商工委員会 第4号
- 発言数
- 186 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/04/14
会議録
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 石油備蓄法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明並びに補足説明は、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 けさの朝日新聞に、「わが国最大級の海底資源開発として注目されている常磐沖の天然ガス開発に伴う機材調達の国際入札で、新日本製鉄など日本勢の敗退が事実上決定した。」、このプロジェクトについてちょっと説明してください。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 常磐沖のプロジェクトでございますけれども、このプロジェクトは大体昭和四十八年ごろから試掘を始めたプロジェクトでございます。それで関係企業は、帝国石油、それからエッソ、それから東日本石油開発と申しましてこれは東燃などの合弁企業でございますけれども、この三者の共同のプロジェクトでございます。昭和四十八年ごろから試掘を始めまして天然ガスを発見したわけでございます。その後、一時、埋蔵量が必ずしも定かでないというようなこと、あるいは水深がかなり深いわけでございますが、そういったことから、一時このプロジェクトの進行につきまして関係企業におきましてかなり慎重な検討が進められてまいったわけでございますけれども、最近に至りまして開発に移行しようということで関係企業において考え方がまとまったというふうに承知しております。 それに関連いたしまして、この開発に必要な機器あるいは工事につきまして入札を行うということで、国際入札という形をとったようでございます。その結果といたしまして、これは工事を幾つかに分けまして入札を行っているわけでございますけれども、その一部といたしましてジャケットデッキの製作についての入札につきまして、韓国側の企業が落札することに決定したというような報告を受けているところでございます。
○青木薪次君 新聞によれば、エクソン系のエッソあたりも相当入っているので、国際入札にせざるを得なかったということらしいのでありますけれども、わが国沿岸の、いわゆる庭先というよりも家の中の仕事について、韓国がどういう安値でこれに入札しようとも、やはりこの家の中の入札で日本が敗退したということは、別に私はナショナリズムをかき立てるわけじゃないんだけれども、今後においていろんな問題を残すだろうというように考えるわけですね。日韓大陸棚あるいは東シナ海の開発というような今後の問題等について、やはりこのような国際入札でいくのかどうなのか、この点についての情報、あるいはまた行政官庁である資源エネルギー庁、通産省としてはどう考えるのか、その点について意見を聞かしてください。
○政府委員(志賀学君) 日本の石油探鉱開発企業、これも海外に進出いたしまして、メジャーと組み、あるいは単独でいろいろ活動をやっているわけでございます。日本の周辺海域につきましてメジャーを参加させることについていろいろな御意見があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、やはり日本も海外へ出ていくということで、お互いにその短所長所を補いながら探鉱開発を進めていくということがやはり現実的な対応ではないかというふうに思っているわけでございます。 今後の問題といたしまして、確かに日韓大陸棚その他いろいろございます。こういったケースについてどのような入札形式をとるかということは、これは基本的には各企業の判断というふうに思っているわけでございます。ただ、いずれにいたしましても基本は、私どもといたしましても、この日本の探鉱開発企業あるいは海洋開発関連の企業、そういったところが十分な技術力あるいは国際競争力を備えをして、できるだけこの日本周辺海域はもちろん海外におきましても、日本の技術によって探鉱開発を進め、あるいは開発のための機器についても日本が分担していくということが望ましいというふうに考えているわけでございますけれども、やはりそういうような基本としてはそれだけの技術力あるいは資金力というものを備えまして、国際競争の中で日本がそういうものを受注していくというような形に持っていくということが、やはり基本であろうというふうに思っているわけでございます。
○青木薪次君 石油備蓄法案を審議する場合に、やっぱり総合エネルギー対策ということを念頭に置きませんと、この問題についての言及はできないと思うんであります。 そこで、いま石油部長がわが国もやはり開放経済体制下で、わが国も世界に伸びているのだから、その国の庭先であろうと、家の中であろうと、完全にひとつオープンだ、こういう決意を述べられましたので、そういうように私は受けとめていきたいと思いますが、通産大臣、そういう考え方でいいんですね。
○国務大臣(田中六助君) 非常に実はむずかしいところでございまして、発掘とまたそれを得たものとの処置をどうするかということは問題は別でございますから、そう心配するなということにもなりかねないと思いますけれども、やはり燃料でございますし、総合安全保障というような経済性のものからも考えますときに、全く懸念がないというふうな断定ができるかどうかということは、内輪の話としては問題が私には引っかかるところもございます。しかし、私どもが海外経済協力あるいはいま志賀部長が申し上げましたように、外でいろいろやっていることは結構それぞれの国、発展途上国も含めまして庭先あるいは庭先どころか庭の内でやっている競争入札もかなり膨大なものもございますし、そういう点を勘案しまして、表向きはオープンにいろいろ競争入札でございますからということでいく方針以外にはしようがあるまいというふうに考えております。
○青木薪次君 まだ一つ釈然としない点があるんですけれども、表向きと内容は違うという、本音とたてまえは違うのだという、こういう考え方、しかもエネルギー問題は、これからの日本の命ですから、そういう意味で考えてまいりますと、これを全部石油エネルギーにしろあるいはまたLNGにしろその他の関係等について九十何%、一〇〇%近いものを輸入している。こういう現状の中で日本の周辺にこのLNGが生産されるというときに、外国の企業がたとえ部品にしろ何にしろ入ってくるというようなことについて、これも全部オープンだと、こういうことでいくということになるならば、それはそれとして今後の対応の仕方があろうと思いますので、そういう点についてひとつ私どもはそういう政府の見解であるということを確認をいたしていきたいと思うんであります。 長期エネルギー需給暫定見通しの問題について質問いたしますけれども、五十四年八月に総合エネルギー調査会で作成されました長期エネルギー需給暫定見通しは、わが国のエネルギー政策の基本でありますけれども、わが国産業の省エネルギーが予想を上回って進んだと、中東産油国の減産などの石油情勢の先行きが一層厳しくなるときに、そういうようなことを言われているわけでありますが、この長期エネルギー需給暫定見通しを改定する動きがいま現在あるやに聞いておるわけです。その点についてお伺いしたいと思うんでありますけれども、先般ある新聞に現行の見通しては日産六百三十万バレルを大幅カットすると、その結果として六十五年度の一次エネルギー供給に占める石油依存度を現在の七〇%から四〇%台に落とすと、そうして同じく一次エネルギーの総需要量についてこれを六割削減すると、そうしてこの省エネルギーをさらに推進する、こういうことが出ておったわけでありますけれども、三月十五日の新聞です。石油依存度も四〇%にするということについて確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘の長期エネルギー需給暫定見通しにつきましては、これを改定するという方針を決めたわけではございません。ございませんが、早晩何らかのかっこうで改定をする必要が出てきておるんではないかという認識は持っておるわけでございます。と申しますのは、いま青木先生指摘されましたように、六百三十万バレル・パー・デーという日本の一応の輸入石油の目標につきましては、昨年のベネチア・サミットあるいはIEAの閣僚会議等でそれぞれの国がいま持っておる輸入石油の目標をある程度下回るような努力をしなければならないということが合意されたわけでございまして、私どもは十年後に六百三十万バレル・パー・デーの輸入をする必要があるのかどうかという点につきまして、大変率直に申し上げましていまいろいろと思いめぐらしておるわけでございますが、いずれにいたしましても六百三十万バレルというのはやや高過ぎる数字ではないかと思っておるわけでございます。この高過ぎるといいますのは二つの考え方がございまして、石油が将来先細りになる、供給が大変不安定になるから高い目標をできるだけ下げようという考え方が一つと、それからこのように石油の価格が上昇した現在におきまして、六百三十万バレルも石油に依存しなければならないんだろうかという、むしろ消費を節約する観点からのアプローチと二通りの考え方があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても六百三十万バレルは私どもは確かに高い数字であるというふうに考えておるわけでございます。しからばその六百三十万バレルをどの程度にまで下げたらいいかという点につきましては、現在いろいろと作業をやっておりますので、いまこの席でどの程度が望ましいということを申し上げる段階ではございませんけれども、六百三十万バレルを下回る数字を出したいということは、ほぼ決心を固めつつあるという段階でございます。したがいまして、六百三十万バレルをある程度下げるということになりますと、十年後のエネルギー構造に相当な変革を来すわけでございまして、先ほど先生の御指摘になりました十年後に日本の総エネルギーのうちの石油依存度を五〇%にしようという基本的な政策課題がございますので、それとの整合性あるいは残りの五〇%を石油代替エネルギーで賄おうという政策課題もございます。これは昨年の十一月に石油代替エネルギーの供給目標という形で閣議決定したわけでございますので、その辺の調整をどうするかということにつきまして、現在鋭意作業を進めているわけでございまして、冒頭に申し上げましたように、いまの段階ではっきり暫定見通しを改定するというふうに申し上げることはできないわけでございますが、気持ちとしては改定をせざるを得ない時期がそろそろ近づいておるというふうなお答えを申し上げたいと、こう思う次第でございます。
○青木薪次君 これは経済成長率をどう見るかによっても違うと思うんですよね。政府は昭和六十五年度に石油依存率を五〇%にするということを決めているわけでしょう。四〇%にするということについては、これは私も先日OECDの会議にも出たんですけれども、IEAあたりでもそれは減産——減産というよりも中東諸国のいろんな動向やその他石油依存度を減らそうというこの意向というものは世界的な趨勢ですけれども、それじゃいま長官の言ったように、これからどんどん代替エネルギーが思うようにいくか、これは後で質問しますけれども、ということになれば、なかなかそうは簡単にいかないということになってくるわけですね。ですから、この点から考えると、いま言ったように、六百三十万バレルという点については、この点自体も非常にお話しのようにむずかしい点がくるんじゃないかということを私どもは危惧を実はいたしているわけであります。そこで、現行の見通しては、六十五年度の石油輸入量は五十四年の東京サミットで決まったところの日産六百三十万から六百九十万バレルの下限である六百三十万バレルなんですから、したがって五十五年の実績では石油輸入量は日産五百五万バレルにとどまっているし、また一次エネルギー供給に占める石油輸入量の割合も五十二年度の七四・三%から五十二年度は七二・八%、五十四年度は七一・〇%、輸入石油の依存度は徐々に低下しつつあるということはこれは認める。しかし、昨年十二月の第六回のIEAの閣僚理事会でも、OPECの減産傾向に対応してIEA全体の一九八五年度の純輸入量は、現行のグループ目標の日産二千六百二十万バレルを相当下回る必要があると指摘している。たとえば日産二千二百万から二千三百万バレルの方向も出されているんでありますけれども、そうなればわが国としてはこの国際協調の面から、輸入目標量を下げざるを得ないとともに、現実問題として六十五年度に日産六百三十万バレルの輸入確保はむずかしいのではないだろうかということが言えるわけなんでありますが、この点についてひとつ意見を述べてください。
○政府委員(森山信吾君) いま御指摘のように、昨年のIEAの閣僚理事会で現行の二千六百二十万バレル・バー・デーを相当下回る必要があるということが決められたわけでございまして、相当と言っておりますが、実数で申し上げますと約四百万バレルぐらい下回る必要があるんではないかと、こういうことが指摘されたわけでございます。したがいまして、先ほどもお答えいたしましたとおり、六百三十万バレル・パー・デーという数字が一昨年の東京サミットで合意された水準でございまして、それからグループ全体として四百万バレル・パー・デーの削減をする必要があるということになりますと、当然に日本も六百三十万バレルからある程度の下回りをしなきゃいかぬわけでございます。この四百万バレル、グループ全体として四百万バレルをそれぞれの国の輸入量に応じて削減をする方法がいいのか、あるいは各国の消費量に応じて削減をするのがいいのかということにつきましては、目下IEAの事務局で相当な議論が闘わされているところでございまして、そのいずれになるかはまだ決まってないわけでございます。しかしながら、グループ全体として四百万バレルの削減ということになりますと、相当大きな比率で日本も下げざるを得ないということになりますので、当然に六百三十万バレルからある程度下回る数字をつくらざるを得ない状況にあるということは、国際協調の観点からは当然のことではなかろうかと思っているわけでございます。その考え方が一つ。これは国際的な協調関係という問題から見たアプローチでございますけれども、もう一つの考え方は、油の値段がこれだけ上がったときに、六百三十万バレルも買っていいんだろうか。国際収支の考え方、あるいは経済活動の考え方、あるいは国民生活の面から言いまして、それだけ高い油をそんなに六百三十万バレルも期待していいんだろうかという反省も、また別途の観点から出てきているわけでございますので、その両方をよく調整をいたしまして、しかるべき数字を目標として掲げる必要があるんではないかという感じを持っているわけでございます。 そこで、いま青木先生が冒頭におっしゃいました、経済成長率との関係をどう見るかということにつきましてお答え申し上げますと、現在の長期需給見通しては、一応この十年間のうちの前半を大体五・五%ぐらいの経済成長率で見込んでいるわけでございますし、後半を約五%ということでございますので、十年間を通してみますと五%強の経済成長率を見ているわけでございます。その際のエネルギー弾性値をどう見たかと申し上げますと、最初の五年間にエネルギー弾性値を〇・七七と見たわけでございます。それから、後半の五年間は弾性値を〇・七五と見たわけでございまして、これは主要の先進諸国に比べますとややエネルギー弾性値が高い結果になっております。と申しますのは、日本のエネルギー構造がほかの国に比べまして石油依存度が非常に高いものでございますから、弾性値をどうしても高く上げざるを得なかった状況でございます。しかしながら、このところ急速にいわゆる石油消費の節約は進んでおりますので、〇・七七ないし〇・七五というエネルギー弾性値をある程度下げても、成長にそう響かないんではないかという考え方が出てまいっておりますので、六百三十万バレルの輸入石油の数字をある程度下回った段階におきましては、弾性値をうまく整合性をとりまして経済成長に影響のないような需給バランスを考える必要がある、こういうふうにいま思っておるわけでございまして、成長率をさわらずに弾性値を調整することによりまして、全体のバランスを図っていこうというのが、私どもの基本的な考え方でございます。
○青木薪次君 一バレル百五十九リッターで、これを六百三十万バレルにすると一日百万トンということですな。それを三百六十五倍すると三億六千五百万キロリッターということになるわけですね。そうすると、現在ですね、私の薄ら覚えでは二億八千万くらいですか、年間ね。そうすると、節約と言っているけれども、成長率五・三%が前半と、後半が五%ということになりますと、その意味では相当な石油依存率ということが依然として言えると。この辺の原油確保ということはなかなか困難ではないかというように言えると思うんでありますけれども、値段も高くなりますしね、そういう点からその点についての確信があると言えるかどうか、その点もう一度一つ確認しておきます。
○政府委員(森山信吾君) 御指摘のように六百三十万バレル・パー・デーで年間のキロリッターに直しますと三億六千万キロリッター近くになります。正確には三億五千何百万キロリッターになるわけでございますけれども、こういった数量を五年後あるいは十年後に日本が確実に入手できるかということになりますと、私は率直に言って大変入手はむずかしい事態が来るんではないかと思います。入手それ自身もむずかしいと思いますし、それから買うこと自身も必要なくなってくるんではないかという考え方がございますので、先ほど来申し上げておりますとおり、六百三十万バレル・バー・デーという数字は早晩改定をする必要が出てきておるんではないか、こういう考え方を持っておる次第でございます。
○青木薪次君 次いで、やっぱりエネルギーですから、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱など石油代替エネルギーの供給量については、昨年の十一月に代替エネルギーの供給目標を閣議決定してるんですね。その内容については五十四年八月に作成された長期エネルギー需給暫定見通しの供給数量をそのまま踏襲したものだと思うんです。しかしながら、石炭、原子力、水力、地熱、新エネルギーなどの目標数量は六十五年度にとうてい達成できないとの批判もあるし、いまの長官のお話を聞いてみても、なかなか困難な点があると思うんです。たとえば、原子力発電と言うけれども、発電能力は現在二十一基で千五百万キロワットなんですね。それを六十年度に三千万キロワットとか六十五年度に五千三百万キロワットにまで引き上げるとの目標を掲げているんですけれども、原子力発電所の建設地点調査から運転開始まで、平均いたしますと十五年も要しているのです。六十五年度に五千三百万キロワットを達成するためには、現在すでに建設中あるいはまた建設準備中もしくは建設地点が決定しているものが三千八百万キロワットなければならないことになるのですけれども、実際問題としては、このとおりのいろんな問題点を含んでいるし、原子力発電所に対する大変な住民の心配もあり、そういった点から立地、建設をめぐって大変な問題を醸し出しておりますので、現在建設中あるいは建設準備中のものだけでも十六基、一千六百万キロワットと約半分にしかならない。これではとうてい六十五年度に五千三百万キロワットを達成することはむずかしいのではなかろうかというように思うんですけれども、この点いかがですか。
○政府委員(森山信吾君) 石油代替エネルギーの問題につきまして、特に原子力につきましていま御指摘があったわけでございますが、私どもは六十五年度におきまして五千百万から五千三百万キロワットの原子力発電所を建設したいという考え方をとっておるわけでございます。いまの段階におきましては、そのうちの下限の方の五千百万キロワットを一応の目標にしておるわけでございます。つい二、三日前に、九電力会社からのこの十年間の施設計画をヒヤリングをしたわけでございまして、その際の積み上げ計算でまいりますと、五千九十二万キロワットという数字が出てきておるわけでございます。これは計画でございますから、御指摘のように本当にできるのかと言われますと、いろいろ問題もあろうかと思います。その問題があるという点は、いまの政策パターンで原子力発電所の立地を進めていった場合の御批判ではなかろうかと思うわけでございまして、確かにいまの社会構造、システム的な面から考えますと、五千百万なんというのはとうてい達成困難な数字ではなかろうかという御批判は、これはまことにごもっともな御意見だろうと思うのでございます。しかしながら、エネルギーの総合需給バランスということを考えますと、先ほど来お話のございました石油につきましての過大な期待が困難、不可能になってくるということはだれしも御意見が一致するところでございますので、石油代替エネルギーの方になお一層のウエートをかけた政策というものを推進していく必要があるのではないかということでございまして、そういうことになりませんと、エネルギー全体がおかしくなってくるわけでございますから、ここで新しい観点で一つの最大の政策努力目標というものを掲げる必要があるということでございまして、御指摘の原子力につきましては、五千百万キロワットの立地を何としてでも達成するというのが政府の基本的な考え方でございますし、そういう線に沿いましたいろんな政策というものを集中的にこの面に集約して、いま御指摘の五千百万キロワットの原子力の立地を実現をしたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○青木薪次君 原発問題は、また私のところの吉田委員から後で質問があると思いますからこの程度にとどめておきまして、石炭問題についてちょっと聞いてみたいのですけれども、「長期エネルギー需給暫定見通し」では海外石炭について五十四年度の五千九百三十九万トンから六十年度には一億百万トン、六十五年度には一億四千三百五十万トンになると見ているんですね。また、石炭を利用した火力発電は、電気事業審議会の中間報告でも、発電設備に占める割合は五十四年度の三・六%から六十五年度には約一〇%と拡大を目指しているわけです。しかしながら、最近では石炭火力発電所の建設に加えてセメントメーカーが相次いで重油から石炭へ切りかえたり、また紙パルプの関係等についても、先般私は質問したのでありますけれども、相次いで重油から石炭に切りかえたりしているわけですね。このような状況を反映いたしまして石炭の価格が、一般炭については、五十三年度のトン当たり七千八百四十円が五十五年十二月の時点でトン当たり一万五千円と約二倍に値上がりしている。原料炭についても、五十三年度のトン当たり一万七百三十円が同じく五十五年十二月には一万四千七百円と値上がりしているのが実態だと思うのです。石炭火力については、いまのところ原油が高騰したことから経済的には石油火力よりは有利とされているけれども、このままのベースで炭価が上昇するということになりますと、経済的優位性が一挙に崩れるおそれも実は出てくると思うのですね。そういうことになりますと「長期エネルギー需給暫定見通し」のとおり六十年度一億百万トン、六十五年度一億四千三百五十万トンを達成するのにはなかなかむずかしいのじゃないだろうか。資源エネルギー庁は輸入石炭の価格高騰に対して今後どのように対処されるか、私どもも心配しているのですけれども、長官どのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(森山信吾君) 石炭につきましては、十年後の需要を一億六千三百五十万トンというふうに見込んでおるわけでございます。そのうち国内炭の生産をどの程度期待するかということにつきましては、目下第七次の石炭政策につきまして石炭鉱業審議会で御議論をいただいているわけでございますが、基本的には私どもは二千万トン体制は今後も継続されるというふうに期待をしておるわけでございます。したがいまして、一億六千三百五十万トンの総量のうちから国内の二千万トンを引きますと、海外への依存期待分が一億四千三百五十万トン程度になるわけでございまして、この一億四千万トンを超える数字というのは大変な数字でございまして、これは供給先をどこに依存するか、あるいは国内の受け入れ基地をどういうふうに処理するかというような問題が多々あるわけでございまして、一口に一億四千数百万トンの輸入といいましても、なかなかむずかしい問題があろうかと思います。 そこで、まず供給先のことから申し上げますと、これは石油の例でもわかりますように、特定の国に集中して供給を期待をするということはいかがなものであろうかということでございまして、現在は主として原料炭を中心に石炭の輸入が行われているわけでございますけれども、今後は石油にかわるいわゆる石油代替エネルギーという観点から考えますと、一般炭の輸入が相当大きくふえてくるわけでございますので、その供給先というものをできるだけ多角化していくというような考え方をまずとっておるわけでございます。オーストラリアあるいはアメリカ、カナダあるいは中国等々の国があるわけでございまして、そういった国々、しかも経済依存度が非常に深いような国々に石炭の供給を依存をするというような考え方をとるべきではなかろうかということで、現在そういった観点で努力を傾注しているところでございますし、それから第二点の国内へどのようにして受け入れをするかという問題になりますと、これはどうしてもコールセンター的な考え方をとらざるを得ないということでございまして、石炭というものは産炭国で開発されたものをいかにうまく輸送をいたしまして国内に受け入れをいたしまして、そこである程度の備蓄が、ストックが行われるような政策というものを考える必要があるということでございまして、その一貫した政策というものの整合性をとっていかないと、やはりそこに需給のひずみが生じますし、需給のひずみが生ずることは価格の高騰を招きかねないという問題もございますので、そういった観点で生産から受け入れまで一貫した考え方で仕事を進めていく必要があるのではないかという基本的な考え方にのっとりまして、現在政策を遂行しようというふうに考えている次第でございます。
○青木薪次君 石炭の利用度というものは、これからますます高まってくるだろうということは、私たちもよくわかるのでありますが、紙パルプ関係等においても非常にエネルギーをたくさん消費する産業なんですね。鉄鋼なんかよりもまだ相当、一・五倍ぐらい多いと思うのです。そういうような中で一番問題になるのは、石炭の活用を今後する場合にいたしましても、問題となるのはやっぱり石炭の公害問題なんですね。いま衆議院でフェニックス法案なんといって海岸の海の埋立て問題等がいまいろいろ言われているのでありますけれども、産業廃棄物、一般廃棄物に至るまでやはり灰捨て場の問題がいま騒がれているときでありますので、そういう問題とも全然離れてこの石炭の活用という問題は議論できないと思うのです。その点から、石山灰火力を例にとりますと、石油火力に比べて排ガス量はまた二〇%程度ふえる、それから硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん等の濃度も高くなるのでありまして、これらの酸化物から硫酸塩や硝酸塩ができて酸性の雨が降りやすくなったり、オキシダントが発生したり、いろいろするわけですね。石炭に含まれる水銀などの重金属も大気中に放出されるなどいたしまして、石油に比べて悪条件が重なると実は言われているわけです。そういう石炭の燃焼後、使用量の二割程度の石炭灰が残ると言われておりますので、こうした問題が五十六年三月に環境庁の「エネルギーと環境問題懇談会」が発表した報告書の中でも実は指摘されているわけでございまして、エネルギーの供給を図る場合に、環境と調和する、これはもう言うまでもないわけでありますけれども、エネルギー庁としては石炭火力を活用する場合に、たとえば横浜市との間に公害防止協定を結んでいるのですけれども、この電源開発株式会社の磯子火力発電所のように厳しい環境基準に適合している石炭火力発電所をモデルといたしまして、そうして石炭火力発電所の建設を進めていくというようなことについて電力業界等に対して指導をすべき時期だと思うのでありますけれども、この点いかがですか。
