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94回国会参議院1981/03/26

建設委員会 第3号

発言数
175
登壇者
20
会派数
4
開催日
1981/03/26

会議録

宮之原貞光日本社会党

○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。  これより建設行政及び国土行政の基本施策につきまして質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先般の両大臣の所信表明を受けまして、基本的な問題等についていろいろ質問したいと思うのでありますが、建設大臣が予算委員会に呼ばれておるそうでありまして、途中退席するということでありますので、最初に建設大臣に若干の質問をしたいと思います。  ちょっと皮肉な質問をしたいと思っておりましたが、余り皮肉な質問もどうかと思いまして、それは一応保留しておきます。したがいまして、きょうは先般出しておきました質問事項によって逐次質問してまいります。答弁によっちゃまたどんな質問をするかわかりませんが、大体素直な答弁をいただければそのまま進行するものと思います。  とにかく、日本の現在の状態の中で、建設行政というものがかなり民生のあり方に大きな影響を持っておるのでありまして、何か予算委員会等の論議を聞いておりますと、防衛とか外交とか、はでな論議があるようでございます。正攻法と思うんでありますが、私はやはり本当に一番すみっこで苦労をしている国民の実態というものに立脚した、温かいと申しましょうか、行き届いたと申しましょうか、いわゆる血の通った政治行政がいま一番大事だと思います。そういった意味において私は、建設行政のあり方が公共事業あるいはその他の事業を通じて案外民生の安定に大きな役割りをしておるものと思っております。したがいまして、建設行政の運営がただ単に公共事業の計画を達成するとか、あるいは建築行政の目標を達成するということだけでなくて、そのことを通じて、いわゆる国民の、末端で苦労をしておる多くの人々の民生の安定に役立つようなそういう行政が私は必要だろうと思うんであります。  斉藤建設大臣は、そういう意味において非常に機微のわかる、何かこう思いやりのある政治家と承っております。まことに結構であります、しかしそう承って結構だといっても、斉藤建設大臣がいわゆる建設行政を運 するに当たって、いま私が指摘した、これは一部でありますが、そういったこととかけ離れた運 がなされますと、これは私は論外であると思います。そういった意味でこれからの五十六年度の予算執行に当たって建設大臣はいわゆる政治家として、建設大臣としてどういうふうな基本的な立場と申しましょうか信念と申しましょうか、ということでいらっしゃるか、その点を一言冒頭にお伺いして後の質問に入ります。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  建設行政の柱は何といっても国民の生活基盤の整備であろうかと思います。先生お話しになりましたように、国民等しく潤いのある社会環境の中でお互いが思いやりを相互にしながら、等しく魅力ある都市の中で安定した平和な生活をする、その生活基盤をつくるということに最も基本的なものを置かなければならないかと思います。したがって御指摘をまつまでもなく、公共事業をいかにやるかということでなく、根本はそのための事業であるということに思いを、視点を変えなければならぬのではなかろうかと思います。したがいまして、私たちといたしましても現在の日本に置かれておる社会環境、社会資本というものが、いわゆる先進諸国から比べて大変水準以下であるということを承知いたしておりますだけに、何とか世界的に見ても日本の生活基盤というものをどのように整備していくかということに重点を置くという考え方にまず立つことであろうかと思います。  戦後三十有余年、いわゆる福祉という言葉がよく使われて、戦争犠牲者等々についての物的あるいは精神的な問題もそうした人間的な福祉についてはやや向上してまいっておりますけれども、全般的な社会整備というものはやっぱり大きな意味の私は福祉だというように承知いたしておりますだけに、まずもって国民が等しく同じような潤いのある安定した生活基盤の中でやる。したがって、当然そのことを満たすためにいかにすべきかということの事業になっていくわけであります、所信でも申し上げましたように、まず住まいから始め、住宅をまず第一に置いたのはそこにあるわけであります。  それから、いま大都市周辺が過密化するだけでなく、地方都市においてもだんだん都市化して過密状態になっていくこの都市政策という問題がございます。当然それに付随する公園である、あるいは下水道である、こういうような問題をあわせて解決していかなければ社会基盤の整備、生活環境というものの良質な環境づくりはできないというようなことで、所信表明にも申し上げたところでございます。したがいまして、建設行政の基本とする問題については、いま申し上げましたものを柱にしてきめ細かい配慮をもって予算執行をしてまいりたい、このように考えるものであります。  特に、執行に当たりましては、御案内のような財政事情の厳しい折でありますだけに、事業面においてもなかなか、事業量を減らさないでこの仕事を続けていく、また、建設環境整備事業というものは継続していかなければ実りある成果は上げ得ないというように承知いたしておりますので、厳しい折でありますけれども、本年度の財政事情につきましては、何とか事業量は減らさないで継続的にできるという確保だけは私といたしましてはいただいたような気がいたしておるわけであります。どうぞ、そのような意味合いで御審議を願っておるわけでありまして、せっかく御指導を賜りながら、また全国的な生活基盤の視野に立って御協力を賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 私ども政治家として常に忘れてはならぬのは、民生と申しましょうか、の安定だと思うのであります。  そこで要望ですが、大臣、これは国土庁長官にもですが、えてして建設事業というものは大企業に偏重すると申しましょうか、これは国の基準も何かあって、ランクがあるようですが、これはやむを得ぬこともあろうかと思うんです、仕事の内容において。しかしこれは私も先般指摘したんですが、いろいろな、新幹線ができる、自動車道ができる、その他大きな事業がある、建築もそうです。大体大手の建築業者が受けて、もちろんだんだん下へ行きますが、これはいま言ったようにやむを得ぬことであると思いますけれども、国の志向する建設行政の中でむずかしい点もあろうと思いますが、できるだけ末端の業者も、ひとつ何らかの恩典と言っちゃ語弊がありますが、関与できて、そして大企業だけでなくてそういったものも、いま大臣のおっしゃったいわゆる思いやりのある一つの志向であるし、また行き届いたものだと思うんです。これは言葉ではやさしいんでありますが、具体的に実行することはなかなかむずかしいと思うんです。むずかしいけれども、その方向へ努力することがやはり政治家あるいは行政責任者の責務であろうと思うんであります。ここでどうするという答弁は要求しませんけれども、ぜひ五十六年度の運用に当たってはそういう点も含みながら運用をお願いしたい、これは要望でございます。  以下、質問用紙をお届けした点について、順次質問してまいります。懇切丁寧な御答弁も結構でありますが、時間等の制約もありますから、簡潔で結構です。簡潔にその要点をずばりずばりとお答えいただければ結構であります。ただ、変なことになると変な質問といきますが、その点はひとつ含んで要領いい答弁をしてもらいたいと思います。ちゃんとわかっているんだから。  最初に、公共事業全般について大臣にひとつお尋ねします。  財政再建という大前提のもとに編成された建設省の予算が、物価上昇にもかかわらず二年続けて抑制ぎみであり、四兆六千億という前年並みの予算であります。第二予算と言われる財投計画も五兆四千四百億、これは大体六%の増ということになっております。近年にない低い伸び率になっておりますが、しかし、財投の若干の増、国庫債務負担の増、さらに地方自治体の単独事業の増等で公共事業費は辛うじて確保されたようでありますが、これら要請に応ずべき質の充実という面では全く期待できない状態じゃないかと思うんであります。本来、公共事業は、そこに住む人々の生活要請にこたえ長期的計画的に取り組まれるべきもので、公共事業が常に経済財政問題に絡められ、年ごとに伸長、抑制の振幅を繰り返されることは反省されるべきではなかろうかと思うんであります。  まず、建設大臣の昭和五十六年度公共事業予算の編成、執行に当たっての基本的な姿勢と見解をお尋ねいたします。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 予算執行に当たっての御質問でございますが、御案内のように、御指摘をまつまでもなく、財政再建の中における予算でございますので、先ほども少し触れましたけれども、完全執行ということで、昨年末来事業執行に当たって督励をして、実りある、しかも有効適切な事業執行を図ってやってまいっておるわけであります。特に本年度は、五ヵ年事業がそれぞれ道路、河川、下水道、公園等ございますので、計画当初の年でもありますので何とかスムーズなスタートを切りたいというようなことも考えながら、財政再建とにらみ合わせて何とか、国財政の厳しい折であればあるほど基本的な問題としてしかと督励をして、盛られた事業については確実な執行を効率よくやってまいりたい、このような考え方で進めたいと考えておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 厳しいエネルギー情勢、流動する内外情勢の中で、五十四年八月に決定された新経済社会七ヵ年計画の二百四十兆円の投資額が問題になりました。一つは、六十年度の達成年度を一年半おくらせる。二つには、六十年度における投資額を百九十兆円に圧縮する。これは七ヵ年計画の実質的な改定と言わなければなりません。七ヵ年計画の変更を前提に建設省の各公共事業五ヵ年計画は転生み二五ないし三〇%の事業規模圧縮を余儀なくされたと報告をされておりますしまた、三全総計画の基本目標にも大きくそごを来しておるようであります。諸外国に比し立ちおくれている社会資本の水準を引き上げ、豊かな生活のための環境整備、防災施設の拡充を図ることは国民的要請であります。七ヵ年計画の変更が新たに発足を予定する公共事業計画にどう影響したか、また、実質的な事業量の減少についてどうなっているか、御説明をお願いします。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) ただいま御質問のございましたように、新経済社会七カ年計画は、当初五十四年度から六十年度までの七カ年で二百四十兆の公共投資を行うということが決められておったわけでございますが、今回の見直しでこれが一年半程度延ばされまして、六十年度までには、百九十兆という形になったわけでございます。  その理由といたしましては、これまでの公共投資の推移であるとか、あるいは今後の経済成長率、物価、雇用、財政収支等経済全体の整合性の観点からいろいろと検討した結果このような削減措置が講ぜられたわけでございます。したがいまして、これに伴いまして来年度から発足いたします都市公園、下水道、住宅、交通安全施設、海岸の各五ヵ年計画につきましては、それぞれこのフォローアップの結果に従いまして一年半繰り延べられたわけでございます。  したがいまして、たとえば下水道五ヵ年計画につきましては、二百四十兆の場合におきましては十七兆四千億という要求をいたしておったわけでございますが、それが結果的には十一兆八千億の規模になる。あるいは公園につきましては、四兆五千億の要求をいたしておったわけでございますが、これが二兆八千八百億になるというように減額になったわけでございまして、これに伴いまして、六十年度の最終目標、たとえば下水道で申しますと総人口普及率を五五%にいたしたいと考えておったものが四四%にとどまる。あるいは公園につきましては、一人当たり五・六平米を整備いたしたいと考えておりましたものか五・〇平米に落ちるというようなことになったわけでございまして、建設省といたしましてはまことに残念に考えているわけでございますが、国全体の政策の整合性の観点からやむを得ない措置だと考えるわけでございます。したかいまして、これからの執行に当たりましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、その効率的、重点的な執行に努めてまいりたいと考えているわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 別なことからちょっと聞きたいこともありますけれども、それは時間の制約もありますから、また下水道その他については別途にありますから、それに回します。  次に、五十五年度の公共事業は上半期は抑制ぎみであったわけですね。下半期は一転して第三・四半期で前年度比を三〇%増というふうに急に今度は大きくした。さらに年度内全面消化という方針が決定され、まさに両極端の執行政策がとられたわけですね。しかし、地方公共団体の財政力の問題に加え、今季の全国的な豪雪現象等が障害となり、全面消化は困難と思われております。年度末における公共事業の執行状況についてはどういうふうになっているか、ひとつ現状を報告してもらいたい。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 本年度の建設省所管事業の執行につきましては、いまお話のございましたように上半期抑制、第三・四半期から三〇%増、したがいまして第四・四半期におきましては昨年に比べまして五〇%程度の増の事業があったわけでございます。しかしながら、これを鋭意促進を図りました結果、まだ結果は出ておりませんが、発注の状況におきましては大体平年並みで三%科度の未発注繰り越しが出る予定でございます。それから発注済み繰り越しにつきましては、これは工事が進行中でございますから、これこそまだ明確にお答えできないわけでございますが、大体五%程度の発注済みの繰り越しが出るのではないかと考えておりまして、これもおおむね平年並みでございまして、今後このような問題につきましては鋭意正確な繰り越しの手続をとりまして、四、五月ごろ、来年度の予算につきましてもなるべく早く発注する考えでございますが、このときにこれらの残っている事業量を適切に執行いたしたい、このように考えているわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 政府は去る三月十七日、第二次総合縦済対策を決定いたしました。これによると、五十六年度上半期の公共事業執行は促進型となり、執行率は七〇%を目標としております。建設活動が停滞している現在、公共事業の執行促進は歓迎すべきことでありましょうが、しかし財政事情が厳しい中で上半期に発注が集中されれば、下半期は激減することはこれは当然であります。大蔵大臣は補正予算はないと言明しておられる。上半期の集中発注では建設資材の高騰、地価の高騰が懸念されるが、見解はどういうふうになっているか。  さらにもう一つ、集中発注を受けとめる建設業界の体制も一時的な拡張を余儀なくされるが、後半ではまた事業なしという状況になる可能性もある。前にも述べたとおり、公共事業は計画的、長期的に平準化して取り組まなければならぬと思うのであります。景気の変動とのかかわりは極力避けるべきでありましょう。第二次総合経済対策の中の公共寮薬の位置づけから公共事業の執行のあり方について、これは建設大臣のひとつ見解を求めます。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 第二次総合経済対策の中の公共事業の位置づけ、また考え方ということでございます。  ただいま先生御指摘のように、七〇%以上の事業執行ということで御理解をいただいておるわけで、そのことによって下半期への影響を御心配なされたわけで、大変恐縮をいたしたわけであります、  御案内のように、昨年来の建設業界の不振、不況というものは目を覆うばかりのものがございますし、一万数千件の倒産件数の中で三分の一、五千件以上が建設業界の倒産であります、したがいまして私たちといたしましては、景気刺激策そのことよりも、やっぱり薬界が何とか立ち上がっていただくということに重点を置かなければならないと思います。したがって昨年末の下十期の三〇%に、なお本年度は上半期に七〇%以上ということで御理解をいただいたわけであります。問題は後半の御心配でありますけれども、事業そのものは単年度のものもございます。二年、三年のものもございますけれども、そのことによって一つの方向づけがなされて企業基盤というものの見通しがつきますので、中小企業の面につきましても特に私は一つの指導性のものができるのではなかろうかと思います。そうした面で非常に波及効果があるということで、私はやっぱりこの点については正しかったというように考えるわけであります。  御案内のように、第二次総合経済対策は単に事業執行の面だけでなく、中小企業対策であり倒産防止対策をも含めておりますので、そうした問題も含めて総合的にこの七〇%以上の前倒しという問題については、年間続いて長期的な視野の中で継続的に契約等々進めていきながら後半に影響ないような形で配慮してまいりたい、このように考えるものでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 倒産の件ね、建設業で倒産するのは大成とか特殊な業者じゃなくて、これはもういわゆる末端の業者です。それがいま言った五十五年度下と五十六年度の前がぐうっと出まして、この点はずっと活気が出ますね。それが大臣もおっしゃったように継続事業もありましょうけれども、それは一部であって大部分はそうでないんでしょう。その後また五十六年度の後半で、去年の、五十五年度のような末端業者の倒産がないとは言えませんね。その辺、これは冒頭の基本的な立場の御質問をしたときにも言ったように、私はそれは簡単にいくとは思いません。むずかしいけれども、しかしやっぱり末端の業者の倒産は、そこで働くいわゆる半農、何というのですか、多くの諸君の仕事を奪い、収入を奪うわけですね。そこに一つは問題があると思うんです。薬者自体はもうけるときはうんともうけたときもありますから、これはつぶれてもいいというかもしれません。しかし、いいときにもうけさした多くのそこで働く者は、ほとんど末端の建設業者の従業員は半農ですね。出かせぎ中心の土地の農民の皆さん、こういった人がもろに受けるわけです。これを何とかしなけりゃいかぬと思うんです。  そこで、これも私は、これに大臣がどういう施策を図るか答弁を求めません、これは簡単にいくわけないから。そういうことを含めながらぜひ建設業界というものを御指導願いたい。いまの点でひとつこれも要望しておきます。一々あなたの答弁を求めてもこれは私は無理な点もあると思いますから、そういう腹構えと申しましょうか、そういうことを踏まえながらぜひいま言った倒産防止の点も対処してもらいたい、こう思うわけです、  次に、公共事業の実施に当たっては国民の十分な理解と協力が不可欠であります。その前提条件としての環境アセスメント実施の制度化か要請されているのもこれは当然であります。環境影響評価法案の取り扱いも難航しているようでありますが、建設省の立場では公共事業の実施に際しこれらの要請にどうこたえられようとしているのか。事前調査の体制について、これはむずかしい問題で、なかなか自民党さんももめているということですが、国民は非常にこれを期待しております。われわれも主張している。これは何とか早く解決が必要な問題である。環境庁なり自民党の内部事情はいろいろありましょうが、建設省としてはこれに対してどういう腹構えを持っていらっしゃるか、これは意見でも結構でございますからひとつお聞かせ願えれば幸いです。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) いま御指摘がございましたように、私どもが担当いたしております公共事業と環境との調和を図ることは大変重要なことだと考えております。建設省におきましては昭和四十七年に閣議了解がございまして、公共事業についてもアセスメントをやるという方針が決まりました。これを受けまして実施をいろいろいたしておりましたけれども、昭和五十三年に措置方針というものを決めまして、これに基づきまして一定の規模以上の事業につきましてはすでに環境影響評価を実施いたしております。本年度も十二件ほどやりました。それからこういった問題につきまして第一線を指導、助言する体制といたしまして計画局に担当官を置いております。これは省内全体のとりまとめをやっております。それから道路局、河川局、都市局等にもそれぞれ課長クラスの担当官を置きまして第一線を指導いたしております。  なお、環境影響評価法案につきましては、現在私どもはこの法案に環境庁といろいろ調整する点がございましたけれども、一応私どもはいまの案を了といたしております。今後党の方のお取り扱いが決まりますならばそれに従うつもりでおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 現在言われているアセスメント法案で建設事業の事業推進は決して悪影響はない、やっていけるという確信があるわけですね。その点はいかがですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) やはり公共事業そのものを実施いたします場合も、でき上がったときも国民に喜んでいただける、また実施する途中におきましても国民の御理解を得まして実施いたしませんとこれはできもしませんし、またいろいろ不幸なことも起こってまいるわけでございます。そういう意味で私どもは法案ができましたならばその定められました手続に従いまして、十分住民の方々の御理解を得た上で、事業自身もこれもまた必要なものでございますので、円滑に実施をしてまいりたいと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 やっぱり建設事業が一番環境破壊の面も出てきますが、この辺はひとつ十二分に留意してやってもらいたいと思います。  次に、住宅問題についてお伺いをいたします。  最初に住宅基本法、これは非常に待望している法案なんですが、何か近ごろになったらふらふらしちゃって、どうも本国会には提出ができないような報道もありますが、私どもは前に住宅保障法案というものを提出して、政府に住宅問題の憲法ともいうべき基本法の制定を迫ってまいりました。