問題がいわゆる論議をしていただいていると私は考えております。
○野田哲君 どうも私の議論とかみ合わないんですがね。むしろこの法律ができることによって、いままで労使間で協議をして労使の合意で退職勧奨制度などが五十八歳で運用されて、ごくまれな例の人たち、あるいは特殊な職種の人たちを除いてはコンスタントに退職勧奨制度というものが運用されているところまで、逆に法律をつくることによって、その労使間のいままでの合意をぶち壊してしまうことになるんじゃないですかと、こういう指摘を私はしているんです。どうですか。
○政府委員(山地進君) ちょっと補足的な数字など御披露したいと思うわけでございますが、いまの先生の御指摘の根拠というのは、退職勧奨制度がうまくいっていたということで、今後もうまくいくということが一つ前提になっておろうかと思うのでございますが、この数字で申し上げますと、四十五年から五十五年にかけまして五十五歳から五十九歳の人数というのがあるわけでございます。これは給与法の適用のある人数でございますから約五十万の人間でございますが、このうちで五十五歳以上五十九歳までの方というのは、四十五年には二万六千人でございました。それが徐徐にふえまして、五十五年には約四万人になってきているわけでございます。したがって、先ほど先生の御指摘になりました高齢化社会の波が押し寄せてくるということが、私どもの人員構成の統計から考えましてこの五十五歳-五十九歳の数字の増加にあらわれているように、これはやはり相当の人数が高齢化に向かいつつあるという認識が一つあるわけでございます。 そこで、退職勧奨制度がこういった人員構成の年々の推移の中でどういうふうに機能していくだろうかと、先ほど来御議論になっているように、従来は機能していたと、今後はやはり制度的な何らかを導入しないと公務の能率ということを維持するための健全な体制というのは持ち得ないんじゃないだろうかと、そこで定年制の導入ということを私どもは考えたわけでございます。 そこで、もう一つ先生の御議論になっておりますのは、定年制を仮に導入するという場合に、一体組合との話し合いということでいくのか法律でいくのかと、この二つの選択が出てくるわけです。つまり、前の定年制の導入というのは政策的な決意でございまして、それを今度は実現する方法になると思うわけです。ところが国家公務員の争議権その他の代償として、国家公務員法に給与等の勤務条件を書くとともに、身分保障ということがあるわけでございます。これは七十五条に、法律に定めるところなければ免職されることがないと、これが公務員の身分保障になっているわけです。したがって、これらの規定から考えまして、法律をもってしなければ定年制の導入ということはできないということで定年制に踏み切っていると、かように私どもとしては御説明をしておるわけでございます。
○野田哲君 法律をもってしなければ定年制を実施できないから法律を変えるのだということですが、そうではなくて、法律を変えて一般職の組合に対しても、先ほど印刷や造幣の例の話にありましたように、五現業と同じように交渉事項にして処理をしていく、こういうための法律を改正をしていけば、それで労使間事項として対処できる。これを、どうしてあなた方の方は印刷や造幣の例を聞いてもそういう認識に立てないのか、こういう点を私は逆に指摘をしたいと思うんです。 それからもう一つ私が聞いておきたいのは、退職手当の関係ですが、現在、一定の条件に合って退職の勧奨を受けて退職する者については五条の適用がありますね。今度定年制度ができて法律によって退職させられることになる。その場合、五条の適用はどうなるわけですか。
○政府委員(山地進君) 従前から、私どものこの法律には、文章としても定年とそれから勧奨ということが併記されておりまして、定年というのは原則的に四条、五条の適用の条件になっております。それから勧奨退職というのも、それと同じような意味で並んで四条、五条の適用の対象になっているわけでございまして、この法律を私ども改正するつもりはございませんので、今後勧奨退職がなくなって定年だけになった場合、これは当然六十歳でやめられる方については、二十五年勤続以上であれば五条の適用がある、それ以下であれば四条の適用があるということで、従来からの方針を変えるつもりはございません。
○野田哲君 山地局長はそう言われるが、いま一番やはり懸念をされているのは、まず分限条項を改めて定年制度を国家公務員法、地方公務員法で導入をする。この段階では退職手当の方は五条の適用、こういうふうに言っているけれども、いずれこれはいま第二次臨調でも公務員の問題の見直しが行われようとしている。その項目の中に退職手当の減額という項目が挙がっている。人事院も公務員制度全体の見直しを行おうとしている。こういう作業が両方で進められているという状態の中で、まず法律で定年制度をつくる、そしてその定年制度が法制化したときには、次の段階では、法律で有無を言わせずその身分を失うんだから五条の適用から外す、こういう形の追い打ちをかけてくるんじゃないか。つまり、五条の適用によって退職手当の割り増しをつけなくても、元をかけなくても首を切ることができる制度ができるわけですから、これは次の改革では、臨時行政調査会なり人事院の見直し作業の中では五条から外されてくる、こういう懸念を一番強く持っている。いま山地局長が言われたことについては、確実にこれ保証がありますか。長官いかがでしょうか。
○政府委員(山地進君) まず実態的に、退職手当というものの民間との推移といいますか、そういうものから考えましてちょっと事実だけお答えしておきたいのでございますが、民間の場合にも定年加算というのは当然のことになっている企業が大部分でございます。それから、自己都合等あるいは会社都合等で途中でやめる場合の優遇措置というもののアッパーリミットというのは、大体定年加算というのが標準になっているわけでございまして、それから退手法の従来から私どもの解釈といたしまして、長期勤続報酬であるという考え方を持ってきておるわけでございまして、この大きな流れから考えまして、定年でやめられる方、つまり長期勤続されてやめられる方について何らかの不利益なかっこうにするということはとうてい考えられないわけでございます。 いま民間で退職手当について、企業負担の問題についていろいろ考えている場合についても、定年の方についてはなるたけ優遇するというのが全体の傾向であろうと、私はさように認識しております。
○野田哲君 局長がどう言われても、私は退職手当の問題でなくて、定年制度の議論の中での一つなんですけれども、退職手当についてもこれは民間の場合には形態が変わってきていますよね。企業年金という形に一時金的な性格をずっと変えています、これは。これは企業の税金対策とかあるいは資金対策、いろいろあると思うんですが、いずれにしても企業年金という制度に漸次変えています。公務員に対してはそういう制度はとり得べくもないと思うんです。そういう状態の中でこの今回の、私は後でまた議論される退職手当の問題でも、人事院の比較には非常に疑問を持っているんです。 いずれにしても、民間がそういうふうに制度が変わりつつあるという状態の中で、いま第二次臨調や、あるいは人事院の方で見直し作業全体をやっている。そういう中で、長官、あなたはこんな大事な問題を山地局長のところへばかり答弁を肩がわりさしておりますが、総務長官と人事院総裁は、定年制度が法制化されてもそこでやめていく人についての五条適用は、第二次臨調からどのような案が出ようとも受け付けない、五条適用を守るということを絶対に断言できますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 退職手当の問題は直接人事院の所管ではございませんので、責任を持っての御答弁というふうなわけにはまいりませんが、私なりの考え方をはっきり申しますと、考え方の基本としては、いま山地局長が申されたように、定年制が施行されるということになりました場合は、四条なり五条なりにその定年というものはそのまま入っていくわけであって、その根幹を変更するということはあり得ないというふうに考えております。
○国務大臣(中山太郎君) 今回定年制の施行に伴います定年による退職者の場合におきましても、従来と同様の扱いとなり、たとえば二十五年以上勤続の場合には国家公務員等退職手当法第五条の適用を受けるものと考えております。
○片岡勝治君 まず初めに、この法案に関連いたしまして、俗に政府関係機関における、余り言葉がきれいじゃないんですけれども、天下り官僚とよく言われております問題についていろいろと質問をしてみたいと思うんですが、事前に各省の担当の方にお話ししてみますと、これは各省全くばらばら別々にいろいろやっている問題で、これを統括する指導機関といいますか監督機関というものがない、そういうことだそうであります。 〔委員長退席、理事藏内修治君着席〕 もし、そういうことであれば、私は総理大臣に来てもらってこの問題をひとつ二、三日徹底的に質問をしてみたいと思うわけでありますが、そうは言ってもなかなかむずかしいだろうと思うんで、これは総理府が人事管理といいますか給与管理の責任の機関でありますから、私は総理府にそういう一つの何といいますか、そういう機能、機関というものがあるような気がしたんですが、もしなければ、各省の人事担当局長全部の方に来ていただきたいと思うんですが、この点質問期間中に、これ他の問題について私は質問いたしますので、ちょっと関係当局の方で御検討いただきたいと思うんです。そういう質問にもし答えられなければ、全部と言ってもそれは不可能でありましょうから、天下り官僚の一番多いベストファイブぐらいの省の人事担当局長といいますか、来ていただきたいと思うんですが、これをまず初めにお願いをしておきたいと思います。 いまも、公務員に関連いたしまして、高齢者の問題がいろいろ論議をされてまいりました。これは公務員問題だけではなくして日本の人口問題、ひいては経済、社会全般にかかる問題に関連する、言うところの高齢化社会がきわめて近い将来来ると、そういうことでありますから、私たちはいまの時代におるわけでありまして、この深刻な高齢化社会まで生きていられるかどうかわかりませんけれども、しかし、いまの中年層あるいは若い人たちの将来というものはそういう意味では大変深刻な事態の中に生きていかなければならぬ。そういった人たちのために、現在は高齢化社会とは言えないまでも、次代に生きていく人たちのために、国民のためにいまからでも長期的な展望に立った方策を一つずつやっていかなければならぬだろう。高齢化社会が突然訪れるわけではありませんから、これはもう計数的に明確に出てくるわけであります。したがって、一定の長期的な計画を樹立していけばそれに対応できるというふうに私たちは考えるわけでありますが、率直に言って言葉では高齢化社会、高齢化社会と言っていても、現実に果たしてそういう展望を持った施策あるいは基本計画ですか構想ですか、そういうものがいまだに具体的に私たちの前に提示をされておりません。まず、基本的にこうした問題について内閣閣僚の一人として、総務長官の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 高齢化社会についての考え方を答えろということでございますが、高齢化社会と一般に言われていますが、すでにヨーロッパ先進国ではもう高齢化社会がやってきておる。しかし、それが来るまでには、五十年なり百年という長い時間をかけてかれらの社会には高齢化社会が到達しましたけれども、日本の厚生省の人口問題研究所の統計から推測しますと、日本の高齢化社会というものは、 〔理事藏内修治君退席、委員長着席〕 欧米が経験した以上の何倍かのスピードで早くやってくる、こういうことでございます。そういうことから考えてまいりますと、高齢化社会で医学の発達あるいは栄養の充実によって人の生命が延長をしておる。たとえば、昭和二十年ぐらいでございましたら女性が五十歳で男性が四十七歳ぐらいだったと思いますけれども、現在では女性が七十八歳で、男性が七十二・五歳ぐらいの平均余命になっておりますから、そういう意味でここ三十五年ぐらいの間に三十年ぐらいの平均余命というものは伸びている。そういう中で、これからさらにこれが伸びるということも言われておりまして、こういう中で問題は人口の再生産率が一を割ったということでございます。もう、そういうことを計算をしてまいりますと、これから二十年ぐらい後の二〇〇〇年ぐらいの日本の社会というものは、非常に若い世代に老人たちの負担というものがいまよりもうんと多くかぶるだろう。そういう中で、いわゆるお年寄りがふえてくるわけでありますから、老人社会というのは生産性が低いと。そういう中で、経済全体が高度成長から安定成長に入っていけば、いわゆる老人社会の問題というものが、これは若い生産年齢の方々にとってもまるで他人ごとのようには言われない時代がやってまいる、私どもはそのように考えております。 そのためには、やはり老後の生活保障というものをどうするかということがきわめて重要なことになってくるであろう。老後の生活保障というものについては、ただいま国民の間でやかましく言われている年金問題というものがどうなるのかと、あるいは定年問題というものがどうなってくるのかと、だから定年と年金の受給の年次というものを接続させるような政策をこれから官も民も立てていかなければならない。そういう中で、老人医療の無料化の問題とか、あるいはまた核家族による老人たちの孤独の問題とか、あるいは希望のない老後を送るということになれば、スウェーデンやノルウェーのように自殺者が高年齢層にふえてくるという問題で、生きがいのある高齢化社会というものをどうして政府は政策的に誘導するか、ここらが一番私は大きな問題ではなかろうかと考えております。 そういう意味で民間側には、いわゆる新経済社会七カ年計画で昭和六十年六十歳定年というものを誘導するように国民に理解を求めておりますし、また第四次の雇用対策計画においてもそのような方針を打ち出して、今回御審議をお願いしておる定年法と、よって公務員の六十年六十歳定年というものと民間サイドの六十年六十歳定年というもののすり合わせをやりながら、われわれの、いわゆる高齢化社会の構成というものを政府が真剣に取り組まなければならないと、このように理解をいたしております。
○片岡勝治君 そこで具体的にまず、高齢化社会にこれから進むわけでありますけれども、そのことは、同時に労働力人口の年齢別推移が過去あるいは現在と、その様相が大分変わってくるわけでありますが、そうした面について、そういう労働力人口の推移とその問題点について労働省にお願いをしたいと思います。
○説明員(野見山眞之君) 今後のわが国の労働力人口の特徴につきましては、すでに第四次雇用対策基本計画の中でも指摘いたしておりますが、一つは、人口の高齢化に伴う労働力人口の高齢化、一方で若年の労働力人口が絶対数としても減少していくというのが第一。第二は、女子の就業傾向が今後とも高まっていくということでございます。第三は、進学率が非常に高まってまいりまして、労働力人口の高学歴化が進んでいくというような、以上の三点が特徴かと存じますが、中でも労働力人口の高齢化につきましては、当面、昭和六十年までの間に五十歳代後半層が急激に増加いたしまして、昭和六十年以降につきましては増加の波が六十歳代前半層に移っていくのではないかというふうに想定いたしておりまして、さらにその後も長期にわたって高齢化は進んでまいりまして、労働力人口中に占める五十五歳以上人口の割合は昭和五十年では一五%程度でございましたが、昭和六十年には一八%程度、さらに昭和七十五年、西暦二〇〇〇年ごろには二〇%強程度になるのではないかというふうに想定いたしております。
○片岡勝治君 これはすでに政府関係機関でもそうした統計をもとにして将来推計を出しておりますけれども、いま御指摘のように五十五歳ないし六十歳以上の人口というものが急速にふえてくるわけであります。 ここで大きな問題になりますのは、いま総務長官のお話のありましたとおり、どうしてこうした高齢者の生活を守っていくか、維持されていくかと、そこにかかってくるわけでありますが、しかし同時に一方、若年層の占める割合というものが減ってくるわけでありますから、当然、この雇用問題を一体どうするか、こういう問題に結びついていくと思うわけであります。 ちなみに、今日におきましても高齢者のいわゆる五十五歳――かつては五十五歳定年であり、いままた現実には民間企業では五十八歳、六十歳、いろいろあるわけでありますが、しかしこうした定年をしかれました後の高齢者の生活実態というものを、これまたいろんな統計で出ておりますが、ほとんどの定年退職者、いま申し上げましたように定年の年齢については多少の格差はありますけれども、いずれにいたしましても定年退職後の高齢者のいわゆる就労意識というものは非常に強いわけですね、非常に強い。現にまた、就労しております数も相当のウエートを占めているわけでありますが、これは一体政府としてどういうふうにお考えですか。定年退職後の高齢者の就労意識が非常に強い。それから現に定年退職後も、いわば通称言われるところの再就職、再雇用、こういう問題、そういう率が非常に高いということでありますけれども、この現象を一体どういうふうに受けとめておりますか。
○説明員(野見山眞之君) わが国におきまして男子高齢者の就業傾向は外国に比較いたしましても高いというふうに言われておりますが、たとえば男子五十五歳以上の方々の労働力率、人口中に占める労働の意思と能力を持っておられる方々の割合は五十五年で六三%でございまして、アメリカの五三%、あるいは西ドイツの四二%に比べて高いことは事実でございます。 しかしながら、五十五歳以上につきましては、年齢を経るに従いまして低下してまいっておりまして、五十五から五十九歳では九一%程度でございますが、六十から六十四歳で七八%程度、六十五歳以上では四一%程度に下がってまいります。 このように、就業意欲が高いということにつきましては、それぞれの国の就業構造なりあるいは生活条件、あるいは勤労観等のいろいろな要因があるかと存じますけれども、日本の場合は比較的従来農業就業者の割合が高かったということ等も影響いたしておりますが、いずれにいたしましても勤労観等が日本の場合高いということが事実であろうというふうに存じております。 しかしながら、現在のわが国における企業の定年制につきましては、御承知のとおり、昨年一月の調査によりますと、五十五歳定年制をしく企業よりも六十歳以上定年をしく企業の方が多いというふうな状況に定年延長の傾向が進んでまいっております。と同時に、定年の時点でそのまま離職するということのほかに、現在、再雇用あるいは継続雇用という制度をあわせ持っている企業が約八〇%ございますので、現実には企業において定年後も雇用を継続するという傾向が強いように存じております。
