地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 320 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/05/28
会議録
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。 また、本日、板垣正君及び中村啓一君が委員を辞任され、その補欠として森山眞弓君及び岡部三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の質疑は、前回をもって終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。 この際、本案の修正について、志苫裕君及び神谷信之助君から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。志苫裕君。
○志苫裕君 私は、本案に対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の共同提案に係る修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これよりその趣旨について御説明申し上げます。 地方財政は、御承知のとおり本年度においても一兆三百億円という膨大な財源不足に見舞われ、六年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした状況に直面することとなったのは、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも、産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたためであります。そのため自治体においては過疎過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび要求してきたのでありますが、残念ながら自民党政府の地方財政対策には、こうした課題に積極的に立ち向かう姿勢は全く見られません。そればかりか、一兆三百億円の財源不足に対し、自民党政府は、交付税特別会計における借り入れと償還方法の変更及び地方債振替によって措置するなど地方交付税法第六条の三第二項に反する対策を継続する一方、最近の行政改革論議に名をかりて地方交付税率の引き下げさえ図ろうとしています。 今日、地方交付税制度の改革なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来、据え置かれてきた地方交付税率を昭和五十七年度から三七%に引き上げることといたしております。 第二は、昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行された、ないし発行される財源対策債の元利償還に係る基準財政需要額については、全額臨時地方特例交付金で措置することとし、そのため臨時地方特例交付金を八千五百三十七億円増額し、九千八百四十三億円といたしております。 なお、本修正案では、昭和五十年度から昭和五十六年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借入額の元金償還については、新たな規定を設けておりませんが、政府による繰り延べ措置によって償還が始まる昭和五十九年度からは、全額臨時地方特例交付金で措置すべきであることを重ねて付記いたしたいと存じます。 第三は、以上の改正による臨時地方特例交付金の増額に伴い、基準財政需要額の算定方法を改正しようとするものであります。教育、福祉など行政サービスに対する住民要求にこたえるため、道府県においては「その他の教育費」及び「厚生労働費」を、また市町村においては、「小学校費」「中学校費」を初めとする教育費及び「社会福祉費」等厚生労働費をそれぞれ増額することといたしております。 以上が本修正案の概要でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(亀長友義君) 次に、神谷信之助君。
○神谷信之助君 私は、本案に対し、日本共産党を代表して修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。 これよりその趣旨について御説明申し上げます。 政府は、本年度の地方財政計画の策定において、財源不足額を一兆三百億円と見積もり、それを臨時地方特例交付金千三百億円、昭和五十年度から五十二年度までの交付税特別会計借入金の償還方法の変更による千九百十億円、交付税特別会計借入金百九十億円、合計三千四百億円の交付税の増額を行い、残りの六千九百億円を財源対策債の増発で措置しようとしています。 本年度もまた、地方行財政関係者の切実な要求である交付税率の引き上げや制度改革を行わず、その場しのぎの財源対策で切り抜けようとしていますが、これが地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に反していることは言うまでもありません。 昨年と比べて財源不足額が減少していますが、これは歳入面で空前の大増税や公共料金の値上げ等住民に多大な負担を求めるとともに、歳出面においては人件費の削減や福祉教育の切り捨てなど、厳しい減量経営を自治体に押しつけることを前提にしたものであり、額面どおりに受け取るわけにはいきません。実態は、五十六年度末の地方債残高が五十兆円を超し、交付税特別会計借入金残高が地方負担分のみで四兆三千億円に達することが見込まれているように、地方財政の危機は依然として深刻であり、いま抜本的な措置をとらなければ危機が長期にわたることは明白であります。 先日の本委員会における参考人質疑でも明らかになったように、今日、地方交付税制度の改革、なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的合意になっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な責務であります。 このような立場から、わが党は、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出したものであります。 次に、本修正案の要旨について御説明申し上げます。 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以降据え置かれてきた地方交付税率を、昭和五十七年度から四〇%に引き上げることにいたしております。 第二は、臨時地方特例交付金の増額であります。昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行され、ないしは発行される財源対策債の元利償還に係る基準財政需要額については、金額臨時地方特例交付金で措置することにいたしております。この措置により、昭和五十六年度における臨時地方特例交付金は八千五百三十七億円増額し九千八百四十三億円となります。 また、昭和五十年度から五十六年度までの交付税特別会計における借入金の元金償還については、全額臨時地方特例交付金で措置することとし、附則の一部を改正しております。 第三は、臨時地方特例交付金の増額に伴い、基準財政需要額の算定方法を改正しようとするものであります。 教育、福祉などの行政サービスに対する住民要求にこたえるため、道府県においては「その他の教育費」及び「厚生労働費」を、市町村においては「教育費」及び「厚生労働費」をそれぞれ増額することにしております。 以上が本修正案の要旨でありますが、何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(亀長友義君) ただいまの志苫裕君及び神谷信之助君提出の修正案はそれぞれ予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から各修正案に対する意見を聴取いたします。安孫子自治大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合共同提案の修正案並びに日本共産党提案の修正案につきましては、政府といたしましてはいずれも賛成いたしかねます。
○委員長(亀長友義君) それでは、これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小山一平君 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、原案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合提案による修正案に賛成の立場から反対討論を行います。 申し上げるまでもなく、最近の地方交付税に関する論議には、経団連等の交付税率の引き下げ論に端的に見られるように、地方交付税の基本的性格をゆがめる傾向が見受けられます。地方交付税は、国が一たん徴収して自治体に交付するにすぎず、それはあくまでも自治体固有の財源であります。したがって、時の財政事情によって軽々に総額やその仕組みが左右されるべきものでないことは明らかであります。その基本は、地方交付税法第六条三の第二項にあることは申し上げるまでもありません。交付税の核心ともいうべきこの基本性格において、昨今政府内部、とりわけ大蔵省においては、これを行政改革に名をかりてゆがめる姿勢がかいま見えることはきわめて遺憾であり、反省を促しておきたいと思います。 以上のような基本的認識に立って、本改正案及び地方財政計画を検討いたしますと、大要二点にわたって問題点を指摘せざるを得ません。 その一つは、財源不足額の補てんについてであります。これまで財源不足額の補てんに対しては交付税特別会計における借り入れと財源対策債振替はおおむね五対五でありましたが、これが本年に至っては財源対策債に大きく比重がかけられております。これによって地方財政の質的悪化は一層加速されることになることは明らかであります。 二つには、財政再建に名をかりて、地方財政が国の財政の犠牲に供されることであります。交付税特別会計における借入額の償還において、利差臨時と言われる地方債償還のための負担軽減分に対する国の負担分を後年に繰り延べたことが端的に示すように、本年の地方財政対策全般にわたって国の財政再建が優先されたことは明らかであります。このような国の姿勢を許すならば、行政改革とは自治体を犠牲にするものとなり、将来に大きな禍根を残すことは明らかでありましょう。 以上、私は地方交付税の基本問題に関し反対理由を申し上げてまいりました。社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の修正案は、ただいま申し上げた幾つかの欠陥を補完し、地方財政改善を配慮した妥当なものであります。 時あたかも第二次臨時行政調査会において国と地方の事務配分、機能分担のあり方等が審議されつつあります。地方行財政については、地方自治を積極的にわが国政治の主柱に据えるためにも、政府、とりわけ自治省は、古くは神戸報告を初め、地方制度調査会、地方六団体等々から出されている地方自治に関する諸提言をこうした機関討議に反映し、真に地方の時代形成に向けて努力されるよう強く要求いたします。 私は、このような検討の結果、政府原案には反対であり、なおまた、共産党修正案については、多くの点で共通するものがあり、一定の評価はできますが、やや整合性の点で問題があると思われますので、共産党修正案には棄権をいたします。 以上申し上げまして、私の討論を終わります。
○熊谷弘君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成し、修正案に反対の意を表します。 政府原案は、昭和五十六年度分の地方交付税の総額について、臨時地方特例交付金千三百六億円の繰り入れ、借入金の償還方法の変更による千九百十億円の増額、交付税特別会計における千三百二十億円の借り入れ等所要の措置を講ずること、借入金の償還についての国の負担額を定めること、借入金の償還方法の変更等に伴い後年度の地方交付税の総額を変更すること、地方団体の財政需要の増加に対処するため各種の単位費用等を改正し、あわせて地方公共団体の手数料についてその適正化を図ること等を主な内容といたしております。 地方財政は、申し上げるまでもなく昭和五十年度以降巨額の財源不足を生じ、懸命の努力にもかかわらず、なお収支の不均衡を解消できない状況にあります。昭和五十六年度におきましても、昨年度より大幅に減少したとはいえ、なお一兆円を超える財源不足を生じ、このまま推移すれば国ともども財政の根底が破綻しかねない状況にあります。地方自治の発展のためにはもとより安定した財政基盤の確立が必要であり、このことは十分考慮されなくてはなりません。 しかしながら、地方財政における財源不足の問題は、公経済の一環として国家財政とも共通する課題であり、その解消には国、地方を通ずる制度の抜本的な改正を必要とするものであります。政府はすでに、行財政制度の抜本的見直しによる増税なき財政再建を緊急課題として取り組んでおるところであります。わが党としても、問題の重要性にかんがみ、地方団体の要望等を踏まえつつ、この国民的課題にこたえ得るよう鋭意努力いたしておるところであります。 今回の政府提出の地方交付税法改正案は、以上のような政治状況の中で、国の財政再建と同一基調に立ち、経費の効率的使用に留意しつつ、増大する地方の財政需要と新規施策に対応する所要の措置を講じようとするものでありまして、当面の措置としては妥当な措置であると評価せざるを得ません。 以上の理由により、私は修正案に反対、政府提出の原案に賛成の意を表するものであります。
○和泉照雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議並びに民社党・国民連合提出の同修正案に賛成し、日本共産党提出の同修正案に反対の立場から討論を行うものであります。 われわれは、これまで地方財政危機を打開し、地方自治体が住民の意向に沿う自主的な行政運営を進めるために地方行財政の抜本的な改革を要求してまいりましたが、この要求に対し、政府は何ら根本的な改革も行わず、小手先の対策に終始してきたために、いまなお危機から脱することができません。早急に国、地方間の行財政の抜本的改革を断行することをまず初めに訴えるものであります。 さて、交付税率についてでありますが、地方財政は、五十六年度の財源対策を見ても明らかなように、史上最大と言われる国税の大増税に伴う増収を見込み、その上に、住民税減税の見送り、あるいは交付税特別会計の借入金に対する元利償還金の繰り延べ措置などあらゆる手段を講じても、なおかつ一兆三百億円という膨大な財源不足を生じております。このような地方財政の実態を見るときに、今日の地方財政制度は完全に破綻を来したと言わざるを得ません。 行政サービスの維持向上を図りつつ、中央に偏重し、危機に陥っている今日の地方財政を打開するためには、まず地方交付税率を四〇%程度に引き上げることが必要でありますが、当面の諸状況を考えますとき、社公民三党案が示すように、来年度から五%引き上げ、三七%にすべきであります。このような措置がとられていない政府案であり、これが第一の反対の理由であります。 次に、財源対策債に対する元利償還についてであります。 昭和五十年度以降の地方債残高は、五十五年度末で二十九兆円という巨額に達しております。五十六年度は一兆円近くをこの地方債の返済に充てなければならないなど、財政危機に伴う財源対策債は地方財政を圧迫しております。よって、このような状況を考え、われわれが提出した修正案のように、少なくとも五十一年度から五十六年度までの各年度に発行された財源対策債の元利償還金については、全額臨時地方特例交付金で措置すべきであります。政府案には、このような措置がなされておりません。これが第二の反対の理由であります。 次に、補助金制度についてであります。 財政再建をめぐり、補助金の整理合理化が問題になっているにもかかわらず、廃止されたはずの補助金が名称を変えただけで現実に残っている実態が明らかになるなど、一向に改善をされておりません。五十六年度予算では、廃止、統合など整理合理化件数は延べ千三百二十九件、整理合理化金額は千六百八十八億円となっております。しかし、この反面九十八件が新設をされ、補助金総額は十四兆五千六十七億円と、前年度に比べ六千五百四十七億円と、四・七%の純増となっております。これは国の一般歳出予算の伸び率四・三%を上回るもので、補助金の整理合理化のかけ声とはうらはらにふえる傾向すら見えるのであります。特に地方団体からの要望の強い補助金の地方一般財源化については、ほとんどが見込まれておりません。また、当面、類似ないし同一目的の補助金について自治体が自主的に選択できる、いわゆる補助金のメニュー化、あるいは総合補助金化を進めるべきでありますが、こうした点に対しても何ら改善の跡が見られず、きわめて怠慢と言わざるを得ません。これが第三の反対の理由であります。 以上申し述べて、私の討論を終わります。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、わが党提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の意見を述べます。 政府は、五十六年度の予算編成において、歳入面では史上空前の公共料金等の大幅な引き上げという国民に対して大きな犠牲を強いながら、歳出面においてはアメリカや財界の要求する軍事費やエネルギー対策費などを伸ばす一方、国民の切実な願いである福祉、教育などの経費は厳しく抑制しました。まさに軍拡、大増税、福祉、教育切り捨ての最悪の予算と言わなければなりません。 五十六年度の地方財政計画も、国の予算編成を基調として作成されたために、歳入面では国税の増税に加えて、住民税の課税最低限据え置き、あるいは不動産取得税の税率引き上げ等による増税や、高等学校入学金等の使用料、手数料の引き上げを行っており、また歳出面においては、人件費の削減や福祉、教育を初めとする経費節減、経常経費の厳しい圧迫が行われています。 このような操作の結果、財源不足額は昨年の二兆五百五十億円から本年度の一兆三百億円へと減少しましたが、これをもって地方財政の改善と見ることは決してできません。むしろ、五十六年度末の地方債残高が五十兆円を超し、交付税特別会計借入金残額が地方負担分のみで四兆三千億円に達することが見込まれているように、地方財政の危機は依然としてきわめて深刻であり、かつ長期化の様相を呈しているのが実態であります。いまこそ、交付税法第六条の三第二項の規定に従い、地方行財政制度の改革、なかんずく税率の引き上げという抜本的措置が緊急に求められているのであります。 にもかかわらず、政府はこの抜本的改善策を見送り、財源不足額一兆三百億円を臨時地方特例交付金の交付、交付税特別会計借入金の償還方法の変更、資金運用部からの借り入れ、さらには財源対策債への振替で糊塗しようとしております。数年来続けているこのような特例措置は、地方の財源保障の機能を持つ交付税法の趣旨を逸脱し、国と地方の財政秩序を破壊するきわめて不当不法な措置であり、容認できないものであります。 政府は、こうしたやり方を改め、交付税率の引き上げや地方自治体への大幅な財源移譲を含む財政制度の改正をすぐ実施すべきであります。 次に、わが党の修正案について述べます。 本修正案は、交付税率の四〇%への引き上げ、財源対策債償還費及び交付税特別会計借入金を全額国の負担とすることなどを中心内容とするもので、交付税法の趣旨に基づいた正当な措置によって地方財源を補完しようとするもので、地方自治体の自主的な発展を保障する財政制度の確立を図るものであります。 最後に、日本社会党、公明党、民社党の三党共同修正案についてであります。 今回の案は、昨年のわが党を含む野党四党共同修正案より後退し、交付税率の引き上げを三七%までとしております。交付税率の四〇%への引き上げは、地方六団体を初め国民合意の基準となっていると同時に、その実現がますます切望されてきているところであります。しかし、政府案よりは前進的なものであり、わが党修正案が残念ながら否決された場合においては、次善の策としてこれを支持することを表明しまして、討論を終わります。
○伊藤郁男君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております政府提案の地方交付税法等の一部を改正する法律案及び共産党提案の修正案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合提案の修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。 現在、わが国の地方財政はきわめて厳しい危機的な状況にあります。昭和五十年度以降、毎年大幅な財政収支の不均衡が続き、五十年度補正から五十六年度当初までの財源不足の累積額は十七兆五千六百七十九億円にも上っております。このような大幅な財源不足を補てんするため、政府は毎年度交付税特別会計における借り入れと地方債の大幅な増額発行を行ってまいりました。 しかし、これらの財源不足対策は、単に収支のつじつまを合わせたものにすぎません。五十六年度の財源不足一兆三百億円についても、本来五十五年度に使用すべきであった地方交付税の増加分を五十六年度に回し、あるいは交付税特別会計の償還方法を変更するなど、数字の小手先操作で補てんしたものにほかなりません。 一方、地方債の残高は三十一兆六千百五十二億円にも達し、交付税特別会計における借入金七兆七千億円のうち、地方負担額は四兆六百四十六億円に上っております。これらの償還は、将来地方財政にとって大きな負担であることは言うまでもありません。いまこそ抜本的な改善がなされなければならないのであります。そうしなければ現下の財政危機を突破することはとうてい不可能であると思うのであります。すなわち、当委員会において再三にわたり地方交付税率の引き上げ等議論が繰り返されてまいりましたように、既存の制度の改正こそまずもって行う必要があるのであります。 現在の地方交付税率は昭和四十一年以来十五年間も据え置かれたままであります。これは地方財政の危機的状況に対する政府の認識の欠如を示すものであり、政府は怠慢のそしりを免れないと言わねばなりません。わが党は、五十七年度は少なくとも五%この税率を引き上げ、三七%とすべきであると考えます。 また、補助金制度のあり方についても種々議論がなされてきたところでありますが、特に公共事業費の国庫負担金はこれを一括して地方自治体に交付するという第二交付税の制度創設を主張するものであります。 日本社会党、公明党・国民会議並びに民社党・国民連合提案の修正案が、国と地方との財政関係に新しい秩序をつくるものと確信します。 以上申し上げて、討論を終わります。
○委員長(亀長友義君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。 それではこれより地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、神谷信之助君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 少数と認めます。よって、神谷信之助君提出の修正案は否決されました。 次に、志苫裕君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 少数と認めます。よって、志苫裕君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。安孫子自治大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 この法律案は、地方公務員共済組合の退職年金等について、別途本国会において御審議をいただいております恩給法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じてその額の引き上げ等を行うとともに、遺族の範囲の見直し及び遺族年金に加算される寡婦加算額の引き上げを行うほか、地方議会議員の退職年金等についての増額改定措置及び地方団体関係団体職員の年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる所要の措置を講じ、また、地方団体関係団体職員共済組合を地方職員共済組合に統合し、これに伴う所要の措置を講じようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項についてであります。 まず、その一は、地方公務員共済組合が支給する退職年金等について、恩給の増額改定の措置に準じ、その額を引き上げることであります。すなわち、昭和五十五年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等について、本年四月分から平均約四・四%増額する措置を講ずることといたしております。 その二は、恩給における最低保障額の引き上げに伴い、長期在職者等に係る退職年金及び廃疾年金の最低保障額を引き上げるとともに、恩給における増加恩給の増額及び公務扶助料の最低保障額の引き上げに伴い、公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。 その三は、遺族年金に加算される寡婦加算の額を、厚生年金における寡婦加算の額との均衡上引き上げますとともに、遺族年金を受ける妻が同時に退職年金等を受けることができる場合には、必要な調整を行うこととしております。 その四は、遺族の範囲を改正し、従来死亡した者との生計維持関係を必要としなかった組合員期間十年以上の者の配偶者の遺族の要件として、組合員期間十年未満の者の配偶者と同じく、死亡した者との生計維持関係を必要とすることとしております。 以上のほか、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を公務員給与の引き上げを考慮し四十二万円に引き上げるとともに、昭和五十四年以前に退職した退職年金または減額退職年金の受給者に対して昭和五十五年一月以後に退職した者と同様、退職後の給与所得に応じて年金額の一部の支給を停止することとする等所要の措置を講ずることとしております。 第二は、その他の年金制度の改正に関する事項であります。 すなわち、地方議会議員共済会が支給する退職年金等について、その額の増額改定を行うとともに、地方団体関係団体職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正措置に準じて所要の措置を講ずることといたしております。 第三は、地方団体関係団体職員共済組合の地方職員共済組合への統合であります。 すなわち、行政改革計画に基づき、昭和五十七年四月一日をもって地方団体関係団体職員共済組合を地方職員共済組合に統合することとしております。 以上が昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及び内容であります。 なお、本法律案については、衆議院において、施行期日について、「昭和五十六年四月一日」を「公布の日」に改め、これに伴う所要の規定の整備を図る内容で修正可決されております。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決下さいまするようお願い申し上げます。
○委員長(亀長友義君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 まず、冒頭にお聞きしたいと思うんですが、この法律案関係資料は、いつ配ったんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 国会に法案を提出をいたしますときに資料としてお配りをしてあると承知をいたしております。
○佐藤三吾君 いや、いつ配ったんですかと聞いている。
○政府委員(宮尾盤君) 正確な日時がちょっとはっきりいたしませんが、五月の半ばごろであろうというふうに承知をいたしております。
○佐藤三吾君 私は、きょう、いま初めてこれを見るんです。恐らくそうじゃないですか、皆さん方も。いま初めて見ていま質疑せいというのは、これは神様みたいでなければならぬわけだから、もっとひとつそこいらは配慮した方がいいんじゃないかと思うんです。申し上げておきたいと思います。これはそれだけの問題です。 そこで、きょうは大蔵省来ていただいておりますから、若干大蔵省関係の質問をしておきたいと思いますが、一昨年法の大改正がございまして、このときに四つの宿題が附帯決議、確認事項でやられているわけですが、これはどういうふうに今日まで処理しておるのか、その経過をまず第一に聞きたいと思います。 それから同時に、一昨日閣議で決定した、懲戒処分者の不当な規制についての解除の問題、この中身がどういうふうになっておるのか。 さらに、これは自治体、いわゆる自治省関係としてはどういうふうに処理しようとしておるのか、あわせてひとつお聞きしたいと思います。
○説明員(野尻栄典君) お答え申し上げます。 私どもの、国家公務員共済組合法の一昨年の大改正は、衆議院におきましては大蔵委員会、参議院におきましては内閣委員会で御審議をいただき、それぞれほぼ同様の附帯決議をちょうだいしているわけでございます。附帯決議の項目といたしましては五項目ございました。 最初の項目は、退職年金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるに当たりまして、将来の雇用保障との関連に十分留意し、段階的に退職勧奨年齢等を引き上げていくように努めることという御趣旨でございます。 この点に関しましては、もちろん公的年金の支給開始年齢と雇用の年齢というものとが非常に密接な関係にあるという前提での御決議と承知いたしておりますけれども、一般的に申しますと、公的年金の支給開始年齢と申しますのは、やはり平均寿命の推移であるとか、あるいは老齢者の稼得能力、それから年金財政、そういったすべての要素を総合的に勘案しながら、そのときどきの状況に応じてある一定の年齢に決めていく、一律的に決めていくというような物の考え方が基本にあろうかと思います。一方、定年の年齢というのは、ある職種や業種、それぞれの職域ごとにおける労働の対応に応じまして、企業とか職域ごとに個別的に決めていくというのが一般的な考え方のようでございます。したがいまして、この両者の年齢には非常に密接なつながりはあるとは思いますけれども、だからぴたっと一致していなければならないというような性質のものでも必ずしもないのではないか。一般的にはそのように考えられていたわけでございます。 しかしながら、今後わが国が高齢化社会への移行をたどることは明らかでございまして、そういう観点からこの問題を考えますときには、高齢者の雇用政策というものと年金の支給開始年齢の連係と申しますか、これは非常に重要な課題であるということは承知しております。したがいまして、これらの一般的な対策といたしましては、やはり高齢者雇用とか失業保険の活用、あるいは民間等で盛んに最近取り入れられております企業年金といったような、言ってみれば公的年金の支給開始までのつなぎ年金でございますね、こういったものの今後の活用等を総合的に政策として取り入れながら、この問題に対処していかなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。 そこで、別途今国会に御提案申し上げております公務員の定年制法案がもし施行されることになりますれば、六十歳の定年制というのが昭和六十年度に一応実現するかっこうになりますので、そうしますと、共済組合の支給開始年齢を六十歳と引き上げた一昨年の共済法の改正の支給開始年齢と一応はぴたっと合うというかっこうに、いまのところはなるのではないかというふうに考えているわけでございます。 二番目の項目といたしましては、高齢者の勤続が不適当と考えられるような重労働職種あるいは危険職種、これらのところに長期間勤続していた者につきましては、支給開始年齢以前に退職した場合の減額退職年金の減額率を一般の減額率より緩和するように、そういう検討を将来必要に応じて行うようにという御趣旨の決議でございました。 この点につきましては、現在、各省あるいは三公社とか地方公共団体を通じまして、どういう職種が危険職種あるいは重労働職種というものに相当するのか、それにつきまして現在調査を行っている段階でございます。今後、それぞれ地方団体あるいは三公社等のそういった関係者との間で調整を図りながら、将来必要に応じて、この検討を重ねてまいりたいというふうに考えております。 第三番目の問題は、年金給付に対する国庫負担につきまして、厚生年金の負担割合と共済組合に対する負担割合とが相違していることにかんがみまして、年金制度間の整合性に配意しつつ検討を行うようにという趣旨でございました。 もともと、社会保険に対する国庫負担のあり方につきましてはいろいろ御議論が多いところでございまして、基本的には保険料だけでは適当な給付水準が確保できないといったような場合、あるいは被保険者の範囲に非常に低所得層を含んでいるといったような場合におきまして、国庫負担の必要の緊要度とか、あるいは社会保険制度全体のバランスとか、あるいは財源の効率的配分といったような見地から措置されるというのが原則的な考え方と思っております。この問題につきましても、公的年金に対する国庫負担がどういうふうに整合性を図っていけばよろしいのかという全体の問題といたしまして、今後とも真剣に検討を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 四番目に、先ほど先生の方からさらに詳しくというお話がございましたが、懲戒処分者等に対する年金の給付制限については、他の年金制度との均衡も考慮しながら再検討するようにという附帯決議でございました。 この点につきましては、確かに私どもの方も大蔵委員会あるいは内閣委員会におきまして現在の給付制限の全廃と申しますか、これは公務員制度の一環でもある年金制度としてはできかねるけれども、制限の内容が非常に厳しいものであるという指摘につきましては私どもといたしましても反省をいたしまして、その後、国家公務員の例で申しますと昨年の十二月から現在まで五回ぐらいにわたりまして、国家公務員共済組合審議会にこの緩和の方策につきましてお諮りをいたしたわけでございます。いろいろな検討の内容がございまして、一定の年齢に到達したところで制限を解除するという案、あるいは支給開始後一定の期間を経過したことによりまして制限を解除する案、それらの案につきましてそれぞれ利害得失を御議論いただいたわけでございますが、結果といたしましては、やはり支給開始後一定の期間を経過したことによって制限を解除するということが公平性があるのではないかということで各委員の方々の御意見が一致いたしまして、その一定の期間というのは年金の支給開始後五年を経過した時点で解除する、こういうやり方が一応いまのところ公平な処置ではないかという御議論でございました。 なお、その後地方公務員の審議会におきましても同趣旨のような答申が出されるやに聞き及んでおります。まだ詳しくは存じておりません。 そのようなことで国家公務員、地方公務員とも同じような足並みをそろえた措置が図られるという見通しが立ちましたので、私どもといたしましては、去る五月二十六日の閣議におきましてこの給付制限を、いままでは言ってみれば無期の制限でございましたのを五年間の有期制限に切りかえるというような形で、実は政令の改正を行いました。当面こういう措置をとったところでございます。 最後に、五番目の附帯決議でございますが、共済組合制度に関する基本的事項につきまして一元的に調査審議する機関の設置について検討せよ、こういう附帯決議を私どもの方はいただいております。 御趣旨は、国家公務員、地方公務員とそれぞれ各省ごとに審議会がございますし、また、公企体共済には審議会がございません。そういうかっこうで審議会があったりなかったり、あるいは同じような内容についてそれぞれの省庁で審議をしているというのもいかがか、これは一本化した審議会にしたらどうかというのが御趣旨かと思いますが、いま申し上げましたように、現在の各省別に分かれている審議会を統合するに当たりましては、既存の審議会との関係をどうするのか、あるいはその審議会を置く省庁をどこに置くのかといったような技術的な問題がいろいろございます。そこで当面は、そういった新審議会をつくるということをちょっと見合わせまして、昨年の六月から私どもの大蔵省の方に、大蔵大臣の私的な研究会といたしまして共済年金制度基本問題研究会といったものを設置いたしまして、そこで国家公務員、地方公務員、公共企業体職員すべてを通ずる共済年金の共通的な重要事項につきまして学識経験者である先生方にお集まりいただいて、現在までに十二回程度の研究会を開催いたしております。この研究会をもってこの附帯決議に一応沿った形で処理しているというふうに私どもは考えております。 以上でございます。
