逓信委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/09/01
会議録
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。 去る六月五日の本会議におきまして、はからずも逓信委員長に選任をされ、その職責の重大さを痛感いたしておる次第でございます。はなはだ微力ではございますが、委員各位の御協力と御鞭撻をいただきまして、全力を尽くしてこの職責を果たす所存でございます。何とぞ皆様方の温かい御指導と御協力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、就任のごあいさつにかえる次第でございます。 どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) —————————————
○委員長(勝又武一君) 委員の異動について御報告いたします。 去る六月四日、成相善十君、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として安井謙君、私勝又武一が選任されました。 また、去る六月五日、福間知之君、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君、片山甚市君が選任されました。 また、去る六月八日、安井謙君が委員を辞任され、その補欠として成相善十君が選任されました。 また、去る八月二十九日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 また、昨日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に成相善十君を指名いたします。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、金融の分野における官業の在り方に関する懇談会の報告に関する件を議題といたします。 この際、郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山内郵政大臣。
○国務大臣(山内一郎君) 一言ごあいさつ申し上げます。 逓信委員会の皆様には、平素、郵政省所管業務の適切な運営につきまして格別の御尽力をいただき、まことにありがとうございます。 さて、去る八月二十日、金融の分野における官業の在り方に関する懇談会から内閣総理大臣へ報告が提出されたことは皆様御承知のとおりでございます。 この報告の中には、預貯金金利の一元化、定額郵便貯金の見直し、サービス改善の否定、郵便貯金資金の自主運用の否定等々、預金者国民の利益を全く無視し、郵便貯金制度の根幹を揺るがす重大問題が含まれており、私としては慎重に対処していかなければならないと考えているものであります。また、経済社会環境が大きく変化している中で、国民的な課題である個人金融分野の充実等について触れていないことも、大変遺憾なことであります。 したがって、所管の大臣として、八月二十一日の閣議におきましても、この点を強調して、この報告書の取り扱いについては、関係三大臣が慎重に検討することとされたところであります。 私は所管の大臣として、昨年来の客観情勢の変化、国民世論の動向などを十分に踏まえ、利用者国民の立場を十分考慮して対処してまいりたいと考えております。 今後とも郵便貯金事業及び簡易生命保険事業の運営に当たりましては、国民の御期待にこたえまして国民生活の安定と福祉の増進を図ることが何よりも肝要なことと心得ております。 皆様には、この上とも御理解と御支援を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○委員長(勝又武一君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○成相善十君 いま大臣から報告がありましたが、質問の順序から言えばさらに内容を詳しく御説明を願いだい、こう申し上げるところでございますが、しかし、この金融懇の答申の内容についてはわれわれも重大な関心をいままで持ってきたところでございますし、いま改めて内容をお聞きするまでもなく、まことに遺憾なことであると思うわけでございます。もっとも、こういう内容になるであろうということはあらかじめ予測できたことでありまして、まず、変則かわかりませんが、質問というよりこれに対する私の意見から申し上げて、後は大臣のこれに対する決意のほどをしかと確かめていきたい、このような運びにさせていただきたいと思います。 経過を少したどってみますと、この金融懇なるものがそもそも誕生したそのものが、御承知のように郵便年金問題に端を発しまして年金とは全く直接の関係のない郵便貯金問題が唐突に取り上げられた、そういったような経過をたどりながら大。変意図的で変則的な発足をした、そういう経過があるわけでございます。そうしたような事態から私ども自民党政調、通信部会は直ちに、郵便貯金を一方的に問題視する前提に立って党の関係機関に協議することもなく内閣で一方的な検討の場を設けることは了解できない、むしろ金融全般にわたって公平な立場で検討をすべきであるという決議をしたことも大臣もよく御承知のとおりのところでございます。 こうした経過で発足した懇談会であるから、当然大蔵当局の手のうちで審議が運ばれたことは明らかで、その結果は、官業は民業の補完である、民業でできることは民業でやらせなさい、官業に金が集まり過ぎることは好ましくない、こういった型どおりの内容になるのは当然でして、まるで大学で習う教科書そのもので、全く現実的な対応もなければ国民の立場も考えているものでないと言わなければならないと思います。 去年の秋、郵貯に金が集中したということから、確かに金融懇では官業のあり方の分析は行われたかもしれませんが、一方の民業のあり方について現実的な分析、検討は行われていない。ただ、民間金融機関の効率的な運営を指導、監督しなさい、こういったような指摘にすぎないところを見てもこのことはよくわかります。これでは国民経済の金融のあり方全般の幅広い検討が行われた結果のものでないということは明らかであるように思います。まるで答申は、官業である郵貯の意見を聞くには聞いたが結論は大蔵省サイドの意見でまとめているといった感じがいたします。全く現実を無視した時代錯誤もはなはだしいものであるように思えてなりません。 いまわが国は安定成長期の経済、社会を迎えて、しかも急速な高齢化社会になっていく中で、行財政改革はもとより、あらゆる分野において大きな転換期にわが日本はある、こういう認識に立たなければならないと思います。こうした中で金融といえども一大転換期にあると言わなければならないわけで、そんな発想はこの答申の中では一つも見受けられない。ただ、そこにあるのは、戦後の荒廃から経済復興の中で経済優先、低金利政策、高度経済成長と、あの押せ押せといった環境の中の金融政策の夢があるだけのように思えてならないわけでございます。市中の金融機関のあり方、あるいは個人の貯蓄性預金の位置づけとか、さらには個人金融に対するニーズの対応など、そういったような反省とか指摘というものが一つも見受けられない。 こういったような答申に対する私の意見であるわけでございますが、まず、大臣は、こうしたような私の受けとめ方に対してどうお考えになるか、所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(山内一郎君) 成相先生からいまいろいろお話がございまして、私も大体そのように考えているわけでございますが、昨年、郵便貯金が七月から十一月ころまで非常にふえてまいりまして、したがって、そういう影響というものはやはりあったことはあったことだと思っているわけでございます。 そこで、金融懇というのも発足をいたしまして、郵政省といたしましても、官業のあり方というよりも官業と民業との関係をどうするかというような問題、そういう点についても大いに御検討いただきたい、こういう懇談会にも御説明を申し上げ、私も委員の先生方にも郵便貯金事業の本質問題について個別にるるお話を申し上げてまいったのでございます。したがって、民間の金融機関と郵便貯金事業との関連については、今回のいわゆる報告書を見てまいりますと、郵便貯金がふえ過ぎているので何とか抑えてもとどおりのようなことにする基本的な流れがここの中にあると思います。しかし、そういうことは恐らく非常に困難なことだと思います。いままで国民の皆さん方が郵便局を信頼して、郵政省を信頼してお金を預けて、それをひとつ有効に使っていただいて利子も確保し利益も増進してもらいたい、こういうことで本日まで来ているわけでございますので、その延長線にあるところをいま直ちに後ろを向けて走れというようなことはこれはとてもできるものじゃないのです。 したがって、こうなった以上はどういうふうに問題を解決していくか。たとえば郵便貯金は財政投融資で大蔵省で運用してもらっておりますけれども、民間の金融機関が国債の消化に非常に困難しているという情勢もございます。それでは郵便貯金を活用してそういうふうにやっていくか。要するに、ひとつここまで来たやつをどういうふうにうまく転換して金融全般についてやるというのが私の考え方で、そういう報告がいただけるとよかったような気がするわけでございます。個人金融についてはほとんどまだ十分ではございません。そういう方面についても十分な報告書が出ればいいと思いまして、いろいろいま成相先生の御意見ございましたけれども、私はそのとおり考えてそういう方向で、これから総理の指示によりまして三閣僚、官房長官、大蔵大臣、郵政大臣が協議を進めていくことになっておりますので、そういう心構えでこれからやってまいりたいと考えているわけでございます。
