大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/02/12
会議録
○委員長(中村太郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二月二十三日、竹田四郎君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が、また、二月十日、玉置和郎君、塚田十一郎君、藤田正明君及び野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君、高木正明君、江島淳君及び板垣正君が選任されました。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、渡辺大蔵大臣から所信を聴取いたします。大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今後における財政金融政策につきましては、先般の財政演説において申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。 先進諸国はいずれも第二次石油危機への対応の過程で、物価の高騰、景気の落ち込み、国際収支の赤字といった三重の困難な状態に直面いたしました。ましてエネルギー資源に乏しいわが国の経済にとって、石油価格の上昇が大きな障害となったことは言うまでもありません。このような厳しい環境の中にもかかわらず、わが国が、企業、労働組合、家計等の堅実な対応により、諸外国と比べてこれらの困難を最小限度に食いとめ、乗り切りつつあることは喜ばしいことであります。 まず、物価については、卸売物価はすでに鎮静化しており、消費者物価も落ちつきの傾向が定着しつつあります。 景気につきましては、個人消費の伸び悩み等から経済の拡大テンポは緩やかなものとなっていますが、今後、物価の安定とともに個人消費の回復が期待され、次第に明るさが増していくものと考えます。 国際収支につきましては、経常収支はなお赤字基調にありますが、貿易収支の好転を反映して着実に改善を示しつつあります。これに加えて資本収支も海外からの対日証券投資を中心に流入超過の傾向が続いております。 このような経済情勢のもとで、経済運営の基本的態度として求められるものは、何よりもまず物価の安定を図りつつ、景気の回復を着実なものとし、民間設備投資や個人消費支出などの民間需要を中心とした息の長い成長を持続せしめることであります。今後とも物価に悪い影響の出ない範囲内で景気に配慮し、機動的弾力的な政策運営を行っていくことが肝要だと考えます、 また、国際収支につきましては、今後とも国際的に調和のとれた形でその改善を図るべく着実な努力を積み重ねてまいる所存であります。 為替相場につきましては、昨年後半以降、円高方向に推移してきております。これは基本的には、わが国経済の実力が評価されていることのあらわれであると考えます。為替相場の動向は、ひとりわが国経済の諸情勢のみならず、海外の要因にも大きく左右されますので、関係諸国とも密接な協調を保ちながら、円相場の安定に努めていきたいと考えております。 今後のわが国を取り巻く国際経済情勢につきましては、世界経済は多くの先進諸国でことし後半から景気の立ち直りが予想されるなど、総じて見れば次第に明るさが増すものと期待されますが、また同時に、流動的な国際石油情勢、海外金利動向、非産油開発途上国の債務累積等懸念すべき要因も少なくはありません。 わが国は、世界経済に大きな影響を及ぼす立場にある国の一つとして、世界経済の調和ある発展に貢献していかなければなりません。保護貿易主義の台頭の回避、南北間の対話と協力の促進等は、世界経済の持続的発展を実現する上で基本的な課題であり、こうした課題に対して地道に取り組んでいく必要があります、 開発途上国の経済発展のための努力を支援することは、これらの国々の国民生活の向上のためのみならず、世界経済全体の均衡のとれた成長を確保するためにも重要であります。こうした観点から引き続き経済協力の着実な拡充を図るとともに、効率的な実施に努めてまいる考えであります。また、関税政策の面におきましても、本年度末に適用期限が到来する特恵関税制度について、その期限をさらに十年延長する等の措置を講ずることとしております。 さて、次に緊急かつ最大の課題である財政再建について申し述べます、 顧みれば、第一次石油危機後の停滞する経済の中で、わが国財政は、景気の回復と国民生活の安定を図るため、あえて大量の公債の発行により主導的な役割りを果たし、わが国経済を高度成長から安定成長へ円滑に移行させる上で、大きな成果を上げてまいりました。 しかしながら、その反面、国の財政収支は巨額の赤字に陥り、いまだに特例公債を含む大量の公債に依存せざるを得ない状況が続いております。 いまや、財政は社会経済情勢の変化に対応した新たな施策を講ずる力を失い、また、公債残高の累増は、経済、金融政策の円滑な運営に大きな影響を及ぼすに至りました。 一方、遠からず高齢化社会の到来が予見されており、また、流動的な社会経済情勢の変化に即応するため、財政の果たすべき役割りが一層重要度を加えていくものと考えます。したがって、そのときどきの要請にこたえて、国民が豊かで平和な日々を送ることができるように、一刻も早く公債依存体質から脱却して財政の対応力を回復しておくことがぜひとも必要であります。 このような考えに立ち、昭和五十六年度予算の編成に当たりましては公債発行額を、前年度当初予算よりもさらに二兆円減額することを基本方針とし、歳出面において思い切った節減合理化を行うとともに、歳入面においても徹底した見直しを行いました。 その結果、昭和五十六年度予算は、財政再建元年予算と言えるものになったと考えます。 しかし、すでに六年間続いてきた公債依存体質は、単年度で治癒し得るものではありません。財政再建を引き続き前進させていくためには、歳入歳出両面を通じて、施策の水準がいかにあるべきか、費用の負担はいかにあるべきかを、その相互の関連性を十分念頭に置きつつ、考えていく必要があります。 大蔵委員各位の御理解と御協力を切にお願いする次第であります。 次に、当面の財政金融政策について申し述べます。 まず、昭和五十六年度予算につきましては、すでに申し述べました考え方に立ち、経費の徹底した節減合理化に努め、特に国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出を極力圧縮することにより、全体としての規模を厳しく抑制し、一般会計予算の前年度当初予算に対する伸び率を一けたにとどめました。 このため、各省庁の経常事務費を初めとする一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費についても既存の制度、慣行にとらわれず根底から見直しを図りました。また、各種施策の優先順位を厳しく検討した上、限られた財源の重点的、効率的配分を行い、歳出内容の質的充実に努めたところであります。補助金については、昭和五十四年末に決定された整理合理化計画に基づく整理目標の達成に努めるとともに、積極的に減額、統合、終期の設定等を推進いたしました。 さらに、行政の整理簡素化を積極的に進め、その減量化を図る見地から事務・事業の整理、委譲を行うほか、昭和五十五年行政改革を引き続き着実に実施することといたしました。また、国家公務員の定員については、計画的な削減を着実に実施するとともに、増員を極力抑制し、国家公務員数の縮減を図ったところであります。 これらの結果、一般会計予算の規模は、前年度当初予算に比べて九・九%増の四十六兆七千八百八十一億円となっております。また、このうち一般歳出の規模は、前年度当初予算に対し四・三%塔の三十二兆五百四億円であります、一般会計予算の伸び率が一けたにとどまったのは昭和三十四年度以来二十二年ぶりであり、一般歳出の伸び率が五%以下にとどまったのは昭和三十一年度以来実に二十五年ぶりのことであります。 公債につきましては、さきに申し述べましたように、その発行予定額を前年度当初予算より二兆円減額することとし、十二兆二千七百億円といたしました、この結果、公債依存度は二六・二%となり、前年度当初予算の三三・五%より七二一ポイント低下しております。この二兆円の減額は、そのすべてを特例公債の減額によっておりますので、特例公債の発行予定額は五兆四千八百五十億円となり、建設公債の発行予定額は前年度当初予定額と同額の六兆七千八百五十億円となっております。 また、公債の円滑な消化に配意して、資金運用部資金による引き受けを前年度当初予定より一兆円増の三兆五千億円とし、国債引受団による引受予定額を前年度当初予定よりも二兆七千六百億円圧縮して七兆百億円にとどめております。 次に、税制面におきましては、現行税制の基本的枠組みの中で相当規模の増収措置を講ずることとし、法人税率の一律二%引き上げを初めとして、酒税、物品税、印紙税及び有価証券取引税の各税について、税率の引き上げ、課税対象の拡大等を行うこととしております。 所得税については、その負担水準の現状や財政の実情にかんがみ、一般的に負担を軽減することは見合わさざるを得なかったところでありますが、最近における社会情勢の変化に対応して、財源面の制約をも考慮しつつ、控除対象配偶者の適用要件を改正する等の税負担の調整を図ることとしました。 また、租税特別措置については、期限の到来するものを中心に洗い直しを図り、交際費課税を強化するとともに、エネルギー対策の促進に資するため所要の税制上の措置を講ずることとしております。 以上のほか、税務執行面における公平確保の見地から、脱税の場合の賦課権の除斥期間を延長する等の措置を講ずることといたしております。 また、財政投融資計画につきましては、限られた原資事情にかんがみ、対象機関の事業内容、融資対象等を見直して、規模の抑制を図るとともに、重点的、効率的な資金配分に努めたところであります。 この結果、昭和五十六年度の財政投融資計画の規模は、十九兆四千八百九十七億円となり、前年度当初計画に比べて七・二%の増加となっております。 金融面におきましては、さきに申し上げた経済運営の基本的態度のもとに、昨年十一月から十二月にかけて、預貯金金利を含む金利水準全般の引き下げを図るとともに、預金準備率の引き下げ等、金融の量的緩和にも配慮してまいりました。 今後の金融政策の運営に当たりましては、物価、景気、海外情勢等、経済の動向を総合的に判断して、機動的に対応してまいりたいと存じます。 金融政策の機動的運営にとって看過し得ない問題は、規模の大きくなった郵便貯金と累増する公債残高であります。 このほど、内閣に金融の分野における官業の在り方に関する懇談会が設けられ、いわゆる金利政策の一元化等の問題について早急に検討されることとなったのは、時宜を得たものと考えます。 公債残高は昭和五十六年度末には約八十二兆円に達し、また五十六年度に約八千九百五十億円予定されている借換債発行額も、年を追って急増が見込まれています。このような状況にかんがみ、今後とも公債発行額の減額に努めることはもとより、安定的な消化の促進、流通市場の整備等国債管理政策について、なお一層の配慮をしてまいる所存であります。 金融制度につきましては、経済社会情勢の変化に対応して、金融機関の健全経営を確保するとともに、国民経済的、社会的な要請に適切にこたえ得るようその整備改善を図りたいと考えております。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。 本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、ただいまのところ昭和五十玉年度補正予算に関連するもの一件、昭和五十六年度予算に関連するもの十四件、その他五件、合計二十件でありますが、このうち十九件につきましては、本委員会において御審議をお願いすることになると存します。それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第であります。
○委員長(中村太郎君) ただいまの大臣の所信に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(中村太郎君) 農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案及び昭和五十五年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を便宜一括して議題とし、順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 昭和五十五年度におきまして、全国的な異常低温等による水稲、大豆、温州ミカン等の被害が異常に発生したことに伴い、農業共済再保険特別会計の農業勘定及び果樹勘定の再保険金の支払いが著しく増大するため、これらの勘定の再保険金の支払い財源に不足が生ずる見込みであります。 この法律案は、これらの勘定の再保険金の支払い財源の不足に充てるため、昭和五十五年度において、一般会計から、農業共済再保険特別会計の農業勘定に千三百九十二億七千六百六十八万九千円、果樹勘定に四十七億二千三百三万五千円を限り、それぞれ繰り入れることができることとするとともに、同特別会計の農業勘定の積立金を同勘定の歳入に繰り入れることができることとしようとするものであります。 なお、これらの一般会計からの繰入金につきましては、後日、農業共済再保険特別会計の農業勘定または果樹勘定におきまして、決算上の剰余が生じ、この剰余から再保険金支払基金勘定へ繰り入れるべき金額を控除して、なお残余がある場合には、それぞれこれらの繰入金に相当する金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(中村太郎君) 次に、衆議院大蔵委員長代理理事小泉純一郎君。
