公害及び交通安全対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/06/03
会議録
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五月二十八日、川原新次郎君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君が委員に選任されました。
○委員長(山崎昇君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂倉藤吾君 まず第一にお尋ねをいたしたいのは、環境アセス法がこの国会に提出をされておるわけですが、今日、このアセス法の価値をきちっと踏まえてやる一番大きな課題というのは、これはむしろ電源立地関係じゃないのか。具体的に住民との幾つかのトラブルその他が発生をしておりますのは、たとえば流域下水道におきます終末処理場建設等もありますけれども、むしろ、今日まで電源立地関係の方が課題としては一番大きいんじゃないのか。しかも、土地収用法等のいままで適用してまいりました状況をながめてみましても、むしろ、電源立地にかかわる問題というのは非常に該当が多いわけなんですね。こういう状況から判断をしていって、一番肝心なところが削り取られている。これに関して環境庁は、削り取ってしまった最大の理由、これを一体どういうふうにお考えになっているのか、その辺の説明をまずお聞きしたいのですが。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) アセスメント法の十二項目ある中で、ただ一項目民間の事業かなと思われるものは、電源立地の問題でございます。そして、アセスメント法をつくるならば、エネルギー問題がこういうふうにやかましいときですから、電源立地をこの中に入れなきゃならぬだろうと思って、原案は入っていたことでございますから、これが抜けるということは困ったことではないかという先生のお話は、全く私もそのとおりに思います。けれども、またエネルギー問題がこういうやかましいときでございますので、以下申し上げますことは、私が考えていることじゃないんですが、早急にやらなきゃならない代替エネルギーのいろいろの施策がそのために非常におくれるのではないか、時期的におくれるとか、あるいは訴訟などが頻発するだろうとか、いろいろの心配がありまして、この前、ここでなぜそんなにおくれるのかと、いま議会政治でございますから、与党の方でせっかく御審議をいただいておりますと申し上げた時期がかなり長うございましたが、まさにその時期はそのことでいろいろ審議をして、私どもの方としては、もともとこの法律ができなくともアセスメントはやらなきゃならないんですから、やらなきゃならない以上は、国会の審議をいただいて、信頼と権威あるルールづくりをした方がいいと、こう思っていたんですが、前段申し上げましたような心配をなさる方がいて、ついにその納得をいただけないままに、そうすると、全然だめになっちゃいますから、それでは、比喩が適切ではありませんが、お許しいただきますれば、多少未熟児ではあるが、死んじゃうよりはいいだろう、未熟児で産ましておいて、後で丈夫に育てればという私の決意で、それでああいうような状態になったわけでございます。どうぞ御了承いただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 未熟児論がありますけれども、未熟児というのは、少し早目に生まれまして、骨格その他全部相整っておりまして、成長するためのすべての準備が整っているわけですね、ところが、いま一番問題になる電源立地が外れたということは、言うなら、骨のないものを産んだわけですから、これは未熟児の範疇じゃないと思うのですね。だから、そこが私はきわめて問題だ、こういうふうに言わざるを得ない。 そうしますと、その後法案を提出されましてからも、たとえば森下泰環境部会長の発言等もございまして、明らかにこれは経済界の、いわゆる財界の主張、特に電力会社等を軸にいたしました主張というのが強引に働きかけをいたしまして、長官が大変苦労はされたけれどもそれに屈した、こういうことになるわけですね。屈して、そこでさっきの発言になるわけですが、屈したときに骨が抜かれたのか、あるいはこれは産むのが早かったのか、この辺の判断が私はきわめて重要であったと思うのです。しかし、この未熟児という認識があったがゆえに、いま産んでおかなければという気持ちはわからぬではないのですが、骨のないものを産んでしまったということになるものですから、ここの認識は改めて私はやはり尋ねておかざるを得ない、こういうふうに思いますが。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 全くお話のとおりの経過でございまして、これは十分御承知のとおりであります。 そこで、私としては選択の道は二つしかないのです。それじゃやめておこうかということが一つです。それから、それでは電気を外して、後日に残してこの際やっておくかと。私考えまするのに、ここから先は私の判断ですから、御批判もあろうかと思いますが、もしここで、それじゃやめておこうということになりますれば、これはもうなかなか出ない、これでおしまいだろうという感じが私はいたしました。それは困ります、日本の将来のためにはなはだ困る。こう思いまして、私は電源立地を外しても、それは、未熟児というのは確かに表現は、お断りしたように、余りいい表現でないかもしれぬ。しかし、これでもう終生日の目を見ないということになったんでは始末が悪い、日本の将来のためによくない、こう思いまして、ともかく国会に出せば国会で御審議をいただける。国会で御審議をいただかないで、与党の中でやっているうちはそれは関心を持たれる方はわかるでしょうが、国民全体にわからないわけです。国会で審議をすればこそ初めてアセスメントというものはどういうものであって、必要であるかどうかということが国民にわかるわけですから、そうすれば電気を外してけしからぬじゃないかということをここで言われれば、それが国民にわかって、なるほど電気を外したのはよくないとかあるいは無理もなかったとかいろいろ御判断がありましょうが、私は国民にこの問題をわかってもらうという意味からも選択の道は電気を外しても出すべきだ、こういうふうに考えたわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 森下先生、何か関連があれば、——ないですね。 次に湖沼法ですが、この湖沼法は建設省、農水省あるいは国土庁それぞれ問題があり、調整をしておったといういきさつはお聞きをしています。同時に、それが大体完了して調整、合意が整った、こういう話を聞いているわけです。ところが、結果的に提出を断念された。この提出断念というのはただ一つ問題が残っておった通産省だろうと思うのですが、結局通産省がまだ調整、合意にこぎついていないがゆえに断念をされた、こう理解をしていいのかどうか、あるいはほかに断念をした理由というのがあれば、明らかにしていただきたい。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) およそいま先生がおっしゃったとおりであります。
○坂倉藤吾君 それからNOxの総量規制ですが、これまた当初案からいわゆる愛知といいますか、中部圏が総量規制の対象から地域的には削り取られる。これは何か削り取る、除外をされた理由というのはあるんでしょうか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) これは湖沼の問題とは多少趣を異にいたしますが、削り取られたという表現はこの場合はちょっと当たらないと思うのです。というのは、〇・〇六よりも悪いところが昭和六十年の時点で日本じゅうどこにもあってはならぬ、これは衆参両院の附帯決議で政府が国会から言われていることでございまして、それに対して御期待に沿うようにやります、そういうお答えをいたしましたから、全国各地をずっと注意して見てまいりますと、東京、大阪、神奈川、福岡、兵庫、それに愛知なんというところが一応危ないんじゃないかなということでいろいろ検討いたしました結果、福岡もそれから兵庫も愛知もそれぞれ六十年の時点で何とかなるだろう、こういうことでございますから、何とかなるならば何もする必要はないんで、何とかならないのがいま先生が言われた東京、大阪、神奈川、こういうことでございますから、どうも何とかなると言っても私の方ではちょっと愛知の場合は何とかなるかなということで多少の疑問はあるんですよ。だけれども、現地では何とかなると言っているのですから、何とか本当になりますか、どうですなんて話しているとだんだん遅くなります。そうすると、東京、大阪、神奈川の三つがいまでもおくれているのですから、この間おくれておしかりをいただいたようなことでございますから、それじゃこれから計画を立てて、その計画に基づいて作業をするということがますますおくれますから、そこでこの三つは指定をした、こういうことでございます。
○坂倉藤吾君 そうしますと、何とかなる努力期間というのはどの程度に見られているんですか。
○政府委員(三浦大助君) 愛知県につきましては、私どもの調査で五十二年から六十年を目標にしていろいろ推定して作業を行ったわけですが、その過程で五十二年、五十四年の大気環境測定局の調査結果を見ますと、かなり予想したよりも早いテンポでやっておる、こういうことでございます。したがいまして、この程度でいけばかなりよくなるんじゃないだろうか。五十五年の報告もこの夏ごろになりますと地元で全部集計して発表されますし、それらもひとつ見てみようということで保留ということになったわけでございます。
○坂倉藤吾君 そうしますと、特段改めて総量規制を導入するかどうかの判断というのはいま期間的には決めていない。若干の状況判断をして再び調整をしょう、こういうことですか。
○政府委員(三浦大助君) いまいつの時点でということは先生おっしゃるとおり決めてございません、保留ということにしてひとつこの一年間ぐらいの様子を見てみよう、こういうことになっております。
○坂倉藤吾君 五月十九日に環境白書を発表されていますですね。この環境白書は、今日までの工業界主導のいわゆる効率主義あるいは機能主義、これが万能ではいかぬ、若干軌道修正をすべきだ、そしてむしろ快適な環境づくりをすることが必要ではないのか、将来方向としてそういう提起をされているわけですね。したがって、その目標を貫いていくためには、今日まで行われてきた場当たり約といいますか、事後的、いわゆる現状を追いかけてそして取り戻すような形のやり方あるいは対症療法、そういう公害防止という観点から一歩足を踏み出していこうと、これは長官の所信表明の中にもその意欲というものはあらわれておったと思うのです。それが具体的に白書として提起をされている大方針だと思うのですね。したがって、そういうような視野に立って今回開発制御という、開発のある一定の歯どめ、こういうことがあわせて出できています。むしろ今日までこの開発制御の課題が貫徹をされていなかったから、これはアセスと関係をするわけですが、きわめて重大なかかわりを持つのですが、それが行き過ぎを行って、行き過ぎたがゆえに公害にかかわる幾つかの被害が生じてきている、こういうことになるわけですから、白書のそういう方向あるいは指摘の仕方あるいは求めようとすること、こういう課題というのは私は賛成を大いにしたいのです。 ところが、賛成をしたいのですが、賛成をしていく立場から、先ほどから提起をしてまいりましたアセスの問題あるいは湖沼法にかかわる問題、いまのNOxは若干意味が違うにいたしましても、当初考えておったものについて、たとえば三点目のNOxの総量規制等についても、総量規制を何年もかけてその準備をして、そして目標達成が一日も早くなれば私はそれはそれでいいと思うのですね。しかし、その辺の見解の問題はともあれ、いずれにしても環境庁が原則的に物を構えていくと常に巻き返しに遭って後退をしてきている、こういう状況になりますと、たとえば快適環境を求めていくという、そのために今日まで進めてきたことについての若干の反省をし、これから進めていくものについてそういう広い視野に立って物事をながめて調和をさせていく、こういう筋と大分やはり現実的には疑問を持たざるを得ないわけです。果たしてそれで方向というのが今日の姿勢のままでいけるんだろうかどうだろうか、この辺に対してはどうお答えをいただけますか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 坂倉先生のお話、全くそのとおりなんです。そこに私の悩みがあるわけです。環境庁は若い職員から局長に至るまでみんな、挫折感を持っては大変だ、こう思いまして一生懸命になって私は力んで旗を振っているわけなんですが、状況ははなはだ悪い。新聞にも載っておりましたからおわかりだったと思いますが、私は環境公方だという。公方とは何だと言ったら、大公方の公方だ、こういう際には環境のことはちょっとやめておいてくれないか、そうでなくても大変なんだから、と言う人が少なくないです。私その理由もよくわかります。それは、油がこのように高くなって、しかもお金を出せば買えるというものでもなくなってくれば、そして、経済を維持していこうというんですから、維持だけではなしに、うまくいけば六%ぐらい、どんなまずくいっても四%半ぐらい、平均して五%半ぐらいの経済成長をこれからも維持していこうというんですから。そういうときに、油がふんだんにでもあるならばいいけれども、油がないのだから、ちょっと環境の話をしないでいてくれないかという気持ちもわからないではないですが、経済の目的は快適な生活にあるわけですから。環境を悪くして経済がよくなったってそれは大変なんです。そこで、私の方は、それは間違えていますよ、こう言いますと、環境公方にされてしまいます。環境公方も結構ですが、そこで、坂倉先生の言うように、君たちが白書で言うことと、アセスメントとか湖沼なんというのと全然違うじゃないか、こういう疑問はまさに御指摘のとおりでございまして、そういう中で一生懸命力んでやっているわけでございまして、御理解をいただきたいと思います。 特に、せっかくの機会ですからお許しをいただいて私の心配を申し上げますれば、去年は五・三%ぐらいですから、この経済成長をずっと続けていったとしますと、西暦二千年になる三、四年前に日本の経済は倍になります。この狭い国土で、可住面積がことさら狭い中でいまの二倍の経済を、環境や自然を破壊しないでできるだろうか、そういうふうになっても快適な生活環境というものを積極的に、守ることだけでも容易でないというのにつくっていくということができるだろうか、私はほとんど不可能だと思います。そこで、経済の量的な拡大でなしに質的な変化を伴った拡大ということが焦眉の急、考えられなければならない問題だ、こんなふうに考えておるんですが、なかなかこの声は世間を動かすまでになりません、いまの経済情勢の中では、どうぞ、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 まさに、長官がいまお述べになったことと私たちが考えていることとそう狂いはないと思うのです。 そうしますと、お考えになっていることを環境庁がなぜ力が持てないのか、その辺の主張が他のところになぜ理解されないのか、これは一に政治力の問題にかかってくると思うのです。同時に、長官は自民党員の一人でありますから、同じ自民党内で、森下環境部会長ですね、本来なら環境庁を応援し、そして長官のむしろ内面的にバックアップをするという、私はこういう役目だろうと思うのですが、与党はそんな体制じゃないのですか。むしろ、自分の部会というのはそこの担当の大臣をいじめるのが与党の部会なんでしょうかね、その辺とのかかわりというのは、一体、長官としては、環境庁が力をつけていく立場からいってどうお考えになっているのか。特に、いろいろな条件が前提に立っての発言であろうとは思いますけれども、詰まるところ、森下部会長というのは、いわゆる環境庁無用論を展開されているというふうに私としては理解をするんですが、その辺のところも触れながら、長官としてはどうなんでしょうか、お考えを聞いておきたいんです。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 森下さんのお考えについては私が述べる立場にございませんから、これは森下さんに聞いていただくことにいたしまして、私考えますのに、問題は、一に、森下さんとか何さんとかいう問題でなしに、現在の日本の置かれている経済情勢といいますか、これは日本だけじゃないんですけれども、その経済情勢がこういうことになっておる。現にアメリカでも、カーター大統領のときにはああいうふうに言っていましたが、レーガンさんになってからは環境問題に対しては大分後退したということもあります。これは間違っていると思います、私は政治家として間違っているとは思いますが、よその国のことを批判しても始まりませんから……。そういう情勢です。日本もその例外ではない、そして私は、一面、足をそっちの方へ踏み入れて考えてみると、そういうふうに考えられることも理解できないではないです、理解できないではないですが、特にわが国は、高度経済成長の過程において思うだに身の毛のよだつような苦い経験があるわけです。そして、そのことによって命を失った人がいます。それから、いまだに再起不能の状態で苦しんでいる人がいます。そういうことを考えれば、いかにどういう情勢になってきてもそういう過ちを再び繰り返してはならないというために、考えられるだけの用意、準備というものをあらかじめしておくということは当然必要なことで、坂倉先生のお話でだれも味方のないようなことをおっしゃいましたが、そんなことはありませんよ。世間一般は大きな味方になっていってくれることを私は信じて疑わないわけであります。ただ、かじ取りをしている人たちは、くどいようですが、そういう心配があるために、ちょっとしばらく待ってくれないかということをしばしばおっしゃるというのが現状でございまして、御理解をいただきたいと思います。
