大蔵委員会 第17号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/04/28
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題といたします。
○委員長(中村太郎君) この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、日本中央競馬会理事長武田誠三君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) それでは、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 それぞれの大臣が出たり入ったりでなかなかお忙しいんですが、後で苦情は全大臣がそろったところで申し上げます。 最初に、行政管理庁長官にお伺いをしますが、第二次臨時行政調査会、第二臨調は二十七日の第六回の会合で種々御論議がされたわけですが、その際に、鈴木総理が出席をされてお話をされていることが新聞で報道されております。これの記事を見ますと、長官もその隣にお座りになっておりますので、総理が言われたことはしっかり確認ができると思いますので最初にお伺いしますが、総理はことし一年だけ増税しなければいいという考え方ではない、一年限りではなく財政再建期間、言いかえてみますと昭和五十九年まではそういう形でなければならない、言いかえてみれば増税をしたくない、こういう意味の発言がなされているわけですが、長官ちょうど同席をされていたわけですから正確に総理の発言の要旨をお話をいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総理は行財政改革という言葉を使いました。行政改革ではありますけれども、財政改革も非常に重要になって私は行財政改革という言葉を使っておりますと、そう申されまして、そうして特に七月の第一次答申に当たりましては、来年度予算編成に影響のある御答申をお願いいたしておりますが、よろしくお願いいたしますと。その趣旨は、増税を回避して予算編成をやりたい、その増税を回避して予算編成をやりたいという考え方は、単に来年度だけではなくして、財政再建期間中あるいは物によっては恒久的につながるものもあり得ると、そういう御意見を発表された次第でございます。
○穐山篤君 そうしますと、いままで総理あるいは大蔵大臣を含めて政府の姿勢としては、昭和五十七年度にはいわゆる増税を考えない、それも頭の中に全然入っておりませんということを再三再四回答されているわけです。ですから、その点は明確なんですが、五十八年度以降の問題につきましては、総理あるいは大蔵大臣それぞれニュアンスの違う話を公式にされているわけです。それは一応総理の考え方としては全体を整理をして五十八年も五十九年も行政改革、言いかえてみますと、歳出カットというものを十分行うことによって増税をやらないんだと、こういうふうに政府全体の姿勢が固まってきたというふうに考えてよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府全体の姿勢が固まってきたと考えることはまだ早いと思います。それは自民党におきまして正式に決定したわけでもございませんし、また閣議において正式に決まったわけでもございません。ただ、総理大臣として党及び内閣を一体とする行政改革推進本部の本部長としての強い願望をあらわしたと考えております。
○穐山篤君 その点につきましては、また大蔵大臣が見えました際に再確認をしたいと思います。 前回の当委員会でも、長官に同僚委員の方から質問をされた事項ですが、たしかこの競馬会あるいは電電公社から国庫に金を納入をさせるという発想、アイデアは、私どもの知る限りでは中曽根長官のアイデアであったというふうに思うわけです。 そこで、長官にお伺いしますが、この発想を考えついた動機といいますか、あるいはこれを考えるについては、当然のことでありますがその他の特殊法人の問題も考えなければなるまい、あるいは政策金融の問題についても考えなければなるまい、いろんなことを配慮をした結果、とりあえずといいますか、当面二つの問題が長官の発想として出されただろうというふうに思うわけですが、直接のきっかけ、背景というものはどういうところにあったんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 過般の衆議院の選挙におきまして、私も、及び党の大部分の皆さんも石油危機を乗り切った民間の苦労を強調いたしまして、民間の皆さんはあの石油危機を乗り切るときに、あるいは財産を売り、株を売り、あるいは夜なべをし、みんな血のにじむ努力をしてあの石油危機を乗り切った。政府も財政困難に直面しているけれども、民間がやったような苦労をしなければ国民の皆さんは納得すまい、そういう主張をしてきたわけでございます。それで、私も行管長官を拝命いたしましたので、その公約を実行しなければならぬと、そう思いまして、国の財産も売りなさい、あるいは特殊法人も同じように財産も売るとか、あるいは剰余金その他がある場合には国民のために一般会計に出していただく、洗いざらいに国の力をそういう方向に集中しよう、そういう考えに立ちまして、大蔵省に対しては国有財産を検討して五十五年以上に思い切って売ることをやりなさい、また特殊法人につきましては堀内政務次官に特命を与えまして、八月いっぱい全特殊法人の経理内容を調べてもらいまして、そのうちから約二十一ばかり選んで、その中からさらに合理性があると思い、内外通しましてもまず通ると思うものを選定しまして、この法案——財源確保法案に盛られているような発想で推進してきたということでございます。
○穐山篤君 仮に、これは後でもまた問題になりますから確認の意味で申し上げておきますが、幸いに中央競馬会なり、非常に荒っぽいやり方ですが、電電公社から四千八百億円の金を引き出す、こういうものもあったわけですが、もしこの二つがなかったとしたらどういうことをお考えになったんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) なかった場合という仮定のことは考えておりませんでした。ともかく一生懸命やって最大限の努力をするということで努力を集中してきた次第でございます。
○穐山篤君 それから、昨日ですか、第二臨調は七月の十日までに補助金などについて中間報告を行う、こういうふうにお決めになったそうでありますが、補助金など——などというのはどこの範囲まで考えて七月の十日に中間報告を出されようとされるのか、その点ちょっとお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会におきまして第一特別委員会と第二特別委員会ができました。第一特別委員会の方は国の歳出歳入両方面を洗って検討してみる、第二特別委員会は定員や給与そのほかの問題、それ以外の問題等も洗ってみる、そういうことでございまして、それらの分野にわたっていろいろ検討が行われるものと期待しております。
○穐山篤君 公営競技全般のあり方の問題については第二臨調の対象になっているんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人も対象になっております。特殊法人関係を洗ってみる部会も設置される予定で、たしか部会長はきのう任命されたと思っております。
○穐山篤君 中曽根長官、大変御多忙のようですから、どうぞ結構です。 自治省にお伺いをいたします。 公営競技全体を考える場合の参考としてお尋ねをするわけですが、実は競艇が全国各地で行われています。もちろん東北、北海道には競艇場がないと思います。そこで、多摩川の競艇場は施行者が地方自治体になっているわけです。そこから幾ばくかの金を財源にしてそれぞれの市町村が予算を組んでいるわけですね。この資料によりますと、東京近辺で全然施行者になっていない国立市があるわけです。施行者になっております青梅市との比較をちょっとお願いをしたいと思いますが、青梅市の総予算ですね、歳出予算、それから当然歳入の予算もあるわけですが、競輪あるいは競艇などから青梅市ではどれだけの歳入を得ているのか、まずそこの点をお伺いします。
○説明員(持永堯民君) お答えいたします。 青梅市でございますが、青梅市は御案内のとおり全国のギャンブルの施行団体の中でも大変収益の多いところでございまして、青梅市の場合、五十三年度でございますけれども、歳入総額が約百八十三億でございます。そのうちモーターボート並びに競輪事業によります収益額が約四十四億円でございまして、歳入に占める割合というものが二四・一%ということでございます。それから国立の場合は、御指摘ございましたように、東京都かの市におきましてはただ一つ公営競技を実施していない団体でございますけれども、これは人口規模もそう大きくございませんで、したがいまして、歳入総額が約八十四億ということでございまして、公営競技収入はゼロということでございます。
○穐山篤君 これは五十三年度の数字ですね。たしか私は五十四年度は競輪あるいは競艇などは約六十億というふうに数字を聞いているわけです、これは現地に行ったときに現地の青梅市の助役の説明によったわけです。ですから、二四%から三〇%程度のものが常に青梅市には入る。それから国立市にはその種のものが歳入としてはないと、こういうことになるわけですね。大蔵大臣、お忙しいでしょうけれどもちょっと聞いてもらいたい。その公営競技の中で青梅市は大ざっぱに言いまして総予算百八十億、そのうち歳入でこの種の収益が四十四億から六十億ぐらいまであるわけです。言いかえてみますと、全予算の二四%から三〇%、三割近くをこの種の収益から上げているわけです。もちろん、そうなりますと財政規模全体がふくらむ、地方自治精神に基づいていろんな福祉なり教育なりいろんなことが片方ではできるわけです。国立市はそのすぐ近くの市でありますが、年間総予算というのは八十四億、青梅市の半分ですね。それからその種の公営収益というのは全くない、これは施行者になっていないわけですから物理的には全くないわけです。そのために大変地方自治の見地から言いますと、教育、福祉あるいはその他の地域の活動におきましても青梅市と国立市では財政規模全体の上から言ってみて非常にアンバランスが生じることは当然だと思うんですね。私は、先ほども指摘をしましたように、閣議の申し合わせなどもありまして競艇場は東北、北海道にはどこにもないわけです。これは、ギャンブルをある程度整理をしよう、そういう意味で自粛、自戒をしているわけですが、その財源上の見地から言いますと非常に不均等になっているというふうに思いますが、その点、どういう御感想でしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはかねて議論の多いところでございまして、穐山委員のような議論もわが党の中にいっぱいあるんです、何とかそういうのを公正な配分がないかと。ところが一方、開催市町村に言わせると、われわれのところは普通のところと違ってえらい迷惑がかかっていると。住民の迷惑料といいますかね、みんながギャンブルに参加しているわけじゃないんだから、住民の中には競艇とか競馬とかきらいな人だっていっぱいいるんだから、自動車が毎日集まってくるとやかましいとか、だから当然そういうふうなところに施設や何かを余分にしてもらわなければ困るんだという開催市町村側の言い分があるわけです。これも一理のある話でね、みんな平等だと言われたんではだれも呼びつけないという話になっちゃうわけですから、だから多少これは、かなりのハンディキャップは仕方ないにしても、何かないところは全然収入がないということもこれはいかがなものかと。何とかそこらのところを、半分ぐらいは開催地にやるけれどもあとの半分ぐらいはどこかに回す、周りに少し均てんを、潤すようなことが何かないかどうか。これは直接大蔵省の所管ではないわけですが、むしろ自治省等で御検討いただいたらいいんじゃないか、そう思っております。
○穐山篤君 自治大臣をきょうお願いをしましたが、御都合で出席ができません。その点は了解をしますが、いまも私も指摘をしましたし大蔵大臣からもお話があるわけです。 そこで、自治省としては、こういうふうな不均等な問題について公営競技の開催とあわせて相当の研究をされていると思うんです。その点は、今日までの検討の結果といいますか、そういうものもあれば明らかにしてもらいたいと思います。
○説明員(持永堯民君) 収益の均てん化の問題でございますけれども、検討の結果と申しますか、いままでやっております、やってきたことでございますけれども、昭和四十五年度以来でございますが公営企業金融公庫に納付金制度を設けまして、売上高の一定割合を納めてもらうという措置を講ずることにいたしまして、それによって公庫が各地方団体に貸し付けをいたします貸付金の利子を下げていくというような、いわゆる均てん化措置をやっておるわけでございます。それは全国的な制度としてやっておるわけでございますが、それ以外に地域的な立場で各都道府県の中でお互いに均てん化をし合う、具体的には施行団体が売り上げの中から、収益の中からそれぞれの額を都道府県に拠出する。それをほかの市町村に融資あるいは助成をするというような、地域的な均てん化も実施いたしておるわけでございます。 こういった面につきましては、御指摘もございましたように、私どもも現在のままで十分だというふうには考えておりませんで、今後さらに、ただいま申し上げました公営企業金融公庫に対する納付金制度の問題、あるいはそれぞれ自主的に各地域で行っております均てん化措置、こういうものもさらに積極的に推進していくように努力をしてまいりたいと考えております。
○穐山篤君 しばしば公営企業金融公庫へある一定の財源を回しているというお話は当委員会でもありましたけれども、しかしそれは微々たるものでして、それほど日本全体に潤うだけの財源を出しているわけじゃないんでしょう。公営企業金融公庫全体の収入の中で何%ぐらいこれは占めておりますか。
○説明員(持永堯民君) 公庫の収入の中で何%という数字はちょっといますぐにはあれでございますけれども、金額といたしましては最近では年間三百五、六十億のものが全国の自治体から上がってきております。
○穐山篤君 論争するつもりはありませんけれども、全体の予算規模から言えば大したものじゃないんですよ。これをもって十分対処しているというふうに言い切ることは私は無理だ、もう少し研究をしてもらいたいというふうに、この点は要望をしておきます。 いまの問題に関連をしまして、総理府の方おいでになりますね。——昭和五十四年六月二十一日、公営競技問題懇談会から総務長官恒「公営競技の適正な運営について」ということで答申がなされました。それにあわせまして連絡会も持たれております。ぜひお伺いをしたいと思いますのは、この答申を受け連絡会議ではどういうことを御相談をして、当面着手すべき問題点、それから将来にわたって引き続き検討をして改善をすべき問題点ということは当然整理をされたと思うんです。その点についての経緯を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(佐藤信二君) いま御指摘のように、本問題は昭和五十二年の十一月に公営競技問題懇談会、こういうものが設定されまして、五十四年の六。月までに約十六回ほど開催いたしました。 そこで、御案内のように昭和五十四年の六月二十一日に、交付金の適正・効率的な使用、また交付金配分の公正確保、施行権、収益の均てん化、場外売り場、競技場、開催回数等に関するあり方、また弊害の除去等についての意見書というものが出たわけでございます。この意見書が提出されまして、それを受けまして、総理府といたしましては関係省庁にそれを送付すると同時に、閣議にも報告して、その実施について関係省庁と検討を図ってまいったわけでございます。そこで総理府としては、懇談会の意見書を受けて関係省庁連絡会議を設け、そして関係省庁において検討を推進してまいっておるわけでございます。この中において具体化したものもございますし、また法律の改正というものを伴わなければいけない問題があるというものにつきましては目下検討中ということでございます。
○穐山篤君 いまお話がありましたように、この答申というのは第一には機械化あるいは合理化の推進といいますか、二つ目には場外売り場、競技場、開催回数の検討、三つ目には交付金の配分の公正、第四には施行権あるいは収益の均てん比と、こういうふうにわれわれは受けとめているわけです。 そこで、二、三の公営競技場を見てみますと、電算機などを入れて機械化の分野は相当進んでいるわけです。これは現実に着手しようと思えば一定のものはできるわけです。その点は答申を受けて十分にやっているというふうに理解をするわけですが、第二、第三、第四の問題については検討が進んでないんですね。で、行革ばかりではありません、公営競技全体のあり方の上から言ってみても、第二、第三、第四の問題に早く着手しなければこれは本質的な問題の解決にならないと思うんです。 で、各省庁にお任せをしてあるというんですけれども、たとえば場外売り場、競技場、あるいは開催回数の検討というのは、自転車の場合には通産省が検討するでしょう、これはできますね。あるいはまあ競馬の場合につきましては農林省、それから競艇の場合には運輸省ができる。ただし、第三の交付金の配分の公正の問題と第四の施行権または収益の均てん化の問題は、これは一省庁だけではみんなわが田に水を引いてしまって客観的に公正を期すことは非常にむずかしいと思うんです。少なくとも総理府がかじ取りをしているとするならば、そこの部分が総理府の仕事でなければならぬと思うんです。その点いかがでしょう。
○政府委員(佐藤信二君) いま穐山先生おっしゃるとおりだと思います。
○穐山篤君 その点についてどういうふうに総理府としてはかじをとり、あるいは将来展望を開こうとしているのか、考え方が多分おありだろうと思うんです。その点を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(佐藤信二君) 総理府の方の役目というのは、いまおっしゃるように、こうした問題に関しまして関係省庁の連絡会議を開いて円滑な運営を図るわけでございますが、いまおっしゃるように、どういうふうに具体的にやるかというその点に関しましては、現在検討中ということしかお答えできません。
○穐山篤君 強く要望しておきますが、いま私が申し上げましたような趣旨から考えてみまして、後段の部分ですね、交付金の配分のあり方、それから施行権の問題、あるいは収益を均等化する問題、あるいはまたもっと考え方を広げていきますと、地方交付金ですね、国税三二%の問題も当然検討の視野の中に入れなければ問題が残る、こういうふうに思いますので、その点は強く要望をしておきます。
○政府委員(佐藤信二君) いま申したように、おっしゃることはよくわかりましたが、この問題が起きたと申しますか、答申が出ました時点と今日では行政改革またそれに伴う第二臨調の中間答申、こういうものを待つ段階でございますので、そういうこともあわせて検討したいと思います。
○穐山篤君 それでは農林大臣おりませんので、中央競馬会の理事長さんにごく初歩的な問題ですが、馬主さんの数ですね、あるいは調教師、調教師見習い、それから調教助手あるいは厩務員、助手といったような競馬会にはなくてはならない、それから騎手ですか、この現状を数字でちょっと明らかにしてもらいたい。
○参考人(武田誠三君) 厩舎関係の現状でございますが、現在馬主さんは、これは五十六年の四月一日現在で二千三百二十一名おられます。それから調教師が二百十一名、騎手が二百五十四名、それから調教助手を含めました厩務員が二千五百七十二名おります。そのほかに、騎手候補者という将来騎手になろうという意図を持って厩舎関係におります者が四十九名、以上が厩舎関係の関係者の数でございます。
○穐山篤君 候補者は九十四。
○参考人(武田誠三君) 四十九名でございます。
○穐山篤君 さてそこで、昨年の数字で結構でございますが、七五%は還元をされるわけですが、残り二五%の内訳ですね、できれば細かく、たとえば国庫納入、賞金——賞金にも多少内訳があるでしょう。それから競馬会、配分の率と金額をおっしゃっていただきたい。
○参考人(武田誠三君) 競馬会の収入と経費の関係の御質問だというふうに思いますが、昨年の勝ち馬投票券の総売上高は一兆三千六百三十億でございます。このうち、ほぼ七五%に相当いたしますものが払い戻しの返還金でございますが、これが一兆百十二億円でございます。それから国庫へ第一国庫納付金として納めましたものがほぼ一割でございます千三百六十億でございます。それから第二国庫納付金としましては、全体の剰余金の半分というものを国庫に納めておりまして、これが三百四十八億でございます。その残額がいわば諸経費に当たるわけでございますが、その経費の大きな内訳は、業務管理費といたしまして昨年は五百七十三億、それから競走事業費が五百四十六億、それから競馬事業費が六百七十四億、以上でございます。
○穐山篤君 賞金は去年お幾ら払われたんですか。
○参考人(武田誠三君) 昨年の賞金総額は三百七十五億でございます。
○穐山篤君 それから単純な計算で結構でございますが、既務員の平均勤続年数と平均賃金、それから賞金が調教師あるいは騎手に払われるわけですね、その場合、騎手はおおむね平均で年間どの程度、調教師にはどの程度賞金が還元をされているのか、この数字をお願いいたします。
○参考人(武田誠三君) 現在、賞金の三百七十五億のうちいわゆる進上金ということで調教師、騎手、厩務員の方にそれぞれ配分されておりますが、これが大体調教師の方には賞金総額のほぼ一割に相当いたします三十六億五千万円、これは実績の数字でございます。それから騎手にはほぼ五%に相当いたします十八億九千万円、それから厩務員の方にはこれもほぼ五%に相当いたします十八億三千万円が総体として支払われております。その結果といたしまして、平均をいたしますと、調教師には進上金の平均収入が千七百九十九万円、それに調教科八十六万円ほどが加わりまして、総額で昨年の年間平均収入は千八百八十六万円でございます。それから騎手は進上金が平均いたしまして一人約七百四十四万円、それから騎手賞というのが六万円余り、それから騎乗料が三百十万円、それから騎乗契約料が二百一万円で、総計いたしまして平均千二百六十三万円ほどに相なります。それから厩務員は平均して進上金が約七十二万円、それから厩務員賞が、これは一万円足らず、それから基本給が二百二十二万円、期末手当が七十七万円、そのほかの諸手当が五十三万円ほどで、合計いたしまして四百二十五万円ほどに相なります。それから厩務員の平均年齢は、ちょっと勤続年数がわかりませんが、平均年齢は三十八歳でございます。
○穐山篤君 いまお話がありましたように、調教師は千八百八十六万円、二千万円近い金ですね。それから騎手、スターはほぼ千三百万円と、それから厩務員は四百五十万円足らず。このことについて競馬会としてはどういう御感想をお持ちでしょうか。
○参考人(武田誠三君) 現在の競馬の全体としての状況からいたしまして、まずまずの収入ではないかというように考えております。
○穐山篤君 会計検査院にお伺いをしますが、私、昭和五十六年度の予算書及び五十五年度の予算書も一応中央競馬会のやつを持っているわけですが、その中で幾つか問題点ありというふうに見るわけですが、いまお話のありました厩務員の基本の賃金は、事業主が調教師になっているわけです。ですから調教師と厩務員の組合との間で交渉をして基本給七百四十四万円というものが決まる。ところがお話を聞いてみますと、その他の収入あるいは退職金などについてはその財源の出場所が調教師でなくて中央競馬会から出ている、こういうふうに思うわけですが、それはどういうふうに確認をされていますか。ちょっと検査院の方から……。
○説明員(中北邦夫君) いま先生のおっしゃいましたとおりでございます。一応確認しております。
○穐山篤君 あしたは天皇賞の日ですね。天皇誕生日は忘れても天皇賞は覚えているという人が多いようですが……。 それで団体交渉は西、東とも話がまとまって、あしたのレースにはいささかも影響がない状況になっていますか。どうでしょうか。
○参考人(武田誠三君) 東西とも労使の交渉はさきおととい妥結をいたしまして、明日の天皇賞レースには差し支えございません。
○穐山篤君 そこでいま検査院も確認をされたわけですが、労使関係というのは調教師と厩務員の団体で団体交渉をする。ところが退職金だとかその他一時金になりますと中央競馬会が顔をそこに出すわけです。これは農林大臣にもお尋ねをしなけりゃならぬですが、大蔵大臣にちょっと御感想を聞きますけれども、ある人件費は中央競馬会から出る、ある人件費は調教師会から出る、紛争が起きますとおれの雇い主はだれか、このことが問題になるわけですね。数年前に中央競馬会がどうしているんだというふうな世論もありまして、中央競馬会を含めて三者、四者が中に入って相談をしたといういきさつもあるわけです。これは特殊法人の立場から考えてみて、賃金は調教師または調教師会から金が出る、退職金はそうでなくて中央競馬会から出ておる、そういう予算書がこれに組んであるわけです。こういうものに対して大蔵大臣、財政処理上どういうふうにこれを考えることが正しいかどうか、あるいは妥当かどうか、これは労使問題を離れても問題があるというふうに思いますので、その点を明らかにしてもらいたい。
○参考人(武田誠三君) ちょっと補足して申し上げたいと思います。 厩務員の退職金原資につきましては、私どもの方から調教師会に調教師会助成金としていろいろなお金を出しておりますが、その中に退職金に引き当てられるべきものを助成金という形で支出をいたしております。これは本来調教師が厩務員を雇用しておるのでございますから、本来でありますれば全額、こういう助成というようなことなしに調教師の方から支払われるのが本来であるというように考えておりますが、昭和三十二年に厩務員の労働組合が結成されまして以来、労働条件の向上に関していろいろ要求が行われ、馬主あるいは調教師の方で負担できかねる部分がその当時ございまして、一部競馬会が助成をするというような形になったものでございます。この姿につきましては、できるだけ正常化するような方向で今後とも努力をしてまいりたいというように考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も競馬のこと余り詳しくわからぬのですがね、ともかく私がかつて農林政務次官をやったときにストライキがあったんですよ、厩務員のストライキが。それで馬主会が私のところに来まして、臨時手当みたいなものを何か出してくれぬかと、競馬会の方が。それは調教師が出すんじゃないかと、調教師は出せないと。ともかくレースができないという騒ぎなんで、おかしいじゃないかと、だったらもうレースやめたらいいよと、美濃部さんだってやめると言っているんだから、やめたってそれは構わないよとぼくは言ったことがあるんです。ところが、これはなぜ調教師に馬主会が言えないかというと、調教師の方が少し強いらしいんですね、力関係が。なぜかというと、結局その馬主というのは馬を預けていると。馬は本当にもう自分の子供みたいにかわいがっている人がいっぱいいるわけですから、子供を人質にとられているようなもんだと。したがって、ともかく調教師には余り文句言えないんだということを言った人があります。 そこで、調教師が本当に調教しているんならいいけれども、利権化しちゃってね、馬房を三十五だとか、やれ何ぼだとか言ってね、何かもう持ってこなきゃ馬房へ入れてやるとかやらないとかという騒ぎがあったことも事実、これは私は聞いているんだから。それで勢力のある馬房を持っている調教師と、勢力のない調教師とあるらしいんですよ。そこで、ともかくおれの世話した馬買ったやつは入れるとかという人もあったとかいうことでね、そんなことじゃいかぬと。調教師というのは調教するんじゃないのかと、これは朝早く起きて、四時ごろとか三時ごろとか行っていてね。ところが、三時ごろから行っていて調教している調教師というのは余り少ないというんだな。おかしいじゃないかと、それは。だから調教師というものは調教するのが仕事であって、馬房の特権の上にあぐらかいちゃいけませんよと、それは。そういうことを私は言ったことがあるんです、かつて十年ぐらい前の話だけれども。いまはよくなったかどうか知りませんよ、私は。知りませんが、大なり小なりはそういうようなうわさは絶えない、これも事実。したがって、私はやはりけじめはきちんとつけなきゃいかぬと、けじめは。もう調教師だけがうまいことをやっちゃうとかね、そういうことではやっぱりほかは皆見ていればおもしろくない。そういう点ではやはりけじめはきちっとつけてもらいたいと、私はそう思っております。