○成相善十君 よくわかりましたが、そういったことでこの金融懇なるものが去年の未発足しましてから経過をたどってみますと、この半年、七ヵ月余り大変大きな変化があったわけなんですが、自民党の通信部会におきましても郵貯基本問題小委員会というのをつくりまして、二月の三日から五月十九日まで、この期間に十六回の会合を重ねまして各界を網羅した意見聴取をした。二十九名の方に来ていただいたわけです。そしてまた海外の事情も調査するなど、そうしたような努力を重ねながら、ここに持ってきております「国民の立場から考えたこれからの郵便貯金」という報告書をまとめたわけでございます。これは大臣もお読みいただいたと思うわけでございます。いま党内では衆参合計で四百二十四名おると思いますが、その中の三百三十三名の者はこの通信部会の郵貯基本問題小委員会の結論に対して賛意を表しまた協力をされておるという、言うならば大多数の自民党の国会議員がこの金融懇の結論とは違った考え方を持って郵便貯金というものを考えておるということであるわけですが、こういったことに対して大臣はどうこれを受けとめておられるか。大変なことだと思うんですね。大臣の所信を、さらにひとつ重ねて承りたいと思います。
○国務大臣(山内一郎君) 党の方でも通信部会を中心にしていろいろと御検討いただきまして、外国の状況の視察までされて、あらゆる面からいろいろ金融の問題を御検討いただいてまいりましたことについては心から敬意を表する次第でございます。したがって、そういう方々にどのくらい——いま国会議員の数字をお示しになりましたけれども、八割近くの方がその線に沿ってこれから進めていこう、こういうふうにおっしゃっていただいておりますので、私もその線に従って、ひとついろいろと今後やってまいりたいと考えているわけでございます。
○成相善十君 そこで問題になるのは、党と政府の去年の十二月二十八日の合意事項の中で書かれております、この結論に対しては「尊重することを確約する。」という問題がひっかかってくるわけでありますが、大臣のいままでの御発言の中で、二十一日の閣議で三大臣協議をするということになったので協議することも尊重することの一つだ、こういうような御発言があるようでございますが、私はそれを聞きましてまことにわが意を得たような気がするわけでございますが、この尊重問題はひとつ後へ譲りまして、ここで局長にひとつ伺いたいと思うんです。 私は、そういったことしの当初から大論議をやった中で、いろんなメリットもあったと思うんです。市中銀行がこの論争を契機としてだろうと思うんですが、期日指定定期預金といったような新しい商品を、郵貯の定額貯金に負けないような新しい商品を出されて、いろいろサービス向上に市中金融機関の方でも努力しておられるというようなことが新聞報道等で出ておるわけですが、大変結構なことだと思うんですね。こういったようなことはいままでも努力していればできていたものをしていなかった、逆に言えばそういう受けとめ方もできる問題じゃないかと思います。 また、言われておりますように、定額貯金が条件がよ過ぎる、これを銀行並みに落とせ、こういったような意見もあるようですが、いいものを悪いところへ合わせろといったような意見そのものが本末転倒であって大変けしからぬ意見であろうと思うんですが、そういったような意見が憶せず出てくるということは、やはり大蔵省の市中金融機関の平素の指導のあり方といったものに大変な過保護的行政があったのではないかということは常日ごろ言われておることであるわけですが、そういった一端からものぞけるわけであって、こういった意味においても一方的に郵便貯金を抑え込んでしまうというような姿勢が言語道断のことである、問題にならない問題である、こういうように私は考えるわけですが、郵政省はどうこういったような市中の動きに対して調査をして、またどの程度知っておられ、またどういう受けとめ方をしておられもか、そういった点をお聞きしたいと思います。
○説明員(鴨光一郎君) 金融懇におきましては、郵政省といたしまして、先ほど大臣からもお話ございましたように、広く金融の各般にわたっての検討をお願いしたいということを私ども主張してまいりました。その中には、いま先生御指摘のように、現在の金融行政あるいは民同金融のあり方について各方面から厳しい指摘がある、そういった問題も含めてやっていただきたいということを強く主張し、申し上げていたわけでございます。しかしながら、今回出ました金融懇報告では、それらにつきまして金融の効率化の促進といったことにごく簡単に触れられたというふうなことで、郵便貯金につきまして一方的に抑制をしようという厳しい中身になっているという状況でございます。 ただいまお話のございました民間の新しい商品開発でございますが、この点は、郵便貯金の急増、これは昨年の一時的な現象でございますけれども、こうした状況に対して民間金融機関がみずからの努力で商品の開発をされる余地があるのではないだろうか、こういうふうなことも私ども申し上げていたわけでございます。御指摘の新しい商品は、いわゆる期日指定定期ということでこの六月からスタートをしているわけでございます。一これまで商品面でのイコールフッティングというふうなことが民間側から言われていたわけでございますけれども、このような商品が開発をされたことによりまして、商品面はもとよりでございますが、税制面も含めましてイコールフッティングになったのではないだろうかというふうに私ども考えております。 なお、この期日指定定期預金が発売されましたことによりましてどういう影響があったかということは、六月、七月、そして八月ということでございますが、民間の方の数字を私ども的確につかんではおりませんけれども、昨年の状態に比較いたしまして大変好調な状態であるというふうに聞き及んでおります。私どもかねて簡易保険あるいは郵便貯金の存在がいわゆる民間の事業に対しまして誘導的役割りを果たしているということをもお話し申し上げていたわけでございます。このような商品の開発ということもその一端であろうかというふうに考えておりまして、今後とも官民ともどもにこうした国民のためのサービスを強化するということに努力をすべきであろうというふうに考えておるところでございます。
○成相善十君 ところで、金利一元化の問題が指摘されておるわけなんですが、どうも私はこの一元化ということがよくわからないんです。いままでのやり方で大変大きな支障があって日本経済に大きな悪影響を及ぼしたといったようなことがあったのかないのか、こういった点も聞きたいわけなんですが、金利の自由化ということが一方では世界の趨勢になっている、そうした中で統制を強めていくといったような、これまた時代錯誤もあるやに思えてならぬわけです。 この問題は、時間もありませんから置いておきまして、来年度の予算要求で郵政省は、新しい施策をいろいろ考えられてきのうの概算要求に出されたと思うわけですが、これに対して、これは新聞に出ておったんですが、大蔵省は引っ込めろなんてまことに信越至極なことを言っておるんですが、これはどういうことなんですか。そういうことはもちろん引っ込めると言われることもないわけだし、予算要求するのは郵政省の当然の権利でもあるわけで、それにけちをつけられるということはあり得ないことだと思うんですが、これはどういうことですか。ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○説明員(奥山雄材君) お答え申し上げます。 先生が先ほど御指摘になりましたように、去る八月二十九日付の一部の新聞報道で、来年度の概算要求につきまして大蔵省の方からその内容を差しかえて提出するようにという要請があったかのような報道がございましたけれども、大蔵省の方から郵政省の方にそういった要請ないしは申し入れがあった事実はございません。すでに昨日、郵政省といたしましては、財政法なり郵政事業特別会計法の規定にのっとりまして大蔵省に対しまして昭和五十七年度の概算要求を提出いたしたところでございます。
