大蔵委員会 第24号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/05/26
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十二日、片岡勝治君、瀬谷英行君及び梶原清君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君、和田静夫君及び野呂田芳成君が、また、昨二十五日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 租税及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行理事三重野康君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 まず、銀行法が通りましてから銀行法に関連する問題について質問するのもどうかと思いますが、御見解を承りたいと思います。 先般、「財界展望」という雑誌が私の手元に来まして、その中を読んでおりましたら次のようなことが書いてあるんですが、大蔵省の見解を承りたいと思うんです。つまり、これからの金融市場を見みすと、「総額54〇兆円の個人資産を狙う大蔵省・金融界の”巨いなる企て”「赤字財政」のツケを国民に回すための”図式”はこうだ!」ということで、まず一番最初に「財政の大幅な赤字」、その次に「国債の大量発行」、そして「その利払い・償還の圧迫」、その次に「増税・行政機構の整理」、そして「グリーン・カード制の実施」、そして「銀行離れ・郵貯・証券へのシフト」、そして「企業の資金調達の変化」、最後に「金利の自由化と国際化」、こういう図式で、これから間接金融時代から直接金融時代への移行である。それは銀行から証券、または預金よりも株や債券を選べる時代が到来した、こういうふうに「財界展望」で述べているんですが、こういうような流れについて大蔵省としてどういう見解をお持ちなのかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはいろいろな見方をする人がありまして、風が吹いたらおけ屋がもうかるというほど極端ではないけれども、何らかの関連性をとらえてそういう論調をなしておるんじゃないかと。その中には、まあそうかなと思うような節もありますが、そんなことにはなるはずがないんだというようなところもあるんじゃないか。私よく読んでおりませんので、それ以上の論評は差し控えさしていただきます。
○鈴木和美君 私もいろんな雑誌などで勉強さしてもらっている限りにおいては、銀行と証券界の大変な争いが出ているわけですが、その争いのやっぱり根本的なものをずっと掘り下げてみると、これからの金融財政一般に大変な私は混乱がくるんじゃないのかなという心配をまずしているんです。 それは国債の七十兆円という規模に匹敵するのは郵便貯金残高六十兆円、都銀預金残高八十四兆円、株式時価総額が八十兆円、こういう巨大な存在が、六十年の国債償還期に合わせて金融市場は近い将来大混乱を起こすんじゃないか、こういう見方をしているようであります。つまり、三三五五という四十九年十月九日のダウ式平均株価以降ほぼ一本調子に上昇を続けている相場に変化がくるんじゃないか。つまり、いままでは国債赤字にしても、すべて国債で賄ってきたけれども、償還期に入る、また国債をそれぞれ減額せにゃいかぬというようなことになると、大きな金融のつまりシフトが行われて、証券界及び金融界に大きな混乱が出てくるんじゃないかというような見方をしているんですが、その経済的な見通しはどういうことになりましょうか。
○政府委員(吉本宏君) 株価に関連しての御質問でございますので、私からお答えをさせていただきます。 国債の償還、借りかえに伴って資金の流れがどうなるかということでございますけれども、償還を受けた旧債の保有者がその資金をどのように運用するかというのが一つ問題がございます。それから、新たに発行される借換債の消化先がどうなるかということが一つ問題でございます。まあ借りかえという以上は新たな資金の需要と、新たな資金の必要というのはないわけでありまして、要するに償還されたものが借りかえに直ちに乗り移るか、あるいは別途金融資産に投資されるか、それぞれの事情によって資金の流れに変化が起こることは事実でございます。ただ、私どもとして、この資金の流れの変化が直ちに株価の暴落につながる、株価の下落につながるというふうには考えておらないということでございます。
○鈴木和美君 後ほどまた株の問題はお尋ねしますが、この雑誌を見ておって、そういう分析の中に特に私の目を引いたことは、一般会計の長期国債が戦後初めて発行された昭和四十年は発行額が千九百七十二億円で、依存率が五・二%にすぎなかったものが、今日、逐年増加して、四十八年のオイルショック以降、歳入補てんのための赤字国債を発行することは財政法によって禁じられているにもかかわらず、特例法を通すことで法律の方を細工して、五十年三月末には十兆五千億円となり、その後六年間で七倍にもふくれ上がってしまった。非常にいま特例法のことに対して痛烈な批判をしているわけですね。 そこでお尋ねしたいんですが、特例法を設けて赤字国債を発行したその責任というか、今日それが大きな原因になって混乱を招いているわけですが、そういう責任というのはどういうふうに考えたらいいんだろうか。 それからもう一つは、これは大蔵大臣にどうしても尋ねておきたいんですが、私は、歳入欠陥、五十七年度歳入の問題を考えるときに、行革とかグリーンカードとか国債とか、いろんな方法をとられましょう。しかし、本当に増税とか徴税強化というようなことは考えなくて本当にするんですか。私、非常に不安を持っているんですよ。それで、行政改革という言葉も行財政改革というように言葉が変わってきていますね。そういう面から見ると、私はいま行革の問題が大変華やかに議題にはなっているんだけれども、五十七年度予算というものを考えたときに、本当に大蔵大臣としてその路線だけで、一本でいいのかということを私は実は心配しているんですよ。そういう見解についてお尋ねをしたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政の問題は、一つは何といっても歳入の確保の問題が重要な問題でありまして、これはそのときの経済事情、景気の動向に大きく左右されます。まあ世界じゅう、現在は大部分の国が先進国はマイナス成長、または一とか二とかいう非常に低成長が見通されておるわけでございますが、まあことしの秋以降、アメリカなどでも後半にはブラス成長に転ずるだろうという見方の人が多いのでありまして、これはもう神様でない限り断定的なことはもちろん言えないわけでございますが、私は、来年は景気は世界的に回復基調に乗ってくるという見通しと期待を持っておるわけです。したがって、そういう点で一抹の心配もないかと言われれば、心配もありますよ。ありますけれども、いまの段階ではまだはっきりした見通しがない。しかし大きく見ると、やはり来年から景気がプラスの方に大きく変わるということになってくると、日本の現在の経済政策の運営をうまくやっていけば、日本もいまよりも落ち込むということは考えられない。したがって、歳入の面についてはおおよそ見通した程度のものは得られるだろう、こう見ております。 問題は、歳出の面でありますが、これはいままでのやり方ですというと大きくふくらんで、あの中期財政見通しに書いてあるように二兆円からの要調整額が必要だということになるわけでございますから、歳入がいまの予定よりもはるかによけいにふえるというふうにもこれも考えられないわけですから、そうすれば要調整額というのは歳出の削減で合わしていく以外には方法がないわけでございます。予定どおり五十九年までに赤字国債からの脱却を図るという大前提が一方にあるわけですので、どういうような方法でその歳出の削減が行われるかということについては、一つは全体的にもう締めつけるということはもちろん一つでございますし、さらにその中でも、このような御時世では政府がお金をたくさん使ってまでやらなくたっていいじゃないかというように思われる点については、これはもうそろそろいろんなものについても御勘弁いただくということにしなければならないし、急スピードで伸びてきているものについても何らかの工夫をして緩やかにするとか、あるいは当然受益者負担の原則というものについてももう一遍見直すとか、いろんな工夫をこらして、それで来年度予算というものは大型増税を念頭になく編成しようという考えを持っておるわけでございます。それが成功するかしないかどいう問題については、一にかかってまず国民の理解、協力、その代表である国会の理解と協力というものが必要だと、そう思っております。
○鈴木和美君 つまりいまの段階では、いろんな心配はあるけれども、決めた方針というものをある程度の時期までは貫いていって、先は先で考えると、そういう御答弁に承ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは経済は生き物ですからね、断定的に決めちゃって、経済事情変わってもそれはもう前に決めたとおりやるということはあり得ないわけですね、やはり経済というのは生き物でございますから。しかし、二ヵ月、三ヵ月の期間でそれはもう生き物だって変える必要はもちろんありませんが、かなり長い期間——半年、一年、二年、その程度の問題については情勢の変化というものを当然織り込んでいく必要がある。ですから、後は役とかいうようなそんな無責任な話じゃないんです。一応いまの方向進みますよと。経済事情が大きく変われば、それは変わった時期にもちろん合わせるわけであって、一応経済事情とあんまり大きな変わりはないと、いまの見通しからはそんな食い違いはないという前提で私はお話をしているわけでございます。したがって、私の言ったようなことでできるんじゃないかと。しかし、経済の事情が変化があれば当然その変化には、長く続く変化であるならばそれに対応した姿勢をとらなきゃならぬ、これは当然のことだと、そう思っております。
○鈴木和美君 いまアメリカの経済のお話があって、それが好転するであろうという見方のようですが、たとえばこんな心配はないんでしょうか。アメリカの金利高騰が日本銀行にも影響をあらわしています。本年三月の第三次公定歩合引き下げ後、順調に下がってきた手形レートが五月下旬ごろから上昇に転じ、金融緩和期にもかかわらず、短期金融市場ではこのところ金利選好感が急速に強まっていると思うんです。心配なのはこのまま短期金利の上昇が続くと、都市銀行などのコスト高要因となって、貸出金利にも影響を私は与えるのじゃないかと思うんです。また、地銀などの短期市場への資金の、つまり出し手側も、企業貸し出しより有利な運用が期待できる短期市場に資本を優先的に回すことも予想されますから、そういう場合、企業向けの貸出金利の上昇要因に私はなると思うんです。 こうした状況を考えてみると、金融緩和にもかかわらず、貸出金利が下がり方が全体に鈍くなっている。結果的には企業在庫調整がほぼ一巡してから回復に向かうと見られていた景気の、つまり足を引っ張っちゃうというようなことが出てきはせぬかなという心配を持つんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもよく議論される問題であって、国際の金融関係の会議などでもこれは話題になる話なんです。アメリカがインフレをとめる方法として、どうしても短期的に現在のような高金利をやらざるを得ないということについては、やむを得ないといってみんながまんしてきたわけですが、これ以上のことをやられたり、長期にそういう政策をやられますと、ほかの国もみんな影響大きいわけですから、これについてはアメリカに対してももう最小限度にしてくれなければ困るという話は出ておるわけです。アメリカの方も、まあともかくそういつまでもやっているわけじゃないと、しばらくの間だからがまんしてくれというふうな、金融界などはそういう意向ですね。 ですから私は、そう長期にやらぬというような、当面の対策ということであるならばまあいたし方ないと、こう思っているわけです。決してそれがいい結果ではない。日本なんかでいまおっしゃったような気配が出ているのは事実でございますから、だからあんまり極端なような問題が起きるときにはそれに即応した手を打たなければならぬ、そういう覚悟はしておるわけでございます。
○鈴木和美君 後ほどまたこれは締めくくりに入れさせていただきますが、さて非常に原則的なことで、別問題ですが、グリーンカード制度の本質的なねらいというのは一体何なのかということを、もう一度お尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(高橋元君) 昭和四十五年に、それまでの利子・配当につきましての源泉分離課税というのをやめまして、たてまえは総合課税ということにいたします、ただし、当分の間、源泉分離を選択することができるということにいたしましてから、昭和五十五年まで現在の制度が続いてまいったわけですが、その際、基本的には利子・配当の総合課税制度というものを、所得税制の改善と申しますか、その目指す目標として達成するためには、どうしても郵便貯金を含めた非課税貯蓄それから課税貯蓄、両方を通じまして本人確認と名寄せが必要である。それが必要なことはよくわかっておるわけですが、どういう、効率的かつ的確にこれを行うかというための方策が伴わなければ総合課税といっても空念仏になる。そういうことで長い間税制調査会でも御検討をいただいた結果、グリーンカード制度というものを五十九年から本格的に実施することによりまして総合課税を実現をする、すなわち、少額貯蓄非課税制度の適正な運用、郵便貯金制度の適正な運用、それから利子・配当所得の公平な総合課税、それらをこの制度によって実施をいたしたい、こういうのがただいまお尋ねの本質的なねらいでございます。
○鈴木和美君 言いかえると、グリーンカード制度は公正課税のためマル優の不正摘発とか、架空名義口座、郵便貯金預け入れ限度額オーバーの厳しい摘発と、五十八年末までごろには郵便局も含めてコンピューターによるオンライン化が始まると言われております。究極的には国民の個人金融取引口座を一口口座制にして所得を完全に捕捉すると。つまり、脱税防止というか徴税というか、そういう方にこのグリーンカード制度というのは主に重点が置かれているんじゃないかというように見られているんですが、その点は間違いですか。
○政府委員(高橋元君) いま鈴木委員からお話しございましたですけれども、グリーンカードによって国税庁がコンピューターを通じまして集中管理いたしますのは、それぞれの方が三百万円、少額国債についてもう一つ三百万円という枠を持っておられるわけですが、その枠をどの金融機関の店舗に幾ら届け出られるか、届け出られた枠の合計が三百万円を超えていないかということを管理するわけでございます。 ただいまのお話の中の後半にございました、その枠の中で現実にいかほどの預金残高を各行が受け入れていくか、非課税貯蓄としてそれを運用してまいるかということは、各金融機関、これは郵便局も含めまして金融機関側がなさる本来の金融業務でございます。で、したがいまして、グリーンカードは、先ほども申し上げたことの繰り返しになりますけれども、郵便貯金を含めた非課税貯蓄というものにつきまして、その制度の適正な運用を図るということにあるわけでございます。 また、わが国の金融慣行として、私は正確には存じませんけれども、しばしば指摘されております仮名または他人名義の預金というものについて、本人確認ということを実施していくことによって預金に対する総合課税の適正な運用を図るということでありまして、ただいまお話しのような摘発によって税収の確保、増収を図っていくということではなくて、その基礎にあります利子・配当所得の公平かつ総合的な実効的な総合課税の実現というふうに御認識いただければ幸いだと思います。
○鈴木和美君 でも局長、それは裏から見るか表から見るかの私は違いじゃないかと思うんですね。仮に、自民党内部でもいまでもやっぱりくすぶっていている、五十九年実施というものに対して反対をなさっている理由というのは、主なる理由はどんなふうに受けとめられていますか。
○政府委員(高橋元君) これは理由と申してもいろいろあるかと思うんでございますが、昨年の法律改正でこの制度が五十九年から実施されるということが決まりました後、金利選好、その他の金利高、金利のピーク感というようなものが働きまして、郵便貯金の定額預金にかなりいわゆる預金のシフトが起こったという現象があったようでございます。したがって、そういう全部が全部グリーンカード制度によるものとは思いませんけれども、そういう現象に即しまして、預金者の混乱が起こらないように大蔵大臣、郵政大臣の間で協議を重ねられ、年末までに、グリーンカード制度の適用という点に関しましては、郵便貯金と民間金融機関の預貯金の間に課税上の取り扱いのでこぼこがないというような保証をいたしたわけであります。その後、民間それから郵貯両方の間のいわゆるシフトという問題は終息をしたというふうに見ております。 で、ただ私どもがいろいろな御意見を確かに承るわけでございますけれども、先ほども申し上げましたようなグリーンカード制度の本質ないしそのやり方というものについて、正しい認識と申しますか正確な認識というものをお持ちになっていない方が、金融についてまたはその利子・配当の受け取りについて、必要以上に不安をお持ちになっておられるというふうにも思いますので、そのあたりにつきましては正確な制度の周知徹底ということにこの上とも努力をしてまいりたいと、こういうふうに存じておる次第でございます。
○鈴木和美君 余り金を持ってない人はそう心配はしてないんですけれども、だからといって多く持っている人が余り心配してないと思うんです。つまり俗称言われている中型の金を持っている人たちが大変心配していることは、私は事実だと思うんです。そういう意味で、所得の完全捕捉のシステムが完成されますと、つまりそこに預金しておってもうまみがないということになれば、勢い国民は別な消費拡大というか、消費傾向というか、そっちの方に私は逃げていくんじゃないかなということは、常識的に考えられるんです。 そこで、巷間言われている金とか外国投資などに方法が選択されていくんじゃないのかなということを私は思うんですが、そういうことに関する、つまり外国投資とか金とかというような巷間言われている問題についての分析というか、見通しというか、それはどんなふうに考えたらいいんでしょう。
○政府委員(高橋元君) しばしば伺いますのは、土地、株、金、また海外ということだと思います。 土地の問題は、これはどうしても公簿によってその所有権の移転ということが把握されますので、金融資産にかえまして土地を取得するという場合には、土地の異動というものは、比較的国税当局に把握されやすいわけであります。御案内のように、四十四年一月以降取得した土地を売ります場合には最低四〇%、一般の総合課税の場合の一割増し、いずれか高い方の税額ということになっておりますから、土地に金融資産からシフトをしていくということは制度の面からしてもなかなかむずかしい問題がある、したがって、私どもは土地への逃避ということがそう簡単に起こるというふうに考えておりません川また、事実起こってもいないようであります。 株式でございますが、これは証券局長から後ほど、もし必要があればお話があろうかと思いますけれども、私ども、五十年以来の個人部門の株式の売買というものを見てまいりますと、過去五年間、ことしの二月ごろまでずうっと年間を通じますと、個人の売り越しになっております。したがって、金融資産を手離して株を取得する、株の個人の持ち高がプラスになっていくという状況ではない、現状はそうだと思っておりますし、仮に株式にシフトするということになりますと、配当はどうしても名義を書きかえて株主名簿の上に出てまいります。したがって、株式の配当につきましても、これまた利子同様に総合課税の対象になる。あわせて株式は、これはもう日常に起こり得ることでございますが、キャピタルロスというものにさらされるわけでございますから、したがって資産選択の基準として預貯金を選ばれるということが元本の確実ということに着目されるのであるならば、容易に預貯金から株式にシフトをするというようなことは簡単に起こってまいるというふうに思えないと考えております。 金の問題でございますけれども、ことしになりましてから、クルーガーランド金貨というのがございまして、これは十分の一オンスで一万何ぼというくらいの金目のものでございますが、非常に売れたわけでございます。去年のボーナスあたりからかなり売れている。そういうことが発端になりまして、個人が金融資産にかえて金を買っているんではないかというような御指摘がしばしばございました。通関の統計を見ましても、金の輸入量はふえてきております。しかしながら、これは五十五年全体の金の輸入の統計を見ましても、それ以前の年に比べてそれほど多くなっているわけではございませんので、たまたま九月以降、当時一オンス七百ドルをつけておりました金がどんどん下がってまいりまして、年を越して五百ドルを切ったわけでございます。それに金価格が下がってまいったということによる需要増、それが国内でのクルーガーランド金貨の価格が下がったということになって、それによる需要増というものが起こってまいったと考えております。総体の量で申しましても、一年間の金の売却の半分が仮に金シフトだと、こういうふうに考えたとしましても、年間の輸入量の半分で、わずか六百億という程度のものでございまして、二十二兆円というようなオーダーでふえてまいります個人貯蓄というものに対して六百億円程度の金へのシフトということは、それほどシフトが起こっているということを論ずる論拠にはならないであろうというふうに考えておるわけでありまして、あわせて申し上げれば、金はさっきも申し上げましたように、大変値段の上がったり下がったりするものでございますから、これも投資対象ということにはなかなかならないというのが実情かと思います。 海外でございますが、海外への預金は改正されました外国為替管理法のもとでも、日銀の個別許可ということになっておりまして、単純な貯蓄目的のための海外預金ということは許可されないという方針であります。外貨証券とか海外の不動産を購入する場合、そういう形で海外へ金融資産からシフトをするんではないかという問題につきましては、これは新しい外為法のもとでも手続が必要でございます。したがって、手続をとることによりまして、為替取引の記録が国内に残るわけでございますから、そういう形で課税から逃がれるということは容易には起こらないというふうに考えております。まあいろいろお考え、ないし世の中の御議論というものは、土地、株、金、海外ということを言われるわけでございますけれども、総じて、私がいま申し上げましたように、それらの金融資産から金融資産以外の実物資産への投機ということを大量にまたは顕著に引き起こし得るものという考え方は全く持っていないわけであります。
○鈴木和美君 いま新銀行法における金の位置づけというのが明確になってないように思うんですが、その点についてちょっとお尋ねしたいと思うんです。 大手都銀のいま金売買の準備が着々と進んでいるように伝わっております。すでにもう金の地金の売買であるとかコインの売買であるとか金証券の発売など、商品の研究が非常に進んでおりまして、新たに金のための業務教育というようなまで、金の業者がいろんなところに出向いて具体的な検討に入っているように私は受け取っているんです。 そこで、金を取り巻いている問題点を見ますと、国内の販売網は金の地金商とかデパートとか装飾店など含めて五百店舗ぐらいあると思っているんですが、買い取りが問題だと思うんですね。それに応じられる店舗というのは、私の調べでは大体百店舗ぐらいしかないように思うんです。そうすると、このような流通網の少なさが、金の輝きとは別に、上がって輝きがあるものですから、まあ悪徳の業者がどうしても巣食う一面というようなことになってしまう危険性もあると思うんです。 そういうような状況を考えて今回の新銀行法を見てみると、金というものが一体どういうふうに大蔵省の通達の中で明文化していくのか、はっきりされてないんじゃないかと思うんです。銀行家が非常にいま注目していますが、たとえば銀行局長通達で出すのか別な課で通達を出すのかによって、金の新銀行法における位置づけというのは大変違ってくると思うんです。いずれ大蔵省が金の取り扱いについての通達を出すことになるんでしょうが、どちらの方で通達を出そうとしているのか、教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(米里恕君) まず新銀行法における金の売買の位置づけでございますが、新銀行法の第十条、「業務の範囲」を規定しておりますが、その二項で、「銀行は、前項各号に掲げる業務」、これはいわゆる本業でございますが、そのほかに、「次に掲げる業務その他の銀行業に付随する業務を営むことができる。」と書いてございまして、債務の保証以下の付随業務の例示を並べてございます。この中に金は明記しておりませんけれども、「次に掲げる業務その他の銀行業に付随する業務」という書き方でございますので、金の売買について必要があればこの付随業務で読めるんだという解釈のもとにこの法律をつくったということに相なっております。 この銀行業の付随業務というのは、時代時代によりまして、客観情勢の変化に従いましてかなり弾力的に考えていかなければならないというように考えておりますので、そういった意味で、新しい銀行法上、金の売買というものは法令的には読めるんだと、こういうふうに考えております。 どちらから、どこから通達を出すかというようなことは、なお現在その内容を検討中でございますので固まっておりませんけれども、御指摘のように銀行が金の売買を行うというような点については、いろいろメリットもあると。たとえば御指摘のございましたいわゆるブラックマーケットを排除するというような観点から見まして、信用力のある銀行が金の売買を行うというようなことは望ましい点があると思いますし、また諸外国でも大体主要国は銀行が金の売買を行っておるというような実績もございます。 一方、デメリットといたしましては、こういった投機性の強い商品というものを、預金を原資としております銀行が取り扱うことが適当かどうかというような問題もございます。 いずれにいたしましても、金のマーケット、取引というものがわが国で全体的にどういう位置づけになるのか。それによって金融機関が参加するのが適当かどうかということは、現在引き続き検討中でございまして、通達その他につきましては、その内容が固まりましてからその形、内容が決まってまいろうかと思います。
