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94回国会参議院1981/03/31

商工委員会 第3号

発言数
228
登壇者
24
会派数
7
開催日
1981/03/31

会議録

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  先般、仲川幸男君、松浦功君及び対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君、大木浩君及び吉田正雄君が選任されました。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  前回の委員会において聴取いたしました所信等に対し、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私はまず景気対策について河本長官にお伺いいたしたいと思うんでありますが、今日の中小企業の景況感を悪化ざしている最大の原因というものは売り上げ不振にあるのでありまして、中小企業の場合におきましては、個人消費に直結するからこの不振の影響をストレートに受けていると思うのでありまして、先日、経済企画庁が二月に実施いたしました企業経営者の見通し調査を見てまいりますると、企業経営者の多くは景気の好転が七月ないし九月期にずれ込むと見ているのでありますけれども、経企庁長官は景気の先行き、または業種別の動向についてどんな見通しを持っておられるか、まずお伺いいたしたいと思うんであります。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 現在の景気の動向を簡単に申し上げますと、在庫調整が若干おくれております。しかし、大部分は四−六月に終わるのではないかと、このように考えております。それから、住宅の着工件数が非常に減っております。これは土地問題とか、あるいは所得が伸びないとか、金利が高いとかいろいろ原因がありますが、過去四年間に比べますと激変をしておると、このように言えると思います。また、物価と所得の関係から個人消費が伸び悩んでおりまして、こういうことが背景になりまして、中小企業の経営は相当苦しいと、これは現状でございますから、そのために政府は先般一連の経済対策を決定をいたしました。しかし、財庫調整もだんだん終わる気配でありますし、私どもといたしましては、夏以降景気は次第に回復に向かうであろうと、このように期待をいたしておるところでございます。  ちょっと追加をいたしますが、なお先ほど業種別の動向いかんというお話がございましたが、五十三年の後半から五十四年の初めにかけましては、かつての構造不況業種十幾つございましたが、これらの業種ほとんど活力を回復をいたしまして、わが国では構造不況業種というものはほとんどなくなったと私どもは判断をしておりましたが、最近、いま申し上げましたような経済の情勢でございますから、三種の業種でやはり構造的な不況業種であると判断されるものが出てきておるということが、現在の経済の一つの特徴であろうと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま長官の言われた在庫調整はだんだんと調整されつつある、住宅建設の関係等も景気の足を引っ張っておったけれども、特に私は、一番問題なのは、私が指摘いたしましたように、物価と所得の関係で個人消費がきわめて伸び悩む、この点が大きな問題だと思うんであります。特に中小企業の景況調査の特色というものは、過去におきましていずれも控え目に出ているんですよね。控え目でないのは長官、物価の問題だけですよ。物価は控え目に見てもどんどん実績上がっていったというようなことでありまして、下方修正にいずれも転じていることはいかに経営環境が悪いかということだと思うんであります。それを長官はいま三点にしぼられたわけでありますけれども、五十五年の十月から十二月期までの売上高の当初予測は前年同月比を見ましても、製造業が五・一%増だったのが実績見込みでは四・七になり、商業なんかについては六・九%増が逆に三・二%増へと下方修正されているわけであります。私の地域に家具業界がある。家具業界だけじゃありません。先ほど長官の言われましたように、後で申し上げますけれども、紙パルプ産業なんかについては特定構造不況業種の四種目に、さらに政令で追加された六業種の中に入っているわけでありますけれども、全体としてものすごい落ち込みになっている。この点については、私は確かに五十六年度上半期については第二次石油ショックの影響もあって、いま申し上げましたように、個人消費の関係や住宅設備投資などの力がまだ弱くて景気回復は期待できない。そこで、下半期に向けて内需を中心とした景気の本格的な立ち直りへの呼び水的な効果を期待して、政府は去る十七日に第二次の総合経済対策を実施されたと思うんでありますけれども、この程度の経済対策でいいかどうか、この点について長官どのようにお考えになりましょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 三月十七日の対策そのものは、私は内容的に見まして非常に強力であると、そのようには考えておりません。しかし、現段階で考えられる対策としてはこんなもんではなかろうかと、このように判断をいたしております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 余り強力なものとは考えていないけれども、現状ではこの程度だとおっしゃるのでありますけれども、私は、やっぱり景気のかじとりは経企庁長官ですから、あなたは実際に事業も経営されておられるんですから、その面での期待というものは大きいと思うんですよ。したがって、私どもいろいろ、この点については政府も第二次の景気対策を実施したことは非常にこれはよろしいことだ。ただ、官庁エコノミストの中にも景気回復は来年三月までずれ込むよというような悲観的な見通しを持つ者が非常に多いんですね。この点について率直にひとつ意見を聞かしてください。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 現在、経済の足を引っ張っております背景につきましては、先ほど三つ四つの例を挙げまして申し上げたわけでありますが、今回の対策におきましても引き続いて物価対策を非常に重大に考えております。  幸いに、物価の方は昨年は八%から九%までの相当高い水準が続いておりましたけれども、最近は六%台、ここ二、三ヵ月推移をしております。来月は五%台になるであろうと考えております。それから同時に、卸売物価が非常に安定をしておりますので、この面からくる好影響も期待できますし、それから公共料金の値上げは五十六年度も若干ありますけれども、五十五年度のような大きなものはありません。また石油事情も安定の方向にいっておりますので、五十六年度の消費者物価は政府の期待どおり安定の方向に進むであろうと考えております。そういうこともありまして、個人消費は五十五年度は相当落ち込んでおりましたけれども——落ち込んでおるという意味は伸びが落ち込んでおる、こういう意味でございまして、五十六年度には、五十四年、五十三年ほどまでには回復いたしませんが、ある程度の回復は期待できると、こう思っております。  それから民間の設備投資につきましては、大企業は自己資金あるいは証券市場における資金調達が可能でありますから計画以上に投資が進んでおりますけれども、中小企業の投資が計画どおり進まないものですから、先般若干の金利の引き下げによりまして中小企業の設備投資計画が計画どおり進むように若干の配慮をしたところでございます。  また同時に、公共事業につきましては中央、地方をあわせまして土地代を除きまして二十四兆弱と想定をしておりますが、五十五年度は上半期の執行率を非常に落としました。秋になりましてから促進するようにしたのでございますが、なかなか思うように促進ができませんので、これが景気の足を引っ張ったということを反省をいたしまして、五十六年度は上半期にできるだけ執行率を伸ばしていこう、こういうことで七〇%以上ということを考えております。五十五年度が五九%台であったのに比べますと相当な促進になろうかと思いまして、この面からの景気の促進を図りたいと考えております。  下半期になりますと、公共事業の仕事の量は減りますけれども、しかし一面、中小企業を中心とする設備投資も全体として伸びてくるであろうと、こういう想定をいたしますと、設備投資は大企業、中小企業合わせまして四十二兆ぐらい考えておりますので、これが計画どおり伸びてくるということになりますと国全体の仕事の量は減らない。こういうこともございまして、下半期は公共事業の量は減ってもある程度期待ができるであろうと、このように考えております。  住宅投資は私はもう現在が底だと考えておりますが、つい先般、新しい第四次住宅建設計画、五カ年計画が決められましたが、五カ年間の間に七百七十万戸の住宅を建設しようという、そういう内容でありますが、これを円滑に実施するためには、土地対策とかその他幾つかの必要な案件を解決しなければなりませんが、それについては関係閣僚の間で至急に具体案を検討するつもりでおります。  そういうことで、着々と個々の項目についての景気対策も具体的に考えておりますし、かつまた、世界経済も現在は第二次石油危機から来る一番悪い状態でなかろうかと考えております。ゼロ成長前後がOECD全体の現在の経済の姿だと思いますが、ことしの後半からは一%あるいは二%成長、来年は二、三%成長、そのようにOECDでも期待をしておりますので、世界経済もだんだんと回復してくる。世界経済が回復をいたしますと、貿易摩擦も世界の購買力がふえるわけでありますからだんだんと減少してくる、このように考えております。  現在が内外とも一番悪い状態でなかろうかと、このように考えておりまして、下半期からの何とか経済の活力を回復するような、そういう方向に持っていきたいと考えております。また、そういう方向に持っていきませんと、ことしの予算で税の自然増収四兆五千億と想定しておりますが、その税の自然増収も入ってまいりませんし、また五十七年度の財政の運営もうまくいかない、五十七年度の予算も組めない、こういうことにもなりますので、いま申し上げましたような方向に日本経済の回復を図っていきたい、このように考えておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 長官の考えでいらっしゃることは大体わかったわけでありますけれども、やはり景気というのは、いまも指摘があったように消費購買能力をもっともっと増加させるという——いま落ち込んでいるんですから、そのことと、やっぱりいま民間と政府関係公共投資をもっともっとふやしていく、民間の活力をどんどん伸ばして設備投資を増大させるという、この二つが私はやっぱり骨格であらねばならないと考えているわけでありますが、その面から、第一次の総合経済対策が打ち出されたのが昨年の九月でしたね、そして今回の第二次の総合経済対策が打ち出されたのがこの三月十七日。その間半年近くも実は間があるのでありますが、中小企業を中心に景気の冷え込みがこんなに厳しさを増してくるということについては、私は政府も考えなかったんじゃないかというように考えているわけでありますが、景気対策を実施するタイミングがずれ過ぎたんじゃないかというように私どもは考えているんでありますが、この点について御意見いかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 経済政策を進めます場合に、物価が安定をいたしておりませんとなかなかやりにくいものでございまして、私どももそのために消費者物価の安定に全力を尽くしたのでございます。九月の段階ではこれまでの物価対策中心の経済政策を物価と景気両にらみのそういう政策に変更いたしましたけれども、しかし、物価の方をやや重視すると、こういう考え方に立っておりました。したがいまして、対策もまず物価対策を述べ、それから景気対策に移ると、こういう順序で対策を決めたのでございますが、実はもう少し早くやりたかったのでありますけれども、物価がなかなか安定をしない、したがっていろんな対策も立てにくいと、こういうことで、ようやく二月の後半になりまして物価の安定の見通しが立ちましたので、関係各省と相談をいたしまして三月の中旬に具体的な内容を決定したと、こういうことでございました。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 二月末の物価と、それから三月期のまだ統計はとっておらないかもしれませんけれども、大体の予測はもうきょう三十一日ですから出ていると思うのでありますが、二月と三月の消費者物価の値上がりはどの程度と考えていらっしゃいますか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 消費者物価に関しましては、二月の全国が六・五という確定数字が出されたわけでございます。東京都が六・八でございましたが、全国のベースで六・五になりました。それから三月は、東京都区部の分しかまだ出ておりません。これが六・五と発表されているわけでございます。したがいまして、これが全国になった場合にどうなるかというのはわかりませんけれども、大体この近辺ではないだろうかという推測ができるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 物価がだんだん下がってきていることについては喜ばしいことでありますけれども、東京都が六・八%で三月に六・五%というのは決して低い額じゃないですね。これは安定してきたということにはまだ少し若干問題があるんじゃないかというように考えているわけでございます。  そこで、景気の本格的な回復にはいま申し上げましたように設備投資、特に中小企業の設備投資と個人消費の回復がキーポイントだと私は申し上げたわけでありますが、先般、第三次の公定歩合の引き下げを含む景気対策の実施については、物価と景気の両にらみということから本格的な景気対策に政策を転換したというように考えていいかどうかですね、この点についてお伺いいたしたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 現時点ではやはり物価が安定をいたしませんと他の対策は強力に出せませんので、やはり物価と景気と双方に重点を置いて、並行して対策を進めていきたいと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いま大臣のおっしゃったように、公定歩合の一%引き下げによって企業の金利コストは相当に軽減されたと思います。しかしながら、一部にはこの程度では景気を支えるだけの効果はこれはないんじゃないかと、下支えするだけであるという見方も実はあるのでありますが、個人消費支出についても所得税減税がなかなかうまくいってないということから、消費者の財布のひもはそうたやすく緩まないのでありますが、この点は、私どもは中小零細企業の皆さんや労働者の皆さんなんかとよく懇談会を開くのでありますけれども、何といっても先行き不安だと、子供を大学にやる、あるいはまた家も建てたい、車も買いたいと、いろいろなことを考えてまいりますると、そう簡単にはいかないので、したがってひとつ車が傷んだらもう列車で通うとかパスで通うというようなことにしなければ、個人の経済がもたないというようなことを言って、先行き経済の予測がつかない、計画が立たない、そのために財布のひもを締めざるを得ないんだ、政府に頼んでもなかなか思うようにはやってぐれない、抑えるのは賃金だけだというようなことを実は言っているのであります。中小企業の皆さんは大企業の金利コストはこれで下がったかもしれない、しかしこの程度下げたといってもこれはなかなか厳しいから消費の拡大、設備投資の拡大という面まではいかないよということを言っているのでありますけれども、この点について率直な意見をひとつ聞かしてください。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 個人消費が景気動向を大きく左右するということは、これはもう私どももよく認識をいたしております。それじゃ個人消費を活発にするためにはどうすればよいかということでありますが、とにもかくにも物価の安定ということがその大前提だと思います。それから同時に所得がやはりある程度伸びませんと消費というものは拡大をいたしません。そのために、ことしのベースアップがどの見当になるか、私どももそれには関心を持っておるわけでございますが、政治の目標が国民生活の安定と向上にあるということを考えますと、ある程度の私はベースアップを期待するものでありますけれども、ただやはりこの国民経済全体から見ますと、個々の企業によりまして経済の活力が違います、いいところと悪いところがありますし、それから生産性の向上を上回って賃金がアップいたしますと、経済全体に後になって非常にまた悪い影響が出てくると、まあこういうこともありますから、国民経済全体との関連においてこの問題をどう取り扱うかという問題はありますけれども、まあしかし所得が伸びると、そういう方向に日本経済がいくということはこれは私どもは期待をしておるところでございます。  それからまたいま所得減税のお話が出ましたが、過去数年の間、所得税の減税をしておりませんから実質上所得税の負担が非常に重くなっておると、これはもうおっしゃるとおりでございまして、それじゃ所得減税をやればいいじゃないかということでありますけれども、ことしの場合は何分にも増税をしていかなければ財政がもたないと、こういうことでありますので、所得減税の問題は、これは将来の大きな課題だと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いわゆる個人消費の拡大といったような問題とか、中小零細企業の設備投資の拡大といったような問題等についても、できるとするならば省エネルギー関係だけでもひとつ設備投資をしたい、それもしかしなかなか困難だというのが実態でしょう。しかも三年間見送られた所得減税というものについて、いわゆる政府の政策、政府の言うとおりになかなかならないのだ、国際環境も相当変わってきている、それじゃくつ下が破れても、ひとつこれを奥さんに修繕してもらってはこう、くつも底が抜けてきたら半張りをしようという気持ちになるじゃありませんか。この点について経企庁長官、ひとつこういま所得税減税、財政特例法第六条の関係の改正の議員提案がいま審議して決定される段階にあるわけでありますが、これとても昭和五十五年度のいわゆる所得税の落ち込みというような問題等があって、なかなか予備費の関係だけじゃないかなんというようなことだけ言われているのでありますけれども、これではやはり問題だ、この際ひとつ賃金を抑えるということとそれから財政を確立したいために所得減税も見送りだということだけではもういかない、やはり消費者マインドというものについて強い期待を持たしていくということが今日一番必要になってくるんで、これが個人消費を伸ばすもう根本的な道だというように実は考えているのでありますけれども、この点についてひとつ国民は非常に重視していると思うのでありますから、長官、ひとつ所得減税は必要である、ことしは大幅に賃金を思い切って上げる必要があるんじゃないかということについての感想も聞かしていただきたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 先般の議長裁定はいま具体的になりつつあると思いますが、しかし私は五十五年度に関しましてはそんなに大きく財政に余裕が生ずるとは考えません。ほとんど経済には影響がないのではないかと、このように思いますが、将来を展望いたしますと、五十三年以降現在五十六年までの間に実質所得税が六兆近くも増徴になっております。これは増税ではないんですけれども、実際増徴になっておりますから、相当経済を圧迫しておるということは事実であります。だから将来の大きな課題といたしましては、所得減税が相当大規模にできるようなそういう経済の力を日本経済が持つようになるということを期待されるわけでありますが、そういう方向に何とか日本経済が拡大することを私どもも期待しながら今後の経済政策を進めていきたいと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 ことし下半期になってもなかなか景気の中だるみが続くということであるならば、昨年九月の第一次とことし三月の第二次と、それから第三次の景気対策をやる気持ちがあるのかどうか、やらないとするならば五十六年度の成長見通し五・三%を下方修正する気持ちがあるか、二者択一だと私は思うんでありますけれども、その点いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いまのところは第三次の景気対策をやる考え方はございません。先ほども御説明をいたしましたように、この第二次の対策がだんだんと効果を奏するであろう、このように期待をいたしております。  それから五十六年度の実質経済成長目標五・三%は十分達成できるとこのように考えておりますが、何分にもいま世界全体が激動期でありまして突発事情も次から次へ起こっておりますし、それが経済に大きく影響を及ぼすと、そういう不測の事態でも起こればこれはもう当然何らかの対策が必要になろうかと思いますが、いずれにいたしましてもこういう激動期には機敏に適切な対策を立てるということが何よりも必要であろうと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 そこで中小企業の景気でありますけれども、最近の倒産件数が非常に多くて下がらないんですね。なかなか下がらない。少しは下がっておりますけれども、対前年度なんか見ましても相当多くなっているわけですね。こういう高水準にも見られますように、きわめて厳しいものがあるのでありますから、これは非常に五・三%の成長の見通しについてもなかなか厳しいものがあると私は考えております。  