○衆議院委員(小泉純一郎君) 昭和五十五年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。 この法律案は、二月十日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。 御承知のとおり、政府は、昭和五十五年度におきまして米の生産抑制の徹底と水田利用の再編成を図るため稲作の転換を行う者等に対し、奨励補助金を交付することといたしておりますが、本案は、この補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十五年度において約十二億円と見積もられるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(中村太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより両案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○穐山篤君 二つのこの法律案の中身に入る前に、豪雪の対策についてお伺いをしておきます。 伝え聞くところによりますと、きのう、おとついの日ですか、災害対策本部において豪雪対策を最終的に決めるというふうに仄聞をしておったわけですが、まだお決めになっていないんでしょうか。あるいはいつごろになるならばこの豪雪対策につきまして総合的な対応が決まるのか、冒頭その点をお伺いをしておきたいと思うのです。
○政府委員(矢崎市朗君) 農林水産関係の災害復旧につきましては、災害対策につきましては、現在実施できるものから逐次実施をいたしておるところでございます。政府全体の対策の取りまとめにつきましては、国土庁の方で災害対策本部をつくっておりまして、それに私ども農林水産省も参画をして、現在その詰めをいたしておるところでございます。
○穐山篤君 そこで、一つ注文をしておきたいと思うんですが、激甚災害法を適用する、あるいは天災融資法を発動するなどいろんな対策があるわけですれ。そのことは十分承知をします。ただ、現行法律の中で、どうしても手がつけづらい、あるいは手がつけられないと思われます問題が森林の問題ではないかというふうに思うわけです。これは御案内のとおり、森林につきましては、大規模の森林所有者もあればあるいは小規模もありまして、かなり格差があるわけですね。それから、今回の豪雪によります森林の災害というのは、木が縦に割れちまうというものが非常に多かったというふうに思うわけですね。そうしますと、これの処理といいますのは、勢い切り倒して搬出をする、それ以外にもう事の処理のしょうがないんじゃないかというふうに思うわけです。ところが、これに対応します各種保険制度につきましても、他の保険とは違いまして十分ではないわけですね。 そこで、これから十分に議論をされ、対策も立てると思われるんですが、この森林の豪雪対策については特段の配慮を払っていかなければ、他の救済措置と非常にアンバランスが生ずるのではないだろうか、こんなふうに考えますが、その点についてのお考えを若干お伺いをしておきたいと思うんです。
○政府委員(須藤徹男君) ただいま先生からお話しございましたように、今回の豪雪等によります森林関係の被害が相当大きいわけでございますが、特に北陸地方におきましては現在降雪中でございまして、まだまだ十分に把握されていないわけでございますが、このため当面の措置といたしまして、いまお話しございました森林国営保険及び森林災害共済に係ります保険金等の早期支払いの指導を行っております。また、被災造林地の整備等につきましては、農林漁業金融公庫資金及び林業改善資金の融通等の措置を講じているところでございます。また、天災融資法を発動する方針でございますけれども、それまでの間、被災林家の経営資金についてつなぎ融資を行うように指導しているところでございます。 今後ともこの豪雪等によります林業関係被害につきましては、その被害状況の早期かつ的確な把握に努めるとともに、激甚災害、復旧造林の指定などの措置を検討いたしまして、その対策に万全を期していきたいというふうに考えております。
○穐山篤君 その点は十分遺漏のないようにお願いをしたいと思います。 次に、農業共済再保険の問題ですが、昨年の冷夏、低温によります被害というのは非常に甚大であったというふうに思います、ここ数年例のなかったことだというふうに思うんです。そこで、今回直接関係のあります農業勘定あるいは果樹勘定におきましてどれだけの被害があったか、概況をお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 今回の冷害等による損害の概況でございますが、まず農業勘定につきまして申し上げますと、水稲につきましては、冷害それから十三号、十九号の台風がございましたし、これらによる風水害がございました。また、このような冷害等に伴いまして、いもち病の多発によりましてきわめて大きな被害が生じておる次第でございます。また、豆類を中心といたしました畑作物でございますが、これにつきましても水稲同様の災害によりまして、先生御指摘のようにきわめて大きな被害となったわけでございます。この結果、農業勘定関係全体で支払い共済金見込み額は約二千六百六十二億円、再保険金の支払い見込み額は二千七十五億円となっております。なお、これに伴います農業勘定繰入所要額は千三百九十三億円でございます。 次に、果樹勘定でございますが、五月下旬以降の長雨、低温、日照不足、台風等及びこれらに起因いたしますところの病害の発生がございまして、ブドウ、桃、ナシ、温州ミカン、クリ、カキ等に大きな被害が発生しております。この結果、果樹勘定で支払い共済金の見込み額は約百四十二億円でございまして、再保険の支払い見込み額は約八十五億円でございます。なお、これに伴う果樹勘定繰入所要額は四十七億円でございます。
○穐山篤君 去年の第九十一通常国会において農業災害補償法の一部改正が行われました。これは、五十一年以降いろいろな分野からいろいろな問題点が提起をされて、結局昨年は果樹共済と蚕繭共済それから家畜共済の改正が行われたわけです。部分的には必ずしもすべて要望が入れられたというものではないと思いますが、ただこれは、改正をいたしましても実際の施行日というのは、御案内のとおり蚕繭が去年の十二月一日から、果樹並びに家畜共済の施行が今年四月一日からになっているわけです、 果樹共済の場合、共済会員を可能な限りふやしていく、あるいは増加促進のためのいろいろなことが議論されているわけですが、ただ、農民の立場から言いますと、昨年の冷害と法律改正とどういうふうに結びついているのか、あるいは果樹農民の立場から言うと、改正によってどれだけ恩典が受けられるのか、そういう問題点が幾つか指摘をされているわけです。そこで、この冷害対策と昨年の農業災害補償法の一部改正とどういうふうに関連をしているのか、その点をお伺いします。
○政府委員(松浦昭君) 先般の第九十一国会におきまして、特に果樹共済を中心にいたしまして大きな法改正をお願いいたしこれを通過していただいたわけでございますが、この対策は今後の果樹共済の発展にとりまして非常に重要な役割りを果たすものと考えております。つまり、法改正の目的でございますところの加入率の増加、特に専業的な果樹農家に対しますところの加入率の増加は、どうしても果樹共済の円滑な運営を図りますために重要な点でございまして、これが実施に移りました場合には、恐らく法の改正によりますところのかなりの加入率の増加が期待できるというふうに私ども考えている次第でございます。ただ、なお、法の改正は、先ほど先生の御指摘もございましたように、約一年近い普及期間というものが必要でございますので実施に至らない状態でございますので、現在の冷害のための諸施策につきましては旧法の状態でもってやっている次第でございます。
○穐山篤君 昨年の改正を含めて、言ってみれば新種の共済というものが幾つか立てられましてかなりきめ細かい共済制度になっているわけです。そこで、災害を余り予定することはよくないと思いますが、今回のような異例な場合にはともかくとしましても、各共済の財政の基盤を十分に強化しなければならない。そういう意味でいきますと、果樹共済その他につきましては必ずしも安定的な財政基盤だと言うことはできないと思うわけです、これからそう大した災害がないというふうに見たいと思うわけですが、今日的な段階で、それぞれの共済の財政的な将来展望というものについてはどういうふうに推定をされておりますか、そこもお伺いします。
○政府委員(松浦昭君) 農作物の共済でございますが、この分野につきましては、今回繰り入れをお願いするような非常に大きな災害が発生をいたしまして、先ほど申しましたような金額の再保険特別会計への繰り入れをお願いいたしておるわけでございますが、農作物共済は、二十年間の長期にわたりまして危険を分散しそこで収支をバランスさせるということで考えられておりまして、それに基づく料率の設定も行われているわけでございます。過去の例を考えましても、その年あるいはその翌年にこれを収支償うようにいたしていくことはなかなかむずかしいわけでございますが、経験上も大体二、三年の間にまたこの再保険特別勘定の中で剰余が出ましてそれを一般会計へ戻していくという現状でございまして、さような面で長期的に見て農作物共済の収支というものは安定をしていくというふうに考えておる次第でございます。 これに対しまして果樹共済の方はやや問題がございまして、確かに果樹共済の試験実施さらに本格実施以降かなり連年異常な災害というものが起こったことは事実でございますが、しかしながら、やはりそこの中に制度の仕組みそのものに収支をなかなか均衡できない問題点があるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、特に専業的な果樹農家を多く入れることによりまして加入率をさらに一層上げる、現在は二六・七%程度でございますからこれを引き上げることによりまして危険を分散し安定的な経営に持っていきたいというふうに考えておるわけでございまして、さような角度から九十一通常国会におきましてこの改正をお願いいたし、今後安定的な収支のバランスが期待できるように考えておるわけでございます。 なお、そのほかの共済でございますが、家畜共済につきましては、やや黒字の状態が続いておりまして、これは比較的安定いたしていると思います。 それから園芸共済の方でございますが、これはまだただ一年の経過しかございませんので、さような意味におきましては、園芸施設共済につきましてはその収支が安定であるかどうかということはなお観察を必要とするというふうに考えておりますが、現在の状況は大体収支とんとんということでございます。
○穐山篤君 農業共済事業というのは最初から見ますと約三十年歴史を持っているわけです。戦後の直後でありましたから発足の当時というのはどうやって食糧を多く生産をするか、私どもも経験がありましたが、米をよこせというデモもあった直後であったのですけれども、それと同時に農家の経済というものも安定させようという意味でこれが政策的な保険として発足をしたわけですね。ところが御案内のとおり、後ほども指摘をしますけれども、最近、いろいろな言い方があるにいたしましても、農業は再編成の時代に入っているわけですね。そうしますと、農業共済事業というのは、歴史的な経過を十分に踏まえるにいたしましても、制度の問題についてこの辺で検討を加える必要があるのじゃないか、これはだれしも考えることですが、どういうふうな制度がいいかどうかということになると意見が分かれるところだというふうに思うのです。 そこで、いま私が指摘をしましたような点から言いまして、農林水産省としてはどういうふうにお考えを持っているのか、あるいは現にそういう点についての検討が始められているのか、その点をお伺いします。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、水田の利用再編の進展に伴いまして、やはり需要に見合った生産構造に日本の農業を持っていくということが現在の施策の上で非常に重要な点であるということはそのとおりでございます。もとより、水稲共済を中心にいたしました従来の共済制度というものも、これは今日なお重要な役割りを持っていると考えるわけでございますが、このような政策の転換、展開に備えまして、農業生産の再編成の方向に即した農業共済制度の運用というものを図っていくということは非常に重要な課題であるというふうに考えておるわけでございます。 このような見地から、転作の作物につきましての共済というものを拡充していくということが非常に重要であるわけでございますが、転作作物と申しますと、やはり麦であるとかあるいは果樹といったようなものがございますが、これは従来からすでに実施をいたしているわけでございます。ところが、非常に大きな問題は、やはり畑作物共済、このような面に拡充をしていくということが重要でございますので、昭和五十四年度から新たに大豆、てん菜等の畑作物を対象といたしましたいわゆる畑作物共済を実施しておりますし、また園芸施設共済を本格的に実施するというようなことでその内容の充実に努めているわけでございます、さらに、昭和五十六年度予算におきましては、ホップ等につきましても共済事業を実施するということで予算を御要求申し上げているところでございます。 また、需要の動向に即応いたしまして、農業生産の再編成を図るという上で農災制度を適切に運用していく必要があるわけでございますが、この農作物の需要動向に即しまして新たな作物をさらに追加していくということにつきましては、やはり対象作物の全国的な栽培状況であるとか、あるいはそれぞれの地域における農家経済上の重要度あるいは保険需要の有無等につきまして十分に考えなければなりませんし、また同時に保険設計の面におきましても、やはり被害率等の基礎資料を整備するとか、あるいは共済金額の決定方法をどのように持っていくかとかあるいは損害評価方法といったようなものを検討していく必要があるわけでございますが、これらにつきましても、いかなる作物についてどのように共済事業を拡大できるかということについて調査検討をいたしているところでございます。