○鈴木和美君 いままでのお話から承りますと、結局グリーンカードの問題から発生して国民の五百四十兆に及ぶ個人資産というものがどういうふうに流れていくかということのお尋ねをしたんですが、それほど、どれをとってもそううまみはないというようなお話のように承ったんですよ。 そうしますと、そのままの状態で経済が推移するわけじゃありませんから、持っている国民の方の側から見れば、何か考えなきゃならぬということを考えれば、勢い株だけでは、どんどん買っていけばかえって増資して株のあれが下がるというようなことも考えられるから、どうしても社債とか公共債とかというものに手を伸ばすというか、それを選択するというか、そういう時代に、政治的にも経済的にもまたメカニズム的にもそういうふうにずうっと進んでいくんじゃないのかなというように私は見るんですよ。 したがって、非常にこれからは証券界というものは有利な、経済の主導的役割りを持つように私はなると思うんですよ、と私は証券界のことを見ているんです。ところが、何かいろいろ聞いていると、目くじら立てて、銀行が何始まった、かに始まったというと、その銀行のことについて証券業界が何だか見ている限りにおいては、ヒステリックにやってるみたいな感じを私はとるんですよ。 そこで、もう一度これは銀行局長にお尋ねしますが、銀行が国債の窓販とかディーリングというのに活路を見出したと、そういうふうに言われている。活路を見出したというふうに言われているんですね。それをまた、ある意味では大蔵省の行政指導の面からも応援をしたんじゃないですか。そう私は見ているんですが、なぜ銀行側にそういうようなつまり行政指導というものをしなきゃならなかったのかという背景ですね、それをちょっと聞かせていただけませんか。
○政府委員(米里恕君) 大蔵省が行政指導によって窓販、ディーリングを応援したというようなことはございません。金融界が窓販、ディーリングに積極的であるというような理由は幾つかあろうかと思います。 まず、法律的に見まして御承知のように証券業務、銀行の証券業務というのは本来昭和二年の銀行法におきましても付随業務として読めるんだと。かつ、戦後にできました証券取引法におきましても、一般的な証券業務は禁止されておりますけれども公共債に関してはその禁止規定の除外ということになっておる。したがって、公共債については現在の法嗣上、現在といいますか昭和二年の銀行法、戦後の証取法、あわせて読みましても、銀行としてはできるんだと、こういう考え方を金融界は持っておりますし、また銀行局、私どももそういう解釈をしておったわけでございます。 その解釈は現在でも変わってないわけでございますけれども、そういったような法制面から当然できるものであるから、したがって法律改正に当たってもそれを明記すべきであるというような考え方のほかに、実態的に見まして国民の金融資産運用の多様化というものが非常に進んでおりますので、そういったニーズに金融機関がこたえることが適当でないかというような考え方、あるいは公社債市場の観点から見ても望ましいというような点があるんではないかといったような認識をかねがね持っていたわけでございますが、そういった金融界の考え方が、五十年代に入りましてからの国債の大量発行、あわせまして今回の銀行法の全面改正という機をとらえまして強く主張されるようになったということであろうと思います。
○鈴木和美君 これも銀行局長にお尋ねいたしますが、全国銀行協会の位置づけというのはどういうことになっているんでしょう。つまり証券界の場合は、業者が団体を組織したときには大蔵省に備えつけてある登録原簿とか登録する法体系をとっておりまして、日本証券業協会などは証券取引法のつまり認可法人となっていますね。ところが、銀行の方はいろんなところを見てみましても認可法人というか、免許というか、そういう許可というか、届け出というか、そういうものになっておりませんね、この全国銀行協会というものは。これはなぜなんですか。
○政府委員(米里恕君) 多分にこれは沿革的な理由が強いかと思いますが、古くさかのほってみますと、明治十年に択善会というものができまして、これは当時の第一国立銀行の頭取である渋沢栄一さんが提唱されて任意団体、銀行家の集まりというものができた。この択善会が以後、このときいま申し上げましたようなやや自然発生的な任意団体として生まれたわけですが、その後幾多の変遷を経ましたが、任意団体のままで今日に至っているということでございます。これは任意団体になっておりますのは、多分にそういった何といいますか、金融界における自治的な組織であるというような性格が強いためであろうかと思います。
○鈴木和美君 証券業界の方は、そういう銀行協会の沿革だというかもしれませんけれども、それに対しては特別問題点は感じないんですか、証券局は。
○政府委員(吉本宏君) 全国銀行協会は、ただいま銀行局長がお答えしましたとおり、やはり沿革によって任意団体の体裁をとっていることであろうかと思います。私どもが監督いたしております証券業協会の方は、昭和二十三年の証券取引法によりまして現在登録機関ということになっておりまして、大蔵大臣に登録をすることによってその存在が明確にされてると、こういうことでございまして、ただ実態的にはこれはやはり一つの任意団体でございますので、私どもと十分行政上の打ち合わせその他緊密な連絡をとりながら行政を実施していくと、こういうことにしております。
○鈴木和美君 もう一つ証券局にお尋ねしますが、最近の動向を見てみますと、いろんな雑誌を見てみますと、証券業界の再編成の動きが非常に強まっているというような見出しでいろんな文献が出ているんですが、特に野村系の三社の合併というようなものが報道されているんですが、こういう合併ということをいまの状態で展望し分析すると、どうも寡占化が進むみたいな感じがしてならないんですね。つまり、大手というか大きいところだけが残っちゃって小さな証券業界は結局つぶされちゃうというようなことで、証券業界そのものが非常に寡占化による悪影響が出て混乱に入るんじゃないかというようなことを私は心配しているんですが、この野村系の再編成について証券局としてはどういうふうに分析し、御指導なさっているんですか。
○政府委員(吉本宏君) 今回の野村系三社の合併でございますが、これは特に私どもがこれを誘導するとか、再編を指導するとか、そういうことはいたしておりません。三社がそれぞれの立場で合意に基づいて合併をしようということになったわけであります。 ところで、今回の合併が御指摘のような証券業界の体制、四社の寡占とか、そういうことをしばしば言われているわけでありますが、これに対してどういう影響になるのかという御指摘でございます。私どもとしては、むしろこの三社の合併によって、これは一つ総合証券が誕生するわけでございますが、この総合証券が一つふえると、現在総合証券は四社のほかに準大手とみなされております八社ございます。この十二社が証券業界のかなり重要な部分を担っているわけでありますが、これに一つ新規参入が行われるということになります。特に、今回合併に合意いたしました三社は、それぞれ募集物と申しますか公社債について重点を置いた営業をやっております。そういったことで、三社が合併することによってかなり公社債にウエートを置いた業務を展開するのではないかというふうに思っているわけであります。 そういう意味におきまして、むしろ今後の公社債市場の展開、非常に国債を中心として公社債の売買がふえておるわけでありますが、そういった中で十分に機能を果たし得るんではないかということで積極的に評価しておるというのが私どもの考え方でございます。
○鈴木和美君 もう一つ私が心配している面の、これは銀行局長にお尋ねしますが、今回の銀行法の成立に伴いまして、銀行はその自主性を尊重され、したがって競争原理が強く押し出されてくるわけですね。しかし、競争原理が強く押し出されてくるということになれば、銀行間の格差が生じちゃって、経営上の問題にも大変省影響を私は持ってくるんじゃないかなと思って心配しているんです。そこで、新銀行法の基本理念では、信用秩序の維持それから預金者の保護、公共性の確保というものと銀行経営上の問題との接点をどこに置いているのかということを一つはお尋ねしたいと思うんです。 同時に、銀行は免許業種だから倒産などの心配は余りないと思いますが、経営の安定がなければこれは預金者保護も何にもないわけですね。そこで、競争原理が余り強く働いちゃって弱肉強食になっちゃって、小さな銀行がこれは大変な問題を起こしやせぬかなということを私は心配するんです。逆にそういう面からすると、行政指導というものが一段困難性を増してくるんじゃないのかと私は思うんですわ。そういうことを展望したときに、銀行局として行政指導の観点というものをどこに置いてこれから平均化、平準化、ともに発展するというような方向をおとりになるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(米里恕君) おっしゃるように、金融界は信用秩序を担っておる業界でございますので、そこで余りにレッセ・フェール的な自由競争というものが過度に行われますと、経営基盤の弱い金融機関の経営が非常に困難の度を増すであろうというような問題はあろうかと思います。私どもの考えでおります競争と申しますのは、金融機関は私企業でありますとともに、御指摘のございましたような信用秩序の維持、あるいは預金者保護といったような意味合いでの非常な公共的、社会的責任を持っておるというような業種でございますので、そういった意味合いで公共性、社会性の枠の中で適正な競争原理の導入と申しておりますが、これは量的な競争といいますよりはむしろ質的にそれぞれの金融機関の置かれている社会的な位置、ニーズというものに即した機能を十分発揮できるような質的な競争というものを行っていかなければならない。 したがって、あくまでも健全経営ということは、各種金融機関を通じまして国民経済にきめ細かいサービスを提供いたしますためには大前提でございます。そういった健全経営というものに対しまして、個別に行政指導で健全経営に誤りなきを期するための指導というものは今後とも必要だと思っております。
○鈴木和美君 大臣にお尋ねしますが、今回の銀行法の改正が通ったというこの意味合いなんですが、いまでも私みたいな新人の部屋にも銀行の代表と証券の代表が交互に来るんですよ。それで、それぞれの言い分を言っていくわけですよ。ある面では迷惑なこともあるんですよ。そんなに来てもらってもしょうがないという気もあるんですわ。今度銀行法が通ったんだから、これでもう大体終わったんじゃないのかと言うと、いやそうじゃないと言うんですな。まだこれからやっぱりいろいろあるんだと言うんですね。そういうような状況を、大臣としては、今回の銀行法の改正が通ったということの意味合いを銀行と証券業界とのいろんなそういう、つまり争いとまでは言いませんけれども、どんなふうに認識し、終わったと言うんであれば、大臣がそう言っているんだからと私も言いますけれども、大臣がそうじゃないんだと言うんであればこれはまた別なんですが、認識の統一をするためにも大臣の見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 銀行法が通ってお礼に来たんじゃないですか。私のところへも、両代表が大変ありがとうございましたと言って大蔵省へ参りました。しかし、それ以上の話は両方から何の話もございません。したがって、何で歩いているのか私にはよくわからぬわけでございますが、そう陳情したからといって内容が変わるわけでもないし、法律に定めたとおりであって、その運用については、全体的な社会経済の情勢、国債の消化状況、その他いろいろ諸般の情勢を見た上で判断をしていくつもりでございますので、目下静観をしておるというわけであります。
○鈴木和美君 それじゃ、ちょっと別な問題に移りますが、ディスクロージャーという言葉がよく出るんですが、これも最初に大臣にお尋ねしておきたいんですが、ディスクロージャーを拡充し、それから適切にとか、それをどんどんどんどん預金者の前に出していって銀行の状態というものを知らせるようにするのであれば、国がそれほど立ち入って指導、検査というようなものをやらなくてもいいじゃないかというようなことを言っている人もあるんですよ。しかし、私は非常に、大手銀行、地銀、都銀ならいいんですが、信用金庫、信用組合まで含めたことを考えてみると、大変小さな金庫など、また地域性の強いところなどなどの状況を見ると、これからの経済変動に対応し切れるかどうかというのは一抹の不安を私は持っています。そういう意味では、むしろ行政指導というものをディスクロージャーがあるなしにかかわらず強めなきゃならぬのじゃないのかなというような私は感じなんですが、大臣の見解はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ディスクロージャー制度ができたから銀行を検査しなくたっていいということにならぬと私は思います。やはり何といっても銀行は、預金者の、大衆のお金をたくさん預かっておるわけでございますから、その運用についても非常に社会的な責任があると同時に、銀行の健全性ということも大切なことでございますので、そういう点については常に監督官庁である大蔵省としては責任を持っていかなきゃならぬ。そういう点から、やはり銀行の自発的な営業努力というものは当然のことでございますが、それ以上に必要に応じてはやはり検査もし、いろんなことをして、その確実性、健全性というものについての証拠をちゃんと持っていないと安心できないということでございますから、やはり検査は必要だと、そう思っています。
○鈴木和美君 これは財務当局にお尋ねしますが、そういう意味から見ますと、最近、地方の県にある財務部というものと財務局の問題がいろんな面で議論を呼んでいるわけですわ。しかし、私は、いま申し上げましたように、大臣の見解と私も同じなんです。ただ、やり方として現状のままでいいのか、改革の道があるのか、それは模索する一つのテーマであるかもしれません。しかし、私は、いま現状をもう少し強化したらいいという個人的な意見なんです。 そういう意味から見ると、現在、地方の財務部が所管している仕事の状態を、時間がありませんから、簡単にお聞きしたいんですが、たとえば信用金庫に対してどういう仕事をなさっているのか。証券会社の指導、監督というものはどういうことの仕事をやっているのか。金融機関、証券会社に対する苦情の処理というようなものはどういうふうになさっているのか。それから連鎖倒産防止対策などはどういうふうになさっているのか。災害発生時の緊急対策はどういうふうなことをやっているのか。それから資金運用部資金の融資などについてどういう仕事をやっているのか。同時に、国有財産の処分というような問題についてどういうことをやっているのか。私は、この仕事について、かいつまんででもいいですから、きちっとやっている仕事の認識を統一するためにもぜひ答えていただきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 各般にわたる問題でございますので、それぞれ担当者の方から簡潔に答えさせます。
○政府委員(米里恕君) 財務局、財務部で、まあ基本的には大蔵省の仕事の地方版といいますか、地元に非常に密着した業務が必要だという現地性を重視してやっておるわけでございますが、具体的に申しますと、まず金融機関につきましては、地元の金融機関の指導、監督、検査ということになるわけでございますが、主として信用金庫につきまして地元の財務部できめ細かく行政指導をする。まあ、検査につきましては財務部、非常に人数か限定されておりますので、財務部だけでやるというようなわけにもなかなかまいらない点がございまして、その実情に応じまして財務局あるいは財務部が適宜、局化よっていろいろ形態の相違はございますが、検査に従事しておるというようなことでございます。 それから、いろいろ御指摘のございました倒産防止の問題であるとかあるいは災害対策の問題であるとかいうような面での、金融面からくる現地の実情把握及び地元の信用金庫を中心とする金融機関の指導といったようなことも財務部でやっております。当初申し上げましたように、全体といたしまして現地性の非常に強いというようなものについては、やはりその現地の財務部におきまして実情に即したきめ細かな指導、ことに地方の金融機関、非常に小規模で経営基盤の問題もございますので、そういった経営の実態を常時把握しておくという必要性がございますので、そういった意味で財務部が金融行政の一部を担当しておるという状況でございます。
○鈴木和美君 最後ですが、いま銀行局長からお話を承りますと、現地において現地の経済状態に密着したきめの細かい指導というものをやらなきゃならぬというように考えるというお答えだったと思うんです。私も賛成です。 そこで、大臣にお尋ねしますが、国有財産業務などは地方公共団体にもう委任したらいいじゃないかとか、それから金融業務は財務局一本で取り扱ったらいいじゃないかとか、融資業務を財務局で取り扱ったらいいじゃないかというような御意見などもいま出ているんですけれども、銀行局長の答弁との関連で大臣の決意と最後の御意見を拝聴して、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろな御意見があろうかと思います。そういうような御意見には私は謙虚に耳は傾けるつもりでございます。しかしながら、現実的でないものは、それはお断りをしなきゃならぬ。したがって、そういうような御意見が出る前に私が物を言うことはいかがかというので、この際は差し控えさしていただきます。
○和田静夫君 二十一日の銀行法関連諸法案の続きとして、若干の質問をいたすわけであります。 まず冒頭に、けさ報道をちょっと見てあれですが、東京信用金庫について、私はこれまでしばしばこの席上で問題提起をしてまいりました。浅野会長のインターナショナル・リベート事件についても、その疑惑が依然として解かれていないことは先たっても指摘をいたしました。第一に、浅野さん側の説明というのは後からどうも創作したつじつま合わせにすぎないのではないだろうか。第二に、三越側が発行した領収書と称されるものは便せんに品物、金額、担当者名を書いただけのものであって収入印紙も張ってない、そういう意味ではずさんきわまりないものであること。したがって、ピンクダイヤの六千万円にしても明確な根拠のない数字なのではなかろうか。この数字に対しても大変疑問が持たれること。第三に、架空名義の預金についても、総額九千二百万円ではなくてもっと多い金額の預金があること。五十一年の段階で七千七百万円以上の架空名義預金があったとの訴えもあること。で、この事実はインターナショナル・リベート事件以外の事件の可能性を含んでいるのではなかろうかなどということ、などなどであったわけであります。 現在、東京信用金庫の良識ある職員は、浅野会長を告訴をして、また会員は三十日に予定をされる総代会にこの問題の決着をつける方針であるというふうに仄聞をいたします。大蔵省の指導をまたずに金庫の内部努力によって問題が解決に向かっているということは、ある一面では非常に喜ばしいことでありましょうが、翻って行政の対応のおくれというものはやはり感ぜざるを得ません。銀行局としてもぜひ事態の推移を重大な関心を持って見守っていくべきだというふうに考えるのですが、この機会に局長の御見解を承っておきます。
○政府委員(米里恕君) 和田先生たびたび御指摘のございました、東京信用金庫に係りますいろいろな疑問点と申しますか問題点と申しますか、御指摘がございまして、私どももできる範囲内でいろいろ調査をしてまいったわけでございます。 金庫から、特に新宿支店のビルの問題につきましてはかなり詳細な報告を受けましたが、その報告をいろいろチェックしてみますと、なかなかその説明を裏づける客観的な資料に乏しいというような点もございまして、私どもが見ましてもいろいろな疑問点がこの報告にございますので、そこをまた、いろいろ疑問点を分割いたしまして、客観性を持つような説明または証憑といったようなものの提出を求めておるわけでございますけれども、必ずしも十分なものが出てまいらないというようなことで時日を経過しておったわけでございます。 なお、この問題については引き続き今後ともに調査してまいりますけれども、何分がなり過去のことでもございますので、客観的にどうだと断定するのはなかなかむずかしいというような状態が続いているわけでございます。 東京信用金庫の今回の役員人事の問題につきましては、これは、役員人事自体はあくまでも会員制をとっております信用金庫の内部の問題でございまして、最終的に金庫の意思で自主的に決められるべき問題だというふうに思っております。ただ、私どもとしては余りこれが信用機関としていやしくも預金者、取引者に迷惑をかけるようなごたつきにならないように解決してもらいたいということで、いま重大な関心を持って見守っておるという状態でございます。
○和田静夫君 金利の自由化の問題でありますが、これは二元化とはどういう関係を持つのでしょうか。 先日の委員会でも若干のやりとりをやらせていただきましたが、少し抽象論で恐縮ですけれども、私はアマチュアなりにこういうふうに考えているわけであります。金利を自由化した場合に、いわゆる一物一価の法則が成り立つと、こうよく言われるわけであります。確かに理論的にといいますか、原理論的にはそういうことが言えると思うのですが、そうであるとすれば、金利の自由化というのは一つの原則、この場合、価値に対して一元化されるということが言えるわけです。しかし、今日の寡占体制のもとで金利自由化が二元化になり得るだろうかということはきわめて何か疑わしいような気がするんです。今日の寡占体制のもとでは純粋な経済理論では解き明かせない多くの問題があるでしょう。この点、当局はいかがお考えですか。
○政府委員(米里恕君) 金利の自由化の一元化の問題でございますが、先日も答弁させていただきましたように、私どもは金利の自由化というのは個別の判断主体がそれぞれ勝手に決めるということではなくて、市場の需給実勢に従って金利が決まってくる。その決まった金利に応じて、まあ多少のぱらつきはあるかもしれませんが、それを中心として各判断主体が金利を決めていくということで、恣意的にばらばらに決めるということではないというふうに考えております。 私どもが二元化と申しておりますのは、金利の決定方式が現在民間の預貯金金利とそれから郵政省の郵便貯金との決め方が二元化しておる、そのためにいま経済政策として非常に大きな役割りを演じております金融政策の金利機能の活用といったような面でとかく後手になったり、あるいはまた金利の移動幅に影響が出たりするようなことになりがちであるというような仕組みについて、これを一本化することによって景気情勢によって金融政策を機動的、弾力的に動かせるようにすべきではないか、こういう考え方でございまして、その場合に金利が自由化されるかどうかということとは直に結びつかない問題ではないかという別の問題として考えております。
○和田静夫君 先日も論議をしたんですが、金利の自由化の一番のネックは預貯金金利だと言われているわけですね。先日、私の質問には、たしか小口預金に対する社会保障的保護が必要であるといった概括的な答弁をいただきましたが、これはマル優との関係が問題となると思うんですね。で、マル優の額も当面はいじらないということでありますが、社会保障的な観点からの小口預金者保護の基準としてはマル優を考えてもいいのでしょうか。つまり、マル優預金については政策的金利、保護的な金利政策を採用するというぐあいにこれは理解しておいてよろしいわけですかね。
○政府委員(米里恕君) 私は、マル優預金というのは少額貯蓄を優遇するという考え方から出たというようなことだと思います。 金利を考えます場合に、金利自体の役割りというのは、やはりあくまでも金融政策、経済政策というものにおいて金利の果たす役割りによりまして、あるいは経済の維持、拡大を図る、あるいは加熱した経済の抑制を図るということのためには、金利を弾力的に動かすということが最も重要であるというようなことからまいっていると思いますし、また少額貯蓄、どの辺で線を引くか、切るかという問題もございますが、現在ではかなり預貯金も少額のものが多くなっておるというような状態にございますので、そういったような意味合いでは、金利政策自体に少額預貯金の保護というものを同時に織り込んでいくのは、なかなか経済政策から見てむずかしい面があるんではないかというように考えております。
