大蔵委員会 第11号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/03/28
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。 本日は、三案審査のため、税制調査会会長代理木下和夫君、一橋大学教授吉野昌甫君、日本大学教授吉牟田勲君、以上三名の方々に参考人として御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後の三案審査の参考にいたしたいと存じます。 これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うわけでございますが、議事の進行上、最初に参考人の方からお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後委員の質疑にお答えいただく方法で進めてまいりたいと存じますので、御協力をお願い申し上げます。 それでは、まず木下参考人からお願いいたします。
○参考人(木下和夫君) 木下でございます。 御下命によりまして政府税制調査会会長代理という資格で意見を申し述べることとさしていただきます。 税制調査会は昨年十一月に「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」を提出いたしました。また十二月には「昭和五十六年度の税制改正に関する答申」を提出しておりますので、本日はこれらの答申を中心に申し述べます。 まず、「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」すなわちいわゆる中期答申につきましてその特色と思われます点を以下に簡単に申し述べますと、その第一は、歳出の節減合理化についてかなり立ち入って注文をつけておる点でございます。具体的には、今後財政再建期間を通じて、全体としての歳出の増加率を国民総生産の伸びを上回らない水準にとどめるよう最大限の努力を傾注することを強く要請しております。歳出予算編成に対してこのような注文をつけておりますのは、今後も国債費や地方交付税が二けた台の高さで伸びることを考えますと、一般歳出の引き締めは相当厳しいものであると考えられますが、税負担引き上げについて国民の理解と協力を得るためには、このような節減合理化を実現していくことがどうしても必要な前提であると考えたわけでございます。 第二は、仮に税負担の引き上げが必要とされるような場合におけるその限度というべきものを示している点でございます。 すなわち昭和六十年度から特例公債の償還が始まるため、昭和五十九年度までに歳出に占める税収の割合を八〇%程度に高めていくことが適当であると考えました結果、税収の国民総生産に対する割合を国税につきまして現在より二ポイント程度引き上げることが必要となると判断をいたしました。答申では、このような租税負担の引き上げは福祉を初め国民生活の維持向上のためにはやむを得ないことであり、また当面における税負担の一つの限界ではないかとしているのであります。 第三に、以上の前提条件がやむを得ないものとされた結果、税負担の引き上げが必要とされる場合にはいかなる税でこれに対応すべきかということにつきましては、前回の中期答申に比べてやや幅広い選択の道を示しまして今後の検討にゆだねておる点でございます。 すなわち現行の税制でこのような要請に対応するといたしますれば、所得税と法人税が挙げられ、また新税を考えるとすれば、広く消費を対象とする間接税を除外して考えるわけにはいかないとし、まず法人税については、その負担をある程度引き上げる余地は認められるものの、国際競争力に及ぼす影響等を考慮すれば、増税幅にはおのずから限界があるとし、次に所得税については、答申は、税制中の基幹的地位を占めており、歳入の充実を検討するに当たってこれを除外して考えるわけにはいかないとしており、さらに課税ベースの広い間接税につきましては、避けて通ることのできない検討課題であり、引き続いて論議を重ねることが適当である旨を提言しております。 第四に、答申はいわゆる納税環境の整備について積極的に言及しており、税負担の公平確保は最大の課題であり、制度、執行の両面から努力していかなければならないことは言うまでもないが、税負担の引き上げを求めざるを得ない状況のもとでは、この点が一層強く要請される。そこで中期答申では、納税者意識の喚起、高揚にまつべきことはもとより、納税者の記帳水準の向上のための工夫や脱税者に対して厳しい対応措置を講ずることについての検討等を求めております。 最後に、所得税の減税につきましては、わが国の所得税の負担水準の実情や財政の現状のもとでは、課税最低限の水準をさらに引き上げることは至難であるとしております。 以上がいわゆる中期答申の内容でございます。 次に、「昭和五十六年度の税制改正に関する答申」について申し述べます。 この答申は、昭和五十五年十一月十八日に発足いたしました新しいメンバーによる税制調査会が、昨年十二月に提出したものでございますが、そこで示されました基本的考え方と具体的な税制改正の方針はおおむね次のとおりでございます。 第一に、わが国の財政の再建は緊急な国民的課題であり、五十六年度予算においては公債発行額を二兆円減額すべきであるとし、第二に、歳出については、高度成長期に生じた歳出の増加傾向を是正し、財政体質そのものを改善するためにも、また税負担引き上げについての納税者の理解を得るためにも、歳出の思い切った節減合理化が望まれるところであり、既定経費全般の徹底した洗い直しにより一般会計の歳出総額の伸び率を一けた台とすることを強く要請し、さらに第三に、昭和五十六年度においては相当規模の自然増収が見込まれるが、これは公債減額分と公債費及び地方交付税の増加分とでほとんど消えてしまう。この点からも歳出の徹底した節減合理化を行い、一般歳出の伸びを最小限度にとどめることが要請されるが、その場合になお必要となる財源は主として税負担の増加に求めるほかはなく、現行税制の枠内で相当規模の増収措置をとらざるを得ないとしております。第四に、その結果具体的には次のような増収措置が考えられるとし、一、法人税の税率を一律二%引き上げる。二、酒税の従量税率を原則として二五%程度引き上げる。三、物品税について新規開発物品等について新たに課税するとともに、乗用自動車等について若干の税率の引き上げを行う。四、印紙税について定額税率及び階級定額税率を二倍に引き上げるとともに、階級定額税率の最高価格帯の見直しを行う、五、有価証券取引税について国債を除く公社債の税率を五〇%引き上げるとともに、一般の譲渡の場合の株式等の税率を二〇%程度引き上げる、以上のことを答申いたしたのでございます。 なお、「昭和五十六年度の税制改正に関する答申」におきましては、今後引き続き財政体質の改善に最大限の努力を傾注することが要請されるが、税制面においては中期答申で検討課題とされた各般の問題をめぐり、今後幅広い観点から研究を重ねていくべきであると述べております。これを受けまして昨年十二月の政府税制調査会総会におきまして特別部会を設けることとしたところでございますが、具体的にどのように審議を進めていくかにつきましてはまだ決まっておりません。私個人の見解といたしましては、できるだけ早い時期に総会を開いていただきまして、事務当局から国会における御議論の御報告を受けるとともに、特別部会の具体的進め方を含めて今後の審議の進め方について議論することとしてはいかがかと考えております。 以上で終わります。
○委員長(中村太郎君) ありがとうございました。 次に、吉野参考人にお願いいたします。
○参考人(吉野昌甫君) 一橋大学の吉野でございます。 勝手を申しますが、利子・配当所得等についての総合課税への移行に伴う小額貯蓄等利用者カード制、いわゆるグリーンカード制度導入に関連する郵貯と民間金融機関との間の金融問題に関しまして、私の考えを簡単に述べさせていただきたいと思います。 第一に、グリーンカード導入についてでございますが、税負担の公平化という目的があります以上、これに原則的に反対するということは考えられないわけであります。その点で問題は、そのグリーンカード導入に伴います摩擦など調整上のデメリット、これをどう考えるかであります。 第一に、金、不動産、それから外国に対する預貯金の流出といったようなことが金融資産に影響を与えるかどうかということでありますが、この点は世上言われているほどの影響はないと私は考えます。 第二に、本人の確認、それから名寄せ、限度額の管理、グリーンカードによる管理に関しましては、郵貯とそれから民間金融機関の適用に関しまして、完全に均等な条件の確立についての意見のギャップといったものが依然としてかなりの幅で残っているのではないかというように私は考えるわけであります。その点で均等な条件の確立についての詰め、これについての慎重な態度が必要ではないかというように思います。 第三に、一般個人預貯金者に対する手続上の負担等との対比で、民間金融機関のこれから考えられます過当競争、それから要求払い預金がグリーンカード適用外であるといったようなそういう問題との関連で考えますと、不公正是正の効果に関しての不確実性というのも残っているのではないかというように思うわけであります。 第二の、昨年グリーンカードの適用問題がうるさくなりましてから、かなり郵貯とそれから民間の金融機関との間の資金シフトの問題が起きたわけでありますが、その点に関連いたしまして、まず金利一元化の問題について触れたいと思います。 個人預貯金者に占めます比重が郵貯の場合約三〇%、これは五十五年の九月末ぐらいの数字であります。それから単一金融機関としまして、郵貯はすでに世界一の資金規模を誇っているといったことが言えるわけでありますが、こういった非常に大きな金融機関に成長しております郵貯が、相互依存性の強い金融市場の金利に対する調整上の協力といった責任の重大さといったことが指摘できると思います。 また、金融政策の機動性、それから弾力性の運用面でのゆがみでございますが、その点の第一は、日本の金融市場の国際化、それからアメリカを中心にします国際的な短期金利の大幅な変動、それから金利高、こういった状態を考えますと、金融政策の有効性確保には、金利機能の活用の重要性が非常に増しているというように考えるわけであります。 