大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 340 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1981/03/27
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 物品税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、有価証券取引税法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 予算委員会の方から渡ってまいりましたので、質問が少しダブる点もあるかもしれませんが、ごしんぼうしていただきたいんですが、一つは税調の中期答申、昨年の後半に出ました中で、まあ選択増税あるいは間接税問題関係について触れておるわけでありますが、この中のたしか三十一ページ前後だと思いますが、表現としますれば私が指摘することがそのものずばりじゃないんでありますけれども、三十二ページに、「広く消費に着目する間接税は、個別消費税のように、価格機構への介入が特定の産業に偏ることがなく、」、ちょっと省きましてその後の方に、「消費の実態に応じてより公平な負担を求めることが可能となること等、評価すべき」云々という言葉がございます。これについて、小倉税調会長を呼んでおりませんから、これは税調の考えだと言えばそれまでなんですが、大臣並びに主税局長、これはどういう中身を持っているんでございましょうか。要するに読み方によりましては、間接税は、言えば社会的に公平だというような受け取り方もできるんでありますが、そういう取り方でよろしゅうございますか、これは。
○政府委員(高橋元君) 「さらに、こうした広く消費に着目すみ間接税は、個別消費税のように、価格機構への介入が特定の産業に偏ることがなく、」、このくだりについてのお尋ねでございましょうか。
○大木正吾君 そうです。
○政府委員(高橋元君) これはよく税制が経済との関係でいわゆる公平と一言で言われております中に、よい税制であるかどうかという判定基準として、税金がかかったために資源配分を必要以上に乱さないということが要請されるわけでございます。税は、くどくなりますが公平部門への資源の移転でございますから、資源の移転に必要なだけの負担を課するというのが本来でありますが、特定の部門にだけ税負担をかけますと、その部門の生産が縮小する。それによって資本の効率が悪くなって、資源の移転がかえってよけいに起こるというような経済に対する撹乱的作用があるわけでございます。そこで、個別消費税の場合にはどうしても特定の消費物資ないし特定の産業部門に課税が行われるわけでございますから、その意味では、個別消費税には中立性という点で見ればデメリットがあるということでございます。それが第一点の前段の「中立的であること、」ということでございます。 それから、最近のように消費が均質化、多様化してまいっておりますので、消費に応じて課税をすると申しましても、たとえば酒、たばこといったようないわゆるエクサイズという形式の消費税は別といたしましても、選択的な消費税ということになりますと、消費に負担を求めるというのは間接税の本旨でございますから、消費の実態がこのように均質化、多様化していく場合に、それに対して消費の担税力に応じた課税をするということになりますと、課税の対象になります物またはサービスを限定した場合に、やはりそこに完全にキャッチアップできないという事態がしばしば起こってまいる。そういう点が個別消費税についてのいわゆるデメリットでございます。そういう個別消費税についてのデメリットは広く消費に着目する間接税の場合には避けられる、そういうことを指摘しておるわけであります。
○大木正吾君 私が伺っているのは、前段の方はいまの高橋さんおっしゃったことでわかるんですが、二の三十二ページ後段の中に「消費の実態に応じてより公平な負担を求めることが可能となること等、評価すべき性格を備えている点に」という部分ですね、ここのところがどういう合意か、そこのところを聞きたいんです。
○政府委員(高橋元君) 昨日もこの委員会でも御質問がございましたように、また大臣からもお答えがありましたように、たとえば高級織物に課税をすると申しますと、個別の消費税制のもとでは、執行技術的な問題また納税義務者である製造者または小売業者の負担からして現実にそれが税制としてワークしないという問題があるわけであります。たとえば高級織物に課税をするとしますと、やはりそれは高級織物産業と申しますか、そういうもの全体の経済実態というものを踏まえないとできていかないわけで、それに応じた仕組みとなりますと大変むずかしい。全体の消費がシフトしてまいりますと、これまた話が少しずれるようで恐縮ですが、新しい商品がたくさんできてまいります、昭和四十年代に、たとえばセパレート型のルームクーラーというのができましたときには、ルームクーラーがコンプレッサーと空気の出てくるところと分かれるわけでございますから、それは物品としては課税物品でないということになってしまいまして、それをまた法律を改正して課税に取り込むというようなことが起こったわけでございます。法律をもって物品を指定してそれに課税をするという個別消費税には、いま申し上げたような二つのどうしても技術的に越えがたい難点がある。それがかえって高級な消費に対して税負担を求めることを害しておる。それが公平な負担を求めることがむずかしいという個別消費税についてこの税調答申が指摘しておる問題点であるというふうに理解しております、
○大木正吾君 この「消費の実態」という言葉の使い方、同時に「より公平な負担を求める」——私は特別の品物を例示しまして申し上げる気持ちはないんですが、「消費の実態に応じて」ということの言い方になりますと、言えば税の基本的機能とも言うべき生活水準の平等化といいましょうか、あるいは税がやっぱり貧富の差を調整するとか、そういった意味合いしおきましてある程度負担の、特に所得税等については相当はっきりした累進関係で問題が提起されているわけでありますが、消費の実態ということと、そのままに据え置くということは、言えば物を買う能力のない人は買わなくてもよろしいし、買う力がある人は買ってもよろしい。しかし問題は、買う能力のないという人の場合には、これはまさしく買いたいけれども買えない、あるいは生活を切り詰めてどうにもならないという人もおるわけですね。そうしますとどうも二の辺の言葉がひっかかりまして、社会的に生活の不公正というものはそのまま温存されてもいいんだと、こういうふうに意地悪くとるととれないこともないのですが、その辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(高橋元君) たとえば物品税は物品にかける税金でございますから、昨日も申し上げましたように、建物というような不動産ないし設備には課税できないわけでございます。不動産、建築というものは物品税の場合にはどうしても除外される、たとえば白粉を買う主婦とかなりりっぱな家を建てるところの世帯主とでいずれが担税力または消費の担税力があるかと申しますと、それはむしろ主婦でなくて建築主であろうというふうに思うわけですが、個別の消費税というものを前提としておりますと、より高いまたはより大きな担税力を持った消費というものに必ずしもそれに応じた課税ができないというのが限界であろうということが先ほど来申し上げておることでございます。 それからもう一つ、応能公平ということは重要な租税の原理でございますけれども、やはり租税の学問上は応益消費基準ということも重要な税制上の考慮で、応能所得課税というものと応益消費課税というものとかみ合わせて全体として公私の資源配分というものの適正が図られるような税体系をつくる、そういう観点も決して否定し得ないもので、各国の税制もそういう形をとっておる、そうなりますと、消費について課税をしていくという場合には、より経済に対して撹乱的作用が少なく、またより消費という基準から見て担税力の強い消費にはより大きな税負担がかかるというような消費の税制というものを考える必要があるのではないかという考慮からこういう答申が出ておるというふうに理解しておるわけであります。
○大木正吾君 いずれにいたしましても、五十三年ですか、五十三年の税調に出されたおたくの資料によりますと、たとえばこの委員会で審議されました酒税等とかたばこなどの場合には、第I分位から第X分位まで見ていきましてもほとんど水平的な負担状態になっているんですね。そして所得税関係で見ていきますと、第I分位が〇・八四に対して一番上の第X分位が三・九七、こういう状態でございます。同時に、住民税とか固定資産税含めていきますと、これが一・八九から六・七九で、約四倍ですね。合計トータルして税のいわば所得配分機能という意味合いでの関係では、第I分位が二・九八に対して八・一八ですから二・五倍だと、こういうような税の統計表等も資料としてはおたくの方で出しているわけですが、この文章のいわば表現の仕方にもよると思うのですが、誤解を受ける面がある。いま高橋さんも言ったことの意味合いはわからぬことはないのですけれども、「消費の実態に応じてより公平な」、こういうふうな言葉があるわけでして、これでいきますと、やっぱり買えない、要するに購買力のない人はやむを得ないしんぼうしろ、こういう言い方にもなりますし、それがより公平かということになりますと、より公平なんだろうかと。うちでもどうしても子供のために欲しいんだがという物などがあったとき「より公平な」ということは少し言い過ぎじゃないかという感じもするんですが、大臣にお答えいただきませんけれども、高橋さんもう一遍そのあたりを、少しこれは言い過ぎじゃないかという感じがするんですが。
○政府委員(高橋元君) これはもうちょっと前のくだりから実は一つの文章になっておるわけでございまして、広く消費に着目する間接税については、税負担配分の逆進性や物価に対する影響等の観点からの批判があることは事実であるが、これらについては、適切な措置を講ずることによって、その難点を克服できると考える。一、これに続いた文章でございます。したがいまして、消費基準で消費に対する課税を行うという場合には逆進性や物価への影響がある、それは適当な税制を講ずることによって克服ができますが、消費税によって所得の再分配ができるというふうには考えられない。これはいま大木委員の御指摘のとおりであります。私が先ほど申し上げましたように、所得基準の累進税と消費基準の比例税ないし逆進税等全体を組み合わせて現在税体系全体としては五十二年の家計調査に基づく「所得階級別税負担表」のように累進の税制ができておるわけでございます。 さらにもう一つ申し上げれば、昭和三十年ごろには間接税の割合が全体の五割でありましたけれども、その場合に、その五割の中の全体の税収の三四・九%、それが酒とたばこによって得られていたわけでございます。当時の逆進性の議論と申しますのは、この五十二年表でもごらんいただきますように酒、たばこの逆進性というものはかなり強いわけでございますから、そういうもので比例して税体系全体として酒、たばこで三割の、三分の一の税金を上げておるということで逆進性が強かったわけでございますが、現在の間接税制は全体で二九%の税収を得ておりまして、酒、たばこによる部分は七%であります。そういうふうに推移してきております。エクサイズの部分が減ってきていわゆる個別の物品サービス課税の部分がふえてきておりますので、むしろ当時に比べれば間接税負担としては比例的な要素がふえてきておるということもまた事実だと思います、その辺を踏まえてこの税制調査会の中期答申ができておると思います。
○大木正吾君 考え方の問題としましてはそう違いがないように思います。ただ表現の問題で、断片的に読んでいきますと誤解を受ける面もありますので、これは非常に短い文章の部分をつまみ上げたのですが、税制改正問題の際にはこれからも当然間接税が話題になりがちですから、その意味合いでもって私ちょっとしつこく伺ったわけです。 そこで大臣にこれは伺いたいのですが、三年先、五年先のことについてはなかなかこれは具体的にはわからぬと思いますが、マクロ的な判断なども含めまして中期的に考えまして、大型間接税はいたしませんという話は大体ほぼ今国会でもコンセンサスが与野党の中に出たと思うのですが、中型間接税というか中型消費税というか、あるいはミクロ的な間接税の、これは選択増税ということになるかもしれませんけれども、どうですか、どの辺かの中型的なものについては考えざるを得ないような方向に向かうのでしょうか、どうでしょうかその辺は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は余り先々のことまではわかりませんが、総理大臣も言っているように明年は大型増税などということは事実上できない。したがって、増税を頭に入れないで行政改革や歳出カットでの五十七年度の予算編成をやるべきであるという御趣旨でもございますので、ミクロ的な間接税をふやすとかどうとかということは私はいま考えておらないのです。問題は、税金を賦課するということは歳出に充てるための財源確保なのですから財源が確保されれば増税は必要ないということであって、それとの見合いだということですからやはり一遍やってみないことには何ともこれは申し上げられない。ともかく現実の問題としては歳出カットで極力やろうというのですから、それで打って一丸としてやること以外はいま頭にないということであります、
○大木正吾君 少し予算委員会でもって補助金問題で問題を出したものだから、少し私が逆にいじめられるような形になっちゃった感じがせぬでもないですがね。 大臣にちょっと伺いますけれども、きのうのどなたかの御質問に対してお答えしていたわけですが、日本の税体系、要するに直間比を中心として考えてまいりますと、大体似ているのはイギリスが一番近いですね。それでアメリカは極端な直接税中心主義で、フランスが一番距離が遠いわけですが、そういう意味合いで考えてまいりますと、私も少しく税調の委員をやったことがあるのですが、どうも戦後のシャウプ勧告以来の税制のあり方の基本問題ですね、これについて若干ぐらつきがあるという感じなんですよね。もちろん社会条件が違ったり経済条件が客観的に違ってきますからそういったばらつきがあることはやむを得ないと思うのですが、ずばりそのものを伺いますけれども、やっぱり財政民主主義ということを税制的に理解いたしますと、おれは税金を幾ら払っていると、あれも払っているということがはっきり見えまして、そしてどこにそれが使われているんだということがはっきりする方が、これはきわめて俗な言い方になりますけれども、いいわけで、そういうふうに見ていきますと、私はやっぱり所得税、直接税中心主義の方が財政民主主義の原則からすればとるべき方向だと、こういうふうに私は考えておるんですが、所得税だとどうしても直接響きが強過ぎますから、避けて通るために間接税の方に手を回していくという形であって、税体系そのものの根幹についての理念が乏しい、こういうふうに私自身最近特に感じているんですが、大臣、直間の問題ですね、財政民主主義と絡んで、私の見解ではやっぱり所得税を中心としたあるいは法人税等について目に見えるものをはっきり中心としながら、同時にそういったものによって再配分機能等についてもやっぱり国民が納得ができる、こう考えるんですけれども、間接税の方にだんだん体系がねじれていく、このことについて私は間違いではないかという感じがするんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はやっぱり物の考え方で、どちらが正しくてどちらが間違っておるということは断定的には言えないと思います。ただヨーロッパなどではフランスが六割を間接税に頼っておると。ドイツが四五%ぐらいを間接税に頼っていると、四五ですね。イギリスが約四〇%弱を間接的に頼っておると。それはそれなりのやっぱり考え方があってやっておるんで、フランスやイギリスが間接税が多いからといって、大衆課税で国民をいじめている国だというふうにはだれも理解しておりませんからね。ですから、やはりそういう意味で間接税は取りやすいと言えばあるいは取りやすいかもしれません。しれませんが、資産があってかなり支出も多いんだけれども、所得税はあんまり払ってないという階層もあります。そういうようなことも考えたりいろいろ考えてみると、間接税というのはまた選択可能性もかなりあるわけですね。このいまのような個別間接税の場合は、税金をあんまり払いたくなければしょうちゅう飲めばいいわけですから。ウイスキー飲むといっぱいとられるから、しょうちゅうで間に合わせちゃうというような選択性もあるというようなことなども考えると、まあ承知の上で払ってもらえるのならば、もう強制的に所得税で天引きをするということを少なくしてでも——競馬に行く人はこれは上納金を納めるから、幾ら納めてなんて考えて行く人はあんまりいないんですね、これは競輪でも競馬でも。 だから、そういうような考えも少しは取り入れて、財源確保の点からあんまりみんなが抵抗なく払える税金の幅というものがもっとあったっていいんじゃないのかという気もしておるんですが、公平、不公平という学問的な話になると私もよくわからぬのですが、ただ「所得階級別税負担表」なんというのを見ておっても、酒、たばこはなるほど所得階層の低い方には強く働くが、それ以外のものはまあまあ上の方も下の方も大差ないということになっておりますから、やはり直接税と間接税との組み合わせをどうするかという常識の問題、それぞれの見解は違うかもしれませんが、大体そこらで最大公約数ができるかどうかというところにあるんじゃないかと。だからどれが財政民主主義にかなうということも一憂に断定的には言えないんじゃないかと、極端なことをすればどっちもだめなんですよ、これは。極端な話は。だからみんなが理解できる程度の接点というのはどの程度にあるかと、民主主義だから最大多数の人がまあまあいいんじゃないかということになれば科学的に幾らか違っても、いいものはいいという話になっちまうんであって、そこらのところはあんまり自然科学的な割り切り方でなくたっていいんじゃないかという気もいたしております。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として野呂田芳成君が選任をされました。 —————————————
○大木正吾君 大臣のお答えですけれども、私と見解が違うということではちょっと心もとないというと失礼に当たりますけれども、そういう感じなんですね。 きのう物品税に絡んで矢追さんの御質問の中で、まあ言えば表示条項、四十二条でしたか、二十四条、どっちかですわね、あれありまして、余り機能してないというやりとりがあったわけですね。物品税はちゃんと一〇%の場合にはそういうことを書けということは法律にありながらも実行的にはなされていない、こういう話がありまして、結果的にはやっぱりそういうもので込み込みでいきますからわからないわけですね、自動車にしてもあるいは電気製品にしてもわからない、しかし所得税とか法人税の場合には、まああなた非常にきらいな言葉として受け取られておられますクロヨンなんという言葉が、社会的にはこれはもう語られ書かれているわけですよね。ですから所得税がなぜクロヨンだなんということを言われるかということは、これはやっぱりわかりやすい税金だから私はそうなっていると思うんですよ。財政民主主義というものはやっぱりこの言葉をそのまま解釈をすれば、言えば所得税、まあ大蔵大臣が所得が幾らあって、私幾らあって幾ら納めている。こういうことでもってわりあい国民は理解しやすいわけですね。しかし間接税、物品税等をずっとこう見ていきますと、やはりそれは確かにいまの競馬とか競輪のお話もあって、好きな方は行って納めて、そのときに幾ら税金がかかっておるか、そんなことは余り関係ないということはわかりますがね、私はやっぱり直接税、要するに国民が納めているその状態が皆相互にわかり合っている。同時にそれがまた、言えば再配分機能等についてもなるほどおれの老後の問題にこういうふうに使っているんだなということがわかる状態ですね、こういうふうなことが税の根幹にはあって、それでそれを補完するものとして物品税などがある、こういうふうに税法のあり方なり税体系のあり方があることが最も財政民主主義というものの立場から正しい、こう考えておるわけでして、そこのところを大蔵大臣とぼくの見解違うんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は違わないと思いますよ。違わないと思いますが、しかし所得税は高いから減税しろという声が多いわけですからね、世の中には。しかし財政支出はある程度とうしたって切れないものがあるわけであって、だから極端なことを言えば、じゃ間接税をだんだん少なくして所得税中心主義でやると言っても、これは抵抗がものすごく強い。ですからそこらは兼ね合いの問題じゃないかと私は思っておるんです。別に大木委員の言うことは間違っているとも何とも思っていないし、私は一つの考え方として所得のある者が納めて、ない者が納めないで、それだけで賄いがつくんならば私はそれも一つの方法だと思います。しかしなかなか世の中というのはそうはいかなくて、物品税とかあるいは酒税などを上げるような時期であっても、酒やたばこというものは必ずしも所得税を払っている人だけが飲むとは限りませんわね、砂糖にしたって。だけれども、そういう税金も取らざるを得ないという中でも、やっぱり所得税減税をやれという声も強い。これも事実ですから、所得税納めてない人からすればいやいっぱい所得税とか法人税取ってくれて間接税なんか上げるなということも言えると思うんですね、これは。ですからそこらのところはもう兼ね合いの問題で、あんまり私は科学的にどういう数値が一番いいということは断定的なことはなかなか言えないんじゃないかと、政治の世界では特にそうじゃないかと言えるような気がするんですがね。
○大木正吾君 いまの後段の説明は、それはそれなりに私なりにわかるんですが、一番大事な問題は、大臣は同感とおっしゃったそこのところをしっかり大蔵省の税務当局、事務当局にいたしましても、そこのところを押さえておきませんと、やっぱり税体系がぐらぐら揺れることがあるし、同時に財政民主主義というきわめて大事な問題が薄れていきますからね。やっぱり日本の場合には三〇%前後の間接税というものがずっと戦後若干減ったりふえたりしていますけれども、その辺の状態というものと同時に七〇%が所得税、法人税等の直接税で来ているわけですから、そういった形は非常に税制のあり方としますれば、まあ戦後三十六年貴重なぼくは一つの流れをつくってきたと思っておるわけでして、イギリス型がわりあいに近いと、ちょっと間接税の比重が高い、一〇%高いですがね。アメリカはもっと極端に直接税にウエートを置いているわけですから、やっぱり国々の慣行があることも大臣おっしゃるとおり全くそのとおりでございますから、ぜひお願いいたしたいことは、そういった日本の戦後三十六年間におきましての税の動向につきましては、やっぱりなるべくそれがぶれることは若干あっても基本はぶれない形でもって進めてもらいたい、こういう気持ちを持っておりまして、少ししつこくなりましたけれども、そこのところを御答弁ちょうだいしたわけです。 さて、物品税問題に入りまして二、三お伺いいたしますが、私もこれは余り詳しく勉強をいたしておりませんので質問が少しくそれるかもしれませんが、一つは自動車関係の問題でございますが、きのうも同僚委員の質疑がございまして、九つの自動車関係の諸税があるわけですが、これについて国と地方に分けまして、高橋さん申しわけないですけれども、きのうの繰り返しになるかもしれませんがもう一遍説明していただけませんか、どういう理由でどうなったかということについて。
○政府委員(高橋元君) 税目で申し上げますと国税——まずその前に全体九つといま仰せがありましたが、九つでございますけれども、たとえばガソリンを使って走ります乗用自動車、四輪乗用自動車ということになりますと、その税金は消費税である物品税、これは国税であります。それからその消費税を払って買いました自動車を持っておりますと、固定資産税類似のものとしてこれは府県税であります自動車税がかかります。それから自動車が走行するために車検を受けなければなりませんが、車検を受けます際に、今後二年間走行して道路に関する社会的費用等々にかんがみて税負担を負う、それが自動車重量税。これも国税でございますが、その四分の一が市町村に譲与されることになっております。それから走るという段階になりますとどうしても燃料をたくわけでございますが、その燃料につきましてはガソリンについて揮発油税を払っていただいております。これは国税でございます。ただしそれの中の一定割合——二割程度でこぎいますが、これは地方に財源を譲与すると、全額譲与ということを明らかにするために地方道路税という別税目でいただいておりますが、実際は一体のものとして御負担をいただいておる。したがいまして、こういう消費、保有それから車検、燃料と四段階で課税をお願いしておるわけであります。 ほかの五つの税目は、これは自動車の種類または燃料の種類によって変わってくるわけでございまして、ディーゼルカーでございますと軽油引取税になる。それからLPGをたきます場合にはLPG、いわゆる石油ガス税の負担をしていただく。これはガソリン税に対して代替的な税金でございますが、この中のLPG税は国で全部取りますけれども、半分半分になっておりまして、半分が国の収入になり半分が地方に帰属するわけでございます。譲与税になります。それから軽油引取税は、これは都道府県税でございますから軽油スタンドにおいて県がかけるわけであります。それから自動車であるか軽自動車であるかということによりまして軽自動車税——ちょっと私一つ落としました、申しわけございませんでした。自動車を取得いたしましたときに、不動産の取得と同じような意味で自動車取得税というのを、これは都道府県税として払っていただいております。ですから普通の場合には五つ払っておるわけでございますが、その自動車取得税が、軽自動車でございますと軽自動車税という形になるわけであります。 以上ごたごた申し上げましたが、基本的には物品税が消費税としてかけられており、それから揮発油税が燃料税としてかけられており、それから車検の段階で自動車重量税がかけられておる、それに対して道路財源等々の観点から自動車取得税、軽自動車税それから軽油引取税、LPG税というような税目がついておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○大木正吾君 高橋さんみたいな専門家でさえも説明がなかなかしにくいような実は税で、私もこれなかなか理解しにくいと言いますか、自分の不勉強さもございますけれども、もうちょっと何かこれは大蔵省なり自治省等とお話し合いになりましてね、そして整理をする必要があろうと思うんですが、どうしても新しい税金ができますと、結局国と地方が取り合いをするんですね。これはじゃんけんぽんするわけでもないでしょうし、お互いの事情でもってやり合っているかもしれませんし、また地方は大蔵省に対して弱いですからね。自治省というのは弱いから、どうしても自分たちが欲しいと思った新しい税目ができたときに、それが取れないと、国が全部吸い上げてしまいますと、新しいものをまたくっつける、こういう形が大臣、率直に申し上げてぼくら現場でもって見ておって、そういうことが——税制調査会へ行ったら並んでおるんですよ、主税局長さんと自治省の何と言ったっけ、並んでおりましてね、新しい税目をつくるときに、こそこそっと行って聞きますと、やっぱり自治省は欲しいと、ところが大蔵省はどれぐらいくれるかわからぬと、そういうささやきも出てくるんですね。ですからやっぱりこの九項目、確かに税の質の違うのもございますけれども、もうちょっと整理してわかりやすくする工夫が欲しいということが一つなんです、 もう一つ高橋さん、これは自民党の党内の事情等にも触れますから、その部分は答弁としては要りませんが、大蔵省は揮発油税が道路財源としていまだもって全部が、何か建設省ですか要するにその絡みでもって道路特定財源化していることについて御不満なり、今後のこれを解決する方向性等については何らかお考えないですか。
○政府委員(高橋元君) 私ども税制を担当いたしておりますし、広く財政の一部門を担当しておるわけでございますが、その場合に税についての基本的な考えというのは、まさに公私間の資源配分また税を課税したことによる民間の資源配分、これが適正であるかどうかということが税については一つの基本的な考えてあります。 それから税と歳出との結びつきぐあいで、ひもが余り強くついてしまいますと財政の硬直化を招くという点が欠陥である。したがって一般税をすべて一般的な歳出としてそのときの財政需要に応じて配分をする、これが一番理想的な姿であることは確かだと思います。自動車関係税とかエネルギー関係税は、多く受益と負担の関係があるという点に着目をして使途特定の税源ということになっております。これがそういう税制ないし財政の基本の条理のルールに照らして問題があるということは、かねがねからこれは税制当局としてもそうでございますし、税制調査会では特に問題になってきておりまして、今回昨年の秋に中期答申の御審議をいただきました際にも繰り返し相当深刻に御議論をいただいたわけであります。 税制調査会の中での御議論は二つに分かれております、一つはいま申し上げた基本的な考え方に沿いまして、「一般財源化の方向で検討すべきである」、それはなぜかと申しますと、昭和三十年来道路特定財源としてわが国の道路整備を進めてまいった財源上の寄与は認めるけれども、いまとなれば道路に対する資源配分から見て道路特定財源がむしろ大き過ぎるのではないかということが基本にあるようでございます。もう一つの御議論は、いまのままの特定財源の状態をもっと維持すべきである、むしろ拡充を図った方がいいという御意見であります。百万キロあると言われております道路の中の九十何万キロというものはたしか地方道というふうに承知しておりますが、その地方道の整備水準がまだ低い。国の場合には約九割が特定財源で賄われるわけでございますけれども、地方の場合の特定財源比率はその四、五割、ちょっと正確な数字を覚えませんが、県市町村合わせれば四、五割の特定財源しか充当されていない、そういうことからすれば、少なくとも地方という観点から見れば地方道整備はまだまだ住民の需要として重要であるし、またその整備を進める政策的な目的も十分ある。したがって道路特定財源制度は「充実強化を図るべきである、」という、こういう御議論と二つに分かれております。 これは財政需要の優先度をどう観念するか、それから税及び歳出を通ずる財政の資源配分機能をどう有効に生かすかという基本問題でございまして、今後も税制調査会の中でも真剣な御議論があると思いますし、私どもも歳出当局の方と連携を保っていろいろ考え方を練ってまいりたいというのが現在の私どもの考えでございます。
○大木正吾君 地方に参りますと、人口一万ぐらいの町で、まだ市になっていないところに商店街の方は車がやっとすれすれに通れるぐらいですけれども、その裏の方に行きますと物すごいりっぱな道路ができている。これは国道か地方道がよくわかりませんけれども、とにかくこの目的税的な揮発油税が道路財源としてできまして、国が使っている関係では国道関係ではほぼ八、九割ぐらいまでは大体道路財源としての目的を果たしたと思うんです。やっぱりそういったこととの関係でもって税調の中で意見が分かれたりしておったといたしましても、しからば国は一体この財源というものを、じゃ地方が三、四割であるから、まだ残っているから云々だとおっしゃるけれども、それじゃ一体この財源を地方自治体の道路関係の財源の方に全部なりあるいは半分なりを回していくということの考え方は、高橋さんないんでしょう、これは。ですからそういうふうにしていけば、私はやっぱり言えば、寒村と言うと悪いんですけれども、わりあいに岩手県とかずっと列島上見ていきますと裏日本各地、持に東北関係はひどいと思うんですが、そういうところと、香川県とかあるいは——例を挙げると悪いんですが、新潟県なんかわりあいによくできている方な感じがするんですよね。ですからそういったことなどもずっと見て回ってみても思うんですけれども、もう少しやっぱりこれは、大体目的税として国道関係が九〇%前後整備できた段階では、いまのお話二つ意見がありますということでもって終わったんですけれども、むしろ主税局自身がこういった問題についてもっと積極的に、目的税という形でもってこれ以外にも幾つか二、三はあるかもしれませんけれども、やっぱりこういった相当多額の税金が上がってくるものについては総合的な使い方に切りかえていく、あるいは地方道路がどうしてもだめであればそういったものとの兼ね合いについてどういうふうに整理をしていくのか、そういった方向ということを少しやっぱり考えるべきじゃないかと思うんですが、どうですか主税局が少し指導してそういったことをやる気はないですか。
○政府委員(高橋元君) これは道路需要と申しますか、それを財政的にどう満たしていくのか、その財源の必要がどのくらい現在依然として大きいかということとの関連はあると思いますが、私どもの基本の考えは、やはり税はすべて一般税であるべきだというふうに思っております。ただ一般税であるべきだということと、道路需要対受益者負担という関係の現在の財源制度というものとの関連をどう考えていくのかということでございますし、さらにもう一つつけ加えて申しますと、現在一リッター当たり五十三円の揮発油税を負担していただいておるわけでありますが、その負担の高さというものもやはり受益者負担であるという観念のもとで初めて出てくるんではないのか、こういう御指摘もあるわけでございます。 主計局も参っておりますから歳出面の事情もお聞き取りいただいて、私どもとしても先ほど申し上げましたように、基本的に検討をこれからも重ねてまいりたいという気持ちでおります。
○大木正吾君 いまの問題は、これは補助金の問題でありますとか租税特別措置の整理の問題、そういったことにも関連いたしまして、公共事業等のこれからのあり方についても関係して一つの事例の問題として私申し上げておりますから、ぜひ前向きの、他の税制との絡みの中でもって戦後三十年たったんですから、少しく新しい発想というものをぜひ持ってもらいたい、このことをお願いしておきたいんです。 次の問題は、この間参考人がおいでになって申されたことの中で二つほど伺いますが、一つは物品税法の改正の中で控除率算定方式と積み上げ方式ですね、これについて意見がたしかあったはずなんですが、これについては大蔵省の方ではどういうふうに整理といいましょうか統合というか、そういった形について、この二つの方式でもって、たとえば自動車などを例に引いて算出していくとたしか金額に違いが出てくるようなものもまだあるはずなんですが、これは何とかして一本にまとめる方法はないんですか。
○政府委員(高橋元君) 一定率方式は製造場ごとにはつくれないわけであります。これは製造者、つまりたとえば名前を挙げれば日産自動車なら日産自動車が全国一本で一定率を決めるわけでございます。物品税の基本的な課税標準についての考え方は、製造場を出ましたときにその製造場での価格、万人に対しての通常の取引関係で売られていく場合のその価格というものを基礎としておるわけであります。まあそういうことになりますと、工場によって原価は違うわけでございますからまあまちまちになってくるわけでございます。現在たしか十社ですか全体で、自動車の製造者はあるわけでございますが、工場の数はもっとずっと多い。十社の中で八社ぐらいは一定率を利用しておられるというふうに聞いておりますが、なかなか全国統一の価格ないし地域的に若干の加減算をやるとしても、そういう価格を設けてそれによって蔵出し価格を推定してもらって大きく変わらないという会社もございますし、販売マージンの関係でそういうような一定率控除だと実売価格の方が有利だという方もあって、一定率方式は納税の簡便のためにやっておるわけでございますけれども、完全に全部が一定率に乗るようなことになりますと非常に高いマージン率までも含み得るような課税標準を考えなければなりませんし、それではかえって税負担の公平を害することとなりまして、現状のような形になっておるわけでございますが、一定率制度が納税者の簡便ということからできておりますことも考えまして、私ども適宜の機会には何年かの間隔を置きまして一定率の実態の調査というのもいたしておって、できるだけそういうことに資したいというふうに考えておるわけであります。
○大木正吾君 これに関連してもう一遍伺いますが、要するにいま大体実情はわかりましたけれども、小売価格、販売する場合の価格につきまして、今度の税改正によりまして便乗的な面で、言えば税金がこれだけ上がったから原価が仮に百三十万円の自動車の場合大体これぐらいになるんだという形でもって便乗といいましょうか、販売価格と税制改正との兼ね合いでもって大衆に対する便乗的な販売については大蔵省捕捉できるわけですか、もしそうかった場合には。
○政府委員(矢澤富太郎君) 酒税の場合と違いまして、物品税の納税義務者は私どもの直接の所管業種ではございませんので、非常に正確なかっこうで捕捉することはできないと思います。
○大木正吾君 執行面の問題は恐らく国税庁関係だと思いますけれども、むしろ私は二の算定方式が二つに分かれている問題等との関係でもってちょっと目算してみているんですけれども、まあ課税の率の掛け方によって約二万円ぐらい違いが出てくる、百二十万円ぐらいの原価の物にいたしましてね。そういったことでもありますから、恐らくこれは課税の仕方が違ってきますと販売価格、小売価格との兼ね合いではある程度上乗せが起きてしまう。ただ競争がありますから、そういう意味合いでもって、また客観的な販売競争の中でもってどうなるか別問題ですが、そういう感じがどうしても……、こういった課税の仕方によって生じてしまう、こういう心配がありますので、これは希望といたしまして、きょうは国税庁も来ていらっしゃるだろうと思いますけれども、ぜひそういったことにならないように御指導方をお願いしておきたいんです。 次の問題ですけれども、これも参考人の方の意見の中にあったと思うんでございますけれども、たしか税務執行関係が非常に繁雑になりちょっと大変だ、事務負担が大変だという話が出ていたと思うんですが、これについて大蔵省は今度の改正問題との兼ね合いでもってどういうふうに御指導をされるおつもりですか。