○坂倉藤吾君 なかなか含みのあるお答えだったわけですが、いずれにしても、国民が味方になるのは、環境庁が環境庁らしく姿勢を正して国民の期待にこたえるから国民が味方をするんでありまして、環境庁が環境庁らしくなくなったら味方になりませんよ。したがって、ぜひ、それは胸を張っていただいて結構でありまして、その張った胸が通用するようにしてもらわなければ私はいかぬと思います。ぜひ、そこのところを長官じっくり、御苦労いただいていることは私よく知っていますからそれ以上追及しませんが、少なくとも、環境庁が設置をされましてから、言うならば、環境庁自体にいま籍を置く職員の人々等も含めましてがっかりするようなことをさしては私はいかぬと思います。ぜひひとつ、大いにそれぞれの任務が本当に胸を張ってやれるようにしてもらいたいということだけ申し上げておきたいと思います。 その次の質問に入りますが、五月の十一日にILOの環境に関するレポート、いわゆる日本に対する評価、これがあるんですが、もうお読みになりましたか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) それがよくわからないんです。実は私はまだわかってないんです。局長の方でわかっているかな——局長からちょっと。
○政府委員(藤森昭一君) ただいま先生御指摘のILOのレポートというものは、私どもいろいろ調べて情報をとってみたんでございますが、遺憾ながらまだそれはよくわかっておりません。
○坂倉藤吾君 私のところへはありまして、きょう持ってきておりませんが、簡単に言いますと、日本の公害が、たとえば石油ショックの中で、しかも片方では公害というのが発生をしてきた。本来ならこの石油ショック、第一次石油ショック、第二次石油ショックというああいう場合のときは公害そっちのけにして、いま自民党の方からよく言われておりますように産業優先でがんばるべきだと、これが通常だというんですね。ところが、日本は逆にそういうショックの過程でありながらも、経済再建の過程の中で片方では公害規制を十分やっている。そのために相当各界はなえただろう。なえたけれども、その規制が逆にいわゆる公害防除の技術等も発展をさして、むしろいまはそれを乗り越えた日本の姿が拝見できる。そういう意味で日本の技術、しかも公害に配慮をしたところのものは大きく評価ができるというふうに実は提起をされているわけですね。そういうふうに国際的な日本の評価というのが、苦しい中でも努力をすることによって快適な環境づくりのためにやっているという評価をされている、その評価をされていることに対して、いまむしろそれに逆行するような勢いが内面的には実は出ておりまして、私はそれは国際的な評価に日本自体が反対に引きずり込まれてしまうような危機感を率直に言って受けるわけでございまして、したがって、ぜひともこのILOがそういう日本に対する評価をしていることをさらに前進をさしていくということ、これは大いに必要なんじゃないのかというふうに考えるものですから、まあいずれお手元に入るだろうと思いますので、これは環境庁だけの問題じゃなくて、日本全体の評価なもんですから、ぜひひとつ閣議あたりででもこの辺のところは論議をしていただいて、各省庁にやはりそういう評価にこたえるべき姿勢というものをこの際に貫徹をされる。そのために環境庁長官も大いにがんばっていただくということをぜひ注文をつけておきたいと思います。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) そのILOの評価について詳しいことは申し上げましたようによくわかってないのですが、いま先生のお話を承る限りにおいては私はうなずけるところがたくさんあります。せんだってフランスの方へ行ったときも方々で言われたのは、その代表的なものは自動車です。今日、日本の自動車が評判がいいのは、自動車会社は言うまでもなく、そこに働く諸君の御努力によって、かなり無理なことを環境庁あたりが言うたのを、それを無理だ無理だと言いながらもやり遂げちゃったと。だから今日、日本の自動車が世界的に評価が高いんだと、偉いもんだというような話は各所で承りました。いまのお話はそれに類似したお話だと思いますが、やはり今日のような情勢の中でもそういう面はありますよ。たとえば、ガソリンのエンジンでなしに、私はああいうことは非常に詳しくないのですが、直射式のディーゼル車については、去年の九月ごろ私と私どもの次官とが手分けしてトラック会社、パス会社へ行ったときには、とてもむずかしいと、こう言っていました。でも、御承知のとおりこの間NOxを一三%減らすことを指示いたしまして、五十八年までには必ずやると。あのときは五十八年までにやってちょうだいと、やれないならば交通規制をします、ちょっと乱暴だったんですが、そんな話までいたしまして、そうしたら一三%の減をやりましょう、こういうことになって、この間指示をいたしたわけでございまして、先ほど申し上げましたのとちょっと矛盾するようですが、全部が全部じゃないです。そういう点もありますので、かなり協力してやってくださっているところがあります。 先ほどはまた御激励をいただいてありがとうございます。私は環境庁の局長以下職員末端に至るまで非常な熱意を持ってやっていますが、今日のような情勢の中で挫折感を持つことが一番恐ろしいと思いますから、これのないように微力ですが一生懸命になっておりますが、どうぞ先生方からもひとつ御激励を賜りたいと、こう思います。ありがとうございました。
○坂倉藤吾君 次に、この前フェニックスの連合審査のときにお聞きをしましたら、やっていないということなので問題だと思って指摘をしておきたいのですが、公有水面埋め立てですね、特に先般の連合審査の際は瀬戸内の問題を実は提起をいたしましたが、そのときに要求をいたしました資料をちょうだいしました。その資料等をながめていきますと、幾つか環境庁として指摘をしている問題がございますね。ところが、この指摘をしたものが、あと、指摘をしたことどおりに解決をされているのか、取り入れられているのか。あるいはその後環境に及ぼす影響等は一体どうなっているんだろうか。これは建設途中のもの等もありますからね、計画段階で配意をされたものあるいは計画について特に留意をしろと言ったものが具体的には建設完了後どうなっているんだろうかという、私はやはり調査を的確にすべきだろうと思うのですね。この前のお話では、これが余り行われていないということのようなものですから、もしやっておれば、それにこしたことはないわけなんですがね。予算的にながめてみましても、その辺はどうも環境庁自前の問題としてはないようでありますから、ぜひこれは来年度予算編成等に当たっても十分配慮をして、徹底して、その辺のところは指摘をしたものは環境庁としてどうなるかというしりまで責任を持って押さえる、こういうことについての約束をいただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) それは私どもの方でこういう点を注意しなさいよと言って、言いっ放していいというものじゃない。言ったことが必ず守られているか守られていないかということは十分後始末をしなければ、それで結局私どもの方の言ったことが守られていないで、後日問題を起こして、環境庁としてはあのとき言ったんですよと言ったって、それは始まらないですからね、これは、御説のとおりでございますが、個々の事例等について局長からちょっとお聞き取りをいただきたいと思います。
○政府委員(藤森昭一君) ただいま御指摘の公有水面埋め立ての場合に環境庁長官から意見を提出いたしまして、これによって環境保全上の注意をしてもらうという措置をとっておりますが、この意見は申すまでもなく公有水面埋立法上の認可権者である所管大臣から免許を行う都道府県知事等に通じまして事業者にその実施の指導がなされている、こういう形で実際指導を行っているところでございますが、私どもとしましては、それと同時に必要に応じて都道府県の環境部局がその埋め立てについて環境上の配慮をしておりますので、長官がどういう意見をそれに対して述べたかということを、私どもの方から環境部局に対して通知をいたしまして、環境保全上の支障が生じないように、事業者に対して指導をする等の要請をやっておるところでございます。これが実際どの程度実施をされているかということにつきましては、私どもとしましても必要に応じて報告を求めるということをやっておりますが、先生御指摘のように、まだ工事の進捗状況等の関係もございまして、報告を受けているのは一部の事業にとどまっておるわけでございますが、私どもとしましては今後ただいまの御指摘のようなこともございますので、都道府県の環境部局に対する指導であるとか、私どもがみずから環境情報の収集に当たるとか、そういう点に力を入れてまいりたいと思います。
○坂倉藤吾君 たとえば「姫路港内公有水面埋立ての免許の認可について」、これは環企審第五〇号、五十二年十月三日の運輸大臣にあてた文書ですね。この中身を見ていきますと、認可についてはや心を得ない、これはその判断はしなきゃいかぬのですからそれはいいと思うのですね。ところが、その判断とあわせて「液化天然ガスの導入計画の具体化に当たっては、環境保全上の問題を惹起することがないよう配慮されたい。」、こういう文書なんですよね。そうしますと、「液化天然ガスの導入計画の具体化に当たっては、環境保全上の問題」ですから、どういうふうに、じゃこの「環境保全上の問題」が予想をされるのか、予想されるものについてはどういうふうに具体的導入計画の中でそれが克服をされておるのか、ここが私はポイントになると思うのです、当然この文書をお出しになったら、いまの藤森さんの御答弁からいくと、報告を求めるべき課題である、こういうふうに思うのですね。したがって、その報告を求めて、なるほどこういうふうに気が配られたのか、対策が講じられたのかということになると思うのですよ。しかし、現実にはそこまで突っ込まれてないでしょう。私は、そこが今日までの一つの問題点ではないのかと。したがって、これはもう、いま答弁がありましたように必ずそうしたものについては具体的に行われていくわけですから、そこまできちっと報告を求めるなり、なるほどこういうふうに判断をしたのは環境庁としても間違いでなかったというところまでぜひひとつ押さえてもらいたい、こういうふうに注文をいたしますが、よろしいですか。
○政府委員(藤森昭一君) 先ほどお答え申しましたように、今後私どもとしましては、当該埋立地所在の都道府県の環境部局等に対する指導であるとか、あるいは私どもが直接環境情報の収集に当たるとかいうふうな形も加えまして、当然のことながら許認可庁である関係大臣及び都道府県のラインで行う指導とあわせまして、私どもも御指摘のような線に沿って努力をいたします。
○坂倉藤吾君 次に、これは前にも私この委員会で、委員会としての現地調査の報告に関しての問題を提起いたしましたが、北上川の新中和処理施設のいわゆるどこが主管をして管理をするかという問題ですね、県の方は明確にしてもらいたい、こういうことがございましたが、九十三国会でこの新中和処理施設の請願が採択をされましたね。この請願に対するところの処理要領を見ていきますと、これはどうもまだ、いまだにはっきりしていませんですね。ことしの秋になりますと第四系列も完成をする予定になっている。こういうようなことでありまして、したがって、いま五十七年度の予算の概算をもうまとめられてきている、こういう時期であるだけに、一体この維持管理の主管庁というのはどうなるのか、それから五十七年度の予算とのかかわりの問題はどうなっているのか、関係省庁間の協議はどうなっているのか、この辺のところを説明いただきたいと思うのです、
○政府委員(小野重和君) 北上川の新中和処理施設につきましては、御案内のようにことしの秋といいますか、十一月ごろ完成する予定でございます。そういう意味におきまして、できるだけ早く管理主体を決める必要があるわけでございまして、関係省庁で協議を重ねてきておりましたが、いま現在、まだ決まっておらないわけでございますけれども、ただこれは五十七年度の予算措置との関連もございますので、五十七年度予算の概算要求時までには結論を得る必要があるということでございますが、休廃止鉱山の鉱害防止を所掌しているのは通商産業省でございますので、通商産業省に対しましてこの概算要求時までに結論を得るよう、岩手県の意向を聞くことも大事でございますので、これを聞きながら、関係省との協議を進めるよう要請しているところでございまして、概算要求時までには何とか決めたい、かように考えております。
○坂倉藤吾君 大体通産省ということで主管庁は決まりますか。
○政府委員(小野重和君) 通産省ということで決まるかどうかはわかりませんけれども、いずれにしましても関係省庁いろいろございますけれども、やはり県が管理主体ということも一応あり得るわけでございますけれども、それ以外ということになりますと通産省関係ということにしぼられることになると思いますので、具体的にはまだ結論は得られませんけれども、通産省が主体となって協議をするように、こういう要請をしているところでございます。
○坂倉藤吾君 それから、公共施設等合成洗剤自粛請願というのが、これは少し古いのですが、九十一国会で採択をされていますね。この採択をされている請願の中身と、それから処理要領に記載をされているいわゆる措置の内容と比較をいたしていきますと、まず第一点は、請願の第一項について全然これは無視をされたのか、答弁がないわけですね。いわゆる公共施設での使用自粛の実態に絡む問題でありまして、それが具体的にどうなっているのか。さらにまた食堂、ホテル、旅館、工場、これらの自粛拡大の問題は一体どうなっているのか。どうも請願というのは、先ほどの北上川の問題ではありませんけれども、請願は採択をされまして、その当時の段階として簡単に処理要領で答弁をしてしまえば——処理要領というのは、ずっとながめてみましても、全部軽くいなしているわけですね。言うなら国会の私どもが出す質問趣意書に対するところの政府御答弁と全く一緒なんですね。中身がありません。そういう意味合いで大変私は不満に思うのですが、その辺は具体的に請願に対する今日の状況というのはどうなっておりますかね。
○政府委員(小野重和君) 請願の処理意見は簡明にということで、若干抽象的な感もあるかと思いますが、具体的な対策といたしましては、現在四十五の都道府県におきまして公共施設からの有隣合成洗剤の使用自粛を図っております。それからまた、全県ではございませんけれども、県によりましては合成洗剤についての対策要綱をつくりまして、これは公共施設以外の一般の、一般的に指導あるいは運動という形で合成洗剤のうちの無燐化あるいは石けんの使用奨励ということを進めているという状況でございます。
○坂倉藤吾君 ともかく採択された請願は、やはり真剣に私は実施に移していただかないと、まあ何やっておるのかというふうに言わざるを得ないんでして、国民の意思、しかもそれを受けて国会でそれを認めているわけでありますから、もう特に優先にそれらの問題と真剣に取り組んでもらわなければならぬ、これが一つです。 それから、同じくこの請願にかかわって、答弁をしている内容がきわめて問題だと思うのですが、この処理要領の中のまず一として答えられておる部分ですが、ここに「合成洗剤の安全性に関し提起された問題については、その都度必要に応じ検討し安全性の確認を打ってきたところであり、」、こうなっているんですね。しかも、結論は「通常の使用では問題はないと考えている。」、こうなっています。しかし、安全性のその都度の確認というのは実際に行われているんでしょうか。私はそれがまず問題だと思うのですね。で、この安全性の確認、これは実験によって確かめられると思うのですが、部分的にしか実験自体が行われていないのじゃないか、それから、結論的にはその実験のデータというものを安全性を認めるためのデータに解釈を誘導しているんじゃないのか、恣意的に持っていっておるんじゃないのかという感じがするわけですね。したがって、いろいろございますけれども、この請願の趣旨から言って余り適当でない答え方じゃないのか、総括的に言って、こういうふうに言わざるを得ませんが、その辺は環境庁どうなんでしょうね。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) この対策その他については決して十分だとは考えておりませんけれども、後日またお答えさせていただくことにして、先生のお話は私はごもっともなことで、もし私どもの方においてそういうことに手抜かりがあるとすればこれは間違っていますから、十分気をつけて念を入れてやらなきゃならぬと思います。国民が国会に請願をした、そうしたら国民の代表である両院の先生方がそれを審議した、もっともだということになったならば、それに対して誠実に対処するのがあたりまえなんで、口先だけ何かこういいかげんにごまかして、対策も何もやらないと、やってもいいかげんなことだということでは相なりません。それはもう十分によくわかりますが、個々の問題については後日またお答えいたしますから、ひとつ御勘弁を願います。
○坂倉藤吾君 ともかくいま余り進んでおりませんしね、したがってそれを進めていただければ——説明を何ぼ聞いてもこれはお話になりませんので、ぜひひとつ実行面でこたえてもらいたい、こういうふうに申し上げておきます。 特に、この請願の二点目で取り上げました合成洗剤自粛の問題は、相当広範囲にわたって請願の範囲があるわけですね。したがって、そういう意味合いでぜひそのものをきちっと受けとめてもらって対応してもらいたい、こういうふうに思うのです。厚生省の方がお見えになっていますから、このやりとりを十分踏まえてもらって、厚生省としても責任を持ってほしい、こういうふうに申し上げます。 安全姓の問題等につきましても、人体の健康への直接的な影響を論じられておるんですが、請願の趣旨というのはそれだけでは私はだめだろうと、いわゆる植物連鎖等による間接的な健康への影響、これらも幾つか学術論文も出ているわけでありまして、それらの危険性も当然重視をしていかなきゃならぬ課題であると、そういう立場を踏まえてもらわなきゃならぬ。そういう立場を踏まえて、初めて安全性の確認というのが具体化をされるであろうというふうに思います。また、生物環境への影響も、請願自体は指摘をしているわけであります。これもその当時は問題になっておりましたのが燐が中心でありましたから、いわゆる燐が富栄養化の最たる原因物質である、こういうことでこの委員会でも論議をしてまいりましたので、そこにまあ重点が置かれたということについて、私は別に問題はないと思います。問題はないと思うのですが、それだけではお話にならぬのでありまして、当然合成洗剤を構成する化学物質の、いわゆる蓄積状況等は一体どうなっておるんだろうか、あるいはそれが生態へどういうふうに影響をしていくんだろうかという観点を、むしろ環境庁自体としても一つの任務として研究をされておるわけでありますから、これは白書の中でも研究の中心というと言い過ぎるかしれませんけれども、テーマになっておるわけでありますから、ぜひその辺をきちっと押さえて、そして厚生省とも相談をしながらこの問題には取り組んでもらわなきゃならぬ、こういうふうに思うのです。 あわせていまの請願の話は打ち切りまして、無燐洗剤の安全性の問題について、またその無燐洗剤が環境汚染にどう影響しているのかという観点からの問題でありますけれども、今日、一部の無燐洗剤の主材料というようなことで使用されておりますポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルですね。これについて、かつて社労委員会でもわが党の高杉委員がこの問題についての論議を展開した経過がございますけれども、これについて、五十二年度の化学物質環境追跡調査結果によりますと、環境汚染の危険性があるし、またモニタリングを継続してやっていく必要があるという観点を指摘されておると思うのですね。ところが、五十四年度の報告はどうなっているのか、あるいは五十五年度、五十六年度のこの種に関するいわゆる予算というのは一体どうなっているんだろうか、よくわからぬのですがいかがなものでしょうか。