政府としても一時は住宅基本法を制定したいという気持ちもあったようであります。そして恐らくわれわれだけじゃなくて国民も非常に期待をしたと思うんです。ところが、今国会もうすでに半分過ぎました。にもかかわらずいまだ提出がない。ないところかどうもいますでに報道によりますとこの国会には提出しないかのような実態であります。これはまことに不可性子方というか、私どもは何かこう怒りすら感ずるわけであります。このいわゆる住宅基本法たるものが今国会に提出になるのかどうか、またできないのはどういうふうな状態であるのか。これはひとつ住宅基本法に対する大臣の御所見と、できたら大臣、住宅基本法はおれの責任で必ず提出するといったような確信のある御答弁がいただければ大変幸いですが、この点一点大臣の住宅基本法に対する御所見と、この国会に提出するという確信のある御答弁がもらいたいのですが、いかがでございましょう。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。  住宅基本法につきましてはかねてから審議会から答申を受けて、せっかく建設省においても当然のことながら御質問を受けるたびに今国会に提出申し上げたいということを言っておるわけでありますが、中身の問題で若干調整が必要ということ、いま自民党でもプロジェクトをつくってこの問題については鋭意検討していただいております。また、自民党のみならず各政党の方でもそれぞれの素案がございまして、その間の整合をどのように持っていくかということで検討の中で苦慮いたしておるところでございます。すでに今国会には提出したいというようなことを再三申し上げておりますので、何とか皆さん方の御理解を得て整合性を求めて、懸案の問題については解決して提出をいたしたいというような現段階のところでございまして、なお一層検討を進めながら御合意を得て提出いたしたいという気持ちにはいささかも変わりないことを申し上げるわけであります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 意地の悪い質問をすれば、もうちょっと質問をしてどうかと言いたいのでありますが、それも余りちょっといじめるようですからそこまでは申しません。それは大臣、みんなも必要と思っていらっしゃるし、国民も要望しているし、各政党も詰めているんだから、この辺はひとつそういう点を踏まえて断固今国会に提出するということを期待をしてこれは終わりましょう。  次に、住宅政策について基本的な問題について若干の御質問を申し上げます。  建設省の住宅着工統計によりますと、昭和五十五年じゅうに着工された新設住宅は百二十二万八千戸と、オイルショックの四十九年を除き昭和四十三年以来十二年ぶりの低水準になっております。五十一年から五十四年にかけ年間百五十万戸前後の着工件数があったころとはさま変わりの状態にあります。こんなに住宅建設が落ち込んだのは一体どういうところに原因があると考えておられるのか、また、五十六年度の住宅建設の推移をどのように見込んでおられるのか、まずその所見をお尋ねをしたい。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘がありましたように、昭和五十五年の住宅建設を暦年で着工統計ベースで見ますと百二十六万九千戸程度となっておりまして、前年に比べて一五・〇%の減少を示しております。この落ち込みは、主として五十四年の下半期から五十五年の上半期にかけましての地価の上昇、建築費の上昇のほか、民間の住宅ローン金利の高水準あるいはまた所得の伸び悩み等によるところが大きいのではないかと考えております。  五十六年につきましては、これまでの住宅建設の阻害要因となっておりました地価、建築費の動向を見ますと、建築費は最近反落傾向を示しております。また、地価につきましてはまだ上昇が続いておりますが、その上昇率が鈍化しつつあるということと、住宅建設をめぐる環境も次第に好転するというふうに見込まれます。また、先般決定されました政府の総合経済対策の効果も浸透してまいるであろうと予想されますので、今後住宅建設も徐々に回復に向かっていくのではないかというふうに考えているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 五十六年度は大体当初の計画どおりいくであろうという自信を持っているわけですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私どもが新しい住宅建設五ヵ年計画で想定しております量は、五ヵ年間で総戸数七百七十万戸程度を見込んでおります。このベースでまいりますならば、住宅の新築着工統計ベースに換算いたしますと年間百四十四、五万戸程度となろうかと思います。  五十六年度のいまの見通しでは、そこまで一気に回復するのはなかなかむずかしいのではないか、しかしながら、五十五年のような落ち込みはないであろう、相当程度回復して五十六年から五十七年にかけて安定的な上昇を示すのではないかというふうに考えているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いま局長が答えたように、地価の高騰とか資材の高騰とか、あるいは国民の所得の伸びが少ないというようなことが原因だと。ならば五十六年度もそういった問題はそう多く変わるとは思えないんだな。特に勤労者の所得については、春闘いまさなかですが、そう思うような賃上げもできない、へたすれば物価上昇よりも落ち込むとなるとこれなかなか容易でない。そうなるとさらに五十六年度は落ち込む可能性もないとは言えないんだな。そこに局長いるが、いま君は、大体ここでそう落ち込まずにいくだろうという答弁をしたんだが、もしも五十六年度さらに落ち込んだら、君はそのとき住宅局長しているかどうかわからぬけど、少なくとも次の住宅局長はやっているのだから責任があるよ。  どうも国会の答弁は、そのときやっておけばあとはという気風かないとは言えないんだな。者たちはみんなかわっちゃうんだよ、一年か二年で。さきに答弁した人というのは、いなくなった人が多いんだ。これは問題があるけれども、そんなものじゃないと思うんだ。  そこで、いまの答弁に対してしっかりと速記録とっておくから、幸い君が一年して局長していたら、もちろん若が大責任ですが、君がいなくなっても、次の局長によく申しつけて——事務引き継ぎだ。答弁してあとは知らぬ顔じゃ困る。だから、ひとつその点を踏まえて、五十六年度の住宅建設、大いにがんばってもらいたい。これは局長ががんばったってしようがないこともあるけれども、それは建設省が腹を決めてやれば、局長じゃないんだからな。そういう点はしっかりとやってもらいたい。でなければ、一向はかはいかない。私はほかのことは忘れてもこれだけは忘れぬから、一年後にまた必ずやるからひとつ含んでおいて、これは答弁はいいです。  次に、政府の景気対策。  さきの公定歩合の引き下げ等により住宅建設の落ち込みの回復に努力されているのでありますが、根本のところは、いま言ったように地価、建設費が高騰した反面、実質所得が低下をし、住宅をつくりたくてもなかなかできないというのが実情であろうと思うのであります。  業界では建て売り住宅の場合、販売価格が勤労者所得の五倍を超えたとき一マンションでは四倍以上になると売れ行きが落ち込むということが言われております。建て売りでは所得の五倍、マンションでは四倍、こうなると落ち込む。建設省でもそこら辺のところを調査していると思うんだが、現在首都圏で住宅、マンションを取得する人の資金構成の内訳はどのようになっているか、ひとつ資料があったらこれを御説明願いたい。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私どもの方で直接調査をさせていただきまして統計資料を持っておりますのは、住宅金融公庫の融資をいたしております案件につきまして資料がございます。それに基づいて五十五年度の中間集計で見ますと、個人住宅建設につきましては手持ち金が三〇・二%、公庫の借入金が四〇・五%、公庫以外の借入金が二九・三%といったような構成になっております。  また、これをマンション購入で見ますと、手持ち金が三二・五%、それから公庫の借入金が三五・五%、公庫以外の借入金が三一・九%、これはいずれも首都圏における申し込み者の平均でございますが、一応そういったような比率になっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 やはり取得したいというそういった人の志向は建て売り住宅のような大体一戸建てというか、そういったものがいま東京のような大都市圏でもやはり断然多いのか東京あたりのようなところはマンションの方が希望者の数は多いか、こういう点は何か資料を持ってないですか。やはり東京のように大都市圏でも依然として一戸建ての取得の志向が強いのか、あるいはマンションを買いたいという人が多いのか、どういうふうに理解していますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 御希望の向きはなかなか公庫の融資の実績と必ずしも一致しない点がありますので正確な資料がございませんが、私どもが関係方面等から伺って承知しておりますところでは、希望といたしましてはやはり一戸建ての住宅の希望が多いというふうに聞いております。しかしながら、御案内のように首都圏におきましては一戸建て住宅の取得価格というのが相当高くなっております。そういうようなことから、中堅勤労者の方々がまず取得されます傾向はマンションということになっていく。マンションに住んでいらっしゃってある程度年数かたった方々が、次の段階で郊外の一戸建て住宅を取得するといったような、いわば住みかえの流れになっているのではなかろうかというふうに推測しているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 住宅取得に当たって借入金の占める割合が実際に非常に高くなっている。今後政府、民間を含めた住宅融資の拡充強化が住宅政策にとっては大きな課題となっているわけであります。さきの公定歩合の引き下げに伴い、住宅ローンはどれくらい引き下げられると見込んでいるのか、この辺が一つの課題でもあると思うんですが、住宅金融ローンについての引き下げは決まったかな、これどうだったか、私はまだ見てないんだが、これはどういうように考えていますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 先ほどの公定歩合の引き下げは三月の十八日に七・二五%から一%引き下げられたわけでございます。今後の予定といたしましては、これに伴いまして長期プライムレートの変更が予定されておりまして、これと並行いたしまして民間の住宅ローンの金利も当然引き下げられるものと期待しております。しかしながら、この時期それからまた幅等につきましては、民間の金融機関が自主的に決定されることでもあり、私の方で具体的にどうこうというようなことは現段階で申し上げるわけにもまいらないかと思いますが、ただ、私どもといたしましては財政当局を通じましてなるべく早く、しかも大幅にローンの引き下げをしていただきたいということをお願いをしているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次に、十七日に打ち出されました第二次総合経済対策の柱として住宅建設の促進を挙げております。住宅金融公庫融資条件の緩和や募集時期を早めにすること、具体的に貸付限度額の引き上げ、条件の緩和を考えているのかどうか、また例年五月上旬ごろに行われている融資募集はどうなっているのか、いつごろにするのか、これはどうなっていますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 先般決定いたしました第二次総合経済対策におきましては、内需を中心とした経済成長をより確実なものとするために住宅の建設の促進を図ることとしております。それに伴いまして、住宅金融公庫の融資につきましては受け付けの開始を例年より早期に行いたい。  昨年は四月三十日に募集を開始いたしました。一昨年は五月一日に開始いたしました。本年はそれよりもできるだけ準備を早めまして、一週間前後繰り上げて募集を開始したいというふうに考えております。また、受付期間につきましてもなるべく長期期間設定いたしまして、準備の整う方に無理のなく申し込みができるようにしていただきたい。それを無抽せんによって行い、上半期には過半の募集を準備させていただきたいというふうに考えております。  また、御質問のありました貸付限度額につきましては、予算の関係でもございますし、また最近建築費が安定傾向にあるというところからこれの引き上げはいま予定はいたしておりませんが、分譲住宅の譲渡価格の制限というのがございまして、ある一定額以上の分譲住宅については公庫の融資をしないというふうになっておりますが、この融資の制限額を二百万円から三百万円程度に引き上げることによりまして、若干でも需要者の方々の貸付対象の範囲を拡大をいたしたいというふうに考えているところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ところで、五十六年度予算で公庫融資の個人向け融資について、いま言われたように所得制限が設けられておりますね。年収八百万円を超える高額所得者には財投金利生みの八%の金利となっておるようです、十七日に発表された実施細目について、その詳細を聞かしてもらいたい。年収八百万を超えるものは財投金利作みの八%、非常に高いと思うんですが、これについてひとつお聞かせ願いたい。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 公庫におきます五十六年度からの所得制限につきましての考え方といたしましては、国民の平均所得を大幅に上回る方々に対しましては貸付金利を財投金利並みということにさせていただきまして、この厳しい財政需要のもとで公庫融資の効率化を図ろうとするものでございます。この所得制限につきましての詳細は公庫法の施行令の改正等により定めることになりますが、現在その改正作業を進めております。その内容の主なものはこのようなところに重点を置こうと考えております。  まず、年収につきましては、申し込み御本人の年収について八百万円といたしたいと思いますが、その際、粗収入の八百万円でございますので、税法上のいろいろな控除をした後の、いわゆる税法上の所得金額というものでとらえます方がより的確に把握できるということで、その所得金額は六百十五万円とするというふうに考えております。  また、所得の範囲につきましては、継続的な収入を中心として把握さしていただきたい。一時的な所得はこれは除外をするというふうに考えたいと思っております。  また、所得の把握方法等につきましても、従来の申し込みをされたときの手続をなるべく踏襲して、複雑な手続とならないように注意したいと考えております。また、公庫法の第二十一条の第二項におきましては、「貸付けを受ける者の特別の事情並びに土地の合理的な高度利用及び災害の防止に寄与する住宅の建設並びに公共の用に供する施設を特に整備した一団地の住宅の計画的な建設の促進に配慮して特別の定めをすることができる。」というふうになっておりますので、これを受けまして、私どもといたしましては公共事業の施行に伴いまして移転を余儀なくされる方々とかあるいはまた災害を受けてそのため新しく家を求められるようなそういった方々、あるいはまた市街地再開発事業等によりまして供給される分譲住宅を買われる方、また公庫融資つきの分譲住宅五十戸以上の団地を形成する優良な住宅を購入される方、こういったような方々につきましては、法律の趣旨に従いましてこの所得制限を適用しないというふうに考えておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 その所得制限を受けるという人たちは、昨年度の貸付実績から見るとどのくらいいるかわかるか、またそのことによって一般惜り入れからの補給金はどのくらい少なくなっているか、こういう点わかっていたらひとつ御答弁を願います。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私どもが五十六年度にも予定しております公庫融資の中で、ただいま申し上げました八百万円を超え、財投金利の適用を受けるであろうと見込まれる方々は、公庫の利用者の全体の三%から四%程度になるものと見込んでおります。その際一応そのように見込みまして計算をいたしますと、これはなかなか厳密な計算は貸付金額の多寡にもよりまして違いますので困難でございますが、一定の条件のもとに通常の場合と見て計算をさしていただきますと、五十六年度では約三億円、それから貸付全期間を通じますと約三百億円の節減効果があると見込んでおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 まだ住宅問題で質問があるんだけれども、ちょっと国土庁に、大臣も大分時間がたったようだから、国土庁長官、ひとつ奄美の質問を途中でします、大変お待ちになりましたから。  先般、私どもは委員長のお供をして、昨年の暮れ奄美辞島の視察調査をしてまいりました。私も東京で奄美と言えば何か風光明媚で天下の楽園みたいな想像をしておりましたが、なかなか行ってみますとそうではないようであります。それこそあれは観光宣伝の一つの悪い面でありましょう。なかなか現地の皆さんはいろいろと苦労があるようでありますし、また実際私ども自体も短い時間でありましたが、ずっと駆けめぐりまして奄美の方々の御苦労が、いろんな御要望が身の引き締まる思いでありました。もちろん財政の非常に厳しい折でありますから、そうそうは国としても思うようにはいかぬにしても、せっかく奄美群島振興のための特別の法律もできているんでありますから、やはりさっきの建設大臣への質問と同じように、これはできる限り内地に住んでいる者はある程度のがまんをしても、奄美群島ないし同じような条件にある離島には、政治、行政の恩典といっては語弊がありますが、とにかく施策を推進する必要があると痛切に感じて帰りました。  以下いろいろと短い時間でありますからお尋ねをしますが、ひとつ国土庁長官の奄美群島に対する姿勢の基本的なお気持ちをお伺いをしておきたいと思っております。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 先生御存じのように、国土庁は過密と過疎をいずれも緩和して、そして過密と過疎のバランスのとれた国土を建設しようというのが根本方針でございます。  それで奄美群島のことは、昭和二十八年に復帰されましてかなりたっておりますか、まだなかなか御承知のように、先生御視察されてよくごらんになったと思いますが、私ども選挙区におきましても奄美群島からおいでになっておる人が非常に多数あって、その実情をしばしば訴えておられまして、飛行機をもっと増便してくれという陳情を受けて、飛行機の増便にも尽力したというような実績もあるんでかなりよく存じておるところであります。まことに十分思うようにいっていないことは私も存じておりますが、関心は大いに持っております。先生たちも現地を視察されて非常に関心を持たれたそうですが、私もできたら一度ぜひ視察でもさしてもらって関心を深めて大いに開発に努力しよう、こう根本的に思っておる次第であります。  特別措置法ができましたが、しかし住民の生活水準もまだ十分ではございません。戦前の本土水準にまではまだ至っていないようなことで、公共事業も復興をやっておりますが十分でございませんので、今後は振興計画に基づいて地場産業の振興等も十分やっていきたいと考えております。  わが国の経済社会も著しく最近発達しましたが、それに比較するとどうも奄美杵島は取り残されているという感が深いのであります。でありますから、われわれは国土庁としても全力を挙げてこれが開発、振興等に今後尽力して、そのおくれておりまする奄美の振興開発を一層積極的に進めていきたい、こういう根本方針でおる次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いま大臣はいみじくもおっしゃったんだが、私は一遍行っていただいたらいいと思います。私もいままでにずいぶん回会の調査派遣で全国を回ってきましたが、奄美のこの間の調査はもう全く違うんです、土地によっては、この内地のは、行くと、また来たなんという気持ちの人もあるんだ。奄美杵島挙げての非常な歓待というか、それは奄美出身の委員長がいらっしゃったせいもありますけれども、各所で島民、部落の人たちが、参議院建設委員会の御来島を歓迎するというたれ幕を下げて、もうおじいさん、おばあさんから子供まで全部出て、しかも茶菓の接待もしている。これは初めてです。恐らくまた今後もこんなことないと思うんです。いかにあの人たちは国の施策を待望されているか、本当にもうしみじみ感じた。恐らく大臣が行ったら大変だ、あなた。町が、島がひっくり返るような騒ぎになっちゃう。それほど期待している。だから私は、大臣がいらっしゃったからすべての施策がすぐいくとは思いませんよ。しかし、大臣がいらっしゃっていただいたら島民の方々に物的なもの以外に、大きな安心というわけにもいきませんが、ちょっと言葉に、口に出せませんが、私は大きな力を与えると思う。いま特別なジェットが行きますから、そう時間をとらずに行けるんですよ。私は、ここでどんな答弁をされるよりも、あなたが飛んでいって奄美の大体をずっと回っていただくだけで大きな成果だと思うんです。これはあなたが行くとすれば、私はこの質問をやめてもいいんです。本当なんです。あなたが必ず行くと約束されれば私の質問はしなくていいわけです、実際に。それぐらいに思うんです。どうかこれは行くとか行かぬとかおっしゃらぬでもいいから、ぜひいらっしゃることを奄美の群島の皆さんにかわってひとつお願いするが、いかがでしょう。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 奄美群島から私の選挙一区の尼崎、伊丹、川西なんかに多数おいでになっておりまして、そのいずれも私を非常に支持してくれる、親愛の情がはなはだしいものがあります。そういう人からの要請もありますし、いま先生のお言葉もございますので、できたら五月ごろにでも一度行きたいという予定を立てております。ぜひそのときは御案内を願いたいと思います。よろしくどうも。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 官房長、いまの大臣の答弁を無にしないで、万難を排してスケジュールをつくって実行しなきゃいかぬ。これは本当に全く私は何というか、無条件というか、要するに島民のためにぜひ実現させたいと思うから。

