社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/23
会議録
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十二日、対馬孝且君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 本日の理事会において喫煙禁止に関する申し合わせをいたしましたので、以下内容を申し上げます。 喫煙禁止に関する申し合せ 喫煙と健康の問題については、厚生省公衆衛生局長の通達にもみられるとおり、各種疾患との密接な関連が指摘され、国民間に嫌煙権が提唱されている折でもあり、国民の健康を守る立場から、委員会開会中委員室においては、議場と同様喫煙を禁ずることとする。 なお、午後の審議に際しては、概ね二時間毎に休憩時間を設けることとする。 以上であります。 ただいまの申し合わせについて御賛成を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山甚市君) ありがとうございます。 特にこの取り扱いにつきましては、人権を守る立場から、皆さんの御同意を得て逐次きちんと実施をしていきたいと思います。特に、参議院は良識の府と言われておりますから、私たちは一歩一歩、参議院改革の一つのステップとしてお願いをしたい。そういう意味で、委員長から皆さんにお願いを申し上げて、関係各位の格段の御協力をお願いします。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤尾労働大臣。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 中小企業退職金共済制度につきましては、昭和三十四年に中小企業退職金共済法が制定され、中小企業の常用労働者を対象として、中小企業退職金共済事業団が運営する一般の退職金共済制度が設けられたところであります。その後、昭和三十九年の同法の改正により、労働大臣が指定する特定業種に期間を定めて雇用される労働者を対象として、業種ごとに設立される退職金共済組合が運営する特定業種退職金共済制度が創設され、同年に建設業退職金共済組合が、また、昭和四十二年に清酒製造業退職金共済組合が、それぞれ発足し、この制度を運営してきたところであります。 ところで、当面する厳しい社会経済情勢及び財政事情等にかんがみ、行政改革の実施が現下の緊要の課題となっており、政府は、昨年十二月の閣議において、特殊法人の整理合理化の一環として、建設業退職金共済組合と清酒製造業退職金共済組合とを統合することを決定したところであります。 また、今後、林業等を特定業種として追加した場合における当該特定業種に係る退職金共済制度の実施体制につきましても、その整備を図っておくことが必要となっております。 このため、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案の主たる改正内容は、特定業種ごとに設置される退職金共済組合において、それぞれの退職金共済事業を実施することといたしております現行制度を改め、特定業種に係る退職金共済事業のすべてを一個の特定業種退職金共済組合において実施することとしたことであります。 これに関連して、まず第一に、簡素、効率的な実施体制を整備し、役員の縮減等を図ることといたしております。 第二には、特定業種退職金共済制度の特殊性にかんがみ、新たに設置される特定業種退職金共済組合におきましては、特定業種ごとに、運営委員会を置くこと、区分経理を行うこと等により、特定業種ごとの事業が引き続き円滑かつ効果的に運営されるようにすることといたしております。 第三には、今後新たに特定業種が指定されるときにおきましては、当該特定業種の中小企業者等から成る準備委員会を置くこと等、所要の措置を講ずることにより、当該特定業種に係る業務を円滑に開始し得るようにいたしております。 この法律案による主たる改正内容は以上のとおりでありますが、この法律の附則におきまして、新たに設置される特定業種退職金共済組合の設立手続のほか、現在特定業種ごとに設けられている退職金共済組合の解散及びそれに伴う新組合への権利、義務の承継その他所要の経過措置を規定いたしております。 以上この法律案の提案理由及びその内容につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○丸谷金保君 この法案には、従来のを一つにまとめるということと、林業が新たに加わるということですが、ちょっとお酒の方のことで一つお聞きしたいんですが、これは清酒ということになっておるわけなんです、清酒製造業退職金共済組合と。しかし、内容を見ますと、清酒としょうちゅうの乙類やみりんが入っております。これが何で清酒なのか私よくわからないので、ちょっと労働省、どうしてこれを清酒というふうに規定したのかお答えいただきたい。
○政府委員(寺園成章君) 現在の特定業種退職金共済制度につきましては、建設業と清酒製造業を指定しておるところでございます。ただ、労働大臣が告示をいたします場合におきましては、清酒製造業の内容といたしまして、清酒の製造、それから先生御指摘のようにみりん、それからしょうちゅう乙類ということを具体的に書きながら指定をしておるところでございます。それを統括的に清酒製造業というふうに呼んでおりますのは、業界の実態あるいは酒造組合の組織の状況等からいたしまして、清酒製造業という表現をしてもそう誤解を招かないだろうということで、そういう表現をいたしておるところでございます。
○丸谷金保君 これは清酒等製造業ならわかるんですよ。この清酒製造業という中に、しょうちゅう入りますか。全く製造工程も何も違うんですよ。どうなんです。酒団法でも分けていますし、酒税法でも分けているんですよ。それを、いま部長の言われるように、誤解を招かないというのはどういうわけなんでしょう。私なんか一番先に誤解しちゃったんです、これ。
○政府委員(寺園成章君) この法律におきましては、業種の名前を組合の名称の中に冠することになっております。したがいまして、できるだけ簡潔な名称をもって表現をいたしたいというふうな要請も一つあるわけでございます。また、業界の実態あるいは酒造組合中央会の組織を見ましても、そこに構成されておりますのは清酒の製造業者、それからしょうちゅう、みりんの業者というものがその構成員になっておられるというようなことから、清酒製造業と一般的に表現をしても誤解はないであろうと。ただ、労働大臣の告示といたしましては、正確を期するという意味でしょうちゅう、あるいはみりんというのをはっきりと明示をしておるところでございます。
○丸谷金保君 団体も違うんですよ。清酒とそれからしょうちゅう乙類なんかの蒸留酒類と酒団法上では別な団体になっているんです。それから、中央会で全部一緒だということになりますと、これは業界全部が一緒なんで、そうなりますと、これは蒸留酒、発酵酒いろいろなものがみんな入ってくるんです。清酒という場合には、これはちゃんと法律でもってどういうのを清酒かと言っておりまして、しょうちゅうやみりんが入ってくるという、これはないんですよ。どうしてもちょっとここのところは、なぜ「等」というくらいの一字をつければ誤解しないんですが、大蔵来ておりますね。——酒税課長さん、ひとつそのところを、おたくの方でどうしてこれで了解したのか説明いただきたいんですが。
○説明員(岩瀬多喜造君) いまの御質問でございますが、酒団法上は清酒製造業、しょうちゅう乙類製造業、みりん第二種の製造業、これらのものが一つの日本酒造組合中央会という団体を形成しておるわけでございます。
○丸谷金保君 そこで酒団法の問題になるんですが、もともとこの法のたてまえから言うと、大体しょうちゅう乙類というのが、酒かすからとったのがしょうちゅうの始まりですわね。その時代の法令なんですよね。その時代から酒団法はこういうことになっているんです。しかし、いまどうですか、酒かすからしょうちゅうをとるのと別な原料を使って乙類のしょうちゅうをつくるとの比例は。
○説明員(岩瀬多喜造君) 現在しょうちゅう乙類の製造の実態でございますが、大部分がカンショあるいは穀類を主体として製造しておるものでございます。ただ、その中には清酒製造業と兼業をしておるものも多数あると、こういう状況にございます。
○丸谷金保君 そうしますと、清酒製造業と兼業しているものがあるから、これらは分類していないと、こういうことなんですか。そうすると、酒税法上しょうちゅうは清酒類の中に入れて差し支えないという考えですか。
○説明員(岩瀬多喜造君) 酒税法上は、これは現行の酒税法が分類差等課税ということで、酒の種類を十種十三品目に分類し、その品質あるいはアルコール度数に応じて課税をしておるといったてまえをとっております関係で、清酒としょうちゅうについては区分をしてございますが、酒団法上は、これは製造業界の実態に応じて団体を形成しておると、かような理解をしておるわけでございます。
○丸谷金保君 そうしますと課長さん、ずばり清酒という中にしょうちゅう入りますか、入りませんか。
○説明員(岩瀬多喜造君) 酒税法の定義上はしょうちゅうは入りません。
○丸谷金保君 法律上、名称的には全く別なものだし製法も別のものと。片方は蒸留酒だし、片方は醸造酒ですね。全く違うもの。それをただ酒団法の便宜でまとめているからこの法律で清酒というふうにうたっても差し支えないと。なぜここで「等」と入れる判断が——普通は大体こういう場合に法律では「等」と入れますよ。なぜ入れなかったか。私はここのところが実は知りたいんですがね。
○政府委員(寺園成章君) 法律的な分類といたしましては、先生おっしゃるような分類になっておろうかと思いますけれども、一般的に清酒製造業、しかもこの退職金共済制度の適用を前提として表現をいたします場合には、この制度が業界の協力体制をもとにしたいわば業界退職金制度であるという性格からして、この退職金共済制度の適用ということを前提として表現する場合においては「清酒製造業」という表現をしても、余り誤解を招くことはないんではないかということでこのような表現をしたところでございます。 なお、法律的な意味におきまして、清酒製造業の中にしょうちゅうあるいはみりんの二種というものが含まれないということも考慮いたしまして、労働大臣の告示におきましては、その点をはっきり定めておるということでございます。
○丸谷金保君 これは私は、勘ぐったら悪いんですが、たとえば酒の醸造、いろいろなのがあるんですよ。特に清酒あるいはしょうちゅうやみりんと同じように、非常に零細な企業でやっておる団体が、団体というか業者がたくさんあるんです。それらがなぜ入らないのかということで非常に疑問を持って、ははあ、それらを入れないために清酒というふうなことで酒団法上の網をかけたなと、実はこういう勘ぐりをしたくなったんです。なぜかと言いますと、そういう網をかけておかないと、たとえばワインなんかでも大手はごく少なくて、二百社以上の小ちゃな、三人か五人でやっているような工場がたくさんあるんです。これらは、入りたくても入れないんですよ。なぜ入れないかというと、酒団法上の団体になっていないんです。しかし、酒団法上の枠でなくて、それぞれのしょうちゅうだ、清酒だ、こういうものはいいですよということになれば、ほかのそういう小さな酒のメーカーも入れろというときに断り切れなくなると。じゃ、あなたたち酒団法上の団体つくってないんだからだめですよというためには、こうやっておかなきゃならないからこうやったのかなと。課長さんどうですか、そこら辺は。労働省でしょうね、ここから先の問題は。
○政府委員(寺園成章君) この特定業種退職金共済制度は、いわば業界退職金制度でございます。当該業界に転々として雇用される労働者の退職金を、その前後の期間を通算をして退職金を支給するという制度でございます。したがいまして、指定されました業界に属する事業主が、できるだけ多くこの制度に入っていただくということが、この制度存立の基本になるわけでございます。したがいまして、先生がおっしゃいましたような当該特定業種に属しながら、なお特にこの制度に入れることを好ましくないというような態度で臨んではいないわけでございます。ただ、繰り返して申し上げますように、この制度が、従業員の相当数が企業間を移動して雇用主に雇用されるという実態にあるということが大前提でございますし、業界退職金の性格といたしまして、関係の中小企業者の相当数がこの制度に入っていく。そして業界の全体の協力体制というものが確立されて、初めてこの制度が有効に機能するということでございますので、そういう実態にない業界についてまでこの制度を直ちに適用していくということにはいろいろ問題があるわけでございます。その業界の実態等も十分研究しながら、今後は検討を進めていくということに相なろうかと思います。
○丸谷金保君 酒団法の問題もう少しあるんですけれど、ほかの関係もあるので、ちょっと先へ進ましていただきます。 ちょっと私、法令いまここではっと見まして、十五ページに、「百二条中「五千円」を「十万円」に」改め、「百四条中「三万円」を「十万円」に」、「百五条中「一万円」を「五万円」に」というんですが、普通大体一万円を五万円、三万円を十万円というと、何でこれ五千円というのを十万円にしなきゃならないのかちょっとわからないんですよ。大体こんなのは普通の傾斜でいくものなのにね。ここのところを詳しく、これよく見ていないんですけれど、ちょっと見て奇異な感じを受けましたので、御説明いただきたいんですが。
○政府委員(寺園成章君) この法律を改正いたしますに際しまして、罰則規定の整備も図っておるところでございますが、現行のこの罰則の規定は、制定時に設けられたものでございます。それらと現行との関係を他の法令等とも見合わせながら、このように改正をしたということでございまして、同種の罪についての罰則と横並びとして均衡がとれておるということでございます。
○丸谷金保君 そうすると、これはいままで片っ方の三万円と片っ方の五千円というのは均衡はとれていなかったけれど、直すほどのことでもないのでいままでそのまま来たと、この機会に均衡のとれたものにするんだと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(寺園成章君) 同種の罪についての罰則の他の法令等との均衡を、この際とったということでございます。
○丸谷金保君 次に、林業がこれから新しく出てくるわけなんですが、これは酒の方の問題、建設あるいは林業それぞれについても言えることかと思うんです。非常に移動の激しい業態ということで、それで一人親方などの場合は退職金の形などはどうやって——保険金払うのは使用主ですね。そうすると、こういう一人親方のような場合にはどういうふうな措置をとるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(寺園成章君) 退職金共済制度は、原則といたしましては雇用労働者でございます。その雇用労働者の退職金について事業主が掛金を納付をするという仕組みで成り立っておるわけでございますけれども、建設業におきましても一人親方の問題がございます。現在、建設業の退職金共済制度におきましては、一人親方の取り扱いといたしましては、一人親方は職種別あるいは地域別に任意組合を設立いたさせまして、その任意組合に一人親方は雇用されておるという擬制をいたします。そしてその任意組合が、組合と申しますか、建設業退職金共済組合と共済契約を結ぶという形をとっておるわけでございます。その場合、掛金は一人親方の方が負担をしていただくという取り扱いをいたしております。林業につきましても、林業におきます一人親方の実態をよく調べまして、建設業におきます取り扱いを参考にしながら、一人親方の林業労働者の福祉の向上の観点から、そのような措置をとってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○丸谷金保君 そういう任意組合をつくるということは現況としてやむを得ないのかと思いますが、実は退職金の方はそれで何とか擬制措置でやっていけるかと思うのですが、振動病の関係ですね。振動病の関係では、この一人親方というのに対する健診あるいは指導というのは大変むずかしいというように聞いておるのですが、何かいまのような任意組合をつくって、振動病の面でも総体的な枠組みの中で行政の日が当たるような方法、こういうふうなことはこの退職金制度と同じにとれないものでしょうか、どうなんでし。よう。
○政府委員(吉本実君) 林業の一人親方につきますいろいろな振動障害予防の関係がございますが、現状といたしましては、たとえば健康診断につきましては、労働者については労働省が、それから一人親方については林野庁がということで、それぞれ巡回の委託方式によって健康診断を実施しているわけでございますが、やはり林業におきます実態から申しまして、一人親方といえ、ときには労働者としての性格も持っている場合もございますので、そういった場合には労働者という扱いで振動予防対策も進めていく、こういうふうに考えているわけです。
○丸谷金保君 振動病の予防対策その他については、一人親方は一人親方として認めているわけですね。ところが、これなかなかつかめない。きょうの法案の方は任意組合のようなものをつくらして擬制的にでもできるだけ拾い上げていくという努力をしているわけなんです。だから、そういう形のものを振動病対策や何かの中でも何かそういう形のものをつくる。つくってさらに安全体制を強化していくというふうな方向の考え方というのはできないものでしょうか、どうなんでしょう。いまのおっしゃるようなことでなくて、なかなかそれじゃ県もまたがって動いていく人たちをそう簡単につかめないような実態、私この間関西へ行って調べてきて痛感しているんですがね。いかがなものでしょう。
○政府委員(吉本実君) 私ども先ほど申したような形で進めておりますが、先生のそういった事柄も一つの御提案だと思いますので、今後いろいろ研究さしていただきたいと思います。
