大蔵委員会 第15号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/04/23
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、藤田進君、丸谷金保君及び近藤忠孝君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君、対馬孝且君及び下田京子君が、また本日、和田静夫君が辞任され、その補欠として竹田四郎君がそれぞれ委員に選任されました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 中曽根長官、何か御病気のようなところをきょう出てきていただきまして大変恐縮に存じます、なるべく早く長官に対する質問を終わりましてあと御静養いただきたいと、こういうふうに思います。 そこで、総理が五十七年度の増税はやらないという何か大変かたい決意をしたようでありますけれども、増税をしないということになりますと自然増収によって特例債二兆円前後、それから当然増の経費をそれて充当しなくちゃならないということになるんですが、恐らくこれは、大蔵大臣に後で聞くわけでありますけれども、大蔵大臣は何かこれも歯痛で医者へ行くというんですか。これは行ってきていただいて結構なんですが、そうなりますとこれは長官、行政改革による削減というものを相当程度見込まなければいけないと、こういうふうに思うんですが、行管庁長官としては今度の行政改革をやるに当たって、その改革によって大体どのくらいの財源を導き出そうということでいま進めていらっしゃるんでしょうか、
○国務大臣(中曽根康弘君) 総理から特別の御方針が打ち出されまして、来年度は大型増税は頭に置かないで予算編成をやってみると、そういう方針でいま大蔵省の方も各省等との間でいよいよ打ち合わせを開始しようとしておるところでございます。 また、いわゆる第二臨調におきましても、土光さんと総理と私とお会いいたしました折に、土光さんの方から増税によらないで予算編成をやってもらいたいと、そういう御要望がございまして、総理もそれに対して承知をいたしました。 そういう経緯がございまして、まず増税によらないで来年予算編成を行う努力をいよいよ開始するというところでございまして、増税によらないで予算編成を開始するというとどういう面でいろいろ作業をしなければならないか、補助金の関係はどうであるか、あるいは一般の行政費の関係はどうであるか、あるいは地方交付税や国債費の関係はどうであるか。そういうことは非常に専門的、技術的なことになりまして、これは大蔵省主計局あるいは各省等との間でいろいろ作業をしていただく。非常に流動的になっている要素があります、こっちを出せばこっちがだめになる、こっちを重く見ればこっちは要らなくなると、そういうことでございますので、いま計数的にはまだ確定してないと思っております。
○竹田四郎君 新聞によりますと、総理は大体これによって一兆五千億から二兆、このくらいを出してほしいんだというふうに伝えられているんですが、現実にどのくらいできるかこれはいろいろ問題があろうと思いますけれども、そういう新聞報道は全然当てにならないものですか。あるいはある程度当てになるものですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 当てになると当てにならないとの中間ぐらいじゃないかと思います。
○竹田四郎君 まあ今度の行政改革というのは財政再建という命題のもとに行政改革が行われるふうだと思います。したがって、やはり一番大きい問題は金を節約をするとか、あるいは金の入るのをねらうとか、その両方とか、こういうことが中心になって、いずれにしても補助金の削減ということはかなり大きい今度の行革の問題点になるんではなかろうかというふうに思うんですが、補助金の削減というのは一体どんなかっこうでお考えになっているんですか。あるいはまだそこまでは行っていらっしゃらないんですか。その辺はどうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今次行革が補助金や金目のものばかりを目当てにしているという考えはございません。私は前から委員会でも御説明申し上げておりますが、行革には行革独特の哲学と体系があるのであります。すなわち、行政改革ということは行政の改革であって財政の改革ではない。行政とは国家統治権の行使の機構及び機能の問題である。国家統治権の中には、外交も防衛も教育も福祉もみんな入ってきている、財政はその一部である。たまたま財政が非常に窮乏してきておるので財政面についても重大関心を持ってやるけれども、行政改革の本旨はいかなる形に政府があるべきであるかということが問われておるもので、財政はその一部分にすぎない。行革が幹であって財政はその反射的効果を受ける枝か花に当たると、こういうふうに申しておるのであります、したがいまして、七月の第一次の答申におきましても、補助金やお金のことばかりに偏した考えにとらわれないで行政改革としての立場から取り上げていただくと、そういう心づもりにしております。
○竹田四郎君 長官のおっしゃることわからないわけではないんですけれども、しかし、第二臨調でとりあえず七月に中期答申が出されるというふうに聞いておりますけれども、恐らくそこまでに、いま長官のおっしゃったような非常に政治哲学的な行政改革までは、七月の中間答申までには恐らく出ないだろうと思うんですね。恐らくそれを出すにはかなりの時間がかかるというふうに思うわけであります。そういたしますと、七月の第二臨調の、七月の中間答申というのは大体何を長官としてはねらってお願いをしているということになるのですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 簡素にして効率的な政府をつくるのはいかなる形がよろしいかということが当面問われていると思っております。機構そのほかはそれ以後の問題になるのではないかと思います。そういう意味で補助金という問題ももちろん対象にのりますが、簡素にして効率的な政府をつくるという意味においては補助金以外にどんなものがあり得るか、それも検討される問題であると思います。
○竹田四郎君 これは大蔵大臣などがおっしゃっていたというふうに思いますけれども、補助金削減ということになっても、法律補助というのが八割を占める、予算補助というのはそれほどでもないから、結局は臨時国会というものの中で、そうした一括的にやるか個別的にやられるかは別といたしまして、そうした法律補助の点をかなり直していかなくちゃならぬというようなことをおっしゃっておられるんですけれども、第二臨調の中間答申の後で必然的に臨時国会というようなものはお考えになっているわけですか、どうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今次行革におきましては聖域はございません。防衛であろうが、科学技術であろうが、外交であろうが、福祉であろうが、教育であろうが聖域は置かないという考えに立っております。 しかし、その後内閣の政策によってどこに重点がかかってくるかということは、これは政治でございますからそのときの内外の情勢によって勘案されることはあり得ると思いますが、基本的な立場においては聖域というものは考えておりません。そういう考えに立って第二臨調の第一次答申が出てくると思われます。したがって、補助金の中でも法律補助も予算補助もすべて対象になり得ると思います。 しかし、第二臨調でどういう答申が出るかということによって臨時国会の必要性等々も考えられますので、いまのところ答申の出る前に臨時国会が開かれるかどうかということは予断を許されない、いまは白紙の状態で見守っておるということであります。
○竹田四郎君 そうした新聞に伝えられているような、行管長官としては、補助金の整理については一律整理というようなことは当然考えていないと、もっと大きな立場から行政改革をなさろうというふうなお考えのようでありますから、補助金を、余り話がまとまりそうもないからひとつ各省庁とも一割を切るのだというような、そういうようなお考えはないわけですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一律にするとかしないとか、そういうことはすべてまだ白紙の状態でございます。
○竹田四郎君 恐らく内部的にはお考えがあるんだろうと思いますが、第二臨調に対して一つのこういうことを出せという要請をするという、そういうことをしないという意味でいまのお答えだろうというふうに思うんですが、これはまた後ほどお伺いをしたいと思います。 農林大臣がお見えにならないのでちょっと困るわけでありますけれども、今度中央競馬会から五百億ですか、これだけを取ってきたわけでありますが、中央競馬会だけで取っているというような点は、私ちょっと疑問を感ずるわけです。たとえば船舶振興会などというものは大変なお金をお持ちになっているようでありますし、恐らく小型自動車とかあるいは自転車振興会などもこれはかなりの交付金がそれぞれの会に行っていると思います。しかもそれには、第一号とか第二号交付金というような形がありますけれども、しかし、その交付金の使用というものあるいは交付先の事業というようなもの、そういうものは私必ずしも適切なものばかりはないような気がします。たとえば船舶振興会などにしてもいろいろうわさがありますし、一人の会長というのですか、理事長というのがいつまでも何か権力をふるっているような感じもいたしますし、そういう意味では各種の公営ギャンブルに付随しております振興会の交付金の見直しというようなものはもう少し考えてみて、本当に効率的に適切に行われているのかどうなのか。こういうことは私は行政管理庁としてお考えになって、でき得るものならばまとめてそれを国の歳入にして国からの歳出にするとか、などというようなものをもう少しお考えになってみたらどうかと思うんですが、その辺はどんなふうにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 交付金につきましては法律でその枠等が決められておりまして、監督官庁が厳格な監督のもとに行われているものと見ております。 ただ、いろいろ御批判があることは私も承知しておりますが、しかし交付金の性格等見ていますと、官庁では非常に手続がむずかしいとかあるいは官と民のすれすれの間の仕事で、しかし非常に重要な問題が忘れられているとか、そういうようないろんな問題で落ち穂を拾っている面も交付金にはかなりあると思います。非常に民間のことをよく察知して手続もわりあいに早くやってくれると、そういうような点もあって交付金に集まってくると、そういうこともあるので、ある意味においては官庁の繁文縟礼や硬直性を救って、落ち穂を拾っている面もなきにしもあらずである。しかしまた、一面においては、それがためにまたいろいろ批判を受けているという面もあります。その辺はいま臨時行政調査会において特殊法人のあり方全般を検討いたしますので、検討していただくものと期待しております。
○竹田四郎君 長官、私は全部これを削れという意味ではございませんけれども、ある場合の社会福祉に対するようなもので二重になっているようなものもありますし、あるいは当然国でやった方がむしろもっといいというようなものもあるわけでありますから、こういうのは取捨選択をして、やはり批判もあるわけですから、かなり整理をなさって国の収入に上げるべきものは国の収入に上げるということがやはりいいことではないか。これはかなりいまふえておりますから、そういう意味でそういうふうに望むわけですけれども、これはひとつそうした審議をお願いをしているということでありますから、その成果を待ちたいと思いますけれども、以上で長官への質問は終わりたいと思いますから、あとはひとつ体に気をつけていただきたいと思います。
○委員長(中村太郎君) ちょっと速記中止して。 〔午前十時三十分速記中止〕 〔午前十時五十四分速記開始〕
○委員長(中村太郎君) 速記を起こして。
○竹田四郎君 大蔵大臣がいらっしゃらなかったですから、初めからやり直すようなかっこうになりますけれども、お許しをいただきたいと思いますが、今度の財源確保法というものの性格というのは、財政再建との関係でどういう位置づけになるのかということが、余り私よくわからないわけなんですけれども、これは今度の財政再建についてもいろいろな論評があるわけでありますけれども、この法案と今後の財政再建の展望とのかかわり方、あるいは財政再建のあり方というものが実は余りよくわからない。この法案を見ている限りにおいては、特例国債がなくなればいい、とにかく金さえあればいいと、そろばんさえ合えばあとのことは目をつぶっちゃうと、こういう感じもなきにしもあらずというふうに思うんですけれども、これはどういうふうに大蔵大臣、考えたらいいんでしょうか。何か私はこの法案を読んで、あちこちから金集めをやったり特例国債を少なくしていく、そういう手段だけだと。法律にいろんなことを盛り込むというのは大変むずかしいことだろうと思いますけれども、そういうものとこの法案との関係というのが一体どんなふうになっているのか、この辺を少し説明していただきたいと思うんですけれども、先ほども中曽根長官にいろんなことを聞いたんですが、諮問しているという立場でしょうか、余り具体的にこうする、ああするというようなお答えはいただけなかったわけでありますけれども、その辺の関係をひとつ大蔵大臣から御説明をいただきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろな御批判はあるわけでございますが、趣旨は、もう財政がきわめて著しく不均衡な状態にあるということのために歳出カットをかなりやってはみたんですが、なかなか短月日の間で思うに任せなかったということも事実でございます、それは。補助金等にいたしましても、千六百億円整理したといいながら、実際は六千五百億円ふえちゃっているという、これも事実でございます。したがって、今回は現在の制度等の見直しも含めた歳出カットということに入るわけでございますが、五十六年度予算においては、制度の抜本見直しというところまでいかなかった。 一方において、当然増経費というものをどうしてカバーするかということになると、自然増収は前から申し上げましているように、国債費とか地方交付税、それから二兆円の国債の発行減額というもので全部消えるということになって、増税の問題も、なるべくだったら増税規模というものは最小限度にしたいと、世間からもう世上最大の増税なんと言われておりますが、私としてはなるべく最小限度にしたいということで、所得税に手をつけませんから、大体広く薄くで一兆四千億円くらいしかないと、そうすると、そのうちで一兆一千億円ぐらいしか一般歳出には回せない、あとは地方交付税で消えると、一兆一千億円では、どうしても歳出増でも抑えても抑え切れないものは間に合わないということとの関連もございまして、臨時異例の措置というような観点から、電電公社から約五千億円、あるいはその他の競馬会から実際実質的には二百億か百五十億よけいにいただくことになるのでしょうが、そういうこととか開発銀行の問題とか、ともかく考えられて何とかできるというようなところに協力金をお願いするということになったわけでございますので、見方によっては取れそうなところへ皆手を出したんじゃないかという御批判もやっぱり一面の私は理屈があると思うんです。しかしそれ以外に、当面増大する歳出増に見合う財源が見当たらないということもございまして、国有財産の売り払いを三〇%ふやすとかいうのもこのほかにあるわけですが、そういうことで財源確保法というものをお願いをしたわけでございます。 この中には、赤字国債という一番大きな問題があるんですが、財源確保という点において赤字国債も本当は異例の話で、こんなのは何年も何年も出すこと自体が本当はおかしいわけなんです、実際は。だけれども、急に減らすということはできなくなっちゃった。ともかく出過ぎなものですから、七兆円もあるわけですから、一遍に減らすなんということになったら、とてもじゃないが大騒動になっちまう。そこで、二兆円ぐらいまず減らすということをやっておるわけです。ですから、この赤字国債の方も異例の財源確保であって、異例の財源確保のものを一本にして出したということでございます。 財政再建の展望と財確法の関係と、こう言われましても、将来の展望に向けましては、これは赤字国債はどんどん減らしていく。それから電電公社の方は四年間ということになっておりますが、実は一年でいただきたいと言ったんですけれども、金繰りの関係その他でそれはとうていできないということなものですから、これは四年の分括納付ということに実際は事実上なったわけでございます。 したがって、今後の財政の再建の展望とのかかわり合いということになりますと、競馬は一回きりと、電電公社の方は四年間一応続くと、それから開発銀行は四年間ということになってまいりまして、実際は歳入確保の面では一応四年間補助的といいますか、補足的財源という意味では財政再建とのかかわり合いがあると、そういう意味のかかわり合いがあると、こういうように考えております。
○竹田四郎君 どうも大蔵大臣のお話と先ほど聞いた中曽根長官のお話とは大分差があるんですね。大蔵大臣は金勘定が中心といえばそのとおりだけれども、どうも大蔵大臣のお話を聞いているとそろばん勘定が合えばそれでいいんだという感じがしてならないんですね、国民が望んでいるのはそうではない。歳入、歳出のいままでの四十年代の高度成長のあり方、その時代のあり方というのを変えていく、これが五十六年度のスタートであるし、第二臨調というようなものもそういうところに焦点を当てて諮問をしているんではないだろうかと、こんな気が私はするんですがね。 そうしますと、いまのお話ですと、あそこから四年で入ってくる、あそこは一年で入ってくる。電電公社には一年にしてくれと言ったんだけれども、一年じゃ金繰りがぐあいが悪いから四年にしたとかいうふうな何か計算だけのような気がするんですが、あなたは、あるいは総理も五十六年は財政再建元年というふうにおっしゃったと思うんですね。財政再建元年ということは、二年、三年というのは先にあるということですね。そのつながりというのがどうもよくわからない。だから歳入構造を一体どう変えていくのか、歳出構造をどう変えていくのか、そういうものの一環としてこの財源確保法の位置づけが私はあるんではないだろうかというふうに実は思いながら、この法案の勉強をしてみたんですが、どうもその辺が弱い人ですね。だから全体の財政改革といいますか、こういうものの中のどういう位置づけにこれがあるのか、その辺がちょっとよくわからないんです。いまの説明でも何かちょっとそろばん勘定をなさっていることは非常によくわかるんですけれども、財政再建元年としてのこの役割りは一体どこにあるのかというとちょっとわからない、もう一回。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはこの法案だけで財政再建ができるわけじゃございません。しかしこの法案にもその性格は出ているんですよ、たとえば去年よりも特例公債が二兆円少なくなっていると、毎年毎年特例公債の法案出しているわけですから、それでまたこの次出るときにはさらに一兆何千億か二兆円かわかりませんが、ともかくまただんだん減ってくると。そうしてできれば、五十九年になればこの法案はもう出てこないということだと、法案の中身というものはもう四年たったら出てこなくなるわけですから、だからそれなりの位置づけがあると、消極面でございますがね。結局、一方において景気の維持を図っていく。それから、それによって自然増収というものをできるだけ生むようにわれわれは考えていきたい。 それから、財政再建元年との関係はどうなんだと言いますというと、財政再建元年といたしましては、ともかくまず高度経済成長時代のたるみというものを取っていかなきゃならぬ。これは全くそのとおりでございまして、それはそれなりに実はやってきておるわけです、約八千五百億円程度の歳出の抑制あるいはその他の負担への肩がわりというものもございます、後から御質問出てくるようですが。それはそれとして、みんな別なことでやっておるわけでありまして、ただその中の一環として、国の持っているようなものも国民からも増税をお願いするんだから、これは増税というやつはもう一つのベースになるわけですから、財政再建のための歳入の一環を担うものとして今回の一兆四千億円増税と、ずっと続くわけですね。それも一つの歳入面のプラスになっている。 しかしながら、政府の関係機関でも、要するにもっと政府に金を出してもいいんじゃないかと、出せるものがあるんじゃないかというようなところで点検をしたんだけれども、すぐ話し合いがついてまとまりそうなものということになるとなかなかないわけです。それについては短日月の間で話がつきましたから、一応それなら国民の代表である国会にお諮りをして、それで御了承を得るようにしたいということで出したわけでございますから、この法案が財政再建とどういう関係なんだとこう言われましても、それはこの法案だけで財政再建やっているわけではなくて、その一部分を担っている。結局、政府の関係機関等においても、財政再建のためには余裕金その他の中からひとつ貢献をしてもらうという意味での寄与というものは大きいと、こういうように私は思っておるわけでございます。
○竹田四郎君 少しわかりかけてきた。もちろん私は、これで全部財政再建がこの財源確保法でできるというふうには思っておりません。もちろん片っ方では歳出カットの問題が当然あると思います。あるいはもっと税制面で手を入れなくちゃならぬという面も当然あると、こういうふうに思うんですが、ちょっとわかってきたのは、もっと国庫に金をほうり込む余裕のあるようなところからは金をほうり込むということになりますと、この財源確保法というのはこれからも毎年毎年をこういう形で余分なところから金をほうり込ませるというようなところがあるわけですね。ことしは開銀と中央競馬会と電電公社とそれだけの話し合いがついたんだけれども、またほかに来年度になれば来年度で金を幾らかはうり込ませる。幾らになるかわかりませんよ、まだ。そういう計画をお持ちだということですね、
○国務大臣(渡辺美智雄君) われわれとしては、この財政の健全化というものを図っていくために一つは歳出カットをやる。歳出カットでも今度は去年、五十六年度と違って五十七年は制度の見直しも含めた、法律でいろいろ決まっておりますね、制度の見直しも含めた歳出カットも、こういう時世ですから高度経済成長時代と違うので、高度経済成長の発想ででき上がっておるというようなものについてはやっぱり見直しをさしてもらいたい。それから今度歳入面においても、これはそれだけで全部新しい歳出増が貯えれば問題はないですよ。これは問題がない。しかしながら、歳入面においても大型増税をやらないと宣言してしまったわけですから、五十七年度は。ということになれば、じゃ歳入面は一切見直さないのかということになりますと、歳入面においても見直すべきものは私は見直したらいいと思っております。それは税とは限りませんから。たとえば国有財産の処分というような問題で、あるいはものによっては法律が要るようなものがあるかもわからない。なくて済むかもわからない。それからいろんな投資等をやっておるものについても、いままで投資してあるがもうずいぶん余裕金があって、少しこちらへまた返してもらってもいいんじゃないかと思うようなものがあるかどうか。それから、いままでに利息で運営してもらうために元金だけどかんとほうり込んでいるようなものは、とりあえず運営資金だけあればいいわけですから、元金やらなくたっていいじゃないかとか、いろいろ支出の方それから歳入の方等についても抜本的な一遍見直しを極力やる必要がある。したがって、あるいは法律が必要で、そういうところから歳入を得るためには、五十七年度また赤字国債の方は減ってくるがそれ以外の収入はふえるように努力をしていきたい。何かないかということで総点検を一遍やってくださいという指示を私はいたしております。
○竹田四郎君 そうしますと、先ほども若干行政管理庁長官に聞いたんですが、余りはっきりしたお答えがないんですが、中央競馬会だけでなくて、たとえば自転車振興何とか会というのがあったり、あるいは船舶振興会とかあるいは小型自動車振興会とか、いわゆるギャンブル系統のが大変たくさんありますね。そしてこういうのも非常に批判を受けております。そうして全体として、すべてとは言い得ないでしょうけれども、ギャンブルの売り上げというものは相当な金額に上っていると思いますね。その使い方、第一文付金、第二交付金というものがありまして、ある意味では何か既得権みたいなものになってしまっていると。いまそんなものを出さなくたって、大した役にも立たないというのでも、前から出していたから出しているんだというようなものも私はずいぶんあると思うんです。そういうようなところから引き揚げたらどうですか、こういう際ですから。 それから、これは農林大臣がいないから大蔵大臣だけの答えじゃちょっと困るんですがね。たとえば中央競馬会にしても、特別積立金というのは大変あるわけですよ。二千九百億ぐらいあるわけです。恐らくこれもいまの状況ですと来年も相当余剰金が出てくるだろうというふうに、利益金と言うんですか、出てくるだろうというふうに予想されますね。そうすると、何で中央競馬会は一年きりだと。四年にしたっていいじゃないかと。いま中央競馬会が急に積立金をあるいは利益金をすぐ使ってしまわなくちゃならないという計画は、私は寡聞にして聞いてはおらない。国がこれだけ困っているんだから、そういうふうなことを考えてみたらどうだろうか。電電公社から金取るのも、余っているということですからこれはしょうがないと思うし、電電公社もオーケーと言うんですがね。KDDなんかあれだけ余分な金使っているんだからね。あれは電電公社の外郭団体みたいなものですね。確かに組織は株式会社だろうと思うんですがね。組織は株式会社だろうと思いますが、電電公社の外郭団体みたいなものです。昔は電電公社の一部だった。そうすればあんなにむだに、しかもKDDの会社のためでないようなものまでずいぶん買っているわけです、ああいうところからも金取ったらどうですか。財源はそういう意味じゃ少し洗えば幾らでもあると私は思うんです。それをたった三つか四つにおさめていると、これじゃとても財政改革になっていかないんじゃないですか。その辺はどんなふうにお考えですか。これは行政管理庁の局長さんもいらっしゃるでしょうけれども、先に大臣から聞きます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは歳入関係についてもう一遍洗い直しを当然やっていただきたいと私は思っておるんです。ただ船舶振興会とか自転車振興会ですか、そういうようなものについては大体地方とのかかわりが多いんですね、国が吸い上げるということになると、その分地方がそれで潤うという部分がなくなるということになるでしょう。しかしながら、いままでのように積立金をいっぱい持って、ややもすれば出さなくたっていいじゃないかと、こういう御時世だからというところまで出しているというものがあれば、それは地方でやるか国でやるか、いずれにしてもそれは自粛はしてもらわなければならない。地方だって財政赤字なんですから、国ほどじゃございませんがね。公債依存度十数%ですね。国が二六%、二倍以上出ているわけですが、地方も赤字であることは同じ方わけであって、私は国に見習ってやはり地方団体も財政改革、財政再建をやっぱりやっていただかなきゃならぬと、そう思っております。したがって、これは国と地方と利害の問題が出てまいりますので、そう急に今回はとてもここまではできなかったというのが事実です、それは。だけれども、これはやはり財政収入の確保、地方が足らなくなると国が金を回すような話になっているわけですから、同じような話なんですよね、これ。ですから、地方の財源強化という問題点から考えても、それは私は御提案はやはり真剣に検討する必要がある、そう思っております。 それからKDDのお話でございますが、これは株式会社で昭和五十四年度千四百五十億円ぐらいの売り上げです。それで約二百億円ぐらい納めているんです、税金を、三百六十億円ぐらい利益を出していまして、かなりむだ遣いしてもそれぐらい出るんですな、利益が。それでちゃんと二百億円ぐらいはいろいろな、事業税だとか法人税だ住民税だみんな納めている。そういう点から見て、これは交際でうんと使った分は今度は課税、否認で認めませんから税金で半分いただきということですから、かなり効いてはいるんです。民間会社はみんなもうけの半分は、それは固定資産になっていようが売り掛けになっていようが何になっていようが、民間会社は大体、おおよそ半分ぐらいのものを何らかの形で税金を払っておるわけです。ですから、これは特別なことはなかなかできない。法人税一般の問題だと、こういうふうに考えております。