○成相善十君 それでは、時間も参りましたので、先ほど取っておきの大臣の決意をここでしっかりと承りたいと思うわけなんですが、二十日に答申がありまして、その夕方、自民党の通信部会が開かれて決議が行われた。それから二十一日に閣議が行われて、先ほど大臣から報告があったように、三閣僚によってこれを協議するということになったようですが、それで、われわれの考え方は、二十日の自民党通信部会の決議、これを読んでみますと、これは非常に大事なことでございますので、いままで質問で申し上げたことの内容が網羅されているわけなんですが、「今回報告された「金融の分野における官業の在り方に関する懇談会」の結論は金利一元化、定額貯金の見直し、郵便貯金や簡易保険のサービス改善の抑止等々が盛り込まれており、預金者国民の立場を全く無視しているばかりか郵便貯金制度の根幹を揺るがすもので、到底納得し難い。」、こういう前提に立って一連の決議を行っておるわけなんです。 また、一方において、郵政審の中で大臣が設けられましたところの郵貯に関する基本問題特別委員会、これも七月には答申が出されております。金融懇とは全く逆の立場の答申が行われていることは周知のとおりであるわけなんですが、また一八月二十八日には郵政審の特別委員会が開かれて——郵政審が開かれたのですか、金融懇に対して批判が続出した、こういうふうに新聞に書かれておるわけです。 大臣の当初の御決意でも、全く一大事なので体を張ってでもこれを阻止するというような御発言があったということも聞いております。まことに心強い限りであるわけなんですが、当初の合意事項で「尊重することを確約する。」、この問題との絡みにおいて——大臣も金融懇の答申については納得しておられないと思うわけですね。納得できないことである。納得できないことを尊重するということ自体がおかしな話なんで、尊重という意味は、三大臣の話し合いを拒否するのでないので、話し合いをする、が、しかし納得しないものはそれに賛成するわけにはいかない、こういう立場であろうと思うんですが、これに間違いございませんか。
○国務大臣(山内一郎君) 二十一日の閣議におきまして、金融懇の報告書について報告を尊重するというような閣議の申し合わせあるいは閣議決定をなされようとした空気もあったわけでございます。そこで、私はいろいろ発言をいたしまして、非常に重大な問題でありますのでこれは慎重にひとつ扱っていただきたいということで三大臣の協議というふうに相なったわけでございます。そこで、協議に臨みます私の考え方は、郵政省に郵政審議会というのがございまして、いろいろ御勉強いただいて答申もいただいておりますので、その内容は申し上げなくても十分御理解のあるところでございますが、その線に沿ってひとつ協議に臨んでいこう、こういう態度でいま考えているところでございます。
○成相善十君 それでは最後に、申し上げましたように、自民党の現職の国会議員の大勢はいま大臣の申されたことに対して協力し、また賛成をする方向にあるわけでございますし、恐らく郵政事業始まって以来初めて迎えた最大の危機だと私は思うわけなんですね。しかも、日本経済の全般の中で金融問題が論議されていろんな意見が出たというのであれば話は別なんですが、当初申し上げましたように、大変意図的に取り上げられた金融懇の中で一方的に論議をされ進められたその結論であるということを考えれば、これは何としても打ち破っていかなければならぬ、このように私は考えるわけなんですが、どうかひとつ、われわれ自民党の大勢というものは大臣の味方であるという強い御認識をお持ちになって、これから三大臣の協議の中で方向が決まっていくと思うんですが、いま大臣の決意表明の中にありましたように、ひとつ郵政事業百年の計を立てる意味においてもここでしっかりがんばっていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終らしていただきます。
○大森昭君 この問題に対処する大臣のごあいさつがありましたけれども、ちょっともう一回振り返ってみたいと思うんですが、十二月二十八日の政府と自民党との合意文書があるわけでありますが、これでは「答申を得ることとする。」というふうになっておりますが、そのとおりですか。
○説明員(鴨光一郎君) ただいまの御質問の点、昨年の十二月二十八日に行われました「個人年金に関しての政府・党合意」の中に、部分的に読み上げますと、「内閣に中立的な検討の場を設け、これらの問題に、いかに対処すべきかを早急に検討し、昭和五十六年八月末までに答申を得ることとする。この検討の結果については、大蔵大臣も郵政大臣もこれを尊重することを確約する。」となっております。
○大森昭君 八月二十一日の各社の新聞を読みましても、全部といっていいほど答申という言葉を使っていますが、私の手元にあります金融懇のやつはこれは報告ですね。そうすると、「答申を得ることとする。」ということでこの金融懇は発足したのだけれども、結果的には答申は出なかったということで理解していいですか。
○説明員(鴨光一郎君) 私の方で受け取っております金融の分野における官業の在り方に関する懇談会からのものは、報告という表題でございます。
○大森昭君 そうすると、答申が出ないで報告になったということでありますから、郵政大臣は何も尊重することもなければ、単なる報告でありますから、これはもとのこの答申を得たらということは、答申が出ないわけですから何も尊重も対処もヘチマもないと私は理解するんですが、この辺は、きょうは官房長官を呼んでいるんですが来ないんですが、審議室長、何か見解ありますか。
○説明員(石川周君) 昨年末の政府・与党の合意の文書には、ただいま貯金局長の方からお読みいたしましたような表現になっておりますが、これは私どもの理解といたしましては、法律、政令というような厳密な審査を経たもの、あるいはそういう厳密な表現ではないと思いますが、八月末までに何らかのお答えをいただきたいというふうに総理から五人の先生方にお願いをする、そういうお答えをいただきたいという趣旨がここに答申という表現で書かれている、そのお答えに当たるものが今回の報告であるというふうに理解いたしております。
○大森昭君 そういうでたらめみたいな話をしては困るんですよ。少なくともあなた方は長い間役所に勤められて、少なくともこういう懇談会だとかあるいは郵政省の中には郵政審議会もあることも御存じだし、すべてのことを御存じで話が進められているわけでありますから、素直に、実は答申が出ないので、何らかの意見といいますか、何らかのことを出してもらえればいいんだということになれば、そういうことで発足しなきゃいけないのでありまして、私の方は少なくとも、前も私は何回か質問しているのでありますが、この懇談会というのは一体何かと字引を引いたら、懇談会の懇はねんごろと書いてあるけれども、郵政事業をねんごろにやられたのでは困るという話もしたわけですけれども、明らかにこれは答申じゃないんでしょう。どうなんですか。
○説明員(石川周君) 十二月末の合意に基づきまして「八月末までに答申を得ることとする。」とされたこの懇談会のお答えが、八月の二十日に出されました報告書でございます。
○大森昭君 私は、そういうことを聞いているのじゃなくて、答申であるのかないのか聞いているんですよ。
○説明員(石川周君) 十二月末の合意文書の答申でございます。
○大森昭君 あなた、そういうごまかしを言ってはいけませんよ。これには答申という言葉は使っていないけれども、答申だとあなたは言うんですね。行政管理庁が三十六年の四月十二日に出した通達、これも前回の委員会で私は質問いたしましたけれども、これに明らかに、「国家行政組織法第八条の審議会、協議会は合議制の行政機関として委員個々の意見とは別個独立な機関意思を決定することが所掌事項として定められているものであるのに対して、いわゆる懇談会等は個々の個人の意見を聞くのみで行政機関としての意思の決定を行わないものであるというのが国会における政府答弁の要旨である。」。しかも、この答弁はその当時の内閣総理大臣の答弁なんですよ。それをあなたは否定するんですか。
○説明員(石川周君) そのとおりだと存じております。
○大森昭君 そのとおりじゃないよ。あなたは否定するのかと聞いている。
○説明員(石川周君) 否定するつもりはございません。
○大森昭君 否定をしなければ、いま私の読み上げたやつが否定されなければ、明らかにこれは答申でなくて報告であるということでしょう。
○説明員(石川周君) 昨年末の合意文書で表現された答申という言葉が、ただいま御議論になられたような法律上の意味での答申というものに当たるかどうか、これは合意文書を書かれた方々の解釈をお聞きする以外にないと思うのでございますけれども、私どもの理解では、これは法律上の厳密な答申ということではなくて常識的なお答えをいただきたい、こういう意味であろうかと存じております。八月二十日の報告がこの十二月末の文書におけるお答えをいただきたいというものに対する答えである、このように理解しております。
○大森昭君 きょうは官房長官が来ないからあれなんですが、この前の議事録を読みますと、いずれにしても次元が違う、今度の懇談会というのは。したがってというお話がありますが、次元が違うと言うけれども、次元が低いんですか高いんですか、大体この私的諮問機関というのは次元が違うというのは。
○説明員(石川周君) 取り上げる問題の広さ、取り上げる問題の角度、それが違うという意味だろうと思います。
