内閣委員会 第10号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/05/26
会議録
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 外交及び安全保障に関する件について、外務委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(林ゆう君) 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柄谷道一君 鈴木総理は、増税なき財政再建を実現するために政治生命をかけると、こう言われております。私は、その決意は評価をいたしますし、行財政の改革は何としても断行しなければならぬ国家的な重大課題であると思います。総論段階は、当然のこととして異論を唱える声は表向きに出ておりませんが、予算概算要求枠の設定、歳出削減、補助金カット、政府予算案決定へと進むこれからの第二段階、各論の段階では、与党内、閣内に相当の不協和音が出るのではないかと予想をされます。 内閣改造は行革臨時国会の後の十一月と言われておりますから、農林水産大臣が伊東外務大臣のように抗議の辞任をされない限り、この行革の直接の責任者ということになるわけでございます。そこで、その意味におきまして、今後の行財政改革に取り組む農水大臣としての基本的姿勢と抱負経綸についてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 行政改革につきましては、これはもう歴代政府の大きな施策の一つとして常に努力さるべきものということで、私どももそのような姿勢でずっと農林水産省においても努力をいたしてきておるところでございます。しかるところ、今回鈴木内閣といたしまして、総理が重大なる決意をされまして、行革に政治生命をかけるとまで仰せになり、私どもその鈴木内閣の一員として総理の御意思を実現すべく全力を尽くすと、こういう気持ちで対処をいたしておる次第でございます。したがいまして、私といたしましても簡素で効率的な行政の展開ということで、今日までも農林水産省としてはもう二万人に及ぶ人員の減少というものに努力をし、なおかつ不急不要になったと思われる補助金の整理でありますとか、あるいは補助金の統合でありますとかあるいはメニュー化方式とか、そういう努力を積み重ねてきておる次第でございます。 しかし、どうしても今後の国の行政を効率的にしかも簡素な形で、国民の負担の最小限の体制で国家行政を進めていくことができるようにしていかなければならないという強い総理の御意思、これをどうしても実現をしなければならないと、こういうことで今日までもやってまいりましたけれども、さらに農林水産省といたしましては、あらゆる方面から来年度予算を編成するに当たりましては見直しを行い、検討を加え、そうしてやがて示されるでありましょうところの第二臨調の答申というものも十分に踏まえて努力をしてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。 ただ、私といたしましては、やはり一億一千万人に対する食糧の供給、食糧の輸入の安定的な確保、そういうことで食糧の心配をかけないような体制をつくっていくために、筋の通った答申が出ることを期待をいたしておると、こういうことを申し上げてきておる次第でございます。
○柄谷道一君 ただいまの大臣の御答弁は、まさに総論そのものであろうと思います。そこで、私は各論について若干の質問をいたしたいと思います。 私は、昨年九月二十五日と十月二十四日の二回にわたりまして、決算委員会で日本農政と食管制度の抜本改革について質問をいたしました。改めて申すまでもなく、今日日本農業が、米の過剰を初めとする農産物需給の不均衡、食糧安全保障上きわめて低い食糧自給率、兼営農家の増大と耕地利用の粗放化、先進諸国と比べきわめて低い生産性と高い農産物価格、さらに石油多消費型農業からの転換など多くの困難な問題に直面していることは申すまでもございません。 政府は、本国会に食管法の一部改正を提出されておりますけれども、それはあくまでも部分的手直しでありまして、制度の根幹に本格的なメスを入れるものではございません。しかも衆議院の附帯決議に、制度の根幹を堅持し、いやしくも部分的管理、間接統制への移行につながることのないようその運用に万全を期すことという前提に立って十一項目が議決されております。私は、その一事を見ましても、食管制度の抜本改革がいかに困難であるか、これを物語っていると思うのでございます。しかし一方、食管会計の収支損益状態を見ますと、五十三年度六千二百六十三億円、五十四年度七千二百六億円、五十五年度六千百九十五億円、五十六年度、これは予算でございますが、六千五百三十一億円と、赤字が累増いたしております。過剰米の処分損失額を含みますと、五十四年は九千三十一億円、五十五年度は八千五十二億円、五十六年見込みは八千六百一億円に及んでおる。これは動かし得ない現実でございます。 そこで私は、食管会計の根幹を堅持するということになりますならば、一般会計からの調整資金の減額はとうてい不可能でございます。財政再建上食管会計の赤字を縮小し、解消しようとすれば、消費者米価に転嫁する以外に方法はないということになるわけでございますけれども、増税なき財政再建を進める中で、食管会計の赤字に対し、どのように対処しようとしておられるのか、その基本方針をお伺いいたします。
○国務大臣(亀岡高夫君) 柄谷委員御承知のように、食管の赤字の原因は、米の過剰問題がありまするし、また逆ざやの問題がございます。さらにこの食管の管理経費、これが食管の大きな赤字の一つの理由になっておるわけでございます。膨大なる過剰米、これの保管料、また過剰米処理のために大きな財政負担をしなければならないということがございまして、今年もたしか八百億ほどの過剰米処理の、古米処理の予算が計上されておるはずでございます。したがいまして、これらの過剰米をできるだけ早く生産調整によりまして需給のバランスをとるという体制をつくり上げていくことによって、この分の赤字は私は減額をしてまいることができると、なくしていくことができると、こういうふうに見ることができるわけでありまするし、逆ざやにつきましても、年々消費者米価の若干の値上げということによって非常に逆ざやによる赤字の額がいまのところは少なくなってきておる、若干まだ逆ざやの体制にはなっておりますけれども、これも一つの方法としてはやはり米を消費していただく方々に持ってもらうかどうかと、こういう問題が六月中には決めていかなければならない問題の一つでございます。 さらに、管理経費につきましては、これは米の検査官の問題でありますとか、いろいろ工夫をいたしまして、何といっても過剰米をなくすことによってこれの倉敷料とか、そういうものの財政負担を減らしていくことができると、こういうようにして食管の赤字をできるだけ少なくしてまいると、これが食管の赤字軽減の私のやりたいと思っておる考え方でございます。
○柄谷道一君 さらに具体的にお伺いいたしますが、本年度の生産者米価、これに対してどう扱われるんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 生産者米価の取り扱いにつきましては、食管法に明記してありますとおり、食管法の条文に従いまして米価審議会の意見を聞いて適正に決定したいと、こう思っておりまして、いまのところ、生産者米価についてどういうふうにしていくかという具体的な検討にはまだ入っておりません。
○柄谷道一君 それでは消費者米価でございますが、昭和五十一年に政府・与党間で、五十一年度以降おおむね五年以内を目途に売買逆ざやを解消する旨の申し合わせが行われております。ことしはその五年目の最終年度でございますけれども、本年度消費者米価を上げまして逆ざやを完全に解消すると、そういうお考えをお持ちなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) その辺のところは、どういうふうに現実に合わせていったらいいのかというような点につきましては、まだ十分資料も整っておりませんし、しかも五十一年政府・与党間で取り決めをいたしました際にも、おおむね五年以内と、こういうふうになっておりまして、はっきり五年以内に全部なくすというふうにも理解はいたしていないわけでございまして、その辺のところは多少弾力を持たせて考えていきたいと思います。 先ほど申し上げましたように、逆ざやにつきましてはこれまでもその縮小に努めてきたわけでありますけれども、今後の取り扱いにつきましては、生産、流通、消費など各般の面に及ぼす影響、財政事情などを十分に配慮をして判断していかなければならないと、こう考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 この増税なき財政再建、農業の構造改革に手をつける——なかなかむずかしい。としますと、食管会計の赤字を解消するために安易に消費者米価に転嫁される、私はそれによる財政再建ということがあってはならない、こう思います。この点は、時間の関係もありますので、意見として述べるにとどめたいと思います。 それでは、国内米管理勘定の損失でございますけれども、五十六年の予算を見ますと、売買損失は二六・三%、自主流通助成費等が二〇・九%、管理経費が五二・八%という比率になっておるわけでございます。食管会計の赤字のもう過半数は管理経費によってであるということが明らかでございます。そこで、その管理経費構成比率を見ますと、金利が三三%、事務・人件費が二六・一%、保管料が一七・六%、運賃が一二%、集荷経費一一・三%となっております。私はこれを見ますと、金利とか保管料、運賃、集荷経費というのは実態論としてなかなか削るというわけにはいかないということですね。そうしますと、この食糧事務所、支所の整理、出張所の廃止など事務・人件費というものに対する見直しというものが食管会計の赤字を処理する中で一つの大きなウエートになる。大蔵省主計局の「歳出百科」にも食糧事務所の組織、定員の改善、合理化を図る必要があると指摘されておるところでございます。管理費節減のために大臣としてどういう方針をとろうとしておられるんですか。
○政府委員(松本作衞君) 管理経費を節減いたしますために事務・人件費の合理化が必要であることは、御指摘のとおりであるというふうに考えております。従来も食糧事務所の定員につきましては大幅な削減を進めてまいったところでございますが、現在もなおまだ合理化の余地があるというふうに考えておりまして、特に食糧検査官につきましてはその節減合理化を図っていきたいと考えておる次第でございまして、そのために抽出検査の推進というような検査の方法の改善によりまして、おおむね今後六、七年の間に検査官の数を半減するという縮減計画を現在立てるつもりでおりまして、この計画に沿って計画的な合理化を進めてまいりたいと考えております。
○柄谷道一君 昭和四十二年から五十六年度まで、これ十五年間でございますが、この間の減員は八千八百十八名でございます。四十二年を一〇〇としますと、五十六年度が六八・八%という比率になっておるわけでございまして、私はやはり実態を精査して、いま長官も申されましたように、この問題に対して根本的な見直しを行うということが財政再建上重大な一つの課題であるということをここで指摘いたしておきたいと思います。 次に、大臣にお伺いするんですが、政府は昨年十月八日、今後十年間の農政の指針となる「八〇年代の農政の基本方向」「農産物の需要と生産の長期見通し」を公表されております。しかし、これを一言で言うならば、わが国の水田面積の約三割を米から他の作物に転作する必要があるというのがこの方向であろうと、こう思うんですね。そういたしますと、この長期計画を推進するためには多額の農業基盤整備事業費、転作奨励金が必要になるということでございます。私、農水大臣いまハムレットの心境じゃないかと思うんですね。行財政改革のためにこれらの補助金が削られれば十年計画というものが円滑に進展しない、しかし片や行財政改革という大きな命題を抱えておる、これ、どう対応されるんですか。
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございましたとおり、六十五年におきましては水田の約三割、これが余剰の水田になると、こういう見通しを持っておるわけでございます。ところで現在は、五十三年度から水田利用再編対策いうのをおおむね十年間の長期事業、腰のすわった事業ということで転換を進めておるわけでございます。いずれにいたしましても、従来から稲作というのが農業の中心的地位を占めておる、これをよその作物に転換をしていこうということでございます。非常にそういう面では構造的な変化というものを伴うものであろうというふうに認識をいたしております。したがいまして、本事業を円滑に進めるというためには、何といいましても農業者を初めとする団体等の理解と協力を得ながらやっていく、そのためには、相当の水田利用再編対策に要する経費は必要であるというふうに考えます。 ただ問題は、面積の方が逐次、第二期におきましても、第一期よりも相当増加をいたしております。ただ、奨励補助金の単価等につきましては、これは奨励補助金依存から次第に脱却をしていくような足腰の強い転作営農を育てていく、こういう考え方で指導いたしております。したがいまして、単収の向上なりあるいは規模拡大というようなことで生産性の向上を図るということでやっておりますので、逐次定着性の高い転作営農ができるとともに、このことがまた財政負担の節減の面にもプラスになるのではないかというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、農業構造の抜本改革のために財源措置が必要であることは当然だと思います。しかし、現在の補助金のすべてが正当であり有効に機能しているかどうかについては、見直す必要があると思うんでございます。 そこで大臣、お伺いしますが、朝日新聞から発行されました「補助金と政権党」、この本をお読みになりましたか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 新聞に出ておりましたときに、あちこち特に関心の深い点は読んでおります。
○柄谷道一君 その中には、第八章に「農村を覆う補助金の網」としてその全貌がここに書かれております。 その中でたとえば、五十四年度予算案が大蔵省と各省の事務レベル折衝で固まりつつあった時期、農水大臣に就任した渡辺美智雄さんが農水省幹部からその経過を聞くと、「大筋は結構。しかし、パッとした新事業がひとつ欲しい。スケールの大きいやつだ。オレがこれから一〇〇億とってくる。「村落振興」というのはどうだ?とにかく、うたい文句を考えてくれ」、こう言われまして、金子大蔵大臣、齋藤幹事長に、「米価をずっと据え置いてきた。選挙となれば、やはり頼りは農村だ。新規事業を出しておかぬと農村でしゃべる材料に困るよ。」、こう説得されまして、大平さんの手で衆議院解散−総選挙をねらう主流派幹部の同意を得、国庫補助金百億円、地元負担金百億円、産業担当の農水省業務の私は枠を超えると思いますが、地域の連帯感、健康、福祉を高めるための農林漁業村落振興緊急対策事業補助金があっさりと決まった。こう指摘されているのですね。一年後、大蔵省は行財政改革に手をつけるために原案でこれを削った。ところが、渡辺大臣の後を継いだ武藤農水大臣は、「五十四年の総選挙に敗れたのは、農村で投票率が落ちたためだ。五十五年参院選のためには、思い切った農村向けの政策がいる。米価引き上げの約束ができればいいが、それだと都市票が減る。村落振興を続けるしかない。しょせん、政権あっての財政再建であり、財政再建のために選挙に敗れることがあってはならぬ」、こう竹下大蔵大臣、櫻内幹事長に説いて、農業構造改善村落補助事業費、一回全く衣がえをして、規模も内容も全く同様の補助を新設した。そういう内容がここへ書かれてあるわけです。 去る五月二十日、経団連フォーラムにおける大臣の発言は、フランスのように革新政権になるとか、共産党の侵入を防ぐ目張りであるとか、こう言われたのはこれは論外であるとしても、大臣非常に正直な方でございますから、私はつい本音が出たのではないだろうか、こう思うんです。 そこで、大臣にお伺いしますが、農水省のこの補助金に党利党略は全くないと、こう断言されますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、もう農林水産大臣といたしましては党利党略があってはならない、こういう感じを持っております。
○柄谷道一君 それじゃ時間の関係上、私はこの内容は決算委員会でまたただしたいと思いますけれども、党利党略的なものがあれば、これは一切今回の行革を通じてこれを排除すると約束いただけますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) ちょっと質問の趣旨が聞き取れなかったわけでございますが、申しわけございません、質問の趣旨が耳が遠いものですからちょっと……。
○柄谷道一君 いや、私の聞きましたのは、やはり決算委員会等の審査の結果、これは党利党略ではないかということが明らかになりましたときはそれを削られますかと、こう言っておるんです。
○国務大臣(亀岡高夫君) もしそういうものがあれば、私はないと信じてはおりますけれども、特に昭和五十六年度の予算をごらんいただければそういう点は私はないと、こう申し上げて差し支えないと、こう思います。
○柄谷道一君 きょうの段階で大臣、それ以上の答弁はできないと思うんです。問題は決算委員会にゆだねまして、委員長もおられることでございますから、この問題はひとつ時間をかけて一遍洗い直してみたい、こう思います。 そこで、時間がございませんので、資料の要求をしておきたいと思うんです。 一つは、五十七年度予算編成の場合における当然増経費が一体どれぐらいになるのか、これは時間の関係上後で資料を出してください。 それから次は、農村整備関係補助金の内容、いわゆるこれは件数、内容及びその総額、これについてリストの提出を求めたい。 次に、職員設置費に係る国庫補助金の内容、これについていただきたい。 さらに、農村の機械化、施設関係の補助金内容、以上四点について、本員質問時間を非常に短縮、省略をいたしましたので、資料として提出をいただきたい。その内容は決算委員会でまた述べたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(渡邊五郎君) ただいま御指摘の資料は私どもで整えまして提出いたしたいと思います。 ただ、当然増経費につきましては、まだ八月末の概算要求までの数字が詰まっておりませんので、あるいはこれまでの当然増経費の経過なりを資料としてお出しするようになるかもしれませんので、この点はまた御相談して資料提出さしていただきたいと思います。
○柄谷道一君 農水省所管の補助金は千百二十六件あるんですね、これ。総額二兆六百十二億円でございます。これ一般会計の補助金件数は三千五百十五件でございますから、件数から見ますと、約三分の一を農水省が持っておる、こういう結果になっております。五十四年十二月二十九日の閣議決定による補助金の削減は件数主義でございます。したがって、大蔵省から指摘されているように、農水省関係、衣がえが非常に多いんですね。一つを廃止する、また衣がえをして同じような補助金をつける、こういう傾向がこれは大蔵省からも指摘されておるんです。 そこで、私はこの千百二十六件、きわめて零細に分化された補助金について、これを整理統合、集中化する、そういうことが必要ではないかと思うんですが、お考えいかがです。
○政府委員(渡邊五郎君) 補助金の整理合理化につきましては、先生御指摘のように五十四年の閣議決定以来農水省の件数としましては現在千百二十六件となっております。今後におきましても、この補助金の整理合理化につきましては、特に統合メニュー化というような問題あるいは事務処理の簡素化というような観点から、私ども相当思い切ったことを考えていかなければならないだろうと、とりわけ五十七年度予算におきましてはかなり財源的な制約があるということになりますと、現実の各地域なり何なりの御要望とこうした問題等にこたえていく補助金の今後のあり方としては、先ほども申しましたような統合メニュー化等につきまして積極的に進めていかなくちゃならないと、このように考えております。
○柄谷道一君 私は、本日提案されております農業研究センターの設置、その背景には地域農業構想というものがあると思うんですね。そこで私は、地域の実態に即した地域農業の発展を図るという視点からとらまえますと、たとえばいまの現状では「温室の設置ができる事業」、これ十三種類ございます、補助金ですね。「ほ場整備ができる主な事業」が二十一事業、「農道整備ができる主な事業」が十六事業、「かんがい排水整備のできる主な事業」として十五、「乾燥貯蔵施設の設置ができる主な事業」が十三、「育苗施設の設置ができる主な事業」十五、「農作業機械の導入ができる主な事業」が十九、「畜舎の設置ができる主な事業」が十六と、一つの事業をやろうにも非常に広範に多様化されているわけです、手続もめんどうでございますし。そこで、兵庫県農林水産部でつくった「農林漁業振興施策の事業制度の概要書(事業制度のガイドブック)」、これを繰りましてどれが一番補助金がよけいもらえるかと、実態に合うかと、この本がベストセラーになるほどのいま複雑さを持っているのが補助金の実態だと思うんです。で、地域農業ということになりますと米作だけじゃないですね、畜産もあれば蔬菜もあれば、いわゆる総合した地域農業をいかに育成していくか、この視点に立てば千百を超える補助金というのは思い切って集中化して、そして集中投入による効率化を図る必要がある。これはもう国民の声だと思うんですけれども、勇断ふるわれますか。
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、地域農業の振興という観点から五十二年度から地域農政特別対策事業というようなものもスタートいたしまして、むしろ地域の実態に応じたこうした助成事業のあり方ということで現在各種の補助金が実施されております。そうした面で、かなり統合メニュー化というようなことで、地元の意向に合うように事業のメニュー方式によりまして選択ができる幅ができております。逆に、そのことがまた各種の事項がどの事業でもできるというような面も出てきていることも事実でございます。こうした点につきましては、私ども先ほど来申し上げているような、今後の補助金の統合メニュー化ということで重点的な配分なり、予算編成に取り組んでまいりたいと、先ほど来大臣から申し上げました目下の農政の課題にこたえていくような、かつ地域の実態に合ったような補助金の仕組みを考えてまいりたいと、こう思っております。
○柄谷道一君 さらに、農村のコミュニティーづくりには十種の事業が用意されております。この中には、私がさきに指摘いたしました渡辺補助金や武藤補助金も含まれているわけでございます。道路、集会施設、夜間照明、スポーツ施設、こういうコミュニティーづくりは、私は何も農村だけ必要とするものじゃないと思うんですね。地場産業のところも必要だし、町にも必要だ、こういうコミュニティーづくりというのは本来自治省の行うべき所管ではないか、こう思うんです。それをあえて農林水産省の補助金としているところに選挙と政権維持のために結びついた補助金の実態があると、こう思うんです。自治省も、これは自治省の仕事だと指摘しております。いかがですか。