○政府委員(宮尾盤君) 私の方にお尋ねがございましたのは、懲戒処分者に対する給付制限の取り扱いの問題でございます。 そこで、この問題についてでございますが、先ほど大蔵省の方から御答弁がありましたように、関係のところと、自治省といたしましてもいろいろ御相談をし、地方公務員共済組合審議会にも先ほど大蔵省の方から御説明がありましたような考え方でお諮りをいたしました。その結果、給付制限の期間を年金の支給開始から五年間に限定することについて審議会での御了承を得ておりますので、正式の御答申をいただき次第近々政令改正をいたしまして所要の措置を、先ほど申し上げましたように五年間に限定するという改正を行いたいというふうに存じております。
○佐藤三吾君 野尻さん、いまあなたの報告のあった中で、減額年金の問題、これは真剣に今後検討をしていくというお答えなんですが、いまの減額年金制度の決議の趣旨は、言うならば特殊職種の労働者に対して十五年後も減額年金を尊重しなさいということなんですが、同時にまた、私がちょっと聞いておきたいのは、あの減額年金は四%ですね。そうすると、たとえば五年間で見ると二〇%ですか低くなる、それが未来永劫ついていくわけですね。いまの恩給制度が一つは基礎になっておるのですけれども、恩給の場合は若年停止というのがある。これは三年ぐらいしたら復活して五年後には完全に復活する、こういう仕組みになっておりますね。そういう問題を含めて私はこの際ひとつ減額年金を検討すべきじゃないか、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○説明員(野尻栄典君) 確かに先生おっしゃいましたとおり、恩給は一部支給という物の考え方でございまして減額年金ではございません。五十五歳になりますと満額の年金が出るけれども、四十五から半分だけ支給する、五十歳から七割支給する一部支給制度でございます。それに対しまして、私どもの共済年金がとっておりますのは減額年金制度でございまして、これは支給開始年齢の前、任意の時期に、自分は何歳からもらいたいという申し出をするために、任意の時期がばらばらであるために、満額年金をもらう人と早くもらう人との間に公平性が保たれてなければいけないということで、その年齢によって減額率を決めていくと、こういう仕組みでございますので、恩給のような一部支給というのはもともと共済年金にはなじまない、保険数理になかなか乗りにくいわけでございまして、その点は、恩給と社会保険の方式の共済年金に切りかえたということの基本的な性質の相違ではないかというふうに私どもは考えております。
○佐藤三吾君 それはそのとおりなんですが、言うならば、あの減額年金制度が三十七年の年金法のときに一番議論になって、恩給ではいわゆる若年停止があるのに年金にないということはけしからぬじゃないかということを含めて議論をした末に、さっきあなたの言ったような議論をしながら任意選択制ということでつくった経緯もあるわけですよ。ですから、この問題は、さっきせっかく真剣に検討するということでございますから、その中の一つに入れていただいて、ぜひ検討をしていただきたいと、こういうふうに思っております。 次に、懲戒処分者の問題で、これはいままでの無期が五年有期と、こういうことになったことは一つの大きな成果だと思うんです。しかし、いまこれに対する御報告を聞いていますと、国共審、自治省は地共審、それぞれ諮問をしてそういうことになったと、こういう御報告をいただきましたが、それぞれの審議会はこれでもう結構だということなのか。もっとこれは縮めるべきだ、二年にするとか三年にするとか、もしくはこれはなくすべきだと、こういう意見があったのか。その答申の内容はそれぞれいかがですか。
○説明員(野尻栄典君) 五回ほどの審議会がございました過程では、いろいろな御意見が各先生方から出されたことは事実でございますが、私どもが当初こういう考え方はいかがかというふうに原案としてお出しいたしましたのは、一定の年齢に達したところで解除するという方法でございました。それに対しまして、一定の年齢で解除するということになりますと、先ほど言いました減額年金の選択者の支給開始の時期と、その制限解除される年齢との間にばらばらな形が出て、結果として非常に不公平になるのではないかということで、言ってみれば組合員を代表する委員の方の方から、一定年齢に到達したことによる解除よりも、一定期間制限を行った後の解除という方が公平性があるということで、むしろこの案は組合員を代表する方の御意見として出たわけでございます。 ただし、この期間につきましては、途中でいろいろな期間のあり方、三年だとか五年だとか、いろいろな御議論があったことは事実でございますが、最終的には五年でまとめるということで全委員の御了解を得たということでございます。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員共済組合審議会におきます審議経過でございますが、先ほど申し上げましたように、まだ答申は出ておりません。最終の審議会で御了承を得て、今後答申書がまとめられる段階になっておりますが、その最後の審議会の段階で、先ほど御説明をいたしましたように、国家公務員共済組合と同じ考え方で支給制限を五年間に限定をすると、これにつきましては御了承を得たわけでございます。ただ、一部職員を代表する委員の方から、この措置でやむを得ないと考えるが、なお将来にわたりましてこういった給付制限がさらに緩和あるいは廃止される方向で検討されることを希望すると、こういう意見を一部の委員の意見として、答申といいますか、それもつけ加えておくと、こういうことがなされておるわけでございます。
○佐藤三吾君 私もこれは国会にずいぶん、三年間取り上げてきておるわけですがね。私が一貫して言うのは、破廉恥罪はこれはある程度、五年間有期にしたってやむを得ぬにしましても、少なくとも厚生年金とか他の年金と対比しましてないものを特に公務員共済ということでつけておる理由でありますから、たとえば労働運動であるとかそういうものまでこれを一律にすべきじゃない、こういう主張をしてきたわけです。そういう意味では、私は一定の評価はしますけれども、しかし、なおこれは正していかなきゃならぬと思っておるんです。 一体、野尻さん、この五年間という根拠は何ですか。聞かしてください。
○説明員(野尻栄典君) 私どもの方から積極的に御提案申し上げたのでなくて、こういうことで委員の先生方の御意見がまとまったということでございます。したがって、この根拠を私どもの方からお示しするというのはなかなかむずかしいと思いますけれども、私どもの方の当初の提案が、将来、共済年金の支給開始年齢が六十歳になった際に、六十五歳になったらすべて解除するということでいかがでしょうかということで、一応のたたき台としてお諮りした経緯がございますので、六十歳支給、六十五歳解除というその五年間を会長がとって、それでは有期の五年にしたらどうかというふうな御意見になったのではないかというふうに類推しております。
○佐藤三吾君 これはしかし、どうですか。私が言うように、五年に政令改正をやったわけですが、野尻さんのさっきの御報告では、一昨日の政令改正までに種々協議をしてやったということですが、これは公務員部長、ぼくらはこの問題を三年間取り上げてきているけれども、政令改正をやるまでに全然あなたから相談を受けていないですね、この問題は。まあ政令だから国会に諮る必要はないということだろうけれども、それならそれとして、たとえば何というのですか、私が国会なんかで主張をしてきたように、破廉恥罪なら別だけれども、少なくとも労働運動まで含めて生涯にわたるこういう措置はやめるべきだということで主張してきたんですが、そういうことにはなっていないのですね。ですから私は、恐らく地公審のこの緩和の議論というのはそこから出ておると思うのです、根っこは。どうなんですか。そういう答申はまだ出ていないようですけれども、少なくともそういう方向で意見がついて出るとすれば、それに基づいてこの問題をさらに検討すると、とりあえず五年にしてもさらに検討すると、こういうふうに受け取っていいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 懲戒処分者に対します年金の給付制限につきましては、先ほども大蔵省の方から御説明がありましたように、いろいろな角度からの議論があるわけでございます。一つには、こういった制度を設けておりますのは、共済年金制度は公的年金制度の一つではありますが、やはり公務員法、公務員制度の一環であるという性格をあわせ持っておると、こういう考え方からこのような給付制限の措置が講ぜられておるわけでございます。そういう立場からいたしますと、現在の給付制限の措置を全廃をするということについては問題があると、こういう御議論が審議会の中でもあったわけでございます。他方、いま先生が御質問の中でお示しになりましたような御議論も片方であるわけでございまして、それらの両者のいろいろな議論を審議会の場で検討され、そしてその結果といたしまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、給付制限を全くなくしてしまうことはまあ今回はいたしませんが、それを緩和すると、こういう方向で審議会に私どももお諮りをし、審議会としてそれでよかろうという結論になったわけでございます。 組合員を代表する委員の方々も、やむを得ないということでこの結論には賛成——賛成といいますか、同意をしていただいておるわけですが、ただ、将来の問題として、この問題についてさらに緩和あるいは廃止をする方向での検討を願いたいという一部委員の意見を申し述べておくと、こういう形で、それで審議会が閉じられたわけでございまして、審議会の結論としてはこれでよろしいというふうになっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 大臣も来たようですから大臣にもちょっと見解聞いておきたいと思いますが、これはもうずうっと大きな問題で、国会のたびに取り上げてきた問題が、御努力をいただいてようやく一昨日の閣議で政令が決定して、そうしていままで無期懲役が今度有期五年と、こういうことになったということは、一つの評価はします。しかし、私は一貫して主張しておったように、やっぱり破廉恥罪と労働運動における処分とを一緒にするということはけしからぬと、こういう観点で、少なくとも破廉恥罪は有期やむを得ないけれども、労働運動の問題をこの中に一緒くたにするということについては問題があるということを私は主張してきたわけです。この三年間ずうっと一貫して。きのうたまたま大蔵に行って野尻さんからお話を聞いたんですが、こういう経緯については、私はずっと一貫して取り上げてきたけれども、残念ながら公務員部長からは一言もそういう状況報告、御相談もなかった。まあそこはいいでしょう。政令だから国会の知ったこっちゃないという観点ならそれでいいでしょう。しかし、いずれにしても、私はやっぱり、私が主張してきた点が生かされていない、しかもそのことを更けて地共審の委員会、審議会の中でもまだ答申は出ていないようですけれども、意見としてはもっとそこら辺を緩和していかなきゃいかぬじゃないかという意見もあるようです。ぜひそこら辺を大事にしながら今後ともひとつ検討をしていただきたいと思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 佐藤さんの年来の主張が、満足じゃないけれども一部今度前進をしたわけでございまするから、これはこれでひとつ御理解を願って、今後はまだその方向というものを、これは自治省だけで片づく問題じゃありませんでほかのいろいろな関係があるわけでございまするから、その辺の調整をとりましてこれからもやっていこうと、こう思っておりまするので、この点はひとつ評価をしてもらいたいと思います。
○佐藤三吾君 一応評価はしておるんですから、そういう点は間違えないようにしていただきたいと思います。 そこで野尻さん、さっき報告があった中でちょっと気にかかる報告が一つございましたので聞いておきたいんですが、何ですか、共済年金基本問題研究会、こういうのが大蔵大臣の私設機関で昨年六月にできている。昨年六月にできてすでに十二回やっているということはかなり激しく議論しておるというような感じがするんですね。大体こういう審議会というのは、地方制度調査会じゃないけれども、一年もたたぬうちに十二回もやるというのは相当激しい議論をやっておると思うんですが、これは何をどうしようということで議論をしておるんですか。同時にまた、この問題についてはどういうめどを持って議論しておるんですか。中身をひとつ報告してください。
○説明員(野尻栄典君) この研究会、昨年の六月に設けさしていただきまして、現在まで十二回行っているわけでございますけれども、現在、共済年金各制度が国や地方あるいは公企体、それから私立学校、農林漁業団体というふうに五つの法律に分かれております。それぞれの法律に分かれている共済組合が抱えている問題にはかなり共通している面がございまして、それら共通した共済年金の基本問題についてその関係者が一堂に会して全体で議論していったらどうか、こういうような趣旨で開いているわけでございます。 その研究の主なテーマといたしましては、これからの年金財政を踏まえた職域年金制度としての共済年金のあり方、さらに砕いて申しますと、給付水準や給付要件がいまのままでいいのかどうか、こういった見直してございます。それが第一点。 それから第二点といたしましては、他の公的年金制度、たとえば民間で言えば厚生年金でございますが、そういう他の年金制度との整合性をこれからどういうふうに図っていったらいいのか。あるいはこれからの高齢化社会を迎えるに当たりましての各制度間との給付の調整、これらについてどういうふうに考えていったらいいのか。それが二つ目の大きなテーマでございます。 それから三番目といたしましては、御承知のように国鉄共済組合が非常に財政危機を迎えておりますけれども、この国鉄共済組合は、確かに制度は別、保険者も別ということではありましても、共済グループとしていままで同じような仕組みで運営されてきた、言って見れば兄弟の共済組合でございますから、その国鉄共済を含みましてこの年金財政をこれからどう立て直すのかということをみんなで一緒に考えてみようと、こういった財政問題、これが三つ目の大きなテーマでございます。 こういったテーマにつきまして、言ってみれば、大蔵省、自治省、運輸省等がすべて共同事務局的な形になりまして、学識経験者の皆さんにお集まりいただき議論を重ねているというわけでございます。 現在までの十二回のうち、当初数回は現在の共済年金制度の仕組みについての概論的なフリートーキングが行われてきております。最近は、国鉄共済問題について少し立ち入った検討を打っているわけでございます。こういった状況でございます。
○佐藤三吾君 どうもいま聞いていますと、一、二は一つの絡みで国鉄共済の問題をこういう場で議論しておるわけですか。そういうふうに受け取れるんですが、いまの説明を聞いてみると財政問題と。私はそれならそれでも結構なんですが、これは大体どういう、これから先のめどというのは五十九年に置いておるんですか。それともそういうめどはなしに、無期限に単なるディスカッション、こういう意味なのですか。これには地公関係も参加しておるのかしておらないのか、どうなんですか。
○説明員(野尻栄典君) この研究会の発足の際には、おおむね二カ年程度で御意見のおまとめをお願いしたいというふうに申し上げております。したがって、これで大体一年過ぎたわけですから、あと一年間くらいというふうに大まかには考えております。 国鉄の問題だけをやっているわけでございませんで、各共済グループごとに、たとえば地方公務員でございますと地方職員共済、公立学校共済それぞれの抱えている問題につきましても同じように出し合いまして議論を行っているというかっこうでございます。 構成している委員の先生方はほとんどが学識経験者ということでございますけれども、一応それぞれの共済のグループから推薦を受けた学識経験者が参加している、こういうようなかっこうでございます。
○佐藤三吾君 これは自治省はどういう見解なんですか、この問題について。
○政府委員(宮尾盤君) ただいま大蔵省の共済課長からお答えをいたしましたように、地方公務員共済制度につきましても、これは他の共済制度と共通する問題もありますし、また地方公務員共済が独自で抱えておる問題等もありますので、そういった点につきまして、この中で特に共通する共済制度の今後のあり方の問題あるいは財政問題、そういった点についていろいろな角度から研究をしていただく、こういうことになっておるわけでございます。
○佐藤三吾君 性格は大蔵大臣の私的な諮問機関と言わなかったですか。これは、基本問題研究会というのはどういう位置づけになるんですか。正規の共済問題全体を議論する、そういう意味で各省間の合意を得た機関なのかどうなんですか、いかがですか。
○説明員(野尻栄典君) 正式な審議会あるいは研究会といったようなものではございません。あくまでも事実上つくった機関でございます。ただ、こういうものを発足させるに当たりましては、関係各省との御連絡もした上で、大蔵省に置いてはございますけれども、形の上では大蔵大臣の私的な研究会というかっこうにはなっておりますけれども、運営といたしましては共済各省と御相談をしながら行っている、こういうことになっております。
○佐藤三吾君 どうもそこら辺が納得できぬのですがね。私にはこの問題は突然、こういう二年間という期間で、しかも年十二回というテンポでいっておるということになりますと、いま野尻さんが言うように、ことしもう一年間やってきたわけだからそろそろこれは仕上げに入らなきゃ二年間という期間にならぬわけですから。そういう段階まで自治省はこの問題については一体どう対応してきたのかということを、莫として何にも答えらしい答え出ませんね。やはり自治省としてもこういう問題があるならば、もっとそれこそ自治大臣の諮問機関的なものをつくって対応して協議していかなきゃ、根幹に触れる問題になるんじゃないかというような気がするんですが、そういうふうにとってないんですか。どうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 先生御承知のように、共済制度は、これは国共済、地共済等含めまして同じ仕組みや制度によっておるわけでございます。そういう意味で、この研究会は、先ほど申し上げましたようなテーマを中心に大蔵省に設置をされておりますけれども、今後、共済年金制度がどういうあり方でいくべきか、そういった点について共通してその研究を進めていかなきゃならない課題がたくさんございますので、そういう立場から、この研究会に自治省といたしましても事務的に参加といいますか、加わらせていただいておるわけでございます。 なお、先ほど大蔵省の方から御答弁がありましたように、この研究会の構成メンバーでございますけれども、それぞれの共済制度から代表的な方が参加をしていただいておりまして、地方公務員共済組合関係では地方職員共済組合の理事長の斎藤さんがこの中の委員に加わっておると、こういう状況になっておりまして、そういう意味で地方公務員共済制度が抱えておるいろいろな問題等についてもその中で十分議論をしていただけると、こういうふうに考えておるわけでございます。 なお、先ほども御答弁がありましたように、これは正式の審議会というようなものではございませんで、かねてからたくさんいろいろと議論があります共済年金制度について関係の方々に集まっていただいて研究をしようと、こういうものでございますので、その成果の状況を見ながら具体的にどういうふうにしていくのかという対策を考えていくべきものというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 私はなぜちょっと気になったか、大体正式じゃないと言いながらも、たとえばこの懲戒処分者の問題一つをとらえてみても、それから今回できました被扶養者の認定基準の問題、これも後で質問したいと思いますが、こういった問題等も抱えて、言うなら、ほとんど大蔵省の方で議論したのが、またここと相談しなきゃ何もできないという仕組みになっておるわけだね、自治省の一貫したいままでの態度というのは。しかも、言うならその一番親になるというか、大蔵大臣の私的機関とはいいますけれども、これが二年間の期限つきで、一年に十二回というテンポで議論をしておるということは、私はかえってまた、そこでまとまった案ができたら今度は地共済云々というかっこうになるんじゃないかという感じがしてならぬわけですよ。しかも、いま議論を聞いていますと、そこら辺が野尻さんの説明の中でよくわからぬのだけれども、どうも一の問題と二の問題、これなら私は素直に受け取るんですよ、そういう意味では。三がつくと、ちょっとどういう意味なのかというふうになるわけです。そこで、そういう意味で、この財源調整、プールとか、こういうのがちらちらしますから、そういう意味を込めておるのか何なのか、ここら辺の問題が私は気になってならぬわけですから、そこら辺もひとつ——提案者はあなただから、あなたはいいと思っているんだから、学者に議論させながらも、片一方頭の中ではちゃんとこういうふうにリードしていこうと思っていると思うんでね、そこら辺をずばっと言ってくれませんかね。そうすれば自治省の対応が私は問題になってくると思うんですが、どうなんですか、あるんなら言ってくださいよ、何をねらっているのか。
○説明員(野尻栄典君) 私、先生が言われるような、そういうようなことは全くございませんけれども、三の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、国鉄共済組合は単独で年金事業を維持できるのがあと三年か四年と、こう言われております。そうすると、この国鉄共済問題をどういうふうに解決するのかというのがわが国の将来の公的年金制度の解決の仕方の一つの手本になっていくというようなことがよく言われているわけでございます。国鉄の関係の方々からは、国鉄、専売、電電という三公社の共済組合と国家公務員の共済組合と、当面、この共済グループを統合一元化して将来の財政危機に対応したらどうかという意見がもうすでに公表されているわけでございます。また、ことしの四月から国鉄共済組合は財源率を千分の百七十七というかなり大きな掛金の引き上げを行いました。行いましたけれども、それでもあと四年しかもたない。そうすると、現役の保険料を将来給料の二割とか三割取らなければもうやっていけないというようなことが明らかになっておりますが、そんなような高額の保険料を、年金のためだけに給料の二割ぐらいの掛金を出すというようなことが現実にできるかといいますと、これまた非常にむずかしい話で、そういう問題を国鉄共済が抱えております。 私どもの国家公務員共済も二十年先を見ますといまの国鉄と同じ状況になります。それは長期推計ですでに一昨年から公表しております。私どもも同じ状況に二十年先にはなります。そういうように、各グループがそれぞれ将来を展望したときには、やはり何といいますか、楽観的な見通しというのがほとんどない。そういう国鉄の問題を間近に見ながら全体でどういうふうに持っていったらいいのかということをお互いに真剣に検討しようではないかというのがこの三番の国鉄共済を含む年金財政の問題と、こういうことでございます。具体的に統合とか財政調整とかいう話はいまのところまだ出ておりません。国鉄の関係者からはそういう希望が述べられていることは事実でございますけれども、そこに向かって突き進むためにその研究会を設けていると、そういうようなこととは私どもは考えておりません。
○佐藤三吾君 私は、希望だけ言っておきますが、全的統一というのはわからぬことはありませんよ。厚生年金も国民年金も共済も一本にして国民の権利義務をきちっと平等にすべきだ、公平にすべきじゃないかと、いま非常に強いこういう議論がございますから、そういう意味で、この一、二の問題を含めて議論をするというなら、共済関係だけ集まるというのも一つのおかしな問題です。それから二段階論というのもありますわね、一部の意見に。そういったものもあるでしょう。しかし、もう一つの問題として、いやそうじゃない、当面いま国鉄問題が大変だと、そこで、あなたさっきおっしゃったように、ひとつ三公社と国家公務員を含めて一つのグループで当面の措置を議論し合おうと、こういう議論はわかるんですよ。そこで今度は地共済まで入って、地方公務員共済まで入って一緒になってやるということになるとどうも意味合いがわからなくなる、こういう感じがしておるものですから私ちょっとしつこく聞いたんですが、まあ昼の時間が来たようでございますから、一応ここで中断します。いまの私の考えだけ聞いておいてください。
○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩以前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 先ほど、冒頭に大臣に三つほど聞きたいと思っていたんですが、ちょうど大臣が内閣委員会の方に行かれたようでございますから、ちょっと詳細に入る前に、緊急な問題として二、三聞いておきたいと思うんですが、一つは、自民党の議員立法ということで、新幹線整備五線の法律がきょう衆議院を上がって参議院に来る、こういうことになっておるわけですが、この問題は、地方自治と深くかかわり合う重大な法案だと私は見ておるわけです。ところが、衆議院の方は地行との連合審査も何もしないままやられてきておるという経緯もあるようですけれども、この問題について、大臣として、大変な地方負担を前提とした法案ですけれども、一体どういう見解を持ってどう対処しておるのか。この法案に対する大臣の考え方をまず聞いておきたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 新幹線の今回の議員立法の趣旨は、新幹線を通すについて地元と——府県、市町村でありましょうが、話し合いをする、そういう道を開くんだというふうに自治省としては理解をしております。そういう話し合いをすることは可能であるということの立法である、そういうふうに理解をしているわけでございます。この点は、この間衆議院の運輸委員会においても、そういう趣旨を私は述べておきました。 そこで、いろいろ思惑もあるだろうと思うんです。一説によりますと、三分の一は地元で持つんだとか、国は三分の二だとか、そういうような話も、確定的なものじゃありませんけれども、そういう動きも全然ないわけではない。地方財政の立場、地方の立場から申しますと、私はああした新幹線のようなものはナショナルプロジェクトでありますから、これは国でやるべき問題である。地方が負担するというようなことは適当じゃないというふうに私は考えております。 そこで、議員立法というものが仮に成立をいたしたという場合に、いろいろ地方団体の思惑も出てくるでしょう。そこで地元でも何がしかの負担をするというような話が出てこないでもなかろうと思います。そういう場合に、えてして、これは交付税の中から出してくれという議論だって出ないわけのものじゃないだろうと思います。この点はあらかじめはっきり明言しておきましたが、交付税の対象じゃないと。自治省といたしましては、交付税でもってこの財源を措置する考えはない。したがって、各地方団体が交付税等を考えないで何かいろいろ工夫をすれば、それはまあ自治省としてもそう強く関与すべき問題でもないし、そこはいろいろ各県の思惑もあるだろうと思うんです。したがって自治省は、交付税その他特別にこの問題についての財源措置をする考えはありませんと、こういうことをこの間の衆議院の運輸委員会においては申し述べておいたわけでございます。 自治省といたしましては、そういう方針でこれに対処していこうと思っております。
○佐藤三吾君 これは野党が出した議員立法じゃないんです。与党が出した議員立法ですね。与党がこの法案をまとめる際に、自治大臣としてはこの問題についての意見、それからいま申し上げたような地方自治体の立場——なぜ私は言うかといいますと、これは当然財政再建法の改正を伴ってくると思うんですね。そうでしょう。そういう問題等についての大臣の意見なり対応というのはなかったんですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 与党内で論議されました際も、いま私が申し上げましたような、そういうふうに理解をすると、こういうことではっきり発言をしております。
○佐藤三吾君 そうすると、あれはもうはっきり三分の一が地元自治体負担になっていますよね。自治体負担を目標にしていますよ、なっていますと言うと悪いけれども。それに対して交付税はこれは使っちゃならぬということで、これはもう全然許さない。それから、そのほかでもしできれば云々といういま話があったんですが、財政再建法の関係はどういうふうに態度を表明しておりますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) ただいま提出されております議員立法による新幹線整備法の改正案でございますが、改正案の内容を見ますと、国鉄あるいは鉄道建設公団に対して地方公共団体が補助金等を交付することができるという規定でございます。再建法の二十四条二項におきましては、地方公共団体は、一定の団体——公社、公団等に対しまして、寄付金とか、あるいは法令によらない負担金——「これらに類するもの」ということですが、これを支出してはならないという規定でございます。したがいまして、いままでの新幹線整備法でございますと、この二十四条二項の規定に抵触をするいうことになるわけでございますが、いま提出されております法案では、整備法上負担をすることができるという、根拠を与えるという内容でございますから、先ほども申し上げました二十四条二項の中の、法令によらない負担金ということにはならない。そういう意味で、再建法の特例と申しますか、直接には抵触をしないという形の内容となっております。