この問題の第二といたしましては、郵貯法では、国民大衆の利益の増進、貯蓄の増強といったことをうたっておりますが、これとの関連で、利子率引き下げに関しまして利子収入面でのマイナス、それと国民経済面での安定成長のプラス、そして貯蓄増強といった面では、利子率よりはGNPの影響が非常に大きいといった関連で考えますと、二元化的な考え方というのには賛成できにくい面がございます。それから現在、財政政策の硬直化といったことが指摘されておりますが、この面からも金融政策の有効性の確保といったことの重要性は指摘できると思います。 それから、小口の預貯金者の保護といった観点がございますが、これは金融政策を含めました経済政策面からの配慮よりは、社会政策的な配慮で行うべき問題ではないかというように思います。それと金利一元化と金利自由化との関係が最近問題になっておりますが、この点では現在、規制金利であります個人預金金利を自由化の方向に仮に持っていくといたしますと、この場合、預金金利の自由化の方向は、官業としての市場の需給関係で決まらないところで金利を決定するといった郵貯方式よりは、当然市場原則、需給が敏感に金利に働く、そういった原則の上での金利決定の重要性といったことが指摘できると思うわけであります。その点で、金利自由化と金利の二元化といった主張は受け入れにくい側面があります。 次に、金融問題の第二の問題といたしまして、官業としての郵貯と民間金融機関との関係について触れたいと思います。 その第一は、民間金融機関が個人の預貯金の吸収、それから個人に対する融資の拡充、それから為替振替業務の機能の整備、こういったことを着々とやっておりまして、民間金融機関自体の一競争も非常に熾烈であります。こういった民間金融機関の整備拡充が非常に進んでおりますわが国におきまして、官業であります郵貯が四十年度以降非常に急成長いたしまして、民間のシェアを食う。それから単一で考えまして、先ほど触れましたように、世界第一の預貯金を占め、個人預金の中での三〇%までのシェアを占めているといった郵貯の必要性は一体どこにあるのか、こういったことにはなかなか納得できる理由というのは見つかりにくいと思います。 第二に、郵便貯金自体について、この存在理由について考えてみますと、第一は小口預貯金者の利益の増進と貯蓄の増強といった面でございますが、この場合、個人預金の三〇%も占めておりますシェアといったことから考えて、これ以上小口預貯金者の保護といったことを官業で行わなければいけないのかといったことが疑問として考えられるわけであります。 それから第二に、財投の原資の確保という問題がございます。現在のようなスピードで郵貯の資金シェアを拡大していくということになりますと、長期的に長期金融構造、民間の資金に対する財政資金の比重といったもののひずみはかなりはっきりとあらわれてくるのではないかと思います。また、財投シェアの拡大自体が補助金の形態での税金といったものの補てんといいますか、吸収を必要とするといったことも問題ではないかと思います。 次に第三点としましては、民間金融機関の預金金利との関係でございますが、郵貯が三〇%までのシェアを占めまして、単独で世界一の資金規模を占めているということでありますと、民間の預金金利といったものは、郵貯のプライスリーダーによって決定される、こういうのが現状ではないかと思います。 次に、郵貯の預金金利決定方式でありますが、これは公定歩合の変化に応じて上方には伸縮的、下方には硬直的といった傾向があるわけでありますが、現在の利ざやが非常に厳しい状態の中で、こういった公定歩合の変化の中で上方にずれ上がるような預金金利の決定方式といったものは、民間の利ざやに対して非常に厳しい圧力をかけるということが指摘できます。その点で、個人、中小企業といったものの借入金利の引き下げといったことにこの利ざやの圧迫が悪い影響を与えることが考えられるわけであります。 金融問題の第三点といたしまして、定額貯蓄自体の問題が取り上げられるわけであります。 定額貯蓄は、国の信用をバックにしまして安全性、それから従来の非常に小幅変動といった安定性、それから複利定期で六ヵ月後は流動性が非常に高い、ペナルティーなしで現金化ができる、それから複利定期の十年据え置きといった高利回り性、それに加えまして資金吸収面での印紙税や法人税の負担がない、それから収支相償といった非営利性、この競争上での有利さを考えますと、このような万能商品といったものが一般金融市場での金利面に対してゆがみを与えないだろうかといったことが問題になります。で、これははっきりと昭和四十年以降民間のシェアを郵貯のシェアが大幅に食っているという、そういう持続的な金利構造のゆがみといった面でこの万能商品の金融市場に与えるひずみが指摘できると存じます。 第二点としましては、民間金融機関がなぜこれを、こういった万能商品をやらないのかといったことが問題になるわけであります。熾烈な競争をしております民間金融機関がやらないのは、これはもう当然おかしいわけであります。競争相手として郵貯に資金をこれだけ食われているわけでありますから、当然そういったものを食うための努力が行われるはずであるわけです。それがやられてないというのは、護送船団方式を軸にしました努力不足であるのかと申しますと、最近は利ざやマイナスのところまで、ぎりぎりのところまで実質的に民間金融機関は追い込まれている。そういった状態の中で貸出金利、要するに市場の資金需要との関係でこの商品をやったんでは、民間の金融機関は営利的に成立していかないという状態まで追い込まれていると、こういうように考えるわけであります。そしてこの影響は、特に個人預金の多い中小金融機関に対する影響が非常に強いと、したがって借入面では個人、中小企業に対する影響が強くあらわれてくるといったことを指摘できると存じます。 それとの関連で、こういった万能商品がやれるというのは郵貯が官業であるからではないかといった側面について検討する必要があるんではないかと思います。特に郵貯の収支状態についてのわれわれの検討といった面では、計数面での民間金融機関との比較が非常にしにくい側面がございます。そういった点で、ぜひ比較可能な資料の整備といったことが望まれると思います。そしてさらにその点で考えますと、資金運用部の利回りとの関係、財投原資としての国民の税金面に対する負担といったような問題、これがないかどうかといったことをこの商品に関しては検討していく必要があるということを私は考えております。 以上でございます。
○委員長(中村太郎君) ありがとうございました。 次に、吉牟田参考人にお願いをいたします。
○参考人(吉牟田勲君) 日本大学の吉牟田でございます。 本日議題となっております三法案それぞれについて意見を申し述べさしていただきます。 まず初めに、法人税法の一部を改正する法律案の関係でございますが、今回この法案によりまして法人税率の引き上げが一律二%行われております。私は、財政の状況によっては将来もう二%程度引き上げてもいいんじゃなかろうかというふうに考えております。その一つの理由は、過去の最高法人税率が四二%、昭和二十七年度の改正による四二%でございますが、当時は現在の配当軽課措置に当たるものがなかったわけでございまして、配当軽課措置を込みにして考えますと、今回の改正後がなおまだ少し低いというふうに考えます。 それから第二番目に、中小法人の税率引き上げについてでございますが、今回一緒に二%引き上げられたわけでございますが、基本的には慎重であるべきだというふうに考えますけれども、所得税の累進税率とのバランス、個人事業者の場合、現在でしたら七百万円から八百万円の階層の税率は三四%ということになっておりますので、これとの関連で検討することは必要であろうというふうに考えております。 それから、今回の改正の中に健康保険組合を非課税法人から収益事業課税法人へ移す改正がございます。まあこれは多年の宿題の解決でございまして、公平の観点から賛成いたすところでございます。また同時に、政令の改正で収益事業の拡充も図られておりますけれども、収益事業につきましては、なおまた研究すれば拡充できるものもあるんじゃなかろうかというふうに考えまして、将来の拡充の検討を希望いたします。 それから、法案に関係ありませんが、政令改正で貸し倒れ引当金につきまして金融保険業の繰入率の引き下げが行われております。金融保険業だけではなくて企業種にわたりまして、まだ実績貸し倒れ率よりも法定繰入率は高いと思います。そういう点から、もっと全般的に引き下げていいんじゃないかと思いますが、終局的には貸し倒れ引当金の繰入率は実績率だけで計算していいんじゃなかろうかというふうに考えております。 次に、所得税法の一部改正法案について意見を申し述べます。 今回の改正で寡夫控除——やもめの方の寡夫控除が入れられましたけれども、これは社会党の発案かと聞いておりますけれども、厚生年金保険料の女子掛金率の引き上げなどと同じような思想で逆差別の撤廃みたいなことだろうと思いますが、賛成でございます。 それから、改正法案、今回の法案自体には関係ございませんし、いま吉野参考人がかなり詳しくグリーンカードの問題述べられましたけれども、私グリーンカードの問題につきましては、利子所得の総合課税というのはいわば長年の懸案であり、税制を公平なものにするためには最低限必要と申しますか、不可欠の制度であると考えております。したがいまして、ぜひ予定どおり実行しまして、わが国の所得税の公正実現への一歩前進をされるよう強く望みます。 また、それに関連しまして、たとえば生命保険料控除とか少額預金非課税制度は大蔵省の資料なんかでも租税特別措置として掲げられておりますが、郵貯の非課税は特別措置の中に掲げられていないようでございます。本来やはり同等に取り扱って同等に議論していいんじゃなかろうかというふうに考えます。 また、グリーンカードの実行と絡みまして、グリーンカードを実施しますとかなり所得税の課税ベースが広がって、税収もふえるんじゃないかということが言われております。まあ確かにそういうこともあろうかと思いますので、財政再建の状況とにらみ合わせながらその点を配慮しまして、将来所得税の減税、特に最高税率を含めた税率の刻みの調整や税率の引き下げも含めまして、あるしかるべき段階では検討すべきであろうというふうに考えます。 最後に、租税特別措置法の一部改正法案について意見を申し上げます。 まず、租税特別措置全般についてでございますが、私は期限を切って短期集中的に行わなければ、租税特別措置というのは十分な効果は発揮し得ないと考えております。