地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/02/24
会議録
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。 また、本日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 次に、昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明につきましては、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 大臣、この特例法案は、もう昨年の審議の際にも、われわれは、こういう悪例をつくるべきでないということで再三申し上げておるわけです。そういうことですから、きょう私は、そういう前例のある法案の審議ですから、冒頭に大臣の考えだけこの問題では聞いておきたいと、こういうことでお待ちしておったんですが、まあ衆議院の予算委員会の方に呼ばれたということですけれども、これは恐らく昨日通告があったと思うんですね。私のところには、けさこちらに出て初めて、そういう内容で何とかしてくれぬかというような、こういう連絡があったんですけれども、今後のこともあることですから、この重要な法案審議の際に大臣がおるのは当然であって、理事会で聞いてみるとちゃんと確認しておるそうです。そこら辺はきちっとしてもらわぬと、委員会の審議に皆さんにも大変御迷惑がかかると思うんですよ。それをまず冒頭に、ひとつ今後はこういうことがないように注文をつけておきたいと思います。 そこで、昨年この問題で、特例法の是非の問題で議論をして、野党の皆さんはほとんど全部と言っていいんですが、反対をしたわけです。なぜそういう反対をするかといえば、本来交付税というのは地方の自主財源ですね。そうして、自治体は大変な借金状態にあるし、一銭でもほしいというのがいまの実態なんです。そういう中で、大臣自身も就任のあいさつの中では地方の自主性とか、自治体財政の健全化であるとか、こういうことを再三言っておるわけですから、まあ言うなら、交付税が補正で増額になればこれらはやっぱり自治体のそれこそ自主性という立場に立って自治体自体に私は任せるべきだと思う。それが私は地方財政法なり、地方交付税法の趣旨だと思うんですよ。これはもう昨年この問題で再三同僚議員を通じて主張して、討論の際にもその点を明確にしておるわけです。にもかかわらず、またことしも同様の措置をとるということは一体どういう考え方なのか。そこら辺をひとつ大臣の見解をまず聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 今回財源を繰り越したことにつきましての御質問でございますが、現在の制度から申しますと、年度間調整というものは地方団体においてやるというのがたてまえになっておることは私も承知いたしております。しかし、来年度における財政状況等をも考えてみますと、やはり年度末でもございまするし、これを繰り越すことが地方財政全体のために適当であろう、かようなことで今回この措置を講じて御審議を願っておる、こういうことでございますから、この点はひとつ御理解を願いたいと存じます。
○佐藤三吾君 あなたの答弁は、そういうことで先般聞きましたが、しかし、あなたがたてまえであると言う、それは地方財政法から見てもそのとおりですわね。それなら、自治体に財源調整させりゃいいんじゃないか。それをなぜ国がやるのかということなんですよ。国がやることにたてまえはなっていない、ないのにどうしてそういうおせっかいなことをしなきゃならぬのか。そこの真意というのか、そこら辺をひとつ私は聞いておるわけであって、自治体自体ではこれを積み立てをするなり、さらにまたたとえば借金を返すなり、いろいろあると思いますよ。だからそれは自治体自体に任せればいいことであって、国自体がそういうことをする必要はないじゃないですか。だから、そこら辺を私は明確にしないと、昨年の経緯からいって、また同じことを議論しなきゃならぬ。昨年の委員会における議論というのはそのことに集中しておったわけです、各委員とも。ですから、そこら辺はひとつ明確にしてもらいたいということでいま聞いておるわけです。 それから、いまの財政制度というのは、これは単年度主義が国、地方ともとられておるわけですから、そういう面から見て、こういう事態が当然起こることは予測しておるわけで、そこら辺を私は国が勝手にくちばしを入れるということについてはどうしても承服できない。法のたてまえというか、論立の趣旨を阻害する、そういうふうに思うんです。ですから、国自体は、いま一方的にすでにもう決めておることですから、いやこれでもう何とかお願いしますということでいろいろの理屈をこねるだろうと思いますよ。しかし、このことがいまの地方財政法なり交付税法の趣旨に反するということについては、これは私は明確だと思うので、その点はいかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) さような点もございます各ので、今回特に法案を出して御審議を願っておる、こういうことでございます。
○政府委員(土屋佳照君) ただいま大臣から、基本的な考え方といたしまして、地方団体の自主性、自律性を尊重するという点からは地方財政の年度間調整は原則的には地方団体が行うのがたてまえであるというふうに申し上げたわけでございます。 ただ、現在のように地方財政が毎年度巨額の財源不足を生じておりまして、また、膨大な累積赤字を抱えておるという状況下にあるわけでございまして、これは率直に申しまして、前年度と余り変わらない、基本的条件が変わらないといった形になっておるわけでございます。そういった状況のもとで、すでに策定された地方財政計画に従いましておおむね支障なく財政運営が進められてまいりました年度末に至って補正予算に伴って交付税の増加額が生じた、そういった場合は、私どもとしては、こういう財政状況全体の中で、全般的な財源対策の中で地方財政の健全化に資する方向で処理をすることが適切であるという判断のもとにこういった法案を提出しておるわけでございます。 確かに、いまおっしゃいましたように、いろいろな方法はございます。五十五年度中に配分をすることとして、地方団体の自主性に任せて、減債基金に積み立てるなり、あるいは地方債の償還等に充てるとか、いろんな方法があるではないかということでございますが、基本的に、先ほど申し上げました財政の赤字というものが、個々の地方団体が地方債を借りて、そして自分たちの計画のもとに返済をするというものもあれば、地方団体が直接返済しない、大もとのところで——地方交付税特別会計でいま八兆近い金を借りておる、そういったものは全般的な財政処理の中で考えていかなければならない、そういったいろいろな事情があるわけでございます。 そして、私どもとしては、五十五年度年度末に配るとしました場合に、いまどういった問題があるのか、その功罪もいろいろ検討いたしましたし、また、配るだけの緊急な財政需要があるのかということもいろいろ検討をいたしました。そしてまた、すでに発行した地方債の繰り上げ償還の場合の問題、あるいは五十五年度発行予定の財源対策債の減額に充てるということについても検討いたしましたし、減債基金等への積み立ても検討いたしましたが、結果的にはまた五十六年度の財源不足というものへはね返ってくること等をいろいろ考えますと、いずれにしてもいろいろ問題があるし、ただいま申し上げましたような地方財政の現状のもとにおいては、全般的な財源対策の中で健全化に資する方向で考えるのがやはり適当である、そういった基本的条件は昨年度と余り変わってないということで、たてまえはたてまえでございますが、この際はそういった方向で処理をさせていただきたいということで、国会の御審議をお願いをいたしておるところでございます。
○佐藤三吾君 いろいろなケースがあるという財政局長の答弁ですがね。私もあると思いますよ。ですからどうやってもいいんだということにはならぬと思う。やっぱり財政法なり交付税法というのがちゃんとあるわけであって、その精神にそぐわないそういうやり方ということはいかぬじゃないかと、こう言っておるわけです。 ですから私は、やっぱりその精神に基づいての方法でいろいろあるならその措置をとることは結構だと思う。そこら辺が、地方の自主財源であって、そして自然増がふえたということなら、当然地方に自主性を持たして、地方自体がそれをどうするか、その取り扱いはあると思いますよ。だからそういったてまえはきちんとして、それでも長期的構造の中でなお不足するなら、たとえば六条三の二にありますように交付税率を変えるなり、単年度で不足するなら。そういうことできちっと処理するのが、それがたてまえじゃないかと、こう言っておるわけです。 ですからそこら辺は、私はやっぱり地方の自主性を尊重する、地方の財政の健全化を促進するという自治大臣がとるべき態度じゃない。こてら辺は私はもういろいろ言いません、もう去年この問題はずいぶんやり合ったんだから。言いませんが、私はやっぱりこの問題についてはどうしても承服できないので、また、来年のこともあるでしょう。やっぱりそこら辺を含めて、大臣にきちんとしてもらいたい。あなたがこういうことをとるのなら、地方の自主性とか、もしくは地方の財政の健全化などとおこがましい態度はとらない方がいいんじゃないかと思う。地方じゃ何もできぬから国の方で何とかするというようなそういう姿勢で一貫するなら一貫してもいいと思うけれども、そこら辺は、言うこととすることをきちっとしてもらわぬと、地方自治体においても大変私は混乱すると思うので、ここら辺はひとつ指摘だけしておきたいと思います。 大臣、何かございますか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 御意見のほどは私も理解をいたします。本年度の問題については、諸般の情勢を検討いたしましてこういう考え方をもって御審議を願っているわけでございますが、来年度以降につきましては、また、御趣旨も十分考慮してまいりたいと思っております。
○佐藤三吾君 それでは、きょうはいろいろ問題があるものですから、次の問題で質問したいと思います。 最近の医療の荒廃というのが非常に、新聞等でごらんのように、大変なものがございます。たとえば埼玉の富士見病院、これはもう中身については言うまでもないと思う。自治大臣であり国家公安委員長であった澁谷さんまでこれに絡まっておる。時の厚生大臣もこれに絡まっておる。そのため厚生大臣が首になるという事態も引き起こしておる。それだけじゃなくて、診療報酬のネコババであるとか——きょうもテレビで東京の歯科医師がやられていましたね。そのほかに、京都の十全会の事件が出ておりますし、さらにまた、熱海の国立病院の医師が暴力団の親分のにせ診断書を書いて賄賂をもらっておった、こういう事件も出されておる。今度は医師の卵になる医大の入試の問題で、日本医大が出てくる、北里大学が出てくる。さらに次々に、私立の大学の実態を見ると、ここら辺からもうすでに腐敗、荒廃というのが始まっておる。そういう実態が明らかにされて、私ども非常に残念でならぬわけです。 これは、私は、特定の大学とか、もしくは特定の悪徳医師というだけではない、医療の全体に広がっておるような気がしてならぬわけです。なぜかと言えば、毎年の所得番付を見ると、ベストテンはほとんど医者がずらっと並んでいます。これは私はそういう面から見ると、日本の医療というのは、営利医療というか、そういうものに突き進んでおるのではないか。もっと言うと、そこからすべてが出てきているのではないか。そういうふうに私は思うのですが、そういう中で、この営利医療というものを一体どうしたらいいのか。私はやっぱりどうしても医療の社会化、公営化というものが軌道に乗っていかなければならぬと思うんですよ。それ以外に防ぐ方法はないのではないかという感じがしておるわけです。それにおまけがついて、自民党さんが中心になって、医師優遇税制と、こういうおまけまでついておる。 大臣に私はお聞きしたいと思うんですが、こういう中で、どういうふうにしてこの営利医療、不正腐敗というものを医療の中から追放して、本当に国民の命と健康を守る、そういった医療体制を確立すべきなのか。その中で特に、大臣所管の自治体病院ですね、公営医療、これらの問題についていま基本的にどういうお考えを持っておるのか。私は、公営医療というのは、たとえば僻地もしくは採算がとれないところを含めて、いまいろいろな部分で活躍をしておることと思うんですが、そういった、採算を度外視してでも国民の健康と命を守る、そういう医療に徹すべきじゃないか。医療が荒廃しておるだけにその任務は大きいのではないかというふうに思うわけですけれども、まず、大臣の公営医療に対する基本的な見解をお伺いしておきたいと思うんです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 公営医療の問題は、現下の状況におきましてはきわめて重要な問題でございまして、自治省といたしましても、この公営医療事業に対しましてはそれぞれの措置を講じておるところでございます。採算点から申しますとなかなか苦しい事情もある。医療費の値上げという問題が常に起こりがちであるというような点から、病院の経営もなかなか困難な事態も生じておるのは御承知のとおりでございます。 そこで、自治省といたしましても、そうした公営医療事業等につきましては、一般財源をある程度はつぎ込んででも地域社会におけるところの医療に対してその使命を果たしたいというようなことで、財政的な措置も一部議しておる、こういうことの方針をとって措置をしておるところでございます。
○佐藤三吾君 医療の荒廃の面についてはどういうふうに考えておりますか。なぜこういう問題が起こってくるのか。大学から……。
○国務大臣(安孫子藤吉君) こういう問題が起きる原因というものは、それは制度の問題もございまするし、あるいはまた医師自体の自覚の問題もあると思います。社会的な環境もあると思います。そういうものが重なり合いましてこういう思わしからざる事態が出ておる、こういうことでありまして、これは多面的にこの問題の解決のために政府としても努力をしていかなくちゃならぬ問題だと思います。同時にまた、医師自体の自覚という問題も欠くべからざる大きな要素だろうと思っております。
○佐藤三吾君 いや、私がさっき言っているように、医師の卵のときから不正入学が始まっておるわけですね、いま出ておるのは。そうでしょう。そして、それが大きくなると、埼玉の産婦人科になったり、十全会になったり、診療報酬の不正請求をやったり、こういう事件が次々起こってきておる。そしてそれを証明するように、全国の所得番付を見ると大体ベストテンにほとんど入っておる。それに御丁寧に、政府は医師優遇税制というものをおまけをつけておる。こういう実態というものがまさに営利医療になっておるのじゃないか。そのことについてあなたはどう考えるのかと、こう言っておるわけです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) かつては医は仁術だと、こう言われておりまして、そうしたことでもって社会の医療行為が行われておったわけでございまするが、これは一面、時代の風潮もあると思いまするけれども、その気風がだんだんと薄れておるということも一つの大きな原因だろうと思います。したがいまして、やはり医師自体の自覚の問題がありまするし、また、制度的にもそういう問題を促進をするような、そうした施策も講じていかなくちゃならぬだろう、こういうふうに思っております。
○佐藤三吾君 そういう中で、あなたが預かっておるのは地方の自治体病院ですね。この自治体病院を、あなたは何かいきなり財政が苦しいとか経営が苦しいとかそんなこと言っているけれども、そうではなくて、あるべき姿はどういうものか。公営医療というのはこういう中であればどうあらなければならぬのか。あなた自身で、その点についてはどういう所見ですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) やっぱり地域社会の公設の医療機関といたしましては、地域住民の医療に関しまして誠意をもってその措置に当たるというような決意を持って当たるべきものだろうと思っております。
○佐藤三吾君 そうなりますと、住民の負託にこたえて、命と健康を守る地域医療の役割りを果たさなければならぬ。そういうことになりますと、それに値する、たとえば高度の専門的な医療施設も整えなきゃならぬだろうし、同時にまた、その需要にこたえる体制をつくっていかなければならぬ。そうなると、さっきあなたおっしゃったように、財政面でかなりきつい面が出てくると、そういうことになるわけですね。そこら辺で非常にあなたがさっき冒頭に苦衷を言った意味が出てくるんじゃないかと私は思うんですが、どうですか。このいまの自治体病院の実態というのはどういうふうになっておりますか。 これはひとつ審議官で結構だと思うんですが、いま全国病院の中で一一・四%を自治体病院が担っておる。三百床以上の病院では、私の調査では二五・四%ですか、そういうシェアを持っておる。そういうだけに、いま大臣がおっしゃった地域医療の先兵となってやっていく任務というのは、私は重大なものを抱えておると思うんです。しかも、やっぱり高度な医療技術なり専門機器なり、こういったものも備えていかなきゃならぬと思うんです。さらにまた、離島や僻地や、こういったものに対しても、採算を度外視して手を差し伸べていかなきゃならぬと思うんですが、そこらの面がいまの現状としてはどういう実態にございますか。
○政府委員(金子憲五君) ただいまお話がございましたように、地方公共団体が設置しております病院は、僻地等の不採算地区においての医療あるいは地域の中核病院としまして高度医療、特殊医療等を分担してやっておるわけですが、従来必ずしも施設等において十分でないものがございましたが、年々逐次整備されつつある。その反映といたしまして、全体として病床数もふえる、あるいは入院患者あるいは外来患者数もふえると、こういうような実態になってきております。
○佐藤三吾君 そういう実態にあるとすれば、さっき私が質問しないうちから大臣が、財政負担が大変だというふうなことを、意味深なことを言っておりましたが、私は、採算を度外祖をして——もう全く度外視をしてやれと言ったってやれるものではない、そのことについてはわかるんですが、しかしいま審議官が言ったように、地域の負託にこたえて医療をやっていくとすれば、財政的とか経営の面から見ると厳しい状況も出てきておるんじゃないかというような感じがするんですけれども、こういった問題についてはどういうふうな実態にあるのか。 それと、自治体病院協議会というのが再三いろいろな要求をやっていますね。これらに対してどの程度こたえておるのか。こういった点がおわかりになればひとつ聞きたいと思うんです。
○政府委員(金子憲五君) 病院経営の状況につきましては、特に石油ショックの後におきまして、多額の赤字を出すというような事態がございましたが、その後、逐年経営状況については改善を見てきております。現在、病院のうち赤字を出しておりますのは全体として三割前後程度のところにまで来ておるということで、全体としては病院経営はいい方向に向かってきているのではなかろうかというふうに考えております。 それで、先ほど来からお話のございました、公立病院なるがゆえに不採算部門を担当してやらなければならないというものにつきましては、地方財政計画上所要の財源措置を講ずるということで対処をしてやってきております。
○佐藤三吾君 その地方財政計画上の所要の措置ですね、これは言うならば普通交付税なり特別交付税でもっていろいろ措置されてきておると思うんですが、これらはどういう、まあたとえば当局が一般会計からそれを繰り入れますね、病院に。その繰り入れる場合には、大体繰り入れる分だけ交付税で措置するのか、何かその基準がございますか。繰り入れる分はたとえば一般会計から繰り入れた分の二分の一とか三分の一は国が補償するとか、そういう基準がございますか。その点の実態はどうなっていますか。
○政府委員(金子憲五君) 地方財政計画上あるいは交付税上の基準財政需要額あるいは特交措置の算定上の基礎といたしましては、必ずしも直接の繰入額を基礎としては計算をいたしておりません。あるいはベッド数あるいは人口数等々を基礎といたしまして、標準的な団体においての所要額、平均的な額とでも申しましょうか、それを基礎としまして地方財政計画上の額あるいは交付税措置額を算定いたしております。したがいまして、個々の団体におきまして必ずしも交付税で措置をされた額と繰出額とは照応しないというような関係になっております。
○佐藤三吾君 だからそこら辺に無理が生じてくるんじゃないですか。いわゆる自治体にはいろんな特殊性がございますわね、その病院、その病院に特殊性が。たとえば僻地もあれば、もしくは人口急増地帯もあれば、もしくは大都市近傍もあれば、いろんな条件があるだろうし、また歴史の古いところもあれば、新しいところもあるだろうし、そういったものをしゃくし定規で規定していく財政の支え方というところに、各自治体の中において無理が出てきておるということが生まれるんじゃないですか。そこら辺は弾力的な措置をとって自治体に、基準は基準として別途にそれらを補てんするという方法はとられておるんですか、どうなんですか。
○政府委員(金子憲五君) 病院経営につきましては、先ほどお話がございましたように、できるだけ効率的な運営をしていかなければならないという要請がございます。それで、その効率的な運営の前提といたしまして、病院の負担において行うべきではない行政的な経費、あるいは不採算部門の経費につきましては一般会計からの繰り入れをいたしますけれども、これにつきましては一定のルールを定めて繰り入れをする。その他の経費につきましては、病院がそれぞれの経営努力によりまして収支相償うようにやってまいる、これが終局的には住民の福祉にもつながるものというふうに考えて、そのような方法をとっております。 個々の団体に対する交付税の措置額あるいは繰出額が照応しないということについて問題があるのではなかろうかというようなお話でございますけれども、私ども、ある程度詳細な基準をつくりまして、それによりまして各団体に対しては措置をする。各団体におきましては、それを基準としてそれに即しながら個別的な繰出額を決定してやっていくというようなことで、特に大きな不都合はないというふうに考えております。
○佐藤三吾君 まあ理論的にはそういうことでいくだろうと思うんですが、実態はどうですか。たとえば、基準財政需要額で積算して、ある自治体、AならA自治体に六千万なら六千万、一億なら一億という金が落ちていく。特別交付税で五千万なら五千万という金が落ちていく。しかし自治体は、一般会計から病院に繰り出す場合に、総額一億五千万を繰り出しておるのか。逆に言えば、それはもうそこまでは自治体の裁量ということでもって、そのうち一億だけしか繰り出さずにあとはひとつ一般事務の方に使うと、こういう実態。もしくは、熱心なところについては二億、三億という繰り出しをする。こういういろんな実態があると思うんですが、そこら辺はどういうふうにとらまえておりますか。
○政府委員(金子憲五君) 先ほど申し上げましたように、措置額とそれから実際の繰出額との間には若干の差がございますが、各団体とも、私どもの方で出しております繰出金通達、それに即し、なおかつ当該団体が経営しております病院の実態に応じて具体的な繰出額を定めておるということで、特に問題はないというふうに考えております。 それで、ただいま御指摘がございましたような交付税で措置をされている額よりもはるかに下回った繰り出ししかしてない。逆に言いますと、交付税で措置をされている額よりも繰出額が小さいから、そのために病院の経営が困難になっているところがあるのではなかろうかというような御指摘かと思いますけれども、そういった団体は、その繰出額の多い少ないにつきまして若干の問題はあろうかと思いますけれども、御指摘のような問題はまずないのではなかろうかというふうに考えております。