○佐藤三吾君 そうすると、今度は法令をつくるわけだから、その場合には財政再建法と対立しないというような説明だと思うんですが、基本的に自治省としては、この法案についてはあってしかるべきだと、賛成だと、こういうことですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 先ほど大臣からお答えを申し上げたとおりでございますが、自治省といたしましては、新幹線というものはこれは国土全体の交通ネットワークとして最も基幹的な事業でございます。従来から日本国有鉄道なり、あるいは鉄道建設公団の負担において行ってきたものでございます。また、現在の国、地方の事務配分なり、あるいは財源配分のたてまえから申しましても、今後の建設についても、国なり国鉄なり、あるいは鉄建公団が負担をして行うべきものだと、こういうぐあいに考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 大臣どうなんですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 最初に申し上げましたとおりに、こういう問題は、これは国の一つの基本的な施設でございますから、だから国自身の力によって建設するというのが常道だろうと、こう思うんです。ところが、最近の情勢を見ますと、新幹線に対する熱望は非常に強い。しかし、国の方はなかなか財源がない。したがって、ある二部の地方団体等におきましては、まあどの程度のことかはわかりませんけれども、若干のことはおれの方で考えてもいいからひとつやってくれぬかという空気だって相当強くなっていることも事実でございます。 その間に立ちまして自治省としては、やはり基本的にはこれは国の政策と申しますかナショナルプロジェクトであるから、これは国でやるべきだろうという本筋論はいたしておりますけれども、そうした実際の動きを考えますと、いま申しましたとおりに交付税でございますとかその他の財源措置を講じない。しかし、地方団体としていろいろ工夫をして何がしかの協力をするという場合までこれは絶対いかぬと言うわけにもいかぬだろう。まあこういうことで党として結論を出しましたので、以上の二、三点を私としてははっきり話しまして、その方針を決められたと、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 ぼくはね大臣、さきに交付税の審議がありました中でも明らかにされておりますように、地方自治体が大変な借金財政。そういう中であって、本来、国の分野と地方の分野と見ましても、いままでの既応の新幹線の実態から見ても、当然国もしくは鉄建公団、国鉄がやる事項であって、借金財政の中で地方自治体にそこまで——交付税はだめだとこう言っておるのです。そのほかで財源ができるはずがない。この五線の関係団体見てみなさい。常識で考えたって、負担ができないことはわかり切っていることなんです。こういう問題に対して、やっぱり自治大臣として見解をきちっと当初にすべきだと私は思うのです。 ところが、与党である自民党が議員立法でこういう法案を出してくるのに対して、そういう感覚では問題があると私は思うのです。大臣が交付税の説明の際に言っておったことは全部、実態から見てもそんなことはできっこないじゃないですか。そういう点をあなたが十分承知しながら、そこら辺を明確にしないというのは何か意味があるんですか。どうですか、
○国務大臣(安孫子藤吉君) 格別の意味はございません。繰り返すようでありますけれども、地方団体といたしまして、やはり新幹線を通すことについて話し合いをしていく。その際に、恐らく何がしかひとつやってくれと、こういう話も出てくるんだろうと思うのですね。それは、自治省では交付税その他の財源措置は格別見ませんよと。そういたしますと、地方団体としてはそのほかの何か工夫をすることになるのじゃなかろうか。まあ実際からいえば工夫する余地なんというものはほとんどないと私は思いますけれども、各県各県の状況もございまするし、また各県の責任者にも、じゃあぜひそれでやってくれと、こういうような空気も相当あるわけでございます。その点で、自治省の一存だけで、条件ははっきりしておきましたけれども、特別立法について、最後までそれは絶対いかぬものであると言うわけにはなかなかいきかねる。しかし、その際に自治省としての立場だけははっきりしておく、こういうことによって党としては決められたものです。
○佐藤三吾君 私は、これをずっと追及する意味ではないですがね。しかし、いまたてまえというか表通りの議論についてはあなたの意見は私は理解しないわけではない。しかしだれが考えても、先ほど上がった交付税法の議論を通じて見ても、自治体で交付税をさておいて負担ができるというしろものでないことは常識的じゃないですかね。そういうむちゃな法案の場合には、やはり自治大臣としてきちっと明確な態度を表明するのが私はしかるべきだと思う。それでなくて、ひょっとすればあなたは自治体で交付税以外の何かできる余地があるというふうに本当に思っておるんですか。そういう前提に立てば別ですよ。しかしそうでないということはもうあなた自身がわかり切っておるはずです。にもかかわらず与党である——野党ではないので、与党であるこういう法案の提起について、やっぱりあなた自身がきちっとしないところに私は問題があるのじゃないかと思うので、そこら辺は今後どうするのか。そこら辺を含めて、あなたの決意をひとつ聞いておきたいと思う。
○国務大臣(安孫子藤吉君) この問題の経緯から申し上げますと、まあ関係県の一部においては、やはりそれは何がしか自分のところにも考える余地もあるから、だからひとつぜひそういう方向をとってくれと、こういう意見の開陳もないわけではなかったわけであります。自治省といたしまして、各県の財政状況というものは知悉をいたしております。したがって、そういう力は各県にはないはずだと私は思っております。しかしながら、各県にはわれわれの知らないいろいろな財源調達の方法だって全然ないんだということも——自治体の責任者がそういうことを言う以上はあるいは目安があるのかもしれません。そこまでは突き詰めておりません。 しかし、ともいたしますればこれはそういうことで交付税その他に追い込んでくるという危険性だってありますから、それは絶対だめですよということだけははっきりさせておいて、後は地方の団体の責任者が交渉の過程において工夫をするというようなことにならざるを得ないだろうと、そういうことでございます。方向だけははっきりさせておいての、その点を十分了承した上での今回の提案であると、こういうふうに考えております。
○佐藤三吾君 大体わかりましたが、いずれにしてもこの法案は私は通ると思っていませんし廃案になるだろうと思いますがね。しかし仮に廃案になっても、また次の国会に出てこないとも限らない、そういう問題ですから、私はやっぱり単に回りくどく議論をするんじゃなくて、実態見ればわかるわけだから、交付税だけは出さぬのだと、こういうことじゃなくて、少なくとも関係自治体と話し合っても結構でしょう、そんなむちゃな法案についてはきちっとする、と、やっぱりこういう態度を今後はひとつ自治大臣としての見識の中で明らかにしていただきたいということを注文しておきたいと思います。 そこで第二番目に、同和の問題について聞いておきたいんですが、両院の内閣委員会に同和問題小委員会ができましたですね。御承知のとおりに今国会の予算委員会では、総理は、八月の予算集約までに態度を決めたいと。いわゆるこの特別措置法の継続強化をするかどうかですね。こういう委員会答弁をしております。また私も三十一日だったですか、予算の分科会で中山長官とこの問題やりとりしたんですが、残事業もこれあり、この問題については何とかひとつ「理想に向かって」という表現だったんですが、いずれにしても、早急に結論を出してしないと地方自治体が大変困っておる、こういうふうに承っておると、こういうお話もございました。したがって、早急に態度を決めたいということを言っておるわけです。 まさしくいま残事業の問題というのは、各自治体でこの法案の成り行きを含めて非常に心配もし、注目もし、陳情も来ております。さっき通りました交付税法に対する陳情は一つも来ない、早く上げてくれという。ところがこれは、もう三月から引き続き何とかひとつしてくれという自治体側の陳情が来ています。そういう問題について自治大臣としてどういう見解を持っておるのか。総理が八月までに結論を出すと言うのだけれども、それに対して自治大臣としては、残事業とのかかわりもあるのでこの際ひとつ継続強化をする、こういう観点に立ってやるのかどうなのか、ここを聞きたいのです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) まあ同和の問題は、私が言うまでもありませんが、総理府でもってその結論を出す、そういったてまえになっておるわけでございます。 地方の実情から申しますと、残事業も相当多いということは私も承知をいたしております。それからまた、この間政府招集の知事会議におきましても、数県の知事からその点の発言もございました。私といたしまして、今後総理府において各省の協議のもとにおいて、この問題の結論を出す際には、そうした地方の声だけは十分に反映をさしていきたいと、こう思っております。
○佐藤三吾君 地方の声を反映するという態度は、自治大臣としては特別措置法については継続強化をしてもらいたいと、こういう方向で閣内においての努力をすると、こういうふうに理解していいんですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 結論は、各府県知事も強くこのことを希望しておりますから、私といたしましてはそういう意見を反映をしていくと、まあ結論はそういうことになるだろうと思います。
○佐藤三吾君 継続強化するということですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 結局、おまえは賛成であるかどうかと、こういうことで、おまえは賛成という回答をひとつこの際言えと、こういうことが本当の質問の趣旨だろうと思います。 それはいろいろな関係がありますから、これは総理府において全般的の状況については判断をせざるを得ないだろうと思いますが、地方自治体の要望から申しますと、残事業も多いからぜひこれをひとつ継続するようにしてくれと、こういう要望が非常に強いわけでございますもので、そのことだけは十分反映をさしていきたいと、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 何も余り人の悪いようなとり方をせぬで、素直にとっていただきたいと思う。 私のいま言うように、自治体ではいま一番この問題が、何というのですか、焦点の一つになっていることは間違いない。ですから、そういったわけで、大臣の気持ちはわかりました。ぜひひとつそういう観点でこの問題の八月決定に向けて地方の期待にこたえるように御努力をお願いしておきたいと思います。 そこで、次の問題で、行政改革について、さっき大臣が言われましたように、五月二十三日の知事会、大変な意見が出ておりますね。それから同日財界の方からまた意見書が出されている。そこで、知事会の意見は、大臣が日ごろ主張しておりますように、また、この委員会でも議論が出ておりますように、この際、単なる財政再建という行政改革でなくて、第十七次地方制度調査会が答申しておるように、いわゆる国と自治体の事務の再配分を含めて、財源を含めて、きちっとすべきである。さらに、それに伴って、許認可の地方に移譲できる分については大幅に移譲していく。こういう地方分権、自治という観点からこの問題が集約されておるようにあると思うのですね。そういう立場を大臣は、私は堅持をしておると思うのでありますが、であるなら、財界から出された意見書、この中では、地方交付税にまで見直しをすべきであるとか、さらに最近の中曽根長官の発言等を見ると、地方公務員の給与から定員まで議論すべきだと、こういうことで、これはまあ十一項目というのが当面の措置として議論になっておるというんですが、十一項目があるのかないのか中身はわかりませんけれども、その中にもそういう所要の措置が入れられておるというように聞いておるわけですけれども、こういった問題について、大臣はどういう見解を持って第二臨調並びにこの行政改革に対処しておるのか。これは私は先般も質問をしましたけれども、なかなかあなたの言うような考え方が音になって出てこない。もごもごどこかで言いよるようだと思うんだけれども、それが音になって出てこないところを見ると、言っていないのかどうなのかという危惧を持つんですけれども、この辺について見解をしかと聞いておきたいと思うのです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 第二臨調発足の当時に、一体地方の問題をどう扱うかという問題も相当論議された問題であります。地方制度調査会というものがあるんだからそれでいいじゃないか、地方の問題はカットしてもいいじゃないかという議論もあったのは事実でございます。しかし、考えてみますと、地方と中央との関係というものは非常に関係が深いわけでございまするから、やはり中央の制度を論議する場合に地方の問題をカットして議論するということは現実的じゃないと私も思うのであります。したがって、第二臨調において地方の問題も扱うということについては私は賛意を表しているわけでございます。 しかしながら、これが地方自治の本旨というものにそぐわないような、そうした答申であっては困るわけでございます。地方の問題については地方制度調査会において累次にわたる答申も得ているわけでございまして、大体その辺に尽きておるわけでございますが、これがなかなか実現をしない。それは中央との関係において実現をしないわけでございますが、それをこの第二臨調の際にある程度の解決をするということも一つの前進の方向じゃなかろうかとも私は考えておるわけでございます。 そこで、第二臨調においていろいろ論議が行われておる。論議でございまするから、いろんな意見が出ることは私は当然だろうと思いますが、究極いたしますところ、この答申については地方の自治というものを十分に尊重をして、その線に反しないような答申であるべきである、こういうことについては強く主張しておるわけでございまして、これは中曽根長官だって十分承知をしておることであります。いま論議の過程でございまするから何とも言えませんけれども、最終的にはそうした答申が得られるものだろうと思っておるわけであります。 なおまた、地方制度調査会の会長だって臨調の有力な委員としておるわけでございまするから、その辺の調整については十分配慮をされるものだろうと私は思っております。しかし、その答申というものがどういう形になるかいまのところ判明いたさないわけでございまするが、しかし答申を作成するに当たっては、地方自治の本旨にそぐわないような形でやってもらってはいかぬということだけは強く申し入れをいたしており、また行政管理庁と自治省との間の話し合いにおきましてもその点は十分尊重をしていきますというようなことにもなっておりまするから、今後その経過を見ていきたい、こう思っておるところでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、かつてもう結論が出ておりますところの地方事務官の問題ですね、これは臨調の前に結論を出そうとしておるのですか、それとも臨調の中でやろうとしておるのか。 それから大平さんのときに当時の行管庁長官がまとめましたですね。あのときに、たとえば県段階の国の出先機関の整理統合については、当時の日程で言うと昨年の六月までに結論を出すということになっていた。この問題がまだそのままずっと、大平さんがなくなってからさておきになっておるんですが、ここら辺の問題については自治省としてはどう対処しておるのですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方事務官の問題は長い経過がありまして、これは閣議了解でもってひとつはっきりさせるということになっておるわけでございますが、なかなかこの問題の解決というものは困難をきわめておりまして、一部は解決いたしましたけれども、大部分のものは未解決に終わっておるのが現状でございます。 先ほど、午前中に内閣委員会におきましてもその問題の質問がございました。それで私は、大変長い経過をたどっていまだに未解決のこの問題は、せめて第二臨調の過程において、これは地方と国との関係をやはり取り扱うわけでございまするから、こうした問題もはっきりさせるべきではないか、私どもはそれを期待し、強く要望しておるんですという答えをしておきましたが、これに対して、行管庁長官も同席しておりまして、行管庁長官に対して再度その質問がありましたが、その線で第二臨調としてはひとつ措置をするように努力いたしますというお話でございましたので、それに私は期待をいたしております。 それから、出先機関の問題でございまするけれども、いまの行管の方向から申しますと、当面のところは歳入、歳出のバランスという問題に力点を置いておるのであって、そうした機構的な問題についてはその次の段階にというのが大体の方向のようでございまするが、しかしこれは先般の知事会でも話がございましたとおりに、そういうものをさておいて歳入、歳出の問題で扱うのはどうであろうかという批判もあったわけでございます。同時並行的にこの問題は扱ってもらわにゃならぬ、こう思います。しかしながら、事の順序から申しますと、歳入、歳出の方に重点がかかりまして、機構の問題というのはその次の段階になる状況にあることは私もそういうふうに思っておりますが、しかし、同時並行的にはこの問題をやはり論議されてしかるべきだろう、こう考えておるところであります。
○佐藤三吾君 もう時間の関係ありますからそう長くしませんが、私は、地方自治法の改正ですね、これを大臣が四月三十日に断念をした、これこそが言うなれば行革の前途を占うに値する内容だったと思うんですね。ところが、結果的にそれを断念している。いま聞いてみますと、地方にとって一番問題な行政改革の焦点である部分は先送り先送りされるような感じがするんですね。いわゆる県段階の国の出先機関の問題の処理にしましても、地方事務官制度の問題にしましても、これだけ三十数年も当分の間というばかげた実態であるということについて、これは常識的に考えればもうすぐ結論の出る問題が先送りされて、そしていまあなたがおっしゃったように、当面の焦点は歳入、歳出だ、こういうかっこうになってくると、いわゆる行政改革の一番骨である国と地方との事務の再配分、財源の再配分という問題は、またこれはこの二年間を通じての行政改革から取り残されて、依然としていまの体制を強化していく、こういうかっこうになりかねぬような気がしてならぬわけです。そういう意味では、まさに私は剣が峰に立つような気持ちで自治大臣がやっぱり対処していかないと、不退転の決意でやっていかないと、これはいまのあなたのような情勢感覚からいくと押し切られてしまう。行政改革は意味のない、単なる財政赤字を国のサイドからどうするかという問題でやられかねない、もう非常にいびつな方向にやられていく危険性を私は強く感ずるわけですけれども、もう一遍この問題について大臣の——もうあと二カ月が一つの勝負でしょう、第一の。どう具体的にするのか、決意だけ聞いて次に移りたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 繰り返すようでありますけれども、地方の問題を今回の第二臨調において取り扱うについては、国との関係というものが非常に複雑多岐にわたり、しかもそれが非能率的でもあるし、合理的でない面が非常に多い、その観点から、地方自治の本旨を阻害しない範囲内においてこの問題の調整をやってもらわにゃいかぬ、こういうことで地方の問題も扱うことになっておるわけでございまするから、いまるるお話のありました各般の問題については、その範疇に属するものだろうと思うんです。制度の問題がそうでございます。歳入、歳出の問題を扱うにいたしましても、論議を進めてまいりますれば、単に歳入、歳出だけで済むものではありませんで、やはりその制度自体にも論議が触れなければ問題は解決しないと思っております。今後の第二臨調の進行の経過によりますけれども、私はそういうふうに考えておるわけであります。 そこで、この答申なりあるいはその後の働きというものが地方自治の本旨に反するようなそうした方向に進んでいく場合には、私としても強い意見の開陳をしなくちゃならぬと、こう思っているところです。
○佐藤三吾君 ぜひひとつその点をお願いしておきたいと思います。 そこで、話がまた午前中に戻りますが、被扶養者の認定基準の引き上げが今年の四月に改善されておりますね。これは具体的にはどういうふうに改善されたのか。私が聞きますと、何か二通りの枠をつくったというふうに聞いておるんですが、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 被扶養者の認定基準の取り扱いの問題でございますが、地方公務員共済組合制度におきます被扶養者の認定基準の収入限度額につきましては、所得税法での控除対象の配偶者の収入限度額が、本年、昭和五十六年分から七十九万円に引き上げられたわけでございまして、従来七十万円であったものが七十九万円に引き上げられた、こういうことを考慮をいたしまして、共済制度におきましても本年の五月一日から八十万円に引き上げるということにいたしておるわけでございます。 なお、被扶養者の認定の弾力的運用といたしまして、特に障害年金あるいは廃疾年金の受給者またはその収入の中に年金収入を含む六十五歳以上の老年者につきましては、収入限度額は百二十万円とすると、こういう特例を設けることにいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 これに対する地公審の意見、答申はどういうことなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員共済制度審議会にもこの点はお諮りをいたしましたが、これについて、その措置を行うべきであるということで同意をいただいております。
○佐藤三吾君 障害者、廃疾、それから年金の受給者の六十五歳以上と、こういう説明だったんですけれども、この八十万というのが一般的ですよね。私は、百二十万というのは月十万ですからわからぬことはない、いまの状態の中で。しかし、八十万というのは余りにも私は非現実的な額じゃないかと思うんですけれども、どうしてこれが百二十万に統一できなかったんですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは佐藤先生も御存じのように、この被扶養者の認定につきましては、所得税の取り扱いあるいは給与法での取り扱い、これに準じて行うと、こういうことになっておるわけでございます。そういうことから、これまで所得税法上の取り扱いも七十万で据え置かれてきたために共済制度上の被扶養者の認定基準が七十万で行われてまいっておりまして、これを引き上げるべきではないかという御議論がたびたびあったわけでございます。今回、先ほど申し上げましたように、五十六年分から所得税法の取り扱いが改正をされましたので、私どももその共済の制度の上でも七十万円を八十万ということにいたしまして、本年の五月一日からそういう取り扱いをしていくと、こういうふうにいたしているわけでございます。
○佐藤三吾君 人数は、新制度でどの程度の救済になるんですか、各共済は。
○政府委員(宮尾盤君) これでどれだけの方が救済されるかということについては、ちょっとそういう資料がございませんので、不明でございます。
○佐藤三吾君 たとえば私が去年ですか取り上げた高知の、年金受給の両親、六十五歳以上の人ですよね、それが結果的に七十万にひっかかっちゃって、年金は上がっていくものですから、したがって扶養家族から外されて、国民健康保険ですか、ということになるということで大変問題があって、たしかこの委員会で取り上げたと思うんですけれども、そういった方々は今度はこういう新制度になって救済になるわけですね。そうなればこれらの方々については当然これはさかのぼってまた国民健康保険から戻るということになるわけですか。どうなんです。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
○政府委員(宮尾盤君) 八十万円というその認定基準を過去にさかのぼって適用するということはできないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、本年の五月一日以降の取り扱いということになるわけでございます。
○佐藤三吾君 いや、この百二十万というのはまさに新設でしょう、今度。八十万は確かにいままで七十万だったのが八十万になったんだけれども、いま申し上げるのは、この新設の百二十万の口の該当者、両親、この人については、当然現行の百二十万の口に入るわけだ。入る場合にはまた国民健康保険から戻ると、こういうことで理解していいんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 五月の一日の段階で、先ほどの百二十万の対象になる方々の所得が百二十万になれば、いままで健康保険制度で行っていた人たちが共済制度の方の被扶養者として認定されることになるわけでございます。そういう意味では先生のおっしゃるとおりでございます。
○佐藤三吾君 そうすると、私の言うように、戻ることができるんですね。——わかりました。ぜひひとつそういう意味で、私が気遣うのは、さっきあなたが第一回に答弁したように、五月一日以降でなきゃだめだということで、過去にこういう問題が起こった方で、いわゆるこの百二十万に該当する方々について出てくると思いますから、そこら辺はひとつ運営について遺漏のないようにぜひお願いしておきたいと思います。よろしいですか。 それから次に、寡婦年金の問題で、この法案の中に引き上げが出されているわけですが、これは実施時期はどうなるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 本年の四月からといたしております。
○佐藤三吾君 そうしますと、厚生年金と対比すると六ヵ月間この引き上げがおくれると、そう理解せざるを得ぬのですがね。これは私、十一月の十三日ですか、去年の臨時国会の際の法案審議で、当時は石破自治大臣だったんですけれども、そういう感じがしましたから、この問題については遡及支給をして厚年と同時に引き上げる措置をとるべきだと、こう大臣に追及したんですが、石破大臣も、私もそう思うと。しかし大臣が立つときには、何か石破大臣の答弁のときにはいつも事務局が、公務員部長が横におって、原稿を書いてそれを読み上げる式の答弁だったんですね。その答弁の中で、事務当局とも十分相談した上での答えですと断って答弁したんです。そうして、厚生年金の実施時期にさかのぼるよう検討を加えて成案を得たい、こういうふうに議事録に残っておるわけです。大臣は約束されておるわけです。それがどうして六ヵ月の延期になるのか。——これは大臣に聞きましょうか、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 昨年の寡婦加算の取り扱いについての御質疑と答弁の経緯があったわけでございますが、そのときの大臣の答弁といたしましては、「厚生年金の改善時期にまでさかのぼるという問題も含めて検討し、成案が得られれば次期国会に提案いたしたいと考えております。」と、こういうふうに御答弁を申し上げておるわけでございます。これはそういうことで、厚生年金との改善時期のずれについて、さかのぼることについて検討を私どももいろいろいたしました。これはもちろん地方公務員共済組合制度だけで解決できる問題ではございませんので、関係の省庁ともいろいろ相談をし検討をいたしたわけでございますが、結果といたしまして、先ほどお答えを申し上げましたように、そこまでさかのぼることについては問題があるということで、五十六年度から実施をする、こういうことにいたさざるを得なかったわけでございます。 それで、なぜそういうことかということでございますが、昨年厚生年金法の改正案が出ました際に、これは先生も十分御承知のことでございますが、大幅な寡婦加算の引き上げ措置に関連をいたしまして、四十歳未満のいわゆる子なし妻については、これは遺族年金の支給対象としない、こういう新たな措置を織り込むことといたしておったわけでございます。そこで、いわゆる四十歳未満の子なし妻についてそういう扱いをすることについては、これは地方公務員共済組合審議会からの答申でも、非常にこれは検討を要する問題であるので、この際寡婦加算の引き上げについては見送るべきであると、こういうことで実は見送った経緯があります。そして、その後厚生年金法につきましては寡婦加算の引き上げは行われたわけでございますが、いわゆるそれとペアとなっておりました四十歳未満の子なし若妻について支給対象としない、遺族年金の支給対象としない、この措置は国会修正で削除されまして、引き上げたけが通ったと、こういう経緯があったわけでございます。 私どもといたしましては、そういう経緯を踏まえて、共済年金でこの寡婦加算の引き上げをどういうふうにするのか、それから厚生年金との整合性というものをどうするのか、こういうことをいろいろと検討をいたしたわけでございますが、結論といたしましては、やはりこういった制度の改正を行うことにつきましては、さかのぼって行うということは、そういう事例がないといいますか、きわめて乏しいことと、それから仮にさかのぼるということになりますと、これは厚生年金でもそういう措置を講じておるわけでございますが、併給調整措置の問題が出てまいります。遺族年金と本人の退職年金あるいは老齢年金とが併給されている、こういう場合にはさかのぼって寡婦加算額について減額措置を講じなければならない、そういった既得権に対する関係の問題が出てまいります。こういうことから、今回の寡婦加算の引き上げにつきましては、本年、五十六年から実施をする、こういうことにせざるを得ない、こういう結論によりまして、審議会にもお諮りをし、こういった措置をとることにいたしておるわけでございます。 そういった事情にありますので、御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○佐藤三吾君 私は、たしか去年の五月十三日だったと思いますが、共済法の審議の際に、確かに原案は四十歳未満の子なし妻の問題言っておりましたね、それが引っかかっておったから地共審の答申も、見合わしたわけですね。しかし、これはもうそのときの情勢としては修正、厚生省もそれに応ずるという態度を明らかにとったときの委員会ですよ。ですから恐らくこれはなくなるだろう。削除と。そうすると地方公務員共済に係る人たちだけがこのまますると置き去りになる危険性があるということで、たしか五月のこの委員会で私は追及したんです。したがってそこら辺を事務当局としてきちんとよく情勢をつかんで、そして他の共済年金者と差が出ないようにしなければいけませんよということを言っておったわけです。そうして、しかもそれがいよいよ十月段階だったと思いますが、厚年が修正が決まりました。それを受けた十一月十三日の参議院のこの委員会の中の審議で、こういうふうに厚年が決まった、直ちにこれに対応しなきゃならぬ、こういうことになるから、そこに差が出ないように所要の措置をとりなさいよというのがこの議事録に載っておる私の質問であり、大臣の答弁だったと思うんですよ。 ですから、こういう経緯から見ると、私はむしろ十一月の本法の改正案の際に直ちに対応しなさいということで去年の五月に言ったわけです。ところが、なおかつそれがあなたの方が、もう修正をするという見通しが明らかなのにかかわらず、十一月の法案改正に出てなかった。なかったから私はそういう質問をしたんですけれども、それに対する大臣答弁が、いまあなたがおっしゃったように厚生年金の改善時期までさかのぼるという問題も含めて検討して、成案が得られれば次期国会に提案しますということを答えているわけです。確かに遡及するということがこういう種類の場合には非常にむずかしいことはわからぬことはない。しかし、だからといって、差額が何ぼになりますか、約六万何ぼになるんじゃないですか、六ヵ月で。こういう寡婦の皆さんにとってはきわめて貴重な差額支給が措置されないということについては何としても私はやりきれない。事務当局の手落ちということだけでは済まされないものがあると思うんです。 ですから、大ざっぱで恐縮なんですけれども、たとえば一時金とか——このままいけばもう永久にその差はもらえないわけですね。そうでしょう。その分今度は逆に上乗せしたというわけじゃないんですからね。だから、結果的には貴重な年金が事務当局の手落ちというか、まずさのために出てこないということになるということは、私はやりきれぬと思うので、たとえば一時金とか、何らかの方法があるのじゃないかと思うんですが、これは一体大臣どう思いますか。どう考えますか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほどもお答えをいたしましたように、昨年の十一月の当委員会におきまして、佐藤先生から厚生年金の支給時期と合わせてやれないかという強い御要望があったことは確かでございます。それに対して大臣からの御答弁といたしまして、そういうさかのぼる問題も含めて検討はいたしますと、こういうことは申し上げておりますけれども、それをお約束をしているというふうに私は理解をいたしておらないわけでございます。 ただ、御指摘のような点についての議論というものは十分しておかなければいけない問題でありますので、地方公務員共済制度だけの問題ではありませんし、国家公務員共済、それ以外の共済制度と共通問題でありますので、そういうところでもこの問題を提起をいたしまして検討いたしたわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、それまでのいろいろな経緯があるということと、それから仮に、これも先ほど申し上げましたが、実施時期を厚生年金等に合わせて行うということになりますと、十一月から本年まで、四月までの間に本人が退職年金あるいは老齢年金等を受けておる場合には給付調整措置までさかのぼらざるを得ないことになるわけでございます。そうなりますと、すでに裁定が終わっております方についてもその分を減額をしなければならないということになりまして、既得権との関係でいろいろな問題が出てくる、こういうようなこともございまして、これまでの共済制度におきますいろいろな支給改善の措置は将来にわたって行うのが一般的なやり方でございますので、さかのぼる問題はできないと、こういう結論に達したわけでございます。 そういう意味合いから、厚生年金の受給者との関係におきましてはこの寡婦加算額について差がその間できておることは確かでございますけれども、ぜひそういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○佐藤三吾君 くどいようですけれども、本人たちに何か問題があったとか、国会の審議がおくれたからやむを得なかったとか、そういう問題じゃないんですよね、この問題は。あなたの方が、政府原案がもう修正するという、修正に応ずるということを昨年の五月の段階では厚生大臣が国会で答弁しておるんです、いわゆる四十歳以下の子なし妻については削除するということについて。そういう前提で私は昨年五月に直ちに、もう間違いないから——結果的にその修正がまとまったのは十月ですよ。十月だけれども、五月の段階でそこら辺が新聞発表に出ているわけです。だから、そういう情勢にあるから、そこら辺に遺漏のない措置をとるべきだということを追及しておるわけです。