大蔵委員会 第8号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/25
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、吉田正雄君及び福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君及び片山正英君が選任されました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 物品税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、日本自動車工業会理事大熊政崇君、日本冷凍空調工業会会長黒田安定君、日本電子機械工業会会長進藤貞和君、以上三名の方々に参考人として御出席をいただいております。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人の方々には、御多忙中のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後の本案審査の参考にいたしたいと存じます。 これより参考人の方々に順次御意見をお述べ願うわけでございますが、議事の進行上、最初にお一人十五分以内でお述べいただきまして、その後、委員の質疑にお答えいただくという方法で進めてまいりたいと存じますので、御協力をお願い申し上げます。 それでは、大熊参考人からお願いをいたします。どうぞ。
○参考人(大熊政崇君) 私は、ただいま御紹介いただきました日本自動車工業会の理事で税制委員長をやっております大熊でございます。 本日は、このたびの物品税増税に関しまして私ども業界の意見をお聞き取りいただく機会を与えていただきましたことにつきまして、厚く御礼申し上げます。 ただいま国会で審議が進められております自動車物品税につきましては、小型乗用車はこれまでの一五%から一七・五%に、普通乗用車は二〇%から二二・五%に、さらに二百五十ccを超えます二輪車につきましては五%から一〇%に引き上げられるほか、新たに軽自動車のライトバンに五%、小型車のライトバンに一〇%課税されることになっておりますが、これら一連の増税それから課税対象の拡大等につきまして、業界の考え方を述べさせていただきたいと存じます。 現在、自動車には生産、販売、使用の各段階で課税が行われております。製造出荷段階では物品税、それから取得段階では物品税と全く類似の自動車取得税がありますほか、保有段階では自動車重量税及び自動車税または軽自動車税が、さらに使用段階におきましては各種の燃料税と、多種多様な税が課せられております。 お手元の「自動車産業の現状」というパンフレットの二十二ページをお開きいただきたいと存じます。 自動車にかけられております税の額は四兆四千億円を超えておりまして、昭和五十五年度の予算ベースにおきます国・地方の租税収入の一〇・五%を占め、所得税二四・五%、法人税二〇・一%に次ぐものとなっております。 さらに、こうした税以外に有料道路に対する料金という名目で徴収されますもので、地方公共団体の道路公社が建設する有料道路を一応除きまして、日本道路公団それから阪神道路公団、首都高速道路公団、この三つの公団のみの一般有料道路及び高速道路の建設費を賄いました財投借入金に対しまする返済資金あるいは維持管理費に充てられます額は、つまり有料道路の料金の額は昭和五十四年度で五千七百億円を超えております。この有料道路料金と先ほどの自動車関係諸税四兆四千億円とを合わせますと、何と五兆円の巨額な負担を自動車ユーザーは強いられておるということに相なります。この自動車関係諸税の中で物品税を見ますると、昭和五十四年度は四千三百十七億円を占めておりまして、この額は物品税総税収一兆一千百十八億円の三八・八%になっております。 自動車ユーザー団体であります日本自動車連盟が会員に対して行いました税負担の実態調査によりますと、自動車ユーザーは現在ですら自動車関係諸税の高負担を強く訴えております。わが国の自動車ユーザーの税負担は、また先ほどの「自動車産業の現状」の二十ページにございますように、二十ページに新しい訂正したものが入っていると思いますが、その新しく挿入してある方をごらん願いたいと思いますが、乗用車の保有に課せられる税負担は国際的に見まして最も高い水準にあります。すなわちここにありますように、車両価格百万円、排気量千六百cc、車両重量九百八十キロと、こういったような車に対しまして八年間のいわゆる税の負担額でございますが、日本の場合には五十五万九千九百四十円、今回の物品税の増税額を入れましての話でございますが、五十五万九千九百四十円に相なる。それに対してイギリスが五十万一千百九十円、フランスが四十八万二千九百二十円、アメリカなどに至っては六万七千百七十円と非常に低い数字になっております。これでごらんになれますように、日本の自動車にかかっております税の総額というものは国際的に見ても一番高い部類に属する、こういうことでございます。したがいまして^今回の増税は自動車ユーザーに一層の負担を強いる結果になりますことを御理解いただきたいと存じます。 それから、「自動車産業の現状」の十九ページを見ていただきますと、運転免許の保有実態が書いてございますが、これでごらんになれますように、免許人口は四千三百万人を超えまして、総人口一億千五百二十九万人の三七%に達しており、十六歳以上の免許取得有資格者八千六百万人から見ますと五〇%を占め、また近年、女性ドライバーを含め毎年二百万人程度の新規免許取得者がふえております現状から見ますと、いわば国民皆免許時代に近づいているということが言えると思います。 現在四輪自動車が三千八百万台、二輪車が千万台というのが保有されておりますが、その使用の実態を見ますると、所得に関係なく生活の足として使用されております。自動車の普及の実態につきましては、いまの「自動車産業の現状」の十四ページをごらんいただきますとおわかりのように、自動車は所得水準と関係なく保有されておりまして、交通の便利な大都市及びその周辺では保有率の低下を見ておりますが、地方都市とその周辺、特に農漁山村での保有は年々高まり、地方へ行けば行くほど生活に欠くことのできない輸送用具となっております。 その一例といたしまして、その表の中で東京都を見ていただきますと、その保有率は全国平均一〇六・二%に対しまして七〇・七%と全国で最も低い保有率になっております。また山岳地帯の多い群馬県のところを見ていただきますと一六一・八%と、東京都の二倍を超える全国一の保有率を示しております。所得水準から見ますと、東京都は全国平均を一〇〇とした場合に一四九・四と全国一の所得水準にありますが、群馬県は八九・五にすぎません。全国で最も所得の低い沖繩県を見ますると、所得水準は六七・一であります。沖繩県は公共輸送機関の未発達なことも影響しておりますけれども、自動車の普及率は一一六・九%と高率を示しております。それから沖繩県に次いで所得の低い鹿児島県ですらその普及率は一〇五・二%でございます、したがってさきに述べましたように、自動車普及実態から現在の自動車関係諸税の負担を見ますると、自動車ユーザーが訴えておりますように過酷な税体系になっておるということが言えるのじゃないかと存じます。 このたびの物品税引き上げにつきましては国際的にも問題にされておりまして、昨年来米国政府からも輸入車を閉ざす措置であるとして反対意見が寄せられてまいりましたが、本年一月の十四日、米国上院財政委員会国際貿易小委員会、委員長が例のダンフォース議員でございますが、この国際貿易小委員会の公聴会が開かれましたが、当時のUSTRのホーマッツ次席代表も同様の趣旨で日本の自動車物品税の引き上げを強く批判をいたしております。こうした問題が貿易面に支障を来すことのないよう十分な配慮をしていただきたいと存じます。 次にライトバン課税につきましては、そのユーザーのほとんどが中小企業及び小規模事業者であるだけに、このたびの新規課税は大きな負担増となることは避けられません。またこのたびの物品税増税は、負担の公平という観点からこれまで課税されなかったものを拾い上げるとしながら、既存の課税対象品目の中で乗用車及び二百五十ccを超える二輪車に対しまして税率の引き上げが行われましたこと、さらにこれまで免税点と同様の取り扱いで非課税となっておりました原動機付自転車の五十cc超え九十ccまでの小さなものにまで課税されることになっておりますことはいささか理解に苦しむものがございます。これまでの物品税課税品を見ますると、乗用に供する四輪・二輪車を除いた他の課税品目は物品税のみの負担をしているのに対しまして、自動車は物品税以外に多種多様の税を負担しております。また新規課税のライトバンにつきましても、これまで物品税こそ課せられておりませんけれども、物品税に類似した自動車取得税を初め自動車重量税、自動車税または軽自動車税、さらに燃料税が課せられておりますことを重ねて御理解いただきたいと存じます。 物品税の増税は消費に水を差すものであり、ひいては企業の活九を削減、また諸税増収の源泉を抑える結果につながるものと存じます。 御承知のとおり、自動車をめぐる輸出現覧は厳しいものがあり、現在以上の輸出は期待できない情勢にございます。また国内におきましても、国民の実質所得の低下、景気の低迷等を背景に、小型四輪車は昭和五十五年度対前年度比八・四%減となります。また先行き需要見通しも余りぱっとしないという状況にございまして、このたびの物品税の増税が需要にどのような影響を与えるか憂慮しておる次第でございます。 以上をもちまして私の陳述を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) どうもありがとうございました。 次に、黒田参考人にお願いをいたします。
○参考人(黒田安定君) 私は日本冷凍空調工業会の黒田安定でございます。 本日は、物品税問題について業界の立場から意見を申し述べる貴重な機会をお与えいただいたことをまことにありがたく存じております。 私どもの業界は産業用、商業用、家庭用のいわゆる冷凍空調機器及びその部品を製造するもので、最近は環境保全、食品衛生などの面から当該製品の需要が高まり、昭和五十四年度の生産は一兆三千五百億円の実績を上げております。しかしながら、昨五十五年度は一般的な景気の落ち込みとまれに見る冷夏により、一兆三千三百億円と二百億円落ち込み、これまで順調な伸展を続けておりました当業界は大きなショックを与えられたのでございます。 ところで、今回の物品税改正案によりますと、私どもの関連製品のうち新規課税対象とされているものとして、冷水製造機と冷暖房用の放熱器が挙げられており、また現行課税物品である自動車用冷房装置の税率の引き上げ、同じく現行課税物品であるルームクーラー、大型冷蔵庫の課税範囲の拡大が、ございます。 そこで本日は、業界にとっていろいろ問題もあり、特に今回の新規課税対象とされている冷水製造機及び冷暖房の放熱器について説明させていただきたいと存じます。 初めに冷水製造機ですが、これは業界ではチリングユニットまたはチラーと呼ばれており、簡単に申し上げれば冷たい水をつくる装置のことをいいまして、冷凍用圧縮機、凝縮機、水冷却器及び各種のコントロールの機器を一つにまとめてユニットにいたしたものでございますが、冷水製造機のみでは空調設備としての用をなさないものであります。 また、用途といたしましては、精密工業、電子計算機室、ホテル、病院などの空調用、また食品加工のための冷却、冷蔵用、各種化学工業の製造工程における冷却用、その他一般住宅用の空調、地下鉄工事凍結工法、トンネル工事の凍結工法などの工事用に用途、が分けられております。 能力は、圧縮機の出力が〇・七五キロワットから九十キロワットを超えるものまで多機種にわたっておりますが、今回の課税対象とされている七・五キロワット未満の製品に限って申し上げますと、これは出荷台数として初年度三千五百台、次年度以降一万台、金額として出荷金額は初年度十四億七千万円、次年度以降四十五億円でございます。税額として初年度の五%が約八千万円、次の一〇%で四億五千万円、一五%で六億七千万円になる予定でございます。 次に、冷暖房の放熱器について申し上げます。 これは業界ではファンコイルユニットという名称でなじんでおりますが、その製品はターボ式冷凍機、吸収式冷凍機、チリングユニットと呼ばれる主として大型冷凍機やボイラーなどと組み合わせまして、冷房または暖房をしようとする室内に設置し、冷水または温水の供給を受けて冷風または温風を送るユニットで、その内容は熱交換用のコイル、ファン用電動機を内蔵しているわけでございます。 用途といたしましては、やはりビル、病院、ホテル、船舶など大きな建物、特に部屋数の多い建物の空調システムの端末機器として使用されております。したがいまして、ほとんどのものが半製品の状態で工場出荷され、現場で最終状態に組み合わせられるか、あるいはその建物に合わした特別仕様の注文品なんであります。 流通面におきましても、店頭販売とか直接ユーザーに手渡されるものではなく、メーカーから建設業者や設備業者を経由して出されるものでございます。 