○政府委員(森実孝郎君) 現在中央競馬会の特別積立金の累計額は二千八百四十五億ございます。このうち実はスタンドの増設その他固定資産に大半が引き当てられておりまして、固定資産相当額が千九百二十億でございまして、流動資産の対応額は九百十五億。このうち百四十五億は実は五十六年中に設備投資される予定、つまり固定資産に転化する予定になっております。したがって、残った金額は七百七十億ばかりということになるわけでございますが、全体として見ますと、やはり競馬自体は比較的順調に売り上げが伸びているように一般に見られておりますけれども、馬の伝染病その他で開催ができなくなる場合がございまして、この開催ができなくなる場合の引き当て準備という意味合いと、それからもう一つは、やはりとりあえずと申しますか、当面設備投資の財源として収支が必ずしも安定しておりませんので引き当てを必要とするということで、私どもは百五十億ないし二百億という程度であればこの流動資産の中から特別積立金を取り崩しまして国庫に納入することは可能であろうと、こう考えたわけでございますが、それ以上ということになるといろいろ問題があるのではないかと思っております。 それからもう一つは、御理解いただきたいと思う点でございますが、中央競馬自体は実は七五%がファンに配当されまして、二五%のうち一五%が経費に充てられる。一〇%は一号納付金としてもうすでに国に納めておりますし、それから第二納付金として剰余の二分の一を納めるということで、年々千数百億の国庫納付を行っていることは事実なわけでございます。競馬と申しますのは、実は、中央競馬会自体は開催権を持ち施設を提供するという関係に立っておりまして、こちら側にはやはり膨大なファンがおりますし、こちら側にはやはり馬主、調教師、それからさらに生産者といった関係者があって、そういった関係者の上で実は競馬が運営されている実態がありまして、一つは、法律で定められた納付以外に新しく特別の納付をすることについては、現実の問題としてやはり一方においてはファンなり、こちらにおいてはやはり関係者の一つの合意というものを取りつけられ得る可能性というものも、私どもやはり現実の問題としては必要でないかと考えるわけでございます。 いずれにしましても、五十六年の問題として、第二納付金と合わせて五百億の納付ということを決めさしていただいて法案を御審議願っているわけでございます。今後の問題についてはまだわれわれも何も決めておりませんが、しかし、筋道としてはそういう事情にあるということは御理解いただきたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 政府の全額出資法人につきましては、その他の法人からも納付金が取れるかどうかということにつきましては一応検討をいたしたわけでございます。で、臨時特例的なものとして取るものにつきましてはこの法律で一括をいたしました。その他のものにつきましても、たとえば開銀でございますとか各種金融公庫等につきましては、貸し倒れ準備金の引き下げというふうなことで納付金を納付していただくようにしておりますが、これは法律の規定はございません、それから全額出資法人以外のものにつきましても、たとえば日本航空の株式の売却というふうな努力はいたしております。で、あと残りましたものにつきましては、これは今回私ども勉強したところでは、納付をしていただくような積立金がない、あるいは取り崩していただく余地がないというようなことで今回は納付の対象にしなかったと、こういう経緯でございます。
○竹田四郎君 まあ余りその件について議論をしている暇はないんですけれども、やっぱりもう少し検討をして、こういう時期ですから、競馬だって競輪だって、その他モーターボートにしたって、やっぱりこういう時期ですからね、とにかく渡辺大蔵大臣の顔を見てれば金を出したくなるような、そういうふうなことを私はしていかなくちゃいかぬと思うんですね、少しは無理があっても。ですから、そういうところからひとつもう少し検討いただきたいと思うんです。 しかし、そういうことをしたって、恐らく二兆円の特例債の削減と、当然増もありますわな、これも、とにかく公共企業体の賃金のベースアップだって七・何%であるわけですから、当初組んだ予算は恐らく三%か四%のもっと小さいものであったろう、国家公務員だってそれに応じてとにかく一%というわけにはいきませんからね。そうしてみますと、恐らく、総理は増税をやらないということになって、特例債は二兆円ぐらい減らす、それから当然増があるということになりますと、恐らく足りないと思いますね、そこで行政改革ということになったと思うんですが、大蔵大臣は、この行政改革でとりあえず五十七年度分幾らぐらいかせぎ出そうとしていらっしゃるんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろな歳出が、当然増というのはやっぱり中期展望に示すように二兆円以上あるわけですから、ですからそれは、いままでの既存の制度をそのまま置けばそうなっちまいますということですから、まずそれを切れるだけもう切らなきゃいかぬですよ、まず、本当は全部切れば一番いいんですからね、そうすればゼロベース予算になるわけですから、だからどれだけ切れるか、問題はそのどれだけ切れるかにかかっておる。しかし、そいつは法律事項みたいなのが多い、たとえば補助金カットというふうによく言われるんですが、十四兆五千億補助金あるんじゃないか、一割減らしたら一兆四千五百億出るじゃないかと。簡単にそうはいかないのでありまして、補助金の中で大きいのは、要するに社会保障と文教と科学技術と公共事業、これだけで十一兆五千億円ある、しかもその内訳見れば、もうほとんど大部分が法律補助、法律に関係している。特に社会保障関係などは九七%、約五兆円の補助金のうち九七%が法律に決められているか何らかの関係を法律と持っているということでございますので、ただ、一割カットを大蔵大臣やってみいと言われてもこれはできないわけですね。できない、法律があるんですから、事ほどさように、補助金の全体で約八割ぐらいのもの、十四兆五千億円の全体で約八割ぐらいのものが法律に関係した金目の補助金なんです。ですから、こういうような法律の見直しというものがうまくできるかどうか、できれば——一〇%一律はどうか知りませんが、できればある程度のものは私は切れる。法律以外の補助も、しかしそれじゃ十四兆と十一兆の間で三兆円近いものがあるんじゃないか、あるんです。あるんですが、たとえば三千億円とかいって、これは農業の減反補助金ですね、それを、じゃ三千億法律ないからすぐ切れるかといいましても、米の過剰生産でそれをやめさせるために反別補助金くれているわけですから。ばっさり全部、法律に関係ないんだから切っちゃうといったって、とてもこれは言うべくしてできるものじゃない。しかしながら、ことし反当約五千円ぐらいのものは切っているわけです、六万一千円ぐらいのもの五千円ぐらい平均して少なくしているわけですから、また来年続けてそれじゃ五千円減らせるかということになりますと、これは大問題がいろいろあって、なかなかむずかしい問題を含んでいる。したがってわれわれは極力、補助金だけでなくて、その他の賃金にいたしましても何にいたしましても、いままでの発想を変えてやらなければ、とても二兆円なんというものをここで調達するということは不可能に近いと私は思います。したがって、法律制度の見直しというものをやらなければだめだというふうに考えて、法律制度全部の見直しをやって何ぼ出るか、結局は国会の御承認がなければできないことでございますから、だから、国会と本当に腹を一緒にしてやらなければむずかしい問題なんです。
○竹田四郎君 渡辺大蔵大臣は、五十七年度は大型消費税をやろうというふうに当初御主張になっていたわけでありますからね、それが鈴木総理の大方針で、仕方なし増税はやめて行政改革という方向にいま行ってるんだろうと思いますから、むずかしいむずかしいということをわざわざおっしゃっているんだろうと思うんですがね。いまのお話ですと、大体一〇%ぐらいは切りたいという御意思のようです、補助金についてはね。ほかでも若干いろんな形でやっていきたいというようなことのようですが、どうもそういう形でいくと、一律一〇%切れという形になっちゃうんじゃないですか。事の重要性に応じて切っていくと、ここは五割切る、ここはそのかわり一〇%伸ばしてやるというようなことはできないんじゃないんですか。それをしていかなければ、本当の財政改革に私はならぬと思うんですね、ふやすところはふやしてやる、これはもうとてもいまの時世に合うようなものじゃないというのはずばっと切る、思い切って切る。どうもいまの大蔵大臣の話だと、こう一割、数字も一〇%という話が出たわけですが、一〇%均分におまえらみんながまんしろ、またよくなったら何とかするから、とにかくここ五十九年までは、特例債がなくなるまではもう一%ずつ切るからがまんしろと、どうもそんな気がしてしようがないですがね。そういうふうに理解していいんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういうことを決めているわけでございません。いま大蔵省で、五月に入れば早々に各省庁等の打合会議を開きたい。そうして、やはりまずその省庁の中でやっていただきたい。それにはシーリング枠をちゃんと、あなたの省はこれですと、この中でまず省庁がそれぞれ責任を持って、これはもう時代おくれだと、もう枠は設定しちゃうわけですからかなり厳しい枠になると思いますよ。数字はまだ申し上げられませんけれども、かなり厳しいものになる。ですから、とてもじゃないがいままでの考えでは入らないわけです、その枠の中へ、それ以上の予算要求認めないんだから。だから、その中に詰めてこいということになりますと、各省庁の大里がみんなで相談をして、だからもうあてがいぶちみたいな話ですからね、その中でどれを引っ込めて、じゃどいつを生かしていくかということをまずやっていただきたいと。 しかし、そこには臨調の答申が出ますよ、それは。出るけれども、どういう答申が出るか私もわかりません、わかりませんが、検討項目というものはもう発表になっているわけですから、検討項目は、大体想像つきますわね。大体想像つくでしょうよ、検討項目は表に出してあるんですから。どこらのところがねらわれる——ねらわれると言っちゃ語弊がありますが、指摘されるか、見当はおおよそつくわけですよ、それは、ですから、そういうような方向でトレーニングをやってもらいますと、六月の初めになるか真ん中ごろになるか、そのころにシーリング枠を出しますから、そこでやはり勉強してもらっているうちに、七月の半ばごろか初めか知りませんが、答申が出ると。そうすると待ってましたというふうに本当はしてもらいたいんですよ、とんでもないと思われちゃ困るんですよ、削っちゃうから、あらかじめもう枠で出ているわけですから。そうすると、大体われわれが考えていることと臨調で考えていることとこんなに差はないと私は思うんですね。できないことを言ったって仕方ないわけですから、これは、現実性がなければ。だから、現実的なもので出してもらっていただくということに私はなろうかと思います、まずは。
○竹田四郎君 はい、わかりました。 そうすると、サマーレビューですかスプリングレビューですか、去年もやりましたけれども。恐らくことしもおやりになるんだろうと、こういうふうに思うんですし、もうすでにその点では大蔵大臣からある程度勉強しろというぐらいのお話はなさっているだろうし、テーマ等も恐らくおっしゃっているだろうと思うんです。 いまシーリングの話が実は出ました。去年は七・何%という各省平均、全体としてシーリングをやりまして防衛庁だけが何か五三中業の何とかかんとかということであそこだけ出っ張って、そして概算要求になったというわけですけれども、今度のレビューの結果のシーリングというのは各省別、違うんですね、一律でなくて。各省別、おまえのところは一二%だと、おまえのところは九%だと、おまえのところは二〇%だと、大蔵省の方でその各省庁ごとのシーリングというものをことしは出されるわけですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それもまた決まっておりません。決まっておりませんが、このシーリング、ことしも例外は認めたわけですね。例外認めたわけです。そこで問題は、法律制度、直せるようなものと直せないようなものと大体ございますから、やはり多少のものは例外があろうかと思いますよ、それは。だけれども、そんなにでっかい例外は私はないんじゃないかと。 しかし外国との条約、その他に基づいておるようなものにつきましては、それはもう一方的に日本だけが勝手なことできないということもございますから。それから、もうすでにたとえば海外経済協力みたいに、政府が五年間に倍にするよと言っておいて、それは伸び率は一つも認めませんよと言っても、これはむずかしい話になりますわね。経済協力、五年間に倍にして、平均すれば一一・二ぐらいずつ伸びる計算になっているわけですから、こういうのは対外関係、もう表に発表しちゃっているわけですから。ですからそういうようなものはもう別枠は認めませんと、どこの予算も全部同じだと言われても、それじゃ何で、倍にできぬじゃないかと、来年はとりあえずゼロにしておくかというわけにもなか衣かいかぬのじゃないかと、いまのところまだ固まっていないんです、来年幾らにするかということも。五年間に倍にするということは決まっていても来年は経済協力何ぼにするというのはまだ数字決まっていない。そこらのところの詰めをいまやっておるところであって、それ以外はやっぱり差をつけるということはなかなかむずかしい問題がございますから、厳しいものになるということです。
○竹田四郎君 そうすると海外経済協力、いま具体的にお話が出ました。あと心配のあるのは防衛関係費というのが恐らく——後ろの方で防衛局長と経理局長がお待ちになっているわけでありますけれども、その辺の問題はいま言った厳しいシーリングの枠外と。まあ聖域という言葉がいままで言われていたわけでありますが、そういうことに大体なりそうですな。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 聖域じゃないんです。やはり枠ですから、予算要求の枠は預けましてもその中身の点検は一遍させてもらう。当然です、それは。査定はあるんですよ、査定は。ただ、枠の中だから何を要求してもいいというわけにはなかなかいかない。だけれども、大蔵省が査定をしなくとも今度はもう本当に合格、合格というようにできるように最初からやってもらえばもう査定したと同じことになるわけですから、査定通るように最初からつくってもらうことですな、要求を。それが一番いいんじゃないかと、そう思っております。したがって、シーリング枠の中、それから枠外のものであってもその中身については当然にそれは査定の対象にもちろんなるし、シーリング枠の、どういうふうになるかも決まりませんけれども、それを減らすこともあるかもしらぬと、あるいはそういう場面になるかどうかと、そこらのところをもう少しやってみないと、余り私がしゃべり過ぎちゃって今度は後で食言になっても困りますから、実際決まってないので、大体その程度できょうは御勘弁を願いたい、そう考えます。
○竹田四郎君 なかなかその辺がまあおっしゃるようにうまくいくかどうか、これからの渡辺大蔵大臣の腕の見せどころというところになろうと思います。 ところで、大型公共投資というのはいろいろありますね。むつ小川原の問題だとか、それから本四架橋の問題だとか、関西新空港の問題だとか、苫小牧の東部地区の開発の問題だとか、こういうような、ほとんどこれは四十年代に計画されたものだと思いますけれども、こういうようなものはかなり財政負担をしていかなくちゃならぬ、あるいは財投も含まれると思いますけれども、そういう形で投資をしていかなくちゃならぬというような問題がありますね、 それから、恐らくかなり多くの五ヵ年計画という、そういうものもこれから出てまいりますね。私この間、港湾整備五ヵ年計画というのを運輸委員会でやりましたけれども、どうもこれも余り納得のいかないような計画ばかりたくさんありそうなんです、縮小はするそうでありますけれども。こういうものもいまの形で果たしていいのかどうなのか。相当見直さないといけないんじゃないのか。住宅の問題にしたっていろいろ問題があるわけでありますけれども、こういうものはどうなんですか、見直すんですか、大体いままでのものを踏襲するんですか、さっき言ったようにかなり厳しいものでやっていくんですか、どうなんですか。その辺は、まあこれからの問題ですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大型プロジェクトなどはやはりぼくは見直す必要があるんじゃないかと、そう考えております。見直さないにしても、少なくとも建設工事費を増額できるような状況にはございませんから、現実の問題としてお金がないんですから。ですから縮小することはあっても拡大することはないというぐらいのところになるんではなかろうかと。 五ヵ年計画については次長からひとつ説明をいたします。
○政府委員(西垣昭君) 大臣の御答弁に補足させていただきますが、この一月に決められました中期計画の公共投資の規模百九十兆円につきましても、ある程度幅を持って考えられるべきものだということになっておりますし、それぞれの五ヶ年計画につきましても、いずれもそのときの財政の状態、経済の事情、そういったものを考えながら弾力的に執行するという弾力条項がございまして、私どもといたしましては、その年その年の財政の状況に応じましてその規模を決めていくべきものだというふうに考えております。
○竹田四郎君 次長、あなたそういうことをおっしゃるけれども、私がこの間京浜外貿埠頭公団、阪神の公団、この審議をしてみたんです。全然行政改革になってませんね。あれは閣議決定で行政改革の一環としてやるということになっていますね。ところが実際は、むしろ過剰投資を誘うような形にしかなってないじゃないですか。恐らくあれからいけば、今度の港湾整備五ヶ年計画にしても、各港湾管理者の出してきたものを積み上げていくらしいんですけれども、恐らく金額は四兆二千五百億ですか、六百億ですか、その辺に抑えられると思いますけれども、内容的には私はよっぽどよく検討しないと、ちっとも新しい行政改革の一環として百九十兆に直したことと港湾の運営との問題、うまくいかないんじゃないかなということをつくづく感じましたね。そういう意味では、恐らく私はこの大型プロジェクトの問題もうまくいくだろうかどうだろうか。特に整備五新幹線の問題などについてはね。もう私どものところですら、自民党の議員さんがこれ頼むよ、頼むよと、こう、何で私に頼むか、大蔵大臣に頼むのならまだわかるけれども、何で私にまでそんなことを頼むのかなと思うほど熱心ですね。果たしてできるかどうか非常に私はその点は疑問でありますし、この辺をぴしっと決めていかないと私はほかのことは決まっていかないんじゃないか、こういうふうに考えます。これは私の意見です。 そこで、防衛庁来ていただいているんですが、防衛大綱を早期に実現すると、こういうふうに総理は言っているわけであります。これはアメリカへ行く恐らく土産だろうと思うんですけれども、これはどういう意味なんですか、防衛大綱を早期に実現するという内容は。
○政府委員(塩田章君) 防衛庁といたしましては、かねてから防衛計画の大綱の線に早く到達したいということは、いろいろな機会に申し上げてきておるわけでございます。 具体的にどういうことかというお尋ねでございますが、「防衛計画の大綱」には、前文の方で防衛の考え方等書いてありますけれども、別表で具体的に当面の平時における日本の持つべき防衛力の目標というものが示されております。具体的にはそういった目標を達成いたしたいということになろうかと思います。
○竹田四郎君 そうしますとこれはあれですか、五六中業、これの終了年度で防衛の大綱は実現をすると、こういうことですか。そうすると、その五六中業の総経費というのはどのぐらいかかって、各年度に割り当てますとどのぐらいの割合になるんですか。
○政府委員(塩田章君) まず第一点の、五六中業で実現するのかという点でございますが、私どもいま考えておりますことは、今度の五六中業で「防衛計画の大綱」の線に到達することを基本として作業をいたしたい。この五六中業はいまから約一年ぐらい、来年のいまごろまでをめどに、いまから作業に入るわけでございます。 その作業をするに当たっての基本的考え方として、五六中業に「防衛計画の大綱」の水準に達することを基本として作業をさせていただきたいということを考えておるわけであります。したがいまして、経費がどのぐらいかかるかということにつきましてもいまからの作業でございまして、いまの時点で幾らということも申し上げられるような段階ではございませんし、もともと中期業務見積もりの作業というのは、現在の五三中業でもそうなんですが、防衛費全体の経費じゃございませんで、主要装備に関する、主要事業だけの経費の積み上げをやるという性質のものでございますので、そういう意味でも防衛費の全体の経費が幾らになるというふうなことは、来年作業が終わった後でもそういう見積もりをするわけではございません。 それからなお、年度割りも、現在の五三中業でもそうですが、中業の中で五年間の年度別にどういうふうに年度割りを決めるというものでもございませんので、そういった点は現在の五三中業と同じような考え方でやっていきたいというように考えております。
○竹田四郎君 この「防衛計画の大綱」の最後に別表というのがあるわけですね。私はあんまりよく防衛のことはわからぬですが、それでもたとえば航空自衛隊が作戦用の航空機約四百二十機という数字が出ておりますし、それから海上自衛隊の作戦用航空機約二百二十機という数字も出ておる。それから潜水艦が十六隻というのも出ておりますね。それからそのほか、これは具体的に一隊が何隻の艦艇を持つかということも、私はわからぬけれども、計算すれば出てくることですね。それから、機動部隊の編成も一個機甲師団は一体どのくらいか、特科部隊は大体どのくらいの大砲がどのくらいあるかというようなことも計算で出るわけですね、これ、現在あるものを差っ引けば、 そうすると、現在価格で大体五六中業を全部達成するには、新規のものだけ、その中には更改していくものもあると思いますね、古くなって新しいのに変えるというものもあると思うのですが、達成するだけで、新陳代謝は一応含まないでどのくらいの金額になるかという見積もりは現在価格として出るわけでしょう。これは将来は物価が上がっていく、あるいはいろんな点があるでしょうけれども、あるいは為替相場の問題もあるでしょうし、いろんな問題はあるでしょうけれども、一応計算見積もりできるでしょう。
○政府委員(塩田章君) 先ほど申し上げましたようなことでいまから作業をいたしますので、いまの時点で大体どのぐらいだということを申し上げることは大変——大変というか、現在全然持っておりません。と申しますのは、いま飛行機とかいろいろおっしゃいましたが、たとえば対潜水上艦艇約六十隻というふうに書いてございますが、その六十隻にしましても、御指摘のようにいまからリタイアしていく分の代替分ももちろん含まれましょうし、いまの不足分も含まれるわけでございますが、その六十隻にしましても、どういう艦艇をどういう形でそろえるかということをいまから考えていかなきゃいかぬわけです。そういうことによりましてずいぶんと内容がいまから変わるわけでございますから、変わるといいますか、いまから決めていくわけでございますから、いまの時点でどのぐらいになるかと言われてもちょっとお答えいたしかねる。実際に私どもまだ数字を持っておりません、
○竹田四郎君 防衛関係費については「財政の中期展望」があるわけでしょう。これには新しい五六中業入ってないでしょう。いままでの積み上げだけでしょう。これ中業入っていないという説明でした、私が聞いたら。あとは人件費と国庫債務負担行為、そういうものの積み上げと、あと物価上昇、それだけしか載っていないというわけですよ、これ。そうすれば、いまの五六中業の大体の計算というのは現在価格で出ると思うのですよ。それでなければきのう総理が、五十八年、五六中業をやってもGNPの一%は超しませんと言っているのでしょう。超しませんと言っているのですよね。だから数字が出ているはずじゃないですか。これはどうなんですか大蔵省、その五十八年から始まると、こう言うんですが、五十八年の名目GNPは幾らになるんですか。もちろん見通しですよ。
○政府委員(西垣昭君) これは中期計画に合わせて一一・七%で伸ばしたものでございますが、それによりますと三百二十兆四千億でございます。