○大森昭君 ですから、私は、答申の問題も、なぜこれに固執するかというと、少なくとも郵政事業の——大体私の結論は成相先生と同じ意見なんですが、しかし、それにいたしましても、いろいろな世の中の変化がありますから、そういう意味合いではその変化に対応することも必要でしょう。しかし答申を出すということは、この先ほど読み上げました国家行政組織法の第八条に基づく内容で少なくともやらなければもともと答申は出ないんです。 それで、いまあなたが言うように、もっと広い分野でということなら、当然そこに設置をされる懇談会でも調査会でも審議会でもいいですが、それは当然そういうスタッフをそろえて——郵政審よりか広い分野にわたるものを議論するというのに郵政審議会よりかも数の少ない五人ぐらいですね。しかも、これはよく調べてみますと、大変お骨折りをこの五人の方々にいただいたようでありますが、総合政策研究会のメンバーですね。有澤先生は会長をやっております。理事長さんは土屋清さんだし、理事に円城寺さんと大来さん、これは同じ総合政策研究会のメンバーの方々ですね。こういうメンパーの方々を集めまして、それでいま先ほどから議論になっております国民的な立場で、そしてまた郵政事業が百年の歴史を持つこの貯金事業を変革しようというのは余りにもおかしいじゃないですか。 しかも、これは先ほど読み上げたように報告でありまして、行政機関の意思決定を左右するものじゃないというのですから、郵政大臣、あなたがこれから対処すると言うのでありますが、その辺のところの認識がないと、これは何か郵政審よりかも高い次元で広い分野のところの答申なんだからこれの方を尊重しなきゃいけないなんということを初めに考えておったのではもともと話にならないわけですから、慎重に対処するなんという言葉の中に、少なくともあなたは大臣としてみずからの事業を運営する郵政審議会の中での答申をいただいているわけですから、それを基本にして三閣僚で協議するというなら、その協議に臨むということを明確にしてもらいたいんですよ。報告に左右されて、それであなた、郵政審議会のこれは答申ですから、これをその見合いの中で対処するなんというのでは困るのでありますから、どうなんですか、それは。
○国務大臣(山内一郎君) 最初のごあいさつ並びに先ほど成相委員からも御質問がございましたけれども、三閣僚で今後協議をする、こういうことに相なっておりますので、その協議に臨む私の考え方につきましては、郵政審議会から得られました、いろいろと御検討の結果答申をいただいたその結果を十分に踏まえて協議に臨んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○大森昭君 三閣僚で協議をするということは決まったことですから、それをいま否定しても仕方がないから、大臣はそういうことでやられることについて否定はしませんが、先ほどから言いますように、郵政大臣は郵政審議会の答申をいただいているわけですね。片方は報告をいただいているわけですね。報告とは一体何かと言えば、明らかにここに書いてあるのは、これは行政管理庁が出している公式な文書でありますが、行政の意思決定を行うものじゃないと。郵政審議会の方は、少なくとも長い歴史の中で郵政大臣が物事を処するために郵政審議会に諮って、郵政審議会から出された答申というのは従来、多少のニュアンスの違いはありますけれども、それを尊重して郵政大臣は業務を遂行してきたわけでしょう。 ですから、そこにおのずと違いがあるわけですから、だから三閣僚で協議をやられる場合にはそういう視点でやっていただくのと、とうていこの報告は受け入れられないということになりますと、郵便貯金法の第二条で、郵政大臣が貯金事業を管理する、こうなっているんですが、山内郵政大臣がいる間は少なくともこの報告に基づいて貯金事業は進められないというふうに理解していいですか、あなたが郵政大臣の間は変化がないと。
○国務大臣(山内一郎君) 大森委員の御発言まことに重大な御発言でございまして、私が郵政大臣をやっている間は変化はございません。
○大森昭君 郵政大臣が山内さんである限りはいまの事業の制度的な変革はないわけですな。それならそういうことでがんぼっていただきまして、次に引き続き大臣をやられるかどうかわかりませんが、また新たな角度で質問いたしますが、いずれにいたしましても、少し問題の取り上げ方が不自然なんです。社会の変化がありますからいろんなことをやることは私否定しませんが、もう少しきちっとやっていただきませんと、超法規的に物事をやられて、しかも恣意的に物事を運ばれるということが、国民の立場に立つとか立たないとかという以前に大体問題が不明朗です。そのことを特にお願いしておきます。 それから、この金融懇の中で報告が出されているんですが、保険の問題もどういう仕組みで議論されたのかよくわかりませんが、全く簡単にこれは取り扱われているんですが、保険に対しては保険局長はどういう見解を持っていますか。
○説明員(小山森也君) これにつきましては、郵政省の簡易保険の意見というのは約十数分だけこの懇談会に出て申し上げたことはございます。ただ、問題が、いわゆる私どもの事業の一番の根幹を揺るがすようなことが二十数行で片づけられてしまっているということでございます。 私どもの基本的に考えていることといたしましては、やはり簡易保険事業、四万数千名の職員、五千万件のいま契約を持っている事業をひとつ検討していただく際には、まず第一に生命保険というものが官業、民業を問わずどういうものであるかということについての基本的なこの懇談会としての立場というものをまずお示しいただかなければならないのではないかと思います。 私どもといたしましては、生命保険というのは人の生命を対象といたしまして経済生活を保障するというきわめて公共性の高い特性を持つ事業分野でございます。したがいまして、こういったものに対して基本的にどのような御理解をいただいているかということが理解できないということ、そのままにおいて、結論としまして民業補完論というものをあたかも理論的な帰結であるかのごとく掲げられておりまして、その帰結に至るまでの経過というものが説明されておりませんで、それを出発点として保険事業、年金事業、これを全面的に抑制することに終始しているということでございましてこのようなことになりましては、私ども仕事をいたしている立場といたしまして、コストを極力低くし経営効率を高くして利用者である国民の利益増進に努めてきたという簡易保険事業の基本姿勢とは相入れないものであると基本的に考えている次第でございます。 また、この基本点に立ちまして、最高制限額は当分引き上げるべきではないとか、民間ですでに実施している分野に進出することは適当でないという結論を出しておりますけれども、私どもとしてはそういった基本的な考えでございますので、やはり国営事業といたしまして国民の皆様が求めるところの平均的な保障の要求というものに対してはこたえるべきであるし、また、求められた新しい分野に対しても当然事業活動を行うべきだと考えております。 また、最後に、官業は民業の補完に徹すべきであるという基本的な立場から臨時行政調査会でこの基本に立って検討することを期待すると書いてあります。本来、私どもの理解といたしましては、臨調としては自由な審議がなされるべきものであろうと思います。これに対しまして、一方的な考えで、予断を持ちましてその考え方に基づきましてあらかじめ枠をはめるというようなこと自体、この結論に対しまして非常に問題があるというふうに理解している次第でございます。
○大森昭君 社会党といたしましては、いまの貯金事業につきましても、保険事業につきましても、十分だとは言いませんが、いろいろ改善もされなければいけない点も多々あろうかと思いますが、いずれにいたしましても、今度出されました金融懇の報告については全く納得できません。したがって、大臣からの決意表明もありましたからこれで質問を打ち切りますが、どうかひとつ、大臣の努力によりまして、もちろん今後直すところは直さなければいけないわけでありますが、定額の見直したとか金利の一元化だとか、ごあいさつがありました内容については最大限ひとつ三閣僚会議の中でがんばっていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。