○丸谷金保君 それから、前回御質問した中できょうはお調べいただいていると思うんですが、五十五年の十一月六日の高杉委員から質問のあった茨城県の五十一年に一人より出ていないというふうなことで、潜在患者がいるのではないか、これに対して先日は、これは潜在患者はいないという報告がございました。それで私は、それじゃその調査は何月何日、どこでどういうふうな調査をしたか、診断をしたか、あるいはまたその調査をするためのPRをしたかというふうなことについて、次回までに調査をして報告してくれと、こう申し上げておったんですが、この点、十一月六日以降、前回私が質問するまでの間に、茨城県において潜在振動病患者がいないというお答えの出てくるどのような調査を行ったか、御報告いただきたいと思います。
○説明員(林部弘君) 潜在患者ということで、昨年十一月以来宿題になっております件につきまして、私の方で少しまとまった情報がございますのでそれを申し上げますと、結局は潜在患者というのは現実につかめない状態でございますから、確かに観念的には潜在患者という言葉があるわけですが、それが潜在患者であったかどうかということは、結果から判断せざるを得ないようなことになるということで前回までのお答えがあったわけですが、実は毎年年度が終わりますと、健康診断に関しての情報が私どもの手元に少しずつ集まってまいりますので、私ども労働衛生課サイドでその辺のところを、最近少しまとまってきたものについて申し上げますと、こういうような状況になるわけでございます。 一番最初に先生から御指摘ございました、非常に特別教育を受けている者が多いわりに認定が少ないということは、潜在患者が多いということではないのかという御指摘からこの御質問が始まっているように私ども受けとめているわけでございまして、その方面のことにつきましては……
○丸谷金保君 そんなことないよ。
○説明員(林部弘君) いえ、茨城の問題でございますが、そのことについては茨城の特殊な事情があったということが一つわかっております。
○丸谷金保君 ちょっと質問に答えて。十一月からどういう調査をしたかということなんだから。前段いいから。
○説明員(林部弘君) それでは、一番直近で入手をいたしました健康診断の実施の状況から申しますと、五十三年度の茨城県の地方局で把握をいたしております健診の数でございますが、二百九十七名が五十五年度中に実施をしたということを把握いたしておりまして、その結果、所見なしの者が二百七十名、それから第二次健診を要するという者が二十七名ございまして、その者についての管理区分を調べたところでは、問題があるというような管理Cに相当する者はゼロであったというようなことが、最近年度が改まりまして、五十五年度の結果が上がってきた時点のもので判明をいたしておるということでございます。
○丸谷金保君 あの、あなたね、そういうことでずらずらと時間とられたら困るんだけれどね、私が聞いたのは十一月に高杉委員が、五十一年に一名、あといないけれどもどうなんだというのに対して、いまと同じ答えをあなたしているでしょう、そのときにしているんですよ。私がこの間聞いたのは、それ以降再調査をしたかと聞いたんですよ。してないとなぜ答えないの。そんなものはもうすでに出ているでしょう、あの段階で、五十五年二百九十七名なんというような数字は。
○説明員(林部弘君) 私が申し上げたのは、健康診断の管理区分の問題として、年度の改まった時点でわかった結果で申し上げているわけでございまして、前に認定された者がいないという御答弁がされているはずでございます。
○丸谷金保君 私がこの間聞いて、いまの質問そうだけれど、高杉委員の質問のとき以降に、どのような再調査を行ったかということを聞いたんですよ。それをあなた、五十五年度中のこんな数字なんて出ているでしょう、こんなものはもうこの間。すでに出ている数字でしょう。そうではない。だから、その後やったかどうか、やっていないならやっていないでいいんですよ。
○説明員(林部弘君) 私が申し上げたのは、管理区分の問題については、たしかまだ御報告がないというふうに私は記憶をいたしておりますが。
○丸谷金保君 私の質問に答えてもらえばいいんです。 私はもう一回言い直します。五十五年十一月六日に高杉委員が質問して、茨城県一名五十一年に出ているきりだけれど、潜在的なのはいないのかと言って、それからこの間私が質問したときに、その後調査をしたけれど一名よりいませんでしたという報告があったから、この間は、それじゃ十一月以降、高杉質問以降においてどのような調査をしたかをこの次までに報告してくださいと、こう言ったんですよ。だからそれをいま聞いたわけです。区分の問題だとか何だとかそういうことでない。たとえばこれは京都のあれだけれども、五十六年の一月一日、町の役場がこういう健診をもう一回やりますからどうぞいらっしゃいと、こう出しているわけだ。こういうふうないろいろな努力をして、さらに調査したかどうかを聞いているだけで、それを長々とあなた、そんなことやったら時間なくなっちゃうからね。これもう一遍この次聞きます、ゆっくり。
○委員長(片山甚市君) 委員長から、お答えを願います。調査をしたかしないかだけ、イエス、ノーを答えてください。
○説明員(林部弘君) 認定ベースの話と健診ベースの話と二つございますので、私が……
○委員長(片山甚市君) したかしないかを答えてください。
○説明員(林部弘君) それで健診関係のものは・
○委員長(片山甚市君) したかしないかを答えてください。
○説明員(林部弘君) 調べております。
○委員長(片山甚市君) それだけですか。
○説明員(林部弘君) はい。
○丸谷金保君 この問題は次に譲ります。 それに振動病の関係ですね、これとてもじゃないけれど、大臣、こういう調子でずらずらずらずらとその場逃れの答弁されては患者はたまったものでないですよ。 それで、実はこの問題について、私はこうなったら少し入らなきゃならないと思うんですがね。きのうも私のところへ来た労働省の人が言ったんですよ、いろいろやっていますと。通達こんなに出ているんですよ、たくさん、毎年毎年。だから私はそこで言ったのは、通達がこんなに出たって現実がよくなっていなきゃだめなんだ、寝ていてもいいんだよ、振動病患者のああいう哀れな人たちが出ないようになれば。結果なんだと。こんなもの何になるんだと言ったんですよ。ところが労働省のいままでの答弁は全部、こうやりました、ああやりました、結果責任何も負わないんだ、だれも。しかも物すごく民間では林業なら林業だけとってみてもふえているんです。ふえているでしょう。それでどういうことが起こっているか、林業関係の認定患者の保険料、これの支払い、収入の状態、最近のデータでひとつ説明してください。持っていなければ私言いますけれど、そちらにあればそちらで説明していただきたい。——ない。なければ私の方で説明しましょう、時間のむだだから。労災保険財政というのは五十四年度に約六百億程度赤字が見込まれますね、出ているんです。五十五年度もさらに多くなっている。それから、特にそのうち林業関係の収支の状況というのは五十三年度で約百三十億円の赤字。しかもだんだんこれは累増してきております。林業における保険料給付額、五十年に対して五十四年度は約三倍になっておるんです。現在、千分の八十九という木材搬出業の保険料率は非常に高いけれども、おたくの方のいろいろな報告によりますと、これはもう千分の百くらいにしなければならなくなる。要するに保険経理の上から言っても、振動病問題というのは労災保険としても大問題だということをおたく自身が言っていますね。これはおたくの数字なんです、こういう状態になりながら、いまのようなずらずらとその場だけ、きょうだけ流せばいいような答弁をして、こっちの質問に対して何にも答えないで、そんなことで時間さえとればいいというふうなことでは、振動病の問題は済まされないんですよ。なぜこんなふうになってくるんだと、このことについて少し突っ込んで聞きたいと思います。 林野庁おいでになっていると思いますが、林野庁の「素材生産請負契約書」というのがございます。これを読んで私非常に不思議に思ったのは、この中には、各種法令に違反して、特に労働安全衛生に関する諸法令、これに違反した場合が、請負契約解除の理由にはならないんですよ、この契約書の模範的な様式を見ますと。労働安全衛生は、第二十八条で、「乙は事業の施行に当たっては、労働安全衛生に関する諸法令及び諸通達に示す指導事項を遵守しなければならない。」と、こう書いてあるんです。ところが「甲の解除権」二十三条、この中では、契約の目的が達成できないとき、その他解除の理由が、解除権としてこの契約にあるんですが、法令を遵守しなかったときには契約解除するという項目はどこを見てもないんです。これはどうなんですか。ございますか。
○説明員(鈴木郁雄君) 林野庁といたしましては、この問題につきましては今後とも関係行政機関と緊密な連絡を図りながら指導を徹底してまいりたいと、このように考えておりますが、関係行政機関から再三勧告等がございましても守られないというような実態の契約の相手方につきましては、今後契約に当たりまして、契約の相手にしないというようなことも十分検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○丸谷金保君 私がいま聞いているのは、部長さんね、この請負契約書のサンプルから言うと、そういう指摘を受けたりなんかしたその法令違反、これはちょっとおかしいじゃないかと、行管からも出ております、いろいろ。そういう相手方に対して、契約解除の条項にはそれが載っていないではないかと、どこかにそれはあるんですかと聞いているので、ないならないでいいですよ。
○説明員(鈴木郁雄君) 契約の条件にはいたしておりません。
○丸谷金保君 大臣、実はここなんです問題は、いいですか、こんなにたくさん通達を出して指導して、しかも契約書に「遵守しなければならない。」とまで書いてあるんです。しかし、遵守しなくても契約解除しないんですよ。これも民間ならまだしも、国の機関でさえも契約解除の条項ないんですよ。それから、そういう指摘がたくさんあった中で、今度は労働安全衛生の問題になります。労働安全衛生の問題の中で、これは明らかに労働安全衛生法の五十九条で「危険又は有害な業務」の場合に「安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」と、こうなっております。これは労働省あれですね、この中にチェーンソー業務その他入りますね。
○説明員(林部弘君) 特別教育の内容に入っております。
○丸谷金保君 そうしてこれが行われない場合には、百十九条で「六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」とあるんです。こういうことでもってこの百十九条を発動したのは、最近の一年間に何件ありますか、林業について。
○説明員(林部弘君) 監督の一々の内容を調べなければわかりませんので、現在私の手元にその資料はございません。
○丸谷金保君 過去一年間にないでしょう、この百十九条を適用したことは。
○政府委員(吉本実君) 手元に正確な資料はないと思いますが、私の記憶では発動しておらないと思います。
○丸谷金保君 大臣、前回指摘したように、行管からも指摘されているように非常に行われていないのが、行管が見たのはごく一部で、たくさんあるわけです。しかし全然林野庁の方は、国有林の請負に契約解除等の罰則もないんですよ。いいですか、労働省の方はこういう通達をたくさん出しているけれども、この種の違反に対して、この一年間に行管から指摘されているけれども、何らの罰則やっていないんです。お互いに助け合っているんですよね。こんなことで本気でやっているというふうに思えますか。その結果どうなると思いますか。財政が赤字になってきた、認定患者がたくさん出たら困るから、逆に潜在患者はいないんだという前提で認定患者数を抑え込む方に現場では空気がなってきております、これは明らかに。これはもう大変な私は人道問題だと思うんです。前回も林野庁の課長が、健診が進んだからそれで潜在的なのが出てきたから認定患者がふえたようなばかげた答弁をしているんですよ。 私はその後調べてみました。ところが、たとえば京都のだけを調べてみましてもそんなことは真っ赤なうそなんですよ。林業関係の大体京都における労働人口、四十七年で三千八十三、五十三年で二千五百五十、漸減はしております。しかしそんなに違いない、三千から二千台です。すでに林業関係の健診者の総数というものは延べ五千人近いんです。正確に四千八百六十一名、五十三年五十四年とずっと続いてですね、過去十一年間の。ですから一回りはみんなやっているんですよ。いいですか。新たに健診者がふえてきたから潜在的なのが出て、そして要するに認定患者がふえたんだなんということは、この数字から考えても考えられないんです、きちっとやっているんですから。しかも、その京都で、民間はふえているんです。決してそんなに減っていないんですよね。林野庁どうなんです。この前の答弁、あれで通すつもりですか。こういう具体的な数字見せても。まだ潜在的な患者がどんどん健診が進んで、それで、あらわれただけで、新しい患者がふえているんじゃないと言い切れますか。
○説明員(安橋隆雄君) 林野庁では、あのときも御答弁申しましたように、五十五年度以降巡回指導事業を実施しているわけでございますので、今後新しい患者が出ないというようなことを目標に努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○丸谷金保君 努力するのはわかるけれどもね。私の聞いているのは、前回答弁したように、新しい患者がふえているのでなくて、潜在患者が健診がずっとよく行われるようになってから出てきたのだという答弁をあなたしましたね。それをいまでも固執するかと聞いているんです。固執するとかしないとか言ってください、どっちか。
○説明員(安橋隆雄君) 一概には、データがございませんのではっきりと言い切れないと思っております。
○丸谷金保君 あなたこの間はっきり言ったじゃないの。それは、潜在患者が健診がずっとよく行われるようになったからあらわれてきたので、新しい患者がふえたわけじゃないとこの前言ったでしょう。今度は一概に言えないというのはどういうわけです。だから、前回の答弁に固執するのかしないのかというんです。あなたがあの答弁に固執している限り話は進まない。新しい患者は出ていないと言う。私は新しい患者はどんどん製造されていると言う。固執するならその問題だけでもって、具体的な数字でそうでないということをやらなければならないんです。
○説明員(安橋隆雄君) 新しく認定患者になられた方々の発生の過程自体のデータがございませんので、先生がおっしゃいますような意味におきまして、新規に発生者が出たのが、新たに発生したのか、あるいは潜在的なものであるのか、その比率がどの程度であるかということははっきり言えないんじゃないかというふうに考えております。
○丸谷金保君 あなたこの前ははっきり言ったでしょう、潜在患者があらわれてきたんだと。いいです、それで。もうはっきり言えないと言うんだからそこまでにしておきましょう。それで、結局はっきり言えないということは、新しい患者も出ている可能性もあるということになるわけですよね。 そこで、林野庁に実はお伺いしたいんですが、この契約の関係のあれを見ますと、たとえば三条で、請負経費の内訳だとか事業計画の仕様書、こういうふうなものを出させている。これも仕様書等に不適合の場合、これについては事業の変更、中止とかいうふうなことがあるんですが、やっぱり不適合でも余り罰則はないんですよね。特にここでは、作業時間あるいは法令、指導要綱に従ったチェーンソーの使用期間、使用区分、使用方法、いろいろなことについて十分目を光らして、それらを計算した上でこの請負経費の内訳書というのが出てくるわけですね、これは間違いないですね。
○説明員(田中恒寿君) この三条に申しております事業計画表と申しますのは、契約の目的であります素材、丸太がどういうふうな計画で出てくるかということに重点がございまして、これ以外に振動障害防止が非常に重要な問題でありますので、その点に焦点をしばりまして別途に作業計画というのをとっておりまして、その中ではどういう機種のチェーンソーを使うか、時間規制を守るために、たとえば交代制を考えておるかとか、あるいは教育はどういうふうに受けておるかとか、そういう詳細なものをとるように、この三条以外の作業計画をとっております。
○丸谷金保君 それは労働安全衛生法に基づいてとっておるんだと思うんですが、それで作業計画書の内訳の資料と、それからもう一つ、ついでですが、「国有林野事業の実行に係る民間事業における労働安全衛生確保対策の推進について」という長官通達ですが、これに言う労働基準監督機関から労働安全衛生の確保に関して勧告を指導したにもかかわらず、改善されていないとの連絡があったもの。これは振動障害防止に関する指導を受けた件数があったものに該当する、要するに林野庁長官通達を意味するのでないということがおたくの方の内部のあれで出ておるんです。それで、改善されていないという連絡があったものに対する、どういう人がそういうふうに該当してあったかということの資料要求、この二つ、次の機会までにひとつ出していただきたいと思います。いいですか。
○説明員(田中恒寿君) 作業計画の様式につきましてはこの次までに御説明を申し上げたいと思いますが、指導あるいは是正勧告をいただいても改善されないというふうな例はございません。指導表をいただいて、それぞれ私どもも改善をするように勧めておりますし、いただいた結果、すべて改善をされております。