また、この放熱器は冷水製造機と同様に現場での付帯工事が多く、きわめて設備性の高い製品であります。その出荷台数としては、初年度は十四万五千台、次年度以降が三十四万五千台。出荷金額として初年度が七十三億円、以降が百六十二億円。税額としては初年度五%で約三億六千万、一〇%で約十六億二千万、一五%で二十四億三千万円になると考えられます。このうちの約六〇%の生産シェアを占めているのがいわゆる中小企業であります。 以上、今回新規課税対象とされた二つの製品の説明、状況、問題点などについて概略申し上げましたが、ここで改めて物品税についての業界の考え方をお話しさせていただきたいと存じます。 わが国の財政再建のため関係各位の真摯な御努力については深い敬意を払うものでございますが、また業界としても物品税の増額を歓迎するものではございませんが、協力すべきことは協力せざるを得ないと考えているわけでございます。 今回の物品税改正に当たって業界としては、一つ、急激な課税範囲の拡大による業界の混乱の排除、二つ、特定業種に偏重する税負担の排除、これを眼目として検討さしていただきました。この一の場合、物品税の課税範囲において近年拡大の一途をたどっておりますが、そのため当業界においては、いままで物品税納税の経験の全くなかった企業が新たに納税義務者となり、しかも企業規模としては、その中で特に冷暖房用放熱器、大型冷蔵庫の場合でございますが、中小零細企業が多数を占めております。そのため、その金融面、事務量の増加は経済基盤を圧迫しかねない状況にあります。また課税範囲についても拡大の一途をたどることはいささか懸念がございます。業務専用や生産設備的なものについては、課税対象になさるお考えはないものと確信いたしておりますが、課税範囲についての明確な定義、指針など今後のためにも御指導いただきたいと存じます。 次に、特定業種の税負担の偏重でありますが、現行課税物品の課税額を見てみますと、五十四年度において自動車と家電空調機器で全体の七〇%強になっております。これは御検討の余地を残しているのではないかと存じます。 いずれにいたしましても、私ども納税者が納得のいく物品税でありますよう、その課税品目についても課税範囲についても、そしてその税率についても、さらに納税事務の簡素化についても、業界の事情を十分に御理解賜って格別の御高配と御審議をお願いいたしたいと申し上げる次第でございます。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) ありがとうございました。 次に、進藤参考人にお願いいたします。
○参考人(進藤貞和君) 日空電子機械工業会会長の進藤貞和でございます。 本日は、物品税問題に関し、業界の立場から意見を申し述べる機会を与えていただきましてまことにありがとうございます。 まず最初に、今回の物品税法改正に係る対象品目と電子機械工業会との関係につきまして説明をさしていただきます。 御高承のとおり、電機業界は関係する品目が広範囲にまたがっておるため、担当する工業会も数多くに分かれております。今回の改正品目の中に電気製品がたくさん含まれておりますが、このうち電子機械工業会が関係しておりますのは、ビデオテープレコーダーとテレビ関係の製品及びマイクロホンだけでございます。したがいまして、本日は、電子機械工業会として最も問題が大きいビデオテープレコーダーを中心に説明をさしていただきます。 昭和五十五年のわが国電子工業の生産額は八兆六千八百億円に達しました。このうちテレビ、テープレコーダー、ステレオ、ビデオテープレコーダー等の民生用電子機器の生産は二兆九千五百億円、コンピューター、医療用電子機器、無線通信機等の産業用電子機器の生産は三兆七百億円、これらの製品に使用する各種の電子部品、IC、半導体等の生産は二兆六千五百億円であります。民生用電子機器の生産額二兆九千五百億円のうち、家庭用ビデオテープレコーダーは五千六百億円であり、一九%を占めております。カラーテレビの生産額が七千百億円でございますので、家庭用ビデオテープレコーダーはその八〇%に相当します。この比較から見まして、ビデオテープレコーダーは業界が久しく待ち望んでおりましたポストカラーテレビ商品として、その地位を固めつつあることを御理解いただけると存じます。 輸出に目を転じてみますと、昭和五十五年のわが国電子工業の輸出総額は四兆一千二百億円でございまして、このうち民生用電子機器は約二兆六百億円、その中のビデオテープレコーダーは四千四百億円であります。カラーテレビの輸出額二千八百五十億円を抜いて、テープレコーダーに次ぐ第二位の座に躍り出たのであります。 現在、世界の家庭用ビデオテープレコーダーの約九六%は日本が生産しております。したがいまして、ほとんど競争相手がないため世界市場をほぼ独占した形になっておるにもかかわらず、現在までのところほとんど通商摩擦を生じていないのであります。ビデオテープレコーダーの輸出額四千四百億円は、昨年のわが国機械輸出額の約三%を占めており、わが国にとって今後大切に育てていかなければならない、いわばとらの子の輸出商品であります。 ビデオテープレコーダーがもしなかったならどういう姿になっていたかという一つの試算をしてみますと、昭和五十一年から昭和五十五年までの四年間の民生用電子機器の生産の伸びは、実際には一二七%でありますが、ビデオテープレコーダーがなければこれが一〇五・三%にとどまり、また輸出の伸びは実際には一二五%でありましたが、ビデオテープレコーダーがなければこれが一〇〇・三%とほぼ横ばいにとどまっていたのであります。このような事実から、ビデオテープレコーダーがわが国電子工業の発展にとっていかに重要な商品であるかを御理解いただけたと存じます。 日本には自主技術開発による製品が少ないとよく言われますが、民生用電子機器の分野では、家庭用ビデオテープレコーダーは日本で独自に開発され、世界に普及した唯一の技術製品であります。わが国の電子業界では、放送局用のビデオテープレコーダーをもとにして家庭用のビデオテープレコーダーを開発するために、二十年以上も技術的な試行錯誤を繰り返し、その間莫大な研究開発投資を行い、かつまた近来は世界に製品を供給するため巨額の設備投資を行ってまいりました。しかし国内における普及期がちょうどオイルショック後の数年間であったことと、比較的高額な商品であるため、普及のテンポは急激には上昇せず、昨年末の国内における普及率はいまだ六ないし七%にしか達しておりません。業界ではしたがいまして、普及率が一〇%に達し、順調な軌道に乗るまでは物品税の課税を猶予していただきたいと熱望していたのであります。 現行物品税制での税負担を昭和五十四年度について見ますと、物品税収約一兆円のうち、家電製品が三四%の三千五百億円、自動車が三七%の三千七百億円、合計七一%、七千二百億円に達しておりまして、家電と自動車の二業種に著しく偏っております。物品税は本来、主に奢侈品ないし比較的高価な便益品や趣味、娯楽品を課税対象とするものであるにもかかわらず、今日では税収確保のため奢侈品というよりむしろ特定の生活必需品に多く課税されているというのが実情であり、このため税負担が特定業界に集中し、現行物品税制が内蔵している矛盾が極限に近いところまで増大していると思います。昭和五十二年の政府税調答申もこの点に触れ、消費の多様化、平準化の進展に伴い、これに消費される商品が多様化、複合化あるいはシステム化して、使用形態も変化する時代にあり、各物品の価格、機能、使用形態等を個別に検討し、相応の課税を行う客観的基準を得ることは困難であると指摘しているところであります。各物品間の負担の公平を図り、相応の課税を行う客観的基準が設けられないまま、今回の改正においてさらに家電と自動車の二業種の物品について、課税対象の拡大または税率の引き上げが行われることはいかがかと存ずる次第であります。 私ども家電業界も、国の財政再建には御協力申し上げたいと考えておりますし、また物品税法の改正につきましても絶対反対の立場をとっておるものではございません。しかし家電メーカーの物品税負担は法人税額を上回っており、昭和五十四年度の主要家電メーカー二十社が納付した物品税額は、業界の調べによりますと法人税額の一・三倍に達しており、つまり家電メーカーは他の業種に比べると二・三倍の法人税を払っていることになります。メーカーの蔵出し段階で課せられる物品税負担は小売価格に転嫁されるので、メーカーの実質負担ではないとの議論がありますが、家電業界における激しい競争の実態から物品税額の小売価格への転嫁はきわめて困難でありまして、かなりの部分がメーカーの実質負担として残らざるを得ないというのが実情であります。 民生用電子機器の消費者物価指数を見ますと、昭和五十年を一〇〇といたしまして、昭和五十五年六月の指数は総合では一三七・八でございますが、カラーテレビ九六・六、テープレコーダー八九・九、ラジオ九六・四となっておりまして、技術進歩によるコストダウンももちろんございますが、オイルショック後の資材の高騰にもかかわらずなかなか値上げができない実情を物語っております。 電子産業は、IC、半導体を初め最も技術革新の激しい産業分野であり、研究開発費の支出はきわめて大きく、販売高に占める研究開発費の割合は、昭和五十二年度の実績によりますと、全製造業平均の一・六五%に比べ三・六%と二倍以上に達しております。また国際競争力を維持していくため、常に製造設備の更新に努めなければなりませず、このため莫大な設備投資を余儀なくされております。宇宙開発、軍需を中心に発展してまいりました先進諸国の電子工業と異なり、わが国の電子工業は民生用電子機器の販売利益の中から研究開発費、設備投資費用をひねり出して今日の地位を築き上げてまいりました。 今後電子工業における国際競争は、先進諸国間においてはIC、ビデオディスク、通信機器等の分野でますます激化し、また中進国からの追い上げもさらに厳しくなってまいります。この時期に当たり民生用電子機器の中心であるビデオテープレコーダー及び関連機器に対し新たに多額の税を賦課することは著しく電子工業の企業活力を阻害し、国際競争力を低下させるおそれがございます。またビデオテープレコーダーはカラーテレビに比べて約四倍の部品を使用しておりまして、ここ数年の電子部品業界の活況はビデオテープレコーダーの伸びに大きく依存しております。物品税の過重負担による機器産業の成長鈍化は電子部品産業に大きな打撃を与え、雇用面にも影響を及ぼすおそれがございます。特に現在、個人消費の鈍化、景気の停滞に対応し、政府におかれても景気総合対策が実施されているときでもあり、個人消費抑制をもたらす物品税の増税を行うべきかどうかについては慎重な検討が必要であろうかと存じます。 以上申し上げましたことを要約いたしますと、第一は、物品税負担は特定の業界に偏っており、税調の答申にもございますとおり、この辺で一度見直していただきたいということであります。第二は、家庭用ビデオテープレコーダーは日本の業界が長い期間と巨額な研究投資により独自に開発し、世界に普及させようとしている異色の技術製品であり、かつ通商摩擦の心配の少ない日本にとって大切な輸出商品であるということであります。第三は、したがいまして、このいわばとらの子の毛をむしるようなことはひとつ御勘弁いただき、温かく成長を見守っていただきたいということでございます。 以上、率直に業界の立場から意見を申し述べさしていただきました。 なお最後に、細かいことでまことに恐縮でございますが、お願いしたいことがございます。 物品税法では納税の事務の効率化のため、課税標準額の算定の一方法として一定率方式が採用されておりますが、現行課税物品の一定率は設定されてから長期間を経過し、その間価格体系に変更を来したことによりまして、現在では実情に合わなくなっておりますので、その見直しについて御配慮いただきたいということであります。これは納税側、徴税側の双方にとって大きなメリットがあるものでございます。何とぞ格別の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(中村太郎君) ありがとうございました。 以上で参考人の方々の意見の陳述は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(中村太郎君) 速記を起こして。 これより参考人に対する質疑に、入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 どうもきょうは御苦労さまでございます。 最初に、共通をしたことについて三人の参考人の方にお伺いしますが、今回の物品税の値上げ、改定といいますのは、昨年税調から出されました二つの答申に基づいて法律改正の提案が行われておるわけですが、そこで昨年税調がいろいろ審査をしておりました際に、皆さん方業界代表は参考人なり何なりの形で公式に意見を求められたことがあったかどうか。あるいは税調、大蔵省ないしは通産省などに対しまして、予想されます物品税の改正について公式に意見の聴取なりあるいは意見を申し上げたことがあったかどうか。またあったとするならば、どういう点を主として主張されたのか。その共通した三つのことをお伺いをいたします。 それから今回の改正は、課税対象の拡大、税率の引き上げ、課税範囲の拡大、それから自動車の場合におきましては租税特別措置の改正というふうに広範囲にわたっているわけですが、先ほどお話がありましたが、生産性を上げて税のアップ程度のものを吸収することが可能であるかどうか、あるいはそういうことを努力をいたしたにいたしましても、小売価格への転嫁は避けられないというふうにそれぞれお考えになられているかどうか、その点冒頭に、まず共通した問題としてお伺いをしておきたいと思うんです。