○佐藤三吾君 そこで、北海道の江別の市立病院の問題でちょっと聞きたいんですが、江別は人口が八万ですけれども、ここは四百三十二床ですから、外来も一日に約六百五十人程度、入院患者が九四%で、言うならば中核的な公立病院ですね、おたくの物差しがら見ましても。ここはいま十八億五千六百万という不良債務を解消する問題で、きょうもいま議会が開かれて議論をやっております。聞きますと、ここは、準用再建の申し出をする、また、再建計画を決定するための議会が二十日に招集されて、いま北海道では大変な問題になっておるようです。ここの問題は、準用再建といえばこれは自治省と協議なしにできるものでないわけだから、議会を開くということまでいっておれば、かなり自治省とは事前に十分な連絡、打ち合わせをして、逆に言えばあなたの方が指導をした上でやられておるのじゃないかと私は推量するわけです。 聞きますと、ここの病院の場合には、三年前からこの問題が、いわゆる不良債務の問題が議論になって、そして自主再建に入っておったわけですね、労使協議で。そしてその結果、ずっと年々労使協力のもとに再建が成功して、五十五年度の見通しては大体黒字に転化する、単年度として。ここまで来ておる。ところが、自治省がどういう指導をしたのかどうしたのかわかりませんが、 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 ここは聞きたいと思うんですが、十四日の日に突然当局の方が、もう組合の協力は要らない、再建については自分自身でやる。だから準用再建でやるんだということで、一方的に交渉を打ち切って、そして一気に議会を招集して、いま審議をしているさなかなんですね。三月四日には再建計画を議決して、そして自治省の承認を求めると、こういう日程になっておるようです。 しかし私は、病院のいまの実態から見ても病院の業務の内容から見ましても、再建という問題は、労使が一体となってやっていく姿でない限り再建はできるものじゃない、そういうふうに思っておるわけです。しかし当局の方はそれをけ飛ばして、いやもう組合の協力は要らぬのだというようなことでやっておるんだから、自治省がどういう指導をやったのか知りませんが、これは聞きたいと思うんですが、相当そそのかすというか、そういう指導強化をやったんじゃないか。そうでなければ、三年間労使が話をしてきて自主再建をやってきてようやく五十五年度は黒字に転化する、こういう見通しだったんですから、その意味では非常に再建が軌道に乗っておるわけです。その上で今度の第二次再建計画についても組合と話をして、そして労使でひとつ協力して再建をしようと、そのために一方的に打ち切るとかそういうことはせずにさらに交渉を煮詰めようじゃないかと、こういう確認書まで取り交わしている。そういう中で、一方的にそういうふうに気が狂ったようになったということは一体どういうことなのか。ここら辺が私は、皆さんがもうすでにこの問題についてはかなり立ち入っておられると思うということを前提としてお聞きしておるわけですが、どういう経緯なのか。さらにまた、組合の協力なくしてそのことができるとお考えなのか。医師と看護婦というのはまさに私は一体だと思う。同時にまた、病院関係者——給食ですか、そういう関係者も一体でなければあれはできない。それが決裂してやっていけるのかどうなのか。そこら辺の問題をまずお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(金子憲五君) まず自治省の指導と申しますか、準用団体としての指定を受けるに当たりましての自治省との協議状況でございますが、これは昨年来江別市、それからそれを所管しております道の方の地方課を通じまして何回か話をしております。私どもの方といたしましては、江別市の方が病院の再建のために立てておりました再建計画案、これに基づきまして、基本的な事項につきましてはいろいろこういったようなことをやった方がいいというような意見を申し述べております。その理由は、準用再建を受けるということは、自治体の承認を経て再建計画を定めるということになりますので、当然承認に必要な基本的な条件につきましては明確にさせていかなければならないということでございます。 それから当局と組合との関係。当局の方がこの二月になりまして組合の協力は要らないということを言ったということでございますが、その辺の事情につきましては私どもよく承知をしていないところもございます。ただ、当局の方は、地方公営企業法の適用を受けて再建を行っていきたいという意思を持っておる、これに対しまして組合の方は自主再建でいきたいという考え方の違いがあるようでございます。私どもといたしましては、市の設置します病院の再建につきましては市の判断に基づきまして、私どもの方ではそれ相応の対処をしていかなければならないということでいままでいろいろ相談に乗ってきておるところでございますが、私ども、一般論といたしましても、病院事業の再建につきましては組合と円満な話し合いをやって円滑に再建を実行していくのが望ましいというふうに考えております。従来もそうでございましたけれども、今後とも当局、組合、十分に話し合ってやっていってもらいたいと、このように考えております。
○佐藤三吾君 どういう指導をあなたの方でやってきたんですか。自主再建ではだめだ、準用再建以外にこの再建はないんじゃないかと。そのためにはひとつ、組合がいろいろあってもここはもう振り切ってその手続をとりなさいと、こういうことを言ったんじゃないんですか。どうなんですか。
○政府委員(金子憲五君) 病院の再建につきまして、自主再建でいくかあるいは法の準用再建でいくかの選択は、まさにこれは当該地方公共団体のすべきことでございます。私どもの方でどちらを選択せいということを言うべき筋合いではないというふうに思っております。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 ただ、市当局の方の説明、あるいは客観的な状況を見ておりますと、現在十八億五千万からの不良債務、赤字があるわけですけれども、江別市の場合、先ほどお話がございましたように、人口八万ほどの市でございます。財政規模につきましても、五十四年度決算状況を見まして、百六十億ちょっと程度のもの、恐らく五十六年度の予算におきましても二百億に満たない程度の財政規模ではなかろうかというふうに思います。病院事業は一応特別会計として別になっておりますけれども、江別市の程度の市が十八億五千万の赤字を完全に自主努力でもってこれを返していくということは非常にむずかしいものがあろうかと思います。一つは、病院自体での努力につきましても、現在の社会診療報酬制度のもとにおきましては、過去の赤字まで取り返していくということは非常にむずかしいものがございます。それから、一般会計からの繰り出しをして過去の赤字を埋めることにつきましても、先ほど申し上げましたように、二百億足らずの財政規模の団体で、一般財源としましてはせいぜい六、七十億程度のものしかないかと思いますけれども、それでその一般財源の三割にも及ぶような赤字を解消するということはできない。 そういったようなことで、病院の立て直しのために市自体としてはできるだけの努力をする、それ以外に、一般会計からの繰り出しを行う、しかしそれだけではやり切れないので、国の方の財政的な援助措置も求めたいと、そういうようなことで準用再建を受けたいという判断をとるに至ったのではなかろうか、このように見ております。
○佐藤三吾君 ところが市の方は、さっき申し上げたように、自主再建を三年間やってきて、その結果五十五年度は単年度黒字に転化をするという見通しに立っておる。これはやっぱり市当局も認めておりますね。そういうことで、まさに不良債務を今後どうして解消していくかということで昨年来ずっと組合と協議をしてきて、そして組合もやはり再建するためには少々の犠牲もやっぱりやらなきゃならぬということを覚悟の上で、ひとつ労使協力してやろうじゃないかと、こういうことでずっと今日まできたわけです。そうして、そういった意味での確認書も取りかわしてやってきておる。 ところが突然、そういう立場で市の方が第一次の案でおたくの方に出しておるのは、一般会計からの繰入額をかなり大幅にふやしてこの再建案をつくった。ところがあなたの方がそれではだめだということでけ飛ばしていますね。で、自治省が認められるこの第二次案というものを見ると、第一次案とは大幅に変わってきておる。あなたがせっかくそこまで、自治体の実態からいって国が助成しなければ厳しいと言うなら、なぜそういう意味で特交なりの所要の措置をとってでも、地域医療のためにいまがんばっておるわけだから、しかも労使が協力して五十五年度は黒字に転化すると、こういうところまで追い上げてきておるわけだから、それにやっぱり手助けしていくのが国の立場じゃないですか。そこら辺が、そういうふうに第二次案と第一次案の対比を見ますと、大変な相違が出てきている、これはどういうことなんですか。
○政府委員(金子憲五君) 五十四年の経営状況を見ますと、五十三年以降の経常努力によりまして御指摘のように経営状況は大分よくなってきております。問題がありました病床利用率も、従来に比べれば高くなる、あるいは患者数もふえる、職員数も従来に比べてで、若干減らすことができたと、こういうようなことで、経営状況はよくなってきておりますけれども、五十四年度におきまして医業収支比率はなお九五・四%ということで不良債務額、赤字額もやはりふえざるを得ないということになっております。経営構造としては、まず第一に経常収支のバランスをとるということが目的でございますけれども、まずこれを達成するためには、さらに一段の努力を必要とするということがあろうかと思います。 それから次に、過去の赤字の解消のために一般会計からの繰り入れを行う。さらに、それにつきまして国の方から交付税による措置を行うということでございますが、国からの交付税措置につきましてもこれはおのずから限度があろうかというふうに思っております。最初市当局の方が持ってまいりました計画では、十八億五千万の赤字に対しまして、今後何カ年かの間に十一億ほどの国の援助措置を講じてもらいたいという内容でございましたけれども、現在の交付税制度の運用あるいは他団体との関係等から見まして、そのような期待はやや過大に過ぎるというようなことで、さらに自主努力を求めざるを得ないということがあったわけです。 そういうようなことで、国の援助措置を受けてやるからにはそれなりの基本的な条件はやはり守ってやってもらいたいと、これが私どもの方の基本的な考えでございまして、現状、赤字の原因としていろいろ数えられておりますけれども、たとえば給与単価が高いとかあるいは人員が多過ぎたとか、あるいは医療の施設等において必ずしも十分でないものがあるとか、いろいろございますけれども、そういった問題に対処しながら国の方としても援助措置を講ずると、こういうようなことでやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○佐藤三吾君 しかしね、市が持ってきた第一次案を見ると、繰り入れを十六億五千七百九十六万ですか、自主解消策が一億九千七百八十一万ですか九十一万ですか、こういう案であったのを、あなたの方は、自主解消策を十億三千七百五十一万と、そして繰り入れの方を逆に滅して五億九千四百二十七万と、こういうふうな案でなければだめだということで突っ返したんでしょう。だから、そういうことが現実の場面でいきますと、果たして労使協力を得られるかどうかということは、当然こういう案を示す際にはおわかりになったと私は思うのですよ。 ですから、いまお手元に差し上げたように、市議会は二十日から開いて大混乱に陥って、市長は辞意表明をすると。再建計画を出した議会で辞意表明をせざるを得ない、こういうような状態に陥って、江別市初めての徹夜審議ということで、まだいまこの問題が議論のさなかにあるわけでしょう。こういう事態になることはあなたが指導する際に当然想像できたはずです。ですから、こういうようなところに、指導に問題があるんじゃないかと私は思うんですよ。 これは大臣、いま差し上げましたが、この新聞等で出ておりますように、とても準用再建ができるような雰囲気じゃなくなってきている。私は、だからせっかく三年間ずっと積み上げてきて、さっき審議官も言っているように、確かに労使協力の中で好転して、組合の方も犠牲を払って、そして上向いてきておるところに、今度また準用再建という手続をとったために、しかも中身は一次案じゃなくて二次案でやられたという問題が出たために、こんな状態までに混乱状態が起こってきておると、こういうことについて、一体どう大臣として——さっきあなたは、地方自治体のいわゆる公立病院というのは、やはり地域医療を高めて住民の命と健康を守らなければならぬという任務があると、その意味で財政的に苦しいという点は今後ともひとつ支えながら努力をしていくということを言いましたけれども、こういった問題について一体どうお考えなのか。 私は、二十日と二十一日に長崎に行きましたが、長崎は、あそこも県立病院の問題でずいぶん議論になって一年半やった、労使で。そして、準用再建だ何だといろいろ議論をしたけれども、最終的にはこれは組合の、そこの医療労働者の協力なくしては再建できぬと、こういう県当局の判断で自主解決して、そして自主再建でいまいっております。 私は、そういう面から見ると自治省の——他意はなかったと思いますよ。なかったと思うけれども、そういう平面的な指導。現地の実態に基づいた指導がやられてないためにこういう混乱が起こってくる。こういうことは私は許せないと思うのですがね。大臣としてこの問題についてどういう考え方を持っておるか、御意見を承りたいと思うのです。そして、私はこの問題の紛争を解決するためには、どうしても準用再建でなくて自主努力でやっていくという、せっかくこの三年間積み重ねた方向にやっていくことが最も妥当な方法じゃないかと、そういうふうに思うのですが、どういう御見解ですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 具体的な事案につきましては、私も詳細承知しておりません。しかしながら、再建の問題については、労使協調してこれに当たらなければならぬことは当然の事柄でございます。また、自治省といたしまして、各般の指導を行ってきておるわけでありますが、これもやはり再建の立場からいってこの程度のことはひとつ努力をしてもらわにゃならぬと、こういうことでいろいろと話をしてきておったものだと思うのでございます。やはりその線に沿いまして、労使協調して病院の再建という問題をひとつ最大の使命といたしまして協調してやるべきだと、こういうふうに思っております。
○佐藤三吾君 そこで、いまあなたに新聞を見せましたけれども、読みましたか。——あなたがそういうことで言われますが、結果的にはそれが大混乱の原因にいまなってきておる。ですから、私は、自治省としても決して悪意があってやったとは思いませんよ。けれども、その自治体によって、病院なら病院によっていろんな条件があるわけだ。経過もあるわけだ。その経過というものをやっぱり見詰めた上で指導に、個別指導ですから、これは。個別指導に当たらなきゃならぬのじゃないかと思う。 結果的に、この問題を解決していくためには、やはりこの準用再建という問題をもう一遍もとに戻して、そして労使態勢を基本に置いて進めていくという方法でない限り、いまあなたがおっしゃったように、自治省は自治省としていろいろな再建には方法があると、その線に沿って労使協力なんということ、こんな手前勝手なことを言って、まとまるはずないじゃないですか。私は三年間の自主再建の問題が軌道に乗っていないというなら言いませんよ、この問題で。いま審議官も言っているように、軌道に乗ってきて、そして五十五年度の見通しとしては黒字に転化すると、単年度として。そこまで労使協力してやってきた問題について、その線を延長し、さらにそれを後ろから支えてやる、そして地域医療にこたえる病院経営ができるように助言し、助成していくと、この指導が私は必要じゃないかということを言っておるわけです。いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) この点はよく検討してみたいと思います。
○佐藤三吾君 ぜひ私は大臣、検討してもらいたいと思うのです。そうして、いま市議会が混乱をしておりますし、いろいろ議論が起こっておりまして、市長も辞意表明をする、せぬということで大騒動になっておりますが、私は一日も早く、時間の問題があるわけですから、三月四日には議会の日程からいって上げるという日程になっているわけですから、ぜひひとつ、いま検討をされるということでございますから——やはり願いは同じだと思うのですよ、地域医療を確保して住民の健康と福祉を守るということでは同じだと思うのですけれども、やり方によって大変な混乱が起こっておるわけですから、そこら辺はひとつ、自治省が去年から入ってきて指導したという経緯もあるわけですから、ある意味ではこの紛争の責任の一端があるわけです、逆に言うならば。ですから、そういう面で大臣にひとつ検討をしてもらって、直ちにこういう問題についての紛争解決に当たっての自治省でとれる手続、態勢というものを強く要望しておきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私は、自治省の指導が間違っているとは思っておりません。恐らく誠意を持って病院の再建のための最大の努力の構想のもとに指導に当たってきたものだと思うのであります。したがって、その線に沿いまして、やはり現場におきましても十分にその点については理解を持っていただいて、再建のための協力をひとつ努力してもらいたいものだと、こう思っておるわけでございます。ただ、いろいろな事情もあるだろうと思いますので、この点はひとつ検討してみたいと思います。
○佐藤三吾君 いまあなたがまた言ったけれども、あなたのその、自治省の指導は誤っていない、その線に沿って労使が協力してくれれば一番いいのに協力してくれぬから問題があるような言い方というのは、さっき私が言った、それがそうじゃないんだと。私は、気持ちとしては善意としてやったと思いますよ。決してそれは悪意とは思いません。しかし、やはりどうも審議官の答弁が出ておりますように、自治省自体としては、一般論というんですか、平面論で問題を見詰める癖を持っておりますから、やっぱり現地における、せっかくここまで自主再建の努力が実ってきておるという事実、経緯、経過、そういったものを私は基本において、それをやっぱりさらに推し進めていく手助けしていくという姿勢があってほしかったと思うんです。そうすればこういう混乱は起こらなかったと私は思うんです。 ですからそこら辺は大臣、いまこれ以上私は言いませんけれども、ここら辺の問題は、言うならばそこら辺に血が通っていなかった部分がこういう結果をつくり出していったと思うんですよ。ですから、その血の通った措置、言うならば期限が決められておる中における問題ですから、直ちにひとつ大臣の方で調査なり適切な指導、そうして病院経営という観点から言って、労使協力ができる態勢、そういったものをひとつつくっていただきたいということで要望しておきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) もちろん自治省の指導もありますが、市の判断というものもこれにはあるわけでございます。したがって、現地においてやっぱり最終責任は市が持つことになるだろうと思うわけであります。したがって、市の判断というものも私どもは十分聞く必要があるだろうと思います。その辺をひとつ十分に聞いた上で適当な措置を講ずるのが問題解決のキーポイントじゃないかと思います。
○佐藤三吾君 ぜひその点をひとつお願いして、間違ってまたそれが紛争を激化して、今度はどろ沼にならぬように、逆さまにならぬように、ひとつ大臣が、この問題きょうるるお話しして事情もおわかりになったと思いますから、大臣という、政治家という立場を含めて、ここら辺の指導に間違いのないようにお願いしておきたいと思います。 次に、消防庁来ておりますか。——川治のプリンスホテルの問題で、十二月に私ども調査に入りました。これはもうここでいろいろ申しませんが、大変な惨事であったことを目の当たりに拝見したわけです。その原因と責任の所在、遺族に対する補償問題等がまだ未解決のように聞いておるわけですが、一体どういうふうになっておるのかということが一つ。 それから、消防庁は、十一月二十二日に全国のホテル、旅館に対して一斉調査を命じていますね。その結果が一体どういうふうになっておるのか。 三つ目に、この調査の結果、一月二十四日に防火安全対策連絡協というものを開いて了解事項を七省庁で見直すんだということを行っておりまして、それに伴う通達も同口付で次長名で出しておりますが、果たしてこの次長名通達もしくは了解事項でもって、今後、こういうことが二度と起こらないような、そういった措置ができるというふうに考えておるのかどうなのか。まずそこから聞いておきたいと思います。
○政府委員(近藤隆之君) まず第一点の、原因究明でございますけれども、これは警察当局の方でいろいろ現在原因について究明中であると聞いております。 そこで、第二点の、消防庁の通達による一斉査察の件でございますが、一月にその結果がまとまりまして二十四日付で公表をしております。 その概要を申し上げますと、全国の旅館、ホテルの、一千平方メートル以上のものに限っておりますが、全体で一方二千七百件ございます。 防火管理体制の状況でございますけれども、まず、防火管理者が選任されておらないものが一〇・九%、それから消防計画が作成されておらないものが三二・七%、それから避難訓練でございますが、これを実施していないものが三四・八%。こういったソフト面については非常に成績が悪うございます。 次に、消防用設備の設置状況でございますが、良好に機能しておるものについて申し上げますとと、消火器については九〇・三%、屋内消火栓設備については七三・七%、スプリンクラー設備については七七・六%、水噴霧消火設備につきましては九〇・八%、屋外消火栓設備については七七・七%、自動火災報知設備については八〇・五%、漏電火災警報器については九一・一%、それから消防機関に通報する火災報知設備については九九・八%、非常警報設備のベル、サイレン等でございますが、八六・二%、放送設備が九二・七%、避難器具は八六・七%、誘導灯が七五・二%、消防用水は九三・四%、排煙設備につきましては八六・五%、連結散水設備については八八・三%、連結送水管につきましては九六%、非常コンセント設備については九五・五%。ある程度の水準までいっておりますけれども、なお不備なものがございます。 それから、消防用設備等の点検報告でございますが、報告を行っておらないものが四二・九%と非常にウエートが高こうございます。 それから、構造の関係でございますが、防火区画、内装制限、避難階段、こういった避難施設の状況でございますが、防火区画について良好なものは七六・六%、内装制限につきましては七八・一%、避難階段については九一・六%、それ以外のものは一部不良あるいは不良ということになっております。 それから、避難経路の管理状況につきましては、良好なものが八七・八%、それから避難経路図等の案内板の設置でございますが、良好なものは六七・五%。 それから、火気使用設備に関連いたしまして、構造的欠陥がないものが九六%、それから火気使用設備の周囲の状況が良好であるもの九三・四%、それから燃料の管理状況が良好であるもの九二・七%ということでございまして、大まかに申しますとソフト面について不備が目立ちます。ハード面についてはある水準までいっておりますけれども、それでもまだ不十分なものがございます。 したがいまして、私ども重ねて一月の二十四日に通知を発しまして、不備なものにつきましては期限を切って改善するように、そして改善状況を点検し、それでも改善してないものについては措置命令を発するように強く指導をしておるところでございます。 それからなお、七省庁の連絡会議の関係でございますけれども、この七省庁の連絡会議は、御承知のように……
○佐藤三吾君 それは、中身は見ておる。
○政府委員(近藤隆之君) 七省庁と申しますのは、これは旅館、ホテル行政について関連のある七つの省庁でございまして、消防庁、建設省、厚生省、運輸省、警察庁、労働省、文部省、この七つでございます。昭和四十三年でございましたか、有馬温泉でホテルの大火災がございまして、関係の七省庁が集まりまして旅館ホテルの防火安全対策連絡協議会というのを設けまして、関係各省それぞれ協力して防火体制を固めようということで申し合わせを行ったわけでございますが、それ以降、幸いにいたしましてそれほど大きな火災がなかったのですけれども、今回、この川治のような大惨事を招いたわけでございまして、改めて全面的にこの申し合わせ事項というものを点検いたしまして、従来に比べまして相当強い措置を講ずることにいたしております。 改善点の主なものを申し上げますと……
○佐藤三吾君 いやいや、それはもうわかっておる。