○片岡勝治君 いま御説明がありましたとおり、高齢者の就業意識、つまり働きたいという意識が非常に強い。現に就業率というものは比較的高いわけであります。もちろん労働条件、賃金等についてはいろいろ問題があるにいたしましても、その雇用状況というものは非常に高い。このことは各種の資料に見ても明らかでありますけれども、特にこの五十歳から六十四歳、俗に言うところの高年に近い層あるいは高齢者ということになるわけでありますけれども、多少年次によってその雇用条件、雇用状況というものが違うのではないかと私たち考えてきたわけであります。たとえば、高度成長期においては、高齢者も雇用の機会があるということで、雇用率が上がるのは当然だろうと常識的に考えられるわけです。それから、不況になれば民間は合理化という名のもとに多くの解雇者を出して企業を守るというそういう手段に出るわけでありますから、雇用の機会が少ない。真っ先にやられるのが高齢者というのが世の常識であります。悲しいけれども、そういうのが常識の政策になっております。しかし、過去のここ十年ぐらいのこれは一つの政府機関の調査でありますけれども、好不況にかかわらず、いわゆる高齢者、特に五十歳から六十五歳ぐらいまでの層の雇用率、労働力率というものは景気のいい悪いにかかわらずそう大きな変化がないという、統計上出ているわけですね。 これは一体どういう理由だろうか。いま労働省の方からお話がありましたように、その一部には、日本の場合には、農業関係の場合には比較的高年齢でも働けると、あるいは小、零細企業といいますか商店といいますか、そういうところの場合では比較的高年齢でも店番をやるとか、仕事をする機会が比較的恵まれている、そういうことも一つの要因であろうということになっております。確かに、外国に比べればそういう社会的な状況が、条件が違いますから、一つの要因になることは当然だろうと思うんですが、しかしそれだけだろうかということでいろいろある雑誌で分析をした結果、それだけではない。 この資料によりますと、一九七四年に始まる長期不況により雇用情勢の悪化が見られた。どの年齢階層でも完全失業者の率は増加した、不況になってきたものですから失業率が増加してきた。ところが、失業増加の深刻さの程度から言うと、六十歳-六十四歳の層、五十五歳から五十九歳の層、六十五歳から六十九歳の層、七十歳以上の順で、この年齢層に関する限り高年齢ほど失業が深刻だとは言えない、こういう数字が出ているわけであります。つまり、高年者の失業率というのは非常に少ない、逆に高年者層の労働力率というものが景気がよい時代それから悪くなった、そういう景気の浮沈にかかわらず変わりがない、こういうことが数字に出ているということであります。 一体これはどういうことかというと、先ほども触れましたような日本的特殊条件があるほかに、この層は、つまり五十五歳から六十四歳の年齢層というこの層という人は、再就職の機会を求めろその切なる願いが非常に強烈だ、そういうことでどんな職場でもあれば就職をする、こういうことがその要因の非常に大きなウエートを占めている、こういうことが指摘をされているわけでありますが、これは一つの資料でありまして、そのとおりであるかどうか、もっといろんな調査を見なければわからぬと思いますが、私もなるほどなと思うんです。民間の五十五歳ないし六十歳の定年でやめる、あるいは公務員が五十八歳ないし六十歳程度で勧奨退職をする、そういうことでやめても、こうした層の人はもう九分九厘再就職を強く求める、そういう要求が非常に強いということの証左だろうと思うんですが、この傾向について、いま私が指摘したようなことを、労働省はそういう見方についてそういう認識をしていいのかどうか、これを見解を承りたいと思います。
○説明員(野見山眞之君) いま御指摘の諸点につきまして、労働力率が高い、就業傾向が強いということは御指摘のとおりでございますが、ただ就業傾向が高い場合でも、すべての高齢者が他人に雇われて仕事を中心にするという人たちの割合は年を経るに従って低下してまいります。先ほど申し上げました就業率の中でも、ふだん主に仕事をしている人たちだけの就業率を見ますと、高齢層になるに従ってその低下のテンポが早くなってまいりますし、また就業の形態につきましても、先ほど先生から御指摘のございましたように、事業所に雇われて働いている方々の割合はかなり減ってまいりまして、家族経営的な就業分野で家族従業員として働くか、あるいは自営業主として働く人たち、あるいは一週間のうち特定日だけ働く、あるいは毎日働いていても短時間の就業にとどまるというような形で、就業率は外国に比べて高いわけでございますが、就業形態はかなり高齢になるに従って多様化してくるという実情があるというふうに考えております。
○片岡勝治君 そのことは私も否定しないんですよ。ただ、景気が好況、不況にかかわらず、そういう中高年齢者層の就業率というものが非常に高い。たとえば、六十五歳から六十九歳の年齢層で不況直前、一九七三年というと不況直前ということだそうでありますが、そのときの就業率が六五・一%、以後不況に入っても六三ないし六四、六三、四、五と、そういう就業率になっている。しかし一方、失業率というのは一・七%から二・一、三・四、二・九と、こういうふうにどんどん失業率が多くなってきているわけです。いろんな見方があると思うんですが、一つには、つまり定年退職をしてもほとんど大部分の人が再就職をする、しなければ生きていけないというそういう状況がこの資料によっても私ははっきり言えると思うわけであります。 すでにこういう事態、つまり高齢化社会の現実の波が押し寄せつつあるわけでありまして、それに対応した施策というものもわれわれは考えていかないと、もちろんなぜ再就職あるいは再雇用を強く求めるかということについては、年金問題等が特に重要なウエートになっていると思いますけれども、しかしいずれにいたしましても、そういう現象が非常に、日本の場合特殊事情はあるにいたしましても、顕著である。こういった傾向は、先ほどもお答えいただきましたように、労働力人口の高齢化、そういうものが急速に押しかけてくる、高齢化社会がやがて深刻に押し寄せてくる。したがって、いま私が申し上げましたような傾向というのはますます激しくなっていくであろう、こういうことを指摘をしたいわけであります。 したがって、民間、公務員を問わず、高齢化社会に対応するために、今後の労働政策、定年や賃金や年金、退職金、そういうものはすべてひっくるめて、こういう高齢化社会に対してどう対応していくのか、そういう視点でこれから考えていかなければならないというふうに考えるわけであります。今度の定年制の提案につきましても、提案理由の説明の中に必ずしもそういう点が明確に示されておらない。いままでの答弁を聞きましても、必ずしもそういうことではない。むしろ公務の能率化とか新陳代謝とか、そういうものにウエートがかかっているような気がするわけであります。これは後ほど具体的に指摘をしたいわけであります。 次に、これに関連いたしまして、国際的ないま期間になっておりますが、身障者の雇用について関連をしてお聞きしたいと思います。 最近、国際障害者年と言われておりまして、身障者問題について政府も非常に積極的に取り組んできております。この問題について二、三お伺いいたしますが、最近の身障者数、その雇用者数、最近の傾向をまずお尋ねいたしたいと思います。これは厚生省にお願いをします。
○説明員(廣見和夫君) 御説明申し上げます。 身体障害者の数でございますが、厚生省の方の五十五年の調査によりますと約百九十七万人という数が出ております。このうち、働いておられる方々の問題でございますが、私ども労働省の方で調査いたしました五人以上の雇用労働者の調査をいたしますと、全国で身体障害者の雇用されている方々は二十三万三千人ということになっております。なお、精神薄弱者の人は三万一千人雇用されているという状況でございます。
○片岡勝治君 いまのは二十三万の中の精神薄弱者が三万ということですか、これは別枠ですか。
○説明員(廣見和夫君) 別でございます。
○片岡勝治君 これは、法律によって身障者を一定の割合で雇用しなければならないということになっておりますが、民間、官公庁、あるいは何か雇用先別にこの数字がわかりますか。
○説明員(廣見和夫君) 法律に基づきまして民間企業におきましては雇用者の一・五%以上身体障害者を雇用しなければならないということになってございます。それで、現在の民間企業の一・五%に対しましてそれではどれだけいま雇用していただいているかということになりますと、その割合を見てみますと平均で一・一三%というふうになっております。 それで、業種等について見てみますと、数の上では製造業が一番多いわけでございまして、平均よりやはり多くなりまして、たとえば製造業平均ですと一・三四%というふうになっております。なお、若干やはり低くなっているのは卸売小売業たとえば〇・六四%、それから金融、保険、不動産業、こういうところは〇・七一%というふうに低くなっている、かような状況にございます。
○片岡勝治君 公務員の方……。
○説明員(廣見和夫君) 国につきましては、一応法律の上で二つに分けておりまして、一・九%雇用していただく非現業的機関、それから一・八%の雇用率が適用されます現業的機関というように二つに分かれております。この現業的機関につきましては、郵政省、それから大蔵省造幣局と印刷局、林野庁、こういうようなところでございます。それで一・九%の適用されます非現業的機関、これについて見てみますと、現在平均いたしましてちょうど二・〇%ということで、平均いたしまして、求められておる法律の一・九%より高くなっているということでございます。それから一・八%の適用されます現業的機関、これの平均は一・八八%ということになっております。
○片岡勝治君 現業、非現業でその基準に達しない各省庁出先機関、この一覧表をいただけますか、合格しているところはいいですからね。その平均、つまり基準以下の省庁別。そこでわかっているならそれを発表していただきたい。
○説明員(廣見和夫君) 非現業的機関、すなわち各省庁につきましては、国土庁が若干低くなっておりまして、数の上でいきますと三名不足ということになっております。ただ、これにつきましては、国土庁が発足してわりと歴史的に浅いということや各省からの出向者が多いということもございまして、いま鋭意各省庁とも連絡をとっていただいてやっておるということでございますが、非現業機関では国土庁のみということでございます。
○片岡勝治君 あとはないわけですね、非現業は。――いまのは非現業ですね。そうすると、国土庁というのは非現業ですね。現業の方はあるかないか。 それから民間の方が一・五%に対して平均一・一三ですから、これは相当率が悪いわけですね、率直に言って。これは各企業別に出ているわけでしょう。
○説明員(廣見和夫君) 現業的機関につきましては、みんな達成しておるという状況になっております。それから民間の事業所は、私どもの方に個別の報告をもちろんいただくわけでございますが、雇用の義務がかかって、一人以上雇用しなきゃならないというところは、数にいたしまして約三万六千企業ございます。それで、一応公共職業安定所の方に民間企業につきましては御報告いただくということで、個々の状況につきましては安定所段階で押さえているということでございます。
○片岡勝治君 法律で一つの基準を決めたんですから、これは社会全体としてこの法律を遵守していくということで、企業というのは利潤追求という大きな、何といいますか存立の任務があると思うわけでありますけれども、同時に社会的責任も担うと、そういうことが最近特に強く要求されていることでありますから、いわんや国際障害者年という本年に至って、なおかつ非常に低率であるというのは非常に遺憾であります。これはひとつ調査をしていただけませんか。たとえば、非常に企業業績が悪いと、みんな一生懸命に働いておるけれどもなかなか業績が上がらぬというところはたくさんあると思うんですけれども、そういうところは別として、よく新聞でも発表されますね、ベストテン。利益率ベストテンとか、ベスト百とか、大企業とか、しかも非常にもうかっている企業ですね。ベスト百ぐらいをひとつ並べて、障害者の雇用、法律に定める一・五%以下の企業をひとつ発表してもらいたい。これをお願いしたいんですけれども。
○説明員(廣見和夫君) 民間の事業所の個々の雇用の状況、特に身体障害者の雇用の状況でございますが、これにつきましては一つ法律の中に規定がございまして、最終的に成績の悪いところを公表するという規定がございます。ただし、この法律では一応手続を踏まなければならないということになっておりまして、第一は、余り雇用してないところに積極的な雇用の計画をつくっていただく、それの計画をつくるよう命令をするというのが第一段階でございます。それで、その命令を受けた企業が計画をつくって提出いたします。で、その状況を見ておりまして、それでもつくった計画に従ってこれを適正に実施していないというふうに判断されますと、適正に実施するような勧告を行うということになっております。その勧告に従ってもなおいい結果が生まれてこないといいますか、勧告を適正に実施できないというところについては最終的に公表するということに法律になっておりまして、法律的には、この手続を踏まないと民間の個々の事業所は発表できない形になっておるわけでございます。 ただ、先生御指摘の趣旨につきましては、私ども特に大きな企業等につきましては個別に指導するように、たとえば業種別会議というようなものもやって、成績の悪いような業種をできるだけ集中的に幹部に個別に、たとえば労働省幹部あるいは都道府県の段階の幹部に指導をしていただく、こういうような形でやっておるわけでございます。
○片岡勝治君 これは前にも私聞いたことがあるんですが、一向にその率が上がっておりませんね、前に聞いたときとほとんど大差ない雇用率になっている。これはいままでいろんな段階があって、まずその計画を出しなさい、そして実施を勧告する、なおかつやっていない、そこで発表するというこういう段階を踏むわけでありますが、これはいままでこの計画の提出を求めた企業がどのくらいあるのか、なおかつ実施をしなかったので勧告をするというようなところがどのくらいあったのか、勧告をしてもなお実施していない、それがどのくらいの数になるのか、そしていままで――これはいままで発表したことありますか、この企業とこの企業が達成してないというのは。
○説明員(廣見和夫君) 御説明申し上げます。 いままで私どもの方で計画を作成するように命令をした――計画作成命令を出したところは千百十六件ございます。そのうち、状況を見ておりまして、先ほど御説明申し上げましたような、必ずしも適切に実施されてないということでこれの適正実施を勧告した件数は百十三件でございます。で、この勧告後の状況を現在、個別のこの百十三につきましては、その遂行状況を見守っているという段階でございます。
○片岡勝治君 これは千百十六のうち百十三件で、規模別に見るとどうですか。大企業、特にたくさんもうかっている大企業なんかが相当入っているやに聞いておるんですがね。まあ特定の会社の名前言えなければいいですよ、それは。この段階じゃまだ言えないんですね。もう一つ格が上がらないと言えないわけですね。その千百十六と百十三の内容。特定の企業名でなくていいんですよ、業種別、それから規模別、あるいはもうかっているその企業。
○説明員(廣見和夫君) 雇い入れ計画作成命令につきましては、いま手持ちで、どういう規模、どういう業種に出したかという資料は持ち合わせておりませんが、大体やはり六百人以上の規模がほとんどでございます。それで、現在の段階では、先ほど御説明申し上げましたようなことで、その状況を見守っているということで、個別の名前はできない、こういうような形、まあ現段階ではそういう状況になっております。
○片岡勝治君 意外とこの率が低いということ、それを裏づけるような件数が出てきておりまして、大変私はこういう状況を残念に思うわけです。ですから、この際特に政府関係、この問題についての関係筋に強く要望することは、年度末で決算が過ぎると、ベストテンとかベスト百とか、非常に誇らしげに利益が上がったという発表をするわけですね。あるいは、世界の大企業のどこに入った、そういうようなことで非常に新聞をにぎわすわけでありますけれども、そういった企業の中で、身障者を雇用しない、政府が決めた、法律で決めた基準を達成していない、そういうことに対しては私は、この社会的責任というものをもう少し――もう少しじゃない、これは深く自覚してもらいたいと。倒産するかしないかというようなところでは、率直に言ってなかなかむずかしい問題かとも思いますけれども、そうでなくて、順風満帆のそういう大企業、しかも昨今の企業はまさに相当の利益を上げているわけでありまして、なおかつこういう数が挙がるというのは大変残念であります。これはひとつ事務的にある程度できるわけでありますから、勧告に応じない、一定の期限をつけて応じなかったのはどんどん調査をして調べる、一定の時期にはこれを公表する、そういうことによって社会的責任を負担をしてもらう、そういうために政府のひとつ強い指導をぜひお願いをしたい、このように思うわけであります。 私が心配しておりました政府関係機関については、大部分というより一、二の特殊事情を除いてすべてこの基準を上回っているということについては、政府関係方面の努力を多とするわけであります。そういう点で今後とも努力をしていただきたい。 ここでお答えするのはむずかしいかもしれませんが、もし地方自治体の状況がわかっておりますれば、この問題についての概況、お願いをいたします。
○説明員(廣見和夫君) 御説明申し上げます。 手持ちの資料では、一応都道府県と市町村の総括的な状況だけ持ち合わせておりますので、これについて御説明申し上げます。 都道府県につきましては、やはり同様に一・九%のところと現業的な一・八%のところ、二つあるわけでございますが、一・九%が適用されます非現業の機関、これは一・五三というような状態になっております。それから、現業的機関につきましては、これは大分高くなっておりまして、二・三〇という状況にございます。次は市町村の機関でございますが、同様に、非現業的機関、これは一・九八%でございまして、現業的機関につきましては一・九三という状況になっておるわけでございます。
