決算委員会 第7号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1981/04/15
会議録
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月六日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。 —————————————
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題とし、本日は締めくくり総括質疑第二回、内閣総理大臣に対する質疑を行います。 総理に対する質疑時間等につきましては、理事会におきまして協議し、各質疑者に御通知申し上げたとおりでございます。 まず、私が決算委員長として若干の質疑をいたします。 最初に、不正経理の根絶と綱紀粛正について伺います。 官公庁における不正経理の根絶と綱紀粛正については、一昨年における一連の公費天国とまで言われた事態以来、引き続き当委員会においても所あるごとに取り上げられ、また決議も行うなど、政府に対し反省を促してきたところであります。大平前総理も、昨年当委員会におきまして、内閣自体が姿勢を正し、具体的な遵守すべき事項を決めて、各省に徹底させ、真剣に綱紀を粛正して、指弾を受けることのないようにしたいと述べておられます。しかるに、昨年十二月国会に提出された会計検査院の昭和五十四年度決算検査報告によれば、労働省及び日本電信電話公社において、会食費などを捻出するため、架空の賃金、旅費、会議費を支出して、別途経理するなどの乱脈経理が明らかにされたのであります。こうした行為が綱紀粛正が叫ばれているさなかにも、相変わらず行われていたということは、きわめて重大でありまして、政府は国民に対し強く責任を感じなくてはなりません。この際、政府の最高責任者たる総理から、一向に後を立たぬ不正経理について、どのように対処していこうとされるのか、決意のほどを伺っておきたいのであります。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘がございましたように、昨年も会計検査院から不正不当な事項が指摘をされたわけでございまして、政府といたしましても、まことに遺憾に存じておるところでございます。早速閣議におきまして官庁の綱紀の粛正、改善につきまして、強い指示をいたしますと同時に、人事管理その他も厳正にいたしまして、今後再びこのようなことがないように改善を加えてまいりたい、このように考えておるわけでございます。 職員の綱紀の一層の振粛、また人事の面におきましても、その直接の関係者はもとよりでございますが、管理監督の立場にあります者につきましても、厳しくその責任を追求をいたしまして、政府挙げでこのような不正不当の事項がないように、これを根絶するように、今後とも最善の努力をいたしたい、このように考えております。
○委員長(野田哲君) 次は、会計検査院の検査機能の拡大強化についてであります。会計検査院の検査機能の拡大強化のために必要な院法改正については、衆参両院において警告を重ねるなど、問題提起からすでに四年近く、一貫してその促進方を政府に要望してきたところでありますが、政府は部内の調整に戸惑っていることを理由に、相変わらずはっきりしない態度をとり続けており、まことに遺憾であります。公費の厳正、効率的な使用を望む国民の声にこたえるためにも、政府はこの問題の決着を速やかにつけるべきだと思いますが、総理の御決意と、いつごろまでに結論を出すつもりであるか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 会計検査の充実強化の問題につきましては、今日まで努力を積み重ねてまいったところでございます。しかし、政策融資等をいたします金融機関の貸付先までこれを検査をするという必要があるのではないかという御指摘がございまして、会計検査院法の改正をいろいろ検討をいたしておるところでございます、ただこの問題につきましては、自由経済体制のもとにおきまして、責任を持って金融機関が融資をやっておる上に、貸付先まで立ち入ってさらに検査を実施をするというようなことにつきましては、自由経済の運営に対して支障を来すのではないか、活力等に制約を与える結果になるのではないか、このような意見もあるところでございまして、いまだ改正の可否につきまして、残念ながら結論が出ておりません。しかし、この問題は非常に重要な問題でございますので、今後とも政府としては、その調整、意見の取りまとめ等につきまして、一層努力をいたしまして、できるだけ早い機会にこの検査院法の改正の問題に結論を出したいと、このように考えておるところでございます。
○委員長(野田哲君) 最後に、決算審査に対する政府の姿勢についてお伺いいたします。 国会の決算審査は、国の財政執行を監視し、あわせて政府の政策批判を行うことにより、将来の予算編成に役立てることを審査方針とするきわめて重要なものであります。この審査を完全に行うためには、政府側からの資料提供などが十分なされることが必要であります。最近は政府側も比較的協力してくれているとは思いますが、やはり肝心なところになると、守秘義務を盾に対応が不十分になることが少なくありません。もとより事柄によっては、事実を明らかにすることと、秘密として守ることと、どちらが公益になるかを比較考慮する必要のある問題があることは当然でありましょう。しかし、こうした場合、国民の知る権利には最大限こたえるべきであるという考え方がまず初めになければならないと思うのでありますが、政府の姿勢からは守りが先に立っているように感じられてならないのであります。総理は各省が国会の資料要求などに対し、もっと積極的に協力するよう指導すべきだと思いますが、お考えを承って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘がございましたように、国会における決算の審査は、予算の適正な編成、執行に対して、大きな指針を与えるものでございまして、最も重要なものであると、このように考えております。したがいまして、国会におけるこの決算の審査に対しましては、政府としては資料の提供、その他御要求のいろいろの諸般の文書等々につきましても、これの提供に協力をいたしまして、誠意を持ってこの決算審査の円滑な運営に、政府としても全面的な御協力を申し上げていきたいと、このように考えておるところでございます。
○委員長(野田哲君) 以上で私の質疑は終わります。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 私は、まず第一に、いま問題になっておりますアメリカのポラリス原子力潜水艦の当て逃げというか、この問題について総理の見解を聞いておきたいと思うんです。 御承知のとおりに、九日朝、貨物船日昇丸が、日本の領海からわずか五十キロの地点で、原子力潜水艦ジョージ・ワシントンに衝突されて、SOSもする暇もなく沈没すると、その結果十二名の乗組員のうち、船長を初め二名がいまだに行方不明と、こういう事件が起きました。この問題はすでに衆議院段階で政府との議論がなされておるようでありますが、しかし、中身を詳細に吟味をしますと、何ら解明されてない。昨日、国会の解明より先に、アメリカの国防省が、ジョージ・ワシントンは現役のポラリス核搭載の潜水艦であるということを発表しておりますね。政府の答弁見ますと、ひたすら米国に調査をお願いしておるので、その結果を待つとか、さらに突っ込まれると、わからないの一点張り。いまだに抗議すらなされてない。こういう中で、十三日の夕刊ですか、総理は記者会見の中で、米国の誠意は理解して評価すると、こういうような見出しつきの記事が出されております。 そこで、総理に私は聞きたいのは、事件は日本の近海で起こっておるわけですね。しかも、戦略ミサイル搭載の原潜であることもはっきりした。だから、人命よりも機密が優先するということになったんじゃないかと私は思うんです。こういった事態、わが国は非核三原則を示唆しておる、そういう中で、知らなかった、わからなかったと、二人のとうとい人命が、恐らく私は亡くなっておるんじゃないかと思いますが、そういう事態で、政府自身が知らなかった、わからなかったということでは私はこれは済まされないと思う。一国の、日本を代表する総理として、ぜひ見解を承りたいところです。 次に、内容を見てみると、潜水艦は衝突した事件後に、午後四時ごろに一度浮上しておるという生存者の証言がされていますね。しかも、その上にはP3Cの哨戒機が飛んでおる。そういうことで、アメリカの大使館の発表では、通告では、捜したけれども見つからなかったと言うけれども、きのうの衆議院における海上保安庁の答弁では、視界は二キロ程度十分見えて、捜索をするのに支障を起こす、そういう状態でなかったということも証言されている。ですから、この事実から言えば、私はこの事件というのは、まさに機密が人命よりも優先するという、こういうことに尽きるんじゃないかと思う。しかも、それが日本政府に通告されたのが三十五時間後というわけですから、ここにも大きな問題が私はあると思うんです。非常に被害者の家族はもちろんのこと、国民の皆さんから見て、何ともやりきれない気持ちでおると思うんです。しかも、衆議院における答弁のやりとりを見ると、核搭載しておったのか、攻撃型ということで核搭載をやめておったのかということについて、日本政府自体そのことをアメリカに問わないと言っておる。このことは、私はアメリカだけじゃなくて、日本政府自体も人命よりも機密を優先する、こういう姿勢に立っておるというふうに思わざるを得ないんです。この点について総理の明確な見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 米原潜によりますところの日本の貨物船の沈没事故、これはまことに遺憾にたえない事件でございます。私は、この事故によりまして、いまだ行方不明になっておりますお二人の乗組員が救助されることを心から祈っておるところでございます。この事件につきましては、レーガン大統領、ヘイグ国務長官、ワインバーガー国防長官等から、深甚な遺憾の意を伝えてきております。マンスフィールド駐日大使がレーガン大統領のそういう意向を、外務大臣を通じまして日本政府に伝えてまいったところでございます。昨日も日本政府におきましては、駐米大河原大使から、調査についての督促、日本の世論、国会の御論議の模様、そういう点をワインバーガー国防長官に伝えまして、早急に調査の結果を報告するように強く求めたところでございます。 これに対しまして国防長官は、米政府においても調査の責任者を早速任命をして、ただいま鋭意調査活動を進めておる段階であって、その調査の結果はできるだけ早く日本側に通報したい、こういうことを約束いたしておるところでございます。 特に、いまお話もございましたように、一体どうしてあのような事故が発生したのであるか、その原因の究明、さらにもう一点は、救助できるような状況にあったのではないか、そういう状況の中で、救助活動がなぜなされなかったのか、こういう点につきましては、日本国民がひとしく大きな疑念を投げかけておるところでございまして、この点を十分解明するように、調査をし、解明をして、日本側に報告するように、要求をいたしておるところでございます。 米政府におきましては、先ほども申し上げましたように、大統領ばか政府の首脳が、それぞれ深甚なる遺憾の意を表しますと同時に、この補償の措置等につきましても、誠意をもってこれを行う。また二度とこのような事件が起こらないように、原因の究明とともに最善の努力をすると、こういうことも約束をしておるところでございます。 なお、日本政府といたしましては、ただ米側のそういう調査の通報を漫然と待っておるわけではございませんので、日本政府としても、あの海域の放射能の影響調査、それから救助された乗組員の方々から、その当時の状況を聴取をし、またその当時の気象、海況の状況等も、海上保安庁等から十分検討をさせまして、日本側としてもこの事件の徹底的な究明に当たっておるところでございます。 私は、この問題が日米の友好協力関係の将来に暗い影を落とさないように、誠意をもって米側がこの事件の事後処理に適切な措置を講ずることを期待をし、また強く求めておるところでございます。
○佐藤三吾君 総理ね、あなた、いまこの損害補償の問題とか、再発防止の問題、こういう御発言がございました。しかし、もうこの事件はアメリカ当局は知っておるわけです。ポラリス潜水艦でやったということを。その問題について、なぜ抗議をきちっとしないんですか。外務大臣は調査を待って、わが方の調査と突き合わして、その上で抗議をするなり、きちっとしたいと言っているけれども、あなたのいまの答弁には、それはかけらもないじゃないですか。私は、この損害賠償とか、再発防止と言ってみても、この事実の調査すらあなた任せという実態でしょう。こういうことで国民が納得するような、被害者が納得するような措置ができますか。率直に言って、いままでの問題でもそうですが、たとえば核持ち込まず——三原則の一つにございますが、この問題にしても、政府の答弁というのはすべてアメリカを信頼してという前提がついておるんです。しかし、今度の事件が信頼に値しますか。そのことを立証しておるじゃないですか。そういう実態の中で再発防止をどうするんですか。そんな何というんですか、その場逃れみたいな言い方では、私は一国の総理として問題があると思う。なぜこれだけの国民の怒りなり、被害者に対するこういった措置に対して、もっと怒りを持って米国政府ときちっと話をつけないんですか。私は、総理が日本国総理であるなら、これは当然そうすべきだと思う。その点ひとつ総理の見解をぜひ明確にしていただきたいと思うと同時に、五月には日米首脳会談が予定されていますね。ここであなたは何を言い、何を協議し、そうして、この問題についてはどう処理するのか一その点もあわせてひとつ明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 佐藤さんからこの問題について怒りを持って抗議をすべきだと、こういうお話がございました。先ほど私が申し上げたとおり、米政府は大統領を初め、政府それぞれの立場にある首脳が、深甚なる遺憾の意を表しておる。また調査について、早くやってもらわなければいけない。こういうことで、大河原駐米大使を通じて、なぜ一体通報が三十数時間もおくれたのか、救助についてできるような状況、環境ではなかったのか、そういう問題について、徹底的な調査究明の通報をしてもらいたい、こういうことを言っておるんでありまして、日本側としては、米側に対しまして、そういう点を国会並びに国民世論を踏まえて、十分申し入れをしておる、こういうことでございます。 また、国内におきましては、漫然と米側の報告を待っておるんではなしに、政府自体としても、あらゆるこれに対して調査、検討を進めておる、こういうことを申し上げておるわけでございまして、アメリカの原潜がやったことであるから、日本はもうこれを余り深く追及をしたりするようなことを遠慮しておるのじゃないかというような、そういう見方であれば、これは私はいま申し上げたように、言うべきことはちゃんと日本としては言っておる、要求すべきことは要求しておるということを申し上げたわけでございまして、この点は御理解を賜りたいと、こう思います。 日米首脳会談におきましては、私は、日米二国間の関心のある問題はもとよりでございますが、国際情勢全般につきましても、率直な意見の交換をいたしたいと考えております。今日、世界の情勢は、政治の分野におきましても、あるいは経済の分野におきましても、相当厳しいものがあるわけでございます。私は、日米両国は自由陣営の中におきましても、それぞれ大きな役割りを担っておるわけでございますから、この国際情勢に対する認識について、率直な意見の交換をいたしますと同時に、日本としてわが国の国力・国情にふさわしい国際社会の一員としての役割りを果たしていく、世界の平和と安全と繁栄のために、日本としてこういうことをやっていく方針である、こういうことも率直に申し上げたいと考えておりますし、なお、防衛の問題につきましては、これはしばしば予算審議等の際におきましても申し上げたところでございますが、私は、わが国の平和憲法のもとにおきまして、専守防衛に徹する、そして近隣諸国に脅威を与えるような軍事大国にはならない、非核三原則を堅持していく。また、シビリアンコントロールのもとに、わが国の必要最小限度の自衛力は、これは整備をしていくという日本の防衛に対する基本的な立場、こういうものをはっきりと表明をいたしまして、そして、一方において日米安保体制の円滑な運営、これが支障を来さないように、これも相互の理解を深める必要がある、このように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 総理、先ほどの答弁、大変力んで答弁いただきましたが、私に力むんじゃなくて、アメリカにきちっとしてもらいたいということを言っておるわけですから、そこら辺はひとつ日米首脳会談の際にもきちっとしてもらいたい。 きょうは時間がないので次に移りますが、その点ひとつぜひお願いしておきたいと思います。 それから、行政改革の問題について総理にちょっと見解を聞いておきたいと思うんです。 総理は、日商総会、二月八日ですか、この総会でもそうでありますが、その後再三この行政改革について、言うなら、五十七年度には大衆増税、大型増税はしない、そして五十九年度までに赤字国債から脱却する、そのために補助金を中心に改革するんだ、そのことに政治生命をかける、こういうことを強調なさっております。私は結構なことだと思うんです。そこで、総理が考えておるこの基本理念というものは一体どういうものなのか、それをまず聞きたいということが一つ。 それから、時間がございませんから次に行きますが、私は補助金問題について、この際ひとつメスを加えるということについては、国家予算の三分の一が補助金という現状というのは、ほかの国はないんじゃないかと私は思うんですよ。それだけに私は結構なことだと思います。ただ、一律とか、そういう性格のものではないと思う。やはりこれらについては、不要不急のものについて峻別して措置をするというのが妥当じゃないかと思うんですが、なかなか各省のなわ張りがこれは非常に強い。したがって、五十六年度も補助金を廃止をした分よりも、新たにふえた分が多いというような実態が、予算委員会の中でも明らかにされておりますが、こういったことを一つ前提において、ここら辺の問題を処理すべきだと思います。