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94回国会参議院1981/05/12

商工委員会 第9号

発言数
176
登壇者
20
会派数
3
開催日
1981/05/12

会議録

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る七日、前島英三郎君及び小笠原貞子君が、また去る八日、対馬孝且君が、それぞれ委員を辞任され、その補欠として森田重郎君、市川正一君及び吉田正雄君が選任されました。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に市川正一君を指名いたします。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の審査のため、同法案の審査中、商工組合中央金庫理事長影山衛司君を、また商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、同法案の審査中、全国商工会連合会会長辻彌兵衛君を必要に応じそれぞれ参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  両案の趣旨説明並びに補足説明は、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法案審査に対しまして、一般的な立場から御質問をいたしたいと思うのでありますが、私は中小企業の定義というものについて、現在中小企業政策審議会で検討中でありますけれども、日本商工会議所が基準拡大を要求しているに反しまして、商店街の振興会などでは零細個人企業を保護すべきだとして基準拡大に反対するなど相当論議があるようであります。  ちなみにいま中小企業の定義の推移でありますけれども、三十八年の中小企業の基本法の施行時点において、資本金や従業員の規模について、製造業等においては五千万円以下または五百人以下というようになっており、あるいはまた商業、サービス業の関係については一千万円以下または五十人以下。四十八年の定義改正後から現在までの段階においては製造業等が一億円以下または三百人以下、卸売業の関係については三千万円以下または百人以下、小売、サービス業の関係については一千万円以下または五十人以下ということになっておるのであります。これらの点から考えてまいりますと、中小企業の中には政策金融や税制面での優遇措置を受けられなくなるのを恐れて、増資を見送る企業も少なくないと言われておるのであります。中小企業の範囲が拡大すると、従来規制の対象だった企業が中小企業にいかされて逆に優遇されて保護される結果になるということなのであります。したがって、こういう点から考えてまいりまして、中小企業の関係等についてはその定義並びに内容についてどのようにお考えになっておられるか、政府側の答弁をお伺いいたしたいと思うんであります。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘の中小企業の定義につきましては、昭和四十八年の中小企業基本法等の改正を経まして現在に至っておるわけでございますが、この間の経済情勢の変化などからいたしまして、再検討を求める意見が強く出されているわけでございます。ただ、中小企業の定義改定につきましては、現在、いま御指摘になりました点のほかに、分野調整法等に基づきますところの大企業等の事業活動の規制あるいは調整が行われておりまして、仮に定義改定が行われますと、従来保護されていたものが保護されなくなる場合も生ずることが一つございます。それから、第二の点として、ただいま御指摘のように中小企業の範囲が広がります結果、中小企業施策がより上位の階層へシフトをいたしまして、小規模の事業者への助成が薄まるのではないかと懸念する意見がございます。そういった種々むずかしい考慮すべき問題点があるわけでございます。こういったことからいたしまして、昨年の五月に実は中小企業政策審議会の意見具申におきまして、具体的な定義の基準の引き上げについては実態に即した慎重な検討を必要とするという旨が指摘されております。この昨年五月の指摘を受けまして、昨年十月に中小企業政策審議会——これは内閣総理大臣の諮問機関でございます、ここに定義改定問題小委員会を設置いたしまして、現在中小企業の実態等を踏まえた慎重な検討を行っておるというのが実情でございます。中小企業庁といたしましては、その検討結果を待って、政府として政策上これをいかに定義改定に織り込むかという結論を出すわけでございますけれども、現在のところはただいま先生御指摘のとおり賛否両論に分かれておりまして、定義改定を行うことによって零細な小規模なものが従来ほど手厚い保護が受けられなくなるのではないかというような御意見等がございますし、それから調整とか規制の法体系の中で、従来規制の対象となっておったものが規制の対象から外れると、その結果やはり小規模零細にも影響が及ぶというような御意見が開陳されております。したがいまして、こういった問題は結論を出すに当たりましてしこりを残すといけませんので、十分慎重な議論を尽くしたいという基本的な方針で臨んでおるところでございます。したがいまして、現在のところはこの小委員会におきまして各意見のある業界からつぶさに意見聴取を行っておるということを進めております。そういたしまして、たとえばいついつまでに結論を出すとか、いついつの法律改正に出すといったようなスケジュール化した時点を切ったやり方をしておりませんで、やはり昨年のビジョンにうたわれましたように、きわめて慎重な、しかも実態を十分踏まえた定義改定の結論を出すようにということでございますので、その精神にのっとって現在進めておる、こういう次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 昨年十二月に東京の商工会議所が実施した中小企業者の範囲の拡大についての調査というのがありました。結果によりますと、中小企業者の範囲拡大に賛成するものは企業で六六・二%、それから団体で六六・七%、反対するものは企業で六・九%、団体で三・九%、一割に満たなかったのでありますが、このことはこの数字で直ちに賛成しているということにはならぬと思うのでありまするけれども、中小企業者の資本金規模を製造業で一億円から三億円、卸売業で三千万円から一億円、それから小売サービス業で一千万円から三千万円にそれぞれ引き上げるとすると、これらの新規対象となる企業の八ないし九割が賛成しているということになるのであります。中小企業政策審議会の結論というものは、いま長官の話がありましたけれども、いついつまでに結論を出しますという行く先をはっきりした結論でもないように見えるんですけれども、その点いかがでしょうか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) いま御指摘のように、たとえば次の通常国会とか臨時国会というように日を切りまして議論を詰めてまいりますと、非常に議論が拙速になりますし、また、すべての意見を反映するということにも反しますので、そういった日限を切った議論の展開は現在のところ進めておりません。あくまでも意見のある業界からは十分意見を聞くというのがこの審議会の現在の態度でございまして、四十八年の改正以来、現在まで相当年月がたっておりますが、今度経済情勢の変化に応じましてやりましたものが、後またすぐ改正するというわけにまいりませんので、改正するといたしましてもやはり慎重に議論を尽くした上で、みんなのコンセンサスの上に立って結論を出そうと、そして改正の作業に入ろうと、このような態度で臨んでおります。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 政府がいまかけ声をかけていらっしゃる行財政改革が、これは必然のものだということになりますと、当然中小企業の基準を拡大して、中小企業向けの保護をふやすということについては、この動きに対して反対する方向だということも理解されるわけでありますが、この兼ね合いについて通産大臣、どういうようにお考えになりますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 中小企業問題を担当し、また中小企業者に直接私は責任を持っておりますし、行財政改革につきまして中小企業者並びにこういう問題に波及するようなことにつきましては、やはり一番私に言わせると関心の強い問題でございますし、中小企業者に大きな影響を与えるようなことにつきましては、もうすでに前々から長官とも相談をして、そういうことはできるだけ排除するような指示もしておりますし、私の方針としてはそういう考えでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 政府が三月十七日だったでしょうか、総合経済対策で、五十六年度から中小企業向けの官公需発注機関を拡充する方針を打ち出しているわけでありますが、四月十七日の閣議でそのための官公需施行令の改正案を正式に決定したのであります。それによると、対象機関はこれまでの十法人が何と七十七法人へと大幅にふえることになったのであります。これら新たに加えられた法人はなぜこれまで中小企業向けの官公需発注主体とされなかったのか、この点が非常に不可解だと思うのでありますが、この点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 中小企業者の官公需の確保につきましては、いわゆる中小企業者の受注の確保に関する法律ということで、その法律に基づきまして、できるだけその機会の拡大を図ることといたしております。先生いま御指摘になりましたように、官公需の受注の拡大につきましては、政府機関のみならず特殊法人等につきましてもできるだけそれに従ってやるということでなっておりまして、従来は法律に基づきまして政令で指定されました法人は先生おっしゃったような数字でございましたけれども、実際上の運用といたしまして、運用ベースで相当数の法人を指導してきておったわけでございます。今回それらの法人の大部分を追加するということにいたしまして、全体として七十七法人が対象の法人となったわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そういたしますと、これらの新規法人の官公需の総実績と、それから中小企業向けの実績を過去数年分について私は示してもらいたいと思うのでありますが、その点についてお伺いいたします。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 追加されました新しい法人につきましては、それらの調達実績及び中小企業から調達した実績等をとりました上で今後指導していくつもりにしておりまして、現在のところまだ実績は私どもはとっておりません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これはとってないということはないと思うんです。とってないということはないと思うんで、そういう点調べてひとつ資料として提供してもらいたいというふうに考えます。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 調べました上で、その結果を御報告申し上げたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 官公需の総額に占める中小企業向けの発注額比率の推移を見てまいりますと、五十三年度の目標額が三五・五%、二兆九千億円、五十四年度が三六・二%、三兆一千七百億円、それから五十五年度が三六・五%、三兆四千五百億円と年度を追って増加しているのでありますが、その実績はここ数年いずれも目標額を下回っているのであります。五十五年度では三六・五%の目標額は達成できたかどうなのか。できなかったとするならばその理由は何なのか。将来中小企業向け発注額の比率をどのくらいにするのが望ましいと考えているのか。私ども社会党は五〇%ということをすでに予算委員会その他で主張いたしているわけでありますが、政府もその点については増額の必要を認めておりますけれども、どうも風船だけは上げるけれども、なかなか大企業に押されて中小企業の人たちが満足するような受注をしていないということなんでありまして、その点いかがですか。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 中小企業向け官公需の実績につきましては、いま先生がおっしゃいましたようなところでわずかずつではございますが毎年比率が増大してきております。それで五十四年度につきましては、先生おっしゃいましたように目標額に若干未達の状況でございました。五十六年度につきましては、現在年度が終わったばかりでございまして、全体の集計を終えておりませんのでわかりませんが、毎年七月ごろには五十六年度の目標をつくることになりますので、そのころまでには一応実績も上がってくるかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これは中小企業庁の資料なんでありますが、官公需の実績の内訳表というのをいただいたわけでありますが、その中で物品、役務、工事と実はあるわけです。比率といたしましては、五十四年度の分を申し上げますと物品の比率が二九・九%、いかにも低いと思うのであります。官公需の総額はそのときに八兆九千二百十八億であります。それから役務の関係は、これは比較的サービス関係で運輸とか運搬とか、こういうようないわゆるある意味では単純な仕事なものですから非常になじむということもあって五四・六%、それから工事の関係は三三・八%でありますから、これらの関係について、たとえば大手の関係等については技術その他の関係でなかなか困難であるとするならば、それはある程度分離発注とか、あるいはまたその他の関係で考えるということでいく必要があるんじゃないか。それから物品なんかについては二九・九%ということでなくて、もう少し中小企業向けにできるはずだというふうに思うのでありますけれども、この点についてなかなか口で言うほど実績が進んでいないという点について、せっかく政府もこの点については積極的に乗り出したわけでありますし、前倒し七十数%ということも考えているようでありますから、この点についてアドバルーンに終わらないためにどういうような対策を講ずるのか、その点についてひとつ御決意を含めてお伺いいたしたいと思うのであります。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 中小企業向け官公需につきましては、従来からも政府といたしましてはその比率の拡大に努めてまいってきておりますが、今後とも一歩一歩それを高めていきたいというふうに考えております。  先生御指摘のありました、物品についての官公需の比率が工事や役務についての中小企業向け官公需の比率よりも低いじゃないかという御指摘についてでございますけれども、工事につきましてはできるだけ分割発注等をやることによってその中小企業向けの比率を高めるように努力しておりますけれども、物品の場合には、たとえば大型の航空機とか船とかというような大企業でつくられておるものも含まれておりますためにどうしても比率が低くなってくるということでございまして、そういう大きなものにつきましては分割発注等もしにくいというようなことで役務や工事に比べまして比率がやや低くなっているということではないかと思います。しかし、私どもといたしましては今後もできるだけ物品についても中小企業向けの受注がふえるように努力していきたいと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 中小企業関係の金融三機関の貸出金利についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、三月十七日の総合経済対策で、政府系の中小向けの金融三機関の貸出金利を、率は未定ながら事実上引き下げたのでありまするけれども、十七日以前と十八日以降に分けて貸出額を比較してまいりますと、これら三機関の設備資金の貸出額は急増いたしまして約四・五倍にもなったと伝えられておるのであります。商工中金関係の金利負担をきらっていた人たちが、まあ待機組があったわけでありまするけれども、金利の引き下げということに好感して投資に踏み切ったものだというように私たちは考えているのでありますが、この点について、中小企業の設備資金の需要は四月に入って今度は逆に伸び悩みが顕著になった。三機関の貸出金利の下げ幅の不透明について、そのことが原因じゃないかというように思われてならないんですが、率直に言って、借りる側から申し上げますと、幾ら下がるかわからないものについて借りるわけにはいかないということもあると思うのでありまするけれども、この点について、中小企業庁長官、どうお考えになりますか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいまお話しのように、三月の十七日の第二次総合対策が決まりまして、そこで設備資金の借入金利を前倒しで三月十八日以降にさかのぼってその低減された金利を適用するという措置がまず発表になったわけでございます。そのときにどの程度の幅かということは未定でございまして、全般的な長期金利の動向によって決まるということになっておりましたが、これが四月の二十八日から適用が新しく決まりまして、ほかの一般の長期プライム等は〇・三%しか下がらなかったんですが、中小企業の設備資金につきましては〇・五%という特例措置をとったわけでございます。そこで初めていつまでさかのぼるかということと、それから引き下げ幅がどうかという二つのことがはっきり決まったわけでございます。先生御指摘のように三月十八日以降、早く借りた人も後で金利が下がった分はそれだけ三月十八日にさかのぼって遡及するということでございますので、いままで足踏みをしておりました設備投資の希望者、これがいわば在庫一掃の形で三月十八日以降相当三機関の窓口にあらわれたわけでございます。ただ、その在庫分が一応一掃されますと、もう少し基本的に金利がどのくらい下がるかはっきりしないとそろばんがはじけないという新しい人たちでございますので、四月の二十八日まで様子を見たということもございまして、三月の三十一日、あるいは四月の初め、この辺の急増に対しまして四月に入りましてからは若干なだらかな増加になりまして、たとえば申し込みあるいは実績等におきましても二割あるいは三割の増となっております。ただ、対前年度ということでいきますと、やはり相当高い水準を現在示しておりまして、中小企業の設備投資も非常な低迷状況からやっと若干明るさが出てまいったと、このように私どもは現状を評価しておる次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 結局、下げ幅の問題についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、このような情勢で、三月十八日に遡及して適用するということは、これは非常によかったと思うんです。しかし、下げ幅が当初中小企業庁長官は基準金利を〇・七%下げるように関係各省と、特に大蔵なんかと折衝していると実は私新聞で見たわけであります。現実に〇・五%の引き下げにとどまったのでありますが、中小企業の設備投資の意欲を促す意味でも、あと若干の上乗せが必要でなかったのではなかろうかというふうに思うのでありますけれども、この点について特に「日刊工業新聞」の三月三十日付を見たのでありますけれども、中小企業庁長官は三機関の貸出金利幅について、中小三機関の金利下げ幅は必ずしも長期のプライムレートと同一でなければならないということではないと。資金運用部金利の下げ幅と政策効果を勘案して、少なくとも預貯金の金利程度、定期性預金の〇・七五%ぐらいはねらいたいということを言っておるわけでありますが、中小企業会では公定歩合と同一の一%下げを強く要望しているんです。  先般も私は商工委員会でも申し上げたわけでありますが、中小企業者が三人寄ったらもう金利の話をしているというようなのが今日の現場の第一線の実情だと思うのであります。  したがって、このような希望というのは素朴であってしかも今日の景気の状態を反映して熾烈な勢いというように思うのでありますが、いまでもこの点については、長官が前におっしゃったように預貯金の金利程度、定期性預金の〇・七五%程度はねらいたいのだと。日本商工会議所など中小企業会では公定歩合と同一の一%下げを強く要望していると。そうした願いは素朴かつ熾烈であるというように言われているわけでありますが、この点について今日どのようにお考えになっていらっしゃいますか、お伺いいたしたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 結論から申し上げますと、四月二十八日以降〇・五%しか下がらなかったという結論につきましては、大変残念なことであったと考えております。御指摘のように、最初公定歩合が一%下がったわけでございますが、諸般の事情がございまして預貯金金利の方は〇・七五しか下げられないということで決着がついたわけでございます。ただいまお話しございましたように、私どもの基準金利を引き下げる要素といたしまして、原則はあくまでも長期プライムレート並みにせめて中小企業の借り入れ金利を下げてあげたいというのがいわゆる中小企業政策の格差是正の柱でございまして、従来からそういった長期金利につきましてプライムレート並みということが原則としてございます。しかし、今回のやりとりで見てまいりますと、預金金利が〇・七五下がったわけでございますけれども、プライムレートの方は実は〇・三%しか下げられないということになったわけでございます。