そこで、マクロの景況観が七月から九月期に回復するといっても、タイムラグがあるわけですね。それは大企業の経営者から見た景況の見通しがあっても、中小企業の状況とは非常に変わっているんじゃないかというように私は考えております。本当に厳しいものがあるのですから。その点については中小企業の立場から見た景況観というものについて長官はどんなふうに考えていらっしゃいますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 過去数カ月間倒産が多発をしておりまして、かつてない高い水準にありますが、これは中小企業の倒産が非常に多い、こういうことを数字が物語っておるんだと思います。日本の経済を見ますと、大企業よりも中小企業の果たしておる役割りの方が私はむしろ大きいのではないか、こう思っております。生産を見ましてもやはり過半を占めておりますし、それから中小企業に働く人の数はとにかく三千四百万人ということでありますから、中小企業の経営が安定するということは三千四百万人の人の生活が安定をするということでありますから、これは単なる経済問題だけではなく社会問題でもある、また政治問題でもある、このように理解をしておりまして、中小企業対策は政府の経済政策の中でも一番大切な政策である、そういう認識のもとに政府全体挙げて中小企業対策に取り組んでおるというのが現状でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 中小企業庁長官ね、中小企業の景況観について長官の立場からどう考えておりますか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 先ほど来大臣の方からお話ございましたように、今回の景気局面の一つの特色は非常に中小企業にかげりが集中的にあらわれているということだろうと思います。その背景といたしましては個人消費支出とか住宅とか公共投資という基本的な問題もございますが、特に昨年の冷夏、それからことしの豪雪ということが一つの突発的な現象として累加されておりまして、たとえば昨年の冷夏の後遺症がまだ現在でも続いておるということが言えるわけでございまして、その場合に冷夏関連の商品、これの生産及び流通の側面について見ますと、やはり中小企業の領域が多いわけでございます。それから豪雪の関連も集中的に北陸、東北等を通じまして、やはり中小企業の産地地帯というものが多いわけでございまして、そういった意味から普通の景気サイクルのほかに、そういった天候現象による異常事態というものも加速されております。したがいまして、そういった意味からは現在の局面はやはり中小企業にかげりが相当深刻であるというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 中小企業の景況回復のためにも、設備投資浮揚のためにも、金利の問題が大きなウエートを占めているんですね。しかしながら、政府系の三機関の貸し出し金利の引き下げ幅もまだ決まっていない、非常に遅いというようなことについては一体どうなんだろうかという声がちまたに巻き起こっております。この引き下げ幅については一体どのような努力をしていらっしゃるのか、その点をお伺いいたしたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 経過的に申し上げますと、三月十七日の閣僚会議決定までの間に、確定数字で何%の引き下げを前倒しで実施するということができないかということで、関係方面と十分折衝を重ねたわけでございますが、それは現在の金融体系あるいは金融政策、制度面の問題がございまして一挙に金利までということをはっきりさせる段階まで至りませんで、したがいまして現在のところ、三月十八日以降の投資につきましては、たとえば五月あるいは四月中旬にもし長期金利が引き下げられる場合には、それを前倒しで遡及して適用するという措置だけが決定を見たわけでございます。したがいまして、次に決まるべき引き下げ幅の問題は全体としての金融情勢、特に国債あるいは長期の利付債の動向あるいは郵貯の金利等々ございまして、それらの面から金融全般の絡みにおきまして長期の貸し出し金利というものが決まってくるということでございます。したがいまして私どもはその引き下げ幅ができるだけ大きいようにと、それから決定の時期もできるだけ早いようにということで現在も関係方面と話をしておりまして、特に問題になりますのはやはり長期的な観点から見まして現在の長期債券あるいは国債の動向等が、現段階ではまだなかなか結論を出しにくいという時期的な問題がございますので、まだこれというためどがついておりませんけれども、三月十七日以降引き続きそういった事態の推移を見守りますと同時に、関係方面との折衝を続けておると、こういう状況でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 中小企業者に対する金融措置について二、三質問したいんでありますけれども、政府系の中小企業金融三機関の貸付枠及び貸出実績をここ数年にわたって調べてみました。いずれも貸付枠よりも貸出実績が下回っていることに実は気がつくのであります。五十三年度、五十四年度の両年度をとってみましても、中小公庫は別にいたしましても、国民金融公庫、商工中金とも実績が相当下回っているのでありますが、これらの点についてどういうような認識をされておられますか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 中小企業に対しますところの金融対策は、量的な面とそれから質的な面とございまして、まず第一に量的に不足を来さないようにということが対策の眼目になるわけでございまして、そういった観点から年度が始まります前に財政当局と折衝をいたしまして、三機関の融資規模というものを決めていくわけでございますが、その際には相当な資金需要が出てまいりましても、これにたえられるようなゆとりを持った資金枠というものを決定するのが従来のやり方でございます。したがいまして、景気がある程度低迷すると申しましょうか、順調に伸びない場合は、やはり資金需要の方が見通しよりも下回りますので、用意いたしました枠を使い残すという事態が発生をいたします。特に資金配分につきましては年末融資、たとえば十二月を境目といたしまして特に年末融資を追加すべき場合もございますし、それから年度末融資も追加すべき場合もございますけれども、最近のいま先生御指摘の五十三年度以降の実績で見てまいりますと、そういった必要性もないと、これは必ずしも喜ぶべきことではございませんで、資金需要が、まあ特に前向きの資金需要が余りないということは、やはり中小企業の景況が必ずしも思わしくないということでもございますので、必ずしもこれを喜んでばかりもおられないわけでございますけれども、実績といたしましてはそういったいわゆる用意した資金枠が必ずしも完全に消化されないという数字であらわれてくるものでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私が心配いたしておりますのは、金利を下げただけで問題が解決しない、金を借りたくても仕事がないんだと、このことですね。そのことが有史以来の倒産につながっていると。いま長官の言われたように、前向きの金融の要請というものがないと。確かにいま融資希望が殺到して当初の貸付枠をオーバーするような事態になれば、財政投融資資金を導入いたしまして貸付枠を増枠をすることなどで対処することでありますけれども、現に何回もそういった増枠措置をとられてきていると思うんですね。  そこでお伺いしたいんでありますけれども、最近の数年間に各機関とも当初の貸付規模をいずれも増枠しているようだけれども、その数字は大体どんなふうになっていますか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) たとえば五十六年度の、明日から始まります年度のあれから申し上げますと、財政投融資資金といたしましては一三・四%の増と、それから実際の貸付規模におきましては八%ということでございまして、前年度に対します伸びも最近は、たとえば五十五年の五十四年に対します伸びよりも落ちております。まあ先ほど御説明いたしましたように、急速に資金需要が出てくるということも、たとえば二けた台、一〇%から二〇%あるいはそれ以上というものもいまのところは期待できませんので、一応いま申し上げましたように、五十六年度の例で申しますと資金投入の面で一三・四%、それから貸出ベースで八%増程度にとめております。しかしこれも年度途中におきまして思わぬ資金需要が出てまいるということになりますと、そこで機動的な増枠を図りたいと、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 五十四年度の中小公庫は別にしても、先ほど申し上げたように、貸出実績が貸付枠を下回っているけれども、これは非常に長官も心配していらっしゃるのですけれども、大体どのような理由でこんなに貸付枠を下回っているのか。その点もう少し説明してください。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 三つございまして、一つは経済の先行きに対する見通してございます。これがなかなか不透明の世代と言われますように、大変にむずかしい基調があります上に、最近の経済情勢から見ますと、非常に先行きの見通しがむずかしいという点が第一点でございます。  それから第二点は、やはり収益見通してございまして、借金して設備投資なりあるいは前向きの販売量をふやしまして、それによって金利を払っていけるかどうかというその収益見通しが、やはり低成長経済下にございますのでなかなかこれもむずかしいと、なかなかかっての高度成長時代ほど楽観できないという面が第二にございます。  それから第三の点といたしまして、やはり金利水準ということでございまして、これは水準自身が、昨今の高金利水準、特に昨年の後半期以降の高水準からしますと、やはり現在の低成長時代から見ますと、どうしてもそれをもとにして設備投資をして十分やっていけるかどうかということについての問題が、なかなか投資決断を阻んでいるということが一つございます。  それから三月十七日で一応金利問題は公定歩合という一番基本的なものが片づいたわけでございますが、その前の状態で申しますと、やはり金利先安観というのがございまして、もうちょっと待ったら下がるかもしれぬということでの期待感がございました。したがいまして、それによって足踏みをしたという要素もございます。  以上三つが主たる背景かと思います。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 昭和五十五年度の中小公庫が一兆八千三百八十九億円の貸付枠、同じく国民金融公庫が二兆四千二百六十五億円。商工中金が五千三百億円ですね。このことについて、きょうはもう三月の三十一日ですから、この実績について、さらに五十三年以降と同じように平均して落ち込んでいるのか、どの程度の落ち込みなのか、その数字を教えてください。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 最初にお断りして申しますが、商工中金の場合は五千三百億円と申しますのは、いわゆる純増ベースでございます。したがいまして、貸し出しの片道の全体量を示しているわけではございませんで、いわば差し引き計算という純増部分だけでございます。  御指摘のように、中小公庫、それから国民金融公庫でございますが、これにつきましては、五十五年度がきょうで終わるわけでございますけれども、中小公庫の場合はほぼ九〇%以上の消化率で推移しそうでございます。これはあくまでも見通し論で申し上げているわけでございますが、その主な理由は、やはり豪雪による資金需要が当初予測しなかったものとしてつけ加わっておりまして、こういったものが多いわけでございます。それからもう一つは、倒産対策融資というものがございます。この二つによりまして、ほぼ当初の貸出計画を達成するに近い九〇%以上の消化率が見込めるわけでございます。  それから国民金融公庫でございますが、これにつきましても昨日話を聞いたんですが、まだはっきりした数字は出ておりませんが、大体の見通しといたしましては、やはり豪雪の関係、それから冷夏の関係、それから倒産防止対策特別融資、それに国民金融公庫の場合はマル経資金というのがございまして、これが五千百億組んでおったわけでございますが、ほぼ五千億弱のところまで消化ができそうでございます。したがいまして、国民金融公庫の場合も、今年度に関する限りは全体としまして大体九〇%前後の消化率の水準になりそうでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 大蔵省がことし二月にまとめた結果によりますと、公社公団等の政府関係機関の昭和五十五年度の財政投融資計画については、昨年の十一月末の時点で当初計画のわずか三四・三%しか消化されてないということが明らかになったわけです。中小公庫並びに国民金融公庫についても消化率は約五割でありました。年度途中であることなども割り引いたといたしましても、消化率は低いように思うんです。このように消化率が低いということは、年度の国民金融公庫や中小公庫の貸出実績が低調に推移しているせいだと思われるけれども、いま長官のお話を聞くと、中小公庫が九〇%以上の消化率で、これも豪雪の資金の需要と倒産対策で九〇%の需要、国民金融公庫も大体同じく豪雪と冷夏とそれからマル経資金というようでありますけれども、これらのものがもしなかったとするならば、私がいま指摘申し上げたようなこと以上の実績に終わったんじゃないかというように実は考えていると思うんです。私が申し上げたいのは、このきわめて厳しい冷え込みというものについて、相当思い切った措置をとらなければならないと思うんだけれども、この点通産大臣はどんなふうにお考えになっておられますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 五十五年度の設備投資などを見ますと、製造業でマイナス一・四、それからサービス業でマイナスの一・五、それから商業関係でマイナス一一・六でございます。そのように非常に設備投資が少しも刺激されておりませず、先ほどから企画庁長官や中小企業庁長官が言っておりますように、結局個人消費あるいはその他の住宅投資とかいうようなものが全然起動しておりませんし、在庫調整は伸びっぱなしに伸びている調子もございますし、そういうさなかで中小企業の倒産率が非常に高いと、結局私はやはり国内の景気だけを見て、これをどうとか操作ができにくくなっていると、対外的に申しますと、世界全体の不況の波でございますし、石油価格でも日本の景気とかあるいは物価の運営、操作、そういうものにお構いなしに上がってきておりますし、日本は御承知のように九九・八%はそういう原油の石油の輸入でございまして、これらがまた製品化する場合に、朝起きて、私どもが使う歯ブラシから、寝るときのマットレスまで三百十数種類あると言われております。それらは手を加えてそういう製品になるわけでございますので、物価高、ある程度のインフレ、スタグフレーションというようなことになるわけで、私は国内で私ども御指摘のように昨年の九月、ことしの三月の十七日に二回にわたる経済対策をとっておりますが、公定歩合の一%引き下げ、それから政府三機関がこれまた金利が定まれば遡及してやると。そのほか実を申しますと、御承知のように、私ども、中小企業対策として新年度予算の中に二千五百億程度の一般会計、それから財投で一応三兆五千億というようなものを組んでおりますし、それらが稼働していきますとかなり設備投資その他を刺激するわけで、計算はそういうことになりますけれども、やはり世界景気との兼ね合いもございますし、たとえばこれは端的な例でございますけれども、中国のプラントがストップになれば、これまた日本の中小企業に大きな影響、また日米自動車摩擦で自動車のことをある程度アメリカの意向も入れていきますと、アメリカは二十万人ぐらいの失業と言っておりますけれども、わが国では自動車産業がかなりのウエートを占めている証拠には、約六十三万七千人ぐらいの雇用者が直接いまして、下請企業を含めますと約五百万人というふうに言われております。したがって私は、これらの中小企業関係の運営あるいは経済刺激にならないのは、国内の影響もございますけれども、対外的な不況というものがかなり響いてきておるというふうに思っておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 もちろん私も、いま大臣のおっしゃるように、国際経済の問題を考えないいま、国内経済の課題ということはないわけですから、その点はそのように考えておりますけれども、問題はやっぱり大企業対策のみに終始しているというように思われがちなんです。また、極論すれば結果としてそうなるようになっているというように考えたくなるような実績というものが続いているわけですから、その点を特に私はいま金融対策の面から申し上げているわけでありますが、もとへ戻して、いま申し上げましたように、三機関の貸出実績をながめていると、最近の貸し出しの伸びは一時の勢いを全く失っている。民間では三機関の融資制度についてのPRが足りないんじゃないかというような声もあるんですね。そういう声もささやかれております。特に中小公庫と国民金融公庫の省エネルギーの貸付制度の利用件数なんかを見ましても、昨年の十二月末で国民金融公庫が三十五件、一億九千四百万円、中小公庫は百十五件でありまして、両公庫で融資を受けた中小企業は、みずから申し込んできたものは実は少ないんでありまして、両公庫の勧めで利用に踏み切ったところがほとんどなんであります。利用件数の少ないということはPR不足のせいなどと言われているんであります理由は実はそこにもあるわけでありますけれども、政府及び三機関としては有利な資金を民間に供給いたしまして、広く活用してもらうという観点から今後どのような努力を行うのか、その心構えのような点についてお聞かせをいただきたいと思います。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) ただいま御指摘の点、私どもも痛感しているわけでございまして、やはり金融の態度というものが特に政府機関では非常に重要でございまして、ただ出てくるのを待つというのは平常時でございますが、最近はこういう景気振興を図らなければいけない時期でもございますし、特に先般の三月十七日の閣僚会議決定もございまして、これを大々的にPRしまして末端まで十分浸透するようにということを心がけてまいりたいと、このように考えております。先般、三月の二十二日でございましたか、都道府県の商工担当課長会議がございまして、特にこれは中小企業関係が多いわけでございますが、この際にも私直接出まして、今回の景気対策の趣旨をお話ししまして、十分設備投資の喚起について督励方をお願いをいたしてございます。それから、三月十七日の決定の即日でございますが、中小企業関係四団体、中央会、商工会、商工会議所、下請振興協会、この四団体の責任者を呼びまして、そのルートからも督励方をお願いをしてございます。それから各業種別には、これは各省及び通産省の各現局がございまして、そこで縦割りの団体を通じまして新しい振興施策についての徹底方をお願いをしてございます。特に、こういった問題は御指摘のとおりPRが一番大事でございますので、十分今後も心がけてまいりたいと思っております。特に省エネルギー投資につきましては、五十六年度でいわゆる設備投資減税というものが実現を見まして、中小企業につきましては相当大幅に省エネルギー投資減税の対象スペックを決めていただいておりますので、これにつきましても十分PRをいたしまして、減税効果もある、それから設備投資につきましては先ほど来の話のように金利の前倒し引き下げということも一応打ち出されたということによりまして、金利それから税制の両面から十分これを活用するようにということを徹底してまいりたい、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 最近の不景気の中で、市民金融機関の小規模零細企業への選別融資が非常にはやっています。とにかく百万、二百万であっても欲しい。行きますと担保はあるかということになるんですね。それから、担保がないから実はそういう少額の融資をお願いに来たんだということを言っているんでありますけれども、こういうふうな点についても、マル経資金なんかについても普通これは担保をとらないんですよね、マル経資金は。中小企業等経営改善資金の融資制度というように言われているんでありますけれども、これが利用が殺到しているんです。これでもある場合には信用保証づけなさい、信用保証協会に行きますと信用保証協会でも担保あるかと、こう言うんです。大体信用保証協会というのは担保をとらないことでお互いに非常に信頼し合っているわけでありますけれども、そういうことになったらもうお手上げですよ。もう倒産待つ以外にないということになっているんですね。それから市中の貸出金利が非常に、この三月十七日の対策やあるいはまた一%の金利の公定歩合の下げがあっても、なかなか金利下げを渋っている、この現状を中小企業庁長官もお認めになっておられると思うんでありますけれども、こういう点についてもやっぱり市中銀行、地方の市中銀行そして信用金庫、相互銀行というような中小企業向けの銀行等についてもっと強力な指導、それから信用保証協会等に対するもっと強力な指導、政府系三機関に対する強力な指導というものがなければ、これはやっぱり大変な事態になってしまうと思うんです。ですから、たとえば今度マル経資金なんかにつきましても五千百億円から五千三百億円に、貸付限度額が三百万円から三百五十万円に上がるとか、こういったことになったわけでありますけれども、この程度ではなかなかまだまだ不十分だというようなことが言われているわけでありますけれども、今後の拡充の対策について中小企業庁長官どう考えていらっしゃいますか。

