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94回国会参議院1981/04/16

内閣委員会 第3号

発言数
316
登壇者
19
会派数
7
開催日
1981/04/16

会議録

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十三日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として内藤健君が選任されました。  また、本日、内藤健君が委員を辞任され、その補欠として木村睦男君が選任されました。     —————————————

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中山総理府総務長官。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給年額を増額するとともに、戦没者等の遺族、傷病者及び老齢者の処遇の改善を図るほか、長期在職の老齢旧軍人等に係る仮定俸給の改善等の措置を講じ、恩給受給者に対する処遇の一層の充実を図ろうとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。  これは、昭和五十五年度における公務員給与の改善を基礎として、昭和五十六年四月から、恩給年額を増額しようとするものであります。また、公務関係扶助料の最低保障額、傷病恩給の基本年額については、同年八月からさらに特段の増額を行い、公務扶助料については遺族加算を含み年額百二十三万六千円を保障することといたしております。なお、傷病者遺族特別年金については、公務関係扶助料と同様に同年八月から特段の増額を行うほか、同年十二月からはさらに年額二十四万円に引き上げることといたしております。  その第二点は、普通恩給等の最低保障額の増額であります。  これは、長期在職の老齢者に係る普通恩給の最低保障額を昭和五十六年四月から七十三万三千六百円に、さらに、同年六月から七十四万九千円に引き上げ、その他の普通恩給及び普通扶助料の最低保障額についてもこれに準じて引き上げることといたしております。  その第三点は、長期在職の老齢旧軍人等に係る仮定俸給の改善であります。  これは、長期在職の七十歳以上の旧軍人等に係る仮定俸給の格づけを昭和五十六年十月から二号俸引き上げることといたしております。  以上のほか、扶養加給の増額、特別加給の改善及び旧特別調達庁の職員期間の通算条件の緩和等所要の改善を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。  なお、この法律案では、公務員給与の改善に伴う恩給年額の増額等の措置は、昭和五十六年四月一日から施行することといたしておりましたが、衆議院において、これを公布の日から施行し、本年四月一日から適用することに修正されております。  よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま、担当の総務長官から恩給法の改正案につきまして提案説明がありました。その中にありますように、昭和五十五年度における公務員給与の改善を基礎としてこれが行われておるということを、いま説明がありました。  そこで私は、この内容の質問をする前に、公務員の給与というものが大変多くの影響を与える問題でありますだけに、いま春闘の最中でありまして、すでに民間につきましては今月の九日から十日にわたって回答が出され、一部私鉄等々の場合には拒否をして、これから運動が強められるという情勢にもあります。あるいはまた、きのうは、政府から公企体関係労働者に対しましてひとまず有額回答という形のものが出されております。したがって、残されますのは、一般公務員が一体どうなるのか、こういういま状況にあろうかと思っています。そこで私は、恩給の問題に入ります前に、一連のこの公務員問題について一、二点お尋ねをしておきたいと思っています。  まず人事院総裁にお聞きいたしますが、私から言うまでもなく、国公法の二十八条あるいは六十四条等によって人事院は調査をしなきゃなりません。そして公務員の賃金について、賛成、反対は別にして、人事院の役割りというのがきわめて大きな状況にあります。したがいまして、ことしももう四月一日現在の調査に入っているんだろうと私は思いますが、一体ことし人事院はどういう手順で調査を行おうとしておるのか、その考え方を第一点として聞いておきたいと思います。  第二点は、昨年の勧告で、御案内のとおり昭和六十年をめどに公務員制度等の根本的な見直しを行うということが述べられておりますが、これに基づいて民間の調査を厳密になされると私ども聞いておりますが、一体どういう観点からいまどんな調査を行おうとするのか、できればまずその点お聞きをしておきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 第一点の民間の給与の実態調査の問題でございますが、これは制度として長年にわたって定着をいたしております問題でございますし、また法律、制度のたてまえとしてもはっきりとしたものが決まっておるわけでございます。したがいまして、人事院といたしましては、そのペースをそのまま守って例年どおり作業を進めていくという姿勢であることは、これは申すまでもございません。そういうことで、本年におきましても例年どおりのベースで作業を行いたいということで進めておるわけでございます。調査項目はすでに決定をいたしまして、これも例年どおりでございますが、大体連休明けから六月の中旬にかけて実態調査を行うことにいたしたいというふうに考えておる次第でございまして、目下着々とその準備を進めておるという段階でございます。  第二の点でございますが、社会経済情勢の大きな激変ということにいま対応して、公務員のいろんな任用、給与諸般にわたりまする施策について長期的な展望に立った施策をやっていかなきゃならぬ時期に来ておるということで、昨年の給与勧告に際しましてこの必要性を述べ、これに対する人事院としての対応策を前面に打ち出したわけでございます。そういうことで、これは御承知のように、本年度からこの間成立をいたしました予算の中でも柱が立ちまして、本格的な調査、検討に入るたてまえが確立されたわけでございます。そういうことで、いままでも若干アウトラインは申し上げておりますが、私たちといたしましては、大体ことしから本格的な調査に入りまして、六十年をめどにこの実施が行えるように諸般の施策を着々と進めてまいりたいと思っております。  それに関連をいたしまして、本年度は特に調査に重点を置きますが、そのはしりといたしまして、民間の給与実態調査に関連をいたしまして、長期的な展望に立つ施策の立案に際して参考にすべき問題についても若干これを調査をしたいということで開始をするたてまえをとっております。たとえばその中には、高齢者対策あるいは高学歴化の対策について何か顕著な対策を講じておるか、どういう対策を講じておるか、あるいはそういうことに対応するための具体的な対策として専門職制度というようなことがだんだん民間でも普及しつつありますが、その内容はどういうものであるのか、あるいは昇任制度の一環といたしまして昇給試験等が制度的に行われておるのか、そういうような点も中心にいたしまして、調査を新しく付加的な調査として始めたいということも考えておりまして、そういう点を調査票の中に盛り込みつつ、現在準備を進めておるという段階でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま例年どおりの項目で、例年どおりのベースで調査をされるという総裁のお話でありますから、私も理解をしておきたいと思うんです。ただ私ども、国家公務員法等を見ておりますというと、特に六十四条の二項の中で三つの要素がありますが、そのうち人事院が必要と思われるような条項ということがほとんど今日まで発動されたためしがない。聞くところによれば、それは一体何なのかと言えば、物価が中心のようにも私ども聞きますが、たとえば政府が六・四%の物価と言っても、実際は七・八くらいになっていると言われる。言うならば、そういう観点についての人事院の考え方というのは一体どこにあるんだろうかということも、この機会でありますからあわせて聞いておきたいと思うんです。  それから最近、私はこれは総務長官にもお聞きをしたいんですが、財政再建と絡みまして行政機構改革等々をやることは私どももやぶさかではありません。私も、この内閣委員会で国家行政組織法やあるいは今日まで行政改革について人後に落ちないぐらい質問した一人であります。しかし、いずれも整合性がなくてただ財政が困ったときに限ってそういうものが出てくるから、それが二、三年たつとまたもとに戻ってしまって何にも行政改革というのはできておらない。ところが最近の風潮として、内閣に私は苦言を呈しておきたいと思うんだが、公務員の悪口さえ言えば何か財政再建ができるような錯覚になっているんじゃないんだろうか、行政改革という題目さえ唱えたら何か財政再建ができるような錯覚になっているんじゃないんだろうか、この辺はきわめて私は、何も公務員の味方するわけじゃありませんけれども、遺憾だと思うんですね。もう少しやはり公務員に理解を求めるなり、協力を求めることは重要でもありますし、やらなきゃならぬ点はやらなきゃなりませんけれども、政府みずから怠ってきたことを何か公務員にかぶせて、公務員にさえ文句言っていればでき上がるような錯覚にいま陥っている点があるんじゃないんだろうか、私はこういう気がいたします。したがって、そういう意味では人事院も人事の専門の機関でありますから、そういう点については勇断を持ってやっぱり物を言ってもらいたい。  総務長官は、これはまた政府部内においては人事管理の最高責任者ですから、そういう点は誤解を与えないようにきちんとしてもらいたいと思うんですが、この点について総裁と総務長官の見解を聞いておきたいと思う。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 第一点の情勢適応の原則の問題なり、あるいは給与決定の条件に関する問題なりについてのお尋ねでございましたが、この点につきましては従来とも申し上げてきておりまするし、その基本的な態度、対応の仕方というものについてはいまのところ特に変える考え方は持っておりません。従来どおりのやり方でやっていっていいのではないかというふうに考えております。と申しますのは、むろん御指摘のありましたような、物価その他の諸般の情勢は全部詳しくわれわれの方で毎月のデータその他刻々のデータをとって検討の対象にいたしております。それはそのとおりでございます。ただ官民対応という根本的な原則がございまして、この点は委員も先刻よく御承知でございますように、われわれの現在の立場としては、物価その他のいろんな諸要素が毎年の春闘その他の民間における給与のアップということに溶け込んでおるというふうな前提に立って事柄を処理してまいりました。また、それによって大体のところは、長期的に見ました場合は妥当な結論として落ちついて今日まで来ておるのではないかというふうに、これはわれわれの確信でございます。これについて特段改めてまいらなければならない何かの急激な情勢変化でもあればともかくでございますけれども、やはり官民の全体の納得を得るというような一番大事な点から申しましても、従来の方針はこれを踏襲してまいることが最も妥当なるやり方ではあるまいかというふうに考えておる次第でございます。  それから第二の点は、御説の御懸念はもっともでございます。特にわれわれ人事院といたしまして、公務員の全体諸制度の立案なり、またそれのお世話なりということを預かっておりまする専門的な役所といたしましては、その感を深くいたしております。むろん世間の御指摘なり御批判なり、その意味するところは十分にくみ取りまして、反省すべき点は反省するということにやぶさかであってはならないことは当然でございます。しかし、全体の中でほとんど全部の公務員はやはり自覚に徹して毎日の職務に精励しておる、それが私は大部分の姿であろうと思うのでありまして、そのことの全体的な空気というものを壊して、それのために士気を低下させるというようなことになってはならないというのが私の信念でございます。そういうことで機会があればいろんな機会にそのことを申し上げてきております。また新聞、雑誌その他のインタビュー等についてもできる限りのことはいたしてきておるつもりでございます。今後ともその基本線はあくまで堅持して、角をためて牛を殺すということのないように、その点は十分配慮してまいりたいと思っております。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) 私は公務員のすべてを管理する責任者として、日本の公務員というものは実にまじめに国民のために奉仕をしていただいておるという考え方は微動だもいたしておりません。中には事故を起こす職員もございますけれども、それはきわめて限られたごく少数の人たちでありまして、大半の公務員というものはまじめに公務に従っている、私はそのような認識に立っております。だから、公務員に対するとかくの批判が最近週刊誌等でございますけれども、それは公務員の個々に対する批判ではない、やはり機構というものに対する批判ではないか、私はそのように理解をいたしております。そういう観点に立って、日本がやはりこの戦後の繁栄を築き上げた大きな一つの柱は公務員の誠実な公務に対する態度であったと、私はそのように評価をし、今後とも公務員のために、微力でございますけれども、努力をしてまいりたい、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 もう一点だけ総務長官にお聞きしますが、いま人事院から、例年のペースに従って調査をする——調査した結果は恐らく勧告という形になると思うんです。これを受けて、総務長官に改めて決意のほどを聞いておきたいんですが、また例年公務員共闘との間に総務長官会われて、そしてまだ勧告前ではあるけれども、総務長官としては民間あるいは公労協その他等と差のないように、そういう点は長官として希望するといいますか要望するといいますか、そういう見解が昨年までも示されておりました。その考え方に変わりはないのかどうかですね。  それからさらに、これは新聞報道でありますから私は取るに足りないと思いますが、財界等は公務員賃金の凍結などということをでっかい声で言う。しかし私は、どういうつもりで言っているのかよくわかりませんが、この恩給法一つ見ても、公務員の給与が土台で改定されてくる、他の年金にも影響してくる、したがって単なる在職者の給与だけ議論しているわけじゃないんですね。そういう意味では、私は財界のこういう言い方というのは暴論だと思うんです。こういうことに総務長官としては断じて私は屈することはないと思うけれども、あなたの決意のほどを聞いて恩給法の内容に入っていきたいと思います。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) 財界がどのようなことを申しましても、総務長官としてはその意見は聞きますけれども、その意見に惑わされることはございません。総務長官としては、公務員の給与に関しましては、民間準拠という人事院の勧告、こういうものが出ますれば諸般の状況を十分検討の上で従来どおりの方針を貫いてまいりたい、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それでは、恩給法の内容に入っていきたいんですが、きょうは昼ころまでということでありまして、きょうできなかった点は後日改めて質問さしていただきたいと思いますが、まず第一点は、基本的なことについて一、二点お聞きをしておきたいと思うんです。  私は、これは昭和四十五年五月十一日のこの内閣委員会で、当時総務長官でございました山中さんと多少議論をしたわけでありますが、そのときに私が、行政法学者が言っております恩給の概念について、「恩給とは、退職又は死亡後、本人又は遺族の生活に支給される金銭」であって、「公務員の身分に伴う権利で、給与請求権の延長である」というふうに言われておるが、この見解でよろしゅうございますかということでやりとりをやりました。その際に山中長官から、「ただいまの見解には基本的には異存はございません。」という答弁をもらっているわけでありますが、改めて、いま中山総務長官でありますから、この見解についてお聞きをしておきます。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) いま御指摘のありました点は、山中総務長官の発言と同様でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 続いて、この委員会ばかりでありませんでしたが、私は恩給の最近の動向を見ておりますというと、もう恩給だけで走ることはできない、言うならば厚生年金とも関係がある。あるいは共済年金とも関係がある。また最低保障額等々の問題を見ると、たとえば扶養加算でありますとかあるいは遺族加算でありますとか、そういうものを見るときに、これはもう社会保障的な考え方で問題を扱わなければ時代に合わないんではないんだろうか、そういう考え方を持っておりましたので昭和四十五年の委員会でも当時の総務長官とやり合ったわけでありますが、私はやはり恩給の改定等についても社会保障制度審議会等々と相談をすべきではないかという見解をいまも持っているわけなんですが、これは社会保障制度だというように規定して物を言っているわけではありません。恩給という性格を承知の上で言っているわけでありますが、その点は中山長官はどういうふうにお考えになるのか。  なぜ私がいまこれをまた重ねてお尋ねをするかと言えば、実は国家公務員の共済組合の審議会でありますとかその他等々から多くのことが提言されておるわけです。たとえば、国家公務員共済組合の審議会等で出ておりますのは、恩給法が改正されれば、そのあとをつなぐ共済組合法がそのままこれを受けて改正を余儀なくされることは現行制度のたてまえ上やむを得ない。しかしながら、恩給法の改正はもっぱら恩給の立場から行われるものだけに、その中には共済組合制度として不都合な結果を引き起こす場合も少なくない。したがって政府は、この点について何らかの調整を図る方法はないか、十分検討すべきでないかというような趣旨のことが繰り返し繰り返し述べられております。  そこで、きょう長官にお聞きをしたいんですが、こういう共済組合審議会等々の意見で指摘をされている点について、一体恩給を扱う総理府としてはこれらについて具体的にどういう検討をされていまどんな形になっているのか、第二としてお聞きをしておきたい。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いま先生御指摘の共済制度と恩給との関係でございますが、これはいずれも退職公務員の年金であるという点では性格はきわめて似通っておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても絶えず、もちろん先生いまおっしゃった厚生年金も同様でございますが、各担当機関の間でいろいろ緊密な連絡をとりながら処理しているところでございまして、また、いま先生のおっしゃった国共審の意見等におきましても、恩給の改正というものが共済の改正を引きずるというか影響を与える、したがって関係機関は十分な連絡をとるようにしなさいと、こういう御意見も承知しておりますので、十分その辺の連絡はとっておるつもりでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それでは、どういう点が指摘をされて、あなたの方は連絡といま言われましたが、どういう点で調整をしてやられておるのか、具体的に説明してください。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いろいろ最低保障等につきましては、従来も厚生年金の算定方式であるとかあるいは共済の最低保障の考え方であるとか、こういったものを絶えず連絡をとり合いながらやっておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 その程度のことですか。これを見るというと、不都合な結果を招来すると、こういわれる。恩給の改善をそのまま共済に当てはめたら不都合な点が出るというんですよ、ここで指摘されているのは。だから調整をしてくれと、こう言うんですね。どういう不都合な点が共済組合の審議会等から出されて、あなた方はそれに対してどういう点で調整をしたのか。いま例に出されました最低保障などというのは何も——たとえば今度の寡婦加算にしましても、六十歳以上の、子供二人いれば二十一万にするにいたしましても、厚生年金のをそのままとっただけの話で、あと何にもないじゃないでしょうか。だから具体的に恩給局としてどういう検討がなされて、そういう不都合な点についてどういう調整をしたのか、もう少しきちっと説明してもらいたい。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 先ほど申しましたように、共済年金の改善が恩給の改善に相当影響を受けるということも確かでございましょうし、また共済組合審議会からの意見としても十分協議せいと、こういう話が出ていることも承知しております。ただ、私どもいろいろ事務的な連絡をとりながらやっておりまして、先生いまおっしゃったような受給者に対する不利益であるとかあるいは不都合であるとか、そういったものが出ておるということはちょっと承っておらないんでございますけれども。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そうすると、この審議会の答申は誤りでしょうかね。これは五十年の二月四日の審議会の答申、それ以来私は毎年の答申を見ています、ずうっと。大体似たようなことがかなり書いてあります。それでいまあなたに聞いているんですが、具体的に何もないと言うならば、私は今度は共済組合の審議会を呼んで、どういう不都合な点が出たのか一遍聞いてみてから改めてまたあなたに聞きますが、いずれにいたしましてもこれは相当調整しなきゃならぬことがあるんじゃないか。私、素人でありますから、実務やっておりませんのでわかりませんが、改めてこれは聞くことにいたします。  それから、次にお聞きをしておきたいのは、恩給というのは一体将来どういうふうになっていくんだろうか、将来の見通しについて聞いておきたい。と申しますのは、たとえば共済組合で言えば昭和七十五年ぐらいまで、二十年ぐらい見通して収支計算なりあるいはその他のものが出されております。それから、恩給は大蔵省のあの中期財政だけがありまして、昭和五十九年度までの多少の見通しのものは大蔵省も手に入れております。ところが一方で、厚生省所管の老齢福祉年金等の場合には、これは性格は違いますが、少なくとも昭和八十五年ぐらいまで見通してやっておりますね。したがって、恩給局は一体恩給の見通しというものをどういうふうにお持ちなのか。せめて二十年か三十年ぐらい先まであなた方読まれておるんじゃないかと思うんだが、その説明を聞きたい。というのは、御存じのように昭和三十四年に国家公務員共済組合に移行しましたね。それから三十七年には地方公務員の共済組合に移行しましたね。したがって、恩給として受領する者は三十四年以降いない。結局老齢福祉年金と違いますのは、片一方は遺族扶助料にかわってきますから、本人が亡くなられても。そういう意味では性格が違うといたしましても、恩給自体としてはかなり減っていくのではないか。人員も減れば受給者ももちろん減るわけでありますが、そういう意味で、一体恩給局はこの恩給の将来についてどういう見通しを持っているのか聞いておきたい。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 恩給受給者の数が減っていくことは、いま先生おっしゃいましたように、もう恩給制度は昔の制度になってしまいましたものですから減っていくことは確かでございます。その減り方でございますが、過去で申し上げますと、ここ五年ぐらい毎年毎年、それは大分フラクチュエーションありますけれども、平均いたしますと大体年間三万五千人ぐらいずつ減っております。この減り方をいろいろ、いま先生おっしゃいましたように、普通恩給の方が亡くなれば普通扶助料に移行いたしてまいりますし、数自体がどういう形になるかという推計は非常にむずかしいんでございますけれども、いろいろ推計いたしまして、大体五年後の六十一年、これはいま二百四十万でございますが、大体いまのところ二百二十万ぐらいに、年間四万ぐらいずつ減るのではなかろうか。さらに昭和六十五年度、これが約二百万ぐらいになるのではなかろうか。それ以降は若干ピッチが早まりまして、七十五年ぐらいになりますと百三十万、十年間で約七十万、年間約七万ぐらいのピッチになるんではなかろうか、こういった推計をいたしておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 なるほど受給者は減ってまいります。そうすると恩給予算そのものは、もちろん人事院勧告のあり方、それから物価のあり方、これは経済の計画見なければなかなか長期の見通しが立たないことはある程度私は承知します。承知しますが、しかし一方では老齢福祉年金なんかは昭和八十五年まで見通してやっている、共済組合でも昭和七十五年ぐらいまで見通して一定の数字を出しているわけですね。そういう意味で言うならば、恩給だって出せないことはないんじゃないだろうかと思うんですが、一体恩給予算という推移はどういうふうになっていくんだろうか。  それから、私は重ねてお聞きをしますが、この恩給関係の調査費の推移を見ても、たとえば昭和五十四年が七百七十万で一番多かったんですが、去年は五百九万、ことしはちょっとふえて五百十一万ぐらいのようでありますが、そういう意味ではこの調査費も何か減ってきているんではないんだろうか。言うならば、恩給全体の見通しについて、あなた方がやる仕事についてそれらの予算というものも減ってきているから余りきちっとした仕事ができないんじゃないんだろうかという気もするんですが、それらもあわせまして、一体恩給予算というのはどういうこれから推移をしていくんだろうか、その見方についてお聞きをしておきます。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いま先生御指摘のように、非常にむずかしい要素、物価であるとかあるいは公務員給与の改善であるとかあるいはその他の最低保障の改善であるとか、こういった点について、これからの経済見通しといいますか、こういうものも加えないと予算がはじけないわけでございますけれども、少なくとも現在までは、人数はいま申し上げましたように三万五千名ぐらいずつ減っておりますが、予算額自体は、恩給費自体はふえておるわけでございます。これはいま先生御指摘の、いわゆる恩給年額の調整といいますか、ベースアップであるとかあるいは公務扶助料の改善といったようなものが大きく影響していると思いますが、今後どうなるかという点について、仮にベースアップその他を一切ネグリジブルでこれは問題ないんだというようなことでもしない限りはちょっと推計はできないわけでございますけれども、たとえば五年後どうなるかというようなことですと、いまの水準そのままにしてやはりかなり減っていくのじゃないか。現在一兆六千四百四十億でございますから、これが一兆五千三百三十四億ぐらいになるのじゃないかというような推計は一応いたしておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いまあなたから平均三万五千人ぐらいという話でありましたが、もし私の調査で誤りがあれば指摘してもらっていいんですが、ここ五年ぐらい調べてみると、昭和五十一年が四万八千人、五十二年が四万六千人、五十三年が三万四千人、五十四年が四万五千人、五十五年が四万二千人、まあ、ならしたら私は四万超えるんじゃないかという気がするんです。あなたの数字と私の見方とは少し違う。そして、もちろん恩給は多少上がっていきますけれども、普通恩給受給者が減って扶助料にかわれば、最近、加算がつきますからまるまる半分ではありませんが、大体恩給と扶助料との関係でいえば六五%ぐらいになっているようでありますが、それで計算してもそんなに私は恩給予算というのはふえていかないんではないんだろうか、こう判断するんですが、しかし専門のあなたの方がさっぱり——大蔵省の数字はぼくらもありますけれども、恩給局自体として将来の見通しが余りないというのはどうかという気がするんですが、これ一遍はじいてみてもらえませんか、どんなふうになっていくのか。それによってぼくら、現在でどういうふうに処遇をして、どうしたらいいかということも判断しなきゃいかぬのですね。ただ、将来どんな額になればいいというだけ議論するつもりはないんです。そういう意味でその点はどうされますか。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いろいろ研究してみたいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 次に、これも後でも具体的な内容とも関連するんですが、特に公務扶助料の場合、九九%ぐらいが最低保障額しかもらえぬで、クラスに直すと佐官クラスまでと言われておるんですけれども、これは一体どういうことなんだろうか説明願いたいと思います。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 公務扶助料でございますが、これの大部分は軍人さんでございます。公務扶助料を受けている約九八%が軍人さんでございます。さらに、その中で下士官以下という方が約九一%でございます。そういった非常に、仮定俸給額あるいは勤務年限、これが低い人が大部分のわけでございまして、したがいまして、公務扶助料については先生御承知のように、普通の扶助料にさらに倍率を掛けまして、兵のところでは恐らく四・六倍ぐらいの倍率になっておるわけでございますが、それでもやはり公務扶助料の最低保障額の改善、これを非常に進めてまいったわけでございまして、その結果そういった九九%ぐらいの人が埋没するということになるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 これは後で最低保障は聞きますが、戦前、国家の命令で戦地へやられる、あるいは命を落とす、そういう人の大半といいますか、九九%まで最低保障額しかもらえないようないまの恩給というあり方は、一体どういうふうにぼくらこれ理解したらいいんだろうか。それは、いまあなたの言うように、仮定俸給が低い、これは仮定俸給は後でも聞きます。これは年限が短いと言うけれども、公務ですから当然年限に関係なくいくわけなんですが、いずれにいたしましても、公務扶助料がこんな低いというやり方は私はこれ根本から考えてみる必要があるんじゃないかという気がしているんですが、重ねて聞いておきます。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 公務扶助料に関しましては、先生御指摘までもなく、国のために一身をささげた方の御遺族あるいは御両親、こういった方が大部分でございますので、私どもといたしましても最重点として予算折衝に当たっておるわけでございます。したがいまして、今回も現行の九万四千五百円からさらに十万三千円になるように、これは九%のアップでございますが、そういった努力をいたしておるところでございまして、今後ともまたこれを努力は続けていきたい、このように思うわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 次に、厚生省来ていますか。——ちょっと厚生省に説明を先に願っておきたいと思うんですが、三月の二十四日、衆議院の内閣委員会でわが党の上原委員から、普通恩給の最低保障と生活保護法の関係についての質問がありまして、そのときに厚生省の方から生活保護基準についての説明がありました。私も会議録を持っておりますが、改めて現状について説明してくれませんか。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○説明員(加藤栄一君) それでは、生活保護の基準の現状について御説明申し上げます。  御案内のとおりと存じますが、生活保護につきましては、国が、生活に困窮するすべての国民に対しまして、その困窮の程度に応じて必要な保護を行うということになっておりまして、この目的に対応できますように扶助も各種の種類に分かれておりまして、七種類ございます。生活扶助を初めといたしまして、住宅、教育、医療、出産、生業、葬祭という扶助に分かれておりますが、一般に生活保護の基準を御説明いたしますときには、そのうち最も代表的なまた基本的なものといたしまして生活扶助基準について御説明しております。この生活扶助基準その他保護の基準につきましては、世帯員の人数、年齢あるいはその世帯が所在いたします地域等を考慮いたしましてそれぞれ基準の額が定められておりますが、一番代表的な標準のものといたしましては、一級地——東京都区部などの大都市でございますが、その標準四人世帯——三十五歳の男子、三十歳の女子、九歳の男子、四歳の女子、この四人家族で月額生活扶助で十三万四千九百七十六円ということになっております。また老齢の場合、たとえば五十六年度におきまして六十歳から六十四歳の女子の単身世帯でございますと、最も基本になります生活扶助基準額の一類、これは個人的な経費でございますが、これと二類、これは世帯単位の経費でございますが、その合計額で、大都市の一級地の場合が四万六千七百十七円、それから一番低い農村等の町村部の場合、三級地と言っておりますが、この場合に三万八千二百九十五円となっております。また老人の夫婦二人世帯で六十歳前半という場合を想定いたしますと、大都市の場合、一級地でございますが、これが基本になります一類、二類の合算額で月額七万八千百四十三円、三級地の場合で月額六万四千六十八円ということになります。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それから大蔵省来ていますか。——郵便年金を衆議院で議論されましたときに、これはことしの二月二十五日、衆議院の逓信委員会でありますが、そこで三十万にするか四十万にするかという大分議論があったようでありますが、そのときに、老後の生活資金というものを一体どう見るか、こういう質問がありまして大蔵省から答えられているわけなんですが、その内容について御説明願っておきたい。