この背景といたしましては、国債の金利あるいはインターナショナルな国際的金利動向等がございまして、それからいわゆる公債の普通の利付債その他のいわゆる債券の売れ行きの動向等がございまして、これはマーケットで決まる性格のものでございますので、プライムレートを決定した背景が政府としてなかなか手の届かないものもございまして、結論としては〇・三%しか下がらなかったということでございます。そこで、ただいま先生御指摘のようにプライムレート並みという原則にいたしますと、中小企業の基準金利も〇・三%しか下げられないという事情に追い込まれるわけでございますが、大臣とも御相談申し上げまして、それではいまの中小企業の設備投資をなかなかカバーし切れないということで、何とか少しプライムレートを超えて下げ幅をできるだけ多くしようということでやったわけでございます。その際に、たとえば中小企業金融公庫の例で申し上げますと、中小企業金融公庫が貸します資金は実は郵便貯金あるいは厚生年金等から資金運用部資金を会計を通じまして借り入れたお金がもとになっております。したがいまして、これを資金運用部に対するたとえば郵貯特会からの預託金利と呼んでおります。この預託金利をどのぐらい下げるかということはまた一般の預貯金者に対するところの影響が非常にございまして、これはそれぞれの官庁のやはり攻防戦の一番焦点になるわけでございまして、そこでプライムレートの方は〇・三%でございましたが、預託金利の方をできるだけ私どもは〇・七五下げてもらえないだろうかということで折衝を重ねたわけでございますけれども、結論といたしましては、やはり預貯金者の立場も考慮いたしまして〇・五しか下げられないということになったわけでございます。したがいまして、〇・五下げたその下げ幅をまさしく基準金利にも適用いたしまして、まるまるそれだけ引き下げるということにいたしまして、〇・五%下がったということになったわけでございます。したがいまして、でき上がりの結果といたしましては、プライムレートは〇・三%しか下がらなかったのですが、預貯金金利が資金運用部に預けられる金利が〇・五下がる。それからそれをもとにして中小企業者に貸し出します基準金利も〇・五%下げる、こういう決着に終わったわけでございます。  長期的にどうかという御質問でございましたが、長期的に見ますと、やはり低成長時代にあるべき金利というのはやはり低利でなければいけない、私はそういうふうに考えております。これは低成長時代に入りますと収益構造も非常に悪くなりますし、量的に伸びられないという事情もございまして、やはり質的な面で金融というものが改善されなければいけないということになりますと、やはり金利というものについての配慮が十分なされないと、なかなか中小企業経営がうまくやっていけないという事情が長期構造的にございますので、そういった政策的配慮を今後とも続けていく必要があろうかと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 次に、新聞報道によりますと、中小企業向けの金融公庫は中小企業金融公庫ですね。民間の保証会社であるTKC金融保証会社との間で一般事業資金の代理貸し付けに関して基本的に合意されたということを報じているわけであります。ここにその新聞記事を持っているのでありますが、TKC金融保証、略称TKK、これは東京都港区高輪にあるわけでありますが、「政府系中小企業金融機関である中小企業金融公庫との間で一般事業資金の代理貸し付けに関して基本的に合意した。早ければ六月にもTKC全国会に加盟する四千三百人の税理士、公認会計士が受託する四十万の中小企業を対象に同公庫の代理店を通じて融資取り扱い業務を開始する。」とあるのであります。私はこの点について、中小公庫の一般貸し付けには公庫の本支店を通じまして貸し付けをするところ、直接貸し付けと代理店、現在、都銀や相銀等全国で八百店以上を通じて貸し付けを実は行っている代理貸し付けがあるのでありますが、今回のこの措置によって中小企業者はTKC金融保証会社を通じて代理貸し付けが受けられるということになるのであります。ただ、問題は従来の代理貸し付けの窓口となっていた都銀等の銀行や信用金庫などいずれも公共性の高い、強い組織ばかりなのでありますが、その観点からするならば、TKC金融保証会社はどのような組織か私もよくわからない。また、通産省の皆さんに聞いても余りよくわからないというんですよ。そういうところとなぜ提携するということになったのか、一般人にとっては明確ではない部分があるし、民間の法人ともなれば営利本位に走ることも考えられるわけなんでありますから、これらの懸念について明確に答えていただきたい、こういうように考えます。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) TKC金融保証会社といいますのは、税理士や公認会計士の全国団体である計算サービスの団体であるTKC、東京計算センターというもののいわば子会社みたいなものでございまして、そういう税理士、公認会計士等が株主となり、そのほか生命保険会社、火災保険会社等が株主となっている金融保証会社でございます。新聞の報道によりますと、その会社が中小企業金融公庫の代理貸し付けを行うこととなったというようなことでございますが、この新聞報道は必ずしも正確なものとは言えないわけでございます。といいますのは、先生もおっしゃいましたように、中小企業金融公庫法上、業務委託をできます、いわゆる代理貸しをできます機関は金融機関に限られておりまして、金融保証をやります会社で、民間会社であるTKC金融保証はその代理貸しの機関とはなり得ないわけでございます。それで、中小公庫はまた貸し付けの相手となりますのは特定の業種に属する中小企業でございまして、そういう意味からもこのTKC金融保証会社は貸し付けの対象ともなっていないということでございます。ただ、この会社は純粋に民間会社としてこのような税理士等がサービスを行っております中小企業に対して、金融の保証面で全くプライベートな金融保証を行うというような事業を行っておりますので、中小企業金融公庫といたしましては、そのような金融保証会社とそれから中小企業金融公庫の代理貸しを行っております金融機関との間に提携契約を締結している場合には、その代理貸しを行うに当たってそのTKC金融保証の保証を認めてもよいというような判断を示しているわけでございます。したがいまして、代理貸しはあくまでも金融機関の方で行うわけでございまして、その金融機関の融資に当たって、場合によってはこの会社を利用するということもありまして、中小企業金融公庫の業務運営に当たって、特にそのリスクが高まって問題があるというようなものではないと私どもは考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 その点はひとつ金融機関、そのとおり金融機関ですから、その点は私ども別に反対しているわけじゃございませんけれども、やっぱり客観性のある、公共性のある機関との間ならわかるけれども、一般に全然知らないところと急に取引関係を代理貸付業務といえども委託するということが決まったとなりますと、それでは大変問題になりがちでありますから、その点についてはいろいろ、東洋信販などという例を私は出すつもりはございませんけれども、あれだって非常に初めの事業計画や定款等はすばらしいものであったわけでありますけれども、結果としてあのような状態になったということを考えれば、私は政府のやはり体面上から考えてみましても、相当な調査をし、よくPRをして、関係中小企業家並びに団体に対してよく説明と納得を得てからにすべきである、このように考えておりますから、それは要望をいたしておきたいと思います。  それから、総評など労働四団体が四月十三日に中小企業庁長官に対して不況対策を申し入れましたね。この一つとして公定歩合の一%下げの影響が中小企業レベルでは〇・四から〇・五%程度にとどまっていると指摘いたしまして、中小企業向けの金利を公定歩合に連動させるというような主張をしたわけであります。これは私がさっき申し上げたとおり。昨年十一月の公定歩合引き下げの際、一%でありましたけれども、あとのたとえば信用金庫貸出金利がわずかではあるけれども上昇をいたしておりました。中小企業向けの貸出金利が公定歩合引き下げに連動しないうらみが非常に多い。こうした傾向について政府はどのような考え方をされておられるのかですね、その対策等についてお伺いいたしたいと思うのでありますが、ある新聞によりますと、中小企業向けの貸出金利等については、相互銀行や信用金庫は利下げを実は拒否いたしているんですね。それで、どうしても利下げをしろというなら、そんな会社とは取引を解消しても結構と逆に脅迫しているんです。こういうような関係は、それは利ざやの縮小とか収益悪化とかいろいろあるでしょう。あるでしょうけれども、相互銀行、信用金庫は中小企業と金利改定交渉の中で、貸出金利の利下げを強硬に拒否するケースが今日目立っているという中において、相銀、信用金庫の中では場合によっては取引関係を拒否しても、解消しても利下げに応じてはいけないというような指示が出ている。これは日本銀行で言っておるわけでありますが、これらの関係について非常に憂慮すべき事態にあるというように私は考えておりますが、本来銀行は大蔵省だけれども、中小企業の関係については通産省が中小企業金融公庫を担当いたしているわけでありますから、その点についてどのように考えていらっしゃるかお伺いいたしたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 三月十七日の総合経済対策を受けまして、中小企業向けの金融ができるだけ円滑にしかも低利で行われますように、政府系金融機関につきましては、先ほど長官から御説明しましたような形で低利の融資ができるような措置をとったわけでございますが、それと同時に、中小企業庁長官名で四月の初めに全国銀行協会や相互銀行協会、信用金庫協会等に対しまして通牒を出しまして、中小企業が現在非常に困難であることにかんがみまして、できるだけ中小企業向けの金融が円滑に行われるよう等について特別の協力を要請しております。児生がおっしゃいましたように、中小企業専門民間金融機関、相互銀行や信用金庫、信用組合等の貸出金利が公定歩合等が下がるに伴いまして十分に追随して下がってないというのは、確かにそのとおりでございまして、私どもとしては、できるだけそれが下がり、中小企業者が安い有利な資金の貸し出しを受けられるようにさせたいというふうに考えておるわけでございますが、これらの金融機関につきましてはその利ざや自身がまた縮小しているということで、なかなかその金利を下げにくいというような状況もございます。したがいまして、預貯金金利を含めまして、全体の金利水準を下げることによって、それらの金融機関の資金コストを下げ、その結果としてそれらの金融機関からの貸出金利ができるだけ下がるように持っていきたいということで、大蔵省の方とも緊密な連携をとりながら、このような金融機関の指導を行っている次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 計画部長わかるけれども、それでは政府とそれから日銀等が、とにかく思ったより深刻である、しかも中小企業の倒産が危険ラインの千五百件を超えて現在一万八千何がしということになっているということについて、もう本当に一般的に数字で上がってくる情勢よりも事実はなおきわめて厳しく進行しているということについて、ある意味ではこれはカンフル注射であり、ある意味では英断だと思うんです。そのことは現場の金融機関で一%の公定歩合の引き下げというものがどういうように中小企業の、あなたや長官の言ったように、不景気の時代については利益がまことに少ない、付加価値がきわめて少ないというような中で、わずか一%、この一%の攻防というものが、これがいわゆる会社の倒産にもつながるわけでございますから、その点についてはもっともっと厳しい指導をすべきじゃないだろうかというように考えておるわけであります。特に今日帝国データバンクの発表によりますと、五十五年度の倒産件数はいま申し上げたように一万八千二百十二件、五十二年度の一万七千九百八十七件を上回っているのですから、史上第一位、最高。余りうれしい最高ではない。これは個人消費の伸び悩みとか住宅建設の低迷とかあるいはまた素材産業の在庫調整がうまくいかないということももちろんでありますけれども、これはやっぱり中小企業者の資金繰りがうまくいかなかった、またその利子が高いということが企業倒産に結びついているということになるわけでありますが、この点について私の指摘に間違いないかどうか、お伺いいたしたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 最近の景気情勢の中で、特に大きな影響を受けておりますのは中小企業分野でございまして、したがいまして、先生御指摘のように昨年からことしにかけまして倒産の件数も非常に高まっているというような実情でございます。そのような情勢を踏まえまして、政府といたしましては、できるだけ困難な状況にある中小企業者がその困難を克服できるよう、貸し付けに対する、金融機関からの融資に対する依存度の高い中小企業でございますから、一%でも〇・五%でもできるだけ安い金利で金融を受けられることによって、そのような困難を克服できるようにいたしたいと私どもは考えまして、この春以来の景気対策を実施に移しますに当たりましては、特に金融面から、しかも中小企業者が最近特に金利に対して強い意識を持って、少しでも安い金利で借りたいという状況にございますから、金利面からの措置をとりたいというようなことで努力してまいってきておるわけでございます。したがいまして、短期金利につきましては一%の公定歩合の引き下げに対して〇・七五%下がったわけでございますけれども、長期金利につきましては、全体の金利水準が下がりが低かったというようなこともあって、短期金利ほどは下がらなかったわけでございます。しかし、中小企業金融機関向けには特別に低い金利で設備資金を供給できるようにしたわけでございまして、そのような措置を講ずることによりまして一般民間金融機関からの貸出金利もできるだけ下がっていくような方向に持っていきたいと私どもも考えておりまして、今後もできるだけの努力をしていきたいと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 商工中金の影山理事長さんにお伺いいたしたいと思うのでありますが、四月の十三日に商工中金で発表いたしました「中小企業の経営調査」によりますと、四月から六月まで中小企業では引き続き売り上げ不振が続くと、こういう見通しを発表されておられるのであります。私もその点についてよく理解できます。その理由についてひとつ簡単に御説明願いたいと思うのであります。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○参考人(影山衛司君) 御承知のように中小企業者は、仕事の性格上消費に直結した業務を行っている分野が非常に多いわけでございます。また、特に住宅建設の不振というようなことで、やはり住宅建設というものは御承知のように建設業者だけではございませんで、関連するところの下請あるいは繊維に至るまで、内装に至るまでの非常に広範囲の分野の事業者が影響を受けるわけでございます。やはり今度の不況は一言に申しますというと中小企業不況である、こういうふうに申していいのではないかと思うわけでございますが、そういう面で四月から六月の間におきまして消費需要あるいは建築需要というものが増加をいたしましていけばいいわけでございますが、それに伴いましてまた在庫調整が行われればいいわけでございますけれども、なかなかそれが思うように進捗をいたしていないというのが現状でございますけれども、しかしながら売れ行き不振の原因はそれが大きな原因ではございますけれども、大体におきまして市況等から見まして、四月から六月の間においては大体もう底入れをする業種も多くなってきておるんではないだろうか。ただし一部におきましてはまだ七月以降にずれ込むものもあるかと思うわけでございまして、こういうふうな実態を反映をいたしまして中小企業の売り上げ不振という状況が出ておるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 わかりました。いまの影山理事長さんのお話のように、四月から六月ですか、相当売れ行き不振が続くということでありますけれども、私は、今日の情勢が秋口まで、九月まで続くというようなことを盛んにいろんな新聞その他雑誌等で読むし、現場の企業からよく聞くわけでございますけれども、それらの点に対して政府としては三月の総合経済対策で、倒産防止対策の機動的運用を図ることにいたしまして、体質強化資金制度の繰り上げ実施と倒産防止対策各省協議会の設置を決められておりました。中小企業向けの官公需の発注額の前年同期比の一〇%増などをうたっているのでありますけれども、これも私が先ほどから主張し指摘いたしておりますように、どうも抽象的であいまいもこといたしていると思うのであります。たとえば倒産防止関連の諸施策として、五十六年度はどのような新味のあるものを打ち出したのか具体的に示してもらいたいし、何のための各省協議会が——大臣、大臣からひとつこのことについてお伺いいたしたいと思うのであります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 官公需の前倒しの件でございますが、各省との連絡協議会で三月にも協議いたしましたし、私どもこれからも毎年これはやっていることでございますし、三月十七日、十八日の経済対策におきましてもできるだけパーセンテージをふやすというたてまえは堅持しておりますし、具体的な数字は決まっておりませんけれども、昨年よりも少なくなくとも一〇%の増加は私どもは見込んでおる現状でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 たとえば中小企業金融公庫や国民金融公庫の特別貸し付けであるところの倒産対策貸し付けの貸出限度額を広げる、たとえば二千万を二千五百万に、五百万を六百五十万にふやすというようなことでありますけれども、どうもこれは抜本的なものじゃなくて、本当に小手先の対策だというように考えるわけでありますが、各省協議会の設置に伴うメリットは一体何なのか具体的にお示しいただきたい。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、三月の十七日に第二次の総合対策会議で倒産防止対策のための各省協議会というものが初めて設置されたのでございます。それを受けまして、三月の下旬に早速関係各省、これは七つか八つでございますが、それぞれ集まりまして、私ども現在の倒産の実情の分析、その原因が何であるか、それから今後の有効な対策として各省がとり得る措置がどういうものがあるかということを精力的に検討をいたしたわけでございます。その結論ではございませんが、今後引き続き局長クラスの協議会を幹事会におろしまして、これは各所管課長でもって構成するわけでございますが、そういったものを開いていこうということによりまして、たとえば現在特に倒産がひどいと言われておりますのは建設業でございます。建設業につきましては、建設業者の事業所の数は八%でございますけれども、倒産のシェアは三〇%という非常に高い状況にございます。そういったことで、建設業の倒産がどうしてそのように大きいのだろうかというあたりの原因分析から、建設省も本当に真剣にこの問題に取り組んでいただいておりまして、そしてやはり金の流れ方が非常に問題ではないかと。公共事業の前倒し等は先ほど大臣からお話ありましたとおりでございますが、それにしましても工事の発注の割合というものだけではなくて、実際にその工事を遂行するために必要な資金の流れというものをやはり公正化、合理化する必要があるということでございまして、建設省の方におかれましてもいろんな措置を具体的にとっていただいている実情にございます。これも各省協議会におきまして、そういった具体的な問題についてみんなが連帯責任を持とうじゃないかということで合意ができまして、そして各省それぞれの分担におきましてやれる最大限の対策、措置を具体的に講じていこうということでございます。もちろん私どもはそういった協議会の庶務的な事項をつかさどうしていただいておりますが、やはり倒産防止の抜本的な対策は景気対策でございます。これは小手先で、金利、いろんな細かい問題ございますが、即効的な効果として抜本的なものは何かと言えば、あくまでもやはり景気対策でございます。全般の景気がよくなりまして、仕事も出る、金も潤沢に流れるというような状況を早く着実につくり出していく必要がございます。ただ、そうは言いましてもやはりいろんな格差がございまして、困っている度合いが非常に企業によって差がございます。非常に困窮度の強いものに対しましては、やはり当座のつなぎ資金というものが非常に重要でございますので、先ほど計画部長からお話し申し上げましたように、各金融機関に対しまして銀行局長及び中小企業庁長官連名をもちまして督励方の通達を現在出しております。それから実際の運用面におきましても、やはり各機関の御協力を得るようにということで折衝いたしておるわけでございまして、倒産防止で、金融機関のみならず、御指摘のように、いわゆる各県の協力というものが非常に重要でございますので、各県の持っておりますいろんな制度がございます。これも総動員いたしまして、少なくとも倒産防止については万全を期していこうという体制でやっておるわけでございます。ただ、残念ながら三月までの数字で申しますと、やはり非常に高水準で倒産が出ておりまして、私どもも十分力が足りない点を反省しているわけでございますが、今後景気の少しでも回復を待ちまして倒産水準が少しでも鎮静化していくという方向に最大限の努力を関係省及び各県及び各金融機関と十分な連携をとりながら進めてまいりたいと、このように考えております。     —————————————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君が選任されました。     —————————————