児玉清隆中小企業庁長官

○政府委員(児玉清隆君) 最初に、市中の中小企業向けの金融機関に対する対策でございますが、この件につきましては、最近御指摘のような声がございますので、これは大蔵省の方にも私ども十分話をいたしまして、大蔵省の金融監督の面から十分な指導が行われるように、中小企業庁といたしましても配慮をいたしておるつもりでございます。特に、今回の景気対策の中身の一つといたしまして、担保の徴求あるいは返済猶予等については実情に即した機動的な、そして実際に即した弾力的な取り扱いをするようにという項目が総合対策の中の一つとして打ち出されております。私どもはそれを受けまして、早速これを大蔵省それから私どもと一緒になりまして各金融機関あての通達という形で徹底をするように現在展開をいたしておるところでございます。  それから第二の点でございますが、今後の資金需要に対してどういう改善をしていくかという御質問でございますけれども、これにつきましては現在のような財政事情でございますので、なかなか一挙にというわけにはまいりませんが、一番そのときの政策需要にミートしました点を引き上げていく、たとえば今回のように設備投資についてマル経について改善を加えるとか、あるいは一般の中小公庫あるいは交付金の貸出限度につきましても、これを新年度から若干でございますが引き上げていくというような措置を積み重ねてまいっております。今後も私どもは事態の推移を十分見てまいりまして、中小企業に関する限り資金量の点で不足が生じないように、さらに質の点におきましても客観情勢にマッチした金利水準あるいは貸出条件、そういったものの点におきますところの改善、こういったものを十分図ってまいりたい、このように考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 私はけさ、政府の統計局の家計調査と消費者物価指数について資料をもらったんでありますけれども、その中で家具、什器等の点について、私たちの静岡におきましては静岡市を中心として近隣の市町村に相当その業界が実は多数密集しているわけであります。  五十五年の四月期から六月期までの間において一三%の落ち込みで実質は一七・一%の落ち込み、七月から九月期までの関係は名目で言って二%、実質で六・三%の落ち込み、それから昨年の十月から十二月までの関係については名目で〇・三%の落ち込み、実質は五・五%の落ち込みということに実はなっているわけでありますが、同じく五十五年度の関係につきましては、収入が先ほどからも私が申し上げておりますように一%以上、四月から六月までは一・七%も実は収入が落ち込んでいる。その中で、消費支出も四月から六月以降は二・五%の落ち込みを初めとして、ずっと落ち込んでいる実績が政府の統計によって——けさ実はもらったわけです。このくらい対前年期について、成長はたとえば六・何%とか、ことしは五・三%とかということを言われたにいたしましても、このような状態で、特に地場産業と言われる関係についてはきわめて厳しいわけであります。かつて予算委員会のときに河本長官は、住宅の問題、物価の問題、その他石油の問題、いろいろ説明されて、その悪化の原因について言われておったわけでございますけれど、なかなかやっぱり並み大抵の対策ではいけないということが実は言われているわけであります。  そこで、私がいま申し上げておりますような金利の関係で、せめてもひとつ手当てをしてもらいたいという声が相当要望が強いものですから、そのことについてさらに中小企業庁がお調べになった中小企業経営調査によりますと、すべての企業が現在の金利水準を引き下げるべきだといたしまして、さらに六五%の中小企業が金利を一・五%以上大幅引き下げてもらわなければとてもやっていけない、それはもう電気料金その他エネルギー関係やその他諸物価の値上がり、原材料の値上がりでやっていけないんだということが実は明らかになったわけです。通産大臣は、衆議院の予算委員会におきまして、すでにこの金利引き下げが必要だとの趣旨の答弁を行っているんでありますけれども、このような民間の要望に対してどのような形でこたえるつもりか、改めてもう一度答弁を願いたいと思うんです。中小企業のぐあいが悪いのは国際経済の影響だとだけ言っていればいいという状態じゃないんですから、その辺をひとつ中心としてお答えをいただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) もちろん国内の中小企業者かこれほど倒れているわけでございますので、早急な緊急対策をやらねばならないことは頭いっぱいでございます。したがって、中心金利が一%下がりましたことで政府三機関という金融三機関にどう響くかということがやっぱり問題となると思います。御承知のように中心金利を一%下げたからといってプライムレートの関係などもございまして、それが政府三機関にそのまま響くということではなくて、いま言われているのは、大体一%中心金利を下げれば〇・四ぐらいの金利、三機関はなるであろうと言われておりますけれども、これを何とか私ども、金利体系でございますので、そう人為的にあれこれできない部分もあると思いますけれども、破格のことを今回、政府三機関に即応してやるというような破格のことをやってのけたわけでございますので、物はついでと言っては恐縮でございますけれども、〇・四ぐらいしか聞けないところを、せめてもう、かなりの幅を持ってこれが政府三機関の金利がそこにもおさまるようにして、それが遡及できると非常にいいなというようなことで、大蔵省のそういう金融のリード、これが私どももそういうような方向にできるだけ持っていこうというようなことを考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 次に、私は先日、商工委員会で静岡県の富士市に紙パルプ関係の不況の実態調査に出かけました。そのときの関係から若干の質問をいたしたいと思いますけれども、現在紙は文化のバロメーターだというように言われておりますけれども、わが国の紙パルプ産業は、海外からの原料資源の獲得によって大きな成長を遂げてきたところの紙パ産業というものが、今日八〇年代を迎えまして資源エネルギー価格の高騰という新たな問題に直面いたしまして、それへの対応を実は迫られているわけであります。これは、中、長期的には、これまでの紙パ産業構造の大きな改変をもたらさずにはおかないものでありますけれども、働く者にとってもきわめて大きな影響を実はもたらしていると思うんであります。  私どもは、今日のこの状態は、大手でも苦しい、ましてや中小企業の経営者は大変な事態になっているということであろうと思うんであります。紙パ産業においては今日資源エネルギーといった局面で、その存立基盤を動揺させるほどの深刻な問題が実は提起されているわけでございますけれども、これは原燃料の海外依存度の増大とか価格上昇が顕著であるだけでなくて、資源の絶対的な不足というものが指摘されているわけでありまして、紙パ産業は資源エネルギーに対する深刻な問題を内包しながら、不安定な産業基盤のもとでの展開を強要されているというように思うんでありますけれども、この紙パ産業については製造業界におきましても大きな影響力を持っているというだけに、この問題をどういうように認識されておられるか、通産省にお伺いいたしたいた思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 短期的な問題と中、長期的な問題が当然ございますが、両方非常に大きな困難に逢着しておるわけでございます。  短期的に申しますれば、非常な需要の落ち込み、これは一つは全体の需要の落ち込みもありますけれども、先生御承知のように、昨年の前半にチップが非常に上がりまして、関連需要業界では先高見込みでかなり買い込んで、一時的には生産、出荷がよかったわけですが、その反動がもろに昨年の五、六月からやってまいりまして、需要、出荷とも急激に落ち込んでおります。それに対して、コストの方は御承知のように燃料多消費型、あるいはチップを大量に輸入しておりますから、そのチップは一昨年に比べれば二倍に上がっておると、電力料金、重油もそのような状況でございます。したがいまして、コストは急激に上がっておる、需要は低迷しておる、しかし同時に資金繰りも悪化しておりまして、生産をそう落とすわけにはいかないという困難な状況がございまして、在庫が累増しておるということで、非常に短期的にはリサイクリングの景気変動プラスアルファの事情がございまして、非常に困難な状況に陥っておる事実がございます。  中、長期的に申しますれば、先生いま御指摘になりましたように、チップ材をほとんど、四五%海外に依存しておりまして、特に針葉樹、核になる針葉樹につきましては北米等にさらに集中をしております。そこで、そういう資源問題でエネルギーと同様に非常に不安定性、量的にも値段的にも不安定性を持っております。かなり将来は不足するという見通しがあります。しかし、これも非常に長期な対策を講じませんと、一年、二年ですぐ造林をできるわけじゃございませんので、中、長期的な観点から資源の多角的な分散あるいは直接の造林、その他を積極的に展開していかなきゃならぬという問題がありますが、現在の紙パの体質がち言って、なかなか資金調達その他も困難だということで、非常にそこに問題があるわけでございます。  それから、全般的に見ると、やはりかなりの過剰設備問題を抱えております。もう紙パの——物によってもいろいろ違いますけれども、全般的に一言で言えば、かなり設備過剰という問題も内在しておるわけでございます。チップ以外の燃料問題、電力問題というのも、どうしてもかなり多消費型産業でございまして、省エネルギー、代替エネルギーへの転換も進めなければならないということでございます。非常に中期的、長期的あるいは短期的にいろんな困難な問題を抱えておると、容易ならざる事態であると、こういう認識でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 産業構造審議会で昨晩ですか、答申を出しましたね。この中では、従来も言われてきたわけでありますし、いまも局長のおっしゃったように、八〇年代というものは基本的に原材料不足の時代だという認識を示しているようでありますけれども、原料不足の事態に備えでどのような対策、またはどのような研究機関といったようなものをつくって対処されるのか、この点について若干方針を聞かしてください。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 原料面の対策としては、大ざっぱに三つございまして、まず海外のチップあるいは海外のパルプ生産ということでございます。これはまあ、先生御承知のように、すでに業界協調では日伯、ブラジルにおきますところのパルプの生産、量はまだ二十五万トン強でございますが、一応成功を見ております。しかし、造林に至ってはこれから、港からつくっていかなければならぬという問題でございますが、そういう海外の資源展開がございまして、これはオーストラリアあるいは東南アジアというところでは同様に各社それぞれ試験造林その他始めておりまして、これから本格的な造林になるという問題でございます。これも先ほど申しましたように、現在の各社の体力からいたしますと、独自で大がかりな造林展開をすることはなかなかむずかしいという状況があります。政府としても当然、共同して経済協力基金等の応援をしてやっていかなければならないという問題でございます。  それから、第二の点は、国内のチップの供給増でございまして、これはなかなかむずかしいことでございますが、ただかなりの日本としても戦後造林は成功をいたしておる面がございます。したがいまして、それの間伐材というところに注目をいたしまして、これをどうして集荷するかという点に現在意識が集中しておりますが、御承知のように林業労働者というのはなかなか困難な労働条件でございまして、もちろん林道その他の問題ありますが、労働者確保という問題がかなり現実的な問題として相当問題になってきております。  第三は、やはり原料であります故紙の回収を上げる、利用率を上げるということが、これまた非常に省エネルギーあるいはごみの原料ということから、国民経済的に一石三鳥の効果を持っておるわけであります。この原料故紙の回収の安定的な発展といいますか、促進を図るという意味で故紙センターあるいは各会社別の原料ヤードの拡充、あるいは各会社別の行政指導による協力要請ということでかなり成果を見ておりますが、本格的にはまだこれから展開しなければならないという問題でございます。  それから、研究開発につきましてもいろんなテーマがございますが、やはり焦眉の急は省エネルギー問題、それから原料のチップの活用といいますか、針葉樹がだんだんやはり先細りになってきて、困難になっておりますから、それの技術開発等が中心テーマになると思いますが、これについても業界共同して研究開発を進めるように指導してまいる所存でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 一九七九年のわが国のパルプ材の消費量が三千三百六十二万六千立方メーターであるわけですね。そのうち半分弱が輸入木材で、その中でも米国からの輸入チップの価格の推移を見ると、いま長官のおっしゃったように、七六年から七八年までは安定していた輸入価格がそれから暴騰して、一時は三倍になったんですね。今日二倍強というところでしょう。その原因は設備投資が多過ぎて生産量を増した。わが国のメーカーの買いあさりもあったわけでありますけれども、本当の原因というものはわが国のメーカーが買いあさりをし過ぎたのかどうか、あるいはまた、わが国の紙パルプ生産に対する原材料の輸入は、いま申し上げたように約半分ですから、そういう国は世界にあるかどうか。その二点についてお伺いしたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 世界の主要国では輸入依存度が比較的高いのは欧州のイギリス、西ドイツあたりでございますが、イギリス、西ドイツはどちらかといえば洋紙、紙の最終製品を輸入するというパターンになっております。したがいまして日本は若干特徴がありまして、原料のチップはたくさん輸入するけれども、紙は余り輸入していないという構成でございます。したがって原料のチップ、パルプの輸入依存度が四五%以上、チップだけでも四五%というように高い国は、主要な国では日本がずば抜けて高いという状況でございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 原科チップがこんなに高騰した原因ということについて、どう思いますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) これは先生の御指摘のこともありますが、発端はやはり針葉樹について、北米から中心的に入れておった。これはまあ、やむを得ない構造であった。それに対して、御承知のようなアメリカの住宅事情その他が急激に落ち込んだ事情がございまして、チップの供給量が相当減った。したがいまして、それを察知して、日本も大変だということで買い急ぎをしたということで、買い急ぎも原因でございますが、もとの原因は違うところにあったけれども、買い急ぎも相乗効果を上げたということは否めない事情であろうかと思います。そして現在、やや落ちついているのは、一つは例のセントヘレナの大噴火ということで膨大な廃材が潜在的に出てきた。また顕在的にも出ておるということで、やや値段が安定し、かたがた日本の国内も不況で需要が落ちておる、こういうような経過をたどっていると承知しております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 各国の中で木材以外のものを原料としている国は少ないと思うのですね。そういう国があるかどうかを教えてもらいたいということと、世界の主要国における原材料の不足対策の現状について、日本だけじゃない、イギリスも西ドイツもあるということを言われたのでありますけれども、それは洋紙だというように言われておりますのですけれども、原材料不足対策の現状について説明してもらいたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 先生御指摘のように、主要国で大量にいわゆる木材以外に、ほかの材料を使って紙を生産しておるという国は余り、ほとんどと言っていいくらいありません。ただ、小規模な国あるいは中国あたりでバガスとか、あるいはその他の雑木といいますか、わらとか、あるいは私聞いているのは、可能性としてはたとえば、御承知のようにバングラデシュという国がありましてジュート生産をしておりましたが、いわゆる麻袋の需要というのが世界的に紙なりポリエステル、ポリエチレンの方になっておりまして、ジュート自身の生産が落ちてきた。そこでジュートというのも紙の、パルプの原料になり得るという研究開発も進んでおります。したがいまして、将来的にはある程度可能性はありますが、現在の紙の質、需要から、主要国においてはほとんどそういう状況にはまだ至っていない。ただ将来として、紙の質によりましていろいろ応用がきくわけでございますから、何も高級な紙だけが必要じゃございませんので、十分そういう面で技術開発その他の必要は認識をしておるところでございます。  それから、紙の、先ほど日本がずば抜けて海外依存度が高いということでございまして、それの対策としては、先ほど申しましたように、第一に海外のパルプ、あるいはチップ、そして直接造林という方向で現在いろんな手だてを講じておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 まあ、アメリカの住宅事情やその他があって、一時的に供給減というような事態が生じたために買いあさりもあったと、値段をどんどんつり上げたという点もあったでしょう。針葉樹の点もあるでしょう。しかしながら、やっぱり何としても外国からチップ原料を相当大量に買いあさっているという点について、需要と供給のバランスを崩したということが言われるわけでありますから、問題は、やっぱりチップをこんなに大量に買わないということがいま業界でいろいろささやかれているわけです。そのような対策のために、いわゆる輸入減をさせるためにどんなふうな対策が必要か、ひとつ局長の答弁を求めたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 輸入に依存度が高いということ、そして過去にかなりその輸入量自身を増大さしてきたことが根本的な原因ではないかという御指摘は、根本的にそれがあったことは当然でございます。したがいまして、あらゆる手だてを尽くしてその問題を解決しなければいけないということで、先ほどから申しましているように、自前の開発輸入あるいは故紙の利用の拡大ということも現在進めておりますが、同時に針葉樹に余り依存しなくてもいいような技術開発ということも進めておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 暴騰の影響を国内メーカーが受けないようにすることについても、これまた紙パルプ産業救済策の一つなんです。  それから通産大臣にお伺いいたしたいと思いますけれども、これまでのやりとりの中においてひとつどのような感想を持っていらっしゃるか、大臣の御所見を伺いたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 紙パルプ——板紙ですが、そういうものを含めまして、素材産業が景気、不景気のなにを一番先にもろにかぶるということもありますけれども、私はやはり根本的にはこの業種が約五百社ぐらいあるわけでございます、大中小含めまして。まあ大手が二十社ぐらい。やはり、五百社もあるということは、どうしても過当競争を生じますし、不況になればなってまた原材料をあさるというときでも、こういうふうに現在のように高い物を買うと、買った者が今度は在庫、出荷と。出荷の例を見ましても、一四%前年よりも落ちているわけでございます。したがって私は、やはり理性のあるといいますか、競争はある程度競争原理で、自由主義社会経済でございますので必要ではございますけれども、やはり業者が、大も中も小も含めまして五百社の部分部分でいいと思いますが、十分対外的な輸入をする場合でも、あるいはまたそれを製造する場合でも、独禁法に触れない程度にある程度のそういう頭を使っていくことが先決じゃないかと。したがって私どもも、通産省が行政指導である程度こういうことについては十分対外的な面も国内的な需要の面も把握して、ある程度の行政指導は必要ではないかというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 先ほど申し上げた産構審の答申によりますと、原材料の不足対策の一つとして故紙の回収を挙げているわけですね。この故紙の回収の利用拡充と需給安定化の推進を掲げておりますけれども、故紙を利用すれば原料の安定的な確保とか、いま特に林野の関係の森林資源の保護という面からも相当私は有意義だと思うんです。さらに、電力多消費型産業である紙パルプ産業は実は鉄鋼よりも電力を使うんですから、そういう意味で石油に弱い体質を持っていると思いまして、故紙を利用すればエネルギー節約にも実はなると思うんです。  そこで、故紙の回収利用の必要性が今後必要になってくるわけでありますけれども、最大のネックは故紙の価格なんですね。安くなりますと故紙の回収業者が回らなくなっちゃう。高くなると故紙の回収業者が回る。その回収に回るということになるわけですから、その結果、再び故紙価格が高くなってくるという矛盾を生じます。回収業者が再度この回収業務に乗り出すということになりますためには、安定的な回収が行われない結果になってしまったんでは困るわけです。そこで最近の故紙価格の推移で見ますと、最低の十円程度から最高六十円ぐらいまで、全くバランスを欠いているわけです。そういう中で価格が乱高下するということが実はわかってきたわけでありますけれども、そうした状況の中で、利用率とか回収率というものについては、昭和四十五年以降、徐々にではありますけれども、高まって実は来ているわけでありますが、昭和五十四年には四三・四%までなった、この間の調査で聞きました。しかしこの故紙の利用率は、四十三年のまた四一・一%まで下がった。そういうようなことがありまして、これらの関係について、実は回収率、利用率をもう少し高めるためには故紙の備蓄在庫が必要だと、こういう意見が相当いま現在高まっておりますけれども、この点についても先上、二十四日、私どもは参議院商工委員会で、先ほど説明いたしましたように、富士市に出かけて紙パルプ産業の視察を行った際の業界からの、またメーカーからの要望のあった点は、これらの点が実はあるわけでありますが、このいわゆる備蓄センターというようなものについて政府としてはまともにひとつ取り組んでもらいたいと思うんですけれども、しかも特定不況業種に指定もされている関係もあるわけですから、その点いかがですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 先生御指摘のように、現在の故紙の利用率は四二%ぐらいでございまして、まあ国際的に見ますとかなり優等生——優等生といっても、日本の原料事情が悪いので、故紙をやむを得ず利用しているという面もあるんですけれども、恐らく国際的には高い方で、主要国で二、三〇%、三〇%ぐらいが高い方でございますんで、四二%というのは省エネルギー、省資源の方からかなり優等生でございますが、先ほどからの質疑でおわかりのように、もっともっと上げていかにゃならぬということで、四七というのを六十年度の目標にしておりまして、これはぜひとも達成せにゃいかぬということでございます。  もう先生御指摘のとおりでございまして、値段の乱高下という問題が最大のネックでございまして、したがいまして、われわれとしては、過去に故紙センターをつくって現在も動いているわけですが、なかなか故紙センターだけでは膨大なヤードあるいは各地に分散したヤードをつくらなきゃいけない、負担も大変だ、土地の手当ても大変だということで、そこで昨年からやはり急激に紙の市況を反映して下降してまいりました。これは大変だというわけで、通産省といたしましては各社に、行政指導と先ほども申しましたが、まさに行政指導でございまして、各会社別にノルマというほどじゃないんですけれども、かなり行政指導しまして、会社ごとにはかなりヤードがございますので、そこに相当持っていただいたわけでございます。その結果が相当大きいわけでございますが、現在まあ低位ながら暴落というところまではいきませんで、いまの市況から、本来なら相当暴落していると思いますが、何とか低位安定を図っておる、これはまあ一応成功しておると思います。  それから、ただこういうことだけでも十分ではございませんので、われわれとしては二つの方法で検討してみました。故紙センターの機能の拡充ということでございます。もう一つは、われわれ工場にはそれぞれ行政指導をして相当持たしたんですが、一方立て場といいますか、故紙の原料問屋、これも強化すべきであるということで、これについても場合によっては中小企業の高度化資金的な低利の、長期のお金を供給できないか、それにはまた共同化といいますか、せにゃいかぬわけですけれども、そういう方向で数多くの、やはり大きいやつもそれから小さくて数多くのため場と言いますか、貯水場ですね、どんどんつくっていくということが一番大事じゃないか、そういう方向で努力してまいりたいと思っております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この業界の強い要望に対して、通産省として故紙の備蓄について、たとえば故紙センターをつくる、あるいはまたいま局長のおっしゃったように、故紙問屋についてもある程度補助もしてやるというようなことで考えたときに、当面の故紙の価格の乱高下を防止するために、これらの対策を講ずるとすれば大体幾らぐらいの金がかかると想像できますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) これはやり方でございまして、新たに土地を手当てしたら恐らく一千億や二千億はすぐ飛んでしまうんじゃないかと思うんです。われわれとしては、できれば地方公共団体とか、そういうところの、要するに簡単な建屋を建てておけばいいわけでございまして、そういうものを安く借りられれば新規の資金はほとんど要らないということでございまして、したがいまして、その問題は、土地の手当てをどういう形態でどういうふうにするかというのがポイントでございまして、買ってやっていたんじゃとても引き合うものじゃございません。かなり低利なお金を提供してもとてもいまの故紙の価格、その他からいっても引き合うものじゃございませんので、その辺がポイントになると思いますが、そういう方策を投ずればそれほど莫大な金でなしにかなりの成果が上がるというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 土地を買ったら一千億から二千億かかる、大変だ、それはよくわかるわけであります。しかし、何としても今日の紙パルプ産業業界を守る、そこに働く一つ一つの労働者も守るということになるとするならば、やはり故紙の回収率というものを高めて、しかも故紙の価格を安定させる、そのための故紙センターというものを前向きにひとつ検討をしていただきたいというように考えておるわけでございます。  新聞報道によりますと、通産省は不振に陥っている紙パルプ業界をてこ入れするために、主要望紙について四半期ごとの需要見通しを提示させて、これによる各社の減産を期待することになったということになるわけでありますが、その点を説明していただきたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 御承知のように、非常に状況が悪うございまして、それがしかもかなり悪循環を起こしておるということでございます。したがいまして、通産省としては四半期ごとに紙の需要見通しをつくって、できるだけそれを中心ににらんで各社が自主的に生産を考えるということが大事だと思いまして、そういう施策と言いますか、見通しを現在つくって出しております。しかし、それだけではなかなかうまくいかない、それだけでも万全でないという状況が一部出てきておりまして、現在業界においては業種によって不況カルテルの申請等の準備も進めておるところでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 業界でこの間聞いたんですよ、やっぱり。その中には、紙パルプ業界がこのように落ち込んできたのは、数年前の通産省の需要見通しが全く狂ったからだという声が強いんですね。この点についてどう考えていらっしゃるかということと、通産省としてはこれまで紙パ業界に対してその行政指導はこの面からどういうようにやってきたのかという点についてお聞きいたしたいと思うんであります。  それから、海外経済協力の関係は時間がなくてこの次に譲りますんで、その関係の方はひとつ済みませんでしたけれども、御退席願って結構です。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 七〇年代の産業構造ビジョンというものを約十年前につくりましたときに、確かに業界がいま言っておるように、現在の紙の需要を五十四年でたとえば約千八百万トン前後でございますが、それを二千たしか二百から四百万トンといいますかぐらいに見通したことは事実です。それは御承知のように通産省率直に言えば見通しを誤ったと言っても過言ではないと思います。ただ、GNPの平均伸び率を七%ぐらいというふうに考えておったのが、御承知のように実際は四%そこそこだということの違いが、狂った直接の原因じゃございますけれども、弁解をいたしてもしようがないんで見通しを誤ったと、石油ショックまでは見通せなかったということは率直に言わざるを得ないと思います。しかし、その間何も急に需要が、見通しがおかしくなったわけじゃなくて、もう五年先からわかって、五、六年先からわかっていたわけでございまして、業界の過当競争による設備増強というものも相当問題だったと思います。紙パの設備問題についても一時行政指導をしたりしたこともありましたけれども、御承知のようにあんまり調整をするとかえって設備を早くつくった方が得だという動きも出てきますし、われわれとしては、現在の状況では、むしろ設備の新造設というのは業界の過剰設備の状況では現在はほとんど意欲はございません。むしろ一般的な意味で省エネルギーあるいは代替エネルギーの問題とか、あるいは高付加価値製品の問題とか、あるいは海外の先ほど来申しましたような問題とか、あるいは故紙の問題とか、そういう設備を、直接設備を増強する以外の投資面にわれわれとしては指導と言いますか、の重点、流れを向けていくというような方向で数年かかってそちらの方に誘導していきたいと、かように考えておるわけでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 このような窮状を何とかして救済するということと同時に、通産省としても各社の減産を期待するということも考えておられるようでありますけれども、具体的にはどのような対策が必要なのかを明らかにしてもらいたいことと、それから、たとえば先ほど私が申し上げました特定不況産業の安定臨時措置法による四業種あって、それを後で政令で六業種ばかり指定したわけでありますが、この中には設備の共同廃棄なんという問題も実はやることになったいるわけでありますが、特定産業として現在の段ボール原紙製造業に加えて、他のクラフト紙やコート紙や上質紙などの製造業を指定するということになるのかどうなのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) いわゆる特交法に基づくものは業種指定の期限が法律上明記されておりまして、それを過ぎておりますので、現在法律改正でもあればそれは別ですけれども、現行法上はクラフト紙とか上質紙とかコート紙を追加す名ことはできません。そんな状況になっております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 業界でカルテルの申請を公取に申請するというようにほぼ決まっているようでありますけれども、公取はどのように受け取っておられますか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 製紙業界から現在公正取引委員会の事務局に対しまして、上質紙、コート紙、土ざら、クラフト紙につきまして独占禁止法上の不況カルテルを申請したいという意向が表明をされております。ただ、実施しようとする制限の内容につきましては、設備の稼働を抑えるということは承知いたしておりますが、どの程度に制限するか、それからいつから回収してどのくらいの期間継続するかという点等につきましての具体的な内容につきましては、まだ説明がなされておりませんし、また委員会としての検討はいたしておりません。将来、製紙業界から不況カルテルの申請がありました場合には、法律の要件に照らしまして慎重に審査をし、できるだけ早く迅速に適否の方針を決めたいというふうに考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 いまそういう情報はつかんでおるけれども、まだ正式には聞いてないけれども、そのときに考えるというようなことであるようでありますけれども、まあ一部の業界は、クラフト紙及び上質紙、コート紙の洋紙業界では、不況カルテルの申請があった場合においてもこれに参加しないというような形で、必ずしも業界の足並みがそろっているというようなわけではないという新聞報道がございます。通産省はこうした業界の姿勢にいや気が差したといいますか、問題のまとまりが少ないようだということもあって、洋紙市況建て直しのための行政指導を取りやめると一時報道されたことがございます。先日、上質紙とコート紙の四半期別需要見通しを提示さしたということは、この問題に前向きに対応する姿勢となったと、こういうように考えていられるようでありますが、そのように理解していいんですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) ある特定の社がカルテルの参加について議論があるということは承知しておりますが、別にそれによっていや気が差した事実はございませんし、市況の建て直しは現在の紙パ業界にとって非常に重要なことだと考えておりますので、方針は一貫して変わっておりません。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 これらの関係の中で、不況カルテル結成の動きがいま非常に頻繁になってきたという中で、公取もその動きを認めているしまた通産省もこの点については了解を与えて実際の行政指導によって行われているというように考えられているし、また、一部反対しておりましたメーカーもこれに参加する積極的な意欲を持ち始めたと、こういうように理解をされておりますけれども、この点はいかがですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) カルテル問題につきまして業界の方の結束といいますか、参加、不参加問題がまとまりつつある、いい方向になりつつあるというふうに聞いております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 この関係等については、ひとつ通産省としても各労働組合関係にもいろいろ相談をされて、そうして犠牲を受けるのは結果として労働者だけであった。賃金の面や要員の面や設備廃棄その他の関係から、そのようなことが一方的になされないように、十分ひとつ意を通じてもらいたい、このように考えますが、いかがですか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) われわれ、おっしゃるとおりの精神でやっております。現に紙パルプ関係の長期ビジョンにおきましても、労働組合の方々の御参加をいただいて十分議論も闘わしておりますし、それから現実の行政におきましても、われわれ紙パの労働者のことを常に考えて行政をしているつもりでございます。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 今日、紙パルプ業界は自動車産業のそれとは違って、自動車産業は市場を求めて進出する。ところが紙パルプ産業の場合におきましては、むしろ国内消費を何としてもひとつ安定させるために、安定的供給させるために、今度は東南アジアとか各国から原材料を持ってきて国内消費に充てる、こういう実は相違があるわけですね。この点について先般鈴木総理が東南アジアを歴訪されたときに、いわゆる資源ナショナリズムの動きについて、たとえば紙製品をつくって——半製品もそうでありますけれども、逆に開発輸入するというようなことを言ってきたということが新聞で報道されました。この点についてはどういうように認識しておりますか。

若杉和夫通商産業省生活産業局長

○政府委員(若杉和夫君) 先ほどから申しましてるとおり、単に造林して、チップで持ってくるだけじゃなくて、パルプまで加工する。あるいはさらには紙にして持ってくるということも十分考えておりまして、われわれとしては長期の需要見通しにおきまして製品の輸入も相当程度ふえるし、パルプの半製品も相当ふえるということでございまして、マクロ的、長期的にはそういう資源ナショナリズムに十分こたえ得るものを考えております。ただ、これは現実問題となりますとやはりペイしなければならないといいますか、コスト的に引き合わなければならないという問題がありますから、現実の立地なりプロジェクトをどうするかというのは、これからも慎重に詰めていかなければならないと思っておりますが、基本方向としてはそういう方向で考えております。

青木薪次日本社会党

○青木薪次君 質問を終わります。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    正午休憩     —————————————    午後一時四分開会