○丸谷金保君 まあそれはちょっと置いておきましょう。 実は非常にそういう点で、国有林での前回申し上げたように直営の減ってきております振動病患者、それはくしくも労働組合の方から強い要請があって協定を結んだところ、あるいはまた告発が行われたというふうな節目とちょうど合うようにすっすっと少なくなっていっているんです。しかし、それとは逆に林野庁の請負に従事する民間の方は非常にふえているんです。 そこで実は、これはもう簡単にこうやればできるんではないかということで、事業主責任をもっとはっきりさせるべきだということを前回提言しておきました。しかし、その後私は、そんなことだけじゃとてもいかぬなと思うことに気がついたのです。というのは、国会の場で、林野の直営の労働者は一緒に働かないから能率が悪い、民間請負にすれば大変能率がいいというような論議が交わされたと聞いたので、これはもう逆だと、きちっとそういう職場規則を守るように、労働安全衛生の法令を守ってきちっと行うようになって振動病患者も少なくなってきた。そのためにそれを基準にすべきであって、出来高払いであるとか、守られていないと盛んに指摘されるような民間請負が能率が上がったということは、法令を守らないで能率を上げているわけなんですよ。それを、法令を守らないで能率を上げているところに、きちっと守って職業病の起こらないような態勢で働いている人たちが、働かないから能率が上がらないんだというような、そういうことはもう本末転倒だと、こう思うんです。特にその点については、私は池田町の実際の数字をここに申し上げます。 池田町でも約百町歩くらいずつの除伐あるいは伐木、草刈りなんかやっております。 除伐の関係で言いますと、ヘクタール当たり直営が十三・六人区、請負が八・一。それから草刈りでは直営がヘクタール当たり七人、請負が三・八人なんです。やはり町営の山の仕事においても請負と差があるんです。何も林野庁だけでないんですよ。ただし、草刈りその他について私は直営の方ではチェーンソーなり草刈り機使うのを一切やめさしているんです。能率が上がらないのあたりまえですね。しかし、あたりまえでも不幸な人道上のゆゆしい、私は未必の故意だと思うんですよ。長くやらせれば病気にかかることがわかっていながら、見て見ぬふりをして監督を怠っているということは、そういう病人が出る、自殺者も出るというふうな状態の中では、明らかに監督なり請負をする国なりの間の未必の故意だと、こう思うんですが。しかも、今度は請負の方も、前回申し上げたように、非常にきちっと労働省の基準を守ってやっているんです。それでもチェーンソーや草刈り機使っています。だからきちんと基準を守って使っていれば、何も使っていないのと差はあっても、ちゃんと同じようにやっていけば同じような状態が出ます。ただ、山の状態にもよりますけれども、AでいいからBで同じような能率が上がるというわけにいきませんけれども、問題は能率の上がるというところに重点を置いて、安全衛生面に対して目を光らせないで、能率だけ上がった、上がったということは間違いだと、本末転倒だと。林野庁どう考えます。おたくの方も請負の方には全然目を光らしてないんですよ。たくさんありますよ、未必の故意。それでいいんですか。逆でないですか、その考え方は。
○委員長(片山甚市君) 残された時間は三分でありますから簡潔にお答えを願います。
○説明員(鈴木郁雄君) 労働安全衛生につきましては最大の配慮を払いまして事業を効率よくやっていくと、こういったてまえでやってまいりたいと思っております。
○丸谷金保君 たてまえを聞いているんじゃないんです。私の聞いているのは、きちっと労働安全の基準を守ってチェーンソーなり草刈り機を使っているところと、出来高払いというふうな依然目こぼしされた中で能率を上げているところと、能率上げているじゃないか、国の方の直営は上げていないじゃないかという論議はおかしいじゃないかと言っているんです。何も国だけでなくて自治体だって、やっぱり直営と請負ではこういうふうに能率の違うことを最初から認めてやらしているんです。だから、その違いを、けしからぬということにならないんじゃないかと。どう思います。
○説明員(鈴木郁雄君) この素材の生産におきましては、伐倒あるいは造材あるいは木寄せ、集材という、こういう工程でやるわけでございますが、これらの工程を有機的に組み合わせましてやるということで、たとえばチェーンソーを使います伐倒につきましては、全工程の四分の一程度でございますが、これらにつきまして二時間規制等を十分守りながら、交代制等をやるというようなことによりまして全体の能率は十分確保できると、こういうことで直営も請負も同じように能率向上という点につきましては十分配意しながら、またこの労働安全衛生の面につきましても最大の配慮を払ってやってまいりたいと、かように思っております。
○丸谷金保君 部長さん、願望を聞いているんじゃないんですよ。現状で、守られていなくて能率を上げているところがいいということになるかと聞いているんです。どうですか。これならお答えできますでしょう。
○説明員(鈴木郁雄君) 現状につきましては、請負事業につきましてもあらゆる機会につきまして十分指導いたしておりますし、その規則、諸法令等を守りながら事業を実行いたしておると、かように思っております。
○丸谷金保君 重ねてお聞きしますが、そういう指導はたくさん出ているんですよ。出ているから、守られないからどんどん病人もふえている。特に直営でなくて国有林における請負業者のところで働いている労働者からも出ているんです。現に出ている、たくさん。だから、そういうふうに振動病患者や何かをどんどんつくりながら、基準を守らないで能率を上げていることがいいのか悪いのかと聞いているんです、いいとか悪いとか、どっちか言ってください。
○委員長(片山甚市君) 時間がありませんから……。
○説明員(鈴木郁雄君) 諸規定、諸法令あるいは労働安全対策、これらを守らないでやるということは、決していいことではないと思っております。
○丸谷金保君 守らないで能率だけ上げるということはいいことでないと、こういうことですね。
○説明員(鈴木郁雄君) さようでございます。
○丸谷金保君 では、やめます、きょうは。
○高杉廸忠君 私は本案の審議に際しまして、関連する問題点として、労働省関係の行革の課題について、まず労働大臣にお伺いをいたしたいと思っております。 今回の法改正は行政改革の一環と言われますが、すでに関議決定などにより、この中退金法のほか雇用促進事業団、労働福祉事業同あるいは職安行政、労働安全衛生行政、この関係機関等が行政改革の課題として取り上げられております。 今日、行政改革は最大の政治課題となっておりますが、この際、まずこれらの諸課題に対しましてどう対処されるか、労働大臣の所見をまず伺います。
○政府委員(谷口隆志君) 今後の行政改革の取り組みにつきまして、私から事務的にお答えいたしたいと思いますが、御指摘のように、昭和五十四年の十二月に閣議決定されました行政改革におきまして、労働省の関係では、すでに実施いたしましたブロック機関の整理統合、それから、現在審議をいただいております特殊法人の整理統合等のほかに、雇用促進事業団、労働福祉事業団の施設につきまして、業務委託により合理化を図ること。また公共職業安定所の出張所等につきまして、昭和五十九年度までに一割を削減するということが決められておるわけでございまして、私どもといたしましては、定められた政府の方針に基づきまして着実に行政改革を進めていくという観点から、これらの業務の実態とか、それぞれが行っております業務への影響等を勘案いたしまして、行政サービスの低下をできるだけ招くことのないようにというような配慮を行いながら、逐次実施を進めておるところでございまして、今後ともそういうことを念頭に置きながら、着実に実施をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおり、鈴木内閣におきましては、今後の行財政の徹底的な改革を必要とする、特段と現実に行われております財政の再建、五十九年度までに赤字公債を全部なくそうということを目標にいたしまして行財政の改革に当たろう、こういう非常に強い決意をもちましてこの問題に当たっておるわけでございます。でございますから、私もその閣僚の一員といたしまして、鈴木内閣の掲げておりますこの姿勢、綱領というものに対しまして全面的に私が支援体制をとることは当然のことでございまして、そのような姿勢でやってまいりたい、かように考えております。 しかしながら、私がいかにこの行財政が至上課題であるということにいたしましても、何のために行財政の改革をするのかということが先行するわけでございまして、行財政の改革といいますることを急ぐ余り、本来の行政といいまするものが停滞をしたり、あるいは挫折をしたりというようなことがあってはならぬわけでございますから、その点は十二分に私どもで責任をもって配慮をして、そして、やるべきことをきちっとやるということが今日の私どもの姿勢である、かように申し上げておきます。
○高杉廸忠君 大臣、特に財政再建もさることながら、いまお答えいただきましたように、労働行政サービスの低下にならないように強く要望をいたしておきます。 次に、今回の法改正による合理化について伺いますが、今回の法改正では、特定業種に係る退職金共済事業のすべてを一個の組合で実施するとしておりますけれども、これによる組織、定員、これはどのように合理化をされるのか伺います。
○政府委員(寺園成章君) 先生御承知のように、特定業種退職金共済事業は、当該業界の御協力を得ながら、業界全体としてこの事業を実施していく体制というものが必要な事業でございます。今度の法案によりまして新しく団体ができましたときにも、基本的には、この事業の性格というものは維持していく必要があろうかというふうに思っております。ただ、こういう行政改革の一環として両組合を統合し、すべての特定業種について、一個の団体で事業を実施するということでございますので、役員の縮減あるいは共通的に処理できる業務というものは、できるだけ共通的に業務を処理するということで簡素合理化を図っておるところでございます。 やや具体的に申し上げますと、現在、特定業種退職金共済組合の常勤の役員の定数は、法律によって四人というふうに定められております。今回新しくできます組合におきましては、来年の一月に予定をいたしております林業の特定業種退職金共済事業の実施をも含めまして、役員の定員は六名ということで規定をいたしておるところでございます。
○高杉廸忠君 退職金共済団体の補助金を見ますと、各組合とも給付費を大幅に上回る事務費が計上されているわけですね。特に、事務費のうち職員設置費の割合が高く感ずるわけなんです。今後とも天下りを防止するとともに、役員の削減を図っていくべきではないかと私は考えます。こうした経費節減分を給付費に振り向けていくべきだと私は思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(吉本実君) 中小企業退職金共済制度は、先生御承知のように中小企業では、一般に、単独では退職金制度を設けることが困難だというような実情にかんがみまして、国の援助によります退職金制度を確立させていこう、こういうことでございます。このため国の補助金は、この制度の運営に必要な事務費と、さらにこの制度を中小企業者なりその従業員にとって魅力あるものにし、その加入促進を図るという意味から、退職金給付についても補助金をつけているわけでございます。 ところで、今回の建設業退職金共済組合と清酒製造業退職金共済組合の統合に当たりましては、先ほど部長から申し上げましたように役員を四分の一縮減するとともに、会計等の事務の共通実施によりまして人件費の削減も図っていこう、こういった面からできるだけ簡素合理化を進めていこうというふうにしているわけでございます。
○高杉廸忠君 次に、組織の合理化に伴う運営の円滑化と効率化の問題について伺いますが、今回の法改正で、特定業種ごとに運営委員会を置きまして権限の強化、それから議事範囲の拡大を図ることとしていると聞いておりますが、改正前の評議員会等と比べて、どのような改正が具体的に行われるのか、これが第一点であります。 また、その運営委員会はどのような構成となっているのか、この点を確認の意味で伺いたいと思います。
○政府委員(寺園成章君) 現行制度におきましては、特定業種ごとに組合を設置し運営をしておるわけでございますけれども、その中におきまして、業界の意向を十分くみながら事業の運営をしていくということで、常勤理事のほかに非常勤理事、これは業界の代表の方に入っていただいておりますが、非常勤理事という制度を設けておりますし、地方代表の方の幅広い御意見を伺いながら事業を進めていくという観点から、非常に多くの人数の評議員の方に御意見を伺っておるところでございます。新しくつくります組織におきましては、特定業種ごとに運営委員会を設け、その運営委員会の議を重要事項については経ながら、事業を実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 ただその運営委員会の構成は、そのような業界の意向を十分くみながら、事業を実施していくために設けておるということでございますので、構成といたしましては、現在の非常勤理事の方々になっていただく、もし要すれば業界のより一層の協力体制を確立するために、業界代表を一部入れることも考えられるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、現行のいわば理事会的な機能を運営委員会において果たしていただくという考え方でございます。 この運営委員会は、定数を二十名と定めております。したがいまして、現在評議員会で大変多くの地方代表の方の御意見を伺いながら進めておりますので、そのような地方の代表の方々の意見も伺うような場というのは、新しい組織においても必要ではないか、そういうような何らかの措置は講ずる必要があろうというふうに考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 本制度の運営に当たっては関係労使の意見を反映させるよう、去る九十一国会においても附帯決議を行ってきておりますが、今回いかなる措置をとられるのか、これが第一点であります。 また、中小企業退職金共済事業団には労使二名ずつによる参与制度があります。特定業種退職金共済組合にも、この参与制度というものを導入するというような考えはあるのかどうか、この際伺いたいと思うんです。
○政府委員(寺園成章君) 現在、本制度の基本的な運用のあり方につきましては、実質上、公労使三者構成からなります中小企業退職金共済審議会の御意見を伺いながら実施をしておるところでございます。 先生御指摘のように、中小企業退職金共済事業団の具体的な事業の運営に当たりましては、労使から構成をされます参与制度を設け、御意見を徴しながら事業を進めておるわけでございます。新しくできます特定業種退職金共済組合におきましても、受益者でございます労働者の意見を十分くみたがら、事業の執行をしていくということは大変重要なことであろうというふうに思っておりますので、中小企業退職金共済事業団に設けられております参与制度というようなものも参考にしながら、受益者である労働者の意見反映の場というものを検討してまいりたいというふうに思っております。
○高杉廸忠君 特に、いまお答えいただきましたように、本制度を魅力あるものとしていくためには、受益者である労働者の意思が、意向が反映できるようにすべきだと考えているわけです。この点も、いま参与制度の導入等もお考えのようでありますから、具体的な取り組みをしていただきたい、こういうように思っております。 それから、林野庁の方に次にお聞きをしたいと思いますけれども、林業退職金共済事業について伺いますが、昭和五十三年二月に林野庁は、林業従事者の中退金共済制度適用促進対策を決めまして、三カ年計画で具体的にその準備を行ってきていると聞きますけれども、その進捗状況ですね、これはどういうふうになっておりますか、これが第一であります。 また、加盟及び業務開始の時期をいつと考えておられるのか、この二点について伺います。
○説明員(安橋隆雄君) 林野庁の方で中小企業退職金共済制度準備事業としてやってまいりました事業の、五十六年一月一日現在の加入状況でございますが、林業事業体数で二千二百五十七事業体、林業従事者数で三万七千六百八十二名でございまして、法律に基づきます加盟の条件が満たされているのではないかというふうに考えているわけでございます。それで五十六年度、具体的には五十七年一月から本制度の方に移行するという前提で、林野庁の方では、この四月から十二月までの間の事業の管理運営費というようなものを、五十六年度予算におきまして準備して対応を進めているところでございます。
○高杉廸忠君 第二点の加盟の業務開始の時期、これはいつに考えておりますか。
○政府委員(吉本実君) 林業に関します特定業種退職金共済制度の開始は来年の一月の予定でございます。
○高杉廸忠君 この三カ年計画では、都道府県を単位とした林業従事者の退職金積立事業に昭和五十五年度では約四万五千人の加入予定としていますけれども、その実績ですね、その実績はどうなっておりますか。
○説明員(安橋隆雄君) 五十六年三月末現在の集計がまだできておりませんが、五十六年一月一日現在では事業体数で二千二百五十七、対象の林業従事者数で三万七千六百八十二名でございます。
○高杉廸忠君 昭和五十五年度で約四万五千人の加入を予定すると私は聞いているのですけれども、五十五年九月一日現在で約三万五千人と、一万人目標より少ないんじゃないかと、こう思うんですけれども、その点はどうでしょう。
○説明員(安橋隆雄君) 当初五十三年に準備事業を始めますときに、一応努力目標として掲げました四万五千人と五十六年一月現在の三万七千人とは差がございます。私どもといたしましては、準備事業ということで、掛金につきまして国の助成をするというようなことを考えまして、あるいは林業事業体の方々に積極的にPRいたしまして、林業従事者の福祉の向上のために、ぜひ参加するようにというPRもしてきたわけでございますが、実績と当初の努力目標との間には若干の乖離があるというのが現状でございます。