○政府委員(杉山克己君) 農林水産省の事業というものは、単なる産業政策として農業を見るということだけでなしに、私ども地域としてとらえ、その住民の生活なり、全体を対象として政策を施していくということが必要であると考えております。特に、最近におきます農村の事情を見ますというと、一方において規模拡大を図り専門化する農家があると同時に兼業化が進む、あるいは都市住民の移動があって混住化が進むというようなことで、農村の意識といいますか行動様式といいますか、これはきわめて多様化しております。しかし、今後ますます地域におきます資源、土地、それから水、こういったものを有効に全体として活用していくためには、地域住民の総意、合意づくりが私どもきわめて重要であると考えております。また実際問題といたしましても、たとえば道路一つとりましても、混住化が進めば農道と一般道路との境界区分というものがなかなかむずかしくなるし、相互利用がされるというようなことになります。それから、特に排水関係を見てみますというと……
○柄谷道一君 簡潔にお願いいたします。
○政府委員(杉山克己君) はい。今日生活排水が優良な農業用水の取得を困難にするというような事情もございまして、私どもそういったことを総合的に実施するために、また土地を有効に提供してこれを公共に使っていくということを考えますというと、いま先生の言われましたような生活環境施設、これらを生産基盤の整備と合わせて一体的に整備していくということがきわめて有効であるし、必要であると考えるわけでございます。また、そのことはメニュー方式で自治体がどれを重点的に選べるかということも同時にあわせ配慮しているところでございまして、自治体の自主性というものは十分生かされておると考えておるところでございます。
○柄谷道一君 非常に苦しい答弁なんですけれども、この「補助金と政権党」を一遍読んでくださいよ。これを渡辺大臣とか武藤大臣から言われたときに、農水省の皆さんは、これ所管外のえらいものを押しつけられたなと、いかにこれを理由づけるか非常に苦労されたという一幕がここに書かれているんですね。宮内庁の馬車という言葉がありますけれども、これは両方をふさがれまして真っ正面しか見えない。農林水産の立場からしますと、そういう見方も出ると思うんです。それじゃ地場産業にも地域コミュニティーづくりが必要だと、今度は通産省が要求する、工業団地にはコミュニティーづくりが必要だと。農業ばかりじゃないでしょう、コミュニティーづくりというのは。私はそういう面について時間の関係できょうは多く触れられませんけれども、現在の農水省の補助金には幾つかの問題点がある。また建設省についても、建設省からもひとつ農道づくりは建設省の所管ではないかという声も上がっておる、私はこの点だけを指摘しておきたい。 そこでいま、本の結びはこうあるんですね。「過保護のもとで、産業が育つはずがない。農業補助金の最大の罪は、農家から自立の精神を奪ったことではあるまいか。農業補助金の情報収集と伝達が府県の農政担当者の重要な役目になってきたこと自体、農政のゆがみを証明する。経営感覚よりも、しばしば、補助金を引き出す政治感覚のほうが重要になる。コストを安くする経営努力よりも、票を集める政治努力のほうが大切な状態になっておる」、こう指摘しておるんです。私は、いま多難な問題を抱える日本農政再建のために補助金制度について根本的な見直しが必要であることを指摘いたしておきたいと思います。 最後に、時間が参りましたので、センター問題についてお伺いして質問を終わりたいと思います。 巨額の国費を投じて筑波研究学園都市にセンターが概成されたわけでございますが、国民は農業研究センターが今後わが国農業研究のメッカとして新しい技術が開発されていくことを期待しておると思います。この効果を十分発揮するためには、地域や県の研究者は、今後センターが開放的に運用されまして、高水準の施設、機械の利用、ここを拠点とした共同研究が行われることを望んでおります。さらに、食糧エネルギー問題に対処して革新的な技術開発を進めていくためには、他省庁はもちろん民間、大学等との研究交流、共同研究を積極的に強化拡充することが必要であると思います。研究者というのは、とかく閉鎖的で専門のからに閉じこもりがちでございますけれども、そうであってはならない。開放的な運営の中に八〇年代の農政を担うセンターとしての位置づけ、役割り、それにふさわしい運用が必要であると思うものでございますが、大臣から今後の運用に関する所見をお伺いいたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○国務大臣(亀岡高夫君) 柄谷委員御主張の点、全く私も同感でございます。特に、やはりこの試験研究によりまして新しい品種一つつくり上げるということが、いかに日本農業のみならず国際的な農業の面にも大きな役割りを果たすかは、これはもう明らかなことでございます。あらゆる努力をして、やはり生産性を高めるための大きな一つの一角として、この農業試験研究の進歩発達によるべきところ私は少なくないと、こう考えております。 したがいまして、あの筑波に集中いたしました研究施設、あれをフル回転をいたさせますとともに、やはり世界に先駆的な試験研究体制、総合性、そういうものを持たせまして、そうして農家がすぐに役に立つ、まあ早いことを申し上げますと新しい品種をつくる、そうしてそれを農業経営の中に取り入れることによって、その農業者の労働生産性なり土地生産性なりが急速に進めることができるといったような方向に向かって全力を挙げるようにしたいと同時に、特に自給力強化のためにやはり日本の水田というものを見落としてはならないと思いまするし、最近いわゆるえさ米といったような声も非常に強く出てきておりますので、そういう点も実現をするために、五十年かかるところを十五年でやりたいと、こう言って技術者の諸君も張り切っておりますので、そういう方向に全力を挙げるために農業センターに大いにその役割りを果たしてほしいと、こういうことで提案をし御審議をお願いしておる次第でございます。
○秦豊君 私が農業問題を質問するのは、これ初めてなんだけれども、まさに歴史的なんだけれども、それにしては質問時間が三十分というのは何とも皮肉だと思いますから、私はテンポ早く質問を投げますから、大臣初め皆さんにおかれては協力あられたいと思います。 いま柄谷委員から指摘があった連続です。大臣、あなた方々で遠慮がちに発言をされておりますけれども、本音は十分わかっています。第二臨調の土光会長が行政改革問題を考えた場合、冷静に、最大のガンは農水行政だとまで言い切っているんですよね。あの人らしいはばかりのない認識と発言だと思うんだが、そんな発言を聞かされる最高責任者のあなたは、この発言をどう受けとめていらっしゃいますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 土光さん、そういうことをおっしゃるはずないなと、こう私はあの記事を見てすぐ思ったんでありますけれどもね。というのは、私も郵政関係の政務次官をやっておりましたときに何回かお会いしたことがございます。そして、あの方は農業問題に大変興味を持っておられますし、みずからも物をつくったり、特に山関係なんかにも興味をお持ちになって、御自分でいろいろとやっておられます。そういう立場でありますから、私は、農業問題に関しては相当理解ある結論が出してもらえるんじゃないかなということをしょっちゅう申し上げておるわけであります。いわゆる人間は食べなければ生きていけないわけでありますから、やはりその食糧を生産するためには、確かに土光さんの立場から言えば、生産性の高い農業をやれと、それなくしてはだめだよということは仰せになると思いますけれども、理の通った答申が出てくるものということを私は申し上げておるわけでございます。
○秦豊君 確かに大臣おっしゃるように、パーソナリティーは別として、いまや公人土光ですからな。しかも、第二臨調は元大本営参謀の作戦のもとに動いていて、瀬島委員会だ、あれは。財界主導、ずばり言えばそういうことです。だから、あなたの期待に反するシビアな答申が恐らく出されるでしょう。そこで、財界の論理というのは貫かれているので、たとえば十年から十五年猶予期間を置くが、要するに市場原理を導入すると、米は間接統制だと、浮かした金は国内で自給すべき農畜産物への不足払いをすればいいじゃないかと、一言で言えば大変乱暴に刈り込めばそういう議論なんです。その場合に、あらゆるコストを計算する基準というのは、経営規模のわりと大きい中核農家の生産コストを横並びで参考にしたらどうか、こういう発想もあるでしょう。それから、もっと言えば、たとえばそういう財界の倫理と農水省の論理というのは絶対矛盾ですよね。自己同一しないでしょう、これ。 そこで、私はそういう財界の論理、方向や路線というものを貫徹した場合には、あなた方の抱えている、つまり日本農業が抱えている問題点があるでしょう、自給率の極端な低さとか、生産性の低さとか、農業経営基盤の零細化、脆弱化というふうな問題と食糧の安定供給というふうな公的使命がうまく乖離しないで、財界の論理が貫かれた場合にあなた方の使命が全うできるのかという観点ね、これが真正面から私はぶつかって火花を散らすいまその時期ではないかと、こう思うんですがね。全体的なとらえ方、どうです。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私も全くその考え方の基盤としては同感でございます。
○秦豊君 ただ、にもかかわらずという視点でいまあなた方が厳しく解析されているわけです。いま柄谷議員も引用されましたが、あれはなかなか労作ですよ。ああいう労作を離れて言えば、五十四年の一月十二日だと覚えていますが、行政管理庁がおたくを監察をした。行政監察、例の。ちゃんとこれ発表されています。それを見ると、補助金の使われ方に局限したところだけを引用してみると、残念ながらあなた方の評価は非常に悪い。たとえば五十五地区で二千五百戸を目指した自立経営農家は実現の成果は七百三十五で終わっているとか、あらゆる市町村からはりっぱに貫徹しました、みごとに期待にこたえましたというリポートがどんどんおたくに集まっておるんだが、それを行管庁の客観的な基準に照らして見ると、それは企業においては粉飾決算のごときものであるというふうな指摘が——これ読んだら、官房長首ひねられぬでも読んだらわかるんだから、後でごらんください。この場ではとても一々照合できませんがね。こういう問題で補助金の補助効果というものが非常に惨たんたるものであるという面をあなた方の横並びの所管庁の一つである行管庁が公文書で出している。だから、これは今後秋の行革国会では確かに大きなポイントになるでしょう。 そこで、衆議院の会議録を読んでみたんだけれども、それは大臣もなかなか答え切らぬですよ、いま。はい、この部分を削ります、積算すればこれぐらいになるでしょうと言えませんよ。だから、そういう質問はしない、ぼくは。ただ、認識だけを聞いておきたい。官房長になるのかな、これは。つまり、たとえば水田利用再編対策費、それから転作奨励補助金、さらに地域農業生産総合振興推進費補助金、これ相当肺活量がなければ読めないんだ、長いタイトルだから。ぼくなんか二回も切っちゃったんだけれどもね。こういうものがいまだにあるわけですよね。 これは一体奨励効果というか補助効果というのは上げているのかと聞けば、十分に上げていますという答弁しか返ってこない。むなしい質問になるわけだ。だから、一気に言いますけれども、たとえば農業改良普及事業負担金とか生活改善事業負担金なんというのが並んでいるんですね。普及員も当然おる。一方を見ると、魚価安定基金造成費補助金というふうなひねりにひねったような、工夫に工夫をしたようなこういうものもあるし、繭検定設備設置費補助金というふうに、まだあったのかなあというふうなものがもう厳としておたくの費目の中には並んでいる。 そこで官房長、あなた方もサマーレビューに備えて、第二臨調の答申に備えて相当勉強、作業をされていると思うんですが、いま私が挙げたのは柄谷委員が挙げたのと同じく一部の一部なんです。九牛の一毛なんだ。ぼくが挙げたような費目の補助金についての補助効果についてあえて聞きますが、これは全然再検討の余地がないほど厳たるものなんだと、りっぱに機能しているんだというふうなことをあなたは確信を持って言えますか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私から概括的に申し上げたいと思います。 いま御指摘になりました補助金のうちで改良普及事業負担金、生活改善普及員関係の負担金、これは改良助長法という国会で定められた法律に基づいて国としての責任を果たすための事業に対する負担金でございます。御承知のように、農家というものはもう先ほど来の御議論のとおり、やはり技術を一日も早く取り入れて生産性を高めたいと、こういう気持ちを持っておるわけであります。ところが、自分でなかなか勉強しに出かけるわけにはまいりません。四六時中農家は行動を制限されると、天候のために、作物のために。こういうことでありますので、その農家に技術を教えるというためにこの普及員制度というものが設置されておるわけでありまして、これはもう先進国アメリカにおきましてもヨーロッパの農業先進国におきましても、この普及員の判こがあれば金が借りられる、普及員の証明があれば融資も受けられると、こういうほど農業と普及事業というものはもう離すことのできない関係にあると。これは将来、基盤整備とかそういうものはやがて完了する時期が来るわけであります。しかし、この普及事業というものは、農政が続く限り、食糧生産が続く限りこの制度は続けていかないと、食糧を確保するためには本当に農業の中では最も大事な部門であると。これが比較的、農家を回って黙々黙々と仕事をしておる諸君でありますので、いつも行政整理になりますとこの問題が行政管理庁あたりから指摘を受けるわけであります。この点は、やっぱりわれわれ法律をつくっていただいた大先輩の皆さん方がその点をきちんと見きわめられまして、この農業改良防長法というりっぱな法律を終戦直後におつくりになったということが私は日本の農業をここまで普及させた一つの大きな原因であると、これだけはひとつ秦委員も御認識していただかなけりゃならぬと、こんな感じがいたします。
○秦豊君 ならば、大臣に重ねて伺いますが、いままでの補助金行政のにしきの御旗はいわば農業構造改善だと、モノカルチュアではいけないと、米、米は。というふうな総合性を目指した。ところがこれからは、あなたのお話をずっと伺っていると、今度はそれに対して厳しいメスが加えられようとしているので、それだけではいけないと、やはり食糧安全保障論というものを新たにひっ提げて、そうして論理を構築して財界のシビアなまなざしをはね返すと。仮に、あなたは首を振っていらっしゃるけれども、何か新しい論理を改めて構築しなければ、行政改革論議全体の中での風圧やインパクトに対して農林水産行政はとても立ち向かうことはできないんじゃないですか。だから、しかしそういうふうな発想にとどまっていると、たとえばあなたの所管の農水行政についてはとても各省横並びの八ないし一〇%の一律補助金削減なんかできませんと、こういう結論に結びつきやしませんか、大臣。あなたの責任において、にもかかわらず八ないし一〇というのは至上命令だと、厳しくともおのれの体にメスを加えるんだというふうな決意はおありだと思うが、現実性はどうなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、結局財界の皆さん方はもっと農業に経済的な合理性、それをもっともっと取り入れろと、そしてとにかく生産性の高い農業をやれと、こういうことが諸提案ににじみ出ていると思うんです。したがいまして、その点は私どもとしてもこれは一生懸命努力をいたしておるわけでございまして、幸いにも去年、農用地利用増進法といういままで農地法で一番私どもの苦労しておりました経営面積を大きくするための法律的な阻害要素を取り払っていただいた、それがやっと去年であると、こういうこともございまして、懸命の努力をしておるということでありまして、やっぱりお互いに日本の将来を考えれば、財界の人であろうと農業者であろうと目標とするところは同じでありますけれども、そこに到達する方法がもう少し寛大な時間的な余裕を見ていただかないと、この農業というものはだんだんとやり手がなくなってきたらもうすぐにまた農業を盛んにするというようなわけにはまいりませんので、その点は十分慎重に対処をしていくべきであると、こういうことを申し上げておるわけであります。 しかし、私はいつも申し上げておるわけでありますけれども、今度の繭糸価格安定の問題と取り組みましたときでも、私どもとしてはやっぱりそうでなければ蚕糸あるいは製糸、あるいは繊維関係の機屋さん、そういう方々の経営が成り立っていかないと、そのためには、基準糸価を据え置いていくような手ぬるいことではもうだめだということである程度の、七百円ほどの基準糸価の引き下げも断行するというふうな気持ちも持っておるわけでございますので、やっぱりその点は十分考慮して、不要になった補助金でありますとかあるいは融資制度に切りかえることのできる補助金でありますとか、あるいはメニュー化方式にいたしまして農家のその地域社会の考え方の選択によって補助金が行き渡るといったような方法でありますとか、いろいろ工夫をいたしまして、第二臨調で答申のあった事項はきちんと私はやっていかなければならないというふうに期しておる次第でございます。
○秦豊君 いまどうなんですか。何とあなた方は言っているのか。自立経営農家の育成と言っていらっしゃるのか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 中核。
○秦豊君 中核と言っているんですか。これはどういうふうに計画づけられているのかな。第二次構造改善事業を二次構というふうな呼び名で呼ばれているものですか、事業の総体は。そうであれば、これは相当ロングレンジのプランであったわけですね。それで、第二次があったからぼくら素人はすぐ第三次があるのかと思ったら、第三次と呼ばないで新構造改善事業——新構と言うのかな、これはたとえば一兆円規模で一千九百地区近いエリアを対象にした新たな構造改善事業計画であって、つまり昨今になって盛り上がってきた農業の見直しというふうな発想や論理は踏まえていない。いままでの農水省の論理をそのまま拡大再生産させようという事業の路線なのか、理念なのか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。 中核農家という概念でいま約百万戸の農家を中心にしまして、農林水産省としてはこの農家を中心に規模の拡大、そして今後の日本農業の生産の担い手にいたしたい、こういう観点から、新農構におきましてもそれらを従来の手法よりも幅広く地域の自主性を尊重しながら構造改善事業を実施していくという形で私ども新しい農業構造改善事業を興しております。 従来と違うという点は、むしろ地域の総意を生み出していく。ただ単に、先ほどもいろいろ生活環境の問題等も出ましたけれども、農用地利用増進事業等が拡大してまいりますのも、地域における各般の層の合意、理解がないと規模の拡大ができないというのが農村の地域社会の実態でございます。専業農家も兼業農家もお互いに住み分けて地域社会が発展するような方向へ持っていくためには、やはり地域内におきますそうした合意形成をしながら、生産条件並びに環境条件なりを整備しながらそういうふうに持っていきたい、これが新農構の考え方でございます。 なお、この種の補助金は、同時にお考えいただきたいのは、価格政策とこの種の構造政策的な補助金の問題でございまして、現在農産物が比較的過剰基調でございます。したがって価格は、かなりシビアに抑制的な価格政策をとっております。消費者物価なりあるいは消費者価格の変動、上昇に対しましても農産物価格は比較的低位でございますし、労賃の上昇に対しても農産物価格は非常に低位でございます。かつ、五十四年と五年を比べましても、資材の価格指数は相当上がっていると、農業経営にとっては非常に公益条件は恵まれていないと、むしろ悪化していると、こういうような条件のもとに、いま農用地利用増進等で零細規模から比較的大きい規模の方へ耕地面積の移動が行われております。賃貸を通じまして、所有権の移転ということはなかなかむずかしいんでございますが、賃貸という形で、貸し借りの形で零細農から比較的規模の大きい方へ生産性を向上するという形での規模拡大が行われております。そうした価格政策並びにこの種の補助手段とが両々相まって、私ども、時間は多少かかりますが、長期的に生産性が向上していくような農政を進めてまいりたいと、新農構もそういう路線につながるものと考えておるわけでございます。
○秦豊君 いまのあなたの発言にこれ関連するんだけれども、経営規模を拡大したいと、専業農家六十五万戸ですか、ちょっと減りよるが。そうするとぼくらが考えても第三者が考えても、たとえば昭和あれ何年でしたかな、四十五年に農地法、手をつけたのは。あなたの言う利用権というか、賃借の。この点についてのいわゆる権利関係には、拡大という要素が生まれたけれども、農地法という壁があるでしょう。これはそこにいらっしゃる中西議員なんかも方々に書いていらっしゃるけれども、いろんな農業の専門議員が方々に寄稿しているのを散見すると、やはり農業構造の改善を目指すならば、補助金だけをぽんと突っ込むという路線じゃなくて、農地法制そのものの厚い壁に風穴をあけなかったら口頭禅に終わるというふうな論調が方々に共通しておるんだね、これ。少数意見じゃない、多数意見じゃないかな。そうなると、かつて一度や二度手直ししたことがあるかもしれないが、農地法とあなた方が目指している農業構造の改善というのは、二律背反という面が現場現場ではたくさん山積するでしょう。農地法という問題については今後どう取り組むのか。
○政府委員(渡邊五郎君) まさに御指摘のような問題がございまして、昨年度、いわゆる農地三法ということで、農地法自体におきましても現物小作料を認めるような道を開きましたし、かつ農用地利用増進法を制定いたしまして、借りやすい、貸しやすい条件設定を、従来の農地制度上ほとんど不可能というようなことも言われたような事態も地域の実態に即して可能なように、利用権の設定は短期におきましても貸しやすくするという条件設定はすべて私どもとしては整えたと、現実におきまして農地制度が経営の規模拡大なり生産性の向上の桎梏となるような条件は私どもとしては整備、緩和したと、このように考えておりますので、そうした意味で、旧来の農地制度を念頭に置かれましていろいろ御議論があるかと思いますけれども、現状の利用増進法なり現行の農地法におきましてはかなりそうした方向に進んでおります。現にそういう実績も上がってきていると私ども確信しております。
○秦豊君 官房長わかるわ、気持ちは。つまり、ぼくは防衛問題だけれども、自衛隊二法の改定、ぼくらは改悪と言っておるんだが、あの人々は改正と言うんだが、それに手をつけるかと言ったって、それはどこを押したって考えていませんという答弁が出るのと同じで、農地法と言うとある基本の法体系だから、なかなかこの時間帯でこう聞いても、官房長が、はい、農地法に手をつけたいと思いますなんという答弁はあり得ないんで、いまで十分だという答弁しか返ってこないと思う。 そこでしかし、ぼくたちが見ると、たとえば専業農家が六十五万戸、これは世帯員の構成で違ってくるけれども、あと農協職員が三十万人ぐらいいるとする。区画整理・土地改良区組合とか農業委員会なんか含めると、大体その分野が六十五万人。となると、生産人口と、非生産と言っては失礼かもしれませんが、非生産的な部署についている人々の数と生産的な第一線についている数とは大体照合するわけだ。バランスしているわけだ。こういう農業構造全体の問題は非常に日本農業的で、これ自体でバランスがとれているんですかね、それともゆがんでいるんですかね、どうなんでしょう。