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私は日米自動車問題について少しお尋ねをしたいと思います。  日本の自動車生産はこの数年、年率一〇%前後の伸びを続けておりますが、五十五年度には、御承知のとおりについに年産一千万台に達しました。その中で、対米輸出は百八十万台を含め日本の自動車輸出の輸出貿易全体に対する貢献度はまことに大きいと言わねばなりません。しかし、国内需要の伸び悩みのほかに、自動車摩擦の激化によりまして欧米輸出の伸びの鈍化などのほか、日本の得意分野でございます小型車につきましても、アメリカのワールドカー戦略によりまして一九八五年には米国製小型車が出そろうと言われておりまして、小型車における日米競合時代を迎えようとしております。これは御承知のとおりだと思います。  そこで、私は最初に今後のわが国の自動車政策につきまして、政府はどのように取り組まんとしているのか、基本方針を明らかにしていただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 田代委員御指摘のように、日本の自動車産業の方向というのはこれからそう安易な道は私はないと思います。と申しますのは、御指摘のように、一割産業つまり製造業の一割産業になって、いつの間にか大きな日本の全産業の中にどっかり腰を据えているのが自動車産業でございます。したがって、今回の日米摩擦によりまして、アメリカから、日本の自動車輸出が多過ぎて、つまり向こうから言わせれば輸入が多過ぎてレイオフ、これが二十万近く失業者が出てくるというようなことを言われておるわけでございますけれども、私もたびたび国会で皆さんの御質問に答えて言っているんですけれども、それは日本がよくて安くて燃料のかからない車だから、アメリカの消費者が好んでいるんじゃないか、多少方向違いじゃあるまいかということもありまして、向こうもITCあたりでは輸入車による被害がアメリカの自動車産業に影響しているんじゃないということも判決が出ておりますし、つまりシロという判決でございますし、まあ理屈を言えば自由主義貿易でございますので堂々としておいてもいいわけでございますが、しかし来し方、日米関係のことを考えますと、非常に、日本の貿易量の四分の一はアメリカでございます。アメリカにも言い分があるでしょうし、それからどうしても輸出量が相互に多い、繊維、カラーテレビ、家電あるいは鉄鋼、現在自動車でございますが、将来もいろんな問題で日米間に摩擦が起こる、貿易量が大きいだけに。しかも、それは技術競争、貿易競争ということになりますので、競争ということは摩擦ということになりますし、将来ともそういうことがあることは考えておかなくちゃいけませんし、そういう際に、日米両国が自由主義貿易を相互にやろうという前提がある限りは、体質が弱っているならば背中もなでてやろうという気持ちもあってもいいんじゃないかという気もするわけで、といって余りにもこちらがへりくだって、あるいは無理をするというようなことも得策ではございませんし、十分日米間で話し合ってこの問題をできるだけ円満に進めたいというふうに思っておりますし、すでにわが省の機械情報産業局ではこれらの問題の懇談会と申しますか、学識経験者あるいは第三者も含めまして、そういうことでこれらの問題の処理あるいはこういう問題が起こらないように十分多くの人々の意見を聞いていこうという体制をとっております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま大臣から御説明がございましたが、わが国の今後とるべき基本方針といたしましては、機械情報産業局長の諮問機関的な立場での、ただいま大臣は懇談会あるいは経験者等を交えて対策を講じていきたいという、そういう段階であって、まだ何一つ明らかにされたわけではない状態ではないかと私思うのでございますが、この段階において、自動車問題について政府の対処の仕方が誤りましたならば、今後大きな問題を残すおそれがあるのではないかと危惧される面があるわけでございます。現に、アメリカの対日要求に対する対処の仕方の中に、すでにその兆しが感じられる面もございますが、それで、まず私は、米国の自動車産業界の実情について通産省として掌握をしていらっしゃることをお聞きしたいと同時に、私の立場から、また通産省としても、米国自動車産業界の実情というものは大きな問題になっているということは承知していらっしゃると思いますが、このような状況になったのは一体どういうものが原因になっていると考えていらっしゃるのか、通産大臣の認識をお聞きしたいと思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) アメリカの自動車産業の現状でございますが、これは御承知のとおり、かなり苦況にあるという状況だという認識をいたしております。現状、長期レイオフでございますが、約十九万人ということでございます。また、メーカーサイドの方も、一九八〇年、昨年におきましては、米ビッグスリーいずれも大幅な赤字を計上するという状況になっております。GMにいたしましても七億六千万ドル、フォードが十五億四千万ドル、クライスラーは十七億一千万ドル、合わせて四十億ドルを超えますような大幅な赤字を計上しているということで、米国の自動車産業、これはメーカーあるいは労働サイド両面におきまして非常に悪い指標が出ておるという感じでございます。  それから、この米国の苦況をもたらした原因でございますが、何と申しましても、アメリカの自動車需要全体が落ち込んだということが一つ大きな原因であろうかと思います。これはやはり米国の景気の後退、リセッションの影響によりまして需要が落ち込んだと、さらに米国内におきますインフレ対策としての高金利政策というのがございまして、これによりましてさらに販売が落ち込んだと、両面あると思いますが、そういった意味での需要減というものが第一にございまして、第二には、やはりガソリン価格が非常に米国において高騰いたしておるという状況がございますが、そういったことを背景にやはりアメリカの消費者が燃費のよい小型車に需要を移した、したがって、従来大型車を中心にしておりました米国自動車メーカーが、これに対応できなかったというところが主要な原因であろうかというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいま局長からもお話がございましたけれども、いずれにいたしましても、日本製の小型車がアメリカの大きな需要にこたえてきたことは間違いないし、これはアメリカの消費者にとって大きなメリットであったと思いますけれども、この点も私は再度確認しておきたいと思いますが。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいまお答え申し上げましたように、日本車が非常に燃費もよろしいということは、これはもちろんでございます。それから品質、性能の面でも非常にすぐれておるということだと思います。特に故障が少ないということが非常に評価されております。したがいまして、小型車の維持費というものが非常に安くて済むというような面も含めまして、米国消費者から歓迎されておるというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこでアメリカのビッグスリーでございますが、先日矢野書記長を団長といたしました訪米団が参りまして、いろいろ現地の実情を掌握してきた報告も私は聞いておりますけれども、御承知のとおりに、アメリカではこの二年間に販売台数が二百八十万台ほど減になっておりますが、それに対して日本車は四十万の増というようなこれが実態でございます。しかし、このビッグスリーが今後どう対処しようとしているのか、やっぱり日本政府としてもこれを着実に掌握をしていなくちゃならないと思いますが、どのようにそういう実態を掌握をしていらっしゃるのか、掌握していらっしゃる内容の御説明をお願いしたいと思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 米国におきます自動車産業の苦況というものが、アメリカのビッグスリーの対応のおくれということにあることは、これは米国内において広く認識をされておる事実かと思います。ビッグスリーのサイドもやはりそういった事情を踏まえまして、これからの自動車というのはどうしても小型車移行が必然であろうということを前提にいたしまして、従来はそれへの対応がおくれておったわけでございますが、米国のメーカーとしてもこれから早急に小型車生産体制を確立したいというのが彼らの計画であろうと考えております。それぞれ三社とも計画を持っておるわけでございますが、合計八百億ドルとも言われておりますけれども、そういった非常に巨大な小型車生産投資というものをそれぞれ考える、現に着手をし始めておるというのがいまの状況でございまして、すでに出ておる小型車といたしましては、クライスラーはKカーというのがございますし、それからGMのXカーというのもございますし、あるいはフォードのエスコート、リンクスというのもございますし、またことしの五月ごろにはGMのJカーというような車も出てくるといったことで、少しずつその対応の成果というものもあらわれつつあるというふうに思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいま局長からお話がございましたとおりに、八百億ドルの投資をやって立て直しを図ろうとしておりますが、こういう現状に対しまして、現在の状況とそれだけの投資をされた後の状況等、これをわわれれは見ていかなくちゃなりませんし、そういう立場から日本の自動車産業はどのようにこれを見て承知しているのか、政府の認識を伺いたいし、また政府としてどうこれに対して対処しようとされているのか、これは大臣からお尋ねしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 日米自動車問題はやはりアメリカの問題でもあると同時に、私どもはあくまで日本の業界の問題であると。したがって、やはり日本側の利益、利害というものを本質ともし、あるいはたてまえともして話し合いを進めていかなければならないというふうに考えておりまして、これにつきましては十分業界の意見を聞いてからと思っておりますけれども、その前に私どもはアメリカが大体何を考え、何をしてもらいたいのかということが前提だと思いますので、さきに伊東外務大臣が出かけまして話し合いを進めようという合意に達しましたので、私どもはその際にも伊東外務大臣にぜひ向こうの要望を聞きたいということを頼んでおきました。ところが、伊東外務大臣がレーガンさんあたりと話して、その結果、まず向こうからパーティーといいますか、何人かの人たちが一つの団を組んで来ようということになっておりますので、私どもは現在それを待っておるところで、まず第一に、二点ございました。一点は、向こうの状況を聞いて、その上私ども日本の業界、独禁法とかそういうものに違反にならない話し合いをある程度していきたい。それから、それを踏まえまして、私どもアメリカとの話を進めていくという段取り、それは先ほども申しましたように、まずいろんな説明をするために向こうから来るという手順でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 今後小型車については日米間の競合がなされてくることはこれは間違いないではないかと思います。その場合に、日本の国益を損なわないようにこれは対策を講じていかなくてはならないことは、私が言うまでもないし、日本国民全体の願いではないかと思います。  そこで、いま通産大臣は、アメリカから日本へ話し合いに来る、その話を聞いた上で日本の国内法等にも違反しない上で対策を講じたいということでございますが、アメリカの状況は、現在のUAW側の唱えるように保護貿易を求める声が相変わらず強いわけでございます。これは御承知のとおりだと思いますが、これに対する、政府はどう見るのかと。また一方、レーガンさん——きょうレーガンさんは不幸にしていま病院へ入院中でございますが、このレーガン政権における自由貿易主義堅持の立場に立ってというような、そういう表明もなさっていらっしゃいますけれども、これをあわせましてアメリカのいろいろな言い分を聞くとおっしゃいますけれども、すでにこういうことが明らかになっておりますけれども、これに対する通産大臣のお考えはいかがでしょう。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私どもの救いは、やはりあくまで自由主義貿易をやろうと、進めていこうと、アメリカもレーガン大統領が、みずから自由主義貿易に狂いのないようにしたいということを言っておりますので、共通の下敷きがあるわけで、その根本的な考えは捨てないでお互いに話を進め得るという確信を持っております。  ただ、御指摘のように、アメリカの議会ではダンフォース、ベンツェン上院議員の規制法案を初め約七つぐらいの規制法案が国会に出ておりますし、そのほかアメリカのタスクフォース、これはまだ内容がわかっておりませんけれども、ルイス運輸長官を座長とするそういう作業ももうそろそろ終わるころだというようなことも思っておりますので、保護主義貿易のおどし、おどしとは言えないかもしれませんけれども、そういう空気もございますけれども、本質的には自由主義貿易をやっていくということがはっきりしておりますし、その点を踏まえてこの話し合いを進めたいと思いますし、私どももそういう方向で、交渉と、ネゴシエーションということじゃなくて、お互いに理解し得る話し合いという方針をもって臨んでいこうというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そこで、これも報道によりますと、通産大臣御存じのように、レーガン大統領が日本の輸入台数の設定など、この種の規制は望まないと、日本は自主抑制を表明したと思えると、こういうふうに述べ、また、記者の質問に対しましては、自主抑制の目標についての具体策は持っていないし、それは日本側が自主的に決めることだと、こういうふうに質問に答えているわけなんです。だからレーガン大統領は、いま大臣の御答弁もありましたとおり、みずからの信念として自由貿易を主張しており、保護主義は日米双方にとってプラスにならないことも明言しておるわけでございますが、そこでまず、米大統領が言うように日本は政府あるいは業界において自主規制を表明したのかどうか事実を確認したい。このようにレーガン大統領が答えたことは報道されておりますけれども、事実を確認したいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) 田代委員のお話のとおり、新聞報道によりますとレーガン大統領はそういうふうな発言をされたように承知しております。表現としてはそういうことが言われておりますが、正式に私どもの方で、自動車業界としましてもまた通産省といたしましても、正式に自粛をするという表明をしたことはございません。  ただ、問題のあり方といたしまして、非常にアメリカ市場に対しまして自動車の進出が激しく、昨年の十−十二月と、それからことしの一−三月と、大体の自動車の輸出の見通しについて表明をしておるわけでございまして、それが現実にある程度自粛の実績を示しておるということは言えるかと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 公明党の矢野書書記長を中心といたしました訪米団が、ヨーロッパあるいはアメリカにおきましても各代表と会っておりまして、その中でブロック通商代表と会ったとき、その他の中から言われておりますけれども、ただいまも通産大臣が申されましたタスクフォースの作業はもうすでに終わっていると、面談した時点で。近く大統領の最終的な決定があり、その場合大統領は、閣議という形ではなく、大統領補佐官並びに少数の閣僚の間で検討して結論を出すことになる。なぜ最終的決定が近いかと言えば、決定時期がおくれるほど議会の圧力が強まるからだ。御承知のとおりに、アメリカの国内は日本に自主規制か自粛を求める議論が高まっておるわけでございますと。また、これに対してはブッシュ副大統領も明確に言っていることでございますが、相互の自主的な自粛という問題だと思うと。こういうことがあるわけでございまして、私も報告を聞いたわけなんでございますけれども、いまこういう、これは新聞報道だと言われるけれども、私は、これだけ具体的なことがありますけれども、これに対していかがでございましょうか、再度お尋ねいたします。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) アメリカ側におきまして、日本側で自粛してほしいという意図はいろんな面で表明されておると思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 もし大統領の発言がこういうことではないとするならば、わが国としても一応対策を講じなくちゃならないけれども、これに対して何ら対策は講じられませんか。そこらあたりどうですか、大臣。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほどから申し上げておりますとおりに、私に言わせれば来週までごろには向こう側から来ると思います。ただ、大統領がちょっとピストルで撃たれているという不祥事がございますので、多少そういう日本に来る人たちの編成がおくれるかもわかりませんけれども、別に生命にも異状ないと、政府にも大きな支障のないという報道が事実なれば、私どもは、予定どおりに向こうから何人か、数人かの代表が来ると思いますので、そういう人たちの意見を私ども、ここにおる両局長初め事務当局が詳細に聞き入れ、それを分析して、その結果、長い間の通産省の経験、それから自動車業界との話し合いというものを進めていっても十分間に合うという確信がございますので、現在のところそういうことで対処しようという手はずでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いま通産大臣から、レーガン大統領の不祥事があったけれども来週ごろはアメリカが来るんではないかということでございます。  そこで、もし自主規制をする場合どういう問題があるか。これ少しばかり私申し上げてみたいと思いますが、レーガン大統領が主張する日本の自主抑制策といたしましては、一つは、日本政府が自動車業界に対して輸出の自粛を期待すると、こういう方法があると思うんです。第二番目には、輸出入取引法による規制を行う。三番目には、御承知のとおりに輸出貿易管理令による規制を行う。こういうことが考えられると思うわけなんです。  いま一、二、三と申し上げましたけれども、一の場合はどうなるかと。これは御承知のとおりに、アメリカに反トラスト法という法律がございますけれども、これに抵触することは明らかでございまして、自動車輸入抑制によって損害をこうむった者、アメリカの消費者、あるいは消費者団体、ディーラーその他からの、こうむった者から損害額の三倍に及ぶ賠償請求の提訴か、または司法省みずから提訴することが考えられる。そうした場合には日本は敗訴になることは目に見えております。そうした場合に日本自動車産業界の打撃は大きく、それを避けるためには、その前提といたしまして、アメリカの反トラスト法の適用除外とするという新たな立法措置がアメリカの議会において講じられる必要があります。これは問題が非常に複雑なことであるということが考えられるわけなんですげ  今度は二番目の場合。貿易業者団体として数量の規制を行うことになりまして、これまたアメリカの反トラスト法に抵触するおそれがある。  三番目の場合は、アメリカはもとより、日本が本来その主義としている自由貿易主義に反しまして、しかもこれはアメリカだけでなくして、ECなど他国から他の品目、テレビやエレクトロニクス製品なども含めまして新たな規制の要求が出てくる可能性はきわめて大きいと見なければならないと思います。  これはいずれにいたしましても、これらの方法は米国内の小型車需要の拡大という現実に目をそむけることになりまして、米国の小型車生産の対応も間に合わないという実情は御承知のとおりでございます。日本製自動車関係ディーラー約四十万人おると聞いておりますけれども、これも無視することはできない。現実的ではございません。また、アメリカに二国間による政府協定はしないという考え方もあるわけなんです。そういうことを考えまして、もし仮に百歩譲って自主規制を求められるとしても、自主規制の期間というものは長くしてはならない。短くし、台数についても日本の立場を強く主張すべきではないかと思うわけなんですし、そうしなければ日本の国内関連企業への影響も考慮しなければならないことは御承知のとおりでございます。日本車の輸入が少なくなったからといって、米国の自動車産業の再建にはすぐつながらないと思います。これには労働賃金の問題とその他のいろいろな問題のあることも御承知のはずだと思いますけれども、こういうことを考えてこのアメリカから来るそういう交渉団の人々には言うべきことを言っていかなくちゃならない。向こうの話を聞いた上で対処すると言われるわけなんですが、地元のそういうマスコミによりますと、端的な私は表現だなと思うんです。病人から痛みをとると自分が病人であることを忘れてしまう。また、再建に取り組むためには多少の痛みは残すべきである、がまんすべきである。こういうような表現をしたマスコミの記事がありますけれども、私は、なるほどこれは的確な表現ではなかろうかと思いましたが、いま私は一、二、三の場合、それから、もし百歩譲って自主規制が求められた場合のことも申し上げましたけれども、問題を解決しなくちゃならないし、問題解決の糸口をどうとらえ、どのようにいま一、二、三、あるいは自主規制の場合といったことに対しまして御答弁いただきたいと思います。

藤原一郎通商産業省通商政策局長

○政府委員(藤原一郎君) お答えいたします。  いま先生のおっしゃいました自動車産業の置かれました状況並びにこれによってアメリカの自動車産業がどうなるかというふうな点につきましてはお示しのとおりであろうかと思います。  ところで、自粛の方法論についての御質問でございますが、確かに大まかに言いますと、いま先生がおっしゃいました三つの方法に分類されるかと思います。ただ、自粛の場合におきまして、いわば見通しとして従来、昨年の十−十二月、ことし一−三と、まあ一応見通しとして示したことがございますが、この辺の方法論でございますと、実は独禁法とは関係がない、こういうことでございます。ただ、その補償をどうするかというふうな問題が別途あるわけでございますが、現実にはいろいろと三つの方法大まかに分けられますが、いろんなバリエーションがあり得るわけでございまして、その中で方法論としては自粛をやります際には工夫を要するかと思っております。先ほど大臣から御説明ございましたように、来週もしくは再来週あたり、アメリカ側から事実を説明するためのミッションが参ります。これは交渉するために来るわけではございませんで、アメリカ側のタスクフォースの結論として国内対策はこういうふうにいたしますという説明に参るわけでございまして、われわれはアメリカがどれだけの努力をするかということを見ました上で、かつ独禁法に関する説明のできる方も来る手はずでございますので、その辺は十分に詰めまして、御心配のないような形で処理していきたいというふうに思っておる次第でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 時間が参りまして、最後にこれは大臣にお尋ねいたしますけれども、先日の予算委員会で御承知のとおりに鈴木総理は、一方的な対米輸出規制の要請は応じないとのわが国の立場を堅持しつつ、米国が自動車産業を再建するためにどのような具体的な措置をとろうとするのか、わが国としてこれを見きわめつつレーガン政権に対して、米国内の保護貿易主義の台頭を抑えるように求めることであるというこういう考え方を表明されたわけでございます。私は、この鈴木総理の答弁に対して同感でございます。  そこで、この際通産大臣は自動車問題で訪米の用意はあるのか、向こうが来るのを受ける立場でございますけれども、今度はアメリカから来た、まだ五月まで時期もありますし、総理訪米前に通産大臣自身が訪米の用意はあるのかということをまずお聞きしたいということと、五月の日米首脳会議に臨まれる鈴木総理にいかなる意見を具申されるつもりか、これはレーガン大統領の不測の事態が生じましたから、日程等がまだどうなるかこれは定かではありませんけれども、いずれにしましても日米首脳会談に臨まれる総理にいかなる具申をされるのか、第二点。  最後ですから、重ねてここで明らかにしてもらいたいのと同時に、最初に私がお尋ねをいたしましたとおりに、遠くない時期に迎えるであろうと予想される小型車をめぐる日米過当競争時代をどのように乗り切ろうとされるのか、これは三番目でございます。  そしてまあ国際車の競争時代が参ります。その時点で国際車として現地生産をし、現地の車と競争していく必要性についてもお尋ねしたい。  たとえば、御承知のとおりに、日産自動車はイギリスから進出してもらいたいという要請を受けておりますし、これをチャンスとして現地での対外活動をしたいというような意向を持っておりますが、今度はトヨタ自動車は海外進出に慎重な態度をとっている、対応にこういう幾分違いが見られるわけでございますけれども、こういうものを含めまして、今後の日本の自動車産業政策のビジョンについて早急に確立される必要があるのではないかと思います。  また、防衛か自動車かというような巧妙なアメリカの外交に乗せられて国益を損ずるようなことがあってはならないと思いますが、あわせて通産大臣にお答えいただきたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私の渡米の問題と、総理にどういうふうに進言するかという問題を一緒に答えさせていただきます。  私は、向こうからも来ようし、こちらからも行きましょうし、結論を出す場合に私が行った方が都合がよければ行くことは少しもいとっておりませんし、必ず話し合いが成功するという大きな動機になるならば必ず私は行ってみたいというふうに思っております。したがって、これはどういうふうに総理に進言するかということでございますけれども、総理も私どもも、アメリカもそうでございますが、この多分出るであろういろいろな外交問題、国防問題などもあるでしょうが、そういう問題どこの経済摩擦、自動車の問題は切り離して考えたいと、あるいは切り離して解決したいということが両国の願望でございますので、そういう、進言するとすればそういうふうな解決の仕方をやりたいと、総理も自分が訪米する前にこの自動車問題は片づけてほしいということでございますので、たまたまアメリカ側の大統領の意見も鈴木総理の意見も私どもの意見も一致しておりますので、私は自動車問題は総理の訪米前に解決したいというふうな方針でございます。  それから将来の日本の自動車の小型自動車が、アメリカも投資をやって非常に活発になっていくだろうが、その間の競争あるいは将来の展望はどうかという御質問でございますが、私は日本の自動車産業を見ておりまして、まあ自動車産業自身も自信を持っておるでしょうけれども、GM初め、アメリカの自動車産業がこの数年、日本にこのような凌駕をされるだろうなんて思ったことはなかったと思うんです。たとえば、先ほど栗原局長も言っておりましたけれども、日本の自動車は、たとえばアメリカの自動車に比べますと、修繕と申しますか、そういう整備などが、日本が一回のところをアメリカは五回ぐらいかかるそうです。多少日本の軍の方が高いんですけれども、それでもよく売れるというようなこと。これは何が原因かと申しますと、やはり技術力、つまり日本の働いておる人たちの腕の力もあるでしょうし、それから機械そのものの優秀さもあるでしょうし、いまあらゆる観点から、将来何年かたってアメリカの小型車との競争になりましても、私は日本の自動車が負けようとは思わない。むしろ、アメリカ側は自動車産業はこれで衰微していくんじゃないだろうか、アメリカの国内では、というような考えさえ浮かんでおるようでございますけれども、私どもは拍動車産業をより以上技術化し合理化するということは、値段も安くなることでしょうし、燃費もかからない方法をとっていけるという日本の自動車産業の自信が私は将来とも生かされるんじゃないかと。したがって、そう声を大きくして日本の将来の自動車は大丈夫だということは言わなくても、おのずから私は道が開けていくし、また道を開くだろうという確信を持っております。  それからまた、こういう競争もさることながら、将来の日本の産業というものも含めまして、私は将来またいろんな機会に摩擦があるかもしれませんけれども、日本はより一層技術をみがいて、技術競争にも勝つ方向ですべてを持っていきたい。  それから、投資をやることによってかなり緩和されないかという御質問もございましたが、私は日本の日産あたりが、アメリカ大陸はもちろん、EC諸国にも投資促進をやろうとしておりますし、といってトヨタも別に投資をいとっているわけじゃなく、フォードとの関係もまだ切れておりませんし、それぞれ自由主義経済でございますし、経営の方針に多種多様ありましょうが、積極面と消極面があるだけで、やはり日米間のこういう摩擦については相互に投資乗り入れといいますか、第三国貿易とかいろんなものを含めまして、貿易の多様化というものを私は日本の自動車産業も考えていいんじゃないかと思うと同時に、また現実にこれらの日本の産業も考えておるというふうに思っております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いまの田代議員の質問と多少関連いたしまして二、三点、日米自動車摩擦について質問いたします。  先ほど大臣の答弁によりますと、首相の訪米前に一応時期的には解決していきたいという意向でございますが、やはりこれは首相の訪米等に対してこの問題を組まして考えていくのか、それともこれは別個に、多少時期が長引いてもそういう考え方があるのか、そこらあたりのところをちょっとお尋ねしたいと思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私も、総理も、外務大臣も一致しておるわけでございますが、総理の訪米の前にこの自動車問題は片づけておきたいという方針で一致しております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 先ほどの報道等によれば、レーガン大統領が不幸な事故に遣われましたけれども、政策的には変化がないという報道でございますが、やはり新たな経済政策を打ち出されて前進的ないま取り組みであります。その中でやはり自動車産業の再建策も考えられておるようでありますが、そういう中でやはり、先ほどの質問の中でも何点か言われましたが、大臣はレーガン政策の自動車再建に対する日本車との関係を、どのように大臣としては分析してみえますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) アメリカの自動車産業をもう少し力強くさせよう、そういうことで日本の自動車の輸出も多少待ってくれということなんでしょうけれども、あくまで両方は自由主義貿易をたてまえとしていこうという方針は両方一致しておりますが、その間、それならばGM初めフォード、クライスラー、向こうの三大メーカーというものが大きく立ち直るかということについてでございますが、他国のことについて私どもがいろいろとやかく言うのはできるだけ避けたいと思いますけれども、日本側から申し上げますと、先ほども申し上げましたように、日本の自動車産業の合理化、近代化、高度化、つまりロボットなども使って非常に合理化された自動車の製造をやっておりますし、また、その製造に用いる鉄鋼板と申しますか、フラットな鉄鋼などにつきましても、世界に冠たるものでございますし、エンジンにつきましても、結局いま燃料高の折から非常にふさわしいというような燃費の消費型になっておりますし、要らない、そういう状況下にございますし、技術というものが遊んでいるわけじゃなし、やっぱり日本の大きな一割産業としての、基幹産業としての使命を自動車産業も担っていっておりますし、そういう点で私はアメリカの自動車産業の育成あるいは強化というものをレーガン政府が打ち出しておっても、日本の自動車産業もこれまた時の経過とともに技術というものに重点を置いて進むであろうということを確信しておりますし、まあ負ける勝つということは別といたしましても、私は日本の自動車産業が埋没してしまうとか、あるいは何かそっちの方向に行くというようなことは、現在のところ、通産省の中でもいろいろ討議するわけでございますが、そういうことはあり得ないという断言はできませんけれども、十分そういうのに耐えるどころか、また現在の状況を維持できるというような分析をしております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 先ほど局長が、近々代表団がこちらに見えると。それはこちらへの視察ではなくてアメリカのルイス運輸長官が中心となった、あのタスクフォース報告のそういう報告、連携かたがた来るというような意味を言われておりましたから、この点につきまして、この内容はどのように理解されておりますか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいま先生が御指摘になりましたように、今回参る予定でございますアメリカのミッションのわが方に対する説明でございますが、タスクフォース、これはある程度まとまったと伝えられておりますけれども、大統領のところで最終的にいろいろ議論があるいは残されておるかもしれませんけれども、その辺の内容についてのまず説明をすることになっております。巷間伝えられておるところによりますと、たとえばアメリカ国内におきましていろいろな公害規制その他についての規制の緩和の問題でありますとか、それから米国内におきますいろいろな税制上の措置の問題でありますとか、それから今後アメリカ産業として非常に問題になりますUAWの賃金をどう考えていくのか、そういったような点がタスクフォースの内容ではなかろうかということが伝えられておるわけでございまして、そういった点、あるいは最近におきますアメリカ自動車産業の現状というものについてどういうふうに見ておるのかというような点も含めて、説明があるのではないかというふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 やはりレーガン政策の中で、このタスクフォースの報告というのはかなり重要な政策にあるんではないか、ほとんどのやはり主要点ではないかと、こう見られておりますが、これも報道等によれば、かなり複雑な要素である、内容であるというようにも私ども理解されております。そういう点でこの問題が、私が質問する点は、この自動車産業が日本の国内産業の中に占める位置というのは、貿易を中心といたしましても、また内需を中心といたしましても大きい力を持っておるという点で、やはりアメリカにも重大だけれども日本にも重大な問題であるという考え方ですね。そういう点で、やはりこの点については、慎重に相手との状況を加味した上で、総理の訪米ということだけにとらわれずに、相手方の状況等もよく見ながら慎重にこれは考えて対処していくべきだという点で、その二、三の問題を言えば、先ほど田代議員も言われましたけれども、アメリカは七九年から八五年に対してこの小型車の問題で自動車業界八百億ドルの投資をして、強力にこれに対処をしようとしております。これは年間にすると約百億ドルですが、日本円に直しますと二兆でございます。いま日本の自動車産業が、各社合計、全部合わしても最高投資が七百億円ぐらいです、年間。そこらあたりからいたしまして、アメリカでのこの小型車に対する意欲、これからまたレーガンの新しい自動車政策に対しての意欲というのはすごいものがあるのではないか。これは必ずやはり軌道に乗ってくるとこう見て、その傾向が、昨年まではかなりマイナスであったアメリカの上位三社のメーカーが三月中旬あたりからは三一・三%増を示すような状況にアップしてきておる。こういう点と、あわせましてやはり日本車が今年になってきてからはかなり輸出にダウンを来してきておる。こういうような状況からいたしまして、先ほど大臣は競争には絶対負けないと、こうおっしゃっていましたけれども、やはりここらあたりひとつ慎重に考えていかないというと、レーガンが言っておる自由貿易を中心とした両方の、二国間がお互いに損をしないような解決方法とは、早くやることではなくて両方が両方の立場をよく理解し合った上で慎重に対策を長期的に考えていくことが大事だと、私はそのように考えるわけでございますが、この点大臣どうでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほどから申しておりますように、向こうが一生懸命開発を、次の時代と申しますか、考えて開発を進めていく。その間もちろん日本も一生懸命自動車産業の育成あるいは開発を考えていくわけですが、私ども、向こうから人が来るわけでございまして、その点やはり十分向こうの意見あるいは向こうの状況、そういうものを、いま委員が御指摘のような点も、私ども数字上から何からもちろんこちらも調べておりますし、質問もし、わからないところをつぶさに聞いて、そしておまえのところの将来の展望はどうなるんだろう、あるいは私どもはこう思うがというようなことも十分話し合って、これをでっち上げて早目にぱっぱっぱっとやるんではなくて、十分意見を聞いた上でもちろん事は慎重に運びます。  ただ、私どもが願っておるのは、そんならずっと延ばしていってことしの秋とかあるいはまた来年とかいうことでは、これまた向こうも結論を急いでおるわけでございますし、私どももやはりエンドレス、終えんのないような交渉の仕方というのは相互にやはり頭のどこかに大きな問題を残しておることになりますし、慎重にやらなければならないことはもちろんでございますけれども、一応の目安というものは総理渡米前に片づけたいという方針でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 専門家たちの意見の中から出ておりますのは、やはり長期的にはいろんな見直しの問題もございますが、今日の日本の自動車にしても電算にしても、あらゆる産業が世界的に飛躍をしたというのは世界からの貿易刺激が一番大きい原因であった。これが国内だけにとどまったならばいわゆる国内産業はこのように発展しなかったということが一様の意見であります。  そういう点からも、ひとつこの問題についてやはりそういう点、慎重に考えていただきたいという点と、もう一歩、いままでの進め方の中でもっともっと、やはり重要産業だけに、また雇用問題も抱えた各業界というものが非常に影響が大きい。こういう点についてやはり業界との話し合い、そういう点についても一つは対処の中で十分ひとつ考慮してもらいたいと思いますが、この点どうでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 向こうが十九万から二十万の失業者が出てきておるというならば、こちら側も日本の自動車メーカーの直接の働いておる人たちは約六十三万七千名ぐらいおるんです。それから、下のすその方の下請企業、ディーラーなども含めますと五百万人近くおるというふうに言われておりますし、向こうも響くかもしれませんけれども私どもも大きな、まあ打撃のないように話し合いを進めていきますけれども、やはり摩擦を解消するわけでございますので、そういう日本の働く人、あるいはメーカーそのものの問題、そういうものもベースに考えなければなりませず、そういう点は十分頭に置いた上、しかも自動車業界に絡んでおる、かかわっておる人々の意見を尊重し、こういう人たちのコンセンサスというものこそやはり話し合いの中では一番尊いものではないかというふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 じゃ、次NC産業についてちょっとお尋ねいたしますが、このように資源とかエネルギーがほとんど国外に依存しておるという日本の立場から、やはり加工貿易立国以外に生きていく方法がなかなかないという中で、自動車や、家電やあるいは機械類を中心とした輸出ということが今日の日本の経済を一つは支えてきた大きな力であったと、このように見るおけですが、先ほど来のいろいろな質問の中で、自動車を中心といたしましてもやはり国際経済環境というのはなかなか厳しい状況の中になってきていますが、ここで将来を展望した場合に、わが国が生き延びていく技術立国としてのこの問題ですね、他にどんな点が考えられるんだか、こういう点について政府はいかなる技術政策を考えておるか、お示し願いたいと思います。