○竹田四郎君 そうすると、それが一一%の割合で伸びていくという計算ですが、五十八年度の防衛費というのは三兆三千億以下でなければ一%を超えるということになりますな、大体、大体のところですよ。そうすると総理大臣は、その割合でふえていってもGNPの一%という閣議決定を超えることはありませんと、こう言っている。あなたの方はわからないと、こう言っている、超えるとも超えないともまだその御返事はいただいていないわけであります。数字がわからないと言う。おかしいじゃないですか。これはどこでそういう、あなたの方ですか、鈴木総理に一%は超えませんと言ったのは。どこが一体計算したんですか、それは。
○政府委員(西垣昭君) 一%を超えるか超えないかという計算につきましては私どもは承知いたしておりません。先ほど防衛庁の方から御説明がありましたように、五六中業の作業はこれから始められたとしましてもあと一年ぐらいかかるわけでございまして、その段階でその規模の適否がそこでまた判断される、そういう性質のものでございます。
○竹田四郎君 それにしたって、きのうあれじゃないですか、各党の代表に、まあ各党の代表全部に言ったかどうか知りませんけれども、その中で一%を超えることはありませんと、こう言っているでしょう。こう言っているわけですよ。新聞に出ているわけですよ、きょうの新聞に大きく出ているわけですよ。大蔵大臣その点はどうなんですか。閣議決定のGNPの一%というのは必ず超えさせないということなんですか、総理が言ったことは。同様じゃないでしょうけれども、一応その点はあなたの方にやっぱり関係ありますわね、これからの財政再建をやっていくという上では当然あるわけです。これはどうなんですか、あなたとしてはどうなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一%以内とするという閣議決定いまでも生きているわけですから、それを変更しない限りはそれ以上ふえることはない。あるいはわれわれは財政再建という大きな課題を持っておるので、そいつの大きな支障を来すようなことは困る。したがいまして、総理がどういうお考えで言ったか知らぬけれども、閣議決定変えてない以上はその範囲の中でおさめてもらうという意味だと私は理解いたしております。
○竹田四郎君 そうすると防衛局長、その範囲でおさまると、防衛庁もおさめると、こういうことですね。その点は間違いないですか。局長でもどっちでもいいですよ。
○政府委員(塩田章君) 総理のきのうの御発言、私直接聞いたわけではございませんけれども、新聞で拝見しましてもGNPの動きがわからないので、わからないという趣旨をおっしゃっておられると思います。一%以内という前に、そうおっしゃる前に、新聞で拝見する限りですが、GNPはまだ動きがわからないので、わからないがとおっしゃって、一%以内できるんではなかろうかという意味のことをおっしゃっているというふうに、私は新聞記事を読んでそういうふうに考えておるわけですが、いま大蔵大臣もおっしゃいましたように、閣議決定はとにかくいま現在生きているわけですから、それを超えて一%以上の予算をもしお願いするとすれば、当然閣議決定を直してからでないとお願いできないわけです。それはいまの時点で、私どもはいまから作業をすると、先ほどから何回も申し上げておりますようにいまから作業をする段階でございますから、そういったことをいま私どもがいろいろ申し上げるべき段階でございませんし、また超えるとも超えないとも全くわからないと、いまの時点では。
○政府委員(吉野実君) ちょっと補足さしていただきますけれども、先ほど先生がお話しになりました「財政の中期展望」で新しいものは何もないじゃないか、こういうお話ですけれども、そこは国会で私も答弁をいたしましたけれども、そういうことではちょっとないんです。物件費の中で国庫債務負担行為に係るものはこれは過去の平均値を新しく乗っけていく。最も簡単に言えば、過去の平均値じゃなくて、五十六年度に国庫債務負担行為を新しく組みましたですね、予算で。それと同じ金額だけを積む、そういうことになっておりますから、新しくその五六中業とか五三中業のベースで幾ら積むとかいうそういう政策意思の問題は入っておりませんけれども、過去の平均値は新しく入れるという前提になっております。 それから、いま五六中業の話出ましたけれども、五六中業、先ほど防衛局長からもお話がありましたけれども、作業の指示をするというのはそういうことですけれども、仰せやってみなきゃわからぬというのは、「防衛計画の大綱」に部隊の数とかあるいは船の数とか飛行機の数とか書いてありますけれども、同時にまた古いものを近代化するということも書いてありますけれども、どういう近代化、新しい装備をするかということはこれからやることでございますので、それをやってみないと幾らになるかわからない、こういうことでございます。ですから防衛庁の中にはそういう数字はいまありません。
○竹田四郎君 経理局長ね、さっき言ったように五十五年、五十六年度の国庫債務負担行為の平均は使用してあると、これは大蔵省もそれを認めています。だから、五三中業の各年の中業による支出額、中期業務見積もりに基づく支出額、これどんな割合になっておるか、いま数字が出ていれば言っていただきたいし、数字が出てなければ後ほどでいいですからね、その数字欲しいですね、
○政府委員(吉野実君) これは防衛局長の方の仕事だと思うんですけれども、五三中業の主要装備及びそれに関連するものは五三中業でも決まっておるわけですが、トータルの姿で決まっておるだけでございまして、全体として五十四年度価格で二兆七千とか八千とかいうことはなっておりますけれども、それを年割りをどうするかということは決まっておりません。それから、同時にまたそれは主要装備だけでございますので、その主要装備よりはるかにウエートの大きい後方のものはほとんど入っていないということですから、五十八年が幾らとか五十七年は幾らとかいうことは出ないと……。
○竹田四郎君 具体的には支出しているんでしょう、もう。支出してないということないでしょう、いままで。私は先のことを言っているんじゃないんですよ。五三中業は何年から始まったか私よく知りませんけれども、五十五、五十六と恐らく始まっているんでしょう。そうすれば、五十五年度に幾ら支払ったか、もうこれは三月三十一日過ぎているんですからね。後五月末までが閉鎖期ですから、もうそのものは現認はできているはずなんですから勘定できるわけです。五十六年度の予算は幾らということだってもう予算載っているわけだ、ただ私どもはあなたたちが見せてくれないから、中業との関係とそれが幾らことしの予算に盛られているかよくわからぬです、それはね、この前の数字を書きなさいというのを書かないからわからぬ。これだって予算にも組んであるからわかるわけですな、どのくらいの割合になっているのか、恐らく私の感じでは五三中業も初年度はわりあい少ないような感じがしますね。六年度から後ふえていく、そういうふうな形にこれからなるかどうかそれはわかりません。しかしそれがそういうふうになっていくとしたら、五十八年、五十九年度の予算が一体どうなるのか、GNPの一%以内におさまるのかおさまらないのかわからぬわけでしょう。しかも、これは大蔵大臣、あなたも国防会議の議員でしょう。これはオーケーかどうかあなたは判断しなくちゃならぬわけです、二十八日には。そうすると、何にもそういう大蔵大臣として金額もわからないようなものをオーケーするんですか、どうなんですかね、もしそれを、金額もわからないようなことでオーケーするということになると、いままで議論してきた財政再建の問題ね、どうなるかわからないでしょう、そこであるいは特例債うんとふやさなくちゃならぬかもしれぬ。こういう問題が出てきませんか。そういう意味で私はもう大ざっぱなことを——もちろん細かいことはわかりませんよ、大ざっぱな全体の事業計画は大体どれくらいになるのか、これは大蔵大臣として、その性能のとやかくは別として金額としては承知をしなければならない。今度は防衛庁の内部資料じゃないからね、今度ができれば、さっきあなたが言った海外経済協力費と同じことになるわけです。もうきょうが二十三日ですから、あと五日にはあなたは判断しなくちゃならぬ。どうですか、その点は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も防衛費は重大関心を持っているんです、これは。金出さなければならぬですからね。そこで問題は、違いは、いままでは五三中業というのは防衛庁の内部資料でございますと、したがってそれを認知しておるわけではございませんと言ってきたんですね。で、あなたのおっしゃるように今度は認知するのかというけれども、認知するかどうかはわかりません。国防会議にかけるというのは、いままでは防衛庁が勝手につくったやつだけれども、今度はその作業をすることを認めましょうということになるんじゃないか、作業そのものを、したがって、作業をした結果が出てきますわね、こんなには認められないとか、これじゃ足らぬとか。足らぬかどうか知りませんが、あるいはあるかもわからない。それはまた後の話ですから、作業することを公式に認めますと、公式な作業ですからしっかりした作業をやってみてくださいよというだけのことであって、その中身が出てこないうちに私も何とも言えない。それはとてつもないものを持ってこられたってとても認めるわけにはいかぬわけですからね、私どもは、ですから、それは国情に合ったもので、しかも必要最小限度のものは認めざるを得ないでしょうが、作業の結果待ちということで、国防会議にかけたからといって作業の結果をうのみにするなんということは、そういうことは絶対ございません。
○竹田四郎君 それと、それができたころあなたは大蔵大臣かどうかわかりませんからね。しかし、その辺は行政というのは、大体予算なんか見ましても、どこの予算でもそうですが、一応調査費というのが出てくると、調査費というのが出てくるとその事業というものは認められたということに大体なるわけですわね。まあ反対の例もたまにはありますけれども、大体そういうのがあなたたちが組んでいるときの立場でしょう。そうなってくると、私はこの五六中業がおおよそどのくらいのものになるという目の子は、これは大蔵大臣、計画をつくることを認知するとはいうものの、計画をつくる前に大体どのくらいのめどだというのは、これはあなたの腹の中にはそういうものを置かなければ認知できないじゃないですか。滑り出した、うんと大きいものが来た、そのときにあなたはいない。あなたがいればぎゅうっと抑えてくれるだろうと思うけれども、そのときにはいないということになれば、果たしてこの財政再建への道というのはここで崩れるんじゃないですか。また特例債を山さにゃならぬ。このことはどうしても防がにゃならぬでしょう、いまの段階で、そうなれば、あなたとしては大体このめどは出ているんですからね、防衛関係費の。これで出ているんですから、おおよそのめどは。それへどのくらい積み上げるのだということは当然質問があっていいはずなんだ、あなた方が防衛庁側に、ただそういうことだけで私は今度の場合済まないと思うんですよね。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから今度は防衛庁だけでつくって持ってこられたって私の方はそれは知りませんと、中でがたがたするようなことは困る。したがって今回は、国防会議を入れて国防会議で作業のスタートを——作業のスタートですよ、それを認めるという以上は、どういうふうなものをつくるかということについては、これは防衛庁だけで勝手にやるというわけにいかぬですからね、それは。当然国防会議のメンバーである大蔵省とよく連絡をとりながら作業の中身を固めてもらわぬと困りますということなんです。したがって、われわれとしては財政再建という大きな課題を抱えておりますから、その中で支障のない範囲のものしか——作業をやるといっても今度は政府としてやるんですから、防衛庁だけで独自な参考資料という話じゃないわけですから、当然大蔵省がかんでくるわけですよ。したがって今度は一緒に、細かいことは別にしても、それらについては財政が負担し切れないほどの作業結果は出てこないというように思っております。
○竹田四郎君 私、いま防衛局長が一%という、作業した結果だけれども、一%という閣議決定は直してもらわなくちゃならぬような結果も出るかもしれぬとおっしゃっていましたな、前の答弁でね。もうそういうことを防衛庁は言っているんですよ、一番中心な防衛局長が。これはよっぽど大蔵大臣しっかりしてもらわないと一%というのは崩れる可能性が非常にある。しかも総理は、そういう数字というのを、いまのここで聞いている話ではどこで計算したか知りませんけれども、あんまり計算した数字じゃなくて観念的に一%ということを言っているような気がする。そうなってくると一%というのはすぐ崩れる。崩れれば財政再建に影響をしてくるわけですからね、これは大変なことだと私は思うんですよ、そう考えてみますと、経理局長、この前私が予算委員会で言った問題、ただじゃ済まされなくなってきますよ、今度は一%にひっかかってくるのだから。われわれがそれを修正をする、修正の場合の数字というものが当然いろいろな使途で検討されてくる可能性があるんですよ。だからこの前の予算委員会のあの問題だって、ここではっきりしてもらわないと私は困ると思う。この前は何か大蔵省に対する予算の資料をあなたたちだけに配るからそれで勘弁してくれ、盛んにそういうことを言っていたんです。私は予算書にちゃんと書かなければ——あの予算書は国会議員だけに配っているわけじゃないんですからね、公述人にはあれ行くんですからね、あの参考書類というのは。予算書は行くわけですから、ほかにも行っているわけですから、国民にやっぱりわかるような予算書にしてもらわなくちゃ私は困ると思う。そういう意味では、非常にここ数日の政治の動きから私は大変これは重要な問題になってきたと、こう思うんですがね。
○政府委員(吉野実君) 予算書の話ですから、防衛庁の経理局長に聞かれましても大胆にお答えできないわけでございまして、これは大蔵省の方からお答えしていただくよりしようがないわけでございます。なぜならば、予算書は各省に共通したバランスの問題がありますから、国庫債務負担行為等に関する二十八条書類をどう変えるかという、これに関連するほかの省庁もありますから、その点は大蔵省の方からお答えをいただくのが筋だろうと思いますが、私の方は先般も先生に申し上げましたように、細かいことは省議のために支障になってはいけないというので出しておりませんけれども、私の方で出してあります「予算要求の大要」の中に単価がわかるようになっております、いままで、私は実はこの間弁解をいたしませんでしたけれども、まことに申しわけなかったんですけれども、当初各党の政審にお配りをして勉強をしていただいたんで、先生のところにも当然渡っているだろうと思っていたんですが、それは間違いでございましたので、これからはあの「予算要求の大要」は政審だけしゃなくして、予算の審議が始まる前にお出しをして御審議の参考にしていただきたい、こういうふうに思っておるわけであります。
○政府委員(西垣昭君) 予算委員会で大蔵大臣、主計局長からるる御説明申し上げましたので、私はそれは繰り返すことは差し控えたいと思いますけれども、予算書あるいは予算の参照書そのものを変更することはきわめて困難でございます。ただ先生御指摘のように、予算の内容についてできるだけ理解していただくということは大切なことでございますので、従来分科会でお配りしておりました防衛庁資料を防衛庁とも御相談いたしまして、予算審議の冒頭に予算委員会に提出するということでそれを十分参考にしていただくということにさせていただきたいと思っております。
○竹田四郎君 私は、それは何回かおたくの総務課長来たんですが、お断りをしているはずです。その問題は私自体だけの問題ではない。予算委員会の問題ですからね。これは私はどうしても出してもらわなきゃいかぬ、こういうふうに思うんです。 それから、主計局に聞くんですがね、いまの五六中業というもの、これが始まるのは五十八年度だというのは大体話はわかってきたんですね。そうすると、この「財政の中期展望」の五十八年の防衛費というのはどうなるんですか、これはこれからの参考になるんですか。それとも五六中業ができた段階ではこれはもう御破算ですか。もう御破算になると言うんなら、いま私どもまともにこんな数字を議論するということにはならないと思うんですがね。これ五十八年あるわけだからね。しかも五十九年には特例債はゼロになる、こういう計算であるところですからね。われわれは、いまのところ大蔵大臣が言っている財政再建法も検討中だということであるけれども、それも出ているわけじゃないんだから。いまのところ、これからの財政がどうなっていくかということは、この「財政の中期展望」以外にないわけですよ、われわれが知り得るものは。そうすると、いまの五六中業との関係というのはこれからどうなってくるんですか。
○政府委員(西垣昭君) この「財政の中期展望」と申しますのは、今後の財政運営の判断の材料としていただくためにつくったものでございまして、五十六年度予算におきます制度、施策を前提といたしまして、五十七、五十八、五十九というものの予算を推計いたしたものでございます。これは将来のことでございますので当然変動いたしてまいりますので、私どもといたしましては、これはローリングプランといたしまして毎年つくり直してまいります。したがいまして、来年度は五十七年度予算で決められる制度、施策を前提といたしまして、五十九年度までではなくて六十年度までということですっかり新しいものにして国会にも提出したい、こういうふうに考えております。したがいまして、もし五六中業ができまして、正式に認知されましたならば、それを前提としたものがそのときにはつくられるということになろうかと思います。
○竹田四郎君 そうすると、もう大体この「財政の中期展望」はことしの予算で終わり、こういうことですな。あとは参考にはならない、そういうことでいいんですな、これは大蔵大臣、そうですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 参考にならないかどうかはそれはわかりませんが、いま西垣次長が言ったように、現在の制度でそうなるわけですから、現在の制度が変われば当然変わるわけです、したがって、財政再建に向けて今度は数年間ぐらいもつものをつくらなければならぬ。したがって、第二臨調でいろんなものが出てきますが、さらに二年間臨調の期間があるわけですから、その間にまた別な制度改善が出ると思わなければならぬですね。そこでも制度が変われば当然変わるわけですから、省庁がなくなっちゃうとか、まあなくなるかどうか、たとえばの話ですよ。そういうふうに法律が変わって制度が変われば変わるということですから、来年度も変わるし、第二次臨調の最終答申が出てその当時の制度を変えるということになれば、またそこでも変わる、こういうふうに考えていただくほかないんじゃないか、かように思っております。
○竹田四郎君 そうすると、先ほどの話で、防衛関係費は五十八年度の見通しは二兆七千五百億と出てますよね、これが三兆三千億円、こういうことに大体なると見ていいわけですね。
○政府委員(西垣昭君) これは先ほど申し上げましたように、毎年度つくり直してまいります。したがいまして、五十七年度にお出ししますときには五十七の予算の結果として出てまいります制度、施策を前提といたしまして五十八年度ははじかれるわけでございまして、当然のことながらここで予定しております五十八の数字とは違ったものが出てまいります。五十八年度以降も同じでございまして、その年その年つくり直してまいりますが、その前提となりますのはその年に審議されます予算でございまして、いまから五十八年度が幾らになるかということは申し上げられる性質のものではございません。
○竹田四郎君 そうすると、五十九年度に特例債がゼロになることもわからぬ、こういうことになりますね、ほかが変わっていけば変わるんだ、こう言っているんだから。そんなことは、これは「財政の中期展望」の中にあるわけですからね。ですから、そういう意味では予算は風のまにまに動いていく、こういうふうに考えざるを得ないじゃないですか、毎年変わっていくと言うんだから、これが。おかしいじゃないですか、それじゃ。じゃなぜこんな中期展望を五十八年、五十九年まで出すんですか、それで私どもがいろいろと質問をすれば、税収は一四%の伸びでいくんだとずっと言っているじゃないですか。何のためにこんなむずかしいものを出すんですか、われわれの頭を悩ますように。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど申し上げましたように、今後の財政運営の検討の材料としていただくということで、長年御要望がございましたので積み上げたものでございますが、先ほど言われました特例公債につきましては五十九年度に脱却するというのが政府の方針でございますので、五十九年度にゼロにするということを前提にいたしまして、しかし各年度幾らずつ減らしていくかということにつきましては、それぞれの年におきます政策判断でございますので、いまから決めるわけにはまいりませんので等額減らす。そこのところは政策目標として五十九年度脱却、途中は等額ということに置いたわけでございます。あとのものは原則といたしまして現在の制度、施策を前提とした場合にはこうなる、で新規施策を追加すればその分だけ増額されるし、従来の制度、施策を削ればその分だけは減額される、そういうものとして御検討の材料として役に立つのではないかということでお出ししたものでございます。
○政府委員(吉野実君) 誤解されるといけませんので一言だけ申し上げますけれども、一%になるとかならないとかいう話の作業はしてないんですけれども、一%になるかならぬかというのは、たとえば五六中業が終わるといいますか、終期である六十二年になるのかならないのかというお話だろうと思うんです。ところが、先ほど大蔵省の方から話がありましたけれども、いまの新経済社会七ヵ年計画のフォローアップ、一一・七%というのがありますけれども、これは六十年度まででございまして、六十一年、六十二年の経済がどうなるかというのは、政府の決まった見通しはありません。したがって、いままだ作業はしておりませんけれども、何%とかなんとか言っても、要するに寄りつく分母がわからないということでございますので、その点だけ申し上げておきます、
○竹田四郎君 いずれにしても、要調整額というのは、こんなところへこういう四兆九千六百億とか六兆八千億なんて書いてある意味というのは全然ないということですよ、あなたの方では特例公債はゼロにするということだが、こんなこともわかりゃしないよ。ことしのいろんな防衛費の状況から見てみれば全然わからない。非常にその点では私はこれは危ないと思う、ことしは危ない、こういうふうに言わざるを得ないと思うんです。 これはまた将来の論議に残しておきますけれども、どうも財政再建計画は、もう五十六年度で崩れ始めてきたというふうに言わざるを得ない。それでなければ違った形で大増税が出てくるんだというふうに考えざるを得ない、こういうふうに思います。 防衛庁の方よろしゅうございます。御苦労さまでした。 そこで農林水産大臣、大変お待たせして、けさからあなたのために大変もめまして、私も三十分近く中断をするということになりまして、大変質問も何かおかしくなってしまいまして、その点はひとつどういう質問が出てくるかわかりませんが、まず農林大臣ね、あなたの方は中央競馬会で競馬をうんとやらせるのに一生懸命のようですがね、場外馬券売り場というのも大変つくっておられるようです。私の方ではこの場外馬券売り場というの大変迷惑しています。これは横浜の野毛というところにあります。あんな狭いところに何か最近増築もしたそうですね。もう交通が滞っちゃってどうにもしょうがないですよ。これはあそこだけじゃないと思う。なぜああいう場外馬券売り場というのは、平塚でも何かこれは中央競馬会なのかどこになるか知りませんが、大通りのど真ん中にそういうものを据えようとするんですか。こういうのこそ積立金がたくさんあるんだから、もっと自由なところに移したらどうですか、これはほかにもそういうのはうんと出ているでしょう、あちこちから。ああいうことがあるから恐らくノミ行為なんかも行われる——あそこ行ってがたがたしちゃいますからね、原因であろうと思うんですがね。そういうことで、ああいうのは即刻金使って直すと、金はあるんですからね、大分。国へ納めるほどあるんだから、あんなもの直すのに百億も二百億もかからぬわけですから。そうしてもらえませんかね、私はギャンブルやりませんから余りああいうものがあるのは歓迎しませんけれども、どうなんですか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 場外馬券売り場が各地にできてきました沿革につきましては、竹田先生も御承知のとおり、競馬が国民の健全娯楽として、まあレジャーとして大衆化してまいったということで、競馬場に行かなくてもその競馬の楽しみを享受できるということと、それからノミ行為をできるだけ絶滅を期するような方向のために設けられてきたということでございます。 したがいまして、まあ一面において競馬というレジャー、喜びを与えるといいながら、片っ方においては大変市民に迷惑を与えるということであっては、これはまあせっかくの目的も半減してしまうという感じも私も持つわけでございます。したがいまして、適地があれば、もうむしろいまみんな車で馬券を買いに行くという方が多いし、したがってそう混雑のしてないところに公園式なやつを、競馬会本当に金があるわけですから、そういう公園式なところでおやじは馬券を買いに行く、子供たちはその辺の公園で遊んでおるというようなくらいな場外馬券売り場ができないものかなというような感じを持ちまして、実は競馬会の方にも寄り寄りそういう話をいたしておるわけであります。 したがいまして、竹田委員の御指摘のように、やはり極端にもう都市生活者、都市交通、そういう面に大きく迷惑を及ぼしておるというような点については、今後寄り寄り検討をいたしまして、そうしてできるだけ市民の側から受け入れられるような土地を選んで設定をしていくというふうに、今後新たに設置する場合にもそういうような指導をしたいということで、先般も日本中央競馬会の武田理事長にもお話しをいたしておるところでございますから、なお先生からそういう御指摘を受けましたので、今後さらに検討をさしていただきたいと思います。