松原幹夫大蔵省銀行局保険部保険第一課長

○説明員(松原幹夫君) お答え申し上げます。  衆議院の逓信委員会におきまして、保険一課長として老夫婦の生活資金について言及させていただきましたのは、ただいま御指摘のように、郵便年金の限度額としてどの程度の額が適当であろうかといったことについての大蔵省の立場を御説明申し上げた際に言及させていただいたわけでございます。  その際、郵便年金を自助努力によって公的年金を補完するものとして考えた場合、一般の人が老後の生活費として必要と考える額と公的年金との差額を埋めるには一体どのぐらいの額が必要であるかと、こういったようなことを試算する観点から、老後の生活必要費についての各種の調査機関の調査結果を参考にさせていただいたわけでございます。参考とさせていただいた資料は、五十四年七月の生命保険文化センターの調査、それから五十四年五月の郵政省の簡保局の個人年金に関する調査及び五十四年九月の三菱総合研究所の調査でございます。それぞれの調査によりますと、老夫婦二人の必要生活費はそれぞれ月十四万二千円、十四万八千円及び十三万七千円となっております。これらの調査はいずれも五十四年に行われた調査でございますので、これにわれわれの方で政府見通しによる消費者物価指数の上昇率、五十五年度七%、五十六年度五・五%を見込まさせていただきまして推計して十六万円程度と、こう申し上げた次第でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこで、総理府に聞きますが、いま厚生省や大蔵省の説明もあったわけですが、総理府としては一体どれぐらいあったら老夫婦が一月生計を維持できるか、そういう検討をしたことがあるのかどうか、あったらどれぐらいなのか、説明願いたい。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) そういう検討をいたしたことはございません。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そういう研究をしないで何であなた最低保障額だとかそういうものをやるんですか。  もう一つあなたに私は資料提供をしておきますが、これは総理府の統計局で出しております家計調査年報、これによりますと、六十五歳以上十七万一千五百四十三円です。これ統計局で出している数字。そうすると、もちろん厚生省でも努力しているんでしょうが、いまの生活保護基準はこれは全く低い。それよりもなおかつ低い恩給の最低保障ということになると一体どういうことになるのか。そして、いま大変世の中では個人年金とか華やかに宣伝されておりますが、いま大蔵省の説明がありましたように、民間の調査ではありますけれども、三つのいま調査に五十五年物価が七%、五十六年度が五・五%等で多少修正をすれば大体月十六万だと言う。総理府の家計調査によれば十七万円だと言う。私はいろんな制度上の問題ですから一気にそこまでということは言わぬまでも、あなた方が出しておりますこの数字を見るというと、今度直したにしても年額七十四万九千円ですから月六万二千四百円です。一体これであなた最低保障なんぞということが言えるのかどうか。世の中の考え方の半分以下ですよ、こんなものはあなた。そして、いま聞いたら恩給局では調査しておりませんと言う。何に基づいてあなた方はこういう数字を出すんですか。ただ去年のものに四・八%かけて、それも四月、六月、八月だとか十二月だとか小刻みに適当に政治加算をして出している数字にすぎないじゃないですか。きちっとした説明を願いたい。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 最低保障制度でございますが、これはずっといままでの経過がいろいろあったわけでございまして、最近ではいわゆる厚生年金あるいは共済年金、これ並びの形で考えてきたわけでございます。それで、最低保障が即生活保障かということになりますと、やはり恩給制度そのものが生活を必ず保障するんだというたてまえではできておらないわけでございまして、御承知のように、勤務年限であるとかあるいは退職当時の俸給であるとか、こういうものによって計算されるわけでございますから、非常に低い恩給があることは確かでございますし、そういった方々にやはり余りそういった仮定俸給とか年限とか、そういうことじゃなくて、やはり生活保障というよりか、社会保障的な考え方も加味して最低保障制度というのを設けておるわけでございます。したがいまして、ほかのこれは共済年金なんかでもそうだろうと思いますが、大体同じような考え方で最低保障はできておるんだろうと、このように考えておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 現行制度は私も承知していますよ。しかし、少なくとも恩給は国家補償ですよね。それから生活保護その他は一応は社会保障と、こう言いますわね。ところが、いま私ども調べてみると、社会保障という生活保護基準、まあ昔の言葉で言えば救民ですよね、救民。いい言葉じゃありませんが、そういうものより低い、国家補償というものが低い。それから現実に言えば、政府の出しておりますこういうあなた方の統計資料から見ればもう半分以下である。そして片や企業年金、まあ郵便年金ですから必ずしも企業年金という言い方は当たりませんが、そういうもので議論するときには、大蔵省が来て現状は十六万ぐらいかかりますよと、そういうものをつなぎ合わせてみたら一体、私は現行法は現行法であなた方の限界があることも承知で言っているわけですけれども、余りにも低過ぎるし問題があり過ぎるんじゃないか。  特に許されないのは、恩給自体で何も調査をしないでやっているということ、これは私はとても承服しがたい。努力しても努力しても、いまの予算状況でありますとか、いまのところでどうだと言うならまだいざ知らず、あなた自身のところで資料がない。特に私はこの恩給法全般をながめてみますと、少しきつい言い方になるかもしれませんけれども、恩給局というのは、いま恩給に関連する団体が私の承知する限り四つぐらいあると思う。その四つから出される要求書を適当にバランスをとって政治的に判断をしている。たとえば最低でも十二万の要求があったら十万三千円ぐらいにしてありますが、この辺で抑えておこうじゃないかと、こういうやり方で私は実は組まれているんじゃないだろうか。そういう意味で一生懸命やっているんでしょうけれども、ある意味で言えば、私は職務怠慢のそしりを免れないんじゃないか。もう少しやっぱり恩給局は、さっきもちょっと基本的なことをお聞きしましたが、苦しいだろうけれども、将来の恩給がどういう見通しになるのか、現状のいま生活がどうなのか、そこへ持っていくプログラムはどうするのか、そういうことがあなた方自身の判断としてなければ私はおかしいんじゃないかと思うんですよ。この点は総務長官どうですか。