○和田静夫君 これも今後の話ですけれども、金利の自由化が進んだ場合に、窓口規制の必要性というのはどうなるんでしょうか。金利の自由化が進んだら窓口規制は要らないんじゃないかと言われる説もあるわけですがね。これは日銀の問題でありましょうけれども、銀行局の立場としてはどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(米里恕君) 経済の国際化、金融の国際化ということもございますし、あるいはまた三十年代に行っておりましたような都市銀行中心の金融政策というものが、四十年代に入ってからかなり変わらざるを得なくなっておると。全般的な市場金利というものの景気に対する影響というものを重視せざるを得ないというようなもろもろのことから、トレンドとしましては、金利政策というものが量的な金融政策よりは非常に重要視されてまいっておるというような時代だと思います。 日銀の窓口指導は、私は現在の金利政策の量的な補完措置として行われているというように考えておりますので、今後の金利政策活用の客観情勢、効果その他と窓口指導のあり方というものはそれぞれ関連があるというふうに考えております。
○和田静夫君 金利決定について郵貯の問題が絡んできて、郵貯の金利と民間の預金金利との間の問題がやかましく議論をされているわけですけれど竜、この六月二日号のエコノミストを読んでみますと、大石教授、「かりにコスト割れで郵便貯金の金利が設定されていたとしても一向におかしくない」というかなり有力な意見を吐いていますね、この点いかがでしょうか。さっきの社会保障的な観点からの預金者保護という立場からの意見であるわけですね、これは。
○政府委員(米里恕君) 経済政策を有効ならしめるためには金利機能を活用しなければならない。金利機能の活用という場合に、多分にそれは金利の弾力的変更ということになるわけでございますが、その中で預貯金金利というものは、間接金融が主体になっておりますわが国の金融構造というもののゆえもございまして、非常に金利体系全体で根幹的な位置を占めているわけでございます。 その預貯金の中で、個人預貯金の中で民間のマル優預金及び郵便貯金というものを足してみますと、現在では約七〇%を占めておる。一方、個人預貯金と一般法人預貯金も加えました全体の預金の中で、マル優預金及び郵便貯金を足したものの割合は約半分、五〇%ぐらいになるというようなことから考えまして、もしこの小口預貯金というものについて特殊な取り扱いをするということであれば、それは景気政策に相当の金融政策の有効性の阻害要因になるというようにも考えられます。もちろんその場合に、小口預貯金というのをどういった範囲として概念するかというような問題もあろうかと思いますけれども、なかなか一般的に言って、別の景気政策以外の角度から小口預貯金の金利だけを考える、つまり金利政策に当たって小口預貯金の保護と景気政策という理念の二つのものを同時に考えていくというようなことが、景気政策にどう影響を及ぼすかということは十分検討されなければならないと思います。
○和田静夫君 先日の委員会で、これも金利自由化の際の金利決定はだれが行うのかと伺ったわけでありますが、フォーマルなマーケットがつくられている場合にはその市場で決定をされるというお答え。それから、預金金利の場合には大きいところが決定して、その金利に他が追随する、そういうパターンが予想されるというお答え。個人預貯金の場合には、大きいところというのは郵貯などということになるわけですが、郵貯金利に民間金融機関の預金金利もシフトせざるを得ない、こう考えてよろしいわけでしょうか。少なくとも郵貯金利に大きな影響を受ける現状がそのまま推移すれば、そういうことになると思うんですが、それはそうでよろしいですかね。
○政府委員(米里恕君) 完全な市場のある金利につきましては市場金利が中心になる。市場がない場合に、やはりそれは全体の金利体系の一部をなしているわけですから、市場のある金利との相互の関連というような問題がもちろんあると思いますし、一方資金を受け入れる、預貯金金利であれば、受け入れる側のコストというようなことに対する影響というようなものもあろうかと思います。そういったような意味合いで、市場金利ほど直にはマーケットメカニズムで金利は決定しないと思いますけれども、やはり広い意味でのマーケットメカニズムの一部として預貯金金利も考えられる。ただ、その場合にその預貯金金利をどういう線で具体的に決めていくかということについては、どうしてもプライスリーダーというものがあって、そのプライスリーダーの決定が他にかなり影響するということは事実であろうかと思います。 そこで、郵貯の場合を考えてみますと、これは非常に大きな量というものを預貯金の中で持っているわけでございますけれども、これは非営利を前提とする官業であるというような特性があると。したがいまして、郵貯がもちろん市場金利を勘案してプライスリーダーになるというようなことであれば、それはあり得ると思いますけれども、市場実勢と非営利であるというようなことから、別個の見地で独自の金利を定めるというようなことは、これは金利の自由化ということにかなり反した決定ではないかというように考えます。
○和田静夫君 私は、そもそも官業と民業との間にイコールフッティングなどというものが成り立ちようがないのじゃないだろうかというふうに思っているわけですが、幾ら銀行が社会性、公共性を持つといっても、株式会社である限り利潤の追求を第一義とするわけです。利潤の追求ではなくて、成長だとか企業の安定だとかを目標とするという説もあるようでありますが、成長にしろ安定にしろ、その基盤をなすものは利潤、収益以外にはあり得ない、したがって、利潤追求と政策とはそもそも動機が質的に異なる。その点いかがでしょう。
○政府委員(米里恕君) その場合、おっしゃる場合の政策目的ということになるわけでございますけれども、自由主義経済体制でございますから、官業が民業のなし得る分野に進出していくというようなことは、全体の体制から見ていかがであろうか。やはり金融の面につきましても、民間から広く預貯金を集め、それを民間企業に貸し出すというような民間の金融機関が主体となって、その補完的な役割り、民間金融機関では十分行い得ない分野を官業が担っていくというようなことが本来ではないかというふうに私は考えております。 で、そのイコールフッティングという問題は、ややまた補完とは違う問題でございますけれども、現在の趨勢的なトレンドというものが、郵便貯金が民間の預貯金よりも非常に大幅に伸びておると。その内容はいろいろございますが、その一つに商品性といったようなものもあると。またそういった商品性が、なかなか民岡金融機関としては同じもので競争していくというようなことは、まさに御指摘のような利潤を追求する機関としてむずかしいというようなものであれば、そういった構造的、趨勢的に官業である郵便貯金が伸びていくというような前提条件というものは、再検討する余地があるのではないかというように考えています。
○和田静夫君 いま私が言ったような本質的な差異というものは認めた上で、銀行預金と郵貯との税制上の違い、非課税制度の違いはイコールにしてもよいのではないだろうか。期日指定定期預金では、預け入れの元本方式が取り入れられるそうですから、一つこれは前進したわけでしょうが、そういう政策的配慮は、これは大臣、してもよいのではないだろうかと思うんですが、いかがお考えですか。
○政府委員(高橋元君) 民間の預貯金といまもお話のございます郵便貯金の税制上の非課税措置、これに不統一がありますために金融資産の選択に影響を及ぼすということがあってはならない、これはもうお示しのとおりだと思います。税制はそもそも中立性ということを非常に重んじなきゃなりませんので、所得税制の策定ないしその運用に当たりましては、すべての金融資産が公平な取り扱いがなされなければならないと、私どもはそう思っております。 それで、郵便貯金につきまして、限度管理それから本人確認という点につきましては、昨年のグリーンカードに関連する税法改正及びそれを年末までの大蔵、郵政両省間の折衝で、五十八年以前預入分を含めまして五十九年以降名寄せ、限度管理をグリーンカードによって行うということが両省間で決められました。これは五十九年からそういう体制が確定をいたしておりまして、基本的に両貯蓄制度にわたりまして税制上の取り扱いの不公平はないというふうに考えております。 ただし、今後の問題といたしまして、民間のマル優は多種類、多店舗になっておりますので、一つの金融機関で設定しております枠がたとえば百五十万といたしますと、その枠を超えますと全部課税扱いになってしまう、百五十一万円でも根っこから課税されるということになります。郵便貯金は三百万円でございますから、国を通じまして三百一万円になった場合には、故意または重大な過失で限度超過した場合には一万円だけ課税される、こういう差がございます。その辺のところは今後取り扱いの権衡を失しない方向で改正をしてまいるような検討を進めておるわけでございます。これは五十九年の総合課税移行時までに金融当局とも御相談をして解決をしてまいりたい、かように考えております。
○和田静夫君 私もよくわからないんですが、さらにもう一歩進んで西ドイツのような告知的定期のようなシステムというようなものを考えてみたらどうだという説がありますね。この辺はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(米里恕君) 今度の新型預金、期日指定定期預金と申しておりますが、これは実はおっしゃるような西ドイツの例も参考にいたしまして、告知期間付、すなわち解約方法として解約一ヵ月以上前に満期日を通知する、これが期日指定ということになるわけですが、ということによって、従来の罰則的な解約利率というものを適用されないという意味で、流動性と収益性を兼ね備えた商品であるというように考えております。
○和田静夫君 郵貯戦争における銀行側の主張として、吉国さんも今度の「エコノミスト」にも書いていますけれども、郵貯特会のディスクローズをやってもらいたいという意見がありますね。私は何に限らずディスクローズするのはよいことだ、また時代の趨勢だと思うのですが、これは本当は郵政大臣に聞くのがいいんでしょうけれども、大蔵は一体どういう見解をお持ちなんですか。
○政府委員(吉野良彦君) 具体的には郵便貯金特別会計の中身をディスクロージャーすべきだというようなお話になろうかと存じますが、先生も御承知のように、この郵便貯金の事業でございますが、本来の郵便業務あるいは保険でございますとか年金の事業とあわせまして郵政事業特別会計という形で一体的に運営が行われているわけではありますけれども、同時に郵便なりあるいは貯金なり保険年金なり、これはそれぞれ御承知のように独立採算制を旨として事業運営が行われているわけでございますから、郵便貯金の事業にかかりますコスト、これは郵便貯金特別会計が郵政事業特別会計へ繰り入れるという形で負担をしているわけでございます。 民間の金融機関の方からの一つの御疑問は、この郵便貯金の事業にかかりますコストが、果たして適正に郵便貯金特別会計が負担をしているかどうかというような御疑問に根差す問題意識であろうかとも存じます。またそういった観点から、この郵便貯金特別会計の中身をわかりやすく示すようにすべきであろう、こういう御意見かと存じます。 この問題につきましては、郵便貯金特別会計も当然のことながら特別会計予算の一つになっているわけでございますから、御案内のように予算書と一緒に国会にもお出ししてございます財務諸表、損益計算書でございますとかあるいは貸借対照表でございますとか、そういった形におきまして従来から国会で御審議をいただいているわけでございますから、そういった意味におきましては、郵便貯金特別会計の中身も他のいろいろな特別会計と同様に国会を通じて国民の皆様方にお示しをしていると、こういうふうに考えている次第でございます。
○和田静夫君 中小金融機関について若干お聞きをいたしますが、相銀の商号問題というのは非常に長い間かかったわけですね。そしてたしかこれは徳田銀行局長時代、相銀協会との間では一時はかなり話が決まるところまでいったというふうに伝え聞きました。これが消えたいきさつというのは、何かあったわけでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 中小企業金融専門機関のあり方につきまして、金融制度調査会で普通銀行の議論に引き続きまして一昨年の十月から昨年の十一月までの間いろいろ議論を行ったわけでございます。 で、その際一つのテーマといたしまして、相互銀行業界から相互の二文字を商号から削除してほしいという要望が出ておりましたので、それについても各委員の間でいろいろ議論が行われたわけでございますが、委員の大多数の御意見というものは、やはりその商号の変更、つまり相互銀行が銀行と名のるということによって、実体にどういう影響があるかということがどうも非常に理解しがたい。問題は相互銀行の実体をいかによくしていくかということであって、称号問題ではないんじゃないかと。やはり相互銀行は中小専門機関として誇りを持って中小企業金融に徹していくというようなことが重要なのであって、名前を地方銀行あるいは都市銀行と同じように銀行と変えることによって、何か問題が解決するというようなことではないんではなかろうか。むしろ経営体質の強化、あるいは効率的な業務の遂行、健全化といったようなことについて今後ますます努力すべきである。相互銀行という名称は中小金融機関としていままで取引先にも十分定着してきたことでもあり、相互金融という理念もあるというようなことから、特に相互の二文字をとるべきだという大きなメリットというのは考えられないんではないかというような御意見が多かったわけであります。一部には、またその議論の中で、業界自体が相互銀行の相互という名前じゃなしに、ほかの名前がいいんだということを一致して言われるならば、それも一考の余地はあるかもしれない。たとえば国民銀行とか庶民銀行とか、そういうことにしてもらいたいということなら、それは検討の余地があるのかもしれないけれども、普通銀行と同じ名前を使うというようなことは銀行制度上からもいかがであろうか、こういう意見が非常に強かったわけでございます。 そこで、そういった議論の経緯を見まして、相互銀行業界が自発的にその要望を金融制度調査会の審議の過程において撤回するということになりましたので、この答申の中にはほとんど触れていない、要望事項の中からおろされたというような結果になったわけでございます。
○和田静夫君 私も、相銀問題というのは相互の二字を取ったぐらいで解決するような問題ではないだろうと思っております。むしろ普通銀行に転換するというよりも、信用金庫の大手との同質化が進んできているように思われるわけです。資金量を見ても、業務内容を見てもそういう感じがいたしますが、それはどうですか。
○政府委員(米里恕君) 中小企業金融専門機関の中で相互銀行、信用金庫、信用組合、それぞれ従来からの位置づけがございまして、相互銀行については比較的中小企業の中でも大きな規模ないし中規模の中小企業を取引先の中心とするという専門機関として位置づけられ、信用金庫は主として中規模または小規模の中小企業を対象とするというような形で、相互にオーバーラップしながら重層的に専門機関を制度として置くことによって、各種の非常に多様な中小企業に対してきめ細かいサービスが可能となる、こういったような考え方から、調査会の議論の中でも相互銀行というものを比較的大きな規模ないし中規模の専門機関ということで位置づけるということが確認されたわけでございます。
○和田静夫君 中小企業金融専門機関等のあり方の答申では、各中小企業金融機関についてそれぞれの取引先の対象を大中が相銀、あるいは中小が信金、小、零細は信組と分けて区分しているわけですが、私はこの分類は何かこう理念的に過ぎると思われて仕方がないわけです。こういうような区分が現実的にどれほど意味があるのかといった点にまあ疑いというか、疑問を持たざるを得ません。こういうようにすっきりと分かれているのだったら、何も問題は組こらないはずなんですね。私は、相互銀行をどこへ持っていこうとされているのか、どうもよく理解できないわけです。答申の姿勢というのは、存在するものは合理的であるといった感じですね。中小金融機関に徹するという点からいまお話がありましたが、そういう点からしても現在の相銀の規模は適正なのでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 相銀の適正規模が那辺にあるかということはなかなかむずかしい御質問だと思います。存在するものは合理的であるという考え方は、確かに金融制度を議論する場合に、若干そういう考え方が全般的にあるように思います。現在相互銀行が取引先企業というものを、特に高度成長期に成長力の強い中小企業というものを対象にしてここまで発展してきたわけでございますが、そういった現在の取引層というのは相互銀行制度をどう位置づけようが、あるいはどう決めようが、その取引層というのはしょせん変わるものではない。現に、相互銀行のお得意さんというのは与信、受信両面で確立しているわけでありますから、やはりそれを中心にして金融界における相銀の位置づけというものを考えていかざるを得ないというような考え方でございます。 相互銀行は、ただ先ほど申しましたように、そういった高度成長時代の成長企業を相手にここまで発展してまいりましたので、そういった意味では経済成長パターンが変わりました現在では、金融機関全体が非常に厳しい環境に置かれている中で、一段と厳しい状態にあるその経営基盤あるいは収益基盤について、いろいろ相互銀行自体もこれから健全経営のためにさらに努力しなければなりませんし、また行政面でもそういった意識から、個別の問題とは別にいたしまして、相互銀行業界について補完的にその収益基盤が安定するような措置を講じていかなければならないというふうに考えております。
○和田静夫君 この間参考人の御意見も佐々木さんから承ったんですが、相銀の位置づけとして、今後信用金庫とともに貯蓄銀行化させていくべきだという意見があるわけですね。こういう見解は大蔵当局としては検討に値するとお思いになっていますか。
○政府委員(米里恕君) 検討に値する御意見だと思いますが、貯蓄銀行といった場合に、その与信、受信面をどういう位置づけをするか、また経営面にどういう影響を与えるか、十分経営上現在よりも収益基盤が強化されるようなことになるかどうか、いろいろむずかしい問題があろうかと思います。
○和田静夫君 佐々木参考人もあのとき、これから検討の課題とはなり得るということを述べていらっしゃったんですけれども、具体的な相銀に対する施策として、中小金融公庫の取り次ぎを中小金融機関に限定させてみてはどうだろうという問題ですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(米里恕君) 中小公庫の取り次ぎが中小金融機関だけで十分やっていけるかどうかというような問題がございまして、中小金融機関にかなりのウエートを置いて考えていくというようなことは十分検討に値すると思います。
○和田静夫君 検査のあり方について、この間ちょっと触れましたが、都銀と中小金融機関との間で検査のやり方が余り変わらないという声がありまして、金融機関の方からよくそういうふうに聞こえてくるんですけれども、その辺の工夫を少しされてみたらどうなんだという感じがしますが、いかがですか。
○政府委員(米里恕君) 都銀と中小金融機関、それぞれ態様に応じまして、ことに検査というのは多分に個別の問題でございますので、個別の体質に即した検査のやり方というものを事前準備いたしまして実施しておるわけでございます。しかし、御指摘のいろいろございましたような相互銀行の特異な問題というものも、都銀あたりと違いましてございます。それぞれの業種がそれぞれ独特の問題を抱えておりますので、そういったものを中心にしながら検査の手法というものは、今後ともに十分開発していきたいと思っております。
○和田静夫君 以下、法人税制について少し質問をいたしたいと思います。 三月末の本委員会で若干論議がされましたけれども、主税当局としては結局擬制説をとられるのですか、実在説をとられるわけですか。それとも、この実在説、擬制説という学説上の区分は、今日ではもはや意味をなさないというふうにお考えなわけですか。
○政府委員(高橋元君) この企業課税の中で法人課税につきまして、いわゆる擬制説と実在説というふうに言いならわされております企業段階での課税と、その企業での利益が配分されて個人に配当で参りました際に、個人の配当所得の所得税課税との間の調整という問題でございます。それで、税制調査会でも非常に長い間御審議をいただいてきたわけでありますし、この問題につきましては諸外国の法制を見ましても非常に揺れ動いておるわけであります。かつていわゆる完全調整をしておりました時代に続きまして、第二次大戦の後では、むしろ昭和四十年代の初めごろから二重課税の調整をできるだけしないという税制が外国で行われておった時代もあります。これら日本の歴史をたどりましても、シャウプ税制から後いろいろな変速を経ていることはよく御案内のとおりでございます。いま時間がございませんから繰り返しませんが、いずれにいたしましても諸外国の税制、日本での税制の変化、学説いずれも法人が個人の集合体であるという意味での擬制説、また法人は株主から離れまして、いわゆる資本と経営の分離という形で社会的に実在しているという意味での実在説と、そういう理論的な法人についての考え方というものだけを決め手として税制が仕組まれているわけではないというふうに私どもは考えております。 昨年の十一月の税制調査会の中期答申、それに先立ちます企業課税小委員会での御検討の際にも、そういう法人の性格論からいわば先見的に法人の税の基本的な考え方を導き出すというわけにはいかないんではないか、資本市場のあり方とか企業形態の選択、国際資本交流、それから企業の資金調達、そういった経済全般に及ぼす影響という観点から検討をしていくべきではないか、こういうことであります。配当に対する二重課税の調整を全く行わない課税方式というのが現実にアメリカと、全くと言ったら語弊があります、若干は行うわけですが、余りそこに重きを置かない税制としては、アメリカとオランダに実例があるわけでございますけれども、そういう税制にいまの税制から移っていく場合に、日本でそういういわゆる実在説的な態勢をやりますと、経済に対する中立性を害するということが起こるんではないだろうか。 昭和四十年代の中ごろから後、国際的な動向はいわゆるインピュテーション方式というものを中心として二重課税の調整をやっていくという方向に動いてきております。現在の法人税の負担調整に関する仕組みの骨格というものは、そういう意味で維持していくべきだというふうに考えますが、そういう考え方は、ただいまお尋ねの擬制説または実在説いずれをとるかというところから直接由来しているということは申し上げにくいというふうに思います。
○和田静夫君 局長は三月三十日の本委員会で、「法人の社会的な活動の実態というものを見ますと、法人は株主と別個の独立した主体として経済活動を営んでおりかつ成果を上げている、これはもう事実だと思います。」、「しかしながら、」云々と答えられているんです。「しかしながら、」云々はともかくとしまして、いま私が引用した部分は、どうも何遍も読み返してみましたけれども、実在説的認識であると理解しているわけですが、そうではありませんか。
○政府委員(高橋元君) その法人の活動の社会的実態を見ると、法人は株主と別個の独立した主体として経済活動を営み、成果を上げていることは疑いがない事実だと、しかしながら、同時に法人の経済活動によって得られる所得が配当などの形で株主に帰属されるという側面があり、またこれが法人という企業形態の存立目的であることも否定するわけにはいかない。こういう二面的な性格が法人にあるということが企業課税小委員会の報告の中にございまして、ただいまお示しのような私の前回の御答弁ということになっておるように思います。
○和田静夫君 それで、私が言ったように、実在説ですかというのは、そうはならないわけですか、これは。
○政府委員(高橋元君) そういう二面的な性格を持っております法人につきまして、実在説または擬制説いずれかという形で一方に割り切ってしまうことはむずかしいというのが私どものただいまの考え方であります。
○和田静夫君 税調の企業課税小委員会報告に対して、昨年の九月これは報告されたわけですが、十一月四日号の「エコノミスト」で佐藤進さんが「報告の主たる意図は法人実在説およびここから導き出されている法人独立課税強化論への批判におかれているとみてよい。したがって小委員会の多数意見は、実在説・擬制説の原理的区分を無用としつつ、多分に法人擬制説の立場を重視するものといえよう。」という意見がありますが、主税局長、これはいかがです。
○政府委員(高橋元君) 擬制説か実在説かと、そういう長い間の論争の用語を離れまして、法人の利益に対する課税、すなわち法人税でございます。それと配当所得に対する所得税の課税というものとの間にいわゆる二重課税の調整が何らか必要であると、そういう考え方にこの企業課税小委員会の報告も、昨年の中期答申も、ただいま私がお答え申しております私どもの立場もそうなっておりますから、そういう意味で佐藤教授が言っておられるとしますと、それはやはり完全な意味の実在説というものではない、二重課税の調整をどの程度、どういう方式でやるかということが問題であるという認識であります。
