地方行政委員会 第13号
- 発言数
- 434 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/06/02
会議録
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十八日、川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として岩上二郎君が選任されました。 また同二十九日、岡部三郎君及び森山眞弓君が委員を辞任され、その補欠として中村啓一君及び石破二朗君が選任されました。 また同三十日、中村啓一君が委員を辞任され、その補欠として鍋島直紹君が選任されました。 また昨一日、石破二朗君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) まず、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に伊藤郁男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の質疑は、前回をもって終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、志苫裕君から発言を求められておりますので、これを許します。志苫裕君。
○志苫裕君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 昭和四十二年度以後における地方公務員 等共済組合法の年金の額の改定等に関す る法律等の一部を改正する法律案に対す る附帯決議(案) 政府は、共済組合制度の充実を図るため、次 の事項について善処すべきである。 一、長期給付に要する費用の公的負担分につい ては、厚生年金等の負担と異っている現状に かんがみ、公的年金制度間の整合性に配意し て検討を続けること。 一、短期給付に要する費用については、組合員 負担の上限等について適切な措置を講ずると ともに、退職者の任意継続組合員期間を延長 するよう検討すること。 一、年金額の改定については、公務員の給与、 物価の動向等を考慮して引き続き措置し、そ の実施時期は一年おくれとならないよう特段 の配慮をすること。 一、退職年金等の最低保障額については、今後 も引上げを図り、また、年金からの既給一時 金控除の方法等について検討すること。 一、遺族年金の給付水準を七十%とするよう努 力すること。 一、地方公務員の保健、元気回復その他厚生に 関する事案の充実を図るよう配意すること。 一、各共済組合及び連合会の業務の執行運営に ついては、組合員の意思を十分反映できるよ う、さらに努めること。 一、責任準備金の移換に関する方途について研 究すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、御賛同いただきますようお願いいたします。
○委員長(亀長友義君) ただいま志苫裕君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 全会一致と認めます。よって、志苫裕君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、安孫子自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安孫子自治大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと考えております。
○委員長(亀長友義君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 次に、地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安孫子自治大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいま議題となりました地方公務員法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 現在、地方公務員につきましては、国家公務員と同様、定年制度は設けられていないのでありますが、近年、わが国人口の年齢構成が急速に高齢化しつつある現状に照らし、地方公共団体におきましても、高齢化社会への対応に配意しつつ、職員の新陳代謝を確保し、長期的展望に立った計画的、かつ、安定的な人事管理を推進するため、適正な退職管理制度を整備することが必要であります。 地方制度調査会等政府関係の調査会においても、つとにその答申において定年制度の必要を認め、また、地方公共団体からも定年制度実施の要望が繰り返し行われてきたのでありますが、国家公務員について定年制度を設けるための国家公務員法の一部を改正する法律案が提出されましたので、地方公務員についても、行政の一層の能率的運営を図るべく、これと同様の定年制度を設けることとし、この法律案を提出いたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明を申し上げます。 まず第一は、職員は、定年に達したときは、その定年に達した日から会計年度の末日までの間において条例で定める日に退職することとし、職員の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めることとするものであります。ただし、特殊な職や欠員補充が困難な職に任用されている職員につきましては、条例で別の定めをすることができることとしております。 第二は、定年による退職の特例であります。 任命権者は、職員が定年により退職することが公務の運営に著しい支障を生ずると認めるときは、一年以内の期限を定めてその職員の勤務を延長することができるものとし、必要がある場合には三年を限度として更新することができることとするものであります。 第三は、定年による退職者の再任用であります。 任命権者は、定年により退職した者を任用することが公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるときは、一年以内の期限を定めてその者を再び採用することができるものとし、その任期は更新することができるが、定年により退職した日の翌日から起算して三年を超えてはならないこととするものであります。 第四は、以上の改正に伴う経過措置等であります。すなわち、定年制度の円滑な実施を確保するため、任命権者及び地方公共団体の長は所要の準備を行うものとすること、定年制度が実施される日の前日までにすでに定年に達している職員は、この制度が実施される日に退職するものとし、これらの職員についても定年による退職者の場合に準じて勤務の延長及び再任用の措置をとることができるものとすること、県費負担教職員については、その身分及び任用の特殊性を考慮し、これを再任用すべき地方公共団体を都道府県内のすべての市町村とすることであります。 これらの改正は、昭和六十年三月三十一日から施行するものとし、定年制度の円滑な実施のための準備に関する規定は、この法律の公布の日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容であります。 なお、この法律案は、第九十三回国会におきまして衆議院で継続審査となり、今国会で同院において法律番号の年の表示を修正して可決の上、参議院に送付されたものであります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(亀長友義君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 いま大臣から提案理由の説明をいただいたわけですが、どうも公務員制度というものに定年制というものは私はなじまないというふふに思っておるわけですが、いま説明を聞いただけでもなお釈然としない部分もあるわけです。 そういう意味で、きょうは総理府の副長官も見えておるようですが、終身雇用ということを前提とした公務員制度の中で、今回定年制を導入するこの趣旨というか、もう一遍ひとつその辺を御説明いただきたいと思います。 同時にまた、自治大臣の方については、三千五百という自治体、一部事務組合ある中で、画一的な定年制度をなぜいま導入しなきゃならぬのか。その点について、まず冒頭にお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(佐藤信二君) 国家公務員の定年制、これはいま参議院の内閣委員会でもって御審議をいただいておりますが、この法案を総理府が提出いたしました理由は、行政の能率の向上を図って、そして国民の信託にこたえたい。また、公務員に定年制を導入することによって、人事行政面において、長期的な展望に立った計画的な人事管理の展開を通じて、組織の活力をまず維持して職員の士気を高揚できると、かように考えておるわけでございます。
○政府委員(宮尾盤君) 三千余の地方公共団体に勤務をする地方公務員につきまして、今回なぜ一律に定年制度というものを導入をすることにするのかと、こういう御質問でございますが、今回地方公務員法を改正をいたしまして設けようといたしております定年制度は、身分保障ということを前提にいたしまして、その一定の年齢に達した場合には当然にそこで退職をするという新たな分限制度というものを設けようというものでございます。これは、現在の地方公務員法の体系からいたしましても、そういった分限制度を設けることは法律で定めなければならないというふうにされておりますので、今回法律によりましてそういう定年制度を導入をすると、こういうふうにいたすことが一つの理由でございます。 また、その場合、なぜ地方公共団体すべてについてそういった一律導入の方式をとるのかということでございますが、これは地方公務員の身分の基本的な問題でありまして、これは地方公務員であると国家公務員であるとを問わず、公務員の基本にかかわる問題でございますので、そういう意味では国家公務員の制度と地方公務員の制度との整合性を保つ必要があるというふうに考えておるわけでございます。そういう意味合いから、今回、定年制度の導入につきましては法律によりまして一律にすべての地方公共団体に導入をする、こういう仕組みをとっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いま聞きましただけでも、佐藤さんと自治省の答弁というのは全然食い違うわけですね。総理府の答弁は、行政能率、それから計画人事、活力、これが入れた最大の理由だとおっしゃる。しかし、計画人事の問題にしましても、これは後ほど聞きますが、勧奨制度その他が機能していないという前提に立ってやっておるのかということも聞きたくなるわけだし、自治省の答弁は今度は身分保障だと、したがってそういう観点で一律にしなきゃならぬのだと、こういう全然答弁の内容の違う複雑怪奇な法案であるということはいまお聞きしただけでもわかるような気がするんですが、これはまたひとつおいおいこれからただしていきたいと思います。 そこで、まず自治省に聞きます。——総理府になりますかね、これは。 改正法によると、基本的な問題が、いま二つの答弁に実証されるように不明確な部分がたくさんあるわけです。そこで第一に、勤務条件と見ての改正なのか。それから分限という言葉がいま出ましたが、この立場での改正なのか。ここ辺だけはちょっとひとつ総理府並びに自治省の方でまず明確にしてもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 今回の定年制度の基本的な性格といいますか、それにつきましては、私どものこの法案の基本的な考え方は、新たな分限制度をここに設けようというものであります。ただ、こういった制度を設けますと、当然それは職員の勤務条件にもかかわってくる問題でありますので、そういう意味では分限に関する新たな規定を設けるということでありますけれども、当然勤務条件にも影響しておる問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(森卓也君) 国家公務員の定年制度につきましてもただいまの御説明と同様でございます。
○佐藤三吾君 それでは、分限というのはどういう意味ですか。
○政府委員(宮尾盤君) 分限といいますのは、職員の身分保障を前提といたしまして、その身分上の変化に関する基本的な事柄を総称する概念だというふうに考えております。
○佐藤三吾君 身分保障をする総称的な概念、こういう御答弁だったですか。
○政府委員(宮尾盤君) 現在の地方公務員制度におきましては、これは公務員の職務の特殊性あるいは地位の特殊性等を踏まえまして、職員の身分保障を、職員がその地位に安んじて仕事ができますように、一定の事由に該当しない限りはその身分を保障するという制度とされておるわけでございます。ただ、その場合、そういう身分保障を前提としておりますけれども、これは佐藤先生も十分御存じのように、たとえば地方公務員法の二十七条以降に定められておるような、一定の法律で定められておるような要件に該当する場合には、たとえば分限による免職というような行為が行われるわけでございますが、そういった職員の身分保障を前提といたしまして、その身分上の変化に関する基本的な事柄を総称する、こういうふうに一般的に言われておるわけでございます。 そこで、定年制度は職員が一定の年齢に達したことを理由といたしましてその職員の勤務能力やあるいは意思にかかわりなく職員としての身分を失わせるという制度でございますから、そういう意味では、この今回設けようとする定年制度も分限の中に位置づけられるべき新たな制度だというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 何で公務員の場合に、身分保障をしておるこの分限ですかね、そういう制度が設けられたんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、公務員は全体の奉仕者として公務に専念をしなければならないという地位の特殊性、職務の特殊性というものを持っておるわけでございます。そこで、当然公務員は政治的にも中立性を確保しなければなりませんし、すべての職務に専念をする義務、その他服務上のいろいろな義務も負っておるわけでございます。 そういう公務員の地位の特殊性、あるいはその行っております仕事が、公益といいますか、国益なりあるいはその地域団体の公益に関する仕事を行っておるという、そういう職務の特殊性、こういうことに配意をいたしまして、現在の公務員制度におきましては、公務員が安んじてその職務に専念できる、こういうことを保障するために身分保障という考え方を取り入れておるというふうに理解をいたしております。
○佐藤三吾君 そうしますと、いま御説明いただきますと、公務員の場合には、全体の奉仕者、政治的な中立、それから服務義務、こういうものが課せられているので、安んじて公務に専念できる、こういう意味合いでこの分限制度が設けられておるんだと、こういう説明だったと思うんですが、しかし、これはさっきあなたの答弁聞きますと、同時に勤務条件にかかわる問題もあると、こういう御説明なんですがね。そうしますと、こういう分限事項については当然勤務条件にかかわる問題ということで、労働組合とか職員団体の団体交渉の対象にもなる、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほど御説明をいたしましたように、定年制度は一面やはり勤務条件との関連も持っておるわけでございまして、勤務条件とは、一般的には職員がその勤務を提供し、または提供を継続するかどうかの決心をするに当たりまして、一般的に当然考慮の対象となるべき利害関係事項であると、こういうふうに言われておるわけでございます。そういう意味合いからいたしますと、定年制度というのは、先ほど申し上げましたように新たな分限に関する制度でございますけれども、当然勤務条件としての側面も持っておるということになるわけでございます。 そこで、勤務条件につきましては現在の公務員制度におきましても当然職員団体と交渉することができる事項であります。管理運営事項に該当する場合は別といたしまして、勤務条件については交渉ができることは当然であります。
○佐藤三吾君 これは総理府はどうですか。総理府と人事院。
○政府委員(森卓也君) お答えをいたします。 現行の国家公務員法は、現業、非現業を問わず、公務員の身分保障の基本である分限につきましては、その基本的事項を法定いたしまして公務員としての身分の安定を保障しているところでございまして、現行法上、分限事項たる新たな退職の事由を定めるに当たっては国会において法律によって決定すべきものであって、労使の話し合いによって決定するものとはされていないわけでございます。 しかしながら、定年制度は職員の労働条件としての側面を有していることにかんがみまして、五現業の職員につきましては、特例定年の対象及びその年齢等につきまして主務大臣が別に決定することができるということにいたしまして、団体交渉の対象とすることができるよう配慮しているわけでございます。
○説明員(白戸厚君) ただいま人事局の方からお答えしましたと同じでございますが、勤務条件に関する限りでは交渉の対象になるというように考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 総理府の答弁は、五現業については限定された中で団体交渉の範囲に入ると。非現業は全然言わなかったね、いまあなた。どういうことなんですか。
○政府委員(森卓也君) 非現業につきましては分限事項ということで、すべて法定されるなりあるいは人事院規則等をもって定めることといたしております。
○佐藤三吾君 そうすると、自治省の答弁と食い違いが起こるんじゃないですか。自治省の答弁は、さっき言ったように広い意味の勤務条件の一端であるから、当然これは団体交渉の対象に含まれると。いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 若干誤解といいますか、私の方の言葉の足らないところがもしあったとすれば申しわけございませんので、もう少し補足をさせていただきますが、定年制度につきましては、その内容が当然勤務条件にかかわるものがあるということを先ほど申し上げたつもりでございます。その制度の導入等基本的な事項、これは今回の制度づくりでも法律で一律に決めるということにしておりますので、法律で定めている事項について交渉の対象になるというふうには私どもは考えておりません。ただ、たとえば定年制度の具体的な実施に関する事項、定年年齢の設定の仕方とか、その他地方団体の条例で定めておるような事項がありますが、それは当然定年制度という分限に関する制度ではあっても、一面勤務条件という側面を持っておるものがあるわけでございますから、そういう勤務条件に関する事項で管理運営事項に該当しないものは当然交渉の対象になる、こういうふうに先ほど申し上げたつもりでございますが、若干言葉が足らなかった点がありますればいまのように訂正をさせていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 言葉が足らなかったんじゃないんだ。あなたの方は私はあたりまえだと思うんだね。問題は、総理府の答弁が言葉が足らなかったんじゃないですか。総理府、どうなんですか。現在国家公務員の場合に退職手当の交渉というのはこれは組合と交渉やってないですか。
○政府委員(森卓也君) 組合側といろいろお話し合いはいたしておりますが、それは団体交渉をもって決定をするということではなくて、いろいろと職員団体の御意見を承るということでございます。
○佐藤三吾君 承る立場に立つわけでしょう。どうなんですか。
○政府委員(森卓也君) いろいろと交渉をいたしまして、お話し合いをし御意見は承りますけれども、その最終的な決定は、先ほど申し上げましたように、法律あるいは分限等につきましては人事院規則によって定めるということでございます。
○佐藤三吾君 いま、承るというのは、それは職員団体の皆さんとあなた個人で、まさにあなたの善意で、法律によらないで承っておると、こういうことですか。
○政府委員(森卓也君) 当局といたしましては、「登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあった場合においては、その申し入れに応ずべき地位に立つものとする。」ということでお話し合いをしているということでございます。
○佐藤三吾君 だから、全然さっきのあなたの答弁とは違うじゃない。なぜそれじゃ——いま法律の条文を読みましたがね、受ける立場に立つのか。これが交渉事項であり勤務条件だから、受ける立場に立つんじゃないんですか。
○政府委員(森卓也君) 申し入れには応ずべき立場には立ちますけれども、決定いたしますのは団体交渉によって決定するのではないということを申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 いや、私は、労働基本権に基づいた団体交渉権の問題で、これは国家公務員、地方公務員とも規制されておるわけだから、それは承知の上で質問してますよ。しかし問題は、これがいわゆる法文に言うところの受けて立つ交渉事項かどうかということを聞いておるわけで、そうでしょう、勤務条件だから、交渉を受ける立場に立つんでしょう。
○政府委員(森卓也君) 交渉事項としてその申し入れには応じて、いろいろお話し合いをしているということでございます。
○佐藤三吾君 交渉事項に立つわけですね。そうすれば、これが今度は分限に入っても交渉事項の広い範囲の対象になるという自治省の解釈に同意するんですか。どうなんですか。
○政府委員(森卓也君) そういう意味では、私どももいろいろ団体側からの申し入れに対して、交渉に応じてお話し合いをしてきたわけでございます。
○佐藤三吾君 人事院はどうなんですか。さっきの答弁、妙な答弁しよったね。
○説明員(白戸厚君) 先ほど申し上げましたとおり、勤務条件に関する限り交渉の対象になるということでございまして、ただ、人事局の方からもお答えいたしましたが、法律あるいは規則等で決められた事項について、それの範囲内でそれぞれ交渉を行っていくということになるというように考えております。
○佐藤三吾君 そうすると、もう一つ聞いておきたいんですが、いろいろ細かい問題はありますが、いままでのこの分限事項ですね、今度定年制が入ったらこれは広い意味の交渉事項になる。そうすると、いままでの分限事項は交渉事項だったのか。どうなんですか。現行法。
○政府委員(宮尾盤君) 現在の分限事項、地方公務員法の中に定められております事項は、これは任命権者がこの定めに従ってどういうその処分をするかしないかと、裁量の問題でありますから、原則的にはこの二十八条等に定められております分限に関する事項といいますか、これは交渉の対象にならない、管理運営事項であるというふうに考えておるわけでございます。ただ、この中でいろいろな手続等を定めておるようなもので管理運営事項に該当しないようなものがあれば、これは状況によりましてはそういうものは除かれるといいますか、交渉の対象になるものがあり得るかもしれませんが、基本的には、ここにあります分限免職あるいは休職等の行為は任命権者の裁量に任されておることでありまして管理運営事項である、こういうふうに私ども考えております。
○佐藤三吾君 いままでの現行法の中であるとすればという言葉がございましたが、じゃ、あるとすれば具体的にはどういうことですか。交渉事項。
○政府委員(宮尾盤君) 現在の分限規定の中で、法律で定めておる以外の事柄で、手続、効果等について条例で定めなければならないということがあります。御存じのように、地方公務員法二十八条第三項では、「職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。」、こう書いてございます。こういった、手続等について条例でゆだねられておるもので管理運営事項に該当しないものがあれば、これは交渉の対象となり得るというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 総理府の方はどうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 抽象的には現在の分限につきましても勤務条件たる性格を有するわけでございますけれども、実際問題といたしましては、国家公務員法によりますと、「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」というような規定が働きまして、ほとんど交渉の余地はないのではないかと思われます。
○佐藤三吾君 そうしますと、現行法の中では分限条項は交渉の余地のない任命権者の裁量権の問題、管理運営事項、自治省の場合には条例で定める中身の問題で、二十八条三項ですか、そういう交渉事項に類するものがあれば、勤務条件に関するものがあれば、これは現行法の中でも当然交渉の対象になると、こういう見解だったと思うんですが、それに今度は退職、いわゆる管理の定年が入る。これについては、勤務条件の一環として広い意味での交渉事項に入る、こういう双方のお答えだったと思うんですが、そういう意味でとっていいですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほどもお答えをいたしましたように、定年制度の導入あるいはそれに関する基本的な事項については、法律の中で具体的に定めております。したがって、法律で定めておるものについてはこれは交渉の事項にはなりません。というのは、これは地方公務員法の中にも明文の規定がありますように、分限に関する問題については法律で定めなければならないわけでございますので、そういうものの一つとして今回こういう制度を設けるわけでございますから、国会で御審議いただく事項を地方団体の労使がいろいろ交渉すると、こういうことは、その分はできないわけでございます。 ただ、定年制度の具体的な実施に関する事項、たとえば定年退職日をどうするかとか定年年齢をどういうふうに設定をするかといったような幾つかの事項については、地方団体の条例に任せておる部分があるわけでございますから、その部分についてはこれは勤務条件という側面を持ち、管理運営事項に該当しない限り当然交渉の対象になるというふうに申し上げておるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは、国の方は比較的に、たとえば六十歳であるとか六十三歳であるとかいろいろ言っておりますが、地方公務員法の関係は、国を基準ということはありますけれども、一応条例に定める、こうなっておるわけですから、この基準の問題をどうとるかというのは、これはいろいろとり方はあると思うんです。しかし、地方自治の本旨にありますように独立しておるわけですから、そこら辺はなかなか律し切れないものが私はあると思うんですよ。 しかし、いずれにしても、午前中の締めくくりになるかもしれませんが、いままでの分限条項というのは管理運営事項で全く交渉の余地がなかった。しかし、この定年制が入ることによってこれは勤務条件としての広い意味での交渉の範囲にも入る、こういう解釈が確認をされたということは、逆に言えば定年制というのは分限条項に入れることがきわめて異質である、そういうことが確認できるんじゃないかと思うんですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほども申し上げましたように、現在の分限条項については、これは法律でもって具体的にその事由を定め、それに該当するかどうかは任命権者が当然裁量すべき問題である、そういう意味においてこの二十八条の規定をどういうふうに動かしていくかというようなことは管理運営事項に属する、こういうふうに申し上げたわけでございます。ただ、手続、効果等については条例にゆだねられておるわけでございまして、それらについて勤務条件に該当するという側面からこれを交渉の対象となるようなものがあり得るだろう、こういうふうに先ほどお答えをしたわけでございます。そういう意味においては今回の定年制度というものも、現在定められております分限条項と制度の仕組み、たてまえというのは全く同じ考え方に立っているというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いろいろありますけれども、午後にしましょう。