○片岡勝治君 わかりました。 それで、この身障者の雇用ということにつきましては、特に身障者の人権尊重、最近の言葉で言えば参加と平等という一つの考え方に立ってその働く機会を保障していく、こういうことだろうと思うんです。そこには、先ほど企業の雇用率が大変成績が悪いということについて指摘をいたしましたけれども、身障者の雇用につきましては、単なる企業の論理だけで処理すべき問題ではない、つまり片腕がなくても、あるいは足がなくても、あるいは精神障害であろうとも雇用の機会を与える、これが社会的責任である。そういう一つの論理から出発しているわけでありまして、そこには、したがって能率が悪いから、あるいは仕事が遅いからということだけでこの問題に対応すべきでないということはいまさら申し上げるまでもないと思うんです。もしそういうことでなくて、単なる能率主義ということだけでこの問題に対応していくならば、特に営利を目的とする企業あるいはそういうところでは、この雇用というものがむずかしくなるであろう。この定年法の論議をめぐって、公務の能率化とかあるいは新陳代謝とか、あるいは国民の期待にこたえる能率的な行政だ、そういう論理だけで考えていくならば、官庁でもあるいは公務員に身障者を雇用するという、そういう筋道にはなってこないと思うんですね。それはまた別な、もっと人道的な考え方に立って、仮に身障者を雇うことによって、あるいはその職場の能率が、あるいは仕事の時間というものが若干遅くなっても、しかし雇用していくということがこの身障者の雇用の基本的な考えでなければならぬと思うんです。 したがって私は、いままでいろいろ申し上げてまいりましたこの高齢者の雇用の問題につきましても、基本的にはそういうことでなくてはならないのではないか。つまり、いまや身体障害あるいは精神障害を持った方々であっても雇用の機会を保障していく、その働く場を与えていかなければならぬ、こういう時代になってきているわけであります。したがって、それと全く同じように、年をとったからという理由で雇用の機会を拒絶する、そういうことは民間企業であれ公務員であれ、原則的に私は許されない。もしそうであるならば身障者の雇用という論理は生まれてこないわけでありますから、まず私たちは発想を、つまり常識的にいままで考えてきた、私自身も考えてきたそういう発想というものを変えていかなければならない。この身障者問題の雇用というこの課題について私自身も反省をしたわけであります。これから高齢化社会の問題に深刻に取り組むという時代をいま迎えつつあるわけでありますから、基本的にはそういう発想から出発をしなければ、この高齢化社会、高齢者の雇用問題、生活問題、生きる権利の保障、そういうものは成り立たないような気がするわけですが、こういう考え方について総務長官はどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(中山太郎君) やはり老人、老人と言うと失礼になりますかもわかりませんが、高齢者の方々の雇用の機会というものを、もし希望があればできるだけそういうことが可能なように政策的にやっていく、政府も従来中高年雇用対策を促進するための法制度も、補助制度もつくっておりますけれども、本格的な高齢化社会を迎えるに当たりましてはさらに深い配慮をいたす必要があろうかと、そのように考えております。
○片岡勝治君 そういう考え方から出発すると、私は基本的に定年制というものは非常に問題があると思うんですよ。先ほど野田委員が別な角度から、これは労使の協議にしたらいいじゃないか、現に大部分の職場はそういう方法によって事実上退職ということが行われてきたわけであります。つまり、年をとったからおまえはこの職場で働く権利はもうないんだよというようなことではなくて、やっぱり労使の話し合いということになりますれば、それは雇用主とそれから労働者との、間接的にはなりますけれども、話し合いによって職場を去る、こういうことになるわけでありますね。つまり、一定の年齢に来たからもう職場から追放する、おまえはその権利を自動的に失うという措置ではないわけですよ。労使の話し合い、労使協議によって一定の退職の時期を決めるということになればそういうようなことになるのではないか。それは、いま申し上げました身障者の雇用問題と同じような一つの発想から出るのではないかというふうに考えるわけなんです。 それで、ヨーロッパにおきましてはこの高齢者対策が大変進んでおります。これは先ほど長官のおっしゃるとおり、五十年、百年の長い経過をたどって一つ一つ積み重ねてきましたから、ある程度そういうものができ上がってきた。それはおっしゃるとおりでありまして、一朝一夕でこういう一つの社会保障制度ができ上がったとは思いません。しかし、なおかつそうした社会保障制度がある程度完備したと言われる北欧諸国におきましても、別の深刻な問題が出てきておるわけでありまして、それだけに非常にむずかしいと思うんですが、しかしスウェーデンの、つまり高齢者対策の基本になっている考え方は次のようだと指摘をされております。それは、「老人は扶養されるべきものではなく、若い世代と同等に社会の中で独立して自活する権利がある。生活の基本は当然の権利として国民年金が保障するが、体力の許す限りは労働を続け、その上に収入を得るべきである」、これがつまりスウェーデンの老人対策の一つの基本的な考え方である。そこで、その考え方の発想になっているもっと基本的な考え方につきましては、つまり高年齢者層の労働者はみんなハンディキャップを持っている。いずれの人間も高齢になるわけでありまして、高齢になればハンディキャップがある。それなるがゆえに、つまりハンディがあるがゆえに労働市場から疎外をされる、そういう壁を打ち払っていかなければならない、これが高齢者対策なんだと、こういう考え方であります。 つまりこの考え方は、身障者の雇用と全く同様の基本理念だろうと、つまり人間は突き詰めれば何ぴともハンディを持っているわけですね、すべてが神のような完成された人間ではない、知能的にも肉体的にも何かしらハンディがある、そういうことをなおかつお互いに確認し合いながらそのハンディを助けていく、そして人間としての生活をみんなが保障していく、そういうところにこの身障者の雇用がある。つまり高年齢者層の雇用、生活保障もそこから、繰り返し申し上げますが、出発をしていかなければならぬ。つまりスウェーデンの高齢者対策というのは、そういうことだろうと思うわけであります。 そこでさて、それは理念や理屈の上ではまさにそのとおりでありまして、ただほうっておいてそういうことができるとは私も思いません。したがって、いま政府は何をなすべきか、あるいは民間でも何をなすべきかという課題が出てくるわけでありますが、このスウェーデンの政策を見ますと、そのために、労働能力の低下、そういうものが一体どの程度なのか、こういう個々の高年齢者層の科学的な測定、労働能力回復のためのリハビリ、労働能力低下による転職のための職業訓練、こういうことが同時に、というよりもそういうことが先行した政策がとり行われていかなければなない、こういうふうに指摘をされているわけであります。 日本でも遅まきながらこういう点についていま取り組まれつつあるわけでありますけれども、今度の定年法を政府は提出したわけでありますから、高年齢者になったらお前はもうやめなさいということで一斉に首切るということになるわけですが、しかし同時に私は、物理的もう必然的に一定の年齢が来る、それはわかるわけでありますから、各省庁においてそういう、これは非常にどういう方法が一番いいかむずかしいと思うんですが、スウェーデンがとっているようなそういう施策というものができないのだろうか。われわれはこの定年法というのはいいと思っておりませんけれども、これは勧奨退職でも同じですよね。つまり在職中、そういう一つの教育といいますか高齢者教育といいますか、あるいはもっと広い意味では職業訓練と、そういう問題について、これは政府だけではない、民間企業においても私は取り上げるべき課題ではないか、今後ますますそのことは重大な課題、要請になってくるのではないかと思うんですが、こういう構想はどうでしょうか、非常にむずかしいと思うんですけれども、今後政府で検討していただきたいと思うんですが、これについての見解を。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の、高齢化社会における生き方の問題であろうと思います。 総理府においても老人問題懇談会というのが昭和四十七年に発足をいたしまして、自来何回か懇談会を開催をいたし、いろいろ各方面の識者の意見を求めておりますが、やはりこの定年制度の問題というものが公務員の社会に入ってくる、あるいはまた一般の民間人も含めた方々に第二の人生の設計というものを考えていただくというためには、退職準備プログラムというようなものが将来必要になるだろうと私どもは考えておりますし、そういうふうないわゆる自分の老後をどのプログラムで生きていくかということの選択というものは当然御本人の自由意思でありますけれども、やはりいろんないわゆるプログラム自身の整備ということはわれわれの方も十分検討しなければならないと考えております。
○片岡勝治君 この東大の氏原という教授ですか、この方の高齢者の雇用という問題の論文の一部にこういうことが書かれております。 高齢による労働能力の衰退は、絶対的なものではなく、相対的なものである。いま、高齢者の労働能力を生理的および心理的機能の程度によってではなく、労働の成果すなわち労働の生産性によって測定するとすれば、それは高齢者が労働を行う生産条件なり労働条件によっても影響を受ける。青壮年労働者に比べて労働力が低位な高齢労働者であっても、高い生産性を発揮できるような生産技術なり生産方法が開発され、労働条件を準備できるならば、高齢者の身心的能力の低下にもかかわらず、生産性を維持または増大させることができる。こうした努力がなされないならば、高齢化はより早く進行するにちがいない。 日本でもこういうものを積極的にやっていけば問題の解決が図り得るのではないか。しかし残念なことに、こうした高年齢者層に対する生産技術、つまり青壮年労働者に比べて決して劣らない高い生産性を維持できる、そういう高齢者の労働条件あるいは生産技術、そういうものを開発していく努力がいまの企業にない。これはいまの企業、まああえて怠慢とは私は言いませんけれども、年功序列の労働賃金が日本の賃金体系になっているわけでありまして、そんな技術を開発するよりも安い、若い労働者を採用した方がいい。事実そういうことでありますから、いままでは若干無理だったと思うんです。しかし、この先生の指摘するように、これから高齢化社会を迎えるということになりますれば、好むと好まざるとにかかわらず高齢者を雇用していかなければならぬ。 私は、これは公務員の場合だってそのことを深刻に考えなければならぬ時代が来ると思うんです。つまり公務員は、いやこれはもう公務の能率だからすべて六十で首切りだと。しかし高齢者は全部民間でひとつ雇用しなさいなどと言っても、それは民間が言うことを聞かないと思うんです。そういう意味で、公務員の方におきましても、いま言ったような高齢者の労働に向くようなそういう生産技術、職場環境、そういう仕事の研究、検討というものが行われてしかるべきだろうと思うんです。したがって私は、これからは公務の、つまり各省庁では無理だと思うんですけれども、一定の政府機関の中においても将来は高齢者を雇って、つまり、定年をある人によりますれば、恐らくこれはもう年金との関係もありますね、年金の成熟度の関係もあるから、この定年法が仮に通過して四、五年たてばもう一度この定年を延ばすようにならざるを得なくなるだろう、今度は六十五歳に。 そういうふうに、好むと好まざるとにかかわらず、高齢者雇用というものは官民一体になって深刻に考えていかなければならぬということになりますれば、高齢者のそういう職場というものを保障する意味で、もう少し検討する、考えていく機関が必要だと思うんです。こういう点についてはどうですか。これを機会に、民間企業におきましても高齢者雇用、そういうものを今後の重大な柱として政府は行政指導をしてもらいたいし、それよりも前に、公務員においても高齢者が働き得る、そういう一つの役所としての機能、そういうものを検討する必要があると思うんですが、これについての見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘の点はきわめて重要な点でございますので、総理府におきましても検討を準備いたすつもりでございます。
○片岡勝治君 次に、今度の定年法の改正に、一般公務員の定年制の改正に横並びということでしょうか、自衛隊法の一部を改正する法律案が同時に出されております。で、これはいつも自衛隊の定数を改定をするときに問題になりますね。隊員の定数と充足率と言うんですか、実際の人員とに大きな違いがある。こういうことが指摘をされておりますが、最近の各自衛隊の隊員の充足率について傾向をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(石崎昭君) 最近の自衛官の充足率について申し上げますと、昭和五十五年度末の数字で階級別に申しまして、幹部が――幹部と申しますのは御存じの三尉以上でありますが、この充足率が九七・三%、それから准尉クラスの充足率が八七・一%、それから曹クラスの充足率が九九・四%、それから士クラスの充足率が七五・三%、以上幹部から士まで平均しました充足率が八九・六%という状況でございます。
○片岡勝治君 幾たびかこの防衛二法という名のもとに法案を改正し、あるいは定数を改定をしてきておりますが、実際にふたをあけてみますと、特に士と言うと昔の兵ということになりますかね、陸軍で言えば。七五・三%ということでありまして、非常に充足率が低い。しかし、なおかつときどきこの自衛隊法を改正して定数増をこれまでも繰り返し繰り返しやってきておりますが、実際はそういうふうで、現実にはそれの充足をしていない、これが現実であります。 それから、退職しますね、任期二年ですか。二年たつとやめていいという。もちろんこれはいつやめても自由なんでありますが、一応二年任期ということになっておりますが、その傾向はどういう傾向になっておりますか。自衛隊としてはできるだけさらに二年ですか、いるように、とどまるようにそれこそ勧奨しているようでありますが、退職の傾向。
○政府委員(石崎昭君) 御存じのように、士クラスの隊員は任期制の自衛官でございまして、二年または三年を一任期というふうに決められております。陸が二年、海空が三年ということでございます。 それで、退職の傾向でございますが、この割合、短期の任期を終えて任期満了で退職する者がもちろんございますほかに、任期の途中で退職する者がございます。最近五年間の数字を調べてみますと、任期制隊員の退職者の数が年間約一万六千人から一万八千人という間を上下しておりますが、このうち任期を満了して退職していく人たちの数は約一万人から一万一千人の間の数字でございます。それから、任期の途中でやめていく人たちの数は六千人から七千人という間の数字でございます。これが最近五年間の退職の傾向でございます。 最近の傾向としましては、任期を満了してやめていく人たちの数は大体横ばい状態ということで大きな変化はございませんけれども、任期の途中でやめていく人たちは、昭和五十年度以前年間一万人を超えていたのに比べますと、先ほど申し上げましたように、最近五年間ぐらいは六千人から七千人の間を上下しておるということでございまして、任期途中でやめる人の数は任期満了者が横ばいであるのに比べると減っておる、こういう状況でございます。
○片岡勝治君 防衛庁職員、これは自衛官の方の退職の停年、過去の、これはずっと昔から変わりませんか。途中で変わりましたか。そのことをちょっと。 それから防衛庁職員、これは自衛隊員ではないわけですね。その定年がどういうふうに変わってきたのか。今回の改正は別にして、過去。
○政府委員(石崎昭君) まず自衛官の停年でございますが、自衛官の停年は法律とそれを受けた政令によって定められております。それで階級別に決まっておりますので、それを申し上げますと、将クラスが五十八歳でございます。それから将捕、これが五十五歳。一佐クラスが五十四歳。それから二佐から一曹までの間の人たちは、従来五十一歳でございましたけれども、いまその停年の延長を何年かかけて推進中でございまして、五十六年の十月以降は、二佐から一曹までの間の人は、従来の五十一歳の停年が五十二歳になります。それから二曹、三曹クラスの人たちは五十歳。以上が自衛官の法律、政令で定められているところの停年でございます。 それから、自衛官以外の事務官等につきましては、一般職の公務員と同様、いままで定年というのはございませんでした。そこで、今回一般職の公務員の定年制の問題と並行して、自衛隊法の一部改正ということで御審議をお願いしているわけでございます。
○片岡勝治君 自衛隊の直接の隊員ということでありますから、一般の公務員よりもこれは停年が低いわけですね。将来五十三歳という、昭和五十八年で准尉以上二佐までが五十三になるということですね。一般公務員が六十で自衛隊員は五十三だというのは、五十三というのは何か根拠があるんですか、公務員と比較して。まあ高齢者になるとどうも元気が出ないからなんというようなことになるのかもしれませんが、何かこれ根拠があるんですか。
○政府委員(石崎昭君) 自衛官の職務は、御存じのように有事の際には戦闘という体力、気力、知力とも一〇〇%動員して仕事をしなければならないという特殊な職務を持っております。そして、そういう任務を確実に果たすためには体力、気力ともに充実していなければなりません。それを鍛えて精強な自衛隊をつくるという必要があるわけでございます。そういうことで、一般に日本人の寿命が延びてきており、かつ高齢者の能力が昔に比べて向上しているという背景はございますが、そういうことを十分勘案した上で、一方自衛隊に要求されるそういう特殊な職務に応じ得る年齢層というものを検討しまして定められておるというわけでございます。
○片岡勝治君 体力、気力は、これはいかなる職場でも要請されるわけですが、まあ、いいでしょう。 次に、防衛大学の卒業生が大分卒業して自衛隊に入らずに他の職業を選ぶ、こういうことで、いろんな意味で注目をされたといいますかそういう報道がなされておりますが、卒業生の最近の就職先の動向、ここ二、三年。私の質問通告は二、三年ということを言ってなかったかもしれませんね。もしわかればで結構ですが、その数、お願いをしたいと思うのです。
