決算委員会 第1号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1981/01/19
会議録
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨年十二月十八日、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が選任されました。 また、十二月二十三日、小山一平君及び寺田熊雄君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君及び粕谷照美君が選任されました。 —————————————
○委員長(野田哲君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 小山一平君の委員異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 それでは、理事に佐藤三吾君を指名いたします。 —————————————
○委員長(野田哲君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(野田哲君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(野田哲君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 前国会閉会中、当委員会が行いました国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査し、もって昭和五十二年度決算外二件の審査に資するための委員派遣について、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますが、口頭報告はこれを省略し、本日の会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。 本日は、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(野田哲君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(野田哲君) 質疑通告のない角田法制局長官、伊藤国防会議事務局長、浦山青少年対策本部次長、藤江北方対策(本部)審議官、大濱日本学術会議事務局長、渡辺公正取引委員会事務局長、永山公害等調整委員会事務局長、山本宮内庁次長、藤井人事院総裁及び田辺沖縄振興開発金融公庫理事長は退席していただいて結構です。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 まず、中曽根長官が見えておりますから、きょうは長官、最後の臨時首相代理、こういう立場にございますので、最近起こっておる鈴木内閣にかかわる問題について、二、三御質問していきたいと思います。 まず、五十年の千葉県知事選にまつわって、川上知事に対する五千万円の贈収賄事件というか、事実がいま連日報道されております。この事件は知事も、現職の自民党の代議士である池田さんも、関係者はその事実を認めておる。利権を前提とした念書も公表されております。知事は金は使わなかった、そして選挙後に返済したと、こういう主張をしておるようでございますが、金を渡した深石さんの方は返してない。各音の証言を見ますと、自民党県議に当時五十万ずつ配ったと、こういう事例も挙がっておるようであります。知事選にそういう意味ではこの金が有効に使われておることは間違いないようでございますし、あわせて最近ではその金と別個に、自民党県連が八千万円の裏金を使っておるということも明らかにされております。そして、川上知事が副会長でございました農住協というのですか、そこを舞台にして約二十億程度の物件の売買、土地ころがしみたいなものですが、これらが深石との間に行われておるということも明らかにされておりまして、恐らくこれは今後事実関係が次々に出されてくるんじゃないかと思っておるわけです。警察の方はもうすでに時効ものだというようでございますが、しかし、明らかにこれは贈収賄、さらにまた政治資金規正法に反することは間違いないようでございますが、道義的責任というものは私は免れないんじゃないかというふうに思うんです。自民党県連は——この前に泰道事件というのがございました。さらにまた千葉は御存じのとおりに賭博事件における事例もございます。今回もそういったものを含めて、ほおかぶりの態度を決めておるようでございますが、政治倫理の確立を公約の第一に掲げる鈴木内閣が、一体総理臨時代理として、この問題についてどういう見解、態度を持っておるのか、この問題について、まず第一に中曽根長官からお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) はなはだ遺憾な事態でございまして、まことに残念であり、かつまた国民の皆様に対しまして遺憾の意を表する次第でございます。いろいろ関係者の話や、供述の中に、食い違った点もあるようでございますが、一つには、政治的にこの問題を深刻に私たちは受けとめまして、みずからえりを正し、かつまた自民党といたしましても、本部並びに千葉県連を中心にいたしまして、正しい対策がとられるようにしなければならぬと思っておりますし、かつまた司法的にどういうような措置がとられるか、私たちは推移を見守っていきたいと思っておる次第でございます。
○佐藤三吾君 私が聞いておるのは、いま千葉県連はもうほおかぶりするという態度をはっきり出しておるわけですね。こういう事態があるけれども、川上知事を支持するという態度を明確にしておるわけです。そういうことの前提に立って、鈴木内閣として一体どう処置するのか、そこを聞いておるわけです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 事態はともかく申しわけのないというふうに考えられます事態でございます。したがいまして、まず第一には、党を通じまして、県連の内部におきまして真相を究明していただく、その報告を得まして、党本部としてのまた対策を講ずる、そして司法的にどういう措置がとられるか、われわれは重大な関心を持って事態の推移を見守っていきたいと、こう考えておるところでございます。いずれにせよ、このような不祥なことが表へ出てきておりますということは、これを政治家といたしましても、また党の組織といたしましても、国民の御納得のいくようなしっかりした措置がとられなければならないと、そのように考えております。
○佐藤三吾君 党の態度はわかりました。しかし川上さんは知事ですね。地方の行政の長でもあるわけです。これに対して政府としてどういう見解をお持ちなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は政治的あるいは司法的にどういう関係にあるかということの真相を究明することがまず大事であると思います。目下のところはそのような真相を究明する努力をしていかなければならぬと思っております。
○佐藤三吾君 やはりいま現地でも各団体を含めて、道義的責任を含めて、この問題の追及が行われておるようでございますが、やはり一県の知事にかかわる問題ですから、政府として責任ある追及をぜひ早急にひとつやって、国民の納得できる解決をこの際要求しておきたいと思います。お願いしておきたいと思います。 次に、十二日に無所属の田中角榮さんが倒れたとの報道が出ました。新聞を見ますと、いち早く中曽根首相臨時代理、宮澤長官初め自民党の方々が駆けつけておるというのが大きく報道されております。また宮澤長官は公邸からこの問題について外遊中の総理に直ちに連絡したということも報道されております。田中さんが元総理であるということで、そのような措置がされたんだと思うんですが、御承知のとおりに、田中さんが総理の犯罪というロッキード事件を引き起こし、そして、五億円の犯罪に問われておる刑事被告人であります。いま保釈中の身であるわけですね。しかも国民の怒りの中で公判が行われておる、こういう状況にあることは、中曽根首相臨時代理も宮澤長官もよく存じておると思うんです。国民から見れば、自民党の中に刑事被告人であり、無所属の田中派があるということ自体奇怪千万と、こういう気持ちを持っておるのが実態だと思うんですが、今回のようなこの実態を見せつけられますと、まさにそうだったのか、直角内閣といわれる鈴木内閣は、まさに本当のことであったのかということを私は見せつけられたんじゃないかと思うんです。元総理大臣だからという言いわけもあると思いますが、それでは私は説明がつかぬのじゃないかと、そういう感じがしてならぬのです。恐らく私は公判中の裁判官、検事はもちろん、第一線でがんばっておる警察官の立場から見ますと、この事態にこの新聞報道を見て、法治国家に対する絶望感というか、これを私は感じたんじゃないかと思うんです。国民の皆さんから見ましても同様な気持ちが、これは鈴木内閣は政治倫理の確立なんて言っておるけれども、この姿を見る限り、これはもうとても鈴木内閣にそんなものができるはずはないと、こういう感じを抱いたんじゃないかと思うんですね。 十四日に発表されました総理府の調査を見ましても、今度成人式を迎える青少年の意見では、いまの大人は打算的であるというのが六〇・八%、腐敗しておるというのが三八・六%、そうして権力に弱い、こういう意見を出しておるのが七四・五%と言っておる数字が出されておりますが、まさにそれを裏づけたような事態じゃないかと私は思います。私はやはりけじめをつけるというか、えりを正すというか、そういうことが非常に大事なことだと思うんですが、首相臨時代理、官房長官、この問題についてどういう気持ちで駆けつけたのか、そういう措置をとったのか。これは予算委員会で問題になると思いますが、ぜひひとつ聞かしてもらいたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、田中さんが、救急車が邸内に入るというような事態にあるということを聞きまして、これは大変お気の毒なことだと、そういう不幸が起きたという場合には、やはり同僚としてお見舞いをしたい。私も、昭和二十二年に同期で出た国会議員でありまして、また目白に住んでおる間柄でもございます。お祝いのことなら別に行く必要もないと思いますけれども、そういう病気が、あのときの状態では非常に重いというようにも感ぜられまして、これはお見舞いをするのがよろしいと、そういうように考えまして、素直な気持ちで、実はお見舞いに伺ったという次第でございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) かつて、首相、自民党総裁を務められた方でありますので、もし伝えられるようなことであればと考えまして、ちょうど私内閣でただいまのような立場におりますので、お見舞いに参上したようなことでございます。
○佐藤三吾君 私は、お見舞いに行った事実は新聞でよく知っておるんですけれどもね。しかし、確かにかつての総理大臣でしょうが、現在は刑事被告人であり、保釈中の身ですね。そういう国民の目から見ますと、鈴木内閣臨時首相代理、宮澤官房長官、こういう公的立場にあると同時に、法律を守る立場にある。罪は憎んでも人は憎ますという言葉がございますが、しかし、いま現在公判のさなかにある、こういう問題についてやはりけじめをつけることは大事じゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 物事にけじめをつけることは、お示しのとおり確かに大事であると思います。ただ、人間のつき合いの中で、この限度まではよろしいと、そういうように考えるところもございます。 私自体の判断では、昭和二十二年に、敗戦の直後国会へ出てまいりまして、長い間、けんかしたり、仲よくしたりしてきて、また、私、田中内閣の一員にも加わったこともございまして、いろいろなつき合いもやってきた仲でございます。たまたま、また住居も近くに住んでおりまして、そういう間柄で、その友人が、そういう重病のような報道を得ましたものでございますから、人情としてこれはお見舞いすべきであると、そう思いましてお見舞いをいたしました。 公私の別につきましては、今後ともけじめをつけるようにしてまいりたいと思っております。
○佐藤三吾君 私は、この問題、深追いはしませんが、しかし、私情は私情として、あなたはいま臨時首相代理です。一国を代表しているわけですね。そういう立場にある者が、刑事被告人である公判中の人のところにのこのこと行くということ自体は、これは限度があるといまあなたがおっしゃったけれども、まさにその限度を超えた行為と言わざるを得ぬと思うんですね。そこら辺は、ひとつぜひ国民に疑惑を招かないように、きちっとしていくべきだと私は考えます。そういう意味でこれ以上は追及しませんが、ぜひひとつそこら辺のけじめについてはきちっとしていただきたいということだけはひとつ注文しておきたいと思います。 次に、田中文部大臣が十日に下関で、来る二月十一日の建国記念日の式典に文部省が後援するということを明らかにしておりまして、官房長官とは協議済みである、官房長官もその一連の中で、総理府が後援しておる行事であるから何省がついても構わないと、こういう確認の記事も出ております。その点は官房長官どうなのか、まず確認しておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 報道されているとおりでございます。
○佐藤三吾君 この建国の日というのは、昭和四十一年佐藤内閣のときに制定されたもので、二月十一日の日取りが紀元節復活としてであるということで、大変問題になって、国会では結果的に結論が得られずに、特別の審議会を設けて決めた経緯のある問題です。その根拠は何かと言えば、科学的に根拠がないというのがこの日取りの決定の経緯であったと思うんです。多くの国民もそういう意味で疑問に思っておることは事実であろうと思うんです。いわゆる戦前の天皇制の、国家体制の思想的な基礎であった歴史観、皇国史観との結びつきについて、はたで知っておる国民にとっては、どんなに民族の運命に誤りを与えたかということを忘れていないんじゃないかと思うんですが、その当時、この皇国史観を国民に押しつけてきた機関が文部省であり、そうして文部省は、戦後再び思想統制の機関にはならない、こういうのが再出発の前提であったというふうに私は思うんです。たとえ各省が名を連ねても、そういう意味で文部省は控えるのが筋ではないか、こういうふうに思うんです。しかも、祝典と教育は関係がない、こういうことで、事務当局の方ではかなり抵抗したという記事も出ております。それを文部大臣が押し切った、こういう経緯も出ております。その文相が、後援するが出席はしない、こういう発表をしておりますが、そのことは同時に、私は世論に賛否両論があるということを踏まえておるのじゃないかというように思うんです。最近の閣僚や、自民党の党内で愛国心教育であるとか、国防教育を強めなければならぬとか、こういった議論が出されて、靖国神社に対する閣僚の参拝の問題や、法務大臣の憲法改正論、こういったものと合わして、二月十一日の建国記念日に文部省の後援が決定された、こういうのは私は今日の情勢としては当然そういう結論が出されてくるんじゃないかというように思うんですが、いまは確かに後援ということで言っておりましょうが、間もなく今度は後援しておる祝典に参加するのはあたりまえだと、こういう方向になってくる、こういう感じもします。こういった点について、官房長官、どういう判断でこれに同意なさったのか、見解があればいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国民の祝日の一日としまして、建国記念の日が「建国をしのび、国を愛する心を養う。」という趣旨のもとで制定されたという経緯を承知いたしておりますが、どの日が適当かということにつきましては、先ほど佐藤委員も御指摘になりましたように、審議会を設けていろいろ御検討がありまして、二月十一日ということに決定があったと承知をいたしておるわけでございます。すでに総理府ではこの日の催しについて後援をするということになっておりますし、こういう経緯で生まれた日でございますから、文部大臣が文部省として後援をしたいとお考えになれば、それは私として別に異存を申し上げるべき事柄ではないと考えましたわけであります。 先ほどいろいろ戦前のことについて御主張がございました。そういうことも、私も同時代の人間としてわからないわけではございませんが、こういう新しい憲法のもとにここまで育ってまいりましたわが国のきょうのいろいろなことから考えまして、この日の行事について文部省が仮に後援をするということがありましても、それがわが国のこれからの進路に好ましからざる影響を与えると、そういったようなことは私は心配しなくてもいいのではないだろうかというふうに私自身考えております。文部大臣がどのようにお考えになりまして後援を御決定になりましたか、文部大臣御自身のお考えは詳しく別に伺ったわけではありませんが、私としてはそう思っております。
○佐藤三吾君 私は先ほども言ったように、文部大臣が後援はするけれども出席はしない、そういう中身というのは、いまあなたもおっしゃったとおりに、そういった戦前の経緯というものを知っており、国民が賛否両論という事実を踏まえておると私は思っておるわけです。そういった性格のものに対して、いまの宮澤長官のお答えを聞きますと、まさにもう戦後はそこまで心配することはないじゃないかと、こういう態度のように承ったんですが、これは意見の違うところでございまして、これから予算委員会その他でまた議論があると思いますが、しかし長官、正直にあなたもおっしゃっていただいた方がいいと思うんですよ。やはり文部省が後援するということは、ほかの省がするというのとは、建設省がするとか、そういうものとはずいぶん違うと思うんですよ、いままでのこの歴史的な経緯から見て。しかも軍国教育というものが閣僚の中でも盛んに言われておるという実態の中で、それを前提として私は踏み込んだというように思うのが自然じゃないかと思うんですよ。恐らく日がたつと今度は文部大臣が出席すると、こういう形になり、さらに私どもが恐れておりますような、当時紀元節復活をめぐって議論があったような、そういう方向に流れていくことは必然だと私は思うんですが、そういう点については、もう一つだけお聞きしておきたいというように思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) この日が国民の祝日の一日になりましたのは、「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と、こういう趣旨であったと承知をいたしております。そこで、ただいま御指摘の点は、この法律制定に関して、あるいは審議会の審議に際して、ずいぶんいろいろと御議論のあったところでございますので、あえて繰り返しをいたしませんけれども、自分の国がどのようにしてつくられたのか、その日のことを考える。それがまあずいぶん昔のことでございますから、どのくらい科学的に、客観的に根拠があったか、なかったか、これはもうずいぶんいろいろ御議論になりましたので、あえてここで再度申し上げることはないと思いますけれども、そういうときのことを考えてみる、そのことは別にわが国がこれから軍国主義化への道を歩むというようなふうに考える必要はないのではないだろうか。すでにわが国の憲法にも、今日われわれが持っておりますこのわが国の社会にも、そうでないための歯どめ、あるいはそう考えてはならないというふうに思う人々、それはもう十分にたくさんあるように私は考えます。いわゆる国の起源、起こりということをみんなで考えたからといって、その結果日本の進路が怪しくなるような、そのような根の浅い今日のわが国の体制ではあるまいというふうに私は考えております。
○佐藤三吾君 時間がありませんからその問題はまた別のときに議論したいと思いますが、官房長官は記者会見の関係があるということですから、ちょっとしぼってお聞きしておきたいと思います。 会計検査院の院法の改正の問題について官房長官にお伺いしておきたいと思うんですが、これはもうロッキード事件がスタートで院法改正が提起されまして五年ぐらいたつわけですね。官房長官預かりになって三年たつわけです。まあいろいろいままでのこの決算委員会や、衆参の本会議等でも議論になっておりますが、しかし事は、衆議院が五十二年以来四回、参議院が二回の本会議で院法改正の決議をして、福田総理それから大平総理もこの問題について早急にしようと、こういう態度も明らかにされておるわけです。一体いつまでこの問題を延ばすのか、どの程度まで調整が進んでおるのか。もうそろそろ結論を出して、今国会に出してこなきゃならぬ問題だと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題につきましては、本院並びに衆議院におきまして、しばしば院としての御意思の御表示がございましたにもかかわらず、事態がはかばかしく進んでおりません。まことに申しわけないことだと考えております。昨年も私の前任者であります伊東官房長官が関係者を呼びまして、何とか妥結をと努力されましたし、また私の時代になりましてからも努力を続けてまいりましたが、これは佐藤委員御承知のような関係者間の主張の対立がございまして、会計検査院は独立の機関でもございます。それらを含めまして、一つの内閣の意思として立法をお願いするというようなところに立ち至りませんで、実は苦慮いたしておりましたところ、昨年の暮れ、新しく会計検査院の院長が就任をされまして、私のところに御訪問がございました。この問題について、従来内閣官房に適当な解決方法をゆだねておることについて、会計検査院としても何かもう少し努力をする余地はないかと実は考えているので、院長就任を機会に、自分の過去の行政の経験に基づいて、関係省庁とも少し協議をしてみたい、こういうお話がございました。昨年の十二月、先月のことでございます。 ただいま私としては、そのような会計検査院長の新たな御努力によって、関係者間の話し合いが進んでまいるということに期待をかけておるというのがただいまの現状でございます。
○佐藤三吾君 いま官房長官のお話を聞くと、何か検査院の方で持って帰って、また焼き直しをするとか、各省との話をするというようなことと同じ、そういう印象にとれたんですが、そういうことなんですか。
○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。 従来からたびたび申し上げているわけでございますけれども、一応内閣に調整をお願いしたことでもございますし、また官房長官におかれましても、再三国会で言明しておられますように、真剣にこの問題に取り組んでいらっしゃるということでもございますので、ただいまのところ、その結果を待っているというのが私たちのいまの立場であろうかと思います。
○佐藤三吾君 そうだろうと私は思うんですがね。長官、あなたがいろいろ答弁なさっておる内容、また伊東さんが官房長官当時の内容等を見ると、大企業は問題ない、しかし中小企業や農業団体等では受け入れ体制がないので、検査院が調査するということになるとこわがって、政策融資そのものにも支障を来すのではないか、これがあなたがいままでの議事録を見ると一貫して言っている内容ですね。ところが、私もそういう中小企業や商工会もしくは農業団体へ聞いてみると、あなたの言うことと全然違うんですね。もう現実にいま肩越し検査を受けてやっておるので、検査院の検査について一つも問題はありません。ただ、抜き打ちやられると困る。いやそれは違う、検査院法の改正というのは、ちゃんと事前に通知をしてこうだという話をしたら、それなら結構ですと、こう言っておる。むしろこれらの人たちの意見を聞くと、輸銀、開銀、大企業に問題があるんではないですか、こういう意見が圧倒的なんです。同時にまた、省のなわ張り争いを私どもの方に官房長官は向けておるんではないか、私どもとしては決してそういうことはないと、こう言っておるんです。ここら辺が、あなたの国会における答弁と実態が全然違う。 さらに調べてみますと、五十四年度決算では、開発銀行だけでも政府資金が九千四百八十九億出ておる。また輸銀でも八千六百四十五億も出ている。こういうところにロッキード事件が発生し、そうしてダグラス、グラマン、また、これは表に出ておりませんが、ソウルの地下鉄の還流とか、こういうのが内在しておる。そこにメスを加えるべきじゃないかというのが私は衆参両院の決議だと思うんですよ。ですから、そこら辺の問題にあなたはこだわっておるのか。ここら辺はひとつすっきりしていただかないと、私は院の権威にかかわると思うのです。昨年の九十一国会で、四月二十二日ですが、この席で、亡くなった大平総理は、いつまでもこれを引き延ばすということにはいかない、この九十一国会中に結論を出しますと言っておるんです。それが、どうして大平内閣を継承する鈴木内閣でのらりくらりまだ言っておるのか、態度をひとつ明確にしてもらいたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) この問題は、いままでの経緯を私ずっと聞きましたり、私自身も会計検査院、関係各省の話を聞いたりいたしておりますと、確かに、佐藤委員がただいまおっしゃいましたような部分もどうもあるのではないかという、多少私なりの疑問を実は持っております。理屈を申せば、なかなかそれはお互いに理屈のあることでございましょう。しかし、そこに役所の権限であるとか、いろいろなことがとかく入りやすい種類の、これはそういう形の問題であることも、私はおっしゃる点が確かに全面的に否定を申し上げられないようなことがあるような気がいたします。 そこで実は、先ほど申しましたように、新しい会計検査院長、その方の行政の経験も、大蔵省ばかりでなく、開発銀行の仕事をされた経験もおありになるので、御自分で少しその辺のことを、非公式というのでございましょうか、話を関係者としてみたいということを言われまして、私は、それはまさしくどうも問題はその辺ではないでしょうかということを実は昨年の暮れにお話をしたところでございます。 院でたびたびこういう意思の御表示があって、なかなか政府部内で統一が、調整ができないということは申しわけないことだと考えておりますのですが、ただいま佐藤委員の言われましたような要素もなきにしもあらずと考えましたので、ちょうど会計検査院の新院長がそういうことをおっしゃっておられますので、そのような御努力に私としてはいま期待を申し上げているということでございます。