ただ問題は、総理がよく口にするように、また財界がよく言っていますが、何か民間が石油ショック以後大変な体質改善をやって合理化をして、そして今日のような強靱な態勢をつくったんだということが喧伝されておりますが、私はむしろ今日の日本の財政危機の原因はここにあったと思うんです。その民間の減量政策、景気政策、これらに対して政府の財政を通じての、たとえば政策融資なり、公共事業を含む仕事の場をつくるなり、こういったところに湯水のように金を注ぎ込んでいった、これが今日の財政危機の一つであることも私は自明だと思うんで、そういう観点から見ると、この際私は大企業に対する非課税措置、今年度、五十六年度を見ますと、四千三百八十億、租税特別措置法で出ていますが、これは、大蔵大臣ここにおりますけれども、率直に言って実数がどうかというのはなかなか判断できないもので、いろいろなデータによると三兆円ぐらいあるんじゃないかといううわさもございます、そういう説もございます。しかし、挙げられた数字を見ますと、地方の非課税措置と国の非課税措置を合わせると約一兆円、それから政策融資、これらを見ると、これは一般会計から出たものを除いてみても、五十四年度残高が約四十九兆、五十五年度、五十六年度を加えますと、差し引いて約七十兆円程度出されておると思うんですね。それに対する利子補給金が、五十四年度が六千百六十一億、五十五年度が八千四百五十四億、五十六年度が九千二百六十億、こういう多額が計上されておる。ここに私はやはりメスを加えていく、こういうものでなきゃならぬと思うんですが、いかがですか。仮に、地方税の今度の非課税措置の例を見ますと、五十六年度の廃止されたものがわずかに五件二品目、それによる増税が二億円です。ところが同時に、五十六年度に逆に期間延長が十二件、減収が八十一億、新設が十九件、十七億、こういうようなからくりがある。こういったものが租税特別措置法の中でないとは言えないんじゃないかと思いますし、そういう問題にもこの際ひとつメスを加えるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 佐藤さんから行財政改革についての基本的な考え方についてお尋ねがございました。さらに政策税制なり、政策金融の問題につきましてもお尋ねがございました。政策税制と政策金融の問題につきましては、大蔵大臣から御答弁をお願いすることにいたしますが、私は今日財政の再建を図るということは、これは鈴木内閣の重要な政策課題であるばかりでなしに、わが国にとっても避けて通れない最大の重要な課題であると、このように考えておるわけでございます。私は昭和五十六年度の予算の編成に当たりまして、国会の諸先生方の御理解、御協力によりまして、特例公債二兆円の減額をすることができました。 さて五十七年度の予算の編成におきましても、引き続いて私は特例公債の思い切った減額を進める必要があると考えております。これをやりまする場合におきまして道は二つしかない。一つは、国民の皆さんにさらに御負担を願って、そして公債発行の減額を図るという路線と、それからもう一つは、現在の行財政に対して、思い切ったメスを加え、縮減合理化によって、これを達成をする、そういう二つの道しかないと思うのでございます。 私は、そこで五十六年度におきましては、現行税制の枠内ではございましたけれども、法人税、酒税、その他一兆四千億に近い税の御負担を国民の皆さんにお願いをしたという経緯からいたしましても、再び五十七年度予算の編成に当たって、そういうことをするわけにはいかない、高度経済成長時代に肥大化したところの行財政、この減量化、合理化、縮減を図ることによってこれを達成しよう、こういう決意をいたしたわけでございまして、この点につきましては、国民の皆さんの御理解を得つつ、私自身としては不退転の決意を持ってこれに当たる所存でございます。そのやり方等につきまして、これから政府も研究し、また第二臨調でも掘り下げた御検討を願って、そして国会の皆さんの御審議、御理解を得ながら、これを実行に移してまいりたいと、こう思っておるところでございます。 私の財政再建、行財政に対する基本的な姿勢はいま申し上げたとおりでございまして、なお、政策税制、政策金融の問題につきましては、大蔵大臣から御答弁をさせます。
○佐藤三吾君 時間がないから、大蔵大臣はまた別にやります。 ただ、総理がここら辺になると自信がないのか避けましたが、ここら辺はひとつぜひ念頭に置いて、政治生命をかけるその意味の中に入れておいていただきたいということだけ申し上げておきます。 そこで、補助金を当たるにしても何にしても、私は官僚のなわ張りというのが非常に弊害になってくると思う。 そこで二つほど総理の回答を聞いておきたいのは、一つは、環境アセスの法案が閣議で一遍了承しながら、そうしてこれもやっぱり自民党に差し戻しと、こういうかっこうでいまだに国会に出てまいりませんね。新聞報道によりますと、発電所を外すとか外せぬとか、こういうことが議論になっているようですが、私はこれは政府原案というか、閣議了承案件というか、それ一つ小骨取っても問題がある法案だと思うんですが、これについて総理は予算委員会では近日中にという表現ですが、いつ決断して、今国会に出すのか出さないのか、この点が一つ。 もう一つの問題は、補助金と関連して地方に機関委任事務がたくさんございます。恐らく県庁などは七割ぐらいあるんじゃないかと思います、各県に。こういったところに県の議会の監査委員の監査権が及ばない。ここを何とかしようということで、監査権の強化と、もう一つは、やはり中曽根さんが言うように、地方公務員はふえておると言いますが、その九割というのは、法律、政令、こういうものの改正に伴って、やむを得ず人員増しなきゃならぬ問題であることは、中曽根さんそのものが承知をしておる。そういった法令、政令とかいうものをつくる段階で、地方六団体の意見をそんたくする、協議する場をつくる、こういった地方自治法の改正案がもう二カ月以上たなざらしにあっている。これはもう官僚のなわ張り以外ない。こういった問題について、あなたはどういうひとつ決断をして、いつ国会に提出するのか、ここは明確にしていただきたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) 第一の環境アセスメント法案の問題でありますが、これはお話のとおり、前大平内閣当時、閣議決定をいたしたものでございまして、その内容そのまま鈴木内閣におきましても閣議でこれを了承し、与党の自由民主党の政務調査会に検討をゆだねておるところでございます。政党内閣でございますから、いずれにしても国会に提案する前に事前に与党の了解を得るということをこれはやっておるわけであります。環境アセスメント法案に限らず、あらゆる法案の取り扱いはそのように進めでおるわけでございますが、この法案につきまして、いろいろ自由民主党の各政調の部会等におきまして意見がございます。そういうことで、審議に時間がかかっておるのでありますが、さらに安倍政調会長は、私からの要請に基づきまして、アセスメント法案をしぼられた幹部でこの懇談会をつくり、検討を進め、その検討結果も一応まとまったようでございます。近く政調会長に報告をされ、政審、総務会の議を経て、国会に提案をすると、その前に政府に対して、もし修正の部分がありますれば、政府との調整を行って、これを提案をすると、こういう段階にいま来ておるわけでございまして、私といたしましては、連休前にでも国会にぜひ提案をしたいと、このように考えておるところでございます。 それから、この地方自治法の改正の問題でございますが、その中に地方六団体の意見を聴取をすると、これを明文化する問題が一つございます。それから、機関委任事務の監査の権限、これを地方の監査委員会に与えると、明確にすると、こういう問題がございます。いま地方制度調査会の答申を踏まえまして、自治法のそういう点を内容とする改正案につきまして、自治省が中心になって、各省庁との間で調整が進められつつございます。難航いたしておるのも御指摘のとおりでございます。一方において、第二臨調におきましても、この国と地方公共団体の事務の配分、あるいは取り扱いの問題、組織の問題等につきまして、第二臨調においても重要な一つの問題として、これが検討の課題になろうと、こう思うわけでございます。 私は、これは中央、地方を通じまして、行・財政の改革、これは重要な課題でございますので、地方制度調査会、第二臨調の意見をも十分踏まえながら、よりよい中央、地方の行政事務の配分並びにその執行を監査いたします監査体制の確立、こういうものを図るようにいたしたいと、このように考えておりますので、この地方自治法の改正案というのは、もう少し時間をちょうだいいたしたいと考えております。
○佐藤三吾君 総理、認識が若干違いますが、地方自治法の改正案というのは、これはもう一昨年地方制度調査会が答申をして、そうして自治省が案をまとめて、いま各省で総スカンを食っておるわけです。言うならば、なわ張り争いの犠牲にいまなっておるわけですね。これは第二臨調で議論する前にこの国会できちっと話をつけなきゃならない性格のものです。これがつけられないようでは、第二臨調で政治生命をかけると言ってみても、これはもうそらごとです。そう言っていいぐらいのしろものです。そういう意味で、私はぜひこの点については、総理がこの国会中に結論を出すべきであるということをひとつお願いしておきたいと思います。 次に、検査院の問題で、先ほど委員長の質問にお答えいただきました。結果的に、結論から言えば、できるだけ早い機会にと、この繰り返しになっておるようでございますが、これはひとつ総理、私は時間がございませんからいろいろ申し上げませんが、これはもうそういうできるだけ早いとかなんとか言う時期じゃないんです。民間の活力であるとか、自由経済下とかさっき言いましたが、これはそういうしろものでもないんですよ。むしろ、ここに大蔵大臣おりますが、大蔵省初め各省庁の、一部の省庁のなわ張りが原因なんです、これは。しかし、ここには、先ほど申し上げたように、大変な政府資金が政策融資として流れ込んでおる。そこでグラマン、ロッキード問題が起こってきておる。こういうところから、前の福田総理が法改正を検査院に要請をすると、こういう国会答弁を経て出された問題なんです。そういう性格から見れば、しかも法案の内容は——ここに検査院長も来ておりますが、きわめて慎重に配慮した、いまあなたがおっしゃるような心配の部分をなくす、そういう措置を講じて、最低限ぎりぎりの改正案です。これすら結論が出せないという状態で何が第二臨調になりますか。私は、やっぱりここら辺はひとつ、総理がもうこの時期に、不正をなくす、そして腐敗をなくすということをあなたは政治倫理の確立の中でも言っておりますし、公約しておりますが、結論を出す時期に来ておる。このことをひとつぜひお願いして、総理の見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 検査院法の問題につきましては、野田委員長の御質問に答えた繰り返しになりますから、重ねて申し上げませんが、政府としては鋭意官房長官を中心に、その調整を得べく努力をいたしておる段階でございます。と同時に、それができないうちは、ほうっておくということではございませんで、この会計検査の検査体制の強化、整備という問題につきましては、これが効果的、効率的に行われるように、そういう面の努力も並行して行っておるところでございますので、できるだけ調整を急ぐつもりでございますから御了承を賜りたいと、こう思います。
○峯山昭範君 私は、総理、今回の貨物船日昇丸と米原子力潜水産ジョージ・ワシントンとの衝突事故、いわゆる米原潜の当て逃げ事故ですね。この問題につきましてはもうすでに衆議院でも相当議論がされているようでございますが、何はともあれ総理大臣が国会で正式に発言されるのはきょうが初めてと私認識をいたしておりますので、そういうような意味で総理の所信並びに考え方、また現在この問題についての御認識について、非常に短時間ではございますがお伺いをしたいと思います。 まず、この問題につきまして、総理、率直に考えまして、これは日本国民としても、私たちこの事件は非常に不思議な問題であり、ミステリーな問題であると、こう思っておるわけですけれども、総理自身はこの事故そのものについて、先ほどからアメリカの大統領や国務長官やワインバーガーさんやそれぞれの方々の深甚の遺憾の意を表明するとか、いろんな発言はありましたけれども、総理はこの問題について、率直にどういうふうに感じていらっしゃるのか、そのお考え、感じ方をまず初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) この原潜による今回の貨物船の沈没というような事故、これは全く私にとりましても大変な衝撃、ショックであったわけでございます。米海軍におきましても、原潜によるこのような事故は初めてのことであるということも聞いておるのでございます。私は、ここで繰り返しませんけれども、大河原大使から、その後、日本国内で国会の御論議や、あるいは新聞その他の世論等々を踏まえまして、日本側の要求というものを米側に伝えて善処を強く求めておるわけでございます。それはいま一番国民が疑問に思っておりますところのこの原因の究明ということ、さらに、三十数時間も通報がおくれたということ、それからあのような気象、海況のもとにおいて、救助活動が十分できなかったかどうか、こういう点、これを早急にひとつ責任ある調査の結果の通報を求めておるところでございます、もとより再発防止でありますとか、補償の問題でありますとか、これは日本側としては、米側も誠意をもってこれに当たるとこうは言っておりますけれども、この点につきましても、日本側としては米側の納得できるような、誠意ある対処というものを要求をしておると、こういうことでございます。
○峯山昭範君 総理、私はきょうそんなむずかしいことを議論しようとは思っていないわけです。総理の率直な気持ちを私は聞かせていただきたいと思っているわけです。これはなんでかといいますと、先ほどから答弁聞いておりましても、要するに当て逃げされたこちらの被害者の方がびくびくしているような、そんなことはないかもしれませんが、われわれ総理の先ほどの同僚議員の質問に対する答弁を聞いておりますと、要するに日米関係というのは非常に重要な関係にあると、したがって、そういうような関係に暗い影を落としちゃいかぬとか、しこりになっちゃいかぬ、これは当然そうですね。ですから、それは日本の総理大臣として、アメリカに対して、この問題ちゃんと解決しないと、これうんとしこりになるぞと、そういうふうにお考えになっていらっしゃるわけでしょう、そうなんですね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来佐藤さんに対する御答弁、峯山さんに対する私の御答弁をよく御理解をいただければわかると思うんでありますが、私が大河原大使を通じまして、いまのように強くその厳正な調査とその早期の通報を求めておるということは、日米の関係をこのために悪化させるようなことがあってはいけない、これはアメリカ側が誠意をもってこれに努力してもらわなければならない、こういう観点から申し上げておるということでございまして、この点は御理解を賜りたいと、こう思います。
○峯山昭範君 それはそういうふうなあれでないと、われわれ国民の側から見るとそうでないといかぬと私思うんです。 そこで、二、三点、むずかしいことはわからないと思いますが、総理の率直な感想としてで結構です。これは救助作業の問題ですね。これは私は軍事上の秘密とか、いろんな問題あったにしましても、これは当然事故が起きたということは知っておるわけですから、これは救助すべきだろうと私は思うんです。だれが見たってそうです。これはアメリカの国内でさえ、アメリカの新聞がなぜ救助しなかったんだと、アメリカ建国の精神に反しているじゃないかと、アメリカ国内でそういう論争が起きてきて、とんでもないやろうだと、こういうような——言葉はちょっと汚いかもわかりませんが、そういうような感じの論調の記事が見えるわけですね。そういう点からいきますと、これはやっぱりそういうふうな怒りというか、そういうふうなものが日本側に全くないというんじゃ、これは全くおかしな話でありましてね、私はそういうふうな意味で、総理は、何で救助作業をしなかったのかという単純な質問に対して、これは専門的なことは結構です、私たちも素人なんですから。総理は何でやったんやろかと、それに対して、私はこうやったんと違うかなという考えがあると思うんですがね。総理はどういうふうにこれお考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は先ほど佐藤さんにもお答えをしたわけでありますが、日本の護衛艦の救助したときの状況、それから海上保安庁の専門家の状況判断、そういう点からいたしまして、救助活動が不可能なような海況なり、気象条件ではなかったのではないか、こういう疑問を深く持っておりまして、その点をいま米側に強く究明を迫っておると、こういうことでございます。
○峯山昭範君 それならいいんです。これは原子力潜水艦が救助活動ができるような状態にあったのに、何で救助しなかったんだと、そういうふうに総理も考えていらっしゃるというわけですから、それはそれでいいわけです。原因を解明していただくために、大河原大使にもおっしゃっているでしょうから、それは了解です。 そこでもう一つ。幾つかこれお伺いしたいんですがね。米側からの通報の問題ですね。先ほど総理もおっしゃっておりました。確かに九日の十時半に事故がありまして、米側の通報のやり方というのを見ておりますと、時間を追ってずうっと見ますと、非常におかしな点が多過ぎるわけです。これは何といいますか、初め海難の事故についての問い合わせをし、それは該当なしと。その後航空機に対する問い合わせをして、初めて具体的に出てくるわけですね。そしてしかも、その後マンスフィールド大使が正式に来るまでには三十九時間三十分というような時間がたってると、こういうわけであります。これは実際問題としまして、総理、もし日本のいわゆる護衛艦なり、潜水唐が公海上で米国の商船なりを沈没さしたりしたら、一体どういうことになる。これは大変な騒動になって、これはもう本当に、これはちょっとやそっとの問題では解決できないような問題になるんじゃないか。そういう点から考えてみますと、もしそういう事故があったら、日本側はどういうふうに措置をするのか。やっぱり三十時間くらいたってから連絡をするのか。三十時間もたって連絡したりすると、いやもう日米関係なんかやめたと、これだけ親密にやっておりながら何だということになると思うんですよね。そういうふうな怒りはぶっつけたのかどうか。そして、その点についてはしかるべき返事が来たのかどうか。これは調査の必要ないわけですよ、そういうようなことを含めて、この点については総理としては率直にどういうふうに考えていらっしゃるか、この点ちょっとお伺いします、