○政府委員(小泉忠之君) 課税標準の関係でかなり算定、先ほども局長から御答弁ございましたように、個別の物品につきまして控除率を選択しない場合には算定してまいるわけでございまして、そういった意味でかなり課税標準を確定する場合に複雑な事務手続になっております。しかしながら、その物品税法の範囲内で、たとえば物品を組み合わせて販売する場合に、その原価まで当たりまして、積み上げるべき物をそれぞれの物品の比率でもって案分するというような簡易方式も採用いたしておりまして、現行法令内のできるだけの簡素化を図ってはおる現状でございます。
○大木正吾君 いずれにいたしましても、そういったものが結果的には物価の、言えば人件費等がふえてまいりますとやっぱり物価上昇への波及が起きてくるわけですから、執行面の問題といたしまして、そういったことが繁雑にならないようにぜひこの辺についても執行側、徴税側といたしましても工夫をして指導してもらいたいと、こう考えております。 次は、印紙税関係について少し伺いますが、ちょっとこれも意地の悪い質問で失礼に当たりますけれども、自由診療ですね、お医者さんの自由診療とか弁護士ですね、大臣がこれは御資格人者ですからちょっと言いにくいんですけれども、税理士さんなどに対しまして、営業ではない報酬であるという理由によりまして、結果的に印紙税がかからないとこういうことになっておるわけですね。これについて私たちが見ておりますと、どうもやっぱり納得いかぬ感じがするんですが、大臣がたまたま税理士の資格持っているから、私質問やめておこうと思ったんですけれども、まあざっくばらんに聞いてみようと、こういう気になりまして改めて伺うんですけれども、どうでしょう、この報酬と営業との兼ね合いにつきましてどういうふうに考えたらいいんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに医師、弁護士、税理士、そういうような者は印紙税はかからないことになっております。これはもともとはやはり頭脳労働、肉体労働、そういうようなものの対価としていただくから一般の賃金と同じだと、ですから印紙税は取らないというところだろうと私は思っておるんです。 しかし現在の医業というのは、自分の聴診器と勘だけで判断する医業はだんだん少なくなりまして、高額医療機械何億円なり一億五千万とかというようなものを使って診断をしたり、それからいろんな入院の施設とかお薬代とか、物の減価償却、使用料みたいなものがいっぱい診療報酬の中に入るわけですから、昔の医業とはかなり違うわけですね、これは。ですからそういうことを考えれば、私は大木委員のようなことが言えるんじゃないかと。したがって十二兆円の診療報酬が保険で払われるわけですから、国民全体からすれば。だからその中で純然たる技術料が何ぼで、技術料以外のいわゆる物の経費が何ぼあるのかよくわかりませんけれども、一人数千万あるいは何億という売り上げがあるということになると、やっぱり私は何か考えたらいいんじゃないかと実は言ったんですよ、これをつくるときに。ところが急に言われても間に合わないような話だったな、事務当局——大体そういう話だった。(笑声)ですけれども、これは将来の問題として私は検討したらいいんじゃないかと。ただ弁護士、税理士はどうですかね。税理士でもコンピューターを用いて、それからたくさんのノートとか書類とかそういうようなものの代金までも報酬として受け取るという部分については、やっぱり分離する必要があるんじゃないかという気も、これもいたしております。 以上でございます。
○大木正吾君 まあ例示して申し上げたんですけれども、いろいろ大蔵省苦労して税収を図ろうということでしょうけれども、たとえば今度のこの印紙税の問題につきましても、たとえば取引が百万円程度とか五億円とか、そういった開きで見ていきましても、大体それにかかるところの印紙税の定額傘部分あるいは階級定額傘部分見ていきましても、少しくやっぱり、〇・〇二%云々というくだりがございますけれども、不公平というか、まあ言えば中小零細関係に対して負担が大きくて、取引の大きいところがわりあいに上げ幅が薄いというか少ない、そういうような感じがするんですが、その辺についてはどうですか主税局長。
○政府委員(高橋元君) 受取書という二十二号文書でございますが、これを例にして申し上げますと、恐らく年間に百億通ぐらい受取書というのが出ておると思います。これは私どもが昨年の夏に行いました印紙税の実態調査からしますと、百億通近いものでございますが、その中で課税文書、つまり免税点以上の文書というものは約九%から一〇%ぐらいでございます。昭和四十何年でございますか、四十八年に実態調査をしまして改正を願ったわけですが、その当時も百円の免税点の下にあります文書の割合は九割、上が一割ということはほぼ同じでございます。今回は定額税率、階級定額税率を通じてすべて二倍という税負担の引き上げをお願いいたしておりますので、免税点の関係は動かしていないわけでございます。 そこで、アンバランスが起こるんじゃないかという御指摘でございますけれども、基本的には現在の階級定額税率というものを貫く思想は、これは比例税率という頭であるわけであります、たとえば不動産の譲渡契約であれば、今度改正後ですと万分の四、領収書であれば万分の二というのが比例税率でございますが、たびたび申し上げておりますように、印紙税は自主納付の文書税でございますから、納税者が十円刻みの印紙をたくさん持っておってそれを全部張られるというのは大変だということで、納税者が、これもいろいろ御批判はありましょうけれども一番わかりいいように、このくらいの取引であればこのくらいの金額ということがわかるような大ざっぱな刻みをつくった比例税率が現在の階級定額税率でございまして、その最低額を定額税率として切っておるということに御理解をいただきたいと思います。 たとえばイギリスのように万分のたしか五十でございますか、フランスも万分の五十だと思いますが、そういうような税率を決めて、それで比例的に印紙を張っていただくというわけには、もう百八年続いております印紙税ですからなかなかむずかしい。大正十五年までは比例税であったが、現在は階級定額税に移っておるという長年の歴史も踏まえてこういう税率表をつくっております点を御理解をいただきたいと思います。
○大木正吾君 いずれにしても、見ていますとやはり大企業に弱いというような感じが、私のひがみかもしれませんが、いたしますし、同時にさっき大臣の御答弁がありましたけれども、やはり今回の税制改正問題に絡みまして、幾つかまだまだ大蔵省は工夫しますれば、だれが見てもおかしくない税収入が図れる面があるわけでございますから、そういった点ではぜひこの辺の問題についてはやっぱり公平を守るという立場からしまして、自由診療に伴う問題等に対しては印紙要らないとか云々とかいったくだりあたりについては大臣も前向きな御答弁があったんですが、税務当局でもこういった問題については、私は渡辺大蔵大臣が在籍をするときにでもやらなきゃできないと思うんですね、率直に申し上げて。大臣おだてるわけじゃありませんけどね。やっぱり厚生大臣を経験されて、そして武見さんと大げんかした男だからさ。やっぱりあなたいる間にやらなければこういったものできませんよ。ぜひそういったことをやって、渡辺というやつやるじゃないか、蛮勇ふるってりっぱじゃないかと、こういうふうな気持ちを持たせることが、国民に対しまして、やっぱり私も、じゃこれからの分は納めるかと、こういう気持ちになるわけですからね。取れるところから取るという形でもってぜひこのことは、大臣は今度留任されるかどうかわかりませんけれどもね、とにもかくにもやっぱりこういった頼もしい大臣がいるときに蛮勇ふるってひとつやってもらいたい、こういったことを本問題についてお願いいたしておきます。 次に、有価証券取引税のことで一、二問伺いますが、これはなぜ、証券会社が株式を譲渡する場合の一万分の十八、こういったものなどはどうしてこれは税率を据え置いたんでしょうか、その理由を聞かしてください。
○政府委員(高橋元君) 証券業者が売ります株式の税率、これは有価証券取引税法上の第一種の甲と言っておりますが、それは今回、ただいまもお話のございましたように据え置いております。証券業者がディーラー業務として株式を売りますと、その事柄の性格を考えてみますと、商品有価証券を証券会社が売るわけでございますから、いわば流通の一段階であって、市場の出合いをよくするために自分の持ち株を出して値の安定を図るという取引の円滑化を図るためのものであろうというふうに承知しております。 そこで、証券業者の手持ち株の売買というのは非常に回転期間が早ようございます。一般には二十七ヵ月に一回ぐらいの回転でございますけれども、証券業者の商品有価証券は一・四ヵ月に一回ぐらいの速さで売られておると。それから、株式のディーラー業務にかかる利益率も非常に低くて、本省管理会社という比較的規模の大きい証券会社の場合には万分の六ぐらいのマージンであります。全国通じて見ても万分の二十までいっておりません。万分の十六ぐらいであります。と申しますことは、こういう軽度の流通税でありますけれども、有価証券取引税を負担するふところが比較的小さいということかと思いますし、中小証券業者の場合のディーラー業務というのはこれは八割、大証券いわゆる四大証券かもうちょっと下まで入るかよく存じませんが、大証券の場合には二割ぐらいのディーラー業務であるということで、そういう税負担万分の十八というものをさらに引き上げてまいった場合の税負担が現在のディーラー業務のマージン率の中に入り込めるかどうか、またそれが一般の二十倍ぐらいの速さで回転しておりますから、累積をしますと非常に大きな税負担になってまいるわけであります。そういうことでそもそもが第一種の甲は第二種の甲に比べて税率が低くできておりますが、その関係を今回は維持をしてかつその第一種の甲の税率は据え置かしていただくという案をつくりました次第でございます。
○大木正吾君 これは二十八年に改正されました関係できのうもどなたか質問しておりましたけれども、キャピタルゲインという認識は大蔵省は証券取引についてはお持ちにならないですか。
○政府委員(高橋元君) 二十八年に、シャウプ税制以来有価証券のことに株式の譲渡差益の課税というものをやってきたわけですが、その実際の執行面の実態を見ますと、これは穴だらけであり、課税の公平が実際に保たれていないということで廃止をいたしました。廃止をいたしました時期と有価証券取引税をつくりました時期とがたまたま同じ昭和二十八年の税制改正でありましたので、しばしばこれはキャピタルゲイン課税の代替税ではないかということが言われておりますし、現在でもそういう見解を持っておられる業界の方があることは承知しておりますけれども、有価証券取引税はいわゆる流通税でございまして、もうかっていようがもうかっていまいが、有価証券の取引の背後にあります担税力というものも推定をいたしまして、そこに薄くかける流通税だということでございますから、基本的に所得課税でありますキャピタルゲイン税に代替し得るものでもございませんし、性格は全く異にしておるものであると。有価証券のキャピタルゲイン課税につきましては、これもしばしば申し上げておりますように、総合課税の原則というものにできるだけ工夫を払いながら段階的に近づいていくということを私どもとしては考えておるわけであります。
○大木正吾君 国債の発行などが非常に大量ですから、大臣も非常に証券業界等に対しては強気で物が言えない環境ではないかと、私も若干同情しているんですけれどもね。ただ流通税全体的に見まして、今回の改正措置を見ていきましても、やっぱりなかなか実態がつかめないものもあろうと思うんですけれども、思いますけれども、とにかくやっぱり富裕者優遇といいましょうか、あるいはそういった考え方がどうしても根底に残されているといいましょうか、依然としてあるし、むしろきのうも大分ありましたけれども、誠備グループの事件とかいろんなことがありまして、まさしく証券業界なりに対しまして、やっぱり少しく厳しく大蔵省が出る出番という私は環境的にはそういう感じがするんですがね。ですから要するに、キャピタルゲイン非課税というような認識、あるいは実際の株式の売買の実態、そういったものに対してのもう少し、担当官がどれぐらいおるのか私よくわかりませんけれども、厳しいというかあるいはもうちょっとその辺の部分からの税収ということを見ることの方が、渡辺さんどうですかね、これはさっきの問題と関連しまして案外こういうところには手が届かない、いわば脱税とは申し上げませんけれども、税金逃れがあると私たちはまた感じておるんですよね。私も実は時間がありませんでしたから実態的に取引所に行って調べたわけでもありませんし、会社なんかなかなか秘密でもって明らかにしてくれませんからわかりませんけれども、しかしこの辺にむしろ高橋さん、税逃れといいましょうかあるいは税金もっと納めてもらいたいという問題点が存在している、こういうふうに感じているんですが、そういうふうに見ておられませんか。
○政府委員(高橋元君) これも所得税は総合累進課税であるべきだという長年の理想からいたしますと、所得税につきましては幾つか非課税になっておる所得が、一つは利子・配当が分離課税になっておるということだったわけでございますが、その点につきましては五十五年度の税制改正でグリーンカード制度というものを導入して五十九年か係ら総合課税の方向が確立をしたわけであります。 もう一つの穴と申しますのが、医師の社会保険診療報酬について七二%という税率を昭和二十九年以来決めておられたことでございますけれども、この点も昭和五十四年に実態に近い五二%という、五千万円以上の部分につきまして概算経費率を決めますことによっておおむね大半は合理化できたというふうに考えております。 三つ目にありますのが在価証券のキャピタルゲインでございまして、これは昭和二十八年からだんだんと課税できるケースをふやしてきたわけであります。現在では御案内のとおり、全体として六つのケースについて課税ができるということになっております。問題は、五十回、二十万株という場合、または一銘柄二十万株と申します場合、それらをさらに強化すべきではないかということでありますが、株の有価証券の譲渡差益について課税する場合の一番の問題は執行面であります。損ばかり申告されてしまって利益が出てこない。それからまた、必ずしも完全に捕捉ができるということでもありませんので、非常にむらが出てしまう。たまたま調べられた人だけが課税されてしまう、こういうことがあってはいけませんので、やはり総合課税という理想に、どうやって執行面で不公平を起こさないような措置を講じながら接近をしていくかということでございます。昨日もお答えを申し上げましたけれども、私ども証券の担当者も入れまして証券税制の研究会というような場もたびたび持っておりますから、そういうところで現実的にどういうふうに接近可能な執行上の手段があるかということを証券局、国税庁、証券業界の人たち、それから私どもよくよく実務的に相談をしながらいい方法を見つけてその理想に向かって近づけてまいりたいという考えでおります。
○大木正吾君 これは私の意見であり、同時に希望的なことを申し上げて、ぜひ大蔵当局のこれからの——確かに行政改革問題等についての政府の非常に強い態度と言いましょうか、補助金の問題なり行革問題の推進をする、要するに出る方を抑えていく、そういった態度は相当国会の中の論議を通じましてしっかり固まってきていると、こう判断いたしますが、ただ同時に、また試算もありましたとおり、今後の増税問題について中型にしても小型にしても、さっきの大臣の答弁ですといまのところ考えていないという御答弁でしたから、それはそれでいいですけれども、やっぱり中型にしても間接税万般にわたって手をつける——イギリスの失敗なんかもありますからそう簡単にできぬと思いますけれども、そういったことをする前に、先ほど申し上げた自由診療問題でありますとか、私の秘書にも税理士おりますので、これまたちょっと言いにくい話なんですが、そういった、弁護士さんとか税理士さんのお仕事に対する問題であるとか、同時にいまの流通税関係ですね、これについての抜け穴が幾つもあってなかなか捕捉できないわけですから、いずれ私たちもこういった問題についてもっと細かく調べた上で当委員会において質問してみたいという気持ちもいたしておりますが、とにかくそういった点で工夫をすれば税源というものは相当に捕捉でき、同時に税収も図れるというものがあるわけですね。ですから大臣に、これは最後にお伺いいたしますけれども、ぜひそういった問題に対しまして増収と言いますか、私は増税という言葉使いませんが、税の収納の、言えばウイークポイント的なところについてぜひ考えていただきまして、そして批判の多い間接税はもちろんのこと、同時に不公平がきわめて拡大しておりますところの所得税の減税等の財源ですね、こういったものについてはバランスをとって執行していただく、こういったことが一番望ましい現在の、言えば国民の感覚だろうと考えておりますので、大臣に最後にこういったことについて積極的にお取り組みをいただけるかどうか伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 医師税制の問題につきましては先ほど主税局長が言ったように、すでに是正をしたわけでございますが、最近目に余る架空請求、不正請求が発見をされます。しかしながら、それらは現在の税制によると、たとえ架空請求であっても七二%は経費控除をすることになっているわけですから、これは。それはおかしいじゃないかと、したがって架空請求や水増し請求した者は、その水増し部分だけは実額課税しろと、実額課税、経費がかってないんだから。一千万円インチキやったら七百二十万円経費を見ないで一千万円全部所得にしろと。あたりまえじゃないかということで、いま国税当局に対してはそういう調査をやったらどうかということを言っているんです。もう一つ進んで、ともかく百二にわたって、反復継続してちょこちょこ水増し請求ばっかりやっているという者は、水増し請求が一割か二割であっても全体の十そのものを、要するに特別に五二%経費控除だ、七二%控除だというようなことを認めるな、これは。もとのところから全部……、かかった経費は認めるけれども、かからない経費は認めない。あたりまえのことじゃないかと、そういうようにやったらどうだというのには法律を直さなきゃできないんですね、これは、法律を。したがってぜひともこれは議員立法で結構ですから与野党で一致して、こういう厳しき折、その水増し請求、架空請求を反復継続してやっている人はもう当分の間医師優遇の特別措置法は適用しない。三行ばかり書いてもらえばできちゃうんです、実際は。ところがこれも政府で出させようとするとむずかしいらしんですよ。なぜかと言うと、それはいろんなデータを集めてそれで何しなきゃならぬから時間がかかって、二ヵ月や三ヵ月で大臣にやれ言われてもできないと言うんです。こういうのは議員立法だと減税でも何でもできちゃうんだから。私はひとつ議員立法で考えてもらいたいと思うんですよ。今国会中にできないことはない。財政再建に非常に役立つと、そう思っておるわけです。 第二番目は、要するにキャピタルゲイン課税の問題ですが、これも法律を直さなきゃできないと。しかしながら、私は信用取引なんかできるんじゃないかと思うんですよね、みんな口座持っているわけだから。だからそこで何十万株以上動かした者については、それはもう二十万、五十万株というものに該当していればできないけれども、実際はそれをオーバーしているものだっていうことはわからぬわけですよ、調べないと。だからそこのところは私は少しこう、特に取引の多いものは調べてみれば何かヒントが出るんじゃないか、そこはまだ指示していないんだけれども、ぼくは。これも一つ研究材料なんです。だからただやってみろやってみろでもなかなかだめだから、少し検討して、どういうふうにしてやるかという問題について検討をしてみたい。いずれにしてもキャピタルゲインというものは、シャウプ勧告のときもそういうものを課税した上で、そうして要するに配当控除というものを認めるということになっているわけですから、これはいいところつまみ食いしちゃったということでも困るんで、今後の税体系の抜本を私は一遍やらなくちゃならぬと思っているんです。そのときには必ずこれは逃げて通れない問題であるから、いまのうちから研究をいたします。
○大木正吾君 終わります。
○鈴木和美君 お昼の時間まで大変恐縮ですが、高橋局長にもう一度印紙税のところで、確認という意味じゃないんですが、きのう私が質問申し上げて、記載金額のないものということで百円ということがありまして、それは今度は何でしょう、明経書とか番号とか記号とかそういうものを付したものを後ほど金額とするということで提案されていますね。ところがこれは、どっちがどうかわかりませんけれども、調査室の方のやつを私は見ておったら、「これらを当該文書の記載金額とする等、その計算方法を整備する。」と書いてあるんですが、それから片っ方の提案の方の法律案の方にはそうは書いてないんですね。これはどういうことに理解したらよろしゅうございましょう。
○政府委員(高橋元君) これは法案の要綱をお出し申し上げておると思うんでございますが、法案の要綱の中では2の(2)というところがございまして、「物品切手、請負契約書等の記載金額の計算方法を整備する。」と書いてございます。それを法律の条文で申しますと、いまお手元にあるいはごらんかと思いますが、別表第一の「課税物件表の適用に関する通則」第四項のイ、ロ、ハ、ニのニの(二)というところに具体的に書いてあるわけであります。 で、全体で不動産の契約書というのは六百六十万通ぐらいあるわけですけれども、その中の八十四万通ぐらいは記載金額がないわけであります、記載金額がないのはなぜかと申しますと、不動産でございますとたとえば田一反歩売りますと、値段は別に追って協議します、こういう契約書が出てくるわけでございますね。そういう場合にはこれは何万円だかわかりませんから百円、これからですと二百円張っておいていただく、後で値決めをしまして、それを三億、五億と決めましたときにその金額に応ずる印紙税を納めた本契約書をつくっていただくわけであります。それからまた売買契約でありますと、支払い方法を変えましょうと、これは金で払おうと思っておったけれども、一部分は代物弁済にしますと、あなたに対する貸付金を相殺しますと、こういうふうなことにしまして弁済方法を変えるわけでございますが、その中の記載金額がなくて、もとの売買金額の課税でそれで済んでしまう。その場合に、後の弁済方法の変更に関する部分は百円になります。通常はそうなんですが、八十四万通の中には、ただいま御提案申し上げておりますようにほかの文書を引用して強いて金目を書かないというものがあるわけです。ここにございますように、たとえば「名称、発行の日、記号、番号その他」によって引用されていることが明らかであると、建築の請負書でありますと別紙何月何日付見積書のとおりと、こう書きますと、記載金額がなくてしかも本契約ができてしまう。それでは全く脱法的でありますから、そういう場合には見積書に書いてある金額をもって請負契約書の金額としようと、しかるべき負担をしていただこうと、こういう趣旨の改正であります。繰り返しになりますが、八十四万通の全部が脱法的だと私ども思っておりませんけれども、最近かなり脱法的なものが目につきますので、今回そういう計算方法の整備をお願いをすることにしたわけでございます。
○鈴木和美君 わかりました。これは従来から議論されたものを今回で明らかにしたというように理解していいわけですね。
○政府委員(高橋元君) そのとおりであります。 それから一言つけ加えさせていただきますと、ネクタイ券とかくつ巻とかいうものがございまして、これは見ただけでは幾らのネクタイだか幾らのくつだかわからないわけで、お店に行って帳面を見ると、これは二千円ですとかこれは五千円ですとかいうようなことが初めてわかる。その場合には、これは物品切手で金額の表示がないわけであります、二万円でありますと現在は六百円印紙を張ってもらうやつが、ただの百円で済んでおるわけです、それは困りますから、今度は番号なり名称なり大きさなりでもって、これは二万円のくつ券だということであれば二万円相当の千二百円を払っていただくように、今回の改正案、課税の通則というところで同じような改正案をお出ししておるわけであります。
○鈴木和美君 わかりました。 もう一つの問題の確認ですが、昨日、私は十九号のところを申し上げて、百円が二百円になるということなんですが、「物品又は有価証券の譲渡に関する契約書」及び十八号の「金銭又は有価証券の寄託に関する契約書」ですか、こういう問題についてはきのうの御答弁では御検討なさるような答弁に私は承ったんですが、そういうふうに承ってよろしゅうございましょうか。
○政府委員(高橋元君) 普通の不動産でも船でも、そういうものでありませんものを売ります場合には、普通はキャッシュだと申し上げましたが、たとえば月賦で自動車を買ってくるとかそれからクーラーを買ってくるときには、これは売買契約書をつくります。また、代金を延べ払いにする場合も物品の売買契約書をつくるわけであります。そういうものにつきまして現在は定額税率の改正後でありますと二百円で済ませることになっておりますが、そういう点につきましては負担のバランスというものを考えて検討はしてみたいと思っております。それは昨日お答えしたとおりでありますが、ただ通常の場合キャッシュでもって、受取書については印紙を張りますけれども、契約書がないときが大半であるということのバランスも頭に置かなければならないかもしれませんが、昨日またただいまの御指摘もありますので、検討はいたしてまいります。
○鈴木和美君 それから印紙税の最後なんですが、きのうも私申し上げましたが、印紙税のその税額を決めるのにどうも科学的な根拠が私はないみたいに思うんですよ、それで予算全体の中ではつじつま合わせみたいなことで、結局足りなければこれだけ乗っけろというようなことで、その財源の中で今度はじき出した数字が全部こういうふうにしわ寄せされているように、私はそういうふうに思うんですよ。したがって財政事情及び現在の負担水準を考慮すればという言葉があるんですけれどもね、本当に印紙税というものが科学的なそういう根拠に基づいているのか。もしあれば、この機会にもう一度その負担水準についての科学的な考え方を聞かしていただきたいんです。
○政府委員(高橋元君) 印紙税の絶対水準は幾らがいいかという大変むずかしい御質問をいただいたわけでございます。これは昭和四十二年に全文改正いたしましたときの考え方というのは、文書をつくりますが、文書の背後には経済取引があるわけで、経済取引の背後には担税力があるであろう。したがって財産権の創設、変更等というものはそれなりの経済的利益を持っておるので、それに対して一万分の一、それから不動産を売ったりなんかいたしますと一万分の二という比例的な税率を求めようということで、ただこれは自主納付の文書税ですから、納税者の便宜を考えてそこを階段状にして百円刻みの印紙で張っていただけるような形の税率をつくったわけでございますが、最近のその負担水準に顧みというふうに要綱の中で申し上げておりますのは、また提案理由で申し上げておりますのは、その一万分の一とか二とかいうのは外国の立法例を見ても、また現在の財政状況を考えましても、もう少し御負担をいただける余地があるんではないかという考え方で階級定額税率と申しますか、簡易な比例税率を倍にしたわけでございます。したがいまして、その最低額である定額税率も倍になっておる、こういう考えでありますが、しからば一万分の二ないし四というのが絶対的にそれでいいのかどうかということになりますと、これは企業の総売上高の〇・一%弱ということですからまだまだこれは低いという見方もございますし、もうこのくらいでいっぱいだという見方をございます。実際きのうも申し上げたことですが、銀行振り込みで三割以上の取引が決済されるようになっていますから、そうなりますと文書がつくられる場合というのは非常に少なくなってきておる。それからすべての経済取引に係る文書について課税するというのではなくて、二十五種類の文書についてしか課税しないという限定がございます。そうなりますと、文書をつくって印紙税の負担を願う場合と、同じような経済取引がありながら印紙税の負担が全くない場合と出てきてしまっておるわけです。経済の実態はそうなっておりますので、その点も負担水準の高さを考えてまいる場合に念頭に置かなければならないのかというふうに思いますが、提案理由等で申し上げております財政事情とか負担水準というのは、そういう意味で、大体外国に比べましても日本の印紙税の負担水準は改正後でも高いとは言えないというふうに考えておる次第であります。
○委員長(中村太郎君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時五十分から再明することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 —————・————— 午後一時五十五分開会
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 自動車の問題に絡んでもう少しきのうの質問に関連してはっきりさせていただきたいと思うんですが、午前大木委員からも質問がありましたが、主税局長にまず固定資産税というのはどういう税か教えていただきたいんですが、固定資産税です。
○政府委員(矢澤富太郎君) 土地、建物あるいは機械等を課税標準といたしまして地方がかけている税金でございますが、思想といたしましては、地方自治体にいま所在すると申しますか、住民生活に最も身近なところにある課税標準であるということで地方財政の財源に充てられている性質の税金でございます。
○鈴木和美君 なぜ私そのことを聞くかというと、自動車税というものについて午前の部で大木委員に固定資産税的意味があるんだという局長の御説明があったと思うんです。私はいま自動車の状態を見ると、いわゆるいま御説明をいただいたような固定資産税とは全く違った、言わば自動車は活用することに意味があるんであって、そういう立場から見るといわゆる固定資産税的な税の課し方というのは多少おかしいんじゃないのかなと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(高橋元君) 御説明の便宜上そういう言葉を使わしていただいたわけですが、自動車税の性格は財産税でございます。財産税であるといいます。その理由が、これはもうたしか明治の六年ごろから自動車のあります前から車税という形でかかっておりました。それが今日に及んでおるわけでございますが、そういう特殊な財産に課税をすると、その観点は固定資産税を類推をいたしまして形状的な財産税の課税客体になるような資産という考え方が定着してきておる、したがいまして、自動車税には固定資産税的な要素、性格と申しますか、それとあわせまして道路損傷負担金的玄性格と二つを兼ね備えておりますが、財産税でございますからいわば固定資産税的なものであるという御説明を申し上げた次第です。
○鈴木和美君 私はむしろ、自動車税というのは道路を利用する者に対してその損傷とか何かという、どっちかと言えば重量税と同じような意味を持っていると思っておったんですが、これは間違いなんでしょうか、
○政府委員(高橋元君) 自動車が走行いたしますそれから発生する社会的なコスト、公害でございますとか交通事故でございますとかそういうこと、それから自動車の走行そのものが道路等の社会資本の充実を要請を当然いたすわけでございますから、自動車の走行に関連をして自動車の保有者に負担を求めるという税金はこれは自動車重量税というのがございます。二年間で二万五千六百円現在いただいておりますが、そのほかに自動車取得税というものがございまして、自動車を買ってきたと、取得したということで不動産取得税と同じように取得に担税力を見出す税金という説明がなされております。これは流通税でございますが、その財源は道路特定財源に充てられておりまして、道路損傷負担金的な性格を持っておるということに私どもは理解しております。自動車税は地方ではむしろ一般財源でございまして、これは道路財源に特定されておるという使途になっておらないこともあわせて申し上げたいと思います。
○鈴木和美君 もう一度、大変申しわけないんですが、局長そうすると、自動車の重量税というのはどういうものか、重量税をもう一日御説明いただけませんか。今度重量税。
○政府委員(矢澤富太郎君) 自動車重量税は、自動車の走行に伴いまして公害とかあるいは交通事故とか、各種の社会的費用を伴うものでございます。その自動車が走行いたしますと社会的費用を発生させるということに着目いたしまして設けられた税金でございまして、自動車が走行いたしますと、また同時に道路あるいは交通安全施設等の社会的資本の要請も強まるわけでございます。そういった点も配慮して創設されておりますが、税の性格としては一種の権利創設税だというふうに言われております。
○鈴木和美君 そういう御説明だといたしますとこんな矛盾があるんじゃないかと思うんですが、ここはどうでしょう。つまり道路の損傷、社会的な資産に対する損傷というようなことから見れば、一つは営業用とそれと自家用と税が違いますね。もう一つは、大きい車と小さい車の税の負担割合というのが大変矛盾があるように思うんですが、その点についてはどうでしょう。
○政府委員(高橋元君) 自動車重量税その名のごとく重量を大体課税標準として課するということでできておるわけであります。 これはいささか古い話になりますが、一九六〇年代に、たとえばフランス、ドイツ、そういうところで自動車が走行することに基づきます道路損傷、公害、その他の負担に対して適当な課税方法というのが検討されたわけでございます。そのときに、自動車がそういう道路損傷的な社会コストをもたらすのは自動車の車軸にかかります重量のたしか三乗だったと思いますが、三乗またはどっちか正確に覚えておりませんが、車軸の三乗または四乗で道路を壊していく。したがって車軸税という名前で一時取ったことがございますが、そういう車軸税的な要素を取り入れたらどうだというようないろいろな考え方が現在取り入れられておりまして、現在は自動車の自重〇・五トンごとに六千三百円というふうに決まっておりますから、したがいまして、通常の千六百ccぐらいの車ですと一万二千六百円、一年。車検ごとに二万五千二百円ですか、そういう税額になるわけでございます。したがいまして、たとえばリンカーンとかキャデラック、ロールスロイスとか、ああいう大きな車になりますともっと税金は重くなるわけでございます、トラックにつきましても、トラックの目方が大きくなる都度に税金が高くなる、こういう思想になっておりまして、元来は重量に比例するわけでございます。ただこれは、たしか四十九年の改正でそれまでフラットにすべての車は重量に比例して課税をしておったわけでございますけれども、営業用のトラック、バスというようなものにつきましては、タクシー料金またハイヤー料金、それから運送料金、そういうものに与える影響を考慮しまして営業用の引き上げに若干の配慮を加えて、現在営自の間で重量税率に差ができておる、こういう沿革でございまして、基本的な思想は自動車の重量に比例して課税をするということでございます。
○鈴木和美君 何人かの方々から何回も指摘されておりますように、やっぱりこの自動車税に対して物品税それから取得税、自動車税、重量税などなどを含めながら再検討をして、わかりやすいような税体系にすべきだと私は思うんですね。同時にわかりやすい体系にするときに、営業用または自家用、それから各小型、大型などなどの税に対しての公平感をもたらすように今後十分検討していただきたいと思うんですが、今後の方針はいかがでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 不動産、たとえば家屋でございますと、その取得につきましては取得税がかかっておる、その保有について固定資産税がかかっておるというような形でいろいろな税金が保有、取得、または利用についてそれぞれかかってくるわけでございます。自動車の場合には消費の段階、取得の段階、利用の段階、保有の段階、それぞれに課税されておるという意味では非常に課税される税目が多いことはまことにお示しのとおりでございます。 これらにつきまして、もっと簡明に納税者の方にもおわかりになりやすいように考え方を明らかにすべきでないかという御指摘をたびたびいただいておりまして、私どももさような方向で検討を進めてはおるわけでございますが、申し上げておりますように、課税主体、これはもう国あり都道府県あり市町村あり、それからこれが使われます財源も道路財源に充てられておるものがあり、そうでない一般財源のものもあり、なかなか現実問題としては答えを出すのにいろんな考えなければならない多くの問題があるわけでございますけれども、御趣旨はよく理解できますので、引き続いて検討したいというふうに考えます。
○鈴木和美君 自動車税の問題について最後ですが、午前の部でもお話がありましたが、道路の補修、改修、そういうものとの関係で、自動車税が仮に道路が十分であるというのであれば一般財源に使われるみたいな議論もある、また道路をもう少し拡張すべきじゃないか、国から地方にかけての道路も拡充すべきじゃないかという御意見があったんですが、私としては、やっぱり自動車税というものが道路の補完に十分なったというのであれば、やはりそれはユーザーに対して還元すべきだと思うんですね。ほかの財源に使うというようなことは絶対おかしいと思うんです。そういう点についてどういう考えを持っているか、最後にお尋ねします。