○参考人(大熊政崇君) 今回の物品税の改正問題につきまして、当局からいつごろどのようなことで意見の求めがあったかどうかということでございますけれども、実はわれわれ、新聞紙などを通して大蔵当局の方で物品税の改正についているいろ考えておるというようなことは承知しておりましたけれども、なかなか具体的にこういう内容で物品税の範囲の拡大とかいうものをしたいというような御意向は業界に示されませんでした。業界でもいろいろ検討いたしまして、何か前もって大蔵当局の方に意見を言っていった方がいいんじゃないかというような意見もございましたけれども、とにかくまだ正式に当局の方から物品税の修正につきまして何も申し出がないときに持っていきますと、いわば何か催促といいますか、寝た子を起こすといいますか、そういうようなことにもなるかと思いまして、実は控えておったわけでございます。したがいまして、具体的にこのように、われわれの業界で言いますと、自動車に対する物品税を改正したいというようなお話がございましたのは、ちょっとはっきり日にちを覚えておりませんけれども、比較的もう日程が詰まった段階でございました。そこでそれがはっきりいたしましてから、われわれ関係の諸先生とかあるいは大蔵当局に対しましていろいろ意見を申し述べました。その意見具申し上げました内容というのは、ただいま陳述の中に申し上げたこととほぼ同じでございます。 それから、今回の物品税の引き上げを生産性向上による合理化で吸収できないかどうか、あるいは小売価格に転嫁するのかしないのか、それが可能なのかどうかという御質問でございますが、御承知のように自動車の生産、販売、需要の動向と申しますか、一こると違いまして国内も海外も非常に低成長になっております。したがいまして、なかなか生産性の向上と申しましても、一ころのように非常に高い向上率ということはできませんで、賃上げとかあるいは一般インフレによる経費の増高、こういうようなものを何とかして生産性の向上でカバーするというぎりぎりのような状態になっておりまして、私どもといたしましては今回の物品税の増税につきましては、あるいは範囲の拡大につきましては、物品税の性質が消費税であるということも含めまして小売価格に転嫁せざるを得ないし、してしかるべきものじゃないかと、こういうふうに考えております。しかしながら、現実の商売を見まするというと、陳述の中にも申し上げましたように、昨年日本国内の自動車の需要は前年度比八%ぐらいの減少でございまして、最近多少いい兆しが出てまいりましたけれども、まだ依然として先行きなかなか見通し困難なような状態であるというような市場の情勢から言いますと、転嫁すべきだと思いましても、あるいは商売上、消費者の方に転嫁できないようなケースも出てくるんじゃないか。しかしいずれにいたしましても、この問題は各自動車会社の方針の問題でございまして、おのおのの自動車会社がそれぞれ今後検討して定めていくべきものだと思いますので、私からいまこうあるべきだとか、こうあるであろうというようなことを申し上げるのは控えさせていただきたいと存じます。 これで終わります。
○参考人(黒田安定君) 私どもの方は正式に大蔵省、税調等からはお話はございませんでしたが、ことしになりまして考え方を示されたように思っております。そこで、業界としては陳情書を出しました。それは中小企業を圧迫するような物品税、またわれわれも、その次の問題にもかかわりますが、物品税を当然小売価格に転嫁せねばならないので、そうすることによって消費物資、生活必需物資が値上がりするようなことのないようにお願いしたいというようなことを陳情したように思っております。 いまの物品税は、結局は当初はやはりこれはメーカー側の利益を圧迫しながら出さなきゃならないと思っておりますが、いずれはやはり小売価格に転嫁しなければやっていけないんじゃないかと思っております。 以上でございます。
○参考人(進藤貞和君) 第一点の御質問でございますが、政府税調からは意向を求められたことはございません。それから大蔵省からは、昨年十一月に新規課税物品の案を示され、業界は本日私が陳述しましたとおりの意見を申し上げました。通産省からは意向を求められませんでしたけれども、業界から産業育成上の配慮を賜るようお願いをいたしました。 それかも第二番目の御質問でございますが、陳述で申し上げましたとおり家電業界は非常に競争が激しい実態でございますので、値上げはなかなかむずかしいと思いますけれども、今回の改正の課税額というものはかなりの負担になりますので、これを全部メーカーで吸収するということはとうていできません。いずれは小売価格に転嫁せざるを得ないと考えております。しかしながら、値上げをいたしますと売れ行きが悪くなりますものですから、われわれとしては痛しかゆしということでございますけれども、それを全部吸収するということはとうていできないということを申し上げたいと思います。
○穐山篤君 いままでのお話を聞いておりますと、自動車工業会としては増税について、物品税の引き上げについて非常に憂慮をしている、きわめて慎重な発言ですが、気持ちのほどは十分に理解ができます。それから空調業界におきましても増税には観迎できないが、納得いくようないろんな手を講じてほしいというお話がありまして、そのいろんな手のお話もありましたけれども、先ほどのお話の中の幾つかを考えてみますと、納得できるような手段、方法というのは非常にむずかしい。こういう気持ちを察しますと、十分に空調業界の本音がわかったような気がいたします。それから電子機械工業会も慎重な検討が必要であり、全般の見直しが前提であるから猶予をしてくれというふうに反対の意思表明だというふうに理解をしておきたいというふうに思います。 そこで自動車工業会にお伺いしますが、きのうきょう、非常にマスコミでは宣伝をされております日米の自動車問題です、私どもが知り得る範囲でいきますと、自動車工業会はしばらくの間静観をしようというふうに理解をしていたわけですが、現実は外務大臣とレーガン大統領との間にはわりあいに速いテンポの話が進んでいるやに受けとめるわけですが、この点についての評価と考え方というものをお伺いをいたします。 それから電子機械工業会にお伺いをしますが、昭和四十七年ごろからあった問題ですが、日米のカラーテレビのダンピング課税の問題が一時大騒ぎになりました。大体五十三年度ぐらいには終息をしたわけですが、いまなお問題が残っている点があるかどうか。あるとするならば、どういう分野で国なりあるいは政治がときには援助の手を伸べなければならぬわけですが、そういう問題が現実にあるかどうか。それからもう一つ電子機械工業会にお伺いするわけですが、ビデオディスクという新しい製品が出るというふうに仄聞をするわけですが、これの国内あるいは国際的な進出についてどのような展望を持っておられるのか。 以上のことについてお伺いをしておきたいと思います。
○参考人(大熊政崇君) 日米の自動車問題でございますけれども、業界の基本的な態度といたしましてはルイス運輸長官を長といたしまするタスクフォースがアメリカの新政権の中にできまして、鋭意米国の自動車再建の再建方策について検討中であるというふうに伺っておりまして、これの勧告が出まして、それに対して大統領がどういう決定を下すか、そういうようなこと、そうして大統領が仮に輸入車についてどういう要請を日本側にするのか、そういうことがはっきりわかった上で、はっきりした上で対応策を考えたいというのが業界の基本的な態度でございます。 で、先般自動車工業会長から、もう少し様子を見たらどうかというのも基本はそこにあるわけでございまして、またそのほかに、アメリカの自動車マーケットの状態が一こると違いまして大分変わってきた。と申しますのは、日本の自動車は円高等のことから数次にわたって価格を上げておりますし、それからデトロイトのメーカーの小型経済車も次々と市場に投入をされてきておる。それから近くは、この五月にゼネラルモータースの本命の小型車である、通称Jカーといわれるものが相当大量に投入されるというようなことを考えますと、デトロイトのメーカーとの小型車の分野における競争は非常に激甚になってきまして、したがいまして、日本の自動車のアメリカにおける販売も、一ころのようなことでなしに、非常に鎮静化するといいますか、ノーマルな状態になるんじゃないか、そういう見通しも含めまして少し静観した方がいいという意見を申し述べたわけでございます。 いまの段階で、われわれも伊東外務大臣と大統領との話の内容を直接聞いておりませんし、また政府当局、通産省からも正式に何のお話も聞いておりませんし、またタスクフォースの結論もまだ全然わかっていないということでございますので、いまの段階で何か申し上げるようなことは別にないのでございますが、われわれ業界もアメリカの自動車産業が非常に苦境、困難な立場に追い込まれておって、これを再延するために大統領以下、非常な努力を払っておる、そういう事実そのものについては深く理解をしておるつもりでございます。 一方、わが国の自動車工業も日本経済にとりまして非常に重要な基幹産業でございまして、製造工業の中で生産額でたしか一〇%強ですか、それから輸出の中で二〇%強を自動車が占めておるというような、非常に基幹重要産業でございますので、今後両国政府の折衝の推移を見守っていきたいというふうに考えておりますが、いずれにしても自由貿易の原則を確認、尊重しつつ、また両国の自動車工業がそれぞれ非常に重要な基幹産業であるということも十分考慮に入れて、現実的でかつ無理のない、両方が納得できるような線で解決されることを希望いたしております。
○参考人(進藤貞和君) ビデオディスクの方から先に御説明を申し上げたいと思いますが、ビデオディスクはこれから大いに出てくる商品でございますが、いまアメリカあるいはフィリップス、そういうところでもやっております。日本でも数社のメーカーがこれに取り組んでおるわけでございまして、いずれこれも輸出をしていこうということになろうかと思いますけれども、ただフィリップスとかRCAとか、そういうところがやっております関係上、これまた余り集中的に輸出をいたしますと、前のテレビのような問題が起きかねないじゃないかということが想像されるわけでございますけれども、いま製品として実際に発売されておるものが非常に少ないために、いまここで今後どうなっていくかということは申し上げかねますけれども、いずれこれは大いに利用されるんじゃないかと。たとえば六法全書みたいなものとか、そういうものが非常に小さいディスクの中におさまってしまうわけでございますので、この用途は非常にたくさん起こってくると思います。 それから次に、ダンピングの問題でございますけれども、これは先ほどお話ございましたように、五十三年に一応解決したということになっておりまして、昨年の米国輸入業者と米国政府の間で一定の金額をダンピング税としてではなく支払うということで妥協ができておりますけれども、まだダンピングの認定自体が確実に行われていないというか、認定自体は取り消されていないという現状でございます。 以上、お答えします。
○鈴木和美君 どうも皆さん御苦労さんでございます。 進藤さんにちょっとお尋ねしますが、VTRのことなんですが、業界で進藤さん、あと一年余裕が欲しいというお話をされた記事が載っているんですが、この記事の内容についていまでもお気持ちが変わりないのかどうか、それをまずお尋ねいたしたいんです。
○参考人(進藤貞和君) 気持ちに変わりございません。
○鈴木和美君 私も素人でわかりませんけれども、こういう製品の国内での普及率が非常に高まるというときには、テレビの例を勉強さしてもらったら、大体一〇%以上になったときからぐっと伸びていっているようですね。いまこのVTRの普及率というのはどの程度になっているんでございましょう。
○参考人(進藤貞和君) 先ほどちょっと述べましたけれども、現在五、六%というところでございます。それでこれは恐らく相当早く普及するんじゃないかと。あれを使ってみますと非常に便利でございまして、やはりテレビなんかでいい放送があったとき見れないときにとっておいて見ようということが非常に多うございますので、これからの普及は相当早く普及するんじゃないかと。 それで、この課税がない場合は一体どれくらいの年月で一〇%に達するであろうかという試算をしてみますと、課税がない場合は五十七年の十月ごろから、課税をされた場合、課税と申し上げますのは最初五%ということになっておりますから五%、その次が一〇%になるわけでございますが、課税をされた場合には約三ヵ月おくれの五十八年一月ごろになるんじゃないかということでございます。