谷村昭一国土庁長官官房長

○政府委員(谷村昭一君) 現在大臣が御答弁になりましたように、五月に行くように計画を立ててございまして、必ず実現いたしたいと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 本当にあとの質問はしなくても済むぐらいだけれども、まあちゃんとしなくちゃいかぬですが、あとの答弁は簡潔に答弁すればいい。  最初に、大島つむぎの問題。  大島つむぎを私も昔着たことがありますが、あれは簡単に考えていましたが、行ってみてたまげました。それは要点はみんなも知っているかもしらぬが、一つは流通の問題だな。現地で一番高いのが四十万ぐらい。東京へ来ると百五十万ぐらい取られる。すべて流通の過程はそういうものですが、百五十万円で東京で売っている、現地で四十万。何とかひとつうまく流通過程を考えて、東京で百万ぐらいで売れて現地の人がこれは端的に言って五、六十万ぐらいの粗収入になる、このぐらいのことを私はやる必要があると思うんだな。あれは実際大変だよ。したがって、いろいろと質問の要旨は行っているんだが、これに加えて流通過程をもっと検討して、いま言った百五十万じゃなくて百万ぐらい。現地の人は四十万じゃなくて六十万ぐらい。これはみんなは流通の専門家じゃないから無理だけれども、大島つむぎはそういうことを考えてやる必要があると思う。そのことを含めてひとつ大島つむぎの答弁を簡潔にしてください。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) ごらんいただきましたように、大島つむぎは大島本島の中の第二次産業の基幹でございます。そういう意味で、やはり県も地域の方々も何とかしてこれを伸ばしたいという形でいろいろの御苦労をなさっております。  一つは、やはり技術の改良といいますか、そういった点でのいろいろの施策なりあるいは後継者の育成という問題があろうかと思います。二番目には、ただいま御指摘ございました流通の問題、あるいはそれに関連しました規格の向上の問題とか、いろいろの生産体系の合理化の問題とかそういった点があろうかと思います。  いままでの大まかの経過を見てみますと、生産反数はそんなに伸びておりませんけれども、大島つむぎのいわば特徴ともいうべきどろ染めなりどろ藍染めといった高級製品がかつては四割しかございませんでしたが、現在は八割でございます。それがいわば高い大島つむぎという名前になっていますけれども、それをもっと伸ばさなきゃいかぬという形で一生懸命がんばっておりまして、その伸ばしていく過程の中でただいま特に御指摘ございました流通の問題は、ごらんいただきましたようにほとんどの生産の過程が家内工業的なものでございまして、これをどういうふうに体系化するかということが非常にむずかしいものでございます。あるいはごらんいただきましたように地区別に分散しておりまして、これをどうするか、あるいは鹿児島本土の部分との連携をどうするかと非常にむずかしい問題、さらには韓国産のつむぎの問題とかいろいろライバルがございまして、ここら辺のところ地元でもいろいろ工夫しておりますけれども、私どもの国土庁としましては、とりわけ技術関係の指導につきましていろいろ助成しております。ただいま御指摘ありました流通の問題につきましては、県の方も新しい振興ビジョンをつくりまして、その中で何とか取り組んでいきたいということを検討しておりますので、私どもの方も鋭意そういった点に御協力申し上げたいと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それをしっかり頼むよ。  次は、農業関係。  農業は、なかなか土地柄があるからそういわゆる本土並みにはいかぬと思うけれども、私の行ったのは徳之島と奄美本島ですが、たんぼなんてほとんどないんですね。畑、特に徳之島はほとんどサトウキビでした。しかし、野菜その他はある程度あるようでありますが、特に私ども日についたのは、国営の農地開発事業、これは非常によくいっているようです。奄美の農業の現状と将来、そして国営農地開発は大体順調に進捗しているようですが、今後どのようにあれをやっていかれるつもりであるか、それをひとつ簡潔にお願いいたします。