このような観点から見ますと、わが国の担税特別措置の適用期限は非常に何回も延長されまして、長くなっているように思います。当初の期限が到来したら廃止するという機動的改廃の原則をつくって厳重に守っていくべきではないかと考えます。 また次に、担税特別措置の廃止縮減の方法ということと考え合わせますと、その受益が特に特定少数の者に集中して、所得の過半を占めるようなものであるとか、直接的な効果がなくて間接的なもの——時間があれば少し例を挙げればいいのかもしれませんが、そういうものから優先的に縮減すべきであろうというふうに考えております。 また、生損保の保険料控除のように納税者の大多数が適用を受けるような特別措置というのは、だんだん一般減税の中に含めていって廃止する方向で検討をすることも必要であろうかと思います。 それから、今回の改正の内容は非常に多岐にわたっておりますが、そのうち一つだけ特に私が申し上げたいのは、交際費課税についてでございます。今回、交際費の課税については一般的には九〇%の損金不算入ですが、一〇〇%損金不算入になる判定基準につきまして、基準年度の交際費額の一〇五%を超えた場合というのをいわば一〇〇%超えた場合——基準年度というのは対前年同期でございますが、という改正が行われております。また、昭和五十四年度の改正では、基礎控除額が資本金額が多い法人ほど少なくなるという改正が行われているんですが、今回の改正及び昭和五十四年の改正、私倫理的な観点からはそういう考え方もあろうかと思いますが、税制の合理性という観点から考えますと、いずれも余り適当な改正ではないというふうに考えまして、もし交際費課税をもっと強化すべきだとしますと、むしろ税制として合理的説明がつくような、それも例をいろいろ言えば本当はいいのかもしれませんが、たとえば接待供応なんかについては一定額以上は認めないとか、違った改正の方がより望ましかったのでなかろうかというふうに考えます。 私の意見はこれだけでございます。
○委員長(中村太郎君) ありがとうございました。 以上で参考人の意見の陳述は終了いたしました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任をされました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村太郎君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(中村太郎君) これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 参考人の皆さんには大変きょうは御苦労さまです。 税調の木下先生にお伺いをしますが、先ほどお話のありました中期答申です。従来にない歳出問題などについて思い切った発言もしておられるわけですが、二、三のことについてお伺いをしたいと思います。 その一つは、歳出カットの問題についてまあまあ努力をしてきたというふうな評価をなされているわけですが、私どもとすればこの評価は非常に甘過ぎるというふうに意見として申し上げざるを得ないんですが、税調の皆さんが、歳出カットについて大いに努力をしている面はよくわかりますけれども、その歳出カットの結果について分析をどういうふうになされているか。 それから、いわゆる不公正税制の問題につきまして述べられておりますが、この答申によりますと一段落をしているというふうに結んでおります。私どもの記憶によりますと、税調としても長年いろんな問題について研究をされています。たとえば広告税の問題あるいは土地増価税の問題、さらにはギャンブルあるいはパスポートというものに対する研究がなされているわけですが、余りにも国民の立場からいいますとその研究が長過ぎて、いまだにお答えが出ていないのは非常に残念ですけれども、不公正税制の是正は一段落したというそれはどういう根拠があってそういう答申になったのか、その点をお伺いをいたします。 それから、かつての税調では、自然増収があった場合に少なくとも二〇%程度国民に還元した方が妥当ではないかということを答申されたことがあるわけですが、最近そういうことについて全く物を言わなくなってしまった傾向があるわけですが、その考え方の変化はどういうところからきているのか。 それから、税調の運営についてお伺いするわけですが、きょうこうやって大蔵委員会は先生方の御意見を聞いているわけですが、税調でも、たとえば五十六年度の税制改正を政府に答申するに当たって、国民の各階層からあるいはそれぞれの専門分野から資料の提供を求めたり意見の開陳を求めて、幅広く税調が国民の意見を集約をするというふうなことをなされているのかいないのか。いないとするならば、どういう根拠に基づいておられるのか。 以上、木下先生からお答えをいただきたいと思います。
○参考人(木下和夫君) ただいまの穐山先生の御質問に対してお答えいたします。第一の問題は、歳出の節減合理化に関する税調の答申の問題でございますが、御指摘の問題はまず中期答申というお言葉でございましたが、中期答申につきましては、歳出の増加率を全体として今後財政再建期間を通じてGNPの伸びを上回らない水準にとどめるというような考え方で歳出の問題を取り扱っております。 それから第二に、昭和五十六年度の税制改正に関する答申におきましては、徹底的に歳出の縮減合理化を行ってほしいということを予算当局あるいは財政当局に要請した上で私どもの意見をまとめておるわけでございまして、これで十分であるというような判断は私どもは税調の答申の中において行っているわけではございません。したがいまして、これから私個人の意見を申し上げさしていただきますれば、御承知のとおり五十六年度の税の自然増収は約四兆五千億と見積もられておったわけでございますが、しかしながら、縮減することが不可能な歳出項目が、すなわち国債費及び地方交付税でございますが、この合計が約十四兆四千億円余りでございまして、自然増収がございましてもこれを除いたいわゆる一般歳出に向けられるべき分は三十兆円余りしかなかったわけでございます。したがいまして、歳出の縮減合理化でこの三十兆円余りまで一般歳出を切り詰めていただくことができますれば、もっと広く一般会計歳出総額で申しますと、四十五兆二千億円余りまで縮減合理化をしていただきますれば、租税の増収のための一切の措置は全く必要がなかったというふうに私は感じております。 それから、第二番目の不公平税制の問題が一段落したと税調では判断をしておるがというお尋ねでございますけれども、私どもは税調としての表現といたしましては、いわゆる租税特別措置というものについてそれの整理合理化はおおむね一段落したという表現はいたしておりますけれども、一般に不公平税制の問題が一段落したというふうには書いておりません。 これからは私見でございますが、わが国における税制の不公平というものの中で最も大きなものは、所得税における所得の種類に応じての課税の不公平の問題があるわけでございまして、この問題を根本的に解決しなければやはり税制の不公平ではなくていわば課税上の不公平の問題は解決できない、それは、基本的にはやはり申告納税制度のもとにおきましては申告をする人たちの問題である。いかに罰則の強化とか記帳の問題というようなものを考えましても、基本はやはり納税者自身の問題ではなかろうかと考えて、おります。 以上は私見でございます。 それから次は、自然増のうち少なくとも二〇%を還元するというのはいわゆる中山伊知郎先生が税制調査会の会長をしておられた時代の税調の一つの基準でございました。この時代は御承知のとおり高度成長期でございまして、非常に豊富な自然増に恵まれておった財政としてはいわば非常に楽な時代であったわけでございます。で、それにつきまして物価の上昇等々に関して減税を行って調整をするというアイデアは、諸外国と違いましてわが国の場合は裁量的に行われまして、自動的に所得税の減税が行われるような措置は講じておりません。この点は御承知のとおり、OECDの報告によっても諸外国と日本との場合を対立させて説明しておりまして、日本はいわば裁量的に高度成長期にこういう減税をやってきたというふうに評価をしておりますが、ただOECDが一九七六年に発表いたしました資料を持ってまいりましたが、その中には次のような言葉が書いてございます。今後日本の経済が従来のような成長率を維持することができないで低下をする、成長率が下がってくる局面が予想される、その場合には過去二十年間に行ったいわゆる調整減税というのはとうてい行われそうにない局面に差しかかっておる、この場合には従来年々と言われるほどの減税をやっておったが、そのタイムインターバルがそれほどしばしば行うことが不可能になってきた、ということをくしくも予言をしておるわけでございますが、私は、現在の状況はまさにその状況にあるというふうに考えております。 それから第四番目の御質問は、税制調査会の運営について幅広く国民の意見を取り入れておるかというような御質問でございまして、これは御承知のとおり、ただいまの税制調査会の構成メンバーの中には広く各界の代表者が加わっておられます。その上方々から要望がございます税制改正の問題につきましては、非常に膨大な資料を私どもは会議の席上でちょうだいをいたしております。したがいまして、直接に国民の代表の方が税調の席に並んでおられるというわけではございませんけれども、いまのメンバーの構成から申しまして大体国民の御意見と言われるものを代表される方々が審議に加わっておられるということは私は否定できない。現在の制度のもとではそれが最も望ましい方法であると考えております。 以上お答えいたします。
○穐山篤君 この所得税の問題について木下先生並びに吉牟田先生にお伺いするわけですが、昭和五十六年度の自然増収四兆五千億円程度あるわけですが、そのうちの半分は勤労所得税の増収ということになっているわけです。これに対する勤労者の意見というのは御案内のとおり幾つかあるわけですが、いま課税最低額が標準世帯で二百一万五千円ですか、に抑さえて税率構造そのまま変わっていないわけですね。ところが、年々勤労所得者も名目的には賃金の水準が上がっていくわけです。そのために源泉所得者にかかります税というのは非常に高くなってまいりまして、これを直せ、返せというふうな御意見がたくさんあるわけですね。課税最低額の引き上げの問題について、今日のような状況でいまの標準世帯二百一万五千円というのが適当であるかどうか。 それから税率の刻みの問題ですが、非常に細かくなっておりまして、階段が多いということはそれだけ所得が上がりますと納税金額も高まるということで、その刻みをもっと幅広くしたらどうか。ある意味では調整減税のような意味も含めてそういう御意見が非常に強いわけですが、その点についてお二人からお願いをしたいと思うんです。