○穐山篤君 調査研究の段階ですから詰めた話はむずかしいとは思いますけれども、農家の人の立場から言いますと、いろんなことが現に生じているわけですね。水田再編ということで水田をつぶす、それで特定作物なりあるいは永久作物なり一般作物なりいろんな努力をされているわけです。しかし、そこで問題が出てきますのは、私は二つあると思うんですね。その一つは、今回議題になっておりますように、自然災害によります危険性というものを常に農家は持っているわけです。そういうことがないことを祈りながらも、この危険性をどうやって回避をするか、あるいはカバーをしていくか、この分野からこの共済制度についての考え方をひとつ出さなければならぬというふうに思うわけですね。それから、いままで減反をずっとやってまいりましたけれども、私の見るところでは、農家個々によって違いますけれども、いままではわりあいに谷間であるとかあるいは利用価値の少ない水田であるとか、そういうものをいろんなものに転換をしてきたわけですね。さてこれから五十六年度の減反政策を見ますとかなり思い切った量になるわけです。そうなりますと、農家の立場の面から言いますと、非常にいい水田ですね、子飼いの水田を手放す、こういうことに必然的にならざるを得ないわけです。その場合に、特定作物でいくのかあるいは永久作物でいくのか一般的作物でいくのかなかなか知恵の要るところだと思うんです。それが価格の保障がいついかなるときにあってもあれば問題はないんですけれども、いまそういうふうなものが制度的に確立しているわけじゃない。そうなりますと、価格変動についての危険性というものを農家の人は考えるわけですね。 そこで、この二つの分野からこれからの共済の制度を何らかしっかりしたものをつくっていただいて、安心して農業ができる、安定的な農家になりたい。もしそれが展望ができなければ土地を手放すと、後継者もいないからもうやむを得ぬと、こういうふうになるおそれがあるわけですね。したがって、いま私が申し上げましたような再編成の分野あるいは経営の安定という面からの共済のあり方というものも相当科学的に研究をしなきゃならぬじゃないか。またそれがわれわれといいますかね、農政が返さなければならない農民へのサービスではないか。こういうふうに思うわけですけれども、その点についての深いお考え方がありましょうか。
○政府委員(松浦昭君) 水田再編に伴いまして米から他作物へということで、その再編対策を進めていかなければならない上における共済の役割り、これにつきましては先生御指摘のとおりであろうと私は思うわけでございます。 特に二つの面で重要な点がございますが、一つは対象作物をどこまで広げていくかということでございます。いま一つは被害そのものをどこまでカバーしていくかということであろうというふうに考えております。後者の被害につきましては、従来までのいろいろな制度におきましてかなりの程度被害はオールリスクの形でカバーをしておりますので、なお若干の今後検討すべき点があると思いますが、むしろやはり対象作物をどこまで取り入れられるかということが非常に重要かというふうに思います。そしてその場合におきまして、水田を手放していく農家が他作物に転用いたします場合に、これを特定作物の形で持っていくのかあるいは一般作物があるいは永久作物かという選択が農家の側で自主的にできるような形で、その場合に共済の制度によりまして、これら転作した作物につきましての万が一の被害の場合にこれがカバーできるということが必要かというふうに思います。特定作物の分野におきましては、すでに先ほど申しましたように、畑作共済がかなりの程度でこれをカバーできるようになっております。また、麦等につきましては古くからこの制度があるわけでございますが、やはり今後の問題として考えられるものは、施設園芸のような形での共済を拡充していくこと、それから果樹共済につきましてはより加入率の高められるような制度にすること、さらに加えまして露地野菜等につきましてはこれをどう考えていくかということにあろうと思います。露地野菜につきましては、これは被害率の面あるいは共済金額の面——と申しますのは、価格との関係で露地野菜は非常にむずかしい面を持っておりまして、たとえば非常に災害が大きく起こりまして、その結果価格が上がった場合には、むしろ所得が十分に逆にてん補されてしまうというふうなそういうケースが被害が少なかった農家に起こるというような問題があります。このような共済金額の面でどう調整できるか。さらに損害評価方法、これは露地野菜の中にも損害評価の非常にむずかしいものもございます。こういった面のいわゆる保険設計面で、このようないままで共済の対象となっていないものがカバーできるかどうかということを中心にしていま検討しておるわけでございまして、このような問題につきましては調査費も組んでいただいている部分がかなりございます。さらに調査を進めましてできるものから実施してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○穐山篤君 次に、水田利用再編の問題についてお伺いをしますが、昭和四十四年ですか、生産調整、昭和四十五年ですね、補助金というものが大蔵委員会にかかりまして、以下いろんな名前が変わって今日に来ているわけですが、そこで単純にわかるようにひとつ説明をしていただきたいと思うんですが、昭和四十四年、これはちょうど切りかえのときだと思うんですが、そのときのその水田面積ですね。それから、昭和五十五年度の水田面積、どれだけ最終的に減反が行われたのか。それから、今年度で結構でありますが、その結果水田をいろんなものに転換をしたわけです。そこで、特定作物の面積、それから永年性作物、一般作物、それから水田預託、こういうふうな種類で一応その面積がわかるようにお話しをいただきたいと思うんです。
○説明員(関根秋男君) いま御質問のうちの第一問についてお答えをいたしますが、生産調整が試行的に行われました昭和四十四年の水田面積は三百四十四万一千ヘクタールでございました。
○穐山篤君 一千何ですか。
○説明員(関根秋男君) 三百四十四万一千ヘクタールでございます。それが、途中変化はございますが、水田利用再編第一期対策の終了時の昭和五十五年の水田面積は三百五万五千ヘクタールとなっております。この間、水田面積は三十八万六千ヘクタール、比率にして一一%減少ということになっております。
○政府委員(高畑三夫君) 水田利用再編対策の各特定作物でございますとか、永年性作物、一般作物、水田預託等につきましての最近時点におきます実績を申し上げますと、五十五年でございますが、特定作物が三十五万二千ヘクタールとなっております。永年性作物は小計で一万一千五百ヘクタール、一般作物等は小計で十五万三千四百でございます。水田預託が四万七千八百。そのほかに通年施行がございまして、二万ヘクタールでございます。それで転作等水田利用再編トータルといたしまして五十八万五千ヘクタールとなっております。
○穐山篤君 そうしますと、いままでの転作の指導というのは、この面積でいきますと特定作物に農林省の指導の重点というものがあったというふうに理解をしていいんでしょうか。
○政府委員(高畑三夫君) 御案内のように、水田利用再編対策は米の需給を均衡させつつ農産物の総合的な自給力の向上を図るために、長期的な視点に立ちまして自給力の向上の主力となるべき作目に重点を置きまして農業の生産の再編成を進めておるわけでございます。このような見地から大豆、麦、飼料作物など、今後自給力向上を図る必要のあります作物に重点を置きまして推進いたしております。そのために水田利用再編の制度、仕組み等の面におきましても、これらの作物を優遇するというふうな措置をとっておるわけでございます。
○穐山篤君 その大豆にしろ飼料作物、麦、てん菜あるいはそばというふうな特定作物は、いまお話がありましたように、右足に力を入れて指導をされてきている。そのことはいいわけですが、農家の立場からいいますと、稲作の方がある意味では収益が高いし、あるいはまあ安定的なんですね。ところが転作をすることによって危険度も非常に高い、それから収益の上でも必ずしも満足すべきものではない、こういうふうに私は考えるわけですが、さてそこで、特定作物を奨励をするにいたしましても、農家収入の分野から、これからまあ第二期、第三期の再編が行われるわけですが、自信を持って特定作物で一生懸命にがんばれというふうに言い切れるかどうか、それは収入、価格の問題がありますからね、そう機械的にはお答えはできないと思いますけれども、おおむね考え方としてはどんなものでしょう。
○政府委員(高畑三夫君) 特定作物の振興につきましては、先ほども申し上げましたような水田利用再編対策におきます特定作物の位置づけ等にかんがみまして、この水田利用再編に関連します奨励補助金等の水準や体系におきましても優遇措置をとってございますが、そのほかに農林水産省の関連、水田利用再編に関連いたします予算、各種事業の面におきましても、麦、大豆、飼料作物の生産につきましていろいろ推進のための助成を強化しておるわけでございます。したがいまして、これら総合的に進めまして、特定作物の今後におきます推進が円滑にいきますよう努めてまいりたいと考えております。
○穐山篤君 さて、政府がいまお持ちになっております古米ですね、これは最近の数字で結構です、現に倉庫に入っております何年産は何ぼ、何万トンというふうにひとつお知らせをいただきたい。
○説明員(中山昇君) ただいま政府が在庫として持っております古米の量でございますが、御存じのように、最近は米の需給のバランスが過剰になってまいりましたこともございまして、五十年代の後半からだんだんとふえてまいりまして、五十五年の十月末には約六百六十六万トンの古米、五十四年産米以前産米が在庫になっておるわけでございます。そのうち、年産別に申し上げますと、五十三年産米が約百三十万トン、五十二年以前産米が約三百六十万トンというようなことになっておるわけでございまして、主食用に充当し得る五十四年産米が百七十八万トンというようなことになっておるわけでございます。
○穐山篤君 そうしますと、五十二年産米以前のものは、もう政府の倉庫には在庫がないと、こういうふうに言っていいんですか。
○説明員(中山昇君) 五十五年十月末に六百六十六万トンの古米在庫がございまして、そのうち主食用に充当し得る五十四年産米が百七十八万トンでございます。残りが全部五十三年以前産米でございまして、五十三年産米が百三十万トン、五十二年以前産米が三百六十万トンというようなことになっておるということでございます。
○穐山篤君 どうも失礼しました。 そこで、古い古米の処理ですね、飼料にしたりいろいろなことが行われたと思うんですがね、最終的に古い古米を主食としてでなくて、その他で処理をする場合に、トン当たり最低幾らで放出をしているんですか。
○説明員(中山昇君) ただいまの過剰米の処理の御質問でございまするが、五十年産米から五十二年産米までのうちで通常の主食用に充当できないもの、これをいわゆる過剰米、こういうふうに申しておるわけでございます。その過剰米につきましては、できる限り財政負担を軽減をしていくという見地に立ちまして、工業用、これはみそとかせんべいとかの材料になる米、それから輸出でございます。これは各国に輸出をいたすもの、それからえさ、ただいま御指摘のございましたえさ用というようなものとして処理をいたすということで五十四年度から計画的に処理をいたしておるところでございます。 そこで、ただいまお尋ねのそれぞれの用途別によってどれくらいの値段で売却をしておるかということでございまするけれども、財政負担を軽減するということになりますと、工業用というのが一番値段が高いわけでございます。それにやや落つるものといたしまして輸出用、それからえさ用が他のえさの価格とのバランスで一番安くなるというようなことでございまして、現在のところえさ用にはまだ売却をいたしておりません。それで、工業用につきましては約十一万一千円程度、輸出用につきましては約八万四千円程度というごとで、予算上の売却価格を決定をいたしておるというようなことになっておる次第でございます。
○穐山篤君 水田利用再編成対策というものについて農林省側の出されました文書も一応読んでみましたが、これでいきますと、これから五十六年から八年までの第二期対策、それから最終的にはさらにもう三年延長をして六十二年ぐらいまでに終わりたいと、こういうふうに言われております。しかし、ある物を読んでみますと、さらにその後も再編をしなければならぬのではないかというふうな文献があるわけですが、今日のところどういうお考えですか。
○政府委員(高畑三夫君) 水田利用再編対策は、お米の過剰基調に対処しまして、需要の動向に即した農業生産の再編成を行うことによりまして総合的な食糧需給の維持強化を図るということを目的にいたしまして、昭和五十三年に閣議了解をいたしまして、おおむね十年間にわたる事業として実施しておるところでございます。まあこれは御指摘のように、一期三年たちまして、五十六年度から五十八年までを第二期として今後進めるわけでございます。この水田利用再編のおおむね十年の後の姿というものにつきましては、ただいま申し上げましたようなこの対策の基本的な目的であります需要の動向に安定的に対処し得るような農業生産構造を確立するということを目指して進めるということでございますので、そういう終了の時点、かなり先のことでございますけれども、そういった目的が達成できますように各般の努力をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○穐山篤君 いまのお話では、六十二年ごろ終わるわけですね、それがお話では、需要の動向に即したものにしたい、こういう一般論ですが、そのときの農業の姿あるいは農業経営の姿というのをわかりやすくひとつ説明してもらいたいんです。抽象論でなく、大体水田はこのくらいになる、あるいは農民の数はこのくらいに減っちまうというふうな、もう少しわかりやすい話をいただきたいと思うんです。