北村純一農林水産省構造改善局計画部事業計画課長

○説明員(北村純一君) お答えいたします。  奄美群島で現在国営農地開発事業の調査を実施いたしておりますのは、群島の中で最大の耕地面積を有しております徳之島がございます。本地区の調査は、地元の要請に基づきまして昭和五十五年度から昭和五十七年度まで行う予定といたしております。  概要といたしましては、御承知のように徳之島三町、すなわち徳之島町、天城町、伊仙町でございます。受益面積はおおむね二千ヘクタールの農地造成と畑地灌漑、さらにおおむね五百ヘクタールの区画整理を考えております。受益戸数は約一千七百戸、想定事業費は約四百億円でございます。導入の作物といたしましては、サトウキビが一千九百ヘクタール、バレイショ、サトイモなどが六百ヘクタールを考えております。一戸当たりの農地面積は現在約一ヘクタールでございますが、計画後は約二・五ヘクタールになるものと考えております。  現在は調査段階でございますが、調査完了後、全体実施設計二ヵ年を経まして事業の実施となるわけでございますが、事業の実施につきましては法手続によります一〇〇%の地元の同意が前提となりますので、今後鹿児島県、関係三町並びに受益者を十分連絡調整を図りまして事業を推進してまいりたいと考えております。その結果、現在四千三百ヘクタールばかりございますサトウキビの作付面積は、最終的には六千ヘクタール程度となろうかと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 やはりできるだけ島内で農業生産も上げてもらって、野菜、サトウキビだけじゃなくてバランスのとれた——バランスのとれた農業はなかなか期待できぬと思うけれども、何としてもサトウキビが主体でしょうね。でしょうが、やはり島内でできるだけ生活に必要な食料品の自給ができるようなひとつ指導と努力をお願いしたいと思います。  次に、水産関係のことについてお尋ねをいたします。  本群島は、御承知のように位置的に豊富な漁場に恵まれ、水産業振興の可能性を秘めておるわけであります。漁船の一隻当たりの生産額は本土に比べてなかなか及ばないところがあるように見受けられます。二百海里時代を迎え好漁場を有するこの地域優位性を生かした水産業の振興を図るためには漁業近代化、漁船の大型化、漁業技術の改善等がなり改変を要すべき点が多いように思われます。これに対応して漁港の整備、船だまり施設の整備等についても地元の要望が非常に強かったのであります。なおまた、これと並行して製氷、冷蔵施設などを整備し、流通の合理化を図ることも必要かと思われます。政府は、新計画に基づく事業としてどのような対策を持っておられるのか伺いたい。  漁港の施設整備とともに、一種漁港の指定についての要望もありましたが、その点についてもお伺いをしたいと思います。

佐藤稔夫水産庁漁港部計画課長

○説明員(佐藤稔夫君) お答えいたします。  私、水産庁の計画課長でございますが、質問のうちの後半の漁港整備の関係についてお答え申し上げて、前半の方につきましては国土庁の方からお答えするようにいたしたいと思います。  現在、奄美辞島には二十七港の漁港がございまして、奄美群島の水産業の振興を図るためには何といいましてもその基盤となります漁港の整備が必要であるということで、復帰以来その整備に努力を尽くしてきたところであります。現在は奄美群島振興開発計画の方向に沿いました漁港整備の計画を第六次漁港整備計画、これは昭和五十二年から、五十七年までの六ヵ年計画でございますが、その中に取り入れまして現在事業の促進を図っております。  その進捗状況は、全国の整備状況が五十五年度末では五六%程度でございますが、奄美におきましてはその特殊性等を考慮いたしまして五十五年度末におきまして約七五%程度の進捗を図り、さらに、現在予算委員会等で御審議をお願いしております五十六年度予算が実施されますると、五十六年度末におきましては全国の進捗率は約七二%程度でございます。奄美におきましては当初予定いたしました額、約百三十五億円でございますが、その進捗率九八%程度ということで大分全国ベースに比べますと奄美の漁港について力を尽くしているということは言えるかと思いますが、まだまだ何といいましても全般的に整備の低い状況でございますから、これからも一生懸命その整備の促進に努めてまいりたい、こう思っております。  また、漁港の指定の問題につきましては、三十年当時におきましては二十二港程度でございましたけれども、その後五港ほど最折、五十四年になりまして追加いたしまして現在二十七となっております。それから、地元から早急に漁港の指定をして整備をしてほしいという要望が上がってきておりますものが二港ございますが、これにつきましてはすでに漁港審議会の答申も経まして現在告示の手続中でございますので、近々二港さらにふえるものと思います。それと地元におきましては、さらにそのほかにもう一港県内において調整しているというものがございますが、調整が整いまして要望が出てまいりました際には所定の手続を経まして指定をしていきたい、このように考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 課長は魚をとることはわからないのか。説明してくださいよ。

佐藤稔夫水産庁漁港部計画課長

○説明員(佐藤稔夫君) 私、専門が土木でございまして……。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 魚をとる方はわからないんだ。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) 私もそちらの専門家ではございませんけれども、現地を拝見しましていろいろ聞いたところから申し上げたいと思いますが、奄美の水産業の場合に、漁港関係につきましてはただいま水産庁の方から御答弁がございましたが、やはり何といっても一つの問題は漁船の問題であろうと思います。奄美の漁船は大体約二子二百隻ございますけれども、その大部分の船がいわゆる五トン未満の小型船でございまして、内地の一般の船が持っておりますような探知機ですとかロランですとか、そういうものを持っておりません。そういう関係でどうしても出る範囲が限られます。それから非常に操業の形態が計画的なものができません。それが奄美の漁業が伸びない一つの原因だろうと思います。このためにはやはり、もう少し内地でいままでいろいろやっておりました漁船の大型化ですとか近代化ですとか、あるいはそれに関連しました漁業技術の改善ですとか、こういったところに一つの力を入れなくちゃならない問題点があろうかと思います。  二番目に、先ほど御指摘ございました流通関係の対策としまして、名瀬から鹿児島までとりましても約三百八十キロございます。これだけの距離をどうやってとれた魚を運ぶかということになりますと、とりわけ南の方の暖かい海の魚でございますから、どうしても冷凍設備が必要である。しかし、奄美で冷凍設備をやろうとしましても、たとえば和泊にしましてもあるいは名瀬にしましてもようやく一部始まったばかりでございまして、とても規模は小さくて体系的に送ることができない。これを今後関係地区の漁協等を中心としまして、製氷冷蔵施設なりあるいはそれを中心としました内地とつながった流通体系の合理化という問題が一つあろうかと思います。  三番目に、新しい漁場なり新しい魚種の開発という問題で先ほど申し上げました船の制約もございますけれども、二百海里問題に関連しましてもう少し周辺海域に足を伸ばすとか、あるいは最近地元でふえてまいりましたモスク等の新しい適地の養殖漁業といいますか、こういったものを図っていくことが必要であろうと思います。  以上、気がつきました点で恐縮でございますけれども、一応御答弁にします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 実は私ら行ってみて魚がたくさんとれそうだと思うんだが、実際あの近所でどういう魚がどういうふうにとれるのか、いま局長が答弁したような施設をすればどういう魚がどのようにとれるかということは、きょうは水産庁の担当が来てないからわからぬわけですね。課長、いわゆるいま局長が答弁したあるいは課長が答弁したようなことを施設をすれば、奄美群島周辺で将来どういう魚がどのくらいとれる可能性があるのか、これはすぐわかったら、資料として出してくれぬか。

佐藤稔夫水産庁漁港部計画課長

○説明員(佐藤稔夫君) ただいまの御依頼の件につきましては、担当の方と連絡いたしまして、資料をまとめてお届けするようにいたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次に、道路問題について、特に徳之島の国道、これはきょうは触れません。触れませんで、道路について少しお尋ねしたいと思います。  国県道の改良整備はかなり進んでいるように思いますが、まだ大型車の通行にいろいろ不便なところがあるんですね。そういう面で拡幅とそれから何ヵ所かトンネルを掘ってもらいたいという要望が非常に強い。そういった点を建設省はなるたけ仕事をやってもらいたいということ。  それからその次に、市町村道の整備、これは直接でないけれども、建設省のかかわりが非常に多いんで、改良率も舗装率も市町村道は非常に悪い。これなどもなるたけ早くやって、いわゆる県道、地方主要道はいいんだが、これは拡幅といま言ったトンネルで。市町村道の整備をして、集落間の連絡その他についてもっと積極的な施策を講ずる必要があると思うんだが、この点についてひとつ二点を含めてお願いします。

臺健建設省道路局次長

○説明員(臺健君) 奄美本島を縦貫いたします一般国道の五十八号につきましては、昭和五五年度に任用村の一部区間の改良工事が完了いたしましてこれで全線が改良済みとなっております。しかしながら、改良済みでございましても幅員か快い区間とか線形の悪い区間等もございますので、名瀬市と竜郷町の間等におきまして二次改築事業として逐次整備を進めているところでございます。  県道につきましては、現在二六路線、延長五百三十キロメートルの県道がございますが、昭和五十四年度当初現在におきまして整備状況は、改良済みが三百二十八キロメートルで、改良準が六五%、舗装済みが四百五キロメートルで舗装率八一%となっております。  ちなみに全国のこれらの数値を見ますと、改良率が五八%、舗装率が七七%でございまして、奄美は若干全国平均を上回っておるような状況でございます。しかしながら、国道の場合と同様に改良済みでございましても、幅員の狭い区間あるいは線形の悪い区間等が含まれておりますので、今後は未整備の区間の改良に重点を置きつつ、あわせてこれらの幅員の拡幅、線形の改良等の整備を進めていきたいというふうに考えております。  なお、現在国庫補助によりまして県道、主要地方道の名瀬−瀬戸内線を初め八路線につきまして鋭意整備を進めているところでございます。  なお、市町村道につきましてはその整備状況は、同じく五十四年度当初におきまして改良率が二六%、舗装率が二二・八%でございまして、全国平均と比べますと改良率が全国で二五・六%、舗装率が三五・七%となっておりますので、改良率は全国並みでございますが、舗装率が全国より若干低い状態にございます。奄美群島の市町村道につきましても、国県道の場合と同じように先生の御趣旨のとおり奄美群島振興開発特別措置法の趣旨等を踏まえまして、地域の基礎条件の改善のため交通不能区間の解消等に重点を置きつつ、内地よりは傾斜配分をいたしましてその整備を進めているところでございますが、将来ともそのような努力を続けていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次長、それはわかるんだ。わかるけれども、いま冒頭にも言ったように、奄美の人たちはいろいろな心情的なものがあるわけだ。かつてはアメリカのために占領されて、やっと復帰した。復帰して二十八年たっているが、やはり本土と比較するといろいろな意味で不便が一段とあると思う。本土と一緒になってもともとだが、それでもあそこの人たちは心情的には不満や不平が残るわけです。実態としては本土よりもかなり進んで初めてよかったという気持ちが起こるわけだ。したがって何遍も言うように、いろんな制約がある、これはわかっている。制約があるけれども制約がある中で少しずつでも前進するところにやはり施政、政治の温情が私は行き渡ると思うんだ。したがって、次長に言ってもそう簡単にいくと思わぬけれども、それを踏まえながらやってもらいたいと感ずるんだよ、向こうの人は。したがって、ひとつ今後ともぜひそういうものをやりながら施策を進めてもらいたい。  私は、国土庁長官とは一緒に行けぬけれども、またそのうちここへ行って、こうして論議して要望を出した中で一年たっても何にもできないのでは困るんだな。だから来年あたり、ことしの冬でもいい、行ってみてどうなっているかをこれは見たいと思うんです。国会でやりますとかしますと言ったことが、果たして一年たった後どうなっているかということを私は必ず見聞したいと思っている。これは大臣もひとつ、あなたは言った以上はぜひ何かしてもらわぬと、私は一年後に行くから、原長官が行って何もなかったじゃしようがないんだ。原長官が乗り込んだ以上はちゃんとそれができたという実績を残しておいていただきたい、これは答弁要らぬが。  次に、空港整備について。  この間行ってみまして、徳之島にはちゃんとジェット機が行っているんだな。奄美本島にはジェット機が入らぬ。いろんな現地の事情もあったようでありますが、これは中央政府としてもいろいろとやってもらいたいと思うんであります。本島でもいよいよ敷地が大体決定をしているようでありますが、これのひとつ促進方をぜひ援助してもらって、島民の、島民という言葉は余り使いたくないのですが、島の人々の便宜を図ってもらいたいと思うんだ。やはり道路もそうですが、道路は島内だけの問題、空港は本土とあるいはいろんな状態で近くなる。離島という感じをなくするようなものでありますから、これはぜひ促進方をお願いしたいと思う。現場は見てきましたが、これに対する将来展望をひとつあったらぜひお聞かせをいただきたい。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) 奄美の場合に、ただいま御指摘ございました徳之島の空港だけがDC9のジェット機が入る空港でございまして、ほかの空港、つまり奄美と喜界と沖永良部と与論はそれぞれ現在YSでございます。  そこで、いまの計画としましては、奄美の本島の空港につきましては現在地よりも北側に新しい空港をサンゴ礁の上につくりたい。それによりましてジェット化に対応したいという形でようやく地元の笠利町の皆様方のほぼ同意を得つつある状態でございまして、鹿児島県としましてもいろいろ調査を進めておりまして、できることならば近い将来にその予算化を図りたいというのが一つでございます。  二番目に、沖永良部でございますけれども、現在の滑走路をさらに延長いたしまして、それによりましてジェット化に対応したいという計画がございますが、これは奄美ほどまだ具体的に内容が詰まっておりません。その他の喜界と与論につきましては小さい島でございますものですから、いまのところ附属施設の整備なり一部の改良的な計画がございますけれども、抜本的な計画はないように聞いております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 沖永良部は、飛行場を延長すればジェット機が入るだけの用地はあるの。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) 沖永良部の場合には、御案内のように南北に長い島でございまして、その北端から飛行機が入ってまいりますものですから、実はその南の方の陸上部分に耕地をつぶして滑走路を延ばせばいいわけでございますけれども、しかしあそこは奄美としましては有数の農業の中心地でございますから、これはなかなか地元の同意がむずかしいと思います。となりますと、逆に北の方の海の方に延ばすかということになりますけれども、そこまでは地元としまして具体的な調査なり計画はまだ詰めておりませんが、できることならばいまのところで南北どちらかに延ばしたいという構想でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いろいろとまだ奄美の関係については質問したい、要望したいというのがあるんでありますが、要は何遍も申しますように地理的条件もありますし、いろいろな制約もありますからそうそうはいくと思いません。しかし何としても、ああいうところに住んでおられる方々が物質的にはどうであれ、一応精神的にだけでもやはりこの島に住んでよかったという思いができるような施策をいろんな面でやってもらいたい。これは私が現地に行きまして、いまだに私の胸に焼きついていることであります。どうかそういうふうになかなか思うようにいかぬことでありますけれども、そういうことを含めて、ひとつ長官以下ぜひ対処してもらいたいとこれは要望しておきます。  住宅関係の質問が少しまだ残っているんだけれども、それを全部やると時間を超過してしまうのだ。少し早いけれども、また後日に譲って——やらないわけじゃないからな、局長。必ずやるんだから油断しないで。きょうは一応この辺で私の質問を終わります。

宮之原貞光日本社会党

○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時零分まで休憩します。    午前十一時四十一分休憩      —————・—————    午後一時四分開会

宮之原貞光日本社会党

○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 先ほどの先生からもう私の質問の要旨が大部分御質問がございましたが、多少重複する点もございますが、何分省いてお尋ねしたいと思います。  まず、国土庁長官にお尋ねいたしたいと思うのでございますが、先般、国鉄赤字再建という立場で政令をつくって、ローカル線廃止というようなことが打ち出され、それに対して自治省、自治大臣は強硬に反対したというような報道が出ておりますけれども、過疎地域に対して大変熱心な対策をされている国土庁の御意見というのがほとんどあらわれておりません。そういうような点で国土庁として、あのローカル線廃止に対してどういうふうなお考えを持っておられるか、簡単にひとつお聞かせ願いたいと思います。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) お答えいたします。  御案内のとおり、ローカル線を廃止することは非常に日本の過疎地帯をいよいよ過疎にするおそれがあると私も反対いたしましたが、私のは表面には出ませんでしたが、いろいろ相談して実際の効果をおさめました。今度、反対ばかり新聞に出ても結局それが実現しなかったら何にもなりませんので、私どもはかなり成功いたしました。  それは、最初の運輸省の案では、およそ日本の全土で廃止する線の六割二分が北海道であった。そんな北海道だけそれほど集中的に廃止するというのははなはだ均衡を破っているというこれが一点。第二点としては、北海道は特殊の場所である。いわゆる北海道開発ということはもう北海道開発庁も置いて多年にわたってやっておる。そういうところに全体の六割二分が北海道に集中して廃止するのはよくない、ぜひひとつこれを減してもらいたいというので、いろいろ折衝を何回も続けました。その結果は、大体六割二分が北海道にあったのが二割数分に抑え込みまして、結局成功いたしたと思っております。大体北海道で廃止されるところはひげ線というやつで、ちょろちょろと方々にひげが出ておる、そういう短いものだけになってしまったので、私どもは一応成功したと考えておるところでございます。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 国土庁として特に大臣がそのように精力を熱心に反対のために、言ってみれば過疎対策のために御努力をされたということか残念ながらいままでだれも承知をしておらなかったようでございますので、この際この席で公開してもらったということは、大変私は長官のためにも結構なことだと思うわけですが、ただいまのお話を聞いていると、北海道重点に大分御熱心にやられておられるようですが、過疎は全国的にございます。それからたとえばローカル線が廃止された後に今後、いまも現在過疎地域のバスやなんかに対してそれぞれ手当てをされておるようでございますが、ローカル線廃止後の交通確保のために国土庁としては一体どういうふうな処置をとられて過疎対策に対応されるか、お尋ねしておきたいと思います。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) その前に、大変恐縮でございますけれども、先ほど長官の方から、北海道だけという感じだったかもしれませんけれども、お尋ねの過疎問題という観点から、とりわけ私どもの方で運輸省、国鉄等と議論した点御紹介させていただきたいと思います。  国土庁としましては、一つは全国的な交通体系といいますか、そういう次元からやはり国鉄も他の交通体系の中でどうあるべきかという議論が、これは私どもの所管で申し上げますと、計画・調整局の方の発想でございますが、私どもの方の過疎の場合には、いま御指摘のように、過疎地域でのいままで国鉄が担っていた役割りというものが今後どう変わった方が望ましいのかという議論で、そういう中でとりわけ代替道路が整備されてないところですとか、冬期間に代替道路のバスがとまってしまうところですとか、あるいは今後開発の可能性があっていま国鉄が考えているよりももっと旅客がふえるんじゃないだろうかとか、そういう幾つかの線につきまして具体的にいろいろ協議した結果、先般発表になりましたものから一応とりあえず地方交通線から外されたという形になっております。  そこで、外されたものは今後地元の協議会との形でどういう形で運営するかという議論になろうかと思いますけれども、外されなくて、地方交通線としていわば今後の整理の対象になるところにつきまして、具体的にどうするかという点でございますけれども、正直言いまして、個々の地域によりましていろいろ実情が違うと思います。とりわけ急いで整理対象になっております分は、先ほど長官申し上げました比較的距離の短いひげ線でございまして、この大部分が実は御案内のように通勤、通学の旅客でございまして、それにあわせて、たとえば病院にお通いになるとかそういう時間に偏った方々の交通が多うございます。これを代替バスでどう持っていくかということは非常にむずかしいと思いますけれども、そこら辺のところ私どもの方もいろいろ国鉄なり運輸省と議論している過程の中で、個々の地域の実情の差はあろうかと思いますけれども、何とかしてそういったものがうまくマッチできないだろうか。これは具体的に個々の地域によって違うと思いますけれども、そういうことをこれから関係方面といろいろ議論をされますものですから、そういったことを何とかして具体的になるべく支障が起こらないようにと考えております。  ただ、ちょっと気になります点、大変恐縮でございますけれども、新しい過疎法でできました県、市町村の過疎の計画を拝見しますと、その中で幾つかの地域で廃止対象になっております国鉄路線にやはり何らかの御期待を残されております。ここら辺を具体的にどう調整するか、非常にむずかしい問題だと思いますけれども、それぞれの地元の実情に応じながら関係方面と協議して努力してまいりたいと思います。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 私がお願いしたいのは、この過疎地域の住民の心情です。心です。その一つの心の支えになっておった鉄道が外される。そうなると、過疎地域の住民としては夢も希望も失う、そういうふうな感じを深めておるので、過疎対策に大変精力を注いでいる長官に私は画期的な過疎地域住民が夢と希望の持てるような政策を何か御配慮願いたい、こういうことを強く要請をいたしておきたいと思うんです。五十六年度で、それぞれ前年踏襲されたような過疎対策はやっておりますけれども、新しい面での過疎対策というのを何か取り上げておるかどうかというようなことをお尋ねすることが一つ。  さらに、これも国土庁と関係が深いんですが、水資源確保のために各地にダムの建設が行われております。ダムの建設はほとんど過疎地域だと申し上げても誤りじゃないと思います。その建設中は大変いろいろ建設会社や何かが乗り込んで、ある程度活気に満ちたような感じを与えておりますけれども、完成した後のその地域というのは全く火の消えたような状態になっておる。また私どもの宮城県でもいま数ヵ所ダムの建設が行われておるわけでございます。これからのダム建設の促進のためにも、そういう点について国土庁として何かこれからお考えがあるかどうかというような点もただしておきたいと思います。