○政府委員(近藤隆之君) よろしゅうございますか。——消防庁に関する限りは私ども全力を挙げてこの申し合わせ事項を守っております。なお、関係省庁につきましても、私どもは、たとえば運輸省あるいは厚生省、旅館の組合など旅行業に関係しておるところの団体等がございますので、そういうのを通じまして強く指導しておると聞いております。私ども、これからこの申し合わせというものを基礎といたしまして、この申し合わせの内容を全面的に推進するということが、こういう旅館とかホテルとかというものの防火体制を確実にし、二度とこういう川治のような事故が起きないようにする唯一の道であるというふうに確信しておりますので、推進を今後とも図ってまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 私は現地を見に行って、あそこに防火壁があったならあのような惨事は起こらなかったと思うことが一つ。——あなたも行ったでしょう。それから、また、さっき言った前半のソフトの面というのですか、管理体制なりそこら辺の訓練なり、そういうものがきちっとやられておればあれほどの惨事も起こらなかっただろう。問題は、なぜこういうのが起こってきたのか。これは消防法ではちゃんと四十九年に改正していますね。ところが、言うならばしり抜けになっておるでしょう。業界その他の反対があったものですからね。当時の新聞その他を見ると。施行令でもって、地階を除く階数が十一階以上のものについてはスプリンクラーをつけるとかなんとか、こう条件をやったでしょう。ですからたとえばあそこみたいに、四階であるとか、六千平方メートル以上でなくて以下のもの、こういうところが約一万二千件ですか全国であるわけですよ。それらのところが全部措置がやられてない。そこに事故が起こっておるのじゃないですか。その点を今度の事故を通じて反省をして、この施行令を改正するという措置をどうしてとらないのですか。どうして適用しないのですか。そこが一番がんじゃないですか、現実に。 同時に、建設省はこのときに、建築基準法の改正のときに、自民党さんの反対でこれも削除したでしょう。原案をつくりながら削除したでしょう。そうして、しかも参議院の建設委員会の決議では、この問題についてどうするんだということに対して当時の建設大臣が、早急に単独法でもって、ビル火災防止法か、でもって措置をしますということを言って、いまだにやってないじゃないですか。そのことが今度の原因じゃないんですか。 逆に言うならば、その二つの問題が消防と建設省の方でやられてないから、それに該当する千二百の旅館、ホテルは全国で、いま消防庁長官が言ったように、みなあのプリンスホテルと同じ状態にいまだに放置されているじゃないですか。どうなんですか。そこをなぜ七省庁会議できちっとやらないのですか。それを抜いたところの措置を幾らとっても、現実に川治が証明しておるように、何回も消防庁から勧告されておるが守ってないんだよ。そして告発もしてないんだよ。ここのところが一番私は肝心だと思っておるんですけれども、ここら辺について一つも、何ら所要の措置をとろうとしてないじゃないですか。いかがなんですか。
○政府委員(近藤隆之君) ただいま御指摘の点、二点ございますが、一つは建物の構造の問題でございまして、一つは私どもの方の消防用の設備の関係でございます。 消防用の設備は、四十九年の改正のときに遡及適用ということになっておりますので、既存の建物についても現在の消防法あるいは消防法施行令によりまして示しておりますものをつけることが義務づけられております。ただ。それが現実問題として守られていないものがあるわけでございまして、川治の場合も若干不備でございました。それから、ただいま申し上げましたように、たくさんの旅館、ホテル等においてまだ不十分なものがあるわけでございまして、こういうものはこのまま放置することができないので、直ちに法律が規定するとおりに設置せよということで、現在重ねて強い指導を行っておるところでございます。 建物の方につきましては、御承知のように、遡及適用がなされませんで、したがいまして、既存の部分につきまして現在の建築基準法のような防災上必要な措置がとられないことになっておりまして、その点につきましては建設省当局の方ともいろいろ打ち合わせた上で、今後の物件につきまして防災上できるだけの対策をとるということにいたしておるような次第でございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、施行令は改正を検討するんですね。
○政府委員(近藤隆之君) 現在の施行令は、四十九年の改正のときに、過去の建物につきましても、現在あるいは将来もそうですけれども、いつの時点でも最新の防火設備をするようにということになっております。遡及適用の規定を、いろいろ問題ございましたけれども、国会でお認めいただいて、それに基づいて現在指導をしておるところでございます。 なお、スプリンクラーの件についてちょっとお話がございましたけれども、スプリンクラーにつきましても、規模によりましてつけるところとつけないところと現在の施行令ではなっております。これは全部つけるにこしたことはないわけでございますけれども、やはり経費の点でございますとか、建物の構造上それほど必要がないであろうというようなところは排除しております。 もう少し具体的に申しますと、たとえばスプリンクラーでは、通常の場合には床面積の合計が六千平方メーター以上というのはスプリンクラーつけろということになっておりますけれども、ただ地階であるとか窓がないような階につきましては、これは床面積一千平米以上についてはつけることを義務づけておりますし、あるいは四階以上十階以下の階につきましては、床面積千五百平方メーター以上についてはつけるし、十一階以上については全部つけるというふうに非常に細かく消防法施行令で規定しております。この基準につきましては、これは関係方面の方々がいろいろ集まってつくったものでございまして、私ども現在ではこれでいいんじゃないかと思っておりますが、なお世の中次々と変わってまいりますので、絶えず検討は続けております。
○佐藤三吾君 建設省。
○説明員(久保敏行君) 建築基準法の防火避難に関する基準につきましては、新築の建築物に対しまして一律に適用するように規定されておりまして、すでに建ちました既存の建物につきましては、これは多種多様な形態をいたしておること等ございまして、これらについて遡及適用することについては、通常行っております改修等による対応が非常に困難であるということから遡及適用いたしておらないわけでございます。したがいまして、既存の建築物の防災対策につきましては、防災査察などの実施に基づきまして個々の建築物の実態に即しまして改修を行うように指導してまいりたいと、このように私ども考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 時間が来ましたからもう余り言いませんが、建設省ね、あなたの方で指導要綱をつくっていますね、それにかわるものとして。しかしその結果が川治のプリンスホテルにもなり、次々と起こっておるわけです。だから問題は、川治で四十数名の者が亡くなったというのは、その点がきちんとされてないから亡くなったわけであって、人柱行政と言われても仕方がないんですよ。一体何人殺したらあなたたちは直すんですか。金がない金がないと言うけれども、回せばできるじゃないですか。あそこの場合でも、増築をする場合に検査をやっておるでしょう。できてないのはわかっておるじゃないですか。なぜ、それならそれできちっとしなさいということを言わないんですか。全部しり抜けになっているじゃないですか。一体何人殺せばあなたたちは納得するんですか。どうなんですか。きちっとしなさいよ。
○説明員(久保敏行君) 既存の建築物の改修につきましては、お話しがございましたように、五十四年三月に建築物防災対策要綱を私どもの方で定めまして、一定規模以上の特殊建築物につきまして、期限を切って改修するように、現在、指導を行っており、やっておる最中でございます。川治のプリンスホテルにつきましては、規模の点でその対象にはなっておりませんけれども、私どもといたしましては、今後こういう種類のものについて、建築物の所有者の理解と協力を得まして改修していただくように努力を重ねてまいりたいと、このように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤三吾君 もう時間が来ましたので、これで質問は取りやめますけれども、大臣、これは消防庁長官に聞けば一番わかると思うんですよ、建設省のこういう行為については。私は、現実に、もし建設省が、あれだけ適切な遡及条項を削らずに法律が成立しておれば、この惨事は防げたと思うんですよ。そういう性質のものであるだけに、国会でも当時議論があったんだ。あったけれども、結果的に自民党さんや業界の皆さんの反対で削除したという経緯がある。それについて参議院の建設委員会で当時の建設大臣が早急に単独法でその点の措置をとりますということを約束して、放置されておるわけです。放置されたのではたまらぬから、いま建設省は指導要綱をつくってやっておる。しかしそれが現実には、事実上こういう惨事が累増しておるにかかわらず、やはりそこまでいってない、問題が起こっているわけですから。これはひとつ大臣が建設大臣とも話をして閣議でも出して早急に所要の措置をとってもらうようにしないと、これから第二、第三、第四のプリンスホテル事件起こると思いますから、そこら辺をひとつお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 承知しました。
○委員長(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十三分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(亀長友義君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○志苫裕君 私の時間は短いですから、一、二点に限ってお伺いしますが、私は、去る十二日の予算委員会で、地方議会が憲法の改正あるいは自主憲法の制定等の決議を自治法第九十九条によって行っていることに問題があるのではないかと思いまして、幾つかお伺いをしたんですが、なお若干それに関連をして伺っておきたいと思うんです。 九十九条の意見書決議は、もう言うまでもなく、意見書の内容について執行権限を有する行政庁に意見書を出すと、こうなっておるものですが、一体、憲法改正あるいは自主憲法制定について執行権限を有する行政庁というものはないのではないかということをお伺いしたんですが、改めてこれをまず法制局からお伺いいたします。
○政府委員(前田正道君) 憲法第九十六条の規定によりまして、憲法改正の発議権は国会におありになることはそのとおりでございます。ただ、先般お答えいたしましたのは、国会で改正についての審議をなさる案、そのもとの案の提案権については内閣が有しておると解釈しておりますので、その意味におきまして内閣が提出することができるというふうにお答えをしたわけでございます。
○志苫裕君 ですから、そういうふうに答弁がありました。まあ内閣に発案権があるかどうかというのは、いろいろ憲法にも解釈がございまして、あるという解釈もあればないという学説もあります。それは国会の専権事項だという解釈もあるわけでありまして、それについて政府が内閣にもかるという説をとられておることは承知をいたしました。しかし、だからそうですと言って私は申し上げているのじゃないのでありまして、そういう実定法はございますか。
○政府委員(前田正道君) まず、憲法は御承知のように議院内閣制をとっておりまして、その一つのあらわれといたしまして、憲法第七十二条は、「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、」とございます。この「議案」の中に含まれているという解釈でございます。 それから、さらにこれを法律ベースで具体化いたしましたものといたしましては内閣法の五条がございまして、内閣法の五条は、「内閣総理大臣は、内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を国会に提出し、」云々とございます。この内閣法五条で申し上げますと、憲法改正のもとになる原案と申しますか提案いたします原案につきましては、「その他の議案」に含まれるものという解釈で従来政府は答弁申し上げております。
○志苫裕君 まあそれは少しこじつけではないかなという気がするんですが、確かに憲法改正の条項について、国会のことは書いてありますが内閣のことについては具体的には書いてない。書いてないから解釈論としてあると、こういうことになり、そして内閣法五条にそれが含まれているんだと、こう言うのでありますけれども、ここではしかし、確かに「内閣を代表して内閣提出の法律案、予算その他の議案を提出し、」となっていますが、憲法を想定をしておるものであればこれはやっぱり憲法と書かれるのが私はごく自然だと思うんです。いわゆる憲法上に規定のある、内閣が法律案を出すという規定、あるいは内閣法で言うところの、「法律案、予算その他の議案を提出し、」というこの文言から見る限りは、皆さんの解釈はともあれ、そういうことは予定をしていない。予定をしておるものであればきちっと記述をされるんじゃないですか。そのことが一つ。——まずそのことだけ伺いましょうか。
○政府委員(前田正道君) その点については、以前にも御質問があったことがございまして、それにつきまして私どもの林元長官からこのような御答弁を申し上げておりますので、読ませていただきます。「憲法改正をあそこに書かなかったということは、理由はいろいろあると思いますが、非常に異例的なそういう始終起り得ることではもちろんないわけでございます。そういうことをあそこに書くことはどうもいかがかと、こういう配慮もあって書いてない」というふうにお答えをしております。
○志苫裕君 ですから、私の言う、予定をしていないという言い方もできるわけですが、これは少し平行的な議論になると思いますから、一応、やはり問題だなということだけは申し上げておこうと思うんですが……。 それで、他の法律案と同じように国会に出せる、発案ができる、したがって権限があると、こう言うのですが、私は、他の法律案と違いますのは、国会が発議をして、普通の法律案で言うところの国会に当たる分は国民投票になります。だから、国会が提案者で、国民がいわば議会みたいな役割りをやる。それと比べてみますと、発案というのは、普通の法律案を国会に出すものよりももう少し、事務方といいますかね、事務方作業という位置づけになるんじゃないですか。私は、憲法の規定から見て、国会に発議権があるわけですから、発案権はもう問題なく議員にある。その議員が多数を占めておる内閣にあるかどうかの議論は一つございますけれども、普通、憲法論を読みますと、内閣の過半数が議員で占めているのだからあるとかないとかいうのは、その議員がまとまってやればできることだから、余り実効のある議論じゃないという説をとっている方の方が多いようですけれどもね。いずれそのことは別にしましても、発案というのは、他の法律案を国会へ出すのと比べてみますと、うんと事務レベル、事務方の作業のような位置づけになると思うんです。それをもって一体九十九条の意見書の内容に、執行権限を有する行政庁というふうに言い切れるかどうか。私、口が悪いんでありますが、何のことはない、事務方でしかないじゃないかという気がするんですが、その辺はどうですか。
○政府委員(前田正道君) 憲法第九十六条に規定してあります発議権そのものは、国会が専属的にお持ちになっていることはそのとおりでございます。ただ、私どもが内閣として持っておると申し上げますのは、その発議をなさる案を検討なさるもとの案、これを発議権と区別いたしまして、提案権と仮に申すといたしますならば、その提案権は有しているというふうに考えておるわけでございますので、その提案権との関係において内閣に提出されることができるというふうに解釈しているわけでございます。
○志苫裕君 だから、百歩譲ってそれを認めましょう、私は意見違いますけれども。しかし、どうも他の案件のように執行権限を有する行政庁とは認めがたいと思うんですが、それはどうですか。皆さんにそういう専権を与えていませんよ。これは一番権限を持っているのは国民ですけれどもね。それは発議権を持っておる国会が意見書の内容について権限を有する場所であって、内閣に多少の事務方としての議案を調整するその機能があると仮に言うたところで、私は執行権限を有する行政庁とは思わない、越権のさただというふうに思うんですが、どうですか。
○政府委員(前田正道君) おっしゃるように、発議権との対比におきましては、提案権というのはきわめて制限されたものであるということはそのとおりでございます。
○志苫裕君 その次に、これちょっと自治省にお伺いしますが、九十九条の二項のいま話をしていたんですが、すらっと法律を読みますと、九十九条の二項というのは一項との関連で読むんじゃないですか。
○政府委員(砂子田隆君) もともと九十九条の条文の書き方というのは、議会の権限を明記したものでございます。そういう意味で、議会が各委員会その他からの意見の説明を求めるということの規定に従いまして書いてありまして、一項と二項というのはもともと同じ条文の中ですから、関連のないものが同じ条文の中にあるわけがございませんので、議会の権限として関連あるものを列記してあるというふうに理解をいたしております。
○志苫裕君 そうしますと、九十九条の第一項というのは、議会がいわゆる機関委任事務に関して執行責任者である長その他の執行機関から説明を求める、そういう内容ですね。そして、二項へ行って、これに対して意見を表明する権限、これが二項に書いてある。ということになってまいりますと、私、この間もちょっとお伺いしたんですが、やっぱり地方公共団体の公益というスタンスを広くとること自身には私も異論がありませんけれども、一項との関連で読んでいきますと、憲法改正、自主憲法制定というふうなものはやはりこの第二項は予定をしていない、こう読むのが普通じゃないですか。
○政府委員(砂子田隆君) 九十九条の一項の規定は、御案内のとおり、機関委任事務を含むいろいろな事務の説明を求めることになるわけでありますが、二項の規定というのは、それのみならず議会の権限というものを、いまおっしゃられましたように幅広に議論すべきじゃないだろうか。もっともっと議会というものに対する権限を与えられるべきだという意味で、地域の公共に関する事件に関しまして意見を述べることができる規定を置いたわけでありまして、むしろ議会の権限というのを、この条文によりますと、やはり先生いまおっしゃったように幅広にあるという議論の中には、たまたまその憲法の規定というものがその規定の中でやはり想定されておったというふうに読むのが通常じゃなかろうかと思います。
○志苫裕君 いや、憲法に関する規定はそれはそうですよ、機関委任事務だって憲法に関する規定ですから。ですから、私が言っているのは、そういうものを規定しておる憲法そのものはやっぱり想定をしていないのではないか。仮に、そんなものを想定していたとしますと、果たしてそういうものを一般議決で扱ったかどうかというような問題にも波及してまいりますのでね。私はやっぱり想定をしていない条文の書き方だというふうに読むわけでして、私はたから狭くせいと言っているのじゃないんですが、たとえば昭和三十八年の八月二十九日の自治省行政局長の通達で、この公益のスタンスのとり方について、「国の外交政策に関連し、外国との交渉に影響を及ぼす」おそれのあるものは慎重に取り扱えというふうな指導をなされておるところから見ても、皆さんの方は、これは一項との関連でむしろ狭くとっておられたといういままでのいきさつもあるわけであります。 でありますから、やはりいまここへきて全部含まれているんじゃないかなという説についてはどうも納得しがたいという気がしてなりません。この点どうですか。
○政府委員(砂子田隆君) ただいまおっしゃられましたように、国の外交でありますとか防衛ということに関しましても、通達を出した趣旨は、慎重に扱ってくれというお話を申し上げているわけでありまして、それができないということを申し上げているつもりはございません。 また、この憲法の問題に関しましても、過般の予算委員会で御質問がなされまして、法制局長官からも、この規定というのは憲法の改正についても意見書が出せるということを想定しているものだというふうにお答えをいたしておりますので、私たちもそういうふうに理解をいたしているわけであります。
○志苫裕君 いや、法制局長官は、想定しておる生言ったのじゃなくて、この法律でできないかといえばできるとこう言ったので、想定しておったかどうかの問題には触れておらないわけだ。想定しておったとすればさまざまな点でもう少し別の規定の仕方があったがなという考え方だっていろいろあるわけですから。やっぱり私は少し無理がある。 大臣、私も時間があれですから、特にこれは私申し上げておりますのは、いままで地方公共団体の意見書というのは、通常の場合、議会の満場一致で扱っておるんです。大体、地方公共団体の機関を代表してどこぞに物を言おうということですから、てんでんばらばらの状況では、それはとても意見を言える状況ではないというので、国会でもその種のものは満場一致にするとか、地方議会でも満場一致という扱いが一ついわば定着をしておったわけですね。ですから、たとえば問題のあった、議長名を用いて国会に請願を出す場合も、みんながそういう気持ちなんだからといってあえて問題にならなかったわけであります。実は国会も、議長名で請願が来ていても、それは受けつけておったりしたわけであります。しかし、これは厳密に言いますと、地方公共団体の機関の代表者名をもってはいかぬ、資格がないということになってきたわけですけれども、やっぱり満場一致であればその辺が通常に扱えるものであるというのでずいぶん無理をしてその機関意思が求められておる、この辺が大体正常ではない、少し無理があるという気がするんですね。この点どうですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 意見書の提出について、常に満場一致である——多くの場合満場一致でございますが、私の記憶によりますと、そうでないものだって例外的には私はあったような気がするわけでございます。だから、満場一致が前提であるということは少し無理じゃないかなと、こういうふうに私は思っています。
○志苫裕君 ですから、それは一般議決なんですから多数決があり得る。そうなってきますと、出席議員の過半数ですから、出席議員というのは半分でいいわけであります。それの過半数なら四分の一だ。四分の一の賛成者がおったら地方公共団体のすべての住民を代表して振る舞えると、こんなばかなことはないのでありましてね。だから、そうなればそうなったような対応というのが私は当然出てくるのがあたりまえだとこう思うので、私はやはり、地方公共団体を皆さん指導なさるわけですが、地方公共団体の意見書、これは法律論じゃなくて政治論でありますけれども、意見書というたぐいのものは、これはやはり満場一致が望ましい。これがもし行政指導なり助言というふうなものがあるとすれば、私はそう考えるのがやっぱり筋だろうと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) この辺は、やっぱりその議会の議決と申しますか、判断によるものじゃなかろうかと思っています。
○志苫裕君 最後に。そこで、地方公共団体の機関が機関意思を決める、あるいは公務員である政府が発案をする。これと県公務員の憲法尊重擁護義務との関連はどうなりますか。
○政府委員(前田正道君) 特に両立しないものではないというふうに考えております。
○和泉照雄君 私は、この特例に関する法律案の質疑を展開してまいりたいと、このように思いをする。 午前中もいろいろ質問がされたわけでございますが、昨五十四年度の補正に引き続きまして、昨年は六千百九十七億の補正であったようでございますが、五十五年度もまた補正に特例を二年続けて設けた、そして五十六年度へ繰り越しとして三千七百五億円を計上しておる、この繰り越さねばならないという理由、午前中もありましたが、真意のほどを大臣からひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 先ほども抽象的に申し上げましたけれども、また、詳しくは財政局長から申し上げますけれども、来年度の地方財政の状況を見ますとまことに容易ならざるものがある、そうした背景があるわけでございます。そして、本年度三千有余の補正予算に伴う交付税財源が生じた。そこで御議論のように、それを今回配付をして、そして地方団体の判断に基づいてその財源を保留するなり、また充当するものを決めてやっていくということ、これは確かに交付税法においては予期したところでございまするが、年度末でもございまするし、緊急措置しなければならぬ——雪害の問題なんかございますけれども、これは特交措置でやっていくことにいたしまして、一般的な財源を経費に充てるということもそう大きなものは予想されない。しかも、来年度の財政というものが非常に窮屈である、そしてまた、来年度も地方財政がいろいろの問題を抱えておる。そうすれば、やはりその財源を来年度に移行することによって地方財政の健全化の一助にも資することが適当ではなかろうかと、そういうような判断でもって今回もお願いをいたしておるわけでございます。 そのほかいろいろな問題はあろうと存じまするが、その点については財政局長からひとつ付言をしてもらいたいと思います。