○政府委員(石崎昭君) 防衛大学校卒業生のうち、自衛官に任官しない人たちのその後の動向というのは、私ども人事管理上大変必要なことでありますので、あとう限り追跡調査をやっておるわけでございます。で、民間に就職したという人たちは実は一〇〇%はわからない場合がございまして、と申しますのは、中にはどこへ就職したか御本人が言いたがらない人たちもありますので一〇〇%はわかりませんが、大部分は正確につかむように努力をして、正確につかんでおるわけでございます。一番新しい、ことしの春卒業した人たちの場合について見ますと、四十二名の人が自衛官に任官しませんでした。そのうち、家庭の事情、これは親の家業を継いだり、そういう人たちもございますので、これもある意味では何らかの職につくということになりますが、こういう人たちが九名、それから民間会社へ行きたいという希望の人が五名、その他一番多いのが体が悪くて自衛官になれなかった人たちでございますが、就職について言えば以上のような数字が出ております。 その人たちについて、その後調査を続けました結果、五月二十日現在でその後の行方がわかっているのが二十二名わかっておりますが、内訳は製造販売業が十三名、商事、コンサルタントというような職業が三名、土木建設関係が二名、それから自家営業というものが三名、それから進学希望で進学先へおさまったという人が一名、以上のような二十二名の行方がわかっております。目下、まだ就職や進学を希望しながら落ちつき先が定まっていないという人がこのほかにございます。 これはことしの春卒業した人たちについての数字でございますが、お尋ねのように最近数年間という数字を実は持ってまいりませんでしたので、ことしの卒業生についてだけ数字を申し上げましたけれども、過去の卒業生のおおよその行方というものがわかっておりますので、何年から何年というふうに区切っては申し上げられませんが、過去の卒業生のおおよその傾向というものはこれによって御説明できようかと思います。 これは、防衛大学校卒業生で自衛官に任官しなかった人たちがつくっております小原台クラブという親睦団体がありまして、そこに入っている人たちの就職先ということで得られたデータでありますが、それによると、航空会社方面一一%余り、製造業二四%ばかり、それからシステム開発とか情報処理関係の業務、これが一九%、商事会社などが約一三%、自家営業四%、自由業が三%、防衛庁以外の公務員等になりましたのが約五%、その他一四%、それから職業不明というのが六%ばかりあります。以上のような数字が防衛大学校卒業生で自衛官に任官しなかった人たちの落ちつき先ということでございます。
○片岡勝治君 ことしの卒業生は何名でしたかな、これ。
○政府委員(石崎昭君) ことしの卒業者は四百十八名でございます。
○片岡勝治君 四百十八名中四十二名、約一割、一〇%程度の人が防衛大学を卒業しても自衛隊に入らずに他の職業を選んだ、こういう傾向ですね。今日の防衛大学の性格から、こういう傾向が出るということは、考えてみれば当然と言えるかもしれません。しかし、防衛大学を卒業して自衛隊に入らないという行動をとるにはよほどの勇気が要るということが言われていますね。これは当然だろうと思うんですよ。相当説得されるであろうということはおおむね想像がつくわけでありますが、しかし職業選択の自由という憲法の保障する人権からすれば、こういう現象があるのも好ましいと言うとあなた方にちょっと申しわけないような気もしないわけではありません。しかし私は、防衛大学でもそうなんだ、決して強制するものではない、職業選択の自由も防衛大学は認めているんだ、こういう姿勢をとっていく方が将来の防衛大学という点からしてもむしろ好ましい。ということは、大変あなた方にとってつらいかもしれませんけれども、私はそう感ずるんです。だから、余り強制的に首に鎖をつないでもとめ置くと言っても、それは結局自衛隊のためにならぬ。むしろそう言って無理に引っ張ってきても、それはまたいつかやめていくということになると思うんです。そういう意味で、民主的な防衛大学の一つの象徴的な事件として――事件といいますか傾向として、このことを新聞で拝見をしたわけであります。 それでは、次の問題に移りまして、天下り人事の問題につきまして、どなたでしたか、政府代表で答弁をしていただくのは。――今度の定年制に関連いたしまして、俗に言う天下り、余りいい言葉ではありませんけれども、ほかに適切な言葉がありませんから、この言葉を使わしていただきます。特殊法人、公益法人の役職員の人数、その中に占める俗に言う天下り役員の人数及び比率、まずここからお答え願いましょうか。
○説明員(栗林貞一君) 私どもの方で把握しておりますのは特殊法人の役員の関係でございますが、五十六年一月一日現在で特殊法人の役員数は七百六十九人でございますが、そのうち国家公務員から直接特殊法人の役員に就任した人が三百十八人。それに準ずるようなかっこうで就任した人が百二十四人。合わせて四百四十二人、五七・五%という率でございます。これは閣議決定に基づきましてその任命に当たりまして私どもの方で直接協議を受けているという関係で把握しているわけでございまして、いま先生おっしゃいました公益法人の関係は、これは非常にあの数から、あるいは役員の数も膨大なものでございますが、それぞれ各省で関知しておるということになっております。
○片岡勝治君 これは全体を何か調整、指導する機関というのは、冒頭私が申し上げたんですが、どこかにあるんですか。
○説明員(栗林貞一君) 特殊法人の役員については、調整と申しますか閣議決定――これは五十二年の十二月の閣議決定がございまして、広く各界から有識者を起用するということがございます。それからさらに、五十四年の十二月に閣議了解をまたしていただきまして、具体的な運用方針を決めました。全体の特殊法人の常勤役員について、国家公務員からの直接の就任者及びこれに準ずる者をその半数以内にとどめる、これは個別の法人についてではございませんが、全体として半数以内にとどめることを目標にするということを決めまして、具体的なやり方としては、個々の役員の任命に当たって一人ずつ私ども協議を受けておりますので、その際にチェックしていくというふうなやり方でやっております。
○片岡勝治君 私の手元にある資料によると、特殊法人のうち日本蚕糸事業団役員六人のうち、いわゆる天下り五〇%、社会保障研究所がこれは全員ですね、新技術開発事業団六〇%、畜産振興事業団が七五%、日本小型自動車振興会一〇〇%、日本労働協会七五%、建設業退職金共済事業団一〇〇%、日本航空機製造七五%、国際観光振興会八五・七%、日本私学振興財団四二・八%、国民生活センター八五・七%ということになっておりますね。細かくずっと読み上げたからおわかりにくかったかもしれませんが、大体こういう傾向ですか。半分以上は入れないというようなことの申し合わせのようですけれども、いま私の申し上げた十一の特殊法人は、みんな半分以上天下り役員によって占められておりますが、こういう傾向ですかな。
○説明員(栗林貞一君) 私、先ほど申し上げましたのは、半数以下にとどめるというのは、個々の特殊法人についてそれぞれ半数以内ということではなくて、特殊法人全体について見まして、全体として見た場合に半数以内になるように努力するということでございます。 先生おっしゃいました数字につきましては、私どもいまここで一つ一つ確認するわけにまいりませんけれども、やはり閣議了解でも個々の法人について決めなかったという意味は、法人の業務内容がそれぞれ非常に違っております。国の業務の延長でありまして、なかなか民間人の起用が困難であるものとか、特に行政上の専門的な知識が必要であるものとかいろいろございますし、さらにまた設立年月が浅いために、まだいろいろ行政的な経験を持った人をどうしても持ってこなければいけないとか、いろんなケースがございますので、それはそれで特色を考えながら、全体として半数以内に持っていこうということでいま努力しているわけでございます。
○片岡勝治君 しかし、私も若干調べましたけれども、実際には各省庁と直接特殊法人なり公益法人なりの、いわば非常に悪い言葉だけれども、なわ張りというのがあって、このポストは大蔵省の局長、このポストは通産省の何々局長、そういうふうにほぼ半分ぐらいはもう決められているんじゃないかというふうに思えるんですよね。そういう先約みたいな、もう契約みたいになっているところがあるんでしょう。本当に特色的な職場、公益法人の場合私もわかるんですよ、一、二。これはまあ無理もないというところはあるんですけれども、そうでない場合に、そういう先約みたいな天下りというのがあるんじゃないですか、すでに。
○説明員(栗林貞一君) この点については各省におきましても非常に気をつけておりまして、閣議決定でも、国家公務員出身者から選考する場合には、関係省庁の職員にとらわれず広く各省庁から適任者を選考するということになっておって、それに基づいて考えておるわけでございますが、ただ現実の問題といたしまして、国家公務員出身者から起用する場合でも、いまの適材を持ってくるという場合には、どうしてもその人の知識、というものを考えながら起用すると、役員に任命するということになりますと、やはり現実の問題としては、結果的に関係している省庁、その法人に関係している省庁から行く場合が相当あり得るという現実は否定することができないと思いますが、基本的な態度としては、そういうなわ張りとかその枠とかということでなく考えてやっているということでございます。
○片岡勝治君 冒頭私がお願いしたように、率直に言って、全体を強力に指導する――まあ人事のことですから各省庁の、つまり各大臣が直接その責任者になっていると思うんで、いまの機構からすれば難点がなきにしもあらずですけれども、全体を見渡してそれをチェックする、そういう機関というか機能を果たしているところはどこになるんですか。
○説明員(栗林貞一君) 特殊法人の役員については、官房長官が全体を見渡してチェックしております。コントロールしております。
○片岡勝治君 たてまえはそうなっていると思うんですけれども、実際そういう機能が働いていますか。というのは、いまあなたの答弁でも、その関係する省庁、金融機関であれば大蔵省、つまり金融関係機関で言えば大蔵省ということになるんでありますが、それに関係する特殊法人なり公益法人は大蔵省ばかりから持ってくるなと、広く人材を他の省庁からも持ってくるように努力しろと。言葉じゃわかるんですよね。事実、見るとそういうところがあるんですよ、大蔵省から来ている方もいれば通産省から来ている方もおる。どうしてそういうことになったかというと、それはやっぱり大蔵省からもらう、通産省からもらう、そういう場合にはまたそのお返しをするそうですよね、そのお返しを。そうなんだってさ、わかるでしょう、それ。他の省庁からももらいなさいというような場合には、ちゃんと取りかえっこをする。だから言葉は非常にきれいなんですが、実際は同じなんですよ、それは。他の省庁からもらった場合には、別な意味でそのお返しをすると。だから見れば、なるほど最近はばらつきがあるんですよ、ばらつきがある。しかし、裏ではそういうことがあるという。私もなるほどなと思うんですね。 つまり、そのことをやらなければ省庁間の関係がうまくいかないわけでしょう、お返しがなければ。だから私は言っている。どこかもっと強力な指導機関というかそういうものがなければ、この天下り問題というのは――私は一〇〇%天下りがいけないとは言っておりません。そうは言っていないんだけれども、世上大変批判が厳しいところですから若干質問をするわけですけれども、実際はそういうことになっているのですよ、省庁間で。取引ですよね、悪い言葉で言えば。それでバランスをこう……。それが強力な指導機関によってある程度やっているなら私はいいですけれども、どうですか、そういうことは風の便りに聞きませんか。
○説明員(栗林貞一君) 私ども具体的に、この任命権はそれぞれ法律によって主務大臣が持っておるわけでございますが、関係している省庁でどのような話し合いが行われたかということをいつでも確かめてわれわれの方でオーケーを出すというわけではございませんけれども、やはり閣議決定なり閣議了解があるわけでございますので、それらについては非常に厳しくチェックして、個々の人材がその役職について適格であるということを見きわめまして、一人ずつ全部チェックしてやっているつもりでございます。
○片岡勝治君 まあ個々の法人名や人名を挙げますといろいろ支障がありますので、私も控えたいと思うのですが、ある法人では建設省から二人、大蔵省から二人、運輸省から一人、こういうふうに、これは特定の省ときわめて密接な法人ですけれども、そういうふうになっている。ところが、ちょうどそれと対応するように、別の法人を見ると、その取りかえっこをしたような人事がもう出てきているわけですからね。こういう点について、私はぜひこのもっと強力な指導機関、調整機関というものでやってもらいたい。あなたの答弁を聞いてみると、人事は主務大臣が持っているからということであり、なるほどそうかもしらぬけれども、実際にそういうふうに、まあ裏取引と言っては大変悪い言葉でありますけれども、ばらつきがある。しかしそれは貸した、取ったということで行われているということは私も聞いているのです。つまり、それをやることによってスムーズな人事ができるんだということでありますから、大変私は不純な関係だろうと思うんです。 さて、高級公務員が、先ほども退職勧奨で野田委員からいろいろ質問がありましたが、これは調査室でいただいた資料によりますれば、資料(3)ですかな、「各省庁における退職勧奨への実態」という表が出ておりまして、各省庁の名前は具体的には書いてきておりませんが、ABCDで書いてありますから、Aが総理府でBがどこでということはわかりませんが、勧奨基準年齢というものが書いてありまして、A、これはどこかの省庁でしょう、勧奨基準は五十歳から五十七歳、このいわゆる上位官職とその他に分けて勧奨年齢を決めているところがありますね。たとえばこの表で言うと、C省によれば、上位官職の勧奨は五十五歳、その他の者は五十七歳、つまり階級の上の方、恐らくまあ局長クラスでしょう――の者には五十五歳になると退職勧奨をする、そうでない一般の方には五十七歳で勧奨をすると、こういう一つの基準でやっておると、こういうことでありますね。 こういう点についても、あれですか、これを見るとばらばらのような気がするのですよね。つまり上位官職、仮に局長としましょう、局長に対する退職勧奨というのは、五十七歳もあれば五十五から五十八もある、五十七もある。ばらばらなんですが、これは実際こういうことなんでしょうね。別に協定をするとかなんとかということはないわけですね。
○政府委員(斧誠之助君) 個別の省庁につきましての勧奨基準年齢といいますのは、それぞれ各省事情がございますし、それから労使関係の中で決まっていったというようなこともございますので、個別にはちょっと差し控えたいと思うんですが、全体として申し上げますと、一番若いところで課長クラス以上、課長補佐クラス、係員、いずれも五十五歳から始まっております。で、五十五歳のところが、これは行政職俸給表(一)の場合ですが、課長以上のところで三省庁、課長補佐のクラスで二省庁、係員のところで一省庁ございます。あとは、五十七歳が三省庁ございまして、五十八歳が二十三省庁、六十歳が四十二省庁ぐらいございます。そんな状況でばらばらになっておりますが、勧奨でございますので、強制にわたるというようなことはあってはならぬということで運営されているはずのものと思っております。
○片岡勝治君 これは調査室からいただいた資料なんですが、この資料によると、上位官職というのは、これは課長以上、これも省庁によって違うんですか、いまちょっと課長以上というように言っていましたね。
○政府委員(斧誠之助君) 課長以上で申し上げますと、五十五歳が三省庁、五十七歳が二省庁、五十八歳が十二省庁、六十歳が十三省庁、六十一歳以上で三省庁となっております。
○片岡勝治君 このばらつきがあるということは、いろんな事情があってそうなっているんでしょう。そこで、この資料によると五十歳から行われているというところもあるんですが、これあるんですか、五十歳。
○政府委員(斧誠之助君) 私どもの方で調査しましたのははっきりと内規等で省で決めているというものでございまして、事実上そのようなものがあるかどうかということはちょっとわかりかねるところでございます。
○片岡勝治君 上級官職の退職勧奨をする場合に、一般職員よりも若いうちに退職勧奨をしております。これどうして差をつけているかと言えば、こういった方々にはちゃんと次のポストを与えるわけです、次のポスト。だから早くするわけなんです、そうでしょう。これあなたに聞いてもわからないかな。総務長官、どうですか、こういうふうに差をつけていますよね、上級官職と一般職員。なぜ、上級の場合には若くしておまえやめなさいと、こう言っているかと言えば、やめてもほらここがあるよと、こういうことでね。ですから差をつけているでしょう。総理府に余りそういう例はないですか。
○国務大臣(中山太郎君) 総理府には余りそういうケースはございません。十分熟知をいたしておりません。ただ、上級公務員の場合は数が少ない、そのために嫁入り先も少ない、なかなかこの問題は、本人もさることながら、やめていく人に対する役所の立場もなかなかむずかしいものがあるんじゃなかろうかと私は感じております。
○片岡勝治君 これ、人事院なんかはそういう実態というのはおわかりにならぬのですか。先ほど大分この勧奨退職についていろいろ人事院の方も見解を出しておりましたけれども、こうした実態についてどういうふうに把握されておりますか。
○政府委員(斧誠之助君) 具体的に勧奨された人間が何人いて、何人が再就職してというようなところまではとてもわかりませんけれども、非常に、五十五歳以下の若年の場合は就職をあっせんするのが通常ではなかろうかというふうには考えております。