○佐藤三吾君 長官ね、あなたの答弁を聞いておると、あなた自身がいま内閣の調整を任せられておるわけでしょう、一つも主体性がないじゃないですか。この問題は、検査院を呼んでいろいろ聞いてみましても、それから現地へ行って中小の皆さんに聞いてみましても、あなたがいままで国会の中で答弁してきたように、中小、農業団体が云々ということはないのですよ。現実にやられておるのです、協力状態を聞いてみると協力もしておるのです。問題は開銀、輸銀の方が肩越し調査について協力していないんです。だからやはりここできちっとしなければいかぬというところに院法の改正の趣旨があるし、そこからロッキードは現実に起こっておるわけです。そういう意味で緊急に衆参両院で決議をしている、これは与野党一致ですよ。そういう問題を、あなたの手元に来てから三年間ものらりくらりしておって、いま答弁を聞いてみると、まだあなたはそんなことを言っておる。私はこれはもう心外にたえないのです。第一、閣議で、内閣提出の法案についてはこれは確かに各省で意見が一致したものといったてまえがあるかもしれませんよ。しかし、検査院の場合にはこれは独立機関でしょうが。本来なら独立機関である検査院が、独立の立場で国会に議案を出すべきだと私は思うんですよ。しかし、憲法上そういう仕組みになってない。だから、内閣を経由するという方法をとらざるを得ないわけですよ。そういう面から見ると、各省の出す法案とは意味が違う。そこで、国会はその後院法改正を出せと言っておる、こういう決議をやっておるのに、いつまでもこの問題を内閣の意見がそろわないからということで、ぐずぐずしておる問題じゃないんじゃないですか。だから、大平総理は先般の昨年のこの委員会で、いつまでもぐずぐずするわけにいきませんと、決断をしなきゃならぬ、この九十一国会で決断しましょうということを約束したんだ、けじめをつけようと。そういう問題を、あなたのようなそんな主体性のないような態度でいつまでもぐずぐずされるようなことでは、私は本当に立法府としてのこの院の権威にかかわる問題だと思うんですよ。そういうことをいつまでもやるなら、こっちも、院としても私は考えなきゃならぬ問題だと思う。どうですか、きちっとしてくださいよ。今国会で出すなら出す、明確にしてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) まさに会計検査院がそのような独立の機関であるというところが、調整というものが普通の行政各省庁の調整と違う要因になっておるわけでございます。もしこれがいわゆる各省庁だけの問題でございますと、俗に申しまして、もう君たちの言うことはわかったと、私に任せてくれということを言う調整の仕方がございます。しかし、独立官庁である会計検査院に対しまして、私はそういうことを申すことは少なくともこれ僣越なことであるし、そういうことをすべきではないだろうという感じがいたしております。他方で、しかし残りの行政、いわゆる狭い意味での行政各省庁はその案に反対である、こういう状況が続いているというのが現状でございます。でございますから、現実に会計検査院がその職責を全うされるに必要な方法はどうすれば確保されるかということを、やはり新院長とも御一緒に考えていくといってとは、一つの方法ではなかろうかと思っておるのでございますけれども、なおそれについて、いついつまでに国会にこういう法律改正について御提出を申し上げるということをただいま申し上げる見通しを持っていないというのが率直に申しまして現状でございます。
○佐藤三吾君 官房長官は時間の約束がありますから、やむを得ませんが、結構です。 しかしこの問題はいまのような答弁じゃ済まされませんので、そこら辺はひとつ明確にしておきたいと思います。 そこで、中曽根長官、あなた臨時首相代理だから、いま私と官房長官のやりとりを聞いておったと思うんですが、これはさっき言ったように、亡くなった大平さんが九十一国会にけじめをつけますと、こういう約束をした内容でもあるわけですし、そうだらだら院としても待つわけにいかないしろものですし、早急なこの改正を求められておるのですが、首相代理としてあなたの見解はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) なかなか長い懸案の問題のように伺っておりました。官房長官が会計検査院長と相談をいたしまして、せっかく調整を行っておる最中でございますので、さらに努力していただきまして、結論を得るようにお願いいたしたいと思っております。
○佐藤三吾君 会計検査院の方は、変える考えはないということをさっき報告をしておるわけですからね。ですから問題は、各省内をどう説得して、きちっとさせるかということに尽きるわけですね。とりわけ大蔵省、通産省、この二つを納得させるかどうか、内閣の責任において、そこにかかっておるわけです。そういう意味で、あなたはこの問題について、行管庁長官でもあり、首相代理でもあるわけですから、大平総理が約束したように、早急に決断をして、今国会にひとつ間に合うように努力をすると、こういうふうな態度はできませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 官房長官とよく相談をいたしまして、この懸案問題をなるたけ早く解決するように努力してまいりたいと思います。
○佐藤三吾君 ぜひひとつ、私はこの問題、もう三年間追っかけておるわけですけれどもね、けりがつくまでは追及してまいりたいと思いますが、ぜひひとつ早急に結論を出すようにお願いしておきたいと思います。 それから次に、議員定数の問題で質問しておきたいと思いますが、昨年末の十二月二十三日に、東京高裁の判決がございまして、この中身は六月総選挙のいわゆる定数配分が二対一になっていない、言うならば、法律的、政治的混乱を与えておるということで、一つの新判例が、判決が出ましたね。それは二倍以内でなければ違憲であると、こういうのと、つけ加えて、議員定数は総枠は不動のものとして増・減員を出すべきだと、さらに五十年七月の法改正は当時二・九二であった、格差が。したがって、その時点からもう憲法違反であった、こういうような判決が出されておりますが、これについて内閣として、どういう受けとめ方をしておるのか、臨時首相代理としてお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 議員定数の問題は非常に重大な問題であると考えております。ただ、まだ最高裁の判決というところまではこの問題についてはいっておりません。したがいまして、最高裁の判決がどういうふうに出るかということもわれわれは考えなけりゃならぬと思いますが、一方におきまして、国会議員といたしまして、あるいは政党といたしまして、民意をいかに調達するかという面から、ある制度につきましては常に検討し、改革していかなければならぬと、そういう立場から検討を加えていくべきものであると考えております。
○佐藤三吾君 ところが最近発表になりました昨年の国勢調査によりますと、これは御存じのとおりだと思うんですが、衆議院の場合には四・五四倍の格差、参議院の地方区の場合には五・七三倍の格差、こういう結果が出ておるわけですね。自治体の場合を見ると、大体国勢調査に基づいてその都度、条例改正がなされてやっておるようですね。東京都の一部にそうなってないところもございますが、全般的にはそういうふうに民意が反映されるように、公平に反映されるように配慮をされておる。まあ最高裁の判決という御答弁でしたが、しかしこれは本来憲法上も明らかな問題ですから、最高裁の、司法の御厄介になるんじゃなくて、院みずからが、政府みずからがきちっと正していくのが、これがやはり正しい国民の意見反映の国会でもあろうと思うんですね。そういう問題で見ると、公選法の規定では五年ごとに直近に行われた国勢調査に基づいて是正することを例とすると、こういう公選法上の措置になっておるようです。そういう面からいっても、ちょうどことしは公選法が施行されてから六回目の五年目ですね。そして、直近の数字も出されておるわけです、国勢調査の結果も明らかになったわけですから。これは今国会に進んで出すべきじゃないですか。すでに野党の皆さんも、この間うちの国会討論会を聞いてみると、全野党が一致をして今国会に出すべきだということを言っておるようです。そういう観点から立ては、この際ひとつ国民の最大のこの政治参加の権利を保障するという観点からも、決断をすべき時期に来ておるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 元来、選挙区の定数のような問題は、私は、統治行為的性格を多分に持っておって、お示しのように司法的判決でやられるということは、統治行為を行う側からするとこれはどうかと考えなければならぬ性格の問題ではないかと思っております。 しかし、この定数の問題につきましては、さまざまな議論があると思います。単に機械的に人数割りで割るのが正しいのか、あるいは国民代表という概念の中には、地域的な要素というものもまた考えなければならぬ、また地域的要素のみを考うべきでもないと、そういうようなさまざまな御意見もあると思います。そういうような実態もよく考えまして、また世論の動向等も考えまして、政党の側においてこれは深く考究すべき重大な問題であると、そのように考えております。自民党におきましても、選挙制度調査会をもちまして、この問題についても深く検討を加えていると思っております。引き続いてこの問題につきまして、さらに検討を加えるように努力してまいりたいと思っておる次第です。
○佐藤三吾君 ぜひ、検討を加えるだけじゃなくて、この国会に、再開国会の中に出すと、こういうひとつ方向で検討を加えていただくというふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この出題の主管は自治大臣でもございますし、また党の内部の議論がどういうふうに動いているか、私またよく存じておりません。したがいまして、はなはだ申しわけない次第でございますが、佐藤委員にお答えする十分な資料を持ち合わせておりませんので、検討を加えるということで御勘弁願いたいと思います。
○佐藤三吾君 ひとつ、明らかな数字も出ておりますし、この公選法の規定からいっても、ちゃんとそういうことが例とするということで、その時期は今回の場合には再開国会ということになると思うので、そこら辺はひとつぜひ国会提出に向けて検討をしてもらうように、この際ひとつ強く要求しておきたいと思います。 時間がございませんから、次に沖縄の問題で開発庁長官にお尋ねしておきたいと思いますが、戦後三十年間、米軍による占領下で引き起こされた沖縄の県民またその関係業者等の人身・漁業、陸上における被害請求権の問題が議論されてきておるわけですが、これは沖縄返還の際に政府は権利を放棄したというか、米国に向けて。しかし、個人の立場から見ると、これは当然放棄されるべき性格のものじゃない。ですから、イタリアとかドイツの例を見ますと、ちゃんとその分はイタリア、ドイツが国家補償していくと、こういうことが明確になっておる。ところが、日本の場合にはそういう規定がないということを理由にして、今日まで三十年間放置というか、対策がとられてきてない。ようやく人身、漁業についてはそれぞれの所要の措置がされたけれども、陸上関係は五十六年度からと、こういうふうになっておるわけですが、これは今度の予算と関連して、どういうふうに措置するのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの対米請求権の関係につきましては、人身関係の事案、漁業関係の事案、すでに一応処置を講じてまいっております。残る土地関係の事案を中心といたしまして、地元の要請によりまして、五十六年度予算でこの全体枠は総額百二十億円を総枠としてはめて、沖縄返還協定放棄請求権等補償推進協議会が母体となって、組織する公益法人に一括交付をすることにするという原則に立って、五十六年度予算につきましては、その一部として十億円を計上しているところでございます。
○佐藤三吾君 その内容を見せてもらいましたが、その対米請求権の漁業、人身関係を除く補償要求が十一万八千五百二十七件、九百九十七億三千八百九十三万四千五百八十四円、こういうのが要求されておったのでありますが、いま長官のお答え聞きますと百二十億、十分の一に近い額になっておるやに承るわけですが、これは積算の根拠とか、さらに個人の請求権というものは一体どうなるんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 細部にわたりましては、政府委員から答弁をさしていただきます。
○政府委員(美野輪俊三君) ただいま長官から答弁がございましたように、土地関係等事案の一切の解決といたしまして、推進協議会が母体となって組織をいたします公益法人に、一括して百二十億円を交付することということに考えております。これは五十六年度の概算要求に当たりまして、推進協議会からなされました最終的な要請に沿って措置をいたしたものでございまして、私どもといたしましては、誠意をもってこれに対応したつもりでございます。ただいま先生が挙げました九百九十七億余の請求でございますが、これは四十九年から五十二年にかけまして、推進協議会の方から請求が出されておったわけでございます。その後、種々地元との折衝の中におきまして、最終的に総額を百二十億として、予算要求をいたしてほしいというのが地元の方の要請として出てまいっておるわけでございます。これに沿いまして、政府として最大限の措置を講じたと、こういうことでございます。
○佐藤三吾君 いや、その要請書というものも見せていただきましたが、私はその積算の基礎がどうなったのか、九百九十七億円というのが一挙に百二十億になって、どういう積算になったんだろうかということが疑問でならぬわけですね。そこを聞いておるわけです。
○政府委員(美野輪俊三君) これは地元からの要請、必ずしも詳細に聞いてございませんので、当初要求にございました九百九十七億という数字の細かい根拠といいますか、そういったものは必ずしも把握されておらない状況でございます。私どもとして考えておりますのは、私どもといたしましては、大体すでに措置されました人身関係事案、あるいは漁業関係事案等との均衡を考慮いたしまして、その算定基準は土地関係等事案につきましても、それぞれの事案の被害発生時点を評価時点として考えております。当初の地元からの要請につきましては、四十九年から五十二年にかけて、三次にわたって要請が出されてきておりますが、あるいは、私どもといたしましては、それぞれの時点での、それぞれの評価によって、当初の要求がなされたというふうに考えられるところで、その関係におきまして、相当の差額が出てきているのではなかろうかと、このように考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 それでは答弁にならぬわけでね、積算の基礎というのは、言うならあなたの方ではつかんでない、まあ一種のつまみ金というのは語弊がございますが、百二十億ということで妥協したんだと、そういうふうに受け取っていいわけですね。 そうしますと、個人の請求権というのはどうなりますか。
○政府委員(美野輪俊三君) 私どもといたしましては、先ほど御答弁いたしましたように、それぞれの申請に係る土地関係事案等につきまして、およそ私どもとして最大限に把握し得る限りの資料を使いまして、被害発生時点におけるその被害額の総額ということを一応基礎に据えまして、さらにこの問題が対米請求権事案の最終的な解決であるということを勘案をいたしまして、地元から要請されました百二十億というものは妥当なものである、相当なものであるという考え方のもとに、概算要求をいたしておった次第でございます。
○佐藤三吾君 個人の請求権はどうなるのですか。
○政府委員(美野輪俊三君) 私どもといたしましては、この対米請求権問題につきましては、基本的に個々人の権利を日本政府がかわって放棄をしたものではない、これは沖縄返還協定におきまして対米請求権を放棄をしたという文言がございますが、これは法律的にはいわゆる日本政府の外交保護権を放棄したものというふうに基本的には考えておるところでございます。 それから、この関係の事案、先生御案内のように、十二万件に及ぶ請求がなされておるわけでございますが、何といたしましても、終戦直後から復帰に至る非常に古い時点におきます事案を多々含んでおるわけでございまして、これを個別に取り扱っていくということは、なかなかに困難であるという考え方が基礎にございます。また、地元の知事、全市町村長をもって組織いたしております推進協議会におきましても、これを一括交付をしていただきまして、それによってこの問題の解決とすることが妥当であろうと、相当であろうと、こういうことで、そういう内容によりまして、昨年の夏政府に対して最終的な要請をいたしておるところでございまして、政府としてもこれに沿って対応するのが相当であるという考え方のもとに、今回の十億円の予算を計上いたしたと、こういう経緯にあるところでございます。
○佐藤三吾君 いずれにしても国自体が外交関係の請求権は行使しないということを約束したわけですからね、個人の請求権が基本的にあったとしても、事実上できないと。そうすれば、百二十億の中で結論を出さざるを得ない、そういう性格になるんじゃないかと私は思うんです。 推進協議会というのは、沖縄県知事や関係市町村長で形成しておるわけですね。ところが、こういう問題は沖縄県の県民でない人たちもかなり含まれていますね。たとえば今度出されておりますように石田さん外三名、きょうこちらに石田豊太郎さん傍聴なさっておりますがね、そういう方々の分もこれは当然この中に含まれていかなきゃならぬと思うんですが、余りにも私は百二十億ということで圧縮されて、本人の被害賠償という面から見ると、少な過ぎるような感じがしてならぬのです。 一つの例ですが、石田さんの場合などを見ますと、もう昭和二十七年の事例ですからね、三十年間この問題でやられてきておる。そのために家財産まで全部売却して、いま生活保護を受けておる、しかも弟さんはこの問題で自殺すると。こういうような悲惨な中で請求してきたんですが、しかし、結果的に国自体は沖縄返還の際に外交的な請求権はこれを放棄してしまったと、国はめんどう見れないと。こういうことでは、これは佐藤さんは沖縄復帰で戦後は終わったなんて言っていますけれども、決して終わったものじゃない。もうしかも七十六歳という老齢になっておりますから、恐らくこういう請求しておる方々というのは、大体大同小異そういう範疇に入るんじゃないかと思う。そういう方々に対して、余りにも無責任な措置じゃないかと、そういうふうに思うんですが、これらの石田さんの問題、そのいわゆる県外の方々を含めて、どういうような措置をなされようとしておるのか、お聞きしておきたい。
○政府委員(美野輪俊三君) この土地関係等の特別支出金につきましては、先ほど申し上げましたとおり、推進協議会を母体としまして組織される公益法人に一括して交付される予定にいたしております。この公益法人におきましては、この特別支出金の果実をもちまして、被害者を対象とする福利厚生等の事業を行う予定にいたしております。ただ、どのような具体的な事業を行うかという点につきましては、現在県及び推進協議会が中心になりまして、検討をいたしておるところでございます。 御指摘の石田事案につきましては、基本的には商取引に起因する問題であるというふうに考えておりまして、ほかの対米請求権事案とはやや異なっておりまして、私ども必ずしも十分な資料を持ち合わせておりませんけれども、米国あるいは米軍による被害があったのかどうかという点については、疑問のある事案でございます。しかしながら、先ほど伸し上げましたように、今回の措置は、対米請求権問題につきまして、これをもって一切の解決とするという考え方に立って行っておるところでございまして、協議会は、協議会から提出をいたしたもの、あるいは未請求のもの等含めまして、この請求権問題について改めてどのように対応するかということを検討することとなっておるわけでございまして、対米請求権事案の一つといたしまして、石田事案も提出されておるわけでございます。これら提出された事案につきまして、当然この地元における検討の対象となるものというふうに、私ども考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 対象になるわけですね。対象になった場合に、石田さんの場合に、約三十五億ですか請求なさっておる。そういう事例等についても、これは何ですか、まんぱちわれば十分の一という、請求総額の中から見れば九分の一とか、そういうような割り方になるんですか。支払い方法はどういうふうな考え方を持っていますか。
○政府委員(美野輪俊三君) 細部の点につきましては、現在、先ほども申しましたように、県あるいは地元の推進協議会において、いろいろ検討をいたしておるところでございます。まだ検討の途中でございまして、私どもここで明確に御答弁する資料を持ち合わせておらないわけでございます。 まず、基本的な考え方といたしましては、総額百二十億の特別支出金を運用いたしまして、それによる果実をもって厚生福利等の事業を行っていこうということを基本に考えておるわけでございまして、したがいまして、請求額の何%を本人に支給するというような考え方はとられておらないわけでございます。言うなれば非常に古い事案が多うございまして、必ずしも個々の事案につきまして、これが相当の理由あり、あるいは理由なしと、個々に判断をいたしておくということがはなはだ不適当なものが大多数でございまして、したがいまして、このような一括して交付をするという考え方を基本的にとったわけでございまして、また、受けました公益法人におきましても、これを直接的にどのような事業をやるかということよりも、むしろ果実をもって被害者あるいは請求者の福利厚生等の事業を行っていくという基本的な考え方のもとに、いまその具体的な事業等を検討しておるというのが現在の状況でございます。したがいまして、その検討の結果を待たなければならないものというふうに私ども思っております。 石田事案につきましても地元から、推進協議会からは対米請求権の一環として政府に対して要請がなされておる事案でございますので、当然地元における種々の検討の対象にはなるものというふうに私ども考えております。
○佐藤三吾君 大臣ね、お聞きのとおりだと思うんですが、いまこういう措置については、公益法人ですか、そこに任して今後処理していく。しかし、これは国が戦争をしかけて、そして国の責任で対米請求権を放棄したという経緯のものであって、したがって、あくまでこれは国が責任を持って補償していくという基本は私は変わらないと思うんですね。そこら辺はひとつきちっとしていただいて、いま石田さんほかずいぶん出されておりますけれども、こういった方々の実態を見ると、そのために生活保護に転落して、しかも高齢で病気という実態がほとんどだと思うんですよ、こういう問題はもう三十年間も放置しておるわけですからね。ですから、早急にこれらの方々に対しては補償していくことが国の責任だと思いますよ。これは率直に言って予算措置が七年間ということですから、七年もやっぱり余命が保たれないという事態だって起こり得ると思うので、そこら辺はひとつ国の責任を明確にしながら、人道的な見地に立って、この問題はひとつ長官が責任を持って解決する、こういう方向でひとつ処理をお願いしておきたいと思いますが、いかがですか。長官の御答弁を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) ただいま先生御指摘の趣旨を十分尊重いたしまして、財政当局にも一日も早く、再来年度の要求につきましても、額の増大を図って、早い解決のために努力をしてまいりたい、このように考えております。
○粕谷照美君 長官御記憶になっていられますでしょうか、昨年七月のコペンハーゲンにおきます国連婦人十年の世界会議に派遣されました婦人議員団の一員として、帰国後長官のところに報告とお願いに参りました。そのお願いというのは一体何かと言えば、その世界会議で婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約に日本が署名をしたのはこの条約の批准を目指すものであって、そのために国内法の整備をわが国の政府としても積極的に進めてもらいたい、こういうことでございました。 私ども日本社会党は、国際婦人年以来種々検討を続けまして、この条約との関連におきまして雇用における男女平等法、あるいは労基法の改正、また国籍法の改正案などを出しておりますので、それに関連いたしまして質問をしたいと思っております。 最初に労働省にお伺いいたしますけれども、労働省は九月の二十五日、ことしの三月卒業生の新規学卒者に対する大手企業の採用計画動向を発表しております。それによりますと、いままで問題になってきましたけれども、四年制の大学を卒業した女子についての採用が非常に厳しいどころではなくて、後退を続けているという統計が出ているように思いますが、ちょっと説明をしていただきたい。
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。 いま先生御指摘ございましたように、私ども昨年の秋に五十六年の三月に卒業する予定の者につきまして、各企業の採用の状況というのは調査いたしております。それによりますと、確かに御指摘のとおり、調査対象になりましたものは大企業が多いわけでございますが、ほぼ八割の企業におきまして、大卒女子を採らないという結果になっているわけでございます。
○粕谷照美君 百の企業があれば、八十の企業が女子を採らない、こういうことが統計の上で明確になったというお話でありますけれども、学問の自由と、労働の権利が保障されているこの憲法下で、女子であるということだけで就職の入り口でシャットアウトをされてしまう、この憤りというものは男性にはおわかりにならないのではないかと、私はもうきわめて許されない事件だというふうに考えているのです。 また労働省では昭和五十二年、五十三年、基本的な婦人労働者の雇用管理に関する実態調査を行っていると思います。この中で女性差別というものがどのように出てきているか報告をいただきたい。
○説明員(佐藤ギン子君) 申し上げます。 ちょっと古くなるわけでございますが、いま先生がおっしゃいました昭和五十二年の私どもの「女子労働者の雇用管理に関する調査」、この結果によりますと、たとえば入り口の採用のところでございますが、この採用は四年制の大卒の女子が一番問題になるわけでございますが、四年制の大学卒業生につきまして、その採用状況を聞きましたところ、調査対象の企業の中で、男子しか採らないというところが三割弱あるわけでございます。以下教育訓練、昇進、昇格、定年、解雇等につきましても男子と女子で異なる扱いをしている企業がかなりあるという状況になっているわけでございます。
○粕谷照美君 私はこの調査というのは非常に見ごたえのあるなかなかりっぱなものだと、こういうふうに考えているのですけれども、それであればあるほどこの女性差別問題がなかなか前進をしていないということをしみじみ感じさせられる統計でありました。けれども、一九七五年の国際婦人年以来ですから、わずか五年でしかありません、そう簡単にこの問題が解決するというふうには思いませんけれども、それでも一応国際的には十年間でひとつの見きわめをつけようということでの国連婦人十年であります。その後半に入っておりますので、今後の五年間というのは、そのような統計などをもとにして、何を重点的に政策を進めていかれようとするのか、総理府からお答えをいただきたいと思います。
○説明員(柴田知子君) お答えいたします。 総理府に置かれております婦人問題企画推進本部におきましては、国内行動計画に基づきまして婦人の施策を進めてまいっておりますけれども、後半期の重点的に取り組むべき課題というものにつきまして、ただいま関係の各省庁と連携を取りつつ、その内容の検討を進めておるところでございます。
○粕谷照美君 そうしますと、重点的な施策というものはないというお答えですか。
○説明員(柴田知子君) 後半期の重点的な課題を検討するに当たりましては、昨年は婦人の十年中間年に当たりまして、その世界会議の場で署名式が行われました「婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」に政府も署名をいたしておりますので、この条約の内容をわが国として今後の後半期の重点的な課題といたしまして、批准のための条件整備というものをいたすことと、すでに昨年の六月に申し合わせをいたしております。さらにまた、この世界会議で採択されました後半期行動プログラムに盛り込まれました趣旨に沿いまして、ただいま重点的に取り組む課題を検討いたしております。