○太田淳夫君 それでは、引き続き質問さしていただきますけれども、いま同僚の委員からもいろいろと意見の発表がございまして、私もいままでの審議の過程の中におきましては賛成でありますし、特にいま大森委員の方からお話がありましたように、今回のこの金融懇の報告につきましてはわれわれも納得できないところが非常に多いわけです。今後の大臣がいろいろ協議に臨まれる姿勢もお話がありましたので、そのことはしっかりがんばっていただきたいと最初に申し上げておきたいと思うんです。 あと、この問題はきょうばかりでなくて今後も審議されるということでございますが、いろんな問題があろうかと思いますが、その中で二、三、やはり郵政省側の考え方もわれわれ確認の意味で確かめておきたいし、今後もわれわれもそれを一つの足がかりにしていろんな面で論議を進めていきたい、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思うんです。 今回のこの報告の中に金利一元化の理念ということが挙げられているわけですけれども、大蔵省、日銀側の意見としましては、金融政策の有効性、機動性あるいは通貨価値の安定といった観点から必要だ、こういうふうに述べているわけですけれども、郵政省の側としましては、国民大衆の利益の増進、貯蓄の増強という立場からこれは議論をされているようです。 これは、先ほど成相先生も持ってみえましたけれども、これからの郵便貯金のあり方ということでいろんな意見の開陳をございますが、その中にも、日本商工会議所の専務理事をされております佐々木さん、この方が「日本経済と郵便貯金について」ということで述べてみえること、私たちもこれは一つの立場として賛成しているわけでございますが、こういう大蔵省、日銀側と郵政省の側と全然別個の立場から議論されているようでありますけれども、やはりその議論というのは、このまま行きましても平行線をたどりかねないと思われるわけです。論争に論争を積み重ねても一向に一つのまとまったものができなければ、国民不在の論争をいつまでも続けるようなことになってしまうと思うんですね。ですから、ここでやはり国民の皆さん方の財産を守るという立場からも、一つの同じ土俵に立っての議論が必要だろうかと思うし、また、その方もそういう提言をされているわけですけれども、そういう一つの御意見がある中で今回のこの金融懇の報告にどう対処されるのか、大臣の見解を最初に承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(山内一郎君) いま太田委員から御質問ございまして、特に金利の問題のお話かと思いますけれども、これは郵便貯金法におきまして郵便貯金の金利の決め方が書いてあるわけでございます。預金者の利益の増進、それから民間の金融機関の利率についても配意をしながら決めなさい、こういう書き方がしてあるわけでございます。したがって、新しく金利が変わる場合には郵政省においては郵政審議会に諮問して決める、民間の金利は大蔵大臣が金利調整審議会に諮問して最高を決めていく、こういう二つの決め方が現行あるというのを二元化と通常言われているわけでございます。 しかし、実際どういうふうになっているかといいますと、これが別々に決められた場合には大変な混乱が生じてくると思うのです。どちらが高くどちらが低くなってもそちらの方へ預貯金が動きますので、これはどこかで調整しないといけない。したがって、郵便貯金法でも民間の方のそれを配意をしてやりなさい、こういうことで現行は調整をされながら両方の預貯金の最高金利というものはいまは六・五%で統一をされている。したがって、こういう方法でいいのではないか、こういう方法が一番いいというふうにわれわれは考えているわけでございます。 そこで、時間がかかるじゃないかという話があるのです。そういうのもいいけれども、どんどん適当な時期を外していくのじゃないか。しかし、最近では、昨年の十二月、それからことしの四月に金利の利下げがございましたけれども、そのときには数日で調整が行われまして金利全般の政策には影響はなかったというようなことでございますので、このやり方をさらに続けていくのが一番いい、こういうふうに考えております。
○太田淳夫君 これは仮定の話なんですけれども、もしも金利一元化ということがされますと、その金利を決める機関というのは一体どういうところになるのか、これも問題だと思うんですけれども、その具体的な方向性はあるのかどうか。あるいはこの郵貯の金利というのは現実に郵政大臣の権限から外れることになる、このように考えられるわけですけれども、郵貯の定額貯金の利率までも決定する権限が郵政審議会になくなってしまうのかどうか。その点ちょっとお聞きしたい。
○説明員(鴨光一郎君) 現在の郵便貯金法におきまして、まず第二条で、「郵便貯金は、国の行う事業であって、郵政大臣が、これを管理する。」ということが明定をされております。それから第十二条で、「郵便貯金には、政令で定める利率により、利子をつける。」ということで利率については政令で定める、つまり閣議を通して決めるということになっているわけでございます。 それで、金利の決定の方式につきましては、いま先生からお話ございましたように、いろいろ意見が出ていることは事実でございます。ただ、私たちといたしましては、その場合に国民の立場に立った預貯金金利の決定方式ということが一番の大きなポイントであろうというふうに考えているわけでございますが、いま申しました郵便貯金法の十二条では、「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払うとともに、あわせて一般の金融機関の預金の利率についても配意しなければならない。」、先ほど大臣も申された趣旨のものでございますけれども、現在こういう郵便貯金の金利決定方式があります一方で、民間の金利につきましては金利調整審議会で決定されるということ、この形の中で個人預金者の利益を直接反映できる唯一の機会がこの郵便貯金の利率決定の場であろうというふうに私ども考えているわけでございまして、この二つの場があることによりまして、個人預金者の利益と金融政策の立場というものが事実上調整されまして、結果として国あるいは国民全体にとって望ましい決定がなされているというふうに私どもは理解をしております。そういう意味で現行の金利決定方式が最も適切なものであるというふうにわれわれ主張をしているところでございます。
○太田淳夫君 この報告では、預金者の保護は当然としつつも、その「名分の下に金利政策の機動的、弾力的運営が阻害されるようなことがあってはならない。」としているわけですけれども、一方では個人の長期性預金の金利というものはいかにあるべきかということは非常なこれは問題じゃないかという議論もあるわけですね。日本における個人の長期的な預金のあり方というのは国際的にも例がないというぐらいの、それぞれ個人にとっては重要な位置にあるわけですが、それが案外金利政策の中で、金利制度の中で明確な位置づけがされていないということが問題でないかという指摘もされているわけです。このまま放置されていきますと、この長期性預金というものはインフレのもとで目減りをしていく、要するに国民の皆さん方の財産というものが目減りをしていく、減ってしまうということも言われているわけです。 ですから、何と申しましょうか、公定歩合あるいは短期金利が下がるからそれに連動して長期性金利というものもやはり下がっていくということは、日本の特殊な長期性預金をやっている皆さん、国民の皆さん方に対して大きな財産の目減りをつくっていくのだということになりかねないと思うんですが、この問題の解決がやはり一番大きな問題じゃないかと思うんですね。その点、大臣としましては、この預金者の保護と金利政策の機動的、弾力的運営という立場、そしていま何といっても国民の皆さん方が一番多く利用されている定額貯金というものを守ってみえる立場から、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山内一郎君) 金利の利上げのときはともかくとして、利下げの問題どのくらい下げ得るかどうかというときに絶えず、いま太田委員のおっしゃったことが私は第一の条件になると思うのです。うんと下げて消費者物価指数がそれより上回る場合、せっかく預けてある貯金がどんどん減っていくわけでございます。したがって、ことしの四月に六・五になったのでございますけれども、そのときの物価指数、その後の情勢も勘案しながら、民間の金融機関の利率と調整をしながら決めたものでございますが、現在は御承知のとおりに消費者物価指数が五%以下に下がりつつある、こういう情勢でございますので、六・五には下げましたけれども、目減りというものはなくて、そのときは適切な利下げであった、こういうふうに考えているわけでございます。
○太田淳夫君 これも前の委員会で、個人金融の部門については私ももっと業務拡大をすべきであるということでお話ししたんですが、この報告では、郵貯が「個人金融の分野に積極的に進出することについては、少なくとも現行法上疑義がある。」ということを述べておるわけです。私の立場から言えば、こういった懇談会がこのような結論を出すことが一つの疑義がある、こう思うわけですが、郵政省としてはこのことについてどのようにお考えでしょうか。現行の状況を含めてお話しいただきたいと思います。