○和泉照雄君 ちょうど昨年の同じ時期に、当委員会で当時の後藤田自治大臣の答弁でも大体同じような趣旨の答弁であったようでありますが、これはもう御承知のとおり地方自治体の自主財源、固有財源であるわけですから、自治体の方も非常に苦しいわけでございますから、そのときに増収があった場合はそれを交付税の率で配分を、これはもう配分するのは当然であろうかと思うわけでございますが、それを私たちの感覚からすれば、国の都合でいろいろと配分をしていらっしゃるような感じがどうしても払拭できないわけでございます。 わが党が衆議院の予算委員会でいろいろと追及いたしました、政府の出した「財政の中期展望」の税収面、この見積もりが非常に低いんじゃないか。過去の五十四年、五十五年の税収率からすると低いのではないかというようなこと等も勘案しますと、当分は、一、二年は苦しいかもしれませんけれども、やはり先の見通しは明るいということが言えるんじゃないか。そういうような展望に立ちますと、こういうような増収分は、苦しい地方自治体の方に配分をするのが当然ではないか、こういうような所見を持つんですが、いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 基本的な考えは、先ほど自治大臣からお話があったわけでございますが、確かに地方財政は全般として苦しいわけでございます。そういった中で私どもとしてはいろいろと、借入金等も含めてでございますけれども、必要な交付税の所要額を確保したりして地方団体に必要な財源は確保しておるところでございます。しかしながら、その結果が膨大な累積赤字を抱えておるということでございまして、それも個々の団体が直接自分で返済計画を立てて返済する地方債だけでなくて、大もとのところでの交付税特別会計における借入金といったようなものもあるわけでございます。そういったものを抱えておる状態の中で、すでに策定をされた地方財政計画に従っておおむね支障なく今日まで財政運営が進められてきた、その年度末に至って、補正予算に伴って交付税の増加額が生じたということでございますので、やはりいま申し上げたような地方財政の状況を考えて、全体的な財源対策の中で、地方財政の健全化に資する方向で処理をするということは、これは地方団体にとっても適切な措置であろうということで判断をしていろいろと検討したわけでございます。 先ほど大臣からも申し上げたわけでございますけれども、当然地方団体が年度間調整は自主的に行うのがたてまえだということで、五十五年度に配るということについてはどういう問題があるかということもいろいろ検討をいたしました。ただ現実問題としては−簡単に申し上げますが、給与改定その他の国の補正予算に伴いますいろいろな災害復旧事業等の地方負担分等は大体追加財政需要額で賄えるということでございますし、冷害とか、予想されます豪雪対策等に要します特殊財政需要は、必要な特別地方交付税額を確保すればそれで対応できるという考えを持っておりました。また、個別の団体ごとに財政需要がいろいろ今後あったといたしましても、五十五年度においてはある程度地方税の自然増収も見込まれるということでございますので、必ずしも五十五年度に全部配分しなければならないという必要性はないのではないか。 それと、これはやや技術的な問題でございますが、五十五年度分として合理的に配分するということになりますと、単位費用を改めるといったようなこともございまして、いろいろ再算定もしなければならない、年度末に地方団体の補正予算の編成にも一体間に合うのか間に合わないのか、さらに、再算定を行うということになりますと、基準財政収入額についても行うということになりますから、返還を生ずるような団体も出てくるといったようなことで、いろいろ困難も起こるということも考えました。 さらに、そういうことを乗り越えて配分をして、たとえば既往の地方債の返還に充ててみたらどうかとかいうこと、あるいは減債基金に積み立てたらどうかとか、あるいは本年度の財源対策債を少なくしたらどうかとか、いろいろな面で検討をしたのでございますが、たとえば既往の地方債の繰り上げ償還といったようなことになりますと、現在、御承知のように地方債のかなりの部分が公社債市場で流通をしておる状況でございますので、この時期に大量の地方債を短期間に繰り上げ償還するということは公社債市場を混乱させますし、地方債の信用にも影響する。いろいろなそれぞれの考え方についてそれぞれ問題ございました。 そういったこと等も踏まえて、最初に申し上げましたような地方団体のいま地方財政の現状という点から見まして、収支が均衡すればこういう必要もないのでございますけれども、いまのような状況のもとでは一つのやむを得ない措置であり、それが全体として地方財政の健全化に資する道であろうということで判断をいたして、いまお願いしておるような方法で御審議をお願いしておると、こういったことでございます。
○和泉照雄君 まああなたがおっしゃることもわからぬでもないんですけれども、もう二年も続けて特例を設けるということ自体、国の財政法あるいは交付税法というものがちゃんとありまして、そして三税の三二%はあなたの方の固有財源ですよということを法律で決めておりながら、国の都合でそういうような決め方をするということは私たちは非常に納得しがたい。返還をどうこうということも土屋局長の方からありましたけれども、配分されて返還をするような自治体というのはほとんど私はないんじゃないかと思う。財政調整積立金に積み立てたりあるいは地方債の返還とかあるいは借入金の償還とか、そういうことをやって身軽くなっていくというその対象は自治体の判断でやると思うんです。法があるのにそれに特例を設けて——まあ私の言い方がいいかどうかわかりませんが、脱法行為みたいなことをあえて政府がやるということ、そこらの妥当性は私はないと思うんですが、そこらあたりの感覚はどうでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) いまおっしゃいましたことは、基本的には交付税法の規定の仕方から見てそういった考え方が当然あり得ることだと思っておるわけでございます。ただ、先ほどからるる申し上げましたような、いまの地方財政の状況から見れば——個々の地方団体に配分をしてそこで積み立てるとかどうとかというようないろんな手もあると思うのであります。ありますけれども、その結果は、いまのような収支の不均衡の状態のもとでは、五十六年度に結局それだけまた財源不足を生ずるようなことになります。その財源不足をどういう形で埋めるのか。財源対策債でまた埋めるのか、あるいは交付税特別会計の借り入れになるのか、いろいろな方法が考えられますが、いずれにしても財源不足が出てくる。そういったことで考えてまいりますと、やはり年度間を通じまして全体として考えていくことが適当ではないか。 しかも、先ほど申し上げましたように地方債でございますと、個々の地方団体が起債を起こして、そしてその償還計画等に基づいて自分のところで入った歳入から返還をするというかっこうになるわけでありますが、交付税特別会計の借り入れは直接地方団体が返すというわけでもない。全体の中で足りないために累積して借り入れてきたというような状況もございます。そういうことがよかったのか悪かったのかということになりますと、地方財政対策が十分でなかった結果ではないかという御議論もございましょうが、現実にそういう形で不健全な形になっておるということでございますので、あれもこれもいろいろな角度から考えてこういった道を選んだわけでございます。 先ほども申し上げましたように、収支が均衡しておる状態ならそこまで考える必要はなかったわけでございますが、非常に苦しい状況にある、基本的に対応力を失った地方財政の状況のもとでは、いま申し上げたようなことで全体を通じての判断をすることはやむを得ない。二年間続いたというのは、やはり基本的な条件が変わっていないという証左でもあるわけでございます。そういうことで、私どもとしてはこれが最善ではなかろうかということを判断して御提案をしておるわけでございます。
○和泉照雄君 やはり根底は、国の財政が苦しいからということが私は根底にあろうかと思うんです。それはやはり去年の自治大臣の答弁でも、今後の行財政のことを考えて国民的課題で考えていかなければならぬという答弁もありますから。 そういうことからしますと、私たちが指摘をしました、「財政の中期展望」、あの税収の低い見積もりということが問題になろうかと思いますが、衆議院の予算委員会で相当論議をされておりますが、その見積もりが低かった、妥当性がなかった、ちょっと欠いておったということで見直しをして、ということは、歳出の削減を、たとえば公共事業にしましても昨年の比率よりは落としておるということは、民間の景気がよくならなければ財政の投資をそんなに落とせるはずはないと思うわけです。そういうことからして国の財政再建は相当緒についておるということが言えると、そういうふうに判断をするわけで、こういうような判断を内閣自体がやった場合は、来年度は上向きになったと、そういうようなときにはこの特例ということは自然消滅するというふうに了解していいですか、大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 来年度の状況でございますけれども、いろいろな試算がございます。また貴党からも一つの方向を出しておられると承知をいたしております。全体的に考えますと、計数は別といたしまして、来年度におきましても国の財政はそう好転はしないんじゃないかと私どもは思っております。この辺は見解の相違になるかもしれません。それから、地方財政につきましても必ずしも楽観を許すような状況じゃないというふうに思っております。 そんな関係で、今回も御審議を願っておるような法案を提出をいたし、また来年度の地方財政計画につきましても、いろいろと苦慮をいたしまして、まずまずの財源措置を講じたという状況でございますので、こうした背景というものが今後二年あるいは三年というものは私は続くんじゃなかろうかというふうに考えておるものでございます。もちろん、この点についてはそうじゃないという御意見も承知をいたしておりますが、私の感覚といたしましてはそういうふうな見方をいたしておるわけでございます。 したがいまして、お説のように来年度の状況が財政的にも非常によくなったと、国家財政もまずまずだと、地方財政も翌年度の心配を余りしなくてもいいというような状況にでも相なりますれば、また考え方は別になると思いますけれども、私どもはいまはそういう見方をいたしておりませんので、来年になりましたその時期におきましてどういう判断をするかということは、御意見の点も十分に承っておきまして、来年度のこの時期におきましてまた判断をいたしてまいりたいと思っておるところでございます。
○和泉照雄君 現行どおりいきますと、昭和五十六年度の財源の不足額は約一兆六千五百億円、このようになろうと試算が出されておるようでありますが、そういうわけで三千七百五億円の繰り越しをするということになっておるようでございますが、これは仮定の場合でございますが、もしこの一兆六千五百億という財源不足類がなかった場合、要するに財政がよくなったという場合ですね、今回のこの四千六十九億という金をどういうふうにお使いになるのか、参考のために聞かしてください。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお話がございましたように、私ども、現行制度のままで明年度の地方財政の財源不足は一兆六千五百億円と、こう一応推定をいたしておりました。この中には五十四年度分の精算額千百六十億円は当然使うという前提で実ははじいたわけでございますが、それからいろいろと繰り越すもの、あるいは増収等を見込んで一兆三百億円の財源不足ということに試算したわけでございますが、四千六十九億円の考え方、少しそこらは数字は違ってくると思いますが、おっしゃいますことは、財源不足がなかったら一体どうしたかということでございます。まあ現実はそうでないわけでございますけれども。地方財政の収支が五十六年度に均衡をいたしまして財源不足額が全然見込まれなかったと仮定いたしました場合は、五十五年度の補正に伴います増加額は五十五年度において地方団体に配分をして、地方団体自体で、年度間調整等を頭に置いていろいろと使途を考えられることが原則的には適当であろうというふうにも考えられるわけでございます。 一方、当該五十五年度の特別会計借入金の縮減に充てる方法とか、いろいろな方法もあったろうと思いますので、そういったことを含めて、その時点において最も適切な方法を私どもとしても検討しただろうと思いますけれども、原則的には最初申し上げたような、地方団体に配分するということも当然考えたであろうと思います。
○和泉照雄君 私が答えを期待したというのは、そういうようなあれが出てきた場合には特交でいろいろ措置をされるであろうと、そういうようなことが御答弁の中であんまりなかったように思いまして……。 次の質問に移りますが、地方交付税法の第六条の三には交付税における単年度主義というものが規定されておるようでございます。「当該超過額は、当該年度の特別交付税の総額に加算するものとする。」と、このようにございますが、超過額ということになると四千六十九億から百二十億引いた三千九百四十九億円と、こういうことになりますが、本来なら条文どおりこれは特別交付税として交付すべきではないかと、こういう理論が成り立つわけでございますが、この点はどうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 地方交付税法の第六条の三の規定に従う限りはそのとおりでございます。しかしながら、私どもとしては、五十五年度の地方財政の現況等を見まして、先ほどから申し上げておりますような方法をとろということにいたしました。まさにそのための法案の御審議をお願いしておると、こういうことでございます。
○和泉照雄君 次は、もう御承知のとおりと思いますけれども、地方自治団体は、もう大変な地方債、借入金ということで非常に困っておるわけで、昭和五十五年度における地方債の発行額は四兆四千三百億円、残高が二十九兆一千四百六十九億円。昭和五十六年度においては地方債の発行高が四兆二千七百億円、残高が三十一兆六千一百五十二億円と、このように見込まれておるようでありますが、地方自治体としてはこの巨額な借金財政を余儀なくされているわけです。また、交付税の原資の借り入れ状況においても、昭和五十五年度で八兆円、償還金も昭和六十年度には八千二百十九億円、昭和六十一年度では七千五百四十一億円と、将来の償還状態は大変に苦しい状態でございます。 こういう点を考慮して、地方価への充当、あるいは特別会計借入金の償還繰り上げに充当するとか、先ほどから申し上げるようないろいろと地方自治体は充てる方法があるわけぞございますが、こういう方法をなぜとらせなかったのかということを再度お聞きしたいし、また、地方自治団体の意見はどういう形で集約をされ、どういう意見であったのか。この特例法についてですよ。
○政府委員(土屋佳照君) いまお示しのございましたように、地方債残高は五十六年度末ではもう二十九兆を超えますし、交付税特別会計の借り入れ残高も八兆を超えるわけでございますから、借り入れ依存体質というのは相変わらず変わっていないわけでございます。そういったことを前提に、五十五年度において地方債の発行を減額をするとか、あるいは既往の地方債を減らすといったようなことにしたらどうかということでございますが、先ほども申し上げましたように、当該年度の地方債はすでに発行を許可してしまってからの補正でございますので、いろいろと混乱が起こるということもございますし、既往年度の地方債を一挙に返済するということになりますと、繰り返しては申し上げませんが、非常に地方債市場に混乱を起こすということになるわけでございまして、いろいろと問題があるのでそういった方法はとらなかった。また、交付税特別会計への繰り上げ償還に充てるということにいたします場合には、既往の借入金の返還をするということになりますと、その際に国が持つべき二分の一分というものを別途予算措置をしなければならないといったような問題等も出てまいるわけでございますし、また、そういたしましても、結果的には五十六年度の財源不足額がその分だけ大きくなるということになるわけでございまして、結局借入金なり財源対策債の発行額の増加につながるということでございます。 そういう全般的なことを考えますと、いまお示しのようなやり方もございますけれども、やはり私どもとしては、必ずしも適切であるかどうかということには疑問を持ったわけでございますして、そういったことを総合的に勘案した結果、必要なものを取った残りは五十六年度へ繰り越すということが適当ではないかということで、率直に申し上げまして、六団体の方々ともいろいろと御相談をいたしまして、いまのような状況のもとではやむを得ないであろうということで、全般的な空気を私どもはそういう点から見ながら、これが適切な措置であろうというふうに判断をいたした次第でございます。
○和泉照雄君 次にお尋ねいたしますが、昭和五十四年度における決算確定額として千百六十億円を昭和五十五年度の補正に計上されておりますけれども、普通からいきますと昭和五十六年度の本予算の方に精算分として計上されるはずでございますが、なぜこのような計上をされたのか。何か都合が悪い点があったのか。五十六年度に本予算に入机ないで五十四年の補正になぜ入れたのか。
○政府委員(土屋佳照君) 地方交付税の精算はできるだけ速やかに、少なくとも翌々年度までに精算をするということになっております。通常は翌々年度に行われるケースが多いわけでございますから、五十四年度の精算分は五十六年度に計上するというのが普通であろうかと思うのであります。ただ、地方交付税法上は翌年度以降いつでも精算できるということにされておりますので、いつ行うかということは、そのときどきの判断に任されておるという考えでおります。 そこで、今回の五十四年度の精算額の千百六十億円でございますが、これは一つには、一般会計の五十四年度の剰余金が五十五年度補正予算に計上されるということになりましたために、地方交付税の五十四年度の精算額も一括処理することが適当であるということと、それから二番目には、地方交付税の五十四年度の精算額が確定をしております以上、機会があれば交付税特別会計に繰り入れて、特別会計の一時借入金の利子負担の軽減を図ることが望ましいというような事情を大蔵当局としても勘案して行われたものと聞いておるわけでございます。それで、自治省といたしましても、五十四年度の精算分を五十五年度補正に計上をいたしましても、五十六年度へ繰り越すということになれば五十六年度の地方交付税となるわけでございますから、精算額を五十六年度に計上することと実質上は同じでございますので、特に問題はないということで、それほどこの点について問題意識を持ったわけではございません。
○和泉照雄君 どうも五十六年度の予算の総枠の縮小型ということ、予算の総枠の数字に合わせるための操作、そういうようなことから補正の方に入れたような感じがしてならないわけでございます。 まあそれはさておきまして、では、補正予算における特別交付税二百四十四億というものはどういう根拠で割り出したのか。
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、五十五年度の当初の特別交付税の総額は四千八百四十七億円ということでございますが、前年度に比べてわずか五%の増ということで、非常に伸び率が低いわけでございます。その上に、本年度は異常な冷害による財政需要が大変多額にのぼっておりました。その時点でいろいろと先々のことを私ども検討したわけでございますが、豪雪等による新たな財政需要の発生も見込まれたということから、当初の特別交付税の枠では大変に窮屈であるということで、各般の財政需要に対応するのが非常にむずかしいということでございました。このために、五十五年度の補正予算の編成に伴います交付税の増加額の処理に当たりまして、明年度の地方財政対策にも配慮しながら、今後の財政需要に対応するというために、過去の経験にも照らし、また本年度のその他の財政需要の動向等をも勘案をいたしまして、全体として五十四年度の特別交付税の伸びである九・三%を上回る一〇%台に乗る伸びをぜひとも確保したいということで、二百四十四億円を特別交付税の増額に充てるということにしたわけでございます。大体そういった大まかな全般的な判断のもとにこういった増額に努めた次第でございます。
○和泉照雄君 この六%というのは、自然増収分の三二%の合算額二千九百九億円に五十四年度の決算の千百六十億円、これをプラスしたものの六%というふうになろうと思うんですが、それからしますと、先ほど申し上げたとおり、地方交付税法の第六条の三に規定されておるとおり、普通交付税の総額が基準財政需要額を超える部分については特別交付税の総額に加算をせよと、こういうような条項があるわけで、別に六%とは……。で、合算して一〇・三%になったからと、そういうことではならないと思うんですが、この六%というものは、最初の三二%の中で六%ということは決められておっても、後からの超過分はこれは特交に入れるということになっておるんですから、六%という根拠はないと思うんですが。
○政府委員(土屋佳照君) お示しのように、地方交付税法第六条の三の第一項では、普通交付税の総額が財源不足額を超えます場合は特別交付税の総額に加算するという規定がございますから、素直にいけばそのとおりでございます。しかしながら、先ほどからるる申し上げますように、今回はいろいろな地方財政全般の様子を見た上で、私どもとしては、必要なものを除いて、五十六年度の財源に繰り越すということにしたわけでございまして、その必要なものを取る際に、特別交付税の枠を二百四十四億円取ったわけでございますが、これは確かにお示しのように補正予算に伴います地方交付税の増加額、これは五十四年度の精算分千百六十億を含んだものでございますけれども、それのたまたま六%に相当する額にはなっておるわけでございますが、これはその六%を取るという形で決めたわけではございません。 るる申し上げましたように、全体として特別交付税の伸びを五十四年度に比べて一〇%台に乗せなければ、予想されるいろいろな追加財政需要になかなか対応しにくいであろうということで、昨年私どもは判断をして決めたわけでございます。その意味では、増加額の六%が当該年度の特別交付税だという規定は何もないわけでございますから、別にそれにこだわるわけではございません。そのときどきの事情によって、補正でふえました地方交付税の使い方というものはいろいろあり得ると思うのでございますが、先ほど申し上げましたような事情によって、私ども二百四十四億程度を確保しようということにいたしたわけでございます。
○和泉照雄君 いわゆるこの二百四十四億が豪雪の対策費になるということはいろいろの論議の末わかっておるわけでございますが、しかし考えてみますと、福井県の場合でも、県分、市町村分の除排雪の経費だけでも百二十二億、もう半分を要しておるわけでございます。あなた方の裕正予算の算定の時期がたしか十二月の二十日で閣議決定が二十二日と、こういうふうになっておるようでございますが、これは雪の降る前であったわけで、この二百四十四億というのは冷害対策ではなかったかと、このような気持ちがするわけでございますが、もう雪が降るという長期の予報が——きのうの災害の委員会でも、気象庁の方ではそういうようなことで長期のPRをやっておりましたというようなことですが、やはりああいうような豪雪の被害があるやもしれないということで、パーセンテージは決まっておらないわけでございますから、二百四十四億というような少ない特交じゃなくて、もう少し特交をふやしておいた方がよかったんじゃないか。見通しが少し自治省としては甘かったんじゃないかと、こういうことを言われても仕方がないと思うんですが、この点はどうお考えですか。