○和田静夫君 結局、実在説、擬制説といっても、それは原理上の問題であって、これを政策として純粋に貫くわけにはいかないわけでしょう。しかし基本的な立脚点というものは私はあるべきであろうと思うんです。一概にいま判定するのは非常にむずかしいわけですけれども、先進諸国の法人税制というのは主として実在説に立脚しているわけですか、それとも擬制説に依拠しているわけですか。
○政府委員(高橋元君) これはちょっといま正確な年代を記憶しておりませんが、昭和三十九年ないし四十二、三年ごろまでフランス、ドイツ、イギリスで法人税制が改められましたときには、個人と法人の間の配当課税についての二重課税の調整ということは行わない形であったわけであります。それはなぜかと申しますと、第二次大戦の後で法人が内部留保を蓄積をして、それによって経済の活気を来していきたい、こういう政策的な考え方がありまして、したがいまして、法人が内部留保に厚い——法人が内部留保する場合に、それに対する税制上の配慮が厚いというような考え方がその基礎にあったかと思います。しかしながら、四十一年フランスが分離方式からインピュテーション方式に移りまして、たしか五十二年であったかと思いますが、ドイツもそういう形に移っていったわけであります。イギリスは四十八年にインピュテーション方式に移っていったわけであります。インピュテーション方式と申しますのは、これはもう申し上げるまでもなく、配当の所得税と利益の、利潤に対する法人税の二重課税の調整を行うという方式でありますから、最近のヨーロッパ、OECDにおきます税制の主流はやはりいまお示しの用語を使えば擬制説的な方向に動いてきておるというふうに申し上げていいと思います。
○和田静夫君 私はいま、古い一九二〇年代からのバーリ・ミーンズが提唱して以来、巨大株式会社が所有と経営が分離してきたということはいわゆる常識となってきていると思うんですね。法人資本主義といってもはや資本家はいなくなったんだという説を唱える人もいるくらいであります。巨大株式会社の内部金融も非常に発達をしてきている。ですから私は、少なくともこの巨大株式会社に対しては十分に、実在説といいますか、もっと正確に言えば法人独立課税説をとるべきだというふうに考えるわけです。この問題に関して、資本の閉鎖性、開放性で区分すべきだという見解、富岡教授のような見解がありますが、こういう考え方というのは局長はどうお考えになっているわけですか。
○政府委員(高橋元君) 巨大資本といまお話ございましたが、公開大法人というものにつきまして、経営と資本が完全に分離しておると、こういう認識に立つならば、法人に利潤について課税をし、法人からもらいます個人の配当について所得税を課税し、その間の調整を行わないということもあり得るわけであります。しかし、もっと徹底して考えてみますと、その場合には、会社つまり法人と一般の株主は別個の存在であって、経営者を含めました意味での法人が独立の経済活動を巨大なスケールで行っておると、こういうことになるわけで、その場合には一般株主に対する配当は社債の利子と全く変わらないと、社会的な性格からしますと変わらないというふうな認識もあり得るわけであります。実在説というものをそういう形で把握いたしますならば、それの行き着きますところは支払い配当損金算入方式ということになろうかと思います。また逆に、ちょっとくどくなって恐縮ですが、擬制説というものも、突き詰めていきますと、それじゃ、留保所得を株主に全部分配をしたものとして全部個人の段階で課税をする、こういう組合課税、パートナーシップ課税方式というものが正しいということになります。 したがって、公開大法人による資本と経営の分離ということだけから、法人の利潤に対しまして個人と全く独立をしたもう一つ別個の課税をやり、それが個人に配当として分配される場合には、法人に対して利潤課税が行われたということと全く関係なく所得税の課税をやるという方式になりそうなのでありますが、実際は、どうも理論の行き着くところはむしろ逆になってしまう。そういう矛盾を持っておるものと思います。そのことは昨年の税調におきます審議の際も主張されました論点でありまして、そういうことから、私が冒頭から申し上げておりますように、実在説、擬制説というような法人の性格論のみから税制の仕組みを考えるのはいかがなものかという考え方になっておるわけであります。
○和田静夫君 性格論はこれくらいにしまして、二、三の問題でお聞きしますが、配当軽課の問題ですが、これの自己資本比率の充実、政策の目的というのはほとんど成果を上げることができなかったという点は竹田委員の質問によって明らかになった、確認をされたと思うんですが、古い資料を引っ張り出してみましたら、七四年七月十六日付の「エコノミスト」で、当時の高木文雄大蔵省事務次官とわが党の木村禧八郎さんが法人税について論争をしているわけです。その中で高木さんはこう言っていらっしゃるわけです。「私は基本的にはあくまで配当軽課反対論者なのです。」、「配当軽課による逆進はなんとか直すべきではないかとぼくは思います。」と。資本階級別のこの法人税負担割合によると、依然として中ふくらみ型になっているわけですけれども、主税局長は、この逆進は配当軽課にもよっているとお考えになりますか。
○政府委員(高橋元君) 資本金百億円以上の法人の実効税負担割合というものを会社標本調査から算出をいたしますと、配当割合が高いために、こういうところは、たとえば鉄鋼でございますとか、電力でございますとか、非常に設備スケールの大きい企業体でありますから、したがって資本金額が大きい、配当の利潤の中に占めます割合も高い。こういうことから、一億円から百億円未満の法人のクラスに比べますと、租税特別措置、それから配当軽課、そういうものを全部入れました場合の総合税負担割合というのは四一・八%に対して四〇%、若干低くなっていることは事実であります。したがって、それをとらえて逆進だと仰せになりますならばそうだと思いますけれども、ただし、これはあくまで配当の二重課税を、配当と法人税との両方につきましての二段階の税負担をどういうふうに調整するか、その方式として、支払い側で配当軽課をやり、受取側で配当税額控除をやる、こういう法人税の基本的な仕組みの組み立て方から来ておることで、それをもって企業の税負担が直ちに逆進的であるという御指摘にはならないだろう、必ずしも当たらないというふうに考えられるんではないかと思います。
○和田静夫君 法人税の転嫁問題についてですが、小委員会報告は「法人税負担の一部が消費者、被傭者等株主以外の者に転嫁されるという可能性は否定できないようである。」としているわけです。どの程度転嫁しているのか、その実証はされていますか。
○政府委員(高橋元君) これはたしか昭和三十八年、一九六三年にアメリカで学説が出まして、それによりますと、法人税は一〇〇%以上転嫁される、したがって法人税によって税引後収益率は改善されている、こういうことが言われたわけであります。学者の名前を申しますとクリザニアックとマスグレーブ、この二人の業績であります。ただし、これは統計的な処理は必ずしも正確でなかったということで、直ちに、一九六七年でございますから昭和四十二年に、反論が出てまいりまして、資本が法人税額のほとんどを負担したことが明らかになる、こういう答えが出たわけであります。そのときの学者はハーバーガー、ミエツコフスキー等々でありますが、この場合には法人税の転嫁はないという答えになったわけでございますけれども、その後、この点につきましていろいろ実証分析が行われておりますが、まだ、どの程度が転嫁されるかということについて、確定的な答えというものはないわけであります。 一番最近の一九七八年のノルトハウスという人の業績を使いますと、短期には製品価格に転嫁されないが、長期にはかなり転嫁される、一・三という転嫁率であるというような答えも出ておりますけれども、日本の場合には、実証分析は一〇〇以上という答えが出たケースもございますけれども、まだ私ども、全体として、経済学説としてどのくらいの転嫁率であるかということについて確定した答えは出ていない、また、転嫁のあり方につきましても学説は必ずしも軌を一にしていない、こういうふうに考えておりますが、いずれにしても、転嫁があり得るだろう、その転嫁は完全ではないだろうということは言えるというのが過般の企業課税小委員会の報告の立場であります。
○和田静夫君 六四年の税調の木下さん、古田さんの調査はかなり高い転嫁率を示しています。古田さんは一〇〇%。それから、私は、これはやっぱりぜひ新たに実証的な検討をされてしかるべきだろうと、こう思うんですよ。いかがです。
○政府委員(高橋元君) 学者の方々の御意見も私ども十分伺いまして、転嫁について実証的な分析をしていくべきだというお示しは、さように思っております。ただし、これは、ただいま若干の外国の学説を御紹介したわけでございますけれども、学説自身が非常にばらばらでございまして、どういう基本的なお立場をおとりになるかによりまして、また、どのくらいの長さのデータをおとりになるかによって、いろいろな答えが出てまいりますので、ここで、主税局としてどのくらいの結論を得たか、それを早急に得るべきだというお示しについては、ちょっと自信がございませんけれども、学者のお知恵を借りまして十分実証分析していきたいと思います。
○和田静夫君 配当の調整問題ですが、小委員会報告では、このインピュテーション方式を評価している。そこで、このインピュテーション方式のメリットというのは何でしょう。
○政府委員(高橋元君) メリットと申しますと、インピュテーション方式と比べられますものは、比較されますものは、支払い配当軽課方式であります。配当税額控除ということでいまやっておるわけでございますが、それと配当軽課とを併用するのが日本の制度ですけれども、これはいずれにしても、支払い段階と受け取り段階と、二回調整しますので、とてもわかりにくくなる。それから、個人の株主の所得が小さい場合には課税の調整割合が小さくなってしまう、こういう問題がありますから、そうなりますと、これを改善するとすれば、配当軽課方式かインピュテーション方式か、いずれかということになるわけであります。その場合には、ただいま申し上げました現行の配当税額控除方式よりは、すべての受取株主の所得の多寡にかかわらず調整割合が均一になるというメリットが第一にあります。 第二に、現行の基本的仕組みよりは簡明であるということが言えると思います。 それからもう一つ、配当軽課よりも——配当軽課でございますと、非課税法人が受け取る配当、外国人株主が受け取る配当につきましても調整が自動的に行われてしまうわけでございますが、調整が行われれば、したがって税収が減少してくるわけでございますが、それらについては、インピュテーション方式でございますと、所得税を払わない人については調整をしないわけでございますから、したがって、そういう税収のロスが少ないということになりますし、外国資本との、または外国課税当局とのいろんな折衝につきましても、政策上のスタンスというものをそれぞれ相互主義によってとることができることになりますので、租税交渉上も有利だと、こういうことがインピュテーション方式についてのメリットでございます。
○和田静夫君 これは大臣、最後でちょっとお聞きしたいんですが、インピュテーション方式によっても不公平はなくならないという批判があって、東大の佐藤教授は、「インピュテーション方式はあくまでも部分調整方式であり、株主優遇措置であり、さらに言うならば、大株主にとって比較的損害の少ない措置と言える。」、これは八〇年十一月四日の「エコノミスト」でそう言っているわけですね。まあ現行制度に比べれば一歩前進だと言えるというふうにわれわれは考えるんですけれども、大臣、いま御答弁にもあったんですが、いずれインピュテーション方式を導入する、それが大蔵省の方針になっていくというふうに踏んでおいていいんですかね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだそこまでは踏むとちょっと危ないんじゃないかと思います。
○政府委員(高橋元君) 大臣のお答えを繰り返すようで恐縮でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、国際的動向はインピュテーション方式の方に向かっておると思いますけれども、これがどの方法に収斂していくのかどうか、もう少し見守らなければならない。それから、額面配当率の維持という配当政策が非常に支配的でございますが、そういう配当に対する支払い側の考え方、それからただいまも学説をお引きになって、大株主に対する優遇措置だというような御見解の御披露がございましたけれども、その点についての一般の御理解というものが十分でない場合、にわかにインピュテーション方式をとるということにつきましては、企業資金の調達なり、それから社会の認識なりという面で無用の混乱をもたらすおそれがあると考えますので、なおしばらく現行方式の骨組みを維持していくことが適当であろうというふうに考えておる次第であります。
○和田静夫君 時間がなくなりましたから、最後に一問だけですが、先月の二十七日に、鈴木総理は、主税局長に企業向けの租税特別措置を徹底的に洗い直すように指示したというふうに報道されていました。これは大臣、具体的にはどういう整理を考えていらっしゃるわけですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は指示されておりませんのでよくわかりませんから、主税局長に……。
○政府委員(高橋元君) 臨時行政調査会で行政改革の基本的調査審議事項の中で決めておられますが、その中で「当面の緊急課題」として「行政の在り方の見直しによる中央・地方における支出削減と収入確保について」、その「収入確保」の中に「租税特別措置の見直し」という項目が入っておるわけでございます。現在臨時行政調査会で御審議が進められておるところでございます。税制の問題でございますから具体的にどう進めていくかということになりますと、第二臨調の御審議も踏まえて税制調査会にお諮りしていくということでございますから、具体的な内容をただいまどういうふうに展開していくか、またその範囲をどうするかというようなことをただいま申し述べられないということについて御理解を願いたいと思います。
○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後零時四十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後零時四十一分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○多田省吾君 私は最初に大蔵大臣にお尋ねいたします。 五十七年度予算の概算要求基準につきまして、その上限、シーリングにつきましては、私は従来増税なき予算ということで伸び率はゼロにするということを聞いておりましたが、本日報道によりますと、大蔵大臣と鈴木総理が会談されまして、防衛と政府開発援助、それから科学技術費、エネルギー対策費、また年金、恩給等は特別に別枠扱いにすると、このように決められた。そしてそれを来月五日の閣議で決定される、このように報道されましたけれども、それは事実でございますか。またその内容をお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう具体的なことはまだ詰めておりません。総理とお会いしたことは事実でございます。ただ、かねてから増税を念頭に置かないで五十七年度予算を編成するということでございますから、そうなりますと来年の経済情勢というようなものがまだはっきりわかっておらない。おらないけれども、ともかく原則伸び率ゼロというようなことで、去年のような何か重要な問題について、しかも非常に抑えることが特にむずかしい、また非常に重要であるというようなものについては配慮をすることもあるかもしれません。しかしまだ決まってはおりません。
○多田省吾君 原則は伸び率ゼロであり。しかしながら、伸ばさなければならないものもある。その中に、先ほど申しました防衛とか政府開発援助とかあるいは科学技術費、また恩給、年金そういうものが入るとお考えになっているのではありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは予算のことを知っている人は想像すればわかる話でございまして、確かに恩給のようなものは総理府関係の予算になっておりますが、年の中途で制度の改善をしたものがございますから、そういうものは、恩給の単価の引き下げというようなことをやれば別でございますが、予算の要求枠の話でございますから、そういうようなものについては何か配慮をしなければならぬかなということをいま相談をしておる最中であって、こういうふうにすると決めているわけではございません。大体、去年の例等から見るといろんなことが想像されるわけでございます。
○多田省吾君 この前の本委員会におきましても、大蔵大臣は、防衛費の一〇%増額を完全に否定されました。また鈴木総理大臣も、今度の予算編成に対しまして聖域はないんだということをおっしゃっていますけれども、どうもいまの大臣の御答弁の感触から見ましても、私は、防衛予算を一〇%までいかなくても前年の六・七一%とかあるいは五%前後とか特別扱いで増額しようというようなお考えがあるやに見受けられるわけでございます。私は、もちろん防衛費といえども他の予算並みにやはり歳出削減ということで聖域扱いはすべきではない、このように私は思いますけれども、絶対に防衛予算を特別扱いにしないと、このように大蔵大臣はここで断言できますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、重要な政策は政策として認めていかなければならない。日本の国が存在している大きな理由の一つ、安全保障というような問題は重要な問題であることは事実でございます。しかし、一つのものだけが突出するというようなことはない、そう考えております。決まり切った金目の中で決めるわけですから、その中でおのずから、もう制度がいいところの水準に達したものもあるし達しないものもあるしということになれば、制度の水準に達していないようなものは達するように努力するということもあり得るわけでございまして、全体のバランスを見ながら最終的には詰めてまいりたい、かように考えております。したがって、防衛費は伸ばさないというようなことも断言できませんし、しかし、防衛費といえどもそれは中身については厳正な査定を行う、聖域扱いは絶対にしない、中身についてはちゃんとした査定をする、そういうことであります。
○多田省吾君 私が聞いていたのは、鈴木総理も今度の予算編成に際しましては全部伸び率扱いゼロにして、最終段階でどうも防衛費等を増額するのではないか。それというのも、日米首脳会談におきまして総理は防衛努力をアメリカに約束してきた、また六月下旬には大村防衛庁長官とアメリカのワインバーガー国防長官が会談をするということで、私は非常に懸念をしていたわけでございます。ところが、最終段階ではなくしてこの五十七年度予算の上限、シーリングの際に、大蔵大臣おっしゃったように一つだけ突出するんじゃなくて、他の政府開発援助とかあるいは年金、恩給なんかと絡めて一緒に防衛予算も増額しようと、こういうお考えがあるように思いますけれども、どうなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは政府の重要なものはきちっと決着をつけなければならない、しかし、額その他についてはまだ決まっていないということであります。
○多田省吾君 じゃ、きょう鈴木総理と話し合われたのは、そのように原則としては伸び率ゼロだけれども、大事なものにつきましては数点特別扱いすることもあると、それを来月の五日に閣議で決めたい、こういうことでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 来月の五日に決めるという話もいたしておりません。やるとすればそういうことが想像されろということだと思っております。
○多田省吾君 この前、本委員会で大蔵大臣は、明確に防衛費の一〇%増額というものを否定されたわけでございますが、私は、やはり防衛費を増額することは福祉、教育等の予算を大幅に削ることにもなりますし、また聖域扱いにすべきではない、このようにも考えるわけでございます。それで、増額するとして、突出しないということでございますが、一〇%増額は完全に否定されたわけでございますから五%程度も増額しない、このようにここで御答弁できますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御答弁できません、決まっておりませんから。
○多田省吾君 昨年度予算におきまして、初めて社会保障費、福祉予算よりも防衛予算が増額されたわけでございます。率において増額されたわけでございます。ですから、もう聖域は通り越したんだということで、この昭和五十七年度の予算編成に際しまして、総理や大蔵大臣は、この防衛予算というものを福祉あるいは教育予算以上に大幅に増額するのではないかと、こういう国民の懸念があるわけでございますが、これは大蔵大臣としてどう考えておりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算編成に当たりましては、国会で御承認をいただかなければなりませんから、国民の理解と協力の得られるような予算をつくるつもりであります。
○多田省吾君 私は最後に、防衛予算といえどもこのシーリングに当たりましても特別扱い、別扱いにするようなことは絶対にないようにと、こういうことを強く大蔵大臣に要求するものでございます。いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御要求として承っておきます。
○多田省吾君 次に、銀行法案は昨日の本会議で、可決、成立したわけでございますが、これは半世紀ぶりの改正でもあり、しかも、国民経済的に見ても重要な役割りを果たす銀行のあり方に関するものでありますので、確認の意味も含めまして政府の見解を若干ただしておきたいと思います。 初めに、銀行法に関しまして何点か伺います。 まず、大口信用供与の問題でございますが、政令で定められる率は普通銀行が二〇%、長銀が三〇%、外為銀行が四〇%のことでございますが、商業手形割引、それから預金、国債担保貸し付け、それから貿易手形を含めると、実質的にはどの程度の率になりますか。
○政府委員(米里恕君) 商業手形割引を除外しました場合の規制比率は、総貸し出しに占めます商業手形割引の割合から計算できます。都市銀行につきましては、いまお話がございましたように、一応政令で二〇%と考えておりますが、いまの商業手形割引を除外した場合の実質規制比率は二五%になります。長信銀につきましては規制比率三〇%が実質三〇・六%になります。外為専門銀行は規制比率四〇%が四六・八%程度になります。なお、その他の預金担保貸し出し、国債担保貸し出し及び輸出代金の保険の中で、質権設定がされているものの貸し出しというものを除外することを考えておりますが、これらは統計はございませんが、かなり小さい金額であると考えられます。
○多田省吾君 大蔵省の「銀行局金融年報」によりますと、業種別大口融資限度超過先数は、昭和五十五年の三月三十一日現在で商社が一つ、電力が八つ、合計九つとなっておりますが、現在もこれと変わりないかどうかお尋ねしたい。
○政府委員(米里恕君) 商社一つ、件数にしても一件、それから電力は八件で一社でございます。
○多田省吾君 今回の法改正に伴う政令案をもとに計算いたしますと、規制限度を超えるものはございますか。
○政府委員(米里恕君) 今度の改正法に根拠を置きまして、大蔵省令で先ほど申しましたような商業手形割引その他を除外したいと考えておりますが、個別のそれぞれ商業手形割引以下の計数というものをまだ把握しておりませんので、実態はいまの段階ではよくわかりません。
○多田省吾君 今回の改正案では、従来の通達よりも限度額は緩和されることになっているわけでございますが、しかも国民経済上特に緊急な事業、それから商業手形の割引、また預金、国債の担保貸し、さらに貿易手形については除外をしているわけです。わざわざこのような除外規定を設けてまで現状追認のような形で緩和しなければならない理由というものはどこにあるのですか。
○政府委員(米里恕君) 大口融資規制は、御承知のとおり四十九年から通達で、行政指導によって行ってまいったわけでございますが、これを今回法律化するに至りました。法律化に際しましては、十分その内容を詰めておくという必要性から、諸外国の例などをいろいろ参考にいたしまして検討しました結果、商業手形割引等の、回収が確実で安全度が非常に高いというようなものにつきましては、当該制度の趣旨から考えて除外すべきであるというようなことから、外したいと考えております。
○多田省吾君 次に、銀行の業務範囲の問題でお尋ねいたします。 いま一番問題になっております、いわゆる公共債の窓口販売の問題でございますが、特にいつから窓販が実現するんだろうかという時期の問題が非常に注目の的になっているわけでございます。これは付随業務といたしまして、大蔵省の認可を受ければすぐ窓口販売ができるようになるわけでございますけれども、認可を受けるための具体的手続はどのようになりますか。 また、認可につきましては諮問委員会、まあ懇談会というようなものを設けまして審議をいただくというように聞いておりますけれども、その辺の事情をお知らせいただきたい。