○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————・———— 午後一時六分開会
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、鍋島直紹君、大木浩君及び小谷守君が委員を辞任され、その補欠として松尾官平君、岩本政光君及び本岡昭次君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 午前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 午前中、分限条項に定年を入れる問題で議論をいただいたんですが、総理府にお伺いしますが、現在退職条件については国家公務員は団体交渉の対象になっておるのか。実際やられておるのかやられていないのか、どうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 非現業の職員につきましては——団体交渉で退職勧奨の年齢等を決めておるわけでございますが、非現業の職員につきましては、そういう対象とはいたしておりません。
○佐藤三吾君 非現業でやっておって非現業でやってないというのはどういう意味ですか。
○政府委員(森卓也君) 失礼いたしました。五現業では団体交渉の対象にいたしておりますが、非現業の国家公務員については対象といたしておりません。
○佐藤三吾君 それは、たとえばどういうことですか、細目の問題で決めた、決めることについても退職条件、勧奨条件、その他について全然交渉をやっていないんですか。
○政府委員(森卓也君) 非現業職員につきましては特別に交渉の対象とはいたしておりませんで、人事管理者側の方で一応の基準を定めて退職勧奨を行っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 それはどういう根拠法令で交渉対象事項にしていないんですか。
○政府委員(森卓也君) もともと退職勧奨というものは法律に基づくものではございませんので、管理者側の管理運営事項ということで、一方的に決めているわけでございます。
○佐藤三吾君 人事院、どうですか。
○説明員(白戸厚君) ただいまの勧奨の基準年齢を定めるにつきましては、内規等で定めておるというように聞いておるわけでございますが、その決定する際に交渉をしておるかどうかというようなことについては、私どもとしては調べたことございませんので、ちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
○佐藤三吾君 しかし、交渉対象事項であることは間違いないでしょう、どうですか。国家公務員といえども。どうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 場合によりましては、各官庁ごとに内規を定めておりますので、その内規を決めますに際して、あるいは職員団体の意見を聞いているところもあろうかと思いますが、その決定につきましては職員団体との交渉に拘束されていないということでございます。
○佐藤三吾君 全農林その他でもそうなんですか。そんなことはないでしょう。総理府はどうか知らぬけれども。国家公務員全体の中で、退職勧奨の条件について労働組合との交渉をやっているところは全然ありませんか。
○政府委員(森卓也君) 先ほどの答弁、あるいは舌足らずでありましたので訂正さしていただきますが、交渉の対象として取り上げている官署もあるかもしれませんが、決定につきましてはその交渉の結果に拘束されていないという意味で申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 交渉の対象となって、そして決定については干渉されないというのはどういう意味ですか。それじゃ交渉じゃないじゃないですか。そんないいかげんなことを言っちゃいかぬよ。
○政府委員(森卓也君) 交渉の対象にはいたしますけれども、その交渉によって協定を締結するということではないということを申し上げているわけでございます。
○佐藤三吾君 ぼくは協定のことを言っているんじゃないじゃないですか。これは、退職勧奨については交渉の対象に立つ立場に政府もあるんでしょう。それに基づいて交渉をやっておるんでしょう。やっておる官署があるでしょう、勤務条件として。そのことを聞いておるのであって、協定なんて一遍もさっきから言っていませんよ。そんなあなた、舌足らずじゃなくて、要らぬことは舌が足り過ぎて、要ることは全然当てずっぽかな答えをするというのはどういうことなんだ。もっとまじめにひとつ答弁したらどうだね。
○政府委員(森卓也君) 交渉の対象としては、ただいまの退職勧奨も対象になり得ますので、官庁によりましてはいろいろと御協議をしていると推定されます。
○佐藤三吾君 だから、結果的に交渉の対象になる。退職条件が交渉対象になるということについては国家公務員といえども変わりはない。それが今回分限条項に入ることによって交渉対象にならなくなる、こういうことですね。どういうことですか、あなたの考え方は。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおりでございます。
○佐藤三吾君 それはおかしいんじゃないですか。自治省と同じように当然これはやっぱり交渉一般の中に入るんじゃないんですか、どうですか。
○政府委員(森卓也君) 退職勧奨と申しますのは、先ほども申し上げましたとおり、法律に基づきますところの行為ではございません。事実上の行為でございますが、今回御提案いたしておりましてただいま内閣委員会の方で御審議をいただいております定年制度というのは、はっきりいたしました分限ということで位置づけておるわけでございますので、したがって団体交渉の対象にはならないというふうに私どもは考えております。
○佐藤三吾君 おかしいね、あなたの答弁。勤務条件といって交渉対象事項であった。今度は分限に入れても、勤務条件には変わりない。当然、これはやっぱり交渉対象に広い意味ではなる、こういう自治省の見解の方がぼくは正しいように思う。そこら辺がどうしてもあなたが言い張るわけだけれども、まあいいわ。別の角度からまたこの問題ひとつ聞いていきましょう。 それでは総理府、これはひとつ副長官答えてくださいよ、重大な問題だから。現行法で定年制を設けてなかった理由はどういうことですか。副長官、ひとつ答えてくださいよ。
○政府委員(森卓也君) 今日まで、国家公務員制度のもとでは、大学の教官とか、あるいは検察官等の職員を除きましては、定年制は設けられていなかったわけでございますが、これは職員の年齢構成が比較的若かったこと。後進に道を譲るという伝統もありまして、勧奨によりますところの退職が比較的円滑に行われて新陳代謝が働いていたという事情があったために、特に定年制を必要としなかったということでございます。
○佐藤三吾君 自治省はどうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員についての定年制の問題でお答えを申し上げたいと思いますが、この点につきましては、佐藤委員も十分御承知のように、地方団体からこの定年制についての要望等が長年にわたってあったわけでございますし、それから地方制度調査会その他の審議会等におきましても、地方公務員に定年制度を設けることが必要である、こういう御答申もたびたびあったわけでございます。そういうことを受けまして、御承知のように三十一年、それから四十三年等におきまして、三回、国会に法案を提出をいたしたわけでございますが、これはいろいろな経緯を踏みまして成立するに至らずに終わっておるわけでございます。自治省といたしましては、地方公務員に定年制度を一貫して設ける必要がある、設けたいという考え方でこれまでまいったわけでございますが、今回、国家公務員にも定年制度が導入をされるという方針で法案が出されましたので、今国会にただいま御提案を申し上げているような改正案の御審議をお願いしている、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 自治省のいまの答弁の問題、四十三年法、三十一年法の問題は後でまたやりますがね。 総理府、何ですか、年が若かった、それから新陳代謝が比較的に行われておったのでやらなかった、それだけですか。
○政府委員(森卓也君) おおむね、そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 当時の平均年齢、幾つですか。
○政府委員(森卓也君) 人事院の資料でございますが、国家公務員の全俸給表適用対象職員で、昭和四十五年ごろの平均が三十八・八歳でございますが、昭和五十五年では四十・六歳になっております。
○佐藤三吾君 国家公務員法は昭和四十五年にできた法律ですか。私は国家公務員法ができた当時にどうして定年制を入れなかったんですかと、こう聞いているわけです。それに対してあなたは、年齢が若くて新陳代謝が行われておったからとこういうことだから、その当時の年齢は幾つですかと、こう聞いているわけです。
○政府委員(森卓也君) ただいま手元に国家公務員法制定当時の詳細な資料がございませんので、はっきりした年齢はちょっと申し上げかねます。
○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか、あなた。この一番重要な問題について、あなたが一番責任者じゃないの、この問題は。違うの。公務員法関係の責任者じゃないの、総理府の。その人があなた、これだけの法律を出すなら、しかもその理由の問題について、知らないとか調べてないとかということはないじゃないですか。どういうことなんですか。
○政府委員(森卓也君) 当時の資料がただいま手元にございませんので、お答えができないわけでございますが、日本社会全体が高齢化しておるわけでございますので、現在の時点よりは国家公務員法制定当時の国家公務員の平均年齢が低かったことは推定できるわけでございます。
○佐藤三吾君 制定当時の——二十二年ですか、国家公務員法は。そのときの平均年齢、昭和三十年、四十年、五十年、五十五年、何歳ですか。
○政府委員(森卓也君) 先ほど四十五年の数字を申し上げましたけれども、その前の四十年は三十七・四歳、三十八年は三十六・九歳でございますが、その前の資料がちょっとただいま手元にございません。
○佐藤三吾君 三十年幾ら。
○政府委員(森卓也君) ただいまちょっと手元に資料がございませんので、はっきりした数字が申し上げかねます。
○佐藤三吾君 どういう意味ですかいまの答弁は。聞こえない。
○政府委員(森卓也君) ただいま手元に三十七年以前の数字を持ち合わせておりませんので、はっきりした数字を申し上げることができません。
○佐藤三吾君 持ってくるんですか、数字は。——私がいま聞いているのは一番大事なところだと思うんですよ。いままで定年制をしいてない、今度しく理由は何ですかとそう言えば、さっき佐藤副長官の答えは、行政能率、計画人事、活力、この三つでしくんだと言う。あなたは、当時は年齢が若かったからしたがってしがなかったんだと。今度はそうはいかなくなってきた。こう言っておるわけだからね。当然、その若かったということは、あなたは根拠を頭に持っているわけだ、何歳だったということ。だから、若かったということが言えるんじゃないの。それを、根拠も何もなくて若かったとでたらめ言ったの、いまの若かったという答弁は。そんないいかげんな答弁したんじゃ審議ができぬじゃないですか。当時は若かった、いまはそうじゃないと言うなら、ちゃんと当時は何歳だったと、これは当然一貫した答弁の中に入ってこなければおかしいじゃないですか。どうですか。
○政府委員(森卓也君) ただいま手元に資料を持ち合わせておりませんので明確な数字を申し上げられませんが、ただいま調べておりますので、後ほど御報告さしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 そうすると、あなたが若かったと言うたことは、おぼろげながら感じとしては頭の中に入っているんでしょうが、幾つぐらいですか。
○政府委員(森卓也君) 記憶に間違いがあるといけませんので、資料に当たってから御答弁さしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 そんなら、この私の質問中に数字を持ってきますね。——私はそう思っていないんですよね。年齢構成は決して、そんなに定年制を入れる入れぬというような違いはないと思う、当時といえども。それをあなたが、若かったから云々と言うんだから、ひとつそこはきちっとしてもらわなければ困りますよ。 問題は、私が聞きたいのは、そこら辺が非常に不鮮明な感じがしてならなかったんだ、さっきから。理由はないが、とりあえず行政改革の一環としてやらざるを得ぬと、これが本音じゃないんですか。新陳代謝とかいうような問題はまた後ほど聞きますけれども、行政改革の一環としてやろうと、それが本音でスタートを切ったんじゃないんですか。どうですか。副長官で結構ですよ。
○政府委員(森卓也君) この定年制度につきましては、先ほど申し上げましたように、行政の能率向上ということを目的といたしておりますので、先生御指摘の行政改革の趣旨にはのっとっているわけでございますし、かねてから行革法案の中に位置づけてはおるわけでございますが、今回の行政改革よりもむしろ前に御提案申し上げているものでございます。
○佐藤三吾君 それでは、ついでにそこの問題聞きますが、副長官、いまの退職勧奨というのは、人事院の書簡を見ると、非常にスムーズにいっておる、人事の刷新はスムーズにいっておると、こう総務長官あての書簡の中に出てますね。総理府はそれは否定しておるわけです。どうなんです。
○政府委員(森卓也君) 先生御指摘のように、かつては退職勧奨が非常にスムーズに行われていたわけでございますが、今後の見通しとしては必ずしもスムーズにはいかないのではないかということで人事院の御意見を承りましたところ、人事院も、昭和六十年ごろには六十歳の定年制度を導入することが適当であるという御返事をいただいたわけでございます。
○佐藤三吾君 いや、人事院の御意見じゃなくて、総理府としては、現在の退職勧奨はスムーズにいってない。だから人事の刷新の意味で定年制が必要だというさっきの答弁だから、人事院はスムーズにいっておると、おたくはスムーズにいってないという、こういう立場に立っておるんですかということを聞いておるわけです。
○政府委員(森卓也君) 現在までのところは、退職勧奨制度というのは円滑に作用してきておりますし、現在もまだ作用しているというふうには考えますが、これから先は必ずしもそういうことにはならないであろうということを申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 その問題、後でまた人事院に聞きますがね、将来の問題は。現在はスムーズにいっておる、それはあなたも確認しますね。 そうすると、さっき副長官が言った冒頭の答弁の第一角は、何というんですか、ちょっとおかしな回答になりますな。そこはスムーズにいってないから計画的な人事のあれをしなきゃならぬということを言ったわけだから、これは取り消していただくわけですね。
○政府委員(佐藤信二君) いまのこの法案というものは、六十年から定年制を導入しようというわけでございます。ですから、いままで勧奨制度がうまくいっていたというのが六十年——あと四年ございますが、そのころになると高齢化社会、こうしたいわゆる高齢化というものが進んでくる。実はそういう見通しでもってこの法案をつくらしてもらい、提出しているわけでございます。ですから別に矛盾はないと思います。
○佐藤三吾君 それは、あなたがおっしゃるのは、人事院の総裁の回答の中で、「近い将来、勧奨は十分には機能しにくくなり、」と、こういうところを言うんだと思うんですが、そうですか。これは人事院どういう意味ですか。
○説明員(白戸厚君) 定年制度の関係につきましては、人事院といたしましても従来からいろいろと研究は進めてきたわけでございます。特に最近になりまして、職員の在職状況を見ますと、高齢職員が逐年増加してきておるわけでございます。また一方、人口構成が急激に高齢化してまいっておりますので、それにつれまして、やはり高齢化社会への対応というようなこともございまして、高齢まで働きたいというような考え方が国民の中に多く出てきておるわけでございまして、また、それは公務員の士気にも影響してきておる、こういうようなことがございますので、だんだん勧奨が円滑に機能しなくなるのではないか、こういうように考えまして、これに対応するために定年制度の導入ということを考えたわけでございます。
○佐藤三吾君 人事構成上、ここに指摘するような理由というのは具体的にどういうことですか。
○説明員(白戸厚君) 給与法適用職員について例をとりますと、五十五歳以上の職員、この在職者数と全職員に占める比率を見ますと、五十年のころでございましても約四万六千三百人で全体の九・四%ということでございましたのが、その書簡後多出いたしまして、昭和五十四年では五万一千六百人、それで一〇・二%というようにふえておるわけでございますし、さらに昨年、昭和五十五年には五万四千四百人、一〇・八%というように増加しておるわけでございます。先ほど総理府の方でもお答えしておったようでございますが、職員の平均年齢、これも五十五年では四十・六歳というように非常に高くなってきておる、こういうような点が具体的な事実でございます。
○佐藤三吾君 これは、敗戦後にどっと復員をしてきましたね。そして、二十三年ごろのいわゆる中途採用とか中途復帰とかいう形で大量に公務員に入っていった。そういう人たちの層が平均年齢を高め、そうしてまた、何というんですか、いまあなたも申されたような構成に移ってきておるんじゃないんですか。言うならば、普通の実態から言えば、ちょうどヘビが卵をのんだようなかっこうになって、それが上に移ってきたと、そういう現象じゃないんですか。どうなんですか。
○説明員(白戸厚君) ただいまの戦後の増加ということは確かにございますし、それからまた最近定数の抑制というようなことで、ある程度採用も差し控えられている、こういうような状況が合わさりまして、以上のような結果を生んでおるというように考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、定年制という方式で片づく問題じゃないですね。逆に言うなら、そのときに卵のようにずっと入ったものだから、その層がだんだんこう上がってきて、いま構成の高い現象をあらわしてきておるけれども、逆に言えば、その間は定員補充をやっていない。そういういままでの人事管理上、そういうものの一つのしわ寄せが集中的に出てきておる、構造的なものではないと、こういうようにいまの御答弁を理解していいんですか。
○説明員(白戸厚君) 定員の抑制等で採用がある程度制約されてきておる、こういうようなことから、年齢構成が発達する組織といいますか、そういうところではいわゆるピラミット型になるけれども、そう大きくならないような組織においては、ずん胴型とかあるいは若干それにいろいろこぶができるとか、こういう形になってくるわけでございまして、そういうようなところが大きな理由でございますが、全般的に申しますと、いまのようなずん胴型あるいは若干それの変形したものというような構成になってきたということがやはり構造的な問題であるというように考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 だから、逆に言うならば、そういう構成からいって、この書簡を見ると、「意義のあるところ」だとは書いてありますね。しかしやっぱり人事院としては定年制に踏み切るべきだと、こういう断定的なものになっていない。 そういうことと関連して、逆に言えば定年という問題でそのようないまの現象が解決するめどがない。これはそういうふうに理解していいんじゃないですか。たとえばその時期の者を全部六十歳になったら切っていっても、その現象が直るわけじゃない。もっと言うと、恒常的な人事管理体制、いわゆる総定員を抑えるとかというような、一時的に抑えていくどか、そういうことじゃなくて、コンスタントに採用していくという体制が一番肝要じゃないんですか。どうなんですか。
○説明員(白戸厚君) 先ほど申し上げましたとおり、そういうような構成になってくる。それからまた、意識の変化等もございますので、勧奨が十分に機能しなくなってくる。そうすると、新陳代謝が思うようにいきませんで、公務の運営にも影響を及ぼしてくる、こういうことでございますので、やはり定年制度の導入によりましてこれを予防すると申しますか、新陳代謝を図ってまいる、こういうのがその考え方でございます。
○佐藤三吾君 ちょっとよそ道にそれた話なんですが、また後でその問題やりましょう。 そこで、先ほど公務員部長お答えになりましたように、確認をしておきたいと思うんだが、分限制度というのが設けられた理由は、公務員の継続性、政治的な中立確保、安んじて職務に専念できる保障、こういうのが分限制度を公務員制度に入れた最大のものであると、こういう確認はよろしゅうございますね。
○政府委員(宮尾盤君) 大体そういう趣旨に理解をいたしております。
○佐藤三吾君 ところが、そういうことが大体そうであるならば、定年制というのは一定の年齢になれば退職するという制度なんですね、定年制というのは。一定の年齢以上の在職はできないという、こういう制度だと私は理解するんですよ。そうなれば逆に、身分保障じゃなくて首切りという、一定の年齢になれば首を切るという、こういう定年制というものは、身分保障する分限条項に私は基本的になじまないんじゃないか、そういう感じがするんですが、これはいかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほども御答弁申し上げましたように、公務員についてはそういう職務の特殊性あるいは地位の特殊性というものがございますので、そういう観点から身分の保障というものを別途法律で定めておるわけです。 この身分保障という面からの分限の考え方でございますが、これも先生十分御承知のように、法律で定める事由によらなければその意に反して免職等ができない。そこにその身分を保障している意味がある。したがって、そこで定年制度につきましても、これを法律——そういう定年制度というものが、一定の年齢に到達をしたならば当然退職をするという制度になるわけでございますが、それをこの地方公務員法の中で、まあ御審議の結果そういう制度を設けていただくことがなければ、そういう一定年齢に達しても当然退職するということはないわけでございますね。そういう意味で、現在御審議をいただいているのは、その定年制度というものを導入をしていただくと、このことを御審議をいただいておるわけでございます。 なお、裏から申し上げれば、定年年齢に達するまでは、現在の分限条項等に該当しない限りは安んじてそこまで勤務することが保障をされると、そういう意味合いでは、たとえば六十歳という定年制度が定められた場合には、そこまで職員としての権利といいますか、働く権利が保障される、こういうふうな考え方をすることも可能というふうに考える次第であります。
○佐藤三吾君 だからあなたが言いたいのは、六十歳まで勤務を保障するんだと、身分を。だから分限だと、こう言いたいんだろうと私は想像するんですが、しかし現行の公務員法の場合は、分限条項で、たとえば勤務成績がよくないとかなんとかいろいろ条件ありますね。それ以外は身分を保障するわけです。その労働者から見ると、六十歳になったら定年という、まあ逆に言えば六十歳までの制限づき保障というね、そういうのが入ってくることは、その現在おる職員から見て身分保障になりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 定年制度を設けるということ自体は、その定年による退職ということは現行法の解釈としてないわけでございますし、 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 そういうものをたとえば条例で措置をするということもできないと、こういうことになっておるわけでございますから、今回法律の改正によりまして定年制度を導入をするということ自体は、それは分限条項がそれだけふえると、こういう意味合いになることは確かでございます。ただ、その身分保障をどこまでどういうふうにするかということは、これは地方団体が条例で措置をするとかあるいは任命権者が適当に判断するという問題ではなくて、たびたび申し上げておりますように、法律で措置をしなければ分限条項というものは定められないという仕組みになっておりますので、今回定年制度を導入するについてはそういう法律改正をお願いをしておる、こういうことを申し上げておるわけでございます。 ただ、もう一つ先ほどつけ加えて申し上げましたのは、現在定年制度はないわけでございますけれども、地方における大方の退職の実態というのは、勧奨退職という制度をとりまして、五十八歳くらいのところで退職をしておる事例というのが非常に多いわけでございます。そういう面から見ますと、ここでその原則六十歳という定年制度を設けるということは、ある意味では退職年齢が延びるという面からいたしまして、いわゆるまあ身分保障的なものが長引くことになると、こういう側面があろうということをつけ加えて申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 そんなのはへ理屈だよ、あんた。公務員法で法律上どうなのかという議論をしたときに、まあ現実に五十七歳や八歳のところもありましょう。しかし、あなたの言ったことを今度は逆に言えば、六十五歳のところもあるでしょう。六十歳のところもあるでしょうし、六十二歳もあるでしょう。そういうところの問題をとらえて身分保障になるんだという論理は、これは私はイカサマもいいところだろうと思うんですね。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 あなたに質問すると必ず条例でこう逃げていきますからね。総理府に聞きましょう。どうなんですか、いまの問題。いま国家公務員の場合には分限以外は身分保障きちっとされていますね。それが今度は定年が加わることによって身分保障が六十歳までと限定される。これはまあ言うならもう身分保障にならぬじゃないかと、こういう問題ですが、どうなんですか。
○政府委員(佐藤信二君) いま御指摘のように、いままでは大体五十七、八でもって勧奨によってやめていかれたというのが、この法律によって六十歳と、その時点までは身分が保障されると、かように私の方は考えるわけであります。人間は、これから高齢化社会に向かい、第二の人生を迎えるに対する生活設計というものを、若いときから六十以降の計画というものが立てられると、かように実は思っておるわけでございます。そういう意味合いにおいて身分制度、これが保障されているという見解をとっているわけでございます。