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど佐藤さんにもお答えいたしましたが、その点も大河原大使を通じまして、なぜ三十数時間も通報がおくれたのか、これも日本国民としては納得のいかない点でございますから、この点も強く調査並びに真実の報告を求めておるということでございますが、そういう間における、三十数時間の間におけるところの米側の通報その他の連絡の状況につきましては、浅尾局長から答弁をいたします。
○政府委員(淺尾新一郎君) いまお尋ねの外務省にいつ通報があって、どういうふうな措置をとったかということでございますが、第一報が入ったのが四月の十日の正午ごろでございます。ただし、この際の通報は、日本の商船の事件が起きているけれども、それにアメリカの潜水艦が関係している可能性があるんで、目下アメリカ側で調査中であるということでございましたんで、外務省としてもその調査を急いでほしいと、こういうことを頼んでいたわけでございます。先ほど御指摘になりましたように、越えまして、午後九時ごろ、アメリカ大使館から外務省の方に、アメリカの海軍の発表文を添えまして、アメリカの潜水産が日昇丸と衝突したということを通告してきたわけでございます。
○峯山昭範君 いずれにしても、これはいま外務省の、九時に正式にアメリカ大使館から連絡があった時点でも三十四時間三十分ですな。ですから、これはもう本当にわれわれ考えた場合に、こんなこと親密に、仲よくやっている国としては考えられないことなんですね。こういうふうなおつき合いじゃ、今後いざというとき本当に役に立つのかどうか、そういうことをわれわれ非常に心配をするわけです。 そこで、さらに、先ほどからいろいろ話ございましたけれども、幾つかの問題できのう、おとといと、衆議院で相当この問題について議論をしてまいりました。これ私は総理にここでちょっともう一つ違う面からお伺いしておきたいんですが、衆議院の議論をずうっと聞いておりますと、いわゆる安保の問題とか、そういういろんな問題を含めて、米国との窓口については外務省がなっておるようであります。しかし、ところが救助したのは自衛隊であります。しかも、そこの現在捜索活動は海上保安庁がやっておると。そしてこれから起きてくるであろう補償の問題とか、いろんな問題が米国でまたいろいろ行われるであろうと私思うんですけれども、公海上ですから、そういうものが出てくるわけですね。そうした場合に、この問題について、実はこれあす参議院の内閣委員会でも議論があるわけですけれども、要するに、これは日本側としては、この問題について、いわゆるこの問題全体を統括するのは一体どこが、だれがやるのか。どこが窓口になるのか。そこら辺のところは明確になっているのかどうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 対外折衝は、これは外務省が総括的に担当いたすわけでございます。お二人の行方不明者の救難活動でありますとか、あるいは放射能の汚染があったかどうかというような調査でありますとか、そういうようなものは、それぞれ海上保安庁等において行うと、こういうことでございまして、決して混乱はございません。
○峯山昭範君 そこで、いま総理もちょっとおっしゃいましたが、行方不明の二人ですね、この捜索については総理はどういうふうに認識していらっしゃるんですかね。マンスフィールド大使の外務大臣あてのステートメントによりますと、私はなかんずく行方不明の方々が安全に発見されることを希望し祈っておりますと、こうなっておるわけですよ。これは、決して私はこのことが悪いと言っているわけじゃないんです。しかし、何となく人ごとみたいに言っておる。自分で交通事故ならはね飛ばしてて知らん顔してて、病院へ連れていくなんてことは全然しないわけだよな、これ、本当なら自分たちが現場へ出向いて必死になって、私の方もいま捜しておりますと、見つかりませんと、何とかというようなことはもう一言もない。実際米軍がどういうふうな捜索をしているかということについては、幸いちょっと外務省いらっしゃいますが、具体的に報告来ておるんですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) 外務省の方にアメリカの方から、米軍から通報がありましたのは、十二日と十三日に限って申し上げますと、アメリカの航空機が引き続き捜索しているというふうに通報がございました。
○峯山昭範君 引き続き捜索していると言って、それは米軍だけでやっているの。海上保安庁とかそういうところとは連絡は全然なし、やっているのかやってないのか確認したの。何となく人ごとみたいに言わないで、やっぱり二人の行方不明者の人命救助というのが第一じゃないですか。地球を一周して帰ってこようとどうしようと、そんなことで沸いているかどうか知りませんがね、いずれにしても、これは二人の行方不明者というのに対しての、行方不明の皆さんをどういうふうに救助するかということは非常に私重要な問題だと思うんです。そこら辺のところをだれが必死になって考えていうのか。これは政府としても真剣に取り組まなければいかぬ問題ですよ。そこら辺のところ一遍、こういうふうに聞いておりますと言うんじゃ弱いと私思うんですがね。もう少し、いまどうしても補償の問題とか、あるいは今後被害を起こさないとかいう問題あるけれども、まず二人を救うということについては、一体政府はどういうふうにその指示をし、どういうふうに取り組んでいるのか、この点について総理どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 米軍においては飛行機等による捜査活動を進めておる。また、わが国におきましては、海上保安庁がこのお二人の行方不明者の捜査に全力を挙げておるところでございます。
○峯山昭範君 総理ね、それはそうでしょうけれども、飛行機による捜査というのもいろいろありますわな。戦闘機みたいなやつですうっと走ったってわかるわけないんだ、ですからね、本当に海難事故が起きたらそういう救助の体制ですね、そこら辺のところはやっぱり日本側ともうんと打ち合わせをして、そうして本気になって捜査をすると。米側は米側で勝手にやんなさいと、私の方は私の方で海上保安庁で勝手にやるわっていうんじゃなくて、そこら辺のところもやっぱり統括して、きちっと相談してやるというような体制をつくらなければいけないんじゃないかと、そういうふうに私思うんですけどね、総理どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) おっしゃるとおりでございまして、海上保安庁は緊密な連携をとりながら、進めておるところでございます。
○峯山昭範君 それなら、いずれにしても、この問題につきましては、一日も早く無事発見されることを祈るばかりであります。 次に、これは先ほどもお話ございましたけれども、アメリカの国防総省の発表でも、このジョージ・ワシントンが現役の核搭載唐であるということが明確になったわけであります。これは非核三原則というような問題からも、また非核三原則を国是としているわが日本の国といたしましても、これは非常に重要な問題であります。そこで、これは総理、五月の七日、八日に予定をいたしております日米首脳会談でも、今回の事故を全く何にも話題にしないで素通りするというわけにはいかないと思うんです。このときまでに全部解決するということは、とてもじゃないけど、調査やいろんな問題、事故の原因究明ということになりますと、解明までには相当時間がかかるんじゃないかなと、私素人なりに思うんですが、そういうような意味で、日本の非核三原則という問題を、米側にはこういうときに改めて説明をすると。一応はわかってはいると思いますが、改めて説明をし、理解を求めるとともに、こういう事故が二度と起きないように、また起きた場合はどういうふうにするかという対応も含めて、一言相談する必要があるんじゃないか。また、あるいは共同声明やそういうようなものに盛り込むというところまでいけば、これは一番いいわけですけれども、そういうようなことについては総理どうお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回の原潜による事故につきましては、首脳会談におきましても、私は、日本国民の気持ちを察しましても、これに当然触れなければならないし、向こうもこの問題に十分誠意をもって話し合いに応ずるものと、このように考えております。 なお、この事故は公海上において起こった事故ではございますが、国民の皆さんの中には、絶対に日本の領海その他において原潜が航行しているのかどうか、こういう面についての不安がございます。そういうような観点から、非核三原則を堅持しておるわが国の立場からいたしまして、核を搭載した原潜が、日本の領海に入るようなことが絶対にないように、また、われわれは繰り返し申し上げておりますが、これは事前協議の対象になるべき問題であって、これがなされていないということは、領海に入っていないということをわれわれ信頼をするわけでありますけれども、非核三原則を堅持しておる日本の立場というものを十分この機会に米側にも徹底をする必要があると、このように考えております。
○峯山昭範君 最後ですが、総理、七月に先進国首脳会議がありますね。カナダのオタワであると聞いておりますんですが、この問題については総理は、新聞やインタビューの記事の中で、いろんなことをおっしゃっておりますが、先ほども国際情勢の認識の話の中で、大変最近の国際情勢は全般について非常に厳しい、軍事、経済両面にわたって厳しい問題がある、それと同時に、特にソ連の潜在的脅威という問題について、いろんなところで発言をしていらっしゃいます。そういう点考えてみますと、特に総理は、西側の連帯と団結が非常に必要である、そういう時期に来ていると、こういうような発言をしていらっしゃるわけです。そういうような意味で、この先進国首脳会議におけるテーマ、あるいは政治サミットという話もあるわけですけれども、そういう点も含めて、この先進国首脳会議における総理のこの会議に対する基本的な考え方、そして基本的なそれに臨む態度、そういう点について最後にお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) いまオタワにおける先進国首脳会議の議題につきましては、代理者の段階におきまして三回、四回にわたって議題の詰め、調整が行われておる段階でございまして、まだ最終的に固まっておりません——おりませんが、いまお話がございました国際的な厳しい情勢に西側先進諸国がどのように対応するかという問題等につきましては、私は、各国の首脳が一堂に会するわけでございますから、国際情勢等について、特にポーランドであるとか、アフガンの問題でありますとか、いろいろな問題について話が出ないはずはない、話は当然出ると思いますけれども、しかし、ここで決議とか、一つの方向というものをはっきり出して、これで対応していくんだ、対決していくんだと、そういうようなことには私はならないであろうと思いますし、そう私はサミットの性格からすべきものでもないと、このように考えておるところでございます。 また、一方において経済問題で、ECの国々から対日貿易通商問題を議題にしたらどうかという意見も出ておるようでございますが、私は、その内容についても、世界の自由貿易体制を守るんだ、そのために各国が協調していくんだと、そういう観点に立っての通商貿易問題についての話し合いということであれば、われわれは喜んで、これに大いに議題としても歓迎をすると、こう思っておりますけれども、日本の貿易通商の問題について、これを批判をする、日本を一つの目標として、これに対してあれこれするというようなこと等には、日本としてはサミットの性格上そういうことは容認できないと、こういう点は明確にいたしていきたいと、こう思っております。
○柄谷道一君 日ソ親善協会は四月二日、常任理事会の決議によりまして、赤城宗徳会長、横山利秋理事長名で、日ソ親善協会の会員証交付問題について外務大臣に抗議いたしておりますが、その中で、「政府は一方で北方領土の日を設定しましたが、これによって反ソ的な雰囲気が生じ、ソ連邦を刺激し、領土問題解決への道を遠のかせていることの方が問題ではありませんか。」と批判いたしております。また、一昨年日本で開催されました日ソ円卓会議で、その赤城宗徳日本代表の基調演説を見てみますと、日本の領土問題の立場を強く主張することは盛り込まれておらず、「懸案の諸問題が日ソ間に横たわっている」という程度の発言にとどまったと承知いたしております。また、モスクワで開かれました第二回円卓会議の開幕総会における松前重義日本代表のあいさつには、領土問題どころか「懸案の諸問題」という言葉さえなかったと聞いております。さらに、その日本対外文化協会長である松前さんは、二月六日付の朝日新聞「論壇」の中で、「鈴木内閣が、閣議で「北方領土の日」を決定したことは、日本の対ソ外交における大きな失敗である。なぜならば、この決定は、改善の機運が高まった日ソ関係を再び緊張においやるだけではなく、肝心の「北方領土」問題の解決を一層困難なものにするからである。賢明な日本政府や外務省が、まさか、「北方領土」を本当に解決する目的で、このような児戯にひとしい閣議決定を行ったとはどうしても信じられない。私はこの閣議決定によって、「北方領土」を永久に残し、日ソ間の緊張を継続し、軍国主義への道を開こうという意図ではないだろうか。」とさえ論じております。 もちろん言論は自由でございます。しかし私は、こうした言動がソ連の対日認識を誤らせ、領土返還がいつまでも実現できないというもとをつくるのではないかという疑念を抱かざるを得ません。「北方領土の日」を曲解することなく、国民的合意を背景として、強力かつ条理にかなった粘り強い交渉を堅持することにより、北方領土の返還は実現するものと私は信じているものでございます。総理はこのような言動に対して、どのように率直に評価されるのか、特に、いやしくも国会において全会一致の決議に参加した国会議員が、立場を変えて批判する、このようなことが果たして許されていいものであろうか、総理の明確な御見解をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) ソ連はわが国の有力な隣国の一つでございます。私は日ソの友好関係を固め、発展をさせていくということは、両国民相互の利益に合致をする、またアジアの平和、世界の平和と安定の面から言って、これは大事な問題であると、このように理解をいたしておるのでありますが、いつも申し上げるように、この日ソの友好関係の確立、発展というものは、日本側だけでこれができるものではない。ソ連の側においても、やはりそういう方向で、熱意を持って日ソ関係の改善、友好関係の確立、発展、そういう努力をしてもらわなければいけない、このように思うわけでございます。私はソ連側の誠意ある行動をもっての対応というものを期待をいたすものでございます。そういう認識の上に立って、私は北方領土の返還要求の問題を申し上げますならば、これは日本国民の長年の悲願でもある、われわれはこれを実現するために、今後においても粘り強い努力を積み重ねていかなければいけない、このように考えます。この北方四島の返還なくして、真の私は日ソの友好関係の発展というものはないとさえ思っておるのでございます。これを全然たな上げをして、そして見せかけの、表面的な、どこかとげが刺さったような形での日ソの善隣友好関係というようなものであってはいけない、このように思います。そういう意味で、私は国会における満場一致の御決議の趣旨を踏まえ、また各都道府県等の地方におきましても、それぞれ決議がなされております。そういう点を踏まえまして、北方領土の日というものを政府として決めさしていただいたわけでございます。私は、この北方領土の日というのは、北方領土の問題を解決をして、真の日ソの友好関係を確立をしたい、そうすることによって、この北方領土の日は日ソ友好の日になるであろう、そうしたい、こういう念願を込めて、これに取り組んでおるところでございます、 私はそういう観点からいたしまして、いま柄谷さんからも御指摘がございましたが、一部に、これはごく一部だと思いますが、領土問題をたな上げをして、ただ日ソの善隣友好に走ろうというお考えの方々、こういう方々に対しては、私は強い反省を促したい、このように思っております。
○柄谷道一君 私もはなはだ遺憾なことだと思います。 さて、本年の一月九日、北海道警察は、北方領土に駐留しておりますソ連国境警備隊員と接触をいたしまして、わが国の情報またはロシア文タイプライターなどの物品を渡し、その見返りとしてソ連が自国の領海と主張する北方領土周辺海域での操業を行っていたレポ船主三人を逮捕したことが報道されました。この問題は昭和四十九年の第十一幸与丸、昭和五十六年の第十八和晃丸事件など、多くの事例が見られるわけでございます。私はこの資料を入手いたしておりますが、時間の関係でこの内容の追及はまた別途の機会にしたいと思いますが、いずれにしましても、北方四島の不当占領、北方周辺漁業の圧迫、拿捕、拘禁という不幸な事件が続く中で、魚をえさに巧妙な手段が講ぜられてきたということは、動かし得ない事実であろうと思うのでございます。こういう情勢の中で、本年三月二十八日、北海道羅臼町で駐日ポリャンスキーソ連大使が出席をした会合で、赤城日ソ親善協会の会長から会員証が渡されるという問題が起きました。日ソ親善友好協会は、これに対する批判をする外務省の姿勢はこっけいな小児病的な感覚であると、こう反論をしておりますけれども、私はこの会員証に船主と船名が入っておる、かつロシア文と和文が併記されておる、こういう事実から、ソ連水域での操業に免罪符的な性格を持ついわゆる期待感を与えるのではないか。また七十六名、最近ではさらに二十名が追加交付されたという情報も入っておりますが、そうした者のみに友好の証明が与えられるということは、知事許可漁業の秩序崩壊のおそれがあるのではないか。また、会員証の字句は、通常の証明証の形式を越え、友好漁船であることを証明する内容であり、もしこの証明証を持って出漁するということになりますと問題ではないか。こうしたことが道議会でも真剣に取り上げられております。この問題に対する総理の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も北海道根室地方におけるレポ船の問題、それから羅臼地域周辺における日ソ親善友好協会の発給したところの会員証の問題、これには重大な関心を私は持っておるところでございます。 日ソの現在の新しい二百海里時代の漁業秩序というのは、日ソ漁業協定、ソ日漁業協定、これによって秩序がつくられておるものでございます。私が農林大臣当時にこれは締結をしたものでございます。したがいまして、日本政府としては、この協定に違反し、ないし違反するおそれのあるような行為に対しましては、私は厳正にこれを取り締まり、指導し、監視をしていかなければいけない、こう思っております。いやしくも魚をえさにして、そして両国で正式に締結をしたこの協定に触れるようなことがあっては、これはいけない、国際信義にも反することである、このように考えておりますし、私は今後の正常な日本漁船による北洋の漁業秩序というものを守るためにも、そういうような協定に違反するような行為、そういうようなことに対しては、日本政府としても厳重に取り締まりをしていく、こういう考えでございます。