○竹田四郎君 このギャンブルは好きな人ときらいな人がいるんですよ。たばこだって好きな人ときらいな人がいるわけですよ。だから公衆に迷惑をかけるようなところじゃたばこ吸っちゃいかぬと言って駅だって何時まではたばこは禁煙だと。車だって禁煙車というのもわざわざそのためにつくってある。競馬だってギャンブルだって好きな人は、それは混雑してごった返しがいいかもしれませんが、ギャンブルの好きでない者で先を急ぐ者にとっちゃこんな迷惑なことないんですよ。穴でもうけた人はいいでしょうけれども、大穴が当たってもうけた人はいいでしょうけれども、そうでない興味のない人はこんな迷惑のものはないと思うんですよね。もっと農林大臣ね、競馬なら競馬というのをもう少しおもしろくというのか、家族楽しくできるようなそういうものにもっと変えていったらどうですか。たとえば返すお金が売り上げの七五%ですか、それをもっと多くするとか、八〇%ぐらいにするとか、それからなぜ、ぽくはいつもギャンブルについてはよくわからないんですがね、連勝複式というのですか、連勝単式というのですかよくわかりませんが、一位と二位だけをなぜあれ賞金やるんですか、一位と三位になぜやっちゃいけないんですか、そこへ格差づけて。二位と三位になぜやっちゃいけないんですか。そしたらもっと楽しみがふえるんじゃないですか、そういう意味では。一位と二位じゃなかったけれどもおれのやったのは二位と三位で少し少ないけれどもとにかく賞金が幾らかでも返ってくる。全体的に金額を低くしたらたくさんかけるということもないだろうし、これがもっと家庭的なものに変わってくるんじゃないですか。だから私は、これをどうして一位、二位だけにしかその複式というんですか、連勝式というんですか、よくわかりませんけれども、ああいうのはあそこがまた一番おもしろいらしいんですわな。もう少しあの辺を変えたらもっと何というのですか、ギャンブルが家庭争議になったり何かするというようなことはないんじゃないですか。あのギャンブルの後というのは本当に何かこう町も寒々しい、いやな感じの町になっちゃいますね。中にはもう喜んだやつは大変一杯飲んできげんがいいけれども、損したのはやけくそでやると、私はその辺をもう少し、これは大蔵大臣、ほかもありますからね、競馬だけじゃないですよね、競輪だって、それからポートだって同じだと思うんですがね。もう少しこれを本当に大衆娯楽にするというなら大衆娯楽らしい、もっとみんなが、より多くの人が楽しめる、こういうものにしたらどうですか。それには七五%を八五%なら八五%に広げる必要も出てくるかもしれない、あるいはもっと金額を、この一位のを下げるというようなこともあるかもしれない。 それから、もう一つ考えてもらいたいのは、馬券とか車券とか、こういう券ですね、ほとんど特券を売っているでしょう、千円単位のものを。あれをもっと制限すべきだと思うんですよ。それはいろいろな管理の問題がありますから、それは全然なしというわけにもいかぬと思いますがね、もっとみんなが手軽に買える金額に、百円ですか、最低二百円ですか、そのぐらいのものをもっと売るようなことをしたら、たくさんかけないという形に私はなっていくだろうと思う。そういうことを組み合わして。私はギャンブル好きじゃありませんけれども、そういうふうにしていけばギャンブルの弊害というのもわりあい少なくなるんじゃないですか。そういう改善の意思はございませんか。
○国務大臣(亀岡高夫君) 竹田委員の御主張も理解できるわけでありますが、一面また、二五%ではいかぬ、これを三〇%にして、五%を上げて競馬会から取れという、そういう声も一面にはあるわけであります。したがいまして、私といたしましては、やはり日本のようにまだ社会資本の立ちおくれておる国、充実してない国、福祉施設整備等もまだこれからというふうな、こういう日本の状態で、ある程度社会資本が、もう九五%以上に整備されておるというふうな事態にでもなりました際にはあるいはそういう方策はやらにゃいかぬのかもしれませんけれども、いまのところはやっぱり国会で示していただいた二五%というのがまあいい線じゃないかなと、こう私は思っておるわけでございます。 御指摘の、競馬の大衆化という点についてはもう私は全くの同感でございます。私も競馬場は、この間、農林水産大臣になって初めて行ってみましたが、なかなかきれいなところです。競馬場はきれいだけれども、競馬場に行くまでがひどいなと、これじゃ大衆の競馬とはなかなか言えない、近所迷惑になるなどいう感じは、私は中山というところへ行ってみて受けてきました。早速競馬会の方に、進入路とか何とかあの辺のところを、あるいは駐車場等もっともっとあれしないと、本当に一般の競馬をやらない人からいろいろ批判がよく出るよということを言っておきましたが、そういうふうに、確かに大衆のためのおもしろい競馬という点ではもう少し積極的な発想をしていっていいのではないか、こう考えております。競馬会の方にも十分意を伝えて指導をしていきたい、こう考えます。
○竹田四郎君 それじゃ、もうあと一つお願いだけして農林大臣は結構ですけれども、この競馬場で働く人たちの労働条件というのは大変悪いようでありますから、この間もうちの山田議員から質問があったようでありますが、篤とその方面にも力をひとつかしていただきたい、このことをお願いして農林大臣に対して質問を終わります。 それから、国税庁お見えですか。
○委員長(中村太郎君) はい、見えています、
○竹田四郎君 国税庁で最近、航空貨物の発送人、これが料金が一万円以上の場合は何か印紙を張らなくちゃいけない、こういうことで、国内のトラック業者とか、国内の航空貨物についてはこれを貼付して払っているそうですね。ところが外国の貨物だけはこれをやってない。それは確かに金額とすればささいなものでしょう。ささいなものでも、何億——十億ぐらいになるでしょう。あるいはそこまでいかないかもしれませんけれども、今度はその倍額上げたんですから、恐らく十何億になるでしょう。こういう当然取るべきものから取っていないというのは、もう十年近く取ってないらしいですね、こういうのはいけないんじゃないですか、国内は取っていて外国のものは取らない、これはどういうふうにするんですか、これから。
○政府委員(小泉忠之君) 御指摘の件は、国際航空貨物の運送引き受けの関係だと存じますが、御存じのように印紙税の問題でございますが、印紙税は——ちょっと若干時間が長くなりますが、自主納付のたてまえになっております。したがいまして、申告納付というような制度ではございませんので、課税当局との接触というものは本来予定されていないという形のものでございます。これは作成者が法律に従いまして印紙を貼付していただくということで完結するわけでございます。最近は取引の関係が非常に複雑化いたしておりまして、いろいろな多種多様な文書が出てきておるということでございまして、私ども限られた人員でいろいろ点検調査等はいたしておりますが、特に大口、多量に文書を作成する商社とかいろいろな会社でございますね、それから高額な印紙税を納付すべき文書を作成するというような業種、そういったところに効果的な点検の調査はいたしておりますが、先ほど申しましたように、作成者が貼付するということで納税関係は完結する性質の文書税でございますので、すべての文書について張ってあるかないかということを把握するというのはなかなかむずかしいわけでございます。しかしながら、御指摘の点につきましては、印紙税法によりますと運送契約——貨物の運送契約になるわけでありますが、送り状、運送状という制度が昔からございまして、これは技術的になりますが、荷送り人の方が、原則は荷送り人の方が運送する方に送り状というのを渡しまして、貨物と一緒に送り届けられまして、荷受け人の方がその送り状あるいは運送状を確認されてどういう品物が来たということを確認する、あるいは着地払いの場合ですと幾ら払えばいいかということを確認するというのが運送状、送り状になるわけでございますが、これは一種の、何といいますか、確認書でございまして、契約書ではないわけです。法律関係がそれによって証明されるという文書ではございませんので、従来からこれは契約書の課税の範囲外に置いておるということでまいっております。ところが、御指摘の件は、送り状あるいは運送状という名称を使いまして、実態が実は契約書であるというのが非常に多いわけでございます。十ラック運送の場合でも、いま申しましたように、今度は逆に運送人の方から荷送り人が要求して送り状と称する契約書を受け取るというものが、いま申し上げている私どもが課税であるというふうに判断いたしております文書でございます。これは、ですから、いわばどこへ、どういう品物を、いつ幾日、幾らで送る、こういう契約書になるわけでございまして、これは名称いかんにかかわらずやはり契約書である。これは印紙税法の課税物件表の適用に関する通則というのがございまして、これの第五号によりまして、契約書というのは約定書とかあるいは契約書、協定書と、いま申しました送り状とかいろいろな名称を使っておりますが、その実質が契約書であれば契約書ということにして課税をするという通則がございまして、この通則に基づいて国内の輸送の関係の名称は送り状あるいは運送状というものについても課税をいたしておるわけでございます。これは昨年の九月ころがり実態が判明いたしてきておりまして、この実態に応じて、やはり印紙税は課税するということがたてまえでございますので、業界の方ともいろいろ詰めまして、納税者の方の御納得をいただいて課税をし始めておるということでございます。 で、御指摘の関係は、国際航空貨物の運送引き受けに関するものであるということで若干性格が違うわけでございますが、これもやはり課税のバランスという意味において国内の航空貨物、あるいは国内の陸上運送というものと同様にやはり課税の措置をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 わかりましたが、取れるところから取らにゃ、外国との関係があるというので取れるところから取らないというようなことじゃ困るわけですね。ただ、確かに税務署が行って金取るわけじゃないんで、印紙買ってきて張るんだからつかみにくいことはわかるんですがね、そういうことをしていかなければ、大蔵大臣、やっぱりいけないんじゃないですか、財源確保にならないんじゃないですか。国内では取っているんですから、外国だって取れるわけなんだ、外国貨物でも。そういうふうにひとつ私はお願いをしたいと思います。 何か時間があと四十分までで終わりだというので、まだあるんですが、きょうは初めから何かおかしくなったんで、後、郵政の人が来ていただいていると思うんですが……。 郵政の方、金を国へやるのはいいんですがね、郵政の方いらっしゃいますか——もっと障害者の電話というのをもう少し考えてくれませんか。たとえばシルバー河とかというのは、あれでしょう、月の基本料金はずいぶん高いですね、たしか三千七百円くらいでしょう。それから最近神奈川県やほかの栃木、群馬県あたりでもやっているんでしょうが、手書き電話というのがあるんですね。耳の聞こえない、口のきけない方は手書き電話、これは時間がかかるんですよ。われわれだってしゃべるよりも書くのは時間がかかりますからね。こういうものもやっぱり国へ金出すならそういう人たちの福祉を何か考えてやらないと、基本料金三千七百円取られる、普通の人はもっとぐっと安いと思いますけれども、そういうところをやっぱり先にやるべきじゃないですか、あるいは過疎地の電話なんというのは、ないところがあるんだそうですね。 もう一つは、私なんか困るのは、私は横浜の港北区というところに住んでいるんだけれども、日吉局は川崎局なんですね、港北区日吉町なんだけれども。こういうところがあっちこっちにたくさんあるんですね。こういうところを直していくということがやっぱり地域性といいますか、行政区における地域との一体性というようなものを実現していくのにはこういうのは早く直してほしいんです。たとえば日吉から私の家へ電話をかけるには十円で八十秒ですよ、同じ地域ならば百八十秒で十円で済むわけですね、ほんの目と鼻の先で同じ行政区で。こういうものも直してもらいたいと思うんですね、金出すなら。それで、そういうことを直しておいて金出すならいいけれども、そういうことはほったらかしておいて、金出す方だけ出されたのじゃ電話料金を払っておる者としてはかなわないんですね。 特に、私はそういうお年寄りの使用料金が月額三千七百円もするようなそういうものはまずこれは下げてもらわなければいかぬと思うんです。そういうことをした上で、金が余っちゃいないと思うんですが、ことしは何か金を借りているわけですね、何かどこかから。財政投融資だか資金運用部から大分金を借りて、そしてこれを出しているというのもおかしいことなんですが、そういう付近を直してほしいと思うんです。どうなんですか。それを約束して国へ四年間余った金を出してもらうなら、これは私はいいと思うんだけれども、そういうこともしないで、国へ出すことだけ先にやって年寄りのことは、まあ私もそろそろ年寄りになるわけだけれども、ほったらかされたのじゃこれは困るんですね。どうですか。
○政府委員(守住有信君) お答え申し上げます。 いま具体的にいろいろな点について御指摘ございましたが、私どもといたしましては、実は全国的な通話料の遠近格差が諸外国等とも比べても一対七十二ということで非常に遠距離が高くなっておると。しかも最近の技術の進歩に伴いまして無線を利用するというようなことがございますので、コスト的に見ましても遠距離の方が昔ほどかからなくなっておるというようなことから、特に一方では国の財政への御協力としてやるわけでございますけれども、他方では従来からも長く問題になっておりました遠近格差の是正、これを五百キロ以遠につきまして一四%の値下げ、結果的でございますが。それから七百五十キロ以上が一七%の値下げ、さらにはまた日曜、祝日につきまして、夜間の方は割引をやっておるわけでございますが、この夜間料金につきまして日曜、祝日、三百六十五日の約二割弱を占めておりますけれども、これの割引制度を導入するということで、基本的には全国的なそういう意味でいま法案の御審議に入っていただいておるところでございまして、より基本的にはそういうことに取り組みながら、またきめの細かい点、先生御指摘のございましたたとえば農村地帯、離島等の問題もございます。現在加入区域五キロでございますが、第六次の五ヵ年計画の中で公社がこれを七キロにするということでございますが、さらにまた長期的には七キロ以遠の問題というのもございますし、また御指摘がございました日吉とか横浜市内の問題もございますが、この点は非常に公社といたしましては、特に日吉の問題は市外番号とか線路のつけかえとかいろんな問題ございまして、なかなか積極的にいまの時点では取り組めない。それからまた、地域の方々が、横浜等の関係はそうでございますが、東京都の関係では東京と川崎の方は隣接しておるということに相なりまして、こちらの方は通話料がかえって安いとかいろんな地域の中での住民の方々のお考えの違いがある。こういう点で要望をお聞きしながら公社としてもそれに対応するように指導してまいりたい。 それからもう一つは、福祉電話と申しますか、シルバーホン等の御指摘ございましたけれども、もう一つ福祉の問題につきましてはいま厚生省の方で福祉電話につきまして、これは寝たきり老人の方とか、重度身体障害者で生活困窮の方に対しまして補助行政が市町村でも行われておるわけでございますが、その福祉行政との絡み合いというふうなことで公社としてはそういう身体障害者の方に即応できるような、特殊な即応できる電話の開発というのに力を入れておるわけでございますが、なお御指摘の料金面、通話使用料の点につきましても、さらに公社が負担していいような部分があるかないか十分検討させて公社を指導していきたい、このように考えておる次第でございます。
○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 —————・————— 午後一時三十五分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 ただいま下田京子君が委員を辞任され、その補欠として近藤忠孝君が選任されました。
○委員長(中村太郎君) 休憩前に引き続き、財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○多田省吾君 議題となっております財源確保法案につきまして質問いたしますが、まず当面する財政再建問題についてお伺いします。 財政再建は、当然ぜひともなし遂げなければならない重要な政治課題でございますけれども、政府の財政再建についてのいままでの一連の手法と経過を見ておりますと、初めに赤字国債の二兆円減税ありきということで、そのつじつま合わせのために所得減税は見送った、それとともに六つの増税案を出しまして、増税に次ぐ増税という手法をとっているわけでございます。さらには各種手数料等の引き上げを図り、そしてその上にこの財源確保法案を出してこられたわけです。そのために国民生活は非常に圧迫されるものとなりまして、何のための財政再建かと疑いたくもなるわけでございますが、大蔵大臣の財政再建に対する基本的なお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政を健全なものにしなければならないということは、もう私からあえて説明をするまでのことはないと思います。したがいまして、政府といたしましては、まず消費的な経費に充てられる赤字国債を昭和五十九年度までになくしてしまうという基本方針でございます。それと同時に、何といっても景気を持続して予定の経済成長をしてもらわなければなりませんので、そういう景気にも配慮して財源の確保というものを図っていきたいと、こう考えております。第三番目には、政府の方針として五十七年度は大型増税というようなことは念頭になく予算の編成をやるということが決まっておりますから、制度の見直しというものも含めまして、従来の慣行や因襲にこだわらず、歳出については徹底的な見直しを行う、こういうふうな考えでございます。そうして、やはり国家財政というものが、今後老齢化社会を迎えあるいはエネルギーの確保というような点において、国民生活に直接また貢献できるだけのゆとりというものを持っていかなければならない、こう考えております。これ以上公債の発行をルーズにしていくということは、それは非常なインフレにもつながりかねない、また経済の運営、金融の適切な施策について非常に思わしくない現象がすでにあらわれておりますから、国債減額は焦眉の急である、こういうような考え方で財政再建を進めようと思っておるわけであります。
○多田省吾君 大蔵省が毎年発行しております「日本の財政」という本によりますと、私は昭和五十五年度版を見たのですが、財政の機能ということにつきまして、通常挙げられる機能としては、第一に資源配分の調整、第二に所得の再分配、第三に経済の安定化等があると三点を挙げておりまして、その後、一つ一つについて詳しく説明をされているわけでございます。これは私も、財政の機能といたしましては一般的常識としてもこのように理解されていると思いますけれども、念のためお尋ねいたしますが、大臣はどのように理解されておりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 全く私も同様な考えでございまして、五十六年度予算におきましても、資源の有効配分ということは重要に考えております。したがいまして、いろいろな施策について抑え込むところは抑え込みましたけれども、社会保障を初めエネルギーの問題、科学技術の振興等については非常に厳しい財政でございますが、それには相応の予算をつけてきたということでございます。 また、所得の配分という点においては、日本の所得税というのは非常に急進的な超過累進構造を有しております。したがって、所得の多い人からは最高八〇%というような世界に例を見ない多額の税を徴収をいたしまして、それによって恵まれない人たちに対しては重点的に給付の改善を図るなど、社会保障においてもやったわけでございます。また、所得の適正な配分の一環といたしまして社会保障関係の中でも幾つか、また住宅政策等におきましても所得の制限の適正化というものを図ることにしたわけでございます。それと同時に、やはり経済運営の基本的態度としては、民間需要を中心として景気の着実な拡大と物価の安定を図りたいと、こう考えてそれぞれの施策をとっておるところでございます。
○多田省吾君 いま大臣がおっしゃったように、財政再建というものは決して過大に発行され過ぎた赤字国債を減らすことだけではなくて、財政の機能を本来の姿で採用するように回復しなければならないと、このように思います。そしてまた、私は二の中で特に取り上げたいのは、所得の再分配のあり方ということでございます。そしてそのことによって安定した国民生活を確保することが非常に重要ではないかと、このように考えますが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も同様に考えております。
○多田省吾君 所得再分配の問題に入る前に、大臣にもう一点お尋ねしておきたいのは、本会議でも若干お尋ねいたしましたが、この財源確保法案をお出しになるまでの昨年からの経過でございます。 で、昨年の十月十三日ごろ経団連会長が表明いたしまして、西ドイツにも財政構造改善法というものが一九七五年にあったわけでございます。また、ニューヨーク市の財政再建三ヵ年法というものが一九七六年にできたわけでございますが、そういったものにならって、財政再建には行財政改革の計画、特に補助金や経費の削減計画を立てて、さらに公債発行の計画的な縮小を図るべきで、そのためには財政再建法を出すべきであるというような表明をなさったわけでございます。そしてそれに前後いたしまして、政府でも財政再建法の制定を考えているのではないかという新聞報道もなされまして、それには補助金の削減など制度改革にまで立ち入るような歳出削減を図るべきで、それには法改正すら必要であるという一括処理方式を政府でも検討されているという報道もなされました。 そういった経過を経まして、衆議院の決算委員会におきまして昨年の十月二十日、政府が財政再建法を考えているのではないかという質問がございました。経団連の提唱とか、また大蔵省の検討があったのではないかというような御質問があったと思います。それに対しまして渡辺大蔵大臣は、そういったことを検討中であると、こういう答弁をなさっております。その後経団連は、十月二十八日に「財政再建と今後の財政運営に関する意見」というものを出されたわけでございますが、その辺の経過を見ておりますと、どうも昨年の十月ころ政府また大蔵省におきましてもこういった、いわゆる現在出されております財源確保法案のようなものではなくて、いわゆる補助金の削減とかあるいは制度改革まで含んだところの財政再建法案を考えておられたのではないかという節があるわけでございますが、どうしてこういう財源確保法案、すなわち赤字国債を発行する、政府出資法人から若干の出資金を出させる、納付金を出させるという現在の財源確保法案にまでいわゆる縮小されたのか、後退されたのか、その辺の経過をもう一度お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは大ざっぱに申しますというと、われわれといたしましては極力経費の圧縮削減を図る、そういうことをやらなければならない。しかしそれにつきましては、八千五百億円程度の経費の圧縮削減をいたしました。しかしながら、それ以上の経費の削減という問題については限りある時間、非常に短い時間の中で年度内の予算の編成を終えるというような大前提があったものですから、法律の制度を直してまでの経費の削減というところまで手が回らなかったということも事実でございます。したがってそれにつきましては、今回予算のシーリング枠なども通常よりも一力月程度早めて、徹底した制度の改正も伴うようなひとつ見直しをやろうということでございます。したがって、五十七年度予算に向けて経費の削減というような形でどうしてもある程度の法改正というものは避けられないんじゃないか、かように考えております。 また、五十六年度予算につきましても、あるいはこの法改正によって所得制限をつけたりいろいろなことは実は一部は実施をいたしております。それと同時に、やはりその歳入の確保という点についても、民間から増税をお願いをするというような時期でございますので、政府あるいは政府関係機関においても、できるだけ民間に御協力を願う以上はまず身内から御協力をいただかなければならない。こういうような点で、ともかく今回の電電公社あるいは開発銀行それから中央競馬会というようなものについて、歳入確保の一環として今回の法律をお願いをすることにしたわけでございます。 補助金の削減については、どういうような一括法にするかどうかということは今後の問題として目下検討中でございます。したがって、なぜまとまった形の財政再建法というものを出さなかったのかという問題については時間的に余裕がないということと、もう一つは、国民の理解を得るために時間的な余裕もなかったんじゃなかろうか、やはり今国会は増税法案というものを出したために非常に歳出を削減しろという声が国民各界各層からほうはいと出てきたと、このことはもっけの幸いなのかあるいは思いがけない副作用、大変いいこれは副作用であって、こういうような空気になってこなければ歳出の削減、補助金の削減というようなものは増税法案よりも私は非常にむずかしい法案だともともと考えておりましたから、大変いいタイミングで今回は各党からも御支援をいただけるものと考えております。
○多田省吾君 そこで、先ほどの財政の機能で重要な部門である所得再分配の機能ということでお尋ねしたいのでございますが、昭和五十五年度と五十六年度の主要税目別税収の構成比というものがどうなっているかお尋ねしたいわけです。 昭和五十五年度の所得税、法人税あるいは揮発油税、酒税、物品税その他がどういう割合になっているか、同じく昭和五十六年度においてはどういう構成比になっているか、お聞かせいただきたい。
○政府委員(梅澤節男君) お尋ねの五十五年度それから五十六年度につきまして、国税収入全体に占めます主要税目の割合でございますけれども、五十五年度につきましては、補正後で総額二十八兆六千四百七十一億円でございますが、これを一〇〇と置きますと所得税のウエートが三八・四、それから法人税が三〇・六、それから主要なところで申し上げますと、酒税が五・〇、揮発油税が五・三、物品税が四・〇、それから関税が二・四、印紙収入が三・二。同じく、五十六年の国税収入全体を一〇〇と置きまして同じ順序で申し上げますと、所得税が三八・七、法人税が三〇・六、酒税が五・四、揮発油税が四・五、物品税が四・一、関税が二・三、印紙収入が四・一ということでございまして、五十五年度補正後と五十六年度予算で主要税目について構成比を対比いたしますと、大体の姿は余り変わっていないということでございます。