○政府委員(吉本宏君) 窓販の認可の時期でございますが、今回銀行法並びに証券取引法の一部改正が成立いたしましたので、今後の段取りといたしまして、国債の窓販の認可、特に国民に関心の深い窓販の認可につきまして、懇談会を設けた上で、ここで御検討いただきたいと、このように考えております。 懇談会と申しますのは、言うなれば中立的な公正な立場でこの問題について御判断をいただける方にお願いいたしまして、私どもとしてはまあ三人程度というふうに考えておりますが、この懇談会を開いた上で御意見を承りたい。その上で最終的には大蔵大臣が決定をいたしたいと、かように考えているわけであります。 それでは、その場合にどういうことが検討されるのかということでございますが、やはり私ども常々考えておりますのは、第一に国債管理政策上の問題でございます。国債の安定消化を促進するという立場からこの問題をどう考えるか。 さらに、銀行が新たに公社債市場に参入するということになるわけでございますが、これが一体今後公社債市場にどういう影響を及ぼし、かつ証券会社の営業にどういう影響が及ぶかという問題でございます。 それからさらに、これは銀行局が主として御判断いただくわけでありますが、金融資産の多様化という顧客の一般的なニーズ、こういったものにこたえる銀行経営のあり方の問題、この辺を十分検討いたしまして最終的に窓販の認可の時期について結論を出したいと、このように考えております、
○多田省吾君 この三人委員会の構成メンバーはどなたを予定しているのか。またその委員選定の基準はどうなっておりますか。
○政府委員(吉本宏君) この三人の人選につきましては、まだ最終的に決定をいたしておりません。ただいま申し上げましたように、中立かつ公正な立場でこの問題について御論議をいただける方というふうに考えております。そういうことで、まだ具体的な人選を申し上げる段階にないということで御了承を賜りたいと思います。
○多田省吾君 三人委員会は申請を受けて個別に審査をするのか、それとも基本的な基準について審議をするのか、どちらですか。
○政府委員(吉本宏君) 今回の三人委員会に御議論をいただきます内容は、主として認可の時期をいつにするかという一般的な問題でございます。したがいまして、個々の銀行についての認可をどうするかと、具体的なそういった問題でなしに、一般的に認可の時期について御論議を賜りたいと、かように考えております。
○多田省吾君 諮問機関の三人委員会の意見に基づいて認可をするという御意向のようでございますが、大蔵省としましても当然認可の基準についてそれなりのめどができていると思います。その基準をたとえば業能別でどこまで認めるのか、また資金量についてはどうか、ノーハウについてはどうか、また認可開始を五十八年度からというようなこともいわれておりますけれども、その辺はどうなのかお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉本宏君) 具体的な基準というところまでまだ論議が進んでおりませんが、先ほど申し上げましたように、一般的に認可の時期を決定するに当たって国債の管理政策上の立場とかあるいは公社債市場に及ぼす影響、そういった点について御議論をいただきたいと考えております。 さらに、窓販を実施しました際に、いろいろそれに伴う問題がございます。たとえば窓口販売をやりました際に、はね返りと申しますか、国債を購入した方が換金の必要があってその国債を売ってくると、その場合にどういう価格で買い取ったらいいのか、あるいはそういったはね返り玉の処理に関連いたしましてやはり既発債の売買ということが出てまいります。そういったことで、窓販とあわせて一部ディーリングを認める必要があるかどうかというような問題、こういった点につきまして十分御論議をいただきたいと思っております。 また、金融機関の範囲でございますが、現在の証取法では、特に金融機関について限定を設けておりません。大体私どもが考えられる金融機関は、すべてこの認可の対象になり得るわけでございますけれども、当然それぞれの業法に従ってそういった業務ができるかどうかという規定がございますので、その規定に従って申請をされるわけでございますけれども、やはりこれは銀行法の預金者保護の問題あるいは証券取引法上も、やはり相場商品である国債というものを扱う以上はかなりのリスクがございますので、そういった点をどう考えるかということで、やはり金融機関の対象についても十分検討を加える必要があるんではないかと、かように考えております。
○多田省吾君 いまお答えになられましたように、答申でも競争原理の導入というものが強調されているわけでございます。もしいろいろな基準で認可されるということになりまして、結果的に見まして大規模の銀行だけに限られるということになりますと、銀行間の競争条件の差が生じてしまうことになるわけでございます。そういうことにならないと御答弁できますかどうか。
○政府委員(吉本宏君) ただいま申し上げましたように、国債の窓販あるいはディーリングということになりますとかなりリスクを伴った営業になるわけであります。国債は御承知のとおり金融情勢その他によりましてかなり価格の変動がございます。そういったことで、単に国債を窓口で売るというだけではございませんで、そういった国債の、相場変動商品である国債を売買するということは、やはりかなり営業力がある、言うなれば金融的にもしっかりした金融機関と、こういうことになりますので、あらゆる金融機関をすべて対象として考えるのが妥当であるかどうか。これは銀行行政上の問題もございますし、また私どもの証券取引法に基づく投資者保護の観点もございますので、そういった点を総合的に勘案いたしまして対象金融機関をどうするかということについて検討を加えたらどうだろうかと、かように考えております。
○多田省吾君 窓口販売を認めようとするお考えの底には国債の個人消化を促進したいというねらいがあると思いますけれども、この窓販によって個人消化がどの程度進むと考えておられるのか。また、さきの当委員会でも証券会社側では余り促進されるとは思わないという考えを示されまして、銀行側ではその見解を否定されているわけでございますけれども、当局はどのように判断しておりますか。
○政府委員(吉本宏君) これはいろんな考え方があろうかと思います。一般的に申しますれば、窓口がふえるということはそれだけ国民として国債を買うチャンスがふえるということになるわけでございますので、それだけ個人消化がふえるではないかという論議があろうかと思います。ただその場合に、従来証券会社が売っていたもののシフトと、それが銀行に移るというような問題もございますでしょうし、なかなかこれは一般的に増加するかどうかというのは結論が出しにくい問題であろうかと思います。 ちなみに、昭和五十五年度の国債の個人消化と申しますか、証券会社の引受分について申し上げますと二兆三千八百四十三億円ということになっておりまして、これにさらに中期国債、二年物、三年物中期国債で証券会社が落札し一般に売りさばいた金額が一兆五千二百六十二億と、合わせて三兆九千百五億というようなことで、現在がなり個人消化が進んでおるということも言えるわけでございます。そういった点で、的確なお答えになりませんが、国債の個人消化がふえるかどうかということは一概には申し上げかねるということでございます。
○多田省吾君 銀行の営む証券業務につきましては業界のかきね論争があったわけでございまして、政府はそれを乗り切るために三原則という基本的な考えを示されたわけでございます。この三原則の中で、第三の原則、これは制度上の整備であり実施面の問題とは別であると、整備にとどまって実施面の問題は切り離して処理していくということでございますが、現実にはこの実施面こそが一番重要な問題でございます。結果的には三人委員会の答申によるとしましても、当局自体のお考えでは、先ほどからも再三質問しておりますけれども、認可の時期を大体いつごろと考えているんですか。
○政府委員(吉本宏君) 先ほどからお答え申し上げますように、この問題につきましては三人委員会でいろいろ御議論をいただきまして最終的に結論を出したいと、かように考えておりますので、現在の段階でいつからということは具体的には申し上げかねるということで御理解を賜りたいと思います。
○多田省吾君 昭和五十九年にはグリーンカードが実施されるわけでございますが、六十年になりますと借換債が多額に発行される時期になるわけでございます。その辺のお考えも含まれているわけでございますか、この実施時期に。
○政府委員(吉本宏君) 確かに国債の償還あるいは借りかえがふえてまいりまする昭和六十年度というのは、国債管理政策上の観点からすればかなり重要な時期だというふうに私どもも考えております。しかし、これも先般来申し上げておりますとおり、いろいろな角度からの検討がございますので、現在の段階で、いつからこの窓販を銀行に認めるかということについて、具体的な時期については申し上げかねるということでございます。
○多田省吾君 中小企業専門金融機関に関係する問題で一問だけ質問しておきます。 都市銀行等が行う中小企業金融は、概して限界的な融資として扱わざるを得なかったために、景気動向による変動の幅が非常に大きくて、その安定性に問題があったわけでございますが、それを反省されまして、中小企業への資金の安定的供給を確保するために今度の中小企業専門金融機関に関係する法改正が必要になったのだと、このように理解しております。ところが、肝心の改正案では、中小企業や個人に対する資金配分のあり方というものが全く触れられていないわけでございます。私は、中小企業への資金の安定的な供給というものが現在の状況においては最も大事なものであるということを考えておりますけれども、どのような形でこの安定的供給を担保されるのか、その辺のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(米里恕君) 中小企業金融専門機関でございますから、制度上も中小企業金融、個人などに配分する、資金の適正な配分を行うという仕組みになっております。 現在の相互銀行法第二条は、相互銀行の業務をうたっておるわけですが、第二項で「中小企業者に対して営むものとする。」と。第一項にいろいろ具体的な相銀の業務が列記してございまして、第二項に、前項云々に規定する業務は「中小企業者に対して営むものとする。ただし、次に掲げる場合には、中小企業者以外の者に対しても営むことができる。」と書いてありまして、一号、二号とございますが、一号には「個人に対し事業資金以外の資金の貸付けをする場合」、こういう決め方になっております。それで、具体的にはさらにそれを受けまして省令段階でございますが、相互銀行が中小企業者以外に対する貸し出しを行う場合には、個人に対する消費資金と地方公共団体に対する資金の貸し付けを除きまして、総融資量の二〇%の範囲内に抑えるという規制を設けております。 以上、相互銀行で申し上げましたが、信用金庫、信用組合につきましても、これは政令の段階で信用金庫、信用組合の会員以外に対する貸し出し、会員は御承知のように中小企業あるいは個人といったようなものでございますが、それ以外に対する貸し出しは地方公共団体及び金融機関に対する資金の貸し出しを除きまして総貸し出しの二〇%を超えてはならない、信用組合の場合もほぼ同様でございまして、会員以外に対する貸し出しは、金融機関に対する資金の貸し出しを除いて総貸出額の二〇%を超えてはならないというような仕組みになっておりまして、制度的に中小企業に対する融資及び個人に対する消費資金等が中心になるという制度づけになっております。
○多田省吾君 中小企業専門金融機関に関係する法律というものは昭和四十三年と四十八年とそれぞれ改正されまして、今回も改正されたわけです。四十二年で言いますと、異種合併を認める、また業務範囲の拡大、四十八年は業務範囲の拡大、さらに今回も業務範囲の拡大というような法改正が行われているわけでございますが、金融の効率化を進めるということは必要でありますけれども、そのために業務範囲というものをこのように再三拡大していくということは、一般化あるいは同質化を生ずるということにもなりまして、専門機関としての特質性というものが薄らいでまいります。その結果、私は中小企業向け資金のパイプが細くなるのではないかと、このように心配するわけでございますが、また、このように効率化を前提に業務範囲を拡大していくと将来どうなるのかという心配も加わるわけでございます。その二点、どのように考えておられますか。
○政府委員(米里恕君) 今回の中小企業金融専門機関の改正に当たりましては、基本的な考え方は、あくまでも専門機関として位置づけておりますので、個人、中小企業への資金融通ということを主体と考えております。 御指摘のございました、それぞれの中小企業金融専門機関の機能の拡大という問題でございますが、これは今回で申しますと、この前の改正が昭和四十八年でございまして、その後八年間を経まして、非常に時代の動きの激しい中におきまして取引先の中小企業のニーズが刻々変化してまいる、その変化に対して中小企業金融専門機関の方の機能がギャップを生じておるというような部分につきまして、取引先の便宜というような観点から、そのニーズに合わせた改正を行ったというようなことでございまして、専門性を失うような一般化、同質化のための機能の拡充ではないというような私どもは考えております。したがいまして、今後におきましても、個人、中小企業に対しまして、それぞれのランキングに応じまして、相互銀行、信用金庫、信用組合がきめ細かな中小企業、個人に対する融資サービスということが可能な仕組みになっておると私どもは考えております。
○多田省吾君 中小企業に対する融資という問題は非常に大事なわけでございますが、その辺をつかさどっておりますところの中小金融機関の合併、転換の状況につきましては、四十三年から五十五年まで、資料も私も読ませていただきました。細かいことは聞きませんが、この合併、転換を認める場合、専門性を失うことのないようにすることが大事だと思いますが、そのために特に政府が心を用いているのはどのような点が、また合併、転換を認可する際の基準はどのようになっているか、お尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(米里恕君) 御承知のように金融機関の合併及び転換に関する法律というのがございますが、その場合に、合併及び転換の認可の基準が法定化されております。一つは、「合併又は転換が金融の効率化に資するものであること。」それから二番目は、「合併又は転換により当該地域の中小企業金融に支障を生じないこと。」三番目が「合併又は転換が金融機関相互間の適正な競争関係を阻害する等金融秩序を乱すおそれがないこと、」四番目に「当該金融機関が合併又は転換後に行なおうとする業務を的確に遂行する見込みが確実であること。」こういう規定がございまして、まあ、中小企業金融機関が合併することによって、その地区の中小企業金融がそれ以前に比べましてパイプが細くならないようにするということが私どもの審査の最も重要な眼目の一つでございます。
○多田省吾君 銀行法問題を離れまして、一般調査ということで若干お尋ねしたいと思います。 報道によりますと、都市銀行など民間金融機関の各銀行が五月中旬をめどに手数料を三年ぶりに値上げすることで検討されているということを報道されておりますが、すでに五月も下旬となっておりまして、多くの銀行利用者もいつから引き上げられるのだろうかと注目しているわけでございますが、大蔵省はこのような動きを知っているのかどうか、また、その時期はいつごろと考えておりますか。
○政府委員(米里恕君) 為替手数料の引き上げにつきましては、新聞には出ておったようでございますが、私どもは銀行側から正式な話として聞いておりません。 それから、手形帳、小切手帳料金につきまして、一部の銀行で六月一日から改定するというようなことになっております。
○多田省吾君 このような手数料につきましては、従来銀行は預金集めの手段あるいは取引先サービスの一環という考え方から採算を無視してきた面もあるようでありますけれども、ことしの三月期ごろから銀行の収益環境が非常に悪くなったということで収益確保を重点に置いた手数料体系にすべきだと、こういう考えで手数料問題を扱っているようでございますが、大蔵省といたしましてはこの手数料のあり方についてどのような考えておりますか。
○政府委員(米里恕君) 基本的には私どもは、手数料というものはあくまでもコストに見合った体系であるということが望ましいと思います、コストに見合った体系のもとに受益者負担という形であるべきだというように考えております。と申しますのは、この手数料をいわゆるサービスということでコスト割れの状況にいたしますと、必ずそれはどこかにしわが寄る、たとえば預金金利あるいは貸出金利というようなところに影響が出るというようなことになります。したがいまして、本来預金者や取引者に還元されるべきものが為替取引なら為替取引の利用者にのみ利益が享受されるというようなことは適当でないというように考えておりますので、そういった意味で、できるだけコストに見合って適正化していくべきであるというように考えております。
○多田省吾君 手数料を決めるときの具体的な手続でございますが、いままでの経過を見ますと、いわゆる大きなトップ銀行に右へならえ的な感じもありますし、一説では銀行協会から連絡が来るというような話もございます。そうだとしますと、独禁法上も問題があるのではないかと思いますので、この際、手数料はどのような形で現実に決められているのか、利用者の方々がよく理解できるように御説明いただきたい。
○政府委員(米里恕君) 銀行の手数料につきましては、別に大蔵省の認可その他というようなことはございませんで、各行がそれぞれ自主的な判断で個別に決めるという考え方になっております。これが一斉に決まるというようなことになりますと、場合によっては御指摘の独禁法違反の問題もございますけれども、現在の決め方というのは、たとえば全銀協で横並びに決めるとか、そういうことではございませんで、個別の銀行が自主的な判断で個々の時期に決めるという進め方をしております。
○多田省吾君 その辺は独禁法違反にならないようにすべきであり、また銀行もそのように考えてやるべきでありますけれども、大蔵省としましてもやはりその辺を監督する必要があるんじゃないか、このように私は考えるわけでございます。 次に、大手銀行が推計したところによりますと、四月十三日からの預貯金金利の引き下げ前に手持ちの定期預金を担保に融資を受けまして定期預金をしておくという、いわゆるダブり定期というものが都銀だけで一兆二千億から一兆三千億にも達すると言われておりますけれども、大蔵省としましては、この種の調査をなされているのかどうか。なされているとすればその結果どうなっているか、その辺御報告いただきたいと思います。
○政府委員(米里恕君) 預貯金金利の引き下げの前の時期になりますと、いまおっしゃったようなダブル定期というものがつくられる処理が行われるというようなことは、私どもも承知しておりますが、これを計数的にどれだけになるかということの実態は特に調査しておりません。
○多田省吾君 私は、推計として一兆二千億から一兆三千億ぐらいあるんじゃないか、このように申し上げましたけれども、そういうことはないとはっきりと否定する根拠がございますか。
○政府委員(米里恕君) いま申し上げましたように計数的に把握しておりませんので、何ともお答えいたしかねますが、ダブル定期自体は、これは正常の一つの預金取引でございますので、特にその額が巨額であってはいけないというようなこともなかろうかと思います。
○多田省吾君 さらに、もとの定期預金には中途解約利息ではなくて、定期並みの利息をつけて解約し、改めて定期預金として受け入れるという金融慣行や、日銀のガイドラインからすればルール違反となるような過剰サービスも行われているようでありますけれども、じゃ、このような実態はどうなっているか、調べたことはありますか。
○政府委員(米里恕君) 今回の預貯金金利の引き下げに際しまして、御指摘のような取り扱いが一部金融機関において行われたということは承知しております。ただそれ以上のことは、個別金融機関の取引上の問題でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○多田省吾君 銀行側では大事な取引先にやむを得ず行ったのだと、このように弁明しているようでありますけれども、こういう過剰サービスが行われる裏には本格的な金利競争時代へのいわゆるサービス競争というものがあると思うんです。今後もさらにそういうものが激しさを増すように思いますけれども、そうしますと、銀行間の格差、体力差というものが次第に表面化するということも考えられます。大蔵省はこの点をどのように認識し、またどのように対処されるお考えですか。
○政府委員(米里恕君) 利下げの時期に定期預金を中途解約して、それに通常の定期預金利息をつけるというようなことははなはだ望ましくないと、好ましくないというふうに考えております。 御承知のように、現在の預金金利規制でございますが、臨時金利調整法に基づきます告示で、金利の最高限度を決めまして、それを受けまして日銀政策委員会でガイドラインを個々の預金の種類ごとに定めておるということでございまして、このガイドラインの細目金利に従いまして各金融機関が自主的に預金利率表を作成して取り扱いを行っておるというような状態でございます。 こういった預金金利の改定ということは経済、金融政策の上から非常に重要な問題でございますし、ことに一部の預金者に、そのみずから定めた預金利率表以外の利率を適用することによって過当サービスを行うというようなことは、はなはだ望ましくないというふうに考えておりますので、今後とも十分厳しく指導してまいりたいと思っております。
○多田省吾君 国債に関して質問いたしますが、国債引き受けのシンジケート団から国債の金利引き上げの要求も出されているようでありまして、国内の金利政策としてはここらあたりが底ではないかと、こういう見方もあるようでありますけれども、どう考えますか。
○政府委員(米里恕君) 金利動向というのはなかなかいろいろな複雑な要素が絡まってでき上がっているわけでございますから、今後の見通しあるいは現状がトレンドの中でどういう状態にあるかということを、なかなか一言で申し上げることはむずかしいかと思います。御承知のように、三月に第三次公定歩合の引き下げを行いまして、四月から五月にかけて一連の長期金利引き下げというものを実施いたしました。 わが国の経済政策として、金融政策の緩和というものを進めているという状況のもとで、御指摘のアメリカの金利の上昇等の影響がございまして、債券市況あるいは短期金融市況に影響しておるというような状態でございますけれども、この辺を今後どう見るかということはアメリカの金利の上昇がどうなるであろうかということで、これもいろいろ見方があるようでございます。アメリカのインフレの動向、経済活動の動向、そういったようなものを受けたマネーサプライの伸びがどうなるかと、こういうようなことで現状はなお不透明要因が多いというようなことで、方向を申し上げるというような状態にないかと思います。 日本の金融政策は、大いに諸外国の金利、特に米国金利の影響も受けますので、そういった点も含めながら、一方、物価、景気情勢というものを判断して総合的に機動的に進めていくという以外に現段階では申し上げられないかと思います。
○多田省吾君 報道によりますと、政府系の金融機関が余裕資金の効率的な運用ということで、ことしの三月から五月期を中心に長期国債の取引を行いまして、運用額は合計千三百億程度に達していると、このように報道もされているわけでございますが、その辺の実情をつかんでおられますか。
○政府委員(米里恕君) 政府系金融機関が余裕資金を長期国債などの現先取引に運用しておりますが、その数字は五十五年度末の時点で見ますと、開銀が二百五十億円、北東公庫が百二十一億円、中小公庫が三百九十三億円といったところが目ぼしいところでございまして、政府系金融機関全体で約一千五百億円前後になっています。
○多田省吾君 今後もこうした傾向がさらに拡大されるのではないかと懸念いたしますが、余り過大になり過ぎますと現先市場が混乱する可能性もあると思いますけれども、どう思いますか。もしそういうことはないというならば、その根拠をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(米里恕君) この政府関係金融機関が、いまお話の出ましたような方面に運用しておりますのはあくまでも余裕資金でございまして、各機関の資金繰りから生じてくるものでございますので、これが今後どんどんふえていくというような性質のものではそもそもないんではないかと思います。 御承知のように、現先市場全体の規模が五十五年度末で約五兆七千億円という規模でございます。政府系金融機関の現先運用が、先ほど申しましたように五十五年度末で約千五百億円ということでございますから、全体に占めるシェア二、三%の問題でございまして、現先市場に影響を与えるようなスケールの話ではないと思います。