○政府委員(渡邊五郎君) よくそういう御指摘を受けるわけでございます。将来の担い手として、私ども先ほどから、中核農家百万戸を中心にこれからの生産の担い手といたしたいと思いますし、今後の中心となるわけでございますが、ただそれだけの農家だけを相手にすればすべてできるわけではございません。たとえば土地改良事業一つ実施いたしますにも、やはり兼業、専業各種の農家が耕地関係も入り組んでいると、そういう農村の実態から、やはり現在四百七十万戸の農家自体を相手にして構造政策なりを進めてまいらなければならない。生産の再編成についてもさようでございます。したがいまして、その戸数と人数だけ合えばいいというような物理的な関係だけで私ども判断するわけにはまいらないと。 ただ、私どもの人の配置や何か、先ほど食糧の検査官の問題等はございましたが、やはり合理化すべき人は合理化いたしますけれども、行政の対象としては、かなり広い範囲にわたって政策を進めてまいりませんと最終的な政策の目標に達し得ないと、こういう考え方を持っておるわけでございます。
○秦豊君 この間筑波を見せていただいたんですが、それで感じたんだけれども、いろんな圃場を歩いた。おもしろい研究もあった。たとえば害虫駆除なんか、科学者のひらめきはおもしろいと思った。ただ、歩いていまして感じたのは、たとえば一つの圃場に行ったときに、この麦は単当収量は五百キログラムですと、一般その辺の農家は二百五十から三百だと、篤農家で三百五十というふうなのがあった。これは農業技術の問題じゃなくて、農政の問題だなと感ずるわけですよ。じゃ、麦をどんどんつくりなさいと言ったって、農家が信頼できない、安心できないという問題とぶつかればあなた方の責任、農政の問題、こう思ったんだけれども、そのときに、たとえばおたくの農政では、八十万ヘクタール近いたんぼを休ませると、水田を。その場合、いまたとえば休耕田、休耕ということが農政の中では消極的な政策としてどうも位置づけられるきらいがあるんじゃなかろうか。もっとアクティブに、休ませるというんじゃなくて、たとえば七十万ヘクタール近い水田があるとすると、仮に半分を水田のままで使って、さっき大臣がちらっとおっしゃった飼料用の水稲をつくるというふうなことが具体的に踏み出せないのかということ、これは私どもに阿部昭吾というのがいまして、農政の権化みたいな男だが、これの持論なんですよ。それでさらにそれを、えさばかりじゃなくて、アルコールに転化するというふうなことをシステムとして考えられぬかと、それの研究はしていないのか、するつもりがあるのか、将来性はどうなんだと、こういう点はどうなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) まず生産性から言って、えさにするためにはもう非常に安くなければならないと。ところが、御承知のように麦も小麦もつくらなくなったというのは、やっぱり間に合わないから農家はつくらない。間に合うために超多収穫の品種をつくってやらなけりゃ農家は喜んでつくらないと。幾ら奨励してもふらつく。したがいまして、そういう超多収穫のえさ米の品種をつくり出そうということで、いま筑波が中心になりましてこれは全国的な各県の試験場の協力も得まして、いままでもやってきてはおりましたけれども、ことしから特に予算措置を講じまして積極的に試験研究に取り組んでおる。したがいまして、その試験研究、国の方針に協力してくれた農家の試験田等については生産調整のカウントの対象に考えていこうと、こういうふうにいたしておるわけでございます。
○秦豊君 そこで、最後に農水省側に伺っておきたいんですけれども、たとえば減反政策を能動的と言ったら、やや肯定的な答弁が大臣からも返ってきた。筑波でもやっておる、広げたい、その方向はしかあるべきだと思うんですがね。 それから、圃場で見た大豆のことで考えるんだけれども、日本全体としての大豆の生産量と自給率はどうなんだということと、たとえば七九年から八〇年はアメリカから四百万トン近く入れていますよね。そういう問題も絡めて自給率と生産量、それから、おたくからいただいた資料によるとなかなかいいのが出ているんですよね、大豆品種エンレイ農林五十七号なんといういいのが出て、かなり方々の試験場で好結果を上げている、転換畑での適性が実証されておると、こういうじみちな技術者の努力もあるんだから、それを吸収し、生かす、拡大するために農政全体の中で大豆の自給率をもっと高めねばならぬ。もっともっと基本的な食糧なんだから、米と並んで。それで、一部の専門家は、休耕田を大豆生産に仮に切りかえた場合に百二十万トンの生産があるいは可能ではないかと、なぜ百二十万トンが有意義なのかというと、国内でみそとか豆腐とか納豆で消費している量は七十万トンだそうですね。それを自給して余りあるじゃないかという観点に立って休耕田の積極的な活用策の一つと大豆という関連でとらえ直すとどうなんですか。
○政府委員(二瓶博君) 大豆の自給率等についてのお尋ねでございますが、大豆の生産の現状でございますが、五十二年に作付面積が七万九千ヘクタールという非常に底まで落ち込んだわけでございますが、五十三年度からいわゆる水田利用再編成というのがスタートいたしました。このときに、大豆を特定作物ということで重要な転作作物ということで奨励金の面でも優遇するというような措置をやりまして、それからどんどんふえてきております。 そこで、作付面積は五十五年度で十四万二千ヘクタールということになっております。で、収量の方はやはりこれは豊凶の問題がございます。そういうことで五十五年は十七万四千トンまで生産がなっております。で、自給率ということになりますと五十二年が三%でございました。これが五十三年が五%というふうに上がりました。ただ、五十四年は需要の伸びの方が国内生産よりも高かったということで、また四%になっております。 ただ、いまも先生からもお話ございましたように、大豆といいますのは搾油用の大豆等もございます、油をとるため。輸入物はそれが大部分でございますが、ただ、食品の関係ですね、納豆とか豆腐とか、これは日本の大豆が非常に向いているということでございまして、この面での自給率というのは従来二〇%前後でございましたが、五十三年は三〇%台まで上がってきております。 今後の方向といたしましては、例の六十五年度の見通しにおきましては、国内生産量の方は四十二万トンまで持っていこう、そして自給率は八%、それから豆腐、納豆、煮豆というような食品用といいますか、これについては六一%まで持っていこうというふうに考えております。 そこで、いまお尋ねのように、百二十万トンとれればというお話ございますが、問題は大豆は連作がなかなかきかないというものがございます。したがいまして、ある程度大豆をつくる、次はまた今度別なものをつくるというその組み合わせの問題等もございまして、簡単に作付面積が、先ほど言いました六十五年四十二万トンというのが限度ではなかろうか、こう考えております。
○秦豊君 終わります。
○片岡勝治君 私はまず初めに、防衛庁関係に二、三ただしたいことがございます。 すでにこの委員会でも追及をされました過般の日米合同訓練におきます漁網の切断事故についてでございます。これは、御承知のようにここの委員会でも追及をされまして、防衛庁は最終的に訓練の中止を決定をいたしました。遅まきながらそうした態度に出たということについて、私もその決断を評価しないわけではありません。しかし、この件を報道した新聞はことごとく、遅過ぎた、何と遅過ぎた措置だろう、こういうことで厳しい批判を寄せているわけであります。 そこで、何でこんなに遅くなったのか。そもそもこの合同訓練というのは前期と後期に分けて訓練をすると、その前期の訓練のときに事故が発生をしたわけでありますから、前期訓練が終わったときに直ちに後期の訓練を中止すべきであった。そういうことをしないで、後期に無理やりに突っ込んでいった、こういう点についてわれわれとしては非常に理解に苦しむわけでありますが、一体前期の訓練最中このような事故が起きたにもかかわらず、前期に訓練をしているときにこうした問題を起こしながらなぜ後期の訓練を強行したのか、この点についてまず防衛庁側の見解を承りたい。
○政府委員(石崎昭君) 前半の訓練をしております最中に、積丹半島の西方その他で漁網等の被害が出たということをわれわれは知りまして、後半の訓練をいかがすべきか十分検討いたしたのでございます。 このはえなわが大量に切られたというのは、御存じのとおり、共同訓練そのものではありませんで、われわれが考えて設定した訓練海域の中ではもちろんありません。前半の訓練は、訓練そのものは慎重に計画をつくって、慎重に実施に移した結果、幸いにして一つも事故がなく無事終了することができたわけでありまして、そういう訓練の進行状況をわれわれは考えながら、この被害が直接訓練に——間接的に関連がないとは言えませんけれども、直接訓練に起因するものでないという事情、それから訓練そのものは何ら事故なく前半は終わることができたという事情、それから後半の訓練をやるについても、非常な、あちこち安全確保のための手だてを講じて、事故なくやれそうであるという見通しを得た事情、以上のようなことで後半の訓練を予定どおり行うという決定に至ったわけでございます。
○片岡勝治君 そういう判断が重大な誤りであったということは、後期訓練が始まった二十一日朝発生をしたわけでしょう。これも直接、間接日米合同訓練による被害であったということは、すでにそのときの防衛庁長官の説明でも明らかなわけであったんです。そういうことになりませんか。 そこで、二十一日の朝事故があったということは、すでに二十一日この内閣委員会が開催をされ、山崎委員外各委員からも追及をされておったわけですよね。ですから、それで責任問題、責任の追及の意見も出る、あるいは中止の意見も出る。にもかかわらず、ぐずぐずぐずぐずして、最終的に中止しようかしまいかという判断をしたのがその夜の九時だということでしょう、新聞報道によると。これは間違いないでしょうか。
○政府委員(石崎昭君) おっしゃるとおり、私どもは後半の訓練が無事できそうだという見きわめをつけた上で後半の訓練に入って以後、二十一日に今度はその訓練海域内で事故が起こったということがわかりました。 それでこれは、われわれは、後半の訓練の際は事故の絶無を期してやるということを申し上げながら後半の訓練に入ったわけでありますから、訓練海域内で事故が起こったとすればもう大変重大な出来事と考えまして、早速調査をしたわけですが、調査の結果わかったことは、この訓練海域内で二十一日に発生した事故というのは共同訓練によるものではない、その事故が発生した時点では、日米の艦艇はいずれも被害の発生した場所から一万メートルも離れたところにおったので無関係であるという結論を得ましたので、訓練に起因する事故でないということで、二十一日にはそれだけの、訓練に起因するものでない事故だけの理由で既定の方針を変えるわけにはいかないということで続行をしたわけでございます。 ただ、その後いろいろな事情、二十一日の事故以外にもいろんな要素を考えまして、このままでいくと訓練に起因しない事故であっても、仮にそういうものがあったとしても、訓練に起因するものと受け取られる危険もありますし、事故の絶無ということについて非常にわれわれも危惧を持ったわけでございまして、そういう二十一日の事故だけによるのではなくて、諸般の事情を考えて、二十一日の晩に訓練中止の決定をせざるを得ないということになったわけであります。おっしゃるとおり、午後九時ごろに日米間で訓練中止について原則的な合意が得られたということでございます。
○片岡勝治君 午後九時に一応そういう判断を、つまり訓練を中止する。それから十時間たって二十二日午前七時に、何といいますかそういう指示をした。指示の内容は、二十二日午後四時に訓練を中止する、この間実に十九時間かかっているわけですよね。少なくとも訓練中止——昔の軍隊だってこんなに時間がかかるということは全く考えられない、私もささやかな軍隊生活の経験は持っていますけれども。 いみじくもこういう報道がされていますね。中止指令から九時間後、前田海幕長は、項目は全部できた、つまり演習項目は全部完了した、こういう談話が載っているわけですよ。つまり真相はこういうことでしょう。いろいろ事故が発生して大変世論が厳しい、しかし訓練は強行しなきゃならぬ、これは完了しなきゃならぬ。そこで二十一日の午後九時、防衛庁は中止の態度は決めたけれども、しかし訓練のやるべきことはやってしまう。その時間的余裕を与えなければならぬ。したがって、中止の指令は翌日の午前七時に発した。しかし、今日の軍隊、自衛隊の機能からいたしますれば、常識的に言って一時間か二時間でこれは中止できるんですよ、こんなことは。これは昔の海軍の経験者にも私聞いたんですが、そんなことができないはずがない。十時間もかかる。もし戦闘中止の命令ができて、十時間もかかって戦闘中止なんということを言ったら大変だ、そんなことはあり得ない。なぜ防衛庁がそういう、日米の双方がこうした時間を設定したかと言えば、中止の判断をして実際に中止をさせるまで相当の時間を置く、その間演習のやるべき事項は全部完了する、そういうたてまえで判断を午後九時にしたけれども、指令は翌日の午前七時に発する。しかも訓練の中止はその日の午後四時、こういうことでありますから、この間何と十九時間。十九時間あれば後期訓練期間二十三日の日まで終わる事項は全部完了できる、こういう判断をしたわけでしょう。これは正直に言ってください。
○政府委員(石崎昭君) 訓練中止の原則的合意ができてから実際に訓練中止するまでに長時間かかったという事情を御説明いたします。 長時間かけて、その間に残りの訓練を駆け込みで全部やってしまうというような、そんなことは全然私どもは考えておりません。事情はこういうことでございます。二十一日の夜九時ごろに、日米間で諸般の事情を考慮して訓練中止やむを得ずという合意ができました。九時から早速技術的にどういうふうに訓練中止に持っていくかという細かい手だてについての検討に入りました。この日米間の調整が午前三時まで夜を徹してやりまして、九時から午前三時までかかって細かい中止に至る手だてというものが固まりました。なぜその細かい手だてというのがそんなに問題であるかと申しますと、御存じのとおり、日米双方指揮権が別々でありますから、細かい点まで万事アメリカ側と相談しながらやらなければならないという外国軍隊と自衛隊との共同訓練というものの持っている性格からして、非常にこのやりとりが時間がかかるということが一方にございますし、それから、精密にくみ上げてつくっていったプログラムをあるとき突然中止ということにする場合には、特に夜間であった場合などには、かなりの混乱と危険を伴うおそれがあります。そこで、かなり先の時点に完全中止の時間を設定して、それからいろいろ逆算しながらいわば部品を一つずつ外していく、そうして混乱と危険を生じないように注意しながら完全な中止という状態に到達すると、こういうことで、非常に細かい点を細かく検討いたしました。それで夜九時から午前三時までかかったわけでございます。 それで、午前三時にそういう細かい手だてについての合意ができましてから、アメリカ側はワシントンとかハワイとか、いろいろ連絡するところがたくさんあったようであります。それからわが方は、その合意を今度は命令にして下へ流すという準備をしまして、午前七時に日米双方とも部隊にその命令が出まして、その命令に従って午後四時の中止時点に合わせながら、安全と無秩序を避けながら一つずつプログラムを外していくという形で午後四時にそれができ上がったと、以上のようなことでございます。
○片岡勝治君 信じられませんね。重大な事故があった、これは漁網の、つまり自衛艦やアメリカの軍艦そのものが事故を起こしたわけじゃないわけでありまして、これは訓練をするときには大きな事故というものは予想するんですよ、すべて。たとえば軍艦同士が衝突したとか、あるいは爆発したとか、そういうものもすべて想定してこうした大規模な訓練というのはやるものですよ。あなた方専門家だから、そのくらいのことは常識で御存じだろうと思う。そういう事故を想定しながらこういう訓練というのは行う。じゃ、突発的な事故が起こったときにやっぱり九時間も十時間も演習は続けるんですか。そんなことは考えられないじゃないですか。だから、中止命令があれば、それは若干の時間がかかることは私も認めますよ。しかし、十九時間もかかるということはこれは常識的に考えられない。いみじくもいま私が申し上げましたように、前田幕僚長は演習項目は全部完了したと、だからやめたんじゃないですか。これはうそですか。新聞がうそを書いたんですか、新聞が。それとも幕僚長がうそを言っているんですか。これは真相を確かめてください。すぐ確かめてください、重大な問題ですからね。
○政府委員(石崎昭君) 訓練中止の決定から実際にそれが実現するまでの所要時間については、もちろん突発的な事態が生じた場合あるいは有事の際などを考えれば即時中止ということはもちろん可能でなければ、およそこういう戦闘という仕事をやる集団でありますから、即時命令を実現できるようでなければいけないのはもう常識だと思います。だから、即時中止して態勢を立て直すということは可能なことでありますが、さっき申し上げましたように、今度の中止の場合は慎重の上にも慎重を期してやったわけで、かなり離れた場所を選んでやったとは言いながら周辺に漁船もいるわけでありますから、昼間明るいときに時間をかけて少しずつ訓練のプログラムを外していくという形で、慎重の上にも慎重を期してやっていくということで時間がかかったわけでありまして、即時に中止ができなければ軍隊としてはおかしいという常識は確かにそのとおりでありまして、非常時、突発事態にはそのような対応をするわけであります。その場合は多少の危険とか混乱というものは承知の上で即時中止する、そういうことはもちろん可能であります。ただ慎重にやったということであります。 それから、前田海幕長がやるべきことはみんなやってしまったという発言をしたと、発言、言い回しは私は存じませんけれども、前田海幕長と私は年じゅう意見交換やっておりまして、彼の言わんとするところはわかっておるつもりでありますが、その発言の意味は、新聞が、海幕長が、どっちがうそをついたというようなことではなくて、やるべき訓練というのが、いろいろな訓練の項目をわれわれは用意しておりましたが、それはそれまでの何日かの間に順次こなしていったということでありまして、最後に残った総合的な、いろんな種類の訓練を組み合わせた総合訓練というのは残念ながらできなかったわけであります。全部こなしたという意味は、個々の対潜訓練であるとか水上打撃戦訓練であるとか防空訓練であるとか、そういう個々の訓練の項目は一応はこなせた、残念ながら最後に全部それを総合してやる訓練は中止のためにやれなかった、そういう意味であると私は理解しております。
○片岡勝治君 これは確かめてください。こういう報道がされているんですからね。つまり、中止をしたけれども項目は全部終わったということは、駆け込み演習ということになるじゃないですか。しかも私が言っているのは、つまり午後四時ですからね、あなた方が判断してから十九時間も置けば丸一日あるわけですからね、ほぼ。その間訓練をずっと続けたわけでしょう。防衛庁ではやめようと、そういう判断をしてからなおかつ相当時間を置けば、常識的に私は考えられますよ、駆け込み訓練ということが。これはひとつ確かめてしかと返答していただきたい。あなたは推測でいまお答えしましたけれども、全部終わったということでありますから、仮に残った項目があればそれは全部お聞かせいただきたい。これはひとつ至急、この事実関係を調べて当委員会に御報告願いたいと思います。 防衛庁は結構です。
○政府委員(石崎昭君) 前田幕僚長の発言は私はこれこれと理解しておりますというふうにさっき申し上げましたが、これは推測で申し上げているのではありません。私は前田幕僚長から面接いろいろ聞いております。で、言わんとするところは、先ほど申し上げましたように個々の訓練はそれまでの何日間で一応順調にこなしたと、しかしながら最後に残っている総合訓練、これはできない、残念ながらできない、十九時間かけてその間に駆け込みで全部こなすなんということはとてもできないことでありまして、中止によってできない部分というのはあったわけでございます。一応やれたという意味は、その中止の時点までに予定されていた個々の訓練を何日間かかかってやってきた、こういう意味でありまして、駆け込みで、全部終わりの日の分まで前に持ってきて駆け込みでこなしたと、そういう意味ではございません。
○片岡勝治君 だって新聞にこう書いてあるんですよ、項目は全部できたということですからね。もし新聞が間違った報道ならば、あなた方訂正しなさいよ。これは新聞がよけいなことを書いた、間違ったことを書いた、でたらめを書いたんだというのなら、そう答弁しなさい。そうでなくて、私が言うのは、この十九時間という余裕があったから、まあ駆け込みという言葉が悪ければ、もうとにかくこの十九時間内にやっちゃえ、そういう制服組との協議の結果、こんなに長い時間置いたわけでしょう。そうでなければ常識的に考えられない。だから、その辺はひとつ調査をして御報告ください。調査ができないと言うのならいいですよ、そう言いなさい。
○政府委員(石崎昭君) 私が先ほど申し上げました意味は……
○片岡勝治君 あなたの意味じゃなくて、私は、こういう報道がされているからこの真偽のほどを調べて報告してくださいと言っているんです。それができないと言うのならいいですよ。
○政府委員(石崎昭君) いや、できないんじゃありません。私は発言者の前田海幕長からよくその間の事情は聞いております。
○片岡勝治君 では、新聞がでたらめを書いたということですね。
○政府委員(石崎昭君) 彼の言わんとすることは私はよくつかんでおります。
○片岡勝治君 では、新聞がでたらめを書いたということですか。訂正しなさい、それなら。
○政府委員(石崎昭君) 新聞がでたらめを書いたとも私は思いません。だから、意味のとり方の問題であろうと思います。
○片岡勝治君 いや、そういう答弁じゃだめだ。もう少しはっきりしてください。
○政府委員(石崎昭君) 個々の訓練は一応順調にその日までの分は完了したと、しかしながら予定されていた全訓練ができたということではないと、そういう意味であります。
○片岡勝治君 新聞には、全部できたと、こういう報道がされているから、それでは後期の演習は二十三日までだから、二十三日までの分をここまで終わったじゃないかというふうに、新聞を見ればわれわれは——私だけじゃないんですよ、みんなそうとっていますよ。だから、新聞が間違いならそれは間違いだということをはっきりしなさいよ。そのことを私はお願いしているので、委員長、その答弁をいまここでというのは無理かもしらぬから、後でいいから報告をしてくれ、こういうことを言っているわけです。 委員長、私は次へ進みますよ、時間がないんですから。
○政府委員(石崎昭君) 何遍も同じことを申し上げて恐縮でありますが、総合訓練はできなかったのであります。前田幕僚長も、総合訓練はできないということはもうはっきりしておるのであります。だから、全部こなしたということじゃありません。