○穐山篤君 まあ私も大蔵大臣と同じ意見です。あと、農林大臣が後刻見えるようですから、その辺のまとめは別に行います。 それから、これが中央競馬会発行の「電話投票手帳」というものです、まあ御案内のとおりです。銀行に十万円定期で預託をする。その後列に貯金をして、その限度の中で券を買うと、こういう理屈になっているものです。 ここで競馬会にお伺いしますが、これはどことどこの銀行と契約をしてこのカードを発行しているのですか。
○参考人(武田誠三君) 原則としまして、電話投票をやっております地元の地方銀行を主にして取引をいたしております。
○穐山篤君 いまのところこの手帳の活用はおおむね五%ぐらいというふうに私は見るわけですが、その点いかがでしょう。
○参考人(武田誠三君) ちょっと御質問の趣旨を聞き落としましたが、全体の売り上げの中で電話投票が占めております金額は、ほぼ四%ぐらいに相なっております。
○穐山篤君 まあ競馬会としては、これの活用によって収益を上げると、あるいはまあノミ行為をできるだけ排除するために活用する、こういうお話は結構だというふうに思います。 ただ、まあ率直に申し上げて、いまお話のありました主として地元銀行を活用するようにというお話がありますが、まあ私どものところに要らざる情報が流れてきておりますので、十分に監視をしていただきたい。このことはただ要望だけにとどめておきたいというふうに思います。 競馬の話は後でまたもう一遍……
○参考人(武田誠三君) ちょっと銀行のことで補足さしていただきたい。 先ほど地元の地方銀行を中心というふうに申し上げましたが、電話投票をやっておりますところは、大分大都市が多うございますので、各都市銀行もそれぞれその地域に所在しております銀行は、従来との取引関係等からこれを取り扱っていただくようにいたしております。これは電話投票加入者の便宜のことも考えましてそのような措置をいたしております。
○穐山篤君 次に、電電の納付金の問題についてお伺いしますが、先日当委員会で参考人の二人の意見を聞いたわけです。一人の方は批判的な御意見、一人の方はまあ結果としてやむを得ざる措置だというふうに言われました。 その中で、気になります参考意見として次のようなものがあったわけですが、現在の電電公社の資産内容、経理、経営内容から考えてみて、四千八百億円プラス利息三千二百億円、合計八千二百億円程度のものであるならば、制度上の問題はあるにいたしましても電電公社の経営、経理内容をそれほど圧迫するものではないと、まあきわめてささいなものだというふうな参考意見があったわけですが、電電公社側の担当の方にお伺いしますが、その辺の理解は、認識はどんなふうに印象として受けられましょうか、その点からお願いします。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 ただいま先生のお話を伺っておりますと、それほど大した負担でないというお話があったということでございますが、私どもとしては、まあこの納付金、毎年千二百億、この四年間で四千八百億、大変厳しいものであるというふうに受けとめておるわけでございます。で、私ども公社としましては、まだまだ、今後加入電話の需給均衡を維持する、さらにまた新技術、さらに新商品の開発によりまして、よりよい電気通信サービスというものを提供していくという必要もございまして、そういった投資もしていかなければならないということでございます。 今回の納付金は、収支差額にできるだけ影響させないということで、資本勘定の支出で支払っていくという考慮をいただいておりますので、収支差額には影響は出ないわけでございますが、それでも五十六年度は九百三十八億の収支差額でございます。今後、これもどうしても支出がかさんでまいりますので、非常に厳しい状態を予想されております。したがって、私どもも、今後は相当経営の合理化、収入の確保、支出の削減ということで全力を挙げて企業努力をやっていかなければならないというふうに考えております。特に、やはりこれに伴います資金調達というものが大きな問題になります。収支差額が減るということによりまして自己資金が減ってまいります。さらにまた、過去に、四十七年から五十年、このあたりに一番大量の加入者開通をやりまして、それの債務償還がちょうど五十八年度以降に相当ふえてくるというような状況もございます。さらにまた、五十七年度末で拡充法が切れるというようなこともございまして、この資金もそれにかわりましてやはり自前で調達していかなければならないというようなこともございまして、資金調達が非常に大変な状況になってくるということもございます。したがいまして、やはりどうしても企業努力をいたしまして収入の確保、さらに支出をできるだけ抑制する施策を講じ、全職員の協力を得て進めていかなければならないというふうに考えておりまして、私どもとしては何としてもそういうことで今後は努力していきたいというふうに思っているところでございます。
○穐山篤君 参考人の意見は参考人の意見として私ども聞いたわけですが、電電公社の経理、経営内容というものを熟知して、その上でいざさかもこれは電電公社に影響がないという御発言なれば私どもも了解をいたしますが、どうもそうではなさそうな感じです。 そこで、さて具体的にお伺いしますが、昭和五十九年まで、言いかえてみますと、四千八百億円を納入するまでの間の電電債の償還ですね、これおおむねどういう計画になっているんでしょう。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 五十六年度は債務償還は五千五百八十一二億、これは昭和五十四年度末の債務確定額でもって計算しております。それから五十七年度末が五千七百四十四億、それから五十八年度が六千五十一億、五十九年度が六千五百六十三億ということでございます。
○穐山篤君 電電債の発行も年々ふえているわけですから、当然償還もそれに伴ってあるわけですが、このお話でいきますと、昭和五十六年五千億から五十九年には六千億円の台に乗ると、こういう感じですね。
○説明員(小川晃君) 御指摘のように、年々累増の方向にございます。
○穐山篤君 その次に問題になりますのは、新製品の開発を行うということと、それから合理化によって歳出をできるだけ詰めていく、こういう二つの努力があるわけですが、そこで新製品の開発について、この間、研究所に行きましたところでは、光方式と言うんですか、こういうものを見せていただきましたけれども、それを含めて最近の新製品の開発、あるいは事業計画の特徴点を明らかにしてもらいたい。
○説明員(岩崎昇三君) 先生おっしゃいましたことを私なりにちょっと理解ししていただきたいんですが、新しい技術と新しいサービスというふうに理解してよろしゅうございますか。—— 新しい技術と申しますと、電電公社といたしましてといいますか、世界的に通信網のディジタル化という方向が打ち出されておりまして、これは二十年あるいは三十年ぐらい後には、通信網というものが全部ディジタル化される、そういうことによりまして、たとえば電話をかけながらファクシミリを送り、あるいはデータ通信をどういうふうにやっていくというようなサービスが世界的なレベルで完成されるということが言われております。そのディジタル化のための技術といたしまして、ただいま先生がおっしゃいましたような光ファイバーとか、あるいはディジタルの交換機とか、そういうふうなものを積極的に研究開発を進めております。 なお、いまのは電気通信網設備に係るものでございますが、その設備を利用するのに、いわゆる電話機というものも端末の一つでございますが、各種の端末があるわけでございまして、電話についてもより便利に集中電話とか、あるいはファクシミリ、データ端末というふうなものにつきまして積極的に開発を進めているという情況でございます。 それでサービスでございますが、このサービスにつきましては、現在でも電話を便利に使っていただくということで、プッシュホンなり、キャッチホンなり、あるいはビジネスホンあるいは福祉用電話というようなものも提供しておりますけれども、さらにいろいろな電話サービス、たとえば二重番号制と申しますのは、二つ番号がありまして、夜、利用者の方がこの番号の方の電話だけ受け付けるというふうなことでそれをつけられるとか、あるいはクレジットサービスと申しまして、何といいますか、特別な番号を加入者の方がお持ちになっておりまして、それでたとえば、東京の方が大阪にいるときに、かけたときにお金を持っていなくても、料金は自宅といいますか会社といいますか、そういうところに課金されるとか、あるいは着信電送というようなことを言いまして、どこかに外出しているときに外出先が明らかになっているというようなもののときには、自宅にかかってきました電話を外出先にそのまま自動的に転送する、これは一例でございますが、いろいろなサービスを開発してやっていきたい、こういうふうに思っております。 そのほか、やはり情報化といいますか、これは特に、主として企業活動になるわけでございますが、情報化が進んでおりまして、ファクシミリ通信、データ通信というようなものが非常に需要が熾烈でございます。したがいまして、電電公社といたしましては、データ通信の基本的なサービスであるというふうに考えましてDDX——新データ網サービスと言っておりますけれども、そういうものを開発しておりますが、そのようなものを全国的にできるだけ早い時期にサービスを提供できるようにしたいし、ファクシミリ通信で、やはり現在ファクシミリ通信というのは非常に発展しておりますけれども、これがやはり相当高額なものになるということで企業サイドで主として使われているわけでございますが、これを、企業と申しましても、中小企業あるいは御家庭でも使用し得るようにということで、ファクシミリ通信の大衆化というようなことを目指しましたファクシミリ通信網サービスというようなものも、現在サービスを開始すべく郵政省にお願いしている段階でございます。 また、自動車電話サービスというような移動通信サービスにつきましても、これはまだ東京とか大阪でサービスを開始している段階でございますが、これらにつきましても新たな情報といいますか、新たなメディアということを考えまして、そのようなものにつきましても全国的にサービスを拡大していきたい、このように考えております。
○穐山篤君 いまのお話は事業計画の前向きのお話でしたが、いわゆる合理化節減をする、節約をするという分野ではどういう点を考えられていますか。
○説明員(岩崎昇三君) 合理化といいますか、経費節減というのは二通りあるわけでございまして、一つは資本経費の節減でございます。これは先ほど申し上げましたディジタル交換機とかあるいは光ファイバーとか、こういうような技術と申しますのは、全部現在の電話サービスそのものにつきましてもコストを低減するということになりまして、資本経費の節減のための新技術にも当たるわけでございます。 もう一点は、やはり業務の運営形態を合理化いたしまして、できるだけ少ない人間で今後も増大する設備というものを運営していかなきゃならないということでございますが、それにつきましては、単に人間だけのやり方を変えるということではなかなかうまくいきませんで、それに伴ういろいろな新しい技術を開発いたしまして、たとえば現在の状況では人間がいなければ保守できないというようなものを、無人でも保守できるようにするというようなことが必要なわけでございますが、それらにつきましては具体的には現在検討中でございまして、ただいまこれによってこうなるということは申し上げられない段階でございますが、近々それらにつきまして総合的に検討を進めていきたいということで、いま現在検討中でございます。
○穐山篤君 郵政省にお伺いをしますが、去年の十二月に学者がいろいろ集まりまして、いわゆる「活力ある分権的情報社会へ」という研究の結果を発表されておりますが、これに対する御感想はいかがでしょう。
○説明員(二木實君) お答え申し上げます。 先生御指摘の御意見というのは、今井先生の政策フォーラムのお話かと思うんでございますが、私ども今井先生からも直接にお話を伺いまして、確かに先生のおっしゃるような民間の活力を利用するこれからの社会というものも考えにゃならぬというふうに認識しておるわけでございますが、郵政省としましては、去年の十月に、郵政大臣の私的諮問機関としまして電気通信政策懇談会というものを設けたわけでございます。ここで約二十五人の各界の有識者の先生方に集まっていただきまして、今後の電気通信はいかにあるべきかということで、電気通信政策に関しましての御意見をちょうだいし提言をいただくということになっておりまして、その懇談会にも各界の御意見を反映しながら、いろんな御提言をまとめていただくということで、いま三回会合を持っていただいたところでございますが、八月には一応の中間的な御報告をいただくという段取りになっておるわけでございますが、この御提言をいただきまして今後の政策について進めていきたいと思っておるわけでございます。
○穐山篤君 民間の電気通信関係の経営陣から、いま電電公社が行っております各種事業について、電電の仕事を民間にもらいたいあるいはよこすべきだという意味で、たとえば末端機器の自由化の問題であるとか、あるいはデータ通信回線サービスの利用のあり方について法律の改正を行って制限を緩和をしろというふうな話も聞くわけですが、そのことについてはどういうふうに郵政省では政策的にお考えでしょうか。
○説明員(二木實君) お答え申し上げます。 ただいまの私御説明いたしました懇談会でもいろいろな御提言があると思うわけでございまして、ただ、電気通信そのものを見ますと、やはり中核になるべきなのは電電公社の役割りと思うわけでございますが、電電公社の役割りと、そしてまたこれからの民間の活力をどう生かすかというような二つの問題につきまして、私どももいろんな各界の御提言を聞きながら政策をつくっていきたいと現在思っているわけでございます。ただいま具体的にこうこうということを申し上げる段階に至ってないわけでございます。
○穐山篤君 いま民間の経営陣の方から直接法律改正の申請は出ているかどうかわかりませんけれども、将来展望として、いま電電公社が持っております機能というものが、一部にしろあるいは部分的にしろ、民間の分野に委譲するあるいは民間の活力を採用するというふうなことは当然予想されるような感じがしますが、その点いかがでしょう。
○説明員(二木實君) お答えいたします。 非常に大きい問題でございまして、現在の電気通信、ネットワークそのものはやはり何と言いましても電電公社が提供すべきものであろうと私ども思っているわけでございます。また、国民の生活上欠くべからざるものになっております電話のサービス、これも一元的に電電公社が提供すべきものであろうと思うわけですが、現在電信電話以外の新しいサービス形態としましての情報通信というものが非常に大きなウエートを占めつつあるわけでございまして、これが従来の電信電話というような法規制の中では律し切れないものが新しいサービスで出てきているわけでございます。そういったものをどうとらえ、どう規律していくかという問題、非常に大きな問題でございまして、先ほど来申し上げておりますように、懇談会での主要テーマになっているところでございまして、各界の御意見を伺いながら、将来の電気通信、国として、そしてまたデータ通信となりますと情報ということでいろんな意味でのむずかしい問題も生じてくるわけでありますが、国の安全ということも一つはやはり考えにゃならぬかと思います。そういったものを踏まえながらこれからの電気通信政策を誤りなきよう対処していきたいと思っているわけでございますから、将来どういうふうに民間が入ってくるかという問題につきましては、私どもまだこういう席で完全に自由になっていろんなものが入ってこれる、どういったものかというようなことを申し上げる段階に至っておりませんので、八月の提言を受けました後至急そういったビジョンをまとめてみたいと思っているわけでございます。
○穐山篤君 現段階ではそこの分野についての研究まで入っていないと言われればやむを得ないことですが、電電公社の経営に相当影響するような問題点が出てくるのではないだろうかということを私は一方では懸念をするわけです。平たく言うならば、民間の活力を十分に取り上げるということも大切だと思うんですけれども、ようやく電電公社がいろんな努力をされて、収支差額というものを積み上げてきた実績というものがあるわけですね。いよいよ花が咲いたところで、後は民間でいただきというふうなお話になったんでは、今日までの努力というものは十分に報われないという、そういう気持ちがするわけです。それと同時に、電電の経営あるいは経理内容をながめてみますと、今回の八千二百億円の借財を抱えますと、電電公社としては大変な問題になるわけです。そういう意味で民間の活力と電電の経営のあり方というものを考えないわけにいかないわけです。その意味でお尋ねをしたわけですが、十分なお話が聞けません。それは時期的な意味だろうというふうに理解をいたしますが、われわれとしてはそういう認識があるということを十分に考えていただきたいというふうに思います。 あとの政策的な問題は大臣が見えましたところでまとめてきちっとさしていただきたいと、こんなふうに思います。 それでは、また財源確保の基本的なところに戻ります。 私は、当委員会でも再三増収対策について私見を申し上げました。そのうちの一つの課題としまして、税制そのものが国民全体が納得するものである、少なくとも不公正税制はないようにしなければならぬと、こういう一つの主張もしてまいりましたが、もう一つは運用の問題、徴税に当たっても不均衡や不当なことがないようにということも指摘をしてまいりました。 その立場からお伺いしますが、昭和五十五年分の確定申告についての状況が大蔵省から一昨日発表になりました。この数字を概況で結構でありますから明らかにしてもらいたい。
○政府委員(梅澤節男君) 先般国税庁が五十五年分の所得税の確定申告の状況についてあらましの集計をしたわけでございます。 その結果でございますけれども、五十五年分の所得税の確定申告の納税人員は五百九十四万二千人、所得金額は二十二兆六千五百十八億円、申告納税額は二兆三千六百三十五億円。五十四年分と比較いたしますと納税人員で約四%の増、所得金額にいたしまして約一〇%の増、申告税額につきまして約八%の増加という結果になっております。そのほか還付申告書が提出されておりますけれども、確定申告を提出されました人員は四百八十五万七千人でございまして、五十四年分に比較いたしまして一一%増加をいたしておるということでございます。 各申告内容の詳細につきましてはただいま国税庁の方で分析をいたしておりますが、大要を申し上げますと、まず農業所得につきましては五十五年七月以降のいわゆる冷夏と言われる異常気象の影響、そのほか水稲につきましては御承知の生産調整がさらに進められておるということでございまして、五十四年分と比較いたしますと、所得金額それから納税人員、納税額とも減少をいたしております。それから事業所得、いわゆる営業所得でございますが、営業所得につきましても御案内のとおり五十五年後半から景気に若干のかけり現象が見られたということでございまして、申告納税額は前年度に比べまして六%の増ということでやや低調である。そのほか自由業の所得でございますが、これにつきましては申告納税額が対前年に比較いたしまして九%の増ということで、総体といたしましてやや低調であるということでございます。ただ所得の種類別の詳細の分析につきましてはなおこれから若干の時間をかけまして検討しなければならない問題であると考えております。
○穐山篤君 昭和五十五年分、それから昭和五十四年分、昭和五十三年分というものを、ここ二、三年比較をして五十五年分について特徴がありますね。その点は大蔵省はどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 御指摘になりましたここ二、三年の確定申告の状況と比較いたしまして五十五年分の特徴ということでございますが、詳細につきましては先ほど申しましたように、所得種類ごとの分析というのは今後若干の時間をかけなければならないわけでございますけれども、全体の姿といたしましてやや低調であるというふうに考えております。
○穐山篤君 農業の場合は冷夏による影響、天候の影響ということも十分にわかります。それから農業機械の購入、その他肥料などにつきましての経費の問題もややわかるような気がします。しかし業種別に見まして、冷夏に影響を余り受けない、それから好不況という経済的な背景に余り影響を受けないお医者さんの所得、収入という問題については、どうも今回の確定申告の状況を見ますと、不審を持たざるを得ないと思うんです。大蔵省はその点どういうふうにお考えでしょう。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほどお答えいたしましたように、各所得別の五十五年分の特徴といいますか要因分析につきましては、国税庁と共同いたしましてなお若干の時間をちょうだいしなければならないわけでございますけれども、ただいま御指摘になりましたいわゆる医業所得についての問題でございます。 医業所得の問題につきましては、五十四年に、御案内のとおり社会保険診療報酬課税の特例の法律改正がございました。五十四年分、五十五年分につきまして、五十五年分についてはこれからの詳細な分析が必要でございますけれども、基本的な傾向といたしましていわゆる青色申告がふえておる。同時に、お医者さんの中で従来特例適用を受けられておりました方が実額申告に移っておられるというふうな申告体制の中で若干の構造的な変化が起こっておるんではないか。それが全体の申告所得の伸びなり、申告税額の伸びにどういう影響を与えているかというふうな点につきまして、今後なお実態を調査いたしまして結論を見出していきたいというふうに考えております。
○穐山篤君 大蔵大臣、私は先ほども二つの面から問題の提起をしてあるわけですが、今回の確定申告の状況を見ましてまだ私は細かいところまでよくわかりませんけれども、一般論として非常に不思議に思っているんです。これは五十三年、五十四年、五十五年を比較してみますとかなりの地殻変動が起きている。平たい言葉で言うならば、合法的な節税を、中には脱税というものが非常に含まれているというふうに見ざるを得ないんです。こういうものを放置をしておきますと、今後の納税という問題に非常に悪い影響を与えるというふうに私は思うわけです。その意味で一応確定申告状況が明らかになったわけですが、それをきちっと査察する必要があるだろう。そうしませんと、少なくとも五十九年までの財政再建への国民の協力という問題もいささか影響なしとしないというふうに思いますが、その点いかがでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは取るべきものを取らないで財政再建と言っても、それは支障になるのはあたりまえでございます。したがって脱税は徹底的に摘発していかなきゃいかない、基本方針はそのとおりであります。 それから医者の問題につきましては、七二%控除というのが五千万円以上はなくなったために、収入が仮に同じぐらいの年であったとしても、二割もそれ以上も所得がどんとふえたという人がいっぱいあるわけです。その人たちが要するに医療法人に切りかえるとか、あるいは中には第二薬局をつくるとか、あるいは静岡県あたりでいっぱい出たそうだが、法人窓口で税金対策をやるとかというようなのがあらわれたと。その中で医療法人を抑える方法はありませんね、これは。公法でちゃんと認めているわけですから。 それから、第二薬局問題というのは、これは要するに薬価基準との乖離が多過ぎるからそういうことやるわけですからね。薬価基準を適正に切り下げれば自然消滅しちゃうんです、第二薬局というのは。これも法律上田税の方で第二薬局つくっちゃいけないよということはなかなかできない。 それからもう一つはリース会社。要するに税率が六割とか七割とかということになるんならば、法人にしてそれで四割何分かの税金で済むんならこれの方がいいということで、病院その他を全部今度はもう借り物ということにしまして、そこで結局経費で落とす。これも法律上抑えるったって抑える方法はなかなかむずかしいんじゃないかと、そう思っております。 したがって問題は、その医療法人という形を余りむずかしくしているからこういうふうないろんな跛行的な問題が出るんだから、それは厚生省の方で医師会と相談して、医業と経営の分離はきちんと認めるものは認める、正常に納めるものはきちんと納める。そのかわりインチキの架空請求や水増し請求は断固鉄槌を下すというけじめをきちっとつけてもらわなきゃ困る、そういうように思っております。
○穐山篤君 三つの分野の問題は、最後に三人の大臣がおそろいになったところでやりますので、私は一たん質問をこれで中断をいたします。御了解を願います。