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 長官のおっしゃるように、私は金融対策だけが、今日の倒産をなくせる唯一の手段とは思えません。しかし、今日までいわゆる商業秩序といいますか、生産秩序というものの上に今日各企業が、金融にしても流通にしてもすべての分野において消費全般に至る過程の中で、その秩序が仕立てられているわけでありますから、そういう中で倒産を防止するということについてはそれ相当の対策を行わなきゃならぬ。ここに商工中金の理事長もお見えになりますけれども、いろいろと中小企業者のためにめんどうを見てくれているわけですね。たとえば遠いところに担保がある、担保がなければ金貸してくれない。しかし、遠いところはそこのところの支店から調査して、担保力その他を調査するとか、ここにおって北海道とか九州とかのものを調べて、ひとつサービスしてやろうとか、そういったようなことをいろいろ考えてやる。あるいはまた、後で商工会法の組織の関係で申し上げますけれども、制度としてはこういうふうなものがあるよというだけの指導ではなくて、こういうことにしたらどうか、おたくの決算見たけれども、この点合理化が足りないとか、やはりこの点にむだがあるとかというようなこともつぶさに指摘してやるとか、そういった対策も今日きわめて必要になってきている。したがって、あらゆる機関において、政府はもちろんのこと、金融機関その他の関係については、各種団体に至るまで、この際めんどうを見てやる奉仕の気持ちというものを持たなければ、やはり安心して商売というものを相談をしたり、あるいはまた団体の発展について、私はいま申し上げる点はその点なんでありますけれども、問題が解決しないと実は思うのであります。  ことしの二月の新聞発表によりますと、卸商業団地で最近卸商業から風俗営業に転換する者が出てきた。この間まで製造業をやっておったというのをやめて、キャバレー、クラブ、バーを経営しているというようなところがふえてきている。そういうような者は団地から離脱しようという動きがある。これは好きでやっているわけじゃなくて、そうしなければとても、倒産をして一家夜逃げをしなければならない、窮余の策としてやっているというように言われているのでありますが、全国の百四十一の卸団地の代表に実態調査を実施して、対応策を検討するというように計画部長は言われているわけでありますが、卸商業団地は、店舗等集団化事業として中小企業事業団等から高度化融資を受けて、安い金利、二・七%の利子となっていると思うのでありますが、建設されたものなのであります。発足後十数年を経た現在、高度化資金の返済を終了した団地では、土地価格の高騰は十倍ぐらいになっている。したがって、この中に土地、建物を処分して団地を出ていく動きとか、団地内で風俗営業を実施する、こういうように分かれてきている。そこで、こういうように、ひとつ協同組合をつくって移転をしたんだから、あなた方は約束違反ですよということを言っても、それを規制するペナルティーの制度だってないんだから、調和を保っていくことが問題になってくると思うのでありますが、いま申し上げたように、中小企業事業団から金を借りて卸の商業団地を卸商がつくる、そして銭を全部返してしまうわけです。そして、その土地は十倍になる、売りたい、こういうことが今日卸商業協同組合、団地の協同組合の分裂状態になってきておる。これは、将来われわれはどうなるんだろうかといったようなことが、景気対策の中の一つのビジョンというものがないからそういうことになると思うのでありますけれども、現行制度の問題点なんかを含めまして卸商業団地そのものを全面的に見直すとか、あるいはまた、中小卸業はどのような方向に活動範囲を展開していったらいいかといったようなことについて、いま御指導を願っているようでありますが、やはり団地の一体化というものを保持するためには、並々ならぬ努力が実は必要だ。しかし、ここには、相当な高度化資金の貸し付けを初めといたしまして、一般的な指導を含めて相当なめんどうを見ているわけでありますから、それが情勢が少し変わったからといって、そのままぽっと売って処分してしまうということだけでは問題は解決しないと思うのでありますが、この点について、これらの卸団地等での転業、離脱の動きなんかについての対策について、中小企業庁どう考えておるか、お伺いいたしたいと思うのであります。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 卸商業団地をつくりまして、そこで合理的な営業活動が行われるようにするということで、従来から、中小企業事業団の長期低利の高度化資金を貸しましてこれを助成してきておるわけでございます。  先生おっしゃいましたように、それらの資金を借りまして返済を行っている期間、返済期間は十五年でございますけれども、返済を行っておる期間中は原則としてその土地は組合が所有するというような形で運用しておりますので、その間におきましては、組合全体が共同してその団地を利用するという形での運営が行われてきておるわけでございます。しかも、その運営途中におきまして種々起こってきます問題につきましては、アフターケア措置として事後指導あるいは運営診断等を行いまして団地運営の円滑化等をやってきております。  ところが、十五年たちまして資金を返済いたしますと、そのそれぞれの土地はそれぞれのメンバーの所有地になってくるというようなことでございまして、本来ならば全体が一つの目的を持った団地として活動することで、全体の機能を強化するという必要性は、返済が終わってしまったからといって終わってしまうわけではございません。したがいまして、私どもとしては、できるだけその組合が従来以上に共同事業を活発にすることによって、それらの個々の企業に分けられた土地を従来からの目的に従って利用させるように指導してきておるわけでございます。ただ、法律的には個々の組合員に土地が売られてしまいますので、個々の組合員が、特にその代が変わって二代目、三代目の経営者になってきますと、経営者の方針が違ってくるというようなことで、先生がおっしゃいましたような問題が起こってくるおそれも出てくるわけでございます。  そういう点につきましては、その卸商業団地の協同組合全体の問題として、これを長期的にどうしたらいいかという点が大きな問題となってきておりますので、中小企業庁といたしましては、中小企業事業団からその団体に調査を委託いたしまして、卸商業団地の機能が長期的に維持できるような方策はどうしたらいいかという点を研究させております。それに従いまして、できるだけ共同化のメリットが今後とも生かせていけるような措置を今後具体的に研究していきたいと考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 日本の中小企業は今日いろいろな経営努力をされてきたけれども、大手にはなかなかかなわない。そこから、今日中小企業は海外に進出することを考えておるし、中小企業庁においても国際室をつくった、そして海外投資アドバイザー制度を創設するなど、中小企業の国際化の動きが表面化してきたということは、ある意味では私は発展だと思うんでありますが、中小企業の海外投資の実績を見ましても、全海外投資件数に占める中小企業の海外投資件数の構成比では、四十九年度には三二・四%であったのが五十三年度には五〇・九%に伸びた、著しく中小企業のシェアが高まっているのでありますが、このような中小企業の海外投資の顕著な増加というものは、成長率の鈍化から事業機会を広く海外に求めたいということと同時に、原材料の入手の困難とか労働コストが上昇しているとかいったような態様からいって説明できると思うんでありますが、この海外投資の関係は、今回の輸出保険法の関係等でもいろいろ質問したのでありますけれども、東南アジア諸国連合、ASEANを初めとしてメキシコや欧米からも中小企業の進出要請がなされていると聞き及んでおります。  中小企業の海外進出が多く見られるようになったのは一体原因は何なのか、この点について通産省はどう考えていらっしゃるんですか、お伺いしたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいま御指摘の問題につきましては一つの大きな流れがございまして、従来の中小企業の国際化という問題は、実は消極的な側面が非常にクローズアップされておったわけでございます。  一例で申し上げますと、いわゆる発展途上国あたりからの低級な定番品というものが大量に日本に入ってくると、それで日本で同じ種類のものをつくっておる中小企業が非常に困難を来すといった、そういったものをいかに振り切っていくかというあたりが問題の焦点であったわけでございますが、この八〇年代に入りまして、実はそういった輸入面における国際化問題の取り組みのほかに、やはり海外進出ということが脚光を浴びてまいっております。これは先生御指摘のように国内企業サイドにおきますところのニーズがございます。それは二つございまして、いまお話ございましたように、こういう低成長時代に入った日本の国内マーケットでは実力を持った中小企業が伸び切れないという面がございます。それから技術的に相当高いレベルのものを持っております中小企業が、やはり海外で自分のシェアを伸ばしていきたいということがございまして、国内でのやはり伸び切れない制約要因を海外でできるだけやっていきたいという面がございます。もう一つは海外からのニーズでございまして、これは世界的なやはり低成長経済化という波の中で、発展途上国、先進国を通じまして、やはり活力を求めるというニーズが非常に強くなってきております。従来は、昭和三十五、六年代から三十七、八年あたりまでの過程あるいは四十年代の初めにつきましては韓国、台湾、香港というところが非常に多かったわけでございます。およそ七、八割方はこの近隣三国に集中しておりましたが、その後、ASEAN五カ国の方にだんだん広がってきておりまして、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、インドネシアと、このASEAN五カ国の方へ傾斜をしてきております。同じ発展途上国の中でもそういった構造変化が起こってきておりまして、私どももこれからはむしろASEAN五カ国の方にアジアでは力を入れていくべきではなかろうかと、このように考えております。他方、それと並行的に進んでおりますのが先進国からの誘致要請でございまして、これはアメリカはもちろんでございますが、ヨーロッパ、これはオランダ、ベルギー、スウェーデン等を中心に各国から非常に強い要請が来ておるわけでございます。各国の要請の理由でございますが、これは発展途上国におきましては、やはり日本の先進的な技術と、それから人材と資本をぜひ投入をしてもらいたい、そして東南アジアの発展のための礎をつくってもらいたいという非常に熱心な御要望がございまして、それを起爆剤にしましてASEAN諸国が新しい発展段階に飛躍したいという要望でございます。  これに対しまして、先進諸国の要望は若干毛色が違っておりまして、相当停滞色が強くなってきておると。そこで国際的多国籍企業というのはたくさん、たとえばニューヨーク州にもございますし、オランダにもあるわけでございますが、自前の産業構造と申しましょうか、それを支える中小企業群が育ってない。主として、全体としてのやはり大企業の停滞というものが経済全般として非常に覆いかぶさっておると。これをはね返して新しい発展の火種をぜひここでつくりたい。そのためにはやはり活力のある、しかも技術レベルの高い日本の中小企業に来てもらいたい、こういう要望が非常に強いわけでございます。そういったことを反映いたしまして、従来は近隣三国が大体六、七〇%から八割占めておったんですが、最近は非常にシェアが小さくなりましてASEAN諸国、これが二割程度でございます。それからヨーロッパ諸国、これも前はゼロであったわけですが、最近の実績で見ますと、やはり六%から七、八%という水準にまで達しております。それからアメリカいわゆる北米でございますが、これにつきましても大体二〇%程度までシェアを伸ばしてきておるということでございまして、中小企業の国際的な貢献と申しましょうか、国際的な役割りの時代に入ったと、このように私どもも認識をいたしておりまして、そういった面からの新しい政策を打ち立てていこうということで、御指摘のように、まず中小企業が出ていきますときにいろんな点でやはり条件がまだ欠けておりますので、その辺の条件整備を政策的に補強していきたいということをこの五十六年度からの政策で展開を現在図りつつございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大蔵省と日本輸出入銀行は中小プラント業者により一層後押しするために、輸銀のバンクローンを中小型のプラントにも適用するということを決めたと聞いておるんでありますけれども、これまで一件五千万円以上に限っていた適用対象を、原則として二千万円以上にまで適用するということのようであります。これは発展途上国向けの軽工業設備などの輸出をふやすために効果があるというように聞いているわけでありますが、これまで五千万円以上に限定した理由というものはこれは何だろうかということに疑問を実は持つわけでありますけれども、今回の措置によってどの程度プラント輸出等に影響を与えると考えているか、御説明を願いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 先生いま御指摘のありました輸出入銀行からの融資の基準の変更についての効果でございますが、ちょっと私ども手元に資料持っておりませんので、また別途御説明さしていただきたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 海外経済協力の関係はしばしば問題になっているわけでありますけれども、特に第一次産品との関係等について、たとえば資源開発とかあるいはまた港をつくるとか、いろんな関係について相当中小企業がASEANの各国に進出を今日してきているわけです。そういう中での関係で日本の中小企業の技術力が相当買われている今日、そのことが大きく評価されているし、それから人件費等の関係もあるけれども、それだけじゃないということだと実は思うのであります。それらの関係等について本日資料がなければ、その点も聞かしていただきたいというように、後でひとつ説明をしていただきたいと思います。  じゃ次に、商工組合の組織等に関する法律の関係でお伺いいたしたいと思うんでありますが、    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 実は今回の改正によって商工会の目的や業務の範囲が拡大されますけれども、この改正は一部の商工会で現在すでに実施している業務の実態に合わせて条文を整備するものだと聞いておるのであります。実態に合わせることもさることながら、社会一般への福祉事業など一般事業に商工会は積極的に取り組んでいくべきだとの意味が込められているのかどうなのか。私はこのことによって大都市関係の商工会議所の業務はこれはあるわけでありますけれども、市町村の関係、主に商工会がこの福祉事業なんか全般的な事業あるいはまた一般的な事業に参加するということになりますれば、私は極論すれば役場の仕事を全部やってしまうということにもなりかねないと思うのでありますけれども、この点について法改正の考え方というものについてお伺いいたしたいと思うのであります。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) お答え申し上げます。  商工会は現在の法律によりますと、その地域の商工業の総合的な改善、発達を図るという目的で設立されておりますものでございます。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 現在全国に二千八百六十ほどの組織がございますが、これにつきましてはすでに二十年の歴史がございますけれども、その間に、文字どおりその地域の商工業の総合的な改善、発達のための各種の事業をやってまいりましたが、同時に、それにいわば付帯的に、その地域の住民の方々のお役に立つ仕事も、たとえば一例を挙げますと、美化、緑化運動でございますとか、あるいはその地域の観光の宣伝とか、そういったこともやってまいっているわけでございます。そういったことによりまして地域と結びつきが非常に強くなってきてまいっております。  商工会議所におきましては、御承知のように、そういった商工業の改善、発達とあわせまして、社会一般の福祉の増進という事業も本来の目的に入っているわけでありますが、商工会も、これは地域によってかなり格差はあろうかと思いますけれども、だんだんそういった状況に近づいてまいってきておるわけでございます。  そこで、商工会自身もそういった地域とつながりが非常に密接になる、同時にまた、会員もふえ、力もついてまいるという状況に即しまして、現在の法律で定められております範囲をさらに一歩進めまして、いわば商工会議所に近い、より公共性の高いものになっていきたいという希望が従来からございましたために、それを実現すべく法律改正をお願いしたわけでございます。  御指摘のように、たとえば商工会議所ならばそれでいいが、町村部の商工会ではいささか行き過ぎではないか、あるいは、町村の行政のやっていることをそのままやることになるのではないかという御指摘でございますが、たとえば、商工会の中でも非常に大きなものもございまして、こういうところは商工会議所とほぼ同じ実力あるいは住民とのつながりが生じておるところもございますし、ここでやる社会一般の仕事、福祉の増進を図ることは十分意味があることでございますし、また地方の、特に町村部におきましても、たとえば先ほど例に挙げましたような幾つかの問題、こういったものにつきまして積極的に商工会がやるということも、十分地域社会に密着します経済団体としての意味があろうかと思うわけでございます。無論その行政のやることを全部をやるという意味じゃございませんで、それと十分協力をし合いながら、お互いにやるべきことを分業し合いまして地域経済の発展に努めていくということで、この商工会の総合経済団体としての性格が生かされていくんではないかというのが今回の改正の趣旨でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 福祉事業というのは非常に範囲が広いわけです。商工会の仕事は、本来私の理解するところによれば七割以上は経営改善事業である、こういうように理解いたしているわけでありますが、それ以外の福祉事業、一般事業ということになりますと、お祭りのことから、それから交通安全の仕事からレクリエーションから緑化運動、献血運動、老人憩いの家、あるいは商工会館を設置してその運営の仕事までやらなきゃならぬ、また、駐車場もということになりますと、これはもう役場の仕事なんです。そういたしますと、本来の経営改善事業というものについて私はそごを来す心配はないだろうかということを実は恐れているわけでありますが、趣旨は非常に結構ですけれども、その点の懸念はないのかどうなのか、その点をお伺いいたしたいと思うんであります。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 商工会の現状を見ますと、その構成メンバーは当然ながら商工業者でございますし、また各地域の商工業者のほとんど七割、八割という非常に高率を占めておりますのがいわゆる小規模企業でございます。  それで、御指摘のように商工会の従来やってまいりました仕事の一番大きなと申しますよりも、最もウエートの高い仕事として経営改善普及事業がなされておったわけでございますし、またこれにつきましては政府も逐年補助を高めてきているわけでございます。今後とも商工会の性格がこのような商工業者のつくります団体であります以上、そういった最も大事な経営改善普及事業を離れて存立するわけではございませんし、むしろその地域の商工業の改善、発達を一層進めるためには、この経営改善普及事業をもっと進めなくちゃならぬという自覚が高まっているわけでございます。  そのようなことによりまして、今度のような改正によりまして、いわば本業を忘れるということはあり得ないと思いますし、また仮にそういった風潮が出るということがもし考えられますならば、それは商工会の全国組織であります全国連合会あるいは県の組織であります県連等々によりまして、十分な指導をしていただきたいと思っておりますし、また中小企業庁といたしましても本来の道を外れることのないよう十分注目し、また必要に応じて指導してまいりたいということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 法律は一回つくりますと、法律自体がひとり歩きをしていくわけですよ。  それから、福祉事業、一般的な事業ということになりますと、オールマイティーでしょう。そういたしますと、いま小規模企業部長がおっしゃったような形で私はいくことについては、必ずしもそうはならないというように考えているわけでありますが、きょうは幸い全国商工会連合会の会長さんがお見えになっておりますので、私は、昭和四十九年ごろから、たとえば政治的中立を守れという声が相当ございました。私もよく知っているのでありますが、たとえばあの候補を当選さして、ひとつどこそこのお宮を建てようとか、あるいはまた橋をかけようとかいうようなスローガンがあって、今度は別人格をつくればいいんですから、商店のだんなさんが別人格をつくって、ある特定の候補を応援するようなことをやったりして、そして相当問題になったケースもございます。  ですから、そういうような点も含めて、いまの本来的にはやっぱり経営改善の仕事が七割以上である、あとの三割弱でほかの仕事をやるんだということになりますと、きわめて狭められた問題になるというように考えているわけでありますが、私が商工会議所あたりの会合なんかに出ましても、これらの人はこの仕事をやってくれと、ちゃんと担当が決めてある。それだけに企業も大きいし、商店も大きいものですから、従業員なんかにやらすよりは出てきて一緒にやるということがあるわけですけれども、町村の関係はなかなかそこまで小回りがきかないということになってまいりますと、一人で幾つもの人格を兼ねるという形になってくるわけです。ひとつその指導の点について御決意をお伺いいたしたい、こう思います。