そうして十一月の臨時国会における法案審議の際に、そこだけまだ修正していない。もう一方の厚年の方は修正終わっているのに、十一月に出してきた法案ではまた九十国会と同じ法案を出してきている。 ですから私は、ここはひとつ事務当局の責任として、大臣の責任においてひとつ遺漏のないように措置してもらいたいということを言っておるわけですから、それに対する大臣の答弁が、さっき言ったように、「厚生年金の改善時期にまでさかのぼるという問題も含めて検討し、成案が得られれば次期国会に提案いたしたいと考えております。」と。それに対して私は追い打ちをかけているんだ。そういうような経緯から、「大臣自身はそのことについて全力を上げて努力すると、こういうことでよろしゅうございますか。」と。それについて大臣が、「事務当局とも十分相談しました上での責任を持っての御答弁」であるということを御理解ください。こうなっている。 ですからそういう面から見ると、結果的に制度としてはさかのぼるということはなじまないとすれば、その検討の努力の一端として私は、一時金とか何らかの方法でそこら辺の納得できるような方法があってしかるべきじゃないか、さかのぼることはなじまないからできない、これでは余りにも責任逃れじゃないか、こう言っておるんです。これは大臣どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) ただいまの法案の経緯もございますので少し御説明をさせていただきたいと思いますが、五月にそういういろいろな、厚生年金法の改正をめぐる御議論があったということは、そういうことだろうと思います。ただ、これは先生も御承知のように、共済関係の法案と厚生年金法の改正法案はいずれも通常国会で成立を見ずに終わりまして、同じ内容の法案で臨時国会に再提出をされたわけでございます。ですから私どもといたしましては、臨時国会に再提出をした法案につきましては、先ほどもいろいろ経緯を御説明申し上げましたが、厚生年金の制度の措置といたしましていろいろ共済年金の方に持ち込むには問題のある制度だから見合わすべきだという地共審の答申も踏まえて、私どもは臨時国会ではそういう措置を全く、寡婦加算について措置を何ら講じていない形で法案の御審議を願ったわけでございます。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 そういう過程で、臨時国会では厚生年金法の改正案につきましては寡婦加算の額の引き上げは成立をいたしたわけでございますが、四十歳未満の子なし妻についての年金受給権の制限、これは削除になりまして、私ども共済年金制度としては非常に問題視しておったその制度がなくて、寡婦加算額だけを引き上げる、こういうふうになったわけでございます。 したがいまして、その十一月の段階で、先生からいま御指摘ありましたような質問、答弁があったわけでございますが、私どもとしましてはそこで、改善時期までさかのぼってそういうことに必ずいたしますという趣旨で御答弁を申し上げたわけでございませんで、佐藤先生からも同じにすべきではないかという非常に強い御意見がありましたので、そういう点も検討の中身といたしまして十分関係のところと御相談をし、成案が得られれば国会に提出をいたしたい、こういう御答弁を申し上げたわけでございます。 したがいまして、何か一時金等の措置ができないか、こういう御質問でございますが、これは地方公務員共済組合だけの問題ではございませんで、国共済も他の共済制度もすべて共通する問題でございます。地共済だけでそういう措置を講ずるということは困難でございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○佐藤三吾君 まあなかなか大臣は立たぬし、公務員部長の答弁は判で押したような同じような答弁をする。そこには誠意が一つもにじまない。 こういう方々というのは全部母子家庭ですよね。大変な、その日その日の暮らしが厳しい環境にあるだけに、私は単なる六万円ということだけでは済まされない問題があると思うんですよ。ですから盛んにそういう去年からの審議の経緯も、そういう観点から隙間をつくっちゃいかぬということで私もこの委員会で再三取り上げてきているわけですからね。結果的には六ヵ月のすき間ができてしまった、しようがない、こういうことしか答弁が返ってこない。これは私は納得ができないんです。できないけれども、これでやり合っておったらそれこそ審議が進みませんので、これは納得できませんが一応前へ進みます。ただ、ここら辺の問題は、今後のこともありますから、やはりそういう無責任な回答をして済まされる問題でないという、これはひとつ大臣、まさに事務当局のそういう手違いというかおくれが迷惑をかけているわけですから、今後再びこういうことのないようにしてもらわなければいかぬと思うんですが、これは大臣できますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 経過についてはいま部長から申し上げたとおりでありますが、部長の方でもやっぱりそれなりにベストを尽くしたけれども、いろいろ諮問機関の方の意見なんかもそれと違うというような経過がありましておくれたということだと思うんです。 それで、一時金というわけにもなかなかいかないと思いますが、要は、今後そうした改正が行われる場合に、やはり同じような時期に同じようにスタートするというようなことであれば問題は解消するようにいま承知をしているところでございますが、その点についていろんないきさつがあってそうもいかなかったという、これにはそれなりの理由があったわけでございますが、今後十分その点を配慮いたしまして、同じような制度改正をするなら厚生年金の制度改正と同じようにこっちもやるという方向で努力をしていくということが一つのわれわれの努力すべき要点ではなかろうかと、こう思ったところでございます。十分努力いたします。
○佐藤三吾君 いま寡婦の問題が出ましたから関連して聞きますが、地共審の答申を見ますと、それにしても大幅な寡婦だけの引き上げということは遺族年金という制度からいってなじまない、問題がある、こういう指摘もしています。本院における決議も、一番切実なのは遺族の年金だと、ここら辺はひとつ改善せよという決議もしておる。寡婦の問題は今度法改正で大幅に上げることになったわけですが、そのほかの遺族年金全体の問題についてはこの問題と関連してどうして所要の改正措置がとれなかったのか、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 遺族年金の給付水準について改善を図れというたびたびの御意見あるいは附帯決議等をちょうだいをしておるわけでございますが、これにつきましては、いま先生が引用されました地共審の答申の中にもそういう見解が出ておりますように、遺族年金全体のあり方というものをどういうふうにするのか、これは共済年金制度のみならず公的年金制度全体を通じまして非常に大きな課題であり、問題であるわけでございます。そういうことでございますので、午前中も御質問がありました共済年金制度基本問題研究会、ここでもこの遺族年金のあり方につきましては一つの研究課題ということで取り上げていただいておるわけでございまして、そういうところでのいろいろな研究成果等も踏まえながら、今後どういうふうに遺族年金のあり方を求めていくか十分検討を加えていく必要がある、こういうふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、直ちに附帯決議等にありますような形への改善措置を講ずる段階にはまだ至っておらないというのが現状でございます。
○佐藤三吾君 その基本問題研究会は、それはそれでいいんですが、遺族の中で寡婦だけ今度はぐっと上がった。だから遺族の中においてアンバラが生まれてきたわけです。そうでしょう。大変なアンバラが生まれてきた。ですから、当然やはりこれは地共審の答申の中にも言っているように、問題があると言わざるを得ない。私どもは少なくともいまのような五割給付じゃなくて、八割もしくは七割、この本院の決議は七割だったと思いますが、そういう形でひとつ遺族の救済をすべきだということを再三にわたって決議しておるわけですね。当然そこに、寡婦だけぽっと上がるというかっこうになりますと、やっぱり遺族の中にもいろんな問題が起こってくると思う。そういう問題であるだけに、当然それに付随して、少なくともそこら辺を緩和するとか、滑らかにするとか、こういう所要の措置が寡婦引き上げと同時にやられてしかるべきじゃないか、そう私は言っておるわけです。 だから、基本問題研究会というのは二年間の議論でやって、ずっと先のことなんですが、この寡婦引き上げの法案を出したというのは、単に厚生年金が上がったからやむを得ず出したという仕組みじゃなくて、それに伴って遺族の全体のバランスを考えて、この際ひとつ所要の措置をとった、こういう形にどうしてならなかったのか、こう聞いておるわけです。
○政府委員(宮尾盤君) 遺族年金の給付水準の改善の問題は、先ほど申し上げましたように、非常に基本的な検討を要する問題であるわけでございます。そこで、そういう中で寡婦加算の大幅な引き上げが厚生年金の方で行われたと、引き上げるという措置を講じようという法案が出てまいりまして、この取り扱いについて、先ほども御答弁の中で申し上げましたように、事務的にもいろいろと検討をし、また審議会にもこの取り扱いについての御意見を伺ったわけでございますが、基本的には遺族年金全体の問題をどうするかという中で、この寡婦加算の取り扱いというものも決めていくというのが一番望ましい姿であることは先生御指摘のとおりでございます。 ただ、そういうことではありますけれども、やはりその問題を解決するためには年金制度全体の問題あるいは支給水準と財源の問題、そういう中で遺族年金の支給水準の改善等もどうしていくか、こういうことが検討課題になるわけでございまして、どうしてもこれはある程度時間がかかる、また研究会でも取り上げていただいておる問題である、こういうことから、共済年金制度といたしましては、寡婦加算額を直ちに引き上げることについてはいろいろな議論、問題はありましょうけれども、やはりそれを上げないでおくということにいたしますと、なおそれは厚生年金と共済年金との間で差ができてしまうのではないかという議論も出てまいりますし、特に遺族の中で、そういう意味では最も弱い立場にあります寡婦の方方の問題でございますから、この際厚生年金の方でそういう措置が講じられたならば、やはりそれはやらざるを得ないだろう、こういう考え方に立って今回の改正措置を行おうとしておるわけでございます。決して基本的な問題を無視してそういうことにしておるわけではないわけでございますけれども、基本的な問題についてはもう少し時間が必要だ、こういう考え方からこのような措置をいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 あなたの言う論旨は一貫しないね。確かにあなたおっしゃるように弱い立場の人たちですよ。そういう人たちに対して六万円の差額はこらえてもらう。一方では、弱い立場だから遺族の中ではここは聖域だと。あとは一緒に関連して議論がなかなかできない。こういうつじつまの合わない議論にあなたの論旨は一貫するとそうなるんですよね。だから、これ以上私は言いませんが、しかし、ちゃんと本院でも決議しておるわけですから、七割給付しなさいと。当然これは一緒に議論できたってしかるべきですよ。いや、それはそう言っても、国会なんというのは議論の対象にならぬのだ、何ぼ決議したって、へみたいなものと言うのなら別ですけれども。国権の最高機関としての決議をやっておるわけですから、当然これはやっぱり常識から考えてみてもこれだけが聖域ということはない。遺族の場合。だから、厚年との均衡を保つ意味があるのなら、遺族全体のバランスをとる、こういう所要の措置がとられてしかるべきだと私は思うので、この点はひとつ、基本問題研究会で議論しておるからということでなくて、やっぱり院の決議をやっておるわけですから、早急にひとつ対処をして、次の国会には所要の措置がとれるように努力をしていただきたいということを、これ、大臣に聞きましょうね。
○国務大臣(安孫子藤吉君) いまの議論、やっぱり全体の問題と、特に緊急を要する問題について措置をする、そこにアンバランスが出てくる、それはおかしいじゃないかということ、そういう御趣旨は私も理解をいたしますが、やはり年金の全体の問題にも影響を持つという問題になりますと、そこにやはり時間がかかるということはこれは現実の姿だろうと思います。したがって、部長から申し上げておることはそのとおりだと思いますし、私も理解をするものでございます。 今後の問題として、来国会にこの遺族年金の問題もひとつ提案するように努力しろと、こういったってのお尋ねでございますが、さて、なかなか基本的な問題まで波及する問題でございまするので、来国会に必ず提出できるというお約束ができませんけれども、大変重要な問題でございまするから、今後とも真剣にこれに取り組んでいくということだけは申し上げておきます。
○佐藤三吾君 次に行きます。 短期の問題で二、三聞いておきたいと思いますが、医療費の累増というか、不正診療の横行も含めて、健保、それから短期がパンク状態にある。これは、去年の実態は私聞きましたけれども、現状ではどういう地方公務員共済の短期の状況になっておるのか、まずそこを聞きたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 短期の五十五年度の状況を御説明申し上げたいと思いますが、共済組合の短期経理の収支状況全体は、医療費が大分上がってまいっておりますし、それから掛金あるいは負担金の基礎となります給料が必ずしも伸びていないと、こういうことから大分悪化をしてきておる状況がございます。 それで、五十五年の当期損益の状況について見てみますと、当期不足金を出しておる組合が幾つか出てまいっておると、こういう状況になっております。 それから、そういうことに対応いたしまして、財源率の状況でございますが、財源率につきましても、五十五年から五十六年にかけまして、財源率を引き上げて対処をしていかなければならない組合が一部に出てまいっております。現在、地共済の五十六年四月一日現在での平均的な短期の財源率は大体千分の九十・三くらいの状況になっております。それから、市町村共済の中でもそういう特に財源率が非常に高い状況になってきておるところが幾つか目立ってきておるという状況でございまして、総体といたしまして財政状況は必ずしも良好な方向にはないという状況でございます。
○佐藤三吾君 この財源率千分の百以上というのは何団体ございますか。
○政府委員(宮尾盤君) 十団体でございます。ただいま申し上げたのは百を超えているところでございます。
○佐藤三吾君 それが、都市共済が何ぼ、市町村共済が何ぼという内訳はどうなっていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 担当課長から御説明をさせていただきたいと思います。
○説明員(柳克樹君) 市町村共済組合が九つ、それから指定都市共済組合で全般的に行っております札幌市職員共済組合が百を超えております。
○佐藤三吾君 これは何ですか、こういったところについてはどういう所要の措置がとられていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 本年からは財源率が千分の百四を超える共済組合につきましては、一般会計から補助をすることができる、こういうことにいたしまして、御存じのように、短期の財源につきましては使用者と組合員が折半の状況になっておりますので、掛金が非常に多くなる、こういう団体に対してそういう措置を緊急に講じておるわけでございます。この措置は、従前は千分の百を超える団体について、五十一年度から緊急の措置としてこういうことをすることができるというふうにいたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、本年から、健康保険組合における保険料の限度額等の引き上げがあったことを勘案いたしまして、千分の百四を超える団体についてそういう措置を講ずることができるということにいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、地方公務員共済全体の平均が千分の九十・三というわけですね、さっきの答弁では。そのうち百を超えておるのが十と、こういう御答弁のようですが、大体耐用年数から見て、何年ぐらいしたらいまのこの医療費の伸びと合わして百を超えるような状態になるのか。異常事態になるのか。これいかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは医療費の動向とかあるいは給与費がどういうふうになっていくのかというような支出、収入両面に絡む問題でございますので、そこについての具体的な見通しを申し上げることはむずかしいわけでございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、いま御存じのとおり、診療報酬の値上げが出ていますね。厚生省が出していますね。それを一つの前提としまして、ことしの春闘相場も大体出てきましたね。そういうものを見合って、どの程度の状況になるのか、そこら辺はいかがですか。
○説明員(柳克樹君) 医療費改定に伴う試算でございますが、ただいま地方職員共済組合について試算をしたものがございますけれども、これによりますと、改定後の短期の支出額が約一%程度増加をいたしまして、それに対しましてまだベアがどれぐらいになるかわかりませんけれども、現在ベアにつきましては一%アップということで試算をいたしておりますが、これによりますれば若干赤になるということでございます。
○佐藤三吾君 どのくらい赤字になるんですか。全部がそうなるんですか。
○説明員(柳克樹君) 地方職員共済組合の事例を手元に持っておりますが、これによりますと約三億弱、二億五千万ほどの赤字ということでございます。
○佐藤三吾君 私はこの問題で、去年この委員会の中で三つの提案をしたんですが、一つは、健保と対比して見て地共済の不正請求に対する対応が非常にぬるい、この点をもっと厳しくすべきじゃないか。それから、医療機関をできるだけ公立病院に指定する、こういう措置をとるべきじゃないか。さらに、超過負担の超過額に対する国庫負担の導入をすべきじゃないか。これは、健保の場合には報酬月額の四十ですか、それを超える場合については事業主負担とするということが明確になっていますね。そういうことと関連をしても、よく皆さんは厚年、健保ということを非常に言うわけですから、横並びということで整合性という意味で、そういう面から見てもこの際ひとつ導入すべきじゃないかということを強く主張しておったんですけれども、これらについては一体どういう対応をしているんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 医療費増高対策についてでございますが、昨年もいろいろとこれについて御論議をいただき、御提案もいただいたわけでございますが、それぞれの各組合等におきましていろいろな措置をこれまでも講じてきておりますし、その後も実施をしておるわけでございます。それで、たとえば地方職員共済組合等におきましてはいろいろな資料等をつくりまして組合員に周知徹底をさせるというようなことをいたしておりますほか、医療費の通知運動の実施等も行っておる団体、あるいは新たにやろうとしている団体、新規にそういうことを検討しておる団体、こういったようなところもあります。それから、そのほかいろいろな創意工夫をこらしまして医療費の増高対策を講じようとこういうことで努力をしておる段階であります。 それから公的負担の問題でございますが、公的負担の問題については、確かにいろいろと議論があるわけでございますけれども、考え方といたしましては、国庫負担を導入するということについては、保険料だけで社会的に要求される最低限度の生活を保障することができないような場合とか、あるいは被保険者の範囲が非常に負担能力が低い者にまで及んでいるような場合、そういう場合に国庫負担あるいは公的負担というふうなものを導入をしていくという考え方が一般的でございまして、社会保障制度全般についてそういった意味からの緊急度に応じて行うべきものだというふうに言われておるわけでございます。 そこで、共済組合の短期給付につきましてどうであるかという考え方でございますけれども、共済組合制度は公務員を対象としたのは職域保険でございますので、そういう意味から公的負担の必要性というものは乏しい、こういう考え方に立ちまして、これまで公的負担の措置はとられていない現状にあるわけでございます。ただ、この点につきましてはいろいろな立場での御議論もありますし、それから国会での附帯決議その他もありまして、そういう意味から私どもといたしましては、先ほども御説明申し上げましたように、昭和五十一年度から短期経理につきまして非常に財政状況が悪化しておる団体も出てきておるという状況を踏まえて、一般会計からの繰り入れ措置等も行われるように措置をいたしてきておるわけでございますが、なお、この公的負担の問題については非常に基本的な問題でありまして、なかなか結論といいますか、そういう方向に持っていくことはむずかしい問題ではありましょうけれども、引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 努力をしたと言うなら、この五十五年度の不正診療の審査状況というのは、件数はわかりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 五十五年度の状況ですが、基金への過誤返送件数、これは地方職員共済組合の関係で申し上げますと、五十五年度請求件数は六百七十二万五千件でありまして、そのうち返送をいたしましたのが三万五千件ほどでございます。したがいまして、全体の割合といたしましては〇・五二%、こういうことになります。
○佐藤三吾君 昨年はたしかこれは〇・五%だったと思いますね、五十四年度は。これは後でいいですから一遍ひとつ資料を出してください、各共済別に。できればこの五年間ぐらいの状況を年ごとにまとめて出していただきたいということを資料要求をしておきます。よろしいですか。 先ほど私が言った、医療のできるだけ公立病院への指定とか、そういう点についてはどういう検討をなさっておるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 御質問の御趣旨は、公立病院にできるだけかかりなさい、こういう指導をするのかどうかと、こういうことでございますが、これはそういうことを私どもの立場で各共済組合に指導するということについてはいろいろな問題もあろうかと思いますので、そういうことはいたしておりません。
○佐藤三吾君 それから、私はこれは自治省の立場でなかなか言えぬと思いますが、各共済でこういった問題について検討をされておるのかどうなのか。たとえば不正診療が事実としてわかった、それで突き戻したと、そうすれば、ここに三万なんぼ、三万五千件も出ておるわけですから、これはおかしいと思ったから戻したわけでしょう。そうすれば、大体この地図がかけるんじゃないですか。この医者から出てくる診療請求は件数はどの程度あるとか、こういうのが。そういうのが大体各共済の立場から見れば、私は絵がかけるんじゃないかと思うんです。そういったところについては一体、これは単に返送して戻すだけじゃなくて、やはり不正診療をやめなければ今後は私どもも考えなきゃならぬとかいう議論があってしかるべきだと私は思うんですが、そういう具体的な面についてはどういうふうな指導をやられていますか。
○政府委員(宮尾盤君) ただいまの御質問のような具体的な措置につきましては、それぞれの共済組合がいろいろな形でもって努力なり検討をして対処していく問題かと存ずるわけでございまして、自治省といたしまして、そういう具体的な手段、方法にまで立ち至って指導をしていくということについては、それだけの能力もありませんし、また、すべき問題ではないというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 まあそうでしょう、自治省としては。それはわかります。そうなると、今度は審議のときには少し各共済を個々に並べてもらわぬと実情がよくわからないということになると思うんですが、まあいずれにしても、私はこの不正診療などを発見してやっていくことは決して医者そのものを敵視するとかいうことではなくて、本当に公正な医療を確立する一つの手段だと思うし、そういう観点で私は貫いていかないと、同時にまたそのことは医療費のかさ上げを、不正かさ上げをとめていく役割りもするでしょうし、そういう意味合いで質問しておるわけですから、そこら辺の問題については今後たとえば共済組合の指導を含めた懇談会、いろいろあるでしょうけれども、ぜひひとつそういう万端の措置をとるという一環としてお願いしておきたいと思います。 それから、国庫負担の導入の問題で先ほど御回答がございましたが、これは地共済についてはなじまないという中でも、百四になれば五十一年から一般会計から補助するという方向の道を一つ切り開いたようでありますけれども、もともと政管健保、組合健保も、これは五十年ですか、五億ですかね、入れておりますし、組合健保といえば、言うならば大企業を中心とする民間も含めた健保でもあるわけですし、私はなじまないということだけでこの問題をとめるんじゃなくて、日雇い、船員についても、日雇い健保、船員健保も含まれて国庫を導入しておるわけですから、ここら辺はむしろ不均衡になっておる、不公平になっておる、こういうふうに私は思うんですが、いかがですか。共済だけが外されておる、いまの実態から見ると。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほども少しその点に触れて御答弁申し上げたかと思いますが、そういう国庫補助制度というものを導入するかどうかということにつきましては、共済の場合と健保の場合とではおのずからそこに組合員の構成も違えばあるいはその財政状況も違う。いろいろな差があるわけでございまして、一般的に、やはりそういう国庫補助制度まで導入をいたしまして何らかの財政措置を講じていくというためには、やはりその組合の組合員が非常に所得が低い階層の人たちが多いとか、あるいはどうしても保険料だけでは一定の最低限度の需要を満たすことができないとかいうような、そういう必要性というものがあって初めて国庫補助制度というものがこれは導入されると考えておるわけでございます。 そういう意味からいたしまして、共済組合につきましては公務員が対象となっている組合でございますので、健保と同じような形での国庫補助を導入をするということについては、まあこれまでその必要性といいますか、そういう措置が講じられてこなかったというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○佐藤三吾君 だから、あなたの言う論理からいって、たとえば政管健保であるとか日雇い健保であるとかはわかりますよ。しかし、船員健保であるとか組合健保、こういうところにもこの国庫導入がされておるわけですから、そういう面から見ると共済組合は、公務員なるがゆえに不公平な取り扱いになっておると私言っておるわけです。 そういう観点で、また本院においても決議もしておるわけですから、これはきょうは答弁は時間の関係で求めませんが、決議を尊重して、十分審議をして実現するような努力をひとつお願いしておきたいと思います。よろしいですか。 それで、もう一つ二つ聞きたいのは、臨時職員の問題ですね。これ、三つぐらい組合員の条件がありますね、職員の。その中に、一年以上という前提になっておりますからね、公務員の場合には共済組合に入れない、適用を受けない、こういうことになっておるわけですね。ところが、健保の場合を見ますと、この除外されておるのは二カ月以内。二カ月引き続いた者の場合には有資格と、こうなっておる。それから日々雇用の場合も、一カ月を超えた場合には有資格なんです。それから季節労働者の場合も、四カ月を超えた場合には有資格になる。臨時的業務の職員の場合でも、六カ月を超えた場合には有資格になる。どうしてこれが公務員の場合にできないんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 共済制度におきましては、短期と長期と合わせてこの資格、臨時職員についてもその資格の問題を決めておるわけでございます。いま引用されましたその事例は、短期のケースだと思います。したがいまして、共済制度におきましては、そういう年金制度の問題とあわせてこの短期の問題についても組合員としての資格を決めると、こういうことにいたしておりますので、そこに違いが出てくるというふうに考えるわけでございます。
○佐藤三吾君 だから、共済の短期の場合も健保に合わしてしかるべきじゃないかと言っておるわけです。どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) これも、そうすると短期と長期と組合員となる資格といいますか、短期は組合員だけれども長期では組合員でないというような扱いが出てまいりまして、非常に複雑な取り扱いになってまいりますし、他の共済組合制度も同じ扱いにいたしておるわけでございますので、地方公務員の共済組合についてそういうことをやっていくことは非常にむずかしいことだというふうに考えておるわけでございます。
○佐藤三吾君 むずかしいというのじゃなくて、ここら辺はひとつぜひ検討しておいてもらいたいと思います。 それから次に、退職者の場合に、たとえばその月の一日にやめた。その場合には、その月の間は短期の組合員としての使用ができるのかどうなのか。どうなんですか。
○説明員(柳克樹君) 退職いたしますと、その翌日に資格を喪失いたしますので組合員でなくなります。
○佐藤三吾君 そうすると、掛け金はどうなるんですか。
○説明員(柳克樹君) 掛け金は、月の初日現在で徴収いたしますので、取ることになります。徴収することになります。
○佐藤三吾君 そうすると、掛け金は一日でやめてもその月分のやつは取る、しかし適用は退職した翌日からだめですと、こういう仕組みになっているんですか。
○説明員(柳克樹君) 現在の仕組みではそういうふうになっております。
○佐藤三吾君 その理屈はどういうことですか。
○説明員(柳克樹君) 結局、月単位で組合員の資格を認定するということになっておるわけでございますけれども、ただ現在は、国民皆保険あるいは国民皆年金という仕組みの関係から、一つの職域から離脱した場合には別の職域でもって保険に加入する、こういう考えで整理されているのだろうと思います。
○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか。その月分の掛け金は取って、そして掛け金を取っておるから資格があるのかと思うと、やめた人の場合にはその翌日から取り上げる。その月分の掛け金は取っておいてその月分の使用はさせぬという理屈は、どう考えたっておかしいじゃないですか。大臣どう思いますか。常識的でいいですよ、大臣の。考えてみなさいよ。
○説明員(柳克樹君) 共済組合の場合には、御承知のように長期と短期と両方やっております関係で、長期の場合には当該月が組合員期間に入ってまいります。そういうことをいろいろ勘案して、現在の制度になっているというふうに考えております。
○佐藤三吾君 そんなことあんた、短期の組合費と長期の組合費と別々に取っていますよ。込みで取っていないですよ。そうでしょうが。いま短期だって、大体どのくらいですか、千分の五、六ぐらい取っておるんじゃないですか、平均で。千分の六、七取っておると思いますよ。それだけの月の掛け金を納めて、使用はできませんという、そんなあんた、へ理屈がありますか。
○説明員(柳克樹君) そういうお考えもあるかと思いますけれども、先ほど申しましたように、長期の場合には一日でも組合員期間にするというようなこともございますし、それから短期につきましても、御承知のように、継続療養の取り扱いもございます。そういう場合に、当該月を一月に数えるということでございます。
○佐藤三吾君 それは、たとえば佐藤三吾という人間はその長期療養の場合にはそうかもしれぬ。しかし柳さんなら柳さんという人間の場合には健康でやめる場合もある。やめた場合に、掛け金は——短期の掛け金ですよ、長期の掛け金を言っておるんじゃないですよ。短期の掛け金、いわゆる健保の掛け金は一ヵ月分取っておって、四月一日なら四月一日にやめたからといって、四月いっぱいは掛け金を納めておっても四月の短期の使用はできないというばかなことがありますか、そうでしょう、大臣。これは資本主義の世の中だってそんなむちゃなことはないはずですよね。どうですか。常識的でいいです、大臣の。
○国務大臣(安孫子藤吉君) そのことだけをとって議論しますと確かにおかしいですがね。掛け金は取って、そしてその恩恵はその月は受けないというのは、それだけはいかにも調子がとれぬという感じがいたしますが、ほかの共済でもそういうことを恐らくやっているんだろうと思うんです。地方公務員もやっているんです、あるいは国家公務員もそういうことやっているわけですね。それにはそれなりの何か理屈があるんだろうと思うんですが、実はいま私はわかりません。だから、これはそのことだけを取り上げると私もおかしいと思いますが、しかし、そういう制度がずっと行われてきたということについては、またそれなりの理屈もあるのかもしれませんから、私ども少し勉強さしてください。
○佐藤三吾君 これは大臣、常識で考えればおかしいんですよ。大ぜいでわからぬことをやればそれは通るということではなかろうと思うんです。やっぱりこういうおかしいと率直に思うような問題は、これはできないことはないんですから、大臣の決断で、所要の改善措置をぜひひとつ、研究するのは結構ですが、研究した上で検討していただいて所要の改正をお願いしておきたいと思いますが、よろしいですね。