○佐藤三吾君 それは、あなたの言う理論は、これは何というんですか、常識というのか、一般論と、こういう言い方だろうと思うのだけれどもね。私が言っておるのは、公務員制度という観点から立って分限条項は、さっきお話しのように公務員の身分保障をしていくのが分限条項の意味だと。それは何かというと、安んじて公務に専念できる状況をつくりたい、政治的な中立の問題であるとかいろいろございますが、安んじて公務に専念できる状態をつくりたい、これがこの条項だと、こう言っておるわけです。 そこにこの定年条項が入ってくる、そうなると、現在おる職員から見ると、たとえば現在五十九歳、六十歳の人がおるかもしれない。いま人事院のおっしゃるのだと、そういう年齢の人も若干おるでしょう。その人から見れば、安んじて公務に専念できる状態じゃなくなるわけですよ。明らかにこれは分限条項に入れる性格のものじゃなくて、職員の退職管理というか、まあ言うならば勤務条件の重大な環である、そういうものではないんですか。どうですか、総理府。——総理府に聞いている。
○政府委員(森卓也君) 先生の御指摘のとおり、法律論といたしましては、現在まで定年制がないわけでございますので、御指摘のような面もあるわけでございます。したがいまして、総理府といたしましてもこの問題は慎重に取り扱う必要があるだろうということで、労働基本権の代償機関でございます中立的な人事院の御意見も踏まえまして、いま直ちにということではなくて、昭和六十年から六十歳の定年制度を導入したいということで法律改正をお願いしているわけでございます。
○佐藤三吾君 そうでしょう。まあ労働基本権のことは後でやりますがね。ですから、やっぱりそこら辺に私はこの法律がなかなか納得できない問題があると思う。いわゆる身分保障の一環である分限の中に入れるということはなじまない、これは言えると思います。だから、そこら辺がこの法律の首尾が一貫しない第一の問題であることを指摘しておきたいと思うのですが、基本権の問題はまた後でやります。 次に、民間の場合に、労働協約で退職条項というのは決めていますね。人事院の報告等を見ますと九七%の高い協定率だと言っておるのですが、これは全部労使でもって退職条件を決めておる。それが、なぜ決めておるかと言えば、言うならば、会社の管理運営事項じゃなくて、退職条項は唯一の団体交渉事項で、いわゆる勤務条件、そういう前提に立っておるんですね。この点、私は公務員の場合であろうとも同質であると思うんですが、総理府、いかがですか。
○政府委員(森卓也君) 国家公務員につきましては、ただいま申し上げましたように、分限はすべて法律によって定めるということになっておりますので、私どもは、分限の基本にかかわります問題は法律によって決定さるべきものということで、法律改正をお願いしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 じゃ、聞きますが、民間の退職の条件その他については労働組合との交渉の中でやられてまとめられておる。よくあなたたちが言う、民間は定年があるのに公務員は定年がないと、こういう言い方をしますね。いままでしてきましたね。その民間の定年というのは、管理運営事項じゃなくて、労使の交渉の中で決めた、労働協約で決めた交渉事項である。この点は認めますか。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおりだと思います。
○佐藤三吾君 そうしますと、民間の労働者が勤務労働条件としてあるものが公務員は勤務労働条件じゃないのですか。どうなんです。
○政府委員(森卓也君) 先ほどから御答弁申し上げましたとおり、分限に関します事項というのは、すべて法律をもって定めるというのが国家公務員法の趣旨だというふうに考えておりますので、この点は民間の場合と異なっているものと思います。
○佐藤三吾君 私は分限のことを言っておるんじゃないんだ。公務員の退職条件は、民間の退職条件が勤務労働条件ということで労使の交渉でやられておるわけだ。公務員の退職条件は違うんですか。どうなんですか、労働者の側から見て。
○政府委員(森卓也君) 定年の問題も、最初に申し上げましたとおり、勤務条件としての面も持っておりますが、同時に、分限としての面がございますので、法律改正をお願いしているわけでございます。
○佐藤三吾君 素直に認めたらどうですか。民間の労働者と公務員労働者とどこが違うんですか。素直に、定年退職条項というのは、これはやっぱり民間が勤務労働条件の一環として団体交渉で決めておるなら、それは公務員労働者としても基本的には違いはないでしょうと、そう言えないんですか、あなた。どうなんです。
○政府委員(森卓也君) 御指摘の面もあることは事実でございます。
○佐藤三吾君 私の指摘する面もあると。それを今度は分限に持っていこうとするわけだな、おたくの方が。これは、この法律が成立するかしないかまだわからぬけれども、何もこの法律にこだわることはない。この法律が間違いがあるならば直せばいいんだから、いまからでも修正できるんですね。だから、そこを分限に持っていこうというところに無理がありはしないかと私は聞いておるわけだ。そこでさっきからあなたとやりとりしておるわけなんだけれども、そこら辺の無理は、何か強引に、何といいますか、同じことを言う鳥がありますね、オームみたいに。そんなことを言っておるんじゃなくて、いまあなた私の質問に答えて、やっぱりそれは無理があるという点は素直に言ったらどうですか、ここは。
○政府委員(森卓也君) 同じ答弁で恐縮でございますが、定年の問題は、勤務条件の側面もあることは先生も御指摘のとおりでございますが、私どもは同時に、これは分限の問題ということで、それは法律によって規定さるべきものというのが国家公務員法の趣旨であるということで法律改正をお願いしているわけでございます。
○政府委員(宮尾盤君) 私の先ほどの答弁も若干関連をしておると思いますので発言をさしていただきたいと思います。 分限というのは、身分保障に関連をする制度であることは確かでございますが、その身分保障を、公務員は特殊な地位あるいは職務というものを持っておりますから、身分を保障する、こういうことを基本に置きまして、しかし、そういう前提に立つならば、分限制度というのはその身分保障が切れる場合を書いているのが分限の制度であります。したがって、これは二十八条にも書かれておりますように、免職とか休職とか、いろいろな分限事項が書いてありますが、このいわゆる分限事項というのは、身分保障がその意味では切れる、あるいは制約されるという事柄を書いておる。そういうことですから、公務員について身分保障を基本的にするというたえまえで、身分を失わせる、あるいはその身分についていろいろな制約を加える、これは任命権者が勝手にやってはいけない、やはり法律できちんと書いた事柄に当てはまったときにだけできる、これが分限というものであるわけです。 そこで、今回の定年制度というものがこれはどういうものかということになるわけでございますが、定年制度というのは、やはり一定の年齢に到達をしたならば、本人が承知しようがしまいが、当然その職を失う、退職をする、こういうものでございますから、やはり公務員に基本的に保障しようと考えておる身分保障に対してこれを失わせる行為になるわけですから、そこでこれはそういう意味での分限に入るべきものである、こういうふうに考えておるわけでございまして、そういう意味で分限の一つである、新しい分限事項であると、こういうふうに御説明をしたつもりでございますが、そういうふうに御理解をいただきたいと思っております。
○佐藤三吾君 だから部長、公務員制度の立て方は、言うなら、公務員についてはこれこれの事項以外はあなたの身分は全面的に保障しますと、こういう仕組みになっているわけだ。そこに勤務労働条件である退職条件を持ち込むところに無理があると私はさっきから言っておるわけだ。だから、そんな無理をせぬでももっといい方法があるじゃないかというのが私の言いたい点なんですけれどもね。 たとえば、公務員に労働三権など縛ってなくて、与えて、そうして民間と同様に労働協約で締結する方式をとる。民間は九七%定年制が労働協約でできているわけだから、いい実例があるわけだから、そういう方向で改めるなら別なんですけれども、それなら一つも無理はない、法体系上からいっても。それをしないところに無理があるんじゃないですか。そこら辺に無理をこじつけるものだから、次に今度はなおおかしな問題が出てきて、さっき言ったような、何というか、目見当の答弁しかできないというかっこうになるんじゃないですか、総理府みたいに。そこら辺、余り強情を張らずに、素直にやっぱり認めていくという姿勢を持たぬと私はいけないのではないかと思うのでさっきから言っておるわけです。まあいいでしょう。 次に行きましょう。さっきあなたが言いかけました、地方公務員の場合には今回だけじゃない、三十一年、四十三年、ここでも提案した、こういう言い方をしておりました。これと今回の定年制法案とはどこがどう違うのですか。
○政府委員(宮尾盤君) 昭和三十一年に第一回目の法案を提出をし、それから二回目の法案を四十三年に提出をいたしております。そこで、三十一年の法案と四十三年の法案に比べまして、今回御提案申し上げている改正法案がどこが違うかということでございますが、主な相違点を申し上げてみたいと思います。 その一つは、定年制の導入の仕方の問題でございます。三十一年法案あるいは四十三年法案におきましては、地方団体が条例措置を講ずることによりまして定年制度を導入することができると、こういう道を開くことにいたしておったわけでございます。したがいまして、そういう意味では、条例措置を講じた団体についてのみ定年制度というものが設けられると、こういう法律の仕組みであります。ところが、今回の改正法案は、そういうことにいたしてはおらないわけでございまして、国家公務員に定年制度が今回は導入をされますので、同じ公務員制度の仕組みの中での整合性という意味合いから、すべての地方公共団体に、今回の地公法の改正をもちまして定年制度というものが一律に導入をされると、こういう仕組みをとっておるわけでございます。それが第一の相違点でございます。 それから第二の点は、定年制度における定年の定め方でございますが、定年年齢の決め方は条例で定めるということについては過去の法案とこれは同じであります。形式はそういう意味では同じであります。ただ、三十一年法案では、「職員の職の特殊性並びに退職年金及び退職一時金の制度との関連について適当な考慮が払われなければならない。」というふうにされておりました。それから、四十三年法案は、単に「条例で定める」と、こういうことになっておるわけであります。ところが、今回の改正法案では、原則として「国の職員につき定められている定年を基準として条例で定める」というふうにいたしておりまして、つまり条例で定めるべき定年の基準を書いております。 それから第三点目でございますが、再雇用についてでございます。昭和三十一年法案では再雇用についての規定は何もありませんが、四十三年法案では、常勤または非常勤の特別職として再雇用することができると、こういう規定を設けておりました。今回の改正案では、過去の再雇用という考え方とは大分違っておりますが、法律で定める要件のもとに常勤の一般職として再任用をすることができるということにいたしております。 それから第四の点でございますが、勤務延長の制度でございますが、勤務延長につきましては、三十一年法案、四十三年法案、いずれもそういった規定は設けておりません。そういう意味では新しい制度であるということになります。 大体、以上四点が主要な相違点であるというふうに考えております。
○佐藤三吾君 総理府は、さっきの数字はわかりましたか。
○政府委員(森卓也君) ただいま調査中でございますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 この三十一年、四十三年のときには、国家公務員は定年制をしく条件はなかったわけですね。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおりだと思います。
○佐藤三吾君 それはどういう理由ですか。
○政府委員(森卓也君) それは、先ほど御答弁申し上げましたとおり、まだ退職勧奨が円滑に作動していたというようなこと、あるいは年齢構成が若かったこと等だろうと思われます。
○佐藤三吾君 ところが、その当時に大学の教授、会計検査院、公正取引委員会、検察官、こういうところについては定年制をしいていますね。これはどういう理由ですか。で、具体的には何歳から何歳までを基準にしてしいていますか。
○政府委員(森卓也君) 検察官につきましては、その職務の特殊性を考慮いたしまして、特に身分関係につきましては検察庁法をもって大幅に国家公務員法の特例が定められておりまして、定年制度もそれら制度の一連のものとして取り扱われてきておるという事情がございます。 それからまた、大学の教員につきましては、旧帝国大学等において戦前から評議会または教授会の決定に基づきまして停年の慣行が成り立ってきていたものでございますが、これが戦後に教育関係法を整備する段階で、研究、指導における能力の年齢的限界を認めて、後進に道を譲らせるものとして法制化されたものでありまして、停年の年齢等具体的——それから大学ののはそれぞれ独自の理念に基づいて国家公務員法の特例として設けられているものでございますので、一般の公務員と別に、特例として従来からあるわけでございます。 それから年齢でございますが、検察官につきましては、「検事総長は、年齢が六十五歳に達した時に、その他の検察官は年齢が六十三年に達した時に退官する。」ということになっておりますし、それから教員につきましては、「教員の停年については、大学管理機関が定める。」ということになっております。
○佐藤三吾君 ちょっと、もう少しそこを詳しく言ってください。大学は……。
○政府委員(森卓也君) 大学の学長及び部局長の任期につきましては大学管理機関が定めますし、大学教員の停年につきましても大学管理機関が定めるということが、教育公務員特例法の第八条に規定されております。
○佐藤三吾君 会計検査院は。
○政府委員(森卓也君) 会計検査院につきましては、「検査官は、満六十五歳に達したときは、退官する。」ということになっております。
○佐藤三吾君 これはそれぞれ大体いつごろ定めたわけですか。
○政府委員(森卓也君) ただいま手元にはっきりした法令集を持ち合わせておりませんので正確に御答弁申し上げられませんが、戦後、国家公務員法制定の前後に、ただいま申し上げました検察庁法あるいは教育関係法の整備を行った段階で法制化されたと記憶いたしております。
○佐藤三吾君 そうしますとね、まあ当時は人生五十年、平均寿命含めて、という時代ですよね。その時代に六十五——まあ七十もございますね、裁判官などは。という年齢を定めた。これは私はある意味では公務員の身分保障という観点は貫いておるというふうに思うんですよ、分限で入れることを含めてですね。今回の場合にどうしてこういう発想が同じ公務員で出てこないんですか。
○政府委員(森卓也君) 私どもが今回の定年制を導入いたします際には、民間企業における状況がどうなっているかということで調査をいたしたわけでございますが、それとあわせまして世論調査等も行った結果、公務員に定年制を必要とするだろうと、そして、それが民間とのバランスをとってみましたときに、昭和六十年ぐらいには六十歳の定年が大体民間の大勢になるであろうということで、人事院の御意見も踏まえて、昭和六十年六十歳定年制というのをお願いしているわけでございます。
○佐藤三吾君 結果的に、公務員法が発足する、この公務員法は身分保障について分限条項を入れて身分保障すると、そういうときに定年制を入れなかったのは、やはりそのときの世論を無視して入れなかったとか、もしくはそのときの民間を無視して入れなかったとか、こういうことじゃ私はないと思うんですよ。やはり素直に公務員制度を考えたときに、政治的な中立、同時に公正、そうして安んじて専念することが国民のために利益になる、こういう観点で私は公務員法というものは制定されたと思うんですよ。これはいまでも私は変わらないと思うんですよ。いまの方がむしろそこを強調しなきゃならぬぐらいにあるんじゃないかと私は思うんですね。その当時、一方の、裁判官であるとか会計検査院であるとか公正取引委員会であるとか大学教授とか、こういうところについてはそのことを前提として六十五歳というものを制定した、そう私は思うんですよ。だから、この当時も決して世論とか民間を無視した施策じゃなかったと私は思うんですがね。違いますか。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおりだと思います。
○佐藤三吾君 だとすれば、今回だけ急にそれをかなぐり捨てて、同じ定年制でも当時の定年制の発想と違った取り入れ方をしたという理由、根拠というのはどういうことなんですか。
○政府委員(森卓也君) これは、先ほどから御答弁申し上げておりますとおり、今回の定年制というのは、やはり公務員の年齢がだんだん高くなってきて、しかも退職勧奨制度というのが次第に円滑に動かなくなってくるであろうということで導入をしたわけでございまして、その際に、ただいま申し上げましたとおり民間の動向あるいは世論の動向等に配慮をしたということでございます。
○佐藤三吾君 そこまで民間の問題を気にするなら、公務員の場合でも民間の皆さんと同じように商売もやってよろしいと、民間の労働者の皆さんができることはひとつ公務員も保障しましょう、もちろん労働基本権も保障しましょうと、こういう論理にならにゃおかしいんじゃないですか。論理が一貫しないんじゃないですか。
○政府委員(森卓也君) これも先ほどから御答弁申し上げましたとおり、分限事項というのは私どもは法律によって規定されるべきものであるというのが国家公務員法の精神であるということで、法律改正でお願いをしているということでございます。
○佐藤三吾君 あなたは都合のいいときには国家公務員法の精神とか、都合悪くなると民間とか、それはへ理屈だよ。 それならもう一つ聞きましょう。三十九年に第一次臨時行政調査会が答申しましたね。いまは第二次です。そのときの答申の中に、当面六十歳を基準に、将来は、諸外国に見られる相当高い年齢の定年制を指向すべきである、こういう答申が出ていますね。その当時の民間は五十五歳がほとんどだったわけですね。その当時、民間が五十五歳であったときに、第一次臨時行政調査会は「当面六十歳」という数字を出している。そして、将来は諸外国に見られる相当高い定年制という、この裏づけは何かというと、当時各国の公務員の定年制というのは、アメリカとノルウェーが七十歳、そのほかの主要な近代国は六十五歳だ。そうでしょう。そういう答申を出したことについてあなたどう思いますか、民間との対比の中で。これはもう実に権威のない答申ですか。
○政府委員(森卓也君) 当時の臨時行政調査会の答申が権威がないとは思いません。当時の情勢としてはこのような意見であったかと思いますが、必ずしもそれが現在そのまま妥当するかどうか。相当年月もたっておりますので、その点は再検討する必要があるだろうと思います。
○佐藤三吾君 恐らく私は、諸外国もそうだと思いますがね、この臨調の答申の精神というのは、当時民間は六十歳の定年制は全然なかったんです。五十五歳が最高だった。その中で六十歳と、そうして将来は諸外国の例によると、こういう出し方をしたということは、いわゆる公務員制度の精神、そのことに立脚した答申であると私は思うんですがね、いかがですか。
○政府委員(森卓也君) 当時の社会経済情勢から見ますと、この答申のような情勢であったかと思われますけれども、それがそのまま現時点で全面的に妥当するかどうかということにつきましては、ただいま申し上げましたとおり再検討の必要があるだろうと思います。
○佐藤三吾君 ところが、この答申を受けた各省庁は、総理府を初め一斉に次官通達を出しましたね。どういう次官通達を出しましたか。この答申はわが国の制度になじまない、いわゆる定年制はわが国の公務員制度になじまない、したがって退職勧奨制度、この徹底を一斉に通達で出しましたね。どういう理由ですか。
○政府委員(森卓也君) 先ほどから御答弁申し上げておりますとおり、これまでは定年制度を実施いたしますよりも、むしろ退職勧奨制度という法律に基づかない制度がスムーズに作動いたしておりましたので、その方がより望ましいということで、恐らく当時そういう考え方があったのだろうと思われます。
○佐藤三吾君 そうすると、いまでも作動しているとさっきも御回答になったですね。だから、なじまないわけですね。
○政府委員(森卓也君) 現在までのところは、ただいま先生御指摘のとおり、退職勧奨制度が円滑に作動いたしておりますけれども、先ほど人事院からも御説明がありましたように、今後はなかなかそれがいろいろと障害が出てくるであろうということで、大分先になりますが昭和六十年から六十歳の定年制をお願いしたいということでございます。
○佐藤三吾君 それは、さっき人事院の方から答弁があったように、定員抑制、もっと言うと、二十三年以来、復員とか、諸外国から戦争が終わって帰ってきた、そういう人が大量に入って、そうして財政状態とも勘案して、以来今度は定員抑制ということで新規不採用、こういう人事管理運営上のまずさから、ヘビが卵のんだようにふくらんだところがどんどんどんどん上に上がってきて、そして結果的にそれがいま五十代にあって将来の危惧をしているのであって、決して私は構造的じゃない。あの公務員の年齢構成の分布を見ても、決して私は構造的じゃないと思う。年々累増してずっと将来にわたっていくという性格のものじゃない。だから、そういう意味合いのことについてはさっき人事院からも回答があったわけですからね。あなたの言う論理は合わぬじゃないですか。
○政府委員(森卓也君) 私どもは、人事院と御相談申し上げまして、必ずしも一次的なものだけではございませんで、構造的な面もあるということで定年制度の採用に踏み切ったわけでございます。
○佐藤三吾君 そうじゃなくて、当時公務員制度になじまないというのは、岡部史郎さんですか、彼が「公務員制度」の中で書いているように、公務員は原則として終身公務に従事することが前提で分限条項が定められた、したがって定年制はなじまないんだと。これが当時の政府がとった統一見解じゃないんですか。
○政府委員(森卓也君) 私どもは、それが政府の統一見解だというふうには理解いたしておりません。
○佐藤三吾君 理解していないかもしれぬが、いまあなたが言った答弁はやっぱり、単なる人事の刷新が行われているからする必要ないという限拠にしても、現在もそうなんですよ。現在もスムーズに行っているわけだ。それから言えばあなたの論拠の方がおかしいんじゃないんですか。
○政府委員(森卓也君) 私どもは、先ほどから御答弁申し上げましたとおり、ただいままでは退職勧奨制度というのが円滑に作用いたしておりますけれども、これから先次第に作用しにくくなるのではないかということで、この際法律改正をお願いして、分限制度の中に新たに定年制を導入したいというふうに考えているわけでございます。
○佐藤三吾君 そのしたいというのはいつごろのことを指しておるんですか。何年先。ころからそうなるという指し方をしておるんですか。
○政府委員(森卓也君) 昭和何年から確実に動かなくなるということではございませんで、次第に先々そうなっていくであろうということで、人事院の御意見を踏まえまして、昭和六十年に六十歳定年制度を導入すれば今後の人事管理制度がスムーズにいくであろうというふうに考えているわけでございます。
○佐藤三吾君 それはあなたがおっしゃるのは、たとえば民間の場合なら九七%ぴしっと労使協定でやられていっておる。おたくの場合には、さっきからの答弁で、修正して少しは広まってきたけれども、一貫してそういうのは管理運営事項という、そういう発想を持っておるものだからスムーズにいかない。いわゆる人事管理上の失敗じゃないんですか、もしあるとするならば。いわゆるあなたたち管理職の人事管理の失敗をそんなふうにこじつけておるのじゃないんですか。もし労使協定をきちんと復活させてやっていくなら、民間でできることだから公務員でできないことはないはずだ。そういう観点からいってみてもあなたの論拠というのは、それはもう率直に言って一つも妥当性を持っていない、そう言えるんじゃないですか。私はそう聞こえますがね。まあいいでしょう。そこら辺の問題は皆さんお聞きのとおりですからね。私はあなたの議論聞きながら、もう率直に言ってこっちの方もわからなくなりますよ、あなたの名答弁を聞いておると。そこら辺は後ほどまたひとつやりましょう。 そこで自治省に聞きますがね、公務員部長さっきから出たがっていたから。昭和二十何年ですか、現行の地公法ができたのは、二十六年ですか、五年ですか、その地公法ができるまでは自治団体には定年制があったんでしょう。どのくらいありましたか。
○政府委員(宮尾盤君) 現行の地方公務員法が制定される前に、市を中心といたしまして八百八十八団体で定年制に関する条例を定めておりました。
○佐藤三吾君 さっきの問題と関連するわけですけれども、あったわけですね。その当時は、地公の労働者は労働三権を持っておったんですか、どうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 当時と言いますと少し時期的に非常にあれでございますが、少なくとも政令二百一号以前は労働基本権について制約はなかったわけでございます。政令二百一号と、それからそれを受けまして現在の地方公務員法が制定されてから、地方公務員についての労働基本権の制限が出てきたわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、それまで、政令二百一号が出るまでは交渉権を持っておったわけですね。
○政府委員(宮尾盤君) そういうことでございます。
○佐藤三吾君 その中で、労使の協定に基づいて条例化されたのが自治体の定年制であったと、こういうふうに理解していいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 労働基本権の問題と、その市町村において定年制条例を設けていたこととは、直接私は関係はないというふうに思います。ただ、現行の公務員法ができまして、先ほど申し上げました約九百に近い地方団体のその定年制条例というものがどういうことになるのかと、この議論は当然出てまいったわけでございまして、現在の地方公務員法のもとでは定年制に関する条例というものは違法である、できないと、こういう解釈を出しまして、それらの地方団体では定年制条例を廃止をすると、こういう経過をたどったわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、地方公務員法ができてから定年制が違法であると、こういうことでそのような解釈通達を出した。したがって、定年制が地方自治体になくなったと、こういうことですか。
○政府委員(宮尾盤君) 現行制度のもとでは、当時あったその定年制条例は違法であるということで廃止をされた。また、自治省としてもそういう指導をいたしたわけでございます。
○佐藤三吾君 その当時、二十九年十一月二十日の自治省発の一九七号、三十年三月八日の四〇号、こういういろんな通達で、定年制は違法であると、こういう通達が出されて、地方自治体における定年制がなくなったと、そういうことでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) そのとおりでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、地方公務員法ができて、違法だという通達を出した、出してせっかくあった条例をなくしていった経緯というのは、やはりこの公務員法の分限における身分保障ですね。これがやっぱり終身公務であると、こういう前提に立っておるという前提のもとにやられたわけでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 現行法では、これは御存じのように、職員の意に反して何らかの分限措置を講ずると、これは法律に定めがない限りできないことになっているわけです。これは地公法の二十七条に明確に書いてあるわけでございまして、二十八条以下に具体的に決めておる分限条項に該当しない限り、その意に反する措置というものはとれないと、こういうことになっておるわけでございます。 そこで二十八条では、限定的にたしか四つのケースを挙げておるわけでございますが、そういう二十七条、二十八条の規定の趣旨に照らして、地方団体が条例措置をしたならば定年制度というものを設けることができるかできないかと、これが非常に議論があったわけでございます。現行地公法ができた後、その議論をいろいろいたしました結果、現行法ではそういうふうに限定的に分限事項を定めておるので定年制を条例で設けることはできないと、こういう解釈を現行法のもとでしたと、こういうことでございます。 ただ、ちょっとつけ加えて申し上げますと、たびたび申し上げておりますように、二十七条では、法律で定めるその事由がなければその意に反して免職等の措置が行われないと、こういうふうに定めておりますから、国会で御承認を得て法律改正が行われるならば、それは定年制というものを分限の中に一つの制度として盛り込むことは可能なわけでございます。今回はそういう考え方に立って、定年制度は条例でもってしても設けることができないという現行法を改正をいたしまして、法律で定年制度を導入をいたしたいと、これが今回の改正法の基本的な考え方でございます。