○参考人(木下和夫君) ただいまの問題につきましては、所得税プロパーの問題とそれから物価調整の問題をどう配慮するかという二点が同時に御議論の中にあったと解釈いたしますが、物価調整減税の問題については先ほども申しましたので、これ以上繰り返すことをやめますが、所得税プロパーの問題といたしましては、わが国の所得税の税率構造と申しますのは、一般に非常に累進度のきつい税であると言われております。しかしそれは累進度をどの辺の所得階層について考えるかによってずいぶん違いまして、少なくとも中所得層から以下の所得層については累進度はそれほど大きくございません、それ以上の所得層について累進度が高いという姿は、私は非常にいい所得税の税率構造であると考えております。もし名目所得の上昇に伴って税額が増大することが好ましくないという一般論を主張いたしますならば、累進課税をやめなければならない、極端に申しますれば累進課税をやめて、フラットの一律の税率にしなければならないという矛盾がございます。したがいまして、私どもの考え方は所得税における累進性というものは維持したい。で、維持した上で、いま仰せの低所得層の部分に関するいわば所得階層の刻み、特定の税率が適用される所得階層の刻みをもう少しなだらかにすると申しますか、もっと広くする。そうすれば所得がかなり上がっても税額がふえることがない。言いかえれば、同じ税率が適用されるから急速に税負担がふえることにならないので、そういう方法があるではないかという御意見だと思いますが、実はいまのように刻みを細かくいたしましたのは、累進課税であり、しかも低所得層に負担がかからないように工夫した結果でございまして、それをもとに戻してよろしいものかどうか。これはやはり所得税の再分配効果というものをどう判断するかいかんによると思います。もちろん、今後税率構造については改めて検討を続けてまいりたいと思います。
○参考人(吉牟田勲君) いまの二つの問題でございますが、初めの課税最低限の問題につきましては、財政の状況等がこういう状況でなければあるいは考えるべきだという意見もあり得るのかもしれませんが、現在のような状況であれば現在の水準というのはやむを得ないんじゃなかろうか。私、非常に外人の方と接する場合が多いんですが、何かやはり外人から見ると——日本の国内で見ますと私もかなりいまの所得税の負担は低いとは余り思われないような気がするんですけれども、何かやはり外人は非常に日本の所得税負担は安いと、こう言っておりまして、そういう点から考えますと、やはりいま直ちにということは考えなくてもいいんじゃなかろうかというふうに考えます。 それから、税率刻みの問題でございますが、木下先生がかなり詳しくお話しございましたが、私も結論だけ申しますと、むしろやはりいまの初めの二%の刻みのまま刻みの段階は調整を必要とするある段階で上げる、いまの刻みを金額を上げることは必要であろうというふうに考えます。
○穐山篤君 お二人の先生にさらにお伺いしますが、源泉所得あるいは申告いろいろ種類がございます。世間ではクンロクとかいろんな話が出ているわけですが、所得の正確な把握という面でいきますとサラリーマンというのは逃げ場所がないほど正確ですね。それから、農業所得の場合も最近では都市の労働者と同じほぼ近い所得水準になりつつあります。それからフリーの事業者につきましては、これは業種によってずいぶん違いがあるわけですが、なかなか所得の把握が率直に申し上げて非常に困難です。困難ということはある意味でいきますと、御本人にしてみますとずいぶん節税に工夫をしている面もあるやに思うわけです。ところが不公平感とかあるいは重税感というのは、相当もうかっているにもかかわらず税金を納める額が少ないあるいは納める人たちが少ない、そういうところからサラリーマンの不満が出るわけですね。その所得の捕捉について何か特別のお知恵がありましたならばひとつお伺いをしたいと思うんです。 それから所得は、たとえば三百万円程度のサラリーマンが片方でおる。雑損控除があったにいたしましてもそれは微々たるものです。ところが、農家の方で三百万、四百万の収入がありましてもかなり控除を受けるわけです。経費で落とすことが可能ですね。それは一般の事業者も同じです。一番悪い例を申し上げますと、ある農家で購入しました外車ですね、外国のマイカーも経費で落としているというそういう事実もあるわけです。そういう中で、そういうことを容認をしておきますと不公平あるいは重税感というものはなかなか払拭をされない。ですから、この経費の落とし方の問題についてもっともっと厳密に行え、あるいはもっと枠を小さくすべきではないかという一方の意見もあるわけです。そういう点についてあわせてお伺いをしたいというふうに思います。
○参考人(木下和夫君) 前段の御質問でございますが、実態は仰せのとおり御指摘のとおりだと思います。で、ただこれを是正する方法いかんということになりますと、私が妙案があるわけではございませんが、基本は先ほど申し上げましたように、申告納税制度のもとにおける申告者自体の問題であるというふうに考えております。それで、したがって問題をそのままにいたしますと、いつまでたっても是正できないという悲観論に逢着するわけでございますけれども、ただ税の仕組みの仕方によっては所得がガラス張りになるというような税を考える二ともできないわけではございません。実は、私個人は国会では全く問題にならずに死んでしまったのかどうかわかりませんけれども、例の悪名高い一般消費税、これは原型はヨーロッパの付加価値税でございますが、この税を勉強いたしました十数年前の私の感触といたしましては、この税の導入は少なくともいま仰せの不公平を是正する、大幅に是正する一つの手段になり得る、税収の問題やその他は一切別にいたしまして、そのような感じで私はやむを得なければこういう税を採用することによって税収目的ではないという立場からでもこれは是認ができると思っておったわけでございます。その後、残念ながらこの税の導入が財政再建問題と絡めて議論されるようになりまして、税制そのものの改善ということを離れてまいりましたので私の志とは若干変わってまいりましたけれども、しかしこの一般消費税という仮称の税調の提案に対して猛烈な反対がございまして、私はこれをどうするという問題は考えておりませんけれども、その場合に言われておりますのは、しばしば実は所得がガラス張りになるからいけないんだというお話もジャーナリズムの方などから伺いますと、一体どうしたらいいのかということについて私は手がないと申し上げるよりほかはございません。 それから第二の問題は、給与所得者に対する控除の問題とそれから営業なさっておられる方のいわば経費の控除の問題との間に不公平があるんではないかということだろうと思いますが、やはり営業されておる方の所得というのは、売上金から経費を除いた残額がネットのインカムと申しますか利潤ということで課税対象になりますけれども、給与の場合にはその控除と必要経費というものの考え方が営業の場合と若干違うわけでございます。したがってもうずいぶん前から実額控除に切りかえるという御意見もあるわけでございますが、ただ諸外国の例を参照いたしましても、諸外国では実額控除をそのまま認めて、そして非常に大幅の経費を控除しておるかのような錯覚がございますけれども、実は非常に厳重で、実額控除と申しましてもいまの日本の給与所得控除よりも大幅になっておるという事実はございません。したがいまして、納税者としてむしろ単純明快な方法と、しかも相当かかった費用をカバーできるような給与所得控除の方が私は現在のところはすぐれた制度であるというふうに考えております。 以上でございます。
○参考人(吉牟田勲君) 把握の問題は、この制度の問題あるいは行政の問題両面にまたがる問題というより、私はどちらかというと行政の問題のような気がいたしますが、しかし制度としてどういうことが考えられるかという観点から考えてみますと、かなり所得者間のアンバランスという問題はフランスやアメリカ等でも問題になっておりまして、アメリカではたとえば給与所得についてだけ所得税の最高税率を五〇%でとどめるというようなこともやっております。まあこの制度でどこまでこの問題が片づくか非常にむずかしい問題だというふうに考えますが、それが一点。 それから把握をする何か新しい方法がないかということでございますが、私いまなお欠けているかと思いますのは、いろいろな課税資料の収集について、たとえば支払調書等をもうちょっとふやした方がそういう把握という点では非常に進歩するんではないかと思いますが、一方、そうしますと国民の方からは何か非常に権利の制限、義務が課されたり、あるいはプライバシーというような問題等と絡むような発想が出てくるようでございまして、しかしやはりプライバシーの問題は守りつつできる課税資料というのを広げていくことが必要でなかろうかというふうに考えます。 それから経費の拡大傾向というような問題、あるいは所得の縮減傾向と申しますか、そういうことに対して何かないかということでございますが、どうも結局はこの経費の拡大というのは租税特別措置というかっこうで本来損金とか必要経費にならないものが落ちていくというようなことと絡んで考えるべきかというふうに考えますと、この租税特別措置の縮減を進めるというようなことになろうかと思いますし、それ以外では余り普通の経費について制限すると申しますと、せいぜい事業に関係のない経費はこの事業の収入からは引かない、現在もそういう考え方であるようですけれども、たとえば所得税ではかなりそういう考え方があるように思いますが、法人税なんかでそういった考え方を進めれば少し効果があるかどうか、そういったことを考えます。私の意見はこういうところでございます。
○穐山篤君 木下先生にひとつ御感想をお伺いしたいんですが、国会は、いろいろな紆余曲折がありました結果、与野党の間で妥協が成立をしまして、昭和五十五年度決算が実際に明確になりますのは七月ごろでしょうが、残った金は戻しましょう、こういう妥協が成立したわけです。税調という専門的な立場から見ますと特別な御意見もあろうと思いますけれども、御意見というよりも御感想を、こういうものとその税調の作業とを比較をしてどういう御感想を持っているか、その点一点お伺いします。