○多田省吾君 最後に、大蔵大臣に一、二点お尋ねしたいと思います。 わが国全体の金融政策といたしまして大変問題になっているのが、昨年異常にふえた郵便貯金でございますけれども、大蔵大臣といたしましては、この財投資金としての郵便貯金を今後もあの昨年のような姿で伸ばさなければならない理由は私はないと思いますが、大蔵大臣はどう思いますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 去年の郵便貯金の伸び率というものは本当に異例なことでございまして、みんなが貯蓄して日本国じゅうが潤って、平均してみんなが育つというならば大変結構なことなんです。異常な問題だったということで私は心配をしたわけですが、最近はまた冷静になって、大体普通の伸び方のようでありますから特別に心配をしなくてもいいんじゃないかと考えております。
○多田省吾君 来年度は赤字国債発行額をどの程度減らす御予定か。ことしと同じように二兆円程度なのかどうか。 それから、来年度も物価調整減税、所得税減税を行う考えがないのかどうか。私どもは来年度こそ実質増税を回避するために物価調整減税程度は行うべきである、このように強く主張しておりますが、いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 公債減額についてもまだ決まったわけではございません。ただ、御承知のとおり。五十九年度に、もうそれまでには赤字国債を発行しなくしようというわけですから、まあ一兆八千億刊ないし二兆円、あるいはその周辺ということが頭に描かれると思っております。 それから、所得税の減税の問題でございますが、これも前々から言っておるように、財源に余裕があれば私は決して所得税減税というものを否定するものではありませんと。財政の再建ができて歳出カットがうまく行われる、所得税減税するぐらいまで本当に歳出カットができるということになればまた別な展開でございますので、一にかかって景気の見通し、それから財政の縮減合理化、こういうふうなものは全部関係するわけであって、そういうものがうまくいって、本当に所得税の減税ができるほどにしてみたいなと思っておるわけでございます。
○三治重信君 先日の法案審議のときの質問の残りをまとめてみたいと思います。 先日は、ほんの一通りちょっと、項目だけやったんですが、その点でさらに、あるいは重複するところも若干出るかと思いますけれども、結局融資をする場合の信用の問題なんですけれども、それを戦後非常に土地に傾斜をして土地の担保で融資が非常に膨張してきた、最近はそれが大分少なくなったという先日のお答えでしたんですが、それに引きかえ最近はいわゆる銀行、金融機関の債務保証、こういうことが言われておるんですけれども、金融機関の債務保証というのはこれは新しい現象であるのか、これは戦前から相当あった問題なのかが一つと。 それから、私は、この土地担保の融資はまあ一時のような、高度成長時代のようなひどいことはないにしても、まだ相当土地に対する、何というんですか、融資をいまの銀行が重視しているんじゃないかと思うんです。しかし、これは普通の一般の商業銀行がこういう土地担保の融資に非常に重点を置くということは、やはり商業銀行というのは短期資金でしかも商業金融というのを主としていくのが本当の銀行ではないかと思うんですが、それとの関係でひとつ見解をいただきたいと思います。 それからなお私は、今後銀行法で新しくなるとともに、いわゆる地価の非常にもう高くなりつつある三大都市圏の土地の担保については、やはり相当規制してもらいたいと思うんです。銀行の担保が非常に土地の騰貴につながると、こういうふうに見て間違いないと思うんです。土地がそんなに資産として非常に保有されるということは、唯一に金が自由に、まあいざというときには非常に高い担保率で金を借りられると、ここに余裕金が出てくるとすぐ土地をあさると、もう何よりか、銀行預金よりか債券よりか、何よりこれは資産として安全だからということで、絶対下がらぬということだと思うんです。これを銀行が金を貸さぬようになるというと、余裕金や何かもほかのところへ、まあいわゆる利子つきの社債やほかのところへ回ると思うんですが、こういう担保の問題についてひとつ、ことに商業銀行が——長期信用金庫とか長期銀行がやるのはいいけれども、一般の、ことに都市銀行や一般の商業的な短期の融資をやる金融機関が土地の担保についてやるやつについては、まあこれは行政指導としても、土地政策とも絡むから相当抑えてもらいたいということを希望するわけですが、それに対する見解をひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(米里恕君) まず、債務保証でございますが、まあこれは新しく始まったことではございませんが、トレンドで数字をずうっとこう見てみますと、傾向としてはやはりふえているというような状態にあるように思います。ただ、債務保証も金融機関の種類によって非常に違いがございまして、いわゆる一般借入債務保証で見ますと、いわゆる普通銀行あるいは長信銀、為専というようなものはきわめてわずかでございます。中小金融機関がどちらかというと債務保証がかなり多いというような状況が見られます。で、まあ債務保証自体につきまして、やはり安易にこれが与信として行われるというようなことは非常に問題がございますので、その点私どもも検査の段階で、最近では特に安易な債務保証が行われないようないろいろな手法を研究いたしまして、実施いたしております。 それから、土地担保でございますが、これはこの前も申し上げましたように、趨勢としては低下傾向というような状況にございますけれども、まあ融資の際に担保を何がとるのがいいのかということは、そのときそのときのまたいろいろな判断がございますので、必ずしも土地担保を徴求してはいかぬということもなかろうかと思います。特に最近では住宅ローンが非常にふえておりますので、住宅ローンの担保として土地担保を徴求するということもやむを得ない面があるんではないかというように考えておりますけれども、しかし、土地取得関連の融資につきましては、これは土地騰貴につながるおそれがあるということは御指摘のとおりでございますので、ここ十年ばかり数回にわたりまして通達を出しまして、土地騰貴を助長するような融資の自粛というものを強く要請してまいっておるところでございます。 なお、商業銀行でございますけれども、商業銀行の場合におきましても、商業銀行だから特に土地担保を徴求しては、性格上おかしいではないかというようなことも、これまた住宅ローンなど考えてみますと必ずしもないかと思いますが、まあ少なくとも御指摘のような土地騰貴の原因になるような行動は、社会的公器である金融機関として厳に慎まなければならないという考えで指導してまいりたいと思います。
○三治重信君 まあ同じ土地の担保で住宅ローンを言われるのですが、まあ住宅ローンは、これは個人の住宅だから、これはまあ担保でも目的がはっきりしているから、それを言っているわけじゃないから、その点ひとつ誤解のないように。 それから、また土地の問題でもう一つは、通達なんかでは、一定の地域に金融機関が過度に集中するのは避けろと、認可制度になっているのですからね、店舗なんか。しかし現実には、この大都会においてもあるいは新開地においても、目抜きや四つ角のいいところを占領されてしまって、そうしてそれがまた地価の引き上げの原因にもなっているわけなんで、まあ見ると、大体りっぱな店舗はもう余り増加しないという答弁が今度は一貫して行われているから、そう余り大したことはないかと思うのですが、やはり新開地やなんかのところには、そういうことがまだ新しい都市づくりで行われると思うのですが、このときに注意していただきたいのは、やはりわれわれ聞くのは、一番中小業者から聞くのは、一番目抜きのいいところを、本当に商店の繁華街にしようと、人通りの集まるところにしようと思うところに銀行が出てきて、一番人の通りやすいところへ店舗をつくってしまって、夜は真っ暗にしちゃうから人通りが、商店街にしても人が通らぬようになってしまうと。こういうことを非常に言うわけなんですが、ことに商店街なんかのいわゆる人集めというのですか、人が遊びに来る、まあショッピングと遊びと兼ねる、またレクリエーションを兼ねるようなところのような商店街には、表通りへ金融機関なんかは余り建てないように、その立地条件をもう少し検討してもらいたいと思うのですが、こういうことについて、ひとつ今後の新しい店舗を新開地にやる場合の認可の一つの基準ということについてぜひこれは考慮してもらいたいと思うが、それが一つと。 それから、最近新しく店舗を設けるには、何というのですか、市中銀行でも店舗を子会社の不動産会社につくらしてそれを借りるというようなかっこうをやっているのですが、こんなことはかつてないことだと思うのですが、これはやはり銀行資産の運用からいっても、こういうような不動産会社を子会社にして持ってやるというようなことは、またこれが土地騰貴へも、不動産会社の子会社持てばまた相当子会社として不動産会社を利益上げさせにゃいかぬ。そこに不動産に対する騰貴の原因をつくる、銀行みずから不動産会社なんかつくるということはどんなものかと思うのですが、それに対する御意見があれば……。
○政府委員(米里恕君) まず店舗設置の問題でございますが、まあ店舗通達、二年度に一回出しますが、そのたびにその規模が必要以上にわたることがないように常に指導しておりますとともに、その用地の取得に当たって近隣地価の上昇を誘発するというようなことがないように繰り返し指導をしておるところでございます。具体的に店舗の設置申請が当局に出されますと、当局といたしましては店舗の規模あるいは用地の面積が適当なものかどうかということをチェックいたしますとともに、その用地の取得価格が周辺の土地の公示価格あるいは売買事例というようなものに比べまして適当なものであるかどうかというようなことについて検討をしております。最近四月二十三日に、昭和五十六年度と五十七年度の金融機関店舗認可についての通達を出したわけでございますが、この中でも店舗用地の取得に当たりまして近隣の地価の上昇を誘発することがないように配意しなければならないというようなことをうたっておりまして、御指摘のような弊害が生じないように、あるいはまたさらに御指摘のございました商店街における金融機関店舗のあり方というようなことについても十分気をつけて指導してまいりたいと思います。 それから、その店舗用地を子会社の不動産会社に保有させるという問題でございますが、これは御承知のように、独禁法上の例外が認められました場合に、銀行の一〇〇%出資会社に、銀行の営業用不動産を所有、管理させろというようなことはございます。一〇〇%出資の場合には必ずこれは管理会社ということで、本来銀行が自分で所有、管理するというのと同様の意味で一〇〇%出資会社に所有、管理させるという形態がございます。その他は独禁法上五%以上株を持てないということになっておりますので、そういった五%以下の株式所有の不動産会社が銀行の店舗用地を提供しておるというような例は間々ございますが、これは銀行自身が店舗用地あるいは営業用不動産というものを持ちますと、これは土地、建物の有効利用という点から見まして、銀行でございますから一階と二階が銀行が使って三階以上はほかの企業に貸すというわけにまいりませんので、したがってそういう意味で、土地、建物の有効利用のためには別会社のアカウントのもとで土地、建物を持ち、それを銀行が使用するというような形態もございます。 いずれにいたしましても、これはどういう形をとるかということは銀行自身の判断によるものでございまして、特に弊害が生じない場合には自主的に委ねておるということになっております。
○三治重信君 ひとつ、ことに新開地、いろいろ新しく店舗を認可される場合に設置の場所、いいところで、あれは恐らく土地を買って、決めてから申請に来ることになるのかな。そうすると全然認可に当たってこれはまずい土地だからというわけにもいかぬかもしれませんが、そういうことのないように、事前にそういう立地についてはひとつ相談をさすようにしていただきたいと思います。 それから、大口融資について、融資の限度の比率についてのやつの、銀行による土地買いをこの前答弁があったんですけれども、普通銀行ですね、普通銀行や地方銀行の中で通達があってそれが大分整理されているということになっているわけなんですが、まだそれでも若干残っているんではないかと思うわけなんですが、金融制度調査会の五十三年の三月末の調査だと、普通都市銀行でまだ二十行ある。地方銀行で九行あるというふうに報告されているわけなんですが、今度はせっかくいままでの通達を、こうやって法律に入れるわけなんだから、これについてはひとつ一定の期限を指示して、新しく法律に大口規制をやったんだから普通銀行、地方銀行の方はいつまでにこれを解消せいと、そうしてもしもそれを解消できぬようなことがあるならば、ひとつ大蔵省も中へ入ってほかの銀行へも肩がわりさすなり何なり、ひとつこれだけは、こういう大口融資や、またあの中にはいわゆる特例規定はたくさん、大蔵大臣の認可を得てやれるという特例規定はたくさんあるわけなんだ。だからそういう特殊事情が出てくればまたそれは認可すればいいんで、とにかく一定の期間を限ってひとつ整理をすると、大口の規制違反、超過をなくすると、こういうことをひとつ、せっかくこれつくったわけですから、その完全実施をひとつやって、いま金融緩和時代だし、やってみる。そうして法の上の運用において、どうしてもまた新しく大口規制のパーセンテージを起さなくちゃならぬ事態があったら、それは大臣の認可なり特別の配慮で臨時に認めると、こういう運用をやってもらいたいと思うんですが、大臣にひとつそういうことについて、こういうことは、新しく銀行法をつくって、これともう一つ後でやる週休二日制に対する態度、この二つじゃないかと思うんですが、まず大口規制についての一掃、普通銀行と地方銀行の一掃についてひとつ期限を設けて、とにかく一定の準備期間でなくすると、こういうことを一遍法律つくったわけですからね、通達から。やってみたいと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(米里恕君) 現在大口融資規制の限度超過になっておりますのは、一つは電力会社でございます。この電力会社につきましては、御承知の国民経済的に非常に重要な業種であり、かつその将来の電力需給という問題を考えますと、計画どおりの設備投資を行うということがどうしても必要になり、そのための資金需要が必要であるというような角度がございますので、通達で行政指導をしております現在の時期におきましても、大蔵大臣が特別に認めるという形で除外の取り扱いをしております。ただ、これは電力会社であれば何でもいいというわけではございませんで、個別に内容を検討いたしまして、どうしてもその所要の設備投資をやるためにはその必要性があるというぎりぎりの査定のようなことをいたしまして、そのぎりぎりの限度で除外を認めております。 それからもう一つは、商社が一つございますが、この商社の限度超過につきましては、実は昨年の四月に銀行から自主改善計画書が出ておりまして、二年間を目途として現在の二〇%の規制基準目標を達成するというような計画書が出ております。二年間と申しますのは、五十七年三月末までということになりますので、ちょうどこの法律がスタートするときにはクリアされているというようなことで現在努力をいたしております。というようなことで当初目標を達成するものと私どもは期待しております。 そういったことでございますので、御指摘の点は、大体現在そういう形になっておるというように申し上げられると思います。
○三治重信君 お言葉ですがね、電力みたいな巨大ないわゆる地域独占やっているこういうような会社だったら、そんなに二、三の銀行に超過をささぬでも、無担保で貸しているくらいなんだから、ほかの銀行だってずいぶん貸したい銀行はたくさん幾らでもあるんじゃないかと思うんですが、特定なそういう銀行やなんかにオーバーを認めなくちゃならぬ理由というものは、電力なんかということを聞くとない。商社とかなんとかというものは、やはりこれはいろんな商慣習や長年のつき合いがあって、系列もあるから、やはり商社がそう銀行の取引を新しくつくるというのは大変かなと思うわけだけれども、電力会社とかああいう半公共的な会社だったら、特定なA、B、Cという銀行に対するそういう選好性というのはあんまりないんじゃないかと思うんですが、その点はどういうふうに判断するんですか。
○政府委員(米里恕君) さっき申し上げましたように、電力会社であれば何でもいいという考え方ではございませんで、一つ一つの電力会社がどうしてもオーバーせざるを得ないというような話がありましたときに、それを個別にチェックしまして、分散が可能であればできるだけ分散するように行政指導をいたしまして、それでもなおかつ非常に所要資金が巨額でございますので、どうしても分散してもオーバーしてしまうというような特定の電力会社についてはやむを得ないという措置をとっておるわけでございます。商社の場合には電力とまたいろいろ業態も違いますので、努力によって十分分散し得るというふうに私どもは考えております。
○三治重信君 次に、休日の問題を、これはまあ各委員から相当細かくいろいろ質問があったことであろうと思うんですが、私はどうも聞いてると、中小企業の特殊事情とか、または一斉にやらなくちゃならぬという金融機関側の答弁なりを聞いてると、どうもなかなかそういう条件というものは一朝一夕にはこないんじゃないかと、こう思うわけなんです。それで、やはりデパートやなんかが、東京でも、地域や店舗がグループになって、あるところは月曜日休み、あるところは水曜日休み、あるところは木曜日休むというふうな休み方をしている。こういうことをひとつ弾力的に、答申にもずいぶん弾力的に考えるというのを書いてあるんだが、これはどうもこういう二日制をやるについての、何というんですか、休みを土、日ということを、日曜、祭日はいま休んでるわけだから、これはいいわけなんですが、新しく一日の週休二日の休みをどうするかということについてのやつは、あの答申の中の、弾力的なやつにはあんまりそういうことを含まれていないような読み方をしたわけなんですが、それはひとつどうかということと。 それから、週休二日制を日本において大企業から始めたように、やはり都市銀行から、あるいは特殊銀行から隔週なりやっていく。それから、信用金庫とか相互銀行というのは月一回やってくというふうに、ひとつ段階的に一つのスケジュールをつくってやっていかないと、相互に牽制し合ってやっていくと結局はやらぬ方にみんないってしまう、こういうふうなので、私も、休みをつくらすのには戦後ずいぶん苦労をして休みをつくらした。たとえば、商店街なんかでも、三十四、五年ごろまでまず週休で休むということについて、非常に抵抗があったわけなんですけれども、それでも一週間に一度休むということを商店街ごとにやらしたり、いろいろの説得があって、今日ではどこでもほとんど行われているということなんで、ひとつやれるところから先へ逐次やっていくと。それを、普通銀行から信用金庫あるいは信用組合まで一斉にやらないと、また、郵便局がやらにゃだめだといって郵便局までもと、こういうふうなことになってしまうと、これはまあ休日は政令にゆだねていつでもできるようにしましたなんていう説明は、やはり絵にかいたもちのような規定になってしまうと思うわけなんです。 それから一つは、小切手とか、信用の返済期日の問題があるというんですけれども、これはまあ規定の仕方によって、その支払うべきところの銀行がやはりきちんと休日に指定されておるときにはその翌日でというふうにすれば、幾らでもそういう弾力的な規定はできるんじゃないか。そういう小切手やいろいろの返済期日の読み方も、考えようによっちゃ、それは弾力的にやらぬことには週休二日制というものはうまくいかぬじゃないかと、まあこういうふうに思うわけなんです。 もちろん、休みをふやすということについての抵抗や、やり方についてはいろいろ考えておられると思うんですけれども、アンケートの調査の報告でも見られるように、やはり銀行なんかでも、たまにはサラリーマンやなんかが休みのときに銀行はいろいろな相談行ったりなんかするときに開いていてもらえば非常に都合がいいわけで、それだけ金融機関というものが一般の庶民、個人とも取引やなんかで親しみを持つためには、やはりデパートなんかが日曜日にやってるように、まあ日曜日までやれとは言わぬですが、土曜日には開いておるところも相当あるように、そのかわり月曜日とか水曜日とか金曜日というふうに休むとか、地域ごとに変えるとかいうふうな、弾力的なやり方で進めた方のがやはり実効上非常にあるし、全部が全部外国みたいに土、日きちんと休むということが理想な週休二日制というふうに考えぬ方が日本にはいいと思う。日本の週休二日制は、何も土、日続いてやるのが週休二日制だと考えぬで、非常に狭くてこうごちゃごちゃしてるわけだから、みんな余り休みが一緒になっちゃうと、そのときだけかえって遊びに行っても疲れに行くようなかっこうになってしまって、むしろ交互に休むところが、まあゴルフだけでなくて、やはりたまには子供の学校行っている間に夫婦で遊びに行けるようなときもあってしかるべきだと思うんで、週休二日制とかいうことの観念はいいんだけれども、そのやり方まで何にも西欧先進国にまねることはない。日本的なやはりレクリエーション、非常に込み方やいろいろ考えて、休みが交互に使えるようにした考え方をぜひここで、もう大蔵省がこれはちゃんと政令で決めていくわけなんで、まあ大蔵大臣が指定していくわけですからね。非常にローテーションを、ウィークデーの一日はローテーションを持ってくようなアイデアをぜひ持ってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(米里恕君) まあ一つの御提案だと思いますが、信用秩序を形成している金融機関がばらばらばらばら休むことがどういうことになるかということは非常に問題があるように思います。まあ為替取引も相互にございますし、ちょっとお話のございました手形、小切手の問題もございますし、そういうことが可能かどうか。ただ、一律完全実施だけが方法でもないかもしれないので、その辺はどういうふうに考えるのか、業務の種類別、業務内容によって工夫する余地があるのかどうか、あるいはまた店舗形態、業務内容などの問題から、営業時間というようなことについて何か考えられるか。まあ幅広い検討がおっしゃるように必要だと思います。 ただ、私どもがいままで考えておりますのは、やはり休むときは原則として一斉に休むという形が普通の考え方ではないかというように思っておりますが、もちろんそれは原則でございまして、場合によっていろいろなケースがあろうかと思います、デパートの内部に設けられたCDがデパートの休みの日にやっておってもしょうがないんで、また、デパートが開いておるときにそのCDだけ休んでおるというわけにもいかないというような、いろいろなあやがあるかと思いますが、その辺、固定観念にとらわれず、よくまた検討してまいりたいと思ってます。
○野末陳平君 大蔵大臣にちょっと初めにお伺いしておきますけれども、こういうパンフレットがありまして、「お客さま本位の郵便貯金事業」「郵便貯金を正しく理解していただくためのハンドブック」というのが出回っているんですが、これ御存じで、この内容お読みになったことありますか、最近出たんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 読んでおりません。
○野末陳平君 そこで郵政省に伺いますが、このパンフレットは、これですね。(資料を示す)関東郵政局貯金部というところが出しているようなんで、「管理者用」「取扱注意」と、こうなっているんですね。この文書はだれの責任で、どういう意図で流布されているか、流布というより作成されたか、この辺のところ先に説明願います。
○説明員(山口憲美君) 御説明を申し上げます。 ただいま御指摘のパンフレットは関東郵政局で作成したものであろうかと思いますが、御存じのように、郵便貯金に関しまして現在いろいろの御議論がございまして、金融に関する問題非常に多岐にわたっておりますし、それからまた、議論の中には郵便貯金が長年果たしてまいりました役割りというふうなものにつきまして、若干そういった実績を評価していただけないようなものもあるというふうなことでございまして、こうした状況の中で郵便貯金の運営に携わる者といたしまして、やはり郵便貯金に対して寄せられます利用者の方等からの疑問に対しまして正しくお答えをし、そしてまた御理解を得ていくということが非常に大切なことであるというふうに認識をしておりまして、御指摘のパンフレットはいろいろただいま申し上げましたような趣旨を果たしていくためにたくさんつくっておりますが、そういった中で、いわば他のパンフレットで御説明をする際のいわゆる一口、ちょっと口添えをするというふうな形でのヒントを取りまとめたものということでございまして、そういった意味におきまして配付等も一般の職員ということではなくて管理者に限って、やはり場等を心得て話のできるそういう管理者に限って配付をしたというふうなものでございます。 以上でございます。
○野末陳平君 ただ内容を、後から二、三質問しますが、内容を見てみますと、貯金を集めて回る外務の人がお客さんに対していろいろ勧誘をするときに役に立つようなそういう意味のヒントがずいぶん多いようなんで、そういう面の活用も当然考えているわけでしょうか。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 先ほど御説明申し上げましたように、あくまでもこれは管理者がよその、他の御利用いただく方等とお話をする際に、あるいは御説明をする際に、場合によったら一口添えるものが適当な場合に添えるというふうな目的でつくったというふうに聞いております。