○塩出啓典君 それでは大蔵大臣にまず最初にお尋ねをしたいと思いますが、先ほど穐山委員から質問がありましたように、総理は昨日の第二臨調の会合で、五十七年度増税をしないのみではなしに、五十九年度まで増税のない財政再建に努めたいと、こういう発言をしておるわけであります。五十七年度の増税をしないというときも、総理大臣はかっこいい発言をするけれども、現実に第一線で苦労する大蔵大臣は、総理の発言とは違ったやや慎重なニュアンスの発言をされてきたわけでありますが、昨日の総理の発言についての大蔵大臣の御見解を承っておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはできることならばということじゃないかと、私は別に指示をされているわけじゃございませんので、新聞に見た限りのことで、よく調べてみると何か条件がついているように考えています。それは、問題は何も税金を取るのが目的ではなくて、税というのは必要な財源に充てるためにやむを得ず国民に御負担をいただくわけでございますから、それらの支出がなければ、なくて済むならば新しい税を考える必要はないんです。ですから、問題は支出増を抑えることができるかどうかということが一つと、今後の経済の運営がどうなのかと、本当に経済拡大していって現行税制の中でも支出を賄って十分で、なお赤字国債からの脱却をするだけの財源も取れるというような経済運営がうまくいけば、それは増税の必要はないわけですから、ですからこれは先の経済情勢を見なければ何とも言えないという問題で、なるべくは増税をしないでまず支出の切り詰めで極力やってみようということではないかと私は思っています。
○塩出啓典君 だから余り人ごとみたいに言わないで、行政改革もしまた経済の成長も保ち、やっぱり増税をしないで済むように最大の努力をすると、もし総理がそういう方針ならば鈴木内閣の大蔵大臣としてもその方向に努力をすると、こういう決意と承っていいわけですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもう増税をしないでやれるように、最大限の努力はやってみます。
○塩出啓典君 そこで、中曽根長官にお尋ねをしたいわけでありますが、今年度も、この法案で審議をしておりますように、いわゆる税外収入の増収に努めたわけでありますが、今後増税なき財政再建をしていくためには、五十七年度だけ見ましても要調整額、いわゆる大蔵省の「財政の中期展望」では二兆七千七百億円の要調整額があるわけで、現実の問題として行政改革だけでこれを出すということは非常に至難ではないか。したがって、今年度のいま審議しておりますこの法案の内容のような税外収入の増収ということにも、私は政府としてはかなり力を入れなければいけないんじゃないか、このように思うわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 同感でございます。国はあらゆる努力をして歳出のカット、歳入の増加に努めるということでございましょうが、税に頼らないということになりますれば、納付金あるいはそのほか国有財産の売却等々税外収入の把握にも努めなければならぬと思います。
○塩出啓典君 そこで、先ほどの長官の御答弁では、今回特殊法人等も全部調査をし、二十一を選び、その中からさらに厳選をして今回の法案になったと、このように穐山委員の質問に対して答弁があったわけであります、しかし、この法案ができたときよりもさらにその後に、総理が五十七年は増税をしない、さらにはその後も増税をしない、こういう点から考えると、私はさらにそういう税外収入の確保にも政府として力を入れていくのではないか、そういう点を心配するわけであります。 確かに、本委員会における質問でも、たとえば日本競馬会等はかなり経済的にも豊かではないか。それは電電公社を見ましても、いま国が歳入の二六・二%を国債に依存をし、また歳入の二倍に近い累積の国債を持っておる。そういう点に比べれば、競馬会にしても電電公社にしてもその他にしても、これはもう本当に雲泥の経理内容の違いがあるわけで、同じように苦労すべきではないかという論理から言えばもっと取ってもいいんじゃないか、こういう意見もあるわけであります。 私はこの際、今後電電公社、中央競馬会等からこれ以上の国庫納付金を求めることはないのかどうか、そのあたりを行管庁長官と大蔵大臣から承っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは予算編成の面から見まして来年度とうなるか、再来年度とうなるか、その翌年度とうなるか、毎年毎年単年度でやっていくものでございますから、いまから予断することあるいは確約することはむずかしいと思います。しかし総理の一般的御方針、強い願望として先般来の御発言が強くあったわけでございまして、その線に向かって私たちは全力を傾倒していくべきものと心得ております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も予断を与えるようなことは差し控えます。
○塩出啓典君 ということは、これ以上取らないということはないとは断言をしないわけですから、そういう可能性もあると、このように理解をせざるを得ません。 そこで、私は経営努力をして、日本競馬会にしても電電公社にしてもそれぞれ経営努力も一生懸命やってきたと思うんですけれども、経営努力をして余剰金が出ると国に取られやしないか。一方たとえば、赤字国鉄等においてはほかにもいろいろあるわけですけれども、そういうところは国から財源を取ってこなくっちゃいかぬと、こういうことではやっぱり私は経営努力の意欲が失われるんじゃないか、そういう点を非常に心配するわけでありますが、そういう点はやはり行政の能率化というものを常に監督をする長官としてはどういう配慮をしていくつもりであるのか、これを伺っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は塩出さんと私も同感でございまして、公社、公団をつくった趣旨の中には民間のいいところを入れようと、それは経営努力の成果が従業員そのほかに還元すると、メリットシステムと、そういう民間のいいところをできるだけ入れようと、あるいは経営について弾力性を持たせようと、そういうような配慮でああいう機構もできているものだろうと思いますし、一部はそういう配慮がなされておるところであると思っております。競馬会の納付金等についても一次、二次と分けてあるというのはやはりそういう配慮もあるのであろうと思います。そのほかの特殊法人についてもそういう配慮がおのおのなされているものもございます。 したがいまして、そういう精神はあくまでわれわれは持続してまいりたいと思いますけれども、何せ現在当面している国の財政状況というものはほぼ危機的状況にございます。そういう状況から臨時特例措置としてこの際はぜひとも国家に協力願いたい、そういう意味でお願いをしておるのでございまして、この国の状況も考えて政府関係機関である公社、公団の皆さんも御協力いただきたいと期待しておるわけなのでございます。
○塩出啓典君 本来は、電電公社にしても日本競馬会にしても、やはり余剰金が出ればこれは競馬の場合にはファンに還元するとか、先ほど穐山委員の方からも御質問がありましたように、厩務員とかあるいはまた競馬のために迷惑する関係自治体とかそういう方面に還元をすると、また電電公社の場合だって、たとえば長距離の通信はわが国は世界一、一番高い、あるいはまだまだ全国的には電話がすぐつかないうんと高いお金を出さなければ電話をつけてもらえないそういう区域外もあると、あるいはまた協力してきた従業員の方々や関連企業への待遇もよくしていくとか、そういうものが私は本来の筋じゃないかと、それを今回は国家財政の危機のときに臨時特例として公社あるいは競馬会その他にもお願いをしておるんだと、私はそのように理解をしておるわけでありますが、大蔵大臣はそういう理解一緒でございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は必ずしもそうじゃないんです。確かに競馬なんかの場合は一つの見方として、だったらファンにもっと返せと、何といいますかな、もっとファンに返せということでしょうね。そういうことは一応言えるかと思います。しかし、馬主に返せとか厩務員に返せとか、それから調教師に返せといいましても、問題は所得水準の問題であって、要するに独占的な企業としてほかの人にやらせないわけですから、政府は。したがって、独占企業の中だけ待遇をいっぱいよくしちゃうと、国家公務員なんかとかけ離れてよくしてしまうということになりますと、これまた問題が実はございます。したがって問題は、厩務員の給与が低くてそれじゃ調教師の給与は高いのかと、調教師が低くて厩務員が高いというのではこれはおかしな話になってくるわけでありますから、そういうことになりますと。したがって、私それらとの関係も全部合わせて考えなければならぬではないかと、そう思っておるわけです。しかし、いま中曽根長官から言ったように、こういうような危機のときですからギャンブル税までも取ったらいいじゃないかという御議論さえもある世の中ですから、私はこの際は競馬ファンにお返しをするということでなくて、要するに特別積立金の中から実質的には百五十億か二百億よけいに納めるという話ですわね、競馬の関係では、何百億かの積み立ての中で。それぐらいのことは御協力をしていただきたい、こう申し上げているわけです。 電電の方にいたしましても、これは電話利用者に限る、これは一つの理屈として私はあっていい理屈だと思うんですよ。しかし現実には、もう国民の世帯数七割以上が電話に加入しているというような状態で、四千万台ですか入っておるわけですから、もう大部分の国民というものが電話に加入しておる。国民に返すのも増税をもっとしなければならぬかどうかという時期ですから増税のかわりにその一部分を、国民に返すかわりに電電公社が持っているものを電電公社がやりくりをして国家に納めてくれるということも、これは政府は取り上げちゃったといっても、取り上げるんじゃなくてそれはそのままストレートに社会福祉とか文教とか防衛とかいろんなものにストレートに増加分だけ配分するわけですから、どっちにしても同じようなことだということならば、私としてはやはり大所高所から見て電電公社の経営の、それによって危殆に瀕するとか、えらい苦しくなるとかいうような状況ではございませんので、この際はまあ皆さんも増税で国民は直接的に御負担をいただいておるんだから電電公社もたまには、税金を払ったことないんだから今回はひとつ御協力をそういう意味でお願いをしたい、こういうことでお願いをしておるわけであります。
○塩出啓典君 私はいまそういうようにみんなに配分しろということは言っているんじゃない、筋論を言っておるわけでね。だからそれは、電話料を公社が長距離を安くするとかあるいは過疎地域の電話のつかない区域を少なくするとか、そういうように使わないで国が吸い上げて一般会計として出せば一緒じゃないかという、それは意味はわかりますけれども、そういう感覚がよくないんじゃないか、やっぱり物事の筋は筋として私は言っておるわけなんですよ。 そこでやっぱり、今回は臨時特例として協力を求めておるんですから、だからその点は私もやむを得ないと思うわけでありますが、しかし財政再建の暁には、たとえば中央競馬会の払い戻し金を、現在七五%だそうでありますけれどもこれを八割にするとか、やっぱりこの競馬会から国庫へ入る納付金も言うなれば競馬のファンの人の協力にもよっておるわけですから、そういう意味で財政再建の間は大変だけれども、その次には夢があるんだと、一歩明るい見通しがあるんだという、それぐらいやっぱりここで約束した方がいいんじゃないかと思うんですが、その点競馬会の理事長さんのお考えどうですか。法律あるわけですけれども、それはいろいろそうなるには問題あると思うんですけれども、そういう考えはどうでしょうか。
○参考人(武田誠三君) 日本で特殊法人としまして競馬を、独占的にいわば中央競馬をやらしていただいておるわけであります。したがって、法律の定めるところによってお国に納めるものはぜひ納めていくというのが私どもの当面の義務であると心得ております。 将来の問題といたしまして、ファンへの払戻金をどうするかというようなことについては、これはほかの公営競技との関係も全部出てまいりますので、すぐ簡単にこうした方がいいということも言えないと思っております。ただ、現在の七五%の払い戻しというのは、世界の競馬施行をしております国の中では最も高い二五%の控除率でございます。多くの国が八割ぐらいをファンの方へ戻しておりますので、将来の検討事項としてはぜひ検討してみていただきたい問題ではあるというふうには思っております。
○塩出啓典君 農水省はどういう考えでしょうか。農水大臣はまだお見えになっておりませんけれども。
○政府委員(森実孝郎君) 私ども、やはり利益が上がった場合、それは二号納付として二分の一はこれからも納付されていくわけでございますが、できるだけその利益をファンに還元するという意味で、やはりスタンドの整備とか場外馬券売り場の整備とか、そういったファンサービスのための投資、あるいはサービスシステムの整備ということに投資していくことは必要だと思っております。 しかし配当率を上げるという問題につきましては、私はやはり、いま理事長からもお話ございましたが、他の公営競技もすべてほとんど七五という形で行っておりますし、それとの均衡もあると。そういった点で、やはり状況が許し、全体としてそういう論議が行われる中では、私どもも将来は必要な場合もあり得ると思っておりますが、当面の問題として、なかなかこの引き上げということは問題があるのではないだろうかと思っております。
○塩出啓典君 ひとつ時間もございませんので、特に競馬会に対しましては、今回こういうように特別な国庫納付金を出していただくことになったわけでありますが、今後とも余剰金を出すと国に取られるから余り出したくないとか、そういうような考えではなしに、ひとつ経営努力にも大いに努力をして、第一、第二の納付金を大いに出して、ひとつ国の財政にも協力できるように今後とも努力をしてもらいたい、そのことを強く要望をいたします。 それから、これは予算書の見方の問題でありますが、この日本競馬会からの納付金について先般矢追委員も質問をしたわけですが、第一、第二の納付金のうち、第一納付金は予算書に載っておるが、第二納付金は五十六年度は特別として、それ以外は全然載せていないわけであります。税収も、やはり一つの確定はしていないけれども、予算書に税収の見積もりを出すわけですから、それと同じように第二納付金も予算書に載せるべきではないかと、これは財源隠しととられても仕方ないんじゃないかと。これは五十七年度からぜひ載せるのが私は筋ではないかと思う。その点はどうですか、載せますか。
○政府委員(西垣昭君) この問題につきましては、五十五年度までは剰余金がどの程度出るかわからないということで、第一納付金につきましては計上はしておりましたが、第二納付金は計上していなかったわけでございます。あのときにも答弁いたしましたように、もし五十七年度、五十五年度と同じような状況になれば、私どもは五十五年度と同じような予算の計上の仕方がよろしいんではないかというふうに考えていたわけでございますが、あのときにも御意見がございましたので、五十七年度の時点でこれは農水省とよく御相談をしながら検討したいというように考えます。
○塩出啓典君 電電公社は、昭和五十一年度に御存じのように基本料金を二倍、それから通話料は七円から十円の値上げをしたわけであります。その当時は、昭和四十九年から五十年までの四千九百億円の赤字を埋め、さらに五十三年度までは赤字をしないということで値上げをしたわけでありますが、それ以来値上げなしで、しかも一方経営状態がかなり好転をし、今回国に臨時国庫納付金を納入してもらうようになったわけでありますが、そういう原因はどこにあるのか、これを電電公社から、簡単で結構ですから。
○政府委員(守住有信君) お答え申し上げます。 五十一年度に実施いたしました電信電話料金の改定というのは、その背景に第一次オイルショックがあったわけでございますが、当時の経済事情を背景といたしまして、公社の財政基盤の確立を目的といたしまして国会の御審議の結果決定されまして、ほぼ計画どおりその後推移しておるというところでございます。その後、景気の状況と申しますか、あるいは物価の安定、人件費の安定と、こういうものが一方では機能いたしておりますし、さらに情報化社会に向かっての通信需要の増大というものがございまして今日のような状況にありますけれども、またその間、公社自身の経営努力と申しますか、あるいはまた技術開発力に応じた新しいサービス、新しい商品の開発、こういうものによりましてその収益状況もよかった、このように認識をいたしておる次第でございます。
○塩出啓典君 まあ私は、そういう公社の努力もさることながら、やはりやや過大な投資の見積もりではなかったのか。というのは、その三年間にたしか七百七十万の電話がつくという計画で、四百七十万しかついていない。電電公社と言えば、あらゆる情報を握る日本の情報センターのような電電公社が、将来の投資の見積もりにおいてこのような、七百七十万が四百七十万になるような、こういう見積もりを出すのは非常に私は見込み違いにしてはちょっと多過ぎるなと、こういう感じがするわけでありますが、これは郵政大臣としてはどういうお考えですか。
○政府委員(守住有信君) 当時はオイルショック直後の状況でございまして、いろんな計数の見通しと申しますか、たとえば物価の推移、あるいは人件費の推移、あるいは需要の見通しというものが非常にむずかしかったわけが一番大きな背景にあるわけでございますが、その後におきまして国の需要管理政策と申しますか、経済政策のよろしさというものと、国民の多数の方々がオイルショックに耐え抜いて賢明な対応をしてこられたというふうな面からも、その公社当局の見通しとの誤差が出た、このように認識をしておる次第でございます。
○塩出啓典君 これはまた次の機会に譲ります。 積滞も解消し、自動化もほぼ終わったわけでありますが、今後の公社の経営の見通しはどうなのか、今回この四千八百億を納付するというのを前提にした場合、五十九年度までを考えた場合経営が非常に悪化する要因はあるのかどうか、どういう点を心配しているのか、これを伺っておきます。
○政府委員(守住有信君) この点につきましては、電電公社御自身としても五十九年までの経営状況、特に収支面での見通しにつきましていろいろ御検討されておるところでございますけれども、私どもといたしましては、まず損益の面につきましては納付金の金融的費用が加わる、これが第一点でございます。 それから他方では、この納付金の問題と別個で、いまいろいろ御指摘にありましたような利用者に直接還元をする、料金の値下げの中で直接還元をするということで本日も逓信委員会の参議院の方で、公衆電気通信法の一部を改正法案御可決いただいたわけでございますけれども、その中で、御指摘のような五百キロ以遠の特に遠距離の料金の値下げ、あるいはまた日曜、祝日に関します昼間料金の割引制度の導入、この方面でのインパクトも大きく出てこよう。しかし、それは公社自身としてはやはり料金がどうあるべきかということの展望の中で、これに対しましての経営努力というものをやっていかなきゃならぬことではないかと思っております。 他方また、今後の電気通信社会というものの発展性を考えました場合、それに対応した投資というものがございますので、納付金の資本勘定の関連との問題で公社自身の資金調達というものが非常に大きな課題になる、これを資金調達の量的、質的な面での手段の多様化の中で公社自身も努力をしてもらいたい。また国といたしましても、財政当局とも御相談しながらこの側面からの御支援というものも考えていきたい、このように考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 郵政大臣にお願いをしたいわけでありますが、先ほど競馬会にも要望したと同じように、経営努力をして余剰金を出すと国に取られるから余り出さぬ方がいいとか、そういうことではなしに、また四千八百億国へ納めたんだから値上げをするのはあたりまえだということではなしに、経営努力にひとつさらに努力をし、まだまだ遠距離が非常に高いとか、過疎地域においては何十万もお金を出さないと電話もつかない区域等もございますので、そういうのを広くするとか、そういう点にはひとつ郵政大臣としてさらに公社の全体をよく監督をして努力をしてもらいたい、この点どうでしょうか。
○国務大臣(山内一郎君) 電電公社が、今回臨時特例的ではありますけれども四千八百億の納付金を納めることにいま御審議をいただいているわけでございますが、公社としては非常に経営努力、また技術の開発、こういう点で最近は財務情勢も比較的よくなっているということは御承知のとおりでございます。しかし、納付金を納めるということは、やはり今後ともそれ以上の努力を必要とするということは明らかでございます。そこで、職員の方々にもお願いをしないといけないんでございますが、国家財政が非常に緊迫していると、また大きな増税もせざるを得ないと、こういう点で国家財政の再建に御尽力をいただくということもひとつ御認識をいただきましてやっていただきたいというふうに考えているわけでございます。 それから、収支差額はこれは当然設備の改善あるいは料金の値下げ等に充てるものでございまして、従来もやっておりますけれども、納付金を納めるからその分はそういうことやらないのかといいますと、これは従来どおりやるわけでございます。したがって、予算の仕組みは、損益勘定で出ました収支差額は資本勘定の建設に回していく、それから納付金の方は借入金によって納付していく、その後いろいろ努力をしながら吸収をしていく、こういう方針でございます。したがって、いま塩出先生の言われましたような遠方の料金を値下げする問題、さらには日曜、祝日は料金の割引をしていこうと、こういう計画で五十六年は実施をしてまいりたいと考えているわけでございます。
○塩出啓典君 次に、昨日の新聞の報道では、五十五年度決算で四、五千億の税収欠陥が出るんではないかと、こういう報道がございました。元ほど審議官の方からも非常に本年はなかなか厳しいというお話があったわけでありますが、もしこの税収が四、五千億欠陥が出るということはどうなんですか。総体的な予想としてはどういう見通しなんですか。
○政府委員(梅澤節男君) 現在まで判明いたしておりますのは、二月末までの税収の状況でございまして、二月末までに十九兆五千八百八十七億四千八百万円の税収欠陥になっておるわけでございます。この二月末の税収を対前年の同期と比較をいたしますと、一二・五%の増でございます。御案内のとおり、五十五年度の補正後の予算額による税収額は対前年決算に比べまして一四・四%でございますから、両者の対前年同期比を対比する限り、二月末税収がやや低調であるということは申し上げられるかと思います。 それから、ただいま委員も御指摘になりましたように、三月末の確定申告の速報が国税庁からまとめられたわけでございますが、これも全体としてやや低調であるということは否定できないと思います。ただ、これを含めました三月末の税収の確定計数は、来月になりませんとまとまりませんので、今後三月末税収以降、つまり五十五年度の税収は端的に言いまして本年の五月末までの税収でカバーされるものでございますが、その三月末の税収の確定計数がまだ判明いたしておりませんことと、もう一つは、これも毎度申し上げていることでございますけれども、法人税の三月決算、これは法定の納期限が五月末でございますが、この三月期の法人税収と申しますのは年間の法人税収額の三割ぐらいを占める非常に大きな規模のものでございますので、この三月期の法人税収の推移を見ませんと、五十五年度の確定決算で補正後の税収予算額に対しましてどの程度のことになるのかということは現段階で計数的にはまだ申し上げられる段階ではないということを御理解願いたいと思います。
○塩出啓典君 これは大蔵大臣にお尋ねしますが、当委員会でも「財政の中期展望」のいわゆる税の弾性値の問題がいろいろ論議があったわけでありますが、いまの時期になっても五十五年度の税収がどれだけ入るのかという、そういうことすらもなかなか予測ができないと。民間の金融機関なんかの方がよほど早く予測をしているわけなんですけれどもね、そういう点が非常に不満であるということを申しておきたいと思います。 私はそこで大臣お尋ねしますが、五十六年度のいわゆる税収の見通し、ということは五十五年度の税収というものを基準に弾性値で出しているわけですから、そういう点から見ると五十六年度も、五十五年度が非常に厳しいということは五十六年度もかなり厳しいんではないか、そういう予測をする向きもあるわけですが、大臣としてはいまどういう感覚を持っていらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはかなり技術的な問題なので、事務当局から具体的答弁はいたさせますが、この間の予算委員会では、ある党からは、こんなに少ない見積もりはけしからぬじゃないかと、もっといっぱいとれるはずと言われたばかりなんですよ。二ヵ月もたたないうちに、ちょっとこれは見積もり過ぎているんじゃないかというような話でございまして、それほどむずかしいんです、実は。ですから、私といたしましては、やはり過去十年間ぐらいの平均をとらなければ中期展望なんというのはそんな過大な、いいところだけとれませんということを言っておるわけでございます。以下、事務当局から説明させます。
○政府委員(梅澤節男君) 中期展望の税収弾性値につきましては、ただいま大臣の御答弁にあったとおりでございます。 それから、委員が御指摘になりました、五十六年度の税収は一体どうなるのかという御設問でございますけれども、御案内のとおり、五十六年度の予算上の税収見積もりといいますのは、中期展望にわれわれが使用いたしましたようなマクロ的な弾性値で見込みを立てているものではございませんで、各税目ごとに、政府の五十六年度の経済見通し等を基礎にいたしまして、税目ごとに積算しておりますので、その点はひとつ御理解を願いたいと思います。ただ、五十五年度の決算額がまだ確たる見通しが立たない段階でございますし、私どもといたしましては、現段階におきまして五十六年度の予算で見積もりました税収総額、これを改定する必要はないというふうに考えております。