辻彌兵衛全国商工会連合会会長

○参考人(辻彌兵衛君) ただいまの青木先生の御質問にお答えを申し上げたいと思います。  私ども商工会は、御承知のように二十年前に商工会法によって法制化された団体でございますけれども、そのときに、先生の御指摘のように、いわゆる当時普及員と申しておりましたが、経営改善事業をやるための経営指導員並びに補助員等を設置いたしまして、いわゆる小規模零細企業者の経営改善指導事業を主たる任務として商工会が与えられたことは事実でございます。しかし、商工会はそれより前に自然発生的に全国各地域におきまして総合的な経済団体として商工会というものが存在しておったわけでありまして、その上にいわゆる指導事業というものが法制化によりまして加えられた任務だと私どもは理解しております。  したがいまして、私どもは今回の法改正によりまして、本来の経営改善事業がお留守になるのじゃないかという御心配、ごもっともでございますけれども、私どもは決してそのように考えておらないわけでございまして、私どもは何よりも地域における総合的な経済団体でございますし、また、いわゆる地方の時代というものを考えました場合に、地域の居住者である、地域で生活しておる、地域へ根差した一住民として地域の総合的な、いわゆる経済的な繁栄といいますか、発展といいますか、そういうものを私どもの力でやらなきゃいけないんだと、そういうふうに理解をしておるわけでございまして、指導事業もその一環であり、また地域の総合的な、いわば潜在的に持っておる、ポテンシャルといいますか、農業、漁業あるいはその他の経済団体と提携をいたしまして地域の総合的な経済振興を図っていく、それがわれわれの役割りだというふうに理解をいたしておりますので、今回の法改正もそのような役割りを商工会にはっきりと、私どもで自覚をするためにも、現在の私どもの願いというものが今回の法改正によって得られるものだと、このように理解をいたしております。  なお、政治的な中立につきましては、当然商工会法の中に明文化されておりますので、商工会そのものは政治的に中立であるべきであり、また会員の中には各政党、政派に属する方もたくさんいらっしゃるわけでございます。商工会といたしましてはそうした政治活動については全然やっておらないと、かように理解をいたしておりますので御了承いただきたいと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ぜひそういうような御決意で、会長さんの決意を聞いたわけでありますが、そういう方向で御努力、御指導願いたいと思うのであります。  福祉事業が法律に明記されていない段階においては、とてもそんなところまで手が回らないからやらなくてもいいということになるわけでありますが、これは法律に明記されますと、福祉事業を従とした場合であっても、余り熱心でなかった場合には会員の方から、一体おれのところの商工会何やっているんだ、法律に明記した事業までやってないじゃないかというようなことになってくるものですから、いまおっしゃいましたように本来的な指導事業、経営改善事業というものが手薄になる。こういうことは当然反射的になってくるわけでありますから、その点についてもひとつよく御指導を願いたいというように考えておるところでございます。  それから、会員資格の緩和についてお伺いいたしたいと思うんでありますが、今回の改正で会員資格が緩和されて相互会社、中小企業事業協同組合等の団体等も加入することができるようになったのであります。そのねらいは、提案理由説明によりますと「商工会の事業をより一層地域のニーズに適合するため、」と言われているけれども、理由が余り明らかでないのでありまして、会員資格の緩和のねらいというものは一体どこにあるのか、通産省にお伺いいたしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘の定款会員の点でございますが、今回の改正でお願いしております一つのポイントでございますけれども、従来の商工会のメンバーはすべて商工業者ということで規定されておりまして、今回の改正でこれ以外の方々も定款によって定めれば会員となることができるという形にお願いするわけでございますけれども、これは先生も御指摘なさいましたように、今後商工会がその地域の総合経済団体としましてより適確に事業を遂行するということからいたしますと、必ずしもその個々の商工業者ということでなくとも、たとえば商工団体的なものが各町村にいろいろございます。先生もいまお挙げになりましたような協同組合とかあるいは相互会社とかあるいは商店会、そういった組織がございまして、こういったものはその団体といたしましてその地域の商工業の改善、発達あるいはさらにその地域経済社会の発達ということに貢献したいという気持ちを持っているものが多いわけでございます。またさらに、商工会におきましても従来いわゆる青年部、婦人部という組織がございまして、こういう方々のリーダーが、大体は商工業者である場合でありましてすでに会員である場合も多いわけでございますけれども、非会員の人もおる。そういうリーダーであって非会員の方々にも積極的に入っていただいて、今後商工会の各種の事業に積極的に参加していただくということは、非常に有意義ではなかろうかということを考えるわけでございます。むろんこの方々も商工会の本来の性格、すなわち商工業者の団体であるということから、余りかけ離れたような方々に入っていただくということはいろいろ支障が生じますので、そういうことでなしに、商工業者に非常に密接な、あるいはその商工会の行おうとしております仕事に非常に密接な方々あるいは団体を選んで入れるということにしたらいかがということでございまして、それはその地域の商工会の定款によって自主的に定めることができるということにいたしたいというわけでございます。これによりましてその地域で商工業者の方々、つまり会員の方々と相並んで、その地域の経済発展に寄与できるような方々を一緒に加えて、手をとって事業を進めることができるということが実現されるかと思います。なお、この定款につきましては、これもやはり余りばらばらではいかがかと思いますので、いわゆる模範定款例というものを従来からもつくっておりますが、今回この法律改正の機会にそれを全面的に見直すわけでございますけれども、その模範定款例におきまして、ただいま申しましたような範囲に限定いたしまして、この定款会員を定めることができるというふうにしたらいかがかと思っているわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私はある商工会の意見を聞いたわけでありますけれども、青色申告会にしても商店会にしても事業協同組合にしても、全員がやっぱり商工会の会員だというんですね。そういたしますと、この人格が変わるだけだと。加入すると、その場合どのようなメリットがあるのか。その点については、私も実は反対しているわけじゃない、賛成しているんですけれども、どのようなメリットがあるのか、また会費は納めなきゃならぬのかどうなのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のように、定款によって入っていただきたいという団体のすべての会員が、商工会の会員になっているという例もあるいはあろうかと思われます。しかしながら、その一部の人しかまだ入っていないという場合もございますし、また、たとえば協同組合等をとりますと、その協同組合としての一つの法人としての意思で行動する場合がございますので、個々の会員の方と組合員の方と違った意味を持っている場合がございます。したがいまして、個人として入っていただくことにはそれなりの意味はございます。  それから会費というお話でございますが、これはむろん会員である以上、会費は払っていただかなくちゃならぬということになりまして、その会費を幾らに決めるかということはその商工会の相当自主的な判断かと思われますけれども、この会費もお支払いいただくということに相なろうかと思うわけでございます。そういったことで、個々の会員としてお入りいただくということ以外に、そのメンバーでつくっております法人としてお入りいただくということは、やはりその商工会の事業の実施にいろんな意味での意味づけがあろうかと思うわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 声が小さいもので余りよく聞き取れないんだけれども、要するに青色申告会に商工会の会員が入っておったとして、その青色申告会の皆さん方は商工会に定款によって加入すると、それから商店会に入っていると、あるいは事業協同組合にも入っているという場合には、会費はダブって納めることになるんですか、どうですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘の会費の面でございますけれども、青色申告会のメンバーでその商工会のすでにメンバーとなっている場合は、当然会費を支払っていただいているわけでございますが、そのメンバーの方々が構成しております青色申告会が商工会に加入いたしました場合には、当然その会員たる青色申告会としての会費をお払いいただくということになろうかと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 やっぱり財政が確立しておらないと、いろんな経営改善の事業にしてもいろんな各種団体の事業にしても、実際にはなかなかできないというのが声なんですね。この際、会費の基準といったようなものについてはどのように考えていらっしゃるのかどうなのか。それから今後におきましてたとえば経営改善の指導員あるいはまたその補助員ですか、そういう人たちの給料は政府なり県が幾ら負担し、地元の町村が幾ら負担し、本人が幾らぐらい負担することになるのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 現在の商工会の会費は、全国平均といたしまして大体年間七千円程度ということで、無論これはもっと高いものもございますし、また安いものもございますけれども、平均をいたしまして七千円程度ということで、ほかのこの種の団体に比べまして非常に高いというものではないと思われます。したがいまして、一部、会費を上げたらどうかという意見も出ているところもございますし、また余りに低い商工会につきましてはそういったことも考えられるかと思うわけでございます。それはむしろその商工会の自主的な御判断に従うと同時に、全国連合会あるいは県連合会の御指導ということになろうかと思います。  それから、今後商工会の実施してまいります各種の事業の財源ということでございますけれども、まず一番大きな仕事でございます経営改善普及事業につきましては、これはまあ従来からもそうでございましたが、国、県の補助が中心でございます。一部商工会の自主的な財源から出していただく場合もございますけれども、大体が国及び県の補助で相当賄っていく性質のものであろうかと思われます。そのほか社会福祉一般の事業等につきましては、いま申しました会費によって支払われる場合もございますし、また商工会のほかの事業、たとえば社会保険の手続の代行あるいは各種共済事業の手続の代行等によります手数料収入というようなものもずっとございますので、こういったものをそういった経営改善普及事業以外の事業に充てるということも可能でございます。このような判断はそれぞれの商工会の自主判断になろうかと思われますけれども、そういった各種の財源によりまして商工会に与えられた仕事をやっていっていただくということでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 商工中金法の改正について影山参考人にちょっとお伺いいたしたいと思うんでありますが、商工組合中央金庫は政府の出資金と所属資格のある団体の出資金だけで賄われておりまして、いわば半官半民的な性格の金融機関であるわけでありますね。この半官半民ということについて、商工中金の非常に私は迫力という点についてあと一歩足りない点があるんじゃないかというように思うんでありますが、官の点に比重を置けば、もう少し政府出資を増加して官的要素を強めてもらいたいという意見になるし、それから逆に民の点に比重を置けば、民間の出資を大幅に増加して政府の監督もなるべく行わないようにしてもらいたいという議論につながると思うんであります。商工中金の資本金は現在説明によれば千二百二十二億円というように聞いておりますが、その内訳は政府出資金が八百三十九億円、民間出資が三百八十三億円でありまして、その出資比率は七対三になっているというように説明を受けました。昭和五十六年度は政府が百十億円、民間が三十五億円追加出資をすると聞いていますけれども、政府出資の比率が一層高まるように聞いているんであります。政府としては商工中金の性格をどのように認識しているか、商工中金側として将来どちらの方向に持っていった方がいいと考えていらっしゃるのか、ベテランの理事長としてどう考えているのか、ひとつ政府に対する要望も含めて私たち委員に御答弁願いたい、こう思います。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。  御承知のように、商工中金は昭和十一年設立以来、半官半民の中小企業金融機関として、官と民のいいところをあわせ発揮いたしまして中小企業の皆さんとの信頼のきずなというものを深め、あるいは広げてまいったのでございまして、その結果、長い伝統もございまして、皆さん方から政府機関にしては商工中金の支店職員の取引先に対する応対が非常に親切で頼りになると、こういうおほめの言葉を受けることが多いのでございまして、これは半官半民のいいところではないかと思っておるのでございます。これはまあ商工中金が中小企業者の相互組織体でございますので、自分たちの金融機関であるという親近感があるのではないかと思うのでございますが、また、原資の九〇%を商工中金債や預金で市中の、あるいは民間から調達し、いただいておりますので、これによりまして五兆円を超えるような貸し出しが可能になっておるのでございますが、それと同時に、職員といたしましてもお客様へのサービス精神というものが養われてきておるのかと思うわけでございます。  他方におきまして、政府系という私どもは使命感を抱いておりまして、そこで民間金融機関とは一味違ったところの活動をさしていただいておるのでございますけれども、国が出資をしていただいておる金融機関としての信用力、これをバックにいたしまして利付債でございますとか割引債でありますとかいう商工債券の市中消化が非常に順調に行われておるという点も、見逃せないメリットではないかとこういうふうに考えております。以上のような官と民との特色を生かしつつ、中小企業の皆さんのお役に立っていきたいというこの半官半民のスタンスは今後とも続けてまいりたいと、こういうふうに考えておるのでございます。  ただ、先ほど申し上げました政府出資につきまして、半官半民だから半分ずつにまでしなきゃいかぬのだというような説もあるのでございますけれども、民間の出資は、共同組合という中小企業者の弱い集まりでございますが、そこから毎年三十億ずつ、また五十六年度を織り込みましては三十五億を出資をしていただくという御負担をいただいておりますので、やはり行財政改革というものは今後も進めなければいけないということはよくわかるわけでございますけれども、政府出資につきましては今後とも大幅にちょうだいをいたしたい、こういうふうにお願いをいたしたいと思うわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 まあ秋の臨時国会は臨調国会になるんじゃないかというふうに言われておりますが、補助金の問題等についても一律カットなんという問題はなかなかこれは問題があると私も思っておりますが、商工中金はそういう意味で半官半民的なものでありますから、もう少し政府出資をふやすべきではないのかということになりますと、今度は逆に利子をもう少し下げたらどうか。商工中金はある程度利子が高いことは理解ができます。できますけれども、ちょっと高いんじゃないかというように考えておりますが、その点については現在は——前の予算委員会、昭和五十年ごろだと思うんでありますが、歩積み両建てをやっているんじゃないかというような意見も出ましたが、いまは解消していると聞いておりますけれども、それはそのような理解でいいのかどうなのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○参考人(影山衛司君) 私どもの調達原資といたしましては、御承知のように、金利コストの高い商工債券が八〇%を占めておるわけでございます。しかしながら、一般預金はそれに比較いたしますとコストが大変安いわけでございます。これは全体には調達の中に占めます比率が二〇%ということになっておるんでございますが、こういう一般預金につきましては歩積み両建てにならないところの積み立ての定期でございますとか、あるいは手形の支払い準備等の流動性の預金というようなものを増強をするということでお願いをし、私どもとしても努力をいたしておるような次第でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 商工中金は政府系の三機関の中で一番預金高も多いし、貸出高も多い。もちろん中小企業金融公庫や国民金融公庫は預金は扱っておりませんけれども、その点では一番やっぱりなじみ深いと思うんであります。そういう点から私はもっと政府がひとつ組合あるいは組合員である個人に対して非常に気軽に利用できるこの商工中金のために、もう少し出資をふやしてもらうような方向で、この中小企業者の急場をしのぐようにさらに格段の努力を要請いたしたいと思いますが、最後に通産大臣にこのことをお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 商工中金は、御指摘のような機能、機関でございますし、私どもはできるだけこれをフルに活用することが中小企業者に対する態度だというふうに確信しておりますし、今後青木委員の御指摘の点を十分踏まえて対処していきたいというふうに考えます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 法案審議に入る前に緊急に質問をいたしたいと思います。  去る七日から行われておりました日米首脳会談に関連をいたしまして、自動車問題について大臣並びに担当者にお尋ねをいたします。  四月二十五日に通産大臣は自動車輸出自粛について、対米折衝に備えて国内各メーカーと個別に会談をされまして、業界の理解と協力を求めたという報道がなされております。特に、内容については規制台数と抑制期間、それから業界の割り当て等いろいろ話し合われたと伝えられておりますけれども、政府の業界に対する協力要請に関して業界側の態度がどうであったのか、同意が得られたのか、それとも完全な同意はないままに日米交渉が決着を見たということなのか、当初にその点をお尋ねいたします。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 米国に対する輸出を行っておりますわが国の自動車メーカーの七社を中心に、午前午後を通じてお会いしたわけでございますが、別にこれらの業界の皆様に統一した意見を求めるということではなく、最終的な御意見を伺うというようなことでございましたし、したがって、いまも申しますように、統一して台数をどれだけと、期間をどういうふうにするというような結論を得るような話ではなくて、業界の皆さんの現状についていかがですかというような問い、それからそれに対する答えというような調子で終始いたしました。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そういたしますと、業界側と具体的に細かく煮詰めた話まではやらなかったと、できるだけ政府側の考え方、日米交渉に臨むある程度の大まかな考え方というものを述べて協力を要請したと、それに立って二十九日からのブロック米通商代表との間で交渉を煮詰めたというふうに理解をしてよろしいわけですね。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 御指摘のとおりに御理解願っていいというふうに思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そういたしますと、五月一日に発表をされました例の通産省のこの公式な決着についての文書ですね、発表された文書、これは相当詳細にわたって書いてありますけれども、これは二十九日からの三日間にわたる精力的な交渉によって煮詰められ、米側代表もこれについては合意をしたと、両者合意に達した文なのか、内容なのか。それとも若干まだ日米首脳会談の段階に詰めを残したものがある内容だったのかどうなのか。さらに今後実務者会談で引き続き交渉すべき事項というものがまだ若干残されておるのかどうなのか。この点をお尋ねいたします。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) これは交渉ということではなくて相談事だという前提がございまして、したがってその前提の中にも、さらに申し上げますと日米間とも自由主義貿易ということを前提にいたしましていこうということでございましたので、もう最初から私の考え並びに私が提示したものは最初の案であると同時に最終案である。バナナのたたき売りみたいなことはできません、これで終わりなんですととうと同時に、独禁法の違反にもならないように、それからこういうことを私どもが自主的にするわけでございますし、多少こちらも厚かましい話でございますけれども、あなたの方の大統領がこれを評価するというようなことぐらいは言ってほしいということ。それから、バンと申しまして、乗用車ではない荷物を多少積むようなあの車、それはこの百六十八万台の中には含めない。それから、プエルトリコに輸出されている乗用車もこれは百六十八万台の中には入れないというようなことも、全部こちらの考えは申し述べておきましたし、それからベンツェン・ダンフォースのあの法律のことにつきましても、私どもがこういうことをするんだからそれも取り下げてほしいというような、私どもが考えられる主張。それから、業界がどういうようなことを望んでおるかということについての推測もございますし、具体的に日本の業界から聞いたこともございますが、そういうようなことも含めて全部、わずかな時間ではございましたけれども、正味交渉の時間は私に言わせますと六、七時間だったと思いますけれども、その間に全部言いたいことは言いましたし、いまさら現段階で詰めをするというようなことはありません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いまの大臣の見解といいますか、お話を聞いておりますというと、これはまあ交渉というものではないというふうにいまおっしゃっているんですが、一連の日米間の経緯を見ますと、米政府から公式、正式に要請があったんではないと、二十九日からのブロック代表が来ての話し合いというのは米側からの公式、正式な要請ではないというふうにこれは受けとめてよろしいわけですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) まあこれはそういうふうに断定することは非常にむずかしい、正直に申しましてむずかしいところでございまして、伊東外務大臣が今回の渡米前に渡米いたしましてレーガン大統領に会ったときに、自動車の問題、つまり経済摩擦の自動車問題については、自分と鈴木総理がワシントンで会う前に解決してほしいという要請があったわけでございます。それが一つと、日本側で鈴木総理は私に対しまして、自分が渡米する前にこの問題をでき得るならば終わりたいということを意思の表明をいたしました。したがって、少なくとも日米両国の最高首脳がそういう意向であるということがはっきりいたしておりましたので、日米首脳会談がある前に一応この話は終わろうということを私も決意いたしまして、そのプロセス、過程においていろいろ日本側を結果的には多少だますようなところも、こちらの心ならずもあるようなこともございましたけれども、いずれにしても私は心の中で必ず首相が渡米する前にこの話には折り合いをつけようという段取りを、縦からも横からも分析して固めまして、一応そのとおりいたしたわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 くどいようですが、もう一度この間の発表された通産省の公式文書の性格というものについてお尋ねしたいと思うんですが、いろいろ見方によっては、交渉ではないといま答弁がございましたけれども、実際には交渉でありながら折衝というふうに言ったり、あるいは合意でなくてあれは単なる政治的な決着であるというふうな評価があったり、日米首脳会談に臨むための対応策であるとか、いろいろな言い方がされておるんですが、結論的に言いますと、発表されたあの文書の内容について、米ブロック代表はその段階ではその点をしたがって承認とか何かではなくて、一応あれを認めたということになっておるのかどうかということですね。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 確実に認めております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、あれを認めたということになりますと、たとえば米国販売業者が、独禁法違反であるとかそのような観点から、いわゆる損害賠償訴訟に出る動きがあるかどうかということをお聞きしたいということと、出た場合、司法省の評価文書をもらうことによって、裁判においては日本側が有利な立場というものを確保する、そういう保証というものを得ることに私はつながっていくと思うんですね、認めたとするならば、ブロック代表が。その点はいかがですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) やや法律的に細かい点になりますので、私からお答えしたいと思います。  いまおっしゃいましたブロック代表が認めたと大臣が申し上げました、その認めたという法律的な意味となりますと、またちょっといろいろな含みがあるかと思いますが、あくまでも本件につきましては交渉事でなくて、向こう側の状況なり希望なりを聴取いたしまして、それについてわが方で決断をしてああいう文書を発表したというのが法律的な性質であろうかと思います。また独禁法の関係につきましては、そのようにいたしましてもいろいろ訴訟の起こる余地というものはあるわけでございまして、そこを非常に心配いたしまして、わが方から向こうの司法省に対しまして、発表いたしましたような方途をとった場合に、独禁法の違反になるおそれはないかという質問状を出したわけでございます。それに対しまして、そういう方法でやる限り独禁法に触れる心配はないという明確な返事をもらっておりまして、それを公表して結構であるということで公表されたわけでございます。  したがいまして、向こうのディーラー等について見ましても、これは独禁法上訴訟を起こしても勝てないということははっきりいたすわけでございますから、その点は回避できるだろうというのがわれわれの確信でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そういたしますと、そういう経過を踏まえて、首脳会談では、新聞、テレビ等の報道によりますと、レーガン大統領から鈴木首相に対して冒頭感謝する旨の発言があった、こういうことが伝えられておるわけですね。したがって、レーガン大統領としてこの事前の米ブロック通商代表と日本政府通産当局との間に、確認と言ったらいいか了承と言ったらいいか、了解されたものについては正式に米政府としてその内容を確認をすると。つまり、首脳会談ではあの内容でよろしかろうというふうな合意が当然あったと思うんですが、それは単に感謝をしますということだけで終わったのかどうなのか、その点をお聞きをしたいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) いまの点でございますが、これは内容につきまして先ほども申し上げましたように、交渉——ネゴシエーションではございませんで、日本側が一方的にとった措置というのが法律的性質でございます。そして大統領なりの感謝の言葉あるいはコミュニケの中で、日本側の輸出を抑制するということに対して感謝の意を表されたわけでございますが、この感謝の内容は、要するに、米議会におきましてダンフォース・ベンツェン法案とかいろいろ輸出抑制的な法案が出ておりまして、その法案の通過を阻止したいというのが米政府の非常に強い意思だったわけでございます。日本側である程度自粛措置がとられないと、法案は通ることは必至であるという状況であったわけでございまして、日本の措置により法案の取り進めということはストップされたようでございますので、米政府としては自由主義経済、自由貿易のプリンシプルがこれによってある程度守られるという意味合いで感謝をされたわけでございまして、内容がどうであったかということについて合意があったとか感謝をしたとかいう意味合いではないと思います。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そういたしますと、合意とか何かではなくて、日本側のあくまでも一方的な自主規制という性格のものであるということになりますと、たとえば今後アメリカ自動車産業界あるいはアメリカにおける自動車の売れ行きの状況等、日本側が一方的にこの程度ならばよかろうというふうに想定した事態と、アメリカ国内における情勢というものが大分また違ってきたという段階では、アメリカ側が再び今度は正式に、あれではまだ不十分であって、もっと日本側の善処なりを要望するというふうな形での余地というものはこれでは残されておると、米政府の行動に一定の枠をはめるとか制約を加える性格のものではないということになるわけですね、これは。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) あの文の中にもございますように、この規制は一年目がこう、二年目がこう、三年目がこうで、この三年間限りだと、後は適用しないし考えないということをうたっているわけでございます。したがって、それ以上のことはないということを向こうの理解も得て私どもは公表しておりますし、しかもそれについてアメリカの大統領がはっきり感謝の意を表しております。したがって、今後アメリカの自動車産業の立ち直りができないというような事態が生じても、これを二度と持ち出すことはないというふうに私は確信しております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 日本政府というのは非常に相手政府の気持ちをそんたくをするという点では、私は世界でどこにもひけをとらないんじゃないかと思うので、そういう点でアメリカ自動車業界の状況というものが、日本政府が想定をしたこの三年間そういう状況に進まないという場合に、アメリカはそんな要求をしないだろうという、いま楽観的、希望的な大臣の見解なんですが、私は果たしてそれで済むのかどうか、これが交渉で決着をしたとか妥結をしたという内容の性格のものでないと言われるだけに、まさに日本の一方的な自主的な規制措置だという性格なものだけに、私は起こる危険性といいますか、そういうものまでは否定できない性格のものじゃないかと思ってお尋ねをしたんですが、しかし大臣としては、そういうことはないだろう、そういうふうに確信とまでおっしゃらなかったんですが、そういうふうに思っておりますと。こういうことでありますから、余り将来の予測的なことでお尋ねをしても仕方がないと思いますので、それはそれで一応やめますが、しかしいずれにしても、自由主義貿易の原則というものを若干緩めたと言ったらいいのか一崩したと言ったらいいのか、一定の修正を加えた内容であることはこれは事実であろうと思うんですけれども、そういう点で当初にお聞きをした日本の自動車業界も必ずしも十分な納得が得られたそういうものでないということも、当初大臣のお話でわかったわけでありますけれども、都合のいいときには自由主義経済、自由主義貿易と言い、都合が悪くなるというと、日本政府の一方的な自主的規制とか、自主的判断ということで、日本側にそういう意味では大きな政治的な私は圧力だろうと思うんですが、こういうことが今後再び起こるということでは、まさに日米対等の立場というものが実質的には私は今度崩されたというふうに評価をしてもいいんじゃないかというふうな感じがするものですから、そういうことのないように、私は今後自動車問題等についてもやはり言うべき点はアメリカ側に対しても厳しく言う必要があるのではないかというふうに思っておりますが、この点についてはいかがでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 吉田委員のおっしゃることは私ども十分痛いほどよくわかるわけでございますが、多少言いわけめいたことになりますけれども、一言申し上げたいんですが、私どもが百六十八万台ということを一歩も退かずに主張した。ブロックさんは実は胸をふくらまして来たわけです。そして、少なくともダンフォース・ベンツェン法案に規定されているような台数を頭に描いたと思います。しかし、その台数よりもはるかに大きな台数を私どもは主張し、それを通したわけでございますけれども、アメリカが自由主義貿易を主張する、日本も開放経済を主張いたしますけれども、アメリカの自動車産業ビッグスリーがここまで日本に追い込められるということは、数年前まで世界も信じてなかったと思いますけれども、アメリカとしてもそれがレイオフがどうとかこうとか小理屈は並べておりますが、本当の意味の保護主義貿易を、やはりちょうど日本の国会と同じように向こうでも国会外のあらゆるところでいろいろな主張をでき得る場所でございますし、そういう点でそれぞれの業界の代表もおったでしょうし、そういうことで自由主義経済が壊れるおそれがあったと思います。それから、アメリカだけじゃなくてEC諸国も、それからカナダもそうでございますけれども、日本の自動車の輸入が多過ぎると、そういうことで全体の自由主義貿易が、世界のそういう重大な貿易関係が壊れる、保護主義の貿易に移行するかもわからないという危険性もはらんでおったわけでございます。これはコロンブスの卵と同じように、終わってからそうだというようなことで大したことはなかったんじゃないかという思いもございますけれども、やはり世界の中の根底に流れるものは、不況というものもある関係があって、日本の自動車の輸出の量というものについて非常に不満があったわけでございまして、私ども日本は世界の貿易が保護主義貿易に転化するならば、自分自身の首を絞めるようなものでございますし、ただ自動車産業じゃなくあらゆる産業に響きます。たとえば昨年の輸出量は御承知のように千三百六十億ドルございまして、そういう中で今回は千五百五十五億ドルとかいう非常に膨大な貿易量がある中でそういう傾向になることを避けるということ、一種の手数料と申しますか、税金と申しますか、そういうことをしなければならない世界の環境があったということから私どもも、業界の一部にはまさしく不満があるでしょうし、全部を統一したような意見にはなかなかなりにくい点もございまして、見切り発車みたいなところもございますけれども、そういう観点からこれを実行したわけでございまして、多少言いわけめいたことになりましたけれども、これが二度とこういうことのないように私ども一生懸命努力してまいりたいという気持ちでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃこのアメリカとの自動車問題で最後にお聞きしますが、こういう一応政治的な決着を見たことは事実ですが、それで、日本の自動車業界と政府との話し合いで今後具体的に割り当てをやらなければいけないということになってくるでしょうし、この決着を受けて業界との間にはそういう点で合意に達したと、今後の手立てなり具体的な進め方については合意にすでに達したのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 日米間のこの話に基づきます百六十八万台の今後の取り扱いでございますけれども、この台数につきましては対米七社におっしゃいますように割り振る必要があるわけでございまして、ただこれにつきましては私ども十分に業界の意見も聞いた上でというふうに考えております。現在各社からそれぞれのお考えを聞いておるという段階でございまして、そういった各社の御意見も踏まえまして公平な割り当てというものを行いたいというのが私どもの現在の立場でございます。いずれにいたしましても、過去の実績を中心にいたしまして公平な割り当てというものをいたす必要があると思いますし、その前段階といたしまして各社からいろいろ考え方を聞いておるというのが現状でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 了解は得られるということですね。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) この措置は端的に申しますと政府の責任なり判断に基づいて実施する措置でございます。そういう意味においてまずその前段階といたしまして、十分業界の意見を承るということで公平を期したいということを考えておりまして、最終的には政府の判断でこれを行っていくという性質のものというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 政府の判断で判断でとおっしゃるんですが、何か貿管令の適用だとか何かそういう言葉には出てこないんですがね。納得が得られない場合には、そういう政府の方針でもってやっていくんだというふうな意味にもとれかねないんですが、これはそういうことでなくて、とにかく十分政府との間で、政府が一定の力でもって納得さしていくんだなんていうことのないようにやっていただきたいということを最後にお願いをしておきます。  次に、昨年もずいぶん、一昨年来問題になっておりました例の電電公社の開放問題につきましては、一応昨年決着を見たようにも言われておるんですけれども、完全に決着を見たのか。あの段階では一応の決着といいますか、話し合いはついておるけれども、まだ課題としては引き続き検討され、残されておるものなのかどうなのかということが一つと、今度の日米首脳会談でこの電電問題が話し合われたのかどうかという点についてお尋ねをいたします。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 今回の日米首脳会談におきましては、電電公社の資材調達の問題は議題となっておりません。お話にも出なかったようでございます。その後の調達の実施状況につきましては、私どもはちょっとつまびらかにいたしておりませんが、公社の方からもしおいでになっておれば……。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは次に、日米原子力協定をめぐって、今回の日米首脳会談の前段の交渉あるいは直接の首脳会談でどういう点が話し合われ、どういう点で決着を見、どういう課題が残されておるかという点についてお尋ねをします。とりわけ東海再処理工場の問題とかあるいは今後のいま計画が進められております第二再処理工場あるいは核廃棄物の処理、処分等の一連の問題があるわけですけれども、この点についてお尋ねをいたします。

高橋宏資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(高橋宏君) 先日の日米首脳会談におきましては、日米両国が原子力平和利用のため一層協力すべきことが確認されたわけでございます。米側は日本にとって再処理が重要であるということを認識し、再処理をめぐります諸問題の早急かつ恒久的な解決を図るための協議を速やかに開始すべきことにつきまして意見の一致を見まして、その旨共同声明にも織り込まれたところでございます。本件につきましては、わが国は事前にどういうことをしたかという御質問でございますが、外交ルートを通じまして事前の打ち合わせを進めてまいっておったところでございますが、以上のような共同声明ができまして、喜んでおるところでございます。先生御存じのように、日本といたしましては日米の原子力協定の規定によりまして、再処理に関し米国の事前同意を得る必要がございます。東海再処理施設の運転にかかわる処理量及び期間の制約が現在あるわけでございます。処理量につきましては現在累計で百四十九トン、期間につきましては先般延長いたしまして六月一日までと、こういうことになっております。それからこういう制約の撤廃を当方としては希望するわけでございます。  そういう問題及び第二再処理工場でございますが、これの建設計画の推進を図らなければなりませんが、その点についてもこの協定の規定がございます。したがいまして、先ほど申し上げましたような共同声明の趣旨に沿いまして、こういう点につきまして今後米側と速やかに協議を進めてまいりたいと思っております。たとえば目下のところ、先ほどお話しいたしました六月一日までというような運転期間、これにつきましては今後協議いたしまして、恒久的な解決を図るというそういった面の協議を速やかに始める、こういうことでございますが、この恒久的な解決に至るまでの運転期間をとりあえず延長する問題につきましても問題がございます。そういう点につきましては別途日米間において調整を進めることといたしたいと、こういうぐあいに考えておるところでございます。  なお、廃棄物関係でございますが、今回はそのものにつきまして日米の話し合いは行われておりません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 今度の日米首脳会談で直接議題になったかどうかは別にしまして、民営第二再処理工場についてもうちょっとお尋ねをしたいんですが、実は日韓原子力産業会議のいままでの話し合いの中では、第二再処理工場の立地は日本では非常にむずかしいんではないか、したがって韓国側としては済州島に用地を提供をしてよろしいと、そのかわり韓国側で出てくる使用済み核燃料の再処理については、ひとつ日本側で、その第二再処理工場で処理をしてくれないかと、こういう日韓間の協力についての話し合いというものが原子力産業会議を窓口として大分話が進んでおる、こういうことも取りざたをされておるわけですが、しかしいずれにしても、この問題も日米原子力協定の中で了解がとられるとか認められるということにならなければ、日韓で勝手にやれる問題ではないということなんですが、政府としてはいま言ったようなこの済州島云々というふうな問題についてどの程度関知をされ、またどの程度関与をされておるのか、そのことだけちょっとお聞きしたいと思うんです。