○政府委員(石井賢吾君) 私どもといたしまして、石炭火力の立地推進によりまして公害の負荷が大きくなるということは、これは絶対に避けなくちゃいかぬという観点で、現在大容量石炭火力に関しましては、たとえば先生御指摘のような硫黄酸化物関係でございましたら湿式の脱硫装置、あるいは窒素関係でございますと二段燃焼バーナー、その他低燃焼あるいは排煙脱硫装置、ばいじんの場合には高性能集じん機、こういったものをそれぞれの地域の環境実態に即応して組み合わせることによりまして、石油に大きく遜色をとるというようなことのないような形で発電所を建設するということで電力業者を指導していきたいというふうに思っております。
○青木薪次君 いま東北地方や九州地方で地熱発電が盛んに行われておりますね。環境庁の「エネルギーと環境問題懇談会」の報告書の中では、地熱についても国立、国定公園内の特別地域等に含まれる開発は避けることと述べているわけです。長期エネルギー需給の暫定見通しては、地熱については六十五年度三百五十万キロワットという見通しを考えているのでありますけれども、現在運転中もしくは建設中のものは七基で二十一万キロワットということになっておりますけれども、約十七倍の地熱発電所を六十五年度までに建設することになっているのであります。しかしながら、全国の二百カ所の地熱賦存地域のうちで半分以上が国立、国定公園と関係していることを考えますと、環境庁の報告そのとおりに地熱発電を進めていくということになりますと、六十五年度三百五十万キロワットの達成はとうていむずかしいということが思われるわけでございます。 ところで、最近の新聞報道、三月三十日の日本経済新聞によりますと、環境庁は自然環境の保護のためにこれまで原則として禁止していた国立、国定公園内での地熱発電の開発規制を緩和するという方針を固めたと言われているのでありますが、というのは四十七年三月に環境庁と通産省との間に取り交わされました地熱発電に関する覚書や、その内容によりますと、当分の間国立、国定公園内の景観や風致維持上支障があると認められる地域では、新規の調査工事や開発を推進しないなどというものであるけれども、その覚書は見直さざるを得ないところに実はきてしまったということが、いまいろいろ心配されているわけです。そういう点についていかがでございますか、答弁願いたいと思います。
○政府委員(石井賢吾君) 先生御指摘のように、地熱につきましてはようやく調査及び調査井掘削が緒についた段階でございまして、現段階におきまして六十五年度の目標が達成できるかどうか、これは実は即断するのはきわめてむずかしい状況にございます。現実に三月末に提出されました各電力会社の六十五年度までの施設計画によりましても、とうていその数値には達しない状況でございますが、これは全国促進調査あるいは調査井の掘削、こういったものが進捗してまいりますれば、比較的ニードタイムの短い地熱発電所でございますので、おいおい今後施設計画として具体化され、極力目標に近い数値になることを私どもとしては期待いたしておるわけでございますが、一方でこの地熱発電所につきましては、御指摘のように公害の防止のみならず、自然景観との調和ということがきわめて重要な問題でございますので、私どもとしましては基本的に、四十七年の環境庁との話し合いの趣旨に基づきまして、ケース・バイ・ケースで具体的立地点に即しまして両省庁間で十分協議をして決定をしていきたいというふうに思っております。
○青木薪次君 地熱発電の規制緩和の問題は、国立公園内で九年ぶりにやられるということが新聞で騒がれたわけですよ。八丁原とか葛根田、これがいま問題になっておりますね。この点について、いま部長の言うように調整をとりながらと言うけれども、結果としてはやっぱり増設認可の方向へいかざるを得ない。こういう高い数値を考えますと、そういう方向になると思うのですけれども、この点どうですか。端的に答弁してください。
○政府委員(石井賢吾君) ただいま御指摘の二地点につきましては、言うならば増設ということで、すでに既設の地熱発電所が設置されておりますので、自然景観との調和あるいは公害防止という観点から特段支障はなかろうという判断のもとに、今回環境庁の方でオーケーのサインが出たものというふうに理解しております。
○青木薪次君 時間をとってしまいますからこの辺にいたしまして、LNGについて聞いてみたいと思うのでありますが、五十四年度におけるLNGの輸入量は千四百八十六万トンでありますけれども、長期エネルギーの需給暫定見通しては、六十五年に四千五百万トンの輸入目標が掲げられているわけでございます。LNGは今回の石油備蓄法の対象になるかという問題に対して、資源エネルギー庁の石油部長は、先般、三月十八日の衆議院の商工委員会で、一般に石油と言った場合LPGは含まれるけれども、LNGは含まれないと答弁されて、LNGを備蓄の対象としない理由として、LNGの需要は電気、ガスといった大口ユーザーであることと、輸入先が地域的に分散されていることと、輸入契約も二十年という長期契約である点などを実は挙げているんです。しかしながら、LNGの供給契約は供給側と需要家側が長期にわたって引き取りの義務があるなど、LNGは、供給側との契約が、数量、引き取り時期、基地、タンカー、発電所なんかについてもすべてが固定している、万一の事態に遭ってもなかなか融通のきかないシステムになっていると言われている。 このLNGの融通に当たっては、代替エネルギーの導入指針の中でも、電気事業者を含めて需要者間で融通制度を採用するなどの体制を確立しなければならないとされているのでありますけれども、これを受けて、電力業界としては、具体的にLNGの相互利用、各社基地へのタンカーの輸送、タンクへの備蓄などを考えていると思うのでありますが、こういう場合に、残留LNGと新たに受け入れるしNGとの組成が異なると、混合されずに、その結果大きなエネルギーが蓄積されて、大量のボイルオフガスが発生し、危険な状況となると言われているのであります。したがって、現在同じタンクに同一産地のLNGを入れるのが原則であると言われておりますけれども、もしもしNGの融通を行うとなると、同ータンクに異なる産地のLNGが入ることになりまして、安全上問題があるんじゃないだろうかということが言われているのでありますが、この点は一番LNGの関係では心配の点なんでありますが、この点いかがですか。
○政府委員(石井賢吾君) ただいましNGの長期契約四本、アラスカ、ブルネイ、アブダビ、インドネシアということで実施しておりまして、さらに、インドネシア・アルン地区あるいはバダク地区等につきまして、この増量交渉がようやく成果を挙げた段階でございます。いま御指摘のように、これら地点につきましては、各電力会社及びその地域に立地しております都市ガス事業者、これらとの共同の契約ということで、それぞれの契約によって組み合わせ方は異なりますが、各社間の融通を実施し得るような契約体系で現在輸入を実行いたしておるわけでございます。御指摘のような問題につきましては、それを回避することが当然の事業者の責務でございますので、それぞれの地点ごとに輸入体制を相互間で話し合いながら現在実行しておるものというふうに理解いたしております。
○青木薪次君 LNG基地災害の危険性という問題は、かねてから指摘されているんですね。私も、素人でありますけれども、いろいろの本を読んでみました。LNGタンクの構造、それから、その中で、設置されるタンクの関係から低強度の溶接部分に特に問題が起こる、それから、ロールオーバーの危険というものは大変増している、LNGの配管の問題点がある、それから、そういった点から考えてまいりますると、いま言ったように、産地の異なるものを持ってくると、これはもう大変、ある意味では全然なじまないんですから、下と上と——タンク自体が一番上にあり、真ん中があり、地下がある、この場合に全然なじまないんですから、その中で零下百六十二度ですか、そういった超低温のLNGでありますから、その中で大変ないま言った問題点があるし、ちょっとすると爆発する危険性があるという点について、これをお認めになりますか。
○政府委員(松村克之君) 若干御説明に入るかと思いますが、いま先生お話がございましたように、LNGにつきましては非常に低温の液体でございますので、その取り扱いにつきましてはこれまで、たとえば十年前、二十年前ぐらいまでは非常に不明の点があったわけでございます。また非常に低温でございますので、これを扱う材料につきましてもいろいろ問題があったというふうに聞いているわけでございますが、したがいまして、そのような点から、違った地域から生産されたしNGを一つのタンクに入れる場合の問題点といったようなものも解明が進んでいなかった面もあるわけでございますが、最近ではその点につきましての解明も相当行われまして、現在のLNGの取り扱いについては十分その点配慮をしている、またタンクの材質につきましても非常に低温に強い材質のものが開発されているというようなことでございます。そのほか、LNGにつきましては、その材質だけではございませんで、溶接の問題もあるわけでございます。低温における溶接技術といったようなものも最近では非常に発達してきているというようなことから、十分この管理について配慮を払うということがもちろん条件でございますけれども、そのような配慮を払うことさえ怠らなければ、保安面については安心できるものになっているというふうに考えております。
○青木薪次君 私の郷里に、静岡県でありますが、清水市というところがあって、ここにLNGの基地を建設するというお話があるんでありますけれども、この点お聞きになっていますか。
○政府委員(石井賢吾君) 私どもは新聞で承知いたしておりますが、三月末に提出されました五十六年度中部電力の施設計画、これは向こう十年間におきます当面時点での計画でございますが、この施設計画の中には清水市についての発電所立地構想は含まれておりません。
○青木薪次君 清水市が静岡県の三保貝島地区にLNGの基地を誘致する計画を進めておったようでありますけれども、この計画は、清水市臨海工業地帯再整備計画推進研究会が出した報告書に基づいてなされているようであります。この研究会の報告では、この地区は機械系中核企業の導入並びに市内の関連業種の集約化を内容とする実と、LNG基地並びに火力発電所の導入を内容とするB実とに分けて調査いたしまして、A案については実現の見通しが薄い、したがって、積極的にLNG基地並びに火力発電所の導入を進めていくという報告をまとめているようでありますが、この地区が本当に果たしてLNG基地として適当であるかどうか、または、火力発電所を導入する適地であるかどうかという点については、これがいわゆる工業地帯にある、付近にも民家が密集しているというような点から見て、どのようにお考えになっておられるか、ちょっと御意見聞かしてください。
○政府委員(石井賢吾君) LNGは、クリーンなエネルギーという面で、公害関係では特にむしろそういう市街地近傍に立地するに適したタイプの発電所であろうかと思いますが、先ほど先生御指摘のような問題もLNGの火力発電所及びそれに伴います基地建設に関しまして発生するわけでございますので、十分その安全問題、環境問題については今後具体的な計画が出てきた段階におきまして、われわれとしてはこれを審査をいたしたいというふうに思っております。
○青木薪次君 これ、新聞報道の域を出ないんでありますけれども、三保貝島地区の遊休地の一部を中部電力がすでに買い取ったとのことでありますけれども、これはLNG火力発電所及びその燃料タンクをつくるための土地取得なのかどうか、この点をお伺いしたい。
○政府委員(石井賢吾君) 私ども先ほど申し上げましたように、施設計画に計上されておりませんので、まだ会社の正式な計画として聞いておりませんが、新聞で読んだ限りにおきましては、三十六万平米につきまして一応研究会の結論が出た段階において日軽金と契約をいたしたというふうに聞いております。したがって中部電力はこの研究会の結果を好意的に受けとめておりますので、今後地元との折衝を待って具体的な計画をつくっていくということになるのではなかろうかと思っております。
○青木薪次君 この土地にLNGのタンクを建設するということになりますと、この土地はアルミの鉱滓で埋め立てられた場所でありまして地盤が弱い。そして安全性は、いまの公益事業部長は太鼓判押したようなことを言っているけれども、そんなことはないんです。この地方は東海大地震の予想される地域なので、より強度な安全性が確保されなきゃならぬのでありまするけれども、その点は自信を持って適地であると、公害が少ないからいいと思うということだけで済まされるとお思いになりますか。
○政府委員(石井賢吾君) 私が先ほど申し上げましたのは、公害という面で、クリーンなエネルギーの発電所であるということで申し上げたんでございまして、安全性に関しましては十分これを審査する必要があるというふうな立場でございます。ただ、一般的に1NG火力発電所に関しまして、たとえば富津火力、これLNGでございますが、埋立地に立地する例は多数ございます。そういった観点から、埋立地であるからということでその立地が特段の問題があるというふうには理解いたしておりませんが、先ほどの御指摘のような情勢を十分今後踏まえまして、許認可申請があった段階において私どもは審査をいたしたいというふうに思っております。
○青木薪次君 LNGタンク等の安全性が図面計算上大丈夫だということになったにしても、またLNGがクリーンな燃料で公害等についてもほかのものより、石油や石炭よりいいということになったにいたしましても、地元住民に不安を与えるようなタンク群の存在は好ましくないと思うんです。この辺は離れ小島とか、あるいはまた人家の全くないというようなところとは全然違いまして、全く人家が付近に密集しちゃっているんですからね。したがって将来LNGタンク等を建設されることになったにいたしましても、これはさっき私が申し上げましたように地下式、半地下式というようなことが当然考えられるわけでありますから、安全性の点については地元の皆さんが納得する、不安はないということでない限り許可すべきものではないと思うんですけれども、この点いかがですか。
○政府委員(石井賢吾君) 電源立地に当たりまして地元の理解と協力、これを得ることが私ども最大の課題であると、かつその立地推進に当たっては前提であるというふうに思っております。その意味におきまして、ただいま御指摘のような問題も含めまして、その土地利用を自治体の意向及び地元住民の十分な理解を得るような形で今後具体的に進めるよう電気事業所を指導してまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 LNG火力発電所ができたにしても、その環境に対する悪影響の心配は私はあると思うんです。LNG火力は他の火力に比べて公害は少ないといっても、それでも窒素酸化物や温排水の問題もあるし、その対策についてもどのようにされるのか、こういう点についてもこの際ひとつ意見を承っておきたいと思います。
○政府委員(石井賢吾君) LNG火力発電所の場合には窒素の排出はきわめて微々たるもの、むしろないくらいではなかろうかと思っております。ただ、御指摘の温排水の量は火力発電所の容量にもよりますが、非常に大量なものになることは考えられます。その意味におきまして、温排水の海生生物への影響、特に漁業者への影響等については十分これを環境調査書という形できちっと調査をさせまして、これを地元住民及び関係の漁協等に縦覧させまして、その上でその方々の意見を踏まえて環境審査を十分にいたしたいというふうに思っております。
○青木薪次君 将来、この三保貝島地区にLNG火力発電所やLNGタンク群がつくられることになった場合であっても、いままで申し上げたようにそこには立地の安全性という問題があるし、環境への影響も実は心配されるわけであります。わが国のこのエネルギー政策を進めていく上で、たとえこのような火力発電所やLNG基地がぜひとも必要であるとしても、地元住民の気持ちを無視してまで、またこの三保貝島地区の現状、実情というものをいろいろ考えて、この発電所や基地をつくる場合においては、事前に地元住民の意思をよく聞く、それから納得を得るという点についてはここでお約束できますか。
○政府委員(石井賢吾君) 私ども電源立地の推進の手順といたしまして、先ほど申し上げました環境影響評価を十分事業者をして行わしめ、それを閲覧し、意見を伺って、それをベースにしまして私どもが環境審査を行うという手順で進めるわけでございます。その環境調査をするに当たりましては、当然地元市町村の十分な御理解、御協力を得ませんと実施できませんので、当然の前提としまして地元の皆様方の御理解を得て進めるというような形で事業者を指導してまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 私が心配しているのは、土地は買ったと。中部電力もある程度相当強引なことをやりますからね。この点で私はいま公益事業部長から確認をとったわけでありますが、将来このLNG基地が建設されるとして、その原料のLNGの確保はこれもなかなかやっぱり心配な点だと思うんですね。LNGは普通二十年ほどの長期契約であるようでありますけれども、引き取り義務を課しているし、その価格についても原油の価格にスライドして上昇させるというような問題もあるようであります。またエネルギー産地についてはタンクに収納しなければならないので、相互に融通することがなかなか困難だ。先ほどはその点はなかなか技術が進んだので、心配ないというようなこと言われたんでありますけれども、LNG基地をつくったけれども、原料が入ってこないのでは困るのでありますけれども、清水の場合は原料輸入の目途を立てておられるのかどうか、この点質問したいと思います。
○政府委員(石井賢吾君) 五十六年度の施設計画に織り込まれておりませんので、現段階で中部電力が持っておりますLNGの長期輸入計画、この中には当該地を含めては考えておらないというふうに理解しております。
○青木薪次君 いずれにしても、この点は非常に地元も心配しておりますので、その点を私は代弁して申し上げたわけでありますけれども、いままでのひとつ十分環境影響調査を行い、地元民の安全等に対する納得を得るように特に要請をいたしておきたいと思うのであります。 次に、新エネルギーについて伺いたいんでありますけれども、石油代替エネルギーの供給目標では、太陽熱や石炭液化燃料等によって六十五年度には石油換算で三千八百五十万キロリッターと見込まれているのでありますけれども、まず石炭液化についてはこの三千八百五十万キロリッターのうちどのくらいを見込んでいるのかお伺いいたしたいと思うのであります。
○政府委員(石坂誠一君) わが国が独自に進めております石炭液化に期待している量といたしましては、一応十年後に千五百万キロリッターということになっております。
○青木薪次君 石炭液化の中で中心的な役割りを期待されているのが、日本とアメリカと西独三国による石炭液化共同開発計画、すなわちSRCIIプロジェクトであると思うんです。このプロジェクトに対してレーガン政権が政府支出を全面的に中断するという意向を表明したのに加えて、西独政府も手を引きたいと考えを表明したんですね。 わが国としては、五十六年度予算に石炭液化技術開発分担金として百五十億円を計上いたしまして、同計画の開発主体として三井グループ、新日鉄、石油会社、それから電力会社などで構成する日本SRC会社が今度の春にも発足する予定であると言われておりますけれども、このSRCIIプロジェクトを今後どうするかは、今月の、まあきょうかあしたあたりですね、東京で日本、アメリカ、西独の三国が会議を開くと言われておりますけれども、資源エネルギー庁としてはどのような考え方でこの検討会議にいどむのか、御意見を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) SRCIIのプロジェクトにつきましては、先般のレーガン大統領の年頭教書によりまして、アメリカ側が従来の考え方を大きく変更いたしまして、アメリカエネルギー省直轄事業から合成燃料公社へ移管をするという考え方を打ち出したわけでございます。具体的に、合成燃料公社に移管された場合の取り扱いにつきましては、全く私どももインフォメーションを受けてないわけでございますので、そういうことを含めまして、実はいまお話のございましたように、きょうとあした東京におきまして日米独三カ国の話し合いが行われるわけでございますので、まずアメリカ政府といたしまして従来の考え方をいかなる理由によって変更しようとしておるのかということにつきまして、詳細な話を聞き取りをいたしたいということでございまして、私どもは終始国際協定でございますから、協定締結の当事国でございます日本の同意なしに、アメリカ政府が従来の方針を変更しようとしていることにつきましての強い主張をいたしたいということでございまして、きょう、あすの段階におきましては、いま申し上げましたようにひとまずアメリカ側がいかなる考え方に基づいて政策の変更をしようとしておるかにつきましての事情を、つぶさに聴取をいたしたいということにポイントを置いた会合になろうかというふうに考えております。
○青木薪次君 新エネルギーとしては、太陽熱や石炭の液化など以外に、風力エネルギーや海洋エネルギー、排熱利用エネルギーやバイオマスなどもあるんでありますが、このような自然エネルギーはその一つ一つはエネルギーとして小さいけれども、石油高騰によりましてかなり経済性が出てきていると言われているんでありますが、地域発展に役立つことから立地もスムーズにいくメリットも実はあると思うんであります。たとえば紙パルプの濃厚廃液や有機汚泥を原料に良質な肥料を製造したり、牛や豚の内臓、ミカンのしぼりかすなどを原料にメタン発酵させてガスを温室や家庭用の熱源に利用するといったような技術開発が、工業技術院の石油代替エネルギー関係技術実用化開発補助事業の一つとして指定されている例も見られると思うんでありますが、今後は地域との共存できるエネルギーとして、コストは少々高くても積極的に自然エネルギーの開発に取り組んでいくべきであると考えているんでありますけれども、この点に対する資源エネルギー庁や工業技術院の考え方をこの際聞いておきたいと思います。
○政府委員(森山信吾君) いま御指摘のいわゆるソフトエネルギーの開発につきまして、技術開発の段階は後ほど工業技術院長から御答弁があろうかと思いますけれども、まず地域に密着をいたしましたローカルエネルギーにつきまして、資源エネルギー庁としてどういう考え方を持っているかにつきまして私からお答えを申し上げたいと存じます。 言うまでもなく、ソフトエネルギーは再生可能、循環可能なエネルギーでございますので、一〇〇%国産エネルギーでございます。したがいまして、これを大いに活用するという考え方は私どもも強く持っておるところでございますが、ただ問題点はエネルギーの源といたしましてその賦存がきわめて少量、多岐にわたっておるということでございます。もちろんエネルギーのコスト全体が上がってきておる昨今でございますから、そういった少量かつ各般に賦存しておりますものを一つ一つ拾い上げまして、エネルギーとして活用することのメリットも現在は出てきておるわけでございますので、そういったソフトエネルギー的なものを、いまコストが高いから全く知らぬ顔をするというわけにはまいらないということを考えておるわけでございまして、私どもも昨年五十五年度からローカルエネルギーにつきまして、各地方公共団体に対する補助金も多額に計上をしておるわけでございます。五十五年度はとりあえず一億八千万円でスタートしたわけでございますけれども、五十六年度は十四億の予算を計上いたしまして、地方自治体におきましてそれぞれの地域の賦存状況、そういったローカルエネルギーの賦存状況というものをまず調査をしていただきまして、その中から生まれてくる開発可能性のあるものにさらに一段と飛躍をしていただくための予算措置を講じたいということでございまして、ローカルエネルギーの拡大がまさにその時期に来ておるということでございます。 ただ基本的にはエネルギーコストというのは総体的に体量にしてかつ安いものを供給するという責任もございますので、いまのところはローカルエネルギーというものはあくまでも補完的なものでしかないということでございますけれども、ただ補完的なものであるからといっていつまでも手をこまねいておるわけにもまいりませんので、いま営々とそういった面につきましての努力を傾注しておるという次第でございます。
○青木薪次君 工業技術院、答弁してください。
○政府委員(石坂誠一君) 先生御指摘のとおりでございまして、ローカルなエネルギーは一つ一つはまとまった量でなくとも、あるいはいまのところ多少値段が高くとも、できるだけこれを有効に活用して、わずかであってもそのトータルが大きくなるように努力すべきだという基本的な考えを持って研究をやっておるわけでございます。そのうち、いろいろ御指摘出ましたんですが、たとえば風力につきましては、科学技術庁におきまして風トピア計画という計画の中で小さい機器の開発を進めてまいったところでございますが、私どもの方は、工業技術院といたしましてはもう少し大きな、たとえば百キロワット級くらいのものを想定いたしまして、これにつきましては予算もちょうだいいたしましたので、今年度におきましては具体的な政策に移らしていただきたい、こういうふうに思っております。こういった装置は、たとえば離島においてきわめて有効に活用する余地があるというように私どもは考えておるわけでございます。それから、いろいろ御指摘が出ましたんですが、たとえばいろいろな工場から出ます有機成分、こういうものは取り扱いによってはメタン化することもできますし、いろいろな取り扱い方があるわけでございますので、こういうものも勉強していかなければならないと思っておりますし、また都市ごみ、これはかなりのまとまった量があるわけでございますから、埋め立てに使うということも一つの方法ではございましょうが、これを燃焼してその熱で発電するということ、さらにこれを発展いたしまして、現在私どもがやっておりますようにごみを種分けいたしまして、たとえばパルプ分は紙に戻すと、あるいは厨芥等はコンポストにするとか、あるいはこれをメタン発酵させましてエネルギー源に使うというようなこともできるわけでございまして、いま鋭意そういったことにつきまして研究を重ねておるところでございます。