○塩出啓典君 それでは最後に、大蔵大臣に私は質問をしたいわけでありますが、行革デフレと申しますか、行政改革によってデフレになると、そうなれば、経済の成長がとまれば元も子もなくなるじゃないか、それは確かにそのとおりだと思います。その意味から、先般中曽根長官も公共事業は余り減らさないと、こういう発言をされたんじゃないかと思いますが、そういう点から、やっぱり経済の成長も保っていかなきゃいかぬ、しかし増税なき財政再建もしていかなきゃならぬと。そういう意味から、もっと一般会計の支出は減らして、むしろ財投をふやしていくべきじゃないか。本四架橋にしても、私は地元でございますのでなかなかむずかしい問題でありますが、そういうたとえばプロジェクトにしても、国の一般会計の予算まで出してやらなきゃならぬプロジェクトと、そこまでしなくていいプロジェクトがあるんじゃないかと思うんですが、そういう意味で、もっと財投による方向に行くべきじゃないか、それが一点。 それともう一つは、産投会計があるわけでありますが、これは昭和二十八年にできまして、経済の再建、産業の開発、貿易の振興のために国の財政資金をもって投資を行うためにできておると、これは出資と貸し付けてありますが、大半が出資、これはもう一兆五千億ぐらいの残高があるわけでありますが、今回、一部この産投会計から一般会計に繰り入れはしておるわけでありますが、今後の財政再建においてはこの産業投資特別会計の内容も検討して、引き揚げるべきものは引き揚げるべきではないかと思うんで、その点、二点についての御意見を承って質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 行革デフレという、この間新聞に載っておりましたが、これは要するに、政府の予算規模が大きくならないで小っちゃくなればそれはデフレ的要因があるだろう、それはないとは私は言いません。言いませんが、問題は予算規模が小ちゃくなってしまうということをやるわけじゃありませんから、ふくれないように抑え込んでいくという程度でございまして、問題は程度問題。しかもこれは、御承知のとおり、五十七年の予算を踏まえてやろうということであって、もし仮に、そういう意図が多少あるとしても、それは五十七年以降の話ということで、現在の問題ではない。ことしの後半から世界的に見ても景気は回復の状況に入るだろうという一応の見通しを持っておるわけであります。したがって、それじゃ予算規模を大きくすれば景気がよくなるのか。これも財源を何に頼るかということが問題でございまして、日本のように、借金がないときならば建設国債を発行してでも予算規模を大きくして景気を刺激するやり方もあったでしょうが、現在のようにすでに公債が多過ぎて金利が下げられない、長期金利が、逆に。それがむしろ景気の足を引っ張っているというようなところまで打っちゃいますと、これも原則どおりにはいかない話でございます。いろいろ問題があります。したがって、行革デフレ論ということについては、私どもは心配はいたしておりません。 それから第二番目の、一般会計を減らして財投をふやせということで景気を考えていったらいいじゃないか。これも、そういうことを言う方もございます。ところが、一般会計を減らして財投をふやして、ごまかしじゃないか、けしからぬとこの間怒られたばかりなんです。どっちをやっても怒られることになっておりまして、しかしそれも、そういう手もあることも事実なんです。事実なんでございますが、財投をふやすと言っても、それでは原資は何なんだ。財投と言うからにはやっぱり原資が必要なわけですから、郵便貯金の伸びがうんとあるとか、それは結局、国債の市中消化が困難だから郵便貯金などで運用部で国債を引き受けるという意見もございまして、そうなってきますと、やはり財投をいっぱいふやすだけの原資がない。今度はふやすにしても、これも問題だ。建設国債をもっとふやせばいいじゃないかということになったら、片一方で国債を減らして片一方でふやしたならば、これは同じ話でございまして、別に国債にマル建とかマル赤とか書いてあるわけでも何でもないわけですから、これもむずかしいというようなことがあって、その組み合わせをどうしていくか。これは塩出委員の言うように、景気の対応という問題もございますから、景気の動向という問題に即応してやっぱり予算は組まなければならぬ。したがって、これは、常にそういうことを頭の中に入れて、今後も考えていく必要があるということは認めます。 それから、産投会計の問題は事務当局から説明させます。
○塩出啓典君 簡単にね、もう最後だから。
○政府委員(西垣昭君) いまの御質問のウエートは、いままで産投会計から出資されていたものをもっと回収して財源を確保したらどうだ、こういうところにあったかと思うのでございますが、いままで産投会計から出資されておりますものは、投資先機関の資本金として、それぞれの機関の使命、公共的使命の達成のために現に用いられているわけでございますので、これを国の財源対策という立場から直ちに回収するということは困難だと思います。ただいままでも民間の肩がわりによりまして出資金の一部が回収されたという例もございますので、今後におきましてもそうしたことは可能であるかどうか、十分検討していきたいというふうに思います。
○穐山篤君 いよいよ終わりになってきたようですが、大蔵大臣、実は、昭和五十三年に租税特別措置法及び国税収納金整理資金に関する法律の一部を改正する法律案というのが出たんです。そのときに私は、次元の違う話をまとめて一本に法律で持ってくることについてはまずいんじゃないかと冒頭苦情を申し上げたんです。当時、村山大蔵大臣であったかと記憶をしますが、次からはそういうことをいたしません、今回は御勘弁をいただきたいという話で五十三年に審議した経験があるわけです。 今回のこの財源確保の話ですが、私、平たい言葉で恐縮ですが、げたとくつと長ぐつを三つ持ってきて、一遍に履いてくれ、こういう法律になっているんですよね。ですから、各党がそれぞれの問題をもっと集中的に掘り下げる、そういう立場で最初計画をしましたけれども、顔が会いましたのはきょうが初めてなんですよ。これでは審議する側といたしましても非常に困るんですね。私は理事会でもそのことを厳しく注文をつけたわけですが、次からはこういうことをしないようにあらかじめ申し上げておきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは穐山委員のように各法律をばらばらに、仮に納付させるにしても、ばらばらにしてそれぞれの所管委員会でやらしたらいいじゃないかという御意見もあったんです、それは内部で。しかし、歳入の確保という点からすればみんな臨時特例の問題でもございますし、これはやはり大蔵委員会のように大所高所から歳入に責任を持つ委員会で見ていただくことの方がいいんじゃないか、こういうように考えまして、一本化をしたということでございます。
○穐山篤君 よく私どもの気持ち、意見というものを認識をしていただきまして、次からはこういう長ぐつとげたとくつを一遍に履くようなやり方はやめてもらいたい、そのことを最初に申し上げておきます。 さてそこで、行政管理庁長官並びに大蔵大臣にお伺いしますが、公営競技全体の問題について議論のやりとりがあったわけです。中央競馬会だけでなくて、競輪の問題、競艇の問題もあったわけです。今回第二臨調でこの特殊法人全体もその対象になっているということでありますので、それは十分な協議をしていただきたいと思いますが、私は先ほども指摘をしましたように、公営競技に関します答申があって、省内で総理府が中心になって連絡会議を持ちまして研究をなされているわけです。 大きな課題が四つあるわけてすが、そのうちの二つはおおむね考え方が整理をされておりますが、残り二つです。交付金の配分の公正の問題と、施行権または収益の均てん化の問題、これは非常に国の財政再建にも重要なかかわり合いがあるわけです。したがって、きょう直ちにお答えはいただけないとは思いますけれども、これをそれぞれの競技だけに見ないで、広い範囲で考えてもらう。ギャンブル税の話も私は当委員会でも申し上げたことがあるわけですが、そういうふうに広い視野でこの公営競技の問題を考えねばならないと思いますが、締めくくりとして、どういうお考えがありますか、お答えをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公営競技につきまして、広い視野でこれを常に再点検するというお考えには私も全く同感でございます。臨時行政調査会におきまして、特殊法人及び公営競技等もいずれ検討の対象になると思いますが、そういう広い視野に立ちまして、あらゆる方面に目を配りながら検討が行われるものと期待しております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御趣旨ごもっともな点もございますので、関係省庁とも相談をさせていただきたいと思います。
○穐山篤君 農林大臣にお伺いをいたしますが、中央競馬会の話をずっと掘り下げてまいりました。たくさんの問題点があるわけですが、整理をして申し上げたいと思うんです。 その一つは、この二五対七五という経費と還元のバランスの問題です。確かに外国とは大分違いがありますが、ノミ行為を防止をする点からも、あるいは大衆娯楽、健全娯楽としての立場から考えてみまして、この七五%の還元というのを漸次ふやしていく。これも単に中央競馬会だけではできない相談であります。したがって、これは公営競技全体にまたがるわけですが、たとえば三年計画とか五年計画ということを考えながらできるだけ七五%を八〇%にしていく、あるいはそれ以上にしていくという努力が必要だと思うんです。ノミ行為があちこちで行われているわけですが、これにはいろんな原因があるでしょう。胴元のところに入るのはせいぜい五%、多くても一〇%ですね。あとの九〇%は全部還元をされるわけですからわざわざ競馬場に行く必要もないし、競輪場に行く必要もない。手軽にできるわけですね。そういうことを考えてみますと、共通の問題ですが、この公営競技をわが党も存続しようという立場を最近はとることになりましたので、その意味から言いますと、まあ幅広い、健全なあるいは節度ある——節度あるギャンブルというのはどうかと思いますけれども(笑声)そういう必要があると思うんです。ですから私は、計画的なまあ割り増しといいますか、それを一つ考えてもらいたい。 それから二つ目の問題は、中央競馬会の労使問題あるいは財政処理の問題がややゆがんでいるわけです。一例を申し上げますとわかりますが、たとえば基本給は調教師会から出ているわけですね。退職金は中央競馬会から出ている。ですから、たとえば厩務員の立場から言うならば、その相手の事業主は中央競馬会なら中央競馬会、あるいは中央競馬会と調教師会が合同したものであるならばそれでもいいんですけれども、その点がはっきりしてないわけですよ。これは労使関係を健全にしなければならないあるいは労働条件もよくしようという立場から言いますと、厩務員の立場というのは非常に気の毒な状況にあるわけです。そこも整理、整とんをしなければならない、こういう問題点が出てきたわけであります。 それから第三番日の問題としましては、私先ほど、午前中指摘をしましたが、調教師にいたしましても騎手にいたしましても厩務員にいたしましても、かなり所得の上で格差があるわけです。極端なことを言いますと、三倍あるいは四倍以上の格差があるわけでありまして、これは大いに問題にしなければならぬと思うわけです。厩務員の問題につきましては、もうほとんどの質問者から待遇の改善の話が出ていまして、ほぼ、中央競馬会にいたしましても関係省庁にいたしましても気の毒だなという印象のお答えがあったわけです。問題を解決するために私は、少なくとも二五%の中で何%かを御研究をいただければいいと思いますけれども、労働者の福祉活動、福利厚生その他に必要な基金制度というものをつくって、ある程度将来展望を開いていく、そういうことがなければならぬのではないだろうかと、こんなふうに考えます。 それからノミ行為の防止の問題、あるいは場外馬券場の増設の問題も議論をされました。野末委員からは、手軽にやるために喫茶店その他でもやってはどうかというふうなアイデアも提起をされたわけです。いまのところ大きな場外馬券場をつくることは全く不可能に近いというふうに考えますので、これもある意味では、計画的に展望をして案を考えていただかなければならない、こんなふうに考えますが、まとめの問題として最終回答をいただきたいと思います。
○国務大臣(亀岡高夫君) 七五%をもう少し上げて八〇%くらいにしたらどうかという御指摘でありますが、農林水産省としては、現在、まだ各地の競馬場の整備も終わっておりませんし、また日本の戦後の国家建設の面にもこの競馬会は重要な役割りを果たしてきておるわけでありますので、社会資本の充実もまだ十分終わっておらないというこの段階においては、国際関係における競馬の政府に納付する比率というものを参考にするというわけにはいかない、こういう考えを持っておりまして、当分七五%でまいりたいなと、こういう感じでございます。 二番目の労使問題、もうおっしゃるとおりでございまして、どこの部分が欠けましても競馬開催はできないわけでございます。その点で、戦後いろいろな問題を克服しながら今日のルールができ上がって、最近ではどうにか円滑に競馬の開催を執行することができて栄るということでありますけれども、ただいま御指摘になりましたような線について、さらに勉強をする余地はあるものと私自身も考えております。したがいまして、これも競馬会の武田理事長にもお話し申し上げ、また私自身も厩舎の諸君やら、あるいは騎手の諸君やら、あるいは調教師の諸君やらの代表の話も実は一度聞きました。そうしていろいろ事情も理解しておるつもりでありますが、何といってもやはり、上から下と申しますか、横から、右から左と申しますか、競馬会全般の意思疎通、信頼関係というものが成り立っていくようなやはり労使制度と申しますか、給与制度と申しますか、そういうものを確立していくための努力は常に続けなければならないということで、これは競馬会を指導いたしまして、そのように取り計らっていきたい。 さらに給与関係のいろいろな格差、これがまたいろんな前段の駅務員の問題にいたしましても、やはり競馬——馬を走らせて勝ち負けを決するという、そういうことをやらせる環境というものをどう仕組んだら一番理想的になるのかというふうなことを考えますと、これはなかなか紙の上ではわからないという感じもいたします。したがいまして、現実に賞金の配分の問題とかいろんなあれが、数字の上でやってまいりますといろんな格差が非常に出てくるわけでございますので、その辺どういうふうに公平を期していったらいいのか、また公平を期す方向に重点が行くとレースがさっぱりおもしろくないというようなことで馬券が売れない、こういうことになっても困りますので、その辺は十分検討していきたいと思います。 と同時に、確かにこの近代競馬、国民の健全娯楽として本当に信頼される競馬を育てていくには、やはり厩務員とか、やはり月給が低くて不満が出てくる、その不満の出てこぬような環境をどうしてつくるかという発想は、私は大変大事だと思うんですがね、そういう面については、基金制度の提案もありましたけれども、少し研究さしていただきたい、こう思います。 ノミ行為はこれはもう本当に困っておるわけでありまして、これなんかもやはり場外馬券売り場というものをいままで人の集まるようなところへつくって大変迷惑をかけているということで、最近は車を持たない方がいないほどでございますから、多少遠くても買いに行くという一福島の競馬場の場外馬券売り場には遠く山形あるいは岩手、宮城の方からまでお買いにお見えになるということもございますから、少し考え方を変えて、人のいないところに馬券売り場をつくったらどうかなというような話も実は競馬会に出しまして、そうして皆さん方に迷惑をかけないと、そうしてそこに行けば、家族連れで車で行って、奥さんと子供たちは公園のようなところで遊んでいる、おやじは馬券を買いに行く、そういうようなことも考えれば、教育とか環境とかそういうものの批判を受けずにやれるんじゃないかなというようなことも競馬会とともにいま一緒に相談をいたしております。いずれにいたしましても、健全娯楽としての競馬を発展してまいりまして、そうして国庫納付金をできるだけ特別割り当てを受けなくとも、ノミ行為を禁止することによって特別法律をつくっていただかなくてもいいような金額を第一国庫納付金、第二国庫納付金で納めることができるようにしたいものだな、こんなふうに考えております。
○穐山篤君 あした天皇賞レースがあるわけですね、めでたくできるようになったわけです。これは率直に申し上げますと、調教師会から出ましたことしの春闘の回答、これは賃上げの問題もありますし、それから週休二日制の問題もあります。なかなかてこずっていたわけですが、厩務員の皆さん方の特別の配慮ですよ、あしためでたくできるというのは。その点を忘れてもらっては困ると思うんです。ですから厩務員の労働条件、待遇の改善の問題についてはぜひ大臣も側面的に御努力をいただきたいというふうに思います。 それから、もう時間が参りました、郵政省、郵政大臣並びに電電総裁にお伺いをしますが、総裁は民間から今度総裁になられて、縦横無尽に仕事をされる、その御決意であっただろうと思いますが、はしなくも大変な問題にぶつかったと思うんです。 そこで総裁に要望も含めて質問をいたしますが、電電公社は国鉄や専売公社と違った発足の経緯があるわけです。この違った発足の経緯を無視をいたしますと、労使問題、労使関係が崩れると同時に、経営の問題にまで大きくしわが寄ることは当然だというふうに思うわけです。そこで今回総額八千二百億円の納付金ということになったわけですが、たとえば二戸に一つの電話機であるとかあるいは過疎地域、豪雪地域にも電話を敷設しなきゃならないとか、いろんな事業があるわけですね。事業計画があるわけです。そういう事業計画はこの納付金あるいは借金とは無関係に、決意として従来の事業を進めていただきませんと、独立採算制を決めました公社の性格というのがゆがんでしまう、こういうふうに私は考えるわけです。時間ありませんから細かいことを一々申し上げることはできませんけれども、まずその決意をお伺いしたいと思います。 それから、これからサービスをできるだけ減退をさせない、これは当然の発想でありますが、今回の千二百億によって労働者なり企業全体の企業努力というものがそがれてしまったんでは元も子もなくなってしまうと思うんです。そういうふうにならないようにするために、特別なことを公社自身としても考えてもらわなければならないし、また側面的に郵政大臣からも援助をしてもらわなければこれはできない相談ではないだろうかと、こんなふうに考えます。一例で恐縮です。たとえば前回〇・四のプラスアルファの話が決まりました、労使で決まった。これは団体交渉で正規に決まった話です。しかし、実際に払う段になりますと〇・三七七という比率に下がったわけですね。この一事をもちましても、電電の労働者というのは、非常に法律で決めてもらっております団体交渉権というものについてさえも疑問を持っているわけです。そういう中でもっともっと働いてサービスをしなさい、収支差額もこれからどんどんつくってもらおうと、こういうことを考えてみますと、労働者の勤労意欲がわくような保障措置をきちっと与えてやる必要があるだろうと。また自主的な運営ができるようにいま直ちに予算総則の改正ということはむずかしいとは思いますけれども、運用の面からそういう補強工作を十分にやらなければならぬと、こういうふうに思いますが、まとめの回答をぜひいただきたいと思います。
○説明員(真藤恒君) いまの御質問の公共性の問題でございますが、福祉関係のものあるいは過疎地帯関係のもの、その他まだかねてのそういうものの計画について未完成の部分が残されておりますが、これについては計画どおりに進めていくことに考えております。 それから納付金にかかわる経営の困難さ、それに伴う労働行政関係のことでございますが、いまいろいろお話がありましたような状況であることは事実でございまして、これをやはり従来どおりのやり方でやっておりましては、この納付金を納めながら電話料金を上げずに収支バランスを保つと、で、少しでも収支バランスに余裕が出たら料金の値下げを進めていくというこの矛盾する方向の問題について、なかなか簡単には実行できないと思いますので、従来どおりから多少やり方を変えていただかなければとてもだめだということははっきりいたしております。その具体的なことにつきましては、これから関係の各省にお願いする予定でおりますが、原則といたしまして現在の公社法を修正する必要があるとは思っておりません。いまの公社法の運営の仕方によってかなり責任は持てるんだなということにいま考えております。
○国務大臣(山内一郎君) 電電公社の現在の運営の状況は、国民利用者の要望にこたえて私は適切なる運営をなされつつあるものと考えているわけでございます。しかし、今回の納付金の問題が生じてまいりましたので、いままで以上に技術の開発、企業の努力はしていただかなければならないというふうには考えているわけでございます。 そこで、まあ一番重要なことは、穐山委員がいま一例を挙げられましたけれども、労使がいかに協調していくかと。労使の話し合いで決まったことが実行されないようなことではとてもおぼつかないという一例でございましたけれども、いろいろ郵政省といたしましても予算の制約はありますけれども、なお電電公社法の法律もありますが、できるだけ公社の自主性がうまく運営されますように、ひとつ全面的に御指導、御援助をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○穐山篤君 最後に大蔵大臣にお伺いします。 臨時異例な措置として昭和四十年に二千億円の特例公債が発行され、途中中断をしましたが、これがもう原則のごとく毎年毎年特例公債が発行になっておる。このことにつきまして、本会議場で和田委員を含めてわれわれは不満の意を表してきたわけです。仮に五十九年までに赤字公債を発行しないということになったといたしましても、昭和六十二年には国債整理基金はゼロになる、こういう現実が片一方ではあるわけですね。それから償還を続けていくためには一般会計から整理基金へ予算繰り入れをしていかなきゃならない。推定金額で、六十二年から六十八年までの間に、定率にしろ予算繰り入れにいたしましても、四十六兆から、まあ五十兆円近い金がかかるわけですね。こういう現実が片方にあるわけです。 それからもう一つは、先ほども指摘をしましたように、五十七年は歳出カットで増税をしないと、そこまでははっきりした。それから総理大臣の意思としてこの考え方は五十七年だけじゃないんだと、五十八年も増税をしたくないと、こういう意思が表明されたわけですね。これはいずれ閣議の正規の問題になるだろうと思いますが、そうなりますと、まあ大変な事態になるとわれわれは前から指摘をしてきたわけです。返す当てのできないような借金は最初からやってはならないというのがわれわれの主張であったわけですが、現実はそうなってしまった。過日の当委員会でも中期展望の議論がありましたけれども、あれも少し問題ありというふうになりまして、八万がふさがってしまった、こういう感じがしないわけでもないんです。 そこで、前回シーリングの話もありましたけれども、こういうどうにもならない事態に対する、責任と言っちゃ語弊がありますけれども、総括と同時に、これからどうやって再建を国民にお願いをするかと、その基本的な姿勢だけ私はお伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に根本的な問題でございまして、短時間で言い尽くすことは非常にむずかしいと思います。しかしながら、ごくかいつまんで申し上げますと、いずれにしても現実は国債発行を少なくしていかなければ日本経済に重大な影響がある。でございますから、この方針を曲げることはできない。一方歳出の当然増というものはこれもどうしても抑えにくいものもございます。それは仕方がないことだと。しかしながら、これは増税をやらないということになりますと、おのずから自然増収には、経済、景気の動向等によっても異なりますが、限界がございます。ということになれば、やはり高度経済成長時代にできないろんな法律、制度、これの総合的な見直しというものは避けて通れない問題であると、そういうような点で、とりあえずそれらについて行政改革を含めた政府の歳出構造の抜本的な見直しにまず取り組むということでございます。どの程度やれるか、これは国民の代表である国会の皆さんとの御相談になるわけでございまして、それをやって不十分であるということになれば、あとの制度を改めるか、その他の収入を図るか以外に方法はないわけですから、収入を図ることはやらないという以上はサービスの低下は覚悟しなければならぬ、そういうことでございます。
○委員長(中村太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 なお、本案の自後の審査は後日に譲ることといたします。 午後二時二十分再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時休憩 —————・————— 午後二時二十分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案、臨時通貨法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次三案の趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりましたアフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案及び臨時通貨法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 初めに、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、別途本国会において御承認をお願いしておりますアフリカ開発銀行を設立する協定に基づき、わが国が同銀行に加盟するために必要な措置を講ずることを目的とするものであります。 アフリカ開発銀行は、アフリカ諸国の経済開発及び社会的進歩に寄与することを目的として一九六四年に設立された地域開発金融機関であり、現在、アフリカの独立国五十ヵ国が加盟しております。 同銀行は、アフリカの開発途上諸国に対して、農業、電力、運輸等の分野において活発な開発融資活動を行い、多大の成果を上げてきておりますが、これに伴い、同銀行の資金基盤の強化に対するこれら開発途上諸国の期待が一段と高まってきております。 このため、同銀行は、域外の先進諸国に対して同銀行への加盟の要請を行い、一年近くにわたる交渉の結果、域外二十一ヵ国との間で加盟条件に関する原則的な合意が得られるに至りました。 政府といたしましては、わが国が同銀行へ加盟し、アフリカの開発途上諸国の経済発展のための努力を支援することは、これら諸国の国民生活の安定と向上のためのみならず、世界経済全体の均衡のとれた成長を確保するためにも重要であると考え、他の先進諸国とともに、これに加盟することを決意した次第であります。なお、わが国は、同銀行の活動を補完することを目的として一九七三年に設立されたアフリカ開発基金に、その設立当初から加盟し、積極的な協力を行ってきたところであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、同銀行に対し、加盟に伴う当初出資として、協定に規定する計算単位で二億四千五百六十八万計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、予算で定める金額の範囲内において、本邦通貨により、追加出資し、または同銀行の特別基金に充てるため拠出することができることといたしております。 第二に、同銀行への出資及び拠出は、国債の交付によることが認められておりますので、国債の発行権限を政府に付与するとともに、その発行条件、償還等に関して必要な事項を定めることといたしております。 第三に、同銀行が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務は、日本銀行が行うことといたしております。 次に、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案につきまして申し上げます。 この法律案は、別途本国会において御承認をお願いしております一次産品のための共通基金を設立する協定に基づき、わが国が同基金に加盟するために必要な措置を講ずることを目的とするものであります。 一次産品のための共通基金は、一次産品の価格の安定及び一次産品に関する研究・開発、生産性の向上等に資することを目的とした国際機関であり、国連貿易開発会議の場における四年余にわたる設立交渉の結果、昨年六月にその設立について合意が成立したものであります。 一次産品の価格の安定と品質の改善、生産性の向上等は、一次産品の輸出所得の改善を通じて、開発途上諸国の開発と発展に大きく寄与するものであり、また、一次産品の大部分を輸入に依存しているわが国にとってもきわめて重要なことであります。 政府といたしましては、このような見地から、同基金の設立交渉の場において積極的な役割りを果たしてまいりましたが、同基金の設立に当たり、これに加盟することを決意した次第であります。なお、同基金には、世界の独立国百六十三ヵ国の加盟が予定されております。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、政府は、同基金に対し、協定に規定する計算単位で二千五百四十七万六千三百九計算単位に相当する金額の範囲内において、本邦通貨により出資することができることとするほか、予算で定める金額の範囲内において、同基金の任意拠出に充てるため本邦通貨により拠出することができることといたしております。 第二に、同基金への出資及び拠出は、一部国債の交付によることが認められておりますので、国債の発行権限を政府に付与するとともに、その発行条件、償還等に関して必要な事項を定めることといたしております。 第三に、同基金が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所としての業務は日本銀行が行うことができることといたしております。 最後に、臨時通貨法の一部を改正する法律案について申し上げます。 現在、臨時通貨法に基づいて発行されている貨幣の額面は、百円が最高となっているのでありますが、最近における国民の経済取引の実情を見ますと、より高額の貨幣が必要であると考えられますので、政府は、国民生活の利便に資するため、新たに五百円貨幣を発行して五百円の日本銀行券とあわせて流通させることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 この法律案の内容は、政府が発行できる臨時補助貨幣として新たに五百円の臨時補助貨幣を加えるとともに、その法貨としての通用限度を一万円とするものであります。 以上が、アフリカ開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案、一次産品のための共通基金への加盟に伴う措置に関する法律案及び臨時通貨法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(中村太郎君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより三案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 もう一度お尋ねしますが、どうして五百円硬貨を発行することになったのか、その理由をもう一度聞かせてください。