○説明員(鴨光一郎君) 金融懇の報告では、いま御指摘ございましたように、郵便貯金におきます新種サービスについて抑制すべきであるという考え方が示されております。私どもといたしましては、現在官民を問わずに個人金融分野の充実に努めるということが要請をされている折でもございますので、金融懇の報告にございますサービス改善の一方的抑制というのはとうてい受け入れがたいというふうに考えております。 郵便貯金は、すでに百余年にわたって国民に簡易、確実な貯蓄あるいは送金、決済手段といったものをあまねく公平に提供するということで、いわゆる個人金融の分野における基幹的な存在としての役割りを果たしてきたと考えておりますし、また、これからも国民預金者の負託にこたえていかなければならないというふうに考えているわけでございます。昨今の状況からいたしますと、貯蓄あるいは送金、決済等の特に個人金融サービスに対する国民の皆様からのニーズというものが非常に多様化してきているというふうにわれわれとらえているわけでございます。これは官、民を問わないことでございますけれども、当然郵政省といたしまして、こうしたニーズに対応してサービスの提供に努めるということが当然の使命であるというふうに考えております。 今後とも、いまお話のございました新しいサービスといったことについて十分努力をしていきたいと考えておりますが、総合口座というサービスを例にとりましても、これはオンライン化が、昭和五十三年から実際のオンライン化に着手をいたしておりますけれども、実際を申しまして、昭和四十年の末にすでにオンライン化の計画を立て、いずれにいたしましても多くの局を擁します関係から非常に長期の計画性を要するということから、四十年の末に立てました計画を五十三年度を頭にいたしまして五十八年度末を目指してオンライン化を進めているという状況にございます。当然のことに、オンライン化の進捗に合わせまして、それに合わせたサービスとしてたとえば総合口座というふうなものが考えられるわけでございますけれども、われわれといたしましては、このオンライン化というものがお客様に対するサービスの向上と同時に、臨調でも指摘をされております事業の経営の効率化という側面にも資するという、この両面から今後とも十分な検討をいたしましてお客様へのサービス向上に努めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○太田淳夫君 最後に、先ほど成相委員からもお話がありましたが、大蔵省は郵政省の出された来年度予算の概算要求の書き直しなんということが報ぜられたわけですが、先ほどの御答弁ではないということでございましたけれども、やはりこの問題、大蔵、郵政両省の全面戦争とかいって報道がされておりますけれども、国民の立場に立って論議を重ねていただきたいと思いますし。変なところで妥協しないように、その点よろしくお願いしたいと思います。最後に、大臣一言。
○説明員(奥山雄材君) 昨日、五十七年度の概算要求につきましては郵政省から大蔵省に提出いたしました。したがいまして、これから先の舞台はいわゆる予算の折衝と予算の査定段階に移るわけでございますので、私どもといたしましては、予算の折衝段階で五十七年度の概算要求に盛り込みました内容が実現できますように最大限の努力を傾けてまいりたい、かように考えております。
○近藤忠孝君 最初に、金利について預金者の利益を守るという点で、いままでの各同僚委員の意見並びに山内郵政大臣の意見に私は賛成であります。そういう意味では、大臣、大いにがんばってほしいと思います。大体共産党が大臣がんばれなんてめったにないことですので、大いにひとつ、そのつもりでやってほしいと思います。 そこで、こういう郵貯論争が出てきたんですが、その原因は、先ほど触れられた郵貯がふえたからだという点の指摘があったんですが、私は単にそういう点だけじゃないと思うんですね。やはり長い間の経済政策に問題があったと思うんです。これはいままでもすでに問題になってきておりますけれども、これは一九六七年から七三年までの平均の資金の供給を見てみますと、個人が約六二%、法人、企業が三一%にすぎないわけです。しかし資金の需要の面では、法人、企業が六三%、個人は二〇%、こういう状況で、ともかく個人からたくさん金を、これは郵便貯金も含め銀行も含め集めて、それがまさに産業基盤に使われてきたわけですね。そして、それがまさに日本の高度成長を支えたわけです。そのときには余り郵貯論争は起きなかったわけです。郵貯の金も全部そこへつぎ込まれてきたけれども、そういう点では個人金融分野はまさに等閑視されてきたわけですね。ところが、低成長あるいは安定成長になってからさま変わりしまして資金の流れが変わってきたわけでしょう。そのときにこの郵貯論争が出てきたわけですね、まさに競争するということで。そして、これもいままで問題になっておったとおり、銀行側が自分たちの情勢が余り有利でないということで郵貯を抑え始める、そこが一つの郵貯論争が起きてきた問題だと思うんですが、大臣、その点どうお考えですか。
○国務大臣(山内一郎君) 従来からも、近藤委員のおっしゃったとおりにずいぶん前からいろいろあったわけでございます、官業と民業のあり方等について。ところが、御承知のとおりに、昨年の七月から十一月に郵便貯金が急激にふえてきた。その原因はいろいろあるでしょうけれども、グリーンカード制度ができるようになると郵便貯金が有利であるというような、本当はそうじゃないのですけれども、そういうような宣伝をされた結果どんどん郵便貯金がふえてきた、こういう情勢なんですね。ということは、民間の方は逆にそうふえなくなってきた。ふえたことはふえているけれども、ふえ方が少なくなった、こういうことになると思うのです。そこに国債問題も発生してきたわけですね。これも民間の金融機関でこれを引き受けて消化しなければいけない。こういうようないろんな面からいって民間の金融機関の金融政策は非常に窮屈になってきたということで事の起こりがさらに顕著になったというふうに私は認識をいたしているわけでございます。 それではどうするかという問題については、郵便貯金をもっと減らしたらどうかというようなことがこの金融懇の報告の底流に流れていると思いますけれども、それはせっかく信頼を受けてやったものを国民の期待を裏切ることになるのじゃないか、集まってきたものをどうやって有効に使うべきかという方向に頭を向けるのが私は至当であろうと考えているわけでございます。たとえば郵便貯金は御承知のとおりに大蔵省に全部行きまして、財投、資金運用部資金でこれは活用されているわけでございます。そういう面においても検討を加えるとか、国債が問題になっているのなら国債をもっと引き受けてやれば民間の方が緩和されていくのじゃないだろうか。要するに現在の体制に応じたやり方をやっていくべきであるというように私は基本的に考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 ちょっと問題がすれ違っているんですが、私は、郵政省が国民のための金融ということを強調し出したということは大変評価したいと思うんですね。ということは、いままでそれが余り重視されてこなかった、先ほど申し上げたとおり、資金の流れは個人から集めていわば企業の方へ、こういう流れが、これは銀行のお金もそして郵便貯金も同様だったし、そのときには多少問題あったにしてもこれほど大きな郵貯論争は出てこなかったわけです。私は国民のための金融ということ、そして個人分野を大いに充実するということはわが党も前々から言っておったことですから大いにこれは評価するんですが、もっと前から郵政省が言っておればこれはもっともっと評価できたわけなんですね。国民はもっと信用したと思うんですよ、本当に郵政省が国民、特に個人分野の金融を考えているんだと。ただ、国全体が高度成長のときは一緒になって産業基盤の方へどんどんつぎ込むその金集めに大変努力をしてきたという点で、私は、今回こういう問題が起きてきたときに、いままでのそういう経済のあり方、政治のあり方についての一片の反省があって、そしてさらにそういう反省に基づいてこれからは個人分野も充実したいということであれば国民はもっと納得すると思うんですが、そして、もっと山内郵政大臣を応援する部隊がふえてくると思うんですけれども、その点はどうですか。
○国務大臣(山内一郎君) 先ほど途中で切れたのでございますけれども、集まった郵便貯金をどういうふうに利用していくかという一面だけを申し上げましたけれども、いま国民の非常に要望しているところはもっと郵便貯金を利用して金を貸してもらいたい、いま市場の金利、借りる金利が非常に高うございますから、そういう点でせっかく集まった金は全部大蔵省の資金運用部に行かないで一般的な個人金融にも大いに活用すべきであるということをこの数年来実は提唱してきたところなんです。それをさらに強調してこれも実行に——一部やっていることはやっているんです。ゆうゆうローンというのは御承知かと思いますけれども、それをもっと広くやるようにこれからもやっていきたい、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 もう一つの大事な点についてはなかなか政治的配慮もあってお答えになっていないようですが、そういう問題を私は指摘をしたいと思いますし、その教訓をこれからも生かしてもらいたいと思うんです。 そこで、金利一元化の問題ですが、懇談会の有の言い方は、要するに金利政策の機動的、弾力的な運営のために金利の一元化が必要だ、こういうわけです。しかし、実際よく見てみますと、公定歩合とそれから郵便貯金の金利、これはかなり連動しておるんですね。多少時期のずれがかつてはありましたけれども、昭和四十七、八年のころには多少のずれがあったけれども、最近の五十四年以降を見てみますと、公定歩合が上がるとすぐ郵便貯金も上がり、下がれば同様の傾向を示すということだからむしろ連動してきたのではないか、こう思うわけです。逆に連動していない方は物価との関係ですね。これは郵政審議会から出ている資料ですけれども、西ドイツの例は大変きれいに物価とほぼ一致して郵貯の金利も動いているわけです。ところが、わが国については大変大きな差がある、こういう指摘がされておるわけですね。むしろ公定歩合と要するに金利の連動、弾力的な運営というのはむしろなされてきたのであって、あるいはなされておるのであって、むしろ重視すべきことは、これは郵政省だけじゃなくて国として重視すべきことは物価との関係ではないか、こう思いますが、その点どうですか。
