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94回国会参議院1981/05/21

大蔵委員会 第23号

発言数
448
登壇者
17
会派数
7
開催日
1981/05/21

会議録

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十八日、佐藤昭夫君及び藤井裕久君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君及び藤田正明君が、また十九日、藤田正明君が辞任され、その補欠として増岡康治君がそれぞれ委員に選任されました。  また、昨二十日、近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に増岡康治君を指名いたします。(拍手)     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) この際、藤井大蔵政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。藤井大蔵政務次官。

藤井裕久自由民主党・自由国民会議

○政府委員(藤井裕久君) このたび、浅野前政務次官の急逝に伴いまして、はからずも大蔵政務次官を拝命いたしました。  このむずかしい時局にかんがみまして、自重、自戒して渡辺大蔵大臣のもとで職責の遂行に誤りなきを期してまいる所存でございます。よろしく御指導賜りますようお願い申し上げます。(拍手)     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案、銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、以上四案を一括して議題とし、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 恐縮ですが、五月十二日の本委員会で質問が許されませんでしたので、若干用意をしておった問題に触れておきます。  その前日の十一日の各紙夕刊で、予算委員会以来論議をしてまいりました東洋信販が会社更生法を申請をいたしました。すでに何度か私はこの問題を取り上げて、出資法の違反あるいは住宅ローン名義貸し、詐欺などの疑いがあることを指摘をしてきたわけですが、銀行局、この出資法の検討はどうなりましたか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 東洋信販の出資法違反の容疑につきまして、率直なところ、現在まで明快な判断ができるまでには至っておりません。大蔵省といたしましては、可能な範囲内で独自に調査を進めておりますが、何分強制的権限を持っているわけでもございませんし、東洋信販自体が大蔵省の監督下にあるというような性質のものでもございませんので、おのずから調査に限界もございまして、今後関係当局と十分協力したがらさらに、事態の解明に努めてまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この会社に対しても新しい一つの疑惑が生じています。  東洋信販の子会社に有限会社一途という会社がありまして、所在地は渋谷区代々木四の二十七の二十五、これは東洋信販と同じ番地であります。資本金は三千万円、会社設立の目的は「不動産の売買、不動産の管理、金融、貴金属・絵画の売買及びリース」、こうなっています。社長は大谷茂子さんといって大谷昭雄東洋信販社長夫人であるわけであります。  そこで、問題だと思われるのは、この東洋信販が昭和四十九年に代々木に本社ビルを建てました。地上十階地下一階のビルでありますが、このビルの建設に当たって東洋信販は、本社ビル落成記念協力特別出資という名目でお医者さんから出資金を募ったわけであります。その金額は約五億円、出資の条件として一口五十万円で、五年間で一〇〇%の約束をしているわけなんです。これがまず第一、出資法違反の疑いが非常に濃いと私は思います。  しかし、これから先が問題なんですが、この新社屋、登記上の名義は一途のものになっているんですが、出資は東洋信販で募った。しかし、実際本社ビルを建てたのは一途だったという疑いが強いわけです。出資した開業医は、当然本社ビルは東洋信販のものだと思っている。私のところに来る幾つかの投書は皆そう訴えているわけです。これが特別出資のコピーであるんでありますが、銀行局と警察庁にすでにお見せして通告してありますけれども、これはやっぱり出資法違反ばかりではなくして、私は背任の疑いがきわめて強いと思うのでありますが、御両者いかがですか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) ただいま御質問のありました事実関係だけで直ちに背任というのはいかがなものかというふうに考えます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 銀行局、この辺はどうなんですか、出資法の問題は。さっきと答弁一緒ですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 実態を完全に把握いたしませんと、出資法との関係がどうなるかということが一言では申せないわけでございますが、さらに実態を究明していく必要があると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さらにこの会社は、東洋信販に事務所を貸しているという形をとっていまして、四十九年七月に敷金として一億二千二百六十四万円が東洋信販から一途に支払われています。五十四年七月にも二億四千五百万円が契約更新料として支払われている。家賃は坪一万円の計算で月額一千二十二万円、年額約一億二千万円。しかもこのビルは大谷一家の居宅として使用されているわけであります。まだありますが、この一途は宅建業法上の不動産売買の免許を取ってはいません。これは五月十二日の質問通告に当たって五月十日、建設省に調査を依頼しましたところ、建設省はそのように確認をしてまいりました。にもかかわらず、北海道や富士の別荘用地、それを一途がまず買い取る、それを東洋信販に転売する、こういうふうになっているわけですね。たとえば、四十七年十二月一日に北海道壮瞥町の土地六万二千五百九ヘクタールを一途が購入をして、そして所有権移転をやって、それを三ヵ月後の四十八年二月十五日に東洋信販に転売をする、こういうことになっているわけです。同様のことは山梨県上九一色村の問題の別荘地でも行われているわけです。ここでは四十五年八月二十七日、一途が購入をして、四十六年十月二十日に東洋信販が入手をする。一途が東洋信販の土地売買の中間に介在をして中間利益をかせいでいる、そういう疑いが強いわけです。  警察庁、恐らくこのような事実はすでにつかまれていると思いますし、私が質問通告してからもう十日以上たっているわけでありますから、その後の調査もあったと思うのでありますが、これは厳正な措置をとるように私はこの機会に要望いたしたいと思いますが、いかがですか。

内田文夫警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(内田文夫君) ただいまの事実関係につきましては、まだ十分事実関係把握しておりませんが、事実関係調査いたしまして、法律違反の事実があれば、それに応じた処置をとりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 かなり、私が前の委員会でこれを述べる機会がなかったから時間がたっているわけでありますが、警察庁としては、私が述べ続けてきていることについて、重大な関心をお持ちですか。

内田文夫警察庁刑事局保安部保安課長

○説明員(内田文夫君) 関心を持ちまして、関係官庁とも連絡をとって、この成り行きを見ているところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 せんだっての委員会で取り上げましたが、住宅ローンの名義貸しについて、銀行局は調査をされていると聞くのでありますが、その結果は報告できますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 住宅ローンの名義貸し云云の問題でございますが、私どもといたしましては、独自の調査を行うに際しまして、東洋信販を直接調査するということは困難でございます。金融機関ではございませんし、大蔵大臣の直接の監督下にあるわけでもない。したがって、私どもとしてたし得るところは、東洋信販が配布しておりますパンフレットの中で、ローンの取り扱い機関として上がっております金融機関について調べるということでございますので、そういった金融機関に名義貸しの有無を照会いたしましたところ、金融機関側からは住宅ローンの不正使用につながるような名義貸しの事実はないというような報告を受けております。正当な住宅ローンとして、それなりのチェックを行い、貸し出したものであり、住宅ローンとしての正当性というものは認められるのではないか、こういうような報告を受けております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そういうような大蔵省の見解を聞きましたが、問題はこの住宅ローンを借りて買ったとされる土地の固定資産税を本人が払っていないという事実関係が指摘をされるわけですね。この事実が確認をされれば、住宅ローン詐欺ということになるというふうに考えますが、論理として警察庁、そう思いませんか。

漆間英治警察庁刑事局捜査第二課長

○説明員(漆間英治君) この件につきましては、まだ事実関係が具体的につかめておりませんので、なかなか判断を申し上げにくいわけですけれども、詐欺が成り立つためにはやはり欺罔行為があり、それに基づいて、ローンを貸し出す側が錯誤に陥ってそのためにローンを交付した、こういう図式が成立することが必要であると考えますが、この場合、銀行にとりましては正当な担保の供与があり、しかもそのローンは確実に支払われているという実情がございますので、現在の段階では銀行側の被害意識というのは恐らくないのではないかというふうに考えられます。したがいまして、この事件そのものが必ずしも現段階で詐欺罪にならないとも言いにくいわけでありますが、詐欺罪になる余地はあるわけでありますが、逆に積極的に、じゃ詐欺罪として問擬できるかと申し上げますと、いま申しましたような被害者側の被害者意識、それから先ほど言いました図式が成立しにくい、そういうような事柄もありまして、直ちに詐欺罪に該当するとは申し上げにくい、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この問題終わりに、しますが、大臣、私はこの事件から教訓を取り出すとすれば、あるいはまだ教訓を云々するという時期ではないのかもしれませんけれども、一つは法人税と個人所得税の関係があるというふうに実は思っているのです。税制上の違いが厳然としてあるわけであります。個人事業者は、青色申告制度あるいはみなし法人課税制度によって法人並みの扱いを制度的には受けているわけですが、実態はこの青色申告制度も近年では頭打ちの感があるわけですね。みだし法人課税制度に至っては、青色申告者総数のうちの届け出割合は五・八%、これは昭和五十四年十二月三十一日現在ですが、にすぎないわけであります。こういう問題が第一にある。この点の問題をどうも私は感ずるんですが、大臣いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 質問の趣旨がよく私わからぬのでありますが、みなし法人というのが案外利用されていたいということはやっぱり問題がございます。一つは、売掛金その他で所得に算入されたものが全部みなす配当にされるというようなことなどもあって、あんまり、青色申告以上にメリットが少ないというようなことなどが、みなし法人という制度が伸びない理由の一つではないかと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 二つ目には、私は教訓などと言えるかどうか知りませんが、悪名高い医師優遇税制がやっぱりこの問題とは切り離して考えるわけにいかぬという感じがいたします。そもそも診療報酬の改定が医師会の思うようにならないために医師優遇税制というのはああいう形で導入をされた。診療報酬の方はもう何度も改定されてきた。ところが、優遇税制の方は一昨年に五段階方式という部分的、あくまでも部分的手直しだと思うのですが、そういうことが行われただけです。ここはもうどういうのですか、すっぱりと優遇税制はやめるぐらいの処断がなければやっぱりこういうような事件というのはずっと続くのじゃたいだろうかという感じがしているんですが、いかがですかね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もかねてからこの医師税制の特例措置というものは医療荒廃の諸悪の根源であるという考えを持っておりまして、これはやめた方がいいということを言っておったわけでございます。しかし、それはそれなりに何せ三十数年の長い歴史がございますし、一方医療の公共性というものもわれわれは認めておるわけでございますし、また校医というようなもの等に地方の開業医が低廉な報酬で携わっておるということも現実でございますから、制限的にある特定な人に残すことは暫定的にやむを得ないなとも思っておったわけであります。いろいろ議論の結果、ともかく五段階制ということにいたしまして、実質上は二千五百万円以下の中よりもやや下の方の収入階層の医者にだけ現状のまま残す。あとはそれぞれランクを設けて、実際と所得率を合わせるようにしようということで訂正をされたばかりなものでございます。  したがって、今後所得税法等の全面的な改正が行われる、そしてその一方において、医療といえども医療業という業でございまして、その業がどんぶり勘定でいいとは限らない。やはり医業である以上は、経営と技術と私生活とみんな分離されて明らかになることが望ましい。したがって、医療法人法等の改正が行われて現在のような医師三人以上とかベッド数二十以上とかその他たくさんの規制について、一人でも医療法人がある一定の条件のもとに認められるというようなことと私は一つのものとして、ワンパッケージとして全廃するというようなことなどは一つの案ではないか、さように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは大臣、秋に予定されていると言われる行革国会でこの問題の議論が俎上には乗ってくるというふうに踏んでおいていいんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) さあ行管の方のことはよくわかりません。乗るかどうか、それもちょっと予測がつきません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さて、本題に入りますが、大臣、この銀行法がようやくここの委員会に回ってきて、きょうから論議が始まったわけであります。率直に言って、とっくにこの国会で銀行法なんというのは打ち上がっているしろものだったろうとわれわれは思っているんですが、与党内の百日戦争的なものを受けてのいろいろの論議があって、おくれにおくれて国会延長しなければ銀行法の論議ができないというところまできてしまったというのが実態だろうと思うんです。  そういう意味では、この法案の制定過程というのは異常性を持っておったんじゃないだろうか。特にこの間も参考人がお見えになったときに質問させていただきましたが、やはりこの銀行と証券両業界の論戦というのはここでもやっぱり依然過熱化をしてまして、一向に鎮静化の兆しがないのではないだろうかというふうに素人目に見えます。世評、銀行法は婚期を逸した娘さんであるというようなことが言われているぐらいでありますが、大臣の今回の制定過程の感想といいますか、あるいは教訓と言っていいのですか、その辺腹蔵のないところをまずお聞かせ願えませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 今回の銀行法は五十年ぶりの改正でございますから、数年間の長い間の金融制度調査会の御審議もございました。十分そこで練られたものでございますが、また政党側、特に与党の方でもえらい関心を持っておって、銀行法についていろいろな御意見があったことも事実でございます。与党・政府一体でございますので、まず与党の意見を十分にそしゃくするということも大切であります。  また一方、私は国会の財政演説の中で、この銀行法の提案に当たりましては関係方面との意見調整も十分した上で提案したいということを就任早早冒頭に申し上げておるところでございます。  したがいまして、一応銀行法について大蔵省の素案といいますか、たたき台といいますか、そういうものはこしらえてみたわけでございますが、それらに対しまして業界側またその審議の過程等において与党の方からいろいろ御意見のあったことは事実であります。しかし、それらは時間の許す限り御意見を拝聴いたしまして円満に解決ができ、なおかつ、銀行法が大きく一歩前進をするというようなことであるならば私は何も素案にこだわる必要は毛頭ないわけでありまして、最終段階において直すべきところは訂正をいたしまして提案をいたしました。結果的に見ますと、まあまあよくできたんじゃないか、最初考えたものはちょっとごてごてし過ぎたというような点もございますから、そういうところをさらっとするところはさらっとして、しかも実質的に所期の目的を達成できればそれでいいんじゃないか、そう思って取りまとめた次第でございます。特別に異様とか異常ということは考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣が必ずしも前進をした面だけがあると思っていないだろうぐらいのことはわれわれも判断をいたしていますし、時間をかけて大変前進をしたという成果が残っているのなら話は別でありますが、これは後ほど触れますように、そういう状態にはなっていないと思うのです。  私は、今回の与党、業界、そういういろいろの絡み、両絡みといいますか、三つが絡んだといいますか、とにかく百日戦争を招いた一つの理由としては、調査会審議のあり方に問題がありはしないかと思っているわけです。せんだっての参考人の質疑でも、私は佐々木調査会長の御意見をそういう面から伺ってみました。佐々木さんがおっしゃるには、もう少しやっぱり十分に審議を尽くせばよかったんだ、そういう意味では尽くせたかった部分があるのだということを率直に述べられていました。私は、何もこの調査会だけを言うのではありません。地方制度調査会にしたって、政府関係の調査会全体のことで述べるのでありますが、この種の審議会の審議の模様を報道なりでずっと見ていましていつも疑問を感じます。私も地方制度調査会の委員などを務めてきながらそういうことを非常に感じてきましたが、最近金制調の委員でありました館龍一郎東大教授も、この調査会に学者の立場から幾つかの疑問を投げかけられております。  たとえば「東洋経済」の一昨年八月一日号の教授の論文といいますか、書かれたものを見てみますと、「いわゆる新金融効率化行政が行なわれるようになってから、調査会がそうした行政を合理化するための論拠を提出するというか、それを裏書きする機関であるかのごとく使われるようになってきた」と言われているわけであります。私もそういうような感じがしてなりません。こういうような指摘について大蔵大臣、何か思い当たる節はございますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 調査会、この銀行法の問題に関連しましては、御承知のように四年余りにわたりまして合計百十二回の会合を開いておられまして、非常に熱心に金融機関をめぐるバックグラウンドの変化から始まりまして、金融機関業務、銀行業務のあり方に及び、それからさらに各論に及ぶというようなことで御熱心に討議されたと思います。館先生もそのメンバーの一人として、いろいろ有益な御意見を吐いていただいたわけでございまして、むしろそういった討議を通じまして金融制度調査会の大方の議論を踏まえながら行政が行われてまいった。その中で新金融効率化といいましょうか、公共性、社会性と効率性というものを二つの中心として追求していくという行政の基本的な方針が出てまいったというふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 質問の趣旨から少し離れていますけれども、やっぱりこの機会に私は、調査会のあり方の論議をやっておくことはむだでもないと思いますから述べているのでありますが、たとえば館教授は、委員の構成についても、中立的な委員が少ない、大蔵省のOBであるとか日銀であるとか金融機関の代表者だと、それぞれの利害代表が大きな力を持つような構成になっているというふうに指摘をされているわけですね。言っているわけですね。中立的な委員というと一般的には学者ということになるんでしょうが、学者は悠長だからなかなか答申が出ないというようなことがあるかもしれませんけれども、やっぱり委員構成などはもっと銀行局長反省をしていいんじゃないかと思うんですが、どうです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 本委員と臨時委員とございまして、本委員はあらゆる問題を通じまして御審議いただいておる。臨時委員は、その都度その都度専門的な立場から当該金融制度調査会の問題につきまして専門家としての御発言をいただいておるというようなことでございまして、本委員につきましては、私どもは、かなりいろいろな方面からの委員の方に参加していただいているというふうに考えております。館先生を初めとする学者先生などは、こういった本委員として御活躍願っておる。臨時委員につきましては、どうしても専門的な知識というようなこともございまして、まさに議論をされておる金融機関の代表の方というような方も入っておりますけれども、しかし臨時委員の中でも、主婦連であるとか、あるいは中小企業金融問題をやりますときは中小企業の代表の方とか、そういうような方々に入っていただいておりますので、私どもは、現在の段階では適正な委員構成ではないかというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 指摘があるところは、もう少し謙虚に反省をされてしかるべきだろうというふうに私は思います。どう抗弁されてみたところで、制度調査会のあり方というのは長い間いろいろな批判があるものでありまして、私は後ほど法改正論議の中でも、これらの制度調査会の持ち方そのものが、今日の予定をされた大蔵省原案と提出をされた法律案との差になってあらわれてきているというふうにも考えますがゆえに、そのことを指摘をしておきたいと思うのであります。  館さんは、またこうも言われておられます。「それから、調査会の最後のほうは時間が足りなかったというか、たいへん急いだ形になっている。」、これが事実としますと、急がれた理由は何だったんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 特に最後の段階で急いだというようなことではないと承知しております。最後の段階で答申案を起草するということになりまして、非常に詰めて会合をお願いしたというようなことはあったように聞いておりますけれども、特に内容を詰めるのに急いだというようなことはなかったんではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 急いだことについて、急いだために、「大蔵省から膨大な資料が提出されたが、それをこなす時間的な余裕さえないペースで進められた。もう少し最後のほうは十分時間をかけてもらいたかったというのが率直な感想である。」と館教授は言っているわけです。  こういうような事実は、もう税調でもあるいは財政制度審議会でも指摘をされているわけですね。この点は、さっきの「行政を合理化するための論拠を」与えるものだという議論を傍証するものにたっているように私には受けとめられるわけであります。  それはともかくとしまして、十分にこれらの委員の有力な方々が、いま、きょうは館教授の言葉だけ挙げましたけれども、たくさんの方が言っていらっしゃるわけですから、十分審議が尽くされなかった。尽くさなかった、あるいはそういうような思惑が残った。今回の問題が、実はいわゆる百日戦争を呼ぶ問題の発端がここにあったような気がして仕方がないのでありますが、大臣いかがでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) こういうことはよく調査研究も必要でございますが、やはりタイムリミットも必要なわけであって、ただ理想論だけを追っかけておってもなかなか結論の出るものではありません。まる四年間調査をやったわけですから、普通の法案とは違ってかなり時間をかけておる。刑法改正なんというときには法務省で四年も五年もかけますが、大蔵省の法案としては、もう三年以上かけて勉強したというのは余り例がほかに幾つもないんじゃないかと。したがって、審議の期間においては部分的に緩急うまく合わないところがあったかもしれませんが、全体のベースから見ればかなり私は慎重な審議が行われたと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 五十年ぶり、五十年以上かかって改正する法律案ですから四年ぐらいかかるのは私はあたりまえだろうと思うんです。残念なことを言えば、その間、われわれ大蔵委員というのは銀行法の改正作業に当たって何ら発言の機会がなかった。前銀行局長時代に若干銀行局の皆さんと、たとえば野党大蔵委員のフリーなトーキングをやるというようなことを経ましたけれども、経験を私は持っていますけれども、それ以外には全然ない。しかも出てくれば、たとえば一日や二日でもって上げてしまおうじゃないかという話になってきまして、これじゃたとえば、調査会が四年かけられたなら、われわれは通常国会一国会ぐらいかけても十分に銀行法の論議が保証されるということならば話は別でありますが、そういうような保証がないということになれば、制度調査会が不満の残らない論議を求めることにわれわれが賛意を表する、単に理想としてではなくして、というのもまたあたりまえだろうというふうに思っているのであります。  佐々木会長は、証券とのかきね論争というのは金融制度調査会だけでは適切な議論ができなかった、証券の方の審議会との兼ね合いがあるのでと、こう言われたわけであります。これは私に答弁されたわけであります。  今後大蔵省としては、この問題をどのように処理されるおつもりなのでしょうか。私は、銀行と証券の業務範囲の根本のところが十分議論をされていない、そういう感じをこの間の村本さんのここにおける御発言、北裏さんの御発言、その違い、そして佐々木さんの調査会会長としての見解を聞きなから、どうも十分な議論がされていない、政治的な決着をつけたというような感じがして仕方がありません。証券市場をどういう方向に持っていくのかという基本の議論が十分されていないと踏んでいいのではないだろうか、そういう思いがして仕方がないのであります。枠外に置かれていた私たちがそう思っていたところで仕方がありませんけれども、大臣は、その点はどういうふうに理解をされますか。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 今回の銀行法の改正に関連いたしまして証券取引法の改正をお願いしているわけでありますが、この論議が行われる前に、昭和五十四年の六月二十七日に、「公社債市場当面の諾問題について」という意見書を証券取引審議会からいただいておるわけであります。  この意見書につきましては、約一年間かかりまして、国債の大量発行等新しい事態が出ております公社債市場の諸問題につきまして十分な御検討をいただいたわけであります。特に金融機関の窓販あるいはディーリングの問題、これらにつきまして審議会で十分御審議をいただきまして、結論といたしましては、行政当局において適切に取り扱うようにという意見をいただきまして、これらの見解を十分踏まえまして、私どもとしては、銀行法と証取法との整合性という観点から今回の改正をお願いした、こういうことでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、銀行法の改正の理念としてどんなものが挙げられましょうか。当局の説明を聞きますと、第一に、安定成長に伴う銀行をめぐる環境の変化、それに伴うところの健全経営の維持、第二には大衆化であり、第三には公共部門との関係であり、第四には国際化というふうなことを挙げていらっしゃるわけですね。私は、この第一、第二の理由というのは、銀行の収益構造あるいは資金調達、融資のあり方、そういうものなどの変化を指すものだろうと、こう思いますが、いかがでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 最近における経済成長パターンの変化ということが金融環境にも非常に大きな影響を与えておるということは、先生よく御承知のとおりでございます。これは世界的にも大体同じような傾向がございまして、そういった中において経済活動の変化が金融活動の変化に及び、それによりまして金融機関の融資のあり方というものも非常に変わってまいっておると。まず、成長率の鈍化ということから来る量的な伸び悩みという問題と、それから取扱金融機関の融資先が、従来の主として企業部門の設備投資というものの需要を中心にした融資形態から、個人部門あるいは公共部門というようなウエートが非常に高まってまいったと。それとともに、融資面だけでなしに資金調達面でも、個人の預金者しかも国民大衆幅広い方々からの預金というものが非常にウエートを占めてまいったというようなことから、金融機関の社会性、公共性というものが一層資金調達面でも、あるいは資金運用面でも高まってまいったということが大きな変化だと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それは具体的にはどういうふうに把握をされているわけでしょうかね。私は、第一に大企業が自己金融化をした、それで銀行からの借金を余りしなくなった。そのため、都銀が中小企業金融部門に参入してきた。また資金調達面でも都銀はコミュニティーバンクであるとか、あるいはピープルズバンクとかの合い言葉で零細な預金を集めるようになってきた。こうした都銀のビヘービアが既存の金融システムに混乱を生じさせているというふうに言えないだろうか。その点はどうなんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 資金需要全体が変わってまいりましたので、そういった意味で都市銀行も中小企業向けの融資あるいは個人部門向けの融資のウエートがかつてに比べて非常に高くなってまいったということは御指摘のとおりでございます。ただ、都銀などが中小企業金融を行うといいましても、そこは、中小企業金融専門機関が行います地域に密着した非常にきめ細かな、いわばホームドクター的な融資というものにはなかなかすぐに入っていけないというような点もございます。取引層もおのずから中小企業といっても千差万別でございますので、中小企業の中でそう零細なところにまで及んでいるというようなわけではない。したがって、中小企業金融機関自体は、今回の法改正でもお願いしておりますように相互銀行、信用金庫、信用組合、それぞれ対象を異にし、かつそれが相互にオーバーラップして競争したから全体としての中小企業のフィナンシャルギャップというものをできるだけ起こらないようにサービスを拡大していくというレーゾンデートルは、金融制度調査会でも確認されておるわけでございますので、そういった意味で都市銀行が中小企業金融分野に非常にシェアを拡大しつつあるから、したがって混乱が起きているということよりは、むしろ中小企業金融がより一層いろいろな角度からきめ細かく行われるようになってきたという状態ではないかと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そう言われても、銀行の資金量ランキングを見てみますと、都銀はおおむね上位を占めているわけでしょう。一応安定した地位を確保しているように見えます。地銀、相銀、信金ということでずっと見できますと、ここへ来るともうかなり入り乱れていますよ。資金量のランキングだけを見て判断をしようなどとは早計だと思いますから、そうばかりは考えませんけれども、金融機関の役割り分担がかなり混乱してきているのではないかという印象を受けるのは、これはひとり私だけではありませんよ。そうじゃありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 確かに相銀、信金、信組というふうに見てまいりまして資金量の最高、最低というものを並べてみますと、相当オーバーラップしておるということは御指摘のとおりでございますが、オーバーラップしておりますけれども、それぞれの資金量を持った中小企業金融専門機関がそれぞれ法律によって独自の融資対象というものを本来のあり方として規定されておりますので、そういった意味でオーバーラップしておるというような資金量の問題はかえってお互いに競争をして、できるだけ経営の効率化を進めていくというようなこと、しかもその対象は、それぞれ法律によって三段階に分かれておるというようなことから、競争原理を導入するというような意味でのサービス向上につながるものではなかろうかというふうに思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 日本の金融システムは間接金融優先であると言われているのでありますが、間接金融のメリット、デメリットというのはどういうことでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御承知のように、戦後のわが国において資本の蓄積が非常に小さかったというような時代において高度の成長を遂げることができたと。しかも、それを金融面から支えることができたということに対しまして、間接金融というのは非常に大きな役割りを果たしてきたというメリットはあったかと思います。  しかし、企業サイドから見ますと、資本蓄積のわりに高度成長というようなことでございましたので、どうしても自己資本比率というものが非常に少なくたって、高度成長の過程で非常に外部負債の割合がふえていったと。このことは、企業の内容の健全性という角度から見れば問題はあったと思いますけれども、しかし、そういった高度成長を通じましてわが国の経済体質が改善されていった、強化されていったというような点もあるかと思います。  間接金融のデメリットということは、やはり最大の問題は、いま申しましたような企業サイドの安定性というようなものから、あるいはまた景気変動に対する安定性というような問題もあろうかと思いますが、企業のあり方として間接金融に頼るよりはできるだけ自己資本の充実を図っていくというようなサイドからの必要性というものは強いんではないかと思いをする。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 銀行の企業支配を排除することが間接金融の重要な氏的の一つでもあるわけですね。これはいま言われましたが、たとえばドイツのように銀行が独占を助長するような事態を避けるということですね、これは間接金融の一つの目的であるというふうにいまの答弁との関係で認識をしてよろしいですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるようなこともあろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その程度ですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 間接金融の弊害として、金融機関の企業支配というものが即に起こってくるかどうかということについてはいろいろ問題はあろうかと思いますけれども、そういった弊害が起こるかどうかというのは主として銀行のビヘービアに係る問題であろうかと。したがって、間接金融であるから即に企業支配という問題が非常に懸念されるということでもないかと思いますけれども、しかし、過度の金融機関による経済の支配ということがいろいろな弊害を国民経済的にもたらすという面もあろうかと思います。  そういったような意味で、いわゆる独禁法による五%以内の持ち株比率の制限、そういったようなことが金融の企業支配の弊害防止のために置かれているというようなことではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この間接金融の優位というのは、金融統制の意図に根差すものじゃないかという批判が一部ありますね。そして、銀行法の改正においてもいろいろ言っているけれども、結果的には直接金融はそのままにしておいて、金融統制の強化できる間接金融をそのまま続けていこうとするというものだ。したがって、証券市場の育成ということは真実考えてはいないんだろう、そういう議論がどうも成り立っているように思うんですね。私もそういうような議論が成り立つような気がいたしますが、これは大臣ですか、どちらか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 今度の銀行法改正の審議に当たりまして、特に銀行の証券業務というものとの関連から、今後の資本市場あるいは公社債市場というもののあり方についてもいろいろ議論をされたわけでございます。  銀行の証券業務といいますと、これは金融制度面の問題ということももちろんありますし、あるいは国債管理政策面ということもございますが、もう一つ、御指摘のような公社債市場の分野において、投資家の保護というようなことについてどう考えるべきか、あるいは市場の発展、あるいは円滑な運営というためにはどういう形がいいんだろうかというようなことが議論をされまして、その結果出てまいりましたのが、俗に言っております銀行の証券業務の三原則という考え方であったわけでございます。したがいまして、もちろん金融機関と証券会社というものが戦後のそれぞれの直接金融、間接金融の担い手としての役割りを今後も続けていくということは基本的には変わらないことは当然でございますけれども、公共債の証券業務というものにつきましては、アメリカにおいても金融機関の証券業務が一般に禁止されている中で、公共債だけはその除外例を認められておるというようなこととも結果的には符節が合ったわけでございますけれども、むしろ資本市場の一層の発展になるんではないかというふうに考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 北裏参考人は、この間私の——いまほぼ銀行局長が述べられたような形の設問について余り釈然とされていないようだったんですがね。これは証券局長どうですか。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 先ほど銀行局長からも話がございましたが、今回の改正は戦後の日本の金融構造、これが直接金融は証券会社、間接金融は銀行、こういう形で金融構造が成り立っているわけでありますが、その基本は何ら変更させたい、その基本は変えないで分離主義を基本としながら銀行と証券会社がそれぞれ機能を発揮していくようにということで、六十五条を前提とした法改正を図って宿るということでございまして、公共債に証券業務は限定されたということから見ましても、金融機関としてはそれだけ業務分野をきちっと明定されたということでございまして、私どもとしては、それなりに証券業界にとってもメリットがあったんではないか、このように考えておるわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 証券局長も政府側、大蔵省側の見解としてはそういうことでしょうけれども、その辺は証券業界との意思の統一というのはぴったりいっているんですかな。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 当初、今回の改正の論議が始まりました段階では、証券業界は銀行法に証券業務の規定を明記することに反対でございました。明記すると、結局いつの時点かに金融機関に窓販あるいはディーリング業務を認めることになるのではないかということで反対であったことは事実でございます。  しかし、よく考えてみますと、現在でも証取法の六十五条の二項で公共債については証券業務を認めているわけであります。そこのところを、まあ六十五条の二項を削って完全な形で証券業務を銀行にさせたいということは、これはむしろ現行法のたてまえを変えることになるわけでありまして、やはり六十五条の二項の公共債は認めているという前提に立って、銀行法と証券取引法との整合性を図るのが妥当ではないかということで私ども説得をいたしまして、業界としてはいろいろ論議がございましたけれども、最終的にはこの三原則の考え方を受け入れるということになったわけであります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと先ほどの銀行の企業支配の問題に戻らせていただきますが、上場企業に銀行が役員派遣をしているケースが非常に多いわけです。  そこで、銀行が役員派遣をしている企業は、上場企業のうちの何%ぐらいになりましょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 私どもそういう統計をちょっととったことございませんので、申しわけございませんがお答えいたしかねます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここのところはちょっとぼくはどうしても知りたいと思って、けさ事前通告してあるんですがね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 有価証券報告書などをひっくり返してやってみればできないことはないかと思いますが、とっさのお話でございますので、ちょっと手元にそういう数字がございませんので申しわけございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうすると、少し調査して後で知らしてくれますか、全然できないというものじゃないでしょう、これは。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関サイドを調べてもわかりませんので、企業サイドからどれだけ前歴が金融機関にいた者がいたかいないかというチェックをすることになろうかと思います。できないことはないと思いますが、なかなか手数のかかる問題ではあろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 じゃやり方について少し協議しましょうか、それもいやですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) どういうやり方がいいだろうかということでございますが、有価証券報告書を見ますと役員の名前が出ております。その役員をまた一人一人フォローしてみまして、金融機関出身かどうかということを当たってみるということになろうかと思いますが、何かやり方について御指導いただけましたら承ります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと少しこれを出してみたいと思っていますから、一遍協議をさせてもらいますが、実態としてはこの銀行の企業支配というのは、ここの数字が明らかになってくればもっと明確ですが、間接金融方式といえども進行しているのではないだろうかということを非常に強く私は考えるんですよ。まあこれは一般論ですから、答弁があれば答弁してください。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 間接金融全体として言いますと、経済の成長速度が変わってまいりましたので、高度成長期のように非常に間接金融のウエートがどんどん上がっていくというような状態ではなくなったと、むしろ資本市場による資金調達というもののウエートが次第に増してくるというようなトレンドにあるんではないかと思います。  したがいまして、そういったものを通じましての金融機関の企業支配と申しますか、そういったようなものもむしろ一ころよりはやや傾向が違ってきているんではないかというように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと意見が、非常にここのところは離れていますが、もう少し後の機会にいたします。  金利の自由化の問題に話を移しますが、先日佐々木会長は、自由化にも限界があるんじゃないかという御意見を私の問いに対して述べられました。これは大臣にぜひ一遍お聞きをしておきたいんですが、大臣はどういう御見解をお持ちなんでしょう。大臣は、率直に言って統制論者なのですかあるいは自由化論者なのですか、あるいは中を取り持って、最近弾力化という論もありますが、そういう中を取り持つ弾力化論者なんですか、どちらでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これも程度問題じゃないか、結論から言うと。まあ理屈の上から言えば、自由化をするということは非常にいいことだと、国際的な問題も関係あるということでございますが、しかしそれもおのずから限界があるんじゃないか。貯蓄性預金などについては自由化ということは必ずしもいいというようにも思えない節もございます。一遍に自由化をすれば、競争力という点からしても中小、弱小の金融機関が一番先にお手上げになるという可能性もございます。したがって、自由化という方向はいいにしても、その手順それから時期、範囲、そういうものについてはやはり四囲の状況を見たがら慎重に検討して並行的に進めるべきものである、さように考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 局長、金利を自由化した場合に、金利はどのように決定されますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 通常自由化と言っておりますのは、個々の関係者が自由に金利を決めるということではなくて、市場の実勢に応じまして、需給がマッチした市場価格というようなものに従ってすべての金利が決められるということであろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうでしょうけれども、しかし結局は、だれかが決めなくちゃいけないという関係にありますでしょう。私は、結局は大手銀行がプライスリーダーとなる可能性が大きいと考えているわけですけれども、もし私が考えているような形になりますと、だとすると、周囲のものあるいは下位の金融機関、そういうものは無理にそれに合わせるということで収益を悪化させるといいますか、そういう危険性を多く持つということになる。それはそういう判断でいいわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 市場のあるものとないものとございますので、市場のあるものについては市場の実勢に従って決まる。たとえば預貯金金利のように現在市場がないというようなものについては、おっしゃるように何らかのプライスリーダーが出てきて、それがやはり、金というものは一物一価に流れるということでございますので、全体に影響を与えるというようなことがございます。したがいまして、そういった意味で大都市銀行が決めて中小はとてもそれについていけないというような問題が預金金利を考える際の一つの重要な問題、預金金利の自由化ということを議論する場合の一つの重要な問題であろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまも述べられましたけれども、小口の預金金利を考えてみますと、現在の銀行の預金集めの状態がずっとあるわけですが、それからすればかなり下の方が硬直化をするのではないかと思うわけです。長期的には小口預金者に不利だ。まあそれはともかくといたしまして、預金金利の自由化を導入した場合に、大口預金者と小口の預金者との間に金利差が生まれまして、そして大口預金者がずっと有利になっていく、そういうおそれは当然あるわけでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるように、主としてコストの問題になりますので、そういった意味では、経済的に申しますと大口預金の方がコストが小さいというようなことになりますので、経済原理だけでいきますと大口預金の方が金利が高いというようなことになろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 預金金利は、この答申を読んでみますと、「各種預金の特性を考慮しながら金利の弾力化・自由化を進めることとすべきである。」と、そういうふうにされているわけですよね。これは具体的にはどういうことでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 預金に個人預金、法人預金というものもございますし、それから要求払い預金、定期性預金というようなものもございます。あるいはまた金融機関相互間の預金というようなものもございますので、そういったようなものをどういうふうに考えていくか、たとえばCDにつきましては金利自由というようなことでスタートしておるわけでございますので、そういった預金の性格によっても弾力化・自由化ということは、違った方がいいのかどうかということは一つの問題であるということであろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 定期預金についてはどうなんですかね、これは。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まあ定期預金が必ずしも貯蓄性預金ばかりとも限りませんけれども、少なくとも自由化ということになりますと先ほどいろいろお話のありましたような問題が残ると。弾力化についてどう考えるかという問題、両様の考え方があろうかと思いますが、現に貸出金利に比べまして定期預金を中心とする預金金利というのは、動いてはおりますけれども、アップ、ダウンの幅がトレンドで見ますと貸出金利ほど激しくはないというような状態になっているかと思います。    〔委員長退席、理事衛藤征士郎君着席〕 貯蓄性でございますのでやや長い期間のものでもございますので、短期の金融政策あるいは金利政策と即結びつくというものでもなかろうかと思いますけれども、しかし、わが国の間接金融主体の金利体系におきます預貯金金利の位置というものは非常に大きなものがございますので、そういった意味では、全体の経済政策なり何なりの政策目的を遂行する上で全く固定化するということも適当でないというようなことではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 金利政策には福祉的な要素が含まれているわけですね。で、景気調整機能であるとかあるいは資源配分機能であるとか、それらと一緒に福祉的な機能が含まれていると私は思うんですが、金利を自由化した場合にこの金利政策の福祉的な機能というのは一体どうなるんだろうか。たとえば預貯金金利の目減りあるいはインフレによる収奪という問題があるわけですが、小口の預金に対しまして福祉的な観点からの配慮はこれはどうしても私必要だと思うんですけれども、大臣いかがお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう有力な意見もございます。私も否定するものではありません。しかし問題は、おのずから限界があるわけで、福祉的とか零細預金者保護という面ではやっぱり零細は零細ということの枠が必要ではないか、そう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さて、金融効率化についてでありますが、答申では、新しい金融効率化の展開として効率性と社会的公正の調和をうたっているわけであります。この効率化のバロメーターというものはどういうものでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 効率化という中にいろいろな意味があろうかと思いますが、金融政策の効率化、金融制度の効率化、それから金融機関経営の効率化と、いろいろあろうかと思いますが、金融機関経営の効率化というような意味で考えてみますと、やはり本来できるだけ高い金利で預金を預かり、安い金利で貸し出しが行えるというようなことのための企業努力であるというように思います。したがいまして、いわゆる企業経営に関します健全性とともに効率性を示す諸指標というものがあろうかと思います。貸出金利をできるだけ低くできる、ほかよりも低いというのは一つの効率化の指標でもあると思いますし、その他、人件費率がどうだとか物件費率がどうだとかいうようないろいろな指標があろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この効率化と合併の関係なんですが、これは十八日の参考人質疑に際しても私は伺ったのですが、答申にはこう書いてあるわけですね。合併による規模の拡大は経営の効率化に結果的には資する、そうなっているわけです。しかし、合併によって大規模化が行われる、そのことは私は、必ずしも効率化につながるということにはならない、そういう議論もあるわけですから、そうなんじゃないかと思うんですね。これは先ほど引用した館教授の論文の中にもそういうふうに指摘をしていますね。  そうすると、コストという点からしますと、大銀行のコストが低いことはこれはあたりまえの話でありますが、預金にしても貸し出しにしても大銀行には大口が集まるわけでありますから、コストは低い。しかし、別の比較の仕方をやってみますと、従業員一人当たりの取り扱い口数は中小の方が多いし、あるいは賃金についてもこれは中小の方が低いわけです。したがって効率化、効率化とよく言われるのですけれども、何をもって効率化と言うかという点では、いま局長も言われましたが、議論はもう一つ私ははっきりしていないという感じがするんですね。少なくとも私にはわからぬわけであります。この部分というのは、合併の勧めじゃありませんかというふうにこの間参考人に、佐々木会長にお聞きをいたしましたら、いやそうじゃありませんというお答えが返ってきたわけでありますけれども、これは当局としてはどういうふうにお考えになっているわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 効率化というのは、やはりこれだけ経済環境、金融環境が変わってまいりましたし、企業も大変ないわゆる減量経営の努力をなさった時代でございますので、金融機関としても国民的なサービスを拡大するためには、できるだけその経営自体の合理化を図っていかなければならないというようなことがあろうかと思います。  その効率化の手段としていろいろあろうかと思いますが、そのうちの一つとして合併ということも考えられないことはない。しかし、これはもちろん、合併をすればすべての場合に効率的であるというようなことではないと思いますし、その他の置かれたいろいろな条件いかんによるかと思います。そういった合併、再編成というようなことを、いまの行政として必ずしも青写真をかいて意図的に考えるというような考え方はとっておりません。効率化の方法として合併したいということが両当事者間及びその取引先まで含めまして合意が得られた場合に、それが効率化に資するものであれば、行政当局としてもお手伝いするというような意味合いでございまして、一方、中小企業金融の問題が重要であるということはおっしゃるとおりであろうかと思いますし、そのためにもむしろ専門機関というものを制度上設けておる。したがいまして、そういった専門機関、各種存在する中の現在の制度の中で——その制度というのはもちろん効率という意味もございますし、一方、公共性、社会性という観点も入らなければならないと思いますが、そういった制度の中で、自由にできるだけ競争するということによって競争原理を活用して効率化を個々の経営について図っていくというような考え方だと思います。  したがいまして、いたずらにその規模の利益とか合併とか再編成とかいうことを一般論として申し上げているわけではないということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうでしょう。ただ、こういうととは言えますね。異種間の合併の場合、この場合コストの面での効率というふうに考えてみると、大きい方からすればこれはダウンするということになるでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 他の条件が全く同じであれば、もし大きいところと小さいところとがあって、それが合併したということになれば、それは規模の利益が一般的に言ってあるということだと思います。しかし、そういった規模の利益を生かせるかどうかというのは、またその後の経営のビヘービアが最大の問題でございまして、いたずらに店舗が重複しておるとか、人間の数が多くなったというようなことだけでは、決してこれはプラスになるところはない。  一方、そういった大きなところと小さなところとがそれぞれいままで社会的に果たしておった役割り、中小企業金融とか個人部門に対する融資とか、そういったようなものが合併することによって失われたんでは、これは金融機関のあり方としては非常に問題であるということで、そのよさを残しながら、かつ経営効率の向上に役に立つということであればそれは意味があるということだと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 効率化といっても、それぞれの金融機関の専門別でその概念はかなり異なる。そういうような趣旨を含んだ先ほど来の答弁よく理解できるんですが、都銀と信金とでは効率化の内容は、もちろん共通のものもあるでしょうけれども、かなり異質なものだと言えます。それから地銀と相銀でも私は違うと思う。そういう点を踏まえたきめの細かい議論というのはこれはされてきているんでしょうね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) この金融制度調査会で総論に当たる部分が実に長い間議論されておりまして、そういった意味での信金の効率化と申します染効率性と公共性、社会性との調和ということがむしろ一番議論の主たるところではなかったかと思っております。中小金融機関の効率化、効率性という中には、ただ単に、何といいますか合理化とか何比率が低いとかいうことだけでなしに、やはり中小企業金融の専門家であるという専門家に中小企業金融をやらせるということによる——表現は適当でないかもしれませんが、分業による全体の効率化みたいな点も含まれているのではないかと思います。そういった点が都銀とも違うところではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの議論とも少し関連するんですけれども、金融機関相互の同質化は、これは先ほど来いろいろ答弁がありましたが、大蔵省としては肯定的に評価されておられるわけでしょうね、これは。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ともかく専門機関制度が現在の制度として望ましいというふうに考えておるわけでございますので、基本的にはそれぞれの専門機関としての特色を生かすべきである。しかし、その周辺の部分について本来の業務の中心ではなくて、周辺業務についてはできるだけ相互に競争し合うことにより効率的に全体を進めていくということが望ましいのではなかろうかというふうに考えております。  一方、同質化しているような形になっておりますのは、多分にたとえば取引先中小企業のニーズが変わってきておる。いままで余り輸出入関係を扱ってたかったものが、国際化に伴って為替業務に対するニーズが非常に出てきておるとか、そういったようなニーズに即応して中小企業金融機関もそれなりの機能の拡大を図っていかなければならないというような面から、結果的に同質的になっておるというような点もあろうかと思いますけれども、本質はやはり専門機関制度をつくっておるというようなことで、それぞれの独自の役割りがあるということで、全体が同質化していくというようなことを基本的に考えておるわけではございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答申では金融機関のかきねを維持したから、一方、同質化を所与のものとして認め、それも進める、ちょっと表現は違いますが、私が要約すればそういうふうな感じを受けるわけですね。これはこういう感じ方でよろしいですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 大体私がいままで申し上げておることは、答申でも基本的な考え方はそういうことだというふうに理解しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最近オンラインシステムの故障が多発していますね。私はこれは効率化の一つのカリカチュアだとも思うのですが、二月二十一日の富士銀行の故障、これは銀行局にきちんと報告されたんですかね。時間を経過してから報告をされているんでしょうけれども、間髪を入れず正確な報告といいますか、銀行局は事故を知ったのは大分遅かったというような話がずっとあの当時伝わりましたね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のコンピューターの事故は、二月二十一日の土曜日に発生いたしまして、私どもは事故発生日に富士銀行から概要についての口頭報告を受けております。それから二月二十七日付、一週間ぐらいたちましてから担当役員名による正式の報告がなされております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 やっぱり信用第一の銀行にとって、私は故障が続くというのは好ましくないと思うんですね、たびたびこうあるわけですが。こういうような事故が続発をするというのは、私はコンピューターの知識というのをそう十分に持っているわけじゃありませんけれども、システムが複雑化していることに原因があるのではないかという疑いを持つのです。これはどうです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 富士銀行のコンピューターの事故がなぜ起こったかということにつきまして、富士銀行自体で調べました結果は、IBM社の事前の設計指導に問題があったと、その結果記憶装置の一部に故障が生じて、その結果オンラインがストップすることになった。あわせましてIBMが作成しましたオンライン復旧プログラムにも配慮漏れがあったということで、再開までに長時間を要したというのが原因であるというように報告を受けております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 本委員会で、私は富士銀行の岩佐さんに、古い話ですがもう十年も前に来てもらって富士銀行事件というのをやったときに、あのころこのオンラインシステムができ上がって、開所に当たっては夢の殿堂などというような大変な言い方をされたわけであることを思い出すのですが、私は、この簡単なプログラムミスであっても複雑化されている中で立ち直りがおくれるという事態が生まれてきているような感じがして仕方がないのですがね、そんなことはありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 私どもが理解しております限りでは、先ほど申し上げたように二重のミスがあったと、それで最初の記憶装置の一部故障だけであればすぐ立ち直ったものだと思いますが、そのオンライン復旧プログラムに配慮漏れがあったということで、二重のミスから長時間を要したということだと思います。  いずれにいたしましても、こういったことで業務に一時支障を生じたということは金融機関として非常に問題がございますので、私どもの方から指導を全金融機関に対していたしまして、一つは、オンラインの機器及びチェックシステムを再点検するということ、もう一つは、障害発生時における事務管理体制の強化というようなことを中心として障害の未然防止に万全を期すよう指導しておるところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうですね、三月二十三日にそういう銀行協会あてに大蔵当局は故障防止のための行政指導をされているわけですが、その後その種の事故はやっぱり起きたわけでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 二、三の都市銀行でコンピューター事故が生じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これらの事故を通じて、言ってみれば預金者の保護という観点に立って考えた場合に、どういう被害状況であったというふうに見たらいいんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) いわゆる現金自動支払い機などを利用しておられるお客さんにつきまして、事故が発生いたしましたので店内に誘導いたしまして支払い業務を行ったということでございますので、若干がたがたいたしましたけれども、実質的な御迷惑というものはかけてないというふうに報告を受けております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 それはそうじゃないでしょう。土曜日の午後に起こって、どうして店内に誘導して適切に対応できたんですか。それはあなた、銀行局長の答弁ちょっと納得できません。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 土曜日の午後でございましたけれども、そういった事故を起こしました責任を感じて店内に入れて支払いを行ったということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 あの当時の記事を思い出してもらえばわかりますが、必ずしもそんなふうになっていないんです。本題じゃありませんからそこのところはあれですが……。  もう一つは、コンピューターの故障ではありませんが、キャッシュカードを使った盗難事件が起きてますね。たとえば同栄信用金庫、この同栄信用金庫で五十四年の秋から事件が相次いでいるわけです。五十五年四月の各紙で報道されました。ところが、その後の状態も、実は余り公表されませんが、この種の事件がずっと起きているようなんですよ。この事件はオフラインの時間帯に起きているようでありますが、預金者の便宜のために夜間のCDをやっているわけですから、このような事件の続発ということは非常に私はまずいことだろうと思うんです。この同栄信用金庫の事件の経過とそれを受けてとられた対策、これをちょっと御報告を願いたいと思うんです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 同栄信用金庫で五十四年の六月以来四回にわたりまして偽造カードの使用による払い出しの被害を受けておるということでございまして、一回目は五十四年の六月に発生しております。この際、対策としてカード作成を本部、営業店、本部と三段階を経たいとできないこととしたという対策を講じております。それから、五十五年二月、五十五年八月、五十五年十月と三回にわたって、これは発行店舗は同一の支店でございますが、やはりかなりの金額の被害額が出ております。その都度プログラムを変更いたしまして、使用限度額を五十万円未満、さらに四十万円未満というふうに二段階に分けて引き下げ、あるいは架空口座が利用されておりましたので、残高ゼロの場合は払い出しが行われないようにシステムを変更したり、あるいは犯行の起こりましたオフ時間帯にカードの使用を制限するというような対策を講じてまいっております。    〔理事衛藤征士郎君退席、委員長着席〕