○政府委員(高橋元君) 典型的な一般財源と申しますと物品税がそうでございます、自動車の物品税は全体の物品税収の三割または三五%ぐらいでありますけれども、そういうものと、それから都道府県の財源でございます自動車税、これが典型的な一般財源でございます。そのほかのものはおおむね特定財源化されておるわけでございまして、特定財源とすることが適当かどうか、またこれは時代の変遷とともにどういうふうに考えるべきか、それについての考え方は午前中にお答えを申し上げましたけれども、なお秋本来のあり方との関連で特定財源とすることがどの程度まで許容されるのか、どの程度まで必要であるのか、一般財源化をどういうふうに進めていくのか、引き続いて税制調査会等においても検討をしていただきたいと思いますし、私どもも検討するつもりでおります。
○鈴木和美君 それから次に、有価証券の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 大変また原則的なことで恐縮ですが、有価証券取引税というものができた背景と、そのときの理由についてお尋ねしたいと思うんです。昭和二十八年八月にできたということは承知していますが、総合課税からどうしてそういう税に振りかわったのかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) いまの振りかわったのかというお尋ねでございますが、私は振りかわったというふうに理解していないわけでございます。 昭和二十八年の六月二十三日の衆議院の大蔵委員会で、有価証券取引税法案の提案理由の御説明を政府からいたしたわけでございますが、当時の御説明でございますと、「政府は、今回有価証券の譲渡所得に対する課税を廃止することとしているのでありますが、有価証券の取引を行う者の担税力等に顧みまして、この機会において有価証券取引税を創設し、有価証券の譲渡があった場合に軽度の税率により課税することとしている次第であります。」こうなっておりまして、これが「この機会において」と、こうありますものですから、有価証券のキャピタルゲインの所得課税をやめたからそのかわりに、こういうふうに理解されている向きが多いんだろうと思います。しかしながら、譲渡所得の課税は、これは実は法人税と有価証券の譲渡所得課税というのは一体になった思想でございまして、配当をしてしまわないで社内に留保しておきますとそれに応じて株価が上がってまいるわけです。その株を売りますれば、配当に対する課税を受けないでしかも有価証券の譲渡益は非課税でございますから、全く税金を負担しないで会社の蓄積を手にすることができる、こういうことになりましては実は法人税と所得税を通ずる全体の企業課税としてはしり抜けになります、なりまするので、当時は、昭和二十五年以来ずっと有価証券の譲渡所得の課税が続いたわけでございますが、いかにも現実に執行面で形にならない。たしか私の記憶は正確でないかもしれませんが、極端な話を聞きますと、課税実績は全くなかったというふうに聞いています。ほとんどなかったと言った方が正確かもしれません。それではかえって税の公平を害するというようなことから、この有価証券のキャピタルゲイン課税は当時の有価証券または資本市場の、何といいますか整理という政策要請もあったわけでございますから、その機会にやめまして、それでその後、三十五年以来キャピタルゲイン課税については段階的に拡張をしてきておるわけでございます。 ところが、有価証券取引税はこの機会につくられたわけでございますけれども、有価証券の移動の背後にあります担税力というものを基準にいたしまして、これに軽度の課税をしていく。したがって損があろうが得があろうが、この有価証券取引税は納めていただくわけです。売った場合には必ず納めていただく。日本では売った場合でございますが、外国では買った場合という場合が多いわけでございますが、売っても買ってもとにかく納めていただく。そういうことで流通税、これはいわば印紙税と同じような形の流通税でございます。その税の性格も全く違いますし、私どももこれは代替課税という因果関係になっておらないというふうに理解しておりまして、このことは昭和四十九年ですか、前回、前々回改正をいただきましたとき以来、政府の見解としてお答えをさしていただいてきております。
○鈴木和美君 特別に政府として、キャピタルゲイン税ないしは取引税というものは違うんだと、代替でないんだということを重ねて強調しなければならない何か特別の理由があるんですか。 なぜかと言いますと、財政金融法規の解説全集を私見ておりましたら、こういうふうに書いてあるんですが、それは間違いなんでしょうか。「昭和二二年四月に旧所得税法が施行された際、個人の有価証券売買益」は「総合課税の対象となっていた、しかし、有価証券売買益はその捕捉が容易でないうえに所得金額の計算も困難な場合が多いという税務執行上の困難性の問題と証券市場の育成という政策目的から、昭和二八年八月これを原則として非課税扱いにするとともに、新たに有価証券取引税を創設し、これに肩代わりさせることとなった。」と述べていますが、これは誤りなんですか。
○政府委員(高橋元君) 昨年の十一月に、社団法人日本証券業協会、これから有価証券取引税の税率引き上げ反対の御要望が出されておるわけですが、その中を拝見しますと、「有価証券取引税は、昭和二十八年に有価証券の譲渡所得が非課税とされた際、その代替として設けられたものであり、その後における有価証券譲渡所得課税の強化の経緯を見れば、有価証券取引税の税率引上げは行うべきでない。」と、こういうことが書かれてあります。 で、先ほどなぜそういうことを強調するのかというお尋ねでございますが、その二十八年の提案理由説明のときから、ややその辺に誤解を生ずる表現があったのかもしれませんけれども、私は有価証券譲渡所得課税はこれは所得税の本質の議論として、総合課税を進めていくという観点から段階的に強化を図らねばならないものだというふうに考えておりますし、現にその検討は引き続いて行っていくわけでございます。今回の有価証券取引税の税率の引き上げは、それと全く発想を異にしておりまして、こういうものが厚くなっていったからキャピタルゲインの方は非課税でいいんだという議論にはならないということを強く強調して、御認識をいただきたいと思ってお答えをしておるわけでございます。
○鈴木和美君 私もそこのところは大変強調したいところなんです。つまり流通税であるということだから余り高くない方というように考えられがちなんですが、つまり代替であるというような性格であるというんであれば大変考え方が変わりますね。これからの有価証券のいろんな増税問題について賛成の党もあるし、反対の党もあるわけです、その辺のところも考え方をきちっとしておかないと、大変私は誤解を与えるんじゃないかと思うんです。私はある意味では代替じゃないのかなと、こういまでも思っておるわけなんですけれども、その点いかがでしょう。
○政府委員(高橋元君) 四十八年の六月に、国会で四十九年改正の御説明をしております際から、代替課税ではないと、別種の課税であるという見解は繰り返してお答えを申し上げてまいりました。 で、有価証券取引税の税率がそれほど高くなれないという理由の一つとして、それは国際的にも受け入れられているわけでございますけれども、資本の自由移動の利益というものを阻害しないように、そこで有価証券の税率にはおのずからなる限度があるだろうということがOECDでも言われておりまして、それはそのような流通税の理論としてお考えいただきたいと思います。
○鈴木和美君 それならばどうして今回の取引税を上げることにしたんですか。
○政府委員(高橋元君) これは証券市場に与える影響を考慮しながら、生面の厳しい財政事情のもとでこの流通税にも相応の負担をお願いをいたすという趣旨に出たものであります。
○鈴木和美君 厳しい財政再建であるというのであれば、本質的にはつまり譲渡所得というかそこの方にむしろ目を向けるべきであって、この流通税の方に直ちに目を向けるべきではないと思うんですが、それはいかがでしょう。
○政府委員(高橋元君) 有価証券取引税は流通税でありますが、流通税である印紙税につきましても税負担の増加をお願いをいたしております。それと同じ趣旨で、当面の厳しい財政事情にかんがみ税負担の増をお願いをするわけでございますが、それとまた別途キャピタルゲイン課税につきましては、所得税の本旨からいたしまして、有価証券取引を把握する体制というものについて工夫を加えながら段階的に強化を図っていく。そのための工夫につきましては、私どもがつくっております証券税制研究会、その他いろいろな具体的な体制を工夫するための勉強を続けて段階的な強化を図っていきたい、こう考えておる次第でございます。
○鈴木和美君 先ほど私が述べました取引税のできた背景の中で、むしろキャピタルゲインの課税が廃止されたときのつまり理由ですね。非常に所得金額の計算も困難な場合が多いというのと、税務執行上の困難性と、もう一つは証券市場の育成という政策目的からこれを非課税にするということだと言ってますね。この廃止された背景と今日の背景とでは変わりがあるんですか、変わりがないんですか。
○政府委員(高橋元君) 昭和二十五年でございますか、財閥会社の持ち株解放ということがありましてから、非常に有価証券の個人保有がふえたわけでございますが、そういう環境のもとで証券市場の育成を——ずいぶん長い間株式取引所も閉まっておりましたので、図らなければならない政策的な要請は当時はあったと思います。現在そういうものがまだ引き続きあるかといえば、税制を通じてまたは所得税のキャピタルゲイン課税という重要な要素を犠牲にしてそういうものを図らなければならない政策的な理由は——これは見解がいろいろだと思いますけれども、私どもとしてはそこまではいっていないと思います。ただし、有価証券取引の把握またはそれによる所得の厳格な公平な把握という体制を整備するのに非常に困難があるという事情は引き続いて同じでございまして、その点については漸次工夫を加えながらいままで六種類のキャピタルゲイン課税を行うという体制をつくってまいりましたし、今後もさらに段階的に強化していきたいということであります。
○鈴木和美君 近藤さんからもお話があったんですが、どうしてその把握が困難なんですか。
○政府委員(高橋元君) 株主名簿で書きかえをやりますと、株主の方々にどれだけの配当所得が帰属しているかということは明らかになります。そういう意味では全く資料がないというわけではないんでございますけれども、いつ幾らで買った株をいつ幾らで売ったと、そういう売り買いの差額としての利益というものを把握することは、売り買いそのものについて——これは申し上げておりますように申告所得税が良心税だという形で、個々の営業の場合に仕入れをして物を売ります。その差額を計算をして事業の所得として申告をしていただくと、そういう場合に比べて特にむずかしい点があるかといえば、理論上は同じなんですが、実際は証券市場の現状からするとなかなかむずかしい。これが実名を使って一々買って売るというのじゃなくて、人の名義の株を売ったり買ったりしているわけでございますから、そこのところがなかなか把握できないというのが現実かと思います。取引に当たって名義書きかえが行われることがないとか、それから申告がなければ譲渡された有価証券の原価がわからないとか、それから仮にもうかったといたしましても同じ年に一方で損をしておられるかもしれない。利益から損を引かないと所得が決まらないとか、取引の件数が非常に大きいと、こういうことが有価証券の譲渡所得を正確に把握する場合の技術的な困難でございまして、こういうことを逐次解決するような方法を実務的に検討をいたしておるわけであります。
○鈴木和美君 所得というかもうけというか、その把握が困難であるということはある程度うなづけるんですよ。しかし取引の状態というものは把握しようと思えばできるんでしょう。できないんですか。
○政府委員(高橋元君) もちろん有価証券取引税を納めていただいておるわけですから、有価証券を個人または法人が売られた場合には正確にわかるわけであります。有価証券取引税はそうでなければ納税ができないわけでございますから。ただその場合に所得が幾らになっているか、一方で有価証券取引税は納めておられるけれども、実は損をしておるという方もあるわけでございますから、もうけまたは損がどのくらいであるかということを把握するのが大変むずかしいということを申し上げておるわけでございます。
○鈴木和美君 それは二十八年以降ずうっとこういう制度をとってきて今日でも同じ制度なんでしょう、特別変わったことはないんでしょう。そうすると二十八年から、ことしは五十六年になろうとしているのですけれども、何年間同じことを繰り返しているということになりましょう。
○政府委員(高橋元君) おしかりをいただいて恐縮に存じますが、その間、五十回、二十万株というような高額かつ反復的な取引について課税を行いますとか、事業譲渡類似の株式について譲渡所得の課税をいたしますとか、買い集めの所得について課税をいたしますとか、ゴルフ場の会員権、これは株式形態の会員権の譲渡に対する所得を課税いたしますとか、一銘柄について年間二十万株以上の株式を売った場合の譲渡益に課税いたしますとか、それから特別報告銘柄を二十万株以上売った場合に課税いたしますとか、合計六つの課税というものを段階的に強化を図りながらやるようにしてきておるわけでございます。これらにつきましては把握の実情が低いではないか、あるいはもっとケースを広げるべきではないかという御指摘があることは重々承知しておりまして、それに対応する把握体制というものについて実務的に検討を進めながら前進をしていきたいという考え方であります。
○鈴木和美君 私は個人的に、いま五十回とか二十万株をどうするということはそれほど興味がないんです。やってみたってそう効果が上がらないのじゃないのかなと私は個人的には思っているんです。なぜならば、その把握する体制が完全にとれなければここのところをいじってみたってそれほど益はないですね。ですからそういう問題はあるんですけれども、沿革的に五十回とか二十万株とかいうことが決められた経緯というのは何でそれは決められたのですか。
○政府委員(高橋元君) 当初は、事業または事業に近い形で有価証券を売ります場合には、事業所得という形でやっておったわけでございます。事業所得として課税いたしております場合でも、税務上の執行上の判断で事業所得とこういうふうに見ておったわけでございますから、実際にいろいろなトラブルが発生しておった。そこで昭和三十六年になりまして、ある程度以上の大きさの取引を課税対象とするということをもっと明確にしますために、五十回かつ二十万株という外形基準で法令上決めたわけでございます。したがって課税されますものは譲渡所得であります場合、雑所得であります場合、事業所得であります場合、さまざまでございますけれども、外形基準で、頻繁かつ大量に売られるというものを課税の対象にしたわけでございます。
○鈴木和美君 これは証券局になるかどうか知りませんけれども、五十回、二十万株ということが厳に公正に守られているというように把握すべきなんでしょうか。それとも、五十回ですから五十回以下、四十九回までですね、そういうようなことで架空名義か何かでいろいろ方々に手を出しながらやっているのが実態なのか。実態はどういうことになっていると理解すればいいでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 私ども税制の立場からいたしますと、そういうことが的確に把握されることを望みかつそれを可能なようにする工夫を執行当局がやってもらっておると思っておるわけでございますが、五十回かつ二十万株ということでございますので、四十九回で百万株でもだめだし五十回で十九万株でもだめだし、こういうことで二重にたががかかっているという御説があることもまた事実だと思っております。
○鈴木和美君 所得の捕捉をするということと取引の把握をするということとはちょっと違いますね。そういう意味からすると、取引の状態を把握するというのは申告納税になっているからそれでだけしかできないのですか。これは税務署ですね、税務署の方に取引税を納めるときに証券会社が預かった金額を払う、それによってわかるというだけですね、これは税の捕捉の方ですけれども、そうじゃなくて、公正に取引が行われていたかいないかということはどこが把握をすることなんですか、取引の状態を調べるというのは。
○政府委員(高橋元君) 有価証券取引税は、通常の場合証券会社が売買の注文を受けて執行いたします。その段階で証券会社が現金でお客分を集めて納めてくるわけです。相対で売ります場合には印紙で、印紙を張って納めていただくということになっておりますから、売買移動ということは有価証券取引税に関する限りはそういう形で把握できるわけでございます。しかしながら、証券会社を通じ取引所において売買ができましても、それが幾らで買った株を幾らで売っているのかということになりますと個人でしかわからないわけであります。個人が申告をなさってくるときに取得価格と売却価格の差額を譲渡益として出していただく、これは他の事業所得についても同様でございますが、そういうふうに個人が申告納税の趣旨に従って正確に計算されるという前提でいまの所得税法は全部できておるわけでございますから、それの申告水準を上げるためにさらにどのような資料で捕捉すべきかということだと思います。
○鈴木和美君 税務署が証券会社に行きましていろいろなことを仮に調べるというときには、自由にすべて公開させてやることができるんですか、それとも何か制約があるんですか。
○政府委員(高橋元君) 証券局でいまに参りましてお答えをしますが、顧客からの注文を一々第三者に公表するということにはなっていないと思いますし、またそれが証券会社としての仕事の中身だろうというふうに考えております。
○鈴木和美君 お言葉でしょうけれども、第三者というのは税務署も含めてですか。ただ個人に見せてくれと言われたからだれが幾ら買っているかということだけを見せることはまかりならぬと。その第三者というのは税務署も含まれているのですか。
○政府委員(高橋元君) お客からの注文を人に公開するということは通常は仕事の上ではやらないと、それが顧客と業者の間の信頼関係だというふうに思っておりますが、税務署に対してもその資料は直には参らない、現状ではそうなっております。
○鈴木和美君 そうすると税務署は、所得の把握をする一つの資料といいますか、そういうもので仮に見たい、使いたいというようなことがあっても全然見れないということになるんですか。
○政府委員(高橋元君) 所得税法の二百三十四条は国税庁及び国税局または税務署の当該職員の質問検査権を定めておりますが、何の何々という個人の所得を調べるために必要な範囲で質問検査することは可能でありますけれども、証券業者が扱った注文全体を税務署に教えてくるという形にはなっていないわけであります。
○鈴木和美君 ちょっと横道にそれるかもしれませんけれども、取引税法の十一条の申告による納付という問題と、特別徴収による納付というこの条項についての御説明をちょっといただけませんか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 特別徴収による納付は、たとえば一般の人あるいは一般の会社が証券会社等を通じて証券売買を行いましたときに証券会社が徴収をいたしまして納付する制度を特別徴収と申しております。 それから申告納付の場合でございますが、これは相対売買、証券会社が自分の持っておる株式を取引所を通さないで相対で売買する場合に納付する場合の制度でございます。
○鈴木和美君 特別徴収の方はわかりますけれども、片っ方の申告納付の方はいまのお答えでいいんですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 失礼いたしました。 証券会社が自分で自分の持っているものを売却する場合の納付の方法でございます。
○鈴木和美君 その申告されたつまり取引税ですね、取引税が申告されて、税務署はそれを見て、つまり利益があったかないか、所得があったかないかという程度のことしかできないんですか。
○政府委員(高橋元君) これは申告による納付の場合でも特別徴収の場合でも、一ヵ月間に証券会社が委託を受けた場合または自己の株を売った場合、その総額を税務署に申告をしてくるわけでございますから、個々の注文の内容、まただれから受託したかということまでは申告をとっておりません。またそういう制度でもないわけであります。
○鈴木和美君 それはいま初めて知ったんですけれども、そうしますとあれですか、逆に疑問が出てくるんですが、証券会社の個々のいろんなものが見せてもらえないというと、証券会社が脱税しようと思えば幾らでもできるわけですね、いまの話から言えば。総額でやるだけだというのであれば、非常におかしいんじゃないですか。
○政府委員(高橋元君) 有価証券取引税法も二十二条に質問検査権というのがございまして、その月間の取引について申告納付または特別徴収による納付、それがありました場合に、それが正確に計算されておるか、正確な基礎帳簿があるかということ、有価証券取引税の納付について疑いがあれば税務署が質問検査をすることができることになっておりますが、それ以上の目的はこの有価証券取引税法の二十二条の質問検査権に含まれていないわけでございます。「有価証券取引税に関する調査について必要があるときは、」ということでございますから、つまり万分の四十五という税金を正確に払っているかどうかという目的の範囲で質問検査できるわけであります。
○鈴木和美君 そうしますと、疑問を持たない場合ということは、疑問を持たなければもう税務署はそこのところに入れないということになりますか。
○政府委員(高橋元君) ちょっと正確に御質問理解できておるかどうか、お許しを願いたいんですが、委託を受けて証券会社がお客のために株を売りますですね、そのときにお客から、その売買代金から有価証券取引税を差っ引きます。差っ引いて、預かったものを納めてくるわけでございます。 それはそれとして、有価証券取引税が正確に計算され納付されているかということを有価証券取引税法の二十二条で質問検査をいたします。一方所得税法の二百三十四条と申しますのは、その顧客の所得について、税務署が個人について所得計算に疑問を持ったときにその取引先である証券業者にも質問ができると、こういうことでございますから、質問検査権と申しましてもその使い方なり趣旨なりというのは全く別のものになっておるわけでございます。
○鈴木和美君 この二十二条ですね、いまお話の二十二条というものは正確に納められているか、納められていないかということに関して税務署が入ることですね。正確に納められている、納められていないということは、そのときに証券会社の記帳とか番号とか何かというのは全部そこで見ることができることになりますか、
○政府委員(高橋元君) 鈴木委員の御疑問、お尋ねは、恐らく顧客がどういう注文を出してそれを証券会社がどういうふうに記録しておって、その記録を顧客について見せてくれということが二十二条でできるかという御趣旨かと思いますけれども、二十二条は有価証券取引税が正確に計算され、納付されているかということの調査でございますから、顧客の所得が正確であるかどうか、顧客と申しますのは顧客の売り値、買い値両方が顧客のところまでいかないとわからない、そこまでを調べる権限ではないわけであります。
○鈴木和美君 私が問題にしている観点は、個人であれ法人であれ、法人の方はどっちかというと決算に載ってきますからまだいいんですけれども、そうでない証券屋が相当利益を持っている、また個人も持っていると。しかしこれをどうやって利益を捕捉するかという捕捉の方法からずっと考えてくると、だれか現行の法体系の中でも個々個々のその利益の状態というものを調べることはできないのかと、そういうのが一番疑問点としてあるわけですね。そうするとこの二十二条で言うと、つまり取引税が正確に納められているか納められていないかというだけですから、それに関しては個人の個々個々にまで立ち入るということはできないですね、税務署は。その証券会社がつまり公正に納めているかというだけの調査でしょう。これではちょっと所得の方では把握できないなと思うんですわ。しかしおかしいと思えばそれはおかしいなりにまた調査はできますよ。しかし一般論としてどうかということを私聞いているんですよ。
○政府委員(高橋元君) たとえば売上代金を銀行に預金をいたします。そこから必要な仕入れをまた払っていくわけでありますが、銀行が預金取引を始めまして顧客から預金を預かった、それからまたそれを払い出したということを一々顧客にかわりまして税務署に出すということはこれはできないし、またないわけでございます。そういう規定は、で、いま問題にありますのは、その顧客になっております所得者が正確に所得計算をしていないだろうということを税務署が把握し、または把握したいと思いますときに、銀行にこの人の口座の出入りを教えてくださいという形で頼んで見せてもらうというのがいまの質問検査権でございますから、有価証券取引税の有価証券取引に係る譲渡益の把握についても質問検査権の範囲としては同じことになっておるわけであります。
○鈴木和美君 大臣にちょっとお尋ねしますが、有価証券のこういう問題を取り扱っているのは東京では日本橋だけですか、税務署は。非常に少ないですね。ですから必ずしも完全な所得の把握をする、捕捉をするということができない状態にあるんですね。そのためにいまのずっとお話ししてきたように、本当におかしいと、それこそいろいろな情報とか何かの提供があっておかしいと思わなければなかなか手が入れられない。いまの制度はこのように私なっていると思うんですよ。これでは非常に不公平感というのがますますつのると思うんですね、だからもっと証券会社と税務署の捕捉の関係というものを、常に個々個々の問題にまで手が入れられるみたいに私はすべきじゃないかと思うんですが、その考え方についてどうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは銀行調査と同じで、だれから預かってだれに貸したかというのは調べているわけですからね。ただ銀行へ行って全部見せろということはやらないらしいですよ、これは、だれそれさんと、渡辺さんとかね、その関係また類似したのは全部調べるということをやっているんですよ、どこでも、ですから証券会社へ行って膨大なものがあっても、そのうちでこういうような人、こういうような人の取引関係をひとつ調べたいと言えば協力するはずです。私はそう思っています。また証券会社は実際は持っているんですよ。株なんというのはみんな自分で株券持っている人はいないわけですから、取引で売ったり買ったりする人が一々株券取りに行ったりまた持ち出してきたりなんてやらぬですよ。かなりプロでなくともある程度の人は証券会社にみんな預けてあるわけですから、一切が。だからもう預かり証だけでそれの差しかえですからね、向こうでは、長いお客さんは、この人は何年間に幾らで買ったコストの株を幾らで売って幾ら利益があって、いま預かっているやつのコストはどうだと、全部コンピューターに入っているんです。これは実際は全部入っているんです。ですからそういうのを指示していけば出るんですよ。調べればわかるんです。私はそう思っています。何もそこに法律上調べて悪いという規則はないはずですから。ただ量が多いから全部は調べられないというだけのことであって、私は調べる気があれば調べられるんじゃないかと思うんですがね、現在の法律で。ただそこで、証券会社がもっと便宜を図ってくれれば調べが簡単だというだけのことで、みんな大きな証券会社なんか持っているわけですよ、どの人は一年間に幾らもうかったと、全部わかっているんです。ただ教えてくれない、全部については。そういうように私は思っていますから、これはやっぱり税務調査の弾力的運用によって、特別な立法をしなくてもある程度は調べがつくと、そう思っていますがね。
○鈴木和美君 私も一般的にそう思うんですが、現実は大臣、やっぱり違うと思うんですね。やっぱり違うんですよ。われわれ常識的に考えれば調べられると思うんですよ。ところがやっぱり証券の性格上、また証券会社が個人との問題でなかなかそれに協力してくれない、教えてくれないというのが往々にしてあるわけですね。むしろ最近はその方が多いんじゃないでしょうか。そういう意味ではいま大臣がおっしゃったその見解、態度、姿勢、ぜひ強く私は推し進めてもらいたいと思うんですよ。これが一つ、ぜひお願いします。 それからもう一つは、非常にまたこんなこと伺って恐縮ですが、医師優遇税、医師の調査と税理士の問題、大木委員への答弁で、議員立法までやってくれというお話がありました、しかし大臣ね、これ何ぼここで決めたって、それを調査する人間がいなきゃだめなんですよ。それがいないことには幾らいろんなこと決めたって私は無理だと思う。きょうの議題にはなじまないかもしれませんけれども、罰則を五年から七年に今度は直すというでしょう、いいことですよ。しかし実際に七年に延ばしても、だれが行くんですか、調べに。数が少ないんですから。いま私は、だからあれを見ながら思ったんですが、大臣は七年に一回ぐらいやっぱりこれは相談、実調などをしないとおかしいなと思ってあの五年を七年にしたんだと思うんですよ。七年に一回ぐらいはせめてやろうじゃないかと。七年に一日ということは、ちょうど税務職員を三千名ふやさなきゃいかぬですよ、七年に一回というのは。そうでないと、ああいうものをつくったって本当に実際は効果が上がらないんですね。だから私はそういう意味でも、徴税というか納税の不公平というそういう意味では、大木委員に答えられた大臣のあの姿勢というのは高く買いますよ。しかし同時に、それを実質的に裏打ちすることは、しつこいはうですけれども、ぜひ頭の中に入れてがんばってほしいと私は再度お願い申し上げます。 最後ですが、先般の五十二年の税制調査会におきまして、ずっと私が問題にしてきましたいわゆる取引税といまの譲渡所得の問題というのは別だというように仮に理解したといたしまして、最近の証券界の状態を見れば、やっぱりそこに大きなもうけの幅というのが現にあるわけですから、そのやっぱりキャピタルゲインまでさかのぼるような体制というのをつくってほしいと思うんですわ。これは税制調査会が五十二年の十月に有価証券譲渡所得課税について「有価証券譲渡益についても総合課税の対象とすることが望ましいが、有価証券取引を把握する体制が十分整備されないまま総合課税に移行する場合には、新しい不公平を招くおそれがあるので、段階的に課税の強化を図っていくのが適当である。」と述べていますね。それから私が先ほど申し上げましたように、二十八年以来いろんなことがあったかもしれませんけれども、このままの状態で来ているわけですね。ですからやはり、これは真剣な体制の整備、調査、検討というのが私は必要だと思いますが、その展望、対策について改めてお伺いをしておきたいと思うんです、
○政府委員(高橋元君) 総合課税の方向で有価証券譲渡益の課税を段階的に強化していく、この方針には変わりございません。五十二年の中期答申でそういう御指摘をいただいて、その後五十四年の改正で一銘柄二十万株以上という課税を新しく導入をしたわけでございますし、特別報告銘柄につきましての課税も五十四年の改正で加わったわけでございます、そういう意味で譲渡益の総合課税の方向での段階的な強化は着々進んでおりますですが、先ほど来お示しのございますように、その把握体制がまだ十分と言えないということでございます。御指摘そのとおりだと思います。大臣からもお答えがありましたように、その点につきまして今後証券税制研究会と申しますか、私どもと証券業者を交えました役所との間の具体的なかつ実務的な方法についての詰めを経て漸次その体制を強化し、またそれによって段階的な強化の方向を歩みたいというふうに考えておる次第でございます。
○鈴木和美君 最後に大蔵大臣、いまのこの総合課税についての元気のある答弁をお願いをして終わりたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) やはりこれだけやかましくなってきますとね、利子所得も総合課税にするということになると、キャピタルゲインだけが総合課税にしなくてもそれは非課税でいいというわけにはなかなかこれはいかぬでしょう。ですからどういうようにするか、これは技術上の問題ですからね。だから私も勉強したいと思っているんですが、仰せいま忙しくて勉強する暇がない。速やかに国会を終わらしてもらって、少し暇をつくってもらって真剣に内部でよく相談します。
○塩出啓典君 それでは最初に、有価証券取引税の問題についてお尋ねをしたいと思います。 きのうからの本委員会の論議で、昭和二十八年に有価証券の譲渡所得課税が廃止をされたと、そのときにこの有価証券取引税が設けられたわけでありますが、これは決してかわりではないと、たまたま時期が一緒になったんだと、このように御説明をいただいたわけでありますが、そこで廃止前のいわゆる譲渡所得課税というのはどういう内容であったのか。またこれをやめた理由は、所得の把握が困難でこのままでは新たな不公平を生ずると、そういうことで廃止をしたと、こう理解していいのかお伺いします。
○政府委員(高橋元君) 昭和二十八年に廃止をいたします前は、一般の譲渡所得と同様に課税をしておりました、すなわち当時は幾らだったかわかりませんが、定額控除をした後二分の一で課税をしておったわけでございます。それで二十八年に株式等の譲渡による所得のうち、譲渡所得に該当するものは非課税といたしまして、事業所得または雑所得に該当するものは課税と、こういうことにしたわけですが、その執行の基準は必ずしも明瞭でなくて、いまありますような六ヵ月未満の株式を年五十回、二万五千株以上取引した場合というのがおおむねそのときの基準であったようでございます。 その後三十六年に事業譲渡類似を加え、買い集めを加え、五十回以上かつ二十万株以上ということを法令で明らかにし、あと四十一年と四十八年それぞれ、たとえば事業譲渡類似株式の譲渡を加えるとかゴルフの会員権を加えるとかいうことをやって、五十四年に二十万株以上の同一銘柄の株式の売りつけ、特別報告銘柄の二十万株以上の売買による所得というものを課税の対象にしてきたということでございます。
○塩出啓典君 有価証券取引税の国税収入に占めるウエートは昭和五十四年度で〇・八%、西ドイツが〇・〇七、フランスが〇・一等に比べて非常に高い水準であるように思うわけでありますが、国際的な比較はどうなのか、簡単で結構ですから。
○政府委員(矢澤富太郎君) 国税収入に占める割合でございますが、日本の場合は五十六年の予算で一・〇でございます。イギリスが五十三年で〇・五、西ドイツが〇・〇五、フランスが〇・一でございます。 それから外国との税制そのものの比較を申し上げますと、アメリカの場合には国税での有価証券取引税はございません。ただニューヨーク州に州税で有価証券取引税がございまして、これは株価の金額によって率が違っておりますから、ただいまのニューヨーク州のダウ平均で基準をとりますと〇・〇四二一というような率でございます。それからイギリスの場合が二%、株券でございます。西ドイツの場合が〇・二五%、フランスの場合が〇・三ないし〇・一五%というような数字でございます。
○塩出啓典君 本委員会における主税局長の答弁は、これはキャピタルゲイン課税にかわるものではない、これはしたがってキャピタルゲインがあろうがロスがあろうが全部かけるわけだから、税負担は有価証券の本質である円滑な流通性を阻害してはいかぬと、そういう点から低いものであるべきであると、こういう見解と理解していいのか。
○政府委員(高橋元君) 一九七二年にOECDの租税委員会で、資本の自由移動の利益にかんがみ国内取引、外国取引を問わず個々の取引について〇・五%程度とすること、しかしいかなる場合も一%を超えないこととすべきことを提案してしかるべしと考えるというような意見が出てきたわけでございますけれども、まだこの意見はOECDの租税委員会としての決定には至っておりません。その理由はEC加盟諸国の中でもまだ国によってさまざまである、態度が必ずしも一致していないということのようでありますけれども、いずれにしても資本の自由移動の利益というものは株式の譲渡によって実現されるわけでございますから、そこを阻害しないような具体的な国際的な常識というのが一%を超えないということにあるだろうと、どんな場合でも。少なくとも〇・五%程度が国際的な通念として、流通税としての税率の基準ではなかろうかというのが現状でございます。
○塩出啓典君 前回の引き上げのときに当時の大倉主税局長は、共通の認識としてOECDの資本取引関係の委員会あるいは税の関係の委員会等では〇・五ぐらいが大体いいという意見であると、このように答弁をしております。 また、わが党の鈴木一弘委員の質問に答えて、この五十三年度のときには一〇・四五%という」——これは株式の場合でありますが、「水準になりますので、少なくとも当面ここしばらくはこれが妥当な水準で」あると、このように答弁をしているわけでありますが、これを今回〇・五五にさらに引き上げる理由は何でしょうか。
○政府委員(高橋元君) いまの五十三年の三月二十八日にこの委員会で鈴木委員の御質問に対して、当時の大倉政府委員がお答えしておりますのもいまお話のとおりでございますが、しかし、「将来一切これを固定すべきものだということに言い切る自信もございません」というお断りをしておりますし、その前に、御引用になりました答弁の中でも、「将来の財政事情に応じましてこの税にさらにその負担をしていただくという可能性を否定するものではございませんけれども、」、こういうことを申し上げておりました。 今回、有価証券取引税の税率を二種の甲につきまして万分の四十五から万分の五十五に上げさせていただくという御提案をいたしておりますのは、いままさに前回大倉政府委員から申し上げましたそのただし書きのところの事情でございます。現下の厳しい財政事情のもとで、たとえば社会福祉とか文教等の財源に充てるために既存税目の見直しを広範に行ったわけでございますが、その際、有価証券取引税の水準が欧米に比べてすでにかなりの水準にあることは事実でございます。それは認識はあるわけでございますけれども、株式、公社債市場にできるだけ影響を及ぼさないことに配慮して、今回の改正案を作成して御審議をいただくということになりましたわけでございます。