○片岡勝治君 では、新聞の間違いだったわけですね。じゃ、新聞を訂正しなさい、国民はそう受け取っていますからね。だから、こういう非常にあいまいな発表というのは、われわれ国民に非常に大きな疑惑を与えるということになる。まあ、この問題についてはまた後日ゆっくりやります。きょうはほかの問題もありますので、防衛庁はもう結構です。 それでは、今回のセンターの改正問題に関係いたしまして二、三質問をしたいと思います。 過般、私は「行政監察月報」というのを、これは行政管理庁が出している本でございますけれども、五十六年三月一日に発行されました。たまたまこの中に、いま問題になっております農林関係の試験研究の問題について非常に詳しく監察結果が出されております。「農業技術の開発と普及に関する行政監察」ということで、これは膨大な資料になっておりますが、相当手厳しく指摘をされておりますね、これには。 私はこれをずっと読ませていただいて、各農業研究所あるいは試験場等において非常にまじめに、一生懸命その成果を上げるべく努力をしている点は認めるんですよ、これは。直接、間接お話を聞いてみましても、優秀な研究員あるいは技術員等が配置をされまして非常に大きな成果をおさめておる。一般的に私は、そういう点について関係者の御努力に敬意を表しておるわけであります。しかし、総体的に言って日本の農業構造というものが、きょうもいろいろな角度から質問のありましたとおり、一つの転換期を迎えておる。そういう日本農業の構造変化といいますか動向変化といいますか、果たして農業の技術、試験、そういうものが対応しているかどうかということになりますと、私は相当大きな問題をはらんでいるような気がするわけでありますが、まず総括的に、大臣、この点についてどういう見解をお持ちかお伺いしたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) 試験研究機関に対する行管の御指摘、私どもも十分検討いたしまして、今回もそういう行管の意向等も考慮いたしまして、試験研究機関の持ったいわゆる研究成果がもっと農業者のためになるような体制をつくり上げなければならないと、やはり技術者の手の中にだけあったのではその趣旨を達成しておるというわけにはまいりませんので、その点についての配慮。もう一つは、やはりこれからの農業経営というものも技術の面からも考えていかなければならないと、そういうことについての取りまとめを、そういう研究データを総合的に取りまとめをしてまいる体制が不十分であるというようなところから、今回のこのセンター法案を御提出申し上げて御審議をちょうだいしているわけでございますので、またそういう面から、試験研究機関の成果というものを直接県の試験場なり、また地域農業界のために有意義にその研究成果を効果あるものとして活用していけるような体制をつくるべきであると、こういうことで指導を強化をいたしておるところでございます。
○片岡勝治君 具体的に申し上げますと、この蚕糸試験場——蚕、繭ですね、養蚕関係について相当細かく分析をしているわけでありますが、御承知のように養蚕業というのは年々縮小いたしまして、かつての日本の経済、もっと小さく言えば日本農業の中における地位というものが急激に落ちてきているわけであります。しかし、この蚕糸試験場という機能は依然として従前と同じである。しかも、ここでの研究の成果が農民にどれだけ利用されているかというと、きわめて少ない。むしろ製糸業者でつくり出したといいますか、そういうものを農民は利用している。たとえば蚕の種——卵と言うんですかね、蚕糸試験場つまり国立の試験場でつくり出しているものを農家が利用しているのは〇・三%、それから製糸業者がつくり出した種を使っているのが九九・七%ということですよね。そういたしますと、一体蚕糸試験場、もちろんその成果はほかにも利用されていますよ。いろんな面に利用されている点もあるんですが、直接農家に利用されているのはごくわずかであって、大部分は製糸業者、つまり業者の持ってきたものを利用している。これがもう統計的に出ているわけであります。 もし、こういうことが——事実でしょう、行管が相当細かくやっていますから。私は、だから蚕糸試験場をやめちゃえとかなんとかということじゃないんですよ。そうじゃなくて、やっぱりそういう養蚕といいますか蚕、生糸、そういう動向が一体どういうふうに将来展望されるか、恐らく農林水産省ではそういうことを考えておったと思うんですね。そういう、将来だんだん縮小していくということがあれば、やっぱりそれに見合った農業行政、試験、あるいはそうした研究というものの体制を合わせていかなきゃならない。たとえば、養蚕の方がもっと縮小していけば、試験場の方もそれに比例してある程度縮小し他に拡大していくところに力を注いでいくということにしなければ、試験研究というものは一歩おくれている、こういうことになってしまうわけですね。いま、たまたま繭の問題を取り上げてみましても、そういうことが言えるわけであります。 しかも人員を見ましても、これは昭和五十四年度でありますけれども、各試験場がたくさんありますね。農業技術研究所、農事試験場、畜産試験場、草地、果樹、野菜、お茶、農業土木、農業総合研究所、いろいろありますが、その中で人員、つまりその試験場あるいは研究所の人員を見ますと、繭の試験場は五百七十四人で、他の研究所よりも一番多いんですよね。つまり最大の陣容を擁した試験場になっている。一方、繭の方は年々年年縮小いたしておりまして、かつての一割か二割になってしまっている。こういうのを見ますと、これは農林水産省も一生懸命にやっているけれども、試験体制というものはずいぶんおくれているなということを私は率直に感ずるんですが、もう一度大臣、こういう具体的な事例をひとつ土台にして見解を承りたい。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘の養蚕関係については、確かにただいまのところ、日本の養蚕業というものが年々生産高も減少し、養蚕農家戸数も少なくなってきておるということは事実でございます。それに反しまして、結局蚕種についてはやはり品種改良等について、かつての輸出の大宗と言われた時代の体制を現在の養蚕業あるいは製糸業あるいは織物業等にマッチさせるための努力というものも農林水産省としてもやってきておるわけではございますが、ここで一つお考えいただきたいことは、蚕種はやはり国際的に見ますと、養蚕業というものは日本では減っておりますけれども、よその国では相当ふえてきておるわけでございます。そういう方面にも供給ということが要請をされてきておるわけでございまして、そのためにもやはり相当な試験研究体制を持つということは、これはやむを得ないという立場をとっておるわけでございます。なお詳しくは局長の方から答弁をいたさせます。
○片岡勝治君 時間がないから、なるべく簡潔にお願いいたします。
○政府委員(川嶋良一君) 具体的なことについていろいろ申し上げたいと思いますけれども、時間の関係で簡単にお答え申し上げます。 蚕糸試験場につきましては、ただいま大臣からお話があったとおり、その研究の推進については具体的に毎年いろいろと検討し、施策を講じているわけでございますが、昭和二十一年には千四百人を超す人員でございましたけれども、今日は先ほどのような五百五十数人ということになっているわけでございます。最近十年間におきましても二百人近い定員を減らしているわけでございますので、私どもとしてはずいぶん努力をしていると思っている次第でございますが、蚕糸試験場としては、桑から蚕から製糸、一貫してやっておりますので、それなりの人員をいま確保している、こういう状況でございます。 なお、実際に農家にこの成果が余り普及されてないのではないかという御指摘もありますけれども、最近御案内のような人工飼料育の問題でございますとか、あるいは雄、雌によりまして従来大変むずかしい鑑別が特殊の遺伝的操作をすることによりまして目ですぐ見られるように、こういったような技術等も開発をされておりまして、それが最近は大学その他のところでの研究というのはほとんどされておりませんで、国等の研究は、この蚕糸試験場が一手に引き受けていると、こういう状況でもございますので、蚕糸試験場の役割りは今日非常に高いものがあろうかと思いますが、今後ともこういう実際の研究の需要、一般的な状況を考えながら、この試験研究の効率的な運用につきましては努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○片岡勝治君 いまの御説明わからないわけじゃないんですけれども、繭だけじゃないんですよ。総括的にそういう点を指摘されているんですよ。たとえば農事試験場等の研究課題につきましても、いわゆる米の生産調整が昭和四十六年ですか始まり、さらに昭和五十三年度以降水田利用再編成対策が進められておりながら、しかし試験場における試験研究の課題というのは依然として水稲が非常に多い。だから構造改善なり農業動向というものの変更を農水省自体が進めていくわけですから、試験研究というものもそれに対応してやっていかなければならないんではないかと、こういう指摘なんで、私もそう思うんですよ。 ただ、試験研究ですから、じゃ日本の農業政策が来年からこう変わったと、じゃ、いままでの継続的な試験を、あるいはその他のものを研究をストップしてぱっとやるわけにはいかぬ、それはわかるんですよね。試験管の中で研究する化学研究と違いますから。畑に植えるあるいは動物実験をするということですから、直ちに切りかえはでき得ないにしても、いま言ったように、依然として水稲、つまり米作に対する試験研究のウエートが非常に高い。しかし一方、農水省は水田利用の再編、別の裏作をやりなさい、そういうようなことをいま指導しているわけですからね。そういう試験研究というものをできるだけ速やかに転換をしてやるべきではないかと、そういう指摘をずっとしているわけです。 たとえば北海道農業試験場のある出張所ですかな、これは。支所ですか、その置いた理由は、ハッカとジョチュウギクをつくるためにそういう支所をつくった。当時は確かにこういう作物が非常に大きな重要な一つの課題であったかもしれませんけれども、その後昭和四十五年ではジョチュウギクの栽培農家はゼロになった。ハッカをつくる農家も年々縮小して、これを見るともう一割にも満たない、こういうことになってきたわけですね。しかし、ここではそういう趣旨で設置をされたけれども、そういう研究がもう意味なくなったので、別にヒマワリとか青ジソ等の研究課題を自主的に取り入れて、そっちの方に転換をした。私は大変結構だと思うんですが、そういう転換は全体的に見れば非常にやっていますよ。やっていますけれども、全体的にこれ指摘されているところを見ると、そういう転換が非常に遅い、こういうことが言われておるわけですから、農林省の言い分もわからないわけじゃありませんけれども、これを見るとそういう指摘が総体的に相当手厳しくなされている。 ですから、これは先ほどもいろいろ質問の中に補助金の打ち切りというものが出てまいりました。これはもう第二臨調から見れば大変な話題を投げかけた資料ですよね。これをもとにしてやられたら、それこそ大なたふるって試験研究、そういうものはどんどん断ち切られてきますよ、こういう資料だけによってやれば。まあ大臣は筋の通った補助金、そういうものを繰り返し繰り返し言っておりますけれども、しかし、現実にこういう資料が出てまいりますれば、これは第二臨調のいわばいい資料だということで相当大幅に断ち切られる、そういう心配を率直にするんです。ただ、試験研究というのは、非常にいわば農業にとっても基本的な一つの機能ですからね、これをやたらに削られるということは私も反対です、これは。しかし、こういう資料が出ていればこれはもうねらい撃ちされる、こう思うんですが、もう一度この点について大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 非常に片岡委員からわれわれの期待しておった質問を出していただいて感謝にたえないわけでありますけれども、確かに今日までの日本の農水省関係の試験研究機関は米麦重点といいますか、もう麦はほとんど顧みられずに、米中心の傾向がいろんな面で強くなっておるということは、これはもう私も感ずるわけでございます。まあ米は主食でございますので、日本農業の四〇%の収入を農家がそれで得ておるという立場から、大変重要ではあるわけでありますから、これをないがしろにするという意味ではないわけでありますけれども、これと大体同じくらいの力を牧草なりあるいは麦なりあるいは大豆なり、そのほかてん菜、バレイショ、野菜等々にも重点的に試験研究の力が入っていかなければならないという指摘を受けておりますことはもうそのとおりであると、こう思うんです。 しかし、そう指摘されましても、一遍にそれでは転換ができるのかというと、私はもう日本の農学そのものからやっぱり再検討をする時期になっておるということを昭和三十三年ごろから実は申し上げてきておるわけでございます。もう国立大学に牧草研究の講座がなかったと、いまでもないところが農学部でも多いと、草は生えるものでつくるものじゃないといったような意識、農水省の畜産局におって牧草、牧草、牧草、自給飼料、自給飼料と言っていると出世ができないと、そういうふうに言われたような時代もあり、現にまたそういう面が日本の畜産に大きく災いをしておると、こういうことも言えるわけと思うんです。 そういう点について、私も就任以来、方向転換をしなけりゃいかぬと、こういうことで、またそういう技術者を大事にする農水省という形をつくらなければいかぬということで、技術総括審議官という制度をつくらせていただいて、そうしてその技術者のやっぱり誇りを持って、米だけじゃなくてほかの面に取り組んでも公平に扱っていけるような体制をつくらにゃだめだなと、そんな感じを持って取りかかった次第でございます。 したがいまして、行管で去年、おととしあたりの調査の結果そういう監察報告がなされておるわけでありますけれども、そういう点確かに私どもも非常に残念な報告ということになっておりますので、そういう点についての誤解を解く努力をいろんな面で事務当局といたしましてもやっておることを御理解いただきたいと、こう思う次第でございます。
○片岡勝治君 さらに、国立の試験研究機関についての指摘の中で先ほども触れましたけれども、一般農民の要求といいますか、あるいは逆に農家への成果の普及、こういう面について率直に言って万全な機能を果たしてないということは先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、今日、農家の方でも非常に昔と違って農民自身の研究、あるいは試験、さらにそれに加えて一般業者の方もそうした面についていろいろ農民の方への普及ということがもちろんあると思うんですね。そういうこともあると思いますけれども、試験研究機関と農業団体あるいは農業者等との直接の意見交換、あるいは接触、そういうものが最近少なくなってきている。これは大学の研究所と違って、試験研究機関、つまり国や地方自治体の試験研究機関というのは、直接農民の利益に寄与するということが私は第一義的な目的だろうと思うんですね。基本的な根本的な課題は、大学の研究とかそういうところが行うべきものである。できるだけ農民の直接利益にかかわるそういうものをやる。ところが、農業団体や農民との接触が最近は少なくなってきている。こういうことも運営上一つ大きな問題のような気がするわけであります。 それから、研究課題を何にするかという問題の取り上げ方につきましても、これは一概に農民からの要求を全部受けることがいいか悪いかいろいろ問題があるかと思いますけれども、しかしこれも統計を見ますと、農業団体や農民からの要求を受けて試験研究をするというのが非常に一般的に少ない。そういうことが必ずしも、りっぱな研究機能を持ちながら、農民の期待にこたえられない一つの要素になっているのではないか。もちろん、農民の方ももっと積極的に試験研究機関の成果というものに期待をして問題を持ちかける、その成果を受けとめてやるというような体制が一方に必要でありますけれども、そういう研究体制自体にも若干検討の必要があるのではないか。 さらに、農業改良普及員とかあるいは生産技術員、そうした農村、農業関係にはさまざまな機能があるわけでありますけれども、総括的に言って、いま言ったような農民の指導という、機能というものがやや衰えていると言っては失礼でありますけれども、かつてのような機能を果たしていないという指摘もあるわけでありますから、そういう試験研究の機能と、受益者といいますか農民あるいは農業団体、こういう点についての接触をもっとこの際強めて、試験研究の成果をより一層効果あらしめるという努力が必要だろうというふうに考えるわけであります。そうでなければ、これもまた臨調の対象になって、こんな普及員はそれだけ機能を果たしてないなら半分に減らしていいじゃないかというようなことになりかねないと思うわけでありますが、私は、以上、これを読んだ所感を申し上げて、ひとつ農水省においてもぜひこの機能がより農業の、あるいは日本の国民の経済に寄与する、そういう機能を果たし得るように御努力をいただきたい。細かい問題点は本日は時間がありませんので以上で終わりたいと思いますが、私の見解を申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○峯山昭範君 今回の農業研究センターの設置に関連をしてお伺いしておきたいと思います。 今回の法案の設置理由の一つに、特に地域農業という問題が取り上げられております。特に、地域農業試験場の連絡強化という点もうたっているわけでありますので、そういう点と多少関連をいたしまして、私はきょうはこの離島の農業という問題につきまして、大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。 私は鹿児島の種子島の出身でございまして、種子島のことを特別云々というわけではございませんが、実情を何回も地元の皆さんから聞いておりまして、特に離島の農業のあり方、あるいはこれからの農業をどういうふうにしていったらいいかという点で大変離島の皆さんが悩んでいらっしゃる実情というものを聞いてまいりましたので、きょうは大臣とその点について幾つか大臣の所見をお伺いしていきたいと思っております。 大臣も御承知のとおり、日本には離島がたくさんあるわけでありまして、離島の数が三千六百三十九というふうに聞いております。無人島は別といたしまして、有人島だけでも四百六十一ある、そしてその面積が九千平方キロメートルある、大体山形県と青森県などの面積に匹敵する、そしてそこに二百万人の人が住んでいる、こういうふうに聞いております。したがいまして、離島の農業という問題は私は非常に大事な問題である、そういうふうに考えております。 そこで、まず大臣にお伺いをしたいんですけれども、とにかく離島の農業のあり方につきまして、やはり総合的な研究、そういうふうな機関あるいは離島の農業について専門に指導する国の機関、こういうふうなものは現実にはどういうふうになっているのか、そのシステムといいましょうかからくりといいましょうか、そのあり方といいましょうか、そういう点につきまして初めに大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のように、離島の農業は、まず何といっても経営規模が零細であり、経営内容、生産品目等におきましても一様ではないということ。さらに、一般的には生産性が低くて市場条件に恵まれないために農家経営が不安定である。したがって、農家の皆さん方も今後一体どうしたらいいのかということで非常な不安をお持ちになっておることも承知をいたしておるわけでございます。 このような事情にかんがみまして、離島振興法に基づいて国が定めた離島振興計画におきまして、離島農業の振興を図るために経営規模の拡大、生産基盤の整備、機械の導入、技術の普及、水の確保、農業構造の改善をやっておるわけでございまして、そうして生産性の向上を図りながら、加工流通面の改善を図ることを基本方針といたしておるわけであります。 農林水産省としては、この基本方針にのっとりまして基盤の整備、構造改善事業等の各種の施策の推進を図ると同時に、離島への電気導入については特別の助成措置を講じてきておるところでございます。基盤整備につきましても、離島の特殊性を考えまして補助率の採択基準について特別の優遇措置も講じておる、こういうことをやってきておるわけでありますけれども、ただいま御指摘のように、まだまだ困難な状態があるわけでございます。 したがいまして、御指摘のように離島全体として、やはり地域的にもまた非常に条件が違うわけでございます。種子島、奄美大島を含む沖繩等の温暖地帯、また日本海に面する島々の場合のような雪の多い地帯、寒い地帯、それぞれのやはり地域的な様相を考慮しながらやっていかなければならぬわけでございまして、これもやはり農業だけの問題としても片がつきませんし、道路の問題にいたしてもあるいは港湾の問題にいたしましても、さらに海上運輸交通の問題にいたしましても、総合的に離島振興の進展を見ていかなければならないということでそれぞれやってきておる次第でございます。暖かい方につきましては、やはり冬期間の野菜の問題、これが物価政策上——私も一年やってみまして、非常にそういう面で何とか暖かい地帯に属しております島々の特性を十分に生かしていくような方策がないものだろうかということで、農林水産省の事務当局に対しまして検討を指示をいたしておるところでございます。
○峯山昭範君 総論としましては大臣のおっしゃることはよくわかりますし、それなりに補助金等も出ているということも聞いております。 しかし、実際問題としてやっぱり離島の農業の一番の問題点は、大臣も御指摘のとおり小さな面積、そこにたくさんの品物をつくっている、そして何というか典型的な集約農業なんですね。したがって、農協なりあるいは農水省なり、あるいは県なりの指導監督のあり方といいますのは、いわゆる農家の消長を握っている、こういうふうに言っても過言ではないわけです。 そこで、こういうような抽象的なことは別にしまして、具体的な問題を幾つか大臣にお伺いしてみたいと思います。 たとえば種子島、屋久島、それから奄美大島、これは沖繩までサトウキビがあります。これは、実は私も去年の暮れからことしにかけまして、数回種子島にも参りました。とにかくことしは塩害、いわゆる潮風による被害ですね、これがもう大変なんです。立ち枯れが多いし、しかも見渡す限りサトウキビの畑は枯れているわけです。しかも、今度はちょっとした雨によって糖度が全然上がらないということで、地元ではもう大変な被害で悩んでいるわけです。ところが、本土におきますと、たとえば今度、ちょっとした雪と言ったらおかしいですけれども、雪が降ったりなんやかやして、すぐ周りに議員がいたり、選挙の票になったり——こんなことを言うたらちょっと申しわけないですけど、そういたしますとすぐ激甚災害とかいろんな手が打たれる。 そこで、たとえば離島でも、沖繩とか奄美大島みたいな大きなところはそれなりに手が打たれる。ところが、小さな島であればあるほど手が打たれない、こういう実情にあるわけですね。そういうふうな意味で、いわゆる零細な農民はもう泣き寝入りをする以外ない、実際そうなんですね。そういうふうな意味でこういうふうな人たちを救う方法というのはないのか。実際私もそういうことをずいぶん聞きましたし、詰め寄られまして非常に困ったわけですけれども、こういう問題について、大臣、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(二瓶博君) サトウキビの潮風害によります被害でございますが、これは昨年の十月中旬に鹿児島、沖繩を襲いました台風十九号等によりまして、ただいま先生お話ございましたように、倒伏あるいは折損、枯死というものが生じまして、収量の減少なり糖度の低下が見られたわけでございます。こういう被害の実情にかんがみまして、サトウキビの再生産の確保を図るという観点に立ちまして天災融資法の発動を行いました。鹿児島県も当然この天災融資法の対象ということで経営資金の融資を行う。それから自作農維持資金につきましては必要な融資枠を確保をする。それからサトウキビにつきましては共済制度がございます。大分加入率も高いようでございますが、被害の実態に応じた共済金の支払い、これも現在鋭意作業を取り進めておるというようなことでございます。 他方、ただいま林木の関係のお話もちょっと出たわけでございますが、ことしの冬の豪雪によります林木の被害……
○峯山昭範君 それはいいんだよ、それは。
○政府委員(二瓶博君) よろしゅうございますか。 では、以上でございます。