高橋宏資源エネルギー庁長官官房審議官

○政府委員(高橋宏君) 御指摘の件は、日韓原子力産業セミナーの件だと存じますが、昨年の十一月に日本原子力産業会議と韓国原子力産業会議の共催でそのセミナーが行われまして、そのセミナーにおきまして韓国側から御指摘のような話があったということは私どもも捕捉をいたしております。  ところで私どもの立場でございますが、わが国初めての民間再処理工場でございます第二再処理工場につきましては、日本の再処理需要のための設備、もっぱら国内の原子力発電所から発生する使用済み燃料の処理を行うということを考えておりまして、目下原燃サービスという会社ができまして昭和六十五年ごろを目途に建設準備が行われているところでございます。そういうことでございまして、その第二再処理プロジェクトにつきましてはもっぱら国内のものである、こういう方針で現在進めておりまして、私どもにとりましては、韓国、あるいは先ほどおっしゃいましたのに持っていくとか、あるいはそれを引き受けるというようなことは目下一切考えておりません。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、これも自動車問題になりますが、日米首脳会談の後、鈴木首相はカナダへ飛んで、カナダの首相との間にまたいろいろ話が行われたわけなんですが、カナダ側との間にこの日米首脳会談を受けて車問題ではどのようなことが話し合われ、どのような決着を見たのか、お聞かせを願いたいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 日米の帰りにカナダに立ち寄られまして、約二時間近くランチをはさんで会合がございました。ほとんどは実はサミット関連の問題でございまして、個別問題といたしましては自動車問題も出たことは出たわけでございますが、たまたまちょうどその先週カナダ側から日本へミッションが来ておりまして、カナダヘの自動車の輸出をどうするかという件につきまして、事実関係の究明と意見の交換というものを東京でやっておりまして、そのレポートが一応向こうのカナダ側の担当者さらに首相まで上がっておった、こういう段階でございまして、向こうといたしましては、自動車問題につきましては首脳会談の際には、お互いに事務的な話し合いが行われてある程度の進歩、サムプログレスと言っておりますが、ある程度の進歩はあるので、その線に沿って早く解決したいと向こうが言いまして、総理といたしましても同様なるべく早く事務的な話の詰めを行って解決いたしましょうと、こういうやりとりがあっただけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そうすると通産省としては、アメリカ側との決着を見たような方式、つまり自主規制という形でこれを解決されるという方針、考え方をお持ちなのかどうか、お聞かせ願いたいと思うんです。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) アメリカとカナダさらにはECと、それぞれに自動車市場の様子が全く違うわけでございます。また独禁法の体制も全く違うわけでございまして、仮に何らかの輸出上につきましての自粛的な行動をとるにいたしましても、その法制的ベースもそれから市場の状況も全く違いますので、これと同じことということはとてもできないわけでございまして、それぞれその事情、市場の状況に応じ、その法制のあり方にマッチした方策を万全の手当てをいたしましてとるよりほかないかと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 そこで、カナダやECとのこの自動車問題については、したがって日本側としては一定の解決方法なり方針というものを現在お持ちなのか、これから相手の意見、希望も聞きながら考えていこうというのか、どういうことなんですか。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 目下鋭意検討中というところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、カナダ炉の導入についてお尋ねをいたします。  御承知のように、このカナダ炉の導入については電源開発株式会社がこの導入を目指してカナダ政府との間に相当以前から交渉を進めてきておりますし、それから国内においても通産が電発と組んでカナダ炉の導入ということで今日までかかわってこられたことはこれは周知の事実です。しかし、日本の原子力開発の方針をめぐっては、基本的にその方針決定の権限というのが原子力委員会に与えられておるわけですね。その原子力委員会の基本的な考え方というのは、原子炉の開発というものをあっちこっちやるべきではない、非常に長期間要するし莫大な資金も必要とするということで、できたらやはりしぼっていくべきではないかということで、従来はカナダ炉の導入については原子力委員会としては否定的な見解であったわけです。しかし電発なり通産としてはそれにあきらめずに、やはり鋭意導入に向かってそれなりの動きというものを今日までやっておいでになっております。これは私どもも承知をいたしております。きょうは時間がありませんので突っ込んだことはお聞きをしないんですが、実はこのカナダ炉の導入をめぐっては、私はアメリカ、カナダ、日本という大きなその政治の部分を巻き込んできた問題であるというふうに認識をいたしております。これはいずれ機会を改めてお話をしたいと思いますしお聞きもしたいと思っておるんですが、そこで、いま言ったような歴史的な経過や今日までの日本の原子力の基本政策、研究開発の基本政策の方針を踏まえながら、カナダ炉導入に対する通産省の現在の態度というものはどういうものなのか、お聞かせ願いたいと思います。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(石井賢吾君) CANDU炉につきましては吉田先生十分御承知のように、天然ウランを燃料として用いまして、これを効率よく燃やすということを第一の目標としてカナダにおいて開発された炉でございまして、さまざまな特性を有するという意味におきまして、通産省といたしましてはエネルギーセキュリティーの確立という観点から強い関心を抱かざるを得ない炉であるというふうに基本的な認識を持っておるわけでございます。  ただ、ただいま御指摘のように、原子力委員会の五十四年八月の決定がございます。開発導入に関して現段階において積極的理由は見当たらないという決定がございますので、その決定の範囲におきまして内外の請情勢に適切に対応できるような調査研究は続けていくということでこれまでやってきたわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 調査研究というのは、ある一定の方針に基づいて大体調査研究というのは行われると思うんですね。何かやる意思のないものについて調査研究をする必要はないわけですから、何かをやりたいというときに調査研究ということになるわけですから。したがって、私はいまの通産省の調査研究という言い方では非常に弱いんじゃないかという感じがするんですね。だから、その調査研究の結果よろしいと思ったら導入しよう、逆に言えば導入を前提として調査研究しているのか、どっちに重みがあるのか。これは公益事業部長に聞くのもちょっと無理な話かもわかりませんが。いいですわ、それじゃ。  それでは今度の日加首脳会談で、前々からカナダ政府は日本政府に対してカナダ炉の採用というものを相当強く迫ってきておるという話も聞いておるわけですけれども、今度の首脳会談ではどういう話になったのか、あるいは事前に通産省とカナダ政府との間にはこの導入をめぐってどの程度まで突っ込んだ話し合いが行われているのか、お聞かせ願いたいと思います。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(石井賢吾君) CANDU炉の日本への導入につきましては、常々カナダ側が非常に強い関心を示しておるところでございまして、機会あるごとにその導入方について要請をしてきておるわけでございますが、カナダ政府におきましてもわが国の原子力委員会の決定その他の事情については十分承知いたしておりまして、現段階における調査研究の続行を評価しているということと私ども聞いております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 首脳会談では全然話が出なかったんですか。

石井賢吾資源エネルギー庁公益事業部長

○政府委員(石井賢吾君) 五月九日の日加首脳会談におきましては、カナダ側からわが国が同炉に関する調査を継続して行っているということにつきまして、満足しているということの意思表示があったように聞いております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それじゃ自動車問題とこの原発関係については以上で質問を終わりますので、お帰りいただいて結構でございます。  それでは次に、本日の主要議題であります商工二法案についてお尋ねをいたします。  まず、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、当初に辻全国商工会連合会長にお尋ねをいたします。  本当に本日は遠路はるばる大変御苦労さまでございました。また、日常、非常にいま困難な状況に置かれております中小企業事業者の発展のために御尽力をいただいておる点につきまして、心から敬意を表明する次第でございます。  せっかく参考人としておいでいただきましたので、幾つかの点について率直に辻会長さんのお考えをお聞きをし、政府側からも善処をしていただきたいと思いますし、また、国会としてもそれなりの努力をひとつやる参考にさせていただきたいというふうに思っております。  まず第一点でございますが、いろいろお尋ねもあったと思いますが、商工会の今日の組織だとか運営の実情がどうなっておるのかという点が第一点でございます。  また、第二点としては、地域においてまあそれは都市部とか町村部では差があると思いますけれども、商工会というものが一体地域においてどういう地位を占めているのか、どういう位置づけを持っておるのかということと、またどういう存在価値というものを持っておるというふうにお考えになっておりますでしょうか。  そして三番目として、この一、二と関連をいたしまして、どのような課題というものを現在抱えておいでになるのかという、まず初めこの三点についてお尋ねをいたします。

辻彌兵衛全国商工会連合会会長

○参考人(辻彌兵衛君) ただいまの吉田先生の御質問に対しましてお答えを申し上げたいと思います。  まず最初に、商工会の組織は御承知のように現在全国各地に二千八百六十の単位商工会がありまして、それぞれが四十七の都道府県連をつくり、それが集まりまして全国商工会連合会を形成をいたしております。会員数は全部で百七万、そのほかに後ほどまた御説明申し上げますが、青年部、婦人部約三十万を合わせますと約百三十万に及ぶ大きな団体になっておるわけでございます。  商工会はいわゆる中央会等の業種別の組合と異なりまして、業種、業態、規模の大小を問わず、おおむね市町村という地域をベースに地域のあらゆる商工業者を包括した地域総合経済団体という性格を持つものでございます。したがいまして、組織運営面におきましては、まず組織率を高めることによりまして地域の代表性を高めていくことが要請されておるわけでございます。現在全国の平均の組織率は六六・九%でございまして、まだ十分な水準とは申せませんので、今後ともこのような組織の量的な強化について努力をいたしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。  次に重要なことは、そのような組織であるだけに組織の活性化ということに常に心がけていくべきでありまして、組織が動脈硬化に陥ることは厳に戒めなければならないと思います。  かような観点から、私ども商工会といたしましては十五年前から青年部、婦人部の組織を設置促進いたしまして、常に商工会活動に清新な血液を注入し、組織の活性化を図るように努力をいたしてまいったのでございますが、今回の法改正を機会に業種別の部会あるいは問題別の委員会等の設置促進によりまして、組織の活性化、活動の活発化を図ってまいりたい、かように考えております。  また、商工会は本来自主的な地域における組織団体でありますから、当然その組織運営におきましては、その基本原則はあくまでも自主性、主体性の確立ということが大切な観点であることは申すまでもないわけでありまして、その意味では特に会員、特に役員の商工会への帰属意識と申しますか、そうした自覚の向上というふうなことに対しましては一層留意をいたしてまいらなければならないと思っております。  最後に、商工会の存在意義につきましては、先ほど申し上げましたように総合的な地域経済団体であるという性格は、あくまでもわれわれの基本的ないわゆるレーゾンデートルでございまして、私どもはこの商工会の運動は地域における零細小規模企業者のいわば復権運動だというふうな意識で運営に携わっておるわけでございます。一言で言いますならば、できるだけ地域における多くの産業、つまり農林、漁業等の第一次産業あるいはその他第二次の地場産業、地域産業等のあらゆる地域が持っておる潜在的なエネルギーを掘り起こしまして、それらのエネルギーを商工会を通じて集約することによって、地方の時代にふさわしい地域経済の振興の核としての役割りを今後果たしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。  最後に、商工会の抱えておる現在の課題についてのお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたような観点に立って、私どもはこの十五年間それなりに努力をいたしてまいったのでありまして、地方の時代の到来とともにまさに私どもの存在の意義が問われる重要な時期に差しかかっておるというふうに理解をいたしております。したがいまして、私どもは商工業者の集団でありまして、商工業者の利益あるいはまた社会的な地位の向上を図る団体でございますが、それと同時に、私どもは何よりも地域での生活者であり、地域住民の一人であるというふうに考えておりますので、単に地域の経済的な側面のみならず、社会的、文化的な側面におきましても多くの役割りを果たすことが期待されておるというふうに理解をいたしております。つまり、私どもの努力によりまして私どもの住んでおる地域がより文化的にもすぐれ、あるいは生活環境が豊かであるような地域社会をつくることに私どもなりに努力をいたしてまいりたいと、これが今日の商工会の抱えておる共通的な課題でございます。そのためには、事業活動の一層の活発化と組織の強化、活性化が必要であろうと考えております。今回の法改正の内容はいずれもこの趣旨に沿ったものだと、このように理解をいたしておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 あと一、二点ほどお尋ねをしたいと思うんですが、いまも抱えておる課題の解決に向かって今次法改正がなされたというふうにおっしゃったわけですけれども、私はこの法改正によって、いままで申し述べられましたような課題というものが本当に十分解決されるんだろうかどうだろうかという点ですね、けさほど来の論議でも金融の問題とかいろいろあるわけですけれども、そういう点で、これで十分だと、まあ何でも十分だということはないんですけれども、それなりに十分だとお考えになっておりますのか。さらに、この今回の改正だけでは足りないと、今後残される問題というものが出てくるんじゃないかというものがもしあるとすれば、どういうものがあるんだろうか。さらに、それを解決するためにはまだこういう点で改善すべきじゃないかとか、そういう今後のことについて何かお考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。

辻彌兵衛全国商工会連合会会長

○参考人(辻彌兵衛君) 先ほども申し上げましたように、私ども現在の商工会に要請されておりますことは、地域の総合的な経済団体としての機能を十分に発揮し、より豊かで明るい住みよい地域社会をつくるために私どもの全力を挙げて、それを地域の活性化のために努力していくことだというふうに理解いたしております。したがいまして、今後残されました問題は、あくまでも今回の法律の改正によりまして、先生の御指摘のように法律が改正されたら、それで自動的にそうしたすべての問題が解決されるというふうなことではないわけでありまして、私どもはこの法改正が実現いたしました後に残された問題の多くは、先ほども申し上げましたように、私ども自身のあくまでも主体的な努力によりまして役員、会員の意識の変革あるいはそうした社会的な使命の自覚といったようなことについて一層の主体的な努力をいたすことによりまして、われわれの商工会としての役割りを果たしてまいりたいと、かように考えておりますので、御理解をちょうだいできればと思っております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 辻さんには大変ありがとうございました。  それでは次に当局にお尋ねをいたします。  御承知のように、この五十五年度は大変な不況であったわけです。一部大企業は史上空前のまた利潤を上げたということなんですけれども、中小企業の場合は大変な年であったわけですね。この不況も年度当初もうある程度予想されておったわけですし、特に中小企業への影響というものが大きく出てくるんじゃないかという点でも非常に心配をされておったわけです。したがって、中小企業対策の強化というものが関係者から強く要望もされておりましたし、政府のそれなりの施策、予算措置というものも講じて一定の成果を上げておるという点については評価をいたす次第です。しかし、それにもかかわらず中小企業の倒産件数が史上最高の一万八千件を超えるという最悪の事態であったわけです。  そこでまず最初に、倒産の業種別、原因別件数がどうなっておるのか、お尋ねをいたします。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。  昭和五十五年度の中小企業の倒産件数は、ただいま御指摘のとおり、中小企業だけで申しますと一万八千百六十二件という水準を記録をいたしております。  これをまず業種別に見ますと、商業が三七%で最も多いわけでございまして、次いで建設業が三〇%、それから製造業が一九%、それからサービス業その他が一五%というような順序になっております。  また、御指摘の原因別に見てまいりますと、いわゆる不況型の販売不振というものが最も多いわけでございまして、これが四四%を占めております。続きまして放漫経営、これが二一%、それから連鎖倒産が一三%といった原因の順になっております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 次に、五十五年度当初の政府の景気動向に対する読みと実際の不況状況との間には相当開きが出てきたと思うんです。また、物価の面から見ましても、卸売物価というものが横ばいで比較的安定しているものと比べて、消費者物価についてはこれも政府の当初見通しでありました六・四%というものを大幅に上回る七・八%というふうなことになって、これらが消費者の購買意欲を奪うとか、あるいは需要を抑制する作用として働く等、まあいろんな原因があるんですが、そういうものによって不況とかいろんなものが出てきておるわけですね。  時間の関係がございますので順序をちょっと変更いたしまして、いまも倒産件数は建設業が三〇%というふうなお答えもあったんですが、そこでこれは建設省の方にお聞きをしたいんですけれども、建設業の場合には非常に大手から中堅、小規模、さらには零細というぐあいに、下請、孫請、ひこ請というぐあいに非常に下請制度というものが、縦の系列というものが強化をされているわけですね。したがって、代金の支払いについても大企業側は政府なり発注者から直接現金で支払いを受ける、あるいは前渡し金をある程度もらうという状況にありながら、下請に対しては、よく言われておりますお産手形だとか台風手形というふうなもので処理をしているというふうなことで、やりくりがつかなくなる、つい下請企業が不渡り手形を出すとか運転資金に困って倒産をするというふうなことが従来からも指摘をされて、それに対して政府側としても手形期間の短縮であるとか、あるいは少なくとも下請企業に働く労働者の賃金、これだけはまさか小切手で切るわけにまいりませんので、そういう点では下請労働者の賃金分くらいは現金で払うべきだと、こういう指導も行われてきたんですけれども、しかしまだまだそれが後を絶たない、なかなか減らないということが言われておるわけです。  そういう点で建設省としては、この問題について実情がどうなっておるのかということと、さらに従来どういう対策を講じられてきたのか、また、その成果のぐあいを見て今後どのように対策を強化をされようとしておるのか、当初にお尋ねをいたします。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○説明員(北村広太郎君) お答え申し上げます。  まず、その代金支払い関係の実情でございますけれども、私どもで五十一年の一月に第一回の建設業関係の構造基本調査をやっております。続きまして、これは三年ごとの継続調査でございまして、第二回目を五十四年の二月に実施しているわけでございます。その間、五十三年に「元請・下請関係合理化指導要綱」というのを定めまして、ただいま御質問にもございましたように、下請代金の支払いはできる限り現金払いとし、現金払いと手形払いを併用する場合であっても、少なくとも労務賃金相当分については現金払いとすること、それから第二点といたしまして手形期間はできる限り短い期間とすること、その二点を中心に指導をしてまいったところでございます。  したがいまして、その第二回目と第一回目の間でどのような改善状況を見たかという状況を御報告申し上げますと、まず手形期間でございますが、第一回目九十日未満の手形を発行しておった者が一七・四%、これが第二回では一七・六%、若干でございますが増加しております。それから、九十日から百五十日までの手形が六七・一%が七二・二%、それから百五十日以上が一五・五%であったものが一〇・二%と、幾らかでも改善の跡が見られるわけでございます。  それから、現金払いの状況でございますけれども、第一回調査では七割以上を現金で支払った者が四一・八%でございましたが、第二回ではそれが四九一八%に向上し、さらに五割から七割を現金で払っている者が一五・四%から一七・〇%、それから一割から五割を現金で払っている者が三五・四から二九・四と減少し、一割未満しか現金で払っていなかった者が七・四%から三・八%と、若干ではございますが改善の跡が見られている現況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まあ確かに改善はなされておるんですがね、やっぱり若干とおっしゃっているとおり、全くの若干なんでしてね、これでは抜本的な対策というところまではほど遠いんじゃないかと思いますので、今後単にこれだけで倒産が減るということにはもちろんなりませんしね、そういう点であれですか、建設省としてはよりこれを強化をするという方針には変わりはないと思うんですが、具体的にはどういうことをお考えになっていますか。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○説明員(北村広太郎君) この第二回目の結果を見まして、五十四年度からは特定建設業、これは一千万以上の下請工事を発注する建設業者でございます。したがいまして、下請を使用することが非常に多いという建設業者でございますが、これに対しては下請代金の支払い状況について個別的な実態調査を行いまして、その結果を見まして現金比率、それから手形期間等に関しまして不適切な事例がございました場合には、個別に文書をもって行政指導を行っております。  それから第二点といたしまして、御質問にもございましたように、近ごろ非常に倒産状況が多い現況にかんがみまして、五十五年度の第一次、第二次総合経済対策を受けまして、五十五年の九月及び五十六年三月に計画局長名をもちまして、その業界に対し下請保護を通達しているところでございます。さらに本年、五十六年の五月八日付で事務次官名をもちまして、業界ばかりではなく国の関係各機関、それから都道府県、指定市等を通じまして、つまり発注者側に対しましても下請保護を公共工事の発注の際に厳しく指導していただくよう、先ほど申し上げましたような現金比率の向上、手形期間の短縮等につきまして、特にその御指導方依頼状を出しております。また、業界に対しましても同趣旨の指導を行っているところでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 建設業界というところは非常にいろんなむずかしい要素を多く抱えている業界ですから、なかなか簡単にはいかないと思うんですけれども、しかし、たとえば手形についても市中銀行等で優先的に有利な状況で現金化をする等のいろんな措置、この手形が変なところへ回って変なことになったなんという話もよく聞くものですから、そういうことのないような指導というものも今後一層強化をしていただきたいということをお願いして、建設省結構です、どうもありがとうございました。  それでは引き続いて通産の方にお尋ねをいたします。  先ほど申し上げて中途半端になってしまいましたが、先ほど申し上げましたのは、要するに当初見通しと実態が相当違ったものになってきたということを申し上げて、予想以上の倒産を生んだということを申し上げたんですが、そこで、消費者物価の上昇が見通しを大きく上回った。その原因は一体何によっておるのかということ、それから、予想を越えた不況の原因がどこにあるのか、どう  いうふうに把握をされておるのかという点について経済企画庁、それからこれは通産当局、両者からそれぞれの立場でお聞きをしたいと思います。