○政府委員(七野護君) いま先生御指摘のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、これは非イオン系の界面活性剤でございますが、環境庁といたしましては毎年やっております化学物質の環境調査、これの一環といたしまして五十二年、五十三年に実施いたしまして、五十四年度版の「化学物質と環境」、これにその調査の評価を指摘したことは先生御指摘のとおりでございます。ただいま先生の御指摘はこの「化学物質と環境」に「今後モニタリングを行っていく必要があると考える。」と環境庁が指摘しておきながら、その後一向やっている様子がないじゃないか、一体どうするのかという御指摘かと思いますが、私たちは毎年数万点に上る化学物質を順次やってきております。現在までに約三百種類の調査が完了したわけでございますが、その環境調査の結果、環境中の濃度レベル、そういうものを勘案いたしまして、毎年実施していくか、今後一定期間ごとにモニタリングをやっていくかということで私たち整理しておるつもりでございますが、いま先生御指摘のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにつきましては一定期間ごとのモニタリングを今後していきたいと、さように考えております。五十三年度に実施いたしておりまして、五十四年、五十五年は実施いたしてございません。そういうことでございますので、一定期間、四年置きにやるか五年置きにやるかそれを今後十分検討さしていただきまして今後ともモニタリングをやっていきたいと、さように考えておるわけでございます。
○坂倉藤吾君 四年置き五年置きなんて言っていたんじゃ、いま洗剤が例の燐を含む洗剤から無燐にどんどん切りかわっているんですね。しかも無燐であっても問題だ、天然石けんに戻すべきだと、こういう意見が課題になってあるわけでしょう、したがって、そういう時期だけに五年先にモニタリングをやりますと言ったんじゃ、それこそとぼけた話になっちゃうじゃありませんか。むしろ今日的な課題に対応するためにも危険性があるというのなら危険性があるなりにどういうふうに対策を講じるのかというところにまで足を伸ばさなければいかぬだろう。そこのところがどうも、学問的に研究されるのは大いに結構なんですがね、われわれはやはり生きているわけですから、そういう立場で当面する課題としてそのことをきちっと含んでもらって私はぜひひとつやってもらいたい。これはそういう意味合いで厚生省とよく打ち合わせしてくださいよ、いいですか。
○政府委員(七野護君) どうも言葉が足りなくて申しわけございませんが、五十二年、五十三年に環境調査を実施いたしてございます。この五十四年度版にも記載してございますが、生態影響試験これはミジンコであるとかヒメダカであるとか稲であるとか大豆であるとかを使って生態の影響試験を実施いたしてございます。このときの調査がLC50という値をとりまして調査したわけでございますが、その調査結果から見ますと、たとえばミジンコの三時間のLC50、これを見ますと二八ppmというかなり高濃度でございます。ところが、いま申し上げましたポリオキシエチレシアルキルフェニルエーテルの五十三年度の環境中濃度を、たとえば水質で見てみますと百五検体中二十五検体に〇・一三から〇・九三ppmというかなり低い濃度の検出値がございます。それといま申し上げました生態影響試験の値と両方勘案して見ますと特段強い生態影響は見られないものじゃなかろうかと、そういうふうに判断いたしておるわけでございます。さらに植物に対する、稲であるとか大豆につきましての生育障害も見ておりますが、これは現在主に用いられておりますスクリーニングテストということでございまして、そういうこともございますので、現在のところ特段強い生態影響は見られないのじゃなかろうかということでございますので、私たちはこの非イオン界面活性剤の調査を一回やって、もう後やらなくてもいいということは全く考えてございません。必要とあれば来年五十七年でもやる覚悟はございます。
○坂倉藤吾君 時間が来ていますがもう一問だけ絡んでお聞きしたいんですが、いまの「ポリオキシエチレンアルキルエーテルの皮膚塗布によるラット慢性毒性試験」というのが、これは先ほど言いましたように高杉委員の要求に関して厚生省がお出しになったやつですが、これによりますと、発がん性の有無について、検体が不足をしておって、これのみで判定するのは非常に困難だと、簡単に言えば。こういう結合があるわけですね。たとえば総括というところ、これは「検体の長期連続皮膚塗布試験の結果は少数ながら検体の投与局所の良性腫瘍発生を認めた。悪性腫瘍の発生は認めなかった。今回の試験結果より検体の発癌性の有無を判定するのは困難と考える。」、こういう総括の報告になっているわけでございます。そして、なぜこうかというと、いろんな条件が、数の問題だとか、それから検体自体を塗布だけじゃなくてそれをなめたとか、いろいろなことが書かれているわけでございまして、したがって、そういうようなことから見ますと安全かどうかという確定ができないという結論なんでして、結論がそうなっておるのにこれが安全であるというふうに言い切ることには私はちょっと問題ありというふうに言わざるを得ないわけです。また、したがってそういう状況でありますから、これらについての慎重な取り扱い方あるいは発表の仕方、これはぜひひとつ環境庁としても先ほど言いましたように十分厚生省とも話をしてもらいたい、こういう注文を私は出しておきたいと思います。 同時に、これは琵琶湖に集まったいわゆる合成洗剤のシンポジウム、このときに山梨県の衛生公害研究所の、研究を続けてみえる方の発表の中に、非イオン系界面活性剤のいわゆる定量測定法というのが発表されているわけですね。それらが出てきておるわけでありますから、私はやはり何とか水道水等の水質基準の問題につきましても採用して十分にそれらが生かしていけるんじゃないのかというふうに判断をするものですからぜひ検討していただいて、たとえばその基準の中に加えればというような、これは省令改正になりますか、したがって進めてもらいたい、要は。こういうふうに注文をつけておきたいんですが、その辺は無理なのか無理でないのか、簡単に答弁をしていただいて終わりたいと思います。
○説明員(藤井正美君) ポリオキシエチレンアルキルエーテルの毒性実験につきましては愛媛大学の医学部が担当いたしております。確かにその論文の最後には発がん性の有無は判断できないと書いてございますが、この実験はポリオキシエチレンアルキルエーテルと同時にヤシ油のカリ石けん、いわゆる天然油脂の石けんとの比較対象の実験をやっております。そのいずれにも低濃度の投与において塗布をいたしました皮膚に良性の腫瘍が発生いたしております。通常、高濃度の方に出なければがんの疑いということもないわけでございますが、いずれも低濃度の方に発生している、しかも一例であるというような点からこれらについて発がん性の有無ということも正確に判断できない。また悪性腫瘍についても同じように統計的処理では非常にばらばらであるというような点から毒性の発露をその論文から見ることはできないわけでございます。しかしながら、昭和五十年に始められた実験でございますので、当時二十五匹、現在では百匹という形になっておりますので、実験者は謙虚な気持ちでこの二十五匹では発がん性の有無は言えないと言っているわけでございまして、実験がでたらめであるということを表明した文章ではないと解釈いたしております。
○説明員(田中収君) 先ほど先生がおっしゃいました山梨県立の衛生研究所の研究者の方の研究ですが、厚生省がこの方にもお願いいたしまして、水道水中におきます非イオン系界面活性剤の分析方法の検討を行っていただいているわけでございます。グループで検討いたしておりまして、近く結論が出るわけでございますが、将来の政令化等につきましても検討をまた必要に応じていたしてまいりたいと思っております。
○小平芳平君 環境庁が四十六年に発足して十年になるというわけであります。基本的な問題について坂倉理事から質問があり長官から御答弁がありましたが、私も若干基本的な問題を最初にお尋ねしたいと思います。 何といいましても環境行政がきわめて大事なときに来ている。一方では不況克服ということを長官も再三述べられたと思いますが、それにも増して環境行政の使命は重要なんだということ、それが大多数の意見であるというふうにも長官は述べられました。が、一方ではやはりまた環境庁無用論なんかあるわけですね。環境庁無用論が堂々とまかり通る、新聞にニュースとして掲載される。 〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕 そういうようなときに鯨岡長官の対処する態度、決意を初めにお聞きしたい。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 経済の重要性は何人も疑うところではない。これは疑う人がいるわけがない。それにも増してということでございますが、私はそれにも増してというふうに考えるかどうか、それならばこそなおさらというのですから、やはりそれにも増して環境問題について心配しなきゃならぬ、こういうふうに思っているんです。環境庁なんか要らないという議論があることを私は知っています。しかしまかり通っていません、まかり通るわけがない。現に、先生がそうやってそのことについて非難を込めて御質問をなさるところにまかり通らない現象がある。そんなことはまかり通るわけがないのですから。というのは、先ほどもお答えをいたしましたように、わが国の高度経済成長はある意味では国民にずいぶん物的にいろいろなものを与えました。けれどもその過程において思い出すのもいやなああいう被害があったんですから、何回でも申し上げて忘れてならないことは、それで死んだ人がいるんですから、それで一生、生きている間じゅう健康な状態にならないかもしれないような状態で苦しんでいる人がいまでもいるんですから、それを忘れてはいけないと思うのです。そういうときに、環境庁は要らないというようなことがまかり通るわけがない、こういうふうに私は思います。
○小平芳平君 私もそのとおりだと思います。 水俣病ですね、公式届けが出て満二十五年たちました。まさしくいま長官がおっしゃるように、死者四百余人、認定患者千七百人余りという水俣病の経験があります。水俣病というあってはならない公害を発生した。そこで、初めにちょっとお尋ねしますが、現在申請中の方はどのくらいいらっしゃるのですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 認定を求めている人の数ですか、……きょう資料持ってこなかったのですが、五千人以上六千人未満です。
○小平芳平君 水俣病について質問すると言ってありますから、そういうようにちゃんと資料を持ってこなきゃできないですよ。 それで、環境庁長官は、まず第一に認定申請者に対する認定業務を進めるということについて発言しておられますね。この記事では死者、それから認定患者、それから申請中の者を含めて一万人にもなろうというふうになっております。それで、環境庁長官にお尋ねしますが、第一に認定を進める方策。これはもう何年来私たちも当委員会で問題提起をし、また対策を要請しているわけですが、遅々として進まない。それで、いま長官が記者会見でおっしゃるように、大きく認定業務が進むならば画期的なことになるわけですが、むしろ現状は有機水銀の実態究明とか、治療法の確立ということを早急に進めなければならないのに、だんだんその態勢が薄れていくんじゃないかというふうにすら、要するに、水俣病がやがて戦争と同じように忘れられていくんじゃないかというようなことも心配されるわけです。ですから、認定申請に対する長官のお考え、それから第二には水俣湾の水銀ヘドロしゅんせつについて、これはどういう計画になっているかということと、それから結論として、長官は危険があれば中止勧告もするというふうになっておりますが、その辺についてお尋ねしたい。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 認定促進については、確かに当初よりも遅くなっているんです。これは申し方が悪くて先生におしかりをいただくと困っちゃうんですが、最初のころは早いです、それは。どんどん認定が進むんです。ところが、だんだんたってくると遅くなってまいりますのは、私、お医者じゃないからよくわからないんですが、病状が非常にわかりにくい。普通の病気と、たとえば中風なんかと選別しにくい状態になってまいりますのと、それから数においてちょっと不思議に思いますのは、あなたはそうじゃありませんよ、水俣病じゃありませんよと言われた人が、そんなはずはない、私が水俣病でないということはないと言って、またおしりにつきますからね。どんどん数を減らしていけばわりあいに減っていくんですが、これがまたおしりにつきますから未認定患者になっちゃいますから、それで未認定患者がなかなか減らないという、そういう理由もあります。それは、未認定にされた人の身になってみれば私はわからないわけじゃないと思います。にもかかわらず、熊本県庁それから特に熊本大学、それは一生懸命やってくれているんです。それでできないのは私どもの直轄でもやるというようなことでやっていますが、いま申し上げましたような事情でだんだん遅くなってくる。遅くなってくるというのは、判定しにくい人、そこまで来ましたかどうか、一遍もう認定した人がまた来ますからね。だから、前のようなスピードでなくなってくるということは御理解をいただきたいと思いますが、いまのところ熊本大学が本当に一生懸命やってくれていますから、これでお願いをしているというわけなんです。 それから、ヘドロの問題ですが、これは海の底へ沈んでいるんですから、それをそのままにほっておくわけにはいきませんから、枠をつくりまして、それで枠の中は仕方がない、枠の外はせめてきれいにしなきゃこれからのお魚も危ないというんで、枠の外の土をこっちへ、中へ入れるわけです。そうすると、がぼがぼひっかき回しますから、せっかく落ちついているのがまたひっかき回されるということになりますと、どの辺の海まで汚れるんだろうか、その状況によってはちょっとストップと言わざるを得ない状況があるのではないかということを私は申し上げているわけなんです。
○小平芳平君 これらは大分長年の懸案でして、長官もよく御承知のようにきのうきょう始まった問題じゃないわけですね。それから、申請も認定も熊本大学が熱心におやりになっているということが一つにはあります、ありますが、それにもかかわらず非常に不満が残っているということですね。現状はそういうふうな問題になっているということ。だから、長官は水俣へ行かれるわけですか、国会がもうすぐ終わりますが、行かれるのかどうか。それで、話し合ってうまい方法があれば考えたいみたいに発言しておられますが、それが一つです。 それから、ヘドロの方は、これはちょっと局長から計画をお聞きしたいんですが、どういう計画になっているか。一たん、しゅんせつをやると決めたわけですね。ところが、差しとめ請求の訴えが起こされたわけです。それに対して熊本地裁は、県の工事に危険は認められないという判決を出されたわけです。こういういきさつがあるわけですが、最近では工事の量が倍にもふくれ上がってきているような計画というふうに言われますが、どんな計画になっていますか。
○政府委員(小野重和君) ヘドロのしゅんせつ計画でございますけれども、期間はおおむね十年でやる、数量は百五十万立米、金額は一応二百億円ということですが、これはいま見直し中でございまして、結果がどうなるかはまだはっきりしていないようでございます。いずれにしても、県がつくる計画でございますけれども、ヘドロしゅんせつの場合に、そのヘドロが外海に出ないかどうかということ、それからもう一つは魚が逃げないかどうかと、二つありまして、そこで二重の壁といいますか、つくっているわけでございます。堤防をつくりまして、そこからはヘドロが外部に出ないようにということ、それからその外側に網をつくりまして魚が出ないようにと、こういう準備をした上でしゅんせつしているわけでございます。そしてまた、そのしゅんせつの結果、水質にどういう影響があるかということ等につきましては、委員会がありまして私どもの職員も参加しておりますけれども、そこで監視するというような手だてを講じておりまして、そういうことを、踏まえてといいますか、そういう体制でしゅんせつ事業に当たっている、こういう状況でございます。
○小平芳平君 そういうわけで長官、現地の事情を聞いていただけば、いきなり、水銀がかき回されてまた水中に浮き出すというふうな、そういうことはないと説明するわけですよ。しかし、心配があるというわけですね。ですから、そういう点も現地へ行かれて検討されるおつもりですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私は就任当時から、これは環境庁の一つの大きな問題ですから、できるだけ現地へ行って見てきたいと思っております。いまでもそのつもりに違いはありません。