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 事件の問題、また別の機会にやります。  再び効率化行政と金融再編成の問題に戻りますが、相銀の状態というのは都銀、地銀あるいは大手信用金庫などとのサンドイッチになっているという事態で収益が悪化していると言われます。相銀が金融再編成の草刈り場になりかねない、そういう事態に入りつつあるというふうにも私は思いますが、たとえば徳陽相互の事件などもその一例だと思われるわけであります。徳陽相互事件の原因として一般に指摘されていた点は、仙台における大手都銀の進出が過当競争を招いたということのようでありました。効率化、自由化あるいは競争の導入という行政の方向というのは、私は第二、第三の徳陽を生み出しかねない、そういう危惧があるのですが、これは杞憂でしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関の収益環境が全般として非常に厳しくなってまいっているわけですが、その中でもこういった経済環境、金融環境の変化というものを業種として一番強く受けておるのは恐らく相互銀行ではないかと思います。と申しますのは、相互銀行は、御承知のように、戦後の後発の金融機関である。それが高度成長期に非常に業容を拡大した。高度成長期に非常に伸びた新しい企業群というものの融資機関として今日までかなりの成長を遂げてまいったわけでございますが、そういった意味での前提条件である成長パターンが違ってきたというようなことから、業界全体としてなかなかむずかしい立場に立っておるというのは御指摘のとおりだと思います。  そういった相互銀行業界を今後どういうふうに考えるべきかということを、先ほど来お話が出ております五十年から五十四年までの金融制度調査会に引き続きまして、一昨年の十月から昨年の十一月まで金融制度調査会で中小企業金融専門機関のあり方の中で最も大きな議論になった問題の一つでございます。しかし、これは単なる制度いじりで問題が解決つくというようなものではない。やはり相互銀行としては中小企業のうちの比較的大きなものを対象とした中小企業金融専門機関として生きていくということが、いままでの実績から見ましても、現在の取引層から見ても、最も望ましいあり方であるというような観点から三中小企業金融専門機関の中の位置づけがたされたわけでございますが、しかし今後、相互銀行自体がそういった苦しい状態にありますので、安定的な取引先を開拓するあるいは効率、内部留保などについて一層の努力が要るだろうというようなことが議論されたわけであります。  したがいまして、いま相互銀行にとってやはり一番大事なことは、取引基盤の安定さらに健全経営の確立ということがどうしても必要である。そのためには業界としても十分努力をする必要があるわけですが、必要に応じまして行政当局でもそういった方向に役に立つような、個別の問題ではなしに、相銀全体の地盤を今後安定化させるものにしなければならないということについて補完的な措置を講じるべきではないかというように答申でも述べられておりまして、私どももこれを受けまして、新しい資金調達面の問題あるいは店舗行政の面などで相互銀行の取り扱いにいろいろ配慮しておるというところでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 徳陽にしても、あの大光相銀にしても、救済融資で救われたわけですね。これが救済合併とはならずにあのような形で行われた背景には何かがあるわけでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 一般論で申しまして、その金融機関に対してどういう取り扱いが一番望ましいかということは、やはりその銀行の取引先あるいはまた地元というものの意見がどうであるかということによって基本的には決まってくるものだと思います。そういったような意味で、大光相互の場合は処理の形態を御承知のような形で行ったわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 都銀などでは、都市型銀行ならば救済合併で、たとえば平和相互あたりならば十分乗れるという話もあるようでありますが、こういうような再編のあり方というものは、結局資金の都市集中を助長すると言わなきゃならぬと思うんです。そういうような再編のあり方には大変問題があるように私は思っていますが、それはそうでしょうね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるように、地域の金融ということが地方銀行あるいは相銀、信金、信組、それぞれ最も重要なことの一つでございますので、そういった意味で、それぞれの現在果たしている役割りに反するような合併なり再編成というものは、国民経済的に見て望ましくないというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 公取の橋目安員長は、中規模銀行論者だそうでありますが、勝手にそんなことを私が言っていいかどうかわかりませんが、私も素人として、何も大きいことはいいことだとは思いません。金融機関はそれぞれの専門性に応じて適正な規模があるはずでありますし、先ほど来銀行局長御答弁のとおりでしょう。大蔵省なり金融制度調査会なりで、このあたりの詰めた議論を私はされる必要があるんじゃないだろうかと思っているんですが、いかがでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融制度調査会では、かなり詰めた議論がそれぞれのテーマに応じましてたされていると思います。特にやはり問題になりますのは、いわゆる公共性、社会性の問題あるいは効率化の問題、専門機関制度の問題、そういったことがこの銀行法答申をいただきました金融制度調査会でも、あるいは先ほど申しましたその後の中小企業金融専門機関の答申をいただきました調査会でも最も大きな問題であったと記憶しております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 相互銀行が要望しています統一経理基準の改定の内容、これに対して当局としてはどういうような見解をお持ちですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 相互銀行の統一経理基準改定の要求というのは、相銀の地区別経理打合会というところでことしの二月に議論をされまして、幾つかの項目が出ております。一つは、貸し倒れ引当金有税分の任意取り崩し、あるいは国債価格変動引当金の廃止、不動産有税償却の廃止等でございます。この統一経理基準というのは、申し上げるまでもなく相銀だけの統一経理基準というものではございませんで、全金融機関を通ずるものでございますので、ほかの業態が統一経理基準についてどういう意見を持っているかということを現在情報を集めておるという段階でございます。各所の要望が出そろいました場合に、私どもとしては統一経理基準の検討というのは絶えず行っておりますけれども、また新しい時代に際して、経理基準を見直すべきところがあるかどうか、その場合に、要望ということだけでなしに、やはり基本になりますのは、金融機関も一つの企業でございますから、企業会計原則、商法その他との関連、考え方というようなことも踏まえまして、十分検討してみたいというふうに考えておる段階でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 決算を一年にされる理由は何でしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御承知のように、一般の企業がほとんど一年決算になっておる。たしか東証上場企業の中で半年決算をとっておるのは字部興産一社であるというようなところまでまいっているかと思いますが、そういった中におきまして、金融機関も企業との関係というような問題もございますし、それから決算事務の合理化というような問題もあろうかと思います。そういったようなことで、他の企業と同じくできるだけ早い機会に一年決算に移行したいというような意向が非常に強いわけでございます。私どももこれが社会全体の流れであるというようなことで、改正をお願いしておるという状況でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっとこれは通告してありませんが、消費者ローンのこげつきがふえているというようにずっとたくさん聞かされるのですが、これの実態はいま答弁できますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 消費者ローンのこげつきにつきましてとりました統計がございませんので、具体的な数字ちょっとお答えいたしかねます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いや、ふえているということはふえているんですか、金額はまあいいですけれども。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) トレンドとして増加の傾向にあるように思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 小口の貸し出しがこういうようなことで後退することは好ましくないと思うのですけれども、対策としてはどういうようなことをお考えになっているわけでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 二つあるかと思いますが、一つは、まず貸し出す段階で十分その対象にたる消費者の審査、検査、チェックを十分にやるということであろうかと思います。あとは、二つ目はアフターケアの問題で、消費者ローン返済が困難になった場合に、十分その消費者の方と話し合いを行って、返済が可能になるような手段を御相談していくということであろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 少しグリーンカードに触れさせていただきますが、このグリーンカードの見直し作業が与党の内部で進められ、十二日には見直し試案ですか、そういうものも出されたようであります。連日報道の一部は与党内グリーンカード問題をめぐる論議でにぎわっていますが、大臣、この問題は何遍も確認しますが、雑音は気にされず、原案どおりに進められるべきだと私たちは思っているんですが、大臣はそうでしょうね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私といたしましては、グリーンカードの延期とか廃止、そういうことは一切考えておりません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 三月の末のこの席で総理も、断固やります、見直しは実施した後の話ですと明快に表明されているわけですから、これは何としてでもやっていただかなくてはなりません。そのグリーンカードの導入に伴って、マル優などの少額の貯蓄の非課税限度額の枠を拡大しようとする動きもあるように聞いているんですが、大蔵省は引き上げを検討されているわけですか。

梅澤節男大蔵大臣官房審議官

○政府委員(梅澤節男君) ただいま御指摘ございました非課税貯蓄につきましては、御案内のとおりいわゆる民間のマル優について限度額三百万、それから特別マル優と称しておりますけれども、国債、地方債三百万、それから郵便貯金で三百万、そのほかに財形貯蓄で五百万という限度額が設定されておるわけでございます。この非課税貯蓄の限度額の問題につきましては、実はグリーンカード制度を御論議願いました五十四年の税制調査会でも御議論がございまして、むしろこの限度額はもう少し引き下げるべきではないかという議論もあったわけでございますけれども、この制度自身がわが国に定着をいたしておりますので、限度額については現状のままでこれ以上引き上げる必要はないという経緯を経まして、五十五年の所得税法改正をお願いしたわけでございます。  最近時点で総理府が、毎年十二月末で貯蓄動向調査というのをやっておりますが、五十五年の十二月末の数字で見ますと、全世帯の貯蓄現在高、これが平均で五百七十九万四千円、約五百八十万でございます。勤労者世帯になりますとこれが四百七十万ぐらいの水準になっております。この貯蓄現在高の中には生命保険等も含まれておりますので、この中からいわゆる預貯金の資産を取り出してみますと、ただいま申しました全世帯五百八十万のうち民間金融機関の定期性預金、これの平均残高が全世帯で二百十二万円ぐらいになっております。そのほかに郵便貯金の定期性のもの、これは定額貯金が中心であると思いますが、これの平均残高が八十七万六千円でございますので、現在の貯蓄水準等から見まして、先ほど申し上げました現在の非課税貯蓄それぞれの種類別に設けられております限度額を引き上げる必要はないというふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いまの数字でちょっとあれですが、マル優などの限度額、言われるところの財形を入れて一千四百万、サラリーマン。この枠を超えて貯蓄している勤労者世帯というのはわかりますか。

小幡俊介国税庁直税部長

○政府委員(小幡俊介君) マル優の限度管理の問題になるわけでございますけれども、現在税務署の方に提出をされております非課税貯蓄の申告書等の枚数というものは、累積でおよそ二億五千万枚程度というものがあるわけでございます。  一方、先生御案内のように、税務署の定員はふえない中で納税者数は増大する等々、事務量は非常に圧迫をされているという現状でございますので、私どもの方では、これらの提出をされました非課税貯蓄申告書の全部について名寄せをし、一〇〇%の管理を行うということができない現状にございまして、そういうふうなことから、いわゆるグリーンカード制度というふうなことによりまして、これをグリーンカード番号により、そしてこれをコンピューター管理するということが行われようというふうになっているわけでございますので、現在の状況におきましてどの程度マル優の限度オーバーのものがあるかという現状について私どもで把握はいたしておりません。  ただ、私どもがサンプル的に銀行の店舗に調査に参りまして、非課税貯蓄の内容についてチェックをする等、あるいはわれわれの税務署の中の非課税貯蓄申告書につきましてもサンプル的に名寄せをするというふうなことも一部について行っておりますけれども、そういうふうな事績を見てまいりますると、その中でいわゆる非違として指摘をされるというふうなものは、正確な数字はございませんが、一割まではいっていないというふうな現状でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 国税の職員の皆さん苦労されていて、しかも人数が足りないと前々からあって、われわれは大蔵省部内で動かせばできるじゃないか、地方財務局財務部なんというのは要らぬのだから、その辺の人数はひとつ国税に送ったらどうだと大臣言い続けてきたんですが、いま国税からああいう答弁があったこの機会に、やはり行革との絡みでもっと考えたきゃならぬところは考えたきゃならぬわけでありますから、まず隗より始めよ。いかがです、大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) できるだけ内部で融通し合えるものは融通をいたしますが、それでも不足の分については、財源確保というような観点から人員の増加も要求してまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いま推計も余り出なかったんですが、サラリーマン以外では九百万円、それからサラリーマンでは一千四百万円、三人世帯で二千七百万円。これ以上預貯金している世帯を庶民と呼べるでしょうかね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 大体庶民はその中に大部分入ると思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 いずれにせよ、現行の限度額が少額貯蓄者の貯蓄奨励や住宅取得資金の積み立てにとってネックになっている状況では私はないだろう、そういうふうに判断をしておいていいんだろうというふうに思うんですが、グリーンカード制が国民の貯蓄意欲を阻害をさせるのではないだろうかと危惧している人々がかなりいらっしゃるようでありますが、この点当局の見解というのはどういうふうなことですか。

梅澤節男大蔵大臣官房審議官

○政府委員(梅澤節男君) グリーンカード制度につきましては、五十五年の所得税法改正でお願いをしたわけでございますけれども、基本的にはグリーンカードでチェックを受けないと貯蓄の非課税扱いが受けられたいというのが、まず制度の基本にございます。  同時に、もう一つは、これは従来から御議論がございました利子・配当につきましての分離課税、これを総合課税にすることによって一段と税制の公平の確保を進めるという二つのねらいがあるわけでございますが、巷間いろいろグリーンカード制度になりますと、いわゆる金融資産のシフトと申しますか、預貯金から他の資産に流れるのではないか。たとえば土地とか貴金属とか、あるいは場合によっては国外に流れるのではないかという御議論がございます。これらの点につきましては、私どもはグリ一ンカード制度そのものがそういう資産のシフトを起こすような性格のものではないと確信をいたしておるわけでございますが、ただ問題は、この制度の内容につきまして、いわゆる誤解と申しますか、あるいは私どもも含めまして、いわゆるPRが徹底していないというような側面がございまして、いろんな無用の御不安を生じている向きもあるいはあるのかと思いますので、これは常々大臣からも私ども指示を受けているわけでございますけれども、いずれこの制度の実施に当たりまして具体的な政令、省令で細かい技術的な手続をこれから決めてまいります。そういうものを決めていきます過程におきまして、この制度の内容をよく国民の皆様に周知していただきまして、五十九年に円滑な形で新制度に、移行できるように、これから私どもとしてはそういう方向で努力をしてまいりたいと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 グリーンカードを取得する際に住民票を提出しなくとも、印鑑証明であるとか保険証であるとかあるいは運転免許証を見せればよい、そういう方法をとるべきであるという議論も。あるようですね。この辺はどういうふうにお考えたんですか。