○青木薪次君 わかりました。 そこで、いま自然の現象を利用いたしまして、潮力発電、波力発電、地熱発電から風力発電、いま工業技術院長のおっしゃったように——私どものところの富士では非常に製紙のヘドロがある。これに対してメタン発生というようなことで、これは実用化段階にもう来ているんじゃないかというように考えるんでありますけれども、その意味で、エネルギーだけに使うんじゃなくて、これを今度は肥料に使うとか、あるいはヘドロを壁土に使うとかいろんなことが研究されているんでありますけれども、都市ごみの対策に、いま全国挙げて、各市町村はこれでもってもう本当に困っているということでありますけれども、この点について、私のひがみかどうか知らぬけれども、政府はもう少し熱心になるべきだ、こう思っているんです。大臣、このいわゆるソフトエネルギーの開発について政府の決意をひとつ聞かしてください。
○国務大臣(田中六助君) 私どもも十年後にはどうしても石油依存率を五〇%あるいは四〇%に下げるという基本方針を持っておりますので、ソフトエネルギーにつきましても十分な研究をしておかなくちゃ、いまコストがかかってもあるいは量が少なくとも、世界全体を見回すときに、それぞれコストはかかってもみんなどの国も鋭意研究しておりますし、私どもはこの研究の火を消してはならないし、ますます時代とともにこういう研究については鋭意努力をしていかなければならないというふうに考えております。
○政府委員(石坂誠一君) 一つ補足させていただきたいと思うんでございますが、都市ごみの処理につきましては、私ども五十一年度から六カ年計画で鋭意進めているところでございまして、すでに百億円近いお金を費やしまして横浜の金沢区にパイロットプラントをつくらしていただいて運転をしているところでございます。キャパシティーも相当大きなものでございまして、一日に百トンくらいのごみを処理する大きなものでございます。もしお時間があればぜひごらんいただきたいんでございますが、都市ごみというのはいろいろなもののまざり合ったものでございますが、これが非常にうまく分かれまして、それぞれの部分が先ほど申しましたように、パルプは精製パルプとして紙の原料に使えるようになって、現実に紙としてすいてもうそれを使って試験をしていただいておりますし、エネルギー回収としましても相当高カロリーのガスが出てくる実験に成功しております。ぜひひとつごらんいただきたいと思います。
○青木薪次君 わかりました。それは一度見学させてもらいます。 それから、建設省見えてますか。——全国のダムにおける堆砂の状況はいかがですか。
○説明員(広瀬利雄君) お答え申し上げます。 全国の貯水容量が百万立方メートル以上のダムにつきまして以前調査をいたしましたが、その調査結果によりますと、ダムにたまっております堆砂量は約八億立方メートルであるというふうにその調査結果が出ております。
○青木薪次君 ダムの堆砂は防災の見地から大きな問題と考えているんでありますけれども、建設省はどのようにこの問題に対応しておりますか、お伺いしたいと思います。
○説明員(広瀬利雄君) お答え申し上げます。 ダムの堆砂は先生御指摘がありましたように、防災の見地から私ども河川管理者といたしまして大変重要な問題であるというふうに理解しております。それで河川法によりますと、工作物を設置するときに私ども審査をすることになっておりますが、その工作物の設置の申請が出た時点でいろいろと審査をいたしております。たとえば、その流域の特性を考慮いたしまして、堆砂量がございますが、その堆砂量を安全に貯留できるような貯水容量、貯砂容量を持っておるということが一つ。それから第二番目の点でございますが、貯水池末端付近に堆砂が起こりますと洪水のときにいろいろのトラブルが出てまいりますので、その貯水池末端等に注目をいたしまして、防災上支障がないかどうかというようなことを工作物の設置に当たりましていろいろ検討いたしまして、その対策を立てているところでございます。なお、ダムができ上がった後につきましてもやはり河川法で、従前の河川の機能が維持されているかどうかというようなことに着目いたしまして、いろいろと河川法に基づきます対策をしているわけでございまして、具体的には堆砂の排除であるとか、それから護岸の補強であるとか、あるいは用地の追加買収であるとか、その場所、場所に応じまして指導をしているのが現状でございます。
○青木薪次君 通産大臣、ダムができるでしょう、そうすると、災害が起こると土砂がどんどん流れてくる。そうしてダムの下を埋めてしまうんですね。そうすると貯水量が少なくなる。したがって、発電のための水力の量に影響する。多目的ダムのある場合には、今度はこの水の量が減ってしまうんですから、相当効率が低くなる。そういった問題が起こるし、それからダムに土砂がたまりますと、そうすると下の方に水がいかないものですから川底が下がる。それで護岸が崩れてくる。たとえば農業用水なんかの関係でも、用水口が上へ上がってしまうんですね。それから、土砂が流れないということは、今度は海岸の浸食がいま全国的に一番問題となっているんです。そのために波は一定方向で海岸に押し寄せできますから、岩壁の下を削ってしまって倒れる。そういう傾向が災害としていま大変大きな問題に実はなっているわけであります。したがって、このダムの下にたまった堆砂、これをどうするかという問題、いま建設省のお話のように、一つはこれを自然の形で流すという、一つは骨材を使うという、こういう点からもう少し政府としてこの問題について考えなければいけないという事態に来ていると思うんでありますけれども、この点はエネルギー開発の立場から、あるいはまた水力をうまく使っていくという立場から大臣どう考えておられますか。
○国務大臣(田中六助君) 砂が堆積するわけ、これはちょうど私どもも産炭地で、ボタ山が流れて、それが非常に被害をこうむって効果を上げてないのと同じだと、私は考え方はそうだと思います。したがって、そういう措置につきましては、専門家——私ども通産省もさることながら、建設省などで十分研究してもらって、そういう費用は全体的なコストから見れば、根本的な修理とあるいは対策ということからすれば、私はそう大きな費用ではないと思いますので、十分そういうものは建設省を中心に検討して、予算の計上をしなければならないというふうに思います。
○青木薪次君 エネルギー問題を考えるときに、わが国のエネルギーの約半分を水力によって占めているのですよ。これは非常に重要な問題です。ですから、この点については、特にいま私は堆砂の問題を取り上げたけれども、防災の立場から考えてみましても、あるいはまた資源のリサイクルの立場から考えてみても、もう少しこの点についても突っ込んだひとつ検討をし、やっていかなきゃいけないというように思っているわけであります。 それから、政府は現在第五次の発電水力調査を行っておられるようでありますけれども、現在の資料をもとにするとわが国の包蔵水力は一般水力の出力の合計で三千三百万キロワットと見られているのでありますが、そのうち未開発のものについては千三百万キロワット、包蔵水力の約四〇%を占めているんであります。混合揚水に至っては千九百十万キロワットの包蔵出力のうち千三百五十万キロワットが未開発で、約七〇%もまだまだ利用されていないということになっているんであります。 水力発電の開発については、他のものに比べて建設コストが高くつくということが言われておりますが、キロワット当たりの建設単価については他のものの三ないし五倍もかかると言われております。しかし、火力や原子力の燃料価格が今後上昇していく場合を考えてまいりますと、水力は長期的にはランニングコストも低くて、また万一海外のエネルギー情勢が変わってきた場合においてもその影響を受けることはないと思います。このようなことを考えていくと、長期的視野に立って水力の開発を積極的に進めまして、エネルギーの安全保障というか、こういう点を確立するということについて政府は非常に関心を払うべきであるし、政府の使命だということを言っても過言ではないと思うんでありますけれども、この点についてどう考えますか。
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のように水力は、日本は非常に水が豊富でございますし、またそれが還流できる点も大きな有利な点だと思います。現在は、御承知のように原子力発電あるいは石炭火力発電というものがコストが安い。特に原子力発電は普通のコストの半分だと言われておりますけれども、私ども将来は一般水力で二千六百万キロワット、それから揚水の面で二千七百万キロワットを予定しておりますし、現在は一般が千九百万キロワット、それから揚水が九百五十万キロワットというような予定でございますけれども、ただいま指摘しておりますように水が豊富な日本でございますし、私はコストの面からも将来長期的に見れば水力発電というものを十分頭に置いて考えていかなければならないというふうに考えております。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○青木薪次君 水力発電等の関係については、非常に私もデータを取ったわけでありますけれども、なかなか開発されていないというのが実情なんです。こういう点を見てまいりますると、もう少し水力についてはある意味では相当な金をかけていく必要があると思いますし、さっき申し上げた堆砂の排除等の問題を含めて政府としてもこの問題に刮目をしてもらいたい、このように考えておるところでございます。いま大臣の決意を聞きましたので、この点についてはひとつ大いに、代替エネルギーのある意味では石炭と並んで中心になっているわけでありますから、この点を特に御注文申し上げておきたいと思うのであります。 さて、本題のLPガスの問題に移りますけれども、LPガスの価格が非常にいま高いんですね。LPガスの価格はFOBで石油危機前、特に特に昭和四十八年はトン当たり二十ドル程度であったのが、昨年の夏ごろには三百ドル台とまさに十五倍以上にも値上がってしまった。現在高値安定しているということを言っても過言ではないと思うんでありますが、最近わが国の輸入の七五%を占めるサウジアラビアとクウェートが相次いでプロパンの価格の値下げを発表したんです。サウジはトン当たり五ドル、クウェートはトン当たり六ドル値下げすると言っているんでありますが、これによって家庭用プロパンの販売価格は十キロ入りボンベでどのくらい値下がると見ているのか、エネルギー庁長官ひとつお答えいただきたいと思います。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 先生御指摘がございましたように、産ガス国側におきまして、五十四年の七月ごろからだと思いますけれども、LPGの価格を急激に上げたわけでございます。ただ、最近に至りまして、このサウジがトン当たり、ごく最近、四月から五ドル下げるというようなことを通告してまいっておるようでございます。これがどういうように末端小売価格に影響するかという点につきましては、なかなか流通機構も複雑でございますのでむずかしいわけでございます。また円レートの問題もございます。ただ、非常に機械的に計算をしてまいりますと、末端小売価格に与える影響といたしましては、このサウジの五ドルについて計算してみますと、大体影響といたしましては〇・一から〇・二%程度の下落要因というふうに計算が計算上出てまいります。
○青木薪次君 いまもお聞きいたしましたように、LPガスの流通機構を見てみると生産段階から消費段階まで、卸段階が一次から四次まであって、小売段階が一次から二次までと実に六段階もあるんですね。まさに重層だと思うんですよ。このように複雑な流通経路のために流通コストが割高になって、それが販売価格にはね返るという問題が起こっているんですね。 ちなみにプロパンガス小売業のコスト構成を見てまいりますと、全体の四二・五%が仕入れ価格、それから残りの五七・五%は販売経費で、その中でも人件費が半分以上占めているということが言われておりますけれども、今回のLPGの備蓄が実施されれば、業界負担の備蓄コストであるところのトン当たり二千九百五十八円ですか、これが末端価格に転嫁されるおそれも実はあると思うんです。資源エネルギー庁ではこれによって末端価格はキロ当たり三円ぐらいの値上がりで、一、二%の引き上げ要因であると述べておられるんでありますけれども、割高な流通コストや備蓄コストという価格引き上げ要因は、LPガスの小売価格にとって無視できないものと考えているんでありますけれども、エネルギー庁はこの点について、このいわゆる流通機構、それから生産段階から消費段階までの卸売段階や小売段階等について、これに抜本的な検討を加えるという用意がなければいけないと思うんです。この点についてひとつ御意見を聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 先生ただいまお話がございましたように、小売価格と輸入価格との間にかなりの差がございます。こういった輸入価格と小売価格の差がどこから出てくるかということでございますけれども、これは先生からもお話がございましたように、非常に複雑多段的な流通機構になっておるということにひとつ原因があるわけでございますけれども、そのほかにもう少し御説明申し上げますと、まあこれは需要先によりましてかなり差がございますけれども、いわゆる一般家庭、業務用に着目して申し上げますと、需要が非常に小さいわけでございます。で、そういったことも反映いたしましてその末端の小売店、これは非常に零細な小企業が多いわけでございます。それだけに取り扱い数量も小さく、販売経費のウエートがどうしても高くなってしまう、あるいは特に家庭用になりますと、充てんをいたしまして個個の家庭にまで届けなければいけない、こういったような非常に手間暇のかかるそういう商品でございます。加えましてこの流通段階におきましても、そのLPGの性格から言いまして保安面でいろいろな対策を講じていかなければいけない、そういった保安面での経費もかかるわけでございます。そういったようなことで、この輸入価格と小売価格との間にかなりの差が出てくるというような事態になっているわけでございますけれども、ただ、同時にできるだけ流通の合理化を図りまして、小売価格をできるだけ適正なものに安定さしていくということも、これはまた当然必要なことであるわけでございます。そういう観点から申しまして、私どもといたしましてこのLPGの販売業界につきまして、中小企業近代化促進法に基づく特定業種に指定を五十三年度からしているところでございまして、この特定業種に指定することによりましてその流通業界の構造改善を図っていく、こういうことで現在中小企業庁とも連絡をとりながら業界の指導をしてまいっているところでございます。こういった構造改善を実施することによりまして、たとえば容器の大型化、あるいは導管供給の拡大、あるいは合理的な配送システムの開発、そういった各般の対策を講ずることによりましてLPGの流通機構をできるだけ近代化、合理化してまいりたい、こういうふうに考えて努力をしているところでございます。
○青木薪次君 いまのお話のように、構造改善事業を進めているということについては、これ結構なことだと思うのでありますが、いま進めているのが島根県、岩手県、高知県の三県で、現在計画を作成中の県は北海道と私の住んでいる静岡県、熊本県、沖繩の四県となっているようでありますが、いま石油部長のおっしゃるように、導管供給の普及や配送センター化などがあるようであります。しかし、静岡県の場合には、配送センターへの加入率は実は三六%あるんです。これは全国平均二〇%より上回ってはいるものの、LPGの末端価格を安くするためには、こうした共同事業はもっと進めていくべきではないかと考えるのでありますけれども、いま申し上げた七県以外、他県の構造改善事業に対する取り組みは一体どういうふうになっているのか、この点もあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) ただいま先生からお話がございましたように、現在構造改善事業をすでに実施しているもの、これが岩手、島根、高知と、この三県でございます。現在引き続いて構造改善事業計画を具体的にその作成、検討を行っておりますのが北海道、静岡、熊本、沖繩と、こういうことになっているわけでございます。確かに五十三年度に特定業種に指定いたしまして以来、まだ検討、作業中を含めまして七つと、こういうことで、全体に比べますと、非常に進みが遅いわけでございます。ただ、最近に至りまして業界におきましてもこういった構造改善への認識というものが深まってまいりまして、私どもが承知しておりますところでは、三十幾つかの県におきましてもこの構造改善についての真剣な研究というものが行われているというふうに承知しております。 この構造改善計画がなぜ進まないかということでございますけれども、これは都道府県ごとに過半数以上の業者の方が構造改善計画に参加していただかないと、なかなか構造改善計画としてできないと、こういうようなことがございます。したがって、多数のLPGの販売業者の方がなかなかそこまで気がそろわないというところにむずかしさがあるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、最近そういった面での業界の認識も非常に高まってきておるということでございますので、私どもとしてはこういった業界の熱意の高まりを背景にいたしまして、できるだけ早く、できるだけ多数の都道府県におきまして構造改善が実施に移されていくように、さらに努力をしてまいりたいというふうに思っております。 なお、この構造改善事業計画の個々の都道府県ごとの内容でございますけれども、これは各地域によりましてそのLPGの需要の形態、その他非常にいろいろ特殊性がございます。そういった特殊性を踏まえながら、その地域の特殊性に合ったそういう構造改善計画が業界の検討の上に立ってでき上がってくると、こういう形になっているわけでございます。
○青木薪次君 通産大臣の諮問機関でありますところの総合エネルギー調査会が、五十四年八月に作成した長期エネルギー需給暫定見通しによりますと、六十年度のわが国のLPガスの輸入量は二千万トンになっているんですね。そうですね。それが今回の法改正によって新たにLPガスの備蓄が六十三年度までの時点で五十日分の備蓄を行う、そしてこの分が三百八万トンの備蓄積み増しを行うことになると思うんですね。現在わが国の国別輸入割合を見てまいりますると、サウジアラビアが五二・三%、クウェートが二二・五%、アラブ首長国連邦が五・一%、イランが一・七%と、中東地域だけで全体の八一・六%を実は占めているわけです。そこでこれらの国々の輸出能力を見てまいりますると、六十年には二千二百万トンと見込まれているのでありますけれども、このことはわが国が六十年度に輸入を必要とする二千百八十三万トンを満たすためには、現在の輸入国別の輸出能力をすべてわが国に振り向けなければならないということになってくる実は心配があるわけです。もちろんその他の産油国からも輸入すればよいのでありますけれども、一般的にLPガスの世界における流れはアメリカは、カナダ、南米との間で輸出入におけるブロックを形成しているんですね。それからヨーロッパは北海を中心として、中東LPガスが主に日本や東南アジアと深い貿易関係にあると言われているのでありますけれども、こういうことになりますと、わが国が輸入可能なその他の産油国は中東地域ということになってしまうんです。その場合、中東地域からのLPガス輸入依存度は、今度は、この場合には九〇%になってしまうということになるわけです。このことは、LPガスの供給の安定を図るためにも、備蓄をしていることはいいにいたしましても、余りにも中東地域への偏り過ぎが多くなってくる心配がある。資源エネルギー庁としては、今後わが国が必要とするLPガスの輸入と中東地域に偏っている現状ね、これをどういうように見ておられるのか、質問いたしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 この長期暫定見通しによりまして、LPGの将来の輸入量はかなりの増加を予想していることは事実でございます。 まず、トータルとしてこれだけの輸入が確保し得るかという問題について最初にお答え申し上げますが、現在、大体中東の産油国におきまして、随伴ガスのうち六〇%は焼失されているわけでございます。残りにつきまして、LPGなどに利用が行われておるということでございます。 他方、いま申し上げましたように、従来焼き捨てておった随伴ガスにつきまして、これをLPGなどに加工いたしまして、付加価値を高めて輸出したい、重要な資源である、こういう認識が産油国側に非常に高まっているわけでございまして、この中東産油国に限らず、各産油国においてLPGへの志向というのが高まってまいっております。 そこで、現在各国が増設を予定しておりますLPGのプロジェクトの能力などを勘案いたしまして、世界のいろいろな機関が将来のLPGの需給について想定をやっております。それを見ますと、大体日本が、仮に六十年度において二千万トン輸入したとしても、世界の供給余力はなお一千万トン程度の余力がある、こういうような想定が、各調査機関などの結果は大体そういうような形になっているわけでございまして、私どもといたしましては、このトータルとしてのLPGの輸入については十分確保し得るというふうに思っているわけでございます。 そこで、その供給先でございますけれども、確かに現状を申しますと、中東に約八二%以上依存している、こういう状況でございます。これをできるだけ多角化していくということは当然必要であろうというふうに私どもも考えているわけでございます。ただ、このLPGが石油の随伴ガスから分離、生産される、こういうような性質のものでございますから、そこにはおのずから限界はもちろんあろうかと思っております。ただ、そういった中で、できるだけ地域の多角化を図っていくことが望ましいというふうに思っているわけでございまして、たとえばアフリカ、北海、メキシコ、そういったような地域からの輸入というのも今後ふやしていくことが必要であろうというふうに思っているわけでございます。業界に対しましても、できるだけ供給地域の多角化を図るように、業界としても当然思っておりますけれども、私どもとしても、できるだけそういう方向で供給地域の多角化を図るように指導してまいっているところでございます。
○青木薪次君 いまお話しのように、供給地域の多角化を図るということは絶対に必要なことだと思うのであります。LPガスの供給の安定を図るには、まず備蓄だけでなくて供給源の分散化を図るということが、これに付帯されるということは絶対的な条件だと思うのでありますが、いま部長のおっしゃるように、中東地域以外からは、現在オーストラリア、カナダなどの諸国から全体の一八・四%輸入している。最近では、出光興産がオーストラリアから年間百二十五万トンを輸入し、五十九年から五年間にわたって輸入するという話も出ているのでありますが、だんだんそういう方向になってきていると思うのでありますが、中東地域依存型の輸入構造を是正するために、オーストラリアあるいはインドネシアといった地域からの輸入増大を図るような方向づけをもっともっと積極的にすべきだ。そういう意味で、エネルギー庁としては、供給源の分散化ということは絶対的な条件だということをこの際ひとつ改めて銘記をすべきではないかというように考えております。 それから、輸入LPガスの受け入れ基地の関係でありますけれども、現在わが国におけるLPガスの輸入基地の貯蔵タンクの容量は二十八カ所、二百十六万トンとなっているようであります。一方、LPガスの備蓄に関するこのタンクの容量は二百八十万トンであって、今後この容量に対してタンクを建設しなければならないと言われているわけでありますが、一九八一年のある雑誌によれば、建設工事中のLPガスの輸入基地は五カ所、四十二万トンであるようであります。計画中のものについては十五カ所で、二百二十五万トンとなっておりますけれども、輸入基地を一カ所建設するのに地元への補償などで、計画から完成まで数年を要していることを考えますと、六十三年度までに二百八十万トンのLPG輸入基地を建設することは可能かどうかという点が心配されます。また、その計画の中に、最近、愛媛県の明浜町に三井物産が十八万トンクラスのLPガスの輸入基地を建設することについて、地元の合意が得られないために断念したということが言われているようでありますが、LPガスの基地の建設計画については相当の歩どまりを考慮しなければならないと思われますけれども、なおさらこの二百八十万トンのタンク建設はむずかしいのじゃないかということを心配いたしているわけでございますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 現在のLPGの輸入基地でございますけれども、これは一般ユーザー用の輸入基地と、それから特定ユーザーの輸入基地と二種類ございます。私ども今回この石油備蓄法の一部を改正していただきまして、LPGの備蓄を進めてまいりたいというふうにお願いをしているわけでございますけれども、その場合は、そういったことで、一般用のユーザーを対象にしたLPGについての備蓄ということで考えておりますので、そういう観点から申しますと、一般ユーザー用の輸入基地ということで考えていくのが適当かというふうに思っておりますが、そういう観点で申しますと、一般ユーザー用の輸入基地は、現在二十三カ所でございます。この能力といたしましては、約百八十三万トンという能力でございます。それに対しまして、今後のいわゆる備蓄用の備蓄と申しましょうか、そのために必要なLPGの備蓄積み増し量、これは先生おっしゃいますように約二百八十万トンでございます。五十日備蓄を前提に考えますと、二百八十万トンでございます。タンクは当然それに若干の余裕を見る必要があるということでございますので、そういう観点から申しますと、備蓄用のタンク必要量といたしましては約二百八十八万トンというふうに思っております。 まあこれだけの、二百八十八万トンのタンクが果たして建設可能かと、こういうことの御質問でございますけれども、現状申し上げますと、現在工事中のものが三カ所ございます。能力といたしましては約四十万トンでございます。そのほかに二百五十万トン程度の輸入基地の建設が、現在、業界におきまして計画されあるいは検討されているわけでございます。それを全部合計いたしますと約二百九十万トンになるわけでございますけれども、ただ当然全体の需要量がふえてまいります。それに従いまして、いわゆる企業としての当然必要なランニングストックのためのタンクも必要であろうということでございまして、したがって現在着工中あるいは計画中あるいは検討中のものを合計いたしましても、六十三年度末の備蓄のためのタンクとしてはまだ不足していると、こういうふうに私どもは認識しております。 このLPGの備蓄タンクの建設に際しまして、私どもとしてはやはり地元の御了解を十分に得た上で建設を進めていくということが適当であるというふうに思っているわけでございます。そういうことから、業界においても地元の方々によく御説明をしながら、保安あるいは環境面への影響を十分配慮しながら進めているというのが現状でございますが、いまおっしゃいますように、時としてなかなか地元の御了解が得られないということで計画が挫折するということもあるわけでございます。私どもとしては、ただこのLPGのタンクについて当然保安あるいは公害、そういった面で十分な対策を講じることが必要であり、そのための努力をしているわけでございますけれども、それを前提にしながらこの業界の努力に対して私どもとしてもできるだけの援助をし、それによって地元の御了解を得てこの備蓄のために必要なタンクの建設が達成できるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 今回の法律で、石油並びに今度は石油ガスが石油備蓄の中に法律として加えられているんですね。いま部長のおっしゃるように、石油備蓄の立地を考えてみて、保安に対する規制法は、石油が消防法なんですよね、それからLPガスの場合には高圧ガス取締法であるために、石油と同じ備蓄量でもタンク建設に要する土地は余分に必要となるわけです。したがって、たとえば日本石油の喜入基地というのがありますね、この場合に一万坪当たりの備蓄量は約十一万キロリッター。LPGを備蓄するとなるとその半分ぐらいしか備蓄できないんですよ。しかもこのLPガスは、需要の五〇%以上が家庭用と自動車用でございますから、民生用の比率が高いんです。また、一基当たりのタンクの容量も経済性から四万トンと、石油の十万キロリッターのタンクのように大きくないために、需要地に密接いたしましてタンクを設置しないと採算点に達しない。こうした点を考えますと、LPGの立地は限られてくるというように思うんであります。資源エネルギー庁ではLPガスの基地について、現在十六のLPガスの輸入業者の保有しているタンク用地で、LPGの備蓄のために使用できる土地はどれだけあって、今後新規に必要とする土地はどれだけあるのか、どのような地域が適当かという点について実際把握しているのかどうか、その点について私ども大変疑問に思っているんですけれども、この点いかがですか。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 先生からお話がございましたように、LPGの備蓄タンクの場合には高圧ガス取締法あるいはコンビナート防災法などの適用を受けるわけでございまして、離隔距離その他でかなりの土地が必要になってくるというふうに承知しております。 現在の百八十三万トンのタンクに見合う土地の面積でございますけれども、これは単独の基地もございますし、あるいはその石油精製所の中の一部につくられておるということもございます。したがいまして、なかなか正確に把握できないわけでございますけれども、まあある程度その今後の備蓄タンクの建設に使える土地も既存の精製工場の中にある程度の余裕は期待し得るというふうに思っているわけでございますけれども、やはり基本は新しく手当てをしていくことが必要だろうというふうに思っております。その場合に、今後どの程度の土地が必要かということでございますけれども、これはどの程度の規模の輸入基地をつくるかによって若干の変動があろうかと思いますけれども、大体大ざっぱに計算をしてまいりますと、大体八十万坪強の土地が新しく必要になってくるというふうに思っております。