○多田省吾君 いまの御報告によりますと、法人税は五十五年度から五十六年度にかけまして一律二%上がるわけですが、そして税額で六千二百四十億円という大幅増税を図るわけでございますが、いま構成比を見ますと、同じく昭和五十五年度も三〇・六%、昭和五十六年度も三〇・六%ということで変わらないわけでございます。また、酒税とか物品税等を見ましても、両方とも増税があったにもかかわらず、構成比は〇・一ぐらいしか上がっていないわけですね。ところが、所得税の方は税制改正が行われなかったにもかかわらず、最初、昭和五十五年度の当初予算の数字では三七・〇ということで、補正後は三八・四とおっしゃいましたけれども、当初予算に対しては二・七ポイント、補正後につきましては〇・三ポイントというものが構成比が上昇しているわけです。というのは、所得税減税を行わないことがいかに所得税の実質増税になっているかということにつながっているということでございます。すなわち、先ほど申しました財政の機能としての所得再分配というものに非常に逆行している姿になっているのではないか、このように思われるわけです。 で、今度の昭和五十六年度予定しております自然増収のうち、四兆四千九百億円の自然増収のうち、所得税につきましては二兆七千六百九十億円ですか、大体六一・六%、それから給与所得者の所得税源泉分につきましては二兆八百億円と、全体に対して四六・三%と非常に大きな部分を占めているわけです。そのほかに、やはり主に庶民に対する史上最大といわれる増税が一兆三千九百六十億円あったわけでございますから、私はやはり低所得者はどこの所得再分配において逆行した姿をとらされている、このように言わざるを得ないわけでございます。 ですから私は、昭和五十七年度以降においては財政の機能である所得再分配という方向をとっても、これはどうしても所得税減税を制度的に行わなければならない時期に来ていると、このように強く感ずる次第でございますけれども、いかがでございますか。
○政府委員(梅澤節男君) まず五十六年度におきまして、ただいま御指摘がございましたように規模にいたしまして一兆三千八百三十億円の増収、税負担の増加をお願いしておるわけでございます。これは税サイドだけの議論から申し上げますと、この一兆三千八百三十億円といいますのは、規模から申しまして、仮に税収の増加をお願いしない場合の規模に比べまして大体四・五%ぐらいの規模になるわけでございます。そういう意味におきまして、まず全体の議論として今回増収を、税負担の増加をお願いはしておるわけでございますけれども、税体系全体から見れば、その影響あるいは規模から申しまして、私どもはそれが非常に過大で税体系全体をゆがめてしまうというふうな規模ではないのではないかというふうな感触を持っておるわけでございます。特に委員が御関心を持っておられます所得再配分という観点から申し上げましても、一兆三千八百億円の増収の大部分を占めておりますのが法人税、これが約六千二百四十億円でございます。それから印紙税三千六百九十億円、そのほかに有価証券取引税五百九十億円というふうな税負担の増加をお願いしておるわけでございますけれども、いま申し上げました税目につきましては、秋本来の性格上再配分という観点から議論されるあるいは取り上げられるべき税目ではないというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただし、そのほかに酒税とかあるいは物品税、一般の家計の負担にかかってくる税目についても税負担の増加をお願いしておるわけでございますけれども、まず酒税につきましては、これは嗜好品課税という特殊な税目でもございますので、この税目だけを取り上げて所得再配分の議論を、これだけから論ずるということは若干私どもは問題がある税目ではないかということを考えておるわけでございますが、そのほかに御案内のとおり、五十六年度の酒税の方の改正におきましては一般の酒類に比べまして、たとえば清酒一級とか二級とか、しょうちゅうというふうにいわゆる大衆酒と言われるものについての税負担の引き上げ幅を緩和してお願いをしておるという点もございますし、物品税についてはごく限られた物品につきまして税率の引き上げをお願いし、あるいは新規に課税対象としてお願いをしておるわけでございますけれども、これは後ほど時間がございましたら御説明を申し上げたいと思うわけでございますけれども、物品税の所得階級別の税負担というのを推計してみますと、現在のわが国の物品税の体系というものはむしろ所得に対して若干累進的な傾向を持っておるわけでございます。 そういうことなどを勘案いたしますと、所得再配分の問題についてはいろいろ御議論はあることは承知をいたしておりますけれども、五十六年度の税制改正によりまして税負担の増加をお願いしておりますけれども、それが直ちに従来からの所得再配分機能を逆の意味で非常にゆがめるというふうな効果は私どもは持たないのではないか。いずれにいたしましても、所得再配分の問題は単に税負担の問題だけではございませんで、歳出も含めました、先ほど冒頭に委員が御指摘になりました財政全体としての観点から議論をしていかなければならない問題であろうというふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 私は先ほども申しましたように、法人税の方は五十六年度は相当の増税を図ったにもかかわらず構成比は昨年のと同じなわけですね。所得税の方は、御存じのように若干のいろいろな減税がありましたけれども、制度的にはほとんど減税しなかったわけです。ところが、そのために御存じのように大変な実質増税が、隠れた実質増税が図られまして、先ほども申し上げましたような自然増収のうちの六一・六%も所得税の方で増収になっている、そういう結果が出ているわけでございます。私は、いま言われた物品税や酒税につきましてもこれは低所得者層ほど負担が大きくなると、いわゆる逆進制であると、所得再配分に逆行すると見ておりますが、そのほかに今後の公共料金の値上げにつきましてもすでに昭和五十六年、現在までに引き上げられたものには郵便料金、国鉄運賃、健康保険、それから消費者米麦価、国立大学の入学金等がございます、これから引き上げが予想されるものには塩とかあるいは私鉄運賃、各種手数料等がありまして、これら政府主導による公共料金の引き上げというものも受益者負担という大義名分のもとに実際には低い所得の層の方に負担が大きくなるようになっておりまして、これも所得再配分に逆行しているわけでございます。特に私は、所得税につきまして昭和五十二年度と五十六年度を比べてみますと、GNPの伸び率は、五十六年度の見込み額は五十二年度のGNPに対しまして三八・八%の伸びに対しまして、所得税収の方はどうなるかといいますと何と五十二年に比べて五十六年の方が九八・八%伸びております。ですから、GNPの伸び率に対して二・五四倍でございます。大蔵省が「財政の中期展望」に用いております税収全体の弾性値が一・二であるということを思いますと、いわゆる所得税収の伸びがいかに大きいかということがこのことからもわかるわけでございます。しかも所得税の捕捉率は十割である。四年間の所得税減税の見送りで実質増税が図られ、低中所得者の負担ほど大変上昇している、このように思うわけでございます。ですからこの五十六年度予算というものは、税の分野から考えましても所得再配分の機能についてはむしろ逆行しているんじゃないか。私は、やはりこの際特に五十七年度以降において所得税減税というものを財政機能を復活する意味においても図っていかなければならない、このことを強く主張するわけでございます。 次に質問をいたしますけれども、昭和五十二年度と五十五年度を比較して所得階層別の税負担率というものを試算いたしますと、昭和五十二年度の消費者物価指数を一〇〇としますと五十五年度は一一六・二となりまして一六・二%の上昇になっております。ところが、五十二年度の年間給与収入三百万円の給与所得者で四人家族の場合、物価と同じ率の収入増があったと仮定いたしますと、五十五年度の収入は三百四十八万六千円ということになります。この場合は物価と同率の収入増ということでございますから、実質賃金の伸びはゼロであるにもかかわらず所得税額の伸び率は実に七一・七%にも及んでおります。同じような計算をいたしますと、昭和五十二年度の年収が五百万円の人は所得税額の伸び率は三九・九%と計算できますし、五十二年度の年収が一千万円の人は四一%となります。このように所得税額の伸び率から見ましても、一千万円の方よりも五百万円の方よりもやはり三百万円の年収の方の方が、すなわち低所得者層の方々が圧倒的に税負担が高くなっていると、この点から見ましても所得再配分の機能は麻痺状態にあると言わざるを得ないわけでございます。 で、私は、どうしても五十七年度以降において、こういう意味におきまして所得税の課税最低限の引き上げというものを行う必要があるんじゃないか、それから、いろいろな公共料金の値上げ等から見ても所得再配分の機能は逆行している、このように言わざるを得ないのでございまして、その上に私は、この大変な所得税の所得再配分の機能を逆行させているという面におきまして強く所得税減税を求めるものでございますが、この点はいかが考えますか。
○政府委員(梅澤節男君) 御承知のとおり、所得税はその年の所得から基礎的な非課税部分を控除いたしまして、それに累進構造を持った税率でもって税負担が出てくるものでございます。したがいまして、所得税本来の性格としてそういう累進的な税負担の構造を持っておりますし、いわゆる一般的な所得の伸びに対する弾性値という議論から申しますと、御指摘のように一番弾性値の高い税目であることは仰せのとおりであろうと思います。ただいま委員が説明されまして、たとえば五十二年から五十五年の間に消費者物価が上がる率と同じ名目収入の増加があった場合に、税負担がどうなるかということをお示しになったわけでございますけれども、その限りにおいてはただいま申し上げましたように、所得税は本来そういう性格を持っておるということは事実でございます。 ただ、私どもはここで申し上げたいのは、五十二年からこれは私どもの方でいまやっております計算は五十六年まででございますが、と申しますのは五十二年から五十五年まではすでに実績といたしまして賃金の上昇率が出ております。それに五十六年度につきましては政府の経済見通しによります一人当たり個人所得の伸び率七・五%、そういうものとして賃金がふえた場合に一体税負担あるいは税引き後の可処分所得がどうなるかということでございます。仰せのとおり名目収入の伸びが消費者物価の上昇率と同じであれば可処分所得の伸び率が減ってくるということは事実でございます。これは先ほど委員の御計算のとおりでございますが、過去のいままでの、五十五年の実績を加味しまして、五十六年度につきましてはただいま申しました政府の経済見通しにおきます雇用者所得の伸びで相乗値で計算しますと、たとえば年収三百万の標準四人世帯の給与所得者を例にとってみますと、この間で年収が名目で三〇%伸びております、五十二年から五十六年の間に。そこから所得税、住民税、社会保険料等の計算をいたしまして、その結果可処分所得はどうなるかといいますと、名目収入の伸びに対しまして可処分所得の伸びは二七・三でございます。この傾向は各所得階層について所得税でございますので名目収入の伸びよりも可処分所得の伸びが低くはなりますけれども、可処分所得の伸びよりも必ずある。しかもその伸び方はむしろ日本の給与所得構造の現在の体系から見まして、むしろ給与収入の低い方ほど可処分所得の伸びが高いということはぜひ御理解を願いたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもの考えでは、わが国の所得税いろいろ御議論があるところでございますけれども、課税最低限等から見まして特に中小所得者について国際的に見まして所得税の負担率が必ずしも高くはないということは従来私ども申し上げているところでございます。 いま大臣おられませんけれども、所得税減税の将来の展望につきましては、大蔵委員会あるいは予算委員会等において大蔵大臣がたびたび表明されております点は、今後五十七年以降歳出面での徹底的な削減が行われて、しかも所得税も含めましたわが国の税体系を一体どういうふうに持っていくかということについて国民の合意が得られ、なおかつ、特例公債脱却と申しますか、財政再建のめどがついた、そういう展望を持ち得た段階で所得税の負担のあり方について検討するというのが現在の私どもの考え方でございます。
○多田省吾君 これは大臣にもお尋ねしたいんですが、私はいまの御答弁でははなはだ納得できないわけです。私の計算は、なるほど昭和五十二年度以降消費者物価の上昇分ほどの給料の増加ということを試算の対象にしましたけれども、局長はそれ以上に可処分所得はふえているし、消費者物価の上昇以上に給与所得はふえているんだということもおっしゃった。しかし昨年度はどうですか、逆に一〇%ばかり減っているじゃありませんか。そういうこともあります。ですから私は、もう一度五十二年度から計算はし直してみますけれども、傾向は私はほぼ間違いないと思う。それで、一日本の財政一という大蔵省発行の本には、「所得の再分配」ということの御説明に本当に麗々しく、歳入面では所得税等があって、「累進税率を適用することにより、高額所得者には重く、低額所得者には軽く課税される。」云々と、まさに所得税もこの税率によって所得の再分配の機能が有効に働いているんだというようなこともはっきりうたってありますけれども、事実は最近の所得税減税がないために、それが逆行しているんじゃないかということを私は強く言いたいわけでございます。 大蔵省が国会に提出した所得階層別の税負担の割合に関する資料というものが、昭和五十二年度分までしかたしかございませんけれども、昭和五十三年度以降の所得階層別の税の負担割合というものをどうして資料としてお出しになっていないのか、また今後お出しいただけるかどうか、これもお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) いま御指摘がございました「所得階級別税負担表」でございますが、これは二月の十日に衆議院の予算委員会、それから参議院の予算委員会の方にも御提出申し上げておるわけでございます。 これは御案内のとおり、総理府の家計調査を基礎データといたしまして計算作業をするものでございますので、現時点ではそのデータの関係、それから作業の関係で五十二年分しかまだ御提出申し上げるまでの作業ができてないわけでございます。もちろん五十二年以降につきましても作業ができ次第公表し、あるいは国会に御提出することを予定いたしておるわけでございます。
○多田省吾君 いまおっしゃった昭和五十三年度以降の分につきましては、作業も大変かと存じますけれども、大体いつごろまでにお出しいただけるわけでございますか。
○政府委員(梅澤節男君) 目下総理府の御協力も得まして、鋭意集計作業をしているわけでございますけれども、今日の時点で五十三年分がいつになるかということはちょっとまだお答えしにくい段階でございますので御了承賜りたいと思います。
○多田省吾君 大蔵大臣にまとめてお伺いしたいのでございますが、先ほどからこの四年間——五十三年から五十四年、五十五年、五十六年度と所得税減税がないために、課税最低限の引き上げというものがないために年収三百万円程度の低所得者の方の税負担の割合というものが非常に高くなっている。そういう点から見まして、そのほか物品税の増税等によってやっぱり低所得者の方が負担を重く持っておられる。そのほかいままでも大分公共料金の値上がりがございましたし、これからも相当考えられておりますし、そういった公共料金の値上がりということもやはり所得再分配に対して逆行するものであるという私の考えでございます。そういう意味で、やはり昭和五十七年度以降ははっきりした所得税減税あるいは課税最低限引き上げというようなもの、特に低所得者の方々に対する所得税減税というものがどうしても必要になってきているのではないか、これは所得再分配の機能ということから考えても当然そのようにしなければならない。このように思うわけでございますが、大臣のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は決して所得税減税を否定するものではございません。できることならば、いままで順調に減税してきたんですから減税をやって差し上げたいと、心情的にはそう思っておるんです。思っておるんですが、いずれにせよ財政の状況がこのように悪化をしておる。そうして諸外国と比べてはまだ日本の方は余裕がある。三百万円についても五十二年対五十六年では名目で二七・三、それから実質でも三・九の可処分所得というものは、伸び方は少ないけれども実質的にまだ伸びておるというようなこと等もございまして、これが歳出との見合いでございますから歳出カットが大幅にできるというようなことで現在のサービス水準をもっと落としてもいいということであるならば話は別でございますけれども、そのいずれをとるか、二つに一つという段階になりますと今回は増税、一般間接税等の増税もお願いしなければならないというような事情にかんがみまして、今回は所得減税というものを見送ったわけでございます。しかしながら、将来において景気が維持されて、そして五十九年度までに赤字国債からの脱出のめどがついて財源に余裕が出るというようなことになりますれば、全体的な見直しの一環として考慮してもいいんじゃないか。したがってこれから先の歳出カットというもの、それに挑戦をするわけでございますが、それがどこまでできるのか、国会でどれぐらい認めてもらえるのかということは、将来の所得税減税に重大な因果関係を持ってくるというように私は考えております。
○多田省吾君 それからもう一点、前回も御質問したのでございますが、大蔵大臣はグリーンカード制導入に伴って、五十九年から実施されることになっております総合課税の移行の際に、高額所得者に対する課税につきましては、税負担というのは何も高額所得者だけではないとおっしゃいますけれども、切り下げる方向の配慮を考えている旨の御発言があったわけでございますが、いまでもその考えに変わりがないかどうか。 それからもう一点は、これは報道をされたわけですが、大蔵省は二分二乗制の導入と資産合算制度の変更を検討されていると、このように聞いておりますけれども、もしそれが事実ならばその目的は那辺にあるか、この二点をお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、総合課税はアメリカでもやっております、世界の先進国でやっているじゃありませんかと、だから日本でもやりなさいという発想ですから、そういうように先進国でもやっているんだからやれとおっしゃるならば、日本も当然それは結構なことです、やりましょうと。しかし、それらの国は合算をするかわりに最高の税率はとんと引くわけですね。七五も取ってないで今度はレーガンでも給与所得者については最高五〇%にしよう、こういうこと言っているわけです。日本は七五%ということでございますから、一つだけ平仄を合わせちゃってほかのところは平仄を合わせないということになると、世界で最高過酷な税金ということになるわけでございますので、やはりそれは当然総合課税だというからにはやっぱり最高税率というようなものについても外国の例というものは参考になるわけで、それは参考にならないというのならば総合課税制も参考にならないわけですから、やはり参考にした以上は全部を参考にしてやるべきではないのか、こういうことを私が言ったわけであります。 それから二分二乗方式については、将来、私が先ほど言ったような前提条件のもとで所得税が見直されるというときには、一つのやっぱり大きな課題ではないかということを言ったわけでございます。したがって、いますぐにやる、すぐ検討が始まったというような話ではございません。 資産合算の問題については、これも総合課税制になるとすると、仮に夫と妻がおって——まあ普通の場合妻の所得が少ない、例外もありますがね、少ないというのが普通です。あるいは嫁に来るとき持参金持ってきて、それがともかく利息がつく。それで三百万まではマル優だから、いいけれども、それ以上のものについてマル優にならないというような部分の利息は夫の方の所得に合算する、それで総合課税ということはいかがなものであるか、男女の関係、夫婦共働きというようなことで、妻みずからが固有の財産として持っておる、自分が働いてつくった貯金、その利息が、夫がいたからといって夫のそれじゃ所得になっちゃうということについてもこれはいろいろ問題があるんじゃないか。だから、こういう点はもう検討をしてもいいじゃないかということを申し上げたわけであります。
○多田省吾君 総合課税に移行するのは大変結構なことでございます。しかし、高額所得者の税金を下げるということには私は賛成はできないわけです、外国のことを何から何までまねしなければならないということもございませんし、また国情も違います。また国民に還元される社会福祉の割合、金額だってやはり日本は外国と比べて非常に低いわけでございますから——だんだん高くはなっておりますけれども、なお低いわけでございます。そういったあらゆる点から考えて私は反対でございます。 特に、高額所得者の所得の大半は勤労によるものではなくして不労性の所得が大部分でございます。たとえ最高の限界税率として七五%の税率を据え置いたとしても、一億円以上の所得があるような方々は一般サラリーマンにとっては大変な超高額所得である、このように言わざるを得ないわけでございます。また、税引き後の所得でも十分わが国においては生活するに足りる金額でございます。このような高額所得者に対する税率の引き下げということをもし考えますと、またさらに所得再配分に逆行するんじゃないか、財政の機能というものがまた壊されてしまう、このように思うわけでございますが、もう一度その点お尋ねしておきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 高額所得者が全部現金で金が入るというわけではないんです、これは。特に事業所得などの場合は、その所得があったとしても、それは固定資産になっておったり、工場になっておったり、あるいは機械になっておったり、あるいは売掛金になっておったりというような中からこの七割五分という税金を払うということになれば、当然現金は持ってない場合が多いわけであって、大抵分納あるいは借金をして税金を払うというのが現状でございます。 これは、ドイツのこの間経済大臣のところに行って話をいたしましたが、事業意欲を損なうようなやり方をやって公平感で満足するようなことになれば、その国の産業はだんだん哀えていくということを彼が言っておりましたが、私も全く同じ意見であって、やはり事業意欲をなくすほど税金を取ったのでは、その人はかりでなくて、仮に中小企業にしても五十人、三十人という従業員を持っておってやっている人が、やっていけないというほど過酷な税金にするということは——それじゃやらない友がいいわけですから。ということになって、そういう人がたくさん出ることは、結局雇用の問題に関係することでもございますし、国民経済に余りいい影響を及ぼさない、したがって取るにしても、やはりそこらのところは経済の繁栄を持続させるかどうかということが問題でございます、所得、資産の分配、そういうようなものについては相続税——日本の相続税はものすごくきつい相続税でございますから、そういうようなものによってかなり、三回相続したらなくなるぐらいの非常に過酷な税金になっているわけですよ。 そこで、ともかくも所得とか資産の再配分が行われることになっておるわけですから、ですから私は、一生人間というものは名誉欲とか事業欲とかいろいろ欲で働いておるんであって、そういうところで民間の活力を失わせるほど高率の税金をかけていくことは決して国民全体として自由国家の中においてはいい影響ばかり出るわけじゃない、むしろ経済を沈滞をさして、それがひいては勤労者の頭の上に降りかかってくるということになるわけですから、やはりそういうような職場をなくすほどやってはいけない、やはり私としては共存共栄を図っていくことがいいんじゃないか、そう思って言っておるわけであります。
○多田省吾君 私は、総合課税への移行という問題でお話ししているのでございますから、高額所得者といってもほんの〇・何%程度の何億円以上の超高額所得者のことを言っているのでございまして、勤労意欲をなくすとか……
○国務大臣(渡辺美智雄君) 事業意欲。
○多田省吾君 まあ同じことだと思いますけれども、企業意欲をなくすとか、そういうことは考える必要は毛頭ないと思いますし、七五%程度の税率をそのまま据え置きしたとしても、私は企業意欲は変わらない、このように思います。 ですから、どうも大臣のお考えは私納得できませんけれども、まあ先に進みますが、「財政の中期展望」について一、二お伺いしておきます。 中期展望の「部門別内訳表」を見ますと、昭和五十七年度以降の四条国債、まあ建設国債を六兆七千億円台で固定さしておりますけれども、この理由をお伺いしておきます。
○政府委員(西垣昭君) 四条公債につきましては各年の発行額は初めから決めておくわけにまいりませんで、投資部門におきます歳出歳入の規模、それから公社債市場の動向、そういったものによって決められるべきものでございます。したがいまして、初めから確として五十七年度は幾らだ、五十八年度は幾らだというふうに決めるわけにまいりませんので、五十六年度建設公債が前年度同額程度に抑えられたということもございますので、五十七年度以降も一応五十六年度と同額ということに置いてあるわけでございます。
○多田省吾君 もう一点、税の弾性値の問題でございますけれども、五十四年度までしか資料が出されておりませんが、五十五年度と五十六年度の見通しを御報告いただきたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) ただいまの委員の御質問は、五十五年度の——これはまだ決算が出ておりませんが、補正後予算それから五十六年度の予算ベースでの税収額が現段階におきますとまだ見通しになるわけですけれども、GNPに対して弾性値が幾らかという御質問かと思います。 お断りするまでもございませんけれども、当該年度の税収見積もりを私たちがいたしますときには、各税目別に積み上げて計算をするわけでございます。 今回お示ししております中期展望のように、中長期の展望をいたしますときにはきわめてマクロ的な手法ということで、見込みのGNP伸び率に対する相対としての弾性値という手法をとっているわけでございますが、各年の予算におきます税収見積もりは、税目ごとの積み上げ計算であるということをまずお断りいたしまして、その結果として弾性値はどういう数字になるかという御質問としてお答えいたしますと、五十五年度補正後の予算に対します一般会計税収の名目GNPの見込み伸び率に対する弾性値は一・五一でございます。五十六年度予算につきましてもたまたまこれは同じ数字になっておりますが、やはり弾性値は一・五一と計算されます、