○粕谷照美君 労働省にお伺いしますけど、先ほど御報告がありました五十二年、五十三年のそれぞれの調査に基づきまして、皆さんは各企業を御指導なされたと思います。そして、また本年、来年度にわたって重点的な指導目標というのがあると思いますけれども、それを説明してください。
○説明員(佐藤ギン子君) 私どもこの前半の五年間に何に力を入れてきたかと申しますと、三つございまして、まず一つは賃金における男女平等の原則というものを徹底していこうということでございまして、これは先生御存じのとおり、労働基準法で男女同一労働における同一賃金という原則が決まっておりますので、この原財をさらに徹底していきたいということが一つでございます。 それからもう一つは、就業分野の拡大ということでございまして、やはり男子と女子が就業している分野が異っているということでは、なかなか同一労働同一賃金の原則を徹底させるだけでは、女子の労働条件が上がっていかないということもございますので、いわゆる女子向きの仕事につくということだけでなくて、その女子の能力、適性に応じた分野に進出していかれるようにという指導を行っているわけでございますが、このほかに特に力を入れてまいりましたのが定年制における男女差別の解消ということでございまして、これは五十二年に五カ年計画を立てまして、五十六年までに男女差別的な定年制を解消していこうということで、婦人少年室が中心になりまして、指導を行ってきてい私わけでございます。これまでのところ、現在五十四年度末までの結果が出ているわけでございますが、それまでの結果で、こうした差別的な制度のある企業の約半分において、こうした定年制が解消されているわけでございまして、今後も私どもこうしたものの解消に全力を挙げていきたいというふうに考えているところでございます。
○粕谷照美君 それでは、幅が広くなりますから、定年制そのものについてお伺いをしたいと思います。重点的に御報告ください。 いまだに四十歳未満の定年制、結婚退職、妊娠退職、出産退職などの制度を持っている企業は、労働省の指導で現在なくなりましたか、どうでしょう。
○説明員(佐藤ギン子君) いま先生から御指摘ございました四十歳未満の定年制、それから結婚、妊娠、出産退職制につきましては、五十三年、五十四年の重点対象だったわけでございますが、五十四年度末におきまして、ほほ八割の企業におきまして、こうした差別が解消しているところでございます。五十五年度の当初におきまして、まだ残念ながら二割が残っていたわけでございますが、その後婦人少年室が中心になりまして、現在そうしたものの全面的な解消に力を入れているところでございます。
○粕谷照美君 私は、その二割がなくなるという自信をお持ちですかということをお伺いしたいわけです。といいますのは、労働基準法そのものに賃金の差別をしてはいけないと明確に書いてあるにもかかわらず、銀行などでも、具体的にあちらこちらで裁判が起きているように、男女差別賃金が支給されているわけですね。この問題については、労働基準法にないわけですから、行政指導だけで果して成り立つのだろうか、この心配が私の胸から離れないわけです。その点についてのお答えをいただきたい。
○説明員(佐藤ギン子君) 先生御指摘のように、行政指導だけで全部をなくすということは確かになかなかむずかしいところでございまして、法律的な強制ということではございませんので、必ずゼロになるであろうということを申し上げられないのは大変に残念なんでございますが、ただ私どもといたしましては、その方向に向けて今後さらに力を入れていきたいと思っているわけでございます。
○粕谷照美君 私も行政指導だけで直るというふうには思いません。婦人の闘いもまたなければなりませんし、社会一般の教育そのものも前進をさせていかなければならないというふうに思いますけれども、五十五年、五十六年の重点施策を達成するというのは、五十五歳未満の定年制と、こういうことになっていると思います。それにしても、四十歳未満が二割も残っている。やらなくても済むんだという風潮が出てまいりますと、五十五歳未満などというものはやらないで済む企業が多くなるのではないか。これが私の危惧であれば非常に幸せだというふうに思いますけれども、その面の労働省の御奮闘を心から期待をするのであります。 さて、この民間の実態調査というのはわかったんですけれども、民間だけの実態調査で、なぜ公務員関係については御調査をされないのですか。労働省どうですか。
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。 先生御存じのとおり、労働省では主として民間における企業の労働条件等について所管をいたしておりまして、国家公務員あるいは地方公務員につきましては、それぞれ国家公務員法あるいは地方公務員法に基づきまして、労働条件等について所管をされます省がございますので、そちらで御検討あるいは調査をされておる、あるいは必要があればなさるということであろうというふうに考えております。
○粕谷照美君 そうしますと、総理府の方で国家公務員、地方公務員などについての婦人差別というものを把握をしていらっしゃいますか、どうでしょう。
○説明員(柴田知子君) 推進本部といたしましては、定期的に、たとえば国家公務員につきましては人事院の方で取りまとめておられます任用状況調査、それから地方公務員につきましては自治省の方で取りまとめておられます給与実態調査というような調査の内容を参考資料ということで活用さしていただいております。
○粕谷照美君 活用させていただいているのはいいんですけれども、そういう中で労働省が見てくるように、婦人差別というものはなかったかどうかという質問なのであります。といいますのは、この件につきましては、たとえば五十三年の三月二十四日の決算委員会では大阪交通局のバス車掌、三十三歳若年定年の問題。五十三年六月七日の決算委員会では、女子公務員の採用、登用、能力開発についての厳しい指摘。五十三年十月三十一日の決算委員会では、この参議院の事務局の採用条件で、上級職に女子の門戸を閉ざしている件。あるいは五十五年——ちょうど一年前ぐらいになりますけれども、三月十二日の予算委員会、同じく三月二十四日の予算委員会では鈴鹿市職員の昇給昇格、お名前は山本和子さんという方ですが、この問題について取り上げられ、さらに五十五年の三月二十八日には、予算委員会で婦人問題の集中審議が行われて、これらのことについてやっぱり厳しい指摘があっているわけです。その点については、定期的にとおっしゃるけれども、一体どのくらい定期的にやられて、その内容についての分析はどのように把握をしていらっしゃるか、お伺いしたい。
○説明員(柴田知子君) ただいま先生が御指摘になられましたような個別の事例につきましては、それぞれ関係省庁の方で具体的な実態の把握というものをなさっておられるということでございます。 〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕 私どもももちろんそのような関係のところから十分にその実態についての状況を承知しておりますし、また直接私どもの婦人問題を担当する担当室といたしましては、各地方自治体の婦人問題の担当の窓口を通じたりいたしまして、その実態、情報というようなものをできるだけ把握するように努力いたしております。
○粕谷照美君 五十五年の三月の二十四日の予算委員会で、質問に対して、当時の後藤田大臣がこう答弁をしていらっしゃるわけですね。地方公務員法の上では、男女の性別で区別を絶対つけてはいけない。したがって、あり得ないというふうに考えているわけであります。 それで、総務長官にお伺いをするわけですが、国家公務員とか、地方公務員には女性差別はないと、こういうふうに実態を把握していらっしゃるかどうか。
○国務大臣(中山太郎君) 原則といたしまして、公務員の採用、あるいは人事管理の面においては、男女の不平等があってはならないというふうに考えております。
○粕谷照美君 そうすると、現実に不平等があった場合に、長官は企画推進本部の副本部長であります。どのような措置を、指導をおとりになるという御決意でしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) いろんな地域におきまして、実態の調査をいたし、また御指摘が各委員会でなされたような場合におきましては、現地の調査等も命じておりますし、今後ともそういうふうな実態の把握を努めながら、この考えておる基本の原則を維持してまいりたいと、このように考えております。 〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕
○粕谷照美君 大変心強い御答弁をいただきました。 文部省、来ていらっしゃると思いますけれども、小、中、高等学校の先生方というのは地方公務員になるわけですね。この地方公務員で絶対に差別をしてはいけないと、こういうことに大臣の答弁もあるわけでありますけれども、具体的に退職問題などについて、あちらこちらで非常な問題点が出ていますけれども、何か調査したのありますか。
○説明員(国分正明君) お答えいたします。 御案内のとおり、地方公務員につきましては定年制というものがないわけでございまして、これにかわるものといたしまして、退職勧奨制度というものがあるわけでございます。退職勧奨年齢の実態でございますが、私どもの調査によりますと、小・中学校で退職勧奨年齢に差のある県が十県でございます。それから高等学校関係で差異がございます県が九県というふうになっております。これを全国の平均年齢で申し上げますと、これは五十四年度末の状況でございますが、小・中学校の一般教員について言いますと、男子の退職勧奨年齢が五十九・一歳、それから女子が五十八・三歳で、差が〇・八歳というふうになっております。それから、高等学校関係で申しますと、一般教員で男子が五十九・八歳、女子教員が五十九・〇歳ということでございまして、その差異が同じく〇・八歳という実情にございます。
○粕谷照美君 文部省は非常に頭脳的な答弁をしていらっしゃいます。私は、もっとびしっと、勧奨退職について女子が何歳、男子が何歳、その差一番大きいのは何歳、こういうことで答弁をしていただきたい。
○説明員(国分正明君) 県によりまして、ただいま申し上げました十県、あるいは九県というのも差異がございますが、年齢差の一番大きいのは、義務制で申しますと五歳というのが一番大きゅうございます。それから高等学校関係で申しますと、同じく五歳というふうになっております。
○粕谷照美君 具体的な県名を挙げてもいいのですけれども、確かに文部省がおっしゃるように、たとえば鳥取県では男子は五十八歳、女子で共働きの人については五十三歳、これが勧奨年齢でありますね。島根県も、隣接県でありますからならっているのでしょう、同じであります。その他、香川だとか、徳島だとか、愛媛だとか、それぞれ三歳あるいは四歳、二歳と、この勧奨退職に年齢差があるわけです。二歳の差はいい、五歳の差はだめだということではないと思うのですね、この考え方から言えば。文部省はこういうものについては、一体どのような指導をなさるのですか。
○説明員(国分正明君) 退職勧奨年齢の定めにつきましては、任命権者が都道府県の教育委員会でございます。したがいまして、それぞれの都道府県の教育委員会によりまして、当該県の教職員定数の状況とか、あるいはまた年齢構成であるとか、あるいは退職後の生活の状況とか等々、諸般の要素を総合的に勘案して決定しているところでございます。 文部省といたしましては、単に女子であるということのみを理由といたしまして、男子との間に差を設けることは適当でないというふうに考えております。
○粕谷照美君 適当でないと言ったって、具体的にあるのに何も指導しないでいるのはおかしいじゃないですか。しかもその勧奨退職のやり方が、県の教育長だとか、地域の教育長が出てきて、実に残酷な、人権侵害のような言葉を使って婦人を退職させているのであります。教育の場でこのようなことが行われるということは、非常に問題があると、こう考えています。 いまここに、すでにもう五年くらい前になりますけれども、昭和四十六年の十一月十三日、鳥取県の人事委員会に、この差別を受けた婦人が提訴をしています。その提訴の私は議事録を読んでみたんですけれども、ほんとにもう何ということを言うのかと思うような話があります。たとえば、余りにつらくて遺書を書いた、弟と新聞社に。そして、マスコミに発表してもらいたい、こういうことを言っています。また、校長や教育委員が大声を張り上げて、おまえは害毒を流す人間だとか、社会の基準から外れた人間だとか、腐れガキだ、ぼろぞうきんだなどと、ありとあらゆるばり雑言を発しています。そして連日の軟禁や強迫に動悸が打って胸が痛んで食事がのどを通らない、呼び出しておきながら旅費も出さない、特にまた一番私が何といいますか、もう胸が痛かったのは、南無妙法蓮華経のお札を自分のスーツの背中に張ってそして出席をした、こんなような状況で、婦人教師が痛めつけられている。だんだん婦人の闘いも前進してきましたし、国際婦人年以来だんだんそのようなことが、上からの指導がありまして、これほどひどい言葉を吐くような人たちはいなくなりましたけれども、それでもなおかついま厳然どこのような差別があるのです。その勧奨を受けたときにやめませんで、男性の勧奨年齢でやめても、この人には勧奨退職金が支給されません。その金額は五百万円から六百万円であります。これだけの婦人差別をつけておいて、文部省は黙っているという手はないというふうに考えるのであります。ぜひ厳しい御指導をいただきたい。特に県の教育長は、文部大臣が面会して承認しなければならないなどということを言っているような状況でありますから、そういう婦人差別をつけるような教育長については、もう承認をしていただきたくない、こういう気持ちでいっぱいであります。そのことは昭和四十九年度の決算に関する参議院の警告と、その警告に対する内閣のとった措置、これが出ておりますけれども、「婦人労働問題につきましては、雇用における男女平等に関する調査研究等を行うほか、男女同一労働同一賃金の原則の徹底を図るとともに、若年定年制、結婚退職制等の解消のため、強力な行政指導を行っているところであります。」、こう答弁をされているのでありますけれども、どうも私どもの目には強力な指導が行われているというふうには考えられないのであります。 さて、そういう実態も一つありますけれども、次に地方自治体についてお伺いをいたします。 地方自治体において、今度は退職も含めますけれども、採用などについて、こういう差別はもうなくなったでしょうか、どうでしょう。
○説明員(中島忠能君) 私たちの方で調査したところによりますと、五十三年の四月一日現在で、教員とか警察を除きます一般職員の中で女子職員の占める割合は三〇・八%でございます。ところが五年前の四十八年の時点では二八・八%でございますので、その間に二%ばかり女子職員の占める比率が上がっておるというふうに思いますので、一般的な私の答弁といたしましては、女子職員の採用に当たっての差別といいますか、そういうことは現実にそれほどないと思いますけれども、そういうことが解消されておるんじゃないかというふうに思います。 それから勧奨退職のことでございますけれども、先ほど文部省の方から話がございましたように、私たちといたしましては、単に女子であるからということで差別をするということは避けるようにということは、もうかねがね口を酸っぱくして指導しております。私たち年間に大体地方団体の人事担当者を集めて研修会をやるとか、あるいは会議をやるというのが相当数ございまして、年間に千人以上の人事担当者を集めて指導しておりますけれども、そういう席上でもこの男女差別の問題については特に問題意識を持って指導しておりますけれども、先ほど先生がお話しになりましたように、四十八年、九年ごろでしたか、大阪市の交通局の事件とか、あるいは最近では鈴鹿市の話がございましたけれども、そういうような事例がございますと、そういうような事例というものを具体的に取り上げまして、そういうことの解消方につきまして私たちはできるだけ精いっぱいの努力をしているところでございます。
○粕谷照美君 問題が起きてきたら指導するというのでは困るのでありまして、もっと積極的に足を運んで探してみるということも大事なんじゃないんだろうか。私は、ちょうど昨年秋田のある市に行きまして、幼稚園の主任保母さんとお話をしましたら、ここではもう五十一歳になるとやめなきゃならないんです、こういう話を耳にするわけであります。決してそういう方々は表に出てきません。小さな町で行政に抵抗して、闘って、そうしてなおかつ平和に一生そこに過ごしていこうなんというのは、相当の決意がなければできないからであります。私はいまの御努力そのものも認めますけれども、しかし実態はそんなものではないということをまず申し上げたいと思います。 まず、ここに自治労の資料があります。自治労婦人部の資料ですが、十分に統計が上がってこなかったということを反省しながらも、女を採用しないという市が六つ、町村が百八十ある。それから、女が男子よりも上回って採用されたというのが十四市、五町村あるけれども、そのほとんどが保母と看護婦と学校給食調理員で、その他の事務などについては男子が採用されたという統計でありますし、勧奨退職年齢についても、相当の数の差別がある。ひどいところでは、男五十五、女四十五歳というのが六町村ある。あなたの御報告とは実際は違っているということが明らかになっているわけであります。そして、職場結婚、出産、夫の職制登用、こういうような問題も現に理由として出されているという実態があるわけですから、もう少しえぐり出していただきたいと思います。 また、ここに、私の友人が全部の県に採用試験案内、これを出しまして取り寄せました、そして全部分析したのがあります。初級、中級、それからこれは上級と、こういうふうになっていますけれども、やっぱり差別があるんですね。そして、その中でどうしてもわからないのは、事務A、Bと、ほとんどがこういうふうになっていますが、Aが男性であったり、Aが女性であったりすることはあっても、そのそれぞれに男子にふさわしい、女子にふさわしいと、こういうのが書いてあるわけですね。一体事務について、男にふさわしい事務というのは何か、女にふさわしい事務とは何か、このことが少しも明確になっていません。仕事の中身の説明の中にも、男子向き、これは渉外的だとか、あるいは検針等なんて書いてあります。女子向き、これはもう女子はタイプだとか、会計だとか、秘書だとか、こういうのがあります。警察なんかにおきましては、交通巡視員というのは女に限る、こういうことが書いてあるわけで、この辺のところも問題点ではなかろうかというふうに思いますし、たとえば上級職になりますと、薬剤師については男子のみと、こう書いてあるところもあります。薬剤師は女子、男子どちらでも結構だという県もあります、たとえば茨城県のように。それから獣医師なんかについても、男子のみと、こういうところが石川県だとか、佐賀県があります。獣医師について、男子でも女子でもよろしいという県もあるわけでして、私はどちらがいいかということはもうすぐ御判断いただけるというふうに思いますけれども、こういうことは婦人差別撤廃条約の十一条違反であると、こういうふうに考えているところであります。指導しましたとおっしゃっても、その指導はどのような指導であったのかということも明らかにしていただいて、たとえば文書で出したとか、そのようなことも、この次のまた質問をいたしますので、御報告をいただければ、非常に幸せだというふうに考えております。 長官に最後にこの問題についてお伺いをするわけでありますけれども、婦人問題企画推進本部に入っている各省庁で、このような婦人べっ視の状況が現にあるわけであります。母と女教師の会という会の方々が、昨年秋、長官にお目にかかって、何かそのようなことについてお話をしたら、長官が、いまどきそんなことがあるのですかと言ってびっくりしておられたということを私に後で話ししてくれた方がいらっしゃいます。あるんですね。それで各省庁がこのような姿勢であっては、どんなに労働省が各企業に対して婦人差別をなくしなさいと、このように指導しても、お役所がそうなんだもの、お役所の言うことを聞いていられるかということになるのではないかと、こう思うのであります。長官の御決意をお伺いしたい。
○国務大臣(中山太郎君) 国連婦人十年の後半五カ年計画の中で、いま先生御指摘の男女不平等の問題につきましては、地方公務員におきましても、その差別の撤廃のために、全力を挙げて努力をいたしてまいりたいと、このように考えております。
○粕谷照美君 ところでもう一つお伺いしますけれども、地方公務員の御指導もぜひお願いをしたいと思うと同時に、いまの法律では婦人労働者が訴える、裁判で判決が出る、訴えた人あるいはその企業の中にいる女性に対しての差別撤廃は行われますけれども、同じことをやっている他の企業に対しては、それは裁判は権限が及ばないのであります。どうしても法律をつくって、どこのところで働いていても、女の人は同じ条件で働くことができるようにするためには、雇用におけるこの男女平等法が必要だということになるわけであります。これは労働基準法研究会の報告も労働大臣に出されておりまして、それをつくる必要があるんだと、こう書いているわけでありまして、そのことは労働省の婦人少年局が出しました「婦人労働の実情」という五十五年版の中にも明確に書いてあります。それで大臣に、この雇用における男女平等法を早くつくりたい、つくってほしいというのが婦人の願いでありますけれども、これ促進方についての御決意どうでしょう。
○国務大臣(中山太郎君) 今年は後半五カ年の第一年に当たるわけでございます。関係各省庁と十分協議をいたしまして、努力をいたしてまいるということでございます。
○粕谷照美君 十分協議をしてったって、何十年たったらこれができるのか、この目標がはっきりしないと困るんですよね。それで労働省にお伺いしますけれども、いまガイドライン作成中でありますね。そのガイドラインというのはいつごろできますですか。それから、そのガイドラインができなければ、この雇用平等法というのは着手をするということにはならないのですか。どうでしょう。
○説明員(佐藤ギン子君) 雇用における男女平等を確保するための法制化につきましては、これも含めまして、今後における男女平等確保のための方策につきまして、現在婦人少年問題審議会、これは先生御存じと思いますが、三者構成になっておりまして、労働者の代表、使用者の代表が参加しているものでございますが、ここで審議が行われているところでございます。 この雇用における男女の機会と待遇の平等を確保するためにはどうしたらいいかということで、皆様御検討いただきました結果、その平等を確保するということについては皆様の御意見が一致しておるわけでございますけれども、それでは実質的な男女平等とは何かということを明らかにする必要があるということで、先ほど先生御指摘ございました男女平等問題研究会議が発足したわけでございます。現在このガイドラインにつきましての御検討をこの会議でお願いしているわけでございますが、この問題は問題そのものが非常にむずかしいということと、この実質的な平等のあり方につきましては、いろいろな御意見がまだございまして、コンセンサスに到達するというところまでまだいっておらないわけでございまして、現在御検討いただいているところでございます。私どもといたしましては、できる限り早くこの御検討を終了していただきたいというふうにお願いしているわけでございますけれども、非常にむずかしい問題でございますので、拙速は避けたいということでお願いをしておりまして、いつまでに必ず結論が出るだろうということは、現時点では私ども事務局といたしましても何とも申し上げられないわけでございますが、できる限り早く御結論をいただくようにいたしたいと考えております。
○粕谷照美君 何も毎回毎回同じ答弁を聞きたくて私は質問をしているわけではありません。世界会議が終わりまして後の去年の十月の二十二口、第三十五回国連総会第三委員会で、赤松良子代表がこういう演説をしていらっしゃいます。「国連婦人十年後半期における重要課題として、同条約批准のため、国内法等諸条件の整備に努めることとしている。」、こういうふうに日本の決意を述べていらっしゃるわけです。外国への公式的な約束であります、意思表示だというふうに思います。もう後退は許されないのでありますから、慎重に審議をしてなどということではなしに、拙速は当然避けなければなりませんけれども、大きく前進をさせていただきたい。ただし、私も一日も早いこの法律の制定を望む一人でありますけれども、しかし何か聞くところによりますと、機会均等法などというような大枠の法律をつくるのではないかというような情報が耳に入ってまいりました。宣言的なもの、あるいは精神的なものに終わるような法律であっては意味がないのでありまして、募集から採用まで、そして雇用一切に関して働く婦人の人権が保障される強力な行政委員会、そういうものをつくらなければならないという法律をつくるように強く要望いたしまして、この件に関する質問を終わります。 次に、国籍法に関連をするのでありますけれども、ここに「沖縄の混血児と母たち」という福地曠昭さんの書いた本があります。この福地さんという方は、沖縄県教職員組合の副委員長をしておられます。それと同時に、県の教育振興会の事務局長をやっています。県の教育振興会というのは、校長会も、小、中、高、全部入っていますし、教育委員会もこれに入っていますし、PTAもこれに入っているという、そういうところのお仕事をやっていらっしゃるわけですけれども、この方が、沖縄のまあ混血児という言葉もおかしいわけですけれども、この混血児の実態を一つ一つ歩き回って拾い上げて、お母さんの話、法律的な話、生活の話など記録をしている本であります。五三%を占める基地から生まれた問題は、非常に個人的な解決がむずかしいんだということと同時に、四百組の。国際結婚が毎年行われて、百五十組の離婚相談が毎年行われている。四千人近い混血児のうちの約八〇%が非嫡出子、七五%の三千人が父親から捨てられている母子家庭だ、こういう統計も具体的に出ています。 そういう中で、この福地さんは、やっぱり教育に関係して、子供たちの立場から問題を分析していくうちに、どうしてもこれを克服していくためには、国籍法を変えて、お母さんの子供だということで日本の国籍を取るという、無国籍問題に早く政府が手をつけてもらわなければならない、こういうことを言っているわけでありますが、この沖縄の混血児の実態、あるいは無国籍の実態などについて、知っている範囲で御報告をいただきたい。
○説明員(田中康久君) お答え申し上げます。 この無国籍児の実態につきましては、私どもだけでは把握できない分野がございますけれども、私どもの入管当局の調査によりますると、現在沖縄には七十三名の無国籍者がおりますが、このうちのまず半分ぐらいは中国系の無国籍だと思われますので、残りの半分がそのほかの国々との関係で無国籍になっている人たちではないかと思われます。ただ、この無国籍者といいますのは、入管当局が把握しておりますのは、外人登録をしている範囲内でございますので、それ以外に外人登録をしていない人がどれだけあるかということは、現段階では把握しておりません。
○粕谷照美君 私はなぜ、その把握しておりませんだけで終わるのかという、その態度そのものも非常に問題があるというふうに思いますけれども、しかし今回はそのことではなくて、重点を国籍の問題に移していきたいというふうに思いますのでお伺いをいたしますが、この無国籍の人たちは沖縄県内においてどのような不利益な状況下に。あるというふうに把握していらっしゃいますか、無国籍児について考えてみまして。