石坂誠一工業技術院長

○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、日本のように資源の恵まれていない国におきましては、技術立国を目指して、いろいろな点において努力をしていかなければならないと存ずるわけでございますが、わが国の唯一の資源とも考えられます頭脳資源というものを結集いたしまして、産業界、学界、官界、すべてが有機的に連携をとりまして、創造的な自主技術開発を行っていくことがきわめて重要であると存ずるのでございます。  このために、民間の実施いたします技術開発に対する助成を今後とも一層強化する必要があると思いますし、また国としても国民経済上重要な、あるいは緊急性の高い分野につきまして強力な施策を推進していく必要があると存じます。  特に通産省といたしましては、エネルギー技術の開発とか情報とか航空機、宇宙等の先端産業の技術開発等につきまして積極的な施策を展開したいと考えております。  また、欧米に比べましておくれをとっておる部分がございまして、これはやや基礎的なレベルにおける産業技術でございますが、これに対しましては何としても強化を図る必要があるわけでございまして、この昭和五十六年度から次世代産業基盤技術研究開発制度というものを創設することにしておりまして、これについての予算を御審議をお願いしておるわけでございます。  また、もちろん国立の研究所における先導的なあるいは基盤的な技術につきましても重視し、これを充実していかなければならないと思っております。  いずれにいたしましても、当省といたしまして今後とも産業政策と一体になった技術政策を強力に進展するということが必要だろうと思いまして、これによりましてわが国の自主技術の開発の促進を図る、経済の発展と国民生活の向上に尽くす必要があると思うのでございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 先日も商工委員で視察に行ってまいりましたが、その中でIC産業を見てまいりましたが、今日のICあるいは超LSI等は付加価値化とか、技術集約型産業の典型としてその高度な発展が期待されているばかりでなく、この分野で実施された技術開発というのは今後の経済社会の情報化と省資源、省エネルギー、また経済構造の転換に不可決な要素だというふうに私たちは見てきたわけですけれども、ここでこれについては、やはり日本が人的にも技術的にも環境的にも、非常に他国に比して最適だという現地の状況等もずっと視察してきましたが、この点はどのようにお考えでしょうか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいま先生の御指摘になりましたように、LSIあるいはIC、こういったものを含みます電子工業と申しますか、そういった関連の産業というのはやはりわが国のこれからのリーディングインダストリーであるというふうに私どもも考えております。そういった意味におきまして、従来からも特定機械情報産業振興臨時措置法という法律がございますけれども、この法律の対象業種にこれらの品目は当然指定しております。また法律以外におきましても、先ほど工技院長からもお話し申し上げましたように、いろいろな民間の研究開発に対します助成というものを、通産省といたしましては過去から特にこのLSI等に関しては重点的に行ってまいりました。現在、日本のIC産業の水準というものは、むしろアメリカを上回るに近いというくらいの感じまできたわけでございまして、これからも将来の日本のいろいろな産業分野におきます発展というのは、やはりICなしには考えられないという状況だと思いますし、そういった意味におきまして、私どもといたしましてもこれらの産業に対する育成強化には努めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 いま説明されたように、やはりそういう観点から言っても、日本が今後の世界の中でNC機械の工業の世界の中での供給基地としてのやはり位置づけというのが、実はこれからの中に非常に有望になってきたんじゃないか。専門家たちもここに一つの日本の産業の目指す道があるんではないかということを言われておるわけですけれども、この点はどうでしょうか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ICの現在の日本の輸出というのは数億ドルのオーダーでございまして、金額としてはそれほど大きくないわけでございますが、将来は、先生もおっしゃいましたように、きわめて有望な条件下にあるというふうに私ども考えております。したがいまして、日本の企業だけではなくてむしろアメリカの企業も日本にIC工場をつくろうという動きが出てまいっておりまして、もうすでに十近い工場が日本にできておるという状況にもございますし、日本といたしましては、この日本のいまの立地条件、技術条件にふさわしい産業であると思いますし、将来ともおっしゃるような発展というものが期待できるのではないかというふうに考える次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 大臣にひとつこの点、全国的にもかなり民間関係では関心を待ってNC産業に対する取り組みというのが各地方ごとに考えられてきておるわけです。また、いま御説明のように、かなり有望な日本が供給基地としての輸出源も考えられるわけですね。そういう点でも、ICももちろんですけれども、それを一つの軸としたNC工作機械等、あらゆるエレクトロニクスの産業の発展というのは、非常にいろんな貿易摩擦等で自動車等の問題等もありますので、そういうのをやはりカバーする意味でこれからのトップにあるべきではないかというふうに考えるわけですが、大臣もその点どのようにひとつお力を入れられるかということをお聞きしたいと思うんですが。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私ども経済摩擦というものはできるだけ避けてそれぞれの国々が保護王義貿易にならないように、自由主義貿易こそ日本の生きる道でありますし世界貿易の生きる道でございますので、その観点を踏まえてこれらの問題も対処しなければならないというふうに考えております。たとえばICの問題に例をとりますと、非常に日米間で不均衡でありましたところが、昨年あたりから日本の国内の市場の一五%はアメリカのIC関係で進めておりますし、アメリカからのIC関係の投資も十社以上になっております。日本からも七社ぐらい向こうに行っておりまして、非常にIC関係は均衡が保てるような貿易量になっておりまして、私もほっとしておりますし、日米関係のICだけについての摩擦というものはいまのところ非常に解消しておりますし、こういうような傾向というものを、エレクトロニクス関係、将来いろいろ拡大して一大産業としていくわけでございましょうが、現在のようなパターンというようなものをやっていけば両国の摩擦も少なく、あるいは日本のこれらのエレクトロニクス関係の産業の発展も、そうしてアメリカの発展もでき得るんじゃないかというふうに考えております。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 あと私は原油価格のことでございますが、原油が五十四年度からずっと急上昇で上昇の一途をたどって、部分的には四十ドルを突破するというような上昇傾向に来ておりますが、この値上がりと今後の見通しについてひとつお願いします。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のように、原油の価格につきましては、昨年秋以降じりじりと上がってまいったわけでございます。馬場先生よく御承知のとおり、昨年の十二月にバリ島でOPEC総会があったわけでございますが、あの際に三本立ての価格体系になったわけでございまして、三十二ドル、三十六ドル、四十一ドルと三段階の価格体系ができたわけでございまして、消費国にとりましては大変困惑をいたすわけでございまして、できるだけ統一価格が実現することが期待されたわけでございますけれども、残念ながらいま申し上げましたような三本立ての価格体系になったわけでございます。  それはどういう意味を持つかと言いますと、一番安い三十二ドルと言いますのはサウジアラビアの油でございますけれども、このサウジアラビアの油をたくさん買っております企業はそれだけ安く買ってくることができますし、逆に四十一ドルと言いますのは北アフリカを中心にしました国々がその四十一ドルの体系をとったわけでございまして、そういった国々に依存しておる石油企業は高い油を買わざるを得ないということでございまして、価格体系が三本立てになったということは、消費国におきまして油を買う企業によっては価格がまちまちにならざるを得ない、こういう状態になったことを意味するわけでございます。その一つ一つを申し上げますと時間的に制約もございますので、平均価格の推移を申し上げますと、昨年の十二月までは大体三十四ドル数十セントの線で動いてきたわけでございますけれども、五十六年に入りまして一月の平均が三十五ドル七十八セント、二月が三十七ドル二十二セントでございます。私どもは、昨年十二月の段階におきましてOPECが先ほど申し上げた三段階の値上げを発表いたしましたときに、ことしの三月末までに大体三十七ドル五十セントぐらいになるんではないかという予測を立てたわけでございまして、ほぼ予測どおりにいまのところ推移しているということでございます。  なお、今後の推移につきましては、巷間伝えられるところによりますと、五月にはOPECの総会がジュネーブで行われるということも聞いておりますので、この動きいかんによって価格はまた動いてくるんではないかと思いますけれども、基本的には現在の世界の原油の需給状況は大変だぶつきぎみでございますので、そういった意味から経済的には価格が上昇する要因は余りないんではないかというふうに考えておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 高騰に伴いましてやはり原油の輸入量というのが落ち込みが出ておりますが、これは前年に比べまして一〇%程度の減少というふうに報道されておるわけですけれども、これはやはり価格の高騰がかなり影響しておるではないかと、こういうように私は見ておりますが、どうでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) いま馬場先生から御指摘もございましたように、原油の輸入も大変落ち込んでおりますし、それから石油製品の需要も約一割落ち込んだわけでございます。いろんな要因が考えられますけれども、特に昨年の夏は大変冷たい夏であった、冷夏であったということもございますし、それから電力会社の石油依存がかなり大幅に減ったというような問題もございますし、それからおっしゃいました価格の高騰によります消費節減効果というものもあったんではないかということでございまして、そういうことが原因が絡まり合いまして御指摘のような削減が行われたんではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 長官は需要が減ってきたから値も上がらないんじゃないかという見通しのようですが、いやもうやはり各関係者からみんな意見を聞いてみますと、やっぱりそれじゃなくて、OPECのかつての一九七八年五月の長期戦略に対する産油国の考え方、ここらあたりが一つはこの値上がりの中心であると。いわゆる需要に対する問題じゃないという点が一つは専門家の中からみんな言われておるわけです。そういう点で、やはり実質価格を維持することや価格の上昇を図るということが、一つは戦略の中にあるわけです。そして、先進国の輸出物価指数や消費者物価指数、対ドル交換レートを勘案して原油の価格の調整を行うという状況ですね。先進国の実質成長率に対応して原油の価格を引き上げるというような一つは戦略を持っておるわけです。そういう立場からいきますと、やはり原油の価格が上がれば先進諸国の、石油消費国の物価水準は上がってくると。全体的にやはり先進諸国の物価水準というのはずっと上がりつつあるわけです。そういうことからいけば、これは原油の価格は今後ともやはり引き上げられて、悪循環だけれども、これは際限なく上がるんじゃないかと。追い駆けっこみたいになるんじゃないかと。だから、需要が減ってきたから下がるという考え方ではこれははかれないというように、よしんば向こうは需要が減ればそれだけ生産を減らすんだと。いまだってちょっと時期を外していますから一応落ちついたように見えますけれども、ここらあたりでやはりどこかの産油国が調整すればぴんとはね返ってくるというような危険な要素を持っておると。もうそういう点でやはりこの上昇は必至だと、こう見る向きが専門家の中に圧倒的に多いわけですけれども、どうでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 私もやや同感に近いところも持っておるわけでございますけれども、先ほど私が余り値上がりしないんではないかと申し上げましたのは、お断り申し上げましたように、経済的な観点から見ますと、値上げをする要因はないと、いまのごく短期間の需給状況を見ますと。そういう意味で申し上げたわけでございますが、OPECの長期戦略は、いままさしく馬場先生の御指摘になったような長期戦略を持っておりますので、基本的にはじりじりと油の価格は上がっていくということは、これは避けがたい傾向ではないかというふうに考えております。  そこで、消費国としてそのまま放置してもいいのかという問題がまた別途に出てまいりますので、たとえば消費節約の問題でございますとか、あるいは備蓄の積み増しの問題でございますとか、さらには石油代替エネルギーの開発を急ぐというような問題もございますけれども、それとのOPECの駆けっこといいましょうか、どちらが先に駆けつくかというような感じで、これから相当中期的にはOPECと油を使う国々との競争が激甚になってくるんではないかなということでございまして、このまま放置いたしますと、御指摘のとおり油は基本的にはじりじりと上がっていく要素を十分に持った国際商品ではなかろうかと、こういう感じはしておる次第でございます。

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 もう一点、先ほどのOPECの戦略と、あわせてやはり産油国は金がなくてもいま十分やっていけるということで、もう量の調整なんかは自由にできるという態勢にあるわけですね。現在なんかでもサウジがある程度まで理解されておるからこれは上がらずに済んでおるけれども、サウジがちょっと締めたならばぴんとはね返ってくるというような危険な状況にあると。あわせてやはり代替エネルギーはいま本当に実質使えるという、そういう代替エネルギーのコストからいっても、やはり五十ドル前後というのは当然まだまだ石油の方が比較的安価にあるという態勢からいって、長期的に見て五十ドルライン突破はこれは必然的だと、こう見る向きもあるんですが、長官どうでしょうか。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 油の観点に着目いたしまして国際市況から判断いたしますと、五十ドル原油あるいは八十ドル原油ということを唱えておられる評論家の方々も多いわけでございますけれども、私どもはそういった御意見があるということを十分に頭の中に置きながら、ただ八十ドルになるということだけを前提にして政策を考えるわけにもまいらぬだろうということでございまして、先ほど申し上げましたような備蓄なりあるいは代替エネルギーの開発の増進なり、こういった政策を絡ませて早く油の上昇に歯どめをかけるという政策をとることを急ぐべきじゃないかというようなことが基本的な考え方になっておるわけでございます。しかし、御指摘のとおりなかなか石油代替エネルギーの開発もそう一朝一夕にはできないわけでございますので、その間に油の値段がじりじりと上がっていくのはこれは覚悟せざるを得ないだろうということでございまして、ただ覚悟せざるを得ないだろうと思いましても、そのままでは国民生活にもあるいは国民経済的にも相当な大きなインパクトを与えるわけでございますから、それに対する対応策も一生懸命やらなくちゃいかぬと、こういう基本的な考え方を持っておる次第でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 本日夕刻の本会議におきまして、本院も武器輸出問題等に関する決議を行うことになっておりますが、この際私も具体的事実に即しながら幾つかただしたいと思います。  私はここに例の堀田ハガネの内部資料の写しを持っておりますけれども、これは堀田ハガネの前川専務が昭和五十一年八月二十九日、ソウルに出張した際の報告書であります。そのときに前川専務は、この出張で大韓重機、大同工業、統一産業、韓国鍛造あるいは韓国機械等々を訪問した際の打ち合わせメモとして、この韓国機械に関するいわゆる前川メモがつくられたんであります。この韓国機械というのは、現在は大宇重工業に合併されておる兵器産業会社でありますが、このメモの中に、「前回住金」住友金属でありますが、「−豊通のラインで爆弾用パイプSMn−2」そしてまた「中27〇XT1〇h」という記載がございます。鉄鋼大手の住友金属が豊田通商のラインでSMn−2、これはJIS規格でマンガン鋼鋼材ということでありますが、それの内径二百七十ミリ、肉厚十ミリ、そのシームレスパイプを爆弾用パイプとして輸出しているということであります。通産省はこの事実を御存じですか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいま突然のお話でございまして、私その事実関係を詳細に承知しておるわけではございません。したがって、事実関係は調べさせていただきたいと思いますが、お話の中に出ましたシームレスパイプ、これは通常のシームレスパイプでございますれば汎用品といたしまして通常使われているものでございますので、それが問題がどうかそのものを確認しないと何とも申し上げられないというふうに存じます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その点は後で触れたいと思いますが、    〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕 私は直接前川専務、住友金属、また豊田通商のソウル駐在事務所にそれぞれ確認をいたしました。まず前川専務は、韓国で当時そういう情報を聞いて私の書いたものだと思うと、これを認めております。また住金は韓国にシームレスパイプをずっと輸出しておるということをはっきり答えております。さらに、豊通のソウル駐在員事務所は、大宇重工業と以前から取引があったことも認めております。また、私は念のために日本の砲弾メーカーである小松製作所にもSMn−2という鋼材のパイプが砲弾などに使うものかどうか技術的所見をただしたところ、使い得るし小松でも使っているという明快な回答でありました。わが国の鉄鋼大手の住金が爆弾用パイプを輸出していた疑いはきわめて濃厚でありますが、繰り返して伺いますが、通産省はこれまで住金に対して何ら調査したことはないんですか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 私自身調査したということは現時点では全く承知しておりませんけれども、ただいまお話のございましたシームレスパイプでございますが、この継ぎ目なし鋼管、これは先ほどもお答え申し上げましたけれども、物といたしましてきわめて汎用性が高いものではないかというふうに思いますし、そのこと自体で本件が問題であるかどうか、私としては実態を調査してみないと何とも申し上げられないということでございまして、先生御承知のようにいろいろ民需用として汎用性のある品物であればとりたてて問題のない品物ではないかというふうに考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 それはまことに怠慢ですよ。いま初耳だとおっしゃったけれども、この住金も武器輸出をやっているという疑惑は、あの武器輸出問題が大きく世間の問題になったときに、堀田ハガネ社長自身が新聞インタビューですでに漏らしていることですよ。調査しておくのは当然のことです。さらに前川メモはSAE四一四〇という記載をいたしております。このSAEというのはアメリカの自動車技術者協会指定規格ということであります。    〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕 御存じだと思いますが。前川氏によれば、われわれの調査に対しまして、これはJIS規格で言えばSCM四四〇とほぼ同じもの、すなわちクロムモリブデン鋼鋼材ということであります。このSAE規格というのは大砲など武器の素材に最も通していると、こう言われております。それが決して汎用品ではなしに、爆弾用パイプとしてその使途を承知の上で輸出されておるという疑い濃厚であります。伺いたいんですが、これがもし輸出承認申請されずに輸出されていたということになれば、これは明らかに輸出貿易管理令に違反するんではないでしょうか。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○政府委員(古田徳昌君) 武器の輸出につきましては、貿易管理令の別表第一の百九十七から二百五の番号の間にそれぞれ定められておりまして、このそれぞれの項目のどれかに該当するかどうかということにつきましては、その実態について十分調査した上でないとお答えできないと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 その別表第一によれば、「爆発物(銃砲弾を除く。)及びこれを投下し又は発射する装置並びにこれらの部分品及び附属品」、こういうふうに指摘しておりますけれども、いま初めてお聞きになったと、こう通産省おっしゃる。しかし、すでに堀田ハガネの社長はこの問題について触れている。こういうメモもあるということでありますので、私はこの際、日本の大手鉄鋼メーカーである住金がこういうことをやっているという重大な疑いがあるので徹底的に調査して報告をいただきたい。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) このシームレスパイプでございますが、これは通常、私この成分、先ほど先生がおっしゃいましたので、成分の点はよくわかりませんが、通常は継ぎ目なし鋼管として汎用品として世界各地に輸出されているものであろうと思いますし、そういった意味でこれ自体が問題であるとは思いませんけれども、ただ、その輸出された状態がどういう状態であるのかもわかりませんし、せっかくの御指摘でございますので、調べさしていただきたいと思います。