中山太郎自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の点は、先生のお考えというものがやはり生活保障というふうな面での一つの示唆に富んだものであろうと考えております。いずれにいたしましても、これから迎える高齢化社会の中で、恩給受給者というものがいままでの概念でいわゆる生活保障と、どんな手段を講じても生活の糧がない者に社会保障的な意味で支給される生活保護費というものと、恩給は一定年限勤めた者にいわゆる支給する考え方というものが基本にあって、その上でのやはり発想がずっと継続してきたと、このように私は理解しておりますが、これから一応検討をさしていただきたい、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 検討するというんですから、そういう時間もなきゃならぬと思いますから私は認めていいと思うんですがね。少なくとも八月には来年度予算の編成もあるでしょう。それまでの間、恩給局自体でいろんなデータを集めるなり実態調査するなり、そしてあれだけある意味ではもう国家に命かけてやった者が生活保護以下しかもらえないとか、そういう恩給で最低保障でございますなんて言えたことには私はならぬと思う。そういう意味で重ねてこの点は強く指摘をしておきます。  それから、あわせまして仮定俸給についてもお伺いをしておきたいと思うんです。これも何回か私この委員会で聞いているわけでありますが、たとえば今度中心にとられております兵の二十一号八十六万五千円であります。月に直して七万二千八十三円。ところがどうやってみてもこれは兵ですから——私も昔軍隊へ行きました。満二十歳です。そうすると、公務員の一番低い行(二)の初任給よりは千円ばかり高い。しかし、一般に高校出た初任給に比較したらかなり低い。さらに自衛官の三士、一番下の人ね。これは公安職の(二)表を使っておるわけですが、八万八千二百円。そうすると、仮定号俸ではありますけれども、これがきわめて低いんです。低い、下の者は。ところが長官、大将クラスになるとどうなるか、五百三十万六千四百円、月四十四万二千二百円になると指定職三号に該当しますよ。上層部は在職の公務員の月給と大体似たような数字で計算される。兵隊のクラスになってくると現職の公務員の最低よりもっと低い。  こういう形のものがいまの仮定号俸のあり方ですよ。これは何遍も私は指摘しているんです。そして今度もまた一律に二号俸上げる、七十歳以上の人は。上厚下薄もいいところです、こういうやり方は、恩給額の算定に当たっては、多少上の方を縮めて下の方を厚くするというやり方をとっています。しかし、仮定号俸のとり方になってくるとそれが違ってくる。大体政府は何を考えているんだろうか。どうしてこんなに上層部だけ優遇されて下層はこんな状態に放置するんだろうか。これは毎度私ここでやっているわけです。ただ、今度の二号俸は、かつて文官に四号俸積んだという経緯があるから、それに見合うという意味で二号積んだんでしょう、恐らく。しかし、それにしてもこの仮定号俸のあり方は不合理です。いま私の指摘した数字に違いがあれば指摘してもらって結構でありますが、こういうことについてどういうふうに考えられますか。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いまの大将と兵の違いでございますが、これは確かに先生御指摘のとおりでございます。ただ、これは昔を言ってあれなんですけれども、昭和二十八年に軍人恩給が復活した当時はその倍率が十六・七倍ぐらいあったわけですが、これをどんどんいろんなベースアップのやり方で縮めてまいりまして、現在では約六倍程度になっておるわけでございます、今後ともこの軍人の仮定俸給についてはいろいろ検討してまいりたいとは思いますが。それと、先ほど先生御指摘のように、今後の二号俸アップ、これは文官との比較ということで二号俸アップいたしたわけでございまして、その点御了承いただきたいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 だから、二号俸アップについては文官との関係だということは私もわからぬわけでありません。ただ、もう一回申し上げておきますが、上下の格差六対一とか何対一ということはそれはあるでしょう。あるにしても、上層部は現職の公務員の指定職の三号ぐらいと相対比しているわけでしょう。下級——兵ですから下級ですね、そういう者だけは現職の公務員よりはるかに低いんですよ、あなた。少なくとも現職公務員の八の二か八の四ぐらいまで私は上げるというんならまだ話はわかる。それと対比しておくというんならまだわかりますよ。たとえば八の二なら七万九千六百円、八の四、これは大体二十歳ですが、八万四千六百円になる。いま申し上げたように七万二千八十三円ですから、ざっと一万二千円ばかり低いんです。こんなやり方を仮定号俸でございますといってやっていくことに私はどうしても承服できない。なぜ下の者をもっと見ないんでしょうかね。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) いま御指摘の仮定俸給でございますが、これは実際は仮定俸給としてはほとんど働いてないわけでございまして、と申しますのは、もうこの辺ずっと全部最低保障になっておるわけでございます。最低保障で逆算してみますと、大体長期の場合五等級の九号俸ぐらいに当たるような仮定俸給表になるわけでございます。まあそれは先生御指摘の話は原則論としておかしいじゃないかと、こうおっしゃる話だろうと思いますが、先ほど申しましたように、恩給の仮定俸給というのが文官、軍人、そういったものをずっと昔から改善でやってきたわけでございまして、これを一挙に兵の位の者を大将のところへ持っていくということもできませんし、それで取り入れた手法が最低保障でございまして、長期で申しまして、いま申し上げましたように、今度改善しますと五等級の九号俸ぐらいの仮定俸給に該当するようになると、こういうことでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いや、仮定号俸をあなた方原則としておとりになって、そのうちの兵の二十一号が基礎になって物事を組み立てているんでしょう。最低保障は最低保障でわかりますよ。それも、さっき申し上げたように、ほとんどが最低保障額で救われているだけの話であって、ですから、私はこの恩給法を見れば見るほどそうなってくるというとどうもわかりかねる、本当に。あなた方の本当の基準は一体何なのか、それでは。ですから、今度仮にこれ二号上げても最低保障で救済されちゃって、何も下の者は上げたかっこうになりませんね。表の上では上がってきますよ。こんなことが改正案でございますなんと言って出すこと自体に私は疑問を持ってきます、そうなると。  だから、やっぱりやるのならもう少し整合性のあるように、基本が仮定号俸なら仮定号俸がきちんと使われて、それに基づいて組み立てられて、そしていま申し上げたように、上だけは現職公務員とタイになって、それも指定職の三号ですよね。下の者だけは初号よりもっと低くて、そんな号俸でこれが仮定号俸でございます、上げましたでございますなんということには私はならぬと思う。この点は本当に私は真剣に検討してもらいたい。  そうしませんと、私どもが行って説明するのでも、今度号俸上がりました、仮定号俸上がりました、だけれどもこれは何の役にも立ちません、こんなばかなことは言えないですよ、私ども。ですから、この仮定号俸について繰り返し私は申し上げておきますが、きちんとしたものをつくり上げてもらいたい、こう思います。  それから、先ほど来も触れておりますが、最低保障も四月と六月で、六月から政治加算やったようでありますが、これはどういう考え方でこういう数字になったのか。四月からは四・八上げて、六月からはそれに一定額のものを上積みして上げているわけでしょう。ちょっと説明してください。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 最低保障額の計算でございますが、これは先ほど来ちょっと申し上げましたように、共済年金の計算をとっておるわけでございまして、それに若干恩給独自の仮定俸給を使うとかそういうやり方をやっておるんですが、いまの七十四万九千円でございますか、これを分析しますと、まず厚生年金の基礎になると思われる定額部分、これが二千五十円に七%掛けましてさらに二百四十カ月、これが定額部分になるわけでございます。これが五十二万六千四百四十円。さらに、これは恩給独自の報酬比例部分という計算方式でございますが、八十六万五千円に百五十分の五十、これは恩給がつく最低の率でございますが、それに〇・四五を掛けてこれが十二万九千七百五十円。さらに加給部分、これは妻加給十三万二千円になるわけでございますが、これの妻帯率七〇%、〇・七、これを掛けまして九万二千四百円、その合計が七十四万八千五百九十円。これは切り上げまして七十四万九千円、こういたしておるわけでございます。  それで、いまの四月の四・八%でございますが、この最低保障の実施時期につきましては、他の年金等との関係もありまして六月実施ということにいたしておるわけでございますが、他の恩給年金が四・八%というベースアップをやっておるわけでございまして、その間最低保障だけベースアップをしないというのも不均衡と考えられますので、四月に一応四・八%、他の恩給年金と同じようなアップをする。さらに、いまの計算に基づいた金額を六月から実施する、こういうことにいたしておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこで、だからいまもあなた計算の中に、私も算式持っていますが、兵の二十一号八十六万五千円を使うわけでしょう。ここでやっぱり仮定号俸が生きてくるわけでしょう。これがだから、在職の公務員の初任給より低いものを使ってやられるわけでしょう。ここに最低保障、最低保障とあなた方言うけれども、現実的にあなた方は恩給独自のものでございますと言って仮定号俸を使うじゃないですか。ただ、いろいろなものをくっつけて逆算すれば、言うならば五の幾らに該当しますよというだけの話であって、計算の基礎のやり方は違うんじゃないでしょうか。だから私は、仮定号俸というものがあって、それを使って計算するというのなら、それそのものをきちんとしなさいと、そういうことをさっきから申し上げているわけなんだけれども、いまのあなたの説明を聞いてもそうですよ。この八十六万五千円なんというのはきわめて低いわけでしょう。だから、どうしても私は納得しかねるんだね、そういう意味で言うならば。  それから、生活保障部分百分の四十五、これはどういう計算で百分の四十五というものが出ますか。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) 文官と軍人、これはそれぞれ十七年、十三年という年数で恩給がつくわけでございますが、こういったものを考慮しながら厚生年金の計算で大体最低のものを見ますと、定額部分と比例報酬部分、これが四五%ぐらいになる、こういうことからこの四五%を使っておるわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私も計算したものを持っているんだけれども、もう少し詳しく言ってください。

小熊鐵雄総理府恩給局長

○政府委員(小熊鐵雄君) この四五%でございますが、恩給の最低年限のときの算出率を厚生年金の場合と同様に定額部分と比例報酬部分とに分けた場合、そうしたとしたならば、報酬比例部分に相当すると考えられるのがこの四五%でございまして、これは文官の算出式の方式でいきますと五十分の二十五・五になるわけですが、軍人の場合、いまの十三年で計算しまして五十分の一九・五、この中間をとって五十分の四十五、こういう計算が出てきたわけでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 これは文官の場合は百分の十七に最終俸給の三分の一だから、それで割っていきますというと大体五一%ぐらいになるわけですね。軍人の場合は十三年で見て三九%、足して二で割って四五ということでしょう。足して二で割っているだけの話で、そして厚生年金の四五に合わせたというだけの話で、そう強いてこれは根拠のある数字でもない。私もここに持っている。  これはまあ、きょう時間ありませんからこの程度にとどめておきます、十二時までということですから。引き続いて、私はもっともっといろいろなことを聞いていきたいと思うので、きょうはちょうど時間になりましたから、この程度にとどめておきます。次回にもう少し詳細な数字でいろいろお聞きをしていきたい、こう思います。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、午後四時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後四時一分開会