○政府委員(渡辺喜一君) 基本的には経済の背景というものがあるわけでございます。 御案内のように、いまの一番高い高額の貨幣は百円でございますが、この百円貨幣が発行されましたのが昭和三十二年でございます。それ以来の経済の状況等を見ますと、たとえば消費者物価は約五倍、四・七倍になっております。それから卸売物価が二・二倍というようなことで、百円の貨幣が全貨幣に占める割合というものも最近では六〇%を超えるというような状況になってまいっておるわけであります。 一方、取引の実態といたしまして、自動販売験による販売というものが急速に普及をしてまいっておるわけであります。設置台数を見ますと、最近では四百五十八万台。販売高で二兆七千四百九十億円というふうな急速な発展を見ておるわけでございまして、こういうふうな状況を勘案いたしまして、五百円貨幣を発行するということは国民にとって大変利便に役立つのではないかと、こういうふうに考えたわけでございます。
○鈴木和美君 百円の硬貨は高額なんですか、低額なんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 現在流通使用されております貨幣の中では一番高額なわけでございます。ただ、ただいま申し上げましたように、すでに全貨幣に占める割合というのは相当高い割合になっておるということから見ますと、百円という金額自体が硬貨として経済取引の実態から見ますとそれほど高額ではなく、むしろ非常に一般的に使われておると、こういうことではなかろうかと思います。
○鈴木和美君 くどいようですが、もう一度的確に答えてもらえばいいんです。百円は高額か低額が。どっちなんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) その高額、低額という基準がどうもはっきり私どもしないわけでございますが、取引の実態から見ますと必ずしも高額とは言えないということだろうと思います。
○鈴木和美君 大蔵大臣のいま趣旨説明の中に、「国民の経済取引の実情を見ますと、より高額の貨幣が必要であると考えられます」というように、いま提案理由の説明がありましたね。この高額というのは一体何を指すんですか。より高額というのと高額というのと。
○政府委員(渡辺喜一君) より高額というのは比較の話でございます。したがって、現在の百円に比較して百円よりも高額の貨幣が必要であると、こういう意味だろうと思います。
○鈴木和美君 そうすると、百円は高額でないというふうに理解していいんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 五百円に比べれば高額ではないわけでございます。取引の現状等から見ますと、必ずしも貨幣としてそう高額ではないというふうに私どもは判断をしたわけでございます。
○鈴木和美君 仮定の話ですが、それなら何で千円の硬貨を出さないんですか。五百円に限らず千円。百円というのが余り使われていない、むしろこれからもっとより高額なものが経済取引の中で必要だという判断であれば、何で千円出さないんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 千円硬貨を必要とするほどの状況にはなっていない。先ほど申しましたように、消費者物価も大体五倍程度になっておるわけでございまして、五百円貨幣というふうなところは適当なところではないかというふうに考えたわけでございます。
○鈴木和美君 なぜ私そのことを聞いているかというと、後ほどまた別な問題のときにいまの議論の話のところしますが、つまりデノミとかそれからインフレとか、そういうものと直接関係するから百円という玉の認識をいまお聞きしたんですが、どうも局長のお話によれば、百円は現在の状況の中では余り使われてないし高額とは思わない、そういうふうにお答えになったと思うんです。だとすれば、百円の定義の方もこれは直さなきゃならぬようになってくるんじゃないかと私は思うんですよ。 そこで、別な問題聞きますが、いま想定されている五百円の玉というのは、どういう素材で、どういう大きさで、どういうデザインで、どの程度枚数出すのか。その予定を聞かしてください。
○政府委員(渡辺喜一君) 具体的にどういう硬貨を発行するかということにつきましては、これは法案成立後に政令で決めるといりことになっておるわけでございます。ただ、素材につきましては、私どもとしてはまあ貨幣としての品格、あるいはできるだけ変質、摩損等に対して強い、それから素材が安定的である、確保が容易であるというふうなもろもろの諸要件を考えまして、現在の百円硬貨と同じ素材にしたいというふうに考えております。 それから、大きさとかデザイン等々につきましては、これは法案成立後に——どういうふうにしてこれを決めるかということでございますが、私ども考えておりますのは、できれば造幣局等の専門家に委嘱しましてデザイン等を決めまして、それを国民の総意に反映させていくといいますか、たとえば学識者、国民各層等の意見を聞いて最終的に決定をしてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木和美君 このデザインというのは、新聞では公募するみたいな新聞が出ておったんですけれども、公募はないんですね。
○政府委員(渡辺喜一君) 過去新しい貨幣を発行します場合の例を見ますと、公募した例もないわけではないのでございますが、ただ今回の場合は、この法案が成立しましてからデザインを決めるまでの期間がかなり制約されておるわけでございます。と申しますのは、製造にかかりましてから来年の春には流通に乗せたいということでございますので、したがって、できるだけ早く、できればこの夏の終わりごろまでには決めなければいけない、こういうふうなことでございまして、期間的な制約がございますので、なかなか実際問題として公募をするのはむずかしいという感じを持っておる次第でございます。
○鈴木和美君 調査室からのこの説明を読んでおったんですが、経済の取引という観点から見た場合に、経済の取引の実情というのはむしろ自動販売機というふうに理解してよろしゅうございますか。自動販売機が非常に出回っていると、そのため、ここにも書いてありますが、「二百二十万台であったものが、毎年一〇%強で増加し、五十四年末には約四百二十万台と倍増している。また、自動販売機等で販売される商品等も累増し、その販売価格も五百円前後のものが多くなっており、既存の百円以下の貨幣で対処するのは、著しく不便をきたしている。」というのが主なる理由であると、調査室のあれですけれども、そういうことですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 自動販売機が急速に普及したということは、おっしゃるように一つの大きな要因であろうと思いますが、それのみにとどまらないわけでございまして、先ほど申しましたように、実際の貨幣の取引の中に占める百円コインの比率というのが非常に高まってまいっておりますので、つまり個々の取引の単位というものが百円でいきますとかなりの枚数が要るというような取引になってきておる。現在五百円の札はあるわけでございますけれども、五百円札あるいは百円コイン等々で支払い、受け取りというふうなことをやりますと、いろいろたとえば計算のミスが多いとか、取引上の不便が出てまいっておるということでございまして、自動販売機の普及と同時に、そういう面についても配慮をいたしておるということでございます。
○鈴木和美君 大きさとかデザインというものが政令で後ほど決められるということと、夏までは決めなければならないというタイムリーの問題と考え合わせますと、いま考えられる大きさというのはどのくらいのことでしょう。なぜかというと、大分新聞たくさん出ていますね、五百円玉の大きさの問題について。そんなものですから、いまお尋ねしたいと思うんです。
○政府委員(渡辺喜一君) 大きさについて何、まだ私ども決めておるわけではございません。専門家の意見あるいは国民一般の意向等も十分反映さして最終的に決めたいと考えているわけでございます。 二つの考え方がございまして、一つはできるだけ大きくてりっぱなものにすべきだ、国の発行する貨幣でございますのでやはりある程度の権威を持たせなければいけないという考え方、逆にまた、余り大きくなりますと非常に重い、持ち運びに不便であるとか、あるいは金を入れる入れ物がなかなかポケットにうまくおさまらぬとか、いろいろな問題があろうかと思います。両面からの考え方があろうかと思いますので、この辺を十分にしんしゃくをして決めてまいりたいと考えております。
○鈴木和美君 三十二年のときに百円を出したときに、自動販売機の業界から特別その大きさなどについて注文とか要望とかそんなのがございましたか。
○政府委員(渡辺喜一君) そういうことは承知しておりません。
○鈴木和美君 この新聞には当時、三十二年のときに、二十五ミリ以上にはしてくれるなということを自動販売機業界から大蔵省の方に要望したという記事が載っているんですが、要望はなかったんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 私どもの記録を見る限りにおきましては、正式なそういう要請というものは受け取っていないわけでございます。
○鈴木和美君 そうすると、改めて政令で定めるときに五百円の大きさ、デザインというものをいろんな意見を聞きながら決めるというように理解していいんですね。 そうしますと、私はいまお話を承っている限りにおいて、私の意見としては大きくすべきだと思うんですよ。大きくしてりっぱになって権威を持たしてもらいたいと思います、五百円。みみっちいニッケルと、百円と同じような質じゃなくて、もっと質もよくしたら私はいいと思うんですよ、いかがですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 質につきましては、やはりその専門家の意向というものも十分聞いていかなければいけないと思うわけでございます。いま鈴木委員のおっしゃった御意見もやはり一つの御意見、同じようなことを言われる御意見の方もかなりおられるわけでございますが、一方また、先ほど私が申し上げましたように、逆の立場の方もおられるわけでございまして、それらを総合的に勘案してできるだけコンセンサスを得てまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木和美君 一番大きい問題は、来年の発行する時期と、一番市場に出回って取引が行われて自動販売機がそれに対応し切れるかし切れないかということが私は大きい要素だと思うんですね。 通産省、おいでになっていましょうか一通産省で現在把握している自動販売機の現状についてちょっと聞かしていただけませんでしょうか。
○説明員(見学信敬君) お答えいたします。 現在までの自販機の普及台数は、先ほど先生が四百二十万台とおっしゃいましたが、五十五年十二月末現在で四百五十八万台程度に上がってきております。生産は大体一千億円ぐらいの規模になっております。品物別に分けますと、飲料関係が大体半分以上を占めておりますが、あとたばことか切符その他の食品の関係、そういったような構造。になっております。
○鈴木和美君 いま通産省が把握している新聞報道、その他大蔵省が閣議決定をしてから発表した五百円玉の発行、そういうものから見て業界は現在どういうような態度をとっておりますか。
○説明員(見学信敬君) 自動販売機等では硬貨の判別を行うために、いわゆるコインメカニズムという装置がついております。これは新硬貨が出ますと、当然判別の方式を変えなくてはならないわけでございますが、判別の仕方は現在直径とか厚さとか重さとか材質等々によるわけでございますが、現在のところまだそういった点についてお決まりになってないものですから、対応は現在のところ簡単にはいっておりませんが、予想的な感じとしましてある程度の大きさぐらいまでならこうしたらいいと、こういった形での準備はいま盛んに鋭意進めているところでございます。
○鈴木和美君 いま業界が大きさに対して非常に神経を使っていると私も聞いているんですよ。ですから、大きさが確定をする時期がずれ込みますと自動販売機の方の改造とか、それからそれに対応するのが非常に私はおくれるんじゃないかと思うんですね。それで業界はある程度大きさについての希望というのをいま持っているんじゃないですか。
○説明員(見学信敬君) 大きさを決めるのは当然大蔵省当局なり、こういうところで決めるわけでございますので特段の御意見はございませんが、いままでの例では官報告示から大体半年程度の余裕を持った発行ということになっている例が多いようでございます。それと、当然普及の速度もございますが、それらを勘案しますと余り大きなものとか分厚いもの、こういうものでない限りはいろんな改造その他で一応消費生活に余り大きな混乱をさせないという形での改造は可能であり、新型機も可能であろうと私どもは考えております。
○鈴木和美君 自動販売機そのものに対する国民の受けとめ方、考え方というのは多様ですね。自動販売機の方がいいとか、あれじゃだめだという方もたくさんおいでだと思うんですよ。 私もこの新聞で見せてもらったんですが、これは消費者団体、生協などの組合が自動販売機について述べていることは、三つの理由から余り賛成でないと述べていますね。 一つは、自動販売機があることによって子供がすぐ何でも安直に買える。それからもう一つは、商品の安全性が確認できない。それからもう一つは、値段が高過ぎるというような問題などがあって余り賛成じゃないというような生協あたりの述べ方があるんですわ。それから今度は片方、わきを読んでみますと、業界は五百円玉が出てもすぐは出回るわけじゃないからそう心配はしてない。後ほど対応が何年かでできる。しかし問題なのは、大きさがいまの自動販売機のつまり百円ですね、百円より大きくなっちゃうと大幅な改造になって、大変なお金がかかるということを心配している。自動販売機の業界などは二十五ミリから余り大きくしないでくれというような意見があるんだと私は聞いているんですが、そんな具体的な話というのはまだないんですか。
○説明員(見学信敬君) 特段に業界の方から正式な要請があったとは私ども聞いておりません。
○鈴木和美君 もとに戻りますが、その前に国鉄来ておりましょうか。 国鉄の切符の自動販売機というのは、あれは国鉄でおつくりになるんですか、どこか発注しておつくりになるんですか。
○説明員(片方威君) 御説明申し上げます。 券売機につきましては、メーカーに発注をしてつくっております。
○鈴木和美君 国鉄の自動販売機がメーカーに発注してつくられているというんであれば、発注しているお金というのはどのぐらいかかっているものですか、いまおわかりになりますか。
○説明員(片方威君) そこまで調べてきておりませんが、一台当たりコインのもので約二百万のものから、それから紙幣式のものがございましてこれは約四百万と、一台当たりが大体そんな単価でございます。仕様書につきましては、これは国鉄の方でタイプを決めまして、それで製作、設計を発注をしているということでございます。
○鈴木和美君 私が聞いた話では、国鉄のあの自動販売機というのも大変なお金がかかっているんだそうですね。それで五百円玉ができて、たとえばあの自動販売機に入れられないみたいな五百円玉ができて、全部直すということになると大変な金のようです。また私、七日にももう一度この問題やるものですから、どうぞ国鉄の方でも金額が正式にどのくらいかかるのかお調べいただきたいと思うんです。 私が言いたいことは、非常にお金がかかる、それが五百円玉が出ることによって、赤字国鉄と言われておるときに、またそこに自動販売機の改造費だけでまた大変だというようなことになったら大変じゃないかなと、そんな気持ちも実はあるんですよ。 そこで、もとに戻りますが、そういう面から見ると、他方では私は五百円というのをせっかく出すのであれば、もっと質もよく、そして記念にもとっておける、外国人が見ても非常に五百円でいいというようなものとかという、つまり素材ですね、素材について百円と同じだというようにしなくていいと思うんですが、ここで百円、五十円、十円、五円、一円の素材コストというのはどのぐらいになっているんですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 現在の補助貨幣の素材でございますが、百円につきましてはおおむね五円弱でございます。五十円が四円、それから十円が三円、五円が二円弱、一円は五十銭程度というふうなことになっております。
○鈴木和美君 いろいろ都合もあるんでしょうからコストのことはここでやめますけれども、いずれにしても比較検討してくると、せっかく五百円を出すというんであれば、私はもっと本当にりっぱで権威があって、そういう五百円を出すべきだと私は思っているんですが、これは大臣見解いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も同じような見解でございますから、かっこうがよくて、近代的で、気品があってというようなものにしたいと思っております。
○鈴木和美君 持ち時間の関係もありますから、大臣にもう一つお尋ねしますが、百円の出たときに、昭和三十二年ですか、このときには紙幣の方とそれから硬貨と並列でずっと出していったですね。その期間が十七年か十八年間ずっと続いているんです。今度仮に五百円の玉を出すということになりますと、五百円の紙幣との関係でどのぐらい長く同時に、並列で出していけるのか、また出そうとしているのか、そこを聞きたいと思うんですが、大臣じゃなくても結構です。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何年もつかと、結局五百円玉で何年もつかという話ですね。
○鈴木和美君 いや、そうじゃないんです。五百円玉が何年もつかじゃなくて、五百円玉が出るというのと、五百円札、紙幣ですね、それを五百円玉を出すから紙幣はなくすとは言ってないんですね。だから、三十二年の百円を出したときには百円の紙幣と百円の硬貨と——いやいや、ずっと十七年間同じく出しておったですよ。だから、今度五百円紙幣というのはどういうことになるのかと、そういうお尋ねです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは継続してずっと出すつもりです。それはインフレ論というのがありまして、何か五百円紙幣がなくなっちゃって、それで何というんですか、自動販売機は買うときに困るというような話があったりするんですよ。それは何か錯覚なんですね。だから、それは同じく出しますと。だから、私のところに手紙が来たのが一通あるんです。村で香典を包むのに五百円と申し合わせているらしんです、どっかの村で、九州かどっかで。それで、五百円札がなくなっちゃうとこれは千円ずつ入れなくちゃならないと、玉では香典袋からおっこっちゃったりなんかして非常に困ると、だから五百円札出してくれという陳情書が一つ来ました。それで、手紙書いて出しました。もうずっと、当分心配ありませんから五百円の香典で結構ですと、そういうように出しておきましたが、したがって、いまもう五年とか十年とかいう期限は一切考えておりません。もうずっとしばらく、本当にそういうふうなことが必要ないという時代まで出すという考えです。
○鈴木和美君 理財局長にもう一度お尋ねしますが、大臣の答えでは五百円紙幣も玉も両方ずっと続けて出していくと、つまり五百円というものをですね。そんなら何で五百円玉つくるんですか。つくらなくたっていいんじゃないですか、その理由であるなら。
○政府委員(渡辺喜一君) 国民の取引等の利便に資するためにつくるわけでございます。したがって、五百円の礼よりは五百円の貨幣を使いたいという希望も相当あるわけでございまして、そういう方々のために五百円貨幣をつくるわけでございます。ただ一方、別に貨幣はなくてもいいと、紙幣で結構ですという人もおるわけでございますので、それぞれの需要に応じまして、需要のある限りは双方を並行して発行していきたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
○鈴木和美君 まあ自動販売機というのがありますから、それはそれなりに五百円の玉の価値というのはぼくもあると思うんですよ。 大臣、もう一度お尋ねしますが、百円の場合には十七年から十八年続いておった、両方。五百円の玉と紙幣というのはずっと続けるという、ずっとということは、私が前提に言った十七年、十八年ということを前提に置いて大臣の答弁もずっということになれば、せめて十年ぐらいと理解してよろしいですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も本当はもっと長く続けたいぐらいなんですよ。それは物価が安定して、それでずっといくなら、必要なんですから、なるべく長く続けるという考えです。
○鈴木和美君 五百円の玉が、これは一番最初局長お答えなかったんですが、どのくらい枚数を出すというのは一億枚ですね、最初は。それからどういう製造の計画になるんでしょう。
○政府委員(渡辺喜一君) とりあえず五十六年度中に一億枚程度を製造すると、それを五十七年度、七年の春から流通に乗せていくと、こういう計画でございます。 現在流通しております五百円札、紙幣の方は、大体五億枚程度が流通しておるわけであります。まあできれば、五十七年度、八年度等を通じましてその半分ぐらい、つまり二億五千万ぐらいは貨幣を流通さしたいというふうな気持ちでございますけれども、それはまあ一般国民がどの程度需要があるかということにもよるわけでございます。で、当面、五十六年度中の製造は一億枚程度というふうに考えておるわけであります。
○鈴木和美君 そうすると、一億枚ということで出すと、一番最初、珍しいから市場に回らないで、全部記念にとっておくというようなこともありますね。ぼくはあると思うんですよ、それは。それから、その次から半分ぐらいずつに今度なりますか。仮に五億枚のところを二億五千万にするということになると、そういうことにしたことによって造幣の働く職員と印刷の紙幣を刷っている人たちにどういう影響が出てきましょうか。
○説明員(田中泰助君) 現在造幣局では、百円白銅貨幣以下五種類の貨幣を製造しておりますが、これに加えまして新しく五百円硬貨をつくるということになりますと、若干作業量がふえますことは避けられないと思います。しかしながら、この程度の、五十六年度一億枚程度ということでございますので、この程度の増加でございますれば、いろいろ作業工程に工夫をこらすなどのことをいたしまして効率化を図ることによって対処いたしたいと、こういうふうに考えております。
○説明員(垣水孝一君) 印刷局といたしましては、実は先生おっしゃいますように、五百円玉が出るというときに多少心配をいたしたわけでございますが、いま大臣や理財局長からも答弁しておられますように、徐々に、そしてしばらくの間は並行的ということでございますので、五百円紙幣の製造枚数は減少いたしますけれども、片や紙幣全体としましては毎年着実にふえておりますので、特に仕事が大きく減るというようなことはないということでいわば安心しているわけでございます。