○柄谷道一君 こうしたレポ船や免罪符とも思われる会員証発行問題が起きますのは、わらでもつかみたいという漁民の深刻な事情がその背景にあるからではないかと思われます。 こういう情勢の中で、総理は昨年十一月十四日の閣議で、根室地域の振興策をとるよう関係閣僚に指示されたと聞いております。この具体策がどのように進んでいるのかお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のように、昨年の暮れに私はレポ船でありますとか、いろんな宣伝、謀略的な動きだとか、また地元の根室地域の一部の動揺とか、いろんなこと等も心配いたしまして、やはり地元がしっかりとしなければいけない、誘惑その他に惑わされるようなことがあってはいけない、こういうようなことから、根室地域の振興対策、また関係者の生活を守るような措置を講じなければいけない、このように考えまして、根室地域の振興対策というものを関係閣僚にお願いをしたわけでございます。早速関係各省庁におきまして連絡会議を持ち、そして、五十六年度予算の編成に当たりまして、そういう計画を反映せしむるような措置をとっておるわけでございます。幸いにして五十六年度予算も成立を見たわけでございますから、これから道路、港湾、漁港あるいは沿岸漁場整備事業等々いろいろな事業に対する補助金、交付金の配分等もこれからなされる段階でございますので、この連絡会議の方針に沿いまして、この根室地域の振興、安定措置というものを具体的に進めてまいりたいと、こう思っております。
○柄谷道一君 北海道開発庁に簡潔にお答え願いたいんですが、ただいま総理の言われました事業計画は、遅くとも六月ぐらいまでには道庁要望の約百五十億円、これの要望を満たして確定されると、こう認識してよろしゅうございますか。
○政府委員(大西昭一君) 北海道開発庁は連絡会議の窓口を務めておりまして、いま総理から御答弁いただきましたように、関係省庁で五十六年度予算について、その実施計画を詰めておるわけでございますが、そのうちの公共事業関係につきましては、これが大体全体の事業の九割強を占めますが、これは近日中にもう取りまとめが終わると思います。 それから、それ以外に非公共事業関係がございますので、これは補助金の各都道府県別の配分でありますとか、そういうことが残りますので、全体を公共、非公共を通じてまとまるのは、六月末までにはぜひ確定をいたしたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 二月九日北海道知事が総理に要請をいたしております。それは現地視察を早くしてほしいと、こういう要請でございますが、私は、当面する諸情勢を考えますと、総理の視察の時期はできる限り早めるべきではないかと思います。この際、その時期、具体的には訪米前なのか、訪米直後なのか、また通常国会の閉会直後なのか、できる限り明確にその時期の明示を求めまして、時間の関係から私の質問をこれでとどめます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は北海道知事さんその他の御要望もあり、ぜひ北方四島の視察をいたしたいと、このように考えております。その時期につきましては、ただいま国会中でもあり、また訪米を控えておりますので、訪米前にはなかなか困難であると、このように考えております。訪米を終えて帰ってまいりまして、国会も終盤の重要な段階でありますが、国会を終わった段階におきまして、日程等を調整して、できるだけ早く視察に参りたいと、こう考えています。
○安武洋子君 私は、米原潜の当て逃げ事件でお伺いいたします。 アメリカの原潜は事件を起こしました後、直ちに救助もしないで、しかも何の連絡もしないで逃げております。これは明白な公海条約の違反でございます。直ちに救助をしまして、また、連絡をしておれば、二名の行方不明者が出る。こういうこともなかったのではないかと思います、救助もしないところか、三十五時間も通告もしておりません。さらに重大なことは、当て逃げをしたのが対ソ核戦略展開のために、わが国の領海ぎりぎり、ここで作戦行動を行っていたポラリス原潜であるということです。このポラリス原潜がわが国の領海直近で作戦行動を行っているという大変な危険、それとまたいつ当て逃げをされるかわからないという、こういう実情が放置をされているという危険、この危険をこの事件は示しております。 いかにわが国の国民の命が重大な危険にさらされているかということに慄然とするわけですが、日昇丸のあの生存者の証言によりますと、衝突後も演習が行われていたとか、このまま殺されてしまうのではないかというふうな恐怖を持ったとかというふうなことが言われるほどの異常さでございます。一体こういうことをどういうふうに総理はお考えになっていらっしゃるのでしょうか。先ほどから早急にアメリカに調査報告を要求していると、こういうことを言われましたけれども、そういうことを待つまでもなく、当て逃げしていると、しかし救助はしていない、そして通報は三十五時間もおくれている、しかも二人が行方不明になっているということは厳然たる事実なんです。このことを一国の総理としてどうお考えになっていらっしゃるのか。あなたは事件の後で、アメリカの誠意を理解できる、こういうふうに言ってアメリカをかばわれております。とんでもないことだと思います。一体アメリカの原潜の当て逃げ事件が、陳謝とか、あるいは艦長の処分とか、補償とか、単なる事実調査で済ませることのできる問題だと、こういうふうにお考えになっているんでしょうか。この事件についての総理の認識をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま安武さんがおっしゃったいろいろの問題点、私もこれをきわめて重視をいたしておるわけでございまして、そういう点を向こうから、米側から調査の結果の通報を待つまでなしに、昨日も先ほどお答えしたように、大河原大使にワインバーガー国防長官に会ってもらいまして、そして日本側の要請というものを強く申し入れをいたしたところでございます。われわれはこの問題を軽く見たり、寛大に見たりしているわけではございません。国民の皆さんのお考えを踏まえて、これに対して十分な調査と解明と、そしてこれに対する誠意ある具体的措置、そして今後の再発防止等々につきまして強い申し入れをしておるということを申し上げておきます。
○安武洋子君 別にアメリカの調査解明を待つまでもなく、先ほど私が申し上げたように、当て逃げがあったというのは事実です。そして、通報が三十五時間おくれ、行方不明者を出してしまったと、あなたはそのことに対してアメリカに、私は常識として抗議をすべきだというふうに思います。しかし、先ほどから抗議をするとはおっしゃらない。あなたが抗議をなさらないのは日米安保条約があるから抗議できないのですか。この点が一点です。 それから、海上保安庁とか、自衛隊など、乗組員の事情聴取を行っております。それから自衛艦の行動、また、あるいはレーダーで米軍機の行動をとらえているというふうなことがちゃんと言われているわけです。ですから、一定のいろいろな情報を収集なさっていらっしゃるわけです。私は、いままで知り得た情報はすべて直ちに公開するということをなさるべきだと思います。これが第二点です。 それから、また、当て逃げをしたポラリス原潜というのは、弾道核ミサイル原潜であるということは間違いないでしょうか。 三点をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 安武さんは抗議、抗議と言うのですが、私が大河原大使に命じて、米政府に申し入れをさしているという真意をそのとおりに御理解を願いたい。あなた方は言葉だけにとらわれて言っているんじゃなしに、この問題を本当に誠意ある解決、日本国民が納得するような解決を求めると、こういう観点でやっておるわけでございます。 それから、いまの原潜の性能につきましては、北米局長から答弁をさせることにいたします。 それから資料は、わが方の調査もいたしておりますから、これを米側の調査と彼此照合して、整合性を持って、正確なところを発表したいと、こう思っております。
○政府委員(淺尾新一郎君) 十日の夜にアメリカ側から、アメリカの潜水艦が日昇丸と衝突をしたという海軍の発表がございました。その際に、船名は何かということを尋ねたことに対して、先方はジョージ・ワシントンということを答えております。ジョージ・ワシントンはジェーン年鑑にも明らかに出ておりますように、弾道ミサイル搭載の原子力潜水艦でございまして、これはミサイル潜水艦の中で一番、現在残っている中では古い艦でございます。あと兵器については、ポラリスのA3型SLBM十六基あるいは魚雷六基を積んでいるというふうに理解しております。
○安武洋子君 なぜ資料をいま発表なさらないんでしょうか。アメリカとわざわざ照合して、整合性をとおっしゃいますけれども、日本でいま調べていることを公表なさるのは当然のことです。アメリカはいわば加害者なんです。私は、すぐに国民の前に資料を公開なさるように強く要求をいたします。 私は、いま抗議抗議と言うけれどもと、口先だけとおっしゃいますけれども、私はやっぱりこれは抗議をすべき問題だと、そういう立場にしっかりお立ちをいただきたいと思います。そういうことが、今後再びこのような事件を起こさせないような、私は基礎になると思います。私は、重ねてお伺いいたしますけれども、資料をすぐに公開なさるおつもりはございませんでしょうか。
○政府委員(淺尾新一郎君) 私が前もってお答えいたしますが、現在保安庁及び防衛庁において捜査あるいは調査の結果を調べているというふうに承知しておりまして、われわれもそういう捜査と、アメリカ側の調査結果、これを突き合わして真相解明に努力していきたいというふうに考えております。
○安武洋子君 そのようなことだから、私は、今後そういうことが起こらないようにするとおっしゃってもだめだと思うんです。大切なことは、やっぱりこういうふうな事件を起こさせないというふうな具体的な措置を政府がどうとるか。その一つの資料は、いまあかしでもあると思うんです。 私は、総理に御提言申し上げますけれども、アメリカであれソ連であれ、原潜というのは日本周辺海域で行動させないという状態を何よりもつくるべきだと思います。とりわけ二百海里内では非核三原則の適用を世界に向けて私は宣言して、世界で唯一の被爆国です、ですから、わが国の国民を核の危険から守るべきだと思います。この点について御見解をお伺いいたします。 さらに、総理は日米首脳会談でこの問題を、私はしっかりした対応をとられるというふうに要望いたします。また、来年の第二回の国連軍縮総会で、日本周辺における核戦力の展開に、私は断固そういうことは拒否をするというふうな宣言を用意して表明すべきだと思います。 こういう点についてお伺いをいたして私の質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国が非核三原則を堅持しておる、今後も国是としてこれを堅持していく、こういうことは米側もよく承知をしておるわけでございますし、私はこういう首脳会談等におきましては、日本の領海の外ではございましたけれども、こういう事件が起こったわけでございますから、さらに注意を喚起する、理解をさらに深める、こういう意味で首脳会談でもこの問題を提起いたしたい、このように思います。 私は、この機会に重ねて申し上げますが、わが国の領海の中におきましては絶対に核を搭載する原潜等はこれは入れない、認めないという立場を明確にしておきたいと、こう思うわけでございます。 さらに、今後の米ソ両国が公海上においてどういう行動をとりますか、こういう点につきましては、世界の核軍縮、そういう高い立場で、私どもはこの問題に対応していきたいということでございまして、領海外のことにいま直ちに影響力を持つような発言を私どもはするわけにはいかない。声を大にして世界の平和と安全のために、核の廃絶、核の軍縮、こういう点を機会あるごとに鮮明にしていきたい、こう思っております。
○森田重郎君 私は行政改革一般につきまして、総理に何点かをお尋ね申し上げたい、こう思うんです。 これは私自身の勉強不足ということで、誤りがあれば逐次御指摘をちょうだいして結構なんでございますが、政府の行政改革に対する姿勢、特に鈴木総理が行革に対して政治生命をかけるというその御決心には、本当に敬意を表する次第でございますが、政府の行革に対する姿勢というものと、第二臨調との関係、この関係につきまして総理にお尋ねを申し上げたい、かように思います。 〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕
○国務大臣(鈴木善幸君) 政府の行財政改革につきましての私の基本的な考え方、これは先ほど申し上げたとおりでございます。いまや鈴木内閣の重要な政策課題であるというだけでなしに、わが国の置かれておる今日の状況からいたしまして、これは避けて通れない重要な課題だという私は認識を持っております。そして行政の簡素・合理化、それから財政の再建、これを図りますために、安易な増税の路線をとることなしに、思い切った行財政の合理化と縮減、整理等によって、改革によってこれをやろうと、このように決意をいたしておるところでございます。 私は、第二臨調の発足に当たりまして、この点、臨調の会長に御就任になりました土光さんとも、腹蔵のない意見の交換をいたしたところでございますが、基本的な認識においては土光さんも全く私と同じでございまして、臨調はそういう方向でやっていただけるものと、このように期待をいたしております。 〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕 なお、臨調は二カ年間の存置の期間を持っておるんでありますけれども、そうでなしに、七月末までには中間答申も出していただける、そして、これを五十七年度予算に反映できるものはこれを取り入れていく、こういうことにいたしたい。なお、さらに時間を要するものにつきましては、引き続いての御検討を願い、これは五十八年度予算以降において実現に移していく、こういう考え方で取り組んでおるところでございます。
○森田重郎君 時間もございませんので、一括しまして二、三の点を御質問申し上げたいと思いますので、その意味でひとつ御答弁ちょうだいできれば結構です。 こういうふうに理解を申し上げてよろしいんでございましょうか。いま第二臨調と政府との関係を私お伺いしたんですが、必ずしも総理のただいまの御答弁の中では、政府と第二臨調との関係というものが、私なりには的確に実はちょっと理解できなかったんでございますが、それはそれとして結構でございます。 そこで、この九十四国会におきまして、総理は施政演説の中で、これはもうすでに過去に属しますが、なるべく早い機会に臨調を発足させたい、同時にまた、政府はその結論というものを、これは尊重して実行に移していくと、こういう方針をお述べになっておられるわけです。それから同時にまた、去る三月十六日ですか、第二次臨調の第一回の会合でございましたか、ここにおきまして総理は、もとより政府は本調査会の御意見につきましては、最大限に尊重し、あらゆる努力を傾注して、その実現を図ることをお約束いたしますと、こういうような趣旨の御発言をなさっておられます。と同時に、また、三月十七日の閣議におきましては、全面的に第二臨調の御意見というものを行革の中に盛り込むと、こういうような御発言もあったかに私は承知をいたしておるわけでございますが、こういうような総理の御発言の中で、第二臨調の答申は、これは真剣に受けとめるということはこれは当然でございましょうが、要するに、これを全面的に一〇〇%実行し得る御自信がおありかどうか、この点を一言お伺いしたい、かように思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は臨調を設置いたします際に、また臨調が設置されました後におきましても、今日でも、臨調の御答申を最大限にこれを尊重し、実行してまいると、そういう臨調尊重という考え方には一貫して変わっておりません。いまの五十七年度予算に、中間答申をいただいて盛り込むものと、五十八年度以降にそれを生かしていくものと、問題によっていろいろあろうかと思いますが、基本的には臨調の答申を全面的にこれを尊重し、実現をしていくと、こういう考えでございます。