○高杉廸忠君 法第七十六条の二では、新たに加入する特定業種の指定に伴う措置を規定しています。この中で、応募者数が一定数に達したときに、労働大臣の認可を受け業務を開始すると、こうなっていますけれども、ここで言っております一定数というのはどれほどなんですか。それが第一であります。 それから第二点として、林業関係事業体は約六千とも聞いていますが、具体的に、大臣の認可を受けられる数をこの際示していただきたいと思っております。 第三点として、この要件ですね、この要件はどの程度整ったと言えるのかどうか、この際明らかにしていただきたいと思っております。
○政府委員(寺園成章君) 先生御指摘の法律案七十六条の二に規定しております件でございますが、このように応募者数が一定の数に達したときに労働大臣の認可を出すということを規定いたしておりますのは、この制度が、いわば業界の退職金制度であるということから、発足時におきましても、できるだけ広範な事業主の参加を得る必要があるということから、このような規定を設けておるわけでございます。具体的には、指定いたしました特定業種に属する事業を営みます中小企業者の三分の一ということでございます。現在、林業におきまして退職金共済制度適用のための準備事業が、林野庁の補助を受けながら実施をされておるところでございますが、私どもこの制度が発足いたしますときに、対象になり得る事業体の数は約六千であろうと、これは先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、この六千の企業体の三分の一が発足時に応募しておれば、労働大臣の認可の要件は満たすということになるわけでございます。 現在の準備事業の実施状況は、先ほど林野庁からお話がございましたように、企業体として二千二百五十七事業体が入っております。これらの事業体が新しく林業を開始いたしましたときには、もうほぼ全部入ってくるのではないかというふうに考えております。今後、さらにこの数がふえることも予想されるところでございますし、またふやしていかなければいけないというふうに思っておりますが、そういうことから、五十七年の一月時点では、林業指定の条件は満たしているのではないかというふうに考えておるところでございます。
○高杉廸忠君 民間の林業従事者の退職金共済事業について、来年の一月から発足するためには今後どのような段取りをしていくのか、その方途をもって準備がどういうように進められるのか、この点については、来年一月から発足できるよう万全を期するように要望するところでありますけれども、労働大臣、こういうようなことで来年一月から発足できるために、万全を期すために、大臣のひとつお考え、所見をこの際伺いたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 今回の法改正によりまして、統合後の組合におきましては、特定業種にかかわります特定業種退職金共済事業のすべてを行うことに相なるわけでございます。そういう意味で、林業に関します特定業種退職金共済事業も統合後の組合において開始する、こういうことになるわけでございます。そこで、具体的には本年の十月に予定されております新組合が設立されましたならば、できるだけ速やかに林業を特定業種としてまず指定をいたします。そうして当面、その検討準備を進めたいと考えておるわけでございます。 それからさらに、指定された後におきましては、林業にかかわります業務を開始するための準備委員会の設置、それから定款の変更、こういったような準備段階を経まして共済契約者の募集を行い、応募者数が先ほど申しましたように対象事業主の三分の一に達する段階で、林業に関します業務開始の認可をすると、こういうふうな段取りになるわけでございます。 そういうことの手続を経まして、実際の事業開始が来年の一月からやれるように、林野庁とも協力を得ながら取り組んでいきたいというふうに考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 中小企業退職金共済制度の拡充について次に伺いますが、九十一国会の前回の改正ですね、これにおいてこの制度の改善を行いましたが、その後の加入実績は、これはどのようになっておりますか。資料によりますと、中小企業関係約一〇%足らず、建設業関係が約四〇%程度でありまして、こういう加入実績ですね、その後の。これはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(寺園成章君) 前回の通常国会で御審議を煩わし、中退法の改正を現在施行しておるところでございます。具体的には昨年の十二月から施行に入っております。なお、改正法の中で、かねてから要望の強かった過去勤務の通算制度につきましては、本年の四月から実施段階に入っておるところでございます。 そのような事情も踏まえながら、加入の実績を私ども見ておるわけでございますけれども、昨年十二月に施行されました後の加入実績を見てみますと、被共済者につきましては九万二千人余が新しく入っております。これは前年の同期に比較いたしまして三%の増ということになっております。また、建設業退職金共済事業につきましては、約六万八千人の新しい被共済者の方がおられます。これも、前年の同期に比べますと一〇%の増ということでございます。清酒製造業につきましても、同様十二月以降約五百二十名の方の新規加入がございます。前年に比べまして約一二%の増ということに相なっております。
○高杉廸忠君 本制度については、一層魅力ある内容とするとともに、加入促進対策を強化してその普及促進を図ることが必要であると思うんです。これは九十一国会の附帯事項にもありますように、私は、具体的には五十四年六月の中退金共済審議会の小委員会も指摘しておりますが、賃金とか物価スライド制の導入とか、年金制度の導入とかあるいは国庫補助の引き上げ、加入促進の強化等々で懸案事項となっておりますが、これらの問題についての検討状況及び具体化についての労働省での取り組みについて、どういうふうに取り組んでおられるか伺います。
○政府委員(吉本実君) 中小企業退職金制度の普及促進につきましては、先回の法改正の附帯決議でも御指摘されておりますし、先生方からも、その点に対してのいろいろな御注意を喚起されたところでございます。そういったことに基づきまして、私ども周知、勧奨体制の整備が最も大事だというふうに考えているわけでございますが、毎年十月に加入促進月間を設けまして、全国的に集中的な加入運動を実施しておるということのほか、いろいろPR関係のテレビ、ラジオ等を通じまして周知を図る、あるいはポスター、パンフレットの配布等も行うというようなことを一段と強化すると同時に、事業主の説明会の開催、あるいは相談員等によります戸別訪問による加入勧奨、こういったことも進めておるところでございます。 それからまた、小規模ではございますけれども、地域の事業主団体に対します加入意向調査といったような委託も行いまして、事業主団体の協力を得たり、あるいは取り扱いの委託金融機関で金融機関自体の加入促進月間等も設けて、そういった勧奨も行っているところでございます。 それからさらに、中小企業退職金共済事業団では、昨年の改正後直ちに普及促進につきましての五カ年計画を策定いたしまして、その普及活動を特に小零細企業に重点を置きながら、計画的に推進をしているところでございます。 それからさらに、制度の改善といたしましてのスライド制の問題あるいは年金の導入、国庫補助という問題等につきましては、先ほどの審議会での先般の建議にもございますが、審議会におきまして、その後そういった検討を始めており、六十年の次期の見直しの時期にかけまして、なおいろいろな御審議がなされていくものと考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 本制度を魅力ある内容にするために幾つか指摘をいたしましたから、これらについてもぜひひとつ、実現できるように取り組んでいただきたい、これは要請をしておきます。 特に本制度の加入促進について、私はPRが必要だと思うんです。そういうことについて労働省の方ではどういうような措置をとっておられるのか、それが一つ。 それから、その点に加えて予算措置というものがどうなっているのか、やっぱり具体的な、こういうような加入促進対策というものを私はしていくべきだと、こういうふうに思うんですね。この点について伺います。
○政府委員(吉本実君) 本制度の普及促進、PRにつきまして大事なことはもちろんでございますし、先ほど申しましたような種々の手段をとりながら、積極的に広報活動を展開してまいりたいというふうに思っております。 それからなお、PR用の予算、このための経費でございますが、この経費につきましては全額国庫によっておりますが、その予算額は五十六年度で、中小企業退職金共済事業団関係、つまり一般の関係で約四千四百万、それから建設業の退職金共済組合関係で約千二百万、それから清酒製造業退職金共済組合関係で四百八十万、計六千二百万弱といったようなことになっております、 それからなお、PR活動につきましても、最近政府部内の総理府の広報室でございますけれども、そちらに対しまして政府広報の中でもこういった問題を取り上げていただくよう、積極的にお願いを申し上げているところでございます。
○高杉廸忠君 特に、建設業従事者の人たちからは、本制度に未加入のために、働いても証紙を張ってくれないという事態も多いと聞いているんです。したがって、今後これらの人たちの加入促進とともに、証紙の貼付の履行確保について各事業主に対する行政指導を一層強化していただきたい、こういうふうに思っておりますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(寺園成章君) 特定業種退職金共済制度は建設業に限りませんで、当該業界の方々のできるだけ多くの方がこの制度に入っていただく、また証紙の貼付をちゃんとしていただくというのが、この制度を実効あらしめる基本でございます。 そういう観点から、かねてから先生方の御指摘もございますし、私どもといたしましても加入促進、証紙の貼付履行ということに力を入れてきておるところでございます。一層の事業主の指導を強化したらどうかという先生の御指摘、全くもっともだと思っております。今後、あらゆる機会をとらえて、事業主の指導に当たってまいりたいというふうに思っておりますが、特に建設業退職金共済組合におきましては、五十六年度から共済契約者の管理システムというものを、従来の手作業からコンピューターを利用したシステムを導入することにいたしております。そのようなシステムを十分活用しながら、証紙の貼付、そのもとになります加入促進に一層努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○高杉廸忠君 最後に、要請と大臣の所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。 中小企業退職金共済制度は、労働者の福祉事業として国の助成、雇用主負担の増、給付金額の引き上げなど、今後一層充実整備される必要があると考えております。 最近の景気のかげりの中で、特に建設業及び林業における不況が大きな問題となっております。これらの労働者の雇用安定対策が最も重要であると、こういうふうに思っております。本法案の審議に際しまして、私は建設業及び林業関係労働者の雇用失業対策をこの際大臣から伺い、労働行政の強力な諸施策の推進のために、大臣の所見をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(藤尾正行君) まことに御指摘のとおりでございまして、昨年の十二月以降特段とそのような傾向が強いわけでございますけれども、建設業関連の林業、建設業者、中小企業者といいまするものの倒産が非常に多いわけでございます。このことが示しておりますように、今日の景気の趨勢というようなものを見ましても、この点に十二分の注意を払ってまいりませんと、そういった業種にお働きの方々の雇用安定といいまするものが損なわれるおそれがある、大変なことである、かように考えておるわけでございまして、私どもといたしましては、今後とも一般政策といたしまして、このような建設業関連中小企業の倒産を未然に防止するということを進めますと同時に、これと並行いたしまして、お働きの皆様方の雇用条件、労働条件といいまするものを十二分に確保してまいらなければならぬ、かように考えております。 ただ、私どもはこの際考えてみなきゃなりませんのは、物価の趨勢その他というものを勘案をいたしまして、このような制度をもちまして、不時の際あるいは任務を果たされた場合の退職金制度というようなものも考えさしていただくわけでございますけれども、その退職金というお働きの方々に対しまする措置が、退職金を支払いましても、その退職金が本当に役立っているかどうかという点は、これは十二分に考えていかなければならぬわけでございまして、私どもといたしましても、そのような共済給付金といいまするものが、十二分にお働きの皆様方に価値あるものとしていただくための努力を、国の面におきましても、また使用者側におかれましても十二分にとってもらいたい、かように考えますし、そのためには、こういった制度に御加入の底辺を、できるだけ広くかつ強くしていくということが大切でございます。こういった観点から、こういう制度の運用に関しまして、御指摘のとおり、十二分の御理解をちょうだいをいたしまして、そのこと自体がお働きの皆様方に本当に一つの保障ということになりますような実績を上げてまいりたい、かように考えております。
○委員長(片山甚市君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後二時二分開会
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 午前に引き続き、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小平芳平君 この改正に出てくるところの建設労働者等は、非常に恵まれない立場の労働者であり、またそういう不安定な職場に働いております。かねがね労働大臣は、労働者の生命、健康を守り、福祉を守っていく、築いていくということを発言しておられますが、今度のこの原電の敦賀発電所の事故なんかも、きわめて重層下請になっておりますところの方々が放射能を大量に浴びたんではないかと言われているんですが、一体作業員が何人働いていてどういう状況にあったかということを、労働省は報告を受けておられますかどうかお伺いしたい。
○説明員(望月三郎君) 先生のただいまの御質問でございますが、原電の敦賀の発電所におきまして今回事故が起きたわけでございますが、労働省といたしまして、事故の廃棄物の処理に当たっておりました五十六名の労働者が、どの程度感染をしたのかという点について、現在鋭意調査中でございます。本省からも主任専門官を派遣をいたしまして、現地の敦賀署を総動員で、署と局で一体となって現在調査を進めておる次第でございます。
○小平芳平君 規則では速やかに報告しなければならないことになっておりますね。速やかなる報告がありましたか。
○説明員(望月三郎君) 率直に申し上げまして、三月の八日の事故でございまして、私どもの電離放射線障害防止規則によりますと、速やかに報告をしろという規定になっておりますが、相当おくれまして、私どもに話があったのは今月の二十一日という時点でございます。
○小平芳平君 二十一日というのはこちらから調査に行ったわけですか、先ほどお話しのように。それとも向こうから報告があったのですか。
○説明員(望月三郎君) 私どもは二十日の段階でキャッチをいたしましたので、二十日の段階に現地の署長以下発電所へ行ったわけでございますが、それは事故があったということを前提に、こちらの方で積極的に参ったわけでございますが、向こうの方で翌日、私どもの署に対して、実はこういう事故があったということで、こういう中身の新聞発表をしたのだということで、まああいさつという形で来たと、それを報告と見るかどうか問題はありますが、要式行為ではございませんので、それはそれとして私どもは一応聞いたという形に、非常におくれておりますがなっておるわけでございます。
○小平芳平君 労働大臣に伺いますが、この問題はきわわめて遺憾なけしからぬ問題であるということ。で、それは国を挙げて、エネルギー問題あるいは石油依存度を減らす問題、そういうことは政府も政党も取り組んでいる真っ最中である。それをいいことにしてかどうかわかりませんが、報告すべきことを報告もしなければ発表することもしないでひた隠しにする。こういう問題はまた事細かに取り上げたいわけですが、基本姿勢としてこういう、まあいまだにどれだけの人が被曝をしてどういう検診をしたかということさえわからないわけです。恐らくやっていないだろうと思うんですが、そういうことでは困ると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおりでございまして、今回の日本原子力発電株式会社の敦賀発電所で起きました事故、まことにもう何とも言いようのない、粗雑かつ非常に不用意な事故でございまして、本当にこの事故につきまして、原子力発電株式会社におかれては、会長、社長それぞれ引責をせられる、あるいは現地の敦賀発電所の所長以下みんな入れかえをされるという責任をおとりになっておられるわけでございまするけれども、そのような会社といたしましても大変な私は衝撃であったろうと思いますけれども、それ以上に、非常に大切かつ非常に危険を包蔵いたしております原子力放射線を扱われる工場とされまして、このようなハンドリングな非常に粗雑な、不注意な行為が連続しておったというようなことは、私どもといたしましても、これは規則上も許されませんし、また実際に技術的にもなっていないということでございまして、その報告義務を怠って報告すべきことを報告しなかったというに至っては、もう何ともはやその責任の追及の仕方がないというほど私はひどいものだと、かように思います。 特段、今回のこの事故といいますものが、たとえばバルブを作業員が締め忘れたというようなことでありますとか、あるいはあふれ出ました汚染されました水、こういったものを、本当かうそか知りませんけれども、バケツでくみ上げてきたとか、あるいはその後ぞうきんがけでふき取ったとかいうようなことはちょっと、放射線というような非常に危険かつ微妙なものを扱われる立場の方とされまして、私どもといたしましては本当に理解ができないということでございまして、私はこの際、私どもの国におきまするエネルギー問題の将来を考えましても、あるいは今後の原子力発電といいまするものの安全性というようなことの保障ということを考えてみましても、この一つの機会をとらえまして徹底的な調査を進め、かつ、これに対しまして、その衝に当たっておられまする方はもとより、国民全体が非常に厳しい目でこういったものに対処しなければならぬということを再確認をすべきであると、かように考えております。