○政府委員(土屋佳照君) もともと、御承知のように特別交付税は交付税総額の六%ということで総枠の決められた財源でございまして、それを各地方団体の特別財政需要に応じて配分するという性格のものでございますから、いろいろと所要額が出てくればその都度特別交付税の総額を積み上げるという性格ではないわけでございます。したがいまして、例年もう決まった額で処置しておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、五十五年度は非常に伸びが少なかった、わずか五%ということでございまして、非常に少ないところへ、これまた非常に異例の冷害ということになりまして、それに要する費用というものが相当かかるということでございます。その段階で、私どもは本年度の特別交付税はどういうふうに配分したらいいかということを議論しておったわけでありますけれども、全般的な動向をいろいろ勘案をいたしました。たとえば五十五年度の現年災害は五十四年度に比べてかなり額が落ちる、その点はわりとわかりやすい要因であるとか、あるいは過去の例に照らして、この上にひょっとして豪雪でも来たらこれは大変だということもいろいろ内部で議論いたしました。 そのやさきに、十一月二十日に気象庁から、一月は非常に大雪が来るという予報部の報道がされ、私どもその資料を手に入れまして、これはいよいよ大変なことになるかもしれないので、当時は、おっしゃいますようにまだ単なる予測にすぎなかったわけでありますけれども、いろいろな場合を私ども予想をして全体の財政需要、雪が来た場合の対応策はどうかということで、手探りではございますけれども、何とか対応できる額としてはいま申し上げましたような一〇%台に乗る伸びを見なければいけない、そういった判断のもとに五十五年度補正に伴う地方交付税の増の一部を使おうということにいたしたわけでございまして、その額が十分であったかどうかということにつきましては、これから地方団体からいろいろ資料を取りまして、それに応じて対応するわけでございますけれども、私どもとしては大体全般としてはおおむね対応できるのではないかと思うわけでございます。もちろん異常の豪雪でございますから、特別の市町村ごとにはいろいろ問題もございます。そういったことで、共通財源を一定の市町村だけに集中するということにも問題がございますから、国においてもできるだけ予備費等を使って特別な対策を講じてもらいたいということは言っておりますが、そういうことをあわせて、全般として豪雪対策にも、あるいはまたその他の方向にも対応できる、その他の財政需要にも対応し得ると私どもとしては考えておるわけでございます。 おっしゃいますように、もっとできるだけ特別交付税で配分をして十分に対応するようにしたらどうかという御趣旨はよくわかるのでございますけれども、私どもとして、十分であったと胸を張って言えるほどかどうかわかりませんが、おおむね対応できるし、それがまた来年度へかけての財政運営の中においても、ここらが大体適当なところではないかと、こういった判断に立ってやったわけでございます。雪の降らない時期にきちっと決めたのはおかしいじゃないかということでございますけれども、それはまあいろいろと想定をしてやったということでございます。
○和泉照雄君 特交という交付税の性格からしましても、御承知のとおり、これは災害とかそういうようないろいろ突発的なことに処するために設けられておるということからすると、やはり冷害というのは異常気象でございますから、十一月ごろそういうような気象庁の気象情報を把握しておられたら、やっぱりこれに付随して、連続してそういうことはあり得るかもしれないということで財政の裏づけを持つことが自治省としては当然のことではないかと、こういうように思うわけでございます。 また、別の角度から見ても、昭和五十四年度は補正予算に特交は組まれていないわけです。大半は五十五年度の予算に繰り越しをされております。ところが、この五十五年度の補正予算においては突如として二百四十四億という特交が組まれた。しかもその組み方がいま申し上げたとおり根拠が薄弱であるし、また地方の実情の把握の仕方が足らないのではないか、こういうようなこともうかがえるわけでございますが、私は、先ほども申し上げたとおり、政府の五十六年度の数字のいろんな操作のためにそういうことをされたという、やはり疑念が払拭できないんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げましたが、本来交付税の六%が特別交付税ということで枠が決められて、それでいろいろの財政需要に対応するというのが従来からの姿でございます。しかしながら、五十五年度は特別に伸び率が低かったということと、途中で大きな冷害があったということで、これでは豪雪を含んだその他のいろんな追加財政需要に対応できないという心配がございましたから、五十五年度の補正に伴って出てまいりました交付税については、特別に特別交付税を一部取ろうということにいたしました。その残りを五十六年度へ送ったわけでございます。五十四年度のときはそれほどの事情もなかったので、そしてまた交付税の伸び率もことしよ力ははるかに高くて九・三%でございました。そういったことで、補正に伴う交付税の増加が出ましたものは大体、必要な調整戻し以外のものは全部繰り越したわけでございます。今回は、それの調整戻しのほかに、いま申し上げましたような事情がございましたために、ある意味では例外的に特別交付税の枠を取って、その残りを五十六年度に繰り越すというような措置をとろうとしておる次第でございます。
○和泉照雄君 今度は別の質問をいたしますが、昭和五十五年度における臨時地方特例交付金三千七百九十五億円、五十六年度においては同じく一千三百六億円と、毎年臨時地方特例交付金が一般会計から地方交付税に加算されておりますけれども、この臨時地方特例交付金というのはどういう性格なものなんでしょうか。
○政府委員(土屋佳照君) 臨時地方特例交付金は、当面の地方財政がきわめて厳しい状態にあることにかんがみまして、それぞれの年度の地方財政の円滑な運営に資するために、国の一般会計から交付税特別会計へ繰り入れるということにしておるものでございます。まさに臨時的な性格の財源というものでございます。したがって、それは各年度の地方財政の状況に応じてその額が決定をされておるわけでございます。したがって、たとえば五十五年度の臨時地方特例交付金でございますと、そのうちの二千六百八十九億円というものが五十五年度の地方財政の状況と源泉分離課税が選択された利子所得等について住民税が課税をされない、そういったこと等のために、そういった事情を総合的に考慮して措置をされた額、その他もろもろの借入金の償還額等の措置額が含まれておるわけでございますが、その二千六百八十九億と、それからもう一つは、残りの千百六億は地方債資金対策に係るものとして国から交付されておるものでございます。これは御承知のように、地方債資金の中で政府資金が非常に低いために、六割までは政府資金であったと、政府資金で処置をされたと同じ形になるように、民間資金と政府資金の差についてその利差の補給をするというものがございます。そういったものを合わせて三千七百九十五億円ということになっておるわけでございますが、五十六年度は千三百六億円ということでございまして、これは五十六年度の地方財政の状況と、先ほど申し上げましたように、源泉分離課税が選択された利子所得等について住民税が課税されないといったこと等の事情を総合的に考慮して措置をされたものが主体でございまして、それ以外に、たとえば本来入る予定でございました利差臨特千百二十億は今回は含まれてないといったようなことで、そのときどきの財政の状態に応じてその中身は変わっておるわけでございます。
○和泉照雄君 昭和五十六年度の財源不足額というものは一兆三百億円で、その補てんの措置として三千四百億円地方交付税の増額と、このようなことで図られておるわけでございますが、地方交付税の増額というのは国税の三二%の税率、これを引き上げたのかなと思って見たわけでございますが、そうでもないようでございますが、この性格はどういうものですか。
○政府委員(土屋佳照君) 昭和五十六年度は三千四百億の財源対策債を縮減いたしまして交付税でその分を増額しておるという形になっておりますが、その中身は、先ほど申し上げましたように、一つには地方財政の状況等を勘案した臨時地方特例交付金が千三百六億円、あとは、これは五十六年度の特別の事情でございますけれども、五十六年度において特別会計において借り入れた金を三千四百八十億円返還することにいたしておったわけでございますが、この返還する条件を変更いたしまして、その分が五十六年度に返さないでもいい形にいたしました。そのために、そのうちの地方が負担することになっておりました千九百十億円というものが返さなくてよくなったためにそれだけ浮いてきて、交付税の見込み額としてふえてきたということがございます。そのほかに、交付税特別会計における借入金が、中身は省略いたしますが、差っ引きいたしまして結果的に百九十億円ふえてきたということでございます。千三百六億円と千九百十億と百九十億円、これを合わせたものが三千四百億円ということでございまして、中身が大変複雑でございますので簡単に申し上げて恐縮でございますが、大まかな言い方をすればそういうことでふえたわけでございますから、これは三二%分とは別なものでございます。別途処置をしたものでございます。
○和泉照雄君 このように一般会計から財源を交付税に加算をさせるというような処置をとられるんだったら、初めから国税三税の三二%という税率をアップしたらいいのではないかと素人考えで思うのでございますが、その点はいかがでしょうか、大蔵省。 それから、昭和五十五年度の自治省の予算の原案の策定を五十四年の十二月ごろおやりになったときに、自治省から大蔵省に対して、地方交付税の税率を五%引き上げを提示をしておられるようでございますが、大蔵省の方はこれを黙視したようなかっこうで組まれておりますけれども、基本的な考え方はどういうふうな考え方をお持ちか大蔵省にお伺いしたい。
○説明員(公文宏君) 予算編成過程で交付税率の引き上げ問題について議論がございましたことは、いま先生御指摘のとおりでございます。五十六年度も地方につきましてはかなりな財源不足が見込まれるということを背景にいたしまして、自治省の方からは交付税率を引き上げてほしいという強い要請がございました。それに対しまして、国の財政当局である私どもも含めていろいろ議論はしたわけでございますけれども、御承知のように、地方財政も大変でございますけれども国の財政も非常に大変な状況にある、これは申し上げるまでもないわけでございます。国の一般会計の予算が四十六兆七千億でございますけれども、そのうち十二兆円は公債、国債によって賄っておる。二六%でございますけれども、賄っておる。しかも、その十二兆円のうち、財政法が認めておらないいわば特例公債でございますけれども、これを五兆五千億も出さざるを得ないという財政事情にある。こういうことでございますので、交付税率を上げまして国のいま使っております財源を地方に移譲するというゆとりはないということが一つございました。 それから、いま申し上げましたことでございますけれども、国も地方も両方とも財源不足に陥っているときにおきまして、抜本的な制度の改正をやるのには適当な時期ではないというようなこともございまして、両省で相談をいたしまして、交付税率の変更はいたさない。しかし、そうは申しましても、地方の財源不足は一兆余りあるわけでございますので、これは完全に補てんをして地方財政の運営が適正に行われるようにしなきゃいかぬ。そういうことで、先ほどから御議論がございます交付税措置に三千四百億、それから財源対策債による措置六千九百億、合計一兆三百億で財源不足を完全に埋めるということになったという経緯でございます。まあその対策の中には、一般会計から繰り入れをするものとして千三百億ほどございますけれども、これは交付税率の引き上げという考え方ではなくて、五十六年度の地方財政対策に当たってのいわば臨時特例的な措置として考えたということでございます。 いずれにいたしましてもそういうことで地方財政の運営には支障がないようにいたしたいという気持ちで以上のような措置をとったということでございます。
○和泉照雄君 三二%ということに大蔵の方がこだわっておるとすれば、将来、枠を広げる、この三税だけに限らないで税目を広げる、あるいは国税全部の三二%と、こういうような考え方はお持ちになったことがあるかどうか。簡単でいいから。
○説明員(公文宏君) これは交付税制度をどういうふうに仕組むかということと、それから国と地方の間で財源配分をどのように行うかという基本の問題に触れることでございます。 それで、自治省の方が第一義的にお考えいただくことでございますが、国の財政当局の立場から申しますと、先ほどからるる申し上げておりますように、国の財政事情は非常に厳しい状況にありますので、なかなか地方の方に税率を上げ、あるいは対象税目を広げて財源を移譲するというゆとりがないということでもございますし、それから制度改正はなかなかいまの時点ではむずかしいのではないかというふうに考えております。
○和泉照雄君 次は、方面を変えまして、昭和五十四年度の当初予算の税収の見込みは、見込み額よりは一兆三千九百八十億円の増加を見ておるようであります。五十五年度も同じく九千九十億円の増収でございますけれども、これはある程度予想ができたのではないかと、このように思うんですが、見積もり過小ということを私たちは思うのでございますが、その点はどうですか。
○説明員(源氏田重義君) お答えいたします。 昭和五十五年度の補正予算の歳入の見積もりでございますけれども、これはその作成の最も近い時点までの税収の実績を基礎にいたしまして、それから五十五年度の会計経済見通しの経済指標、大法人に対する聞き取り調査等を勘案して見積もっております。 それで、今回国税の三税につきまして九千九十億円の補正計上を行っておる、これはもとがそもそも低かったのではないかという御指摘でございますけれども、この原因となりましたものは、そもそもその見積もりの土台となった五十四年度税収が、その見込みを三千六百二十六億円上回っております。土台がちょっと違いましたということと、それから五十五年度は春の預金金利の引き上げによりまして利子所得が大幅に増加しましたことや、それから雇用者所得が政府の経済見通しよりもかなり増大いたしましたこと、そういうような要因によってこの九千九十億円の増収が出てきたわけでございます。
○和泉照雄君 私は、どうも過小見積もりというような感じが、先ほどもお話しを申し上げた政府の中期財政展望ですね、税収の見積もりが非常に、一四・何%と低い。わが党が試算をしたのでは一八・一%という数字が出るわけでございますが、やっぱり過去に、五十三年、五十四年と二〇%台を超えておるという事実からすれば、非常に低いと、そういうことがこれにあらわれておるような感じがしてならないわけです。そういうことから福祉を削り増税のキャンペーンを張るようなそういうふうな政府の態度というのは、私は見過ごすことはできない、許すことはできない、実際そういうような感じがいたすわけでございます。 昨日中道四党で、特に四千五百億の所得税の減税を発表いたしましたけれども、これは、政党が責任を持ってやる以上は、それだけの根拠があるわけでございます。そういうことからすると、いまの国の財政というのは政府が言うような状態ではなくて、少し上向きかけておるということが如実に私は言えるんじゃないかと、こういうふうに思うんですが、この四党の申し入れについては、どうお考えになりますか。
○説明員(源氏田重義君) ちょっと私がお答えする立場にあるかどうか大変疑問でございますけれども、主税局の一員といたしまして仄聞するところからお答えいたしますと、ことしの税収見積もりというのは目いっぱい見ております。したがいまして、なかなかそれ以上の増収が出てくるということは期待しがたいのではないかというふうに承っております。
○和泉照雄君 大臣にお伺いしますが、どうもいろいろ聞いてみますと、国の方では財政が財政がというようなことでございますけれども、地方自治体の財政力を強化するという指導を自治省としてはおやりになる重要な任務があるわけでございますが、その点についてはどういうようなお考えをお持ちでしょう。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 国も財政が大変苦しい、現実的には地方財政も大変苦しい。しかしながら、地方の時代と言われておるように、地方の行政なり施策というものを充実をしなけりゃならぬ、それには財源が相当要る。どうしてもこの時期になりますと、地方財源をさらに増強するという施策を講じなければならぬ必要性に迫られておると思っております。しかしながら国の財政も非常に苦しい。これはいろいろ見方がありまして、御党におきましてはそういうものじゃないだろうというお見込みでもあるようでございますけれども、まあなかなか苦しい。 結局のところは、地方といたしまして新たなる財源をひとつ確保したいということがございます。それから、何と言いましても景気の上昇というものにも期待を持たなければならぬと思います。その一つといたしまして、本来的な地方交付税の率をもっと上げてもらわにゃいかぬ。これが目玉だと思うんです。そのほかに新しい財源を地方団体に付与してもういたいということ、そういうものと相まちまして今後における地方行財政の施策の充実を図っていきたいと、こんな考え方をいたしておるわけでございます。 きわめて困難な問題でございますけれども、自治省といたしましてはその線に沿いまして今後一層努力をしていこうと、こう覚悟しておるところでございます。
○和泉照雄君 法律案の問題に対する質問はこれで終わります。 実は、昨日、参議院の災害対策特別委員会がございまして、そこで、この前豪雪の災害地に委員派遣がありました。その結果を踏まえましていろいろと質疑をいたしたわけでございますが、特に、特定地方交通線の廃止の問題、この問題に絡みまして、地方公共団体として重要な問題でございますので、二、三質問をいたしたいとこのように思います。——運輸省来ていますか。 昨年の臨時国会で、十月二十八日に国鉄経営再建促進特別措置法が成立をいたしまして、十二月の二十七日に公布、施行されたわけでございますけれども、ひの法律の眼目の一つである地方交通線対策等の政令づくりが、国会審議中では、一月の末ごろの予定と、このように明らかにされておるわけでございましたけれども、かなりおくれておるようでございますが、けさほど、初の閣僚会議があったようでございますが、その経過、内容。 それから政令づくりというのはいつごろ完了する予定なのかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(金子史生君) 御説明申し上げます。 地方交通線等の選定基準を定める政令案につきましては、現在関係各省と鋭意協議を行っているところでございます。この問題につきまして調整を図るために、本日午前、第一回目の関係閣僚会議が官房長官の主宰のもとに開かれまして、運輸大臣から、法案の国会審議に際しまして御提出いたしました選定基準案をもとに説明がありまして、これに対しまして関係各大臣の方から、地域の振興あるいは地域開発等々のそれぞれのお立場からする御意見が出されまして、まあ本日は結論を得るには至りませんで、引き続き調整を図ることに相なりましたというふうに聞いております。 なお、政令の見通しにつきましては、国鉄再建の緊急性、それから重要性という事柄につきまして、関係省庁におきましても十分御認識いただいておるところでございますので、近く政令案の取りまとめができるというふうに考えております。
○和泉照雄君 政令の中身でございますけれども、基本的にはどのような内容になるのか、概要でいいですから説明していただきたい。
○説明員(金子史生君) 現在政令ができておりません段階でございますので、運輸省といたしましての考え方というものを申し述べさしていただきます。 これは、さきの臨時国会におきまして法案の御審議いただいた際に運輸省としての考え方ということでお示しした選定基準案ということでいま関係省庁に御協議申し上げているわけでございますので、その中身をごく簡単に御説明させていただきますと、内容的には輸送需要に適合した地域における効率的な交通体系の形成を図るという観点から、輸送密度から見まして鉄道よりもバスの方が経済的な路線、これは輸送密度四千人未満ということを考えておりますが、そういったバスの方が経済的であるかどうか、あるいは代替輸送道路が整備されているかどうか、そういったような観点の基準を考えております。
○和泉照雄君 最後に、大臣にお尋ねをいたしますが、全国の知事会が決議をいたしました、特定地方交通線等の選定基準の政令についての意見書をもって十二月中に総理府、運輸省、国鉄、自治省等へ申し入れをしているようでございますが、昨年の十二月十九日に地方財政審議会から、昭和五十六年度の地方財政についての意見書が出されております。その中に、「特定地方交通線対策については、関係地方公共団体等の意見を十分尊重することとし、最終的には必ず国の責任において地域の輸送を確保するとともに、関係地方公共団体に負担を転嫁することのないように」と、このような内容でございますが、自治省としては、特定地方交通線等の対策については具体的にはどのようなことを考え、また運輸省、国鉄に申し入れをされるおつもりかお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 特定地方線はきわめて重要な問題でございまするので、地方の今後における発展、また地域社会の現状から見まして、私どもは運輸省に対して次に申し上げるような二、三点について強く申し入れをしております。 一つは、地方の実情というものを十分に考慮してもらわにゃいかぬ。国鉄再建はきわめて重要な問題でありますけれども、特定地方線によって生ずる赤字というものは国鉄全体の赤字の約一割程度でございまするので、この問題を解決したからといって国鉄の赤字が解消するものじゃない。むしろ、もっと根本的な問題があるのではないか。したがって、特定地方交通線につきましては地方の実情というものを十分に考慮をしてその選定に当たるべきである。 それから、バス転換という問題につきましても、このバス転換というものは単に机上の計画だけではいかぬのであって、道路その他の整備の状況ももちろんでありまするが、やはりバスの運行区域というものは、古キロにわたる、百五十キロにわたるというようなところでの旅客の、バスの運行というものは考えられないわけでございます。これにはおのずから限度があるわけでございまするから、そういうバス連行の範囲といいますか、単位と申しますか、そういうようなものをも十分考慮すべきじゃないだろうか。 それから、この問題について地方団体に財政負担をかけるというようなことは絶対避けてもらわにゃならぬというような、大体二、三点を主といたしまして運輸省とずっと交渉をいたしておるところございます。
○神谷信之助君 この特例法案の審議は昨年も行いまして、本日も同僚議員の方から、この法案自身、地方財政法あるいは交付税法の趣旨から言っても許されないのではないかと、そういう意見がそれぞれすでに開陳をされています。私は、交付税法は昭和二十九年に制定されましたが、二十八年、当時の地方制度調査会の答申のその意見に対して自治省の方が、自治体の自主財源を確保する、自主性を尊重するという立場から、交付税法の当時は四条の二、いまは四条の三になっていますが、そういう規定を入れて、年度間調整は自治体の自主性にゆだねるという態度をとっておられた。一時的なそういう現象については四条の三でやるし、それが一定の期間そういう財政条件の変動が続くという場合には六条の三の二で処理をするというように、財源の激変といいますか、過不足についての措置を予想して今日の交付税法がすでに制定されている。にもかかわらず今回こういう特例法をつくるということは、そういう交付税法の趣旨からいっても、あるいは法体系からいっても許されないのではないかというように思うんですが、まずこの点について見解を聞きたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 地方財政の年度間調整という問題につきましては、いまお話のございましたように、現行の地方交付税法の規定等の趣旨から見ましても、原則的には地方団体が自主、自律性を持って行うということがやはりたてまえだと存じます。その点は、たびたび申し上げておるわけでございますが、現在のようにきわめて異常な財政状況のもとで、その負債の状況も、地方債の財源対策情的なものの累増のみならず、交付税特別会計における借入金といったようなもの等を含めて、非常にいろいろな形で財政状況が悪化しておると、こういったことでございます。そういった異例の状況のもとでございますから、私どもとしては、年度末になって生じてまいりました地方交付税の増加分は、全体的な財源対策の中で地方財政の健全化に最も資するであろうという方法を選ぶということが必要であるというふうに考えておるわけでございます。 五十五年度について申しますならば、すでに策定をされました地方財政計画に従っておおむね支障なく財政運営が行われてきたわけでございまして、必要な追加財政需要等についても大体対処し得るという形になっております。そういった年度末に至っての地方交付税の増加でございますから、それについては全体の中で明年度の財政状況等も見ながら処理することが適切であるということでございまして、おっしゃるように、地方団体へ五十五年度分としては普通交付税の形で法を改正して配るとか、あるいは現行法の規定に従って特別交付税という形で配るとかいうことで、何らかの方法でひとつ適切な使い方をしてもらいたいというやり方も、それはないわけではございませんけれども、全体として見ますと、年度末に至って配分することに伴ういろいろな問題点、それからまたその使途についても、すでに発行しました地方債の繰り上げ償還なり、あるいは今年度の財源対策等についてもそれぞれに問題があるということでございますから、やはり全体として見てこれがよかろうという方法で考えざるを得ないということでございまして、現在における地方財政の特殊事情に基づくものだとお考えいただきたいと思うのでございます。