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  国の防衛に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 防衛庁長官はもとよりでありますが、外務大臣その他も御出席をお願いしたのでありますが、来ておられないので、防衛庁長官に代表してまず伺いたいと思います。  この九日に、御承知のようにアメリカの原潜に日本の貨物船が衝突をされました。全く一方的な過失といいますか、で衝突をされたと思われる。しかも救助もしない。加えて連絡も実に三十数時間もおくれる。こういういまわしい事故が起きたのでありますが、これについて防衛庁長官はどんなふうに受けとめておられますか、気持ちも含めてまずお答えをいただきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 今回の事故が突如として発生いたしまして、日昇丸という日本の船舶が突如として沈没し、そしてその乗組員が、十三名は漂流中護衛艦によって救助されたものの、船長ほか一名の二名の方がいまだに行方不明であるということはまことに遺憾に存じておる次第でございます。今回の事件の真相を明らかにし、原因を究明し、再びそういった事故の発生を来すことないよう最善を尽くさなければならないと考えているわけでございます。  また、賠償等につきましても、原因の究明と相まって進めなければいけない、さように考えている次第でございます。現在、外務省を中心にその辺のことを進めているわけでございますが、防衛庁といたしましても、できるだけそういった方向につきまして協力して進めていきたい、かように考えている次第でございます。  三十数時間かかったではないかという御指摘がございます。そういった関係の事実の経緯につきましては、必要があれば政府委員から御説明させていただきたいと思いますので、一応概括して私から申し上げます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 二名のいまだに生死がわからない被害を出したということも含めてでありますが、問題は防衛庁とアメリカとの関係、日米両軍が緊密な協力関係にあるという状況を踏まえて、その相手国であるアメリカの軍がこのような、どの筋から見ても許しがたいような行動をとったことについて、米海軍なりアメリカの態度についてどう考えるか、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 今回の事件が突如として起こりましたが、わかりますのに大変時間がかかりまして、米国の潜水艦が遭難に関係しているということでございますので、そういった事情につきましては、御指摘のような、なるべく速やかに調査して明らかにする必要があると考えているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 私が聞いているのは、事故原因とか今後の補償とかをどうするか、速やかにするかどうかは次の問題としてありますが、その前提として、アメリカのとった一連の行動、事故責任も含めて——責任は明白でしょう。あなた方、一緒に共同訓練、作戦なりをやっている相手国がこういう態度をとったことについてどう思うか。事実じゃなくて、あなたの受けとめ方、気持ち、これを述べておいてほしいということです。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 防衛庁といたしましては、日米安全保障条約の効率的な運営を図る上からも、平時におきましても米当局と緊密な連絡を図っているところでございますが、今回の事故について申し上げますると、原因がアメリカの潜水艦、しかも原子力潜水艦であるということがわかったわけでございますが、なぜこういった事故が起こったかということになりますと、いまのところまだ事情が明確にわからないわけであります。そういった点は、ひとつ先方の調査の結果を待って対処していかなきゃならない、さように考えているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 事実関係を聞いているんじゃないんだよ。アメリカの原子力潜水艦がぶつけたことは明白でしょう。救助もしなかったことも、でき得たにもかかわらずしなかったことも幾つかの委員会の審議で明らかになっている。三十何時間もかかって初めて通告をしてくる、こういう一連の態度についてけしからぬと思いませんか。国民の気持ちは、みんな怒っているわけです。長官として、あるいは国務大臣として、大変けしからぬことだとは思いませんか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 大変遺憾なことだと考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで、確認的に伺いますが、この事故の加害者となった原潜は「ジョージ・ワシントン」、戦略型ポラリス原潜であることはもういいわけですね、そのとおりですね。  二番目には、当然のことながら戦略核を搭載していたというふうに考えられるわけでありますが、その点も含めて確認的に伺っておきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) この事故の原因を与えた潜水艦がいま先生の御指摘のようにアメリカの原子力潜水艦で、その名前がジョージ・ワシントン号であることはそのとおりでございます。また、そのジョージ・ワシントン号はいわゆるポラリス型潜水艦に属しておりまして、いまポラリス型潜水艦はアメリカにおいては改造中であるということでございます。その点の詳しい事情はまだわかっておりませんが、いまお尋ねの、弾道ミサイルを搭載する潜水艦であるということは先生御指摘のとおりだと、さように考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 当然のことながら、戦略核を積んでおったということは言い得るわけですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) タイプとしてSSBNであることははっきりしておりますが、当日に積んでおったかどうかについて私どもが承知しておるわけではございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 通常その品物を積んでいる潜水艦であることは認められるわけでありますが、そのときに果たして積んでおったかどうかについてはわからないと。アメリカに確かめてみる気持ちはありませんか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) アメリカ側の政策として、核の存在は肯定も否定もしないということでございます。かつ原子力潜水艦については、まさにその行動の秘匿性ゆえに核抑止力として成立しているということでございますので、政府として、このジョージ・ワシントン号に現実に核が積んであったかどうかということを問い合わせる立場にはございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 アメリカの答えを想定して日本の態度を決める必要はないと。日本の近海、場合によっては領海内に入ってきた可能性も含んでいるポラリス型原潜の存在が明白になったわけであります。当然のことながら、核搭載の有無等について確かめるのは、とりわけ痛ましい事故、加えてアメリカ側のとった態度がきわめて遺憾な状況であったということが次々と出てきているわけであります。日本の気持ち、国民を代表して、アメリカがどう答えるかの前に、日本としてはそれを詰めてしかるべきではないか、核搭載の有無等について問い合わせてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 目下、外務大臣も再三にわたってマンスフィールド大使、あるいはきょう間もなくロング太平洋軍総司令官とも会われますが、その中で、今回の事件はまことに遺憾であったと、日本政府として、まず原因の究明、それからなぜ通報がおくれたのか、救助活動を十分したのか等について、現在アメリカ側にそういう原因の究明を速やかに行うということを要請している立場でございまして、この事件の解明のためにそういう原因がわかるというのが第一でございまして、いませっかくのお尋ねでございますが、核搭載の有無について尋ねるつもりはございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この問題を矮小化してはいけないと思うんです。事故の原因、救助のおくれ、今後の補償問題等が重要な一つであることはわかりますが、同時にやっぱり日本国民の関心のもう一つ大きな部分は、この種原潜が日本の近海で——後でまたいろいろ各論的にはお尋ねをしますが、存在しておった、あるいは行動しているという事実についてきわめて不安な気持ちを持っているわけです。そういう気持ちを代表して、改めてアメリカに問い直す、ただすのはあたりまえじゃありませんか。鈴木総理だってきのう、御承知のように、非核三原則の立場から、領海内にもし入っているかもしらぬという疑問があるとすれば、それを明確にする意味でも、非核三原則の立場から問題を出すと言っているんですよ。当然のことながら、核搭載の有無等について、この事案に即してアメリカにただすというのはあたりまえの話じゃありませんか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) もちろん、日本政府としては非核三原則を堅持しておりますので、非核三原則についてアメリカの理解をさらに深めるということは重要でございます。そういう意味で総理もきのう答弁されたというふうに聞いておりますので、私たちとしてももちろん非核三原則についてアメリカ側にすでに十分な理解を得ていると思いますが、さらに機会を見つけ次第またこれについてアメリカ側に理解を深めるということは、そういう姿勢であることは事実でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 どうも政府の対応が、外務省も含めて、いま一つはっきりしないんですよ。アメリカ側にきちっと抗議をする、核の問題を含めてですね、真相究明をするという態度がないところに、この問題のいら立ちと問題があるというふうに私たちは考えているわけです。  そこで、行ったり来たり質問はしますが、アメリカの原潜がこの地区、この海域で行動しておった目的は何だというふうに防衛庁は受けとめていますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 原潜の行動及びその目的については私ども承知いたしておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 通常、この種原潜と対潜哨戒機であるP3Cが随伴して行動をしているというような事態はしばしばあるんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまも申し上げましたように、具体的にそういう行動について承知しておりませんので、具体的にはお答えできませんが、一般的に、いわゆるこの原潜——原潜といいましても核搭載の原潜でございますが、核搭載の原潜とP3C等が随伴して行動することがあるかというお尋ねであるとすれば、私どもの知識から言えばそういうことはまあ、ないとはもちろん言えませんが、少ないんじゃないかというふうな感じを持っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ソビエトの原潜を哨戒するのが目的のP3Cですから、アメリカの原潜とともに行動していることはないというのが常識ですね。ところが、このとき、ともに行動しておったということになっているわけですが、ともに行動するということになりますと、たとえば「ジョージ・ワシントン」をソビエトの原潜に見立てて、その哨戒訓練を行うとか、何らかの演習をしていたのではないかという指摘もあります。常識的にもうなずける指摘なのでありますが、その辺は見方としてどんなふうに考えられますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 当時上空にP3Cがおったということがわかっておりますので、この潜水艦とP3Cとの間に何らかの連係があったのではないかという想像は私どももつきますが、それが本当に連係があった行動であるかどうかを私どもいま確認できておるわけではございません。したがいまして、何らかの演習があったのではないかということも、想像としてはできますけれども、私どもが確認的に申し上げる立場にはございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 米軍のP3Cは日本に、どことどこに、どのぐらい配備をされておりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 配置されておる場所は三沢と沖繩というふうに承知しております。機数は、各一個飛行隊、九機ずつというふうに了解しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 運輸省にお尋ねいたしますが、アメリカの軍用機が飛行をする場合に、当然のことながら運輸省にフライト・プランを出します。問題の事故のあった日、甑島列島沖に飛行した米軍の飛行機についてフライト・プランが提出をされているでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) お答え申し上げます。  当該航空機のフライト・プランにつきましては、運輸省に対してそれらしき、それと思われるものが提出をされております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それと思われるものと、もう少し内容を具体的に聞かしてください。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 私どもが受け取っておりますフライト・プランの中に、当該方面に向かう内容のフライト・プランがあるということでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 フライト・プランというのはどういう内容のものですか。項目的にでも結構ですから、まず一般的にどういう内容のものを提出するのか、お答えいただきたいと思います。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 航空機の型式、無線呼び出し符号、それから出発地及び出発時刻、航行する高度並びに航路、到着と申しますか最初に着陸をする目的地、その時刻等でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうしますと、九日の日に米軍の三沢基地から発進をしたP3Cという対潜哨戒機のフライト・プランが提出をされているというふうに承ってよろしゅうございますか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 先生のおっしゃるとおり、三沢から当該方面へ向けてのフライト・プランが提出をされております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それは一機でしょうか、それとも複数でしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 該当すると思われるものにつきましては一機でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 該当するという前提が問題なんですが、この東シナ海というか甑島ですか、あの沖というか、に向かって、あるいはその周辺を含めて三沢から出たものはこの一機だけでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) お答えいたします。  三沢を出ましてそちらの方向に向かったものは一機でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 嘉手納基地からこの方面に飛行した対潜哨戒機はどうですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 該当空域に向かったと思われるものについてはございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その該当空域とか、らしきものとかということになるから少しあいまいなのですが、ではP3C以外でもいいですが、この東シナ海付近に飛来した米軍、場合によっては自衛隊も含めた航空機はほかにありますか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) いまのところ明確にはわかっておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 こう伺いましょう。この九日の日にフライト・プランが出された機数は何機ぐらいですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 四月九日に運輸省の方に提出されましたフライト・プランは全体では千五、六百通ございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この鹿児島から甑島列島あるいは東シナ海方面では概数何機ぐらいでございますか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 東シナ海というのはわかりませんが、鹿児島上空を通過したものということで限定をいたしますと、百五十機ぐらいでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そのうち、民間と軍用に分けますと何機ぐらいずつになるでしょうか。軍用のうち、米日で分けますとどのぐらいになるか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) その内訳につきましては、十分に調査をまだいたしておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 まとめてからこれは運輸省に注文つけなければならぬと思いますが、先ほど指摘をされたP3Cが三沢から立って三沢に戻ったということのようですが、それは三沢基地を何時に立って何時ごろ戻ったでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 当核P3C機の具体的な内容につきましては、運輸省の一存では明らかにすることができませんので、御理解いただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 飛行予定経路等はどうなっているでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 飛行予定経路等は、そのフライト・プラン、飛行計画の具体的な内容でございますので、これも明らかにすることを差し控えたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 フライト・プランをどうして明らかにできないんですか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 日米間の関係に関連する事項でございますので、運輸省の一存では明らかにすることを差し控えたいと思いますので、よろしく御理解いただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 運輸省は出してもいいけれども運輸省の一存では出せないということになると、どこの一存が必要なんでしょうか。