○峯山昭範君 これね、いまおっしゃるとおりなんです。それも私わかって言っているわけです。ところが、たとえば天災融資法を発動していろいろやると、それはやっていただいているわけですからそれはそれでいいんですけれども、要するに農家の皆さんがサトウキビを物すごくたくさんつくっていて大量に被害があったというなら、それなりの共済にしたって何にしたって救済できるわけです。ところが、農家の皆さんというのは非常に零細なんですよ、要するに。金額にしても、それは全体ではもうわれわれから考えれば非常に小さい金額なんです。それだけに、いわゆるそういうふうなものでも救済できないような感じの人たちがいっぱいいるわけです。そこのところをぼくはわかっていただきたいということです。 それからもう一つ、幾つか具体的な問題を申し上げます。一つは、鹿児島の種子島に公社牧場というのができました。この問題、農水省の方に前一回私申し上げたことがありますから御存じの方もいらっしゃると思いますけれども、若い青年が離島で初めて県と国が融資をいたしまして牧場をつくりました。それで若い二十代の青年が入りまして牧場を始めたわけです。その青年たちは五、六人ずつ、全部で幾つかグループがあるわけですけれども、やっているわけです。ところが一生懸命やり始めて、お金もつぎ込んで始めた。そして牛乳の生産が始まって、やっとこれから採算を合わそうかという段階になって、いわゆる乳価ががっと下がった。そのために採算がどうしても合わなくなってきた。たとえば、国や県の指導あるいは村の要請によってやった仕事でもなかなかうまくいかない。こういうふうな問題もあるわけですね。 きょうは時間の関係ありますから続けて申し上げましょう。 それからもう一つは、田舎の問題ですから、たとえばサトウキビに次いではやっぱりイモなんです。向こうではカライモと言いますが、こちらで言えばサツマイモです。このイモ、農家の皆さんは収入源としてはもうイモしかない人がいっぱいいるわけですね。そうしますと、イモをいわゆる収入源にするためにはでん粉にしなければいけないわけです。ところが、でん粉工場というのは、もう昔は個人の、いわゆる民間のでん粉工場というのも何カ所かあったわけですけれども、最近は公害設備の問題や何やかやで、結局でん粉工場が採算が合わなくなってできなくなった。そのために、でん粉工場は農協でやらざるを得なくなってきた。これはもう大臣、御存じのとおりだと思います。農協が今度はでん粉工場をやり始めたんですけれども、農協ももう赤字なんです。 いろんな問題がいっぱいありますけれども、量の問題もありますでしょう、あるいは最近は公害防止施設というのをつくらなくちゃいけない。この問題についても、私農水省の皆さんに来ていただいていろいろお伺いしましたら、公害防止施設についてもそれぞれ補助金を出していると、だからそれで十分済んでいるようにおっしゃいますけれども、地元ではなかなか、一回の補助金でやったけれども、公害防止施設がうまくいかない、うまく作動しないというわけです。もう少し大きな設備をつくらないと運用できないということで、またやった。ところが、でん粉の公害防止施設というのはもうなかなか大変なんですね。しかし、農協はもうこれやめたいんですけれども、やめちゃうと農家の皆さんが困っちゃう、だからどうしてもやらにゃいかぬというふうな問題が現実に起きてきているわけです。こういうふうな問題があります。 さらに今度は、こういうふうな小さな種子島でも、同じように、皆さん御存じのとおり減反政策が割り当てで出てきているわけです。もうネコの額のような水田を耕かして、そして種子島の農家の皆さんがつくったお米だけで、要するに種子島の人口でいわゆる食べていくお米が足るか足りないかという量なんですね。にもかかわらず、そういうところでもやっぱり減反政策が行われて、そしてそれじゃその後どうするかという具体的な指導がどうしてもできない。 そういうふうなことで、非常に離島の農業という問題があらゆる点で行き詰まっているところもあるし、現実に農協や県の指導でやってもうまくいかない点がある。こういう点は、やっぱり私はどこかで国が本気になって、いわゆる離島の農業振興という点あるいは農家の皆さんをどうするかという点を総合的に考えていただきたい。あるいは今度新しくできる農業センターでそういうことができるのかどうかわかりませんが、もっと付加価値の高い蔬菜をつくるとかいう点もあると私は思います。いろんなことをやっぱり研究していただきたいという点もあるわけです。 いろいろ申し上げましたが、そういう点を含んで、きょうは事務当局の方もいらっしゃると思いますので、それぞれの点について御所見をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 種子島の酪農、公社営牧場の問題でございます。 実は、乳価は現在の不足払い法で各県とも指定団体一本で仕切っております。その結果、実は種子島自体は加工向けが七割はあるわけでございますが、鹿児島県全体では加工向けは二一%ということでございます。百三円の乳価ということで昨年は仕切られております。この乳価は、実はいま私ども加工乳は四年間続けて据え置きの政策をとっておりますが、一番憂慮しておりますのは、飲用乳が、過剰を背景といたしまして、それから過当競争を背景として建て値が下がってきているという問題でございます。総体的にはこの問題をどう取り組むかという問題がありますが、全体の中では実は鹿児島、南九州は比較的飲用乳価格が安定した地域でございますので、全国のベースで考えていくとわりあいに安定した乳価ではないかと思います。 しかし、私率直に言いまして、御指摘の公社牧場については、実は経営上、技術上大変問題点があることは事実だろうと思います。特に、詳しく調べてみますと、実は非常に受胎率が低い結果になっております。草地の造成も牛の導入も計画どおりいきましたが、実は全国では八七%ぐらいあります受胎率が、当初は六割というふうに低かったと。これは実ははっきり申し上げますと、いわゆる発情期を看過するということとか、それから過栄養で受胎しないという問題があったようでございます。そこで、現在、家畜衛生保健所と役場が一緒になりまして特別の指導をやっております。ことしあたりでは大体受胎率が七割を超えるところまで回復してきておりまして、私どもとしては何とか計画どおり、いわゆる搾乳牛比率を上げていくということがまずこの牧場の問題としては重要な課題だろうと思っております。 なお、来年から償還期に入りますが、負債をどう考えるか、むずかしい問題あると思います。ことしの乳価決定の際に負債整理について各種の経営安定対策も講じてありますので、実情に応じてその均てんを図っていくことによって、当面の資金繰り等については具体的に御相談に乗っていきたいと思っております。
○政府委員(渡邉文雄君) ただいま先生御指摘のとおりでございますが、南九州地区におきますカンショ作につきましては、カンショでん粉工場で処理をされておるわけでございます。最近の排水基準の問題もございまして、公害防止施設につきましても地元からの助成の要望も従来からございまして、私ども四十八年から関係者を呼びまして、いろいろ、どういう手段方法がいいかということにつきまして具体的に詰めてまいりまして、曝気方式による排水処理が一番経済的に見ても技術的に見ても実情に合うという判断のもとに、五十三年度から五十六年度、今年度までにわたりまして全部の工場にその施設を何らかの形で設置するということで現在実行中でございます。 現在までの結果からいたしますと、本年度中に計画どおりに施設の整備が終わりますと、今年度秋に操業予定といたしましては六十九の工場が予定されておるわけでございますが、全部につきましての施設の整備が完了するというふうになっております。 具体的に、ただいま先生御指摘の件でございますが、その後、昨年までまだ施設の整備をしていない一部の工場が、いろいろの関係で工場をやめたいというところが出てまいりまして、その地区の農家にしてみますと、つくりましたイモを持っていく工場がないということで、近所の農協の工場に持っていく構想を立てているわけでございますが、当該工場、その農協の工場の施設では助成を受けてやったのだけれども、新しく持ち込まれるイモでは施設が不足をいたしまして、御指摘のように不足をし作動しないというような問題もございまして、現在具体的に県を通じまして私どもの方へ相談に参っております。農協のその件につきましては、何とか措置をしてことしの秋の操業に間に合うように、農家にできるだけ迷惑がかからないようにということで措置をしたいということで、現在、詳細について打ち合わせ中でございます。何とかいたしたいというように考えております。
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編対策の関係でございます。 五十三年度からスタートをいたしております。それで、県別配分をやります際には、国といたしまして一定の客観的な基準をつくりまして県側配分をやっているわけでございますが、稲作志向がきわめて強いということでございますので、どの地域にも大なり小なり転作の障害となります地理的、社会的な諸事情がございます。たとえば飯米農家が多いので割り当ては困るとか、あるいは良質米地帯だから非常に自主流通米等で売れると、こういうところにさらに減反といいますか鞍作を強いるのはどうかとか、山間地がどうとか、いろんな話がございます。したがいまして、やはり全体の御協力を得て、すべての稲作農家の方々に御協力を得て円滑な推進を期すべきであろうというふうに考えております。 県の方には国の方から配分をいたしますが、さらに今度は県の方で市町村別の配分をするということで、地域ごとの農業事情にお詳しい県の方にお願いをいたしておるわけでございます。したがいまして種子島の場合も、転作の目標面積の配分が鹿児島県よりなされておるわけでございますが、適切な配分がなされているものと一応理解をいたしております。 達成状況につきましても、五十三年度、五十四年度、五十五年度、いずれも目標を上回る達成状況になっておるというふうに聞いておりますし、転作作物としては飼料作物が第一位、第二位はサトウキビというような姿でございます。 いろいろ困難な面はあろうかと思いますが、やはりすべての稲作農家に御協力をいただきたいということで考えております。その辺は御理解をいただきたいと思います。
○政府委員(川嶋良一君) 試験研究あるいは技術開発の面についてお答えいたします。 今回御審議をお願いしております農業研究センターの趣旨が、全体といたしまして、総合的な地域対応を進めていくための技術開発が非常に大きな柱になっているわけでございまして、農業研究センターのみならず、地域農業試験場あるいは県の農業試験場との一体的な研究の運営、こういうことを心がけているわけでございますので、農業研究センターそのものが直接離島の技術開発を担当するということはございませんけれども、それぞれ連絡を密にとりまして、離島の農業の振興のために役立つ技術開発、試験研究等についても今後努力を重ねてまいりたいと思います。
○峯山昭範君 大体それぞれやっていただいているわけでございますけれども、これぜひ考えていただきたいのは、大臣、要するに全国の平均のパーセントとか、計画どおりとか、そんなことではやっぱり——まあそれはそれでいいかもわかりません。全国的に見れば、たとえば乳価の問題にしましても、全国平均で言えばそうというふうになるかもわかりませんが、実際、離島そのものの問題について考えてもらいたいわけです。たとえば、先ほどのでん粉の工場の問題にしましても、研究開発、あるいは曝気方式が一番いいというお話でしたけれども、いわゆる公害防止施設そのものについてももう少しお金のかからないようなものを、離島でやる場合特にどういうふうにしたらいいかというようなことも、やっぱり研究開発という面で何とかそこら辺のところを離島の負担にならないようにできないものかと、そういうようなことも考えて言うているわけであります。したがいまして、いろいろと問題はあると思いますが、それぞれネックもあると思います。先ほど話があったとおり、たとえば減反の問題にしましても、県としてそれぞれ割り当てしているわけですから、県は県のあれに基づいて、島国ですけれども、種子島は種子島でそういう減反をきちっとやっていると、それはそれでわかるわけですけれども、いわゆる離島という問題を真剣に考えて、それなりの指導、それなりの政策というものが必要ではないかと、そういうことをしみじみと思うわけです。 そこで、大臣のお考えを最後にお伺いしたいんですが、特に大臣も、これだけたくさん離島もあるわけですし、離島の農業のあり方という問題に一遍頭をそこにちょっと置いていただいて、離島を視察していただくなり、あるいはそういうところに視点を置いてもう一回見直してほしいと、そして一つ一つの問題について何とか離島がこれからうまくやっていけるように、そういうふうな面の御支援もしていただきたい。また研究開発の面あるいは研究センターでの問題についても、そういう点にもやはりある程度視点を向けて、具体的に直接ストレートでそれはやらないにしても、そういう点にも視点を向けてほしいと、その点を大臣にお伺いし、かつ大臣の所信をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) るる離島振興、離島における農業の実態について詳しくお話を拝聴したわけでございますが、今後私といたしましても、十二分に離島振興法の精神を体しまして、そうして離島の特性を生かし、そうして離島の農業経営に積極的に取り組むようにしてまいりたいと、こう考えます。いろいろと御指導をちょうだいできれば大変幸せであると、こう思います。離島には離島のそれぞれの長所、短所等があるわけでございますので、やはりその環境なり条件なりを十分農林水産省といたしましても検討をいたしておるわけでございますので、先ほどもお話にありましたようないろんな新たな点からも考慮していかなけりゃならぬのではないか。たとえば奄美大島、種子島、比較的暖かいわけでございますので、冬期間こちらでは野菜等ができなくとも向こうでは年じゅうできると、そういう特性を何か生かす方法はないかというような点についても今後十分検討をし、対策を打ち出してまいりたいと考えております。
○峯山昭範君 これで終わります。 一言だけ最後に、例の日米合同演習によるはえなわ漁の漁具の切断の問題ですけれども、これは三点だけちょっとお伺いしておきたいと思います。 一つは、この加害者ですね、これは一体だれであるのかということ、これを明確にしなきゃいけないと私は思うんです。それで、この問題について政府はどういうふうに取り組んでいるのか、あるいはこの問題についての責任省庁はどこであるのかというのがまず第一点。 それから第二点は、被害の実態です。漁民の被害はどのくらいの額に上るのか、あるいは農林水産省が当然この問題については所管としてその実態を掌握していらっしゃると思いますけれども、どういうふうに掌握していらっしゃるかという点が第二点。 第三点は、加害者が当然判明し、補償が十分になされれば、それはそれでいいと私は思うんですけれども、万一加害者が明らかにならなかったと、そのとき一体漁民の被害というのはだれが補償をするようになるのか、そしてどこの省庁がこの問題について責任を持って被害者の救済に当たるのか。 この三点についてそれぞれの担当の方から御答弁をいただいて、私の質問は終わりとしたいと思います。
○政府委員(今村宣夫君) まず被害の実態でございますが、現在までの日本海のサケ・マスのはえなわ漁業の協同組合及び秋田県からの報告を取りまとめたところによりますと、五月十四日から十六日にかけて延べ百三十五隻、実隻数で言いますと七十九隻のはえなわの漁船が被害を受けております。それから五月二十日から二十二日にかけて延べ十隻、これは実隻数で言いますと六隻でございますが、それのマスの流し網の漁船が被害を受けておるわけでございます。被害の詳細につきましては、現在水産庁において鋭意取りまとめております。 いま申し上げました数字は、漁船から無電で入ってきた数字でございますから、入港をした都度、これをよく事情を聴取いたしまして取りまとめてまいりたいと思っております。その手配はすでにいたしておりまして、入港の都度被害を精査をいたすことにいたしておりますが、被害金額につきまして、日本海のサケ・マスのはえなわ漁業協同組合からの話によりますと、これは前に申し上げました延べ百十七隻、実隻数で七十三隻ということですが、その後ふえた分は入っておりませんけれども、前に報告申し上げました百十七隻、実隻数で七十三隻の被害ということで組合が申しております金額は約九千二百万円でございます。 水産庁としては、以上のような被害状況につきまして早急に確定取りまとめを行いたいと思っておりますが、大体最終の船が入ってくるのが六月三日でございますから、その取りまとめは六月十日ぐらいに相なると思っておりますが、できる限り早く掌握をいたしたいと思います。 それから被害の補償の問題でございますが、これは被害者から加害者に対して請求して、これら当事者の間で折衝、解決するということが、基本的にはそういう性格のものでございますが、十六日の米側の回答によりますれば、米国としては加害責任を認めているわけではございませんけれども、米国に責任があるとすれば、米国側はこの問題をこの種の事柄の取り扱いに関する確立した経路を通じて迅速に処理することができるように、日本側主張の損害について詳細にわたる事項を提供するように依頼をしてきております。したがいまして、私どもとしましては、被害を速やかに取りまとめた上、外務省とも協議をいたしまして、米国のしかるべき筋につなぎたいというふうに思っております。 水産庁としましては、関係省庁と協力しながら早急にこの問題を解決を図るように努めてまいりたいと思いますが、先生がおっしゃいましたように、その加害者を確定するということが非常に問題でございまして、アメリカはソビエトの艦船によって引き起こされた可能性の方が大きいというようなことを言っておりますので、そこの確定がなかなか大変でございますが、今回のケースで見ますと、加害船舶が外国のものでございますから、まず加害責任を当該国に認めさせるということが肝要でありまして、この点につきましては外務省と十分と協議をいたしまして、外務省においてもお骨折りをいただかなければいけない問題であろうかと思います。私どもとしましては、そういうルートの取り運びによって早急にこの問題を解決したいと思っているわけでございます。
○峯山昭範君 その加害者がはっきりしない場合はというのはわかりませんか。
○政府委員(今村宣夫君) この問題は、いま一つは国家賠償法の適用があるかどうかという問題でございますが、これは御高承のように日本の公務員その他がこういう過失によって引き起こした損害ということでございますから、国家賠償法の適用は私はないんではないかと思います。 それから、加害者が確定できなかった場合の扱いというのは、これはなかなかむずかしい問題でございますが、こういうケースの場合でございますので、こめ前も大臣が関係省庁と十分協議、検討いたしたいという御答弁を申し上げておりますが、この場合にどうするかということについては、相当高いレベルでの御協議が必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、矢田部君から発言を求められておりますので、これを許します。矢田部君。
○矢田部理君 私は、ただいま可決されました農林水産省設置法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農林水産省設置法の一部を改正する法律 案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項につ いて善処すべきである。 一、農業関係試験研究の推進に当たつては、農 業研究センターの発足を契機として、先の本 院における「食糧自給力強化に関する決議」 の趣旨を踏まえて、時代の要請に応じた総合 的な試験研究体制の整備を図るとともに、基 礎研究を一層充実させ、開かれた研究機関と して地域農業者の要請に応え、もつて地域農 業の振興に資するよう努めること。 一、筑波研究学園都市の建設の趣旨にかんが み、都市環境の整備を図るとともに、当該区 域に勤務する職員の勤務条件の改善に一層配 意し、筑波研究学園都市移転手当について適 切な措置を講ずるよう検討すること。 右決議する。 以上でございます。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(林ゆう君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、亀岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。亀岡農林水産大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいまは、農林水産省設置法の一部を改正する法律案につきまして慎重な御審議の結果、御可決いただきましてまことにありがとうございました。 私といたしましても、本委員会における審議内容を十分尊重いたしまして、今後とも農林水産省に与えられた任務の遂行に全力を尽くす所存でございます。また、ただいま御決定になりました附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。 本当にありがとうございました。
○委員長(林ゆう君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、暫時休憩いたします。 午後一時十五分休憩 —————・————— 午後四時四十四分開会