○神谷信之助君 私は、今日の異常な財政状況、あるいは財源不足の状態が何年も続くという事態から特例法を発想をするというのは、それ自身がおかしいと言っているわけです。それは交付税法の六条の三の二で解決の方向は決まっているわけですよ。問題はどこにあるのかといえば、その六条の三の二項に基づく交付税率の引き上げあるいは行財政制度の根本的な改革ですね、これが決められておきながら、五十年度以来もうすでに五年にわたって何らの手を打ってない政府自身に責任があるんでしょう。だから私はこの点は、六条三の二項で、法律でちゃんと規定をしている、そういう措置をとらないで放置をしてきた、その責任は一体どうなるのか。この点ひとつ大臣としてあるいは政府としてその政治責任はお認めになるのかどうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) お尋ねの点につきましては、交付税率の引き上げはしないけれども、それ相当の財政的なてこ入れはするということによって、この法律の趣旨には合致した措置を政府としてはとっておる、こういう見解を持ちますものでございます。
○神谷信之助君 そうすれば、来年度以降の財政需要、財源不足類、それもあるということを特例法をつくる理由にするということが通らないわけでしょう。われわれはそれは認めていませんよ、そんなものは六条の三の二項に言う措置とは認めていないわけですからね。しかし、政府の方は、それなりの措置をとっていると、償還の二分の一を掴が持つとかどうとかいう措置をとっているということでごまかしておられる。だからそれは財源不足の解消の措置になるわけでございまして、したがって、この特例法をつくらなきゃならぬというのは、来年の財源不足のこともあるという理由は、だからその点ではなくなる、こういうことが言えるでしょう。 それからもう一つは、先ほど同僚議員からも聞きましたけれども、来年財源不足がなければこんな特例はないはずだと思うと。どうするんだと言えば、財政局長は、それは当然配分をするということになるでしょうと、まあ配分の仕方その他いろいろ問題はあるにしても、配分をするということになるでしょうと。こういうことになるわけだ。そうすると、特例法をつくる理由として挙げておられる理由自身がなくなっちゃうわけです。来年の財源不足の問題は、あなた方の方では、六条の三の二項に基づく措置をいままでやっているし、また必要に応じてやると、こうおっしゃるのだから、これはもう解決できるんですよ。片一方では、それじゃことし分けるわけにいかぬのかと言えば、財政局長は、財源不足の問題がなくなれば、それは当然分けるに決まっています、たてまえ上はそうですと。そうすると、特例法をつくる理由はなくなるでしょう。根拠はないでしょう。いかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 財政的なてこ入れをいたしましても、決して余裕のある地方財政じゃない、やっぱり苦しい地方財政である。そういたしますと、先ほど来申し上げておりますように、年度末におけるところの補正予算に伴うところの財源でもございまするし、おっしゃるとおりにそれを地方団体に分けて、地方でもって財源調整をすればいいじゃないかという議論ももちろんありますけれども、先ほど来るる申し上げておりまするように、全般的な事情から申しますと、また六団体等の了解も得まして、これはやはり来年度に繰り越して、そして年度間調整を国でやるということの方がよりよろしかろうと、まあこういうような判断に基づいて今回特例法案をお願いをした、こういう事情でございます。十分おわかりのことだと思います。
○神谷信之助君 いや、十分おわかりであれば質問しないわけだ。 そうおっしゃいますがね、来年度の財源不足の対策をするにしてもなかなか不十分だと、こうおっしゃるのです。 〔委員長退席、理事金井元彦君着席〕 だから、その点で言えばわれわれは、交付税法の六条の三の二に基づいて根本的な行財政制度の改革をやる、あるいは交付税率の引き上げをやる——これはどっちもやれとも、どっちかでもええともどうとも書いていませんからね、実際にはどれかをやって解決すればいいわけです。その責任を法律は政府に課しているわけですね。だから、いろんな糊塗的な手段をなさってこられたけれども、いまだに財源不足の状態は解決していないし、来年度もしない。そういう点についての政府自身の政治責任というのは私はまず認めてもらわなきゃならぬというように思うんですね。 それから第二は、もう一つ言いますと、これは税収の見積もりが少な過ぎて、そして補正で交付税が増額になったというのは去年に続いてことしもですよ。ですから、ことしの当初予算を組むときに見積もりを過小にした政治責任ですね。これはちゃんと当初にそれだけのものを組んでおれば、当然もういままでに配分されるわけですよ。あるいはされるべきものとして措置されるわけでしょう。普通交付税あるいは特交の財源になっているわけだ。それを、そういう昨年度の経験がありながら、わざわざ過小に見積もることによって自然増収がふえ、それに伴う三二%の交付税がふえ、それをもらえるのかと思っていると、ぴゃっと横取りをして来年に持っていってしまう。まあ言うたら子供が親戚からもらってきたお年玉を親が取り上げてしまって、もう勝手に使うというようなものですね。それで、親の権限で押さえつけて、六団体承認しましたとおっしゃってもそれは筋が通らない。私は、そこにも政府の政治責任は免れないというように思うんです。 そこでもう一つ、同じことになりますから次にいきますけれども、交付税法があって、一般的原則といいますか法律の体系がある。それに対して、それだけでは処置できない事態の場合には特例法をつくるということは、日本の法体系としてありますわね、それはある。しかし、それは憲法とのかかわりでそれが許されるかどうかというのは当然考えられなきゃならぬ。その点で言えば、憲法の九十二条の、「地方自治の本旨に基づいて」法律を制定をするという規定からいって、この特例法は合致するのかどうかという問題ですね。言うなら、たとえば地方財政法もそれから地方交付税法も、この憲法九十二条の趣旨に基づいて、自治体の財政における自主性、これを尊重するという立場を貫いてあの法律というやつが趣旨一貫していますね。 〔理事金井元彦君退席、委員長着席〕 それを、たてまえはそうだけれどもと言って、情勢の変化、状況に応じてそれをゆがめるということが憲法九十二条との関連から許されるのかどうか、この点ではいかがですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 憲法の点からは、私は問題ないと考えております。
○神谷信之助君 いやいや、その根拠を言ってもらわなきゃ。結論だけ言ったってそれは答弁にならないよ。その理由。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどからいろいろお話がございましたが、現在の財政の厳しさというものは、御承知のように、第一次オイルショック以来の収支のアンバランスという点にあるだろうと思っておるわけでございまして、その意味では、国、地方もともに非常に財政は悪化しておる状況でございます。そういった中で、地方財源を確保する意味において六条の三の第二項の規定がございますから、必要に応じて交付税率を引き上げるべきである、そうでなければ地方財政あるいは地方行政に係る制度の改正をやって十分所要の交付税額を確保すべきである、こういうことが筋であることはお示しのとおりであるわけでございます。 しかしながら、いま申し上げましたように、国、地方ともに収支の非常に大きなアンバランスに悩まされておる現状でございますので、根本的なそういう収支の均衡が改善されるような改正ができない。そういったことで、とりあえずは五十三年度以来借入金によって所要額を確保するけれども、その二分の一は国が実際に返還するときに実質負担をいたしますというような規定などを設けていろいろと措置をしてきておるわけでございまして、その意味においては私どもとしては、苦しい中であるけれども、そしてまた根本的な改善には至らぬという点は認めますけれども、法六条の三の規定の趣旨に従って地方財政を運営してきておると思っておるわけでございます。 そういった状況のもとで、なおかつ膨大な累積赤字を抱えておる状況のもとで、年度末に新たに補正によって生じました地方交付税は、いろいろ使途を考えた結果、翌年度の財源に充てるということが全体の地方財政の中で適切であるという判断のもとに立ってやっておるわけでございまして、そのことといまの憲法の「地方自治の本旨」ということとは別に矛盾するわけではないと思っておるわけでございます。もちろん、地方自治の本旨でございますから、地方団体が、法によって決められた交付税額が出れば、それは自主財源であるからそれは自由に使うべきだという意味での地方団体の自主性ということはそれはわかるわけでございますけれども、地方団体の全体の財政の中で、翌年度の財政状況等も含めてどうすれば地方財政の健全性というのを確保できるかという点でいろいろと配慮をしていくということ自体が直ちに憲法違反であるとかどうとかいうような問題につながるとは思ってないわけでございます。 なお、先ほど税収の見積もりが非常に少ない、その結果財源不足等が生じた。本来ならば、見積もりが十分になされておれば、それは当該年度に交付税として当然配付されておったのではないかということでございますが、いまのような特会借り入れとか財源対策債で処理している状況のもとでは——確かに税がある程度出てきておれば、見積もりがよければ交付税もそれだけふえてそれは財源不足の減少にはつながっただろうと思うのでございますが、直ちに交付税ということになったかどうか、そこらいろいろ交付税としては……
○神谷信之助君 借金はしないでいいでしょう。
○政府委員(土屋佳照君) 借り入れと入れかわったということはあり得ると思うのでございます。 —————————————
○委員長(亀長友義君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、石破二朗君及び鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として井上孝君及び森山眞弓君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 引き続き質疑を行います。
○神谷信之助君 これは政府の方はそういう立場で提案をされておるわけですし、われわれの方は見解を先ほどから言っているわけで、これはなか。なか一致をしないだろうと思います。しかし、私はやっぱり重大な問題だというように思いますし、とりわけ、いま局長が言ったように、二分の一の国庫負担の措置などで、交付税法の六条の三の二の措置を、不十分だけれどもやっているんだとおっしゃるけれども、あれはやっぱり、一定期間、まあ二年とか三年とか言っていますが、著しく財政困難な状態が続いたときに根本的なそういう改革を要求しているのであってね。だから、糊塗的なそういう手段で、六条三の二項が規定をしている内容を満足さしていると言うわけにいかぬ。そのことが今回のような特例法案をつくらざるを得ない根本原因になっているという点はちゃんと指摘をしておきたいと思います。 そこで、先ほどもちょっとこれも話がありましたが、二百四十四億の特交分だけは今年度に使おうという措置をなさっておりますが、先ほど御説明のように、ことしは特に冷害が厳しかったし、その上に豪雪が起こりましたから、当然災害対策の特交の需要がふえるであろうという見通しのもとにそういう措置をなさったんだろうと思うんです。それが十分であるかどうかというのは、これは先ほどもありましたが、それぞれの自治体の状況に応じて考えなきゃならぬと思いますが、少なくともそういう措置をとられて二百四十四億という財源を付加された自治省としては、このことによって、そういう災害対策はもちろん、同和対策その他特交として手を打たなければならない必要なものについては、十分それで賄い切れるというようにお考えかどうか、まずその点をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 五十五年度の特別交付税につきましては、二百四十四億円が追加されることによりまして総額が五千九十一億円ということになりました。伸び率も五十四年度の特交の伸びを一%上回る一〇・三%になりますことから、本年度の他のいろいろな財政需要の動向等を考えますと、冷害なり豪雪を含めて各般の特別の財政需要に対してはおおむね対応し得るものと考えておるわけでございます。こうした考えのもとに、先ほどからるる申し上げましたような、二百四十四億を控除した額は五十六年度の財源に繰り延べるという措置をとったわけでございまして、豪雪対策としては私どもとしては国の予備費による対応も考えられますので、冷害あるいは豪雪に該当しない団体に対しても、必要な財政需要については、もちろん枠があるわけでございますから限度はございますけれども、よく事情を聞いて財政状況も勘案の上で適切な対応ができるものというふうに考えております。
○神谷信之助君 特交の項目別の五十一年度から五十四年度までの資料を自治省からもらいました。それを見ますと、災害のあった年は、項目で言いますと、いわゆる「その他」というところの額が減っているんですよね。それで、「過疎対策」、「都市対策」、「公営企業関係」、「特殊地形等」、それから「普通交付税関係」、「同和対策」、これらは災害の多い年、少ない年にかかわらず、構成比で見ますと一金額は総額が変わってきていますから構成比で見ますと、ほとんど変わりがありません。しかし、「災害対策」がふえたときにはその他という項目は減っています。たとえば五十一年度ですと、「災害対策」は六百九十九億円、構成比で二〇・九%、「その他」の項目は九百九十二億円で二九・八%です。それから五十四年度は、これは災害が少なかった年ですが、これは「災害対策」が六百六億、構成比で言いますと一二・三%、「その他」の方は千六百九十四億、三四・四%というように、この四年間ずっと見ただけでも、災害の多い年は、項目でいくとどこに影響が出ているかというと、大体「その他」のところに出てくる感じがするんですね。 そこでお尋ねしますが、この「その他」と書いてありますが、「その他」の項目の内容というものは一体どういうものでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 提出をいたしました資料によりますと、「その他」につきましてはさまざまなものが含まれております。 たとえば、普通交付税において生活保護費を算定しておりますけれども、これは四月一日現在でございますが、四月一日以降に市になったようなところにつきましては、これは生活保護費を普通交付税で算定できませんので、こういったものを算入するとかあるいは……
○神谷信之助君 できるだけ簡単にしてくださいね。
○政府委員(矢野浩一郎君) 特殊な事情がさまざまございます。たとえば、伝染病であるとか風土病であるとか、あるいは人口急増対策、こういったのが都市対策の中にも含まれております。あるいは渉外関係の経費が多いとかあるいは産炭地対策であるとか、こういったようなものがすべて含まれておるわけでございます。項目は無数にまたがっております。
○神谷信之助君 ちょっと具体的な例で申し上げますが、私の出身の京都ですが、ここは御承知のように、国際文化観光都市ですし、また古都保存法ですか、あれの適用も受けているし、ということですから、特別のその関係の需要というのがありますわね、必要であると。指定文化財が一九・七%でこれの保護の事業とか、それからいろんな公共事業、小学校の運動場一つにしましても全部古文化財がある、埋蔵文化財がありますから、いま平安京遺跡の発掘をずっとやっていますから、これの関係の費用が要るということで、いろんなものが要るんです。そこで簡単に言いますと、市債と一般財源、それからさらに交付税で措置されている分を引きますと、結局、いわゆる交付税措置以外の分で、市債及び一般財源で負担をしているのが約二十四億二千万円余りなんですね。その以外に交付税で千五百十万円見てもらっているという状況なんです。国際文化観光都市に関する古文化財保護関係、あるいは公共事業施行に伴うそういう古文化財関係の費用というのがね。 これは一例ですけれども、それぞれの地域は地域ごとに、その特色のあるそういった問題がそれぞれの自治体であると思います。こういうのは大体いまの特交の「その他」の項目で——いわゆる特別の事例ですからね、共通性は余りない。そういうものは、この特交の「その他」の項目に入るわけですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) お示しになりましたような、京都市など文化観光都市に関するもろもろの需要、そういったものの中で普通交付税に算入されていないと申しますか、特殊な要因に基づいて特別交付税で算定を要すると考えられるものは、この「その他」の中に含まれるものでございます。
○神谷信之助君 そこで、先ほどちょっと具体的に五十一年度から五十四年度で言いましたけれども、災害対策を必要とするような災害の多い年になりますと、一番影響を受けるのがその「その他」のところなんですよね。それで、京都市の諸君からもちょっと話を聞いたりしていますと、もう自治省の方からは、その点を警戒をして、ことしは災害が多いから、去年並みと思ってもらったら困るぜともうくぎを刺されているんですよね。これはちょっと大変だというように思うんです。というのは、一般的に共通的な部分で一定のルールに基づいてやっている部分と、そうじゃなしに、特殊的にそういうなにがあって、しかも交付税の額というのは、その理由によるものの何ほどは言われてないと思いますけれども、相当依存をしていると、そういう状況になってくると、これは自治体は当初予算で実績から見込みますからね、これは歳入欠陥を生ずる、赤字に転落をする危険なしとしないと、こういう状況になってくるわけですね。 だから、災害を受けられた地域というのは非常にお気の毒だし、当然それに対する費用というのは十分めんどうを見ないかぬけれども、同時に、少なくともこういう点については実績を下回るというようなことのないように、とりわけ、そういうことをすれば、何でそんなら来年度に回したんやという話を言わないかぬということになるわけでしょう。これは二百四十四億以外は来年度に回しているんだから、何で二百四十四億で抑えたんやと、三百億としたらよかったじゃないか、五百億としたらよかったじゃないか、そんなもの別に何にも根拠もないじゃないかと、こう言えるわけですよ。本来はことしの財源として付与すべきものを、あなたの方の御都合で持っていかはったんですからね。だから、少なくともこういうことの実績を下回るようなことがあってはならぬというように思うんですが、この点はよろしいですか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げたことでございますが、特別交付税は、申し上げるまでもなく交付税総額の六%という枠内で処理するのがこれはもう原則でございます。今回のように特別な事情がございましたので、伸び率も低いということでふやしたわけでございますけれども、本来はその中で処理していくわけでございますから、非常に災害がある年に多かったためにある程度よけい配分を受けたところは、その原因がなくなれば翌年は低くなるとかいったような変化は当然起こり得ることでございます。そういった中で、限られた中で配分する場合は、最も重点的に必要な財政需要額から対応していくわけでございますけれども、ただ全般として余りにも大きな変動があるのも問題でございま心で、特に五十五年度のごときは、先ほどからるる申し上げましたように、冷害ということがあり、また豪雪というような問題も出てまいりました。それで本来の形のままでは困るということで、特別に必要なものに対応する、追加をいたしたということでございますから、一〇%台に乗れば何とか対応できるというおおむねの見込みを立てて私どもとしては確保したわけでございます。といって、すべてに使えるほど余裕もございませんので、必要最小限度明年度の財政状況等も勘案しながら確保したということでございますので、御了承を賜りたいと存じます。
○神谷信之助君 なかなか含みのある答弁しなさるから……。全部今年度じゅうに配分をされれば、後は自治体が自主的に使えるんですからね、その補てんはできるわけですよ。だから、そういう性格のものをいろいろな理屈をつけて来年度に吸い上げてはるんですからね。そういう点で自治体に困難を与えないようにひとつやってもらいたいと、こういうように思います。 次に、財政の適正な運営の問題に関連をしてお聞きをしたいと思うんですけれども、いわゆる補助事業が適正にかつ効率的に実施をされ、また財政上もそのように運営されるということが地方財政の上でも非常に大事だと思うんですがね。ところが、滋賀県で先般一月に会計検査院が調査に入られて、その結果として、新聞に報道されまして、「五十四年度の国庫補助 三十八億円“不当取得” 滋賀県、事業完成と偽り」という見出しですね。あるいは「完成済みと県報告 五十四年度国庫補助未完工の百七十七事業」というような報道があったわけです。これは県民には非常に大きなショックを与えた。一体何をしておるのやということになります。そういう問題が起こったんですが、——会計検査院見えてますか——五十四年度の決算検査報告ですね、これ見せていただきますと、農林水産省それから建設省関係では、年度内に工事が終わらない、その工事が終わらないのを繰り越しの手続もとらないままでおいているという、言うならば補助金適正化法から言えば違法の措置ですね。そういう実態が相当指摘をされているんですけれども、農水省、建設省関係の五十三年、五十四年度についてちょっと概略報告していただけますか。
○説明員(角田甲子郎君) 農水省につきましては、事態が同じでございますので、先に建設省の概要を述べさせていただきまして、農水省の方は件数、金額は後で申し述べさせていただきたいと思います。 五十三年度、五十四年度の建設省の補助事業につきまして検査いたしましたのは、青森ほか三十九都府県が施行したもののうちで両年度合わせまして二万二千六百七十九件が年度内に事業が完了していなかったものでございます。しかし、これに対しましては繰越手続をとりませんで年度内に完了したとする関係資料を作成いたしまして国庫補助金の全額を受領していたというものでございます。 これらにつきまして、地方公共団体の経理面から見ますと、出納閉鎖期日、これは翌年の五月三十一日でございますけれども、この日までには前年度の支払いを済ませなければならないわけでございますが、この日になりましてもなお事業が完了しないなどのために正規に支払うことができなかったものが両年度で四千五百三十三件、事業費で七百二十七億円、国庫補助金相当額で四百十七億円ございます。そして、これらにつきましては五月三十一日までに支払ったこととして予算から引き落としまして、別途に予算外に計上いたしまして、その後完了の都度支払ったり、あるいは完了してないものに全額支払ったり、まだ完了していないために預金等で保管をしておりました。 このような事態は、補助金適正化法令等に違背するばかりでございませんで、補助金の適正かつ効率的な施行を妨げるものでございますので、地方公共団体のこのような風潮を根絶するように指導を徹底するとともに、今後このような事態に対しては厳正な処置をとっていただくよう建設省に処置要求をしたものでございます。 それから、農水省につきましては、件数が、検査いたしました府県が三十四都府県、それから未完了分が二千八百四十三件、それから完了したとして関係書類を作成して受領していた国庫補助金が四百十五億円、それから出納閉鎖期の五月三十一日以降になお保有していたものが三十億四千六百万円。それで、事態については全く同じでございます。