○多田省吾君 もう一点お尋ねしておきます。 政府の新経済社会七カ年計画のフォローアップによりますと、昭和五十三年度から六十年度までのGNPの伸び率の平均を一〇・六%と見ているわけです。これからしますと、五十七年度以降のGNPの伸び率を一二・六%としないと平均の一〇・六%にはならないわけです。 そこで、このGNPの伸び率に対する税の弾性値ですが、五十年度はオイルショックの影響があってマイナス〇・三五となっておりますが、それ以降は、五十一年度が一・〇一、五十二年度が一・一三、五十三年度が一・〇三、五十四年度が一・九二となっております。ただいまの報告によりますと、五十五年度が補正後の見通しとして一・五一、五十六年度の見通しも一・五一という推計でございますけれども、私どもの試算によりますと、五十六年度は一・八六ぐらいになるんじゃないかと、このように思います。だから、通常の場合はGNPの伸び率が高いときには弾性値も高くなる傾向があるということからして、この政府の見方というものが過小見積もりではないかということも考えられます。これはどう考えておりますか、し
○政府委員(梅澤節男君) ただいまの御指摘は中期展望におきます私どもの税収見積もりに使用いたしました弾性値の問題と、名目GNPの伸び率の見方と二つがあったろうと思います。 まず私の方から、税収の弾性値一・二、これは過小ではないかという御指摘に対しまして私どもの考え方を申し述べさせていただきますと、たびたび申し上げておりますように、中期展望というのはあくまで中長期の税収の見積もりでございます。しがいまして、その手法としてはマクロ的な手法と申しますか、GNPの見込みの伸び率に対する弾性値というもので、従来計算をしておるわけでございます。で、今回の中期展望で一・二という数字をとりましたのは、これも御案内のとおり、昭和四十五年から昭和五十四年度までの十年間の実績平均弾性値を採用したわけでございます。で、ただいま御指摘がございましたけれども、GNPの伸び率が高いと一般的に弾性値が高くなる傾向があるという御指摘がございました。これはたとえば昭和四十年代のような高度成長期、特に景気の上昇局面では御指摘の点が当たる場合がございます。ございますけれども、五十年代の安定成長期に入りましてからのGNPの弾性値の実績の経緯を見てまいりますと、たとえば一番顕著なのは五十四年度でございます。五十四年度は五十年代で一番弾性値の高かった年でございまして、一・九二という異常な高い弾性値を示しております。ところがこの年のGNPの伸び率は、実は七・五%でございます。このように、名目のGNPが五十四年度で七・五というふうに低く出ましたのは、いろんな分析があるわけでございますけれども、端的に言ってしまいますと、原油価格の値上がりをもちまして、GNPの計算上控除項目になる輸入額がふえるものでございますから、名目のGNPが低く出て、結果として弾性値が非常に高く出る。それからその二年前でございますけれども、五十二年を見てみますと、これは全く逆の傾向でございまして、この年のGNPの伸び率は一一%でございます。かなり高い伸び率でございます、五十四年度に比べますと。ところがこの年の弾性値は実は一・一三でございます。こういうことを勘案してまいりますとGNPと税収弾性値の関係というものは、短い期間をとりますと、非常にぶれるわけでございます。したがいまして、中長期的な展望をいたします場合に採用すべき弾性値としては、今回私どもがお示ししておりますたとえば十年間というふうな期間をとりましてやりませんと、中長期的に非常に推計がずれてくるという問題もあるわけでございます。 もう一つ、税収を見ます場合のチェックポイントといたしましては、弾性値のほかに実際の伸び率が幾らかということが、もう一つ問題があるわけでございます。今回の中期展望では、GNPの伸び率一一・七に対しまして、一・二ということでございますから、おおむね毎年一四%伸びるであろうという推計をしておるわけでございますから、これも五十年代の安定成長期に入りまして、実績の毎年度の自然増収の伸び率は各年一二ないし一三%でございます。そういう点からチェックいたしますと、今回中期展望でお示ししております一四%という伸び率も、かなり私どもの立場から見ますと精いっぱいの見通しであると、決して過小というふうな御指摘を受けるというのは、若干私どもは問題があるのではないかというふうに考えています。
○政府委員(西垣昭君) 一点補足させていただきますが、いま多田先生がお示しになりましたGNPの伸び率でございますが、これは昨年度、五十四年度のフォローアップ報告に基づきます数値でございまして、これによりますと五十二年度から六十年度までのGNP伸び率が一〇・六%、これでもってはじきますと五十七年度以降が一二・六%になっております、これをお使いになったわけでございますが、五十五年度のフォローアップ報告に基づきますと、五十五年度から六十年度までが一一・二%でございまして、五十七年度以降は一一・七%、われわれの中期展望はこの一一・七%の方を使っております。
○多田省吾君 特に私が指摘したいのは、やっぱり少しでも弾性値の過小見積もりがございますと、要調整額が大きくなる。そして、増税のための根拠をそれによってつくるということになりかねません。で、五十七年度以降の弾性値というものは、五十六年度の弾性値を参考に算出すべきだと思いますが、これはどのように考えているか。 それからこのような展望等を出す場合には、弾性値についての積算の根拠ですね、具体的にどういう計算がなされたかということも明らかにすべきだと思いますが、いまからでも資料として提出できるかどうかお伺いしたい。
○政府委員(梅澤節男君) 今回の中期展望でお示ししております税収弾性値の一・二の基礎については、すでにお示ししているところでございまして、先ほども申し上げましたけれども、四十五年度から五十四年度までの実績、各年の実績弾性値の平均値でございます。もし資料として各年御提出申し上げろということならば御提出申し上げたいと思います。予算委員会にはすでに御提出申し上げております。 それから、五十八年度以降をどういうふうに弾性値を考えるかという問題でございますけれども、これは先ほど申しました五十五年度にいたしましても五十六年度にいたしましても、これは現在の見積もりの数字でございます、GNPの確定的な伸び率の実績もまだ出ておりませんし、税収額両年ともまだ決算実績が出ておるわけではございませんので、五十七年の時点でどういう弾性値を採用するかということは、その時点で検討すべき問題であろうと考えております。
○多田省吾君 郵政大臣見えられましたので、若干質問したいと思います。 今度、政府出資法人から国庫納付金として納付させる中に、電電公社も入っておるわけでございますが、そういったものを出しますと、各機関がその事業活動力をそぐ結果になることは、多少なりとも避けられない面がある。もう一つは、本会議でも御質問いたしましたけれども、国庫納付金のためにコストが上昇していわゆる料金等の引き上げを招きかねない、こういった二点を配慮していくべきではないかと考えておりますが、その点いかがでございますか。
○国務大臣(山内一郎君) 今回電電公社におきまして臨時かつ特例的に納付金を納める案をいま御審議を願っているわけでございますけれども、これによりまして、私は公社のこれからの経営というものはそうなまやさしいものではない、こういうふうに考えているわけでございます。いままで非常に努力をしてまいりまして、財政状況は比較的良好でございますけれども、納付金によっていわゆる労使とも——労働者はもちろんでありますけれども、どういうふうに話をして納得していただくかということをいろいろ考えておりますが、国の財政が非常に緊迫していると、大変な増税をせざるを得ないという状況であると、こういうことを大蔵省から要請ございまして、何とか納付金に協力してもらえないかということでいろいろ検討いたしました結果、いままでの電電公社のいわゆる事業の成績からいきまして四千八百億円、これを四年にやるわけでございますが、この程度の納付金は大変御苦労でありますけれども、いままでの事業の活動力からいって吸収し得る限度内にあるであろう、こういうことで了承したわけでございますので、そういう点をひとつ十分にわかっていただいて、一層ひとつ張り切ってやっていただきたいということを要望しているものでございます。 もう一つは、これが直ちに電話料金に響いてくるのではないか、こういう御質問でございますけれども、いわゆる損益勘定の収支差額から出すということになると直ちに響いてまいりますけれども、いわゆる資本勘定の外部資金の借り入れということによって納付金を納め、十年間にわたってまたさらに努力を続けながらそれを吸収して返していくと、こういう方法が五十六年度の予算ではとられておりますので、直接には響かないのでございますが、いろいろ技術の開発あるいは企業努力によって吸収をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○多田省吾君 たしか昨年九月十二日の閣議で、中曽根長官の発言を受けられて郵政大臣それから電電公社総裁は、国庫納付金は公社制度の根幹を揺がす利用者負担を拡大するので反対であるという旨の発表をされたわけです。それから九月十八日には、電電公社として電電納付金構想に対する五項目見解を示され、黒字は利用者還元が筋であると厳しく反論をされたわけです。しかしいまのお答えのように、最近では納付金によってかなり負担にはなるけれども企業努力で何とかがんばりたいという意味を表明されているわけでございます。特に五項目見解の中で、赤字が出れば値上げの形で利用者に負担してもらうのだから黒字は利用者に還元するのが筋である、あるいは納付金は独立採算制を柱とする公社になじまない、こういう考えを、いわゆる筋論をおっしゃっているわけでございますが、その筋論は財政再建のためにはいたし方ないということで引っ込められたのかどうか。しかし現在も将来もこの五項目の見解における姿勢というものは根幹においては変わらないのか、その辺もお尋ねしておきたいし、それからもう一つは、今回の納付金は元利合計で八千二百億円になりまして、これは電電公社は昭和六十九年までかかって償還しなければならないわけです。今後の公社事業に大きな負担になってくることは間違いないわけでございますが、この負担のツケが国民あるいは電電公社の職員の方々に回ってくることが予想されるわけであります。電電公社はその回避を図るために、いわゆる企業努力で乗り切っていきたいとたびたび申されておりますが、その企業努力の内容がどんなものであるか。職員の方々にも企業努力というのはこうやっていくんだという説明をされていくと思いますが、それは具体的にどういうものであるか、その辺をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山内一郎君) 納付金の問題が決定するまでにはいろいろと検討したわけでございます。その検討の中身について、納付金を納めないで従来どおりやるというのも一つのやり方である、しかし国家財政が非常に緊急な事態である、こういうようないろんな観点を考えて、大蔵省の強い御要請がありましたので、また税金も大変大きな増税をしないといけない、こういうことでございますので、納付金を納めることに了承したわけでございます。 それではどうやって努力をしていくかということでございますが、非常に電電公社の技術開発力というのは従来も相当なものでございますけれども、世界的ないろんな開発をやっているわけでございます。そういうものの活用、それから電話は大体普及してまいりましたけれども、電話のいわゆる通話料、通話利用度−利用度の方がいいと思いますが、利用度をいかに上げていくか、実は昨年の十一月に夜間の割引を実施しましたら、九月以降非常に利用度が上がったという点もあるわけでございます。そういうような、五十六年度も遠距離の料金を下げる、あるいは日曜、祝日の割引もやる、こういうことによってさらにいわゆる利用度は高まるものと思いますので、そういう点についても納付金の吸収に役立ってまいるわけでございまして、何よりもいわゆる労使協調してこの点に一致結束をして当たっていくというのが、これは一番重要かと思っているわけでございますが、以上の申し上げましたようないろいろな条件によって、これを吸収してまいりたいと考えているわけでございます。
○多田省吾君 もう一歩踏み込んでお尋ねしますと、私どもはやはり電電公社が大幅な黒字なんですから、どうしても遠距離料金の大幅な値下げ等、やはり国民サービス、加入者サイドに対するサービスというものをもっと強めてもらいたいという要求がわれわれにあるわけです。ところが今回の納付金問題で、そういう国民サイドに対するサービスが低下するんじゃないかと、また将来は料金値上げにつながるんじゃないかと、こういう心配が大変多いわけですね。その辺に対する御決意というものはどうなんですか。
○国務大臣(山内一郎君) 昨年の十一月に夜間料金の、深夜料金の値引きをやっているわけでございます。それから五十六年度の予定といたしましては遠距離の通話料の値下げ、さらには日曜、祝日における割引と、こういう点についていろいろとサービスに心がけているわけでございます。
○多田省吾君 そして将来、この四年間の納付金を実施するわけでございますけれども、その間において絶対に料金値上げはしないという、そういう御決意がございますか。
○国務大臣(山内一郎君) いろいろと電電公社で技術開発等大いに努力をしていただきまして、現在のいわゆる電話料金の水準というもの、値下げをやるのはもちろん先ほど申し上げたとおりでございますけれども、そういうことをやりながら、納付金を納めている間、五十九年まででございますけれども、この水準を保つようにひとつ公社において勉強をお願いしているところでございます。しかしどうしても赤字という、収支差額が赤字になるような場合、五十九年までですね。その場合に、納付金を納めていながら値上げをするというのは、私は国民感情として電話を利用されている方にはとても御納得がいただけないものであるということをいま考えているわけでございます。
○多田省吾君 本会議でも郵政大臣にお尋ねしたのでございまするが、何点がまとめてお尋ねしたいんです。 新聞報道によりますと、郵政省は現在の金利体系や金利決定、あるいは郵貯資金運用には問題点が多いということで、そういう内容の文書をまとめられたということでございますが、これは事実かどうか。またそれが事実ならどういう内容が、要点で結構ですから御説明いただきたいと思います。 また、本会議でも郵政大臣から、国債の引き受けは資金運用部資金よりもむしろ郵便貯金の資金で直接引き受けた方がよろしいのではないかというようなことをお述べになったわけでございます。ところが一方大蔵大臣の方は、いまのまま資金運用部で引き受けた方がよろしいのではないかと、異なった意見を述べられているわけでございます。やっぱり大蔵、郵政両大臣の見解が違っているということは、どちらが政府の方針かということで大変誤解も受けますので、私は何らかの機会に政府としての統一見解を示すべきだと思いますけれども、その辺のお考えはどうかお聞かせいただきたい。
○国務大臣(山内一郎君) 郵便貯金で直接に国債を引き受けたらどうかと、こういう点につきましては郵政審議会にいま御検討いただいている段階でございます。したがって決定したものではございません。 ただ、考えてみますと、郵便貯金というのは国民の一般の方々の貯金でございまして、国を信頼して預かっているものでございますので、この運用については大いに心がけなければいけないということはもう確かでございます。現在は大蔵省の資金運用部資金において運営をしてもらっているわけでございますが、実は郵政省において簡易保険というのを取り扱っているわけでございます。これは直接郵政省が運用をやっていると、こういうこともございますので、いろいろといま大量の国債発行の問題で金融界が困っているというような話も聞くわけでございまして、郵便貯金において直接もっと国債を買うようにしたらどうかということは考えているわけでございます。 そのほか、金利の問題等についても郵政審議会においても御検討願っているわけでございますが、いま郵便貯金の金利の決定の方法と銀行の預金の金利の決定と、この二通りあることは御承知のとおりでございます。ただし、最高利率というものは郵政当局と大蔵当局が話し合いをしまして、協議の上決定をいたしまして、それに基づいて郵便貯金のいろんな種類の利率あるいは銀行におけるいろんな種類の利率はそれぞれ決めていると、こういうようなやり方になっているわけでございまして、こういう点でお互いにチェックをしながらやるのがいいのではないかというようなことは主張いたしているわけでございます。
○多田省吾君 じゃ、郵政大臣ありがとうございました。 大蔵省に最後に二、三お尋ねしたいのですが、この臨時特例納付金というのは緊急一時的特例としておりますけれども、これはどういう理解をしたらいいのかどうかお尋ねしたい。
○政府委員(西垣昭君) 法律の第一章にもございますように、現在財政収支が不均衡でございまして、歳出の財源に充てるためには一般の税収だけではなくて特例公債も発行しなくちゃならないという状況でございまして、政府の関係機関から臨時特例のものとして納付金を納付していただくということでございます。そういった意味でこれは臨時特例的なものでございまして、それぞれの納付金の制度を恒久的な制度として考えているものではございませんで、現在御審議をいただいている法案にありますような形で臨時特例のものとして考えると、そういう性質のものでございます。
○多田省吾君 この納付金につきましては、昭和五十六年から五十九年度まで四年間について納付させるということになっております。また、輸銀、開銀についても同じく四年間にわたって納付金計算の特例を定めております。このように複数年度にわたる特例というものを、単年度主義をとるわが国の財政に導入した理由というものはどういうものか、明らかにしていただきたい。
○政府委員(西垣昭君) この法律案の中でお願いいたしております各納付金につきましては、五十六年度予算編成の過程におきましてそれぞれの所管庁、関係機関と協議をいたしたわけでございます。そのときに、それぞれの企業の財務状況とかその他の事情も考えまして、それぞれの納付期間を無理のないように定めるということで、たとえば電電公社におきましては四千八百億の納付金ということを考えたわけでございますけれども、それを一時に納付していただくことには公社の財務状況等から考えまして無理があるということで、四分の一ずつ、つまり毎年千二百億円ずつ四年間にわたって納付する、そういうことに決めまして、そういった形で法律案を構成したものでございます。
○多田省吾君 政府は赤字国債発行のために財特法案というものを毎年出してきました。私はその趣旨から言えば、電電公社等についても来年度からも五十九年度までは各年度の特例公債発行とともに千二百億円ずつこの臨時国庫納付金を電電公社から取るという、そういう旨の規定をはっきりと設けるべきだと思いますが、この点はどうですか。
○政府委員(西垣昭君) ただいま御説明申し上げましたように、四千八百億というものを納付の額として適当という結論を出したわけでございますが、公社の方の御都合も考えまして、一挙にということは無理があるということで四年間に分割をして四分の一ずつということになったわけでございまして、それをそのとおり法律案にしたということでございます。
○多田省吾君 そうしますと、いままでの財特法案と違って、いわゆる単年度主義という大蔵省の方針がここで崩れたのではございませんか。
○政府委員(西垣昭君) 恐らく先生の御意見といいますか、頭の中に置いておられますのは、特例公債につきましていままでは一年ごとの立法をしてきた、それを今回、納付金については一年ごとにしないで四年にしたということだと思います。 特例公債につきましても、たびたび国会におきまして論議がございまして、一年でなくてもいいじゃないかというふうな御議論もございました。今回も、私ども特例公債の規定を設けますときにその点についても検討したわけでございますが、従来から特例公債はあくまでも臨時特例的な措置であって、できるだけ早く特例公債に依存しない財政に復帰できるよう今後あらゆる努力を傾注していくということであえて一年ごと、特例公債が必要な間は国会の御審議をいただくというのが従来からの政府の方針でございまして、今回も特例公債につきましては一年ということにしたわけでございます。
○多田省吾君 大蔵大臣に最後に質問したい点はございますけれども、衆議院の状況もございまして来れないそうですから、では質問を保留しまして、これで私の質問は一応終わりたいと思います。
○委員長(中村太郎君) 三時五十分まで休憩いたします。 午後三時二分休憩 —————・————— 午後四時一分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 ただいま野末陳平君が委員を辞任され、その補欠として前島英三郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○近藤忠孝君 最初に公営競技についてですが、競馬、競輪、オートレース、競艇と、いろいろあると思うんですが、その上がってくる金について、この金の性格についてはいずれも同じだと思うんですね。ばくちの上がりとはいえ公営による収入で、やはり公金だと言うべきだと思うんです。その使途については税金と同じように公平さというか、公正さが確保されるべきだと思いますが、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは公正でなくてはなりません。
○近藤忠孝君 そこで、競馬の問題について農林省にお伺いしますが、きのうの合同審査の中でも中央競馬会の財産状況について大変ゆとりがあるということが指摘されたわけです。それから当委員会でも実際競馬場へ行って見てみまして、これは敷地の面でも施設の面でも相当の資産が蓄積されてきたということは一目瞭然だと思うんですね。そこへ加えて二千億円を超える特別積立金がある。この特別積立金とそれから実際のいまの中央競馬会の資産状況を見てみますと、特別積立金について処分規定がない、そのことが私は一つの要因になっているんだと思うんです。だから積み立てることに努力する必要がない金として意識されて、そしていわゆる収益金が入っても内部のいろんな資産にまずかわる、それからその残りが剰余金になって、そしてあと積み立てになってくる。要するに、さんざん使い果たした残が残る。ですから大変多い特別積立金ですが、それ自体がいわば過小になってくるという、そういう仕組みになってきたんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(野呂田芳成君) まず積立金の処分の政令がないということは近藤委員御案内のとおり、処分という意味はこれを取り崩すという意味でございますから、取り崩す場合は何かというと欠損を生じた場合とか馬の改良、増殖とか、その他競馬の健全な発展を図るために充当する場合というようなことが考えられますが、こういう事態がいままで発生しなかったから政令がなかったということが挙げられるわけでございます。あらかじめ政令を制定しておいたらどうかという御意見も確かに一理ありますけれども、それでは具体的に額の確定がなかなかできませんし、それから目的とか用途の特定ができませんので政令をつくってない。したがって、私どもとしてはそういう具体的な処分の必要が起こった時点でそういった政令をつくることが現実的であり、そして適切な処置ではないかということでいままで政令なしに運用してきたわけであります。 積立金の性格につきましては、必要な設備投資等に秩序ある使い方をしておりまして、これがいままでは適切な使われ方をしてきたというふうに考えておるわけであります。
○近藤忠孝君 その政令がない理由についてはきのうもるる説明があったんですが、私がいま指摘したのは、政令がないことがいわばどうしても実際の運営の中で積立金が過小になってくる、したがって第二納付金も本来よりも少なくなってくる傾向がこれはどうしても否めないんではないか、こういう指摘をしたいんですが、その点についてはどうですか。
○政府委員(森実孝郎君) まず、現在の積立金なりその運用状況からお話し申し上げた方が御理解いただけると思うわけでございますが、現在特別積立金は確かに先生御指摘のように、二千八百四十五億ございます。しかし、大半は実は固定資産になっております。 ただ、御理解をいただきたいんでございますが、現在中央競馬会が持っております土地、施設の主要なものはほとんどすべてクラブ競馬時代にクラブ所有だったものを昭和十一年の競馬法の改正で無償で国が国有財産に移しまして、その後国営競馬になり、さらに中央競馬会に現物出資されたというわけでございまして、目立ってこの収益から新しく土地を買ったというのではなくて、事業の運営上必要最小限度の土地以外はほとんどいわゆるスタンドの改修、場外馬券売り場の整備、事業に直結した施設の投資に充てているわけでございます。 そこで、流動資産が現在のところでは約九百十五億ございます、これは実は法律の規定もございまして、預金と国債、その他の政令で定める有価証券で保有しているわけでございます。しかし、この金も実は二つの引き当てという意味を持っております。端的に申しますと、九百十五億円五十五年末にあるうちに、百四十五億円は繰越工事の未払い分に充てなければいけませんし、また通常の場合、中央競馬会としての投資規模は大体三百億から四百億の年間投資規模がどうしても必要でございます。それ以外に、実は競馬は馬の病気——過去において出ましたのは流感が一番大きかったわけでございますが、二ヵ月以上開催を停止せざるを得なかったような状況がございます。私どもの試算でいろいろはじいてみますと、やっぱり二ヵ月ないし三ヵ月競馬を開催しない場合には、支払いだけでやはり準備に三百億程度は要るだろうと見ざるを得ません。そういった意味から見て、いわば流動資産というのは次の段階での設備投資及び通常の設備投資でございますね、並びに競馬開催中止の場合の準備という面に予定しているわけでございます。 そういう意味で、私ども、特に御指摘もございましたが、通常の経費として支出するものはそれなりのルールを決めてやっているわけでございまして、政令で積立金の使途が定めていないから、むしろ非常に費用が積み立てに使われていないのではないかということではないと。御案内のように、競馬の場合はまず優先的に売り上げの一〇%を国庫に一号納付として、第一納付金として納付しておりますし、そういう意味においては二五%の収入のうち実は一三%ぐらいは国庫に納入されているという実態があるわけでございます。そういうふうに御理解いただくのはちょっと事実に反するのではなかろうかと思っております。
○近藤忠孝君 いまの説明聞いておっても、どうもやっぱり公の金という認識が薄いんじゃないか。逆に中央競馬会の方で自分の金だ、こういう認識が大変強いんじゃないかと思うんですね。 それからこの積立金に関する政令の問題についての説明ですが、まだ具体的な場合になってないというんですけれども、やっぱり普通政令というのは、一般的な施行に関してのもう少し一般的な基準とか処理の仕方、こういうことを決めることはむしろ必要じゃないか。先ほど次官も言ったような幾つかの使途というのは予定されるわけですね。そういう使途の基準を決めておくとか、それがむしろ恣意的な取り崩しにならない、そういう面はやっぱりあるんじゃないでしょうか。