○塩出啓典君 まあ私はこの有価証券取引税というのは、たとえばお酒の税のような従量税ではなしに、いわゆる売買価格が上昇すれば税金もふえていくと、そういう点では従価税的な性格を持っておる。したがってこういうものはよほどのことがなければそう上げるべきものではないんではないか。やっぱり各税の間のバランスを保つ意味においてそのような配慮が必要じゃないかと思いますが、ところがこの取引税は、昭和四十八年に二倍、昭和五十三年に一・五倍、したがって有価証券取引税の税収は他の税収に比して伸び率は昭和四十五年との対比で三倍以上にもなっておるわけであります。それが今回さらに上がる。それに対して担税力に配慮をして今回ふやすというそういうお話でございますが、現在の高度成長から低成長に従っていろいろ証券業界の変化もあると思うんでありますが、現段階において昭和四十八年あるいは五十二年に比べて担税力がふえておるという根拠は何ですか。
○政府委員(高橋元君) 担税力がある、それを推定をいたしまして軽度の流通税をかけるという御説明をいたしておりますが、担税力がふえたと申しますよりも担税力のある者に対しまして厳しい財政事情に応じて若干の負担の増加をお願いをいたすという趣旨でありまして、それは印紙税の税率の引き上げをお願いいたしておりますのと同じ考え方でございます。 仰せのように、昭和四十七年を一〇〇といたしますと、有価証券の取引税の税収は五十五年には約五倍弱になっております。法人税が三倍弱、酒税が二倍弱というのに比べますと、確かにかなり伸長度が高いわけで、その間万分の十五の税率が万分の四十五まできておるわけでございます。国際的に見てまだ国際的な常識からいたしまして、万分の五十五というのは一応の水準であるというふうに考えておりますが、そこまで厳しい財政事情ということから御負担をお願い申し上げたいということが私どもの考えでございます。
○塩出啓典君 今後さらにこれを上げる考えはあるのか、あるいは上げないのか、あるいはどういう状況になったときに上げるというお考えであるのか、その点どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) まあ大臣先ほどは将来のことはもういま全く考えていないとこう申し上げましたので、私も同様なお答えをする以外にないわけでございますが、五十三年の御審議のときに、当時の大倉政府委員が申しておりました、「将来の財政事情に応じましてこの税にさらにその負担をしていただくという可能性を否定するものではございませんけれども、当面の負担水準としましては、」、やはりこの水準で安定させて市場の反応を見るということが妥当ではなかろうかと私どもとしては考えております。とお答えしておりますが、それと同じ気持ちでおります。
○塩出啓典君 最近の株式売買回転率の平均は法人と個人に分けてどの程度であるのか。私の認識では法人よりもはるかに個人の方が回転率が高い。したがって今回の取引税の引き上げが、法人よりも回転率の高い個人の方により打撃を与え、これは昨日からも論議になっておりますいわゆる個人株主がだんだん低迷をしておる、低下をしておる、そういう状況にさらに拍車をかけるんではないか。そういう点はどうなのか。
○政府委員(吉本宏君) 株式売買の回転率でございますけれども、仰せのとおり個人の回転率がやや高いと、特に信用取引の回転率が高いということは事実でございます。大体個人の平均的な数字を見ますと、信用取引の場合が年九・四回、それ以外の現金取引の場合が〇・九回、こういうことになっております。したがいまして、今回の株式売買に係る取引税が上がるということは、それだけ一つマイナス要因になることは事実でございますけれども、この問題とそれから一般的な個人株主の問題とは必ずしも直ちに結びつくというふうには考えておりません。 この個人の持ち株比率の問題につきましては、しばしば御指摘がございます。これは非常にむずかしい問題でございまして、どうやってこの問題に対処していくかということにつきまして、私どもも日ごろいろいろ検討をしているところでございます。何と申しましても、やはり株式の魅力が低下しておると、利回りが一・四、五%程度のものでございますので、持っていてもどうも配当に多くを期待できないという問題がございます。私どもとしてはこれに対処して、できるだけ企業の配当性向を高めると、利益が出たらできるだけ多くの部分を配当に向けてほしいということを言っているわけであります。さらに時価発行の還元ルールとでも申しますか、増資をする場合に時価で公募増資をするわけでございますけれども、この時価と額面との間にプレミアムが発生するわけであります。このプレミアムを企業が自分でポケットに入れる、こういうことになるわけであります。このプレミアムをできるだけ株主に還元してほしいというようなことも言っているわけであります。最近私どもとして、単に時価発行ということだけでなしに中間発行と申しますか、時価と額面との間ぐらいの価格でひとつ発行するということも考えてほしいというようなことも言っております。さらに、いわゆる株式の供給が少ないということも非常に問題でございます。株式の供給が少ないために市場の需給が逼迫して、投機的な動きが増すということもございます。したがいまして、この辺につきましても、私どもとして何とか株式の供給をふやすために転換社債とか、あるいは最近商法の改正で新株引受権付の社債というようなものも新たに発行することになっておりますが、こういったこと、あるいは株式の分割を促進すると、株式を分割することによりまして株価を冷やすという効果もあるわけでありますから、こういうようなこともあわせて検討してまいりたいと、それから法人の持ち株が余り行き過ぎないように、そういったことで法人の株式の相互保有というようなことにつきましても、最近商法の改正規定の中に挿入されてございます。あるいは昨日も大臣から答弁がございましたけれども、従業員の持ち株制度というようなことについてもできるだけ私どもとしても促進をしてまいったらどうだろうかというようなことを考えています。 いずれにいたしましても、個人の持ち株の問題はそれ自体非常に重要な問題でございますので、有価証券取引税の問題とは一応切り離して、基本的に考えていく必要があるんではないかと、このように考えて、おります。
○塩出啓典君 それから、いま個人株主をふやすためのいろいろな証券局長の御意見を承ったわけでありますが、この点についてはまだ後触れるといたしまして、まずいわゆる証券会社のディーラー機能としての自己売買の状況はどうなのか。今回証券会社の自己売買に関する取引税は据え置かれておるわけでありますが、私はこれはいわゆる中小証券に対する配慮であると、このように説明を聞いておるわけでありますが、そのあたりを数字をもって御説明——数字じゃなくてもいい、大体の状況を御説明願いたい。
○政府委員(吉本宏君) ただいま証券会社の株式の自己売買についてお尋ねがございました。私どもの持っております数字では、特に株式の自己売買については中小証券におけるウエートが高くなっております、たとえば自己売買の数字で、五十五年度これは四大証券でございますが、四社の場合が自己売買三八%、その他の会員で見ますと六一・八%、それから非会員が〇・三%、これは株式の委託売買のうちの構成でございます。そういうことで自己売買のウエートがかなり高こうございますので、中小証券の立場として何とか今回の有価証券取引税の引き上げに際しましてその辺を配慮してほしいという要望が非常に強うございまして、私ども主税局にお願いして特に御配慮をいただいたと、こういうことでございます。
○政府委員(高橋元君) 税制の問題でございますけれども、第一種の甲の売買につきまして、売却につきまして税率の引き上げをいたしませんでしたのは三つございます。 一つの理由は、証券会社の売買というのは非常に回転率が高い。私どもが手元に持っております資料で申し上げますと、五十五年の一月から十一月までで大体回転率が証券会社の売却の場合一・四ヵ月、その他の場合二十七・三ヵ月と、こういうふうに承知をいたしております。 それから第二が、証券会社の株券の自己売買の差益率というのが非常に低い。五十五年の九月期に、九月で終わります過去その前の一年間で全国の証券会社の自己売買の差益率は〇・一六、つまり万分の十六でありますし、本省の管理会社でございますと万分の六程度であります。そういうことで、自己売買の利益に対して有価証券取引税の負担というものがかなり大きいわけでございまして、しかもそれは証券会社の回転率が高いということから、これの負担の増加を求める余地が比較的少ないのではないかということでございます。 それから第三は、いま証券局からもお答えがありましたように、中小証券の場合、証券会社の売却ということが、自己売買の割合が非常に高い。 その三つを勘案をいたしまして、今回第一種の甲につきましては税率の据え置きを御提案を申し上げておる次第でございます。
○塩出啓典君 それから今回の特に公社債につきましては、特にコール市場、手形市場とのバランス、いわゆる公社債が現先市場において使われる場合に非常にその金利のコストの差というものが非常に影響を及ぼすんではないかと、そういう意見があったわけであります。今回提案されている中では、いわゆる国債については有価証券取引税を据え置きにしておる。それは大蔵省の説明では現在、現先市場の公社債の六割が国債であると、そういう配慮をしたと、このように説明があったわけでありますが、それならばなぜこの公社債と国債を、いままでずっと昭和二十八年以来同じであったものを、今回そのように差を設けた理由は何ですか。
○政府委員(高橋元君) 現先取引が三十年代の半ばから発達してまいりまして、それで現先取引は、短期金融市場が必ずしも整備をしていないという状況のもとで、かなり重要な機能を営んでおるということはお話しのとおりでございます。有価証券取引税は二十八年以来設けられておったわけでございますから、三十年代の終わりになりまして現先取引が発達してまいりました段階で、すでに公社債の有価証券取引税というものはその中に組み込まれておったというふうに私どもは思います。それで現先市場は、コール市場とか割引手形市場、その他の短期金融市場と競合をしておりますので、いわゆる金利裁定が非常に強く働く。そこで公社債にかかる有価証券取引税の税率、これは万分の一・五、これを引き上げますと他の短期金融市場にないコストが新しく発生して現先市場全般に影響を及ぼすということになると思います。現先取引が非常に現実問題として公社債引受業者等を中心としま文公社債金融の中で重要な役割りを営んでおるわけでありますから、そういうことになりますと大変問題でありますので、現先取引の六割近くを占める国債にかかる有価証券取引税の税率を現行のままに据え置いておきますと、全体として現先市場の円滑な流通が確保できるのではないかというのが今度公社債に関する有価証券取引税の税率を据え置くことにした理由でございます。
○塩出啓典君 だからなぜ、いわゆる国債以外の公社債とに差を設けた理由、これは何ですか。
○政府委員(高橋元君) 国債は、もう一つ現在の流通の実態からしますと、かなり割り負けをしておると思います。三月二十六日現在の流通利回りで申し上げますと、国債の六・一国債ですが、流通利回りは九分二厘四毛、利付金融債が七分八厘七毛、東京都八回債と言うんですかこれが七分九厘三毛と、こんなふうになっておりまして、国債は割り負けをしておるわけでございます。そういう点も勘案いたしまして、かつまた現先取引全体の六割が国債で行われておるわけですから、国債について有価証券取引税の引き上げに伴うコストの増加を及ぼさないということにすれば現先取引の混乱も防げるわけでございますし、国債全体として割り負けをしておるわけでございますから、他の利付金融債なり地方債について有価証券取引税の負担の引き上げをお願いをしても、格別国債だけが特に有利になるわけではないという考え方をとっております。
○塩出啓典君 国によっては国債についてはそういう特別な税を安くしているところもあるわけですけれども、いまおっしゃったような理由であれば、税金の制度というものはそのときどきの非常に短期的なそういう変化によって絶えず変わるのではなしに、もっと長期的な見通しに立つべきではないかと、そういう点からいまおっしゃったような理由で差を設けるというのはちょっと私は納得がいかない。この点はどうお考えですか。
○政府委員(高橋元君) 証券市場に与える影響にも配意しながら、現下の厳しい財政事情のもとで有価証券取引税にも負担の引き上げをお願いをいたすというのが今回の御提案を申し上げておる趣旨であることは、たびたび繰り返してまいったとおりであります。そういう考え方からしましていま申し上げたようなことを考えておるわけでございますが、これから先、国債の消化、流通ということにつきましてさらにさまざまな工夫が必要になってまいると、そう思いますので、そういうことに対する一つの考え方の端緒ということで今回の据え置きをいたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 私はやはり、有価証券取引税というものはいわゆるキャピタルゲイン、キャピタルロスがあってもともに負担をしなければならない。そういう点から考えれば、むしろキャピタルゲインへの課税をする方向に進まなければいけないんではないか。取りやすさからいうと取引税の方は非常に取りやすいわけでありますが、取りやすいところから取るということよりもむしろ公平ということが大事ではないかと、そういう点で今日までの大蔵省の姿勢は非常に納得ができない、そういう点を感ずるわけですが、その点は、そういう方向については異論はないと思うんですけれども、その点どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 所得税の総合課税ということに向かって各種の所得を通じて努力を重ねてまいったわけであります。有価証券の譲渡益についての総合課税がまだ完全でないという御指摘はそのとおりと思います。私どもは、かつて五十二年の税調の中期答申以来総合課税があるべき姿であるということはそのとおりというふうに考えておりまして、それを段階的に強化していきますために執行面のさまざまな工夫、それを現在こらして重ねておるわけであります。今後とも有価証券譲渡益の総合課税という方向は段階的に達成をしてまいるような努力をしてまいるつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○塩出啓典君 昭和二十八年以来株式の譲渡所得課税につきましては、きのう、きょうの主税局長の御答弁のとおり強化が図られてきておると、表向きはそのように言われているわけですけれども、しかしその実態においてはこれはかっこうだけで全然進んでいないんじゃないかと、これは私は主税局長もそれは認めざるを得ないんじゃないかと思うんですね。きょう大蔵大臣もかなりこの問題には前向きに取り組むようなこういうニュアンスの御発言があったわけでありますが、やはり国民の感情から見ていつまでもこのまま放置するわけにいかないというそういう大蔵大臣の答弁は私はそのとおりだと思うんですが、具体的にいろいろ何か研究会をつくっていらっしゃるようでありますが、スケジュールと申しますか、たとえばいつごろまでにこうするという、そういう考えはあるのか、そういうところまでまだいってないのかどうか、そのことも含めて検討中であるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 五十四年に有価証券取引税の御審議を願いました際に、いままでお答えしてまいりました証券税制研究会というのを発足させたわけでございます。これは証券業協会の関係の方も入っていただいて、証券局、国税庁と私どもの方で検討を重ねてまいるための組織でございますが、いつまでにといっても、有価証券譲渡益課税の総合課税化ということは、もしその方法があればできるだけ一歩でも前進をした方がいいわけでございますから、私どもそういう体制をつくりまして執行上の問題、それに対する工夫を詰めて、鋭意できるだけ早く答えを出してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○塩出啓典君 昭和二十八年に原則課税を原則非課税に後退せざるを得なかったということは、キャピタルゲインを把握するということはいろいろむずかしい問題もあると思うんですが、その把握だけに問題があるのかあるいは総合課税にして、ところがキャピタルロスの方ばかりたくさん出てきてそうして逆に税収が減った、そういうような結果になるとこれはマイナスにもなるわけでありますが、そういう点どうも私は、単なる把握しにくいというそういう問題だけではなしに、ほかに何か問題があるのかどうか、またいま、いわゆる証券業界の大衆化と申しますか、そういう方向に水を差すという心配があってなかなか前へ進まないのか、何かほかに理由があるんではないかというそういう感じがするんですが、その点はどうですか。
○政府委員(高橋元君) 把握体制が十分でございませんとロスばかり申告されてきて、ゲインの方が逃げてしまうわけでございます。従来往々にしてそういう弊害がありましたので、段階的にかつその執行体制の整備を図りながらという姿勢でまいったわけでございます。総合課税でございますから、それは損が出ておれば損を引いて残りの所得に課税をする、こういうことでございますから、損ばかり出てくるというような申告体制では何にもならない。益が出て、損が出て、その結果正しい所得を申告していただくということでありますので、私どもとしては有価証券市場に不測の影響を与えることはもちろん避けなければならないと思いますけれども、有価証券譲渡益の総合課税の段階的な強化という方向は見失わないで、そっちの方向に向かって努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 今回、いわゆる誠備グループのようなこういう事件が起きたわけでありますが、こういう事件が起きる背景には、やはり加藤という人だけが悪いんではない、いまの証券業界にこういう事件を発生させるような構造的な欠陥があるんではないか、私はそのような気がいたしますし、そのように言っている人も非常に多いわけですね。それで加藤氏が顧客に対して、いまの兜町でもうかっているのは上場企業と大手証券だけで、個人投資家は食い物にされ、損ばかりさせられている、だから弱い個人投資家でも団結すれば勝てる、こういうことを言ってみんなを信用させていったと。私はやっぱり、この加藤氏の言う言葉が真実の響きを持って、ほかが全部正しいというわけじゃありませんけれども、そういうものがいまの証券界の体質にはあると。私は余り内部のことは知らないんですけれども、そういう感じがするんですけれども、証券局長はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(吉本宏君) まあ大証券が非常にもうけておるじゃないかとか、あるいは個人株主が非常に軽視されておるということは私もよく耳にしております。私ども常々証券会社に対しては、個人株主の尊重、特に大口取引先に偏った営業姿勢について厳しい警告をしておるわけでございます。そういった意味で、その関係者それぞれの立場でこの問題について十分反省をし、今後いやしくもそういった批判を招かないように十分注意しなければならないと、このように考えております。 ただ今回の事件は、大証券が個人株主を非常に軽視するということを一つの名分にしてやられておるわけでありますけれども、その実態はやはり一つの投機グループにすぎないわけでございます。加藤という外務員が実質的な主宰者になって一つの投機グループを形成して証券会社と結託した形で一定の仕手株を買いあおったというのが実態であると思います。私ども市場管理の面では東証を中心としましてかなり適切な手を打ってきたと確信しております。特に三十億未満の過小資本の株式についてこれを貸借取引から外すと、信用銘柄として取り上げないということまで実は踏み切っているわけであります。そういったことで投機的な株式の動きに対する市場管理の面ではそれなりに措置をとったと考えておりますけれども、しかしいわゆる投機グループと、特にこういう大衆から金を集めてこれをまとめて投資をするというような動きに対して、法律的にも適切な手が打てなかったということについて非常に残念に思っております。この点については現在関係証券会社その他について詳細な検査をしておりますので、その結果も踏まえまして何らかの対策を打ち出したいと、このように考えております。
○塩出啓典君 東京証券取引所の理事長の谷村さんが「株主勘定復活論」という本を私たちのところへ送っていただいたわけで、まあこれは衆議院の大蔵委員会でもどなたかが取り上げておるわけですが、前書きにはこう書いているんですね。 あなたは何を楽しみに株式投資をしていますかという問いに対しては、「配当が楽しみで」「増資が楽しみで」「値上がりが楽しみで」という三つの答えが返ってくるのが常だった。今から二十年ほど前、私が大蔵省で証券行政を担当していたころの話である。 そのころは高度成長の時代だったから、企業はどんどん大きくなっていった。収益力の増加は株価の値上がりを呼び、それがまた増資を可能にした。増資は株主に対しての額面割り当てだったから、株主は五十円払込むだけでその数倍の時価の株を手にすることができた。配当もまた額面をもとにして考えることができたから結構いい利回りになった。 いまはどうだろう。 三つの楽しみのうち残っているものといえばせいぜい「値上がりの楽しみ」ぐらいのものだが、すでに経済は低成長の時代である。みんなが値上がりを追えば、所詮ババヌキのような勝角ごとにならざるを得ない。 そして最後にいま、証券市場は大きな転換点に立っていると思う。ここで途を誤まれば、わが国の自由私企業体制はとんでもないことになってしまうような危機感をさえ私は持つ。 こういうようにこの前書きのところで述べておるわけであります。そういう点については証券局長としても異論はないと思うんですが、先ほど非常にわが国の株が配当が低いと、これをもっと配当性向を高めるように指導されていくという、こういうお話だったわけですが、けれども、現実にはなかなかアメリカとかイギリスに比べて非常に低いわけですね。こういうのは本当にそう言うだけで高くなるのかどうか、その点どうなんですか。幾ら高くします、しますと言っても、実際するのは企業ですからなかなかなずかしいんじゃないか、その点は法的には何か考えておるのかどうか。
○政府委員(吉本宏君) 株式の配当利回りが非常に低いということは御指摘のとおりでございます。昭和五十五年度の数字で見ますと一・四八%ということで、一・五%を下回っておるというような状況でございます、これはやはり株価が非常に高くなっておるという反面、配当は額面主義でいくと、額面に対して一割配当と、一割配当を維持すれば大体株主に対して十分報いることになるというような認識が企業側にかなり強いわけであります。むしろ配当を高めるというよりも、安定配当と申しますか、一定率の配当を続けるということを企業の配当政策の基本にしている会社が多いわけであります。私どもは、株式を時価発行で公募している以上は、配当だけは額面でいいと、額面を基準にして考えればいいという考え方はおかしいんじゃないですかと。いやしくも公募時価発行をやる以上は、配当についてもやはりできるだけ利益に対する配当性向と申しますか、利益に対して何%程度を配当に回すかということを考えていただきたいということを言っているわけであります、大体日本の場合、配当性向が一般的には三割から三割五分ぐらいでございますけれども、特に大企業になりますと利益率が高いわけでございまして、したがって配当性向も低くなると、大企業の場合はむしろ二割から二割五分ぐらいではないかと思います。そういったことで、私どもとしてはできるだけ配当性向を高めてほしいということを言っているわけであります。 それじゃそれをどうするかということでありますけれども、これは法律で規制するとかそういう話ではございません。そういうことになりますと、時価発行の際に時価発行の自主ルールというのがございまして、ある企業がこういう形で時価発行したいという場合に、その条件としまして、少なくともプレミアム——プレミアムと申しますのは先ほどちょっと申し上げましたけれども時価と額面との差額、これがプレミアムであります。これをできるだけ株主に無償交付というような形で還元をしてほしいと言っているわけでありますが、これを少なくとも次回の増資までに二割程度の還元をしてほしいと。それとあわせて配当性向についてある程度の公約をしてほしいと。たとえば自分の会社は、今後三年間は三割なら三割の配当性向を維持したいと、こういうことを公表して株主に対する公約とすると、こういうようなことをひとつお願いしているわけであります。これは一つの自主ルールでございますけれども、そういうことも含めてできるだけ配当性向を高めるということに努力していただいておると、こういうことでございます。
○塩出啓典君 同じくこれは東京証券取引所の企画調査部の企画室長がこういうことをある雑誌に書いておるわけであります。 最近の株式市場の騰貴的な現象は、株式の供給不足に一つの原因がある。供給不足を解消するためには、企業が増資して、株式の発行を増やせばいいが、厳しい時価発行ルールがあって、時価発行増資ができない企業も多い。したがって、そういう企業が時価と額面の中間で発行できるようにすれば、増資意欲も高まり、同時に中間発行ならば同じ資金調達でも株数は二倍出るから、株式の供給不足も解消できる、つまり、企業の資金調達の多様化を図ると同時に、株式の供給不足を解消して、市場の健全化を図る、というねらいが一つある。 もう一つは時価発行に対する反省がある。時価発行増資を実施してしばらくすると、株価が公募価格を割る銘柄が多い、株価はいろんな要因で上下するとはいっても、公募価格割れが多過ぎる、それにプレミアを還元しない企業も多い、時価発行も十年を経過して見直す時機に来ていることは事実だろう。 こう述べておるわけであります。 先ほど証券局長も、いろいろプレミアムの還元のためのルールをするとか中間時価発行を推進するとか、このように言っておりますが、この間新聞に載っておりました昭和五十五年度における増資による資金調達総額は、いわゆる時価発行による公募の増資が史上最高であると、全体の総額は四十七年の次でありますが、公募総額は一位である。ということは、時価発行というものはどんどん相対的にはふえてきておると。そしてその結果やはり株主というものが犠牲にされておると言わざるを得ない。そういう点から現在十年間経過をし、大蔵省としても推進してきた時価発行というものを見直す時期が来ておるんではないか、このように思うわけです。その点はどうでしょうか。
○政府委員(吉本宏君) 時価発行は、大体昭和四十四年度から始まっております。それ以前は、大体増資といえば額面増資と、額面の割り当てということで発行が行われていたわけでありますが、四十四年から始まりまして、四十年代の後半ないし五十年、最近までの間にかなり時価発行が成功を見ておると、非常に盛んに行われておるということでございます。これは御指摘のとおりであります、 時価発行の効用は、やはり企業にとってかなりコストの低い資金が得られるということで、特に優良企業の場合これを盛んに行ったということでございます。私どもとしては、先ほども申し上げましたように、時価発行をやる場合にでもできるだけそれによって取得したプレミアムを株主に還元すると、無償交付というような形で株主に返すということを慫慂しているわけであります。最近の五十一年度、五十二年度のプレミアムの還元状況をちょっと数字で申し上げますと、五十一年度は二百社の取得したプレミアムが四千六百三十八億円、その還元が千八百九十億円で四〇・八%と、同じく五十二年度も四一・六%と、こういうことになっておりまして、大体取得したプレミアムの四割程度は株主に返されておるということは言えようかと思います。 私どもとしては先ほども申し上げましたように、株式の無償交付あるいは配当性向の引き上げ、維持と、こういうことを通じてできるだけ株主に報いるということをやっていただきたいと言っているわけであります。それから単に時価発行だけでなしに、やはり増資にある程度多様化と申しますか、いろんな形の増資を考えていいんじゃないかということで、昨年の夏ごろから私は中間発行ということをぜひひとつ採用してほしいということを業界に申してきたわけであります。中間発行と申しますのは、簡単に言えば時価と額面との間の、半分なら半分というようなところで株式を発行すると、これは公募でございませんで、株主に割り当てられるわけであります。この点は株主割り当てと同じでございまして、結局簡単に言えばプレミアムの半分が株式に入ると、あとの半分は企業に入ると、こういうことでございまして、私はこの中間発行というものを、できるだけ時価発行だけでなしに、こういった形態の増資ということも考えていただきたいということで申しております、すでにある程度の実績も出ておりまして、こういった形の増資が今後も行われるということを私どもは期待しておると、こういうことでございます。
○塩出啓典君 今回の誠備グループの事件を契機として新聞の投書等にも、投資顧問にだまされたとか、いまは投資顧問は野放しではないか、そういう意味から投資顧問法をつくるべきだ、こういうような意見があるわけであります。米国では御存じのように、一九四〇年に投資顧問法ができて一九六〇年に改正をされ、現在登録制で、SECがいろいろ法律違反した投資顧問の登録を取り消すとかあるいは投資顧問の帳簿その他の記録を検査する権限を与えられておる、このようにお聞きをしておるわけでありますが、米国においてはこういう法律がうまくいっておるのかどうか、大蔵省として、証券局としてはどういう認識であるのか。またわが国においてはそういうような必要性はないのか、やっぱり必要性があるような気もするわけでありますが、その点はどういうお考えですか。
○政府委員(吉本宏君) 御指摘のように、アメリカでは投資顧問業に対する法規制がございます。一九四〇年に投資顧問法というのが制定されまして、これによって投資顧問業者はSECに登録が義務づけられておるわけであります。現在私どもの知っておる数字では登録社数が五千六百六十四社と、こういうことになっております。 その法規制でございますが、具体的には顧客に対する詐欺行為、顧客に無断で自己顧客間売買をする行為、虚偽、誇大広告等の行為、こういったものが禁止されておるということであります。これは日本の法制では、いわゆる詐欺行為は刑法の規定によって処罰をされるということになっておりますし、現にそういったようなことが行われれば直ちに法による規制に服するということになるわけであります。 ところで日本の場合の投資顧問でありますが、確かに私どもの知る限りでも七十とか八十とかそういった投資顧問業者がいるようであります。これは非常にピンからキリまでございまして、いわゆる競馬の予想屋みたいな、ちょっとした情報を提供するというものから、ある程度のスタッフを擁していろいろ投資の相談にあずかるとか、こういうような業者もいるわけであります。これを規制するということになりますと、規制の範囲をどうするかあるいは規制の内容をどうするかと。先ほど申し上げましたように、刑法の規定によってすでに処罰されるような場合はこれは新たに取り上げる必要もないわけでありまして、一体どういう規制をしたらいいのか。投資顧問は株式についての一つの情報を提供するわけでありまして、情報を提供してその内容が具体的にいいか悪いかという判断は本来投資者がやる筋のものであります。投資家がそれを判断して自分で投資をするわけでありまして、情報の内容そのものを法で規制するというのもどうだろうかというような問題もございます、そういうようなことで私どもでもいろいろ研究をしておりますけれども、要は今回の誠備グループの問題を反省いたしますと、やはり投資グループでございますね、単に情報を提供するとかなんとかということでなしに、一つの投資グループをつくって一括発注というようなことで投機を行ったということが問題であるわけでありますから、そういった意味であるいは外務員制度、それと証券会社とのかかわり合い、そういった点につきまして現実的な規制を施した方がより実効性が上がるのではないかということを考えております。この点はなお研究をしておるところでございますので若干の時間をいただきたい、このように思います。
○塩出啓典君 最後に大蔵大臣に三点ほどお尋ねします。 ちょうど大蔵大臣が席を外している間の問題もあるわけですが、一つは、有価証券取引税は、きのうきょうの主税局長の御答弁からも、流通税であるためにできるだけ低いというか、余り高いものであってはならない、そう言われながら今日まで、昭和四十八年二倍、その後一・五倍、そしてまた今回と、こういうように上げられて、いわゆる有価証券取引税がほかの税の伸びに比べて非常に高い伸びになってきておるわけでありますが、そういう点今後——今後のことはわかりませんけれども、私は有価証券取引税のような税は余りこれ以上上げるべきではないのではないか、それが一点。それに対しての御見解を承りたい。 それともう一つは、むしろ取りやすいところから取るということよりも、税の公平という点からキャピタルゲイン課税というものをやるべきである。これは大蔵大臣も午前中そういう御答弁があったわけでありますが、これをぜひ検討をしていただきたいわけでありますが、今日までやる、そういう方向であると言いながらなかなか進んでないわけでありますが、きょうは午前中の御答弁ではかなり前向きにやられるようなそういうニュアンスの御答弁と承ったのですが、今後のめどというか、大体具体的にいつごろまでにこうしていきたいというそういう点を一歩踏み込んで御決意を承りたい。 それから最後の点は、きのうからも質問にもあったわけですが、実際個人株主というものがどんどん減ってきたと。それは配当も少ないあるいはまた増資のときも時価発行で、以前のように五十円で株がふえる、こういう楽しみもだんだんなくなってきている。しかも低成長時代になって、値上がりもこれは投機的な状況になって下手をするとばばを引かされる、こういうような状況が続いておる。いま証券局長からいろいろそれに対するお話もあったわけですけれども、現実には私は非常に証券業界の危機ではないか。本当にもうここで一歩強力なやはり施策を講じていかなければならないのではないかと思うわけでありますが、そういう点における大蔵大臣としての具体的な決意というか、こういうことからやっていきたい、そういう点がありましたらお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 有価証券取引税はこれ以上むずかしいのじゃないかと。流通税ということになればおのずから限界がありますから、今後有価証券取引税に大きく期待するということは望めないのではなかろうか、私はそう思っております。同意見でございます。 それからキャピタルゲインの課税をやれと。これは技術的な問題がございますが何かうまい方法がないかと思って、登録口座とかね。登録してあるところの口座ははっきりしているわけだから無税にしてやるよ、それ以外の口座はだめよとか、何かうまい工夫をこれは研究する必要があるし、私はこういうのをやっぱり実際に、利子・配当の総合課税という問題のとき、それが実施されるときですな、そのころまでに何かけじめつけないと全部だめになっちゃうから、これは、全部。その危険が私はあると思っております。したがってそう長い時間かけてはいられないんじゃないかと、そう思います。 それから個人の株主が少ないというのは、これはもう配当がもらえないとか、増資がだめだとかといろいろありましたが、いままでは産業政策上企業に力をつけるというようなことで企業の大型化、高度経済成長に見合った国際競争力というところが重点になって重役の権限を強くし過ぎた、重役の権限を。株主不在、重役優先、企業本位という傾向がなきにしもあらずでございますが、いろいろな弊害が実はほかにも出ているんです。というのでこれらに対する反省の過程で、やはり本来日本の社会が自由主義経済体制下の社会として、しかも中堅階層、こういうものが安定した国民の層になるようにするためには国民が広く株主になることが非常にいいことだと、まして自分の勤めている会社の株はもう従業員が半分持つというぐらいのところまでいっていいんじゃないかと、私は、極端なことを言えばですよ、そう考えております。それからさらに安定した自由社会を守る土台になってくると、そう見ていますから、私はやはりこの株主はもっと優遇をさるべきものである、しかし不公正は是正をしなければいけない、それは両方の面が相まって考えていく必要があると思っております。したがって株主優遇のためのいろんな措置が講じられても私はいいと、庶民大衆株主というものをやっぱりつくっていったらいいんじゃないかと。財形貯蓄とかいってやっているのがありますが、あれはうちをつくることが目的なんだが、そうでなくて、別にともかく財産形成というものを私は勤労者階級につくってやることは社会の安定のためによろしいという考えを持っておりますので、大所高所から一遍総ざらいに強勉をしていただくように事務当局にも頼んでみようかと思っております。 以上でございます。
○多田省吾君 私は、物品税、印紙税、有価証券取引税、間接税三法につきまして若干お尋ねいたします。 その前に、一点だけ大蔵大臣にお尋ねいたします。 けさの読売新聞の報道によりますと、五十六年度の防衛予算について、九月に補正予算を組んでアメリカと約束した対前年度比九・七%増を達成する考えであるということを防衛庁側がアメリカ側にも伝えていると、このように報道されておりますけれども、これは事実でございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはどこからそういう話が出たのか私も知らぬことで、けさ外務大臣にも、私の隣の席へ座ったものだから閣議の前に、一体これはどういうわけだと、そういう話は一切出ませんと。どこを根拠に書いたか知りませんが、それは事実無根でございますということでありましたから、まあ外務大臣を信用する以外にはないと思います。