武田昭運輸省航空局管制保安部長

○説明員(武田昭君) 日米関係に関連する問題でございますので、外務省の御意向も踏まえなければならないことかと存じます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 では、同様の問題について外務省に伺っておきたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 米軍機のこのフライトの詳細について提出できないという根拠は何かということでございます。これは、地位協定の六条に基づきまして、米軍機を含めて非軍用、軍用機等の航空の安全のために整合性を図るということになっておりますが、そのためにフライト・プランの通報がございますが、それはまさにそういう航空交通の協調、整合のために出しているわけでございまして、それ以外の目的のためにこのフライト・プランは出せないということでございまして、それは同時に、アメリカの軍隊の個々の航空機の行動についてはアメリカの軍隊の機密と、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 地位協定六条というのは、そういうものを公にしちゃいかぬということではないんでしょう。公にする目的で出されたものではないからという趣旨なんでしょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 六条は御承知のとおり、いかにしてその軍用あるいは非軍用の航空交通の管理及び通信も入っておりますが、それを協調して整合性を持ってやっていくかということでございまして、その取り決めについては日米当局間の取り決めによるということが一項で書いてあるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 したがって、その内容を明らかにしちゃいかぬという規定にはなってないでしょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) その前提として、軍隊は国際法の通念上、その主権的な属性というものから、軍隊の行動について、これは明らかにできないというのが国際法上の通念でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 だから、地位協定六条が根拠なのではなくて、国際法上軍隊の行動については明らかにしないというそういう通念というか、から明らかにできないというのが根拠なんでしょう。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 前提は、いま申し上げました国際法上の通念でございます。ただし、先ほど申し上げましたように、そうは言っても、やはり空の安全を図るために軍用機と非軍用機との整合性を図るという意味で六条の規定が設けられているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで私は申し上げたいのですが、一般的にそういう国際法上の通念が妥当かどうかということはもう一つ置いておきまして、現にこの事故現場にP3Cが飛来しておった。経過的に見ますと、アメリカの原潜が一たん海上に出て、ちょっと様子見たが視界不良で見つからなかった。そこで、P3Cの方に連絡をして、頼んで沈んでいったと、こういうふうになっているわけですね。このP3Cも低空飛行して見たけれども見つからなかったという説明にもなっているわけです。  これだけ重大な事故について、そのP3Cのとった態度が適切だったのかどうか、救助のための行動を起こしたのかどうか、どうしても見つからなかった場合に、もっと早く連絡する方法があってしかるべきだったのではないかと、幾つかの疑問があるわけです。とするならば、一般的な原則や基準は、それはそれとして、このフライト・プランなどを明らかにして、P3Cの行動を明確にして、国民に事の問題と内容を明らかにすべきではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) アメリカ海軍のステートメントの中にも、まさに当該潜水艦及び行動をともにした航空機が捜索に従事したけれども捜索ができなかったというのがございます。  そこで、私たちとしては、なぜ十分な救助活動ができなかったのかということをまさに問題にしておりまして、いまアメリカ側に対して、そういう点も含めて十分究明してわが方に通報してくれということを現在依頼しているのが現状でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 アメリカにどういう態度をとっているかじゃなくて、日本自身がフライト・プランを持っているわけです。防衛庁だって知っているわけです。運輸省もちゃんとその資料を押さえているのに、アメリカに気がねしてフライト・プランは出せぬと言う。一般的にアメリカ軍の航空機の全フライト・プランを出せと言っているんじゃないんです。こういう事故や問題に即して大変重要な課題だから、この辺はケース・バイ・ケースで考えてもいいじゃないか、どうしてそんなにアメリカに遠慮する必要があるんですか。遺憾の意を表明しているんだから、仮にアメリカとの従来との関係があるとするならば、米軍にその飛行計画ぐらいは出すよと、あるいは米軍自身もその辺を明確にすべきだという態度をとってもおかしくないじゃありませんか。むしろそれが当然じゃありませんか。その辺いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 一般的にフライト・プランが出せないというのは先ほど御説明した点でございます。しかし、いま矢田部委員御指摘の点については、先ほど運輸省の方からもフライト・プランの中にP3Cが含まれていたということもございまして、外務省としても、海軍のスポークスマンがステートメントの中で航空機とはP3Cであるということを言っておりましたので、アメリカの軍当局に確かめましたところ、このP3Cは三沢基地所属であるということは確認しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そんな経過を聞いているんじゃない。その内容、予定経路、どこを通って、どういうふうに行き、どういう行動をしたかということを出しなさい、出すことについてアメリカの了解が必要だと言うなら得なさい、場合によってはアメリカにその内容をただしなさい、こう言っているんです。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) せっかくの御要望でございますけれども、当該機のフライト・プランそのものを出すということは、先ほどの御説明のとおり、アメリカ側との合意その他もございますので、私としてはここで差し控えさしていただきますけれども、外務省としても同じような問題意識を持って、アメリカ側に対して、この飛行機を含めて救助活動のおくれ、その他について原因の究明を促進を図っているのが現状でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いまの外務省の態度には全く納得しません。  そこで、委員長にお願いをしたいと思うのでありますが、一つは、このP3Cのフライト・プランの提出を当委員会として運輸省に求めてほしいと思います。  それから第二点は、この九日を中心にして、前日または翌日、九州から東シナ海方面を飛んだ飛行機の数、それから民間、軍用の別、軍用の中では米軍機と日本機の仕分け、その機種等々について、フライト・プランを全部運輸省は押さえているわけでありますから、整理をして、緊急に資料として出していただきたい。  以上、二点をお願いしておきたいと思います。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 理事会で諮ってから対処いたします。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで、次の質問に移りますが、事故に遭った日昇丸の乗組員を救助したのは護衛艦であるわけですが、護衛艦は何のためにこの海域を航行しておったんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 護衛艦「あきぐも」「あおくも」二隻が、前日、奄美大島の古仁屋という港で一般公開をしておりまして、九日朝九時に同古仁屋港を出港しまして、途中戦術通信訓練、夜間当直見張り訓練、戦術運動訓練、そういうことをやりながら佐世保に向かって帰投中であったと、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 もともと沖繩でこの軍艦を見せるということが目的で行ったわけですか。しかし、その行き帰りには訓練といいますか、演習みたいなことをやりながら往復をすると、こういうことだったんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 沖繩でございませんで奄美大島でございますが、目的は両方でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 佐世保に戻る途中、偶然に遭難者を発見したということのようなのですが、発見以前に米軍から全く連絡がなかったんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 全然ございませんでした。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この九日、あるいはその前あたりに、自衛隊の艦船なり航空機がこの辺を飛んだり動いたりしておったことはありますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 九日にはないことを調べておりますが、前後についてはいま調べておりません。九日には、この二隻以外にはございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 あなた方の護衛艦も、訓練、演習みたいなことをやっておった。米軍の関係も原潜とP3Cが対で、確認はとれないにしても、どうも演習らしいものをやっておった。その間に何らかの連係があったのではないかという指摘もあるんですが、その点いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 全然ございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 日本近海における米軍の演習等については、何らかの形で防衛庁なり自衛隊等に連絡はないんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 米軍艦艇の演習のみならず、行動につきまして日本側に連絡がありますのは、まず第一に日米が共同で訓練をする場合には、これはもう当然でございます。それ以外、たとえば第七艦隊にしましても一つ一つの艦艇がいまどこにおるとか、今後どういうことをするとかというような意味の連絡はございません。  ただ、アメリカの航空母艦が現在インド洋に行っているとか、あるいはこちらに戻ってくるとか、そういう大きな艦艇の連絡はございますけれども、それ以外に個々にどこでどういう演習をするとか、そういうことついての連絡はあるわけではございません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 甑島列島の中で下甑に航空自衛隊のレーダーサイトがありますね。ここで米軍の飛行機等を当日とらえることはできませんでしたか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 当日、とらえております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 何時ごろ、どんな機種の飛行機をとらえていますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 九日の十時半ごろが遭難の時刻であると言われておりますが、当時、甑島のレーダーサイトにキャッチした飛行機がございますので、当時は、いわゆるフレンドリーといいまして、アンノーン機でないものですから特段の追及をしておりませんで、こういう事件が起こりまして、救助された乗組員の方が上空に飛行機が飛んでおったというようなことを救助されたときに言っておられましたので、海上自衛隊の方から航空自衛隊の方に照会いたしまして、照会しました結果、テープの巻き戻しをやってみたら同時刻に一機飛んでいることがキャッチされておったと、こういうことでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それは一度だけですか。それから、機種はP3Cだけですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) この一機だけでございます。  機種は、後でP3Cということがわかっております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それを一度だけとらえたわけですか。それとも何度かとらえているということですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 一度だけというのはどういう意味かよくわかりませんが、航跡としてとらえております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 護衛艦が目的を終えて帰路、たまたま遭難者、遭難ボートを発見して救助をしたということについても、言うならば幾つかの疑問があるわけです。救助したことは御苦労だったし、結構だったと思うわけですが、事前に何らかの形で米軍との連係があったのではないかという見方もあります。事実、乗組員の人たちの話によりますと、救助されて護衛艦内に行ったらふろやおかゆまでもう用意されておった。大変手回しがよかったと、とてもその事実から類推をすれば、事前に何らかの連絡があってそこに救助に出向いたのではないかというふうな推定、推測も成り立つように思われるんですが、その辺はどうなんでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 当日、四時半ごろに信号弾が上がっているのを見つけたわけですが、その直前の四時。ころまで、夜間の当直見張り訓練をやっておりました。そして、それが終わって、終わった直後といいますか三十分ばかりたってからですが、信号灯を発見して、それから約四海里、現地まで行きまして、五時過ぎから救助を始めまして、一切の救助が終わったのが五時五十七分というふうに承知しております。その間、救助しました十三人の方につきまして、ふろに入ってもらったりしたわけでございますが、おかゆを出したことも事実でございます。これは、いま申し上げたような時間帯からいきまして、乗組員の朝食の準備をしておる時期でございまして、別段このことをもって事前にそういう承知して準備しておったんだろうというふうに御推察願うのは当たらないのでございまして、当然このぐらいのことはできる状態にあったわけでございます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ちょっと補足さしていただきたいんですが、遭難したのが九日の午前十時半ですね。そしてゴムボートで、しかも穴があいて浸水して、救助されたのが午前四時半から五時にかけて、まあ一昼夜近く、まだ春先の海面でやったんで、非常に乗組員の方が疲労こんぱいされていたというので、艦長以下いろいろ気を配って保護をしたという実情でございますので、その点はひとつ素直にお考えいただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いや、別におかゆ出したりふろに入れたりというのは大変結構な話だと思うんですが、その救助されたときにはすでにそういう準備ができておったと、少し手回しがよすぎたのではないかと、海図に対する印のつけ方がどうかというようなことで、言うならば事前に連絡があって万々準備をされておったのではないかという指摘をする向きがあるんであえてお尋ねをしているわけなんです。  それから、海上保安庁に来ていただいておりますが、この日昇丸が沈没するとき、あるいは衝突をされてから沈没をするまでの間にSOSは発信したんでしょうか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 沈没いたしました日昇丸の通信長の話によりますと、退船直前に船長の命令によりまして予備電源により予備送信機を使いまして遭難信号を出したというふうに申しておりますけれども、空中線が正しく接続されていた状態とは言いがたい状態であったということ等も申しておりますので、電波が正常に発射されたかどうかわからないと、こういう状態でございます。正常に電波が発射されておりましたならば、当時受信可能範囲内にあります海上保安庁の通信所あるいは行動中の巡視船の通信室において受信されていると思われますが、いずれも受信はされておりません。また電電公社所属の下関、長崎、鹿児島の各海岸局においても、さらにまた一般船舶からの受信をされているという通報も受け取っておりませんので、残念ながら正常に発射されたとは思われません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうすると、船が破損をして浸水をするへ本来の電源が切れてしまったので予備電源に切りかえた、その予備電源でSOSを発信したという供述があるんですね。それはどなたが発信したんでしょうか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 通信長は予備電源により予備送信機を使って遭難信号を出したと、こういう話をしておりますが、その一方では、空中線が正しく接続されていた状態ではないかもしれないということで、電波が正常に発射されなかったのではないかという懸念も申しております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 発信はしたが事実はそのとおりいったかどうか確認ができない、それから受け手の側ではそういうものを受けていないと、こういうことになるわけですか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) そのとおりでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 SOSを発信して、こちらの怠慢で受信できなかったとかいうことはあり得るんですか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 当時の状態としてはあり得ないと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これは何らか受信の方で相手が発信をすれば記録として残るものですか。それとも発信を音とか光とかで人間が確認するものなんでしょうか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 遭難通信を出す場合には五百キロヘルツの電波で遭難通信を出すわけでございますが、これにつきましては、私どもの通信所では二十四時間常時聴取態勢をとっておりますから、発射されておりましたならば直ちにわかるような状態になっております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 つまり、監視をしている人あるいは担当者がそれを見たり聞いたり受け手になるわけですか、機械じゃなくて。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 機械で受信いたしまして、そこに人も常時監視しております。なお、自動的にそれは受信できるようになっております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これは防衛庁に伺った方がいいと思いますが、原子力潜水艦に限らず一般に潜水艦が浮上する際にはどんな注意をするものですか。その注意をより確実にするためにどんな機器が備えつけられておりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 浮上ということに限って言いますと、やはりソナーと潜望鏡ということになろうかと思います。当然のことながら、浮上に当たっては初めのうちは、まだ深いうちは当然ソナーを使って周りの音を調べているはずでございますし、いよいよ顔を出すというときになれば、潜望鏡を使って見るというようなことが当然考えられるわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そういう最も初歩的な作業なり注意をしていればこんな事故は起こらないというふうにわれわれ考えるんですが、どうでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 実態はよくわかりませんけれども、感想としては私も同じ感想であります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 にもかかわらず事故が起こったというのは、故意か故意に近い重大な過失があったというふうに考えられるわけです。加えて救助も、この辺は議論されておりますから余り詳しくは触れませんが、救助もアメリカ筋は若干の説明はしておりますが、常識的に見ればまともにやったとは思えない。しかもその後連絡もしない。この一連の行動について一つ一つどういうふうに考えられますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま御指摘のどうしてこういう事故になったのだろうかということ、それから救助活動というのは実際はどういうふうに行ったんであろうか、あるいは連絡はどうしてこんなに遅くなったんであろうか、いずれも私ども自身も最も関心を持っておるところでございまして、アメリカ側のそういった点についての詳細な調査結果が来ることを待っておるわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 どうしてそうなったかじゃなくて、もう事実は明白なんです。アメリカに調査を求めるということも一つ大事です。これは厳しくやってもらわなきゃならぬと思うんですが、同時に日本側でも調査することはありませんか。一般に事故とは加害者と被害者がいるわけです。加害者側だけ調べるんではなく、加害者側に調査を依頼するだけではなく、被害者側をきちっと日本は調べなきゃならぬでしょう。とりわけ、かかわったP3Cの行動なり日米の軍の関係なりからすれば、アメリカに調査を求め、そのアメリカの調査待ちということではなく、日本政府みずから事態を解明し、真相を明らかにする責任がありませんか、分野があるんじゃありませんか。その辺どう考えておられますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 御指摘の点は海上保安庁がすでにやっておられるように聞いております。防衛庁といたしましては、防衛庁の承知しておることにつきまして海上保安庁の調査に協力をするという立場にございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そうだとすれば、たとえばP3Cのあの地域に出動した目的、内容、行動等についても当然聞きただすことになりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまの御指摘の点は私どもにはわかりません。米軍の行動、目的等は私どもにはわかりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 わからないのはいいけれども、在日米軍がいるわけでしょう。その在日米軍と日本の自衛隊は安保条約に基づいていろんな諸関係を持っているわけでしょう。その在日米軍はこの事故の現場にかかわっているわけだから、当然日本政府として、防衛庁が適当かどうかはわかりませんけれども、一体あれはどうだったんだと、P3Cが低空飛行をしたけれども見えなかったと言っているけれども、本当なのかと、仮に見えないとしたらどうしてすぐに連絡してくれなかったんだというぐらいのことは在日米軍に問いただしておかしくないんじゃありませんか。いかがでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) ですから、まさにそういつた点を外務省からいま米側に対して要請をしておるというふうに聞いておるわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 アメリカの何とかという大佐が日本に調査に来たというが、アメリカが調査すべきは当該原潜そのものなんですよ。その艦長なり乗組員なりを調べるべきなんです。日本国内で調べられること、聞きただせることは日本の政府として当然やってしかるべきじゃありませんか。アメリカにお願いをする、調査を頼むということだけでは済まされない問題を含んでいるというふうに思うんですが、防衛庁長官、いかがですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) いろいろ調べなきゃいかぬ点がありますので、外務省を中心に米側に聞くべき点は聞くということでいま進めているところと考えております。  一般に、海難事故につきましては海上保安庁が所管でございます。防衛庁としましては、たまたま救助の仕事はして、後海上保安庁に乗組員は身柄をお渡ししているわけでございます。また、海上保安庁の方から要請があれば、また防衛庁として尽くす点は尽くしていきたいと、さように考えているわけでございます。  それから、P3Cの問題でございますが、これも防衛庁としては、乗組員のお話で事故の現場の上に飛行機が飛んでいたということを聞きまして、問い合わせたわけでございます。その飛行機の行動目的等につきましては、まだ潜水艦との関連等いろいろ問い合わせておるわけでございますので、防衛庁としてすぐその問題だけをとらえてやることにつきましてはいかがかと。やっぱり全般の中において処理されてしかるべきことではないかと、さように考えているわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 もう一、二問で終わりますが、どうもおかしいですね。被害者側は乗組員を中心にして海上保安庁が調査をするのは、これは当然のことですよ。それだけでなくて、加害者側について言えば、主として原潜の関係者をアメリカ側で調べてもらう。その中間地点に、日本の基地から飛び立ったP3Cが当該事故現場にいる。救護の活動も一部したかのような、これは内容的には全く信用できませんけれども、説明をアメリカ側がしておる。現にフライト・プランも日本政府に出されているということであるならば、その遭難時の状況あるいは連絡の関係等々について在日米軍に聞いておかしくないんじゃありませんか。そんなことも日本政府は聞けないんですか。加害者側にだけ事故調査を任せるなんという事故調査ないですよ。被害者、加害者双方から事情を聞いて、より公正に、より内容に突っ込んだ真相解明を、真相究明をやるというのが当然の話じゃありませんか。何とも防衛庁なり日本政府は弱腰なんじゃありませんか。もともとこれだけひどいことをされておりながらアメリカに抗議すらしない。ただ調査の申し入れ、こういうことでは困るんであります。  私は、抗議を厳重に申し入れることと、アメリカに調査を緊急にやってほしいということをあれして、中間報告の問題もあるわけでありますから、結論を出すように、あわせて日本政府自身も本件事故の真相解明について、あるいは問題点について、みずからできることは積極的に打って出て問題の解明に当たるということがきわめて大事だと思いますが、もう一度防衛庁長官の見解を承っておきたいのと、それから外務省についても申し上げたいが、中間報告を求めるということになっておりますが、いまだにこの時期的なめどが立っていない。しかも、外務省は単に事故原因とか、あるいは救難、連絡がおくれた理由とか、あるいは補償問題とかいうことが事故原因を非常に矮小化して、どんな状況でぶつかったのかという程度にとどめて、何のためにこの辺に原潜がいたのか、具体的には何をやっておったのかという根本的な問題に触れた真相究明をしようとしていない。その点についても関連してお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 私の方から先に。  ただいま在日米軍についても日本側が話を聞いてはどうかという御指摘がございました。日本政府が在日米軍に直接話を聞くかどうかは別にいたしまして、私たちとしてはすべにアメリカ側に対して緊急にいろいろな点で調査をしてほしいと言う際に、現在までの国会での御議論あるいは新聞等の報道をアメリカ側に伝えまして、こういう点も十分踏まえて調査をしてほしいということを申しております。  さらに、昨日も総理大臣が決算委員会で答弁されておりますが、日米双方が調査結果を突き合わせる、こういうことも考えている次第でございます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) いま外務省の政府委員がお述べになられましたとおりで、この問題も含めて調査を申し入れておることでございますので、防衛庁としましては、政府の一員として、その結果を待って対処したいと、さように考えておるわけであります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いま私が質問したのは、中間報告を求めるというようなお話もありますが、時期的には最終報告はいつごろ、あるいはそれが非常に見通し立たない、おくれるために中間報告を求めるということでありますから、いつごろを目途に中間報告を求めようとしているのかという時期的な問題も含めて、一点追加してください。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 最初に伊東大臣の方からマンスフィールド大使に申し入れた際にも、できるだけ早くということでございます。マンスフィールド大使もそれに呼応しまして、できるだけ早く事故の原因を究明して日本に知らせると、こういうことでございまして、その後引き続き東京においても在京米大使館、あるいはワシントンにおいても大河原大使がワインバーガー国防長官に会って、早急な真相究明ということを申しておりますし、現在この時刻、あるいは間もなくでございますけれども、外務大臣の方からロング太平洋軍総司令官にも同じような趣旨を申し入れます。  ただし、時期のめどはいつかということをいま御質問されましたけれども、この場でいつまでということをまだ申し上げる立場にございません。アメリカ側も、この間ワインバーガーは大河原大使に、できるだけ速やかに調査結果を出して日本側に通報すると、こういうことを言っております。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 最初に、いまもいろいろと質問がございましたが、今回の米原潜の衝突事件につきまして、まずこの事故の原因、ここからお伺いしたいと思います。  今回の原因を把握することは非常にむずかしいということはわからぬでもないわけでありますけれども、少なくとも幾つかの推論を立てることは可能じゃないかと、こういうことでお伺いしますが、まず最初に、米原潜ジョージ・ワシントンが操縦系統の故障によって、一時的にせよ操縦不能となって衝突の回避ができなかったと、こういうようなケースはどうだろうか。  あるいはまた、同じくセンサー、つまりレーダーないしソナーの故障によって海上の日昇丸の存在が確認できずに浮上して衝突をしてしまったと、この裏づけと思われるものとしてP3Cが飛んで来たわけであります。これは故障艦をソ連艦から警戒するために飛来したか、あるいは故障の艦を浮上させて連絡をとるために上空にあらわれたか、こういうことが考えられるわけですが、この点は防衛庁、どうお考えですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまの先生のまあ推定といいますか、では、いずれも何らかの故障ではなかったんだろうかというふうな前提に立っての推測のようでございますが、もちろんそういう推測も成り立つのかもしれませんが、私どもいまの時点では全くわかりませんし、これを勝手にいろいろ想像して、想像でここでお答えするのも本当にいかがかと思いますので、その辺についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それではもう一つ、これは操縦の誤りはなかったのかですね。訓練中に誤った操作をして衝突を回避ができなかったのか、あるいはセンサーによる海上船舶の確認ができなかったのか、こういうケースも考えられるわけです。それから、通常の作戦運用中に乗組員の不手際によって誤って浮上さしたと。こういうことが考えられるのは、このミサイル原潜というのは深いところにおるわけで、浅いところではぱっと上がってくるということがおかしなことでありますから、こういうケースも考えられぬこともないんだけれども、これはいかがでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 結局先ほどと同じでございまして、故障であるのか、故障でなくて操作のミスか、どっちかということになるかもしれませんけれども、全く私どもいまどちらであろうと申しましても推測になるわけでございまして、ちょっといまお答えいたしかねるわけでございます。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それでは次に、救助がおくれた、救助放棄ということにつきまして、われわれとしては非常に怒りを感じておるわけですので、二、三お伺いしてみます。  これもまあシーマンシップからしても、公海条約第十二条からしても、当然にこの加害者の原潜は救助活動を行うべきである。ところが原潜は、衝突時と、それから四時間以上も経過をして後の二度にわたって潜望鏡で現場ないしゴムボートを確認しておるにもかかわらず、またP3C対潜哨戒機も衝突時に上空を旋回しているにもかかわらず、何の救助活動も行っていない。それをどういうふうに政府は考えておるのか、まずそこからお伺いします。政府の考えですよ。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) これも先ほど来御議論のあった点でございますが、救助活動の実態というものがどういうものであったか、私どもも一番大きな関心を持っている点の一つでございます。これもいまの時点で私ども想像する以外にないわけでございますが、想像によっていろいろお答えするのもいかがかと思います。こういった点も調査結果を待って判断するより、いまの時点ではちょっとお答えをしようがないわけでございます。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 お答えしようがじゃないですから、私が推論をして聞いているんですよ。  ではもう一遍、これも推論と言ったって、私はこれが本当であると思うんですけれども、一つは、戦略ミサイル原子力潜水艦の持っている船体内部の高度の秘密性から秘密があり得るわけです。確かに、仮に日昇丸を救助したとしても、この船員を「ジョージ・ワシントン」の、その原潜の中にこれを救助して引き入れることはできないんじゃないか、引き入れたら秘密がいろいろばれるわけですからね。だから知らぬ顔をしておったんじゃないかと、これが一点。  それから、救助して収容した場合に、日米いずれかの艦船に渡さなきゃならぬ。そうしたことによってソ連に原潜の存在位置というものがわかってくるわけですから、むしろそういったような人命救助というよりか、原潜の秘密、軍事機密を守るんだと、これが優先したんじゃなかろうか、こう思うのです。私は大体ここら辺がまあ的を射たところじゃなかろうかと思うが、いかがでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 高度の秘密を持った船であることは間違いございませんけれども、そのために救助できるものを救助しないというようなことも、これまた船に乗るシーマンシップから見てちょっと考えられないことでございまして、私どもそれ以上の、これもやはり推測になりますけれども、推測で議論してもいかがかと思います。こういったところも含めて、詳細な調査結果が来ることを期待しておるわけでございまして、いまの時点でそうであろうというふうな推測を申し上げることはいかがかと思います。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 これは新聞報道ですけれども、過去の例をいろいろ書いてあるんですが、五十一年八月に、東地中海で米第六艦隊の護衛艦に衝突したソ連の原潜——これはソ連の原潜ですね、米側の救助を拒否したと、こういうケース。それから四十七年の二月は、大西洋で標流中のソ連の原潜を米沿岸警備隊の巡視艇が救助しようとしたが、これを拒否した。あるいは三十八年の四月に、米マサチューセッツ沖で沈没、放射能漏れのおそれもあった原潜スレッシャー号を米軍が極秘で回収作業をした、こういうふうに出ておる。ですから、要するに原潜というのは、どうも過去のこういうような事故を見ても、まあ人命救助も当然だけれども、秒密事項を守ることが優先であると、こういうようなことでやっているんじゃないかと思うのですね、まあ答弁要りませんけれども。こうなればこれは大変なことなんです。  そこで、私はこの救助に関しまして、二、三ちょっと資料を要求したいと思うのですが、護衛艦が日昇丸の船員を救助したときの状況について防衛庁に報告が入っておると思いますが、これは入っておりますか。甑島の沖で護衛艦が日昇丸の船員を救助したときの状況について。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 状況は承知しております。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それから、救助をした船員の調書はどうなっておりますかね、いろいろ聞かれた……。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いわゆる遭難船員の調査ということになりますと、これは海上保安庁の方でやっておられるわけでございます。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それでは防衛庁に、救助した状況についての報告を受け取っておられるわけですから、これは文書でひとつ資料として出していただきたい。  それからまた、海上保安庁は救助した船員の方にいろいろなことを聞かれておるはずですから、その調書をひとつ文書で出していただきたい。  それから外務省に、これも文書で資料としてお願いしたいのですが、先ほどから同僚委員の質問にもあったのですが、外務省はアメリカ当局にいろいろな申し入れをされた、さきの委員会にもありましたが、どういうような申し入れ書をやられたのか、文書で出していただきたい。  以上、ひとつ委員長お願いいたします。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 理事会で諮って対処いたします。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それから、時間もありませんから最後に補償問題。その前に、自衛隊の潜水艦が今回のような事故を起こさないようにどういうような処置をしておりますか。今度は自衛隊の場合は。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 海上自衛隊におきましては、安全ということには非常に平生から留意いたしておるわけであります。先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、浮上する場合にはあらゆる計器等を使って、しかも艦長が判断の上で浮上するということで、この種の事故は起こらないようにこれまでも努めておるわけでございますが、今回の事故にかんがみまして、一層留意するようにすでに部内にこの徹底方を図っておるところでございます。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それでは、最後に補償問題について外務省にお伺いしますが、まず補償は米国内法によると、こういうふうに言われておるんですが、その根拠はどういうわけか。国際法上の根拠と米国内法の根拠、両方挙げてひとつ説明していただきたい。