○佐藤三吾君 そういう解釈に変わってきた、こういうことですか。 いまの人事院総裁の藤井さんの「地方公務員法逐条示解」ですか、その中の文章に出ておるのは、「近代的公務員制度の理念は、能力実証主義を根幹とするものであって、職務遂行の適格性を有する限り、年齢等によってその取扱に差別をすることを認めない。」「才幹ある職員を老齢なるが故に一律に淘汰することは、許されないところである。」「本法においては、」——いわゆる公務員法では「直接、停年制を否認する旨の明文はないが、少くとも本法の精神は、停年制を排除するものと解せざるを得ない。」この解釈はどこで変わったんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、考え方は私は変わっていないというふうに思っております。いまお読みになりましたものについては、この中でも、「本法第二十八条によれば」とか、本法という現行法を前提にしての議論であるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げておりますように、現行法では定年制というものを法律の中でもちろん設けてはおりませんし、それから地方団体がつくる条例であっても、それは現行法に抵触をすると、こういうことは自治省としても一貫してそういう考え方をとってまいったわけでございますし、それはいま引用されました論文の考え方とも変わっていないというふうに考えております。 したがいまして、少しくどいようでございますが、三十一年あるいは四十二年に先ほど申し上げましたような地公法の改正をお願いをしたというのも、現行法ではできないからそういう改正措置をお願いをいたしたと、こういうことであるわけでございます。
○佐藤三吾君 しかしね、やっぱり私は藤井さんが、当時これは公務員課長ですかのときだと思うんですが、いずれにしてもここまですっきりしておるということは、公務員制度の今日の精神というか、そのことが定年制を分限条項によって排除しておるという明確な根拠に立つからこそ私はこういう逐条解釈の中で立論をしておると思うんですよ。ですから、それがさっきあなたのお話を聞きますと、言うならば、三十一年、四十三年改正の理由にあるように、二十八条の中に定年制を含めればこういう解釈にならぬと、こういう論理には私は少し飛躍というか、ひん曲げた考え方しかないんじゃないかと思うんです。納得できませんね、そういう意味では。 さっきの話に戻りますが、総理府、さっきの調査できましたか。
○政府委員(森卓也君) まことに申しわけございませんが、先ほど御答弁申し上げました資料の調査の始期が昭和三十二年でございまして、国家公務員法制定後十年たっておるわけでございます。それで、昭和三十二年には三十五・六歳、自後毎年上がってきておりまして、先ほど御答弁申し上げましたように、三十八年には三十六・九歳、以後今日に至るまでずっと上昇傾向であるわけでございまして、三十二年以前についてどうかという御質問でございましたが、この点につきましては、私どもも調査そのものが連続した調査がございませんのではっきりしたことは申し上げられませんけれども、人事院当局とも相談をいたした結果、逐年上がってきているということで、昭和二十二年の法制定当時はこのときよりも低かったのであろうということはおおむね推定できるのではないかということで、二十二年に法律を制定した際になぜ定年制を設けなかったかということにつきまして、先ほどのような御答弁を申し上げたわけでございます。
○佐藤三吾君 そう言えば何ですか、あなたがさつき言った、二十四年ですか、国家公務員法の。二十三年の政令二百一号に基づいて国公法ができたんでしょう。
○政府委員(森卓也君) 国家公務員法は、昭和二十二年十月に法律百二十号ということで公布されております。
○佐藤三吾君 そのときには、分限条項はどうなっておったんですか。
○政府委員(森卓也君) 現在と同様に、定年制は分限の中に入っていなかったわけでございます。
○佐藤三吾君 それはいわゆる二十三年に政令二百一号が出る前でしょう。
○政府委員(森卓也君) 申しわけございませんが、ちょっとわかりません。
○佐藤三吾君 ですから逆に言うならば、二十三年の七月に政令二百一号が出されたわけです、マッカーサー書簡に基づいて。それまでの公務員労働者は、労働三権を、制限は若干ありましたけれども保障されておった。したがって、民間と同様に労使の交渉の中で決められておったわけですね。それに基づく政正というのが、政令二百一号に基づく改正というのが二十四年でしょう。その二十四年の中で、いま言った身分保障の問題がきちっと入れられたんでしょう。どうなんですか。
○説明員(白戸厚君) 国家公務員法ができましたのは二十二年でございますが、分限に関する規定は、二十二年当時もやはり定年制というものは盛り込んでなかったわけでございます。第一次大改正の場合も、特にそこについては変更がなかったということでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、人事院に聞きますが、その法律をつくったときも——二十二年のときも、二十四年のときも、分限条項については当たらなかったと、そう理解していいんですね。いかがですか。
○説明員(白戸厚君) 二十四年の大改正の際には特に改正しておらないわけでございます。——そこの定年制度の関係を二十四年でなくしたとか、そういうような関係は全くないわけでございます。
○佐藤三吾君 それならば、スト権の剥奪に伴うところのいわゆる代償措置については入れたけれども、定年制の問題は、当時はもう退職条件は交渉事項だから、これは当たらなかった。それから定年制という措置はこの改正には当たっていない、そういうことですね。
○説明員(白戸厚君) 先ほど申し上げましたとおり、この定年制度というものは、最初の公務員法制定の際もそれからまた第一次大改正の際も、いずれも全く取り上げられなかったわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、さっきの総理府の答弁は、当時は若かったから入れなかったというのはもう完全にこれはうそだな。いま伺っても、調べてみても当時若かったかどうかという平均年齢もつかんでないと、こういうんでしょう。わからないというんでしょう。それならそんなこと言えるはずないじゃないですか。あなた、そんなうそを言っちゃいけませんよ。
○志苫裕君 ちょっと関連して。 先ほど来の佐藤委員とのやりとりなんですが、総理府の答弁で、現行法に定年制を設けなかった理由は何だというと、その当時の年齢構成や退職管理がうまくいっていたからという答弁は、これは事実でないと思うんですよ。それはもちろんその当時の記録はいろいろありますけれども、定年制ということは頭にまるっきり入れていなかった、あるいは公務員制度という法理論上そういうものを否定しておった。その辺の点は率直に言って記録上もさまざまなもので定かじゃありませんけれども、しかし、あなたがいま説明をしておるような年齢構成や退職管理がうまくいっていたからだという説明ではこれは当を得ていない。この点は私は明らかにできると思うんです。 それから先ほど来の答弁で、法制定当時は抜きにしましてね、いままでは退職管理が、勧奨等が作動しておったけれども、六十年から先は作動しなくなる。そこで定年制を設けるんだという説明です。そんなら、六十年以降これが作動しなくなる具体的な実証を挙げられますか。六十年になったら平均年齢は何歳になってそのときの状況はどうなっているということが立証できますか。答えてください。
○政府委員(森卓也君) 先ほど御答弁いたしましたように、昭和六十年になると現在の制度が全く作動しなくなるということではございませんで、今後次第に退職勧奨制度というのは作動しにくくなってくるということで、作動しなくなってからでは新しく定年制度を設けるということはなかなかむずかしいだろうということで、あらかじめ人事院の御意見も伺って、相当の余裕期間を置きました昭和六十年に六十歳の定年制を導入をいたしたいということで御提案をしたわけでございまして、昭和六十年に何歳ぐらいになるかというのは、今後の退職状況等によりまして、現在の段階でその年齢等を申し上げることはちょっと不可能かと思います。
○志苫裕君 前段の答弁はどうですか。——前段の答えはどうですか。
○政府委員(森卓也君) それから御質問の前段につきましては、先ほどから御答弁を申し上げましたとおり、私どもといたしましては、当時は定年制を導入する必要がなかったということで文面の中に入れられなかったというふうに理解をいたしております。
○志苫裕君 関連ですから長くやりませんけれども、先ほどあなたは、現行法で定年制を採用しなかった理由は何かと言ったら、当時の年齢構成や退職管理の状況に触れたでしょう。しかし、たとえば退職管理、新陳代謝というような問題——戦後のああいう状況ですから、新陳代謝がどういうものであったか。何しろ若い者がいなかったとか、そういうことはありますわな。いろいろあるかもしれませんが、しかし、あなたの答弁は説明になっていない。なっていませんよ、これは。これは国公法をここで議論をしておるのじゃないんですけれども、しかし、国公法が基準になって地方公務員三百万人にはね返るわけですよ。ですから、公務員全部含めば五百万人だ、家族を入れれば一千数百万だ、関連を入れれば数千万だ、こういう問題にこれからかかわっていくわけでしょう。それが、資料はろくに持ち合わせておらないし説明もその場限りでは納得できませんよ、これは。先ほどの答弁だって、三十二年に三十五・六歳、一番新しいところで四十・六歳ですから、三十二年から今日まで十数年間に、なるほどこの数字で言えば五歳上がっていることは確かだ、平均年齢が。しかし、当時人生五十と言われた平均寿命が、いま一体幾らなものやら、それはちょっと私わかりませんけれども、六十年から入れるというのであれば、六十年に退職管理がうまくいかないということを立証しなさい。将来そういうものが必要になるというのであれば、そこは人事院があるわけでありますから、将来の問題については研究をすればいいじゃないですか。これについてどうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおりでございますので、私どもといたしましては、取り上げ方につきまして慎重を期す必要があるだろうということで、中立的機関でございます人事院の御意見を伺いましたところが、人事院の方でも、六十年に六十歳導入がいいのではないかという御意見でございましたので、法律案を提出したわけでございます。 昭和六十年にどういうふうに作動しなくなるかということを具体的に立証せよという御質問でございますけれども、だんだんと高年齢化してまいりまして、先ほど佐藤先生も御指摘のとおり、たとえば五十歳前後のところに国家公務員につきましても大きなこぶ等もございますので、そういうものが次第に大きな力となって、退職勧奨制度というのは次第に作動しなくなるであろうということは見込まれるわけでございます。
○志苫裕君 それは佐藤さんが人事院から聞くでしょうけれども、私は、いずれにしてもあなたに申し上げたいのは、法案の賛否は別として、地公法について言えば、過去に、三十一年、四十三年と、そして今回、国会に出てきてもその都度非常に慎重に扱われた問題なんですね。それだけに、法案の賛否にかかわらず、重大な影響を及ぼす法案であることには間違いないから、資料もふんだんに整備をして、法理論についても十分整理をして、納得のいく答弁をしなさいよ。その点は強く要望しておきます。
○佐藤三吾君 さっきのあなたの答弁というのは、言いかえれば、いま志苫委員から指摘ありましたように、まさに根拠がない。出まかせまでいかなくても、あなた自身が、こういう重要な法案を審議するについての答弁にしては、ふさわしくない答弁だったと思うのですね。その点私は、ここで率直にさっきの前言を取り消して、当時は恐らく公務員の身分保障が最大のポイントで、実態とかなんとかいうのじゃなくて、定年制などは公務員制度になじまないと、こういう観点で入れなかったのが、私はこの問題に対する素直な回答でなきゃならぬと思うのですが、そういう意味で私は理解をしたいと思うのですが、どうですか。
○政府委員(森卓也君) 同じ答弁で恐縮でございますが、私どもといたしましては、先ほど来御答弁いたしておりますとおり、当時といたしましては定年制度を導入する必要がなかったということで現行法の中にその制度を取り入れていなかったというふうに理解いたしております。
○佐藤三吾君 必要がなかったじゃなくて、定年制度そのものが公務員制度になじまない、こういう態度だったんでしょう。そこら辺は素直に認めたらどうですか。佐藤副長官も来ておるんだが、いかがですか。
○政府委員(佐藤信二君) 法律的な解釈は私の分野ではございませんが、私はやはり、国家公務員はずっと戦前からいたわけでございますが、当時——戦前から戦後、そうしたつながりにおいて昔は定年制というものが導入されてなくても勧奨がうまくいっていた、しかし、時代の変革と申しますか、一般大衆から見ると民間企業と公務員というのを比較をするような時代に変わってきたということ、これは大きな要素だろうと思うんです。 そこで御存じのように、法的な解釈は別として、いま世論調査をしても、国家公務員、こうしたものに定年制度がないのはおかしいというのが六十数%あるという事実があるわけでございます。そういうふうに社会的変化があった場合に、行政府としてはそうした国民的な要望というものを取り入れて、そしてこうした制度、法律というものをつくらざるを得ない、かように実は考えるわけでございます。
○佐藤三吾君 これ以上この問題で議論をしたくないと思っておったんですけれども、先ほども言ったように、私が聞いたのは、なぜ公務員法をつくったときに定年制は入れなかったんですかと。ところが、それは年が若かったし、新陳代謝が行われておったから必要なかったと、こう言っておるわけです。それでは、その当時の平均年齢は幾つなんですかと聞いたところが、全然持っていない。だから、年が若かったというのは当てっぽかで言っているわけです。数字がないんですから。だから、そういう不謹慎な答弁は、この重要な法案の議論のときにすべきじゃないじゃないか。率直にそれは取り消したらどうだと、こう言っておるわけだ。そこら辺は佐藤さん、私は素直に取り消してもらって、そしてこの法案のあり方を議論していかなきゃならぬと思うんですよ。これが一つ。 もう一つの問題は、三十九年に第一次臨調が答申をしておるわけですよ。そのときに、当面六十歳、そして将来は諸外国に見習ってもっと高い定年制をしくことが妥当であるという答申をしておるわけですよ。ところが、その当時の民間の定年制は五十五歳だ。それに対して第一次臨調がなぜ「当面六十歳」と、そういう数字を出したのか。さらに諸外国は、その当時アメリカとノルウェーは七十歳です。イギリスを初め各国は六十五歳です。それに将来は近づけるべきだという答申をしておるわけです。そういう観点からしても、単に民間にならう、現在の民間が六十歳なら六十歳というものではないんです、公務員制度というものは。そういうことをやられておる。さっきもやりとりしたんですけどね。ところが、当時、その第一次臨調の答申に対して、日本政府、各省庁がとった次官通達を見ますと、わが国の公務員制度は終身公務、したがって、定年制はなじまない、こういう通達を一斉におろしているわけです。それがどうして今日になったらなじむことになるのか、その理由がわからない。どうですか。——佐藤さん、答えてくださいよ。
○政府委員(森卓也君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、当時臨調が出しましたときの社会経済情勢からいきますと、臨調のような考え方もあったかと思われますし、それに対する政府の対応の仕方といたしまして、職員の年齢構成あるいは退職勧奨制度等から判断してその必要がないというふうに判断したであろうことは考えられるわけでございますが、それが本質的に公務員制度になじまないからであるというふうに私どもは理解をいたしておりません。
○佐藤三吾君 あなた、前言は取り消すんですか。取り消してからひとつ答弁してくださいよ。そんな当てっぽかな答弁じゃなくて。どうするんですか。
○政府委員(森卓也君) 同じ答弁で恐縮でございますが、私どもといたしましては、当時は職員構成あるいは退職勧奨制度の運用等によって事態が推移できるというふうな判断に立ってこの臨調の答申を採用しなかったのであろうというふうに理解をいたしております。
○佐藤三吾君 きわめて不満ですがね。 人事院、いま総理府が答弁する、昭和六十年になったら退職勧奨制度がスムーズにいかなくなる。したがって、定年制導入に意義があるということを書いておるんですが、これは何か数字があったらひとつ示してください。
○説明員(白戸厚君) この件につきましては、先ほど申し上げましたとおりの情勢から、次第に勧奨が機能しなくなるのではないかというような推定をしたわけでございますが、具体的に裏づけになる数字というものは六十年ということで特にあったわけではございません。
○佐藤三吾君 そうしますとね、結果的にはそういう立証する数字もないし、見通しも持っていない。それからいま言ったように、この公務員法をつくるときには、公務員制度に定年制がなじまないという態度をとっておった、そういうことで定年制を入れていない、それが、今回言った具体的な根拠、こういうものについても、さっきからの議論で立証できないわけですね。
○説明員(白戸厚君) まず、公務員法の制定の場合にどうして入れなかったかという問題でございますが、それにつきましては、特に当時議論がございませんでしたので、資料的にどうであったかという裏づけはとれないわけでございます。ただ、当時は勧奨による退職が比較的円滑に行われておりましたので、特に必要がないというようなことで取り上げられなかったのではないかというように推定をいたしておるわけでございます。 それから臨調の答申の場合でございますが、この場合につきましては、人事院といたしましては、確かに定年制ということについて必要性があるのではないかということで検討をいたしたわけでございまして、ただ、まだ緊急の必要性までは認められなかったということで、その後引き続き検討を進めてまいったわけでございます。で、このたび結論を得まして、一昨年、見解を書簡で表明をいたしたわけでございます。そういうような経緯になっておりまして、人事院としては、定年制度が公務員制度になじまないというような見解はもともと持っておらないわけでございますので、御承知いただきたいと思います。 それから確かに六十年に勧奨がうまくいかなくなる、こういうような点の裏づけがないではないかということでございますが、そういう数字的な具体的な裏づけというものは確かにございませんけれども、いままでの職員構成の動きそれからまた、現実に各省庁からいろいろ伺っております勧奨の実施のぐあい、そういうものから判断いたしますと、勧奨はそれなりに機能してきたとは申しましても、一部においてすでにむずかしくなってきておる。これがさらに広がっていくと、そういうような情勢が見えたわけでございますので、そういうことを勘案いたしまして、近い将来には機能しなくなってくるおそれがあると、そういうことで、ある程度の余裕期間をもって定年制度を実施すべきではないか、このように判断をいたしたわけでございます。
○佐藤三吾君 何ですか、一部にそういう兆しが見えておるのですか。いまの御答弁のその一部というのはどこですか。
○説明員(白戸厚君) どこということをここで申し上げるのはどうかと思いますが、勧奨年齢を超えても在職する、そういう者がある程度の数になってきておる、こういうような状況等から判断したわけでございます。
○委員長(亀長友義君) この際、十分間程度休憩いたします。 午後三時二分休憩 ————・———— 午後三時二十分開会
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 理事会決定もあったようですから、きょうは、労働基本権とのかかわりの問題は一応留保して、また後日質問をすると、こういうことにしたいと思います。 そこで、二、三だけ確認しておきたいと思いますが、国公法百八条の五、地公法五十五条、公労法八条、地公労法七条、この規定が、団交の範囲、特にその中に退職に係る問題が含まれるというふうな点については、先ほどの自治省側の答弁でよろしいですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法五十五条あるいは地方公営企業労働関係法第七条に言う交渉事項の範囲といいますか、そういう御質問だと思いますが、地方公務員法五十五条では職員団体と当局との交渉が定められておりますが、この中に、「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件」と、この「勤務条件」の中にいわゆる退職に関する事項というものも一般的には入るというふうに考えております。それから、地公労法第七条でございますが、ここの中にいろいろの事項を決めておりますが、特にこの四号で、「前三号に掲げるもののほか、労働条件に関する事項」、こういうことが掲げられております。したがいまして、いわゆる勤務条件に関する事項につきましては、いずれも地公法五十五条あるいは地公法七条の規定によりまして、管理運営事項でない限り交渉の対象事項になる、こういうふうに理解をいたしております。
○佐藤三吾君 国公法もそうですね。
○政府委員(森卓也君) 先ほど申し上げましたとおり、百八条の五第一項によりまして、勤務条件に関しまして、「申入れに応ずべき地位に立つものとする。」ということになっておりますので、この中にはただいまのような御指摘の点も抽象的には含まれるかと思いますが、具体的な問題になりますと、分限事項は法律に定めるということになっておりますので、実際に適用される範囲はほとんど非現業職についてはなくなるであろうというふうに考えております。
○佐藤三吾君 そうなると、またこの問題で議論せにゃいかぬわけだよ。あなたの答弁を認るわけにはいかぬわけだよ、全然違うんだから。あなた自身、やっぱりこの専門ではないんだろう、だからそういう答弁をするんだろうと思うんだけれどもね。——副長官、そうなると、こちらはだめということになるとあなたに行くんだけれども、どうですか、そこのところは。いまの自治省側の答弁と同じですか。
○政府委員(佐藤信二君) よくわかりませんけれども、おおむねお聞きのようでございます。(笑声)
○佐藤三吾君 わからぬじゃ困るんだけれども、まあいいでしょう。 そこで、今回の改正の中でもう一つ聞いておきたいんですが、公労法二条一項二号に規定する国の経営する企業というのが定年制導入になっていますね。そうしますと、三公社は入らない、こういうふうに読み取れるわけですね。いままで三公社五現業と、こう言って、事労働関係については一律的に行ってきたのが、今回の定年制の問題についてはこれを分断したと、そう受け取っていいんですか。これは地公労法の場合は、公企職員——現業職員も全く同じように条例によって一方的に、条例法定主義というのですか、やられると、こういうふうに変わってきておるというふうに思うんですが、ここら辺はどうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 御指摘のとおり、今回の法律は、五現業につきましても六十歳定年制という基本につきましては法定をするということでございますが……
○佐藤三吾君 ちょっと、はっきり言ってくれませんか。
○政府委員(森卓也君) 五現業職員につきまして、六十歳定年制を導入するという今回御提案をしております国家公務員法の改正案でございますが、三公社につきましては、御指摘のとおり今回は適用を除外いたしております。
○政府委員(宮尾盤君) 今回の地方公務員の定年制度でございますが、現業、非現業を問わず、これは公務員の身分の基本的な事項に関する事柄でございますので、具体的な定年制の実施に関する事項については、現業、非現業問わずいずれも条例で定めていただく、こういうことにいたしております。