○片岡勝治君 この退職勧奨についても、先ほどから野田委員もずいぶん追及をされましたし、私の方からもいろいろ質問をいたしました。このこと自体にも非常にいろんな矛盾がありながら、しかしなおかついままでは比較的うまくいっていたということでありますが、最も大きな問題点は、いま指摘しましたとおり、上級官職の場合には退職勧奨をするほとんどがやめる、しかしそれは次のポストが待っている。したがって、上級官職の場合には、かっこうはやめなさいということであっても、一つの転職勧奨みたいなものなんですね。だから、こういった方々、上級官職の場合には、一般の公務員の退職勧奨と違って、むしろいい潮どきに、先ほど天下りという言葉を使いましたけれども、次の職場に天下っていく。こういう点では、むしろ退職勧奨というものは上級官職にとっては何らの苦痛ではない、むしろ潮どきだ、そういう実態だと思うんですよ、これは。 そういうふうに私たちは受け取るわけでありますけれども、この資料によりますと、付帯条件として再就職あっせんというのがありますね。つまり退職勧奨をする、その場合にいろんな条件がある。たとえば退職勧奨をしますけれども、この際それでは特別昇給をやりましょう、そういう条件をつけている省庁もある。再就職あっせんをするという省庁もこれずいぶん多いんです、大変多い。しかし私は、再就職あっせんの省庁が大変多いけれども、実際には再就職あっせんがこんなにできるはずはないと思うんですが、これは結局上級官職にある人だけじゃないんですか、これは。こういうふうに理解していいんですかね。 この資料はそちらに行っていませんかね、恐らくそちらの方からいただいた資料じゃないの。これは調査室に聞かなきゃいけないんだろうけれども、調査室が各官庁へ行って調べるはずはないと思う。やっぱり資料をもらってきて、それを集約して解説をした資料だと思うんですよ。ちょっとこれ見せましょうか。(資料を渡す)
○政府委員(山地進君) この資料によりますと、人事局の調べということでございますので、私どもの方で各省の人事、退職勧奨の実態を集計したものであろうかと思います。私ども手元に持ちませんので大変失礼いたしました。
○片岡勝治君 だから、これ事実なの、そうすると。事実なら大変好ましいから大いにほめようと思ったんですよ、私は。
○政府委員(山地進君) 私、この資料そのものをいままで見たことないという意味では、私どものふだん利用しております資料にはないわけでございますけれども、参議院の内閣委員会の調査室でおまとめいただいているわけでございますし、その中に「人事局調べ」と書いてありますので、私どもが資料の、少なくとも材料というものを提供しているか、あるいは私どもで集計して調査室にお届けしている資料であるというふうに考えざるを得ないと思いますけれども、私自身は余り見たことのない資料でございます。
○片岡勝治君 これ、あなたの方で出した資料だから、これはうそを報告するはずがないと思うんですね。大変りっぱなことだから、事実なら大いにほめようと思っているんですが、しかし事実はそうじゃないんですかと言いたいんですよ、ぼくは実情を知っているから。だから、そうなればさっき言ったように、もう各省庁の人事担当者を呼んで一つずつ確かめたいんですよ、これは大変重大な問題ですからね。やめるときに全部再就職をあっせんされるというならば、まああっせんしないところも何か一、二カ所、省庁あるけれども、おまえのところもやりなさいと私は言いたいんですよ。だけれども、大部分が再就職をあっせんしているということですから、これは大変いいことだと。しかし、これはうそだろうと、そんな全部――うそというような言葉は失礼ですけれども、ちょっと事実と違うんじゃないかと。だから、これは各省庁確かめたいんですよ。
○政府委員(山地進君) 私は人事局長でございますけれども、私の経験は限られているので、一般的に各省庁がどのようなことをやっておられるかということを申し上げるのはいかがかと思うわけでございますけれども、退職勧奨ということについて、各省がそれぞれの御事情に基づいて人事当局が非常に努力しているということは事実だと思います。ただ、ここに書いてございますように、付帯条件というような形で、そういったことが必ず条件にならなければ退職勧奨が行われないかどうか、人事当局として退職勧奨をするときに再就職のあっせんができれば非常にスムーズにいくという意味では、再就職のあっせんということは大事なポイントであるわけでございますけれども、それがなければ退職勧奨ができないということではないのではないかと、かように考えているわけでございます。 それから、上級職員の場合にはポストがあるから退職勧奨するんだというお話でございますけれども、私もかなり生き長らえてここまで来ているわけでございますけれども、同僚がやはりいたいのを、同じぐらい勤めたいという者がやめていっているという経験は私の身近に多いわけでございまして、その場合には、本人の意に反してやめてもらうということに努力を重ねた結果再就職の方に結びついている、再就職の方が先にあるというような事実は少なかったように私は考えております。
○片岡勝治君 これは総理府の人事局調べですからね、私が駆け回って調べた調査ではありませんから、ちょっとくどく質問をするんですけれども、この表を見れば少なくとも各省庁、大部分の省庁では再就職のあっせんが付帯条件として、年齢は低い方で五十歳ないし六十歳の間で退職勧奨をすると、こういうことになっておるわけですよね、行(一)の職員については。だからこれが事実なのかどうか。これは定年法とも非常に関連するわけなんですよ。今度は定年法があればそれやらぬわけですからね、いままでの答弁だと六十になればもうさっとやめていくんですから。まあここで言い合ってもしようがないから、これひとつ大至急、各省庁に対してこの事実がどうなのかということを調べて御報告を願いたいと思います。その点について質問を私は留保しておきたいと思うんですが、私が想像するのは、再就職あっせん、付帯条件は上級官職だけだろう、一般職員についてまでこれを条件として退職勧奨というのは恐らくやってないんじゃないか。これは相当の人数になりますからそんなことができるはずがないと思うんですが、しかし、いやそうじゃないと、各省庁、最近の大臣は非常に温情ある人だから、ちゃんと再就職のあっせんをして勧奨しなさいと、こういう指導をしているのかもしれませんけれども、ちょっとその辺はしかし実態と合ってないような気がするわけです。 そしてこの特別昇給、これもこの表によれば、九つの省庁がもう一覧表になって、秘密書類じゃありませんから、みんな見ているでしょうからね、ちゃんと九つの省庁ではやめてもらえないかと、じゃこの際一号俸か、まあ二号俸ということはないと思うんだけれども、ひとつ特別昇給してあげましょうと、そのかわり。こういう条件をつけ、この表によれば、なおかつ次の職場はここですよ、何々協会のどこどこ、部長ですよ、理事ですよと、こういうことになっているわけですよね。これも、ですから特別昇給の場合に個々ばらばらである。半数以上が特別昇給をやってその他はやっていない。ですから、やってない省庁からすれば、やっていることが悪いということじゃなくて、逆にやってないところはそれだけ不利になっているということが一覧表で出ているわけですからね、このABCDの暗号をぜひ解読したいところなんですが、これは私にもわかりませんけれども、これなどもあるいは全部の省庁がやっているかもしれない。やっているかもしれないけれども、まあその点はやっていませんよということであるかもしれません。この点もひとつぜひ御調査をいただきたい。 さて、そこで本論に入るわけですけれども、つまり勧奨退職をして、一定の条件をつけて、つまり再就職ということを付帯条件にして退職勧奨をする。気持ちよくやめていくのは、いわば高級官僚といいますか上級官職だろうと私は想像するわけなんですが、そうなりますと、これまでも非常に私は、一般上級官職以外の公務員の場合にはそういう点で冷遇をされてきた、こういうふうに感ずるわけなんですが、それでなぜそういうことを申し上げ、定年法とどういう関係があるかと言えば、今度は六十歳で定年になる、しかしこの表で見るとおり、上級官職の場合にはもう少し若いときにやめていくわけでありますが、しかし実態は、その人の将来は決してそうではなくて、仮に上級官職についている人は、五十五であれ五十七であれ、やめても次の職場が待っている。そこで四年なり五年なり八年なりやる。つまり上級官職の人は、六十歳定年が法律で決まっても、この人たちは六十二なり六十五なんですよ、現実に定年は。そうでしょう。 なぜさっき私がくどく追及したかというと、一般職員まで、つまり上級官職でない人たちまで再就職をあっせんしたというのならいいんですけれども、それは実態に合ってない。そういうことはあり得ない。結局、上級官職の場合には早い人は五十五でやめさせられた、五十八でやめさせられた、しかし次の職場が待っているから、それをつなげば六十二なり六十五なり、上級――恐らく局長以上の方はみんなそういう職場にあっせんをされて、さらに働けるということがもう九分九厘保障されているわけですよ。 そうすると、今度の定年制は一体何か、それは上級官職の者でなくて、一般公務員だけは六十になれば問答無用だ、さっとやめさせる、就職あっせんなんか言う必要ないんですよ、自動的に車からおろされるというのが定年退職ですから。しかし、上の方の人たちはそういう制度とは無縁に、六十前にやめて次の職場がちゃんと保障されている。えらい人は定年とは無縁な関係になるということになるんではないですか。そうすると私は、一般職員が見てずいぶん非情なものだなということ、私がもしどこか机の上で、一公務員として平で働いている、そういうときにこの定年制を見たときに、ああ、おれの方の局長は来年やめるそうだけれども、五十七でやめるけれども、次の理事になって何か三年、五年、またその次にどこかの公団へ行って三年、五年、こういうことが保障されているんだ。こういうことを目の当たりに見れば、何と非情な定年制だろうというふうに感じますね。非常にこれは感情的な一つの感想になるわけですけれども、公平な立場に立って人事院は、こういう事態、こういう現実を、今度の定年制と絡めて、どういう御感想をお持ちですか。
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻来るるいろんな点について、御指摘なり問題についての御意見があったわけでありまして、われわれとしても大変参考になる問題として傾聴をいたしておった次第でございます。 いまの問題でございますが、これについて私はこういうふうに考えております。すなわち定年制をしく、そういう場合に一番問題になりますのは、定年年齢をどこの線で引くかということでございましょう。これが、現実にそれにかわるものとして現在まで機能してまいっております勧奨退職ということと大きな隔たりがあるということになりますと、これはやはり大変な問題であろうかと思います。そういう点もございますので、各省庁が従来長きにわたってやってまいりました勧奨退職の大体の年齢、めどというものもしさいに検討いたしまして、また実態も調査をいたしまして、それらを参考にいたしながら、まあこの程度であれば適当なのではないか、それと民間の実態なり今後の雇用上の問題あるいは高年齢社会への推移というような点も考えまして、六十年六十歳定年ということは大変現実的な目標としてよいのではあるまいか、ここらが一番適正なところなのではないだろうかということで焦点を合わせまして、こういう案を出したということでございます。 現実の取り扱いとして、勧奨の年齢というものを見てまいりますと、これはお話にも出ておりましたように、課長さん以上というものは平均して、なべて見ますと、これはどうしても若い人が勧奨の対象になる方が多いと思います。これに対して、それ以外の一般の職員の方々は、大体その省庁で決めておりますような年齢近くまで在職をしながら勧奨でやめていかれるという実態が多かろうと思います。そういう幹部職員については、若いということもあるのと、各省庁の人事の運用の問題からいたしまして、何としてもやっぱりポストが少ないものでございますので、そういう点からやはり庁内の人事のやりくりという面から見まして、どうしても幹部職員は一般の方々よりも早目に勧奨の対象になるというような実態がこれは事実としてあろうかと思います。そういう点がいまお示しになりました資料等にも端的に出てきておるのではないかというふうに推測をいたしたわけでございまして、そういう点から、若いということもございますので、それらについてはでき得べくんば勧奨によっておやめになった後の処遇ということについてもあわせて考慮してまいる事例が多いということであろうかと思います。しかし、それは全部が全部そういうふうになっておるということは私自身も承知をいたしておりません。 それと同時に、その他の一般の職員の方々でも、それぞれの管理者、上級の管理者、お世話をしておる方というものがあるわけですから、そういう意味でやはり親身に物事を考えていく場合に、実際上の問題として、やめた後の処遇というようなことについてそれぞれ親身のお世話をし、まためんどうを見て考慮をされているという向きもかなり多いかと思います。 それと、勧奨の年齢と申しますのが大体各省で何歳何歳というふうにめどがたっておりますので、そういうものを頭に置いて、自分は大体何年になればやめなきゃならないんだ、そういう順繰りになるんだというようなことを自分の今後の進退の上でお考えになりながら勤務を続けていかれるというような実態も多かろうかと思います。そういうようなことから、実質的に言っていままでは勧奨退職というものが各省庁なべて大体円滑に実施されてまいった背景になっておるのではないだろうかというふうに考えます。 やめた後のポストを用意するという点につきましては、私たち人事院の関係から申せば、民間の企業への就職の問題がございます。この場合は、大体課長さん以上の者は私たちの方に審査の請求として出てまいりますので、その実態を把握をいたします。しかし、そのほかの者は各省庁の任命権者にお任せをいたしておりますので、それらの場合に全然お世話をしないで、御本人がいろいろお考えになって行く先々の身の始末をつけられるという場合もございましょうし、また実際上の問題として次のポストをあっせんをするというような場合もあろうかと思うんであります。そういう実態で、それぞれの各省庁の実情に合わせて処置をしてまいっておられましょうし、従来それでもって大体円滑に推移をしてまいってきておるというのが実態ではないかというふうに私は理解をいたしております。
○片岡勝治君 いままでの退職勧奨は、多少の問題はありながらも比較的スムーズに行われてきた。大変結構だと思うんですが、そういうこれまでの状態と、今度定年法ができた、今度は非情な言い方をすれば六十歳になれば有無を言わさずもうやめざるを得ない。しかし、上級職にある人たちは六十歳前にやめても次の職場が待っている。事実上、定年制はしいても上級官職にある人は実質的には適用されないんですよ、事実として。そういう不公平がこの場合出てくる。しかも上級官職の場合、局長以上というのは大部分そういう再就職をしているわけでしょう。総理府は余り出先というか公団を持ってないから、これ何かつくらなきゃいけないと思うんだけれども。たくさん持っているところがありますよね。ですからそういう不公平も出てくる。特に建設省とか運輸省、大蔵省、通産省ですか、こういうところはもうたくさん持っているわけですからね。 つまり、今度の定年制の施行というのは、いま人事院の総裁がおっしゃるように、自分の行き先は決まっているから早いとこそれに対応するように自分自身を考えていく。大変言葉は美しいけれども、しかし日本の労働者の、公務員の退職というのはそんなに美しいものではないんですよ。私は定年退職をした経験がないんでありますけれども、やっぱり非常に深刻だ。それは何かと言えば、先ほども触れたように六十歳はまだぴんぴんしていますよね。私の知っている六十歳代の人だってぴんぴんしている。そういうことですからやっぱり労働の意欲がまだ大変強い。いや、おれはもう心身ともに疲れたよという人は、あるいは六十歳を待つようにしてやめていくかもしらぬけれども、大部分の人はまだぴんぴんして心身ともに元気だ。そういう人たちがやめていく。それはやっぱり私は率直に言って精神的に非常に深刻だと思うんです。しかし、上級官僚の場合にはそうして途中で乗りかえて行き先が長くなる、そうでない人たちは六十歳で強制的にやめさせられていく、そして自分自身でまた別の道を探し回らなきゃならぬ、こういうことになっていくと思うんです。つまり今度の定年法の制定というのは、別な意味でそうした問題をはらんでいるのではないか。法律そのものは私は不公平な事態を含んだ内容ではないと思いますけれども、現実にはそういう不公正といいますかそういうものが現象として出てくる。これは高級官職についてない人たちにとっては何か腑に落ちない、そういうものを感ずるに違いない、こういうふうに考えるわけであります。 この天下りについてさらにお尋ねをいたしますけれども、こういう統計はとっていないでしょうね。早くやめて次のいわゆるポストについた、そしてひどいのはずいぶん、四つか五つですか、渡り鳥とかなんとかと新聞で言われておりますが、たくさんのポストをずっと渡り鳥のように歩いて、その都度退職金をもらってときどき新聞等で批判をされておりますが、やめた高級官職の人たちの、つまり公務員をやめてから一体どのくらい平均的にそういった職場にいるか。そういう資料がなければないでいいですが、あれば出していただきたいと思います。
○説明員(栗林貞一君) 先生お尋ねのうちのあるいは一部になるかと思いますが、特殊法人の役員の関係で申しますと、いま幾つかの特殊法人を渡り鳥のようにというふうに言われましたが、この点につきましても閣議決定で厳しく規制しておりまして、特に五十四年の十二月の閣議了解では、特殊法人相互間のたらい回し的異動に関しまして、例外は原則的にはもちろん認めないわけですけれども、本当にやむを得ないもの、緊急事態でどうしてもそれをやらなければいけない場合だけに限り、しかも、この場合であっても一回だけということも閣議了解で明記いたしまして厳しく運用しております。したがいまして現在、五十六年の一月一日現在で、全役員の中でそういったある特殊法人から特殊法人に移ったという役員は二十七名、三・五%程度でございます。 それからもう一つの、大体どれくらいその役員に在任しているかという点につきましては、これは私ども任命の際の協議でございますのでちょっと面が違うんですが、大体試算してみたところでは四年九カ月程度ではないかと考えております。
○片岡勝治君 それから、いきなり直接役職員に行くんじゃなくて、たとえば公団公社の、何と言うんですか管理職と言うんですか、役員じゃなくて、つまり総務部長とか庶務部長とか人事部長とか企画調整室長、そういうところにも、むしろ役員に行くよりもはるかに多数の人たちがみんな横滑りで行きますね。こういった人たちがやがてその公社公団、特殊法人の役員になっていく。そういうケースも非常に多いわけですよね、そういうケースも。そういう実態は、これはそういうものも規制されているんですか。つまり役員じゃなくて、大蔵省のある部長さんか課長さんがそういう外郭団体の役員ではなくて課長なり部長なりに行く、そういうものについても、先ほど繰り返し答弁されております閣議決定、そういうものの枠になっているんでしょうか。