梅澤節男大蔵大臣官房審議官

○政府委員(梅澤節男君) ただいま委員御指摘になりましたけれども、グリーンカードを申請する場合には、これは法律によりまして必ず住民票を添付していただくということになっております。  ただいま私どもが新聞報道等で承知しております議論は、課税貯蓄をする場合に、五十五年度の所得税法改正では、これは個人の場合でございますと、グリーンカードもしくは政令で定める書類で確認を受けなければならない。実は、政令で定める書類というのはまだ決めてないわけでございますが、私どもは従来これにつきまして住民票あるいは印鑑証明といったようなものを政令で決めたいというふうに御説明を申し上げてきているわけでございます。この辺の問題につきましては、今後各種の議論が出てまいるかと思いますので、現時点で一体そういう確認書類をどこまで広げるかといったことについて、私ども内部でまだ決定をいたしておりませんし、今日の段階で、いろいろその種の議論に対する論評は申し上げられるまでにまだ機は熟していないというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大臣、過去に課税逃れをしていた貯蓄に対して追徴したい、自主申告分についてはこれを許すという意見があるわけでありますが、これはとんでもない話で、財政再建に非常に努力をされていらっしゃる大臣としては、とうていこれは見逃したりお許しになるというようなことにはなっていないのだろうと思うのですが、ちょっと確認をしておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 問題は、グリーンカード制が実施をされると過去の正当な蓄積が当然表に出てまいります。それは税金を払った残りのものであれば何ら心配はないものでございますが、非常にそれに対して心配をしている方がたくさんございます。また古く五年も十年も前にできたものは所得税法上もこれは時効で、仮にそこの中で税金を払わなかった者が仮にあったとしても税法上追及することはできないわけでございます。にもかかわらず、それが表に出るとどうしてそれがつくられたかという理由づけについてよく説明がつかぬとか、証拠が不十分だとかいうようなことを種にして税務署からいじめられるのではないか、それは困るという議論と不安があることは事実でございます。それはおそれなき不安であります。必要のない心配であります。そういうことがわからないものでございますから、そういうことをわからせる必要があるし、仮に正当なものでそういうものができた、仮に子供の名前であったとかなんとかといいましても、そういう過去のものまでさかのぼってせんさくをして、根掘り葉掘り重箱のすみを突っつくようなことはさせません、そういうことを申し上げておる、わかりやすく言えばそういうことを申し上げておるわけでございます。グリーンカードに安心をしてもらわなければならぬ。  ところが、二、三年前に大口脱税があったというようなところまで認めるということを言っておるわけじゃございませんので、大部分の普通の人は心配ありませんということを言っておるわけであります。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時再開することとし、休憩いたします。    午後零時一分休憩      —————・—————    午後一時三分開会

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、四案の質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと時間の配分を誤ってゆっくりし過ぎましたから、少し早口でやりますが、対応してください。  グリーンカードの導入によってすべての預金残高がわかってしまうのはよくない、したがって運用を工夫すべきだという意見についてはどういうふうにお考えになっておられますか。

梅澤節男大蔵大臣官房審議官

○政府委員(梅澤節男君) グリーンカード制度が実施されました場合に、これは若干誤解のある向きがあるわけでございますけれども、まずマル優のようだ非課税貯蓄の場合と課税貯蓄の場合と分けて御説明申し上げたいと思うんですけれども、非課税貯蓄につきましても、グリーンカード制度が実施されましても限度管理されますのはあくまでも非課税枠の設定についてでございまして、その枠内で個々の預金残高が幾らかということは把握される体制になっていないわけでございます。それから課税貯蓄につきましても、グリーンカードもしくはその他の確認書類で本人確認が行われるわけでございますが、その場合、金融機関から税務当局には利子の支払い額につきまして一定限度以上のものがいわゆる支払い調書のかっこうで課税当局に資料として参りますが、その場合も個個の預金残高が課税資料として参るわけではございません。したがいまして、グリーンカード制度になった場合に、あらゆる金融資産の残高が把握されるというのは実は誤解であるというふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 相互掛金だとかあるいは定期積み金が注目をされていますね。これに対してはどういう見解をお持ちなんでしょうか。

梅澤節男大蔵大臣官房審議官

○政府委員(梅澤節男君) 御指摘のとおり、五十五年の所得税法の改正におきましては定期積み金なり相互損金はグリーンカードの対象にするというふうな制度の設定をしていないわけでございます。これは今後どうするかという問題はあるわけでございますが、当時相互掛金なり定期積み金を一応制度の外に置いたと申します趣旨は、一つは、定期積み金なり相互掛金は実際の利回りが低うございます。要求払い預金とほぼ近いくらいの利回りです。それからもう一つ、相互掛金なり定期積み金というのは庶民金融と申しますか、あるいは零細事業金融の手段として活用される場合が非常に多い。それからもう一つは、これは税法上の問題でございますけれども、相互掛金なり定期積み金は税法上の扱いは利子所得にはなっていないわけでございます。特別給付補てん金というのは税法上は雑所得の扱いでございまして、現在でも厳密な意味では源泉徴収がないということで、預貯金と税法上も取り扱いが区別されておるわけでございます。  そういうものを勘案いたしました場合、今後この問題をどうするかという結論はいずれ出さなければならないわけでございますけれども、五十五年改正でもって定期積み金なり相互掛金を一応対象の外に置いたというのは、いま申しましたような理由によるものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ディスクロージャーですが、小委員会の意見でもあるいは大蔵省のこの当初案でも、ディスクロージャーは義務規定であった。これは参考人との意見のやりとりたくさんやらしていただきましたが、それが訓示規定に大幅に後退したことは間違いがないんです。この点は大臣の見解を承っておきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ディスクロージャーの問題につきましては、御承知のとおり自発的、自主的な創造的な努力というものを前提にしてやらせようということになったわけでございます。これも考え方でございまして、画一的なものを出すよりも、それぞれの社風を前提にして、私のところではこういうように皆様の預金を活用いたしておりますということについて、いろいろ個性のあるディスクロージャーにして、お互いが競争の中にあるわけですから、やはりわけのわからないようなことを書いておくよりも、きちっとしたことを、うそは書けませんからね。それぞれ競争の中で親切、サービス競争が行われた方がむしろいいんじゃないか。しかしながら、それが非常に預金者の秘密を損ねたりあるいは銀行の経営に悪い影響を及ぼしたり、そういうふうなことはやっちゃいけませんよ、そういうこと以外は自発的にもっと出しなさいということにしたわけでございます。義務規定ではございませんけれども、それじゃやらなくたっていいんだな、うちの銀行はほとんどそういうことはやらないよと言って通れるものでは実はないのでございまして、訓示規定といえどもある以上は、当然適当だと思われるようなディスクロージャーをやらないという銀行がもしあれば、私はほとんどないと思いますが、あれば適切な行政指導は当然に行ってしかるべきものである、さように考えております。したがって、義務的に形式張ったものよりも、そうでない方が私は銀行法の自主性を尊重するという点とお互いが競争場裏にあるという点を勘案すれば、少しも後退ではない、そう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そもそも銀行法の改正作業が始められたきっかけは何だったろうかということを考えてみますと、それは狂乱物価の折に銀行批判が高まったからでしょう。そういう銀行法改正の原点からすれば、ディスクロージャーは新銀行法の中心的な課題であり、目玉であったはずであります。大蔵の側からは作業が起こったときにはそういうふうに強くわれわれは説明を受けておったわけですから。  ところで、村本全銀協の会長は、義務規定にしなくても自主的な判断で工夫してやります、いま大臣が裏づけ答弁をされたような形で先日の委員会でも参考人として御意見をお述べになっていました。確かにそうは言えるかもしれません。しかし、明確にこれとこれをディスクローズしなければならないと、しなかったならば、銀行の自主的な判断でどれを出してよいということになるわけでしょう。そうすると、勢い銀行側としては自分をPRする文書は出すけれども、出すとまずいものは出さない。これまでの銀行のビヘービアを考えてみるとそうでしょう。私は、PR文書と本来の説明書類というのはどこで一体区別するのかというのを大変疑問に思うんですが、局長どうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 現在すでに相当数の金融機関でいろいろな小冊子、パンフレットというようなものを発行して世の中に渡しておるわけでございます。そのディスクロージャーをやる目的から見まして実態を正しくディスクロースしたければ何もならないということでございますが、一方それぞれの銀行の特色がございますから、そういったセールスポイントのようなものを積極的ディスクローズしていくということももちろんあろうかと思います。したがいまして、ある意味で内容を示し、セールスポイントを明らかにするということは金融機関として特に問題はないんではないかと。PRの行き過ぎというようなことがございましたら、もちろんこれは行政指導しなければならないわけですけれども、個性のある金融機関というものが今後育っていくということを行政の一つの目標にいたしておりますので、PRの具となるというようなことではぐあい悪いと思いますが、積極的に自行の特色を開示していくということは、それはそれで私はいいんではないかというふうに考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 むしろ法律で義務づけられていた方が銀行も楽だったんじゃないかという意見があるわけですね。これはだれあろう前徳田銀行局長の意見であります。私は、本委員会で徳田さんといろいろ銀行問題のやりとりをしておったときに、答弁の後ろに必ずついたのは、今度の銀行法の改正作業を通じながらいわゆるディスクロージャーを明らかにしますからということでもって必ず答弁は終わっておるという状態が何遍も続いていることを記憶しておるわけですね。ここのところはどうお考えになりますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 私も、いまお話がありましたように、法律でたとえば必要記載事項を定めるというような規定があった方が、金融機関としてはある意味では楽であったかもしれない。つまりその分だけ書いて出せばいいというようなことになるわけですが、したがって、それを逆に申しますと、各行の創意工夫に内容をゆだねるということになりますと、金融機関としても当然社会的に自分の方がどのくらいディスクローズするかということが注目されるわけでございますし、それによってまた相互の金融機関の比較も行われるというようなことにもなりますので、自主性ということは当事者にとっては一般的にもそうだと思いますが、かなり責任の重いことになると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 当初案の二十二条、貸借対照表等の公告の中で、利益の処分または損失の処理に関する書類を作成して云々とあるわけですね。この法案の二十条ではここがなくなってしまっているんですが、これはなぜですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、損益計算書、貸借対照表と並びましていわゆる剰余金処分計算書というものを考えた時代もあったわけですが、これは新聞公告の問題でございまして、現在規定がなくても剰余金処分計算書というようなものを積極的に公告している金融機関も多いわけですが、特にそれを法律で義務づけるというほどの必要があるかどうかということについて再検討しました結果落としたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 答弁は非常にきれいごとですがね。この項が消えることによって実は一般の会社と同じ公告内容になるわけですね。銀行業務の特殊性、社会性、公共性を示すよい具体例だと思っていたのですが、そういう意味ではこれは私はぜひ復活させるべきだろうというふうに考えています。「目的」規定では業務の公共性とかあるいは預金者等の保護が明示されているわけですが、重ねて伺いますが、この点と矛盾するのじゃありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 剰余金処分計算書というものの新聞公告、これは経費もかかるわけでございまして、どの程度の重要性を持つだろうかということであろうかと思います。なお、証券取引法上の有価証券報告書その他の制度もございますし、どうしても法律的にそれを規定しなければならないというようなことではないんじゃないかという判断をしたわけでございます。なお、商法と同じ損益計算書、貸借対照表というものであるならば、その中身自体から言いますと、何もわざわざ銀行法に重ねて規定を置く必要はないわけですけれども、ここの条文のねらいというのは主として大蔵省令で中身を定めるのだということで、ほかの金融機関と業態が違いますので、商法に基づいた法務省令ではなくて、大蔵省令で定めるということに私どもはこの条文の商法とは違った意味があるというふうに解釈しています。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ディスクロージャーの後退とあわせまして、この監督規定も大幅に後退をいたしました。ただ大口規制が法制化された点、これは一歩前進だと考えるわけですが、この点は従来の通達と内容が同じでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃる意味が監督規制の規定が従来の……