○小平芳平君 ですから、いつという日程はまだ決まりませんか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) まだ日程は決まっておりません。それはいろいろ、県庁の方、それから関係方面とも十分連絡をとって、必要な時期に、出張の目的が十分達せられるような形でいきたい、こう思っております。
○小平芳平君 次に、同じく先ほどの坂倉理事の質問で、電源立地が事前評価法から脱落しているという点、これに対する環境庁長官の未熟児というような御説明があったわけですが、そのことに関係するわけですが、通産省では、五十五年十一月二十人日、「石油代替エネルギーの供給目標」という閣議決定がありますね、これについて説明していただきたいのですが、特に石炭がどのくらいふえていくかということについて説明願いたい。
○説明員(廣瀬定康君) 今後の電力需給の安定を確保するためには、原子力及び石炭火力を中心とする石油代替電源の開発が積極的に推進されねばならないということでございます。 で、お申し越しの石炭、私どもで申し上げますれば特に石炭火力につきましては、現在三十九基、五百二十六万キロワットが稼働しておりまして、建設中のもの五基、二百五十三万キロワット、さらに建設準備中のものが八基、五百八十万キロワットになってございますけれども、昭和五十六年度、今年度の当初の電力施設計画によりますれば、油火力の転換を含めました石炭の積極的な利用を図ることとしておりまして、六十年度断面で千二百五十万キロワット、六十五年度断面で二千九百五十六万キロワットということが計画されております。
○小平芳平君 そうしますと、五十六年度現在の四倍か五倍、石炭の発電がふえるわけです。それに対する公害対策は、環境庁はどうなっておりますか。
○政府委員(三浦大助君) 石油代替エネルギーの供給目標の設定によりまして、石炭転換の動きというのは恐らく一層推進されてくるのじゃないかというふうに私ども考えておるわけでございますが、仮に石油と石炭を比較してみますと、公害防止装置をつけない場合で、石油に比べまして石炭は、SOxで五倍、NOxで三倍、これは平均的な値ですが、ばいじんで二百倍というかなりの量が出てくるわけでございます。したがいましてこれは、私ども、大気保全上いろいろ問題が大きいんじゃないかということで、五十五年から調査費を計上していただきまして、現在石炭の種別の影響、それから利用形態別の影響、それから燃やした場合の大気の影響、こういうことでいま調査をしておる段階でございまして、この調査結果を踏まえながら必要に応じていろいろな措置をとっていきたいと、いま準備をしておる段階でございます。
○小平芳平君 一方では四倍から五倍に石炭火力が重点的に建設されていくわけです。ところが、他方では五十五年度から調査を始めておりますということでは、いかにも後追い行政ではないか。石炭を使う量が急激にふえていくわけです。それに対する公害問題の対策がいかにも後追いではないかと、そんな気がしませんか。
○政府委員(三浦大助君) 先生の御指摘いただいた点もございますが、私ども石炭転換の一番早いのは恐らくセメントじゃないかというふうに当初から想定しておりまして、セメント工場からまず手をつけたわけでございますが、これにつきましては、セメントは燃えがらが一緒に含まれてしまいますんで出ない。したがって、非常に使いやすいということで想定して始めておったわけですが、このところやはりセメント業界の石炭転換が一番早いようでございます。 いま後追いと申されましたけれども、最近かなり防止装置が技術革新で進歩をしてまいりまして、どの程度出るかによっていろいろな防止施設をつければ、かなりな部分を除けるんじゃないだろうかということで、個々にはいろいろ相談を受けておりますが、後追いと言われましても研究を始めたのが五十五年度でございまして、これは仕方がありませんが、何とかひとつ急ぎの部分から解明をしていきたいと、こういうことで取り組んでいるわけでございます。 〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
○小平芳平君 初め、窒素酸化物は総量規制導入ということがあるわけです。東京、神奈川、大阪は、先ほども御答弁があったように、閣議決定された。それで、閣議決定された東京、神奈川、大阪のほかにも、こういうエネルギーの転換を含めた観点から閣議決定をされたのかどうか。現状でいるんじゃないわけです。いかがですか。
○政府委員(三浦大助君) きのう政令が告示になりまして、関係都道府県知事が策定いたしますこれからの総量削減計画というのは、特定工場の使用燃料の見通し等も十分踏まえて作成されることになっておりますので、その点、私ども六十年までには何としても環境基準の達成はしなきゃならぬということで十分踏まえてやるように都道府県の方にもいろいろ相談をこれから持ちかけたいと思っております。
○小平芳平君 私の言わんとする意味も、いま局長が答弁しているわけですが、要するに、エネルギーが石炭に、電力でも石炭に変わった場合に、窒素酸化物で三倍、硫黄酸化物で五倍、ばいじんは二百倍というふうな汚染があるわけですね。そういうことに、公害対策をやらないでただ見ていれば三倍、五倍、二百倍という公害が現に発生しちゃうわけですね。ですから、そういうことを含めて対策がとられていかなくてはならないだろうということを申し上げているわけです。それで、総量規制は愛知、兵庫、福岡などはどうなります。
○政府委員(三浦大助君) 総量規制は、当初六地域を総量規制対象にする必要があるんじゃないだろうかということで、五十二年度の調査をもとに六地域を選定いたしました。東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡と、この六地域でございますが、三地域はもうすでに政令改正してございますので、あとの三地域につきましては、愛知県につきましてはかなりなテンポでNOxの改善が図られているということで、もう少し様子を見ようということになっております。それから兵庫につきましては、兵庫県が五十四年度に実施いたしました調査を見ますと、六十年度には達成可能だと、こう言っておるわけです。可能なら私ども別に総量規制をかける必要はないわけでございますが、何分その後出てきた神戸市の調査を見ますと、これは総量規制が必要だと、こう言っているわけです、現在尼崎市でもいろいろなシミュレーションをやっておりますので、もう少し県内で御検討くださいと、これは宿題を向こうに返したかっこうになっておるわけでございまして、この三地域の政令改正が終わりましたものですから、これから兵庫県の方とはいろいろ御相談をしてみようと思っておりますが、福岡につきましては、六十年には達成できるという結果が出てきております。ただ問題は、あの北九州の地域にセメント工場がたくさんございまして、六十年ごろの石炭転換によるかなりなNOx量の心配があるわけでございまして、これはもう少し補完的な調査をさしてくれと福岡の方で言っておるものですから、その調査結果など踏まえながらまた考えたいと、こういうことでございます。
○小平芳平君 次に、硫黄酸化物は石油に比べ石炭になった場合五倍になるだろうというふうに先ほど説明があったわけですが、硫黄酸化物、SO2の測定法に疑問が指摘された、この点についてはいかがでしょう。
○政府委員(三浦大助君) 硫黄酸化物測定方法の問題でございますが、濃度の非常に濃いときは余りこれは気がつかなかったのでございますけれども、だんだん少なくなってまいりますと、やはりいろいろな誤差問題が出てきた、特にアンモニアがあれば硫黄酸化物の量が低目に出てくるんじゃないか、こういう疑いが出てまいっております。したがって、私どもそういうアンモニアの影響を受けやすいようなところには蓚酸トラップをつけてなるべくその正確な値を出す必要があるんじゃないだろうか、こういうことでございまして、どの程度つけておるのか、どんな影響があるのかいま調べておる段階でございますが、ただここでむずかしいのは、マイナス影響だけでなくてプラス影響もいろいろな物質によって出てくるということでございますので、その辺もひとつプラス、マイナスの影響をしっかりつかみませんと微量になってまいりますと精度が非常に問題になりますので、あわせてその辺もいま調査をするように都道府県の方に指示をしてございます。
○小平芳平君 白書でも環境基準達成は九六・九%と報告しておりますが、新しい事態が起きてくるということを想定して進めていかなくちゃならないと思います。それで、いまの三浦局長が答えられた点ですが、根本的に測定法を考え直すというお考えはありませんか。
○政府委員(三浦大助君) 私ども現在測定法を変えるという考えは持っておりません。ただ、こういう測定問題というのは時代によってどんどん進歩してくる、もちろんこれは正確を要しなきゃいけませんので、測定値の地域代表制の問題とか測定の精度の問題、これは毎年私どもいろいろ検討をやっておるわけでございまして、いま先生の御指摘ございましたアンモニアによる誤差、こういう面も含めてなるべく今後、現在の測定方法で正確にやっていこう、こういうことで努力をしておる最中でございます。
○小平芳平君 五十六年三月二十日エネルギーと環境問題懇談会が出された「エネルギーと環境問題懇談会提言」ですね。これによりますと、そのほかに酸性雨と言うんですか、酸性の雨ですね、「酸性雨による生態系への影響の問題については、調査研究を行うことが必要である。」、調査研究の必要があるというふうに提言しておられますね。 それから、重金属——石炭にはいろいろな微量成分が含まれている、それでずっと説明がありますが、結論としては、「調査研究のテーマとすることが適切である。」というふうな指摘をしております。こういうような点はいかがでしょう。
○政府委員(三浦大助君) 酸性雨につきましては、現在までの知見と申しますか、知り得るところでは雨水の酸性化は硫酸イオンと硝酸イオン、これに関連があると考えられておるわけでございますが、この生成過程がまだ十分に解明されておらないわけでございます。もちろん生成量も含めまして解明されておりません。それで、私ども酸性雨の問題というのは、これは国際的にもかなり問題になっておることでございますので、そのメカニズムの解明のためにこれからいろいろな調査をしていこうということでいま準備を始めておる段階ですが、現在全国で余りそう問題になっているところはないんじゃないかというふうに聞いております。アメリカではかなり問題になっているようでございますが、わが国では余り問題になっていないんじゃないだろうかというふうに。ただ、非常に大きな問題ですので、いまいろいろな調査の準備を進めております。 それから、重金属問題でございますが、石炭転換が始まりますと、石炭の中にいろいろな重金属が含まれている。これも炭産地あるいは種類によってかなり差があるようでございます。これも昨年度からの調査、研究の中に非常に大きなテーマとして入れてございます。重金属ばかりでなくて、もちろん硫黄酸化物、窒素酸化物、それから弗素化合物、塩素化合物、もちろん重金属、水銀、多環芳香族、こういうものも含めてひとつ調査をしていこうということで、これは現在調査が進められておるわけでございます。
○小平芳平君 環境庁長官、いまのようにエネルギーを石炭に転換していく、通産省の目標としては六十五年を目標にして四倍、五倍の石炭転換が行われる、そういうときに、これこそ事前評価が必要じゃないですか。この事前評価に電力問題が、電源立地が入らないということは、まことにこういう点から考えても問題にならない話だというふうな感じはいたしませんか。いま局長が説明された酸性雨にしても、あるいは重金属等の問題にしてもこれから研究を始めようというような段階あるいは研究し始めたばかりというような段階でもある、こういう問題こそ早く研究をすると同時に、事前評価が必要だと思われませんか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 全くそういうふうに思います。 しかし、先ほども申し上げましたように、今度あの手続法が通らないでもそれでもアセスメントはやらないでいいというんじゃないですから、われわれも参加して厳重なアセスメントをやっていかなきゃならぬことは言うまでもない。どうせそういうことをやるんだから、先生方の御審議を経た信頼と権威あるルールをつくろう、こういうことだったので、これができなくなったことはまことに残念ですが、こういう際だからなおさらのことアセスメントは必要だという先生の御意見には全く賛成であります。
○小平芳平君 そのほか、石炭の問題としてはばいじん、それから石炭置き場の環境汚染の問題、そういうような点は何かいい方法はありますか。
○政府委員(三浦大助君) ばいじんにつきましてはいま基準がございますが、ちょっとこれはいろいろ改正しなきゃならぬ点がございます。したがいまして、ばいじんにつきましては内部でいろいろ排出基準の具体的な改善問題を協議している段階でございますが、それから石炭置き場については一応の基準はございますけれども、これらも含めていま検討をしておる、こういうことでございます。
○小平芳平君 一方ではエネルギー転換がもう待ったなしに進むわけですからね、そういつまでも検討でも困るわけですが、かといって、いい方法がなければ検討する以外にないわけですが、きわめて急がれている問題だと。これは、エネルギーは国民生活に必要欠くべからざるエネルギーであるとともに、生命と健康も、一方で守らなければならないという、それを両立していくための政治じゃないだろうかと思います。だから急いで追いつかなくちゃいけないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(三浦大助君) 何分調査が五十五年度から始まったものですから、おしかりを受けてもこれはいたし方ないと思うのですが、ただ、ばいじんにつきましては、国際的に見ましても日本のばいじんの排出基準が多少甘いんじゃないかというふうに私ども反省をしておりまして、この点は石炭問題を含めて、急いでやる必要があるということでございます。 それから、もう一つは、検討ばかりでしかられますけれども、検討の中でも、先ほど申し上げましたセメントにつきましては、これは急ぐ必要があるんじゃないかと。かなりセメントの石炭転換は進んでおります。この点は五十五年度から手をつけておりますので、ひとつ急ぎの問題からなるべく早く片づけたいという気持ちでおりますので、御理解を賜わりたいと思います。
○小平芳平君 それから灰が残りますね。これはどうでしょう。
○政府委員(小野重和君) 石炭灰の処理の問題でございますが、これは第一義的には有効利用が一番いいわけでありまして、セメントとか、あるいは土壌改良剤とか、そういうふうに有効利用するのがまず第一義ではございます。しかし、どうしても捨てざるを得ないものがありますので、これは埋め立てせざるを得ない。埋め立てをする場合には廃棄物になりますので、廃棄物の処分場の構造基準、維持管理基準が決められておりまして、これに基づいて地下水あるいは公共水域の汚染の防止を図るということでございますが、具体的には、まず外に漏れないようにするということですね、水に溶けるわけでございますから、これは特に、アルカリ性が非常に強いということで、外に出ないようにするということと、雨が降ってそれが流れ出しますから、その場合に、アルカリ性のものですから、これを中和しまして、一定の基準がございますが、その基準の水にして出す、こういうことをすることによって水質への影響がないようにする、こういう措置を講じておるところでございます。
○小平芳平君 ちょっとまだ環境庁長官にいろいろ申し上げたいことがありますが、省略しまして、五十五年度から始まったんだから検討中の課題が多いんだということ。それはやむを得ないと思うのですね。検討中ということも当然あり得るわけですが、エネルギー転換が次々と進んでいく、これも、もう悠長に構えて転換しているんじゃないですね。急いで進んでいるという、そういう実態から考えますと、五十七年度、来年度あたりは相当充実したいわゆる検討が進まないことには追いつかないじゃないか。後追い後追いになって、それで、ああもっとどうすればよかった、こうすればよかったということを繰り返す結果になりはしないか、こんなことを考えられますが、いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私は、閣議でも決まったことでございますが、まず電気の使用量から考えていくべきだと思うのです。一応決まったことですから、それを目標にしてやらなければならぬことは言うまでもないです。けれども、だれかが言っていましたが、わかりやすく言うと、電気の使用量というのは、夏のさなか、暑い日に、どこの家庭でもクーラーをどんどんたいて甲子園の野球を見ているときが一番電気を使うのだ、それまで電気がなければおさまりがつかない、こう言う。そうでしょうか。私は、そういうことが間違いだと思うんですよ。その辺の、まず使用量から考えていって、しかしながら、いま代替エネルギーを考えなければならぬことは言うまでもないのですから、それは考えたらいいですし、われわれもその心配はいたします。いたしますが、たとえばNOxで言えば昭和六十年に〇・〇六以上悪いところがあってはならないというのは、代替エネルギーがあろうがなかろうがそれは関係ないです。その後の情勢が変わったんだからあれはだめになりましたと言いわけのつくものではないのですから。人の健康と生命に関係することですから。電気だって快適な生活をするために必要なんで、電気はできましたけれども人は死んでしまいましたというんじゃしようがないですからね。そのようなつもりでわれわれはやっております。
○小平芳平君 環境庁長官のお考え、私もそういう考えを持っておりますが、私がいま申し上げていることは、研究をあるいは検討を相当力を入れて進めなくちゃいけない、それこそ重点的に進めなくちゃいけない。今年度においてもまだ大分期間が残っておりますが、今年度においても、来年度においても、なおさら重点的に研究を進める必要があるではないか、こういうことを申し上げたわけです。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 役所の言葉では検討と言いますと、私も、議員の時代には検討ばかりしてと思いました。前向きに検討と言うんですからね。しかし、これは猶予を許さない問題ですから、どうぞ従来のこの言葉の使い方は御容赦いただくとして、文字どおり前向きに検討して、そういう悔いを残さないようにいたします。