○小平芳平君 大臣の厳しい発言、態度と、それから労働省当局の厳しい対処を望みます。特に働いている方が、そこで作業している方が、下請のまた下請みたいな方が一体健康に障害があるかないか、あれば大変ですから、速やかにそれを対処していただきたいと希望しておきます。 次に、これは午前中もちょっとお話がありましたが、今回の行政改革について労働省の基本姿勢を伺います。 たとえば、各省一局削減とか各局一課削減とかということがよく出ますが、これはどうでしょう、労働省としまして。
○政府委員(谷口隆志君) 現在、私どもが置かれております厳しい財政状況のもとで、政府全体として効率的な行政を実施するということで行政改革が進められておるわけでございますが、労働省も、決められた行政改革を着実に推進いたしますために、一方でたとえば労働保険の徴収を一元化するとか、コンピューターを設置しまして労働険の関係の事務の機械的な処理を行うような事務の効率化とか、あるいは労働保険事務組合等で労働保険の徴収の事務をやっていただくとか、ボイラー、クレーン等の検査を民間に委託するとか、そういう民間能力の活用、また行政ニーズに即応しました安定所の組織を改編いたしまして、ニーズに応じるような仕事の仕組みをやると、そういういろいろなことをやりながら、決められた行政改革を進めてきておるわけでございまして、今後ともそういうことで進めていきたいと思います。 いま御指摘になりました各局一課削減とか、こういうような問題につきましては、やはり行政の実態とか、あるいは行政に関連する業務のそういうものから来る影響等も十分勘案して、やはり慎重に対処しなきゃならぬということに考えておりますけれども、いずれにしましても、こういう行政改革が非常に強く望まれておる事態でございますので、そういうものが決められた場合には、全体の状況の中でその業務の実態、あるいはそれに基づきます影響等も考えながら、できるだけ行政のサービスが低下しないような配慮も加えつつ着実に実施していかなきゃならぬと、このように考えておるわけでございます。
○小平芳平君 また、中労委、公労委の事務局の統合なども議題として出てくるかと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(谷口隆志君) 中労委と公労委の事務局の統合につきまして、いま直接具体的な日程で問題になっておらないわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、もう先生十分御案内のとおり、中労委は民間の紛争の調整機構でございますし、一方公労委は公企体の紛争の調整機関でございまして、特に公労委につきましては公企体の特殊性から、職員の労働関係について争議行為が禁止されまして、その代償措置として中労委にはないような強制仲裁の権限が与えられているとか、また一方、中労委では最近非常に不当労働行為の問題が多く持ち込まれておりますとか、そういう実態とか、あるいは両委員会の機能等も相当異なっておりますので、そういう異なった委員会の紛争の事務を受け持ちます事務局等につきましても、私どもとしてはこれを統合するのは問題があるんじゃないかというふうに考えております。いずれにしましても、行政改革全体につきましては、先ほど申し上げましたような基本的な考え方で今後対処していかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございます。
○小平芳平君 それは官房長がおっしゃるように性格が違いますから、事務局を統合するというのは無理だろうと思いますね。思いますけれども、議題として上がるかもしれないと思います。 これはいかがですか、中小企業退職金先済事業届に今度の特定業種を合併して運営するということは。
○政府委員(吉本実君) 中小企業退職金共済関係の三法人で運用しています退職金事業、これは大きく言いまして、ただいま先生の御指摘の一般退職金の共済制度と、それから、今回議題になっております特定業種退職金共済制度と二つに分かれるわけでございますが、このうちの一般退職金共済制度は、業種業態に関係なく中小企業に常用雇用されている労働者の退職金制度でございまして、それをいわば共同実施するものだというふうに考えておりますし、他方、特定業種退職金共済制度は、特定業種の事業に従事する期間雇用者に対しまして業界の事業主間の連帯協力。こういうものを基礎にして行ういわば業界退職金制度というものでございまして、関係事業主の参加します組合組織によりまして、初めて円滑に実施されるということでございます。したがいまして、この二つの制度は、その性格なりあるいは共済契約者の関係というものを別にしまして、その仕組みなり運営のあり方には基本的に相違があるわけでございます。そういう意味で従来から別個の法人として設立し、対象の労働者の状況なり制度、性格に適合した運営を図ってきたところでございます。したがって、これらの制度を全部まとめて一法人とするということにつきましては、全体を円滑、効率的に運営するのには困難であろうというふうに考えておるわけでございまして、今回、特定の共通な退職金共済制度の関係を一本にいたした次第でございます。
○小平芳平君 今回、特定職種は一本にしますが、それと一般の退職金事業団とは性格が確かに違いますけれども、しかし、酒造とそれから建設業、これなどもずいぶん違いますね、業界としては。それから、林業となりましても、これもまた業界としてはずいぶん異なる業界になりますが、ですから、そういうずいぶんと異なる業界を一本にして運営するということ、それと一般の退職金事業団とむしろ一本にした方がやりいいじゃないかというような意見はありませんか。
○政府委員(吉本実君) 確かに先生のおっしゃるようなお考えも一つあろうかと思いますが、先ほど申しましたように、一般の退職金制度と特定業種の制度とはその性格が異なりますし、特に先生御指摘のような業界のいわゆる退職金制度ということで、その点では共通しておるわけでございます。確かに、それぞれの建設業界あるいは酒造業界という業界自体は違いますけれども、その根底においての業界退職金制度ということについては一致しておる。したがいまして、新しくできますこの一本にした新組合につきましても、それぞれの運営はそれぞれで行い、経理につきましても区分経理をするということで、それぞれの業界の納得を得ながら、円滑に運用するような仕組みも実はとっている次第でございます。
○小平芳平君 次に、退職金そのものの質問をしますが、この退職金は今回の改正は行革がらみの改正ですが、どのくらいの退職金が受給されているのか、たとえば五年で幾ら、十年で幾らというようなぐあいにですね、で、これは掛金との関係がありますから簡単には出ないでしょうけれども、ただ何となく退職金共済に入りなさいと、皆さんなかなかいい制度ですよというだけじゃあんまり効き目がないわけですね。ですから、どのくらいの金額になるか、モデル的なものを挙げてください。それが第一点です。 それから第二点は、最低の掛金額を計画的に引き上げなければならないということ、これはもちろん法律がそうなっておりますが、それから物価上昇等に伴う目減りをどういうふうに是正していくかというような点。 それから、通算制度をより確立していかないといけない。つまり、少ない金額で二回、三回退職金を受けるよりも、まとまって受けた方が退職金の本来の趣旨に合うのではないか、こういうような点についていかがでしょう。
○政府委員(寺園成章君) まず第一点の退職金の支給額でございますが、現在の中小企業退職金共済事業団におきます平均掛金額は、約三千九百五十円になっております。したがいまして毎月四千円の掛金を掛けた場合の例で申し上げますと、十年で約七十六万円でございます。二十年で二百十八万円、三十年で約四百七十万円でございます。また、掛金を一万円といたしますと、十年で百八十五万円、二十年で五百三十六万円、三十年で一千百五十万円という金額に相なります。 それから第二点目の御質問でございますが、昨年の通常国会におきまして御審議を煩わし、中退法の改正をお願いしたわけでございます。五年目ごとの改正でございまして、五年前の賃金、退職金の事情と昨年時点での退職金、賃金の事情を勘案をいたしまして、最低掛金それから最高掛金のそれぞれ約一・五倍の引き上げをいたしたわけでございます。なお、先生は最低掛金について継続的に引き上げていくというようなお話でございますが、現在の退職金の掛金額は最低と最高の幅、すなわち千二百円から一万六千円の間で十九のランクが設けてございます。したがって、その幅において掛金の増額をするということは可能なシステムでございますし、現に大体、年平均掛金額が一〇%程度ずつ上がっていっておるというのが現状でございます。しかし、そういうのが現状でございますけれども、最低掛金額の引き上げということについては、五年ごとに見直すということもございますので、今後の賃金、退職金の事情なども十分見ながら引き続き検討をしてまいりたいというふうに思っております。 また、物価上昇に対する退職金の目減りの問題でございますが、これも現行の仕組みの中では掛金額を増額をするということでひとつ対応ができるわけでございますけれども、かねがね議論になっておりますのは、この制度の中に、いわゆる物価スライドの制度が設けられないかという議論がございます。昨年の法改正をいたしました基礎となりました中退審議会におきましても、この物価スライドの問題が大きな問題として取り上げられましたけれども、なお検討すべき問題が多いということで、引き続きの、検討事項になっております。私ども、この建議の趣旨も踏まえながら、引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。 それから、通算制度の問題でございますが、この中小企業退職金共済制度が、個々では退職金制度が持てない、そういう中小企業、零細企業におきまして相互共済の仕組みで退職金制度を設けるということが基本でございます。したがいまして、一般の退職金制度の動向というものも十分見ながら、この制度を仕組んでいかなければいけないということでございます。現行の一般におきます退職一時金は、やはり企業を退職したときに支給するというのが原則でございますので、この制度におきましても企業退職というのを原則にし、そこで原則的には収支が合うような計算をいたしております。したがって、中小企業の間を転々とされる方をすべて通算をするというのは、現行の仕組みの中では大変困難な問題ではございますけれども、しかし実際には、中小企業の従業員の方々はかなり短期間で彩られる場合がある。それも自己都合によらずに、やむを得ず転職のやむなきに至るという場合もあるわけでございますので、そういう場合につきましては、前後の共済契約の期間を通算をするという制度をとっておるところでございます。
○小平芳平君 退職金の金額が、魅力のある退職金になることが第一の希望であり、また要件であると思いますね。その意味では、いまおっしゃったような目減りですね、これなどもなお検討する余地がありはしないか、 それから、退職金の通算制度、これもやむを得ない事情ということだけでしか通算できないということ、これなどもなお検討の余地があるのではないかと思います。 それから次に、事業別加入が困難な場合は個人加入ができるようにできないものか。 それから、社内退職金制度を有していない事業所は強制加入制度にできないか。つまり、社内退職金制度を有していない事業所は、何かの退職金に強制加入をするというようなことは検討されたかどうか。
○政府委員(寺園成章君) この制度は、独力では退職金制度を持ち得ない中小零細企業を対象に仕組まれておるわけでございますので、社内退職金制度を持てない、そういうところを重点的に今後とも普及促進を図ってまいりたいというふうに考えておりますが、現在は退職金制度を設けること自身が法律の強制になじまない事項として、労使の話し合いの中で解決をされておる問題でございますので、この退職金共済制度についてだけ加入を強制をするというのは、少しなじまないんではないかというふうに思っておるところでございます。 それから個人加入のお話でございますけれども、いままで審議会の場等で、一般の企業に勤める従業員についての個人加入という議論はまだ出たことがございません。先生はどういう構想でお話しか、よく存じないわけでありますけれども、現在の退職金制度が、やはり原則的には事業主の管理のもとに、また、その負担において設けられておるということでございますので、原則的には労働者の個人加入というのはなかなか制度的にはむずかしいんではないかという感じがいたしております。ただ、建設業退職金共済制度におきましては、いわゆる一人親方の方々につきましては、これは擬制適用という形でお入りいただいておるという措置はとっております。
○小平芳平君 退職金は確かに、いまお答えになったように、労使の話し合いで決められております。それで、それぞれ退職金の性格などについてもいろいろな議論があります。しかし、退職金も賃金の一部であるということですね。労働省は退職金はどういうふうに考えておられますか、性格を。
○政府委員(寺園成章君) 退職金につきましては、性格を議論する場合に二通りの側面があるのではないかという感じがいたしておりますが、一つは法律的な側面でございます。退職金が協約あるいは就業規則等で定められておるという場合には、労働基準法上はこれは賃金と評価をするわけでございます。 一方、法律的な側面と申しますよりか、いわゆる社会的あるいは経済的な効果と申しますか、そういう側面がもう一つ議論があるわけでございます。これにつきましてはいろいろな考え方がございます。しかし、私どもといたしましては、もらう労働者の側から見ますと、老後の生活保障あるいは失業中の生計費を補助する、あるいは持ち家でありますとか、子女の教育などの大型出費に充当をする、そういうような経済的な効用を退職金は果たしているのではないかと思いますし、また使用者側から見れば、労働力の確保、定着、あるいは雇用調整の円滑化を図っていくというような機能を退職金が果たしておる。そういういろいろな作用、効用、効果というものを退職金は複合的に果たしているのではないかというふうに思っております。
○小平芳平君 それゆえに、賃金に最低賃金法があるように退職金も法定できないかと。最低退職金というものを決めることはどうかということ。それから、いま説明されたようにいろいろな性格がありますが、退職金を年金にして受け取る場合と、それから一時金として受け取る場合と自由に選択できたら、どのくらいの比率で年金と一時金に分かれると思いますか。
○政府委員(寺園成章君) 御承知のように、一般の賃金につきましては最低賃金法に基づきまして最低賃金を定めておるわけでございますけれども、退職金につきましては退職金制度を設けること自身が、本来任意の制度といったてまえでございますので、その最低額を法律で強制をするということは、現在ではなかなかなじみにくいのではないかというふうに思っております。 それから、年金と一時金の問題でございますが、最近の動向を見ますと、年金制度をとる企業が多くなってきております。傾向として増加傾向にございます。ただ、多くの企業におきましては、年金と一時金を労働者の選択にゆだねておるところが多くあるわけでございますけれども、そのような企業におきますと、ほとんどの場合一時金を支給しておるというのが実態でございます。
○小平芳平君 一時金を選択する理由はどう考えますか。
○政府委員(寺園成章君) やはり、その時点でまとまった金を手にしたい、そのもととしては、その時期における大型出費に備えるというようなこともあろうかと思います。また、現在の税制の仕組みからいきますと、一時金と年金と比較いたしますと、一時金の方が税制的には有利な取り扱いになっておりますので、そのようなこともあって一時金選好が強いのではないかというふうに思っております。
○小平芳平君 退職金は、日本人で日本で働いている場合は、退職金は賃金の一部であり、必要なものなんです。確かに退職金制度をつくるかつくらないかは任意でありますけれども、退職金制度のない企業の魅力のないこと、逆に言えば退職金制度のあることによってその企業が、この企業には退職金制度がある、これだけの退職金が手に入るという力になれるわけですから、ですから、いままでずっといろいろ言ってきましたが、現状において五十五とか六十とか六十五とか、そういう段階ではまとまった金がなくては困るということ、まとまったお金が必要なんだということ、そういう認識の上に立って退職金制度を考えてもらいたいと思うんです。どうですか。