○政府委員(森実孝郎君) これは実は、競馬会自体がいままでのところ赤字を計上したことがございませんので、まだリアルにならないわけでございますが、何といっても興行でございますし、馬を媒体として事業を行っておりますから、不測の事態で損失が出る、その損失を埋めるとすれば特別積立金を取り崩すということが一つあるだろうと思います。それ以外に、やはり中央競馬の立法の沿革から考えますと、もし議論があるとすれば、たとえば馬匹の改良とか特定の畜産振興等の用途に特別に政策的必要があって競馬会の剰余金を充てるというふうな場合も考えられるかと思いますが、現実にはいま申し上げましたような両方の点とも特別のまだ要請が客観的に出ておりません。 私どもやはり、これはむしろ御指摘と同じ気持ちなんでございますが、やはり中央競馬会が特別積立金として公の金をしっかりした形で留保していくということが必要なんで、むしろいまのように剰余が生じている状況のもとで予測的に幅広く政令でその処分を決めておくということはむしろどうなのかと、先ほど政務次官が申し上げましたように、やはり具体的な目的なり必要額が確定したところでその都度決めていくことの方がむしろ事業としては適確に、財務としては適確に運営されるのではなかろうかと考えております。
○近藤忠孝君 時間もないのでこの程度にしますけれども、ずっとこの法案の審議をめぐってまだ競馬からも国庫へ納付できるんじゃないかという意見が強いし、私もそう思うんですが、と同時に、私はこれは何も競馬だけじゃなくて、ほかの公営競技からもこれはもう少し出せるんじゃないかと、こう思って、次に競艇の問題について指摘をしたいと思うんです。 いま競艇が公営競技の中では売り上げも多いし伸びも最も早いと、こういう状況ですが、その理由についてはなぜかと。いろいろ言われています、開催場所が多い、あるいは開催回数が多いと、というと、この点についてはよく言われるドン笹川氏の政治力によるところが多いんじゃないかという指摘がされているんですが、この点は運輸省どうでしょうか。
○説明員(早川章君) お答え申し上げます。 競艇の売り上げが昭和五十年度を、大体四十九年度、五十年度を境といたしまして、他の公営競技特に地方公営競技の場合には競輪でございますけれども、それを上回って伸びてきているということは御指摘のとおりでございます。そこで、その理由でございますけれども、種々ございますが、ちょっと分析いたしますと、結局入場人員が競輪の場合には昭和五十年度からずうっとかなりの率で下がってきているのに対しまして、競艇はほぼ横ばい——多少減っておりますが、横ばいという状況でございます。一方で一日の平均売り上げといいますか、お一人がお使いになる、ファンの一人がお使いになる金額は競艇も競輪も、多少競輪の方が高いのでございますけれども伸びてきておるということで、その点について結局どういうふうに考えているかということであろうかと思っております。 たとえば、昭和四十九年に沖繩の海洋博が行われて、海洋性の公営競技というようなものについてある程度ファンにアピールするとか、あるいは競艇の場合には非常に施設改善というのを強力にやってまいりまして、先生も先回多摩川——多摩川というのは余り大したこと伸びませんけれども、競輪、競艇場の場合にはかなりの施設改善で、言ってみますと大衆娯楽化というものがこういう面では進んできている、健全な雰囲気が進んできているというふうなことについて非常に熱心に努力の跡が見られる。あるいは最後になりますが、競輪というものを目指して後発の公営競技でございますが、非常に熱心に関係者が努力をしてきたということで、その間、関係者間で特にいろんな問題点の発生することがなくて、たとえば不正競技なども、選手の不正等も非常に少ない、あるいはほとんどないというふうな点が特にファンにアピールしたというふうなことでございますので、特に先生の御指摘のような意味での会長の政治力というふうに考えているわけではございません。
○近藤忠孝君 競艇については交付金、一号並びに二号交付金が問題だと思うんですが、この交付金の配付先ですね、どこへどれほど出したかというのはあんまり外部に知られたくないことなんですか。
○説明員(早川章君) 交付金の配分先につきましては、毎年私どもが予算を認可いたします場合に、それの資料、積算根拠と申しますか、具体的な個々の協会等に対する振興計画として新聞等には発表いたすことにいたしております。毎年、ことしも五十六年度について行ったどころでございます。
○近藤忠孝君 これは先ほど大臣も認められたとおり、やはり公正でなきゃいかぬということなんですが、ところが私の方で、これはもう予算委員会の準備の段階で資料要求をしたんですから、二月の末もしくは三月の初めですね、具体的にこの配付先の団体とそれから金額、これの資料を要求したんです。ところが、それもかなりたって、相当時日がたった後来たものを見たらば、団体先しか書いてない。金額はないんですわ。しかもこれは明らかに作為されたものです。恐らくこの団体の横に金額が書いてあったはずのところを切りまして、そしてまた張りつけて、そして合計金額だけを出してきたんですね。明らかに作為です、これは。それで秘書が幾ら要求しても持ってこないので、とうとう私が直接ちょっとでかい声を出したんです。そしたらば持ってきたのが五十三年と五十四年。で、五十六年はまた後から持ってくるというんですね。この配付先を余り知られたくないという態度がこの経過からも明らかなんです。そういう何か理由でもあるんですか。
○説明員(早川章君) 先生の方の、これに対します資料の提出がおくれたことに対しては大変申しわけなく思っております。書類の先生方への提出につきましては、省内手続等もございますし、それから公営競技の場合には他の関係省庁等の方たちがどの程度関係の資料を提出しているかということ等につきましても、多少の打ち合わせがございまして大変おくれましたし、それからまた部分的に、先生の御要求に全部応じ切れてないという点について大変申しわけなく思っておりますが、一応最終的には先生の御指摘のような資料は提出したつもりでございます。
○近藤忠孝君 それは私が怒ったから持ってきたんでしてね。大変おくれたというんならまだいいんですわ、わざとおくらしたんですよ。もともとある毎年度の振興事業計画の概要、そこにはちゃんと団体名と金額、それから補助事業名も全部書いてあるんですからね、それをすぐ持ってくれば、すぐ来るんですわ、その日に。それをだんだん時間をかけたというのは、はさみで切って、全部また計算して、そして合計金額を書いたと、こういうよけいなことをするからこれは時間がかかるんですよ。そうでしょう。こういう作為があったことは認めるでしょう。
○説明員(早川章君) 先生の方のたしか一番最初の御指示が決算というような数字であったかと思います。私どもの方につきましては、決算につきましては実際上個々の団体ごとの決算数字というのは必ずしも十分把握できてない面がございます。そういうような点から、最終的に先生にお出ししたのはたしか予算の数字と、こういうことでございまして、その辺につきまして大変資料の提出等、あるいはわれわれの方の準備の状況が至っておりませんでしたことは申しわけないと思っております。
○近藤忠孝君 要するに、ともかく上の方には印刷して単位千円と書いてあって、で、金額書いてないんだから、これはもう明らかな作為です、そういう作為をするどうも理由もあるらしい。というのは、余りこの中身を知られて、そして大蔵委員会あたりで渡辺さんがこういう中身おかしいじゃないかと言われると、また問題大きくなるというようなことから、私はこれ大分作為したんじゃないかと、こう思うんですね。 そこで、その中身についてまずお聞きしますが、まず法人格の問題です、船舶に関しての日本船舶振興会は財団法人、要するに民法上の法人ですね。ほかの公営競技は全部これは公法上の法人ですね。で、特殊法人ですが、実体は完全に同じものです、なぜこれが船舶振興会だけが普通の法人になっておるのか、その理由をまず明らかにしてもらいたいと思うんです。
○説明員(早川章君) 先生御指摘のとおり、船舶振興会はまずモーターボート競走法におきまして公益法人であると規定されております。しかしながら、一方で船舶振興会につきましてモーターボート競走法がその設立を強制いたしておるといいますか、法律によって設立すると、公益法人として法律によって、モーターボート競走法によって設立するという形になっておりますので、たとえば行政管理庁の組織法によりますと、これにつきましては言ってみますと特殊法人という扱いになると、そしてさらにそのモーターボート競走法におきましては公益法人である振興会につきまして、まあ他の競走法で特殊法人とされているというようなものにかなり似通った規制を行っていると、こういう形になっていることは先生の御指摘のとおりでございます。 この経緯でございますけれども、これにつきましては、たとえば競輪等につきましては、従来、最初にたしか中央団体が特殊法人になり、その後地方の競走会と申しますか、そういうものが特殊法人になっていくという形がございまして、それはそれで一つの発達が地方の競走会から登場したというような経緯がございますけれども、一方におきましてこちらの船舶振興会の関係につきましては、全国モーターボート競走会というものが一時その種の振興資金助成、その他全部行っておりました。それが民法上の法人であったという経緯から、昭和三十七年にモーターボート競走法を改正して振興会がつくられたときにもこれを民法上の公益法人とすると、こういう規定になっているというふうに了解しております。
○近藤忠孝君 それじゃ、実質は特殊法人と同じ扱いをするというぐあいに聞いていいと思うんですが、そうだとしますと、中身にいろいろ問題があると思うんですね。たとえば宣伝費。宣伝費は、これは有名な話で、子供と一緒に出てきて一日一善とか、よく問題になることですね。これは大体船舶振興会から出ていると思うんですが、どれくらいですか、金額は。
○説明員(早川章君) 船舶振興会の周知、啓発予算額につきまして御説明する前に、先ほど関連で、ちょっと先生の御発言の中で、特殊法人の扱いにもちろんなっておりますが、公益法人として法律で規定されていることから、公益法人としての性格、この本質についてはやはりいわゆるほかの特殊法人とは別の扱いになっているという点があることについては、たとえば役員等の任命に対する運輸大臣の承認制であるとか、そういうような点で多少違いがあることは御了解をいただきたいと思います。 そこで、船舶振興会の周知、啓発予算でございますが、昭和五十五年度二十三億円、五十六年度については二十五億円の予算を認めております。
○近藤忠孝君 役員の任命とか、一番大事なところについて、これはやはり特殊法人と同じように扱わぬといろいろ問題が出てくると思いますね。そのことをこれは指摘をしたいと思うんです。 そこで宣伝ですが、これはある広告関係の専門家が実際に年間に出ているテレビとそれから新聞全部調べてみたら七十五億円もかかっていると、これは何も船舶振興会だけじゃなくて関連のやつをずっと全部含めてそうなると言うんですが、それは大体そういう実数になりますか。
○説明員(早川章君) 私の方で把握しておりますのは船舶振興会の方のお金でございまして、ほかにたとえば防火協会というような協会、これも笹川良一氏が会長をいたしておりますが、そういったようなところから何がしかは出ているということはあろうかと思います。
○近藤忠孝君 じゃ大蔵大臣、あの宣伝をときどきごらんになると思うんですれ。あれをごらんになって船舶振興会あるいはモーターボートの宣伝とどう関係があると思っていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、一日一善だから悪いことをしないようにということで、公正な競技の確保とか何か関係がないかもしらぬし、あるかもしらぬし、よくわかりません。
○近藤忠孝君 財政を預かる大臣から見ても関係あるかどうかわからぬというようなそういう宣伝なんです。そこへ実際に船舶振興会から二十数億、そのほかの関係も含めると七十億円を超える金が出ているんですね。こういうのはどうですか、やっぱり公の金ですよね。やっぱり公の金をこの機会に、いま全部見直すべき時期です。補助金の見直しとなりますと、出どころが違うということのためにこういう問題が出てくるんですけれども、この機会にそういう問題も含めて全体を公平にかつ公正に補助金を扱うと。そしてそういう中から、これは法人格問題とも関係すると思うんですけれども、こういうわけのわからない宣伝費、これはもう見る人が見れば笹川氏個人の宣伝になっていることは明らかなんですけれども、こういう船舶振興とは、本来の事業とはほとんど関係がないようなこういうものについては十分財政当局としては見直していくと、こういうお気持ちはないでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどもお話しいたしましたように、競艇などの競技は地方の公営競技ですね、地方公共団体が施行者になるわけですから、国でなくて。そこで、その売り上げの一定割合をたとえば船舶振興会に交付すると。その交付した先は、やはり造船事業とか公益事業の振興資金に充てるというようなことになっているわけてす。したがって、私としては国がそれをいただきと、まあいただきという言葉はちょっと語弊がありますが、国に納入をしてもらうということは法律上非常にむずかしいんじゃないかと。地方団体もいまや一〇%以上の公債依存体質になっておると。したがって、地方団体に対しましても近く知事会議を開きまして、国に右へならえでですね、やっぱり国民のお金であることは間違いないですから、直接税であろうが国からの交付税であろうがむだなことはなくしてくださいと、それからやはり適正に使ってくださいというわけですから、やっぱり地方団体でそういう声がおのずから出てくるんではないかと、私どもといたしましても、地方団体にも疑惑を受けないようにひとつやってもらうと。疑惑ばかりでなくて、こういう時代になれば——いままではゆるふんでよかったけれども、こういうふうに増税もしなきゃならぬ、歳出カットもしなきゃならぬというふうな時代になれば、いままでと違った態度でやっぱり洗い直しをするというのが素直な考え方ではないだろうかと思っております。
○近藤忠孝君 最初の発言はちょっと気が早かったけれども、国じゃなくてやっぱり自治体の問題だと思うんです。 そこで、自治省来ていますか——お伺いしますけれども、もしこういうことができれば、ということは一号、二号交付金を減らして、そしてそいつをむしろ自治体関係に回すと。自治体関係に回した場合は主催団体は一部ですから不公平になる、それをもう少し全体に行くような方法が可能かどうか。現行制度上、立法上の問題もあるかと思いますけれども、そういうことによってそれは可能かどうか、この点どうですか。
○説明員(持永堯民君) まず、交付金の比率を減らしまして地方財政収入の方に回すというお話でございますが、これは現行法によりますと、法律によりまして売り上げの一定比率を交付金として納めるということになっておりますので、当然法律上の措置が必要でございます、この問題につきましては、実は先般、総理府の諮問機関であります公営競技問題懇談会というのがございまして、この懇談会の意見の中でも御指摘のような意見が出されておるわけでございます。政府、関係省庁といたしましては、この意見書の趣旨を踏まえましてどういうふうに具体化していくかということについて検討を行うために連絡会議を設けておるわけでございますけれども、引き続き連絡会議の場で御指摘の問題は検討してまいりたいと思っております。 それから、それをした場合に一定の団体に偏在をするということは事実御指摘のとおりでございます。これにつきましては、いまの交付金の比率の問題とは別の問題としまして、地方公営競技の収入が特定の団体に偏在しないように、いわゆる均てん化を図るという措置を従来も講じておりますけれども、これは全国的な均てん化といたしましては公営企業金融公庫に対します納付金という仕組みで全国的に均てん化をし、かつ地域的な均てん化といたしまして都道府県単位におきまして相互に収入を拠出し合うというようなやり方もやっております。そういったことで、均てん化については別途この方法で今後とも進めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○近藤忠孝君 制度的に可能なようですから、ひとつ自治大臣と相談されまして自治体の財源をふやすと。そうすると国から行くやつは少し減りますから、そして国の財源もふえると、こういう段取りになろうと思うのでひとつ御検討いただきたいと思うんです、 それから、再び船舶振興会の運営に関してお聞きしますと、最近の幾つかの記事——大分大きな金が動いています、一つは、「日米交流促進の財団設立に資金」ということで「笹川さんドンと百億円」と、さすがドンらしいやり方だということで問題になって、これを四回に分けて拠出すると、こういう記事があります。それからもう一つは、これは週刊誌に出ました「笹川サンの「金」を槙枝サンがもらう ユネスコ「国際平和賞」」、これも百億なんです。百億単位の金がどんどこどんどこ出ていくんですね。これは船舶振興会のどういうところからどういう趣旨で出ていくんですか。
○説明員(早川章君) 先生のいま御指摘のございました末日財団あるいはユネスコへの支出でございますが、船舶振興会は、モーターボート競争法の二十二条の五の一項第五号でございますが、公益の増進を目的とする事業の振興を図るため必要な業務を行うことができるということになっておりまして、たとえば海上気象放送とかそういった、先ほどのコマーシャルといいますか、もそういうようなものでございますが、そういったほかに海外への協力援助という事業を行っておりまして、たとえばインドとかそういうところで災害が起きた場合に新聞社等を通じて援助を行うとか、あるいはWHOどいうようなところでもってらいの問題につきまして寄付を行うとか、そういったような形の協力援助を行っております。 末日財団に対するお金あるいはユネスコへ対するお金もこの協力援助の一つでございますが、ユネスコにつきましては平和教育賞ということにつきまして百万ドルでございます。百億円ではないと思います。
○近藤忠孝君 それにしても大きな金でしてね。 そこで大蔵大臣、どうでしょうか、これが船舶振興会だから出せたんですね。これが税金だったらこんなに気前よく出せるでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) なかなか大蔵省の査定が厳しいですからね、むずかしいかもあるいはわかりませんが、またあれ非常に重宝なところもあるんですよ。大蔵省だと横並びとかいいましてね、本当は出してやりたいんだけれども、こっちやるというとこっちも出さなきゃならぬというようなことで、出したくても出せないという場合があります。そういうときに、横並びは余り関係なく、本当に出そうというだれかが決断すれば出せるという点で、それはなかなか実際実務面からいうと大変役立つ場合もあります、それは。私、厚生大臣のとき経験がございますから。
○近藤忠孝君 私はいま二つ指摘した具体的な問題ですね、これは果たして本当にいまの財政状況の中から出せるような金なのか、性格から見ましても、また金額から見ましてもね。これはとうてい無理な話だと思うんです。ところが、先ほどのこの法人格との関係からも、またいろいろいままでの経過から言いましても、出ている。しかも、出た場合には全部笹川さんが出したと。そこで先ほどの宣伝費とやっぱりかかわってくるわけですね。そして世間では、やはりこの船舶振興会が結局笹川個人が私物化しているんじゃないか、いろいろ審議会その他で公正さを保っているように見えますけれども、実質の上はそうではないじゃないかと、こういう指摘があるわけです、そして具体的にこういう金が出ている。 しかもさらに補助金、特に二号交付金の中身を見てみますと、同じスポーツ振興の面でも剣道については幾つも団体出ているけれども柔道は一つもないとか、野球——野球の場合はまあ別かもしれませんけれども、同じスポーツでもあるものとないものがある。それから社会福祉でも、老人ホームあるいは老人福祉センター、養護施設等々、ずいぶんありますけれども、それはそれで必要かと思うんですが、果たして全体の国の財政運用の面から見て本当に必要性、緊急性があって出しているのかどうか、こういう問題があると思うんです、しかも、「社会福祉の増進」の中に世川記念保健協力財団に四億二千四百九十万円も出ておるといいますと、まさにこれは私物化につながっていく、これはもうすでに当委員会でも他の委員から幾つか笹川氏が両方の会長をやっているようなことについて指摘もありましたけれども、そういう点では、まあ一つはそういう社会の誤解を除くと、本当に全体の金が公正に使われるということを保つためにも。そして実際税金だったら出せないような金が出ている、しかも、金の性格からいけば本来変わりのないもの、それが、入ったところが違うために出どころがこういう形になっているというと、やっぱり財政全体をつかさどる大蔵大臣としてはこの分野についてもひとつ抜本的見直しをすべきだと思うんですが、どうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは先ほど言ったように、地方団体が売り上げの一定割合を出すわけですから、まず私が物を言う前に、それぞれ地方団体、それぞれのみんな団体があるわけですから、そこの方でぜひやってもらうように私も話をしたいと思っております。
○近藤忠孝君 じゃ、時間がないので次の質問に移りますが、農業近代化助成資金、これは特別会計ですが、この金が金額的には二十二億円ですかね。しかし、余り使われてないんじゃないかというんですが、実情どうでしょうか、簡単にお願いします。
○政府委員(松浦昭君) お答えいたします。 農業近代化助成資金は、農業近代化資金につきまして利子補給の補助を行いますために必要な財源を確保するということで昭和三十六年に設けられた制度であることは、先生御承知のとおりでございます。以後、昭和三十九年までは毎年一般会計から助成資金に繰り入れが行われまして、その運用益をもちまして、一般会計歳入として受け入れまして、これを利子補給金の補助ということで四十年まで実施してきております。 ところが四十一年になりまして、当時やはり財政が非常に苦しい状態でございましたので、十億円を残しまして一般会計の一般財源といたしまして二百八十四億円を繰り入れを行ったわけでございます。そこで、四十一年から今日まで運用利子は助成資金に繰り入れしてきた結果、現在、先ほど先生御指摘のように、五十五年の三月の末で二十三億二千一百万円という状態になっております、この金は農業近代化資金の利子補給補助に必要な額、これは百八十八億ございますが、これに比べてはるかに少ない金額でございますし、また、四十一年の法改正時におきまして、財政事情の好転いたしました場合には、さらに一般会計からの繰り入れによりまして助成資金の増額を図るということを御答弁申し上げました経緯もございまして、資金運用部に預託してそのまま管理しているという状態でございます。
○近藤忠孝君 前に取り崩したということは、それは可能だということ、理論的にも可能だということだと思いますし、実際調べてみると余り使われていないという、こういう状況だと思うんです。 それで大蔵大臣、前回、一昨日、一兆二千億円に及ぶ補助貨幣準備金、財源を、これは理論的にも可能だし、実際も可能だということをお示ししたんですが、まあこれがあるわけですね。 それからもう一つあるのは、外国為替資金ですね、これも私可能だと思うんですね。これについては積立金、この積立金というのは外国為替等の評価損に対応するものだということですが、一兆八千億円以上あるんですね。そうしますとね、確かにこれは帳簿上これがなくなると勘定合わなくなりますからね。確かに帳簿上は必要なのかもしれぬけれども、あくまで帳簿上であって、これだけ積んでおかないと実際この外国為替管理に支障を来すのかどうか、その点どうですか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘の点でございますが、五十五年三月末で積立金は約二兆四千億に達しております。 ただ、御指摘の評価損でございますが、これは同じ五十五年三月末で見まして約二兆六千億になっております。この二兆六千億というのはかなり減ってまいりまして二兆六千億になっているんですが、一時は四兆ぐらいの評価損になったわけでございまして、これは円安の過程で評価損が減ってきたわけでございます。こういうことでございまして、積立金が二兆四千億はございましても、いま御指摘のように評価損を計上し続けなければいけないというこの会計の性格でございますので、積立金を取り崩すということはできないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 これができないというのは、補助貨幣についても言っておったんですね、しかし、それを除いたからといってどんな支障があるのかというと、実際上、経済運営上の支障はまずない。銀行経営上にはない。たしかそうですね、五十六年はおっしゃるとおりですね。これも、この金全部崩しちゃ大変かもしれぬけれども、ある程度崩しても実際の外国為替の管理運営に支障ないんじゃないか。これをひとつ大臣、御研究いただきたいと思うんです。 ちょっと時間来ましたので、防衛施設庁申しわけないけれども、これで終わりますけれども、そういう面でひとつこれは研究課題じゃないでしょうか。
○政府委員(大場智満君) 剰余金につきましては、剰余金そのものも仮にこの会計に不足が出ましたときには取り崩さなければならない事態がございます。いま申し上げましたように、評価損がかなり多額になってきております。さらに今後の為替相場の動向いかんではこの二兆六千億の評価損がまた三兆、四兆とふえる場合もあり得るわけでございまして、そのような点を考え合わせまして剰余金を取り崩すということはいかにしてもできない、こういうふうに考えております。
○近藤忠孝君 時間が来ましたので終わりますけれども、できない、できないと大蔵官僚みんな言うんですわ。しかしこれは大臣、別な角度からひとつ御検討いただきたいということを申し上げて、終わります。