○鈴木和美君 そうしますと、今回の増税というものがこれらの製品に与える影響というのは非常に大きいと、できれば本当にもう一年ぐらい税の課税を待ってほしいと、こういう気持ちであるということはもう本当に変わりないと、そういうふうに承ってよろしゅうございましょうか。
○参考人(進藤貞和君) そのとおりでございます。
○鈴木和美君 どうもありがとうございます。 自動車業界にちょっとお尋ねしますが、自動車業界と自動車総連の組合とはいろんな政策問題についてお話がしょっちゅうされていることは私も聞いているんですが、自動車総連が今回の税の上げ方に。対して四つの主張をなさっておるんですが、その主張と業界とは本当に一致しているのかどうか、まずお尋ねしたいんですが、私たちはこう考えると言って四つ挙げています。一つは、すでにわが国の自動車ユーザーの税負担は世界一の高額だから安くすべきである。二つ目は、現在の自動車関係諸税の税体系は不合理で性格が不明確だからこれを是正してくれ。それから三番目は、自動車はぜいたく品ではない、物品税はむしろ引き下げるべきである。それから四番目は、自動車関係諸税の増徴は雇用不安の増大と、インフレ、景気後退を招くから反対である。こういうふうに述べていらっしゃるんですが、業界もこの意見に対しては賛成でございましょうか。
○参考人(大熊政崇君) 原則として同じような意見を持っております。 業界の方として一番強調いたしたいことは、総連の方でも言っておりますように、国際比較の上で自動車に対するいろんな税金合計しますと非常に高いところにあると。そこで一部には、ほかの商品ですね、同じぐらいな値段のほかの商品に対する物品税率と自動車の物品税率を比較して少し安いんじゃないかと、物品税、そういうような御意見もあるやに伺いましたけれども、われわれはやっぱり自動車というものは国際商品でありますから、国際比較がやっぱり一番の基準になるんじゃないかと思うわけでございます。 それからもう一つ考慮しなきゃなりませんのは、これも陳述に申し上げましたように、自動車には物品税のほかにいろんな税金がかかっておる、ほかの商品は物品税だけしかかかっていな。い、ここを一つ考えるべきだ。そこでそのいろんなほかの税金につきましては、自動車重量税とか、燃料税とか、自動車取得税、いろんなものがございまして、それぞれ道路財源との関連でありますとかいろいろございましてむずかしい問題があるのでございますが、まあそういうようなものを総連の方としては少しすっきり整理したらどうかというふうに言っているんだと思いますけれども、基本的には私もそうだと思います。同じような性格の税金がたくさんありまして、覚えるだけでも大変だということでございますが、ただ問題は、自動車道路財源と自動車関係税金との問題は、これ非常に専門的なむずかしい問題もございまして、きょうのこの場で申し上げる場じゃないと思いますので差し控えさしていただきますが、方向として整理したらどうだろうかということについては賛成でございます。
○鈴木和美君 ありがとうございます。 大変技術的なことで恐縮なんですが、自動車を持っている人が新しく切りかえますね。あれは平均して何年ぐらいで切りかえるものでしょう、おおむね。それはいろいろまちまちだと思いますが、平均したらどのぐらいであれは新しく切りかえるものですか。
○参考人(大熊政崇君) 切りかえるというのは、新しい車に買いかえるということでございますか。
○鈴木和美君 新車に。
○参考人(大熊政崇君) まあそれなかなかむずかしいんですが、傾向的に申しますと、私は一ころに比べまして切りかえの期間が長くなっているんじゃないかと思います。それからメーカーの方のいわゆるモデルチェンジも一ころに比べて多少長くなっていると、その回転が遅くなっている。と申しますのは、排気規制についての規則とか、あるいは安全についての規則がだんだんだんだんと年を追って厳しくなるようになっております。それからもう一つは、エネルギー事情から、自動車そのものがいままでのようなタイプの車から、まあわれわれフロントエンジン・フロントドライブと言っておりますが、ああいうFF方式の小型自動車というふうに転換しつつあると、そういうようなこともございましてモデルチェンジのサイクルも多少長くなっておると、ユーザーさんの方も多少一ころに比べれば長くなっているんじゃないかと思います。 まあ一つのめどといたしましては車検がございまして、二年ごとでございますか車検がございますから、早い者は最初の車検のときにかえる、その次は二回目の車検、まあ四年目、まあもうちょっと使う者は六年目、そういうふうになると思いますけれども、傾向としては比較的長くお使いになるようになっているんじゃないかと存じます。
○鈴木和美君 私もいろんなところで聞いてみたら、いまお話しのように、大体二回目の車検の切りかえるときが新車に切りかえるみたいなことのようですが、今回の税金の値上げによって、百万円の車であれば上がり部分がいままでのところに上乗せになるのが大体二万二千五百円になりましょうか。そのときに、車のユーザーの方から、売り込みのときにまけてくれと言われたら業界はどうしますか、税金分だけまけてくれと。そういうことは往々にしてあると思うんですわ。私は今回切りかえのやつを全部いろいろ聞いてみたら、二万二千五百円とは言うけれどもやっぱり新しく買いかえるのはもういいやと、まけてくれないならもう少し乗るわということの方に出てくる公算の方が非常に強いというのが自動車関係者の意見なんですが、そんなふうに認識しておいてよろしゅうございましょうか。
○参考人(大熊政崇君) 先ほど申し上げましたように、メーカーの方も低成長になってまいりました現在の状態では、なかなかこれを、物品税の増額分を合理化によって吸収するのはむずかしい。また今度販売店でございますけれども、非常に競争激甚のために販売会社の経営も決して楽じゃない。御承知のとおりだと思いますので、販売会社も原則としてはこの物品税の性格から消費者の方に転嫁したいと、そういうふうに基本的には考えているんだろうと思います。しかしユーザーさんとの取引は実際のネゴでございますので、そのネゴの過程でいろんな形で値引きなり何かする場合があるわけでございまして、その場合に、ある者は物品税の増額分をまけろという言い方をする人もあるかと思いますし、またある者はそうじゃなくて、一般的にもう少し安くならぬかとあるいは下取りの車の値段をもうちょっと上げてくれないかとか、そういうようなことを言う人もいると思いますし、それぞれのケースによって決まってくるわけで、一律にどうというのはなかなかむずかしいと思いますけれども、われわれ業界としてはいまの判断からすると、消費税でありますから最終ユーザーに転嫁してしかるべきものだと思いますし、できたら転嫁していきたい、そういうふうに考えております。
○鈴木和美君 もう一つは、メーカーと販売業界との関係ですが、こんなことをすぱっと言えないのかもしれませんが、たとえば百万円の車であれば、私が百万円の車を買うときは、メーカーは幾らで販売店は幾らという、卸というか、そういう契約というのはあるんですか。
○参考人(大熊政崇君) それは、おのおののモデルごとにメーカーから販売店に卸します仕切り価格というものが決まっておりますから、その値段で取引をするわけでございます。そうして販売店の方は、その値段をベースにしてしかるべきマージンを取ってそうしてお客さんに売るわけでございますが、その場合にいわば何と言うのでしょうかね、小売価格の基準みたいなものがありますわけでございますけれども、それをめぐっていろいろユーザーとの間にネゴがあって、ケースケースで決められていると、こういうことだろうと思います。
○鈴木和美君 私がそれをお尋ねするのは、税金が上がると消費、購買意欲が落ちると。そうすると一番被害をこうむるのは、税金の上がったことですから、恐らく小売価格に転嫁されますね。この上がった部分は消費者の方に行きますね。本来は、上がったために消費傾向が落ちたというときに、販売店の方に影響が一番出るのかメーカーの方に一番出るのか、そこのところをちょっと知りたいんですが。どこが一番影響が出ましょう、売れなくなったときに。
○参考人(大熊政崇君) いま現実の物品税の問題を議論しておりますので、現実のマーケットの状態から判断したらいいと思うんですけれども、先ほど御説明いたしましたように、去年は自動車の需要が非常に冷え込みまして、一年前に比べて八%ばかり需要が低迷したわけでございます。したがって私どもとしては、何とかして今後需要の増加になるように希望しておるわけでございますが、この場合にやはりいろんなファクターが関係してまいります。一つには今後の景気の見通し、それから金利の動向がどうなりますか、それから物価の動向、それから消費者のいわゆる可処分所得の動向とか、したがって消費者の消費マインドの動向とか、こんなようないろいろなことが今後の需要の動向に影響するわけでございますので、私どもの現在の判断としては、物品税の今回の値上げの要素は確かに需要に対して引き下げる要素ではございますけれども、いま申し上げたような今後の需要の動向に影響を与えますいろいろなファクターの方の要素の方が大きいと思うのでございますね。したがって、はっきりと今度の物品税の値上げでどれだけ具体的に需要に影響があったかということは、なかなかこれはむずかしいことだと思うのでございますね。ですからいまの御質問に対しましても、何か物品税に関連して答えると言われても非常に困るわけでございます。
○鈴木和美君 ちょっと意地悪いような聞き方なんですが、結局税金は小売に転嫁されるからわれわれが負担する、消費者が負担する。業界の方はそのことだけでは余り影響がないんだというみたいな受け取り方にいま私はなるんですが、自動車総連の人たちが言うのには、非常に達観した言い方ですけれども、直截的など言った方がいいでしょうね、自動車総連の方たちが言うのは。景気の回復するのがいつかということはわからぬけれども、今回の税が上がることによって四%ぐらいはどうも消費が停滞するんじゃないか、あの人たちはそう言っています。そうしますと、いま自動車関係者の利用・支援者、業界、関連産業を含めて四百万人ぐらいでしょうか。そうしますと単なる算術計算ですけれども、四%影響が起きるということになると、四、四、十六だから一万六千人ぐらい雇用の方にも大変な影響が出るんじゃないかなということを私は心配するんですわ。そういう意味でも、物品税の課税の仕方という基本的な問題から見て、今回は余り賛成でないということもありましょうけれども、これからの業界の推移なとを見ても、どうも賛成でないんだというように述べていらっしゃるわけですわ。ですからきょう、どうぞ、遠慮なさらず、上げるか上げないかはここに集まっている人たちが決めるんですから、向こうの方を見ながら上げてもらっちゃ困ると言った方が私はいいと思うんです。わが方は社会党で反対ですから、どうぞ一番最後に大熊さん、自動車業界を代表して反対だということを述べてもらったらありがたいのですが……。
○参考人(大熊政崇君) 自動車価格のアップが自動車需要にどういう影響を与えるか、これはほかの商品についても御承知のように一つの理論がございまして、ほかの条件が全部動かないとした場合に、仮に価格が二%上がった場合に需要が何%減るか、価格弾性値理論と言っておりますが、商品によりまして一の場合もありましょうし、一以下の場合もありましょうし、一以上の場合もあるということでございますが、実はこれは余り意味のない議論なんですね。と言いますのは、ほかの条件が全く同じということはあり得ないわけでございます。それから価格弾性値理論そのものも、たとえば自動車の需要が上向きの場合の価格弾性値と、同じ自動車という商品でも需要が下向きになっている場合の価格弾性値とでは、当然過去の経験から見まして違ってまいります。したがいまして、この物品税のアップそのもので何人の失業が出る理屈だというようなことはなかなかむずかしいのでございます。 私ども一番この物品税の問題について申し上げたいことは、今回の物品税の調整の趣旨が、いろいろな商品を見渡してみると、ある物については物品税が課されておる、ある物については課されていない、課されていない商品についてほかの課されておる商品との兼ね合いでかけてしかるべきものであるというようなものを取り上げて、ピックアップして課税対象を拡大しようじゃないかというのが趣旨であったように伺うのでございます。したがいまして、われわれ業界といたしましても、ライトバンのようなものに物品税の対象を拡大するということにつきましては、まあライトバンのような自動車の最近の使われ方とかあるいはライトバンという自動車そのものの性質などから判断いたしまして、税率がリーズナブルなものでございますれば、ライトバンに対象を拡大するということはやむを得ないんじゃないかと、こう思っておりますが、ただ乗用車というものを取り上げまして、これの増税をしようと。もっとも最終的には、当初五%の増税というのが半分の二・五%になったわけでございますが、私ども問題にしておりますのは、消費に水をかけるから困るということももちろんございます。国内が冷え込んでおる時期でございます。それから国内が売れない分だけ輸出でカバーするということもできないような状態でございますので、この際消費に水をかけるような増税は御免こうむりたいと。