○政府委員(宮尾盤君) ただいまの点につきまして、組合費を徴収する仕方と、それから職域として、組合員として短期の医療給付を受けられる期間との違いがあるということについては、確かにそういう御指摘のような御議論もあろうかと思いますけれども、これは地方公務員だけの制度ではありませんで、国家公務員との共通問題でありますので、ひとつそういう点について改善といいますか、伺うかの違う方法がとれるかどうか、これは研究はしてみたいというふうに考えております。 ただし、それなりに割り切って、そういう費用負担の徴収と、それから給付をどこまで受けられるかということの制度の仕組みを割り切っての考え方が一つあると思いますので、必ずそういうことが実現できるかどうかについてはもう少し研究をさせていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 みんなで渡ればこわくないという言葉がありますけどね、やっぱり理屈の通らぬことは理屈が通らぬわけだ、みんなで渡ろうとも。だから、そこら辺は気がついたら正していく。月分の掛け金を納めて——一日分の掛け金を納めるんじゃない、月分ですからね。そうしておって、その月は退職したからあなたの資格は取り上げるという、そんなことはどう考えても理屈が合わない。それはほかがそうだからということだけでは理由になりません。その点ひとつ大臣の方でぜひ検討しておいてほしいと思います。 時間があればまだ、大体私も四時間ぐらいまで考えておったんですができませんので、一つだけ聞いておきますが、各共済の中で、年金の既支給者の中で、四十九年に導入しました通年ルールというのがございますね。いわゆる共済の算定方法が基本ルールとすれば、別個に厚生年金の算定を基礎とした方式というか、そういうルールが四十九年ですか、導入されておりますが、この各共済ごとの適用者の率というか、これはどうなっておりますか。
○政府委員(宮尾盤君) 通年ルールの適用を受けておる者の年金受給者に対する割合でございますが、退職年金全体で見まして約四五%という状況になっております。
○佐藤三吾君 各共済別、わかりますか。
○政府委員(宮尾盤君) やはり同じく退職年金について申し上げますと、地方職員共済組合が五二・九%、公立学校が三三・七%、警察共済六六・三%、都職員共済四八・五%、指定都市職員共済組合が二八・四%、市町村職員共済組合が五五・六%、都市職員共済組合四〇・九%であります。
○佐藤三吾君 いまの数字が示されておりますように、たとえば市町村共済ではもう年金受給者の五割以上が厚生年金の事実上の適用というか、厚生年金の算定ルールに基づく適用者、地方職員共済、いわゆる県の職員でも五三%が、五割を超えてその適用者、こういう実態が出ておるわけですね。そして一般世間では、官民格差ということで何か厚年より共済の方がうんと高いんだと、こういう印象を与えられておる。しかし実際は厚年適用ですよね、これ実態から見ると。こういう人たちが県庁の場合に五割、市町村の場合に五割五分、こういう実態にあるわけですね。この点について私は前々から疑問を持っておったんですが、掛金はどうなっていますか。厚生年金の掛金と共済の掛金の三十七年——これは公務員共済が発足したわけですから、三十七年、四十年、四十五年、五十年、五十五年という分類で結構だと思うんですが、どうなっていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 三十七年の段階で申し上げますと、地共済の場合四四パーミリでございます、千分の四十四。それで、厚生年金、これは男子の場合でございますが、千分の十七・五でございます。それから四十年が、地共済の場合四二でございます、千分の四十二。厚生年金が二七・五でございます。四十六年で申し上げますと、地共済が四五・〇、厚生年金が三二・〇でございます。それから五十年が、地共済四七・〇、厚年三八・〇。五十五年が、地共済五二・〇、厚生年金五三・〇という状況になっております。
○佐藤三吾君 こう見ると、掛金は三十七年当時の二倍です。地共済の組合員がよけい納めて、納めた人たちが今度やめて適用される算定はいわゆる通年ルール、厚生年金の適用と。掛金が高いから給付も高いというのはわかりますよ。掛金が二倍納めて、そうして結果は、いよいよ退職してもらう年金は厚生年金と同じ、こういうことに対して私は非常に疑問を持っておるわけです。こういう職種の人たちというのはどういう人が主に該当になっておるんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 特定の職種ということはないと思いますが、給与が一般的に低い人あるいは在職期間が短い人、そういう人が該当すると考えます。
○佐藤三吾君 言うならば、在職期間が短いというと一般的には中途採用者というか、戦後外地から引き揚げてきたというか、戦争から帰ってきた、こういう人たちが、やっと年金がつくときはもう退職時期と、その結果二十年ぐらい、二十四、五年、こういうことでやめざるを得ない。やめた結果が、その間にずっといま申し上げたように掛金は二倍近く納めて、受け取る年金は厚生年金と同じ。こういうことに対しては、私はやっぱりふんまんやる方ないものがあると思うんですよ、当該該当者から見ると。ここら辺の問題を私はやっぱり検討をしていかなきゃならぬと思うんですけれども、ここら辺についての検討はどういうふうにやられていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 保険料率といいますか、掛金とそれから年金の支給水準との関係につきましては、それはそれぞれの保険制度といいますか、年金制度の中で決まる問題でございまして、直ちに共済組合の掛金と厚生年金の掛金を比較し、それから、それに共済年金の掛金が当時非常に高かったと、ところが現在いわゆる通年ルールでもらうのは厚生年金の水準の給付水準だということでございますけれども、これは制度的なやはり違いから来るものだというふうに思うわけでございます。 先生も御承知のように、共済年金の中に通年ルールという制度を取り込んだのは、給与が一般的に低い方、あるいは在職期間が非常に短い方については厚生年金の方式を入れまして、いわゆる通年ルールによる額と比較してそちらが高ければそちらの方を支給をすると、こういう仕組みをつくったわけでございますので、昔掛金が、当時の古い時代の厚生年金の掛金で確かに低かったわけですけれども、厚生年金の支給水準が急激に改善をされた結果、通年ルールによるあれも相当上がってきておるわけでございます。そこで、共済年金における基本ルールよりは通年ルールの方が高いという結果になりますのでそちらの支給を受けると、こういう結果になっているわけでございまして、確かに年金制度が全部一つであればそれはそういう比較というものができるわけでございますけれども、そういう古い沿革をしょってスタートしてきておるそれぞれの制度の中で、いま申し上げましたような通年ルールを共済が取り込んでいる、こういうことから出てくる一つの問題点だというふうに考えるわけでございます。
○佐藤三吾君 最後に、時間がなくて大変残念ですが、私がいま言ったような実態が明らかにしておりますように、やっぱり地共済というのは厚生年金よりいいんだ、官民格差だという議論というのは実体が伴っていないと思うんですよ。特に下級職員、現業関係、こういう人たちというのは、現業などはこれからもずっと中途採用です。そうなってくると依然としてよくない、こういったことを立証しておると思うんですね。これはやっぱり厚年のように最低保障額がばちっとあって、そこからスタートを切っていないところに問題があるわけですから、そこいらの問題を含めてぜひやっぱりこの問題は今後検討を基本問題研究会ですか、そういうところも含めて検討していかなきゃいけないと私は思います。その点をぜひひとつお願いしておきたいというふうに思います。 それから、もう一つ、先ほど、昨年の委員会で決議をされた中で、たとえば一年おくれの問題とか、最低保障額の問題とか、既給一時金の問題、任意継続の問題等が、これは聞く時間が足らずにきておりますが、これらの問題も引き続きひとつ検討をしてもらいたいということを要望して、最後に大臣のそれらに対する御見解をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) いまいろいろの御質問がありまして、その中には二、三やはり常識的におかしいというような問題があるわけでございます。制度の沿革の中において、そういう一種のアンバランス的な、あるいは常識に反したような結論が出ておる制度もあるわけでございますが、これを是正するということについてはわれわれ努めていかなければならぬと思います。せっかく制度全体についての検討も加えておるわけでございまするから、貴重な御意見といたしまして、これをひとつ十分われわれも認識をして、そして制度の改善に向かって努力をいたしたいと思います。 —————————————
○委員長(亀長友義君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として大川清幸君が選任されました。 —————————————
○志苫裕君 大臣、いま審議中の法案の所管をしておる局長はどなたですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 局長は行政局長でございます。
○志苫裕君 行政局長はどうして出ていないのですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 実質的には公務員部長がやっておりますので、公務員部長が万事お答えできる立場にございます。
○志苫裕君 説明になりませんよ。法案を提案して、大臣がおいでいただいているからほかの者はいなくていいわけですけれども、しかし、法案を提出しておいて、責任の政府委員である局長が来ていない。委員長に何かお話しありましたか、行政局長が休むということについて。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 宮尾公務員部長も政府委員でありますから、これだけは一応申し上げておきます。
○志苫裕君 政府委員であることはわかっていますよ。 法案に軽重はないわけでして、御都合があるなら、それぞれ政府も生きた機能をしておるわけですから、部長ももちろん政府委員ですが、その旨当然委員長の方に報告をし、了承を求めてしかるべきだと、私はそのように思います。その点についてどうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) そういう取り計らいをいたします。
○志苫裕君 まあきょうはいないからやらぬというようなことはしませんけれども……。 それで、五十三年の四月二十七日の交付税法の審議におきまして、地公法四十二条に規定をする職員の保健、その他厚生に関する事項を充実をしようということが約束をされまして、その後の次官通達にその旨盛り込まれたということは承知をいたしておりますが、一体それによってどのような成果が得られたものか、これを概括的にお伺いしたいわけであります。 ついでに、地方公共団体におけるたとえば厚生制度に関する条例であるとかあるいは厚生制度に関する計画であるとか、そういうものが制定あるいは樹立されている状況はどのようなものであるか。また、それに係る費用、財政上の措置というものはどのような配慮がなされておるか。これらの点についてひとつお答えを願いたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法の四十二条に、「地方公共団体は、職員の保健、元気回復その他厚生に関する事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。」、こういうふうに定められていることは先生御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、毎年度地方財政の運営に関する通達等におきましてこの地方団体におきます厚生制度の充実につきまして努力をするようにということを述べておるわけでございまして、たとえば昨年度におきましては、「公務能率の向上にも寄与するため、地方公務員法第四十二条の規定に照らし、健康の増進等職員の厚生について適切な配慮をされたい。」ということを事務次官名をもちまして各知事あてに通知をいたしておるわけでございます。 なお、自治省といたしましては、このような各地方公共団体で行います厚生事業の実施に関する経費、費用につきましては、地方交付税におきまして国家公務員におけると同額の職員一人当たり年額三千九百円、これは五十六年度の額でございますが、これを措置をいたしておるわけでございます。 なお、お尋ねがありました、各地方公共団体において具体的にそういったものがどういう状況になっておるかという点につきましては、そういった報告を求めておりませんので、そういった資料がございません。
○志苫裕君 一例を引きますが、互助会等も厚生制度の一つですが、たとえば条例で互助会を定めていないところがありますか。
○政府委員(宮尾盤君) 都道府県等ではほとんど条例で定めていると思いますが、数多くの地方団体の中ではそういうところもあると思います。
○志苫裕君 条例で互助会を定めた場合と条例で互助会を定めない場合、たとえば条例で互助会を定めたりいたしますと掛金の課税控除というふうな問題がございますね。条例で定めない場合にはそうならないんじゃないですか、その辺どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 条例で定めていない場合には御指摘のとおりでございます。
○志苫裕君 きょうお示しになれぬ、いま持っていないと言うから、その辺の点で不利が出ないようなこれは積極的な指導をお願いをしなければなりませんし、自治省としても、公務員法の四十二条はもう言うまでもなく地方公共団体の義務でありまして、別の言葉で言えば職員の権利でもあるわけでありまして、当然に費用も公共団体が負担をすることをたてまえとするわけであります。積極的にその辺の実態の把握や助言をお願いしたいと思います。 私がここで問題にしますのは、法律にある職員の保健やあるいは元気回復その他厚生に関することの多くが、職員、すなわち組合員が負担をする共済や互助会等に肩がわりをさせられておるというケースが見受けられます。これは言うまでもないのでありますが、たとえば健康診断をする、成人病検診をする、あるいは福利厚生施設等をつくるという場合には、四十二条に基づけばこれは当局側、地方公共団体の義務として負担になるわけでありますけれども、共済や互助会でやってくれということになりますと、やはりこれは職員の負担になるわけであります。掛金が折半であるか、その割合は別としまして。たとえば健診をやる、県が二千円出すから共済で一万円出してくれと、職員で幾らか持ってくれというふうな形で健診が行われるのは、全くこの四十二条の趣旨に反する、義務を怠っておるということになるわけでありまして、その辺の点についてどうお考えですか。
○政府委員(宮尾盤君) 職員の保健あるいは元気回復その他厚生事業につきましては、四十二条にそういう規定がありますし、ただいま御指摘がありましたように、地方公共団体はこれを実施をしなければならないというふうに定めておりますので、積極的にこういった事業に取り組むことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。他方、共済組合におきましても、そういう組合員の福利厚生事業は行えるわけでございまして、したがいまして、中には現実問題として共済組合の方に委託をしたり、互助会に委託をしたりしてやっているというようなケースもありまして、必ずしもそこの境界線がきちっとしていないというケースはあるわけでございます。 ただ、御質問の趣旨は、四十二条の規定に基づく福利厚生事業というものをもっと地方公共団体も積極的にやるべきであると、こういう御趣旨であり、地方公共団体が手をこまねいておることによって、その負担が互助会なり共済の方に行くことについて御懸念を持っているということだというふうに思いますので、私どもとしましても、かねがね通達等でそういう指導をしておりますが、今後ともそういう考え方で地方公共団体に対して指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
○志苫裕君 大臣、いまの公務員部長の答弁でいいわけです。いいわけですが、率直に言いまして、健康診断一つとってみましても、互助会にもそれに似たような仕事もあるし、共済組合もそれに似たようなこともあるし、地方公共団体それ自体としてもやらなきゃならぬ。きのう県がやって、きょうは互助会がやって、あしたは共済といって、何も同じ体を診ることはないわけでありますから、そういう仕事の分野のダブりがあることは承知の上ですが、それをいいことにして、公共団体が義務としてやらなきゃならぬことを手を抜いてしまうということになりますと、かかる費用は、県がやれば県の負担なわけですよ。ところが、共済なり互助会がやるということになりますと、これは組合員——職員との割り勘ですからね。そういうことになりまして、地方公共団体の義務をそちらの方に、まあ放棄をしているということになりますね。で、そちらの財政ももちろん幾らか圧迫することにもなるわけでして、この辺のけじめはやっぱりきちっとつけて、義務は義務で果たしてもらうということ、いまの部長の答弁どおりに、大臣も積極的にその旨指導、助言を公共団体に行うということをひとつお約束いただきたい。
○国務大臣(安孫子藤吉君) そういう方向で指導いたします。
○志苫裕君 時間もありますから少しカットして次に参りましょう。 その次は、これに似たようなケースなんですけれども、法四十五条の公務災害補償の規定によって、本来対処しなければならぬケースが起きる。ところが、どういう理由か後で申し上げますが、これを安易に共済組合の短期の方で処置をしてしまうというケースもずいぶん持ち込まれておるわけであります。たとえば、何かけがをした、ちょっと病気になったと。本来ならば公務災害補償でしなきゃならぬのだけれども、手っ取り早く共済でやる。なぜそうなるかというと、公務災害の趣旨だとか手続がよく周知されていないということもあります。二つ目には、公務災害の方の認定基準が、特に病気なんかのがややこしい。あるいはきわめて制限を受けるというふうなこともある。三つ目は、基金支部の体制あるいは機能というふうなものが非常に弱い。行ってみますと、何か県庁をやめたようなのがぽつんと座っているようなところもありますが、こういうようなことで体制が弱いというふうな、その他の理由があるのかもしれませんが、そんなあんばいで、やっぱり公務災害補償で対処しなけりゃならぬのが共済短期の方に肩がわりだと。 これは結果としてどういうことになるかというと、先ほどと同じでんでありまして、公務災害補償の方の基金といいますかお金は一〇〇%当局の負担になっておるわけです。共済は組合員も持っておる。言うなら割り勘財政ですね。これも同じように、当局が義務を果たすべきところをそっちへちょいと肩がわりというケースになるわけでして、これらのことが結果して共済短期の財政にしわが寄っていくという問題につながっていくわけであります。この辺の点についてどのように理解していますか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法の四十五条に公務災害補償制度が定められておりまして、当然、公務によって負傷したりあるいは死亡したり、疾病にかかったりと、こういう場合には公務災害補償の適用になるわけでございます。ただ、これは十分御承知のとおり、公務に起因をしなければいけないということになっておりまして、しかも、この公務災害につきましてはそれぞれの団体の負担になるわけでございますから、そこで公務に起因するか否かということについての認定手続というものはどうしても必要になるわけでございます。 そこで、いま御質問の中にありましたように、そういう認定手続がめんどうであるとかいうようなことから、後遺症が残らないような簡単なものについてはあるいは共済短期の方で措置をしてしまうというようなケースが確かにあるだろうというふうに思います。筋道としては、公務に起因するものであればこれは公務災害補償、それからそれ以外のものであれば共済制度と、こういうことでいくのが当然であろうというふうに思います。私どもといたしましては、これは基金の方にもいろいろ指導をいたしまして、いわゆる周知徹底していないではないかと、こういう点につきましては、「基金だより」等を発刊をいたしまして、そういう中で公務災害補償制度の周知徹底を図ることをやらせております。 いろいろと基金としても努力をしておるようでございますが、さらにその努力をしていかなければならない、こういうふうに考えております。 それから支部体制が弱いというようなことから、また認定もめんどうだというようなことで、そういう事例が共済の方に行ってしまうということにつきましては、できるだけそういうことのないように周知徹底をしていく中で適切な措置を講ずるように努力をさしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○志苫裕君 たとえばこれ、実際出されたケースがどれぐらい認定されていますか。何割ぐらい。
○政府委員(宮尾盤君) 五十四年度で申し上げますと、受理件数が三万二千八百三十四件、認定件数が三万二千八百十三件でございますから、九九・一%になっております。
○志苫裕君 ほとんど認定されているという数字。だから、その数字を見ている限りは問題がないようですが、大臣も公務員部長もこれを見てうまくいっているわいというように見てもらっちゃ困るんですね。これは、手続きされたもののうちそうなったというんですね。そこへ持ち込まないで手軽にやっちゃったという、共済の方に回しちやったというケースはこれではわからないわけですよ。私は、そこへ入ってこないでもう別口で処理をされるというケースが、特に軽易な問題については非常に多い。これは財政的にはばかにならないということをこの機会に指摘をしておきたいことと、こんなことはないと思うんだけれども、発生件数がやたらと多いと使用者責任の追及というものもあるわけ。おまえのところはやたらとけがが多いんじゃないかとかね。こういうふうなことになりますとあんばいが悪いものだから、別の方のケースに入れておけば別にその分は出てきませんからねでこういう問題、事実私も何件か相談を受けているわけでありまして、先ほどの問題点の指摘のように、また部長答弁ありましたが、ひとつ手抜かりなくやってもらいたい。 特に、先ほども地方公共団体の責めに属する事項を組合員に分担さしておるという指摘をしましたが、特にこの問題は、レクリエーションだとか健康増進措置とかというようなものは少々割り勘でもいいやと、百歩譲ってあれは認めて、その辺の境界があいまいであっても幾らか甘受できることがあるかもしらぬけれども、公務に起因をする災害、これを共済に回すということは、職員が負担するということですから、こんなべらぼうな話はない。これはひとつ厳格に取り扱うように指示をしてもらいたい。 時間があれば公務災害の発生状況等も聞きたいところですが、仮に、周りの環境も環境ですから発生状況が残念ながらかさんでおるというのであれば、それは短期の財政に大変な影響をこれから及ぼしていくということを意味するわけでありますから、その点は特に御要望を申し上げておきます。 その次は、労働安全衛生法による安全衛生管理体制、突き詰めて言えば委員会の設置でもいいんですが、これがずいぶん不備です。言うまでもなくこれは罰則を伴っておるものなんですが、念のために、義務設置事業所でその委員会等の設置率、言いかえれば法令遵守率といいますか、これどれくらいになっていますか。
○政府委員(宮尾盤君) 五十五年の三月末現在の状況でございますが、総括安全衛生管理者は七七・九%、それから安全管理者の場合ですと七一・二%、衛生管理者の場合四四・六%、産業医につきましては三四・一%、安全委員会五九・八%、衛生委員会二五%、そういう状況でございます。
○志苫裕君 大臣、いま部長答弁のとおりです。国が法律を設けて、そしてそれを遵守すべき公共団体においてこのていたらくというのはまことにもって遺憾千万ということになるわけで、大臣、この点につきましては積極的にやっぱり対応を講ずるべきだ。まあそういうものがあってもなくてもけが人が出なきゃいいじゃないかというのも一つの理屈かもしれませんけれども、しかし、この種のものは事前に、たった一人の職員であってもけがしないように、病気にならないようにというのが大事なのでありますから、その点、特にひとつ大臣の所見のほどを。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これもきわめて重要な問題でありますが、実績は毎年上がっていない、この点については会議の席を通じ、あるいは必要によりましては通達等を出しまして徹底方を努力してまいります。
○志苫裕君 そのように大臣の答弁を了承いたして、せっかく努力をお願いします。 その次は、例の追加費用の問題ですが、いわゆる追加費用の過不足の問題が非常に問題になるわけですが、これはどうして生ずるんでしょうね。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕
○政府委員(宮尾盤君) 追加費用の過不足というのがどの段階での過不足なのか、ちょっと御質問の趣旨が的確にわかりかねるわけでございますが、個々の団体において発生をしておる追加費用の額と、それからそれに対する財源措置的な考え方と理解してよろしゅうございましょうか。そういう御趣旨であれば、地方公共団体が負担をすべき追加費用につきましては、御承知のように、地方交付税におきましてその所要額を措置をする、こういうことにいたしておるわけでございます。ただ、その場合に、これは交付税の措置につきましては、御承知のように、標準的な団体につきまして一定の仕組みをつくりまして措置をする、こういうことにいたしておりますので、そういうことから個々の地方公共団体が負担すべき追加費用額と交付税で措置をしておる額との乖離がそこに出てくる、こういうことになっておるわけでございます。
○志苫裕君 ですから、問題は二つあって、いまの前段の方の話は、交付税という仕組み上、ある程度これは抽象的な数字ですから、交付税そのものは。ですから、ある団体は実際に共済へ納める余裕がよけいある、あるいはある団体は少ない。交付税で見込まれた額の方が少なくて持ち出す方がよけいだと、こういう問題があります。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 交付税は何に使ってもいいわけですから、よけいに来たら橋の一本も、そっちの方へ回すことも可能で、その場合には問題にならないのですが、少ない団体になりますと議会等でクレームがつくわけですよ。何だそんなものにやっぱり出すのかというふうな話になりまして、とかく目くじらが立つ。議会あたりには、これはもう義務なんだというようなことを言ったってなかなか聞かぬような者もたくさんおりますから、そういう意味で一つは問題になる。 そこで、交付税に盛り込むという仕掛けの上ではやむを得ないのかもしらぬけれども、もうちょっと何か工夫がないかという問題点が一つと、それから、地方公共団体が組合の方に納める、そうすると実際に支払った分との過不足というのも実際あるわけでありまして、納め方が少ないのによけい支出しておれば、それは基金の方に食い込んでどんどんいくわけですから、二つの問題を持っていることは確かなんですが、一番いいことはと言えば、実額がストレートに動けば一番いいわけですけれども、何かもうちょっと改善の余地はないものですか。うまい工夫はないですか、これは。
○政府委員(宮尾盤君) 確かに、いまの追加費用所要額の実額と措置をしている額とではそういう違いが出てくる、そこで御指摘のような事例等が出てまいりまして問題があることは、かねがね私どもも承知をいたしておりまして、いろいろなことを内部的に検討はいたしておるわけでございます。ただ、いろいろいままで検討してみている中で、やはり交付税の仕組みというものが、そういう標準的な団体を設定をいたしまして一律に措置をするような仕組みになっておりますので、これ、実態に合うような形に詰めていくのはなかなかむずかしいわけでございます。確かに各地方公共団体で予算措置等のときにいろいろ問題が起きるという話も聞いておりますので、さらに何か知恵がないかどうかもう少し研究を続けさせていただきたい。どうも、いまの段階でうまい方法というのがあるわけではありませんが、それにしても何かもう少し検討を続けてみる必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○志苫裕君 では、仮に交付税制度というものがなければ、どっちみち地方自治体は自分のお金を適当に使わなきゃならぬのですから、前段の方の分は、あるときには少ないときもあるんだし、あるときには多いときもあると。ちょうど除雪費用の見込みみたいなもので、雪が降らなきゃもうけたし、雪が降ったりすると困るというあたりであるいは納得がつくのかもしれませんが、後段の方の、自治体が納めた分と支払った分の差し引きが不足を生ずるというのは、これはそこの財政にとっては大変なことですね。これはしようがないわいとは言ってはおれぬのでありまして、何か適当な、プールしたお金でも持っておってね、その辺のものをこう調整するとか、何かちょっと工夫があってもいいと思うんですよ、これは。その辺ひとつよく研究してください。
○政府委員(宮尾盤君) この追加費用の問題もそうでございますが、各単位共済組合の年金の支払いに要する経費につきましては、個々の単位組合だけではなかなか十分対応し切れないという問題もありますことから、御承知のように連合会——市町村の場合には連合会等をつくりまして、都市の場合もそうでございますが、連合会の中に長期の積立金を積み立てて、個々の組合財政が非常にピンチになったときに全体としてその調整をしていくと、こういうような仕組みを設けておるわけでございます。その中に、かつてはこの追加費用も取り上げるような形でやっておった経緯があるわけでございますが、ところがこの追加費用は、その性格上個々の地方団体がやはり完全に責任を持つべき問題であると、こういったてまえから、現在におきましてはそういう方向ではなくて、個別のやはり地方団体が所要額全部を当該共済組合に払っていただく、こういう考え方になっているために、財政措置をしている額とそれから共済組合で払い込まなければならない額との間に乖離が出てくる、あるいは完全に共済組合に財政措置がなされない、こういうような問題点が出てくるわけでございまして、いずれにしてもそういう個々の地方団体と単位共済組合の問題、あるいは連合会を含めての何らかの措置がないのかどうか、こういう点についていろいろとこれまでも研究はしてきておをわけでございますが、さらにそういった問題の研究を煮詰めまして、なるべく早い機会にそういう点について問題が起きないような措置を講ずるように努力をしたいと考えております。
○志苫裕君 毎年審議する法案ですから、この次のときまでに何かうまい知恵が出てきますように要望いたしておきます。 責任準備金の通告をいたしましたが、これは取りやめます。 厚生省、おいででしたかな。——御足労いただきましたが、ひとつわずかな時間しかないんですけれども、企業年金につきまして、きょうはひとつ勉強させてもらう意味でお越しいただいたんですが、その種類であるとか普及状況やその内容等等について、今後の少し審議の参考にもしたいと思いますので、いろいろと御説明をいただきたい。なお、資料等ありましたら御提示をいただきたいと思います。