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 国家公務員法の一部を改正する法律案、自衛隊法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、各案を議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。中山総理府総務長官。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま議題となりました国務公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 初めに、国家公務員法の一部を改正する法律案について申し上げます。 国家公務員については、大学教員、検察官等一部のものを除いて、現在、定年制度は設けられていないわけでありますが、近年、高齢化社会を迎え、公務部内におきましても職員の高齢化が進行しつつあります。したがって、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的かつ安定的な人事管理を推進するため、適切な退職管理制度を整備することが必要となってきております。このため、政府は、昭和五十二年十二月に国家公務員の定年制度の導入を閣議決定し、政府部内において準備検討を進める一方、この問題が職員の分限に係るものであることにかんがみ、人事院に対し、その見解を求めたのであります。人事院の見解は、一昨年八月、人事院総裁から総理府総務長官あての書簡をもって示されましたが、その趣旨は、より能率的な公務の運営を確保するため定年制度を導入することは意義があることであり、原則として定年を六十歳とし、おおむね五年後に実施することが適当であるというものでありました。 政府といたしましては、この人事院見解を基本としつつ、関係省庁間で鋭意検討を進めてまいったわけでありますが、このたび、国における行政の一層の能率的運営を図るべく、国家公務員法の一部改正により国家公務員の定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 改正の第一は、職員は定年に達した日から会計年度の末日までの間において任命権者の定める日に退職することとし、その定年は六十歳とするというものであります。ただし、特殊な官職や欠員補充が困難な官職を占める職員につきましては、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。 改正の第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は職員が定年により退職することが公務の運営に著しい支障を生ずると認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めてその職員の勤務を延長することができるというものであります。 改正の第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要がある場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるというものであります。 改正の第四は、内閣総理大臣は定年に関する事務の適正な運営を確保するため必要な調整等を行うというものであります。 改正の第五は、国の経営する企業に勤務する職員の定年制度であります。これらの職員については、原則定年六十歳を法定し、特例定年の対象の範囲、勤務の延長の基準等は当該企業の主務大臣等が定めることとしております。 改正の第六は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、任命権者、人事院及び内閣総理大臣は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること、この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている職員は、施行の日をもって退職するものとすること、ただし、これらの職員についても、定年による退職者の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。 続きまして、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 国家公務員等の退職手当につきましては、民間における退職金の実情にかんがみ、これを是正する必要があると認められますので、政府としては、このたび、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律について所要の改正を行おうとするものであります。 次に、法律案の内容についてその概要を御説明申し上げます。 第一に、職員が二十年以上三十五年以下の期間勤続し、勧奨等により退職した場合に法第三条から第五条までの規定により計押した額に百分の百二十を乗じて得た額の退職手当を支給するものとしていたのを、百分の百十を乗じて得た額を支給することに改めることといたしております。 第二に、職員が退職した場合に支給する退職手当の基準については、今後の民間事業における退職金の支給の実情、公務員に関する制度及びその運用の状況その他の事情を勘案して総合的に再検討を行い、その結果必要があると認められる場合には、昭和六十年度までに所要の措置を講ずるものとすることといたしております。 以上のほか、附則において、この法律の施行期日及び経過措置について規定しております。 以上が国家公務員法の一部を改正する法律案及び国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において題名及び施行期日並びにその経過措置に関する修正が行われたほか、修正案に言う指定機関等への出向した職員の在職期間の通算について修正が行われたところでございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(林ゆう君) 大村防衛庁長官。
○国務大臣(大村襄治君) 自衛隊法の一部を改正する法律案の提案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。 自衛官については、現在、自衛隊法において停年制度が設けられておりますが、自衛官以外の隊員については、その制度がなく、一般職の国家公務員と同様の退職管理を行っているところであります。 このたび、一般職の国家公務員について、国家公務員法の一部改正により定年制度が設けられることに準じてこれと同様の理由から、自衛官以外の隊員についても自衛隊法の一部改正により定年制度を設けることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明いたします。 第一は、自衛官以外の隊員は定年に達した日以後における最初の三月三十一日または防衛庁長官のあらかじめ指定する日のいずれか早い日に退職することとし、その定年は六十歳とするものであります。ただし、これらの隊員が特殊な職や欠員補充が困難な職を占める場合には、六十五歳を限度として、別に特例定年を設けることとしております。 第二は、定年による退職の特例であります。これは、任命権者は自衛官以外の隊員が定年により退職することが自衛隊の任務の遂行に著しい支障を及ぼすと認める場合には、通算三年を限度とし、一年以内の期限を定めて当該隊員の勤務を延長することができるとするものであります。 第三は、定年による退職者の再任用であります。これは、任命権者は定年により退職した者を任用することが公務の能率的な運営を確保するため特に必要があると認める場合には、定年退職の日の翌日から起算して三年を限度とし、一年以内の任期でその者を再び採用することができるとするものであります。 第四は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、防衛庁長官は、この法律が施行されるまでの間、定年制度の円滑な実施を確保するため所要の準備を行うものとすること、この法律の施行の日の前日までにすでに定年を超えている自衛官以外の隊員は、施行の日をもって退職するものとすること、ただし、これらの隊員についても、定年による退職の例に準じて、勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること等であります。 以上の改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することとしております。 以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明いたしましたが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
○委員長(林ゆう君) 以上で趣旨説明は終わりました。 本案は衆議院において修正議決されておりますので、この際、本案の衆議院における修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理理事愛野興一郎君。
○衆議院議員(愛野興一郎君) ただいま議題となりました三法律案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案につきましては、両法律案の附則の規定中に引用されている法律番号の年の表示について、「昭和五十五年」とあるのを「昭和五十六年」に改めることといたした次第であります。 次に、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして、修正の第一は、現在、長期勤続者等に対する退職手当の額については、特例として百分の百二十の割り増しをしているのでありますが、政府案では、昭和五十六年四月一日から百分の百十五に、五十七年四月一日から百分の百十に引き下げることとしているのであります。 これに対しましては、退職者の生活設計等に急激な変化を与えないための緩和措置として、昭和五十七年一月一日から百分の百十七に、五十八年一月一日から百分の百十三に、五十九年一月一日から百分の百十に引き下げることに改めました。 第二は、政府案の題名を「国家公務員等退職手当法等の一部を改正する法律」に改め、国家公務員等退職手当法に新たに附則を設け、職員が引き続き旧プラント類輸出促進臨時措置法に基づく指定機関職員等として在職した後、再び引き続いて職員になった者の退職手当の在職期間の計算については、公平を期するため、公庫等から復帰した職員と同様の通算措置を講じた次第であります。 以上が修正の趣旨であります。 よろしくお願い申し上げます。
○委員長(林ゆう君) 以上で三案の説明の聴取は終わりました。 —————————————
○委員長(林ゆう君) 引き続き、国家公務員法の一部を改正する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案、両案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 まず、自衛隊法に関連する問題から質疑に入りたいと思います。 まず第一は、大村防衛庁長官は、平和・安全保障研究所から防衛庁にことしの三月に提出されているといわれる「一九八〇年代後半における国際軍事情勢と日米安全保障体制との関係」、こういう表題のレポートをお読みになっておられますか、いかがですか。
○国務大臣(大村襄治君) そのレポートにつきましては、全文ではございませんが、あらまし読んだことはございます。
○野田哲君 このレポートは、昭和五十五年度の防衛庁の委託研究という形で委託したものに対して提出をされたレポート、こういうふうに理解していいわけですね。この点いかがですか、これは政府委員のお答えで結構ですが。
○政府委員(塩田章君) そのとおりでございます。
○野田哲君 長官、このレポートの三十八ページですね、三十八ページから三十九ページにかけて「米国防情報センターのラロック所長(退役海軍少将)が、核積載可能の艦艇に積まれている核兵器は、オーバーホールや大修理の時以外おろすことがないこと、日本その他へ寄港するさいおろさないことを断言した。」、こういうくだり、御承知ですか。
○国務大臣(大村襄治君) 承知しております。
○野田哲君 このラロック発言ですね、これは、この発言があったときに当委員会で私や同僚の秦委員、紛れもなくこの席でずいぶん当時の防衛庁長官や外務省関係者と議論をしたことをいまでも記憶に残しているわけでありますが、このラロック発言、これがその対応策として、当時の安川駐米大使とインガソル国務次官補が会談をした。そして、「ラロック発言は、一私人の発言であって、アメリカ政府の見解を反映するものではない」、こういう新聞発表を行った。で、このペーパーは、最初は「了解」というタイトルがつけられていたが、後にマジックインキで「了解」という文字を消して発表された。この「了解」が——了解というのは海の領海ではなくて、了解したというこの了解ですが、「この「了解」が、日本国内向けだけのものであり、アメリカ側には文書で記録を残さないためのものであった。日本政府はこのペーパーをもって国会対策を行い、事前協議がない以上、核持込みはないと確信する、という従来の路線を踏襲した。そして、七四年十二月二十五日に、宮澤外相は核積載艦の領海内通過については、従来とは異った政府統一見解を発表した。これは「常時核装備する外国軍艦のわが国領海の通航は、領海条約による無害な通航とは認めず、原則としてこれを許可しない」というものだった。」、こういうふうに記述をされています。 つまり、ラロック発言についての当時の安川・インガソル会談に基づいて政府が日本に発表した文書というのは、これは日本向けだけのものであって、アメリカでは何にも記録も残さないためにことさらに「了解」というタイトルを消して処理をした、こういうふうに記述をされているわけですが、このことをもってしても最近のライシャワー発言、ジョンソン発言、そしてエルズバーグ博士の発言とあわせて、日本における非核三原則の中の持ち込ませずというものがいかに虚構であるか、こういうことをこの文書においても示していると思うんですが、この点について大村長官、どういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(大村襄治君) いま御指摘のような事柄がこの報告書の中に記載されているということは事実であると考えております。 そこで、どう考えるかというお尋ねでございますが、お尋ねの報告書は、防衛庁が部外に対し行っている調査研究委託の報告書であり、その内容は民間研究機関としての立場から書かれたものであって、防衛庁あるいは政府とは関係のないものである、さように考えておるわけでございます。 そしてさらに、先生からライシャワー発言やエルズバーグ発言等からしてもどうかというお尋ねでございますが、政府、防衛庁としては、核兵器の持ち込みは事前協議の対象とされており、この約束を履行することは米国にとって安全保障条約上の義務であり、安全保障条約が日米両国の信頼関係に基づいている以上、米国のかかる約束が履行されていることにつきましては政府としては何ら疑いを有しておらない、さように考えている次第でございます。
○野田哲君 長官ね、あなたはいまのこの文書は民間の団体がつくったものだから防衛庁は何ら関係ない、こういうふうに言われたわけですが、これはとんでもないあなたの認識違いじゃないですか。最初に私は確認をしたように、これは防衛庁が五十五年度の委託として、しかもかつて防衛庁の重要なポストにいた猪木正道さんが代表をやっている平和・安全保障研究所に委託をして調査して提出されたレポートなんですよ。それを、防衛庁は無関係の文書とは一体どういうことなんですか。あなたに聞いているのじゃないです、長官に聞いているんです。
○国務大臣(大村襄治君) 調査研究を委託したことは事実でございますが、御指摘のくだりの意見につきましては、民間研究機関としての立場から書かれたものでございますので、防衛庁あるいは政府の見解を示すものではない、そういう意味では関係がないと、こういう趣旨で申し上げたわけであります。
○野田哲君 民間研究機関であろうとも、防衛庁が委託をして研究をしてもらった。その結果、こういうレポートが提出をされて、ラロック発言に対するバックグラウンド、こういうものが記述されて、出しているわけでしょう。その中で、日本が国是としている非核三原則、これに違反をするようなことが調査の結果レポートとして出されているとすれば、これは民間研究機関のものだということで退けるということにはならないでしょう。防衛庁が委託をして研究をしてもらったものでしょう。こういう記載があれば、当然防衛庁としては、その事実の真偽についてアメリカ側にあるいは関係研究機関にさらに調査を行わせる、これが当然とるべき措置ではないんですか。あなたのように、防衛庁で委託してやらしたものが、防衛庁に都合の悪い事実が書いてあれば、あるいは日本の政府に都合の悪い事実が書いてあれば取り合わない、こういうことではこのレポートは何のためにつくられたんですか、そうじゃないですか。
○国務大臣(大村襄治君) 防衛庁としては調査研究を委託したのでございますが、自由な立場で調査研究を委託したものでございますので、いろいろな意見がございましても、それについて特別どうこうすることはいたさぬ考えでございまして、御指摘の問題につきましても、すでにラロック問題のときに政府といたしましてはそれぞれ措置をいたしているわけでございますので、改めて調査をすると、そういうことはいたさなかったわけでございます。
○野田哲君 これは私はくどいようですけれども、防衛庁がテーマを定めて、金を出して研究を委託したものでしょう。その委託したものに対してレポートが出された。このレポートの中に、過去にあった外交防衛上の問題について政府がいままで国是としてとってきたことと大きく食い違うような事実があったということが指摘されていれば、これはさらにその真偽を確かめる措置をとるのがあたりまえのことじゃないですか。この文書は委託した、それに対して提出されたレポートである以上は、もうこれはオフィシャルなレポートでしょう。私的な団体のレポートとは言えないでしょう。その中に当然いままで政府がとってきた方針とは異なった事実が指摘されているとすれば、これは調査するのが当然じゃないですか、どうなんですか、その点。何回でも私はこの点を聞きますよ。あなたじゃないですよ、これは。長官が答えることですよ。
○政府委員(塩田章君) この調査は、いま大臣が申し上げましたように、この機関に委託して出されたレポートでございますが、この記述の個所は「第二章 日米関係に関するアメリカの政策決定と世論」という題で、日米の受け取り方のぶれがあるというテーマで書かれておる第二章の中の一部でございます。で、ここで全体を読んでまいりますと、日米間にいろいろなギャップがあるということを指摘しております。それは繊維交渉でありますとか、幾つか例を挙げて指摘しております。その中に、ラロック証言の場合も一つの例として日米間にこういうギャップが生じておるじゃないかという指摘でございます。したがいましてこの記述自体は、核が持ち込まれたとかどうとかということを指摘した、研究した、あるいは調査したレポートではございませんで、日米間に繊維問題にせよラロック証言にせよ、そのほか幾つか例を挙げておりますが、そういうずれがしばしば生ずることがあるということを指摘したその中の一つの例でございます。 私どもはそういうものとしてこれを受け取っておるわけでございますが、個々のいま先生の御指摘のような核が持ち込まれたかどうかという問題につきましては、これはもう防衛庁が直接所管する立場にもございませんし、防衛庁はこのレポートを受けまして、そういう日米間にはいろんなギャップがあるということを一つ示唆されたものというふうに考えておるわけであります。
○野田哲君 そのずれがいま問題になっているわけでしょう。日本では、領海や港には非核三原則があり、アメリカからも事前協議がないから入っているはずはない、こういうふうに言っている。これに対してラロックは、核を積むことの可能な軍艦に積まれている核兵器は、オーバーホールやあるいは大修理以外にはおろすことはないという発言をしている。このことについての後始末として安川・インガソル会談が開かれて、ペーパーをつくった。日本向けには「了解」という文字で新聞発表、国会対策をやるために発表された。アメリカ側に向けてはそういうものは一切発表されていない。こういう取り扱いになっているという事実がここに述べられているわけでしょう。単なるこれはずれとかギャップだけの問題じゃないんですよ。 だから、当然防衛庁が委託をして研究機関につくらせたレポート、いろいろ調査をさせたレポートであって、その中に日本の非核三原則に大きく反するようなことの記述があるとすれば、そういう事実があったと指摘をされているわけですから、そういうことがあれば、当然それを受けた防衛庁としてはその真偽をただす。いままでは新聞やあるいは私人の伝聞等の報道だからということで取り合わないという態度をとってきたけれども、少なくとも防衛庁が政府として金を出して委託をしたレポートによってそのことが指摘されているとすれば、これは伝聞とか私人の発言とは言えないでしょう。当然これはアメリカに対して照会をするなり何なりの対応措置が必要なんじゃないですかということを私は聞いているんです。これだけのことが書かれているのを黙殺していいんですか。これは外務省がやることだから防衛庁は関係ない、こういうことで黙殺をするということが防衛庁としての正しい対応措置なんですか。そうじゃないでしょう。
○国務大臣(大村襄治君) ちょっとつけ加えさせていただきたいと思うんですが、この報告書の中で引用されております米国の元国防次官補の発言につきましても、内容を読んで見ますると、「ラロック証言当時の米国防次官補(報道担当)は、シュレシンジャー国防長官解任後、ともに辞任し、ボストン・グローブ記者になっているが、筆者の質問に対し、「新聞記者としてしゃべるのだが」と前置きし、「一般的にいって、空母には核兵器が積載されているし、入港のさいも、それをはずすようなことはないと考えるべきである」と語った。」と、こういうふうになっておるわけでございます。またその次、二、三行置きまして、「ラロック証言直後、現ジョンズ・ホプキンズ大のナサニエル・セイヤー教授は、筆者に対し、」云々と話った点が引用されているわけでございまして、これらの方々は、発言当時におきましては米国の政府とは関係のない一私人としての発言でございます。これは元国防次官補の方につきましても、またセイヤー教授につきましても同様でございますので、私どもといたしましては、そういったような記載がこの報告書にありまして、直ちに米政府に問い合わすとか、そういうことはいたす必要がないのではないか、このように考えておる次第であります。
○野田哲君 このレポートに出されている人が、発言当時は公人か私人かということを問題にしているんじゃないんですよ。防衛庁が公式に委託をして調査研究をやってもらったわけでしょう。委託を受けた側からその委託に基づいて出されたレポートに、日本の港や領海に核が入っていた、こういうことをアメリカ側では具体的に発言をする人がいる、その日本に対するリアクションについての後始末についても、日本向けにはこういう文書をつくったけれどもアメリカではそれは消した、こういうふうに取り扱いのギャップが防衛局長が言われるようにあるわけですから、防衛庁が委託をして調査してもらったレポートにこれだけのことが書かれている。だとすれば、これはもう私的な文書ではなくて、防衛庁が委託してつくらせたレポートなんですから、オフィシャルな文書になるわけでしょう。そうすると、これだけのものが書かれておれば、これ黙って見過ごすということは政府としては怠慢ではないですか、こういうことを私は言っているんですよ。いま長官が答えたようなことは私も知っております。読めばわかるのであって、そんなことを聞いているんじゃないんです。これだけのことがレポートとして出されても、何の反応も防衛庁はする必要はないんですか、真偽を確かめる必要はないんですか、こういうふうに聞いているんです。
○国務大臣(大村襄治君) こういう御報告があったということは事実でございますし、またいろいろ引用されておりますが、最後におきましては、いま政府委員が申しましたように、ずれの点があるので今後慎重に検討せよと、こういうふうに結ばれているわけでございますので、その御提言そのものとして私どもは受け取っているわけでございまして、これは一つの参考資料だとは考えているわけでございますが、それについてさらにさかのぼって真偽を確かめるとか、そういうことはする考えを持っておらないわけでございます。
○野田哲君 これはこれ以上押し問答してもあれですから、改めて総理あるいは外務大臣も含めた近く予定の連合審査の中でもう一回伺いたいと思うんですが、外務省見えておりますか。——外務省ではこのレポートのことについては承知をされておりますか。
○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。 そういう調査、委託研究がなされて、その文中にいま先生御指摘の、それからいま御答弁がございましたような事実があることは聞いております。
○野田哲君 外務省としては、これは防衛庁の委託研究の結果のレポートだから、いまのところ別にこれによってとるべき措置をどうこうということは考えていないということですか、どうですか。