○説明員(栗林貞一君) 特殊法人の職員にたとえば公務員が移るような場合につきましては、これはやはり特殊法人は本来自主的な運営を行うのがたてまえでございますから、たとえば内閣の方で統一的にそれをコントロールするというふうなことはやっておりませんが、それは必要に応じてそれぞれの法人の責任者がそれを見、もしそういう公務員から行っている場合には関係省庁と相談しながらやっていることだと思いますが、たとえば管理職などに行きましてそれで特殊法人の役員になったという場合、これは、ある特殊法人の職員になりましてから五年以上たてば、大体これは実態などから調べてみまして五年以上たったような場合にはほぼ生え抜き的な感じが出てきますので、その辺で一応の線を引きまして、五年以内に、たとえば国家公務員からある特殊法人の課長なり部長に行きまして、それから五年以内にその法人の役員になったというふうな場合には、これは先ほど申しました国家公務員から直接役員になったという場合に準ずるものという取り扱いで、それも公務員出身者という扱いで先ほどの閣議了解の整理をしております。
○片岡勝治君 わかりました。そうすると、直接特殊法人等に行って課長なり部長なりになって、五年以内に理事になる者は一般公務員から横滑りして役員になると同じように一定のチェックをする、こういうことですね。 それはそれで結構ですが、そうすると、一般公務員から特殊法人に、役員でなくて一般の管理職――部長、課長等になる場合にはそういうチェック機能は働かないわけですね。そういうふうに理解していいですか。 これもまた一つの問題点でありまして、さっきちょっと触れたように、この私の持っております資料によりますと、公社公団、特殊法人、この部課長の中にも――中にもじゃなくて、相当数の横滑りのお役人さんが入っているわけですね。ある公団によれば、これは大部分横滑りの人じゃないですかな、これは。そういたしますと、さっきの定年法との関係から申し上げるならば、単に公務員が役員になるということだけじゃなくて、他の公社公団、特殊法人に横滑りでその部長、課長に就任をする。定年前にやめても、そこで四年、五年、長い人は七、八年も勤めるという人たちですから、横滑りをした人たちはこれまた六十歳定年とは関係ないんですよ、こういった人たちは。と思うんですよ。全く関係がない。こういう点、大変私は一般公務員にとってみればやはり腑に落ちない感情を持つであろう、こういうふうに感ずるわけであります。もしこれ、一般横滑りの場合には閣議決定によるチェック機能というものが働かないということになりますれば、これは全く各省庁とそれぞれ公社公団あるいは特殊法人との関係だけでこういう人事が行われるというふうに理解していいですか。
○説明員(栗林貞一君) 特殊法人の職員の方の問題でございますが、特殊法人の業務運営は、やはり特殊法人の性格から言いまして本来自主的に行われることが望ましいわけでございまして、必要限度において各省間を通じて内閣官房においてチェックするというふうな考えになっておるわけですが、そういった職員の問題につきましては、それぞれの法人の業務内容に応じた専門的な知識、経験が必要とされるわけでございますので、その人選につきましてはその法人の自主的な判断において行い、まずやはり必要に応じてそれぞれの監督官庁が見ていくという体制がいいのだろうと私ども思っております。
○片岡勝治君 自主的な運営、これは当然でしょう。当然でありますけれども、しかしここに私の持っている資料によれば、この居並ぶ部長、課長、これがほとんどいわゆる本省あるいはそれに近いところからずらっと並んでいて、自主的な運営もヘチマもないんじゃないですか、これは。実際は各省庁のまさに出先機関ということになりますよ、これを見て。しかも役員の恐らく二、三割の人がそれぞれ天下り役員ということになるから、それは自主的な運営――やっぱり運営というのは人ですからね、人が運営するということである。その人が関係の省庁から役員も相当の比率を持って入ってくる。部長、課長等も相当数がそこから入ってくるということになりますれば、これは自主的運営ということにはならないだろう。それはやっぱり各省庁に対して非常に弱い関係になりますからね、出先というのは。それは、いまの答弁はちょっと私はそのままお受けするわけにはまいらぬ。もし自主的な運営を図るというのであれば――全部がいけないとは私は言いません。あるポストの人がそういうところに入っていくということは決して悪いことはないけれども、もし自主的な運営をもっと図るということにウエートを置くならば、こういった人事からまず刷新をしていかなければ不可能だと思います、これは。こういう点はひとつ検討していただきたい。 つまり今度の定年法につきましては、そういう点について、つまり上級官僚といいますか上級官職とそうでない人たちに非常に感情的な問題を残す。同時に、上の方の方々は定年法とは全く無縁で、ちゃんと六十歳以上も働ける場を保障する、こういうことが現実になお明確に出てくる。これはきわめて重大な問題であろうと思います。あたかも早くやめているからいいじゃないかということでありますが、そこはなかなかうまくできているんですよね。仮に、ある局長さんが五十八歳で定年前に勧奨を受けた。次のポストを約束して受けた。この場合に、六十までいれば退職金も年数倍になるわけでありますから、確かに定年まで待つよりも少ない。あるいは五十五でやめて次のポストに行く。六十までいれば、五年という年数がありますから、ある基礎額に五年を掛けて退職金がもらえる。そういう点では五十五でやめれば退職金が少なくなるわけでありますが、しかしその人は次のポストにつくわけですから、六十まで働くよりも五十五でやめて特殊法人なり何なりへ行って、五年、八年勤めれば、そこでまた退職金がもらえるんですよね。これをつまり比較した場合に、ある局長さんが五十五でやめた。六十までいれば退職金が幾らになるか、五十五でやめて次の特殊法人の理事になった。そこで五年いた。退職金が幾らもらえるか、これは莫大な差なんですよ。つまり早くやめた方が得だ。はるかに得なんですよね。と思うが、どうですか、それは。ということでしょう。
○説明員(栗林貞一君) 実は私どものところでは、先ほど来申し上げておりますように、具体的な人選の問題をやっているわけでございまして、退職金についての検討は実は私のところではございませんので、大変申しわけありませんが、その辺につきましては差し控えさしていただきたいと思います。
○片岡勝治君 だから、さっきから繰り返すように、いろいろ問題点があっても全体を調整する機能がないから、率直に言って公社公団も、あるいは特殊法人もいろんな問題を私ははらんでいると思うんですよ、特にそういう天下り問題にかかわる問題としてですね。ですから、先ほどもお答えがあったように、いや上級官職の人は早くやめるんだから、早くやめるんだからということは、あたかもそれだけ定年まで働けるのに早くやめるんだからということであるけれども、実際は早くやめた方がこういった人たちは得なんですよ、損得勘定からすれば。そういう機会に恵まれた方が得なんですよ。恐らく六十歳までいるよりも、五十五歳である局長がやめて、次の公団へ行って仮に五年勤める、あるいは八年勤める――同じ年数にしましょう。五年勤めるという場合に、これは退職金のときにもいろいろ質問をしたいんですが、はるかに得なんですよ、この人ははるかに。これはしかし退職金だって一定の基準みたいなものはつくってないんですか。たとえば、余り数字が大きいからこれぶったまげちゃうんだけれども、さっき渡り鳥の問題がありましたね。渡り鳥の問題があった。多い人は五回もらっているんですよ、退職金を。百五十五万円、二回目が九百二十四万円、三回目が千七百四十九万円、四回目が千七十万円、最後五回目が八百三十二万円。つまり、この人は若くして局長をやめた、定年とは関係なく早くやめた、早くやめた方がはるかに得だ、こういうことになるわけですからね。 最近、自主的に渡り鳥をやめようと、あるいは退職金についても国民の厳しい批判がありますから、自粛の傾向が出てきております。そのことを私は認めないわけではありません。出てきておりますけれども、しかし算術計算、非常に単純な計算をいたしましても、早くやめて与えられたポストに転職していった方がはるかに得であるということは、これは冷厳なる事実であります。冷厳なる事実です。偽らざる事実でありますから、この渡り鳥問題、天下り問題についても、私はもう少し整理をしていかなければ、ますます定年法ができると国民の批判は厳しくなりますよ。定年の網をくぐる前にさっさとやめていったけれども何だと、その方がはるかに得じゃないのか、おれたちは六十まで働かされてそのまま自動的に首になっていく。そういう庶民感情からすれば、余りにも恵まれた条件にあるのではないかという批判が厳しくなっていくと思います。これは総務長官の指揮命令でこれらの問題が片づくという機構になっておりませんから、総務長官にこうした問題について追及をするということはでき得ない立場だけれども、総務長官と言えば総理大臣の次に偉い人だと思っている人がたくさんいるわけですからね。総務長官に感想をちょっと聞きたいんですが……。
○国務大臣(中山太郎君) 国務大臣として、この天下り、渡りの問題というものは、やはり国民の厳しい批判を受けているということを率直に認めたいと思います。 なお、この件につきましてはかねがね問題になっておりまして、退職金算定の基準が、退職時の給与掛ける勤続月数掛けるいわゆるアルファということになっております。で、昭和三十三年には〇・七を掛けておりましたけれども、昭和四十年代になりまして、〇・四五になってきた。五十二年の調査で民間よりもよ過ぎるということで、やはり二割カットしろということで、ただいまは〇・三六という数値に次第に落ちてきておりまして、閣議におきましては、昨年このいわゆる高級公務員の天下り、あるいは渡りの問題については今後とも厳しく検討するように申し合わせが行われていることをこの機会に申し上げておきたいと思います。
○片岡勝治君 さっきの保留事項。
○政府委員(山地進君) 先ほどの勧奨退職の付帯条件等の資料でございますが、いろいろ調べましたところ、かつて人事局におられた片山さんという方が「自治研究」の五十六号に「公務員の定年制度について」という論文を出されておるわけでございますが、その中にいまのお調べになっておりました表が載っているわけでございます。これは、先ほど来私申し上げているとおり、私どもとしてこういった資料をつくったことはございませんで、片山さんがこの論文をつくるためにいろいろお調べになって自分の論文の中に入れておられるということだろうと思います。したがいまして、この付帯条件――付帯条件という言葉になりますと、それがなければ勧奨退職しないというふうに受け取れるわけでございますが、非常に厳しい言葉だろうと思うわけでございますが、私どもとしては、こういったことについては局として資料を提出したものでございませんので、必要がございますれば、各省が付帯条件というようなことでやっているかどうかという実態についてはさらに調べてみないと本日は御答弁はできないということでございます。ただ、私の経験から申しますと、再就職のあっせんということを上下を問わずかなりやっているというところも多いということは存じているわけでございます。
○片岡勝治君 その人はおたくさんの方の職員、総理府の職員だったわけでしょう。
○政府委員(山地進君) この論文を書かれたときに人事局の職員であったわけであります。
○片岡勝治君 その論文を書かれたときに後ごらんにならなかったんですか。
○政府委員(山地進君) 恐らくいまから六、七年前に書かれた論文――おととし書かれた論文だそうでございます。
○片岡勝治君 これは間々あるんですけれども、学術論文とかなんとかの場合にいろいろ見解が違うということがあると思うんですけれども、こういう事実問題についてやっぱり職員が書いた論文というのは――学術論文なんかよくわかりません、見ておりませんから。だけど、こういう事実関係については、やっぱり非常に影響のある問題でありますから、その論文を検閲するとかなんとかいうことじゃなくて、やっぱり見て、これはおかしいというところがあればそういう点は訂正した方がいいですよ。職員でなければいいんですよ。一般民間人がいろいろ調べて書いたというならばいいんだけれども、そうでない場合には、こういう非常に誤解を与えるような資料でありますから、私もこれはおかしいな、これは事実でないと思ったんですよ。しかし、事実であれば大変うれしいことなんですけれども、事実でない。事実は上級官職にある人だけ再就職あっせんをしてやめてもらっている。これが事実だろうと思うんですよ、これが。ですから、こういう点はひとつ慎重に取り扱っていただきたい、このように思います。 大蔵省の共済課長さんがお見えになったそうでありますので、これは共済年金のときにもちょっと触れましたけれども、このまま高齢者の人口がふえる、同時に公務員の場合にも高齢者がふえる、どんどんふえていきますね。いわゆる年金の成熟度という問題があるわけでありますが、この共済年金の、ごく概略でいいんでありますけれども、将来展望、率直に言っていまのシステムでいけばどの時点で実施困難になるか、そういう見通しが出ておればひとつお知らせいただきたいと思います。
○説明員(野尻栄典君) お答えを申し上げます。 現在の国家公務員共済組合の場合でございますと、これはいろいろの職種によって保険計算の基礎が少しずつ違っておりまして、たとえば防衛庁の自衛官等につきましては別の計算をしておりますので、一般の国家公務員について申し上げますと、現在徴収しております保険料が俸給に対して千分の百二十三、一二・三%という保険料を徴収しております。もちろん、これは公的負担とか労使の負担とかを込みにした全体の保険料率でございます。この保険料のまま推移いたしますと、つまりこの保険料の引き上げを今後しないで将来を推計いたしますと、昭和六十五年に単年度の収支がマイナスに転じるのではないかというふうに考えております。その時点で二兆八千億ぐらいの積立金がございますので、その積立金を取り崩しながら年金を支払い続けていくとするならば、昭和七十五年で積立金はすべてなくなる、このように一応推定しております。 なお、この推定の前提といたしましては、毎年五%程度の年金額改定を行う、並びに積立金の運用利回りは六%ぐらいの実収入がある、こういった前提のもとに計算しているわけでございます。 いま申しましたのは、現在の一二・三%の保険料を全く引き上げないという前提でございますが、五年目ごとにこういった公的年金は財政の見直しをしなければならないという規定がございますので、五年ごとに財政の見直しをしながら保険料率を適正なものに引き上げていくということが並行して行われるであろうということを想定した上で、さらにいま申し上げました将来推計を置き直してみますと、現在の一二・三%の保険料率を昭和六十年には一四・三、六十五年に一六・八、七十年に一九・八、七十五年に二三・三%と、こういったような引き上げを行うことによって、先ほど申し上げましたような単年度の収支のアンバランスをかなり先まで延ばすことができる、このように推計いたしております。
○片岡勝治君 これは共済年金ばかりでなく、年金制度全体を総括してながめてみましても、つまり年金受給者はどんどんふえる、それに比して年金の会費といいますか負担金を納めるいわゆる就労者、労働者層がそれに比例してふえていかないということでありますから、これは早晩いずれの年金制度もいわばいまのシステムでそのままいけば破綻をする。しかもいまの負担金等を若干ずつふやすということをやっても、これには一応の限界がありますから、あるいは国庫負担金につきましても限界があるということになりますれば、これはもう必然的に定年といいますか労働年齢というものを引き上げざるを得ない、こういうことになると思います。 ですから、私は今度の定年法につきましても、一体将来展望というのはどういうことになるのだろうか、つまりこの年金制度とも絡み合わせて厚生年金等の資料を見ましても、比較的成熟度がまだ低いということではありますけれども、これもきわめて近い将来財政的には破綻をするということが計数的に明らかに、なってくるわけであります。そうすると、これもやっぱり労働年齢というものをもっともっと高めていかなければならぬということになると思うんですけれども、そういう将来展望と今度の定年制あるいはいま民間が採用しております定年、そういうものに対する高い立場での指導といいますか、そういうものが欠けているような気がするわけなんでありますけれども、時間がありませんから、この年金制度と定年問題について細かくお尋ねをする時間がありませんが、この点はまたいつかの機会に譲りたいと思います。 それで、さらに具体的に二、三お伺いしたいということで、今度の定年法につきましてもいわば特例が二、三ついておりますね。先ほどもちょっと触れられておりますけれども、特例定年、これは具体的にどんなことを、さっきはお医者さん等あるいは宮内庁の問題等が出ておりましたけれども、具体的にどういうことをいまの時点で考えておられるか、これは人事院になりますか総務長官ですか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(斧誠之助君) 特例定年につきましては、法案に規定されておりますように職務の特殊性があること、欠員補充の困難な状況があることという二つの要件があるわけでございますが、午前中話題になりました宮内庁の特殊な技能を持った職員につきましては、これは職務が特殊で後継者の養成に非常に時間がかかるのでなかなか欠員補充が困難であるという部類に入りまして、特例定年の対象にする考え方でございます。 それから、たとえば海難審判官のように、任用資格がこの場合は船長経験者ということになっておりますのでかなり高齢になってから任用されるわけですが、そういたしますと国家公務員としての勤務期間が非常に短い、つまり任用資格が非常に厳格なもの、そういう特殊なものを考えております。 それから、長期間研修をしたり公務経験を積むことがその職務遂行にとってぜひとも必要であるというような特殊な官職、たとえば外交領事事務に従事します職員でありますとか高専の教官、これを考えております。 それから、職務遂行上豊富な知識、経験が要求されておりますために適任者が非常に高齢の者が多い、たとえて申しますと公害研究所の所長でありますとか水俣病研究センターのセンター長でありますとか、非常に高齢者でないと適格者が得られないというような特殊な官職、そういうものを考えております。