○政府委員(高畑三夫君) 今後の農業の姿につきましては、昨年十一月に農政審議会の答申を受けまして閣議決定いたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」がございます。これは昭和六十五年を目標年次といたしております。水田利用再編は先ほど申し上げましたように、五十二年からおおむね十年ということでございますから、六十二、三年ということに一応なるわけでございますけれども、今後将来の姿といたしましては、昨年のその六十五年見通しがあるわけでございます。そこで、この長期見通しにおきましては、米の需給の推定から生産調整を要する面積を七十六万ヘクタール前後というふうに見込んでおります。したがいまして、六十五年時点におきましては、七十六万ヘクタール前後が転作等で埋められるということを想定することになるわけでございます。 その転作作物の姿といたしましては、麦類が昭和六十五年には合計で十一万ヘクタール程度、それから大豆が十五万ヘクタール程度、飼料作物が二十四万ヘクタール程度、したがいまして、現状での特定作物に当たります麦類、大豆、飼料作物、合計いたしまして約五十万ヘクタール程度と見込んでおります、その他野菜が八万ヘクタール程度、それから永年性作物が四万ヘクタール程度、その他十三万ヘクタール程度、合計で七十六万ヘクタール前後がカバーされるものというふうに見通しております。一応、各作目別の見通しはそのようなことでございますけれども、そういった各作目の転作経営が定着いたしまして、需要動向に対処し得るような生産構造になっておるということを期して進めてまいりたいと存じております。
○穐山篤君 具体的なことですが、最近よくえさ米の話が出ておりますね。国会の議事録によりますと、えさ米につきましてはまだ——つくることについて農林省けしからぬとは言っておりませんが、そのえさ米については何か二つの根拠からこれを流通に乗せるということに強い反対の態度を示しているようですね。これは一つにはえさ米というものはまだまだ試験段階でしょうけれども、それがその他の原料に横流れをするんじゃないだろうかという心配がありますね。それからもう一つは、価格の上で勝負にならない。輸入飼料の方がものすごく安いのでこれは合わないというふうなお答えのようですが、しかし農民の間には、全国的にいま試験田をつくって一生懸命にやっているわけですね。農林省もそれなりに研究をしているということも聞いているわけです。将来このえさ米について多少なりとも価格で勝負ができるあるいはその他に横流れの可能性がある意味で防止ができるという見通しが立つとするならば、この日本におきますえさ米の奨励というのは農林省の政策として取り上げることにならざるを得ぬと思うんですが、その点いかがです。
○政府委員(高畑三夫君) 飼料米につきましては、御指摘のように利点といたしましては水田をそのまま利用できるという点、さらには将来農産物輸入に不測の事態が生じましたような場合に家畜の維持ができる、さらには食糧への転用化もできるという利点があるのは事実でございます。しかしながら反面、いま申されましたように、現在使われております飼料穀物の価格水準から見ますと、その収益性は著しく低いと言わざるを得ないような状況でございます。また、多収品種として注目されております品種も脱粒しやすいなどの技術的な問題がございまして、現段階でその本格的な生産を見込むことは困難であるというふうに考えております。 したがいまして、飼料米の問題につきましては、当面は超多収品種の育成に関する試験研究を推進いたすとともに、長期的な課題として取り組んでまいりたいというのが考え方でございます。
○穐山篤君 農水省も一生懸命に試験場でえさ米の研究もやっているわけです。それから、一般の農家においても一生懸命に試験田をつくって勉強しているわけですが、そういう意味で言うなら、共通の土俵の上に乗っかっている話じゃないかと思うんです。君たちだめだというふうに抑えつけてはいないと思いますけれども、共同の将来展望を持っているとするならば、もっともっと農家と接近をして積極的にこの分野を開拓をしていくということがなければうまくないんじゃないかと思うんです。 最近御案内のとおり、アルボリオ一号ないし十号というふうなものがあちこちで試作をされて、まだ収益の上では問題が残っておりますけれども、みんな農家の人は工夫をしているわけです。ですから、私はここで提案をしておきたいと思うんですが、もっともっと関係の農家あるいは農協なりと接触をして、共同で将来展望を開くような考え方をしてもらいたいと思うんですよ。その点いかがでしょう。
○政府委員(高畑三夫君) 先ほどお答えいたしましたように一農林水産省といたしましても今後長期的な課題として取り組む考え方でおります。試験研究の面では、超多収品種育成につきましての開発と栽培技術の確立につきましての試験研究のための予算を計上いたしまして推進するということにいたしております、 そのほか、飼料米を含む飼料穀物の国内生産の問題につきましては、省内にも検討会を設けまして総合的な検討を進めることにいたしております、そのようなことで長期的な課題として取り組んでまいりたいと考えております。
○穐山篤君 さて、時間がありませんので端的にお伺いをしますが、この十年の間に、転作という名前が使われたり、あるいは稲作転換という名前が使われたり、水田総合利用対策というふうな名前が使われながら、ほぼ十年たったわけですが、その間に、平均的に言えば二、三千億円、合計にしてみますと二兆円余の金をこの分野で使っているわけですね。まあ、金のことだけできめつけることはどうかと思いますが、農政の面から言いまして、こういうふうに転作を続けていく。それはそれが一つでしょうし、また農家もある意味では無理やりにその方針に従ってきた。で、将来この政策が変更になる、もっとずばり言いますと、もう一遍水田を活用する、水田稲作を中心にしようというふうなことがあるとするならば、なかなか問題があるんじゃないかと思うんです。将来のことはなかなかむずかしいと思いますが、いままでの政策が将来ひっくり返るようなことはないというふうに考えていいんですか。これはもう率直なことをお伺いします。
○政府委員(高畑三夫君) 水田なり米の今後の需要といったものにつきましては、先ほどお答えいたしました六十五年を目標年次とする長期見通しがあるわけでございます。この長期見通しを農政審議会で御審議いただき、最終的には閣議決定もいたしておりますが、その過程でも米の今後の需要見通しにつきましては多角的に御議論いただきまして、現段階での見通しとしてはこの長期見通しに盛られているような需要の動向であろうと考えざるを得ないと思っております。したがいまして、やはり今後とも米の需給動向に即して、かつ、国内の総合的な食糧自給力の向上を図るという見地から、水田利用再編を進める必要があるというふうに信じております。 今後の水田の管理につきましては、もちろん水田利用再編で転作等を行うわけでございますけれども、合理的な水田の利用のための排水対策の推進その他、土地基盤整備もあわせ行いまして、水田の汎用性の向上等につきましても配慮して、今後とも水田の有効活用ということにつきまして配慮してまいる必要があると考えております。
○穐山篤君 今回も大蔵委員長提案ということで衆議院から送られてきたわけですが、私ども議会側の見地からも、同じ法律を毎年の年次法として決めるということの是非は大いに議論を重ねなければならぬし、もうこの辺で決断をしなければならぬことだろうと思うんですが、それで行政側にお伺いをします。 過去の昭和二十六年からいろんな形で出ているわけですけれども、ある場合には三年、ある場合には五年も続いている補助金あるいは奨励金というものがあるわけです。それが一時所得として一年と考えてやっているわけですね。こういうことについて周りの方からの是非も問われているんですが、これはもう大蔵省あるいは農林省、考え方をそれぞれからお伺いをします。 それから、ここ一、二年は率直に申し上げて、委員会の審査を省略をして可決決定をしてきた経緯があるわけですが、その前はそれぞれの大蔵委員会で議論がされまして、転作にしろ水田利用再編にいたしましても、これは国の重大な政策である、したがって税制についても、農政と税制が十分渾然と一体となって出されるべきものではないかというふうなことも指摘をされていることもあるわけです。そこで、それについて考え方をただしておきたいと思うんです。 それから、これは昭和五十一年二月の当大蔵委員会で委員長が次のように発言をしておりますが、それについての考え方をお伺いします。それは、この法律が満場一致で上がる直前でありますが、委員長の発言がこうなっております。「この際一言つけ加えます。わが国の食糧自給が問題とされている折から、政府は、今後の農政の進展に即応し、各種の奨励補助等の施策及び税制上における必要な特別措置のあり方について真剣に検討すべきものであると理事会において各党一致の意見が確認されましたことを申し添えます。」こうなっておるわけです。当時大平大蔵大臣、安倍農林大臣もことごとくただいまの委員長発言についての御要望については今後真剣に検討をいたします、こういうふうにきちっとなっているわけです。その後いろいろ見ておりますと、それらしきものが何にも国会に提起をされていないわけです。少なくとも今後真剣にということがそのときも大いに議論されているわけですが、この委員長のつけ加えた意見をどういうふうに大蔵省、農林省は踏まえて答えを出す努力をされているのか、そういうものを明らかにしてもらいたい、こんなふうに思います。
○政府委員(浅野拡君) ただいま穐山委員から御質問があったのは二つあったかと思います。一時所得に対する米の臨時法が毎年議員立法になっているが、これを統一して政府から出したらどうだろうと、こういうのが一つだろうと私は思います。 これに対しましては、穐山委員も十分御承知のように、現行の所得税法の考え方に立ては、この種の補助金というものは本来通常の事業所得にかわるべきものとして課税所得に含めて考えるというのが筋だと思っております。また、一時所得というものは文字どおり一回限りの一時的な所得である。この種の補助金のように数年間にわたり交付されているというのでは、これを一時所得として取り扱うということは大変現行税法の考え方にはなじまないんであります。だからこれを政府提案で行うということは大変困難だという考え方に立ちます。しかし、この補助金は農家に稲作から転作を要請するという国家の異例かつ重要な措置のため、国権の最高機関である国会が立法されるのであるならばこれは反対をしない、こういう姿勢で臨んでおるわけですから、ひとつ御理解を賜りたいと思います。 それから第二問の五十一年の二月十七日、参議院大蔵委員会における岩動委員長の御発言によります。そのときの大平大蔵大臣、安倍農林大臣が真剣にこれを検討する、こういう御回答がありましたことに対しましては直ちに農林省と大蔵省との方で十分検討されまして、五十一年度まで妻とか大豆に対しまして生産振興奨励補助金というものでやってきたんですが、これを農家あるいはまた農業団体なんかの強い要請でこれを妻とか大豆の価格の中に加えましてこれをなくしていった、こういうふうに具体的にひとつ前進をさした、こういうふうにいたしましたので、まあその点につきましては税制上の問題はなくなってきておりますので、ひとつ真剣に取り組んだ姿勢は五十二年度からそういう姿で変わってまいりましたということを御答弁さしていただきまして御理解を願いたいと思います。
○塩出啓典君 最初に、この農業災害補償制度の問題についてお尋ねをいたしますが、大体農業災害補償制度というものの考え方ですね、これはどういう考え方を根本にこの法律が制定されておるのか、これをお尋ねをいたします。
○政府委員(松浦昭君) 農業災害補償制度の基本的な考え方でございますが、これは農業災害補償法の目的に明確なように、「農業者が不慮の事故に因って受けることのある損失を補填して農業経営の安定を図り、農業生産力の発展に資することを目的とする。」ここに全部尽きているというふうに考えるわけでございますが、このような目的のもとに、この制度によりまして農家の経営の安定を図る。また同時に保険の収支というものも安定的に推移させていくということがこの制度の根幹になっているというふうに考える次第でございます。
○塩出啓典君 この根本はやはり農家の自主的な相互共済というものが根本になっていると、私はそのように理解をしているわけでありますが、そこで、このいろいろな共済制度には国からいろんな意味の補助金、助成をしておるわけでありますが、聞くところによりますと、かなりこれは共済制度によって国の助成の割合が違う、そのように……、今回議題になっておりますいわゆる農業共済、果樹共済、こういう場合には、たとえば共済掛金の一部負担、事務費の負担の補助、あるいは農業共済基金への出資、それから、今回のような農業共済再保険特別会計への繰り入れと、こういう形で補助が行われているように理解をしておるわけでありますが、大体この農業共済、果樹共済の場合の国の負担の割合が、たとえば掛金の一部負担にしてもかなり違うように私理解をしておるわけですが、それはどういう考えに基づいておるのか、これをちょっと最初に伺っておきます。
○政府委員(松浦昭君) 農業災害補償制度の上におきまして国がいろいろな形でこの補償制度を支援いたしておるわけでございますけれども、それには大きく申しまして、ただいま先生おっしゃられましたように、一つは共済掛金に対しまするところの国庫補助、これがございます。それから第二は、事務費に対する補助がございます。それから第三は、共済団体に対する融資を行っておりますところの共済基金に対する出資、そして最後に、今回のように非常に異常な被害が起こりました場合に一般会計から特別会計へ繰り入れを行いまして、これはもちろん将来剰余が出ました場合にはお返しをいたすわけでございますが、さようなことによりましてこの災害補償制度を円滑に運用できるように支持をいたしているわけでございます。 この第一の国の掛金に対する負担、これにつきまして各共済につきまして若干の相違があることは事実でございます。たとえば、大まかに申しますと、農作物共済につきましては掛金率の高さに応じて逓増するという方式をとっております。それから、畑作物共済につきましては一律六〇%の補助をいたしております。それから果樹共済につきましては一律五〇%の補助、園芸施設共済についても同じでございます。それから家畜共済につきましては、牛と馬につきましては五〇%、それから豚については四〇%の補助をいたしておりますが、これらの各共済につきまして若干ずつ異なった補助の体系をとっておりますのは、一つはやはりこの共済が長い歴史の過程におきましてどのような負担を行うことが最も合理的かということを積み重ねてまいりました、その結果によりますものでありますが、また同時に政策の方向ということもある程度まで打ち出しているわけでございまして、先ほども御答弁申し上げましたような、水田の再編成ということが必要であるというような観点から、畑作については特に高い六割の補助といったようなことを実現しているといったような、各政策目的によってもこの補助の体系が異なっているということが申せると思う次第でございます。