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 通達。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 監督規制につきましては、従来こういう通達というものはございませんで、個別に指導してまいるというような形をとってまいったわけでございます。したがいまして、今度の規定というのは現銀行法、昭和二年にできました銀行法の規定にあわせまして、子会社検査権であるとかあるいは国内における資産の保有命令であるとか、そういった必要なものだけを補強をして決めたというものでございまして、ただこれは法律に監督規定というものを余り織り込みますと、その条文に基づいて命令を出したり処分をしたりということは信用機関として実際問題としてなかなかむずかしい話でございます。そういったような意味で、きわめてこういった個々の経営内容の悪化あるいは役員の問題といったようなことは、個別の取り扱いになじむ性格のものではないかというようなこともございまして、余り条文を長くおきまして条件を縛りましても、結局また抜かざる伝家の宝刀の数がふえるというようなこと、あるいは屋上屋を架するというような懸念もございましたので、その辺を総合的に判断して中身自体はかなりクリアなものにしたということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 商業手形の割り引きだとかあるいは預金担保だとかあるいは国債担保貸し付け、こういうものについてはどうなるんでしょうかね。何らかの形で融資規制の対象にされるわけでしょうか、これは。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 大蔵省令で大口融資規制の適用除外になみものを決めようということで、現在省令の中に含めるものとして、つまり除外すべきものとして商業手形の割り引きあるいは預金担保貸し出し、国債担保貸し出しなどについて除外を置きたいというふうに考えておるわけでございます。  こういったものを除きますのは、アメリカ、西ドイツあたりの例もございまして、きわめて回収が確実で安全性が高いというようなものであれば、これは除外しても大口融資規制の健全経営というような考え方から見て、特に問題ないじゃないかというようなことで、法律化するに当たりまして、従来の通達の考え方というものを再検討しまして、ややきめ細かくそういった措置を講じたいというふうに考えておるわけです。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 第四章の「監督」も大幅に後退したと思われるんですが、これは大蔵省の当初案とどこが違っていますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 監督規定の違いでございますが、現行法案とはかなり似た形になっておりまして、一次の案では非常にいろいろな細かい規定を設けまして、発動の要件を縛っておったというような考え方の時期もあったわけですが、いろいろ検討しました結果、現行法に実質的にかなり近い法律に改めたわけでございます。  ただその際、先ほど申しましたように、若干の新しい規定を入れさしていただいておる。子会社検査権であるとか国内における資産の保有命令であるとか、そういったような若干の新しい規定を設けておるわけでございますが、全体といたしましては、余りに、何と申しますか複雑な監督命令の体系というものは避けた方がいいだろうということで、いろいろな時期にいろいろな案がございましたけれども、最終的にはかなりすっきりしたものにしたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、どう言われようとも、監督行政はきちんと法律に明示されなけりゃならないと実は思うんです。それが行政の恣意を排除する唯一の道であるからであります。この後退というのは、行政のあり方をやはり根本的に問うものだと言わざるを得ない。そういう意味では、きわめて私は残念なことだと思っているんです。法律の明文から消えても、実際にはそのとおりの行政指導を行うからいいじゃないかという理屈というのは余り通るべきじゃない、そんなことは通らないと私は思っているんです。まして金融の国際化時代を迎えて、この日本の摩訶不思議な行政指導というようなものが外国の銀行に一体通用するんだろうかということをいろいろ考えるわけですが、大臣、この辺どうです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま銀行局長から答弁をしたとおりなんです、結論的に申し上げますと。昔の法文ですから、銀行を監督する権限は法三章で書いてあるようなところもあるわけですからね。ですから、それじゃ余りにも大蔵大臣の権限が強過ぎると。したがって、監督命令等についても、もう軽微なやつから中程度、もっと悪いやつというふうに分けまして、それにいろいろ制限を加えて、預金者の利益を損なうおそれがあると認めるときとか、それからこの法律の目的を達成するために必要な限度においてとか、いろいろ制限的に監督命令のところを変えたんですよ、民主的に。ところが、これは業界などでも何だと、銀行法というのは取り締まり法律じゃないかと、どこを見たって、なければならない、なければならないばっかり書いてあって、取り締まり銀行法だというようなことで喜ばない。私の方は親切に、余り強大な権限でも困ると思いまして変えたんですが、その方がいいというような話だものですからね。それじゃ、別にどちらもいまでも何ら支障を来さないわけだから、何もそんなところでいつまでもトラブルがあって、銀行法が上程できないということじゃ困る。それじゃ、昔どおりでいいでしょうと。そこに子会社の検査権とかそういうものをつければ何ら支障はないし、外国銀行に対しましても、やはり法律はきちんと書いてあるわけですから、これは必要と認めるときは何でも——何でもと言っちゃなんですが、かなりなことができることは書いてあるわけですから、だからこの必要と認める措置を講ずるのだと、その措置の内容はどうだということになれば、それに対しては一定の基準は、当然これは何らかいままでどおり示す必要が当然あると。わからない人には、やっぱりこういう基準でやりますということでなければ、余りにも、何でもできちゃう話になってしまいますので、ですからそれは適当な方法で、現実的な方法で対処することがいいんじゃないか、そう思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 くどいようですが、私は、法律で監督行政を明確にするということは、行政と業界との癒着を排除するということにつながる。そういうふうにいま思っています。大蔵省が作成した資料を見ましても、ずいぶんたくさんの大蔵OBの方々が金融機関に天下っておるわけです。ところが、一向に金融機関の不祥事件はなくならないわけです。大蔵OBの天下り金融機関も、あるいはそうでない金融機関もさして変わりがない状態なんですよ。もちろんりっぱにやられている方々もいらっしゃいます。一般に天下りがいかぬというふうに言い切るつもりなんというのは一つもありませんが、私はこの大蔵が出された資料を見るごとに不思議に思われて仕方がないから、ちょっと聞くんですがね、天下りの効用というのは、一体どういうふうに銀行局長考えているのですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 天下りの効用と申しますか、金融界も非常に社会経済的に重要な役割りを担っておるわけで、いろいろな場合に人材が必要であるというようなことで、外部から人材を招聘するというようなこともあるわけでございます。そういった場合に、場合によっては個々の業界あるいは金融機関というものよりは、中立的な立場にある国家公務員というものが望ましいというような場合も、先方のこれは考え方でございますが、あり得るというようなことかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大蔵省側が提出された資料だけでも、たとえば東京相互、大正相互、平和相互、徳陽相互、東京信金、大阪の信金、門司信金、こういうような形で、大蔵から行っておるところでも不祥事件がずっと続いているわけですね。私はずいぶん金融機関の不祥事件を本委員会や決算委員会などで取り上げてきましたが、支店長の不祥事件というのが非常に多いのですね。私の経験上でもそうだし、大蔵省が今度お出しになった資料でもそうですよ。たとえば京都銀行、第一勧銀、伊予銀行、山日銀行、兵庫相互、東京相互、東京信用あるいは京都中央等々です。これはみんな支店長とか支店次長などの不祥事件であります。最近の札幌トヨペットに絡むあの東海銀行の事件も支店長の責任で引き起こしている。この支店長の権限と責任といったものをどうとらえたらよろしいですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 支店長はともかく一つの店を預かって、対外的にはその金融機関を代表して経済行為を行っておるという人でありますので、そういった立場にある人が不祥事件をいやしくも起こすということは、これは銀行全体の信用にもつながりますし、社会的にも非常に問題があると思います。また、そういった支店長がおるということは、人事管理上もその銀行にとって非常に問題があるというようなことであろうかと思います。十分今後とも注意して指導してまいりたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 たとえば支店長というのは地域におけるそれぞれの金融機関の顔ですよね。もっと言えば、利用者にとっては、私は何遍も言うのですが、金融機関そのものなんですね。そこで、支店長の行為というのは、やっぱり金融機関そのものの行為という形にとらえられる。それぐらいのことでないと、これは利用者気の毒ですよ。がっぽりどっかへ持って行かれました、責任はそれは支店長個人なんですと、よってお返しすることができませんなんていうようなことがたびたび起こるわけですからね。これはどうですか、銀行局長。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 一般的には、おっしゃるように、まさに銀行はその地域における顔であるというようなことであろうかと思います。そういった意味で、善意の第三者といいますか、が支店長の名前が出た経済行為を信用して取引をしたところが、それが非常に不測の損害を受けたというようなことであれば、それは銀行全体の責任であるというのが一般論として言えると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 役員の解任命令ですね、これは支店長には及ばないわけですね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 役員でない支店長には及ばない。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その辺も含んで、ちょっとやはり今後少し検討する必要があるだろうと思うんです。金制調の答申では内部監査といいますか、内部で問題を摘発して改善していく努力が払われている、これは適切なことだとされているわけですね。内部で問題が明らかにされて、自主的な努力で処理されてきたという事件ですね。一体どのくらいあるものですか、これは。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 多かれ少なかれ不祥事件が発生いたしましたら、当然その銀行としてはそのためにいろいろな措置を講じるわけでございます。そのこと自体の原因の究明、あるいはまた今後の内部牽制組織の確立等々、いろいろな措置を講じておりますし、そういう意味で内部で必ず不祥事件があればそれなりの努力はしていると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大枠どれぐらいあるものかということを知りたいと思うんですが、時間の関係もありますからあれですね。  「金融財政事情」の二月十六月号に、大蔵省の金融検査官の座談会が掲載されているんです。おもしろいんですよ。大変興味深く読める。私たちが何回か言ってきたようなことをやっぱり検査官自身もそう思ってるんですね。銀行内部の審査のあり方に疑問を投げかけているわけです。特に「本部の審査能力はわかりあいに厳しくなっているが、営業店での店長専決権限貸出での問題はまだまだ多い。」のだと指摘しています、ここでそれから、「検査で指摘しても紙に書いたことに対してはどうもおざなりだ。」というような意見も述べる検査官もあるわけです。やはり、検査が銀行経営に生かされることが当然なんですから、銀行内部の責任を明確にすべきだと思うんですよ。それはいかがです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 検査の都度、内部管理体制、審査体制というものは重要なチェックマターでございますし、ことに不祥事件が起こりました後は必ず何らかの意味での内部管理体制の欠落、ミスがあるというようなことになりますので、再検討し、そのために新たな措置を講じるというのが普通の状態でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この答申では社会的責任委員会等の設置が見られるとあるんですね。このような機関を設けている金融機関はどのくらいありますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ちょっと数は、申しわけございませんがわかりませんので、調べて後ほど回答いたします。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 質問の通告の意味がなくなるよ。銀行関係者に話を聞きますと、大蔵省の内部検査というのは何やら効率が悪いというんですね。それに比べて日銀の考査は適切だという意見があります。立入検査の平均日数はどのくらいでしょう。また、この作成させる書類というのはどのくらいあるわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 立入検査の平均日数は都市銀行で申しますと約六週間、それから長銀、信託約五週間、地、相銀約三週間、信用金庫二週間弱ぐらいでございます。なお、これは固定的に決めておるわけではございませんで、各検査対象機関の実情に応じまして弾力的に決定するということになります。  それから、作成させる書類というのはずいぶんございますが、大きく分けますと業務関係資料、たとえば預貸金の推移等々の業務関係資料、それから収益関係資料、これは各種の利回りであるとか比率であるとか、そういったようなものです。それから経営管理資料、これは人員、店舗その他でございますが、そういったようなものを一般的に徴求しておりますほか、不良債権の個別の資料を徴求するということになっております。要は検査の必要性の度合いと金融機関の事務負担との総合勘案の上決定しておるということでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 何もいやがらせ言うつもりは全然ないんですがね。たとえば私がたくさんの不祥事件を取り上げてきたそのネタもとと言えば、ほとんど内部告発でありますがね。その金融機関からの内部告発の文書の冒頭というのは、大蔵省がたくさん何日もかけて検査にいらっしゃいますと、そして膨大な書類を求められますと、しかしながら、それはつくられた書類であって、あんたものは全然話にならぬのですと、こういう事件がありますがどうですかというような訴えになっているのがずうっと大体の流れなんですよ。そこのところを一体どうするかということがもっと考究をされたけりゃならぬのだろうと思うんです。特に支店長などという権限がある諸君の不祥事件というのは、皆さん方のいわゆる検査などからは全部逃れてますよ。一つもそっちで引っかかったやつはないですよ。われわれの方が指摘をして引っかかる。われわれの方が指摘をするといっても何も自分で調べるわけじゃない。結局は銀行の内部から出てくる、あんた報告出しておって、あんたものでもって大蔵目をつぶっているのかと、そういう資料ですからね。ここのところはやっぱり十分考えてみる必要が私はあると思うんです。内部検査で不正が明らかになったケースをこの五年間にわたって挙げてください。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 申しわけございませんが、検査の結果につきましては、検査の性格上直接お答えすることは差し控えさしていただきたいんですが、一方不祥事件、不正事件につきましては報告を徴しております。行政課で報告を徴しておりますが、それを申し上げますと、昭和五十一年から五十五年までの間、銀行、相銀、信用金庫まで合わせまして大体一年間に二百件前後、これは現金事故であるとか預金事故、貸出事故等全部含めまして大体一年に二百件前後でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 週休二日制についてですがね、「政令で定める日」とあるわけですが、これはどのように規定されるおつもりですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) いままで法律で具体的に書いておりました休日を、全部政令で書くということになります。政令の最終的な案文というのはまだ固まっておりませんけれども、日曜日はもちろん祝祭日、一月二日、三日等を書きますのは当然ですが、たとえばデパートの内部に設けられたCDについて、そのデパートだとが休業の目は休みにするとか、そういったようなことも含まれるかと思います。    〔委員長退席、理事衛藤征士郎君着席〕 週休二日が必要になれば、この政令の列記事項の中に土曜日というのを加えるということになります。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは参考人の意見の中にもたくさんありましたが、郵貯との問題が当然絡んでくるわけですが、銀行が休んでいるのに郵便局が開いているんでは銀行としてはおちおち休んでいられないということにもなる。こういうことは当然予想されるわけで、政令ができたところで実態いまと変わらないということが大いにあり得ると思うんですね。せっかく法律で週休二日制の道を開いたわけですから、銀行が心おきなく休めるようだ行政の配慮というものが必要でありましょう。精力的にこの委員会の論議と並行的に煮詰められているようでありますから、私は深追いをしようとは思いませんが、ぜひ大臣、この行政の配慮というものの必要性、そういうものについてどういうお考えをお持ちなのか、この機会をかりて承っておきます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 週休二日制はかねてから国会等で問題になっておるところでございますが、一つは法律に違反をするという問題、ところが今回は法律からそれを外して政令に移したのですから、法律の難関は一つ突破をした。あとの問題は、われわれとしては全部週休二日ということに直ちに踏み切るということについては、まだ利用者の理解というものがよく得られてないというところに問題がございます。主として中小企業者でございます。中小企業者等が、自分たちが仕事をしておる、銀行が休みになっちまうということに対するまだ理解が足りないのではないか。こういう点についても理解を深めていかなければ、一方的に政府の命令で、人の迷惑は構わぬからこっちだけ休んじゃえというわけになかなかいかない。農協等の問題もございます。農民が働いている、農協だけ店じまいしちまうということについても、いろいろまた問題がございます。それから郵便貯金との問題もございましょう。しかし、大勢としては週休二日という態勢に向かっておるわけですから、そこで法律のネックというものをまずここで取り払って、そして週休二日が円滑に行われるように銀行側及び利用者等の理解を得る努力をしていかなければならない。それには多少の、あるいは相当になるかもわかりませんけれども、やはり民主政治でございますから、銀行に勤めている人だけの便宜だけで、公共機関だと言っておる手前、銀行の従業員だけがよくなればいいんだというわけにはまいりませんものでございますので、そういう理解を深める方向で、政府は各省庁との連絡を保ちながら進めてまいりたいと思っております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 四月二十三日に局長通達が出されまして、そして新店舗行政が開始されたわけですが、この基本的な内容、これは簡単でいいですが、ちょっと触れてください。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 基本的には考え方は二つございまして、一つは店舗の小型化、ミニ店舗化という考え方でございます。いままでの一般店舗、すなわち街角にかたり壮麗な建物をつくるというようなことを極力排しまして、むしろ小型店舗、機械化店舗というものを中心に考えておるというのが第一点で、第二点は経営者の店舗設置に当たっての自主的判断をできるだけ尊重していこうということから、従来かなり店舗設置につきましての細かい基準を決めておりましたのをかなり緩和いたしますとともに、いわゆる店舗振替制つまり経営者の自主的判断によって一般店舗、小型店舗、機械化店舗相互間のある程度の振替を認めるというような考え方を導入いたしました。  なお、これに加えまして、過疎地への配慮、配置転換の拡大といったような措置も講じております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 要するに店舗の小型化がこれによって進められるわけですが、このねらいの中には郵貯との競合という点も含まれるわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 郵貯との競合と申しますか、できるだけ簡素な店舗で、各地において預金者の方々の便宜にこたえたいというような考え方でございますので、言い方によりましては、郵便局のようなものを一つの例に考えだということも申せるかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 相銀の体質強化店舗というのはどういうことでしょう。これで何か相銀の体質強化が図られるというようなことはにわかに信じがたいのですがね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これだけでなかなか、相銀の体質強化が一挙に図られるというようなことになるかどうかということはございますが、いずれにいたしましても金融制度調査会の答申におきましても、相銀の店舗についてたとえば行政的に考慮する余地があるというような答申をいただいておりますので、そういった意味で、小型店舗のうち一つについては設置場所についてその都道府県内であれば自由に設置を認める、あるいは普通小型店舗ですと十人以下という縛りがあるわけですが、それを十五人以下に緩和するというような措置を講じたわけでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はこの、ミニ店舗化というのはどうも過当競争を招くのではないかという感じがしてならないのですよ。特にこれまで地域に密着してやってきた中小金融機関にとって、都銀のこのミニ店舗化は一つの脅威になりはしないだろうか。そういう危惧はありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のようなことになるとはなはだ不適当でございますので、具体的な店舗設置に当たりましてはまず地元金融機関優先、それから競合した場合には、小さい方の金融機関を優先するというような具体的な措置をこれは従来からも講じておりますけれども、そういう取り扱いというものをやっていこうと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 店舗の問題ちょっともう時間がなくなりましたからあれですが、一つだけ大臣ぜひ聞いてもらいたいと思うのですが、店舗の認可について地方自治体、いわゆる知事や市長の意見を聞くということにならないんですかね。地元の事情というのは余り知らないような、言っちゃ悪いですが、わずかな期間しかいらっしゃらない財務局長の意見聞いてみたところで、実際は事情が反映をしていませんよ。    〔理事衛藤征士郎君退席、委員長着席〕 やっぱりこの辺で、地元のことは地元が一番よく知っているわけですから、首長の意見というものを徴する、これは金融システムの分権化という観点からも望ましいのじゃないかというように私は思うのですが、大臣いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 現在でも財務部などで地方の声はできるだけ聞くようにしておるわけです。制度化するということはできませんが、それは和田委員の言うことももっともなことでございますので、そういう点は十分に配慮したい。  もう一つは、やはり信用組合と信用金庫とか、そういうもののトラブルが絶えない。これは両方問題がございましてね、信用組合の設立に当たっては県知事がその許可をする。設立については運用で上がってきておりますが、店舗の問題等については必ずしも大蔵省と協議しているということもなさそうでございます。一方ではどんどん知事の権限で出してしまう、こっちは知事に連絡しないで信用金庫許可しちゃうということだもので、両方同じようなところにできちまうということは現にございます、これは。それではいけないということで、私は、そういうようなミニ店舗という問題になってきますと、信用組合なんかとトラブルが絶えない問題が出てくるのじゃないか。したがって、それは都道府県側も勝手に信用組合どんどん認めていくというのでなくて、両方の調整ということは私は必要ではないか、そう考えておりますから、今後の指導に当たりましては、そういう趣旨を含めまして一層配意してまいりたい、そう考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 中小金融機関の問題に入りますが、相銀の問題については若干触れましたから、信用金庫の問題に集中をしたいと思います。  同じ信用金庫といっても上位と下位の間ではかたり開きがあるわけでありますが、最上位と最下位とではたとえば資金量にしてどのぐらいの開きがありますか。信用金庫の大中小の規模を大蔵省はどのようにランク分けといいますか、グルーピングしているのですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用金庫のうちで資金量が最高のものは七千百九十七億円、これは五十四年度末の数字でございますが、それで最も小さいものは三十八億円というんですから、二けた違うというぐらいの差がございます。信用金庫の中で特にグループ分けをして行政をしておるという考え方は私どもの方はございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 さっき挙げました検査官の座談会なんですがね、実はこういう指摘をしているわけです。「信金はどこも昔から地縁性が強いということだ。その地縁性の範囲内で動いているときは比較的ケガがない。しかし、とくに都市型信金の場合、新しいところに店を出していくと地縁性がない。そういう新しい店での取組みに、みていて危なっかしい感じのものがよくある。」、この指摘私はかなり重要だと思うんです。  先日小原会長は、信用金庫は協同組合性が生命だ、銀行のまねをしたら必ず失敗するという私の趣旨に応じた答弁をされました、ここで。私は、まさにそのとおりだと思うのでありまして、やはり信用金庫というのは地域に密着する中小の商店や企業のめんどうを日常的に見る、これが基本だと思うんですね。この点は大蔵省もお認めになると思うんですが、いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用金庫の特色、レーゾンデートルとして一番重要なことの一つに、おっしゃるような地域性、地域との密着という問題があると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうしますと、今度の金融制度調査会の答申やいわゆる改正案を読みますと、この協同組織性をどのように発展させるのかということがどうもぴんとこないんですね。中小企業基本法というものがありますが、この法律では中小企業をどのように規定していますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 中小企業の範囲でございましたら、基本法で従業員三百人、資本金一億を限度としております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうですね。で、中小企業にはさまざまだ恩典が与えられているわけですが、一方ではこういうふうにも規定されているんですね、今度の改正で金融という観点からの資本金の基準というのを二億円から四億円に会員資格を大幅に引き上げる。で、私は産業政策と金融政策との間に中小企業間に違いがあるのがここに出ているんじゃないかという感じがいたしますが、そういうことはありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用組合につきましては、かねてから中小企業基本法の中小企業の定義をそのまま取り入れまして組合員とするということにしておりまして、その点は今回も変わっておりません。信用金庫、相互銀行につきましては今回、現在のところ政令で信用金庫は資本の額を四億円、相互銀行の場合には八億円ということにさせていただきたいというふうに考えておるわけですが、これは実態の変化と申しますよりも、金融制度調査会で審議しました際に経済諸情勢の変化、つまり現在の二億、四億という基準は昭和四十八年に定めたものでございまして、それ以後八年間たっておりまして、物価その他経済諸指標を見まして大体倍になっておる。それから信用金庫の取引先企業の平均資本金の推移を見ますと、これも大体倍になっておるというようなところから倍にさせていただきたいということで、いわば情勢変化に追随したというような考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 会員資格が政令に委譲されましたですね。これはどういう理由でそうされるわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これは最近、経済情勢非常に激しい状態のもとにおきまして、できるだけ弾力的に中小企業の取引対象者というものを定めてまいるようにしたいという考え方から政令に委譲さしていただきたい、こういう趣旨でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、今後中小企業そのものにとって悪くなることがあってもそうそう好転することはないんだろうと思うんです。そういう点からすると、会員資格を政令に委譲する必要全くないんじゃないだろうか。業界の内部では、これによって恩恵を受けるのは上位のわずかな金庫だけだという話が盛んになされているわけですよ。一体どれほどの金庫がこの措置によって恩恵をこうむるとお考えになっているわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 昭和四十八年に信用金庫で申しますと二億円というふうに定められたわけですが、それ以後経済情勢いろいろ変わっておりますし、中小企業も変わってまいっておりますので、二億円という法定限度を資本金基準がオーバーいたしまして法定脱退というようなこともある程度出ておる状況でございます。そういったような意味合いで、全体が四十八年以降変わってまいりました情勢を客観的に反映して、四十八年当時の実質的な信用金庫と取引先企業の関係に戻そうというような観点から、今度は倍にさせていただきたいというようなことでございますので、どれだけ取引先がどう変わるか、どのぐらいふえるかということは必ずしも計数的には明らかでございませんけれども、むしろ中小企業の方の変化に合わせたということで、四十八年の相互の関係と同じに戻すというような考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 この措置というのは、金庫の地域性を薄めるというようなことにはならぬですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 資本金限度をいわば物価調整——物価だけではございませんけれども、そういうことにさせていただくことによって、信用金庫の本来の重要な使命の一つである地域性が弱まるというようなことには全くならないというふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 先ほどちょっと天下りの問題に触れましたけれども、信用金庫への天下りもこの協同組織性を破壊するものだという指摘があるわけです。大蔵省からの天下りだけでなくて、もちろん都市銀行からのそれも同様であります。大蔵省からの場合は行政との癒着あるいは公社の場合は銀行の中小企業金融機関の支配、こういうことが懸念されるわけですが、何か銀行局長御見解お持ちですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用金庫の役員その他、部課長もやはり信用金庫自体で決めるわけでございますから、そういった意味で信用金庫の組織自体に変革を加えるというようなことではないんじゃないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大変月並みなあれでして、天下り問題というのはもう一遍場所を変えて徹底的にやり直してみる必要がありますからあれですが……  大口融資規制の限度額の引き上げについて、現在の融資規制で十分うまくいっているんじゃないだろうかという感じがするんですが、四分の三の信用金庫は現行の四億円で十分だという、これは私の調査結果でありますからあれですが、したがってこの問題で二つほどお聞きしておきますが、第一は、現在の信用金庫の資金需要で大体幾らくらいが一番多いんですかね。  それから第二は、この四億から八億へのシフトでどのくらいの資金需要が生まれると見積もられているわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ちょっと申しわけございませんが、資金需要のどのくらいのロットが一番多いかという統計はちょっと手元にございませんのでわかりかねます。  四億が八億になるということは、これは金額限度のお話でございますね。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 そうです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金額限度を四億から八億に上げさせていただきたいということは、こちらの方はかなり頭打ちの状態が出てきておるわけでございます。  貸出金の方の数字がちょっと手元に参りましたが、信用金庫の場合、一億円超の貸し出しが全体の貸し出しのうちの二八・九%、約三割が一億円超ということでございまして、比較的多いのはこの分布で見ますと、五百万以上から一億までというあたりにかたり平均的に分散しているように思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ここはちょっと後でもう少し詰めさしてもらいましょう。聞かしてもらいましょう。私はどうもこの経営実態に合わないという感じがしてしようがないんです、いろいろの意見を聞いていまして。かなり広範な調査をやったつもりでいます。大口への金の流れを引き起こすおそれが十分にある、まああると言わざるを得ません。この貸し出し限度額の引き上げについてはこういう指摘がありますね。普通銀行に対して大口規制が強化されてきたことによって、その不足分を各大企業や系列企業が下請を再編成して自企業の融資の不足分を子会社を通じて供給させようとするもので、その融資限度額を大きくすればするほどその恩典を受けることができる。つまりトンネル融資的色合いを持つ。これは日大の森教授の指摘でありますが、事実はともかくとしても理論的にはこういうことは十分あり得る話だと思うんですが、これはどういうふうにお考えになりますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御承知のように、大口融資規制の最大のねらいが健全経営という観点にございますので、そういった観点から申しますと、一定の自己資本に対する比率であるとかあるいは金額的な限度であるとか、そういったようなことが枠の設定の考え方になるわけでございまして、おっしゃるようにこれをどんどん上げていけばトンネル融資というようなこともあるかもしれませんが、それはまた、トンネル融資をする貸し出し自体がしかるべき審査を経て行われているかどうかという方の問題ではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 こういうのは実態調査一遍やられたことありますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 特にございません。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はこういう事実というのはなかなか表に出ないんだろうと思うんですがね。うまい方法を考えて少し実態を一遍調査されてみたらどうだろうと思うんですけれども、そんな余裕はありませんか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 和田先生のお話でございますので、どういう調査がいいかどうか検討させていただきます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 大手銀行と中小金融機関との間にすでに競争関係が生じているわけであります。競争原理を導入しようとするのは両者にイコールフッティングがなければならぬわけですね。しかし、大手金融機関と中小ではそもそもイコールフッティングなどは成り立ちようがない、私はそう思うんですが、これはどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) いろいろな法律によって銀行のそれぞれの性格、制度が決められておりますので、そこはおのずからスタート点でいろいろな違いがあろうかと思います。そういったものが全く平等に競争していくということはおっしゃるとおり適当でないことであると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと時間が食い込みますけれども、後の社会党の時間もらいましたので。  外為業務の問題も同じだと思うんですね。私は前にも述べましたが、信用金庫だからといって外為業務が必要でないなどと言うつもりは全くありません。そのことはもう参考人の皆さんのときにも申し上げました。繊維や瀬戸物など、あるいはおもちゃなどの輸出雑貨を抱える地域の信用金庫では需要はかなりある、そのことも知っています。ところが、そういう信用金庫では現在でも何不自由なくやっているんですね。やっている。外為ができないからといってお客が逃げるというようなことはない。お客が逃げるのはもっとほかの理由なんですね。そういうふうに述べられていますよ。また実態もそうです。  そこで、一つお聞きをいたしたいんですが、外為が必要である金庫とそうでない金庫を何をもって区切られますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これは実は国際金融局で個別に認可するということになるわけでございまして、私どもの方で判断するわけではないわけですが、まあ通常考えられますのは、一つは外為の取り次ぎ実績がどのくらいあるのかという問題、現在これは非常にふえている、全体としてふえてまいっておりますが、そういったような問題、それからその地域に外為公認店舗というものを認める必要性がどのくらいあるかないかというような問題、あるいはまたその金融機関に外為業務の経験者、熟達者がいるかいないか、そういったようなもろもろの点を考慮して認可を個別に検討することになると思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 その中でも資金量というものが大変なウエートを占めているですね。これはこんなことでいいんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 資金量が大きいからといって外為の認可を与えるということにはならないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私は、外為は全信連で一括してやったらよいんじゃないかと思っているんですがね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ちょうど先生がおっしゃったような意味合いで、今回信用金庫個別に認可を与えるという措置を講じますとともに、全信連についても外為の業務ができるような余地をつくったわけでございます。これは個々の信用金庫に認可を認める、しかし個別にまだそこまでいっていない信用金庫もあるわけですから、そういったところに対しまして全信連が補完するという考え方でございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 私はこの間参考人のときにも申し上げましたが、都銀なんかでも、この外為というのは大変リスクがあることを取り扱い上忘れると大変なことになるんじゃないだろうか、そういうことを考えます。したがって、信用金庫の取り扱いについては、その点は慎重を期される方がよいと思いますが。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるようにリスクがございますし、信用金庫の経営自体がそのために揺るぐようなことがないように、十分取り扱いに当たっては慎重に行いたいと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 店舗の認可なんですがね、この認可について資金量で差をつけるというようなことですね。資金量の大きい金庫ほど認可が取りやすいということを聞かされるわけです。もしそういうことであるとすると、これはもう規模の格差をますます招くということになるんじゃないだろうか、そういうふうに懸念されるわけですが、これはいかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まあ資金量というよりも、その金庫自体の経営の安定性がどのくらい強いかということも店舗の判断の際の一つの要素にはなろうかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 判断の要素にはなっている……。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 店舗を認めるに当たりましてはいろいろな観点から総合的な判断をするわけでございますが、その場合に、その金融機関の経営の安定度合いというものが一つの考慮になるということはあろうかと思いますが、資金量そのものではないと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 ちょっと邪推かもしれませんが、大体において大蔵省は、大きいことはいいことだという言葉じゃないですけれども、どうも大きいところの意見に従うとは言いませんがね、ならう傾向があるのではないだろうか、この点今後の行政に私は、大臣、ぜひ小さいところの意見が反映をするということをやっぱり真剣に考えてもらいたい、こういうふうに思うのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これも私は御趣旨のとおりだと思っております。余り合併、合併をやって寡占化してしまっても困る。それから、やはり最初から御議論がございますが、それぞれ別な法律でできているわけですから、信用組合は協同組合法でできておるんだし、相互銀行は相互銀行法でできておるわけですから、それには、特に信用組合とか信用金庫というのは相互の組合間の便宜を図っていくということでつくられるものであって、おのずから都市銀行とは違う使命を持っておるわけですよ。効率的ということだけで大型化全部してしまえばいいんだというわけにはなかなかいかない。ですから、異種金融機関の合併というものを行う際にも、私は異議を申し立てたんです、いまから十年ぐらい前ですかね。それでまず、合併を進めるためには、信用組合がどうしてもやっていけないというんなら、同種の信用組合がその仲間で近くにあるわけですから、同種の信用組合と合併したらどうだ。それがうまく合併できないものもあれば、信用金庫と信用組合とが合併したらどうだ。それができないと相互銀行と信用組合が合併したらどうなんだ、それもうまくいかたいというときには都市銀行と信用組合の合併もそれは仕方ないだろう。信用組合を大都市銀行が併呑してしまえばいいという方向に持っていく効率化というのは、非常に別な問題点を起こして、何のために信用組合法があって信用組合が生まれたのかわけがわからなくなってしまう。だから、これは異種機関の合併を妨げるものではもちろんないけれども、同種機関の合併をまず優先させた方がいいんじゃないか、そういうことを申し上げておるのは、和田委員の趣旨を私も前から言っておるということじゃないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 相銀協会が譲渡性預金、CDの発行単位を引き下げてほしいという要望を持っておるようですね。当局としてはこの点、どういうような見解をお持ちなんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 相互銀行協会長が交代になりまして、その交代のときの記者会見でそういうことを言ったということを新聞紙上読んでおりますが、当局にまだ正式にこの要望が参っているわけではございません。  CD、譲渡性預金につきましては従来からいろいろな業界間の利害の問題もある、また、国民経済的あるいはインターナショナルな問題として外銀あたりも非常に関心を持っている事項でございますので、いろいろ総合的に現在のCDのあり方というものを絶えず検討しているわけでございます。そういったような中におきまして、相互銀行業界がもしそういう要望がございましたら、その可否というものも踏まえて検討してまいりたいと思いますが、非常に複雑な問題でございますので、そう簡単に実現し得るというような話ではないんではないかと思います。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に、大蔵大臣、財政再建でいろいろ御苦労されていると思うんですが、どうもシーリング枠の設定をめぐっていろいろの議論があるようですね。毎日、新聞をにぎわしていますね。二十日の日経を見ますと、あっと驚いたんですが、見出しが何と「防衛予算1〇%増 防衛庁要求へ」となっておりますね。それから、昨日の読売の夕刊を見ますと、防衛、援助、エネルギー、科学、これらがまた別枠設定、聖域であるかのごときシーリングの中でそういうふうな書き方もある。厳しい財政事情を抱える財政当局は、これは報道を信用するなと言えばそれまででありますが、どういうふうにこれは一体動いているんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もびっくりしたんです。「防衛予算1〇%増」と書いてある。だれがそういうことを言ったのか、要求もございませんし、調べてみたところが、防衛庁と党の防衛関係議員との間でやりとりがあったと。そのときにある人が、ぎりぎりのところはどれくらいあればいいんだと言ったところが——人は言いませんよ。こんなこと委員会で言っていいのかどうかわからぬけれども。ぎりぎり二けただと言ったという。で、大蔵省はどう言っているんだと。大蔵省にそっと話してみたらば、問題にならないと言われたと、もうお話にならぬと言われたという話は私聞いているんです。それが一〇%というようなことで、人の話を継ぎはぎしてやってきて出たということであって、そのこと自体は公のものでも何でもなくて、一つのそういうふうな裏話があったという程度のことだというふうに心得ています。  それから、シーリング枠の問題につきましては、とにかく一律ゼロがいいんじゃないかというような御意見もありますし、一律ゼロといったって、そういうことになれば、人件費以外はないというようなところは、じゃもう人件費は上げないということなのか、あるいは恩給は途中で上げたけれども、来年は下げるということなのか、その分を他の経費で減らして埋め合わせしてといっても、どうも実現性がないじゃないのかというような御議論もございます。  それでは重要施策というものをどういうふうに見ていくか、これは決まっておりません。おりませんが、五十五年度においては、御承知のとおり、科学技術の振興とか、それからエネルギーの問題とか、海外経済協力とか、防衛予算の充実というようなものが重点施策であったことは間違いございません。したがって、そういうようなものがまた踏襲されるのではないであろうかということになれば、そういうようなものについて重要施策というのならば、最後まで持って、いかないで、そういう重要施策であっても、その中でも切るものは切るわけですから、しかし、重要施策であることは間違いないわけですから、これは。でございますので、そういうものをあらかじめシーリングで加味したらいいんじゃないかという議論もございます。これは一長一短があるわけでございまして、そのいずれにするかということはまだ決まっておらないというのが事実でございます。しかしいずれにせよ、六月の上旬までには決めなければならない課題である、かように考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 まず最初に、これは何回も議論はされておりますが、基本的な問題でございますから重ねて質問をしたいと思います。  まず、今回の改正案の公共性と社会的責任という問題についてですが、今回の改正が行われた背景というのは、銀行をめぐるいろいろな批判、また、これを指導監督する銀行行政のあり方、これに対する国民の不満、そういったものはずっと絶えることはなかったわけです。特に、昭和四十八年から四十九年の狂乱物価の時期には、大企業の売り惜しみ、買い占め、あるいは土地の投機等にそういったような反社会的行動というものが大変目立ったわけです。そういった大企業に対する強い批判、その批判のある大企業と深いつながりを持って、しかも、そういった大企業がそういう反社会的な行為を容易にできる資金というものを銀行が出しておる、こういうことに対する大変な批判、そういうふうなものが一つあると思います。  もう一つは、石油危機の後はやはり一般企業、中小零細企業等は大変厳しかった。非常に苦悩して倒産等もふえておったにもかかわらず、銀行、特に大手は依然として高収益を上げ続けてきた。そういう銀行行動のあり方あるいは銀行のもうけ過ぎ論、そういうものが強調されてきた。そういうところに対してこの銀行法を改正してはどうかというふうなことが出てきたのであると私は判断をするわけです。それで、これを受けて金融制度調査会への諮問が行われたと、こう私は理解をしておるわけですが、まず、この理解が間違いなのかどうか、こういう理解でいいのかどうか、その点まずお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は間違いであると思っておりません。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 答申においても、銀行の公共性、また社会的責任について銀行行動のあり方に触れられておりますが、今回の改正案でその公共性、社会的責任の達成というものをどういうふうに担保しようとしておるのか、まずこれを明らかにしていただきたい。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 銀行の社会性、公共性に関しまして、今回の銀行法改正がいわば全体がそうであるということが一般的にはまず申し上げられるかと思います。社会性、公共性という角度から銀行という一つの私企業に対していろいろな意味で法的な規制というものを置くということで全文見直し、すなわち銀行の公共性、社会性の明確化ということであろうかと思いますが、特に第一条の「目的」で銀行の公共性ということをはっきりうたっておるというような点、あるいはまた大口融資規制というものを法制化したというようなこと、あるいはまたデソースクロージャーというものを世界で類例のないような法律の中に取り入れたというようなこと、そういったようなことが端的な公共性の必要性というものをうたいとげた条文であろうかと思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いま言われた点についてこれから具体的に入るわけですが、その前に、これだけの大改正でありますから慎重な議論をすべきであるという、先ほど特に和田委員の方からもそういう話がございました。私も決して異論はございません。ただ、非常に法案の作成に時間をかけた、手間がかかったことが、一番最初ねらわれていた趣旨から見ると、いい方へ、よくするためへの慎重ないろんな議論があり、意見があり、練り直されたというのであれば私は歓迎ですが、実際はそうではなくて、逆に最初の趣旨、私が冒頭に申し上げたような趣旨から見ると大変後退をしておるのではないか、  したがって、一番最初問題になったのは、昭和五十年の五月から金融制度調査会で審議が開始されて、五十四年の六月には答申が出ておる。四年もここでかかっておる。百十二回も会合が行われておる。雑なものは困りますが、もうずっと銀行法は長い歴史を持っておるわけですから、そのたびごとにその中身においてはいろいろ大蔵省としては検討されてきておると思うんです。したがって、第一次オイルショックが起こった。いろいろな企業の行動が批判された。銀行に対する批判もそれにつれて高まってきた。まずそういう時点で一回改正をやっておいて、そしてその後経済というものが、やはり生き物でありますし、特に今日のようだ状況は、この最初銀行法改正をやろうという声が出たころとはやや変わってきておるのではないか。それが皮肉にも後退という形で出てきてしまったと私は思うんですけれども、そういう意味で私は、先に問題点だけはきちっと手をつけて、そういう国民の批判に対する答えといいますか、まずそういうことをしておいた上で、今度は経済の流れに従ってまた五年に二回ぐらい改正をしても構わぬのじゃないか、こう私は思うんです。そうすると、先ほどの和田委員の趣旨とはちょっと違うかもわかりませんが、そういう意味ではなくて、私は慎重な内容というのは賛成なんですが、こういろいろなものが抜かれてくるとちょっと問題がありますので、趣旨としては同じですから。その点いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まあお話にございましたような石油ショック直後の時代とそれから現在と相当年数がたっております。金融制度調査会も非常に長い間御審議願いましたし、それから法案作成過程でも相当長い間かかったというようなことからくる客観情勢の変化というものをかなり重視する意見もあったわけでございます。で、私どもは、基本的には情勢がそう変わっているわけではない。もちろん石油ショック以後に起きました独自の雰囲気の時代というものとは変化がございましょうけれども、しかしそれは石油ショックの直後だったから銀行法改正が必要だったという面とともに、昭和二年以来五十何年間銀行法が変わっていなかったと、しかもわが国の経済情勢は非常に変わってきておるというような客観情勢、あるいは今後の見通しというものも含めまして、銀行の社会性、公共性というものは今後一過性のものではなくて、やはり長期的に金融機関が果たすべき役割りとしてクローズアップされていくんだと、こういうふうに考えておりますので、基本的には考え方は変わっていないというように考えております。  ただ、何分五十数年ぶりの改正でございますので、いろいろな立場からのいろいろな御意見があったことは事実でございまして、私どももそれらの意見をいろいろお聞きして直すべきところは直したということで、まあこの法律案を提出するまでにいろいろな経緯があったことは事実でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 まあ私たちはこれに賛成ですから、反対する立場じゃございませんので、いろいろ念のために聞いておるわけですが、いまのお話わからないでもありませんが、そうすると五十年来の改正だと。極端なことを言って恐縮ですけれども、それじゃいままで全然手をつけてこなくて、オイルショックでいろいろな批判が出た、やるのに時間がかかった、そうでもないんじゃないかと。もう五十年間いろいろ検討されてこれはまずい、これはまずい、これはまず。と、これはこう変えなくちゃいかぬという議論はなければおかしいんであって、もしそういうことができておららなかったとすれば、やっぱり大蔵省銀行局というのは怠慢ということにもなるわけでして、だからそういう意味で今回やられたわけですから、一歩前進ということで評価をいたしますが、私は最初の国民の期待したものとはやや抜けている面がある。それはいろいろ議論が出てきた、お互いのいろいろな利害問題等で出てきた点はわかるんですが、何かちょっとしっくりしたいと、こういう点を非常に感じますので、これは申し上げるわけです。  次に、一番問題であります健全性の問題ですね。これは先ほど私が言ったもうけ過ぎ論というのは、いま全部はそれは当たらなくなっております。むしろ厳しい状況にあるところもあるわけでして、大手は別といたしまして。これの確保についてはいろいろ今回言われておりますけれども、今後郵貯との絡み等もありまして、この六月からも新しい複利の預金等もできてまいりますけれども、そういう新しい商品の開発も含めまして銀行の経営の健全化の一番の柱というのは何なのか、それをまずお伺いしておきます。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まあ銀行の健全経営の柱というのも時代によっていろいろ変わってまいるというような面もあろうかと思います。現在銀行行政におきましてはいろいろな経営諸指標というものをつくりまして、それに基づいて行政指導をやっておりますが、大きく分けまして自己資本の充実関係というグループあるいは資産の流動性維持の関係というグループというようなものがございますが、今度法律化をお願いしております大口融資規制というのは、これは諸外国でも健全経営のかなり柱の有力なものとして法制化されておりまして、従来これを通達で行政指導でやってまいったわけですが、法律的に位置づけたということは今後の新しい健全経営の大きな柱になると思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いま言われた大口規制の問題ですが、第一番目に、大口信用規制の問題については私はやっぱり大幅に後退をされた、こう言わざるを得ないわけです。これは衆議院においてもしばしば指摘をされましたし、先ほど来も指摘されていたとおりでございまして、この規則が法定化されることはともかくといたしまして、区分や比率は政令事項となっております。それから、信用供与の規制の対象から商業手形割引、貿易手形割引、それから預金、国債担保貸し付けを除外する一方、比率算出の分母となる自己資本に引当金を含めておると、こういう実質的な緩和というのが行われておるわけですが、こういう後退が行われた、銀行へ譲歩したこの原因は何なのか。  それからまた、現在の大口貸し出しの状況を追認するための処置であるとするならばそもそもこの規制の意味が失われてしまう、こう思うわけですが、これはいかがですか。  それから、金融機関の実質上の規制値を明らかにするため除外した分についての金融機関種類別の金額、これは示していただけますか。三点。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 今回、省令で商業手形の割引、預金担保貸し出し、国債担保貸し出し、それから輸出代金保険質権設定貸し出しという四つを除外するということを考えておるわけですが、これは今度の法律化に当たりまして従来の通達による行政指導ということよりは、より制度として綿密なものにしなくてはいけないということでいろいろ検討をしておりまして、私どもが諸外国の例などを調べておりますと、各国、特にアメリカ、西ドイツあたりがその典型でございますけれども、回収が確実である、安全度がきわめて高いというものは計算から除外しておるというような例がございまして、理論的には健全経営という観点から考えますと、そういった要件に該当したものを何も縛る必要はないという方が理論的にはすぐれているように思いましたので、そういった意味で、これらのものはいずれもきわめて回収確実であるというような観点から除外してもいいんじゃないかという制度の趣旨から考えたわけでございます。  こういったものが除外されますと、都市銀行で申しますと現在の規制比率二〇%というものが、特にこの中で商業手形割引が一番大きいわけでございますが、商業手形割引が都市銀行で約二割、総貸し出しの二割ぐらいになっておりますので、実質規制比率と申しますか、二〇%を商業手形割引を除外したということで計算いたしますと二五%ぐらいになる、地方銀行ですと二〇%が二六・一%ぐらいになる、長信銀は商業手形がほとんどございませんので、三〇%が三〇・六%ぐらいにたる、信託銀行は三〇%が三一・三%ぐらいになる、こういったような数字になりまして、その他の預金担保貸し出し、国債担保貸し出しはきわめて小さい数値でございます。輸出代金保険質権設定貸し出しにつきましては特に統計はございませんけれども、大体二兆円前後ではないかというふうに考えております。そういたしますと一%前後に影響するかどうかというようなことであろうかと思います。  そういうことで、結果的には若干枠がふくらんだような形になりますけれども、その制度の趣旨から見ていいのではないかということでございます。一たん、これは従来の行政指導とかわりまして法律にいたしますと法律違反ということになりますので、余り経済の実態から離れた窮屈なものであってはいけないという考え方も一方であろうかと思います。御承知のように自己資本と貸し出しとの伸び率というものをいままでずっと見てまいりますと、これは断然貸し出しの伸び率が毎年高い。わが国の資本市場の状況ということもございましょうし、あるいはまた銀行の収益面の問題ということもございましょうが、どうしても過去においても貸し出しの伸び率はかなり高いというようなことを考えますと、余りに窮屈なものをつくっておくとすぐ非常に身動きのつかない制度になってしまうというような点も総合勘案の中には考えなければいけないのではないかというように思ったわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 数字は出せないわけですね、先ほどの金額。いまのパーセントだけですね。それ以上詳しいのは無理ですね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) たとえば商手割引の絶対額というようなそういう数字でございますか。——  それでは申し上げます。商手割引の絶対額は、これは五十五年九月末の数字でございますが、都市銀行は十四兆六千九百二十三億円という数字になっております。地方銀行が九兆八千七百五十五億円、それから長信銀が三千五百三十三億円、信託が九千三百十二億円、東京銀行が五千九百五十九億円。先ほど申し上げましたのは、それを総貸し出しで戻した数字でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 次に、現在通達で貸出規制が行われているわけですが、この枠を超過しておる企業数、それからまた規制枠を超過して貸し出しをしている銀行数、これはどの程度存在しておりますか。  また、今回の新しい法律による政令で定めようとする規制内容で見た場合は現在の規制超過の状況はどうなりますか、その点答弁できればお願いします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ことしの三月末の締めがまだできてないものですから、五十五年九月末の数字で規制枠を超過しておりますのが企業数で二社、それから件数で九件、銀行数で八行ということになります。しかし、この中には東京電力が入っておりまして、東京電力を除きますと銀行数一、件数一、企業数一ということになります。  それから、今度の比率を適用するというのが、全く個別の話になりますが、まず御承知のように超過しております一社につきましては二年間、つまり来年の三月までの間に超過を解消するという話になっておりますので、これは超過が解消されることを期待しておるわけですから、そういたしますと、新銀行法滑り出しのときには通達違反のところはないという状態で滑り出すことになると思います。したがいまして、今度の比率を使いましても、もちろんスタートから超過しているところはないということになろうかと思います。  もう一つは、電力会社がどういうことになりますか、これはちょっとそのときの情勢になってみないとわからないという点がございますが、一般的な企業については、超過しているところは、現行の基準でもあるいは新銀行法が来年施行になっても現状では超過しているところはないということになると思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 それは、さっき言われた件数の九件も銀行の八行もなくなるということですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 一行、一社、一件と申し上げたところは新銀行法がスタートするまでに超過を解消するということになっております。あと電力会社が残るわけですが、これがどうなるかというのはちょっとそのときになってみませんと明らかでございませんが、この分は、電力事業設備投資計画の特殊性にかんがみまして、現在でもやむを得ないということで、例外として個別企業に対して承認を与えておるわけでございます。この問題は、新銀行法になっても同じくそういった政令でやむを得ない事由ということになる可能性があると思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 ということは、一行が減るということは七行になるということですね。さっき八行とおっしゃいましたね。そのうち一行が今回のあれでだめになる、そういうふうに逆なんですか、その点ちょっと。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 先ほど申しました八行というのは、まず東京電力は全部八行に関係しているわけです。それから、もう一社、一件、一行と申しましたのがその八行の中に入っておりますので、したがって、その八のうち七は消える、東電を除いて考えればそういうことになります。それから、二社と申しましたのは一社になる、それから、九件と申しましたのも、一社が八件で、他の一社が一件だ、こういう関係になりますので、実質的には二社だけの問題でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 そういうことですから、私は、先ほど来、こういう後退になってしまうと。だから法律に入れたんだからいいんじゃないかというふうな議論のようですが、ちょっとその点はいただけないので、やはり貸出規制についてはこれからもこういった率の問題等は絶えず経済の動きを勘案して考えていかなければならぬと思うんですけれども、その点は大蔵大臣いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 今後の経済情勢と非常に密接な関係があると思いますが、もちろんこれは、率その他、政令マターあるいは省令マターにしているところの非常に多い条文でございまして、情勢の変化に応じて政令、省令を適正な実行が行われるように弾力的に決めてまいりたいと思っております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 この規制の比率が、普通銀行二〇%、それから長銀が三〇%、このように業態によって差が設けられていますが、その理由はどこにあるのか。もし経営の健全性ということからするならば一律でよいのではないか、またそうあるべきだ、こう思うんですが、その点いかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 従来の行政指導の段階及びこれから政令で定めさせていただく比率、いずれも都銀は二〇%、長信銀、信託は三〇%、それから為替専門銀行は四〇%と決めさせていただきたいと思っておるわけですが、こういった形で比率を変えておりますゆえんは、それぞれ制度が各自の法律で区別されておりまして、その銀行の性格というものが一律でないというところから基本的にはまいっているわけでございます。  最近は、都銀が長期信用銀行にかなり業務も類似してきているではないかというような御意見もございますけれども、現状でたお見ましても、たとえば期間一年超の長期貸し出しの割合は、都銀は三三・六%、それに対して長信銀は八四・一%、非常に状態が違うわけでございます。したがいまして、長信銀、信託、いずれも長期信用機関として設備投資資金あるいは長期運転資金も入りますが、を主としてロットの大きい金を貸し出すというような性格のものとして位置づけられておりまして、そのために店舗も非常に少ないわけでございます。都銀が平均二百二十一店舗を持っておりますのに対しまして、長信銀は十八店、つまり一割以下の店しか持っていない。  一方、企業向けの一先当たり貸出額、貸し出しのロットでございますけれども、都銀は平均〇・七億円、それが長信銀が四・四億円というふうに六倍以上になっておるというような形で非常にそもそもの性格が違っておる。そういったようなものに対してむしろ一律のパーセンテージを適用するということは、その制度の特色を壊すことになるというようなことが基本的な考え方でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 それからこの際、ついでに伺っておきますが、債券発行限度額の引き上げ、これはどういう理由でやられたのか。逆に経営の健全化というものを阻害するおそれが考えられますが、その点はいかがですか。  また、農中の債券発行限度額もやられました。いま申し上げたのは長信なんかの債券発行ですが、これはいかがですか。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 委員の異動について御報告します。  ただいま野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君が選任されました。     —————————————