○片岡勝治君 しかし、これとても特殊技能とはいえ、その後継者をつくるために率直に言って今日まで努力していかなければならない課題ではなかったんですか。宮内庁にはいろいろ特殊技能がある。しかし、この人たちが永久に生きているわけじゃありませんからね。そういうことはやらないで特殊技能だ特殊技能だということになれば、これはもう本当にいつまでも働いてもらうというようなことにならざるを得ないんじゃないですか。だからそういうことからすれば、宮内庁だけじゃなくて、ずいぶん範囲は無限に広がっていくんじゃないですか、そういう考え方に立つとすれば。その点私は指摘をしたいんですね。つまり後継者というものを、意図的にと言っては大変失礼だけれども、育成する、そういう努力を怠っていけばいつもこれを適用しなければならない。しかも一方、お役所の方では定員というものを厳しくやって、そういう後継者を育成するためには若い人を採用しなきゃいかぬ、それは定数の関係があるからストップしておくというようなことも私は宮内庁なんかあると思うんですよ。他の職場にもありますね。そういう点はどういうふうにお考えなんですか。
○政府委員(斧誠之助君) もちろん先生のおっしゃいますように、役所としましては常に後継者の養成という、これに努めるのが当局側の当然の責務でありまして、そういうことは非常に相努めるわけですが、いま申し上げましたのは官職という、そういうものについての特殊性に着目したのでありまして、楽師というようなああいう職を希望する職員というのは非常に少ないわけでして、これを通常の人事ローテーションとして回転しなければ役所の新陳代謝が図れないというような職種でもない、つまり後継者養成が困難であるということだけじゃなくて、非常に官職の特殊性が際立っておるというものを指定する予定でございます。これから、ごく基本的なことはいま申し上げたようなことで、従来各省の意見あるいは職種の申し出等で検討しておりますが、これに類似のものについては今後なお検討した上で最後の決定をしたいと思っております。
○片岡勝治君 再就職にも特例的にそういう制度が残っております。残っておるというか、この法案に書いてありますけれども、これも同じような意味にとれますね、再就職の場合には。特例としてそのまま継続するのと、一たんやめさしてまたすぐ採用する、一年ごとに更改をする。制度的には大変大きな違いがあるけれども、内容的にはそんなに違わないような気がするんですが、あえてこれを二つに分けたというのはどういうことでしょうか。
○政府委員(斧誠之助君) いまおっしゃいましたのは、勤務延長と再任用の関係であろうかと思いますが、勤務延長と申しますのは、役所側の要請でなお職にとどまってもらいたいという場合でございまして、再任用の場合は、その職員が希望して、そしてその職員の能力、技能、技術、そういうものが公務に非常に有用であるというそういう場合にもう一回再採用で役所に来てもらおうと、こういうことでございまして、違いは役所側が積極的に要請して延長するか、職員が希望して、その希望者に対していろいろ能力評価をした上で有用であるという認定のもとに再任用をするか、そのところの違いでございます。
○片岡勝治君 しかし、実際は同じじゃないんですか。 たとえば私が、おれは能力がある、採用しろ、再採用しろと言ってきたら、ということじゃなくて、言ってきたらもちろんいろんな検査するでしょう、いまあなたの答弁によれば。だけど、そういうケースじゃなくて、おまえなかなか有力だから、一たんやめてもらうけれどももう一回呼ぶという、事実上継続と同じかっこうじゃないですか。本人から名乗り出て、つまり職員側からの意思で採用するという、現実の問題としてそういうことはないんじゃないか、そういうケースは。やっぱり使用者側というかそれが目をつけて、ここで定年になったけれどももう一年働いてもらおうと、有能だから。しかし継続はだめだ、一たんやめろと、こういうことじゃないですか、実際は。
○政府委員(斧誠之助君) 勤務延長に該当するケースとしていま考えておりますのは、その職員の職務が非常に特殊で後継者が直ちには得られない。つまり、余人をもってかえがたいような能力を持っている、そういう方。たとえて申しますと、農事試験場とかあるいは植物園などで特殊な植物を栽培するのが非常に名人であるというような方もおりますし、それからレンズをみがくのに非常に微細な、機械ではできないような手作業が非常に名人であるというような方もいらっしゃいますし、そういう方はなかなか余人をもってかえがたいのでなお継続して勤務してもらおうと。それからもう一つは、現に遂行しておる職務が定年到達時になお継続しておって、しかも比較的、まあ三年以内ぐらいで完了する見込みがある。その者になお継続してやってもらった方が非常に効率的であるというような場合、たとえば研究プロジェクトチームの研究員の一員でありますとか、あるいは外交交渉中でなお懸案がそのまま継続しておるとかいうようなそういうケースを考えておりまして、つまり役所側がその者にいてくれと、ぜひその方が能率が上がると、こういうケースでございます。 それから再任用の場合は、その者の能力、職務経験、技能、技術、そういうものが公務に十分――そういうものを活用することによって公務に十分寄与できるというふうに見込まれました者を人事ローテーションから外して、それでまあいわば非常に専門的な仕事でぜひ再就職をしてもらうというようなことを考えております。
○片岡勝治君 これで終わりますけれども、やっぱりその辺は無理に何も二分する必要ないと思うんですよ。そういう理由であれば、そのまま継続して、一年なり二年なり継続任用してどうしていけないんですか。どうして一たんやめさせなきゃいけないのか。これは理由が薄弱ですよね、もっとほかに理由があるのかと思ったんですけれども。 まあいいでしょう、大体この辺で私も終わりたいと思いますので、御清聴ありがとうございました。
○峯山昭範君 大変長時間にわたっておりますので、できるだけ簡潔に質問をさせていただきたいと思っております。 昨年の九月でございますけれども、私たちの党は、民社党、それから新自由クラブ、社会民主連合の皆さんと一緒に、行政改革に関する四党合意というのがございまして、この四党の合意で、四番目に公務員の定年制の導入という問題を合意をいたしておりまして、そういうような関係もありまして、今回の法案につきましては私たちは賛成という立場をとっております。 しかし、先ほどから同僚議員の質問を私聞いておりまして、その質問の中身、法案等いろいろ問題もありますけれども、質問している中身は全く私たちも同じ立場でありますし、また同じその意見を持っております。 そういうようなことでございますので、そういうようなことも含みながらこれから質問をさせていただきたいと思っております。 もうすでに私たち内閣委員会で、この問題につきましては参議院の内閣調査室の資料にもずいぶん出ておりますけれども、この定年制という問題は相当古くからこういうふうないろんな経過があるようであります。しかし、最近の調査等によりましても、特に民間企業の定年制度というのはもう、私の手元にある資料によりますと九六・五%の企業が定年制を採用しておりますし、公務員の皆さんに対する定年制の必要性という点からいきますと、六二・三%の人がその必要性を感じていらっしゃる。必要なしという方がわずか一八%という結果が出ているようであります。 こういうふうな資料を見ますと、国家公務員の皆さんに定年制を導入するかどうかというふうな問題につきましては、もうすでに答えが出ていると、私たちはそういうふうに見ているわけであります。 しかし、答えは出ているけれども、やっぱり先ほどからいろいろ質問ございましたけれども、年齢の点であるとかあるいは個々の実施の態様につきましてはそれぞれ問題があると、こういうふうに考えているわけであります。 そこで、きょうはそういうふうな観点から二、三質問をしてみたいと思います。 初めに人事院にちょっとお伺いしてみたいんですが、定年制の問題につきましては相当長期間にわたって調査をしていらっしゃるわけであります。そこで、今回の法案は、定年の年齢が六十歳ということで一応法定されるわけでありますが、これから高齢化社会を迎えるに当たりまして、この定年のいわゆる年齢に対する動向ですね、これは人事院としてはどういうふうに見ていらっしゃるかということです。 それから、これは人事局の皆さんでも結構ですが、この問題につきましては、今回の法律で六十歳ということになりますけれども、これから先の見通しですね、これについてはどういうふうにお考えなのか。この点、ちょっと初めにお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(藤井貞夫君) 高年齢化の現象というものは、今後大変速い速度で進んでまいるのではないかという見通しを持っております。ただ、現時点においては、いまお述べになりましたような諸般の情勢、民間における実態でありますとか、あるいは政府の民間一般を含めた雇用政策の目標、そういったものともあわせ考えます場合に、六十年六十歳定年ということが現時点の展望に立った場合においては最も望ましい形ではなかろうかということで、こういう判断を下したわけでございますが、ただその含みといたしましては、高年齢化の現象というもののスピードの状況その他というものは、あわせてやはり今後も慎重に関心を持って見守ってまいる必要があるというのが基本的なたてまえでございます。
○政府委員(山地進君) この六十歳定年は、政府の方の雇用対策基本計画というものに基づいて、民間の定年を六十歳に、六十年に指導していくという基本的な方針がございまして、私どもとしてもいま人事院総裁が述べたいろいろの理由とあわせて、政府の一般的な政策の線に沿ってこの六十歳定年というのを実施したいと考えておるわけでございますが、今後の雇用対策というものが、一つは高齢化するということと同時に若年労働者の減少という問題も片方で出てくるわけでございまして、これは、企業の立場とそれから全体の労働対策というものとあわせて今後考えられなきゃいけない問題だろうと思うわけでございまして、したがいまして今後のこういった定年制に対する民間の対応というのも、かなり柔軟な姿勢に出ざるを得ないということも考えられるわけでございまして、こういった雇用情勢の顕著な変化というものがある場合には、私どもとしても六十歳定年というのにはさらに再検討する場面が出てくるだろうと、かように考えているわけでございます。
○峯山昭範君 これ、今回六十歳なんですけれども、また雇用関係の需給のいろんなバランスもあるでしょうし、いろんな関係から検討することも出てくるということですけど、要するにこれから定年というのは高齢化社会、平均寿命延びてそういう社会になるわけですから、六十歳が五十五歳になることはもうないんでしょう。そうしますと、これから六十歳から六十二歳、六十三歳、六十五歳と、定年は延びていくわけですね。そうした場合に、これは実際問題いろんな問題があるんじゃないかということを私たちは心配をしているわけであります。 もう一つだけ聞いておきましょうか。それは、今回法案が通って、やっぱり高齢化社会というのも相当のスピードで進んでおりますので、見直しするとすれば、これは人事院も含めて総裁、これ考えていただかなければいかぬわけですけれども、またこういう問題についてはやっぱり一般社会の情勢も十分見きわめていかなければいけないわけですけれども、これは前、昭和三十年、これは大分前の話ですけれども、平均寿命も大分いまよりは短かかった時代ですけれども、そのときでも国家公務員の法改正の試案をまとめて、そのときの法律によると、法律に別段の定めのある場合を除き年齢五十五年以上六十五年以下というように大分幅が広い決め方をしているわけでありますけれども、この六十歳という問題は、これはもう早晩、もうちょっと延びるんじゃないかと私は思うわけですね。これは実際問題として、定年をもう一遍考え直してもう少し延ばさなきゃいけないという時点、これはそんなことを予想はいまからできないとおっしゃるかもわかりませんが、どういうふうな場合を考えていらっしゃるか、またどういうふうな時点を予想していらっしゃるか、ちょっとこの点も聞いておきたいと思うんです。
○政府委員(藤井貞夫君) 一般の雇用政策ということで見ますと、六十年六十歳ということが一番妥当な線であろうということが現下の情勢から割り出された見解であろうというふうに思っております。ただ、高齢化の現象というものが予想以上に非常に急速に進むという面もこれは否定できない面がございます。したがって、そういう点については流動的な情勢をにらみ合わせながら弾力的に検討をしてまいる所存であるということをあわせて申し上げておるわけでございますが、しかし定年の年齢あたりは、制度のたてまえといたしまして、そう毎年変えていくというようなものでもございません。そういうふうなことをやっていくべき筋合いのものでないことは、これは申すまでもないのでありまして、いまのこの法案提出の段階において、将来いつそういう再検討の時期が具体的に来るのかということについては、御質問にもございましたように、いまここの段階でいついつということを予測として申し上げる段階ではないと思っておりますが、これはしかし、想像しておりますよりもかなり急なスピードで来るという可能性は十分腹に入れてかからなければいかぬという感じは持っております。
○国務大臣(中山太郎君) お尋ねの高齢化のスピードでございますけれども、私どもの方の調査で持っております数値から見ますと、大体六十五歳以上の人口が全人口の一二%に達するというのが一九九三年、あと十二年というふうに見ております。そういうことから考えますと、昭和六十年六十歳という時点あるいはその時点から少しおくれた時点で、高齢化社会というものといわゆる公務員の勤務実態、それから民間企業におけるいわゆる高齢者の雇用状態というものを絶えず見ながら、人事院の意見もよく聞いて、政府といたしましては、来るべき高齢化社会に対する具体的な方策というものを持っていかなければならないと、このように考えております。
○峯山昭範君 そうしますと、これはいま実際問題として、六十歳の定年で、もちろん経過措置等で十分対応はするんでしょうけれども、六十歳で定年でやめた、その後すぐ定年が六十五歳に延びたと、そんなことをいまから仮定してどうのこうのとできるわけないわけですけれども、そういうような場合は、当然これは経過措置等で対応していくわけでしょうね。それはどうですか。
○国務大臣(中山太郎君) この六十年六十歳の定年制を施行するということにつきましては、法案の国会への提出が昨年でございますから、ちょうど五年以前に、この六十年六十歳という新しい制度の導入を国民の代表であられる国会で御審議をいただくということになっております。そういうことから考えますと、少なくても五年ぐらい前には国会での御審議をいただくことが、今回の審議の実態から見ましても、政府としては必要ではなかろうか、そのように考えております。
○峯山昭範君 わかりました。 それで次に、きょう幾つかお伺いしたいんですが、国会の職員の定年制の問題についてもちょっとだけお伺いしておきたいと思います。 これは御存じのとおり、現在裁判官、それから検察官、大学の教授、それから自衛官等につきましてはすでに定年制が決まっておりますし、今回の法案で一般職の公務員の皆さんに定年制ができるわけでありますから、そしてまた、自衛官以外の防衛庁の職員の皆さんの定年制ができる、それから地方の一般の公務員の皆さんにつきましては、これは地方行政委員会で審議をいたしておりますから、したがって、ほとんどの公務員の皆さんには定年制が導入されることになります。あと残りますのは、結局政務的な特別職とそれから国会の職員ということになるわけであります。 そこで、当然この点につきましては、これは国会職員ですから立法府の職員であります。これにつきましては、当然正式には議運の委員会でこの問題が議論されるということになると私は思います。きょうはわざわざ事務総長においでをいただきました。まず事務総長、率直におっしゃっていただいて結構なんですが、今回のこの法案提出の経過ですね、これはもうよく御存じのことと思いますけれども、要するにこの定年制の問題について、いわゆる総理府の方から事前に今回の法案提出に当たっての、実は今回こういうふうな法案を提出するんだというふうな意味の説明といいましょうか、事前の連絡というのは何かあったんですか。
○事務総長(前川清君) 先生御存じのように、今回のは一般職のいわば政府職員についての定年制を規定する国家公務員法の改正でございます。国会職員につきましては、その身分等につきましては別に国会職員法という法律がございます。それによって規定されておるわけでございます。すなわち一般職と特別職の差でございます。したがいまして、今回の一般職の職員の定年制の改正につきましては、これは国会職員の方には直接の関係はございませんので、総理府の方からその意味におきましてこちらの方にそういった連絡なり相談なり話なりというものはございません。
○峯山昭範君 これは人事院と総理府にお伺いをしますが、要するにいろんな角度でこれ定年制というものがいま検討され、実施されようとしているわけであります。そういうふうな意味で、やっぱり特別職公務員でありましても公務員には変わりないわけですが、こういう問題についてはどういうふうに一般的にはするんですか。連絡等全くなし、勝手にやってくれということでございますか。
○政府委員(藤井貞夫君) 私からお答えすべきかどうか若干疑問でございますが、ありていなことを申しますと、恐らく一般職の公務員について定年制が導入される、また従前からいろんな経緯ですでに定年制自体がある職員もあるというような点がございます。したがいまして、それとやっぱり並列をいたしまして、準じて物事を考えていくということが、これは大体の傾向として当然だろうというふうに思っております。これは給与のみならず、一般の勤務条例についても大体そういう取り扱いで来ておるのではないだろうかというふうに思っております。これはしかし国会の職員で、特別でございますので、われわれ人事院としてとやかく申し上げる対象ではございませんので何とも申し上げておりません。おりませんが、たとえばこの定年制に関しましても、総理府の方から御照会がありまして人事院としての見解を申し述べたわけでありますが、その意見を申し述べました際に、ちょうど時期も給与勧告の時期と同じでございましたので、そのことを御報告に上がりました際に、定年制についてもかくかくのことをいたす所存でございますと、そういう見解を総理府の方へ出す予定でございますということは口頭でございますが、申し上げ、なお関係書類としてそういうものはお示しをしてあるということは、これは事実問題としてございました。