○塩出啓典君 今回の繰入額は、農業勘定、果樹勘定合わせると約千四百四十億円と見込まれております、昭和四十六年以降今日まで、農業勘定においては一般会計から繰り入れを受けたケースは昭和四十六年の四十九億円と五十一年の四百五十三億円。しかし、いずれも次の災害発生時までには一般会計への繰り戻しを完了しておるわけでありますが、今回の冷害による繰入額ははるかに亘額なものになっておるわけでありますが、一般会計への繰り戻しを完了するまでにはかなりの時間を要すると思うのでありますが、それまでに災害がないと仮定した場合ですね、どれくらいの期間を必要とする見通しであるのか、これを伺いたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) 農業共済再保険特別会計の各勘定の収支でございますが、私どもといたしましては、保険設計上長期的な均衡を図る。おおむね二十年という単位でこれを考えておりまして、これは農業保険というものの特殊性からくるというふうに私は考えておるわけでございますが、通常の損害保険とは違いまして、単に地域的な危険分散を図るということだけではなくて、時間的にも危険を分散していくということがこの農業災害に対する共済制度の特色であるというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、短期的には収支の不均衡が生ずるということはあろうかと思いますけれども、ある年次の財源不足はほかの年次の剰余をもちまして充当するといったてまえになっておりまして、また現実にこのように充当してきてまいっているわけでございます。ただいま先生も御指摘がございましたが、農業勘定の過去の繰入金の例を見てみましても、短いものは一年、長いものは四年間で大体一般会計に繰り戻しているというのが過去の経験でございます。五十一年の次善、これも非常に大きな冷害でございまして、その際四百五十三億の繰入金をしていただいたわけでございますが、これは五十二、五十三、両年度の黒字でほとんど繰り戻しをいたしているという状況でございます。 ただ、今回の災害は、ただいま先生も御指摘になりましたように非常に大きな被害額でございまして、また金額が単に大きいということだけではなくて、今後の災害の発生の状況ということも考えてみませんと、これが何年に繰り戻せるかということは必ずしもはっきりいたさないわけでございますけれども、私どもの考えで申しますれば、やや従来よりも期間が必要であるというふうに考えるわけでございますが、大体被害がないということを、通常の平年のペースで被害状況が推移するということを考えますれば、五、六年分ぐらいがこれに当たるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。ただし、これはあくまでも将来の被害の発生の実態によるわけでございまして、何とも確定的なことは申し上げられないというのが現状でございます。
○塩出啓典君 そこで、果樹勘定における一般会計からの繰り入れの状況を見ますと、五十一年が五十八億、五十四年が七十八億、五十五年は四十七億が見込まれているように、まあ恒常的に繰り入れを必要とするような事態が生じておるわけであります。まあこれは今日までの政府の御答弁では、異常気象によって連年、毎年災害を受けてきたという、そういうことに説明を聞いておるわけでありますが、確かに果樹はきわめて気候の影響を受けやすいという、そういう点もあるわけですけれども、しかし、このようにコンスタントに繰り入れを必要とする、そしてそれがなかなか返らない、こういうことは共済制度そのものにも原因があるんではないか。そういう点政府の考えはどうか、お伺いいたします。
○政府委員(松浦昭君) 果樹共済につきましては、今回再保険金支払い財源の不足を来しましたので、前回に引き続きまた繰り入れをお願いした次第でございますが、先ほど私御答弁申し上げました農作物共済につきましては、かなり、過去の経験から申しましてこれが繰り戻しにつきましては、やはり二十年間の長期的なバランスということを考えますと、さほど問題なく、特別に異常な災害が連続するといったようなことがなければ、これを制度的に見まして安定的な収支へと持っていけるというふうに考えておるわけでございますが、果樹につきましては、五十一年、五十四年、五十五年と、ひょう害でありますとかあるいは台風、冷害、凍霜害等種々の被害が重なりまして、政府の本格的な実施をいたしまして後もかなり高い被害率を生じているということは事実でございます。したがいまして、このような果樹勘定につきましての不足分が累積してまいっておりますのは、やはりこのような制度発足当初の被害が非常に大きかった、異常であったということは言えると思います。 しかしながら、率直に反省をいたしてみました場合に、果たして現在の制度そのものが十分なものであったかどうかということにつきましては、私どももやはり問題があるというふうに考えているわけでございまして、特にこの果樹共済の加入率がいまだ二六・七%程度であるということは、何分にも専業的な果樹農家が必ずしもこの共済にぜひ加入したいというような気持ちになかなかならないという点に問題があろうかというふうに考えておるわけでございます。特に、このような低加入率のもとにおきましては、やはり逆選択ということが行われるわけでございまして、このような傾向が続きますと、制度そのものに問題が生ずるというふうに考えるわけでございます。 かような観点から、先般、九十一通常国会におきまして、政府の全面的な見直しをお願いいたしまして、ここで細かな点は申し上げませんが、できるだけ農家の方々、特にその中でも果樹専業の農家の方々がこの共済に加入する意欲をお持ちになれるような、そういう制度改正の内容を盛り込んだ法案を通過させていただいておりますので、これが普及徹底に努め、加入率を増進さしてまいりますれば、必ずやこの共済につきましても安定的な運用ができるというふうに考えております。また同時に、今回は料率の面でもいろいろと考慮を加えておるわけでございまして、さような点で収支の安定を図りたいというふうに考えている次第でございます。
○塩出啓典君 加入率が非常に低いということで、昨年、共済制度そのものの改正が図られたわけでありますが、現在果樹共済——果樹に関しては収穫共済が約二七%、それから樹体共済というのは七%である。しかも非常に大規模の優良農家が逆選択して入らない。こういうことでは、先ほど私がお聞きしたように、共済制度というものが本来自主的な共済制度であって、それを国がいろいろな立場から助成をしておる、自主的なそういう人たちが加入率も低い、真剣でないのに国の方ばかり援助をしていくというのも、これは非常に本末転倒というか、そのように思うわけであります。 そこで、いままで加入率が低かったのは、いま言ったように、共済制度そのものに魅力がなかったためだけであるのか。それであれば、今度改正をすれば今後かなりこの加入率は上がる見通しなのか。もう現在のところそういう動きはかなり出てきているのかどうか。その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 私ども今回果樹共済につきましての改正をお願いいたしまして、非常に広範な改正をお願いいたしておりますし、また予算的にも五十六年度の予算の中で、たとえば集団加入の奨励金等につきましてもお願いを申し上げているのでございまして、予算面それから制度の改正面、総合して改善をいたしましてこれが普及徹底に努めますれば、一概には申せないものの、かなり加入率は増進するというふうに考えておるわけでございます。 長期的な視点から申し上げますと、先般の国会におきましても御答弁申し上げましたように、でき得るならば私どもは少なくとも五〇%ぐらいの加入率を確保したいというふうに考えておるわけでございまして、このために現在農家に対しましてパンフレットを配りましたりいろいろな方法によりまして、この新しい改善の加えられました果樹共済につきましても普及徹底に努めているところでございます。
○塩出啓典君 これは私の提案というか、思いつきかもしれませんけれどね、たとえば大きな優良農家が、もう入らなくても自分でやっていく、そういう少々の危険があってもそれは自分の責任で負担をしていくという、そういう人をやっぱり無理やりに入れるというのもこれはどうかなと、無理もあるんじゃないかなと。現在の日本の農業については、これは共済制度も一つのやっぱり助成の道ではありますけれども、ほかに農林中金の金融制度とかそういうものもいろいろあるわけですね。だから共済制度に入らないような人は、そのかわりいろいろな金融制度の方も利用しないでもう自分の力でやっていく、この共済制度に入った者はほかのも受ける、こういうようにやっぱり農林省の施策も一連のセットになっているわけですからね。自分の都合のいいところだけとって、都合の悪いところは外すというのでは困るわけで、共済制度に入らない人はそういうようにそっちの制度も適用しない。そのかわり共済制度に入ればこういうように適用されると。やっぱりそういう意味で共済制度に入っていこうという、そういうメリットというものが、入らない場合よりも出てこなければいけないんじゃないかなという、そういう意味で私は、昨年の改正がもちろんあったわけで、その結果を見なければ何とも言えないかもしれませんけれども、そういうことも考えるべきじゃないかなと、そういう点はどうですか。
○政府委員(松浦昭君) もとよりこの果樹の共済制度はいわゆる任意の加入でございまして、決して強制的に加入をするといったような農作物共済のような制度をとっていないということは先生御承知のとおりでございます。 そこで、非常に大きな専業的な農家という方々が、いわば自家保険と申しますか、みずからの力でそのリスクをカバーするということももちろん考えられるわけでございまして、また金融の面でこのような農家に対して対応するということにつきましては、たとえば制度の融資の面では災害に対する天災融資法の発動なり、あるいは公庫資金の災害資金といったようなものがすでに完備をいたしておりまして、今回の冷害等につきましても非常に大きな力を発揮したことは御承知のとおりでございます。しかしながら、私どもの観点から申しますと、もちろんこれは自主的な共済でございますけれども、自主的な加入ではございますが、できるだけ大きな農家にも加入していただきたい。 それは二つの点がございまして、一つは確かに自家保険でやっていけるとお思いになりましても、しかしながら、非常に深刻な災害が参りましたときには、やはり農業の災害でございますから、それは相当大きな痛手を専業農家といえども受けると思います、これに対します不慮の災害に対する備えというものはやはり共済制度の中でこれをカバーしていくということが必要ではないかというふうに考えます、それから第二に、私どもの保険の設計、保険の収支の安定ということから申しますと、専業農家は何と申しましても事故が少なく、またその保険金の面で考えましても、安定的な経営と安定的な収量を得るということができる農家でございます。このような農家が外れてまいりますと、どうしても逆選択ということになりまして、非常に被害の発生が多発いたしますような農家だけが加入してくるということになりまして、安定的な保険の設計、経営ができないということが問題点でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、従来やや画一的に流れておりまして、専業農家がなかなか意欲を燃やせない点を修正したいというふうに考えまして、たとえば共済事故の選択範囲を拡大するとか、あるいは無事故で長い間期間が経過いたしました場合には、このような農家に対しまして無事故割引をするとか、あるいは防災施設の割引制度を入れていくとか、そういったいろいろな改善を加えまして、このような専業農家の方々も、事故率が低いにもかかわらず、なおかつそれに合ったような形での共済への加入ができるという制度を開いたというのが先般の改正の趣旨でございます。
○塩出啓典君 ぜひひとつ、共済制度というものは非常に大事な制度でございまして、この制度が安定的に効果を発揮するように、さらに加入率が高まっていくように農林省の今後の努力を強く要望いたします。 それで、多少具体的な問題になりますが、水稲等に関して共済金の年内支払いが実現されるわけでありますが、被害額が多かっただけに共済金の支払い財源をどこに求めるのか、関係者の方々大変苦労をなさったわけでありますが、この支払いが終わって、国からのお金はこれから出るわけでありますが、そういう点のつなぎ融資の実態はどうなっておるのか、金利の負担は十分見ているのかどうか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 今回の冷害、非常に深刻なものでございまして、特に全く収穫皆無の地帯というのも東北を中心にいたしましてたくさんあったわけでございます、したがいまして、私どもといたしましては、せめてお正月にもち代がちゃんと出るということにいたしたいというふうに考えまして、年内共済金支払いということをぜひ実現したいということで努力をしてまいったわけでございます、亀岡農林水産大臣も事務当局に対しまして、年内支払いをぜひ実施するようにという強い御指示がございまして、さような面で私どもも大蔵省の御協力も得ましてこの年内支払いに努力したわけでございますが、幸いにして完全に年内支払いを行いました。 その方法はどういう方法をとりましたかと申し上げますと、末端の共済金の支払いに必要な財源につきましては、これは連合会から保険金を給付して末端の共済金を支払うわけでございますが、その連合会に対しまして農林中金の原資をもとにいたしまして、それを農業共済基金に貸し出し、農業共済基金が各都道府県の連合会にその資金を貸し出す、これによりまして保険金を給付いたしまして共済金を支払うという形をとったわけでございます。 したがいまして、ただいま御審議を願っております再保険特別会計から再保険金を支払うというこの債権債務関係は依然として残っているわけでございますが、末端の農業共済組合と農家との間の債権債務関係でございますところの共済金の支払いにつきましては、幸いにして年内の支払いができたわけでございます。この点につきましては、財政当局も十分に考えていただきまして、このための特別なつなぎ融資と申しますか、給付金、それに基金、それから連合会へとつないでまいりました共済金支払いのための措置につきまして、予算四十億の利子補給をお願いしておるわけでございます。