○説明員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 わが国の企業年金制度は、俗に三つの種類があるというふうに言われておるわけでございます。 第一は、私どもの方で所管をいたしておりますが、厚生年金基金制度でございます。もう一つが法人税法によります税制適格年金と言われるものでございます。このほかに、企業が独自に設定をいたします自社年金制度がございます。 まず、厚生年金基金制度につきまして御説明を申し上げます。 厚生年金基金制度は、昭和四十一年に発足をしたものでございますが、厚生年金の老齢年金につきまして、定額部分と報酬比例部分という二段階の構成に年金の給付の仕組みがなっておりますけれども、その報酬比例部分を代行し、かつその報酬比例部分が政府本体が実施するよりも上回る給付を行うということを条件といたしまして、厚生年金基金の適用事業所につきまして、大きな会社でございますと御自分のところだけで設置をなさいます場合もございますし、また、親会社、子会社という関係で設置をいたしますものもございますし、または同業同士の企業が集まられまして、総合型と私ども申しておりますが、そういう形で設置される三つの形式がございます。これにつきましては、加入の条件といたしまして、設置の条件といたしまして千人以上の規模で設置をお願いをいたしておるわけでございます。 次に、法人税法による税制適格年金でございますが、これは私どもの所管でございませんので、やや説明を省略させていただきたいと思うのでございますが、昭和三十七年に発足をいたしましたものでございまして、企業または団体の被用者のみを加入資格といたしまして、おおむね十五年から三十年の資格を持ちまして退職を要件とする年金を設置するものでございます。これは法人税法上の適格要件を備えた退職年金制度というふうに俗に言われておるわけでございますが、私どもの厚生年金基金と非常に違いますことは、ただいま千人以上の規模でないと厚生年金基金は設置できないということを申し上げたわけでございますが、この税制適格年金は社外にこういったファンドを積み立てるわけでございますけれども、社外に積み立てます場合に、信託会社か生命保険会社に資金の運用をやらせまして、その場合に、最低の人員規模といたしましては、生保契約の場合は二十人という小さな規模ですることができます。信託契約の場合は百人ということになっておるようでございます。それと大きな違いは私どもの方の厚生年金基金は終身、つまり亡くなりますまで老齢給付をすることを要件といたしておりますけれども、税制適格年金につきましては、そういった給付の設計の上につきまして相当の自由度がございまして、現実には有期、十年とか二十年とかいう範囲内で給付をするというようなことが認められておるわけでございます。こういったある一定の税法上の適格要件を兼ねておりますと、税法上たとえば年金積立金につきますものに若干の税法上の特典があるわけでございます。 そのほかの自社年金制度でございますが、この詳細は私ども了知いたしておりません。 企業におきましては、いま申し上げました三つの企業年金をすべてやっておる企業もございますし、それから厚生年金基金だけという企業もございます。その組み合わせというのは、正直に申し上げまして実態はよくわかっておりませんが、さまざまなようでございます。 次に、現実の事業の概況を御説明申し上げます。 厚生年金本体、つまりサラリーマンの現在の被用者でございますが、これは五十四年度時点で申し上げまして二千四百七十一万四千人という人数になっておるわけでございますが、このうち厚生年金基金に加入いたしております者は五百七十八万六千人でございまして、二三・四%ということになっております。税制適格年金につきましては五百四十万六千人でございまして、これがやはり二一・九%となっておるわけでございます。自社年金につきましては把握をいたしておりません。いまこの数字のうち厚生年金基金と税制適格年金が一部重複をすると思いますので、非常に大ざっぱなことを申し上げて恐縮でございますが、厚生年金の被保険者のうちの四〇%近い方が何らかの形で企業年金の加入者であるということではないかというふうに思っておるわけでございます。一方、民間の調査によりますと、株式上場会社におきましては、おおむね上場会社のうちの七〇%が何らかの形のこういった年金制度を実施しておるというふうな数字が出ておるわけでございます。 これらの年金の受給の状況でございますが、現在、厚生年金基金の場合には、同じく五十四年度末の数字でございますが、年金受給者は五十二万八千三百五十九人になっております。税制適格年金は、実は税制適格年金を一時金で選択する、つまり退職一時金と同じような形で、企業といたしましては社外に、信託会社、生命保険会社に積み立てますけれども、退職された時点で一時金で選択されるということがございますので、現実に年金を受給しておられます方は数が少のうございまして、四万八千七百六十七人というような数字になっておるわけでございます。これは厚生年金の方の受給者で申しますと、老齢年金受給者または通算老齢年金受給者というものと対比をすべきだと思うのでございますが、厚生年金本体のこの時点におきます老齢年金、通算老齢年金の受給者は三百一万三千人でございますので、約一三%程度の人間がこういった企業年金を現実には受給しているということが実態ではないかと思います。 先生お話しの、以上のようなものにつきましては、資料の提出をさしていただきたいと思います。
○志苫裕君 資料をいただきましてなお検討をさしてもらいますが、厚生年金基金あるいは税制適格年金、自社年金、いまお話しのように、特に自社年金に至ってはよくわからないというお話でありました。これは国の役所で言うと、どこがこういうものを所管をしておるんでしょうね。
○説明員(長尾立子君) 先ほど申し上げましたように、厚生年金基金は私どもの役所が所管をいたしておりますが、税制適格年金は大蔵省が所管をいたしております。
○志苫裕君 自社年金の方は。
○説明員(長尾立子君) これにつきましては、行政上の何と申しますか具体的な規制とか介入ということをやっておらないわけでございまして、所管省は明確でございません。
○志苫裕君 どうもありがとうございました。 時間が来ましたから、終わります。
○和泉照雄君 共済年金の質問をするわけでございますが、厚生年金に入りますと一番関心が深いのは経営状態ということになってまいるわけでございますが、国鉄の共済年金は、国鉄共済収支計画策定審議会、ここにおいても昭和六十年以降の見通しが立たない状況でパンク状態だと、このようにも言われておりますが、ところで地方公務員の共済はどうかというと、自治省の試算では、昭和六十九年ごろには単年度収支がマイナスになって積立金がなくなるのが昭和七十八年。別の試算では七十七年に単年度収支がマイナスになって、八十六年には積立金がゼロになると、こういうことでございますけれども、しかし私は、この破綻はもう少し早く来るのではないかと、こういうふうに非常に心配するわけでございます。その理由の第一は、自治省の方の試算によりますと、年金単位というのは地方公務員共済全体を一つに考えておられる、しかしながら、もうすでに呉市とかあるいは大牟田市など小さな保障集団が危機に陥っているという例もありますから、他にもこういう例がどんどん出てくるのではないかと、こういうことが一つであります。 第二には、この試算は、全部の積立金を取り崩せるという前提に立っておるようでございますけれども、実際には組合員の貸し付け等に回っている分は回収ができないのではないか。こういうことから破綻はもう少し早く来るのではないかと思うのでございますが、この考え方は私は妥当ではないかと思うのですが、そこらあたりの見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) ただいま御質問の中にありましたように、私ども年金財政についての試算をいたしておるわけでございますが、この試算には、当然前提といたしまして、組合員数を一定にしてみるとか、あるいは給与のベースアップとかあるいは年金改定率を毎年五%程度見込むと、こういうようなことで粗い試算をしておるわけでございまして、その場合にも財源率を据え置いた場合、あるいは一定の前提で財源率を上げた場合、こういう計算をいたしておりますが、確かに御指摘のようにこれは地方職員共済組合の全体の姿を平均的に見たものでございますので、個別に見てまいりますと、私どもが試算をしておるものよりはもっと早い時期に個別の組合で財政的な問題が出てくるものが相当あり得る。現に、ただいま御指摘がありました呉市とかあるいはそのほか幾つかの都市共済組合について、そういう事例がすでに出かかってきております。 それからもう一つ先生御指摘がありました、積立金を全部取り崩せるという前提という点も、これはそういうことには確かにならないわけでございまして、そういう点についても一つの考慮を払っていかなければならないわけでございますので、そういう意味におきましては、御指摘のように財政状況の悪化の時期というものはもう少し早いところに考えておく必要があるというふうに思っておるわけでございます。
○和泉照雄君 そこで、いま申し上げました呉市とか大牟田市、こういうような小さな保障集団の中でそういうような危機が起こっておるということでございますが、この呉市、大牟田市の共済組合の場合、どのような措置をとるおつもりなのか。現在、三十組合で連合会をつくっておるようでございますが、一応財政の調整の基本は、仕組みというのですか、そういうことはできておるようでございますけれども、まだ現に作動しておるような状態ではないように見受けられるんですが、どうでしょうか。
○政府委員(宮尾盤君) 都市共済組合は三十の個別の組合があるわけでございますが、これらが連合会をつくっておるわけでございます。そこで、三十ある都市共済組合の中で、たとえば呉の共済組合、大牟田市の共済組合等につきましては、非常に収支状況が悪化をしてきておりまして、特に呉市共済組合におきましては、昭和五十三年度から単年度収支が赤字になるというような状況も出ております。 そこで、こういうことが出てくるのは、やはり組合員数が非常に少ないとかいうようなことから、財政基盤が弱いために出てきておるわけでございますので、現在の共済組合制度の仕組みといたしましては、三十の個々の組合が連合会を組織をするというようなことにいたしまして、連合会に長期給付積立金を積み立てて、そして個々の組合の収支が悪化した場合にこの積立金の方から所要の資金を交付する、こういう制度を設けておるわけでございますが、まだ連合会から呉の共済組合等に対してこれが交付をされるという事態までには至っておりません。呉市自体については、単年度では赤字になってきておりますが、まだ積立金がございますので、そういう状況までには至っていないわけでございます。 一応こういった仕組みをとって個別の組合の財政に対処をしていこうということにいたしておりますので、一応の機能はこれで果たせると思うわけでございますが、年金財政というものの将来というものをやっぱり考えた場合に、いまのこういう連合会での長期積立金の仕組みだけで十分対応できるかというと、これは非常に問題があるところでございます。そういう点からいたしまして、共済組合の年金財政の将来にどういう対応の仕方をしていくべきかということが非常に大きな検討課題だというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 いま御答弁があったとおり、連合会のそういう組織が果たして正しく機能するかどうかということは大変な疑問があるということでございますので、やはり相当検討を要することではないかと思います。 私が九十三国会の質問をした中で、地方公務員共済の年金単位は幾つあるのかということを質問したわけでございますが、十六単位あるということで実際驚いたわけでございますが、国家公務員共済は昨年の四月に四共済が連合会に加入することによって統合を進めておるようでございます。今回は改正案の中で地方団体関係の団体共済組合が地方職員共済組合に統合するということになっておりますが、これはもっぱら行政改革という観点から行われておるようで、やはり単位は十六ということには変わりはないようであります。行政改革といっても単なる員数合わせのような感じがするわけでございますが、この統合によるメリットというのはどういう具体的なメリットがあるでしょうか。
○政府委員(宮尾盤君) いま御質問の中にもございましたように、団体共済組合を地方職員共済組合に統合することにいたしておりますのは、これは五十四年の十二月二十八日の閣議決定に基づくものでありまして、行政改革という観点から特殊法人を整理をする、この一環として行うためのものでございます。 そこで、こういった統合をすることのメリットでございますが、特殊法人の数が減少するということのほか、統合することによりまして役員の数が減少できますことと、それから団体共済組合に関します事業計画とか、あるいは予算等に関します許認可事務等が簡素化される、こういったことがそのメリットであろうかと考えております。
○和泉照雄君 いまの御答弁のとおり、共済年金の方にとってもメリットは余りないと、こういうふうに理解するわけでございますが、先ほどの私の九十三国会の質問のときには、自治省の方としては、地方公務員共済の十六単位の統合なり一元化をする必要があると、このように答弁をされておるわけでございますが、その後具体的にどのような検討がなされたのか、また、統合や一元化に対する障害は具体的には何なのか、この二点についてお答え願います。
○政府委員(宮尾盤君) 財政単位としては十六単位でございますが、具体的な組合の数からいきますと九十一の組合があるわけでございます。それで、こういうようなたくさんの組合がありますのは、それなりにその成立の経緯なり沿革というものがこれまであったわけでございまして、そういうそれぞれの組合のたとえば職員構成とかあるいは財政状況とかというようなものも、それなりに異っておるわけでございます。したがいまして、こういう異った沿革なり現状なりというものにある組合が統合をするということになりますと、これはなかなか簡単にはいかない状況であることは十分御理解いただけるわけでございまして、私どもといたしましては年金財政の将来というものを考えた場合に、現状のままではなかなか大変むずかしい状況になるということを十分理解をしていただいて、そしてそういう中でそれぞれの組合がまあ一元化なり統合というようなことについてどういう考え方を持つか、理解を示すかというようなことが一つと、それから、制度を所管する私どもといたしましては、こういった問題について年金の将来ということを考えた場合に、共済年金制度あるいは公的年金制度全体を通じてどういう方向を求めていくべきかということについては基本問題研究会でもいろいろと研究をしていただいておるわけでございますから、そういう両面からのいろいろな検討なり機運なりというものを醸成をして、どういう方向を求めることが一番ベターかということを探っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 大臣にお尋ねをいたしますが、わが国が急速に、諸外国で例を見ないスピードで高齢化社会に進みつつございますが、それに備えて年金制度の抜本的改革を早急に急がなければならないことは自明の理でございますが、このような状況にもかかわらず、先ほど申し上げたとおり、年金の八大制度の中の一つの制度である共済年金制度が十六単位にも分かれておるということは、全体の抜本的改革をおくらしている原因になっていると言っても私は過言ではないと、このように思うのでございます。 そこで、十六単位の統合なり一元化は、大臣、あなたの所管でございますから、この地方公務員共済において単独でできることですから、ぜひ統合一元化を図るべきだと思いますが、決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) おっしゃるとおりに、これから一番大きな問題は年金の問題だと思いますし、自治省が所管しておる共済団体も十六単位、九十一団体、これはやはり一緒になった方が、基本的な問題もありますけれども、少なくとも強化するゆえんであると思います。したがいまして、どうしてもこれは、第一の段階としてまとめる方向に努力をせにゃいかぬ。そして、ある時期にそれが統合されましても、年金の問題は長期見通しをすれば、やはり問題は残る。しかし、ばらばらの団体であるよりもまとまっておった方がやはり政策を確立するにも私はベターじゃないかと、こう思っておりまするので、おっしゃるとおりに共済団体の統合ということはぜひ手をつけにゃいかぬ問題だと認識をいたしております。 もちろん、これにはいろいろのいきさつがありまして簡単にいく問題ではないと思いますけれども、やはり年金における今後の動向を考えますと、自治省としてもこの問題に真剣に取り組んでいかなきゃならぬ問題だと、こういうふうに私も考えておりますし、その努力をしていきたいと思います。
○和泉照雄君 先ほどから申し上げておるとおり、近い将来そういうようなパンク状態になるということでございますから、そういうおそれがあるわけでございますが、いまおっしゃったとおり、いろいろ不満はあると思いますけれども、前向きでひとつ取り組んでいただきたい。 次は、懲戒処分者に対する給付制限についてお尋ねをいたしますが、施行令の第二十七条によって、最高二割をカットするということになっておるようでございますが、この二割という数字の根拠は何であるのか。
○政府委員(宮尾盤君) 二割の支給制限を行うというその理由でございますが、必ずしも明確な根拠というものがあるのかどうかでございますけれども、一応の考え方といたしましては、年金の財源のうちで使用者負担分、これを決めました昭和三十四年当時四五%を使用者が負担をしておったわけでございまして、その四五%の約半分であります二〇%を制限対象とするという考え方によったものだというふうに聞いておるわけでございます。
○和泉照雄君 共済年金におけるこの懲戒処分者に対する給付制限に相当するものは厚生年金にはございません。これは、給付制限はいかなる理由に基づいて行うのか、その理由について伺いたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 共済年金制度は、厚生年金制度の代替的な機能、性格を持つということが言われておりますが、それと同時に、地方公務員法の規定によりまして、公務員制度の一環としての性格というものも持っておるわけでございます。したがいまして、そういう公務員制度の一環であるという性格から、懲戒処分等を受けました人たちにつきましてはこういった給付制限を設けておるということであります。
○和泉照雄君 そうなりますと、給付制限が、公務員という地位の特殊性に基づいてそういうものを制限をするということであれば、年金額の二割に相当する分が企業年金としての共済年金に当たると、こう理解されてもやむを得ないと思いますが、その点はどうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 懲戒処分者等に対して給付制限をするというのは、公務員制度の一環であるという共済年金制度の性格に由来をしておると私ども理解をしておるわけですが、そういうことから直ちに二割相当分がいわゆる企業年金的なものであると、こういうふうには考えておらないわけでございます。
○和泉照雄君 私は、公務員の地位の特殊性から懲戒処分者に対する給付制限が最高二割であるとすれば、共済年金の企業年金に相当する分が二割であることでなければ理論的には筋が通らないと、こういうふうに思うわけでございますが、過去にも附帯決議で再三にわたりこと問題に言及しているのはそのような問題があるからだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 附帯決議等で懲戒処分者に対する年金の給付制限を緩和すべきであるということについてでありますが、これは、給付制限をしております考え方は先ほどたびたび申し上げたところでございますけれども、その給付制限について見直せという御議論は、これはかねがねそういう議論が出されておりましたことと、それから昭和五十四年の共済年金制度懇談会におきましても、「当面早急にとり上げるもの」という項目の中で、その点については再検討をしてみる必要がある、こういうふうに指摘をされまして、また附帯決議等でもそういった御意見もちょうだいをいたしておりましたので、今回この給付制限について、廃止は先ほど申し上げましたような理由からできないと考えたわけでございますが、緩和する方向で措置をすることにした、こういうことにいたしたわけでございます。
○和泉照雄君 私はやはり共済年金を、企業年金としての共済年金の面と公的年金としての共済年金の面と、両方考えていかなければならない時代がもう来ておるのじゃないかと、こういうふうに思いますし、また、将来避けて通るわけにいかない問題ではないか、こういうわけで提起しているわけでございます。 そこで大臣、お尋ねをしますが、やはり共済年金を将来改正に向かっていろいろ考える場合に、この企業年金としての共済年金の面と公的年金としての共済年金の面とを分類して考えていかなければならない、そういうような方向づけも大事ではないかと思うんですが、大臣いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 私の方からちょっとお答えを申し上げたいと思いますが、いわゆる基礎年金構想というものを踏まえての御提言といいますか、御質問であろうというふうに考えるわけでございますけれども、基礎年金構想につきましては、御承知のように、昭和五十二年十二月の社会保障制度審議会の建議におきまして、「基本年金」という名で提言されたものを初めとして、いろいろなものが提言をされておるわけでございます。 そこで、そういうような問題を踏まえ、年金制度につきましては、制度がいろいろに分かれておる問題とかあるいは長期的な費用負担の問題とか、いろいろと公的年金制度全体を通じて解決しなければならない問題がたくさんあるわけでございます。 そこで、いまのそういう基礎年金構想というものも、今後の年金制度のあるべき姿というものを考える場合に、一つの非常に貴重な御意見だというふうに考えるわけでございますが、そういった建議につきまして、現在の社会保険システムをとっておりますわが国の公的年金制度の基本にわたる非常に大きな問題でございますので、なお今後それにつきましては慎重に検討をしなければならないというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(安孫子藤吉君) いま部長から申し上げたのでありまして、私、そこまで突き詰めた年金についての検討をいたしておりませんから自信を持ってお答えはできませんけれども、とにかくこれはほっておける問題じゃないということだけは強く認識をしております。 それからまた、共済年金は公務員制度の一環であるということも私は理解できると思います。しかし二回、おっしゃるとおりに、企業年金的な色彩もあるのじゃないかという御指摘でございますが、その点も私は理解はできると思います。その辺を十分に考慮いたしまして、今後における地方公務員共済制度の、何と申しますか、制度の改善、確立というような問題には取り組んでいかにゃいかぬだろう。これは、統合の問題と両方あわして、そういう問題はきわめて重要な問題だということを認識をいたしているわけでございます。
○和泉照雄君 先ほど厚生省の課長から説明を受けたときに、民間の企業というのは厚生年金のほかにいろいろとやっておるわけですよね。将来、共済年金との格差ということ等がいろいろ問題になってくるんじゃないかというようなことを思いますので、やはり検討事項として検討をしていただきたい。 次は、昨年の六月に共済年金制度基本問題研究会が発足をしておりますが、それからもう一年になろうとしております。この検討経過について御報告を願いたいと思います。
○説明員(野尻栄典君) 昨年の六月から大蔵省に共済年金制度基本問題研究会というのを設けまして、いま先生からお話がございましたとおり、ほぼ一年経過したわけでございます。この研究会では次のような三つの課題につきまして御検討をお願いしているわけでございます。 第一の課題は、年金財政を踏まえた職域年金制度としての今後の共済年金のあり方の問題、給付水準や給付要件に関する抜本的な見直しというテーマでございます。第二の問題といたしましては、他の公的年金制度との整合性やこれらの給付との調整を今後どうすべきかといったような問題でございます。三番目のテーマが、当面する国鉄共済の問題を含みます全体の共済年金財政の今後の問題、以上の三つでございます。 この研究会におきます検討状況につきましては、昨年の六月に発足して以来今日まで十二回の会合を重ねておりますが、現在までのところは共済年金制度の現状あるいはその問題点等について総論的な御検討をいただいている段階であります。今後回を重ねるに従いまして総合的視野からの細部にわたる専門的な検討を行っていただくとともに、制度改正のための基本的方向を見出していただけるのではないかと、私どもは期待しているわけでございます。
○和泉照雄君 発足当時には二年をめどに答申を出すという予定のようでありましたけれども、聞くところによるとことしの秋ごろに中間報告を出すと、このように聞いておりますが、一説には国鉄共済組合収支計画策定審議会の答申が昨年の十二月に出されていますけれども、これが五十九年度までの暫定計画しか組めなかった、つまり六十年度以降の見通しが立たなかったと、こういう状態であるために、研究会としてはとりあえず三つの検討課題の一つである年金財政問題についての中間報告を出すと、こういうことであるようでありますが、果たしてそういうことであるのかどうか。
○説明員(野尻栄典君) 先ほども申し上げましたように、この研究会の検討期間のめどといたしまして値、おおむね二年程度が必要ではないかと当初考えていたのでございますけれども、いまおっしゃいましたように、国鉄共済の年金財政の危機的な状況がより鮮明化したという事態が、昨年からことしにかけて参りまして、そういったことも考慮して研究会における検討を少しお急ぎいただきたい、できればことしの秋ごろにその中間的な取りまとめをお願いできればありがたいということを研究会で私どもの方からお願いしたことは事実でございます。ただ、その取りまとめは国鉄共済対策だけの取りまとめということでは必ずしもございません。
○和泉照雄君 次は、定年制法案との関係について御質問を申し上げますが、現在定年制法案が参議院に送られてきておるようでございますが、これが仮に通過した場合に、退職年金を受けることはできなくなる方々が相当に出るのではないかと思います。昭和六十年に定年制がしかれたがゆえに無年金者とならざるを得ない者が相当出てくるということになりますと、地方公務員の場合一体どれくらいの人たちが定年制のために無年金者になるのか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 定年制度が実施をされた場合に、共済年金の受給権を有しない者がどの程度あるかということでございますが、共済年金の受給資格がない者はおおむね二・一%程度の方々であろうというふうに考えております。ただ、いわゆる無年金という場合に、先生も御承知のように、いわゆる通算退職年金の制度があるわけでございますので、通算退職年金の制度を適用してもなおその年金の受給資格がない方というのはこれらのうち非常に限られた数になってしまう。ほとんどの方がそういう国民皆年金下の現在におきましては通算退職年金の受給資格を持っておる、こういうふうに考えられるわけでございまして、そういう意味での無年金者というのは非常に限られた数になるというふうに考えております。 ただ、これは通算退職年金の受給資格があるかないかということにつきましては非常に詳細な調査をしませんと出てまいりませんので、具体的にそれがどれだけかということはお答えしにくいわけですが、非常に限定された数だというふうに私どもは考えておるわけでございます。 以上でございます。
○和泉照雄君 私が質問しておるのは、定年制法案がもしも通った場合、それが出されない場合には当然年金の受給の二十年ということで何とか食いつないでいったような人が、六十ということになりますと、それで共済年金の制度ぷつっと打ち切られる人がどれだけ出てくるかと、通算とか通年とかなんとかそういうことは論外にして、ただ定年個法案が出たためにそういうことになる人が何%、何人ぐらいいられるか。
○政府委員(宮尾盤君) 先ほどお答え申し上げましたように、共済年金については受給資格が二十年なければいけないわけでございますので、そういう意味で共済年金だけで受給資格がないということになると予想されますのは、六十年三月末において六十歳以上の職員で組合員期間が二十年未満の者と、それからそのときに六十歳未満でありますが、六十歳まで在職しても組合期間が二十年未満の方々、こういう人たちもあり得るわけです。それを含めて大体全体の二・一%程度であろうと、こういうふうに考えております。
○和泉照雄君 何名ぐらいですか。
○政府委員(宮尾盤君) ですから、三百万の二・一%でございますから、数にいたしまして約六万三千名程度であろうと推定をいたしておるわけでございます。ただ、先ほどつけ加えて申し上げましたように、通算退職年金制度があるわけでございますので、そういう制度が適用になって通算退職年金が出る方がこのうちの大部分の方であって、それも受給資格がないという方は非常に限定をされるということを先ほどつけ加えて申し上げたわけでございます。
○和泉照雄君 いまの、この問題になっております無年金者については、自分の責任でそういうことになったんじゃなくて、国の施策でそういうようなことにならざるを得なかったということになりますから、何らかの救済措置を考えてしかるべきじゃないかと、こういうように思うわけでございますが、厚生年金の特別措置としては、四十歳以降の十五年の組合員期間がある者に対する年金の支給の制度を考えておるようでございますが、地方公務員の場合はどういうようなことをお考えになっておるでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) 非常に限られた数だと思いますが、定年制度が実施された場合にそういう方々も出てくることが予想されますので、私どもといたしましては、これは国家公務員の場合と共通の問題でございますので、関係のところとも御相談をしながら、厚生年金制度におきます継続、長期の制度等を参酌をしながら、経過的な共済法上の措置によりまして対処するように措置をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 次は、寡婦加算と遺族年金の問題についてお尋ねをいたします。 九十三国会で寡婦加算の額の厚生年金と同様の引き上げを私は主張したわけでございますが、今回の改正案で本年の四月から実現することになっておって、そのことは一歩前進だと評価するわけでございます。しかし、厚生年金や恩給など、いずれも昨年の八月から実施となっており、共済の方は八万四千円から四万円もおくれ損があるわけでございますが、このおくれ損を何とかできないものか。九十三国会の法案審議の際に私は、厚生年金や恩給と同じく五十五年の八月の実施を強く要求したわけでございますが、自治省もこの五十五年八月からの実施を政府部内で相当強く要求をされたように聞いておりますが、できなかった理由は何であるのか、お伺いしたいわけでございます。
○政府委員(宮尾盤君) 寡婦加算についての経過を申し上げると少し長くなりますので、そこは先ほども御答弁を申し上げたわけでございますが、厚生年金等との比較におきまして、おくれる分についてさかのぼって措置をすることができるかどうか、これは、私どもといたしましても政府部内において真剣にいろいろと検討いたしたわけでございます。しかしながら、こういう年金制度の改正につきましては、さかのぼるということが非常に異例な措置であるということでありますし、それから、寡婦加算の引き上げ措置につきましては、これは、御承知のように、本人が退職年金なりあるいは老齢年金等をもらっている場合には、その給付調整措置を講ずるということが厚生年金においても行われておるわけでございまして、仮に、厚生年金の方で寡婦加算の引き上げが行われたときまでさかのぼってそういう措置を行うということになりますと、すでに裁定をしておる方々の年金について減額をしなければならないというケースも出てくるわけでございまして、かえってそういうことになりますと非常に法律的にも問題が出てくる、こういうこともございまして、それらを総合的にいろいろと考慮をいたしました結果、さかのぼることについては問題があるのでこれはできない、こういう結論に到達をいたしたわけでございます。 この点につきましては、各共済組合同じ措置にいたしておりますし、また、それぞれの審議会においてもこれにつきまして御了承を賜って、こういう措置をいたしておるわけでございます。
○和泉照雄君 厚生年金では、加給年金額については、従来は国家公務員の扶養手当の額で定められたものを、昨年からは変更して二倍から二・五倍の大幅な増額を行ったわけでございますが、共済年金の扶養加給については、国家公務員の扶養手当の改善にならって引き上げておるだけであります。今回の改正案に盛られておらないわけで、九十三国会でこれに関する質問をした際に、自治省の方の答弁としては、関係省庁間で検討が詰められるまでの間暫定的に据え置くとの答弁がなされておるようでございますが、その後検討がされたのか、今回の小幅な引き上げが結論なのかどうなのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員共済年金制度におきます扶養加給の問題でございますが、これは現行どおりに据え置くことにいたしております。 そこで、そういうことにいたしておる理由でございますが、昨年の厚生年金保険法の改正におきまして、加給年金の額について公務員の扶養手当の改善を上回る大幅な引き上げと給付調整ということが行われたわけでございますが、この考え方は、夫婦世帯の年金水準を充足する一方で、単身世帯と夫婦世帯との間の年金水準の分化を図るということを考えてそういう措置を行ったわけでございますが、こういうような考え方を直ちに共済年金制度の中に組み込むことについてはなお検討をする余地がある、検討すべき問題が非常に多い、こういうことが一つの理由でございます。 また、第二の理由といたしましては、共済年金制度におきましては遺族年金を除きまして加給年金制度は導入されていないわけでありますし、加給年金制度の導入をすべきかどうか、給付算定方式の見直しをすべきかどうかという問題につきましては、これは共済年金制度の根幹にかかわる非常に基本的な問題でもございますので、相当期間にわたって少し検討してみる必要がある、こういうことであります。 そこで、そういう理由から、制度全体にわたる加給年金制度の問題を検討をしないで遺族年金の扶養加給のみを引き上げようということはいろいろ問題がある、こういうことから見送ったわけでございます。 なお、この加給年金制度というものを今後どういうふうに共済年金制度の中で考えていくべきか、こういうことにつきましては、いま申し上げましたように、基本的な検討をしていかなければなりませんので、この際、暫定的な措置といたしまして加給年金については従前どおり据え置くことが適当であるということで見送りをいたしております。この基本問題につきましては、共済年金制度基本問題研究会において加給年金の取り扱いを今後どういうふうに考えていくべきか、検討、研究が進められておるわけでございますので、その結果を見ながら関係省庁とも協議をして検討を進めていきたいと考えておるわけでございます。