○参考人(木下和夫君) 税制調査会におきまして、昭和五十六年度の所得税のあり方に関して、物価調整減税を行うべきであるという御意見が委員の中から強く出されたことは事実でございます。また私どもも、それに多くの時間を割いて論議をいたしました。しかし現在の財政状況のもとで、しかも現在の日本の所得税の仕組みというものを前提にいたします限り、五十六年度については所得税減税は見送らざるを得ないという結論に到達したわけでございます。ただしその後、いま御指摘のように、五十五年度の剰余金の範囲内での所得減税について国会におきまして議長裁定があり、その後六党の国会対策委員長会談の合意が成立いたしまして今後措置されるということについては、税制調査会は何らここで意見を差しはさむものではないというふうに思います。 それから、これからは私の個人の意見でございますが、実は財政法第六条というものは、財政の運営を健全にいたしますために、剰余金が出ました場合その二分の一を下らない金額は公債償還の財源に充てるということになっておりまして、このことを、あえて例外を、特例をおつくりになってこの減税に充てられるということよりも、歳出を削ってそうしてその分だけ所得税を減税なさるのが筋ではなかろうかと私個人は考えておりますが、これもなかなか言いにくいことで、このぐらいでとどめさせていただきます。
○穐山篤君 はい、どうもありがとうございました。 吉野先生にお伺いしますが、郵貯問題を先ほどお話になりました。公平に見て消費者の立場から言いますと、サービスがよくて便利で安定した方を選択をするというのは当然だと思うんですね。その意味で言いますと、都銀にしろ地銀というのはげたばきで入れない厳しさを持っておりますし、郵貯の方は気軽に預け入れができる、あるいは下げることも非常に容易にできる、そういうことも現実にはあるんじゃないかと思うんです。仮に官営の郵便局が民営の郵便局になってもそのことは同じだと思うんです。言いかえてみますと、都銀なり地銀なりその他金融機関がややあぐらをかいてきたのではないかという見方もできるわけですが、その点を一つお伺いします。 それからコストの問題を考えてみますと、郵便局というのはどこにでもある、二万二千ヵ所ですか。ところが市中銀行になりますと、一等地で相当びっくりするようなビルの中に構えている。非常にコストが高い。中には、最近比較をする人がありまして、銀行の人件費というのは他の勤労者に比べて二、三割高い、こういう指摘も数字の上から言われているわけです。したがって民間の金融機関ももっとしっかり原点に戻るべきじゃないか、こういう意見があるし、あっても当然だと思うんです。その点についてお伺いをいたします。 それから、御案内のとおりアメリカは、失業率にいたしましても、インフレ率それから金利、いずれも二けたですね。特にアメリカから海外に出ておりますアメリカ系の多国籍企業が持っております資金というのは膨大なものです。アメリカの金利二〇%ですか、これなかなか下げづらいという意見の中には、外国に進出しておりますアメリカ企業から相当な圧力がかかっていて金利を下げることが全く政治的に不可能だという説も流れているわけです。そういう点についてどういうふうな御見解あるいは分析をされておりますか、それが二つ目の問題です。 それから、外務大臣が自動車問題でアメリカから帰ってきまして、いずれこれについてのいろいろな相談がされると思いますが、この六月開かれますサミットにおきまして国際貿易あるいは国際金融という非常に高い次元の話が準備されているのではないかというふうに思います。国際貿易のことは別にいたしましても、国際的な金融のあり方の問題について先進諸国がいずれも成長率が非常に弱い、インフレが非常に高い、失業者がかつてなくふえつつある、こういう分野から見て、国際金融でこれから日本はどういう点を特に配慮をしていかなければならないのか、先生の御意見をお伺いをして終わりたいと思います。以上です。
○参考人(吉野昌甫君) お答えいたしたいと思います。 御質問は三つございまして、そのうちの第一点は二つに分かれるかと思います。 一つは、民間の金融機関の努力不足はないだろうかという点であろうかと思いますが、確かに商品の開発面で法人企業中心の考え方というのが民間の金融機関には強くて、個人に対する対応といったものの努力がある時期おくれたということはあると存じますが、しかしオイルショック以後法人企業の方の資金需要が非常に衰えてきまして、法人の預金それから需要も衰える。で、民間の金融機関自体の、ピープルズバンキングと申しますか、民間の個人の場での金融の今後の成長といったことに対する熱意というのはオイルショック以後は非常に強いというように私は考えております。 それから第一点のうちの第二番目のコスト問題でございますが、御指摘のような、人件費それから物件費が民業に比べまして官業の方がどう見ても安いんじゃないかというお話で、資金の流れは安い身軽なところへ行くだろうというお話であろうかと思いますが、その点確かに直接の比較はなかなかむずかしくて、はっきりした数字の上でお答えできる性質のものではございませんが、二つの点が問題になろうかと思います。第一点は、やはり官業の面では資金を吸収するという側面だけでなしに、資金運用がらみでの問題が入ってくる問題じゃないか。要するに資金を集める方での物件費、人件費、それから資金を運用する方の側面での人件費、物件費といったものを込みにして比較検討するということが重要ではないかというのが第一の点でございます。第二の点は、これは資金を吸収するという側面だけを考えましても、民間の金融機関の資金コスト、要するに資金を集めますときのコストの大きな割合は、大体六〇%前後の割合というのは預金利息でございます。で、人件費それから物件費、税金といった経費は四〇%で低いと、普通の製造業なんかですとこれが逆になると存じますが、金融機関の場合は資金コストの内訳が一番高いのは預金利率に左右される預金コストということで、経費率の面での資金吸収面での節約といったことと、預金吸収面での預金利率面での割り高といったことの対比が非常に重要になってくると存じます。 それから今度は、第二点の問題であります多国籍企業といったような側面から金利を下げにくいのではないかという御質問であろうかと思いますが、金利につきましては、国際間での金利の決定というのは御存じのように為替相場の変動、それから先物為替でのカバーといったようなものを込みにしまして一国際間での金利の決定ということは行われてまいります。ですから、国際間で割り高な金利であるからといってそこへ直ちに資金が流れていくとか、それから海外の金利が割り高であるからその金利に合わせて日本の金利を高目に維持しなければいけないといったような考え方というのは、固定相場制のときには妥当すると存じますが、変動相場制、特に最近のように為替相場の変動が非常に激しいそういった事態の中では、簡単には比較しにくい問題であろうと思います。 それから第三の問題でございますが、国際金融の場の甲で日本は非常に失業率も低い、それから物価も比較的安定的である、海外と比較しまして日本は今後国際金融の場の中でどういった方向をとるべきであるかという御質問であろうかと思いますが、その点につきましてはなかなかむずかしい問題で、必ずしも的確なお答えではないと存じますが、要するに日本の場合、海外と比較しまして金融政策の側面で非常に特徴がありますのは、海外の場合は要するにマネーサプライを第一にコントロールするようなそういったマネタリスト的な傾向が非常に強い、そして対外的な側面と申しますか、国際収支の均衡に対する配慮というのが海外の場合は比較的弱くて、その側面では為替相場の変動等に任せて国内に対しては国内均衡主点でいこうというのが従来の傾向であったのではないかと思います。そのひずみが、言いかえてみますとインフレーション、そしてそのインフレを抑え込むための非常な高金利、そして失業の発生といったスタグフレーションの問題につながってきたと思うわけでありますが、その点日本の従来の伝統は、国内の金融を考えます場合にも絶えず国際収支ないしは国際競争力といった側面の影響力、これは日本の輸出、幾らか輸出偏向的な産業構造の性格にもよると存じますけれども、海外に対する均衡指向型の体質と、それからインフレに対して国民が非常に敏感に対応する、そういった金融政策面に対する国民の合意の反映と、そしてそれに対してきめ細かい金利政策の運用といったことが日本の場合行われてきたと、この伝統をこれからも崩さないように保持していくということが大事ではないだろうかと、こう思います。お答えになっているかちょっと自信ございませんが。
○多田省吾君 本日は諸先生には大変御苦労さまでございます。 まず、木下先生に二点お尋ねいたします。 一点は歳出削減についてでございます。五十六年度予算は、税制調査会で提言された国債二兆円減額、あるいは一般会計予算の伸び率もGNPの伸び以上にはなりましたけれども、一けた以下の伸びということは一応は答申に沿った予算といわれております。しかしながら、税制調査会でおっしゃっているところの「歳出の節減合理化の要請」というところには既存の制度、既定経費についての厳しい見直し、勇断をもった行政改革の実現、それによって歳出の節減合理化に努めることを強く望むと。財政再建は単に特例公債や借入金等への依存の解消にとどまることなく高度成長期に生じた歳出の増加傾向そのものを是正するものでなくてはならない。この努力を欠いたままの税制の充実を図ることは、かえって財政の肥大化をもたらすことに終わる懸念がある。私は、今回の予算はこの懸念に当たったような姿ではないかと残念でならないのです。木下先生御自身としては歳出削減について具体的にお考えがあったら教えていただきたいと思います。 それから第二点は、所得税減税についてでございます。御存じのようにアメリカのレーガン大統領は三年連続所得税の一〇%ずつの引き下げを実施に移すことになりまして、これによりますと課税水準は相当に下がりましてわが国との格差もなくなってしまうわけでございます。そしてレーガン大統領は大幅減税の理由として、かえって内需を拡大し、税収増加が減税分以上に期待できると、このように言っております。われわれも少なくとも物価調整減税程度はやるべきであるということを主張してまいりましたが、残念ながら入れられなかったわけでございます。で、経済の状況を考えましても、御存じのようにいま景気は非常に冷え込んでおりまして、四月期と言われたのが七月期までどうも景気の回復は見込めないというような姿もございますし、特に個人消費や内需が非常に冷え込んでいる。