○森田重郎君 時間もございませんので、簡潔に二、三点をお伺いいたします。 けさの新聞を拝見いたしますと、各紙で多少のニュアンス的な違いはあるようでございますけれども、補助金整理に関して、これまでのような大蔵省主導による歳出削減、こういった方法でなしに、各省が独自で八%から一〇%というような枠内で、政策の優先度合いを考慮しながら、補助金をも含む歳出カット、これを行うべきだというような意味合いの記事がちょっと目にとまったんでございますけれども、この辺につきまして、総理のお考えをお伺いしたいことが一点。 それからもう一点は、五十七年度の歳入不足見込み額が約二兆八千億とか言われておりますが、投資部門を除いて一兆九千何百億ですか、約二兆でございましょうか、この間のこの不足額を補助金カットだけでは、これは埋めることは非常に困難だというようなこと、これはよく言われていることでございますが、したがって、これは補助金以外に緊急退避的な事業の凍結といいましょうか、新規事業の凍結、これらをも凍結をさせるようなお考えがあるかどうか。その二点につきまして一言お尋ねを申し上げたいと、かように思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) きのう自由民主党の衆参両院の国会対策の諸君と懇談をいたしましたことが、けさの新聞に出ております。内輪の話でございますし、大ぜいの方と懇談するわけでございますから、ニュアンスがそれぞれ違う、お聞きになっておっても違う。これは今回に限ったことでございませんが、とかく内輪の会合ではいろいろそういう新聞に出るとあれがございますが、要は私申し上げたことは、一律カットというようなことは、これは実際的でない、政治にはならないだろう。しかし各省庁、各分野におきまして、増税なき財政再建ということを達成しようとするんであるから、おおむね公平に犠牲を分から合うという気持ちで、これは取り組んでいかなければいけないと、こういうことを申し上げました。たとえば一割犠牲を払うとか、八%犠牲を払うとかというような、例として言ったんでありますけれども、私の真意はパーセントの問題でなしに、できるだけ公平に犠牲を分から合うように、みんなでしょうではないかと、こういうことを申しておるところでございます。 それから特例公債の減額を図る。いろいろのこの財政再建をやってまいります場合におきまして、歳出は、これは各分野にわたって全面的に洗い直しをするということでございますし、あるいは国有財産の処分の問題でありますとか、大型プロジェクト等もいろいろあるわけでございますが、これをどのように扱うかということも御指摘のように一つの大きな課題になろうかと思いますが、またそれらに対する具体的な考え方というものは、私から申し上げる段階でございませんし、臨調におきましても、そういう問題は当然一つの重要な研究課題として御審議をいただいておるものと、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 総理にお伺いします。 総理は一貫して和の政治を貫いておられます。私は思うんです、知ることが和の始まりであると、このように私は考えております。 そこでお尋ねしたいことは、いま締めくくりをされようとする五十二年度決算のいろいろな問題をどのように理解し、受けとめておられるでしょうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま決算の御審査をいただいておるわけでございますが、この決算審査の結果というものは、予算の今後の編成なり、あるいは執行なりに対する、私は非常に貴重な重要な指針になるものと、このように考えております。したがいまして、この決算の審査を適正に、効果的にやっていただきますために、いろんな政府に対する資料の要求等おありになろうかと思うんでありまして、そういう面につきましては、政府としても、この決算の重要性というものを認識をいたしておりますから、最大限の努力をいたしたいと、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 次に、日本外交の姿勢という立場から、世界に対する日本の外交姿勢は、等距離外交ということも言われております、また一つには、日米におけるパートナーシップということも言われております。また日ソにおける、日ソ間の外交姿勢に対しては待ちの姿勢と、余り刺激をしないようにといった待ちの姿勢だと、こういう評価もあるわけでありますが、私は思うんです、真のパートナーシップは、対等の立場に立って、言うべきは言い、聞くべきは聞き、抗議すべきは抗議をすると、もちろん民主的なルールに従ってやることは申し上げるまでもありません。 こういうことを思いますときに、私は日本の外交姿勢は受け身の姿勢でないか、あるいは遠慮し過ぎておるんじゃないか、こういった、最近におけるあの先ほど来論じられておるところの事故の問題を通じても、日本外交の姿勢というものが非常に受け身的で、遠慮で、言うべきを言い、聞くべきを聞き、抗議すべきは抗議するという、きちんとした、こういった姿勢がないのではないか、また日ソの問題にしましても、北方領土の問題をめぐって、刺激したらいけない、こういう待ちの姿勢に過ぎるのではないか。こういうことから、国民の怒りがあることを私はよく知っておるのでありますが、それに対するいわゆる日本の外交姿勢、この問題に対して、総理は、私がいま述べたことに対して、どのように受けとめておられるか、その決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国外交の基本姿勢、基本方針について一体どうなんだと、喜屋武先生の見方もお述べになりながら、その点を明らかにせよと、こういうことでございましたが、私は日本の外交の基本姿勢、基本方針というのは、一言にして言えば平和外交に徹すると、こういうことでございます。過去において全方位外交であったとか、あるいはまた世界の情勢を分析をして、そして西側陣営の立場に立ってこれを進めるとか、あるいは南北関係について日本がどう対応するとか、日ソの関係についてどうするとか、あるいは日中の外交をどうするとか、いろいろの角度から見た場合にいろいろの議論があるわけでございますけれども、私はその基本というものは、やはりわが国の平和憲法の精神を踏まえて、平和に徹する外交を進めると、こういうことであるわけでございます。 そして、喜屋武さんから御鞭撻をいただいた点でありますが、日本の外交は、どっちかと言うと、いままで遠慮がちであったのではないか、非常に引っ込み思案であったのではないか、こういう点でございますけれども、日本は今日、経済的にも私は非常に大きな国際的な力を持っておりますし、それを背景とした政治的な日本の立場というものも、大きく期待をされてきておると、こういうことであります。軍事的には軍事小国でございますから、これはわれわれは期待されても困りますけれども、その他の面におきましては、私は世界の中の日本というものは、これは大きく評価されてきたと、こう思っております。だから、われわれはそういう自覚と、認識と、国際社会における責任ある立場というものを踏まえて、世界平和と繁栄のために努力をしていきたい、こう思っております。
○喜屋武眞榮君 先ほど来、またただいまも、総理は世界の平和と安全、これをモットーにして外交姿勢を貫くと、こうおっしゃった、これはごりっぱであると思います。 そこで、私申し上げたいことは、日本はいま外交面でも、内政面でも、重大な危機に直面していることを私は憂えます。 そこで、財政面を通じてのいわゆる財政外交という立場から、米ソのいわゆる軍事的優位を保つためのその姿勢がエスカレートしておることは、数字の示すとおりであります。強いアメリカを誇るレーガン大統領は、ソ連に対するその劣勢を日本に肩がわりさせる、こういった圧力が感じられます。それを裏づけるごとくに、日本の防衛費も、最近のを見ましても年々ふえてきておる、こういうことを思うんです。世界の軍事費は、八〇年の資料によりますと、百兆円を突破しようとしております。そうして、世界の貧困者が八億、ILOの七〇年の初代では七億、さらに最近における世界的な難民、こういった情勢の中で、第二次世界大戦の悲劇、その反省は日本の三百十万に及ぶ戦死傷者、世界は五千六百四十六万人の戦死傷者を出しております。そして、人類初めての被爆国日本、その血のあかないとして平和憲法が生まれ、非核三原則が生まれた。にもかかわらず、その平和憲法もよろめき、また非核三原則もよろめかんとしておるような現状であります。 国際情勢はいま核廃絶への欧州の高まり、環太平洋の島々は核実験反対、核廃棄処理反対、こういう大きな渦が高まりつつある現状であります。 そこで最後に、総理は一貫して平和と安全を願うとおっしゃったが、心の中に願う安全ではなく、行動に移してもらいたいという立場から、私は次のことをお尋ねしたい。 総理、全世界に向かって世界のリーダーシップをとっていただくために、平和のリーダーシップを発揮してほしい、それはまさに絶好のチャンスであると私は思っております。具体的には軍縮——軍備縮小と核廃絶、この先頭に立って訴えてもらいたいということを私は心を込めてここから要望いたします。 総理は内政面の立て直しには、政治生命をかけるとたびたびおっしゃった。ならば、人類の平和と安全のためには、平和外交の先頭に立ってもらって、それこそ命をかける決意で——命をかけるということになりますと、これは矛盾しますので、命をかける決意で立ち上がってもらいたいと心から訴えるものであります、総理の決意を、それこそ心の底からの決意を承って、時間が参りましたので私の質問を終わります、
○国務大臣(鈴木善幸君) わが国が、世界が平和であることが何よりも望ましい、こういう資源の貧困な小さな国土に一億一千万の人間がひしめいて生活をしておるわけでございますから、貿易で立っていく。そういう観点からいたしまして、世界が平和であることが何よりも日本としては望ましいわけでございます。そういうことから、私は、わが国の外交は平和に徹する外交であると、こういうことを先ほど強調をいたしたわけでございます。 そういう観点から、今後ジュネーブにおける核軍縮、軍縮会議、それから国連において、わが国は国連の理事国にもなったわけでございます。来年は特別総会もある、こういうことでございますから、国際の舞台におきまして、日本が平和国家として世界の先頭に立って軍縮の問題、特に核の廃絶の問題、世界平和のために最善を尽くしてまいりたいと、こう思っております。
○委員長(野田哲君) 他に御発言がなければ、昭和五十二年度決算外二件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(野田哲君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、坂元親男君、仲川幸男君及び三治重信君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君、坂野重信吾及び小西博行君が選任されました。 —————————————
○委員長(野田哲君) これより昭和五十二年度決算外二件について討論に入ります。 昭和五十二年度決算の議決案はお手元に配付のとおりでございます。 なお、内閣に対する警告案文につきましては、理事会において協議の結果、意見が一致したものでございます。 案文を朗読いたします。 内閣に対し、次のとおり警告する。 (1) 会計検査院の検査機能の拡充強化については、本院においても、再度議決を行ってきたところであるが、その後も、依然として抜本的な措置がとられないまま推移していることは、極めて遺憾である。 政府は、会計経理にかかる監督機関としての会計検査院に対する、国民の強い期待にこたえるためにも、同院が検査の目的を十分達することができるよう、速やかに、所要の措置を講ずべきである。 (2) 婦人問題については、雇用における男女別定年制、結婚退職制等が、まだ十分に解消されておらず、かつ、募集・採用においても、男女異なる取扱いをしている企業がかなり見られ、また、教育の分野においては、高等学校における家庭科教育が、女子のみに必修とされたり、更に、国籍法においても、婦人の地位への配慮が欠けるところも見受けられる。 政府は、「国連婦人の十年」の後半期にあたり、これらの改善に、一層の行政努力を傾注するとともに、男女の平等確保のため、昭和五十五年七月に署名した、「婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の早期批准に向け、積極的に、国内法等諸条件の整備に努めるべきである。 (3) 公害防止事業団が、工場移転用地として造成し、譲渡した東大阪作業工具工業団地においては、未承認の企業が入居したり、または、無断で用地に権利を設定するなど、同事業団との譲渡契約条項に違反した事態が発生したことは遺憾である。 政府は、同事業団に対し、今後におけるこの種契約条項の完全な履行を図るため、十分な管理体制を確立し、債権の保全と事業目的の遂行に万全を期するよう指導監督すべきである。 (4) 日本私学振興財団が、私立学校振興助成法に基づき、私立大学等に交付している経常的経費の国庫補助金については、毎年のように会計検査院から不当事項の指摘を受けているにもかかわらず、先般、一部私立医科大学等において、学校法人会計で処理すべきであった寄付金収入につき別途経理を行い、その経理処理において適正を欠いたため、補助金の返還を求められる事態が発生したことは、極めて遺憾である。 政府は、私学助成の重要性と、これら補助金の原資が国民の税金であることにかんがみ、学校法人の経理処理が適正に行われるとともに、補助金の交付及び利用が厳正かつ有効に行われ、それによって私立大学等の教育研究条件の整備、教育の充実向上が一層図られるよう、まず私立大学等に対し反省を求めるとともに、将来におけるこの種事態発生の根絶を期するため、その方途について十分検試すべきである。 (5) 医療法人芙蓉会が経営する富士見産婦人科病院等一部医療機関において、無資格者による医業行為等の不祥事が生じ、かつまた、同病院については、早くから患者などよりの、不適切な診療や広告の指摘に対し、その対応が必ずしも十分でなかったことは、極めて遺憾である。 政府は、医療が、生命・身体に重大な影響を及ぼすことにかんがみ、医療行政のあり方について根本的に見直すとともに、患者の意見も配慮する方途を講じ、再びこのような事件が起こらぬよう、医療機関の指導監督に万全を期し、医療行政に対する国民の信頼を、速やかに回復するよう努めるべきである。 (6) 農林水産省では、農業者団体等を事業主体として、各種の国庫補助事業を実施しているが、これら事業の中には、意図的に事業費を過大に精算し、関係業者から割戻金を受けるなど事業の実施及びその経理に不当な事態があり、会計検査院によって毎年度指摘を受けていることは遺憾である。 政府は、これら事態が依然として後を絶たない点にかんがみ、これらの発生原因について十分把握し、都道府県や市町村当局に対しても、事業主体に対する指導監督を徹底するとともに、事業計画内容の審査から竣工検査に至るまで、補助事業としての実施体制を十分確立させるなど、再発防止のため実効ある施策を講ずるよう指導すべきである。 (7) 通商産業省が監督する財団法人日本消費者協会において、幹部職員による横領事件が発生し、かつ、この事件が、五カ年度の長期にわたり、被害額も一億数千万円にのぼるまで発見できなかったことは、同協会内部における監査の不徹底、あるいは相互けん制体制の不備などによるものであり、遺憾である。 政府は、同協会が、消費者利益の保護などを事業の目的として、国庫補助金の交付を受けている団体であることにかんがみ、これら事業が健全に遂行されるためにも、同協会における監査制度の充実強化等について、指導監督に努めるべきである。 (8) 日本電信電話公社では、近畿電気通信局等において、昭和五十三年度及び五十四年度に、架空の旅行命令書もしくは会議開催伺書等により、不正に旅費、会議費を支出してこれを別途に経理し、または、正規の手続をとらないで実施していた会食の経費に充てるなど、経理が著しくびん乱した事態が発生した。しかも、これら不正行為は、綱紀粛正の叫ばれているさ中に行われたものであって、極めて遺憾であり、同公社はもとより政府の責任も厳しく問われなければならない。 また、昭和五十三年度において、予算総則等に定められた基準外給与の額を超えて支出するに際し、正規の手続をとらず、これに関連した決算書の執行実績について事実と相違する表示をしていたことなどが指摘された。 政府は、同公社が予算執行の適正化並びに公開化、会計経理面における相互けん制機能の十分な活用及び監査機能の強化などを図るよう指導監督に努めるとともに、公社の当事者能力の問題も含めて、郵政省の監督指導のあり方についても慎重に検討を加え、この種事態の根絶を期すべきである。 (9) 地方公共団体が、事業主体となって実施している国庫補助事業の中には、年度末までに工事が完了せず、年度経過後も相当期間未完成のままであるのに、法令の定める予算の繰越手続をとることなく、年度内に完了したこととして、補助金の交付を受けているものが数多くあり、かつまた、これらの補助金を、別途銀行預金等として長期間保管するなどの事態が指摘されていることは、遺憾である。 政府は、これら事態が、補助金等の予算の執行の適正化に関する法律などの関係法令に違反するのみならず、補助金の効率的使用の面からみても問題があることを省み、まず地方公共団体が、繰越手続等を積極的に励行して、適正な事業の実施を図るとともに、監査委員制度の十分な活用を図るよう、実効ある指導監督に努めるとともに、今後、このような事態が生じた場合には、法令の定めるところによる補助金返還等の措置をとるなど、厳正に対処すべきである。 以上でございます。 それでは、御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○穐山篤君 私は、日本社会党を代表し、昭和五十二年度決算外二件に対し、これを是認することができないことを表明し、委員長提案の警告決議案に賛成の討論を行います。 以下、その理由について申し上げます。 昭和五十二年福田内閣は、当初の一般会計予算の編成に加え、十月には第一次補正、次いで昭和五十三年一月にも第二次補正予算を提出し、五十三年度の予算執行に切れ目なく続けるいわゆる十五カ月予算の考え方をとるなど、景気刺激のためにきわめて異例な財政運営を行ったのであります。 すなわち、石油危機後のいわゆる調整過程に続くものとして、公共事業の拡大を主軸とした景気の回復と雇用の安定を図るとして、公債を増発しながら推し進められた政策は、景気回復にそれほどの効果を示さず、わが党が繰り返し指摘したとおり、依存率が三二・九%にも達した巨額の公債が、今日に見られる財政破綻への重大な契機をつくったと言えます。さらに加えて、円高予測を誤り、かつGNP六・七%政策も完全に失敗しました。 その第二は、不況対策では、業種、地域別の格差も克服し得ず、企業倒産は一万八千件に上り、顕在失業者は百十万人台に定着し、国鉄運賃、健保法など、政府主導の公共料金値上げがもたらした国民生活への重圧は一層深刻であったことは周知の事実であります。これらはすべて福田内閣の財政経済運営の失敗によるものと断定せざるを得ません。第三には、毎年度わが党が指摘、警告をしてきた行政の民主的な改革、特殊法人の統合整理、補助金等の見直し、いわゆる天下り、渡り鳥人事の禁止、官庁などの不正経理の根絶等については、取り組みが全く不十分であり、国民の期待を裏切ったと言わなければなりません。 また、会計検査院の決算報告によっても、全検査対象個所のうち、実地検査率がわずか八・四%にしかすぎないにもかかわらず、五十二年度九十三件、六十四億円余りの不当が指摘されましたが、これは前五十一年度を大きく上回ったものであります。 これらは血のにじむような国民の税金に対する財政執行に当たる者の理念の欠如によるものであり、反省を促すものであります。 なお、昭和五十二年度の決算検査に際し、会計検査院職員の実地調査行動の不当が指摘された事態につきましては、関係各機関は今後十分心してほしいと思います。 以上の理由から本件決算には反対、委員長提案の警告案には賛成いたします。 政府は、今後における行財政の執行に当たり、警告の趣旨を体し、その効率化と適正化に努めるため万全を期するよう要望して私の討論を終わります。