○青木薪次君 LPガスの輸入基地の保安あるいは防災対策については、高圧ガス取締法や石油コンビナート等の災害防止法とによって、タンクの周辺に防液堤を設置する、タンクの配管には緊急の遮断弁を設ける、施設については防火設備を義務づける、タンク間には一定の保安距離を設ける、保安管理組織をこのようにして定めまして、保安要員等が石油ガス製造のための施設の維持、製造の方法などを管理するということになっております。また、自衛防災組織を設置するといった点が義務づけられているんでありまするけれども、しかしながら、これらの点についてはタンクの建設とか維持に当たりまして最低限必要なことでありまして、立地に当たって地元の合意を得るためには漁業への影響や地域社会へ及ぼす影響などを総合的に評価して決定しなきゃならぬと思うんでありまするけれども、この点はすでにこの法律ができてから大体五、六年ぐらいたっていると思うんでありまするけれども、そのコンビナート地域等においてもこの法律どおりにはなかなかいっていないんです。私もその点は各地を——先般まで災害対策委員長なんかやっておりましたものですから、いろいろ関心を持って調べてまいりました。なかなか思うようにいっておりません。その点について実情をどう把握されておられるのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(松村克之君) LPGの輸入基地あるいは貯蔵基地につきましては、いま先生からお話がございましたように、その事故を防止するという観点から高圧ガス取締法におきまして以下のような措置を講じているわけでございます。 第一に、保安距離あるいはタンク間距離を確保する、あるいは防波堤を設置する、高圧ガス設備の耐圧性の確保あるいは漏洩ガスの検知警報器等を設置義務づけするといったようなことによりまして、保安の確保を行っているわけでございます。 また、タンク等の設備につきましては、その設備の製作に当たりまして、設計、材料の選択、また溶接等の加工、耐圧、気密試験等の各段階におきまして、通産大臣が特定設備の検査を行っているというようなことでございます。 また、先生からもお話がございましたように、事業者に対しましては保安統括者等の保安管理組織を設けさせ、危害予防規程あるいは保安の教育計画を作成して定期の自主検査を行わせているわけでございます。また、都道府県知事は、これらの事業者が規則どおりの設備を設置するように計画段階で審査するほかに、設備完成時に完成検査を行う。また、毎年保安検査を実施しているわけでございます。 以上のような高圧ガス取締法に基づく規定に加えまして、一日の処理量が百万立方メーター以上となる輸入基地につきましては、さらにコンビナート等保安規則によりまして保安距離について上乗せ規制を行っているわけでございます。また、大規模な輸入基地につきまして、石油コンビナート等災害防止法上の特別防災区域に指定されているところにつきましては、自衛防災組織の設置あるいは防災資機材の設置、施設の配置規制等所要の規制を実施いたしております。 以上のようなことによりまして、現在のところこれらの基地について幸いなことに大規模な事故というものがないという現状になっているわけでございます。
○青木薪次君 立地公害局長、やっぱり環境アセスメントを厳格に実施する必要があると思うんです。いまあなたは大事故はないと言うけれども、起きたら大変ですよ、起きたら大変なんだから。私がさっき申し上げたように、石油コンビナート防災法なんというものについては、実際に目勘定で見ても、あの法律どおりにやっておりませんよ。ですから、その点についてはLPガスの輸入基地の建設に当たっては、発電所の立地と同様に立地手続上のことを厳格にやっぱりやらないと、災害が発生したらこれは大変なことであるということから、この点については厳格にやる必要があると思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 LPGの備蓄基地でございますけれども、これは性格上、水質汚濁あるいは振動、騒音、こういったいわゆる環境への影響というのは比較的少ない、そういうものでございます。ただ、従来から保安面につきまして先ほど立地公害局長からお答え申し上げましたように、高圧ガス取締法あるいはコンビナート防災法などに基づく厳しい規制を受けますと同時に、必要に応じまして環境面への事前調査というものを各企業において行っているというふうに承知しております。 今後の問題といたしまして、当然保安面での規制というものは、これは厳重に実施をしてまいります。と同時に、必要に応じましてやはり環境面への影響というものにつきましても、必要があれば事前に調査をいたしまして、環境面への影響について十分配慮していくように業界を指導してまいりたいというふうに思っております。
○青木薪次君 現在LPガスの輸入基地は全国に二十八カ所あるんです。そのうち、東京湾周辺のコンビナートには十カ所、大阪湾周辺のコンビナートには八カ所が立地しているんでありますが、実に六〇%以上が入港船舶の多い二大港湾地域に集中しているのが特徴であります。しかも、この地域にはガソリン、灯油、軽油、重油といったような石油製品のタンクも集中立地いたしまして、東京湾周辺には千五百基もあります。大阪湾周辺にも八百八十基も存在しているのであります。このために、たとえば京浜港川崎地区では、ガソリンなどの危険物の荷役をするところのタンカーが年間延べ八千三百隻を超えていると言われているのであります。LPガスのタンクの建設は需要地に接近していないと採算点に乗らないということを先ほど申し上げましたけれども、とすると、LPガスの備蓄を進める場合も、東京湾や大阪湾周辺の地域にタンクが建設される可能性ということが出てくると思うのです。しかしながら、これらの地域ではすでに過密状態ですね。さらにこの地域に立地することは、タンカー同士の衝突があり、ことしの一月には川崎の浮島コンビナートで起きたところのガソリンを満載した小型タンカーが爆発事故を起こしたような危険性というものがさらに拡大することになると思うのでございます。今後、LPガスの輸入基地の建設あるいは増設に当たっては、このような地域は避けるように指導すべきであると思うのでありますけれども、立地公害局長はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 確かにLPGの性格上、経済ベースで考えますと消費地に近い立地が有利であるというふうに考えられます。大消費地に近い立地は、ある意味から申しますと、もちろん企業にとって経済合理性があるということのほかに、たとえば輸送面での合理化、これは流通コストの引き下げになるわけでございます。あるいは、輸送距離が比較的短いということによって輸送上における保安的な問題についても、ある意味から申しますとプラス要因として考えられるわけでございます。ただ同時に、先生から御指摘がございましたようなタンカーの問題あるいは周囲にいろいろ人家が多い、そういった問題もまた出てくる、こういったことも事実でございます。したがいまして、このLPGの輸入基地の建設に際しまして、経済的な側面のほかに、周囲に対します公害あるいは環境、そういった面への影響といったようなものに、あるいはそのほかに港湾条件も当然含まれてまいりますけれども、そういった点について十分配慮しながらこの建設が進められていくということが必要であろうというふうに考えているわけでございます。 なお、現在着工中あるいは計画中のものが数カ所あるわけでございますけれども、そういった計画について見てみますと、やはり一部について消費地に比較的近いところの立地もございますけれども、むしろそれは少ないわけでございまして、むしろ消費地からかなり離れたところへ立地するというような動向が非常に顕著に出ているというふうに私どもは見ております。
○青木薪次君 地震対策で非常に心配なんでありますが、地震対策でたとえば一昨年静岡県の伊東地域を中心といたしまして伊豆大島近海地震というのが起こったんです。これは震度四でした。多いところは震度五ぐらいあったのですけれども、マグニチュード八以上、震度六または七になったら私はタンクはひっくり返ると思うのですよ。震度七になったらタンクはひっくり返る。そういうことになりますとこれは大変な事態になってくるし、東京湾、大阪湾周辺においてはその辺は非常に問題だし、また私の住んでいる静岡県等におきましても、やはりこの点については大規模地震対策特別措置法の集中強化対策を行わなきゃならぬところなんでございますけれども、この立地について特に東海地方の関係等にこれが立地されるということについていかがでございますか。地震対策上大変問題があると思うんです。
○政府委員(松村克之君) 先ほどの御質問とあわせてお答えしたいと思いますが、こういったLPGの基地が消費地の近くにつくられるということにつきましては、石油部長からも御説明いたしましたように、いろいろ技術的な要因あるいは経済的な要因が含まれているわけでございます。一つは、LPGにつきましては技術上の制約がございまして、大型のタンクをつくることが非常に困難であるということで、四万トンあるいは五万トンというのが現在のところその限界になっているかと思いますが、そういったことから、用地の確保ということについて原油に比べまして制約があるということが一つございます。また、その消費地の付近におきましてある程度のいわゆる流通基地というものがございませんと、陸上輸送に頼らざるを得なくなる。陸上輸送は御存じのとおりタンクローリーで運ぶことが主になるわけでございますけれども、これはそれなりに保安上の非常に大きな問題があるといったようなこともございまして、消費地付近に相当規模の流通基地、一次基地、二次基地があることはこれはやむを得ない面があろうかと思うわけでございます。私ども立地公害局といたしましては、その面については保安上の諸種の規制を強化することによりまして安全を確保していくという手段をとらざるを得ないかと思っておりますが、ただ、今後予想されます備蓄用の基地といったようなものにつきましては、これは資源エネルギー庁とも十分に打ち合わせをいたしまして、先生からお話がございましたように、でき得る限り大消費地から遠いところに対する立地が可能になるかどうかという点については検討を進めてまいりたいと思っております。 また、輸入基地につきましての地震対策でございますけれども、いまお話がございましたように、東海地方の大規模地震の予想されるような地域につきましては、十分の地震対策をとることが必要になろうかと思います。 地震対策についての一般的な御説明をいたしますと、LPGの輸入基地につきましては、高圧ガス取締法によりまして保安距離を確保する、あるいは地震防災対策強化地域内の事業所につきましては、高圧ガス取締法における危害予防規程等において大規模地震に対する防災対策を定める、地震災害の防止につきまして教育等を十分に実施するといったようなことに努めているわけでございます。また、高圧ガス設備自体の耐震性につきまして、いまお話がございました震度六といったような大規模地震をわれわれ想定いたしまして、それに対応できるように新設の高圧ガス施設の耐震設計を義務づけるということにつきまして鋭意検討を進めているところでございます。
○青木薪次君 大規模地震に対してLPガスの供給を自動的に遮断する、それから使用中の火を消す、火災の発生を防ぐ、液化ガス用の耐震自動ガス遮断装置の開発等の関係について、LPガス業界を中心にいろいろ言われているんでありまするけれども、低圧配管中に装置を取りつけた場合に、震度六以上の大規模地震が発生したときには、その上流部の配管等に被害が生じて役立なくなってしまうということが非常に恐れられているわけでありますが、こういう装置の取り扱い方について、また取りづけについて、今後低圧部でいくのか高圧部でいくのか、この点については非常に関心の持たれているところでございますが、どういうふうになさいますか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(松村克之君) 大規模な地震が発生いたしましたときに、LPGの保安を確保するという意味で申しますと、二つあろうかと思います。一つは大規模な貯蔵基地あるいはプラントにおける対策でございます。第二は一般の消費家庭における対策でございますが、前者につきましては、当然のことではございますけれども、そのような際における自動遮断弁といったようなものの技術は十分開発されておりまして、それらの対策をとっているところでございますが、いま先生からお話のございました一般の消費家庭で用いる自動ガス遮断装置につきましては、お話がございましたように、大きく分けまして低圧部に設置するタイプと高圧部に設置するタイプとあるわけでございます。最初に技術開発が進みましたのは低圧型のものでございまして、当然のことでございますがその方が技術的にはやや容易な面がございます。したがいまして、こちらが先に開発されたわけでございますが、これにつきましては現在LPG法によりまして第二種の液化石油ガス器具等に指定いたしまして、製造の届け出及び一定の技術基準への適合義務を課するというようなことで技術上の信頼性を確保しているわけでございます。高圧型のものにつきましては、現在幾つかの種類のものが開発中でございまして、一部は市場にも出始めているわけでございます。先生からお話がございましたように、低圧型のものと高圧型のものについてはいろいろそれぞれに特色といいますか、いい面と、それからやはり欠点と言うとあれでございますけれども、若干もう一方の型よりも使いにくいといったような面と両方がそれぞれあるわけでございますけれども、現在はその技術開発が進んでいる途上でございますので、これらの状況を見守りながら指定を検討していきたいというふうに考えております。
○青木薪次君 いろんな、備蓄して今度はそれを供給管に入れて出す場合、あるいはボンベに入れて運んで、それで出先の基地でかためるという場合もあるんですね。こういう点に、民家の密集地に電力会社等がかためて置いてある、その周りはいっぱいの民家がある。しかし、なかなか思うように、たとえばボンベを一つずつ置いてある場合とそうでない場合といろいろあるわけですね。ガス管を配管するというような場合があって、とにかく地震対策の場合においては、ガスそのものが爆発しないということと、家庭におけるガス供給を直ちに遮断するといったような点について、いまいろいろと言われておりますけれども、なかなかばらばらなんですよ。ですから、この点を改めて今回の法改正によってもう一回厳しく規制するということでないと、もう私どもの東海地方においては安政の大地震から百二十年もたったんですから、もうそろそろ来てもいい時期になっていると、物騒な話でありますけれども、そういうことが言われているんですから、その点についていまの規制の仕方では大変問題があると思いますので、その点もう一度ひとつ再確認して、厳しく保安対策を講じてもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(松村克之君) LPGの一般家庭における保安問題、特に地震時における保安問題というのは、非常にこれは重要な問題でございます。宮城沖地震の際の経験等もございまして、私どもできる限りの対策をとっているつもりでございます。三年間かけまして一般の家庭について設備の保安総点検を行ったわけでございますが、その結果もこの夏まででちょうど三年を終わるわけでございますが、それらの総点検の結果も踏まえまして、さらに今後地震対策についての指導を強化してまいりたいと、かように考えております。
○青木薪次君 いま静岡県は町内ごとに起震車なんか持ってきて、実際に震度三、四、五、六というふうにやっているわけです。いま静岡県の主婦は、三人寄れば文殊の知恵じゃなくて、三人寄れば地震の話をしている、こういう状態にあるわけです。通産大臣の諮問機関である高圧ガス及び火薬類保安養議会は、昨年の八月に高圧ガス製造施設等耐震設計基準をまとめているわけです。新設のものについてはこの基準に従っているけれども、高圧ガス事業所の地震対策はまだ一段と強化されなきゃならぬわけでありますが、されると思うんでありますけれども、既存の施設について、私はくどいようでありますけれども、どのような改善措置を講じていくのか、この点を最後に質問して私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(松村克之君) 御指摘のように、現在私どもといたしましては耐震設計についての基準を御答申をいただきまして、鋭意それについての規則づくりを行っているわけでございますが、新設の分についてはそういうことができるわけでございますけれども、既存のブラント、タンク等につきましてはいまお話がございましたようにさらに困難な面があるわけでございます。現在、既存の高圧ガス設備関係につきまして施設の総点検を行っているわけでございますが、それと同時に、現在予算をちょうだいいたしまして既存の施設の補強対策を確立するための振動実験も実施しているわけでございます。 これらの結果を踏まえまして、できるだけ早急に実効のある耐震性の恒常策を講じてまいりたい、かように考えております。
○青木薪次君 終わります。
○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 —————・————— 午後一時三十四分開会
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 石油備蓄法の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田正雄君 午前中、わが党の同僚委員であります青木委員の方から、きわめて博識なしかも精細な調査に基づく綿密な質疑が行われましたので、この法案あるいはそれを取り巻くいろんなエネルギー情勢等については、ほぼ質疑も尽くされたやにも見受けられます。しかし、若干の点で補足質疑をいたしたいというふうに思います。 そこで、まずエネルギー危機ということは裏返して言いますと、いかにして今日の場合には石油というものを安定的に供給をするのか、どうそれを確保をしていくのかという点にあるかと思います。いままでもこの安定供給ということについて幾つかの観点から施策も講ぜられてまいっておりますけれども、まず第一点といたしまして、例の輸入先の多角化とか多様化ということが盛んに言われております。いままでの状況を見ますと、これまあエネ庁の資料によりましても、五十一年度の場合にサウジアラビアが三一・四%、五十二年度が三〇・一%、五十三年度二九・七%、五十四年度が二六・九%、こういうぐあいになって逐次減ってはきておりますが、また昨年のイラン・イラク戦争以後の五十五年度の七から九月期を見ると三三・六%、それから十月から十二月が三七・一%、これは戦争という特殊な状況でそうなっておりますが、全体として見ますと、サウジの場合も逐次減少傾向になってきておるわけです。 それから、イランの場合も同じく五十一年度から見ますと、一九・五%、次いで一七%、一二・九%、一三%ということで、これも逐次減少の傾向にあるわけですね。 中東全体として見ると七九・五%、それから七七・八、七七一九、七五・九というぐあいにずっと減ってきておりますし、五十五年度を見ましても大体七二、三%というところに下がっておるわけです。しかし、まだこの数字を見ますと、中東地区というのは第一次世界大戦あるいはそれ以後の状況を見ましても、火薬庫であるとか、いろいろな点で政治的にも軍事的にもきわめて不安定な地域であるわけです。 そこでお伺いをいたしたいんですが、今後この石油の輸入先に関してどういう方針で臨まれるのか、具体的にお聞きをしたいと思うんです。 最近メキシコ等も急速にいろいろな点で浮かび上がってきておりますけれども、メキシコを見ますと、メキシコの場合も自国の経済発展に役立つものであるとか、あるいは輸入の傘とか数量等については特定国一国にはそう大きな輸出はしないというふうな方針も打ち出されておるようでありますので、そういう点で、これから本当にこの特定地域あるいは特定国の政治情勢や軍事情勢に余り影響されない、そういう意味での安定的な多角化というものの方針について何か見解があったらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) まさしく御指摘のとおりに、私ども油の多角化という、輸入の多角化ということは、もう当然頭に入れなければなりませんし、私も就任以来約十五カ国を回ったのもそういう観点からでございまして、中近東に依存しておることをイラク・イランの紛争以来、いろいろ頭の痛いことばかりでございます。それでも中近東に御指摘のように昨年の十月から十二月の間にかけましては七一・四%というものを依存しておりまして、サウジアラビアがその中で三七・一%、それからア首連が一五・二%を依存しております。インドネシアなども一五%ちょっとでございますけれども、できるだけそれを分散しよう、沿岸諸国にばかり依存しておってもどういうことになるかもわかりませんしと思って、インドネシアそのほか、特にメキシコなどは、大平総理が三十万バレルというようなことを言っておったんですから、十万バレル、したがって私も、あと二十万バレルよこせよこせという折衝をしたんですが、やっとこのごろ、十万バレルをどうしようかという、三月からチェックを見直すと言っておったわけで、それを実行しておるようでございます。 それが、ただ非常に最近は、御承知のように、油が少し緩んでまいりましたので、そういう点、あちらこちらで増産はしなくても、全体的に代替エネルギーの開発導入というようなものが各国で進んでいる点もあるんじゃないかというふうに思いますけれども、増産増産と言わなくても、多少緩んだ傾向もありまして、うまくいっておるようでございます。 それで、各国に分散をしておるということがだんだん成果を上げてきておりますし、私どもはあくまで、各国に分散すると同時に量の確保というものを頭に描いていきたいと思います。まだカナダやその他につきましてもいろいろな点で折衝の余地もありますし、豪州その他インドネシアの増量というようなこともございまして、鋭意、御心配の点は私どもも責任者としてそういうことのないように、ますます燃料の分散多角化、輸入先のそういう多角化ということについては努力してまいりたいというように思います。
○吉田正雄君 石油というのが確かに世界的に戦略物資でありますし、政治、経済、外交が複雑に絡みますから、具体的な数字を明らかにするということはあるいは困難かもわからないんですけれども、とにかく、仮にサウジの政情不安定なりによって供給が一時的にぐっと落ちるとかあるいは中断をされるというふうなことになったら、これは大変な事態になると思うんですね。そこで、多角化という抽象的な表現は従来から盛んに言われてきておるんですけれども、それでは具体的に、必要とする石油の量を将来に向けてはどの国からは、たとえば資源量であるとか地域的な問題であるとか、あるいはその国との今日までの経済関係、協力関係、そういう総合的な判断の上に立って、国別に将来どれくらいの量を確保しようというふうな具体的な長期計画というものを現在お持ちなのかどうか。あったらそれをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のように、中近東は七一・数%、その中で御指摘のようにサウジアラビアが三四・一%、これはもう大きなウエートを占めておるわけでございます。したがって、サウジアラビアが何か変になったら大変ではないかと、まさしくそうでございまして、その隣のア首連でもそうでございますが、そういうことになったときに各国どのように数量的に見直すかという御指摘でございますけれども、私ども暫定需給見通しの改定を、森山長官もたびたび指摘しておりますように、五〇%の石油依存率を四〇%にも下げたい、できたらシーリングの六百四十万バレル・パー・デーを、IEAの要求もございますし、したがって、これを落とさなければならないでしょうし、また六月にIEAの会議がパリで行われますが、その前に私どもとしても全体的な需給見通しについての何らかの考えを多少出さなければなりませんような気がするわけです。したがって、それには、それなら日本が輸入している各国別をもう少し具体的にしたらどうかということでございますが、それはもちろんそういう一つの各国別の予想図というものを描いてトータルを出さなくちゃいかぬわけでございますけれども、それは現在そういうふうに、こうだというような段階には至っておりませず、目下検討を続けなければならないという段階で、この国がこうだ、あの国がこうだというふうにはなっておらないと思います。