○小平芳平君 検討していただくんですが、充実しなくちゃいけないということをさっきから申し上げているわけです。もういいですけれども、まだ、五十六年度は相当残っております。それから五十七年度においては、なおさら充実していく必要があるではないかということを申し上げたわけです。 それから、次にもう一点別の問題ですが、空きかんですね。空きかん追放ということについては前回の委員会でも環境庁長官の御意見をお聞きしたわけですが、熱意を持って取り組まれるということもよくわかるわけですが、このアメリカ・オレゴン州の条例制定十年という記事ですね。「空きかんに勝った」という。これは、すべての飲料に通常五セントの料金を上乗せするというわけですね。そして、回収をしてお金は返すということですが、いろいろ説明が書いてありまして、結論はそういうことですが、この空きかんの問題もやればできるということ、東京の町でもころころしているような空きかんがたくさんありますが、そういうものはなくそうとすればできるんだということ。観光地でも、観光地だから空きかんがころころしているのはやむを得ないというのじゃなくて、それはなくすことができるんだということでしょうが、いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) すぐそこに永田町小学校という学校があるんですが、きょうお昼に、ちょうどこの委員会に来る直前でしたが、永田町小学校の先生がこんな大きな子供の作品を持って私の部屋を訪ねてくれた。それは空きかん、ごみをその辺に投げるなという子供たちのポスターといいますか、作品なんです。それを持って私のところへ訪ねてくれましたので、私の部屋の前にそれを飾っておきましたからおついでの節に先生方に見ていただけたらありがたいと思いますが、デポジット方式についてはわれわれもずいぶん研究したんです。しかし、まず第一にジュースの入っているかんを買ってきて、これをどこかへ持っていって飲んで捨てる、それはこの人が悪いんであって、これをつくった人やこれを売った人が悪いんだというふうに直接持っていく気持ちに私はいまのところ実はなっていないんですよ。そこで、しかしながらあのデポジット方式というのをやるという場合には、オレゴン州なんというのはまだ私行ったことはありませんが、よほどせいせいとしたお店なんでしょうが、東京あたりの小さな店で空きかんをどんどん持ってこられたら、どこのところへ積んでおいたらいいかわからないです。それも困るでしょう。それから、単一メーカーならいいんですが、いろいろなメーカーを持ってきますと、どこのメーカーも共通して同じ値段で引き取ってくれることになっていればいいんですが、これがそういうふうにうまくいっていない場合にはちょっとうまくいかない。これはまあやらせればできるでしょうが。そこで、私の決意、覚悟は、ずっと先生方の御心配をいただいてやってまいりました。ことしの夏にかけてみようと思う。一月に空きかん問題の各省の連絡協議会をつくりました。そこを通じて。空きかんとビニール、あのビニールというのは腐らないですから、安いかもしれませんが、後の始末まで考えると高いものについてしまう。それがそこらじゅうに散らばるということで、いまの永田町小学校みたいなああいう運動がそこらじゅうに起こっていますから、子供までそうやっているんですから、私は、何かの成果が上がることを期待します。しかし、もしそれでことしの夏が終わったときに、この夏の行楽期間にやはり去年と同じだったということになれば、メーカーの責任でないなどとのんきなことは言ってられませんから、そのときは思い切ったことを考えなきゃならぬと、こういうふうに決意をしておるわけでございます。
○小平芳平君 メーカーの責任ではない、あるいは小売店の責任ではないと言われますが、その割り切れない気持ちは子供の責任じゃないわけですね。小学校の子供がそういう絵をかいて持ってきた、その子たちが、あるいは子供たちによく町内の空きかんを拾って歩かせるとか、ボランティアの人が町内のごみやビニール、空きかんを拾って歩くとか、そういう人たちの責任じゃないんですね。そういうことを心がけて、自分から積極的にきれいにしようという行動をとる人たち、そういう人たちの責任じゃないわけですがね。それよりもまだメーカーの方が責任があると言えばあると言えるんじゃなかろうかということで、そういう点が割り切れない思いがします。これはモラルの問題である、自覚が必要だということはもちろんですが、ことしの夏にかけるという、どういうふうにおやりになるか、私たちもできるだけのことをやってみましょうし、環境庁もまたこの先頭に立ってやっていただきたいと思うのですが。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) どういうことをやってことしの夏に対処するかということでございますが、先ほど申し上げましたように、「空カン問題連絡協議会」は各省庁まざっておりますから、もう数回にわたって会議を開きまして一応の合意点にも達しております。それでやはりモラルの問題がいま重点だと。ボランティアの人たちの責任じゃないことは言うまでもないんです。各人がそれを片づければいいんですが、このままの状態でいけば、モラルの問題でございますなんて片づけられなくなってまいります。やむを得ず、業者の方々にもそれ相応の責任を持ってもらわなきゃならぬ、ビニールでも、売れればいいというものじゃないんですから。そこで、具体的には各都道府県、それから学校の夏休みの前に、いろいろ子供を通じて親の方にも話をしてもらう。労働組合等にもお話をして運動してもらう。それからことしの夏に富士山の山開きのときに富士山へ行きまして、山梨県庁と一緒になってあすこで空きかん問題についての、山を汚さないために運動を私もまじってやってこようと、こう思っているわけです。まあいろいろなことを、いままで決まりました一つ一つを言えばささいなことですが、そのささいなことが寄り集まってこの夏にどれだけの成果が上がるか、それを見たい、こう思っておるわけでございます。
○小平芳平君 それで、成果が上がらなかったら製造者に責任をとらせるということになりますか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 申し上げましたように、いまの段階で私は製造者に直接の責任があるとは考えにくいんですが、もうそうなったらそう言っていられないですよ、そのときには製造者にある種の責任を持ってもらうような制度をあるいは先生方にお諮りをして御審議をいただくというようなことになるかもしれない、こう考えておるわけでございます。
○小平芳平君 終わります。
○沓脱タケ子君 環境白書では、生産、流通、消費の動脈流の部分にのみ力が注がれ、そこから排出される、廃棄されるものを処理する静脈流の部分が一体として管理されてこなかった、この誤りをこれ以上放置してはならないという部分がありますが、そういうふうな評価をされておるわけですが、しかしこの数年来、特にこの一年見ておりましても、環境行政の後退ないしは停滞というのはきわめて顕著でございます。こういう中では、きょうもずっと長官の御決意や熱意を伺っておりますけれども、これはやはり今日の状況では大変空疎に聞こえる。それで、むしろ森下議員のように、環境庁スクラップだという意見の方が真迫力が出てくるというふうな状態というのが率直な感情なんですね。それはなぜかと言えば、私は環境庁がこの十年の反省の総括の中で、それでは環境行政が停滞あるいは後退をしてきている原因は何か、させてきている原因は何かということを国民の前に明らかにするということを大胆におやりにならないと、これは長官のお答えがりっぱでありながら、お聞きしていると大変空疎になるという結果にならざるを得ないと思うのですが、やはり環境庁の役所の性格からいたしましてもその辺ははっきりした方がいいんじゃないか。私どもは、その面で停滞あるいは後退をさせる力というものについて常に追及の手を緩めていないわけですけれども、環境庁としてもその立場というものを鮮明にしなければならない段階に来ているんではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 厳しい御指摘ですが、私は後退していると思わない、また停滞しているとも必ずしも思わないです。それは二つの理由があると思います。 一つは、後退も停滞もしていないですが、経済問題の方がぐうっと力がついてきましたから、力がついてきたというのはおかしいですが、不景気対策ということでぐうっとなってまいりましたから、相対的にこっちの影が薄くなってきたと、これは言えると思います。先ほどから坂倉先生なんかの御質問に対してお答えをしたとおりであります。 それから、もう一つの理由は、先生方の御審議をいただいて一応のことができた、だから、これがよその国からも評価されて、日本は驚くべき公害は起こしたけども、よくまああれを一応とめたねと、そこまでは評価されているんです。一応そういうものは終わってもまだやらなきゃならぬことがありますけれども、これからは、むしろ快適な方面へ持っていこうなんていう、前よりはじみな方向に移ってきたというこの二つの理由で、いまのような厳しい御指摘をいただくんだと思いますが、いかがでございましょうか。
○沓脱タケ子君 私は時間が大変少ないから、総論でやりとりできませんけれども、長官が、今日の環境行政のこの数年、特にこの一年後退ないし停滞と感じていらっしゃらないということ、この認識の違いというのはやはり決定的だと思うのですね。それに関連をいたしまして具体的に質問をいたします。 ようやく昨二日付で総量規制が東京、大阪、神奈川に公布されました。NOxの総量規制というのは、鉄鋼や電力、石油化学などの大企業から猛烈な反対運動があった。与党である自民党の政調会の環境部会が、この大企業の総量規制つぶしと言うんですか、あるいは総量規制の封じ込め作戦、これに加担をして、政令改正の時期を現実に二カ月おくらせてきて、やっと導入したというのが今日の姿ですね。こういう背景には何があるかということは、すでに報道もされておりますから、御承知のとおりですけれども、たとえば鉄鋼連盟などが工場などの固定発生源での大気汚染浄化のために努力を払ってきたので、もうNOxの低減対策は技術的、経済的に限界だと、あるいは固定発生源の寄与率は自動車に比べて小さいだとか、あるいは無意味なNOxの総量規制の導入は国家的損害を招く、外国と比べても厳しすぎるなどという猛烈な反対運動の中で、自民党の環境部会はもちろん、幹事長など党三役に経済四団体の首脳が陳情するというふうな念の入ったやり方をしたということは、これは報道によって国民がみんな知っているわけです。 そこで、私はこれに関連をしてお伺いをしたいんですが、きのうづけで公布されたNOxの総量規制対象地域を見ますと、先ほどからもすでに御質疑が出ておりますように、東京、神奈川、大阪の三府県だけで愛知、兵庫、福岡の三県が落ちたと。詳しく聞こうとはちょっと思ってないんですが、たとえば愛知が落ちた理由は一体何なのかということですよね、先ほどからの御説明でもあったけれども、東京や神奈川、大阪と比べたら汚染度がまだ低いんだと、確かに数字はそうです。そういうことなんですね。ちょっと愛知のことだけ聞いておきましょう。
○政府委員(三浦大助君) 今回、愛知を落としたんではなくて保留にいたしました。その理由と申しますのは、かなりなテンポで、私どもが想像した以上のテンポでNOxの改善が図られている。それからもう一つは、他の三地域に比べて非常に汚染度が低いと、こういうことで、どうもこの分なら六十年度達成可能かなということで、じゃことしもう一年ひとつ様子を見てみようじゃないかということで保留にしたわけでございます。
○沓脱タケ子君 それはそういうふうにおっしゃると思うのですよ。しかし、愛知では新日鐵や鉄鋼業界が、公害患者団体などの、NOxを公害健康被害補償法の地域指定要件に加えよという運動に対して、こう言っているんですね。NOxの総量規制地域に指定されると、公害健康被害補償制度の今後に少なからず影響を及ぼし、解決の遅延をさせるばかりでなくて、将来に大きな問題を残すことになりかねないということを非常に強く言っているわけですね。この愛知では固定発生源のNOxの排出総量の約五割は電力でしょう、鉄鋼が三割ですね。一番責任の重い鉄鋼や電力が猛烈に反対をしてきているわけです。しかし環境庁は、こういう状態を押さえて、愛知も総量規制地域にして、六十年度までに本当に道路の沿線でもどこでも全部達成できるようにするためには総量規制をかけなければならないというのが、やはり客観的な状況だと思うのですけれども、環境庁どうですか。
○政府委員(三浦大助君) 私ども六十年に〇・〇六ppmを達成できればいいわけでございまして、もし達成できるのなら総量規制をかける必要はないわけでございます。愛知につきましては、当初必要かなと思っていろいろ検討しておったんですが、どうも濃度が低い、先ほど申し上げましたような理由がありまして、それじゃもう少し様子を見ようと、こういうことでございまして、やらないと言っているわけじゃございません、様子を見ようと言っているわけでございます。
○沓脱タケ子君 やらないと言ってないんで、様子を見ようと言うのだったら、できるだけ早くやって、心配のないようにするべきだと思うのですね。 それからもう一つは、たとえば東京、大阪、神奈川を対象地域にして、これでいいのかなと思うんですよ。何でかといいますと、たとえば大阪に隣接する尼崎というのは兵庫県の中では非常に高濃度汚染地域ですよ。これが、規制に兵庫県が入らなかったから尼崎は外れた。ところが実質的には尼崎には電力や鉄鋼が集中しているのは御承知のとおり。現にその公害の三〇%以上が大阪に流れて、もらい公害になっているというのもこれももう明らかですよ。実証済みですわ。大阪を規制して、もらい公害で流れてくる尼崎を含む兵庫県に規制の網をかけなかったら、これは話にならぬと思うのです。大阪の方はたまったものじゃないですよ、実際には。もらい公害でちゃんと来ているんですから、これは実証済みですよ。だからどうしても最小限、兵庫県全体をかけるのを見合わせるというんなら、尼崎の臨海部、それから国道幹線ですね、四十二号線、二号線、新しくできました阪神高速大阪西宮線、こういうところの汚染を抑えるためにも兵庫県を規制対象地域にするのは不可欠じゃないかと思うのですが、これはどうですか。長官、こんな中途半端なことをやられたらたまらぬですよ。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほどからるる申し上げましたような事情で、東京と大阪と神奈川だけに決めたわけです。それで、その他の問題はいま局長が言うようにやらないというんでなしに、愛知のごときは保留をしておくと、こういうことですが、御理解をいただきたいのは、どうやろうと、指定しようが指定しなかろうが、どんな事情があろうがなかろうが、昭和六十年に〇・〇六以上悪いところがあった場合には、これはわれわれが中心となって、その関係する地方自治体も含めて、国会の先生方を通じて国民に約束したことの違反ですから、われわれはその責任を免れることができない。これは覚悟していることですから、どうぞその辺でやり方はしばらくの間お任せ願いたいと思いますが、いかがでございましょう。
○沓脱タケ子君 いや、長官にいかがでございましょうと言われたら困るんで、私は大阪だから、もらい公害のある尼崎の隣接地域に住んでいるからよくわかるので、たとえば、ぐあいが悪いじゃないかという問題が出てくるので申し上げているんですが、そういうことを御勘案の上、総量規制の対象地域等についても、これは神戸市は比較的ましだからというようなことでは事が済まないですよということを特別に申し上げておきたいと思うんですね。 NOxの総量規制というのは、現在の環境基準の上限値〇・〇六ppmとリンクしているわけですから、長官のおっしゃるようにどんなことがあってもこれが達成に全力を挙げてもらうというのは当然のことですね、もともとこの〇・〇六ppmという上限値、これはどうして環境基準値になったかということを私はちょっとそういう三年前を思い起こしてみますと、〇・〇六を達成しても決して十分じゃないというふうに思っているわけです。そのことについてもっと削減をしていく必要があると思うのですけれども、一般的に言いまして〇・〇六をもっと引き下げなければならないというふうに思っておられるのかどうか、これはいかがですか、局長。
○政府委員(三浦大助君) 環境基準の〇・〇六ppmにつきましては、これはもう五十三年に中公審の答申をいただきまして、百六十八編に及ぶ文献、それからたくさんの先生方のいろんな御意見を伺って化学的な根拠に基づいて決めた基準でございますので、これは私どもも正しい基準であるというふうに信じております。
○沓脱タケ子君 五十二年の七月にNOxの環境基準の大幅緩和をしたときには、これは大企業や通産省の圧力で〇・〇六ppmが入ったということはその後の経過で天下周知でしょう。たとえば、そのことの実証の一つになるかと思いますが、三年前に環境基準の改定に当たって環境庁が部内資料としてつくっている想定問答集にこう書いてある。「最終目標〇・〇四ppm」日平均です。「中間目標〇・〇六ppmを主張していた環境庁と〇・〇六ppm一本を主張していた通産省とで合意しえる案は、幅をもたせる以外にはなかった。」これはおたくの内部資料です。こういうふうに述べられているわけですね。また、あの環境基準緩和のときの中心人物であった当時の大気保全局長の橋本道夫、現在筑波大学教授ですね、環境庁が協力編集をしておられますこの「かんきょう」という本のことしの三月号です。これの「環境政策論」の九回目でこのときのことを言っているんですよ。これの七十七ページを言っておきます、念のために。「行政ペースの折衝にあたって通産省は、産業界が当時要望していたアメリカ並みの〇・〇五ppm」年平均です。「を要求して譲らなかった。これは日平均値としては〇・一〇ppmに当る。しばらくして通産省は、日平均値〇・〇八ppmまでさがり、さらに決定間近の時は幅の上限の日平均値〇・〇六ppmまで歩みよった。最後に環境庁長官の決断で〇・〇四ppmから〇・〇六ppmという幅をとることが決められたので、止むなく最終的に幅のある基準条件に落付く結果となった。」当時のいきさつをその中心人物がこういうふうにお述べになっているわけです。これが五十二年七月の環境基準緩和の真相なんです。 長官ね、これは後退ですよ。〇・〇二が〇・〇四ないし六まで下がったんだから、明らかに後退なんです。だから、認識の問題でひどく違いがあるということを申し上げたのは、こういう具体的に言っているわけですね。これが〇・〇六の状況ですが、〇・〇六ppmを当面ねらうけれども将来もっと規制を強めなければならないということを私がさきに申し上げた理由というのはここにあるわけです。こういう政治的な圧力によって数値が動かされたという事実があるから言っているわけですが、長官いかがお考えですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) それは私が大臣になる前のことは知らぬというわけじゃありません。もちろんありませんけれども、私が大臣になったときには〇・〇四から〇・〇六という、かつては〇・〇二だったけれども、そういう幅を持たせての話だった。私は初め、どういうわけで幅があるのかなと、〇・〇六ならば〇・〇六でいいじゃないか、〇・〇四なら〇・〇四でいいじゃないか、こう思いましたよ、それで、だんだん調べてみたんですが、われわれは何でもその数値は恣意に決めるわけにはいきません、特に私みたいな素人の者が長官なんですから、中公審のような専門の先生方にそこで御調査をいただくわけです。そこのお答えがそういうふうにいただいた以上は、それでやっていくしかない。しかし、どうして幅があるのだろう、それは〇・〇四が一番望ましいが〇・〇六より悪いところがあっちゃいかぬ、こういうことだと私は認識して、その方針で努力しているわけでございます。