○和泉照雄君 私は九十三国会で、やはり共済年金の場合でも厚生年金にならって寡婦加算の大幅な増額を早急に行うべきであると、このように主張したわけでございますが、これは、理由としては、遺族年金の水準がきわめて低い、本来遺族年金の改善は給付水準の引き上げによって行うべきであるけれども、そういうふうな正攻法をやっておるならば、これはなかなか時日がたつというようなことで、遺族年金の受給者の生活ということを考えれば待ったがかけられないという、そういうような考え方から主張をしたわけでございますが、寡婦加算の大幅な増額、二倍から二・五倍という大幅な増額の措置は、したがってあくまで暫定措置というにすぎない、このように理解するわけでございますが、遺族年金の改善の問題については、二倍から二・五倍という大幅な増額をしたのでこれで最終だとは私は思わないのでございますが、そういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(宮尾盤君) 遺族年金の支給水準の問題等につきましては、かねがねからいろいろな御意見を賜っており、また、附帯決議もいただいておるわけでございます。 そこで、これをどうするかということでございますが、たびたび申し上げておりますように、非常にこれは基本的な問題でもありますし、各共済年金制度あるいは他の公的年金制度にも通ずる問題でもありますので、やはりある程度の時間をかけて、基本的な検討をしなければならないわけでございます。そういう意味から、今回寡婦加算の引き上げを行ったことにつきましては、遺族年金の改善はこれで終わったんだというふうに私どもは考えておるわけではございませんで、いま御指摘ありましたように、基本的な問題がある程度結論が出るまで時間がかかるので、他方で寡婦加算額が相当引き上げられているという現状にもあるのに共済年金だけほうっておくわけにはいかないと、そういうことから、ある意味では暫定といいますか、基本問題とは別に、当面の措置をそういうことでやったと、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。 なお、遺族年金の支給水準の改善の問題については、研究会でも取り組んでいることでもありまますので、そういうところの検討結果を待って検討をしてまいりたいと考えております。
○和泉照雄君 そこで大臣にお尋ねをしますが、いまもちょっと言及をされたようでございますが、遺族年金の給付水準、これは国際的に見ても日本の場合は非常に低いようで、大体五割でございますが、外国の場合は六割から七割という例が多数見受けられるわけでございます。二人の世帯が、一人が亡くなるから単純に五割という、そういう算術計算ではなくて、二人世帯の場合でも、共通経費を考えて給付水準を引き上げるべきであると、こういうふうに考えるわけでございますが、大臣の所見を。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私もそう思いますが、基本的な問題を検討するにつきましても、やはりそういう方向でいま検討されつつあるというふうに私は理解をいたしております。 なお、各般に影響のある問題でございまするから、ある程度の時間はかかると思いますけれども、そういう方向で検討をされておるものだと承知をしております。
○和泉照雄君 今回、遺族の範囲の見直しが改正案に盛られておるようでございますが、この改正は現状をかなり変更するものだけに相当重要な改正であると、このように考えるわけでございます。何か非常に唐突な提案をされてきたような感じがしないでもないけれども、従来生計維持要件を必要としなかった組合員期間が十年以上の者の妻に、なぜ生計維持要件を必要とする改正を行ったのか、それが第一点。 また、国家公務員共済組合審議会答申には、寡婦加算の大幅引き上げと短絡的に結びつけたものとしておりますけれども、この点についてはどのようにお考えか。この二点についてお答え願いたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 共済年金制度におきます遺族となるための要件につきましては、現行制度におきましては、組合員期間が十年以上の者の配偶者につきましては、死亡した者との生計維持関係を必要としないという扱いになっておるわけでございますが、これを今回、組合員期間十年未満の者につきましては生計維持要件を必要とすると、こういうふうになっておりますので、それと同様に生計維持要件を必要とするということにいたしたわけでございます。 それで、こういうふうにいたしましたのは、そもそもは共済年金制度におきます遺族年金の給付要件は、原則的には死亡した者との生計維持関係を基礎的な要件としておるわけでございますし、また、組合員期間十年未満の者の配偶者との均衡を考慮する必要があることなどを考えまして、組合員期間が十年以上の者の配偶者につきましても、同じ制度内での整合性を図っていきたいという考え方から、他の遺族とその要件を合わせることが適当だと、こういう考え方でその要件を合わせることにいたしておるわけでございます。 そこで、今回、寡婦加算の額を引き上げることとあわせてこういう遺族年金の範囲の見直しをいたしたわけでございますが、寡婦加算の額を引き上げることといたしましたのは、これは先ほども御答弁申し上げましたように、遺族年金の基本的な問題の見直しについてはなお相当の時間がかかると、こういうことから、厚生年金等とのバランスも考慮いたしまして、寡婦加算の額を当面引き上げると、こういう措置に踏み切ったわけでございまして、この寡婦加算の引き上げと遺族年金の範囲の見直しというのは連動して行ったわけではありませんで、全く違った観点からそういう改正措置を行ったわけでございます。まあ短絡的に結びつけるではないかという御批判はあるようでございますが、決してそういう考え方ではないわけでございますので、御理解を賜りたいと存ずるわけでございます。
○和泉照雄君 御承知のとおり、公務員は共かせぎが非常に多いと、このように言われております。特に地方公務員は教員などに共働きが多うございます。また、奥さんが小さな商店を営んでいる場合もあると考えられるわけでございますが、遺族年金の場合、組合員が死亡したときに奥さんに相当の収入があり、一たん生計維持関係がないと判定をされますと、その後その奥さんの収入が急激に落ち込んだ場合であっても遺族年金は支給されないということになるわけでございますから、同じ改正でも国家公務員共済審議会の答申がこの点についてかなり消極的な見解を持ったのも、そういう点を私は危惧しておるのじゃないかと、このように思うわけでございます。こういうような改正をしたということで、遺族の範囲は縮小をすると私は思うわけでございますが、生計維持関係の判定というのには相当な慎重さがあってしかるべきだと思いますが、こういうような事例が起こったときにはどういうような救済措置をとるのかということ等も含めていろいろと検討されなければならない問題ではないかと思うんですが、御所見をお伺いして私の質問を終わります。
○政府委員(宮尾盤君) 遺族の範囲を改正をすることに伴いまして相当大きな変動が出るのではないかという御懸念だと思います。私どもも、そういう点については非常に大きな変動を来してはいかぬということは十分考えたわけでございます。 配偶者の生計維持関係の認定の具体的なやり方でございますが、死亡をいたしました組合員と生計をともにしていた者のうちで、「当該組合員」の死亡「当時の給与の額をこえる所得を将来にわたって有すると認められる者以外の者その他これに準ずるものとして自治大臣が定める者」につきましては、生計維持関係があったものとすることとされておるわけでございます。 そこでこの場合の、「これに準ずるものとして自治大臣が定める者」という取り扱いでございますが、組合員の配偶者でありまして、その組合員が死亡した当時に定められていた掛金の算定の基礎となる給料の最高限度額、これは今回の改正では月四十二万円になるわけですが、その十二倍、つまり一年間、十二カ月分に相当する額以上の恒常的な収入を有すると認められる者以外の者がこれに該当する、こういうふうにしておるわけです。少し法文に従ってややこしい説明を申し上げましたが、端的に申し上げますと、年収額が五百四万円未満の方につきましては実質的に遺族として認定をすると、こういう取り扱いをこれまでいたしてきておりまして、したがって生計維持要件を必要とするというふうに改正をしたことによってその遺族の範囲が非常に大きく動くということがほとんどないというふうに私どもは考えておるわけです。全く影響がないわけではありませんでしょうけれども、非常に小さい範囲の変動である、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 幾つかの点で具体的にお尋ねをしたいと思います。 第一の問題は、扶養親族の認定問題です。 まず最初に、人事院の方に、お伺いしますが、「人事院細則九−七−一 扶養手当の支給手続」の四項ですか、この共働きの家庭の場合ですね、ここで、「その職員が主たる扶養者である場合に限り、その者の扶養親族として認定することができる。」とあります。「その職員が主たる扶養者である場合」というこの判断の基準ですね、この点についてお伺いします。
○説明員(林博男君) 扶養手当についてのお尋ねでございますけれども、先生御承知のとおり、扶養手当は職員の届け出を待ちまして任命権者あるいはその委任を受けた者が認定する、こういうことになっておるわけでございます。その認定の基準につきましては細則で決めておるわけでございますけれども、これは、いま先生お示しのとおり、いわゆる共働きと申しますか職員が他の者と共同して同一人を扶養する場合、この場合につきましては、主たる扶養者がだれであるかということを基準といたしまして認定するわけでございます。その場合に、主たる扶養者ということでございますけれども、これはやはりその家計の実態でございますとか社会常識と申しますか、そういったものを根拠にして判断する、こういうことでございます。
○神谷信之助君 それじゃ、自治省に伺いますが、自治省の主たる扶養者についての判断も、人事院のいまの見解と一緒ですか。
○政府委員(宮尾盤君) 私ども地方団体を指導する場合には、人事院の方から御答弁がありました考え方に従って指導をいたしております。
○神谷信之助君 四十三年三月一日のこれに関する各省連絡協議会ですか、その通達がありますね。「夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について」、これの1の1ですか、これには、「被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、原則として夫の被扶養者とすること。」、こういうように、原則的には夫が扶養者であるという見解が出ていますが、これはまずこういう通達を出した趣旨、理由、その点をお伺いします。
○政府委員(宮尾盤君) 夫婦共かせぎの場合の被扶養者の認定につきまして、これは先ほど御答弁がありましたように具体的な認定をしていかなければならないわけでございますが、そこで、いまお示しになりましたこの社会保険各省連絡協議会の四十三年の通知といいますか結果でございますが、これはいろいろ協議会で検討をいたしました結果、被扶養者につきまして、扶養手当あるいはこれに相当する手当の支給が行われている場合にはその支給を受けている者の被扶養者とする、これが基本的な考え方でございます。これをお持ちであれば、その1の3に記載をされておる事項でございまして、これを、そういう具体的な扶養手当等が支給されておればその支給を受けた者の被扶養者とする、その他の場合には、妻の所得が夫の所得を著しく上回る場合その他特別の事情がある場合にはこれは1の2でいく、それ以外の場合には原則として夫の被扶養者として取り扱う、こういうふうな考え方に立って書かれておるというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。 何でこういう取り扱いをするかということでございますが、これは夫婦が異なった被用者保険の被保険者である場合には、制度ごとにその認定の取り扱いが異なる場合も出てまいります。そうなりますと、ある場合にはその被扶養者として認定が受けられないという方が出てまいったり、場合によっては二重にその被扶養者となる、こういうような非常に混乱をした事態も出てまいることが予想されますので、そういう事態を回避するために、各社会保険制度間を通じまして統一的な取り扱いをしよう、こういうことでこの取り決めといいますか考え方の統一を図ったと、こういうふうに理解をいたしております。
○神谷信之助君 おっしゃるように、3のところでは「扶養手当又はこれに相当する手当の支給が行なわれている場合には、その支給を受けている者の被扶養者とすること。」、こうなっておりますね。そうすると問題は、扶養手当またはこれに相当する手当の支給が行われるかどうかということが問題になるわけです。だから、そのときに扶養手当の支給を受ける者、扶養手当の支給を受けている状態ですね、だから逆に言うと主たる扶養者はだれかということでしょう。その主たる扶養者というのは、それは先ほど人事院の方から答弁がありましたが、家計の実態とそれから社会的常識ですか、あるいは社会通念といいますか、そういうことですね。ここのところですがね、家計の実態というのがなぜ主たる扶養者の一つの理由になるのか、ちょっとその点もひとつ、どちらからでもいいですけれども、お答えいただきたい。
○説明員(林博男君) これは、その認定を受けようとする者の生計をだれが主として維持しているか、こういうことでございますから、やはり家計の実態ということが一つの判断の基準になる、こういうことでございます。
○神谷信之助君 だれが、逆に言えばどちらがよけい収入があるかということになるわけですね。で、夫の方が普通は収入が多いだろうと、それで大体夫を主たる扶養者と。それで、妻の方が収入が多いという場合、これらの基準というのはどういうように考えられているんですか。
○説明員(林博男君) これはやはりケース・バイ・ケースでございまして、その家計の実態、生活の状況というのは、これは職員の家庭家庭によって違うわけでございますから、これは一律的にどうと、こういうことではございませんで、あくまで個別に認定する、こういうことでございます。
○神谷信之助君 私は、それはもうちょっと先で聞きます。その点自治省の方は、そういう点について一定の何か基準なり何なりを示しておられますか。
○政府委員(宮尾盤君) 格別基準というものを示してはおりません。
○神谷信之助君 県によって、この主たる扶養者の判断基準について、一定の、たとえば夫婦と子供一人の場合はどうだとかあるいは三人になった場合はどうかというものを標準生計費を基礎にして判断をするというようなところは幾つかあるんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 私どもとしては、一般的な指導といたしまして人事院が指導をされておられますような一般的な考え方を地方団体に示しておるわけでございますので、具体的に個々の地方団体がどういう取り扱いをしているのかということについては個別に承知をいたしておらないわけでございまして、いまのようなところがあるのかどうか、ちょっとそこはつまびらかではございません。
○神谷信之助君 それでたとえば夫婦の子供が、妻の方が給与が高い、収入が上だということで妻の扶養家族になっている。そのうちに夫の方も昇給してきますから、そうするとあの標準生計費なんかで計算をして、三人の場合にはこれだけだと。それの毎月の標準生計費と比べて夫の給料が——妻の給料が上なんですよ、夫の給料がこの三人家族の標準生計費を上回るということになると、扶養家族はこっちへ移れというような、扶養家族手当の支給は夫の方に変えるというようなことはあり得るわけですか。
○政府委員(宮尾盤君) 具体的な事例といいますか、そういう個々の団体での取り扱いは非常に細部にわたることでございますので、私どもとしてはそこらの点は承知をいたしていないわけでございます。ただ、共かせぎの場合に、先ほどのような基本的な考え方に立ってどちらの方の被扶養者にするのかと、こういうことにつきましては、国の場合もそうでありましょうけれども、地方団体の場合にも、いろいろな書類等を提出をしていただきまして、本人の申し立て書等も見ながら実態に合ったその判断といいますか、認定をしておるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 県の名前は別にいたしますが、一つ具体例がありますから申し上げます。 これは県立高校の教員を奥さんがやっているわけです。そういう場合ですね。昭和四十九年に子供二人の扶養を認められた、その際に夫の収入証明書を提出をして扶養認定がなされた、四十九年ですね。五十三年四月に夫の収入がその県の定める基準を上回る。ただし収入は妻の方が一貫して上なんです。先ほど言いました標準生計費で、夫婦と子供一人の場合は、二人世帯の年間標準生計費百二十八万五千三百二十円に夫の年収が満たないとき、三人世帯の一人一カ月当たり生計費は四万七千四百六十円であるから、これと何とを比べてそうしてやる、それで、二人世帯の年間標準生計費を夫の年収が上回る場合は原則どおり夫を主たる扶養者にすると、そういう基準を設けてあるわけですよ。ですからその基準で、夫の方が低いんだけれども——三人世帯ですからね、昇給したりなんかして標準生計費を上回ってきますわね、そうすると今度はその扶養家族の認定は夫の方だと、こうなってきた。それが五十六年一月の県の監査でそのことがわかって、二月からしたがって扶養手当が打ち切られる。そしてさらに、五十三年の四月から五十六年の一月までの扶養手当約三十万円、これを戻せと、こう言われているというものなんですよ。 これは一体どういうことでしょうかね。私はちょっとおかしいんじゃないかというふうに思うんですがね。
○政府委員(宮尾盤君) 私ども、個々の諸団体のそういう人事、給与関係の運用の実態というのは個別に承知をいたしておりませんので何ともお答えを申し上げかねるわけでございますけれども、一般的には、そういうやり方をしているところはほとんどないはずでございまして、先ほど来お答え申し上げているような基本的な考え方に立ちまして、そういうことが認定できるような書類等も出していただいて、そして実態に合った扶養認定を行っておるというふうに考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 これは大臣もよく考えてもらいたいんですが、それからまた人事院の方も御検討いただきたいんですけれども、夫婦が共働きをしている場合、どちらの収入が多いかによってその主たる扶養者をどちらに決めもというこの考え方自身は正しいのかどうかということですね。夫婦が共同して働きながら共同して子供を育てるわけですよ。扶養しているわけですよ。だから本来は夫であってもあるいは妻であっても、それは夫婦間の協議によって決めたらいい問題であって、それを収入が多いか少ないかということで決定をするということは一体どうなのか。しかも、私が先ほど読み上げました通達で、「原則として夫の被扶養者とする」ということですね。しかも今度は、妻が扶養者になり得る場合は、2で、「妻の所得が夫の所得を著しく上廻る場合その他特別の事情がある場合には」ということになっておりますが、だから収入が夫を上回って初めて婦人の地位が決まるみたいな、かせぎがどっちが多いかによって夫と妻の地位が決まるかのような、そういう判断というのはいかがなものか。男女平等あるいは同権が叫ばれてきて、相続法なんかも改正になってきている、そういう段階でそういう発想自身がいいのかどうかという点が一つ疑問に思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○説明員(林博男君) 国家公務員の場合は、先ほどから申し上げましたような基準に基づきまして認定をすると、こういうことでございますが、その場合に、必ずしも夫の場合あるいは妻の場合はだめだとかそういうことではございませんので、あくまで主たる扶養者というふうに認定された場合は男女の別なくこれは認定すると、こういうことで従来からやっておるわけでございます。
○神谷信之助君 自治省の方どうですか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方団体に対する自治省の指導も人事院から御答弁があったとおりでございます。
○神谷信之助君 そうしますと、そういう指導の方向であると、いまのような具体例というのは、夫の収入が一定の標準生計費を上回ったとかどうとかということで、それは間違って渡したんだと、したがってさかのぼって返しなさいというようなこと自身おかしいんじゃないかと思うわけですね。もちろんその県にそういうこれは基準があるわけですからね。県の方としてはその基準に基づいて運営するし、それで監査の立場から言えば、この規定に違う事例が出れば、それは不当支出だという言い方もできるわけです。そうなってきますと、今度は、実際にいま人事院なり自治省が指導されている方向とは違って、夫の方が仮に収入が低くても、とにかく一定の水準まできたらもう扶養認定を変える。しかも扶養手当はそのまま出しておきながら過去にさかのぼってそれは不当支出だから返せと、こういう点はちょっといまの趣旨から言うと大きく反する。 それで、本来やっぱり子供をどちらで扶養の認定をしてもらうかというのは、それはいろいろ条件ありますわね。この人の場合は、夫は民間ですから、そっちで扶養手当制度がなければもらえない。そういうことになるでしょう。二重もらいをするのはぐあい悪い、だから、二重もらいをしないための措置はいろんなことはせんならぬ、これはわかります。どちらかに渡さないかぬ、しかも片一方はちゃんと扶養手当の制度があるところで支出をするというのはあたりまえのことじゃないか。それはけしからぬから返しなさいということは、どうも筋が通らぬように思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(宮尾盤君) どちらの被扶養者とするかということにつきましては、一つには二重に支給されるというような事態を防止しなければならないということが一つあります。それから、さらには夫婦間の話し合いでどちらでもいいというのも、これも非常に無原則でありまして、やはり家計の実態あるいは社会常識等を基礎として認定をするという先ほどの基本的な考え方に立ちまして、そういう家計の実態なり社会常識というものをどういう尺度でどういう指標をいろいろつかまえながら認定をしていくのか。たとえば所得の問題等についての具体的なそういう認定についてはある程度の、何といいますか物差しというものを持って考えるということは、これは当然あっていいというふうに私は考えるわけです。 ただいま具体的な事例でいろいろ御質問があったわけでございますが、その事例にあるように、何か標準的な生計費というものを決めてやるというようなことが、果たしてそれが家計の実態なり社会の常識というものに合うようなものになっているのかどうか。そこが一つ議論があるところだというふうに思います。 それから、それについて監査の結果返還命令が出たとかというようなことでございますが、そこらの問題につきましては非常に具体的な事例でありますし、どういう理由でそういう物差しをつくり、それがどういう経過でそういう事態になったのかということがわかりませんと責任ある御答弁はいまできませんので、その点はお許しをいただきたいと思うわけでございます。
○神谷信之助君 そういうことになりましたから、それじゃ具体的に言いますが、大分県です。大分県の県立高校の婦人教師ですね。その場合です。大分県にはいま言ったようなこんな基準があるんですよ。基準は、標準生計費で四人世帯の場合はどうだとか、全部それぞれ基準によって数字を決めて、そしてやっておられるんです。だから全国標準生活費は五十五年度の人事院勧告資料、それをもとにして、だから毎年人事院勧告に基づいて数字自身は変わってくるだろうと思いますが、それでやっておられるんですね。 いま申し上げましたように、私はちょっと先ほどのどちらが主たる扶養者かという認定の問題については異議ありますけれども、いずれにしても人事院もおっしゃっているようにケース・バイ・ケースだし、そしてこの場合は妻の扶養親族と認定をしておりながら、それで夫の方の収入がぐっと上回ったというならまた別ですけれども、妻の方が上であるにもかかわらず、それはもう不当支出だから返せというところまでいくというのはちょっとこれは無理がある。少なくとも無理があると思いますのでひとつ実態を調べていただいて善処してもらいたいと思うんですが、いいですか。
○政府委員(宮尾盤君) 具体的な御質問でございますので、関係のところに事情を聞いてみたいと思っております。
○神谷信之助君 いまのを言いますと、約三十万円ほど六月までに返せとかいうようになっておるようです。ですからいずれにしても、調査をしてしかるべき善処をしてもらいたいというように思います。 それから第二点は、先ほどから同僚議員が問題にしておりました寡婦加算の問題と遺族年金の給付水準の問題です。この寡婦加算の問題は私も、昨年の五月十三日ですか、当委員会で指摘をして、そしてもうすでに修正といいますか、そういう削除をされる厚生年金の方の動きもあるから、その点で不利益にならないようにという点をお願いをしておったと思うんです。しかし結局、八月に遡及することはできない、またこの制度自身が遡及になじまないという御回答ですから、結果としてはやむを得ないことになってしまった。私はだからもうそれ以上言いませんけれども、しかし、そのことはやっぱり事務当局に非常に大きな責任がある。遡及できるならまだ被害を与えずに済みますけれども、結局、結果として遡及できないということになったということについては、非常に責任がある。先ほどから同僚議員が皆指摘をしたように、そういうことが起こる、修正になって削られますよと、だからそのことは考えなさいよということを事前に五月の段階で指摘をされておるわけですね。しているわけです、われわれの方は。ところが、実際にはできないという結果になったということについてのこれは責任はひとつ十分考えてもらいたい。再びこういうことのないように、どうすればいいのか私はわかりませんけれども、十分考えてもらいたいということを申し上げておきます。 それからもう一つ、給付水準の引き上げの問題ですね。これも先ほどから同僚議員が指摘をしておりますので繰り返すことはいたしませんが、ただ申し上げたいのは、この共済法の審議の議事録をずっと見ていますと、附帯決議がしばしばやられて、それに対してどうだということで質問をすると、答弁は地共済だけの問題ではないということで、いろいろ関係の共済の方と一緒に研究をしておりますということでずっと来ているんですよね。だから、そこに私は非常に大きな問題があるというように思うんです。共済法の審議も毎年あるわけですけれども、その毎年の審議議事録をずっと見ましても、まだ結論は出ないということになってしまう。だから、この点、給付水準の引き上げの問題、それはいろいろ問題があることはわかります。しかし、国会として七割を目指してまず引き上げなさいと、それを検討しなさいというところまで——七割だったですかね、八割か七割、そういう決議までやっているわけですからね、繰り返し。だから、これの見通しですね、次の、来年の共済法の改正案を出すときまでにはできそうなのか、一体どの程度かかるのか、だらだらといつまでもかからざるを得ないという問題なのか。この辺はいかがですか。 人事院の方、結構です。どうもありがとうございました。
○政府委員(宮尾盤君) 附帯決議をちょうだいをして、たびたびこのことについて御答弁を申し上げておるわけでございますが、これもしばしば申し上げておりますように、遺族年金の給付水準をどうするかということにつきましては……
○神谷信之助君 いやいや理由はもう何遍も同じように聞いているんだよ。
○政府委員(宮尾盤君) いろいろやはり基本的に検討しなければならない重要な問題でありますし、直ちにその結論が出るというような、そういう問題ではないわけでございます。したがいまして、共済年金制度を通じて、さらには公的年金制度全体を通じて、遺族年金の水準というものをどういうふうにしていくのか。これは今後におきます年金財政にも絡みますし、それから保険料にも絡む非常に大きな問題でありますので、たとえば一年内とか二年内とかいうような形で期間を限っていつまでということを申し上げられる状況ではないということを御理解いただきたいと思います。研究会等でもこの問題は鋭意検討を進められておりますので、そういう状況を見ながらさらに検討を続けていきたいと思っております。
○神谷信之助君 研究会は二年をめどに、二年ぐらいということですから、来年、五十七年ぐらいには結論は出るわけでしょう。 いま、初めの方のお話を聞いていると、この一、二年ではないということは、根本問題だからという話ですと、大体共済制度、年金制度全体をよほど大きく統合するなり、変えるなりという時期にしかそれはできないなと、だからこれは言っているだけあほみたいな話だなという感じも受けるし、研究会の結論を待ってと言われるなら、来年一応の結論は出る、そうすると、それに基づいて作業がもっと具体的に進むということになるのかどうか。その辺はいかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 研究会での研究も、これはいわば専門家に集まっていただきまして、貴重な御意見なり研究をしていただいておるわけでございますが、いわゆる共済年金グループでの研究でございまして、他の厚生年金等を通じた公的年金制度全体として共済年金制度も整合性のある制度づくりをしていかなければなりませんから、研究会で仮に何らかの考え方が示されたとしても、直ちにそれでいいんだということにはならないというふうに考えるわけでございます。私どもといたしましては、仮にそういう研究会で何らかの考え方が出てくれば、さらにそういうものを土台にいたしまして、公的年金制度全体の検討方法等もいろいろ見きわめながら、遺族年金の問題についてさらに研究、検討を進めていくということにいたしたいと考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 それではなかなか百年河清を待つような話になってしまいますが、これは大臣、もう繰り返して言いません。ほかの各同僚議員もいままでこの問題に触れて、しかも重要な問題だということは強調されておりますから御理解いただいておると思うんですが。したがって、これ、他の公的年金制度との関連なんかが出てきますから、この問題を早期に解決するという点ではきわめて政治的手腕が発揮されないと、そして関係閣僚の中でそれでいこうという構えにならないとなかなか進まない。事務レベルでは進む問題ではないというように私は思うんです。この点ひとつ大臣にお願いしておきたいと思うんですが、御所見を聞かしいただきたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは、言うまでもありませんが、大変複雑であり、財政の問題もある、それから負担の問題もある、そういうことが全部絡んでのことでございまするから、いろいろ検討をいたしましても、早急な結論というものはなかなか大変だろうと、こう私は思っております。しかしながら、国会の決議もあるものでございまするし、その方向についてはそう異存のある問題ではございませんから、それをどういうふうにこなしていくかということについては、自治省といたしましても努力をしてまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 それでは、次の第三番日の問題に移ります。 これもしばしば当委員会で取り上げてきた問題ですが、既給一時金控除の問題です。これの研究というのは一体どうなっているんですか。前進しつつあるんでしょうか。まず、その辺からお聞きしたいと思います。
○政府委員(宮尾盤君) 既給一時金の問題でございますが、これもたびたび御議論をいただいておる問題ですが、結論的に申し上げますと、なかなか実現することはむずかしい問題だと考えておるわけでございます。 まず、地方公務員共済年金におきます退職一時金の制度につきましては、御承知のように五十五年一月から廃止されたわけですが、それまでの間に退職一時金の支給を受けた者が再び組合員となって再退職する、こういうような場合には、再退職して退職年金の受給権が発生をした場合、あるいは退職一時金の支給を受けた者が再び組合員となることなく廃疾年金の受給権が発生した場合、こういうようなときには、前後の組合員期間を通算をいたしまして算定したその退職年金の中から前に支給を受けた退職一時金を調整をする、こういうことになっているわけでございます。この調整につきましては、退職一時金の基礎期間一年につきまして一定率を控除する、こういうことにいたしておるわけですが、この制度は国家公務員共済組合の制度と全く同じ仕組みをとっておりまして、その趣旨とするところは、重複支給の不合理を避けて受給者間の公平を図る、こういう見地から設けられておるわけでございますので、この控除方法を地方公務員の共済制度だけで変えるということは、国家公務員共済組合制度との関係からいきましても、これは困難であるわけでございます。 それから、これもかねがね御議論のあります旧年金制度において支給された一時金の取り扱いの問題でございますが、これにつきましても現行制度では、従前の年金制度の適用期間につきましては、新しい新制度の組合員期間に通算をしようと。これは通算する方が有利になるわけでございますから、そういう措置を講ずることにしまして、ただしその場合に、従前の分については従前の制度のルールによりまして算定した額というものを合算をしますが、すでに支給された一時金については同じルールで控除をする、こういう仕組みをやはり設けておるわけでございます。 こういうようにいたしております関係で、この違った仕組みというものを控除する際にとれないか、こういうかねがねの御意見でございますけれども、これは合算するときと同じルールで差っ引いておるわけですから、これはそういう意味では制度の体系を崩すという意味で非常に困難だというふうに考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 まあ困難なことはわかるんですがね。大臣、これは去年のときに具体的に申し上げたんですけれども、ちょっと聞いてもらいたいんですがね。 去年の三月三十一日に勤続二十九年半で五十六歳で退職をした。この人が、昭和三十五年の七月に一たん退職して、そしてその退職一時金を十六万百二十六円受け取った。退職一時金を三十五年にもらったのは、だからこの十六万円余りですね、三十五年当時。それが再就職して、そして先ほど言いましたように昨年三月末でやめた。ところが引かれる方は、年に二十六万七千六百二十八円を年金から控除される。もらったのは三十五年当時の物価ですから、三十五年からその後インフレになっていますからね、貨幣価値が違うかもしれぬけれども、少なくとも十六万円もらったのが二十六万円引かれるわけです、去年は。ことしはそれ以上に引かれます。毎年この金額は上がっていくんです。死ぬまで続くのです、ずうっと。年金の支給を受ける限り。こういう状況なんです。それから、この退職一時金は去年の法改正でなくなったわけですね。だから去年から以降はこういう人は出てこないんだけれども、去年までにやめた人は、こういう人がこれからますます出てくるわけです、当分の間。 あるいは、いまも宮尾さんから話があったように、廃疾一時金もあるんですね。病気になった場合に廃疾一時金、これも同じように引かれていく。しかもそれは、たとえば病気で二十年未満で退職した五十二歳の人ですが、四十九年の十二月の三日に初診を受けて、五十一年の三月末に退職して、そのときは一時金はもらっていない。一年半たたないと廃疾年金の認定がないわけですから、その後廃疾年金が認定される。そしてそのときに返還一時金が七十二万四千二百円おりた。ところがそれの控除が五十三年が十四万九千何がし、五十四年はさらにふえていく。大体五年たてば七十二万円分は返還することになるんだけれども、これもずっと続くわけですね。 この退職一時金も廃疾一時金の場合も、これはそんなになるんやったらかなわぬからもらいまへんと言って断ってもあかんのです。いやおうなしに受け取らされるわけですね。これはもらわなしようがないでしょう。そうなっているんですよ。それでもらったら最後、ずうっと今度は年金をもらうときに控除されるというのですよ。最後に宮尾さんが言いました旧年金の場合は、もらうかもらわぬかという選択がありました。だから、もらわぬかった人はこういう被害はないけれども、当時やっぱりもらった人の方が多かったんですよね。もらったら損やという話はだれもしてくれへんものやから、もらえるものはもろうとくかと、こうなります。これがずうっといま続いているんです。 確かに私はこれを解決するのは非常にむずかしい問題があるかもしらぬけれども——ぼくは、だからゼロにしなさいとは言わぬ、そのときもらった金額を、その後の物価上昇といいますか、インフレ率を掛けて一定の額を出して、そしてそれを何年かで払う。五年なら五年、十年なら十年で控除してもらう。あとはもうよろしいというようにするのがきわめて合理的ではないかと言っておるんです。 これは結局全共済に関係するんですか。国公と地共だけですか。