○佐藤三吾君 そうなるとやっぱりこれは非常に問題がありますね。いままでいわゆる三公社五現業一本の扱いが定年制については今度分断する、こういう労働基本権にかかわる重大な問題を含んでおるということに私はなると思うので、これはまた後ほど議論をしたいと思います。 時間の関係もございますから、一応労働基本権はそういうことで留保しておきます。おきますが、先ほどから議論がございました退職勧奨ですね、これは機能しておるというお答えがございました。衆議院段階の議事録を見ましてもかなりこの問題は詳しくやられておりますから、私はできるだけ重複は避けていきたいと思うんですが、機能しておるのにどうして定年制を入れるのかということについては、将来機能しなくなるのじゃないかという人事院の報告というか、何というのですか、それがあったので今回定年制を入れたわけですと、こういう回答がございました。ところが、それを立証することはできるのかと、こういう質問については、立証は不可能ですと、こういうことでございますが、自治体の場合は一体どういうふうな機能なんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 退職勧奨制度がどんな状況になっているかということでございますが、 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 これは、全団体をなべてながめてみた場合に一応機能をしておるというふうに考えておるわけでございます。ただ、三千余の団体がございますので、それを個別に見ますと、個々の団体の中では非常に応諾率が悪いというような団体もある程度見受けられるわけでございまして、そういう意味では、この退職勧奨制度というのは、一つ一つの地方公共団体でどういうふうに機能しているかという問題でございますので、そこに一つ問題があるというふうに考えておるわけでございます。 それからもう一つは、この制度が、御承知のように最終的には本人がそれに応ずるか否かという意思決定をしなければならない。したがいまして、本人が応諾をいたさない場合には必ずしもこの退職勧奨制度というのは機能しないことになってまいります。そういう意味で、必ず退職するという制度的な保証というものがないことが一つ問題があります。そういうことがありまして、現在相当数の団体ではある程度勧奨退職制度は機能いたしておりますものの、その陰にはまたやはり人事当局も非常に相当苦労をしてやっておると、こういう実態もあるわけでございます。 そういう意味合いから、これからの高齢化社会というものを考えた場合に、現在の退職勧奨制度だけでは、長期的かつ計画的な人事管理というものは行うことはなかなかむずかしくなってくるであろうと、こういうふうに考えておりまして、そういう意味から、定年制度というものを退職管理の方法として導入をする必要があるだろうというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 幾つかいま理由を聞きましたが、一部の自治体でやられていないものがある、機能していない部分があると。その一部のために法律をつくるというのはこれは、しかも一律というのは迷惑な話であって、そういうことなら、何というんですか、三十一年法のように、自治体で「停年制を定めることができる。」とか、言うなら一部の機能していないところに定年制は入れる、機能しているところは入れぬでもよろしいと、当然こういうふうにすべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 退職勧奨制度がどういうふうに機能しているかという点では、いま申し上げたような状況でありまして、そういう意味で人事の新陳代謝というものを促進をしまして、組織の活力というものを維持をしていく、効率的な行政を行っていくという意味からしますと、定年制度というものをしくことは望ましいわけでございます。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 そこで、ただその場合に、現在の勧奨退職制度でも応諾率のいいところではほうっておいてもいいではないかという意味合いの御質問でございますが、この定年制度というのは、やはり私どもといたしましては、本人の意思いかんにかかわらず一定の年齢に到達をしたならば当然退職をする、こういう制度でございますので、身分保障にかかわる事項であり、そういう意味で新しい分限制度であると、こういうことでございますので、各団体における公務員がそれぞれの地方団体におきまして定年による退職年齢というものが非常にまちまちである、あるところは定年制度を採用し、あるところは採用していないというような公務員制度というものは、基本的にいろいろ問題があると考えております。 そういう意味合いから、国家公務員について定年制度が今回導入されることになりましたので、そうなれば地方公務員についてもすべての団体について定年制度というものはやはり一律に導入をするのが公務員制度全体の整合性を確保する上から必要であると、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうなると、これは大臣、どうなんですか。さっきの答弁の中に出てきましたように、宮尾公務員部長は、いま勧奨の基準が一般的には五十七、八歳だと。そういう勧奨制度、それを今度は、定年年齢が六十歳になれば、逆に言えば六十歳まで保障するということになって、身分保障の一環になるという答弁がございましたね。これは大臣、定年制を六十年にしくということになって、しかも一律的にやるということになれば、勧奨制度は廃止をするわけですね。どうなんですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) まあ勧奨制度はこれによって、実際施行するということはなくなると思います。ただ、これは衆議院でもお答えいたしたのでありますけれども、幹部職員なんかでいろんなことで勧奨する場合はあり得るだろうと思うんです。しかし、集団的に、また計画的に勧奨退職させると、そういうことはやらない、やれない、そういうことになるだろうと思います。
○佐藤三吾君 だろうじゃなくて、いずれにしてもやっぱり勧奨制度というのは一般職員についてはなくなる、こういうことははっきり言えますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) そういうふうに理解してもらって結構です。
○佐藤三吾君 そうですか。 それでは次の問題ですが、ちょっと細かくなりますが、条例準則参考メモというのを出されていますね。それを見ますと、「定年退職日」は、「定年に達した日以後における最初の三月三十一日」となっていますね。たとえばこの施行日が三月三十一日、ここで定年に達した者と四月二日に生まれた者が、実際は二日間の違いだけれども、定年の場合には一年の差が出てくる、こういう現象が起こりますね。これは具体的にどういうふうに理解しておられるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 定年になった場合にいつ退職をするのかということについては、この法律の中では、それぞれの地方団体が条例でその日を定めてくださいと、こういうことにいたしております。そこで、いろいろな決め方が実はあり得ると思うのでございますが、たとえば満六十歳に達したら直ちにやめると、こういうふうにすれば、そういう意味では長い短いということがなくて公平な形にはなるわけでございますけれども、そういうことにいたしますと、これはほとんど一年間を通じてばらばらに定年退職をする人たちが出てまいります。この定年制度というのは一つの退職管理制度でございますから、当然退職をした人は別途新規採用で埋めていくということにいたしませんと円滑な職務の遂行ができませんので、そういう意味合いからいたしますと、やはり余りばらばらに退職する日を決めるよりは、やはりどこかでまとめて一まとめてといいますか、退職する日をある程度まとめていくということがどうしても退職管理、採用管理という面から必要になってまいります。 そういう意味合いから、いまお話がありましたような事例でありますと、たとえば三月三十一日だけを定年退職日というふうに設定をいたしますと、三月三十一日に生まれた人と四月二日に生まれた人とではほぼ一年に近い勤務年限の差が出てくる、これはどうしてもそういうことにならざるを得ないわけでございます。そこはやはり全体の人事管理上、どこで割り切って線を引くかと、こういう問題であろうというふうに考えております。 なお、「条例準則に関する参考メモ」の中で三月三十一日を例示をしておりますのは、これはこの法律の仕組みからいきまして、どうしても三月三十一日というものは指定をしていただかなければいけないわけです。ですから、三月三十一日だけを指定するという考え方もありましょうし、それから三月三十一日とあるいは中間時点でたとえば九月三十日も定年退職日というふうに指定をする、こういうような御指定の仕方もあり得るわけでございますが、一つの事例といたしましてこういう事例を示しておると、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 その事例は私は見ておるから聞いておるんですけれどもね。二十八条の二に、「定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、」と、こうなっていますね。それに基づいた準則の参考メモだと私は思うんですよ。それで聞いているんですけれどもね。 そうするとあなたの答弁では、逆に言えば、これは条例で定める日を自由に定めてもいいんだ、自治体の自主性で定めてもいいんだ、いずれにしても一つの例示としては三月三十一日を出したけれども、これにこだわる考えはないんだと、こういう説明で受け取っていいんですか。それとも、一年のうちに三つも四つも日にちを定める、たとえば七月とか十月とか、こういう定め方をするという考え方なんですか。どっちなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 結論的に言いますれば、個々の条例で定める日というのは、地方団体が人事管理上最も都合のいいといいますか、合理的なといいますか、そういう考え方に立って決めていただくというたてまえでありまして、別に法律で拘束をしておるわけでありません。ただ、三月三十一日は、この法律のこういう規定の仕方からいきまして、どうしても指定をしなければならないことになるわけです。そうしますと、それ以外にちょうど真ん中であるたとえば九月三十日というふうなものも指定するかということもあり得るわけですが、これも、地方団体としてそういう指定の仕方をした方が人事管理上ベターであると考えれば、それでも構わないわけでございます。 ただ、私どもの判断といたしましては、年度の中途で半年分ぐらいまとめて退職する人が出てくるということになりますと、そこは新規採用で埋めることはなかなかむずかしいわけでございますから、そこで職場に欠員ができるという事態が出てまいります。そういう意味合いからいたしますと、生まれた日との関係において、先ほどお話が出てまいりましたような、一人一人勤務期間の長短は出てきますけれども、新規採用がしやすいようなところにまとめて退職指定日というものを指定をしておくという方が人事管理上合理的でありベターではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
○佐藤三吾君 そういうことになれば三月三十一日ということがベターではないかと、こういう論理になるわけでしょう。そうすると、七月とか十月の場合には新規採用との関連が出てきますからね、おっしゃるとおり人事管理上非常にやりづらい面が出てくるのではないか。そうなると、端的に言えば、そういうベターであるということは察しましても、自治体でこの日にちを決めるのは自主的に決めていいことなんだと、それについて干渉する考えはないと、そういうふうに受け取っていいわけですね。
○政府委員(宮尾盤君) そのとおりでございます。 ただ、私どもとしては、地方団体に対して指導をするという立場にございますので、こういう参考メモというようなもの、参考メモといいますか、条例準則をいずれ示して、その中では、やはり一番典型的な事例といいますか、考え方というものを恐らく示すことになると考えておりますが、ただそれで拘束をするというつもりはありません。
○佐藤三吾君 次に聞きますが、国の職員の定年を基準にというのがございますね、二十八条の二の二ですか、この「基準」という意味はどういう意味ですか。たとえば準ずるとか準用するとか適用するとか、こういう意味合いにおいて、これはどういう意味合いを持っておるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 「基準として」というふうにこの今回の法案で定めております意味合いは、格別合理的な理由がない限り国の職員の定年と同じ定年を定めていただきたい、こういうことを意味しておるわけでございます。それは、なぜそういう考え方をとっておるかといいますと、定年制度というものは職員の身分に関する基本的な非常に大事な事柄でございますので、そういう意味で地方公務員、国家公務員を通じましてやはり整合性というものを保つことが望ましい、こういう考え方でいま申し上げましたような「基準」という言葉を使っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、かなり厳格な意味と、こういうふうに受け取ったんですが、たとえば憲法二十七条のいわゆる勤労者の権利の問題で、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」という基準がございますね。それから労働基準法の「基準」もございますね。これは罰則を伴って、最低基準ということで定められておるわけですが、それからまた、公害基本法で「環境基準」というのがございますね。これは言うなら努力目標でしょうけれども。こういうもの等から見ますと、この場合は労働基準法的な基準と、こういう受けとめ方をしていいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 労働基準法で言う「基準」というのは、これは先生も御承知のように最低基準を意味するわけでございますので、そういう意味合いではないわけでございまして、先ほども御質問の中にもありましたように、ある意味で非常に厳格な意味合いで私どもこれを使っておるわけでございます。つまり、この法律の中では、地方団体がどうしても必要な場合には特例定年を設ける制度を設けてありますが、それ以外の場合には国の職員の定年を基準として定めていただく。そういう意味合いは、格別の合理的な理由がない限りは非常に平たく言えば同じ年齢を定めていただく、こういうことでありまして、最低基準という意味ではないわけでございます。
○佐藤三吾君 端的に言えば六十歳、そう言いたいけれども言えない、だから基準としてその辺を指導の中で強めていく、こういうことですか。
○政府委員(宮尾盤君) 六十歳のあれだけではございませんで、国家公務員法の中ではそれ以外に六十五歳とか六十三歳とかいうのがありますが、これはそういうものを含めてこの「基準」の中に、国家公務員について定められている定年という中で読み込むわけでございます。したがいまして、原則は六十、それから国家公務員の特殊な職種について定められておる六十五歳とか六十三歳とかいうようなものも読み込んで、それも基準として考えていただくと、こういうことにいたしております。 その場合に、条例を定める当該地方公共団体で特にそれを変えなきゃならぬという合理的な理由というものがない限りは、そういう六十歳、六十五歳、あるいは六十三歳という年齢で定めていただくと、こういうことをこの法律の中で示しておるということでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、これは総理府、五現業の場合は主務大臣の定めと、こうなっていますね。そこら辺の扱いは、この問題は、原則定年の年齢も含めて退職条件として団体交渉事項になると、そういうふうに理解してよろしいんでしょう。
○政府委員(森卓也君) 五現業の職員の定年制度につきましては、非現業職員と同様、国家公務員法の規定を適用することとしておりますので、原則的な定年年齢を六十歳とすること、その他特例定年、それから勤務の延長制度、再任用制度の基本的な枠組みにつきましては非現業職員と同様でございまして、労働協約でこれを定めることはできないというふうに考えておりますが、主務大臣が決定することとされております定年退職日とか特例定年の対象、あるいはその年齢、勤務の期限の延長等につきましては、法律の範囲内におきまして公共企業体等労働関係法第八条第四号の規定によります団体交渉の対象として労働協約を締結することができるというふうに考えております。
○佐藤三吾君 そうしますと、期限延長を含めて交渉をすることができる、ただ原則定年年齢、これは非現業と同じだと。しかし、実際問題としてどうですか。五現業の場合には、原則定年年齢に適用する職員というのはごく少数で、あとは圧倒的に団体交渉で期限延長できる職員ということになるんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(森卓也君) どの範囲につきましてただいま申し上げましたような主務大臣が決定する範囲とするかということにつきましては、それぞれ各当局が組合側といろいろ協議することになるだろうと思われます。
○佐藤三吾君 いや、実際問題として、五現業の職員の職種その他実態を見た場合に、いまあなたの言ったことをそのまま実態に当てはめてみると、ほとんどの職員は団体交渉事項で期限延長できる職員だろうと、こう言っているんです。どうですか。
○政府委員(森卓也君) ただいま御答弁申し上げましたとおり、それは各主務大臣において組合側と交渉して決められる事項でございますので、私の方から仮定的な答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 そうすると、五現業の場合に、原則定年、これはあなたがおっしゃるように非現業と変わらないんだと、この職種なり人は。そういう職種なり人というのはどの範囲ですか。非現業と変わらない職種、人というのは。五現業の場合、いわゆる交渉対象外というのはどの範囲ですか。
○政府委員(森卓也君) たとえば、私どもの非現業の行政職(一)の普通の一般の事務をとっております者はほとんどがこの特例定年ではございませんで原則定年が適用されるわけでございますが、五現業職員の中にもそれと同種の事務を取り扱っている者は、ほとんどが特例定年ではなくて原則定年が適用されるだろうと思われます。
○佐藤三吾君 これは職種で決めていくんですか。それとも個々に、個人に決めていくんですか。どうなんですか。
○政府委員(森卓也君) 職種で決めるということを前提といたしております。
○佐藤三吾君 そうすると、原則定年の年齢で決められるのと、そうじゃなくて交渉で年齢を引き延ばしたりする、交渉事項に移る職種ですね、このいわゆる相対の比率はどのくらいですか。どういう比率になっていますか。
○政府委員(森卓也君) 各現業当局が検討することでございますので、ちょっと私どもの方からどのくらいの範囲かということの答弁は差し控えさしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 それでは自治体の場合は、ここのところは地公労法との関連ですけれども、どういうふうになるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほど申し上げましたように、原則的には、現業、非現業を問わず、この定年年齢の定め方というのは基本的に同じにする、こういう考え方でおるわけでございます。 で、条例で定年年齢をどういうふうに決めるかということについては、一つは、いま御質問がありましたように、国家公務員について原則は六十、それからそれ以外の特例といたしまして——国家公務員の定年年齢の特例でございますが、その場合に、病院、診療所等に勤務する医師、歯科医師についての特例があります。これは六十五歳。それから庁舎監視その他特定の、いわゆる単純な労務に従事する職員についての六十三歳という定め。それからもう一つは、これも十分御承知のことでありますが、いまの医師、歯科医師、あるいは労務関係職員以外に、「その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であること」によって、原則六十という定年によりがたい特定の職種、これは一般的には人事院規則で定める、五現業の場合には主務大臣が定めるという事柄になっておるようでございますが、その場合に、六十から六十五までの範囲内において決めることができる。こういう仕組みに国の方はなっているわけでございますから、それとの関連において地方でも、現業、非現業を問わず、原則は六十、それから医師、歯科医師等については六十五、それから労務職員については六十三。それからそれ以外に、国家公務員法八十一条の二の二項三号で定められたような類似の職種があれば、それも一つの基準になってくることはあり得ると思うわけでございます。 ただ、私どもとしましては、これは国のことでございますからどういうふうになるかはよくまだわかりませんけれども、国家公務員法で考えておる特例定年というのは非常に限定的なものであろうというふうに私どもは伺っておるわけでございます。そこで、そういう仕組みになっておりますから、地公労法の規定が適用になります企業職員についてどういう定年年齢の定め方が出てくるかというのが、非常に限定的ではありますけれども、いまの五現業について主務大臣が定めた特例定年の職種といいますか、そういうものはどの程度あるのかということが一つこれは参考になろうかと思いますが、それを参考としながら、それを一つの基準として定めるケースというものが、きわめて例外的ではあるかもしれませんが、出てくる可能性がある、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうするとあれですか、準則メモですか、それから言いますと、ア、イ、ウ、エのウ、エのことなのか、エのことなのか。いわゆる特殊性で国の基準に適さない職というのはどっちの方に入るんですか。
○政府委員(宮尾盤君) この「条例準則に関する参考メモ」、これで申し上げますと、ア、イ、ウまで、これは国家公務員について定められている定年年齢の定めを基準として定める部分に入る、該当するわけでございます。したがいまして、五現業といいますか、企業職員であると非現業であるとを問わず、国どおりに仮に定めたとしますと原則は六十歳、それから医師、歯科医師等について、これ人事院の規則が出てまいりませんと具体的に範囲はわかりませんが、しかし、一定の診療行為に従事する人たちで人事院規則が定めておるような範囲の人たちは六十五歳、それから庁舎監視等の業務に従事する職員について六十三歳、それから、それ以外の人事院規則等で定められる特定職種についての定年年齢、これはウで決められるわけでございます。 そこで、地方公務員法で独自にといいますか、地方公務員法で、これは条文で申し上げた方がわかりやすいと思いますが、第二十八条の二第三項に、「地方公共団体における当該職員に関しその職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより国の職員につき定められている定年を基準として定めることが実情に即さない」、こういうことで、地方団体が独自の判断をして定年を定める部分というのはいまのエになるわけでございます。そして、そういうものにつきましては、そこに一つの事例を示しておりますが、たとえばそこにありますような、「離島その他の生活の著しく不便な地に所在する病院、療養所、診療所、保健所等で条例に定めるものに勤務する医師等」についてはアで定めている年齢のさらに特例といたしまして別途の定めをすることができると、こういうふうにいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 この準則は、配られていないんですか。どうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、先生がお手元にお持ちのは、衆議院段階で正式の提出資料ではないけれどもということで提出を求められましてお配りをしたものでございます。したがいまして、私どもいまごらんいただきますように、非常に不確定な部分がいっぱいあるものですから正式なものとしてお出しをすることについてはためらっておるわけでございますが、もしそういうものでもいいから配ってくれというあれであれば、お配りをする用意はございます。
○志苫裕君 ちょっと関連して。 いまの点、確かに条例準則かというところに問題があるということですから、これはどうですか、表題は準則メモでいいじゃないですか、もし必要ならば。いま考えているメモだということで一応委員会にお配りされた方がいいと思いますよ。委員長、そういう取り扱いにしてください。
○政府委員(宮尾盤君) お配りをする用意はいたしておりますので、もしそういう御指示であれば直ちにお配りをさしていただきます。
○志苫裕君 それはそれで委員長の判断でやってください。
○委員長(亀長友義君) それでは、提出してください。 〔資料配付〕
○委員長(亀長友義君) では、質疑を続けてください。
○佐藤三吾君 そうすると、こういうエの職員、このエの職員に、国との「権衡を失しない」と言うけれども、これは何を基準にやっていくわけですか。
○政府委員(宮尾盤君) その「権衡」という言葉が、平たく言いますと、つり合いのとれたというか、バランスのとれたということでございまして、この条例準則メモのエの職員というのは、国にはそういう事情がない職員の定年の定めでございますから、地方団体といたしまして、他の職員の事例等も見ながらどの程度にする必要があるのか、また、何歳くらいのところがそういう特殊な定年年齢をつくることについて一番合理的な説明がつくのか、こういうことを判断をしていただくということでありまして、じゃ、具体的にどういう物差しがあるのかといいますと、それは個々の事情によって異なってまいりますので、いまの段階でこういうものであるということはなかなか申し上げにくいということであります。そういう点、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 では、こういう国にない職種でエの項に所属する職員というのは、ア、ウを超えて年齢を定めることもこれは当然できるわけですね。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) そこのエの例のところに書いてありますように、その事例で示しておる医師については、一般的にはアで六十五歳という定めができるわけですが、さらにそれを超えて定年年齢を定めることもエではできる、こういうことになっているわけでございます。
○佐藤三吾君 たとえば僻地の病院、療養所、診療所などの医師については、アでは六十五だけれども七十にすることもできる。それからイの場合も、六十五、七十にすることもできる。それらはかかって自治体の自主性において決めればよろしい、こういうことですか。
○政府委員(宮尾盤君) このエで、どういう職種についてこういうことを決める必要があるかということは、この法律の中でもう要件を決めておるわけでございまして、当該地方団体におきますその当該職員について、「その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより国の職員につき定められている定年を基準として定めることが実情に即さない」、こういう実情があるときに限ってこの特例定年を決めることができる、こういうふうに法律は定めようとしているわけでございます。したがって、ここに例示をしておりますのも、たとえば北海道とかあるいは伊豆の諸島とかいうような、そういう離島等非常に辺地でなかなか医師の確保ができない。いま勤めていただいておる医師の方が仮に六十五歳であるとしまして、六十五歳という定年年齢をつくってしまうともうすぐやめていただがなきゃならぬ。やめられると後そこに来て診療してくれるお医者さんが見つからない、そういう事情がありますので、そこでそういう方についてはたとえば七十歳と決める、こういうようなことをこのエでできるようにしておるわけでございます。 したがって、ア、イ、ウすべてについてできるかという御質問については、そういう事情がある職員についてのみそのエでもって決めていく。その場合に、それだけの合理的な理由があればもちろんイの場合とかウの場合もできますけれども、一般的にはエによって特例定年を定める事例というのは余りない。非常に限定されるものであろうというふうに私どもは予想しておるところでございます。
○佐藤三吾君 いや、それはあなたが勝手に限定されるとかいうのじゃなくて、国にない職種の場合とか、そういう特殊な条件を持った地方自治体の職員ですね。そういう面で、実情に即さないという問題についてはこれは労使の中の話し合いの中で、交渉の中で、一方はこれだ、一方はこうだというかっこうが出てくるでしょうね。その中で決めていくことについて特別に国がそれに干渉したり、これはこうだというふうな物差しを示したりということはしないんでしょう。自主的にやれるわけでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 地方団体には、もちろんそう数は多くありませんが、国にないようないろいろな職種もありますから、そういう場合に、改正法の二十八条の二第三項で、つまり条例準則で言えばエでどういうものをそこに決めていくかと、こういうことが出てまいるわけでございますが、そのときにも、まあ原則定年は六十でありますし、その例外としてア、イ、ウというのが国の場合にある。これを参酌して、それとの関係において権衡を失しないように決めていっていただきたいと、こういうことにいたしておるわけでございます。もちろんその過程におきまして労使間のいろいろな話し合いといいますか、交渉ということはあり得るでしょうけれども、事柄は、これはそういう過程を踏むとしましても、つまり、住民の代表の方々が集まっていただいておる議会で、条例という形で決めていただくわけでございますから、そういう意味で、合理性、妥当性を持った形での特例定年というものを定めていきたいということになろうというふうに思っているわけでございます。