○野末陳平君 管理者用であるのはわかりましたが、そうすると、郵政省の貯金局としては、直接この内容をあれこれチェックしたり手直ししたりとか、そういうことはなく、自主的に関東郵政局がつくったと、こういうことですね。
○説明員(山口憲美君) お話、御説のとおりでございます。
○野末陳平君 じゃ具体的にこの中のわからない部分を聞いていきたいんですが、この文書を読みますと、確かに郵便貯金についていろいろと、何といいますか、誤解があるような部分をただす文言もあるんですが、反対にまたひどい誤解を与える部分もあるようなんで、たとえば郵貯が脱税の温床と言われている——これはよく新聞なども出ているんですが、その場合にこのパンフレットの中には、「ほんの一部をとらえて、郵貯が脱税の温床と言われるのは心外」だと、こう書いてあるんですが、心外なのはいいんですが、「ほんの一部を」というと、どの部分を郵貯は脱税だと認めているんでしょうかね。これは少なくもほんの一部は脱税があるということを是認した上の表現なんで、どこの部分がわからないんですが。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 御存知のように、郵便貯金につきましてはいろいろ話がございますけれども、特に限度額をオーバーをしているというふうな点の御指摘が多々あるわけでございます。ただ、そういった中で私どもも、御存じのように、郵便貯金というのは各郵便局では限度額を把握することができません、どこの郵便局でも預入ができるという原則になっておりますので。そういった意味で、そういう預金をすべてトータルして限度額を超えているかどうかというのを中央貯金局で全国一本でやっておりますけれども、そういった際に、トータルの結果限度額をオーバーをしているというふうなケースが発見される例が、これまで事実の問題としてございます。そういった意味で、やはり若干そういう限度額をオーバーしている預金というものがあるということを、私どもも従前から御説明申し上げているということでございます。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。 —————————————
○野末陳平君 いまの点については委員会でも指摘もありましたし、これからグリーンカード導入を前にして一層限度額超過、名寄せですね、きちっとやってほしいわけですが、その後にちょっとまずい表現だとぼくが感じるところがあるんですが、郵貯は「ほんの一部」である。「銀行の方がもっと脱税が多いという見方もあります。」、これは「見方もあります。」というふうに逃げているのだけれども、その後で「例えば、マル優の枠が三〇〇万円を超えていないかどうかは国税庁が調べることになっていますが、余りできていないようですね。」と、こうなっているわけですよ。 そこで、国税庁のところまで郵政省が踏み込むのはどうか知りませんが、どういう根拠で国税庁のマル優の三百万超過について調査ができていないということになっているのか。そこもちょっとわからないので、まず郵政省にこの文書を書いた根拠をちょっと聞いてみたいんですがね。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 私ども、ただいまの先生御指摘の点に入る前に申し上げたいと思いますのは、私ども自身は一生懸命で努力をして何とか限度額オーバーの預金をなくしたいという、そういう気持ちで努力をしているということでございまして、ただいまの表現があったから自分の問題点をたな上げにしてというふうな趣旨で書いているものではないということを御理解いただきたいのが一点でございます、 それからもう一点は、冒頭申し上げましたように、非常に多くの御説明をする中の、場合によったらそういったことも口添えをすることもできるんじゃないかということで書いたことでございまして、これのみをもって、広く世間にお話しをして回っているというふうな性質のものではないということでございます。 そこで、ただいま内容につきまして、どんなところに根拠があるのかというふうなお話のようでございますけれども、私ども直接、先生も御指摘なさいましたように、この問題についてそれを把握するというふうな所管の立場にあるわけではございません。したがいまして、伝聞的な問題によりましてつくっているということでございますが、そういった中で、やはり私どもが若干、あるいはいろいろ御指摘があるかと思いますけれども、耳にしております中には、マル優の枠が、たとえば一人三百万と仮定をいたしまして計算いたしますと、現在のマル優で申請なされている総枠から判断をいたしますと、約一億人近い方がそれぞれ三百万のマル優の申請されているというふうな、こういうデータと申しますか、そういうふうな情報等も手にしているというふうなことでございまして、この辺の評価がいかがな評価になるのかあれでございますけれども、一応そういうふうなことから判断をしているということでございます。
○野末陳平君 よくわかったようなわからないようなところがあるんですが、もちろん銀行なども郵貯に負けずにマル優枠を意図的に三百万オーバーで預金を預かるような動きもありますから、何も郵便局がいかぬと言っているわけじゃないんですが、実態ははっきりしているならば、これはこれなりに問題ですから、あえて聞いたんです。 国税庁の方に聞いてみたいんですが、何ですか、いまのは三百万の枠を持っているのが一億人いて、枠ですからこの残高ということでは、預貯金残高はまた別でしょうけれどもね。そういう伝聞のようなものが根拠になっているんだと、そんな説明もちょっとありましたが、どうなんですか、マル優枠の調査といいますか、その実態についてかなり把握していると思いますので、ちょっとその辺の実態を説明してほしいんです。別にマル優枠の届けがどれだけあって廃止がどれだけというような細かい動きじゃなくて構いませんから、いわゆる三百万を超えるような意図的な不正か、あるいはうっかりしたのか、そんなの含めて問題のマル優というのはどういうふうに税務署ではつかんでいるか。その辺の調査実態を簡単に説明してください。
○政府委員(小幡俊介君) 結論的に申しますと、ただいま先生がお話しになったような数字は私ども掌握をいたしておりません。私どもがどういうふうにこの非課税貯蓄について調査をしているかということを申し上げますと、御案内のように私どもの定員も非常に限られておりまして、事務量も非常に限られておるものでございますから、税務署には非課税貯蓄申告書というものが金融機関を経由して提出されるわけでございますけれども、そのトータルの枚数は現段階で約二億五千万枚という枚数が税務署に提出をされておるわけでございますけれども、これを全部名寄せをし、整理をするというふうなことは、実際問題としてできておりません。 ただ、私どもといたしましても、やはり事務量の許す範囲内におきまして何らかの調査というものは、これはする必要があるわけでございますから、現在出されております二億五千万枚の非課税貯蓄申告書のうち、各税務署におきましてサンプル的にそれらについて名寄せ等の調査というのはやっておるわけでございますが、そういうふうな調査結果から見ますれば、マル優の限度オーバーというふうな問題はそれほど大きな数字としては出てまいっておらないという状況でございます。
○野末陳平君 そうなると、いまの郵政省が、国税庁は調べることになっているが余りできてないようだというこの表現は困るんですか、まあやむを得ないと思う、その辺はどうなんですか。
○政府委員(小幡俊介君) ちょっといま郵政省の方でどういう文書を配っているのか、私見たことございませんので何ともお答えのしようがないわけでございますが、私どもといたしましては、私どもの事務量の許す範囲内でサンプル的な実態把握には努めておる。しかし悉皆的にこれを管理するということはできない。悉皆的にマル優の管理をするということになれば、これはグリーンカード制度というものによってコンピューターで管理するという方法しかない。こういう現状をお話しすることでございまして、いまの文書についての評価というのはちょっと読んでもおりませんし、差し控えさせていただきます。
○野末陳平君 ぼくは思うには、同じ政府の中で、片方は郵便貯金、片方は銀行あるいは税金の部分ですから、別に対立するわけじゃないけれども、ちょっとあれが違いますね、守備範囲がね。だからそこがお互いに相手の足を引っ張るような文章を書き合うようなことがあってはいけないから、その点で気になるわけですよ。世の中に誤解与えちゃいけないから。 銀行についても、銀行局長いるからちょっと聞きますが、このパンフレットはその一部ではあるけれども、いろいろたくさん書いてある中の一部ではあるけれども、「銀行の(優)の脱税はひどいという話を聞いていますよ。」、こういうふうに聞いているんだから、だれかがそういうことを言ったのかもしれませんが、こういう文章がある。こういうのを管理者用に郵政関係で配られているというのは、銀行局としては、ぼくだったら不愉快なんでね、訂正を要求するなり抗議をするなりと、そんな気にもなりますが、いかがですか。
○政府委員(米里恕君) まあだれかから聞いたとか、見方もありますとかということじゃなくて、やはり実態をよく調べて、しかるべき官庁の文書でございますから、適正なものを書くべきだと思います。
○野末陳平君 まあ後でひとつ見て検討してもらいたいですね。 郵政省に聞きますが、ぼくはちょっと管理者がこれをいろいろ取捨選択してやるのかもしれないけれども、こうやって文章にしてパンフレットの形で出ているということはまずい、このあたりの表現は不適切であると。少なくとも誤解を与えやすいから——しかもこんなことを書いたって郵便貯金を正しく理解することになるかどうか。国税庁かなりひどいですよとか、できてませんよとか、銀行もやってますよと、これを幾ら言ったところでちっとも郵便貯金にプラスにならないと思うんですよ。だから、そういう意味も含めて、何かこの表現は不適切でよくないから、訂正するなり検討をして、もう少しきちっとしたものに直すべきじゃないんですか。
○説明員(山口憲美君) 御説明を申し上げます。 いろいろ御指摘がございましたけれども、冒頭先ほど御説明申し上げましたように、この点のみをとらえて、いま先生がおっしゃられましたように、こうずらずらずらっと並べて、そうしてこの点をこんなことですと言って強調して回るというふうなことでの使用ではございませんで、私どもはもっといろいろなパンフレットをつくっておりまして、その中でお客様からいろいろ言われたときに、そのときの受け答えに一つの材料として出しているということでございまして、郵政省としてこれを広く周知宣伝これ努めて、そしてそれを通じて郵便貯金の理解を深めているというふうな意味合いのものではございませんので、その点はぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。 あるいは表現等について不愉快だというふうな感じを持たれるというふうな部分があろうかと思いますけれども、私どもとしては、管理者がその状況に応じまして、特に一般の職員にこれを使わせるというようなことは絶対しておりませんので、そういった状況に応じてやっているというふうなことでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思う次第でございます。
○野末陳平君 いや、ほかの部分はだからいいんですよ。お客さんとの受け答えにこの部分を強調されるようなことでもあったらまずいから、ここだけは再検討して直すべきではないかと言っているわけで、全体が悪いなんて全然言ってませんからね。 それから、こういうのもあるんですが、これもちょっとわからないんだが、「大蔵省は金利を一元化して銀行、郵貯に自分達が強い統制力を持とうとしている」と、こういう文章があるんですよ。そこで、金利一元化というのは非常に重要なテーマなんですが、大蔵省の統制が金利一元化によって強まるというのが郵政省の受り取り方なんですか。それも聞きたいんだけれども。
○説明員(山口憲美君) 現在郵貯問題が議論されております中で、金利の決定のあり方というのがかなり大きな問題でございます。それにつきまして私どもは、結論的に申し上げますと、現在の金利の決め方が、少なくとも現在の条件下では妥当なものだというふうに考えているわけでございます。 ただいま先生からお話ございましたけれども、若干幅が御趣旨より広い話になるかもしれませんけれども、私どもは預金者をやはり大切にするというのを非常に重要な問題というふうに考えております。預金者は、私どもがお家庭に回って預金を集めておりますけれども、預金者は金融政策の手段を提供するんだという意識で預金をなさってはおられないわけでございまして、預金者はやはり自分の命後の備えというふうな意味合いにおいて預金をされているわけでございまして、そういった意味からいたしますと、やはり金利の決め方というふうなあるいは金利改定という際には、やはりそういった預金者の気持ちということを大切にするということがぜひこれは必要なことではないかというふうに私どもは考えているわけでございまして、現在いろいろ御議論がある中で伺っておりますと、どうも預金者の声が十分に反映されるのかどうかというふうなことに私ども非常に危惧を抱いておりまして、やはり預金者のそういった声が反映する場というのをぜひ確保していただきたいというふうにお願いをしているということでございます。
○野末陳平君 預金者の利益だけを考えて言えばいまの意見も妥当といいますか、だけれども、ほかの面も考えながら金利の問題は考える必要があるんで……。 大臣、どうも金利一元化の問題、これからどういうふうになっていくか知りませんが、郵政省がいまのように受け取っているとなると、どうですか、もう少し説明をきちっとして、今後郵政省の誤解を解くようなことも必要になるんじゃないかと思うんですがね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も初めて見せてもらったわけですが、商売熱心であるということは率直に認めなければならない。しかし戻しの方法として、少し行き過ぎがあるんじゃないかという点も同感でございますから、不必要なことは書かない方がいいんじゃないか、役所の文書ですからね。郵政大臣と話をします。
○野末陳平君 ついでに、いろいろ気になる部分が余りにこのパンフレットの中で多過ぎるから、実態をただしておきたいので、さらに一、二聞いておきますが、奨励課長にばかり行くようで悪いけれども、「大蔵省は銀行、相互銀行、信用金庫、証券会社等に何百人も天下りしており、天下り先の擁護」を考えるがゆえにあれこれ郵貯が大きくなることに反対しているという文章があるんですよ。何か何百人も天下りというとそうかもしれないなと思うし、しかし、かといって天下り先の擁護で考えているというならこれは大問題で、これは郵政省、郵政局ですか、管理者がこの文言をどう受け取るのか知りませんが、これも何か不適切というかやり過ぎだなと思いますが、実態は実態で聞かなきゃなりませんから、どうなんですか、大蔵省は何百人も金融機関に天下りさせているんですか。
○説明員(小粥正巳君) 数字の問題でございますから、私からお答えを申します。 ただいまのお尋ねでございますが、過去十年間の数字で申し上げますと、ただいま証券会社も含んでのお話でありますので、大蔵省の職員であった者が退職後二年以内に金融機関。それと証券会社、この営利企業に就職をするために国家公務員法の規定に基づきまして、人事院に対して所要の手続を行いました後に人事院の承認を得て役員に就職をし、そして現在在職している者と、こういう基準で数字をまとめてみたわけでございますが、これは証券会社を含めまして過去十年間で合計百八十九名、こういう数字でございます。
○野末陳平君 十年間。
○説明員(小粥正巳君) はい。
○野末陳平君 そうすると、その中ではもうやめている人もいるんですか、いま現在。
○説明員(小粥正巳君) いま申し上げましたように、人事院から承認を得まして金融機関あるいは証券会社の役員に就職をし、現在在職をしている者と、こういう基準でお答えをいたしました。
○野末陳平君 そうすると、郵政省のこの何百人もというのはやや水増しということなのかな。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 私ども、正確に関東郵政局でそういった数字をみずから把握をしてということではございませんで、新聞等に一部報道されたもの等を材料にしてつくっているということでございます。
○野末陳平君 これは少なくも関東郵政局というところが責任持って出している文書で、管理者用ですね。管理者用の中の、たくさんある中の一つだというさっきからの答えなんだが、余りにも不正確というか軽率な表現じゃないかと思うんだね。もちろん天下りそのものの問題は別として、数字が少々けたが一つ上になったからといって責めるんじゃないけれども、やはり何か伝聞とか新聞に出ていたとか、それを根拠にそのまま何百人も天下りがいると、しかもそういう天下り先の金融機関を擁護するために金融政策をいかにもあれやこれやといじっているかのごとき印象でしょう、これは。これはやっぱり少なくも管理者用にこんなものをつくるというのは不見識だと思うんですが、重ねて奨励課長にお聞きするが、問題なしとあなたは思っているのかな。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 先ほどからお話をしておりますように、この部分をとらえて、そして逐一これはもうお客様に接したら必ずこういうことを言って回れというふうなことでお話しをしているものではございませんで、受け答えの中にそういうふうなものが出てきた場合に、そういったこともあるということでお話しするということでございまして、全体を郵政省がすべてこういうことでやっているということではないということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○野末陳平君 だから、ぼくは局長さんの方がいいと言ったんだけれどもね。 要するに、全体でやっているんじゃないんだと。この部分だけなんだからと言うけれども、全体がそうだったらえらいことですよ。だけれども、この部分といってもそういう部分、かなり重要な誤解というか意図的な何か表現が目につき過ぎるので、この部分のみをひとつあなた方でチェックして、誤解のないものをつくってほしいと、こうむしろお願いしているのでね。何か大蔵大臣ね、お役所同士が足を引っ張り合うというか、別に大蔵委員会だから大蔵省、国税庁の味方になって言っているわけじゃありませんよ。どちらもやはり誤解に基づくような表現を公然とやって、これは管理者だけだからとかあるいは全部使うわけじゃないからとかいう弁解はこれは醜いと思うんだ。 ですから、行政にはそれぞれの守備範囲もあるし、相手に対していろいろと言いたいこともあるでしょうけれども、やはりこれが一般の国民の耳に入ったり目にとまったりするようなこともあり得ると考えれば、これ自体は非常に政治不信を招くというか誤解を招く。間違った世論誘導だってしかねない。そもそも、よその省のいろんな行政に余りにもタッチした文章がここには多過ぎるから、管理者用にこんなことをつくるのは、ぼくはちょっとよくないから再検討して、訂正すべきは訂正してほしいと思っていたわけです。 しかし、どうも課長さんの立場でなかなかそれが言えないようなんで、少なくも事実と違う記述とかあるいは伝聞とかうわさなどに基づいて活字化したような文章、これはやはり大蔵省からアピールして撤回あるいは訂正、これが必要なんじゃないでしょうか。これは読み方によっては大蔵省に対する郵政省の挑戦ととれる。強いて言うならば、銀行預金に対する郵便貯金の挑戦ということになるから、その辺のこと非常に気になるんですが、再度大蔵大臣お答えをお願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に仕事御熱心だということは私も頭が下がるんですが、やはり熱心でも行き過ぎがありましてはいけないところもございますから、確かに私もいま初めてこれを見せてもらっておるんですが、そのほかにも幾つか余分なことじゃないかというようなこともあるようです。したがって、先ほど申し上げましたように、国会で問題になったことでございますから郵政大臣と相談をいたして、行き過ぎのないようにしてもらいたいと思っています。
○野末陳平君 じゃ、それはくれぐれも大臣にお任せしておきます。 再度ひとつ奨励課長から、郵政省に帰ったら言ってほしいんですが、もうあっちこっちにあるんですよ。実は一部一部とおっしゃるけれども、全体の一割ぐらい仮に不適切な問題表現でもあれば、これは全体はそうじゃありませんからという弁解が通用するはずないですよ、世の中たとえばぼくもずいぶん問題にした、銀行にないような募集手当を出して郵便貯金集めていると。それはそれで大臣言われるところの商売熱心の一つの延長で、いままでの慣行だと言うけれども、この間銀行、信用金庫やなどの代表が来て意見陳述をされたときにも、銀行は、募集手当も出してお金を集めると、あれにはかなわないということをこぼしていましたよ。 で、まあその募集手当自体も、ぼくは問題だからやめなさいと言っているけれども、その中に、この募集手当の書き方が、「言われているほどもらってはいません。セールスには手当はつきものではないでしょうか。」なんて、こんなこと書いてあるんだね。これもちょっとどうかと思って、郵便貯金の管理者が、セールスと言えば商品には違いないけれども、公務員だよね。それはセールスに手当はつきものだから募集手当もらっても悪くないんだと、言われているほどもらってないじゃないかと、こんな表現も非常に不見識だと思いますから、ひとつ全文を再検討すべきであると、重ねてお願いしておきますから、頼みますね。 終わります。
○近藤忠孝君 最初に、これは前々回の私の質問、これは田中元総理のロッキード事件でもらった賄賂金への課税問題、その日に答弁なかったわけですが、ひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(小幡俊介君) お尋ねの件でございますが、昭和四十八年分として二億五千万円、昭和四十九年分として二億五千万円、合計五億円につきまして昭和五十二年三月に課税処理を行っております。 で、現在この課税処分に対しましては、同氏から異議の申し立てがなされておると、こういう状況でございます。
○近藤忠孝君 税額はわからないですか。
○政府委員(小幡俊介君) 税額につきましては、国会におきまして直接御答弁申し上げることをお許しいただいておるわけでございますが、先生御案内のように、課税所得八千万円を超える分につきましては、所得税法によりまして七五%の税率が適用されるということでございますから、本件はこの金額から見まして、仮に七五%の税率が適用されるというふうに計算をいたしますれば、計算上出てまいります税額は三億七千五百万円になるということかと思います。
○近藤忠孝君 この問題については、これは脱税のときの議論でしたからまた後に譲りたいと思います。 大臣がおられる間に中小金融問題について質問いたしますが、中小金融の対象である中小企業の実態、これがまず問題だと思うんです。中小企業の重要性についての大臣の認識の問題と、それから現状、これはもう予算委員会以来しばしば問題になってまいりましたけれども、大変な苦境にあるという、この辺についての大臣の御認識をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) わが国の産業の何といっても根幹をなすものは中小企業が支えておるわけでございますから、その中小企業の育成、それから維持発展ということは日本全体としても非常に重要なことだと。現実に中小企業が去年からことしにかけまして大企業よりも設備投資が少ないし、不況の中にあるという現実は率直に認めなければならないと、さように考えております。
○近藤忠孝君 月本経済の危機が、一千万円以上の企業の倒産、月に千五百件と、それを突破している状況であるということ、これは御承知のとおりだと思います。そういう中小企業に対してやっぱり金融というのは大変密接な関係にあるわけでありますし、生かすも殺すも金融次第という面があるわけであります。 そこで、中小専門機関のあり方を重視するということが大事なんですが、銀行との比較において中小専門機関の必要性を大臣はどうつかんでおりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 要するに、都市銀行だけでございますと数も少ないし、やはり資金の効率化という点からだけ考えると、どうしても預金されたものはまとめて貸した方が効率がいいわけです。中小企業の方はどうしても、何億なんて借りる人が余りおりませんから、やはりこれは非常に分散されるから手数もかかる、担保管理も容易じゃない。大企業の方は社債の発行で資本市場から金も集められるし、あるいは株式の時価発行ということもやってできないことじゃないし、中小企業よりは金を集めやすい。 そういうような点もございまして、やはり都市銀行にも中小企業向けの金は貸すように極力行政指導はやっております。やっておりますが、何といたしましても、信用金庫あるいは信用組合というような中小企業の専門分野で活躍をしておる金融機関がございまして、これはそれなりに必要があるから、相互扶助といいますか、助け合いといような意味も含めて、協同組合の精神でつくられておるものであります。したがって、これらの金融機関がみんな大銀行等の傘下に入っちまうというようなことになることはおもしろくない、好ましくないことでございます。したがって、やはり支店の設定その他に当たりましても、中小の金融機関の圧迫にならないように十分に配慮をしてやる必要があると、私はそういう持論でございます。