○政府委員(宮尾盤君) これは、共済年金制度全体に通ずる共通問題であります。
○神谷信之助君 これはほかの共済では問題にならないのですか。地共済の皆さんの方がやいやい言っているだけでほかのところは余り問題にしていないんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 私ども、他の共済年金制度でこれが非常に議論されているということを聞いてはおりません。
○神谷信之助君 聞いていない。
○政府委員(宮尾盤君) はい。
○神谷信之助君 私が三年か四年前に一遍取り上げて「赤旗」で報道したときには、国鉄の退職者の人たちから相当はがきが来ました。どうしてもこれはやってほしいと。ところが、国鉄共済自身が問題だからそうならぬ。私は、国会でもう三回か四回目になるでしょう。だから他の共済の方にもこの問題を出して、実際にそのようなことは合理性があるのかどうか検討してもらわないと、事務的には困難かもしらぬが、しかし方法はいま言ったようにあるわけですよ。年金受給資格があって年金がもらえるというときにその時点でやめて、それで前の一時金を一定の計算をして——これは計算できるわけですから、その金額を決めて、そしてその分を控除していくと、これはわかりますよ。とにかく十六万でも五十万でも金もらったら、それを死ぬまでオーバーしようが何しようが払い続けなきゃならぬ、これはちょっと道理に合わぬというふうに私は思うんです。 この点、去年は後藤田さんが大臣でしたが、事務方の方からはなかなかむずかしいんだという説明を私は聞かされておるけれども、聞いてみると不合理じゃないかという気もする、困難やけれども一遍研究してみようという話が去年もあったんですけれどもね。だから地共済の方は、国会でも地行でしか問題になっていないというならば、ほかの共済にも一体どうなのかという問題をかけて、もう少し私は親身になってやってもらわないと、どんどん物価が上昇すれば金額がふえていくわけですから。そういう仕掛けになっているんですよ。この辺ひとつ大臣いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 御指摘の問題は、附帯決議の中にもある問題でございますので、もちろん他の共済年金を担当しておる省庁としても承知をしておるわけでございます。私どもも、そういうことが附帯決議につけられている、こういうことについては、その関係のところに十分話をし全幅の手を打つ。ただ、この問題については、いま申し上げましたように共済年金制度全体に絡む問題であるということと同時に、その在職期間を通算するということから出てきた問題でございますので、そういう点からいたしまして、すでにもらっておる一時金について控除をする際にどういうやり方が一番合理的か、こういう考え方のもとに一つの割り切り方をした、割り切っておる制度だというふうに考えておるわけでございます。そういう際に、もっと有利な方法、年金受給者の立場から見れば有利な方法があるではないかというのが御指摘の点だと思いますけれども、そういう点について、総合的に勘案した場合になかなかむずかしい問題だということを申し上げておるわけでございますが、共済年金制度の中ではこういう問題が提起されているということは他の省庁も知っておることでございますので、さらにこの点について研究をしてみるという点につきましては、私どもも研究をすることはやぶさかでないと考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 ちょっとしつこいようですが、もうちょっと私は気に食わぬのですがね。前に一時金をもらっておいてまた年金をもらったら二重取り、通算すれば二重取りになります、それはわかるのです。だから、その前にもらったやつを返してもろうたらいいんでしょう。前に払ったやつをまた戻してもろうたらいいんでしょう。十万円借りた金をいつまででも、百万円になろうが二百万円になろうが返し続けなければいかぬというばかな話はない。十年前の十万円がいま百万円になっておるのやったら、その百万円を返せばいいんでしょう。そしてそれ以後は切ったらいい。死ぬまでそれが続くという考え方が私はどうも、サラ金よりひどいじゃないですか。どんどんふくらんでいく。毎年毎年控除されておっても、毎年返す金はふえていくんだから、死ぬまでは。だから、それは不合理でしょう。それは不合理じゃない、合理的やとおっしゃるのですかね。もう一遍ひとつその点はっきりしてもらいたい。
○政府委員(宮尾盤君) すでに支給を受けた一時金をどういう方法で返していくか、この返し方の問題でございまして、先生のおっしゃるような一定の額を基礎にしまして何らかの補正をしてやったらどうかと、そういうお考えも一つはあろうかと思いますが、これは、一時金を受けた期間というものを一つの根拠にいたしまして、一定のルールで返すと、こういう方法もいまとっている一つの方法でありまして、そういう方法もあり得るわけでございます。確かに両方の考え方があるわけでございますが、この点については、一つの御意見として、それは私どもも研究をいたしてみたいと思いますが、現在の方法自体といたしまして、それが、法律それ自体が一つの非常に合理的なといいますか、考え方に立ったルールであるという点もこれは否定できないわけでございまして、そういう点についてなお御議論を参考としながら研究をいたしてみたいと考えております。
○神谷信之助君 どうも宮尾さん、自分が一たん決めたものがもうすべて絶対合理的なものだという考え方というのは、ぼくは思い上がりだと思いますよ。一時金もらっても、それ返したらいいんでしょうが。だから、それがいまの貨幣価値にして幾らになるか。そして、その金額を返すのに五年かかる、十年かかる、それはそれぞれの人の年金額によって違いますわね。だから返し方はこのルールでやればいいと思う。それでその人が借りた金というか、先にもらったやつをもう返したら、それ以上取るというような不都合なことはないでしょう。しかしあんた方の方では、中には途中で亡くなる方があるかもわからない、そうしたらそれは取れへんやないか、おかしいじゃないか、そうすると年金財政からどうやると。それはそうや、破産して、破産になった場合にはどうにもならぬでしょうが。だから債権が幾らあったって、その何分の一でどうするかというのは、これは債権者会議で決めよるわけだ。特にこの場合は、本人が、受給者が亡くなればしようがないわけだ。長生きすればそれはいつまででも年金はもらえるかもしらぬけれども、長生きしなかったら打ち切られる。これはもらう権利があったが亡くなったからあとの十年分よこせというわけにもいかぬと思いますよ。それはそういうものだから、途中で亡くなったりして年金の受給資格が喪失するという場合が起これば、返済は途中でとまってしまう、それはしようがないわけでしょう。しかし、やめてから二十年も三十年もずっとやって、そのまま二十年でも三十年でも払い続けているんだ。とうにその一時金でもらった金額をいまの貨幣価値に直しても払っているのに、それ以上取るというのはもうサラ金以上やということになりませんか。
○政府委員(宮尾盤君) まあ考え方の問題ではなかろうかと思うわけでございますが、年金の額というのは先生も御承知のように、組合員期間というものを基礎にいたしまして、それに、その最終といいますかの段階での給料月額を掛けるわけでございます。したがって、ある期間公務員として在職をいたしまして、そしてやめて、そこで一時金をもらって、それから再就職をした場合、こういう場合には、そこですべて切っていきますとこれは非常に不利な形になりますので、全部つなげて計算をする。この場合に、すでにその年金の額を計算するときには、前の期間も一応最終の給料が基礎になるわけでございますね。そしてその期間について控除する場合にもその前の期間分を控除する。要するに期間控除という考え方でございますから、そのときに計算される控除額が、当然そのときにもらった金額よりは大きくなると、これはまあやむを得ないことでございまして、そういうふうに期間通算をすることの方がメリットがあるからこそそういうつなぎ方、期間をつなげて支給をするという仕組みをとったわけですから、そこは一つの考え方としてやはり、こういう制度の考え方というものも、絶対と申し上げるわけではありませんが、一つの考え方に立った制度であるというふうに私どもは理解をしておるわけでございます。 そういう意味で、これを当時もらった金額と比べると非常に多くの額が控除されるのではないか、これもまあ一つの立場からの議論といいますか、考え方ではありますが、いまの制度もそれなりの一つの考え方に立ったものだということでありますので、直ちにこれをそういうふうに、おっしゃるように改めなければ不合理であるというふうにはまあ言えないのではないか。 なお、そういう点については一つの御意見として承って、さらに研究する点については研究をしてみたいと、こう考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 こればっかりやっているわけにいきませんから、次に移りますがね。 ただ、もう一点ちょっと申し上げておきますが、退職一時金をもらったわけでしょう。そして、それはそれまでの組合員期間の掛金に見合って退職一時金は出ますわね。それはそれで一応清算は済んだと、こうなります。再就職して、今度通算しますからね。だから、確かに退職一時金もらった分は、ぼくならぼくが払った掛金の分はもう済んでいるわけだな。だから、通算をするというならもう一遍掛金を払ってもらわなきゃいかぬと、こういう理屈はあるわけでしょう。だからその分は結局退職一時金になっているわけでしょう、結論としたら。そうしたら、その退職一時金に見合う貨幣価値の上昇分、それに見合ったものを、その額もありますが、何年かでそれは返させりゃいいわけで、それがいつまでも、二十年でも三十年でも続くというのは、そんな理屈はどうしたって成り立つはずはない。 だから、十年働いてやめて退職一時金をもらった。それで掛金の分は済んだと。それを通算する場合、この組合員期間の掛金に相当する分というのは、言うならば退職一時金の金額で計算をされているわけです。だからその分を、二十年かかるのか何年かかるのか知りませんけれども、一定額がくればやめて、切ればいいわけです。だから、五十五なら五十五でやめた人が、三十年やったとして八十五ですわね。このごろずっと寿命が延びていますから。そうすると、八十五になっても九十になってもまだ払い続けていなきゃならぬという理屈にはならないはずだ。仮に百歩譲って、その掛金の分がさらにあるんだと、退職一時金だけじゃなしに掛金の分もあるんだとおっしゃっても、それはもう十五年なり二十年なりすれば清算されるはずではないか。それが三十年でも四十年でも、生きている限りは続くというのは、そんな計算方法というのはあり得ない。それは、大体いままで退職金のいろいろな給付、年金のやつが、当初は七十ぐらいの年齢ですか、六十五ですか、大体それぐらいの年齢を平均的寿命として計算をされている。そうしていろいろとされていますからね。それがいまずっと高年齢になってきますから、いろいろ変わってくるでしょうね。そういったことも、返す方もそういう点は変わってきていますからね。だから、それらを含めてやっぱり検討をしてもらいたいというように思います。 もうこれ以上これで時間どれませんから次に行きます。 次の問題は、最低保障の適用者といいますか、いわゆる三十七年の新共済になる以前に、旧共済時代に退職をした人の問題です。これもいままで問題にしておりますからわかると思いますが、市町村共済で結局最低保障額が適用されておるという人が、旧法関係ですね、これは約九四%ぐらい、地共済の場合でも約九〇%ぐらいというようにお聞きをしているわけです。これが新法になってからは、先ほどもちょっと出ていましたように、厚年ルールとの選択権がありますから、先ほど御指摘があったように大体みんな厚年ルールに変わっていきますからね、最低保障額の適用は免かれると、こうなります。ところが、旧法時代の人は選択ができないものですから、こういう状況になってくる。特に市町村共済になりますと、当時の、三十七年以前の市町村の状態といまの市町村の状態とは大きく変貌していますからね。だからそういう時代の人たちというのは、さっきもあったように、給料月額自身が低い、したがって最低保障額の適用者が非常に多くなるという問題です。私、九割なり九四%の人が最低保障額を受けざるを得ないという状態というのは、これはちょっと余りにも不自然過ぎるのではないかということで前回も申し上げたんですけれども、これ、そういう制度の移り変わりがあってそういうことが出てきたのでやむを得ないんだとおっしゃられればそれまでですけれども、これを解決していく方法というものはないのかどうか、この辺はいかがでしょうか。
○政府委員(宮尾盤君) 地方職員共済組合が支給をしております旧年金制度の退職年金受給者のうちで、最低保障の適用者が非常に多い旧国共済法及び旧市町村共済法の退職年金受給者につきましては八六%程度となっております。それから、新法の退職年金受給者の場合に比べて非常に多いというのは御指摘のとおりでございます。 そこで、これらの旧年金制度の年金の引き上げ額につきましては、これまでも恩給受給者等との均衡等を考慮しながらそれに準じた改正を行ってきておりまして、今回もそういう改定措置を行ってきておるわけでございます。さらに、そういう退職年金等最低保障額につきましても、恩給の最低保障額の引き上げ措置と同様に措置をしてきておる、こういうことにいたしておるわけでございます。 それで、多いということは問題ではないかということでありますが、この旧共済法の退職年金者についての支給水準というのは、低いからこそこういう最低保障という制度を導入いたしまして引き上げ措置を講じておるわけでございまして、これの該当者が多いからもっとその割合を低めるようにというのはなかなかこれはむずかしい御注文であるというふうに私ども考えておるわけですが、いま申し上げましたように、恩給制度の改正措置等に準じながらそれなりの改善措置をしておりますし、特に最低保障額についてはそういうことを従来からやってきておりますので、そういうことでこれを御理解をいただきたいと思うわけでございます。 なお、この旧年金制度にも通年方式を導入できないかということでございますが、これは恩給制度に通年方式というものが導入されていないというのは先生も十分御存じのことだろうと思います。そういう意味からいたしまして、この旧年金制度というのが恩給制度に準じた制度であるということから、それとのバランス上これは、恩給制度が導入しないならこちらでやるというのはこれまた非常にむずかしいわけでございます。そういう意味で、大変困難な問題だということをぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。 なお、最低保障額の引き上げ等につきましては、今後とも引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 去年の五月のときの答弁では、いまおっしゃったように恩給制度の問題とかいろいろ絡みが出てくると、だから、共済年金制度研究会等でこういう問題は当然議論される事項である、だからひとつ改善の努力を続けてまいりたいというふうに宮尾さん答えているんだよね。それで、一年研究してみてやっぱりあかんという話ですか。 それから第二の、そのかわり最低保障額は引き上げますとおっしゃいますが、これはきょうはもうやりませんけれども、しばしばやっておるように、最低保障額自身が低い。徐々には上げておられますけれども、それは低いということはいままでもしばしばいろんな具体的例、生活保護その他の基準等を含めて比較をして、低いではないかという問題は議論したわけです。この点はいかがですか。去年は、ひとつ改善の努力をやりましょうとおっしゃっていたけれども、いまの答弁は、もう一年研究してだめでしたという趣旨ですか。
○政府委員(宮尾盤君) 昨年のときに、あるいは研究会でという御答弁を申し上げたのかもしれませんが、共済年金の制度のあり方については研究会で全般的議論ができることになっておりますので、そういう趣旨で御答弁をいたしたのであろうというふうに思います。ただ、通年ルールというものを旧年金制度に取り入れるということについては、これは恩給制度の方がそういうことになっていませんから、観法の方にそういうことがない限りはこちらで導入するということは、率直に言ってこれは困難であるというふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、この導入問題はむずかしいとお答えを申し上げた次第であります。 なお、最低保障額につきましてはこれまでも努力しておりますが、今後もさらに引き続き努力をしていきたいと思っております。
○神谷信之助君 恩給制度の問題とも絡むということは前回もおっしゃっているので、だからその絡みもあるけれども、さらに私は、やっぱり八割なり九割の人たちが全部最低保障額の適用をやらなきゃならぬという事態というのは、それでそういうことが起こってきた原因というのはわかっているんだから、それを改善をしていく、困難ではあろうけれども、それこそいろいろ工夫をしてもらわないとできてこないわけですね。これはひとつさらに引き続いて検討してもらうということをお願いをしておきたいと思います。 その次の問題に移りますが、その次は共済組合の責任準備金の移換の問題です。 もう時間がありませんから少し早くやりますが、本法の四十一条、それから施行令二十二条の第一項、これで共済組合責任準備金の移換の問題が規定をされていますね。施行令十五条の三項です。この準備金率は「自治大臣の定める方法により算定する」、こうあって、実際はこれが決まっていない、まだ自治大臣が定めておらない。したがって、この共済組合の責任準備金の制度といいますか、移換の問題というのは実際には実施をされていないというようにお伺いしていますが、いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 御指摘のとおりでございます。
○神谷信之助君 なぜこれはできないわけでしょうか。
○政府委員(宮尾盤君) 法律でその責任準備金の移換をすべきだということが定められておるわけでございますが、これには実際問題といたしましていろいろなむずかしい問題があるわけでございます。従来からもいろいろ検討をしてまいったわけでございますが、そのむずかしい理由といたしまして、一つには、責任準備金の移換額を計算をいたしますためには、その組合のすべての組合員、ですから年金受給者及び通年待機者につきましての責任準備金の総額と、それから異動者個人の責任準備金の額を計算をしなければならないわけですが、それをやるということになりますためには、毎年度すべての組合員の前歴とか給料等並びにすべての年金受給者及び通年待機者の年金額等の実態をきちっとつかんでいなければならないということがあります。そして、そういう資料を基礎にいたしまして、財源率の再計算と同じ程度の非常に複雑な再計算を実施をしなければならないわけでございます。こういうことが必要となってまいりますので、そうなりますと非常に膨大な事務量と多額の経費が必要になるわけでございます。 それから、第二の理由といたしましては、具体的な移換額につきましては、異動者個人の責任準備金の額に、その組合が年度末において積み立てるべき責任準備金の総額に対して現実にどれだけ積み立てているかというこの割合を掛けて計算をするということになっているわけですが、積み立てるべき責任準備金の額と現実に積み立てている額というものとの割合が、これは組合ごとに非常に格差があるわけでございますので、そこでそういう格差がある状態で移換をするということになりますと、いわばもらい過ぎたところ——もらい過ぎたといいますか、不足をするところ、それから多くなるところ、こういった問題が出てまいりまして、そこに組合間でのいろんな不均衡が出てまいります。こういう状況がありまして、現実問題としてこれはどういうやり方で実施をしていいのかということの具体的な方法がまだ煮詰まっていないわけでございます。ただ、いずれにしてもこれは法律で定められていることでもありますし、具体的な方法等につきましてさらに関係省庁とも協議をしながら引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○神谷信之助君 これは引き続き検討をするとおっしゃるんだけれども、いまのお話を聞いていますとね、これはちょっとやそっと検討してもできそうもないような話なんですよ。そうすると、実際できないことを法律で決めたということになるのかどうか。この辺はどうなんですか。
○政府委員(宮尾盤君) 非常に厳密なやり方をしていくということになると、事務的にも、あるいは経費の面から言いましても、とてもできないような状態だろうと思います。何らかの簡便措置が設けられないかどうか、これが一つの研究課題でありますし、そういうことで各関係の共済組合間でよろしいという合意ができればこれは実現できないことはないわけでございます。そこらのところを目下模索中という状況でありまして、果たしてそういうことがうまくいくかどうか、まだ自信はないわけでございますが、引き続き検討をしてまいりたいと、かように考えております。
○神谷信之助君 これは全国的にそうだろうと思いますが、たとえば府県なんかをやめて市町村で総務課長になったりあるいは収入役なり助役になる人も大分ふえてきていますね。特に、学校の校長先生をやっていておやめになった方が市町村の教育長になっているというのが大分あるんですね。これはそういう点で、京都で言いますと、聞いてみると、京都府の共済あるいは市町村共済聞いてみると、やっぱり市町村共済が一番被害が大きくなっている。学校の校長さんですとずっと高くなってきます。そうすると、その掛金は全部教育共済に行くんでしょう。だから、市町村の方に来はってからわずかの間なにしてそしてやめはったら、通算してやらないかぬ。そうすると持ち出しちゃう。これは高齢化社会が進むにつれてどんどんふえてくる。そういう事例が大きくなって、いままでのままほっておいてはどうにもこうにもしようがない事態が近く予想されるということで、それぞれの共済の中で、連絡会議なんかでは最近問題になってきているようですがね。いまおっしゃったように、余り精緻にやろうとすると事務量が膨大になって実際上は不可能になってしまう。だから、ある程度の平均でいくか、簡便な方法を考えざるを得ない。やっぱりそれを早くやってもらいたいというのが非常に現場、単位組合では強いんですね。 せっかく法律で決めておきながら、自治大臣はこれを定めるとなっているのに、自治大臣が定めぬとほったらかしにしておったら、またそんな役に立たぬ法律を国会でどないして決めたんやと言われても困るんですね、これは。 だから、ひとつこれは早急に、いまおっしゃったように研究してもらって不安のないように——もう不安を感じておられるようですかう、早急に結論を出していただきたいというように思うんですが、その点よろしいですか。
○政府委員(宮尾盤君) 早急にといいますか、非常に早くそういうものができるという自信は、先ほど申し上げましたように、率直に言ってないわけですが、できるだけそういう方法を早く生み出すように努力をする、こういうことでいたしたいと考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 では、その次の問題、これはいろいろ聞き方がありますけれども、時間がありませんから簡単に聞きますが、給与所得のみに限定をされている高額停止措置の問題ですね。この高額停止措置を給与所得のみに限定をされている理由というのはどこにあるわけですか。
○政府委員(宮尾盤君) 高額所得者につきまして年金の支給を一部停止をすると、こういう措置をいたしておるわけでございますが、この給与所得に限定をした理由といたしましては、御存じのように、共済年金の制度は給与所得者が将来一定の年齢に達したとき以後その生活の安定のためにあらかじめ予定することができる所得保障の制度でありますから、給付の制限を行う場合におきましても、やはり給与所得の金額によって判定をするのが適当だと、こういう考え方が一つ。 それから、仮に給与所得以外の他の所得を含めて高額所得者を定めるということになりますと、給与所得者である組合員の年金受給に対する期待権というものを制約することになるのではないかと、こういう考え方から、給与所得に限定をしてこういう措置を講じておるわけでございます。
○神谷信之助君 昭和五十四年度の「勧しょう退職者の再就職の状況調」、自治省の勧奨退職に関する調査ですね、この資料を見ますと、勧奨退職者数が四万五千五百九十五人、これに対して再就職した人が一万六千七百九十四人です。だから三六・八%なんですね。大体六割余りの人が結局再就職しないで年金その他の収入で生活をやっておられるということになりますね。だから、この人たち全部が給与所得以外の所得が相当あるというように言い得ないとは思うけれども、いずれにしても給与所得以外の所得で生活をなさっているわけですね、六割ぐらいの人が。ですから、こうなりますと、たとえば給与所得が六百万円以上で年金が百二十万を超す場合にその半額をカットする、全額カットではないわけです。そういう措置がとられる。しかし、それはいろいろ不合理な問題をやっぱり生ずるのではないだろうか。たとえばAさんは、給与所得が六百万円で他の利子所得とか不動産所得などがゼロだといたしますと、これは高額停止が適用されるわけですね。ところが、Bさんの場合に、給与所得が五百万で、利子所得、配当所得、それらが仮に二百万あるとこう仮定しますと、この場合は高額停止は適用されない。Cさんの場合は、自営業に転じて、事業所得が六百万円、利子所得が百万円あったとすると、この場合も高額停止が適用されない。だから、退職後の所得が他の不動産所得とか利子所得とかあるいは自営業ですね、事業収入とか、そういうことであった場合には、仮に六百万円以上の所得があってもこの高額停止は適用されないということですね。だから、理屈としては就職をしていた給料を基礎にして老後の所得をある程度保障をするということで、年金はそれを対象にしているんだからそれだけでいいじゃないかということもありますが、実際の実生活のそういう感覚から言うと、この点では非常に理解できない。そういう事例というのも起こっているんですよ、実際に。 そこで、簡単に言いますが、所得税法では所得には給与所得のほかにも利子所得とか配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得、こういうようにあるので、だからこういったものを含めた総合的な考え方、これをひとつこの問題で考える必要があるのじゃないだろうかという点を問題の提起をしてみたいと思うんです。 だから、給与所得以外に他の所得を加えるとか、あるいは給与所得に一定の所得を加える、あるいは総合所得にする、そういう改善を考える余地はあるのではないかと、その点についてひとつ検討してもらいたいというように思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(宮尾盤君) 高額所得者について一定の年金の支給停止を行うというこの措置の考え方でございますが、いま御質問の中にありましたように、公務員として退職をいたしまして、さらに同じ給与所得者として再就職をするような方々で、相当程度の月給といいますか給料、給与を現に受けておる人たちについては、これがいかに共済グループから離れたといいましても、その共済年金の支給について、満額でなくて何らかの制限をしていいではないか、こういう考え方からこの制度ができておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、その制度のつくる目的がそういうことでございますので、給与所得に限定をする、こういうことがやはり合理的であろうと、こういうふうに考えておりますし、その他のいろいろな、いまお述べになりましたような所得まで含めてこれを適用するということにつきましては、やはり公務員を退職をした場合に、退職年金がどれだけもらえるかという一つの年金受給に対する期待権というものを大幅に損なうおそれがありますので、そこまでこの制度を伸ばすことがいいのかどうか、そこは非常に疑問があるところだというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、現段階で給与所得以外の所得まで含めるという考え方は私どもも持っておりませんし、他の共済制度を所管しておるところでもそういう考え方はいまないと考えておる次第であります。
○神谷信之助君 これは私は、おっしゃるように高額停止措置というのは、当然といいますかね、必要な措置だというふうに思うんですね。たとえば、よくマスコミでも問題にされるように、高級官僚が渡り鳥でそして非常に大きな給与所得を得ながらまだ退職金はその都度もらうとか、そして片方でまた年金ももらっているというようなことが批判をされておるわけですから、この点はひとつそういう意味では、所得が六百万を超えるときは、年金額の百二十万を超える部分についての二分の一ということですから、わずかなことだというふうに思うんですけれども、しかし、給与所得以外の所得がどれだけあっても適用されないという、この点でまだもう一つそういう点では国民の理解を得るということにならぬのではないか。年金の原資が五七・五%が地方公共団体の支出ですからね。そういう点からいっても、そういう住民の納得が得られる内容にする必要がある。だから、対象にする者をどれだけ以上は対象にする、あるいは対象の部分と額をどうするかというのはこれは検討課題だけれども、やっぱり一定の歯どめというのをつけるということが必要ではないかというふうに私は思うんです。これは問題の提起をしておいて、そういう批判も起こっておるわけですからひとつ検討をしてもらいたい。われわれも、どれだけを対象にしなさいと、あるいはたとえば利子所得だったら何ぼ以上は対象にせいとかというようなところまで具体的にはまだ考えていないんですけれども、そういった点をひとつ考えてもらいたい。グリーンカード制をやって総合所得で踏み切っていくわけですから、そういう時期でもありますから、把握するのにはそう不便は、把握できる条件というのは近い将来できるわけです。だから、その辺を含めて検討をしてもらいたいというように思うんですが、その点いかがですか。
○政府委員(宮尾盤君) 年金制度というのは、これは申すまでもないことでありますが、保険集団から離脱をしたときに一定の仕組みによる年金を受けることができるということを組合員は期待をしておるわけでございますし、また、そういうことによりまして、いわゆる老後の人生設計というものも立てておるわけでございます。そういう中で、保険グループから離脱をした、つまり退職をした人に対して何らかの支給制限、支給停止の措置を講ずるということになりますと、やはりそれなりの範囲内でなければならないというふうに考えておるわけでございまして、ただいまの御提案のようなところまで広げていくことがいいのかどうか、これは年金制度のあり方の問題ともやっぱり絡んで相当議論があるところだというふうに思っております。問題提起という意味で承っておきたいと存じます。
○神谷信之助君 最後に申し上げておきますが、最低保障額の適用を受けるような人たち、言うなればきわめて年金額がわずかしかもらえない人たちの問題についてはなかなかいかぬけれども、収入、所得のようけある人、給与所得以外にもある人についてもやっぱりある程度のことを歯どめにしたらどうだという問題については盛んに期待権とおっしゃる。やっぱり期待権というのは、年金に入っておれば、やめても老後一定の生活水準が保障できるというのが期待権であって、それ以上の大きなものを全部保障するということじゃなしに、低い人たちも含めてそれらの期待権にこたえ得るようなことを私は考える必要があるというように思っているんですよ。もう時間もなんですから、一応研究をしてもらうように要請をして、私のきょうの質問を終わります。
○委員長(亀長友義君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時十八分散会 —————・—————