○多田省吾君 ただ読売新聞の報道を見ますとですね、私はどうも真実性があるというようにとられるんですね、というのは、どうもその報道にもありますけれども、伊東外務大臣の訪米で日米会談第一ラウンドが行われたわけですが、自動車問題では相当突っ込んだ要求がアメリカ側からございましたけれども、わが国の防衛努力についてアメリカの姿勢は大変柔軟であったというようなことからこういうことが取りざたされるんじゃないかと、このように思います。 それからもう一つは、例の人件費の積立分を一%に落としたということですね。これは私どもは一般会計予算の対前年度比一けた台九・九%に抑えたというそういう意味だけだろうと思っていたところが、そうじゃなくて、防衛予算では人件費が半分近くを占めますから、五十五年度は二%分を組んでいたベア対策のための積み立て分を一%に落とした。で、その上に補正予算で追加計上したことのある燃料費を低目に抑えた。九月の補正予算でこの両方を、特に燃料費の方も追加すれば七・六一%増にとどまらず九・七%増達成も可能であるのではないかと、このようなうがった見方があるわけでございます。ちなみに燃料費については、量的に前年度並みを確保するために八百三十三億円が概算要求されましたけれども、大蔵省の一次査定で五百三十九億円にとどまった。そしてまた防衛庁では五%節減の上、八月の概算要求当時五割高を見込んだ単価が三割弱の値上がりにとどまったためと説明しているけれども、この説明どおりだと六百八十五億円が必要だと、約百五十億円が不足する計算だと、だからベア分の給与と燃料費を合わせると五百億円近くの増額が見込まれて九・七%増達成が可能だと。こういった手の込んだからくりを、防衛庁で一月中旬山崎政務次官と池田防衛審議官をアメリカに派遣いたしまして、アメリカ側にこういった措置をとる方針を説明したと、こういうような報道がなされているわけですね。ですから非常に何だかこう真実性のあるような、うがった見方じゃないかと、このように私には思われるわけです。もう一度ひとつ大蔵大臣のお考えを聞きたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはあんまり考え過ぎじゃないでしょうかね。私の方でもそんなに深く考えていないんです。要するに予算を組んだときには人件費については防衛庁の予算だけを二%認めるわけにいきませんから、人件費は各省とも二%で来たわけです、ずっと要求は。概算要求は大蔵省もどこの省も大体前年並みで概算要求出したわけですからね。それでお金がないので土壇場にいって全部一%に切ったということだけであって、別に防衛庁だけ切ったわけじゃない、大蔵省も建設省も文部省も全部切ったわけですから。ですから決して防衛庁だけそういう隠し事をやって低く人件費を入れたということではございません。 それから燃料費の問題につきましては、これは円高の問題で八月ごろと十二月ころとは違いが出てきて、もっともっと物価が上がるんじゃないかというふうに見込んでおったところが、幸いにもう十二月ごろから値下がり傾向になって、石油も足らなくなると思ったらだぶつき傾向が出てきて、そういう見通しができたもんですから、ですから単価を落とすということは当然のことでございまして、量においては必要なものは確保してあげましょうと言っているわけですから、決してそこに何らからくりは実は何にもないんです。私の言うのは間違いございませんから。
○多田省吾君 しかしながら、結果としましてどうも燃料費が足りないということで、航空機や艦艇のための燃料費を補正予算で増額するということはあり得ることではありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) われわれとしては幾らでも必要最小限度のものは既存の予算の中でできるのではないかというように考えております。
○多田省吾君 報道によりますと、大蔵省ではこの三月の十七日に来年度の下半期になって公共事業費の追加を要請されても財政上受け入れるわけにはいかないと、年度途中での公共事業費の追加要請には一切応じない方針を明らかにしたと言われておりますが、これは本当でございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはこういうことなんですよ。要するに景気対策が非常に重要だと、われわれも景気対策には極力御協力をいたしましょう。そこでもうどれだけ前倒しにするかという話でございますが、いろいろ議論がございまして、それで七〇%以上の公共事業の前倒しということになったわけですけれども、そうすると年度後半は公共事業少なくなりますよと、よろしゅうございますかと、私どもとしては、昔のようにGNPがどんどんどんどん毎年大きくなりますから、公共事業では三年間足踏みしているわけですから、要するにこの国民総生産の中で占める公共事業費というものは、いまや——昔は一五とか一四とかあったわけですよ。いまはもう九%しかないわけですから、九%。個人消費支出が五十何%かあるけれども、公共事業費というのはGNPで九%しか占めてない。したがって公共事業が景気に大きく影響するということはございませんよと、余りございませんよと、金額がないんだから。だけれども、それを前倒しにすると後の方は少なくなるから、だからと言って、今度は後の方をふやしてくれと言われましても、七千億円とか一兆円とかという追加財源を出せと言われてもございませんから、これはひとつ御勘弁願いたいと、いまのうちから御了承をいただきたいということを関係閣僚に私が申し上げただけのことでございまして、それはやはりまあ公共事業をいっぱい前にやるんだということになると、景気づけだというんですね、これ、景気づけ。経済というものはやっぱり心理学もかなり手伝うから、だから景気をよくするという意味でそれじゃ御協力しますということを申し上げたというのが真相でございます。
○多田省吾君 現在行政改革、また財政再建に政治生命をかけて、総理も大蔵大臣もやられている最中でございます。また参議院の予算審議もまだ途上でございます。ですから、もしこういう本日の読売新聞の報道のようなことが事実であるとすれば、私は大変なことであると、このように思います。いま大臣は否定されましたわけでございますが、さらにいまの公共事業費に対する御答弁のように、景気回復のための公共事業費の来年度下半期の追加要請だって絶対受けつけないんだと、このようにおっしゃっておられるぐらいでございますから、防衛予算は社会保障費を〇・〇一%も上回っている姿もございますし、秋の補正予算で防衛予算の上にまた燃料費を追加するというようなことが絶対にないようにひとつ要望しておきたいと思います。 次に、物品税について若干お尋ねいたします。 同僚委員からも、物品税法第四十二条、「物品税額の区分決済及び表示」について種々質問があったわけでございますが、私はまだ納得できませんので、まとめてもう一度お尋ねしておきたいと思います。 その第四十二条では、課税物品の製造者または販売業者に対しまして、販売に際しては税額相当部分とその他の金額とを区分して表示するよう義務づけているわけでありますけれども、現実的にはこうしたことは一切行われておらず、四十二条はすでに死文化しているような姿さえあります。この点につきましては、大蔵省は関係業者に対しましていままでどのような指導を行ってきたのか、報告願いたい。 また、ほとんど実効が上がってないのをどう認識しているのか。 最後に、大蔵省の姿勢は、国民に知らせるための努力をしてないというようにもとれますので、法律には明確な定めがあるわけでございますから、国民の権利を守るためにもぜひとも効果の上がる対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(高橋元君) お示しの物品税法の四十二条でございますが、税額部分とそれ以外を区分表示するという規定が設けられておりますが、この規定の立法趣旨は、アメリカの関税法との関係で国内における価格が物品税込みであるということを示すということが当時の提案理由からも明らかでございます。それと、物品税の負担をしてもらった者が物品税の負担をしてもらっておるということを国民にも明らかにする、こういう趣旨で設けられたわけでございます。昭和二十六年にこの改正が行われましてから、昭和二十六年の十二月に国税庁は通達を出しまして、立法当時、その指導をしたわけでございますが、そういうことをいたしますと、小売業者、これは全国に百数十万あるわけでございますが、そういう方々の事務手続が非常に膨大なものになってくる。そのほかいろいろな問題がありますので、その後格段の指導は行っておらないというふうに聞いております。 確かに、物品税込みの、税負担が伴っておるものであるということを納税者といいますか、間接税の負担者が明らかにすることは大事なことだと思いますので、いまお話しのようなことは、私どもも十分理解をしておるわけですが、全国間接税協力会総連合会というのがございまして、これは間接税の納税義務者の集まりでございますけれども、その方々は、物品税額を区分表示し決済をすることにつきましては、第二種物品つまり製造場課税のものにつきましては課税標準の計算上、税額に変動が生じて実際上できない。それから中間マージンを公示することになって、取引上きわめ不都合だ。第三に、区分表示をしますと、経費と労力の面から非常に煩瑣にたえず、実施が困難だ。取引上表示税額が値引き交渉の具に供されるおそれがあって、脱税の要因ともなる。第五に、罰則によって担保しようとしても、関係業者の大部分は不履行のおそれがあるというような理由を挙げまして、私どもの方にことしになりましてから、これはぜひこの区分決済の規定はやめてほしいというお申し出もあるわけであります、 そういうことに決してとらわれて申し上げるわけではございませんけれども、現在この規定が死文化しております、それをどういうふうにしていくかにつきましては、大臣からたびたびお答えのございますように、そういうことを実行上やって、国民に間接税の負担ということを明らかにしていく体制ができるか、それともこの規定はやめてしまうか、どちらか早急に勉強をして結論を出してまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 今回の物品税の改正案では、新たに十二品目の物品を課税対象とされたわけでございますが、課税対象とされた判断の基準を簡明にお述べ願いたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 物品税が、たびたび申し上げておることでございますが奢侈品、それから比較的高価な便益品、趣味、娯楽品というものを対象にして課税対象物品の選定をいたしてきておりますが、今回の改正で品目を十二品目追加させていただいております。その考え方は、従来からの課税品目選定の考え方を踏襲をいたしまして、現在の課税物品と消費面で競合し、むしろ課税しておかないと現行の物品と比較してアンバランスになるという問題を持っております物品を課税対象にしておるわけでございます。たとえば新規に開発された物で、従来の物と並べてみればむしろ課税相当であるというものは、VTRとかテレビのカメラとか、ビデオプロジェクターというようなものがありますし、消費態様が変わってまいりまして、たとえば四百リッター以上の大型冷蔵庫でございますとか、全自動の洗たく機と、こういうものはむしろ課税をした方が、たとえば四百リッター未満の冷蔵庫との関係で、むしろそれは課税すべきものであると考えられる物がございます。そういうことで、従来の考え方を延長いたしまして、課税対象品目を十二品目選定をいたしまして、御審議を仰いだ次第でございます。
○多田省吾君 いまお答えのように、物品税は奢侈品とか、趣味、娯楽用品とか、便益品、嗜好品などを課税対象としておりますけれども、これらの物品が世の中に送り出される背景には、企業の投資と技術革新のための努力があるわけでございます。ところが物品税は、法律の改正を待って初めて課税物品が定められるために、ある物品については人的、資金的投資が償還されてから課税されるという物もあれば、なお投資が償還されない段階で課税される物品も出てくることになるわけでございます。これでは税の執行上、公平を欠くことになると思いますが、その辺はどう裁量されておりますか。 〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕
○政府委員(高橋元君) なるべくならば担税力照応の消費課税でございますから、新規に開発された物品で、その消費についてすでにあります物品と同じような担税力が推定されるという新規開発商品が出てまいりましたり、また消費の態様が変わりまして、従来非課税のものでかなり担税力があると認められるものが出てまいりますれば、なるべく早く課税をさしていただくというのが一番消費者の消費課税ということの本旨からすればいいというふうに考えて、従来からそういうふうに対処してまいったわけでございます。自動車にしましてもテレビにいたしましてもテープレコーダーにいたしましても、比較的早い段階から課税の対象にさしていただいてまいったわけであります。企業化すると、商品化すると、そのためにコストがかかっているが、物品税がかかってしまうとそれが回収できないではないかという御指摘のように伺いましたけれども、そういう事情は、たとえば法人税における試験研究費の税額控除制度その他研究助成という形で一般的に対応をしておるところでございまして、消費課税という本質から、それが全部回収されてしまうまで課税を待つということは、むしろ課税物品のバランスをゆがめ消費課税のあるべき姿から見て問題が多いのではないかと考えておるわけでございます。
○多田省吾君 新規に課税対象物品に組み込む尺度といたしまして、物品の普及率も考慮の対象にしていると思いますけれども、その場合何%程度を目途としておりますか。
○政府委員(高橋元君) これは物品の購入——まあ消費でございますが、そういう消費が物品税の課税の対象として取り入れるに適当かどうかという考え方から来ておるわけでございます。たとえばカラーテレビでございますと、現在企画庁の統計によりますと九十数%という普及率になっているわけでございますが、そういうものであっても高い便益または趣味、娯楽というものを代表しておるということでありまするならば、これは課税をすべきであると、課税を継続すべきであると思いますし、先ほどもお答えをいたしたわけでございますけれども、物品の普及率ということによって課税の尺度という考え方は着しろ私どもはとっておりませんで、普及の水準がまだ低いという段階からむしろ課税をしていった方が全体としての消費税のバランスが保たれるという考え方を持っておることはすでに御説明申し上げたとおりでございます。
○多田省吾君 物品税でいつも問題になりますのは、いわゆるキリ製のたんすには非課税という問題でございます。たんすには二〇%の税率で物品税がかけられておりますけれども、いわゆる五〇%以上のキリ材を使っていればすべて免税品になっていると。これはいままでも伝統的工芸品であるからというようなことで漆塗りの物なんかと一緒に非課税になっているわけでございますが、伝統的工芸産業を保護するということに対して異論を唱えるわけではありませんけれども、ただ伝統的な工芸品であるからということのみを理由にして免除するというのも納得のいかない点がございます。この前の酒税法の審議でもありましたように、そうなれば地酒とか二級酒とか伝統的な民族酒だって伝統的工芸品に準ずるものですから非課税にしたらいいじゃないかというような論法も出てくるわけでございます。最近は御存じのようにナラ材ならナラ材、ケヤキ材ならケヤキ材のたんすというものがございますけれども、ナラ材のたんす、ケヤキ材のたんすのいわゆる内側や引き出しの材質にキリ材を使いまして、そしてそういう姿で全部無税になっていると、こういう品物が非常に多くなっているらしいですね。だから結局五〇%以上のキリ材を使えばたんすは非課税というこの規定を盾にとって、やっぱり大手業者の方々が非常に利口なのか、高級たんすの裏側や内部にキリ材を使ってすべて免税品にしてしまう。いまでは十七、八万円以上の高級たんすの内側の素材はキリであるということが定着して、しまっている。そういうやはり真とか内側のキリ材というのはそんな上質のキリ材でなくてもいいわけでございますから、そうするとちょっと非課税という趣旨が逸脱をされているんじゃないか、このようにも思いますが、この辺はどう考えておりますか。
○政府委員(高橋元君) キリだんす、漆塗りの家具、これらが規格非課税となっておりますのは、必ずしも伝統的工芸品であるという理由ばかりでもないわけでございます。漆器、陶磁器、木竹品、仏壇、仏具、和紙、文具、石の細工品、貴石細工、扇子、うちわ、人形、おもちゃ、これらが伝統的工芸品として指定されておりまして、たしか百二十二ぐらい産地及び品目の指定があるわけでございますが、その多くは織物でございますとか人形でございますとかそれから文具でございますとか、それから神仏礼拝用のものでありますとかいうような形で課税品に指定されておりません、 そこで、キリだんすについてのお尋ねでございますが、全体のたんすの中でたしか二%ぐらいがキリだんすでございます。全国で家具の出荷が一兆七千六百億ございます中でキリたんすの出荷は四百二十億、これは五十四年の数字でございます。このキリだんすが比較的高いものであるのに物品税の課税が行われていないのはバランス上問題であるという指摘がしばしばございます。私どもそのことは十分承知しておるわけでございますが、いわば注文でもって指物屋さん、家具屋さんという人が長い間手間暇かけてつくっていくというようなものについて製造場課税の物品税を課税をいたしますとしますと、課税のための手間が大変である、そういう事情が当然あろうかと思うわけでございます。漆につきましてもそうでございますが、ただいまもお話ございましたように、かなり規格化され工業化されております場合に、いまありますキリ製のたんすが非課税であるという規定について、いわばそれを拡大解釈をいたしまして、キリを使って手仕事で仕上げたんじゃなくて、洋材または普通の材木を使いましてたんすをつくっておいて、内側にキリ張りをする、さらには両面フラッシュにしまして中にキリ材を詰める、全体としてキリ材が半分以上あるからキリ製であるというようなことがこのごろ散見されるわけでございます。そういうものについて物品税の課否判定上どういうふうに考えるかという問題がございまして、私どもはそういうものが非常にふえてまいらない前に何らかのもっと適正な課税ができるような措置を研究をしていく必要があるというふうに考えております。それから現在国税庁の通達で、主たる材料がキリである場合というようなことになっておりますけれども、今後何らかの工夫を加えてまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 大蔵大臣にお尋ねいたしますけれども、五十七年度に大型間接税は絶対に導入しないと、そのようにまだはっきりとしたお約束はしていらっしゃらないように思いますけれども、その辺はいかがなんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大型間接税などは考えない、念頭にないということです。
○多田省吾君 そうしますと、行政改革等が思うとおりにいかなかった場合には、ある場合には大型間接税の導入も、可能性として一%ぐらいあり得るということでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだこれから始まろうというときにですよ、失敗したときにはなんという、腹の中はどうか知らぬけれども、表に出して言えるものではないし、現実の問題としてことし一兆四千億円の増税をお願いしておいて、来年また一兆円以上の、一兆数千億円の増税をお願いできるかと、これは大体常識の問題ではないかと。いずれにしても、できるだけ歳出カットをやると。しかし国会の皆さんが国民の代表として、そんなに切られては困りますと、そんなに切られましては、というようなことで、それは財源が不足するということになれば何か考えなきゃならぬかもしらぬけれども、とりあえずわれわれはこれだけ国会を挙げて歳出カットをやれやれと言っているわけですから、うまくいくんじゃないか。ともかくやってみよう、こう思っているわけでございます。
○多田省吾君 確かに大臣おっしゃったように、行政改革と言っても補助金の整理と言っても、毎度大臣おっしゃっているように七割以上法律事項である。あるいは社会保障、教育あるいは農業、こういったものが主体であるということを常々おっしゃっておられます。やはり自民党内にも相当補助金の整理については反対の方もおられるようでございます。ですから国民の強い支援があるにもかかわらず、その内容いかんによってはまだ未知数と言うこともできましょう。しかし総理も大蔵大臣も行政改革に政治生命をかける、強い決意を示されているわけでございますから、やはり私は五十七年度の大型間接税の導入は頭にない、考えてないだけじゃなくて、絶対にやらない方向でがんばるとか、何とかもう少し言いようがあるんじゃないかなと、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もう五十七年度の大型新税、間接税、これは頭にないわけですから。もともとやると言ってないのに、やらないことにしろやらないことにしろと言われましても、私は一回も大型間接税やると言ったことないんですよ、一回も。ただ検討をしていますということは申し上げたことがたびたびございます。しかし実施をすると言ったことはございませんので、それは考えておりませんから、来年やることを。おりませんから、その点そんなに心配をなさらなくても結構だと思っています。
○多田省吾君 印紙税について若干お尋ねをいたします。 今回の改正に伴う印紙税増収見込み額は、初年度で三千六百九十億円、平年度で四千二百十億円となっておりますけれども、このうち税収の多い順に上位四番まで、号別の文書名とその割合を簡明に御報告いただきたいと思います。
○政府委員(高橋元君) 今回御提案しております改正後の税収額で申し上げますと、一番大きいと見込まれますのが二十二号の受取書でございます。二千八百三十億円。それからその次が、二番目が三号の約束手形、為替手形、これが二千三百億円を見込んでおります。請負契約書——これは二号文書、これが九百四十億円。それから第四番目が第一号の不動産の譲渡契約書等でございまして、その収入見込み額は七百八十億円。その余の二十一文書で合計千百八十億円とこうなりまして、トータルは八千三十になるのでございますが、印紙の売りさばき手数料がこれから二百二十億円差し引かれますので、税収見込み額としては七千八百十億円でございます。
○多田省吾君 一番多いのが二十二号文書、一般的な領収書ということでございますが、最近では商品の売買にいわゆるクレジットカードがかなり頻繁に使われるしようになってきております。直接個人の銀行口座等から引きおろされるために領収書が発行されないケースが相当あるのではないかと思われます。今後もさらにこのような傾向は拡大するのではないかと考えますけれども、税の捕捉という観点から、この点をどう認識されておりますか。
○政府委員(高橋元君) 文書を作成しました場合に文書に張っていただくのが印紙税だと。そういう意味で、経済取引そのものに対する課税ではなくて文書税であるということをたびたび申し上げております。クレジットカードというものの取引は文書が作成されませんので、したがってクレジットカード設定契約とか、それからクレジット組織と加盟店との間の契約書とか、そういうものには定額の印紙税が課せられるわけでございますが、クレジットカードそのものに張りつけるということに現在の制度ではなっておりません。そこでクレジットカードの取引について適正な負担を求めることができるかどうか、これはもういま御指摘のように検討課題であると思います。取引の実態に即して課税が実現されるように印紙税の課税範囲全体として研究をしてまいりたいと考えております。
○多田省吾君 今回は階級定額税率の最高価格帯の見直しを行ったわけでございますが、これも一応の理がありますけれども、低い方の価格帯についてもそれらの配慮があってよろしいのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(高橋元君) 一号文書、二号文書、三号文書、四号文書、五号文書、二十二号文書、以上の六種類につきましては最高価格帯の見直しをやっておりまして、初年度で九十億円ぐらいの増収を見込んでおるわけでございます。で、従前の最高価格帯を見直すことによって税率が四倍になるというようなケースがございます。下の方も見直したらどうかということでございますが、今回は階級定額税率につきましても、従前と異なりまして全部二倍の引き上げということをお願いをいたしておるわけでございます。そうなりますと、階級定額税率の一番下でありますところの免税点というものをどう考えるかという問題が起こってまいるわけですけれども、昨年の夏にサンプル調査をいたしてみましたところでは、受取書の中の課税割合、つまり三万円以上の受取書というものの割合は四十八年当時と同様一割でございまして、格別その免税点を上げて階級定額税率の下限であります免税点の手直しをする必要がないというふうに判断をいたしまして、階級、定額を通じてすべて二倍という税率の引き上げをお願いし、最高価格帯については合計九十億に上る増収を図るという案を御提出をいたしましたので、御理解をいただきたいと思います。 〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕
○多田省吾君 それから有価証券取引税関係で、いわゆるキャピタルゲインの課税についてお尋ねしておきたいと思います。 先ほどからもいろいろ質問があったわけでございますけれども、有価証券の譲渡所得に対する課税につきましては、現行では年間二十万株以上の売買かつ五十回以上の売買回数を超えなければ非課税ということになっております。しかし幾つかの銘柄を一日に何回売買しても一回とみなされたり、また家族の名義で行えば別口座となるなど、資産者にとってはきわめて優遇された措置になっているわけでございます。しかもこの有価証券の譲渡所得というものは、明らかに不労所得でございます。ですから財政再建を掲げている今日、またかなりの増税法案を提出をしている現在においで、この有価証券の譲渡所得に税負担を余り求めていないということは私は問題だと思います。 で、いつも政府はキャピタルゲイン課税につきましては、環境が整備されていない、こういう理由で回避されておりますけれども、この環境整備のためにどのような努力をされているのか。たとえば本人に確認した上で税務署に必要資料を集め、所得捕捉が行われるようにするための作業を証券会社に義務づけるというようなことができないのかどうか。それが無理であるとすれば、せめて現行の非課税措置を改めて、年間十万株とか二十五回程度に条件をもっと厳しくしていかなければ、不公平税制の改善というものは私は行われないと思います。その点についてどのように考えておられますか。
○政府委員(高橋元君) たとえば二十五回、十万株というような基準については、たびたびそういうお示しがございまして、私どもも十分検討いたしておりますところでございますが、何と申しましても所得の把握の方法につきまして体制が整備いたしませんければ、規定を改正をいたしまして課税のケースをふやしてもかえって混乱が起こってまいるということに終わってしまうわけで、先ほど来お示しのいろいろな方法等も念頭に置きまして、証券業界の人々も加わりまして大蔵省それから国税庁、それから大蔵省の中でも証券局、それらでいろいろと具体的な方法の検討を急いでおります。先ほど大臣からもお答えのありましたように、所得税の総合課税というものが利子・配当について五十九年から実施されるわけでございますから、そういうこともこれからの作業のめどとしてぜひ精力的に詰めてまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 最後に、先ほど塩出委員からも質問いろいろありましたけれども、株式市場というものは大証券、中証券、大口、小口の投資家いろいろな注文が集まって初めて公正な市場機能が生み出されていくと思いますけれども、私は大証券もまじめにこうした問題に対応するように明確な措置を講ずべきだと思いますけれども、どのような対策を考えておられますか。
○政府委員(吉本宏君) 先ほどから申し上げましたように、株式の投機化現象というふうなことをぜひ何とかしなきゃいかぬと、これに関連しまして個人の株主づくりということについて一層工夫をこらさなきゃいかぬと、このように思っております。しかしいずれにしましても、この問題の基本はやはり証券会社自身がえりを正さなきゃいかぬと。大証券に対するいろいろな御批判もあります。証券会社、特に四社は現在株式市場において大体五割ぐらいのシェアを持っております。それから公社債について七割ぐらいのシェアを持っております。特に公社債については最近年間二百八十兆というような相当の売買が行われておりまして、これを証券会社が一生懸命仕事をして、商売をやっているわけであります。こういったことで、大証券は大証券なりにそういった特性を発揮して仕事をやってもらう。それから中小の証券会社でございますが、これは大体株式を中心に営業をやっておるわけでありますけれども、特に地場証券としてきめの細かい顧客に対するサービスもやってもらうと。こういったことで大証券、中小証券それぞれの特性を生かした業務をやってもらいたいと、こういうことで私ども日ごろ指導をしておるところであります。今後も証券会社に対する世間の批判、こういったものに十分えりを正してやっていかなきゃいかぬ、このように考えております。
○近藤忠孝君 物品税を中心に質問をする予定でしたが、キャピタルゲイン問題に大臣も並み並みならぬ決意を示されましたので、さらに二、三追加して質問したいと思います。 大臣としても利子・配当等の関係でキャピタルゲインは非課税とはいかないということで、いろいろな問題があろうと思うんですが、一つは所得をどう捕捉するかという問題です。午前中からの主税局長の答弁でも、証券会社が顧客の取引を税務署に見せる制度になっていないということで、それを制度的に改善しようということで私がきのう提起した顧客資料の提出義務を課すと。しかもそれを課税対象だけじゃなくてもう一段低い一定株式以上の取引については報告をさせるという提起をしたわけであります。それについて大臣としては、技術的な問題として積極的に受けとめるということですので、これは主税局長も言われた源泉の問題ともあわせてひとつ取り組んでほしいと思うんです。そういう積極的な姿勢ですので、もう一つ提起したいと思うんです。 いまも関連して多田委員から指摘がありましたけれども、この課税範囲を拡大する問題、すでに五十回以上、二十万株、それから一銘柄二十万株どここまで進んできたわけです。この方向は確かに五十回以上、二十万株を二十五回、十万株とする方向が一つと、それからもう一つは一銘柄二十万株、これを外してみたらどうかと思うんです、一銘柄の方ね、要するに二十万株。二十万株といえば大変な数になるわけで、それを課税対象とするというのを私は新たな問題としてひとつお考えいただけるかどうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は個人株主は優遇したいと思っているんです、私の基本的物の考え方は。ですから株に個人がなじむということは私はいいことだと。しかし幾らぐらいがいいことなのか、回数というのは実際抜け道があるんですよね、これは。一株ずつ売りに出すという場合もあるし、まとめて出すということもございますからね。ですから問題は、回数制限ということがたまに騒ぎになることはあります、私も実際にそういうことを知っています。ありますが、やはり規制をするとすれば、それでは取引の株数かなということになりますが、これは一銘柄二十万株ですから、それは十銘柄だったら何百万、何十万株になったっていいということなので、もし累計ということになればそれは二十万株では足らぬという話になってくるでしょう、恐らく。何十万株になるか百万株になるか知りませんが。そこらの実態が一体どうなっているのか、そこらのところもつかんでみないといま直ちにどうだということは数字は申し上げられませんが、ひとつまじめに検討してみたいと思っています。
○近藤忠孝君 私も必ずしも二十万ということだけにはこだわるつもりはないので、この機会にやっぱり一銘柄というやつを一つ外しますと、またあるいは五十回以上というその辺を一つ外していくという、そういう方向を積極的に考えてほしいと、こう思います。 それから今回も、いろいろ不正問題の関係で大蔵省としても証券会社の指導強化をする、そういう方向が打ち出されておるわけです。そこでたとえば大阪の証券信用、これが誠備グループの投機株に融資を行った際に証券会社が紹介したケースがなかったかどうか、各社から事情を聞く予定だとか、さらに証券業界周辺の貸金業者と証券会社の関係についても広範な調査をしていく、そういった方向が打ち出されておりますが、そういう方向にはこれ間違いないかどうか、大体どんな方向で調査をしていくのか、この点いかがですか。——証券局長いないんですな。じゃそれはまた後で答えてもらうことにしまして……。 これは国税当局になるんですが、今回の誠備グループの関係でいろんな人が関係したと。たとえば日経新聞によりますと「政治家十数人含む」というようなことも出ておるんですね。それからサンデー毎日を見ますと具体的に顔写真入りで大分多くの政治家も入っておるんですけれども、この辺の課税問題はどうなっておるのか、いかがでししょうか。
○政府委員(小幡俊介君) 誠備グループにつきましての問題でございますが、私ども各種の情報、資料の収集に努めておるということを申し上げておるわけでございますが、さらにその情報、資料の収集に努めますとともに分析、検討も行いまして、またあわせて今般税務署に五十五年分の確定申告書も提出をされたわけでございますので、これらの内容との照合をしていくというふうなことを進めまして、株式の買い集め等によります課税すべき所得があるというふうなことが認められるような場合には、調査の上厳正な処理をしてまいりたい、こういうふうな気持ちでございます。 お尋ねのどういう人が対象にあるかとかあるいはまたいつ調査をするか、こういうふうなことにつきましては個別問題でもございますので、答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 私もここで具体的な政治家の名前を言ってもらおうと思っておりませんけれども、ただいままで国税庁の方が収集した情報や資料から新聞に出ている「政治家十数人」、この辺の数字はこれは間違いないのかどうか、否定はできるんでしょうか。
○政府委員(小幡俊介君) 私どもといたしましてはあらゆる資料、情報の収集に努めておるわけでございますけれども、その一つ一つの内容につきましては答弁を差し控えさしていただきたいと存じます。
○近藤忠孝君 新聞の大体の数字が間違っているかどうか、その辺まで言ってもらってもいいんじゃないかと思いますけれども、そのこと自身、これ以上今回は、いまは時間の関係で追及はいたしません。 そこで物品税の問題に入りますが、物品税については創設期、それから戦時中の増徴期、戦後の軽減期、それからシャウプ勧告以後の調整期、さらに全面改正後現在に至る時期、そういういろいろな時期がありますが、戦前はまさに増徴期、これは戦費調達の時期だったわけですね。戦後は調整期が大変多かったわけですが、そういう経過の中で昭和三十七年以降最高税率の引き下げ、免税点の大幅引き上げ、あるいは多くの物品税の課税廃止、そういう方向があったと思うんです。そういう中で特に昭和四十一年の改正、四十九年の改正、ここで税率引き下げ、免税点引き上げ、あるいは免税点の新設、そういうようなことが行われたんですが、この時期にこういう措置をとったのは、これはどういう理由だったでしょうか。
○政府委員(矢澤富太郎君) まず昭和四十一年度の改正でございますが、昭和四十一年度の税制改正はいま御指摘がございましたように所得税や相続税の負担軽減が行われまして、間接税もこれに並んで減税をしようという減税時代でございます。 減税の方法といたしましては税率を引き下げる、あるいは免税点を引き上げるということで、結果的に見ますと大体どちらでも好きな方をとってくださいということでお話を進めていたようでございます。 なお、改正の基準といたしましては、税率を引き下げることに適しているものといたしましては国民生活水準の向上に密接に関連する物品で、これらの物品の消費の拡大が国内の生産拡大に通じ、コストダウンを通じて輸出振興に役立つものを選んでいこうということで自動車、家電、写真機、楽器等十四品目の税率の引き下げが行われております。それから免税点の引き上げにつきましては、主として零細企業で生産される物品を中心にいたしまして原材料の値上がりが取引価格の上昇を招いているもの、こういったものを中心に免税点の引き上げが行われております。 それから昭和四十八年の改正でございますが、基本的な考え方といたしましては従来の奢侈品課税、これを重課するという考え方を少し緩和していこうじゃないか、これは恐らく国民生活が高級化あるいは平準化してきたことに伴うものであろうかと思います。ということで貴石製品、貴金属製品等、毛皮も入りますが、こういったものにつきまして最高税率の引き下げが行われております。それから免税点の引き上げにつきましては、免税点のあるものほとんどすべてにつきまして昭和四十一年度改正以来の原材料価格の値上がりを反映いたしまして、特に零細企業あるいは中小企業製品に重点を置いて免税点の引き上げを行っております。 それから四十九年の改正でございますが、これは四十八年の改正後、御承知のように四十八年末にオイルショックで狂乱物価が起こりまして、各物品を通じまして原材料価格が暴騰いたしました。これに対応するために改正いたしたものでございます。