○近藤忠孝君 その中身についてこれから具体的にお聞きするわけですが、金融制度調査会の答申、特に「中小企業金融専門機関等のあり方と制度の改正について」という点の十五ページ見ますと、中小企業への資金の安定的供給について問題があったということと、「銀行による中小企業への資金供給が安定的な構造を備えるに至ったかどうかについては、なお、しばらく推移を見守る必要があると思われる。」と指摘されております。ですから、よけいいま大臣が言われた配慮、これが必要であると、こう思うわけです。 で、そこで、なるたけ中小企業者に有利な貸し出しができるようにということが必要だと思うんですね。ところが、現状を見てみますと、金利でもその他の面でも大変不利な状況にある。これはもう御承知のとおり、都銀、地銀、相銀などずっと比べてみましても、たとえば昭和五十五年三月末、都銀の平均貸出金利ですね、これが七・七八九、地銀が七・六一五、相銀が七・八三四、それから信金が八・〇二四、信用組合が八・五九八と。で、五十六年二月にもさらに金利が上がって、そしてその中身も同じ傾向を示しておるわけですね。こういう業態間で格差が歴然としているということはもう明らかですが、その原因はこれは何でしょうか。
○政府委員(米里恕君) おっしゃるように、中小企業金融専門機関につきましては、貸し出し利回りはたとえば全国銀行に比べて高くなっておるという状態でございますが、これはいろいろな理由があろうかと思いますが、一般的に言いまして中小企業金融というのは非常に一つ一つのロットが小さい。そのためにあるいはまたリスクも非常に大きいというようなことで、コスト面で考えますとどうしても中小企業向けのものはコストアップ、コストがかかるというような面があると思います。 一方、中小企業金融機関につきまして資金調達を見ますと、全国銀行に比べまして定期性預金のウエートがかなり高いというようなことから、中小企業金融専門機関自体もある程度資金調達面でコストが高い構造になっております。 そういったようなことが総合されまして、中小企業金融に対してほかの企業よりも金利が高いんではないかと思います。
○近藤忠孝君 その実態というのはこれは大変格差が出ているわけであります。「銀行形態別金利水準およびその分布状況」、これは五十四年一月から三月の中小企業金融公庫での調査でありますが、短期金利の平均が都銀が五・一九%、地銀が五・八〇%、相銀が六・一九%、信金が六・五九%、同じ傾向ですね。はっきりしているのは、都銀と信用金庫を比べた場合に五%未満、都銀の場合には四〇・八%、信金は三・〇、これが金利が上がるに従って逆になっているわけです。八%以上については都銀が〇・九%、それから信金が一〇・一%ということで、途中はさらに信金の方が不利な状況というのはこれまた歴然としておるんですね。これほど格差があるのをほっといて、大臣が冒頭言われたような配慮をするといってもこれは配慮にならぬわけですね。こういうものを是正をしていくということが必要だと思うんですが、そういう方針はあるんですか。
○政府委員(米里恕君) さっき申し上げましたように、一般的にどうしても中小企業向けの方が金利が高くなるという原因があると思いますけれども、しかし中小企業金融専門機関でございますし、できるだけ中小企業の要請にはこたえなければならないというような観点から、できるだけこういった各種中小企業金融専門機関につきましても経営の効率化に努め、可能な限り貸し出し利回りの引き下げに努力する必要があると思いますし、行政としてもできるだけのことをやってまいりたいと考えております。
○近藤忠孝君 できるだけのことというんですが、やっぱり具体的にどうするのかということが問題だと思うんですね刀 そこで、さらに具体例を申しますと、今度、借りる側の中小企業側の規模別実質金利の負担率、これを見てみますと、製造業平均では九・八%です。ところが、従業者一人から三人の場合には一一・五%の金利、それから十人から十九人の規模で一〇・一%、今度ずっと大きくなりますとずっと少なくなっている。たとえば五百人から九百九十九人では九・三%ということで、概して零細業ほど高い金利を押しつけられているという、これほどはっきりしておるときに、単に配慮する、対処したいというだけではこれどうしようもないわけですね。 また、借りる相手の中小企業が弱いという状況でさらに負担をかける。最近あちこち回りますと、やっぱり金利負担の大きさを特に零細企業から言われるわけです。ますますこれは経済性を損なうという状況ですね。ですから、これはむしろ思い切った対処をすべき状況だと思うんですが、そういう抽象的なことじゃなくて、もう少し具体的に踏み込んだ答弁はいただけないんですか。
○政府委員(米里恕君) まず、民間の中小企業金融専門機関は、その制度上普通銀行に比べていろいろな点で有利に取り扱われている面があると思います。まあ信金、信組でございますと協同組合組織ということもございまして税金の面での恩典もございますし、あるいはまた準備率、国債の引受量その他を比較いたしましてもそれなりのメリットは与えられている。相互銀行につきましては、いままで信金、信組に比べてわりあいメリットが少ないというような意見もございました。金融制度調査会でも御承知のようにいろいろ議論をした結果、商品面あるいは店舗政策の面で十分何か相銀の特殊なものを考えるべきであるというようなことから、今度の店舗通達におきましてもそういった配慮を払っておると、そういう環境の整備ということにできるだけ努力をいたしますとともに、その金融機関自身の経営効率化の努力というものを促進するように指導していくというようなことであろうかと思います。同時に、民間の金融機関だけではございません。政府関係金融機関におきまして中小企業に対して種々の制度をつくっておるということは御承知のとおりでございます。
○近藤忠孝君 そういう、一面有利な面がやっぱり必ずしも十分に生かされてない現状があると思うんです。 そこで、これは具体的に私は提起をしたいんですが、中小機関に対して積極的な援助策、助成策をしてもらうという点で、これは日銀来ていただいておりますので日銀にお願いしたいんですが、信用金庫の方からは、現在の手形割引、これを商業手形だけじゃなくて工業手形についてもやってほしい、それから手形の期日も九十日をもっと長くしてほしい、これはかなり切実なる要求のようですが、いま言った何らかの対処が必要だという、その対処の一つとして、こういう点は日銀の方からやってもらえるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○参考人(三重野康君) お答えします。 信用金庫につきましては、以前は全信連だけ貸出契約を結んでおりましたのですが、昭和四十四年以降、中央銀行の取引先にふさわしいところには貸出契約を結び、商手の枠を配置して中央銀行の信用を供与しております。現在、全信連以外に約三十七金庫、貸出取引契約のない金庫につきましては、全信連を通じまして商手の再々割引をしているというのが実情でございます。 いま先生の御質問でございます商手の要件でございますが、商業手形はこれは申し上げ名までもございませんが、日本銀行の銀行券の見合いになる地方銀行の資産でございますので、やはり物が動いて、それに基づいて振り出され確実に決済されるという基準はどうしても曲げることができませんが、その運用につきましてはなるべく実態に即して弾力的にしてまいりたいと思いますし、これからもその点は十分配意してまいりたいと思います。 それから、もう一つの御質問の工業手形の件でございますが、これは金融技術的なことを申し上げてまことに恐縮なんでございますが、商業手形と工業手形というのは両方ダブっておりまして、その審査いかんによっては二重金融になるおそれがあるというようなことから、信用金庫の要望はよく存じておりますが、いまだに検討課題となっておりますが、これについても引き続き検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 期日の問題はどうですか。
○参考人(三重野康君) 期日は、恐らく先生のおっしゃいますのは、たとえば九十日とか、比較的短い期間で切っていることについてだと思いますが、これはやはりさっき申し上げましたように、物が動いて振り出されて必ず決済されるというためには、物によっていろいろ期日は違いますけれども、それぞれの実態に即してある程度の定めがございます。これも余りしゃくし定規にいたしますと、信用金庫の取引の中小企業については日本銀行に持ってくる手形がないということもありますので、この点は全くなしにするわけにはまいりませんけれども、実態に即して弾力的に考えていきたい、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 この問題は直接日銀にも要望があると思いますし、国会へも一これは衆議院の方ですが、全国信用金庫協会会長さんも見えでそのことを要望しておりましたので、つけ加えて申し上げたいと思うんです。 それで、そのほかの問題とすると、拘束預金の問題がやっぱりあるんですね。拘束預金の比率は、都銀で一一・八%であるのに対して、相銀が一二・一、信金が一四・七、信用組合が一五・九となっておるんですが、これも経営実態の弱いものがやっぱりそれだけ負担を受けているということで、渡辺さん流の考えや信念を貫けば、この辺もやっぱり是正の対象になってしかるべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(米里恕君) 拘束預金比率、いろいろな数字がございますが、トレンドといたしましては、業態別に見て中小金融機関はやや普通銀行より高いというような形になっております。これもいろいろ性格的な理由が幾つかあろうかと思います。 中小企業金融専門機関といたしまして、非常に幅広い中小企業取引層を擁しておりましてそういった中小企業に融資をいたします際に、担保というものがなかなか適切なものがないということから、どうしても大企業に比べて預金担保の必要性というものが高くなるということもあろうかと思います。 また、その返済方法につきましても、中小企業側がたとえば定期積み金という形で返済していくというようなことを志向する場合もあろうかと思いますし、信用金庫などにつきましては会員組織というものが主体になっておりますので、預金者イコール債務者というふうになりがちであるという性格もあるというようないろいろな理由があろうかと思います。引き続き、大蔵省として拘束預金比率の推移には十分配意をいたしておりますし、過当な拘束預金が生じないように十分気をつけてまいりたいと思います。
○近藤忠孝君 これも努力によって私は改善が可能な問題だろうと、こう思います。 そこで、上位シフトの問題であります。 今回の改正で、相銀の貸出対象企業の資本金、これが四億円から八億円、それから信金の会員資格資本金の上限が二億円から四億円ということに上がることになるんですが、政令で決めるわけですね。やっぱりこれほど大事な問題、中小金融機関、専門機関としての基本にかかわる問題、これをなぜ法定でなくて政令でやったのか、この点はどうですか。
○政府委員(米里恕君) 物価情勢あるいは経済情勢の変化に即応いたしまして、中小企業もどんどん変容いたしておりますので、そういった従来の取引先の中小企業に引き続き、中小企業金融専門機関が取引をやっていくということのためには、資本金の限度につきましてもできるだけ弾力的に動かしていく必要があるというように考えまして、この際政令に委譲さしていただいたらいかがであろうかと考えた次第であります。
○近藤忠孝君 弾力性よりも、私は、その基本を守っていくということがやっぱり必要ではないかと思うんですね。特に今回の四億円あるいは八億円というぐあいに決めた根拠、これがどうも私納得できないわけです。八億円といいますと、二部上場資格を有する企業があるわけですね。中小企業といっても上の方に、力のある上の方になるわけで、中小企業対策としての中小専門金融機関というその本質から見ると、基本的な方向から見て外れているんじゃないか、こういう点はどうですか。
○政府委員(米里恕君) 今回、それぞれ相銀、信金、倍に資本金の基準を上げさしていただきたいというふうに言っておりますのは、その実態の変化、貸出対象の変化という考え方ではございませんで、この前、現在の制度、金額を定めましたのが四十八年の改正のときでございまして、それからすでに八年間たっておるわけでございまして、その間の物価の動向、四十八年と現在との物価の動向、さらにまた対象中小企業の平均資本金の伸びというものを見てみますと、大体倍というところでそろっておりますので、取引先の中小企業が成長したのに即して、取引を継続できるように倍にさせていただきたいということで八億円あるいは信用金庫であれば四億円というものを考えているわけでございます。 ちなみに、相銀の場合に、たとえば八億になったら非常に上位にシフトするかというような御疑念もございますが、具体的に現在の相銀の取引対象の資本金別分布というようなものを見てみますと、圧倒的に四億円以下のものがウエートを占めておるわけでございまして、四億円超のものはほとんどわずかである、一%にも満たないというぐらいの数字になっておりますので、従来の取引先の継続ということから考えましても、急にこれが上位にシフトするというようなことにはならないのじゃないかと思っております。
○近藤忠孝君 大臣、もうそろそろ行かれる時間も近づいたようですから、あと最後に一つお答えいただきたいんですが、いま実態が答えられたんですが、前回改正があった四十八年の三月に、資本金一億円未満の企業が全体の八九・七%、五億円未満では九八・四%。五十四年三月末で一億円未満が八四・八%、五億円未満が九八・二%。五億で見てみますと依然として小さい資本の企業が圧倒的なんですね。まさに中小専門機関の出る場なんです。 そこで、たとえば会員資格の引き上げなどを行うと、信金から相銀、それから相銀から地銀あるいは都銀などへ取引機関の変更がやっぱり起きてくる、こういう可能性があるのではないか。それが上位シフトの問題で、要するに、ほとんどいままで中小金融機関の対象であったものが、今度は地銀、都銀の対象になってしまう、こういう問題も起きてくるわけですね。そこで私は、やっぱり専門機関としての立場を生かしていくということで、この辺についても大いに気をつけていくということが必要だと思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つの考え方でございますから、十分研究をしてみます。
○近藤忠孝君 それで、いまの八億、四億の問題ですが、信用組合は一億円に据え置かれたわけです。しかし私、この数字を見てみますと、八、四、一というのはこれはもうすぐ八、四、二に、数字の感じからいって、こうなってしまうんじゃないか。そうすると、やっぱり信用組合のこの専門性が崩れてくる可能性があるのじゃないか、こう思うんですが、そういうことはないんですか、
○政府委員(米里恕君) 信用組合につきましては、中小企業基本法とくつわを並べてずっとやってまいっておりますので、中小企業基本法の中小企業の概念というものと合わせてあるわけでございます。したがって、将来もし中小企業基本法が変わるというようなことになりますと、信用組合の資本金限度も変わるということになりますが、ばらばらに信用組合だけ上がることにはならないと思います。
○近藤忠孝君 幾つかの問題まだありますけれども、中小企業に対応する資金供給体制を一層整備する必要が私はあると思いますので、その点を指摘して、次に移りたいと思います。 今回の銀行法で合併、それから営業の譲渡についてずいぶん詳しい規定が置かれているわけです。ということは、大蔵省としては今後合併などを積極的に進める方向がうかがえるんですが、その点どうですか。
○政府委員(米里恕君) 今回の法律改正に当たりまして、合併、営業譲渡というような条文がかなりふえましたのは規定の整備という意味でございます。特に銀行法等特例法という非常に古い法律がございまして、そこの条文の中で現在生きておりました営業譲渡というような規定をこの際統合いたしまして、銀行法等特例法という法律を廃止したというような関係もございまして、銀行法一本で合併、営業譲渡の規定を整備したという関係からでございまして、これによりまして合併もしくは営業譲渡を大いに推進しようというような考え方ではございません。 合併と申しましても、これだけいろいろ複雑多様な世の中でございますし、また金融機関の公共性ということから考えましても、何と申しましても、預金者、取引者あるいは銀行の中の考え方といったようなものがすべて十分熟して、自発的に合併したいというような場合で、かつ金融効率化に非常に資するということでございましたら、これは大いに前向きに考えるべきだと思いますが、青写真をかいてどことどこが合併するというようなことを行うというような性格のものではないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 その点を心配するのは、最近銀行間の店舗の売買や交換というものがずいぶんあるんですね。しかも中身は都銀など上位銀行が、要するにもっと低いところの、下位の銀行から譲渡を受けると、吸収合併的な要素のものが大変多いというのが現状だと思うんです。もうすでに大蔵省としては昭和四十三年度から店舗の交換、四十四年度から売買を認めてきておるので、それに対応した法律上の整備、これが今回の改正という面はあるんじゃないかと、客観的にそう見えるんですが、その点はどうですか。
○政府委員(米里恕君) 特に、現実の動きと今回の法整備というものを結びつけて私どもは考えているわけではございません。金融機関の店舗の売買、これは一種の営業譲渡の一部という形で行われているわけでございますが、これは双方の金融機関自身が判断していく、かつ経営の効率化ということを目的にしながら、地域の取引者の方々のニーズといったようなものを踏まえて、金融サービスを拡大していくと、こういった目的で行われておるわけでございます。 こういった問題について、私どもは基本的には個別の金融機関の判断を尊重するということでございますけれども、あわせまして、金融秩序の維持及び地元中小企業等への資金の円滑な供給というようなことに十分配慮して行政を行っておるというようなことでございまして、過般の五十六年度、五十七年度の店舗通達におきましても、金融機関の店舗の譲渡、譲り受付については、随時次の点に配意の上、慎重に取り扱うもの上するということで幾つか列挙しました一つの柱として、譲り渡し、譲り受けによりまして当該地域の中小企業金融等に支障を生じないことということを指導しておるわけでございます。 なお、最近、上位金融機関が中小金融機関の店を買い取る例があるとおっしゃる点でございますが、これは中小金融機関が経営の建て直しを図りますために、店舗を譲渡したいという意向がありました場合に、更け入れる余裕のある上位金融機関が店舗の買い取りを依頼されるというような例がときどき発生しておるという状況でございます。
○近藤忠孝君 具体的な例としますと、四十九年十月に、鳥取相互銀行が鳥取信用組合を吸収合併して、それ以来鳥取には信用組合がなくなってしまったという例があるんですね。で、最も小規模な企業に対する貸付専門店がなくなってしまったというと、これは先ほど来言っているその地域に合った対応という点では、私はこれは大変ぐあいが悪いんではないかと。要するにこういう合併というのは、金融機関の地域的配置という点で問題がありはしないかと思うんですが、これはどうですか。
○政府委員(米里恕君) 御指摘のような鳥取銀行が鳥取信用組合を吸収合併したと、四十九年の十月が合併時期になっております。金融機関の合併が行われる際の認可基準といたしまして、大蔵大臣は、合併、転換によって当該地域の中小企業金融に支障を生じないことに配意するという要件がございまして、個別にチェックをいたしまして、鳥取銀行は、この場合には地元金融機関としまして、当該地域の中小企業金融にも十分な実績を有しております。さらにまた、地元中小企業金融専門機関といたしまして四十九年現在で相互銀行が二十五店、信用金庫が二十九店あるというようなことを勘案いたしまして、信用組合が銀行に吸収合併されても中小企業金融に支障が生ずることはないというふうに判断して認可したものでございます。
○近藤忠孝君 その判断が正しいかどうか、これは問題だと思いますし、ともかく私は、こういう中小機関のやっぱり重要性という点から見て今後の問題もあると思うんですが、これは十分配慮さるべきだと思うんです。 これは合併の問題ではありませんが、地域との関係で、日本銀行にお伺いいたしますが、大分銀行の問題です。大分銀行に今度日本銀行の職員の方を役員として派遣されるということについて、地元の方でそれに対する反発があるように聞いておるんですね。しかもいままで大分銀行には三人行っておるんですか。そして四人目である。しかもこれはもう最高幹部——社長なり専務ですね、ということで、そうなるともう地方銀行でなくなってしまうんじゃないか。やはり地元で、地元の言葉もわかり、長く住んで心も十分に通い合うという人が中枢の地位におるということが求められておるということですが、今回の問題は、そういう点から問題はないんですか。
○参考人(三重野康君) ただいま先生がお触れになりました個別人事は、ほかの企業の人事で、まだ発表にもなってないんで、私がここでいろいろ申し上げるのは余り適当ではないと思いますので、一般論としてお答えしたいと思います。 戦後三十五年たちまして、それぞれの金融機関に固有の人材が育ってきているのは事実でございますし、ただそれと同時に、先生御案内のとおり金融環境が大変厳しくなってきておりますので、そういった中で経営を何とかやっていくと、危機を克服していくというために、一部の金融機関から私どもに人材の派遣ということを要請が参ることがございます。そういう場合は、私どもといたしましては、その金融機関に最も適当でしかも役に立つ人という人をあっせんしているわけでございますが、当然のことでございますが、私どもの方から人を押しつけて、その結果としてその金融機関の従業員のモラルが低下するというようなことは絶対に避けなければならないと思っておりますし、従来もそういうことはやっておりませんが、今後ともその点には十分配慮してやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 大分から聞こえてくる声はこういうんですね。生え抜きの人が実際有能の人がおると、ところが今回は日銀からの要請ということで派遣されてきて、やむなくそうなってくると。もともと地方銀行は日銀や大蔵省など中央の要請には弱いんだと、こういう声がかなりはっきりと聞こえてきておるんですね。そうなると、いま理事が言われたのとはちょっと違うような側面があるんではないかと、こう思うんですが、どうですか。
○参考人(三重野康君) 先生にどういう声が来ておるのか存じませんが、少なくとも私どもの方から要請したことはございません。
○近藤忠孝君 それはそれとして承っておきますけれども、そういう問題がある。しかも連続四人という点が奇異な感じを受けるということを申し上げたいと思います。 時間がもう参りましたので、あと一つだけお伺いしますと、都市銀行が地方銀行あるいは相互銀行、信用組合などに対して役員の派遣、それから株式保有による系列化というものがこれは相当進んでおると思うんです。時間ないんで数字は申しませんが、しかしそういう中で、たとえば静岡相互銀行などの実際の貸し出しの状況を見てみますと、先ほど申し上げたようなことに関係しますけれども、やはり、この地元から集めた金が大きな企業の方に貸し出されてくる、こういう傾向がはっきり出ておるんですね、数字ちょっと申し上げる時間ないんですけれども。となると、やはりそういう系列化が進み、株式保有が進み、役員派遣が系列化として進んでいく中で、元来持っている中小金融機関がその役割りを果たせないんじゃないかと、こういう側面が出ておるんですが、その点はどうですか。
○政府委員(米里恕君) 中小企業金融機関が中小企業、特に地元の中小企業に対してサービスを拡大するということは、当然その置かれた制度上の位置からも必要なことでございます。また地方銀行につきましても、地元経済に貢献するということが公共性の面から必要であるのみならず、その地方銀行の発展自体にとっても地元経済の発展というのは欠くべからざるものだと思います。そういったようなことを考えますと、今後ともに地方銀行は地元経済の発展に貢献し、中小企業金融専門機関は中小企業金融に徹していくべきであるという考え方で指導してまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 終わります。
○委員長(中村太郎君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十二分散会