国際的に見て自動車に対する課税が低過ぎるということであればまた別の話でございますけれども、むしろ一番高いんだということでありますと、そういう環境のときに増税をするのはどうだろうかと。 それからもう一つ重要なことは、陳述の中にも申し上げましたように、FC並びにアメリカに対する通商問題でございます。特に、アメリカの方は、日本の市場をもっと開放しろということを強く言っておりまして、自動車の関税はゼロにし、それから部品の関税もゼロにし、いろんな検査基準も運輸省さんにお願いして非常に簡素化していただいたわけでありますが、まだこの物品税について高過ぎるとかあるいは大型と小型と差をつけているのはけしからぬとか、とにかく物品税のかかり方が、アメリカから持ってくる場合には、例のCIFですね。値段だけじゃなくて、いわゆる太平洋を渡ってくる運賃とかそれから保険料とか、そういったものがかさんだものに対して同じ税率がかけられると。ところが日本でつくった車を日本で売る場合には工場からの蔵出し価格にかけられるわけなんで、そこでもうかけられる元金についてハンディキャップがあるじゃないか。それから元来アメリカの自動車は少し大き目でございますので、大体日本に持ってくると高い方の税金がかかると。それから今回の値上げも二・五%同じ率であるけれども、元来アメリカの車の方が大きいだけに値段が高うございますから、それだけやはり増税の額が大きいんだとかいろんなことを言いまして、現に先ほど申し上げたように、公聴会の席上で、USTRの当時のホーマッツ次席が非常に不愉快であると、われわれの考え、まあ顔を逆なでするような措置だということを強く言っておりまして、われわれやはり日米自動車問題、非常に通商問題心配しておりますものですから、この際にことさら顔を逆なでするような措置をしなくていいんじゃないかと。特に今回の趣旨が、課税されてない商品の中で権衡上課税した方がいいものを拾い上げて課税しようという趣旨であるなら、何もこの際、国内も非常に冷え込んでおる、それから通商問題も起こす可能性があるといったような時期に、乗用車に対する物品税を二・五、まあわずかではありますけれども、上げるようなことをしなくてもいいんじゃないだろうかと、そういうのが率直のところ自動車業界の感情でございます。
○鈴木和美君 どうもありがとうございました。 黒田さんにお尋ねいたしますけれども、家電の家庭用品の在庫ですけれども、冷夏になって冷蔵庫とか扇風機や何かの在庫が大変ふえているのだということを聞いているんですが、いまどの程度ありましょうか。大変ふえていましょうか。
○参考人(黒田安定君) 私どもの方の業界は、家庭用の冷蔵庫についてはこれは電機工業会が扱っておるものですから存じませんのでございますが、昨年の夏のエアコンは、いわゆるルームクーラーでございますね、これは二百万台分在庫がございます。
○鈴木和美君 大変恐縮ですが、在庫がたくさん残っているといずれこれははかなきゃいけませんですわね。税金がまた高くなってはけにくいということになると、モデルチェンジをちょっとやって、それでまた消費者の方に出してくるんだというような消費者側の意見があるんですけれども、そういうことというのは現に業界であるわけなんですか。ちょっとしたモデルチェンジでもうカタログだけが違うんだと言って出すんだと言うのですが、そんなことございましょうか。
○参考人(黒田安定君) いま在庫になってますエアコンについては、新規課税がないんでございます。
○鈴木和美君 自動販売機の方はどちらの方になるんでしょう、町で売っている自動販売機ですけれども。
○参考人(黒田安定君) これも私どもじゃございませんで、自動販売機工業会というのがございます。そこでやっているんです。
○鈴木和美君 私が非常に興味があるのは、自動販売機の問題で大変最近消費が停滞していますね。富士電機さんのどっかの会社で、千八百人だったですかおったところが、大変不況で三百人やめてもらって新しく千五百人でやらなきゃならぬというような問題が現に出ておって、不況業種の申請までしなきゃならぬというような動きがあるということを聞いておったんですが、そんなときに自動販売機にまで税金がまた課せられるということになると追い打ちになっちゃって、非常に業界としては困るんだと、そういうことを私は聞いたことがあるんですけれども、そういうことをお耳にしていること、がございましょうか。
○参考人(黒田安定君) いま聞きましたんですが、うちには直接関係してないものですから、わかりません。
○鈴木和美君 そうですか。大変申しわけありません。 いずれにしても家電の関係というのは、大変税の上がりぐあいが直接消費者に響くというものだと思うんですね。そのために自動車とは違った意味で、特に中小企業の方の小さい業界がたくさんあるわけですね。そこにもろにかぶってくると思うんですね。ですからそういう意味で、今回の物品税の選び方また税金のかけ方についても大変私は不満を持っている一人なんですが、業界全体としてのもう一度、先ほども陳述の中では何かやむを得ぬみたいなお話がちょっとあったみたいに思うんですけれども、業界の本当のお話を聞かしていただきたいと思うんです。結果として国会がどういうふうに決めるかは別にしても、業界の本音だけは、本当のところをぜひ家電の代表として黒田参考人から本音を聞かしていただきたいと思うんです。
○参考人(黒田安定君) 私の方、家電関係のものはやってないものですからあれなんですが、細かい零細企業が私どもでやっているのでは、大型冷蔵庫でございます。これにつきましては、私どもとすれば、本音はやはりぜひ零細企業に影響するものですから、できるだけというお願いはしているわけでございます。
○鈴木和美君 最後ですが、どうぞ皆さん方も、日本のいわゆる物品税のあり方というものについてわれわれも慎重にまた真剣に議論をしたいと思っておりますので、各業界でも政治の力に屈することなく、業界の本当の建て直しのために毅然たる態度を私はとっていただきたいと思うんです。その意味では、進藤さんの新聞なんかを見せてもらって非常に力強く感じておるものですから、どうぞそういうことをお願い申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(進藤貞和君) いまお話がございましたけれども、これはまあ確実な数字ではございませんけれども、小売の価格が五%上がりますと売れ行きは六%減る、それから一〇%上がると一二%減る、一五%上がると一七%ダウンするというような計算がございまして、今度の課税につきましても大変われわれとしても困っておるところでございます。 それからもう一つは、物品税というのは法人税と違いまして、釈迦に説法のようでございますけれども、蔵出しのときに必ず取られる、売れても売れぬでもかかる、利益が出ようと出まいと税を取られる。法人税の方は利益が出たらそこにかかるわけでございますので、その辺が大変違うんじゃないかとも考えております。
○衛藤征士郎君 自動車工業会大熊参考人にお尋ねをいたします。 今回の乗用車の物品税率の引き上げが、御案内のとおり対米自動車摩擦問題に悪い影響を及ぼしているんではないかというこういう意見があるんですが、物品税の課税そのものは国産車、輸入車に対して無差別のものでございまして、本来わが国の国内問題であり米国側から問題とされることは筋違いだ、このように考えておるわけです。とは言うものの、今回は対米関係に配慮しまして、その引き上げ幅を当初案の五%から二・五%に圧縮したところでございます。 ところで、対米自動車摩擦問題は基本的には省エネルギーを背景とした米国自動車業界の小型車移行への対応が適切でなかったことにその原因があると考えられますが、自動車工業会としましてこの問題をどう受けとめ、またどのように対応しているのか御意見をお聞かせ願いたいと思います。 また、米国におきまして、シカゴあるいはデトロイト地域のいわゆる上院、下院の自動車族の国会議員——まあアメリカの国会議員は上院、下院でたしか五百三十八名だったと思いますが、この五百三十八名の国会議員に対する自動車工業会としての、この経済摩擦を回避するための根回しといいますかロビー活動といいますか、どのようなことをされたのか。またこの自動車族がアメリカの国会議員の中に大体何人ぐらいいらっしゃるのか、そのようなことにつきましてもおわかりでございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(大熊政崇君) 御質問の性質から言って、業界を代表しての意見ということでなしに、私個人の意見ということでお聞き取り願いたいと思うんでございます。 やはりわれわれは、いまお話もございましたように、アメリカの自動車産業が現在のような状態に陥った原因というのはほかにあるのであって、つまりエネルギー事情から、ガソリン価格のアップとかあるいは供給不安とかいうようなものから消費者の需要が急速に小型に移った。にもかかわらず、デトロイトのメーカーの対応がおくれたということが根本的な原因。それからもう一つは、アメリカの経済は非常に御承知のように低迷しておりまして、余り新聞紙上などには出ておりませんけれども、トラック、商業車の需要が非常に減っております。したがってアメリカのレイオフというのは、大型、中型の乗用車の生産減、それから商業車の生産減、この二つから出ているわけでございまして、日本車のような小型車とそれからアメリカのメーカーがつくっておるいわゆるサブコンパクト、まあ小型車、これ同士を比較しますというと同じように増加しております。したがいまして、こういうことからも日本からの輸入車が主な原因でないということは明瞭でございまして、例のITCの判決でも、そういう意味でシロの判決が出たわけでございます。 それから日米自動車問題の核心は何かというと、アメリカの自動車工業をどういうふうにしたら再建できるかということが問題の核心でございまして、そのためにはやはり先ほども申し述べましたように、膨大な投資をして小型車の製造設備に転換をしようとしているわけでございますから、この膨大な設備投資に対する何らかの税制上の刺激策とか、あるいは優遇策、あるいは余りにも排気規制とか安全についての規則が厳し過ぎてコストを非常に高くしちゃっているというようなことであれば、これをリーズナブルな程度まで緩和をいたしますとか、あるいはいま自動車の需要が非常に低迷しておりますが、この需要を喚起するような何らかの金融政策とかほかの政策でもいいんでございますが、そういったようなものとか、あるいはUAWとの関係なども入るかと思いますけれども、そういう方策、いわば国内方策というものが重点であるべきであって、いま直ちに日本からの輸入車を削減いたしましても、デトロイトのメーカーの小型自動車の供給能力というものはいま限界がございますので、全部それを、まあ減らし方いかんにもよりますけれども、充足できない。こういう面もある。したがってわれわれは、基本的には輸入車の制限というのはアメリカ自動車工業の再建には直接貢献しない、そういうふうに考えております。 しかしながら、新しい政権にとりましてアメリカの自動車工業は非常に重要な産業であり変なぐあいにするわけにいかないんだ、何とかしてこれを再建しなければいけないということで、真剣に新政権がいろんなことを考えておるということについてはわれわれも深くこれを理解し、また同情をしているわけでございます。そこでわれわれといたしましては、どういう再建方策が出るのだろうか、タスクフォースのレコメンデーションに基づいて大統領が決めるのだと思いますけれども、どういう内容の再建方策が出るかということも十分承知した上で、業界としての対応策を考えたい。いまの段階でとやかく言うのは時期尚早じゃないか、こういうふうに考えておりますが、しかしいずれにいたしましても、先ほど申し上げましたようにアメリカの自動車工業の持っている非常な深刻な問題点、それからアメリカの新政権としてのこの問題に対して置いておる重要性というようなものを深く理解した上で、われわれも何らかの形の協力体制といいますかね、それはやっぱり示すべきじゃないかと思いますが、まだ向こうの方策の内容がはっきりしておりませんので、具体的にどうこうということをいま申し上げる段階ではないのじゃないか、こういうふうに思っております。
○衛藤征士郎君 大熊参考人にお尋ねいたしますが、物品税法は御案内のとおり取引に際しての物品税額の区分決済と店頭における税額の区分表示を義務づけておるわけでございますが、しかし現在この規定は実行されていないわけでございます。 乗用車については、一部の販売業者から物品税の転嫁を容易にするために税額の区分表示をすべきであるとの意見が出されておるやに聞いておるわけでございます。区分表示は国民に対して物品税額を知らしめ、負担関係を明らかにするために好ましいことであると考えられるんですが、物品税の納税義務者として自動車メーカーはこの問題に対してどのようにお考えでありますか、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(大熊政崇君) この区分表示の問題は、実は業界内部——メーカー、販売会社含めまして業界の内部で現在慎重に検討をいたしておる最中でございます。御質問の中にも言外にいろいろお含みのあるようなことを言われたと思いますが、この問題非常に微妙な、影響するところがいろいろございまして、私どもといたしましては検討の結論が出たところで業界の意見をはっきりと申し上げたいということでございまして、きょうこの段階でどうするということはひとつ勘弁していただきたいと思います。