○説明員(田中康久君) これは私どもの方でお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、たとえば無国籍者につきましては、学校教育の就学年齢に達したときに通知が来ないというような問題が出てくることもありましょうし、それから社会福祉の関係で、いろいろ連絡が来ないような問題があろうかと思います。
○粕谷照美君 この無国籍児の問題は、単なるそういう問題だけではないわけですね。学校の中でそういう状況に置かれているために非行に走っていくとか、あるいは健康保険に該当しないというような状態もあるわけであります。この辺のところをつかんでいらっしゃいますか、健康保険の問題はそちらでわかりますか。
○説明員(田中康久君) 私どもの方では具体的なことはわかりかねます。
○粕谷照美君 わからないのでは困りますね。こういう子供たちに対しても憲法を該当させよう、いろいろな努力が国会の中で行われまして、法律改正になったりしているわけですけれども、しかし健康保険で言えば、五十二市町村のうち、十八は適用されるけれども、適用外が三十五もあるわけです。そういう子供たちが病気になると、大変医療費が高いわけですから、その金をはじき出すためにお母さんたちは一体どうしているかという実態もつかんでいただきたいと思うのです。特にこういう母親たちは、働く場所がなくて一カ月一生懸命働いて七万円から九万円ぐらいの給料を取っている人たちです。どうして簡単にその医療費が出せるかという問題などもきちんとつかんでいただきまして、ぜひすべての子供たちに、どこの市町村でも憲法が適用されるようにという努力も、開発庁、何も沖縄がどんどん発展するというのは事業だけじゃないはずであります。そこに住む人たちが幸せに生きるという条件を整備するということも、私は任務の一つではないかというふうに思いますので、皆さんの方でお考えをいただき、それぞれの省庁と連絡をとっていただきたいと、こう思うのです。 それでは質問に入ります。 国籍法の二条を変えまして、男女両系統に改めていく。帰化については男女平等の方向でと、こういうことについてのわが党の寺田熊雄委員が法務委員会で、それは昨年の十一月の二十日でありますけれども、質問をしているわけです。この質問に対して法務省ではその方向で検討をしたいと、こういう考え方に立って、もう作業に入ってますと、そう答えておられます。それから、新聞を見てみますと、九月の十一日、各紙は、法務省ですでに法改正を検討しているという大きな見出しで、この朗報を伝えております。ところが、寺田委員の質問の五日後の十一月の二十五日、喜屋武眞榮氏からの質問に対して政府の答弁はやや後退をしているように思うわけであります。 それで、総務長官にお伺いをしたいのは、この国籍法を直していくということは、子供たちの人権と同時に婦人の差別をなくしていくという意味で非常に重要な法律になるわけであります。法務省がやる仕事でありますけれども、副本部長としての御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のように、沖縄における混血児の問題は、私も沖縄へ数回参りまして、現地でもその話をいたし、質問をいたしておるところでございますが、この問題はいままでの純血民族という考え方から、戦後の基地における日米の間の結婚から発した一つの大きな問題として、沖縄の問題でもあるわけですし、また本土全体の問題でもあると、こういうことで、国籍法の問題の解決につきましては、一日も早くそれが実るように私は念願をしておる次第でございます。
○粕谷照美君 一日も早くと、こうおっしゃいますけどね、目標がやっぱりないとぐあいが悪いわけでして、一九八五年は国連婦人の十年のその最終の年になるわけで、そこんところをめどにやられると、こう理解をしてよろしいでしょうか。
○説明員(田中康久君) 寺田熊雄委員の質問に対して、民事局長の方から答弁いたしましたように、私どもとしてはできるだけ早い機会に国籍法の改正法案を国会に出すべく努力したいと思っております。ただ、問題点がまだ煮詰まっておりません。これから問題点を詰めまして、先生方の意見を聞いたり、それから国民各層の意見を聞いたりという手続がこれから行われることになりますので、現段階でいつ出せるかという約束はできかねる状況にございますので、局長は一九八五年までには少なくとも出すという発言をしたわけでございます。
○粕谷照美君 提案をすると、こういうことで理解をしてよろしいわけですか、一九八五年までに。
○説明員(田中康久君) いま答弁いたしましたように、できるだけ早い機会に出したいという心づもりで、事務当局としては準備作業を進めるつもりでおりますが、遅くとも一九八五年までには国会に提案できるだろうと現段階では考えているということでございます。
○粕谷照美君 まだ四年もあるわけでしてね。一日も早いという長官の御答弁もありましたので、私は長官の御答弁に沿って、法務省は一生懸命に努力をしていただきたい、こういうふうにお願いをいたします。 時間がありませんので、次に移ります。 買春ツアーの問題についてです。鈴木総理が東南アジア訪問をされました。非常に重要な意義を持つ私は訪問だったというふうに思いますけれども、その訪問の前に、フィリピンでマニラの三大英字新聞の「エクスプレス」紙が、鈴木首相が現状をしっかり把握し、日本で組織される買春観光をやめさせる措置をとることが、フィリピン国民の願望であるという旨の社説を掲げたということであります。そして、フィリピンにおいては、総理が到着をしました一月の八日に、またタイでも、総理のいらっしゃる前に、日本男性の集団買春観光に対する抗議運動が行われて、それぞれ抗議の文が総理あてに出されたと、こういうことをお伺いするわけです。これは事実であるかどうか、受け取られたのか、突っ返したのか、その辺についても御承知ならばお伺いをしたいと思います。総務長官、これ把握をしていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) いま先生のお話の点は把握をいたしておりません。外務省当局が所管でございますので、そちらにお尋ねを願いたいと思います。
○粕谷照美君 それでは外務省、把握をしておられますか。——後で外務省に直接伺いたいというふうに思います。 運輸省来ていると思いますけれども、運輸省は昨年の十月の二十二日、二十九日と、衆議院外務委員会で土井たか子委員がこれらの問題を取り上げて、政府、旅行業協会に是正措置をとることを求め、具体的にいままでこれらの問題に対する是正措置というのはどのようなことが行われましたでしょうか。
○説明員(石出宗秀君) 御説明いたします。 日本人海外旅行者の不健全な行動につきましては、基本的には旅行者自身のモラルの問題があり、また旅行先現地諸国の社会的、経済的事情、その他いろいろな要因もございまして、この問題の早急な解決というのはなかなかむずかしいわけでございますが、私ども運輸省といたしましては、日本人旅行者のこのような不健全な行動が、わが国と諸外国との相互理解、また友好親善が損なわれることがあってはならないと考えておりまして、従来から政府広報等によりまして、国民一般に対する海外旅行マナーの周知を図るとか、また旅行業者に対しましては、絶対にこのような不健全な行動に関与してはならないというような指導を従来からやってまいりまして、その改善に努めてきたわけでございます。 さらに、ただいま先生から御指摘ございましたように、最近におきましても、このような不健全な行動につきましての内外の批判が後を絶たないわけでございますが、このようなことにかんがみまして、昨年の秋に再度通達を発しまして、このような不健全な、旅行対策の徹底を図るため、このような国民の不健全な行動に旅行業者が関与した場合には、当該旅行業者名、またその事案の概要等を公表いたしまして、社会的制裁を仰ぐことといたしましたほか、日本旅行業協会に対しまして、このような旅行業者に対する除名等の制裁処分を初めとします具体的な実効ある措置を講ずるよう指導したところでございます。
○粕谷照美君 いままでも昭和四十八年韓国、四十九年の五月にはフィリピン、さらにまた四十九年の八月にも、また五十一年の十二月には韓国、さらに五十二年の二月にも、また五十四年の十一月にはフィリピンの問題も取り上げて、そういうような指導が出されていますね。しかしこれ間に合わなかったですね、私は、鈴木総理がこのことについて新聞記者がう質問をされて、顔を引きつらせて答弁をされたというあの記事を読みまして、本当に何と言うんですか、憤りにたえないわけですよね。総理の重要な訪問に対して、そのような質問が出されてくるという、そこまでになぜ指導がきちっとできなかったかということは、手ぬるいのではないかという気持ちでいっぱいなわけです。そういう考え方に立ちますと、いまの御指導が果たして実を結ぶかどうかという点では大変心配をしているわけです。 一月の十三日——ちょうど一週間前になりますけれども、日本旅行業協会とフィリピンの観光協会が共同声明を発表しています。この声明の内容を説明してください。
○説明員(石出宗秀君) 御説明いたします。 ただいま先生御指摘の共同声明は、日本の日本旅行業協会とフィリピンのフィリピン観光協会が協議をいたしまして作成したものでございますが、その主な内容といたしましては、まず第一に、日本旅行業協会及びフィリピン観光協会は、明らかにセックスを目的でオーガナイズされたすべてのツアー、またはセックスが不可欠な部分となっているすべてのツアーを非と宣言する。また、双方の会員の中で、このようなツアーの販売に参画した社がある場合、双方において除名措置をとる。それから第二点でございますが、フィリピンの観光協会側から日本旅行業協会側に対しまして、フィリピン観光省と民間組織で、セックスの疑いのあるような場所へツアーバスであるとかツアーエスコート、それからツアーガイド等がツアーグループを連れて来たり、連れて行ったりということは禁止すると伝えた。それから第三点といたしまして、双方はツアーグループの行状追跡調査及び監督を主目的としましたJATA・TOP行動班を速やかに設置するのに合意したと。主な点はこの三点でございます。
○粕谷照美君 私もこの共同コミュニケの仮の訳を持っているわけですけれども、非常に何と言うんですか、コミュニケというのはこういうものかもしれないんですけれども、何か形式的な感じがしてなりません。たとえば「ツアープログラムの中でセックスが枢要部分を占めているツアーを非難した。」と言いますけれども、ツアーの目的にそんなことを書くところはないわけでありますね。それから「明白にセックスを目的として組織されたツアー」なんと言うけれども、そんなことを目的に出すところはちょっと考えられないわけです。したがって、何にも意味ない、そんなコミニュケのような感じがしてなりません。それからその中で、「それぞれの組織から除名されるということを強調した。」と、あなたがいまおっしゃるとおりであります。では除名というのはこれは効力を持っているのかどうなのか。いままで日本側ではこういうことについての除名の規定がありますけれども、除名などしたことがあるのかどうなのか。それから「フィリピンにおいては、その事業者のライセンスは取り消されるだろう。」こう書いてありますけれども、だろうということは取り消すということとは違うのであります。果たしてこのことは本当に約束されるのかどうなのか。フィリピン側がその旅行社のライセンスを取り消すということになりますと、ちょっと日本の方は何にもそういう点では触れておりませんので、果たしてあなたのおっしゃるような指導の意義、内容が徹底するものであるかどうなのか、その辺についてお伺いいたします。
○説明員(石出宗秀君) ただいまの共同声明の中で、日本側が協会の除名だけになっている点でございますが、まず、現在の日本の旅行業法に基づきますと、日本の旅行業者が仮に外国におきまして行われる不健全な行動に関与をいたしましたといたしましても、現在の日本の旅行業法には反することにはならないわけでございまして、このため日本におきましては取り消し等の処分をすることができませんので、私どもといたしましては、その事案の概要を公表し、また、日本旅行業協会におきましては、これは旅行業者の社団法人でございますが、この社団法人の定款に基づきまして、協会の規律に反するようなメンバーに対しましては除名処分をすることにするわけでございます。 なお私どもの方におきましては、今後は旅行業者に対します立入検査等を精力的に実施いたしまして、私どもの指導監督が徹底されますよう努力してまいる所存でございます。
○粕谷照美君 そういうことでわかりますけれどもね。旅行業者というのはものすごくたくさんあるわけですね。立入検査などというものができることなのかどうなのか、この心配も一つありますが、確かにこの定款の中には「会員が、次の各号の1に該当するときは、理事会の議決により除名することができる。」とあります。除名されても仕事をやることができるんだというふうに思いますが、いかがでしょう。
○説明員(石出宗秀君) 御説明いたします。 先生御指摘のように、確かに日本旅行業協会を除名されましても、旅行業法に基づきます登録はそのまま残りますので形式的には営業は存続できるわけでございますが、しかし、協会を除名されるということでございますと、非常に大きな信用失墜問題でございますし、さらにもう一つ大きな点は、日本旅行業協会のメンバーでございますと、旅行業者が旅行業法に基づきまして供託すべき営業保証金が五分の一に軽減されているわけでございますが、これが五倍になるわけでございまして、非常に事業存続上負担になるわけでございまして、もし旅行業協会を除名されるようなことになった場合には、事実工事業を存続することは非常にむずかしくなるのではないかと思われます。
○粕谷照美君 長官にお伺いしますけれども、これはフィリピンとの共同コミュニケでありますね。フィリピンがだめならタイがあるさ、最近は、ニュージーランドがあるさ、台湾があるさなんというようなことになったのでは、意味がないというふうに思うわけですよ。こういう点で、婦人の人権の尊重、こういう立場からも、私はきちっと売春問題について、特に日本男性の恥を諸外国にさらしに行くということについてはたまらない気持ちでいっぱいであります。きちんとした御指導を賜りますように心からお願いしたいと思います。御決意のほどをお伺いして質問を終わります。
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のように、最近、新聞あるいは雑誌等において、東南アジア各国における日本のこの種のツアー、これが両国の良識ある人たちの友好の気持ちを阻害しているということにつきましては、政府といたしましても大変重大な関心を持っていることでございますが、この問題は旅行に出かける人たちの個人個人の心がけということが基本にあるわけでございまして、私どもとしましては、十分そのような、旅行業者は行政指導でいろいろと処置をするという基本方針をすでに固めておりますけれども、参加される、旅行に行かれる方々の心持ちというものをしっかり持って、日本の旅行者が恥をかく、そういうことから国際間の信用を失墜するということのないように、政府としても十分配慮をしてまいりたいと考えております。
○委員長(野田哲君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 —————・————— 午後一時三十二分開会
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十二年度決算外二件を議題とし、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○峯山昭範君 それでは、初めに官房長官にお伺いをいたします。 イランの人質の問題でありますけれども、昨日、本日の報道等によりますと、一年二カ月に及ぶ人質の問題が解決しそうな兆しが出ておりまして、五十二名の人質が解放されるように聞いておりますんですが、イランと米国との合意も成立したということでありますが、人質交換のゴーサインが、何か聞くところによりますと、本日の午後五時ごろと聞いているんですけれども、これは本当かどうかわかりませんが、そういうことを含めまして、現在日本の政府はどういうふうな情報を確認していらっしゃるのか。それから、この問題について官房長官としてのお考えをお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) ごく三十分あるいは一時間前の情報ということでございましたら、あるいは事務当局が補足を申し上げることができるかと存じますが、私が先ほどまで承知しております限りでは、大筋の合意ができたことには間違いないようでございますが、その細部の問題について、なお詰めを行っておるということ、そしてそれが完了いたしますと、完了した旨の発表がアルジェリアによって行われ、それを受けてカーター大統領が記者会見をするという予定であるということをワシントンから申してまいっております。他方、アルジェリアのわが国の大使館からは、アメリカの国務省のクリストファー国務副長官が、アルジェリア政府といわゆる詰めについて交渉中である、その詰めが終わったときに、アルジェリア政府がそれを公表する、その公表の時間がすでに数時間過ぎておるけれども云々というようなことでございましたので、恐らくその細部の詰めというのは、実体問題でございますよりは、翻訳でございますとか、あるいはごくごく技術的なものだということではなかろうかというふうに事務当局から聞いております。 わが国といたしましては、米国がすべての事態の確認を終わったということで、カーター大統領の声明なりなんなりございます時点におきまして、わが国といたしましても外務大臣談話を発表いたしまして、それによりまして手続を経て、イランに対してとってまいりましたいわゆる経済措置の撤回についての政府の方針を明らかにするという予定をいたしております。
○峯山昭範君 そうしますと、その詰めにつきましても、いま長官のお話によりますと、大体技術的な問題であってということでありますから、もう大体きょうじゅうにこの問題がゴーすることはほぼ間違いないと思うわけでありますが、大臣、いま後段でお述べになりましたイランに対するいわゆる経済制裁の問題ですけれども、わが国はEC諸国と回調いたしまして、昨年の六月からその経済制裁の措置をとってきているわけであります。具体的に申し上げますと、イラン向けの輸出を通産相の承認制とした輸出貿易管理令、あるいは、二番目にイラン向け仲介貿易を通産大臣の承認制にした輸入貿易管理令、それから三番目にイランヘの役務提供を大蔵大臣の許可制に切りかえた等いろいろあるわけですが、こういうふうな制裁措置の解除、これはやっぱりそれぞれイラン当局並びにカーター大統領の声明等と合わせて、日本当局も具体的な措置がとられるであろうと私は思うんですけれども、そこら辺の見通し、あるいは考え方、これからどういうふうなあれでこういうふうな解除をやっていくのか、そこら辺のところあわせてお願いしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) これらの措置がイランが人質をとったということに対して行われた措置であることは明白でございますので、その事実が解消いたしました時点において、これらの措置を撤回するということも、基本的には私は疑いを入れないところであるというふうに考えております。いろいろ技術的にそれらの輸出あるいは輸入等の管理令を普通の状態に戻しますために、いろいろ技術的な問題はあろうと思いますけれども、基本的に人質に関してとられた措置でございますから、事態が解消した場合には、それを正常化するということは当然のことであろうと思います。 その間に、もとより米国なり、EC諸国と連携をとってやったことでございますから、通報するなりなんなりのことは儀礼上要るかもしれませんが、これはお互いに同意をしなければならないという性格のものではもとよりないと思いますし、なお現実の問題としてイランとイラクが交戦状態にあるのは御承知のとおりでございます、その点について、そこから出る問題はございますかもしれませんが、それは別個の問題でございまして、人質の状態が解消した時点においては、これに関してとられました経済措置は、正常化するのが当然である、それが政府の基本的な考え方でございます。
○峯山昭範君 この制裁措置を解除するに当たりまして、具体的な手続、これは大体どういうような手続をとるんでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私そこまで十分でございませんが、閣議決定を要するものが幾つかあるのではないかと思っておりますが、そのこと自身はしかし内容的には複雑なものではなかろうと考えます。ちょっと事務当局おりませんのでございますが、重い場合でも閣議による決定で済むのではないかと考えております。
○峯山昭範君 閣議ということになりますと、あす予定をしていらっしゃるわけですね。きょう具体的な手続がとられ、実際ゴーサインが出て、両方から声明も出され、正常化された場合に、これはあしたの閣議で具体的に話し合いが出されるということはもう当然だろうと私思うんですが、そこら辺のところはどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと実は事務的に私明るくございませんので、十分なお答えができないかもしれないと思いますが、これらの輸出貿易管理令あるいは輸入貿易管理令というもので、いろいろな経済行為を制約しておるわけでございますが、現実に、ただいままでにこういう商談があって、この令を廃止すれば直ちにそれがあしたから動けるというような、そういう流れには恐らく私はなっていないのであろうと考えておりますので、もとよりじんぜん日を過ごすということを申し上げておるのではございませんけれども、半日とか一日とかいうことが、それほど重要な意味を持つものではあるまいと想像をいたします。ただ、しかし、事の性質上、事態が解消いたしましたときには、速やかに正常な事態に戻すのは当然であろうと思いますので、できるだけ急いでそれらの行政措置はいたすべきものと考えております。
○峯山昭範君 この問題はこのくらいにしまして、次に、鈴木総理が東南アジア——ASEAN諸国をいま歴訪しておられるわけでございますが、これ非常に鈴木総理にとりましては、先日の官房長官のお話によりますと、先般の予算編成以来第二の試金石であるとも長官おっしゃっておられるわけですが、非常に重要視しておられるようでありますが、ASEAN訪問のいわゆる成果、これはどういうふうに官房長官お考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 鈴木総理は今日タイにおられまして、きょう現地時間で午後、このたびのASEAN各国訪問の総括的な内容を盛りました所信を内外記者団に発表するという予定をしておられます。 ただいままでのところ総合的に判断をいたしまして、まず総理大臣の就任最初の旅行先としてASEANを選んだということについては、一般的に好感を持っておられるように理解をいたしております。 第二に、鈴木首相と各国首脳との間で、両国間の問題並びにアジア、世界の問題について討議がおのおの行われておりますが、それらはいずれも友好的であり、かつ率直であったと承知をいたしております。 また、それらの機会を通じて、お互いに首脳同士が個人的に知り合ったと。御承知のように、何時間かの会談、レセプション、ディナーというふうに、何度か繰り返し短時日の間に会見が行われますので、比較的短い時間に知り合いになることが可能でございますが、そういう機会があったということ。次に、これらの機会を通しまして、わが国が従来からいわば一年ごとにやっております経済協力につきましても、各国と具体的な数字を挙げて合意ができてまいったこと。なお、それに関連して、各国の中に農業に関する技術協力、経済協力についての要望、それに応じるわが国の用意等々が従来よりも今回かなり目立って話題となったこと等々は、今後のASEANとわが国との関係を考えます上でも、有意義であったのではないかと思っております。 総じてこのたびの首相のASEAN訪問によりまして、これらの国々とわが国との関係がさらに緊密の度を加えるであろう、そのことはお互いにとって喜ばしいものであるというふうに評価をいたしております。
○峯山昭範君 今回のASEAN諸国の訪問につきましては、いまお話しございましたように、それぞれの国との相互理解を深めるという意味では、非常に重要な訪問であったと私も思います。しかし、実際問題として総理が約束をされたいわゆる技術協力、経済協力、これは私たち新聞紙上で見るだけでも、相当なものがあるんじゃないかと、こういうように思っております。経済協力は当然必要でありますし、重要な問題でありますけれども、これはやっぱり約束だけして、実際にいろんなひもつきであったり、いろんな問題がいっぱいあるんじゃないかと私は思うんです。そういうふうな意味も含めまして、この経済援助のあり方等も含めて、これはお帰りになったら国会の方にも具体的には御報告になるであろうと私は思いますけれども、そこら辺の問題については、官房長官はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般に二国間で従来からやっております経済協力関係は、具体的ないわゆる計画の内容等々が、かねて外交チャネルでかなりはっきりわかっておりますものの中から対象を選んでおりますために、毎年まずまず順調に消化をされておりますが、そうでない、まあいわゆる毎年度ベースでないもの、たとえばASEANプロジェクトと言われましたような、肥料工場等々の建設、各国に一つずつというようなことになりますと、いわゆる十億ドルと言われたものでございますが、やはり各国の間で何をやるべきか、どこに立地すべきか等々の問題で、ただいま峯山委員が言われましたように、現実に具体化するのに時間がかかっておりますわけで、毎年やっておりますものはお互いにやりなれておりますが、このようなものにつきましては、なおやはり両方の意思をもっともっと具体的に確かめ合いませんと、約束だけはしたがなかなか実現しないというような例を残しやすい、そういう問題はやはりあるように観察をいたしております。
○峯山昭範君 それでは次に、これは先ほどちょっと議論になりました例の建国記念日の問題でございます。これは先ほど官房長官からも御答弁いただきましたが、非常に私重要な問題をはらんでおりますので、一言だけお伺いしておきたいと思いますが、これは国民の祝日に関する法律に基づきまして、建国記念日できましたのが昭和四十一年でございますので、もう十年余りたっているわけであります。ここに来ていわゆる文部省が後援というふうな問題を持ち出した背景ですね。これは官房長官直接担当じゃございませんが、官房長官とも御相談は十分されていらっしゃるみたいに新聞の報道によりますとなっているわけでありますが、その趣旨ですね。これは官房長官、どういうふうに受け取っておられるわけでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 実は、それほど詳しく文部大臣から御連絡を受けたわけではございませんでしたが、すでに総理府が後援をしておることでもある、文部省としても後援をしたい、事務当局とも相談をして、そういうふうに考えるかどうかという文部大臣のお話であったと思います。私は、主務大臣としてそういうふうに御判断であれば、それは一向に私として異存を申す理由のないことであると、こういうふうにお答えをいたしました。 どのような経緯でそういうことを決心されるに至りましたか、実はつまびらかには承っておりません。