○沓脱タケ子君 それは現実に告示されておるわけですから現在は基準になっているんだけれども、長官の御在籍のときではなかったので、私は決定のいきさつがこういうことであったということを申し上げている。長官、今日、総量規制の場合だって鉄鋼や電力からいろいろと圧力がかかるというのは、ずっと一貫してかかっているんだ、そのことが環境行政の後退や停滞を起こしているんだという実態を、事実をやはり環境庁として国民の前に明らかにするという態度を示しませんと、どんなにやるんややるんや言われても空疎にしか聞こえないんだということを申し上げているゆえんはここなんですよ。だからそういうふうに申し上げているわけです。 そこで、この三年前のことを思い起こしてみますけれども、特に私はこの〇・〇六ppmが生体に及ぼす医学的知見という問題は非常に重要だと思っているわけです。三年前のときには、あの判定条件の専門委員会の委員長だった鈴木武夫先生が、動物実験ではっきり形態学的な変化あるいは生化学的な変化や影響が出るというのは、NO2の最低濃度では〇・五ppm四時間暴露——いろいろあるんですが、むずかしいことはもう抜きまして、変化が起こる最低限というのは〇・一二ppm三十五日間連続暴露のデータがあるという説明をされていたんですね、これは専門委員会で。局長もだからそのときは現職じゃないから知らぬ言うたら知らぬのですわ。これは事実なんです。当時鈴木武夫委員長は、〇・一二ppmというのが安全係数を掛けると日平均〇・〇二ppmになるのだということを御説明になっていたわけですね。ですから、いずれにしても三年前には〇・一二ppmというのが人体影響を及ぼす動物実験で形態学的なあるいは生化学的な変化を起こす最低限だということを言っておられたわけでございます。ところが、私、やはりいまは大分研究が進んだなと思って感心しているんですが、環境庁の国立公害研究所の五十四年度特別研究報告というのを拝見いたしましたが、これによりますと、〇・〇四ppmまで下がっても動物実験を行うと九ヵ月ないし十八カ月ないし二十七カ月という長期間の暴露をいたしますと、ラットで形態学的な変化あるいは生化学的な変化が見られるという研究報告が出てきているんです。これは環境庁としてはどういう評価をしておられますか。
○政府委員(三浦大助君) ちょっと先生お医者さんですから少し専門的な言葉を使って恐縮ですが、一つは長期暴露実験にかかわる研究が八課題そこに載っておるわけでございます。これで〇・〇四ppmで何らかの影響が見られたものということになっておりますが、一つは病理形態学変化で、簡単に申し上げますと結論で通常の形態学的検索の範囲では〇・〇四ppmでは対照群と比較して全期間を通じて差異を確定し得ないと書いてございます。それからもう一つは、肺胞壁厚、肺胞壁の厚さでは〇・〇四ppmで軽度ではございますけれども十八ヵ月以降増加傾向がある、こういうのがございます。それからもう一つは、血液の性状の検査のところでその結果だけ申し上げますが、血球成分七項目、血清成分十二項目、それから動脈血PHとガス分圧、これを測定しておりまして、このうち血清中グルコースが一、二回目とも九カ月において〇・〇四ppm以上で有意な増加を示したと、こう書いてございます、ただ私どもこれを見ましてちょっと初めびっくりしたんですが、よく読んでみますとたとえばグルコースがふえた減ったということが一つの現象を追っただけで、何でそうなったか、ネズミではこう出たけれどもやはりほかの動物でも実験してみる必要がある。そこでいろいろな問題点が出てまいりまして、一つは、動物実験の結果というのが、現象論、つまり血液の中の成分がどうなったという程度でとどまっているものが多くてその作用機序が明確に示してございません、それからまた、観察された現象が生態異常、病変と、要するに病気とどうつながっているんだと、肺胞壁の厚さはふえたけれどもそれは一体病気なのか、この辺のつながりが明らかでありませんし、ネズミでやれば当然ほかの動物で再現するのはこれはあたりまえの話でございます。そういう意味で知見が乏しいということと、それから、一般に使用した動物数が非常に少のうございまして、これは非常に残念なことでございますが、少したくさんでやってくれと頼んであります。特に最長期間の二十七カ月の暴露実験、これでございますが、これは考えてみればもうネズミでも、人間で言えはよぼよぼの年齢でございまして、その辺もう少しこれは現象を追っただけでなくて考察が欲しいなということで、まだもう少し続けていただこうというふうに考えておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 私はちょっとこのデータを拝見して驚いたんですよ。というのは、三年前には〇・一二ppmでしか、そういう動物実験でも変化が認められなかったという状況でしか実験はなかったんですね。三年間に特に国立公害研究所で非常に御熱意を持って研究をされて四ppm、〇・四ppmそれから〇・〇四ppmという三段階で実験をされて、そしていまあなたがおっしゃった〇・四までは変化があったけれども、〇・〇四では変化がなかったという記述ではなしに、同じように軽微ではあるけれども変化があらわれているということを血液の面でもそうだし、それから形態学の面でもそうだということの結論が出ているわけです。私、学術集団会ではないので細かい論文の内容は申し上げませんけれども、あなたは大分おっしゃったから申しませんけれども、そういうふうに書かれている。しかも、たとえば血液の変化も有意な変化だということを統計学的にも明確にしておられるわけですね。これは私はラットの動物実験がいきなり人間と一緒だというふうな短絡的なことは申しませんけれども、そういう変化が出たということであれば、しかも、この研究報告は中間報告だ、最終報告ではないということを断っておられますね。しかし、そういうことでいままでは〇・一二ppmまでしか——動物実験の変化の出る最低値だと言われていたのが、〇・〇四ppmまで変化が出るということの実証が一つは出てきたという点でこれは非常に重要な論文だと思うわけですよ。これは長官、細かい中身は別といたしまして結論としてそういうことなんです。だから、中間報告だからもっと最終的にきちんと考察をしたいということになっているわけですよね。こういう重要なものが出てくるということは私はさすが国立公害研究所だなあと思って感心しているのですが、こういう重要な研究成果を踏まえますと〇・〇六ぐらいは達成してあたりまえで、〇・〇四でも生物に変化が、長期暴露にさらされますと、それは三時間や五時間じゃないですね、長期暴露にさらされると変化が起こるという可能性が動物実験で明らかになったということはきわめて重要だと思うのです。だから、〇・〇六ppm上限値を達成すると同時に、さらにこれは改善をしていくということがきわめて大事ではないかということを示唆していると思いますので、この研究成果を特別に取り上げてみたわけでございますが、長官、これはやはり国民共通の財産、共有の財産である環境を守っていくという立場から見ますと、今日の科学の水準、この水準できわめ得る状況というものをはっきりと把握しながら被害者の救済にも、二度と被害を起こさないためにも環境基準というのはきちんと決めていくべきだと思うのですが、こういうりっぱな成果が環境庁のおひざ元で出てきているという点に着目をされて環境基準を改善していく、こういう成果を踏まえながらという点を、お考えになるべきだと思いますが、長官いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほども申し上げましたように、私どもはあらゆる問題、数値であらわさなきゃならぬ、しかも、その数値であらわすことによって関係方面に規制をするというような場合にはわれわれの恣意でできることではありません。これは権威ある研究機関にゆだねて御研究を願うのですが、私どもの公害研究所もそのために常時研究をしているのですから、その成果はもちろんその方面に申し上げてだんだんと考えていくということは常に忘れてならないものだと、こう思っております。
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので最後にお聞きをしておきたいのは、御承知のように健康保険が三年四カ月ぶりに診療報酬の改定をやられました。公害医療の分野でもこれは同じなんですね。そこで特掲料金等を含めまして改定の必要があろうと思うのですけれども、いつおやりになりますか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) これはいまそれこそ検討していることでございまして、きわめて速やかにやらないと、各方面に関係のあることでございますから、速やかにそれは実施したいと、こう考えております。
○中村鋭一君 六月五日から環境週間が始まりますね。これはいつから、どんな趣旨でおやりになっているのか。これまで具体的な成果をどのように上げてこられたのか。 それから、特に今回の環境週間のメーンテーマといいますか、ねらいといいますか、これまでの環境週間とキャラクタリスティックに違った点があればお教えをお願いいたします。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 詳細のスケジュール等については局長から答えさせますが、今回は、特に変わったところといいますと、地球的規模の問題を取り上げて、例の二十九日目の恐怖ですか、あの著者などを、ブラウンさんというんですが、それからもう一人外国の専門家を呼んで、そういう人たちを交えてシンポジウムを開いたり、それから、この機会ですから各報道機関にもお願いをして、テレビやラジオを通じて国民の多くの層に、地球というものに対して認識を深めていただこうと、こういうような計画があります。詳細は局長から。
○政府委員(石川丘君) お答えいたします。 御案内のとおり、一九七二年の国連人間環境会議を記念いたしまして、世界各国で毎年六月五日を世界環境デーといたしておるわけでございまして、この間に各国とも環境問題に関する普及啓発の行事を行っているわけでございます。わが国でも六月五日を初日といたしまして一週間を環境週間として、記念講演会、それから、壁新聞等の作品の募集、地域の美化運動、公害監視施設の公開といったようなことを環境庁が中心になりまして実施をいたしておりまして、協力機関としましては、地方公共団体、民間の諸団体ということになっておるわけでございます。 本年も例年どおりいろいろなこの種の行事を行うわけでございますが、本年は先ほど長官からお話がございましたように、環境庁が発足しましてちょうど十年に当たりますために、それを記念しまして記念講演会、先ほど申し上げましたように、国際シンポジウムを企画いたしておりまして、東京、大阪において実施をいたすことといたしております。このほか、十年を記念しまして、地域の環境保全に功労のあった方、あるいは地域の美化に功績のあった方を表彰いたすことといたしておるわけでございます。
○中村鋭一君 これまでやっただけの値打ちはあったんですか。成果は上がっておりましたですか。
○政府委員(石川丘君) お答えいたします。 啓発行事でございますので、数字的に顕著な効果が出たかどうか明らかにすることはできませんが、著名な方の講演会等を通じまして広く一般の方々に環境問題の重要性を呼びかけておりますので、視聴者の方も多うございますので、かなりの効果を上げているのではないかと、かように理解をいたしております。
○中村鋭一君 「よりよい環境を求めて 環境週間」「空カンはくずかごに捨てるか、家まで持ち帰るようにしましょう。カラオケ騒音や自動車のカラふかし騒音などの近隣騒音は、私たちのちょっとした心づかいで防ぐことができます。」これは政府広報ですね。こういった具体的な呼びかけというのは、私、大変結構だと思うのですよ。ですからこれからも手を緩めず、その環境週間だけじゃなくて、不断にこういったPRはやっていただきたいと思います。特に、かけ声だけでやっていれば、かけ声だけで終わってしまうわけでして、ちょうど環境庁十周年にもなるところでございますし、先ほども私、元長官の大石先生とお会いしていたんですけれども、大石先生も非常に現在の環境行政について御心配になっていらっしゃいます。ひとつ実あらしめるような環境週間であることをお願いしておきたいと思います。 さて、発表されました環境白書によりますと、いわゆる環境汚染の一時的深刻な危機は脱した、これは経済の低成長ということとも相まって、全般的に改善傾向にあるのは結構だとこう指摘する、また一方では、公害の発生源が多様化している、だから安心はできないというふうにおっしゃっているわけですね。鯨岡長官は先般、異例の環境行政への対応を御心配なさる声明を発表なさいましたですね。あるいは先日の声明はこれは環境庁内向けの職員の士気を高めるためもあったと思いますけれども、国民の皆さんに対して現在の環境行政全般に対する——先ほどから本委員会でも各委員が指摘をされておられましたが、この公害特別委員会に委員として所属をしておいての森下委員、私は同じ選挙区で大先輩でございますけれども、あえて非常な不快の念を表明しておきたいと思います。そういう環境庁がもうスクラップになってもいいんだと、行政改革というものはスクラップ・アンド・ビルドだと、それを国土庁だとか沖縄とか北海道開発庁とかいうものと同日に論じて、百年後のわれわれの子孫にすばらしい環境を残しておくために環境庁があり、現に環境庁長官がここでやっておられることの評価はいまされるんじゃなくて、百年後にされるわけなんですよ。そういうことをおっしゃるのは本当に私は残念だと思うのですね。だからそういうことに対する反論も含めて、本委員会で改めて長官の深い憂慮と今後に対する長官の決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) この間出した私の文書は、申されたとおり環境庁の職員が、そんなことはないと思いますけれども、もしこの世の中の風潮に押されて挫折感を感ずるようなことがあっては大変と。これは何が大変かと言えば、いま先生言われたように、われわれの時代でなしに、われわれの子孫の時代に大変とこう考えまして、こういう際にはなおさらのこと、力んでこの流れに反抗してわれわれがしっかりやらなきゃならぬと、こういうことを言うたことでございまして、決して外へ申し上げようとしたわけではありません。しかし、外では何も言ってないかというと、このごろ環境週間も近づいてきたということと、それから環境庁十周年ということもありまして、テレビジョンとかラジオとかへ出る機会も相当多うございますから、そういう際にも私はこの問題について声を大にして少しわかりやすく言おうとするために、多少どぎついと言って御注意をいただくぐらいこの問題についてやっているわけでございます。
○中村鋭一君 御奮聞くださいますように。私も本委員会の委員の一人としてたまたまマスコミを通じて世論に訴える手段も持っておりますから、その長官の御決意を有権者の皆さん、国民の皆さんに一人でも多く理解をしていただくためにも、私も努力をしてまいりたいとこう思います。 五十二年以来快適な環境の確保ないし創造という主張をしていらっしゃるわけでございますけれども、環境白書にもこのような趣旨のことは記載されておりましたですが、この快適な環境の確保ないし創造をこの数年来施策に掲げておられます。その趣旨、理由をお教え願います。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) それは一面において非常な効果があったことですから、以下申し上げるようなことは誤解を招くおそれがあるかと思いますが、私はまた別の一面から言うと何か取り返しのつかない失敗をしてしまったような感じが政治家としてなされてなりません。それは高度成長で物質的には豊かになりましたけれども、ある一面では非常に貧しくなってきた。何か物だけあればというつもりでやってきた傾向がないかというと、十分に反省してしかるべき点があろうと思うわけでございます。そこで、快適な環境というのは物ではないんだということを何かにつけて、ある場合には消極的に、ある場合には具体的に環境庁は国民の皆様に理解していただこうと、こういうことでやってまいりました。具体的にといいますのは、ちょっとした工夫でたとえばどぶ川みたいなものが、きれいな気持ちのいい散歩道にもなるというようなことは方々に事例があります。そして、それはそこの地方自治体の首長さんの御判断によってだけでもずいぶんいろいろないい成果があります。そういう点を環境庁は見逃さずに、それを慫慂する一方、また具体的なものが成功した場合には、その紹介を方々にして、そして快適な生活環境といいますか、アメニティーの宣伝普及、そういうことに努力をしているわけでございます。
○中村鋭一君 一九七六年にOECDが、日本は公害対策には目覚ましい成果を得たが、環境全体から見た快適性、アメニティーの追求には積極性に欠けている、こう指摘した。これが契機になっているとも伺いました。単純にこういった国際機関の指摘に追随をしただけとは思いませんけれども、環境庁はこの指摘をどのように受けとめられてきたんでしょうか。