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 債券発行限度は、長信銀、農中につきましては自己資本の二十倍から三十倍に、それから東京銀行につきましては五倍から十倍に上げさせていただきたいということを法案の中に盛り込んでおるわけですが、これは実態から見まして自己資金の伸びが鈍化しておるというようなことに比べまして、長期信用銀行で申しますと金融債発行の資金調達というようなものが公共債保有の増大その他に伴いましてますます増加しておるというようなことから、逐次発行余力が低下いたしまして、現在の倍数では長信銀あるいは為専本来の機能が十分発揮できないような資金調達面の壁にぶつかっておるという状況でございます。  それでは何倍に上げるのがいいだろうかということにつきましては、自律回転できる範囲内ということを二つ考え、また当該銀行の経営の健全性を侵さないというような範囲というようなことを総合的に勘案いたしまして、三十倍というふうに決めさせていただきたいと思っておるわけでございます。  なお、長信銀行は昭和二十七年に法律ができまして以来、二十倍というのが三十年近く全然変わっていないというような状態でございます。農中は昭和二十七年に法改正になりましたときに二十倍ということで、長信法とあわせた。為専は三十七年から五倍ということでずいぶん長い間債券発行限度がそれぞれ据え置かれました結果、現状では頭打ちになってそれぞれの本来の国民経済的に要請されている役割りを果たすことに困難を生じておるというのが引き上げをお願いしている理由でございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 次に、これも大変議論をされてきた問題ですが、ディスクロージャーの内容の後退、これもわれわれの期待に反したわけであります。原案は、結局銀行の反対と自民党との調整で原案が後退をいたしまして、結局資金運用の概要に関する書面というのは削除されたわけですね。また説明書類の縦覧についても、必要記載事項は大蔵大臣が定めることになっていたものが、新しい法案では銀行の自主性になってしまいました。縦覧についての義務規定が訓示規定になる、こういう後退が目立っておるわけです。これでは答申で強調された銀行の公共性や社会的責任というものは反映していないのではないかと、こう思うわけです。  それからまた、銀行法の証券業における三原則と引きかえにするほど銀行の抵抗が強かったと言われておるわけですが、その点はいかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 今回のディスクロージャー第二十一条の問題でございますが、訓示規定ということにしたわけでございますけれども、これは答申の文章にもあらわれておりますように、基本的にはあくまでも私企業である金融機関というものが同時に公共性を持っておる、そういった公共的、社会的責任を負った金融機関の私企業性との調和というようなことから自己規制を行うというのがディスクロージャーの考え方であろうかと思います。そういった意味で、むしろ先ほどもお話に出ましたが、こういった訓示規定にし、それから必要的記載事項というものを決めず各銀行の創意工夫にゆだねるというようなことが、かえって私企業としての金融機関にとっては相当重大な責任を負うことになる。また相互に啓発し合う創意をこらし合うというようなことによって、この制度が発展するためにプラスになる面がディスクロージャーというものの性格上あるんではないかというような考え方に立ったわけでございます。  なお、現在すでにかなり多くの金融機関が相当の内容を織り込みましたパンフレットその他を出しておりますし、各種金融機関ともにこの法律が施行になりましたら有発的にディスクロージャーをいろいろ工夫をしてやりたいという意欲も強まっておりますので、こういった条文で今後の制度の発展というのは期待できるんではないかと私は思っております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 大体この趣旨はいま言われたとおりですが、やはり銀行融資の規制と、それからもう一つは資金運用の内容を国民に明らかにすると、銀行というのは私企業ではありますがやはり公共性があると、こういうことでこうなったわけです。したがいまして、原案より後退していることはまことに残念であるわけですが、いま言われたようなことで一歩前進ということなんでしょうが、ちょっと不満は残るわけです。  そこで、預金者等の顧客のニーズが非常に強い中小企業の融資比率、それから住宅ローン比率、こういったものは当然開示すべきだと思いますが、これはいかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 記載内容につきましては各種金融機関が自主的に判断するということにな、っておりますが、やはりその主たる内容になるのは、ディスクロージャー制度の趣旨から見ましても、資金運用面に関する事項がまず中心になるものというふうに制度として考えられます。現在いろいろパンフレットを出しておられる金融機関の内容を見てみますと、御指摘のような中小企業比率などは入っている金融機関が多いというふうに心得ております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いま言われたように、確かにかなりやられておるわけですが、やってないところもございますし、自主性に任すだけではなくて、もう少し積極的に行政指導はやってもらいたいと思います。というのは、やはり日本の場合は、中小零細企業というのは大変比率も高いし、また中小企業の力というもの、役割りというものが中小企業の、極端な言葉で言いますと、大企業はその犠牲の上に立って日本経済の発展が出てきたという面もかなりあるわけです。しかしまた、それだけに中小企業の功績というのもあるという面もございます。一つのバッファーアクションのような形になって日本経済がここまで来たということは言えるわけです。  そういうことですから、やっぱりこれに対する貸出率というのはかたり伸びてきておると思います。これはますます今後とも伸びると考えてよいのか、それともやっぱり大企業の方が伸びていくと考えておられるのか、これは種類と金額ということの関係もあるかと思いますけれども、私はこれからますます中小企業というものがふえるし、またこれが活躍をしていかなきゃやっぱり日本経済の発展も私はあり得ないと、こう思うわけでございますので、これからの見通しをどう考えておられるのか。  それからやっぱり一番私、議員としてつらい立場といいますか、よく御相談に来られるのは中小企業の方です。まあ中小企業といっても零細企業ですね。なかなか銀行が渋いと、何とかしてもらえぬかと。大蔵委員やっているとよけい来るわけでして、これはどの議員さんも一緒だと思いますが、銀行に聞いたらなかなかここは心配でどうしようもないと、これはだめだと、非常に冷たいのが多いわけです。確かに銀行の側に立ては危なくってしようがないという立場はよくわかるんですが、ちょっとこれは呼び水を出してもらえば何とか救われて、立ち直れる人まではさっとやられているようなケースはどれぐらいあるか、私も統計自分でとっておりませんからわかりませんが、中にはそういうのも相当あるように思うのです。確かに全然だめなのもあります。これは断った方が銀行としては当然だというのは私は受け付けないことにしておりまして、私のところもこれはあかんと、こう言っておるわけですけれども、そういう面で中小企業というより零細企業ですね、特に個人でやっておられるようなそういうとこら辺の融資、そのためには国金があるではないかとかあるいは地方自治体の融資があるから、それも金額が少ないから使っちゃってしまっていると。やっぱり銀行できちんとやりたいというのも非常に多いわけでして、こういう零細企業向けの金融のあり方、特に銀行のあり方、片方では大口融資の悪いのを見てみますと、あれだけ貸しているんだからここへ三百万、五百万ぐらい貸してやったっていいじゃないかと、こういうような要らぬおせっかいなんかしておりますとよけい思うのですよ。その人が救われれば何とかなるんじゃないか、そういう思いを絶えず日常生活の中でしております。  大蔵大臣なんかも特にそういう陳情が多いんじゃないかと思うのですけれども、この点も含めまして、中小企業に対する貸出比率というものはこれからはますます伸びるのかどうか、どういう見通したのか、また零細企業に対する銀行の態度、こういったものをどう指導していくか、その点伺いたいと思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、都市銀行、地方銀行につきましても中小企業向けの貸出比率というものは非常にここ何年か伸びております。都市銀行の総貸し出しに対します中小企業向け貸し出しの割合を見てみますと、四十八年の十二月には三二・五%が中小企業向け貸し出しであるという状態でございましたが、昨年の十二月、五十五年の十二月には四〇・四%というところまで上がってまいっておりまして、都市銀行、地方銀行ともに中小企業金融の円滑化には並々ならぬ熱意を持っておりますし、またそういった状態が今後も続くものだと思います。  行政的におきましても、再三にわたりまして通達その他によりまして、民間金融機関における中小企業向け融資について引き続き一層の配慮を求めるといったような通達を出しております。零細企業その他につきまして、私企業としての健全経営というような観点からの問題もありましょうけれども、できる限りにおいては、きめ細かくめんどうを見ていくという態度を取り続けるように指導してまいりたいというふうに考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いまのデータですが、パーセントがふえているからこれだけ努力しているんだという面、これは私も細かい数字分析しておりませんのでわかりませんが、必ずしもそれだけではないんじゃないか。先ほど申し上げたように、中小企業がどんどんふえている面を私は感じるわけです。だから、先ほどちょっと申し上げた数と金額とそれから総トータル、その辺のデータをやはりきちんとしていただいて、私できたら提出をしていただいて、後で結構ですから、また勉強さしてもらいたいと思うんです。  大蔵大臣、これからの日本の企業は、私は大企業はどんどん大きくなってきたのが今日まででしたが、案外そういうのはぼつぼつ終わるんじゃないか。むしろ細かくなる、分かれてくる。というのは、何でも一つに集めてしまって、いわゆる大きくやっていくというより、もちろん系列というのはあるにしても、何か細かく細分化されていくんじゃないか。こうなりますと、ますます中小企業の力というのが強くならなければいけない。日本経済の今後を考えた場合ですね。いままでどっちかというと高度成長は単一化、それから画一化、そして大型化、こういうように進んできたんですが、どうも八〇年代、これからは違ってくるんじゃないか。  というのは、だんだん、たとえば自動車産業を見ましても、もうロボットですから溶接工の方たち要らなくなってくる。これはどうするか。そういうでかいところでやるのがなくなると、もしそれを生かすとすれば小さなところでやるしかなくなってくる。一面において脱サラ現象といういまの若い世代の方たちの風潮もありますし、何か小さな企業がどんどんふえてくる。こういうふうな感じがするんですが、それだけに中小企業向けあるいは零細企業向けの金融というものはきちんとしておかなきゃならぬ、こう思うんですが、大臣はどういうふうに見通しておられますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) やはりいままでも日本の企業が国際競争力をづけたという裏には、自動車にしても電子関係にしてもたくさんの中小企業が控えておるということは事実でございますし、ドイツなどでも非常に中小企業が大きな役割りを果たしておる、これも事実でございます。今後とも矢追委員の言うように、中小企業の重要性は私はふえるとも劣らないと、そう考えております。したがって、中小企業に対する金融につきましては、やはり十分にいろいろな工夫をして配慮していかなきゃならぬと、そう考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 次に、証券業務についてお伺いをいたしますが、三原則ができたわけですが、その前にちょっと伺っておきたいのは、もともと昭和三年ですか、銀行局長の通達では窓販はできたわけですね、で、証取法の六十五条二項でもできると。それが昭和四十年に紳士協定が行われたと、そういうことで売らなくなった、こういうふうに承知をしておるんですが、本来ならば法律的には売ることが可能であるのにもかかわらず、どうして現状のようになってきたのか、それをまずお伺いしたいと思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 現在の銀行法は昭和二年にできまして、その銀行法で証券業務の位置づけをどう読むかというのはいろいろな意見があったわけでございますが、私ども銀行局といたしましては、銀行法の解釈といたしまして、証券業務というのは銀行法の付随業務という中で読めるというような解釈がなされてまいったわけでございます。  戦後に至りまして、昭和二十三年に現行証券取引法ができました。その六十五条で、御承知のように銀行その他の金融機関による証券業の営業を原則として禁止したわけでございますが、その際、国債等の公共債についてはこの禁止規定の適用から除外した。そこで銀行法と証取法と両方あわせて読みますと、銀行は公共債については証券業務ができるという解釈を銀行局としてはしてまいったわけでございます。  で、昭和四十年に証券会社が登録制から免許制に移行したというようなこともございます。あわせていま御指摘の四十年度に新規国債が登場した。その際、引き受けシ団に銀行その他の金融機関は証券会社と並んでシ団メンバーとなったわけでございますが、そのメンバー間の内部の覚え書きで、募集の取り扱いについては証券会社のみが行う。これは多分に当時の証券会社育成というような考え方もあったやに聞いておりますが、そういうことになって現実には銀行が募集取り扱いをやってまいらないで現在に至っておるということでございます。  そこで、金融制度調査会及び証券取引審議会がそれぞれこの問題をめぐって答申、意見書をまとめたわけでございますが、最終的には行政当局に、おける検討と適切な取り扱いにゆだねているというような状況でございまして、そういった歴史的過程を経まして、政策的に今回銀行法の中でどう証券業務を位置づけるかという検討を行ったわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 三原則の一つである制度と実施面の別扱い、これもずいぶん議論されておりますが、現実問題として、国債は途中で換金する際一は、価格変動リスクのある商品でありますから、特にディーリングを行う場合のノーハウの面からかなり大規模の銀行等に限定をされてくると、こう考えられるわけです。したがって、結局証券業務を銀行が行うことによって業容の拡大が行われるわけですけれども、これが大規模銀行だけが認可されることによって銀行間の格差が拡大することになるのではないか。そうなりますと、金融面にその競争原理を導入いたしまして金融の効率化を図ろうとしておる答申の精神に反することにならないか、こう考えられるわけですが、この辺のことはどうですか。  やはり大銀行でなくてもこれはできるのか、有利なのか。大銀行のみが有利と考えておるのか、私は考えるわけですがね、その点はそういう心配はないと、こういう意見なのか。その点をお伺いしたいと思います。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 今回提案しております証取法では、金融機関について特に限定を加えておりません。したがって、法制上は認可を得さえすれば公共債に関する証券業務は行えるということになっているわけであります。しかし、実際にその認可を与えるかどうかという問題になりますと、これは銀行行政上の預金者保護の観点もございますでしょうし、また私どものいわゆる投資家保護の観点もございます。そういった点も踏まえまして、現実に認可をする段階で金融機関をどの程度にしぼるかということを検討せざるを得ないんじゃないかと、かように考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 そのしぼるということは、能力があるからそういうところだけ許可をするという意味なのか。ということは、これだけ大騒ぎになって、いまのそういうお話だと、そもそも銀行がこの窓販をやることはまず賛成だったのか反対だったのか。証券業界が反対したからもたもたして時間がかかったのか。銀行は積極的にやりたいとすれば、これはまあ極端な言い方をしますともうかるからやるというのか。これはめんどうくさいからやるというのか。銀行でいっぱい持っている国債を売りたいからやるのか。その辺が私もよく事実わからないんですが、もしもうかるからやるとするならば、それはなかなかもうかっていないところにむしろ許可を与えて、それで大手のしっかりしているところはむしろ渡さない。いまの話だと逆に何かこれは実際やるといってもそう簡単にはできないと、だからしぼるのか。あるいは証券業務との絡みで、証券業界の方が反対するから、余り取られちゃ困るからでかいところにはやらさない。小っちゃいところ二、三ヵ所——二、三ヵ所といいますか、数を限定してやらすと、こういうことなのか。その点はどうなのか。  といいますのは、窓販三人委員会ですか、こういう新聞記事ですけれども、銀行局長と証券局長の写真まで出ていますが、もう一回初めから、是非論からやり直せなんて出ておる、新聞情報ですが。一つは私は、三人ぐらいで果たしていいのかどうかという疑問もあるんですが、実際具体的にいま許可をする場合、どういう条件とどういうのが整わなければしないのか。その辺の基本的なものはこれからなんでしょうけれども、大体の大まかな考え方というのは決まっておると思いますので、お伺いしたいと思います。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) ただいま証券業務を行う場合の金融機関の範囲の問題につきまして御指摘がございました。  私どもとしては、金融機関が証券業務を行う場合、特に窓販が当面問題になっているわけでありますが、窓販を行う場合どういう問題があるかと申しますと、これは国債をただ窓口で売ればいいというだけではございませんで、買った方が換金の必要がある場合にこれを買い戻してくれ、売りたいということを言ってくるわけであります。そうしますと、これはいわゆるはね返り玉の処置ということになりますが、既発債の買い入れという問題が随伴してくるわけであります。したがいまして、窓販といわゆる一部ディーリングを含むような業務をやらせることになると。そういうことになりますと、ただいま矢追委員御指摘がございましたように国債は価格変動商品でございます。貯蓄国債というような場合にはいいんでありますが、国債の場合は相場の変動がございます。したがいまして、かなりそれによってそれを取り扱う金融機関のサイドにおきましてもリスクがあるわけであります。そういったこともございますので、これをあらゆる金融機関に、すべての金融機関に取り扱わせるのがいいかどうかというのは、これは銀行行政上からもいろいろな問題があるんではないか。また私どもとしても、そういった単に証券業界の業務分野を侵されるというような観点だけでなしに、およそ国債管理政策上どの程度の国債の販売をやるのが妥当であるかというようなことを十分検討したきゃいかぬのじゃないか、かように考えているわけであります。  それから、三人委員会の問題でございますけれども、これは今回法律が通った暁に、公正な判断を確保するために三人程度の中立的な立場にある有識者にお願いいたしまして、懇談会を設けて、特に窓販に関連した認可の時期について御意見をちょうだいしたい。これはまあ証券業界、銀行業界それぞれ言い分がございまして、これを最終的に今回法案の形で取りまとめたわけでありますが、この実施に当たってこういう方の御意見ならばやはり聞かざるばなるまいなというような方の御意見を拝聴いたしまして、最終的には大蔵大臣が認可をすると、こういう形にしたいと、かように考えております。  それじゃ、認可の実施、認可に当たってどういうことを考えるのかという御指摘でございますが、これにつきましては先ほどのお話にもございましたように、国債の管理政策上の要請、国債の安定消化をどういったぐあいにどういうタイミングでやっていったらいいのかと、こういう問題、それから何と申しましても銀行の新規参入ということになりますので、これが公社債市場にどういう影響を及ぼすか、証券会社の経営にどういった影響があるのかという問題、さらに金融資産の多様化という顧客のニーズを含めまして銀行経営の状況、こういったことを総合的に判断いたしまして認可の時期について結論を出したらどうであろうかと、かように考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いまの証券局長のお話を聞いておりますと、必ずしも銀行はこれで非常に利益を受けるというふうな感じを受けないわけなんです。その辺もう一回重ねて聞きますけれども、まあぶちあけた話をして恐縮ですけれども、要するにこれで銀行はもうかるのかもうからないのか、大まかとしてね。  それからもう一つは、証券市場に、特に国債市場に、公共債の市場に、特に仮に大手都市銀行に窓販を全部許可をした場合、価格に影響が出てくるのか。利回りですね、これに影響があるのかどうか。その点はどうお考えになっておりますか。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 今回の法制の整備でございますが、何と申しましても、現在まで銀行法によって銀行の証券業務が一体できるのかできないのかという点についているんだ議論があったことは事実でございます。まあ付随業務で読めるんじゃないかという御議論もありましたし、またそれではちょっとどうだろうかと、こういうような疑問もございました。そういった点を今回の法制の整備によりまして非常に明確にできたという点が、銀行にとって十分プラスではないかというふうに私どもは考えております。  それから公社債市場に及ぼす影響の問題でございますが、仮に銀行が窓販あるいはディーリングをやるということになりますと、確かに流通価格等の点でいろいろ問題が出てまいります。たとえば銀行が窓販をやる場合に、抱き合わせ販売というようなことをやらないかどうか、あるいは何と申しましても銀行はかなりの金融支配力を持っているわけでありますから、そういった点で証券会社とイコールフッティングの立場で公社債市場に参入できるかどうかと、こういったような問題がございまして、これらにつきましてはやはり認可を与える段階で何らかの目張りと申しますか、それに対応した措置をとらなきゃいかぬ。そういったことで、私ども今回の法律改正に際しまして、不公正取引の禁止という証取法の五十条の規定を準用することにしておりますが、これをさらに具体的にどういった形でその不公正取引の禁止という規定を適用するかというような点を詰める必要があるんではないかと思っております。  それから、銀行はやはり投資家として国債を持っているわけでありますが、これを今度は商品有価証券と申しますか、公社債市場における売買の対象として国債を持つということになりますと、従来の投資有価証券に対して商品有価証券というようなことで、勘定を分離する必要があるんじゃないかというような問題がございます。こういった点につきまして、やはりいま御指摘の公社債市場のあり方と関連いたしまして今後十分詰めた上で結論を出す必要があるんじゃないか、かように考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いろいろございますし、私も心配しておるところは、先ほども局長言われた銀行が大変な資金を持って影響力が強い、いろいろ操作がやれるわけですから。そういった点で公社債市場というものに人為的ないろんなことをやって相場がいろいろ動くことについては大変心配をするわけですから、その点はぜひきちんとやっていただきたいと思います。  銀行局長、先ほど来ずっと証券局長に聞いておりまして、それに対する答弁は同じだと思いますが、ちょっと証券局長の答弁を聞いておりますと、先ほど言いましたように、銀行はこれをやる、特に窓販をやることによって余り得にならぬのじゃないか、そういうものをどうして熱心に窓販やりたいというふうになってきたのか。銀行側の方の考え方としてはどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 銀行が窓販及びディーリングに積極的であるという理由でございますが、金融界がいままで主張してまいったことが幾つかございます。一つは、先ほど御指摘のございました金融界としては現行銀行法上、証券業務は付随業務として制度上認められておる、証取法上も公共債はできるということにたっている。したがって、これはいわば既得権益であって、何らかの条件を付したり認可に付したりするのは後退ではないか、こういったような制度論が一つ。あわせまして主要国におきましても、諸外国におきましても少なくとも公共債は証券業務が銀行に認められておる。これはアメリカの制度がわが国の証取法に非常に大きな影響を及ぼしたかと思いますが、そういったアメリカにおいても一般的には禁止されているが、公共債だけは認められているじゃないか、そういったような問題。それから別の面から言いますと、国民の金利選好あるいは金融資産の多様化といったようなニーズが非常に高まっているというようなときに、国債のような商品を取り扱うということは国民のニーズにこたえることになる、いわばお客さんがふえるというような面もある。あるいはまた、公社債市場のあり方というような観点から見ても、ある程度、かなり有力な多数の担い手が公社債市場で営業した方が公社債市場のためにもプラスになるんではないか、こういったようなことが主たる理由であったと思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 銀行局長と証券局長、余り食い違い等をあら探しするといろいろまた問題が起こってきますので、この問題はこの程度にします。後、実際、問題のないように、問題は国民の立場に立つわけですから。その点ひとつお願いしたいと思います。  大臣にお伺いしたいんですが、これもいろいろ議論されておりますが、金利一元化、特に郵貯との関係、それから金利の自由化、この問題についてはどうお考えになっておりますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 金利の自由化の点については先ほどの答弁のとおりでございまして、早急に一元化をする、特に預金金利等の早急な一元化ということはいろいろむずかしい問題がございます。自由化の問題につきましては、これも先ほど申し上げたとおりでございまして、中小金融機関に対する配慮というようなものを考えなければならない。したがって、方向はその方向でございますが、慎重にいかなければならない。ただ、郵貯との関係での金利一元化という問題につきましては、やはり預金金利の引き下げ、引き上げという問題が経済に大きな影響力を持っておるという状態でございますので、金融政策を通して経済の刺激や経済の安定に機動的に対処しなければならない、そういうようなときに当たって早急な金融政策が実行できるためには預金金利の引き上は、引き下げという問題について一元的な処理が必要である。また、民間とのイコールフッティングというような点につきましても、それはある程度の一元的なものが必要ではないかということを言っておるわけでございます。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 それでは次に、金融の国際化の進展と在日外国銀行支店への対応について伺いたいと思いますが、在日外国銀行については本邦銀行と同一に取り扱うこととされておりますが、わが国では銀行行政が外国と比べ複雑であり、かつ規制も大変厳しいわけです。また、銀行と証券とのかきねも大変高い。そういうことで外国の方から見ますと、自分の国に支店を置いている日本の銀行や証券会社には自由な活動をさせておるのに、日本に進出している自分の国の銀行は過大な規制を受けておる、こういうふうで非常に不公平といいますか、感じておるわけですね、そういうのが多いわけです。そういうことで、金融の国際化というものが著しく現在進展をしておる、そういう状況のもとでこのままの状態で済ませるのかどうか、このせっかく改正された銀行法ですが、この面では余り対応策というのが盛られていないわけですね。今後二の国際化に対応して外国銀行に対するあり方、これはどういう方向を考えられておるのか。  また、今後そういったことに何らかの手を打つとするならば、やはり銀行法がまた改正されるのか、あるいは通達とか行政指導だけでできるのか、そういうふうなことも含めまして政府の見解をお伺いしたいと思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘がございましたように、従来から外銀支店の取り扱いというのは、国内における日本の銀行と同等に取り扱うという方針で進んでまいっておるわけでござい童す。  ところが、これは法律的に申しますと、外国銀行の法律規定というものが何分昭和二年の銀行法でございますので、当時はまだ内外、現在のような活発な相互乗り入れというような状態になかったということもございまして、法律上は外銀支店の取り扱い自体に多々不備があるということが一つ。  それからもう一つは、御承知のように行政指導というものはどうも外国銀行に対してうまく働かない、外国銀行であればどうしても法律ではっきり書いてあるというようなことでなければ、なかなか行政もやりにくいというような点、そういったような点及び経験にかんがみまして、今度は外銀支店の規定はかなり詳細に整備したわけでございます。一つの章を外銀支店のために設けまして、従来の不備を直すというような部分あるいはまた外国銀行支店ということになりますと、日本に資本金がないわけですから、そういったような意味などからくる読みかえその他の別個の規定を要する、あるいはまた国際化に対応するためにいろいろな新しい規定を設けるというようなことで、相当の外銀についての規定の整備は今回行ったつもりでおります。御指摘のございました、確かにわが国の国内の金融制度と海外の金融制度というのはかなり異なった面がある。したがって、わが国において日本の銀行と同様に取り扱うということにいたしましても、外国銀行の方では自分の国の法制とずいぶん違うというような点があるのは事実でございますけれども、日本の中におきましては、どういった金融制度が一番望ましいかということは、これは日本の金融制度として十分議論をされる必要がありますし、また今後も引き続き議論していく必要があると思います。  その場合に、そのわが国の金融制度のあり方として国際的な金融制度というものの影響も何がしか受けるというようなことも事実であろうかと思いますけれども、現在の段階でわが国の金融制度というものは専門機関制度というものを中心にでき上がっておるわけでございますので、そういった意味で今後とも、さしあたってこの法律規定がかなり正確かつ精緻になりましたもとにおいて外国銀行支店の行政を行っていきたいというふうに考えております。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 いま銀行局長答弁されたわけですが、私はいま言われたような状況はわかるんですけれども、やっぱり外国の人は厳しいと思っておるわけですから、その点を変えるとなれば今回のこれだけではだめで、またすぐ何年か先には改正ということになるんじゃないかと、こう思いますので、お伺いしたわけです。改正をしたくてもいいのか、改正をしなきゃならぬような状況というのは出てくるのじゃないか。だから、先ほどもちょっと申し上げたように、冒頭に申し上げたように、最初のそもそもの諮問の中にも経済の動向ということがうたわれておるわけですね。大蔵大臣からの昭和五十年五月、経済金融情勢の推移にかんがみ、銀行に関する銀行法云々と諮問が出ておるわけですから、やっぱりこれだけかなり推移があるということは、この銀行法を私は軽々しく扱うわけじゃないんですが、今回は五十年ぶりの改正、しかし、非常におくれた。経済の動向に合わせて今後ともしばしば見直しというのは出てくるのじゃないかと思うわけです。その点も含めましてお伺いをしておるわけですが、大蔵大臣はいかがですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のございましたように、ともかく経済変動、金融環境、非常に変化の激しい時代でございます。今度の改正が五十数年ぶりだということをもって今後それじゃこの法律が五十何年動かさないつもりかというと、それは決してそういう意味合いではございませんで、諸情勢の変化に即応して必要があれば弾力的に改正をしていく、見直しをしていくというようなことであろうかと思います。