市川正一日本共産党

○市川正一君 じゃ、調べて報告をしていただくことをお約束、確認いただきたいと思います。  じゃ次に、海外投資の問題でありますけれども、投資についても武器輸出三原則等を踏まえて行うというのは政府として変わりはないと思いますが、いかがでしょうか。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) 武器の製造を事業目的とします対外直接投資については、昭和五十一年二月二十七日の武器輸出に関する政府方針に準じて取り扱ってきております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ということは、たとえばこれは五十二年十月十三日の衆議院の予算委員会で、当時の福田総理でありますが、こう答えております。「そもそもわが国は、武器三原則、これを持っておるわけですから、海外に投資をするというような際におきまして、武器三原則の考え方にのっとりまして、投資先の企業が武器を生産するというような目的のものでありますれば、これは許可いたしません。」同様のことをほかでも福田総理おっしゃっておりますけれども、このように明確に答弁をされておりますが、こう理解してよろしゅうございますか。この点では何だったら田中通産大臣からお伺いしても結構でありますが。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○政府委員(古田徳昌君) 大蔵省の方で御判断して取り扱っていただくわけでございますが、私どもとしましても大蔵省から個別ケースにつきまして協議がございました場合には、そのケースに応じまして十分検討してまいりたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 いや、私がお伺いしているのはそういうことじゃなしに、この福田総理がお答えになっていることを確認していいんですねということですから。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) 現在の法律によりましても、外為法に基づき海外直接投資の届け出がなされた段階で、それがもし、武器製造を事業目的とする投資であるということが明らかな場合には中止の勧告または中止の命令を行うことによって、武器製造を事業目的とするような投資が行われないように措置をとっております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、当時の福田総理がお答えになったこの見解として理解していいわけですね。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) そのとおりでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 さらに伺いますが、それは結果的に武器投資になった場合も同様というふうに考えてよろしゅうございますね。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) 申請された段階で、それが明らかに武器製造を事業目的としているときには、中止を命令したり勧告したりいたしますが、その時点では武器製造を事業目的としておらずに、その後外国法人として活動を開始した後でもし武器製造を行うというようなことがありました場合には、関係の省庁ともよく協議しまして、それが明らかに武器製造を行っているということが非常に明確になりました場合には、これは外国法人でございますから直接日本の法律に基づいて規制をするということは困難ですが、その親企業を通じまして、親企業の影響力を通じてそのようなことがないように是正する指導をすることにいたしております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 わかりました。前の福田総理の御答弁もいまおっしゃったようなことを述べられております。たとえば「親会社が、武器生産を取りやめるように影響力を及ぼす、」云々ですね。  具体的に伺いたいんですけれども、韓国に大韓航空というのがありますが、この大韓航空はいま韓国防衛産業振興会、ここに私その一覧表がありますが、その会長を務める企業になっております、大韓航空が。この防衛産業振興会に入るという資格要件というものはどういうものでございましょうか。外務省おられましたら。

小倉和夫外務省アジア局北東アジア課長

○説明員(小倉和夫君) お答え申し上げます。  いま先生がおっしゃいました防衛産業振興会につきましては、韓国に軍需調達に関する特別措置法というものがございまして、その第二十二条の二に、その産業振興会の設置についての項目がございます。しかしながらその項目は、この振興会を設置するとその目的等に書いてございまして、特にこういうこれこれでなくてはいけないということは書いてございません。ただ、軍需企業体及び研究機関を経営する者と、そういうことになっておりまして、そういうものは国防部長官の認可を受けて防衛産業振興会というものを設立することができると、このように規定しております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そのとおりですね。二十二条の二に、軍需企業体及び研究機関を経営する者で構成されておるわけです。そこで大韓航空はそういう意味で武器生産をしているわけでありますが、どういう武器生産をしているのか御存じですか。

小倉和夫外務省アジア局北東アジア課長

○説明員(小倉和夫君) 個々の韓国におきます企業が軍需生産をしているか否か、それから防衛産業振興会のメンバーであるかどうかといったことにつきましては、韓国政府の関係者はそれについては公表できないと言っておりますので、私どももその点は存じておりません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 情報知っているんですよ。戦闘機生産ですよ。アメリカのノースロップ社とF5E、またF5Fジェット戦闘機の韓国側の共同生産企業になっているじゃないですか。計画によりますと、韓国政府が一億四千万ドルを投入してノースロップ社から部品と技術支援を受けて年間六十八機を生産する。大韓航空は兵器産業に本格的に乗り出している。ところでこの大韓航空に日本から投資している者がおりますか、どうでしょうか。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) いま手持ちの資料がございませんので、いずれ調べてみないと確答申し上げることはできません。

市川正一日本共産党

○市川正一君 例の小佐野賢治ですよ、これは国会の議事録にもちゃんと本人の証言出ておるじゃないですか。この間の二十六日にロッキード裁判で二年の求刑を受けた小佐野賢治が九・九%の資本投資をしておる。これは衆議院の予算委員会の証人喚問で小佐野自身がちゃんと証言しているわけであります。これは先ほど述べたところの武器投資に結果的になるということは明白でありますが、大臣お聞きのとおりでありますが、こういう状態を見逃されるのか、それとも引き揚げさせるのか、ひとつ明確に見解を承りたい。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○政府委員(古田徳昌君) 先ほど大蔵省から御答弁いただきましたような方針で私どもも対処いたしたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 そうしますと、私が読み上げた福田元総理のああいう御見解、これは生きている、そういう方針でこの九・九%大韓航空に持っているこれに対する処理をやっていくと、こういうことですね。

古田徳昌通商産業省貿易局長

○政府委員(古田徳昌君) 先ほどもお答えいたしましたように、個別ケースにつきまして大蔵省の方から具体的な御相談がありました場合に、そのケースに応じまして私どもも十分検討してまいりたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 大臣お伺いしますけれども、周知のように小佐野賢治というのは、これは大韓航空の株を保有しているただ一人の外国人なんです。そしてまたこの小佐野賢治は社長の趙重勲とは彼自身、小佐野賢治自身が衆議院の予算委員会の証人喚問において証言をいたしておりますけれども、ベトナム特需で大もうけをしたいわば死の商人の間柄であります。こういうものを日本として放置しておくというのは、結局武器輸出三原則そのものをしり抜けにしてしまう、また今度の国会決議の趣旨にも反すると思うのでありますが、大臣いかがでしょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほどから古田局長が答えておりますように、私どもは大蔵省からそういう個々のお尋ねがあれば、ケース・バイ・ケースで十分調査検討してまいりたいと思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 十分それじゃ調査し研究し、その対応をぜひ至急お知らせいただきたい、こう期待いたします。大臣、よろしゅうございますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) そういうお尋ねが正式に大蔵省からあれば、私ども先ほどから申しますように、そのケースにのっとって検討していきたいというふうに思っております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 検討してください。じゃ大蔵省の方もそういう点で至急調べて通産の方とも協議していただきたいと思いますが、いかがですか。

田中義具大蔵省国際金融局投資第三課長

○説明員(田中義具君) 至急調査いたしまして、その結果を御報告いたします。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私は幾つかの事実を指摘したのでありますが、この問題において財界はどういうことを言っているか。武器輸出三原則は法律でも国際条約でもなく行政指導、それなら時勢の変化とともに変わるものだ、つまり武器輸出三原則ならいつでも後退させることが可能だと、こう言っています。通産大臣も武器輸出禁止法の制定にいろいろ御見解を述べていらっしゃいますけれども、よもや大臣は法律の改正なしにいつでも武器輸出ができる仕組みを残しておきたい、こうお考えになっているわけではないと思いますが、確認しておきたい、いかがですか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私どもは国際的紛争を起こすような原因にならないということを踏まえて、武器輸出三原則並びに政府統一方針にのっとって対処してまいりましたし、またこのたび国会の議決がありますので、その文言にのっとってこれらの処置をしていきたいという基本方針でいきます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 だとすれば、さらに伺いますが、たとえば財界は何を反対の論拠としているか。法制化されると武器の定義が問題となり、場合によっては汎用製品や汎用部品も武器として扱われ、輸出ができなくなるおそれもあるというふうに言っております。これが彼らのいわば大義名分であります。通産大臣もこの論にくみされますか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) まあ財界という非常に抽象的な表現でございますけれども……

市川正一日本共産党

○市川正一君 稲山経団連会長です。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 私どもはそういう方々が何を言おうと、まあどなたがどう言おうと、先ほど申しましたように武器輸出三原則、それから政府統一方針にのっとり、また特に三月二十日の衆議院における決議案にのっとりまして、制度上の改善も含めた実効ある措置をとるという一つの国会の方針も含めて、それを踏んまえて対処していくという方針でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 私はこういう財界の議論、まあ大臣は必ずしも明確にいまお述べになりませんでしたけれども、武器の輸出禁止はいいが、民生用に使われる汎用品まで禁止されるおそれがあるから法制化できないという議論は全くでたらめだと、こう言わざるを得ぬのであります。  もしそう考えているならば、方法はちゃんとあるわけであります。わが党が発表した武器禁輸法案は、武器あるいは武器専用の部品や半製品は禁止するけれども、汎用製品や部品については、輸出者に使途証明書を提出させて、軍用でないことが証明されれば輸出できるよう提案をいたしております。この使途証明方式というのは、私は現実性を持つものだと思います。  ここに私新聞の三月のあるコピーを持ってまいりましたが、去年の五月まで経団連の防衛生産委員会の事務局長をしていた千賀鉄也氏、御承知だと思いますが、この人が使途明細という構想、方式を提案しているんです。私は、要はやる気であり、いわばそういう政治姿勢がすべてだと思いますけれども、通産大臣、こういう方式、すなわち使途証明書方式、こういうことを含めて法制化を前向きに検討される御意思はないのか、重ねてお聞きしたい。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 古田貿易局長。

市川正一日本共産党

○市川正一君 実務的な問題じゃなしに、私、大臣としての決意といいますか政治姿勢として伺っているんです、技術的問題じゃなしに。その点お伺いします。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほどから申し上げておりますように、私どもはその行為が国際的紛争の原因になることを避けねばなりませんし、政府の武器輸出三原則、それから政府統一方針、こういうものにのっとると同時に、今回新たに三月二十日に衆議院で議決されましたその方針にのっとって対処するという方針でございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 古田さん、せっかくでしたが失礼いたしました。  時間が追ってまいりましたので、次に中小企業問題について伺いたい。  一九七七年の八月から中小企業庁に倒産対策室が設置されておりますが、その体制はどのようなことになっておりましょうか。

中澤忠義中小企業庁次長

○政府委員(中澤忠義君) 中小企業庁に設置されております倒産対策室でございますけれども、その主たる業務は倒産防止対策の企画立案、それから事務の連絡調整でございます。また、小規模企業者から具体的な相談に応ずるということになっておりますが、現在の体制といたしましては、室長のほかに室員が八名おります。また、このほかに四名が他の課と併任がかかっておりまして、合計十二名の体制になっております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 十二名と伺ったんでありますが、結局いろいろこう伺ってみると、大臣もお聞き願いたいんですが、全員がほかの仕事と兼務しているんです。たとえば室長は小規模企業部の参事官と兼任し、五名は小規模企業指導官と兼任、そうして指導官の方の仕事で手いっぱいというのが偽らざる実情であります。倒産対策室長は、しかも専従者なしで小規模企業相談の任に当たっているこれらの人たちは、非常な多忙のため連日深夜まで残業を余儀なくされている。大型倒産が起これば現地に行く。また豪雪といえば雪害対策も担当させられるということで、非常な多忙だと私は聞いておりますし、実際そうだと。こういう体制で責任を持って中小企業の、すでに史上最高を記録するであろうと言われているこの状況に責任を持ってやっていけるのか。私は必要な体制を充実すべきだと、こう思いますが、当事者の御見解を伺いたい。

中澤忠義中小企業庁次長

○政府委員(中澤忠義君) 倒産対策室には、専属の室員のほかにいまお話しのように兼務職員もおります。しかしながら、倒産防止対策の多くの場合には金融対策でございますとかあるいは共済事業へのあっせんとか中小企業庁内の各課に対する連絡、あるいはそれぞれの各課で業務を推進するという場合もありますので、そのような連絡体制といたしましては現在の体制で必ずしも不十分であるということは考えておりません。  しかし、倒産の問題が非常に重要、重大化しておりますので、今後ともこの体制につきましては強化してまいりたいと、かように考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 一つの数字を私指摘したいんですが、製造業の下請業者は、統計によりますと三十七万、これに対して建設関係の下請は約四十七万と言われております。当然のことながら、中小企業庁の下請企業課は、建設業も担当していることになっておるにもかかわらず、実際には同課は建設業者の下請業者の状況は掌握されておるのかどうか。この点いかがでしょうか。

中澤忠義中小企業庁次長

○政府委員(中澤忠義君) 建設業の倒産対策につきましては、中小企業庁も中小企業対策の一環として取り組んでおりますけれども、建設省の計画局におきましても具体的にその倒産対策について推進していただいているところでございます。先日の景気対策の一環といたしまして倒産防止対策の各省協議会というものがスタートいたしまして、すでに第一回が開催されておりますけれども、このような協議会の場を活用しながら建設省、中小企業庁と協力しながらその対策に当たってまいりたいと考えております。

市川正一日本共産党

○市川正一君 結局、建設省にお願いするという形に実態はなっているわけでありまして、その建設省自体、じゃどうなのか。建設省お見えだと思いますが、たとえば建設業における不公正取引の行政の対応は、下請代金支払遅延等防止法、この第六条とかあるいは建設業法四十二条、これによって建設大臣、中小企業庁長官、県知事が公取委へ措置を請求することができるわけであります。  ところが、公取を通じて調べてみましたところ、下請法に基づく請求件数は、四十七年、四十八年、いずれもゼロでありますが、四十九年に五、五十年に十八、五十一年に十八、五十二年に五十九、五十三年に八十、五十四年九と、このようにともかく出てはおりますけれども、建設業法に基づくところの請求件数は四十七年から五十四年、この間八年間、ゼロであります。しかも、この対象は、先ほど言いましたように三十七万と四十八万ということで、本来ならむしろ建設業者の方が多いはずでありますが、ところが全然ゼロ、これは結局中小企業庁は建設省に任せっぱなし、しかも建設省は必要な体制をとっていない。建設省では建設業課がこれを担当されているというふうに伺っておりますが、課長お見えだと聞いておりますが、実情いかがでしょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○説明員(北村広太郎君) お答え申し上げます。  建設業法には実は建設業法独自の紛争制度がございまして、建設業法二十五条以下に建設工事紛争審査会という制度がございます。これは中央建設業紛争審査会、国におきましてはそれが一つございまして、あと四十七都道府県それぞれに都道府県の紛争審査会というのが設けられまして、弁護士、学識経験者等によりましていわゆる紛争の御相談、仲裁、それからあっせん、調停等に携わっておるわけでございます。この件数は、たとえば四十五年に中央建設業紛争審査会で申しますと、当年申請件数十件だったものが五十五年には五十三件、前年度からの持ち越し等も含めますと、四十五年の年間処理件数二十一件が五十五年は百六件にふえておるわけでございます。また、都道府県では同じような状態でございまして、四十五年には三十三件の申請件数が五十四年には百九十三件、当年の取り扱い件数、つまり持ち越し分も含めますと都道府県総体で三百十四件というようなふえ方をしているわけでございますし、そのほか私ども建設業課、それから都道府県のそれぞれ建設業担当の部局によりまして、その紛争審査会までいく前の具体的な御相談には応じて、円満な解決を図っているところでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 ところが実際、あなたのところの体制を見ると下請の利益を守るための実態調査、これに当たっている調査係、何人ですか、係長一人じゃないですか、そうでしょう。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○説明員(北村広太郎君) 下請担当の調査に当たっている、確かに調査係はその係長一名でございますけれども、そのほかに建設業係というのがございまして、補佐、それから二係長、係員も含めまして七名の体制にございます。以上でその下請関係の処理を行っているわけでございます。

市川正一日本共産党

○市川正一君 だから、サボっているとか、そういう意味でなしに、これでは本当にそういう切実な、深刻な状態に対応できないじゃないかということを私は言っているわけです。たとえば紛争調整官室は各種のトラブルの調整や下請問題を扱うけれども、これは五十一年度に設置されてから現在も三人のままであります。こういうことで業務に忙殺されて、結局十分な対応ができないというのが実情だと私は思うんです。ですから、先ほども、決して不十分だとは言えないけれどもという非常に言い回しに苦労してお答えになりましたけれども、私は、どちらにしても中小企業のこういう深刻な倒産が相次ぐ状態や、いろいろの賃金あるいは代金未払い等々が起こっておる中で、やはり必要な体制というものはこれは確立すべきだ、特に建設省にこの際お伺いしたいんでありますが、たとえば製造業の場合には地方の通産局にはそういうものを扱う窓口があります。ところが、建設省の場合には地方の建設局、ここには全国八つありますけれども、そういう窓口ないんですね。だからいろいろやっぱり地方からもそういう点で苦情が出ております。私は時間が参りましたので、この際最後に伺いたいんでありますけれども、やはり地方の建設局に対しても、こういう下請問題を扱う部門を設けるべきだ、こう思うんですが、ひとつその点で建設省の御見解を承ると同時に、本来中小企業問題として責任を持っておられる通産大臣に、そういう点でもそういう体制が望ましいというふうに私は考えるのでありますが、御所見を承って質問を終わりたいと思います。

北村広太郎建設省計画局建設業課長

○説明員(北村広太郎君) ただいまの建設省の出先機関でございます地方建設局におきましては、実は行政事務は原則として取り扱わず、直轄工事の施行機関になっているわけでございます。したがいまして、建設業部門だけ地方建設局に窓口を設けますことはいささか問題でございまして、やはり全般的な行政事務の委任という形で検討すべき問題かと思うわけでございますけれども、都道府県の窓口の強化及び本省の窓口の強化も含めまして、全体といたしまして紛争、それから相談業務の拡充には今後とも努めてまいりたい、かように存じます。