○政府委員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。 快適環境づくりという問題が政策の目標としての意図に上りましたのは、ただいま大臣から御答弁を申し上げたような経過でございます。御指摘のように、OECDの一九七六年、七七年の日本の環境政策のレビューの中で指摘をちょうだいしているのは事実でございますが、私どもとしましてはむしろこのOECDの指摘の前に、すでに、急速な都市化が進展する中で、われわれに身近な自然であるとか、文化的な歴史的な環境の保全とか、こういうものを人々が非常に求めているということを政策担当者としまして十分感知をいたしまして、それに即してこれを環境行政の中にひとつ位置づけなければならないというふうに考えまして、公害の危機的な状況を克服する努力と並んでいまのような問題を庁内でいろいろ検討してきたわけでございます。その後、快適環境の懇談会であるとか、あるいは学者に対するいろいろな依頼であるとか、基礎的な調査であるとか、そういうものを積み重ねまして、昨年大阪におきましてそれらの成果をもってシンポジウムを開催し、そしてどこに問題点があるのか、どこにこの問題を進めるポイントがあるのかというふうなことにつきまして、学識経験者であるとか行政の実務家であるとか、あるいはマスコミの方々であるとか、そういう関係者多数の情報の交換等を行ってこの問題を推進しようと、こういうふうに進めてきたわけでございます。
○中村鋭一君 当然ですけれども、決してこれまでおやりになってきた公害行政、公害との取り組みがこれで終えんしたから、だからアメニティ一だというわけではないわけですね。確認をしておきます。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 言うまでもなく、まだまだやらなきゃならない。アメニティー以外にあります。人から幾らほめられてもその気になって喜んでいるわけではない。まだ、先ほど申し上げましたように病気で苦しんでいる人もいるんですし、いつ何ときそういうことが起こるかもわかりませんから、決して油断はしておりません、
○中村鋭一君 その上で重ねてお伺いいたしますが、ことしの環境白書で東京の江戸川区を流れでおります古川、写真を私も拝見しましたけれども、びっくりしました。本当にきれいになって、子供たちが楽しそうに遊んでおりますね。それから長官、たとえば東京都内でもホタルが楽しめるようなそういう楽しい場所をつくったいということを記者会見でもおっしゃっておりましたですね。九州柳川のクリークをきれいにしょう、大阪の阿倍野のジグザグ道路、こういった事例がカラー写真入りで環境白書に紹介されておりますね。特に古川については外国まで紹介をされたんですが、どうでしょうか、快適環境をつくり上げていく上で意義はあるとは思いますけれども、まさか。環境庁、こういうカラーのパネルとかパンフレット等に二、三の具体的な例を取り上げて、これでわれわれはやっているんだし、これだけの成果が上がったんだということをそのことによって誇示されているおつもりはないんでしょうね。さらに、具体的にこれからどういうふうに取り組んでいかれるのか、その辺をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。 先ほどの大臣の御答弁にもございましたように、快適環境といいますのは、いわば環境の利用としましては人の感性に訴える利用でございます。したがいまして、その材料となりますものは、いま御指摘のございましたように、川もあり、あるいは道路もあり、いろんなものがその材料として使われるわけでございまして、非常に地域的な個性のあるものでございます。したがいまして、公害の規制のように環境庁が何か基準でもつくりましてこれでやるというふうなことで問題が進むものではございませんし、またそうすることは地域の活力を損なってしまうという面もございます。そこで私どもとしましては、先ほど申しましたような経過をたどりまして環境のシンポジウムをやったわけでございますが、ただいまの古川、柳川等のケースはそのシンポジウムでも人々に大きな感銘を与えたケースでございます。そこで、むしろそういうものの中にこれからの快適環境をつくる一つの手がかりといいますか、活力というものを、そういう中からわれわれが学ばなければならない。同時に多くの人々にこうした事例があるということを周知をして、その中からそれぞれの地域の政策担当者が刺激を受け取ってもらいたいということを考えて二、三の例をカラーで入れたわけでございます。 それから後段に御指摘の点は、私どもとしましては、環境庁をしてただいまのような快適環境の地域活動というものを支援する道はいろいろなものがあると思います。これを大ぜいの人々に分から与えるというようなこともそうでございますし、また必要な調査であるとか、その基礎的な条件を備えるための研究であるとか、そういうものは環境庁として十分やって、これを先ほどのようなシンポジウムの機会等を通じまして地域に提供する、この努力は今後も続けてまいりたい、かように思っています。これが当面の私どもの考え方でございます。
○中村鋭一君 「ビートルズ・プラン」という聞きなれない言葉ですけれども耳にしたんですが、これはどういうプランですか。
○政府委員(正田泰央君) お目にとまりまして大変恐縮でございますが、現在の私どもの日本の土地を基礎に置きました社会の変化のうち、特に宅地化等によりまして山林とか丘陵、農地などが非常に減少いたしました。さらに、市街地形成によりまして表土の減少もございました。また、水辺の人工化、あるいは水質の悪化、そういった現象もございます。さらに、住宅の高層化に伴いますところのいろいろな眺望、展望の阻害、あるいは私ども痛切に感じておりますところの小動物の減少といった自然の変化というものがとみにございます。言うなれば、都心におきましても相当乾燥いたしておりますし、また郊外におきましてもふんだんに自然と申しますか、そういった潤いが味わえるというような状況ではなくなっておることは申すまでもないと思いますが、そこでねらいといたしましては、都市に緑を何とかしたいということが基本的な戦略でございますが、そのやり方といたしましていろいろなやり方があろうかと思います。一つは、都市を改造してそういったものをもう一回つくり直すということも一つである、それからもう一つは、既存の公園緑地でございますとか河川敷とか道路、そういった一連のもの、公共緑地、公共用地、さらに個人の庭、企業のいろいろな所有地、そういったものを生かして何とか緑をふやせないかということを考えまして、まずその手だてといたしまして、昔私どもが味わいましたいろいろな小動物をそこで飼育培養することによって逆に緑との相乗効果をねらって緑をふやしていくというのが基本的な物の考え方でございまして、特に最近カブトムシなどがデパートなんかで売られているというような状態を憂えて、カブトムシ、まあビートルズのプランを何とかしたいと、こういうことで、特に地方の小都市、県等にそういったものを普及するソフトウエアなりモデルをつくっていきたいと、こういう考え方でございます。
○中村鋭一君 まあひとつ大いにやっていただきたいですな。ただ、ビートルズプランと言うと、何か音楽グループですかね、ロックグループと間違えている人が大部分じゃないかと思うのですがね。何で環境庁がビートルズをこんなところで持ち出すんだと。だからこれも、あえてこだわるわけじゃないですけれども、カブトムシプランとでもおっしゃった方が直接的でよかったと思うんですよ、私もよく英語を使って恐縮なんですけれども、これはしかし実施するにはやはり建設省が協力しないとだめだと思うのですが、建設省の見解もお伺いしておきたいと思います。
○説明員(塩島大君) お答えいたします。 都市におきます緑地の確保を図るためには、各都市ごとに緑のマスタープランというものを策定することにいたしておりまして、この緑のマスタープランに基づきまして、都市公園の整備、それから緑地保全地区あるいは生産緑地地区、風致地区等の指定、また、原則といたしまして一ヘクタール以上の新たな開発の際に一定規模以上の樹木等の保存の義務づけ、さらには緑化協定の締結、あるいは道路等の公共公益施設の緑化等によりまして総合的に緑地の確保を図ることと建設省ではいたしております。
○中村鋭一君 せっかくですから、建設省、今後の都市公園等の整備の目標についてお伺いしておきます。
○説明員(塩島大君) 先般御審議いただきまして成立させていただきました都市公園等整備緊急措置法に基づきまして第三次の都市公園等整備五カ年計画を策定することになってございますが、この目標といたしまして、昭和六十年度までに一人当たり五平方メートルの都市公園を確保することといたしております。
○中村鋭一君 あとたくさん実は質問したいことがあったんです。自然海浜の問題でありますとか、子供たちに対する環境教育の問題ですね。次回に譲ります、時間がございませんので。 去年の十月二十九日の九十三国会の当委員会で、私は長官に湖沼法案についてお尋ねいたしました。審議会の答申を待っている、答申があれば即刻委員会で御審議を願うことになろうと、明白に長官はおっしゃったわけでございますが、私寡聞にしてまだ当委員会で湖沼法案を審議する栄に浴しておりませんけれども、いかなる理由で長官がおっしゃったことが空文に帰したのか、もうあと会期もございませんし、その辺をひとつしっかりと御答弁をお願い申し上げます。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) まず冒頭に、まことに申しわけのない次第でございましておわびを申し上げておきたいと思います。 あのときはまだ審議会からの答申はいただいておりませんでした。それから一月になりまして審議会から答申をいただきました。そこで、その答申に基づいて法案をつくりまして各省庁との連絡に入りました。これがなかなか容易でない。湖沼の汚れについて心配をしない人はだれもいないし、また決まった基準等について努力をしておられることも疑いのないところでございましたが、それにしても、この湖、沼はとてもだめだというところを指定しまして、その沼や湖のある県の知事さんに計画をつくってもらうということになります。そうすると、さらに都市排水、それから家畜、ブタ小屋や何かの排水が流れてくる、農地の肥料や何かが流れてくる、それから病院あるいはホテル、そういうもの、それから工場なんというのがありますから、そこで建設省の方へ行っていろいろ相談をし、農林省へ行ってブタ小屋の方から流れてくる水なんかについても相談をし、運輸省へ行ってホテルを相談し、厚生省へ行って病院の相談をしと、まあ大分詰まってまいりまして、それで汚い水を、五十トンだったと思います、五十トン流す、そこまではいいとしても、五十トン以上のところは許可を要すると。だめっていうんじゃありませんよ、何か方法を講ずればいいですが、そのままではいけない、許可を要する、こういうことにいたしまして話が詰んでまいりました。それから通産省へ行ってつくる工場についてもそうしてくださいと言ったら、通産省はどっこいそんな五十トンぐらいのところじゃとても工場にならないと。どのくらいあればいいでしょうかと言ったら三千トンぐらいですと。こっちが五十トンと言ったのに三千トンと言われたんじゃ、何か聞き違いじゃないかと。それで、まあある計算によれば三千トンということにもなるんだそうですが、それが千トンにまではなりましたよ。ところが千トンでもだめです、こっちは五十トンですから。五十トンというのは理由のないことじゃありません。これは先生方の御審議をいただいた瀬戸内海のあの法律が五十トンでございますから、そこでそれをとっているんですが、瀬戸内海は工場が多うございまして湖沼の方はちょっと少ないから、まあ大まけにまけても百トンぐらいはどうだろうと、こういうことで話をしたんですが、とても話にならない。通産省の方も勉強してくださいまして五百トンまでになりましたがね、こっちは百トンで向こうが五百トンじゃこれはとても話にならない。そして五百トンでそれじゃいいでしょうということになりましたら、どんなブタ小屋でもいいですよ、どんなホテルでもいいですよ、どんな病院でもいいですよということになっちゃいまして、こんな法律をつくったってしょうがなくなっちゃう。先ほどのアセスの選択じゃないですよ、これはもうつくってもつくらないでも同じ法律はつくらない方がいいですから。そこで残念ながら今度は間に合わずに、しかしながら、これをやらないと御承知のとおり海の方は八十点近い点数が出ております。川の方は六十九点か七十点近い、湖は四十点ですからね、そのままにしておいちゃ大変ですから、通産省の方とでもまた改めて慎重に審議を続けるということを通産大臣との間で私は約束をしまして、なるべく速やかな、次期国会には御審議をいただこうと、こういうことで努力をしているわけでございますので、まあ私だけのせいではないにしても、これは先生方に対する私の言いわけになりません、まことに申しわけのないことでございますので、どうぞ事情を御勘案の上ひとつ御了承をいただきたいと、こういうふうに思います。
○中村鋭一君 最後に、先ほど坂倉委員も指摘をなさいましたが、長官は環境アセスメント法について、電源立地を外したのは未熟児だとおっしゃいました。未熟児というのは早産の場合に未熟児ですね。このアセスメント法は早産でも何でもなくて、もう十月十日どころか何年もの間難産したんでしょう。それだったら玉のような赤ちゃんが産まれてしかるべきところですね。それを未熟児だなどとはとんでもない話で、やはり眼目である電源立地が外された、その点において、何にもならぬようなあれは死産児ですよ。だからそういう法案はむしろ私はいっそのこと出すべきではなかった。それを指摘しておきたいと思います。 最後に、最近の風潮に抗して長官が、本当に環境行政というのは大切なんだと、だから、これは仄聞ですけれども、常に辞表をふところにして取り組んでいらっしゃると、こう伺いました。事実かどうか知りませんけど、それぐらいの意気込みで取り組んでいらっしゃる。間違っても、たとえ総理大臣がかわっても、長官、辞表を出すなどはなさらないで、まさに国家百年のために環境行政に率先挺身していただくことを心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 前段のお話では、役に立たないからやめちゃえと言われるのかと思ってびくびくしておりましたら、御激励をいただいてまことにありがとうございました。
○江田五月君 今国会もいよいよ最後になりまして、当委員会で質問ができるのもいよいよ最後、そして最後の質問者になりました。 最後ですので、もうすでに、きょう質問しようと用意をしてきましたテーマ、同僚委員の皆さんがそれぞれにお尋ねくださいまして、さあどういう質問をしようかといま思っているところでありますが、先月の十九日に閣議で五十五年度の公害の状況に関する年次報告が了承になりました。拝見をさしていただきましたが、まあ、一時期の公害の急性症状といいますか、環境庁第一回目の白書が昭和四十七年に出されたときに「いまや、環境問題は、爆発的様相を呈してきたように思われる。」と書かれていた、そういう状況からすると、環境問題、同時に、環境問題に関する議論の状況、どちらもかなり変わってきたのかもしれません。で、そういう「爆発的様相」という状態ではなくて、次第に落ちついてきているというような基調でこの環境白書が書かれているというあたりをとらえて、どうも新聞論調いずれも、物足りないとかきれいごとだとかいうような評価でありまして、必ずしも評判が新聞紙上ではよくないように見受けられるんですが、環境庁長官どういうふうに思われます、こういう新聞の論調等に対して。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほどから申し上げているように、いまの状態は人間で言えば、商売人なんかの場合に非常に商売がうまくいっている、それで忙しい忙しいと言っているときには、忙しいもいいけれども、少しドックに入ったり休養したりというようなことを勧められればその気にもなれるような——いまはそうじゃなしに、わかっていてもそんな休んでなんかいられないという状態でございますから、そこでどうしても環境問題に対する風当たりは強いんです。先ほど大石先生のお話もちょっと先生から出ましたが、大石先生のころの場合とは状況が一変しております。その中でのことでございますから、マスコミの方は御激励の意味で、もう少ししっかりしなきゃだめじゃないか、こういうふうに言われているんだろうと思いますが、中をこさいに読んでいただければ、まじめに取り組んでその白書はつくった、こういうふうに御評価いただけたらまことにありがたい、こう思うのです。