○説明員(松田慶文君) 本件につきましてまだ防衛庁と十分お打ち合わせをしているわけではございませんが、私ども外務省でも幾多の民間団体に対する委託研究は行っております。役所が自分で調査研究をせずに外部民間に委託するゆえんのものは、自由な御調査、御研究によって濶達な意見をいただく、その中から執務上参考となるべき事実、意見等を承るというのが趣旨でございますので、そういった報告の内容のすべてが受け取ったときに役所の方の仕事にそのままなるとは理解しておりません。これは防衛庁の場合も同様でございましょうし、私どもの場合も同様でございます。したがいまして、防衛庁からいまの問題について問題提起が仮にございましても、私どもとしましては今週冒頭以来、総理、外務大臣等々が一貫してお答え申し上げておりますとおり、本件について特段の米側への照会はいたさないということにしております。
○野田哲君 これはまた改めて伺いましょう。次の問題に入りたいと思います。 大村長官、日本海における日米合同演習ですね、この中止した経過について、防衛庁のとった措置について伺いたいと思うんですが、当委員会で農林水産省設置法に関連をして何回かこの問題で質疑が行われたわけですが、二十一日の九時前後に大村長官と海幕長が会見をして演習の中止を発表された。そして実際に演習が中止されたのは翌日二十二日の午後四時、こういう経過になっているんですが、大村防衛庁長官は、この二十一日の九時前後の記者会見で演習の中止を発表されるときに、演習がいつ終わると考えておられたんですか。
○国務大臣(大村襄治君) 五月二十一日の午後九時半過ぎに私は防衛庁のクラブで記者会見をいたしたわけでございますが、そのときには、諸般の情勢にかんがみ、日米共同訓練を中止する方針で日米双方の調整にただいま入りましたということを、いわば中間報告で申し上げたわけでございます。それ以降日米相互間で調整に入りまして、それぞれの部内手続を経たわけでございまして、結果的には午前七時に日米双方訓練部隊へ命令を伝達し、二十二日の十六時をもって訓練を打ち切ったと、こういう経緯でございまして、私が記者会見しましたときには何時に中止になるかまだ調整が終わっておりませんので、具体的な時間は承知しておらなかったわけでございます。
○野田哲君 長官は演習が翌日の午後四時までかかるという、四時にならないと中止ができない、こういう実態をいつどういう形で承知をされたんですか。
○国務大臣(大村襄治君) 三時に調整が終わったということを担当の参事官から報告を受けまして承知しました。
○野田哲君 三時というのはいつのですか。
○国務大臣(大村襄治君) 二十二日午前三時であります。
○野田哲君 何か補足があるんですか……。
○政府委員(石崎昭君) いまのようなことを申し上げようと思ったわけです。 三時に調整が終わりまして、その調整の中身がその日の午後四時に演習中止、こういう内容でありました。
○野田哲君 長官ね、長官が中止を発表してから十九時間もかかっているわけですね。私もささやかな第一線の軍隊経験がありますが、一九四五年の八月十五日には朝鮮の奥地にいて、ラジオも何もないような僻地にいましたけれども、それでもあのときの戦争中止の指示は、天皇の放送があった後一時間か二時間で届きましたよ。日本の近海でやっている演習で、長官が発表してから十九時間もかかるというのは一体どういうことなんですか、これは。これ本当の戦争だったら大変なこれは国際問題、背信行為になりますよ。なぜこれだけ時間がかかったんですか。
○国務大臣(大村襄治君) 時間がかかりましたのは、今回の訓練は平時において日米相互間で計画された訓練でございます。相当緻密な内容を盛り込んだ訓練でございますので、私といたしましては諸般の情勢からしましてなるべく早く中止になることを期待したのでございますが、緻密に積み上げられております訓練を日米同時で打ち切るということにつきましては、余り急ぎますとやはり混乱と危険を伴うことになりますので調整に鋭意努めまして、ある程度間を見る、かなり先に中止時期を設定し、中止に向けての態勢をつくると、これがやはりその後における事故防止のために必要であると考えまして、なるべく早くということは強く期待しておりますものの相手方もあることでございますし、そういった諸般の準備を進め、また日米共同訓練、これは指揮権は全く別個でございます。決まりました方針をそれぞれの指揮系統で末端までおろす。しかも決まった時間はそれ以後はもう一斉に訓練を中止して、そして訓練海域外に出ると、こういうことを徹底するためにはかなり調整に時間を要した。この点はなるべく早くという点との兼ね合いでなかなかむずかしいところであったわけでございますが、結果的には午後四時、しかもそれをあらかじめ知らせる必要があるので七時には命令を伝達した、こういう運びに相なった次第でございます。
○野田哲君 演習やめるのに間が必要だということは私は初めて伺いましたよ。確かに潜水艦などが動いているわけですから、伝達とかあるいは浮上の措置等について技術的にある程度の時間がかかる、この点は私もわかるんです。しかし、これはその筋の専門の人に聞きましたけれども、技術的な問題の解決は一時間あれば終わる、こういうふうに私は伺ったんです。もし、いまの長官のおっしゃることが本当であれば、防衛局長、あなたの担当でいま日米共同作戦のための研究が続けられておりますが、相手国のあることだからということで、一緒に戦争をやろうという国があることによって戦争をやめることに十九時間も時間がかかる、こういうことは大変な問題を投げかけていると思うんですよ。アメリカと一緒にやっておればそんなに時間かかるんですか。これ事実だったらもう大ごとですよ。これはどう理解すればいいんですか。
○政府委員(塩田章君) いま大臣からお答えございましたような経緯でございます。 いまお話しのように、潜水艦に対する伝達の問題も技術的にはもちろんございますし、水上艦艇のようなわけにはいきませんけれども、そういうことも含めまして、いま大臣がお答えしましたように精密に組んだ計画を整々とやめて、事故なく、混乱なくやめるというためにある程度の余裕を見て、その時点で一斉にもう完全に終わるという形をとるためにとった措置でございます。 いまも長官からもお答え申し上げましたように、指揮系統が全く別なものでございますから、一つの指揮系統のもとに動く部隊とは違うということもこれはぜひ御了解いただきたいし、また演習でありますために、非常に精密に計画を組み上げております。その組み上げた計画を滞りなく、整々と中止に向かって持っていくということのために若干の余裕を見たということでございまして、結果的にも私ども大変うまくいったというふうに考えているわけでございます。
○野田哲君 中止の公表から十九時間もかかったことを大変うまくいったというような感覚で受けとめられては私は大変だと思うんですよ。海幕の方では言っていますね、やることは全部やって終えた、成果があったと、こういうふうに言っているわけです、やることは全部やったと。 私は、今回の問題で私どもにとっての一番の教訓は何であったかと言えば、これはシビリアンコントロールというものがいかに不徹底なものであるか、このことを一番端的に示しているんじゃないかと思うんです。私がいろいろ調査をし承知をしている事情というのは、いま局長や長官が説明されるようないきさつではなく、海幕の制服の諸君がアメリカの第七艦隊側と演習中止を打ち合わせをするに当たって、やれるだけのことをやるためにはどれだけの時間が必要かということで、結果、長官の了解を得ないで、翌日の二十二日の午後四時でなければ終えることができないということを時間設定をして、双方の国の制服が決めたことである。後であなた方は知らされたんだ、こういうふうに言われておりますが、そうでしょう。
○国務大臣(大村襄治君) 先ほど申し上げましたように、前夜九時過ぎに日米双方でなるべく速やかに中止することとし、その調整に入るという合意には達したわけでございますが、細目を含めての調整はその後行われたものでございまして、あらかじめ設定されていたものではないというふうに考えております。
○野田哲君 長官は二十二日の午前三時に調整が終わったということを聞いたと言われているわけですが、この調整の中で、最大限にやることをやるためにはどれだけの時間が必要か、こういうことで演習終了の時間を制服同士の調整の中で午後四時ということを決めた。後でそれを調整の結果として大村防衛庁長官に知らされた、こういうことでしょう。そうすると、これはシビリアンコントロールということにならぬじゃないですか。制服優先という結果になっているじゃないですか。私は、こんなことではシビリアンコントロールは一体どこで機能するんですか、こういう指摘をしているんです。
○国務大臣(大村襄治君) 部内の会議を開き、これには制服の代表も入っております。そして私の責任と判断でなるべく早く中止する方向で米側と調整に入るということを指示したわけでございます。私が判断し指示しなければ調整に入らなかったわけでございます。そういう意味におきまして、私はシビリアンコントロールの責任を果たしていると考えているわけでございます。あとは、この周密に組まれた訓練でございますから、それをできるだけ速やかにというのを、趣旨を生かすためにはどうするかということにつきましては、やはりこれは専門家同士できちっと決めなければ整々たる中止は行われないわけでございます。先生も御存じのとおり、やはり平時ではございますが、作戦の訓練、始めるよりは終止をつける方がむずかしい。その点を担当者も十分理解して、これ以上混乱が起きないように、事故が起こらないようにきちっと決めるために若干の時間がかかった、こういうふうに私は理解しております。発動いたしましたのは私でございます。
○野田哲君 中止を大村長官が決断された、それは確かにそのとおりです。大村長官は十六日のあの事故の起きた段階で、後半の十九日からの演習は中止すべきではないかという判断をされていたように私は聞いているんです。内局の防衛局長あるいは夏目官房長、原次官も長官を補佐する立場で後期の方は中止した方がいいんじゃないかという議論をされていたということを聞いています。しかし、それは海幕の猛烈な抵抗によってそれが実現をしなかった、そういう状態の中で二十一日にさらに事故が起きた、そこで長官が決断をされた、こういうふうに私は聞いているんです。それは私の聞いたところですから事実かどうか……。 確かに中止ということについては大村長官が判断をされた。そのことは私も大村長官の決断として評価をしているんです。ただ、大村長官が決断をした後、アメリカ側と調整に入る段階で午前三時までかかって調整が行われた。技術的な面から言えば、それから二十二日の午前三時から二時間か三時間、夜明けごろまでかければ技術的な問題は解決をしたはずなんです。それを四時まで延ばしたというのは、これはやるだけのことはやっていこう、こういうことで制服が調整ということに名をかりて中止の実際の時間を延ばしに延ばした、こういうことじゃないですかということを私は指摘をしているんです。そうでしょう。
○国務大臣(大村襄治君) 今回の日本海における日米共同訓練は、前半が五月十二日から十五日まで、後半が十九日から二十三日まで、これはあらかじめ計画されておるところでございます。ところが、この十五日までの前半の段階におきまして、これは訓練区域外でございますが、後半に参加する予定の米軍所属の艦艇が北海道の積丹沖で漁網を切った可能性があるとされる事故が起こったわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、十九日に迫っている後半をいかにして事故なくして進めることが可能か、関係者そろって検討をしたことがございます。前半を無事故で終えたのでございますが、後半もさらに周到な注意を払うことによって無事故で切り抜けたいということでいろいろ意見を述べ合って検討しました結果、訓練海域の一部縮小、北の部分でございますが、これまでの調査によりますと、漁船が操業する最も可能性の多い区域を海域外に外すということ。それから、縮小されたといいましても相当広大な海面がございますので、そこで訓練する場合の要領につきましても、前半の際にはしっかり見張りを立てて、船が近づいたら十分注意せい、こういう注意だったのでございますが、後半はさらに一歩進めまして、船を発見したらその付近で訓練することはやめて、違う海面で訓練をするという具体的な指示も織り込みまして後半に臨んだわけでございます。 ところが、後半の二十一日の日に訓練区域の一部で新しい事故が発生したという報道もございますし、また関係都道府県知事等からいろいろ訓練期間を早く切り上げてほしいという趣旨の要請も相次いで参りましたので、諸般の情勢を勘案いたしまして、二十一日の夜半、なるべく早く中止をするという方針にわが方は決めたわけでございますが、共同訓練でございますので、これを先方に伝えて、日米共同でその趣旨がしっかり実現できるような道を選んだ。こういう経緯でございまして、もともと中止を途中で決めたと、そういうことはございません。
○野田哲君 経過はともかくとして、私が聞いているのは、二十二日の午前三時まで調整がかかったと言われる。それはそれとして、調整が終われば技術的に可能な時間というのは、何もその日の午後四時までかからないでしょうと。だからつまり、結局は大村長官は国民に対する影響を考えて中止を決断されたけれども、演習のメニューは全部やってから終わったというような結果になっているんじゃないですかと。もっと言えば、中止を決断をした以上は技術的に可能な最短時間で切り上げる、こういう措置がとられるべきじゃなかったのか。そこが私は、制服の諸君が長官の意向を少し無視をして走り過ぎてはいませんか、こういう指摘なんですよ。これはもう際限ございませんから、次の問題に進んでまいりたいと思います。 自衛隊関係の人事管理、定年制の問題をこれから審議をするわけでありますけれども、退職自衛官の問題について私は少し伺いたいと思うんですが、隊友会という団体がありますね、隊友会。これは正会員は退職自衛官、それから賛助会員は現職自衛官、特別会員は会長が承認をした人、こういう形で構成をされている。これはそういう理解でいいわけですか。
○政府委員(石崎昭君) そのとおりでございます。
○野田哲君 この賛助会員、現職自衛官の賛助会員というのは、大体ほとんど入っているわけですか、どうなんですか。
○政府委員(石崎昭君) この賛助会員というのは最近の数で約二十一万人でございまして、そういう数字を見ればほとんどと言っていいと思います。
○野田哲君 定款によると、賛助会員も会費が課せられているようになっていたと思うんですが、会費はどういう取り扱いで納めているわけですか。
○政府委員(石崎昭君) 会費は、定款によりますと賛助会員の場合年額一口五十円以上ということでありまして、幹部の場合、大体一人三百円ぐらいということでございます。
○野田哲君 いやいや、その集める方法を聞いているんです。
○政府委員(石崎昭君) それぞれ所属している各部隊で集めております。
○野田哲君 部隊で、つまり俸給から天引き、チェックオフという形で集めておられるわけですね。
○政府委員(石崎昭君) 天引きというような方法でなくて、一たんもらった給料の中から本人の拠出というかっこうで集めております。
○野田哲君 その本人が拠出をしたものは、だれのところへ渡して隊友会の金庫に納まっているわけなんですか。これはやっぱり部隊ごとにそういう世話をする人がいるわけでしょう。
○政府委員(石崎昭君) そうでございます。
○野田哲君 たしか隊友会というのは、当委員会にも関係の深い人がいらっしゃいますが、昭和三十五年に設立をされていると思うんです。二十年経過しているわけですが、昭和五十四年から補助金が出るようになって、倍々ゲームでどんどんふえて昭和五十四年に初めて出た補助金が五千二百万、五十五年には一億四千六百四十万、五十六年には三億五千四百六十八万、非常な筒成長を遂げた補助金が出ているわけですが、これはどうしてこの三年来こういうふうに補助金が出、しかもどんどんふえるようになったんですか。
○政府委員(石崎昭君) 隊友会に出ております補助金は、退職自衛官の再就職対策のためということでございます。それで、御存じのとおり自衛官は一般の公務員に比べて若年停年制で若いうちやめざるを得ないということになっておりますので、以後の人生を確保していくというのは大変重要なことでありますので、再就職対策というのは防衛庁にとっても隊友会にとっても大事な仕事になっているわけでございますが、そういう再就職対策というものの重要性が認められて、御指摘のような年々補助金の額がふえている、こういうことであると思います。
○野田哲君 再就職対策として補助金を出す、こういうふうに五千二百万が翌年は一億四千六百万になり、次はまた一億ふえて二億五千四百万になる、こういうふうにどんどんふえていった根拠は一体具体的には何ですか。
○政府委員(石崎昭君) いま申し上げましたように、再就職対策というものが重要である、それから再就職の環境というものが次第にむずかしくなってきている、そういう状況を反映しているものと考えます。
○野田哲君 就職あっせんということになれば、これは労働省の職業紹介事業の許可を受けなければいけないわけですね。そこで労働省の実情を見ると、社団法人隊友会援護本部、この手続によると、ことしの初めの調査でいくと、この職業紹介事業は許可をしたばかりであるから紹介実績はないと、こういうふうな資料になっているわけです。紹介実績がないのに補助金だけは職業紹介のためにどんどんふえていく。これはどうもちょっと私は理解に苦しむんですが、それどうですか、その点。
○政府委員(石崎昭君) おっしゃるとおり、労働大臣の許可を受けまして職業紹介事業というのはこれから始まるわけでございますが、そのための準備として必要な支部を設け、必要な仕組みをつくっていくということが年々進んでおりますので、それに伴う補助金の増と、こういうふうに考えております。
○野田哲君 紹介実績がないのに補助金が出るというのは、これはどういうことなんでしょうか。
○政府委員(石崎昭君) すでに設けられている支部、東京と福岡、これについては職業紹介を始めております。
○野田哲君 始めておられるとすればそれで結構ですが、私が聞きたいのは、こういうふうに二十年続いていた団体で、しかも隊友会は設立当初からその事業目的の中に退職自衛官の職業あっせん、援護、こういうことが定款で書かれている。それがなぜこの三年ばかりの間にどういう理由で補助金が出るようになったのか、そしてその補助金がどんどんふえていくのは一体どういう根拠にあるのかということを私は伺っているんです。
○政府委員(石崎昭君) 隊友会はおっしゃるとおり大分前からできておるわけでありますが、近年補助金の増をいただいて一生懸命やりつつあるのは、退職自衛官のみならず退職予定自衛官にまで幅を広げて、現に隊員である人たち、これからやめていく人たち、そういう人たちに対しても職場を探して提供していくということで、そういうことのために再就職対策の幅が広がってきた、こういうことでございます。
○野田哲君 どうもよくあなたの説明はわかりませんがね。 別の角度で私は隊友会の問題を伺いたいと思うんですが、この隊友会という団体は日本国民会議という団体へ加盟しておられますが、大村長官はこの日本国民会議という団体はどういう性格の団体か御存じですか。
○国務大臣(大村襄治君) 余りよく存じておりません。
○野田哲君 参事官は御存じですか、日本国民会議という団体。
○政府委員(石崎昭君) 私もいま初めてお聞きしました。
○野田哲君 それでは私から紹介をいたしますが、「右翼・民族派辞典」のこれはコピーです。この中に日本国民会議というのがあります。組織は、政治、思想、文化、宗教、旧軍人関係などの各団体が結集した協議体。目的は共産革命の阻止、偏向教育の打破。で、現況として、毎月定例会を開催をして著名人などを講師に招いて講演を行っている。自民党への激励、抗議、要請活動を行っている。そして、この日本国民会議の加盟団体が紹介されております。幾つか紹介をいたしますと、憲法調査建議会、憲法の会、国柱会——国の柱ですね、それから国民新聞社、こういうのがずっとたくさん名前が出ておりまして、この中に隊友会、こういうのが出てきます。 そこで、参考のためにいま挙げたような日本国民会議というのへ一緒に加盟をしている団体がどういうふうに紹介をされているか申し上げますと、まず憲法の会、これは「新日本協議会、交風倶楽部、日本郷友連盟、生長の家など十三団体を中心に結成された、改憲運動の代表的団体。」、こういうふうに紹介をされております。これもこの「右翼・民族派辞典」の中で紹介をされているわけです。そして「四十六年三月京都市において「現日本国憲法批判京都講習会」を開催。四十九年十月明治神宮において憲法の会総会を開き「日本国憲法の不当性に対する統一見解」を発表した。」、こういうふうに紹介をされております。国柱会は、ここでは、「故田中智学が日蓮宗の僧籍を脱して」「横浜に蓮華会を創設したのに始まり」云々と、こうずっと続いておりまして、「大正三年国柱会と改称し、昭和二十四年十二月宗教法人として登記した国粋主義的仏教団体。」、こういうふうに紹介されております。国民新聞社の紹介としては、「偏向マスコミの是正、偏向教育の是正、日教組解体、偏向裁判の是正と「青法協」解体、占領憲法の改廃促進、国防思想の普及高揚。」、こういうことを目的として活動している状況が紹介をされている。 以上幾つかの、日本国民会議に隊友会もあわせて入っているそうでありますが、加盟している団体の紹介をやったわけです。つまり国粋主義の団体、そして各団体に共通をしていることは、いまの日本国憲法を変えていこう、こういう運動をそれぞれが目的にしている。そういう団体が集まっている日本国民会議に、自衛隊の隊員が賛助会員として二十何万人も加盟している。退職自衛官と一緒のこの隊友会、しかもこの隊友会には、現在昭和五十六年度では二億五千万を超える政府からの補助金が出ている。そういう団体が、憲法を変えることを目的とした団体が集まっている日本国民会議に加盟をしていること、これは長官どういうふうに受けとめられますか。
○国務大臣(大村襄治君) 御指摘の点につきましては、まず事実を調査してみまして、その上で検討してみたいと思っています。
○野田哲君 調査して検討して、もしこの日本国民会議の加盟団体であることが事実であったとすればあなたはどうされますか、これは。
○国務大臣(大村襄治君) 突然の御指摘でございますので、まず事実を調査しまして、その上で判断いたしたいと思います。
○野田哲君 私は、自衛官を退官された方々だけの組織であればこんなことを国会で問題にしません、これは。自由に、それぞれの団体で思想のおもむくところによってやられることは自由ですから。しかし、現職の自衛官が明確に構成員となっている、そしてしかも、二億何千万もの補助金をもらっている、そういう団体が特定の政治目的を持って、しかもその政治目的たるや日本国憲法を変えようと、こういう団体がずっと集まっているところに加盟をしている。これは私はゆゆしき問題だと思うのです。 そういう団体には、私はまず補助金を出すべきでないということが一つ。それから、現職自衛官が構成員である限りはそういう組織からは離脱をすべきではないか、こう思うんですが、長官いかがですか。
○国務大臣(大村襄治君) 繰り返して恐縮ですが、事実の点はこれから早速調査しまして、それぞれの問題点について、先生御指摘の問題を含めて検討をさしていただきたいと考えております。
○野田哲君 私は仮定のことを言っているわけじゃないんですよ。こういうふうに印刷物にはっきりと紹介されているんですよ。何種類ものこの「右翼・民族派辞典」とかその他に紹介されているんですよ。それだけではありませんよ。防衛庁でよく御承知のあの年鑑があるでしょう、年鑑が。あれにも紹介されているんですよ。だから、調査して調査してと言われるが、私の指摘したことが事実であればどう措置されますか、それを聞いておきたいんです。