齋藤成雄経済企画庁物価局審議官

○政府委員(齋藤成雄君) 物価の見通しの問題に  ついてお答え申し上げます。不況の問題は別途担当者参っておりますから……。  御指摘のとおり、五十五年度の消費者物価は、政府の六・四%程度という見通しに対しまして、結果は七・八になったわけであります。この原因といたしまして、私どもは大きな原因は二つというふうに考えております。  第一は原油価格の上昇、これが予想を著しく上回ったということでございます。五十四年と五十五年、CIFで通関の価格を比べてみますと、円建てで八〇%の上昇を示しております。私どもは原油価格が上がるということは予想しておったわけでございますが、八〇%に上がるということはちょっと予想を超えた数字でございました。これが理由の一つというふうに考えております。  それからもう一つは異常気象、御存じのとおり昨年の冷夏、それからことしの初めの豪雪とか乾燥とか、そういった異常気象が季節商品に大変大きな影響を与えました。これはなかなか比較がしにくいわけでございます。といいますのは、御存じのとおり五十四年度も十月ごろから台風とか長雨の影響がございまして、五十四年度の野菜も異常に上がりましたので、五十五年度がそれと比べた場合には、つまり五十四年がかなり高い水準にありましたので五十五年度の上昇率は比較的小さく出るわけでございますけれども、私ども五十五年度は平常ベースでいくものという予想をいたしておりました。したがいまして、これは五十三年と五十五年の水準で比べますと実は指数にして三〇%ぐらい上がってしまうんですけれども、そういった異常気象が影響してきた、この二つが大きな原因というふうに考えております。

大竹宏繁経済企画庁調整局審議官

○政府委員(大竹宏繁君) 五十五年度の経済の動き全般を振り返って、ただいま御質問のございました当初の見通しと結果としての経済の姿とどう違うかということについて一言お答え申し上げます。  五十五年度の私ども当初の想定といたしましては、ただいまもちょっと話がございましたように、石油価格の上昇がこれほど大きなものになるとは想定をしておらなかったわけでございます。したがいまして、物価ももう少し伸び率が低くて済むであろうということがまず一つの想定であったわけでございます。そこが一つ非常に大きく違ったわけでございます。その物価面の影響と並びまして、やはり原油価格の上昇が所得面に響いてまいりまして、経済全体がスローダウンをするというような面が出てまいりました。その二つの面から、主として民間の需要、特に民間最終消費支出あるいは民間住宅といった、言うならば中小企業等とは比較的密接な関連のある需要項目が減少をする、減少といいますか、伸びが鈍化したということが倒産の増加ということの一つの原因になっておるかと思うわけでございます。ただ、経済全体の動きをながめてまいりますと、最近におきましては物価も安定をしてまいりましたし、石油価格につきましても安定した動きになっております。したがいまして、五十五年度のような姿は起こらないというふうに私ども考えておりまして、五十六年度におきましては、消費支出あるいは民間住宅につきましてもやや回復してくるのではないかというふうに見ておるわけでございます。全体としての在庫調整が大体底入れに近くなっておるということが一般的に指摘をされておりますので、その辺から全体としては経済が明るさを取り戻してくるのではないかというふうに見ておるわけでございます。

神谷和男通商産業大臣官房審議官

○政府委員(神谷和男君) 通産省の見方も、ただいま経済企画庁の方から御説明いただきましたことと基本的には変わっておりません。全体のマクロとしての五十五年度の経済の達成、パフォーマンスあるいは成長率を振り返ってみますと、おおむね政府見通しの四・八%程度は達成できるということでございますけれども、その内部にわたって見てまいりますれば、ただいまも御説明ございましたように、やはり当初予想よりも比較的外需に依存した成長になっておった、しかも、その輸出等を支えたものが加工組み立て型の業種等によって支えられておったということでございますし、内需におきましても、民間設備投資の比較的高い伸びによって成長がある程度支えられておったと、こういうことでございまして、したがって、マクロである程度のところは行っておりますけれども、この反面、民間住宅の低迷であるとかあるいは公共投資の抑制ぎみの推移といったようなものが建設関連の業種に影響をもろに与えてまいりますし、物価のただいま物価局の方から御説明ございましたような、やや予想を上回る実績といったものが消費のかなり予想以上に低い水準ということで商業関係等にも影響をしておる、さらに同じ製造業の中で見ましても、加工組み立て型産業と構造的問題をかなり多くはらんでおります素材産業との間のパフォーマンスがかなり両極分化をしておる、こういう形で、全体として見ますとある程度の数字に行っておりますが、個々の業種ごとにいろいろな問題が出ておりますので、そういう意味で、先ほど中小企業庁長官が御説明いたしましたように、倒産件数等特定の業種にかなり大きく影響を与えながら、高い水準に推移しておるものというふうに考えております。しかし、ただいまも御説明ございましたように、消費者物価も四月の速報等で見ます限りにおいてはかなり落ちつきを示してまいりましたし、卸売物価におきましては完全に定着以上の推移を示しております。したがいまして、オイルショックの第二局面も一応その局面からは脱却し得る段階に入ってきておるというふうに考えられますので、今後はその局面に備えながら、先ほど申し上げましたような業種ごとに偏った影響の出ております影響を、個別業種対策等を勘案し総合的な経済政策との均衡を維持しながら、細心に私どもといたしましては対処してまいりたいと、このように考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いま物価の問題を中心にお答えがあったわけなんですが、消費者物価の上昇とかインフレ必ずしも不況そのものには直結をしないということは言えると思うんですね。  そこで、私がここで聞きたい真意というのは、石油の値段が上がったとか季節商品が上がったとかいろいろなことが言われておりますけれども、いずれにしても史上最高の倒産件数を記録したという点については、単に石油の価格が上がったからとかそういうことに原因を持っていくということはちょっと納得できないわけなんですね。それから、先ほど倒産の理由もお尋ねをして、三つほど主要な原因を挙げられたわけですね、販売不振が四四%、それから放漫経営が二一%、連鎖倒産が一三%と。まあ放漫経営なんというのは常に従来からも言われてきているわけですね。だから、原因別に見ればいま言ったような項目にみんな整理をされていくわけなんですが、そうではなくて、これほどの倒産を生じた一体主要な原因というのは何であったのかということをお聞きをしたいと、それなくして今後の対策というのは出てこないわけですから、それをどういうふうに把握をされているのかということをお聞かせ願いたい。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 中小企業の倒産との関連ということでございますので、私の方からお答え申し上げます。  私どもが原因分析で把握しておりますのは先ほど御指摘のとおりでございまして、需要不振というのが一番大きな原因でございまして、これがいわゆる今回の倒産は不況型の倒産だということが言われるゆえんのものでございます。中小企業の経営の運営におきましてやはり一番致命的な問題になりますのは景況、いわば自分のつくっている商品の売れ行きでございます。どうしても自転車操業でやりまして売れないと在庫が積み重なりまして、在庫を抱えるためには金融が必要だというようなことで窮地に陥るわけでございますが、そういった需要不振、これは先ほど来経済企画庁及び産業政策局の方から御説明ございましたように、その需要不振はまた何から来ているかというところが根本原因ではなかろうかと考えております。その原因が中小企業の活動領域に一番近いところで起こったというところだろうと思います。端的に申しますと、やはり個人消費支出、この消費財関連の部門はとりわけ中小企業が非常に密接な関連を持っている分野でございまして、それが非常に影響するということでございます。  それから住宅でございますが、これは日本全国津々浦々非常に地域的広がりも多うございますが、また住宅の関与する企業も非常に層が厚うございまして、たとえば素材だけで申し上げましても、生の木材から家具に至るまでという木材関連がとりわけ非常に不況に見舞われたというのは、まさしく住宅が悪いというところからきておるわけでございます。それから、特に建設関係でも建築という部門が非常に打撃を受けております。そういたしますと、やはりその建築部門で使用されます窯業建材部門、いわゆる建築の素材部門でございますが、これが非常なあおりを受けたということがございます。いま申し上げましたような原因は景気のサイクル的な要因でございますが、これにかてて加えましてやはり冷夏というものが非常に大きな影響を与えた、かつそれがことしに入りましても若干冷夏の後遺症が残っておった。それにあわせまして、やはり豪雪で相当販売あるいは生産の円滑な遂行というものに対しまして非常に悪条件が重なったというあたりがございまして、それが地域的にも中小企業の非常に多い東北あるいは北陸等で起こっておりますし、影響もそういったところで集中的に出ておりますので、やはり中小企業に集中的にかげりがひどかったということであろう、このように解釈をいたしております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 お聞きしたいことがたくさんあるんですが、もう時間もなかなかありませんから聞く方も簡単に聞いてまいりますので、答弁の方もひとつこれから簡潔にお願いをしたいと思うんですが、不渡り手形を出してとにかく倒産をする、金融上もう少し配慮がなされておったならば倒産は避け得たんじゃないかということも指摘をされておりますので、私は今後やはり金融政策といいますか、そういう面を重視していく必要があろうかと思うんです。午前中の青木委員の質問でも金利の問題等を含めていろいろ質問も出たわけですが、時間がありませんから一言だけで今後どうするかということでお尋ねをしたいんですけれども、とにかく貸し出しの迅速化とか、あるいは既往債務の返済の猶予であるとか、あるいは長短期貸付金の金利の引き下げ、こういうことが盛んに言われてきておるので、一定の改善を見ておりますけれども、まだまだこの業界からの要望というのは非常に強いと思うんですね。そういう点で、いま申し上げたような点で、さらに今後それらの要望にこたえる努力というものを私は最大限ひとつ払っていただきたいと思いますし、とりわけ金利の引き下げについては公定歩合が年に二回も三回も変動するんじゃ大変困るんですけれども、いい面で有利な面では直ちに連動するような、そういう対策というものをぜひ講じていただきたいと思うんですが、この金融面についての今後のあり方について見解をお聞かせ願いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 最近の景気の現状に応じまして、三月十七日にとられました政府の景気総合対策の中では、中小企業向けの金融を特に重視した措置をとっております。御承知のように、設備資金については三月十八日にさかのぼって四月の終わりに決められました〇・五%の金利の引き下げを実施することにいたしましたし、それから短期金利につきましては〇・七五%の引き下げを実施するというようなことをやっております。それで、政府系金融機関につきましては、いま先生おっしゃいましたように貸出手続の迅速化あるいは既往債務の返済猶予、担保徴求の適切な運用等につきまして、通知を出してできるだけ適切な運用をするようにというふうにやってきておりますので、今後もそのようなことで中小企業者への影響ができるだけ緩和され、中小企業の経営が安定的に行われるようにやっていきたいと考えております。それと同時に、民間金融機関につきましてもでき得る限り公定歩合の引き下げによって全体の金利水準が下がるように、今後も大蔵省と協力しながら指導していきたいと考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 まあ経営改善資金についてはいろいろ論議もされてきておりますが、五十六年度の予算措置では不十分だという意見を、いままでの伸び率から見ますと不十分じゃないかというふうなことも言われておりますが、不足した場合、これ直ちにやはり予算措置を構ずるべきだと思うんですが、その点いかがですか。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 小企業と経営改善資金については、融資規模を五十五年度の五千百億円から五十六年度には五千三百億円にふやすことにしております。これは昨年度の実績に比べますと、約四千八百億円程度でございましたので、それに比べますと一〇%増というようなことになっておりまして、私どもとしては現在までの運用から考えて一応この五千三百億円の融資規模で十分ではないかというふうに見ておりますが、今後の経済情勢の推移によりまして、その枠について必要が出てきたときには今後考えていきたいというふうに考えております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 それでは、次に本法の改正案と直接関連をしてお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、とにかく今度の改正によっていままでの事業範囲というものが目的の改正に伴って拡大をされていくということになるわけですが、従来の事務局体制の強化が必要じゃないかということが盛んに論議をされてきておるわけですね。それなくしては本来の目的業務がどこかへ飛んでしまって、かえってまずくなるんじゃないかという批判も出ておるわけです。そこで、現在商工会の指導員、補助員、あるいは記帳職員等の数が現在どうなっておるのかということと、まあことしも若干増員されたようでありますけれども、とてもあの程度の増員では焼け石に水ではないか、もっと大幅に増員をすべきではないかという強い意見あるいは要望もあるわけです。そこで将来の計画も現在あるのかどうなのか、あったらそれもお聞かせ願いたいと思うんです。何しろいままでの資料等によりますというと、指導員一人当たり年間七百件を超えるような相談にあずかっておるということでは、とても満足な指導なんてことはできない、これはもう限界をはるかに超えておるということが言えると思うんです。そういう点でその点がどうなっておるのかということをお尋ねいたします。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 商工会に所属しておりますいわゆる補助対象職員、これは御指摘のようにいわゆる経営指導員、それから補助員、それから主として記帳の面で指導いたします記帳専任職員、こういった種類がございます。これは実は商工会議所にも、地区にも同じようなものが置かれておりますし、またさらに商工会につきましてはその都道府県の連合会にもこういったものが置かれております。さらに全国連合会にも置かれておりますし、それからこれは商工会議所の全国組織でございますが、日本商工会議所にも置かれておる、いろんなジャンルがございますけれども、合計いたしましてこれは五十五年度の予算ベースでまいりますと、一万七千百三十七人というのが現在の補助対象職員でございます。これはいずれもいわゆる経営改善普及事業を行います職員でございますが、これにつきましては現在でもその需要になかなか追いつかない、もっと増員をする必要があるというのが実情でございまして、ただ財政の制約がございまして、必ずしも十分に伸びてはおらないわけでございますが、それでもやはり五十六年度予算におきましては、たとえば経営指導員につきましては、七十七名というネット増を確保することができたということで、逐次ふえてきておるわけでございます。御指摘のように、大変経営指導員また記帳専任職員等忙しいわけでございまして、今後とももっとふやしてまいりたいという希望を持っておりますけれども、やはり財政とのかね合いという点がございまして、その許す限りで伸ばすということにならざるを得ないわけでございます。  それからもう一点、組織の強化という意味では、いわゆる事務局長を各地の商工会に置くようにいたしております。これは、現在の五十六年度予算では全国千五百十カ所にこの事務局長を置くことにいたしまして、そのための事務局長の設置費を補助しているというのが実情でございます。これも今後の各地の要望によりましてふやしてまいりたいということを考えておりますけれども、やはり財政との関連上相当今後努力をいたしてまいりたいということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 いま事務局長は、ことしは千五百十カ所と、将来もふやしたいということなんですが、ふやしたいというのは、商工会全部に少なくとも最低一名は事務局長を配置をすると。事務局長ですから一人は一人なんですが、全部配置をしたい、そのための予算措置も将来は講じていきたいと、こういうふうに理解をしてよろしいわけですか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 事務局長につきましては、設置のための補助をただいまも申しましたようにしているわけでございますが、これはやはり全部、全額ではございませんで、自己負担もございますし、またおっしゃいましたように事務局員の数がそう多くない場合には必ずしも必要なものではないわけでございますし、さらにまたその事業内容の規模によりましても、その必要性の程度はおのずから決まってくると思いますので、全部について必要かどうかは、ちょっと私、現在で判断いたしかねますけれども、今後現実にその要望が各地の商工会から起きてきた段階で判断してまいりたいということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 事業量の増大に伴って、少ない指導員あるいは補助職員等そういう中で処理をしていくということになると、会員のニーズ自身が、商工会発足以来二十年経過をしておるわけですから、多様化をし変化をしてきておると、また内容も非常に専門化をしておるということでありますから、経営指導員の研修自体がまた非常に重要になってくるんではないか。お聞きするところでは、採用等については県連合会の中に人事委員会というふうなものを設けて統一採用試験等も実施をしておるということですが、これらの商工会職員に対する研修体制といいますか、研修機関、そういうふうなものはどうなっておるのか、お尋ねをいたします。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 経営指導員の資質の向上というのは、今後の非常に大きな課題でございます。昭和五十四年度から実はそのために新たに経営指導員の研修生制度というのを導入いたしまして、これは新規に大体大学を卒業された方等を対象にいたしまして、百名ほどの募集をいたしまして、これを通常は個々の商工会に張りつけるわけでございますけれども、そうでなくて県の連合会あるいは商工会議所地区におきましては、都道府県、県庁所在地の商工会議所等々に所属をさせまして、ここで見習い研修をさせます。また同時に、中小企業大学校におきましてこういう人たちを研修をさせております。具体的には、これは二年間かかっていま申し上げました二つのコースをやるわけでございますけれども、採用した段階で約半年間これは所属団体で見習い研修といたしまして必要な研修を行います。その後、中小企業大学校におきまして最も基礎的な知識であります簿記、税務、金融といった講習をするわけでございます。そして、その年の後半には経営指導員、現実の経営指導員につきまして実地の研修を行う。それから翌年、二年目に至りまして、これは今度は中小企業大学校の基礎研修のコースに入りまして、法規でございますとか管理、会計とかそういった専門知識を学びまして、さらにその後、今度はやがて所属すべき商工会等におきまして実地に研修をする。最後に仕上げといたしまして、中小企業大学校にまた戻りまして、そこで専門的な知識だとか専門研修というようなものをやる。そういったいわゆるシステマチックな研修制度を導入いたしておりまして、これによりまして研修生の段階で十分に研修いたしまして、指導員の資質の向上を飛躍的に図ってまいりたいということでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 指導用車両補助が行われておるということなんですが、どういう基準に基づいてどの程度の補助がなされているのか、その実情をお聞かせ願いたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 地区によりましては非常に広い面積を持っておりますし、また非常に交通不便なために、そのままですとなかなか経営指導が行き届かないという場合がございます。そこで、そういう地区には、指導用車両という名前で自動車を一台、普通自動車でございますが、これを一台買うお金を補助しているというわけでございます。それで、どういった地域かと申しますと、大体地区の面積が八十平方キロメートル以上のものということで、全国でいきますと大体現在九百三十カ所ぐらいがその対象になっておりますが、こういった面積を持っております広い地域でかつ非常に交通事情等も悪いというところをほぼ対象といたしまして、ただいま申しましたように現在までの実績では九百三十台分を補助しておりますが、補助単価は七十万円程度、これは五十六年度予算でございます、七十万円程度。それから補助率は国が四分の一、県が四分の一、そういった比率で補助しております。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 よき経営指導員を得るというためにも、この労働条件というのは私はやはり重要だと思うんですが、当局の説明によりますと、国家公務員に準じておるということが言われておるんですが、必ずしも内容が明確でないんですね。それは諸手当を含めたら公務員の本給並みになるという意味なのか。そういうことで賃金、諸手当、退職手当、年金等がどういうふうになっておるのか、簡潔でよろしいんですが、お聞かせ願いたい。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 経営指導員の現在の待遇の水準が、国家公務員並みになってきたというふうに申しておりますが、具体的に申しますと、もっともこれは経営指導員というのは従来途中からほかの職業から転じられた方もございまして、必ずしも厳密な比較がむずかしい点がございますけれども、ある程度その辺を大胆に比較いたしますれば、国家公務員の三十八歳ぐらいの段階、これは大体係長程度になるかと思いますけれども、それと経営指導員の平均の方々、これと比べますと、本俸でいきまして、これは五十四年度の実績でございますが、本俸でいきますと国家公務員で十六万八千五百円程度、それから経営指導員がこれに対しまして十六万五千円程度ということでちょっと下回っておりますけれども、ほぼ同じレベルでございます。あと手当のたぐい、扶養手当、調整手当、通勤手当、住居手当いずれも国家公務員並みといいますか、同じ種類の手当はついております。若干金額的にはまだまだというところもございますけれども、まずそう遜色のないレベルのものでございます。それから期末手当も国家公務員の場合には四・九カ月分でございますけれども、経営指導員の場合には四・八カ月分、こういうことになっております。そのほか年金等につきましては、これは経営指導員の場合には全国商工会連合会が商工会の職員を対象としました年金制度を導入しておりまして、これに各職員が加入しておりますいわゆる厚生年金を加えますと、大体国家公務員とほぼ同じという状況になっております。また、退職金につきましても各都道府県の商工会連合会で単位ごとに退職金の制度を設けておりまして、その支給率も大体国家公務員に近いものという状況でございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 これは要望ですけれども、職務の内容上朝の八時からあるいは九時から夕方の五時とか六時という通常の公務員のようなきちっとした勤務時間帯でなくて、場合によっては夜間にわたるとかあるいは祝日でも相談に応じなきゃならぬというふうな勤務の特殊性があるわけですから、そういう点で今後とも適正なやはり待遇ということでの努力をお願いをいたしたいと思うんです。  次に、財政基盤の拡充強化についてお尋ねをいたしますけれども、とにかく何をやるにしても財政的な裏づけあるいは基盤というものが確立をいたしておりませんとどうにもなりません。そこでいろいろ自主財源をどうやって得るかというふうなことで論議をされておるようですが、社会保険の事務代行だとかあるいは税理関係の記帳の代行というふうなことで、自主財源を得るというふうなことが言われておるんですけれども、これ安易に引き受けたらそっちの業務が中心で本来の業務がやれなくなる、そこで得られる収入というものが、手数料というものが逆に言ったら人件費に及ばないというふうな、そういうふうな事態になったんではこれは本末転倒ではないかというふうに思いますし、さらには税理士会や社会保険労務士会との競合が出てくるんではないか、あるいは場合によっては記帳代行だと言いながらも税理士の仕事の分野まで踏み込んだような、そういう問題が出てくるんではないか、そんなことがあっては大変だというふうに思うんですけれども、それらについてはどのようにお考えになっておりますでしょうか。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 商工会の財源と申しますか、事業の内容には、一つは財源的には補助金と会費、それから各種の事務代行によります手数料収入といったものが考えられる点があるわけでございます。昭和五十五年度の統計によりますと商工会当たりの平均の収入額は年間二千四百万程度、そのうちただいま申しました各種の事務代行等の手数料収入が一一%ぐらい占めておるという状況でございまして、これは別にもうけ仕事ということでやっておるわけではございませんが、実費的なものをいただいている、その収入がその財源にもなっているということでございます。御指摘のように、こういった仕事が進みますと、たとえば税理士とかあるいは社会保険労務士等々のトラブルが出るんじゃないかというお話でございますが、たとえば税の問題でそれが法律上税理士でなければできない、そういう資格がなければできないといった仕事につきましては、これは経営指導員がみずからやらずに、その資格のある税理士の方々を招聘しましてその方が相談に応ずる、あるいは税務申告の指導をするということで委嘱をするということをやるようにいたしておりまして、それに基づくトラブルがないようにいたしております。それにつきましては、具体的に各地の税理士会とよく打ち合わせてやっているというのが現状でございます。  それから社会保険につきまして事務代行等々を経営指導員もやるわけでございますが、これは社会保険労務士制度ができました時点におきまして、すでにこの経営指導員の制度があったわけでございますけれども、その経営指導員がその会員のために無料あるいは実費程度ということで事務代行をすることは、別に社会保険労務士業の制限にはかからないという解釈が当時なされまして、そういったこともございまして現在社会保険労務士との間にトラブルが生じたということはないわけでございます。今後商工会といたしまして、いろいろその地域の商工業者の人たちの利便を図っていくということのためにおきまして、いろいろな事業を営んでまいるわけでございますが、その公益的な性格にかんがみまして、余り他の職業等々とトラブルを起こすことのないように十分注意してまいりたいと思っておるわけでございます。