自動車の問題等で輸出もこれから期待できない。また設備投資等も中小企業につられて大企業の設備投資もちょっと低目である。いろいろな理由があります。われわれはやはり国民生活を豊かにし、また個人消費を図り経済の拡大を図るためには、どうしても所得減税による以外にはないんじゃないか、で、わが国では課税最低限の問題はありますけれども、やはり年金とか、社会保障とか、国民に還元される分を考えますと諸外国と比べて非常に低いわけでございます、そういう点からこういう理由は成り立たないと思います。 それから所得税につきまして、関連しますけれども、大蔵大臣が今度の利子・配当所得等の総合課税にちなんで累進税率を緩めたいというような意向を言われたとも伝えられておりますが、やはりわれわれは、低所得者層の税負担の苦しみから考えれば高所得者層の累進税率を緩めるという必要は毛頭ないのではないかと思いますが、あわせてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○参考人(木下和夫君) 歳出の節減につきましては中期答申及び五十六年度の税制改正に関する答申で、いずれも御指摘のように強く縮減合理化を要請いたしまして、その上で初めて税の問題を考えるという理論構成をしております。 具体的に御質問の趣旨というものを私が解釈いたしましたのは、五十六年度の歳出について税制調査会の立場からこれをどう評価するかという御議論かと思いますが、これにつきまして、五十六年度の予算が決まりました後で税制調査会を開催したことはございませんので、委員の皆様が歳出の削減の程度についてどのような評価をなさっているかは私はいま知る曲もございません。したがいまして、私個人の見解を申し上げさしていただきますれば、あらゆる経費の根底からの洗い直しとかあるいは従来積み重なってきた既存の制度の打ち切りとか再検討というようなことを含めまして、今回の歳出の削減への努力は、非常な財政当局の努力にもかかわらず残念ながら不十分であるというふうに考えます。その結果が、既存税目の枠内でいろいろな手段を使って増収措置を講じたという非常に苦しい立場に私どもは置かれたということを申し上げておきます。 それから第二番目の、所得減税の問題で、関連いたしまして米国における所得税減税の動向を御指摘いただいたわけでございますけれども、米国の場合、いまスタグフレーションの実態とそれから企業の創意、努力、意欲の欠乏、生産性の低下あるいは技術革新の積極的な導入への怠慢等々が重なりまして、わが国の現在置かれております経済状況と米国の場合とはかなり話が違うのではないかと思います、その上に、最近流行の供給面の経済学というものが大統領の施策の後ろにございまして、これは言いかえれば法人税の減税によりあるいは償却期間の短縮によって設備投資を促進する、個人の貯蓄を増強するために貯蓄に対しては減税を行う等々の方法をいま打ち出しておるわけでございますけれども、このような方法がわが国にそのまま輸入されるべきであるとは私は考えておりませんし、しかもそのような方策を米国がとりまして果たして結果がいいことになるかどうかは、これは米国の学界における議論を見ましても、賛否両論非常に強く対立いたしております。特にその中で、税率を下げればかえって税収がふえるといったたぐいの議論をある学者が主張しておりますけれども、これに賛成をする人は非常に少ないということもあわせて申し上げておきます。 それから第三には、景気対策の絡みもあって所得税の減税を検討すべきであるという御議論でございますが、ただいまのところ、御承知のように財政、特に歳入面で歳入を減らすような措置を行ってまで景気対策に積極的に立ち向かうという余力はないと判断をいたしております。したがってそれ以外の方法、たとえば先般打ち出されました総合的な経済対策等の中に含まれますいろいろな問題、とりわけて金融政策を中心として、いま落ち込んでおります景気をなるべく早い機会に立ち直るように仕向けていく以外に目下のところは手がないというような状況ではないかと私は判断をいたしております、したがって個人の所得税を減税して、——御指摘は恐らく個人の消費支出を拡大するということをねらって御主張なさっての御発言と推測いたしますが、個人の消費を決定する要因の中にはもちろんさまざまのものがございまして、税引きの可処分所得の増加は確かに個人の消費を刺激する一つの要因でございますけれども、そのほかにたとえば物価が安定化すれば個人の消費は上向きになるという傾向もございます。したがいまして、個人消費の動向につきましては、可処分所得をふやしさえすれば直ちに個人消費が目覚ましく増大するというような判断も私としてはなかなか下しがたい、したがって景気調整という意味での所得減税ということについては、それほど、これを実行すべきであるというような積極的な見解は少なくとも私個人は持ち合わせておりません。 それから、大蔵大臣が総合課税の実行を契機といたしまして累進率の緩和云々ということについて御発言をなさったそうでございますが、税制調査会としてはこの問題をまだ取り上げておりませんので、恐らくそれは将来の問題になろうかと思います。 以上でございます。
○多田省吾君 木下先生にもう一点お伺いします。 やはり所得税減税の問題でございますが、御存じのように本年度の消費者物価は恐らく七・八%に上るだろう、政府の初めの六・四%を大幅に上回った結果になります。その結果実質賃金は非常に目減りをしている、そういう姿に確定的になったわけでございます。それでもなおかつ昭和五十七年度以降においても物価調整減税すら必要ないと、そのように思われているのか。 また一説には、新大型間接税と抱き合わせで大蔵当局が物価調整減税をあめ玉的に使おうというような報道もなされたわけでございますが、それすら見込めないような姿であると。もちろん私たちは大型新税に対しては強く反対しておりますが、やはり五十七年度以降の物価調整減税というものは大蔵当局もまた税調もほとんど無視しているような傾向がありますが、私は非常にこれはよろしくないと思いますが、木下先生のお考えはどうですか。
○参考人(木下和夫君) 名目所得の増加にもかかわらず税負担が増加するために実質目減りであるということの御指摘がございましたが、この問題につきましては、先ほども穐山先生の御質問に対してお答えいたしましたように、歳出の不足しかも依然として赤字国債を抱えておるような状況のもとで、本来ならばやりたいけれどもやれないというのが実態ではないかと思います。したがいまして、五十七年度以降において考えるかという御提案でございますが、これは税調の皆さんに御相談をしなければなりませんけれども、私個人は、五十七年度以降にこの問題を考え、改めて検討することが必要であろうと思っております。 それから第二は、新税の導入と抱き合わせで物価調整減税をやるというような意向が大蔵省当局にあるやにうかがわれるような御発言でございましたが、私はその点は全く存じておりません。それはむしろ、仮にそういうことがあるかどうかもわかりませんが、仮にそういう新税を導入いたしましたときに、所得税に導入される新税の姿によっては所得税の減税あるいは所得税における改革というものを考えねばならないだろうという感じは私は十分持っております。 以上でございます。
○多田省吾君 ありがとうございました。 吉野先生に二点お尋ねいたします。 一つは、グリーンカード制度導入についてでございますが、五十九年一月から実施されることが決定されておりますけれども、最近になりましてその見直しの動きが出ているわけでございます。その理由としては、一つは、換物の動きが活発化するとインフレにつながりかねない、二つは、先生おっしゃったように、税金逃れのために海外に資金が、金や不動産等に流れるのじゃないか。先生は世上言うほど影響ないとおっしゃっておりますけれども、こういった理由で見直し論がまた非常に持ち直したように思います。このグリーンカード制度での税収見込み額は、大蔵省で五十六年度ベースでは国税分七百億円、地方税分千二百億円、合わせて千九百億円と言っておりますが、もし見直し理由のような影響があるとすればどのくらい減収が考えられるのか、感触で結構ですからおっしゃっていただきたいと思います。また、その防止策は何か方法が考えられるのかどうか。私もこんな理由で見直しをすべきではないともちろん思っております。 それから第二番目は、金利決定の一元化について先ほどもお話ございましたが、日銀総裁等は大蔵省や郵政省を暗に批判して、ぜひ一元化が必要であると強く言っておりますが、その点どう考えられますか。
○参考人(吉野昌甫君) お答えいたします。 最初のグーリーンカード問題につきまして、換物、要するに書画骨とうそれから不動産、金といったような問題に対して金融資産から資金のシフトが起きるんじゃないか、そのために金融資産が減って、それとインフレーションになるんじゃないかという議論でございますが、これは私自身は、こういった影響というのは余り強く考えられないという考えを持っております。 それから第二点の、海外に対する資金の流出でございますが、意外と外資の、個人の預貯金の海外に対する流出の受け入れというのは、われわれが考えておるほど簡単な問題ではなさそうですし、それからこれは結局、かなりの資金を動かさなければ海外に税金免れの資金を移動する意味はございません。そういった点で、この二点の面から考える限りで、不公正是正面での経費の増大といったものの影響は、私どの程度になるかはっきりしたことは申せませんが、いままでの資料なんかを見ている限りでは大きな金額になるというようなことは考えられないと思います。したがってそれに対する防止という問題は余り強く考える必要はないんじゃないか、要するに現在の法制といったもの、それから行政といったもので厳しく取り締ってもらえば十分じゃないかと思います。 それから、第二点の一元化でございますが、大蔵省、日銀といったところがこの問題に対して一元化の推進といったことを主張していると、それに対してどうかという御発言でありますが、私自身は、先ほど口述いたしましたように、この立場に対しては賛成の立場をとっております。