○国務大臣(大村襄治君) まず、その現職自衛官が構成員になっている団体が政治目的を持つ団体に加入することの是非については、事実について調査した上結論を出したいと考えております。 それから補助金の点でございますが、伺っている限りにおきましては、政府委員の答弁のとおり、隊員をやめる前あるいはやめた人の就職問題が大変深刻になってきておりますので、もちろん職業安定所と緊密な連絡を図るわけでございますが、なお、こういった団体が民間の方々と連絡を図りながら就職口をあっせんする、この必要性が私最近高まってきていると考えております。したがいまして、補助目的に即して正当に支出する限りにおいては、直ちにこの補助金をやめるとかそういうことにはならないのではないか、伺った限りでございますが、そういう感じがいたしておるわけでございます。
○野田哲君 やっていることが補助目的に沿った、即したことであれば、その団体はほかのことは何をやっていてもいいということには私はならないと思うんですよ。おのずから、補助を出す以上は法的にもその活動は許される範囲の活動でなければいけないと思うんです。 これは官房長かあるいは参事官か、どなたでもいいんですが、長官がお答えになればもちろんそれで結構なんですが、防衛庁の職員、自衛隊の自衛官は憲法を守る義務、これを明確に課せられていると思うんですが、この点いかがですか。
○国務大臣(大村襄治君) 隊員が憲法を守る義務を課せられておることはお説のとおりだと思います。
○野田哲君 その憲法を守る義務を課せられている自衛隊員は、隊員として入るときに宣誓をしているはずですね。そうしてしかも政治的な行為を禁止されているはずなんです。そういう人たちがつくっている、加盟している団体が、いまの憲法を改めよう、変えようと改憲運動をやっている団体に加盟すること、法律的に許されますか、これ。許されないでしょう。どうですか。
○国務大臣(大村襄治君) ちょっと法律的な点もございますので、政府委員からお答えしたいと思います。
○政府委員(夏目晴雄君) 防衛庁所管の公益法人につきましては、当然のことながら私ども、公益に反する行為があるかないか、あるいは寄付行為もしくは定款そのものに違反することはないかどうかということを監督指導する義務がございます。したがって、そういった法令もしくは寄付行為、定款等の規定に背くような行為であれば適当でないというふうに考えますが、ただいま先生の御指摘の国民会議なるものの実態を私どもいま初めて聞いた次第でございます。 それから第二は、この隊友会が果たして国民会議に本当に入っているのかどうかということにつきましても、至急調査をさして、その上で結論を出さしていただきたいというふうに考えます。
○野田哲君 だから、入っていた場合にはどういう措置をとりますかということを私は聞いているんです、さっきから。
○政府委員(夏目晴雄君) この国民会議がどういう団体か私どもわかりませんので、先生が言われるような団体であるのかどうか、憲法を否定するような団体であるのかどうか——もし、仮定の話としまして、一般論として、現行憲法を否定するような団体に加入するということは適当でないというふうに考えます。
○野田哲君 私は、この公刊されている右翼辞典で紹介したわけで、根も葉もないことを言っているわけではないんですよ。 そうすると、私の指摘したことが事実であれば、その団体からはやめさせるか、あるいは現職の自衛官については隊友会から脱会をさせるか、そういう措置をとりますね。
○政府委員(夏目晴雄君) まず、国民会議という団体がいかなる団体であるかということを十分調査さしていただいて、その上で適当であるかどうかという判断をしたいと思っております。
○野田哲君 だから、私の言ったとおりの団体であれば、当然脱会をさせるか、あるいは正規の自衛官はやめさせるか、そういう措置をとる以外に方法はないでしょう。きわめて簡単明瞭なことなんです。それがなぜ明確にここで答えられないんですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 何回も繰り返して恐縮でございますが、この国民会議というものが、先生いまるる御指摘になったことが果たして事実であるのかどうか、そういったものがその団体の趣旨に合っているものであるかどうかということ、私ども何の知識もいま持っておりません。したがいまして、調査の上しかるべき措置をとりたいというふうに考えております。
○野田哲君 だから、私の言ったことが事実であればどうするのかということを聞いているんですよ。
○政府委員(夏目晴雄君) この国民会議という団体が現行憲法を否定し、現職隊長が賛助会員として加入している隊友会が加入する団体として適当でなければ、当然そういうことになると思います。
○野田哲君 本年の四月二十八日に「昭和五十七年度業務計画の作成に際して指針とすべき事項に関する長官指示」、こういう長官指示を出されておりますね。この長官指示の第九項で「予備自衛官制度を充実する。」と、こういう項目がありますが、これは具体的にはどういうことを考えておられるわけですか。
○国務大臣(大村襄治君) 政府委員からお答えさせます。
○政府委員(塩田章君) 予備自衛官につきましては、現在の五三中業の中で、陸上自衛隊の場合四万五千人をめどに整備したいという、これはもちろん防衛庁限りの計画でございますが、そういう計画を持っております。それに向かって五十七年度も逐次整備をさしていただきたいということを考えております。それから海上自衛隊、航空自衛隊につきましても予備自衛官を——海上自衛隊の場合は現在すでにございますけれども、航空自衛隊の場合は現在ございません。両君ともにきわめて、航空自衛隊の場合はないわけです、海上自衛隊の場合もまだ非常に貧弱でございますので、これを整備していきたいという考え方を持っております。そのことを五十七年度の業計の長官指示の中に織り込んだものでございます。
○野田哲君 そうするとかなり、約五千人の増員ということになるわけですか。
○政府委員(塩田章君) 具体的には陸上自衛隊の場合、ここしばらくずっと毎年千人ずつ増加をお願いしております。で、五十七年度も陸上自衛隊の場合千人の増加をお願いしたいと考えております。海空につきましても、人数をいま決めておりませんけれども、概算要求の際お願いしたいと考えております。
○野田哲君 それから、この前有事法制の研究が中間報告をされているわけですが、この有事法制の中間報告の中で「現行規定の適用時期の問題」、こういうことで自衛隊法の百三条の問題、それから特別の部隊の編成、予備自衛官の招集、こういう点を挙げておられるわけですが、これは私は非常に重要な問題を含んでいると思うんですね。 それは、この防衛庁が発表された有事法制の研究の中では適用時期の問題ということで非常に軽く問題を提起をされておられますけれども、私どもはこれを検討した結果、これは結局は百三条の適用あるいは特別の部隊の編成、予備自衛官の招集、こういう問題について、現行法では防衛出動が命ぜられた場合、七十六条の場合はこれは総理大臣が国会の承認を得て出動の命令をすることになっているわけです。ところが、いまの適用の時期を検討するというのは、つまりこれらの自衛隊法の百三条、それから特別の部隊の編成とか予備自衛官の招集、こういう非常に重要な問題を待機命令の時点で発動していこう、つまりこれらの問題を国会の承認を得る手続を経ないでもやれる時点で、そしてしかもこれは防衛庁長官限りでやれる、こういうふうに発動の時期を変えていこう、つまりこれは国民の財産権の制約とか、あるいは国民の職業や生命、人権にかかわることについて国会の議決を経ないでやり得る、こういう仕組みに制度を変えていこう、こういう非常に重要な問題を含んでいると思うんですが、これはそういうことで私は許されないことではないか、こういうふうに思うんですが、この点いかがですか。
○国務大臣(大村襄治君) 適用時期の問題として数項目を挙げていることは事実でございますが、私どもといたしましては、防御出動命令は、その下令があって初めて武力の行使が許されるわけでございますので、手続要件としては周到な手続が定められている、そのように考えているわけでございます。防衛出動待機命令の方は、武力の行使は許されないわけでございますが、防衛出動命令が出される前に必要な準備が行えるようにするという趣旨で設けられている制度であると理解いたしているわけでございます。 そういった現行の制度を前提とした上で、予備自衛官の招集の問題でありますとか、あるいは特別の部隊の編成でありますとかを見ました場合に、防衛出動命令下令後にそういったことを行いました場合には、いろいろな手順等から害いまして、必ずしも十分目的を果たせないと。そういった点におきましてひとつ研究事項として掲げさしていただいたと、こういう次第でございまして、シビリアンコントロールを無視してこういったものを拡大するとか、そういう意図はないわけでございます。待機命令以降準備を整えた方が、それぞれの制度の趣旨を生かす場合にあるいは必要ではなかろうかと、そういうことで研究の成果に盛り込んだ次第でございます。
○野田哲君 つまり、有事法制の研究の中でいま言っていることは、適用時期の問題というのは、できるだけ国会の承認等のめんどうくさい手続はとらないで、防衛庁限りでやれる範囲のことを拡大していこう、こういう意思が隠されていると思うんですね。事実そうでしょう。待機命令の時点で百三条の発動や予備自衛官の招集をやろうということは。つまり国会の議決は要らない状態でやりたい。これは大村長官ね、幾らあなたシビリアンコントロールと言われても、大変なこれはシビリアンコントロールの後退になりますよ。そうじゃありませんか。
○国務大臣(大村襄治君) 先ほど申し上げましたように、防衛出動命令下令の事態に立ち至る前におきましても、必要最小限の準備行為といたしまして、現行法の対象になってないものを、適応時期の繰り上げと申しますか、そういったことで対処した方がよろしいんではないかと思われる事項を数項目掲げた次第でございまして、今回御審議の模様あるいは世論の動向等を判断して今後の処置を決めたいと考えているわけでございます。
○野田哲君 予備自衛官といえども、たとえば公務員であれば職務専念の義務というのがあるわけです。それぞれの企業においても、やはりそれぞれ現在の職務についている限りは、どの職務に携わっていても、特に被雇用者であればそれぞれ職務に専念する拘束があると思うんですけれども、そういう人たちが、しかもこれは人員で言えば四万を超すような人員が、総理大臣が国会の承認を得るというような手続をとらないで、国会の審議もなしにいきなりその職場から防衛庁長官の命令で、その職務を離れて自衛隊の業務に参加をするということは、私はそう軽々しくできるような状態じゃないと思うんですよ。少し私はこの点は軽軽しく考えているんじゃないかと思うんです。 もう一つ伺いますが、「新たな規定の追加の問題」というのが出ていますね。これは「自衛隊法には、防衛出動待機命令下にある部隊が侵害を受けた場合に、部隊の要員を防護するために必要な措置をとるための規定がない。このため、部隊に大きな被害を生じ、自衛隊の行動に支障をきたすことがあるので、当該部隊の要員を防護するため武器を使用しうることとする規定が必要である」、これはどう考えてもよくわからないんですが、待機命令下にある部隊が被害を受けるような状態がどうして生じるのか、待機命令下にある部隊をまた別の部隊が防護する必要がある、こんなことが実際あり得るのか、どういう場面を想定をされているのか、これをちょっと伺いたいと思うんです。
○国務大臣(大村襄治君) 政府委員から答弁させます。
○政府委員(夏目晴雄君) 防衛出動待機命令が発令されるというような状況というのは、事態が緊迫した状況であるというふうに考えられるわけでございますが、そういった事態になりますと、外部からのたとえばゲリラの潜入というふうなものが起こりまして、部隊に対する侵害行為あるいは施設の破壊活動というふうなものが行われることも予想されるところでございます。一方、現在の自衛隊法におきましては、九十五条という武器防護の対処をする規定がすでにあるわけでございますが、この規定は、御承知のようにいわゆる人間といいますか人を対象とした規定ではないということはまた御承知のとおりでございます。 そこで、私どもとしては、こういった事態が緊迫したたとえば防衛出動待機命令下にあるような際には、そういったゲリラの潜入に備えて、破壊活動に対して部隊が何ら手を出し得ないというふうなことでは不合理ではなかろうか、今後防衛出動が下令されるというような事態に対して円滑に任務を遂行するという面からもそういった部隊保全の措置が必要であろうということから、この規定が望ましいというふうに考えたものでございます。
○野田哲君 ちょっと私はこれは被害妄想じゃないかと思うんですよ。いま日本の国内に、武器を持った自衛隊が待機命令によって待機をしている、これを襲うようなゲリラが、そんな力を持ったゲリラがいると考えているんですか、防衛庁では。
○政府委員(夏目晴雄君) ただいまお答えしましたように、現在そういうものがあるとは私ども考えておりませんので、たとえば防衛出動の待機命令が発せられるような事態、すなわち情勢が非常に極度に緊迫したという状況ではそういうこともあり得るんではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
○野田哲君 日本の国民は凶器を持つことを禁止されているんですよ。ピストルも銃も持てないんですよ。猟銃を持つ人は全部警察の許可を受けなければ持てないんですよ。自衛隊が待機命令を受けて集結をしているようなところを襲うゲリラがどこにおりますか、これは。いまいなくても将来あるかもわからぬと言われるが、これは私は余りにも(「そんなことわからないよ。」「あるよ。」と呼ぶ者あり)やかましいですよ、そっちは。委員長、あれとめてもらわなきゃ私質問続けませんよ。——これは、あなた方はそういう口実によって結局は武器を早く使う、待機命令の段階から武器を使う、こういう制度をつくろうと考えているんじゃないですか。そうでしょう。
○政府委員(夏目晴雄君) 御指摘のとおり、自衛隊法第七十六条では、外部からわが国に対する武力攻撃すなわち組織的、計画的な攻撃があった場合に際しては、当然のことながら防衛出動が下令されまして武力行使ができるわけでございます。防衛出動待機命令の段階で武力行使ができないこと、また当然でございます。ただ、そういう段階におきまして私ども自衛隊法第七十六条の武力攻撃を受けたときと同じように武力の行使をしようということでなくて、あくまでもそういった緊迫事態において外部からの、たとえばゲリラの侵害があった場合に、それに対して警察的な行動で武器の使用ができるという最小限度の措置が必要ではなかろうかということを考えたわけでございまして、これは七十六条に言う武力行使とは全く異質のものでございます。
○野田哲君 官房長が言うような状態の場合は、ゲリラ云々ということに対する措置としては治安出動というのがあるんでしょう。それとはまた別なんですか。
○政府委員(夏目晴雄君) 治安出動が出ている場合もあるかもしれませんが、いま私どもが申し上げているものは、自衛隊法第七十七条によって第七十六条のいわゆる武力攻撃が近く行われるということで防衛出動が下令されることが予想される時点、時期に待機命令が出されるわけですが、そういう時点において必要最小限その程度の措置が必要ではないか。手をこまねいて全く相手方のなすがままに任せるというようなことでは防衛出動下令時に自衛隊が任務を遂行しがたいというふうなことから、こういう規定が必要ではなかろうかというふうに判断したものでございます。
○野田哲君 だから、つまり出動命令前でも武器を使えるようにしたいということですね。待機命令の段階から武器を使えるようにしたい——まあいいですよ、もう。そうとしか私には思えないので、またこれは全体の構造ができたときに議論をする機会があると思いますから、そのときに改めて議論をいたしたいと思います。 次は、「防衛研究」ですね。この中で「警戒態勢基準」というのを定めてあるわけですが、この警戒態勢、警戒待機の態勢をとる場合の警戒態勢の区分、措置。これは具体的にはどういうことなんですか。七十七条の出動待機命令が発せられている状態の中での区分ということになるわけですか。
○政府委員(塩田章君) 一応別個の考え方でございます。待機命令が出ておる事態のみならず、それ以前からでも必要によっては警戒態勢の段階区分を設けて入っていきたいと考えておる次第です。
○野田哲君 「防衛準備」というのがありますね。これは自衛隊の人員の充足、それから再配置、作戦用の資材の確保、こういう点が提起をされているわけですが、つまりこれは、人員の充足というのは予備自衛官の招集ということを意味しているのか。それから再配置というのも、その予備自衛官の招集を含めた形での部隊の再編成、こういうふうなことを考えておられるのか。それから作戦用資材の確保というのは、これは百三条の発動という意味なんですか。
○政府委員(塩田章君) まず人員の充足、再配置でございますが、御指摘のように予備自衛官の問題ももちろんございます。現在は、予備自衛官は招集まだできませんけれども、予備自衛官のこともございますが、同時に普通の毎年行っております定員の充足、募集の問題ももちろんございます。 それから、たとえば部隊から御承知のようにいろんな学校がございますが、学校に学生としてあるいは教官として派遣されておるような人がたくさんおります。それをもとの原隊に復帰させるというようなことが、再配置という点から言えば一つの典型的なわかりやすい例ではないかと思います。そういうようなことを考えておるわけであります。 それから、作戦用資材の取得といいますのは、必ずしも百三条と結びつけて考える必要はないわけでございまして、部隊自体がいろいろな物を購入する必要があります、もちろん、食料品等も含めてですね。部隊がいろんな準備に必要な資材の購入がございますので、そういうことを広くとらえた概念でございます。
○野田哲君 また機会を改めてやりたいと思いますが、もう一つきょう伺って、あと、さらに予定されている防衛問題の連合審査の際にお伺いしたいと思うんです。 塩田防衛局長あるいは夏目官房長、原次官などは、四月の十日前後だったと思いますが、鈴木総理の訪米に備えて防衛問題について総理にいろいろレクチュアをやっておりますね。そのレクチュアの中で総理の方から質問があって、シーレーンというものに対する認識を塩田局長が説明されている。これは、総理のそれまでの認識は、シーレーンというのは線のように思われているようであるけれども、シーレーンというのはそうではなくて、実際の対潜作戦などをやるとすれば、これは線ではなくて面になるんだと、こういう説明をしたと、総理はこれに対して理解を示したと、こういう情報があるわけですね。 そういたしますと、総理はそれからアメリカへ五月の初めに行かれて、鈴木・レーガン会談の出で一千海里のシーレーンについての役割り分担、これを約束をされてきたわけだ。防衛局長が説明したような形が事実とすれば、一千海里のシーレーンというのは線ではなくて面なんだということを総理が理解をしてシーレーンの役割り分担をしてきたということになれば、これは太平洋地域の大変な面積の役割り分担を総理はしてきたということになるわけですね。フィリピンからグアム島のかいわいから、ずっと太平洋の広大な面積を役割り分担を約束してきた、そういうことになると思うんですが、そういう経過があったわけですね。局長、どうですか。
○政府委員(塩田章君) 鈴木総理の訪米前に御指摘の原次官、私が総理に御説明しましたのは、たしか四月二十日だったと思いますが、いまの御指摘のシーレーンの話の方はそれより前に、私が何回かお伺いしまして御説明をしたことがございます。たしか一回ではなくて二回か三回あったと思いますが、その中でいろんなことを御説明した中に、確かに海上防衛の話も御説明をしました。 これで御説明しましたのは、シーレーンが——シーレーンがと言いますか、海上護衛というものが線のようにシーレーンとか言いますので、あるいは航路帯と言いますので、線だとか帯だとかいうような概念で来るような狭い幅のものではなくて、もう少し広い幅のものですよということは御説明をしたわけです。それは、実際に潜水艦がいまどういう性能を持っていると、その潜水艦をまたやっつける方もどういう性能を持っているということを御説明しまして、その潜水艦の対船舶攻撃、その守る方の対潜水艦攻撃というものからして、線だとか帯だとかというような言葉から来る狭い概念ではございません。したがいまして、そういう意味では面的要素を持っておるものでございますということを御説明をしました。しかしそれは、太平洋を、のべつ、面でとらえて全部守るんだという意味では決してございませんで、そういう狭い、ひものような、帯のような観念ではございませんということを御説明をしたわけです。その点は、その限りにおいては御理解をいただいたと思っております。 首脳会談でございますけれども、いま先生は首脳会談で一千海里の防衛を約束したとおっしゃいましたが、私が承知する限りでは、首脳会談ではそういう具体的な何千海里とかいう言葉は出ておらないはずでございまして、総理がおっしゃったのは、後でプレスクラブの演説か何かで、日本は航路帯を設けた場合には一千海里の防衛力の整備を図っているんだということをお話しされたように聞いております。それは私どもが常々国会等でお答えをしておるとおりでございまして、別段変わったことは何もないというふうに私は理解をしておるわけであります。
○野田哲君 一千海里のシーレーンの役割りを分担しようとすれば、これから一体どういう装備が必要だと考えているんですか。私が考えれば、もうこの役割りは、本当にアメリカと約束した形で果たしていこうとすれば航空母艦がなければ果たせないと思いますが、その点どうですか。
○政府委員(塩田章君) いま申し上げましたように、かねてから航路帯を設けた場合には一千海里程度は防衛できる海上防衛力を整備したいということを申し上げておるわけですが、それは、的に申し上げれば防衛計画の大綱の線に早く到達したいということでございまして、それ以上何も御指摘のように航空母艦を持つとかそういうようなことを考えておるわけではございません。
○野田哲君 装備の上でそういうものがなくても約束が果たせると考えておられるわけですか、役割りについて。
○政府委員(塩田章君) 防衛計画の大綱は、海上防衛力につきましては対潜水上艦艇約六十隻、対潜航空機約二百二十機というふうに別表で書いてございます。これが私どもの計画どおり整備されれば、私ども、わが国周辺数百海里、航路帯を設けた場合には約一千海里という目標に対しましては画期的に防衛力は上がるというふうに考えています。
○野田哲君 大村長官、航空母艦は絶対に必要ないし、持たない、このことをここで確認できますか。
○国務大臣(大村襄治君) ただいま政府委員がお答えしましたように、防衛計画大綱の水準の達成を早く図ることによって海上防衛力の充実を図ってまいりたいと考えております。したがいまして、現在のところ、航空母艦を持つことは考えておりません。
○野田哲君 現在のところということを私は聞いているんじゃないんです。日本としては航空母艦を持つ必要もないし、持つことも考えていない、こういうふうに確認できますか。
○国務大臣(大村襄治君) お答えします。 現在のところ、そのようなことは考えていません。
○野田哲君 私は現在を聞いているんじゃないんですよ。日本の憲法、法制上からいっても必要ない、こういうふうに確認していいかどうか、こういうことなんです。
○政府委員(塩田章君) 憲法上の議論として持てないというのは、よく言われますのは、攻撃型航空母艦というようなことを言われますが、そういうものはもちろん憲法上持てないということで理解しておりますが、それ以外の航空母艦は、憲法上持てるか持てないかの議論じゃなくて、私どもは現在その必要がないと考えておるわけであります。
○野田哲君 終わります。
○委員長(林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十分散会 —————・—————