○塩出啓典君 それから、今回この被害が発生をいたしまして、減収量をいかに適切に把握するかということは非常に重要な問題であります。現在は損害評価額、いわゆる減収量を算定するに当たっては、客観的に行われるように種々配慮がなされておるように聞いております。 それで、それぞれの共済組合がまず最初に評価をし、それから連合会が評価をし、さらにそれを国が評価をする、こういう三段階になっておると聞いておるわけでありますが、今回は県の連合会が評価をしたものを農林省の段階でそれを変更したという、そういう例はあるのかどうかですね、簡単で結構ですけれども。
○政府委員(松浦昭君) 今回の災害は非常に深刻なものでございまして、私どもといたしましてはできるだけ円滑な損害評価と、これに基づく共済金の支払いということを実現しようと努力したわけでございます。 五十一年の災害がございましたときに大分この関係で問題が生じまして、私どもはその経験を持っておりましたので、今回はその経験にかんがみまして、実は組合等の評価に当たりましても実測調査を導入するといったような改善を加えますと同時に、損害評価の時期をできるだけ農家の収穫の時期と近づける、あるいは組合等につきまして評価眼の統一をする、さらには被害の高進に伴う再評価の措置をとる、また連合会につきましては実測筆数の十分な確保、さらに被害の高進に伴う再評価、さた統計——これは国の統計でございますが、これと連合会の評価とができるだけ合ったような形にできるということを期しますために、統計情報事務所と農業共済団体の間の連絡を密にする、指導、助言等を求めるといったような諸般の事項につきまして、あらかじめ通達を流しましてその指導に努めた次第でございます。この結果、四十七県とも連合会当初評価どおり認定、承認をいたすことができた次第でございます。つまり、一県も統計によって切ったところはございません。
○塩出啓典君 そこで、この損害の評価員に対する補助の問題でありますが、今回は算定に大変手間がかかりまして、私の住んでおります広島県の場合でも九百三十万かかった。県が四百二十三万、連合会が五百八万の補助を出したが、国の追加補助金は認めてもらえなかった。確かに災害がふえれば災害の調査にもたくさんお金がかかるわけでありますが、こういうものに対する国の補助は評価員一人当たり二千何百円、これがことしから三千円という——これは一人一日かと思ったら、一人一年間三千円というような補助で、ちょっと現実に離れているような気がするわけでありますが、その点はどういうお考えでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 損害評価が的確に行われますためにはそれに所要の事務費も必要でございますし、また損害評価員の方々に十分に御活動願うという必要があると思います。ただ、この損害評価の事務費といえどもやはり団体の事務費でございまして、その意味では、私どもは多額の事務費の国庫補助をいたしておりますので、その事務費の中で賄っていただきたいという気持ちは持っておりますが、しかしながら、去年のような大災害が起こりました場合には、やはり非常に大きな被害の起こった県に対しまして重点的に補助を配分するということが必要ではないかというふうに考えた次第でございます。かような調整を行うことといたしまして、本年度の災害の実態にかんがみまして、災害対策割りということで一億七千三百万円を特別に計上いたしまして重点的に配分をいたした次第でございます。 また、実測等が非常に必要でございまして、これに要した経費につきましては、損害評価特別事務費補助金五億三百万円というものを特別に別途交付いたしております。 それからまた、農業共済団体はここ数年被害が少なかったので特別積立金をかなり持っておるわけでございますが、この御要請があった場合に積極的にこの取り崩しを認めるという指導通達を出したところでございまして、これは連合会、組合等で合計で一億七千八百万円の特別積立金の取り崩しを予定しておりまして、この損害評価費に充てるということにいたしております。私ども、一般的でございますが、聞いておりますところでは、大体このような措置をもって的確な損害評価ができたというふうに承っておる次第でございます。 それからまた、先生御指摘の損害評価員等につきましては手当が安いではないかということでございますが、本来やはり共済組合というのは相互扶助の精神に基づきましてできたものでございまして、農家の中から委嘱された地元の損害評価員がやはりみずからの共済制度に当たるということでこの損害評価の事務に従事しておるわけでございまして、必ずしも実費弁償といったような形で国が持たなければならないということはないのではないかというふうに考えるわけでございますが、しかしやはり損害評価に当たりまして大変に御苦労を願っているわけでございまして、昭和四十九年から補助の対象といたしておりまして、その値上げにつきましては鋭意努力をしてまいったわけでございます。五十六年度予算におきましても一〇%の手当のアップを計上いたして御要求を申し上げておる次第でございますので、何とぞよろしくお願いいたしたいと思う次第でございます、
○塩出啓典君 大蔵省にお尋ねしますが、共済制度も非常に大事な制度でありますが、しかし一方、国の財政からも無制限な助成は許されない、そういう点から、来年度の予算編成に当たっては補助金等についてもいろいろな見直しが行われたと思うのでありますが、現在の共済制度のあり方について特に大蔵省として今回の検討において問題になった、ことしの予算編成のときに問題になった点はどういう点であるのか、これを承っておきます。
○政府委員(吉野良彦君) 御指摘の農業保険制度につきましての財政的な観点からの問題でございますが、幾つかございます。歴史の長いいわゆる農業勘定、これは先ほど来いろいろ御議論がございますが、異常な大災害によりまして一般会計から特別に再保険金の支払い財源の繰り入れをお願いをせざるを得ない事態にも時としてなるわけでございますが、歴史も長く、制度としてかなり定着をいたしてございますので、これはそれほど心配なくこの特別に一般会計から繰り入れました財源も返していただけるものというふうに考えるわけでございます。 それからまた、この補正予算に関連いたしますと、果樹勘定、これは先ほど来先生も御指摘ございましたが、制度上のいろいろな問題が、歴史的になお日が浅いということもございまして、制度上いろいろ指摘をされるような問題もあるわけでございます、この問題につきましては、これは先般の国会で制度改正をお願いをいたしまして是正方、改善方に向かっているわけでございますが、なおしばらくこの制度の改正後の制度の運用の実態を見ながら注意をしてまいらなければならない、かように考えているわけでございます。 以上二点は、今回の補正予算に関連をいたしました私どもの感じでございます。 それから五十六年度当初予算、つまり異常な大災害に伴う応急的な手当てというような問題とは別に、より長期的に農業災害補償制度の問題についてはどういう考え方で五十六年度予算編成に臨んだかというお尋ねでございますが、農業災害補償制度がわが国の農業生産の安定的な発展というものに従来非常に大きな役割りを果たしてきたことは事実でございます。しかしながら、これも先ほど来御議論がございますように、わが国の農業生産を取り巻きます条件はかなり変わってまいっております。現に、水田利用再編対策ということでかなり大きな財政負担をしながら農業生産の再編成をしていかなければならないというような状況に相なっているわけでございますので、私どもも、この農業災害補償制度につきましても、こういった農業全体を取り巻きます状況の変化、またそれに即応いたします農政のあり方の変化、それらを踏まえまして、より合理的、能率的な機能が果たし得るように絶えず制度の見直しというものにつきまして努力をしていかなければならないのではないか、こういうような感じを持っております、 特に、この農業災害補償制度の中におきましては、当然のことではございますが、やはり農業勘定なかんずく水稲、いわゆる米につきましての財政負担が、これは掛金の国庫負担というような形におきまして年々大きな財政負担をしているわけでございますので、これらの国庫負担のあり方につきましても、やはり農業政策上の重点の置き方の移り変わりに応じまして、常に原点に立ち返った見直しをするというような心構えが必要ではないかというふうに考えております。もちろん具体的に、この農業災害補償制度についていまこういった制度改正を行うべきであるというような具体的な提案まで持ち合わしているわけではございませんが、基本的な心構えといたしましては、こういった大きな財政負担をしている農業災害補償制度でございますから、常に租税負担によって賄われているという事実を認識をいたしまして、絶えず合理化、能率化、効率化という方向で物事を考えていかなければならない、かように考えております。そういった基本的な考え方を踏まえまして、今後各年度の予算編成におきまして所管官庁でございます農林省とも相談をしつつ、必要に応じて制度の改正もお願いをしていくというようなことに相なろうかと存じます。
○塩出啓典君 次に、この水田利用再編奨励補助金についての特例に関する法律に関連をして、農林省に二、三お尋ねをしたいと思います。 昭和五十五年度生産者米価の決定に当たり大蔵省が出した資料によりますと、昭和四十四年から五十五年度までの累計で生産調整等の奨励補助金の総額は約二兆円に達するとされております。非常に財政困難な事情のもとにこれだけの経費を支出してきたことを考えますと、是が非でも転作作物の定着化を図らなければならない、このように思うわけであります。農林省は、昨年十二月の省議決定の「水田利用再編第2期対策について」によりますと、「転作の定着化を図ることを旨として推進する」、このように言っておるわけであります。しかし、現実には、米に比べるとはるかに収益性の低い麦や大豆、飼料作物等への転作作物を具体的に今後どのような方法で定着させようとしているのか、これをお尋ねいたします。簡単で結構ですから。
○政府委員(高畑三夫君) 水田利用再編対策の推進に当たりましては、従来からも、需要の動向に即して農業生産の再編成を進めることを基本といたしまして土地基盤整備等の各般の条件整備を進めますとともに、地域ぐるみの計画転作の推進等を通じまして集団的な転作の誘導に努めてきたわけでございます。 いま御指摘のように、今後の課題といたしましては、特に転作作物の定着ということが重要な課題だと認識いたしておりまして、特に、第二期対策の推進に当たりましては、これを重要な課題と考えております。具体的に申し上げますと、転作作物のうちの果樹、条等の永年性作物につきましては、これは定着性に特に問題はないと考えられますが、今後、転作の主力となります特定作物、特に麦、大豆などの土地利用型作目につきましては、その定着のための一層の努力が必要であると考えております。このために、第二期対策におきましては、転作作物の定着化を促進する上で不可欠であります転作田の団地化の一層の促進を図るという観点に立ちまして、新たに団地化加算制度を設けることといたしております。このほかに、引き続きまして、排水対策等土地基盤整備、その他関連施策を推進いたしますと同時に、昨年成立いたしました農用地利用増進法等を活用して経営規模の拡大、さらには栽培技術の向上によります反収の増加等に努めまして、総合的に施策を進め、生産性が高くてしかも定着できる転作経営の育成に努めてまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 じゃ最後に、この財政制度審議会の昨年末の報告にもありますように、「食糧事務所の人員については、思い切った減員計画を早急に策定して、計画的な縮減」を図れ、こういうことが言われておるわけであります。また、昨年の十二月末の閣議においては、行政改革の推進として、そういう食糧検査制度を改めて減員を図る、こういう計画でありますが、私は、この年次計画を定めてやっぱり着々とやるべきことはやっていかなければいけない、このように思うわけでありますが、その点についてのいまの計画、これを簡単に御説明いただきたい、それで終わります。
○説明員(中山昇君) 財政審議会その他各方面から食糧事務所の組織、定員問題につきましてはいろいろ御指摘がございまして、私どもといたしましては、従来からこの十五年間に約三分の二に職員あるいは組織、定員の削減というのをいたしてまいりましたし、あるいは出張所も全廃するというようなことで組織の縮減を図ってまいったところでございます。 ただいま御指摘のように、昨年十二月二十九日に閣議決定がございまして、私どもといたしましては、この場合、検査業務それ自身を合理化をいたさなければ組織なりあるいは職員の定員の合理化というのはできないという物の考え方に立ちまして、ただいま検査の合理化ということで抽出検査を実施をいたしておりますが、これを大幅にふやしていくということと伴いまして、組織、定員の合理化を図っていくというふうに考えておるところでございます。ただ、抽出検査の実施というようなことになりますと、検査場所を整理いたしましてたくさんのものを一ヵ所に集めてくるというようなことが必要でございまするので、生産者なりあるいは集荷団体なり、相手方の御協力も得なけりゃならぬというようなこともございますが、閣議決定の趣旨に即しまして、私どもとしては今後も計画的に組織、定員の合理化、経費の節減に努めてまいりたい、かように存じておるところでございます。