野村一成外務省条約局法規課長

○説明員(野村一成君) 先生ただいま国際法の根拠というお尋ねでございますが、国際法の観点から、一般論でございますけれども申し上げますれば、こういった場合に補償をどういうふうにするかという問題につきまして定めております条約といったようなものはございません。  したがいまして、本件の場合に、当事者間の合意によりまして示談という形で解決されるというのが望ましいというふうに考えますが、突き詰めて考えますと、訴訟という場合になりますと、相手が軍艦であるということもございまして、国際法上の主権免除の原則ということから日本の裁判所で争うというのは困難でございますので、相手国、この場合は米国ですけれども、裁判所に訴えるということになるかと思います。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 それから、今日まで幾つかこういったような事故の例があるわけですが、その事故の内容と、それはそれぞれ補償の実績はどうなったか、その辺のところをひとつ。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 四件ございます。最初の例が昭和三十八年に起きました海栄丸とベクサー、第二件目が昭和四十三年の第二十二淳和丸とビクトリー号、三番目の例が第十七幸洋丸と米駆逐艦ダンカン、四番目の例が穂高山丸とLSTのバーバーカウンティ、こういうことでございます。  この最後の例を除きましていずれも公海で起きたわけでございますが、補償につきましては、まず最初に挙げた例でございますが、それにつきましては当事者の間で示談が行われていたわけでございますけれども、結局補償問題については結論が出ませんでした。海栄丸の方から、時効期間二年を経過した昭和四十年の九月に至ってもアメリカの裁判所に訴訟を提起しなかったわけでございますので、そのまま終わってしまったわけでございます。二番目の例については、被害者と在日米軍が直接話し合いまして、結局示談で解決しております。それから三番目の例につきましては、これもアメリカ海軍と第十七幸洋丸との間で示談が成立しておりまして、船主及び荷主に対して補償金が支払われております。それから最後の穂高山丸の例でございますが、これも示談いたしましたが、結局この場合は穂高山丸の方に責任があるということになりまして、船主の方からアメリカ海軍に対して補償金を支払っておりますが、何分にもこの示談は当事者の間でございまして、その金額についてここで申し上げるのは差し控えたいと思います。

中尾辰義公明党・国民会議

○中尾辰義君 いま説明がありましたように、なかなかこの補償問題というのはすんなりいってない。これは補償の額が適正であるということと迅速に処理する、この二つが重要なことであろうと思うわけですが、こういう例もあるんですね。これは在日米軍による事故ですけれども、いまもありましたが、必ずしも補償が満足をさせられておらない。これは三十九年四月、町田市における米軍偵察機墜落によって四人が死亡したケース、これについては約六百五十万円の補償のみでいまなお係争中である。次に、期間について見た場合に、五十二年九月の横浜市における米軍偵察機墜落事故、これは二人が死亡して七人が負傷したケースですが、死亡者についてはちょうど三年を費やして和解に至っておるけれども、なお未解決ないし係争中のものがある、こういうふうに聞いておるわけであります。  そこで、今回の補償問題ですけれども、何回もあちらこちらの委員会で出たのでしょうけれども、われわれとしては、また今回も補償の額が期待するほどいかないんじゃないか、あるいはまた、この問題が解決するまで期間が非常に長引くんじゃないか、そういうことの不安が考えられる。そこで、外務省としてどのような強力な姿勢で臨んでいくのか、その辺をお伺いして質問を終わりたい。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 最初に、先ほど中尾委員が挙げられましたのは全部日本の国内で起きたわけでございまして、これは地位協定の適用によって行われているわけですが、今回は公海上の事件でございます。それから、私が最初に述べました四つの例のうちの二つも公海上でございます。したがって、地位協定はこれ適用になりません。今回の補償問題について、すでに伊東大臣の方から、事件の原因究明のほか補償等事後措置についてもきちっとした処置をとってほしいと、これは日米友好関係の上からも非常に必要であるということを、十一日に、大臣の方からマンスフィールド大使に申し入れ済みでございます。それに対してマンスフィールド大使は、責任及び補償の問題についてもアメリカ側はこれに取り組んで迅速に処理されることについて確信してほしいということを言われております。法律的に申し上げれば、今回の問題も結局日昇丸の当事者とアメリカ側との間で話が進められるわけでございますけれども、私たちとしても、外務省としてできるだけの協力をしていきたいというふうに考えております。  さらに、すでに日昇丸は弁護士を任命しておりまして、弁護士の方から外務省にも連絡がございます。外務省の方としても、そのアメリカ大使館のどういう人にコンタクトしていいかという弁護士からの依頼もございまして、わが方としても在京米大使館にその点をすでに伝えてございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私どもの党の調査でございますけれども、ある防衛庁関係者の非常に米海軍のことに詳しい人ですが、この人の証言で、自衛隊はこれまで年に二回ポラリス原潜、これをソ連の原潜に見立てまして、標的にいたしまして日米共同対潜攻撃訓練、ハンターキラーをしていたと言っています。これは軍レベルで日常的訓練としてやっているもので、防衛庁長官にも報告をされていない、こう言っておりますけれども、防衛庁長官にまず最初にお伺いいたしますが、このことを御存じでございましょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 聞いておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、局長はいかがでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) そういう事実はないと承知しております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、私がいまこの防衛庁の米海軍に詳しい人から聞きましたのは、これはSSBNでございます。  重ねて伺いますが、SSN、攻撃型原潜ともこういうことを行ってはいないでしょうか、標的にして日米共同対潜攻撃訓練をやるというふうなことは行っておりませんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) SSNとはやっております。これは共同訓練をしばしばやっております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、いつから行っておるんでしょうか。何年の何月、何回ぐらいいままで行われたんでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いま手元に資料を持っておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 大体で結構です。いままでいつぐらいからどれぐらい行われてきたかということをお答えください。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) ちょっといまわかりかねます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 後で資料として御提出ください。  では、どこで、どういう地域で行ってきたのか、それから参加したというのはどのようなものなのか、飛行機なのか、艦船なのか、飛行機も艦船もどのような種類が参加しているのか、お答えください。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いまのような点も含めまして資料として差し出したいと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いまおわかりになっていること、地域はわかりませんか。  それから、その訓練をするときに、米側は魚雷発射、それからサブロックの発射をやるんでしょうか、そのこともお答えください。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 海上自衛隊の日米共同訓練は、御承知のリムパックが一つと、それから毎年行っておりますハワイ派遣訓練が一つと、それ以外に日本の近海でいまのSSNとの訓練ISSNに限りませんけれども、一般の潜水艦も、あるいは航空機との訓練も含めてでございますが、日本近海でやっております。その具体的な内容はいまちょっと手元にございません。  それから、アスロックなり魚雷なりを射つかということでございますが、訓練弾は当然射つと思います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、いまSSN、それから通常の潜水艦とか、あるいは航空機とかと連係して行うということですので、先ほど言いましたように、いつから行っているのか、それから何回ぐらい行ったのか、どこで行っているのか、参加した艦艇とか飛行機とかはどんなものなのか、どういうふうな訓練なのかということは、これは後で資料で出してくださるということですので、確実に資料として出していただきたいと思います。  では、SSBNとはやっておりませんというお答えでございましたが、それなら今後もこういうことはやりませんですね、確認しておきます。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほどの資料、差し支えない限り出さしていただきます。  それから、SSBNとの訓練は考えておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 防衛庁長官にお伺いいたします。  防衛庁長官は当て逃げ事件の報告をいつお受けになりましたでしょうか。こういう事件があったということを最初にお受けになったのは。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 公式に米潜が関係しているということは十日の午後十一時ごろでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 いえ、最初にこういう当て逃げ事件があったと、事故があったということを知られたのはいつごろなんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 当て逃げかどうかはわかりませんが、護衛艦が乗組員を救助したところ、潜水艦が見えたとか、飛行機が飛んでいたとかいう話があるので、まず自衛隊の潜水艦ではないかどうかを確認し、そうでないことがわかった後、米側にも問い合わせをするということは、十日の日の午前中に報告は聞いております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 午前中というのは、時間、何時ころですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 時間ははっきり思い出せませんが、十一時前後であったと、当時会議をやっておりまして、そういう報告が現場からありましたので承知したわけであります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、その当て逃げ事件を起こしたのが米のポラリス原潜だということを知ったというのは、正式というのは十日の午後十一時といまおっしゃいましたですね。十一時、間違いありませんか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) はい、十一時ごろでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、前田幕僚長の記者会見の報道によりますと、十日未明に救出された乗組員の、潜水艦と衝突したらしいとか、また、星のマークをつけたプロペラ機が飛んでいたとか、こういう証言に基づいて自衛隊の潜水艦や飛行機をチェックする、こういうこととともに在日米海軍に問い合わせをした結果、午後四時ごろに米軍のものと正式回答を得ていたと、こういうことを明らかにしたというふうに報道をされております。  自衛隊が在日米海軍に問い合わせをしたのは一体何時なんでしょうか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 詳しい点は政府委員に答弁させますが、海上幕僚長が午後四時ごろ回答を得たというのは飛行機の方のことだったというように私は報告を受けております。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 救助した乗組員の話を聞きまして、まず自衛隊の潜水艦かどうかを調べた後、八時半ごろ海幕の方から、一つは米海軍に対し該当潜水艦の有無、一つは航空自衛隊に対し飛行機をキャッチしておったかどうか、この二つの点を八時半ごろに照会を出したわけであります。それに対しまして、米海軍の方からは午前十時ごろに、いまのところ米海軍の潜水艦について該当する報告を受けていない。受けていないが調査してみますという返事が十時ごろ来ました。一方航空自衛隊の方のレーダーサイトの関係につきましては、先ほど申し上げましたようなテープの巻き戻し等をやりました結果、昼ごろに、日本の飛行機ではない、しかし一機キャッチしているということがわかりましたので、午後、昼過ぎ、これもまた米軍に対し、米軍の方に該当機がないかという照会をしました。その点につきまして、いま御指摘のように、午後四時ごろに海幕に対しまして米軍機であるという連絡があったというふうに聞いております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では八時半ごろには、こういう救出されて、その人たちの、星のマークをつけたプロペラ機が飛んでいたとか、潜水艦と衝突したらしいということを自衛隊は知っておられたと。でも長官はずいぶん後になって知られたわけですね。十一時ごろでね、八時なのに。そして今度は、米軍機ですね、これが昼過ぎには問い合わせを出されている。その回答が四時。ころに来ておりますね。ということになれば、四時ごろに、自衛隊としては、飛んでいた飛行機が米軍機であるということであり、潜水艦と衝突したんだということであれば、これはもう事故を起こしたのは米原潜であろうという心証は、その四時時点には持っていらしたわけでしょう。いかがなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) それはわかりません。原潜であるかどうか、米側から、関与をした潜水艦が米側の潜水艦であるということを言ってきたのは、外務省からもお答えがありましたように、午後の九時でございますから、防衛庁はそれよりちょっとおくれて承知しましたけれども、十時ごろに承知したわけですが、いずれにしてもその時点で、いまの午後四時の時点で、潜水艦がどこの潜水艦であるか、それが原潜であるか、そういうようなことについて承知しておったわけではございません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 私は確実に承知をしておったというふうには言ってないんですよ。  空の上を飛行機が飛んでいたと、そして潜水艦と衝突したと、P3Cだということがわかったら、P3Cとそれから原子力潜水艦が大体ペアで行動するということは常識ですから、これは事故を起こしたのは米原潜であろうというふうな心証を得られていたのではないかということを聞いております。  それから、先ほど防衛庁長官は、十一時に知ったと、午後の。では、正式に向こうから回答が来ているのは九時なのに、防衛庁長官がお知りになるのに二時間も時間の差があるのは、これはどういうことなんですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 在日米海軍から防衛庁に連絡がありましたのが午後十時ごろでございます。それから私の方に報告が来るのに多少の時間がかかりました。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) その前に、先ほどのお尋ねの中の、潜水艦であることを、原子力潜水艦であることを知っておった、正確じゃないにしても知っておったはずだとおっしゃいますが、先ほどのほかの方の答弁の中で申し上げましたように、P3Cと原子力潜水艦がペアで組んでいるのが常識だとは私どもは思っておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 ソ連の原潜の上をP3Cが飛んでいろいろやっていたということなども起こり得るというふうなことですか、それでしたら。下で潜水艦がいた、上でP3Cが飛んでいたということであれば、常識的にそういうことで心証を得られていたのではありませんかということを聞いているわけです。それは、正式に来たのは何か九時だということで、正式に来た後に一時間もおくれて防衛庁が知るんですか。そうして、また一時間もおくれて防衛庁長官のところに行くわけですか。そういうことになっているわけですか、確認しておきますが……。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) ソ連の潜水艦とも思ったわけではございませんで、要するにP3Cであるということがわかっただけでありまして、潜水艦がどういう潜水艦かはもちろんまだわからなかったわけであります。  それから、先ほどの夜の時間の話でございますが、九時ごろに外務省の方に連絡があったというのは先ほど北米局長からお答えのあったとおりでございます。私どもは、外務省から御通知をいただく前に、十時ころに米海軍から——外務省が受け取ったのは九時ごろと聞いておりますが、私どもは米海軍から十時ごろに連絡を受け取って、それを長官に御報告したということでございます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 P3Cだということが早々とわかりながら、返事が来ているあそこの時点でP3Cだという回答が来ているわけでしょう。だけれども、あなたは、衆議院で御答弁をなさったときに、P3Cとまでしかお答えにならない。そのあとの何型だということはわからないというふうな御答弁、私は一貫して、正直にきちっと物事をお答えになっていないと思うんです。そういうふうなのでも、私はそういう心証を得たのではないかというのは常識だろうと思うのですけれども、押し問答になりますから、次に時間の関係で進みます。  私は海上保安庁にちょっとお伺いいたします。  被害者の証言で、衝突後、自分たちの横と後部に潜望鏡が見えたということですけれども、そういう証言を乗組員はしておりますでしょうか。正確にどのように証言しておりますでしょうか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 乗組員十三名が救助されておりますが、そのうちの約半数の者が、九日の夕刻、時間的に申しますと十六時から十七時だろうと思いますが、潜望鏡らしいものを見たと、こういうふうに言っております。距離につきましてはまちまちでございますので、はっきりわかりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、同じ被害者の言として、ボートで漂流中に海中からドーンという発射音が何度も聞こえて、ダダッという機関銃のような音とか水中を高速物体が走るようなシュルシュルという音がしたというふうに言っておりますけれども、そういう証言もされているのか、正確にはどのような証言の仕方をしているのか、御回答ください。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 漂流中、シューまたはプシュッという音を聞いた者がおります。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 シューというのと、ちょっと正確にもう一回。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) プシュッという音です。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 プシュッともう一つ何ですか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) シュー。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 プシュッとシューですか。  防衛庁にお伺いいたします。  「ジョージ・ワシントン」はSSBNということで、米海軍のステートメントによりますと、「ジョージ・ワシントン」は通常任務を行っていたと、こういうことになっておりますけれども、一般的にSSBNの通常任務とはどういうものなんでしょうか、お伺いいたします。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 具体的な内容は私どもよくわかりません。要するに、何か特殊なことをしておったんじゃないという意味で通常の任務に服しておったと、こういうふうに言っておるんだろうと思います。具体的にはどういう任務であるかちょっとわかりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 共同作戦を行う相手なのにわからないわけですか、通常任務というのが。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) SSBNとは共同作戦を行う相手ではございません。私どもは核を搭載した船と共同作戦をやることを考えておりませんので、違います。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 SSBNだけの問題言っていないで、共同作戦の相手でしょう。そこの通常の、このSSBNという船があれば通常任務はどんなものかと、そういうことは心得ていないわけですかと、そういうことで聞いております。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) ちょっとわかりかねます。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、先ほどの発射音、いまプシュッとかあるいはシューとかというふうな音のことを言われました。この水中からする音というふうなことで、乗組員がこのまま殺されるのではなかろうかというふうな思いも抱いたというふうなことが報道されております。そういうことから考え合わせますと、やはりこれはあるいはサブロック魚雷が発射されたのではなかろうかというふうに思うわけです。それでSSNがここにいたのではなかろうかと、あるいは一そうでなく二そうだったかもわからない、潜望鏡が二つあったというふうな証言もあるわけなんです。防衛庁としても、こういう乗組員の証言があるわけですけれども、SSNがいたと、あるいは一そうであるか二そうであるかというふうなこともありますが、こういうふうなSSNがいたというふうなことも条件として考えられるのではないかと私は思いますが、その点はどうなんでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 私どもには、いたのかいないのか、あるいは二隻おったのか、すべてわかりません。米側の調査を待たないと何とも申し上げられません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 だから、私は米側に一度このことはきちっと確かめて回答していただきたいと思うんです。  それで、時間がありませんので外務省にお伺いいたしますけれども、アメリカのホワイトハウスのスポークスマンが十五日、きのうですけれども、原潜事故の調査報告書の発表が総理訪問前に行われると、こう言明したと報道されております。外務省はこれを確認しておりますでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) これは、記者の質問に答えて、三十日以内にも報告書を発表したいという希望を述べておりまして、総理の訪米云々ということはスポークスマンは全然言及しておりません。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 では、私は外務省に要求いたしますけれども、事故報告書、これはやはりこれだけ大変な問題になっているわけです。ですから、これを日本に早く提出するように再度要請をしていただきたい、このことを要求いたしますが、いかがですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 事故の原因究明については、先ほど来再三申し上げているように、外務省としてアメリカ側に申し入れておりまして、現にロング太平洋軍総司令官も来ておりますので、外務大臣が目下会談中で、その趣旨で話をしているというふうに私は承知いたしております。