四柳修国土庁地方振興局長

○政府委員(四柳修君) 前段のお尋ねの五十六年度予算関係の過疎の新しい施策というお尋ねでございますけれども、御案内のように新しい過疎法が実は五十五年度に発足したばかりなものでございまして、そのときに過疎債の対象に幾つか新しいものを取り上げるとか、あるいは老人対策、義務教育対策等で幾つかの新しい補助金を設けるとか、私どもの方の過疎関係でもそういったものはございましたけれども、そういうものを実は取り上げたばかりでございまして、内容としましては新しいものはほとんどございません。  ただ量的には、たとえば過疎地域が一番期待しております過疎債が五十五年度の千三百十億に対しまして千五百二十億ですとか、それぞれ他の予算と比べますと非常に伸びている状況でございまして、強いて、五十六年度新しい施策という形を考えてみますと、御案内のように、五十五年度の国勢調査の結果が先般わかりましたものですから、その結果、幾つかの市町村が新しくまた過疎団体に加わります。五十五年度千百十九の市町村がございましたが、さらにそれに三十二の市町村が今度四月一日付で追加になりまして、その市町村につきまして過疎対策が進められるかっこうになろうかと思います。量的には拡充になりましたけれども、質的には特に変わった点はございません。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 五十五年度にせっかく立法され、二年目でもあるので、最初は遠慮されて、二年目あたりが一番もろもろの施策が講じられるんだろうとわれわれは実は期待しておったんですが、私の調べのとおりで何もないということで非常に残念です。ひとつ長官、もろもろの問題もありましょう、国の財政再建ということもございますけれども、やはり過疎地域の住民の立場ということも御理解願って、ひとつ積極的に意欲の持てるような施策を御検討願っておきたいということをお願い申し上げたい。  と同時に、私はこれは国土庁にお尋ねするのもおかしいかと思うのですけれども、ローカル線廃止の問題で御調査になっておられると思うんですけれども、一体国鉄赤字がローカル線で赤字になったのかどうかということを御調査になっておったならば、その点をひとつ参考にお聞かせ願っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) もう同感で、国鉄のローカル線を外すことだけで国鉄の再建はできないんです。これはもうしばしば申し上げました。そうだけれども、そんならそういうローカル線の人の乗らないようなところを残しておいたら再建できるかと。そうもいかないんで、それをやってもらえば人員整理から何もかも——私はいままで自民党の国鉄基本問題調査会長を二、三年やりまして、そのときにも国鉄総裁その他にしばしば言うたことは、最近金がなくなりゃ政府が金を出し、赤字になってきたから直ちに料金を値上げせい、そんなことばかしを人におっかぶすのは間違うておるから、国鉄内部でもっと労使の協調、もっと能率化等々をやるべきものである、やらぬじゃないか。総裁に言うたら、いろいろそれはひとつ今後ともよくやりますと言うだけで、毎回のようにきらわれながら、いやがらせみたいになって気の毒だったが言うたけれども、それはまだどうも効果があるのかないのか私わかりません。しかし、といって、そんならローカル線を外しては——外さぬでもよろしいというわけにもいきませんし、まず、そういうのはそれからでも本当に国鉄再建のために努力しようというので、渋々賛成してやりました。  それで、東北のおたくのようなところは非常にむずかしいところで、これは総理大臣の諮問で国土審議会に、東北振興策はいかなるものであるかという総理大臣の発議によっていま諮問をいたしております。なるべく早く答申をいただくように、東北振興の具体策を出してもらうというふうに諮問に付しております。少なくともそのうちに出ると思いますので、それが出ましたら、その線に沿って画期的なものを出してくれということを言ってありますので、それを踏まえて東北振興に尽力したい、こう思っております。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 いま長官のおっしゃるように、ローカル線だけ赤字でなく、むしろ比重からいったら幹線の方が赤字が多い。それをなぜローカル線だけにしわ寄せをしたかというような点は、恐らく大臣もそのような気持ちであろうと思いますので、あえて大臣にその点についての心情はお尋ねはしませんけれども、もし違ったら違ったということでお答えを願いたいと思います。  そういうふうな点で長官自体、過疎地域やなんかについて大変熱意を持っておられるようでございますので、ひとつ二年目を迎えて、一年目やったから二年目は何にもやらなかったというようなことでなくて、いま少し積極的に地方振興局長のしりなどをたたいて、長官、ひとつがんばっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。  それから、土地局長さんも御出席を願っておりますけれども、先ほどの委員よりも御発言がございました住宅問題やなんかで土地がどうも払底している、そういう点が非常に住宅問題の大きな隆路になっていることは私が申し上げるまでもなく御承知だと思いますが、そういうふうな点で宅地緩和、まあ融和のためと申しましょうか、土地政策においてこれからこういうふうなことをやってみたいというような点がございましたらお聞かせを願っておきたいと思います。  さらにまた、これは建設省にも関係のあることでございますが、いま国土庁はいろいろ計画されている問題の中にもございますけれども、どうも住宅政策は都市集中的な感が深いというような私は印象を持っておるわけでありまして、中小都市に対しての面については何となくいろいろの面において冷ややかになっておるのではないかというような点がございます。  これは参考にお聞きしておきたいと思いますが、たとえば住宅公団の賃貸マンションやなんかは、五十六年は大都市に相当食われるので、中小都市は相当なたを振られるのではないかというような話が出ておるわけでございますけれども、そういうふうな面で国土庁の考えと建設省の考えとがすれ違いになっても大変なことだなあというようなことで、最近都市集中型にまた政策がお変わりになったのかどうかということを、これは長官と建設大臣にお尋ねいたし、さらにまた土地局長に対して、土地の緩和政策でこれからどういうようなことをお考えになっておられるか、宅地問題やなんかについてお聞かせ願っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) 私どもの方においては、国土庁の方針として過密を解消する、そして過疎を解消する、そして過密と過疎の全国的なバランスをとって国土の均衡ある発展を期したい、こういうのが根本方針で、そのために国土庁があるわけで、その方針に向かってあの手この手でやっております。  国鉄ローカル線廃止はまことにどうも逆行したようなことになって申しわけございませんでしたが、そのかわりに、いまちょっと資料を持ってきておりませんが、最近資料で国の投資の額、いろんな金額等を調べましたら、地方の方へはずっとカーブが上がっております。そして大都市の方はいわゆる投資額が下がっておる。そういうようなことから見ましても、地方に重点を置いておるということは御案内のとおりである。しかも過疎地域の人口減少の傾向もこれはもう全国的に鈍化しつつあります。そしていままでのようなものじゃなくて、一応の落ちつきを示しておる、これはまことに結構なことだと思っておるわけである。しかし、といってそれなら心配要らないかといったらそうはいきませんが、一応の傾向としては悪い傾向ではないので、私どもはこの歯車が少なくとも、いままでは東京へ東京へと草木もなびくほど動いておったのがだんだんその傾向が弱まって地方へ地方へと行く傾向にあるという現状はまことに喜ばしい傾向であると考えておるところであります。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 建設省といたしましても、当然国土の均衡ある発展を基盤に住宅問題、土地対策を考えておるわけでありまして、特に宅地、土地関係につきましては国土庁に負うところが大でございまして、別に国土庁の方と建設省が意思の疎通を欠くということはあり得ないわけで、整合性を持って進めていくことが当然のことでありまして、その点につきましてはよくコンセンサスを得ながら一つの目的に向かって進めていく所存でございます。  ただ、現実的な問題として、過密都市の住宅をどうするか、あるいは地方都市の今後の問題をどうするかというような問題についてのいろいろの議論はあろうかと思いますが、基本的な問題はいま国土庁長官がお話しされたことでありまして、それに基づいて私たちは過密都市の住宅問題を解決し、地方の住宅問題、七地対策もあわせて整合性を持って進めてまいりたい、このような考えでやってまいりたい、このように思っております。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 先生から国土庁の考えでおる土地対策はどうかという御質問でございました、  最近の地価の動向でございますけれども、公表されております土地鑑定委員会の行っております最近の中間動向調査、三ヵ月ごとにやっております五百五土地点の抽出調査でございますが、これによりますと三大都市圏の住宅地の四半期ごとの地価の上昇率は六期連続でダウンをいたしております。全体で見ましてもやはりダウンの傾向が出ておりまして、伸び率は鈍化の傾向にあるというのが最近の状況でございます。近く四月一日ごろに新しい地価公示の数字が発表されるということになっておりまして、土地鑑定委員会でその数字を取りまとめておられますけれども、恐らくその方向も同じような方向であろうというふうに見ております。しかしながら伸び率は鈍化したとは言いながら、やはりある程度上がっておるわけでございまして、非常にまだ今後も警戒を要する。したがって十分に注意をして監視を厳重に行っていきたいと思っております。  その問題、その原因でございますけれども、いろいろと分析をしてみますと、四十七、八年当時のような投機的土地投資、いわゆる土地ころがしというものは行われておりません。一番効用増と言いますか、たとえば鉄道ができて便利になったというようなことのために値上がりしたというのが値上がり率の高いところの上位を占めております。しかし全体といたしましては、やはり堅調な需要に対しまして宅地の供給が不足しているために買い進みが行われるというようなことが、一番そういう土地の値上がりの主な原因であろうというふうに思っております。  したがいまして、そういうものに対する対策ということになりますと、長期的な対策といたしましては、さっき長官からのお話ございましたように、三十七万方キロございますわが国土の中で二六%の可住地があると言われておりますけれども、そこへ二十世紀には一億三千数百万人と言われるように人が住むということでございますので、モデル定住圏等の推進をいま進めておりますけれども、地方定住構想で過密過疎を解消するというのか土地政策の一番の基本でございます。  しかし、当面の対策といたしましては、先ほど申しましたような地価の上昇の原因等にも対応いたしまして、一つはやはり大都市圏に特にたくさんございますような市街化区域内農地の転用の促進、それから未利用地の活用、再開発の促進というようなことが一つの大きな柱になると思います。それと同時に、そういうものを補完いたします土地税制の改善それからそういうものをバックアップいたします財政上、金融上の措置の拡充というようなことを中心にそれらのものを総合的にやったときに初めて効果があらわれてくるというふうに私ども考えております。引き続き今後とも投機的な土地取引の抑制というための対策を堅持しながら供給を促進していくというのが、当面の対策として考えているところでございます。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 これは質問の中には国土庁にお話ししておらなかったのですが、いまその過密都市からちょっとお尋ねしておきたいと思うのですけれども、かつて数年前、宮城県沖地震の問題から災害対策ということで国土庁に災害対策局を設置してはどうか、すべきだということが災害対策特別委員会で決議までして要請をしておったことは御承知のとおりでございます。  しかし、最近行政改革、いろいろの問題もできておることではございますけれども、この災害、いま東京都周辺のこの過密の災害やなんかがもしも起きた場合ということを想定した場合に、どうしてもいろいろの省庁を廃止しても災害対策の窓口というのを一本化すべきである。こういうふうなことには国土庁長官も同じ考えだと思いますけれども、いままでの折衝の経過の状況を簡単にお聞かせ願っておきたいと思います。

谷村昭一国土庁長官官房長

○政府委員(谷村昭一君) お答えいたします。  先生御指摘のように、災害対策につきまして災害対策局を国土庁としても要求いたしておったわけでございます。確かに国土庁は現在御承知のように災害対策本部の事務局をいたしておりまして、災害対策につきましては総合調整をいたしておりますか、それらを一層強力に推進する意味におきまして、災害対策局を設置することがぜひとも必要だと私どもも考えておりまして、鋭意行政管理庁、大蔵省にお願いをしておったわけでございますが、御承知のような機構新設につきましても厳しい環境条件でございましたので、まことに残念ではございますが、先生いろいろ御支援いただきましたが残念ながら実現しなかったという経緯でございます。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 重ねてお尋ねしますが、その要求は書面でされておりますか、口頭ですか。私も大蔵政務次官当時その点をよく見たんですが、そこのところが抜けておったのかどうか私は承知しておらなかったもんですから、お聞かせ願っておきたいと思います。

谷村昭一国土庁長官官房長

○政府委員(谷村昭一君) これはもう当然のことながら、正式の機構要求といたしまして文書で大蔵省に確実に要求いたしておりました。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 とにかく、いざ災害ということになれば大変なことはよく国土庁の皆さん方の方が御承知だと思うので、しばらく国土庁のお話を聞いていると、宮城県は三十年ぐらいは心配ないだろうということでございますけれども、しかし、宮城県になくても日本のどこかに起きたという場合のことを考えると人ごとでは私は済ますことができぬ、そういうような点がございますので、行政改革とかいろいろ問題がございますけれども、この点はひとつ大きい身を張って、長官、がんばっていただきたいということを要請しておきたいと思います。  さらに、計画局長さんが帰らないうちに建設省とお話をしておきたいと思いますけれども、先ほどの委員の質問にもございましたけれども、建設省としてこの公共事業の位置づけについては先ほども大臣からお話がございましたが、先ほどの大臣のお話にもございましたように、建設業界が非常に、倒産の中の三分の一以上を占めているというふうな状況で、大臣初め皆さん方も頭を痛められておることだろうと思います。公共事業もそれに対応するような方法でやっていただいておるようでございますけれども、前期はいいとしても後期になったら一体どうなるのかという点も心配であり、また公共事業だけで一体建設業者を生かしていくことができるかどうかという点を考えると、もっとやはりどういうふうにすれば建設業者の育成強化ができるかという点も、もしお話し願えればこの際お聞かせ願っておきたいと思います。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 建設業の振興対策につきましてはいろいろやっておるわけでございますけれども、一つは建設業者の数が多いということに問題がございます。約四十万の業者がございます。それからそのうち九九%までが中小という上りも零細企業でございます。それから個人業者の方が半分近くもございます。非常に経営体質が脆弱であるということでございます。これらにつきましては、まず基本的には私どもは業者の数をこれ以上ふやしたくないという気持ちでおります。それから経営体質を改善するためには近代化モデル計画というようなものをつくりまして、業界の皆さん全体でレベルアップをしていただくようないろんな方策も講じておりますし、それから共同化を進めていただいております。これはかなり協同組合はここ十年ぐらいで三倍ぐらいに数もふえまして、共同で資材を購入するとか、共同で社員の教育をいたすとか、いろいろやっていただいております。  それから一つは、私ども建設省もかなり公共事業をいただいておりますので、その発注に際しまして適正な単価で発注すること。それからいわゆる最近言われております予定価格が適正でない、まあ歩切りというようなことが言われておりますけれども、これは行政管理庁の調査では、市町村の四割ぐらいが、技術者が計算いたしました予定価格を五%とか一〇%とか切り捨ててそれで発注するというようなことが行われているという調査もございますし、その点については絶対そういうことをしていただきたくないと考えて、強い指導をいたしております。そういうこともやっておりますが、そのほか最近、ややいまは建設資付も鎮静いたしてまいっておりますけれども、非常に不透明で、そういった資材が急に上昇した場合に、いままでの契約条項では対応し切れなかったような点につきまして、標準請負契約約款の改定等も行ってまいりました。  それからなお、金融面につきましても中小企業の金融対策等拡充強化を図ってまいっております。  もう一つ、いまお話しのように倒産件数が大変多うございまして、昭和五十五年の暦年でたしか五千九十七件というような数字でございまして、五十二年以来史上二番目の水準だと言われておりますけれども、こういったような場合の倒産の防止、あるいは倒産の関連を防ぐという意味でいろんな対策がございます。それから保証制度もございますし、別枠融資というような制度もございますので、こういう点につきましても十分業界の方にも周知徹底をするような手だてをいたしまして、万一倒産が起こりました場合も他に波及をできるだけ食いとめると、こんなもろもろの政策を総合的にやっておりますけれども、これからも十分そういうことを進めていきたいと思っております。  なお、ちなみに五十六年度の建設投資が一体どのぐらいになるかということ、まだ中間段階でございまして、最終の見通しは四月に入ってからということでございますが、いまのところの計算では大体五十五年度に比べまして、名目で、これは公共事業も民間の設備投資も含めておりますけれども、大体六%ぐらい伸びるんじゃなかろうか。そういたしますと実質では二、三%程度の伸びは何とか確保できるのではないかと考えておる次第でございます。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 そういうふうな方法で、全然後は倒産はないとは言わないけれども、今後の倒産は食いとめることができるというような見方を建設省としてされておりますか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 先ほど来話が出ております三月十七日の経済対策閣僚会議におきましても、御承知のとおり公共事業の契約率を上半期で七〇%以上にするようにするとか、あるいはまたその他総合的ないろいろな施策が進められることになりました。それでこの結果、景気の現在の停滞状況は下期におきましてはかなり回復してくるのではないかと期待をいたしております。  それから、特にこのたびの対策の中では一般的に設備投資は、わりあい大企業の設備投資は去年からずっと活発でございますけれども、中小企業の設備投資が落ち込んでおる。この面での金融対策をかなり強力に進めるようにもいたしておりますので、逐次そういった中小企業の設備投資も下期には伸びてくるであろうと思いますし、それから住宅の見通しにつきましては、先ほど茜ケ久保先生の御質問に住宅局長の方から答えておりましたけれども、いろいろな環境の整備が見られまして、五十五年度よりはかなり持ち直すんではないかというようなことも考えられます。そういった意味から、私どもは五十五年よりは明るい環境が建設業界にとって生まれてくるのではないかということを期待しております。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 大変明るいお話をお聞きしたのですが、現実は役所から見たのとわれわれ直接見たのでは大分異なっているような感を深めております。民間設備投資や何かというのもいまお話しのように、大手、大企業はどの辺に多くやっているかは別として、ほとんど中小零細か何かでの姿は見えないことは御承知だと思います。私はそういうふうな点でこれはお考えを願いたいのは、一つはやはり何としても業者が多過ぎる。これはふやしたくないと、ここでふやしたくないと言っても、それが浸透するわけでもございませんが、何らかの方法でもっと現在の業界を健全育成していくということもやはり考えて施策を立ててほしいということが一つ。  それから、このような財政再建の中においての公共事業、まあ幾らか、建設省全般としては大体五十五年度並みのようです。これをまた臨時国会でも開いて大幅に追加予算でも計上する決意が大臣にあるならば別だろうけれども、私はいまの公共事業や何かが前半七〇%程度のあれをした場合、後半になったらまた同じように業界が塗炭の苦しみを受けるのではないかという心配を持っておるんですが、後半は景気がよくなるから心配ないということでそれで済ますことができるかどうか、そういうような点についていま一度後半の問題についてお聞かせ願っておきたいと思います。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 遠藤先生から経済情勢についての御指摘がありましたけれども、実は私も全く同感なんです。決して甘く見ておりません。想像以上にこれからの日本経済というものは大変な不況がなお続くと私は承知いたしております。  今度の経済政策でも、民需志向型の政策を一応とっております。私も御意見を申し上げたんですけれども、やはり公共事業を起こさない限りいまの景気指標で民需に期待することは無理であろうというふうに私は考えておるんです。少なくともいまの世界経済から見て日本だけ景気がよくなるという素因が何もないんです。国民需要というものは冷え切っちゃっておる。しかも賢い国民はなかなか消費へ向きません。したがって、少なくとも大企業の民間設備投資はさりながら、中小企業は私は期待できない。とするならば、できるものは公共事業しかないんです。したがって、公共事業は確実に事業執行していかなければなりません。昨年幸いに三〇%の完全執行をいただきまして、まだこの契約についての事業が続いております。それに加えて前半七〇%以上の対策をいただいておりますので、なお継続的に強い刺激を与えて、契約と事業はまたずれ込んできますから、当然上半期に契約しても下半期あるいは来年まで引き続く事業形態になされていくと思いますので、そんなにそういう面では下半期に契約等事業執行の面で心配はないと思います。  ただ、国全体、世界全体から見てどのように経済不況が回復に向かうのか、なおオイルショック等でダウンするのかということについてはいささか懸念いたしますけれども、とにもかくにも厳しい財政の事情の中で、許された計画範囲については確実な事業執行をしながら有効適切に対処する以外はないわけで、先生の御指摘の全く基本的な心配については、当然のことながらそういう心配を持ちながら、なおかつやらざるを得ないという関係については御理解をいただきたいと思います。  なお、中小企業関係でございますけれども、午前中茜ケ久保先生からも御指摘ありましたようにこれは大企業志向型でなく地方の事業において——これは四月にいずれ次官通達か出しまして地方公共団体の御協力を願うように準備いたしております。地方の経済を支えるものはやはり地方の公共事業でございますので、これを大企業志向型でなく分割発注、きめの細かい発注をして事業を起こしていくということの指導をしなきゃいけないと思います。何といたしましても事業に活気を波及するにはいまのところ住宅が一番波及効果が大きいんですね。住宅産業は二十八種類関連産業があるということでございますので、何とか住宅志向をしていきたいということ。  それから、中小企業については金融制度が、貸付制度、倒産防止制度等もございますので、この活用、それから体質改善ですね、いまも話しました。一口に四十万、五十万という、しかも九〇%以上が零細企業だということを考えたときに、やっぱり業界みずからが体質を改善しなければなりません。しかし、いまこんなことを言っても間に合いませんので、相互扶助形式をもってその面についても指導をしながら、何とか支えとなる中小企業の基盤を確立して、しょせん発注総合事業でございますので、この点につきましてもよりよい強い指導のもとに全般的な動きの中で何とか公共事業中心に活力を与えながら、与えられた予算についてせっかくの財政厳しい折でございますので、有効適切に指導、対処してまいりたい、このように考えるものでございます。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 大臣は経済面もよく御承知でございますので、ひとつ省内でも、余り明るい見通しだけで対応しておったならとんでもない間違いを起こすということも懸念されますので、十分ひとつ御配慮願っておきたいと思います。  私はそういうような点で、民間の仕事というのをもっと活発に動かさせるということも一つの方法だと思いますが、その点で何といってもいま大臣のおっしゃるとおり住宅問題、こういうような点をやるのには、いま問題は土地なんです。ところが土地は、市街化区域で線引きをしておいてその中の大部分が農地だと。そしてその農地はいまのところ手放す意思がないということになっており、別な追求を、区画整理なり開発をやろうということになると、国の方の意向は聞いておりませんけれども、県自体は、市街化区域がまだ手つかないのにということで、自分たちが市街化区域に指定したところが手がつかぬからということで抑制する。そういうふうな姿で大変各地で困惑を感じているという点もございますので、ひとつ民間の事業というのをもっと促進せしめる、そして住宅、土地の緩和等に貢献せしめるというふうな方法もこれから行政指導をお願い申し上げたいと思いますので、ひとつこれからの調整区域や何かに対する線引きの見直し等について土地局長さんなり、こっちは計画局長さんですか、にお聞かせ願っておきたいと思います。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) おただしの線引きの問題でございますけれども、すでに第一回目の見直しがかなり進行しておることも御承知のとおりでございまして、その結果六%近くの市街化区域の増加を見ているわけでございます。さらに、この見直しにつきましてはただいまの御趣旨を織り込みまして、昨年の九月に農水省と十分相談をいたしましてこれから線引きを見直す場合の見直しの基準を数項目定めて通達をしたところでございます。  趣旨は、市街化区域に線引きした中でも農地としてまとまったもので手がつかないようなところは調整区域に出てもらうということが一つ、それから調整区域でありましても、ただいまのお話のように、区画整理をやろうとかいう話がまとまるようなところであれば、むしろ積極的に市街化区域に編入していこうというようなことを数項目定めまして通達をした次第でございます。したがいまして、大体来年度からぽつぽつと早い口は第二回目の見直しという時期にかかってまいりますので、その時期に当たりましてはその趣旨をよく知事さん方に踏まえていただきまして、御趣旨に沿うような見直しが進むように私どもも十分指導を徹底してまいりたいと考えております。