○佐藤三吾君 条例で決めるのはわかったんですが、だから権衡を失しないとかそこのところで、おたくの方で全国的に通して一つの何か基準をつくって、こういう場合こういう場合と、こう基準をつくって、それが言うなら権衡を失しない基準だということを例示をして、その枠の中で自治体にさせようとするのか、ここら辺は自治体の実情に即してという言葉があるから、それぞれの自治体の実態の中で決めることをできるようにするのか、そこを聞きよるわけです。
○政府委員(宮尾盤君) 御質問は、恐らくこの条例準則というものが正式な形になった場合に、こうぴしっとたくさん書いて、これ以外はだめですよというような指導をするのかということかと思いますが、正直言いましてそこは三千余の団体の問題ですから、そこまでこの条例準則の中できちっとすることはできないし、また、そういうつもりはありません。ただ、二十八条の二の三項の考え方というものはこういうことでありますよということは、いろいろな場面においてそういう見解を示し、また、その解釈の仕方を示していくということはあると思います。
○佐藤三吾君 そうだと私思うんですよ。だからさっきから聞きよるんだけれども、その前段のところであなたが答弁やめるんならこっちもわかるんだ。だからそこら辺が、やっぱりここの条文を見ると、実情に即しということと国との間の権衡を失しないと、こういうところに象徴をされておると思うんですけれども、あなたの意見は、大体準則でいろいろ例示をしたって三千何ぼの自治体の実態からいって指し示すことは無理だと。この問題についてはやっぱり多分に法文を参考にしながら、いわゆる二十八条二の三項ですか、これを参考にしながら自治体で自主的にひとつ決めてもらう、こういうことに理解できますね。それ以上のことはないですね。
○政府委員(宮尾盤君) 基本的にはそういう考え方であります。ただ、この条文がわかりにくいですから、三項目もありますから、ある程度の一、二のわかりやすい共通的なものの事例というのは示すかもしれません。その程度でございます。
○佐藤三吾君 そこから先は要らぬことなんだな。 そこで、次にもう一つだけ聞いておきたいんですが、経過措置において国公法は「施行日に退職」と、こうなっていますね。地公法は「条例で定める日に退職」と、こうなっていますね。こうありますが、これは言うならその年齢に達した人のことですね。これはどうなんですか、双方とも延長特例、再任用特例が準用されていますね。六十年の施行時にたとえば七十歳の職員がおったとします。その場合でも制度的に両特例の適用を保証しておると。少なくとも、逆に言って、保証しないんだという理解ではないと、こういうことでよろしいですか。
○政府委員(宮尾盤君) いまの事例で、条例施行日におきまして七十歳に到達しておった、こういう人について、勤務の延長の場合にはこれが適用がございますけれども、再任用については、これは制度の趣旨からいたしまして適用がないと、こういうふうにいたしておるわけであります。
○佐藤三吾君 それはどういう理由ですか、後段のやつは。どこにあるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは改正法の附則第五条でありまして、「新法第二十八条の四の規定は、」ずっといろいろ書いてありまして、「準用する。この場合において、」という読みかえ規定がその後にあるわけでありますが、その一番最後のかぎでくくってある読みかえ規定の部分でありますが、「その者が第二十八条の二第二項及び第三項の規定に基づく定年として条例で定められた年齢に達した日」と、これを読みかえることにいたしておりますので、この読みかえ規定によりましていまの七十歳の方は再任用ができない、こういうことになっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 どうしてそうなるんですかね。ちょっとここを説明してくださいよ、五条を。
○政府委員(宮尾盤君) この考え方でございますが、勤務の延長というのは、この制度の趣旨からいたしまして、余人をもってかえがたいような職についている人についてそのままの勤務条件で勤務の延長をしていただくと、こういうものであります。具体的な事例で言いますと、たとえば僻地の診療所のお医者さんについて、先ほどの事例でいうと七十歳という定年年齢を決めていた。ところが、そういう特例定年を決めてもなお後任の方が見つからないと、こういうような場合には、お医者さんを欠員にしておくわけにいきませんので、どうしても後任者を見つけるまで勤めていただかなけりゃならぬ、そういう場合に勤務の延長ということをいたそうというのがこの勤務延長の基本的な考え方であります。 そこで、その意味から勤務延長については仮に退職日——条例の施行日にそういうような事態の方がありましても、これは勤務延長の制度を活用せざるを得ないわけでございますが、再任用の場合には、これは余人をもってかえがたいというケースとは違いまして、定年退職をした方について、その人の能力なり経験なりというものを活用することが公務の運営上ベターだということがある場合に再任用制度というものを活用できる、こういうふうにいたしておるわけでございますので、それは余人をもってかえがたい職種についておるお医者さんというようなケースとは違うわけでございます。そういう意味合いから、再任用についてはいまのような事例については適用をしない、こういう考え方に立って、そこにありますような読みかえ規定を置いておるわけでございます。
○佐藤三吾君 しかし、いまあなたが言うのは、余人をもってかえがたいというのは、「著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき」ということがあなたが延長の場合に言っておるわけですね。しかし、定年退職者の再任用の場合でも、「その者の能力及び経験を考慮し、公務の能率的運営を確保するため特に必要があると認めるとき」、表現は若干違いますけれども、「特に必要があると認めるとき」、こういう前提に立っておるのじゃないんですか。だとすれば、このような職員の場合でも、当然これは制度的には——実際やるかやらぬか別ですよ、実際は。制度的にはこの両特例を適用できるということに解すべきじゃないんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 勤務延長と再任用の性格の違いでございますが、いま引用された部分がそれぞれの制度の趣旨を規定しておる部分であります。 そこで、その再任用でございますが、これはここにありますように、どうしてもその人に残ってもらわないと、たとえば診療行為ができなくなるとか、何らかの行政事務が停滞をしてしまう、こういう事例ではありませんで、その人にもう一回勤務をしてもらうことが公務の能率的運営を確保するために必要なんだと、こういう判断でありまして、新規採用者をもって充てても、それは十分——十分といいますか、新規採用者でその仕事をやっていただいても、それは公務の運営に著しい支障を生ずるというようなことがないわけであります。したがいまして、再任用というのはあくまでもそういう勤務延長とは大分性格が違った制度の仕組みになっておるわけでございます。 ですから、この条例施行日にすでに定年年齢に達しておる人についての扱いは、そういう意味で勤務延長と再任用について扱いを異にしておるわけでございまして、再任用の場合には、七十歳というようなケースの場合には、これは第五条の経過措置によってもそういうことは考えていない仕組みにいたしてございます。ただし、たとえば六十一歳とか六十二歳という方であれば、六十三歳まではこの制度というものは再任用の制度の適用がある、こういうふうにいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 それはどういう理由ですか。六十三歳までならよくて、それ以後はだめだというのは。
○政府委員(宮尾盤君) それは、定年制度というものを設けることからいたしまして、定年制度というのは高齢者が一定の年齢に達したならば勇退をしていただくという制度であるわけでございますから、そこで本則におきましても再任用の——再任用は、仮に六十歳で退職をした場合に、再任用制度を適用されても最高限度三年になっているわけでございます。だから、それとのバランスからいいまして、この条例施行日のときに六十一歳の方であればあと二年と、そういう仮に再任用をする場合に二年ということであれば、その後の定年に達して再任用される方とのバランスが合うわけでございます。そういう意味でこういう経過的な措置を講ずることにしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 これはまた後で議論する場が出てくると思います。 次に移りますが、そこで、いま出ておる延長と再任用の法律的な相違というか実質的な相違というのは、これはどういうふうに解すべきなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、いまの御質問と答弁の中でも少し申し上げたわけでございますが、勤務延長の制度というのは、特定の職員が定年によって退職をするということになった場合におきまして、その職務が余人をもってかえがたいような場合と、それからもう一つのケースといたしましては、退職後の欠員補充ができないような場合、そういう場合で、その職員が退職することによりまして公務の運営に非常に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときに、引き続いて同じ職務に同じ条件で従事をさせる、こういうのが勤務延長の制度であります。これは先ほども事例で申し上げましたように、たとえば典型的な例といたしましては、離島等の診療所のお医者さんというようなケースは典型的に当てはまるケースがあり得ると考えるわけでございます。 再任用につきましては、これはそういう事情はないわけですが、定年退職をした職員について、その人の能力なり経験なりというものを再び公務部門の中で活用することが公務の能率的運営を確保するために必要だと、こういう事態がある場合に、再任用という制度で定年退職者の能力を活用する、こういう道を開こうとしておるわけでございます。 それで、いずれもこれは、勤務延長も一般的なケースではなくて非常に限られたケースになるわけでございますが、再任用もその意味では、定年退職者が必ず再任用される、こういうようなものではありませんで、そういう事情がある者についてある程度限定的にそういう制度を活用できる道を開いておるものでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、再任用の場合に——延長の場合は余人をもってかえがたいということで大体わかりますけれども、再任用の場合については、能力があって、そしてそのことが、言うなら定年退職者に今後も仕事をさせることが能率的によいという場合にするということなんですが、その場合、この延長と再任用の二つの手続ですね、取扱手続、こういうのはどういうふうに考えておるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 再任用の手続でございますが、これはこの法律の中にもありますように、「条例で定めるところにより」再任用制度というものを動かしていくことになるわけでございますが、どういう事柄を条例の中で決めるかということについては、やはりこの法律で規定をしております基本的な事柄を条例の中にうたい込むという形になるであろうというふうに思います。 それで、この再任用というのは、一たん退職した人を新たに新規採用するわけでございますから、いわゆる任用行為であります。そういう意味で、どういう方をどういうふうにどういうポストに再任用するかということは、これは任用行為の性格上、やはり任命権者に裁量権のある問題でございますので、そういう意味で条例で何らかの一応の定めはするわけでございますが、具体的な再任用の行為そのものについては、これは新規採用と同じ任命権者の裁量行為である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 再延長、再々延長について、人事院の承認を要するということになっていますね、審査承認を。再任用の場合には任命権者がやって、再延長の場合には人事院の承認を求むる、こういう仕組みになっていますね、これは。これはどういう理由ですか。延長と再延長にこういう人事院の承認が入ってくるというのは。
○説明員(白戸厚君) 勤務延長につきましては、定年に達したことによりまして職員が退職すると著しい支障が生ずる、こういう場合に任用関係を引き続き継続させるという特例措置でございますが、したがってこの法案におきましても、「その職員の職務の特殊性又はその職員の職務の遂行上の特別の事情からみてその退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるとき」という厳密な基準を設けておるわけでございます。ところが、これらの事情というものは、やはり直接職員を監督して職務の内容や職務の遂行状況を熟知している、そういう任命権者が最も的確に把握しているということでございますので、最初の勤務延長につきましてはもうよく承知しておる任命権者の判断にゆだねるということにいたしたわけでございます。 しかし、この定年制度の趣旨から見まして、この勤務延長が余り長くなりますと問題が生ずるおそれもあるということで、この期間の更新をいたす場合は、乱用をチェックする、そういうような意味で、その更新の際に、果たして職員の勤務延長を行った事情がなお続いているかどうか、こういう点を人事院が審査をする。審査をすることによって乱用を抑えていこう、こういう趣旨でこの承認制度を設けておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、いわゆる任命権者の乱用というか、恣意というか、そういうものを防ぐ意味で人事院のこの再々延長についての承認事項にしたということなんですが、これはこういう職員は個々に審査をするのですか。職種で人事院でやるのですか。どうなんですか。
○説明員(白戸厚君) 再延長の場合はそれぞれ個々の職員について審査をいたすわけでございます。
○佐藤三吾君 自治体の場合はどうなりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 国家公務員の場合は再延長について人事院の承認ということになっておるわけでございますが、地方公務員の場合につきましては、これは条例で具体的な手続等を定めることになるわけでございます。 そこで、いまの期限の延長についてどうするかということでございますけれども、人事委員会を置く地方公共団体の場合には、私どもの今後の指導といたしましては、条例の中で人事委員会の承認にかからしめるような指導をしていったらどうかというふうに考えております。ただ、もちろん地方団体すべて人事委員会が置かれているわけではありませんので、市町村等については人事委員会はないわけでございますが、この場合には、人事委員会でそういう個別承認をしていただくと、こういうことはできなくなるわけでございますが、人事委員会を置いておるところについてはそういうふうにしたい、国と同じようにしたいと考えております。
○佐藤三吾君 人事委員会を置いていないところはどうするのですか。市町村はほとんどないですね。そういうところはどうするのですか。
○政府委員(宮尾盤君) 置いていないところについては、これは人事委員会がないわけですから、そういう別途の中立的な機関に期限の延長の承認を任せる、こういうことができないわけでございます。ただ、御質問の趣旨は、そういう人事委員会の承認というようなことになっていないと恣意にわたるのではないかというようなことを御懸念かと思いますが、それはそういうことがないように、十分その地方団体を指導をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 私が懸念しておるのじゃない、あなたは人事院が懸念しておるとこう言っているわけです。さっきの答弁で、恣意にわたるから再延長、再々延長については人事院で厳重に基準を設けて、そして審査をして恣意にわたることのないようにしたいと、こう言っているわけです。人事院が懸念しているわけです。ところが、いま聞いてみると、市町村について人事委員会のないところは任命権者に任せると言う。端的に言えばそうでしょう。それが結果的に人事院は困ると、こう言っているわけでしょう。恣意にわたるような情実人事が出てくる、この懸念があるから、わざわざこういう審査を人事院でするということにしておるんじゃないんですか。それを承知の上で、市町村については情実があるのは構いません、県以上は、人事委員会のあるところは、それは情実が入りますから、恣意にわたるようなことが起こりますから、それはきちっとさせます、市町村は結構です、自由にやってください、こういうことか。おかしいじゃないですか。あなたのさっきからの一貫した理論からいうなら、おかしいじゃないか。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 期限の延長ということについて、任命権者の恣意なり、あるいは情実なりということが入らないようにしなければならないということは、これは国家公務員の場合も地方公務員の場合も、同じ考え方に立っているわけでございます。 そこで、国家公務員の場合には、そういう人事行政に関する中立的な機関がございまして、そこで今回の法律案にもありますように、「人事院の承認を得て」やっていく、こういう仕組みになっておるわけでございますが、地方団体の場合には、これは人事委員会を置いてあるところは同じような仕組みをとっている。ですから、それと同様の考え方なり手続をとることがベターであろうと、こういうことで、私どもといたしましては、現在法律の中では条例でいろいろなことを決めるようになっておりますが、その条例で決める際に、人事委員会を置いているところについては人事委員会の個別承認をとるように条例の中に規定をしてもらう、こういうことを指導をいたしたいと、こう考えておるわけであります。しかし、人事委員会がないところがあるわけでございますから、そこについてまで人事委員会というものをかかわらしめることはできませんので、これは現行制度がそうなっている限りこれはやむを得ないことでありますから、任命権者がこの再任用の期限をさらに延長する、こういうような場合には、その制度の趣旨を十分体しまして、恣意にわたるような運用をしないように十分指導をしていきたいと、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○佐藤三吾君 この職員は、国公法、地公法全面適用で、そして給与、労働条件、その他はどうなるんですか。共済その他は。延長職員は。
○政府委員(宮尾盤君) 再任用の場合の……
○佐藤三吾君 延長。いま延長職員のことを言っている。
○政府委員(宮尾盤君) 勤務延長でございますか。
○佐藤三吾君 そう。
○政府委員(宮尾盤君) 勤務の延長の場合には、これは勤務条件は全く従来と変わりないわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、一般職の公務員、十七条職員ということでしょう。地公法十七条職員に値するんでしょう。この延長職員は。どうなんです。条件が違うんですか。
○政府委員(宮尾盤君) いまお尋ねの、その延長職員とおっしゃられておりますのは、勤務の延長、つまり再任用でなくて勤務延長でございますね。
○佐藤三吾君 延長。
○政府委員(宮尾盤君) 勤務延長ということになりますと、それは身分が全く変わらないでそのままでいくわけですから、当然それは十七条で採用された職員であることは変わりないわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、そういう職員で、ある部分については、たとえばまあ六十歳、原則定年が六十歳、十七条職員の一般的な職員は。六十歳、六十二歳、六十五歳とありますね。いずれにしてもある職員については原則定年から三年間定年延長するという制度ですね。しかし、それは全員が延長するということではないと、こう言っておるわけでしょう。ごく限られた、どうしても必要な職員を延長するんだと、こう言っておるわけでしょう、この趣旨は。そのどうしても必要だと、限られたとか特殊性とか、そういう者について延長する際は、第一回の延長をする際は任命権者に任せるけれども、再延長、再々延長については、そこに恣意にわたったり情実にわたることになるだろう——これはおれの選挙のときによくやった、だから一年延ばしでやるとか。これは市町村に一番多い。こういうかっこうが出てくるんです。そういうところについて人事院がやっぱりきちっとしなきゃいかぬということで、国の場合には基準をつくって厳格に審査をすると、こう言っておるわけです。ところが、あなたの答弁を聞いてみると、そういうのが一番多いところの市町村については任命権者に任せるしかないと。これはあなたの答弁聞く限り、国家公務員、地方公務員の中に大変な矛盾が起こるんじゃないですか。どうなんです。
○政府委員(宮尾盤君) 私ども、この法律についての基本的な考え方は、この二十八条の三の規定によりますいわゆる勤務の延長ですが、これは非常に限定的なケースに限られるわけでございます。たびたび申し上げておりますように、離島の診療所のお医者さんで、そこにいま勤めておる人がやめた場合には後がまがなかなか来てくれないというような、そういう事情が出てきた場合に運用するものでございますから、いまのように、何かいろいろな任命権者との利害関係が絡んでその期間をさらに延ばさなきゃならぬとかというような、そういう事例というものは全く予想を実はしていないわけでございます。 ただ、そういう意味で、たとえばいまのようなケースでありますと、できるだけ早く後任者を見つけて、そして後任者が見つかり次第やめて後の人に置きかえていく、こういうことが予想されるのでございますから、御懸念のような事例というのは私はほとんど考えられないのではないか。 まあしかし、そういうところで人事の公正というようなものをさらに確保するために何か指導をしなければならないということはあると思いますので、そういう意味では市町村の場合にはこの制度の趣旨を十分理解して公正なその運用をするようにという十分な指導をしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 あなたが言うように、もうきわめて限定的で、全くそういう恣意が入るような余地のない、そういう条件なのなら、そこに人事院が審査を再三しなきゃならぬ——再延長、再々延長の場合にはしなきゃならぬということは余分な仕事であるわけです。各県の人事委員会がそういうことを仕事しなきゃならぬというのは余分な仕事です、そんなのは。全然考えられぬことだと。恣意が入るようなことは考えられぬということになるなら、それこそいま行政改革のときなのにそんな仕事を、審査業務というものをあんた、わざわざつくることないじゃないですか、できるだけ行政のむだをなくそうというときに。あなたのいまの論理を聞くと、もう全く考えられないと言っておる。人事院の方は考えられると、こう言っておる。だから再審査をすると。 どうなんです、人事院は。全くむだな仕事ですか、審査は。
○説明員(白戸厚君) 先ほど申し上げました、乱用のチェックということは、意味は二つあるわけでございまして、まあ御懸念のような恣意にわたるというようなことも考えられるわけでございますが、それよりはむしろ、やはり定年制度の本旨ということからいたしまして、漫然と勤務の再延長をやっていくということではなしに、できるだけ早く後継者を見つけていく、そういうことを進めさせるためにも審査制度が必要じゃないか。こちらを主体で考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 であるなら、逆に言うなら、市町村にも当然それを置かなきゃならぬ。やっぱり市町村こそがいま一番問題なんですよ。さっき私が言ったように、おれの選挙をやってくれたから今度だけはひとつ二年延ばしてやろうとか、そういう事例が起こるのは、市町村に起こる例が多いんだよ。だから、それはやっぱり公正な機関できちっと、そんな恣意は認めぬよという機関を置くというなら、むしろそこに置かなきゃならない。審査機関を。それが野放しということは私は理屈が合わぬと思う。逆じゃなきゃならぬ。そうでしょう、あなた。 しかし、考えられぬと、こう言っておるけれども、たとえばいま市町村職員については、労働基準監督署の監督権が任命権者になっていますね、監督署長。そうでしょう、現行法は。そのためにどんなことが起こっていますか。たとえば彦根の消防夫が五人死んだガス事件なり、各地に起こっておる事故というのはみなそれじゃないですか。いわゆる監督権が監督署長にないわけであります、市町村の場合に。それは現行法では市町村長に委任しているわけです。だから市町村長は、任命権者であると同時に監督署長なんです、いまの現行法は。そのためにみずからの監督——労働安全衛生とかいうのがほとんどなおざりになっているじゃないですか。同じことが今度起こりますよ、この法律通したら。これは、もしそこを言うなら、私はやっぱりこの法律をもう一遍撤回してそこら辺を含めてやり直してこなきゃならぬと思うんですよ。いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) こういう比較をして申し上げていいのかどうかわかりませんが、国の場合には、国家公務員全体の中で全国の問題を取り扱っていくわけでございまして、北海道から沖繩までの間のいろいろな事例についていまのようなケースが出てくれば、人事院にかかわらしめて承認をいただいていくと、こういうことになるわけでございます。 ところが、地方団体の場合には、確かに地方公務員全体の数は多いわけですけれども、たとえば北海道の利尻島とか礼文島というようなそういう人口数千人、職員がせいぜい百人とか百五十人とかというような非常に小さい範囲内でこの制度というものは個別に運用されていくわけでございます。そこの、たとえば診療所のお医者さんというのは一人しかいないはずですし、それ以外にこういうケースで何か該当する方があっても非常に限られているわけですから、その中で非常に狭い地域の中で目が行き届いたことになるはずでございますし、役場の中でもいろいろもし適正な運用がなされないということであれば、むしろ職員間でのいろいろな議論というものも出てくると思うわけでございます。 ただ、県の場合にはある程度職員数もあるわけでございますし、出先機関も幾つかあるということでありますし、人事委員会という制度もありますから、そこに国と同じように承認を人事委員会にかかわらしめると、こういう仕組みをとることが可能ですし、そうしたいと思いますが、いまのように小さな市町村の問題になりますと、そういう事例でありそういうケースでありますから、そこは別の制度の仕組みをつくるというよりも、いまの人事行政の公正な運用という中で適正に運用していけば十分対応できるんではないかというのが私どもの考え方でございます。
○佐藤三吾君 しかし、私がいま言いよるのは、また人事院が心配しておるのは、やっぱり恣意によるものが出てくる。これは目が届かぬからじゃない、任命権者がやる腹になればできるでしょうと言っている。目が届かぬとかそういうことじゃなくて、やはり原則定年六十歳なら六十歳でやめる一般職の公務員を部分的に延長するというわけだから、そこにはやっぱり情実が入っちゃいかぬわけだよ。そうでしょう。そういう趣旨でしょうが。だから、そこは厳格にやって何人も納得するような基準で、何人も納得するような方法でやっていかなきゃならぬというのがこの趣旨だと私は思う。人事委員会が審査しなきゃならぬ、人事委員会が審査する仕組みになっておるというのはそこだと思うんですよ。ところが、仮にいまあなたが言ったようなことを守らぬで、市町村長が勝手にそれをやったと、任命行為としておれたちは委任を受けておるんだと、任命権者の市町村長が自分で気に入った者をやったとこう仮定した場合に、それは違法だとかなんとかということにならぬでしょう、逆に言うなら。できるんだから、この法律では。指導と言ってみたって、違法行為にはならぬでしょう。どうなんですか。どこに歯どめがあるんです。