○鈴木和美君 造幣の方はむしろ新しくつくり出す方だから、それは労働者の方にそう影響はぼくはないと思うんですね。ただ、大きさがどのぐらいになるかということによって大分硬版が変わってきますから、そういう程度だと思うんですね。印刷の方は、局長そうおっしゃいますけれども私は心配しているんですがね、実は。五億枚のところを二億五千にするということだとすると、大体一セットにいま百何人かでしょう、ついているの。二億五千万というのであれば、印刷の工程の中で四セットぐらいこれひっかかってくるんじゃないですか。そうすると、頭数で四百ぐらいなんですわ、従事しているのは。いま局長のお話のように、紙幣全体として刷る量が多くふえていくときにはいいんですわね、ふえていっている場合には。ふえていかないということになると労働者に直接私は影響が出てきやせぬかなという心配があるんですが、その点はどうですか。
○説明員(垣水孝一君) 実は私どもが日本銀行から注文を受けております紙幣の総量が、五十五年度は三十億八千万枚でございますが、五十六年度につきましては三十三億三千万枚ということで二億五千万ばかりふえております。これは年によって多少ございますが、平均いままで一億程度はふえていたわけでございます。それで、従来の日本銀行券の発行の伸びはかなり高かったわけでございますが、このところ若干ダウンはしておりますけれども、しかし絶対額として発行量が減っているわけではございませんので、こういうふうに五百円が並行して発行していただけば、それにもかかわらず毎年やはり紙幣全体としては若干ずつふえていくというふうな見通しを私どもとしては持っておりますし、期待をいたしております。
○鈴木和美君 大臣どうぞお願い申し上げたいんですが、先ほど大臣の答弁で大体わかりましたけれども、緩やかな切りかえをお願いしたいんですよ。急激に切りかえると、いまこういう場ですから余り言えませんけれども、やっぱり相当の影響が実は出るんですわ、印刷の労働者の方の関係には。そういう意味で、この労働問題に余り混乱の起きないような緩やかな切りかえということをぜひ配慮していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分配慮します。
○鈴木和美君 また私、七日に技術論の方はやらさしていただきますので、残った問題で一つ。 こういうふうに経済の発展に伴ってより高額の貨幣、紙幣を出すと一紙幣はまだいってないですが、高額の貨幣を出すということは勢いもう千円の硬貨ということもまた要望し、考えられる時代がそう遠くはないんじゃないかと思うんですね。そういうようなことから考えてみると、調べてみたら、昭和二十三年から見てみますと、五円の硬貨が出た翌年が二十五年で千円の紙幣が出ている。それから二十六年に五百円の紙幣が出た。二十八年に十円の硬貨。そして今度紙幣の方を見ると三十年に五十円で、三十二年に百円の硬貨ができたときに、片方紙幣は五千の紙幣が出たんです。三十三年に一万円の紙幣が出たわけですね。こう考えてくると、過去の事例から硬貨が新しく発行された二、三年後には必ずその百倍の紙幣が印刷されているのが実績としてあるんですよ。そう考えてくると、五万円札とか十万円札とかというようなものを刷らなきゃならぬというようなことに勢いなってくるんじゃないのかなという、そういう私は心配を大変持っているんです。 そこで大臣にお尋ねしたいことは、そういう状況から考えてみると、当然インフレの危険性というのがこれは話題になりますね。もう一つは、そのとき一円というのはどうなっているんだろう、十円はどうなっているんだろう、こう考えますとデノミ論というのが必ず出てくると思うんですよ。大変今回の五百円の硬貨の問題は単純のようですけれども、日本経済の展望からしたときに大変な問題を私は含んでいるような気がするんですね。そのインフレにつながらないということと、デノミについてもかつてドルの二けたの問題であるとか、それから日本の数字は余り大きいものですから外国に行って通訳が困るとか、そういういろんな話があったけれども、そういう外国の状況よりも日本国内の実情をよく見ながらやっぱりやっていかなきゃいかぬと私は思うんですわ。そこで、五百円硬貨が出ることによってのインフレの危険性、デノミ論などについて大臣としてどういう見解を持っているのか、お聞かせいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 心理的にその五百円札をなくすなんということになるとあなたのおっしゃるようなこともあり得るので、そういうことはなくしません。そのとおりやります。 それから、インフレ問題は別の政策問題ですから、そういう点においては政府はいろんな手を使って物価の安定に努めていくということは少しも変わらないわけでございます。
○鈴木和美君 せっかくですからあと二分ぐらいで……。大臣、札は廃棄をしていってきれいに最近なってきましたですね。こっちの百円、十円、五十円は汚くて不衛生的ですよ、片方の方の紙幣の廃棄率から見ると。私は、やっぱり硬貨もきれいにつくり返すみたいなことをやらにゃいかぬと思うんですよ。そういうことに対してどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 貨幣の中にはゆがんだり傷ついたり、そういうものも確かにあって流通が不便だと、こういうものにつきましては、政府が引きかえる義務が貨幣法の十二条でございます。また、日本銀行の窓口を通じていいものと交換してくれということもできることになっています。したがって、今後ともやはりきれいな貨幣を供給すると、それでゆがんだり、いびつになったり非常に減っちゃって字もろくに見えないというようなものはやはりなくすように今後も努力をしてまいります。
○鈴木和美君 委員長、また引き続きやらせていただきます。
○矢追秀彦君 大臣のお時間が決められておりますので、大臣にまず集中的に総括的な問題を伺いたいと思いますが、いまも鈴木先生からお話がありましたデノミの話は御答弁なかったんですけれども、福田さんが総理のころはわりあいデノミ論が国会でも議論をされました。もちろん私はいまの状況でやるべきではないと思いますけれども、先ほども鈴木委員がお触れになったように、外国のお金と比べますと確かにけたも大きいし、不便であることは事実です。また、そういうことでデノミ論というのはかなり根強く今日まで来ておるわけですが、これは仮定の議論になると思いますが、大臣はどういう状況になればデノミをやるべきであると、こうお考えになっておりますか。 一つは、私は、やるとしてもやはり経済が安定しなければならないと思います。特に物価が安定すること。それから、やり方はいろいろあると思いますけれども、フランスでやられた方式とかいろいろあるわけですが、やはり安定したときにやるならやらなければいけないと思います。しかし、現在のような状況下ではとても無理であるし、また、デノミをやることによるマイナスの方が大きいと私は判断しておりますが、大臣はどういうデノミにする考え方をお持ちになっておるのか、お伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はやる気がありませんから別に研究もしておりません。
○矢追秀彦君 言うといろいろ問題が起こるからおっしゃらないのだと思いますけれども。 それでは最初の、法案に関連をいたしまして、発展途上国に対する経済援助についてお伺いしたいと思いますが、現在、特に非産油途上国の債務が大変累積をしておる。この問題について非常に深刻になっておりますが、世銀の調査によりますと、石油はどんどん値上がりをしておると、その結果、非産油途上国の経常収支赤字はどんどん伸びていっているわけですね。私の調べたのによりますと、七四年には二百九十一億ドルであったのが、七八年には三百五億ドル、七九年には四百五十五億ドル、八〇年には八百六十億ドル。こういうふうな、これはモルガン・ギャランティー・トラストのマンスリーレポートに出ておったデータでございますけれども、今後八五年には七百八十四億ドル、九〇年には千四十二億ドルと、こういうふうな拡大になるだろうと、こういう世銀の調査があるわけです。一方、途上国のこれは、私、さっきずっと並べたデータというのは経常収支の赤字の累積です。これから申し上げるのは債務残高ですが、これは七七年末の千九百八十億ドル、これが七九年末には三千七百六十億ドル、約倍になっておるわけです。しかも、返済期日というのは八〇年代の前半に大体がたまっております。そういうことから見ますと大変危機的な状況とも言えるわけで、そうなりますと、先進諸国はいわゆる債務救済ということに振り回されてしまう。本来の経済を発展させようとかあるいは地域を開発しようというような援助よりも、借金の返済の、こっちに振り回されてしまう。こういうことは覚悟しなければいかぬわけですけれども、この問題について、IMFの融資条件の緩和の問題とかあるいは世銀等のこういった国際的な機関の機能強化、こういうふうなことも私は相当考えていかなきゃならぬと思います。いま申し上げたこのIMFあるいはまた世銀の機能について、どうお考えになっておるのか。今後わが国としては、どんどんこういったことに対する出資あるいは融資というものは要請が強くなってくるわけです。財政再建あるいは行政改革と言われている非常に厳しい中でこれもやらなきゃならぬと、しかもやっている相手は非常にそういう問題があると。私はやっぱりこの辺で、もちろん相手のあることですからこちらの勝手にはいかないと思いますが、やはりこの経済援助のあり方というものをどう考えていくのか、その辺きちんとやらなきゃならぬと思います。したがいまして、いま申し上げたこの国際機関のあり方、わが国の対応策、これについて大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは本当に基本的な問題で、非常に重要なこれからの問題でございます。日本という国も貿易がなければやっていけない国でございます。ところが、相手国が赤字だということになれば品物が買えないということになって、日本の産業にも影響を及ぼす。そうかと言って、産油国ではかり日本の品物を引き取ってくれるわけでもなし。やはり、全体の物と金が上手に動かなければ世界の経済はいびつになってしまうわけですから。 そこで、いまおっしゃったように、非産油国の赤字にどうして対応するかということですね。それにはやはり産油国のお金を回してやらなければならない。ところが、直接産油国から非産油国でしかも低開発国というか、発展途上国というか、そういう国に、金は貸してくれといっても貸しませんわね、なかなか現実問題として。ということになれば、中にだれか仲介者が入らなければならぬ。その仲介者はやっぱり産業的にも基盤の強い先進国がならなければならない。日本なども全くそのとおりでございまして、やはり日本の方がいろいろ借り入れていわゆるまた転貸しをしてやるとか、あるいは銀行などが借り入れてきてそういう別な国に貸してやるとか、あるいはIMFとか世銀とかというものが、産油国等から金を借りてきて非産油国に貸してやるとか、そういうことは本当にこれからやっていかなければならない非常に大きな問題である、そう思っております。 委細については国金局長に随時御質問をしてもらいたいと思います。
○矢追秀彦君 各論はまた後でお願いするとして、大臣がいらっしゃる間に総論的にお伺いしたいんですが、いま言われた非産油国の累積赤字の問題も大きいんですが、要するに、発展途上国がこうやってなっておる原因いろいろありますけれども、やっぱり現実はもちろんある程度進歩している国もあるんでしょうが、実際は食糧だけでも大変な状況ですよね。たとえば子供にしても、大体一億人生まれて千二百万人ぐらい年間で亡くなっていますね。大体新生児の一割。そういう非常に、大体食べる物がないという、したがいまして、水もないところも多い。だから井戸を掘るのがまず精いっぱい。井戸の援助なんかもユニセフでやっておりますけれども、そういうふうなことで、日本の頭で考えていると全然実情というものは違うわけで、いま言ったようなそういう債務の問題も一つありますが、やっぱりこれは相当長期な展望に立って、私は食糧の問題——食糧にしてもやはり農業をどうするかという、結局技術援助と言っても、品物を持っていったところでなかなか使えない。相当教育もしていかなければいかぬと思うわけでして、教育となるとまたこれはいろいろ問題が出てきますし、私自身も正直言って、じゃどうしたらいいのかという、いい答えはないんですけれども、とにかく非常に飢餓で苦しんでおる諸国、そういったところが、日本だってここまで来るのには大分時間もかかっているわけですけれども、日本の場合はやはり教育が非常に充実をしておった、徳川時代からかなり教育が進歩しておった。明治になってからではありませんから。そういった意味でこれだけの国になれたわけですから、発展途上国も、やはりいろいろな実情を見ますと、やっぱり教育から行かなきゃいかぬのじゃないか。もちろん品物を持っていく、技術を持っていく、いろいろありますけれども、基盤そのものがだめなんですから、やはり人間だけはたくさんいるわけでして、そういった点を非常に痛感をしておるんですが、そういうふうな面で日本はどうしていったらいいのか。経済協力の基本的なあり方ですね、これは大臣はどう思われますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもむずかしい話で、本当に食うにも困るようだったらそんなに子供をつくらなきゃよさそうなもんだが、そういうところほど子供が多いということで、実際問題として、どこからこれは取っかかっていったらいいかということは本当にむずかしい問題だ。あなたの言う教育と言ったって、やっぱり食えることをしてやらなきゃならぬ。非常にこれはどういうふうにしていいのか、私もこういうふうな決め手があるということは自信がありませんが、いずれにしても、世界じゅうみんなで協力し合って、そういう不幸をなくすように何とかしなきゃならぬ。特に発展途上国は、まず外部でめんどうを見るということももちろん必要なんだけれども、やはり幾らもう贈ってもそれだけではとてもそれは支え切れるもんじゃないんですよ、数が多いんですから。やはり発展途上国の自助努力といいますか、内部からも自分たち自身も立ち上がっていくという気力を持ってもらって、そこへわれわれは、もう世界的な義務ですから、これは。みんなで物を運んだり、金を提供したり、いろんな技術の便益を与えたり、そういうようなことで、その国々の独立と自立ができるようにお世話をしていくということが、まあ抽象的な話になりますが、そういうことじゃないだろうかと、そう思っております。
○矢追秀彦君 アメリカが今度レーガン政権になりまして、どうも発展途上国に対する援助というものに対しても、何か財政の再建というふうなことで消極姿勢というのが見られるわけですが、これはどう思われますか、これについて。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもレーガン政権になってから外国に対する、特に出資とかそういうようなものは非常に引き締めていると、事実なんです。そこで、国際会議なんか出ましても、やっぱりそれは非難を受けるわけですよ。そこでレーガン政権も多少最近は変わってまいりまして、国際で約束したものは、出すものは出しますと。出しますけれども、平均出すのじゃなくて、アメリカいま弱っているんだから、力を強めて先送りで大きく出すというようなことで幾つか例がございます。だけれども、やはり世界じゅうにアメリカがまず出資したり援助したりすることをやめるというようなことになりますと、みんながそれに連なって少なくしちまうということは、やっぱり世界の経済にも影響を及ぼしますから、極力あらゆる会議を通しまして、アメリカはやっぱりいままでどおり、何といったって世界一の経済大国なんですから、国内の事情のこともわからないではないが、極端な政策は困りますよと、極端な政策変更は。ことに突如としていままで関係のある国とよく連絡を密にしないで、いま言ったように協力をやめたり出資を少なくしたりというようなことのないように、われわれも実は御注意を申し上げているわけでございます。
○矢追秀彦君 それで、一次産品のための共通基金への加盟に伴う出資なんですけれども、これもいまアメリカが、第一勘定では米国の一五・七%、日本は七・二と第二位ですが、第二勘定の方になると、日本は一二・〇で一位となっておりますが、米国はないわけですね。アメリカが出していないのはどういう理由なのか。
○政府委員(加藤隆司君) アメリカは、いまの御指摘のように第一の勘定の方には出しておりますが、第二には出していないわけです。これは第二の方が経済援助的な色彩が強いというような観点から入らないということでございますが、第一の窓の方は、御承知のように昨年十一月もう署名をしております。したがって第二の方には入りませんけれども、第一の方には入るということで、全体の問題には一応関係がないというようなことでコンセンサスになっております。
○矢追秀彦君 いま関係ないと言われましたが、このまあ片方に出資をしないで、その運営等はうまくいくのかどうか。一も二も両方含めた運営になっておればいいんですけれども、やはり実際はこう違うルートでお金が出ていくシステムになっておりますから、その点はやはり問題が出てくるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 第一の方は御承知のように出資金の三分の一と、それから百六十三ヵ国の半分というようなことで成立するわけですが、第二の方は拠出金の——出資でなくて拠出でございますが、それの半分というようなことで成立するわけですが、アメリカはいま申しましたように第二の方が、先ほど大臣の提案理由にもございましたが、生産性の向上とか新しいマーケットの開発とかというようなことで、援助的な性格を持っていると、こっちの方は従来の世銀なり何なりで賄えるんではないかという考え方を持っているわけです。そういう意味でこのスキームの成立について影響がないということと、それから第二の方はアメリカはアメリカでウエートが小さいわけですから、まあ全体としては問題がないと、そういう意味でございます。
○矢追秀彦君 それでは、これも大臣にお伺いしたいんですが、「財政の中期展望」では昭和五十九年度まで毎年一一%台の経済協力費は伸びを設定されているわけですが、この中での政府開発援助の位置づけ、これはどうなっておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 若干計数的なので私からあらかじめ御説明したいと思いますが、「財政の中期展望」の方では、経済協力費はいま御指摘のように大体一一%台の伸びになっております。それからODAの中期目標の方では御承知のように、七〇年代後半の五年間が百七億ドルと、まあ倍の二百十四億ドルと。この中の一般会計の方を見ますと、大体「財政の中期展望」と整合性のとれた伸びになっておると、そういう関係になっております。
○矢追秀彦君 それから、積み上げ計算の根拠ですね、これも明らかにしていただきたいんですし、それから、この一月の……これは、いま言われましたですね、数字は。 大臣にお伺いしたいのは、まあ整合性はいまあると言われましたが、実際問題として、まあこれからの中期展望どおりに財政がいかないと困るわけですが、いま相当まあ行政改革等も言われて、削れ削れというようなことが出てきておるのに、こういったところまで影響が出てくるのかどうか、それを私も一つは心配をしておりますが、その点が第一点と、やっぱり日本がいろいろ言われるのは、結局、オーダーがまだまだパーセントが低いと言われるところにあると思います。で、実際は当初予算で大体〇・三%、これが実績としては大体〇・二と、こういうふうになっておりまして、いわゆる目標の〇・七まではなかなかいっていないと。相当これは高い水準にいまから言えばなるわけでして、なかなか中期展望そのままいったとしても、その辺についてはまだいかないんじゃないかと、こう思うわけですが、やっぱりこれの、これは実際どういうふうにしてそういう目標まで——言われておる目標までいけるのか、大分先になると思うんですけれどもね、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ、われわれとしてはその経済の問題、世界全体の経済と日本の経済もう密接に関係してますから、日本だけずば抜けてやるというわけにはなかなかむずかしいと私は思いますよ、実際問題として。しかし、われわれはいま恵まれた状態に世界の中ではあるわけです。ですから、この経済の状態というものを続けていけば、ことしの後半からはアメリカが本当に経済の立て直しについて明るい見通したというのは大体一般的な、世界の各国ともそう見ておりますし、アメリカ自身もそう見ておるわけでございますので、ぜひともそういう点でアメリカが成功してもらいたいと私らも思っております。そうなれば、日本もしばらくの間苦しいけれども世界の経済の動きがよくなれば、それに伴ってわれわれの想定をしたぐらいのことは何とかやっていけるだろうし、いくように最大の努力もすると。その中にあって、国内的には財政の赤字というものに悩んでおるわけですから、この財政赤字を切り抜けるということも気を緩めることはできません。できませんが、やはり世界の経済の中に日本は生きられるんですから、まして軍事力等において世界の平和に貢献することはできないという状態の中ではやはり経済協力というような問題で貢献をするということは私は義務だと、そう思っております。したがって、苦しくともかねて発表した今後五年間において倍にするという経済援助の一つの目標というものはなし遂げるように、今後とも皆さんの理解と協力を得てまいりたいと考えています。
○矢追秀彦君 それでは大臣は退席のようですから、ちょっと恐縮ですがもとへ戻りまして、先ほどから少し申し上げた非産油途上国の債務累積問題について申し上げますが、さっき専門的な方は局長にと言われましたので。 IMFですね、これの融資条件の緩和等はやはり可能なのかどうかですね、これが一つと、それからもう一つは世銀等のこういった国際機関の機能の強化、またあり方はどうあるべきなのか、それからわが国の対応、これについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 若干御質問から外れますが、先ほどの御発言に関係しましてちょっと申し上げてみたいと思うんですが、御指摘のように八〇年末で大体非産油途上国の借金の残高が三千五百億、大臣は三千九百億と言われましたようですが、三千五、六百、そんなオーダーでございます。 それで目下の見通しですと、八五年ぐらいに倍ぐらいになるんじゃないかというようなことでございます。それで、こういう事態というのは非常に深刻であるわけなんですが、その場合に非産油発展途上国全体を一括して見るのは現実的じゃないんじゃないかと。大体いろんな分類のやり方がありますが、私などはたとえばこういうことで考えたらどうかというふうに見ています。 一つは、ポーランドなんかは途上国に入っておりませんが、ポーランドとかトルコとかパキスタンとかそういうような非常に政治的な問題の国があるわけです。で、こういうのもかなり借金が大きいわけです。たとえばポーランドの場合ですと二百三十億ドルとか、そういう借金を抱えているわけですが、こういう国はそれぞれ一番利害関係のある国がおります。そういう国が関係国を集めて対策をとっていくというようなことになると思うんです。それから二番目のグループは、最貧途上国というのがございます。大体非産油途上国が九十ヵ国ぐらいありますが、その中で三十ヵ国ぐらいが先ほどの飢餓状態云々のひどい国になりますが、こういう国の債務残高というのは七九年で二、三百億ぐらいのものであるわけです。こういう国に対しては、先ほど大臣が言いましたが、先進国が税金の金によるODAというやつで対策を立てていく。そうしますと、三番目のグループが一番問題になるんですが、これはたとえばブラジルとか——名前挙げるとちょっと差し支えありますが、ブラジルの場合ですと五百五十億ドルぐらいの借金がある。あるいはそういう中進国的な開発途上国ではありますがかなり力のある国々があるわけです。こういう国の対策が非常にクローズアップされている、それが南全体みたいの問題になっちゃっているというようなきらいがあるわけです。 それから二番目の問題といたしまして、どうやってこれらの国のめんどうを見るかということなんですが、一つは、民間のマーケットでOPECに偏在したドルをリサイクルしていくということを第一次オイルショックの後でもやったわけですが、第二次オイルショックもそういうチャンネルが主流になっております。それから二番目には、御指摘のIMFや世銀がこれを補完的に強化していくというチャンネルがあるわけです。それから三番目には、OPECからダイレクトに世銀なりIMFに金を持ってくるなりあるいは彼らも自分で基金をつくっておりますが、そういうようなOPECの金を直接使うというようなやり方があるわけです。それから四番目には、日本とアメリカがそういう国のODAとか、そういうようなかっこうのやり方がある。五番目には、昨年のベニスのサミットで問題になったんですが、東欧の工業国というものも軍事援助ばかりをやっていないでそういうこともやってみたらどうだというような議論もなされているわけです。 こういうようないろんな国がそれぞれ分に応じていろんなことをやっていく、そこの中で三番目に、御指摘のIMFなり世銀の機能強化の問題があるわけでございますが、IMFにつきましては御承知のように、各国がクォータを出して、金を出してその大体いま四五〇%を借りられるわけですが、これはかつては二〇〇%ぐらいだったんですが、昨年の九月からは四五〇%まで借りられる。トルコなんかは限度いっぱい借りております。こういうような借金ができる枠を広げた。それからコンディショナリティーと言いまして、借金しますと経済を締めるとか、いろいろ再建計画を求められるわけでございますが、こういうような条件を一年ごとに厳しくやっていたのを、三年ぐらいのレンジで見たらどうだとかあるいは将来のことを考えまして供給サイドの施策をとった場合にはその分は余分にめんどうを見るとか、そういうようなコンディショナリティーの緩和というような対策がとられております。 それから三番目のグループとしては、IMFの金が足りなくなるんではないかという議論があります。われわれは本来IMFというのは増資で対処すべきだという考え方を持っておりますが、現に同委員会におきましても昨年はIMFの増資法案、第七次法案を成立さしていただいたわけなんですが、足りなければ八次増資というものを急いだらどうだ、これはいままで五年に一回くらいやっていたのですが、そういう議論をやっておりますが、増資が間に合わない。しからばどこかから金を集めるというようなことで、先般サウジアラビアからIMFが本年四十億SDR——アバウト五十億ドルになりますが、そういうようなものを借ります。それから主要国はそれぞれ分に応じた貸付金をIMFに出します。そういうような財源の強化というようなことも考えられております。 それから世銀の方でございますが、世銀の方は、昨年の九月のIMF総会・世銀総会におきまして構造調整融資、要するにIMFの方は短期の国際収支の補てんというようなことを任務としておるわけでございますが、世銀の方は従来プロジェクトローンということで橋をかける、トンネルをつくる、あるいは農業の灌漑施設をつくる、そういうものについて金を貸していたわけなんですが、国際収支の調子が悪い場合にそういう特定のプロジェクトに関係のないプログラム融資とか、セクター融資とか言われておるわけでございますが、まとめて特定のプロジェクトに関係のない金を貸す、それで国際収支の将来の改善に資するような融資の制度を新設いたしたりしております。 こういうようなことで、幾つかの道具立てがあるわけでございますが、御質問の国際機関のリサイクリングにおける役割り強化というような点においては、昨年の九月にそういうことが行われておりますし、それから先般のいろいろな国際会議をやっておるわけでございますが、そういう席上でただいま申し上げましたような財源強化策なりそういうことが議論されて、国際的にもコンセンサスができて前進をしておるというような状況にございます。