○吉田正雄君 これは要望をしておきたいと思うんですけれども、そういう事態になってから、サウジがなるという意味じゃないんですけれども、やはり将来考えた場合、一国に多く頼るということはやはり危険があるわけですから、そういう点で、いまからやはり長期的な計画のもとに一国に頼る比率というものを逐次減少させていくという点で計画を立てる必要があると思うんですね。また、他の国に振りかえるといっても、いきなりどうかと言ってみたって、そう簡単にいくわけはないと思いますから、そういう点で、先ほど申し上げましたように、その国の資源量、埋蔵量であるとか、あるいは今日までの協力関係とか、あるいは地域的な問題、いろんなものを配慮しながら、いまからそういう多角化に向けて努力をしていく必要があるんじゃないか。そのためには一定の目標というものを立てないとなかなか具体的な努力というものも出てこないような気がいたしますので、そういう点でいまからひとつ長期的な努力目標というものを作成をしていただき、それに基づいてのひとつ施策というものを講じていただいたらどうか、これはひとつ要望をいたしておきます。 それから、石油はほとんど輸入に頼っているわけですけれども、しかし、やはり自主的な開発とか、あるいは共同開発にもっと積極的に取り組むべきではないかという意見も非常に強いわけです。そこで、現在日本が自主的に開発に取り組んでおります日本海周辺など現状がどうなっておるのか、あるいはあれだけ問題になりました日韓大陸棚の問題とか、あるいは日中共同開発ということで、何か先日の新聞報道によりますと、渤海湾の油田は何か非常に有望であるというふうなことも報ぜられておりますけれども、この辺の現状がどうなっておるのか、おおよそで結構ですがお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 私ども石油の自主開発につきまして、これは一つには、日本周辺海域の場合には最も安定した供給源であるという観点、それから海外におきます自主開発、これは一つにはもちろん安定した供給源の確保という意味と、同時に地域の多角化を図っていく場合の一つのてこということで重視をしているわけでございます。さらに、海外におきます石油の自主開発の場合には、産油国とのいろいろな面でのつながりを一層深めるという意味もあるというふうに思っているわけでございます。そこで、従来から石油の海外あるいは周辺海域におきます自主開発について積極的に取り組んでまいっているところでございます。 まず、日本の周辺海域の状況について申し上げますと、周辺海域の自主開発につきましては、これは実は従来から五カ年計画を順次積み重ねて推進をしてまいっております。現在は五十五年度を初年度といたします第五次五カ年計画を実施中でございます。この五カ年計画におきましては、周辺大陸だなの石油、天然ガスの生産量を五十四年度の五十八万キロリットル、これは石油換算でございますが、五十八万キロリットルを五十九年度におきまして四百十万キロリットルまで引き上げるということを目標にしております。この計画に従いまして、国といたしましては、たとえば基礎調査、さらに基礎調査の一環といたしまして、従来は物理探査にとどまっていたわけでございますけれども、今回の第五次五カ年計画からは基礎試錐を国が実施する、そういうことによって企業の探鉱活動を誘導していくという施策を講じているところでございます。こういった累次にわたります五カ年計画の結果、現在わが国の周辺大陸棚におきまして生産中のものといたしましては、新潟県の阿賀沖のプロジェクトがございます。それから探鉱に成功いたしまして生産に移行しようとしているものといたしまして、けさほど青木先生から御質問がございましたけれども、福島県の常磐沖のプロジェクトがございます。 それから日本の大陸棚につきまして日韓の共同開発の問題が一つございます。この日韓大陸棚の共同開発につきましては、昨年二本の試掘を行ったわけでございます。これは第五小区域と第七小区域につきましてそれぞれ一本ずつ試掘を行ったわけでございますけれども、結果は一応商業生産ができるような石油あるいはガスの発見に至らなかったところでございます。 引き続きまして、日本側、韓国側両開発権者におきまして今年度以降の探鉱計画を現在鋭意検討を進めているところでございまして、五十六年度におきましても、まず四月から物理探査を実施するということで、その物理探査の結果とさらにすでに試掘をいたしました井戸からとりましたいろいろな試料、これをあわせまして次の試掘地点を決定いたしまして、今年度中にその第五小区域及び第七小区域におきまして、各一本ないし二本の試掘を行う予定というふうに承知をしております。 次に、日本の大陸棚ではございませんけれども、中国沿岸の問題について触れさせていただきます。 一つは、先般新聞にも大きく報道されたところでございますけれども、渤海湾におきます日中共同開発プロジェクト、これが実は昨年の十二月から本年の三月にかけまして第一坑の試掘を行ったわけでございます。この結果、この一号井にして相当量の出油を見たというふうに承知をしております。 なお、この試掘の結果、油の層が三層にわたって存在するということが確認されておりますが、先般出油テストを行いまして発表されましたのは、一番下の第三層についての出油テストの結果でございます。今後第二層、第一層につきまして出油テストを行ってそこで初めて総合的な判断ができるというふうに承知しておりますけれども、油層の厚さから申しますと第一層が一番厚いわけでございます。その次が第三層、一番薄いのが真ん中の第二層と、こういうことになっておるわけでございまして、したがって、今後第一層のテストをいたしますと、私どもの期待でございますけれども、かなりの大きな期待を持っているというのが現状でございます。 それから、同じく中国のそのほかの海域でございますけれども、中国側は黄海・南海の大陸棚につきまして先般来この外国の企業に基礎的な調査を依頼しておったわけでございます。わが国におきましても石油公団などがこれに参画をしているところでございまして、私どもが承知しているところでは中国側におきましてこれらの基礎調査の結果を踏まえまして、ことしから来年にかけまして恐らく黄海・南海海域についての探鉱開発につきまして国際的な入札を行うであろうというふうに存じております。その際には当然わが国といたしましてもこういった黄海・南海の探鉱開発事業につきまして積極的に参加してまいりたいというふうに思っております。なお、中国側におきましても従来からわが国の参加に対しまして好意的な感触を伝えているところでございます。 それから次に海外の状況でございます。海外のいわゆる自主開発につきまして、これは従来から石油公団の助成を中心にいたしまして推進をしてまいっているところでございます。現状を申し上げますと、石油公団の助成対象になっておりますプロジェクト、現在五十二企業、これは五十二企業ございますが、そのうち海外が四十三企業ということでございます。こういった海外の四十二企業が現在公団から助成を受けましていろいろな活動をやっているわけでございますけれども、このうちすでに生産中のものが海外で十三企業ございます。それから生産準備中のものが一企業、それから現在商業生産の可能性につきまして検討中のものが海外で五企業あるわけでございます。私どもこういった点からかなりの成果を上げつつあるというふうに思っているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、冒頭に申し上げましたように供給源の多角化を図っていくに際しまして、自主開発というのは非常に有力なてこになるわけでございまするので、今後とも海外におきます。辺海域の自主開発を含めまして、自主開発につきまして積極的に努力をしてまいりたいというふうに存じております。
○吉田正雄君 自主開発にとって技術者の養成というのが非常に重要だと思うんです。これは何年ぐらい前になりますか、日本側でインドネシア周辺で探鉱をやって試掘をやったけれどもほとんど出なくて、メジャーに頼んだら一発で当たったという話もあるわけなんでして、そういう点でこの技術者の養成がどの程度になっているのか。また技術水準はメジャーにはとても及ばないと思うんですけれども、しかしそこまで追いつかなきゃいかぬと思いますし、そのめどというのはどういうふうになっているのかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 石油の探鉱と申しますと、かなり運、不運が働きます。ただ同時に技術というものがきわめて重要であるということは御指摘のとおりでございます。日本の場合でございますけれども、現在私どもが把握しております開発技術者の数でございますけれども、大体八百二十名ぐらいというふうに思っております。この数でございますけれども、西ドイツの技術者と大体同じぐらいというふうに見ておりますけれども、石油の面での先進国でございますアメリカの場合に比べますと、これはアメリカの大体五十分の一ぐらいというような数字でございます。それから、フランスと比べましても約五分の一ということでございまして、そういう意味から申しまして、これ歴史が浅いという点もあるわけでございますけれども、開発技術者の養成というものはきわめて重要であるというふうに思っております。特に、日本が開発の探鉱あるいは開発のオペレーターになりまして活動していくという場合には特に開発技術者の確保、これがきわめて重要でございます。また、そのオペレーターになることによって産油国とのつながりも一層深めることができるわけでございますし、それから地域の多角化というものを図っていく場合にも、オペレーターという形であればあるほど自主的にいろいろ判断ができるわけでございます。そういういろいろな観点から申しまして、技術者の育成というものはきわめて重要であるというふうに思っているわけでございますけれども、そういった観点から、従来石油公団におきましてあるいは研修をやりあるいは海外に、人を派遣して、技術者を派遣いたしまして技術者の育成に努めているところでございます。 ただ、その技術のレベルという点に着目をいたしますと、確かにたとえば先ほど御説明いたしました渤海の探鉱開発というものは、これはまさに日本の技術でやったわけでございますけれども、ただ全般的に言えばやはりアメリカなどに比べまして経験も浅うございますし、技術の面で質の面で十分とは言い切れないというふうに思っております。そういった面で量の確保、さらに質の向上ということについて今後とも特段の努力を傾けてまいりたいというふうに思っております。
○吉田正雄君 次に、備蓄について、これ石油の備蓄ですが、若干お尋ねをいたします。 五十五年の場合を見ますと、七月から十一月というのは大体百三日から百四日という水準であったわけですが、十二月に入って九十八日、ことしの一月が九十四日、二月が九十一日というぐあいになっているんで、この傾向というのは毎年季節的な影響を受けているんじゃないかというふうに思いますが、いまの数字というのはそういう季節的な原因によるものなのかどうなのかということと、それからもう一つは民間備蓄の場合、九十日分という数字について検討し直す必要があるというふうにお考えになっているのか、現状どおり九十日分でよいというふうに判断をされておるのかどうか、まずこの点からお聞きします。
○政府委員(志賀学君) まず、民間備蓄の動向について申し上げますと、昨年の十一月、これがピークでございまして百四日分ございました。それから、その後逐次減少してまいりまして、最も新しいデータでございますけれども、二月末で九十一日ということになっているわけでございます。こういった動向でございますけれども、例年大体十月ないし十一月をピークにいたしまして、需要期を経るに従いまして減少していくと、一番減るのが大体年度末というのが通常の姿でございます。そういう意味から申しますと、先ほど申し上げましたような減少傾向というのは、例年の姿というふうにお考えいただいてもよろしいわけでございますけれども、ただ同時に今回の場合にはイラン・イラク紛争の影響がございまして、これはIEAにおきまして各国とも備蓄の弾力的な運用に努めて、原油価格の高騰につながっていくということを防いでいこうと、こういう合意があったわけでございます。そういったこともございまして、この備蓄について弾力的な運用が行われた、そういった側面もあったかというふうに思っております。 そこで、現在民間備蓄九十日を目標にやってまいっているわけでございますが、この九十日という意味でございますが、これは最も減少した時点でも年度間を通して九十日を持つと、維持すると、これが九十日備蓄の意味でございますけれども、私どもといたしましてこの九十日の石油備蓄の目標を設定するに際しまして、総合エネルギー調査会の検討結果あるいは諸外国の備蓄水準、そういったことなども考慮いたしまして、昭和五十年の石油備蓄法の制定のときにこの目標を定めていただいたわけでございます。私どもといたしまして、現在この九十日の民間備蓄の目標をさらに引き上げるということは、現在の時点では考えておりませんで、むしろこの九十日を超える備蓄につきましては、国家備蓄として行っていきたい、いくという方針をとっているところでございます。そういう観点から昭和五十三年度から国家備蓄の実施に踏み切っているというのが現状でございます。
○吉田正雄君 そうすると、国家備蓄、いわゆる公団備蓄の現状がどうなっておるのか。それから今後、従来計画ですとたしか三千万キロリットルだったと思うんですが、これは当分この三千万キロリットルに到達するまではこの数字は動かさないでいくのかどうなのかということ。それから、タンカー備蓄と陸上備蓄の割合をどういうふうにお考えになっておるのか。また、陸上の場合にはいろいろというか、約十カ所近くの候補地が挙がっておるようでありますけれども、その選定基準はどういうものなのか。それから、一基地の規模というものがどういうふうなものになっておるのか。現在わかる地点と基地の規模、そういうのについてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 ただいま先生からお話がございましたように、現在私どもは国家備蓄三千万キロリットル、これを目標に政策を推進してまいっているところでございます。この三千万キロリットルの規模でございますけれども、これは昭和五十四年の消費量、日本の国内消費量をベースにいたしますと大体四十三日分でございます。そうしますと、九十日の民間備蓄プラス四十三日分ということで、百三十三日分というような形になるわけでございます。この百三十数日の備蓄レベルでございますけれども、たとえば昨年の十月一日現在のIEAの平均の備蓄日数、これは尺度が実は必ずしも合っておりませんけれども、百四十七日分だったと思いますけれども、そういった点から考えてまいりますと、まあまあIEA平均並みに近い数字というふうに思っておるわけでございます。したがいまして、現在におきましては、まず三千万キロリットルの国家備蓄の達成というものを目標に政策をさらに進めてまいりたいというふうに思っております。 そこで、本来の国家備蓄の姿と申しますのは、これは申し上げるまでもなく、恒久的な備蓄基地をつくりまして、そこに国家備蓄をするというのが望ましい姿であろうと思っております。ただ、この恒久的な施設をつくるまでの時間がかなりかかるわけでございまして、そういう観点から、昭和五十三年度からタンカー備蓄という形で国家備蓄を行ってまいっているところでございます。 現在のタンカー備蓄の数量でございますけれども、これは約七百十四万キロリットルでございまして、日数にいたしますと約十日分でございます。したがいまして、先ほど民間備蓄九十一日というふうに申し上げましたけれども、両方合わせますと、二月末の日本の石油の備蓄日数は約百一日分ということになるわけでございます。タンカー備蓄につきまして、今後ともなお陸上の備蓄基地が完成するまで時間がかかります。そういったこともございますので、タンカー備蓄についてはなお引き続いて継続して実施してまいるということが必要ではないかというふうに思っております。 そこで、本来の恒久的な基地の建設状況でございますけれども、これは現在までに調査を、公団がフィージビリティースタディーを実施いたしましたのが八カ地点でございます。具体的に申しますと、むつ小川原、福井、上五島、広島、東苫小牧、金沢、屋久島、馬毛島、この八カ地点について公団がフィージビリティースタディーをすでに実施したところでございます。このうち、むつ小川原につきましてはすでに着工をやっておりまして、現在工事を鋭意進めているところでございます。それから東苫小牧でございますけれども、これは先般事業主体でございます会社が設けられまして、今年度早々にも着工の運びになるという段取りになっているわけでございます。そのほか、福井、上五島、広島については、現在地元におきまして調整が行われているというのが状況でございます。また馬毛島につきましては、補完的な調査がなお必要ということで、現在補完的な調査を実施しているという状況でございます。それからさらに、先般追加的な調査地点といたしまして、新潟東港、それから秋田船川地区、志布志、この三カ地点につきましてフィージビリティースタディーを実施する地点として選定をいたしまして、現在調査を行っているという状況でございます。 そこで、規模につきましては、これはフィージビリティースタディーの結果あるいはさらに詳細設計を行う過程で決まってまいるわけでございますけれども、すでに着工しておりますむつ小川原について申しますと、五百六十万キロリットル、それから近く着工の運びになる予定でございます東苫小牧は六百二十万キロリットル、このような規模になっているわけでございます。 なお、その調査地点の選定に当たっての考え方でございますけれども、これは私ども備蓄地点の候補地として調査をするに際しまして、まず地方自治体の御意見を伺います。御希望の、自治体からその候補地点をまず公団に連絡をしていただきまして、その上で地元の地方自治体とお話をいたします。土地取得の可能性であるとかそういった問題についてある程度お話を伺いまして、自治体からそういった点についてのお話を聞いた上で、さらに自治体がぜひやりたいという強い御希望を受けまして、そこで地点の選定をしてフィージビリティースタディーを実施するということにさせていただいているわけでございます。
○吉田正雄君 現在タンカーは何隻で、橘湾が最初約十隻ほどだったんですが、現在はどうなっておりますか。 〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
○政府委員(志賀学君) 当初タンカー備蓄は二十隻で発足したわけでございます。その二十隻のうち十隻が橘湾、それから十隻が硫黄島周辺海域においていわゆる漂流する状態で備蓄を行ってまいったわけでございます。その後増量もいたしました。同時に、できるだけ漂泊しているよりも錨泊した方が好ましいわけでございます。そういった面で新しい錨泊地点あるいは橘湾についての増加をいろいろ地元の方と御相談をしたわけでございますけれども、その結果、現状では橘湾におきまして三隻増加いたしまして十三隻、それから大分県の臼杵、津久見などの湾におきまして七隻、なお六隻が硫黄島周辺で漂泊備蓄をしている、こういうのが現状でございます。
○吉田正雄君 時間の関係もありますから石油の価格についてお尋ねをいたしますが、五十五年九月期決算でいわゆる石油九社と呼ばれるものの売上高あるいは経常利益等が報道されて、史上空前の経常利益というふうなことが取りざたされたんですけれども、この決算の状況はどうなっておるんですか、ちょっとお聞かせください。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 五十五年度の上期におきまして石油企業がかなりの経常利益を上げたわけでございます。経常利益はかなりの額に上がったわけでございますけれども、ただその場合に、その中に含まれておりますいわゆる為替差益、これはユーザンスの決済過程で出てまいります為替差益でございますけれども、これが約三千五百億含まれていたわけでございます。そういったこともございまして、五十五年度の上期において非常な好決算を上げたのは事実でございます。 それでは、その後どうなっているかということでございますけれども、これは五十五年度の決算、これはまだ会社の方から発表がされておりませんということで、まだはっきりはいたしてないわけでございますけれども、たとえば昨年一−十二月決算の会社についてはある程度すでにわかっている。わけでございます。たとえば、その一−十二月決算の会社の中で非アラムコ系の企業について申しますと、昨年の、五十五年の七月から十二月期につきましては経常利益はすでに赤字になっているという状況でございます。これは若干御説明が前後いたしましたけれども、現在いわゆるアラムコ系と非アラムコ系で原油調達コストが非常に違っているわけでございます。簡単に申しますと、アラムコ系と申しますのはサウジアラビアの安い油が手に入る、それから非アラムコ系企業はその安いサウジアラビアの油が余り手に入らない、こういうことで、原油調達コストの企業格差というのが非常に大きな問題として出てまいっているわけでございます。加えて、昨年の六月末から七月初めにかけまして値下げを実施したわけでございますけれども、その後さらに需給状況も反映いたしまして石油製品の実勢価格というのが下落を続けたわけでございます。そういったいろいろな要素が絡みまして、私どもの一つの推測でございますけれども、五十五年度の下期の経常利益というのは民族系においては赤字が出ると。民族系の企業の中にはあるいは年度間を通しても赤字に転落する企業が出てくるだろうというふうに思っております。さらに最近になりますと、二月ごろからユーザンス決済の際のベースになりますTTSレート、これは電信為替売りレートでございますけれども、TTSの動きを見ますと円安傾向に変わってまいっております。そういうことから逐次ユーザンス差益の発生というのは少なくなってまいっておりまして、特に四月になりますと、恐らく、私どものTTSレートの動きからの判断でございますけれども、すでに差損が発生しているというふうに思っております。
○吉田正雄君 いまの説明は傾向としてはわかるわけです。しかし、いまも説明がありましたように、アラムコ系の会社の場合には相当収益が上がっておるということは間違いがないわけなんですね。 そこで、報道によりますと、この十日に石油連盟の理事会が開かれて、その後の記者会見で会長の方から値上げについていろいろ発言がなされておるわけです。そしてエネ庁はこの十日から値上げについて元売り各社からの事情聴取をもう始めておるということで、きのうまで行われてきたと思うんですね。そこで具体的な値上げ幅や時期などについて各社から説明兼要請が行われたのかどうか、その内容はどんなものであったのかどうか、差し支えがなければ各社のまず説明についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたように、石油企業の経営状況というのはかなり急速に悪くなってまいっております。アラムコ系の企業、確かに非アラムコ系の企業に比べますと相対的に有利な立場にあるわけでございますけれども、ただ、経常利益の動きを見ますと、やはり五十五年度下期におきましては上期に対して相当程度に利益が減少してきているというのも事実でございます。 そこで、石油会社におきましては、先ほども申し上げましたように、昨年の六月末ないし七月初めに値下げを実施したわけでございますが、その後も実は産油国側の価格引き上げが何度がにわたってあったわけでございます。ただ、その際におきましては、折からの円高傾向を背景にいたしまして、価格の安定に努力をしてまいったところでございます。ただ、同時に需給状況も反映いたしまして実勢価格の下落が加わった、それからさらに最近になってまいりますと円安傾向が加わったということで、石油関係企業におきまして企業努力による石油製品価格の安定につきましても、そろそろ限界に近づいたという判断をしているというふうに承知しております。そういったことで、先般来から各社において値上げについていろいろな検討を行ってきたというふうに思っているわけでございますけれども、そこで、確かにまだすべての会社から話があったわけではございませんけれども、一部につきまして私どもに対しまして元売り仕切り価格の値上げについてお話があったわけでございます。私どもといたしまして各社それぞれについて値上げの時期あるいは値上げの幅、こういった点についてよくいろいろ事情を伺って、便乗的な値上げがないように私どもとしては指導をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。 そこで、各社どうかというお尋ねでございますけれども、これは各社それぞれ具体的な個々の会社の問題にわたりますので、お答えは控えさせていただきたいわけでございますけれども、重ねて申し上げますように、私どもとしてはよく各社の事情を聞きまして便乗的な値上げがないように指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○吉田正雄君 昨年九月期の決算ですと、たとえば日石の場合に経常利益が七百五十億円、そのうち為替差益が約百二十五億ということになっているわけですね。それから興亜の場合が二百七十億の経常利益で、うち為替差益が二百億。それから三菱の場合が三百三十億で、うち為替差益は四百四十八億、ゼネラル石油が二百十七億円、うち七十四億円が為替差益。九州石油の場合が約七十四億円ですか、そのうち為替差益が百二十九億。こういうぐあいに出ているわけですね。そうして日石が配当を一二%、それから興亜が一五%、三菱が一〇%、ゼネラル石油が一五%、九州石油が一二%、無配だったのが東亜と丸善、それに出光に共石、こうなっているわけですね。 そこで、私はお尋ねをしたいんですが、この為替差益についてはどういう取り扱いがされておるのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 五十五年度上期におきまして為替差益として計上されておりますのが、石油企業全体で約三千五百億でございます。私ども、先ほども申し上げましたように、この為替差益を背景にいたしまして、また円高を背景にいたしまして、昨年の元売り仕切り価格の値下げ以降も産油国側の価格引き上げがあったわけでございますけれども、石油製品の価格を安定させるということで業界に要請をいたしましたし、業界におきましてもそういうことで努力をしてまいったところでございます。 そこで、ただ、下期になりますと、先ほどもお答え申し上げましたように、需給状況が緩んだということもございますけれども、もう一つは、円安傾向も順次出てまいりまして、非アラムコ系の企業を中心にいたしまして非常に経営状況が悪化してきた、恐らく下期の決算というのは、非アラムコ系の企業は経常利益がマイナスに出てくるだろうというふうに思っているわけでございます。その場合も、下期を通して見ますと、なおユーザンス決済に伴う為替利益は出てまいるわけでございます。それにもかかわらず、経常利益は、なお非アラムコ系の企業については下期マイナスという形に出てくるであろうというふうに思っているわけでございます。 そこで、なお為替差益の問題でございますけれども、為替差益と言っておりますのは、これは各社が決算を発表いたしますときに、為替差益幾らというのを発表しております。この為替差益の性格でございますけれども、これは、たびたび申し上げましたように、ユーザンスの、要するに原油代金の支払い過程の中で出てくる為替差益でございまして、言ってみますと、きわめて一過性の利益でございます。これは、利益が出たと思うとすぐにまた差損に転じます。要するに、原油代金の決済というのは、シッパーズユーザンスあるいはユーザンス含めまして、債務が確定いたしましてから大体五カ月後にユーザンスの決済が行われるわけでございます。したがって、五カ月前のレート、それから現在の、要するに支払い決済時点におきますレートとの差でもって、そこで出てくる為替差損益でございます。 ちなみに申し上げますと、現在日本の石油の輸入代金というのは年間約六百億ドルでございます。したがいまして、一カ月大体五十億ドルの決済が行われておる。円に直しますと、二百円といたしましても約一兆円でございます。したがいまして、五%為替レートが変動いたしますと五百億変動するということでございまして、したがいまして、もちろん円高傾向が続くときには差益が出るわけでございますけれども、円高傾向がとまりまして高いレベルで寝てしまうということになりますと差益は出てこない、それから、円安傾向に転じますと差損が出る、こういうことになっておるわけでございまして、現状は、先ほども申し上げましたように、むしろ差損が出ているのが現状という状況でございます。