安武洋子日本共産党

○安武洋子君 だから、報告書を日本にはもっと早く提出するようにということを再度申し入れよというふうなことなんです。その点をお伺いします。  それで私、時間がなくてもう後質問できませんが、まだ再度こういう機会があるということですので、そのときに改めて質問を続行するということで、いまの御答弁をいただいて質問を終わります。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) あらゆる機会をつかまえて本件の真相究明ができるようにアメリカ側に申し入れる所存でございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 本件について衆参両院であらゆる委員会でもう論議し尽くされておるんですが、当委員会でも先ほど来論議のありますように、事実関係については米側の調査を待たなければ判明しないということでございますので、まあ表現は悪いけれども、これ、のれんに腕押しというようなことで、何を聞いてもせんないことでございます。  そこで長官、そういったことが新聞紙上にも記事として出ておりますように、国民感情を必要以上に私は高ぶらせておることだろうと思うんです。で、私自身も日米の安保条約というものを評価する立場にある者です。しかし、今回の事件に関しては、先ほど来皆さんの御質問にありますように、あらゆる角度から見てきわめて不愉快である、同時に不可解である、これはひとしくみんなが抱いている感情だと思います。言葉が過ぎるかもわからないけれども、国際法上から見ても人道上から見てもこの米原潜のとった態度というのは常識を逸しておる。その後の措置についても、あるいは事故後一週間をほぼ経過しておる今日、何ら新事実が把握できていない。すべて米側の調査を待たなければわかりませんと、そういった不明の状況の中でコメントするのは差し控えたい、これではもうどうしようもない。結局私は、日本の関係各省、政府がとっておる態度が一番政府が恐れておるところの日米の友好関係を損ねる因をなしておるんじゃないだろうかということを大変遺憾に思う。その辺のことについて、私は率直に防衛庁長官、そして外務省、きょう北米局長お見えでございますが、国民に対して、日本国民としてこの事件に対してどう思っとるんだということを率直に私は申し述べてもらいたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 私は、今回の事件はきわめて不幸な問題であり、またとうとい人命あるいは貴重な国民の財産を喪失したばかりでなく、連絡、通報、救助活動が著しく遅延した等まことに遺憾な点が多いと痛感いたしている次第でございます。そこで、一日も速やかに原因を明らかにするとともに、この経験にかんがみ、今後このような不幸な事態を招かないようこの種事故の絶滅を期して対策を講じなければならない、そのことが日米間の信頼関係をつないでいく上に絶対に必要であると考えている次第でございます。現在、外務省を中心にその辺を進めているわけでございますが、総理大臣もその点を痛感されて、関係閣僚にも協力するように言っておられますので、私といたしましてもその線に沿いながら一生懸命努力さしていただきたいと考えている次第でございます。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 外務省としても、もちろん今回の事件は本来あってはならない事故でございまして、こういう事故が発生したということを非常に残念に思っております。しかし、事故が起きてしまった以上、こういうような事故が今後の日米関係に影響を与えないように、政府としては、今後の本件事故処理についてアメリカ側の遺漏なき対応を期待しているわけでございまして、十一日に外務大臣がマンスフィールド大使と会いました際においても、いま申し上げたような認識に基づいて、マンスフィールド大使に対して、事故の再発防止、それから原因の究明あるいは事故処理等きちっとした事後の措置をとってほしいということを大臣からマンスフィールド大使に申し入れた次第でございまして、マンスフィールド大使も大臣のそういう認識について自分も同感であるということを述べておりまして、責任及び補償の問題についても、アメリカとしてはこれに真剣に取り組んで、迅速に処理されるように確信しているということを言っております。その際に、あるいはその後、レーガン大統領、ヘイグ国務長官、ワインバーガー国防長官、あるいはレーマン海軍長官等からそれぞれ遺憾の意の表明がございましたし、さらにワシントン、東京において連日アメリカ側に対して、早急に事故の原因を究明し、もって日米の信頼関係がこれ以上損なわれないように努力してほしいということを期待しておりまして、そういう基本的な態度で本件に取り組んでいるわけでございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 外務省、防衛庁、いずれでも結構ですが、目下のところ加害者と目される米原潜ワシントン号の現状についてどのように把握しておられるか。事故後どのようなワシントン号が行動をとっておるのか、把握しておられたらお聞きしておきたい。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 外務省として、ワシントン号のその後の行動については把握しておりません。かつ、この原子力潜水艦の行動については、その秘匿性がゆえに抑止力ということでございますので、アメリカ側がこの所在について明らかにしないというところも外務省としては理解しているわけでございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 防衛庁は。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 防衛庁としても把握いたしておりません。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 私は、やっぱりこれが一番国民にとって納得いかないところだと思うんです。少なくとも、現在の状況を冷静に判断しても、ワシントン号が加害者であるという形になっておるわけです。同時に、このことについて米側は遺憾の意を表しておる。二千数百トンの貨物船と衝突すれば、衝突の仕方にもよろうが無傷であり得ない。だとすれば、きわめて常識的に考えて、ワシントン号はみずからの船体の補修のためにいずれかの基地に入港して補修をしなければならない。戦時下にあればともかく、現在のような状況にあり、しかも衝突をした相手が友好関係の深い、日米関係であり、しかも民間の船であるということになれば、一般論としての原子力潜水艦の秘匿性だとかいうことをもってこの追跡ができないということは当てはまらない、それは。それを一般論として、それは原子力潜水艦であり抑止力であるがゆえに秘匿性だと、したがってこれは聖域であり、一言も追及できないんだという態度に対して、国民はきわめて不満を持っておることだと思うんです。ここをやっぱりはっきりしなければいかぬ。  国内でもそうでしょう。当て逃げしたということになれば、しかもそれによって人身事故を起こしたということになれば、これはもう大変な問題でしょう。同じことであって、それは公海上であろうと、しかも公海上であるなら国際法の問題もある、あるいは船乗りとしてのシーマンシップもある、あるいはこれほど発達したいろいろの通信網もあるという状況で、杳としてその姿も状況も見せない、こちらも、それが秘匿なるがゆえに全然物も言えないということは私はナンセンスだと思う。だから、これはやはり考えなければいけないことであって、われわれの、わが国の側がむしろこの種の調査についてのいわば自主規制をしておるのだと、これは。みずからがみずからの手足を縛って、これは聖域で触れてはならないことだと決めてかかっておるんじゃないかと思う。  私は、少なくとも米側に対して、その後米原潜はどうなったんだ、どうしておるんだと、想像しにくいことであるが、あるいは衝突の事実調査によれば、これは向こうから損害賠償を言ってくるかもわからぬですね。そういった意味からも、当然これは事故を起こした当事者同士として、その船がどうなっておるんだということを聞くことがなぜ悪いんだ、なぜできないんだ。せめてそれぐらいのことでも、あなた方の調査をお待ちしています、急いでくださいと言うだけじゃなく、積極的に問うという形を国民の前にやっぱり明確にすべきだ。そして向こうの答えが、戦略上あるいは通常任務についておるために言えないというのなら、それでそれなりのこちらのまた対応を考えればいい。何も言わない前に、それは一切聞けぬのです、わからぬのですということだけでは私は国民は納得しないと思うんです、どうですか。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) ただいま外務省の政府委員からお答えいたしましたとおり、外交ルートを通じて加害者として目されている原因の究明等申し入れをして、しかもできるだけ早く中間的なものでも知らせてほしいということを申し入れしているわけでございますので、先生が関心を持っておられることも含めまして、できるだけ早急に真相が知らされることを強く期待いたしているわけでございます。普通、海難事故でございますと、慎重な調査をすれば三月も四月もかかるというのが通常ではないかと思います。今回の場合には、先生御指摘のような国民感情もございますから、全部の調査の終了を待たなくとも、中間報告でも早くやって出してほしいということを外務大臣も強く求めておられるので、その報告が一日も早く知らされることを強く期待いたしておるわけでございます。加害者であるか被害者であるのか、その辺も本当は調査しなければいけない問題もあろうかと思うんであります。いずれにいたしましても原因が米側にあると、関係しているということを米側も認めておるわけですから、その事情の調査を早く求めている次第でございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 外務省。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) まさに防衛庁長官の言われたようなことで、私たちほとんど連日アメリカ側に対して早期に事件の究明、できればいわゆる中間報告ということも求めているような状況でございまして、東京、ワシントンにおいて全力を挙げてこの事件の究明に当たって、アメリカ側からの一日も早いその事故の調査の結果を現在待っているのが現状でございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 それはきょう外務大臣おられぬから何ですけれども、まさに防衛庁長官のおっしゃるとおりじゃなく、まさにこの藤井議員の言われるとおりですということでなければ答えにならぬのであって、だから、いろいろ外交交渉の慣例などもありましょうけれども、やはり日米間の、特に日本国民の国民感情、そしてすべての面から見ても常識を逸した行動にあるという状況の中で、何もかもすべてを御調査いただきたい、早くその調査報告をくださいと言うだけではだめなんですよ。せめて加害者と目されるワシントン号がいまどうしておるんだと、その具体的なアクションを起こすことによって問題を早期に解明していく。その答えが、ワシントン号はその後浮上して、どこに帰港して現在修理しておる、損傷の個所はかくかくであるということだけでも国民にわかれば、国民としてもその一面において、得心とはいかなくても事の成り行きというものを判明することができるけれども、全くわからないと。全部あなた方に調査を任しておるんですと。早くしてくださいと。これでは、私は日本国の政府はきわめて弱腰であり、本当の意味において誠実に行動を起こしておるとは言えないと思う。いまからでも遅くないので、ひとつ防衛庁長官は、私の考えに立って外務省に依頼しておるんだということだから、もう一遍外務大臣に会ってそのことをはっきりさしてほしい。  それからもう一つ、これは防衛庁にお伺いするんだけれども、事の経緯を一これは新聞報道しか私もわからないんだけれども、新聞報道で見る限り、とにかく自衛艦二隻が通常訓練中ゴムボートを発見し、これを救助した。救助したとともに、防衛庁が在日米軍司令部に問い合わせを行っておる。そして問い合わせを行った後、およそ十二時間後に防衛庁に返答が来ておるわけですね。この間にすでに二、三回に分けてアメリカ大使館から外務省に事の経緯が報告されておるわけなんです。このことについて私はやはり問題があると思う。防衛庁としては、少なくとも日米安保条約に基づいて緊密な連絡をとり、ある部門においては共同して訓練なども行っておるわけです。言ってみれば、少なくとも防衛庁で第一線におる連中からすれば、アメリカの日本近海におる海軍と防衛庁の海上自衛隊とは、いわゆるカウンターパートという気持ちで私は動いておると思う。そういう意味から連絡をとっておるのに、全然連絡もなく、夜の十時過ぎになって、長官のもとには夜の十一時ごろに幕僚を通じて連絡を受けておる。外務省には課長のところに連絡が逐次行っておる。これはまさに海上自衛隊としてはあるいは防衛庁としてはこけんにかかわることじゃないか、この辺についてどのようにお考えか、お聞きしておきたいと思います。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) まず最初の、ジョージ・ワシントン号のその後の行動を含めまして、米側の調査促進について外務大臣に私からもしっかり話すようにという点につきましては、承知いたしました。先生の御発言を初め当委員会の御発言は外務大臣にしかと伝えて、速やかに把握できるようにお話をするつもりでございます。  それから、防衛庁と米海軍との連絡でございますが、先ほども申し上げましたように、十日の日になって護衛艦が遭難した船員を救助した、救助して保護している間に、どこの国かわからぬけれども潜水艦が近くにおったというようなこと、あるいは上空に飛行機がおったというようなことが報告されましたので、まずみずからを確かめるということで、自衛隊の潜水艦はその付近にいるかどうかをまず調査したわけでございます。これはいないということがわかりましたから、今度はほかの国のあれではなかろうかと、とりあえず緊密な関係にあります米海軍の司令部に問い合わせしましたところ、そこではいまのところわからない、自分のところではわからぬ、なお調査してみるという返事がありまして、その調査の結果を心待ちにしておりましたところ、米海軍からは防衛庁に連絡がございましたのがその日の午後十時ごろだったということは先ほど申し上げたとおりでございます。  素直に事実の経過を申し上げているわけでございまして、大変おくれたという点は私どもも遺憾に思っておるわけでございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 時間がきょうはもう、もう一回これやるということだから、もう一問でとどめますが、長官、いま私が申し上げたことは、時間が全体的におくれたというのは、これは全体的な問題として言っておるのであって、防衛庁に限って言うなら、防衛庁が外務省を通じて物を言っておるんじゃないんですよ。いわゆるカウンターパートという立場から直接物を言っておるわけなんだ。それに対して直接物は返ってないんですよ。しかも全体が外務省に通って、その後忘れておったということでこれ連絡があったのかもわからない。そういったことに対して、もうちょっとしっかりしてもらいたい。本当に情けないことだと思いますけどね。——まあうなずいておるから、情けなく思っておられるんだと思うけど。  そこで、外務省に私はお伺いしますけど、一つは、マンスフィールドさんが外務大臣にお答えになった中に、すでに確立された方式に基づいて補償する云々というくだりがあるように聞いておるんだけど、この確立された方式というのはどういうことなんだろうかという、これが一つと、それから公海上で起きた事故であるがゆえに地位協定十八条というものは援用することになるまい。であれば、旗国主義ということになる。いままでの説明によると、外務省がとってきておる態度は、要するに補償について誠意ある対応を米側に求めておる、この域を出ていないと思う。事実が判明しなければならないことではあるが、公海上で起きたものであり、しかも人命が損なわれておるということになれば、これは国際法上刑事上の問題も出てくる。したがって、そうなったときにはこれは当事者間というだけじゃなく、国として外交ルートを通じて国際法上の問題として補償を要求する側に立つ場合もあり得ると思う、単なる補償じゃなく刑事上の問題も含めて。もちろん争う場所は、旗国主義になればアメリカの法廷ということになるであろうが、その辺のことについても見通しなど、あるいはお考えがあれば聞かしておいてもらいたいと思う。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) まず最初に、マンスフィールド大使が言いましたのは、責任及び補償問題に取り組み確立された経路により——チャンネルということでございます。経路というのは、われわれは何かということを確かめているわけでございますが、アメリカ側はまず外交経路であろうと。しかし、それ以外のいろいろなチャンネルもあり得ると、こういうことでございます。  いま、国際法のお尋ねについては、法規課長の方から補足さしていただきたいと思います。