○矢追秀彦君 それから、先ほど触れました「財政の中期展望」のところで、積み上げ計算の根拠と、それからもう一つは、これはドルになっておりますね、表示額が。で、果たしてドルがいいのか。というのは、円相場が大分この期間中に変わる可能性があります。前回の政府開発援助が倍増計画期間において円相場が大体一九%も上昇したと。そういうことで実質的にはわが国の負担が軽減されたんだと。そういうことで途上国あたりからは不満が出たというふうな話をちょっと聞いておるわけですけれども、これはだから円にしたらいいのか、ドルのままでいいのか。どうせ変動相場制ですからいろいろ変動がありますので私も何とも言えないと思いますけれども、ドルにされておる理由、あるいはまたそういう非難に対してはどういうふうに説明をするのか。またそのときふやしていくのか。その点はこれは非常にむずかしい問題ですが、動いておるだけに、この二つの点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 前段の御指摘でございますが、「財政の中期展望」の方では、経済協力費は一一・何がしの伸びになっております。それでODAの中期目標五年倍増という方は、百七億ドルを二百十四億ドル以上にするということになっておりますが、この中の一般会計分を概算いたしますと、中期展望の経済協力費の伸びと大体整合性がとれております。 それから第二点の方でございますが、ODAは御承知のようにDACという会議がございまして、その中で各国の援助の中から約束事がございまして、概念がそろっておるわけでございます。それでドルで計算するというような慣行があるわけでございます。したがって、円表示ではなくてドル表示の方がそういう国際的な場では使われる頻度が高い。またドルで比較されるというようなことがあるので、今回の倍増の計画をドルベースでやったということは、そういう意味で効果的だろうと思うわけです。 それに関連いたしまして円相場が変動するという問題でございますが、これは購買力ということから見た場合に、円のレートが仮に動きましても先方が買える量は本来変わらないはずなんでございますね。損したように思ったり得したように思ったりしますが、なかなか納得を得られませんけれども、本来は円という角度で見た場合には、一ドル二百円であれ一ドル二百二十円であれ、二百円で鉛筆一本といったら二百二十円でも鉛筆一本であるという関係にはあるわけでございます。そう円高になった場合にわれわれの方がドルの金額がふくらむ、ドル表示を二百円で割った場合に、円安の場合と円高の場合と逆になるわけでございますけれども、購買力の点ではそんなに差がないじゃないかというような説明を前回もいたしておるわけでございますが、以上でよろしいかどうか、さらにもしありますれば敷衍いたしますが。
○矢追秀彦君 次に、先ほど大蔵大臣にもお伺いした、アメリカの海外援助の方向がレーガン政権になって戦略効果の薄い国は減らして、それから薄い国とか薄い国際機関、そういったことの増員とかそういうのも減らしたり、むしろ何か軍事的な色彩の強い経済援助というふうなことがどうも方向としてあるような気がしてならぬわけです。だから、二国間援助が優先されてきておる、こういうふうなことですね。そういう方向にある中で、わが国はどうしていくのか。いろいろ協力を求められることもあるでしょうし、アメリカのような方向にわが国の政府も考えておるのかどうか。私は余りこういうことは好まないわけですが、特に西側諸国の一員として紛争周辺国ですね、トルコ、パキスタンあるいはまたASEAN、そういったところへの援助を重点的に配分すると、こういう少し偏りが出てくるとまずいと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほども大臣が御答弁がありましたが、新聞ではアメリカが援助予算を切ると、その場合にマルチよりバイである、しかもバイもアメリカに協力的な国とそうでない国とを分けるというような記事がございます。私どもの方も外交チャンネルを通じて聞いてみますと、そういうことは特段に考えてないということでございますが、どうもそういう傾向があることは否定できないんだろうと思います。 で、二番目にアメリカの方の予算の問題でございますが、こういうことを言っております。コミットした分は必ずやると。ただ、ディスバースするのを延ばしたいと。日本の予算と違いまして、歳出権限をもらう法案とそれから実際に歳出をするというのと——日本は予算の権限というのは支出と契約権限と一緒になっておるわけですが、分かれて法律で歳出権限をもらうと。それから予算で金は払うと。その法律権限の方は議会で認めていただいて、それを歳出する方を延ばすと。大臣が申しましたように、将来年次に向かって重く出していきたいというようなことになっております。 それで次に、こういうことがわが国の援助政策に関してどういうリバーカッションが起こるかという問題でございますが、日本の場合には先ほど大臣が申しましたように、発展途上国の民生安定なり経済開発のための自助努力を支援するということ、それが回り回って世界経済、世界平和の安定に役に立つと、そうして日本にもプラスになるというような基本的な考え方を持っております。したがって、アメリカが援助を切ったからといって日本の援助政策はそれによって影響を受けないと。いわんや肩がわりというようなことはアメリカも言っておりません。そういうことで、日本の援助政策は影響を受けないと。ただ、先ほども大臣が言われましたように、国際会議の席上アメリカのような国がやはり世界のために引き続き努力を払うべきではないかということを日本として大臣も発言されておりますし、われわれも会議の席上そういう意見を述べております。
○矢追秀彦君 時間ですから簡単にお願いしたいんですが、次に一次産品のための共通基金の加盟の問題で、一次産品の国際価格の安定というのが目的に掲げられておりますけれども、なかなかこの一次産品の価格の安定というのは現実には、まあ投機なんかもある場合もありますし、いろんな経済の変動で相当動いております。そういった点について効果がどれくらいになるのか、まあ大変疑問な面がございます。この効果について。 その次は、この本基金と個々の国際商品協定との関係。要するに基金の対象品目が十八品日になっておりますが、現在国際商品協定が結ばれておるのは六品目だけてあります。これが協定がなくては基金は活用できないのではないかと思うんですが、この関係についてお伺いをしたいと思います。また今後この六品目以外の商品協定ができる見通しはどうなっておるのか、これだけを伺って時間ですから終わりたいと思います。
○政府委員(加藤隆司君) 第一の点でございますが、理論的には消費国の方が価格安定のメリットを受けると、あるいは品質改善、生産性向上のメリットを受けると。それから輸出国の方は輸出所得が安定すると。国内の食管制度とか乳製品の価格安定とか砂糖とかいろいろ日本の場合もございます。必ずしもうまくワークしてないとかいろいろ問題点がございますけれども、うまくワークしているものもあるわけでございます。一応、現在ございます商品協定の中で在庫のバッファーストックをやっているものもあるわけです。まあ比較的うまく回っているものもあるというようなこと、こういうようなことから考えましてこの一次産品の共通基金の効果という点でございますけれども、理論的にも一応整合性がとれた考え方である、経験的にも必ずしも全部が全部まずいということではなくて、在庫の量の持ち方あるいは価格の決め方こういうことによって、これは生産国と消費国の利害が衝突いたしますので果たしてワークするように決められるのかという御質問もあるわけでございますが、みんなで集まってやっていこうという姿勢が出ているわけでございますので、在庫量の測定なり価格のセットというのがうまくいけば理論どおりにワークするというふうに加盟国は考えているわけでございます。 それから二番目の、現在ございます商品協定、十八想定しているけれども、六つではないかと。これは御承知のように、現在すず、天然ゴム、コーヒー、砂糖、オリーブ油、あとは小麦とココア——ココアが本年の五月三十一日までに発効要件を満たせば発効するということで、小麦を除きまして六つあるわけでございますが、この中で、現在緩衝在庫を持っておりますのは御承知のようにすず、天然ゴム、こういうものでございます。こういうのは今度の構想の中で基金と提携して金をブールして価格維持と在庫量の維持を図るということになるわけですが、その他のものは一体どういうものが想定されているのかといいますと、ジュートとか熱帯木材あるいは硬質繊維、銅、お茶、綿花、こういうようなものがございます。ここの中で一体どれが可能性があるかということでございますけれども、率直に申して銅とか綿花につきましては緩衝在庫を設けるかどうかについてまだ生産国と消費国との間で合意がなされておりません。そういう状況にございますけれども、とりあえず御指摘の六品目の中で、すずとか天然ゴムというふうなものがまず最初に登板してくるのではないかと、こんなふうに見ております。
○近藤忠孝君 最初、貨幣の問題についてお聞きしますが、わが国の貨幣の基本法は貨幣法ですが、これは今回の法案出ましたので読んでみましたら、これが果たして現行法かと思うほど大変古いことばかり書いてあるんですね。それからさらに戦車中の臨時の時限立法である臨時通貨法、これも基本になっておるわけですが、大体これも中身見てみますとほとんど現状には通用しない、こういう規定なんです。一体、現行法上通用する規定がどこにあるのか。一条だけ通用するようですけれどもね。となりますと、私はこれはもう現状に合わないではないか。こういう死文化したものをこのままにしておくことは現状に合わないので、こういう不自然な状況をやめまして、近い将来に現状にふさわしい法制上の整備が必要だとこう思うんです、だれが見てもわかるような。その点いかがですか。
○政府委員(渡辺喜一君) おっしゃるとおり、貨幣法はこれは明治三十年、それから臨時通貨法も昭和十三年の公布の法律でございます。したがいまして、立法論から申しますと、適当な機会に貨幣制度全般につきまして根本的に改正をして統一的な貨幣制度というものを整える必要があろうかと思うわけでございます。ただ、当面なかなかそういう時期が到来いたしませんので、現在におきましては小額通貨整理法等別途つくりまして全体としての手当てを、法令上の手当て、工夫をしておるわけであります。したがいまして、現時点におきまして特に国民の経済取引あるいは日常生活にとって非常に不便を来しておるということではないわけでございますが、立法論としては適当な機会に統一的な改正をする必要があるということはおっしゃるとおりでございます。 なぜいまの時点でそれをやらないかということでございますが、この貨幣制度というのは何といっても国民の経済生活の根幹をなすものであるということでございます。改正の内容いかんによりましてはいろいろ経済取引あるいは国民生活に影響を及ぼしてくるということでございますから慎重世検討が必要であるということでございます。特に経済全体が安定をいたしまして、これに手をつけることによっていろいろな思惑というふうなものを生じないような、そういう環境が必要であるということでございますとか、同時に国際通貨制度との調和という点も大変大事な問題でございます。この面から見ましても現時点での改正というのはなお時期尚早であるというふうに考えておる次第でございます。
○近藤忠孝君 だれも実際貨幣使う場合に法律を見てやるわけはないから実際上不便はないと思うんですね。ただ、やはり近代国家としての日本がそれにふさわしい法制度を持っておるという点から見てみますと、まさにある意味ではわが国の貨幣制度はどう発展してきたかという歴史的経過幸たどる歴史文書としてはこの法文は大変乱はわかりやすいと思うんです、そういう意味では。しかし、現状を理解するという意味では全くこれはどうにもならない法律ですので、ひとつそういう意味からも整備をするということをこれは提起をしたいと思うんです。 そこでいま局長が言いましたように、国際通貨との関係ということが大変大事だと思うんです。そこで、いまも言った貨幣法の経過から見ましてもわが国の通貨制度が金本位制を喪失をした、その辺が一つ大きな問題だと思うんですが、国際的に見てみますと、国際的にもこれを立て直しをしていくことが言われておりますし、わが国もそういう点ではそれに大いに寄与すべきであろう。ですから国際的な金本位制、それをむしろいま確立をする、そういう方向に向けて進むべきじゃないか、そういう観点からこの日本の貨幣法も見ていくべきだと思うんですが、そういう点についてのお考えはどうですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 現在、これは国際金融局長から答弁していただいた方が適当かもしれませんが、国際通貨基金協定、IMFの協定におきまして、「国際経済の条件が安定的なしかし調整可能な平価を基礎とした広範な為替取極の制度の導入を許容するものであることを決定することができる。」ということになっていまして、全体として統一的な平価制度というふうなもの、そういうものが導入できるならば、そういうものに向けて今後の国際通貨制度を整えていくべきだという考え方になっておるわけでございます。遺憾ながらしかし、現在は各国とも全く為替についてはフロートというふうな形になっておりまして、そういうような状況に到達していない状況でございますので、そういう状況を踏まえますと、わが国がいまここで統一的な通貨の制度というものをここで確立するというのはなかなかむずかしい状況にあるということではなかろうかと思います。
○近藤忠孝君 時間はかかると思うんですけれども、やはり国際的なインフレを阻止をするということは大事なことだと思いますし、世界的にもそれだけの地位を得てきた日本としては、むしろ積極的に国際的にそういう問題を提起をすべきだとこう思うんですが、現状は現状として言われたとおりだと思うんですけれども、日本としてのそういう心構え、これはいかがですか、国際金融局長。
○政府委員(加藤隆司君) 御指摘のような議論がございます。たとえば共和党の昨年の大統領選挙のときに、信頼できる通貨基準を再建することというのがございます。これは一体何だと言えば、金本位じゃないかという議論がございまして、レーガン政権になって金本位制を言うのではないかというような新聞記事なども出ておりますが、はっきり文書のかっこうでレーガン政権としては金本位制をするようなことは考えないというような経緯がございます。 こういう経緯は経緯でございますが、金本位制に戻った場合に一体どういう問題があるかということでございますが、例の日本の昭和の初期の金解禁のときを思い起こしていただけばいいわけですが、金に通貨がリンクしておりますとデフレとかインフレが非常に行き過ぎるわけでございます。通貨量は金に束縛されるわけですから、その関係をどういう関係にセットしたとしても、経済の運用を間違った場合にはもう失業者はどんどん出ると、それから片や金がどんどん入ってくるとインフレになるというような、ケインズが言っておりますように、野蛮な金属に人類が縛られるのかというような問題があるわけです。したがって、もう一つ最近時の問題としては、金価格がたとえばこの一年見ましても、一番高いときには一オンス八百四十ドルぐらいから昨今の安いときには四百六十ドルなんという、もう倍も動くわけでございます。それから金が非常に偏在しておるわけでございますね。というようなことで、目下のところの国際的コンセンサスとしては、IMFももう金から離れておりまして、何とか通貨体制を立て直すという議論はしょっちゅう行われておりますが、とりあえずはSDR中心でどうだろうかというようなところでいろんな検討が続けられておると。したがって、古典的なかっこうの金本位制というのに賛成する向きは余りいないというふうに見ております。
○近藤忠孝君 大変これはまさに動きのある問題ですから、いろんな点を配慮すべきだと思うんですけれども、基本的にはひとつ国際的な通貨の安定という方向を目指してほしいということを要望して、次の質問に、移りたいと思います。 先ほども矢追委員から指摘がありましたレーガンの援助政策の問題ですが、二国間協定で、むしろ国際機関を通さず、直接供与の方向を打ち出していると。この点は単に財政問題だけではなくて、やはりアメリカの一つの世界戦略の問題だと思うんです。しかも対外援助は、発展途上国の中でも西側に友好的な国を選別、限定すべきだという考えが基本的にあるということですね。そうなりますと、日本の全体的な今回のアフリカ開発銀行への出資もそうですけれども、全体がそういう西側の一員としての位置づけ、それを与えられやしないか、またそれを期待されそれを要求されやしないか、こういう心配が出てくるんですが、それについての大蔵省の考えを聞きたいと思うんです。
○政府委員(加藤隆司君) 先ほども矢追委員の御質問にお答えしたわけでございますが、私どもの援助の基本的な考え方は、途上国の民生の安定向上、経済開発の自助努力を支援するということを大眼目にしておるわけです。それがそういうことをやることによって、回り回って世界の平和と経済の安定、そして日本経済にもプラスになるという、そういう考え方が基本認識でございます。したがって、アメリカのいまのいろいろなことが言われておりますが、それによって影響されないと。たとえばマルチとバイの問題にいたしましても、両方にそれぞれのメリット、デメリットがございます。わが国の場合は、ODAで申しますと、大体バイが三割ぐらいになっております。たとえばアフリカ開発銀行の問題でございますが、こういう国際機関というのは政治理念に影響されないと銀行の協定に書いてあるわけでございますが、一般的に加盟国の民生安定、経済開発というような理念をうたっているわけでございます。そういうようなマルチにも意味を見出し、バイにもそれぞれの意味があるわけでございますが、いまバイとマルチと数字をちょっと逆に申し上げまして、バイが七割でマルチが三割でございますが、マルチの意味ももちろん重視する、バイはバイなりの意味があるわけでございますので、その辺の調和をとりながらやっていくというようなことを考えております。
○近藤忠孝君 その姿勢は結構なことだと思いますが、ただ現実には、レーガンのアフリカ戦略というのはアフリカ諸国の猛反発を買っているのが現状だと思うんですね。ナミビアの独立問題では国連安保理事会の案をけっているとか、その他いろいろな問題があるわけです。これに対してアンゴラ、ボツワナなどアフリカ六ヵ国首脳がアメリカを厳しく批判をしておる。こういう中でことしの五月にアフリカ開発銀行の総会が開かれるわけですね。日本代表も出ていって演説をすると。ですから、そのいま局長が言われたような態度をこの総会で明確に打ち出す、そういう準備はありますか。
○政府委員(加藤隆司君) 私どもの大臣は行かれませんが、総務演説の中で、いま私が申し上げましたような途上国の民生安定向上とそれから自助努力、こういうものを支援すると、そしてそれが世界経済、平和の安定という、そういうようなことを述べております。
○近藤忠孝君 ひとつその姿勢を強く貫いてほしいと思うんです。 それから、これも先ほど指摘がありましたアフリカ諸国の債務が大変多くなっているという状況ですが、今後アフリカ諸国がこれらの累積債務から逃れる見通しというのはあるんでしょうか、これはどう見ていますか。
○政府委員(加藤隆司君) これは率直に申して、まあ借金ができるのは変な言い方ですが、信用があるから借金ができるというようなこともあるわけでございますね。で、ああいう、日本の場合も余り途上国のことばかり言えないんで、相当借金がふえつつあるわけです。これはOPECにドルが偏在している限り、先進国も途上国も避けがたい状況にあります。 で、その場合に、日本の場合などは信頼感があるんで金が入ってくると、途上国の場合なかなか入ってこないと、そして回らなくなるというような、そこの差はございます。ございますけれども、一般的状況は産油国以外はひとしく同じような状況にあると。そこの中で先進国の力のある方が、相対的に余力のある方がそういうおくれた国の方の債務を助けていくということで、非常にいろいろ困難があるわけでございますけれども、結局相互依存関係がこれだけ高まっている時代に入っておるわけでございますから、日本だけやるということはできないわけですけれども、国際的な協調の場でそれぞれの能力に応じてやっていくというようなのがいまの国際的なコンセンサスになっております。
○近藤忠孝君 特にアフリカ諸国の場合には、やっぱり現在の債務累積の状況から逃れることは大変困難な状況だということですが、それはやっぱり従来の援助の形にもかなり問題があったんじゃないか、こう思うんです。で、わが国の地域別経済協力実績、これを見てみますと、全般にも言えることですが、特にアフリカについて言いますと、政府開発援助の関係でも贈与よりも貸し付けの方が多い。これは民間でも同じですが、そしてまた、民間の割合が大変多いという、こういう状況が現実にあるわけですね。むしろ開発途上国、借りる側から見ますと、返すべき金よりは直接もらった方がいいわけで、ただ、これは出す方側になれば財政的な問題があるにしましても、むしろ本当に援助を受ける側の望むような援助という点ではこの援助の仕方そのものを見直すという、そういう必要があるんじゃなかろうか。そうでないと、先ほど言った累積債務がどんどんどんどんむしろふえていく状況、ますますそういう点では苦境に陥れる面もあるんではなかろうか、そういう点ではどうですか。
○政府委員(加藤隆司君) これは歴史的な経緯がございまして、たとえばわが国の場合はODAで地域配分を見ますと、アジアが七割ぐらいになっておる。それでアフリカ中近東、南米、これは毎年数字が動きますけれども、一〇、一〇、一〇ぐらいの感じになる。フランスをごらんになりますとアフリカが五割ぐらいになっている。要するに旧宗主国関係のそういう歴史的背景があって、わが国はなかなかアフリカには、率直に申してバイではなかなか出られないというような問題があるわけでございます。それからもう一つは、わが国の周辺国の方が緊急、緊要性が高いというようなことがあるわけでございます。 今回お願いしております法案は、そういう意味でマルチのチャンネルを通じてアフリカの方にも出ていくというようなところをねらっているわけでございます。歴史的な問題、それから当面する緊要度の問題、そういうようなことでアフリカまでは率直に申してなかなか手が伸びないというのが実情でございます。
○近藤忠孝君 時間も来ましたので、最後にやっぱりアフリカの飢餓的状況とか、本当に困難な状況ですね。それに対する援助の手を差し伸べる、これが私は本当の意味の援助であろう、こう思いますので、ひとつそういう方向に力を入れるということを要望して質問を終わります。
○三治重信君 非常に今度のこの法案は余りわれわれも関心というんですか、検討をしていない関連の法案でありますし、またその中身もこれは将来どれだけの価値がある問題か、勉強不足でなかなかわかりにくいところでございますが、このアフリカ開発銀行に加盟するというのは、アフリカの中でアフリカ諸国のクローズであったのが、これはアフリカ開発銀行というのはヨーロッパに対してもクローズでやっていたのか。そういう理由は、域外国を加盟させないでやったという理由、またそういうことについてどういうことが理由でそういうふうになっていたのか。また、今度オープンにして、世界から加盟を求めてやるという中の考え方の転換ですね、そういう歴史的な変わりぐあい、これが非常に後進国そのものの、やはり受け入れ側の気持ち、また姿勢というものが今後とも影響するんじゃないかと思うんですが、その真偽というのか、国のリーダーの考え方の移り変わりというものをひとつ御説明いただけませんか。
○政府委員(加藤隆司君) 当初アフリカ開発銀行は、御指摘のようにアフリカだけでやっておった、この考え方が一ちょっと表現が適切かどうかわかりませんが、銀行のアフリカ的性格を維持するという考え方であった。それが七八年の五月の総会で、結局アフリカの域内国だけでは金が足りない、域外国にもこれを開放して金を調達する必要があるんではないかという議論がなされたわけでございます。 その場合に、やはりアフリカ的性格を純粋に維持していくべきであるという主張をした国が何ヵ国かあるわけでございます。そういう議論があったことは事実で、その間にいろんな議論がなされて、そして七八年にそういう域外国に開放する決議が事実上採択されたわけでございます。そういう意味で、ヨーロッパにも日本にも同じ条件で開放になった。 それで、アフリカ内性格というのは何だということになるわけですが、加盟国が地域だけに限定されると五十一力国あるわけですが、南アフリカは仲間に入れないと五十ヵ国になっているわけでございますが、地域内は五十ヵ国、そういう経緯でございます。
○三治重信君 しゃべりにくいことかもしれないですが、これは共産圏の支持国とか、非常にそういうイデオロギー的なものが相当入っていますか。
○政府委員(加藤隆司君) イデオロギー的に言いますと、たとえばリビアとかそういう国は現加盟国であるわけでございます。
○三治重信君 それから、一次産品のものが十八品日ということであるわけなんですが、これの中でやはり過剰一次産品のものも融資になっていくと思うんですが、こういうようなものの融資の条件といいますか、具体的な余りぐあいの見方というものはどういう機関がこれをやるんですか。国際協定というものも、何かそういう需給のアンバランスというものがどの程度にあるときにそういうものに対して共通基金が利用できる、またそれは国ごとに配分していくというようなことになるんですか、その判断をする中心の機関といいますか、これは百六十三ヵ国も加盟してやるんですか。これはどういうぐあいになりますか。
○政府委員(加藤隆司君) デシジョンは理事会というようなかっこうになりますが、ただいまの御質問の問題でございますけれども、個々の商品協定があるわけでございますね。これは条約によって加盟国が負う、それで共通基金の方は共通基金の方で百六十三ヵ国で形成される。 それで、いま在庫量をどうするかあるいは価格水準をどうするかというのは、商品協定と共通基金とが協議して決めるわけでございます。そういう仕組みになっています。それで、商品協定の方から三分の一現金を共通基金に持っていく、それから三分の二保証資本というものを持っていくわけでございますね。そうして、共通基金の方から商品協定にバッファーストックをファイナンスする金を出す。だから言うならば三分の一自前で三分の二が共通基金の方からくるというようなかっこうになるわけでございます。