○近藤忠孝君 昭和四十年が高度経済成長の後を受けて経済不況に見舞われたと、それに対応するもの、それから四十九年が物価上昇に対応するものと、要するに経済状況に合った措置をとったと思うんです。 先ほど減税の時期と申しましたけれども、減税か増税かはまさに政策の問題であって、時の経済情勢とは直接関係ないわけですね。経済情勢を見てみると、私はこの昭和四十一年あるいは四十九年の経済情勢とむしろ似ている、どちらかというと四十一年のときに似ていると思うんです、だからこの物品税を本当に国民のためということで考えれば、経済状況から言えばむしろいまは増税の時期じゃなくて減税もしくは免税点の引き上げの時期じゃないかと、こう思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 税制は各種の税目を組み合わせでできるだけ合理的でかつ財政全体の需要に見合う税負担を国民にお願いをするものでありますが、その中で物品税は比較的可処分所得と申しますか、収入と申しますか、それに比例的な税負担、それを求めているということだと思います。 物品税またその間接税の共通の特色として、比較的安定的な歳入を上げていくということも重要な役割りを担っておると思います。法人税のように非常にフラクチュエートする税金ばかりで国の財政を支えるわけにもいきません、そこでやはり間接税の持っている意味があると思うわけでございます。 イギリスのようにレギュレーター制度を持っておりまして、好況の場合には間接税の税率を引き上げ、不況の場合には政令でそれを引き下げるというような制度を持っておる国もありますけれども、日本の場合にはそういう考え方をとっておりませんで、すべてたとえば何と申しますか、買いやすくするために物品税の税率を引き下げをするという考え方をとらずに、やはり消費行為そのものに対して適正な負担を求めるという形で税率全体の構造を見直すことはございますけれども、税率を景気の局面に応じて上げ下げをするというふうには考えておらないわけでございます。余りに間接税の比重が高い、または支出弾力性の低いものまで課税の対象品に入っておる、そういう場合の訂正が先ほど審議官から申し上げました三十七年なり、四十一年の改正であったわけでございまして、不況の段階だからそれを引き下げたということではないわけであります。
○近藤忠孝君 主税局長そう言いますけれども、歴史を見れば増税になった時期というのはやっぱりあの戦争中のことなんですね。あとは大体調整から下がっている。いろんな関係で調整した関係で新たに加わったものはあるかもしらぬけれども、大体は下がってきている、それに対して上がるというのはやっぱり戦争の時期あるいは軍備増強の時期なんですね。 それで大蔵大臣、いま物品税をふやすのは戦前と比べてみると、戦前はやっぱり戦費、軍備増強の時期ですね。だから大蔵大臣の腹の中にはやっぱりそういう問題、戦費との関係、これはあるんじゃないですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の腹の中に軍備増強があるんじゃないか……。
○近藤忠孝君 そのための物品税増強……。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 物品税増強、防衛費の増強とが一緒になっているんじゃないか。——いやいやそんなことはないです。それはむしろ御承知のとおり、いま一番お金のかかるのは社会保障なんですよ、ともかく自衛隊が伸びた伸びだと言っておりますが、増加額は千七百億円ですよ。ところが社会保障費の方は六千六百億円ぐらいふえているわけですから、昔は軍備、今は福祉じゃないですかな。私の頭の中にあるのはむしろその福祉費調達をどうするかということの方が頭の中でいっぱいなんです。
○近藤忠孝君 頭にはいまはそうかもしらぬけれども、腹の中はどうですかね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 腹の中も同じです。
○近藤忠孝君 質問をちょっとがらっと変えまして、ここに「蹴られたカンはどこへ行く?」という本があるんです。(資料を示す)ちょっと質問が急に変わって申しわけないです。 そのかんはどこへ行くと思いますか。物品税と関係があるんですよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これを考えていると時間がなくなりますから教えてもらった方が早いと思いますので、どうぞ教えてください。
○近藤忠孝君 いま京都市で空きかん条例をつくろうというので、これはかんジュースとか、それから大蔵省の管轄で言いますとかんビール、特に観光地ではどんどんどんどん捨てられまして、もう観光場所へ行ったらどうしようもないんですわ。仕方がないから市がやるんだけれども、これは本当に大変だと。また一般市民あるいは観光客の協力も得なきゃいかぬということでこの空きかん条例をつくろうとしておるんです。いろいろな問題があるんですが、その一つの問題としてこの条例をつくると。そしてこの条例をつくって、それが全国的に波及していった場合には物品税の税収に影響しやしないか、大蔵省管轄で申しますと、酒税の税収に影響しやしないかと、こういう問題が言われていましてね、そういう面から大蔵省、こういう方向には反対するんじゃないかとこういう意見もあるんですが、大臣そういうお考えは腹にも頭にもありませんか。
○政府委員(高橋元君) ちょっと御質問の御趣旨がよくわからないんですが、かん入りのジュースには物品税をお願いしておりますし、かん入りのビールには酒税が入っておるわけでございますが、空きかん条例が施行を開始されたとすると、デポジット制度で、メーカーからかんに対応する負担金が取れる、それで値段が上がって売れ行きが下がるんじゃないかと、こういう御指摘でございましょうか。
○近藤忠孝君 はい。
○政府委員(高橋元君) まあそれが、現在私どもが伺っておるところでは一部の市民、特に販売業者の御理解がまだこの制度には得られていない。したがって継続検討問題にされておるというふうに伺っておりまして、具体的な内容がわかりませんと、私どもの方もどのような価格弾力性を通じてどういうふうに税収に回ってまいるかということがわかりませんが、いまそういう仮定のもとでどういうふうに税収に影響するかという御質問にはちょっとお答えするだけの知識がないわけであります。
○近藤忠孝君 そういうことを考えていただくためにも、ちょうど環境庁来ていますので、この空きかん問題について、時間ないので簡単にひとつ対処を報告してほしいと思います。
○説明員(浅野楢悦君) 空きかん問題につきましては、いま先生御指摘のように京都市で対策を御検討中でございますけれども、国といたしましても地方の問題ということばかりの認識ではございませんで、関係省庁が集まりまして国として取り組むべき対策についていろいろ検討していかなければならないということで、ことしに入りまして関係十一省庁で空カン問題連絡協議会をつくりまして、いろんな問題につきましてただいま検討中でございます。 環境庁といたしましては、問題を多角的に各省それぞれの一五場から御検討いただいて、できるものから対策面で国としても手をつけていきたいというふうに考えておるところでございます。
○近藤忠孝君 京都市ではデポジット制度だけじゃなくて、善しろメーカーの方に責任を負わしていこうという方向も対策が進んでいると。ただどういうものが出てくるかわかりませんけれども、私がここで要望したいのは、本当に実際大変なんですから、そういう問題が出てきた場合酒税の収入が減るとか物品税の税収が減るとかという、そういうけちなこと言わないで、ひとつそういうことに対してはむしろ積極的に受けとめ、特に業界などに対しても指導してほしいということを望なんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も観光地でやたらに物を捨て、たりなんかすることは非常にいかぬことだと思っております。したがってまずは、これは公衆道徳教育が一番大事なんでしょうが、それでもだめだという問題について何らかこれらの防止策を講ずるということについては私は大賛成でございますから、決してじゃまはいたしません。
○近藤忠孝君 きのう西陣の話もあって、最近京都の話が多いんですから、いまの大臣の話はぜひ京都の人に伝えておきたいと、こう思うんです。 そこで、次は免税点の問題ですが、今回幾つかの免税点が引き上げになりました。その理由はどういうことでしょうか、
○政府委員(高橋元君) 今回は課税対象の拡大、税率の引き上げということを主たる内容として物品税の改正の御提案をしておるわけでございます。全体としての厳しい財政事情に対応いたしました物品税改正でございますから、課税範囲の縮小となりますような一投的な免税点の引き上げということは一切考慮しておらないわけでございますが、主要な原材料が海外から入ってくると。しかも海外要因で異常に原材料が高騰しておる。そのためにコストが上がっておるというようなものにつきまして、これはベッドを除く木製の家具と貴金属製品でございますが、今回例外的に免税点の引き上げを考慮いたしております。
○近藤忠孝君 物品税法施行令の別表第一で課税最低限が決められていますね。それで問題は、金額がずっと出ておるのですが、この全物品について共通する基準のようなものがあるんですか。
○政府委員(高橋元君) それはもう法律の中に書いてございますとおりで、同種の物品の中で、「その価格の同種物品に係る価格体系のうちに占める位置が低いこと」、これが主たる理由であります。また、そのことによって「一般消費者の生活及び産業経済に及ぼす影響を考慮して物品税を課さないことが適当であると認められるものとして政令で定めるもの」、これが基準でございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、それぞれの物品についてずっと免税点の金額が出ておるのですが、それはそういう立場から個々に決められたと、こう聞いていいわけですね。 そうしますと、それぞれの物品について免税点以上と以下があるんですね。それが数量にしてどれくらい、あるいは金額でもいいんです。数量の方がいいんでしょうね、数量がどれくらいかというのは各物品ごとに調査ができておるんでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 免税点以下のものは、実は税法が及びませんので記帳義務も申告義務もございません。したがって非課税割合はつまびらかにしがたいわけでございますが、業界がいろいろ資料を出しておられますし、また私どもの方もサンプル調査などをやってみたこともあります。たとえば貴金属の製品ですとデパートで大体六割は税金がかかって、四割は課税されていないようだと、それから、じゅうたんですとたしか二万五千円ですか、かなり高い免税点がございますので、課税されているものは二%ぐらいではないか。それからスピーカーでございますと二割ぐらい課税で、非課税が八割ではないか。たんすは五%ぐらい課税ではないかというようなことがわかっております。全体を通じて課税対象物品の中で、幾ばくが現実に物品税を納めておられるかということはいまのところ数字を持っておりません、 失礼いたしました。じゅうたんの免税点は一平米九千円でございます。
○近藤忠孝君 私はその資料を事前に要求したんですが、実際ないということで全然資料もらえなかったんですが、いま局長言ったのは何ですか、調査したものだけですか、それともほかの物品についてもその調査ができておるのですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 免税点以下の資料につきましては、いま局長からお話しいたしましたように、税金をかけてないものですから、税務署を通じて数字を集計するというわけにはまいりません。そこで、ただいま申し上げましたのは、何かいろいろな機会を通じましてサンプル調査をしたものの数字をお見せしたわけでございまして、資料で御提出しなかったのははっきり印刷物にしてお出しできるほど確たるものでないので、御答弁でお許しいただきたいと思ったわけでございます。
○近藤忠孝君 私は何も印刷でなくても、メモでもそれはいいわけで、そうしたら全体がわかって、そして全体の中でそれが妥当性があるかどうかということが議論できたと思うのです。そういう意味では本当に残念ですね。 そこでもう一つお伺いしたいのは、いまの調査は全品目についてできておるのですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 全部の品目ではございません。いろいろ必要のあるときにサンプル調査をしたものを、幾つか手元にあるものを御紹介するとこういうことになったということでございます。
○近藤忠孝君 私はこれは全品目についてやるべきだと思うのですね。そういう中で物品間の問題で公正かどうか。そしてその免税点が妥当かどうかということは先ほど言われた基準に合わして検討すべきだと思うし、免税点もいろいろ動いておりますから、私はそういう点の中で初めて正確な免税点が出てくると思うのです。ですから私は、全品目についてやるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 業界が比較的まとまっておりまして、しっかりした調査能力があります場合には、いま二、三の品目について申し上げたようにわかるわけですが、これは私どもとして内容がそのとおりであると思って申し上げているわけではないので、確実性の点ではどうかなというものがかなりあります。そういうものを含めて、全体ここで、国会で免税点の適否を御審査いただくには、やや資料としての正確性を欠くという点を御了承いただきたいと思います。ですが、私どもとしては免税点以下のものと以上のものの割合というのはできるだけ、これは現実に政令を決めていきます際にも参考になることですから、勉強はいたしておりますけれども、こういう公の席で記録に残るような形で申し上げるほどの確実なものがなかなか得られないのが残念であるというふうに私どもは思っております。
○近藤忠孝君 それは大ざっぱな資料を出すと野党議員に足をとられて、いろいろまたしかられるというようなことなんでしょうか。私はそういうことじゃないと思うんだけれども。
○政府委員(高橋元君) そういうふまじめな気持ちではございませんで、税制全体の運用として御審議の参考になるほどがっちりした資料であって、それが生産統計でございますとか流通統計でございますとか、そういうもののマクロの数字から見てもなるほどと思うところまでいってないものが多いわけでございます。ゴルフのボールとか手袋とかいうものが一体どのくらい、どういうふうに流通しておるのか、生産されておるのか、必ずしもはっきりわかりません。公的につかまえた数字との突き合わせというものをやってない場合には、こういう立法の御審査というものをいただくには、大変かえって誤解——私どもも誤解しておるかもしれませんし、先生方にも誤った情報をお伝えすることになるということをみずから戒めておるわけでございまして、決して野党の方々には何も教えないというような気持ちを一つも持っておるわけじゃございませんので、御理解いただきたいと思います。
○近藤忠孝君 大臣、これはきのう以来、物品税全体としましても、物品税の対象になっている中にも不公平、いろいろこれはおかしいじゃないかというのがあると。大臣に言わせれば、別に議論も何もないんだというような話なんですね。私は免税点もうっかりするとそういう問題がやっぱりあるんじゃなかろうかと、こう思うわけです。そういう点で、この資料を私はもっと的確に見ていくべきだろうと、こう思うんです。この問題は本会議でも、またこの大蔵委員会でも、税制問題を的確に審議するための資料を出せと、こういう要求に対してそれはもう出しますと、こういう積極的な答弁を得ておるんですが、ただいままで見てみますと、資料を出すか出さぬかの以前に、そういう大事な資料自身ができていない、こういう問題がたくさんあるわけですね。これは予算委員会でも指摘をしましたけれども、所得階層別の分離課税の割合とか、あるいは税を免れている割合というようなものは、やっぱりできていないわけですね、私はその一環としてこの問題も、いま局長はまだ不正確なものだと言ったけれども、より正確にし、それを国会に出して審議できるような、そういう状況をつくるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(高橋元君) できるだけそういうふうに努力をしたいと思いますが、いまお話のありますものの中にも、とうてい作成不可能なものもあるわけでございます。どれだけの所得が免れておるかというような統計というのは、これは実はつくりようがないわけでございまして、そういうことからもなるべく私どもとしては把握できる範囲で勉強をしてまいって、これは確信の得られたものから逐次、大臣の御答弁もございますし、私どもは国会にお出しができるものからお出しをしていくというつもりでおります。
○近藤忠孝君 一問だけ。 これはむしろ出したくないのでなるたけつくるまいとしている節もあるんじゃないかと思うんですね、私が予算委員会で指摘した問題は民間の学者がやっぱりつくっているわけですから、それはできるわけだと思うんです。そういう点で、より一層の御努力を要望して質問を終わります。
○三治重信君 まず、きのうちょっと残した問題から入りますが、印紙税の問題でございますが、これは四十九年、五十二年、今度は五十六年と、倍々の課税をするようになっておるんですが、しかもこの印紙税というのは非常に古い税なんですね。またこれは考え方としては流通税で、非常に幅広く取ろうと思えば相当取れる税金であり、しかも日本人的からいくというと、自分の取引なり資産なり所得なりというものがみんなわかるということを非常にきらうわけなんですが、これは個々の取引、また個々の流通にこの証紙を張れというわけですから、わりあいに個人的な、また会社別の個性がわからぬから、流通税としては何か非常にいいような気もしないわけでもないんだが、その点はどういうふうにお考えになっているのか。 また、これは明治時代から始めて、着想はこうやっているんだけれども、そんなに税の、流通税としてあんまり大して大蔵省が注目してこなかった理由は何だろうか。
○政府委員(高橋元君) 経済取引に基づいて作成されます課税文書、こういうものが民間経済の運営の基礎でありましょうし、そういうものから印紙税の納付をお願いをするという制度は百八年来続いておるわけでございますから、私どもは印紙税は単に古い税金であるとか外形標準の税金であるということだけで決して軽んじていいものではないと思っております。印紙税の負担がより適正に行われ、印紙税について国の財政に寄与していただくような役割りというものを適正に位置づけていきたいということを常々念願をし、努力をしておるところでございます。
○三治重信君 そうすると、四十九年、五十二年、五十六年と倍々にしてきたわけですが、これはどうなんですか、担税力からいくというとまだ非常に軽いと思っているんですか、この程度で、今後はこれ以上というのは非常にむずかしいと思っているのかが一つ。 それから過怠税というのは、これ何と言うんですか、印紙税の中で特別この統計資料にも載っているわけなんですが、これの中身と、それから五十四年なんかに急に、まあ金額は大したことはないんですが、非常にふえているんですな、過怠税が。そういう過怠税というものの中身と、それから、こういう問題から印紙税というものがなかなか問題があるのかどうか。
○政府委員(高橋元君) 印紙税を数年を置かずして倍々と上げてきたではないかと、こういう御指摘でございますけれども、印紙税には定額税率というものが税収の中で四割を占めております。定額税率は国民所得水準が上がってまいるというのに伴いまして、これはどうしても従量税でございますから負担が下がってまいります。 そこで、四十九年と五十二年と二回にわたって定額税率の手直しをお願いしたわけでございますが、今回の改正はそれとはややその考え方を異にしておりまして、国民所得水準の上昇に伴って負担が相対的に下がっているという面もありますけれども、むしろこういう軽度の流通税の税率が万分の一ないし万分の二というふうに設定されておりますので、むしろこういう財政事情のもとで、流通税段階でもう少し負担をお願いをいたしたいという趣旨から出ておるわけでございます。したがって定額税率、階級定額税率を一律に二倍にし、最高価格帯を見直しを行うというのが今回の改正の内容でございます。 それから、過怠税についてお尋ねがございましたが、これは四十二年の改正以来国犯法——国税犯則取締法というものから印紙税は外しておるわけでございます。したがって仮装、隠蔽によって税を免れた場合の罰則というのはございますけれども、印紙税は自主納付を基礎とする税金でございますから、納付を仮に怠っていた、つまり印紙の貼付をしなかったという文書が発見されました場合には、印紙税額の三倍相当額の過怠税というものをいただくことによって印紙税法の執行が確実になるようにいたしておるわけでございます。 印紙税法の過怠税の執行面、税収面につきましては、国税庁から引き続いて御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(小泉忠之君) 過怠税の執行面の御質問でございますが、現在過怠税につきましては正確に件数等報告は徴しておりませんが、大体申し上げられることは、調査対象の選定方針——私ども点検調査をいたしておりますが、そこで重点として取り上げておりますのは、金融機関あるいは商社、不動産業、建設業、そこで作成されております代金の受取書あるいは物品の売買契約書、土地売買の売買契約書、請負契約書、これらにつきまして点検調査の結果、過怠税を徴収するというケースが多いわけでございます。 したがいまして、全般的には主税局長からお答えございましたように、明治以来の古い税でございまして、そもそも自主納付が原則でございまして、自主納付、自主貼付によって課税関係は完結するということでございますので、残念ながらその全貌につきましては正確に私どもは把握しておりませんが、点検調査については、申し上げましたように、大口の作成者あるいは従来から調査上問題があるといった業種等につきまして、重点的に点検調査を厳密にいたしておりますので、その関係でいま御指摘の過怠税の税額が、五十四年度は年間九億円でございますが徴収されておる、こういう状況でございます。 そこで、五十四年度急増したではないかとこういう御指摘でございますけれども、御指摘のように五十三年度はこの過怠税の税額は三億二千万円でございまして、年次を追って申し上げますと、五十年度が五億六千万円、五十一年度が十億、五十二年度が四億二千五百万円、五十三年度三億、五十四年度九億ということでございまして、たとえば五十一年度等は十億円の過怠税を徴収したときもございます。これはいろいろその時期時期におきまして、特別調査等の結果、過怠税を徴収するというような状況もございまして、たとえば五十一年度でございますと、銀行の預かり証等の特別調査で、これにつきましてはかなり大口の過怠税が出たということがございました。五十四年度の事案につきましては、私ども税負担の、何といいますか公平をこの際図る必要があるということで、かなり納付水準は高い税ではございますけれども、大口の作成者等につきまして厳密な調査を行った結果、九億円というような過怠税の追徴が行われた、こういう状況でございます。
○三治重信君 それからきのうの続きで、物品税についてちょっともう少し追加さしていただきます。 きのう、何というんですか、法律上、小売価格と別に税額率を書けと、こういうふうな法律が全然行われていない。しかし日本の実情から言って、これは生産者も小売業者も、また消費者も非常になじみにくい結果、これは注意規定でありながら実際行われていない、こういう御説明で、非常にその間の相互関係、あるいはこれをどういうふうに、こんなことは日本でできぬからやめた方がいいという結論を出すのか、あるいはこれは非常にいいことだから進めていこうと、いくべきだと、こういうふうに思うかは、まあここでちょっと議論にならぬからやめておきますが、この中でやはり一つだけ確かめておきたいのは、国際通商上日本の国内における価格が非常に不当に安いのか安くないのか、そういう向こうの、ことにアメリカや今後ECが関税統一した場合に、日本の実際の販売価格というものを基準にして関税をかけると、またそこに対して不当な、いわゆる貿易外障壁というような問題に出てきた場合に、それを二十六年という早いときにそういうために予防措置としてつくったということなんですが、もしもこれが、今後こそ本当に日本がやはり国際摩擦を解消していく場合に助けになる立法だと思うんですが、そういういわゆる日本の国内価格におけるのを基準にして外国が関税なり貿易摩擦の交渉をやられるというときに、日本はそれに対してどう対処していくか。ことにヨーロッパでは、貿易外障壁ということで消費税の問題や何かがこれから問題になると思うんですが、それに対する考え方また対処の仕方というものをどういうふうにお考えになっているか、これだけ一つ聞いておきます。
○政府委員(矢澤富太郎君) 御承知のようにこの四十二条の規定ができましたのは昭和二十六年でございまして、恐らく国際貿易の関係では、戦後ようやく貿易が始まったころではなかったかと思います。で、当時の提案理由説明を読みますと、外国において外国の関税の課税標準が物品税抜きの価格であるということを明示するためにこの規定を設けたんだと、またもう一つは消費者に対して税額を明らかにするために設けたのであるという二点が書かれております。そういう意味で、これは想像でございますけれども、当時まだ日本の慣行なりあるいは国際市場における日本の物品税というものがよく知られてないときに、実は日本の価格というのはこの中に物品税が入っているんですから、税抜き価格はこれこれでありますということを国際的に明示するためにこの四十二条の規定ができたんではないかなというふうに考えております。 その後の推移でございますが、その後御承知のような国際経済あるいは国際交流の発展に従いまして、大体日本の市場価格というものには物品税が入っているんだからと、したがいまして、日本から出ていくときの価格というのは税抜きで考えるべきだということが国際的にも定着をしてきたと、そういうことが一つにはこの四十二条が死文化している一因ではないかというふうに考えております。
○三治重信君 それじゃその次に、この間の参考人の意見聴取のときにこれは質問があったかと思うんですが、課税標準を決める場合の控除率、俗に一定率と言っているのが、しかしこれは現在、家電製品にはまあ業者余り好まぬで使っていないんだというような説明が参考人の意見の聴取のときにあったわけなんですが、それからもう一つ、いわゆる実際の税務調査による課税標準をつくるとなると、資料や何かたくさん要求されてなかなか大変なコストがかかるんだと。もう少し簡便なといいますか、まあもしも控除率、一定率でやるならば販売マージンというものをこの際もう少し実情に合ったものに変えてもらいたいと。十二品目加わったことによって、また経済情勢も違ってきたんだから、ひとつ一定率のやつで、販売マージンをまた参考人の意見だと五%の引き上げ、三三%を三八%という五%の引き上げ、そうしてもらうと非常に簡便に一定率のやつで課税標準が決められるのに応じられる、こういうふうなことだったと思うんですが、まあ私は現場の個々の実情は余りつまびらかにしないわけなんですけれども、ひとつそれをお願いしたい。 それから、これは今度の新しい税ではないんですけれども、この大蔵委員会で関西の方へ今度の物品税の関係で実情を見に行ったときに、あるゴルフボールの製造会社、これは大会社なんですが、これのときにはゴルフボールは三〇%の高いのを低くしてくれと、こういう陳情が一つと、どうしても低くできなかったならば、せめて不良品で売れないボールまで三〇%取られるのだけやめて、正規に売るものだけにしてほしいと、こういうような陳情があったわけなんですが、ひとつその二つの点についてお願いします。
○政府委員(小泉忠之君) 最初の課税標準の確定につきまして一定率控除方式というものがございますわけでございますが、これについての適用の度合いについての現状についてまずお答え申し上げたいと思いますが、御質疑にもございますように、かなりの業種が一定率の適用の選択をいたしております。で、全国的に申し上げますと、一定率、これは製造場単位ではございませんで、製造者単位ということになっておりますので、そこら辺の問題がございますわけですが、全国でこの一定率の適用を受けておるものは千七百五十四社、こういうことになっております。たとえば自動車におきましては全国で十社ございますが、そのうちの八社が一定率の適用を受けておるというような現状でございまして、物によりますともう五割を超えておる——この適用率を受けておる業者の数が、場数で推定いたしましても五〇%以上が適用率を受けておるというような業種も多々ございます。たとえば化粧品、飲料等につきましてはかなりのこの業者数になっております。 御指摘の電気器具、この電気製品関係でございますが、これにつきましてもやはりたとえば電気器具類、ガス器具類及び液体燃料器具類、これにつきましては百を超す業者が一定率の適用を受けておる、こういう状況でございますが、なおやはり執行上あるいはこの納税者の側からいたしましても、その適用を受けない場合には個別にこの課税標準を確定しなきゃならぬということでございまして、かなり事務的な負担もございますわけでございますので、私どもといたしましては、できる限りその他の面につきましてこの法令の許す範囲内においてこの簡素化を進めておるということでございます。たとえば電気製品については多いわけでございますが、二つ以上の物品を一括販売するという場合が多々ございますが、その場合には原則に戻りますと、物品の課税標準の確定をする場合には原価まで調べまして、原価によってそれぞれの積み上げをいたしましてこの課税標準を確定するということになるわけですが、この場合には簡便法を適用いたしまして、それぞれの販売価格、これの案分によって全体の課税標準を決めるというようなことをいたしております。 それから製造場が——大分長くなりますけれども、製造場がこの一税務署管内に二以上あるというような場合にはそれぞれ未納税移出が行われるわけでありますが、未納税移出につきましても多大な手続が要るわけなんでございますが、これはその同一管内の製造場は一つと見るというような簡素化の措置をいたしておるのが現状でございます。 それから御指摘のゴルフボールの関係でございますが、これは私どもも御指摘の点は多々伺ったわけでございますが、第二種物品につきましては製造場を移出する段階で課税されるわけでございますが、その製造するだけでは課税されないということになるわけでございますが、この製造した課税物品が不良品である場合あるいは廃棄等される場合はこれは原則としては課税されない、私どもも課税いたしておりません。ただ不良品あるいは欠陥品でありましても、それがまた別の需要が出る場合がございます。二級品等の商品として社員あるいは関係取引先に販売するということがあり得るわけでございまして、そういった場合には適度の値段がついて出ると、こういうことになりますので、私どもとしてはそれに応じた課税をいたしておる、こういう状況でございまして、この製造場から出ていかない、移出されないものについて課税をするというようなことはいたしておりません。
○政府委員(高橋元君) 一定率は政令をもって定めておるわけでございます。それでこれは製造者ごとにマージン率など実際の流通段階の調査をして政令で決めておるわけでございますので、中にはいまお尋ねのように実態に合わないという御指摘のあるものもあることはよく承知しております。で、新規物品のうちの一部の物品で、既存物品とのバランス上今回十二品目追加をいたすわけでございますが、一定率制度を設ける必要があみものもあると思いますので、既存物品の中で実情に合わないというような御指摘の多いものもこの際あわせて取り上げて、一定立制度について見直しを必要な限り行いたいというふうに考えております。
○三治重信君 それから消費税の課税に対して、ことに中小企業なんか今度売れ行きが悪くなったり何かになると、ただですらこのいわゆる手形が百日とか百二十日手形と、こういうようなことになったりすると、蔵出し課税になってくるということになると、そこにいわゆる滞納関係が出てくると思うんですが、こういう消費税や間接税で、製造業者の方はまだわりあいに、自分でつくったものに対する課税をされるわけですからいいわけなんですが、これがいわゆる小売課税になるというようなことになると、まあ間接税でも、非常に何と申しますか、申告漏れとかそれからいわゆる延滞税、利子税、滞納処分と、こういうようなことについて非常に自分の責任でないように納税義務者としては感ずるわけなんですが、こういうことについて、まあ間接税を多くしていくということになっていくと、こういう消費税あるいはまたこの物品税でも蔵出しというようなことになってくるときに、各種加算税や滞納処分、こういうものについて非常に一般の所得税や法人税のこういう問題についてのやっと考え方が同じかあるいは若干変えているのか、その点はどういうふうになっていますか。
○政府委員(高橋元君) 物品税法では、納期は翌々月末となっておりまして、場合によりまして延納を一ヵ月認めるという制度でございます。それはなぜかと申しますと、蔵出し課税でございます。小売課税のものは翌月でございます。小売課税のものは消費者からの預かり金という性格がかなりはっきりしておりますから、納期限が余り長くて、使い込まれてしまってまた延納が起こるということでは両方とも問題がありますので、これは翌月ということでいいと思うのでございますけれども、製造場蔵出し課税の場合には、それが製品として売られて初めて全体として回収ができるわけですから、その辺の期間を勘案いたしまして、現在延納期間を含めて三ヵ月ということを限度としているわけでございます。その制度の中で、現在のところ円滑に物品税の納税が行われておると思うのでございますが、まあ非常に代金の回収が悪くなってきたときには延納制度を活用していただくということで対処していくというのが現状でございます。
○三治重信君 一時大型間接消費税というような問題が出たときに、これは大臣ちょっとひとつ聞いておっていただきたいのですけれども、大臣いいですか。——大型間接税また大型消費税の起きたときの問題で、販売業者なんか、いわゆる商人なんかが言うのが、一番これに対して大きな抵抗で、それなら理由は何ですかと言ったときに、やはりこの滞納というものが、いろいろ調査されて滞納になったときに、これをいわゆる刑事被告人扱いされると。ちゃんと自分のもうかった中で滞納しているとか払わなかったということについてならまだ自分が悪いと思うのだけれども、それをまあ消費税というのは、元来から言えばお客さんが払うべきやつなんだ。それだから預かっているだけのやつをまあいかにもそういう犯罪人扱いをされるということについてはがまんならぬと、そういう預かっているんだから、それはひとつまあそれで預かってくれと、御苦労さん、返してくれと、それがうまく納まらぬでも、それはどういう事情かと、また別途配慮があってしかるべきだと、ここが非常につかえていると、こういうような話があったのですが、いまの御説明では、いまの物品税程度では余りそれほどでもなさそうなんですが、その点についての国税当局や何かやはり間接税と直接税とはその取り方や税に対する、支払いに対する納税義務者の感覚がどうも非常に違うということで私は感じて、一度政府当局や大蔵大臣にここで質問しておこうと、こう思っております。ひとつこの際大臣のお考えと税務当局の考えと、簡単で結構でございますが、御説明を願います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この前大型間接税という話が大平内閣で出ましてね、非常にこれにやっぱり反対したのは私の年よりも上の人なんですよ、それはなぜかというと、かつて昭和二十何年でしたか、取引高税というものができまして、二十三年ごろですかね、私も実務をやっておりましたから、当時は。これはやかましくて、それでみんな一般の商店などは間接税になれてないわけです。ところがこの物品税というものは、庫出税とかあるいは小売屋さんにしても、もうなじんじゃっているわけですよ、この人たちは。ですから余り文句が出ない。ところがそういうなじまない人に間接税をかけたものですから、国税犯則取締法という法律を適用しまして、帰ってくるお客さんのところに証紙張っているかどうか聞いて、張ってないとがさっとすぐ入って家宅捜索とかやったわけです、片っ端から。そうでもしないと間接税の場合は罰則の適用が着ずかしいんです。そのことのためにもう非常に税務署とあっちもこっちもトラブルが絶えないで、それで評判がうんと悪くなってしまった、これが一番の原因じゃないか。この方は何でやらぬかというと、酒屋さんにしても間接税ですね、これは。テレビ屋さんにしても何十年もやっていますからなれているわけですよ、で、このまま抵抗がない。初めての人にぶっかけたから、素人に。それで騒ぎになったというように私は記憶をいたしております。
○政府委員(小泉忠之君) 各種加算税の関係につきまして、若干国税庁の方からお答え申し上げますが、御存じのように、物品税等は申告納税に現在なっております。したがいまして、申告につきまして過少申告があれば通則法に基づきまして五%の過少申告加算税、それから無申告であれば一〇%のこれも通則法に基づきまして無申告加算税という制度がございますが、直税と比較いたしますと、重加算税とかあるいは不納付加算税、これは源泉徴収等による国税についての加算税でございますが、そういった加算税は消費税についてはございません。 全体の状況でございますが、五十四年度の実績で申し上げますと、消費税全体につきましての過少申告加算税は現在一億四千万、それから無申告加算税は二億六千四百万ということで、両者を合わせまして四億円程度のものになっております。
○野末陳平君 きのうの続きで、ちょっと間税三法から離れますけれども、郵便局と民間金融機関の競争について二、三感ずるところをただしていきたいと思いますが、郵便局はいま貯金勧誘のためにダイレクトメールを大分出しているんですね。 まず、大蔵省に聞きますけれども、銀行などの民間の金融機関というのはダイレクトメールで預金集めをすることができるのか、あるいは現にしているのかどうか。その辺を簡単に。