○多田省吾君 ありがとうございました。 最後に、吉牟田先生に二点ばかりお尋ねしたいと思います。 法人税の累進税率導入の反対の理由として、一般的に累進税率は法人税になじまないとか、あるいは税負担回避のために会社分割を招くおそれがあるとか、企業の規模、形態に差別的に働くおそれがある、このように言われておりますけれども、吉牟田先生には累進税率への移行についてどう考えられておりますか。 それに関連いたしまして、先ほど先生は法人税率はあと二%ぐらい配当軽課措置込みなので増収できるんだとこうおっしゃって、貸し倒れ引当金なんかも実績率のみでいいではないかと、やはり退職給与引当金なんかもまだ高いし、大企業のみが有利に運用できる法人税制内のいろいろな優遇措置がまだたくさんあるわけでございまして、そういった点を考えると、諸外国と比べてもまだまだ法人税は日本の大企業の場合は緩いんだと、こういうふうに私は考えますが、その点いかがでございますか。 それから第二点は、これは時間の関係もございますから簡明で結構でございますが、吉牟田先生の「法人税加算調整方式の問題点」という論文を拝見させていただいたわけでございますが、その効果について八項目にわたって検討されているわけでございます。現在の財政事情の厳しい中でこの方式を採用した場合、税収はどうなるのか。大蔵省でも試算されておりませんので、傾向性だけでもお聞かせいただければありがたいと思います。 この二点、お願いします、
○参考人(吉牟田勲君) まず第一点の法人税の累進税率に関する問題でございます。やはり私は、累進税率につきましては法人にはとらない方がいいんじゃないかと。と言うのは、理由は幾つかまさにおっしゃいましたけれども、まさに個人というのは一人一人が自然人同等の立場でございまして、それに所得が、たとえば百万円あれば生活費は賄えるとしますと、百万円を超える部分については幾らたくさん取っても、まあ極端に言うと月百万円を保証しますと、あとは一〇〇%取ってもいいというような議論になり得ると思いますけれども、法人の場合には、新日本製鐵なら新日本製鐵という資本集合体という観点から考えますと、魚屋さん五十万の会社と資本金五千億円の会社とが、たとえば同じ金額をもとにして税率をだんだん上げていく、同じ金額とは言わないよと、あるいは資本金に対する一定率とか売上高に対する一定率を段階にするという累進税率はどうかと、いろいろ累進税率と言っても単に金額だけではなく、多田先生もお考えなのかとは思いますけれども、やはりどうもそぐわないのではないかという気持ちを持っております。ただ、ちょっとそれと、したがいまして法人税の税率というのは基本税率というのがちゃんとあるべきだと思いますが、現在も今回七百万から八百万円に上がります中小法人の軽減税率があるわけですけれども、これは基本税率があって、その基本税率より下の方で配慮をするというのは累退税率と——財政学では木下先生の方の御専門ですけれども、申しているようですけれども、累退税率はまた別個いろいろ考える余地はあろうかと。要するに先ほど申し述べましたように、所得税の個人事業の税率とにらみ合わせながら、それより余り甘くなってもまずいと思います。そういう意味も含めまして考える余地があろうかという気はいたします。 それから、加算調整方式、要するにいわゆるインピュテーション方式についての結果が、やったらどうなるだろうかということでございますが、これは本当に法人税率をどういう税率にするかということと絡んでおりまして、たとえば西ドイツでは五一%と配当軽課が一五%だった税率を五六と、基本税率、法人税率を五六にしまして、配当分を三六というふうにやったわけで、そういう税率、法人税率をどうやるかということと絡んでおりまして、私の論文のことを話してもしようがないんですが、論文では税収を変わらないようにするためには税率を幾らに上げたらいいかという計算を実はやっておりまして、そういう意味では税率をむしろ引き上げる、法人税率を引き上げるという前提で税収は減らないような方法を考えるべきではなかろうかと思っております。
○多田省吾君 結構です。
○近藤忠孝君 最初に木下先生にお伺いしますが、税調は普通の審議会と格が違うと、権威ある審議会だと言われておるわけです。答申の法制化率が高いと、それだけ私は重要な審議会で、そうであるだけに、そこでどういう審議が行われているのかということは大変国民の知りたいところです。 そこで、この税調の公開を求める声が大変強いことは御承知のとおりであります。これについては小倉会長も新聞のインタビューでこう言っておるんですね。「審議の内容を公開にすると、委員が自由なふん囲気でものをいえないということもある。しかし、情報公開の機運が進んでくれば、議事録を閲覧させるぐらいの仕組みはできそうだな。」と、一応そういう方向が出ていると思うんですが、ただ問題は、自由に物が言えないとおっしゃるんですが、これはそういうことないと思うんですね。それぞれの立場を代表しておられるりっぱな方々ですし、現に木下先生も先ほど言いにくいとおっしゃりながらちゃんと言うべきことはおっしゃっているわけですから。またそうあるべきだと思うんです。ですから、私はここで公開を進めるべきだと、こう思うんですが、それについてのお考えをお聞きしたいと思うんです。 そこで、私思うのは、公開がなかなか進まない原因は、一面これは新聞でも別の角度から大蔵省の隠れみのではないかと、この記事の見出しだけ見ましても、審議が「大蔵省振り付け通り」進んでいく、「議事の時間割まで」、こうなっていますと、この中身を公開しますと大蔵省の言いなりにずっと進んでいることが表へ出てしまって、結局出てくるものは大蔵省の言っていることじゃないかと、そんなことが出てくることはまずくて、それで公開しないのか。その辺はいかがなんでしょうか。大変言いにくいことを申しましたけれども、どうでしょう。
○参考人(木下和夫君) 政府税調の委員は、御承知のとおり総理の任命に係る問題でございますので、私自身が委員の構成をどうするというようなことに差し出がましいことを言うことはできませんので、その点は御理解願いたいと思います。 現在の与えられた委員の構成の姿を見てみますと、学界や言論界を初めとして、労働組合の代表の方あるいは報道関係の代表の方、あるいは消費者団体の代表の方等々を網羅しておりまして、私はこれでメンバーの性質について特殊の偏向があるとは考えておりません。ただ非常に権威のある調査会、審議会であるかどうかは、これはもう皆様の御判断によるわけでございまして、運営の問題につきましては、会長と絶えず御相談を申し上げてやっておるわけでございますが、御承知のとおり、総会とそれから特別部会ないしは小委員会というような形をとりまして、いわばタスクフォースというようなものを中心にしてやります委員会が小委員会あるいは特別委員会でございますが、常に御議論の内容を報告いたしまして総会での皆さんの御意見を伺い、また持ち返って特殊専門的な論議をしていただくというのの繰り返してございまして、とりわけて昭和五十六年度の税制改正に関する審議をいたしましたときには、その小委員会に提出されました資料はその次の総会に全部委員の皆様の机の上に並べまして、それに関する御説明もいたしておるわけでございます。この点は数年前の運営のやり方よりもずっと民主化されているという言葉が適当であるかどうかわかりませんが、そのような方向に進んでおります。 それから、先ほどこれは触れましたが、国民各層からの税制改正に関する要望は非常に膨大なものになりますが、それも委員の手元にすぐ印刷して渡されておる状況でございます。 それから、非公開になっておりますのは会長も御指摘であったというお話がございましたが、やはり本来なら個別的立場に制約されないで、広く国民的立場に立って自由に討議をしていただきたいというのが趣旨だと思います。で、その場合に、公開するということがいまの自由な討議にプラスになるかどうか私にはなかなかわかりませんで、私の実感をまことに僭越でございますが申しますと、やはり後ろに団体を持っておられる方は、その御本人がどう考えておられるかは別にいたしまして、団体を代表する意見になるということでございます。これはやむを得ないと思いまして、その個人としての御意見を私は承りたいわけでございますが、なかなかそうはいかないので、やはり団体の利害の立場を代表なさいますので、そのまま御本人がそう考えていらっしゃるのかどうかは非常にむずかしい。たとえば私が本日出てまいりまして、個人の意見と前置きをして申し上げるべきことは私は自由に発言さしていただいておりますが、税制調査会会長代理として意見を問うと言われた場合には言いたいことも言えないということはたくさんございます。やはりそこらの問題というのは、これは公開をいたしましても依然として残るのではないかと思います。 それから、公開に近づけるためにいろんな努力をこれからもいたさなきゃならぬと思いますけれども、何分、税の問題というのは相当専門的な知識が要ります。特に法人税につきましては非常に積み重ねた知識がなければ議論ができないという問題がありまして、ただ感触といいますか、感じとか一般常識でなかなか議論をすることがむずかしいような特殊の知識が要る分野もございますので、それを一般国民に直ちに審議のプロセスで説明をしていくということは事実上技術的に非常に困難でございますし、それから諸外国の税制調査会に類するいろいろな審議会を見ましても、やはり学界と官界とそれから実業界と、たとえば法人税でございますと税理士とか公認会計士に当たる方々の代表というような方々で構成されたところで議論が進められておりますので、私は現在の税制調査会の審議や構成というものについてほぼ満足すべきものと思っております。
○近藤忠孝君 いまのお話聞きましても、私、公開されましてもそれぞれりっぱな方であれば自分の意見も率直に言えるんじゃなかろうかと思いますので、御検討いただきたいと思うんです。 それから、時間の関係でもう一点だけお聞きしますと、先ほど多田委員の御質問の中で、五十七年以降に改めて大型消費税の問題について検討をしたいというんですが、鈴木総理の方は本会議質問で、それからまた渡辺大蔵大臣もそうですが、この大型消費税については念頭にないとおっしゃったんです。それから鈴木総理はもっと徹底して、再び念頭には上らないと、こうおっしゃったんですね。そうなれば、私、税調でこの問題審議の対象にすべきではないんじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(木下和夫君) ただいま五十七年度以降云々と私が多田先生の御質問に対して申し上げた問題は、所得税の減税あるいは所得税の改正について五十七年度以降に問題になることがあるだろうと申し上げまして、大型の消費税についてお話したわけじゃございません。 それから、総理がそのようなお話をなさったということでございますが、総理がそれほど自信をお持ちでございましたら、恐らく税調に対して何らかの御指示があると思います。それまではお待ちしております。