○政府委員(宮尾盤君) いまの御質問は、そういう仮定をした場合ということでありますが、お言葉を返すようですけれども、そういう仮定ということが私はどうも余りないのではないか。これはたとえば北海道の離島などの事情で申し上げますと、診療所のお医者さんがいなくて困る、ですから内地のあちこちを回ってお医者さんを探してくる、場合によりますと外国の方でもというようなことで現実にいま非常に困っておる。そういう事例の場合に、たまたまその人が六十五歳とかあるいは七十歳というような年齢になってもなかなか後任者が見つからない、そういうケースの場合に適用されるのがこの勤務の延長でございますから、何か恣意にわたって、あるいは情実で延長するようなことがというのは、これは全く法律が予想していないことであり、現実の運用としてもそういうことはまずあり得べきことではないだろうというふうに私は考えるわけです。 そういう意味で、先生の御質問の趣旨は、そうであってもできるだけ——できるだけといいますか、恣意にわたったりあるいは情実にわたるような勤務延長の制度の運用をするなと、こういう御趣旨だというふうに理解をいたしますので、そういう考え方で運用するように十分私は指導をして、その御趣旨を実現をしていきたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 仮にあなたがずっと生涯公務員部長におって、下の者がどんどん局長になっても公務員部長でがんばると、そういうことを前提として物を言ってみたってそうはならない、実際問題は。それが実態なんですよ。恐らく、現行の地公法の際に、市町村については労働基準監督署の労働安全衛生の監督権、これを市町村の任命権者に委任しておる、法律は。この委任をしたときも、法律を施行する市町村長が法律違反を犯すはずがないという前提で委任しているんだ、あれは。ところがどうでしょう。職業病が起こり、労働安全衛生関係はほとんどゼロじゃないですか。いま現在点検してみなさいよ。労働安全衛生が守られているところはないですよ、市町村ほど。その結果、たとえば市川であるとか彦根であるとか、各所に事故が起こっておるじゃないですか。このことは、これはあなたその当時の公務員部長でなかったからなんだけれども、その当時の公務員部長も予想しなかったことかもしれぬ。しかし、結果はそれがいま公然と行われておる。この問題はこういう種類のものだと、こう言っておるんだ、私は。 余人にかえがたいという判定をだれがやるんですか、市町村の場合。市町村長でしょう。これを余人にかえがたい、だから延長する、再延長するというのは市町村長がやる仕組みになっておる。どんなに指導をしようといったって、それは指導できるはずがない。それはやはり無理があるんです、この法律に。無理があるんです。そう思いませんか。だから、あなたの隣に座っておる人事院すら、これはそういうことが起こるとこう言っておるわけです、この制度は。だから、再審査を厳重にする、厳重な規定をつくってやるんだと。あなたは県の人事委員会まではそれはやるとこう言っておる。しかし、現実に市町村はどうなんですかと聞くと、これはございません、任命権者である市町村長に委任するしかありませんと。こうなれば、極端な話だけれどもお巡りさんとどろぼうが一緒にみたいなものだからね、逆に言えば。表現はどうかはしらぬけれども。やろうと思えば、そこにどう指導しようたってできるはずないじゃないですか、この法律上。問題があるんだ、ここは。それを、ここら辺に折り目をつけてきちっとできるというのは、私はやっぱり団体交渉事項にするのが一番適切じゃないか。団体交渉事項にして、そこら辺も市町村はやる、県もやる。そうすればこの問題についてはいま人事院の言った趣旨が生かされてくる。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 期限を延長するかどうかということについて団体交渉事項ということでございますが、それは適当でないと考えております。ただ、いまいろいろと他の事例も引用されまして、これも適正な運用がなされぬ危険性があると、こういう御質問でありましたが、私は、やはりこの勤務延長のケースというものとそれから労働安全衛生等の場合とは大分違うというふうに思います。非常に限定されたケースでありますし、それがその地域のいろいろな、たとえば医療とかあるいはその他住民生活にどうしても欠くことのできないような行政サービスをする職員に限って行われるわけですから、それは住民の目というものも光っているわけですし、それから職場の中で、仮に佐藤先生が心配をされるような人事行政をした場合には当然その議論が出てくるわけでございますから、そういう意味で、団体交渉の対象にするということはできないにいたしましても、職員団体がどうもやり方がおかしいではないかというような意向が出てきた場合に、そういう意見というものを市町村長が十分しんしゃくするということもそれは可能なわけでございます。そういう意味合いで、公正な人事というものが確保されることは十分可能だというふうに私は考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 どうして団体交渉事項にできぬのですか。これは交渉事項じゃないですか。大体が退職条件全体は交渉事項ですよね、原則的には。それを分限ということでとっていこうとするところに問題が、こういうつじつまの合わぬことが起こってくるのであって、これこそ団体交渉事項に指定してやっていくというのが基本じゃないんですか。私は——さっきからあなた言いよるけれども、私が懸念するんじゃないんですよ、審査の問題。これは人事の専門家である人事院が懸念して、再々延長、再延長については審査を厳重にしなきゃならぬと、こう言っておるわけですよ。審査を厳重にしなきゃならぬと一方で言いながら、一方ではこの市町村については審査は厳重にしなくてもいいんだと、任命権者に全部任せるんだという、そういうところに現在の機構上、法律上の無理があるんでしょう。無理は率直に認めて、私はやっぱり団体交渉事項に戻して、そうして処理すべきだと思う。どうですか、大臣。これだけのやりとりをあなたそばで聞いておって、公務員部長の言うのは非常に無理な話をしておるなと思うでしょうが。私の言うのがなかなか筋が通っていると思うでしょう。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほどからの御質問の事項というのは、ある人を勤務延長をいたしました、この人をさらに一年を超えて二年目、もう一年たとえば勤務延長するかどうかということについて、これは人事院の承認にかかわらしておる。そういう特定の人を、お医者さんならお医者さんをさらに勤務延長するかしないかということを団体交渉事項とするということは、これはまさに任命権に属する事項を団体交渉すると、こういうことでありますから、それはできないということを申し上げておるわけでございます。
○国務大臣(安孫子藤吉君) いまの応答をお聞きをしておりまして、私は公務員部長の考え方がいいと思っております。 まあ地域が狭いし、それから市町村長が皆悪者だなんということはこれはありませんで、相当良識を持っている人が大部分でございまするから、それにやはり役場職員の目だってあるわけでございまするし、地域住民の目だって光っているわけでございまするから、何ともおかしいなんということは私はないだろうと、こう思っております。やはり市町村長を信頼して私はよかろうかと思っております。
○志苫裕君 ちょっと関連して。 これ、感じでやっていちゃ——ここは立法府ですから、法律的にもう一度明らかにしてください。まず、国公法で再々延長、再延長、これを人事院の承認にゆだねておる立法の趣旨は何ですか。これ、明らかにしてくれませんかね。人事院の解釈は問題じゃないです、立法の趣旨を聞きます、まず。ここは立法府だから、立法の趣旨をはっきりしてください。
○政府委員(森卓也君) 立法の趣旨は、先ほど人事院から御答弁したとおりでございまして、定年制度の再延長と申しますのは非常に補完的な特例措置でございますので、これを延長する場合には慎重な取り扱いが必要だろうということで、一年以上を超えてさらに延長する場合にはそれなりのチェックが必要だということから人事院の承認を要することとして制度の適正な運営を確保したいというふうに考えているわけでございます。
○志苫裕君 そうすると、地公法はその趣旨は持ってないんですかあるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法の場合には、これは法律の規定といたしましては、「条例で定める」と、こういうことにいたしております。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、国がそういう運用をされるということについて、可能な地方団体であれば同じ運用をしていくことはちっともその趣旨に反するわけでございませんから、人事委員会を置いておるところについては同じような手続をとるように条例の中で定めていくと、こういう指導をしていったらどうかと、こう考えておるわけでございます。ただし……
○志苫裕君 指導の問題じゃないんだよ。法律にそれは含まれておるかと聞いているんです。あなたは指導とかなんとか言っているけども、二言目には指導と言うけども、指導なんて出てない。
○政府委員(宮尾盤君) ただ、人事委員会を置いてない団体ももちろんあるわけでございますから、ここで予定をしておりますのは非常に限られたケースでありますし、それからその運用については条例で具体的な手続を定めるわけでございますから、その条例の中で地方団体がこの規定の趣旨が生かされるような定めをしていただくと、こういうことを考えておるわけでございます。
○志苫裕君 それじゃ答弁になっていないでしょう。国公法で言う立法の趣旨、再々延長について人事院にゆだねるという、チェック機関にゆだねるというこの立法の趣旨は、地公法に関する場合は条例にゆだねる、その条例は国公法を基準とするという表現がありますから、基準というのは定年の基準、だから恐らくその精神は基準という文言の中で条例に生かされていくんじゃないかと思うんですけれどもね。恐らくそうでしょう、そうではないんですか。そうでなければ何にも条例の中に生きてきませんよ。条例を勝手に決めたっていいわけですから。この考え方、この立法の趣旨は基準の中に入っているんですか、入らないんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 基準というのは、定年年齢についての定めをするときに「基準」という言葉を使っているわけでございます。いまの、勤務延長をさらに延ばす場合の「条例で定めるところ」というところでは、基準という言葉は使っておりません。 なぜこれを「条例」というふうにしたのかと、こういうことでございますが、これは国の場合には、当然その法律の中でも規定しておりますように人事院という仕組みがありますから、「人事院の承認を得て」ということがこの改正案の中に定められておるわけです。ただし、その同じ仕組みということを地方団体の場合にはとることができませんから、そこは包括的に条例で、その具体的な手続等について必要があれば条例で定めていただくと、こういうふうにいたしましてこの法律をつくっておるわけでございます。 その際の考え方といたしまして、人事委員会を置いておるところでは、同じような手続をとっていくことは条例の中で定めればできますが、そうでないところもあるわけですから、そういうことも想定をいたして、そこは条例の中で適切な手続を書いていただければよろしいと、こういう考え方でこの条文は規定をしておるわけでございます。
○志苫裕君 ですから、第二十八条の三をこのまま読んだ場合、有権解釈するでしょうが。このまま読んだ場合には、国公法の八十一条の三「人事院の承認を得て」と、こういう概念は入ってこないんですかくるんですか。入ってくるのならくるように終始一貫しなきゃならぬし、入ってこないで、それは自治体の裁量だと、一般的に国に準ずると、こうありますから、一般的に国に準ずるという範囲の中で考えれば考えられることだけれども、法そのものはそのことを予定していないというのかどうなのかを聞いているんですよ。
○政府委員(宮尾盤君) これは、それぞれの地方団体が条例で定めるところにゆだねておるという考え方でございます。
○佐藤三吾君 私も、そこが一番問題だと思っておるんですけれども、いずれにしても、これは大変な問題になると思うんです、施行した後で。いまのやりとりの中で、公務員部長の答えを見ますと、そういう自治体の実態にあるからしたがって条例で定める場合にはかなり自主性を持っておると、こういうふうに理解をしていいような回答と、それと同時に、もう一つの面は、いや、国の基準に準ずると、こういうものがあるから、国の物差しは変えられぬのだと、こういう二つの解釈が出てきておると思うので、私は、この問題はやっぱり最終段階までひとつきちっとしてもらわないと混乱が起こるような感じがします。 そこで、そうした場合にこの職員はいわゆる地公法で言うところの期限づき定数職員ということになるんですか。こういう理解でいいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 御質問のあれは勤務の延長についてだと思いますが、勤務の延長ということは、従来の勤務がそのまま引き続いていくだけでありまして、要するに定年退職する日が延びていくだけでありますから、それを期限づきと呼ぶことは、私どもは、必要はなかろう。要するに定年退職する日が延びていくというのが勤務の延長でございます。
○佐藤三吾君 この場合に、こういう延長の基準、職員のだれをするかという問題については、現業、公企の場合にはどういうことになりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 企業職員等の場合に、この勤務延長というのはどういうふうにするかということでありますが、これも、今回の改正規定というのは、現業、非現業を問わず同じ扱いになるわけでございます。
○佐藤三吾君 現業も団体交渉事項じゃないわけですか。おかしいんじゃないですか。国公の五現業の場合はどうなんですか、この扱いは。
○政府委員(宮尾盤君) 個別の、だれを勤務延長にするかということは、これは交渉事項ではないと申し上げているわけでございます。 ただ、やや概括的な御答弁になるかもしれませんが、地公法では幾つかの、たとえば勤務延長等につきまして「条例で定めるところにより」というような規定を置いておりますが、そういう中で、条件で具体的にたとえば勤務延長なり再任用の手続なりというようなことについていろいろその定めを規定をする場合に、これは管理運営事項に該当しない限りは、条例でいろいろその規定されるような中身というものは交渉事項になるということは、これまでの御答弁の中でも申し上げておるわけでございます。したがいまして、それは、非現業であれば五十五条の規定によって交渉を行い得るし、それから現業であれば地公労法第七条の四号に「労働条件に関する事項」ということがありますから、それに該当する範囲内のものは、これは管理運営事項でない限り団体交渉の対象になる、こういうことを申し上げております。 ただ、個別の人をどういうふうに勤務延長をさせるかとか、あるいはその人をさらにもう一年延長するかということは、これは任命権の範囲内であり、まさに管理運営事項でありますから、それは対象にならない、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○政府委員(森卓也君) 五現業の職員につきましては、基準は先生御指摘のとおり団体交渉の対象になるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは、条例つくる場合は、単独条例でつくるんですか。それとも、何かの条例の一部改正というかっこうになるのか。どうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) まだ最終的に固まっておるわけではございませんが、いまの考え方といたしましては、これは定年制度の実施に関する条例ということで、定年制度だけの条例準則という形で示していきたいと考えております。
○佐藤三吾君 どうも釈然としませんから、この問題は留保しておきます。 再任用の問題で今度は聞いていきたいと思います。 二十八条の四の再任用の規定を設けた理由は、さっき抽象的にございましたが、具体的にはどういうことですか。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
○政府委員(宮尾盤君) 再任用の趣旨の御質問だと思いますが、再任用は、二十八条の四に定められておりますように、定年退職をした人について、その人の能力なり経験なりというものを活用することが、たとえば新規採用の職員をそこに充てるよりもより能率的であると、こういうようなケースにつきまして一定の、まあここにありますように、「一年を超えない範囲内で任期を定め」、常勤の職に採用する、新規採用をすると、こういうのがこの再任用の制度の仕組みであります。
○佐藤三吾君 これは一般職に類するんですか、それとも特別職なんですか。一般職ならどういう部類に入るんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 一般職であります。したがいまして、当然これは定数内の職員になります。
○佐藤三吾君 具体的に職種はどういうのが中心になるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) どういう職種があるかということについては、これはそう一般的に再任用の制度を設けて、定年退職者をたくさんそこに再任用していくと、こういう仕組みを考えておるものではありません。ここにもありますように、特定の能力、経験を持った人に限って、再任用した場合に公務能率の向上、公務の能率的運営に資すると、こういう場合に限って行うわけでございます。 そこで、どういうケースについてといいますか、どういう職種といいますか、職場にそういうことが考えられるのかということですが、抽象的な御答弁になるかもしれませんが、たとえば定年退職者の職員としての長年の知識とか経験を生かすことができて、しかもそれが高齢者にも適しているような場合とか、あるいは他の一般職員の新陳代謝を損なわないよう、人事ローテーションに影響を及ぼすことが非常に少ないようなスタッフ的な職種とか、こういうようなケースが具体的には考えられるだろうと思います。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 そういう意味で再任用というのは、一般職員であり定数内の職員でありますから、再任用すればその範囲内において新規採用というものは、定数を動かさない限りは枠が縮まる、そういう性格のものでございますから、それほど一般的にというか、いろいろな職種にこれが適合すると、こういうふうには考えておらないわけでございます。
○佐藤三吾君 労働条件はどういう条件になりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 勤務条件でございますが、勤務条件は、まず、勤務条件の中で一番大きいのは給与でございますが、給与は当然新規採用ということで再計算をすることになります。それから一般的な、たとえば公務災害は当然これは適用があります。共済制度につきましても、これは共済組合法で言う職員の範囲に入ってまいりますから、共済組合員としての資格を持つことになります。そこで、そういう意味では、再任用されますと年金の支給はされない、停止されると、こういうことになります。それから退職手当でございますが、退職手当につきましては、引き続いていく場合には当然通算されますが、引き続かない場合には、再任用期間についてはまた別の形で退職手当が計算をして支給されると、こういうことに相なるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうすれば、これは当然現行の法体系から言うならば、人事委員会が試験を行ってそうして採用するという現行法のルール、これがやっぱり守られてしかるべきじゃないですか。
○政府委員(宮尾盤君) 新規採用ということでありますから、原則的にはそういうことでありますが、ただ、再任用の場合には、すでにその人を長年使っておるわけでございまして、その人の勤務実績なりあるいはその人の能力なり経験なりというものを全部任命権者は知っておるわけでございます。そういうことから、当然手続といたしましては十七条の手続になるかと思いますが、選考という形で再任用をする場合には行われていくと、こういうことになろうかと思います。
○佐藤三吾君 これは、人事院も来ていますが、情実採用の関連でどういうふうに考えていますか、この問題を。
○説明員(白戸厚君) ただいまの再任用の問題でございますが、国家公務員の場合について申し上げますと、元職員であった者を同等以下の官職に採用する場合、これについては選考採用をすることが認められておるわけでございます。これは規則上でございます。それで国家公務員の場合、当然その規定によりまして選考採用ということになるわけでございます。
○佐藤三吾君 これは、どうなんですか、希望すれば全員が再任できるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 本人が希望すればすべて再任用になるというものではありません。法律の中にも定められておりますように、その人の知識、経験、能力というようなものを活用することが公務の能率的な運営上必要だと、こういうふうに判断をする場合に限りまして再任用をすることができると、こういうものでございます。
○佐藤三吾君 これは労働組合の交渉事項とはどういう関係ですか。
○政府委員(宮尾盤君) 再任用という行為そのものが、これもまさに任用行為でございますので、個別の事案について交渉をすると、こういうことはできないわけでございますが、ただ再任用についていろいろな手続その他条例で定める事項があります。その条例で定める事項について、これも管理運営事項に属さない限りこれが交渉の対象になるものと考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 いろいろこの問題も疑問が多いんで、いまの地公法の場合には特別職は自治体の三役になっていますし、こういう職種が十七条職員で入るとすればそれ相応の現行法に基づいた措置がとられていかなきゃならぬと思うんですが、そういう面から見ても若干私は問題がある感じがしてならぬのです。 しかしきょうは、さっきの理事会で何か時間が決まったようでございますから、私の残された、まだ地方自治法との関連の質問であるとか、さっき言った労働三権の問題等もあるんですけれども、きょうは一応この程度で、あとの質問は留保して終わりたいと思います。
○志苫裕君 ちょっと関連して。 先ほどの二十八条の三の解釈ですけれども、いろいろはっきりしませんので、国公法の八十一条の三、「人事院の承認を得て、」云々との絡みも含めて、次回の審議までに解釈をはっきりさせておいてください。できれば文書等で解釈を明確にしておいてください。
○政府委員(宮尾盤君) 言葉が足らないのかもしれませんが……
○志苫裕君 いまはいいですよ。はっきり文書で書いてください。そんなに長いもの書かぬでもいいですけれども、有権解釈のようなものをちょっと書いて出してください。
○政府委員(宮尾盤君) そういう御要求でございますので、お出しいたします。
○大川清幸君 時間も大分経過しておりますししますので、多少時間を縮めるつもりで御質問したいと思いますので、私がお願いしておった省庁まで質問が回らない面もあるかもしれませんが、御迷惑がかかるかもしれませんがよろしくお願いします。 まず最初に、午前中からの論議の中で確認をしておきたいんですが、今回の定年六十歳の法制化について、人事院でこれを提出することになった根拠、一応説明があったんですけれども、これはどういうことかということ。 それからもう一つは、問い合わせについて人事院の方からオーケーが出ているという経過の説明がありました。人事院がそれをオーケーをした根拠というのは一体どういうことなんですか。それから御説明を願います。
○説明員(白戸厚君) この定年制に関する見解を表明いたしましたのは、人事院といたしましては退職管理の方法の一つとして定年制度につきまして従来からいろいろ調査研究してきたわけでございますが、昭和五十三年の二月に、総理府総務長官から定年制度についての見解を承りたという書簡が参りましたので、その後一年半にわたり、さらに具体的また本格的に調査検討を行いました結果、国家公務員に定年制度を導入することに意義があるという結論に達したわけでございます。 そこで、この見解を、総務長官から書簡で見解を求められたという経緯もございますし、また、国家公務員には人事院の所管する一般職の職員以外の職員も存在しておるわけでございますし、政府としては人事院の見解を受けまして国家公務員全般の諸制度を検討する必要があるということを考慮いたしまして、最も自然な方法として書簡という形で見解を表明いたしたわけでございます。 それからなお、次の問題でございますが、先ほど総理府の方からお答えしましたが、当時の、国家公務員法制定の際は、国家公務員の平均年齢というようなものについては調査が行われておりませんのではっきりはいたしておらないわけでございますが、その後の平均年齢の推移等を見ますと、恐らくある程度低かったのではないかというように考えておるということでございまして、了解をしたというところまでのことではございませんので、その点は御了承いただきたいと思います。
○大川清幸君 総理府、そういうことですか。
○政府委員(森卓也君) 私どもが定年制を今回導入いたしたいというふうに考えております趣旨は、行政の能率向上を図りまして、もって国民の信託にこたえるために、公務員に定年制を導入することによりまして人事行政面においても長期的な展望に立った計画的な人事管理の展開を通じて組織の活力を維持していく、職員の士気を高揚をさせるということで今回定年制の導入に踏み切ったわけでございます。
○大川清幸君 いろいろこの点では論議がありましたから私はこれ以上論議はしないつもりですが、一つだけ解釈の上で伺っておくんですけれども、いま勧奨退職等でいろいろ人事の渋滞が起こらないように各地方公共団体も国の省庁も御苦労をなさってやっておりますわね。現行法でいうと、この退職の年齢等についてはやっぱり先ほどから論議があったように労働条件等に絡む側面もあるので、これは団体交渉等の対象になっておると思うんですよ、現状は。これは法案を提出すると、従来、ほかの問題でも、法案が提案されたときには、従来生きていた権限が剥奪をされるみたいなことが間々ありますが、労使両者の交渉等でいままでやってきた経過あるいは歴史的なそういう実績から考えてみますと、この法案の提案自体が、従来からそうした労使間の慣行あるいは権限として生きていたものが問答無用で取り上げられてしまうという解釈ができるような気がするんですが、その点についてはどう考えているんですか。
○政府委員(森卓也君) 先生御指摘のとおり、新しく分限の中に定年制度が入るということは、勤務する職員にとりましても非常に重大な問題でございますので、したがって私ども取り扱いを慎重にする必要があるということで、先ほど人事院から御答弁がありましたように、第三者機関でございます人事院の御意見を承るということで、その御返事をいただいて一つは提案をさせていただいたということでございまして、決して私どもが一方的に法案を提出するに至ったということではございません。