○衛藤征士郎君 電子機械工業会の進藤参考人にお尋ねいたしたいと思います。 今回の改正で新規に課税対象とされるビデオテープレコーダー、テレビカメラ、テレビチューナー等については、既存の物品税の課税物品とのバランスから見てその課税はごく当然といったように一般に受けとめられているわけですが、これらの物品が新規に開発された物品でありましてこれから一層の普及が進む物品であるだけに、一部に今後の需要に与える影響等について懸念する向きもあると聞いております。この点については、施行時期を本年十月からとするほか暫定軽減税率を設けまして、最初の一年間は五%、二年目は一〇%と、五%ずつ税率を上げていくこととする経過措置が設けられたことでありますが、業界としても十分対応が可能なのではないかと考える向きもあるんですが、御所見を承りたいと思います。
○参考人(進藤貞和君) 先ほど申し上げましたように、家電業界というのは非常に競争の激しいところでございます。そういうことで、なかなかこの物品税を消費者に転嫁するというのがむずかしいところでございまして、とはいえメーカーがそれを全部背負うということはできませんので、再三申し上げましたように、せめて普及率が一〇%になるまでお待ち願えませんかと。ということは、具体的に言いますと約一年間、五十七年の十月からやっていただけるなら何とかメーカーも努力して、五%でしたら、消費者に転嫁しないとは言えませんけれども、転嫁する率を非常に少なくして何とかメーカーの努力でやっていけないか。ということは、結局量がふえてまいりますので量産効果も出てまいるわけでございます。そういう意味で、消費者に転嫁しますとこれまた売れ行きが落ちましてますます悪くなるわけでございます。そういうことで、大変いろいろ御配慮いただいたことはありがたいとは思っておりますけれども、結論的には再三申し上げますように、もう一年待っていただきたいということでございます。
○衛藤征士郎君 御案内のとおり、わが国の税体系は直接税にその七〇%を依存しているわけですが、余り直接税に偏り過ぎることは、執行面も含めた負担の公平や今後社会保障の充実による安定的な租税収入の確保といった観点から問題があると思われるわけです。ところで、現行の個別消費税体系のもとで間接税のウエートを高めていくとすれば、これまでの例から見ましても、勢い自動車や家電製品を中心に税率の引き上げや課税対象の拡大が図られるといったことになりかねないわけであります。物品税は消費者に転嫁をすべき消費税とはいえ、その納税義務者である製造者にとっては、なぜわれわれだけが納税義務者として税を納めなければならないのかという点で割り切れないものがあると伺っております。 そこで、現在の物品税の納税義務者である家電メーカーの立場から見て、今後の間接税の課税のあり方についてどのようなお考えをお持ちでございますか、御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(進藤貞和君) 結局私どもが申し上げておりますのは、いろんな税を取るところで家電業界とか自動車業界に非常に偏っておるということを申し上げたいわけでございまして、税を払わぬとかそういうことでは決してございません。
○衛藤征士郎君 もう時間がないですから、これでやめておきましょう。
○塩出啓典君 参考人の皆さん、本当にきょうはいろいろ有益な御意見をお聞かせいただきまして、心から感謝をいたしております。 まず最初に、電子機械工業会の進藤会長にお尋ねをいたしますが、研究開発投資が必要であると。やはり日本も世界のフィリップスあるいはその他の会社を相手に闘っていくにはそれだけの研究開発投資をし、そういう中から新しい製品も生まれてくるんじゃないかと思うのでありますが、先ほど進藤会長は、そういう点から特にこのVTRについて、いよいよこれからの商品であると、ようやく長年苦労して開発をして、そしていまからというときに税金をかけられるので非常に困ると、そういう意味で一年延期をしてほしいという、この一年という意味はどういう意味なのか。一年あればいままでの研究開発投資を取り返せるとか、何かそういう特別な意味はあるわけでございますか。
○参考人(進藤貞和君) 一年たちますと普及率が一〇%になると。一〇%になりますと、カラーテレビのときもそうでございますが、急激に需要が伸びていくと。ということは、逆に言いますと、量がたくさんになりますので量産効果も出まして値段も安くなる、それで急激に伸びていくんじゃないかということを言っておるわけでございます。しかし伸びれば伸びるで、またこれは設備投資をやっていかにゃいかぬわけでございますので、これはまあイタチごっこみたいなことではございますが、その設備投資に使う金ぐらいは回収できていくんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 それから先ほど、現在の課税の方法いわゆる一定率方法が現状に合わないということを言われたわけですが、これは控除率が非常に少ないということなのか、それで、もし業界として現状に合うようにこう改めるべきであるという、そういう意見がおありであるのか。
○参考人(進藤貞和君) ちょっと先ほどの御質問にお答えしますと、VTRの研究開発と設備投資にこれまで約千五百億全体で使っております。 それからただいまの御質問でございますが、ただいまの一定率方式と申しますのは、表示をされました小売価格に対しまして一定の控除率を掛けて、それから税を引いたものが課税標準価格ということになっておるわけでございます。たとえて申し上げますと、一〇〇の小売価格に対して控除率が、カラーテレビで言いますといま三三%ばかり引かれておるわけでございます。そうすると残りの六七%に対しまして税が一五%かかりますから、それを引きまして、そしてその引いたのが課税標準価格になるわけでございますが、これは四十八年ごろつくられたものでございます。現在カラーテレビで申し上げますと、控除率を三八%ぐらいにしていただかぬとどうも勘定が合わぬということでそういうことを申し上げたわけでございます。そういうことで、この問題はできましたらひとつ問題として取り上げていただいて解決をしていただけば、われわれとしては大変ありがたいと思っております。
○塩出啓典君 先ほどカラーテレビの後はビデオであると。その後は大体どういう方向を目指されておるのか。それから特に、わが国の電子機械工業会としての国際競争力の面で今後どうお考えになっていらっしゃるのか、心配な点はどういう点があるのか、これをお伺いしておきます。
○参考人(進藤貞和君) ただいま申し上げましたのは、これからだんだんエレクトロニクスというのが非常に普及してまいると思います。御承知のとおりデパートへ行きましてもおもちゃ売り場へ行きますと、マイコンを使ったようなおもちゃがどんどん出ておる。いわゆる小学生でもそういうものを使うようなことになっていっておりますし、これからいわゆる家庭の電子化ということが相当進んでくるのじゃないかと思うわけでございます。そういうことも含めまして、やはり物品税というのは余り電子機械にかけていただくとこれから普及が落ちていくんじゃないか。これはよけいなことかもわかりませんけれども、そういうことを考えております。 それからいまの、将来どんなになっていくかあるいは日本として不安がないかということでございますけれども、民生用の電子機器につきましては少なくも世界じゅうでいま日本が第一等ではないかと思っております。いつもよく言われております日本には開発品がない、それでよそで開発したやつを持ってきてそれを改良してどんどんやっておると言われますけれども、このビデオテープレコーダーのごときものは日本で相当開発をやった品物でございます。ビデオディスクにつきましてはRCAとかそういうところが先にやっておるわけでございますけれども、日本でやはりやりますと、いわゆる作業者の質がいいということが非常に大きな利点ではないか。これは自動車についても同じことが言われておるのじゃないかと思いますけれども、われわれとしましても、私三菱電機でございますけれども、アメリカに工場をつくっておりますが、やはり日本の製品の方がどうしてもいいということを買う方は言うわけでございますけれども、それを何とかして日本でつくったものと同じ品質のものにしていきたいというふうな努力はしております。 お答えになったかどうかはわかりませんが、これで終わります。
○塩出啓典君 次に黒田参考人にお尋ねしますが、先ほど御意見の中でいわゆる納税事務がいままで課税されてないのに新しい製品に課税されるために、非常に中小企業が納税の事務が加わるために混乱をすると、こういうようなお話があったと思うのでありますが、そういう点で私は納税事務がどうなっているのかよく知りませんが、納税事務の簡素化という面について何か具体的に御意見、御要望がおありでしたらお尋ねしたいと思います。
○参考人(黒田安定君) 納税事務の簡素化というのは、製品にやはり一定率の方式を適用していただきたいということでございます。その方が計算が楽で、非常に価格がいろいろあるものですから、小売値を個々に決めていって一定率の控除をしていただいて納税するようにしたいと、そういうことでございます。
○塩出啓典君 それから先ほどのお話では、五十五年度は五十四年度に比べて少しいわゆる空調関係は停滞であると、昨年は御存じのように冷夏という影響もあったと思うんでありますが、そういう点今後の業界としての見通しというものにはどういうお考えであるのか、これをお伺いしたいと思います。
○参考人(黒田安定君) 冷凍空調は一応業界でも不況業種に指定されているようなわけで、昨年の冷夏から非常に景気は悪いのでございますけれども、国内においては将来とも一〇%ぐらいの伸びを期待しておりますし、それからこの分野においてはいままで海外へ余り出ておらなかったのでございます。それはアメリカにはアメリカのいろいろ規格がありまして、それに合わしていくとかいろいろな問題があって出てなかったのですが、これからはやはり相当の輸出をやって、国内の需要というものがそう伸びを期待できませんから輸出に期待をかけるような考えております。
○塩出啓典君 現在は海外への進出状況はどの程度でございますか、数字的に申しますと。
○参考人(黒田安定君) いま海外へ出していますのは七九年度で七百十五億円しかないわけでございます。一兆三千億ですから相当少ないわけです。
○塩出啓典君 先ほど黒田さんは特にチリングユニット、ファンコイルユニット等についてこれは非常に設備性の高い機器であると、要は最終製品ではなしにこれはあくまでもある一つの建物をつくる原材料、部品であると。だからそれに課税をするのは非常に筋が合わないという、こういう御意見だったように理解をしたわけですが、これは結局最終商品として使われることは余りないわけなんですね。そのあたりのところをもうちょっと御説明いただきたいと思うんですが。
○参考人(黒田安定君) そのチルとかユニットはこれは本当に装置の一部として使われて冷暖房の端末機器なんです。ですから装置全体の課税じゃないものですから、一つの物品というのはおかしいのじゃないかという考えがあるわけなんです。部品だという考えになるわけなんです。
○塩出啓典君 恐らく大蔵省も財政再建のために物品税の何に課税をするかということをいろいろ検討してきたと思うんですが、黒田さんの業界ではやっぱりこのあたりに課税されるということは予想もしてなかったのか。ほかにこういうところに来るのじゃないかと予想しておったけれども来ずにこっちに来たということなのか、その点はどうでしょうか。
○参考人(黒田安定君) 予想していたかしてないか、ちょっとあれなんですけれども、装置の中の一つの部品であるということなんですけれども、これが現在課税されているルームクーラーなんかにしますと、公平の面からいくとここも課税しないと、こういうものも勝手に使われるという問題もあるものですから仕方がなかったんじゃないかなという感じがしているんでございますけれども……。
○塩出啓典君 次に、大熊さんにお尋ねしたいと思います。 物品税の税収だけを見ましても、一兆一千百十八億円のうち四割近くは自動車及び関連製品に占められております。油とかその他の税収あるいは高速道路の料金加えますと、一年間に五兆円の税負担をしておる。確かに九種類の税金が車にかかっておるそうでありますが、いつも自動車が非常にねらわれる、そういうことは私も本当にそのとおりだと思うんですね。自動車業界がその関連企業を含めて——これは自動車業界だけではない、きょうお集まりいただいた三参考人の業界は厳しい合理化努力をして、そうして国際競争力のあるそういう分野を築いてきたと。そうすると、そういうところが結局税金がかけられると。これでは結局一生懸命努力をしても努力のしがいかないではないかという、そういうお気持ちもあるんではないかなとそのように思うんですけれども、そういう気持ちはないのかどうか、率直にどうでしょうか。