中澤忠義中小企業庁次長

○政府委員(中澤忠義君) 倒産対策につきましては、去る三月十七日の閣僚協議会で決定されました景気対策の一環の中にも、倒産防止対策について特に各省協議会を設けることが決定されております。また、この各省協議会のもとに、各地域ごとに、各地域ブロックごとにその地域の関係各省出先機関あるいは日銀の支店等々も含めまして、地域の各省協議会が設置されることになっております。このような地方の協議会も活用いたしまして倒産対策の連絡、それから対策につきまして万全を期してまいりたい、かように考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 特定不況産業安定臨時措置法が五十三年に成立し施行されております。  そこで、午前の質疑の中で河本長官からもお答えがあったと思いますけれども、そのときこの特交法に不況業種として指定されました十四の業種、これはおおむねその後活力をもっておる、しかし指定されていない二、三の業種については深刻な不況にあえいでいるというふうなお答えが河本長官からあったわけでありますけれども、その不況の業種に指定されていない二、三の業種のことについてひとつお伺いをいたしたいと思います。  石油化学工業がその指定されていない業種の一つでありますが、その後輸入の急増であるとか、あるいは国内需要の大幅な減退等によりましてかなり打撃を受けておるという認識を持っておりますし、このところ特に不況感が深刻のようであります。  そこで、石油化学工業の現状、それからあわせてやはりこれもまた指定されておりませんけれども、塩化ビニール業界の状況等についてお聞かせをいただきます。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) 石油化学工業につきましては、いま先生からも御指摘がございましたように、国内の景気が低迷いたしておりますために相当の減産を余儀なくされているという状況にあるわけでございます。ただ、同時に海外、特にアメリカの景気が非常に悪いものですから、米国の場合には石油化学工業というのは安い天然ガスを原料といたしておりますので、そういう関係で米国とかカナダの石油化学製品の輸出攻勢、これが非常に厳しい状況でございまして、たとえば東南アジアの市場は相当部分アメリカ、カナダ製品に席巻されるというふうな状況もございますし、一方国内につきましても、ここへきて輸入が相当増加しているということでございまして、海外からの攻勢、それから輸出市場の減少、さらには国内の需要の低迷ということで、石油化学工業自身の生産ベースも昨年の前半は前年並みぐらいの生産で続いたのですが、後半以降落ち込みまして、前年ペースに比べまして大体七二%、約三〇%ぐらい落ち込んでいるという状況でございます。  そういうことで、特にこういう海外景気、国内景気の低迷という景気の問題がベースにあるわけですが、同時に、先ほど申し上げましたような原料高という問題がございまして、この点につきましては単なる景気問題ではなくて、構造問題というのも秘めているわけでございまして、そういうことで、現在石油化学工業の国際競争力上の問題ということにつきましては、昨年七月に石油化学原料問題懇談会というものをつくりまして、そこで今後の石油化学工業の体制をどう持っていったらいいかという問題も含めて検討をいたしておる状況でございます。  さらに、その石油化学製品の中でも特に塩化ビニール、これは非常に現在不況にあえいでいるわけでございまして、それを脱却するために現在不況カルテルの検討を行っておるという状況でございます。  国内の生産状況につきましては、これも大体石油化学製品と同様でございまして、昨年前半までは好調でございましたし、一部特に前半は仮需などがございまして、生産ベースが高かったんですが、四月以降急速に需要が落ち込みまして、前半のたとえば昨年の三月の生産のピークというのは月十五万トンベースだったんですが、これが六月以降は十万トン台と約三分の二の生産のベースに落ちるというようなことでございまして、在庫も昨年の四月の六万トンからことしの一月には八万トンということで大幅に増加しているわけでございます。  さらに、輸入の方につきましても、本来塩化ビニールというのはむしろ輸出産業であったわけでございますが、そういうことで内需に対する輸入比率というのは、五十二年にはたとえば輸入が一・一%、それから五十三年は二・八%、五十四年は一・一%、それから昨年は二・六%と、依然として塩化ビニール自身につきましては、輸入比率は低いんですが、ここへ来まして輸入が相当大幅にふえておるという状況がございまして、たとえば昨年の十月、十一月の二カ月につきましては、従来大体一カ月一千トンベースでございました、ないしは一千トンから三千トンぐらいのベースでございました輸入が大体八千トン台ということで、かなり輸入が急増しておる状況にございます。ただ、ここへ来まして、アメリカからの輸出攻勢も若干緩和の状況にございまして、輸入の増勢も少し落ちついてきているというのが実情でございます。ただ塩化ビニールにつきましては、アメリカ以外にたとえば台湾とか韓国からの輸入もございますけど、輸入品は非常に値段は安いんですけれども、国内の塩ビ自身非常に品質もよいわけですし、それからユーザーに対するサービスその他きめ細かいいろいろのサービスをいたしておりますので、そういう面で現在国内市場で競争力を失っている状態には必ずしもないというふうに考えております。今後企業が努力すれば、こういう景気の回復を待ちながら企業努力、合理化努力をいたしますれば、何とか立ち直れるきっかけをつかめるんじゃないかというふうに思っておりますし、さらに一部、二塩化エチレン、これはEDCと呼んでおりますが、こういう中間原料につきましては、確かに海外のエチレン、塩素それぞれ安いわけでございますので、こういうものについては一部EDCの形で入れまして、これで塩ビを生産していくということも今後は必要ではないかというふうに考えておりまして、EDCの輸入につきましては、輸入の合理化ということで共同輸入の体制を検討するというようなことも考えております。  いずれにしましても、石油化学製品、塩化ビニール製品とも、原料高の問題を今後合理化努力その他を含めて克服していかなければなりませんので、そういう問題、長期の問題につきまして、今後、業界、私ども一体になって今後の対応策について検討してまいりたい、かように考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 詳細な御説明いただきまして、まあ安心というわけじゃありませんけれども、大変御努力は評価をいたします。  いずれにしても、いま御説明ありましたように、ただ単に国内需要の減退ということだけで処理できないような非常に大きなむずかしい問題が今後の課題として残されておるようでありますので、十分御検討をひとついただき、またそれについての対策を講じていただきたい、こう思います。  そこで、いま若干お話がありましたけれども、石油化学の海外プロジェクトについては、実態はどうなっておるんですか。どういうふうに位置づけを今後考えておられますか。関連してひとつお尋ねします。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) 現在石油化学関係の海外プロジェクトは幾つか進行途上にございます。特に原料ないしは石油の確保というような観点もございまして、たとえばサウジアラビア、シンガポール等におきまして海外プロジェクトが進行いたしておりますが、これ以外にも、石油化学の主要メーカーが先進国で原料の安い天然ガスその他を原科といたします海外プロジェクトをたとえば米国、カナダ、オーストラリア等においても進めておるという状況でございます。サウジアラビアとかシンガポール、これは経済協力という観点も含んでおりますし、将来の市場としては一部これは国内でも引き取っていかにゃいかぬというような問題もございますので、これについては国内の石油化学工業の生産体制、特に需給関係の調整については今後十分慎重に検討していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。  また、先進国のたとえば米国とかカナダ、オーストラリア等で石油化学製造業者自身がやっております海外プロジェクトでございますが、これは先ほど来申し上げましたように、ある程度原料が高いという情勢の中では、一部の原料または中間原料の形で海外で生産したものを持ってくるということが、今後の日本の石油化学工業の国際競争力を維持するためにも必要ではないかというふうに考えております。ただ、その量をどの程度にするのか、さらに国内にエチレンセンターがございますし、国内のエチレンセンターをどうやって持っていくか、それからまたユーザーの立場からいたしますれば、安定供給ということも非常に大事でございまして、それから先ほど来申し上げておりますが、日本の石油化学製品というのは非常に品質の面、それから技術その他サービスの面でも非常にいいわけでございますので、こういう品質、技術、それから安定供給、こういうものを踏まえて国内の生産体制をどの規模に維持し、それから一部原料高をカバーする意味で海外から中間原料その他を入れて国際競争力をどうやってつけていくか、こういうことで各企業も将来の設計図についていろいろ検討いたしておりますし、私どももそういうことで石油化学工業自身が国内に十分安定供給体制を持ちながら、同時に海外の安い原料も活用するということで、今後こういう海外プロジェクトと国内の生産体制との調整を業界と一緒になりまして、また将来の見通しを十分立てた上でその辺の調整を図っていきたい、かように思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 わかりました。  そこで、今度は特安法に指定されておる業種の中で、先ほどちょっと申し上げたように、朝の質疑の中で河本長官は指定業種はおおむね活力を呈しておると、こういうふうなことがありました。ところが、その中に、アルミ製錬業ですね、アルミ製錬業についてはなかなかそうはまいらぬというふうな事項も聞いておるわけですけれども、アルミ製錬業もいま御説明いただきましたように石油化学あるいは塩ビと同じように、輸入品の急増あるいは市況の悪化等で最近特に深刻な状態に陥っているように聞いています。そこで、なお五十三年ごろ設定した目標値を修正せざるを得ない、こういうふうなことも聞いておるんですが、アルミ製錬業界どういう状況ですか。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) アルミ製錬業につきましては、いま先生御指摘のような状況でございまして、これは四十八年の石油危機のときにエネルギーコストが相当上がったということで非常に不況状態に追い込まれたわけでございまして、この場合に、先ほど御指摘がございましたように、特定不況産業安定臨時措置法に基づく特定業種に指定をいたしまして、安定基本計画というのをつくったわけでございますが、このときにかなりの規模のスクラップをいたす計画を立てまして、国産のアルミ製錬業の生産規模は百十万トン体制を維持するということを決めて現在まで鋭意努力をしてきているというのが実情でございます。  しかしながら、昭和五十四年の第二次石油危機でエネルギーコストがまたさらに上がり、電力料金上がったということで、現在アルミ製錬業というのはその当時から比べましてさらに体質が脆弱化しているという状況にございます。こういう状況でございますことにあわせまして、海外の景気も非常に悪いわけですので、アメリカその他から地金という形で相当のアルミ地金が輸入いたしてきております。このために国内の製錬業者の生産は相当落ち込まざるを得ないということでございまして、現在相当の減産をいたしております。そういうことで、現在の生産実績ベースはすでに百十万トン体制を相当割り込むような状態になってきている状況でございます。通産省といたしましてもこういう状況にかんがみまして業界の自主減産とあわせまして、ことしに入りまして二回にわたってアルミの在庫の一部を軽金属備蓄協会が買い取るというような措置もいたしておりますけれども、いずれにしてもこれも単なる景気による増幅は受けておりますけれども、基本的にはエネルギーコスト、電力コストを中心とする日本のアルミ製錬業が非常にコスト高になっているというのが実情でございますので、今後ユーザーその他の協力も得ながら国内の製錬体制をどうするか、また現在いろいろ進められている海外プロジェクト、海外の開発輸入をどう位置づけるか、さらにそれと輸入とあわせてアルミ地金の供給体制についてどうしたらいいかということで、五十三年来やってまいりました安定基本計画実施につきましても新しい事態を踏まえて検討しなければならない時期に来ているというふうに思っております。そういうことで、今後鋭意勉強しながら、またこの安定基本計画を含めた今後の製錬、アルミ製錬業の今後のあり方について検討していきたいと、かように考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 かなり周辺状況が変わっておるというふうなことのようです。したがって新しい観点に立ってまた計画の見直し、修正ということをやらざるを得ないというふうないまお答えでありますが、先ほどからお答えの中にありましたけれども、アメリカ、カナダに比べましてわが国の電力料金が何か六〇%から八〇%ぐらい高いようですし、当然のことながら原料もずいぶん高い、したがって国内の生産体制がいかに整備されようともなかなかこれと競合するということについては非常にむずかしい問題が今後とも出てくると、こう考えます。したがって今後の、いま取り上げましたアルミあるいは塩ビあるいは石油化学製品だけではなくて、そのほかにもいろいろと素材産業の分野の中でそういうような問題点が出てくると思いますけれども、これ私の所見というよりもいろいろと伝えられておりますし、またこういう声もあるようでありますけれども、海外からの中間原料の輸入、国内生産とのバランスをとりながら輸入をしていくと、そして加工面の技術革新あるいは製品規格の刷新であるとか、特殊分野への進出であるとかというふうな抜本的な構造改善の指導も必要ではなかろうかと、このように考えるんですが、今後の素材産業のあり方、また存続きすためにどうするかということについてどうお考えでしょうか。これは局長から、あるいは大臣御見解があればお聞かせいただければ結構です。

小松国男通商産業省基礎産業局長

○政府委員(小松国男君) 素材産業全般について先生御指摘のような問題があるわけでございまして、これについていろいろ検討していかなければならぬわけでございますが、例としてたとえばアルミの地金につきましても先ほど払いま国内の方は非常にコストが高いと、これについては海外開発輸入を含めて体制を考えていかにゃいかぬということをちょっと申し上げたわけでございますけれども、問題は海外で開発をいたします場合にもやはり技術というものが国内になければなりませんし、また安定供給という立場からは一定の生産量がどうしても国内になければいかぬということで、たとえばアルミの場合には国内の製錬規模をどのぐらいにするか、それから国内製錬に準ずる形での安定的な輸入ソースとしての海外開発プロジェクト、これをどういう形で進めてどの規模まで進めていくか、特に海外プロジェクトの場合には現地で非常に電力料金その他の安い立地ということを利用して、安いアルミ地金を安定的に輸入できるというメリットもあるわけでございますので、こういう問題、さらには一般の輸入問題を含めて製錬業全体のあり方を考えていくわけですが、同時に製錬業の合理化、それから加工段階での技術の合理化、これは当然重要でございますし、また製錬業と加工業界、これが協調しながら合理化、協調体制、こういうものをつくることで国内のアルミ製錬、アルミ加工全体の最終製品に至る産業構造を整備していかなきゃいかぬということにもなる。特にアルミ、石油化学その他につきましても将来の需要としては相当な大きな需要があるわけでございますので、それに対する生産体制、それから産業構造、こういうものを雇用の問題を含めてバランスのとれた形にしていかなきゃいかぬということでございますので、国内の製錬とか、製造の体制、それから海外の開発プロジェクトないしは開発輸入の体制、こういう問題も含めた総合的な観点に立って石油化学、アルミその他の素材産業についても今後の中長期的な観点からの検討を早急に進めていきたいというふうに思っております。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 素材産業を含めての不況業種、これは不況になればもろにかぶる、不況そのものをひっかぶる産業でございまして、私どもはこれらの産業の体質改善と申しますか、生産から流通、それから産業構造そのもの、これは日本国内だけの措置ではどうにもなりませず、やはり海外等への投資も含めまして海外諸国との十分な連携、そういうものを考えまして、国内、国外、そういうものの中からひとつこれらの素材産業の産業構造そのものにメスを入れていかなければならない、そのためにはそれにのっとった行政指導を十分今後とも気をつけてやっていきたいというふうに思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 お答えいただきましてぜひひとつ今後ともそういうふうな体制づくり等につきましては強力な御指導をお願いをいたしたい、こう考えます。  ただ個人的な所感でありますけれども、余り通産省がそのような業界に強力な指導をされると、官僚統制だというふうなことを言われはしないかという遠慮があるのではないかという実は気がするんですよ。あるいはそんな遠慮をしていないとおっしゃればそれは大変結構ですけれども、しかし私はこういうふうないわば産業界の転換期あるいは混乱期等においては、ある程度やはり強く業界に対する指導を通産省としてやっていただくことの方が将来のために必要であると、こういう見解を持っております。特にいま取り上げました石油化学製品にしてもあるいは塩ビにしてもあるいはアルミにしてもそうでありますし、午前中実は青木委員からの御質問がありましたようですから、私は質疑をこれ省略いたしますけれども、紙パルプの問題にしても、そういう問題等についてはなかなか業界だけに任しておったのでは将来の方向を誤るおそれがある、こういう感じが特に最近私いたしてならぬわけでありますが、どうかひとつ官僚統制はもちろんよろしくありませんけれども、積極的な指導をやはりおやりいただくということ、これは私特に要望しておきます。  そこでお尋ねしたいんですけれども、特安法についてでありますけれども、先ほど申し上げたように、五十三年五月に制定されたとき不況業種でなかった、したがって政令によって不況業種として指定されなかった業種があるわけであります。しかしそれ以外に現在ではいま御説明いただきましたが、かなり深刻な業種が幾つか出ておるということでありますが、特安法からいきますと、特交法制定の一年以内に指定されなければ実は事実上もう不況業種として指定されない、こういうふうなことになっておるようでありますけれども、それらの点を勘案すると、特安法を見直しをすべきではなかろうか、こういう感じを持っておりますけれども、いかがですか。

宮本四郎通商産業省産業政策局長

○政府委員(宮本四郎君) 御案内のように、特交法は現在十四業種指定されておりまして、それも法律上の規定に基づきまして施行後一年以内に業種を決める、こうなっております。これは立法当時の考え方で構造不況業種をできるだけ早く決めて、それに対する対応策を早急にとれと、こういう思想でできたものだと私どもは理解いたしております。したがいましてそのときに十四業種に漏れたものは原則として法律の規定に従いまして適用できないという事情にございます。ところで、御指摘のように、現在幾つかの業種が深刻な不況にあえいでいるという状態でございます。その原因は、累次の石油価格の上昇等によりますところの中長期的な構造的な理由が一つある。もう一つは、景気循環ということからして不況の局面に遭遇しておるというふうな局面もあろうかと思いますが、先ほど御指摘のように、たとえばつい先日、紙パルプにつきまして、八〇年代の紙パルプ産業のビジョンというものを産業構造審議会で答申をいただいたわけでございますけれども、それぞれの業種の抱えている問題を本当に深く掘り下げまして、一体どのような対策が一番有効でかつ必要なものであるのかどうか、それを十分検討いたしまして、その具体的な問題の発掘とそれから手法の開発と、それからその実行ということに重点を置いて、現在業種ごとに問題を掘り進めていく準備をいたしておりまして、私どもは現在において特安法を見直すとか改正するとかという気持ちは持っておりませんけれども、その業種に即しました対応策をどうやって考えていくかと、これについては真剣に取り組んでまいりたいと考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 特安法を見直しをしなくても、業種別に具体的な掘り下げをすることによって十分カバーできるというふうなお答えであります。それなら大変結構でありますけれども、もしカバーできないようであれば、思い切って特安法をひとつ改正をすることも必要ではなかろうかと、このように私感じておりますので、さらにひとつ御検討をまたよろしくお願いをしたいと思います。  中小企業庁にお伺いいたしますけれども、中小企業の、主として中小企業でありますが、非公開株式、同族法人等の非公開株式の相続あるいは譲渡等の場合、この資産評価が、率直に言いますとかなり実は過酷である、こういうふうなこと、これはもう大方の意見でありますし、中小企業団体等では、十年ほど前からこれについての評価方法の見直し、改正等を実は強く要請を続けております。私ども民社党としてもこの問題については早くから取り上げてまいりまして、特に私、五十二年、五十三年にかけましてずいぶん大蔵省とも折衝いたしました。五十三年の予算委員会でこの問題をまた指摘をし、大蔵省ともいろいろと論議をしたわけでありますが、そのせいかどうか知りませんけれども、五十三年の四月に、一部この評価方法等についての見直しがありました。しかしまだ、まだまだ不十分だというふうに思っております。特に、中小企業の中には、農地の相続の猶予制度等と比べると雲泥の違いがあると、こういう不満も非常に多いわけであります。  ところで、中小企業庁では、これについての改正を考える、あるいは検討するために、中小企業承継税制問題研究会というものも設置されたということも聞いておりますけれども、その後の経過、あるいはどういうふうな研究が進展しておるのか、あるいは結論が出ておれば結論、それらのものをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