○峯山昭範君 これは文部省のお話によりますと、きょう文部省の方は私呼んでおりませんので、お見えになっていないと思いますが、新聞報道によりますと、官房長官、申請の趣旨が、今回もこの中身が、一番目に政治色、宗教色がない、それから二番目に営利を目的としない、それから三番目に国民的立場で祝う、こういうふうな三点の意味から後援を決めたと、こういうふうになっているわけであります。そういうふうな趣旨の意味の説明は官房長官にはあったんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとつまびらかでございません。そこまで言われましたかどうか、はっきり記憶をいたしておりませんが、いま報道としてお伝えになったようなこと、いかにもそうかもしれないなと思いますが、私にそこまでお話があったかどうか、正直はっきり記憶はございません。
○峯山昭範君 どうもなかなか議論しにくいわけですけれども、たとえそうであったにしましても、これはやっぱり非常に問題があるわけです。どういうことかといいますと、祝日を祝う運営委員会があって、運営委員長さんがいらっしゃって、それで運営委員会のメンバーがいらっしゃって、そしてそこが文部省へ申請しているわけですね。これはぜひ官房長官聞いておいてもらいたいわけですけれども、確かに宗教色はない、あるいは営利を目的としていないということであったにしても、その会に所属している、あるいはそれを推進している人たちという人たちの日ごろの言動、並びに日ごろ言っていること等をずっとつなぎ合わしてみると、必ず宗教色、いわゆる政治色というのがもう明らかにあるわけですね。そういうふうな意味で、これは非常に大きな問題があるというのが一つです。 それからもう一つは、文部省がこれをやるということは、文部省は本当にこれは義務教育——小学校、中学校初め、児童、生徒の教育に携わっているわけですね。そういうふうな意味では、これはやっぱり建国記念日そのものについては、賛否両論があるという話は先ほどもありました。そういうふうないろんな意味から、文部省がそういうふうな問題に立ち入るということは、それなりに私は問題があると思うんです。そういうふうな意味で、やはり私は慎重に取り扱うべきではないかと、そういうふうに思うわけですけれども、官房長官、どうでしょうかね。
○国務大臣(宮澤喜一君) 第一義的には所管大臣である文部大臣が御判断になるべきことだと考えます。私としては、文部大臣がそのように判断をされましたときに、私が別にほかに強い理由で、それは御再考をというふうに考えましたら申し上げるところでございますけれども、私自身、特に強い理由で御再考をお願いしなければならないとは考えませんでしたので、所管大臣である文部大臣の御判断を尊重をいたしたわけでございます。
○峯山昭範君 この問題は、当該所管大臣がいらっしゃるときにやるべき問題でしょうから、そういうふうにしたいと思います。 次に、もう一点非常に重要な問題として、最近の豪雪であります。 東北、北陸、信越地方を中心にいたしまして、大変な豪雪になっているわけであります。総理大臣おりませんで、中曽根長官が総理大臣を代行していらっしゃるわけでございますが、今回の豪雪は昭和三十八年の三八豪雪以来という大変な豪雪になっているわけであります。直接の被害だけでも一千億を超える、こういうふうに聞いているわけでありますが、今回の豪雪の被害状況とか、あるいは今後の降雪の見通しですね、そして政府としてこの問題についてどういうふうに取り組んでいこうとしていらっしゃるのか。直接の所管は国土庁長官であろうと思いますが、きょうは鈴木内閣の中核でいらっしゃる三人の大臣がいらっしゃるわけでございますので、この問題についてどういうふうにお考えか、一遍ちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでは、最初に被害状況につきまして、政府委員からお聞き取りをお願いいたしたいと思います。
○説明員(城野好樹君) ただいまお話がございました、十二月中旬からの豪雪による災害の状況について御説明を申し上げます。 現在までのところ、昨日の老人ホームの犠牲者を含めまして、死者六十一名、負傷者三百九十七名、建物の損壊等が約二千戸、罹災者は千五百名、国鉄の不通区間が四つほどということになってございまして、各県で、災害対策本部を置いております県が十県、市町村で三百十八市町村でございます。 政府といたしましては、一月の九日の日に、豪雪災害対策本部を設置していただいておりまして、国土庁がその事務局として諸般の対策を講じておるということでございます。 見通しにつきましては、同本部で気象庁の方から聞き取りましたところによりますと、ことしの冬型の気圧配置は依然としてございまして、断続的に相当の今後降雪が見込まれるということでございます。 当面の対策といたしましては、何としても冬季の交通を確保するということでございますが、雪が多いかげんで、きょう現在では孤立の集落と申しますか、それが約千七百戸分ございます。これの除雪に全力を挙げておるという状況でございます。そのほか、生鮮食料品の確保でございますとか、燃料の確保というようなことに全力を挙げておるという状況でございます。
○峯山昭範君 これは、政府の豪雪対策本部長さんはどなたですか。
○説明員(城野好樹君) 国土庁長官でございます。
○峯山昭範君 それではこの救援対策、いまちょっとお話ございましたけれども、具体的にどういうふうな対策を進めておられるのか、これもちょっと一遍聞いておきたいと思います。 私たちも、現地に大分議員みんな手分けして飛んで、いろいろ激励やら何やかやいっぱいやっておりますけれども、先ほどもお話ございましたように、死者六十一名、負傷者三百九十七名というような大変な豪雪になっているわけであります。また、孤立している戸数が千七百戸もまだあるということでありますから、大変な実情にあります。これは官房長官、鈴木総理にはこの模様については御報告していらっしゃるわけでございますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 鈴木総理大臣とはほとんど連日電話連絡ができますので、その都度この豪雪関係の報告をいたし、また総理からは出発をいたしました翌日、閣議で豪雪対策本部をつくるようにという指示がございまして、そのとおりいたしました。
○峯山昭範君 これは実際問題として私たちが現地へ参りまして、現地から出てきたいろんな問題が幾つかありまして、これは政府委員の方で結構ですから、具体的に御答弁いただきたいと思うんですけれども、先ほどもちょっとお話ございましたけれども、一つは食料や灯油、これは非常に問題になってくるわけでありますけれども、特に食料や灯油というのは、地元の住民にとりましては大変な必需物資になるわけであります。ところが、長い豪雪のために、品薄からあるいは便乗値上げなんというのが考えられるわけですけれども、こういうふうな問題について、どういうふうに対策をとっていらっしゃるかというのがまず一つであります。 それからもう一つは、豪雪のためにいわゆる商店、企業、特に中小零細企業でありますけれども、こういうところが特に商売ができなくて、いわゆる売掛金の回収もできなくて、もっと端的に言うと営業活動ができなくて、倒産というような事態に追い込まれる可能性もあるわけであります。こういうような問題について政府は当然対策を講じなきゃいけないわけでありますが、こういう点についてはどういうようにお考えになっていらっしゃるかということ。 それからもう一つは、一般家庭の出費がかさんで、たとえば若い男性とか、そういう人たちがおって、いわゆる雪おろしや何やらができるところはいいんですが、特に母子家庭を初め、そういうことができない人たち、十分な除雪ができないために非常に弱っている、そういうようなのがずいぶんあるわけですが、こういう問題については、どういうふうに対策を講じていらっしゃるかということ。 それから、同時に屎尿処理、非常に申しわけないんですが、そういうような屎尿処理の問題、現地では非常に大きな問題になってきているというふうに私たち聞いておりまして、そういうふうな意味で、こういうふうな一つ一つの問題については、当然政府の対策本部でも何とかしなければならないということで、具体的に取り組んでおられると思いますが、本当は時間があれば一つ一つ具体的に詰めていきたいんですけれども、いまの一つ一つの問題についてはどういうふうにお考えか、一遍ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(城野好樹君) 御説明を申し上げます。 第一点は、何と申しましても除雪を推進して、孤立の集落をなくすということでございまして、現在の時点では、延べでございますが、約四万人くらいの自衛隊の災害出動、これは都道府県知事の要請に基づくものでございますが、それを実施し、また、あらゆる防災関係機関が全力を挙げて、除雪に従事しているという状況でございます。 孤立の集落につきましては、先ほど御報告を申し上げたとおりでございますが、これらのところで、先ほどの生鮮食料品もしくは燃料というようなものが困難をしておるところにつきましては、自衛隊のヘリコプターでもって、それらの物資の輸送に当たるという方針で順次実施しておるところでございます。 また、鉄道はかなりの間引き運転、もしくは運休ということがございますが、幹線道路につきましてはほととんど通じておりますし、市町村の中心部までは道路交通が曲がりなりにも確保されておるという状況でございまして、現在のところ経済企画庁、通産省等の報告では燃料、生鮮食料品等の便乗的な値上げはいまのところ見られないということでございます。今後ともこれらの物資の確保には万全を尽くしてまいるということであろうかと思います。 それから、第三番目の点でございますが、老人家庭、母子家庭というようなものにつきましては、市町村の方で連絡員というものを置きまして、屋根の雪おろしを手伝うというようなシステムを相当のところでとっておりますし、それでもなおいけない場合には、先ほどの自衛隊の災害派遣で対処するという方向で、現地で指揮をとっていただいておるわけでございます。 なお、屎尿の点につきましては、道路交通の確保ができておるところにつきましては、できるだけ搬出をするということでございますが、一部の地域におきまして、それらの困難が報告をされておるという状況にございます。 資金対策でございますが、主に中小企業の資金につきましては、中小企業庁の方で災害を受けられた方につきましては、災害復旧の災害貸し付けを政府系の機関で実施する。また、いまの運営の面で非常に困難だということで、これは体質強化資金を使いまして、県の方でそれらの資金融通を行うということで、それを国の方もお助けするという方策をとっておるわけでございます。
○峯山昭範君 これはいまお伺いをしましたけれども、相当力を入れてやらないと間に合いませんし、中小企業庁の融資を云々と言っていますけれども、それだけで間に合うのかどうかということもありますし、相当繊細な手当てをしないと間に合わないと私は思います。 そこでもう一点だけ。もう一つはこの豪雪に伴ういわゆる危険個所とか、なだれとかいろんな問題があるわけですけれども、やっぱり地元に正確な情報提供ということが非常に大事になってくるわけですけれども、こういう点についてはどういうふうになっているのかというのが一つ。それからもう一つ、昨年の暮れですけれども、仙台を中心にして大きな停電があったわけですね、そういうふうな雪と風とまたいろんなこういうふうな寒さと、複合的な影響を受けまして大きな事故が起きるわけですけれども、そういうふうな面について、十分この対策が行われているのかどうか、こういう点もあわせてもう一回お伺いしておきたいと思います。
○説明員(城野好樹君) 先ほど御説明を申し上げましたように、各市町村、県それから国のレベルでそれぞれ対策本部が設置されておりまして、その間の電話、無線通信等による通信は現在のところ常時確保されておりますので、それらの情報は刻々災害対策本部に集まってくる仕組みになってございます。必要に応じてそれぞれ関係各省で連絡をとり合いながら、対策を講じておる実情にあるわけでございます。
○峯山昭範君 それじゃ最後に、中曽根長官。これは今回の豪雪は非常に大変な豪雪であるというのは、実情私が説明するまでもなくいまいろいろ説明がございました。政府としても対策本部を設けてそれぞれ取り経んでおられるわけでございますが、最後にこの問題について政府としてのこれからの対応ですね、鈴木総理も近日お帰りのようでございますけれども、そういう点を含めまして、この豪雪に対する政府の基本的な考え方、姿勢、細かい問題を言えば切りがないぐらいいろんな問題があるわけでございますが、こういう問題を解決するために、政府としてもそれなりに全力を挙げて取り組んでいただきたいと私は思っているわけでございますが、そういう点を含めて政府の考えをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の豪雪は、昭和三十八年以来の未曾有の豪雪でございまして、特に福井県、富山県、新潟県等が被害が甚大のようでございます。 私は、まず関係市町村長以下議員の皆さんや第一線の皆さんが、この冷たい吹雪の中を冒して、一生懸命住民のためにお働きになっていただいており、あるいは国鉄の職員にいたしましても、あるいは自衛隊の諸君にいたしましても、対策本部の意を体しまして、懸命なる努力をこの間払っていただきましたことについて、厚く感謝を申し上げる次第でございます。 なお、政府といたしましても、対策本部を早速つくりまして、特に孤立している部落の救援にまず全力を注いで、食糧、燃料の投下等を実施いたしました。それから、幹線道路の警戒を力を入れまして、できるだけ早期に幹線道路だけは自動車が通れるように力をいたしたところでございます。なお、そのほか各党等のお見舞いもあり、現地も非常に元気を回復いたしまして、懸命なる努力をいたしました結果、大体豪雪対策は順調に推移しているようにいま伺っております。しかし、局所的には不幸な事件等がありまして、まことに申しわけない痛ましいことでございましたが、お見舞い申し上げる次第であると同時に、今後を戒めてまいりたいと思っております。 なお、気象庁の予報等を見ますと、この月末にかけまして、次第に北の方へ豪雪地帯がまた広がるかもしれぬという、そういうような情報もございますので、それらの点につきましてもあらかじめ万全の準備をなすように指示しておるところでございます。 今後とも政府を挙げまして大いに努力する所存でございます。
○峯山昭範君 それでは次に、行政改革と、それから国庫納付金の問題についてお伺いをしたいと思います。 昨年の十二月の二十九日に閣議決定をされました「今後における行政改革の推進について」という冊子を私もいただきまして読ませていただきました。活字はたくさん書いてありますけれども、中身は大臣が行政管理庁長官に御就任になった当時とは大分薄められてきたんじゃないかなあという感じが私はしているわけでありますけれども、その行政改革そのものの問題につきましては、また別の機会に質問をするといたしまして、特に特殊法人からのいわゆる国庫納付金の問題でございます。この問題は非常に重要な問題でありますし、基本的な問題を含んでおりますので、きょうは特に電電公社の納付金の問題について、中曽根大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。 これは、結局、現在のいわゆる財源不足の時代に、財政再建という意味から、政府としましてもいわゆるどこかで財源をひねり出してということで相当苦労していらっしゃるのはよくわかるわけでありますけれども、実際問題としていろんな問題があります。私は、今度起きました電電公社のいわゆる近畿電気通信局を中心にいたしましたあの不当な出来事、あれがなかったら、本当にこれがすんなりいったかどうかということは問題じゃないかと私は思いますけれどもね。それはそれとしまして、特殊法人のいわゆる電電公社の納付金という問題ですね。これはまあ中曽根長官が考え出されたのか、あるいは大蔵省からそういうあれが出てきたのか、私は詳しくは知りませんが、この問題についての中曽根長官の基本的な考え方について、初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、行政管理庁長官に就任いたしましたとき以来、特殊法人の経営実態の見直しということを冒頭から申し上げまして、八月、九月にかけまして、堀内政務次官を中心に精査したところでございます。 これは、行政改革という観点から経営実態の見直しを行う、そういう点と、綱紀の面からもまたあわせて見てみる必要がある、そういう両方で実態の見直しをやったところであります。しかるところ、特殊法人の中には、収益差額をかなり持っているところもございますし、あるいは引当金等におきまして民間の会社、あるいは金融機関等において引当金を相当国庫に出したことがございます。それは五十五年の税制改革で約四千五百億円ぐらいたしか法人側は出したと思いますが、そういうようなことも考えまして、特殊法人においてこの際そういう引当金等で国庫へ納付することがしかるべきと考えられましたものについては、財政再建の折から協力をしていただこう、そういう考えを持ちまして、さらに精査を進めた次第でございます。 電電公社におきましても、その一環として調べたわけでございますが、いわゆる収益差額というものがかなり出ておりまして、そして五十四年度、五十五年度、五十六年度等の経営等を見てまいりますと、この程度の御協力を願っても、経営には支障を来さない、そういう確信を持つ情勢が出てまいりましたので、臨時特例の措置として国家財政に御協力を願う、そういう措置をとった次第でございます。これは臨時特例の措置としてやった次第なのでございます。
○峯山昭範君 この特殊法人のいわゆる国庫納付金につきましては、もうすでに専売公社とか、あるいは中央競馬会というふうなところがよく知られているわけでありますけれども、その他の特殊法人、たとえば住宅公団とか、それから鉄建公団、その他各種の公庫等も利益が上がった場合の納付金が法律で義務づけられているところもあるわけですね。しかし、政府としては国が出資している特殊法人の中で、収益性のある事業をしているものについては、利益の一定の割合を国庫に納付させることを原則としているようなんですね。しかし、本来特殊法人というのは、国の政策としての事業を行っているわけでありますから、利益を上げるということを目的とはしていないわけですね。そういうような点からいきますと、公庫、公団等からの納付金は、現実の問題としては、専売公社とか、中央競馬会とか、そういうようなものを除けばないというのが実情なんですね。したがって、行政改革の立場から、これらの特殊法人を今回全部精査されたわけでありますけれども、当然精査の必要性というのは私は認めるわけです、当然必要だろうと思います。しかし、実際問題として精査した中身、事業をやって、たとえば電電公社の場合でも、納付金とは別に、いわゆる事業の中身、あるいは効率性、そういうような問題については当然もっと早く手を入れてもいいんじゃないかと感じはするわけです。しかし、そういうふうな意味で、特殊法人を指導をするということは、当然ばくは必要だろうと思うんです。しかし、そういうような特殊法人からいわゆる利益が出た場合は、その利益というのは、やっぱり原則的には利用者に還元をするというのがやっぱり第一に考えるべき性質のものではないか、そういうふうに私たちは考えるわけです。そこで利益が上がったからといって、直ちに国庫に吸い上げてしまうと、こういうふうな、先ほど大臣は臨時特例とはおっしゃいましたけれども、そういうふうにして、国庫に吸い上げてしまうと、そういう考え方、発想、これは電電公社のいわゆる法律ができたときのいきさつ等から考えてみましても、やっぱり本筋からちょっと外れているんじゃないかと、そういう気もするんですけれどもね。そこら辺のところについては、大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 特殊法人はおのおのの目的、あるいは機能というものが法律等で決められておるわけでございます。その中には日本銀行のように納付金、あるいは専売公社のように納付金、競馬会のように納付金制度を伴っておるものもございます。電電公社の場合にも、納付金制度を創設しようと思いましたが、国会で修正を受けてそれは取りやめになったと、こう聞いております。したがいまして、そういう経緯等もよく考えてみまして、実態の見直し等も行った次第でございます。しかし、ともかく剰余金と称するものがかなり大幅に出ているという現実を見ますと、経営に支障を来さないという保証がつくならば、その範囲内でこの際財政窮乏の折から国庫にも協力していただこうと。前年には、すでに昭和五十五年度におきまして、いわゆる税制改正等によって、法人の内部留保等も相当いわゆる優遇税制の是正ということで召し上げておるわけでございます。そういう事々等も勘案いたしまして、この財政窮乏の折から、臨時特例の措置として、その経営を損なわない範囲内において協力してもらおうと、こういう措置をとったわけなのでございます。
○峯山昭範君 大臣、これは電電公社の国庫納付金の問題につきましては、いま大臣もちょっとおっしゃいましたけれども、昭和二十七年に法律が成立しましたときに、原案には六十一条に納付金の制度が記載されていたわけですね。そしてその後、衆議院の審査の過程で、本文の中にあったのをただし書きの方に変えたと。そして今度は、参議院の方ではそのただし書きを削除したと。そういういきさつがありまして、参議院と衆議院と両院協議会が開かれまして、そのただし書きも削除されたという、そういういきさつが実際問題あるわけです。それで、そのときの議事録等を読んでみますと、当然いわゆる余剰金につきましては利用者に還元をすると、サービスの向上の面に使うようにすると、そういうふうになっているわけですね。それをあえて臨時特例の措置として、今回こういうふうに決めだというのは、報道等によりますと、これから四年間で毎年千二百億円ずつ、四千八百億円とかいう記事も出ておりますけれども、少なくともこういうふうに納入をしてまいりますと、これいろんな問題がまた出てくるわけでありますが、経営自体には問題はないと判断をしておられるようでありますけれども、実際問題としてはいろんな問題があるんじゃないか。少なくともこれから四年間は料金の値上げ等は一切やらなくてもいいのかどうか。そこら辺のところまで十分御検討をした上でやっておられるのかどうか。さらには、サービスの向上という面がちゃんとやっていけるのかどうか。そういう点も十分御検討されたんじゃないかと思いますが、そこら辺のところもあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 詳細は政府委員に答弁していただきたいと思いますが、電電公社は、たしか昭和五十一年に料金の改定をやったと思います。石油危機の際に、その前二年に赤字がかなり出まして、そして料金改定を行う際に、かなり余裕を持った料金改定をやっていると見ております。その結果赤字を埋め、さらにその赤字を埋めた分まで、二年で埋めるという計画で、たしか二年であったと思いますが、値を決めたと。したがって、それ以降はその分がそっくり剰余金差額として出てきておる。それから原価計算の基礎になりましたその事業の見通し、スケール、事業量等につきましても、かなり大幅の余裕を持った、大きな仕事がやれるという、そういう単価で原価ができておったように、われわれの方の監察では出てきておりました。そういうところから、かなりの剰余金と称するものが出てきたわけです。五十四年、五十五年、五十六年等見ましても、五十五年、五十六年等におきまして、四千五百億とか、あるいは三千九百億とか、そういうかなりの収益差額が出てきまして、この両二年、すでに済んだ分、また五十五年度におきましては大体もう見当がついたわけでございますが、八千億円以上のそういう収益差額が出ておる。これは五十六年度については、そう影響がない金額でもあります。しかし、その中でも過去に出た、あるいは現に出るというその収益差額の分につきましても、これを全部いただくということはしないで、そしてこれを四年に分けて、しかも、八千数百億円の中から四千八百億円を出していただくと、そういう形でやれば経営に支障はないし、また料金改定を呼ぶことはないと、そういう判定のもとに御協力を願ったということなのでございます。そういう情勢におきましても、電電公社はなお、収益差額を次年度あるいは次の年度において生むという予想がいま行われておるわけであります。
○峯山昭範君 それじゃ事務当局にちょっとお伺いしておきたいと思いますが、これは大蔵省並びに郵政省、あるいは電電公社で結構です。 これはいま大臣もおっしゃいましたが、五十五年度から五十九年度までのいわゆる公社の経営状態ですね、これは実際問題としてどういうふうに推移すると見込んでいらっしゃるのか。いま大亜もおっしゃいましたように、確かに電電公社五十一年度末で五千九百九十億円の累積赤字が実際あったわけですが、五十二年度の決算では一転して四千三百九十億円の当期の利益を上げまして、累積赤字を二千六百十八億円に減少をしております。数字の面では五十三年度も三千九百八億円の利益を出しまして、この年度で累積赤字を解消しているようであります。したがいまして、大臣のおっしゃるとおりかもわかりませんけれども、これは基本的に考えてみると、当時の法律の趣旨とは大分内容的に違ってきているのじゃないかというふうに私思いますし、また、これから電電公社がいまやっておりますこの遠距離の電話料金の引き下げや、あるいは祝・休日料金の割引、こういうふうなものを実施した場合に、これによる減収というのが実際問題出てくるわけですね。そうした場合、当然五十七年度以降は財投資金等にもう頼らなければならないということも予想されるわけです。そういうことも含めまして、五十九年度まで国庫納付を続けるためには、借金をするか、あるいは電話料金を値上げするかという事態になるのではないかという危惧が現実に取り上げられているわけであります。したがいまして、そういう点を含めまして、これからどういうふうになっていくのか、その点を含めて、それぞれ当局者からで結構ですから、具体的に御説明をいただきたい。
○説明員(岩下健君) お答え申し上げます。 五十四年度までの実績につきましては先生ただいまおっしゃったとおりでございます。五十五年度——今年度でございますが、予算上の収支差額は二千七百四十億円を予定をしております。幸い経済の活況、あるいは増収努力等ございまして、今年度十一月までにすでに事業収入におきまして約五百億円の増収、予定に対します収入の増加がございます。ただ、十二月から実施をいたしました夜間料金の値下げの影響がこれから出てくるものでございますので、今後の収入動向等につきましては慎重に見きわめていく必要があると考えております。五十六年度につきましては、先ほど先生おっしゃいました遠距離通話料の値下げ、あるいは日曜、祝日の割り引きの実施、こういったものを予算に織り込んでおりまして、これは一年間ではございませんが、五十六年度の所要額としまして、約六百五十億円の減収がこれによってあると、こういった点を織り込みまして、五十六年度の収支差額は九百二十八億円ということで現在予算案に盛っておるわけでございます。五十七年度以降の見通しにつきましては、先ほどの夜間通話料の値下げの影響等を慎重に見きわめまして、この収支の見通しを立てたいと思っております。 いずれにしましても、経営基盤の確保により一層努力をいたしまして、現在の料金水準を少しでも長く維持できるように、収入あるいは経費の節減、こういった面の経営の効率化に努力をしてまいりたい、かように考えております。
○峯山昭範君 現在の料金水準というのは大体いつごろまで維持できると見込んでいらっしゃるわけですか。