○政府委員(吉田正輝君) まず、この預金獲得あるいは預金勧誘行為についての大蔵省の立場でございますけれども、私どもといたしましては、金融機関に対しましてはこういう余り預金獲得競争をいたしますことは過当競争の弊害が生じるということで、元来金融機関が持つべき堅実、厳正な運営に対する配慮がなおざりになるというような観点から、行き過ぎた預金獲得競争の自粛を指導を行っております。これは通達も出ておるところでございますけれども、これを受けまして全国銀行協会では広告等の合理化措置というのを自主規制で定めておりまして、これによりまして広告用の印刷物の内容について細かい自主規制を行っております。 で、それでまいりますと、ダイレクトメールなどの広告用印刷物につきましては銀行の営業案内——営業の中身の解説でござい圭一とか、業務の解説とか、それから店舗案内等のPR用の印刷物等に限られております。したがいまして、そういうダイレクトメールの内容が過当な預金獲得運動につながるようなものについては自主規制の対象になるというふうになっております、
○野末陳平君 そうしますと、郵便局がダイレクトメールで預金獲得あるいは預金勧誘行為をやっているというのは事実なんですが、これは郵政省に聞きますが、郵政省の方針でやらしているのか、それとも郵便局が独自に勝手にやっているのか、その辺はどうなっているんですかね。
○説明員(山口憲美君) 御説明を申し上げます。 郵便貯金の使命は、簡易で確実な貯蓄手段を広く国民の皆様に提供をいたしまして、そして御利用いただくと、このことによりまして経済生活の安定あるいは福祉の増進を図るというふうな役割りを持っているわけでございますけれども、こういった役割りを果たしていくためには、国民の皆様方に対しまして制度の内容等をお知らせ申し上げるということがどうしても必要なことでございますし、そういった意味におきまして、私ども、ダイレクトメールについてもそういった手段として有効であるということでこの活用をするようにしておるわけでございます。 なお、郵政省としてというお話でございますけれども、直接ダイレクトメールに触れてはおりませんけれども、先生御存じのように、設置法におきまして周知宣伝活動を行うことということが法的には一応認められているものと承知をしております。
○野末陳平君 説明はわかりましたけれども、たとえばこの中身に、いまの趣旨とは大分違って、あれが入ってるんですよね、この定額郵便貯金預入申込書なんていうのを入れてくるわけだね。ここに、うちはいま貯蓄増強やっているから頼むよと、銀行が言いそうなことを書いてきて、送ってくるわけですね。そうすると、これはやっぱり預金獲得、預金勧誘のみをねらっているわけで、しかも切手張ってないでしょう、これは。「通信事務」という判こ一つでやっているんで、これぼんぼんばらまいているかどうか、その辺のことは後で聞きますが、こういうお金がどこから出ているのか。郵便局から出しているのか、それとも郵政省の方からちゃんとその費用を見ていたのか、その辺がわからなかったんですが、それはどうですか。
○説明員(村田一已君) ダイレクトメール等、郵便局が出します郵便料金につきましては、郵貯特会の中から郵政事業特会の方に繰り入れておるわけでございます。郵便局が直接切手を張って出しておるわけではないわけでございます。
○野末陳平君 じゃ、そういうダイレクトメールは年間どのくらいの費用に上っているか、それは特会の方で出ているわけですね。
○説明員(村田一已君) 通数でございましょうか。
○野末陳平君 ええ、どのくらいの費用が年間かかっているかね、
○説明員(村田一已君) 為替貯金事業全体といたしましては一億五千六百万通、金額にいたしまして百七十八億円でございます。
○野末陳平君 ちょっと、全体と言われますと、ぼくの言ったのはいまの預金獲得、預金勧誘を特にねらったダイレクトメールがいまの金額全部ですか、それはその一部だというんですか、ちょっとはっきりしなかったから。
○説明員(村田一已君) それは全体でございます。
○野末陳平君 そうすると、現実にはその中で幾らなんですか、いまぼくが問題にしているこのダイレクトメールは。
○説明員(村田一已君) ダイレクトメールだけの調査はいたしておりませんので、それについてはわからないということでございます。
○野末陳平君 そうなると、大分出すときもあれば出さないときもあるのか、それとも負けちゃいけないというのでどさっと出すのか、その辺はわかりませんが、何しろぼくは、やはり民間の金融機関と郵便局が公平に競争できるということが一番大事だと思うんですね。で、銀行などでは、さっきの大蔵省の答えでは自粛をしているということですね。そうすると、それは民間の中だけでもって過当競争にならないように自粛している。しかしながら、預金者から見れば今度は、郵便局は一種の官業になりますね。そうすると、そこの銀行と間に結局競争が必ずしも公平でなくなってくると思うわけですよ、こういうものをどんどん出せば、際限なく。ですからやめるべきだ。効果はどの程度かそれは知りませんが、少なくもどれだけ金がかかっているんだということすらつかんでないというんだったら、これはやはりやめるのが当然じゃないかと思いますが、どうですか。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 先ほどお答えを、御説明申し上げましたように、私どもといたしましては、郵便貯金を広く国民の皆様に利用していただくのが使命であるというふうに考えておりまして、そういった意味におきまして、やはり制度の内容等を広く国民の皆様にお知らせして、そして貯蓄の働きかけをしていくということは必要なことであるというふうに考えているわけでございます。ただ具体的な内容につきまして、たとえば非常に訴求力の強いものを求める余り、いわゆる利回り等あるいは税制上の問題等について誤解を与えるというふうなそういったものにならないような、そういった注意はしつつやはり実施をしてまいりたいということでございます。
○野末陳平君 まあそういう答えは実態とは大分違うんだけれどもね、こっちはこんなの入っているんだからね、利回りから。それだけだものね。幾ら利息がつくというこんなふうなことだけで、それだったら、こういうダイレクトメールでなくて、もっとしかるべき方法があるじゃないかと思いますが、ともかくこのダイレクトメールも、ぼくはもう時代的役割りは終わったんだというふうに考えております。というのは、郵便貯金の有利さが、これも後から触れたいんですが、もう非常に浸透したんだから、別の角度のPRならともかく、預金獲得、預金勧誘だけをねらうというのは、もうここにお金がかかるということ自体どうも解せないんですがね。 ついでに言いますけれども、競争の公平を欠く点として、いつかもこの委員会でちょっと触れたんですが、金を集めてくると手当が出るわけですね。で、銀行では、あるいは信用金庫を含めてどうなっていますか。集めた額に応じて手当が出ているんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 私どもが全国銀行協会、地方銀行協会、相互銀行協会から聴取した結果でございますけれども、銀行の職員の給与体系は固定給制度になっておりますので、先生が御指摘になりますように、この預金の勧誘度合い、あるいはその獲得度合いに応じたような歩合制度を取り入れている銀行はないと承知しております。
○野末陳平君 そうしますと、去年の委員会でもグリーンカードのときに大分ぼくが質問したのでわかっていますが、郵便貯金には貯蓄奨励手当があるわけですね。で、もちろん公務員ですから正当な給料もあるわけで、そのほかに金を集めてくれば手当が出るわけです。で、これを百万円集めて五千四百円の貯蓄奨励手当、まあこれは事実ですね。それから窓口に座っている職員のところにお金が集まってきた、つまり預け入れにきたと、その場合の手当も出て、それは中でもって大体うまく分けると、これもどうも事実らしい。ということは、外でもって勧誘してきたのも手当が出る、それから窓口で待っていて集まったお金に対しても勧誘手当が出るということなんですね。そうすると、いまの民間の金融機関と集め方の迫力が違ってくるからね。ですから、集めるだけが目的だったらば何やってもいいかもしれませんが、民間は少なくもそれなりに過当競争にならないように大蔵省が言うから自粛しているとなると、同じようなことをする官業である郵便局もやはりやり過ぎちゃいけないと。事実去年の質問で限度額オーバーして減額措置を講じられた金額の半分は外務員が集めてきたという数字が出たわけですよ。どうもそのときにやめるべきだと言ったんだけれども、ちっともやめない。そこでぼくらはもうやめろということなんですが、郵政省に聞きますけれども、五十五年度、五十六年度でもこの貯蓄奨励手当は大体どのくらい出ていたんですか。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 これは予算額でございますけれども、五十五年度につきましては四百十一億七千八百万円、それから五十六年度につきましては、これは現在御審議をいただいているわけですが、三百八十七億九千九百万円でございます。
○野末陳平君 その一人がどのくらい手当をもらってとか、そういうけちなことは言いませんけれども、やはりこういう何百億かの金が勧誘の報奨金のような形で出ているというのは、やはりこれを今後も続けることが望ましいとはとうてい思えないんですが、どうなんですか、内部でそろそろ見直すというか、これに対する検討なんというのはあるんですか。
○説明員(山口憲美君) 御説明申し上げます。 募集手当につきましていろいろ御指摘をいただいたわけでございますけれども、御存じのように、職員の給与というのはその職務の内容とその責任の度合いに応じて、かつその職員の発揮した能率というものが考慮されなければならないというふうになっているわけでございますが、この貯金の募集の事務というのは積極的、意欲的な努力を伴う非常に大変な仕事でございますので、そうした努力に対してやはり報いる、あるいは上げ得た実績に対して報いていくということは、これは人事管理上どうしても私どもは必要なものではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、この募集手当というのはいわば上げ得た実績に対して温かく報いてやろうという趣旨でございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○野末陳平君 お金が集まりにくい時代においては、それは温かく報いるのもいいけれども、いまはもう定額貯金などの有利性というのは非常に一般化しましたから、そんな努力して、温かくお金まで出して集めてきてくれという仕事じゃないんですよ。ですから、時代が変わっているわけですから、やっぱりそういう時代認識のもとにこの手当を考えるべきだとぼくは思うんですね。ましてやその手当が出る、郵便局は手当をつけてお金を集めてくると。片や民間の方はそっちは出ないもので必死でやると。現実にはお客にとっては郵便局の評判いいですよ、はっきり言って。それはもうお金になるから、手当が出るから親切なのか、サービスがいいのか、それは知りませんが、少なくともいいんですから、ぼくは勧誘そのものが問題になるというんじゃなくて、やはりいまこの時期において手当を出すことが時代に合わなくなって、むしろ弊害を生みつつあるんではないかと、その弊害は要するに郵便局の方に金が行き過ぎるわけですよ。それはお客が金利選好でそうなったんだから、そんなことにまであれこむ言うことありませんよ。しかし黙っていても有利な商品を持った郵便局が、いまさら手当を出してまでせっせと集めるかと。やはりもう時代が変わったことを知るべきではないかと。いまのような、実績に温かく報いてあげたいという、公務員の待遇そのものがあれこれ問題になっているときにそういう感覚はおかしいと思うんだな。どうですか、重ねて。
○説明員(山口憲美君) 私、奨励課長でございますけれども、郵便貯金が非常に何か有利で、しかもそう大した努力もなしに自然に入ってくるというふうなものでは決してございませんで、やはりこれは郵便貯金をしていただくためにはかなり積極的な働きかけというのが必要でございます。そういった意味で、私どもといたしましてはこういった職員に対してやはり報いていくということは現在でも必要なことだというふうに思う次第でございます。
○野末陳平君 それは大分認識不足で、別にぼくは銀行の肩持ってやっているわけでも何でもないんで、本当を言えばお客にとってはいまの定額貯金のような有利な商品があると、高金利時代から下降していくときにはもう当然そちらに食いついていく。そんなわけで、決してマイナスじゃないからいいんだけれども、しかしながら、郵政省のように座っていて金が集まってくるんじゃないからというのは大分現実を知らない意見だと思うんですよ。それは見方の問題で、あなたの立場だったらば苦労して集めているんだと思いたいでしょうけれども、実際にはお客の方がはるかに進んでいて有利なものにはすぐ飛びつくと、不利なものは避けると。それだったら、有利な商品を持っている郵政省が、何もダイレクトメールは出すわ、手当はつけるわという集め方をしてまでも民間の金を——別に奪ったわけじゃないけれども、結果的にそうなっただけだけれども、少なくとも競争をもう少し公平にすることにやはり少し神経を使うべきじゃないかとぼくは思っているんです。問題はこういう細かいことよりも一番大事な、郵便局がそんなにお金集めることはやさしくないんだという話ですが、例の定額貯金ですね、正直言えばこれが一番有利な商品ですよ、長く預ける場合はね。郵便局はそれがいいと言って宣伝しているんだから、あなたの方がそんな簡単じゃないと言ったってそうはいかないんだよ、わかっているんだから。そうすると、この商品はお客の立場に立ては実はあった方がいいですよ、だけれども、今後どうなるかわかりませんけれども、やはり郵便局ばかりに金が集まっていくということになれば非常に好ましくない。少なくも高金利から金利が下がっていくときはそうなっている。それから今度はもし低金利になってそれから上がるときにも預けかえをしていけば、結果的には定額貯金の方が有利になるというふうにぼくは思うわけです。 そこで、この有利であると思う定額貯金なぜ十年になっているんですかね。ちょっと十年は有利過ぎると思っているんですよ。その辺のことをちょっと説明してください。
○説明員(山口憲美君) 御説明を申し上げます。 先生にいろいろお助けをいただきまして私どもも非常に助かっている部分もあるわけでございますけれども、定額貯金につきましてはやはり現在収益性と流動性を備えた貯金ということで、広く国民の皆様に御利用いただいている商品でございます。私どもといたしましては、何とか企業努力等をいたしまして、そうして少しでも魅力のある商品を国民の皆様に提供していくのが務めだというふうに考えておりまして、そういった意味ではいまのこの定額貯金というのは、そういった国民の皆様の御要望におこたえしているものではないかというふうに考えておりまして、ぜひ続けさしていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○野末陳平君 そう、まさしく国民の要望にこたえちゃっているわけですよ。だから有利なんで、こたえている商品を持っているんだから、あなた金集めるのむずかしいなんと言うのは理屈に合わないんだよね。あなた自身が郵便貯金とてもいいと。ぼくだっていいと思っていますから、十年の定額は。それは民間のたとえば二年の定期などに比べたっていいんですね、はっきり言って。そこで、いいんだけれども、それをじゃこのまま今後もずっと持ち続けていくことが果たしていいかどうかをいま考えたいわけなんですよ。 そこで大蔵大臣、これは郵政省の問題ですから第三者の意見になってやむを得ないんですがね、ぼくはやはり銀行が五年や十年の複利定期をとてもつくれない事情がある以上、郵便局に幾ら長い伝統でこの十年の定額貯金があっても、せめて五年ぐらいにして差を少し縮めて、商品としての有利性を余りにも認め過ぎているいまの状態から少し差を縮めるぐらいにしないとまずいんじゃないかと思うんですね。ですから定額貯金五年というぐらいのことにしないといろいろな弊害が出てくるように思うし、五年になったからといって、じゃ郵便貯金がさっとお金がまたどこかへ行くとは思いませんが、どんなものでしょうか。いままでの話は、ダイレクトメールとか貯蓄の奨励手当とかいうのは全部その一環なんで、有利な商品を持ち過ぎていることの弊害を考えると、何か十年の定額というのは長過ぎるというか有利過ぎると、そう思いますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 郵貯問題は私は主管大臣じゃありませんから、余りそんなことは言いたくないんだけれども、非常に皆さん一生懸命働いてくれていることは大変ありがたいと私は思います。 大蔵省は二つの顔持っておりましてね、一つは財投資金という顔と、それから銀行局の顔と二つ持っているわけです。で、郵便局に金がたくさん集まるというときは、こういう国債いっぱい発行しているときには、ある意味では助かっている点もある。だが問題は十年間という長いなにだと、この間のように最高の八%幾らという金利になったときにみんなそこで書きかえちまうと、十年間政府のコストが八%になっちゃうんですね、大部分のものが。一般の民間の資金は公定歩合の値下げとともに下がっても、すでに預け込んだやつはもう十年間動かないと、何十兆という金が。そうすると、国のコストが一番高くて、三年たったら民間のコストが安いという話になるわけです。国民経済上の問題が一つ確かにあります。したがってこういう大きな問題、個人の利便の問題と国全体の経済政策の問題とでぶつかっちゃっているわけですよ、いま。金額が小っちゃいときはネグリジブルで大したことはないが、六十兆円からの金になるというと、国の経済全体に大きな影響を及ぼすというところから、この問題は大きな政治問題になったというふうに私は見ているんです。ですからこれは郵貯懇等で、内閣でどういうふうにするか、学識経験の中立的な、利害のどちらもない方が大所高所からいま御検討をいただいておりますから、その結果に従いたいと、そう思っております。
○野末陳平君 ぼくは郵便貯金の複利で十年というのは有利になり過ぎちゃって、どうも弊害を生んだというふうに分析していますから、あえてそれをこのままずっと続けるというよりも、ここらで見直さないとまずいことになるんじゃないかと、そんなこと言って確かめたわけです、しかし郵政省の方は別にそれについて特に何という考えもないようですから、それはそのままにしておきますけれども、あえて大蔵省の方に、銀行を監督する立場の大蔵省に聞くんですが、このままで行きますとやはり非常にまずいと思うんですね。ですから、お金が偏り過ぎると、少なくもそれは官業に偏り過ぎると、これはまずいですから、その辺で、今後金融界における民間の金融機関とそれから郵便局との、何といいますか役割りの分担といいますか、そうは言ってもダブるところも出てくるんですが、今後どういうふうにしていくというような構想をお持ちなのか。それは、いまの郵貯懇とかいろいろなところがあるでしょうけれども、ともかく銀行局がどんな考えを持っているか、それを念のために聞いておきたいと思いますので、それだけをお答えいただいて、きょうは終わります。
○政府委員(吉田正輝君) ただいまの御質問でございますけれども、やはり私ども自由主義経済体制というのがいまの日本経済の根幹だと思っています。そこにおける資金の需給というのは、やはり基本的には民間の金融機関がこれを担っていくべきであって、それに従いまして産業資金を供給するなり個人の資金を供給するなりすると。そういうことでございますので、全体といたしましてはやはり民間金融機関が産業資金なり資金供給の基本ということでやっていくべきだと思っております。 なおそれ以外に、いまの問題といたしましては、個人の資金吸収面で国民のサービスという面があるということが一つの問題として提起されておるわけでございますけれども、それにつきましても、民間といたしましてもやはりいろいろと新商品の開発などに努めながら国民のニーズにこたえていく面があると思います。しかしその点におきましても、やはり私企業であるということでございますので、どうしてもコスト面でも限度がございます。そこら辺はなお効率化ということに努めながら、サービス面での充実ということに努めていかなければいかぬと、こういうふうに思っております。 大体そういう意味で、全体といたしましては金融部門での資金供給面では円滑な資金供給を行い、それから吸収面でも効率化に努めながら国民のニーズにこたえていくべきだと、かように考えておるところでございます。
○穐山篤君 最初総論的な部分について大蔵大臣にお尋ねをします。去年の十一月に、税調から「財政体質を改善するために税制上とるべき方策についての答申」という文書が出ました。一通り読ましていただきました。その中で強調している点が二つあるわけです。その一つは歳出の問題ですが、「歳出の節減合理化、行政改革については、昭和五十五年度から本格的な努力が始められてきている。」と指摘をしております。それからもう一つは、「いわゆる不公平税制の是正は、昭和五十一年度以来の連年にわたる整理合理化によって、おおむね一段落したものと認められ」る、こういう表現があちこちに出てくるわけですが、この分析に対して、大蔵大臣としてはどういう評価をお持ちになっているのか、まず最初にお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 歳出削減については、いろいろ努力をいたしております。私は五十五年度の予算編成には直接タッチしておりませんが、五十六年度の予算編成、これを顧みますると、こういうことでおわかりいただけるんじゃないだろうか。ともかくいわゆる当然増、つまり年寄りがふえれば年金がふえる、子供がふえれば学校の教室がふえる、先生がふえるというたぐいのものが各省からのなにをとってみると約一兆九千億円あったんです。一方自然増収は、四兆五千億円ぐらい五十六年度は見込めるだろうという想定のもとで、そのうち二兆円を国債減額の財源に充て、あと二兆五千億円を国債費及び地方交付税に充てますと、これはなくなるわけです。単純計算ですぐわかる。そうすると、一兆九千億の財源をどうして取るか。この一兆九千億の歳出に見合う財源を調達するとすれば、二兆一千億円程度の増税をしなければ追っつかないわけです。それはなぜか。増税したものが全部国に入るわけじゃありませんから、自動的に市町村等に三二%は三税で戻っていってしまうということになりますと、今回一兆四千億円しか増税しておりません。しかも国に入るものは大体一兆一千億円です。一兆一千億円の財源で一兆三千億円の歳出増になっておる。しかも一兆九千億円の当然増はほとんど吸収をいたしておるわけです、ほとんど、少し切りましたけれどもね。ということになると、どうしても一兆一千億で一兆九千億歳出のんじゃって、しかもそのほかエネルギーとか何とかというような新政策経費があるわけですから、それも賄っておると。何か手品がどこかにあるわけですよ。ということは結局、歳出削減にかなり力を入れてきたということがお認めいただけるのじゃないか。 例の一つは、たとえば文教で公立学校等の助成費を四百数十億円現実に切っておるとかあるいは農業関係でも転作補助金を反当五千円ぐらい減らしているとかいうことをやって五百億円とかね、そういうものは幾つもずっとあるわけです。でありますから、やはり歳出削減にはかなり努力をいたしてきておるという点はお認めいただきたいと思います。 二番目の不公正の是正の問題、おおむね一段落という件につきましては、これは要するに何を指しているのか、いわゆる特別措置法の中ですでに目的を果たしたものあるいは必要以上につけていると思われているもの等についてはずいぶん整理をしてまいりましたということを私は言っておるんでないかと、そう思っております。約一兆円近い特別措置がありますが、その大部分は個人関係のもので、マル優とかいろいろ住宅関係の何とか、医師税制も少しありますよ、千数百億円ありますが、そういうようなものでございますので、大体そういうことを指しているんじゃないかと。ただ一般に言われますのは、退職給与引当金がもっと残っているではないかとかあるいは債務性のいろんな引当金等がございますが、そういうようなものはこれは当然債務性のものであって、それは私は特別に恩恵的に政策奨励のためにやっておるというものではございませんので、やはり債務性のものまでもそれはそんなに認めてやる必要ないということになれば、まだ私は残っているものもあるだろうと、そう思っております。
○穐山篤君 この歳出の問題について、大蔵省を含めてそれぞれの所要機関が節約に努力をしてきたという一定の部分は評価してしかるべきだと思うんです。しかし今日になってみますと、第一次の臨調の答申につきましても、まあ食えるものだけ食って食えないものは残してきたわけですね、それから国民世論、国会の討議などもあって、いやおうなしに第二臨調を発足せざるを得なかった、そういう状況を踏まえてみますと、この税調の答申というのは甘い、もっと厳正な分析をする必要が私はあろうというふうに思います。 それから、いわゆる不公正税制の問題、いろいろあろうと思うんですね。現行税制の中でどういうふうな均衡をとるかというふうな問題もあるでしょう。それから、現行税制にはないけれども、長年国民からあるいは野党から提起をされた、あるいは税調の中の特別専門委員会でも本当に長年審議をしてきた問題も相当部分残ったままですね。そういうことや、それから相当議論がきのう、きょうもあったわけですが、目的税にしましてもあるいは特定財源制度にいたしましても、これほど窮屈な国家財政の中でこれだけは別枠ですよというふうにあぐらをかいておって果たしていいかどうかという問題が当然指摘をされなければならぬと思うんです。いまは大蔵大臣も、残っているものもあるというふうに言いましたので、私もある意味では了解をいたしますが、少なくともそういう問題についてこれはよく掘り下げてみなければならぬと、こういうふうに思うわけです。 そこで、一、二の例で申し上げてみますと、長年問題として提起をされた中には、いわゆる一般消費税とかあるいはEC型付加価値税とか、いろいろの問題もありましたけれども、たとえばの例ですよ、土地の増価税の問題、それから富裕税の問題、ギャンブル税の問題、広告課税の問題あるいはパスポートに関する出国税に関する問題というものが長年議論をされてきたわけですね。そこで賛否両論が審議会にあるのは当然でありまりすが、少なくともそれは最終的に政策として決断をしなければならぬ問題だというふうに思うわけです。私はそういうふうに思うわけですが、税調から答申がなければ手がつけられないというものでもないと思いますので、この辺の問題についての考え方、これをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 歳出の問題につきましては私ももっと切りたいと思う点もございますが、なかなかいままでの惰性というものもまだあり、また法律事項等で保護されているものもあるというような点で、やはりこれは第二臨調等でもう一遍法律、制度の見直しというものまで打ち出していただかないと、大蔵大臣だけで法律違反のことはできないわけですから、そういう点においてわれわれは民間の会社が苦労をして今日不況から立ち直った経過を見ますると、まだまだやれるところがあるんじゃないかという点は私も同感でございます。 なお、歳入問題でございますが、いままでいろいろな広告税の問題等も自民党の中でもいろいろ議論がございまして、やるべきだという意見とやっても総反撃を食って前にもつぶれた経験があるから、途中でつぶれるならばやってもしようがないんじゃないかという話等もありまして、これはなかなか個人個人になるとむずかしいんですよ。これはマスコミがついているものですから、広告税というやつは実際問題として。非常にこれは問題がある。またいろいろな理屈もあるわけですから。しかしわれわれとしてはこの問題はこういう時勢でございますから、真剣にやはりあきらめないで検討する必要があるだろうと。 ギャンブル税の問題についても、これは競馬の問題とかあるいは競艇とかいろいろございます。で、競馬につきましては、現実にある一定の上納金は納めておるわけです、七五か幾らかの歩戻しをして、後は取っておって、そして経費に充てて、さらに残った場合二分の一納める。これも七五じゃなくてもっと、返すのは七〇でもいいじゃないかという議論もありますが、一方今度はファンその他からすると、こんなに巻き上げておる国はないんじゃないかという反論も実はあるわけであって、なかなかむずかしい。そのために結局は今回は五百億円−約二百億円ぐらいふやしたいと思っているんですが、いずれにしても五百億円ごとしは働き出した中で納めてもらおうというようなことはやっておるわけであります。 土地増価税の問題については、これはちょっと毎年、何年に一遍かずつ固定資産税の見直し、評価がえというものをやっておりますから、値上がりしたものについてはやはり固定資産税を引き上げておるということでもございますので、それとのダブりという問題も一つありますし、そういうような関係もあってこれが検討はいたしておらないわけでございますが、今後ともいろいろと御提案のある問題、たとえばいまキャピタルゲインの話が出ておりますが、いろいろそういうような問題について税の公平と収入の確保という点については、やはり常に研究はしていかなければならない。幅の広い大型間接税は頭の真ん中から隅の方へ行っちゃってなくなっちゃったかもわかりませんけれども、その他の問題についてはやっぱり歳入と歳出との関係でございますから、今後とも御指示のとおり勉強を続けてまいりたいと思います。
○穐山篤君 一般消費税は率直に申し上げて選挙の洗礼を受けてこれはだめだという結論になったわけですね。その話はまた別にしますが、そうしますと、税調で研究しております、いま幾つか言われました私も申し上げました問題というのは、もうこの辺で税調も答えを出さなければいけないし、財政当局としても政策的に判断をしなければ国民に納得をしてもらうということに私はならぬと思うんですよ。 後ほど申し上げますが、今回は現行税制の中でというお話でありましたが、国民の間にも、ギャンブルについてもあるいは広告税あるいは広告収入税といいますかね、そういうものについてなぜもっと積極的に勉強して取り入れをしないのか、二の声は多いわけですよね。なかなか技術的に議論もあることは承知をしますけれども、もはや一般消費税とかあるいは大型間接税という話が出る前に、歳出のカットと同時に、長年議論されている問題についてまず着手をしていく、あるいは野党が不公正税制ということを申し上げているわけですけれども、そういうものに着手をしていかないで、あと大型、小型の話をしてみても、これはつまらぬことだと思うんです。そういう意味で私は、できれば、今回の税制改正には間に合わないにいたしましても、少なくとも五十七年度の税制改正に向けて急速な検討を進めるべきではないか、そのために大いに国民の間で議論してもらって差し支えないというふうに考えますけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常に各党とも現実的になってまいりまして、私は広告税やギャンブル税の問題についてそれぞれの政党が御提案いただけば自民党においても当然それは取り上げて、私はやっていかなければならぬ。政府においてももちろんでございます。今後ともそれは誠心誠意そういうことが実現できるように勉強しますから、何分の御協力をお願いしたいと存じます。
○穐山篤君 さて、二十五日の竹田四郎委員の質問に対して大蔵大臣幾つかお答えをしておりますが、それにもう一度中身を確認するという意味でお尋ねをしますが、竹田委員はこういうふうに言っていますね。鈴木首相は五十七年度には大型消費税を導入しないと言っているが大蔵大臣の見解いかん。大蔵大臣は、要旨、鈴木内閣の閣僚としてその方針が決まればその方針でやる。要旨そういうふうに答えています、 それから二つ目は、五十七年度は現行税制の枠内で増税を考えているのか、こういう質問に対しまして、増税を考える前に歳出カットを考えており、それで間に合うならば増税の必要はない。歳出カットの状況を見ないと五十七年は一切の増税はやらないと断言できない——お間違いないですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのようでございます。間違いありません。
○穐山篤君 そこで、歳出カットについてはこれはいろんな角度で研究もされるのだろうというふうに思いますが、財政当局の最高の責任者として歳出はこの程度に抑えたい、言いかえてみれば増税をしないために歳出はこういうふうにありたい、増税をしないということを前提条件にしながら、これは数字の問題はいろいろあるでしょう。しかし政治政策の問題ですから物は考え方ですね。どんなことがあっても増税はやりたくない、したくないという立場に立つならば歳出の方について厳しく見直しをしていくのは当然だと思うんですね。大蔵大臣は歳出カットの状況を見ないとわからないと、こう言っているわけですが、私はその逆をお尋ねしているわけです。いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はやっぱり財政を直接預かっておりますから、結論から言うと歳出カットの状況を見ないとわからないんです、正直な話が。それは御承知のとおり、中期財政展望というのを大蔵省が積算をいたしました。それによりますと、要するに歳出の伸びというものが一兆九千八百億、約二兆円弱のものがございます。そのほかに七千九百億円程度の予備費というものが見込まれております。これは本当に漫然と出したものでなくて、現在の制度、法律をそのままにしておけばこの程度出るということですから、もちろんこれはある程度カットできる、法律がなくとも。なくともある程度はカットできるものもありましょう。ありましょうけれども、その約二兆七千億円ぐらいのものを結局カットしなければ、ことしよりも予算規模がそれだけふくらむわけですから、したがいまして、その分を全部歳出カットできるかということになりますと、これはやってみないことにはわからない。で、私がなぜ増税を頭に置かないということを申し上げておるかというと、増税の数字が頭にありますと、やはり歳出の切り方についてもこれくらい別にあるんだからということになればそれぐらい歳出カットが緩んでしまうということもございますので、まず増税は考えないということで歳出の抑制、カットということに向かいたい。できるならば、それは予算規模が増税しなくとも歳出に間に合う程度になればいいわけですから、だから数字的なことはここで申し上げられませんが、ふえる分だけ歳出カットができるかどうか、そうすればふえないで済むということになるわけです。
○穐山篤君 中期財政展望について大蔵省が発表したものにつきまして、私もあるいは矢野公明党の書記長も指摘をしてあります。きょうは時間ありませんからその点やめますが、この五十六年度の予算編成の過程を見ておりますと、これだけ——ざっくばらんな話ですよ、一兆四千億円に近い増税をしているんだからといってもぎ取り合戦が最後には起きたわけですね。非常に安易に流れやすいわけです。その意味では大蔵大臣は慎重に物を言われているわけですが、私は物の考え方として増税をしない、苦しいけれどもそれは歳出の方で調整をする、こういう政治家でなければならぬというふうに思います。お答えは要りません。 さてそこで、今回の増税は、まあ国民的な批判もありましたので現行税制の中でというふうに断り書きがついて、直税部分六千二百七十億、間接税部分で九千百七十億、こういう増収を見込んでいるわけです。 そこでお伺いをしますが、間接税で九千百七十億円、直間の比率約七〇・九対二九・一。間接税の方は九兆八千四百七十二億円です。その一割程度というものが今回増収の対象になって、いま法律を審議しているわけですね。具体的に数字を調べてみますと、酒税、かつて昭和五十年ごろその割合が六・三であった、それが最近は五・四%の構成比率に落ちてきた、物品税は四・七が四・一%に落ちる。印紙税は取引が多くなりましたので、三・三から四・一に拡大をした。有価証券も同じように取引が多くなりましたので、〇・五が一%に倍に拡大をしている。それから揮発油税が五・七%が四・五%になり、関税が二・六が二・三になっている。この二九・一の割合の中で、私がいま申し上げましたものを全部合計をいたしますと、七兆円を超えるものになるわけです。 そこで、現行税制の中でやるんだと、こうは言われておりますけれども、わりあいに取りやすくボリュームのあるところ、こういうところに目をつけたわけです。だれも考えそうなことだと思うんですね。その他の間接税を全部調べてみますと、ボリュームは非常に小さいわけです。そこに手をつけてもどうにもならないということかどうかはわかりませんけれども、大蔵大臣は先ほど、まあおれの頭の中にはいわゆる大型間接税というものはないと、こうおっしゃっていますけれども、多少でも増税が必要だという場合に、増収を図らなきゃならぬという場合に、自然増収のことは別にいたしまして、いま私が申し上げました六種類以外のものについてどんなふうな御感想をお持ちですか、その点をお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生から御指摘されたように、間接税には細かいのもずいぶんございます。しかし法案の数ばかりふえちゃってとても審議期間中に間に合うかどうかという問題もございますし、いろいろなこともありまして、われわれといたしましては今回提案したことが会期内に国会審議をいただけるとすれば、もうぎりぎり最大限これ以上は物理的にも無理じゃないかというようにも実は思ったわけでございます。 それから、先ほど私が発言いたした中で、要調整額一兆九千八百億円と言ったことと並んで七千九百億円の予備費と言いましたが、これは予備費ではなくて投資部門の要調整額の誤りだそうでございますから、訂正をさせていただきます。