○大川清幸君 まあこれは非常に公務員の身分あるいは生活にかかわることなので、慎重に扱っていただくことだけ念のため申し添えておきます。 次の問題に移りますが、行管庁で「臨時行政調査会と行政改革の方向」と題する小冊子が発行されておりまして、その中を見ますと、大変単純明快な図解入りで、昭和四十二年度から五十四年度までの間に国家公務員の方が八千人減員になっています、それから地方公務員の方は七十五万九千人ふえていますと、大変かっこうのいい表になっているんですけれども、この中身はどうですかね。ばかにかっこうがよ過ぎるんですがね。地方公務員の方は公営企業その他みんな突っくるみでしょう、これ。中身どうですか。説明願います。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員の職員の実態等でございますが、五十五年四月一日現在で地方公務員の数は三百十六万余であります。そこで、昭和四十二年と五十五年との間の職員数について比較をしてみますと、これは沖繩関係を除きまして十三年間で約八十万七千人増加をしております。 そこで、なぜこういうふうにたくさんふえているのかという中身を部門別にいろいろ振り分けてみますと、教育、警察、消防というような、いわゆるわれわれ特別行政部門と呼んでいる部門と、それから住民福祉と非常に密接な関係を持つ福祉部門等におきまして、非常にこれがふえておるわけでございまして、これらはいずれも国の施策とかあるいは国の法令等で定められた配置基準に基づく増員が大部分であります。これの部門での増加数というのは、先ほどの約八十万七千の中で六十四万二千人ほどになっておりまして、全体の増加数の約八〇%に当たっておるわけでございます。それ以外に地方団体の場合に、病院だとか水道というような日常生活に欠くことのできないいわば公営企業部門というのがありまして、ここの部門での増加が六万九千人ほどありますので、これがいまの八十万余の増加数の中で約九%を占めております。そうなりますと八九%、約九割というものが、そういう国が何らかの形で定員配置基準等を決めておったり、あるいは福祉の関係、住民生活に密着するようなそういう部門で占められておる、こういう状況になっております。 したがいまして、残りの約一一%程度がいわば地方団体がある程度自主的にいろいろ定数管理をきちっとやり得る部門ということでございますが、この部門でも全体としてはふえておりますが、都道府県などではむしろ減っておる。ただ、人口が非常に増加したりしておるような市町村等でふえておる、こういうような実態になっておるわけでございます。
○大川清幸君 それでは国家公務員の方ですが、これは、この八千人減った数の計算の中身ですけれども、自衛官あるいは定員外の職員等すべて含んだ数字ではないんでしょう、これは。どうなんですか。
○説明員(増島俊之君) 八千人の減ということでございますが、これにつきましては、自衛官、それから国会、裁判所等は入っておりません。
○大川清幸君 それじゃ、総体の数字についてはそのぐらいにしておきます。 ところで、いま御説明がありましたけれども、やはり国のいろいろなあれですね、先ほどからの説明のあったとおり、定数等の規制があって、その基準によってこれだけふえて、そのふえている数が八〇%程度、地方自治体の自主的な人事管理運営等によるものが一一%と、こういうことでありますので、これは行管庁の立場で喜べと、住民サービスをダウンさせてはいけないんで、必要人数を割り出してこうした結果になっているんだろうと思うんですが、やはり地方公共団体もそれなりに負担もふえてきたりいろんな需要が絡んでくるわけですから、こうした定数増についての今後の運営のあり方についてはどう考えているか、一応見解を伺っておきます。
○説明員(増島俊之君) 昭和五十五年の末でございますけれども、五十六年行革という閣議決定をいたしておりますが、その中で、「地方公共団体における定員抑制の要請」という項がございまして、「現下の厳しい財政事情にかんがみ、地方公共団体における定員増につながる事務・事業及び諸制度のうち国が関与するものについては、国において、その見直しを行い行政需要の動向に即応した整理合理化を推進する」ということがございますが、こういう観点に従いまして努力をしてまいるということでございます。
○大川清幸君 次に、地方公務員関係ですが、五十五年度で約五万人増。これは五十五年度の実態ですが、退職者数がどのぐらいで新規採用がどのぐらいなんですか。結果として五万人ふえたということでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 定員管理調査でつかまえておる数字でございますが、五十四年の四月二日から五十五年の四月一日までの間の増員が、職員増が四万九千四百六十九人でございます。そこで、その五十四年中の退職者は十一万二千九百八人ということになっております。したがいまして、退職者がそれだけありまして、新規採用はその約五万人を加えた十六万人余というのが新規採用といいますかその間に採用された職員と、こういうふうになるわけでございます。
○大川清幸君 ところで、国と地方の行政というのはいろいろな面で密接不可分ですし。いま財政再建とか行革とかいろいろ言われておりますので、地方公共団体の方にも余り人員がふくらまないように行政指導などを、いろいろなことをしなきゃならぬと思うんですが、お手本を示す意味でも、これは国の各省庁でもいま働いている職員に余り重大な影響がない方法で人員を抑制していくという努力は当然しなければならぬと思うんです。この席にも美濃部前知事がいらっしゃいますが、美濃部さんのときにも人員削減で大変な御努力をなさったはずで、実績を上げておられるんですが、退職者数がそれなりにかなり出てくるわけですから、百万人近いというか——百万人を切っておりますが、国家公務員の中からやっぱり自然退職者がかなりあるはずで、新規採用を各省庁で厳密に洗い出してできるだけ抑制をするというようなかっこうをやはりとるべきだろうと私は考えておるわけなんです。自然退職者だけが減るのならばいま働いている職員には影響はないわけですから、そうした努力をするような方向で、これをトータルでやるとなかなか目が届かないんで、各省庁ごとに洗い出してそうした努力をして、近い将来問題になる行革等でも効果を上げてもらいたいと、こう思いますが、この点どうですか。
○説明員(増島俊之君) 照和四十三年に第一次定員削減計画というのができまして、さらに四十四年に総定員法が成立いたしましたが、その基準年度に四十二年度の定員というのが基準になっているわけでございますが、実際問題としましては、四十三年度から始まります定員削減計画、これがいま第五次定員削減計画とまでなっておりますが、その物の考え方は、各省庁からその行政需要の動向に応じましてその減を立てて、そしてその減をいわばプールしまして、そして新しい需要、たとえば国立学校とかあるいは病院等の非常に行政需要の伸びているところに回すという再配分というのを実は行ってきているわけでございます。そのときに、各省庁の減らさなければならないところといいますか、削減につきましては、離職がありましたときにその欠員を補充しないで、そしてそれを翌年度の初めにカットすると、そういうやり方で対応してきているわけでございます。 現実問題としましては、国の場合には、四十三年度以来定員管理あるいは定員査定といいますかには、非常に厳しい路線を歩んできたというふうに私ども考えております。これは政府、各省庁のいわば努力の成果であるというふうにも考えておるわけでございますが、そういう意味で先生の御指摘の線に従った努力はしてきているわけでございます。今後さらにそういう線に沿いまして努力をしなければならぬというふうには考えております。
○大川清幸君 次に、法案の中身について何点か伺っておきたいと思います。 第二十八条の二に、「職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日に退職する。」こうなっています。これは、「国の職員につき定められている定年を基準として」云々と、こうありますね、説明の方でもそうですか。これは、地方公務員に関する方では年齢を明記していないのは、国の基準がそうなっているからということで、特別の理由があるわけではありませんか。これはどうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 今回の改正法案で、法律の中で地方公務員の定年年齢をなぜ書かなかったのか、こういう御質問だと思いますが、それは一つには、現在の地方公務員法の中におきましては、職員の給与とか勤務時間とかその他勤務条件については、その基本原則を法律でもって定めまして、具体的な事項についてはそれぞれの地方団体の条例で定めるという仕組み、体系をとっております。そこで、この定年制度も基本的には分限であり職員の身分の基本に関する問題でありますけれども、また別の面から見ますと、職員の勤務条件に関する事項ということにもなりますので、そういう点から制度の基本的な枠組みについては法律でもってきちっと定めまして、一律に制度づくりをすると、こういうふうにいたしておりますが、具体的なその定年年齢をどうするかというような事項につきましては、各地方団体の条例で定めるのが現在の公務員法体系に合うであろうと、こういうふうに考えたことが一つであります。 それから第二の理由といたしましては、それぞれの地方団体は職員構成とか採用、昇進管理の実態、その他退職勧奨等の慣行などもいろいろ違っている面が現実にあるわけでございますので、定年を法律によって画一的に定めるということはかえっていかがなものであろうか。こういう考え方から、条例で定めることとする方が地方自治の保障という観点からも妥当であろう、こういうふうに考えたわけでございます。ただ、地方団体が全く任意に判断して定めていただくということでは、これはまた定年制度の仕組みからいいまして問題がありますので、そういう地方団体の条例で定めることにしてありますが、国家公務員の定年と整合性を保つ意味でそれを基準として条例で定めていただく、こういう仕組みをとったわけでございます。
○大川清幸君 そこで、この法案が成立した場合に、基準六十歳、これに沿って条例化することになるんでしょうが、事実行為として各地方公共団体で従来の労使間のいろいろな折衝の経過等があるので、そうした事実上の問題で現場で国の基準と違った決め方をするようなことがありはしないか、事実行為として。これが一つ。 もう一つは、退職手当などについても国に準じて条例を改正する必要が起こってくるわけですが、こうした事実行為としての基準の設定を条例化しない場合のケースについてはどうされるのか。 また、いろいろな事情があって、自治体自体が条例そのものを設置しないようなことがしばらく事実問題として起こりはしないかと私は心配をするんですが、その点についてはどのように考えておられますか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方団体の現実のいろいろな人事行政の運用については、とかくいろいろな御批判もあったりするところでありますけれども、基本的にはやはり地方団体が法律で定めておる、あるいは要請をしておる基本的な考え方に沿って、その適正な人事管理運営をしていただく、これがやはり地方自治の基本的な考え方であるわけでございまして、私どもそういう不適正な人事管理運営をしておるところについてはぜひ適正な人事管理運営をしていただきたいと、適正な運用をしていただきたいということをこれまでもいろいろな面から指導してまいっておりますし、今後もそういう考え方で、地方団体がみずからそういう点は正していただく、こういう考え方でいきたいと考えておるわけでございます。 そこでまず、条例で法律が要請をしておるようなものとは違った定年を定めた場合にどうするのかと、こういうことでございますが、これはそういうことがあっては困るわけでございまして、これから準備期間もあるわけでございますから、そういう中で条例準則等も示しながら、その適正な定年年齢等を定める条例の制定が行われるように十分指導をしてまいりたいと考えております。 それから退職手当について、これも現在示してある条例準則の中には、定年による退職の場合の退職手当をどう扱っていくかということが明確にしてありませんが、これも国の退職手当法の考え方と同じ制度、仕組みをとるように法律が通った後で条例準則を改正をして、それを示すことによって、そういう退職手当条例の適正な改正が行われるように指導していきたいと思っております。 それから一番極端なケースで、定年制に関する条例を制定しない場合等があったらどうするかということでございますが、そういうことがありますとこれは法律で一律に導入をした定年制度が動かない形になりますから、その限りにおいて法律の規定の趣旨に違反をしておると、こういう事態が出てくるわけでございます。こういうことのないように私どもとしては十分その指導を徹底をしていきたいというふうに思っております。
○大川清幸君 地方公務員の年齢構成の中でちょっとお伺いしておきたいんですが、この資料は衆議院の地方行政委員会に提出をされた資料なんですけれども、これで見ますと、これは五十四年四月一日現在、地方公務員の年齢構成が、全地方公共団体の中で、六十歳以上が二万六千四百十七、全体の〇・八%——これは五十歳以上の数字の中で占めている数かな。七十歳が二千五百五十八人、〇・一%、こうなっていますが、この数字は間違いないですかね、人数は。
○政府委員(宮尾盤君) いま私の持っているのは五十五年度の資料だものですからちょっとあれでございますが、多分その数字に間違いはないはずだと思います。
○大川清幸君 五十五年度もそう大きな数字の変動はなかろうと私も推測するんですけれども……。 この数字は全体ですので、都道府県とか指定都市あるいは市町村、特別区、それから一部事務組合等も全部入っておりますので、給与の点では、実態を伺うについてはこの短い時間の中で細かいことを伺うわけにいきませんけれども、地方公共団体の一般事務職員に限ってでも結構ですが、六十歳ないし七十歳以上の方々の給与ベース、大体どの程度かおわかりになりますか。資料がなければいいですけれども。
○政府委員(宮尾盤君) まあ必ずしも年齢と給与とはパラレルではありませんので、そういう意味での統計資料はちょっと手元にございませんので、御了承を願いたいと思います。
○大川清幸君 それから地方公務員の勧奨退職の年齢の表が手元にあるんですが、これで見ると、六十歳で勧奨退職を実施している団体数はかなりパーセンテージが高いですね。それから五十八歳のところも高いんですわ。ですから、六十歳の設定がそう乱暴なことじゃないんじゃなかろうかというような推測もできるんですが、従来、五十八歳とかあるいは五十七歳とかまちまちで各地方公共団体が勧奨退職を実施していますね。今回、もしこの法案が成立した場合に、六十歳で、しばらくは課長さんが上へ上がらないとか、そういうような人事渋滞とまでいかないけれどもいろいろなことが起こってくるだろうと思うんです。これは実施が六十年ですから、そういう点でいうと、今度の法律を実施する昭和六十年までに、運営上余り支障のないようにうまく運営するといいますかな、何か一つの法律が新しくできて、これは人事にかかわることですから、いつの場合でも激変緩和みたいないろんなことを考案しなければならないんですが、年限が四年あるので、そういう点の心配は運営上ないのかどうかということですね、各地方公共団体において。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 現在の勧奨退職という仕組みによりまして現実に一番多い事例は、大体五十八歳ぐらいで退職する、こういう事例が一番多いわけでございます。そこで六十歳という定年制度が設けられた場合に、そういう団体においては退職年齢が二歳一般的に引き上がると、こういうことが出てまいるわけでございますので、人事ローテーションというものをある程度うまく組んでいかないと、新規採用、あるいは昇任等人事管理面でいろいろな支障が出てくるおそれが確かにあるわけでございます。 そこで、そういう御指摘のようなことを、定年制度の実施を予定しております六十年三月三十一日までにいろいろな準備をいたしまして、円滑に定年制度に移行できるようにということで、そういう趣旨からこの法案の附則の二条にも、「任命権者は、長期的な人事管理の計画的推進その他必要な準備」を行いなさいと、こういう規定を設けております。したがいまして、この法律が成立いたしましたならば、それぞれの地方団体において、この趣旨に合った所要の準備を進めていただいて、御指摘のような人事ローテーションの支障がいろいろ出てくるようなことのないように措置をしていく必要がある。また、管理職等については、個別的な勧奨制度等もかみ合わせながら職員の士気を高めていくと、こういうようなことも必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
○大川清幸君 次に、勧奨退職者の再就職の実情なんですけれども、これ、一般職から企業職員、消防官、警察官、それから教職員ですね、これらを含めて数字を見てみますと、勧奨退職者のうち再就職希望者というのは、一般職だと、県で六九・五%、市で四五・四%、町村で三五・一%。かなり希望者がいて、この再就職希望者のうち、各職種で見ると大体九〇%台、低いところで八〇%台の再就職者がいるデータになっています。このうち、もとの職場へ再雇用の形になっているのも一般職で、県で三七・二%、市で四〇・五%、町村で四二・七%。単労職員で県が八四・八%、市が五九・五%、町村で六四・九%となっています。 ですから、現行で言うと、勧奨退職の年齢等の関係もあるけれども、かなり再就職の希望者がやっぱりあって、そのうちほとんど、高い率で再就職をしておる。もとの職場へそのまま就職する人々の数もデータ的には決して低くないですね。ですから、今回六十年定年で実施をした場合には、この辺の多少の緩和がうまくいくのかなということ。それから、六十年定年で実施をした後、先ほどから論議がありましたので細かい点は省きますが、再就職というようなものについては、従来よりも事務処理上はうまくいくのかどうかという点もあわせて御説明を願いたいと思います。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 再就職の現状でございますが、相当数の方が再就職を希望しておることは事実であります。それで、その再就職希望者の中で、いま勧奨退職者数に対する再就職希望者というのは、私どもの資料で申し上げますと、全体で三九・三%、このくらいになっております。この三九・三%の方々が何らかの形で再就職をしておる、大部分しておるわけでございまして、九割余でありますが、まあこの中には、いまの御質問の中にありましたように、当該団体に再雇用された者、それから民間等に再就職をしている者、こういう事例があるわけでございます。 そこで今後の問題、持に定年制度が施行された場合の問題でありますが、退職の実態からいきますと、平均的に言うと、五十八くらいのところが多い。これが六十まで延びるということになりますので、そういう意味では六十過ぎてからの、たとえば民間における再就職というものはどういうふうに変化をしていくのか、これは実態を見てみないとわかりません。ただこれは、個々の地方団体におきましても再就職についていろいろなあっせんの努力をする、こういうようなことをいたしておりますので、定年制度が施行された場合にもそういうことが続けられるであろうというふうに思っております。ただ、当該団体に再雇用するというようなことが将来どういうふうに変化をしていくのか、これは五十八から六十まで退職年齢が上がると、こういうようなこととの絡みで、どういうそこらの全体の動きというものが出てくるのか。それからやはり基本的には再就職希望者というものがどういうふうに変化をするのか。いまは約四割でございますが、二歳くらい年齢が延びて退職をするということになれば、あるいは再就職希望者というものがもう少し落ちてくるかもしれない、こういうことも考えられるわけでございます。 そういう意味でちょっと予測がなかなかつきかねますが、私のあれでは、一般的にはまあ再就職希望者というのは若干減るかもしれない。しかし、余り大勢には変わりはないかもしれないのですが、再就職等についての努力は地方団体でも継続して行われると、こういうふうに考えておるわけでございます。
○大川清幸君 次に、これは民間のデータですから、必ずしも正しいかどうかわかりませんが、地方公務員、国家公務員、それから民間で働いている方々の給与、退職金、それから年金等を含めて生涯収入ですね。これは国家公務員の方が二億一千三十九万余円とか、それから地方公務員で二億二千五百六十九万余円、それから民間で一億九千三百五十五万余円と、こういうようなデータが出ています。これは生涯収入といっても、この中身のつかまえ方が、一つは給与、一つは年金あるいは退職金というと性格が違うので、これは人事院等でもそういうとらまえ方はしていないんだろうと思うんですが、先ほど、定年制を採用するについて、いろいろ能率化、その他の説明もあったんですけれども、副長官が、やっぱり世論もこれありということをおっしゃったので、世論の上から考えると、このごろは生涯収入のことで、やはり公平、不公平の論議があるわけですわ。法律上はいまのやり方で別に何も支障はないはずですけれども。しかしこれから先は、そういう点を配慮してみると、給与ベースや退職金の額についてもこれは必ず論議になりますよ。ですから、いまの定年制の絡みで、これからもやっぱり、地方公務員、国家公務員の収入全体が一体納税者、国民の側から見てどうなのかという配慮はしておく必要があるので、こういうつかまえ方をしていなければそちらから御答弁をいただけないかもしれませんが、五十三年の日経連の調査で、ただいま申し上げた金額、これ金額だけ単純に見るとかなり格差があるので国民の側から批判があるんですが、今後の給与その他についてもこれらのことを配慮した考え方の運営が必要ではなかろうかと思うんですが、その辺はどのように考えますか。
○政府委員(宮尾盤君) まず、生涯賃金というものをどういうふうに考えるかというところから、非常にむずかしい問題があるわけでございます。しかし、非常に一般的な考え方といたしまして、一生の間にもらう賃金等について、官民で何か格差があるのではないか、こういうような意見がいろいろあることは事実であります。ただ、これをどういうふうに比較をするのがいいのか、そこは国家公務員の場合にも非常にむずかしい問題があると思うわけでございますが、地方公務員の場合には、さらにこれは千差万別の地方公共団体の形態がありますし、そこらについてのいろいろな給与制度の仕組み等も違う面がありますので、正直言いまして、なかなかこれは地方公務員の場合には民間と比較してどうと、こう言うことは非常に困難であります。ただ、給与制度全般につきましてそういう官民の比較ということをしながらいろいろな御批判というものが出ておるし、また、今後もそういう考え方というものがいろいろ行われるであろうということは十分私どもも踏まえまして、給与制度全般等についてさらにいろいろな研究なりなにをしていかなければなりませんし、制度なり運用の適正でない部分については、それは適正な方向に持っていくように地方団体を指導していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(森卓也君) 国家公務員につきましても、ただいま先生御指摘のとおり、生涯給与の問題、自治省からも御答弁のとおり、比較の方法等につきましていろいろむずかしい問題があるようでございますが、国家公務員の給与に関しましては、毎年人事院の方で百人以上の企業についての調査をされた結果を政府の方に勧告をいただきまして、それに基づきまして毎年給与法の改正という形でお願いをしておりまして、給与につきましてはそういう意味で官民のバランスがとれているのではないかというふうに私どもは考えておりますし、それからまた退職手当につきましても、おおむね五年ごとに人事院の方に調査を依頼いたしまして、私どもの方の持っております公務員と、人事院に調査をしていただきました民間のベースとのバランスを見まして、それに格差がある場合には法律改正をお願いするということで、四十六年度の調査につきましては四十八年度に法律改正をお願いいたしまして、従来の水準に二割増すという改正をしていただいたわけでございますし、五十二年度の調査につきましては五十四年度に報告をいただきまして、その結果、公務員の方が約一割高いという結果が出ましたので、ただいま退職手当法案の改正をお願いをしているところでございます。 なお、年金につきましては、私どもの所管ではないので、ちょっと答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○大川清幸君 それじゃ、時間がそろそろあれですから、あと二問だけお伺いをして終わりたいと思いますが、今回、定年制を実施いたしますと、地方公務員の中で共済組合年金の受給資格を持たない人が出ると思うんですけれども、これは、人数等はいいですが、措置はどうされますか。
○政府委員(宮尾盤君) 定年制度が実施をされた場合に、たとえば六十歳ということで退職をするときに、年金の受給資格がない方があり得るということは御指摘のとおりであります。ただ、三十六年から国民皆年金制度が実施をされておりまして、共済組合員として共済年金の受給資格はなくても、通算退職年金の受給資格がある方が相当数あると思いますので、そういう意味では非常に限られた方々であろうというふうに思っております。ただ、いずれにしてもそういう方があり得るということでありますので、そういう点につきましてはこれは国家公務員の場合と共通問題でもありますので、民間における特別措置等を参酌をしながら、関係省庁の間で相談をいたしまして、共済法上の何らかの措置によって対処をしていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○大川清幸君 先ほどの佐藤先輩との論議の中で、第一次臨調の答申の中の六十歳定年の問題で論議をされておったんですが、いま高齢化が進んでいる日本の社会ですね。いまここで御答弁いただけるかどうかはわかりませんが、将来この定年制について、やっぱり六十歳でいいかどうかという問題が起こってくると思うのですね、寿命がだんだん延びてくると。この辺は将来そうした社会の実情等を考慮した場合に定年制の年齢を引き上げる考え方はお持ちなんですか。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公共団体の職員の定年の扱いにつきましては、これはこの法律の中でも規定しておりますように、国の職員の定年年齢を基準として決めていく、こういうことにいたしておるわけでございます。そこで、国の職員の定年年齢が将来どういうふうになるのかということは、これは私の方から本当は御答弁することではありませんが、仮にそういう社会情勢が非常に大きく変化するとすれば、情勢適応の原則という考え方に立って、いろいろな措置も将来考えられることではないかというふうに私は判断をいたしておるわけでございます。仮にそういうことがあった場合には、当然地方公務員の定年制につきましても、国家公務員の定年年齢が動いたならば、それと同じ考え方に立って、その定年年齢を改定をしていくような指導をしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○国務大臣(安孫子藤吉君) いま関係大臣おりませんから一言申し上げますけれども、時代の推移に応じまして、これは固定したものじゃないので、情勢に応じましてこれを引き上げるというのは私は当然じゃないかと思っております。国家公務員の場合にそれが引き上げられるという場合には、地方公務員も連動することにならざるを得ないと思います。
○大川清幸君 これは閣議でやらないと答弁ができないでしょうから、いいです。 以上で終わります。
○委員長(亀長友義君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時十八分散会 ————・————