○峯山昭範君 事務総長、もう一言お伺いしておきますけれども、この問題について事務当局としてはどういうふうにお考えなのか、それをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○事務総長(前川清君) 国会職員につきまして国会職員法がございますが、そこにはもちろん定年につきましては何の規定もございません。しかしながら、現在一般職の政府職員につきまして定年制がここで御論議されているわけでございます。したがいまして、やはり国会職員といえども国家公務員でございますから、政府職員の定年法が成立した場合には国会職員につきましても法律で規定する必要はあると、そう考えております。 国会職員は、御存じのように衆議院、参議院、国会図書館そのほか弾劾裁判所の職員とか訴追委員会の職員がいらっしゃいますが、それらの職員につきまして職員法を改正して定年を導入する必要はあると考えております。で、そのことにつきまして、目下具体的に各機関寄り寄り協議中でございます。すなわち、協議の内容と申しますのは、一体定年法を取り入れる場合には何歳が適当であるのかとか、あるいは例外的な取り扱いはどうすべきか、そういったようなことを考えまして目下協議中でございますが、まだ確定的な合意に、は達していない状態でございます。
○峯山昭範君 あと、もうすでに先ほどもちょっと質問がございましたけれども、この定年のないところですけれども、いわゆる特別職の中でも検査官とかそれから公正取引委員とか、こういうふうな者は定年が定められております。これ以外にあと大使、公使、それから宮内庁の侍従長などの特別職については定年が現在ないんじゃないかと私は思うんですけれども、この問題についてはどういうように考えていらっしゃるのか。きょうは宮内庁の方はいらっしゃいませんので、総理府の方からお答えいただけば幸いでございます。それから外務省、もしいらっしゃいましたら、それについてもお考えをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山地進君) いまお述べになりました特別職については、今回は定年というものを考えておりません。
○政府委員(柳谷謙介君) 大、公使も特別職である特命全権大使、特命全権公使、約百人あるわけでございますが、これはその都度内閣におきまして人選が行われて、あとその在職期間をどのぐらい働いてもらうかということもお決めになるわけでございますが、結局これは外交の経験とか任国事情についての知識その他さまざまの要素を勘案されてその都度決められるものだというのが現状でございまして、一方では、特に瘴癘地を中心に若手の大使を起用するという必要がある反面、任地によっては、老練と申しますか非常に経験の深い大使を起用する必要があるということで、やはりこれはその都度適当な人選を行うということで今日までやってきておるわけでございまして、諸外国の例を見ましても、大体先進国の例を見ますると、これは大、公使に限っている場合、あるいは外交官全体についての場合いろいろございますが、ほぼ大体六十五歳というのが基準になっているようでございますので、その辺も参酌しながら今後もその都度御検討になるということが妥当かと思っております。
○峯山昭範君 結局そうしますと、特別職の公務員も含めまして、定年がないのがもうどこどこというように大分わかってきたわけですけれどもね。国会職員につきましては当然検討して将来定年が設定されるであろうと思いますけれども、そういう点もやっぱりいろんな面から、いまおっしゃったような理由もあるとは思いますけれども、検討していただきたいと思っております。 それから、次に特殊法人の定年制ですけれども、これはどういうふうになっていますか。これはお答えできる人がおりますか。
○政府委員(山地進君) 特殊法人につきましては労働三権がございますので、その三権のもとで就業規則なり何なりで決めていくのが筋かと思います。
○峯山昭範君 特殊法人の定年につきましてはいわゆる労使で相談をして決めると、こういうことですか。
○政府委員(山地進君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 それはそのとおりでしょうけれども、もちろん国家公務員とは違うわけですからそれなりのあれはあると思うんですが、これは当然労働組合とそれぞれの理事者とが団体交渉で決めるということですけれども、特に政府関係の特殊法人、政府が出資をしてやっている部分、これはそれなりのやっぱりあれは必要ではないかという点もあるわけですけれども、これはもう全く何らの干渉等もしないで、たとえば指導もしないで定年については労使の交渉に一切任せると、こういうことでございますか。
○政府委員(山地進君) 各特殊法人の監督は主務官庁、主務大臣が監督しておられるわけでございまして、それの横並びに、どういうふうにするかということについてはいろいろと御相談はあろうかと思うわけでございますが、基本的に労使でそれを話していく、自主的にそれを解決していくということが基本であろうかと思います。
○峯山昭範君 それでは、あと自衛隊法の自衛官の問題について、先ほどから大臣もお待ちでございますから、一言お伺いしておきたいと思います。 自衛官は、これはもう御存じのとおり法律で停年制を決めまして、そして政令でそれぞれ年齢を決めているわけですね。それで今回は、自衛官以外の自衛隊員は一般職を見習って六十歳という年齢を定めたわけでありますけれども、これは要するにどういうことなんですか。本当は両方とも法律できちっと定めてしまうという手もあるわけですけれども、または全部六十歳にしてしまうという手もあるわけです、本当言ったら。しかし、それは当然昔からのいろんな慣例等もあって、それぞれそれなりの理由があってやっているんでしょうけれども、ここら辺の経過等についてちょっと御説明いただけますか。
○政府委員(石崎昭君) 防衛庁職員の場合、おっしゃいますように、自衛官は将の五十八歳から二曹、三曹の五十歳に至るまで細かく刻みがつけられて、法律によって定められております。事務官等はいままで定年というものがございませんでしたので、今回一般職の公務員に定年制が導入されるということになったのに並行して、事務官等の場合は一般職の公務員と勤務内容もほぼ同様のものでありますので、同様の趣旨で法案を提出して御審議をいただいておるわけでございます。 それで、自衛官の場合、その法律で決められたものが政令に細かい刻みがゆだねられて決められているということが妥当なのかどうかというお尋ねかと思いますが、自衛官の場合は、御存じのとおり有事の場合には戦闘という特殊な任務につきますので、一般公務員に比べて、定められている停年の年齢が低くなっております。しかも階級ごとに、順次階級が下になるほど停年が若年になっているということでございます。この細かい刻もがついているというところが一般職の公務員と比ベて大変違っているところでございますが、この細かい刻みが生まれた理由と申しますのが、やはり自衛隊の中で果たすべき任務の内容が若干ずつ違っておるというところから、そういう細かい年齢の刻みの差が出てきているというふうに考えられます。で、幹部のトップに立って指揮命令する人たちには豊富な経験が必要でありますから、比較的停年が高いところに置かれていて、下の方の人たちは体をうんと使うという違いがございます。 それで、階級によって細かい刻みがついているところがどういうときに変わっていくかということでございますが、一つの理由は、もちろん肉体的ないろんな条件の違い、寿命が延びてきている、高年齢者の能力が延びてきているということと並んで、自衛隊の中の装備とかそういうものの近代化、複雑化というようなことが背景になって、より豊富な経験、熟練さというものが要求されるということも一面にございます。そこで、そういう自衛隊を取り巻く客観条件の変化とか、隊内のそういった意味での停年に影響を与える要素、こういうものをいろいろ検討いたしまして、いわば停年設定に機動性を持っていた方がいい、こういう理由で恐らく法律がこれを定めたときに細かい年齢の刻みは政令にゆだねるということになっているんであろうと思います。 そういう必要性といいますか根拠というものは現在も同じでございますので、私どもは、自衛官の定年の設定は現行のような法律の規定を受けて政令で細かい刻みを定めるという方式が妥当であろうというふうに考えております。
○峯山昭範君 多少法案とは関係ありませんけれども、大臣に御答弁いただきたいので質問をさしていただきます。 大臣、すでにもういままで何回か答弁していらっしゃることばかりでありますが、今回の日米首脳会談に対する大臣のいわゆる評価ですね、日米首脳会談を大臣はどのように評価していらっしゃるか、これをちょっと御答弁いただけますか。
○国務大臣(大村襄治君) 日米両国の防衛責任者が安保条約の円滑な運用に関しまして十分意思疎通を図るということは、重要なことであると考えておるわけでございます。 そこで、六月末予定されております今回日米双方の防御責任者の会合の際におきましては、さきの総理訪米の結果も踏まえまして、国際情勢を含め防衛問題についてわが国の憲法及び基本的な防衛政策にのっとり、米側と率直に意見交換を図って相互理解を深めたいと、そういうふうに考えております。
○峯山昭範君 大臣、もう一回違うことを聞きます。 共同声明で特に今回同盟という言葉が使われているわけでありますけれども、これ質問予告の中にありませんけれども、同盟という問題について大臣は、率直におっしゃっていただいて結構です、どういうふうにこれを受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(大村襄治君) 私、この日米関係につきましては、やはり民主主義の基本理念を共通に持っておる両国でございますので、そういった関係におきまして友好関係を深めていく、その場合には、文化的なあるいは経済的な、いろいろな面もあるわけでございますが、安保条約の中にやはり軍事的な面もあるわけでございますので、そういった面を含めまして、共通の価値観を持っております両国の親善友好関係を深めていくということが重要であると考えております。
○峯山昭範君 それはわかりました。 それで大臣、もう一回私、先ほどの質問と同じことを言いますけれども、要するに日米首脳会談を大臣がどういうふうに評価しているかと私先ほど申し上げたわけです。 それで、先ほどの答弁は、これから先に私質問しようとした分をおっしゃったわけですけれども、これ首脳会談の問題につきまして、何でこんなことを言うかといいますと、いま防衛庁が来年度の予算の問題についていろいろと準備していらっしゃるわけですね。それで大蔵省とのいろんな交渉をしているわけです。やっぱりその前提がどうしても首脳会談から出てきているいろんな問題、また共同声明からいろんな問題が出てきている、そういうことを受けてやっていらっしゃるように見受けるわけです。そういうような意味で、いわゆる首脳会談というのを当然――私は大臣の答弁は大体わかるわけですけれども、こういうふうに直接やっぱり大臣の首脳会談に対する評価というものをお伺いしておくということが非常に大事なことでありますので、これからの審議のいろんな問題の中で、このことはぜひ聞いておきたいことでありますので、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(大村襄治君) 日米防衛首脳会談の意義については、先ほど申し上げましたように、安保条約の円滑な運用を図るために責任者同士で意思疎通を図る。これは定期協議という形で毎年一回行ったり来たりしてやっておるわけでございまして、ことしは向こうへ行く番だということで、日取りの点を調整して六月末ということになったわけでございます。 そこで、関連してお尋ねのございましたシーリングの問題でございますが、そのこと自身のお尋ねはまだなかったわけでございますので、余り先にお答えしますとまたあれになると思いますから、とりあえず以上でございます。
○峯山昭範君 要するに大臣、いま大臣が御答弁になったのは、共同声明の第八項の中に、いわゆる防衛担当大臣が定期的な協議を行うという項目があるわけです。それに対する答弁なんですね、大臣のいまの答弁は。ですから、それはそれとして、それの大前提になります今回の日米首脳会談、いわゆる鈴木総理とレーガンさんの首脳会談、この首脳会談に対して、防衛庁長官はこの首脳会談をどういうふうに評価していらっしゃるのか。 何でこんな質問をするかといいますと、先ほども言いましたように、この首脳会談がやっぱり一つの大きな根幹になって、今後の予算のいわゆる大蔵省との折衝とか来年度の防衛力の増強の問題とか、そういうような基本になるので、この点を一遍聞いておきたいということなんです。
○国務大臣(大村襄治君) 日米首脳会談の意義なり評価の点でお尋ねがございましたので、首脳会談いろいろあるものですから、ちょっと取り間違えまして、大変失礼いたしました。 私といたしましては、共同声明におきまして日米両国が世界の平和と繁栄を目指し、緊密に協力していくことを約し、また両国が右に述べたような同盟関係にあることを認め、両国間の連帯、友好及び相互信頼を再確認しましたことは、日米安保条約の重要性が再確認されておることと相まちまして、わが国の防衛問題の基調をなす安保体制の信頼性を一段と高め、日本の安全、そして極東及び世界の平和と安定のためにも非常に好ましいものであると、こういうふうに考えておるわけでございます。そこで、私といたしましても、今後の防衛責任者同士のもう一つの首脳会談、六月末に控えておりますが、そういった点を踏んまえて協議に臨んでまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 余り詳しいことはもう聞きませんけれども、いわゆるいま大臣がおっしゃった六月上旬に予定されております日米事務レベル会議ですか、これにつきましては、場所とか時間とか出席のメンバーとか、あるいは議題等は決まったんですかというのがまず一つ。 もう一つは、大臣おっしゃっております防衛庁長官とアメリカのそれぞれの関係閣僚との会談、これはもう決まったのか、この二点、事務当局で結構です。御答弁いただければと思います。
○政府委員(塩田章君) 六月の中旬に予定しておりますハワイにおきます事務レベル協議の具体的な日程、その議題等は決まったのかというお尋ねでございますが、現在外務省、防衛庁並びに米側との間で最終的な調整を行っておるところでございます。ただいずれにしましても、この会議は事務レベルの人が集まってお互いに意見交換をすると、フリーな形でディスカッションをするというのが元来のねらいでございますから、いわゆる議題を双方があらかじめ決めて、そして持ち寄ってディスカッションをしてそれを決定していくというような意味での議題というものはないというのが従前の例でございまして、そういう形でございますので、今回も大体そういうような方向でやっていきたいというふうに考えております。 なお、長官のその後の訪米につきましても、大体六月末ということでおおむねの日程の線は固めておりますけれども、その際の話し合いの内容とか細かい日程とか、そういうようなことをまだ最終的に決めておるわけではございません。
○峯山昭範君 外務省お見えになっていらっしゃいますか。――お忙しいようですから一言聞いておきたいと思うんです。 例のミッドウェーの帰港の問題ですけれども、きょう横山横須賀市長から帰港を見合わせてほしいというような申し入れが政府にあったそうでございますが、この問題についてどういうふうに取り扱っていくのか、またこの問題に対する政府の方針なり考え方が決まったのか、いまどういうふうに対応していらっしゃるのか、具体的にお聞かせいただきたい。
○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。 本日、御指摘の横山横須賀市長の御発言、声明ということで、午後御意見が出ました。また私どものところにもその文書が届けられまして、私どもとしても市長の御意向は承知したわけでございます。 本件は、安保条約の運用にかかわる問題でございますので、ただいま外務省が所管官庁として扱っておるわけでございますが、私どもといたしましては、市長がミッドウェーそれ自身に核搭載等等の問題があるから帰港を見合わせてほしいというようなお考えに立って物を言っていらっしゃるのではなくて、そうではなく、現在の種々の論議が行われている状況のもとで、帰港を延期することが米側としての一つの礼儀ではないかというお気持ちからおっしゃっているものと理解しております。 他方、私どもといたしましては、先週来国会で御議論を賜っておりますとおり、いわゆるライシャワー発育に端を発しました今回の各種の問題につきましては、全く政府としては何ら疑点はないと、そういうことで一貫して態度を堅持しておりまして、このような状況のもとで、地元の市長の心情には同情を禁じ得ないところではありますけれども、来月前半に予定されていると伝えられているミッドウェーの横須賀帰港につきましては、現在、私どもとしてはこの時期を延期してもらうといったようなことを考えてはおりませんし、またそのような申し入れを米側にすることも考慮しておりません。
○峯山昭範君 いや、きょうの横須賀市長の申し出に対して政府は検討したんですか。
○説明員(松田慶文君) 十分検討させていただきました。 また、きょうのお昼の文書申し入れ以前から市長の御意向は内々承っておりましたから、事前の十分な検討も踏まえまして、先ほど申し上げましたとおり、外務省は本件に関し米側に帰港延期を申し入れるというような考えは持っていないというところでございます。
○峯山昭範君 これはそういうふうにおっしゃっていますけれども、いわゆる今回の核問題につきましては、これはまだ、政府の態度ははっきりしていると、疑点は全然ないとえらいはっきりおっしゃっておりますけれども、これはあした衆議院で行われます集中審議、あるいは月曜日の参議院における集中審議を見ないとわかりませんよ、実際。どうなるかわかりませんよ、本当に。ですから、私はもうこれ以上言いませんけれども、いずれにしてもこれは重要な問題でありますし、もう少し慎重に取り扱っていただきたいと思っております。 細かい問題等はたくさんありますけれども、本日の私の質問は以上で終わります。
○委員長(林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会