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 時間でございますので、一つだけ建設大臣にお願いしておきたいんですが、今年はそうではないようでございますけれども、毎年不思議に予算の執行の留保を図るんですね。これは、われわれいま野党さんとお話し願って、来月の三日、四日には予算を何とかして成立してもらわなければならぬということで頭を下げているんですが、その予算審議をした予算が国会では全然知らないで留保するということは、ちょっとわれわれとして考えられないことなんです。これはそういうような点で、私は斉藤大臣にはそういうような考えは全然持っておらぬということだと思います。いまこのとおり公共事業が建設省の要求どおりの予算が入ったわけでもない、それでなくてさえも厳しいんだから、留保などという考えは毛頭ないということであろうと思いますけれども、大臣、その点をお聞かせ願っておきたいと思います。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 非常に環境の問題もいろいろあろうかと思いますが、御指摘のようなことについては全く考えておりませんし、やってはならないと考えております、

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 もしもそういうことを行う場合には、少なくとも建設委員会等にこういう政府の方針だというくらいの御報告はやってほしいということをお願い申し上げて、私の質問を終わります。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 私は、住宅の問題、それから水、震災対策等の問題について、建設大臣それから国土庁長官に質問をしたいと思います。  まず最初に、午前中からも議論になっておりましたけれども、住宅基本法の問題については、一部マスコミ等では見送りの公算が大であるということが報道をされております。けさほどの答弁では、建設大臣は何とか努力したいというような話でございますけれども、この住宅基本法は、昨年も建設大臣が今国会で何とか提案したいという強い決意を述べられていたわけです。何がネックになってそしてできないのか、その点について、ちょっと中身の方をもう少し具体的に説明していただきたいと思います。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 基本法の問題について再度御質問でございます。本当に御心配をかけて恐縮いたしております。何とか各党の皆さん方の問題等を整合して今国会に出したいと思っておるのは事実でございますが、中身について細かいことはまた担当局長から細かく御報告させますけれども、結局は維持管理の問題と補償の問題等々、細かくいろいろと各党の御要望にあるようでございます。したがって、それをどの時点でどのように整合されるかという時期の問題もございますので、早く、自民党の方につきましてもせっかくプロジェクトをつくってやっておりますので、一生懸命でやるようにお願いをいたしますけれども、各政党の方の御案につきましても、省内においてよく突き合わせをして前向きで進めさせていただきたいと思います。内容については局長の方からちょっと報告さしていただきたいと思います。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 現在私どもが検討いたしております住宅基本法案の中に盛り込むべき事項といたしましては、住宅政策の目標、国及び地方公共団体の責務、住宅及び居住環境の水準の目標の設定、住宅計画の策定、住宅に関する施策の基本的方向といったようなことを考えているところでございます。  いま大臣から御答弁申し上げましたように、自民党におきましても住宅基本法のプロジェクトチームを設けられましてせっかく鋭意検討を進めておられますし、また各党におかれましてもそれぞれ案をお持ちでございます。私どもが伺いましたところによりますと、各党間におかれましてもいろいろと話し合いの場ができるというふうに聞いておりますので、私どもといたしましてはこれらの話し合いの成果も踏まえ、また各党の御意見等も参考にさしていただきまして、成案を得るように努力してまいりたいというふうに考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 具体的に私たちが仄聞するところによると、宅地の供給が非常にむずかしい状況の中でこういう住宅基本法をつくるということは非常に抵抗がある、こういうふうな一部意見も聞くわけです。まあいろんな意見は私はあろうと思うんです。しかし、各党でいろいろ努力をしているわけです。したがって、やはりこの住宅の基本の問題については、なるべく対決のないような形で住宅基本法ができれば私は理想だと思うんです。しかし、もう少ししっかりテーブルにつけて、国民の要望の強い住宅問題に対する基本法というものは明確に早く実現するように努力すべきではないかと思うんです。したがって、この問題についての具体的なスケジュール、こういう問題についてはどう考えているんですか。今国会はもう私は、大臣や局長は答弁はむずかしいと思いますけれども、恐らく不可能だと見るんです。まあ不可能なら不可能でやむを得ないと思います。しかし、いつごろまでにどういうプロセスでどういうスケジュールでやっていこうとして建設省が考えているのか、この点について、もうこれ以上深くこの問題は聞く考えは持っておりません。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、従来から部内で検討しておりましたものを各党でも御了解いただきまして提案できることが一番いいと思って進めてまいったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、自民党の中のプロジェクトチームの中でも先生御指摘のような御意見もあるというふうに伺っておりますし、また、衆議院の建設委員会におきましてさきの臨時国会で土地住宅問題の小委員会が設置されておりました。これは通常国会におきましてはそのまま引き続いてはできておりませんか、近くまたそのような小委員会を設置する動きもあるというふうに伺っております。その中でいろいろと御議論があろうかと思っております。私どもも私どもなりの検討は進めておりますが、いま先生からお話がありましたように、できるならば各党間で合意の得られたものが、そして一番いい形でまとまり上がるいい内容のものができるということが望ましいというふうにも考えております。したがいまして、これらのことにつきましては今後の衆議院の建設委員会での御相談等いろいろな動きを見守って、それに合わせまして私たちもスケジュールを定めていきたいというふうに考えているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 私は、これは委員長に提案をしておきますけれども、この住宅問題に関することにかんがみて、建設委員会にやはり住宅問題の小委員会を参議院につくるべきじゃないかという意見を持っております。これは理事会等で検討していただきたい、このことを要望しておきます。  それから続いて、この第四期の住宅建設五ヵ年計画等について住宅宅地審議会から具体的な意見書が出されていると思うんです。聞くところによると、あす閣議決定されるような話を伺っておりますけれども、建設大臣として、住宅宅地審議会のこの意見書に対してどういう考え方を持っているか、まずこの点について伺っておきたいと思います。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 四期、五計住宅計画につきましては、いまのところ、近々、なるべくはあすの閣議に申し上げて御理解いただく予定にはなっております。審議会の御意見につきましては三期五計を踏まえていろいろと御意見をいただいておるところでございますけれども、三期五計においてやっぱり公営、公団住宅の落ち込みがあるというようなこと、そうしたことを踏まえて持ち家と賃貸住宅とのバランスについて御意見をいただいておることも事実でございます。   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕 したがって、三期五計の実績を踏まえて一応の見通しは達成しておりますけれども、中身においてそのバランスをどうするかという御指摘を十分配意して四期五計については進めてまいりたいと思います。たとえば持ち家と賃貸との比率につきまして、新聞では少し持ち家志向じゃないかというような御発言もありますし、審議会でもそのような面にも指摘されました。当然、四分六とか七、玉とかという問題とは離れて、私たちは、大都市、過密都市における賃貸住宅については当然重点的に志向していくということ、それから、地方においては、需要に応じて三期五計への要望を踏まえて、そのバランスをある程度機能的に配意すれば、御意見のほどにつきましても十分対応できるのではなかろうか、このようなことを考えながら進めてまいる所存でございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 この意見書でも指摘をされているように、公共賃貸のおくれが三期五計等でも指摘をされているわけですね。この問題が私は、端的に言って大都市と中都市とかあるいは小さな府県とはおのずから県民のニーズというのは違ってきていると思うんです。私は決して持ち家を否定するものじゃない。しかし、大都市で実際に持ち家を推進したって、持ち家が持てるわけはない。私はいまの収入状況から考えてできないと思うんですね。こういう点を考えたときに、公共賃貸住宅に対する考え方というものをもっと積極的に建設省としては考えなきゃならないんじゃないか、こう思うんです。一つの例を挙げてみますと、各府県別に頭ごなしで公共賃貸住宅の割り当てを、頭ごなしと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、こういう実態があるんですね。こういう実態を見ると、やはり大都市の住宅は非常に完成度が悪いということです、三期五計の計画実態を見ますと。いろいろな問題点があろうと思いますけれども、この点については今回の四期五計にはどう対応しようとして対策の中に盛り込んでいるんですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のように、私どもも第四期住宅建設五ヵ年計画の案を作成するに当たりまして、居住水準の改善のおくれの見える大都市につきまして、特段に力をいたさなければいけないというふうに考えております。したがいまして、大都市地域を中心といたしまして公共賃貸住宅の的確な供給を図ることが必要であろうかというふうに考えております。  いま先生御指摘のように、さはさりながら、大都市におきまして必ずしも三期五計の実績が計画に及んでいないという点もございます。その原因としてはいろいろございますが、地価の高騰等に伴います。地の取得難であるとか、あるいはまた関連公共施設、公益施設等の整備につきまして地元の地方公共団体との話し合いが難航するとか、あるいはまた環境施設等に関しますところの地元の住民の方々との御相談に手間取っているとか、さらには、特に東京等において見られますように、大量の公営住宅の古いものがございますが、これを建てかえていくということが必要でありますが、これに関しましてはまた居住者の方々との話し合いに非常に時間がかかるといったような問題を抱えているように思われます。もちろんこれらのことは私ども及び関係の公共団体力を合わせまして、具体的な対策を講じていかなければならないと思いますが、この四期住宅建設五カ年計画の案の中におきましても、そういったようなことを特段に力を入れて進めるという方向で案を作成をいたしておりますし、またこれを今後の具体的各年度の予算なり施策におきまして、私ども最善の力を尽くしてその実現を図りたいというふうに考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 各府県の市町村、あるいは市長さん等に伺いますと、やはり正直言って公共住宅を余り建てたくないんですね。財政負担が大変だし、関連公共施設は大変だし。むしろ小さな地方都市なんかは持ち家制度の方を推進する方が実質的に合っているんじゃないか。土地の問題が安いし、あるいは住宅金融公庫等の融資等のいろんな問題を考えた場合に、そこの公共賃貸住宅を必要とするところはむしろ大都市ではないか、こういう点を考えるわけです。こういう点についてやはりもう少し、国有地だとか公有地の活用とかいろんな問題点を住宅宅地審議会でもいろいろ指摘をされておりますけれども、こういう点を具体的なプロジェクトをつくって、この四期五計でやるという計画等はないんですか。これはどうですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) ただいまの御質問の第一点の、大都市圏と地方部とでもいいますか、そういったことに関しましては、先ほど私、大都市圏においては特段に公共賃貸に力を入れていきたいというふうに申し上げましたが、また一面、地方におきましてはお話しのように賃貸住宅の需給というものが相当緩和している面が見られます。したがいまして、それらの地域におきましては需要の強い持ち家に対しまして必要な金融等の施策を実施してまいりたいと考えておりますが、中でも地域の住宅事情に対応しながら公営住宅制度と役割りを分担いたしまして、公共団体と公庫の両方の制度をうまく組み合わせまして、比較的所得の低い方々に対しまして持ち家取得が進められるような地域特別分譲住宅制度といったようなものも五十六年度から発足させることにいたしております。  また、御質問の第二点の具体的な地域ごとのプロジェクトということでございますが、私どもといたしましては国といたしましての住宅建設五ヵ年計画を策定いたしましたならば、引き続きまして地方住宅建設五ヵ年計画、さらにそれをフォローいたします形での都道府県の住宅建設五ヵ年計画をそれぞれ作成し、また都道府県にお願いするという運びとなっておりますので、そういう中で都道府県の御意見も十分踏まえながら需要に適切に対応できるような計画を作成してまいりたいというふうに考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 私はいろんな御苦労あろうと思うんです。土地対策の問題が大変な状態ですからいろいろあろうと思いますけれども、実際にこの四期五計が七百七十万戸ですか、これは果たして建設可能かどうかということを考えますと、私は国民の需要という問題について建設省は具体的にどういうふうな分析をされているのかということを最近、いろんな一部的な資料は見ているわけでありますけれども、国民のいま持ち家あるいは公共賃貸等を考えて、残された住宅を求めようとする人たちが何を一番要望しているのか、こういう具体的な調査はされているんですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私ども五十三年に、総理府の方で実施していただきます住宅統計調査と並行いたしまして、先生も御案内の住宅需要実態調査というものを実施させていただいております。この二つの調査を基本といたしまして、国民の方々がどのような住宅水準にあり、どういうところに困っていらっしゃるか、また家賃等の負担がどのようになっているかといったようなものを見まして一つの計画の方向づけをしているものでございます。また一面、これと並行いたしまして、いろいろな各省で持っていらっしゃいます統計資料等を使わしていただきまして、将来の普通世帯がどのように増加していくであろうか、またその世帯の年齢構成はどうなるだろうか、あるいはまた地域別にどんな人口配分になっていくであろうか、そういったようなものを踏まえまして、さらにはまた、すでにあります住宅ストックがどのように建てかわっていくであろうかといったようなことをそれぞれ過去のデータと傾向値等を分析いたしまして、新しい需要がどのくらいであろうかということで計算いたしましたのが総戸数で七百七十万戸程度というふうに考えたものでございます。もちろんこれを具体的に実施し達成するためには、この五ヵ年計画の案の中でも十数項目にわたります重点的な努力目標といいますか、施策の方針を掲げておりますが、これを私どもだけでなくて関係各省にもいろいろお願いをいたしまして、その中身を具体に入れていくということで実現が担保されるんじゃなかろうかというふうに考えているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 建設大臣に伺いますが、この田期五計が終わった段階で国民の要望する住宅というのは大体かなえられたと、どういう程度にかなえられたと考えられますか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 四期五計で国民の住宅要望が満足できるというところまでいくとは考えておりません。やはり一応住宅そのものは世帯数を上回るようなことでありますけれども、結局家族構成、世帯構成が変わってきておりますし、住んだ方々もやはりより広い、より質の向上を目指していっておられますので、数のバランスとともに質の向上を図っていくことを考えますと住宅計画というものは四期五計で終わるとは思っておりません。これからなお一層質の向上を考えながら過密都市の中の住宅、地方都市の住宅のバランスの関係、先生御指摘のような形で国全体の趨勢を見ながら引き続きやっていくものと、このように考えております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これは公庫について後で伺いますけれども、先ほど答弁なかったんですが、国有地、公有地の活用ということは、建設省は具体的に何かプロジェクトをつくって、いろいろたとえば東京なら東京の地域の中で、国有地あるいは公有地に公共賃貸住宅を建てるとなれば私は土地は相当あるんじゃないかと東京都内を歩いておりましてよくわかるんですよ。東京都内で公共賃貸住宅を他に求めてつくれといったってそんなに土地はないんじゃないか。まあ狭くて高くて遠いという悪評をいただくようなところは何件かあるかもしれませんけれどもね。そういう点に対する、やはり大蔵省が財産管理やっておりますけれども、国有地あるいは公有地に住宅を建設していこうというような具体的な計画というか、あるいは検討は行われているんですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 御指摘の国公有地の活用につきましては、従来とも関係の大蔵省当局等ともいろいろ御相談をさせていただいて進めているつもりでございます。特に、最近におきましては筑波の研究学園都市に移りました国の各施設の跡地の利用、あるいはまた米軍から返還されました基地の跡地の利用等につきまして、それぞれの個別の地域ごとに具体の御相談をさせていただいております。  また、最近伺うところによりますと、東京都では都有地の管理につきまして、各所管局がばらばらに持っておられる、またその管理していらっしゃるものを一括して統轄して有効な使い方を図るべきであるというふうなことも進められているように伺っておりますので、これらの具体的な利用を図る中で公共住宅の必要性につきましても御理解をいただき、利用させていただくように進めてまいりたいと思っております。  ただ、具体の土地の利用につきまして、すべてがこれ住宅に利用するというわけにもまいらないところがございまして、地域の住民の方々の御要望では、たとえば大規模な緑地公園等に使いたい、あるいは学校用地に使いたいということもございますし、また住宅にいたしましても賃貸住宅だけでなくて、分譲住宅もあわせてうまく配置してほしいといったような御要望等もありますものですから、それぞれの地域の実情に応じ、私どももお願いするものはよくお願いして少しでも建てやすくしていきたいと思っております。  それからまた、都心におきますところの土地の高度利用あるいは職住近接というようなところから、広い意味の再開発といったようなことも必要かと思っておりますし、五十六年度からは公営住宅につきまして市街地住宅供給制度というものを発足させることにいたしましたが、これは土地を持っていらっしゃる方々と共同いたしまして上に公営住宅をつくらしていただく。その際、公共的なオープンスペースであるとかあるいは共同で利用します施設等につきましては、国と公共団体がそれぞれ助成をするということによって促進を図ろうと考えております。こういうものも軌道に乗りますれば相当有効な手段として活用できるのではないかというふうに考えているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 それは、国土庁長官、ずいぶんお疲れなようですけれども、やっぱり住宅問題は土地問題なんです。したがって、国土庁長官、宅地対策について本腰入れなきゃだめだと私は思うんだよ。その点、国有地、公有地の活用等についても音頭をとって、宅地提供のいろんな問題点について私は真剣な取り組みが必要だと思う。住宅局の一部局に任じているだけではなしに、やはり国有地の問題は、閣議でもこういう国有地のもっと円滑な利用ということについて真剣に考えるべきだと私は思う。ないない、あるいは宅地がなかなか足りないからこうなんだ、ああなんだという言いわけばかり言っているようじゃ、いつまでたったってこれは国民の要求する住宅問題の解決にならないと思う。そのために交通問題や過疎過密の問題いろいろ起こってきているわけだから、こういう点については真剣に閣議等で議論をしてもらいたいと思うのです。国土庁長官どうですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 最初に、事務的な状況を御報告をさせていただきます。  国公有地の活用につきましては、きわめて今後の宅地供給対策上も大切であると国土庁でも考えております。いろいろと関係方面とも相談はいたしておるわけでございますが、主なたとえば東京圏等で申しますと、研究学園の移転跡地それから返還米軍基地等があるわけでございますが、これにつきましては大蔵省の国有財産審議会におきまして、関係省そろいましていろんな方向づけがいま大体決まっております。その中には住宅に振り向けられるものも相当あるわけでございます。  一番問題は、国有財産の中ではむしろ行政財産でございます。行政財産の中におきまして、これは最近の調査ではございませんけれども、いろいろ調査をさしていただいたことがございますけれども、やはりそれぞれに使用計画等かございまして二年先、三年先の計画があるということで、なかなか行政財産が使用に向かわなかったというようなことがございます。この点につきましては私ども大蔵省にお願いをいたしておりまして、大蔵省が毎年度そういうような遊休地の状況等につきましてチェックをして、大蔵省の方から関係行政機関の方にお話が進んでおるというふうに聞いております。  もう一つの問題は、やはり国鉄用地等がございまして、この国鉄用地等の活用につきましては運輸省の中に国鉄用地の活用審議会というようなものもございまして、これも関係の皆さんお集まりで協議中でございますが、その中の一環として住宅関係の用地としても使えるものがないかという協議が進められるというのがただいまの現状でございます。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) この土地の問題、ことに地価の安定問題等、非常に難事中の難事のむずかしい問題でございまして、御承知のようにそう簡単にいきませんが、といってほうっておくわけではございませんが、経済企画庁長官の御希望もあるし、私ども国土庁と経済企画庁両方において土地対策を積極的に進めるようにという話し合いをして、両庁でいまやっておるんですが、なかなか名案の結論が出てまいりません。それでいまも催促しておるところでございますが、それが出次第、何とかこの対策をやっていきたいというように考えておりますが、なかなか直ちに名案が浮かばないところ、はなはだ残念に存じておる次第であります。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 私は、長官、大臣を三年か五年やっておれと言えばこれは一生懸命やるんだろうと思うけれども、もう七月が来たら終わりだと思うからなかなか熱が入らぬのじゃないかと思っているんです。だから、これは真剣になって鈴木内閣なら鈴木内閣としてやれば、東京都内にどこに国有地があってどうなっているかというのはだれだってわかっているんだ、こんなのは調べれば。われわれだって調査すればすぐデータは出てくるんです。そこらの問題、これはどう活用するかという政策判断の問題なんです。こういう問題についてやはリ真剣になって考えなければ、結局国民から見れば、土地は高い高いと言うけれどもあそこは草が生えているじゃないか、こうやないかという声があるわけですよ。そして一部土地転がしや土地売買等でマイホームを持ちたい国民の要望というのはかなえられないというような実態じゃないかと私は思うんです。国土庁長官、建設大臣等はひとつ束になって、閣議等でもこういう国公有地の活用という問題について真剣に私は取り組んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思うんです。  次に、住宅金融公庫の問題について一部伺っておきたいと思うんですけれども、景気対策というと住宅建設、これは非常に結構な話なんです。しかし、このままいって住宅金融公庫の融資の問題あるいは資金の問題がこのまま四期五計等においても、これは予算の伸び悩みの中で果たしてこの住宅金融公庫の融資がうまくいくのかどうか、この問題についてはどう考えていますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私ども住宅金融公庫の融資につきましては、現在ようやく無抽せん方式による御利用というようなところまで到着いたしたわけでございますので、この状態を堅持いたしまして、国民の方々の需要に的確に対応できるように考えてまいりたいと思っております。また、この五ヵ年計画の案の中でもそういった点を配慮いたしまして、公庫の戸数も盛り込んでいるつもりでございます。  ただ、先生御指摘の点は、あるいは五十六年度におきまして補給金の一部につきまして後年度に繰り越されたといったような点を御懸念かと思いますが、私どもといたしましては、これは一時的な現象といたしまして計画的にこの補給金は一般会計より充当されるものというふうに考えておりますし、そのことによって公庫の事業がそごを来すことはないというふうに考えておるところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 五十六年度の予算だけにこういう形をとったと考えでいいですか。四期五計の間にこういう形はさらに拡大していくという見方はないんですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) これはまた各年度の予算の編成の段階での問題になろうかと一思いますので、いま私が直ちにここで五十七年度どうなるかということを申し上げることはいかがかと思いますが、ただ財政当局とも御相談をいたしまして、統一的に考えておりますのは、これはあくまでも財政事情のいわば緊急的な措置であって、そのことによって公庫のお金を利用される国民の方々に迷惑かけることがない、あくまでも公庫の制度からくる本質的なものだから、たとえ若干おくれるにいたしましても、その公庫の収支差を国が補給するということには一切変わりがないということはあくまでも基本方針として堅持し、また了解されているところでございますので、これによって実態的には国民の皆様に御迷惑をかけないようなことで運用をしていくことを基本として進めていきたいと思っております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 今度のこの四期五計の計画によりますと、七対三ぐらいに持ち家の方が拡大されるわけでしょう。そうすると、住宅金融公庫の融資の方もそれに並行して、それは全部が住宅金融公庫の融資じゃありませんけれども、やはり拡大していくと見なきゃならないと思うんですね。それとも拡大しないで抑えていく方向に住宅金融公庫の融資をしていくのか。もし拡大していくとなれば、やはり予算の伸びから考えて、この補給金だけでは足りないという——そうすると、建設省が考えているこの四期五計の問題が具体的に私は推進されなくなっていくんじゃないか、計画どおりいかないじゃないか。この問題は私は財政上の問題として建設省として一番大きな問題じゃないか。まあ大きな問題と言ったら語弊かもしれませんけれども、非常にネックにはなってくる問題じゃないかと考えるんですけれども、この点はいかがですか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 公庫の融資につきましての、たとえば戸数で考えました場合に、この第四期の五ヵ年計画におきますところの考え方は、第三期に比べまして全体的には需要というものがある程度落ちついてくるということを前提にしておりますので、戸数は特段の事情がない限りそう大きく伸びるということではなくて、おおむね現在程度で需要は賄えるのではなかろうかというふうに考えております。  ただ、質の向上であるとか、あるいはまた御利用いただきます方々のために貸付限度額を引き上げる等々、いろいろな改善の必要性はあろうかと思います。したがいまして、そういったようなことに伴って財政投融資といいますか、公庫の貸付枠全体が大きくなるということは考えられる。それに対しましては私どもも住宅政策の重要性から考えまして、適時適切に財政当局とも十分御相談いたしまして、それらの手当てをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これは建設大臣、次の予算の折衝では非常に大変な問題になってくると思います。この問題については建設大臣もよく頭に入れておいていただきたいと思う。  やはり四期五計を推進するためにも、この住宅金融公庫の融資の問題あるいは貸付枠の問題等については、非常に大きな問題になっていくんじゃないかと私はいまから心配しているわけです。こういう点についてよく配慮していただきたいと思うんです。  それからもう一つ、マンションや中古住宅ですね。この流通市場の問題が比較的整備されていないと言っても言い過ぎじゃない、こう私は思うんです。これから量から質へと変わってくるこの問題を考えますと、やはり建てかえだとか、まあこれから東京、たとえば二十三区、三多摩等を含めて持ち家を推進していく立場から考えても、大体三LDKあるいは四DKになってまいりますと三千五百万、四千万という形になってくれば、いま家を持っていない人たちの所得層では恐らく二戸建ての家を買うことはできないと思うんです。何かと言えばやはり建てかえじゃないかと思うんです。この建てかえのときに流通市場というものが一不動産業者あるいは宅建業者だけの判断に任されて、非常にトラブルが起こっている例も実はあるわけです。こういう点について、本人同士の民間の問題だと言えばそうかもしれませんけれども、こういう中古市場等の問題について、中古住宅の判断とかあるいはこれぐらいの相場だとかこういう査定をできるような公的な機関というか、そういうものがあったら私は非常にいいんじゃないかという感じもするわけなんです。この流通市場の整備等の問題については何か考えている御意見ありますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、今後の住宅事情を考えましたときに、住みかえによる居住水準の向上ということが必要になろうかと思いますし、またその際、中古住宅というものによる住みかえも従来よりはかなり広範に利用される必要がある、またそのような傾向になってくると思われます。私どもも、たとえば住宅金融公庫の融資につきましても逐年その改善を図ってまいったところでございますし、特に税制関係につきまして五十四年度からいろいろと改正をしてまいりましたが、特に昭和五十六年度におきましては、登録免許税の軽減措置につきまして新築住宅と同様の軽減をしていただくというところまでしてまいったわけです。しかしながら公庫融資につきましても、利率の点につきましてはまだ十分でない点がございます。こういった点につきましては、今後とも私ども努力していかなければいけないと思っておりますが、さらにそれを円滑に進めていきます場合には、特にこの流通市場の整備あるいは近代化、あるいはまた的確な情報の提供等が必要であろうかと思われます。私どもも関係部局とも御相談をしながら、こういったような点についての業界の指導等も進めてまいりたいと思っておりますが、昨年来ようやく不動産流通近代化センターというものも設立されまして、国の補助金を得ましていろいろな不動産流連の円滑化のための指導、啓蒙等を行ってまいることにもなっておりますので、これらを活用することも重要な課題として考えているところでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 それでは、住宅問題でもう少しやりたいんですけれども、時間が限られておりますので、水問題で一、二点伺っておきたいと思うんです。  国土庁で昭和五十二年八月に長期水需給計画が策定をされているわけでありますけれども、この昭和六十年を考えたときに、いまの進捗状況等から考えて果たして水の需給関係は十分なのかどうか、この問題についてまず国土庁長官から伺っておきたいと思います。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) お答えします。  これは長期水需給計画を策定しまして、その概要は、水はどうなっているかと調べてみましたら、昭和五十年に八百七十六億トン、それが昭和六十五年には約一千二百億トンで、需要増は約三百三十億トンとなっております。  供給はどうなっているか。ダム建設、湖沼開発を中心として計画どおり進めることがもしできたとすれば、この間に供給増が約三百四十億トン。それから水需給の見通し、これは全国的には均衡することに一応はなっておるところであります。しかし、首都圏等の三大地域では約九億トンの水が不足をすることになっております。特に首都圏においては約七億トンの水不足となり、計画どおり水資源開発を進めてもなおかつ当分の間は不安定な状況が続くものと予測されておる次第であります。そういう統計が出ております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これはお寒い話で、統計だけじゃこれはどうにもならない。いろいろ苦労しているのはわかりますよ。しかし、これはこのままいって、できなかったから終わりですというわけには水はいかないと思うんです。したがって、この問題についてこれからの投資の状況を考えても、ますますこれは厳しい状況になってくると思うんです、予算の削減等の問題から考えて。そうすると、補償の問題とかいろんな点でおくれをとっているかもしれないけれども、投資動向なんかから考えてもこれはもっと大変な問題が絡んでくるんじゃないかと思うんです。国土庁長官、この首都圏の水は安心して六十五年は飲めますか。この点について国土庁長官の決意のほどを伺っておきたい。いまの状況で大丈夫ですと言えますか。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) やはり残念なことながら、水が不足するのは不足すると言わざるを得ないんで、それでいまおっしゃったように、水が不足してきたらどうしようといって、直ちに水はどこからか出てくるわけでないし、これは日本人の非常な特色ですが、政府も民間も長期計画を立ててやるというのは非常に不得手なんで、なかなか進まない。計画だけは立っても、なかなか実際にやるといかない。結局どうするか。水資源開発促進法という法律もできておるので、それで計画的にダムをつくるよりほかに仕方がない。だんだんダムをつくって成功しておるところもございますが、なかなか思うようにいかない。  それで、水源地対策特別措置法に基づいて道路の整備とか、ダムだけでなくてそのダムに付随する道路をつくるとか、あるいは水源地域の人々の生活の再建措置をやるとか、こういうこともあわせてやらないと、本体のダムだけつくっても結局解決しない。これがなかなか容易でない。それをだんだんやっておるが、地元に住んでおる方々の将来の生活、その合意を得なきゃならない。いいところに、これはダムの立地にはまことに結構なところで、いいのがあったと思ってやりましても、賛成してくれなければこれはやれない。強権をもってやるというわけにいきませんので、それで長引いておるところもあります。  それから、御承知のように文化が進み、文明が進み、経済もよくなってくるに従うて急激に水の需要がふえてくる。これは思わぬところにふえてまいりますので、しかも昔は湯水のごとく使うと、水というのはやたらにあると思っておったが、どうも最近は水はそれほど多くない、ことに首都圏なんぞにおいては多くないことがわかってまいりました。それで、節水、水の使用の合理化、これもやっぱりやらなきゃならない。これを湯水のごとく使うというほど潤沢なものではありませんので、節水、水使用の合理化を促進する、これが三番目に必要である。こういうことを総合的にやってぜひ御期待に沿おうと努力だけは十分やっておるんですが、なかなかいろんな諸般の情勢で思うに任せぬというのが実情で、率直な意見でございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 これは非常に、国土庁長官一人力んでみても全体が協力しなければできない問題、わかりますけれども、これはちょっとお寒い答弁で、もっとしっかり六十年あるいは六十五年——後で利根川、荒川の具体的な問題で聞いてみたいと思うんですけれども、やはり節水の問題にしろいろんな水の使用にしろ、六十年あるいは六十五年には東京都民を初め首都圏の人たちに水は心配ないんだと言える行政をしなきゃ私はだめだと思うんです。これは計画どおりいかぬけれどもこうなりましたというんでは、政治を担当するわれわれとして非常に情けないことで、これは大臣だけの責任に押しつける考え方は毛頭ないけれども、そこのリーダーシップはしっかり私は持ってもらわなきゃならないと思うんです。  これを考えるに、水は国土庁長官だけの問題じゃないんだな。これはやはり厚生省だ、あるいは通産省だ、建設省だといろいろ各分野に分かれているわけです。ここらの問題は一元化しなきゃならないんじゃないかという私は考え方があるんです。たとえば中水道の整備の問題ですね。法制化の問題これ一つ考えてみてもどこが本気になってこれをやるのかというような、雑排水の法規制の問題等を含めてどういうふうに処理をしていった方がいいと考えているのか、まず国土庁長官に伺っておきたいと思います。   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕

北野章国土庁水資源局長

○政府委員(北野章君) 先生御指摘のように、水不足に対応するためには計画的にダムの建設を促進するということが基本でございますけれども、三大都市圏等においてはどうしても総体的に水供給は不足してまいります。それからもう一方では絶対的に水不足といいますか、ダムをつくっても水がこれ以上ふえないという状態も基本計画において予測されております。そういうことからいたしまして、私どもは先生中水道とおっしゃっておりますが、雑用水利用と言っておりますが、こういうものを水需給逼迫地域を中心といたしまして普及していかなきゃならぬということで、現段階におきましては全国的に地方公共団体の行政指導あるいは企業努力におきまして約百カ所ばかり実績がございます。しかし、御指摘のようにこれに対して国の取り組み方と申しますか、制度化に向けて努力しなければ、御指摘のように各省ばらばらで調査しておっても水資源開発利用の中の雑用水の位置づけというものがはっきりいたしませんので、私どもといたしましてはまず雑用水利用についての水質基準、施設の構造や維持管理の基準、その他指導監督面での制度を早急に確立いたしまして、そうして安全衛生面の見地からそういった制度化が必要と考えております。この点につきましては、現在国土庁といたしましても関係省庁と十分協議調整に努めておるところでございます。  それから、雑用水といいますのは一般の水道に比べましてコストが大体一・五倍から二倍でございます。そういうことで、こういったものを普及促進してまいりますにはコストの低減策、それから雑用水利用の効果とか役割り、いわゆる位置づけ等についてその導入方法、どういう地域にどういうふうに導入していくかといったような計画上の問題もございますので、これにつきましても国土庁といたしましては関係省、それから地方公共団体と協議調整を進めておりまして、なるべく早く制度化の確立を図りたいというふうに考えております。そういうことで、国土庁といたしましては五十六年度からそういった制度化に資するために、水需給逼迫地域についで雑用水導入可能量調査、あるいは地域とか建物の指定基準の調査、そういったものを新規にやりたいというふうに考えておる次第でございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 きょうは時間がないからこの問題は今後の問題にゆだねたいと思いますけれども、この雑用水の制度化の問題、法制化の問題、あるいは所管担当省等も含めてやはりもう明確にしていかなければ、六十五年の水需給の問題等含めて総合対策的に私はおくれをとるんじゃないかということを強く指摘をしておきたいと思うんです。  それから、利根川、荒川の両水系の水資源開発の基本計画と進捗状況はどういうぐあいになっておりますか。