○政府委員(寺園成章君) 先生御指摘のように、年金と一時金の併用制度をとっておるところで一時金の選好が強いということは、まさに先生のおっしゃるところが影響しているのではないかというふうに思います。これから高齢化社会を迎え、定年延長が進んでいく中で、これから退職金制度というものをどのようにしていけばいいのか、高齢化社会の中における退職金のあり方というものを、現在、賃金研究会という場で御検討いただいておるところでございます。私どもといたしましては、その研究報告を受けまして対処してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○小平芳平君 労働大臣、退職金は働いている人にとって必要な賃金なんです。何といっても退職金の制度の全然ないところと、それから少ないところと、また高額の退職金のところと、いろいろに分かれるでしょうけれども、ぜひ必要なんだというその上に立って、いま改正になる共済法の退職金も充実していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(藤尾正行君) 退職金の性質、こういったものにつきましての考え方は、これはこれなりにいろいろあろうと思います。しかしながら、私が考えをして、この中小企業、特段とこういった常用労働者でない非常に不安定な方々に対しまする退職金制度といいまするものは、これは特異なものでございますと同時に、非常に私どもが重要視していかなければならない、私どもがこれに御献身をさしていただかなければならぬ、そういった性質のものであろうと、かように考えておりますだけに、こういったものがより安定的にお働きになられる方々の支えになって、一つの魅力のある、希望の光になっていくということが望ましいわけでございまして、さような意味合いにおきまして、一般的な企業における退職金というものと同列にといいまするよりは、より以上に私どもは温かく御措置を申し上げなければならぬ、かように考えております。
○小平芳平君 いまの大臣のお答えに私も賛成です。一般企業の退職金以上に、たとえば目減りを防ぐとか、何か魅力あるものが欲しいと思います。 この建設労働者ですね、建設労働者の雇用の改善等に関する法律が制定されて、第一次の計画期間が終了したわけですが、その時点で目標としてきた点が改善されたかどうか、こういう点はよくなったという点がありますか。
○政府委員(関英夫君) 建設労働者の雇用の改善等に関する法律の施行直後に、第一次の建設雇用改善計画を策定したわけでございますが、その計画におきましては、建設労働者の雇用の改善等のための基礎づくりとその定着といったことを課題といたしまして、大きく言いますと四つぐらいの柱で対策を講じていく計画を立てたわけでございます。 一つは、雇用管理研修の実施、それから二つ目が、雇い入れ通知書の交付等による雇用関係の明確化、三つ目が能力開発等雇用改善への助成、四つ目が福祉施設の設置という、四つの対策を柱としてきたところでございます。 で、この結果、五十四年度までに約十八万三千人の方に対しまして雇用管理研修を実施してきておりまして、五十五年度分を含めますと約二十万人がこれを受講したという結果になっております。 また、二番目の雇い入れ通知書の交付につきましては、当初はなかなか浸透しなかったわけでございますが、次第に浸透してきておりまして、五十五年度ではおよそ六、七割は交付されているのではないかというふうに見ております。 それから、社会保険の適用関係でございますが、雇用保険への加入状況につきましては、五十二年三月の適用事業所数が約十五万、被保険者数約百九十五万人が、五十五年十一月の数字でございますが、適用事業所数で十九万八千、被保険者数で二百四十五万人というふうに増加してきております。 また、常用化の問題でございますが、常用労働者の数が、五十二年三百九万人から五十五年で三百四十六万人というふうに増加してきております。 それから、能力開発につきましては、助成金の制度によりまして助成しておるわけでございますが、認定訓練助成金あるいは技能実習助成金あるいは職長研修助成金といったような形で能力開発を助成しておりますが、延べ八千九百二十八事業所がこれらの支給を受けて能力開発を実施しておるわけでございます。 その他、作業員宿舎の整備とか、福祉施設の整備、そういった面にも助成金が活用されておるわけでございまして、あるいは雇い入れ時の健康診断、こういったことにも活用されてきております。そういう意味で、必ずしも十分とは言い切れませんが、徐々にこの計画に沿った施策の効果が出つつあるということが言えるかと思います。
○小平芳平君 いま御説明のようにそれなりの成果は上げておりますが、必ずしも十分というわけでもないというところでしょうが、とにかく、若年労働者が喜んで建設産業で働くというふうになってほしいと思います。 それから、年一回、建設雇用改善推進月間というのが設けられておりますが、これは大臣表彰とか、いろいろそういうことが主であって、実際問題の雇用改善の推進にはどれだけ役立っているかという点、やっぱりこういう点も検討する必要がありはしないかと思いますが、いかがですか、
○政府委員(関英夫君) 前段の労働者の問題でございますが、建設業を若年労働者にも魅力ある産業として喜んで参入していただくためには、やはり第一次の計画でも定めましたような、雇用関係の明確化あるいは雇用関係の安定化、あるいは技能開発による能力開発を進めること、その他福祉の増進、他産業に比べて建設業が注文生産で、非常に波動的でなかなか実施がむずかしい面がありますけれども、他産業並みの、あるいはそれ以上の魅力をつけるための努力を、今後とも続ける必要があろうかと思います。 いままでは建設産業には若年労働者にとって魅ちに、わりあい他産業に比較して高い賃金が得られるということで、若い人が比較的多く入ってきた産業でございますけれども、御承知のような高齢化で、若い人の数が少なくなっていくこれからの時代に向けて、そういった雇用関係の改善を図っていかなければ、これからの建設業の発展はあり得ないと思いますので、今後ますますそういう点に力を入れていかなければならないと思っております。 それから第二の、建設業の雇用改善推進月間のお話がございましたが、毎年十一月をこの月間として、期間中、中央だけでなく地方でも私どもの出先を挙げて集中的に啓蒙活動をする期間としております。しかし、御指摘のように、この期間に計画で定められている施策が一層進展しますように、単に啓蒙活動だけでなく、地方では事業所の訪問指導等もいたしておりますが、そのときそのときの施策の重点をテーマとして、そういった指導を特にこの月間に強化することも含めて、年間もちろん実施していかなければなりませんけれども、月間にはさらに効果の上がるようなことを考えていかなければならないと思います。
○小平芳平君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは最初に、中小下請労働者の安全確保という点で見過ごすことができないと思いますので、日本原子力発電の敦賀原発の事故について、ちょっとお聞きをしておきたいと思います。 敦賀原発の安全対策が、特に下請労働者にきわめてずさんな点については、私は昭和四十九年の予算委員会でも質問の中で指摘をしてきたところでございます。 今度の事故の状況を見てまいりますと、その当時と比べて改善をされているというふうになかなか思えない。五十六人も被曝するという異常な事態が隠されていたなどというのは、一口で言えば、そういった核に対する非常にずさんなやり方という結果が、今日の状態を招いたのではないかと思うわけでございます。 そこで、最初に労働省にお聞きをしたいんですが、独自に調査をしておられるというのですが、調査の結果をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○説明員(望月三郎君) 現在調査中でございますが、その調査の結果はまだ正確には申し上げられませんが、現在、現地におきまして被曝線量関係の数点について資料を収集中でございます。 特に私どもは、事故の後始末につきまして従事した、先ほど申し上げました五十六人の労働者につきまして、作業に従事したその日その日の毎日、どのくらい被曝をしたかというデータを全部集めるように努力をしておるところでございます。
○沓脱タケ子君 それで、先ほど小平先生の御質疑の中で、事故についての通告を受けたのが二十一日だとおっしゃいましたですね。ちょっと不思議だなと思うのは、通産省はこう言っているんですね、四月の十六日に放射能漏れを知って直ちに分析にかかって、四月の十八日の午前二時に分析結果が出て大変だということで、午前五時に記者会見をして発表した。その十八日の午後四時半に日本原電から、三月八日の事故の通知があって、重大なことなので調査をして、四月の二十日午前十時ごろに通産省で記者会見をして事故を発表した、こう言われているんですね、経過として。 通産省は四月十六日に放射能漏れを、いわゆる事故を知って、それで労働省は四月二十一日ですか、それまで知らなかった。
○説明員(望月三郎君) 先ほどちょっと私の手元のメモを読み間違えまして、これは小平先生には謝らなければいけないんですが、一日ずれておりまして、二十日でございます。
○沓脱タケ子君 二十日にしたって、通産省は十六日ですよ、それで労働省は二十日なんです。その辺のところも大変だなと思うんですね、しかし、電離放射線障害防止規則では、事故があったら速やかに報告をしなければならないというのが義務づけられていますね。だから、通産省に十六日に報告があったら少なくともその日、また遅くとも翌日には、当然被曝者がおるわけですから、報告がなければならないと思うんですが、その辺のところはどうなっていますか。
○説明員(望月三郎君) 沓脱先生おっしゃるように、私どもの電離放射線障害防止規則では、事故後速やかに報告をしなければならぬと、こういう規定になっておりまして、この速やかにという点からすれば、これははるかにおくれているわけでございまして、私どもその点は非常に遺憾であるというように考えておりますし、またおくれ方もいま御指摘のようなことで、私どもの方には若干さらにおくれたという点について、私どもも会社に対しましてその点を現在厳しく調査中でございます。
○沓脱タケ子君 それでもう一つ、私不思議でならないので、この点はどう改善したらいいのかというふうに思うのでお聞きをしたいんですが、三月八日に事故が起こったという通知が現に通産省に十八日にあったんですね。三月八日に事故があって、今日ただいままで一カ月半経過している。それで、労働省は現地に調べに行っているけれども、被曝者の、労働者の被害状況はどうなっているのか、いま調査中でございますじゃ、これはのんびりし過ぎだと私思うんです。そんなことしないでもわかるはずでしょう。私も手元に持っていますが、被害者の五十六人のうちの四十八人、原子力代行における労働者の被曝線量の資料というのはちゃんと会社に備えつけられているわけでしょう。これも電離放射線の規則で、四十五条でしたか、「五年間保存」しなきゃならぬとちゃんと義務づけられてあるでしょう。どうしてそんなこと——寄せ集めて調べてみないとわからぬというのは不思議でならぬのですけれどもね。 たとえばこの原子力代行の被曝線量資料から見ますと、作業したのは三月九日から十日、十一、十三と四日間で延べ人員三十一人が働いていて、そうして総線量が二百六十七ミリレムで一人当たりの最高の線量は二十ミリレムだと、以下二、三時間の作業というふうに記載されておる、これは通路の除染ですよ。それからその次はスラッジポンプ室内除染、一番汚染しているところです、あのあふれたところですからね。そこの除染は三月二十三日、二十四日、二十五日、二十六日、二十八日、この五日間で延べ八十五人、その間の総線量千六百八十七ミリレム、一人当たりの最高線量は五十六ミリレムと大変な量なんですね。こういうことが書かれていて、ただこの中で不思議なのは、四月十五日までに五日間だけは、これは除染作業を実施したけれども詳細は不明という記載がありますよ、これは。だからもう一つこれにプラスされているはずなんですね。こんなものがちゃんと会社にだって記載をされて、「五年間保存」の義務が義務づけられているわけですから、何で労働省が、一カ月半もたってからいまごろになって、まだ調べに行っているのでわかりませんわかりませんと言うのは、不思議でならない。どういうことなんですか。
○説明員(望月三郎君) お言葉でございますが、一カ月半前の話でございますが、私どもがこの調査に着手したのが数日前でございまして、それから鋭意そういういま先生おっしゃるような関係の資料を収集しておりまして、その資料自身は手に入っておるわけでございますが、この各人ごとにそれをずっとどうであるかということをやっぱり分析しなければならぬわけです。そういう意味で、若干いまの段階では、これは慎重にやらなければなりませんので、現時点では申し上げる段階まで至ってないということで、これは一生懸命いま現地で一人ごとのあれをやっておりますので、御了承願いたいと思います。
○沓脱タケ子君 それは、厳密にやっていただいているに違いないとは思うんですよ。ただ私が一番気になるのは、三月八日に事故が起こっているんですね。で、きのうだったか、衆議院の科技特の方々が現地調査に入られたんですね。それで帰ってきた報告をちょっと私も聞いてみたんですが、こういうことになっておりますよ。三月八日の所長のところへ行く運転日誌には、実際事実上事故があったという記載はないんですね。ところが、廃棄物処理場の設備運転日誌の中には、これは三月八日オーバーフローにより汚染ありという記載があるというんですよ。三月九日には除染を発注したという記載もあるというんですね。そうしたら、そんなものは明らかに事故でしょう。で、事故が生じたときは事業者は速やかに労基局にもこれは報告しなければならないというのが、電離放射線障害防止規則に明確に決められている。そうすると、事業者が事故として認定をして報告をしないと、労働省はわからぬということになるわけですか、その辺はどうなんですか。
○説明員(望月三郎君) 報告しなきゃわからぬというわけではございませんが、まあたまたま本件につきましては、そういう結果になったわけでございます。
○国務大臣(藤尾正行君) 私は、細かいことを知りませんけれども、御案内のとおり、この事故がわかってきました過程は、一番初めは湾内のホンダワラの採取からで、それに放射能が検出をされたというところから始まっているわけですね。ですから、どこかにその汚染をしたもとがある、それは発電所以外にないではないかということでたどっていったわけでございますけれども、そのたどっていった過程では、非常に不誠意きわまりない話でございますけれども、この日本原子力発電株式会社では、事故が発生したということを公表していないわけですね、報告していないわけです。ホンダワラの方が先なんですよ。そこでもうすでに十何日かのロスがあって、さらに悪いことは、いま御指摘のとおり、原子力発電所の責任者が事故として届け出しなければならなかったものをしていない。ただし、そのスラッジの作業をやっておられる方々の帳面にはオーバーフローがあった、同時に、それの汚染を除くための作業をしたということが書いてあったと。後からわかったことなんですね。 ですから、私どもまことに申しわけのないことでございますけれども、そういったことが起こって進行している過程では全然、天下太平で何も知らぬわけですよ。そうして結局探りに探って、そのもとはどこじゃどこじゃといって探していって、そうしてこれが、どうも発電所内のスラッジのバルブを、水のバルブを締め忘れて、そうしてそれがもとで汚染したんじゃなかろうかということになって、そう言ったものの、まだ確定がされない前に私どもが乗り込んでいって、そうして強制捜査をするというところまでに非常に時間がかかっておるということでございまして、私は通産省のこれに対しまする調査も、また科学技術庁の調査も、私どもの調査も非常におくれて、ここで国民の目の前に非常に御迷惑をかけ、特段とお働きの皆様方に大変な御不安をかけておるということになったわけでございまして、この点はだんだんと、申しわけのないことでございまするけれども、まず第一に日本原子力発電株式会社敦賀発電所長が、八日の時点でこういうことがありましたということを申し出てくれれば、その時点で調査に行けたわけですよ。それをひた隠しに隠しておりましたから、こういったおくれになっておりますわけで、慎重の上にも慎重を期して、それぞれの調査を周到にやっておるということもさることでございますけれども、もともと非常に調査にかかること自体が立ちおくれてきておる。その立ちおくれは、原子力発電所すべて危いぞということで、こちらが適時、適切に立ち入り調査をやっておるというわけで、私どもの調査でわかったわけじゃないんですから、そこら辺におしかりをちょうだいをするもとがあったということをいま考え、それに対する今後の対策は対策として、また改めて考え直していかなければなるまいというのが私どもの考え方でございます。