○説明員(岩下健君) 現在まだ各料金是正の影響が明確につかまれておりませんので、何年度までということはまだいまの時点で責任を持ったお答えはできかねるという状況でございますが、ともかく少しでも長く現在の料金水準を維持したいということが現時点でのお答えでございます。
○峯山昭範君 少しでも長くというのは、少なくとも五十九年度までは大丈夫なんですね。少しでも長くというのは、五十九年度からあとどのくらい長くということなのか、これはちょっとどういうことなんですか。
○説明員(岩下健君) 五十九年度までということではございませんで、いわば五十六年度はこれは当然現在の料金水準でございますが、五十七年度以降含めまして、少しでも長くという意味でございます。
○峯山昭範君 ということは、五十七年度以降値上げもあり得るということですか。
○説明員(岩下健君) 現在のラフな見通しては、五十七年度はどうやら収支均衡という状態は維持できるかと考えております。
○峯山昭範君 五十七年度は収支均衡何とかできて、それで五十八年度、五十九年度はもう赤字になるというんですか。
○説明員(岩下健君) 現時点でまだ、先ほども申し上げましたように、収入の料金是正によります影響額その他明確にし得ないものでございますので、この時点での五十八年度以降の収支見通しにつきましては、責任のあるお答えを現在いたしかねるということでございますが、いずれにしましても、経営の効率化の努力、収入を少しでも確保する、あるいは経費を少しでも削減をしていくと、こういう努力を引き続き重ねてまいりたい、かように思っております。
○峯山昭範君 大蔵省お見えになっていますか。——いまのお話聞いておりますと、非常に頼りない話なんですけれども、現実の問題としてこれは五十七、八年、九年ごろになると赤字になる可能性もあるわけだね、そういうときになっても納付金は千二百億、これは実施するわけですか。
○説明員(伊藤博行君) 今回電電公社に対しまして、四年間で四千八百億円の御協力をお願いするということを決めておりますのは、先生御案内のように現在の私ども財政の現況、それから片や公社の企業の実態と言いましょうか、体質の実態等を勘案いたしまして、財政再建に応分の御協力をお願いしたいということで、四千八百億円の御協力をお願いしたわけでございます。 この四千八百億円を一どきにお願いするのか、あるいは分割してお願いするのかという点につきましては、一つは公社の資金繰り等の問題、それからいま一つは財政の方の安定的な歳入の確保という両面から、四年間にわたって分割してお願いしたいということで、五十九年度まで各年度千二百億円ずつ御協力をお願いするということでございます。 なお、この四千八百億円——各年度千二百億円につきましては、個々の当該年度の収支差額からということではなくて、すでに累積されております利益剰余金の取り崩しでもってお願いするということを考えております。したがいまして、五十四年度末で約一兆三千億円ほど剰余金ございますけれども、それの中の四千八百億円を取り崩すということで御協力をお願いするということで、五十九年度まで各年度千二百億円ずつを御協力をお願いしたいというふうに考えております。
○峯山昭範君 そうすると、あともうちょっとほかの質問をしたいのですけれども、非常にわかりにくい答弁なんですがね。実際問題としてこの利益剰余金から取り崩していくことにしましても、要するに、いまこれは電電公社の答弁を聞いておりますと、電話料金のいろいろな問題等を含めて、いわゆる昭和五十七年度までは何とかいけるにしても、五十八、五十九年度はもう赤字になる。赤字になってくると、今度は料金の値上げや何やかが出てくるわけだ。また、利用者にみんな負担が押しつけられるわけですね。そんなことを今回のこの問題から許すわけにはいかぬ。そういうことを考えてみると、少なくとも五十九年度まではこういうこともやるわけですからね、当然これはぼくは料金の値上げもないだろうし、あるいはそういう先の見通しがあって今回のこのことは決められたんじゃないかと、そういうふうにわれわれは受け取っているわけです。ところが実際はどうもこれは違うみたいですね。やっぱり利用者に負担が押しつけられる。逆に言えば、国庫納付金によって、利用者が新たな負担を背負ったということですね。そういうことになりかねないわけですけれども、これはどうなんですかね。実際問題としてそれじゃ困るわけです。これは大蔵省、そこら辺のところまで十分見通して今回のことを決めておられるわけですか。
○説明員(伊藤博行君) 先ほど申し上げましたように、四千八百億円を決めました根拠は、現時点での積立金の実態等を勘案して決めております。 それから、先生のお話しの当該年度の赤が出るかどうかというのは、過去の積立金の議論ではなくて、五十六なりとなり、あるいはそれ以降なり、それぞれの単年度ごとの収支をおっしゃっておられるかと思います。私どもは今後のことというよりも、現時点ですでに積み立てられておる剰余金そのことに象徴をされます公社の企業体力というものと、片や国が置かれております財政の現況ということ等を勘案いたしまして、応分の御協力をお願いしたということでございます。
○峯山昭範君 それはわかっているわけです。 電電公社の経理局長。要するに、単年度は赤字になっても、積み立てた分があってこの五十九年度までは大丈夫なんですか。
○説明員(岩下健君) 先ほどのお答え若干言葉が足らなかったと思いますけれども、公社の今回の納付金の問題につきましての受けとめ方といいますか、これは電電自身が通話料の遠近の格差の是正ですとか、あるいはサービスの格差是正その他いろいろ固有の問題がたくさんあるわけでございます。と同時に、しかしながら国の財政再建というものの緊急性、こういったものから考えますと、政府関係機関としまして、これに協力するということもまた必要だろうということで、五十六年度から年額一千二百億円を納付するということになったわけでございますが、もちろんこの納付に当たりましては、この影響が利用者の方への負担にそのままつながらないようにということで、極力生産性の向上を含めまして、企業努力によりまして、この納付金によります経営上の影響、これをカバーといいますか、吸収してまいりたいということで、具体的に言いますと、これを損費に算入いたしませんで、現実にはしかしながら資金がございませんから、外部から、財政投融資を含めまして外部資金の調達によりまして、その原資を調達をし、これを一種の資本取引として国へお納めするということで、予算的には資本勘定の支出に計上しておるわけでございます。したがいまして、この納付金の実施そのものによりまして、たとえば先ほどの五十八年度あるいは五十九年度の収支が赤になる云々ということではございませんで、極力この納付金による影響は収支面への影響ができるだけないように、経営努力を重ねてまいりたいと、またひいては利用者の負担の増につながらないようにしたい、これが公社の考え方でございます。
○峯山昭範君 郵政省お見えになっていますか。これはいまいろいろと答弁を聞いておりますと、やっぱり私は今回の納付金の問題が、これは前の決議の問題や中身を詳細に一つ一つ読んでみますと、納付金制度をカットしたいきさつというものを見てみますと、これは衆議院で議論をし、参議院で議論をし、立法の趣旨から言いましても、これはあんまりいいことではないわけですから、そういうような意味からも、当然利用者に還元すべきであるというのが当時の趣旨であります。そういう点から申し上げましても、私は少なくともここしばらくの間は料金の値上げとか、そういうことはないのは当然のこと、サービスの低下があっても私はやっぱり困ると思うわけです。そういうふうな意味でも、そこら辺のところは十分配慮をし、そして検討して今回の問題に取り組んでいると、そういうふうにわれわれは理解しているわけですけれども、そこら辺のところは郵政省当局はどういうふうに考えていらっしゃるのか。もし五十九年までに料金値上げなんという問題が出てくると、これは大問題になりますから、その点をあわせて一遍答弁をいただいておきたいと思います。
○説明員(吉高廣邦君) お答え申し上げます。 先ほど電電公社の経理局長から申し上げましたように、今回の納付金の処理というものが資本勘定からの処理によりまして、それはさしむき外部資金等の手当てによって措置される予定になっておるわけでありますが、それによって損益勘定にもその利子負担等若干影響が出てくることは否定できないことであります。しかし、それにつきましては公社の事業活動力、経営努力によって吸収してもらうこととして、したがいまして、納付金を納付すること、これのみによって利用者への負担を早めるとか、そういうことにならないようやっていこうという考え方でございまして、今後とも公社の努力に期待しておるところでございます。
○峯山昭範君 もう時間がなくなりましたのでこれで終わりたいと思いますが、きょう総務長官に青少年対策についてお伺いをしたいと思っておりました。特に最近の家庭内暴力、校内暴力、そしてさらには暴走族、これは非常に重要な問題でありますので、何かの機会に時間をとってお伺いをしたいと思います。 青少年対策本部というのが総理府の中に置かれて総理大臣が本部長になっておられるわけでありますが、政府全体として、今度の総理の施政方針演説の中にもいわゆる校内暴力等の問題について、何か織り込むというような話も新聞紙上で拝見をいたしているわけでございますが、特に校内暴力の問題、非常に重要な私は問題であると思っております。そういうふうな意味で、政府としてこれらの問題について、今後どういうふうに取り組んでいこうとしておられるのか、この点だけお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) この問題は先般の閣議におきましても、現在の日本の社会が持つ重大な社会問題として政府自身が取り組むべき姿勢ということで方針を立てております。御案内のように、戦後三回ピークがございまして、昭和二十六年、昭和三十九年、現在と三つ来ておりまして、それぞれその時期には特徴がございます。御案内のように、第一回は戦後の混乱、第二回は高度成長期におけるいわゆる所得格差の中で起こってきた非行、現在は豊かな社会における忍耐心の欠如、遊びの非行とも言われておりますけれども、そういうふうな特徴がある。現在の青少年非行の問題についてはそれぞれ多くの問題がその要因として潜在をいたしております。核家族化の問題とか、あるいは学校教育の問題とか、社会教育の問題とか、一言でこうすればずばりよくなるというふうなことがなかなか発見しにくい。こういうことで、あす青少年問題審議会に対して、この青少年非行の問題に対して、諮問をいたすことに考えております。従来の諮問であれば、答申は一年先、二年先ということでございますけれども、この問題はきわめて緊急を要する問題でございますので、私といたしましては、中間答申でも求めて、政策的に打ち出せるものは早急に処理してまいりたいと、このように考えております。
○安武洋子君 私は雪害の問題についてお伺いをいたします。 先ほども出ておりましたけれども、いま東北、北陸、山陰、こういうところを中心にいたしまして大変な被害が出ております。これは住民の日常生活だけではなくって、企業活動とか、農漁業方面にも被害が出ておりまして、多方面に死者も含めまして甚大な被害をもたらしております。私はいまのこの事態に関しまして、まず緊急に被害実態に即して、災害救助法の適用を早急に行うべきだということを申し上げとうございます。これが第一点です。 それから第二点といたしましては、激甚災害法の適用を急いでいただきたいと思います。 第三点です。先ほどの御答弁の中にも、幹線道路、この除雪をしているという御答弁ございましたが、幹線道路と並びまして、市町村道の幹線ですね。この市町村道の除雪というのは、通勤とか通学とかあるいは救急医療、生活物資の運搬のために不可欠の道路でございます。私、あちらこちらに聞いてみましたけれども、各地方自治体ではもう雪害対策費、除雪費、こういうものを使い切ってしまっております。国の財政措置を求めております。取りあえずの措置として、特別交付金あるいは予備費の流用など、除雪に万全を期せるように私は早急に措置をしていただきたい。この三点をお伺いいたしますので、御答弁をお願いいたします。
○説明員(城野好樹君) 災害救助法は、先ほど御指摘がございましたように、雪によりまして炊き出し、仮設住宅の適用、運送の無料というような救助の内容があるわけでございますが、現在までのところ、災害救助法を適用しております市町村は十一市町村でございます。新潟県、福井県、長野県にわたっております。政府の対策本部におきましても、災害救助法の適用の申請があれば、直ちに適用をするということで、災害救助法の適用の時期を誤らないようにという指導をいたしておるところでございます。 第二点の激甚災害の点につきましてでございますが、これは現在までの状況でございますと、進行形でございますから、まだ激甚災害の指定に至るだけの数字が上がってきていないというのが実情でございます。 市町村等におきましては、何にいたしましても、除雪ということに全力を挙げておる状況で、被害の調査まで行き届かないところがございます。少し小康状態になった段階で、数字を早期に取りまとめまして、激甚災の適用について検討をすることといたしております。 市町村道の除雪費につきましては、これは性格上道路の維持管理費ということになりまして、一般的には交付税で処置される事項でございます。それに対して、雪で非常に困るという分につきましては、特別交付税で補てんをするという仕組みになってございます。ただ、現在までのところ、われわれの方でも約一カ月雪の降り方が早いと申しますか、立ち上がりが早うございまして、市町村であらかじめ計上をいたしました市町村道の除雪費が、ほぼ満タンに近くなっているという状況は把握をいたしております。したがいまして、特別交付税の交付手続を早めるのが第一点。それでもなおバンクをいたします場合には、臨時特例の措置といたしまして、市町村道の除雪に対して国庫補助を行う。これは五十二年のときに行いました方式に準じて行うということの検討を現在行っておる状況でございます。
○安武洋子君 実情に合致した適切な措置を十分にとっていただきたい。このことを申し添えまして次の問題に移ります。 文部省、ことし建国記念の日に行います建国記念の日奉祝式典、これを後援することを決めております。田中文部大臣は宮澤官房長官とも相談して決定したと、こう言っておられます。各省庁の後援で、官房長官が相談をお受けになるというのは、私は異例なことだと思います。官房長官は一々各省の後援について御相談を受けておられるのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私のところへ各大臣から所管のお仕事について一般的に御相談がどういう場合にあり、どういう場合にないかということは、事実上もう各閣僚の御判断の御自由でございます。各省庁に非常に関係のあるときなどには自然御相談がございますし、内閣の何か基本の方針に関係あると御判断のときにはございますが、そうでない場合には、各閣僚の御判断によるというのが慣例のように思います。この場合田中文部大臣から御相談がございました。私は別段所管大臣のお考えでなさることで、特に私がそれと異なる意見を持っていることではございませんでしたので、どうぞと申し上げた記憶がございます。
○安武洋子君 ここに「総理府後援等の承認取扱要領」がございます。これを見てみましても、総理府が後援等の承認取り扱いをするときには、この決裁というのは総理府副長官になっております。総理府長官ですらないわけです。ですから、この件について文部大臣が官房長官に相談をされるという、そのことだけでも事の重大さがわかろうかというものです。 官房長官は文部大臣から相談を受けてオーケーをされたわけですけれども、奉祝式典の主催団体とか、あるいは行事の内容について、十分これは承知しておられましたのでしょうね。何か先ほどの御答弁を聞いていると、中身の方は余りよく知っておられないというふうなニュアンスもございましたが、しかし、それにしても承認するには基準があると思います。どういう基準でこういうことにオーケーを出されたのでしょうか。それをお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは別段むずかしいことを考えましたわけではございませんで、文部大臣から、建国記念の日について従来総理府が行事の後援をしておったら文部省としても後援をしたいと思う、どう思うかと、こういうことでございますから、所管大臣のお立場でそれがお入り用だと思えば、特に私としては何の異存もございませんと、こう申し上げましたので、これはそういう意味での何々の承認とかいうことに属することではございませんで、行政庁の長官としての国務大臣が、御自分の行政の範囲内でなさることについて、特に異論があるかとお尋ねになったものと思いましたので、特に異論はございませんと申し上げたにすぎません。
○安武洋子君 異例な相談をお受けになって、そしてやはり同意をされたということになれば、私は、そこには政治責任がつきまとうと思います。ということになれば、やはり中身もよく御承知にならなければいけないし、どういうことでいままでこういう後援を了承してきたかという基準も御存じにならないといけないと思います。 私は、それならお伺いいたしますけれども、政府として後援などをするときに、政党色、それから宗教色のあるもの、また営利を目的とするもの、国民的立場に立てないものと、こういうものを後援するのを一体長官は好ましいとお思いでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 政党色が濃厚である、あるいは宗教色がある、営利を目的とする等々、これはなるべく政府としては後援というようなことはしない方がいいというふうに考えます。
○安武洋子君 総理府はこの奉祝式典を七八年から後援しておりますけれども、後援を承認すると、武典が申請どおり行われているかどうかということを準備段階、そして実行段階も注意して、そして式典終了後報告を求めておられると、こう思うんです。ですから、準備段階、それから実行段階も注意しておられたかどうか。それから、終了後報告を受けられたかどうか。そういう措置をとられたかどうかということをお伺いいたします。
○政府委員(関通彰君) 御質問は、今年実施されます式典の後援の件、ないしは昨年実施されましたものについての報告かと存じますが、まず承認いたしますときは、事前に事業計画、式典の場合でございますと式次第、収支予算ないしは、式典の場合は運営委員会が主催者になっておりますので、運営委員会の構成等の計画を聴取いたしまして承認をいたしております。 なお、事後につきましては、承認いたしますとき、行事が終わりますれば、その報告を提出するということを条件にいたしておりますので、終了後、その都度報告を取っております。 それから、なおここに承認いたしますときは、承認基準に照らしまして、主催者には十分留意すべき事項等の注意はその都度いたしております。
○安武洋子君 御答弁が抜けている。準備段階、実行段階も注意をされておりましたか。
○政府委員(関通彰君) 総理府の場合でございますと、年間百件ぐらいの行事の後援をいたしておりまして、すべての行事に準備に参画する、あるいはその行事の現場に参るというわけにはまいらないのが実情でございますが、承認に当たりましては、主催者には十分留意すべき事項等の注意は事前に申し入れております。
○安武洋子君 この式典に関しては、現場にちゃんと長官もおられるわけです。 そこで、私は、総理府のこの「後援等の承認取扱要領」、これを見てみますと、準備段階及び開催中、主催者が要領の主旨に反する行為を行なわないよう常に注意し、反する行為を行ったときは、その是正を勧告し、勧告に従わない場合は、緊急を要する場合は直ちに承認を取り消し、必要な措置をとるというふうになっております。その立場から見ますと、昨年の奉祝式典というのは、承認基準から全く外れております。当然取り消しされてあたりまえです。それをことしも後援するとは私は何事かと申し上げたいわけです。まず昨年の奉祝式典は政党色、宗教色、この色が本当に濃く出ております。こういう式典です。七九年、八〇年と、運営委員長をしておられて、そして去年の十二月の末に田中文部大臣に後援の依頼をされたこの式典の事実上の中心の人物になっておられる黛敏郎式典運営委員長さん、この方はごあいさつの中で、昨年われわれは元号法制化をかち取った。将来には靖国神社の問題、防衛問題、有事立法の問題を初め、そのすべての根底にある憲法改正問題など、多くの課題を抱えている。このようなときに当たり云々というふうな、まさに政治的、政党的な発言をして拍手を浴びておられます。さらに運営委員の清水幾太郎さん、この方は閉会の辞の中で三点強調されております。第一点は、来年から国・政府の主催にしてもらおう。それから第二点は、建国の日というのを昔の紀元節に改めよう。第三点は徴兵制の問題です。こういうことを主張して、そして赤血を流し、身命を君国にささげる覚悟を持て。こう叫んでおられます。これはまさに軍国主義思想そのものではないですか。こういうことを目の前でやっている、この「総理府後援等の承認取扱要領」に全く反するわけです。なぜこんなことがあるのに放置をされて、後援の取り消しもせずに、ことしも後援をされようとするのか、お伺いいたします。
○政府委員(関通彰君) 昨年二月十一日に式典がございまして、その式典の後衆議院の内閣委員会と記憶いたしておりますが、その式典の内容等について御質問がございました。当時の総務長官が答弁いたしておりますが、当時の総務長官式典にも出席いたしていたわけでございますが、会議の趣旨は、祝日法案にうたわれております「建国をしのび、国を愛する心を養う。」というのが基本的な式典の趣旨でございまして、そのことは式典を主催いたしました運営委員会の会長であります木下一雄氏が、式典の冒頭に式典の趣旨をあいさつで述べておられますが、会長はまさにその趣旨のあいさつをしておられるわけでございます。その他の方々の発言者、祝辞あるいは閉会の辞等をされました方々の発言についての御質問がございましたが、委員会ではその場での発言でございますし、主催者に問い合わせて、記録等を十分検討してお答え申し上げたいと、かように当時総務長官答弁いたしております。会議後、総理府から主催者に発言内容についての照会を正式にいたしておりますが、主催者側は会長の発言、これは当然主催者が責任を持ってあいさつしたことでございます。会長の発言につきましては、詳細な記録が提出されましたが、その他の発言につきましては、その場での発言であり、記録がないということで提出が得られておりません。その旨委員会で御質疑のございました先生方にも、会長の発言の詳細と、ただいま申し上げましたような経緯を御報告申し上げたような次第でございます。
○安武洋子君 別にこの記録を取り寄せるまでもないことでしょう。ちゃんと要領の中では準備段階、それから実行段階に注意をせよと書いてあるわけです。その注意をされておれば、当然そこの中で、別にそういう発言というのはたくさんのところにもう報道されているわけです。ですから、いま会長のあいさつだけは問題なかったと、こう言われました。会長の発言は問題なかったかもわかりません。しかし、実際上の運営に当たる中心人物の黛さんの発言は先ほど申し上げたとおり、そして運営委員のお一人の清水幾太郎さんの閉会の辞は申し上げたとおり、まことにこの取扱要領に反するものなんです。御注意をされておれば、その場ではっきりわかるはず。なぜこういうことをおやりにならないのか。わざわざ記録を取り寄せるというのは、この要領を御自分の方から守っていないということをはっきり示されていることになります。 それから他の発言も、全部こういうのは、本当はこういう人たちが事実上の主催者です。こういう人たちの発言も含めて、その会の性格というのが形づくられるわけです。会長の発言だけが合っていればよい、ほかは何を言ってもよいというふうな、そんなものを後援されるのですか。無責任じゃありませんか。私は、こういう趣旨に外れた発言をしたと、ならばこのときにちゃんと処置をなさるべきです、この要領に沿えば。それをなさっていないならことしは取り消されるべきです。官房長官いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから黛敏郎さん、清水幾太郎さん、これこれあれこれという御説でございましたが、日本は民主主義の国でございますから、一人一人の思想、性向などについて、調査したり、注意したりするつもりはございません。
○安武洋子君 個人としてはそのとおり、おっしゃるとおりです。しかし、その人の発言が主な会の性格を形づくっている。それを政府が後援されるわけです。 こういう発言を、じゃ好ましく思って、政府としては後援をされると、そう受け取っていいんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど文部省の方から、それらの発言はその人たち個人の責任においてなされたということを申し上げました。政府の立場から言って、世の中に好ましくないと思われるような発言、行動はこれはたくさんございますが、それは法律に照らしてどうもならない限り、政府は何もしないというのが民主主義のルールであります。
○安武洋子君 そんな民主主義のルールというのはございません。これは、一つの会に対して政府が後援をすると、後援の承認基準というのは御自分の方から定めてなさると、これは総理府の場合でしたら、総理府所管の行政の推進、普及または啓蒙並びに国民の生活、教養の向上に寄与する、そして営利の目的云々というのはだめだというふうになっているんですよ。だから、文部省だって、こういうことが教育、学術、文化の普及向上に寄与するものであるということに合致した場合にやりましょうと言っている。そういう式典が、その中心に事実上たっておられる方たちの発言が、こういう政党色を帯び、軍国主義主張をされている。それを後援されるんですか。好ましく思われるわけですか。さらに重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから安武委員が言っていらっしゃいますことは、一つは政党色ということ、一つは宗教ということ、もう一つは営利云々ということでありますが、いま伺う限り、それらの人々の言動は、そのどれにも当たらないと思います。
○安武洋子君 私はいかにも政治的だと思います、そういう御発言こそがね。こういう政党色の色濃い、しかも軍国主義思想を唱える、そして運営委員会が主催者といいますけれども、実態的には生長の家とか、神社本庁とか、自衛隊郷友会、勝共連合、こういった右翼団体や、宗教団体、これが参加している。まあこれ実行委員会の母体になっているわけです。式典の会場の配置図を見ましても、こうした各団体が参加しているということがわかるわけです。そしてこの式典が宗教法人明治神宮の所有の明治神宮会館で開催されるわけです。こういう式典を文部省が教育の普及向上に寄与する土して後援するのは、後援基準から見ても全く外れております。そして申立てなければいけない教育の場に、軍国主義風潮を持ち込んで、そして憲法とか教育基本法の精神を踏みにじる。断じて許しがたいわけです。私は直ちに取り消しを要求いたします。いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 取り消しとは後援をやめるという意味かと思いますが、ただいまの御主張は文部大臣にはお伝えをいたします。