○参考人(大熊政崇君) たとえばアメリカを見まするというと、一ころまではエクサイスタックスと申しましてちょうど消費税、日本の物品税みたいなものなんですけれども、エクサイスタックスが自動車には七%かかっておりました、それが大分前でございますけれども、自動車工業の重要性というようなこと、それから需要が当時かなり低迷しておりまして生産も減っておった時期であったんでございますが、思い切ってこの七%のエクサイズタックスを廃止をいたしました。そうして自動車需要の喚起を図ったというようなことが米国でございました。 まあ私ども率直に申し上げまして、日本の自動車工業の日本経済の中に占める位置、それから貿易構造の中に占める位置、先ほど申しましたように全製造工業の中で一〇%の生産を占めておる、それから輸出の中では二割強のウエートを占めておると、こういう重要な産業でありますので、これを御認識の上——確かに自動車というものからいろいろ現象的に社会的に見てまずいこともいろいろあるわけでございましょうけれども、しかし自動車工業という産業そのものが非常に関連産業の多い、雇用力の多い、たしかあらゆるものを入れますと十人に一人が自動車に関連したお仕事をしていらっしゃると、こういうようなことでございますので、何かこの自動車工業も今後ますます国際競争も激しくなっていく。よく言われておりますように、本格的な小型車戦争というのはこれから始まるんだということでありますし、なかんずく御案内のように、ゼネラルモーターズが膨大な資金の投資を設備にいたしまして、たしか四百億ドルとかなんとか言っておりますが、小型車に転換しようとしておると。しかも一つのモデルについて大体年間で百万台ぐらいのレベルで生産、販売をしていこうと、そのためには世界にばらまかれておるゼネラルモーターズの生産施設を有効に使いまして、ユニットなどは集中生産をして、それをお互いに交換をして、そして車体の組み立ては大量需要のあるそれぞれの国で組み立てると、こういういわゆるワールドカー構想ということで、非常に大きな大量生産の体制を整えようとしております。技術的な潜在力も大変なものでございますので、実は現在、日本の自動車会社を含めまして世界の自動車会社がいかにしてこの小型車戦争の中で生き残っていくか、GMに対抗して生き残っていくかということでいろいろなことを模索している最中でございまして、その一つのあらわれが国境を越えた自動車企業同士の業務提携、開発の提携とかあるいは生産の提携とか、こういうことにもなっておりますし、それから日本市場のいわゆる自動車の普及率から判断して今後大きな需要の伸びは期待できない。まあ自動車工業は一種の装置産業的なところもございまして、やはりどうしても生産規模の拡大を少しずつやっていかないと、賃金のアップ、経費のアップ等を吸収して適正な利潤を上げられない、こういう性質を持っておりますので、やはり日本だけの市場に跼蹐するのじゃなくて、世界にやはり生産ということで進出しなきゃならないと、こういったような動きになっておりまして、まあいわば日本の自動車工業は戦後最大の転換期と申しますか困難な時期に当面しているというふうに言えるのじゃないかと思います。 したがいまして、自動車工業に対して深い御理解のもとに適切な支援政策と申しますか、そういうものをやっていただきますと大変ありがたいわけでございます。別に、何と申しますか甘えるわけではございませんですけれども、日本の自動車工業の国民経済に占める地位、貿易に対して占める地位、今後の経済において占める役割りというようなことを御明察いただきまして適切な政策をとっていただきたいものだと、まあ率直にそういうふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 わが国の自動車業界が国際競争にも打ちかって、昨年は世界一の生産台数、そのことがアメリカ、欧州でも経済摩擦の因にもなっておるわけでありますが、わが国がなぜこのように国際競争力が強いか、これはいろいろ下請関連企業の技術の高さ、あるいは組織された労働者のレベルの高さ、あるいはまた品質管理、まあそういうことがいろいろ言われておるわけですけれども、大熊さんは業界としてその競争力はどこにあるのか、そして今後それを持続していく点において心配な点ほどこなのか、簡単で結構ですから、ちょっと時間もございませんので要点だけを……。
○参考人(大熊政崇君) 一口に申しまして日本の自動車の現在の競争力は、一つは、やはり品質ですね、品質のよさ、それから何と申しますか燃料経済のよさ、そういうことが競争力の基本になっておると思うのでございますが、どうしてこういうふうになったかといいますと、一つにはやはり日本国内における激甚な競争、この競争がお互いの切磋琢磨でよりよい物をより安く製造するということでこういうふうになってきたと思います。それに加えまして最近この二、三年では、エネルギー事情から先ほど申し上げたようにアメリカを中心にして世界の自動車需要が小型経済車に移った。それに対してアメリカのデトロイトメーカーの小型車の供給力が不足しておった。そこに大きな需給のギャップがあったわけでございますが、この需給のギャップを日本車がちょうど適切な車を供給できるということで埋めることができた、こういうことが加わって非常に日本の自動車の競争力が強いというふうに見えているわけでございます。 しかしながら、私どもは将来を見ました場合に決して楽観をいたしておりません。先ほども申し上げましたように、GMその他デトロイトのメーカーは膨大な設備投資をして小型経済車に転換をいたしております。その持っておる技術的な潜在力、資金的な潜在力、人的な潜在力、経営的な潜在力、すべて総合いたしまして非常に強大なものを持っております。したがっていずれはデトロイトのメーカーも、技術的にあるいはコスト的にもあるいは品質的にもわれわれの自動車に急速にアプローチしてくるのではないか。その上に資金力に物を言わせて先ほど申し上げたようなグローバルカー、ワールドカーという構想で大量生産によるメリットを上げようとしておる、こういうことでありますので、われわれ日本の自動車工業といたしましてはやはり自動車の開発におくれをとっては絶対いけない、エネルギー時代にふさわしい燃料経済のいい世界に受け入れられるような自動車の開発を適時やっていかなけりゃいけないということがまず第一。 それからもう一つは、先ほど申し上げましたように品質でいわば売っておるわけでございますから、この日本の自動車の品質の確保、さらにこれを向上するということには従来以上に力を入れていかなけりゃならないと、こういうふうに考えております。米国、ヨーロッパ等に工場進出をする場合、先ほど進藤さんからもお話がございましたけれども、いかにして外国の生産で日本における生産と同じような品質を確保できるかということが非常に大きな問題でございまして、これについては設備の面あるいは労務の管理の面でいろいろ今後工夫をしていかなけりゃならない、こういうふうに思っております。 それから、やはりいままでのように、一ころのように売れるものはどんどん売っていいじゃないかという考えでなしに、やはり自動車工業というものは、どの自動車生産国にとりましても非常に重要な戦略産業でございますので、これをつぶすわけにはいかないと思うのでございます。したがいまして、やはり世界の自動車会社士共存共栄といいますか、共存を図っていくというようなことがどうしても必要なんじゃないか。そういう面から、国境を越えたいろいろな提携ということに対してもわれわれかなり積極的に動いているわけでございます。 まだいろいろ申し上げたいことはありますけれども、時間のあれもありますので、この辺で終わらしていただきます。
○塩出啓典君 それから、わが国はいま自動車が三千八百万台、自家用乗用車だけでも二千三百万台、一・六世帯に一台、このように工業会の資料に書いてあったわけでありますが、一方省エネルギー、省石油、そういう点からまいりますと、ある程度大量交通機関を整備をして、余り車がふえることは好ましくない、こういうような意見もあるわけであります。そういう点から考えて今後の自動車業界の産業の伸びと申しますか、国内におけるそういう伸びというものはどういう方向であるのか。二、三%ぐらいの伸びであると考えている人もいるというようなこともちょっと聞いておるわけですが、その点はどうなんでしょうか、
○参考人(大熊政崇君) 日本だけでなくて、世界における自動車の需要の伸びというものが一ころに比べて非常に鈍化していくものと思っております。それで世界市場を分けて、仮に先進国と発展途上国というふうに分けてみまするというと、私ども先進国につきましてはむしろもう今後は、年率にいたしまして二%前後ぐらいの非常に低い成長しかできないんじゃないか、日本も同じようなことじゃないかと推測いたしております。それから発展途上国の方はもう少し伸びると思いますけれども、それにいたしましても従来のような大きな伸びはできない、こういうふうに考えております。 したがいまして、日本の自動車工業といたしましては、日本の国内市場でどんどんと販売を伸ばしていくということは今後は余り期待ができない。しかし一方、自動車工業の性質からいって、やはりだんだんと生産規模、販売の規模を大きくしていきませんと競争の中で取り残されてしまう、こういうことでございますので、慎重な検討をした上でなければまいりませんけれども、先進国市場に対する工場進出とか、あるいは発展途上国の中ではそれぞれの産業政策から国産化をしろというような政策のところも非常に多いわけでございますから、こういうところに政策にマッチした考えで進出をするとか、そういうようなことを今後やっていかなきゃならない、こういうふうに思っております。日本の自動車の普及率というのは、いま先生がおっしゃいましたように相当高い普及率になっておりますけれども、今後もうだんだんと代替需要が中心の需要構造というふうになっていくんじゃないか、そういうふうに思っております。
○近藤忠孝君 三人の参考人の方にお答えいただきたいんですが、まず物品税の課税標準のとり方が現行はどういうやり方になっているか。で、どういう問題点があるか。と申しますのは、現行の法律ですと「通常の卸取引数量により、かつ、通常の御取引形態により、」こうなっておるんですが、この点について現状はどうやっているか。そして問題点があるかどうか、いかがでしょうか。
○参考人(黒田安定君) いま私どもの方の製品にかかる物品税は、小売価格を決めまして、それから一定率を控除して、それにいまの税率を掛けている。もちろん控除する一定率の率の問題については、もう何年もたっていますからいままでのものを変えていただきたいけれども、今度のやつもそれを十分考慮して控除していただいて、率を掛けていただいて別に差し支えないのではないか。その方が中小企業なんかにとってはやりいいわけであります。
○近藤忠孝君 私の質問の趣旨は、小売価格がそれぞれの相手あるいはそのときによって変動しますね、違いますね。そうすると、その場合どうなのかということと、そういうことも含めて問題がないのか、そういう点なんです。
○参考人(黒田安定君) 小売価格は、税率を掛けるときに決めているわけです、これは二十万なら二十万と。それが高く売れようと安く売れようと税率を決めているわけです。
○参考人(進藤貞和君) 現在やっておりますのは、製造原価に一般管理費とかそういうものを積み上げまして、それを基準にして課税をやっておるということで、非常に手間がかかるわけでございます。ちょっと先ほども申し上げましたけれども、前にやっておりましたのは、一定率でいわゆる表示された小売価格に対して幾ら控除するかということをやって、それを引きましてその残ったものからまた税金を引いて、引いたものが課税標準額になるということでございまして、一定率のやり方の方がやりやすいと思いますけれども、現在やっておりますのは控除率が古くなっておりますので、最近小売マージンとか卸売のマージンをだんだんふやしてくれということになっておりますので、その控除率をもうちょっと上げていただいて、一定率方式でやればお互いに便利じゃないかということを申し上げたわけでございます。
○参考人(大熊政崇君) 自動車の場合に計算方式が二つあると思います。一つは蔵出し価格に対して税率をかける。もう一つは末端の価格から一定率を引いたものを理論的な蔵出し価格ということにして、それに税率を掛ける。そういう二つの方式がありまして、会社によってどっちかをとっているんだろうと思いますけれども、私いまのところ課税の方式で別に問題があるというふうには聞いてはおりません。なお勉強さしていただきます。
○近藤忠孝君 次に、進藤参考人に。 課税対象物品のうち、免税点が置かれている物がありますね。それが大体、免税点以上の物とそれから免税点以下の物と、その販売数量それから販売価格の比率、との辺どうなっているか。いろいろ物品はたくさんありますけれども、たとえば幾つかの例を引いて御説明いただければよろしいと思うんですが。