○三治重信君 きょうは資本市場の関係で国際金融等の関連をお尋ねしたいと思うんですけれども、いまアメリカを初め先進国では二けた台のいわゆる利子率でインフレに悩んでいる。と同時に、景気停滞というんですか、スタグフレーションに悩んでいるわけですが、日本は景気の刺激のために公定歩合を一%下げて六%台にまで下げているわけなんですけれども、そうすると、日本の国内の資金も海外の高金利に誘われて、日本の国内の資本も海外へ逃避しないか、また海外の資本も日本がこれだけ特別利子が安くなるというと日本から逃避しないかという懸念を持っておるわけなんです。しかし、最近の株高を見るとオイルダラーが相当入ってくる、またオイルダラーにプラス英米のいわゆる年金ファンドも株の買い上げというんですか、株の投資に入ってきていると、こういうふうになれば非常に日本の国内資金並びに海外からの昨年までの投資資金も公定歩合を引き下げたことによって海外へ流出しやせぬか、こういう心配をしていたのが、どういう風の吹き回しか日本の方へ、いまのところ株ということでございますけれども、オイルダラーを初め海外の資金が入ってきた。こういうことで株界は、証券業はいま日本の唯一の最大の繁栄産業になってきたと、こういうふうに経済雑誌は書き始めておるわけなんです。 こういうふうな状況というのは、今後五十六年度一年間を見ていくとなかなか見通しをつけにくい問題だろうと思うんですけれども、それで私は、基本的にこの日本の貿易収支、国際収支からいくというと、利子は下げて物価の上昇や投資を刺激したいのだけれども、これによっていわゆる国際金融上資金が逃げるようなことではまずいと思うわけなんですが、その点について基本的に、私は少し海外の資金も日本に投資をしてもらう方が円高にも持っていけるし、日本の経済の収支、これだけ国債を抱えた経済をやっていくためには、国際収支からいくというと貿易外に、いわゆる外国投資が国内に行われるような体制というか気持ちを持っていく必要があるかと思うのですが、これはいまの株への投資というのは偶然じゃないかと思うのですけれども、こういうような見通しや考え方や何かについて、ひとつ一般的な見通しをお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いまいみじくも三治委員からそういう話が出ました、私、外国の首脳——経済担当の総裁とか連銀の総裁とか大蔵大臣とかよくお会いをいたしますが、日本国大蔵大臣は国内ではぼろくそでございます。しかし外国の専門家から見ると、一体日本という国はどういうわけなんだと。大変驚異の眼で見られておることも事実でございます。それは失業にしても何分の一、物価にしても半分以下、国際収支も大体均衡とれるという、あらゆる面でよくなっている。したがって、私どもは公定歩合の引き下げというようなときやっぱり一番心配するのは、金利を下げることによって円レートがえらい影響受けないか。ちょっとしたはずみでこれはもう影響しますから、余り円安になってしまうと輸入物価が高くなるという問題があります、余り円高になると今度輸出が伸びないという問題もあるので非常に心配するところなんです、実際は。 この間もドイツに行って、ドイツなどはアメリカの、要するに金利が高いといって大変一月ごろ不満を言っていました。現在でも公定歩合は一三%、それからプライムレートが一七%ぐらいに日本の倍近いものですからね。だけれども、これもアメリカのインフレを収束するためにはやむを得ないんじゃないか。ドルが悪くなってアメリカ経済が悪くなれば、われわれも一緒にどろをかぶっちゃうということで、最近はやはり余り文句を言わない、仕方がないなというようなのが現実の姿であります。 そこで、日本のように金利の安いところにいろんな投資が行われるというようなことは、なかなかどうなんだと言われましても、何ということなく日本がいいという話でございまして、それは金利の高いところへ行くよりも安いところへ来てでも日本の経済の将来というものにかけておる。やはりファンダメンタルズというか、経済全体のいろんな条件がバランスしておって整合性があってよろしい。たとえば、今回の賃上げ問題等においても、私はやっぱり労使の非常な良識的な、常識的なところで、どっちも不満だけれどもまあまあというところで妥結をされておるということが、日本経済というものを将来にやはり希望があるというように外国の方はとっておるということだと私は思います。 だから、日本で円建て債をやらしてくれ、金貸してくれとかいうのがいっぱいありましてもなかなか応じ切れないというようなこともございますよ、実際は。日本は、たとえばオイルダラーの還元というような問題についても非常にうまくいっているんじゃないか。国債なども買ってもらっているという現状でございますので、余り極端なことはできませんが、必要に応じて、やはり日本を通して、そうしてドル不足に悩み、資金不足に悩んで、もう国内の経済が停滞しているというような国には積極的にやはり日本もそういう点で外国のお金を借りてきて、さらに今度、また貸しするというようなことなども私は将来今後とも——いまもやっておりますが、今後とも要請は続くのではないか。 いずれにいたしましても、私は十分いろいろな点で配意をしていかなければならないが、日本の経済の基礎をうまくやっていくことが日本繁栄の道だ。その中で日本は、一番落第生は、何といったって国家財政の支出の赤字なんです。これだけは落第生、あとはもう大体優等生。したがって、これさえ乗り越えれば私は、日本は、本当に名実ともに同じ石油を使っておっても一番いい繁栄ができる国になる、そう思っております。
○三治重信君 大蔵大臣は謙遜されて落第と言われるけれども、われわれはそうは思ってもいないわけなんです。ただ問題は、赤字財政をつくったのは、不況脱出のためにはわれわれも非常にいいことだと思ってやったわけなんですが、しかしその後、膨張したそこを削減をやろうという意欲が少ないものだから、いつまででもやらぬで、早く赤字財政の縮減に政府は努力すべきだ、こういう立場でございます。しかし、その結果から見ると、そういうことになっているけれども、いま大臣がおっしゃったように、外国は、やはりそういう相当な赤字を抱えた財政をやっていても日本経済を見て投資をしてきているんじゃないかと思うわけなんです。 それでもう一つ、今度は具体的なことをちょっとお聞きいたしますが、経常収支の問題等をまず一つお聞きしたいんです。 石油の輸入代金の急増で、去年の方は経常収支がたしか百七十億ドルぐらいの赤字になって、三としは半分ぐらいになるだろうということであるわけなんですが、何というんですか、国際収支の経常収支、また総合的な貿易は非常によくなって、あるいは今年はちょっと黒字ぐらいになるかと思っておるんですけれども、日本の全体の国際収支からいくというと相当な赤字がまだ残っているんじゃないかと思うんですが、こういうような情勢について、ひとつ御説明願いたい。
○政府委員(大場智満君) 昨年度の、この三月で終わります年度の国際収支の集計ができまして、経常収支の赤字は七十二億ドルになっております。政府の見通しは九十一億ドルでございましたが、七十二億ドルになっております。御指摘のように昨年度は、これは年度で見てみますと百三十九億ドルの赤字でございましたから、ちょうど半分ということで、経常収支の赤字は減少しているわけでございます。この経常収支の赤字七十二億ドルに対しまして、外貨準備の増加がこの一年間に八十五億ドルありました関係で、これを合計しました百五十七億ドル分の資本の流入があったということになるわけでございます。 この百五十七億ドルの資本の流入を分析してみますと、このうち約四十六億ドルが長期資本の流入でございました。公社債とかあるいは株式の購入とか、それのネットの流入超でございますから、もちろんこちらから外へ出ていく金もあるのでございますが、差し引きしますと、長期資本収支の黒字が四十六億でございまして、それともう一つは、短期資本の流入でございますが、これは主として日本の銀行の借り入れが多いわけでございますが、これが約百十一億ドルございます。したがいまして、この二つを合わせましてこの一年間のファイナンスがなされたというふうに考えているわけでございます。 今後でございますけれども、政府の見通しては、経常収支の赤字は六十億ドルというふうに見込んでいるわけでございまして、いま申し上げたような資本の流入の状況のもとにおきましては、私は、この赤字のファイナンスは容易であるというふうに考えております。 なお、数字を申し上げて恐縮でございますが、昨年度一年間におきます株式の流入超は八十四億ドルでございまして、また、公社債等の取得超は六十七億ドルに達しております。
○三治重信君 長期の資金も四十六億ドル入ってきているということなんですが、昨年の長期というのは銀行が借り入れた以外のやつということで、株に投資されたやつを長期資金と、こういう計算になっておるわけですか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘のとおりでございまして、先ほど申し上げました株式の流入超八十四億ドル、公社債の流入超六十七億ドル、これだけで百五十億ドルでございますが、これから出ていく方、これは援助資金とかあるいは国際機関への協力とか、あるいは直接投資等々でございますので、それを差し引きまして残りといいますか、ネットの長期資本の流入超が四十六億ドル、こういう姿になっているわけでございます。
○三治重信君 こういうふうに非常に大きな金額が入ってき、また出ていくこともあるが、トータルでいくというと借入金の方が非常に多いということになるわけなんですが、貿易の収支からいくと、四十二年から大体日本は貿易収支は黒字の経済態勢に入ってきた、したがって、その黒字を解消をいたしていくためには資本輸出をやっていかないというと国際的な収支が均衡しない、こう思ってずっと私はながめていたんですが、オイルショックになってから急激に資金不足を来たしている。しかし経済の実態からいくと、貿易の実態からいくと、オイルのショックは一時的であって、経済の体質からいくというと貿易収支の黒字体質は変わらないんじゃないか、こういうふうに思っているんです。貿易収支から見て、日本は産業構造上、貿易関係で黒字体質は余り変わってない、そう心配は要らないんだ、こういう考え方を私は持っているんですが、その点についてどういう認識を持っておられるか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘のように、わが国の貿易収支はこのところ改善しつつあるわけでございまして、この一年間を四半期で見てみますと、季節調整後で見てみますと、昨年の四月−六月の貿易収支はまだ九億ドルの赤字でございましたが、昨年七—九月には十四億ドルの黒字になり、十−十二月が二十九億ドルの黒字、この一−三月は三十四億ドルの黒字になっております、 このように貿易収支の黒字が増加傾向をたどっておりますのは、一つには、わが国の輸出の価格の上昇が大きい。これは円高のJカーブの影響もございますけれども、価格の上昇が大きい。それから輸出の数量も伸びてきている。それからまた、かたがた輸入の方で見ますと、輸入の価格は一年前は五〇%ぐらい前年同期に比べて上がったわけでございますが、最近では一〇%程度の上昇にとどまるようになってきた。また輸入の数量は、どちらかというとマイナスで推移してきた。このような状況にあったわけでございます。今後も、輸出の数量の増加というのは落ちていくとは思いますが、価格の上昇はなお続くということを考えますと、やはりこの程度の貿易収支の黒字は今後も続いていくんじゃないかというふうに見ております。
○三治重信君 そういうことで、いわゆる五十六年度になってくると、いままでの、去年、おととしの経常収支も非常に、何というんですか赤字がなくなってくると私は思うんです。しかし、いわゆる先進国全体から見るというと、日本だけよくなって、ほかの国はまだ相当赤字になっておる、そのようになってくると、結局日本の貿易がいじめられるというかっこうになると、やはり資本を相当日本が入れる態勢に持っていって、そして先ほど大臣がおっしゃったように、資本の不足するところへまた貸しをしてやるという態勢というものに持っていかないと、オイルダラーがどんどん積み重ねられるわけですから、国際収支もマージャンの一人勝ちみたいになっているわけですから、どうしてもそこに日本の役割りというものが、経常収支で資本をそう取り入れなくてもよくなっても、やはり相当資本の導入を図っていかないと、国際金融、世界全体の国際収支の中で日本の役割りが十分でなくなるんではないかと、こういうふうに思うわけです。 そこで、そういうことが一つと、オイルマネーがどんどん積み重ねられて、第二次の値上げでまたさらにオイルマネーが多くなっていく可能性がある。第一次のやつはずっと多くなったやつが、七八年のごときは百四十六億ドルというんですから、百五十億ドルぐらいしか黒字にならぬ。それが七九年値上げすると、一遍にまた六百億ドル、八百億ドルとこうふえて、トータルで七九年の末で二千三百六十億ドル、こういうふうに大蔵省の方から資料出していただいているわけですが、これは七九年末で二千三百六十億ドル、最近の経済雑誌だと三千四百億ドルと、こういうように言っているわけですから、八〇年一年間で約一千億ドル超、第二次石油ショックの結果として膨大なオイルダラーがたまる。その一部がいまこっちへ返ってきているんじゃないかと思うんです。こういうような問題の処理というのですか、国際収支の上におけるオイルダラーの動き、それをお聞きすると、非常に秘密をたっとんで、ちょっとやそっと余り分析的なことは言えないんだと、こうおっしゃるんだけれども、それではやはりどうも向こうの秘密の資金運用だからといって何も言及をしないというのもどうかと思うんですが、全体的にオイルダラーというものがどういうふうな動きをすると、これに対して日本政府はどういうふうに対処していこうと思っているかという一般的な原理的なことぐらいは言ってもいいじゃないかと思うんですが、それはどうなんですか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘のとおり、一九七九年末では約二千三百六十億ドルのオイルマネーのサープラスが生じております。今後ともこの一年、恐らく昨年の一年では千億ドルないし千百五十億ドルぐらいまたこれが増加し、さらにことしにおきましても大体八百億ドルぐらいはまた増加するのではないかというふうに見ているわけでございます。 国際金融といいますか世界経済にとりまして、この累積したオイルマネーの円滑な還流が緊要なかつ大事な問題であると思っているわけでございますが、このいわゆるリサイクリングの問題につきましては三つの経路があると思います。一つは、民間銀行あるいは証券会社を通じる資金の流れでございますし、一つは、国際機関を通じる資金の流れでございます。それから三番目には、できれば産油国が直接油の出ない開発途上国に対する援助を強めていただきたい。この三つの流れがあるわけでございますが、これまでのところを見てみますと、一九七九年度末の残高がどのように運用されているかということを見ていきますと、民間銀行を通じる、つまり民間銀行に預金という形で流れている金が全体の四七%になっております。それからまた証券会社といいますか、各国で証券、主として国債ですか、これを買っておりますのは大体この二千三百六十億ドルのうちの約二二%、残りが国際機関を通じるものもしくは産油国が直接油の出ない開発途上国に援助を出しているものという比率になっているわけでございまして、私どもはできるだけその最後の国際機関を通じるものもしくは直接油の出ない開発途上国への資金の流れが増大することを願っているわけでございます。しかし産油国としましても、直接リスクの大きい国に資金を流すことに対しまして慎重でございますものですから、どうしても銀行なり証券会社の介入といいますか、介在がやはり必要になってくるというふうに考えているわけでございます。 なお、わが国に対しましては、これは国によって違いますが、大体オイルマネー・サープラスの一〇%程度を日本に向けているのではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。
○三治重信君 いまの預金の使途の割合で銀行預金が四七%、二二%国債とおっしゃつたんですが、これは何というんですか、先進国の債券ということですか。し
○政府委員(大場智満君) はい、おっしゃるとおりでございまして、主としてアメリカにおけるアメリカの財務省証券の取得が中心でございますが、英国のものあるいは日本のものも含まれているわけでございます。
○三治重信君 アメリカの財務省証券は最近若干利子が高いかもわかりませんが、そこで日本の株へこれらが投資されると、いまの日本のいわゆる株式というのは実際の日本の一流会社でも株式を非常に極端に制限をしているわけだから、少し資金からしたらえらいあぶれるということなんで、これは余り極端に株式に投資されるのはうまくないことだと思うんですが、そこで国債を、いわゆる赤字国債でも建設国債でもいいんですけれども、日本への投資について国債に投資をしてもらうという交渉を少しやったらどうかと思う。しかし、経済学上からいくというと、国債は国内の人からの政府の借り上げにしておけば、これはトータルではゼロになるんだからその方がいいと。外国へ国債を買ってもらうということになってくると、将来ともその外国へ借金は、一軒のうちが他人から借金したのと同じことになるんでという議論があるわけなんだけれども、まあしかし国際収支やいろいろの国のこういうオイルダラーというものそのものが、これは大変な国際収支上黒字で、この動きが変な動きをすると日本みたいな貿易立国は大変な迷惑がかかるわけですから、そういう意味においてもまた日本の国債を相当買ってもらう対策をとったらどうかと思うんですが、これは反対ですか。またある程度ほどほどにやるつもりかどうか。
○政府委員(大場智満君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもはこの一年間当局の、私ども国際金融局の幹部は絶えず産油国を回りまして、国債を中心とする公社債をできるだけ買っていただくようにお話してきたわけでございます。その結果といたしまして、先ほど銘柄までは申し上げにくいことでございますけれども、全体としましてこの一年間に六十七億ドルの公社債を九十社が買っているわけでございまして、この六十七億ドルの公社債の取得のうちかなりの部分が国債の購入になっておるわけでございます。また買い手の方が必ずしも産油国ということははっきりしないわけでございますが、やはりかなりの部分が産油国による取得であろうというふうに私どもは見ておりまして、今後とも私どもは、一つはもちろん国内経済の運営を健全にすることが大事でございますけれども、産油国に国債その他公社債の取得をお勧めしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○三治重信君 それで、この日本の全体の経済体制からいくというと黒字体制だと。しかし、政府はえらい赤字だから国内の国債の価格を維持するのになかなか苦労しなくちゃならぬと。しかし国際収支から、国際的なことからいくと外資を導入した方がいいと、こういう結論になると、国債でも持ってもらった方が非常に安定をするんじゃないかと、こういう結論になるわけなんですが、そういうことを積極的にやり始めている、こういうことでございますので、ひとつ今後とも日本の国内だけの金融情勢で国際価格の維持ばっかりではなくして、やっぱり国際金融も使って国際価格の維持をやってもらいたいと思うわけなんです。 そこで、もう一つは、最近この日銀券が非常に対前年同期比で、ことに三月では対前年プラス二%ということで、二%と言えばまあまあ横ばい、かつてないことなんで、これについては経済雑誌の解説だと、構造的要因で給与の振り込みの普及だとか、料金の自動振替制度とか、家計の金利選好で、できるだけ預金してしまって手持ちを持たぬだと。こういうような日本のいわゆる法人も個人も非常に日銀券という現ナマを使うことについてのキャッシュレスの構造的な要因がある、これはもうみんなうなずけることばっかりなんですが、もう一つは景気後退があるんだ、こういうことなんです、 その景気後退に関係してくるわけなんですけれども、いまの景気後退については、政府も投資促進あるいは景気後退をとめるために経済総合対策をやっておられるわけなんですけれども、こういうふうな日銀券の動きから見て、本当に投資というものが行われるようないわゆる国内金融体制にあるのかどうか。ことに、中小企業の投資の資金というものが本当に中小企業が借りたがらなくなっているならばこれは本当の沈滞なんだけれども、借りたくてもそういう預金のいわゆる金利選好性からいって、中小企業が借りにいく金融機関じゃなくて、金融が締まっちゃって、そしてしかも日銀券の発行がとまってしまっている、逆の回転になっておる傾向がないかと思うんですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 最初に、日銀券の発行要因についてお触れになったわけでございますけれども、確かに先生がいま御指摘になりましたような構造的要因、クレジットカードとか、それから給振りとか、そういう要因のほかに、景気循環的要因と申しますか、そういう要因も私どもの分析の中では入っておるわけです。その中でも、中小企業の投資不振というふうなところも一部そういう要因になっているような——これはまあ一つのアカデミックな分析でございまして、大胆に申し上げさせていただくわけにはいきませんけれども、そういう要因もあるように考えております。 それで、御心配の中小企業金融でございますけれども、確かに中小金融機関について見ておりますと、昨年はかなり、たとえば郵貯の急進みたいなことがございまして、全体として金融機関、それから中小金融機関を含めまして預金の増加が鈍化する、前年度に比べますとむしろ増加額が減少するというようなことがございまして、ことしに入りまして金融機関の方、郵貯も目標額を達成したこともございましょうが一服するというようなことがあり、それから、民間の方もやや持ち直してきておるわけでございます。 それ以外に、日本銀行が四月一日に預金準備率をかなり思い切った引き下げ方をいたしまして、流動性をつけるというようなことを——中小金融機関もそれは潤うわけでございますけれども、とか、あるいは弾力的な金融調節と申しますか、窓口指導とかいうようなことをいたしておりますので、当面のところ中小企業の資金の方については供給サイドとしては問題はないかと思います。問題は、中小企業自身が投資意欲が起きるかどうかというようなところではないかというふうに考えております。
○三治重信君 いまのお話だと、金融の供給サイドはいろいろ分析してみてもそれが不足するという状態にはなくて、むしろ需要側の、投資側の投資意欲の問題だ、こういうふうなことであるわけですが、ぜひそういうことで景気回復を図るなら図る、この金融サイドでそういうことがないようにひとつぜひ十分注意をして持っていっていただきたいと思うわけです。 そこで問題は、そういうことを言われればあとは質問することはないと思うんだけれども、やはりしかし、これだけの国債を出していくと非常に金融機関に主なものが割り当てられて買い上げさせられるわけなんですが、いまのところはそういうことだけれども、これから公債発行していくと、計算上ではそういうことになっても、実際上銀行や相互銀行や信用金庫、証券界というものが国債を買わされていくということになっていくと、それについて資金もショートしないか、またそういうことを理由に貸し付けを渋るということがないか、この点については、やはりどうしても国債を相当政府自身で処理をしていく体制をとらないと、すなわち、いわゆる去年シフトした郵便貯金を中心とする政府の持ち金を国債の方へ相当肩がわりさしていって、民間への負担をずっと軽くするということを一応計画されて発表されているんですが、さらにそれを民間の金融機関が買うのを少なくする、こういうふうに努力をしてもらいたいと思うんですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 担当の部局ではございませんけれども、昨年確かにそういう国債の大量発行の中で、それと郵貯の資金シフトということで金融機関がかなり苦しんだというようなことはございましたと思います。そういうことと関連いたしまして、運用部を中心とした国債の引き受け量も昨年はかなり努力をいたしましたし、今年度につきましても——担当じゃございませんけれども、そのような方針で傾向を強めていくというふうに承知しております。
○三治重信君 ありがとうございました。 その関係のことは以上で質問を終わりますが、この前質問で残したことを最後に一つお聞きしておきたいんですが、翌年度への予算の繰り越しとか不用額というものがあるわけなんですが、こういうようなのがいままでのオイルショック以後非常に公共事業で建設国債の発行を毎年増加しながら出してきたわけです、そういうときの繰り越しやそれから一般のその他の公共事業以外の経費の、何と言うんですか予算の不用額の態勢、これは税金のよけい上がったやつの黒字ということじゃないんですよ。予算につけたやつの中の不用額というものの暦年の変化、それは横ばいだとか少なくしているとか、まあ大して変化がないとかいうことを御答弁願えれば結構です。
○政府委員(西垣昭君) 一般会計につきまして最近の繰り越し、それから不用の状況でございますが、五十二年度について申し上げますと、繰越額が二千二百八十五億円、うち公共事業費が千四百七十八億円、その他が八百七億円。それから不用額は二千七百九十六億円でございまして、そのうち公共事業費は二百六十八億円、その他が二千五百二十八億円でございます。 それから五十二年度につきましては、繰越額が二千四百九十一億円、うち公共事業費が千五百六十六億円、その他が九百二十五億円でございます。また不用額が三千二百三十四億円、その内訳は公共事業費が八十九億円、その他が三千百四十五億円。それから五十四年度でございますが、この年は繰越額が多うございまして六千三百四十二億円、うち公共事業費が四千三百五十四億円、その他が千九百八十八億円。それから不用額が四千九百二十六億円、そのうち公共事業費が九十一億円、その他が四千八百三十五億円でございます。それで、繰越額につきましては、その年その年の財政支出等のあり方とか豪雪等の気象条件等の偶発的要素、こういったものによって左右されておりますし、不用額につきましても、予備費が年によって使われる額が違っております。それからまた為替変動、そういった偶発的な要素もございますので、そういった偶発的な要素で左右されることが多いわけでございます。それから五十四年度につきましては、特に公共事業につきましてやや抑制的な運営をいたしまして、第四・四半期に五%の留保というようなことがございましたのが響いているかと存じます。
○委員長(中村太郎君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 —————・—————