野村一成外務省条約局法規課長

○説明員(野村一成君) 国際法の点につきましては先ほどお答えいたしましたが、やはり相手が軍艦であるということでございますので、国際法上の主権免除の原則からいたしまして、訴えるということになりますとやはりアメリカの裁判所に提起されるということでございます。

藤井恒男民社党・国民連合

○藤井恒男君 もうちょっとはっきりせぬけど、また次にやります。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 質問に入る前に、防衛庁長官、取り消してもらいたい。  あなたのさっきの発言はきわめて重大ですよ。これだけ世論が沸騰して、これだけ鋭い非難の対象になりながら、両国関係において、いいですか、いまごろ、この段階の当委員会における答弁で、何ですかあなた、加害者か被害者かわからない、含めて調べるとは何事ですか。予算委員会でそんな一言述べてみなさい。何時間でも審議中断だ。権威ある内閣委員会における答弁において、あなたからあんな話を聞くとは思わなかった。穏当をはなはだしく欠いている。取り消していただきたい。重大な認識の過ちだ、感覚のそごだ、認められない。納得できない。取り消していただきたい。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 加害者か被害者か、その被害者のくだりにつきましては取り消させていただきます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 ならば次に進めます。慎重に答弁してもらいたい。  この全体の国会審議の流れとマスコミ論調は、報道の姿勢は、ワシントンはSSBNだという断定ないし前提で事が進んでいるんだが、私は重大な疑義を持っている。それはあげつらわない。時間がない。  そこで、一九七三年五月二十二日、アメリカ上院軍事委員会開発小委員会において、ロバート・カウフマン海軍少将が証言に立ち、ポラリス原潜と配備されていないトライデント原潜の作戦行動範囲、これをかなり大きな詳細な地図を例示しながら証言を行った。そのことは防衛庁側、当然知っていますな。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 存じております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 ならば好都合ですね、岡崎さん。あれによると日本近海はポラリス原潜の行動範囲に入っていない。これは私の友人たるジーン・ラロック提督にも確かめたんだが、これは作戦行動範囲に入っていない。そのことは確認できますか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 地図が、これは私の地図、不明瞭でちょっと見えないんでございますが、ちょっと日本のところが入っているか入っていないか、微妙な感じがいたします。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 一般的には入っていないはずです。それは首肯できますか、うなずけますか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 確実なことを申し上げられません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そういうことに慎重であり過ぎる必要はない。素直であればいいです。  海上保安庁、外務省も関連すると思うが、九州周辺の公海上で米軍の演習海域として特定されている海面はどことどこなのか。たとえば五島列島沖にあるF海面というのは承知していると思うが、その他に特定できますか。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 射撃場については私どもが決めておるわけではございませんのでしかとは存じておりませんが、射爆場としては沖繩付近海域にあるように聞いております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 五島列島沖は、F海面は。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 五島列島沖も設定されております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 まとめて答えてくださいね、小出しにしないで。外務省もそれは確認しますね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 申しわけございませんけれども、私、ちょっと手元に資料を持っておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 では、事件の起こった海面というのは全くその範囲外ですね。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 御指摘のとおり、事故付近の海域は演習区域にはなっておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 たとえ——これ長官よく聞いてくださいね。それから淺尾さんもお願いしますよ。海上保安庁。たとえ事は公海上であるからといって、あなた方は公海上を強調し過ぎる立場にある。世論は公海、領海という差じゃなくて、余りにも理不尽な行為に対して憤りを感じている。当然です。そこで、たとえ公海上であろうと日本近海じゃありませんか。そうでしょう。これまでアメリカ海軍が単独で行う訓練演習あるいは日米合同訓練の場合には、海域、水路の告示、航路警報、航路警戒等を含めて一体慣例とシステムはどうなっていたのか、改めて聞いておきたい。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 最初に私からお答えいたします。  まず、先生はこの原潜が演習をしていたという前提で質問されておりますが、私たちは通常の活動というふうに理解しております。  それから第二点の、アメリカが海上演習場を含む公海上において実弾射撃等の演習を行う場合には、航行警報を出しているということでございます。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 米軍海上演習場の関係についてお尋ねでございますのでお答えいたします。  防衛施設庁は、地位協定第二条の施設として、米国が使用している水域及び日本国の領域近傍において船舶等の航行の安全を図る等のために区域を指定して米国が使用する水域等を告示しているところであります。一般的に、海上演習場について述べますと、海上演習場のうち領海内の部分は地位協定第二条に基づき米軍に提供した施設区域であり、公海の部分は施設区域でなく、一般船舶の航行の安全を図る等のための区域を指定して米軍が演習のため使用することを容認しているものであります。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 淺尾さん、ちょっと勘違いしなすっちゃ困るんでありまして、たとえば脅威の対象国とされているソビエトにおいても、ミサイルの実射訓練あるいは艦砲射撃等を行う場合には、当然緯度、経度を示して予告をする、連絡をしてくる。いわんやこれイコールパートナー、アメリカとの問題じゃありませんか。私がここで言いたいのは、演習と言おうが通常行動と言おうが、包括的に言えば一線上に連なってくるんだ。そういう場合に、たとえばアメリカから日本に対する告知、連絡、余りにもずさんであり一方的である。このままであれば、演習は自由放任勝手たるべしだ。何事も可能である。公海上である。これでは、しかもまた、きょうずっと伺っていたあなた方の基本姿勢だったら、何回でも事故を繰り返し、何回でも泣き寝入りを強いられるのは罪のない漁民たちだ、船員たちだ、こうなりますよ、違いますか。だから、ここで言いたいのは、今後これの再発を防ぐために、そうでしょう、不幸な事態、事件でしょう、それを認めるでしょう。ならば、繰り返さないために何をどう考えているのか、そういう配慮をするのが行政の衝に当たるあなた方の義務でしょう、国民に対する。そうじゃありませんか。そうした意味で、私は公海上の演習であろうが何であろうが、それに網をかける安全確保の措置についてアメリカ側とチャンネルを通じて交渉をしなさいと、交渉を持つべきであると、それが再発の防止につながる。こういう観点を持っているんだが、どうですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど私が申し上げたのは、その指定された海上演習場を含めて公海上の実弾射撃等の訓練を伴う場合、これは航行警報を出しているということでございます。さらに、いま御指摘の点について、指定された海上射撃演習場以外の公海で実弾射撃等を行う場合、訓練が行われる海域付近を航行する船舶の安全が確保される必要がございます。もしそういうことができないという判断の場合には、もちろん政府としてその安全が確保されるようにという意見を述べるのは当然でございます。ただ、具体的に今後どういう措置をとるかどうかについては、今回の点も教訓として考えていきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 物足りませんな、局長。やっぱり覚書を交わす、安全確保、再発防止についての。アメリカから渡ってくる、渡されたステートメントをうのみにしたり、一〇〇%の信頼、それじゃだめなんです。やっぱり新たな取り決めを結ぶ、覚書を交わす、これぐらいの能動的な姿勢があって初めて私は国民感情を鎮静せしめ得ると思うんだが、その気持ちはありませんか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 法的な側面を含めて、そういう公海上での演習について覚書を交わすことが可能かどうかという点についてここでにわかにお答えできませんですが、要するに原則は、日本の漁船あるいは船舶の航行の安全を確保するということでございますので、それにはどういうふうな対策をとるのが一番妥当であるかということについて十分検討していきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 一インチの前進であると思いますが、防衛庁長官、あなたは六月二十九日はワインバーガー氏と向かい合うわけだ、その前には鈴木総理、一連の日米間の重要な場面があります。そういう場面に向かって、こういう事故を繰り返さないために、防衛庁としても重要な責任官庁だから、あらゆる場をとらえ、たとえばハワイにおける事務協議のレベルあるいは防衛庁長官とペンタゴン長官との会談、あらゆるチャンネル、場を通じて外務省と共同をして再発防止に真剣に当たるということは約束願えますね。

大村襄治自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(大村襄治君) 今回のきわめて不幸な事件の再発を防止するために、外務省と緊密な連絡を図りながら、あらゆる工夫、努力を払うことをお約束いたします。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 確かにこれは公海上ですよね。それは紛れもないと思う。どなたかもおっしゃったけれども、旗国主義あるいは旗籍主義という表現もあるようだが、したがってわが国、わが日本側に裁判権がない、それは自明です。しかし、本来ならばベテランの、これ四十一歳のこの艦長はSSBNの操作にはたけていたとされている艦長なんです。本来ならば潜望鏡深度にまで浮上して、三百六十度というのはこれは常識中の常識であって、それをしもなし得なかったというふうな緊急事態があったのかどうかは、中尾委員ではないが繰り返さない。だがしかし、これは裁判所の話があったけれども、これは軍法会議の問題ですよ。そうでしょう。これはもちろんアメリカの海軍の問題だ。しかし、少なくとも日本の外交姿勢としては、防衛庁も外務省も共同をして、この際艦長に対する——責任をとるべきはまず艦長です、海軍では。艦長の厳重な処分について改めて要求をするぐらいのつもりがあって当然であると思うんだが、外務省、防衛庁どうですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 先ほど申し上げましたように、大臣がアメリカ側のマンスフィールド大使と話をしました際に、日本側として事態の究明その他いろいろの話をいたしまして、補償問題を含めて事後の措置についてきちんとした対策をとってほしいということを述べ、それに対してマンスフィールド大使の方から、責任及び補償の問題について取り組み、これを確立された経路で日本側に伝えるということを言っておりますので、その点から私たちの態度をおくみ取り願いたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 私の感度は多少悪いですからなかなかくみ取れないんだけれども、やはりこれはシーマンとして、あるいは海軍の軍人同士の一つの交流関係においても、これは非常に恥ずべき行為であるという断定は必ず下されると思う。つまり日昇丸にはいささかの責任たりとも感じられない。ない。これは立証できると思う。ならば、一〇〇%の責任というのは、一方的にジョージ・ワシントン号にあると、これが常識の基準じゃありませんか。外務省、防衛庁どう思っていますか。海上保安庁はどう思っていますか。日昇丸に幾ばくの責任ありという認識ですか。私は一〇〇%向こうに責任があるという認識なんだが、どうです。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 今回の衝突事故の原因についてはただいま捜査中でございますので、結論はいまのところ申し上げられませんが、ただ日昇丸は、現在まで判明しておるところでは、通常の航海を行っておったという状態であったことは間違いございません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 責任ないでしょう。責任は全くないでしょう。一方的に被害を受けたんでしょう。違いますか。その程度の答弁がなぜはばかられますか。重ねて。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 日昇丸は通常の航行中であったということでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 だから日昇丸に責任ないでしょう。

野呂隆海上保安庁警備救難監

○説明員(野呂隆君) 相手の潜水艦につきましては詳細な報告が参っておりませんので、わかりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 時間がもったいないから、のれんに腕押しはやめよう。  では、あなたに重ねて聞きますが、保安庁、例の潜望鏡の話があったですな。あれは安武委員に対してはあの程度の答えであったが、これは岡崎さん、常識で考えて、仮に「ジョージ・ワシントン」が損傷を受けたとした場合、十数時間たった事故海面に徘回して監視行動のごとき行動をとるなんということは常識的に考えられない。いち早くその海面を去る、特定通信で曳航船なら曳航船を呼ぶ、これが軍の常識だと思うんです。ならば、その潜望鏡は一部すでに散見されているが、ソビエト海軍の原子力潜水艦が付近海面に哨戒行動を行ったのではないかという観測があるんだが、私はあながち否定はできないと思いますよ。あなた専門家ですから、どうですか。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 今回の事件は、先生も御指摘のとおり、いろいろ不可解な点がございまして、われわれの知らない事実もあるいはどこかにあるかも存じません。それで、アメリカがこれは誠実に鋭意調査いたしまして、結果がやがて出ると、これも急ぐと言っておりますので、それまでは結果を予断するような憶測はなるべく避けたいというふうに存じております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 重ねて専門家に聞きますが、向こうのリポートやステートメントをうのみにしてほしくないという前提であなたにあえて言っておるんだが、防衛庁は当然把握していますね、「ジョージ・ワシントン」から艦籍ナンバー五九八、「トーマス・ジェファーソン」艦籍ナンバー六一八、欠番があるから合計隻数は十隻なんだが、その就役年月日、あるいは年でもいいんだ、あるいは現状どうなっているかぐらいは当然把握をして国会答弁に臨んでいるんでしょうな、念のために。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) 現状がどうなっているかにつきましては、これ、必ずしもどの船がどうなっているかということはアメリカは公表しておりません。ただ、一番新しい資料といたしましては、たしか二月に議会で証言がございまして、それでその内容は存じております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 なぜアメリカの原子力潜水艦というのはおくめんもなくりっぱな名前をつけるのかね、あれ。たとえば艦籍番号六〇〇「セオドア・ルーズベルト」、これは一九八〇年廃艦、みんな大統領の名前ついている。六〇二番「アブラハム・リンカーン」、これも一九八〇年廃艦、だから十隻のうち二隻は明らかに廃艦になっている。あなたとぼくと同じ資料を見ているんじゃないかな、と思う。三隻が用途変更、この場合はSSBNからSSNへの転換、残り五隻もSSNにすべく計画中、それからさらに八〇年までに三隻が転換作業を終えたと、そうしますと、消去法で消していくと、残り五隻の中に「ジョージ・ワシントン」が入っている可能性があり、これは推測じゃありません、論理的です。そうして、その改装はある程度進んでいたのではないかというワシントン報道もある。つまりポラリスを積載しているんじゃなくて、同じ形状と重量の硬質コンクリートを搭載していて、艦の安定を保ちながらあなた方の言う通常行動に従事していたということもあるんだが、さっきから同僚議員が言っているように、皆さんは積極的に調べようというんじゃなくて、向こうから来たデータには一〇〇%信をおくと、それでみずから能動的に振る舞おうとしない、この辺がぼくたちやあなた方との距離なんですよ。国民感情と官庁との距離なんですよ。それを埋めるのがあなた方の義務なんだ。余りにも足りないというのがぼくの指摘なんだが、いまの指摘に対してはどうですか、岡崎さん。

岡崎久彦防衛庁参事官

○政府委員(岡崎久彦君) アメリカのSSBNの任務でございますけれども、これはただいま事故を起こしたという国民感情、これはよくわかるのでございますけれども、同時にこれは日本に対して核のかさを提供している、日本の安全にとって非常な貴重な任務を果たしております。これについて、核のかさの効力を維持するためには秘密保持ということもこれ非常に大事なことでございまして、むしろ秘密保持に日本政府が協力する、これまた日本の安全にもかかわりのあることだというふうに存じております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 あと一分ありますから、最後の一問ですけれども、現在調査のため来日中のリッチ大佐ですね、これは太平洋潜水艦隊司令官の直属という権限を与えられている。報告のルートを見ると、第七艦隊の司令官に出して、海軍作戦部長ということが言われているんですよね。その段階で日本側の外務省と防衛庁は努力をし、在日米軍たる第七艦隊にリポートが手渡された段階で、それを、同文、同内容のものを強い得るという交渉は不可能か。それをぜひやってもらいたい、こう思うんだが、それはどうですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) これはアメリカ内部の国内組織でございまして、やはり私たちとしてはアメリカ政府に申し入れているわけでございまして、アメリカ政府からの正式の回答を得るという立場でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 やめましょう。

林ゆう自由民主党・自由国民会議

○委員長(林ゆう君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十六分散会      —————・—————

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