中澤忠義中小企業庁次長

○政府委員(中澤忠義君) 近年になりまして、中小企業の団体あるいは中小企業者からいわゆる相続税問題、承継税制について見直しをしてほしいという要望が強く出されておるということは、先生の御指摘のとおりでございます。その背景といたしましては、戦後の中小企業の経営者が、近年になりまして、いわゆる世代の交代の時期になってきておるということも一つございますし、また最近の地価の高騰によりまして、評価額が非常に相続に関しましては高くなりまして、相続に伴う負担が増大しておるということがその背景にあるかと考えております。  中小企業庁といたしましては、そのような中小企業者の要望にこたえるために、昨年の十月に全国商工会連合会に委託いたしまして、中小企業承継税制問題研究会というものを設置いたしまして、中小企業の事業の承継に関します実態をまず調査いたしまして、相続税制上の問題点の検討、それから改善の方策をどうしたらいいかということを検討を進めてきておったわけでございます。三月に入りまして、その取りまとめの段階になっておりまして、ほぼ報告書がまとまりつつあるという状況になっております。  今回の報告の主要なポイントを申し上げますと、中小の同族会社の株式の評価に関しまして、この同族会社の株式というものが市場性がございません。またそのために換金性がないという実態がございますので、評価方法を改善いたしまして適正な評価をすべきであるということが提案の主たる内容になっておるわけでございます。  具体的に申しますと、現在いわゆる小会社、一億円未満の資産の会社でございますが、この小会社に適用される純資産評価価額による評価方式という評価方式があるわけでございますが、この評価方式によりますと、先ほども申し述べましたように、地価の急上昇ということの反映から評価額が非常に高くなるという問題がございます。したがいまして、これにかわる評価方式といたしまして、その企業の収益性に着目いたしまして、むしろ収益性から換算する評価方式を導入したらどうかということが提案の一つの内容になっております。そのほか、類似業種比準価額方式とか、いろいろな方式に関しまして、計算方法等の改善を行うというような具体的な提案もなされておるわけでございますが、いずれにいたしましても、中小企業庁といたしましては、この報告書の内容を十分に研究いたしまして、この相続税の政策の対応の中に反映してまいりたいと、かように考えております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 まあかなり結論に近いものが出ておるようでありますが、私率直に申し上げて、まだまだこのような結論では現在の中小企業の実態からして、後継者に長年苦労してつくり上げた企業を喜んで継承さす、後継者も喜んでこれを受け入れてさらに努力をしようというふうな、そういう意欲を持ち続けるためにはまだまだ不十分だと、こういう感じがいたします。  まだ多くの意見を私は持っております。これはむしろ中小企業庁へ私は申し上げるんではなくて、大蔵省に対してこれはもう主張すべきことでありますから、あす幸いに予算の分科会がありますから、大蔵省にも強く私自身の見解を言いながら、大蔵省のさらに考慮を求めたいと、こう考えておりますけれども、中小企業庁としてもさらにひとつ検討を続けていただきたい。これは要望をしておきます。お答え結構であります。  そこで、若干時間、私あと三、四分、私の与えられた時間残っておりますから、これは大臣、御答弁は要りませんが、私の個人的な考えということでお聞きいただいて結構でありますが、先ほど市川委員から武器輸出問題等につきまして、いろいろと質疑がございました。私、五十二年から、当時福田総理でありましたが、武器輸出三原則を見直すべきである、私は今後日本経済あるいは日本の産業界、日本の、貿易立国であるわが国の状況を将来とも考えるときに、特に原油の確保ということを考えていくときに、いまのような、武器輸出三原則をさらにがんじがらめにしたような政策を続けていくと、将来わが国がその面で国民生活にも大変な影響、被害が起きるんではなかろうかと、こういう点を憂慮して、総理に率直に実は提言をしたことがあります、福田総理に。当時は突出した意見だということで、各方面から、特にきょう市川委員おられますけれども、共産党さんからも非常に強い実は指弾、指摘を受けたことがあります。私は現在でもこの考え方は変わっておりません。ただ、国会で武器輸出問題等につきましての決議が衆議院ではすでに行われ、また参議院でも今夜の本会議で行われるようでありますから、あえてもうこれを私自身の個人的な意見をこれ以上は言いませんけれども、しかし、先ほど市川委員の質疑にありましたように、いわば汎用品の範囲をどこにするかということ、例として挙げられました継ぎ目なし鋼管まで武器の範疇に入れるとすると、わが国の、産業界としても大変なことになるんではなかろうか。言いかえますと、これは先方さんがどういうふうな使用をするかということによって、これは多少というか、ずいぶん変わってくるわけです。自動車一つにしても、自動車として輸出したものが、向こうが軍で若干の改造をして、兵員輸送なりあるいは装甲自動車に使えば、これはやっぱり武器になるわけでありますから、それらの点は慎重にすべきである、このように実は考えております。だから、余り武器の範囲を無制限に拡大をして、汎用品、半製品まですべて武器だというふうな考え方になりますと、それこそわが国が貿易という面で首を締めて、そして原油の確保も困難になるでありましょうし、あるいはその地先ほどから伺っておりますように、国民生活に必要な化学製品等の中間原料の輸入もこれまた困難になってまいりますし、産業界そのものの存立、さらには国民生活へ及ぼす影響の大ということを実は考えております。これはむずかしい問題でありますが、お立場上、大臣としてはお答えにくいでしょうから、お答え結構でありますけれども、最後に私自身の武器問題についてのひとつ個人的な考えでありますけれども、申し上げて、質問を終わります。以上です。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 実は、昨日の決算委員会でもこの自動車摩擦の問題につきまして、外務省を中心に若干触れさせていただいたわけでございます。本日もまたこの問題につきまして若干の質問をさせていただきたい、かように思っております。  ところが、私こちらに参りまして、先ほど来、田代委員の質問を拝聴しておりまして、ほとんど田代委員の方から同様な質問がなされましたので、私も若干質問に重複する部分があるかと思いますけれども、そこはまあ政党会派も違うというようなことでお許しを願いたいのでございますが、大臣はこの二十八日の衆議院の予算委員会におきまして、今回の自動車摩擦の問題は、これは緊急避難的な問題であるというような意味の御発言。したがって、結論的にはこの問題はなるべく短期間にその結論といいましょうか、対策をはっきりしたいと、こういうような御発言がございました。  それから、きょうまた私この委員会で、実は先ほど来大臣の田代委員からの御質問に対する御答弁を伺っておりまして、総理が五月に訪米される、それまでには何らかの一つの方針を樹立、確立したいというふうな意味の御答弁があったようでございますけれども、この点につきまして再度大臣のお考えを承りたい、かように思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 日米間の経済摩擦——具体的には自動車摩擦でございますが、これにつきましては、率直に申し上げまして、いまだ何らはっきりした、浮き彫りになったものはございません。まず向こうから早目に来るということで、私どもはそれを待って、向こうの意見は大体どういうことなんだということを具体的にお聞きしたいというふうに思っておりまして、それから対処しようというふうに思っておりますけれども、まあ第一点の緊急避難的な云々といいますか、決まっていないからそういうことまでいくわけはないんでございますけれども、私の希望といたしましてはこういうものを長期的にやるべきではないし、やるとしても本当に最小限度のもので、しかもそう長引いたようなものではない。まあ勝手な話でございますけれども、うまい話し合いというような結論が出るならばという希望を持っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大臣のお考えはよくわかったんでございますけれども、いかがなものでございましょうかね、レーガン政権そのものはやはり半年とか一年とかというような、そういう短期間にこの問題を解決するというような考え方でおられるのかどうか。その辺に若干通産御当局というか、日本政府というか、とアメリカとの間に若干の基本認識の上に立ってみた場合、ずれがあるような感じがしてならないんでございますけれども、その辺いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほども申しましたように、話し合いを続けていこうということを伊東外務大臣が向こうで合意してまいりましたので、私どもはその線に沿っていくわけでございますが、手順といたしましては向こうから来るということでございますので、その説明あるいは分析の仕方を待つわけでございますけれども、ただはっきり言えることは、レーガン新政権、大統領も、それから日本側も自由主義貿易を堅持しよう、これを守り抜こうじゃないかということを大統領みずからも言っております。それから、できるだけ日本側の自主的な行為を待つというようなことも言っておられますし、私どもはそういう点からいたしまして、先ほど時期については触れませんでしたけれども、御質問に答える意味で申し上げておきますけれども、できるだけ総理の渡米前にこの問題を決めたいという意欲を持っておりますし、そういうところはまあ食い違いがあるような気がするとおっしゃっておられますけれども、私どもはまだ食い違いという段階までいっておりませず、レーガン大統領も話し合っていこうじゃないかと。しかも、それは日本の自主的なことに待ちたいということを言っております。一方で言えば、何かレーガン大統領もこちらに押しつけて、無責任なというような印象も与えるかもわかりませんけれども、私どもはあくまでそれを真正面に受けて、日本がやはり自主的にある程度の話し合いを進めていく段取りをやったらいいんじゃないかという漠然たる考えは持っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大臣の御答弁で大臣のお考えそのものは十分わかったんでございますけれども、これもいささか私見になるのでございますけれども、私があえてその辺に若干の意思の疎通を欠く点あるいは食い違いというふうな意味合いのことを申し上げたのは、実は現在七法案でございますか、向こうの議会に提出されております。この法案の詳しいことは私存じませんが、幾つかを、私の知る限りにおいては、承知する限りでは三年というような言葉が使われておるような法案が案外多いんじゃないかというふうな感じがする。その三年ということそのものが、あながちレーガン政権の一つの姿勢ということとは結びつかないかもしれませんけれども、この制限法案をも含めまして、踏まえまして、やはりアメリカ政府の基本的な姿勢というものは、少なくとも二、三年ぐらいの間に向こうの自動車業界の立ち直り策と申しましょうか、再建策と申しましょうか、そのくらいの期間は必要じゃなかろうかというふうな、漠然とした私なりに意味合いが感ぜられるのでございますけれども、その辺いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 先ほどから申し上げておりますように、具体的な話というものは一度もございませんで、ただ向こうの国会筋、つまり七つか八つ出しておる自動車規制法案と申しますか、ダンフォース、ベンツェン上院議員を中心とするそういう規制法案に絡んで、台数とかあるいは期限とかいうようなことを向こうの国会では言っておるようでございますけれども、伊東外務大臣がお会いしたレーガン大統領初め、それぞれヘイグさんあるいはブロックさん、その他の人々が具体的に数字やあるいは期限を、期間を言ったとは聞いておりませず、またそれは事実のようでございます。したがって、私ども自身が、日本がいろいろ自主的に何とかやってくれないかという希望はわかりますけれども、いまだ業界と十分な話もしておりませんし、そういうアメリカの国会の要望というか、そういうものを具体的に向こうの政府から聞いておりませず、私どももそういうコンクリートなものはございませず、これは交渉事でございますので、笛や太鼓が多少あちこちから鳴るのはいつもの例でございますし、私どもはできるだけ冷静にこれらを受けとめて、まず向こうの言い分を聞いてからでも、私ども日本側でございますので、業者との話し合いも長い間通産省が行政指導といいますか、そういうことをやってきておる中でございますので、それぞれの腹づもりというようなこともこの期間にあるでしょうし、それでそういうことで踏まえますと、そう私どもがこれに対応できないということはあるまいという確信を持っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 その辺のお考えはよくわかりましたので、若干事務的な問題に移らしていただきたいと思いますが、昨日も実は決算委員会でちょっと触れた問題でございますけれども、この八一年の四−六の対米輸出の乗用車の台数等についての見通しを作成中とかというふうなことも、ちょっとこれは新聞紙上で承知したことでございますが、その辺について何か若干御意見がございましたらお聞かせ願いたいと思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 対米輸出につきましては、昨年の十月−十二月、それからことしに入りまして一月−三月と、このそれぞれの四半期につきまして自動車業界からその期間におきます輸出の見通しを聞きまして、全体としてこのぐらいになりそうであるという見通しを得まして、そして、それを外に通産大臣から公表するということをやってまいったわけでございますが、この四−六につきましては、ただいまこれからいろいろ先方から意見を聞いて具体的な話も伺おうというような非常にデリケートな時点でございまして、四−六について何様のことをするかどうかということを最終的に決めたわけではございませんけれども、いずれにしましても、業界から四−六についてもどういう考え方を持っているかということを、これから聞いてまいりたいというのがいまの状況でございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 たまたま四−六の問題が出ましたけれども、通産御当局として四−六をどの程度に抑えたらよろしいか、よろしいかという質問は必ずしも当たらぬかと思います、非常にデリケートな問題ですから。しかし、個人的な見解でお聞かせいただければ、たまたま四−六の問題が出ましたので、その四−六の問題とあわせて八一年度をこれまた通産御当局として八一年度を見通してのお考え、お聞かせいただける範囲で結構でございますが、お願い申し上げます。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) この過去半年にわたりまして見通しというものを出してまいったわけでございますが、この見通しの性格と申しますのは、業界の各社がそれぞれ考えておりますものを伺いまして、それを集計して見通しとして発表するという性格のものでございますので、実は私どもどういう水準にするかとか、そういうことを申し上げるべき性格のものではないというものでございます。したがいまして、四−六につきましてもこれから各社の話を承ってみようかという時点でございますし、四−六の水準というものがどういうことになるのか、承った後の話というふうに御了解いただければありがたいというふうに存じます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 そうしますと、よく言われております四月の駆け込み輸出というふうな問題が取り上げられておりますが、こういった点に関して通産御当局として業界に、先ほど来いろいろ問題になっております自粛とでも申しましょうか、言葉はこれ非常にむずかしいようですが、その辺の指導、これまた大変むずかしい表現になろうかと思いますが、その辺についてはどんなお考えでございましょうか。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいまの時期というのは、非常にデリケートな実は時期であるというふうに私ども考えておりまして、先生おっしゃるような駆け込みというような動きがあることは、決していいことではないというふうに私ども思いますし、したがって私ども業界に対しましてはそういったことのないようにという一般的な私どもの考え方は申しておりますけれども、具体的にどうこうというところまでは実はいっておらないというのが現状でございます。したがいまして、各社の見通しというものを伺った上でその辺がどうなるかということでございますが、私どもとしては一般的にはそういうことはないようにということは見解を表明しておるわけでございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大分こう細かい話に入っていくようで恐縮なんでございますが、問題が出た点で重ねてちょっと通産御当局のお考えをお聞かせいただければと思うんですが、仮にこれは自主規制であれあるいはまた自粛であれ、何らかの方策というものが結局話し合いという広場の中で行われなければならないと、そういう折にもしこれが自粛という線に仮につながったとした場合には、自粛の方法にもいろいろあろうかと思いますが、御当局としてこれ一律削減というような方法もございましょうし、同時にまた過去の輸出実績にあわせての比例配分的な考え方もございましょうし、業界内部自体にもいろいろな御意見があるようでございますが、その辺につきまして御当局として若干お聞かせいただける点があればひとつお教えを賜りたいと、こう思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) 先ほど来大臣もお答え申し上げておりますように、実はこれから先方の話を聞こうという実は段階でございまして、ましてその具体的な方法論等についてはまだその先の話ということでございますので、その結果についてのただいまおっしゃられましたようなやり方というのは、現段階で実は申し上げることは差し控えさしていただきたいというふうに思います。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大変微妙かつデリケートな問題ですから、これ以上お伺いするつもりはございませんけれども、近々交渉団の方々がお見えになるということのようでございますね。そういった問題が出る、出ないかは別といたしましても、間接的にはやはりその辺にどうしても踏み込んだ交渉になるんじゃなかろうかというふうな感じがこれはしてならないわけでございます。もちろん業界の、先ほど来大臣のお話を伺っておりますと、交渉団と話し合いをして、それから業界の方々といろいろ話し合ってみるというような意味に、私は私なりに承知したわけでございますけれども、そういう経過を踏まえて、それでとにかく総理が五月に行かれるまでに、その問題を、仮に決着しなくても、決着の方向に持っていく、そういう姿勢づくりをしたいというお考えで仮にあったとするならば、果たしてこれが、大臣がおっしゃいますような意味で、短期的に解決するものであるかどうか、その辺がちょっとタイミングの問題とあわせて気になるもんですから、あえてお伺い申し上げたわけでございますが、大臣いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) まあこの問題、タイミングは、総理には渡米して防衛問題その他の外交の懸案の問題、私どもは通産省として長い間手がけて、いろいろ指導もしてきております、それからあるいは私どもが自動車産業の関係の省でございますし、経済問題として日米間で片づけたいと、これは私どもの政府の意思でもありますけれども、アメリカの方でも、大統領も責任ある言葉で、ぜひ早急にやりたいということを言っておりますし、その点では合意しておりますし、もう一つは、自由主義貿易をあくまで堅持しようということも合意しております。したがって、そういう観点から、大きな網は敷かれているわけでございますし、具体的にどうするかということは、やはり私どもが、通産省がいろいろ具体的に向こうの代表といわれる人々に、日本に来るそうでございますので、会って、それからやはりやらなければならない問題と思いますし、先ほども申しましたように、通産省とそういう自動車メーカー、業者、そういうものは本当に過保護という、まあこれは極端でございますけれども、そういうふうにまで言われた時代もあるわけでございまして、そういう、どちらかと言えば、微に入り細に入り私どもも知っているつもりでございますし、業界も通産省のそういう一つの指導のあり方というものを長い間知っておる関係にありますので、私どもはいよいよこういうふうにしたらということ、あるいはまた業界のこういうふうにしてほしいというようなことにつきましては、だれよりも栗原局長初め局長連中、あるいは事務方の連中は、まあ私が見ておって、自信は持っているようでございますので、私もそういう時期が来たら、それぞれもうフル回転をして、われわれ一致団結して、この話し合いの進展あるいはまとめに当たりたいというふうに思っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 わかりました。  そこで、ちょっと問題の視点を変えたいと思うのでございますが、先般ギリシャも輸入許可証の発行を停止したというふうな、実はこれまた新聞報道でございますが承知しておるんでございますけれども、このほか、言うなればベルギーであるとか、フランスであるとか、イタリーであるとか、そういった意味で輸入制限をしておるような国は別といたしまして、ギリシャに類するような形で、EC諸国等も含めて、ヨーロッパあたりの各国から同じようなニュースは入っておりませんか。その辺ちょっとわかる範囲で結構でございますけれども。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) ただいままでにいろいろ各国で動きがある国々といたしましては、アメリカのほかにはヨーロッパが中心でございますが、このヨーロッパの中でも、これは色分けいろいろ御承知のようにございまして、現実に輸入制限的なことをやっている国としてフランス、イタリアあるいは英国といったような国がございます。これらの国々は、もうすでにそういったことが行われているわけでございまして、それ以外の国で問題がありますのは、昨年の秋ごろ西ドイツがかなりいろいろ動きがあったわけでございますが、最近はやや静かになっておるという状況でございまして、とりあえずヨーロッパにおきましてはやはりベルギーあるいはベネルックスと申しますか、まあこの辺がいろいろ問題があるということで、一月末にECのハイレベルの協議があった際にも、この辺がいろいろ話題になったわけでございますが、というあたりのところでございまして、そのほか、ヨーロッパ以外といたしましては、やはりカナダがございます。まあカナダについては、通産大臣も先般行かれましたときにもいろいろ話があったわけでございますが、やはりアメリカと同じような扱いにしてほしいというような動きがあることは御承知のとおりでございます。とりあえず問題になっておりますのはその辺かと思います。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 これは二十九日の東京新聞でございますか、興銀調査によるものでございますけれども、「国内経済に深刻な影響」と題しまして、二〇%削減の折に十八万人が失業、GNPもこれは一%ダウンというふうな記事——詳細は略しますが、そういうような記事が大きく目にとまったわけでございます。同時にまた、これ、三月の二十九日の日経紙でございますけれども、住友銀行の調査で、これも米国向けの乗用車が一〇%減ればGNPが〇・一四%落ち込むというようなことで、仮にこれが一五%になったような場合にはわが国の経常収支が二十三億ドルも悪化する、というふうな記事があるんでございますが、こういった点につきまして、日本経済に与える影響というふうなものを、まあこれ、一〇%とかあるいは一五%とか、そういう問題は別としまして、昨今話題になっておりますように、百五十万台であるとか、あるいは百六十万台がどうとかこうとかというようなお話がございますけれども、この削減問題をも踏まえまして、わが国の経済界全般に与える影響等につきまして若干、大臣何かお考えがございましたらお聞かせをいただきたいと、こう思います。

栗原昭平通商産業省機械情報産業局長

○政府委員(栗原昭平君) まあこの、わが国の輸出の自動車産業なりあるいはわが国経済全般に対する影響の問題でございます。  現在ございます対米摩擦問題に直接リンクするのは、これはまだ話し合いも始まっていない段階でございますのでそれはそれといたしまして、まあいろいろな計算のやり方は先生御指摘のようにあると思います。私どもも産業経済研究所というところに委託をしまして、同様の調査をしたことがございますが、先生がいま御指摘になりましたような数字と余り大差のないような数字も実は報告を受けたわけでございます。ただ、こういった計算と申しますのは、わりあい機械的に行う面がございまして、たとえば、輸出が一割減れば働く人も一割すぐ減るというような単純計算で行われる場合が多うございまして、まあ実際には超勤をやっておるというような場合もありましょうし、それから、日本の企業内の慣行といたしまして、人をすぐ退職させるということもありませんし、必ずしもその計算どおりにはなるわけではございませんけれども、いずれにしても何がしかの影響があるということかと思っております。また、仮にある地域に輸出が減りましても、そのほかの地域で輸出がふえるという、今度は全体としての見方も別途ありましょうし、まあこの問題と影響というものを直ちにリンクして考えることがいいかどうかという問題も別途あろうかと思いますが、まあいずれにいたしましても、自動車産業というのは日本の製造工業の一割を占めるという非常にウエートの大きい産業でございますし、また、その産業に大きな影響があるということはきわめて問題でございますので、そういったことのないようにひとつ私どもも考えていきたいということだと思います。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大臣にお伺い申し上げたいのでございますけれども、昨年の十一月のITCの結論というのはこれはもう私どももよく承知しております。米国自動車産業の被害というものは、輸入増大が結局原因じゃない、アメリカの不況と申しましょうか、高インフレ、物価高、そういったアメリカ自体の国内経済の不況というものが主因であって、必ずしもわが国からの自動車輸出そのものが原因じゃないというようなことで、言うなればシロの判断を示された、こういうことだと思うんです。  そこで、実はこういう観点からしましても、仮に輸出の規制を、規制という言葉は当たるかどうかわかりません、仮に輸出規制をいたしましても即座にアメリカの業界が立ち直るというようなことはとうてい私は考えられない、こう思うんです。したがって、立ち直らないということもさることながら、向こうから見ればかえってそれがまた逆にインフレ要因のもとになるというふうなことも考えられますし、それがまたアメリカ自体の濫費者にも物価高というような形ではね返ってくる。そういうような問題から考えますと、どうも私は、冒頭から申し上げておりますように、これは半年とか一年とかというような短期間においては解決できないのじゃなかろうかという期間的な問題と申しましょうか、その辺に非常に危惧の念を抱くものの一人なのでございますけれども、重ねて同じような質問になろうかと思いますが、また改めて大臣のお考えをお聞かせいただければと、かように思います。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 確かに森田委員のおっしゃるようにアメリカの国内ITCのシロという判決ももちろんそうでございますけれども、二十万人の失業者を日本の車のおかげでこうむるというような論に対しましても、大型車から小型車にアメリカも転換するのだから、もう人間もそう要らないと。したがって日米の何か話し合いがコンクリートになったとしても、二十万人の人がだからといってすぐ雇用が回復するということはできないのじゃないか、不可能じゃないかということを言う人もおりますし、言わなくてもそういう見解を持っている人がかなりおると思います。私どもも、日本がたとえば自粛してある程度車の輸出を、秩序ある輸出と申しますかそういうようなことをしたからどうだというようなことで、直ちに即効薬的なものになるかどうかということは、私もそういう論がある限りはやはり一応頭の中に置かなくてはいけませんけれども、アメリカの政府並びに業界あるいはそれに二十万という雇用の問題をつけて論じて正式に、これはもう一昨年の秋ごろからの問題でございますけれども、そういうふうに言ってきた場合、過去の日米の関係、あるいは現在、将来の日米貿易というものを考えた場合に、やはり体質が弱っておるんだろうと。そういう体質の弱いときにそういうことを言ってきておるのだから、アメリカ側の立場に立てはやはり日本側といたしましても、体が弱っておるのだったら背中でもさすってやるというような気持ちがあってもいいのじゃないかと。したがってこれは、ネゴシエーション、つまり交渉ではなくて、お互いに理解のある話し合いができますならばという考えを持っております。そのためにも、向こう側から来る、まあ向こう側も来る以上は一人や二人で来るのじゃなくて数人のチームワークで参りまして、しかもデータというものはかなり豊富に持ってくると思います。したがって私どもは、そういう観点から、疑問のあるところは質問もし分析もして、それに応ずるという態勢の構想を持っておるわけでございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 一言。幸いにしてレーガン大統領もあすからはもう判断業務は可能だというふうなNHKのニュースも伺っておりますし、二週間の入院で退院もできるというふうなニュースもこれまたNHKで承知したわけでございます。  ひとつ大臣、せっかくの御努力をお願い申し上げまして私の質問を終わります。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) ありがとうございました。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。      —————・—————

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、石油備蓄法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。

田中六助自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中六助君) 石油備蓄法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  石油ガスは、全国の世帯の約六割、タクシーの約九三%で使用されているほか、中小企業を主とした工業用、中小都市ガス用、化学原料用等に幅広く使用されており、いまや、年間千四百万トンの需要を持つ重要なエネルギー源の一つになっております。今後におきましても、クリーンで取り扱いが簡便なことから、その需要の増大が見込まれているところであります。  一方、石油ガスの供給について見ますと、輸入量、輸入比率とも年々増大してきており、輸入先も中東諸国に偏在している状況にあり、今後におきましてもこうした傾向が続くものと見込まれております。  このような状況のもとで石油ガスの安定供給を図っていくためには、石油ガス輸出国における不測のトラブル等によりわが国への石油ガスの供給が不足する事態に備えまして、石油ガスの備蓄を行うことが必要不可欠であります。  今回の石油備蓄法の一部を改正する法律案は、このような石油ガス備蓄の重要性にかんがみ、石油ガス輸入業者に対し石油ガス備蓄を義務づけようとするものであります。  次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  まず第一に、石油ガスを備蓄の対象に加えることとしております。すなわち、現行石油備蓄法では石油ガスは備蓄の対象になっておりませんが、わが国への石油ガスの供給が不足する事態が生じた場合において石油ガスの安定的な供給を確保するため、石油ガスを備蓄の対象に加えることとしております。この場合、備蓄義務者は石油ガス輸入業者とし、石油ガス輸入業者が常時保有しなければならないものとされる基準備蓄量は、前年の石油ガス輸入量に対する割合がおおむね十日分から五十日分程度となるように算定されることとしております。  第二に、石油ガスも含め石油の貯蔵施設等の設置に対して助成ができることとしております。すなわち、日本開発銀行等が石油の貯蔵施設等の設置に必要な資金を貸し付けたときは、政府から日本開発銀行等に対して利子補給金を支給することができることとしております。また、この利子補給金が支給できるように附則で石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法の一部を改正することとしております。  なお、石油ガス備蓄の確保を進めるに当たっては、安全、環境対策上遺漏のないよう十分な配慮を払う必要があることはいうまでもないことであり、この点に関しては、関係法令の厳格な運用等により万全を期してまいりたいと考えております。  以上が石油備蓄法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。森山資源エネルギー庁長官。

森山信吾資源エネルギー庁長官

○政府委員(森山信吾君) 石油備蓄法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の順序に従って若干の補足説明を申し上げます。  まず第一に、石油ガスを備蓄の対象に加えることについてであります。現行石油備蓄法では石油ガスは備蓄の対象になっておりませんが、わが国への石油ガスの供給が不足する事態が生じた場合において石油ガスの安定的な供給を確保するため、石油ガスを備蓄の対象に加えることとしております。  このため、石油ガス備蓄の増強を計画的に実現するための措置として石油ガスに関する石油備蓄目標の策定、備蓄に関する計画の届け出等についての規定を設けております。すなわち、通商産業大臣は、毎年度、石油審議会の意見を聞いて次年度以降四年間についての石油ガスに関する石油備蓄目標を定めることとしております。  これを受けて石油ガス輸入業者は、毎年度、それぞれ次年度以降四年間についての備蓄に関する計画を作成し、通商産業大臣に届け出ることとなります。  この場合において、通商産業大臣は石油備蓄目標の達成のため特に必要があるときは、届け出のあった備蓄に関する計画の変更勧告を行うことができることとしております。  また、確保された備蓄水準を維持するための措置について規定しております。すなわち、石油ガス輸入業者は、毎年度通商産業大臣が通知する基準備蓄量以上の石油ガスを常時保有しなければならないものとしております。  この基準備蓄量は、石油ガス輸入業者の前年の石油ガスの輸入量を基礎として、その総量が、我が国の前年の石油ガスの輸入量の十日分から五十日分に相当する範囲内に入るよう算定されることとしております。  この基準備蓄量以上の石油ガスの保有を担保するために、通商産業大臣は、石油ガス輸入業者が、正当な理由なく基準備蓄量の石油ガスを保有していないと認めるときは、基準備蓄量以上の石油ガスを保有すべきことを勧告し、また一定の要件に該当するときは命令することができることとしております。  以上のほか、基準備蓄量の変更等石油ガス備蓄に関する所要の規定を定めることとしております。  第二に、石油ガスも含め石油の貯蔵施設等の設置に対して助成ができることについてであります。  日本開発銀行、沖繩振興開発金融公庫または石油公団が石油の貯蔵施設その他の施設であって石油の備蓄の増強に必要なものの設置に必要な資金を貸し付けたときは、当該貸し付けに伴う金利を引き下げ、備蓄に伴う費用の軽減を図るため、当該貸し付けにつき、日本開発銀行等に対して利子補給金を支給することができる旨の規定を設けております。また、この利子補給金が支給できるように附則で石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法の一部を改正し、その支出項目に利子補給を加えることとしております。  なお、石油ガスの備蓄施設の設置に当たっては、安全、防災、環境対策に十分な配慮を払う必要があることは言うまでもないことであり、この点に関しましては、関係法令の厳格な運用等により万全を期してまいりたいと考えております。  以上、石油備蓄法の一部を改正する法律案につきまして提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げました。  何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

金丸三郎自由民主党・自由国民会議

○委員長(金丸三郎君) 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会      —————・—————

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