○降矢敬雄君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表いたしまして、昭和五十二年度決算外二件に対して、これを是認するとともに、委員長提案の警告案に対して賛成の意を表明するものであります。 昭和五十二年度における日本経済は、石油ショックに対処した総需要抑制策から景気浮揚策に転換して、景気も回復基調を取り戻しつつあったのですが、一方、減速経営を余儀なくされていた企業の雇用調整や、過剰設備の整理等、いわゆる減量への努力が続けられておる上に、輸入の停滞に伴う国際収支の大幅な黒字に起因する円高などが加わり、国内情勢は厳しいものがありました。 政府は、経済がこのような展開を示す中で、四月以来公共事業の拡大を軸とした積極的な財政運営を行ってきたところであります。 さらに九月には、事業規模にして総額二兆円に及ぶ公共事業費などの追加を内容とする総合経済対策を策定し、このため十月に必要な措置として第一次の補正を行ったのであります。 さらに五十三年一月には、十五カ月予算を想定したきわめて特色ある第二次補正予算を編成し、公共事業が年度がわりにおいても切れ目なく執行できるよう、景気回復のための万全の措置を講じたのでありました。 加えて政府は、苦しい財政事情にもかかわらず、国民生活を安定させることを第一義として、七千三百億円に上る減税を行うなど、きめ細かな財政努力を傾注してきたところであります。 この年、世界の先進各国が、石油危機後のインフレと不況、国際収支の悪化という最悪の経済事情の中で、苦悩し続けていたのでありますが、わが国の景気は前述の予算措置により、順調に回復基調を持続し続けたことは、特筆すべきものであります。 また、国民生活に直結する消費者物価も、当初の見通し八・三%よりも低い六・七%に抑え、景気回復のための強固な礎を築いたのであります。このことは、昭和五十二年度における政府の財政経済運営が時宜に適したものとして高く評価できるところであり、賛意を表するものであります。 なお、財政執行の上において、個々の事項について見ますと、本委員会の審査の過程で明らかになった事項、あるいは会計検査院から指摘された事項のように、留意すべき点も少なくありません。政府はこの際、本委員会警告の趣旨を体して、一層財政運営の効率化と、行政の適正化に努め、国民の信頼にこたえるよう要望いたしまして、賛成の討論といたします。
○峯山昭範君 私は公明党・国民会議を代表して、昭和五十二年度決算外二件に対し、これを是認することができないことを表明し、委員長提案の内閣に対する警告に対しては、賛成の意を表するものであります。 以下、反対の理由について申し上げます。 その第一は、財政経済運営の失敗であります。五十二年度の財政の課題は景気の着実な回復と国民生活の安定を図り、財政の健全化を推進することでありました。当時は石油危機以降三年に及ぶ不況から一日も早く脱却し、景気を安定軌道に乗せることが急務でありましたが、政府は消費の拡大より公共事業優先の景気浮揚策をとり、五十二年度は二回にわたる補正で公共事業費を追加したのであります。しかし、国内需要の不振は続き、景気の回復はおくれ、雇用の改善は進まず、五十三年春の民間勤労者の賃上げ率は五・九%という、三十四年以来の最低になり、国民は苦しい生活を強いられたのであります、また、財政赤字は改善されるどころか、一層悪化し、五十二年度は公債依存度三二・九%と、ついに三〇%を超え、今日の財政再建をおくらせる要因となっております。これらは五十二年度の政府の財政経済運営の失敗によるものと断ぜざるを得ません。 その第二は、行政改革に対する熱意の欠如であります。 五十二年当時、福田総理が自信満々で公約していた行政改革は、各省庁、財界総がかりの抵抗で腰砕けに終わり、後を受けた大平行革も、総論賛成、各論反対に遭って、ほとんど手つかずで終わりました。財政再建のためには行政改革が不可決であることは言うまでもないことでありますが、特殊法人の統廃合、役員への天下り禁止、補助金の洗い直しがいまなお実行されていないのは御承知のとおりであります。行政改革の成否は政府の熱意いかんにかかっているのであります。 その第三は、補助金を初め財政資金の使用が効率的に行われていない点であります。 地方公共団体が国の補助金を受けて行っている公共事業の中には、工事が年度内に完了していなかったり、あるいは着工さえもしていないのに完了したこととして、国庫補助金の交付を受け、その金を別途銀行預金等にして長期間保管していた事例がありましたが、こうしたことは補助金適正化法など関係法令に違反するだけでなく、補助金の効率的使用の面からも許すことができません。 また、日本道路公団が高速自動車国道に設置した定期バスのバスストップが、完成後も長期間未使用となっていたり、地域振興整備公団が造成した中核工業用団地の分譲の見通しが全く狂って、進捗していないなど、委員会で指摘したところでありますが、財政資金の効率的使用については、十分反省されることを求めるものであります。 最後に、三割を公債に依存する赤字財政下にありながら、多額の税金のむだ遣いが後を絶たないことであります。五十二年度も会計検査院から不当と指摘された金額だけで、六十四億五千三百万円の多額に上り、その中には毎年同じような指摘を繰り返し受けているものがありますが、政府の財務執行の姿勢が依然として正されているとは認められず、遺憾であります。 以上、反対の理由を申し述べました。 委員長提案の警告に対しては、政府は十分その意を体して、反省すべきは反省し、その実現に万全を期すことを要望して私の反対討論を終わります。
○柄谷道一君 私は民社党一国民連合を代表し、昭和五十二年度決算外二件について是認し、委員長提案の警告案に対し賛成の意を表明するものであります。 御承知のとおり、昭和五十二年度予算は、与野党伯仲下の第八十通常国会で、野党の要求により本格的な予算修正が行われたという戦後の議会政治史上かつてなかった画期的なものであります。すなわち、三千億円の所得減税と一福祉年金等社会保障給付の引き上げ、実施時期の繰り上げなど、総額約八千億円の修正が行われましたが、わが党は与野党合意のもとに予算が修正された以上、責任政党として予算に賛成することは当然として、これに賛成したものであります、 この立場から、昭和五十二年度予算の執行については、野党ながら格別の関心を持ち、予算の効率的な使用と、公正な執行について政府に注意を喚起してきたところでありますが、ただいま委員長御提案の議決案に示されましたとおり、昭和五十二年度決算検査報告において、会計検査院から若干の不当事項が指摘され、また本委員会における決算審査の結果、政府に対し所期の成果が十分達成されていないとして、適切な措置を求める警告を行わざるを得ないことはきわめて遺憾であります。政府は、会計検査院の指摘した不当事項について、速やかに是正の措置を講じ、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう、万全を期すべきであり、本委員会の警告に対しても、政府が、その意図するところを十分くみとり、国民の負託にこたえるよう強く求めるものであります。 私はこの際、四つの点について政府の誠意ある対応を特に求めます。 その第一は、行財政の改革を断行することであります。 行財政改革の断行は当面する最大の政治課題であり、第二次臨時行政調査会は文字どおり歴史的使命を担うものとして、その審議と答申に期待するものであります。調査会では今後、中央、地方を通ずる人と組織の行政改革、補助金の大幅整理、民営移管の推進、国有財産の処分等を重点として、精力的な審議が進められると考えますが、政府は内閣の政治生命をかけるとの決意に立って、その答申を完全に断行すべきであり、当面その中間答申に対しては、すべて五十七年度予算でこれを実行に移し、大型間接新税を含む一切の増税を回避して、財政再建の施策を確立すべきであります。 第二は、会計検査院の検査機能を拡充することであります。 行財政改革を徹底し、予算の公正かつ効率的執行を確保するため、会計検査院の果たす役割りはきわめて大きなものがありますが、本院の再三の議決にもかかわらず、院法改正という抜本的な措置がいまだとられていないことはきわめて遺憾というほかはありません。政府は国会の決議と、国民の強い期待にこたえ、会計検査院が十分その検査機能を発揮できるよう、速やかに院法改正の措置をとるよう強く求めるものであります。 第三は、公社、公団、特殊法人の労働条件に係る団体交渉と、予算主義、法定主義との調整を図ることであります。 賃金、労働時間等、労働条件について当事者能力を持つ公社等と労働組合の団体交渉権に基づく協定と、予算で定められた額との調整及び財務処理との関係については、私が昨年十二月十八日、本委員会で指摘したところでありますが、大平前総理も具体的改善案の検討を約しているところでもあり、速やかに結論を得て、健全な労使関係を発展定着させる基盤が確立されることを強く期待します。 第四は、高速道路等における休憩施設等の整備についてであります。 日本道路公団が管理する東名、名神高速道路においては、激増する交通量に対し、パーキングエリア等の休憩施設の設備が対応できず、このため、深夜にはバスストップ付近や、路肩などに違法駐・停車せざるを得ない車両が少なくなく、交通安全上きわめて危険であるばかりでなく、トラック運転者にとっては、労働省通達による労働時間等の改善基準を遵守することも困難な実情にあります。政府はこうした実態にかんがみ、日本道路公団に対し、一層休憩施設の改良に努めさせるとともに、自動車運転者の安全確保と適正な労働条件の確保に万全を期すべきであります。 以上、特に四点の強い要望の実現を求めて、私の賛成討論を終わります。
○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十二年度決算について、これを是認できないとする反対討論を行います。 昭和五十二年度予算は、深刻な不況と激しい物価上昇、ECとの貿易戦争の激化など、内外情勢の新局面を迎え、国の財政、経済政策のあり方が厳しく問われている中で編成されたものであります。しかし、政府は不公平税制や防衛費等を温存したまま、多額な赤字公債を発行し、大企業本位の大規模公共投資を最優先的に進め、また、物価高騰の中で、政府みずから各種公共料金の引き上げを強行するなど、危機を一層深刻にする財政、経済運営を行ってまいりました。その結果、四年来のスタグフレーションに加えて、円高危機が追い打ちをかけ、国民の購買力は落ち込み、中小企業の倒産は史上最悪となり、完全失業者は政府統計でも百四十万人を超えるなど、不況が一層深刻化し、日本経済と国民生活は重大な危機に陥りました。また、国債依存度は三二・五%に達し、財政危機も一層深刻なものとなったのであります。 一方、軍事面においても、対潜能力増強などの装備の急増を図る一方、日米防衛協力指針の決定によって、日米共同作戦体制の確立、日本の軍事分担の加速という危険な方向が一段と前進しました。 さらに財政執行上の問題として、電電公社の不正経理事件についても、決議の中で政府の責任が厳しく指摘されておりますが、なお不正支出の目的、使途の大半は明らかにされておりません。早急にこの解明を行い、全容を国民の前に明らかにするよう強く要求するものであります。また同公社に対する国民の疑惑を解消するためにも、国会への資料提出や、審議への協力について、同公社が十分な対応を行うよう、政府の厳重な指導を求めるものであります。 以上のとおり、五十二年度決算は重大な問題を含んでおり、是認できないものであります。 国有財産の増減及び現在額総調書は、以上の五十二年度予算の執行に伴う国有財産の決算とも言うべきものであり、その内容には大企業向けの政府出資が大幅にふやされているところからも是認できません。 国有財産無償貸付状況総計算書につきましては、その用途のほとんどが地方公共団体の公園、緑地等であり、その目的の限りにおいて賛成いたしますが、なおその管理、運営の実態を示す詳細な資料を国会に提出されるよう重ねて要求するものであります。 最後に、委員長御提案の警告決議案につきましては賛成を表明いたしまして、私の討論を終わります。
○森田重郎君 私は、昭和五十二年度決算外二件に対しまして、これを是認するとともに、委員長が提案されました警告案についても賛成の意思表示を行うものであります。 昭和五十二年度のわが国経済を取り巻く環境は、民間需要の盛り上がりに乏しく、民間の経済活動は期待どおりには好転しなかったのであります。 すなわち、多くの企業では過剰雇用を抱え、稼働率、生産状況はまだ石油危機以前の水準までには回復せず、収益にも何らの改善はなかったのであります。その結果、完全失業者は百十万人を超えるに至りました。一方、国際収支面では、経常収支が大幅な黒字であったところから、円高になるという、内外ともにきわめて厳しいものがありました。 こうした情勢に対処するため、政府のとった公共事業の執行を中心とする積極的な経済、財政運営、あるいは金融政策面からの景気回復策は、当初の目的を十分に達成することができず、遺憾なことでありました。しかし、当時の国民にとっては、一番の悩みの種であった消費者物価を、当初見通しを下回る六・七%に抑え、当初予算において四千三百億円、十月の第一次補正予算においては三千億円、合計七千三百億円の減税を実施するなど、財政難のときにあっても、国民生活の安定を最優先にしたこれらの政策及び努力は、一応評価することができ、本件、昭和五十二年度決算外二件に対して、私は是認することを表明するものであります。 なお、財政執行上、私が本委員会において指摘した政治資金規正法、石油備蓄、行政改革、国有地処分等々の問題、さらには、会計検査院の指摘事項のように、予算執行上留意すべき点が多々あることを申し添えるとともに、この際、政府にこれら諸問題については、早急に改善されるよう強く求めるものであります。 最後に、政府は本委員会における警告の趣旨を体して、今後一層財政運営の効率化と、行政執行の適正化に万全を期すよう要望して、私の賛成討論を終わります。
○喜屋武眞榮君 私は、第二院クラブを代表して、昭和五十二年度決算外二件に対し、これを是認できないことを表明し、委員長提案の内閣に対する警告に対しては賛成の意を表するものであります。 以下、その理由について述べたいと存じます。 昭和五十二年度当初予算が組まれたとき、国民は一体いかなる状況に置かれていたでありましょうか。相次ぐ公共料金の値上げによる物価高など、生活防衛を余儀なくされていたのであります。このような状況下にあっても、国民は血の出るような税金を納めてきたのであります。およそ入るをはかり、出るを制するということは、予算運用の鉄則であります。しかるに予算執行に当たっては、政府はこの国民の苦しみにこたえるため、むだな出費、不正な経理を根絶させ、真に国民のため適正、公平に使われなければならないはずであります。その重大な責務を負っておりながら、全く国民の期待を踏みにじったのであります。その実態は、会計検査院の指摘をまつまでもなく、官庁などの不正経理が続々と明るみに出、綱紀弛緩によるなれ合い不正が続発してきたことは、まことに遺憾なことと言わざるを得ません。 ここで指摘しておきたい重要なことは、このような不正が昭和五十二年単年度に起きたことだけではなく、毎年のように繰り返されて起きているということであり、またその不正の件数、金額とも年ごとにふえているという事実であります。このことは国民本位の政治倫理の欠如であり、不正根絶に対する政府の取り組み、姿勢が弱いことを示す証左であり、とうてい国民の納得するところではありません、また現在、財政再建、行政改革の名のもとに福祉に対する予算、補助金の削減すら取りざたされておりますが、真に政府のやらねばならないことは、決して福祉のための予算を削ることではなく、国民の血税がむだに、不正に、不当に使用されることを厳に慎み、監視するということでなければなりません。いまあらわれている不正は、まさに氷山の一角と言っても過言ではありません。徹底的に解明していけば、年間優に数兆円にも上る不正出費が発覚されるであろうという声さえ耳にするのであります、にもかかわらず、政府の不正解明の取り組みの姿勢は積極性に欠けるものがあり、むしろ不正を覆い隠す態度さえ見られるのはまことに許しがたいことであります。真の行政改革の第一歩は、こうした政府内部の不正を他から摘発されるのを待つのではなく、みずからの手でまず行うことから始まることをここに強く指摘いたします。 以上、昭和五十二年度決算外二件に対する反対理由を申し述べましたが、最後に、委員長提案の警告に対しては、政府がこの際謙虚に受けとめてもらい、その意を体して十分これを反省し、財政運用の効率化と行政化に努めるよう要望して私の反対討論を終わります。
○委員長(野田哲君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより順次採決に入ります。 まず、昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十二年度政府関係機関決算書の採決を行います。 第一に、本件決算は、これを是認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野田哲君) 全会一致と認めます。よって、昭和五十二年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決いたしました。 次に、昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算書の採決を行います。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。 次に、昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書の採決を行います。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決いたしました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、内閣に対する警告について、関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。宮澤内閣官房長官。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御決議のございました会計検査院の検査機能の拡充強化につきましては、政府といたしまして、会計検査の実が上がりますよう、今後とも協力してまいる所存でございます。