○参考人(進藤貞和君) ちょっといま資料がございませんので、後で御提出したいと思います。
○近藤忠孝君 それから、先ほど増税分を小売価格に転嫁する問題について、皆転嫁せざるを得ないというお話だったんですが、いままでの研究開発費、それをいま取り返すんだというようなことなのだと思うんですが、むしろ私の考えでは、いままで研究開発費をつぎ込んで一応成果も上がっておる。となれば、いま全体としては、いままでの成果によって企業努力がむしろ可能なのではないか、こう思うんですが、それぞれの業界についてお答えいただきたいと思うんです。
○参考人(黒田安定君) いまのお話のように、われわれも転嫁しないでできるだけ企業努力で回収するように努力をするんですけれども、なかなかそう思うようにいかないということでございます。
○参考人(大熊政崇君) 前にもお答えしたのと同じでございますけれども、日本の自動車会社の生産、国内及び輸出を含めまして非常に成長が鈍化しております。そういうようなことで、賃金のアップとかあるいはインフレーションの進展に伴う経費の増高とか、そういったようなものを生産性の向上というような合理化努力で吸収するというのに大変手いっぱいでございまして、今度のように二・五%と申しましても、ベースの金額が八十万とか百万とか、あるいはそれ以上ということになりますと相当な金額になりますので、なかなかメーカーサイドでも吸収することは困難である。それから今度販売会社の方は、非常な競争状態からおしなべて日本の自動車の販売会社の業績というのは余りよくないわけでございまして、そういう意味で、販売会社のサイドでもこれを吸収していくということはなかなか困難じゃないか。そこでまあ消費税の性格を持っている税でございますので、理屈から言っても消費者に転嫁してしかるべきものじゃないかというふうに考えます。転嫁してしかるべきだと思いますけれども、この問題は先ほど申しましたように、それぞれの自動車メーカー、それぞれのメーカー系列の販売会社がこの問題をどういうふうに考えるかということでございます。会社によって違う考え方をとるところもあろうかと思いますが、この際、各会社を代表しておる立場でもございませんので明確なことを申し上げることはできないと思います。
○参考人(進藤貞和君) ただいまの御質問でございますが、いわゆる現在の品物で今後ともやっていくということになりましたら確かにいままでの研究開発あるいは設備によってやっていけるわけでございますので、全部が全部企業努力で回収はできぬにしましても、そう転嫁せずにいけると思いますけれども、ビデオテープレコーダーの例をとって申し上げますと、たとえば録画時間当たりのテープの消費量をどうやって減らしていくか、いわゆる記録密度をどれぐらい上げていくか、あるいはまた、最近よく言われております小型軽量化、そういったものの研究、あるいは大規模の集積回路、超LSIといったようなものの研究、そういうものを使うことによってまた製品の性能も上がるしコストも安くなっていくということもございますので、そういう点の研究あるいはビデオカメラの改良研究とか、そういったような今後改良研究していくところが非常にたくさんあるわけでございます。そういう資金にもとっておかなければならぬということになるわけでございます。 〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕
○近藤忠孝君 最後に、今回の増税物品のうち特に転嫁しやすいものはどれか、また逆に転嫁しにくいものはどれかという点、これは進藤、黒田両参考人にお聞きしたいと思うんです。 理論的には、必需品ほど需要の価格弾力性が低いので小売り価格に転嫁しやすいと思うんですが、この点も含めていかがでしょう。
○参考人(進藤貞和君) 物によっていろいろ違うと思いますけれども、やはり転嫁せずにやっていく努力をわれわれメーカーとしてはやっていきたいわけでございますけれども、なかなかそういかぬのじゃないかというふうに考えております。
○参考人(黒田安定君) やはり私どもの方も同じように、これは転嫁しいいとか、これは転嫁しにくいということは言えないと思います。どれも転嫁せざるを得ないのじゃないかという感じであります。
○三治重信君 もう大分時間がたちまして、皆さん御苦労さまでございます。 大熊参考人にお尋ねしますが、今度、物品税で新しく範囲を広げた以外で税率を上げているのは自動車だけなんです。自動車、乗用兼用貨物自動車や軽乗用兼用貨物自動車、こういういままでかかっていないものに新しくかけて範囲を拡大しておる。そのほか電気製品とかなんか拡大しているけれども、税率をアップしているのは自動車だけなんです。そうでなくても、自動車は世界一税をかけているかけていると言って、ことに労働組合の方が、非常に自分たちが一生懸命やればやるだけ、本当に市民に役立つならいいんだけれども、税金ばっかり取られて合理化をやっても成果が国民に反映しない、こういうふうにして非常に憤慨しているわけなんです。この中で、ことに今度の二・五%上げた中に、せっかく租税特別措置で対米の関係で四十八年に経済摩擦を避けるために三〇%から一〇%、これは物品税でやるやつではなくて租税特別措置でわざわざ下げたやつを、それをまた二・五%を、日米自動車の関係があるというのにこういう特別措置法のやつまで動かしているというのは私非常におかしいと思うわけなんですが、もしもしかし、これは大蔵省側の言い方をすると、皆さん方は、日本の国内で消費するやつを二・五%上げたからそれはそうだけれども均衡上上げざるを得ない、こう言うのだろうと思うんですが、率直な気持ち、こういうようなのにまで二・五%をやるというのは私はこの際非常に悪いのじゃないかと思うのですが、その点について御意見を伺いたいと思うわけなんです。 それから黒田参考人さんの方に。私は冷暖房機の、物品として窓へかけたり別にいわゆる電機屋さんから買うというののやつならばまだ非常にわかりやすいと思うのですけれども、説明を聞くと、業界の御理解で、同じ冷暖房の末端機でもホテルの各部屋につく末端機は税金がかからないんだ、各個人のうちに建てた集中冷暖房ですね、セントラルヒーティングのやつはかかるんだと、こういうふうな説明なんですよね。 〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕 同じような製品が、ホテルの各客室のものと個人の集中セントラルヒーティング、セントラル冷暖房の末端につくやっと区別がつくのですか。その点、業界の方で相当大蔵省の方と研究されているか。大蔵省の説明では大体それは区別がつくのだというようなお話があったわけなんですけれども、さらに今後、審議ですからまたこの質問、大蔵省、役所の関係等のやつはその点の質疑をやっていきますけれども、もしもそういうぐあいになるとすると、結局、せっかくセントラルヒーティングの関係で建築関係で日本の住関係を近代化しようというのに、こういうようなセントラルヒーティングの機器のやつは非常に需要が減るのじゃないかというふうな関係に思われて、また業界として少し、どういうふうな製品の影響が出てくるかと思われるわけなんですが、その方向をひとつお尋ねしたいと思います。 それから進藤さんの方には、先ほどから課税の方式について一定率方式がいいと、こうおっしゃったんですが、おたくの方のはもう前からかかっているわけですね。新しく今度は全部かからせる。そうすると今度はそういうような希望について、いままでかかっているやつはやむを得ないが、新規のやつについてはわれわれの希望するやつでかけてもらいたいということでいくのか、いや全部変えるのだと、全部変えて、いずれにしてもいままでの何というのですか物品税をかけていた方式は変えると。と言ってもなかなかむずかしいだろう。しかし今度新しくビデオテープとかなんかいろいろ新規にやるのだと。せめてそれだけは新しく同じ一定率でもひとつやり方を変えてほしいというふうな意向なのか。これはどういうふうにお考えになっているか。やはりそういうことは、物品ごとにそういう一定率方式あるいは庫出税のやつでも製造原価にプラスしてやっていく、二重で両方別々でもいいのだというふうなのか、大蔵省はどういうふうな態度をとるであろうか、大蔵省の態度のとり方を皆さん方がどういうふうにお考えになっているかお伺いしたいと思います。
○参考人(大熊政崇君) 自動車、乗用車の物品税の増税の問題でございますが、私ども今回の物品税の調整につきましては、いろいろな商品の中で物品税をかけられているものとかけられていないものがあると。かけられていないものの中には、かけられている商品との兼ね合いからいってかけてしかるべきものがあるのじゃないかということで、そういうものを拾い出して課税対象を拡大するというのが趣旨だというふうに当初伺っておったわけでございますが、自動車の場合には、ライトバンに対する課税対象の拡大のほかに乗用車の物品税を増税するという線が出てまいりまして、実は先生おっしゃるようにわれわれ非常に心外に思ったわけでございます。ライトバンに対する課税の対象の拡大は、今回の政府の趣旨から言い、またライトバンの使われ方とかあるいはライトバンの車の性質とかから見まして、税率がリーズナブルなものであれば、対象とされるということについてはやむを得ないというふうに感じておりますけれども、乗用車に対する増税は、先ほどからお話しいたしておりますように、国内のマーケットが非常に冷え込んでおる、そこで減少をしているわけなんですが、この減少分を海外市場でカバーしようと思っても海外は貿易摩擦その他で、あるいは景気の悪さなどで輸出を伸ばせるような状況ではない。したがって消費に水をかけられるような物品税の増税というのはもう何とかしてやめてほしい。 それからもう一つは、先生からもお話がございましたように、日米の間の通商問題として前々から物品税というものは一種の非関税障壁であるということをアメリカは言っておりまして、これを廃止すべきであると。向こうは先ほど申しましたエクサイズタックスはないわけでございますから、ゼロにしろとは言いませんけれどももっと軽減しろということをかねがね言っておったわけでございまして、もちろん日本政府から見まするというと、とにかく外国車と国内でつくった車との間に何らの差別待遇をしていないのだ、したがってこれは不当なものでも何でもないということは理屈としてはまことにそのとおりだと思うのでございますけれども、通商問題というのはえてしてかなり政治的なあるいは場合によると感情的なふうになることもよくあるわけでございまして、まさしく乗用車の物品税の増税は、現に前のUSTRのホーマッツ次席がはっきりと日本政府に対して不満の意を申し入れてきておりますように、米国側としては納得できないと。いままでのいろいな努力を無にするようなことじゃないかと。それから私せっかく、先生も御指摘になりましたように、輸入自動車に対する関税をもうずいぶん前からゼロにいたした。それから、今回の国会で御審議して通りますと、自動車の部品に対する関税もゼロになるわけで、これは米国に対して非常に日本政府としていわば貸しをつくったことになると思うのでございますが、その貸しを何か自分でまた少し傷をつけるようなことでもあると思いますので、国内の需要動向の面、それから主として日米間の通商問題の点から言って、大した増税でもないのであればなおさらのこと、なしにしてくれたらありがたいんだがなという気持ちを率直のところ持っております。
○参考人(黒田安定君) ただいまの御質問でございますが、家庭用のルームクーラーには前からかかっていて、事務所あるいはホテルその他のものにかかってなかったという問題なんですが、今度ファンコイルユニットにかけることになりましたものですから、ホテルとかああいうところも大体がかるようになるわけです。そのほかに、たとえば天井から吹き出すようなやつ、これがかからないわけでございますね。これはこれから工事の関係でだんだんファンコイルユニットを使うようなものに、どんどんどんどん新しいものはみんなそうなってしまうんです。大きなクーラーをつくるよりも小さな、冷たい水だけを送ってくればいいもの、水だけを送ればいいものですから、それで今度はこういうことになったんだろうと思います。
○参考人(進藤貞和君) 一定率方式というやり方としましてはこれで結構と思っております。それで今後のものもそういうふうにやっていただきたいと思いますけれども、現行の物品について一定率方式でやっている計算の仕方がちょっと不十分、不満であるということから、いわゆる積み上げ方式によっていろんなことをやって非常に手間をかけておるわけでございますので、考えとしては一定率方式でぜひやってもらいたいということでございます。
○委員長(中村太郎君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、長時間にわたりまして御出席をいただき貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。重ねて厚く御礼申し上げます。どうぞ御退席ください。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十三分散会 —————・—————