○説明員(鴨光一郎君) いまお話のございました公定歩合でございますが、公定歩合の改定につきましては、これは日本銀行の専管事項ということでございます。私どもといたしましては、郵便貯金法にのっとりまして公定歩合が改定されましたときに民間の預金金利の動きというものをとらえまして、これは郵便貯金法の十二条にあるとおりでございますけれども、その際、もちろんのことにそういう民間の利率改定のバックになっております物価の動向あるいは経済情勢、こういったものを、郵政省といたしましても預金者の方々の立場というふうなものを十分念頭に置きながら、これもまた郵便貯金法の趣旨にあるとおりでございますけれども、そういうことで対処をしてまいっているわけでございます。その意味で公定歩合の改定と民間をも含めました預貯金金利の改定とが常に連動しているということにはなりませんし、過去の事実においてもそのようになっていないということでございます。 それから民間の預金金利との関係につきましては、先ほども申し上げましたように、いわゆる国民大衆の利益というものを十分考慮しながら、あわせて民間の金利、民間の預金の利率についても配意をするということで対処をしてまいっておりますけれども、その場合、あくまでも郵便貯金と申しますものは個人の貯蓄が大宗を占めているということを念頭に置いて対処をしてきているということでございます。
○近藤忠孝君 経過は、民間の金利に沿って動いているということですが、しかし実際のこれは資料に基づいて書き出してきましたけれども、五十五年の二月十九日に公定歩合が上がったらば三月十日に銀行も郵貯も上がっているわけですね。三月十九日の公定歩合の上がりに対してもこれは四月十四日、郵貯も銀行もいずれもそうです。逆に、五十五年の十一月六日、公定歩合が下がったことについて十二月一日に銀行も郵貯もこれは下がっておる。三月十八日の公定歩合に関しては四月十三日、いずれも動いている。ですから、やっぱり結果的には数字はこうなっておるわけですね。まさにこれは事実だと思うんです。私はそのこともさることながら問題にしたいのは、その後は大体結果的に連動しているんですから、物価との関係で、預金者の利益を守るという点であればむしろその方をもっと重視すべきじゃないか、また、これからしていくべきじゃないか、こう思うんですが。
○説明員(鴨光一郎君) 公定歩合との関連に関しましていま先生から御指摘がございました点でございますが、いまお話のございました五十五年の二月、三月につきましては、お話のとおり公定歩合の改定、これは上げる方の改定でございますが、その前に五十四年の十一月に一度改定がございましたときには民間をも含めまして預貯金金利の改定がございませんでした。それからもう一つ、ごく最近の例で申しますと、五十五年の八月二十日でございますが、これは公定歩合の切り下げの時期でございますが、このときには対応いたします預貯金金利の改定はございませんでした。 そういうことでございますけれども、利率の改定ということにつきましては、先ほどから申し上げておりますような考え方で、私ども特に、先ほど大臣からもお話を申し上げておりますように、預貯金が目減りをすることがあってはならない。もちろん目減りさえなければいいかといえば決してそうではなくて、当然実質金利というものもできるだけ確保いたしたいというのが私どもの考え方でございますけれども、あくまでも預金者の立場ということを念頭に置きながら、なおかつ日本経済の全体の動きに合わせて利率の改定をしてきている、郵政審議会に御諮問申し上げ、その上で政令で決めてきているのがこれまでのところでございます。
○近藤忠孝君 時間が来たので、最後に一点だけ。 運用の問題について私は違う意見を持っておるんです。これはやっぱり国民本位という点をもっと全体として貫くべきで郵貯だけを切り離して考えるべきではない、こう思うんですが、その中で一つ国債引き受けの問題がありました。国債はむしろ抑えていこうというときに、私は郵貯のお金で国債引き受けということになりますと、国債を市場原理に合って発行ということが考えられるというものを、むしろこの原則が崩れてしまうのじゃないか。というのは、まず一つは、それが常態化しますと国債発行が安易にされはしないか。それからもう一つは、直接郵貯の金が国債引き受けに回るとなると、結果的にそうなるんですが、そうなった場合、預金者にとってはむしろ国債を買った方が得になるわけですね。そういう面で本当に預金者のためになるか。こういう問題がありますが、その点どうですか。
○説明員(鴨光一郎君) 郵便貯金の資金と申しますものは預金者の皆様方の貴重な財産であるということで、私どもいま債券引き受けという形での運用を考え要求をしているところでございますけれども、郵政省が仮に国債に運用するといたしました場合には、当然のことに預金者の貴重な財産であるということを念頭に置いて市場実勢を反映した条件で取得する、逆に申しまして、市場実勢に沿わない条件では取得をしないということでおのずから限度が出てくるであろうというふうに考えております。こういうふうな国債の引き受けであるといたしますと、公社債市場の健全化にも役立ちますし、また、われわれから見まして、国債の発行主体と近い現在の資金運用部による引き受けよりも一層適切なものになるというふうに考えているところでございます。
○伊藤郁男君 最初に、私は、今回の金融懇の報告というものが銀行サイドに余りにも立ち過ぎて銀行の権益を盲目的に擁護しようとする一方的独断による郵政敵視の内容になっている、このように考えているわけであります。そして七月十七日に出されました例の郵政審議会の中間答申内容と全く正反対の内容となっている、このように考えているわけであります。 先ほど大臣の決意をお伺いし、さらにまた三閣僚協議の場に臨む大臣の姿勢、郵政審議会の答申の線から一歩も引かないんだ、こういう決意のほどをお伺いしたわけでありますが、この点につきまして、もう一度大臣の決意をお伺いしておきます。
○国務大臣(山内一郎君) この金融懇の報告の内容は、私は郵便貯金がどんどんふえるのでこれをどうやって抑えていこうかというような一つの方向が底流にあるような気がいたすわけでございます。したがって、われわれが郵政審議会でいろいろ御議論いただいたこととは非常に食い違っている点がたくさんあるわけでございます。今後、この問題、この報告については三閣僚の協議をやる、こういうことに相なっているわけでございまして、その協議に臨む私の考え方は、先ほどから申し上げますように、郵政審議会の答申の線を踏まえて、それを心構えとして協議をしてまいりたいと考えているわけでございます。
○伊藤郁男君 大いにがんばっていただきたいと思います。 ところで、最近の郵貯の趨勢につきましてお伺いをしたいんですが、金融懇が発足をしてから今日までどのような情勢になっておりますか。簡単で結構です。
○説明員(鴨光一郎君) 金融懇発足後という御指摘でございますので、懇談会が会合を始めましたのがことしの一月でございます。先ほどからお話が出ておりますように、昨年の七月から十一月にかけましては一時的急増がございましたけれども、この一月以降について見ますと、純増加額が前年昭和五十五年の同期の実績を下回る状況が続いておりまして、一月から八月の間をとってみました場合に累計で前年同期の六四%ということになっております。これが前年が多かったという面をも考慮いたしまして、前々年、つまり昭和五十四年、これが非常に不振な年であったわけでございますが、その不振であった五十四年と対比いたしましても、同じ時期、つまり一月から八月の間で比べまして純増加額が七八%という状況でございます。
○伊藤郁男君 郵貯の急激によくなったという点はこれは一過性のものである、こういうことをお聞きいたしまして、私もそのとおりだと思います。 そこで、郵貯に占める定額貯金の割合は九〇%、郵貯は即定額貯金だ、こう言えるかと思うんですが、この定額貯金が伸びておるということは、これは国民利用者、われわれが定額貯金を魅力ある商品としてみずから選択したものだ、こういうように判断できると思うんです。 そこで、定額貯金の見直しを金融懇は言っておるわけですが、このことは即預金者と国民の立場を無視する、このことに通ずるものである、このように考えているわけでありますが、郵政当局はこの定額貯金の見直しを一体するつもりなのかどうか、この点だけお伺いしておきます。