北野章国土庁水資源局長

○政府委員(北野章君) 利根川水系につきましては、先生御承知のように、促進法ができまして一番早く昭和三十七年に水系指定をしております。それから荒川水系につきましては昭和四十九年の十二月に水資源開発促進法の水系指定をいたしております。そういたしまして、両水系につきまして基本計画を策定して計画的にダム等の水資源開発の推進に努めてまいったわけでございます。  それで、現行の基本計画は利根川と荒川と一緒にあわせてつくっておりまして、昭和四十五年から六十年までの十五年間に二十数事業を実施いたしまして、この間に毎秒百九十五トンの水を供給するという目標を決めまして、現在水資源開発公団、建設省を初め関係機関により鋭意事業を促進しておるところでございます。しかし、御案内のようにダム開発適地が次第に減少してまいります。先ほど大臣が申しましたように水源地域問題等により必ずしも計画どおりに進捗していないのが現状でございます。したがいまして、首都圏における水需給の緊急性にかんがみまして、まずダム起業者による補償の措置、それから水源地域対策特別措置法による整備事業、それから五十一年に設置いたしました利根川俣・荒川水源地域対策基金による生活再建措置、そういったものを総合的に運用いたしまして、上下流地域の連帯と協調のもとに水源地域の開発整備を図り、関係地域住民の生活の安定と福祉の向上に配慮しながら次第にダム建設を円滑に促進するという体制ができて、現在努力しているわけでございます。  それで、進捗状況でございますが、ただいま申しましたように開発目標水量毎秒百九十五トンに対しまして開発水量ベースで見ますと昭和五十四年度までに完成したものが三施設でございまして、これによります開発水量は毎秒三十七・六トンでございます。したがって百九十五トンに対して一九%の進捗ということになっております。それから現在工事中のものが十五施設ございまして、その開発水量が九十二・六トン、四八%になっておりまして、これを完成すると、合計いたしますと毎秒百三十・二トンということになりまして、工事中まで入れますと六七%の進捗ということに相なるわけでございます。それから現在用地交渉中のもの、それから実施計画中のものが六つございまして、これの開発水量が毎秒四十二・九トンになっておりまして、これまで合わせますと合計開発水量は毎秒百七十三・一トンということになりまして、百九十五トンに対して八九%という進捗率になるわけでございます。  それから、もう一つの見方といたしまして事業費ベースで見ますと……

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 事業費はいいです。

北野章国土庁水資源局長

○政府委員(北野章君) そんなことでございまして、現行の基本計画は先ほど申しましたように昭和四十五年から六十年という十五ヵ年間でございますので、現在まで期間で見ますと約三分の二経過しております。したがいまして、単純に考えますとやはり六十数%進捗していなければならないといいますか六十数%のものが完成していなければならないという一面の見方もございます。こういうことから考えますと、現在工事中を含めて六七%でございますので、相当な努力をしないと計画どおり完成しないというのが現状でございます。いずれにいたしましてもこの工事中はもう用地問題が片づきまして工事をやっておりますので、鋭意促進いたしますと、おくればせながら計画の数字にだんだん近づくというふうなことになっております。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 五十五年十一月ですか行政管理庁が行政監察をやった実態を見ると、まだ未完成じゃなしに施設計画未決定水量がまだ毎秒二十六トンあるわけですね。三十七年に基本計画を決定してからこういうおくれがあるということはいろんな私は事情はあったかもしれませんけれども、ちょっと水対策に対する手の打ち方というか、あるいは工事の進め方というか、これが非常におくれているじゃないか。総合的に国土庁長官が、気を抜くと足りなくなっちゃうんだというような話で、困っているんだという話だけれども、実際にきょうはここを深く議論する時間がありませんからやりませんけれども、こういう工事の進捗状況、実態というものから考えたならば、これは六十年度の首都圏の水というものは大変な問題になると非常に危惧を抱かざるを得ないということを私は強く指摘をしておきたいと思うんです。したがって、未決定施設等の問題等も含めて、早急な対策をやっていただきたいということを強く要望しておきたいと思うんです。  それから、もう私の与えられた時間が余りないんですが、地震の問題で一、二点ちょっと伺っておきたいと思うんです。  地震防災対策強化地域指定の専門委員会の報告書の中で、東京が強化地域の指定地域に入ってないわけですね。これは震度六以上だということでそういうふうになっているということを、私もよく何回も議論したんですけれども、この地盤の液状化の問題あるいはまた長周期の地震波による被害を想定した場合の実態についての調査研究がどの程度進んでいるのか。  それからもう一つは、直下型地震対策に対してどの程度の研究が進み、実態はどうなっているのか、その点について御説明願いたいと思うんです。

柴田啓次国土庁長官官房審議官

○政府委員(柴田啓次君) 第一点の液状化の問題、あるいは長周期の地震波の問題でございますが、一昨年の八月に静岡県等六県、百七十市町村を、ただいまお話のありました地震防災対策強化地域に指定したのでございます。その際の宿題事項でもありますので、それ以来直ちに専門委員会を設けまして、今日までに毎月一回くらいそれが集まりまして、大体十五、六回やったと思います。そういうような議論を続けている段階でございます。ただ、非常にむずかしい問題がたくさんございますので、まだ結論を得るに至っていないということを御了承いただきたいと思うのでございます。  それから、いま一つの御質問は、直下型地震の問題でございますが、直下型地震につきましては、発生機構等で——発生の仕組みでございます——発生機構等で不分明な点がございますので、なかなか予知ができるという段階にはなっておりません。首都圏は非常に重要なところでございますので、ここに直下型地震が起きますというと、たとえその地震のマグニチュードとしてはさほど大きくなくても、非常に大きな被害を及ぼすということも考えられますので、ここを観測強化地域に指定をいたしまして、できる限りの観測をやっているわけでございます。ただ、いろいろむずかしい問題もございまして、非常に人口が多く、あるいは交通機関による振動とかいうものも多い。そのほかに三千メートルにわたりましてやわらかい堆積層が厚く積もっておりまして、地盤までなかなか届かない、岩盤での観測が容易でない、こういうようなむずかしい問題がございますけれども、たとえば岩槻とか下総とか府中に深井戸を掘って観測をするとか、そういうようなことも含めましていろいろやっているんでございますけれども、なおその観測によって予知ができるという段階には至っておりません。  以上でございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 静岡で地盤の液状化の問題等については国土庁と並行してやったわけですか、予算をつけてやったわけですね。

柴田啓次国土庁長官官房審議官

○政府委員(柴田啓次君) 液状化の問題でございますが、地震防災対策強化地域に指定いたします際には、震度六以上の地震動を受ける地域を指定をしたわけでございます。もちろん、静岡の場合でも液状化しやすい地質のところはあるわけでございますが、そこはもう液状化の問題を考えなくても当然強化地域に指定をされますので、液状化の問題としての議論の余地はないわけでございます。ただ、強化地域に指定されておりません神奈川、東京、あるいは西の方に参りまして愛知県等々につきましては、この液状化の問題によりまして地震動としては震度五に相当するような地震動の場合であっても、液状化のために地耐力がなくなって震度としては非常に大きい、被害としては非常に大きいという事態が発生をすることが予想されますので、それについていま検討している、こういうことでございます。

三木忠雄公明党・国民会議

○三木忠雄君 時間が来ましたので、この問題はまた後日いろいろしたいと思います。  最後に、建設省ですが、道路の震災点検を行ったわけですね。そして六十年までに一万七千四百ヵ所、これを橋梁だとかトンネルとか横断歩道橋等を改修工事等をやらなければならないというデータを分析し、六千四百億必要経費だと言っているわけですけれども、この問題についてはどのぐらい進捗しているんですか。きょう時間がありませんので、簡単に答弁だけいただければ、それで結構です。

渡辺修自建設省道路局長

○政府委員(渡辺修自君) 先生のお話ございましたように、五十四年に、五十二年の宮城沖地震の経験がございましたので再点検をいたしまして、避難路あるいは緊急輸送路として確保しなきゃならないもの、特に被害を受けました際に復旧に時間がかかるようなものであります橋梁であるとかトンネル等の点検をいたしたわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように約一万七千四百ヵ所、六千四百二十億ということでございます。今年度の予算につきましても、厳しい予算ではございましたが、震災対策につきましては対前年比一・二七倍というような予算をつけまして、額は六百五十六億でございますが、これの解消に努めておるところでございます。単純に割りますとほぼ九年ぐらいかかるということになるわけでございますが、いまのところ五十四年点検につきましては五十六年度を終了いたしまして、ほぼ三一%の進捗率になる予定でございます。ほぼその金で割りますと九年ぐらいかかるわけでございますが、私どもといたしましては緊急を要するものについては少なくとも応急措置を何とか早目にやっておく、たとえば橋梁をかけかえなきゃいかぬという場合も応急措置としての落橋防止等は便宜先にやっておきまして、対策に遺憾なきを期したいと思っております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 建設大臣、先ほども触れておりますけれども、住宅基本法を見送る、完全に見送りになりますか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 見送るという考え方には立っておりません。何とか皆様方の関係の成案を整合して今国会に提出いたしたいという考え方はいまも変わっておらないところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 だけれども、巷間住宅基本法はもう出ないであろうということがしばしば言われているんだけれども、そんなことはありませんか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 巷間の話はどういうところから出たかは承知いたしておりませんけれども、自民党は自民党なりにプロジェクトをつくって急いでおりますし、それぞれの政党におきましても素案につきましてせっかく御検討願っておるところでございますので、今国会に提出云々ということについては、そこまで私は考えないで、あくまでもそれぞれのお立場で成案を得られたものを成案して提出いたしたいという考え方に基づいておるところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 前大臣の渡辺さんあるいは斉藤現大臣も出すということは前国会でも前々国会でも仰せになっている。現実にそれが出されていない。今国会ももう出てもよさそうなものですが、いまもって出ていないということはまた今国会も怪しいんじゃないか、こういうふうに言われても、それでも出しますという弁解、言いわけというのかね、ちょっと言いにくいんじゃないですか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) これはあくまで建設省としての要望であるし、心組みでありまして、それに基づいて検討していただく第二、第三要因のお立場でやるプロセスの問題でございまして、やはり方針としては私たちは何とか取りまとめて出したいという気持ちには変わりないということは申し上げておきたいと思います。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 住宅基本法は五十年八月の住宅宅地審議会の答申でも早期制定が指摘されているわけでありますが、以来歴代の大臣も法案の提出を公約してきたものであります。審議会の答申をもしまた今回もずらすような、否いままでもずれてきたわけでありますが、そういうことはこの答申を軽視したものと言わざるを得ない。この点について今回の斉藤大臣の所信の表明の中でも「今後の住宅政策の基本的方向を示すための立法措置につきまして、現在鋭意検討を進めているところであります。」と、わずか二行で片づけられておられるのは軽視しているあらわれではないか、こう私は思うんですが、どうですか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 活字の行数で重要性をはかるということでなく、すでに建設省としては出すという方針に基づいて、党は見なりに、皆さん方のところは皆さん方の政党で御検討願っておるわけでありまして、あくまで建設省としての方針については変わりない、このように承知いたしますし、審議会の答申を受けて直ちにそれが実施できないということについては大変恐縮いたしておりますが、方針については変わりないということははっきり申し上げておくところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 この住宅基本法は住宅政策の目標を明らかにするとともに、住宅供給の総合的な計画、国と地方自治体の施策の基本事項を定めるなどわが国住宅問題の基本をなすもので、最重要の法案であると思うんであります。大臣も以前から今国会に提出を確約していたはずでありますが、ただいまもいまもってまだ、今後まだ出す出すと仰せになっているけれども、では出されるならいつごろ出されるか、その時期を御明示願いたい。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 時期的の問題は、もう各党で持っておられるものがまとまって整合するという時点にいただきますればいつでも心組みとして御提案申し上げる用意があるわけでありまして、自民党の方にもとにもかくにも皆さん方の御要望も大きいことであるし、審議会の答申もあることであるので早急に結論を出してほしいということは申し上げておるわけでありますが、どういう事情でございましょうか、それぞれ懸案事項についての詰めができないというのでしょうか、なかなか答えがこちらの方へ回ってこないというのが偽らざるところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大臣の苦衷はよくわかるんだけれども、偽らざるところだとこう言われて、じゃあ、はいそうですかといって本当に出てくれば結構ですけれど、もし出てこなかったらどうなんですか。やっぱり斉藤大臣は今回もとうとう出す出すと言っていたけれどもその前言を変えてしまったという評価をされたら、あなた、げすな言い方をするとうそついたということになります。そうなっちゃならぬと思うんで言うんだが、どうですか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) どう申し上げたらいいのか、政党政治の社会でございますので、私たちが所管省庁としていきなり皆様方の御理解いただけないものを出すということもいかがなものであろうかと思います。やはりそれぞれの政党のお考えを集約して、りっぱなものを、特に基本法でありますだけに出さなければなりませんので、うそつきと言われますと大変何というんですか、少しきつい御表現でございますけども、別にうそをつくということでなく、まじめに今国会に出したいという気持ちには変わらないわけで、ぜひそれぞれのお立場の政党で早く結論を出していただきたいと、ただひたすらこれはお願いするしかいまのところは私にとって方法、手段がないわけで、ぜひ御理解いただきたいと思います。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 この法案は住宅の確保ばかりでなく、居住水準や住環境水準を定める等いわゆる質の向上に対応するきわめて重要な基本であると思います。五十六年度から第四次住宅建設五ヵ年計画がスタートすることもあって、早急なる法制化が必要なときであろうと思うのであります。  ところで、所信表明では「五十六年度を初年度とする第四期住宅建設五ヵ年計画を策定し、引き続き居住水準の向上と住環境の改善に努めてまいりたい」と言っているが、これは腰砕けになりはせぬかという心配もするのですが、そんなことはありませんか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 私ども第四期の住宅建設五ヵ年計画案を策定いたしますプロセスにおきまして、先生御指摘のように昭和六十年度にすべての世帯が最低居住水準を、また半数の世帯が平均居住水準を確保することができるようにということを目標にいたしまして、五十三年に行いました住宅統計調査に基づく居住水準達成状況を見まして、それ以前からの動向あるいはそれ以後の傾向値等を勘案し、さらに私どもの各般の施策等投入いたしまして、これらの目標を達成できることが見通しが立つ数字といたしまして総数として七百七十万戸を見込み、また公的資金住宅を三百五十万戸と計画いたしたものでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 宅地対策については所信表明の四ページのところに、「地価の安定に留意しつつ、良好な宅地を計画的に供給する」と言っておりますが、言葉のみきれいで内容が乏しいと私は思うのであります。最近の地価は依然高騰を続けている。政府発表の地価公示でも明らかなとおり都市圏では二けた台に突入している、このままではますますマイホームの夢は遠のくばかりであります。地価の安定に留意するというそういう表現でありますが、地価の上昇は必ず一けた以内に抑える、そのためにはこのような施策を行うというような明確で具体的な対策を持ってもっと厳しいそういう姿勢で臨むべきであると思いますが、いかがですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 御指摘がございましたように、地価はかなりの上昇のカーブを描いてまいりました。しかし、最近やや上昇率は鈍化の傾向にあるようではございますけれども、かなり厳しい状況でございます。それで、私たちといたしましては地価の安定を図りながら、同時に良好な市街地も形成し、そこに住宅を建てるための宅地をつくり上げていくということに精いっぱいの努力をいたしております。  こういった見地から、一つは、いま宅地になっておりません農地や山林原野を計画的に市街化にし、宅地にしていくこと。二つ目は、先ほどもいろいろ御指摘ございました遊休地等の有効利用を促進すること。三つ目には、現在すでに市街化しておりまして宅地がそこにあるけれども、まだ非常に低度利用といいますか、効率的な利用が図られていないような場所につきまして高度利用の推進を図る。この三つを柱に据えまして諸般の施策をいたしております。  いままでも、一つは公社、公団、地方公共団体等によりまして、この公的機関が計画的な宅地開発の推進をいたしております。また、民間の優良な宅地開発につきましては住宅金融公庫とか開銀等の政策金融も逐次改善しながら進めてまいっております。さらに、この公共団体が財政上の理由その他から、団地お断りというようなことが多いんでございますが、これはすなわち団地に関連いたします公共公益施設の整備に非常に金がかかるというような点もございます。これらの点につきましては、普通の補助金のほかに新しく特別の補助の制度が五十三年以来設けられまして、本年も非常に財政状況が厳しく、公共事業は横ばいでございましたけれども、この関連公共施設の整備促進事業費だけは九百億を百億上積みしまして一千億にいま予算御審議を願っておるところでございます。  さらに、都市計画法の線引きの見直し、あるいはまた開発許可の適切な運用等も図ってまいりたいと思っております。去年の秋口には、都市局長、計画局長名で通牒等も発したわけでございます。それから都市再開発等につきましても法律の改正もしていただきましたし、今後の都市における土地の高度利用促進を図ってまいりたい。なお、土地税制等につきましてもその改善を図ってまいりたい。  以上のような諸施策を積極的に従来からも講じておりますけれども、今後もこれらの展開を図ってまいりたいと考えております。  五十六年度におきましても、今後十年間の宅地の需給の長期見通しを策定する。それから新しく宅地供給の促進計画制度等も創設いたしました。また先ほど申し上げましたように、関連公共公益施設の整備につきましては制度の改善あるいは予算の積み増しというようなこともやっております。こういうようなことを通じまして、宅地の対策につきましてはさらに努力を重ねてまいりたいと考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 建設省は住宅宅地審議会宅地部会で、今後十年間の宅地需給に対する長期見通しとして宅地需給長期見通しを作成し、今月末に発表すると言っております。その中身はもうすでに審議会にも提示された段階で新聞に報道されておりますけれども、大体了解しているけれども御説明願いたい。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) ただいま御指摘がございましたとおり、建設省におきましては今後の宅地供給の指針といたしますために、昭和五十六年度から昭和六十年度までの五年間と、昭和六十一年度から六十五年度までの五年間、前期、後期合わせまして十ヵ年間を対象期間といたします見通しの策定作業を進めてまいりました。この作業は実は初めてのことでございまして、少し大げさに申しますと世界で初めてかもしれません。それでいろいろな資料を集めましたり、また推定式を考えたりあるいは新しくモデルを開発いたしまして、かなりの期間をかけまして作業を進めてまいりました。しかし、いま申し上げましたように初めてのことでもございますし、資料あるいはまた策定方法の制約等もございましたので、住宅宅地審議会の中に専門の委員会を設けていただきまして、諸先生方の御指導、御意見を承りながら今日やっと取りまとめの段階にまいったわけでございます。それで公表は、第四期の住宅建設五カ年計画の閣議の決定がございましたら、その後速やかに行う予定でございます。  内容につきましては、今回策定いたしますこの見通しにおきましては、前期五ヵ年で約六万二千五百ヘクタール、それから後期の五カ年では約六万ヘクタール程度の宅地が必要である。いままでの第三期の住宅五ヵ年計画でございますとか三全総等におきましても宅地の必要量というのは見込んでおりますけれども、これは供給の裏づけのないというような感じの数字でございます。今回はこの宅地の必要量に対しまして、従来の実績あるいは従来の制度を行っていった場合にどの程度宅地が出てくるか、あるいはまた、それでは必要量に対しまして供給量が不足いたしますので、新しくいろいろな政策を展開いたしまして宅地の供給の増加を図るというふうなことで、前期におきましては六万二千五百ヘクタールのうち約三千ヘクタール強がどうもいままでの実績、いままでの制度だけでは不足になるというような結果が出ておりますけれども、この不足分につきましてはいま申し上げましたように、新しい施策を展開することによって何とか供給ができるような見通しでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 いま前期の不足量三千ヘクタールですか、それだけのお話だったけれども、今期は一体どのぐらいになるものだろうか。三大都市圏で見てみると必要量の場合が三万四千百ヘクタールで、供給量が二万八千五百ヘクタール、不足量が五千六百ヘクタール。その他の地方都市の不足量が千ヘクタールで、合計六千六百ヘクタールが不足するということが言われているんだけれども、これは間違いないですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 実は、私どもは宅地の必要量をはじきますときに、一戸当たりの平均的な宅地の面積がどのくらいかと、いろいろな想定した場面がございまして、先生いまお示しの数字はちょっと私どもの最終的な数字ではございません。それで最終的には先ほど申し上げましたように、前期では六万二千五百ヘクタール必要量に対しまして三千三百ヘクタール不足するので、これは新しい施策の展開で埋め合わす。後期は六万ヘクタール強と申し上げましたが、六万七百ヘクタールでございまして、後期におきましても約二千八百ヘクタール不足でございます。これにつきましても新しい施策を展開することによって供給は一応可能だというふうに私どもは考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 建設省は区画整理の終わった土地の調査を行ったところ、首都圏、近畿圏で大分利用されていない遊休地を発見したということでありますけれども、その実態はいかがですか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 建設省計画局の調査によりますと、首都圏、近畿圏を合わせまして区画整理の認可面積、総面積が過去三十六年から四十九年までの間に四万ヘクタールほどございます。これに対しまして、五十三年時点でもうすでに宅地として利用されておりますものが一万五千五百ヘクタールほどございます。したがいまして、その差がまだ未利用のままにとどまっているという趣旨に報道されておりました。  ところが、この差と申しますのは、現在まだ区画整理事業が進行中、つまり工事中の面積がかなり含まれておりますということで、報道された数字ほど区画整理の済んだ跡地が未利用のままとどまっているというふうにはわれわれは理解をいたしておらないわけでございます。大体その差の全部という趣旨におとりになるとちょっと実態と違うのではないかと思いますけれども、しかし、かなり区画整理済み地につきまして、なお相当数の未利用のまま宅地としての利用が十分に行われないまま残っている土地があることは事実でございます。その確定的な数字をわれわれとしてはつかんでいるわけじゃございません。一応推定で申し上げますと、いまのところ一万ヘクタール弱ぐらいの土地が宅地として利用すればできるような状態であるかと思います。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 一万ヘクタール弱ということでありますが、大体空き地約十万戸分に相当する、そういう広さでありますので、これはもっと利用を促進すべきではないでしょうか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) 区画整理は御承知のように、本来地主が土地を出し合って街路等の公共施設を整備してまいるということでございまして、区画整理事業ができ上がった後も、でき上がった土地をいわば強制的に宅地に利用してもらうというような手だてにはなっておりませんものですから、やはりその土地柄の宅地に対する需給に合わせて徐々に実際の宅地利用が進展していくというようなことにならざるを得ないかと思うわけでございます。それにいたしましても、現在の宅地の需給関係からさらに一段とその宅地化の度合いを進めていきたいと私どもも十分考えておるところでございまして、具体的には区画整理の済んだ跡が宅地として利用されやすくなりますためには、たとえば小学校とか中学校といった学校の施設、それから上下水道、それから店舗等の日常の生活の利便施設、そういったものがどんどん張りついてくるといいますか、その地区内にでき上がってくるということがまず必要な条件かと思うわけでございます。  それから、住宅がやはり一定の率まで建ち上がることがその地区全体の利用度を高める前提であろうかと思いますので、たとえば保留地の処分に当たって積極的に住宅をそこに建てるような手だてを講じていく。なし得れば、公営住宅とか公団住宅といったような公共的な住宅地の宅地に利用してもらうという施策を積極的に講じていく必要があろうかと思います。このためにはその地方自治体の努力がやはり何より大事と思いますけれども、それと並行いたしまして、地主さん方自身の積極的な取り組みということも期待をいたしたいところでございます。そのために、住宅等を建設いたしますために非常に住宅金融公庫等の有利な金融措置があるとか、あるいは宅地を売ります場合に税制の優遇措置があるというようなことについて十分情報を地主さん方に提供をするとか、積極的にやっていただきたいというような方向で自治体に努力すべく指導しているところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 宅地需給の長期見通しの中で、前期五ヵ年の区画整理事業で首都圏、近畿圏の事業合計は六千二百ヘクタールとなっているわけでありますが、さきの報告では、今後五ヵ年で行う事業以上の区画整理済みの土地が遊んでいることになるわけであります。この遊休地の利用をどう進めるのか。大体建設省のやり方というのは、お役所のやり方というのはこの区画整理事業に代表されているように私は思うんであります。事業はやりっぱなしでどう利用されているのか、またどう有効的に速やかに活用させるのか、こういう具体策がないように思えてならない。極端な言葉で言えば、全くずさんな計画としか言いようがないが、どう対応されますか。