○委員長(野田哲君) 中山総理府総務長官。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま御決議のありました婦人問題及び婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の早期批准に向けての国内法制等諸条件の整備につきましては、御決議の趣旨に沿って、国内行動計画、後半期における重点課題として鋭意取り組んでまいる所存でございます。
○委員長(野田哲君) 鯨岡環境庁長官。
○国務大臣(鯨岡兵輔君) ただいま御決議のありました公害防止事業団の業務運営に関しましては、従来からその適正な執行を図るよう指導監督してきたところでありますが、今後とも御趣旨に沿って、十分な管理体制を確立するよう、公害防止事業団の指導監督に遺憾なきを期してまいる所存であります。
○委員長(野田哲君) 田中文部大臣。
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御決議のございました私立大学等に交付しておる経常費補助金の問題につきましては、御決議の趣旨に沿いまして、今後なお一層指導監督の徹底を図ってまいる所存でございます。
○委員長(野田哲君) 園田厚生大臣、
○国務大臣(園田直君) ただいま御決議になりました国民の健康と生命を守る重要な責務を有する医療機関において、医療に対する国民の信頼が著しく損なわれる行為が見られたことはまことに遺憾であります。 今後、再びこのような不祥事が起こることのないよう、医療機関に対する指導監督を徹底するなど、国民の信頼の回復に努めてまいります。
○委員長(野田哲君) 亀岡農林水産大臣。
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいま御決議のありました農林省所管の補助事業の実施につきましては、御指摘の点に十分留意して、関係機関に対しその適正なる実施について、実効ある処置を講ずるよう指導してまいる所存であります、
○委員長(野田哲君) 田中通商産業大臣。
○国務大臣(田中六助君) ただいま御決議のありました財団法人日本消費者協会関係の事項につきまして、御指摘のような不祥事件が発生しましたことはまことに遺憾であります。 通商産業省といたしましては、消費者保護行政の見地から、従来より財団法人日本消費者協会に対し、事業活動の適正化を指導しているところでありますが、今後は御指摘の御趣旨に沿って、一層の指導監督の強化に努め、同協会の事業の健全化を図ってまいる所存であります。
○委員長(野田哲君) 山内郵政大臣。
○国務大臣(山内一郎君) ただいま御決議のありました日本電信電話公社の不正不当な予算経理につきましては、同公社を監督する立場にある者としてまことに遺憾に存じております。 同公社においては、総裁を委員長とする業務執行改善推進委員会を発足させる等して、改善措置の徹底を図ることとしておりますが、当省といたしましても、御決議の趣旨に沿い、適切な指導監督に努めてまいる所存であります。
○委員長(野田哲君) 安孫子自治大臣。
○国務大臣(安孫子藤吉君) 年度末までに工事が完了しない国庫補助事業につきましては、政府においては、地方公共団体に対し、必要な繰り越し手続の積極的な励行を求めますとともに、監査委員制度の活用などにより、今後、御指摘のような不適正な事態の発生を未然に防止するよう一層指導を強めてまいります。 —————————————
○委員長(野田哲君) 昭和五十三年度決算外二件を議題といたします。 まず、昭和五十二年度決算すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、昭和五十二年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和五十三年度予算は、昭和五十三年四月四日に成立いたしました。 この予算は、財政の節度維持にも配意しつつ、民需の動向を踏まえ、内需の振興のため財政が積極的な役割りを果たす必要があるとの基本的な考え方に立って、臨時異例の財政運営を行うこととして編成されたものであります、 さらに、その後における経済情勢等にかんがみ、公共事業関係費、文教・社会福祉施設等整備費、構造不況業種・中小企業等特別対策費等の追加を行うほか、水田利用再編対策費等について所要の措置を講ずるため、補正予算が編成され、昭和五十三年十月十二日その成立を見ました。 この補正によりまして、昭和五十三年度一般会計予算は、歳入歳出とも三十四兆四千四百億四千三百六十七万二千円となりました。 以下、昭和五十三年度決算につきましてその内容を御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は三十四兆九千七十二億六千五百八万円余、歳出の決算額は三十四兆九百六十億三千二十万円余でありまして、差し引き八千百十二億三千四百八十八万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十四年度の歳入に繰り入れ済みであります。 なお、昭和五十三年度における財政法第六条の純剰余金は三千四百三十八億三千三百三十六万円余となり、その全額を公債または借入金の償還財源に充てることといたしております。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額三十四兆四千四百億四千三百六十七万円余に比べて四千六百七十二億二千百四十一万円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額二千三百三十億五千四百七十四万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十三年度の歳入の純増加額は、二千三百四十一億六千六百六十六万円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額七千七百五億三千百十万円余、専売納付金における増加額百八億五千六百九十四万円余、官業益金及び官業収入における増加額二十一億千四百五十万円余、政府資産整理収入における増加額二百二十四億六千九百九十三万円余、雑収入における増加額三百九十二億千三百八十五万円余、公債金における減少額六千百十億千九百六十七万円余となっております。 一方、歳出につきましては、予算額三十四兆四千四百億四千三百六十七万円余に、昭和五十二年度からの繰越額二千二百八十五億千三十三万円余を加えました歳出予算現額三十四兆六千六百八十五億五千四百万円余に対しまして、支出済み歳出額は三十四兆九百六十億三千二十万円余でありまして、その差額五千七百二十五億二千三百七十九万円余のうち、昭和五十四年度に繰り越しました額は二千四百九十一億千三百六十五万円余となっており、不用となりました額は三千二百三十四億千十四万円余となっております。 次に、予備費でありますが、昭和五十三年度一般会計における予備費の予算額は二千五百五十億円であります。その使用額は二千五億三千三百五十一万円余でありまして、その使用につきましては、すでに、国会において御承諾をいただきましたので、説明を省略させていただきます。 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。 財政法第十五条第一項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は一兆四千五百十五億千四百九十七万円でありますが、実際に負担いたしました債務額は一兆三千九百九十五億六千六百九十七万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額一兆二千九百六十四億百九十六万円余を加え、昭和五十三年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額一兆千四十七億千九百四十七万円余を差し引きました額一兆五千九百十二億四千九百四十七万円余が翌年度以降に繰り越された債務額になります。 財政法第十五条第二項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は千億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は九十九億五千二百二万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額九十八億四千三百四万円余を加え、昭和五十三年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額九十九億五千五百五十八万円余を差し引きました額九十八億三千九百四十七万円余が翌年度以降に繰り越された債務額になります。 次に、昭和五十三年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十九でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 次に、昭和五十三年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済額は二十二兆五千三百三十七億千七百七十九万円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組入額等は二十二兆四千七百四十四億九千八百三十一万円余でありますので、差し引き五百九十二億千九百四十七万円余が昭和五十三年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。 次に、昭和五十三年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和五十三年度末における国の債権の総額は六十兆七千六百六十七億三千四十五万円余でありまして、前年度末現在額五十二兆四千八百八十五億六千五百四十四万円余に比べて、八兆二千七百八十一億六千五百一万円余の増加となります。 その内容の詳細につきましては、昭和五十三年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和五十三年度中における純増加額は二千八百十二億三千二百七十三万円余でありますので、これに前年度末現在額一兆五千三百七十三億四千七百七十七万円余を加えますと、昭和五十三年度末における物品の総額は一兆八千百八十五億八千五十一万円余となります。その内訳の詳細につきましては、昭和五十三年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 以上、昭和五十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。 なお、昭和五十三年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでありますが一なお会計検査院から、百六十四件に上る不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。 予算の執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに第九十一回国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。 昭和五十三年度中に増加しました国有財産は、行政財産一兆千七百五十七億四千七百三十六万円余、普通財産一兆二千六百四十三億千四百六十三万円余、総額二兆四千四百億六千百九十九万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産二千五百四十九億三千六百四十七万円余、普通財産四千九十四億四千三百六十五万円余、総額六千六百四十三億八千十二万円余でありまして、差し引き一兆七千七百五十六億八千百八十七万円余の純増加となっております。これを昭和五十二年度末現在額二十四兆六千七百三十六億三百五万円余に加算いたしますと、二十六兆四千四百九十二億八千四百九十二万円余となり、これが昭和五十三年度末現在における国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別に申し上げますと、行政財産十六兆二千七百八十八億六千九百九十九万円余、普通財産十兆千七百四億千四百九十三万円余となっております。 なお、行政財産の内訳を種類別に申し上げますと、公用財産九兆三千五百四十五億千百五十六万円余、公共用財産二千九百二十二億八千三百八十二万円余、皇室用財産三千二百九十七億千百十七万円余、企業用財産六兆三千二十三億六千三百四十二万円余となっております。 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地七兆千八百二十億三千三百四十五万円余、立木竹三兆八千七百九十八億六千百四十八万円余、建物三兆千四百八十六億千八百九十八万円余、工作物二兆八千七百七十二億三千二十万円余、機械器具九億千五百五十六万円余、船舶五千百五十一億八千八百九十一万円余、航空機六千二百十九億五百二十四万円余、地上権等十二億五千四百六十一万円余、特許権等二十五億七千三百六十八万円余、政府出資等八兆二千百九十六億二百七十六万円余となっております。 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。 まず、昭和五十三年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は二兆四千四百億六千百九十九万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加しました財産は二兆七百七十八億四千七百三十一万円余、第二に、国の内部における異動によって増加しました財産は三千六百二十二億千四百六十八万円余であります。 次に、減少額について申し上げますと、その総額は六千六百四十三億八千十二万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少しました財産は二千五百五十九億五千四百八十六万円余、第二に、国の内部における異動によって減少しました財産は四千八十四億二千五百二十六万円余であります。 以上が昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。 次に、昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について申し述べます。 昭和五十三年度中に増加しました無償貸付財産の総額は千百七十億三千四百九十九万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は千百十一億八千四百九万円余でありまして、差し引き五十八億五千九十万円余の純増加となっております。これを昭和五十二年度末現在額三千八百十九億三千六百八十六万円余に加算がたしますと三千八百七十七億八千七百七十六万円余となり、これが昭和五十三年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。 以上が昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十三年度決算中、日本専売公社の決算につきまして、大蔵大臣から概要説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十三年度日本専売公社収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、たばこ事業の概況について申し上げますと、昭和五十三年度の製造たばこ販売数量は三千六十五億本余、金額にして一兆九千二十四億六千九百六十七万円余であり、予定に比較いたしますと、数量において七十三億本余十金額にして三百二十八億八千百三十二万円余の減少となっております。 また、葉たばこの購入数量は二十五万三千トン余、金額にして三千二百八十八億六千八百十四万円余であり、予定に比較いたしますと、数量において一万五千トン余、金額にして四百三億二千八十二万円余の減少となっております。 次に、塩事業の概況について申し上げます。 昭和五十三年度の塩販売数量は、一般用塩百五十七万一千トン余、ソーダ用塩万百八十六万四千トン余、金額にして合計六百四十四億四百四十六万円余であり、予定に比較いたしますと、数量において百十七万トン余、金額にして八十六億七千三百七十一万円余の減少となっております。また、塩の購入数量は、国内塩百七万二千トン余、輸入塩六百三十四万一千トン余、金額にして合計四百二十一億三千二百二十一万円余であり、予定に比較いたしますと、数量において百二十四万六千トン余、金額にして八十一億五千三百八十万円余の減少となっております。 次に、決算の内容について御説明いたします。 まず、収入支出について申し上げますと、昭和五十三年度における収入済額は一兆九千七百六億一千九百四十五万円余であり、収入予算額二兆百二十億九千二百八十四万円余に比較いたしますと、四百十四億七千三百三十八万円余の減少となっております。 これに対しまして、支出済額は一兆四千二百九十二億二千七百九十六万円余、翌年度に繰り越した額は二百三十四億六千九百六十五万円余、合計一兆四千五百二十六億九千七百六十一万円余であり、支出予算現額一兆五千九百六十二億四千六百十二万円余に比較いたしますと、差し引き不用額は一千四百三十六億四千八百五十一万円余となっております。 次に、損益計算書について申し上げます。 〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕 総収益一兆九千七百七十一億三百九十万円余から、総損失一兆三千二百二十五億九千二百五十八万円余を控除した純利益は六千五百四十五億一千百三十一万円余であります。