吉田正雄日本社会党

○吉田正雄君 大臣からもひとつお聞きをしたいと思うのですが、いずれにいたしましても商工会の特に零細という言い方は変ですが、小さな商工会の財政基盤が揺らいでいるのは衆目の一致するところです。そこでいままでの補助というのはどちらかというと人件費が中心であったわけですね。しかし、今度の法改正に伴って事業内容が拡大をされるわけですから、一般事業に対しても商工会の財政基盤が確立するまでの間、補助対象にすべきではないか、そういう考えがあるかどうかということが第一点ですね。  それから御承知のように、第二臨調が設置をされて行財政改革について幾つか項目が設定をされて現在論議が進められております。よく各省庁八%ないし一〇%の一律カット云々というふうなことが盛んに論議をされて、これは先般の衆議院の商工委員会でもこの点についてはいろいろ論議をされておりますが、私は本来の補助金の性格、目的からして、単に機械的に一律カットという点については問題があろうかというふうに思うわけです。そういう点で角をためて牛を殺すようなそういう行財政整理であってはいけないというふうに思いますので、いま議題となっております商工会に対する補助金については、私はむしろ増大すべきではないかというふうに実は思っておるわけですね。そういう点について大臣の見解をお聞かせ願いたいと思いますのと、時間がありませんからもう一遍税金関係についてお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、御承知のようにこれは農業の場合に限らず中小企業の場合でも後継者問題というのは非常に頭の痛い問題なんです。そういう点で実は全国商工会連合会の中で、昨年十月中小企業承継税制問題研究会というのが設置をされて、つい先般何か報告が出された。私はこの報告いただいておりませんし、読んでおりませんのでわかりませんが、お聞きするところではたとえば生前贈与制度の導入だとか、あるいは株式会社の場合には株の評価方法の改善等によって、相続税に関する改善方策というものがいろいろ提案されているということを聞いておるわけですね。そういう点で、私はこれがいつもそういう審議会とか何かから答申が出ても、答申が出た段階で今後善処しますくらいで終わってしまうというのがよくあるわけですね。それであってはならぬと思うんです。そういうことで、先ほどの補助金の問題とあわせまして、私はその中小企業に対する、特にこの後継問題をめぐって、相続税をめぐっての税制面では最大限、しかも緊急に私は再検討すべきではないか。また、大蔵省とのその検討、さらにはその調整、意見調整といいますか、そういうものも至急に開始をすべきだと思う。あるいは開始されておるかもわかりませんけれども、その点について、最後に御見解をお尋ねをして、私の質問を終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) まず第一点の問題でございますが、御承知のように、この商工会は自主的な立場で運営するというのが基本方針でございます。したがって、私どもの援助というのは金融面のいろんな措置をやっておるわけでございまして、財政的にこれをさらにどうしようかということにつきましては、検討の余地はありましても、具体的に財政面からのより一層の支援、資金の援助ということはどうかというふうに疑問に思っておりますし、また、具体的にそういうことは現在の段階では考えていないわけでございます。  それから、税の面でございますが、農村にも相続関係の税の減税というものがございますし、私ども、すでに御指摘のようにレポートも出ておりますし、その面で、継承者についての問題はすでに大蔵省とも話し合いを進めて、これを何とか具体的にしたいというふうに思っております。  それから三番目の問題は、行財政改革についての資金のカットをどうするか、補助金のカットをどうするかということだと思いましたが、これにつきましては、実は前の人の質問にもお答えしましたけれども、私は一律カットというのはこれはどうかというふうに思っております。と申しますのは、果たして安価な政府、チープガバメントというのが、アダムスミスが言ったような時代の手法が現在も通用するのかどうかという、非常に疑問を持っておるんです。やはり一九八〇年代、次世代を臨んで、実はチープガバメントが必要なのか、より以上、むしろグレートと申しますか、大きな政府が現在は必要なんじゃないだろうかと。まあ必ずしもそうでなければ、それなら質的な転換をしなければならない。ただ、一律に問題にするというのは時代の要請あるいは国民のニーズ、そういうもの、あるいはパーティシペーションと申しますか、参加というような時勢に反するんじゃないかという、私は疑問を持っておるんです。したがって、そういうような何か一律にやるというようなことよりも、本当に中小企業者を育成しなければならない。あるいは現在の中小企業の日本経済における立場、あるいはその製造関係の出荷率なども見ましても、私は簡単にそういうものに同調するわけにはいかないという気持ちで、この問題にも対処をしていく方針でございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 質問の本論に入る前に、まず、一般的な問題、私の質問のバックグラウンドについて伺っておきたいと思います。  第一点は、通産大臣にお答え願いたいのでありますが、最近の最気動向をいろいろなデータについて見たり、またお話を聞くと、すでに底入れの気配がうかがわれるようでもあります。この状況について大臣は現在の中小企業に関する景況と、今後の見通しをどのように見ておられるのか、まずお伺いをしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 御承知のように、昨年度の倒産件数は一万八千二百十二件という史上最高の倒産件数であったわけでございます。したがって、私どもも非常にそれを懸念しておりますし、現在もそうでございます。ただ、多少救われるのは一月の倒産件数が千三百十三件、二月が千三百二十七件、三月が千五百九十七件で、四月が実は千五百件を切っておるわけで、倒産件数は昨年同期に比べまして落ちてきたわけでございます。それが具体的な一つの指標になるかどうかは別といたしましても、少しいいなあというふうに思っておることが一つです。  それから設備投資を見ましても、これが非常に、非常にじゃございませんけれども上向いてきたと。それから在庫調整の問題でございますけれども、これは秋になってしまうんじゃないかというようなことを考えておりましたけれども、四−六から在庫調整が徐々に具体的になりつつあるし、秋にはほのかに明るい兆しさえ見えております。  それから物価の問題でございますが、御承知のように卸売物価指数を見ましても六・四、それから二月がちょうど物価指数の点を見ますと、卸売物価指数もいずれにしても三・八から一・九、これは三月です。それから四月もどうも下がっておるというような傾向がはっきり、これは東京都区部の指数でございますけれども、まだはっきり出ておりませんけれども、下がっておると。特に消費者物価指数を見ますと、二月が六・五、三月も六・五、それから四月になりますと五・〇になっているんです。したがって、物価が安定しておるということははっきり言えます。したがって、そういう点を見ますと、個人消費や住宅建設などがきょうも問題になっておりますけれども、少しずつ中小企業の周辺にそういう刺激的な効果があらわれておるということから、現在はまだはっきりはしておりませんけれども、将来の展望どうかというふうに尋ねられますと、いま言ったように在庫調整から物価の動向、あるいは設備投資の動向、そういうようなものを勘案いたしますとだんだん明るくなって、例産件数ももうすぐ、もう数日で発表でございますけれども、ダウンしておるのは確実でございますし、そういう諸指標から見ますと、将来の展望は明るいというふうには言えます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 次は、長官にお答え願いたいと思いますが、ただいま大臣からは現在は何とも言えないけれども、将来は明るい見通しが若干見え始めたというお答えがあったわけでありますが、どうもわれわれ自身、中小企業者の立場に立つとはだに感じないわけであります、明るさが。そこで中小企業のめんどうを見る長官の立場としては、やはり現在は停滞ぎみであると、景況は依然停滞ぎみであるというような考え方に立って、施策を考えていただかなければならない段階がまだ続いているのではないかと思うわけでありますが、去る三月十七日に決定されました第二次総合経済対策におきましても、中小企業対策を重要課題としてとらえまして、その円滑な推進をうたっているわけでありますが、これまでに中小企業庁として講じてきた具体的な対策はどのようなものか、そしてそれがどのように進展しているか、お尋ねをいたします。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいま御指摘のように、三月十七日に第二次の総合経済対策が決定を見たわけでございまして、それの根底を流れますのは、やはり中小企業をめぐる景況が現状においては依然停滞ぎみであるということが基本でございまして、それを何とか緊急に打開したいということでの具体策が決まったわけでございます。  具体策はいろいろ多面にわたっておりますが、私どもが特に重点を置いてこの決定について注目しておりますのは、やはり金融問題がまず第一でございます。  金融の問題につきましては、これは三月十七日に総合対策の決定事項を受けまして、即日中小企業庁長官及び銀行局長名で通達を三機関あてにまず発しております。  その中身といたしましては、三つございまして、一つは貸出手続の迅速化、それから第二が既往債務の返済猶予、それから第三が担保徴求の適切な運用という点でございます。  それからただいま申し上げましたのは、金融の直接的な手当てでございますが、それとあわせまして、やはり信用補完というものについても手当てをする必要がございますので、同日三月十七日付でございますが、各信用保証協会連合会会長あてに、銀行局長と中小企業庁長官連名をもちましてやはり通達を発しているわけでございますが、その中身は円滑な金融を支えるために、かつ倒産防止対策の機動的な運用のためにということになっております。  具体的に申しますと、二点ございまして、一つはやはり業種別、地域別の実態に十分配慮した適時適切な保証を行うということが一つでございます。  それから第二の点といたしまして、やはり保証協会でも担保が問題になるわけでございますが、個別の中小企業の実情に応じた物的担保の評価、担保物件の範囲等に対しまして弾力的に行うことということをうたってございます。  さらに補足いたしまして保証手続につきましても、その迅速化によりまして効果を一層上げるようにということがこの通達の内容でございます。  それから三月十七日には、以上申し上げましたようなことのほかに、やはり豪雪災害の融資の特別措置の普及徹底につきまして、さらに念を押した通達を発したところでございます。  それから三月二十日には、中小企業信用保険法の第二条四項三号、これは不況業種の指定でございますが、それの繰り上げを指定を行っております。本来でございますと、四月一日指定のところを三月二十日に繰り上げを指定いたしまして、従来の百三十業種に加えまして百三十五業種ということに拡大をいたしております。  それからその指定効果の期間でございますが、これも三月二十日までというのがございます。  それから三月十七日に中小企業の体質強化資金助成制度の要綱等の改正に伴いますところの、倒産防止特別相談事業の運用についてということでございますが、本件は五十六年度からの新政策として倒産防止のためにいわゆる倒産防止特別相談室というものを五十四年度からやっておりますが、その際に無手勝流でやりましても効果がないということで、そこで相談を受けまして、これはぜひ倒産を防止しなければいけないというケースにつきましては、金融をつければ何とかなりそうだというものについて、そのお墨つきと申しましょうか、相談員のアドバイスによりましてこれを一般の金融につなぐという措置を五十六年度発足を待たず、さかのぼりましてそういった新しい措置をやったわけでございます。  同様なことを通産局長、それから各都道府県知事、それから商工会議所の会頭、全国商工会の連合会長あてに、これが十分効果を上げるようにという通達を発しておるところでございます。  それから、三月の二十三日でございますが、これにつきましては倒産防止対策の推進のための態勢整備についてということで通達を発しております。これはいわゆる倒産防止の行政面におけるところの努力を集中しようということで、各省が一つの協議会を新しく中央に設置すると。あわせまして各通産局ブロックごとに倒産防止のための協議会を設置するということを組織化いたしまして実行に移しております。具体的には三月二十六日に第一回の各省協議会を開催をいたして、その後幹事会につないでおるという現状でございます。  それから、いつも問題になります官公需につきましては、先ほど来議論がございましたような、官公需の中小企業向けの受注機会の確保についての建設省及び関係各省の緊密な努力の連係プレーをやろうということで、関係機関への実効の上がる通達を発しておるところでございます。  さらに、下請代金の支払いの適正化につきましては、現金比率の拡大その他を中心といたしまして、各主管省及び中小企業庁からの通達によって督励を現在やっておるというようなことでございます。  また、一般の民間の金融機関に対しましても、これは総合対策の趣旨を踏まえまして、全銀協の会長、地銀、相互銀行、信金、信組中央協会長あてに長官名をもちまして、これを実情に即した行き届いた金融の措置をとるようにというような通達を発しておるところでございます。  ほかにも細かい点ございますが、大きな点だけ実効面の現状を申し上げますと以上でございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 早速のこの具体的な施策の展開については敬意を表したいと思いますが、ねらいが完全に達成されるようになお一段と御努力をお願いしておきたいと思います。  それでは、商工中金法関係についてお伺いいたします。  現在、商工中金の債券の発行残高は、伺いますと大体限度額の約八割程度と聞いておるわけでありますが、八割程度となればまだ発行余力があると考えられないわけでもありません。今回発行限度を早急に引き上げなければならない理由についてお伺いしたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 今回の商工中金法の改正の点の一つが、いまおっしゃいました発行限度を自己資本の二十倍から三十倍に引き上げるという点でございますが、現在の発行限度に対する債券発行残高の比率は七九・一%ということでございます。過去最近五年間の債券発行残高の伸び率をとってみますと、年率一三・八%ぐらいになっておりますので、今後も同じような率で伸びるということで計算いたしますと、五十七年度には約九二・六%ということになりまして、ほぼ発行限度いっぱいになってくるということでございますので、中期的にそのようなままでございますと、中期的に中小企業の資金需要に円滑にこたえていけないというようなおそれが出てくるわけでございます。特に商工中金の場合には、中小企業を取り巻く経済情勢が急激に変化いたしましたときには、政府系中小企業金融機関といたしまして積極的に緊急かつ機動的な融資を行っていかなくちゃいけないというようなことがございまして、過去もニクソンショックのときとか、それから石油ショックのときには大幅に融資残高がふえたというようなこともございますので、あらかじめこの時点において債券発行限度額を高めておきたいということを考えておるわけでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 年率伸び率が一三・八%ぐらいになっているということでございますが、今回の債券発行限度の引き上げによりまして債券を増発した場合、この環境を考えてみますと、国債やその他の金融債と多くの債券が市場に発行されている中で、今後商工債券の円滑な消化は可能なのかどうか、見通しについて伺いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 商工債券は、その他の金融債あるいは国債等と一緒に長期債券市場で売られるわけでございますので、今後十分にその必要量に応じて債券を発行していけるかどうかという問題があるわけでございますが、過去におきまして、商工債券は、政府系金融機関が発行する債券であるというようなことで、債券を買います顧客の信頼は厚うございまして、債券発行残高の伸び率は、一般の金融債が一二・六%ぐらいだったものが、過去五年平均で一三・八%ということで、商工債券の売り上げの方が伸び率が高くなって、安定的に消化されてきておるわけでございます。商工中金の場合には幾つか他の金融債と比べての利点があるわけでございますが、一つは、他の銀行に比べて店舗の数が多いということがございますので、その店舗において個人及び法人に対して店頭販売をしていくという体制は十分できているという点が一点でございます。それから、政府系機関の発行します債券でございますので、関係事業団の余裕金の運用先として使われている、たとえば中小企業事業団の余裕金の運用先として使われているというようなことで、安定的な引き受け先がございますし、それから保険会社等も安定的に商工債券を引き受けてくれておるわけでございます。そのほか政府においても従来から引き受けを行ってきておりますし、今後も新たな機関投資家等も十分考えられるというようなことでございますので、今後必要な債券発行高に対しては十分な消化余力はあり得る、消化能力はあり得るというふうに私どもは考えております。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 次に出資の関係でお伺いいたしますが、商工中金に対する民間出資の状況は現在どのようになっているのか伺います。  また、今回、民間出資の口数制限を引き上げることとしているわけでありますが、その理由についてもお聞かせ願います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 商工中金は御承知のように半官半民の出資形態をとっておりまして、現在、政府出資が約七割、民間出資が約三割ということでございまして、現在の民間出資の総額は五十六年度末で三百八十三億円に達しております。それで、五十五年度においては民間からの増資を三十億円行ってきております。それから五十六年度では政府の出資額も百十億円にふやしますし、それから民間の出資額も前年度より三十五億円程度をふやそうというような計画を持っております。  それで、現在の民間出資についての、出資家当たりの口数限度は三十四年に一万口から五万口にふやしておりますが、一口が百円というわりあい小さな金額になっておりますので、五万口に引き上げられても五百万円ということになっておるわけでございます。ところが、経済情勢の違い、それから商工中金の融資規模の拡大によりまして、出資額が毎年ふえてきておりましたために、その口数限度五万口五百万円を超えます大口出資者の数が出資者全体の六・五%、それで出資額にいたしまして民間出資総額の五六・四%というかっこうでふえてきておりまして、現在の出資口数限度が実情に合わなくなってきているというようなことでございます。今後も、先ほど御説明いたしましたように、商工中金の融資を拡大していきますときには、政府出資と同時に民間出資の額もふやしていかなくちゃいけないわけでございますし、その場合には、出資能力のある組合、商工中金の構成員に対して出資を求めていくというようなことになりますと、この限度額を大幅に引き上げて現在の出資者の能力に応じた出資が円滑に行われるようにしなくてはいけないということでございます。今回の改正は民間出資総額の百分の一という形に限度を設けまして、それで口数限度の引き上げを行うこととしたわけでございますが、百分の一ということになりますと、現在の民間出資総額で三百八十三億円でございますので、一つの構成員に対して三億八千三百万円ということになるわけでございまして、その程度の額であれば一つの構成員からの出資額としては十分な限度になるんではないか。しかも、一つの出資者のウエートが高くなり過ぎることによって商工中金の運営に特定のメンバーの影響力が高まることは十分に防げるという感じでございますので、百分の一という形で今度改正さしていただきたいと考えたわけでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 いまの答弁の中で、三百八十三億の残高を昭和五十六年度末とおっしゃったようですから、御訂正になった方がいいと思います。  限度の引き上げについてはいま詳しく御説明がありましたが、限度の関係のほかに、今度の改正案は絶対口数制限という形から比例口数制限に変更するわけでありますが、この理由についても簡単に御説明願いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) このような組織に対する民間出資の限度を決めます際に、絶対数、たとえば一万口とか五万口というような形で制限する場合と、それから比率で制限する場合と両方あるわけでございます。それで、商工中金の場合にはその絶対数の制限でスタートしたわけでございますけれども、絶対口数の制限でいく場合と、それから比例口数の制限でいく場合の違いを申し上げますと、絶対口数制限の場合にはそういう商工中金に加入していない組合の数が多い場合に、どんどん新たに組合を加入させようとする場合に、一つの組合当たりの口数を制限しておく方が新たに未加入組合が加入することが容易になり得るという可能性がございます。ある出資額の範囲内で既存のメンバーたる組合が全部の出資を持っておりますと、新たな組合員がなかなか加入しにくくなるわけでございますけれども、それが一つの組合の限度を設けておけば、増資をしていった場合に新たな組合員がどんどん加入することがしやすくなるというようなことになってくるわけでございます。ところが、商工中金の場合には、昭和十一年にできましてから相当年限がたっておりますので、一応そのメンバー、現在もメンバーふえておりますけれども、ふえているメンバーの数が一応頭打ちになりつつある。毎年のふえてくるメンバーの数も減ってきておりますので、今後そのような状況下におきましては、むしろ絶対口数制限でやるよりも、比率でやっても加入の門戸が制限的になるという心配はないということは言えると思います。  それから、商工中金は自己資本の充実を図るために毎年増資を行っているわけでございますけれども、その場合に現在のような厳しい経済情勢でございますと、小口出資者の負担能力の限界というようなことがございまして、比較的負担能力の大きい組合に依存せざるを得ないというような状況が強まってきております。このような場合には全体の民間出資の規模を大きくした場合には、一つの組合もまた新たに比率によって制限がふえていきますので、新たに出資をすることが容易になるというようなことでございまして、商工中金の現状を考えますと、この際絶対口数制限から比例口数制限に変えた方がより適切ではないかと考えられます。ちなみに戦後制度化されたこのような組織におきましては、絶対口数制限よりも比例口数制限をとっている機関の方が多いというような現状になっております。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 いままで質問した三つの問題、すなわち商工債券の増発、民間出資口数の制限引き上げ、比例口数制限への変更等はその運用のいかんあるいは窓口の、特に窓口の運営のいかんによっては、残念なことですけれども、歩積み両建てのような形を惹起する心配もあるわけであります。  いま一般の銀行等では厳しく歩積み両建てについては監督を受けてないということになっておりますけれども、現実には存在している。商工中金の場合も窓口が商工債券を消化したい余り、あるいは出資を増高したい余りになぞをかけるなどということがあれば、ちょっと問題だと思いますので、その辺についてのお考え方と指導方針について伺いたいと思います。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 確かに出資を組合員に求めますことが、結局組合に対する貸し付けをやっておる商工中金にとりましては、一種の歩積み両建て的な効果があるという点は確かかもしれません。しかし、商工中金を利用しております組合で能力のある組合というのは、逆に言いますと、商工中金の融資を大いにまた活用している組合だというようなことでございまして、相互扶助組織であります以上は、商工中金のメンバーである組合がやはりその必要な出資金はお互いに出し合ってやるという形でやっていくべき性質のものでございますので、したがいまして、商工中金が今後融資活動を広げていきます場合には、やはりメンバーであり、しかも非常に有力な負担能力のあるメンバーにやはり出資を求めていかざるを得ないというようなことであろうかと思います。出資額に対しまして、現在出資額は千二百二十二億円でございますけれども、政府出資等含めまして、全体の貸付規模は五兆三千億円というようなことで、大部分は商工債券の発行によって原資を賄っているというようなことでございますので、やはり今後もその活動の規模を固めるために増資をしていくためには、いま申し上げたようなことでメンバーの中からやはり出資を求めていくというような形にならざるを得ないと思いますし、それほどそれがいわゆる歩積み両建て的な効果を持っているというふうには考えなくてもよろしいのではないかというふうな気がするわけでございます。  最後に、ちょっと先ほど先生から御指摘いただきました。確かに私の発言間違っておりましたので訂正さしていただきますが、五十六年三月末で民間出資額は三百八十三億円ということでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 先般行われましたせっかくの公定歩合一%引き下げによりましても、残念ながら長期プライムレートには期待されたような引き下げを呼ばなかったわけであります。商工中金の金利は他の政府系金融機関に比べて高いと言われているわけでありますが、これを引き下げるために政府としても何かの手を打つべきではないかと思われますが、どのようにお考えでしょうか。