○近藤忠孝君 時間が十五分と限られておりますので、果樹共済の問題にしぼって質問いたします。 先ほど来、関係農家から加入の意欲を持ち得るような制度にしたいということで五十五年の改正がなされた、で、五〇%の加入率の達成を目指していると、こういうお話でございました。 そこで、私、若干問題点を指摘したいのは、たとえばこれは北陸の富山の例ですが、県全体としますと、収穫共済の加入率が六六・五%、樹体共済の加入率五二・一%と、大変率がいいんですね。一生懸命関係者が努力した結果だと思うんです。ところがこれを市の段階で見てみますと、魚津市は収穫共済の加入率が六二・九%ですが、樹体共済はゼロ。一方、富山市の方は収穫共済の加入率九六・五%で、樹体共済も九六・五%と。要するにこれほども違うんですね。これはどこに原因があって、どういう問題点なんだろうかということをちょっとお聞きしたいと思うんです。
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、果樹共済は、いわゆる収穫共済としての果樹共済と、それから資産共済としての樹体共済の両方があるわけでございますが、私ども経営の安定の見地ということから申しますと、双方に加入するということが一番いいんじゃないかということで、そのような指導も行っているわけでございますが、ただ、この果樹共済に加入する場合には双方の共済に必ず加入せよという、そういう制度にはなっておらないわけでございまして、あくまでも農家の自主的な選択によりまして両共済に加入するかどうかということを決定できる仕組みになっております。 どうしてただいまのような御指摘の魚津市の場合に収穫共済だけしか入らなかったかということにつきましてでございますが、何分にも収穫共済というのは、毎年被害が起こる可能性があり、その確率がかなり高いわけでございます。ところが、樹体共済になりますと、これは本当に何年に一回かあるいは長期の間に一回非常に深度の深い事故が起こると、こういうことでございまして、農家の感覚から申しますと、どうしても毎年起こりやすいそういう共済に入りたがるということがあろうかと思います。そのようなことで、多分この魚津市の場合には片方の共済が皆無であるという状態になっておりますが、定款も調べてみましたけれども、魚津地区の場合には定款上は樹体共済もちゃんとやれるようになっておりまして、もっぱら今後の加入の奨励にまつべきものであるというふうに考える次第でございます。
○近藤忠孝君 冷害もそうですが、特に今回のような雪害ですと、雪の量は大体同じようなものですね。それで片方は適用になり、適用にならぬというようなことは、大変結果的にはまずいわけで、こういう面の指導をよくやってほしいと、こう思います。 それからもう一つは、これはブドウだなとかナシだな、これは支柱と言うんでしょうかね、柱を立てたり針金をやったりしていますね。ここに写真がありますが、(写真を手渡す)真ん中の大きな柱からこんな太い針金を張って、そしてつっておるわけです。ところが、これが今回の場合には、もうこんな太い針金がどんどん折れちゃうんですね。特に重い雪だったということもあります。これは現在は保険の対象になっていないんだそうですが、どうですか。
○政府委員(松浦昭君) 現在はこのブドウ及びナシのたな等につきましては、いわゆる支持物についての共済は共済の対象になっておりません。その理由は、まだ保険設計というものができるような状態になっていないからでございます。
○近藤忠孝君 今回その雪の状況を見ましても、大変な努力をしておるわけです。これ破損してしまいまして、これの修復の問題、大変なことですし、これからますます費用がかかりますし、またこれが壊れたためによけい樹体への被害も大きくなっている、こういう問題が出ておるわけです。いままでの法改正の経過を見てみましても、一歩一歩前進しておるわけです。たとえば防災施設についての掛金割引制度も多くの農家の要望があって出てきた問題だと思うんです。現に、今回雪害が全国に大変な状況になっておるわけで、この問題について、これを今後保険の対象にするという、こういう努力や調査はされておるんでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 果樹の支持物につきましては、すでに昭和四十九年度から主産県に委託をいたしまして、被害率等の基礎調査を行ってきているわけでございます。要はそういう保険の需要がございましても、それが保険設計にうまく組み込まれるかどうかということが非常に問題でございまして、さような点からも調査、検討をいたしておるわけでございます。 これまでの調査結果によりますると、被害の頻度が非常に小さいものでございますから、目下のところ被害率を算定するだけのデータがないというのが現状でございます。したがいまして、今後なお調査を継続いたしまして、特に今回の雪害等におきましてもこの種の保険の需要というものが大きいということは私ども存じておるわけでございまして、このような調査の継続の結果、果樹共済の対象にできるかできないかということにつきましては、今後とも検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○近藤忠孝君 いままで例が少ないということでしたが、今回はまさに全国的にどこにでもこれはあるわけで、積極的にこれについての調査を始めると、そしてまたこれは前向きの方向で対処するのかどうか検討すると、こう聞いてよろしいでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) ことしは確かに被害が非常に多かったわけでございますが、問題はやはり先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、このような農業の関係の被害というのは単に地域的な分散ということだけではなくて、時間的にどれだけ分散できるかということが非常に重要でございます。したがいまして、ことしは単年度非常に大きな被害がございましても、長期にわたってこれがどのように危険分散できるかというデータが必要でございます。したがいまして、それだけのデータがないというのが被害の頻度がきわめて少ないというふうにお答えいたした理由でございます。したがいまして、私どもといたしましてはこのような資料を得るように今後とも努力をいたしまして、その結果によりまして、共済の対象になり得るのであればこれを対象にしていくというふうな考えのもとに今後進めてまいりたいというふうに思っております。
○近藤忠孝君 いままでも、たとえばこれは昭和五十三年五月十二日の参議院農林水産委員会の附帯決議、その第七項において「果樹共済については、本格実施移行後の事業実績の推移にかんがみ、加入の積極的促進、運営の改善に努めるとともに、制度の抜本的見直しを行うよう考慮すること。」、それからさらに衆議院の同じく農林水産委員会、五十三年四月十八日の附帯決議「果樹共済については、加入の促進に努めるとともに現行制度についても根本的な見直しを行い、制度の拡充強化に努めること。」と、こういう決議がなされているわけでありますが、そういう方向としていまの問題もお考えいただくと、こうお聞きしてよろしいでしょうか。
○政府委員(松浦昭君) 果樹共済につきましては、毎回の国会の御決議がございまして、これを外しまして私ども案を用意いたしまして、第九十一国会において改正案を実現していただいたわけでございます。そのような問題の延長線といたしましてこの支持物の問題ということも考えておるわけでございますが、要は保険設計の問題でございますので、さような技術的な観点から今後とも詰めまして、果樹共済の対象にできるものであるという判断がつきますれば、私どもといたしましてもこれを共済の対象にしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○近藤忠孝君 その点で大蔵省にお聞きしますが、農林省の方でそういう方向が出た場合、大蔵省の方として特別にこれは異存がある問題ではないかどうか、その点どうでしょう。
○政府委員(吉野良彦君) 農林省の方から御相談がありました時点で、その内容をよく御説明を聞かしていただきました上で検討をさしていただきたいと存じます。
○近藤忠孝君 最後に、これは別の問題ですが、先ほども穐山委員から指摘がありましたえさ米の問題ですね、これはもう大変な努力をして、とにかくやっぱり日本の農業を守ろうと、こういう観点からの努力がされておることは御承知のとおりだと思うんです。この点について先ほど要望ありましたけれども、私も重ねて要望申し上げますので、それについて積極的な対応をしてほしいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(高畑三夫君) 先ほども御答弁いたしましたように、いろいろ問題ございますが、今後の長期的な課題として取り組むという姿勢でおります。超多収品種の試験研究の推進その他につきましても進めてまいりたいというふうに思います。
○三治重信君 農業共済再保険の問題ときょうの水田再編成の両法案とも賛成法案ですから、別にそうとりたてて異を唱えるわけではございませんけれども、ひとつ御見解を聞いておきたいと思うわけなんです。 この農業再保険のいままでの立法のやつを見ると、法制定から四十六年、五十二年と今回と、まあ三回同じ法案じゃないかと思うんですが、中身が。これくらいの問題だったら本法の中へ規定をして処理できる問題ではないかと思うんですが、それについて農林省の方と大蔵省の方と両方について、これぐらいのやつだったらそう特別な、補助率を変えるとか金額を制限するとかいう問題でもなさそうだし、余ったら返せとかいうやつだし、もっと言えば、こんな特別大きな金が要るような場合に、財政悪いときには、どうせある程度返してもらうなら財投だってできることじゃないかと思うんですが、そういう弾力的な立法というものは、そういうことはできぬのか。やはりこういう災害のたびにこんなことをやらぬと財源措置ができぬのか。そのために、結局年度内に払うためには、特別な金を借りてやって利子を補給するとか、特別ないろいろの検討を払わにゃならぬのですが、そういうふうなことについて、特別な場合にはこれだけやるし、また財投なんか入れるような処置をとっておけば、別にそんなに二重三重の手間がかからぬで行政効率が上がって、災害のときには再保険金の支払いがもっとスムーズに行われるような処置がとれると思うんですが、そういうことについての意見についてお伺いしておきます、両方から。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま先生から御指摘がありましたように、いかに異常な災害とはいえ、経験上ある程度予想し得るところであるから、制度の問題として、こういう異常災害が生じた場合に一般会計からこの特別会計に繰り入れる道をいわば制度として予定をしておいたらどうかという御指摘でございますが、確かにそれは一つのお考え方であろうと私どもも存じます。 ただ、これも御説明を申し上げるまでもなく、やはりこの再保険特別会計は、本来この特別会計自体で長期間にわたりましては収支相償うべきものでございます。それからまたこの特別会計自体におきましても、御承知のように再保険金支払基金勘定という勘定がございまして、ある程度の異常な災害に対応いたしまして、それぞれの勘定におきまして再保険金の支払い財源に不足を来す場合には、ある程度この再保険金の支払基金勘定から資金繰りをそれぞれの勘定につけまして対応し得るという道もこの特別会計自体に仕組まれているわけでございます。そこで、私ども基本的には、あえて特別会計を設けまして一般会計と区分経理をしている制度の本質から見ましても、一般会計から資金繰りのために繰り入れをするということはやはり異常、特例的なる措置というふうに考えるわけでございます。そこで、やはりこれはあくまでも異常なる災害に対しまする特別なる対策でございますので、その都度このような形で法律をお願いをして、一般会計からの繰り入れをお許しいただくということがどちらかと言えば適当な方途ではないかと、かように考えるわけでございます。 なお、補足をいたしますと、この特別会計自体にも実は借入金の規定がございます。したがいまして、災害の程度等、そのときの状況に応じまして借り入れをすることがこの特別会計において可能である、あるいはまた借り入れをいたしました場合に、その利子負担にたえ得るというような程度の災害であるというような場合におきましては、もちろん法律上の措置といたしましては借り入れによって資金繰りをつけるということも法律制度としては可能になっているわけでございます。しかし従来は、いずれにいたしましても一般会計からの特別の繰り入れをお願いをいたしました事態は、それぞれその時点におきましてかなり異常な大きな災害でございまして、この借入金によるということがその利子負担等も考えますと必ずしも適当ではないというような考え方に立ちまして、従来はその都度特に法律をお願いをいたしまして繰り入れを許していただいているわけでございます。今回もそのような前例等も勘案をいたしまして特に法律でお願いをすることが適当であろうと、こういうふうに考えた次第でございます。
○三治重信君 簡単に。
○政府委員(松浦昭君) 農林水産省といたしましても、大蔵省と全く同意見であります。