○安武洋子君 私は官房長官としてもそういうものは好ましくないんだと、政府としては後援しないんだという毅然とした立場に立たれるべきだと思います。政府がいかにおっしゃろうと、これは紀元節の復活、それから徴兵制、有事立法、靖国神社法、そして憲法改悪、これを唱える右翼改憲団体に、政府がそんなものを後援されるというのは手をかすことになるというふうに申し上げたいわけです。この後援というのは、単に今回の記念式典、この後援だけにとどまらないわけですね。これは近ごろ日米安保条約の攻守同盟化とか、あるいは軍備の増強、また昨年来の奥野法務大臣の憲法改悪発言、あるいは政府関係者のほとんどのお方が靖国神社に参拝なさるとか、教育の反動化が言われている、こういう一連の策動と私は軌を一にしたものだと言わなければならないと思っております。もともとこの建国記念の日というのは、戦前の国家神道の重要な政です。科学的、歴史的な根拠のない皇国史観に基づく天皇制賛美の日であった紀元節、この呼び名を変えて実質的にこれを復活させたものです。紀元節というのは、これは戦前、戦中、天長節とか、ほかの天皇中心の政とともに、学校教育に持ち込まれまして、天皇を現人神として崇拝させるために、最大限に利用されてきたわけです。こういうものを、軍国主義の思想を鼓舞するこういう記念口であったものを、私は、建国記念の日の奉祝式典、これを政府が後援をする、総理府に続いて文部省が後援をする、こういうことは、再び皇国史観に基づく軍国主義教育に道を開くものにほかならない、こういうことを申し上げとうございます。 私は最後に、もう時間ありません、ですから重ねて言います。奉祝式典への一切の政府の後援を取りやめるべきだ、このことを申し上げて私の質問を終わります。最後に御答弁願います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御説には必ずしも賛同いたしがとうございますけれども、そのような御主張は文部大臣にはお伝えいたします。
○柄谷道一君 鈴木総理は就任以来、再三にわたりまして国会答弁などで、財政再建は厳しい歳出の抑制、すなわち民間会社並みの減量経営を断行し、それでも足らない分は国民の負担増をお願いしたい、こう言明されてまいりました。しかし、五十六年度の予算編成を見ますと、この総理の言葉とはほど遠く、歳出抑制の方より国民の負担増を求め、しかも一兆三千九百億円という巨額に上る増税が見込まれております。私は、その意味から歳出抑制、特に行政費の節減にどれだけ努力されたのか、行政改革の成果はどうであったのかという問題につきまして、以下長官に数点お尋ねをいたしたいと思うのでございます。 まず第一に、長官は、昨年就任されました後、みずから策定されました「今後の行政改革に関する基本的な考え方」、その中で、「今回の行政改革は、複雑肥大化した行政の実体に切り込むことを主眼とするものであって、いわゆる機構いじりや器べらしを重点とするものではない。すなわち、まず、民間の減量経営の努力に呼応して、行政自らもまた、その減量化を図っていかなければならない。」、こう述べていらっしゃいます。恐らく、そのような基調に立って長官は予算編成に臨まれたものと信じます。 それでは、そうした長官の基調が具体的に予算に十分反映されたとお考えになっているのかどうか。歳入面、歳出面を通じて、行政改革の効果として、どれだけの額が減額量として五十六年予算の中に実現されたのか、まずその点についてお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 五十六年度予算編成に当たりまして、行政改革の成果を上げるべく全力を尽くしましたが、非力のいたすところ、必ずしも御期待に沿い得なかったことは遺憾に存ずる次第でございます。いずれ総理の施政方針演説、あるいは大蔵大臣の演説等で内容は明らかになると思いますが、若干の行政改革はその中に入れることができたと思っております。 基本的な姿勢といたしまして、二兆円の公債の減額をやりまして、それもいわゆる特例公債を減らそう、そういう方針のもとに予算の査定をやってもらって、われわれも側面から協力した次第でございます。その結果、公債費、あるいは特定の経費を除いた一般会計の伸び率が四・三%におさまったということ、これは最近の事態としては大きな前進であると思います。それから、予算の枠を一〇%以内の伸び率におさめたということも努力の成果ではないかと思っております。 なお、補助金の整理、あるいは機構の縮減等につきましても、いろいろ努力をしたところでございますが、まず事務・事業の民間に対する委託、あるいは改正等々を心がけまして、具体的には、たしか五十二ばかしの事務の移譲等を現実に実行するめどがついており、なお今後もこの点は努力をさせていくつもりでございます。 それから、法令につきましては、たしか四百十四件の整理を行う予定でございます。これは法律を主にいたしまして、一部の政令が入りますが、約四百十四件を廃止または統合という形で整理をしてまいります。なお、また許認可につきましても、前に御説明申し上げたとおり、二年間に一千件を整理する、こういうことで第一歩を踏み出すことになっております。 それから、補助金の整理につきましては、四年間に三千八百件の四分の一以上を整理するということで、五十五年度から第一歩を踏み出したわけでございますが、五十六年度におきましても、引き続いてそれを実行してまいるつもりでございます。 そのほか、審議会の整理とか、あるいは賃金の抑制とか、あるいは地方公共団体における定員管理の励行とか、そういうような点につきましても、閣議決定をいたしまして、これを進めていく予定でございます。 なお、電電公社等の収益差額を国庫に納めていただくということも実行いたしまして、大体四年間に四千八百億円、一年間で千二百億円を電電公社から、それから日本中央競馬会から五十六年度におきまして五百億円、それから日本航空の株式を政府保有分五%を売却する、それを政府に完納するということ、あるいは開発銀行やそのほかの特殊法人の内部留保からこれを国庫に納付してもらう等々で、たしか二百三十二億円ありまして、大体千九百九十億円程度の経費を国庫に納付するということができたと思います。 そのほかに、さらに努力しておりますのは、国有財産の売却でございまして、大蔵省は五十六年度においては約八百億円台の売却を実行するということをわれわれの方に通知してきております。これら等々も入れますれば、かなりの額の経費を国庫に納付して、その分だけ税の負担を減らすという方向に政策を向けることができたのではないか、そう思っておる次第でございます。 なお、補助金の整理につきましては、五十五年度においてたしか千六百億円程度の補助金の削減を実行した点でございますが、五十六年度におきましてもそれに負けない、それ以上の補助金の整理を大蔵省にお願いしておりまして、これらはいまいろいろな最後の整理中でございまして、いずれ明らかになってくると思います。これらを全部合わせますれば、大体四千五百億円から五千億円ぐらいの経費の削減ができるのではないか、そう見ておるところでございます。これは五十六年度についての数字でございます。
○柄谷道一君 ただいまの質問に敷衍することになるわけでございますけれども、いま長官が御説明になりました歳入面の効果、その適否の議論は予算委員会等で行うことといたしまして、確かに日本電信電話公社、中央競馬会、日航その他、約千九百九十億円の歳入増と、国有財産約八百億円前後の売却、歳入面は数字として読み取れるわけでございます。しかし、この歳出面で具体的にどれだけの削減効果があったのか。これは五十五年度予算につきましては予算委員会の審議の中で試算として二千二百七十億円という数字が示されております。来年度予算において行政の減量経営を目指す、こう述べられた以上、当然その減量経営における効果分というものは算定されていると思うわけでございます。その概算で結構でございますが、数字について明らかにしていただきたい。
○政府委員(佐倉尚君) ただいまの歳出面においてというお話でございます。実はこの額につきましては、現在計数整理中でございまして、現在ここではっきりした数字をお示しすることはちょっとできかねるわけでございますが、先生いま御指摘の五十五年度に生ずると思われております効果につきまして、全額で二千二百七十億円という数字をお示ししたわけでございますけれども、各項目、先ほど長官から申し上げましたような分、あるいは国家公務員の定員の問題とか、そのほか特殊法人の問題とか、それぞれの項目に分けて考えてみますと、それぞれの項目で、五十五年度に生ずると見られる効果と同様に考えていきますと、それなりの削減効果があるというふうに考えております。でございますので、いま申し上げられるのは歳入面において、先ほど長官からお話をしました額でございますが、歳出面のものにつきましては、各項目いま当たっているところでございますが、ほぼ昨年並みぐらいの効果というものは期待できるというふうに考えております。
○柄谷道一君 五十六年度予算における経費節減効果の試算がまだ計数整理中である、これは改めて私は予算委員会でその内容をただしたいと思いますけれども、しかし、そのこと自体が私は今回の予算編成に対する行政改革の政府の熱意そのものを反映している現実ではないかということだけは指摘しておきたいと思います。 そこで、あと具体的に御質問したいわけでございますが、新聞報道によりますと、今回総定員法関係定員、すなわち現業、非現業を含めた一般職の国家公務員総定員につきましては、七千四百二十三人の計画削減に対して、七千三百三十二人の新規需要増、差し引きわずか百一名しか削減されておりません。昭和五十五年度には七百七十人削減されているのと比べますと、余りにもこの定員への切り込みが少なかったのではないか、これは率直な私の印象でございます。これは昨年来国民が求めてまいりました行政改革の要望が、ことしはそれほど強くないと軽視されたのか、自民党が衆参両院で多数を制せられまして、その上に安堵されたのかとすら思われるわけでございます。百一名の定員削減にとどまったその理由を長官から明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 詳細は政府委員から御答弁申し上げますが、大まかに申し上げますと、一般行政職で千百人減らしました。そして公社、公団等からも同じぐらい、千百人ばかり減らしたわけです。それで出てきた二千二百人ばかりの人間を病院と国立大学、医科大学に充当したというのが今度の人間管理、公務員管理の結論でございます。 ちょうどベビーブームみたいにブームが出てまいりまして、特に国立医科大学は三つの県で病院を開くという段階になってまいりました。病院を一つ開きますと三百人以上の人間が、看護婦さんや医師や事務員で要るわけでございます。これは佐賀、大分、高知が五十六年度から開くわけでございます。病院を開くという施設ができまして、これを開かせないわけにはまいりませんから、この人たちの定員はどうしても認めてあげなければなりません。 そのほか各地に国立単科大学をつくっております。教員養成大学とか、あるいは技術の専門大学、豊橋であるとか、そのほかのところでつくっております。これらがいよいよ教授あるいは助教授あるいは人間を充実させるという段階に入ってまいりまして、この国立大学及び医学部、それから病院、これらに対する増員要求は、これはどうしても認めてやらなければならぬ分で、これが大量に実は出てきたわけで、せっかく浮かした一般行政職及び公社、公団の公共企業体の減二千二百人をそちらで埋める、それで辛うじて百一人だけはネットで減らすことができたというのが現状でございます。 この努力が去年以上の倍の努力をしたかということは、一般行政職におきまして、去年は約五百人台の減であったのです。これをことしは千百人台に持っていったわけであります。これ各省軒並みに何人がずつ減らしていったわけでございまして、各省からも非常に大きな抵抗がございましたけれども、ともかく総定員法の枠内でできるだけ減らすという方針のもとに、そういうことで、昨年五百人台というのを今年は千百人台にまで持ち上げまして、各省にマイナスの御協力を願った次第なのでございます。そういう実態と内容を見ますというと、実はそういうブームの時代にたまたま遭遇いたしまして、こういうことになったのでございます。その点はぜひ御事情を御理解いただきたいと思う次第でございます。
○柄谷道一君 それでは、昭和五十五年に初めて省庁間の配置転換が実施されました。五十五年度は二百二十人程度であったと認識いたしております。これに対して五十六年度省庁間の配置転換をどの程度お考えになっておるのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(佐倉尚君) 先生御指摘の省庁間の配転でございます。五十六年度は結論だけから申し上げますと、ただいま先生の御指摘の二百五十四人に相当する数字は二百八十人というものを考えたいと思っております。これは御存じのとおり、各省庁で配置転換で受け入れ可能であるというふうな数字、各省庁の御意見、これを総トータルしますといまのような数字になるわけでございます。実はその二百五十四人というものにつきまして、鋭意努力してまいったわけでございますけれども、その実績は八十九人だったというようなことはございます、五十五年度の現時点での実績でございますが。それで、かなりこの受け入れ可能数というものに比しまして実績が少なかったわけでございますが、これはいろいろ先生もよく御存じのとおりの、部門間、省庁間の配転というものは困難な面がいろいろございますけれども、特に初年度それぞれこれを行います省庁の努力にもかかわらず、受入可能数に達しなかったわけでございますが、初年度こういう道づけを行いまして、さらにこれを拡張していく、促進していくという意味で二百八十というものを立てたいと思っているわけでございます。 それから、百一人ということで少ないんじゃないかというお話に関連してでございますが、先ほど長官の方から御説明がございました。この中で公社、公団というふうにちょっと申し上げたと思いますけれども、これは五現業職員の話でございますので、その点だけ訂正させていただきます。
○柄谷道一君 大蔵省にお伺いいたしますが、国家公務員と五現業関係はただいま数字を伺ったわけでございますが、特殊法人の問題でございます。これは五十五年行政改革の計画に基づきますと、来年度は京浜外質埠頭公団及び阪神外貿埠頭公団の移管、日本住宅公団と宅地開発公団との統合、日本蚕糸事業団と糖価安定事業団の統合、建設業退職金共済組合と清酒製造業退職金共済組合との統合、沖縄電力株式会社の民営移管、地方団体関係団体職員共済組合の統合等が昨年十二月二十九日の閣議で決定されていると理解いたしております。この廃統合を含めまして、特殊法人関係の定員関係がどうなっているのか、この点について明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(岡崎豊君) お答え申し上げます。 特殊法人の職員の要員管理につきましては、先生御案内のとおり、昭和五十五年行政改革につきましても、国家公務員の定員削減計画に準じまして、定員削減措置をとることとなっております。また新たな職員の増員につきましても、厳にこれを抑制するということになってございます。 五十六年度の件でございますが、それらに基づきまして、それぞれの特殊法人におかれます主務大臣におきまして、適切な要員管理を行われることを期待しておりますが、また大蔵省といたしましても、年間予算等を通じまして、協議がございましたときには、先ほどの閣議決定の線に基づきまして、適切に十分な協議を各省庁といたしながら進めたいと思っております。
○柄谷道一君 現在三百万人を超える地方公務員の定員削減問題は、昨年の予算委員会でも再三論議されてきたところでございます。長官もこれらの点に留意され、いわゆる中曽根行革の一つの焦点になっていると理解いたしております。もちろん地方公務員の定員問題は、根源的には地方公共団体の決める問題でございますけれども、国の姿勢と私は強いかかわりを持つものであると、こう思います。地方公務員の定員削減につきましては、一片の自治大臣の通達で解決できる問題ではございません。来年度の地方財政計画につきましては、まだ確定していないと思いますけれども、現時点の策定段階において、この地方公務員定数についてどのような考え方を持っておられるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年の十二月二十九日の閣議決定の要項の何番目でございましたか、七番目か八番目に、地方公共団体における定員管理の実施という項目がございまして、中央に準じて地方公共団体においても厳重なる定員管理をやっていただく、それを自治省を通じて強くこれを要請し指導すると、そういう趣旨の文章を入れました。そこで自治省におきましても、次官通達があるいは局長通達を知事及び市町村長に出していただきまして、かなり詳細、具体的にその定員管理を推進するやり方について示達していただいた次第で、その行った結果について報告を徴すると、そういうことで、その始末の結果まで見届けようと思っておるところでございます。 具体的な内容につきましては、局長から御答弁申し上げますが、地方の公共団体の場合には、人口急増の町村もありますし、過疎の町村もありますし、公害のはなはだしいところもありますし、そうでないところもあります。そういうわけで、千差万別でございますので、一律にこれをやることはできません。また地方自治の本旨に基づきまして、自主自立てやっていただくということになっておりますので、その辺をよく注意いたしまして、自治省が個別的によく指導して、そして適切な成果を上げるようにしていただきたい、そういう趣旨で示達もできておりますし、推進も考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 これは主観の問題でございますけれども、長官は定員削減問題について精いっぱいの努力を払われたと、こう認識しておられますし、私自身はまだまだ突っ込みが不十分ではないか、これは主観の相違と言うべきであろうと、これは大いにまた改めての機会に議論しなければならぬ重要問題であろうと思います。 そこで、定員問題について、これは長官にちょっと基本的なお考えをお聞きしておきたいんでございますけれども、行政改革、そして定員削減、これは国民の強い要望ですね。しかし一方、いま長官が御指摘されましたように、医療関係、教育関係、これは実態に即してふやしていかねばならぬ部門もございます。たとえば歳入官庁であります国税庁、これは私が調べますと、昭和二十七年と昭和五十四年、この間に国税職員のふえましたのは二百七十四名でございます。そしてそれに比べまして、納税人口の急増、取引規模の大型化、複雑化した事務量というのがございまして、逆に実調率を見ますと、法人税の場合、昭和三十九年で二七%ありました実調率が、現在七・九%に低落いたしております。こういう歳入官庁につきましては、これまた必要な適正人員を配置することによって徴税の公正化ができ得る、結果的には国家財政に寄与すると、こういうことになるわけでございます。定員問題について私は画一的な削減方式はとれない、そこにもう一度総定員法そのものを見面しまして、今後の定員のあり方に対する根本的な見直しというものが必要ではないかと、こう思うんでございますけれども、長官の基本的なお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革が叫ばれております折から、総定員法を変えることは適当でないと思っております。ただし、国税庁のような場合、あるいは外務省のような場合、どうしても必要だと思われる人間が出てまいります。こういうものはその枠内において、いろいろ振替等の努力をいたしまして、できるだけ認めてやるように努力をいたしました。今回の査定におきましても、大蔵省の内部の操作によりまして、振替によって、国税庁の方に増員をしていただいて、大蔵省全体としては他に削減をかなりやっていただいたりしました結果、全体としてはマイナスが立っておるわけです。しかしその内部の操作で国税優先ということで人員増を内部で図っていただいた。今後もこういうような努力をしていくべきである。あるいは情勢によっては、ほかの省の人間をこちらへ振りかえてくる。先ほど御説明のあったような配置転換の問題がございます。今回の行革におきましても、食糧検査員一万三千人おる中で、これを六年ないし七年で半減するという方針を確立しております。この具体的な数字については、各年度ごとに農林省とわれわれと相談をしてやることになっておりますが、こういうことで浮いてくる人間も、その一部は活用できるのではないか。全部というわけにはまいりません。これは大体冗員と見られておる人間であるわけであります。これはできるだけカットすることが望ましいというのが世論でございます。しかし、普通に一般水準として考えられる範囲内において、その振り分けも可能ではないかと、そういうふうに考えております。
○柄谷道一君 いや、私が指摘いたしたいのは、一省間で操作しようと思いますと、たとえば国税というのはふやさなきゃならない。事実本年度九百六十七名の増員要求に対して、四百三十八名の増員が認められております。その分が一省内にしわが寄ってくるわけです。厚生省においても国立大学、医療関係の職員をふやせば、そのしわが寄ってくる。したがって、定員というものについては、一省という視点ではなくて、いま長官も触れられましたように、全省庁的な視野において削減を図っていく。それについていま御説明のございました配置転換等は、まだまだ民間企業等の常識からいたしますと、認識からいたしますと、少ないのではないだろうか。そのような感じを持っておることをここで申し上げておきたいと思います。 次に事務の整理でございますけれども、中曽根行革の一つの目玉として期待されておったところでございますが、これも十二月の閣議決定を見る限り、私は期待外れの感を抱かざるを得ません。私のみならず、各所間も、役人的な作文、新規なものは何もなく、従来から言われてきたものの羅列であるとか、いつまでにという期限も示されていなく、実現を期しがたい等、いずれも厳しい批評がなされております。私がその全文を読ましていただきましたけれども、はなはだ失礼ではございますけれども、決意が文面にほとばしっているものとはどうも受け取りかねました。これでは減量経営の効果を期待することはむずかしいのではないかというのが率直な印象でございます。長官の決意と方策、あわせまして行政サービスの改革に対する長官の御決意についてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政サービスの改革につきましては、これを簡素、効率的な政府にする。そういう機能に改革するということが一面ありますと同時に、いま持っておるサービスをさらに改善して、快適なものにしていくという積極面とございます。両方にわたって努力をしてきておるところでございます。それで簡素効率的な政府にするという点からは、まずその実体である法律、政令等を整理するという面から、先ほど申し上げましたような点を実行し、あるいはさらに認可許可につきましても、一万件あるうち二年間で一千件整理するという方針を持って、いよいよ乗り出すところでございます。そのほか、積極的にサービスを改革するという面につきましては、去年以来各地を私巡歴いたしまして、公務員を督励してやっておるところでございまして、全国の支分部局及び市町村、府県等におきまして、サービス向上の推進委員会がすでにできまして、各県ごとに連絡協議会もできて、月一回集まってどういうふうにやるかということを、お互いが見せ合いながら努力しておるというのが現状でございます。大体三月までの実績を見て、よくやっているところはほめ、やってないところはこれを注意すると、そういうやり方で信賞必罰を明らかにしたいと思っております。
○柄谷道一君 現行法令の見直し、整理については、長官、四百十四件をお考えになっていると、そう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐倉尚君) 数字としてはそのとおりでございます。
○柄谷道一君 それらにつきましては、今国会にまとめて整理法案として提出されると、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 一本の法律になるか、数本の法律になるかわかりませんが、多分数本になる由でありますが、廃止法案をあるいは整理法案を提出する予定でございます。
○柄谷道一君 次に、地方出先機関の整理問題についてお伺いいたしたいと思います。 わが党は、これ本会議、予算委員会等でも強くこれは求めてきたところでございます。そこで、昨年の秋の臨時国会におきまして、ブロックの整理、これにつきましてその整理法が成立を見ましたことを評価するものでございます。残されているのはいわゆる府県の問題でございます。これは宇野前長官時代、ブロック機関は三月末、府県単位機関は六月末と期限を設定して取り組んでこられてまいりました。ところがブロックの方は、さきに申し上げましたように日の目を見ましたけれども、府県単位の方は内閣更迭で、中曽根長官に引き継がれたということであろうと思います。ところが今回の閣議決定を見てみますと、このブロック機関の整理法、計画に比べまして、府県の方は明示されている廃止統合する機関も触れられておりません。また、宇野前長官が公約をされました廃止時期の明示もございません。私は非常に後退したのではないかという印象を受けるわけでございますが、この府県単位の整理統合問題に対する長官の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 府県単位の出先機関の対策が、必ずしも思わしくいってないという御指摘はまさにそのとおりであると私らも考えておりまして、われわれの非力を申しわけなく思っておる次第であります。しかし、これはこのままでいいという問題ではないので、われわれの行管庁の力も考え、いま抱えている法案を成立させるという、そういういろんな関係も考えてみまして、ブロック機関を成立させ、あるいはこの通常議会に住宅公団と宅地開発公団の統合とか、あるいは外貿埠頭公団であるとか、そういうものを成立さしていくためにも、かなりの努力を要しまして、一遍に全部しょい切れぬと、そういうところもございます。そういうようないろんなわが方の力も考え、相手方の情勢も考え、今回はこの程度と考えたのが、たとえば財務部あるいは行管の出先機関等について、五年間で一割定員を削減する、そういうことでまず人間減らしをやると、機構いじりは私がやらぬと最初に申しましたのは、国会、参議院の御決議もございまして、出血を伴う整理はやらぬと、あるいは本人の意思に反する強制配転はやらぬと、そういうのがいままでの行革について条件として示されておるわけでございます。したがって、そういう条件下にやろうという場合には、機構いじりをやった場合には、看板の塗りかえとか、あるいはややもすれば机の位置が変わるに過ぎないと、そういう形になりかねまじき様相もある。それよりも実質的に人間を自然減耗で減らしていくと、実質をねらった方がよろしい、そういう考えもありまして、今回はそういうような五年間に一割の定員削減を、特定の支分部局について実行するということを決めたわけであります。行管庁なんかはほとんどやせ細っておりまして、毎回隗より始めよということで、府県単位の出先機関等も人間を減らされてきまして、骨皮筋右衛門みたいになっておりますが、それでもまず減らさなきゃいかぬというので、今回もまた五年間に一割減らすということをやらしておるわけでございます。そういう実質を考えまして、今回は支分部局については実行いたしました。しかし、行革全般の体系を見ますと、これで済んだという問題ではないので、思いを新たにしてやはり取り組んでいかなければならぬ、そう思っております。