○江田五月君 私自身も、まあこれかなり大部のものですから読むといってもなかなか大変ですが、拝見をして、よくできているところもたくさんあると率直に思います。たとえば、確かに世界的な規模での環境の問題、これまで公に取り上げられたことがなかった問題がきちんと入ってきた。私どもがこれまで何度もいろいろなところで、いまのようにどんどん物を燃やしていくというような、ことに二酸化炭素の濃度がふえていくと、そのうちに、地球の温度がどんどん上がっていくということが不可逆的なところまで達してしまって、北極の氷が解け出す、南極の氷が解け出す、日本の、海に囲まれた国土がかなりの部分沈んでいくというようなことだって起こりかねませんよとか、あるいは成層圏を飛行機がどんどん飛んでいく、そのためにオゾン層にフロンガスがたまって、宇宙のかなたから飛んでくる放射線のろ過が十分できなくて皮膚がんがどんどんふえてくるようなおそれもあるんですよとか、そういうことを申してまいりましたが、どうもいかんせんちょっと大げさじゃないかというような感じで見られた向きもあるかもしれません。しかし、ここでそういうことが取り上げられてきた、あるいは野生の生物のこととか、あるいは森林の減少、砂漠化の進行、そういうようなことをきちんとお取り上げになっているというようなこととか、また公害あるいは環境問題というのを総体として理解をしていこう、とらえていこうという努力をなさっている。人工の物質エネルギーの流れが自然の生態系と摩擦現象を生み出して、その中で公害というものが出てくる。自然の物質エネルギーの循環に負荷が加わっている、そのために環境破壊が起こり公害が起こっている、そしてそうした人工の物質エネルギーの流れから生ずる環境への負荷を制御していかなきゃならぬ、環境の問題というのを環境管理とか、環境経営とかそういうようなとらえ方をしておられるという点、確かに傾聴すべきとらえ方をされていると思うのですが、しかし、どうも考えてみると、環境白書、公害の状況に関する年次報告というのは、そういうことだけでいいのかなと。世界的な規模で環境が汚染されていく、環境問題をどうとらえるか非常に高度な議論を展開する、それは白書にもちろんあっても悪いわけじゃありません。必要なことかもしれませんが、国民の皆さんに読んでいただく、たとえば環境読本とか、学校の副読本とか、そういうようなものには入らなければいけないけれども、環境白書ということになると、もう少しいまの日本の環境の状況について具体的な、そして環境を本当に真剣に守っていくんだというような姿勢が足りないんじゃないかという、そういう指摘を新聞はしているんじゃないか。いま長官のおっしゃったとおり、確かに状況は非常に厳しい。そういう中で、環境庁はもう要らないんだという発言が、長官の属されている党の方から出てくるというような状況ですから、厳しいことはわかるんですが、しかし、それにしてももう一つ何か勢いが足りないというか、この環境白書の中の結びの最後の方に、「公害による生命、健康の被害を受けた人々の犠牲と、環境問題に対する社会的関心を呼び覚ますために払われた多くの人々の努力を政策の原点として」環境行政に対処していくんだ、こう書かれているわけですが、政策の原点だけじゃなくて、まさに生命、健康の被害をいまでも受けている人々がいるんだ、そして社会的関心を呼び起こすためにいろいろな人が努力を払っているんだ、原点だけじゃなくて、そのことをまさにまだ、いま政策課題としてとらえていかなきゃならない時代なんじゃないか。そういう意味で環境庁は十年たって余りにも老成をしてしまったんじゃないか、もっと若々しい怒りの心、改革の情熱を持ってあちこちぶつかりながら、摩擦を起こしながらやっていかなきゃいけないんじゃないかということを新聞の論調はあらわしているんじゃないか、そんな気がするんですがいかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 御説はよくわかります。たとえて言えば、四十度ぐらいの熱を出して救急車でお医者様へ行った、しかしながら、その後大ぜいの方の御注意もあって熱はずっと下がってきた、しかしながらまだまだ油断はならないという状態にある、こういうような状態だと思います。先ほど地球的な規模の問題は、長期にわたって、お話しのように少しおどかし過ぎるのじゃないかななんというふうに思っている人がいるから、決してそんなことはありませんよというのはその一部分でございまして、私どもはあの四十度の熱を出したときのことを忘れないで、それが原点だと、こういうつもりでその環境白書はつづったものでございますが、もしその四十度の熱を出したときのことを忘れているのじゃないかというようにとられるとすれば、ちょっとできが悪かったかなと思うのですが、どうぞその趣旨は御理解をいただきたいと思います。
○江田五月君 環境白書の中で何か目新しい言葉が出てくる。それは「動脈流」とか「静脈流」とかいう言葉なんですがね。どうも最近の若い者は日本語を知らぬとかいうようなことをよく言われまして、私もまだ若いので日本語をよく知らないのかもしれませんが、あるいは昔からこういうような言い方があったのかどうか、どうもないような気もするんですが、「動脈流」「静脈流」、これはどういうモデルでこの場合に「動脈流」「静脈流」とおっしゃっているのか。きのうもいろいろ御説明いただいたのですが、どうもはっきりしない。どういう意味の言葉なのか。これはだれか起草なさった方の方がいいんでしょうか、ちょっと説明してみてくれませんか。
○政府委員(藤森昭一君) 白書でただいま江田先生御指摘のようにこういう言葉を使ったのは初めてでございます。これは一つのたとえでございまして、白書全体の中を流れているいろいろな考え方がございますが、その中で人間が環境を利用する場合に、地下に埋蔵されている各種の資源あるいはエネルギー等を使いまして、われわれの物的な生活を向上させるという巨大な努力をしておるわけでございますが、その流れというものが、言ってみれば人工の資源エネルギーの流れでございます。これは天然には存在しなかったものでございますから、これがそのまま環境の中に不要となって放出されればそれは自然の生態系を乱すことは間違いないわけでございます。現にそういうところに公害問題というのは、環境問題は発生しているということを指摘をするわけでございます。ただ、その場合に、不要になったものをさらに資源としてリサイクルで活用するとか、それからそれでも残るものについては、天然の自然の環境サイクルの中に無害な形で還元をしていく。そしてその全体の流れというものをトータルな形で管理をしていくという必要があるんではないかと、こういう考え方でわかりやすいように「動脈流」「静脈流」と、こういうふうに申したわけでございます。一つのたとえでございますので御理解をいただきたいと思います。
○江田五月君 わかりやすいようにたとえというのは使うんですね、普通は。どうもかえってわかりにくいたとえになっている。一生懸命考えてみたんです。考えてみて、結局こんな感じかなあと。つまり自然の物質エネルギーの循環という一つの場がありまして、その中に人工の物質エネルギーの生産、流通、消費というものが流れておる、そういう場に一つの流れが通っていて、その人工の物質エネルギーの流れというところに自然の物質エネルギーの循環の方から入ってくるものが「動脈流」と、そしてその人工の物質エネルギーの流れから自然の物質エネルギーの循環の方に出ていくものが「静脈流」と、こんな感じかなというように一生懸命にモデルを考えながら理解をしようと努力をしたのですが、それにしてもわかりにくい、動脈、静脈というのは普通はそうじゃないんで。しかも困ったことに環境問題あるいはリサイクル問題というようなことに関して、動脈、静脈という言葉が別の意味で使われるんですね。たとえばアルミならアルミ、ボーキサイトからアルミをつくってそしてそれが次第にかんになってそこへジュースが詰められて、最終的にジュースが飲んで捨てられてとか、最後のジュースの消費の段階までいってしまう、それが一つの動脈の流れ。今度はそのアルミかんが家庭でどこかへぽいと捨てられるのではなくて、お店のところへ集めてきて、業者の方へきてもう一遍再生されていく、これが静脈の流れ。資源がずうっとこの消費の最終段階までいく動脈の流れはこれはほうっておいてもできるのだけれども、最後のところまでいって、今度リサイクルとしてずっと循環をさしてもとへ戻していくというこの静脈の流れをもっとつくっていかなければいけないじゃないかというそういう言い方があるんですね。静脈産業というものをつくっていこうじゃないかというような提案とか、そういう言葉はわりにこれはリサイクルなんかに携わっている者の中では一般的な言葉なんですが、その言葉をつかまえて何だがこの環境白書をうまく装飾をした、デコレートした、環境庁の姿勢の後退をリサイクルの言葉を持ってきてごまかしたというとちょっと言葉はひどいですが、そんなように思えるのですね。「動脈流」「静脈流」というのはいかにも一年たっても二年たっても言葉としてはなじまぬだろうと思いますが、どうですか、環境庁長官いまの説明を聞いてわかりましたですか。
○政府委員(藤森昭一君) 物事をこういうものにたとえてわかりやすくという配慮で書いたわけでございますが、それがかえってわかりにくいということになりますと、これはまことに残念なことでございます。 これは天然には存在しない資源エネルギーというものを人間が製造、流通、消費の段階でその有効さというものを活用する過程がこれが私どもは「動脈流」と考えているわけでございまして、そこから廃棄物として出るものあるいは不要になりました化学物質として出るもの、あるいは人間で言いますとたとえば屎尿だとかそういうようにして出るもの、こういったものをいわば「静脈流」といいますか、効用を廃したものですね、これが環境の中に出てくる流れ、それを「静脈流」と考えておるわけでございます。これにつきましては江田先生御指摘のように、この有効の用を廃したもの、これもたとえば腎臓とか肝臓で、あるいは肺等でその「静脈流」をさらに資源としてもう一度使うという流れになってくる。これの流れは現在廃棄物等については行われているわけでありますが、しかし行われてない部分もございまして、それが適切な処置をなされないまま環境に放出をされるということに環境汚染の問題とか公害の問題が出ている。したがって私どもの考えはそういうところに十分な手当てをしなければ環境問題というものをトータルに処理をしていけないということを考えて、そのたとえとしていまの「動脈流」「静脈流」を書いたわけでございます。なぜこういうものを書いたかと言いますと、わかりやすいということで書いたわけでございますが、元来それはごく当然のことでございますが、私どもは環境行政といいますか、環境問題がいろいろな意味で困難な立場にありますので、この際またもとに返って、そういう人間の活動の根源にある流れというものをもう一度把握をするという考え方、その中から環境問題のよって来るところを明らかにしようという考え方でこれをやったわけでございます。 なお、環境白書の中にはそういう流れのほかに、たとえば環境の状況、つまり一方には原生自然という状況もあり、一方には全く人為ばかりで成り立っている都市という状況、その中間にある人為的自然というふうな自然環境の存在の仕方というものも一つの材料としてとってありますし、さらに環境利用といたしまして、第一次的な利用としてわれわれの基礎代謝、呼吸であるとかそういう代謝の対象としての環境というものと、それから第二次的な産業経済等の開発の対象としての環境というもののあり方、それから第三次的な、先ほど言いましたアメニティーに属するような感性としての環境のとらえ方、こういうふうな軸も使いまして、それらの縦軸と横軸を使いまして、環境問題の所在を明らかにし、それからトータルな環境行政を展開していく手だてとしようと、こういうふうに考えたわけでございまして、その中の一つの流れでございます。
○江田五月君 長々と説明してくださいましたが、環境の三要素ですとか、三つの環境利用形態だとか、ちゃんとそこは線を引いて読みましたから、そこらはよくわかるんです。動脈、静脈だけがどうもわからないんで、やはりその辺、まあ私自身が日本語を知らないんだということならば、それはまたこっちで勉強し直さなきゃいかぬのですが、どうもお役所の皆さん方が、こうやれば国民の皆さんにわかりいいだろうと言って努力をされても、それがなかなか本当に国民の、受け手の側の気持ちとぴったりいかない。皆さんがわかりいいだろうと思ったことが、国民の方では全然わからない。もうちょっと簡単な言葉で言ってくれやというようなことがわりにあるんじゃないだろうか、どうもこういう言い方は、いまのような長々とした説明でなければ説明ができぬということでは、これは比喩にならないんじゃないですか。どうですか、長官。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) われわれが物を言う場合でも文章を書く場合でも、お話しのように、たとえ話を用いるということは非常にむずかしいことで、たとえ話を用いることによって、むしろ字数が少なく、口数が少なくわかってもらえるというのが、たとえ話を用いる場合の原則でありますから、その意味では、江田先生のような博学の人がわかりにくいと言うのじゃ、これは十分考えてみたいと思います。
○江田五月君 よろしくお願いします。 そのほかに、たとえばアセスのことだとか、NOxのことだとかいろいろあるんですが、もう前の同僚委員がそれぞれお聞きになりました。アセスのことで一つだけ。 小さく産んで大きく育てるというのがいまの育児の要請だそうでありまして、そうなればいいのですが、小さく産んでうまく育つかどうかというだけじゃなくて、多くの地方公共団体などが心配をしているのは、このアセスができることによって、地方公共団体のアセスメント条例がかえって制限されてしまうんじゃないか、つまり、小さく生まれた者がおるために、地方でそれぞれ努力をしているさまざまな工夫、そういうものがかえって生きなくなってしまうということになるのじゃないかという心配をしているんですが、これは環境アセスメント法案の審議の際にまたよく伺わなきゃいかぬ問題だと思いますが、どうも小さく産んで大きく育てるのじゃないんじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 電気事業が抜けたということはまことに遺憾であります。そこで、抜けたくらいならば、遺憾ならばやめちゃった方がいいか、そこが選択なんですが、私の判断では、もう二度と日の目を見ることはできないだろう、それでは困るから、まことに残念ではあるがこれでひとつ御審議をいただこうと、こういうことでございます。 一方、これから地方が条例をつくるような場合には、もちろん法律をながめながらつくって、整合性のあるものにしていただかなければならぬことは言うまでもありません。ありませんが、それぞれ対象事業が私の方は御承知のとおり限られておりますから、そんなに大きな支障はそこにないのではないか、こういうふうに思っております。
○江田五月君 空きかんやビニールのぽい捨てとかいう問題について伺っておきます。 先ほど長官は、ぽいと空きかんを捨てる人が悪いのだと、空きかんをつくる人とか売る人が悪いとまでは、まだ思う気持ちになっていないのだという、そういうお話でした。私はしかし、空きかんをぽいと捨てる人も、決して喜んでぽいと捨てているわけじゃないと思うのですね。ぽいと捨てる人が悪いと言えば、それは悪いかもしれないが、しかし、ぽいと捨てるよりほかにいい方法があるならば、何もぽいと捨てることはないだろうという気もするのです。多くの国民が、いまたとえば、空きかんを受け取ってくれる人が何かおれば、そういう受け取るところまで持っていくのはやぶさかじゃない、あるいはがんとかビニールとかだけでなくて、びんにしても、家庭でもし本当にガラスが全部きれいに回収されていくならば、そういう回収のルートにびんを持っていくことは決してやぶさかじゃない。それだけの労は惜しまないという人は、たくさんおると思うのです、びんについて言えば、ビールびんなんかは買ってくれるけれども、ウイスキーのびんもそのほかの清涼飲料水のびんもなかなかきちんと引き取ってくれないじゃないかという、そういう家庭の奥さん方の不満もあるんですね。たとえば新聞報道によるアメリカのオレゴン州のケースを見ると、これは多くの人の予測に反して、市民はずっと賢明な行動の選択をしているわけですね。私は、いま市民が悪いのでなくて、むしろそういう賢明な行動を選択しようとしても、その市民の賢明な選択を生かす流通のシステムなどができていない。リサイクルのシステムができていない。自治体のごみ回収のシステムができていない、産業、企業のそういう資源再利用のシステムができていない。そこに問題があるんじゃないだろうか。市民はなかなか賢明じゃないかという気がするのですが、いかがですか。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) そういうシステムができていないという問題は、私は確かに一考に値する問題だと思います。たとえばお金を入れて、ぽっと出すかんの販売機がありますが、あの脇にその空きかんを入れるものを置いておくと、いっぱいになってもだれも取りにこない。だからあふれ返っているというようなことにしておけばだめなんで、そういう点でもずいぶん考えなければならぬ面がたくさんあろうと思います。しかしながら、ぽい捨てで一番困りますのは、自動車の運転台から捨てるというのは、あれは困るのです、あれなんかは全くその人のモラルの欠如の問題だと思います。まあいろいろ考えていきたいと思いますが、まずもって、私は捨てる人、あなたは片づける人というのでなしに、自分のものは自分で始末をするということに、みんなが考えていただけるように、全力を挙げて一遍やってみようと、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○江田五月君 総じて環境問題というのは、やはり国の施策の問題でもあるけれども、同時に、国民一人一人がどういう生活を選択するかという問題になってくる。したがって、ひとつ環境庁も、もちろんこの夏空きかん、ビニールについて大追放作戦を展開されるのは大変結構なことだと思いますし、ぼくらができることがあれば協力さしてもらいたいという気持ちもありますが、環境庁が大作戦を展開していくんだという、何かやはりそこにお役所的発想があるんではないだろうか。国民全部でひとつ大作戦を展開しようじゃないかと、国民一人一人が自分の行動をどう選んでいくかというところまでさかのぼって国民が空きかん、あるいはビニールのぽい捨てを追放していくんだ、そういうことをつくっていこうじゃないかという、そういう姿勢に立っていただきたいと思います。 この質問で本通常国会の質問全部終わりでございます。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) まことに適切な御指摘で、私は市民運動にまで展開されなければいけない。よけいなことですが、地球的規模の問題でもそうです。これは何を大げさなことを言うんだというふうにいまはとられがちなんです。しかしそれは間違えているんですね。で、どうすればいいかと言えば、市民一人一人がなるほどそうかもしらぬと、私一代は何とかなるだろうが私の孫やその子の時代にはこれは危ないぞということを認識してもらわなきゃならぬ。そしてみんなが心配してくれなければ、これはとてもできるものじゃない。 よけいなことを申し上げたようですが、空きかん問題でもビニールの問題でも、業者はビニールの方がもうかるんですよ。それは安くていいんですよ。しかし、片づける地方公共団体なんかがお金をかけるところまで考えるとえらい高いものについちゃう。ですから、これはやはり先生申されたように、市民運動として展開できるようにわれわれも持っていきたい。決してわれわれが前面に立って、私の後についていらっしゃいという、そういうんではもちろんございません。御了解いただきたいと思います。
○委員長(山崎昇君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十一分散会