○神谷信之助君 大臣、いまお聞きのように、北海道を除いて五十三、五十四年度、それから農水、建設関係でいまのような違法の措置をしていたというのをずっと見ると、ほとんど全県ですね。工事はまだ済んでいないのに済んだように書類をつくり、そして支払いをする。あるいは、だから金は入るから、それは別の銀行に裏金をつくって、四月、五月、七月、八月、できたときに払っていくと、こういう運用がなされているんですね。これはまさに正常ではない、いろんな疑惑を持たれても仕方がない状況だと思うんです。これはしかし、今度五十三年度、五十四年度分の検査をして初めてわかったのではなしに、前回四十七年、四十八年のときにも同じような指摘がなされている、会計検査院の方からは。それがいまなおまだ続いているという状況が明らかになったから、私はしたがって事は重大だと。こういう状態は一日も早く改善をしなければ、半ば公認の、そういう裏金をつくったりするような会計運営をやっていれば必ず汚職腐敗の温床になりかねない、そういうおそれも多分にありますから、これは改善せないかぬというように思うんです。そういう状態、大臣は知事の経験長いからよく御存じだと思いますが。 そこで、建設省と農林省見えていますか。——それぞれ、いま言いました四十七年、四十八年にそういう指摘をなされて、通達などでそれなりの指導をなされてきたわけですが、それがいままた五十三年、五十四年度の検査の結果明らかになってきているという事態において、この問題を改善をするためにそれぞれどういう措置をとろうとなされるのか、あるいはとってこられたのか、この点についてそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(杉岡浩君) お答えいたします。 補助事業につきましては、予算の独立の原則ということで、当然年度内にその支出をするということが予定されておるわけでございます。したがって、また、その年度内に完成するということが予定されておるわけでございますが、その公共事業の性質上、たとえば用地の問題、あるいは補償あるいは気象あるいは設計計画といったような諸般の事情によりまして年度内に完了できないという場合があるわけでございますが、そういう場合は繰越手続をとって翌年度に繰り越すというのが定められた手続でございます。 今回、五十三年度及び五十四年度につきまして、相当の件数につきましてこういった繰越手続がとられないで翌年度に支出されたということ、われわれ非常に遺憾に考えておる次第でございます。 建設省といたしましては、かねてからこういったものにつきまして通達等で指導をいたしておるわけでございますが、特に昭和五十五年の二月に、五十四年度の事業につきまして、官房長通達及び土本部長会議等を開きまして、これの是正を図るよう指示したところでございますが、特に今回会計検査院から御指摘があったわけでございまして、五十五年の十二月事務次官通達を流しまして、年度内に早く完成するということを前提にし、また完了できない場合は、法律に定められた手続をとって繰り越しをすることという指導をいたしておるわけでございます。同時に、ことしに入りまして、一月の末でございますが、全国の土本部長あるいは管理課長の会議を開きまして、その趣旨を徹底をいたしておるわけでございます。特に最近豪雪等で工事が年度内にできないということがございますので、これにつきましては二月の初めに、工事が年度内に完了しないときには適正な繰越手続をとるように、というふうに具体的に指示をいたしておるわけでございます。 また、こういった通達だけでは万全を期せませんので、われわれといたしましては各県に担当者を派遣いたしまして、巡回指導をするというような措置をとっておるわけでございます。今後こういったことのないよう、建設省としては十分の措置をとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(宇賀神治夫君) お答えいたします。 農林水産省といたしましては、いわゆる未竣工工事でございますが、この防止につきまして昭和四十九年以来再三にわたりまして事務次官通達等をもちまして指導してまいったわけでございますが、今回会計検査院から指摘されるような、このような事態が生じたということは、まことに遺憾に存じておる次第でございます。 今後は、このような御指摘の趣旨に沿いながら改善を図るべく、五十五年の十月に事務次官名で関係方面に通達いたしまして、まず第一に、補助金等の交付決定の迅速化。それから第二には、補助事業の遂行状況を的確に把握して事業の円滑な推進を図る。それから第三には、いろいろの不測の事態等が生じまして、繰り越しをせざるを得ないような事態が生じた場合には、法律上の手続に基づきまして繰り越し手続を励行する。こういうような三点につきまして地方公共団体等に通達いたし、さらに本年の一月二十三日には全国の主管部長会議の席におきまして未竣工工事の防止につきましてさらに指導を行ったところでございます。また、いろいろ経理課長名をもちまして具体的な指導も重ねて行っておるところでございまして、このような指導を通じまして、補助事業の適正な執行を図ってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○神谷信之助君 自治省の方もそういう実態はつかんでおられると思うんですが、自治省自身はどういうような指導なり、あるいは関係省との関係、どういうようになされておられますか。
○政府委員(砂子田隆君) 事業の繰り越しに関しましては、実は昭和三十八年の地方自治法の改正をいたしますときに、実態に合うように現在の明許繰り越しの制度に改正をいたしたわけであります。常々この問題に関しましては、財務担当官等の会議がありましたときに明許繰り越しの制度を遵守するように指導をいたしておるところであります。
○神谷信之助君 会計検査院にお尋ねしますが、農水省あるいは建設省のこの問題の報告の中に、「従来、通達等によって、注意を喚起するだけで、これを防止するための実効性ある強い指導を欠き、特にかかる事態が発生した場合に厳正な態度で臨む姿勢に欠けていたことによると認められる。」と、そういう判断を出されていますわね。ここに言う、通達なんかで注意を喚起するだけではなしに「防止するための実効性ある強い指導」というのは何を意味しておられますか。同時に、「特にかかる事態が発生した場合に厳正な態度で臨む姿勢に欠けていた」というのはどういうことをお考えになっておるんですか。具体的にちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(角田甲子郎君) 「実効性ある強い指導」といいますと、やはり遵法精神をもっと徹底させるということでございますけれども、原則としては、補助金適正化法令に決められている措置をとられるなどということも一つはその方策であろうかと思います。 それから、いままで……
○神谷信之助君 それ、具体的に言うたら金返せということか、これは。
○説明員(角田甲子郎君) いえ、法律の趣旨を十分に徹底させると。これは事業主体においてやる気さえあればできると私どもは判断しております。現に、五十三年度で指摘した件に対しまして、五十四年度で見ましたところ、そのうちの大部分がそういうものについては繰り越しの手続をとっておりましたので、要は、事業主体のやる気があるかどうかということだと思いますので、その点を十分徹底をしたいということでございます。
○神谷信之助君 私は、やる気があるかどうかだけではなかなか解決しないと思うんですよ。それであれば、たとえば農林省ですともう三十七年当時からずっと一貫してやっている、さっき報告があったように。こんなにようけ、全国のほとんどの県で起こるような事態にはならない。確かにいろいろの要件があります。いまおっしゃったように、交付決定をもっと迅速にするとか、中間検査とか、工事の進行状況をちゃんと監視をしてやるとかいうようなこととか、業者の施工、管理能力を——大体このころは県が直接やってない事業が多いですからね、民間に委託しているのが多いですから、そういう管理能力も向上させないかぬとか、いろいろな問題があると思います。だからそういうことも私は必要だろうと思う。 それから、県の方でも——滋賀県がそうやって出されましたから滋賀県へ行って私も聞いてきましたが、五十四年度百七十七件、うち工事のおくれが百二件ですね。その理由を聞くと、労務者不足が二十九件、積雪、融雪で三十一件、その他、他の事業との競合や文化財の発掘、河川法など他の法律の関係の手続などのおくれ、これが四十二件というようにあります。 ただ、もう一つ、そこで聞いているうちに問題だと思ったのは、その百二件のうち七十五件は工事が完了しているんですね。ところが、完工検査ができないわけです。それで、検査担当職員は何人やと聞いたら、農水関係で、土地改良が二人、林務が一人で計三人。建設は五人です。それで、検査をする時期というのは大体年度末のところへ集中するわけでしょう。だから、工事が年度末、三月末までに完成しても、完工検査に一週間ないし二週間かかりますから間に合わぬという状況ですね。 それで、滋賀県の場合は、事実、指摘されたやつが四月じゅうにほとんど全部完了して、五月に二件持ち越しているぐらいで終わっています。ただ、会計検査院のこっちの報告を見ますと、翌年度の年度末ぐらいまでかかってやっているやつもあるし、全然実施してないのにしたことにして金を取っているのもありますわね。そういうひどいのもありますけれども、全体としてやっぱりそういう状況で、問題は、そういう体制が伴っていない、職員の数なり体制ですね。こういった問題も一つの原因になっているだろうというように思うんです。 時間がありませんから急ぎますが、したがって、私はこの点で、私も地方公務員の経験があります、直接こういう仕事をやったことはありませんけれども。また、大臣は知事の経験が長いからよく御承知だと思いますが、繰り越しをすることについて本省の方が好まない問題が一つはありますね、繰り越しをすると。これは使用不能額になるわけですから、だから結局大蔵省の来年度予算の折衝をするときに実績が減る、こういうことになりますから、予算獲得の上では大変損な要因になる、不利な要因になる。だから本省自身もなかなか、何とかせいということで、実際上は目をつぶって処理をしてしまうという傾向が全くないとは言えない。そういう話は何遍も私も耳にしているし、恐らく大臣も経験されているんじゃないかと思うんですね。だから、ここのところ、予算を組むのにそういう実績主義でいくのがいいのかどうかという問題が一つあります。 それで、ことし年度末になって用地買収やらそんなことで難航しておくれて来年度へ持ち越す、それで繰り越しの手続をするとした場合に、来年度の新規の補助事業を認めてもらえないという心配も自治体側には起こる。だから、そういう実際上の住民の要求にこたえなきゃならぬという自治体当局の気持ちと、それから本省のそういう口に出して言われているのか言われていないのかしらぬけれども、そういう態度というもの、この辺、予算編成の方法とも相まって根本的に検討をしなければ、なかなかこういう問題はなくならぬのではないかというのが一つ表に出ない問題として私は感ずるんですけれどもね。この辺、ひとつ知事の経験者の大臣の率直な見解を。これは私は大変なことだと思うんですよ。だから、そこのところをやっぱり解決しなければ……。 それで、もう一つあります。補助手続の事務の簡素化あるいは繰り越しの承認を求めるその承認事務の簡素化の問題があります。たとえば、建設省の場合だったら地建で処理ができるけれども、農水省の場合は農政局へ行って話しをして、それから地方農政局がオーケーと言ってからその農政局の人と一緒にまた東京まで出てきて本省の了解を得ぬことには繰り越しを認めてもらえないでしょう。だからそういう問題もあります。そういう繰り越しの手続の簡素化ということも考えなきゃならぬ。 滋賀県の場合でもう一つつけ加えますと、二月の十五日段階で、県としては年度末までにできるかどうかという判断をして、それで百二件のうち五十五件は一応議会の承認まで取っているわけですね、できないとわかっているやつは。それで繰り越しの手続やっているわけです。しかし、これはできるだろうと、二月中旬段階でできると思うとったのが、結局、いま言ったような完工検査やその他のおくれのために繰り越しになってしまうというような実態もあるようですね。ですから、そういう点を考えると、ぼくは、本省のそういう大蔵省との関係、この辺の関係にメスを入れなければ、私はなかなかこの問題解決しないと思うんですが、ひとつ大臣の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) よく実態を御承知の御発言でございますので、私も率直に申し上げますが、この問題は次官通達とかなんとかということだけではなかなか解決しない面がございます。そこで、もっと端的に申しますと、事業担当の部課長、係長あたりが現場のそれ相当の筋に相当やかましく言った方が私は実効が上がるんじゃないかと、こういうふうにも思っているわけでございます。それにしても、翌年度の予算編成の問題にも関連いたしますので、これは思いつきでございまするけれども、契約済みのやっと、あるいは、繰り越しましても年度内に完成の予定だと見込み得る、そういうようなものを両方をとりまして予算折衝の材科にするとか、何かそういう工夫をすればより実効が上がるんじゃないか、こういうふうに思っております。
○神谷信之助君 まあ来年度の予算編成に大きな影響を与えるというような不安を自治体の側には与えないようにするということが一つ、いま大臣おっしゃったようにね。そのためにそういう方法もあると思います。一つはそれをやるということと、必要な人員を確保し、そして、いまおっしゃったように、いろんな現場をもっと指導するということになるわけですけれども、府県の仕事の実態を見ますと、やっていた工事がどんどんどんどんふえて、いま全く業者任せになっているでしょう。その必要な人員減らされているわけですから、だから、もう設計まで自分のところでやらない、委託をするという状況まで出てきていますから、そういう点では今度は、繰り越しの添付書類に、状況なんかのいろんな段階の写真を撮っておかないかぬのが振らずに埋めてしまったりして、また掘り返したりというようなことをやったりしていますがね、現実には。一面で言うとそういう自治省の進めている減量経営の結果がまたこれを生んでいるということにもなり得るわけですね、その一つの原因に。そういったことも私はあると思います。 だからこの辺はひとつ抜本的に、いまおっしゃったように、きょう大蔵省も来てもらって大蔵省にもちょっと聞こうと思ったんですが、時間の関係で省略しますが、大臣、農林大臣や建設大臣なんかと直接そういう点については率直にお話しいただいて、そしてこれはこういう状態を続けていると必ず腐敗、汚職を生むということになります。だから綱紀粛正のためにも、この点ではひとつちゃんとしてもらいたいということを要望しておきます。 特に、これからの問題ですけれども、ことし公共事業を上半期は抑制型で抑えられたでしょう。ですから、最近大蔵省が発表した状況を見ますと、来年度へ恐らく五、六%ぐらいは持ち越すんじゃないかという予想もされています。私は、一つは、公共事業の中で、自治体が行う公共事業というのは、より生活に密着をした事業が多いわけですよね。学校を建てたり道路をつけたり橋を直したり、そういう事業が多いわけです。ところが、それを公共事業の抑制だということでスピードダウンしたり、あるいは景気浮揚策だと言ってアップしてみたりというような景気対策の道具にこの生活関連型の公共事業を使ってはならない。まあ大きいプロジェクト的なでかい事業はこれはある程度そういうこともあるだろうけれども、自治体の場合は住民の要求に基づいていろんな事業を、しかもできるだけ急いで適切にまたやらなきゃならぬわけですから、それを景気浮揚対策の道具に地方のそういう公共事業を使ってもらっては私は困ると思うんですが、この点は自治大臣どうお考えですか。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 生活関連公共事業というものはわりあいにウエートが高いわけでございまして、この点は問題はあると思います。それから、景気浮揚抑制の関係で公共事業費をある程度繰り延べする、あるいは促進をするという措置も、これはやっぱり景気の問題というのは国民全体に関係する問題ですから、きわめて重要な操作だと私は思っております。その方法といたしまして公共事業、これが取り上げられる、その公共事業がまた生活関連事業が相当のウエートを占めておる、そこをやはり何とか調整をとっていかなくちゃいかぬだろう。その辺の配慮をしながら、全然この景気の問題に関係なしに工事を執行するというわけにもウエートが高いだけにいきかねる面もあります。その辺の調整は十分関係者としては心得てやっていかなくちゃならぬし、また、地方団体といたしましては、ほかに単独事業等もございますので、その辺の配慮もいたしながら公共事業の執行に当たらなくちゃならぬだろう、こう思っておるところでございます。
○神谷信之助君 そういう地方の景気浮揚あるいは景気の振興ですね、これなしに地方税収も伸びないわけですから、また地方財源も確保できないという問題もあるし、また住民の要求にこたえられないということもあります。だから、公共事業のスピードアップやスローダウンというのは確かに景気対策としては非常に重要な一つの柱であるけれども、その点、いま大臣がおっしゃったようなことをちゃんとくぎを刺してやるというのはやっぱり自治大臣の責任ですからね、これは。ほかの大臣は別に関係ないわけですよ。自治大臣が言わなければ言わない問題ですから、この点はひとつ十分考えてやってもらいたいと思うんです。 あと、もう時間がありませんが、先ほど出ましだが、国鉄ローカル線問題ですがね。運輸大臣と協議をなさったわけですけれども、この問題について自治省としては、先ほどおっしゃっていましたが、どういう立場でどういうようにこの問題に取り組もうとなさっているかということをまずお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 特定地方交通線の問題は、地域社会にとってきわめて重要な問題でございます。そうした認識を持っております。それから、各地の将来における発展動向等も考えますと、これまた現状から申しましても、いろいろ議論はありますけれども、国鉄に対する大衆の期待する度合いというものは大変高いものでございます。そういうようなものを無視するわけにはいかぬだろう。したがって、国鉄の再建計画を立てるに当たりましても、特に地方の実情というものを十分に認識をして特定地方交通線の標準を立ててもらわにゃならぬだろう、こういうことを強く運輸省に対しては申し入れておるところでございます。 先ほど申し上げましたとおりに、そのほかバス転換と申しましても問題があるし、それから、地方団体に対して財政負担をさせるということだって、地方団体といたしますればその力もございませんし、また、それが適当であるとも考えませんので、その点を十分に考慮をいたして今度の政令策定については配慮してもらわにゃならぬということを申し入れをしているわけでございます。そういつまでも政令を延ばすわけにもいかぬと思いますから、だんだんと詰めた議論をこれからやらにゃならぬと、こう考えておるところでございます。
○神谷信之助君 まあ大臣の地元でもこれは大変な問題になっていると思いますし、私の地元でも、舞鶴線、宮津線、小浜線の三線の問題、あるいは宮福線の新設の問題とかいろいろあって、いろいろな要請、陳情も受けています。昨年の臨時国会でこれが十分な審議をされないままであのいわゆる国鉄再建法というやつが成立を見たわけですが、われわれ、審議を通じても、この政令の中身というのは十分審議の中でも尽くされておりませんし、必ず政令を策定する段階で具体的にいろんな問題が起こる。で、きわめて困難になるだろう。 また、先ほど大臣もおっしゃっているように、地方交通線というのは赤字の一割ぐらいにしかなってないわけですから、これの問題を全部なくしてみたところで赤字が解消するわけでもない。そういうものをばっさばっさ切るというやり方については、本当の意味の国鉄の再建にならぬということは、わが党は一貫して主張してきたわけですけれども、現実にいまそういう段階に来ているとなりますと、とりわけ、何といいますか、経済性のおくれているところというのは国鉄の線路の敷設自身もおくれる。そして、おくれればおくれもほど地元の協力が求められて、新しくできるところの線ほど地元の協力、負担、これを行っています。それで、やっと通ったということでやっても、今度は片一方でモータリゼーション政策で自動車がどんどんふえるということになって、それほど乗らぬからといって切り捨てられる。そしてまた新しい不便をかけられる。まだ線がついていないところは、十数年来あるいは二十年来運動してやっと道床までできた、ところがもうあかんと言ってほっぽり出される。 だから、経済性第一主義になりますと、そういう経済的におくれているところは取り残されて、より多い負担をかけられて、最後は切り捨てられるわけですからね。これはもう感情としても、あるいは法の前に平等であるべき国民の権利からしても重大な問題を持っているわけで、そういった点も踏まえて、自治大臣が、それぞれの地方団体の長やあるいはその地域に住んでいる住民の皆さんや、その地域の振興とかかわって、その要望をとらえて、十分にその意を体してこの問題の対処をやってもらいたいということを最後に要望して、私の質問を終わります。
○伊藤郁男君 最後になりましたが、もう少しごしんぼうをいただきたいと思います。 私も、本日の質疑を通じまして、他の委員からさまざま御指摘のありましたと同様に、今回の特例法の措置につきまして、どう考えてみましても地方交付税制度の本旨に沿ったものではないと、このように思われて仕方がありません。もともと交付税は地方のものですし、その地方に渡すべきものを国ががちっと握っておって、そして、来年回したと、こういうやり方ですね。これはやはりどう考えても政府が地方自治体を信頼をしていないのではないかと、このように私は思われて仕方がないわけです。大臣も、本委員会におきまして所信表明をされまして、まさに、本当の地方の時代を築くために、さまざまな施策を講じていかなければならぬと、強い決意を表明されておりまして、私もそれには同感でありますけれども、地方自治体を信頼していかなければ地方の時代も切り開かれないのではないかと、こういうように思います。その点につきまして、まず大臣から所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 今回の特例措置というものは、地方団体の期待を裏切るという性質のものではないと私は考えております。地方団体にはそれぞれいろいろな考え方もありまするし、また、理論的に申しますと、るるお話のございましたような問題もございまするけれども、年度末のことでもございまするし、そうしてまた、来年度のことを考えますとそれも一つの方法ではなかろうかというような考え方だって地方団体としては持たないわけでもございませんので、一律にこれは地方の時代というものを損ねる一つの方策ではないかというような割り切り方は、私は適当ではないのじゃなかろうか。もちろん、言うまでもございませんが、現在の交付税法の趣旨に基づきましてやるということもこれは大切なことでございまするが、現下の財政の状況から考えますと、今回のような措置を講じましてもやはり地方の時代というものに対する財政措置といたしましては一つの意味を持つものであろうというような確信を持ちまして、今回の審議をお願いしておる状況でございます。
○伊藤郁男君 大臣、そう言われますけれども、今回四千六十九億の増額があるわけですね。このうち、地方に追加交付をされるのはわずか三百六十四億円ですよ。あとは全部翌年回したと、こういうことですからね。いま大臣が、地方にももろもろの事情があるんだと、こういうように言われますけれども、一体こういうような現実において、果たして地方を信頼をしているのかどうかと、ここに私は疑問を持つわけなんですよ。もう一度御見解をお伺いしておきます。
○国務大臣(安孫子藤吉君) これは、地方団体を信頼するとかしないとかという問題じゃなくて、現下の財政状況からいたしまして、この方が地方団体の将来のためによりいいのではなかろうかというような判断で、今回の措置をお願いをしておるわけでございます。