矢追秀彦公明党・国民会議

○矢追秀彦君 グリーンカードについては盛んに議論が出ておるわけですが、ひとつ大蔵大臣がんばっていただいて、自民党の見直し議員連盟の圧力に負けないようにお願いをしたいと思いますが、グリーンカードに関連して一つだけお伺いしておきたいのですが、これは投書の中にあったことなんですが、新聞の公務員の場合は守秘義務があると、しかし銀行員には守秘義務はないと。このグリーンカードによって住民票も添付を義務づけられるとなってくるといろいろわかってくると、それに対する非常に心配をしたプライバシーの問題についての投書が昨日、朝日新聞に出ておったわけですが、この問題については銀行局長はどうお考えですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関の場合には預金、貸し出しという信用秩序の中枢にいるわけでございますから、もちろんお客様の職務上知り得た秘密というものを守るということが信用機関としての信用を得る最大の前提になるんだと思います。そういったような意味合いで、金融機関から秘密漏洩を行うようであればそれは金融機関のまず第一条件の失格であるというように思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それでは、銀行法の改正についてお尋ねをいたします。  いま矢追委員からいろいろ質問があり、できるだけ重複を避けて質問いたしたいと思いますが、多少重複する点もあるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  最初に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、今回の銀行法の改正においてはいわゆる銀行の窓販、ディーリングの問題についていわゆる三原則が出された。それをめぐっていろいろ銀行業界等の反対があったわけでありますが、最終的にはディスクロージャーの問題あるいは監督権限の問題、大口融資規制等の問題で金融界の意見を取り入れてこれと引きかえに三原則を認めさしたと、こういうような感じがするわけでありますが、大蔵大臣もどんなりっぱな法案をつくっても国会で通らなければ話にならぬじゃないか。だからある程度不本意でもやむを得ないのじゃないかという意味の発言をされたやに承っておるわけでありますが、そのような点、今度のでき上がったこの銀行法案に対して大蔵大臣としてはどのような感じを持っておられるのか、お伺いいたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 銀行法の改正は多年の懸案事項でございます。したがいまして、それについては四年数ヵ月にわたる金融制度調査会の審議がございまして、理想的な形というようなものについて議論をされてまいりました。しかし、いま言ったように利害の絡む問題もございます。したがって、あれと引きかえにこれをやったというわけではございませんが、総合調整をしてやらなければこういうような実務的立法でもございますから、やはり現実的な対処というものも必要なわけであります。一方で理想を掲げながら一方で現実に即したやり方を考えたわけでございまして、今度の改正というものはかなり現在の銀行法よりも近代的になったし、またいろんなその背景、銀行法改正の背景というものがあるわけでございますが、その背景にもそれ相応に対処しておるものと、私はさように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それで、今回の銀行法ではいままでになかった「目的」規定というものが第一条に設けられておるわけであります。私はこれは当然ではないかと思うのでありますが、その中で特に第二項ですね、これが金融制度調査会の答申に添付された小委員会の意見あるいはまた当初の大蔵省の原案にもなかったわけでありますが、これが加えられた意図というものはどこにあるのか、これをお伺いいたします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のように、「目的」の条項に第一項におきましては「公共性」をうたいまして、第二項でこの法律の運用に当たっての銀行の「自主的な努力を尊重するよう配慮」というような規定を入れたわけでございます。  先ほど来申し上げておりますように、金融機関というのは公共性、社会性があるとともに、私企業である。したがって、その私企業のよさというものは十分生かしながら、その私企業のよさを、また公共性、社会的責任に発揮できるような形に持っていくということが一番重要なことであろうかと思いますし、金融制度調査会の四年余にわたる審議におきましても、今後の金融機関経営あるいは金融行政の最も大事なこととして、公共性、社会性とともに効率性というものをうたっておるわけでございます。そういった意味合いにおきまして、第一条で公共性ということをうたいまして、同時に、その運用に当たって、これは当然のことでございますが、私企業としての銀行の自主的な努力というものが十分国民経済的にプラスになるように引き出されなければならない。運用に当たって、余りに過保護行政あるいは過剰介入というようなものが行われては好ましくない、という、いわば確認的な意味におきまして第二項が入ったという考え方でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私は、いま銀行局長が言われましたように、過保護もいけませんし、過剰の介入もよくない。そういう意味では、この第二項の内容にも反対するものではないわけでありますが、そこで、この第二項が加えられたということは、一方監督権限というものが当初案ではかなり強化されておった。明文化されておったのが、またもとに返った。あるいはディスクロージャー等も、当初案の罰則つきの法的義務づけというものが訓示規定になって、各企業の自主性を尊重すると、そのようになったわけでありますが、こういうことと、第一条の第二項というものは関連するものである、うらはらをなすものであると、こう理解をしてよろしいのかどうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まずディスクロージャーでございますが、ディスクロージャーが訓示規定になり、かつ必要的記載事項を大蔵省が二元的に決めるということがなくなったという考え方は、おっしゃるように、第一条第二項の、銀行の「自主的な努力を尊重する」というスタンスと共通のものがあろうかと思います。しかし「監督」規定につきましては、監督強化というような意味合いで、一時非常に細かい規定を置いておりましたものが強化でなくなったというようなふうには私どもは考えておりません。問題は、その条文の書き方の問題でございまして、余りに細かく屋上屋を重ねるような書き方をするよりは、さらっと書いて、必要な事項は新設するという方が望ましいんではないかという条文の書き方の問題としてとらえておりますので、そちらを緩和したとか、あるいはそれがこの第一条第二項と関係するというような関連はないんじゃないかというふうに私どもは考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 銀行の自主的な努力を尊重するということには私も賛成でありますが、しかし一方、この第一項にありますように、「銀行の業務の公共性」あるいは「預金者等の保護を確保」あるいはまた「銀行業務の健全かつ適切な運営を期し、」、そういうためには、預金者が十分銀行の経営を監視し、またいろいろ批判もし、意見も述べる、そういう意味でガラス張りの経営というか、そういう方向を目指すべきではないか。この点はどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関の公共性、社会的責任にかんがみまして、ことに戦前と違いまして金融機関が国民大衆と非常に広い範囲で、かつ深い度合いにおいて接触を持つようになってきたというような時代の変遷を考えますと、おっしゃるように、国民全体に対して銀行というのは、できるだけガラス張りの経営を行わなければならないということであろうかと思います。そういったガラス張りのやり方として、統一的にものを決めるか、あるいは個別に創意工夫をこらしながら、みずからディスクローズしていくかということにつきまして、私どもはむしろ後者の方がいいんではないかというふうに考えたわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 その意味はよくわかるのですが、しかし最初の大蔵省の原案の銀行法にありました利益の処分とか、損失の処理とかあるいは資金運用の概要とか、そういうものの公告というようなものは、これは私は公告のやり方はいろいろあると思うのですが、いずれにしても、そういうものは最低限預金者に明らかにするものであり、こういうものは最低限度としてはっきり公告すると、そうあるべきであると思うのでございますが、これが削られた真意はどこにあるのか、お尋ねをいたします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) お話のございました中で、資金の運用の概要に関する事項ということにつきましては、これは二十条の公告の次にございます二十一条の縦覧規定において、この制度の趣旨から見まして、恐らくディスクローズされる最大の問題というのはやはり資金運用の概要であろう。そういったような意味合いで、縦覧制度の中で十分にディスクローズしていくというようなことに吸収すればいいんではないか、こういう考え方でございます。  それから、剰余金処分計算書の方でございますが、これは現在でも義務にはなっておりませんけれども、各銀行が新聞公告をいたします際に、すでに自主的に行っているところでもございますし、あえて法律上義務づけする必要はたいのじゃないかというふうに考えて落としたわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そうすると、大蔵当局としては、この程度のことは当然ディスクローズすべきで、一々そういうものを明文にする必要はない、こういう御意見のようで、もしそういうようなことを預金者に秘密にして公表しようとしない、そういうようなところがもしあった場合はどうしますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 公告の方でございましたら、義務づけはあくまでも貸借対照表と損益計算書、こういうことでございます。したがって最低限これだけ公告する、あと自発的につけ加えるのは大いに創意工夫で結構である、こういう取り扱いになろうかと思います。  縦覧の方につきまして、資金の運用に関する内容を全く縦覧の中身に入れてないというようなことは実は考えられないことでございまして、公衆が一番関心を持っておるディスクローズすべきことというのは、やはり主として資金調達面よりは運用面でどういうふうな運用の仕方をしておるか、また、そこの銀行のセールスポイントというものは運用面において何であるかということであろうかと思いますので、それは当然、資金運用に関する内容を主として縦覧のための書類をつくるというふうに理解しております。まあ著しく法の精神に反するというような場合があれば、それは行政指導面でも縦覧のやり方を補完することもあり得ると思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私は、縦覧制度の中身等について、これはどうなんでしょうか、こういうものはある程度時代とともに変わっていくものですから、法律にはないとしても、たとえば政令とかそういうようなものを、はっきり基準をつくるべきじゃないか。やっぱり行政指導というものが余りはびこるということは、近代的な行政のあり方としては好ましくないんではないか。そういう意味で、縦覧制度の内容等についてはある程度大蔵省としては一つのルール、政令のような形でつくるのかどうか、そのあたりはどうなんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 条文的には、たとえば大蔵省の政令あるいは省令でかくかくしかじかのことを必要的記載事項として定めるというようなやり方ですと、それだけ書いてディスクローズというものが自発的にディスクローズしていくという精神が失われるおそれがある。むしろ相互に特色を発揮し合いながら銀行の自主性で創意工夫をこらしていくという方が、この制度の長期的な発展から見てもプラスになる面があるんじゃないかというふうに私どもは考えているわけであります。  行政指導というのは、おっしゃるように私どももできるだけ行政指導というものは今後簡素化していきたいという基本的な考え方でございますので、真に必要やむを得ない場合を除きましては、この問題につきましても行政指導を乱発するというようなことは行いたくないというふうに考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 この問題はこの程度にして……。いずれにしても、銀行法も施行されてやがて金融機関の自主性に基づいたディスクロージャーも具体的にあらわれてくるわけですから、そういう点を見守ってまいりたいと、このように思います。  それから、これは大蔵大臣にお尋ねいたしますが、今回の銀行法改正においては、いわゆる近代法制の様式に従って規制の範囲を法文に明記し、その結果、行政指導に歯どめをかける。行政指導というものはなかなか客観的なルールがない場合が多いわけで、そういうものに歯どめをかけるというところにねらいがあったのではないか、そういうように私は考えるわけでありますが、ところがそれを銀行業界は官僚統制の強化と受け取って反対をし、結果的にはもとへ返ってしまったと、そういう点では非常に大蔵省が目指した方向に比べれば、理想とした方向に行かないでまたもとへ返ってしまったと。そういう点で不本意であったのではないかと思っておるんですが、その点は大蔵大臣のお考えはどうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) かたかなの法律をひらがなの法律に直すときには必ず出てくる問題なんです。やはり近代法としていろいろな監督につきましては制限的に列挙するということが最近の法律の傾向でございますので、この法案につきましてもそういうことを考えたのは事実でございます。事実でございますが、書いてみると一行のものがもう何十行にもなりましてね、非常に長ったらしくなることも事実。それから、列挙的に制限を書きますから、法案それ自体を見た場合には、もう銀行法広げてみたら取り締まり規定ばかりだというような印象を与えるのも事実でございます。  そこで、どちらを選ぶべきかということでございますが、中身が似たり寄ったりのことでもあるし、もう一つは子会社の検査ですか、検査の規定とかその他われわれが主張したものが入れられるというようになっておったものでございますかか、それならばどうせつくる法案で中身は大差がないと、実質上大差がないというのならば、いやだいやだというのを無理やりにやらぬでもいいじゃないかというようなことで、総合的に判断をいたしまして現行の御提案のような法文にしたわけでございます。大変な不満だということもございません。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 わかりました。  それから、窓販、ディーリングの問題については先ほど証券局長からもいろいろ時期の問題、また、その時期を決定する場合の条件等についていろいろお話があったわけでありますが、まあ大体大量の国債の借りかえ問題が深刻化する昭和六十年より一足先に認可されるということで、大蔵省と金融界の暗黙の了解ができていると言われております。これは了解等はないという答弁だと思うんでありますが、大体五十九年一月ごろ、その前後ではないかと、こう言われておるわけで、そう理解をしていいのかどうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうように決めておるわけではございません。暗黙の了解を与えたということも私は知りません。いずれにしても、必要に応じて認可すべき時期が来れば認可をするという考えであります。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今回の銀行法改正がらみで銀行業界が大蔵省からから取ったものに金の窓口販売、ミニ店舗の認可枠拡大、新型定期預金の創設の三つがあるとの、そういうような言い方をした報道がされておるわけでありますが、特にミニ店舗の認可枠を拡大をしたという、これはどういう内容でございますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 店舗行政は現在二年度をまとめまして基本的な考え方を示すということになっておりまして、去る四月二十三日の日に五十六年度及び五十七年度におきまする店舗の認可について基本方針を出したわけでございます。  で、その中の重点事項の一つとしまして、小型店舗、機械化店舗といったようなものを重点的に、取り扱うという方針を打ち出したわけでございますが、これは一般店舗につきましては従来からの店舗行政におきまして、もうかなり認められてまいりまして、相当数の一般店舗が各地に整備されておるというような状態でもございます。あるいはまた、今後の金融機関の経営の効率化というような点を考えましても、余り壮大な一般店舗というものをあちらこちらに建てるというようなことは適当でないし、国民的なニーズというのもむしろ小型店舗、機械化店舗というものが数あった方がいいんではないかと、こういう基本的な考え方から、今回は小型店舗、機械化店舗というものを重点的に取り扱うことにしたわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私は当委員会でも、銀行が郵貯の問題にあわてる前にもっと路地裏に入っていくというか、もっと庶民の入りやすいそういう支店、あるいはまた一等地にでかいビルをつくって、そういう資金コストの高くなるようなことはやめるべきであると。そういう意味では、このミニ店舗の認可枠の拡大ということには決して反対するものではない。大いに自由化の方向で競争させるべきであると思いますが、しかしこれは先ほど和田委員の質問にもありましたように、たとえば信金とか信組等に対する配慮もまたしていかなければならない。そういう点で、そこにおのずからルールというか、そういうものが必要であると思うのでありますが、その点銀行局としてはどのようにお考えであるのか、承っておきます。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるように、普通銀行が小型店舗というものを重点的に設置するというようなことになりますと、中小金融機関、信用金庫とか信用組合などの経営に影響があるというようなことはあってはならないことでございます。そういったような意味合いにおきまして、具体的に認可をいたします場合には、私ども幾つかチェックポイントというようなものがございますが、その中で、設置する地域については、資金の需給状況、利用者の利便、金融機関相互間の競争関係の状況といったようなことを十分詰める必要がある。それから金融機関の規模が競合した場合には、地元金融機関、小規模金融機関を優先するというようなチェックポイントで具体的に個別の認可を取り扱っていきたいというふうに考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 やはり大いに競争もさせなければならぬし、一方また弱いところを倒産さしてもいけないと。そういう点は非常にむずかしい点があろうかと思うのでありますが、特にこの際、信用組合に関する法律も一緒に改正されるわけでありますが、御存じのように信金、相銀、地銀、都銀、こういうものが店舗を出す場合は、同種の銀行の場合二店以上、あるいは同種、異種を含めて四店舗以上ある場合は、その地域に進出できないという約束があるわけであります、市の中心部等は例外があるわけでありますが。ところが、信用組合というものは直接大蔵省が管轄をして。いない、そういうために不利な状況に置かれやすいわけであります。  信用組合が店舗を出すときは、これは通達によって、財務局と相談をしなければならない、そういうようにありまして、財務局の方で調整をすると。ところが、信金以上のものが設置される場合には県に相談がないために、広島県の場合は信用組合の支店の真ん前に信用金庫の支店が認可されておる、こういうようなことがあるわけで、これは余りにもひどいのではないかと。そういう点を一番小さい信組の御意見無用ではなしに、やっぱり大蔵省として、信金以上の支店を出す場合にも少なくとも信用組合あるいは県の意向等も聞いて、そういう中でもうちょっとうまく処理する方法もあるんではないか、こういう点を配慮する行政をやってほしい、その点はどうなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは先ほど私が答弁をいたしましたが、直させたいと思っています、実情に即して。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 その点、ひとつよろしくお願いいたします。  それから、CD機の店舗外設置については、いままで信組の場合は通達によりキャッシュカードの機械は店舗内にしか設置されていない。いままでは信用組合がオンラインの率が非常に低かったわけでありますが、現在ではかなり進んできておる。広島県の場合も九組合あるわけでありますが、七組合はオンライン化を達成しており、そのうち一つは単独オンライン、他の六つは共同オンラインでありますが、そういう意味で、信組の場合もほかの金融機関に対抗する意味からもCD機の店舗外設置を認めてもらいたい、こういう要望があるわけで、私は機械化の趨勢の中で当然これは認可の方向に進むべきであると思うのでありますが、その点どうでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 信用組合のCDにつきましては、御指摘のとおりいままで若干おくれておりまして、店内CDでさえも現在十九組合七十一台設置しているにすぎないというような情勢でございまして、いわんや店外CDというものはなかったわけでございますが、こういった情勢で金融サービスを充実させていくということから見まして、信用組合も積極的に店外CDの設置を進めていくということは結構な方向だと思います。ひとつ今後前向きに検討してまいりたいと思っております。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま、宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。     —————————————

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 次に、大口融資規制の問題についてお尋ねをいたします。  これは、すでに矢追委員からいろいろ質問がありましたので重複を避けますが、特に第十三条第一項にある大蔵大臣の承認を受けたときはその適用を除外することとしているが、これは具体的にはどういう場合か、これは政令等ができるのかどうかお尋ねをいたします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘の第十三条第一項ただし書きに、「政令で定めるやむを得ない理由がある場合において、大蔵大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」という場合の政令の中身でございますが、現在考えておりますのは二項目ございまして、第一は、予見しがたい緊急の資金の必要が生じました場合で、限度額を超えて信用供与をしないということにいたしますとその事業の継続に著しい支障を生ずるおそれがある場合。それから二番目は、一般電気事業その他の国民経済上特に緊要な事業を行っている場合であって、限度額を超えて信用供与をしないこととしますと事業の安定的な遂行に困難を生ずるおそれがあるとき、大体こういった場合を政令で定めまして、その政令の要件に該当するかどうかということで大蔵大臣の承認にかけたいというふうに考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 次に、今回の銀行法改正の土台になったいわゆる金融制度調査会の答申においては、競争原理の導入とかあるいは金利機能の活用の問題あるいは金融行政に対する規制緩和の必要性等がうたわれていたわけであります。今回の改正案において、いわゆる競争原理の導入については今回はどういう改正が盛られたのか。私も余り法案を細かくすみからすみまで見たわけではありませんが、印象としては余り競争原理の導入は入ってないんじゃないかと、この点はどういうお考えでございますか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) この銀行法の性格から言いまして、むしろ銀行の公共性、社会的責任に着目しまして行政の立場でどういうふうにその公共性、社会的責任を合うさせるかということが条文の中に盛られているわけでございまして、そういった公共性、社会性の枠の中でできるだけそのルールを定めた、そのルールの中においては企業の自己努力あるいは自己責任原則というものを生かしつつ、資本主義社会でございますので競争のよさというものを発揮させていこうというのが基本的な考え方でございますので、条文をごらんいただいた限りでは競争原理を導入するというようなところは余り出てこないというような性格になろうかと思います。  ただ、相互銀行法等の改正の部分におきまして、取引先中小企業のニーズに応じましてかなり中小企業金融機関の機能の拡大というような措置を講じております。  そういったような意味合いでは専門性の本質というのは守りながら、しかし社会的なニーズに応じて機能を拡大していくことによって周辺部門においてはそれぞれの金融機関が競争原理を活用して、できるだけ効率的な経営をやっていくというような考え方が出ていると思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 銀行があんまり競争が激しくなって弱いところがつぶれるようなことがあってはならぬ。こういう銀行の場合はほかの私企業と違って公共性が高いために、そこにむずかしい点もあると思うんですが、しかしもうちょっと自由に競争をさしてもいいんじゃないか。いままで銀行業界、たとえば都市銀行十二行の中の競争はあんまりなくて、むしろそういう意味では郵貯が、これは銀行の体質改善に役立っているんではないか、こういうような皮肉を言う人もいるわけで、私も一理はあるんではないかと。その意味でもうちょっと自由な競争をさせるようにすべきではないか。たとえば今回、いわゆる新型定期預金というものが創設されたわけでありますが、もちろん今回の創設の中には税制上の問題等も絡んで大蔵省の認可の必要なものもあるわけですが、そういうものを除けばもうちょっと新しい、預金者に魅力のあるようなそういう種類というものはやるとなったら自由に、全部横並びじゃなしにその程度のことはもっと自由にさした方がいいんではないか、そういう方向にいくべきだと思うわけでありますが、その点大蔵大臣の指考えを承っておきます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま銀行の競争原理をもっと使って自由にやらしてはどうかという御所見でございますが、ごもっともな御意見でございますので、われわれとしては一挙にはできませんけれども、できるだけそういう方向に誘導をしていきたいと考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 いわゆる金利の自由化という問題についても、方向としては私はそういう方向に進んできているとは思うのでありますが、銀行局長として今後のスケジュールというか、こういう方向でいくんだと、そういう将来についてのお考えを承っておきたいと思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金利の自由化、弾力化でございますけれども、特に経済情勢の変化、国際化といったような情勢の中で金融政策におきましても、あるいはまた、内外資金の交流といったような意味合いにおきましても、逐次自由化、弾力化の方向に着々と進んできておるというように考えます。  ただ、先ほどもお話が出ましたように、金利体系の最も中心部分をなしております預金金利の自由化というものは、これはまたいろいろな角度から総合的に考えられなければならないというような性質のもので、にわかに自由化するというようなことは私どもは適当でないというように考えておりますけれども、全体といたしましてはやはり逐次自由化、弾力化ということによって金利機能を発揮しなから資金を適正に配分していくということに今後とも努力いたしたいと思っております。ただ、これはいつ何を自由化するというようなスケジュール的なものというよりは、諸情勢の絶え間ない変化をにらみながら、できるところから逐次自由化していくというような方向で進むのではないかと思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それでは最後に、時間が参りましたのでお尋ねいたしますが、企業が間接金融から直接金融の方向へだんだんなってきておる、あるいはまた、トヨタのような無借金経営、そういうようなところがふえてきて、銀行の融資先というものもいままでのような企業よりも個人とかあるいはサービス業とかあるいはまた公共債、こういうような方向に移ってきておるわけでありますが、そういう中で特に住宅ローンですね、そういう庶民金融、住宅ローン等はこれから非常に大事になってくると思うのでありますが、ところが住宅ローンというのは非常に手間がかかって金利がなかなか安くならない、こういうような状態で、私がいただいた資料では、最近は住宅ローンもちょっと頭打ちのような傾向があるんではないか、そういう感じがいたします。  そこでお尋ねしたいことは、最近こういう不況とか月給が上がらない、そういうことでローンが払えない、途中でキャンセルしなければならない、そういうようなものがかなりふえているというように言われておるわけですが、そういう状況がどうであるのか、そういうせっかく長年の夢を手に入れて、あとそれで行き詰まるようでは本当にかわいそうなことで、そういうような問題に対しては銀行局としてはどうやっぱり銀行業界に指導し、要望しておるのか、この点を承って質問を終わりたいと思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 住宅ローン事故の御質問でございますが、住宅ローン事故全体につきましては、はっきりした統計、情報がございませんで、全体的にどういうトレンドにあるかということは必ずしも正確にお答えできないわけでございますが、たとえば損保全社、損害保険会社によります住宅ローン保証保険の代位弁済件数というものを見てまいりますと、確かにじわじわとふえてまいっておるというような数字はございます。で、ふえておりますのは、一つは住宅ローン利用件数自体が著しくふえておるということもございましょうし、また御指摘のございました石油ショック後の所得の上昇率が鈍化しておるというようなこともあろうかと思いますが、いずれにせよ住宅ローンの返済ができなくなるというようなことは非常に気の毒な状態になりますので、十分われわれとしても努力していかなければならない。そのためには、民間金融機関におきましては、まず融資に当たりまして返済能力を十分相談審査していくということ。それから、返済がおくれるような事態になりました場合も、返済方法の変更その他を利用者と十分相談するというような体制をとっております。銀行協会におきまして、住宅ローン相談所というものを設置いたしますというような相談強化体制というものにも努力しております。今後ともに私どもも返済不能という事態が極力生じないように、金融機関等に対しまして指導を徹底してまいりたいというように考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 今度の法律改正で決算を六ヵ月から一年に改正することができるという法の改正によって、五月中に総会をやって定款一年に変えたいというような希望が非常にあるのも配慮されてか、審議を非常にスピーディーにやろうというように申し入れがあって、そのために審議に協力しますが、したがって後で一般関係のやつは法案の後また一遍質問さしていただきます。だから、質問の構想を大分変えますから、ひとつあしからず御了承願いたいと思います。  それで、この一つの銀行の規定の「目的」を入れて、「公共性」とそれから「適切な運営」ということなんですが、この中で今度の法律の中、条文そのものには出ていないんですけれども、結局金を貸す業務は書いてあっても、その裏づけとなる信用、いわゆる金を貸すのには信用の問題ということをよく言われておるわけですが、現在の信用でいくと私は非常に物的担保を中心にしてやっていることと思っていたら、最近聞くとそうでなくて、大口はほとんど信用貸しだ、無担保信用貸し、それからまたそうでなくてもいわゆる銀行保証で貸し付けが非常にふえている。これは余りふえたのが結局裏保証につながっているんじゃないかと思うんですが、この目的規定を入れたのに対応して、こういうふうないわゆる健全経営の関係からいってこういう担保の取り方、いわゆる信用のつけ方について変わるのか変わらぬのか。また、いまのような担保というものは余り力を入れぬで、政府がつぶさぬようになっているから銀行の方も非常に大胆に融資をし始めてきているんじゃないかと思うんですが、その辺の傾向や、今後のこういうふうないわゆる銀行をつぶしちゃいかぬけれども、またしかし、放漫経営をやってもいかぬということで銀行の目的が入ったんだろうと思います。その関連をどういうふうに進めていかれるか、ひとつお願いいたします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関の融資の担保でございますが、これはもちろん第一義的には銀行が自主的に判断するということになりますわけでございますが、融資の形態その他にもよろうかと思います。融資にふさわしいもので十分担保価値のあるものを総合的に判断して徴求していくということであろうかと思いますが、まあできればその担保の性質上、できるだけ流動性の高い担保というものを取っていくというようなことが望ましいかと思います。全体といたしましてのトレンドは、おっしゃるように信用貸し付けがややふえてまいっておる、保証貸し付けもややふえてまいっておるというような中におきまして、いわゆる不動産、財団、船舶抵当貸し付けというようなものは比較的落ちてきておるというようなトレンドがあるように思います。しかし、いずれにいたしましても、預金者の大切なお金を運用するわけでございますので、金融機関としては十分融資が確保され、かつ金融機関の健全経営にいやしくもひびが入ることがないような適正な担保徴求ということが必要であると考えております。また、そういった線で指導を続けていきたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 それは大口の方なんですが、今度は個人的な一番下のやつはいわゆるサラ金の貸し付けなんかもこれも一つの無担保の貸し付けをやっている。それがサラ金ばかりでなくて信用金庫や相互銀行までサラ金と競争して無担保貸し付けをやっている。そのかわりそういう無担保貸し付けのために取れなくなったやつは、保険にかけてというんですか共同して、たとえば信金だと社団法人信金保証基金というようなのにみんなあと取れない債権を移管をして経理をしているようなんですが、こういうようなのは銀行検査からいって余りにも安易な対人保証になっているんではないか、まあその回収率は聞くところによると百人のうち五人ぐらいしかいわゆる未回収でなくて非常に順調に回収されている、こういうようなことなんですけれども、まあ大は大口から小までまあ金融緩和だからこういうことになっているのか知りませんけれども、余りこういう面にいわゆる公共性とそれから運用の適切というふうなものを入れていくからには、余り無担保の貸し付けを自由にさすということについては非常に問題だろうと思うんです。ことに小口はこれは本当に家庭の騒動を起こしたり、一番最近出てきているのは、いわゆる組合なんかへ持ち込まれているのはみんなサラ金や対人信用で借りて、そしてすぐそれが雪だるま式にそこらじゅう借りまくってすぐそれが何百万円、一千万円単位になる。そうすると会社をやめざるを得ぬようになってしまう。やめたらこれはまた家庭不和になって離婚の原因にもなる。労働組合の幹部の方も、そういうことで早くサラ金やそういう借金から労働金庫へ切りかえて長期返済また組合管理的なやつをやるという事件を非常にだんだんふやしているわけなんですけれども、そういうギャンブル資金やいわゆる家庭不和や人間をだめにするような安易な対人保証、これはもちろんそうすぐわかるわけじゃないんだけれども、少しこの対人信用というものについてルーズになり過ぎていはしないか、こういうふうに思うわけなんですが、そこに倫理性まで求めるか、またあるいは一面から見ると、貸し出しに、何というんですか、個人のプライバシーを侵すまでの調査をやるなという要望もあるらしいんですけれども、その間の調和をしっかりひとつとって、いわゆる銀行の健全経営という見地からこういうような無担保貸し付けについて一つはっきりした方針があるのかどうか、またそういうものは銀行や金庫の、そういうものの自己責任だと、こういうことで全体としての、何というんですか、受信と与信のバランスさえとれていればいいと、こういうふうな見込みか、その点についての管サラの基準というもの、また方針というものがあるなら、ひとつ簡単に述べていただきたい。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のような信金保証基金の保証つきなどで貸し出す場合に、貸付審査が甘くなるというようなことがあれば、それは非常に金融機関として望ましくないことだと思います。  信金保証基金につきましては、保証業務取扱要領というものを決めておりまして、その際に信用金庫側で十分本人確認、資金使途の確認といったようなことを、証拠書類というものを徴求してチェックしなさいという細かい取扱要領を決めております。そういったルールに乗っかったものに対して信金保証基金が信用保証業務を行うというようなシステムになっております。  また行政サイドにおきましては、消費者ローン一般につきましても、やはり預金者保護の観点というものから資産の健全性を確保するということが何よりも重要でございますので、審査体制の問題、あるいは信用情報機構の整備の問題、そういったようなものについて通達による行政指導を行っております。貸出審査につきましてもあるいは個人の信用情報機構の整備につきましても、いろいろな点につきましてきめ細かい行政指導を行っているところでございますが、いずれにいたしましても、そういったいやしくも金融機関であるものがローンに熱心な余りとはいえ貸付審査が不十分になされている、その所期の目的を達してないというようなことでございますと非常に問題がございますので、今後とも十分チェック、指導してまいりたいと考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そこで担保というんですか、裏づけとして債券、土地、担保物件として不動産より債券を担保あるいは信用の根拠にするということが、こういう国債を非常に抱えた経済をこれから運営していく上において、やはりもっと企業や個人に奨励さるべきだと思うんですけれども、そういうことからまた債券を広く個人や法人に持たせる必要がある。ここに銀行が今度債券の窓販をやると規定する大きな意味があると思うんですよね。いままでのように、土地の担保を中心とした融資、聞くと最近は土地担保が余りないみたいなんだけれども、しかし、実際の中小企業のやつははっきりした担保を抵当にやらぬで、根抵当でみんな、何というのですか包括的なやつで住宅から家屋敷全部、個人財産を全部根抵当で取られて、その上で信用貸しされているわけなんですから、表面に出た不動産の、何といいますか担保は少ないかもしれないけれども、現実の中小企業や個人営業の方面では、こういう一番貸し出されている根拠はやはりぼくは不動産だと思う。不動産がやっているためにどんどんまた中小企業や個人もいざというときに信用になるのは、金を借りられるのは不動産だ、こういうことから土地の買いあさりになると思っているわけなんですが、こういうことを直していくためにも、やはり債券を広く普及して、そしてそれを担保に取る、担保としても有効に使えるように融通性を持たすという方向がいいんだろうと思うんですが、それについてどうお考えか。また、そういうことについて監査の方においてもいわゆる担保率なんかもひとつ指導的に、奨励的に持っていく、こういう方向はどういうふうに考えておられるか。  もう一つ一緒に聞きますが、大口規制の問題、これはたくさん質問されておることと思うんですが、この中で普通銀行の二〇%は譲っても外為や信託なんかに——信託なんか三〇%、ことに外為なんか四〇%、四〇%なんというとえらいこれは幾ら何でも独占商社を助けるようなかっこうになると思うんですが、これじゃ完全な、外為関係をこんなに四〇%なんて多くしなくちゃならぬ理由が何かあるんだったら簡単に。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まず、最初の御質問の担保の問題でございますが、不動産担保貸付金の割合は逐次低下傾向にございます。五十年の九月末に、全国銀行でございますが、全体の担保のうち三一・五%であったわけですが、五十五年九月末には二八・五%というように下がってまいっております。この不動産担保貸付金の中には、いわゆる住宅ローンといったようなものも入っておりますので、やむを得ない面もあろうかと思いますけれども、御指摘のように、もう少し有価証券の保有が全体に行き渡って、有価証券担保というようなことでの貸し出しのウエートがふえてまいるということは、先ほど申しました担保の安全確実、かつ流動性というような観点から見ても好ましい面があるというふうに考えられます。  それから、大口融資の三〇、四〇でございますが、結局すべての金融機関が同じような制度のもとで何でもできると、お互いに業務が完全にオーバーラップしておるというような情勢でございましたら、何も健全経営の観点からの大口融資規制のパーセンテージに差をつけることはないわけでございますけれども、制度がそれぞれ非常に異なっておる、その結果店舗の数も違うし、先ほど申しました一先当たりのロットも違うというような現状があるわけでございまして、特に東京銀行、為替専門銀行につきましては貿易金融というものを主体にした金融機関でございますが、御承知のように、わが国の貿易構造の中で輸出入ともに大筒社の占めるウエートが非常に高いという現実にございます。そういった中で、貿易金融に特殊化されておるという金融機関は、どうしてもほかに比べて大商社相手の非常にロットの大きい貸し出しを続けておるというような現状に立っておりますので、そういった現状を踏まえました上でそれなりに努力をしてもらうというようなことから、四十九年に行政指導で大口融資規制を定めました際に、二〇、三〇、四〇という、四〇の比率を使ったわけでございます。  今後におきましては、政令でございますので、この二〇、三〇、四〇というのが永遠に固定化されたものであるというふうに私どもは思っており、ませんので、逐次また必要があれば、こういった比率についても情勢の推移かつ現実に即しながら再検討していく考えはございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 もう一つは、休日を政令にゆだねた規定なんですが、これは休日増加、さらには週休二日制への移行のため、こういうふうに説明されているわけなんですが、現実に銀行や金融機関がどの程度日曜、祭日以外に休んでいるか、こういうような調査も調査会に出されているようなんですが、これを見ると、市中銀行でも月二回の休みが最高なんですね。市中銀行はみんなこれをやっている。地方銀行や相互銀行で月一回以上、これも大部分やっている。こういうふうに、きちんと一斉休暇をやらぬでも、従業員に対する休みを増加さすということを、一斉休暇が進め得ないならば、現実に従業員のいわゆる週休二日制を進めていくと自然に、そういうようなことをやるならば、もう少し休日ふやしてくれ、こういうことが出てくると思うので、先行的に現在の従業員に対する週休二日制を先に進めたらどうか、こういうふうに思うんですが、それが一つ。  それから、一斉に完全週休二日制というのについてはやはり抵抗も多いし、またことに、信金や相互銀行が抵抗するかと私は思うんですが、また一面、市中銀行から始めて信金やそういう零細企業の方は、隔週なら隔週とか月一回ということで、少し雁行的に進めていくということをやってやれぬことはないと思うんですが、そういうことについて御意見を、ぜひそういうふうなことで、いつまででも全部一緒にやらぬということを言っていたらこれは空文になってしまうと思うんですが、その点はどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まず、交代休日制と申しますか、月一回または二回金融機関の行員が休みをとっておるというようなことをさらに促進すべきではないかというお話でございますが、これは一つの金融機関の内部の労働問題ということになりますので、むしろ労働省の方でどう考えるかという全体とのバランスもあろうかと思います。  それから、週休二日制の、信用秩序を形成している各種金融機関の最もむずかしいところは、手形とか小切手とかいうような信用秩序全体が一体となって運営されておるというようなことでございますので、交代で休むのはこれは別問題でございますが、ばらばら閉店していくというようなことが技術的に可能かどうか。かなりその業務にもよるし、いろいろまた工夫の仕方もあるかもしれませんが、一般論としてはなかなかむずかしい問題を含んでおるように思います。競争条件の問題その他を別にいたしましても、全体としての手形法あるいは小切手法等の改正の取り扱いをどういうふうにやっていくのか、全体として一体をなして、相互に金のやりくりがございます信用秩序でございますだけに、ある種の金融機関だけ休むということは非常にむずかしい。その意味で、金融機関全体が休むというような場合でも、郵便局というような問題が一つの同時実施の問題として金融界から強く要望が出ているというゆえんではないかと思います。  ただ、週休二日につきましてはいろいろどういうやり方が可能かということについては今後ともに検討していく余地はあるかと思いますので、引き続きいろいろな場合を詰めてまいりたいというように、考えております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 時間の関係で予定した質問は次回に譲りますが、簡単で短いものを幾つか聞いていきたいと思います。  主に銀行の広告活動の方ですが、まず、金融機関のビルの屋上なんかにでっかく出ているああいう看板、あれは、たしか五、六年前に自主規制の申し合わせをしたと思いますけれども、あのときの内容、あれはどういう内容だったんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘の点は、昭和五十年の三月に全銀協で、銀行の店舗などの屋上看板に関する自粛措置というものを申し合わせたわけであります。これは自主的な申し合わせでございます。  全銀協は、五十年四月以降毎年二〇%ずつ看板を廃止していく、したがって五年間、というのは五十五年三月末で全廃する。相銀協は、申し合わせは五十年の十月でございますが、五十一年四月以降廃止を始め八年間、すなわち五十九年三月末で全廃するというような申し合わせをしております。  その後、全銀協の申し合わせ内容は二年たちました五十二年四月から変更されまして、全廃期日は六十年三月末、つまり五年延長する、六十年三月末ということで、五十二年度以降毎年度七・五%ずつ均等廃止をするというようなことに申し合わせ内容が変更になっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 これは自主的な申し合わせという話ですが、大蔵省の指導というのはどういうところにあったわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これは、全体的な経営の態度として、できるだけむだな競争を排除していくというような基本的な思想というものは大蔵省にございましたが、その内容自体につきましては行政が関与したことではなくて、業界が自主的に考えたことでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そうしますと、まだ最初の目標を達しないうちに内容を変えて延長、全廃に至るまでかなり延長しているという変更があるようですが、これについても大蔵省としては、仮に延長されてもいずれは全廃する方向が望ましいんだ、こういう考えには変わりはないわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 考え方としては、いずれは全廃するのが望ましいという考え方に変わりはございません。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 全銀協とそれから相銀の方とで内容が若干違っていたようですが、申し合わせをしてからの撤去の実情といいますか、それは大体どの程度までは看板がなくなっているんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 自粛申し合わせを実施しまして以降五十六年三月までの撤去状況でございますが、申し合わせしましたときの看板数の七割が撤去されておるというような状態にございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 途中で申し合わせを延長したり、あるいは変更している、この辺の真意というのはどういうところだったのでしょうね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 私どもが聞いておりますのは、屋上看板の撤去というのは非常に金がかかる、多額の費用を要する、一基当たり二、三百万はかかるというようなことで銀行収益が非常に悪くなってまいりましたので、そういったようなことから延期をしたんだというふうに聞いております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そういう理由で一たん決めたことを延期するということは、また、金がかかるからじゃ、もうこれはやめちゃおうと、このままにしておこうということだって考えられるわけですよね。そうなってきたときに大蔵省としては、それもやむを得ないということになってしまうんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 考え方としては、決めたことでございますからできるだけ撤去の実が上がるように指導していくということだと思いますが、何分これ自体が業界の自主判断で具体的に決まったことであると、行政としては過当な広告競争はするなという考え方は持っておりますけれども、個別具体的な内容について余りタッチするということが適当かどうかという問題があろうかと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 余り内容にタッチするというのもどうかとは思うんですが、しかし一たん決めたことをどうも金がかかるからやめるんだとか、あるいはもうからなくたなったから、じゃ、これはうやむやにしてしまおうなんていうんだと、ちょっと金融機関として、それはやはりそれなりに預金者からの批判も招きかねないんで、やはり決めたものは少々金がかっても時間かかってもその方向で撤去すると。屋外の広告がなくても、ほかにまだいろんな広報活動ができるわけですから、そういう方向でできれば大蔵省が、せっかくの自主的な申し合わせですね、それを実現する方がいいと思うんですがね。  で、ただ東京だけじゃなくて、地方都市なんかもそうなんですが、結構大きい看板が目につくんですね。目につくからこれがいかぬということではないんですが、気になるのは、つまり金融機関のあるビルの上に看板が出ているというならこれはまだやむを得ないなと思うんですが、全然関係のないところにあっちこっちに看板が立てられると、これはやはり好ましいことじゃないなと、こう思うんですよ。ですから、自分の店舗とは全く関係のないビルなどに立てる看板については、ある程度の早期撤去ということを大蔵省としては指導してもいいんじゃないかと思うんですが、それはどうですか。やっぱり行き過ぎでだめなんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 余りに細かい具体的なことでございますし、業界内部でそもそも始まったことでございますので、業界の自主的な検討にまちたいと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 なかなかそれが自主的な検討がほっておくとやらないんで、いまは銀行も大分営業姿勢だとが変わりつつあるようですけれども、またいつひっくり返ってくるかわからないので、その点がちょっと気になるから質問をしているんですがね。  じゃ、屋外広告については自主規制のいわゆる達成をまつということにして、新聞などに出る広告ですね。これについても、最近またちょっとやり過ぎのような部分を感じるんですが、たとえば預金獲得のために考えついた手とは思いますけれども、最近、家族名義のマル優を非常に宣伝するんですね。それで家族名義のマル優の場合、新聞広告などを見ると、家族そろってマル優だから、四人家族なら一千二百万だというようなことを非常に単純に三百掛ける四という、これでこの特典を利用しなきゃだめだと、家族そろっての枠を上手に利用と、こういう言い方で事実ありますよ。そうすると、良心的な広告は、小さく贈与税の問題も起きるかもしれませんからなんて申しわけなさそうに書いているが、広告としてはそんなのはつけ足しで、どうもこの家族マル優というのを預金者の誤解と混乱をもう当然招くような内容の新聞広告、これが目立つんですが、これについては大蔵省としては全くこれも余り内容にタッチできないからということでほってあるわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 先ほど申しましたような過大な広告というものは好ましくないということであると思います。その具体的なやり方につきましては、全銀協の自主申し合わせというものがございますので、そういった意味で全銀協自体で検討されるべき問題だと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 ただ、そうやって金融機関側に何となくげたを預けちゃうのは、預金者にとってはかなり迷惑の起きる問題なんですよね。大体、家族のマル優を銀行が宣伝して、その後もし税務問題でも起きたら、これは知らなかったといって済むときもあるでしょうし、またそこからトラブルが起きるときもいろいろケースによって違うんでしょうけれども、少なくも正しい情報といいますか、正しい知識を教えた上で勧誘をするのが金融機関の役割りだと思うんですね。そうしますと、現実には窓口でも余りやっていないし、新聞広告などには小さい活字があるいは全然触れていないか。そうすると、これは預金者をちょっとひっかけたという表現は悪いですけれども、金欲しさにうまくごまかしているという、取り込んだみたいな感じもするんです。ですから、金融機関がやることだとはいうものの、やはり預金者に正しい知識を教え、しかもこれはマル優は贈与税の問題も起きるし、あるいは意識せずにこの枠をたくさん持っちゃったりというケースが現実にあるわけですから、やはりこの辺を金融機関がきちっとしていないんだったならば、大蔵省がやっぱり目を光らせる必要があるんじゃないかと、そう思っているんですがね。どんなものでしょうか、再度。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 預金の勧誘の問題で、もし不適切な行き過ぎた行為があるということでございましたら、それは決して好ましくないということで、個別にございましたら注意してまいりたいと思っております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 じゃ、改めて聞きますけれども、くどいようなんですが、家族マル優たくさんつくれと言っておいて、贈与税の問題は全然知らぬふりしてという広告はこれで一向に構わないというわけですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 贈与税の対象になるような名義分割とかそういったような問題につきましては窓口で十分相談していくということが必要になってくると思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 それは預金者が知識があり、またそのぐらいの配慮を持っていればいいんだけれども、なかなかそれはむずかしいですからね。やっぱりぼくは金融機関の方がお金を集めるためには、そのくらいの責任を持って知識を正しく教えてほしいと、そう思っているわけですよ。だけれども、窓口で全部任せるというんだったらば、広告などは何書いてもいいというようなことで誤解を招いたって、窓口で正しゃいいんだということになりかねないんで、もうちょっと、広告の内容にまで、規制しろというんじゃありませんから、不適切な部分があれば指導するぐらいのことが必要じゃないかと、そう思っているんですが、大臣どんなものですかね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 余り過大広告はいけませんので、誤解を与えないように指導したいと思っております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 それから、これは広告のようにきちっとした形に残らないものなんですが、最近グリーンカードのこともあるんでしょうね、背景に、銀行でお金集めるときに、ほかの銀行にマル優が実はあるんですとお客さんの方が言うと、銀行の方が、一人一店舗だからとか、それは大丈夫ですよとか、つまり金欲しさに結構いいかげんなことを言うんですよね。これはもう間違いないんです。ところが一方、郵貯の方もそれに似たことをやっているんで、どっちもどっちだということでちょっと収拾つかないとは思うんですが、やはりこれも間違ったことを預金者にみんな教えちゃう。税の知識でも結局間違ったことを覚えちゃう。こういうことを金欲しさに金融機関の方が意図的にやるのを野放しにしていると迷惑がいろいろと起きるわけですね。だから、そういうお金の集め方についても一々大蔵省は監督とか指導なんていうのはできないことはわかりますが、金融機関の過当競争の中でもこれは間違った知識を相手に教え込むことでしょう。ですから、こういうことはやはりないように改めて、当局からマル優を振りかざした行き過ぎの勧誘については、やはり一度全銀協あたりに注意をしてもしかるべきじゃないんですか。実態は目に余りますよ、かなり。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 従来から一般的には通達で行き過ぎた資金の獲得行為、顧客に対する過剰サービスを自粛しろということを指導しております。具体的にそういう問題ありましたら、また十分指導いたします。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いずれにせよ、グリーンカードになればこういう問題も自然になくなってくるとは思いますけれども、やはり幾ら当局が正しいPRをしようとしても出先のそういう金融機関の外務員などが全部それをひっくり返すようなことも現実にありますから、結果的には預金者あるいは納税者に対して迷惑がかかる、これはやはり厳に慎まなければいけないと、そういうふうに考えますので、これも折に触れて銀行局から何らかのアピールをしてほしいなと思います。  最後に、テレビにおける金融機関の広告なんですが、これは大体いまのところ何か申し合わせか取り決めなどがあって自粛しているとか、あるいはこの辺で抑えているとか、何かそういうものはあるんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これまた自主的な申し合わせを全銀協で広告規制としてやっております。銀行は個別にテレビ広告を行うことはできないというような申し合わせになっておりまして、長期信用銀行が発行している債券についてテレビ広告がされているということはございますが、これは銀行が個別に広告しているというものではなくて、債券の販売に当たっている証券会社が広告しているというものでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そこなんですが、銀行の肩を持つわけじゃないんですが、テレビの広告というのはわりと効果がありますから、やはりやるならばある程度平等にやれるように、やらないならもう全くやらないというのが一番いいと思うんですね。いまのように、証券会社はかなり激しくやっている。それから郵便貯金だとも、これはテレビよりラジオを使っているようですけれども、いずれにしてもやっている。そうなりますと、やはり銀行も自粛していても内心はもっとやりたがっているのかもしれませんし、その辺やはりある程度のバランスというものをとる広報活動をして、フェアに預金獲得をした方がいいんじゃないかと思うんですよ。ですから、これはまた今後の問題にもなるかもしれませんし、現状が特に目に余っていかぬということでもありませんけれども、いずれは、どうなんでしょうかね、すべて大蔵省が内容にタッチできなくて金融機関の自主性に任しておくというものの、ある程度の大枠のようなものが必要になってくるんじゃないかなと思ったりするんですが、特に電波の場合は。そんなようなことで、今後の方針などもしあれば聞いて、これで終わりにします。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 現在、銀行、全銀協を中心として自主的に申し合わせを行っていることを直接こちらがタッチしようというつもりはございませんが、内容いかんによりましてはケース・バイ・ケースで指導してまいるということになろうかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この銀行法の改正案は、きょうから同時に審議が始まった商法改正案と並んで国の基本法に関する問題、大変重要な問題であると思います。問題もたくさんありまして、それは金融制度調査会からの報告書のごく一部でもこんなに厚いわけですね。それだけの大問題ですので、とても二回や三回の審議では終わらない問題でありますけれども、重要な問題から逐次質問をしたいと思います。  最初に、総論的に大臣にお伺いしますが、戦後の財閥解体、そしてその後証券民主化が始まったということですけれども、大臣としてはこれをどう評価されていますか、財閥解体についての評価。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ占領軍といたしましては、戦争推進の実質的な経済的な力をつくり出したのは財閥だと、そういうふうに思ったんだろうと思います、私は直接聞いたわけじゃないけれども。それによって再び日本を強力な国にしないと、そのためにはやっぱり財閥を解体して日本に戦争をするほど世界を相手に力をつけさせない。ただ生きて飲んで食っていればという程度の最小限度の生活ができれば日本国民はいいんじゃないかと、そういうところでやったんじゃないでしょうかね。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それは進駐車の方の考えかもしれませんが、日本の側としてはどうであるか、いまも大臣のお言葉の中にもありますけれども、戦争をいわば推進した経済的な力の一番中心だと思うんですね。となれば、戦争に対する反省があれば財閥のような形態、特に持ち株会社で、しかも少数の財閥家族が日本じゅうの経済を支配をしてしまうというような形態が経済の民主主義という面から見て妥当であるかどうか、その点はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一長一短、問題は財閥があったということが日本を明治から短時間の間で経済的に強力にしたということも私は否めないと思います。しかし、それが特定な人の資産に結びついていろいろの弊害があったということも事実だと思います。したがって富の再分配を図って、戦後財産税をやって、それで富の地ならしをやったということでございまして、それはそれなりに経済民主主義という点でそれなりの意味があったと、そう思っております。     —————————————