○説明員(鴨光一郎君) 定額貯金は、先生御指摘のように郵便貯金の残高で申しまして約九割を占めております。広く国民の皆様方に支持をされている魅力的な商品であるというふうに考えております。民間金融サイドからは定額貯金についていろいろ問題があるという指摘がされておりますけれども、その中に収支の面でも問題があるという御指摘があるわけでございますが、われわれこの定額貯金を含めまして郵便貯金事業というものを収支相償という原則のもとに独立採算制で維持してきておりますし、これからにつきましても、十分その維持が可能であるという見通しを持っているわけでございます。かたがた、私どもといたしましては、民間におきましてもさらに努力をされる余地があるのではないかということを申し上げていたところでもございますが、最近発売されました期日指定定期預金というふうなものは、いわば郵便貯金が先導的役割りを果たした結果ではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、こういった点を無視しまして民業を圧迫するということを主たる理由として定額貯金の見直しを主張するということは、私どもから見まして、先生も御指摘のとおり、国民不在の考え方であるということで見直しをする気は全くございません。
○伊藤郁男君 いまお話がございましたように、銀行側も定額貯金に刺激をされたといいますか、そういうことで期日指定預金というものをつくりまして、先ほども大臣のお話でしたか、これがかなり好調である、こういうようにお聞きをしたわけであります。まさに見直しをする前に銀行側がこの定額貯金と競争し得るような有利な商品を開発していく、こういうことが当然の筋であると私は考えているわけでございます。ところが、銀行は高度経済成長時代に安閑として新商品の開発に努力をしてこなかった、このように私は考えているわけでございます。したがいまして、いま郵貯に圧迫されたからといって定額貯金の見直しを迫る、こういうことは、いまお話がございましたようにまさに本末転倒、筋違いだ、こういうように考えているわけでありますが、大蔵当局からこの点について簡単なお答えをいただきたいと思います。
○説明員(小山嘉昭君) お答え申し上げます。 懇談会におきます郵便貯金に対する答申における評価でございますけれども、郵便貯金というのは、全国津々浦々簡易な貯蓄手段を国民に提供できるという特性を生かしましてこれまで個人貯蓄の分野で重要な役割りを果たしてきた、そういうことで高く評価されなければならない、これが今度の郵貯懇答申、私どもは郵貯懇と省略して申しておりますが、答申におけるその基本的なスタンスでございます。そして個人貯蓄の分野で重要な機能を今後も果たしていくべきものであると考える、こういうふうに書き切っておるわけでございます。 しかし、そうは言っても、現在の定額郵貯のこの商品性というのは幾ら民間が努力いたしましてもこれはまねのできる商品ではない、これも書かれていることでございます。最長十年間の預入ができる。これは民間ではたかだか三年でございます。それからまた据え置き期間、これは六ヵ月でいい。六ヵ月据え置いたらいつでも払い出せるということになりますと、金利動向というのは長いレンジでとらえますと高いときもあるわけでございます。そういうときに預けかえまして結局定額郵貯の中身というものは非常に高い金利に張りついていく、こういう状況というのは民間が幾ら努力しようともできないものでございまして、そういうことについて今回の答申におきましても指摘されているところでございます。したがいまして、大蔵省といたしましては、定額郵貯が民間金融様関の商品と適切な調和を保つことが適当である、このように考えております。
○伊藤郁男君 期日指定預金の問題はいまおっしゃったようなものではないので、やっぱり三年間というのは期日指定預金の方が有利に組まれておるわけであります。 ところで、別の観点からお伺いをしておきたいんですが、郵貯に携わる現場の働く者にとりましては、庶民の老後のためにあるいは万が一のためにということでためているお金を何とか庶民金融の立場から財産形成のために少しでも有利なものに、そういうことでまた郵貯に流れてくるわけでありますけれども、働く者にとりましては、現場の者としては、とにかく自分たちはそういう意味で社会的な責任を果たしているんだ、庶民のためにりっぱなことをやっているんだ、こういう意欲というんですか、そこに働きがい、生きがいを感じながら現場の労働者は働いているわけです、郵貯に携わっている労働者は。そのことを考えますと、この定額貯金、郵貯の見直し、こういうことになりますと、働く者の意欲というか生きがいそのものを奪ってしまうという結果にもなりはしないか、こういうように私は考えておりますが、この点についての郵政当局のお考えと、もう一つは、奨励手当、例の募集手当、こういうものも見直せ、こう言っているわけですが、この手当そのものは大体労使協約の中で定められたものであるということが第一点。それからまじめに働く者がこのことによって報いられる、こういうシステムになっている。しかも、郵政の中では信賞必罰の部門というのはこれしかない。こういうように私は考えているわけでありますが、この見直しについて検討するつもりかどうか。この二点を郵政当局からお伺いをします。
○説明員(鴨光一郎君) 最初に御質問のありました点は、先ほどの定額貯金の見直しの問題かと思いますが、定額貯金と民間の定期預金の調和という点につきましては、これまでも比較的短期のものにつきましては民間の定期預金、長期のものについては定額郵便貯金ということでバランスがとれているという理解を持っているわけでございます。先ほどお話し申し上げました期日指定定期の発売によりましてこのバランスはさらに一層十分なものになったというふうにわれわれ考えております。 それから募集手当でございますが、これは御指摘のように積極的、意欲的な努力をいたしました職員に対してその成績に応じて支給をしているものでございます。職員の能率向上という点からも不可欠なものでございまして、企業体としては当然なものであると考えております。また、お話ございましたように、この募集手当は労使間で話し合いをいたしまして協定を締結して支給しているものでございまして、郵政省といたしましては、これがいま申しましたような趣旨で職員の励みにもなり、また、単に職員の手当という側面だけではなくて、こういうことによります職員の活動というものが、いわゆる国民の貯蓄心を涵養し、そして日本の高い貯蓄率というものを支えてきた大きな原動力になっているというふうに考えておるわけでございます。そしてまた、このような経済の活力の源泉としての貯蓄の重要性というものは今後も変わりがないというふうにわれわれ考えておりますので、そういった意味におきまして、定額貯金もそうでございますが、この募集手当につきましても今後ともこの制度を維持していきたいというふうに考えている次第でございます。
○伊藤郁男君 もう時間が参りましたので、最後に官業と民業の問題ですけれども、この金融懇の報告のように、官業は民業の補完に徹すべきだ、こういうような報告がなされているわけですが、しかし郵貯が民業では採算のとれない地区や事業だけをやっていくとするならば、それこそ赤字覚悟、当然赤字になると思うわけでありまして、結局赤字になればそれを補てんするために税金から埋め合わせをしなければならぬ、こういうことになるのではないか。したがいまして、むしろ郵貯の存在が民業との競争を通じて国民に利益をもたらしている、このように私は判断をしておるわけでありますが、この点に対する郵政当局のお考えをお聞きいたしまして、質問を終わります。
○説明員(鴨光一郎君) 今回の金融懇報告の中にもございますように、先ほどお話が出ておりますように、郵便貯金というのは全国津々浦々に設置された郵便局を通じてあまねくサービスを提供しているものでございます。独立採算制のもとで、収支相償という原則のもとで、かつ効率的な経営を行っているわけでございます。いま申しましたあまねく公平なサービス提供という意味では、いわゆる収益性の低い山間僻地にもサービスをあまねく提供しているわけでございますけれども、そこだけをやるということでは採算の面でも問題がございますし、そもそも基本といたしましての国民の皆様にあまねく公平にという基本的な観点が損なわれるというふうに考えております。 いずれにしましても、個人金融分野というものがお金の預け手あるいは借り手いずれの側面におきましても非常に大きなウエートを占めるようになってきている昨今でございますので、われわれといたしましては、官業、民業を問わずにサービスを受ける国民の立場というものを常に念頭に置きながら金融サービスというものを提供していかなければいけないであろう。それから郵便貯金につきましては、その場合、今後とも国民の利益ということを第一に考えますけれども、また郵便貯金の存在が民間金融機関に対しまして誘導的な役割りをも果たす、先導的役割りを果たすという立場にあることをも十分自覚して事業を運営してまいりたい、このように考えております。
○委員長(勝又武一君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時四十九分散会 —————・—————