○穐山篤君 直間の比率が七〇対二九、こうなっているわけですが、間接税の比率が低いというふうにしばしば本店でも言われているわけです。しかしこれは間接税の比率が低いんでなくて、所得税を含む直接税の割合が急速に高まったというふうにこれは理解をしないと大変なことになると思うんです。間接税の比率が二九ないし三〇では低過ぎる、こうなりますと、これを引き上げようじゃないかという、そういう発想に立つわけですね。そうでなくて、本来しばしば指摘しておりますように、所得税の伸びが非常に強いんです。したがって直間の比率がそうなるわけでありまして、低いのは間接税の分野が足りないんですというふうな理解では私は困ると思うんです。 そこで、もう一回お尋ねをしますが、今回これだけの九千百七十億円の間接税の増収を図ろうとしているわけですが、やはりその他のものについては余り魅力がない、努力の割りには余り増収にならない。今回も手をつけなかったけれども、次回も手をつけるような品物ではない、こういうふうにお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは大物もあるんですよ。たとえばそれは自動車重量税だ、揮発油税だという大物もございますが、これは目的税のようなものであって、公共事業をここでいっぱいふやすと言うんならば別なわけでございますが、いまの状態の中ではなかなか取り込めないというような段階でございますと、大きなものがあってもこれは果たしてうまくこちらで利用できるかどうかという疑問も一つあるわけでして、そういうようなことで手をつけなかったという理由の一つにもなっておるわけです。またそのほか、トランプ税とか取引所税だとか通行税だとか入場税だとかございますが、とん税とか、こういうようなのはもう非常にネグリジブルな、十億だとか百七十億とかいう小さな金額になってしまうものですから、先ほど言ったように法案の数ばかりふえちゃって、そして現実に物理的に間に合わないという問題もございますし、また今後はまあ検討はいたしますが、今回はそういうわけでお願いしなかったということでございます。
○穐山篤君 今回お願いしなかったというのは次回お願いすることもあり得るという余韻が残っているような感じがしますが、しかしいまも指摘がされておりますように、目的税みたいなものは別枠になりますので、それから見ますと率直に申し上げて、全体のボリュームから見ればその他のもの、組がいたくさんのものはそれほど魅力のある税ではなさそうな感じがするわけです。しかし手をつけるかもしらぬというようなお話があったことはよく記憶をしておきます。しかしそうは言ってみましても、いずれ膨大な歳出を賄うわけですから何らかの方法をとらざるを得ない、歳出カットには努力するけれども、歳出カットに努力をしてみる、それから大型間接税の導入ということはいまのところ頭の中にない、こういうお話ですけれども、昭和六十年までの中期展望を考えてみた場合に、やはりそれだけの話では竹に木を接いたような話であることは間違いないですね、何らかの工夫をしなければ収支財政のつじつまが合わない、これは素人が考えてみてもそのとおりだと思うんです。 そこで、大型間接税の導入は考えないといたしましても、つじつまを合わせるための努力、方向というの旨国民の前にある程度お示しをしなければ将来全く心配で心配でしょうがないわけです。そういう意味で、何も私は税目をお伺いをしたりあるいは税率をお伺いをするわけではなくて、物の考え方として、どういうふうに財政上のつじつまを合わしていくのか、その点についての考え方を明らかにしてもらいたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 問題は、財政運営ができればいいんです。ということは、結局国民のいろんな要望がございますから、やはり財政に余裕があったときと余裕がないときでは、これもやってあげたい、あれもやってあげたい。やってあげたいこといっぱいあるけれども、増税をたくさんしてまでならば、この際はもうこれはちょっと、去年までなら別だがことしから御遠慮いただきたいとか、そういうふうな政策判断の問題でございまして、私としてはなるベく、予算規模をふやさなければいいわけですから、ところが現実にはふえるやつがあるわけですから、そのふえ方にブレーキをかけて、ふえるカーブをなだらかにするとか、あるいは今回はやめてもらうとかいうことをやって、予算規模がふくらまなければ新しい増税は要らないわけです。ですから、まずいま言ったようなことで、もう増税は考えないということでやるということになれば、どれだけひとつがまんしていただけるか。結局は出すお金を減らす話でございますから、それをやってみないと、すでにいろんな補助金や何かにいたしましてもわからぬわけです。もうもらっている人がいるわけですから。利権化しているわけです、ある意味では。先ほどの郵便局の何か募集手当みたいな話でしてね。そいつを切るということは簡単なことではありますが、現実には非常に大英断を要するし、国民の理解と御協力がなければできない。国民は全部相談できませんから、国民の代表である国会と相談をする以外に方法ないわけです、したがってわれわれはそれまでになるべく早く原案をこしらえて、こんなことでやりたいんだけれども御承認願いたいといって、けんけんがくがくの議論をまず一遍やってみる必要がある。そんなむちゃくちゃなこと言うなと、じゃあもう十のうちそれは七つは認めるけれども三つは切るのはだめだということならば、じゃあその部分はどうしましょうか、また別な相談ということになるわけですが、なるべくそういうことは別な相談をしないで済むように皆さんの御理解を広く得たいと、こう思っておるわけでございます。
○穐山篤君 総論の最後になりますけれども、この税調の答申の中に歳出カットの問題ですが、高度成長期に生じた歳出の増加傾向そのものを是正をしていく、このことが何回となく指摘をされているわけですが、その対象ですね、増加傾向を抑えなきゃならないと言っているその対象物は何か、どういうふうにその点はお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは具体的にやっぱり私いま申し上げられませんが、一つの例を申し上げますと、やはり国会なんかで一番議論の多いのは、要するにいま薬のむだが多いじゃないかとか、それから非常に脱税をする不心得の医者がたくさんいるじゃないかとか、三年間で十六億も税額で脱税したとか、それからきょうの質問なんかにもあったけれども、トンネル会社をこしらえて経費をよけい高く見積もっているとかいうようなこと、たくさんあれだけ言われるわけでございますから、そういうようなものは、やっぱり要求をしたらば本当に要求どおりぞろぞろ、ぞろぞろみんな払っちまうというのがいいかどうか。これは一つの例ですよ、こういうようなものもやはり高額所得が片一方では社会保障の名においてどんどんできちゃうと、それで保険料を上げてもなかなか上げ切れないという話になってくれば、やっぱり見直しの対象の一つにはなるんじゃないかというようなことで、その他私はたくさんあると思うんですよ。これはただ一つだけ——余り言うなというふうに事務局から言われたんですけれども、一つだけじゃわからぬものですから例示的に申し上げたのです。
○穐山篤君 そこで、私は十九時までしか持ち時間ありませんので、以下具体的な問題についてはごく簡略に御答弁をいただきたいんです。 最初に物品税の問題です。 自動車の問題について、外務大臣が帰ってまいりましたが、日米の折衝といいますか協議といいますか、その結果は大蔵大臣お聞きになっていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は詳しいことは聞きません。伊東さんのきょうの報告の中で、自動車交渉というものがやっぱり避けて通れない問題だというようなお話がございました。しかしこれについてもこういうことを言っていた。要するに自由貿易体制をアメリカはぜひ守っていきたいと、レーガンとの対談で、守っていきたいと。そのためにはともかくこの自動車問題というのは大変な問題であると。このままいくと議会で結局自由貿易を守るのに困ったような別な現象が起きかねない。それはアメリカにとっても困るんだと。しかし自動車産業というのはアメリカの失業問題やあるいは景気の問題にも非常に重大なこれは影響のあるアメリカの基本産業であると。したがってそういうことについてやはり何かしなければならぬのでというような話だったと。特別に規制をどうするとか、数量をどうするとかいう具体的な話はなかったと。したがって自動車の問題ならばアメリカから日本に使節団を送ってアメリカで交渉するよりも、日本に来て直接御交渉になった方がいいんじゃないかという提案をしたらば、それには同意されて喜んで使節団を日本に送りたいということをレーガン大統領が言ったと。会談のうち約半分以上のものはこの自動車に関係した話であったと、防衛の話などは非常に少なかったという話であります。
○穐山篤君 時間がありませんのではしょりますが、ニュアンスとしては日米で十分に協議するということでしょうが、やや日本に自主規制を期待をするような話がしばしば出る。それから外務大臣は、私確認したわけではありませんが、多分日本では目下関税についてアメリカの自動車の部分、タイヤなどについても十分配慮をしておりますと、あるいは日本の自動車につきましても新たに税金をぶっかけて競争力がアメリカができるように目下努力をしております多分法案も通過するでしょうという程度の話はしたかどうかはよくわかりませんけれども、まあそういうものもいろいろ加味されているんじゃないかというふうに思うんです。 そこで、自動車でも空調でもその他でもそうでありますが、大手企業は大体組み立ての仕事ですね。ほとんど部品その他のものは中小零細企業が昔つくっているということはもう明確なんです。けさのテレビで東洋工業の自動車の問題が出ておりましたが、全くそうです。そういうことを考えてみますと、税の問題も当然ありますけれども、中小零細企業に対します経営の補強をしていくあるいは要員の問題についても十分政治的な配慮をしていくということがなければ、再びここで新しい問題を生ずることになるわけです。その意味では、今回の物品税の引き上げという問題の背景にはそういった問題があるということを十分に認識をしていただかなければならないし、またそれに対応して、いま私がごく短く申し上げましたが、中小企業の体質強化、改善、補強という問題について特段の努力を払ってもらわなければならぬというふうに思いますが、いかがですか、
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もさように存じます。
○穐山篤君 それから次は、有価証券の問題に関連をしてちょっと申し上げておきますと、先月でしたか、香港の実業家王増祥という方でしょうか、片倉工業株式会社との問題をめぐりまして三つ問題が提起されております。大蔵大臣もその仲間に入っているわけですが、新しい外為法によります審査対象企業の指定からこの片倉工業を外すべきだという行政訴訟が一つには出ておりますね。それからもう一つは、片倉工業を相手取りまして、取締役の忠実義務違反、言いかえてみれば商法に抵触するということで争いが提起をされております。それから三つ目の問題は株の問題ですが、浮動の株づくりについて、単に名義貸しというよりももっと手の込んだ名義貸しをやっているという意味で、証券取引法違反でこれも東京地検に告発をしているわけです。 この内容は私は法人税のところで別にやりますけれども、いま私がここで申し上げたいと思いますのは、先ほど大蔵大臣からも答弁がありましたように企業のあり方、それから株主の擁護という問題について外人の方と日本の商慣習が非常に食い違っているということをここでは指摘をされているわけですね。言いかえてみますと、個人の株主を尊重してもらわなければ困ると、こういうふうに指摘をされているわけです。 そこで、先ほど塩出委員の質問に対しまして大蔵大臣から、株主は優遇しなければならないけれども過剰なことは困ると。そこで総ざらい検討してみたいというふうに御返事があったわけです。これについての基本的な考え方ですね。こんなふうな方向で考えてみたいというお考え方があるならば、改めてお示しをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は先ほどもお答えをいたしましたように、日本を中堅階級が非常にいっぱい広がった安定した自由主義社会にするというためには、農家のようにみんな土地を持たせるというわけにもいかないことですから、都会の人には何らかの財産を持ってもらうことがいいんであって、それは預貯金もいいでしょうし、社債もいいでしょうし、安定した株式もいいんじゃないかと。まして会社に勤めている人がその会社の株を持って株主でありながら従業員であるという姿も決して悪いことではないし、私は非常にいいことではないかと。そういうような意味において、一般大衆の株主というものをやはり保護したり育てたりということは大切だということを申し上げたわけでございます。
○穐山篤君 不十分ですけれども、時間の関係でやむを得ないです、それは。 それから、再三お尋ねするわけですが、誠備グループなり十全会の証券取引、一連の不祥事件というのは、改めてこの種の問題について勉強をいやおうなしにせざるを得ないという、そういう場面に直面をしたわけです。そこでやっぱり正常な株の取引あるいは株主というものを育てていかなければならないし、証券市場というものを健全にしていかなければならぬということは当然だというふうに思うんです。 そこで、幾つか改善策をお考えでしょうけれども、今回の事件に照らして再発防止のために緊急に手を打たなければならない、あるいは当面手を打たなければならない問題が幾つかあると思うんです。またやってもらわなければならないと思うんですが、その点についての考え方をお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) きわめて技術的な問題でございますから政府委員から答弁をさせますが、やっぱり会社の姿勢や外務員の姿勢、その他一般の投資家の方もやはり甘言に踊らされて、そんなにぼろもうけなんというのは世の中にごろごろないわけですから、そういう点も知ってもらわなきゃならぬし、いろいろあろうかと存じます。証券局長から委細は説明をいたさせます。
○政府委員(吉本宏君) 誠備事件でございますが、こういった特定の外務員が投資グループを主宰いたしまして過度に投機的な株式投資を行ったと、これによって証券市場並びに証券会社に対する社会的信用を傷つけたということについて、私どもとしては深く憂慮しておるところでございます。 で、当面の対策でございますけれども、第一に、誠備グループというのは投資顧問業と申しますか、投資顧問会社という看板を掲げてやったわけでございます。したがいまして、投資顧問業というものに対して一体規制を行う必要があるかどうかという問題が一つございます。それから第二に外務員制度、これは歩合外務員と申しますが、加藤という外務員が実質的に投資グループを主宰をして、一括して受注を行っておった、その間投資者の個人の意思が一体尊重されたのかどうかという点にもかなり疑問があるわけでございます。その辺をどう考えるか。それから、そもそも発注を受けたのは証券会社でございまして、やはり証券会社の営業姿勢ということにかなり問題があるのではないか、このような問題につきまして現在関係の証券会社を検査をいたしております。この辺の実態も踏まえまして今後対策を講じてまいりたいと、このように考えております。
○穐山篤君 印紙の問題でありますが、相当当委員会でも議論されました。時間がありませんので幾つか質問は省略せざるを得ないと思うのですが、現行の制度の中で非課税の法人なり文書というのは列挙されているわけです。しかしよくよく調べてみますと、その法人なり列挙されております文書というものがいかなる基準で、いかなる定義で除外をされているかについても相当の疑問を私どもとしては持っております。 それからもう一つは、最近クレジットカードというふうなものがかなりの量が出ているわけであります。そうしますと、節税と脱税の限界といいますか、なかなか微妙な問題が現存しているわけですね。現にあるわけです。その意味ではもう一遍、最近新しいニーズに基づいて出された品物について中身を再検討する必要があろう、また再検討しなければならぬというふうに私は考えるわけですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(矢澤富太郎君) まず非課税の規定の点でございますが、別表一に「非課税物件」という欄がございます。これは大別いたしますと、まず免税点がありまして、その免税点以下のものを非課税とするということが第一点、第二点は主として営業に関しない文書、これは非課税とするという考え方でできておるようでございます。 それから今度は非課税法人でございますが、これは別表第二というのがございまして、国、地方公共団体はもちろん非課税になりますが、主として国、地方団体が出資した法人につきましては非課税団体としているというのが現在の取り扱いでございます。 第三点のクレジットカードの問題につきましては、先ほど来御指摘もございますので、今後実態に合わせて検討を続けてまいりたいと思っております。
○穐山篤君 全体に関する問題ですが、すでに衆議院ではこの物品三税、間接三税が採決をされて通ったわけですね。それに対します附帯決議もついているわけですが、そこで十分に考えていただかなければなりませんのは、附帯決議が幾つか税の構造あるいは均衡について考えなさいというふうな附帯決議がたくさんついているわけですね。これは読みようによりますと、次の増税あるいは税制改正のときに直しなさいというふうに理解をして、次の物品税の改正はあり得るんだというふうに安易に考えてもらっては困る。少なくとも税率を上げるとかあるいは範囲を拡大するというような問題よりも、現行それぞれの税制の中で非常にアンバランスになっている、整合性がないという問題について指摘が附帯決議でたくさん行われているわけですから、衆議院の附帯決議というものについて正確に理解をしていただかなければならないと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) ただいまの御趣旨を体しまして常時研究を続けてまいりたいと思っております。
○穐山篤君 大蔵大臣、最後になりますが、先ほども指摘をしましたが、私どもこの物品三税については事柄はよく承知をいたしますけれども、今年度の財政の組み方あるいは歳出のカットその他全体の情勢を踏まえて、この種の税制改正には賛成しがたいということを前々から指摘をしているわけです、したがって今回の審議の中で相当指摘をされて、検討をいたしますというふうに大蔵大臣が答弁したことが幾つかあるわけです。その問題についてはできる限り早急に検討していただいて、いま局長もお話がありますように、増税の際に直すというのでなくて、日ごろの仕事として十分手直しをしていく、そういう考え方に立って対処をしてもらいたいと思うのです。最後にその点をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 法律を直すのは国会を開かなければ直せないわけでございますから、いろいろ検討をした結果、しかるべきときにまた直すべきものについては直していきたいと考えます。
○委員長(中村太郎君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 なお、三案の自後の審査は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は前回聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 時間も夕なべから夜なべに入っておりますので、なるべくしぼって、また月曜日にゆったりやらしていただきますので、一つだけ伺っておきますが、実は大臣がこの委員会でもお答えになった中で、いずれはこの所得税の減税もしなきゃならぬ、こういう発言もあったわけでございますが、それについて大臣、まあ私の主張としますのは、五十六年、五十七年、五十八年等にも早くしてもらいたいわけですけれども、いつの時期か問いませんが所得税減税をしなきゃならない、この問題についてはお認めになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、かねてこれも予算委員会などでも言っておるわけですが、赤字国債からの脱却が確実になるというような財源、そういう財源が確保できること、そのための歳出カットが行われる、そのほかにやはり五十九年までに赤字国債をなくすことができる、そういうようないろいろな条件ができれば私としては所得税の全面見直し——もちろんその中には銭税は入っているわけですから、そういうことはやりたいとそう思っておるんです。しかしいつまでも長い時期でなくたっていいんですよ、ことしとかなんとかというわけにはもちろんいきませんが。私はいずれにしても、五十九年までには一遍見直す必要があるんではないか、しかしそれには前提がございます。こういうことであります。
○大木正吾君 いま穐山委員からも話がございましたとおり、間接税の比重が下がっているというような見方をされる立場の発言が多いんですが、むしろ逆に直接税の比重が高まっている、特に所得税の比重が高まっている、こういうことについては大蔵当局否定しないと思いますけれども、それについてはどうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 下がっているということは所得税がふえれば片一方が減るということでもございましょうが、所得税の比重を少なくして間接税の比重を多くするということだってあるわけでございますから、そういうような点等について、何か国民の理解がイギリスやフランスやドイツみたいにあんなにたくさんでなくともいいから、もう少し得られないものかなあということを私は話しただけのことでございます。
○大木正吾君 多様な形での所得税のあり方についてお考えのようなお答えが返ってまいりましたので、念のために事務当局に伺いますが、日本の所得税の累進度が世界一高いというお話の中で出てまいりますけれども、たとえば五千万円というような所得の方は何人ぐらいおられ、あるいは一億という方は何人ぐらいおられるか、資料お持ちでしょうか、あったら教えていただきたいんです。
○政府委員(高橋元君) 申告所得税の実態というので統計をやっておりまして、それから五十四年分を出してみますと、所得金額五千万円以上の方、これが一万四千人おいでになります。申告所得税納税者の〇・二%、それから所得金額一億円以上の方というのが二千人というふうに税務統計上なっています。
○大木正吾君 いまの双方加えて所得税の税収全体に占める金額的な比重は何%ですか。
○政府委員(高橋元君) いま申し上げました一万四千人の方、これは五千万円超でございますから当然一億円以上の方は入っているわけですが、その方が四千百三十三億の税金を納めておられます。申告納税額の中に占める割合は一八・九%でございます。
○大木正吾君 それから中間層の問題についてお伺いいたしたいんでございますけれども、年収五百万——大体四百万から一千万程度の方々のウエートはどれぐらいになっていますか。
○政府委員(高橋元君) 一千万円以下、五百万円超という方が申告所得税でございますが、人員で五十八万人、税額で三千百六十一億円でございます。
○大木正吾君 それは所得税全体に対してですか、申告の分だけですか。
○政府委員(高橋元君) 申告でございます。
○大木正吾君 申告だけですね。
○政府委員(高橋元君) 源泉の方を申し上げますと……
○大木正吾君 源泉もあわして言ってくださいよ。
○政府委員(高橋元君) 源泉の方を最初に申し上げますと、源泉で二百七十六万人、税額で一兆三千六百六十六億円でございます。両方を足しますと、一千万と五百万の間の方が三百三十四万人おいでになります。
○大木正吾君 幾つか例を伺ったんでございますけれども、大変累進度が高い高いとおっしゃられましても、頭数、同時に所得税全体に占めるウエートそれ自身はそう高くはないという感じなんですけれども、そこで私は予算委員会でもいろいろ伺いましたから余り重複して御質問避けますが、本年の、去年、ことしにおける自然増収に占める所得税の割合は非常に高いわけですね。去年の場合ですと大体自然増収四兆五千九百八十億円中の四三%が所得税ですね。さらに本年に至りますと四兆四千九百億円中の六一・五%ぐらいで二兆七千六百九十億円と、この状態でもっていま審議いたしておりますたとえば物品税、印紙税あるいは酒税等含めて、これで来年の税の動向等見たときに、国税の自然増収のウエートは若干所得税が下がることはもちろん考えられますが、まず五〇%を割ることはないというふうに見ているんですが、その辺の大体事務当局の見通しについてはどうでしょう。
○政府委員(高橋元君) いま六二%という数字をお話ございましたが、実はこれは五十六年度の税収見積もり上の、また税収上の一つの特徴でございまして、源泉所得税の中の利子分が非常に大きくなったわけでございます。したがいまして、給与にかかる源泉所得税の自然増収だけを取り出して申し上げますと、五十五年度は九千八百二十億円で、全体の自然増収四兆五千九百八十億円の二一・四%。五十六年は給与分が一兆二千百四十億円の自然増収でございますから、四兆四千九百億円に対して二七%でございます。五十五と五十六だけ比べますと五十六が伸びているようでございますが、この給与の自然増収に占める割合だけという点で過去にさかのぼって比較いたしますと、高い方ではないわけでございます。
○大木正吾君 私は別に給与の関係のことだけでけちくさい話をしているわけじゃないんでしてね、おたくの資料に基づいて、予算委員会へ出された資料を拝見しながら国税の自然増収に占めますところの所得税の金額を出して、そしてまた五十六年度、これは決算が済んでいませんから六〇%、六一・五になるのか、五九になるのかはっきりしませんけれどもね、そういう意味で申し上げているわけですから、誤解ないようにしていただきたいんです。 さて、時間もあれですから大臣、一つだけこれはきょうはどうしても聞いておきたいんですが、こういう状態でいずれにいたしましてもまあ申告なりあるいは源泉なりの分を含めて所得税がどんどんと増高していきますと、税制の姿がどうしてもこれはいびつになっていくことは避けられぬと思うんですね。 そこで、私自身の一つの考え方でもって大臣の御意見を伺いたいんでございますが、ランクアップが非常に激しいですね、税率の刻みが小さいですから。そういう関係についてたとえば二%刻みのところあるいは三%刻みのところ等につきまして、もう少し階段を、歩幅を広くする、そういうふうな政治体系を変えるような考え方は持てないでしょうか、どうでしょう。その点ちょっと伺いたいんですが。
○政府委員(高橋元君) 大臣からお答えがあります前に一つだけ申し上げておきたいと思いますのは、日本の所得税の累進度が高いという理由が二つあります。一つは、課税最低限が大きいということなんでございます。ゼロの税率から十の税率に移るわけでございますから、たとえば三百万円の年収の方が一割月給がふえますと三百三十万円になります。その場合の課税所得は六十五万円から八十八万円にふえるわけでございますから一・三六倍。それから五百万の方の年収が一割ふえますと五百五十万円ですが、課税所得として見ますと二百二十一万円が二百六十一万円ですから一・一八倍。こうなりますと低い方がたくさん税金がふえるようになります。したがってこれは全体としての弾性値を押し上げておるわけであります。もう一つは、ただいま大木委員のお話にもございます税率表の刻みの数が非常に小幅であるということですが、六十万円ふえるたびに二%上がるというのを、五%刻みの税率表を持っている国と比べてその一千万円までの非常に微分的なところを見ますと、日本の場合には給与収入に対して大体比例的に伸びているということになるんではなかろうか。弾性値が大きいということはなしろ課税最低限が相対的に大きいというところに起因しているところが大きいというふうに思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は税率の話をする前に一先ほど大木さんからお話があったが、高額所得者であったら数少ないんだからまあ九三%召し上げちゃってもいいじゃないかということは言わなかったけれども、言わなかったけれども、高額所得者はいっぱい税金払っていいんだというようなニュアンスではなかったかと私は思ったんです。私もそれはそのとおりだと思うのです。そのとおりだと思うのですが、問題は程度問題ではないかと。みんな自由社会では欲望で働いているわけですからね。ですから、かせいでも九割近くも、八割も取られちゃうということになると、余りかせぐ気がしなくなっちゃう。私はともかく、みんな事業家などはそれはもう金を残すことが楽しみな人がいますよ、しっかり。そういうことで悪いことをしないで正当なことで夜昼働いて、そして所得があったらやっぱりいいうちにも入りたいと思うでしょうし、私はそういうところに自由社会の活力というものがあるんじゃないかと。だから松下さんがいま何億の所得者か知りませんが、あれまでになるためには結局いろんな苦労をしてやってきて、じゃ高額所得者だからというけれども、しかしそのためには非常にたくさんの従業員もその中で多くの生活もしておる、それからいろんな関係の資材も購入するというようなことですから、私はやっぱり問題はどの程度か、程度問題というのは学問的には余りありませんけれども、世界の水準というものはおのずからあるんじゃないか、世界の水準というものが。したがってそういうところに大体合わしたらいいじゃないかということを申し上げたわけでございます。 それからランクが細か過ぎるという問題については、率から言うと先生のおっしゃるようなことがあるんです。あるけれども、たとえば若い人で子供二人で二百万しかもらわない中小企業の従業員が、一割月給上がればイギリスだったらば三〇%最初からかかるわけですから、二十万で六万円取られると、ところが日本では二万円で済むと。来年また一割上がって今度は二十二万円月給が上がったと、日本では二万二千円で済みますが、イギリスだったら六万六千円と、こうなるわけですから、だからどちらがいいかという問題についても、そこらのところは日本のやつは細かく刻み過ぎていると言えば刻み過ぎているか知りませんけれども、要するに一千万以下の階層については非常にきめ細かい税率にしてあるということも言えるんではないかと、そう思うわけでございます。
○大木正吾君 高橋さんは課税最低限のことをおっしゃったけれども、私はそういう議論を何遍でもするんだったら、やっぱりあなたデトロイトへ行って、大臣がおっしゃったみたいに、みそ汁飲んだりラーメン食ったり、そういうことをしたいと思っていませんけれども、アメリカはアメリカなりにたとえばコーヒーとパンと、それでエッグか何かちょっとつくぐらいの朝食なんですから、だからそういった形でも物を考えなきゃならぬし、やっぱり日本には日本人並みでもって物を考えなきゃならないし、同時に急激な変化ということは余り好まないわけですよ。だからやっぱり課税最低限の論争をしようというんだったら、お互い一緒にパリ行ったり、ロンドン行ったり、あるいはベルリン行ったりしてしてみたい、こういうふうに思うんです、本当にやるんだったら。一体どれぐらい物が買えるかとやらなきゃだめなんだから。同時に、去年のいまごろは円が一ドル二百四十円ぐらいしておったわけですからね、この資料いただくと、二百十七円かで計算してありますけれどもね。こういうものでも動くんでしょう、結局。そういったことで余りここでへ理屈を言って数字を言ってもらいたくないんであって、現実に日本の所得税納税者がこれほどにランクアップされていって、そして増税感、不公平感を増大していることについて、私は日経連の前の会長みたいに乱暴なことは言いませんよ。反税闘争なんということは言いませんけれども、やっぱり気持ちよく税金を納める人は少ないかもしれませんが、まあまあしょうがないという気持ちぐらいになってもらいたい。こういうことにするためには、やっぱりいまの税収の構造ということ、私の頭の中にずっとあります戦後三十六年間の中では、間接税三〇%、直接税七〇%、これいいところだな、こういう見方をしてきましたので、そういう形をずっと保とうとすれば、どこを押えるかと言ったときに、私はやっぱり、それは大臣がずっと三年間大臣やっておられましても、毎年毎年課税最低限いじくっていくなんという議論はなかなかできないと思うんですよ、私は。となりますと、ある程度税率構造の刻み方を少し工夫することの方がむしろ——事務的な面のことは高橋さんおっしゃったことはわかりますよ。わかるけれども、もうちょっとそこのところを工夫していけば、増税感というやっと不公平感というものはぐっと少なくなっていく、私はこういう感じがするんです、だから一つの提言として私が申し上げていることは、やはり税率構造について——どんどん高成長時代にはどうしてもやらなければ自然増収があって困っちゃったわけですから、当時は。七千億もあったこともあります、ずっと余ったんです。だからそういったことの時代とは時代が変わってきているし、同時に毎年の課税最低限による調整減税できませんから、一方法としてこの税率構造について考えるべき時期じゃありませんか、こう申し上げているわけなんでありまして、そこのところは考慮の余地がないというお考えなのか、あるいは研究するなり前向きに、もうちょっと税金を納める側に立って——やっぱりマスコミなんかでも別にでたらめのことを新聞記事、雑誌に書いているわけじゃないと私思うんですよ。自然増収の議論を私は去年やった、予算委員会で。当時は竹下さんがたしか大臣でしたね。そのときに、自然増収か自然増税かの議論したときに、新聞はどっちだろうかというクエスチョンマークでもって、なるほど考えればそういったものもあるなと書いたけれども、ことしは全部が自然増税、自然増税、こういうふうに書いているじゃありませんか。そういったキャンペーンがあることは事実なんですからね、同時に、中身としてそういったものがあることも、またこれ所得税に相当なウエートが高まっていることも間違いないわけだから、だから私はむしろそういった要するに重税感が偏るとか不公平を余り拡大しないためには、一つの方法論として税率構造をいじくることも必要だろうし、もっといい知恵があったら私はぜひ、渡辺さんなんか頭がいいんだから、教えてもらいたいと思っているわけでしてね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろここで論争しても、なかなか三十分、一時間で片づかぬ問題でございまして、やはり月給が毎年上がるんならばある程度税率はずっと、三年分月給上がっても変わらないくらいにしてくれと、月給が上がれば二割ずつしか税金は上げないと。そうなんです、それは、間違いなく。したがってそれも一つの方法だと私は思います。でございますから、これは所得税体系というものについてやっぱり財政再建の見通しが立つと、経費の削減ができるということになれば、私は取り組まなければならない時代に来ているんじゃないかと、そう思っておりますので、貴重な御意見として承って十分参考にさしていただきます。 どうもありがとうございました。
○大木正吾君 まだ終わらないんですよ、ありがとうございましたと言っても。 もう一言最後に、これはもうちょっと大臣にまじめに真剣に取り組んでもらいたいために申し上げておきますが、私は別に所得税の税率の累進をやめちまえと言っているわけじゃないんでして、要するに、平面税率的にしてしまえという乱暴なことを言っているわけじゃございませんので、ただ今後の税金のあり方からしまして、まあ幸いにして大型間接税はだんだん消えてきてそれは恐らくないでしょうね。同時に現状からしますれば、まあこれからあさってですか、にも議論がありましょうが、恐らく所得税なり法人税等の特別措置をどうするかという議論もどんどん出てくると思いますね。そういった意味でもって税制の公正化、公平化問題等中心にした議論が展開されていくと考えるわけですよ。そうすると、やっぱりまあ三年ぐらいはほとんど動かないで、四年ぐらい動かないとか、そのときに所得が上がったんだから、おまえ上がった分は納めると、こういうふうなことの説得がなきゃだめでしょう。どんなことを言ったって、あんた二百一万五千円でもって、課税最低限でもって満足しているという方いませんよ。新聞をちょっときょう参考に持ってきたけれども、洋服一着が買えない衣料費、何ですかこれ、三百何万の標準世帯の方が、五十三年の表でいきますと、これは大蔵省が出した資料じゃないと私は信じたいんですが、三百三十六万の年収の方が一万八千二百九十二円の衣料費衣料費しか見られていない。こういう関係の数字が出ていますよね。それはいまここで議論するつもりはありませんよ。ありませんけれども、こういうことですから、二百一万五千円という最低限ということは厚生省が考えるところの寡婦の方とか、いろいろな非常に困っている方、生活保護の方と比べたときにむしろ低いということであって、国際的に高い高いと言っても意味がないと思いますよ、ですから、そういうこと等含めて考えたときに、私たちはなしろ皆さん方の税の徴税の仕方に対しても、国民に対する立場からしても、なるべく大蔵省が仕事しやすいという立場で提言しているわけですから、ぜひこれは委員長、さらにもう一押し、大臣のお答えいただいたら私終わりますけれども、どうぞひとつお願いしますよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほども申し上げましたように、それも一つの考え方なんですよ。ですから、月給が二年続けて上がっても税率が変わらないと。ですから月給が上がった分のその二割がふえるだけだというやり方も、私はいいやり方じゃないかと思うんです。したがってこの段階のようなものについて見直しすることも、私は含めて検討さしてもらいます。
○大木正吾君 終わります。
○委員長(中村太郎君) 三案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時二十三分散会 —————・—————