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 委員の異動について御報告いたします。  ただいま、大木正否君及び和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治承及び瀬谷英行君が選任されました。     —————————————

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうしますと、ごく少数の人間とか、家族とか、グループ、そういうものが日本全体の経済を支配するということはよろしくない。そういうお考えのことは事実ですね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もそう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そして財閥解体によって証券民主化運動が進んで、昭和二十五年度の個人持ち株比率は全国上場合会社六一%だったというんですが、その後一貫して低下傾向をたどって、最近では個人持ち株が三割、あとはもう実際法人でありますね。これは証券取引審議会でも指摘をしておりますが、「個人株主減少に伴う問題点」ということで次のようなマイナス面があると。「第一は、株式の法人保有の行き過ぎが経済的社会的な弊害をもたらすことである。」「第2は、国民の金融資産運用の場を狭めることである。」「第3は、株式流通市場の機能が低下し、流通の円滑性及び公正な価格形成が妨げられることである。」「第4は、株式発行市場の機能が低下し、企業の長期安定資金の調達が阻害されることである。」これは証券審議会の結論ですから大蔵省も十分御承知だと思うんです。私、問題にしたいのは、本法案との関係では銀行の持ち株問題、特に財閥解体があったけれども、銀行の持ち株はこれは制限があったけれども、ずっと認められてきたわけであります。それがその後銀行を中心としての企業グループの形成と。そしてどんどん法人持ち株の比率が強まって、いまではもう決定的に法人のもち合い状況と。となりますと、これは前の証券取引法のときにも問題になりましたけれども、個人の株式に対するもう魅力もなくなり、そして証券業界がもうばくち場化しているということは、今度、会社の経営そのものから見ますと、法人の株式による企業支配、わけても銀行が一番多いグループに入っておりますね。となりますと、そのことが銀行のそういう株式所有による企業支配、これは一面にはさらに大銀行が中小の下位銀行に対する支配にもつながっておるんですけれども、そういうことが好ましくない結果をもたらすという認識はありますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 問題は程度問題だと思います。したがいまして独占禁止法等でも、銀行の一社に対する持ち株比率というものはそれぞれ制限をしておる、こういうわけであります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは大臣も十分御承知だと思うんですけれども、確かに一企業の、あるいは一銀行の持ち株はこれは制限されていますけれども、いまや何も一企業で動くんじゃなくて、グループで動くと。グループで見てみた場合には、もうそんな制限なんかとっくの昔に超えてしまって、グループによる支配、これが実際横行しているというような指摘がありますし、この傾向はもっともっと進んでいくと、もう個人の持ち株あるいは個人の企業に対する支配なんというのはもうどっかへいってしまって、まさに法人が企業を支配する。ということは、ごく少数の人間が昔の財閥にかわって今度はごく少数の経営者グループですかね、それが支配をする。というと、これは私は資本主義社会そのものの根幹にもかかわる問題だと思うんですね。で、渡辺さんの属する政党ではよく自由社会を守れと言うんですけれども、もう個人に基づく自由社会じゃなくて、いわば法人、そしてごく少数の経営者グループによる支配ということで、個人の自由がどっかへいってしまうんじゃないかと。決して私は資本主義社会をいつまでも維持しようと思っておりませんので、私の立場から別に特別に心配してないけれども、しかし現在は資本主義社会ですから、多くの人が生きていますね。そういう面から見て、これは全然大臣としては、この法人の株式所有がどんどん進んでいると、この流れはなかなか食いとめ得ないと、こういう状況については特に心配はしていないんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 別に心配しないわけじゃございません。独禁法の抜け穴がつくられて、事実上グループ会社が一人の、あるいはごく少数の人によって全部統一的行動が行われて、その持ち株によって会社の経営を左右するというようなことは好ましいというふうには思っておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そのことは、今回の銀行法改正の契機ともつながってくると思うんです。狂乱物価の際の悪徳商社の行為について大変な批判が高まりました。そのときに銀行もやっぱり一連のものだという指摘があるわけです。当時、過剰流動性が生じて、構造的金融緩和の時代ですね。すると、それを銀行が貸し付ける。しかも単に貸し付けるんではなくて、株を所有し、グループ支配も含めて企業に対する支配力を持っている。そういうことがあの狂乱物価に便乗するような状況をつくり上げる、すべてとは申しませんけれども、一因だったという、こういう指摘があるわけですね。今回の銀行法改正にはそういう批判にもこたえるものだと私は思うんですが、そういう面はどうでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 第一次石油ショック以後いろいろ商社あるいは金融機関に対しても社会的な批判がございます。そういうことが今回の銀行法の審議の一つのきっかけになっているということはおっしゃるとおりだと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 一般的な批判ということでなくて、具体的に特に銀行の株式も含め、株式所有も含めた、それから融資面からも含めたそういう支配力がああいう事態を生み出した。そして国民がそういう問題を含めて批判を高めた。それに対する反省も含めたものが今回の銀行法改正の中に含まれているのではないかと、これは私善意を持ってそう評価をしておるんですけれども、そういう点はあるんではないのか。そういう一般抽象的な議論ではなくて、そういうことなら幾らでも言われておるわけですからね、いままでもね。立ち入って歴史上、歴史的な事実も引用して聞いておるんです。そういう点どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 銀行法改正には背景があって改正をしているわけですから、その背景の一部としていまおっしゃったようなこともあると思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そこで大口融資規制の問題につながってくると思います。今回大口融資規制について法律上の根拠規定が置かれるようになったわけです。規制対象の範囲について貸出金のうち省令で預金、国債担保貸し付け、商業手形割引、さらに貿易手形については除外することになっている。そうすると、この場合の実質規制比率はどの程度になってくるかという点はどうでしょうか、この程度ですね。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 実質規制比率と申しますか、大体都市銀行の場合に商手割引の割合が総貸し出しの約二割ということになっております。それで、現在の二〇%というものを換算してみますと、二五%程度になるということであろうかと思います。  なお、その他のものにつきましてはきわめて現状においては少額ということで、ほとんどパーセンテージにならないということだと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この点は衆議院でも指摘されましたが、現行の通達よりも後退した状況だと思うんです。現行通達で期限内に達成できなかった三井銀行の三井物産に対する大口融資など個別にこれは見てみますと、さらにこの実質規制比率は緩和されるんじゃないかと、こう思うんですが、その点どうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 通達で、一律にすべての貸し出しということでまずスタートしたわけでございますけれども、今回法律に移すに際しまして、今度は法律の問題でございますので、内容を趣旨に従ってよく詰めてみたと。その結果、諸外国の例も勘案しまして、非常に回収の確実なものについては、この制度の趣旨から見て特に対象に取り込む必要はないという方が理屈ではないかというようなことから、こういったものを除外したいと考えているわけでございまして、特に緩和するという趣旨のもとにやったということではないわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 緩和する趣旨ではないというけれども、実際上はいままでの通達よりも法によった場合の方が実際数字上は暖まってくると、こういう事態はやっぱり否めないと思うんです。  それからもう一つ、大口融資規制の趣旨に関する問題ですが、一昨年の金融制度調査会では経営の健全性だけではなくて、適正な資金配分ということも指摘されておるわけです。そうなりますと、巨大金融機関とその系列金融機関の大企業向け大口融資も、これは規制しないといかぬではないかと、こう思いますが、どうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 大口融資規制の趣旨は、一つは健全経営という問題、もう一つはおっしゃるように資金の適正配分と申しますか、預金者から預かった、大ぜいの預金者から預かった金を余り一カ所に集中して貸すのは資金配分のやり方として適当でないという考え方と、二つございます。そういったような趣旨を勘案しまして、今度法律化するに当りまして十分制度を詰めて法案として御審議願っておるところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それから、今度は規制対象の範囲の問題ですが、貸付金のほか各種保証なども含めて規制しないと効果を発揮しない、こう思うんです。改正銀行法では信用供与の中に貸出金以外にも保証などもこれは条文上は規制可能となっているんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 第十三条の二行目でございますが、「政令で定める区分ごとに」という言葉がございます。この「政令で定める区分」というのは、貸出金とか場合によっては債務保証とかそういったようなものを定めるというようなことが法律上できるようになっております。ただ、普通銀行につきましては債務保証の大口のものが現実にほとんど存在しないという状況もございまして、さしあたり銀行法を受けました政令で定めるのは貸出金だけにしたい、しかし、制度的には将来必要があれば債務保証も取り入れられるようにしてございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それは必要と実態に合わせて規制対象にしていくと、こういうぐあいに聞いていいんですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) おっしゃるとおりです。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それからまた、別の面としましては、一定範囲の子会社向けその他関連与信についても規制すべきだと思うんです。アメリカでは規制対象範囲に子会社に対する与信も含むとされているんですが、わが国もそうしないと尻抜けになってしまうんじゃないか、こういう問題があるんじゃないでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) これまた法的には可能な手当てをしてございます。十三条の「銀行の同一人に対する信用の供与(当該同一人と政令で定める特殊の関係のある者に対する信用の供与を含む。以下この条において同じ。)」というようなことで、必要が生ずれば関連会社についても連結してとらえるというような必要性がある場合が出てくると思います。さしあたりは緊急差し迫った規制の必要があるとも思いませんので、特に関連会社について政令を出すというようなことは考えてございませんけれども、法制的には今後規制上問題が生じた場合にその時点で検討するということになろうかと思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 しかし、幾つかの論点を指摘しましたけれども、現行通達よりも形の上で後退していることは否めないことだと思うんです。そういう批判も実際にあるわけですので、その点を十分頭に置いて今後の対処を要求したいと思います。  それから次に、ディスクロージャーの問題ですが、これは衆議院でも指摘されまして、銀行の社会的責任を果たすための制度である、しかし、実際上は金融制度調査会の報告で義務規定となっておったものが訓示規定に後退してしまっている、それで果たして目的達成できるのか、こういう指摘がありました。問題は、みずから進んで開示しないものを開示させるというところに問題があろうと思うんです。ですから、基本的にこのような義務規定から訓示規定に後退して本当に目的達せられるんだろうか、こういう心配は衆議院の答弁を見ても消えないんですが、その点はどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 現在かなりの金融機関がすでにいろいろなパンフレットを出しておりますし、その内容は相当詳細なものが出ていると思います。各種業界ともにこのディスクロージャーについてはかたり積極的な意欲を持っておりますので、御心配のようなことにはならないというふうに考えております。かえってこういった自己責任という規定を置くことによって、相互に啓発し合って創意工夫が発揮されるというようなことで、この制度の発展が期待されるというふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いまの答弁を聞くと、訓示規定にした方がかえっていいようなそんな感じなんですね。大臣、本当にそうお考えになっているんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは考え方でしてね。義務づけるといっても、義務づけてどういうような内容のものをつくるかと、一応政府がひな型をつくるわけですから、まあ決まり切ったようなものでかえって銀行なんかはその方があるいは考え方によっては楽かもしれない。ところが今回は、一応ひな型というものはしっかり決まっておりませんけれども、しかしながら、一応たたき台としてこういうようなものというようなものは考えられておるわけですから、当然に何を基準にするかといっても、銀行などでも自主的にそういうようなたたき台に合ったようなものを参考に私はディスクローズをやると思うのです。そのときに、やはりどこの銀行でも一つは自分の営業の宣伝になるじゃないかというようなことを言われる方もございます。それもあろうかと存じます。しかし、よくやっているところは、私のところは人のところよりこんなによくやっていますよという宣伝をする人必ず出てくるということになると、私はそういう意味で、自発的に銀行がやはり自分の経営の健全性を示すために積極的に、それによって信用が得られるということになれば積極的に出すだろう、出さないところは、余りひどいということになれば国会などでも必ず黙っておりませんから、これは。だれかが必ず言いますから、あの銀行はどうだのこうだのというようなことでやり玉に上げられるのはいやですから、そこで競って私はかなりいいものが出てくるだろう、一遍見てみればわかると思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうしますと、国民にとっては知りたい点があるわけですね、なかなかそれは出ていないのです。富士銀行の現状を見ましてもこんなにたくさん書いてあるけれども、私が一番知りたいことは全然出ていないんですね。そうすると、国会で問題にすると競って出てくることになるかどうかという、こういう問題ですね。そういう点に関してどういう点が問題かということを若干指摘をしますと、一番問題はやはり資金運用状況なんですね。そこで、先ほども問題にしました大口融資の問題、特に銀行の特定企業への大口融資についてはこれはどこにも出ていないんです。この点は今回の改正法案の中にも秘密を害するおそれのある事項、条項については出さなくてもいいという規定があるのですが、この点がどうも銀行にとっては秘密だということで出さぬ、そういうことになりはしないかという、こういうおそれがあるんですね。いま私が指摘したような問題、これは秘密に当たるのでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 個別の企業の名前が出まして、そこに幾ら貸しているということが出ますと、これはやはり信用秩序を形成しております金融機関としては公にできるものではないというふうに思います。だれが幾ら預金している、まただれに幾ら貸しているという個別の話というのはやはり秘密になるんじゃないでしょうか。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は大口融資の問題を言ったんですね。大口融資を逆から見てみますと、借入企業側の有価証券報告書でどの銀行から幾ら貸し出しを受けているか、これは出るわけです。ちゃんと出ますね。そういう面から公になっているものを、銀行の方からその銀行に対するいわば預金者なりあるいは一般的な国民としてどう銀行を見るかという場合に、客観的に秘密でないものを、いま銀行局長の話だと個々の企業の貸し出しは秘密だからということで秘密にしてしまう。そんなことしましたらほとんど秘密になってしまうんです。国民の一番知りたいのは、まさにいま指摘したような問題ですね。どういう関連があるのか、どういうところに出ているのか、そんなような秘密ということでここで出さないことの方に入れてしまっていいんですか。銀行はいまの局長の答弁ありがたいとばかりそれを盾にして出さぬということになりかねないと思うんです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) お話ございました有価証券報告書の方でも、割引手形というのは出ておりませんので、全体の貸し出し、与信というものはわからないはずでございます。いずれにいたしましても、個別の取引というのは信用機関として最も取引者の秘密ということで重要なことでございますので、これを出すわけにはまいらないということだと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、たとえば百万借りたとか一千万とか、そんなのを一々出されたらそれは大変だと思うんですが、しかし事は日本の経済を動かしている基幹産業あるいは大企業ですね、それが銀行とどういうかかわりがあるのか、あるいはこの銀行はどういうところと関係を持っているのか。これはもう一つ、何も貸し出し問題だけではなくて、これも冒頭に申し上げた企業に対する株所有の問題、銀行の株所有の問題、これも基本的に同じ問題だと思うんですよ。これも大きな株主については、片側から出てきますね。ところが銀行の側からは、いま言ったとおり、個々の問題ということでこれを秘密事項に入れてしまうと、せっかくこの規定を設けたって意味がないじゃないか。せいぜいいままで大蔵省に出しておったようなもののごく一部が出てくる程度にすぎない。それではこの制度を設けた意味がないと思うんですが、それはどうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 金融機関として、要するにたとえば業種別に、どこの業種にどのくらい貸しているかと、その構成比はどうだというようなトータルの数字の問題についてはディスクローズ、資金の運用についてディスクローズしていくということが考えられるわけでございますが、あくまでも個別を見ないとディスクローズの意味がないというようなことでございますと、これは取引者の秘密を害するおそれが十分ございますので、金融機関としては非常にむずかしいことになると思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 やはり本当のことを知りたい、実際の経済の動きやその中における銀行の役割りを知りたいというのが国民の要望だと思うんです。そういう点では、いま私は貸し出しとそれから株保有と申し上げましたけれども、さらに個々の企業に対する役員の派遣など、これも問題になると思うんですね。これもやはり秘密事項になるんでしょうか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 主として考えておりますのは、御指摘もございましたような資金運用の概況でございまして、そういった人事の問題あるいは給与その他の問題が対象になるかどうかということは、ダイレクトにディスクロージャーの目的ではないように思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 鳴り物入りで出てきたディスクロージャーですけれども、余り本当の国民の要望には応じていないんではないか、こういう指摘をせざるを得ません。  まだまだ具体的に中身について問題ありますけれども、もう時間の関係もありますので次に進みたいと思うんです。  それから、これも銀行の公共性との関係でいろいろ問題になっている点ですが、商法の改正案の中にこういう規定があります。これは四百九十七条ですが、取締役、監査役などは「株主ノ権利ノ行使ニ関シ会社ノ計算ニ於テ財産上ノ利益ヲ人ニ供与シタルトキハ六月以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス情ヲ知リテ前項ノ利益ノ供与ヲ受ケ又ハ第三者ニ之ヲ供与セシメタル者亦前項二同ジ」ということですね。要するに総会屋を追放する規定だと言うんです。法務省に言わせますと、もう条文としてはこれ以上のものはないと、また範囲も広いし、限定されておりませんので、この法のとおりに執行できればそれはなくなるはずだと、こう胸をはたいているんです。ところがどうも実情を見ますと、総会屋などは大丈夫だと、こう言っているというんですね。それはやはり法務省も心配していましたけれども、企業の側がこういう規定がありながらもやっぱりどんどん応じてしまうんじゃないか、応じてしまっていろんな抜け道などをお互いに考え出していくんではなかろうかど、こういう指摘があるんです。  そこで私は、特にその中でも銀行がそんなことあっちゃいかぬと思うんですが、銀行のいままでの例を見てみますと、これは昨年一月十八日の新聞報道です。暴力団をバックにした大物総会屋、小川薫に対し全国一流企業一千社が、この三年間で三十億を超す巨額の賛助金を支払っていたと。特に癒着の目立つのは大手の銀行、証券会社を中心とする金融業界で、都市銀行など二十行で三年間に八億六千万円、証券会社は四社で一億一千万円、合計十億近くです。総会屋にとって金融業界が文字どおり金づるであったことを裏づけたということで、当時大きな批判を呼んだわけですね。銀行の方でも、その前年からいろいろな委員会や対策を立てておったようですけれども、それでもこれはやっておるわけです。  そこで、大蔵省にお聞きしますけれども、その後この種の支出はされているかどうか、この点どうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 支出の金額はつまびらかにいたしませんが、恐らく御指摘のございましたのは、警察庁の主導によりまして、地域ごとに特殊暴力防止対策協議会というものを設置いたしまして、銀行に対しますいわゆる総会屋などの行為を排除する、被害の防止を図るということで努力しておるというように承知しております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いままでの経過では、二回ばかりそういう努力、その直前にやっているけれども、どうもそのすぐそばから一総会屋に対して全体で十億円ですね、だから全体はもっと多いと思うんですが、これは銀行、調査すればわかることでしょう。そういう対策が立てられていますというんでは、対策を立てたのと出したのでは違うわけですよ。当時指摘されたことは、いろんな委員会をつくったり、あるいは賛助金二割カット申し合わせしたけれども、こんなにその直後出ている、こういう指摘ですから、その後銀行に対する調査などされておってこの種の支出があったのかなかったのか、これは当然私は大蔵省としては調査の一つの観点だと思うんです。そうすると、いまの答弁では対策を立てているはずだということで、それ以上調査をしていないのか、その点どうですか。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 銀行と総会屋の実態について特に調査したことはございません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 大臣、これは大変な銀行局の怠慢だと思いますね。そうでしょう。こんな大きな指摘がされて、当時これは社説でも、これは毎日ですけれども、「金融機関は総会屋と手を切れ」と、こう言っておるんですね。もちろん総会屋の取り締まりはこれは警察の方が、あるいは検察庁の仕事だと思いますけれども、しかし、出す側もおるわけですから、被害者側が。被害者側を監督、指導する大蔵省がこんな重要な指摘があったにもかかわらず、しかもこれはいわば銀行の公共性の根幹にかかわる問題です。片やもういろんな金融に対する要求があっても、これを抑えたり、あるいはもう資金引き揚げて倒産さしたりというようなことを行い、また多くの銀行もかなり経営困難の状況にある。そういう片方で、こんなものをどんどん支出しておって、しかも問題にされて、それで銀行局長あるいは銀行局が全然それに関与してない、そんなことではせっかくこういう条文ができましても、今後もいろいろ裏くぐって同じような事例が出るんではなかろうか、こういうことを心配するんですが、大臣いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 総会屋への支出が銀行検査の対象になるかどうかという法律的なことは私はわかりません。わかりませんが、いずれにいたしましても、大企業、上場企業というものは社会的な公共性がみんなあるわけですから、銀行はもちろんのこと、総会屋を頼んで一年の決算の結果を十分か二十分で終わらすんだというその根性が悪いんだ、根性が、ぼくから言わせれば。だから、私はそういうことはなくしなきゃいけない。  少なくとも政府は、ともかく予算をつくるときも半年もかけてやられているわけですからね。それはもう国民の審査を受けているわけですから、だから銀行でもどこでもやはり一年の業績というものについては株主総会でともかく質問があれば一日や二日やってみたっていいじゃないか、それによって多少個人的な批判とか、いろんな大きな組織の中ですから多少のことはたたけばほこりがどこだって出ますよ、それは、そのことがもちろん刑事的な問題でなくとも。しかし、そういうようなことについて日本の国民も全体的に把握してもらうということであるならば私は何ら差し支えない、マスコミの方も大所高所から、もうこれぐらいのやつをこんなに出されたりするとやっぱり信用にかかわってお客さんなくなってしまうなんといって総会屋頼んでわあっとやっちまうわけですから。だから、私はこれは全体の問題だと思っておりますが、特に指導する立場にある政府としては、やはり大蔵省も警察庁も法務省、みんなでそういうことをなくするように今後は努力していかなけりゃならぬ。  ある会社などは、三日ぐらいやるところあるんですよ。最初のうちは総会屋来たけれども、三日間やられて一銭も金出さなくなるとだんだん来なくなっちゃって、最近はもう来たくなっちゃったと言うんです。だから、やればできるんですから、これはやはりもう全体の問題として、銀行法に限らずこれはそういう方角で決算結果を十分で済まさせるなんてばかげたことのないように私は指導していきたいと思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 根性が悪いということですね。根性が悪いからこれはよほど指導しなきゃだめなんですわ。ところが銀行局全然やっておらんでしょう。だから大臣ね、銀行に言う前にまず銀行局、それに対してぴしっとそういう立場から指導監督せいと。だから、試みにこの新聞報道の後に各社、各銀行がどの程度出しているのか、出していないのかまず調べてみたらどうですか、そうすればわかるでしょう、そういうことをひとつやってみたらどうです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 調べたくても、十分ぐらいで総会が終わっちゃうというんですから、何かあるんじゃないですかね、これ実際は。だから、私はそういうことは銀行検査の対象になるかどうかわかりませんが、行政指導としては、やはりそういうようなことで不自然な決算総会をやらないように指導すると。やらせますよ、それは。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それからもう一つ、もう時間がないので最後に一つだけ指摘をしたいのは、大蔵省が決算承認銀行とか特別監視銀行というものを指定している、こう聞いています。それで、これに指定されるとなかなか大変のようですし、実際これは日本経済新聞の五十四年九月二十日かな、その一面トップの記事によると、大変多くの銀行がその対象になっている、こう聞いておるんですね。こういう銀行からも総会屋費用が出ているはずですし、私がここで特に最後に指摘したいのは政治献金なんです。決算承認銀行なんというのはもう大変な経営状況なんですね。収益よりも赤字の方が倍ぐらい多いようなものが含まれるわけですね。ところが、明らかにその銀行の一つと思われるものが——これは「日本金融通信」ですが、政党への献金、相当やっておるんです。それで、地方銀行のほとんどがやっていますし、相銀の、これも全部がどうかわからぬけれども、圧倒的多数が政治献金をしていますし、信託銀行もほとんど全部。それで、片やこういう決算承認銀行や特別監視銀行、もうずらっとあるわけですね。こういったところからの政治献金、大臣、どうでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 政治献金は総会屋と違うわけですからね、これは。私はこれはもう一応法律で認めておって、公正にそれが使われ、それによって政治活動が活発になって——私は政党などに対する献金というものは法律の中で許されている範囲においては決して悪いものと思っておりません。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私も政治献金そのものを悪いと思っていない。ただ、企業献金はやめるべきだと思いますが、私はさらに問題にしたいのは、もうこういう欠損が出てくるような銀行、しかも預かっておるのは大衆のお金、それで多くの貸出先なり大変な問題がある。そういうところが政治献金をやることがいいんだろうか、そういう問題ですが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは政治資金規正法で、欠損の会社は政治献金ができないことになっております。したがって、そういうことはもう政治資金規正法違反でございますから、別な面の取り締まりを受けることは当然だと、さように思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 形の上では欠損になってなくても、実際に欠損の可能性があるということで指摘されているのもありますから、そういう点でもひとつ厳重に目を光らせてほしいと思うんです。  あと、問題はまだまだたくさんあるんですが、時間が来たという通知がありましたので一応終えますけれども、あと中小企業金融問題とか、銀行の関連会社の事業の問題等々、論議すべき問題たくさんあると思います。そういう点についても、やはり銀行批判に対する幾つかの指摘がありましたけれども、そういう問題を十分に踏まえて対処するように求めて、一応きょうのところの質問は終わります。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 暫時休憩いたします。    午後五時四十六分休憩      —————・—————    午後六時十一分開会