○沓脱タケ子君 いや、まあ私はきょうこれでたくさんの時間をとろうと思っていないので——しかし、非常に不思議だなと思いますのは、簡単な事故じゃないんですね、いまだんだん全貌が明らかになってくるところを見ますと。そういう大きな事故が発生しておりながら、工場が隠したということもあるでしょうし、通産省から管理官が現地に行っておって、それでわからなかったのでしょう。だから、現地に行っていない労働省がわからないのは無理ないというふうには思いますよ。しかし、思いますけれども、現地に通産省から行っていてもわからぬというのでは、行っていても何の役にもたたぬと、役に立つような行き方にさせにゃいかぬという問題ですね、一つは。同時に、そのことがすぐに労働条件、労働者に直接関係のある問題だから、労働省と直結できるようなふうにどうしたらいいかという点が、やはり非常に気になる点なので特にお聞きをしたわけでございます。 で、事故の解明についてのいろいろな事態等の幾つかの状況というのは、私どもも現地調査等の事情を踏まえて、知らないわけではありませんけれども、きょうはその場ではありませんのでこれ以上は申し上げませんけれども、今度初めての事故だというのではないという点を、私は非常に重視しているわけです。四十九年の三月ですか、予算委員会で同じような事故を指摘しているんですね。これは事故じゃなくて、そのときには、下請の労働者が線量をたくさん受けるという、被曝量が非常に高いという問題が問題になったんです。というのは、炉心を定期検査をするという場合には、放射能で汚れているところをまず下請の人が入って、ぞうきんみたいなもので全部きれいにして、一応きれいにしてから、ちゃんと専門知識を持った専門技術者の職員が、これは正職員ですよ、たとえば定期検査だったら、日立とか東芝ですね、そういうところの職員が行って検査に入る。だから一番汚れているところへは、知識も教育も余り受けていない下請の労働者が行くものだから、被曝線量が非常に高いということを問題にして、その点についての対処の仕方について質問をしたことがあるんです。 同じように今度もやっぱり、下請の労働者が大変な被曝線量を受けているわけですから、これは本当に軽視できないので、別の機会に譲りたいと思っておりますけれども、労働省の方でもできるだけ詳細にひとつ御調査をいただいて、御調査がまとまりましたら御報告もいただいて、それから後にでもひとつぜひただしておきたいと思っている次第でございます。 限られた時間でございますので本題に入りたいと思います。 中小企業で働く労働者数というのは、わが国では非一次産業の就業人口の約八一%を占めておりますね。この労働者の労働条件あるいは労働環境の改善というのは、国民生活全体の福祉の水準の向上、これにとっては必要不可欠だと思うわけでございます。ところが、そういった点が非常に悪いというのが今日の実情でございます。たとえば、私、大阪でございますが、大阪で統一労組懇の人たちが昨年、労働組合のない中小企業の労働者を対象に行いましたアンケート調査を見てみますと、残業手当が正当に支給をされていないというのが四五・八%、有給休暇はありますかと言うと、ないと答えているのが四八・三%、いま問題になっております退職金制度がないと答えた人が三九%という状況なんですね。ですから中小企業の労働者として、組合もないし、企業における労働条件の状況からいって、改善にもっと積極的に取り組む必要があるということがちょっとしたアンケートでも明らかになるわけでございます。 そこで、時間もありませんので具体的にちょっと聞いておきたいと思いますのは、建設業の退職金共済制度ですね、この制度については、これはもうたびたび言われておりますので簡単に申し上げておきたいと思いますけれども、この制度というのは建設労働者の福祉対策にとっては有効な政策だと思うわけです。ところが、加入の度合いですね、建設労働者がこの建退共への加入の度合いというのは、これは加入業者数の累計というのは九万六千百五十二件ですね。五十五年度の建設白書によりますと、建設業の許可業者というのは四十八万四千かぐらいあるんですね。そういうことで見れば、単純に見ますと約二〇%ということになるわけです。で、労働省の方の統計では四七%ぐらいは加入しているというふうに見られているようでございますけれども、いずれにしても有効な対策だとは思うけれども加入率は低いと思うわけでございますので、これは加入促進を図る必要があると思いますが、そのための対策としてはどういうことをおやりになっているのか、簡単にちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(寺園成章君) 建設業退職金共済制度の加入率は、ただいま先生が御指摘のように約四〇%程度でございます。この制度が建設業の期間雇用者を対象にいたしまして、その勤続期間を通算をして、建設業から引退するときに退職金を支給するという制度でございますから、この制度を実効あらしめるためには、原則任意加入ではありますけれども、できるだけ多くの方が、事業主がこの制度に入っていただくということがこの制度の基本でございます。そういう観点から、かねがね建設業退職金共済組合への加入促進を図っておるわけでございますけれども、二、三例示をして申し上げてみますと、建設省等と連絡をとりながら、公共工事の関係につきましては、入札参加者の資格審査に当たって、この制度に入っているかどうかということを考慮するということがございます。また、工事費の積算に当たって掛金相当額を含めるというような措置でありますとか、それから、工事を受注した建設業者から発注官庁に対しまして、証紙の購入状況を確認する書類を提出させるというような措置をとったり、あるいは下請につきましては、元請の方から代金を含めて請負に出す、あるいは証紙を現物交付をするというような措置をとるようにお願いをしておりますし、また、私ども自身としては、建設業退職金共済組合等とも協力しながら年間を通じて事業主等に働きかけ、また、その年間の努力の一つの節目といたしまして、毎年十月に加入促進月間というものを設けまして、全国的、集中的なPR活動をしておるというのが実情でございます。
○沓脱タケ子君 いろいろと御苦労なさっておられるようなんですが、これは加入促進を図っていくには、やっぱり魅力のある制度でなければならないと思うんですね、一つは。二つ目にはPRをよくしなきゃならない。第三には現行制度を確実に実行するということだと思うんです。 で、魅力ある制度というのはやっぱり退職金の支給額ができるだけアップされるということだと思いますが、これは建退共では、先ほど全体の平均率と平均金額とお述べになっておられましたけれども、建退共では二年かけたら付加金を含めて九万二千二百三十二円納めるのですね、納めるのは。ところが、もらう金額、二年の段階では九万七百二十円で、掛金全部ももらえないと、掛金より少ない、二年ではね。それから、五年の場合はどうかというと、二十三万五百八十円かけて、もらえるのは二十五万八千二百五十六円、ちょっと多いんです。これはどのくらいかというと、大体預金金利とちょぼちょぼと。預金金利よりちょっと安いか、まあ、預金金利も上がったり下がったりしますからね、その程度。だから、この辺あたりというのはやっぱり改善をする必要があるんじゃないかと思うんですね。で、中小企業政策審議会の意見具申でも、八〇年代の中小企業ビジョンなどというのが出て、魅力ある職場づくりが、八〇年代中小企業経営における最大の課題の一つということで指摘をされておりますけれども、中小企業の退職金共済制度の強化拡充に検討をする必要があるということまで指摘をされているんですね。国庫補助ももっとふやして魅力ある制度にするということはどうですか。
○政府委員(寺園成章君) この制度の加入の促進を図っていくためには、この制度自身に魅力づけをする、その魅力づけの最大のものは給付であるというのは先生御指摘のとおりだろうと思います。この制度は、掛金をもとにしてその運用益に国庫補助をつけて給付をする、しかも事務費は全額国庫で見るということでございますので、掛金に比べて総体としては非常に有利な給付になっておると思っております。 ただ、御指摘の二年を初めとする短期のところの給付でございますけれども、この給付のカーブの書き方といたしまして、短期給付のところの支給はなし、あるいは薄くいたしまして、その分を長期の給付に回す、長期勤続者に有利な給付カーブを描いておるわけでございます。そういう措置をとって建設業の労働力の確保、定着を図っていこうということにいたしておるわけでございます。昨年の十二月から、この建退共の給付のカーブにつきましても若干アップをいたしております。建設労働の就労の実態を見まして、十五年程度のところを一番厚くした給付のカーブをしておるわけでございますが、いずれにいたしましても、この制度をより魅力あるものにするための検討というものは、私ども引き続きやってまいりたいというふうに思っております。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、その長期のものに、短期は不利だけれども、長期のを有利にするということになるなら、これが正常に運営をされて長期に保障されていくという体制がなきゃならぬですね、私はそのために労働者の意見が反映するためにも、ぜひ今回の改正で、建退共などが特定業種の退職金共済について運営委員会を設置するということになっているようですから、これは労働者代表を参加させるべきではないかということが一つなんです。 もう一つは、長期が有利なんだということが言われるというのなら、長期が保障できる体制というのは非常に大事なんですね。ところが、私もう時間がないから詳しく申し上げられないので、かいつまんで言いますが、たとえば公共工事の工事額では掛金相当額というのはちゃんと積算されているんでしょう。ところが五十四年度たとえば公共工事の総額というのは十兆七千五百六十二億円ですから、ざっと千分の三と見たとして三百億なんですよ。ところがその三百億のうち、三百億の掛金収納額があったら大体全部うまくいっているなということになるのだけれども、実際は百七十三億なんですね、百二十億余りの掛金の証紙購入はされてない、そうしたら一体、この金額どんなになっているのかという問題が一つ出てくるわけでしょう。これは働いている労働者たちに、適正にこの建退共の制度というのが定着をして、労働者の利益が守られるというふうになっていないということを示すと思うんですよね、だって公共事業の場合一番はっきりしているんだから。私的な企業の場合にはこれはなかなか点検できませんわね、公共事業でさえもこういうことになっていると。しかももっと言えば、手帳もらっているのが六割ぐらいだと、あるいは百七十三億しか買われていない証紙がちゃんと張られてない。だって、下請の企業のところの金庫やられの中に入っておって、こんなものはな紙にもならぬと言って、邪魔になるというような話まで出るような事態もあるわけです。この辺を改善しませんと、長期が有利だからというようなことで、のんびりはしておられないと思うわけですが、そういった点についてこれはひとつ、いま二点申し上げましたので、御見解をお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(寺園成章君) 第一点の運営委員会の構成の問題でございますが、今回新しく設けます運営委員会は、新しくできます組合の当該業種の実質上の議決機関といたしたいというふうに思っております。そういう意味では、現在の組合の理事会に相当するものでございます。したがいまして、運営委員会の構成といたしましては、現在の理事会を構成いたしております非常勤理事、さらには一層の業界の協力体制を確立するために、業界代表者を入れて構成をいたしたいというふうに思っております。 ただ先生御指摘の、労働者の代表の方の意見を十分取り入れながら事業の運営をしていく必要があるではないかということは、私どももそのように思っておりまして、受益者である労働者の方の御意見が事業の運営に反映する方途については、検討してみたいというふうに思っております。 それから、第二点の証紙の貼付の問題でございますが、この制度はできるだけ多くの方々に加入していただき、しかも就労した日にはちゃんと証紙を張っていただくというのがこの制度の基本でございます。そういう観点から加入促進、それから証紙の貼付履行ということについてはかねがね力を入れてまいったわけでございますが、御指摘のように満足すべき状態であるというふうには思っておりません。したがいまして、今後、従来やっております手法に加えまして、五十六年度からは建退共におきまして新しいシステムを設けることにいたしております。そのようなシステムを活用しながら、証紙の貼付の履行確保というものに当たってまいりたいというふうに思っております。
○柄谷道一君 中小企業退職金共済制度が誕生いたしましたのは昭和三十四年でございます。自来すでに二十年余を経過いたしておるわけでございますが、この間昭和五十年の第七十五国会、五十五年の第九十一国会でそれぞれ、普及率を高め、加入促進対策を強化するように附帯決議を行っているところでございます。にもかかわらず、五十五年十二月現在の普及状況は、一般の場合二十二万六千事業所、百八十万人、一〇%弱の比率でございます。建設業は九万九千事業所、百四十万人、これは四〇%。清酒製造業の場合三千二百事業所、四万二千人、これはおおむね一〇〇%。このように一般関係の普及率は依然としてきわめて低いわけでございます。一体その原因は那辺にあるのか、簡潔にその分析の結果を御説明願いたいと思います。
○政府委員(吉本実君) 本制度は御承知のように、独自には退職金制度を設けることが困難な中小企業を対象として設けられたものでございます。本制度発足当時の三十年代前半では中小企業の、たとえばでございますが、三十人から九十九人の規模で退職金制度の全体の普及状況というものは約五六%でございましたけれども、現在は約九〇%になっておるということは、こういった増加の傾向の中には、この本制度も一つの役割りを果たしているのではないかというふうに思うわけでございます。しかしながら、一般の退職金制度の普及がおくれていることは事実でございまして、特に規模別で見ますと小零細企業、産業別に見ますと小売、サービス業、こういったところについてはこの中退制度の普及も十分と言えないというような状況でございます。それの原因でございますが、一つは本制度が任意加入の制度であるということ、それからこういった分野におきましては、就労の実態なり各企業の負担能力なり、こういったものが本制度の加入をむずかしくしている。また半面、本制度が必ずしも十分周知普及が行われていない、こういうことにも大きな原因があるのではないかというふうに思っております。
○柄谷道一君 労働省が五十三年に調査いたしました退職金制度調査報告によりますと、退職金制度は従業員百人から二百九十九人の企業で九七。三%、三十人から九十九人の企業で八九・六%が制定されております。非常にその普及が著しいものがあるのでございますが、問題はその退職金の支払い準備の形態でございます。これについて見ますと、社内準備の形をとる企業が千人以上では九九・四%、三百人から九百九十九人では九四・五%、百人から二百九十九人では八一・六%、三十人から九十九人では五九・五%、企業規模計は六八%となっております。したがって特定退職金共済団体、福祉厚生保険、事業保険、中小企業退職金共済制度などの社外積み立てによって原資を保全する措置がとられている企業が、きわめて少ないことが浮き彫りされております。こうした原資保全の現状が、企業倒産時における退職金不払いという不幸な事態を招いている大きな要因ではないかと思うのでございます。 これも労働省基準局監督課の調査によりますと、五十五年度上半期の退職金の不払い状況は前期繰り越し百四十件、四千百六十三人、七十六億八千万円。当期把握四百八十件、三千百九十五人、二十七億円。合計六百二十件、七千三百五十八人、約百四億円の巨額に達しております。このうち、解決をしたのは三百二十九件、約十六億円。支払い不能が確定したものが七十一件、十一億四千四百二十八万円と公表されております。これは、賃金の支払の確保等に関する法律の五条で一応退職金の保全というものが義務づけられておりますけれども、原資の保全がなされていないために、このような不幸な事態を多く招いているということは争えない実態であろうと思うのでございます。 それで私はゼンセン同盟、これは繊維でございますが、その傘下におります企業の昨年一年間の主な倒産の現状から抽出してみますと、四国今治市の阿部株式会社、これは従業員二百二十一名を持つ中堅染色企業でございますが、五十五年一月二十日の倒産によりまして規定退職金総額六億一千三百七十六万円の四〇%の支給にとどまらざるを得ませんでした。愛知県豊橋市の秦商店、これは組合員百三十人の婦人用ニットウエア縫製業でございますが、ここも労務債権に対して支給されましたのは三五・四%でございます。静岡県、張源染色株式会社、これは組合員八十人の染色業でございますが、労務債権のうち一一・三六%しか支給されておりません。同じく浜松市の西村染工株式会社の場合、これは百三十人の従業員を持つ染色会社でございますが、規定退職金の二八・九%の支給にとどまっているわけでございます。 これは、いずれも労働組合という組織がありまして債権保全のために万全の努力を尽くし、かつ長期の交渉を経たところでもこのような状態でございますから、私は労働組合もない、こういうところでは、規定あれど倒産時には退職金が支払われることがない。このことの実態を如実に示していると私は思うのでございます。 そこで本法は、いわゆる退職金制度のない中小企業に対して、その肩がわりとして設けられた制度であるというのが立法の趣旨でございますけれども、大臣、私はこのような実態を踏まえまして、労務債権の確保、このような視点から積極的に本法の活用というものをPRし、その加入率を高めていく、こういう努力が必要なのではないだろうか。また、たとえば従業員三十人程度の中小零細企業で一人の退職者が出る。五百万、六百万という退職金が必要である。これは退職金倒産にもなりかねないわけですね。私は、制度をつくるよりも、まずこの共済制度に加入をという積極的PRの姿勢こそ本法制定の趣旨にかなうものではないかと、こう思うんでございますが、御所見をお伺いします。
○政府委員(寺園成章君) 御指摘の点、全く同感をいたすわけでございます。 この制度が設けられた第一義的な目的は、独自で退職金制度を設けることが困難な中小企業という実情に対応いたしまして、相互共済の仕組みでこの制度をつくり、できるだけ多くの中小企業に退職金制度を普及していこうというのが第一義的な目的でございますが、せっかくつくりました退職金制度というのがそのとおりに支払いができないというのは、大変不幸な事態でございます。そういう意味におきまして、社外積み立てであり、しかも国庫補助をつけた有利な制度でございますので、退職金の支払い確保という観点からも、この制度の普及、促進に一層力を入れてまいりたいというふうに思っております。