○柄谷道一君 特殊法人の役員数の削減、民間人の登用、役員の給与・退職金の見直し、これについて来年度予算編成においてどのようにお考えになっておるのか、お伺いします。
○説明員(栗林貞一君) 私どもの方からは、特殊法人の役員を昭和五十四年の十二月の閣議了解に基づきまして削減をしつつかります。これは三年計画で現在実施中でございます。その問題と、それからあとは役員の選考基準、これも同じ閣議了解で厳格にやるということになっておりますので、それをさらに推し進めていくことにしておるわけでございますが、そのいまの常勤役員の縮減問題につきましては、三年の計画を立てまして、五十五年度から五十七年度、若干は法人の廃止の関係で五十八年度まで残るものがあると思いますが、全体で百二十名余りの計画を立てて、五十五年度はすでに計画としての三十九人、それをほぼ計画どおり、現在でももう三十六人実施しております。これをそのまま、これは五十六年度予算にも反映されるわけでございますが、さらに五十六年度としても現在の予定では四十一人減らすことになっておりまして、計画どおり進めていくというふうに考えております。
○説明員(水谷文彦君) 特殊法人の役員の給与及び退職金の問題でございますけれども、まず給与の問題でございますが、それにつきましては、御案内のように五十二年の四月に引き上げをいたしまして以来、ずっと据え置いてきております。すなわち、五十三年度におきましては、国家公務員の指定職、あるいは特別職の給与が据え置かれましたので、それとの均衡と申しますか、横並びを考えまして、五十三年度においては据え置いております。それから五十四年度におきましては、国家公務員の指定職あるいは国務大臣クラスを除く特別職につきましては、十月から引き上げが行われましたけれども、いわゆる鉄建公団問題等を契機とします特殊法人に対する国民世論の厳しい動向、こういったものを勘案をいたしまして、五十四年度も据え置いたわけでございます。そういった後を受けまして、五十五年度どうするかという問題でございましたけれども、五十五年度について考えますと、一方において国家公務員の指定職、あるいは国務大臣クラスを除く特別職につきましては、昨年の十月から四・六%の引き上げが行われているという事情が一方にございます。しかしながら、他方におきましては、現在の大変厳しい経済情勢、あるいは非常に身近かな問題といたしまして、国会議員の方々の歳費が五十五年度中は据え置かれまして、五十六年度の四月一日からの引き上げということになっているわけでございます。したがいまして、こういった双方総合的に勘案をいたしまして、特殊法人の役員の給与につきましても、五十五年度中は据え置く、さらに据え置くと。つまり、五十二、五十四、五十五年度と、三カ年続けて給与改定を見送らしていただきまして、五十六年四月からという引き上げを考えているわけでございます。しかも、その引き上げ率につきましては、全体的に非常に抑制的なものにしたいと考えております。 以上、要約しますと、五十五年度分の給与改定につきましては、国家公務員の指定職は昨年の十月から四・六%上がっております。あるいは国会議員の方々につきましては、ことしの四月から四・八%という上がりでございます。それに対しまして、特殊法人の役員につきましては、時期的には国会議員の方々と同じように、本年四月から、しかし引き上げ率につきましては三・六%ぐらいということで、非常に圧縮したもので考えておるわけでございます。 第二点の、特殊法人の役員の退職金の問題でございますけれども、この点につきましては、一昨年十二月の行政改革についての閣議決定の中で、「特殊法人の役員の退職金については、人事院に依頼している民間企業の役員の退職金実態調査の結果を検討の上、適正な措置を講ずるものとする。」という一文がございます。それにつきまして、昨年人事院の方で調査を行っていただきました。その結果によりますと、民間の実態というものは、現在の特殊法人の退職金の支給率を決めました五十二年の調査の結果と変わっておりません。私どもといたしましては、特殊法人の退職金問題というのは、やはり民間に準拠し、しかも人事院の調査結果を踏まえることが最も妥当ではないかと考えております。したがいまして、この点につきましては、現行の支給率については、これを変更しないということを考えておるわけでございます。いずれにしましても、特殊法人の退職金問題につきましては、今後とも民間企業の役員の退職金の実態調査等を踏まえまして、適宜見直しを行ってまいりたいと、かように考えております。
○柄谷道一君 ただいま御答弁のありました特殊法人の退職金につきましては、私は意見を異にいたしますが、時間の関係もありますので、これは後日の議論に譲りたいと思います。 そこで、私は時間の関係で、長官に対して、行政改革の幾つかの項目に対して質問をしてきたわけでございますけれども、時間の規制を受け、突っ込み不足であったことは否めないと思います。しかし私が改めて申すまでもなく、行政機構の肥大化、五十四年度決算報告に見られる五千七百二十五億円に及ぶ不適正経理が示すような綱紀の弛緩、さらに複雑多岐にわたる補助金の実態、私は、こうした行政の実態は、このまま放置してよいものでは決してないと、こう思います。破局的な財政情勢をこのまま放置いたしますと、財政の果たすべき本来的機能、すなわち資源配分、所得再配分、さらに安定的経済成長達成の面において、大きな障害が出てくることは必至でございますし、さりとて増税か、しからずんば福祉切り捨てか、この二者択一によって財政再建を図る道もまた適当であるとは思われません。そこに行財政改革を徹底的に断行することが、時代の強い要請であり、そのためにこそ副総理格の中曽根さんが行革の長官に就任されているものと私は認識いたしておるわけでございます。今後とも行財政改革に対する確固たる決意を持って臨まれるように、この点は強く要望をいたしておきたい。 そこで、昨年秋の臨時国会で、いわゆる第二臨調の設置法が決定されたわけでございます。いまその準備期間であると、こう思いますけれども、今回の臨調は、八〇年代、九〇年代を迎えるに当たっての、行政の哲学と体系を摸索するという長官の構想によって設置されたと、こう考えております。とすれば、その発想の出発点から、すでに長官は意中の人物を頭の中に描いておられた、こうわれわれは受けとめるわけでございます。会長及び委員の人選につきましては、新聞紙上いろいろ観測記事が掲載されておりますけれども、私は現在、漏らせる範囲で、人選の進行状況とあわせて、その概要をお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会の人選につきましては、日本の各界の意見を代表し得る大局的見地に立った人材をぜひ選任申し上げたいと、そう思って心組みをしておるわけでございます。いずれ総理がお帰りになりましたら、そろそろ人選に入らなければならぬのではないかと、そういう状態で、目下のところはとつおいつ思案をしているという状態でございますので、御了承をいただきたいと思います。
○柄谷道一君 それでは、くどいようですが一点だけお伺いいたします。 この設置法の提案理由の中に「各界の英知を結集した」と、こういう表現がございます。それは私は超党派を意味し、当然たとえば政策推進労組会議など、労働界の代表もこの中に参加すると理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 労働界は日本の非常に重要なる分野でございまして、私もかねて重視しておるところであり、この声を代表するお方が入ることは当然であると考えております。
○柄谷道一君 時間が迫ってまいりましたので、最後にプライバシー保護法について御質問をし、質問を終わりたいと思います。 新聞報道によりますと、行政管理庁は近く加藤一郎東大教授を座長といたしまして、プライバシー保護研究会を新たに発足をさせ、年内にも結論を得て、法制化に向けて一歩前進する、そういう意向を固めたと報道されております。そこで、私はその内容は昨年九月のOECDのプライバシー保護対策の確立を促す勧告を長官としてその念頭に置かれたものと理解するのでございますけれども、第二臨調と並行して、このような研究会を発足をさせ、研究を開始する、その真意についてお伺いをいたしますと同時に、われわれはプライバシー保護法の策定をすでに提唱いたしまして、その要綱等も発表いたしておりますけれども、この際長官としてはそうしたわれわれの意向もこの研究会の研究の中で、十分に配慮されるものと理解したいのでございます。長官のこの点に対する基本的態度をお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) プライバシー保護の研究会を発足させることにいたしまして、加藤一郎元東大総長を中心に、いま編成をしておるところでございます。第一回の会合を二十九日に予定していると聞いております。 この研究会をつくりましたのは、かねて国会でも私が御答弁申し上げておりますように、プライバシー保護立法を必要と認め、そのために諸般の準備を実行していこうと、そういう積極的な意欲から研究会をスタートさせることになったのでございますが、その研究の内容等につきましては、OECDの勧告も重要な参考の一つの資料でございましたし、民社党あるいはほかの党の御立案になりました法律案、あるいは政策要綱等も十分われわれは検討してまいりたいと、そう思っておるわけでございます。いずれにせよ、このプライバシー保護の問題は、情報公開の問題と並びまして、これからの行政体系をつくり上げていく上に、非常に重要なポイントになると確信しております。したがって、この情報公開とプライバシー保護の二つの問題について、いささかもそごがないように、十分の構えをしながら、これが政策を推進することに前進してまいりたいと、このように考えております。 〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕
○喜屋武眞榮君 私は余りにも問題が多過ぎるという立場と、時間の制約があるという二つの立場から、勢い問題を沖縄にしぼって、まず長官に尋ねたいと思います。と申しますのは、基地の島沖縄には県民の意思に反した命にかかわる問題、健康にかかわる問題、あるいは財産にかかわる問題、暮らしにかかわる問題、もろもろの問題が多発いたしております。これは非常にいけないことであります。ところが、最近沖縄がいい意味においてクローズアップしつつある一面があるわけであります。鈴木総理がASEAN諸国を歴訪していらっしゃいますが、その経済交流、文化交流、平和交流の中で、沖縄が浮き彫りにされつつあるし、また中山長官が沖縄を訪問されて、そこでまた県民を明るくしていく、こういったうれしい情報もあるわけなんです。ところが、いま県民がそういった期待感を持ちながらも、とまどいを感じておることがあるので、そのことについてお尋ねいたします。 西銘知事は、コンベンションホール構想というのを打ち出しております。そして、中山長官は南北センターという呼び名で打ち出しておられる。 〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕 鈴木総理は国際交流センターという呼びかけで沖縄を想定しておられるやにうかがえるんです。これらの三つどもえといいますか、これがどのような形で集約されて定着するかということについて、非常に県民は期待と、あるいはある面においては疑惑とを持っておるわけなんですが、その構想の具体的なものがありますでしょうか。煮詰まっておりますでしょうか。それをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 喜屋武先生のお尋ねの新しい沖縄の目玉として、私は長官に就任以来、沖縄の地理的あるいは気象的に亜熱帯地域にあるというこの沖縄が、今後どうしたらさらに発展をし、若い県民の人たちが希望を持つだろうかと、こういうことでASEAN各国及び太平洋の南の方の島国あるいは第三世界を含めた地域との国際交流の場にいたしたいと、こういうことでかねて構想を出しておりましたが、西銘知事の方からコンベンションホールの建設の御要望、御希望がございましたが、私はやはり沖縄の地理的な立場から、仮称でございましたが、南北センターという名称で、いわゆる国際人材交流センターというものを沖縄につくりたいと、こういうことを実は考えておったわけであります。その後これの具体的な計画に入る前に、いわゆるアメリカのハワイにある東西センター、これはアメリカが考えたASEAN各国、南太平洋の開発のセンターでございますが、日本の私どもがこれからつくろうとするいわゆるASEAN人づくりのセンターは、ASEANの各国がそれぞれ自助、自立、平等、こういう立場で各国の繁栄に協力し合っていくということが必要であるという私は考えから、国連大学のスジャトモコ学長、これはインドネシアの出身者でございますが、このスジャトモコ学長と御相談を申し上げて、そしてマレーシア、マラヤ大学のアジズ副学長等とも連絡をしながら、ASEAN各国の国立大学の責任のある方々に来ていただいて、十月二十八、九日の両日、東京でお互いの立場を確認し合いながら、これからのASEANはいかなる方向で人をつくっていくべきかという意見の交換を行いました。その結果、仮称の南北センターという言葉は、ASEAN各国は歓迎するものではないと、こういう御意見がございましたので、仮称南北センターを外務省とも相談をして、国際センターという名称にただいま切りかえたわけでございます。そういういわゆるASEANの声を中心に、これから沖縄でこの国際人材の交流センターをつくっていくという構想を持って、総理はマニラからジャカルタ、きょうはタイにおられるわけでありますが、各国と意見を交換しながら、恐らく御意見を発表されると、日本の新しい方針というものを出していかれるだろうと、私はこのように考えておりますので、先生お尋ねのコンベンションホールというものとは、仮称でございますが、この国際センターというものは本質的に違うということに御理解をいただきたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 そこで、沖縄が地理的に歴史的に、いわゆる日本の門戸として非常に重要な位置を占めておる。このことはだれしも認めてくださると思うんですが、そこで問題は、県民の立場から気になりますのは、沖縄がよくなるということと、沖縄県民がよくなるということは、これは一致すべきであるけれども、過去の歴史的いきさつからしますと、必ずしもそうではなかったと。もしそれが頭越しでそのようなことが定着した場合に、一体沖縄県民はどうなるだろうかと、こういう不安も率直に申し上げましてあるわけなんです。 そこで問題は、いま長官が構想しておられるその機構に対して、計画あるいは建設、運営、こういった一環のつながりにおいて、沖縄県民の意思がどのようにそれに反映していくのであるか、あるいは参加していくのであるか、これが最も大事なことだと私は思うんですが、その点いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) このセンターの運営構想というものは、まだ鈴木総理の最終的な意思の発表というものが現在行われていない段階で、開発庁長官として申し上げることは少し御遠慮申し上げたいというのが私の前提のことでございますので、御理解をいただき、一応今日まで沖縄の県当局及び、問題は琉球大学という大学、この国立大学がいよいよ今年から医学部も募集すると、こういうことで、私、先週でございましたか、先々週沖縄へ参りまして、琉球大学の方からぜひ私と懇談をしたいと、こういうことで二十数名の学部の教授たちが来られまして、いわゆるこれからの沖縄のあり方、それからこの国際センターとのつながり、琉球大学はこれからいかにするべきかというふうなことで、二時間余り意見の交換をいたしました。私は大学の自治に干渉する意思は毛頭ないと、自治はあくまで尊重するという立場を貫きながら、これからの新しい沖縄の開発にとっても、琉球大学のいわゆる研究室、講座、そういうものと、国際センターに入ってくるいわゆるASEAN各国の若手研究者、学術の研究員、こういう人たちとの連関性というものがどうなるのか。私が県の方にもお願いをしておるのは、建設するなら琉球大学から自転車で乗っていけるような手近なところにつくるべきではないか、こういうふうなこともお願いをしておりまして、そういうふうな意味で、県民の御意見、御要望はもとよりのこと、琉球大学という国際交流と、それから、技術の南北移転を大きな理想に掲げてつくった大学でございますから、大学の御意見も十分拝聴しながら、これからの実施については検討してまいりたいと、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 いまの段階で基本的な姿勢、構想をお聞きしまして、今後に向けて特にお願い申し上げたいことは、海洋博の後遺症、まあ必ずしもマイナス面だけではないんですが、とにかく海洋博の後遺症というものに対する非常にアレルギーが県民にはあります。また後遺症も現にあります。そういったことから、頭越しでやられて、ただ地理的条件から土地を提供する、こういうことでは大変だということですから、本当に沖縄がよくなるということは、即沖縄県民がよくなり、日本がよくなることである、こういう基本的な考え方に立って、ひとつ定着をさしていただきたい。このことを強く要望申し上げまして、また、これからの具体化によって、いろいろと質疑をいたしたいと思いますので、この点いまおっしゃるような構想で、ぜひひとつゆがめてくださらぬように強く要望いたしておきます。 次に第二点は、振興開発計画の十カ年が今年度で終わるわけですが、これの延長問題についてはもうほぼ決定、延長当然だと、こういう前提に立って問題が進められておると思いますが、念のために確認いたしたいと思いますが、そのように理解してようございますか。
○国務大臣(中山太郎君) そのように御理解をいただいて結構でございます。
○喜屋武眞榮君 それで、その問題にまた不安がありますのは、いわゆる国の財政規模の立て直しの問題と関連して、一般論としてはよく理解できますが、沖縄の特殊事情、まだ本土並みになっていない、こういった立場から、特別措置というのが生まれたわけでありますが、当然この二次振は特措法にまた内容を盛らなければいけない、こう理解しておるわけなんです。ところが、問題は、次期振興開発計画の策定と、特にそれを裏づける予算の面から、補助率の問題が大変気になるわけなんです、補助率の問題。従来、御承知のとおり、最低六〇%から一〇〇%の幅があるわけなんですが、それを一般並みに、本土並みに法を適用されて、抑えられて五〇%以下と、こういう形でこれが延長した場合には、これまた重大な問題だと、こう思うんですが、その補助率の問題、少なくとも現状をずっと維持してもらわなければいけない、こう思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(美野輪俊三君) 第二次振興開発計画に関連しまして、現在の沖縄振興開発特別措置法に盛り込まれた特別措置と、特に補助率等についてどう考えるかという御質問でございますが、先ほど大臣からも御答弁ございましたように、私ども沖縄開発庁といたしましては、現去の沖縄の現状、問題点等の分析の上に立ちますと、第二次振興開発計画は必要ではないかと、こういう考え方、前提のもとに作業を進めておる段階でございます。ただいま先生御質問の、その中にどういう特別措置を盛り込むかとか、あるいは補助率をどうするかといったような問題、これらは現状の分析、第二次振計の課題、それらとの関連において今後私どもとして検討していかなければならない問題であろうと、このように考えておる段階でございます。
○喜屋武眞榮君 いろいろ再検討の余地もある面もあるとは思いますが、基本的には、本土並みになるまではどうしても年限を延ばすというよりも、縮めはしても延ばすということは、これはもう余りにも長がりし戦後でありますので、そのようにひとつきちっと——これは大祭難渋を示す面も多かろうと思いますが、ぜひ長官とされましては、県民側に立って、沖縄の立場はあくまでも踏まえて貫いていただきたいと、こう思うんですがいかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 五十六年度予算をごらんいただいてもわかるように、沖縄の県の方から五十六年度予算についての御要望のあった点は、全部満杯でいわゆる復活さしてつけております。私どもといたしましては、沖縄の抱えている悩みと、経済的に見ましても、本土と比べて七〇%の所得しかないと、こういう現実を踏まえて、これから沖縄のために一層努力をいたしたいと、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 その基本姿勢で今後ひとつ変わりない御努力をお願いいたします。 次に、午前中に御質問のありました対米請求権放棄の問題につきまして、午前佐藤委員に対するお答えで、地元の推進協議会から要求された百二十億と、こういう地元地元ということを強調しておられましたですね。そうすると、地元の意思を尊重して、地元からの要求に満額それにこたえてやったということなのか、政府としてはそれに対してある一つ積算の物差しを当てて、適、不適を検討して、百二十億にされないままに地元要求をうのみにされたという印象を受けたんですが、その点どうですか。
○政府委員(美野輪俊三君) 百二十億の政府として措置をいたしました根拠いかんと、こういう御質問であろうかと思います。 午前中にもお答えをいたしましたように、推進協議会からは当初約一千億の要請として出ておったわけでございます。その後、本年の九月に至りまして、最終的な要請といたしましては、百二十億を概算要求してほしい、こういう要請が出てまいっておるわけでございます。それをうのみにしたのか、こういう御質問でございますが、私どもとしては、うのみにいたしたわけでございませんで、要するに対米請求権関係の事案等が、発生時点におきます被害等を、得られる限りの資料におきまして積算いたしますと、それにかっこの対米請求権問題最終的な解決にしたいという地元の意向等を加えますと、これは相当なものである、相当な額である、こういう私ども判断のもとに概算要求をいたし、今回予算案に計上を見るに至った、こういう経緯でございます。
○喜屋武眞榮君 佐藤さんへの回答の中で、あんたは、国は外交保護権を放棄したのであって、個々人の権利を放棄したのではない、こういう御答弁がありましたね。そうすると、沖縄県民の請求権を放棄したのは沖縄県民じゃありませんね。国が勝手に放棄したんでしょう。そうすると、沖縄県民の立場からすると、請求する権利がありますね。その個々の被害者が請求すれば、これは認めなければいけないということになりますか、それどうですか。
○政府委員(美野輪俊三君) この対米請求権放棄の問題につきまして、これは沖縄の返還協定におきまして、この請求権を放棄する趣旨の規定が入っておるわけでございますが、その法律上の性格としてはどういうことなのかということで、実はお答えしたわけでございますが、これにつきましては、要するに、沖縄県民が個々に持っております米国あるいは米軍に対する請求権を国が個々人にかわって放棄した、こういうことでは考えておりませんで、これは通常国際間のそういう問題につきましては、外交保護権というのが国の方にございますが、その外交保護権をこの問題につきまして放棄しました、こういう趣旨で私ども考えておるわけでございます。したがいまして、厳密に申しますと、ただいま先生おっしゃいましたように、個々人の米軍あるいは米国に対する請求権は放棄されたものでも何でもない。ただ、言うなれば外交保護権が放棄されておるということで、外交保護を受けられないというような問題が生ずるわけでございます。 この対米請求権問題そのものを、私どもといたしましてはそのように考えておりますが、それが戦後二十七年間異民族の統治下にあって、その統治下において、そういう種々の被害が生じておるという沖縄のきわめて特殊な性格にかんがみまして、これを第三次復帰対策要綱におきまして、国は、調査の上適切な措置を講ずる、こういう方針が決定されておったわけでございます。これに基づきまして、私どもといたしましては、すでに漁業関係事案、それから人身関係事案等につきまして措置をいたしまして、残りました土地関係等事案につきまして、量も私ども妥当な方法であろう、こういう考え方のもとに、今回の措置を講ずることとしたものでございます。
○喜屋武眞榮君 そうすると、結論的に言えば、この百二十億というのは見舞い金ですか、賠償金ですか。
○政府委員(美野輪俊三君) 私ども賠償金というふうには考えてございません。むしろ見舞い金的な性格のものと、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 そこを、冷たい法をつくったのは、そのように仕向けたのは日本国ですがね。そう思いませんか。何となれば、ちゃんと法的に請求権を放棄したイタリア、西ドイツはどうなっていますか。一応は放棄した条文があるけれども、後段でその一切の被害については国が補償するということが条文にうたわれておるんですよ、おわかりでしょう。日米の取り交わしにはそれがないんです。ないということは、これは日本政府の非常な沖縄に対する差別ですよ。犠牲ですよ。それを、請求額は詳しく申し上げますよ。件数で十二万三千八百七十九件でしょう。金額で一千百七十二億三千三百六十五万八千三百五円、こういう件数と額が出されておるんです。これは国の責任において、アメリカに放棄したのは日本政府だから、当然県民としては国が肩がわりすべきであるという、これも筋であるはずであります。それをいかにも涙金、見舞い金という非情な心で、これでがまんせよ、これでがまんせよ、しかもそれは現地からの審議会でやったんだから、こたえてやったんだと、こういう形でこれを処理されることに対しては、あなた方が何とおっしゃられようが、県民は、被害者は非常に不満を持っておりますよ、この百二十億に対して。それをいかにも得々と満足げに、現地から要望したからこたえてやったんだと、のしをつけてやったんだと言わんばかりにこうおっしゃることに対しては、これは憤慨にたえませんよ。十分の一ですよ、十分の一、しかも見舞い金という。当然これは補償金として請求する権利がありましょう。このことを理解してもらわぬというといけないということなんだ。そのうつぼつたる不信感がいっぱいありますよ、県民の中に。私はそれを知っておるからこそこうして強く申し上げるんです。これに対する長官の御所見をひとつ承りたい。
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄のいわゆる対米請求権の問題、私も沖縄を何遍か訪れて、戦争末期における沖縄の方々の御苦労、あるいはまた戦後の占領期間における沖縄の方々のつらい生活というものを目の当たりに聞き、またあるいは見まして、やはり政府としてはできるだけのことを沖縄のためにやらなければならないと、こういうふうな考え方に立って、私は行政の責任者として、微力ではございますけれども、全力を尽くしてやっておるつもりでございます。今後ともそのようにやってまいるつもりでございますし、ただいま御指摘の点につきましても、できるだけのことはやっていきたいと今後とも考えております。
○委員長(野田哲君) 他に発言もないようですから、内閣、総理府本府、行政管理庁、沖縄開発庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算については、この程度といたします。 次回の委員会は明二十日午前十一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会 —————・—————