○吉田正雄君 そういうことを聞いたんじゃないんですけれども、質問の仕方が悪かったと思うんですが、昨年四月に約八千円引き上げて、それから七月に約三千円引き下げた。しかし、この値上げと為替差益でいま言ったような利潤が出てきたんですが、最も大きな利益というのは為替差益であるわけですね。しかし、これは通常の商行為によって出てくる利益ではないわけなんです。したがって私は、いま若干ドル安になったということと輸入価格が引き上げられたということから直ちに石油価格の引き上げということは好ましくないんじゃないかということで、そのために弾力的な運用ということでこの為替差益というものを運用していくんだということだろうと思うんです。昨年の十一月十三日のこの商工委員会におきましてもいろいろな請願が出たわけです。灯油であるとかあるいは燃料油の価格引き下げだとか、あるいは抑制あるいは安定というふうないろいろな請願が出たわけです。その際に、エネ庁長官が、政府の見解ということでこの円高差益に関しての方針を述べられたわけですよ。したがって、その中では、とにかく電力、ガス、あるいは石油の価格もそうですけれども、公共料金あるいは公共的料金というふうなことで価格をできるだけ長く維持をしていきたいということで述べられておるわけです、円高差益をそういうふうに有効に活用することにしたい、こういうことを述べられているわけです。だから、下期になって若干どうも経常利益がマイナスになりそうだというふうなことで直ちに価格を引き上げるということでは、まことにぐあいが悪いんではないかというふうに思いますし、それから、いまの事情聴取の中でもちらっと出てきましたけれども、非アラムコ系についてはそれなりにわかるんですけれども、アラムコ系の場合マイナスになるのかどうなのか。すでに円高差益で相当経常利益が積んであるわけです。ですから、これも何らかの形で値上げに踏み切っていくということになると非常に問題が出てくると思うんです。そうかといって、アラムコ系の企業の石油の価格をまた据え置くということになると、非常に高いものと安いものとの差が出てきて市場が混乱をするであろうし、そういう点で私はこの問題というのは非常にむずかしい問題があると思うんですけれども、短期的なそういう経常利益のプラス・マイナスでもってそれが直ちに価格にはね返っていくということになるならば、これ、円高差益の運用についての政府の従来の考え方や方針とずれるんじゃないか、いまの石油部長の答弁ですと何か若干ずれていくような感じがするんですけれども、そういう点で、うわさされるような石油価格の引き上げの圧力が仮に出てきたとするならば、私は、ここで、通産当局のいい意味での行政指導としてはそれを抑制する方向に行政指導というものは出てくるべきじゃないかというふうに思うんですが、これ、長官どうなんですか。
○政府委員(森山信吾君) まず、為替差益をどう見るかということでございますけれども、いま吉田先生から、経常利益としてその中に包含されます為替差益は正常なる商行為に基づくものではないんではないかという御指摘がございましたけれども、私どもは若干違う見解を持っておりまして、為替差益あるいは為替差損ともに、やはり正常な商行為に伴う結果ではないかというふうに判断しているわけでございます。したがいまして為替差益が出たからどうこう、あるいは為替差損が出たら直ちにそれに対するカバーをするというような考え方はもう全然持っていないわけでございます。これがまず一つの前提でございます。 それから現実の問題として、史上空前と言われる好決算したわけでございますから、いま私が前段に申し上げましたようなことは一応の理屈としては理屈でございますけれども、やはりそこに何らかの国民感情的な問題もございますので、できるだけそういった為替差益を背景にして値上げを少しでも長く引き延ばすというような行政指導を実はやってまいったわけでございます。現に昨年の十一月にサウジアラビアが石油の価格を上げまして、それから十二月にOPEC総会でまた三段階の値上げが決まったわけでございまして、通常私どもが石油製品の価格の上昇につきましてある程度オーケーを出すのは、原油の価格が上がりまして二カ月後に適正な価格としてそれを織り込むことを認めてきたわけでございます。そういう過去の例から言いますと、十一月にサウジアラビアの油が上がったわけでございますから、本来一月に価格を上げてもよかったんではないかと、従来のパターンから言いますと、そういうことになりますし、それから十二月に上がったということになりますと、二月に値上げを認めてもよかったんではないかと、従来の方針だと、そういうことになりますけれども、まあそこは一生懸命がんばってくれと、あなたのところは相当な為替差益も持っておるじゃないかということでずっと引き延ばしてまいりまして、これは私どもの努力もひとつ多としていただきたいというふうに思うわけでございますし、昨日も発表したわけでございますが、灯油の値段は七カ月間ずっと下がる一方でございまして、この冬の需要期はまあ総体的には国民の皆様に余り迷惑をかけなくて済んだということもございます。それはあくまでも為替差益をバックにいたしまして、通常なら値上げをして、いままでの政策だと値上げを認めたのを、少しでもがんばってほしいということで二、三カ月その値上げを見送っていただいたということはひとつぜひ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○吉田正雄君 いまの長官のお話もわからぬわけではないんですけれども、しかし為替差益が出た時期に、これも正常な商行為に基づく利益であるから、これももうけがうんと出たらどんと配当をやると。それから今度は為替差損が出たら、これはわれわれの努力外の原因によるものであるから、これは今度は直ちに石油製品にはね返らせていくというふうな方針とか態度というのは、やはり国民生活に大きな影響を持つ、まさに公共料金といって差し支えないと思うんですね。それだけに私は都合のいいときだけつまみ食いをするような経営方針なり、あるいは通産の指導方針であってはならないと思うんですね。そういう点で、いまいろいろ値上げをめぐって業者の事情聴取あるいは個別の指導がそれなりに行われるんじゃないかというふうに思いますので、まだ結果が出ていませんから、いまここでは何とも評価のしようがないんですが、そういう質問の意向も大体わかっていただけるんではないかと思いますので、そういう点でひとつ善処をしていただきたいと思うんです。 そこで、時間もありませんので、これは公正取引委員会にお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、御承知のように昨年九月に東京高裁で例の石油のやみカルテルの問題をめぐって判決が出ましたし、さらにそれを受けてということでもないんですが、山形地裁で消費者側からこの石油の値上げについての訴えというものが出て、つい先般判決も出たわけです。いろいろ問題も含んだ部分も判決の中にはあると思われるんですが、そこで公正取引委員会として先般、「独占禁止法と行政指導との関係についての考え方」というものを発表になり、これを関係省庁に連絡したということでありますが、連絡省庁どことどこに出されたのか、まずお聞かせ願いたい。
○政府委員(伊従寛君) 先生御指摘のとおり先月の十七日に「独占禁止法と行政指導との関係についての考え方」というのをまとめまして関係省庁にそれを送付して、行政の際に考慮していただきたい旨を申しております。送付先の省庁は総理府、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、自治省、行政管理庁、経済企画庁、科学技術庁、北海道開発庁、環境庁及び沖繩開発庁の十六省庁でございます。
○吉田正雄君 改めてこの考え方を出された理由といったらいいんですか、必要性といったらいいんですか、それとそのねらいというのは一体何だったのか、簡単にお聞かせ願いたい。
○政府委員(伊従寛君) 先生御指摘のとおり、昨年九月に石油カルテルについての東京高裁の判決が出ております。この判決は二つございまして、生産調整に関する判決と、価格についての判決とがございますが、生産調整に関する判決の中で東京高裁は行政指導と独禁法との関係についてかなり立ち入った分析をしております。 それからもう一点は、この生産調整の方の判決では被告の石油連盟が無罪になっておりますが、これは法律に違反する生産調整を行っているけれども、行政指導があったこと、それから行政指導に関連しまして行われた生産調整につきまして公正取引委員会が看過しているということが指摘されまして、それで違法性の意識がなかったということで無罪にしているわけでございます。この点につきましては、公正取引委員会としましては反省すると同時に、行政指導と独占禁止法との関係につきまして、改めてこれを内部で詰めましてその考え方を整理して見解を出したわけでございます。この中で従来から行政指導がありましても、独禁法違反の行為が行われた場合には、それは独禁法違反の違法性を阻却するものではないということは明らかになっていたわけでございますが、さらに一歩進めまして、どういう行政指導がカルテル等を誘発しやすいかということを「具体的な法的根拠が定められていない行政指導」と、「具体的な法的根拠が定められている行政指導」とに分けまして指摘しているわけでございます。
○吉田正雄君 そこで、いま公取委も若干それに関連したということで反省をしたというふうなことがあるわけですが、そうすると、結局独禁法の運用であるとか、行政指導のあり方ですね、これ広く各省庁含めて。そういうあり方に若干やはり問題があったということだろうと思うんですね、いまの答弁は。したがって、独禁法を正しく解釈し運用するために、趣旨を正しく徹底をさせるために改めてこの見解を出したというふうに受けとめられるんですね。別の表現をすれば、実態面で不足しておった部分があるといいますか、そういう点で新たにそういう見解をつけ加えて出したというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(伊従寛君) 先ほど申しましたように、従来から行政指導がありましても独占禁止法違反の行為の違法性を排除するものではないということは、これは私たちだけではなくて関係省庁ではっきりしていた点でございますが、具体的にいかなる場合にいかなる行政指導がカルテルを誘発するかという点について明確でない点がございまして、これを今回明確にしたわけでございます。そういう点から言いますと、この私たちの考え方の中で、カルテルを誘発しやすい行政指導というものを、事業者団体あるいは個々の事業者に対する行政指導につきまして分けて述べておりますので、この点についてはよりその関係がはっきりしまして、行政において反映していただけるのではないかと思っております。
○吉田正雄君 こういう見解についてはどういうふうにお考えになりますか。いまの考え方についての「具体的な法的根拠が定められている行政指導」といういまおっしゃったものに照らしてみて、行政指導は相手方の任意の協力を得て、省庁設置法に定められた所掌事務の範囲内で行うことができる、というそういう言い方ですね。ということは、逆に言うと、その表現ならその表現で「所掌事務の範囲内」というものがどういうことを指すのか余り明確でないんですが、そうであったとしても、価格、数量等の市場条件に影響を及ぼすものはやっぱり問題があるという指摘が考え方の中にあるわけですね。したがって、いま言ったそういう行政指導は所掌事務の範囲内で行うことができるというこの簡単なそういう見解は非常に多くの問題を含んでいると思うので、そういう見解についてはどうなんですか。
○政府委員(伊従寛君) 「行政指導は、相手方の任意の協力を得て、設置法に定められた所掌事務の範囲内で行なうことができる」という点でございますが、この点につきましては、私たちの方では先生が御指摘の二の「具体的な法的根拠が定められている行政指導」ということではなくて、一の方の「具体的な法的根拠が定められていない行政指導」に該当するものと考えておりますので、この「具体的な法的根拠が定められていない行政指導」につきましては、事業者団体に対する行政指導、それから個別事業者に対する行政指導、いずれもカルテルを誘発する場合があり得るという——全部ではございませんが、あり得るという考え方に私たちは立っております。
○吉田正雄君 そうすると、判決文の中で、「個個の事業者に対し、個別に指導を行なう限り、独占禁止法の禁止規定に形式的に違反すを行為ではありえない」という判決の部分的なところを取り出して、したがって個別指導というのは独禁法違反にはならないんだという、そういう方向へ行こうとする動きがないわけではないと思うんですよ。そこの部分を引用して、だから個別指導はいいんだという考え方と、それからいまの公正取引委員会の考え方の中の、いま言った一の個別事業者に対する行政指導との関係からすると、そこに例が挙げて説明がしてありますように、実質的にカルテルを誘発する危険というふうなことでいろいろずっと述べてありますし、さらに、暗黙の了解または共通の意思が形成されやすい状況において、それとの関連で行政指導はカルテルを招く危険性がある、というふうな問題を見解が指摘をされているわけですね。 そこで私は通産省にお尋ねをしたいんですが、いまの質問の前の質問なんですけれども、行政指導を相手方の任意の協力を得て省庁設置法に定められた所掌事務の範囲内で行うことができるというのは、これは実は通産省の行政指導についての考え方の中に書いてあることなんであってこれは問題がないという見解なんですよ。ところが、いまの公正取引委員会の見会ですと、これは各具体的な法的根拠が定められている行政指導の範疇ではなくて、一の方、つまり「具体的な法的根拠が定められていない行政指導」の範疇に属するものであるということで、それは問題がありますというそちらの見解の中に入っているんですね。したがって私は、いま先ほど来説明があります石油業者の個々から事情を聞いてやっていくんだというあり方について、私は通産省側として判決、それといまの公取委の考え方というものと、通産省の見解といいますか行政指導についての考え方というものが必ずしもぴたっと合っていないというふうに思うんです。しかも値上げについてはこの四月二十日ごろに第一陣、連休明けに第二陣という値上げがすでに云々をされておるわけですね。どうもそっちへいく方向が何か決まったような報道もされているわけなんですが、私は従来どおりの通産省の個々指導であるとか行政指導ということになると、やっぱり問題があるんじゃないかという感じがするわけですね。したがって、この判決を受け、さらにはいま言った公正取引委員会の考え方というものに照らして、通産省側としては行政指導についての通産省の姿勢というのは従前と全く変える必要がない、今後も変わらないというふうにお考えなんですか。それとも若干問題があったというふうにお考えになって、姿勢としてはより正しい独禁法の運用について行政指導を考え直す必要があるのではないかというふうにお考えになっているのか、どうなんですかね。そこをお聞かせ願いたい。
○政府委員(森山信吾君) 昨年の九月に石油カルテル裁判につきましての判決が出たわけでございまして、私どもはそれを受けまして私どもなりの考え方をまとめてまいっておりましたし、それから、先ほど公正取引委員会の方からお話のございましたように、公正取引委員会の御見解というものも承ったわけでございます。 そこで、石油に関しまして私どもがどういうことを考えているかということについてお答えを申し上げますと、私は二つの考え方を持っております。 一つは、事業者団体を通ずる行政指導は、これはあくまでも違法性があるということはそのとおりではないかというふうに考えております。 それからもう一つは、しからば事業者団体を通さずに個々の事業者からいろいろ話を聞き、また、石油業法並びに通産省設置法に基づきまして通産省が行政指導をするものにつきましても、これは結果的にカルテルを誘発するようなものであれば、これは避けるべきではないかというようなことを考えているわけでございまして、先ほど吉田先生がお述べになりました通産省としての行政指導の一般論の枠内で、私どもはあくまでも行政指導をやってまいりたいと思いますけれども、特に第二点の方を強調して申し上げたいと思うわけでございます。 繰り返しになりますが、個々の事業者に対する行政指導もそれは結果的にカルテルを誘発するようなことであれば厳に慎むべきではなかろうかということでございまして、公正取引委員会の御見解の枠内で、われわれも行政指導を行うべきではないかと、こういう基本姿勢を持っている次第でございます。
○吉田正雄君 この個別指導というのは表へ出ない指導なんですね。連合会とかそういう機関を通じますと、これはもうはっきり表へ出る指導になっちゃうわけです。しかし、個々の事業者を呼んでやるのはどちらかというとどうしても裏面指導、裏指導に陥りやすいし、そこに、これは表へ出せませんという、さっきの部長のような話にもなってくるんですね。そこに私はやっぱりカルテルを形成していく、またそういう雰囲気を暗黙のうちにつくり出していく危険性があるのではないかというふうに思っているわけです。 私は特に、御承知のように、本年度予算についても、この公共料金の問題であるとかあるいは所得税減税等、非常に多くの問題点が提起をされておったわけですね。そういう点で、私はこの個別指導については、通産側の姿勢について、よりやはり独禁法に徹底をしたやっぱりそういう行政指導でなければいけないんじゃないかということと、公正取引委員会との間に見解の相違があってはぐあいが悪いと思うんで、そういう点では一番、私はむしろ通産省というものが公取との間の関係が深いんじゃないかというふうに思いますから、その点をまず見解の統一をお願いをしたいと思いますが、最後にもう一回、公正取引委員会にお尋ねをいたしますけれども、この考え方の中には個々の事案ごとに関係行政庁と調整を図ることにしておるということが書かれておるんですけれども、私は、まさにこのいま当面をしておる石油の値上げ問題については、通産の行政指導に関して公正取引委員会は調整を図る範疇に入る問題であり、そういう状況ではないかというふうに、私自身は認識をしておるんですけれども、公正取引委員会はどのようにお考えになっておりますか、まずお聞かせ願いたいと思いますし、また、通産省側としては公正取引委員会と事前に調整を図る問題だというふうにお考えになっているかどうか、お聞かせ願いたい。
○政府委員(伊従寛君) いま通産省の方で石油につきましてはどういう行政指導をしようかということにつきまして、私たちは十分承知しておりませんのでお答えにくいわけでございますが、この考え方の中で、個々の事案ごとに関係行政庁と調整を図るとしておりますのは、まず、行政指導をする官庁の方で、独禁法上疑義が生じそうだというときに私たちの方に調整していただくことを考えているわけでございまして、もし調整がなくて、それで行政指導を実施しまして、問題があるということになりますと、今度私たちの方から調整するということでございましたので、現在の段階では、私たちの方は通産省の方のお考えを待っている段階でございます。
○政府委員(森山信吾君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、私どもの基本的な認識は、まず事業者団体を通ずる行政指導はやらないということ。それからもう一つは、個々の事業者に対する行政指導でありましても、それが結果的にカルテルを誘発するようなことは厳に慎むということで対処をしておるわけでございます。したがいまして、公正取引委員会の御見解の枠内で、あくまでも行政を行っておるということでございますから、いま御指摘の石油の値上げにつきまして、その問題に限定してお答えいたしますと、公正取引委員会に私どもの考え方を申し上げる必要は毛頭ないんではないかと、こういう感じでございます。と申しますのは、公正取引委員会がこういうふうにしたらどうだという枠内の処理をしたいと思っておるわけでございまして、その行政行為を逐一公正取引委員会に持ち出しましても大変お困りではないかというふうにも考えますので、プリンシプルにおきまして、公取のお考えになっているプリンシプルの枠内でやっている分には、私どもの責任でやれるんではないかというふうに考えます。 それからもう一つ、先ほど吉田先生おっしゃいました個々の事業者に対する行政指導は、どうもよくわからないんではないかという御指摘でございますけれども、今回といいましょうか、石油製品の値上げについて言いますと、結果は明白に出るわけでございまして、たとえば結果的にカルテルが形成されたとするならば、すべての石油会社の値上げ率が一定であるとかあるいは実施の時期が全く同一であるとかいうことになるわけでございますけれども、私どもはそういうことのないように十分配慮してやっておりますし、それぞれの企業が原油の仕入れ先も違っておりますので、価格とは、当然に値上げ幅も違ってまいりますし、実施のタイミングも会社によっては同じ日になるわけはないわけでございますので、結果的にもう周知の事実になるんではないかということでございまして、決して密室の中で行政指導をやっておるという気持ちは全然持ってないわけでございます。
○吉田正雄君 時間が参りましたので、いよいよ最後に本法案についての質問をしようと思っておったんですが、これは割愛をさせていただきます。
○馬場富君 法案の質問にちょっと先立ちまして、首相の訪米等を迎えて、また米国側の説明団等も見えた環境としまして、日米自動車問題についての質問を二、三点大臣お願いいたします。 レーガン大統領の懸案となっておりましたアメリカの自動車産業救済策が先日発表されました。これについての政府としての御見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中六助君) レーガン大統領のアクシデントがございましたけれども、退院をしておりますし、私どものところに現状といたしましては、首相訪米のスケジュール並びに鈴木首相とレーガン大統領との面会の時日の変更も言ってきておりませんし、私ども予定どおり総理も出発し、その準備のためにいま私ども、きょうは自由民主党の小川平二自動車問題小委員長を中心に六人の方が渡米します。その前にランディという、アメリカの関係者約十人が来ておりまして、六、七、八と一応レクチュアも終わりまして、それぞれその準備はしております。そういう段階でございます。
○馬場富君 そこで大臣、先日説明団が見えたと同時に、アメリカの自動車産業救済策というのが発表されたわけですけれども、これについてやはり政府として、これはどのようなふうに大臣としては受けとめてみえるんですか。
○国務大臣(田中六助君) つまり、ルイス運輸長官を中心としますタスクフォースの内容をこれらのランディさんたちも説明をしておるわけでございまして、それによりますと、まあいずれにいたしましても——もっともこの一行の中には独禁法関係の人、つまり法務省の関係の人は含まれておりませず、大まかな線といたしましては独禁法関係については渡日させませんと、つまり自由主義貿易をあくまで土台とするもので、自由主義の旗のもとにこの問題も解決したいというレーガン大統領の趣旨というものがそういうことでわかるわけでございます。 具体的には、まず第一に、向こうの車の規制をしておりました三十四種の規制措置を緩和すると。たとえば安全装置の関係、あるいはその他の規制措置でございますけれども、それによって普通の消費者は車のディスカウントと申しますか、それだけ安くなるのが十四億ドルですか、それからメーカーが八十億ドルから九十億ドルというふうに言われております。それからもう一つは、独禁法関係の緩和と申しますか、それぞれの業者がこれからやるであろういろんなことについて、本当は話し合いとかいうようなことはいけないんでございますが、そこの緩和をするとか、それから各会社、つまりGM、フォード、クライスラーなどにおいてそれぞれの会社で、賃金をすぐカットはしないんですが、これから賃金を引き上げるときにそれを見合わすとか、昼食用の割り増しか何か、そういうものについての増給はしないとか、あるいは退職金あるいはまた時間外手当の増はしないとかいうようなことでございまして、それから将来の自分たちの増産をする場合の数量をどうするこうするというようなことで、私はこれ参議院の本会議場で弁慶の勧進帳みたいなもので具体的な中身はございません、白紙でございますということを申し上げたんでございますが、そういうようなことで、現実に新しい日本にどれだけの要求をするというようなことではなくて、あくまで自分の国の、アメリカの国の自動車産業を再建するための過去の反すうと申しますか、そういうような勉強の土台を説明しておる。つまり、アメリカの自動車の現状を説明しておるというようなことが大部分であったように私は聞いております。
○馬場富君 私も大臣が参議院本会議で弁慶の勧進帳、白紙のようなものだというようなことで、大分大臣自身が期待外れのような答弁が出ておりましたけれども、私どももこの問題についてはそういうふうにやはり見るしかないというふうに、この自動車産業の救済政策に対してはそういう点で大変やはり救済という問題からして詰めるところが詰めてない、そういうやっぱり対策だというふうにしか理解できぬわけですけれども、そういう中で、総理の訪米を目前に控えていま非常に大臣もその中心者として苦慮されておると思いますが、やはり日本車の自主規制という問題が論議の的となっていますし、訪米前にも決着しなければならぬというような大臣の意見も先回お聞きしましたけれども、私はこういうような問題を両方あわせてみまして、じゃ日本のいま自主規制云々と日本車のことを言われておるけれども、この自主規制そのものの発祥は、アメリカの自動車産業の救済策からやはり一つは端を発して日本の自主規制ということが論じられていると私は理解しております。ここらあたりどうでしょうか、大臣。