○三治重信君 各産品ごとの国際協定といいますが、十八種類、参議院の大蔵委員会の調査室の解説書を見ると、十八品目というふうになっていて、その中で一番初めから抜けて、現在抜けているのがトウモロコシ、小麦、米が抜けて、そして新しく数種類加わって十八品目、これは十八品日全部一品ごとに国際商品協定ができているんですか。
○政府委員(加藤隆司君) 十八品目を一応想定しているわけでございまして、現在商品協定があるのは、先ほど矢追委員のときにもございましたが、小麦を除いて六品目あるわけでございます。天然ゴムとそれからすずとコーヒー、ココア、それからオリーブ油で六つになると思いますが、それで現在ココアがまだ成立しておりませんが、この五月までに成立するはずでございます。で、あとの十二品目はこれから商品協定ができるかどうかというような一応の候補として十八を考えたと、そういうことでございます。
○三治重信君 ちょっと済みません、いまの六品目もう一遍言ってください。
○政府委員(加藤隆司君) 天然ゴムとすず、コーヒー、ココア、オリーブ油、それからあと砂糖でございます。それで六つになるわけでございます。
○三治重信君 そうすると、一番国際的な需給のアンバランスなり重要な商品の——まあ小麦は国際商品協定があるにかかわらず今度の対象から外れている。それから綿花みたいなのも大きなものなんですが、これはそういうものがない。今後に待つということなんです。そうすると、この基金が利用されるのは国際商品協定が前提になるし、国際協定が前提になっても、これは小麦を外したのは、そういう先進国というんですか、資金のある国の産品だからこういう基金のやつはやらぬでもいいということですか。
○政府委員(加藤隆司君) いま商品の名前がございましたけれども、あといろいろありますのは、最初の御質問ですが、銅とか、ボーキサイト、鉄鉱石、マンガン、燐鉱石、それから綿もございます。それから硬質繊維、それからジュート、熱帯木材、お茶、バナナとか食肉、植物油とか、いろんなのが一応候補に挙がっているわけです。そこの中で可能性のあるのがさっき言った六品目がまた挙がってきているわけです。 それから第二の御質問の点でございますが、小麦の問題はそういうことでございます。
○三治重信君 そうすると、この候補に挙がっているということでやって、こういう一次産品の国際需給に関する国際協定が細部ができないと、基金の利用が、ある一つの国が過剰になっても利用できないと、こういうことで理解していいんですか。
○政府委員(加藤隆司君) 商品協定ができないとだめでございますね、そういうことでございます。
○三治重信君 それと、それからもう一つ、ここの解説書の中に計算単位ということが載っているんですが、これが金で表示されている。そして金とドルでやっているんですが、何というんですか、この一次産品のための共通基金の解説と、アフリカ銀行の解説と、ドルの同じ一単位のものでも、金の表示は同じになっているがドルの表示はちょっと違うようになっている。そうすると、今後ともこの計算単位は金相場の変動によってドルの表示を変えて、その利用されるときのドルの表示で日本銀行から金を共通基金なりアフリカ銀行へ利用される場合に出していくと、こういうふうに理解していいわけですか。
○政府委員(加藤隆司君) 今度たまたま二つ法案をお願いしておりまして、計算単位という表現の前に書いてある数字が違うわけでございます。これは簡単に言えば、要するにアフリカ開発銀行あるいは一次産品の共通基金ができたときのドルというふうにお考えいただければいいわけです。時期が違うものですから差があったと。よってもって国内の円予算でやる場合には、そのドルと円との関係がアフリカ開発銀行の場合と一次産品の場合とたまたま時期が違っているので違っていると、そういうことでございます。
○三治重信君 そうすると、これはドルが強くなるか弱くなるかわからぬけれども、まあ三年なり五年たつと、世界的にドルが強くなったときには円やマルクが弱くなる、ドルが弱くなれば円やマルクが強くなるという相対関係も若干あるわけなんだけれども、しかし、全般的にドルが金に対して安くなるというのは、これは物価の変動によってこの一次産品の産出国は、資本主義国、まあ輸出国のこの物価騰貴によってドルの購買力が下がったんだから、その単位を、このドルの値段をよけいせいと、こういうことになるだろうと思うんです。それで計算単位というのが入っているのではないかと思うんです。その点は、こういう一次産品の国が買う先進国の製品の商品の値段が上がったことによってドルの計算単位をもっと多くしろと、まあOPEC的な考え方はこの中にあるのですか。
○政府委員(加藤隆司君) もう一遍その仕組みの上で申しますと、共通基金の方は一計算単位というのが一SDRになっているわけです。SDRというのは五ヵ国の通貨の平均で決められているわけです。それからアフリカ開銀の方は、先ほど申しましたように、アフリカ開銀ができたときに一ドル三十五分の一オンスでございました。三十五分の一が法案に書いてございます一・二〇六三五と、そういうふうに決めてしまったわけです。したがって、御指摘のような問題が起こるとすれば、アフリカ開銀の場合には起こり得るわけですが、共通基金の方はまあフロートしているみたいな感じになるわけですね、SDRが動いていますから。円ですと一SDRに三十四円入っているのです。そういうふうに、五ヵ国の通貨で幾ら幾らと、こう幾らずつ入っているか五ヵ国で決まっているわけです。それはそれぞれ六ヵ月ごとぐらいに変動しております、計算をし直すわけですが、そういう意味で、共通基金の方は御指摘のような問題は調整が可能になるわけです。ところがアフリカ開発銀行の方は、あの銀行ができたときの米ドルをセットしてしまったわけですね、それで計算単位というものを決めているわけです。
○三治重信君 SDRは、そうするとこの管理通貨の五ヵ国のものを単位にして決めていて、SDRというのは金にリンクしていると思ったら、違うんですか。
○政府委員(加藤隆司君) 三治先生のおっしゃるとおりで、五十三年末まではSDRは金で表示されていたんです。ところが五十四年からそれがなくなってしまいまして、SDRと金のリンクがなくなってしまったわけです。その後変遷がございますが、ことしの一月一日からは英、米、独、仏、日と五ヵ国の通貨で、日本の場合一三%でございますが、それぞれ価値が合成されるわけです。そういう仕組みに変わっております。
○三治重信君 それは知らなくてどうも済みませんでした。 それからもう一つ、あるいは大蔵省に聞くのはちょっと酷かもしれませんが、先ほどちょっと答弁がなかったわけなんですが、この過剰の商品というものの管理というものは、やはり当該産品を輸出した国に全部責任を負わすのか、あるいは国際的な協定、その協定がどうなっているのか、一品ごとか知りませんけれども、国際的な在庫の監視というんですか管理というような問題も、やはり金を出していたり何かするものはある程度責任持たぬとまあ勝手に処分されたり何かしてはまずいわけですが、その点は、共通的な六品目の中に何か常識的にわかる現実の処理の仕方というものがありますか。
○政府委員(加藤隆司君) 基本的には各商品協定が責任を持つわけでございます。で、具体的な例で、砂糖なんかは各国の中で国際管理されたバッファーストックを持つというようなスタイルになっております。砂糖消費国で管理するのじゃなくて、その砂糖消費国に置いてあってもそれが国際的に管理されているという、そういう仕組みになっているわけです。基本的には商品協定がやるという考え方になっております。
○三治重信君 そうするとこれは先進国が、私の理解しているのではこういう一次産品というのは非常に生産の波が予想されるし、それから一たん、何といいますか価格をよそよりか上げると非常に過剰生産になるし、問題はまた、少なくなるとえらい急に上がるし、これは農産物価格の非常に宿命的な経済性によっての価格の変動が激しく動くという性質があるためなんですが、それのためにこういう基金や在庫融資については先進国は非常にちゅうちょして今日まで来たと思うんですけれども、日本の今後のいわゆる開発援助や何かについても、こういう産品の供給、需給の状況を見ながら、やはりそれの融資、開発援助の態度というものを相当見ながらやっていくことが必要だと思うんですが、そういうような国内的にやはり、一次産品というものはいま六品目、これが十八品目が予定されている、しかもそれが生産国が非常に違う、そこへ国際的に融資をするかしないかどうのこうのという問題が出てくる場合に、国内のこういうものに対する体制、国際的な開発援助というのは、金出すのはわりあいにどっちかと言えば簡単だけれども、それが有効に開発途上国の経済の発展に寄与するものか、あるいは何といいますか、日本の米の生産と言っちゃ悪いかもしらぬけれども、価格に頼って何でも高くすればいい、自分の国さえよくすればいいというようなことになってくると、国際的なエゴによって国際紛争のかえって種になるということに対する、やはり日本も先進国の一つとして相当こういう産品の生産対応についてやはり国内的に相互の連絡が必要だと思うんですが、各省間の連絡の機構というのはどうなっておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 商品協定は御承知のように外務省が窓口になってやっております。それで、品物についてはそれぞれ所管大臣がおりますから、外務省がそういう農産品ですと農水省なんかと相談してやる、通産省物資ですと通産省と相談してやる、一応商品協定の方は外務省。で、大蔵省は、この共通基金が一応国際金融機関というようなファンクションになるわけです、各商品協定に金を貸すわけですから、そういう角度で参加すると。それで外務省、通産、大蔵、農水の経済援助の四省があるわけでございますが、その辺の連絡はしょっちゅういろんなランクで会合をやっておりまして、密接な連携をとっております。そういうような体制でやろうとしております。
○野末陳平君 五百円硬貨の発行はなかなか時宜にかなったことと思いますが、同時に五百円の日本銀行券の方、お札の方もあわせて流通させるということになっておりますが、どうなんでしょうかね、五百円玉が便利になって使われてくると五百円札の役割りというのがだんだんなくなってくるんじゃないかと思いますが、どんなものですか。
○政府委員(渡辺喜一君) 過去、百円貨幣を新たに発行したときも、百円紙幣というのは並行して発行したわけです。その後、十数年にわたって百円紙幣も並行発行されてきたわけですが、だんだんやはり貨幣の方が持ち運び、あるいはいまの自動販売機による購入その他もろもろで利便性があるものでございますから、次第に紙幣の方の需要が減ってまいりまして、貨幣の方の需要が多くおったという経緯がございます。 今回、五百円貨幣を発行しますとどういう経過をたどりますか、まあ過去の経緯を考えますと、おっしゃるように貨幣の需要の方がだんだん強くなっていくというふうに考えられますけれども、私どもはそこは実際の国民の需要はどういう動向をたどるかということに応じてそれぞれの発行量を勘案してまいりたいと考えておる次第でございます。
○野末陳平君 そうすると、いずれある時点で、いまの五百円札も百円札と同じような運命になるかもしれないような感じでいまの答弁を聞きましたけれども、やはりそのときは量的にここまでとか何かの線があって調整をするんですか、その新規発行をもう今後やめるという決定を下すには。
○政府委員(渡辺喜一君) 主として日銀の窓口で、これは各金融機関等から日銀に必要な通貨の種類等々を要求してくるわけでございますので、日銀の窓口を通じて全体の需要動向というのは把握できると思うわけでございます。
○野末陳平君 わかりましたが、特にここには問題ないんですが、ただ自動販売機の場合は現金が必要ですから相当便利になるだろうと思います。だけれども、買い物の場合は現金と同時にカードがかなりこのごろは普及しまして、日本人の生活がどこまでこのカード利用というふうになっていくのかはまだわかりませんけれども、カードについてあれこれと最近起こってきた問題、これをお聞きしたいと思うんですね。 で、銀行のキャッシュカードですが、思ったよりみんなあれを持っているように思いまして、現在どのくらいの数のキャッシュカードが発行されているのか、データがあるならば教えてほしいんですがね。
○政府委員(吉田正輝君) 銀行のカード枚数でございますけれども、これは実は、私どもの関係の法令に基づいて業務報告書等の幾つかの報告がございますけれども、実はこの発行状況を正式には徴収しておらない状態でございます。ただ、業界ベースで調べました、これは五十五年九月の「地銀協月報」に出ておる数字でございますけれども、五十五年三月末で都市銀行が二千四百万枚、地方銀行が千五百万枚、相互銀行が七百五十万枚、信用金庫が三百万枚でございますので、信用金庫以上の金融機関をとりますと五十五年三月末で四千九百五十万枚と推計されるわけでございます。
○野末陳平君 一人が何枚も持っているケースもあるでしょうけれども、かなり多いなというのを感じたんですが、ただ、ここまでカードをみんなが使うようになりますと、いつかも新聞でちょっと見たんですが、このキャッシュカードがらみの事故というか、事故は本人の過失でしょうが、犯罪ですね、これもあるんじゃないかと思いまして、警察庁に来ていただいたのは、最近のこの銀行のキャッシュカードがらみの事故の件数というか、あるいは金額ですか、その辺でわかる範囲をちょっと教えてほしいんですが。
○説明員(仁平圀雄君) 各府県警察からの報告によりますと、キャッシュカードで自動支払い機から現金を引き出した件数は、昭和五十年は八件、五十一年は二十三件、五十二年は六十四件、五十三年は百三十一件、五十四年は百八十七件、五十五年は二百七件と、年々著しい増加を示しておりまして、また被害額につきましても昭和五十年は約八十二万円、五十一年は約八百万円、五十二年は約二千百万円、五十三年は約三千三百万円、五十四年は約四千五百万円、五十五年は約六千万円と急増いたしておる状況でございます。
○野末陳平君 この飛躍的な伸びも恐らくキャッシュカードの普及に比例しているんだろうという気がしますが、これは警察庁で、カード盗んで現金引き出した犯人をつかまえたというその範囲のいまのデータですか。
○説明員(仁平圀雄君) さようでございます。
○野末陳平君 そうしますと、被害届だけで犯人がつかまらない例とか、あるいは被害届も出しそこなったといいますか、そういうものを含めたらばこれはもっとかなりの数になるんでしょうか。
○説明員(仁平圀雄君) そのとおりだと思います。
○野末陳平君 どのくらい——推定だからわからないんだけれども、どうだろう。 そういうデータにならない部分はともかくとして、いまの数字を見てもこれは相当な、何と言うかな、事件と言っていいのか事故と言っていいのか、悪い意味の伸び方が印象的なんですが、ちょっとわからないのは、キャッシュカードを拾ったり盗んでも、本人以外に知らない暗証番号というのがあるから平気だとぼくは思っていたわけですよ。ところがいまの数字などを見ると、暗号というのが簡単に知られてしまうのか、それとも何か独特の、犯人が知能犯で暗証番号を何かで知ってやるのか、暗号解読の才能があるのか、その辺わからないんだけれども、結局どうして暗号がわかっちゃってこういう事件に結びつくんですか。
○説明員(仁平圀雄君) 警察で把握いたしておるところによりますと、犯人が暗証番号を知る方法といたしまして最も多いのは、キャッシュカードと同時に暗証番号を書いたメモを入手いたしている場合でございまして、(笑声)次いでキャッシュカードと同時に入手いたしました身分証明書の生年月日等から犯人が暗証番号を推測している場合、それからキャッシュカードを入手した後、銀行からの電話照会を偽装するなどいたしまして、直接犯人が被害者から聞き出している場合、それから被害者と以前から面識がありまして知っている場合等々でございます。
○野末陳平君 いろんな手をやはり思いつくというか、使っているからこそこういう被害も出てくるんでしょうが、ただメモを入手されたとか、あるいは身分証明書を一緒に落としたとか、そうなると本人もかなりミスをしたんでしょうが、銀行が教えるというのか何かありましたね、いま。つまり銀行に照会して犯人が暗証番号を知るというケースをいまおっしゃったが、これは銀行がついうっかり教えるのか、それとも教えざるを得ないように犯人がうまく聞くのか、いろいろなんでしょう。つまり、銀行というのは簡単に教えるものなんですか。これはどうなんですか。
○説明員(仁平圀雄君) 先ほど私が申し上げましたのは、銀行が教えた例ではございませんで、犯人が銀行からの電話照会を偽装いたしまして、直接被害者から聞くという場合があるということでございまして、現在警察で把握いたしております例の中には、銀行が安易に暗証番号を教えたという例はございません。
○野末陳平君 それは、それで安心しましたよ。そんなに銀行が教えるとは思わなかったんですが、やはりこれは知能犯なんでしょうね。 ところで、ここまで銀行のキャッシュカードが犯罪に結びついできますと、これはうっかり落としたりあるいは盗難というわけにいきませんが、この場合金融機関が——大蔵省に聞きますが、金融機関がやはり事故防止について、どんどん犯罪がふえる以上、これは相当神経質に対策を考えなきゃならないときに来たような気もしますね。何かこれについて銀行がやっているのか、あるいは大蔵省が指導しているか、その辺の事情はどうでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 一般的に金融機関はCDカードの不正使用でこういう犯罪が起きる、あるいは事故が起きるということをかなり神経質に自主的に管理しておるような現状でございます。たとえば一例を挙げますと、暗証番号が連続して三回誤った場合には挿入したカードがその機械の中に引き込まれてしまうとか、あるいは営業店に連絡が入ってくるような形をとっておるようでございます。それから、まず交付するときには、一例を挙げますと簡易書留扱い郵送を原則として本人の住所のところに届くようにするとか、あるいはそういう場合でないときには、運転免許証等で本人の確認できる場合に限定するとかいうようなことでございます。 それから、暗証番号の選定と申しますか、わかりやすい暗証番号を使うことが一つ利用されるケースがあるわけでございますけれども、一例でございますけれども、やはり交付小たしますときに他人にわかりやすいような、生年月日とか電話番号は避けるように一電話番号を使われるような例もございますので、電話番号は避けるように交付する際に注意するとか、それから暗証番号を秘密にするようにしおりやステッカー等で注意を喚起すると。それからそれ以外に、犯人が本人を偽装して電話による照会などがあり得るわけでございますけれども、それへの回答は厳禁している例が非常に多うございます。それから店頭での照会、本人だということで忘れたんだがというようなことで照会があるときには役費者、責任者が出てまいりまして、運転免許証等を提示してもらって本人確認の上行っていると、そういういろいろの管理は自主的に行っているというふうに聞いております。
○野末陳平君 当然そういうことはやっていても、それを上回るやつが出てきているんでしょうが、この場合、五十五年にはもう二百七件で六千万円の被害が出ているというさっきの報告でしたが、こういう事故の場合の被害者の補償、こういうものはいまのところどういうふうになっているんですか。一件当たりの被害金額とかいうのはちょっとわからないんですが、全体に原則としてキャッシュカードの事故による損害に対して何らかの補償があるのかどうか、それはどうなんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 大きな盗難や何かの場合には銀行は保険をつけている場合が多くて、これはそれなりのまた解決があるように考えられますけれども、こういう場合にはまず紛失者が直ちに届け出ることが一つの慣行になって、届け出た場合にすぐに停止するわけでございますけれども、こういう犯罪が行われる場合には恐らく届け出がないということになると思います。その場合には、その被害者と銀行との話し合いによりまして、ケースケースによって処理の仕方が異なっているようでございます。
○野末陳平君 クレジットカードの場合には盗難保険をかけて、何百円だっけな——年間とにかく何百円か払っていると、被害が起きたときに補償されるような保険ありましたね。そういう保険もこのキャッシュカードの場合に考えてもいいのじゃないかなと、かなりこの件数がどこまでふえていくか知りませんが、一応そういう事態を想定してね、保険があってもいいような気もしますが、そういうアイデアは全然あれですか、無理ですか。
○政府委員(吉田正輝君) 確かにクレジットカードはわりあい安い保険料でそういう事故に備えているようでございます。このCDにつきましても、確かに御提案、クレジットカードと比べてみますと、そういうお考え方は一つユニークなお考え方としてあり得るかと思いますが、私だだいまのところそういうことが検討されているということは聞いておりません。
○野末陳平君 いまの事態では当然そうかもしれませんが、これからやはり検討課題になるかもしれないと思っているんですがね。 警察庁にお聞きしますが、どうでしょう、新しい犯罪としてカードによるいろいろな事件がこれからもふえると思うんですが、何かいまのところ特に金融機関に対して、こういう点を注意すれば未然に防げるのにというような対策ですね、ありますか。特になければいいんですが、一応これからのことも考えてアドバイスがあれば聞いておきたいんですが。
○説明員(仁平圀雄君) 先ほど大蔵省の方からもお答えございましたように、やはりこの種犯罪の防止対策といたしましては、暗証番号を犯人にわからないようにするということが最も重要な対策だと思いますので、第一義的には所管官庁の方から金融機関の方に対しましてよく御指導いただくということが必要であろうかと思います。 警察といたしましても、キャッシュカードの盗難とか紛失とかの届け出がありましたときには、速やかに銀行側と連絡をとりまして敏速な措置を講じ、キャッシュカード利用時点において犯人を捕捉するように努力いたしておるところでございます。
○野末陳平君 よくわかりました。結構です。 それからサラ金ですが、サラ金については、ちょっといろいろの例の法案がらみのこともあったりして問題はまだかなり残っているんですが、たまたまこのカードに関連して質問をしますが、サラ金も最近はCDの機械を使ってサービスしているようですが、これがかなり全国的に普及しているのか、本当に一部なのかちょっとわかりませんが、大蔵省ではこのサラ金のCD機、どのくらい導入されて、どの程度のサービスしているか、実態はわかりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 貸金業者でございますけれども、ただいまのところ貸金業者の報告及び調査権は都道府県知事に委任しておりますために、私ども詳しい実態は把握できていないのが現状でございます。 ただ、御質問の件でございますけれども、大手業者の一部で、ごく一部でございますけれども、試行的にキャッシュディスペンサーを設置して貸し付けを実行している例があると聞いております。
○野末陳平君 大蔵省の許可がなくてできるわけですから、これからもしこれがお客のニーズに合えばかなり普及するんじゃないかとは思いますが、これはあれなんでしょうかね、仮定の話ですが、もしサラ金のCDがどんどんふえていった場合、銀行との関連で何か問題が起きないんでしょうかね。先の話ですからね、現状がまだつかめてないわけで何とも言えませんけれども、その辺はどうなんでしょう。
○政府委員(吉田正輝君) サラ金業者と金融機関が基本的に異なるのは、サラ金業者の場合には、自分で集めた資金を自分のリスクで貸し出しているということでございますけれども、金融機関の場合には、預金者の預金の払い戻しあるいはそのカードローンなどの貸し出しを行っているというところで、本質的に監督の態様が、預金者を保護すべきかどうか、あるいは自分のリスクでそういう貸金業を行っている者との監督の仕方が基本的に違っているというふうに考えております。したがいまして、その場合に仮定の問題としまして、サラ金業者が今後規制のあるいは監督の対象としてその度合いが強まることはあろうかと思いますけれども、金融機関の場合にはCDというのは、一つの営業所、金融機関、公共的、社会的な役割りを果たしている金融機関の一つの営業所という観点からの規制を行っておりますので、今後そういうサラ金業者が規制の対象となってきましても、そのCDのあり方につきましては、大蔵省としてはやはり基本的には違う、おのずから一線が画されてくるのではないかとただいまのところ考えております。
○野末陳平君 最後に、まあいずれ銀行法などもあるのかもしれませんから、そのときにまた聞くことにしまして、いずれにせよカード時代になっているような気もしますので、そういう新しい時代の変化に対応できるように、いまのうちから研究しておいてほしいなと、こう思っていろいろお聞きしたわけです。
○委員長(中村太郎君) 三案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
○委員長(中村太郎君) 各種手数料等の改定に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました各種手数料等の改定に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 各種の行政事務に係る登録手数料、許可手数料、特許料等のうちには、人件費及び諸物価の上昇等に伴うこれらの事務に要する経費の増等の事情を勘案すると、費用負担の適正化を図るべきものが生じてきております。 このような状況にかんがみ、昭和五十六年度予算の編成に当たっては、統一的な観点から、各種手数料等の金額について、法律に規定されているものを含む全般的な見直しを行い、その改定を図ることとした次第であります。 この法律案の内容は、不動産の鑑定評価に関する法律等三十四法律に規定されております各種手数料等の金額または金額の限度額につきまして、所要経費の額の増等を勘案して、おのおの所要の引き上げを行おうとするものであります。 なお、この法律案に基づく各種手数料等の改定は昭和五十六年五月一日から実施することを予定しております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(中村太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 なお、本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会 —————・—————