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、四案の質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 先日参考人もお呼びをいたしましたし、けさから集中的に基本的な部分をただしてまいりまして、そこで、まとめのようなことになると思いますが、以下数点についてお伺いをし、あるいは確認をいたしますので、明快に御回答をいただきたいというふうに思います。第一は、証券の窓販、ディーリングの問題でありますが、答申と実際の法律の改正では多少の違いがありますが、状況については十分に理解ができます。  そこで、率直に申し上げて、これは言ってみれば本問題で長い間時間をかけただけに、本法が施行された後、本問題で銀行側と証券側で相も変わらず似たような紛争、議論というものが続くことは余りいいことではないというふうに思います。そこで、しばらくの間実績を見ながら、十分にそれぞれが軌道に乗るように指導をしなければならぬというふうに私は考えます。現に日本の銀行で外国に進出しております銀行あるいは支店などにつきましては、銀行の中で証券業務をやっているわけですから、ある意味では国際的な状況になったわけですね。そういうことを踏まえまして、適正な指導あるいは混乱が起きないように十分指導をしていかなければならないと思いますが、その点いかがでしょう。

吉本宏大蔵省証券局長

○政府委員(吉本宏君) 今回の銀行法並びに証取法の改正によりまして、長い歴史的な経緯のありました銀行の証券業務につきまして一つの結論を得たわけであります。これによって法制の整備が実現したということは、私どもといたしましても非常に喜んでいるところでございます。ただ、この法律に基づきまして銀行に証券業務を認める場合、認可をいたす場合につきましては、先般当委員会でも御説明いたしましたとおり、三人委員会という中立的な懇談会を設けまして、その懇談会に諮った上十分慎重に対処してまいりたいと、このように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 その次に、大口信用供与の問題でありますが、これは例の三井銀行に関連をしたわけですが、昭和四十九年に通達が出ました。まあ銀行相互間でも相当注目をしておりましたし、またわれわれも非常に関心を持っていたわけです。さて、その規制について本法で改正が出たわけですが、原則的には私どもよく理解ができますが、すべてその内容は政令にゆだねられているわけです。言ってみますと、一定の資本金に一定の率を乗じたものであるという考え方は出されていますが、その一定の率というのは、おおむね小委員会で議論をされた筋を尊重されてこれから政令を準備されるかどうか。これはある意味で言いますと、それぞれの系列の銀行界が注目をしている問題であります。その点についてどういうふうに考えるかという問題と、もう一つは、これまた政令にゆだねられるわけですが、電力会社など特別な重要産業という言い方ができるかどうかわかりませんが、ものにつきましては、大蔵大臣が個別に承認をして除外をすると、こういうことになっているわけでありまして、これもどういう考え方で個別の企業というものを大臣が除外を認めるかどうかということは、私どもとしてもこれは注目しなければならぬと思うんです。あえて申し上げるならば、こういう除外の問題は商法改正の方にもあるわけですけれども、実情に合わないものが適用をされていたりする場面が往々にあるわけですから、物の考え方の基準というものを、この際大綱で結構ですから明らかにしてもらいたいというふうに思います。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) まず御指摘のございました自己資本に対する率でございます。これは政令で決めさしていただきたいと思っておりますが、従来行政指導で四十九年以来やってまいりました二〇%、三〇%、四〇%という数字をさしあたりそのまま政令で定めさしていただきたいと思っております。比率が違いますのは、本委員会の御答弁でも申し上げましたように、それぞれ専門機関として別個の制度として位置づけられておりますので、そういった実情を勘案いたしまして、かつこれまでの実績を勘案しまして二〇、三〇、四〇というパーセンテージで決めさせていただきたいというふうに考えております。  それから二番目の御指摘の、やむを得ない場合の特認の対象となる政令でございますが、これは一つは、御指摘のございました一般電気事業その他国民経済上特に緊要な事業、大体一般電気事業に比肩し得る事業というのが一つの目安になるかと思いますが、そういったものを行っている場合で、限度額を超えて信用供与をしたいということになりますと、事業の安定的な遂行に困難を生ずるというようなおそれがある場合、それからもう一つは、予見しがたい緊急の資金の必要性が生じました場合で、限度額を超えて信用供与をしない場合には事業の継続に著しい支障を生ずるおそれがある場合、どういった場合を政令でやむを得ない理由として掲げ、それに対して大蔵大臣の特認ということにさせていただきたいというように考えております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 銀行の健全経営あるいは信用という問題で、ディスクロージャーの問題が各会派全部から出ました。これは当然のことだと思うんです。そこで、特に和田委員からも指摘がありましたように、銀行には社会的な公共的な責任が非常に重要にもかかわらず、中小あるいは専門的な銀行、金庫にやや問題が多過ぎる感じがしてならないわけであります。まあ大蔵省の監督が厳しい、厳しくないにかかわらず、本来銀行は、特に銀行というのは金を預かっているわけですから、責任を持って間違いを起こさないということは当然なんですけれども、相も変わらず問題が起きているわけです。  そこで、開示制度の問題につきましてこの間の参考人は、おれの銀行では積極的にやっているというお話もありましたし、訓示規定ではありますけれども、一応の考え方が明示をされたわけです。当然、銀行は自分のところの銀行の特色なり知恵というものを宣伝をすることは当然でありますが、利用者、庶民の立場から言いますと、先ほども指摘をされておりますように、聞きたいことあるいは尋ねたいことを実際は公開をしてほしいということになるのは当然でありますが、やや銀行側としては逃げているきらいもなしとしないわけであります。本来、これは私は銀行側が積極的にやらなければならない問題だというふうに思います。  そこで、そうは言いましてもやっぱり事故があることはよくないと思いますので、発足後十二分に点検をしてみて、いいところはお互いに採用するように、悪い問題につきましては、悪い宣伝の仕方につきましてはこれを排除するように、それからできる限り利用者なり国民が聞きたいもの尋ねたいものが開示できるような環境の整備を図るように指導をさしていきませんと、これは銀行がからに閉じ込もってしまえばもうそれで終わりだということになってしまいますので、その点について私の考え方について賛成してもらえるかどうか、あるいはそういう方向で一遍検討してもらえるかどうかということをお尋ねをしておきたいと思うんです。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) ディスクロージャーの問題ですが、自主的に内容を定めるというようなことで大いに金融機関の創意工夫というものを生かしていただきまして、また御指摘のございましたような国民あるいは利用者のニーズということも十分に考えて、この制度が世界で初めて法律的にこういった制度づけが行われたわけでございますから、順調に発展して定着してまいるというように十分期待しておりますし、また指導していきたいと思っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 その銀行の健全経営あるいは社会的責任という意味で、もう一つ代表的な問題を申し上げたいと思うんですが、それは拘束預金の問題であります。それともう一つは、今回証券会社並びに銀行が窓販をすることになります。つい邪推をするわけですが、銀行が多額の金を融資をする際に、当然出てくるわけですが、君のところこの公共債を買わないかというふうな話というのはないわけではないし、当然想定がされる。そこで昭和五十二年の六月に最高裁は——金を借りるときに十分に担保物件を出しているわけですね。土地を担保にしたり建物を担保にしたり工場を担保にして金を貸しているわけです。そのほかに拘束預金、にらみ預金というものをやっている。それが大蔵省の発表によりましても、昭和五十一年でにらみ預金が一〇%、約一割ですね。それから昭和五十二年の最高裁の判決が出た後で皆さん方がお調べになったときにも九%なんですよ。拘束預金については、われわれとしてはびたの一文も賛成しがたいという気持ちでいるわけです、まあいろんな事情がありますけれども。しかし、そういうことをある特定の金融機関がやりますと、あそこはとんでもない銀行だということで銀行の信用価値というものを下げますし、必然的にそういう銀行には余り寄りつかなくなってしまう。証券の、公共債の販売につきましても同じことが言えると思うんです。この機会に、昭和五十二年に一遍通達を出したわけでありますけれども、銀行が姿勢を正す。大衆的な銀行を目指すためには、少なくとも従来から問題になっていたような——部いま拘束預金の話を申し上げました。それから、つい昨年でありますが、ある千葉の特定の銀行の重要な幹部が選挙違反に問われる、これはもう非常によくない話だと思うんです。片方では銀行の大衆化ということを言いながら、健全化ということを言いながら、あるいは社会的責任を言いながら、そういう問題が依然として後を絶たないということではうまくないと思う。そこで改めて姿勢を正すという意味で、私が申し上げましたようなことを十分に踏まえた指導をこの際行うべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 歩積み両建て預金につきましては、従来から私どもとしては再三再四にわたりまして過当な拘束性預金の解消を図るように指導してまいったところでございます。昭和三十九年五月に二二・三%という拘束性預金比率でございましたが、五十五年の十一月には二・九%どいうとこうまで低下してまいっております。いまいろいろ御指摘がございましたが、にらみ預金も含めまして、このような歩積み両建て預金の解消を図るよう、引き続き強力に指導してまいりたいと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 次に、金融の国際化という問題です。  金融機関は、いま片方では大衆化という意味でいろんな商品を開発しておりますね。ある特定な銀行では、大手銀行で無担保で五十万円まで貸しましょうと。しかも、それもキャッシュカードでよろしいというふうな商品を開発して、大衆化を目指している。あるいはミニ店舗もやっている。片方では金融のあるいは銀行の国際化という二つの戦略を歩いているのではないかというふうに思います。しかし、私考えますのに、わが国の銀行が外貨資金を運用する仕事がどんどんふえていっている。それから日本の企業が外国にも進出しておりますし、さらにわが国の銀行が海外に出て、海外の銀行を吸収をするというふうなことで非常に国際化が進んでいることはよくわかる。しかし、それですべてよしということにはならないと思うんですね。私はまだまだ問題がないわけではないというふうに思います。その点は、衆議院の方でもやや附帯決議の中で意味が込められていると思いますが、その種問題は本来は大蔵省が先頭に立ってやるべきことでなくて、金融業界自身が創意と工夫をこらしてやるべき事柄ではありますけれども、現実には、率直に申し上げまして大蔵省の規制で幾つかの問題が、たとえば金融債の発行にいたしましても、それから外国証券の取り扱いにつきましても一定の制限がいまついているわけです。私は、すぐこれをどうこうしろとは言いませんが、金融の国際化に照らして、もう少し規制の緩和を図りながら拡大を図っていく。もちろん、これはむちゃくちゃにやりますと、日本の金融そのものに重大な障害を起こしますので、その点時間を焦るつもりはありませんけれども、この際大蔵省としても何らかの工夫があってしかるべきじゃないかと、こういうふうに考えますが、その点いかがでしょう。

米里恕大蔵省銀行局長

○政府委員(米里恕君) 御指摘のような金融の国際化の進展に対処いたしまして、基本的にはわが国の金融機関が海外で業務を行うというような場合には、その現地の法制あるいは慣行というものに準拠すべきであるというように考えます。その現地の法制あるいは慣行に準拠しながら、かつわが国の国内の諸制度、慣行というものとの調和も図りなから進めてまいっておるという状況でございますが、今後につきましては、現在ありますいろいろな指導基準、規制と申しますか、そういったようなものをできるだけ弾力的に見直していくというような方向で進んでまいりたいと思っております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 法案を一通り私読んで見ました。そこで目につきますのは、かなりの部分が政令にゆだねるというふうになっております。この銀行法の改正が行われますと、当然のことでありますが、一年決算の問題を含めて、定款の改正作業というものをそれぞれがやらなければならない。そうしますと、当然のことでありますが、大蔵省側の省政令の作業も急がなければならないし、まあすでにかなりの部分は準備がされていると思う。そういうふうに私は推測をするわけであります。  一通りずっと見ました。ところが、どうも政令ではっきり出ないものがあるだろうというふうに調べてみますと、やはり旧銀行法の十八条、言いかえてみますと休日の問題のところがペンディングになる可能性が強い。それではうまくない。片方の業務関係につきましては、ほとんど省令でばちっ、ばちっと実施なり適用なりというものが決められる。ところが、懸案の事項について政令も出ない寸残されてしまうということでは、内心じくじたるものが大蔵省側もあるいは大蔵委員会としても残ると思うんです。で、すでにこれは決議が満場一致で行われているわけですから、その意味で確認を申し上げたいと思うんですが、今回の法律改正は、言ってみますと、週休二日制に門戸を開放した、こういうふうに意識の上では理解をすることが私は正しいんしゃないだろうかというふうに思います。これはまあ各党の皆さん方もそういうふうに思っているだろうと思います。  それからその次は、そうは言いましても、銀行と農協と郵便局、そういうものが、三者がそろって週休二日制に踏み切るということになりますと、その前の前提条件がたくさん出てくる。それから国家公務員との週休二日制との絡み合いというものが出てくるということは十分に承知をしますが、いまや国際的な趨勢でもありますし、国内的にも週休二日制というのは実績も非常に高まっておりますので、金融業界が将来とも一番最後に残ることがないように、言いかえてみれば、早期に銀行法の改正の精神が踏み込むことができるような環境の整備を私は直ちに行うべきではないだろうかと、こういうふうに二つ目は考えます。  それから三つ目は、そういう将来展望を持ちながら、当面どういうことになるかと言いますと、銀行にしろ農協にしろ郵便局にしろ、いわゆる金融機関が土曜日に閉店、閉庁を一斉に同時に行うということが必要ではないかというふうに思うわけです。もちろんそれは、すべての業務を全部やめてしまえば直ちに週休二日制になるわけですが、そうは問屋が卸さない。従来の委員会の審査の経緯やあるいは公式、非公式の議論から通しまして、預貯金業務あるいは払い戻し業務というふうなものだけでも、当面いま私が代表的に申し上げました金融機関が同時に一斉に円滑に行う、このことを私はしなければならないというふうに思います。もちろんきょうの委員会の答弁にもありましたけれども、現実にキャッシュカードもありますし、それから兼用機も入っておりますし、デパートでもその種の機械が稼働をしております。したがってそういうふうなものについては、例外としては認めるにいたしましても、基本の預貯金業務、払い戻し業務というのは閉店、閉庁にする、それも金融機関が同時一斉にやる、こういうことを今回の銀行法の改正に照らして、これははっきりしていった方がいいのではないだろうかと、こういうふうに思います。  それからその次に、日曜日の問題につきましても政令に任されているわけですね。私が、私はこういうふうに考えるというふうに申し上げますので、それなら、それでよろしいならよろしいというふうに言ってもらいたいと思うんです。  少なくとも金融機関などの休日といいますのは、日曜日でありますし、祝祭日であるのは当然だと思うんですね。その祝祭日が日曜日に当たったのは振替ということがありまして、その翌日に休む、これはこの間振替の休みがあったと同じように、当然金融機関についても同じだと思うんです。それから、先ほど申し上げましたが、デパート、百貨店などにありますキャッシュカードにつきましては、デパートが休業すればそれは必然的に機械が稼働しないわけですから、それはもうそのときはお休みになる。それから、一月の二日と三日というものも当然お休みになる。それから過疎地だとか離島に間々あることでありますけれども、何日から何日まで店を開きます、何曜日から何曜日まで店を開きますというふうに指定をされているところは、その指定された以外はお休みであるというふうに政令で明らかにしなければならぬだろう。それ以外の問題になりますと、地震であるとか災害であるとか、やむを得ないような場面というふうに私は整理をしてみますと、なるような気がいたします。  幾つか申し上げましたけれども、いま私が申し上げましたようなことにつきまして横にらみ、横並びを十分整理整とんをして、将来は週休二日制に向かって努力をする、当面は特定な業務につきまして土曜の閉店、閉庁について速やかに、円滑にできるようにすべきではないか、そういうふうに考えます。そのことにつきまして、特に大臣に、その辺につきまして決意をお伺いをして終わりたいというふうに思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いままで銀行の週休二日の話はかねてからございましたが、それは法律でできないことになっておりましたから、大蔵省は努力のしようもなかったわけでございます。週休二日制というものが大体社会の大勢でだんだんそうなってきておると、これも私は事実だと思います。今回は法律が改正されて、ともかく週休二日もやりようによってできるというように直った、少なくとも法制上はこれが国会を通過すれば直るわけでございますから、これは大変な私は前進である、そう思っております。  また、実施の問題については、いままでお話がございましたように、銀行だけ休んでしまうというわけにもいかない、郵便局、農協、信用組合、こういう問題もございまして、やはりそれらの、特に利用者の理解というものも得る努力もしなければならない、農民は構わぬというわけにもいかぬし、まして信用組合などは町の人がみんな集まってつくっているわけですからそういうものの同意も得られるようにしなきゃならぬ、そう思っておるわけであります。そういう努力を今後は、これはむしろ労働省の関係でございますが、われわれとしてもそういうような点で努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。いろいろな問題点もございますが、その方向で努力をさしていただきます。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認めます。  これより四案の討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、銀行法案、銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案について、一括反対の討論を行います。  討論に先立って、本日の委員会採決が、参考人質疑を除く本法案質疑の第一日目になされようとしていることについて、一言触れざるを得ないのであります。  銀行法は、いやしくも政府・大蔵省の金融行政の根幹をなすものであり、しかも今回改正は、昭和二年以来の全部改正というものであります。  今日の経済危機、財政破綻のもとで金融・銀行行政の重要性は一段と強まっており、そのあり方がどう法定化されるのか、徹底した審議を行うべきであります。良識の府であり、言論の府であるべき本院において、審議が十分尽くされないままかかる措置がなされることに強く反対せざるを得ないのであります。  今回の改正によって、金融機関の週休二日制への道が開かれたことや、中小業者並びに中小企業専門機関の要望に沿った必要な業務改善の措置がとられたことについては一定の評価をするものでありますが、それ以上に重大かつ危険な問題点が含まれていることを指摘しないわけにはいきません。  反対の第一の理由は、今回改正が、国民の要求に全くこたえていない点であります。  今回改正の発端となったのは、さきの第一次石油ショックのときの大企業、大商社だとが引き起こした土地投機や買い占め、売り惜しみ、物価つり上げであり、銀行が資金面でそれを後押ししていたことにあります。銀行の大企業本位のあり方を改め、反社会的行為を正すことこそが国民世論の求めるところであったはずであります。  ところが、本改正案では、目的規定でわざわざ銀行の自主的努力を尊重する旨の文言を入れ込み、規制よりも容認を基本とし、金融制度調査会の答申でさえもが提起していたディスクロージャー制度や監督規定などについての考え方を大幅に後退させたばかりか、大口融資規制については現行の通達による規制よりも緩和させ、欺罔行為についての罰則規定も現行よりも後退させるなど、重大な問題をはらんでおります。  これは、大銀行の社会的責任を指摘し、批判してきた国民世論に対する挑戦であると同時に、政府・自民党の大企業、大銀行本位の姿勢を示すものにほかなりません。  さらに指摘すれば、公共性の確立を求められる金融機関が巨額の政治献金を行っていることとこのような行政の態度と無関係ではないという点であります。  第二の理由は、大銀行中心の金融再編を促進するものである点であります。  今回改正によって、銀行の業務範囲が弾力化の名のもとに拡大されたのを初め、営業所の設置や営業時間の弾力化、増資の自由化などを進める一方、中小専門機関においても業務範囲の拡大の名のもとに貸付対象の拡大、員外貸し付けの拡大などで業務内容の同質化、上位シフト化を促進させております。このような措置が大銀行の優位性を一段と強めると同時に、その反面で中小企業金融機関だと経営力の弱い機関を圧迫することは明らかであり、大銀行中心の金融再編、大企業優遇のための金融効率化を進めるものと指摘せざるを得ません。またこのことは、利用者である国民や中小零細業者などの要求である国民本位の金融の確立、国民のための経済再建を図る上で役に立たないばかりか、逆に今日の大企業、大銀行本位の金融のゆがみを一層強めるものにほかなりません。  第三の理由は、銀行窓口での窓販、ディーリングができるようにしていることであります。  これは、現在の政府・自民党による国債の大量発行政策の行き詰まりを国民などに押しつけ、消化を図ることによって切り抜けようとするものにほかなりません。銀行による窓販やディーリングが拡大されれば、国債の発行が容易となって財政危機の元凶を拡大することとなるばかりか、大銀行と中小金融機関の経営力や支配関係から格差が一層広がり、系列化、再編成に拍車をかけることは明白であります。また、国民や中小企業者、さらには中小企業金融機関に対する国債の押しつけが強まることも自明のところであります。  最後に指摘しておきたいのは、今回の改正によって国債の売り込みなどにかかわる金融証券関係労働者の労働強化や、合併促進に伴う配転や首切り合理化が進められたり、地域住民や利用者、中小企業者などの意向を無視した金融行政が強まる可能性があることであります。金融機関の社会的責任にふさわしく、預金者国民や中小企業、さらには中小企業金融機関の意向を十分に反映させた金融行政をこそ実現すべきことを強調し、私の反対討論を終わります。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより順次四案の採決に入ります。  まず、銀行法案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に、賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、証券取引法の一部を改正する法律案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  衛藤征士郎君から発言を求められておりますので、これを許します。衛藤君。

衛藤征士郎自由民主党・自由国民会議

○衛藤征士郎君 私は、ただいま可決されました四案のうち銀行法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     銀行法案に対する附帯決議(案)   金融制度の整備改善に伴い、銀行その他の金融機関にあっては、健全かつ適切な経営に徹し、もって預金者の保護をはじめ、各般の国民経済的、社会的な要請に十分に応える必要がある。よって、政府は、金融機関の監督指導に当たり、次の諸点に特に配慮すべきである。  一、社会的公正の確保に資するため、個人、中小企業等との取引の適正化を進めるとともに、これらの者に対して融資を受ける機会が公正に提供されるよう配慮すること。  一、証券業務については、国民経済的な見地に立ち、制度の趣旨に即して適正にその運用を行うこと。  一、大口信用供与規制については、制度の趣旨を踏まえ、適正な実行を確保すること。  一、業務及び財産の状況に関する開示制度については、銀行業務の大衆化・多様化の現状にかんがみ、資産の運用の状況等について適正な開示が行われるよう十分に配慮すること。  一、金融機関の週休二日制については、今後その早期実施を図るため、積極的に経済・社会環境の整備に努めること。  一、金融の国際化の進展に対処して、国際業務に関する既存の指導基準を適時適切に見直すこと等をも含め、わが国の諸制度・慣行と調和のとれた健全な内外交流の推進に努めること。   右決議する。  以上であります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) ただいまの衛藤君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、衛藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) なお、四案の審査報告書の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村太郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時五十二分散会      —————・—————

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