升本達夫建設省都市局長

○政府委員(升本達夫君) やはり私ども区画整理をやっていただくということは、かなり広い範囲につきまして適正な市街化が行われ、街路等の公共施設が適切に配置された市街化が進行するということで、都市全体のためには大変結構な事業ではないかというふうに考えている次第でございます。しかしながら、区画整理は先ほども御答弁申し上げましたように、地主さん方がいわば自主的にやる趣旨の事業でございますので、でき上がった後の宅地をすぐ特定の目的に使わなければならないというような強制規制がかかっているという制度ではございませんので、直ちにでき上がったものが即一〇〇%宅地に利用されなければならないというふうにお考えいただきますと、なかなか事業そのものの進行がむずかしくなってまいるのではないかというふうに私ども考えるわけでございます。できるだけ、先ほど来御答弁申し上げましたように、事業施行後の宅地の利用を促進いたしますために、誘導的な施策をいろいろ講じながら、全体としての宅地化の利用促進を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大臣、お伺いしますけれども、十年先の長期見通しも当然必要でありますけれども、より具体的、きめ細かな対策を実施するためには、中期的見通しというものがどうしても必要であろうと思うんであります。この点、衆議院の本会議でわが党の竹入委員長が、「第四期住宅建設五ヵ年計画の実施に際しましては、宅地供給対策を明確にするため、地方自治体主導による宅地供給五ヵ年計画も策定して、並行的に推進すること」を提言しているわけでありますけれども、この点大臣はいかなる見解をお持ちですか。

斉藤滋与史自由民主党建設大臣

○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生ただいまお話しの竹入委員長さんの御提言については承知いたしております。  先ほど局長からも答弁がありましたように、四期五計に合わせて私たちは向こう十年間の需給見通し計画を策定しておるわけであります。中期的には五年前期、後半と分けるわけでありますが、幸いに四期五計が閣議決定された時点でこの見通しを発表いたします。あわせて委員長さんの御提言のように地方自治体にもこの旨を示しまして、都道府県は都道府県なりに中長期需給見通しを策定していただくように指導してまいる所存でございまして、その向きは十分配慮のもとに進めてまいる所存でございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 家を持ちたいと、持ち家政策、あるいはまた公社、公団、公営の住宅、両方とも大事だろうと思いますが、最近の傾向としてはむしろ公社、公団住宅等を大いに促進すべきだというふうに私は思うんです。この持ち家の人たちというのは、自分で資金があってやるんじゃなくて、当然銀行で資金を借りてやるわけなんだけど、第一に土地が大変高い。ですから建てる家も高い。借入額も多い。そんなことで大変苦しくって、ある新聞などには、涙の住宅ローン世代、二割が生活苦、収入増を図るために五一%の奥さんが内職のアルバイトをしたり、二一%の御主人が残業をしている、こういうふうなことなんです。だから、家は当然建てなきゃいけないけれども、土地がないためにこういうふうに高くなる、そして大変多くの人たちが苦しんでいる、こういうような実態があるので、先ほど、たとえ計画とは言いながら、十年計画の中で、宅地の供給について、その必要量と供給量、不足量——不足量が約六千六百ヘクタールもあるというようなことは余りにもずさんじゃないか。やはり必要量に応ずるような供給量はもう必死になって確保する、こうしなきゃならぬと思うんですが、いかがですか。

宮繁護建設省計画局長

○政府委員(宮繁護君) 私の説明が不十分でございましたけれども、一応私どもの見通しでは、先ほど申し上げました六万二千五百ヘクタール前期の計画、それから後期の六万七百ヘクタールの計画は需給がバランスするところで推定いたした数字でございます。ただいままでのとおりの政策を展開したのでは、いま御指摘のような分が不足する。その分につきましては、いろいろな施策をこれからも十分に配慮してやっていく、そうすればいま申し上げました数字で需給はバランスして、前期の計画におきます七百七十万戸の住宅、もっとも七百七十万戸のうち新しい宅地が必要なものが約四百万戸でございますけれども、これらは達成できる見通しであるということでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 大体以上のところで建設省にはお伺いしたわけでありますけれども、今度は国土庁にお伺いするんですが、引き続き宅地問題であります。  この住宅問題の最大のネックは、何といっても地価を初めとする土地政策いかんに尽きると思うんであります。原国土庁長官もこの地価の問題について、所信表明の二ページに、「最近の地価動向については、全体として上昇率がやや低くなる傾向が見られますが、住宅地の需要が根強い三大圏を中心とする今後の地価動向には、なお警戒を要するものがあります。」こういうふうに言うのみにとどまっているわけでありますが、五十五年の都道府県地価調査の結果のあらましを見ても、三大圏は二けたの上昇を示しております。三大都市圏の地価上昇率を掌握しておられるならばここで示してもらいたいし、長官の地価対策に対する所見もお伺いします。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 数字を先に申し上げたいと思います。  最近の公的なものといたしまして地価の動向調査をしたものが、五十五年度の都道府県地価調査が一つございます。これは昨年の七月一日現在の地価の状況を各都道府県で調べたものでございまして、それによりますと、過去一年間、おととしの七月一日から去年の七月一日までの三大圏の平均では全地域で一三・六%、都市計画区域内でも一三・六%の上昇ということでございました。  なお、最近におきまして、四半期ごとに中間動向調査というのをやっております。これは土地鑑定委員会が三ヵ月ごとに、いまの地価公示地点の中から代表的なものを五百五土地点選びまして時系列的に追っておるものでございますが、それによりますと、一昨々年の第二・四半期の上昇率を頂点といたしまして、たとえば三大都市圏の住宅地でございますと、その当時は三ヵ月四・四でございましたが、六期連続で上昇率はダウンいたしました。昨年の十月一日から一月一日までの三大都市圏の住宅地の上昇率は二・六%というふうなことになっております。単純に一年間分のその五百五土地点の四半期ごとの分を掛け合わせますと、八・三%の上昇というのが最近までの状況でございます。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) お説のように、地価の上昇はまことにむずかしい問題で、これを抑制していくといいましてもなかなか思うようにいかない。需要供給の原則は、こんなことはわかり切ったことですが、もう全然土地の供給はないと言っていい。それに需要はもう根強いものがあって、しかも経済活動が盛んになればなるほど多くなるから、どうしてもアンバランスで困っておる。しかし、このごろのようにいまは日本全体でわりあい上昇率が鈍化しておる。これは私から言えばまず、いい傾向だと思う。といって、地価が鈍化ところか上がらないというようなことでは、国内的にも非常な不景気になってくると地価が動かない、上がらない、また下がったりすれば、なおこれは非常な別の問題が起こってまいります。そこで、この程度にして何とかこのときにこれ以上上がらないようにすることが第一。そしてその中において、いま最前建設省からおっしゃったように、かなり遊休地その他があるんですから、これを宅地に回していく、こういうようなことを積極的にやって、何とか非常に皆さんが要望しておる宅地を供給していきたい、こういうふうに考えておるところであります。  大きく言えば、結局過密と過疎を解消して国土の均衡ある発展を図る、これが長期的にはそうですが、現実的にはいわゆる土地の上がるのは、投機的な土地取引があると一遍に上がります。これが幸いにいまございません。でありますから、ここで宅地供給の具体的施策をやって地価の安定を図りたい。そのため何をやるか。過般、去る臨時国会で通過しました農住組合法なんかをいよいよこの五月二十日から適用しますので、これらも活用して土地の、住宅の供給を図りたい。それから、遊休地をこれは活用していきたい。あるいは土地再開発の推進を図るとか、第四番目には税制を活用するとか、あるいは財政上、金融上の措置をやるとか等々、なかなか一つだけでは解決しませんので、あの手この手といろいろやって、まず土地が余りに上がらないように、そして安定して供給ができるように、そういう対策を建設省とも大いに協力して図っていこうとも考えておるところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 土地対策の効果的措置として、国土利用法に基づく土地取引規制の強化あるいは規制区域制度の活用、こんなことが考えられるわけでありますが、これらの制度運用に当たっては強力な決断が必要だと思うんでありますが、いかがですか。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) 国土法によります土地の取引規制には二とおりございます。一つは、規制区域の指定でございます。これにつきましては御案内のとおり、絶えず全都道府県につきまして、二百三十数カ所につきまして監視を続けておりますし、特に上昇の高いところ等につきましては、二十四地域をいつでもできるような予算も準備をいたしまして厳重な監視をいたしております。したがいまして、いまのところ投機の徴候はございませんのでその規制区域は動いておりませんが、そういう徴候が見られましたら、直ちに発動できる体制を予算上も執行体制上もとっておる、これが一つでございます。  もう一つは、届け出制度でございますけれども、これにつきましては私ども六年間を経ましてようやく定着を見たというふうにいま見ております。現在も全体の取引量のうちの一割程度につきまして、面積では約一割五分でございますけれども、絶えずチェックをいたしておるということでございまして、十分国土利用計画法によりましてそういう土地取引の規制について効果を上げておるというふうに私ども考えております。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 長官は所信の中で、三ページになりますけれども、「当面の対策としては、投機的な土地取引を抑制しつつ、宅地供給の促進を図ることが重要」だと、こうしているわけでありますが、現実には機能を果たしていない、こう思うんであります。地価対策の緊急措置として規制区域制度はあるが運用されていない。その指定要件として投機的取引の相当範囲にわたる集中、地価の急激な上昇の双方を満たす場合としておりますが、これらの要件についての解釈、客観的な基準はわれわれによく理解しがたい。具体的内容として「投機的取引」、「相当範囲」、「急激に上昇」、この三点について明確なる基準を明示していただきたい。

山岡一男国土庁土地局長

○政府委員(山岡一男君) まず「投機的取引」でございますけれども、これにつきましては、将来他に転売をいたしましてその間におきます地価の上昇による価格の差益を享受するというふうなことを目的として行われる土地取引というふうに私ども考えております。具体的に申しますと、昭和四十七、八年ごろに非常に起こりましたいわゆる土地ブームの時代に起きました土地転がしというようなものがこれに当たるというふうに考えております。  それから「相当範囲」と申しますのは、やはり一般的に言いますと、相当の広がりを持ちます地域におきましてほぼその全域にわたりまして投機的取引が反復し継続的に行われるというふうな場合のことを考えておるわけでございますが、この場合の地域の広がりをどの程度の単位で見込むのか、制度の趣旨から見ましてあくまで具体の地域につきまして経済的社会的な実態によりまして判断すべきものと考えておりますけれども、規制区域の指定の実務の観点等も考慮いたしまして、原則として市町村単位に行うことが適当ではないかというふうな指導、通達を出しております。  「地価が急激に上昇し、」ということでございますが、この急激な地価の上昇につきましては、当該地域におきます従来からの地価の趨勢、それから全国の地価の趨勢などを考慮いたしまして、あくまでも投機的な土地取引との関連におきまして具体的に判断さるべきものというふうに考えておりまして、一律に何%以上という基準は定められておりません。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 要するに、宅地問題等については国土庁においてもあるいは建設省においても十分その確保に努力はなされる決心ではあろうと思うけれども、いずれにしても必要量に対する供給量が少なくて、六千六百ヘクタールあるいは七千ヘクタールというそういう不足の状態である、当然地価は上がってくると思う。先ほども指摘したのだけれども、前回の農住組合法案のときにも私は指摘したのでありますけれども、投機的云々でそういうような要件がなければ国土法の発動はできないというふうな話であった。投機的云々じゃなくて実質に地価がどんどん上がったようなときにはもっときちっとした規制、制限等を設けるべきではないかと思うが、どうですか。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) いわゆる実需要に基づく地価が上昇した、そういう場合において結局いまおっしゃったような規制区域を設定せいと、こういう御議論でございますが、これを地価が急に上昇したというだけで直ちにこういう強権的な措置を適用することはまたいろいろ、これ自体はいいかもしれないが、ほかの弊害も出てくるだろうし、効果に乏しいものではないかと思うのであります。でありますから、土地取引をまたさらに混乱されたり、円滑な土地の供給を阻害するというような別の問題が起こってくるおそれがあります。でありますから、現時点においてはこのような法改正は適当ではないと考えておるところでございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 総合的な水資源対策の推進の中で長官は、「かねて懸案の筑後川水系の流量問題等も最近に至り解決を見、筑後大堰建設事業の再開と同水系の水資源開発基本計画の改定が行われるに至ったわけであります」と、こういうふうに報告されているわけでありますが、現況を報告された

北野章国土庁水資源局長

○政府委員(北野章君) お答えいたします。  この問題について御理解をいただくためには若干経緯を述べさしていただかなければなりませんが、御案内のように、北部九州の水需給は全般的に非常に逼迫の著しい地域でございます。これに対処するために筑後川水系並びに関連水系を含めた広域的な水資源開発を緊急に実施する必要があるということで、昭和三十九年以来水資源開発促進法に基づく指定水系として水資源開発基本計画を決定してその推進を図ってきたところでございますが、昨年の末ごろまでの現状は先生御承知のように、江川、寺内ダムが完成し福岡導水事業の進捗が図られているものの、筑後大堰等の実施が大幅におくれておりまして、非常に憂慮されていたのでございます。国土庁といたしましては筑後川水系の水資源開発を促進するためには基本計画の変更を早期に行う必要がある、そうして新しい事業を追加して積極的に事業を推進する必要があるということで、昭和五十三年の一月に関係機関に原案を提示いたしたのでございます。  特に、改定に当たっての問題点がございまして、一つは流域外分水を育む計画のために流域優先の明確化、それから二つ目は下流水産業、特にノリ漁業への影響を考慮した流下量の明確化、それから三番目は上流水源地域の生活環境、産業基盤の整備等に対する配慮ということがございまして、これらについて鋭意調整に努力してきましたが、この間に五十三年から例の福岡大渇水がございまして、これを契機といたしましてすでにフルプランあるいは実施方針、実施計画で認められております筑後大堰の着工が急務となりまして、大堰着工をめぐる福岡、佐賀両県、有明漁連との対応に焦点が移行いたしまして、フルプランの改定作業もちょっと一時とんざしたような状況でございました。  そのような経緯を踏まえまして、私どもとしては大堰問題と並行して基本計画の変更についてできるだけ早く同意したいということで、昨年の十二月末に至りまして大堰問題につきましては主務省である建設省の努力によりましてようやく着工をいたした。したがって、これに関連する流下量問題についても解決を見、あわせて本年の一月に基本計画の閣議決定という運びになった次第でございます。  そういうことで、基本計画の内容について詳しくは申し上げませんが、従来の四事業のほかに新しく十二の事業を加えまして本格的な長期計画としての筑後川水系の基本計画が決定されたわけでございまして、大堰再開も一年八ヵ月ぶりと、それから基本計画については原案提示後三年という歳月を経ましてようやく正常な姿に立ち返った。これが一言で申しますとようやく北部九州の水資源開発がスタートラインに乗ったんではないかということで、これから関係機関によって事業の促進を図っていかなけりゃならないというのが現状でございます。

原田立公明党・国民会議

○原田立君 私自身が福岡市内に住んでおりますから、当時約八ヵ月間にわたって水不足で大変苦労をしたことをまだまだこの身にしみております。そこで、筑後川の問題についてもノリ業者との間の問題でいろいろと今後の生活問題等もあってなかなか話がまとまっていなかったのがやっとまとまった。まとまったことは大変結構なんです。だけど、ノリ業者の人たちが一方的に犠牲を強いられるような結果にならないように、その点はひとつ長官の方も十分御留意願いたいと思うんであります。  これで一歩福岡市の水不足解決に前進したということになるわけでありますが、また実はここで問題が一つある。  市や県でフルプランをつくって、十年先一体どうなるかというようなことを調べたところ、いまのような状況でやっても昭和七十年はもう水不足になる、あるいはまた節水都市への転換が急務であるというようなことを言い、そして先ほど三木委員が中水道ということで話したらば、雑排水というような話があったけれども、いわゆる中水問題ですが、そういう問題も十分検討しなければ、あるいは前進せしめるようにしなければならない、こんなふうに思うわけであります。だけど幾ら県や市が一生懸命やっても、根本は何といっても国の方がしっかりとした腹を据えてかかってもらわないと何ともできないというのが現況であろうと思うんです。所見をお伺いしたい。

原健三郎自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(原健三郎君) いまおっしゃったように、地元の水産業の方々も非常に御理解をいただいて、これがようやく話し合いが妥結いたして着工する運びとなったようなわけでございますので、この地元の御好意に対しては深くわれわれも感激いたしております。でありますから、後の対策等は水産庁やその他ともよく協議して、相携えてこの対策をやるにやぶさかではございません。  それから、第二におっしゃったこれだけでもなお水が不足するというようなことも考えられますが、これはもうだんだん水需要が急激にふえてまいりますので、よほどしっかりやらなきゃ、最前からも申しましたが、なかなかいろいろな事情で思うようにいきませんが、今後とも尽力いたします。それで、雑水利用等についてもいまようやく話ができまして、東京などでも今度若干のところで雑水利用を実際にビルなんかでやっておるというようなことが実情でございますので、今後これを進めて、雑水利用を進めていきたい、そして御期待に沿うようにいたしたいと決意を新たにいたしておるところであります。

宮之原貞光日本社会党

○委員長(宮之原貞光君) 本件に関する調査は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時五十四分散会      —————・—————

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