木下博生中小企業庁計画部長

○政府委員(木下博生君) 今回の政府系中小企業金融三機関の貸出金利の引き下げに当たりましては、中小企業金融公庫と国民金融公庫は基準金利を〇・五%引き下げたわけでございますけれども、商工中金の場合には市中の短期金利あるいは長期金利に一応合わせるという考え方に立っておりますので、短期金利につきましては市中の金利の引き下げ幅〇・七五%の引き下げを行いましたが、長期金利につきましては長期金利全体が非常に下げ渋っているというようなことがありまして、民間銀行の金利は〇・三%しか下がらなかったということもありまして、商工中金の場合にも〇・三%の引き下げにとどまっております。ただ、設備資金につきましては、三月十七日の総合経済対策の結果によりまして、特別にそれを進めるという見地から〇・五%の引き下げというようなことをとったわけでございます。いずれにいたしましても商工中金の金利はそのような形で決まっておりますために、やや割り高ではないかというような声も中小企業者の中から出ているのは確かでございます。商工中金の場合には、貸出資金の原資が大部分が商工中金の債券を発行することによって賄ってきておりまして、その商工中金債券も五年物の利付債とそれから一年物の割引債という二種類のものをもってやっているわけでございますが、比較的長期の資金を導入してそれで商工中金に貸し付けを行いますときには、その短期資金の貸し付けが四割ぐらいというようなことで、短期の貸し付けも相当比率が高いというようなことがございますために、長期のやや高目の金利の資金を使って一部安目、短期の融資まで行わざるを得ないというようなことで、やや割り高感が出ているかと思うわけでございます。中小企業庁といたしましては、将来ともそういうような情勢を踏まえまして、でき得る限り政府資金を使って全体の金利水準を下げていくという努力もしていきたいというふうに考えておりまして、毎年政府出資をふやしていくことによりましてコストの安い資金を導入していくということもやっておりますし、それからでき得れば政府の引き受ける商工債券の引受高の中で占める割引債の割合を高めるというようなことで、できるだけコストの安い金利の資金を調達できるような形に持っていきたいというふうに考えております。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 影山参考人に伺いたいと思いますが、ただいまの問題でございます。商工中金としてもこの金利の問題は当然重要課題ではなかろうかと思うわけでありますが、商工中金として金利引き下げにどのような努力をしておられるのか、お考えあるいは実情をお知らせ願いたいと思います。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。  私どもといたしましても、中小企業の皆さん方の金利負担の軽減ということにつきましては、私どもなりに努力をしておるところでございますが、まず、商工中金といたしましての金利引き下げの努力でございますが、何と申しましても経費節減の努力をいたさなければならないわけでございます。私どもといたしましては、常日ごろ事務の合理化あるいは時間外勤務の縮小、経費の節減等、経営効率の向上という点には商工中金全体を挙げましてその徹底を図っておるのでございまして、機械化、オンライン化等の効果も出てまいりまして、昭和五十四年度の経費率というのは一・一八%ということになっておるのでございまして、効率化には特段の努力をしておられます都市銀行また地方銀行一信託銀行、これの全国銀行平均二・〇三%に比較いたしましてわりあい好成績な結果を上げておるんではないかと、こういうふうに考えておるのでございます。  次は私どもの調達コストの引き下げの努力でございますけれども、先ほど来お話もございますように、私どもの原資につきましては金利コストの高い商工債券が大部分を占めておるのでございます。そのため、できるだけ個人消化よりも経費が安くて済むところの機関投資家へのお願いをいたしておるのでございまして、市中調達の中で先ほどお話がございました中小企業事業団あるいは中小企業退職金共済事業団等から引き受けていただいておりますのが二五・六%でございます。それから、金融機関等の機関投資家から二二・一%というようなことでございまして、個人消化よりも経費が安くて済むような消化基盤をこれからも維持拡大をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。  また、一般預金でございますが、これは約二〇%の調達原資の中で割合を占めるわけでございますが、預金はコストが安いのでございますけれども、私どもは一般預金はとれませんで、原則として組合及び構成員に限られておるのでございます。したがいまして、先ほどお話もございました歩積み両建てにならないところの預金をちょうだいするということで、あるいは積立定期でございますとか、あるいは手形の支払い準備金でございますような流動性の預金の増強というようなものに努力をいたしております。  また、商工中金は政府系の金融機関の中では唯一で地方公共団体から預託をいただけるのでありまして、その預託を受けまして制度融資に協力をいたしておるのでございますが、これは無利子の預金をいただいておりますので、低金利で中小企業の皆様方にお貸しができるということになるわけでございます。  そういうふうな、以上のような経営効率の経費節減の努力、また調達コスト引き下げの努力というようなことを努力をいたしておるような次第でございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 もう一点影山参考人に伺いたいと思いますが、商工中金はわが国中小企業者から大きな期待をかけられているわけであり、その充実発展を皆望んでいるわけでありますが、ところで商工中金の基礎となっている商工中金法は、五年後に法延長の問題を迎えるわけであります。現在の商工中金の最高責任者として、この延長問題も含めて今後の商工中金のあり方についての所感をお伺いしたいと思います。

影山衛司商工組合中央金庫理事長

○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、商工中金は来る昭和六十一年をもちまして五十年の存立期限を迎えるのでございまして、今後の商工中金のあり方あるいは対応の仕方につきましては、内部でも真剣な検討をいたしておるところでございますが、この三月からこの対策室を設置、発足をいたしました。今後中小企業庁の御指導をいただきながら、また内外の御意見をも聞いて対処をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるのでございます。  商工中金は昭和十一年に設立以来、半官半民の中小企業金融機関として官と民のいいところをあわせ発揮をいたしまして、中小企業の皆様方との信頼のきずなを広げまた深めてまいりまして、民間の金融機関とも、また純粋の政府系金融機関とも一味違った商工中金の特質を発揮してまいったのでございます。  商工中金の特色といたしましては、そのほかに協同組合に対する組織金融を使命といたしておるのでございまして、この際私どもといたしましては組織金融と組合組織の原点に立ち返りまして、そのあり方を追求し、また新しいニーズをもくみ取りまして、さらに組織金融というものを前進をさせたい、こういうふうに考えます。  また、政府融資への協力でございますが、私どもは従来特に中小企業の救済融資に力を入れてまいったのでございまして、過去におきましても円高融資、また特定不況地域の融資、イラン向け融資雪害融資、中小企業倒産対策融資と救済融資に力を注いでまいったのでございますけれども、今後といたしましては広く中小企業対策に協力をいたしまして、長期低利安定的な融資の供給ということを課題として検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。  また、国が出資をいたしております中小企業金融機関としての信用力、これをバックに私どもは商工中金債の市中消化が順調なわけでございまして、こういうところは政府からいただきます出資といいますものは無利子の資金でございますと同時に、商工中金債の消化の信用力の根拠にもなっておるのでございます。  以上のような官と民との特色というものを生かしながら、中小企業の皆さん方のお役に立っていくというのが私どもの念願でございまして、この半官半民のスタンスは六十一年の期限到来に際しましても続けていきたいと、こういうふうに考えておりますので、どうぞよろしく御指導をお願いしたいと思います。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 ただいま中小企業者のために力強い御決意を拝聴いたしましてありがとうございました。どうぞ今後とも中小企業振興のために格段の御努力をお願い申し上げたいと思います。  次に、金利問題特に貸出金利問題について大蔵省当局にお尋ねしたいと思います。三月十八日に実施されました公定歩合の一%下げは中小企業界に大いに歓迎されまして、当然のこととして貸出金利の大幅引き下げが期待されたわけであります。中小企業庁は中小企業振興の基本的な問題を景況の活発化に置き、そのためには中小企業の設備投資が活発にならなければならない。そしてまた、そのためには貸出金利が決め手であるということから、政府系金融機関の貸出金利の引き下げに全力を挙げ、民間の金融機関における中小企業の設備資金関係の貸出金利についても、第二次総合経済対策に基づいて早急に大幅な引き下げが行われるよう要請したと聞いているわけでありますが、現実にはわれわれの周囲においてほとんどその引き下げの話を聞かないわけであります。この点について大蔵省は全国的な状況をどのようにとらえておられるか、まずその現状についてお伺いしたいと思います。

鏡味徳房大蔵大臣官房企画官

○説明員(鏡味徳房君) 先生御承知のように、先般の三月十八日に公定歩合が引き下げられたばかりでございますので、その後の状況というのは十二分に出ておりませんけれども、その三月十八日以降の市中金利の動向を見ておりますと、短期金利につきましては過去に比べましてもすでに順調な低下傾向を示しているのではないかと把握しております。すなわち、コール、手形、現先レート等でございますけれども、これは公定歩合の引き下げを受けまして、一%前後の大幅低下を示しておりますし、また短期のプライムレートは三月十八日の公定歩合の引き下げを受けて、三月二十三日より〇・五%引き下げられております。それで市中の貸出金利につきましては、実際の約定いたしますときに低下が実現するものですから、その追随率というのは過去必ずしも公定歩合に一〇〇%連動するものではございませんけれども、たとえば都銀の短期貸出約定平均金利を見てみますと、二月中は〇・〇七八%低下の後、三月は〇・一二四%の低下とその低下の幅を拡大しておりますし、たとえば昨年の八月以降、公定歩合が三回にわたって引き下げられたわけでございますけれども、その引き下げ幅二・七五%に対します都銀の約定平均金利の追随率は五八・三%と、前回五十年の緩和局面におきます当初八カ月の追随率五四・四%を上回る低下を示しております。いま都銀の例を申し上げましたけれども、たとえば地銀につきましても、二月は低下幅が〇・〇六九%でございましたが、これが三月は〇・一〇五%というふうに拡大しておりますし、また相銀も二月が低下幅が〇・〇四一%でございましたが、三月が低下幅が〇・〇四六%。それから信金につきましても、二月が低下幅が〇・〇二〇%でございましたが、三月が低下幅が〇・〇二四%というふうに低下幅が拡大してきております。  実際に預金金利が四月十三日から低下しておりますし、それから当面の金融市場も季節的には資金余剰の時期を迎えておりますので、当面米国の金利等海外の金利がどういうふうに動くかというような要因もございますけれども、私どもとしましては、預金準備率の引き下げとか日銀の窓口指導の大幅緩和等を受けまして、市中の金利というのは引き続き低下をしていくものと期待しておるところでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 詳しく御答弁願ったわけでありますが、引き続き金利は引き下げの傾向をたどるのではないかと思います。ということは、その推移をただ見守るということになるのか、第二次総合経済対策の線に沿って大蔵省として引き下げの方向に指導されるおつもりがないのかどうか、伺いたいと思います。私ども、私の立場で、不況対策の協議会なんかに出て金融機関の方とお話ししますと、松尾さんはそうおっしゃるけれども、窓口へ来て金利引き下げてくれと言うのは余り少ないと、金利よりも貸してくれるかどうかを言う人が多いんだと、こういうことを銀行筋は言うんですけれども、しかしそれは皮相な見方であって、貸してもらえなきゃ困るから金利まで言及しないわけですよ。金を余り必要としない、おまえのとこで貸さなかったらおれはほかへ行って借りるぞという人が金利の問題を言うわけです。そこで何とかして借りなきゃならぬという人は、金利のことを言いたくても言えないというのが実態なんです。そういうことを考えますと、ひとつ中小企業庁の要請文も出たことであり、その辺を十分中小企業庁の意向をくみ取って大蔵省としても御努力を願いたいと思うのでありますが、いかがですか。

鏡味徳房大蔵大臣官房企画官

○説明員(鏡味徳房君) 先生御指摘のように、私どもといたしましても、総合経済対策を受けまして中小企業向けの融資につきましては民間金融機関においても引き続きその配慮をするよう通達を出しておりますし、先ほど御説明いたしましたように、金利というのは低下の傾向をたどっているということが言えますので、なお一層この状況を見守りながら今後の先般行われました各種の金利の改定の効果を見守ってまいりたい、かように考えております。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 どうぞひとつよろしくお願いをいたします。  次に、やはり景況の回復に関連して大きな要因とされる公共事業の前倒し発注問題についてお伺いしたいと思います。  いまの景気立て直しの緊急課題は、住宅建設問題とその一部を含む公共事業の前倒し発注ではなかろうかと言われているわけであります。特に経済的後進県の多い地方では公共事業に依存している面が多いわけであります。そこで、この公共事業前倒し発注の現状と見通しについて明らかにしていただきたいと思います。

杉岡浩建設大臣官房会計課長

○説明員(杉岡浩君) お答えいたします。  先般の総合経済対策におきまして、公共事業については七〇%以上の執行をするということに、上半期でございますが、そういうふうに決まりまして、それを受けまして、四月の七日閣議決定におきまして、五十六年度の上半期における公共事業の執行率は七〇%以上というふうに決まったわけでございます。これを受けまして各省積み上げまして、昨日でございますが、五月十一日公共事業等施行対策連絡会議におきまして、五十六年度の上半期の契約率七〇・五%というふうに決めたわけでございます。この契約率によりまして今後国の公共事業の執行について前倒し的にそれを進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 きのう七〇・五%という基本方針を決めたということでございまして大変期待されるわけでありますが、どうぞひとつこれが末端にまで徹底して実行されるように御努力をお願いしておきます。  次に、商工会法関係について伺うわけでありますが、御承知のように法制化された商工会は、昨年満二十周年を迎えたわけであります。いわば小規模事業者にとりましてあるいはそれらの業界にとって、まさに当時画期的とも言える法律が二十年前に誕生したわけでありますが、当時はいろいろな裏話もあったようであります。大臣も当然御存じのことと思いますが、当時法案の審議に当たった代議士から聞かされた話でありますが、小規模なあきんどの群れが、しかも商売がたき同士が一緒になって商工会を組織しても、果たしてうまくやっていけるのだろうかという疑念が非常に強かったということであります。しかし、この商工会の二十年間を振り返ってみたとき、それは全く小さな事由にすぎなかったわけでありまして、組織率も目覚ましい向上を見せ、質量ともに充実した活動を続けているわけであります。これはひっきょうするに政府特に中小企業庁の御指導よろしきを得た結果にほかならないわけでありますが、反面小規模事業者がいかに商工会の必要性を認識し、頼りにしているかということを証明していると思うわけであります。その意味におきまして今回政府が二十年の歴史を基盤に法改正に踏み切り、商工会の事業目的の拡大や青年部、婦人部の位置づけ等を図りましたことは、まことに時宜を得たことであると敬意を表するものであります。しかしながら、法改正をもって万全というわけにはまいりませんので、以下若干の質問をさせていただきたいと思います。  現行の小規模事業対策は、懸命な中小企業庁の努力にもかかわらず、小規模事業者の直面している厳しい現実の前にはなお十分とは言われないわけであり、小規模事業対策をさらに充実すべきであると思いますが、中小企業庁、いわゆる政府の小規模事業対策に関する基本的な考え方について簡単にお伺いをしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 小規模企業者のわが国の経済において占めておりますウエートは大変高いものでございまして、わが国の二次産業、三次産業を通じてこの小規模企業のウエートを見ますと、事業所で約八割、それから従業員で約三割といった数字が出てくるわけでございますが、かようにわが国経済におきまして小規模企業のウエートが高いわけでございますので、この小規模企業の振興を図ることは、単に企業者の安定のみならず、わが国経済全体の安定、発展に非常に資するゆえんでございます。しかも、この小規模企業は非常に弱小、最も弱小な弱体な企業でございまして、情報収集力あるいは企画力といった面で非常に弱く、また経営も非常に前近代的であるといったことから、特にきめの細かい、また特別な政策を必要とするということが基本認識でございます。そのために御指摘のように過去小規模企業に対しましては特に経営改善普及事業をやってまいりまして、商工会はまさにその母体であったわけでございますけれども、そのほかそれと並んで小企業等経営改善資金貸付制度、いわゆるマル経でございますが、その制度とか、あるいは設備の近代化資金の貸し付けといった制度を運用しておりまして、これによりまして小規模企業対策を逐次充実してまいったわけでございますが、御指摘のように、現在この小規模企業を取り巻く環境はいま非常に厳しいわけでございますので、一層これを充実してまいりたいというのがわれわれの気持ちでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 今回の商工会法の改正によりまして、地域に密着して進んできた商工会が今後ますますその密着度を高めまして、地域とともに歩み、また地域に貢献していく地固めができると考えるものでございますが、商工会が具体的に地域振興に貢献していくためには、いろいろな施策がとられなければならないと思うわけであります。商工会関係者が今回の法改正の趣旨にのっとりまして努力をしていくことはもちろん必要でありますが、政府としてもこれを支援していく措置が当然必要であると思いますし、望まれるわけでありますが、この点についてはどのようにお考えになっているか伺いたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のような方向で現在法改正をお願いしているわけでございますが、むろんこの法改正によってすべてが完結するというわけではございませんので、先ほど実は全国連合会の辻会長からも御発言ございましたように、今後商工会関係者の自主的な努力、主体的な努力によりまして商工会の発展を図っていくという御決意の表明がございましたわけでございますけれども、政府といたしましてはまさしく商工会関係者の方々の自主的な努力、それを積極的に活性化する方向でいろいろ御指導あるいは御援助申し上げたいということでございます。  そのような意味で、従来からたとえば商工会の中の非常に活動的な要素であります青年部、婦人部といった層につきましての、各種の御援助等をしてきておるわけでございますが、このような方向で、たとえば今後各地におきます将来にわたっての商工会のビジョンといったものの作業をしていただきまして、そういった作業を通じましてまた新たな商工会、またひいてはその地域経済の新たな発展に結びつけていただきたいということでございまして、特にこのビジョンづくり等につきまして、たとえば予算等の措置をいたしましてその促進をお願いしたいというつもりでおるわけでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 先ほど法改正賛成の立場から商工会を案じてくださって、商工会の本来の任務は経営改善普及事業であるんだ、それにそごを来さないかというような御心配の立場からの御質問もあったわけでありますが、われわれは、この商工会が、あるいは商工会員がみずからの経営改善という限られた立場だけで努力しても、これからの世の中を乗り切っていけないのではないか。いわゆる地域の振興というものを表面に打ち立てて、その地域の振興を図りながら、経済活動の活性化を図りながら、その中に商工業者も生きていくし、伸びていくし、商工会も成り立つのだと、こういう考え方で進んでいるわけでございますので、いまの部長の答弁がございましたが、なお一層努力を願いたいと思うわけであります。  法制定当時に比較して、現在の商工会の実態を見ますと、その事業は飛躍的に拡大しているのが現状だと思うわけであります。このため事業を遂行する上で重要な役割りを持つ役員、理事の数を今回二十人から三十人にふやすこととしており、適切な改正だと思うわけでありますが、人数の増加に伴って、その資質の向上もまた重要な課題であると考えられます。この点についてどのような施策をこれに加えていくか、政府のお考えをお聞きしたいと思います。

村野啓一郎中小企業庁小規模企業部長

○政府委員(村野啓一郎君) 商工会の業務の増大に伴いまして、またその会員の増加といった規模の増加に伴いまして、役員特に理事の数の増員が希望されておりましたために、今回の改正におきましても大きな重点項目といたしまして理事の数の拡大を図ったわけでございまして、現在の二十名以内というのを三十名以内というふうに十名増加をしたわけでございまして、量的には大きな拡大ということでございます。当然ながら、おっしゃいましたように理事の方々の質の面の向上というのもまた大変大事なことでございます。これにつきましては、たとえば従来から全国連合会あるいは県連合会の事業といたしまして、役員の方々のセミナー、研修を毎年定期的にやってきておるわけでございますが、これを一層充実いたしまして、それによって理事の方々の資質の向上を図るというのも一つの方法でございます。また、それと並んで、今後商工会法の改正等を契機といたしまして、商工会の中に、たとえば業種別の各種の部会を設けていただく、あるいは地場産業問題とか大型店問題とか、そういった大きな問題別の調査委員会といったものを積極的に設置していただいて、いろいろ調査研究をしていただくというつもりでございます。こういうことをいたしますと、その部会の調査活動等の主体となりますのが当然理事の方々でございますので、その活動を通じつつ、資質の向上も図られていくということが期待されるわけでございます。

松尾官平自由民主党・自由国民会議

○松尾官平君 最後に大臣に伺わせていただきますが、今後におけるわが国の経済界を展望した場合に、全国各地でいわゆるバイタルマジョリティーとしてがんばっている中小企業の活力が、今後ともわが国の経済社会を支える力になっていくと私は確信するわけであります。しかし、なかなか環境は必ずしもわれに有利というわけではございません。そういう中で今後の商工会はこのような状況の中で産業政策あるいはいろんな面からどのように位置づけられるかという点についてお考えをお示し願いたいと思いますし、また政府として商工会を今後どのようにしていくのか、どのように指導していくのかという点について、大きな立場から、ひとつ大臣の決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 過去における商工会並びに会員の活躍というのは、わが国経済のみずみずしい活力の中心になっておりますし、今後もまたそうあることは確実でございますし、中小企業者が日本の経済を支えておることは周知の事実でございますし、世界、特に中近東などにおきましても、日本の中小企業の活力というものを注目しているわけでございます。私ども政府といたしましても、今回の改正を機にさらにこの商工会を中心とする活動、活力、こういうものがますます発展、維持できることを期待しておりますし、またそのためにはあらゆる支援、努力、助力、そういうものを惜しまないつもりでございます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十分散会

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