○三治重信君 水田再編対策の税金の特別対策の法案なんですが、これは社会党さんからの質問にもありましたように、一時所得にこういう特別毎年やるというのはいかにも芸がないと、大蔵委員会の立場から見るとそういうぐあいに言わざるを得ないということになります。また、ことに今度政府の立場から言っても、あえて反対しないという意見というのはこれは初めからずっとあるわけなんだろうが、財政再建一年と、こういうようなときにも従来と同じ態度をとっておるというのはどういうことか。少しはやはり制度上も、一時所得に振りかえるというのは、もう毎年例になってくるというと、この辺でやはり財政再建の問題から見ても再検討する政府の立場というものは当然表明されていいことじゃないかと思うわけなんです。ことに増税の非常に強い立場を大蔵当局はとっているときに、国税の減収というのは、約十二億という非常に全体から見れば小さいことかもしれませんが、こういうのが一般の財政の予算編成なんかのときには国民の前には全然載らぬで、きょう、こういうようなところでふっと出るものですから、今度の衆議院のやつでもほとんど新聞には載らないでずっと通ってしまうわけですよね。だから大蔵省としては、当然全体の財政再建から見て、小さなところも逃さぬで非常に合理化を図ってやっているんだという大蔵大臣の所信表明から見ると、これはやはり相当、このことを議員立法でいろいろやるというと大蔵省も手も足も出ぬで、それはいつでも従うというふうなことを答弁されるかもしれぬけれども、それは、いま自民党が衆参両院絶対多数だからそうやって国会に恩着せがましく言って逃れるかもしれぬけれども、私は基本的に財政再建を本当に政府がやるというならば、やはりもっと細大漏らさず、国会に対してもそういう例外というものを少なくしていくことがなくてはならぬと思うわけなんです。どうですか、こういうのは議員立法で特別な減税措置をやるというのはこのほかにまだ例があるのかどうか、恐らくこれだけだと思うんですが。これに対して政府のやつも、まだまだこういうのは議員立法でやられるというならばやむを得ぬという立場をとれるのかどうか、ひとつお伺いしたい。
○政府委員(浅野拡君) ただいま三治委員が御指摘になりました意味十分わかるわけでございますが、御承知のように財政再建というのは非常に緊急な課題でございまして、租税特別措置の整理、合理化には非常に努めているわけでございます。しかし今回の補助金というのは、先ほど穐山委員からも御質問がございましたように、本来これは通常の事業所得にかわるべきものとして課税所得に含まれるというのが筋でございまして、ところが数年間にわたって交付されてきたものでありますから、一時所得としては非常に現行税法上取り扱いにくいと。だから、まあ政府としては提案しにくいという御説明を申し上げたわけでありますが、しかし先ほども申し上げましたように、財政再建という大きな課題を抱えながらも、国家の異例かつ重要な措置ということで、しかも国権の最高機関である国会が立法されるということでありますので、これはあえて反対しないと、こういう姿勢をとらざるを得ないということにつきまして、いま御指摘の意味も十分わかりますけれども、ひとつ御理解を願いたいというふうに申し上げたいと思います。
○穐山篤君 いまの問題は政策的なことですから、せっかく衆議院からこういうふうにお見えですからお考えを伺いたいんですが、再三指摘をしておりますように、この特例法というのは昭和二十六年から手を変え品を変え出ているわけですね。最初、昭和二十六年には供出に対する奨励金の臨時措置法というものが考えられている。それから三十年から四十四年までも同じように事前売り渡し制に対する臨時措置が出ておる。それから四十五年から四十八年までは生産調整奨励補助金、それから四十九年、五十年は稲作転換奨励補助金、それから五十一年から五十二年は水田総合利用特別措置、まあ五十三年からは御案内のとおり、現に出ておりますような奨励補助金というものが出ているわけです。これは議員立法といいましても一党なり大多数でなくて、与野党満場一致の性格のものですね。すでに長年、年次法としてそのまま継続をされている。浅野政務次官は、好ましくはないけれども反対はしないと、こういうふうに言われるんですけれども、衆議院側の考え方としては、こういう年次法で続けておいた方がいいのか、それとも農業政策と税制、税体系というものをきちっとする方がいいのか、その点、院の考え方をお聞かせをいただきたいと思います。衆議院側の院の考え方です。
○衆議院議員(小泉純一郎君) 全会一致の法案でありますし、慣例でこういう形でいつもお願いしている法案なんですが、私は、この問題は農業政策と税制、複雑に絡み合っていると思います。税制から見ると、所得に課税されないというのはある面から言えば変だと思います。しかし、農業政策として奨励させるんだと。この奨励金が奨励金にならない、課税されてしまう。これじゃ肝心のこの政策目的を達成し得ない。そういう妥協があえて反対しないという政府側の立場にあらわれているんだと思います。税の観点から見れば、所得はどういう所得であれ、ある一定水準にくれば課説されるのはあたりまえである。しかしそれだと政策目的に合致しない。その接点がこういう形になったんだと私は理解しております。
○穐山篤君 政務次官ね、いま衆議院側の考え方というものが一応披瀝をされたわけですが、ずいぶん客観的に言いましてもあるいは税体系上からいってみても、こういう措置をそのまま年次法として残しておくということは不可解だと思うんです。好ましくないとは言いましても、すでに歴史的に実績があるし、今日までそれが継続をされているわけです。ですから消極的な態度でなくて、積極的に農業政策上これが必要なんだというふうに本問題を考えるのか、いや、もう反対なんだけれども、それぞれ満場一致で決められるならばしようがないと。こういうことになりますと、ほかの問題にも当てはまる問題も幾つか出てくるわけですよ。ですから私は、これは純事務的な話でなくて、政策的な勇断といいますかね、決断がなければならぬと思うんですよ。そういう意味でもう一度明確にしてもらいたいと思うんです。
○政府委員(梅澤節男君) この問題につきましては、先ほど来再三政務次官が御答弁申し上げているところでございますけれども、税制上、本来この特例措置はなじみにくいということについては先ほど来御議論があったところでございます。なるほどこの奨励金につきましては、私ども伺っている限り、かなりの長期計画でもちまして毎年予算でもって支出が決められるという性質のものであるというふうに伺っているわけでございますけれども、先ほど来の御議論にもありますように、本来毎年交付されるような補助金であって、しかも本来事業所得的な性格のものを一時所得として扱うわけでございますので、従来の慣例どおり私どもといたしましてはその年度年度国会の政策決定と申しますか御判断を賜りまして、それで政府側としてのそれに対する対応を決めさせていただくというふうに従来もさせていただいておるわけでございますけれども、今回衆議院の方で御提案になった背景もそういう考え方に立って御提案になったものということで内閣意見がまとめられたところでございます。
○穐山篤君 もう大蔵大臣が見えると思うんですけれども、繰り返し申し上げますけれども、やっぱりそれが単年度に終わるものならば年次立法でいいと思うんですよ。しかし先ほどの計画でいきますと、五十六年度からの第二期、それから五十九年からの第三期というものが依然として継続をされるわけですね。これは国の農業政策の基本的な課題としてそれが提示をされ、当初はペナルティーもつくなど政策的にはかなり強制化されたものなんですね。それに対する臨時措置というものが出ている。ですから、私は年度を限って——三年にしろ五年でも結構ですよ、考え方を整理してもらえるなら三年でも五年でもいいんですけれども、政府自身の臨時措置法として提案をする方がいいのではないだろうか。意見が分かれますけれども、これは政策的に物を考えていただかないと結論は出ないんじゃないかと思う。今後、たとえばエネルギー問題にいたしましてもあるいはその他の問題にいたしましても、政策的な判断を下す幾つかの問題が出てくると思うんですね。その場合に、一年限りのものならば議員立法ということがあり得ますけれども、数年継続をされる、それも内容的には同じであるということになるならば、それはもう政府が引き取っていただいて、政府自身の政策の問題として国会に提示をするということの、その方が私は正しいやり方ではないだろうかというふうに思います。税制上、税の体系上もこういうふうなことを放置しておくというのは余り芳しくないというふうに考えます。再度その点について減収になることだからいやだと、しかし院が決めるならば、最高の議決機関だからしようがないというふうなお話のようですが、どうも科学的ではないというふうに思うんです。
○政府委員(梅澤節男君) 繰り返しのお答えになって非常に恐縮でございますけれども、政務次官あるいは先ほど小泉議員からも御発言がございましたように、本来この所得を一時所得として扱うあるいは法人税法上圧縮記帳の対象にするというのは、税法上どうしてもなじまないということは御理解を願いたいと思うわけでございます。その意味で、政府提案の形でこれを立法府にお諮りするということについては非常に困難を伴うわけでございますけれども、やはり奨励金というものの政策上の効果を立法府としてどう御判断になるのか、たとえば長期間奨励金というものは交付することが予定されておる。したがって、その期間恒久的に特例措置を認めるべきではないかという先生の御提案も一つの考え方とは思いますけれども、私ども政府側といたしましては、やはり税法上そういう問題がございますので、政策判断というのはやはりその時点におきまして、しかもこの補助金自体は毎年度国会の予算でお決め願うわけでございますので、その意味では私どもといたしましては毎年度毎年度この年度について特例措置を講ずることがあるのか、あるいはそういう事態が、講じなくてもいいという条件があるいは出てくるのかもわからないわけでございまして、毎年度私どもは立法府の御判断を仰ぎたいというふうに考えるわけでございます。
○穐山篤君 大蔵大臣ね、いま締めくくりの話をしているんですが、年次の議員立法で取り扱ってきたわけですが、与野党満場一致のものであるし、それから国の農業政策の問題として取り扱いが行われているわけですから、政府自身がそれを引き取って、政府自身の法律として特別措置を講ずべきじゃないか、こういうふうに再三議論がされている。それについて政策的な決断をお願いをしたところです、それが一つ。それからもう一つ、先ほどの所信表明演説にもありましたが、財政再建元年であるというふうに言われたわけです。 そこで、ごく限られた農業問題の分野で御指摘をするわけですが、古米——過剰米の処理にいたしましても膨大な金がかかる、あるいは水田再編の問題につきましてもこれまた膨大な金がかかるということは御承知のとおりだと思うんです。私は、必要なものは出さなければならないし、節約すべきものは節約をしなければならぬ、こういうふうに前から指摘をしているんですが、この五十六年度予算編成に当たって、水田再利用の問題に関連をするわけですが、財政再建と農業の関係の財政についてどういうふうにこれから運んでいくのか、その点を最後にお伺いをして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つは、各党で一致した今回の一時所得にするという補助金の問題、これは政務次官からすでにお答えがあったかと存じますが、やはり政府としては毎回もらうものを一時所得はおかしいじゃないか、一時所得というのは一回限りというのが一時所得であって、だからこそ半分しか課税しませんよ、課税対象には。特別な恩恵を与えている。だからこれを政府が恒久法として出すということになると、ほかの税体系と非常に矛盾してくるというようなことで、政府としてはそう長期なものについて、しかも数年あるいは十数年にわたってもらっているものを、営業所得なら別だけれども、一時所得として減免みたいなことはできませんと、こういう理論上の問題なわけでございます。しかし国会で御決定になったことについては政府としてはやむを得ないといいますか、何という表現をするのか、それには従ってまいりますということでやっておるわけであります。 それから、農業問題で過剰米処理や何かで非常にお金がかかる、財政再建と非常にから合うじゃないか、私どもも農業の問題ばかりでなくて、いわゆる三K問題等については同じようなことが皆言えるわけでありまして、やはりそれぞれのところで政策をはっきりさしていただいて、それで過剰米が発生しないようにまずやっていただきたいということが第一であります、過剰になったものについてはできるだけ有利な条件でそして売却その他をやっていただきたいということを申し上げておるわけでございます。これは農民の、特に過剰米対策にずっとこれから金を出していくということは、私の方といたしましてもなかなか大変なことなんです。しかしある限られた最低の量の問題については、これは食糧の確保と備蓄というような面も考えると、これは安全保障上の問題もございますから、そこらの点については最小限度のものはやむを得ないだろうと、こう思っておる次第であります。
○委員長(中村太郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案の討論に入ります。 別に御意見もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。 まず、農業共済再保険特別会計における農作物共済、畑作物共済及び果樹共済に係る再保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金等に関する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、昭和五十五年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中村太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中村太郎君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました租税及び金融等に関する実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村太郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会 —————・—————