○国務大臣(田中六助君) まあ、向こうの自動車産業に関係している人々が十八万から十九万失業する、それからそれに連なるディーラーが十万ぐらい、それからまた関連企業ですが、それが三十万ぐらいと言われておりますが、そういう人が日本の自動車の輸出が多過ぎてそうなっておるんだと一応言っておったんです。ところが、御承知のようにITCなどの結論といたしまして、アメリカの自動車産業の不振は外国自動車の輸入によったものではないという結論が昨年の暮れに出たわけでございます。私どもも正当に申し上げておるのは、日本の輸出がそういうことをしているんじゃないと、現実に数字の上から見ましても、アメリカの輸入車というのは二百四十万台から二百五十万台あるんです。それで、それがふえているのは、一九七八年と一九八〇年を、二年タイムラグがあるのを比べますと、一九七八年が輸入車が二百万台です。それが一九八〇年が二百四十から二百五十万ですね。その間、日本の車が一九八〇年が百八十二万台ですから、本当にわずかな——二百四十から二百五十万の中に日本童が百八十二万台ですから日本の車は大きいことは大きいんですが、逆に今度はアメリカの車の生産台数が九百八十何万台と、がたっと一千万台から落ちているんです。日本の車を輸入したからでなくて、自分たちの生産が落ちているわけですね。そういうことがはっきりしておるのに日本の車云々するというのはおかしいということ、ITCももちろんそういうことを言っておりますし、それからもう一つは、アメリカのレイオフ、つまり失業者が二十万だそら幾らだと言いますけれども、御承知のように日本の自動車に集中しておる普通の雇用者は六十三万八千人おるんです。その下のすそ野を入れますと五百万人ぐらいおるんですね。だから、日本の国益とか日本の従業者が悪いことをしていろんなら別でございますけれども、よくて燃料のかからない、修繕も向こうが五回するところを日本は一回で済むというような、アメリカ大衆にとっては本当にありがたいことが行われておるのを、どうしたことだという正当なことを私ども申し上げて、本当はこっちから——向こうから頼まれて頼まれてするなら別でございますけれども、向こうも何か多少私に言わせれば横着なところもあるような気もしますけれども、これは御承知のように日本の自動車の輸出額は五兆以上もあるわけです。また、日本の自動車製造業生産額は十七光幾らで全製造業の一割産業になっておりますし、基幹産業の一種ですし、これがまた保護主義貿易で外国でずうっとそういうふうに展開していきますと大変なことになりますし、あくまで自由主義貿易を表明するためにも多少がまんするところはしなくてはなりませんので、私もたびたびここでも表現しましたように、アメリカの体質が弱っていると、かぜを引いていると、それなら重湯も一杯差し上げましょう、背中もさすってあげましょうという観点から、これに応じていこうということで、それならば具外的にどうするんだといったら、やはり独禁法にも触れないように、私どもである程度の業界との話し合いを進めていって、アメリカとは交渉はしないけれども話し合いという線で円満にまとめたいという現在の心境で、その時期はいつかと申しますと、レーガンさんもそれから鈴木総理も、自分たちの会合がある前にしたい、そういうものを片づけておきたいと言いますので、私もその目標に向かっていま言ったような物の考え方で話し合いを進めておるという段階でございます。
○馬場富君 そこで、この問題は大臣も大変苦慮されておると思いますが、相手国のそういうことについての対策が明示されないままに、こちらがこれを推理して考えていくというようなむずかしさが一つはあるんじゃないかと、こう思うわけですけれども、そういう点で、やはり日本の一つの国会の論議として、日本の自主規制というのがアメリカ自動車産業救済にどのように建設的な役目を果たしていくか、必ず建設的な役目を果たすかどうかということを大臣は自信を持てますか。
○国務大臣(田中六助君) 日米関係というものを考えた場合に、やはりアメリカ側から言わせますと、戦後三十年間あれもしてやった、これもしてやったと、まあこっちはしてもらったと思わない場合でもそう思うことがずいぶんあると思うんです。したがって、向こうの立場に立つのもこれは将来の、たとえば日本の貿易量というものは御承知のように昭和五十五年度で千三百六十億ドルありますし、その中でアメリカとの貿易量というものが約三百十七億ドルぐらいです。したがって、かなりの量をアメリカとやらなくちゃいかぬし、御承知のように過去繊維から始まっていろんな摩擦がずうっとあります。それは量が多いから多少摩擦がある。それから貿易というのはけんかもあろうし、それから技術での争いもあるでしょうし、日本は御承知のように何にも資源がない中で手を加えてこれを買ってもらう以外ないわけでございますので、そういう点でもうすでにカナダもアメリカがやったらこっちもやれということを言ってきておりますし、ECなども最近いろんな人が出てきておって、会いますと本当に言いたいほうだい言うところもあるんです。しかし、それは日本の貿易立国あるいは技術立国というようなことでがまんをしなければなりませんし、といって自信を喪失したような交渉はできませず、私はまあない知恵をしぼって、私のところの通産省のあらゆるシンクタンクと申しますか、長い間の伝統の通産省でございますので、全省挙げて、日本が損じないような、何と申しますかいいコンセンサスを得たような話し合いを進めていこうと。それで確信はおまえあるのかというお尋ねでございますが、もう確信を持って進む以外ないというふうに考えております。
○馬場富君 そうする以外ないという答弁でございますが、じゃあ、先ごろ四月七日から九月まで三日間にわたって行われましたアメリカ側の事情説明団というんですか、と日本政府との話し合いの内容というのは、どんなような内容でございましたか。
○政府委員(小長啓一君) 私はたまたまそのブリーフィングミッションに立ち会いましたので、私から説明をさしていただきます。 ブリーフィングミッションは、米国自動車産業の再建策と米国市場の見通し、世論の動向について説明をするというのが目的でございまして、ネゴシエーションは一切やらないということでございました。その主なポイントについて説明をさしていただきますと、米国の自動車市場の現状でございますけれども、三月に多少売上高は伸びたけれどもこれはリベート販売のせいでございましたと。したがいましてリベート分を除きますと本年における自動車販売はほぼ去年の水準ということになっておる現状でございますと。したがいまして景気が大いに回復をして販売が伸びるという見通しは現在のところございませんというのがまず第一のポイントでございました。 第二のポイントといたしまして、米国自動車産業はこれから五年間のうちに七百億ないし八百億ドルの投資をいたしますと。それによりまして燃費効率の高い小型車を現在の百九十万台の水準から八五年には千二百万台の水準にまで生産能力を高める計画を持っておりますと。しかしそのためには膨大な、先ほど申しました七百億ドルないし八百億ドルの資金の調達をどうするかという問題があるわけでございますけれども、キャッシュフローの観点から見ますと、かなりの不足と申しますか、相当多額の金額につきまして調達の見通しかないという現状であるという説明がございました。したがいましてその多額の調達不足分をどうしていくかということが、これからの自動車産業の再建にかかわる重要な問題であるという指摘があったわけでございます。 他方、UAWの点でございますが、UAWも現在は経営サイドに対しましていろんな意味での協力をやっておる。特にクライスラー社との関係におきましては、過去三回にわたりましてネゴシエーションが行われまして、UAWとしても相当な犠牲を忍んで経営に協力をするという態度を表明しておるという説明がございました。 その中で特に私どもに印象が深かったのは、トヨタ、日産がすでに現在導入をしております、QCサークルと申しまして、これはクォリティー・コントロール・サークルと言っておりますけれども、現場の労働者がクォリティー・コントロール問題に関しまして日夜協議をいたしまして、どうすれば品質向上ができるかというその話し合いの場でございますが、同じようなことをUAWの中においてもやろうとしておる計画があるようでございます。その品質管理向上についてのUAWの協力ということも、今後期待ができる一つのポイントであるという説明もございました。 それからさらに、UAWはロボットの導入に関しましても、従来は反対の立場をとっておったわけでございますが、企業合理化の観点からロボット導入にも賛成であるというような説明もあったわけでございます。 それから、大統領の五カ年計画についての説明もあったわけでございますけれども、五カ年計画につきましては、これは政府支出の削減、減税、規制の緩和、それから合理的な通貨供給量の調整という四つのポイントを目的とした再生策でございまして、これはレーガン大統領が政治生命をかけておるものでございますと。この経済再生計画がうまくワークすれば、自動車工業の再建にも大きく貢献するものであるという説明があったわけでございます。 それから、自動車産業そのものについての再建策につきましては、先ほど大臣からの御説明の中にもございましたけれども、規制緩和ということで三十四の項目についての規制緩和措置をやると。これは環境保護庁関係の環境規制の緩和と、それから高速道路交通安全局の関係の安全規制の緩和というのが中心のようでございます。 それから、そのほかの自動車に対する政策といたしまして、独禁法との関係、それから一億ドルの予算を政府に計上いたしましてバイアメリカンということで政府部門での自動車の購入を促進するといったようなことが、自動車工業に対する特別な政策として挙げられておるわけでございます。 概要以上のとおりでございます。
○馬場富君 アメリカ側はわかりましたが、これに対して日本側の応答のポイントはどんなことでしょうか。
○政府委員(小長啓一君) 先ほど冒頭申し上げましたように、本件につきましては先方がアメリカ側の事情説明ということでございましたので、私どもはまあ大学ノートを片手に取りまして一生懸命その事情を聞いたということがポイントでございまして、幾つか質問はいたしましたけれども、特にネゴシエーションにわたるような点につきましては一切やらなかったということでございます。
○馬場富君 聞く方だけだったということですね。そういうように理解してよろしゅうございますか。 それじゃもう一点は、この事情説明団は、先日私は予算委員会の分科会で伊東外務大臣にお尋ねしたときに、これによって一切が解決するのかということを外務大臣に聞いたら、外務大臣は、いやそうばかりでもないんだ、そのいわゆる説明団の規模によって、レベルによっても違うんだという意味の答弁がございました。それで、たとえばじゃあ、そのレベルが低かったならば何回かやっぱり積み重ねなきゃならないのかと言ったら、そのとおりだと。じゃあ、やはりこの日米の説明や詰め方の協議というのは何回か回数を重ねるものなのかと言ったら、やはりそれもあり得る、二回三回と重ねなきゃならぬ場合もあり得るというふうなことを伊東外務大臣は私に説明されたわけですけれども、そういう角度からいって、今回のこの間、七日から九日まで来た説明団というのは、やはり日本政府が見た相手側のレベルと規模というのはどんな状況でございましたか。
○政府委員(小長啓一君) 相手が参りましたのは、USTRのランディという人をヘッドとしておる代表団でございまして、これは向こうの部長、局次長クラスということでございます。要するにプロフェッショナルベースの説明団ということでございます。説明の内容はきわめてまじめかつ熱心でございまして、三日間午前午後ぶっ通しでその説明が行われまして、パネル等を使いまして説得力のある説明があったということでございます。それに対しまして、私どもいろいろな観点から質問をしたわけでございますが、その質問に対しましても、あるものにつきましては翌日ワシントンに相談した上で答えるというような場面もあったりいたしまして、大変まじめな対応が行われたというふうに理解をしておるわけでございまして、したがいまして、アメリカ自動車工業に関する説明といたしましてはおおよそこれで、おおよそといいますか、大体これで十分説明はされたというふうに理解できるんではないかと思っておるわけでございます。
○馬場富君 そこで大臣、その伊東外務大臣の御答弁の中で言われたその説明団は、大臣はやはりその説明で、一回でもうこれは了解できるというものなのか、それともまた、交渉段階としてやはり二回、三回と伊東外務大臣の言われるように、これはやっぱり回数を重ねなきゃならぬ状況にある、どちらに判断されましたか。
○国務大臣(田中六助君) 本日、先ほど申しましたように、小川自民党自動車問題小委員長初め六、七人の方が渡米して、ダンフォースさん初めいろいろな、賛成派、反対派の国会議員に会うわけでございます。それで、一週間もしないうちに帰国いたしますので、そういう人たちの議会の意見、それから、御承知のように、ダンフォースそれからベンツェンという上院の両議員の人は、規制の台数とかあるいは年月などをうたった法案でございます。したがって、そういう法案をつくった方、あるいはそのほか、決議案を含めまして十種類ぐらいがアメリカの国会に出ておるわけでございますので、そういう人たちの関連の人に、全部ではございませんけれども、イースターというちょうど休みに逢着しておりまして、全部には会えないと思いますけれども、そういう賛成派、中立派、あるいは反対派の人たちに会ってまいりますので、議会のかなりの模様はわかると思います。こちら側も議会議員でございますので行政府の人たちにはどの程度会えるのか、ただ、ブロックさんとはいま会う交渉もしておりますし、その可能性も出てきておりますけれども、まあ私どもは議会の方々で十分だと思っております。そういう人の帰った御意見も聞いた上で、いまタスクフォースを含めましたランディさんあたりの日本側に対する本当にまじめなアメリカの現状、そういうものを聞いておりますので、しかもレーガンさんは、向こうのヘイグさんもそうですけれども、自由主義貿易というものを自分たちは崩したくないという大きな基本線がございますので、そういうものを勘案して、私どもは今回は、後は私どもの日本の業者との話し合いをどういうふうに進めていくかという、向こうの言うことはこれ以上いろいろないだろう、したがって、私どもの業者との話し合いを詰めていく段階になっておるような気持ちでございます。
○馬場富君 そこで、日米協議が終わった今後、これから日本側としてこの問題に対する、まあいまお話しになったのも一つでしょうけれども、どのような形でこれが検討されるか、訪米前一月ということで。それに対するスケジュールはどのような考え方を持ってみえますか。
○国務大臣(田中六助君) 訪米前に一月ということですけれども、もう実は一月もないわけでして、どうするかということで、こちらにさいはある程度投げられているというわけではございませんけれども、こちらで、まあ端的に言えば自粛というような一つの大まかな線の中にどういうものを詰め込むかということになると思います。したがって、常々私ども国会でも表明しておりますように、自粛あるいは自主規制というものが頭に大まかに浮かぶならばその中にどういうことがあるか。たとえば行政指導、輸出入取引法ですか、そういうようなもの、それから貿管令などいろいろあるわけでございますが、そういうものをどういうふうにかみ合わせるのか。しかし、そこにアメリカの独禁法のこともございますし、わが国の独禁法のこともございますし、さらに根本的には日本の業者、あるいは先ほどから申し上げておりますように、それに関連するいろんな多くの諸問題、労働問題も含めましてございますし、そういうものを考えた上で話し合いの結論を出そう。そうした場合に、それならばそれをどういうふうなことで持ち出すかと、そこで考えてみまして、どうもこれはもう一度アメリカ側と接触した方がいいというふうな話し合いの結論が出ますならば、私ども大来政府代表もいますし、私どもの通産省にベテランの天谷審議官もいますし、その下に各局長、次長、課長クラス、みんなまあ私がいつも申し上げますシンクタンクの連中がたくさんいますので、そこでひとつ話し合っていこうというような段取りでございまして、正直に申しまして、もうあっけなく、もう全部言いますと、いま台数が幾らであるとか、それに対して何年間規制をするとかいうようなコンクリートになったものははっきり言って何にもございませんし、ないならそれは遅いじゃないかという論も成り立つでしょうけれども、それは私はぎりぎりになったところで決めていけばいいんじゃないかというふうに思っておりますし、いまこうだ、ああだというようなこと、決まっていないのが事実でございますけれども、それでなくとも毎日のように台数を書いてみたり年数書いても、だれも言いもしないのにそれぞれやっておりまして、本当に迷惑はしておるんですけれども、私どもは何一つ公式にそういうことを言った覚えもなければ、私も新聞記者出身でございますけれども、われわれが音とった手口を、同じことをやっているなというふうな思いに駆られているような現状でございます。
○馬場富君 その進め方の中でひとつ、外務大臣と通産大臣と大来さんと三者会談、何らか近々協議でも持たれるというような状況ですが、一つはこの輸出規制の中での立場ですね、それから、先ほど、業界との話し合いもしていくということを前回の質問でもお話になりましたが、これは具体的に必ず進められるかどうかという点と、いまの状況から推してやはり大臣あるいは天谷審議官の訪米等のこともみんな予想されておるようですけれども、ここらあたりの問題の一つは実現性というのはどうなんでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) まず第一点の、私と外務大臣とそのほか数人入れるかどうかはまだ決まっておりませんけれども、その会議、会談は、先ほど申しましたように、私の方はまだ具体的にコンクリートになっておりませんけれども、外務省としてはいろんな不安の材料もあるでしょうから、そういう話し合いはできるだけ早く持ちたいというふうに思っております。それから天谷審議官なども派遣することについてもまた話を進めますが、大事な第二点に指摘されました業界との話し合いでございますが、これはいずれにしても、まあ向こうの方が実際にメーカーでございますし、一番手痛い、変になれば手痛い打撃を受ける、よければよいでまあいろいろ問題があるわけでございますので、こういうメーカーや業界関係の人との話し合いは私のところの局長、次長、課長クラスで、表面は別といたしましても、長い間のつき合いでございますし、行政指導という面でも非常に日本の自動車産業がここまで来たのは、やはり手前みそでございますけれども、通産省の大きな功績でもあろうかと思いますし、向こうも通産省を無視してどうというようなことはないわけでございまして、そこら辺はツーと言えばカー、カーと言えばツーと言うようなところもございまして、その話し合いは常時間断なくどこかで、どの部分かで、ないしょで進めているという意味じゃございません、いつもだれかがアプローチ、接触して進めておるのは事実でございます。
○馬場富君 そこでやはり今回のこの訪米前に決着をつけるということや自主規制の問題等についでもまだコンクリートにはなってないが、一応その方向性で考えたいという大臣の意見もございますし、そういう点でやはり国民の声や関係者の声というのは、日本の重大産業だけに、また輸出全般にわたってのこれから影響力を与えていくという問題で、もっとやはり相手方の内規にげたを任せるということでなくて、もっともっとやはり自主性を持って折衝に当たってほしいという声が一つは強いわけです。そういう中で、先ほど政府側から説明になった説明団の内容等を見ましても、今年三月の上昇というのは向こうの一つは宣伝効果等にもよるということでありますが、やはり計画等もまたその再建策の中でいろんな具体的に向こうの説明団が説明しておる内容を見ますと、かなり突っ込んでアメリカの自動車産業の盛り上げというものを考えていくという腹は見られるわけですね。そういうことから言って、やはりアメリカ自動車産業も非常にやはり上昇線に向かってくるんじゃないかという点で、あながちこちらの問題ばかりでなくて、やはり向こう側がかなりこちらを完全に抑えるというふうな気配すら今後はやはり考えられてくるんでないかと、そういう点等もみんな考え合わせまして、こういう点についてやっぱりもっともっとこの中でその点について慎重なひとつ折衝の段階を踏むべきでないかという声が強いんですが、ここらあたりどうでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) もちろん私どもも、それは表向きは別といたしましても、がんばらないかぬと、しっかりせないかぬぞということは腹の中で思っておりますし、それを表面に出すか出さぬかは別としても、国益というもの、それから私どもの自動車産業が日本の産業の中でどんな地位にあるかということも十分認識しております。 それからもう一つは、数年前までGMを初めアメリカの三大メーカーが、まさか自分たちは日本には負けまいと思っておったのが負けているわけでございまして、そんならばということで向こうもいろんなことを、小型車に切りかえたり、先ほども小長君から説明がありましたように、向こうも鋭意いろんなことをやるでしょう。しかし、私どもも日本の自動車産業というものも、ここまで世界に売れるということは、それだけの研究をしてきておったし、それだけの努力をしているわけでございまして、これはこんなこと言ってどうかと思いますけれども、いずれにしても、どこの国と言う必要もない、負けるものかと、何があってもこいという一つの信念と、それから技術の練磨と申しますか、それからあるいは技術の競争、まあ貿易競争というのは即技術競争でござかますので、鋭意その点は通産省もできる限りの独禁法とかそういうものに触れない行政指導は努めるでしょうし、メーカー、業界もそういう腹は十分持っておるということは私どもが陰に陽に接触しておって感じ取れておりますし、まあ、競争のことでございますから、いろいろなことは言えませんけれども、そういう強い信念と、それから私どもも強い自身を持てというお言葉でございますが、私どももそういう点は十分考えてこの話し合いは進めていこうと思いますし、現在もそれは進めております。
○馬場富君 先ほど大臣の答弁の中でございましたが、今度の説明団の中に政府はやはりこのアメリカの独禁法の専門家を要請したように私聞いておりますが、今度やはり来なかった理由とですね、これは要請されたんですか、どうでしょうか。 〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
○政府委員(小長啓一君) 説明団の中には独禁法の専門家は入っておりません。また話し合いの過程におきましても、独禁法問題には一切触れておりません。
○馬場富君 日本側は要請されましたか。
○政府委員(小長啓一君) 日本側も要請はしておりません。
○馬場富君 今後の交渉段階の中で、先ほど来いろいろな説明をいたしましたが、このアメリカでの独禁法に触れるかどうかという問題は、一つはやはりこの自主規制の中でも大きな問題だと思いますし、これは日本側で解決できない問題でないかということです。それからもう一つは、やはりいまアメリカの議会の中で論議になっております輸入制限法案の問題があります。ここらあたりはやはりわが日本の関係としては交渉の中で何がしか一つは相手方の根拠を持たなければ、日本の自主規制ということについても、私はこれは何も意味をなさぬのではないかということも考えるわけですね。そういう点で政府はアメリカのこの独禁法の問題等について、また輸入制限法案等の問題について、今後の交渉段階の中でやはりこれについての論議をなされ、何がしかの向こう方に一つは質を取るものを考えてみるかどうか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(小長啓一君) まず独禁法との関係でございますが、私どもは、先ほど大臣の説明にもございましたように、まだ政府の方針というのは全く決まっていないわけでございますし、それから業界との話し合いというのも、これから継続していかなければいけない段階でございますので、独禁法の問題をアメリカ側と話をするということは、むしろ何か政府の方針が決まっているような印象を与えるわけでございます。したがいまして、まだいまこの段階で独禁法の問題についてアメリカ側とアプローチをするのは適当でないという判断をしたわけでございます。ただ、政府の方針がある段階で決まった段階以降におきましては、先生御指摘のように、業界の最も心配しておりますのは、何かやる措置がアメリカの独禁法に違反するかどうかという点が一つの問題点でございますので、そういうことのないような措置に仕上げていかなければいけないというふうに考えておるわけでございます。 それから、もう一つの法案の関係でございますが、われわれの聞いているところでは五月の十二日にアメリカ上院の財政委員会が開かれることになっているようでございまして、そこでダンフォース・ベンツェン法案の審議が行われるというふうに聞いております。したがいまして、それまでの間に、先ほど大臣からお触れになりましたように、総理の訪米前決着ということがうまくいきますれば、そのダンフォース・ベンツェン法案の成り行きにも好影響を与えるのではないかということを私どもは期待しておるわけでございます。
○馬場富君 いまあなたの答弁を聞いておると、こちらの態度の決め方が向こうに影響を与えるという考え方でございますが、やはり自主規制というのは日本側が決めることなんです。だから、まだ固まっていないということでございますが、それじゃ自主規制そのものもやるかやらないかということはまだ論議の段階だと、こうとるべきですか。
○国務大臣(田中六助君) 向こうから何とかしてほしいということは、もうこれは最初は秘密にしなくちゃいかぬかなと思っておりましたけれども、レーガン大統領が率直にそう言っていることを日本国民にもお知らせしておいた方がいいと思いますので、私も思い切ってこの前の会議から言っておるわけでございますが、やはりそういう意向でございますので、日本が自主規制に、あるいは自粛に近いことはしてあげようというふうに思っておりますし、そういう点で話し合いを日本の業者とも進めておりますし、それから、向こうも交渉じゃないと、話し合いという中には、まあ私の得手勝手な解釈ではございますけれども、お願いというようなところがあるんじゃないかと。アメリカもそういうようなある程度の態度を持っておるということが私どもには、やはりよく考えて対処してあげたいというような気持ちでございます。