これから日本専売公社法第四十三条の十三第三項の規定により積み立てる利益積立金八百八十五億九千八百四十一万円余を控除した五千六百五十九億一千二百九十万円余が専売納付金であり、予定額五千五百三十八億七千七百九十万円余に比較いたしますと、百二十億三千四百九十九万円余の増加となっております。 また、昭和五十三年度においては、昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律第三条第一項の規定に基づく特別納付金一千五百六十九億円を、昭和五十四年三月三十一日国庫に納付いたしております。 〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕 最後に、会計検査院の昭和五十三年度決算検査報告におきまして、不当事項として一件及び是正改善の処置を要求されました事項として二件、合わせて三件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。 今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十三年度決算中、日本国有鉄道の決算につきまして塩川運輸大臣から概要説明を聴取いたします。塩川運輸大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 昭和五十三年度日本国有鉄道の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十三年度における日本国有鉄道の運輸成績は、前年度に比し、旅客輸送人キロでは約二%、貨物輸送トンキロでは約一%とそれぞれ減少いたしました。 運輸収入においては、旅客収入は約六%増加しましたが、貨物収入は横ばいでありました。 以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。 まず、損益勘定におきましては、収入済額は三兆一千九百四十一億九千二十八万円余、支出済額は三兆一千七百四十億九千二百四十四万円余でありまして、収入が支出を上回ること二百億九千七百八十三万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では、八千八百六十七億三千四百十六万円余の純損失となっております。 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入は予算額三兆二千五百四十六億一千六百四十八万円余に対しまして、六百四億二千六百二十万円余の減少となっております。 他方、支出は予算現額三兆三千四百九十一億二十七万円余に対しまして、支出済額は一千七百五十億七百八十三万円余下回っておりますが、そのうち七百八十一億五千二百六十三万円余は翌年度への繰越額であり、残額九百六十八億五千五百十九万円余は不用額となっております。 次に、資本勘定におきましては、収入済額は二兆九百六十五億五千八百五十四万円余、支出済額は二兆一千八十七億九千四百四十七万円余であります。 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入は予算額二兆六百四十三億三千五百万円に対しまして、三百二十二億二千三百五十四万円余の増加となっております。 他方、支出は予算現額二兆一千五百四十億百十七万円余に対しまして、支出済額は四百五十二億六百七十万円余下回っておりますが、そのうち四百五十億六千七百三十七万円余は翌年度への繰越額であり、残額一億三千九百三十三万円余は不用額となっております。 次に、工事勘定におきましては、収入済額は一兆一千二百三億八千八百四十六万円余、支出済額は一兆一千八百二十六億四百七十八万円余であります。 この決算額を予算額と比較いたしますと、収入は予算額一兆七百六十八億四千六百九十八万円余に対しまして、四百三十五億四千百四十七万円余の増加となっております。 他方、支出は予算現額一兆三千九百五十五億九千九百十四万円余に対しまして、支出済額は二千百二十九億九千四百三十五万円余下回っておりますが、そのうち一千九百九十一億三千三百四十一万円余は翌年度への繰越額であり、残額百三十八億六千九十三万円余は不用額となっております。 なお、主要施策別の設備投資額内訳は、新幹線四千百八十八億九百五十九万円余、大都市圏輸送一千百四十億十九万円余、幹線輸送九百四十一億三千五百五十三万円余、安全・公害対策、合理化等三千八百七十八億九千五百四十五万円余、車両一千六百七十七億六千四百万円余、合計一兆一千八百二十六億四百七十八万円余となっております。 また、特定債務整理特別勘定におきましては、収入済額は二千四百四十億七千八十三万円余、支出済額は二千四百四十億七千八十三万円余であります。 最後に、昭和五十三年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾に存じております。今後は、この種の事例の発生を未然に防止し、予算の効率的運用を図るべく、より一層の努力をいたすよう指導監督してまいる所存であります。 以上をもちまして、昭和五十三年度日本国有鉄道の決算に関する説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十三年度決算中、日本電信電話公社の決算につきまして、郵政大臣から概要説明を聴取いたします。山内郵政大臣。
○国務大臣(山内一郎君) 昭和五十三年度日本電信電話公社決算について御説明申し上げます。 まず、昭和五十三年度予算の執行につきまして、会計検査院から、昭和五十三年度決算検査報告において不当事項四件、是正改善の処置を要求された事項として一件、合わせて五件の指摘を受け、さらに昭和玉十四年度決算検査報告において、予算経理に関する重大な不当事項三件の指摘を受けましたことは、公社を監督する立場にある者としてまことに遺憾に存じております。 郵政省としましては、公社に対し、綱紀を粛正し、業務執行態勢を確立して、かかる事態の絶滅を期するよう厳重に指導したところでありますが、公社においては、総裁を委員長とする業務執行改善推進委員会を発足させる等して、改善措置の徹底を図ることとしておりますので、適時報告を求めるとともに、今後適切な指導監督に努めてまいる所存であります。 次に、決算の概要でありますが、昭和五十三年度は、損益計算上三千九百七億五千五百七十五万余円の当期利益金を計上するところとなり、昭和五十二年度に引き続き黒字決算となったところであります。 収入支出決算の内容を各勘定別に申し上げますと、まず、損益勘定におきましては、収入済額は、三兆五千八百二十二億八千四百五万余円で、予算額に比べ二百五十二億五千百五万余円の増収となりました。一方、支出済額は、三兆四千八百五十六億七千六百六十八万余円でありまして、支出予算現額三兆五千六百九十二億三千八十四万余円に比べ、八百三十五億五千四百十六万余円下回りました。 また、資本勘定におきましては、収入済額は二兆二千百三十四億三千二百三十七万余円、支出済額は二兆二千一億三千三百九十七万余円であり、そして、建設勘定におきましては、支出済額は、一兆六千三百九十八億三千八百五十九万余円であり、これにより、一般加入電話百三十二万六千加入の増設を初めとする建設工事を実施し、年度末の一般加入電話の積帯数は前年度末に比べ二万九千減少し、十三万となりました。 以上をもちまして、昭和五十三年度決算の概要についての説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十三年度決算検査報告並びに昭和五十三年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。大村会計検査院長。
○会計検査院長(大村筆雄君) 昭和五十三年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十四年十月十二日、内閣から昭和五十三度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十三年度決算検査報告とともに五十四年十二月十四日内閣に回付いたしました。 昭和五十三年度の一般会計決算額は、歳入三十四兆九千七十二億六千五百八万余円、歳出三十四兆九百六十億三千二十万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において、五兆四千七百三十六億四千二百二十六万余円、歳出において、五兆三百六十一億八千八百四十六万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入七十一兆九千五百八十三億四百三十一万余円、歳出六十二兆五千五百二十七億三千二百三十二万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において十一兆三千九百六十二億千八百四十八万余円、歳出において十兆二千八百四十三億四百九十二万余円の増加になっております。 また、国税収納金整理資金は、収納済額二十二兆五千三百三十七億千七百七十九万余円、歳入組入額二十一兆八千三百九十億五千百八十万余円であります。 政府関係機関の昭和五十三年度の決算額の総計は、収入十八兆千八百七十三億七千四百九十五万余円、支出十七兆七千三百十二億九千六百二十一万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において九千七百九十六億八千六百三万余円、支出において一兆千六百九十四億九千八百七十九万余円の増加になっております。 昭和五十三年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について検査した実績を申し上げますと、書面検査は、計算書二十三万七千余冊及び証拠書類六千八百五十万余枚について行い、また、実地検査は、検査対象機関の官署、事務所等四万二千余力所のうち、その八・四%に当たる三千五百余力所について実施いたしました、そして、検査の進行に伴い関係者に対して、約千五百五十事項の質問を発しております。 このようにして検査いたしました結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を説明いたします。 まず、不当事項について申し上げます。 不当事項として検査報告に掲記いたしましたものは、合計百六十四件であります。 このうち、収入に関するものは、六件、十四億四千六百五十二万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものが一件、十一億六千八百五十四万余円、保険料の徴収額が不足していたものが三件、二億六千五百五十三万余円、職員の不正行為による損害を生じたものが二件、千二百四十四万余円、また、支出に関するものは、百二十二件、二十九億九千百四万余円でありまして、その内訳は、予算経理に関するものとして、架空の名目による旅費等を別途に経理していたものなどが六件、三億二千二百一万余円、工事に関するものとして、事前の調査、計画等が適切でなかったなどのため不経済になったもの、工事の設計が適切でなかったため不経済になったもの、予定価格の積算が適切でなかったため契約額が割り高になったもの、契約処置が適切でなかったため割り高な契約となったもの、監督、検査が適切でなかったため設計と相違して施工したもの、及び工事着工時期の見通しのないまま多額の前払金を支払ったものが十一件、十二億七千五百九十八万余円、物件に関するものとして、物品の購入計画等が適切でなかったため不経済になったもの、予定価格の積算が適切でなかったため契約額が割り高になったもの、及び契約処置が適切でなかったため購入価格が著しく高価となっているものが十五件、一億九千三百十万余円、役務に関するものとして、予定価格の積算が適切でなかったため不経済になったもの、及び契約処置が適切でなかったため不経済に支払われていたものが三件、四千九百四十万余円、保険に関するものとして、保険給付金の支給が適正でなかったものが二件、一億四千百三十七万余円、補助金に関するものとして、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが六十七件、四億四千三十八万余円、貸付金に関するものとして、貸し付け後の調査確認が十分でなかったなどのため貸し付けの目的又は条件に沿わない結果となっていたもの、担保の調査及び評価が適切でなかったため貸付金が回収不能となっていたものが十三件、五億四千九百五十二万余円、不正行為に関するものとして、職員が、医療用消耗品の購入を装い国庫金を領得したもの、及び賃金支給書を偽造するなどして資金を領得したものが四件、四百八十七万余円、その他、トンネル工事に伴う水田の減渇水対策費の支払いが適切でなかったものが一件、千四百二十九万余円であります。 以上の収入、支出に関するもののほか、郵便貯金の預入金等について職員の不正行為による損害を生じたものが三十六件、一億千九百三十八万余円ありまして、これらの合計は百六十四件、四十五億五千六百九十六万余円となっております。これを前年度の九十三件、六十四億五千三百七十三万余円に比べますと、件数において七十一件の増加、金額において十八億九千六百七十六万余円の減少となっております。 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。 五十四年度中におきまして、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものは十四件でありまして、その内訳は、大蔵省の練肉機に使用している冷却用水の循環使用に関するもの、農林水産省の農業構造改善事業等により設置した農機具格納庫の規模に関するもの、農用地の地目別集団化を伴う土地改良事業の実施地区における水田利用再編奨励補助金の交付に関するもの、建設省のトンネル用照明器具の仕様及び積算に関するもの。日本専売公社の建物等の取り壊し工事費の積算に関するもの、葉たばこ倉庫の管理運営に関するもの。日本電信電話公社の青電話機のキャビネット業務の委託取扱費の積算に関するもの、医療金融公庫の業務委託手数料の算定に関するもの。日本住宅公団の現場従務旅費の支給に関するもの、有料駐車場敷地等の貸し付けに関するもの。日本道路公団の高速道路新設工事における軟弱地盤処理工費の積算に関するもの。日本鉄道建設公団の特別手当等の支給に関するもの。中小企業共済事業団の小規模企業共済事業に係る事務処理の委託に関するもの。公害防止事業団の中小企業者に対する公害防止施設の譲渡に係る債権の保全措置に関するものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします、これは、検査の過程で会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求すべく質問を発遣するなど検討しておりましたところ、当局において、本院の指摘を契機として直ちに改善の処置をとったものでありまして、検査報告に掲記したものは十五件であります。その内訳は、農林水産省の飼料用外国産大麦の政府備蓄に関するもの、徳用上米用原料米穀の売渡価格に関するもの。運輸省の港湾改修等工事におけるセルラーブロック等の型枠費の積算に関するもの、空港施設における電力ケーブル等の保護用管路の設計に関するもの。建設省の特定多目的ダム等建設工事の予定価格の積算に関するもの、場所打ちコンクリートU型側溝のふたの価格の積算に関するもの。日本国有鉄道の東北新幹線における通信・信号用ケーブルの敷設工法に関するもの、手小荷物等の自動車輸送業務の委託等に関するもの、客貨車用十二トン長輪軸の利活用に関するもの。日本道路公団の舗装工事におけるアスファルトプラント運転経費の積算に関するもの。日本鉄道建設公団の上越新幹線におけるトンネル内照明等設備の設計及び通信用ケーブルの材料費の積算等に関するもの。地域振興整備公団の土地造成工事における掘削運上費の積算に関するもの 日本蚕糸事業団の生糸の保管料に関するもの、日本中央競馬会の建築工事等における配管、配線工事費の積算に関するもの。帝都高速度交通営団の下水道料金の支払いに関するものであります。 最後に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。 この事項は、事業運営の見地から問題を提起して事態の進展を図るために掲記しているものでありまして、昭和五十三年度決算検査報告には、次の一件を掲げてございます。すなわち、郵政省の逓信病院の運営に関するものであります、 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう、望んでいる次第であります。 なお、昨年の検査において、日空電信電話公社の昭和五十三年度の決算に瑕疵があることが発見されましたが、これについては昭和五十四年度決算検査報告において不当事項として掲記いたしております。 次に、昭和五十三年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 会計検査院は、五十四年十月二十六日、内閣から昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十三年度国有財産検査報告とともに五十四年十二月十四日内閣に回付いたしました。 五十二年度末の国有財産現在額は、二十四兆六千七百三十六億三百五万余円でありましたが、五十三年度中の増が二兆四千四百億六千百九十九万余円、同年度中の減が六千六百四十三億八千十二万余円ありましたので、差し引き五十三年度末の現在額は二十六兆四千四百九十二億八千四百九十二万余円になり、前年度に比べますと、一兆七千七百五十六億八千百八十七万余円の増加になっております。 また、国有財産の無償貸付状況につきましては、五十二年度末には、三千八百十九億三千六百八十六万余円でありましたが、五十三年度中の増が千百七十億三千四百九十九万余円、同年度中の減が千百十一億八千四百九万余円ありましたので、差し引き五十八億五千九十万余円の増加を見まして、五十三年度末の無償貸付財産の総額は三千八百七十七億八千七百七十六万余円になっております。 検査の結果、昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、昭和五十三年度決算検査報告に「不当事項」又は「意見を表示し又は処置を要求した事項」として掲記したものはありません。 以上をもちまして概要の説明を終わります。
○委員長(野田哲君) 以上で、昭和五十三年度決算外二件に関する概要説明を終わります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会 —————・—————