○柄谷道一君 さらにこの普及率を高めるためには、各委員より指摘されましたけれども、その内容を魅力的なものにしなければならぬと思うのでございます。 この制度は、制定以来、給付水準の引き上げ、過去勤務債務などの面におきまして改善が行われてきたということは評価するものでございますけれども、その水準は依然として社会水準に見合うものであるとはとうてい思われません。 私は、掛金と退職金のモデルを試算したわけでございますが、加入当初から退職まで掛金月額五千円とした場合、三年で十八万二千二百七十円。五年で三十五万八百八十円。十年で九十三万八千八百九十円。十五年で百七十一万八千百三十円。二十年で二百七十一万五千五百三十円。二十五年で四百五万二百円。三十年で五百八十三万六千六百円になります。 また、加入後十年間は三千五百円、十一年日から六千円、二十一年目から八千円を掛けた場合を想定しますと、三年、十二万八千二百七十円。五年、二十四万六千九百三十円。十年、六十六万四千五百四十円。十五年、百三十八万五千八百三十円。二十年、二百三十七万三十円。二十五年、三百八十二万二千五百円。三十年、五百七十八万五千五百円。こういうふうになると思うのでございます。 長期勤続の水準が達しないことはもちろんでございますが、短期のものにつきましてはその水準が著しく低いということが指摘されるわけでございます。 次の再計算期は昭和六十年でございますけれども、私はその際、掛金と退職金水準、賃金または物価とのスライド制の問題、これに関連する国庫補助率のあり方等につきまして、基本的な問題を見直しまして、老齢化社会に対応するにふさわしい制度内容に改善することが喫緊の課題であると思いますが、いかがでございます。
○政府委員(吉本実君) 本制度を魅力あるものにいたしまして、中小企業における普及を図っていかなきゃならぬということは、もう先生おっしゃるとおりでございます。 先生御指摘のうちの退職金給付の水準につきましては、御承知のように五年ごとに見直しを行ってきておりますし、昨年その改善も行ったところでございます。 また、賃金物価にスライドをさせるような仕組みを設けることとか、あるいは国庫補助の額の増額をするということは、労働者の福祉の観点からまことに望ましいことでございますけれども、制度そのものが、事業主の相互連帯に基づいての任意制度であるということでございまして、基本的にはなかなか困難なところがあるところでございます。しかし、物価スライド制等につきましては、中小企業退職金共済審議会におきましても今後の検討課題というふうにされております。そういう意味で、次の改定期でございます六十年の見直しの際には、こういった問題につきましても当然検討議題として、さらに慎重に研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○柄谷道一君 その際、いま現在、民間の退職金制度の最近の傾向を見ますと、年金化の領内が著しいわけでございます。一時金と年金制度を併用しております企業が、企業規模百人から二百九十九人では二四・五%、三十人から九十九人では一七・三%、全企業で二一・五%もの企業が、いわゆる退職一時金制と年金制度の併用もしくは選択制度という形をとっております。私は、これは技術的には非常にむずかしい問題ではございますけれども、本制度を魅力あるものにするという視点に立ちますならば、その抜本的検討の中で、当然この年金との併用問題が議題に上り、真剣に検討されるべきではないかと、こう思うんでございますが、いかがです。
○政府委員(吉本実君) ただいま先生御指摘のような最近の傾向にあるわけでございます。特に高齢化社会を迎える今日、企業年金の普及というものが公的年金と相まちまして、いわゆる労働者の老後生活の安定に資するという点でも評価すべき点が多いかと存じます。そういった意味で、今後の一つの大きな議題となろうと思いますが、ただこの中小企業退職金共済制度の対象となっています中小企業におきましては、まだ依然として現在でも一時金制度のみをとるところが約三分の二あるわけでございます。したがって、本制度に年金制度を導入するにつきましては、まだいろいろ検討すべき点が多いかと思いますが、そういった点についてもさらに今後の題課として検討してまいりたいと思っています。
○柄谷道一君 私は、いままで労務債権確保の視点、退職金水準の問題、年金との併用問題、六十年度の改定期を目指しての三つの基本的な視点からの御質問を申し上げたわけですが、大臣いかがでございますか、そういう視点での御検討をしていただけますか。
○国務大臣(藤尾正行君) 大事な問題でございますから、御趣旨のようにできるだけ手を尽くしましてやっていかなきゃいかぬと思っております。
○柄谷道一君 次に、建設業退職金共済制度の問題について御質問いたします。 私は昨年十月、建設業退職金共済組合が抽出制による実態調査といいますか、利用状況に関する調査を実施したと聞いております。この内容はまだ公表されておりませんし、まだその内容について分析中ということでございますから、私はあえて本日は数字を挙げてその内容を聞こうとは思いません、 ただ、私が聞きますところによりますと、直用労働者に対する手帳交付率ないしは共済証紙の貼付状況はまあまあの状態であるけれども、現場労働者の使用延べ数に対する共済証紙の購入割合とか、現場労働者使用延べ数に対する証紙の使用割合というのは必ずしも芳しくない、そういう傾向があらわれていると聞いております。これは私は、下請、孫下請、こういう下請の下へいけばいくほど本制度のいわゆる履行状況が、多くの問題を抱えていることをこれはあらわしていろのではないかと思うのでございます。しかも、さきの委員より質問されましたように、建設省予算の中には、工事の管理費の中に共済証紙分が計上されているにもかかわらず、大部分のものは証紙の現物給付を下請に行ったり、下請代金の中に証紙代金を含めているものがございますけれども、中には相当数下請自体に証紙代金を負担を強いているというものも相当多くあるというふうに聞くわけでございます、私はやはり、今後こうした問題につきましてはもっと、何といいますかね、下請のケーススタディーによる実態把握に努めて、やはり正確に現状を把握する、その現状把握の中から、初めて対策というものが生まれてくるのではないだろうか、こう思うのでございます。この席を通じまして、共済組合の行いました実態調査の結果と分析が明らかになりました段階で、また別途御説明を承りたいと思いますし、まず労働省みずからがケーススタディーによる実態調査を早急に行う意思ありや否や、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(寺園成章君) 先般、建設業退職金共済組合が行いました調査につきましては現在分析中でございます。率直に私ども見た感じといたしまして、直用労働者の実態はそれなりに把握ができていると思いますが、先生御指摘のように、下請の実態は必ずしも十分につかめておらないような感じで見ております。不請の実態を的確に把握する必要をかねがね感じております。ただ、方法が大変むずかしい問題がございます。先生御提案のケーススタディーというのも大変有益な御提言だと思いますので、それらも参考にしながら、下請の実態調査に当たってまいりたいというふうに思っております、
○柄谷道一君 私はそれはぜひやっていただきたい。ただいま御答弁にもありましたように、下請関係の履行状態の把握がまだ十分行われていないと同時に、制度に加入しておる企業は四〇%でございます。したがって、建設労働者が加入企業に働いているときはいいんですけれども、非加入の企業に働けば証紙が張られない。そうしますと、なかなか受給の資格を得るということが非常にむずかしいということが現実にあるわけですね。加入しているところでも私の承知するところ、最初の一年で約二〇%が脱退をする。そして、次の二年目の一年間にこれまた一七、八%が脱退をする、いわゆる受給権になかなか現制度が結びついていないという面が指摘されているわけでございます。 こういう現状にかんがみまして、第四十六国会、これは昭和三十九年でございますけれども、その附帯決議の中で、建設業等の特定業種退職金共済制度につきましては掛金納付月数が十二カ月に達したときは、退職金支給が行われるように努力すべきであるという旨の附帯決議がなされているわけでございます。それから二十年近くたっておるわけでございますから、私は、そのケーススタディーによる実態調査とあわせて、もうそろそろ附帯決議の実現というものがあってしかるべきではないか、これも六十年改定の重大なテーマである、このように指摘したいわけでございますが、いかがですか。
○政府委員(吉本実君) いま御指摘のように、建退共の給付につきましては、加入後二年間に退職する者には退職金を支給しないことになっております。 御承知のように、これを変更することは退職金カーブをできるだけ長期の人に有利になるようにしている共済の仕組みそのものにかかわる問題でございますから、当面は支給期間を短縮することは困難かと思います。 しかしながら、今後引き続きまして、実は当初三年であったのを、その後制度の運用の経験なりあるいは制度の収支状況等によって長期的な検討を行った結果、五十年に現行の二年にしておるわけでございます。そういう意味で、そういった経験をもとにいたしまして今後長期的に、六十年の見直しの時期も含めまして検討してまいりたいというふうに思います。
○柄谷道一君 次に、清酒製造業でございますが、これは形の上ではほぼ一〇〇%加入いたしておりますから普及しておるということになるんですけれども、私は建設業と同様の問題点、いわゆる履行上の問題点が多く存在するのではないかと思うんです。ところが、この清酒製造業関係につきましては、その実態調査すらまだ十分に行われていないというふうに承知をいたします。私は、建設業と同様、これまたケーススタディーによる調査によりましてその履行状態、これをやはり正確に把握するということが、あわせて本法の改正を一つの契機として必要になるのではないだろうか。この実態の把握がありませんと、今後運営委員会で議論するにも、労働者が参与として意見を述べるにも、問題の正確な把握ができずして意見が言えるはずがないわけですから、ぜひこの調査は、早急にあわせ実施すべきである、こう思いますが、いかがですか。
○政府委員(寺園成章君) 現在まで、清酒製造業の実態調査というものはいたしておりません。と申しますのは、この制度自身が大変順調にいっているという認識を持っておりましたので、そういう実態把握をいたしておりませんが、先生御指摘の点もございますので、ケーススタディーという手法も考慮しながら当該組合、あるいは関係者の意見も聞きながら実態の把握に努めてまいりたいと思っております。
○柄谷道一君 林業関係も御質問したいと思っておったのですが、時間もございませんので、これは意見として述べておきたいと思います。 林業関係の就業者数は、社労調査室の調査によりますと、常用九万、臨時、日雇い四万、総数十三万人だと明らかにされております。これに対して、五十三年に林野庁は三カ年の目標設定を行いまして、四万五千人の加入を目指すという計画をつくられたようでございますが、五十六年一月一日現在の加入者数は三万七千六百八十二名にとどまっております。目標の達成ができなかった、またできないであろうという現状であるわけでございます。これにつきましては、他の一般、さらに建設等とあわせまして、いまは林野庁でございますが、今後制度ができればこれは労働省に移るわけですね、両省相協力して、どこに問題点が所在するか、これは他の委員からの指摘もございましたから重複は避けますけれども、この加入促進について努力されますと同時に、おくれて入ってまいりましても、やはり六十年時点には他の特別共済制度とあわせ、支給要件、退職金の水準、さるには資金運用等の問題についてひとり置き去りにならないように、三つの特定共済相一致して改善が図られるべきである、このことを意見として申し上げておきたいと思います。ぜひそのようにお願いをしたい。 それから、多くの委員から質問が出ましたので、これは確認ですから簡潔にお答え願いたいと思います。 一般の事業団には、運用上労使二名の参与が置かれているが、受益者の意見を反映させるために特定業種ごとにこれに準じた、いわゆる参与制度に準じた制度を配慮して、受益者の意見反映に努めていく、こういう趣旨と理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(寺園成章君) 先生お述べになりましたとおりでございます。
○柄谷道一君 次に、運営委員会の設置に伴いまして従来の評議員会はなくなるわけでございますが、現在の評議員総数は建設六十九名、清酒三十七名でございます。これが今度はそれぞれ二十名になるわけですね。したがって、私は評議員会という制度はなくするにしても、運用上この制度の運用に関する重要な事項、そして業者の積極的理解と協力を求めなければならない事項、これらにつきましては地方の代表に諮問し、または意見を聴取する、そしてその反映に努めるという運用があってしかるべきである、こう思いますが、そのような運用は配慮されますか。
○政府委員(寺園成章君) 現在地方の代表者の意見を聞く場として、評議員会を設けております。今回の法律におきましては、業界の意見を反映をする場といたしまして、法律上運営委員会というものを設けました。したがいまして、評議員会というものは法律上は置かないことにいたしたわけでございますけれども、新しい組合におきましても地方の代表の方々の意見を十分聞き、それらの方々の協力を得ながら事業を実施していく必要がございますので、現在やっております評議員会的な機能のものは、新しい組合においても何らかの形で措置していく必要があるというふうに思っております。
○柄谷道一君 最後に、大臣にお伺いいたします。 本法の改正案は昭和五十四年十二月二十九日の閣議決定による行政改革計画に出発いたしております。本法案の成立によりまして役員数の減少という一つの効果は目に見えておりますけれども、私は、事務手続の簡素化、業務処理の合理化、さらに事務管理、総務、会計、調査、広報等共通部門の一元化など、この際業務全般を見直しまして、減量化、効率化の実を上げていかねば本法改正の趣旨は生かされないと思うのでございます。また、そのことによって、片や普及率の向上、片や効率化によって成果が上がりますならば、現在の賦課金三円をさらに縮小して、業者負担を軽減することも可能な道が開けるものと思います。 これに対する大臣の御所見を伺いますと同時に、あわせて、今度は三つの共済を今後抱えることになるわけですが、建設は掛金百八十円、月二十一枚。清酒は二百円で月十五枚。林業は百五十円、月十五枚というかっこうになっているわけですね。これがそれぞれの業種ごとの運営委員会で議論されてまいりますと、やはりその共通項を求めるということがどうしてもおくれてくると思うんです、運営委員会でそれぞれの業種の特性というのは配慮していかなければなりませんけれども、理事長と業種担当の理事がやはり協議しつつ、コントロールしつつ、共通の水準なり運営の改善に努めていく、こういう配慮がないと、三頭立ての馬車は一体そろってどこへ走るのか、こういう問題も惹起しかねないと思います。この点に対する運用についての大臣の御見解を伺いまして、私の質問を終わります。
○政府委員(寺園成章君) 新しくできます退職金共済組合におきましては、特定業種退職金事業といいますのが業界退職金事業であるという特殊性を踏まえながら、できる限り簡素、合理化された運営をしてまいりたいというふうに思っております。 また掛金の問題でございますが、掛金につきましてはやはり当該業界の負担能力というものもございますので、これを一律に取り扱うということは種々の問題があろうかというふうに思っております。
○国務大臣(藤尾正行君) 御趣旨のとおり、発足したばかりでございますし、重複をしておる機構は非常にたくさんあると思うんです。こういったことを合理的に整理していく、あたりまえのことでございますから、そのような方向で進めてまいりたいと、かように考えます。 さらに、いまの掛金等々の問題につきましては、当面非常に困難なことは多かろうと思いますけれども、これから将来、やはり改善をして、統一的に運営をする可能性を見つけていくように努力をしていかなければならぬ、かように考えますので、そのように指導いたします。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、前島英三郎君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。 —————————————
○委員長(片山甚市君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局いたしたものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
○高杉廸忠君 私は、ただいま可決されました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ及び一の会各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。 一、新たに設置される特定業種退職金共済組合においては、それぞれの業種の退職金共済事業が引き続き円滑に運営されるよう十分配慮すること。 二、特定業種退職金共済制度の運営に当たっては、関係労使の意見を十分反映できるよう所要の措置を検討すること。 三、特定業種退職金共済制度への加入促進対策を強化するとともに、証紙貼付の履行確保に努めること。 四、民間林業従事者についての特定業種退職金共済事業については、統合後の特定業種退職金共済組合において、昭和五十七年一月一日から発足できるよう万全を期すこと。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、藤尾労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤尾労働大臣。
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、これが実現に努力をいたしてまいります。
○委員長(片山甚市君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午後四時九分休憩 —————・————— 午後五時十七分開会
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十八分散会 —————・—————