○伊藤郁男君 それでは、もう一点お伺いをしたいんですが、政府は常々、地方公務員のベースアップの分だとか、あるいは冷害など災害の問題とか、こういうような追加財政需要につきましては、いわゆる予備費三千五百億円で賄えるのでいいんだ、年度末に多額の財源を地方団体に配分するとむしろ無意味だと、先ほど来のいろいろな質疑を聞いておりまして、そのように私は聞こえるわけですね。この年度末になって特別交付の財源をやると地方がむしろ混乱をしてしまってむだ金になりはしないかと、こういうように判断をしているのではないかというように私には聞こえるわけですね。本当にそのように考えておるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 大臣から基本的な点はいろいろ申し上げたわけでございますが、この年度末に至って地方財政の現況を見てまいりますと、仰せになりましたように、給与改定とかあるいは災害復旧費等についての新しい財政需要は、当初の地方財政計画に計上しております追加財政需要額三千五百億円によって大体処理できる。それ以外に問題になりますのは、予想される豪雪対策等でございましたけれども、それも特別交付税の増加をすることによって対応ができると、そういった考え方から、できるだけ地方財政の健全化のために、残りは五十六年度の財源にしようということでございまして、地方団体に配るとそれはどういうふうに使われるかわからぬ、そういった意味でどうも問題があるといったような、まあ信頼しないと申しますか、そういう不信感の上に立ったようなやり方をしようとしておるわけでは全然ないわけでございます。 いろいろな方法も考えてみましたけれども、この年度末における措置としてはそれぞれに難点があるということと、五十五年度はそれほど大きな問題はもう残っていないということと、さらに、今回五十五年度で配付をするということになりますと、その分だけ五十六年度において財源不足を生ずるわけでございまして、その財源不足の穴埋めのために新しい財源対策債の発行なりあるいは交付税特別会計よりの借り入れといったようないろいろな措置もとらなければならない。結局、新たな借り入れということを生ずるということが大体方向としては考えられますので、そういったことを彼此勘案すれば、全体として、ただいまのような方向で持っていくのがよかろうということでございまして、その意味においては地方団体に対する信頼とかどうとかということとは別な次元で、全般的な財政対策の中での措置だというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○伊藤郁男君 どうも、法の精神からいきますと、理由が薄弱のように聞こえます。地方交付税法六条の三の規定によりますと、先ほども財政局長からお話がございました、普通交付税の総額が財源不足額の額を超える場合は、当該年度の特別交付税に加算するものとしているわけですね。だから、私は、四千六十九億円全部を特交に回せと、このようなむちゃな議論をするつもりは毛頭ありません。それにしましても三百六十四億円というのでは、この法の趣旨から考えて余りにも少額であって、法の趣旨に著しく外れているのではないかと、こういうように私は考えるわけなんですね。私も同じように、いままで質問がありましたように、増加した分は本年度内に配分をし、それで地方団体の自主性に任せるべきだと、こういうように主張をしたいわけですが、そうすることが地方団体による年度間の財源調整を規定している地方財政法の趣旨にかなうものではないかと、こういうように判断をしておるわけでありますが、納得できる理由というものをもう少し御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) 地方交付税法第六条の三の第一項の規定の趣旨をお示しいただいたわけでございますが、まさにそのとおりである思うのございます。普通交付税の総額が合算額を超える場合は、地方交付税法第十条第二項の規定によって地方団体について算定した額の合算額を超える場合は、その超過額はその年度の特別交付税の総額に加算をして配付をするというのが原則でございます。しかしながら、五十五年度の交付税を計算をいたします際に、三二%だけではどうしても足りないということでございまして、それに加えて、臨時特例交付金のほかに交付税特別会計等の借り入れによって実は措置をいたしまして、必要な総額はもう確保して今日まで至っておるわけでございます。その年度末に至って交付税が増額をしたということでございまして、本来ならば、それが当初からあるものであれば当初のいわば借り入れ等がそれだけ減少したであろうと思うのでございますけれども、全体として不足したから三二%分に借り入れ等を足して必要なものを配付しておるという状況でございます。 そういう状況でありますから、新しく年度末に出てきた場合は、それは特別な財政需要があればともかく、いまのような形で、借り入れ等によって確保した交付税の総額の上にさらに足すというよりは、翌年度等を通じての財政の健全化に資するように使うということの方がよりいいのではないかと、こういう判断であるわけでございまして、それでもなおかつ、本年度に配付をしてそして地方団体の自主的な運営に任じたらどうかという御説もございましょう。しかし、それについてはもうるる申し上げたようにそれぞれに問題があるわけでございますので、私どもとしては、ただいま申し上げたような全体の流れの中で、ただいま申し上げたような方法をとるのが適切だと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○伊藤郁男君 まあ地方財政の健全化に資するということならば、大部分を翌年に回すというんじゃなくて、もう少しほかの方法が考えられなかったものかどうかということですね。財政局長、いろんなことが検討されて考えられたと、こういうことですけれども、考えられたことをすべて検討したけれども、全部それは除外をして翌年回しと、こういう結論になったようですが、いま大都市周辺の市町村では、これはもうさまざまな陳情が私のところにも来ておるわけですけれども、一番切実な問題は、やはりこの人口の急増地域における小中学校、学校の建設の問題ですね。その建設をするために一番陸路になっているのはやはり用地の取得の問題ですね。金さえあればそれらの市町村はできるだけ早目に土地を買っておきたい、先行投資をしておきたいわけですね。ところが現実には金がないからとてもそれができない。そして、いよいよせっぱ詰まってもう学校建てなきゃどうにもならぬというときになって具体的な計画が立てられる、そしてやっと補助がされると、こういうことになるわけですね。そのときにはもう土地が二倍、三倍にはね上がっている。そこでもう土地を買うために大変な苦労をすると、こういう悪循環になっておるわけですね。 だから四十八年か四十九年のときに、この地方交付税の増加分を土地開発基金費、あるいは臨時土地対策費として、新たに単位費用を設けて配分をしたという例があるわけですね。今回そのような処置がどうしてとれなかったのか、御説明をいただきたい。
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回の措置に当たって、もっとより有効な使い方、たとえば土地対策費といったような形で使えないかということで、過去の例を引用されて御質問をいただいたわけでございますが、土地取得のためのこういった財源措置につきましては、かつて土地開発基金費ということで、昭和四十四年度以降交付税において、あるいは当初、あるいは補正増の際に、そういった措置をしたことがございます。現在までに、その後四十八年あるいは五十年代に入りましてもそういった措置をしたことがございますが、そういった措置の累計額がすでに恐らく七千億から八千億程度になっておろうかと思いますが、地方団体としてはこういった土地開発基金を使いまして、公共用地先行取得のために、いわゆる基金でございますから、回転をしながら使っておるわけでございます。 また、土地取得のための財源といたしましては、御説のように、早く買わなければ地価が値上がりをするというようなこともございますので、地方債の方では公共用地先行取得債というようなことをやっておるわけで、起債を認めておるわけでございますが、たとえば昭和四十八年度などのような場合、この年におきましては交付税が補正で非常に大きくふえました。約四千億以上ふえたわけでございますが、そういった補正でふえました交付税のうち、約二千億ぐらいはこれは過去の借金の繰り上げ償還あるいは借金の返済に充て、残りをいまのような土地開発基金等で財源措置をして、翌年度に繰り越しをしなかったわけでございます。しかも、翌年度、すなわち昭和四十九年度の場合には、さらに四十九年度の当初の交付税から残った借金の残りを実質的に繰り上げ償還をする、したがって借金をゼロにすると、こういったような形で措置をしたわけでございます。 しかしながら、これに対しまして今回の五十五年度、五十六年度の場合におきましては、いずれも大きな財源不足を生じておりますし、また交付税の借入金というものが七兆八千億というような累積額になっておるわけでございまして、したがいまして、そういった借金の繰り上げ償還あるいは借入金の減額、あるいはいま大都市等で必要だとおっしゃられますところの土地開発基金等、仮にそういった措置をこの補正増加分をもって充てたといたしましても、結果的には五十六年度の方の財源不足類がやっぱり大きくなる。土地対策費については、確かにおっしゃるようにいろいろ需要がございますけれども、過去において逐年行いましたそういった土地開発基金なり土地対策費のための積立金あるいは起債等の措置によって賄い得るということも考えておりますので、地方財政の五十五年、五十六年の状況にかんがみまして、今回はそういった土地対策費等によって補正を使うということをあえてしなかった、繰り越し措置をすることがより適切であると、先ほど来財政局長からお答え申し上げておるような手段をとったわけでございます。 —————————————
○委員長(亀長友義君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として鈴木和美君が選任されました。 —————————————
○委員長(亀長友義君) 引き続き質疑を行います。
○伊藤郁男君 地方の財源不足の問題はもう自治省の方が正確につかんでおられると思いますし、地方の状況というものはまさに一銭でも欲しいと、こういう現状ではないかと思うわけですね。だから、特に赤字の地方債返還のために要する償還費というものが地方財政運用上非常な障害になっておる、これももう実情は十分に御承知のところと思うわけですね。だから、いまお話がございましたけれども、そのほかの方法として、これも財政局長、もう検討されたと、こういうように答弁されておるわけですけれども、地方債の借金の返済に充てるための減債基金費という、こういう単位費用を新たに設けて、そして普通交付税として交付すれば、地方財政の健全化に十分役立つと、こういうように考えておるわけでありますが、これも見送った。この点について、将来に向かって前向きに、今後ほどのようにこういう問題について考えていかれるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(矢野浩一郎君) 今回の補正による交付税の増をそういった積立金、減債基金とかあるいは財政調整のための積立金といったようなものの財源として先に地方団体に配分をし、地方団体の手によって年度間の財源調整を行わせるべきではないのかと。確かに、おっしゃるとおり原則といたしまして、通常の健全な財政状態の場合であるならばそういった形でやることが普通であると考えられるわけでございますが、今回の場合には、いまの地方財政の状況にかんがみまして、あえて大部分を繰り越しをする方が適切であるという考え方でやったわけでございます。 ちなみに、地方債の現在高が五十五年度末において二十九兆、五十六年度末におきましては三十二兆弱というきわめて巨額なものに達しておりますので、私どもの方といたしましては、地方団体においてそういった減債のための基金あるいは将来の財政変動に備えての基金というものをできるだけ積み立てを行うように、税の自然増等がこの二年ほど、御承知のようにある程度ございました。そういったものに対応してできるだけ積み立てを行うように指導しておるところでございますけれども、五十四年度末におきまして、県、市町村合わせまして、財政調整基金あるいは減債基金両方合わせますとすでに一兆数千億の額に達する積立金を行っておりまして、地方団体側もそのことを十分考えて財政運営をしておるところでございまして、私どもとしては、もちろんおっしゃるように、非常に重要な将来の公債負担の問題でございますので、地方団体がそのように心がけてやっていただくということを強く期待し、また指導もしておるところでございますが、今回あえて減債基金等の財源に充てなかった理由は、先ほど来るる申し上げたとおりでございますので、御了解を賜りたいと存じます。
○伊藤郁男君 それでは次に、二百四十四億円の豪雪対策費の問題について関連をいたしましてお伺いをしておきたいと思うんです。 今回の豪雪によりまして、地方公共団体は大変な除雪の費用をかけているわけです。まあ恐らく普通の年の二倍か三倍。きのうも災害対策特別委員会が開かれまして、さまざまこの問題について議論をされているわけでございますけれども、今回の補正予算が閣議決定されたのは十二月二十二日ですね。先ほどの御答弁によりますと、気象庁の長期予報によって、ことしは大変な雪が降りそうだということを想定をしてこの二百四十四億円を決めたと言われるわけでありますが、しかし、豪雪が始まったのは本当はこの閣議決定以後ですね。十二月の下旬から一月の初旬、中旬なんですね。そして豪雪対策本部が政府に設置されたのが一月九日と、こうなっておるわけですね。 先ほど来から何回も御答弁をいただいて、今回のようなこれだけの豪雪ですね、大体これで賄えるんだと、こういうお話でありますけれども、私はどう考えても今回のこのような豪雪というものを予想をして組まれた金額ではないと、こういうように私は判断をするわけでありますが、二百四十四億円でおおむね対応できると、こういうように御答弁がありましたが、その根拠をもう少し納得のできるようにお話をいただきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) いろいろ申し上げたわけでございますが、特別交付税そのものは本来は交付税総額の六%という枠がございまして、通常その中で措置をするというのが例でございます。ただ、五十五年度の特別交付税総額が前年度に比べて五%増ということできわめて伸び率が低かった、そこへ異常な冷害というものが起こってまいりましたので、従来どおりのやり方、すなわちその枠内で処理するということが非常に窮屈であろうと。それに加えて、私どもとしてはその年における特別交付税がどういう形で配分することになるのか、いろいろと検討しているわけでございます。 一例を先ほども申し上げましたが、たとえば現年災は昨年に比べて百億ぐらい減ってまいります、その分はやや余裕が出るとか、いろんな要素を積み上げて計算します際に、おっしゃるとおり、あの時期において、雪が今回のように降るということはそんなに正確に推計できるはずはございません。だから、私どもとしても、どの程度ということを細かく積み上げて対応できたということはこれはもう言い得ないわけでございます。ただ、五十一年度のときの豪雪についてとった措置とかどうとかと、いろいろな数字を並べてみまして、どの程度あったら何とか対応できるだろうかと、乏しい財源の中で最小限どの程度持っておれば対応できるかということをいろいろ検討したわけでございます。 その結果、私どもとしては五十四年度の伸び九・三%を超える一〇%台に乗れば何とか対応できるのではないかと思っておりました。その一つの根拠には、普通交付税においてももちろん毎年除排雪経費について充実を図っておるわけでございまして、最近では毎年一〇%以上ずつ除排雪経費も伸ばしております。五十五年度は六百六十二億あるわけでございます。そういったことがあり、かつ交付税を一〇%伸ばす、そして五十四年度に比べて減る要素もある、いろいろなことを勘案しながら、その他の財政需要の動向を勘案して、これで大体対応できるのではないかと思っておるわけでございます。 ただ、市町村によりましては、非常に異常に豪雪が集中したといったようなこともございまして、通常の特別交付税のやり方で、そこだけに集中してやるということになりますと非常に問題の出ることもございます。そういったこともございましたので、私どもとしてはこういう際は国においても、五十一年の例にならって、さらに予備費等を支出することによって対応してもらいたい、それが共通財源である特別交付税の使い方が非常に楽になるということで、そういうことも含めていろいろ検討をしていただいた、そこで、普通交付税とある程度枠をとった特別交付税と国の措置と、大体こういうことを見まして、もちろん私どもが胸を張って言うほどそんなに潤沢であると言えるかどうかは疑問でございますけれども、私どもとしてはこの厳しい財政状況のもとでは何とか対応し得る状況になったというふうに考えておるということを申し上げておるわけでございます。
○伊藤郁男君 結局は、こういうような大変な豪雪というものは、当初考えていた以上のものになって、そして最終的には予備費を当てにしているというように私は答弁からお伺いできる。きのうも災害対策特別委員会で国土庁長官は、この特交ではとても足りるものではないと、だから何とかしてひとつ予備費から回してもらうんだと、これが閣議決定として、閣議でそういうように決まっているんだと。しかし、いまの時点ではどの程度の災害になっておるのか、雪が全部解けてみないと山林被害その値もわかりませんから全貌はつかみ切れませんが、しかし、全貌をつかみ切った場合には、とても足りないから、大蔵省との間には予備費を出してもらうことになっているんだと、こういうようにはっきりと御答弁をされているわけです。 自治大臣、そのような私の認識でよろしゅうございますか。あるいは大蔵当局おりましたら、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(安孫子藤吉君) やっぱり特交の問題と同時に、異常な雪害でございまするし、五十二年の例もございまするから、どうしてもこの際予備費支出をしてもらわにゃいかぬということを私の方からも大蔵省には申し入れをしておるわけでございます。
○伊藤郁男君 今度の豪雪は、もちろん三八豪雪をしのぎ、かつ五一の豪雪をしのぐということで、大変な雪だったと思います。それと同時に、三八でも五一でも一月から二月にかけて。今度の場合は十二月からずっと一月上、中旬にかけて。時期がそれだけ早まった、そういうことがまた大変な被害をもたらしていると思うわけです。 そして、私がお伺いをしたいのは、国道、県道の除雪費、これについてはそれなりの補助がある。しかし、問題は市町村道ですね。市町村の幹線というんですか、この除雪というものが大変なものなんですね、これは生活道路でもありますし。そういうことで、この市町村道の除雪費につきましては一体どのような考え方で臨もうとしておるのか。国土庁としては、結局五一豪雪の例にならって補助をしてもらうんだと、こういうことで、すでにどの程度の積雪があったかということを各市町村の報告も求めるように動き始めたというように私は聞いておるわけでありますが、まあ大蔵省との間で協議して、五十一年度と同様に臨時の特別措置をとると、こういうように言われているわけでありますけれども、そういうような方向が具体的に進んでおるのかどうか、この点をお伺いしておきます。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもの考え方は、先ほど申し上げました、まず、年々増加してきております普通交付税によって対処する。しかし、それを超えて経費がかかるという場合は特別交付税で対応するということでございまして、その特別交付税を大体過去の経験にも照らして、それ以上のものにもたえ得る程度のものとして一応頭には描いておりました。それでおおむね対応できるということは考えておりますが、特定のところへ集中すればするほどほかへの影響ということも出てまいりますので、まあ国庫補助のない市町村道については五十一年度の例にならって、基幹道路的なものだろうと思いますが、国庫補助制度ができることを期待もし、また要請もしておるところでございます。その中身については、私ども直接タッチしておるわけではございませんが、積雪量その他いろいろな要件を考えて検討されておると聞いております。私どもとしてはぜひそれが実現できるように強く要請をしておるという段階でございます。
○伊藤郁男君 そういう方向が実現をされるようでして、強く期待をしておきたいと思うんです。 最後になりますけれども、これはもう大臣にお伺いをしておきたいと思うんです。 私はきのうの災害対策特別委員会におきましても、大臣も雪国ですから御承知のところだと思うんですが、雪国における目に見えない精神的な苦しみ、不安、これは大変なものがある。私も現地調査をいたしまして、かつては新潟県では全国一の自殺者が出ていたところだと、こういうわけですね。福井や富山ではもう結核患者が一番多かったと、こういう話を聞いて私も目を開かれたわけですが、要するに長い間ああいうような冬の雪の中に閉じこもって闘っている、毎日毎日雪と闘っているこの精神的な苦しみというものは本当に大変なものだと思います。雪国に住んでみなければわからない苦しみだと思うんですね。そういう苦しみをやはり国の政策として除去していく、そして、雪国が背負っている雪国でない地域との格差、これを是正をしていくということが大変なこれからの問題ではないかと私は考えているわけでございます。 それぞれの雪国におきましては、雪に強い都市づくりということで、知事さんを初めとして真剣に御努力をされている姿を私は拝見をしたわけですが、それだけではとにかく不十分であることは園違いありません。雪に対する総合的な研究、そういうものを充実させるとか、すべての者が一体になって、やはり雪に強い都市づくり、そして明るい豊かなやはり都市をつくって、雪国でない地域との間の格差を本当に縮めていく、こういう努力が必要だと思いますし、そういう方向で、雪に強い都市づくりのために大臣としてはどのようなお考えを、私見で結構でございますが、お話しをいただきまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私も雪国の者でございまするから、雪国の苦しみというものは身をもって体験をいたしているのでございます。そして、雪の降らない地域とのあらゆる面における格差、精神的な影響、これは非常に大きなものがあると思っております。それはなかなか経済的に測定はできないと思いますけれども、非常にハンディキャップを背負っておるものだと思っております。 雪国の人間はそういう環境になれておるから、まずまずがまんをしてきたわけでございまするけれども、いまやそういうわけにはいかない。したがって、特に最近におきましては、交通確保の問題として車が発達してまいりましたから、この除雪などということはかっては余り考えられなかったことでございまするが、それは除雪、排雪に至るまでの膨大な資金を必要とする。家屋の構造にいたしましても、普通の地域の構造とはまた違う頑強なものにしなければならない。雪おろしの費用にしても、御承知のとおりに、ことしは一万円を超えるというふうな状況。そういうようなあらゆる面を考えますと、やはり税制の面でよほど考えてもらわにゃいかぬのじゃないかと、こう考えております。 税制の面では今度雑損控除等においてある程度の前進を見たわけでございまするけれども、これはまだまだ足りないわけでございます。これからもさらに雪国に対するところの税制の問題を考えてもらうこと。それから、除排雪に関する施設の整備をやってまいること。それから雪国におきましてはやはり企業が来ないんでございますね。定住構想というものがありますけれども、雪国の場合にはどうも、雪が降るところにはおれたちは行かぬというような、そうした考え方が産業界に支配的でございます。しかし、世界の文明国を見ますと、雪国地帯に相当の企業が張りついておるわけでございまするが、日本だけは非常にこの点を忌避するような気風がございます。この辺に対するところのPR、それから、それに対応するところのいろいろな諸措置を講ずるということによって、雪国におきましても、明るく、定住し得るような環境づくりというものを総力を挙げてやっていかなければならぬだろうと、かように考えておるわけでございます。 この点については総合的な施策を必要とするわけでございまするが、ひとつ皆様方におかれましても、この点は十分御認識の上のことだと存じまするが、一層の御配慮をお願いしたいものだと考えておる次第でございます。
○委員長(亀長友義君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和五十五年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会 —————・—————