○馬場富君 そこで、いま大臣のお気持ちもよくわかるわけですけれども、せめてもの、やはり日本がいま大臣の考え方のように、何がしか協力していくという体制の中で、やはり一つはアメリカの独禁法の問題、それから輸入制限法案の問題等、ここらあたりの関係性も、やはりたとえ表面か裏面かどちらかにしろ、そういうものがきちんと確約なり、そういう内容がつかまれた上での私は前進を考えていただきたいと。そうでなかったならば、本当にこれはかってのテレビやああいう問題等の二の舞を踏みかねない状況になってしまったならば、かえってその自主規制そのものよりもそういう問題に対する私は産業界に与える影響というものが非常に大きいんじゃないかと。場合によってはこれは命取りにもなりかねない問題になってくるんじゃないかと。こういう点で、そこらあたりのところだけはぜひひとつお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) 十分馬場委員御指摘のところを考えた上で、それを踏まえた上でこの問題に対処していきたいというふうに考えます。
○馬場富君 この問題の最後でございますが、そういう点で、訪米前決着ということで努力され、またされておる気持ちはよくわかりますけれども、いま何点か私も指摘いたしました非常にこれからの経過の問題、独禁法の問題、また規制法案の問題、あるいは国内の業者間との交渉の問題等もございます。そういう点で、一カ月もないような状況まで差し迫ってまいりまして、私はこういう将来的に大きな問題を抱えたこの一つの問題が、そういう訪米ということだけにとらわれて決着をすべきものなのか。そこにはそれだけの何か目標がきちっとあるのか。それとも、それはそれとして、規制は規制として、いままでの諸問題等を考えながらやはり別途に考えていくべきではないかと。ここらあたりが将来にやっぱり禍根を残さない大事な方法じゃないかというふうにも考えるわけですけれども、そこらあたりどうでしょうか。
○国務大臣(田中六助君) この問題は、確かに馬場委員御指摘のように、いろんな観点からその時期などについても考えられがちでございますが、それならばいっそういうふうに持っていったらいいかということになりますと、こういう貿易摩擦でございますので、いつの果てしもないことにもなりかねない。ただ、私どもがこれがいいチャンスだなあというふうに思いますのは、レーガンさんも新大統領になって、しかも自分の経済再生計画というものの一環としてわが国との経済問題のこの摩擦、特に具体的には自動車摩擦でございますが、これを政治問題とは離して、鈴木首相が訪米する前に、それを一つの時期としてその前にやりたいとはっきり大統領も申しておりますし、鈴木総理もその線に沿ってあげようという気持ちになっておりますので、私はここに一区切りつけることの方が両国にとって非常に幸いなことではないか、あるいはいい時期ではないかと。エンドレスな、もう際限のないようなことになるよりも、両首脳がこの時期の以前にやりましょうということでございますので、私どもも鋭意その線に沿ってやることが将来の日米関係にとってもいいというような判断を持っております。
○馬場富君 もう一つ、それじゃそれは日米間に対する日本側の願望なのか決着が、いずれですか。
○国務大臣(田中六助君) これは一応自動車問題に対する一つの区切りだと思っております。それからもう一つは、これは日米関係ではなくて、日本が世界の保護貿易主義の芽を摘んで自由主義貿易に発展する大きな契機にもなろうと思いますのは、自動車問題は日米関係だけがいろいろしているんじゃなくて、カナダもEC諸国もその他の諸国も、やはり日本の自動車自動車ということを言っておるほど、日本の自動車というものが世界を席巻しているという事実もございますので、私は今回一つの区切りをつけることが日本にとってもいいんじゃないかという全体的な総合的な判断も持っております。
○馬場富君 次は法案の関係の質疑に移りますが、今回の石油備蓄法が改正になり、石油、ガスの備蓄というのを新しく考えるわけですけれども、前回の石油備蓄法と今回の改正の石油備蓄法との相違点をちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 今回御審議をいただいております石油備蓄法の改正の中身でございますけれども、大きく申しまして二点ございます。その第一点は、従来石油備蓄法の対象になっておりませんでしたLPGにつきまして、法律上の義務として備蓄をやっていくことにさしていただきたいというのが一点。それから第二点は、石油あるいはLPGの備蓄のための施設についての融資を開銀などが行うに際しまして、利子補給を国が行うという関係の改正の二点でございます。 お尋ねの第一点のLPGの備蓄に関連しての改正でございますけれども、基本的な考え方は石油と同じでございます。ただ違いますのは、一つはLPGの場合には輸入業者にLPGの備蓄義務を負っていただくと。石油の場合には輸入業者に限らず精製業者あるいは販売業者についても備蓄義務を負っていただいているわけでございますけれども、LPGの場合には輸入業者に備蓄義務を負っていただくということにしている点が一点でございます。理由は、LPGの供給の約七割近くは現在輸入によって賄われているということで、この供給の大宗が輸入であるということが一つと、それから国内の国産のLPGにつきましては、これは御案内のように、原油の処理の過程で生産されるわけでございますが、御存じのように、石油につきましてはすでに備蓄義務がかかっていると。ある意味におきまして、したがいまして国産のLPGについては備蓄義務がある意味でかかっていると、こういうようなことを配慮した結果でございます。それが一点でございます。 それから、もう一つは備蓄の目標でございます。御案内のように、石油につきましては九十日備蓄ということで備蓄政策を進めてまいっているわけでございます。この九十日備蓄の考え方でございますけれども、これは石油企業のランニングストックが大体四十五日である、それに加えましてあと四十五日分を一たん緩急ある場合の備蓄用として積んでいただく、合計いたしまして九十日備蓄と、こういうことで制度ができているわけでございますけれども、それに対しましてLPGの場合には、LPGの輸入業者のランニングストックが実態調査をしてみますと大体五日分ということでございます。それに加えまして、一たん緩急ある場合の備蓄用といたしまして石油と同じように四十五日積んでいただくということで、五十日を最終目標にしてまいろうと、具体的には私ども昭和六十三年度末で五十日まで持っていきたいというふうに考えているわけでございますけれども、いずれにいたしましても備蓄目標が石油の場合には九十日を目標、LPGの場合には五十日を目標ということで考えている点でございます。そういったように備蓄目標が九十日と五十日との差がございます。したがいまして、基準備蓄量を石油と同じようにLPGにつきましても毎年定めていくわけでございますけれども、その定め方につきましてこういった点の差異が出ているということでございます。
○馬場富君 そこで、石油には民間備蓄と国家備蓄がございますが、将来的に石油ガスの備蓄については国家備蓄というのは考えの中にあるかどうかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 石油の場合にもまず九十日の民間備蓄ということで、民間備蓄をまずやろうということで出発したわけでございます。その後大体民間備蓄九十日——当初は六十日を目標にして出発したわけでございますが、それがたしか四十六年度からだったと思います。その後五十二年度から国家備蓄をやろうと、九十日を上回る分については国家備蓄をやろうということで、すでに曲家備蓄の施策を進めているところは先生御案内のとおりでございます。LPGでございますけれども、私ども現段階におきましてはまず民間で備蓄をやっていただこうという考え方でございます。ただ将来の問題といたしまして、その時点での情勢などもにらみながら、必要であれば国家備蓄ということも考えていく可能性はあるというふうに考えております。
○馬場富君 これは石油備蓄よりもやはりガス備蓄というのは、備蓄についてもそうですし、輸送面についても非常に安全性が高くなければいかぬという問題点が出てくるわけですけれども、この点はどのようにお考えですか。
○政府委員(松村克之君) 御指摘のように原油の貯蔵に比べまして、LPGを貯蔵いたします場合には、物理的な性状といたしましてまず非常に低温であるということ、またある面で言いますと高圧を要するという点から、その保安面につきましては一般的に言って原油よりも問題が多いと、こういうふうに考えております。
○馬場富君 もちろん問題が多いが、その安全対策はどのように考えているか。
○政府委員(松村克之君) LPGの貯蔵施設の安全防災対策について若干申し上げますと、高圧ガス取締法におきまして次のような措置を講じているわけでございます。まず第一に、保安距離でございますとか、あるいはタンク間距離を確保する。また、原油の場合には防油堤でございますけれども、LPGの場合にはこれを防波堤というふうに言っておりますが、防波堤を設置する。また、高圧ガス設備の耐圧、気密性の確保、あるいはまた漏洩ガスを検知する警報器等の設置を義務づけいたしまして、これらを技術基準としてまとめているわけでございます。また、タンク等の設備につきましては、設備の製作に当たりまして設計材料の選択でございますとか、あるいは溶接する等の加工、耐圧、気密試験等の各段階におきまして、通産大臣が特定設備の検査を行っております。また、事業者に対しましては保安統括者等の保安管理組織を設けさせまして、危害予防規程、保安教育計画を作成し、定期的に自主検査を行っている次第でございます。一方、都道府県知事はこれらの事業者が規則どおりに設備を設置するように計画段階でこれを審査するほかに、設備完成時におきましてはさらに完成検査を行い、また毎年の保安検査も実施しているわけでございます。このような措置のほか、一月の処理量が百万立方メーター以上となる輸入基地につきましては、コンビナート保安規則によりまして保安距離についての上乗せ規制をいたしております。また、さらに大規模な輸入基地については石油コンビナート等災害防止法上の特別防災区域に指定いたしまして、自衛防災組織の設置、あるいは防災資機材の設置、施設の配置、規制等所要の規制を実施いたしているわけでございます。
○馬場富君 ガス輸送の船舶についての安全性はどうでしょう。
○政府委員(松村克之君) LPガスの海上輸送につきましては、私ども立地公害局が所管いたしておりませずに、これは海上保安庁の方で所管しているわけでございます。
○馬場富君 それでは、今度のガス備蓄の基地は予定としてはどのような規模のものがどんな地域に予定されておるか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答えいたします。 現在、一般ユーザー用の輸入基地は二十三カ所ございます。貯蔵能力は合計いたしまして約百八十三万トンということでございます。地域的にはかなり各地域に分散しておりまして、東北地方、関東地方、中部、関西、その他各地域にかなり分散して設置が行われているところでございます。そこで、今後の問題でございますけれども、今後さらに六十三年度末で五十日分まで持っていくためには、タンク能力にいたしまして約二百八十八万トン程度のタンクが必要であるというふうに思っているわけでございまして、それの手当てを今後やっていかなければならないわけでございます。現在着工中のものが三カ所ございます。貯蔵能力としては合計いたしまして約四十万トンでございます。大体個々のプロジェクトの規模といたしましては、かなりばらつきがございますけれども、八万トンから一番大きいもので十八万トン程度というようなものが、現在三カ所工事中ということでございます。そのほか現在各企業におきまして検討され、あるいは計画されておりますものが、タンク能力にいたしまして約二百五十万トン程度のものが検討されているというふうに承知しております。これも地域的にはかなり各地域に分散しているわけでございますけれども、比較的立地地点といたしましては、たとえば九州であるとか、そういった立地的な制約もございまして、大消費地からやや離れたところに立地するものがかなりあるように承知しております。
○馬場富君 ここで、全国に二十八カ所のLpGの輸入基地がございますが、特にLPGの輸送船舶は最近大型化されてきておりますし、またこの安全性というのは非常に重要視されるわけです。一たん事故等を起こせば非常に大きな事故にもなりかねないということですね。こういう点が、海上保安庁、きょうは来ていらっしゃいませんが、いままでも論議の中にずいぶん出たわけです。たとえば、かつて問題になりました愛知県の衣浦にLPGの基地がございます。このLPGの基地をつくるときに、地元やあの沿岸漁業組合から強い反対がございましたが、それはやはり一般の基地と違って、非常にあそこは伊勢湾内でも、特に師崎水道の狭い地帯を実は大型のタンカーが通るわけです。そういう点で、基地をつくることについても地元で相当論議があったわけです。だから、こういう場所がまた備蓄基地としても再指定されてきますと、そういう点でよけいそういう問題が心配視されてくると。大きな船舶になりますと、幅が五十メーター、百メーターというようなそういう大きな型の船舶になってきます。その師崎水道あたりは四百メーターぐらいの幅しかないわけです。両方も、いわゆるノリやああいう魚礁やいろんなものを合わせますと、本当に実にその使える幅というのは二、三百メートルと。そこに百メートル近くもあるような大型タンカーが数多く行き来したときに、やはり地元の船舶の関係等もあわせまして、非常に危険度があるということで大きな問題とされたわけですけれども、こういうような今度の備蓄基地について、そういうような問題等も一つの安全性をチェックして検討されるかどうか、一遍お伺いしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 私ども、一たん緩急がある場合に、国民の皆様方に御迷惑をかけてはいけないということで、LPGの蓄備を考えたわけでございますけれども、ただ、同時に備蓄基地に関連いたしまして、海送あるいは陸送、あるいは備蓄タンクそのものにわたりまして事故を起こしまして、そういう面で地元の方々その他に御迷惑をかけるということはこれはあってはならないというふうに思っているわけでございます。そういう意味におきまして、各般にわたる保安については、関係行政庁とも十分連絡をとりながら努力をし、必要な指導をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。 お話の衣浦の輸入基地の問題でございますけれども、これはシェル石油が計画し、立地をすでに完成した輸入基地でございます。ただ、先生のお話にございましたように、これの立地に際しましていろいろな御議論が地元であったというふうに承知しております。そういったことを踏まえまして、この衣浦の輸入基地の建設に際しましては、その建設に先立って、昭和五十年の四月に伊勢湾の海難防止協会に、このLPG輸入船の運航に関しまして、海上交通上の安全と災害防止両面にわたります対策を樹立するために特別専門委員会を設けていただきまして、種々調査検討が行われたわけでございます。その結果、この伊勢湾海難防止協会から報告が出されたわけでございますけれども、現在この調査報告書の中において示されております、たとえば師崎水道通過時の通行時間帯の制限であるとか、そういった一連の安全対策を踏まえまして、現在この輸入基地のオペレーションが行われているというふうに承知しております。 いずれにいたしましても、私どもといたしまして、この交通、あるいは海送、一陸送その他各般にわたる保安面については十分注意をし、指導をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○馬場富君 次はLPガスの需要動向でございますが、これは需給見通し作成当時といまとはずいぶん変わりつつあるということで、特に家庭用等よりも、需給が伸びるに従って、いまのナフサとの、LPガスとの関係性ですね、両立できるという立場から、工業用やあるいは電力や、そういう大手企業の需要というものが非常に増大されてきて、やはりそういう点での価格安定と、家庭用のLPガスの価格安定等も非常に心配をされてきておるわけですけれども、これの見通しはどうでしょうか。
○政府委員(志賀学君) 私ども石油ガス需給計画というものを石油供給計画の中で策定いたしているわけでございます。現在の石油ガス需給計画、これは昭和五十九年度までの需要の想定をいたしているわけでございますけれども、この需要想定におきまして、先生御指摘のように、家庭用などにつきましては、現在千八百万世帯の家庭でLPガスが使用されているわけでございますけれども、今後全世帯数の増加、あるいは一世帯当たりの消費原単位そういったものについてそれほど多くを見込めないということもございまして、大体五十四年度から五十九年度までの家庭・業務用の需要の増加率、年率にいたしまして三・八%ということで需要想定をやっているわけでございます。また、国民の足でございますタクシーにつきましても、かなりタクシーにおきますLPGが普及したということもございますが、比較的低い伸びを見通しているわけでございます。それに対しまして、たとえば電力であるとかあるいは工業用であるとかにつきましては、比較的高い伸び率が期待されるということで需要想定をいたしているわけでございますけれども、ただ、いずれにいたしましても、たとえば工業用で、これ年率にいたしまして九%強の見通しを立てているわけでございますけれども、内容的には、鉄鋼であるとかそういった大口の消費は今後それほどもう伸びないだろう、エネルギー節約あるいは他のエネルギーへの転換、そういったことを見込みまして、大口の需要はそれほど伸びないであろう、ただ、中小企業を中心といたします。その他の工業用燃料としての需要、これはかなり伸びるだろう、こういうようなことも踏まえながら想定をやっているわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしまして、大口の需要が急激にふえて、LPGの需給がタイトになって、その結果LPGの価格が上がるというようなことは、これは私どもとしてやはり厳にそういうことがないように考えていかなければならないというふうに思うわけでございますけれども、ただ、私どもの見通しといたしまして、世界的に言ってLPGの供給というのは、これは産ガス国側におきます最近の動向などから申しまして、かなり供給余力があるというふうに見ているわけでございまして、私どもといたしましては実需に見合って必要なLPGというものは十分に確保し得るというふうに思っているわけでございます。そういうことから、需要に見合った適切な輸入を確保するということによって価格の安定というものを図ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○馬場富君 ここでそのLpGの大口需要の供給バランス等も考えて、やはりここでこの需給の中で大きい役目を果たしてくるのが天然ガスのLNGではないかというふうに私は思うわけです。そういう点で、この天然ガスの世界の確認埋蔵量と石油との比較ですね、推定でも結構ですからちょっと説明してもらえぬかと思うんです。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 先生からお話ございましたように、天然ガス資源というのは非常に重要な資源でございます。たとえば、天然ガスと申しましても、石油と一緒に、出てまいります随伴ガス、それからいわゆるガス田ガス、構造性ガスと申しますけれども、ガス田ガスというものがございますけれども、随伴ガスについて言えば、現在中東諸国において六〇%ぐらいがむだに燃やされておるという状況でございます。したがって、それの有効利用ということは世界的に見ても資源の有効利用という面から重要でございます。また、ガス田ガスについて申しますと、これは石油の油田の賦存と離れて存在するわけでございますから、石油に比べましてかなり地域的に分散しております。そういう面から、エネルギー源の地域的な多角化を図っていくという日本の立場から言っても、重要なものであるというふうに思っているわけでございます。 世界の天然ガスの確認埋蔵量でございますけれども、大体最近の専門誌などから見ますと、昨年の一月現在で約七十三兆立米、石油換算にいたしまして約四千六百億バレルというふうに言われております。これを石油と比べてみますと、大体世界の石油の確認埋蔵量は六千四百億バレルというふうに言われておりますので、石油の確認埋蔵量の約七〇%強に当たる数量が天然ガスとして埋蔵が確認されておるというふうに見られております。
○馬場富君 午前中もいわゆる新聞等の問題からエネルギーの需給見通しの見直しの問題が長官に質問があったようですが、その中で、はっきりとした答弁はまだなかったようですが、一応その中での石油依存度の問題等も一つは考えられておるようでございますが、ここで私は、いましPGはやはりあくまでも石油の中の子供だということなんです。やはり石油族の一つだということなんです。その分野から外れてくる石油の代替というか、石油にかわるべきものといえばやはり天然ガスということが一つは大きい役目があると思うんです。そういう点で、やはりいま担当者から御説明があったように確認埋蔵量でも約七〇%あると、推定でいくと約五分五分あるじゃないかという学者の説もあるわけです。そうすると、非常に相当の宝庫があるわけですし、午前中も話に出ました常磐沖の発掘もやはりガスのように聞いておりますし、それからやはり北に下がってサハリンの問題もかなりガスが有望視されておりますし、それから中国の大陸棚の中の河田かの油田の中でも、将来的には半分ぐらいはガスがあるんじゃないかというふうに推定されています。ヨーロッパの北海油田の場合も約半分に近いのはガス田なんですね。オランダなんかはほとんどガスによってエネルギーを一〇〇%賄っておると言っても過言でないような状況下にあるわけです。そういう中で、私は日本が日本近海も含めてガス田等が開発される見込みもかなりあるんではないか。また、世界のそういう天然ガスの埋蔵量から言ってもかなり資源があるんではないか。こういう中で、いま非常に世界の資源の中で天然ガスのLPGにして使っておる量というのは日本が一番多いんではないか。こういう特殊なあり方からいたしまして、やはりエネルギーの中期的な見通しの中で石油にかわるべきものに、一つは天然ガスの直接の使用、LNGの使用にしろ、そういう役目がやはり一つはあるんじゃないか。そういう点で、この需給見通しの中にはLPGと並行してやや高目に見てありますけれども、私は午前中の質問の中で、事業見通しの中で、いまの原子力にしても、それから地熱にしてもあるいは石炭にしても、やはりあの見通しを完遂していくためにはかなりの難問題が横たわっておるという点ですね。そういう点で、長官が一つは価格が高騰したから石油の需要が減ってきたと言う一時的な現象はあったにしても、日本の成長を考えていった場合に、エネルギーの上昇というのは欠かすことはできない、何がしかに求めていかなければならぬということになるんじゃないか。そういう点でこのエネルギーの中に置かれる天然ガスの役割りというのは大きく見て、またこの開発にうんと力を入れていくべきではないか。それは安全性さえ保たれれば公害等の点についても非常にほかのエネルギーよりもクリーンな点もあるという点で、この点ひとつ一遍見通しとあわせながら考えるべきではないかと私は痛切に感ずるわけですが、どうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) いま御指摘の液化天然ガス、LNGにつきましては、私どもも全く馬場先生と同じような考え方を持っているわけでございます。ただ、一つ心配な点がございますのは、ちょうど一年ぐらい前になりますけれども、昨年のベネチア・サミットのちょっと前に事務レベルでいろんな会合をやったわけでございますが、その際ある国から、天然ガスについては石油代替エネルギーとしての位置づけをやめようじゃないかというような提案がなされたわけでございまして、日本としては大変戸惑ったわけでございます。これは日本は長期エネルギー需給暫定見通しでも、現在千五百万トンぐらいのLNGを十年後には五千万トンぐらいに引き上げたいという、大変大きな期待をLNGに持っているわけでございますけれども、いま申し上げましたように、石油にかわるエネルギーとして位置づけするのはどうかなという意見が、ヨーロッパのある国から提起されたことに対しまして大変な戸惑いを感じまして、盛んにその理由を聞いてみたわけでございますが、その理由は、どうしても価格面が原油にスライドをいたしまして、どうしても高くなっていく一方でございます。そういう過程で余りLNGに対する期待を過大に打ち出しますと、産ガス国といいましょうか、そういったところにまた非常な価格面での強気の姿勢を打ち出させる危険性があると、こういうことがその背景にあったようでございますけれども、ただ、そういう問題を離れましてLNGの前途を考えますと、これはやはりどうしても石油にかわるエネルギーとしての位置づけは絶対にしてほしいというのが私どものポジションでございまして、幸いにいたしましてその考え方はいまのところ消え去っておりますので、日本としては引き続き石油にかわるエネルギーの三本柱の一つといたしまして、LNGにつきましては今後とも強力な推進策を考えていきたいというふうに考えております。
○馬場富君 最後に、特に長官にお願いするのは、そういうわけで、特に天然ガスも中近東等のむずかしい状況じゃなくても、世界各地の中に相当埋蔵量があるということだし、比較的近い東南アジアや、あるいは日本近海方面にも有望な点がある。そういう点で、ひとつこの点にうんと力を入れてもらって、石油危機というのが何がしかでも、近い期間かもわからぬけれども、ガスによって補いをつけて、そして日本のエネルギーの位置が定まって、新エネルギーへの開発の土台となるということが私は非常にエネルギーを考えてみたときに一番重要じゃないかというふうに思いますので、そういうような点に力を入れた見方というのを、また需給見通しの解析のときにもそういうこともあわせて考えていただくといいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(森山信吾君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、現段階におきまして年間千五百万トン程度のLNGの輸入をしているわけでございますが、大体四カ地点ぐらいから輸入をしているわけでございます。もう先生御高承のとおりでございまして、アラスカ、ブルネイ、インドネシア、アブダビ、こういった国から輸入しているわけでございますけれども、これを十年後に五千万トンまでに引き上げていくということになりますと、いま申し上げました四カ地点、四カ国というところからもう少し多角化をする必要があるということでございまして、たとえばマレーシアでございますとか、あるいはオーストラリアでございますとか、できるだけ日本と近い国で、かつ経済関係も緊密な国というところに焦点を当てまして、LNGの開発に取り組んでまいりたいということでございまして、そういう努力をすることによりまして、現在私どもが考えております五千万トンを何とか十年後には確保したいという決意で当たっておるところでございます。
○委員長(金丸三郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十三分散会 —————・—————