○三治重信君 簡単に御質問させていただきます。 この答申の方で財政の規模をGNPの増加率以内に抑えろ、まあこういう御意見があるんですが、この中で結局私はこれを抑えるためには、それをやっていく歳入の方で、GNPと同じくらいに抑えても相当な増税をやらんといかぬということになると思うんですが、そのときに結局不足分を国債でやるわけなんですが、国債の増加分について、このGNPとの関係について、この税調で国債の増加がどの程度までが限度か、GNPの中におけるまた伸び率ですね、こういうのは議論がされたことがあるのか。また、そういう問題についてやはりこれがただ国債を減らせばいいということじゃなくて、ある程度GNPが多くなれば企業でもどこでも借金は持っているわけなので、その許容限度について。そうすると、結局極端な増税とまた借金減らしというものやまた歳出の極端や減らしということについて、やはり税調である程度の御意見があろうかどうか。 それから吉野参考人さんに。グリーンカードの問題で、私はやはり一番問題になるのは、いま現在金融的な貯金の中で無記名や偽名やそれから住所変更、同じ人が住所をあっちこっち、東京、大阪、名古屋、あるいは九州とか住所を変更して出していると。こういうようなものを本当に徹底的にやるためには、やはりグリーンカードだけでなくて住民票ということになって、グリーンカードを持たぬ人は住民票となってくる。むしろ本当の大きな金融資産を持っている人は、やはりグリーンカードなんかほったらかしてでも、住民票の確認をある程度逃れる方法を考えてくるんじゃないかと思うんですが、こういういわゆる金融資産の本人でないやつについての確認の方法というもの一ついて研究されているかどうかひとつお願いをしたい。 それから、余り時間がないんですが、吉牟田参考人さんには、中小企業の法人の軽課税率と、それから個人企業の税率と、いままではいわゆる中小企業法人が個人の税金よりか重いからということなんだけれども、どっちかというと、どうも法人成りの方がいいという、この点についての均衡をどういうふうにいまお考えになっているか。いわゆる日本のうちの大部分の中小企業の法人の小の方から零細な方は、いわゆる法人成りということになっているわけですわね、これとの課税の均衡というものがいまどういうふうに認められるかどうか、その点をひとつ、ごく簡単に。
○参考人(木下和夫君) 公債発行の限界についての議論と申しますものは、税制調査会では深く検討したことはございません。これはあくまで五十六年度の税制改正の場合は、国債二兆円減額ということを前提として税収の問題を考えたにとどまります。しかし仰せのとおり、私個人の見解で申し上げますれば、GNPが相当のスピードで増大していきますにつれて、国債のGNPに占める比率が一定であるとしても金額はふえるわけでございますから、このぐらいは許容していいじゃないかという御議論も実は各方面にございます。しかしただ、目下のわが国の公債発行の中身を見てみますと、建設債と特例公債がございまして、建設債の方はこれは公共事業に直結をいたしますもので、しかも景気調整に相当有効に働く余地のあるものでございますから、建設債については今後いまの水準というものが持続するであろうという前提に立ちまして、とりあえず財政再建期間で減額すべきものは特例債であるということについては私は確信を持っております。その特例債は、言いかえれば経常勘定の赤字で、借り入れでございますから、これは本来の財政運営から見ましても拒否すべきもので、特例公債は原則として出さないと、だからこそ特例で公債を出しておるということではなかろうかと思います。これをたとえば五十九年度までに特例公債の発行をゼロにしていく、六十年から特例公債の償還が始まりますので、それまでに身軽になっておこうというのが財政当局の考え方ではなかろうかと思いますし、私はその方針は正しいと思います。ただ、もう少し延ばしてもいいじゃないかと、そうすると年々の増税額の枠が小さくなって、急激な負担の増ということを回避できるという御議論もございますが、できればそうしたいと、しかし御承知のとおり、昭和六十二年になりますと、国債整理基金特別会計の残高がゼロになってしまいます。現金で償還をしなければならない特例債の償還ができないという事態をもう一つ考えなければいけない。なるほどGNPに対する国債の比率というのは、これはどのくらいが限度であるということは理論的には出てまいります、その国の経済の状況いかんによりますけれども。少なくとも特例債をゼロにするという努力を延期するという方法は、私は非常にイージーな財政再建の道ではなかろうかと思います。
○参考人(吉野昌甫君) グリーンカードの適用によりまして高額所得者の捕捉といった点を厳しくする方法はどうかという御質問でございますが、五十九年度以前についてのグリーンカード適用の問題につきましては、郵貯と民間金融機関との間の詰めといった問題にやや甘さが残っているのではないか、こういうことを先ほど述べましたが、五十九年度以降につきましてグリーンカード問題を厳しく適用していくということでありますと、この場合には要するに小額非課税といったことに関しての捕捉というのは、住居を幾ら移しましても完全に捕捉できるのではないかと、そういうように思います。ただ現在のグリーンカード制度でありましても、要求払い預金といった問題は依然何といいますか、グリーンカード適用外でございますから、そういったところへシフトする、要するに利子収入を捨てても所得の捕捉を逃れようと、こういった考え方は依然として残るんじゃないかと。そうしてより厳しくそういったものを締め上げるというのはどうかというお話でございますが、ごく一部の高額所得者の税の負担の公平化のために、金融面での機構といったものを厳しくしていくということには私はやや反対でございます。むしろいままで種々御議論がありましたように、所得税の源泉での捕捉といったことを十分にやっていただくといった方が私は筋じゃないだろうか、そういうふうに思っております。
○参考人(吉牟田勲君) 法人企業と個人企業の税負担のバランスにつきましては、実は従業員あるいは家族、まあ配偶者等にどういうふうにその事業に参加して所得が分配されているか、あるいは株式の分布状況がどういうふうになっているか等いろいろな前提がございまして、しかも地方税を込みにしてバランスする点、まあ主税局が従来そういう点を一番一般的といいますかモデル的な状況を把握して計算をして、大体軽減税率の適用所得の限度が法人個人の企業のバランス点ということでそれと合うようになっていると思います。いろいろその条件によりまして違いますが、恐らくちゃんと計算した結果、今回八百万円という数字を出したんだろうと思います。まあそういう点から考えますと、現在はみなし法人課税という個人企業について法人課税を選択する方式もございますし、先生のおっしゃいましたような法人成りというのも昭和三十年代までぐらいは非常に多かったわけでございますが、最近は鈍化しているようでございますし、法人成りが多いということは、逆に法人が税金の負担が低くて軽減税率なんかは必要ないということにむしろなろうかと思いますが、そこまで考える必要はないように思います。
○野末陳平君 吉野先生と吉牟田先生にお願いします。 税の不公平についてですけれども、いまなお世論として根強くこれがあるように思いますが、ぼくはかなりのいろいろな角度でこの税の不公平というのは是正されつつあると思います。木下先生の御意見はもうお聞きしましたので、あと不公平が残るとすれば一体何なのかと、制度上あるいは執行上広い意味で税に残る不公平が何かという点について、吉野先生と吉牟田先生にお伺いします。 それから二問目は、財政再建上増税がどうしてもやむを得ないと判断されたという前提でお聞きするわけですが、増税の余地はどこに求めると先生方はお考えなのか、新税とするならばどんな新税が望ましいと学問的立場でお考えなのか、一般消費税とか庫出税とかいろいろな言葉で言われております。先ほど木下先生の御意見はお聞きしましたけれども、そのほかに穐山委員からも出ましたいろいろな構想中の新税といいますか、そんなのもありました。そういうのも含めて新税は何が適当であるかということ、二問を吉野先生と吉牟田先生にお願いします。
○参考人(吉野昌甫君) 最初にお断りしましたように、私は木下先生や吉牟田先生と違いまして税問題は私の専門分野でございませんので、大変申しわけございませんが、お答えは御勘弁いただきたいと思います。
○参考人(吉牟田勲君) 第一問のどこに不公正がなお残っているかという点でございますが、そういう観点から考えますと、やはり法人税につきまして実効税率が、ある特殊な法人、業種、業態等によりましては法人税率よりも低くなっていると。これは結局は、租税特別措置の縮減ということに結びつこうかと思います、という問題と、後はやはり私は、もうちょっと考えるべきことは有価証券の譲渡所得の課税の充実という、利子・配当は今回のグリーンカード等が適正に執行されますと行われるだろうと思いますが、税制調査会でも次の宿題ということにはなっているようでございますが、有価証券の譲渡所得の課税という問題はもうちょっと検討の必要があるんじゃなかろうか、その二点でございます。 それから増税を考えるときにどういう新税等を考えるかということでございますが、私はやはりある程度の金額ということになりますと、この大型消費税というのを考えざるを得ないのじゃなかろうかと。その中ではどういう方式がいいかというと、やはり学問的には前段階税額控除がついたEC型の付加価値税がいいんじゃなかろうかと思います。それと先ほどちょっと出ました富裕税、ほかの税という観点から申しますと、経常的財産税である富裕税というのも研究してみていいんじゃなかろうか、こういうふうに考えます。
○委員長(中村太郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、長時間にわたり本委員会に御出席をいただき貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。重ねて厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会 —————・—————