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94回国会参議院1981/06/04

外務委員会 第12号

発言数
267
登壇者
21
会派数
7
開催日
1981/06/04

会議録

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  難民の地位に関する条約の締結について承認を求めるの件、難民の地位に関する議定書の締結について承認を求めるの件、以上両件を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 難民関係の条約並びに議定書に関連して質問をさせていただきます。  最初に、私もちょっと判断ができないだろうという感じを持っていることが幾つかありますので、そういうものを含めてお伺いしたいのですが、いわゆるボートピープルという、そのボートピープルに関連しての問題ですけれども、これはボートピープルというのは船をチャーターしたのか、あるいはどうかわかりませんが、とにかく船に乗って海洋に乗り出して、恐らくいろいろな目的があって乗り出したのだと思うのですが、国外に出て相手国に行く目的を持ちながら出ていくボートピープルと、それからさらに、私が聞くところによりますと、ちょうど日本あるいはその他の国の船が一番通る航路帯に漂流をして助けられるのを待っていると、そういうグループもどうもあるように聞いております。そうなりますと、やはりこの救助の問題といいますか、これが判断の問題も含めて非常にむずかしい問題として出てきているのじゃないかと私は思うのですが、このボートピープルの救助について、実情ですね、これは大体のことはわかっておりますが、その内容等について、いま申し上げたように、漂流してとにかく救助されるのが目的なのか、あるいはどこかの国を設定して、そこへ向かって脱出をしていく、その途次において救助されたのか、その辺がちょっとよくわからないのですが、日本で救助した、日本の商船その他が救助したボートピープルについて、何かそういう面での調査をされたことがあるのかどうか、その辺をちょっとお伺いしたいのですが。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) お尋ねの件でございますけれども、ベトナムから海路脱出した難民を総称いたしましてボートピープルというように言われているわけでございますけれども、ボートピープルの数が一番大きかった一九七九年、一昨年でございますけれども、総数で約二十万と言われております。そのうちで、大部分はみずからの船でマレーシアあるいはインドネシアに漂着するというケースでございますけれども、委員御指摘のとおり、海上で漂流中、航行中の船舶に救助された件数が百二十八件。二十万のうち八千六百人が漂流中救助されたとされております。  海上で救助された背景といたしましては、遭難船救助の原則がまずございまして、さらに一九七八年の末に国連難民高等弁務官事務所とそれからIMCO、政府間海事協議機関が関係国に対して共同アピールを発出いたしまして、人道的見地から難民船の救助を呼びかけたということでございます。  わが国の場合も、船員法の規定に従いまして、日本船がボートピープルを救助した例がかなりございます。ただいま申しました七九年、一昨年には八件、救助した者が三百六十七名ということになっております。ちなみに、八〇年は十三件、三百三十七名ということでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そこで、これは救助をした、されたというか、ボートピープルですね、これについていまちょっと申し上げたようなことを、恐らく調査といったって、そう簡単にいかないのじゃないかと思うのですが、その目標とか、どこに行くつもりだったとか、そういうふうなことは調査されましたですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) いまだ包括的な調査を行っておりませんけれども、先ほど申しましたように、一昨年二十万のボートピープルが流出したわけでございますけれども、その大部分はベトナムに近いマレーシアとかインドネシア、タイに漂着したということで、ベトナムを脱出する際は船を買ってそういうような国にたどり着くことを期待して出たと。  先生御指摘のとおり、ベトナムから海上に出れば第三国、西側の船舶に救助されるであろうという期待のもとに脱出した例というのもないことはないと思いますけれども、実数としては少ない。私、流出したと申しましたけれども、いま申しました一昨年の二十万という数字は漂着した数字でございまして、実際に流出した数がどの程度であったか。七九年の、月に五万とか六万流出したときには、大体五割、少なくとも三分の一は生命を断っているのではないかということも言われていたわけでございます。したがいまして、流出数全体としての把握は、そういう意味で困難である。同時に、流出を試みてもベトナムの官憲に捕らえられて連れ戻されたというケースもかなりあろうかと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そこで、さっき申し上げたようなことで、内容的には余りまだ調査を、具体的な目的地がどこだとか、そういうものについてはやってないわけですね。どうも聞くところによりますと二つ目的があって、本気になってたとえば第三国に出て行こうという連中と、それからそうじゃない、とにかくそこまで行くのは大変だから、ちょっと沖合いで航路帯のところをうろうろして救助されようじゃないかと、こういうのがあるというのを聞いておるわけなんです。  まあしかし、それはそれでも、いずれにしても漂流をしていてもやはり救助の対象になるわけですから、当然これは人道的に見て救助しなければいけない。そういうところで、これは私自身もちょっといろんな経験を持っているのですけれども、目的地に向かおうと思って出航して、船を運航しているときをわざわざ救助することないじゃないか、目的地に行けばそれでもって終わりなんだ、目的は達成される。ですからその救助する側に立ってみますと、これは船長の判断にもよるかもしれませんが、一体、これは遭難とかそういうものに当たるから救助しなきゃいけないという判断をしなきゃいけないのか、あるいはただ普通の船の航行であって、これはそのままそっと見ておいた方がいいのじゃないかとか、いろんな判断をしなきゃいけないので、非常にその辺がむずかしいのだということも私伺っておるわけなんです。遭難というか、救助しなきゃならない状況にあるかどうかというその判定ですね、これもまあ非常にむずかしいということを聞いておるわけなんで、何でもかんでも、ボートピープルに、ボートに乗った人たちに会ったらこれはもうどんどん船に上げてしまえということでもどうもなさそうだ、上げてみたら何を邪魔してくれたんだ、われわれはこの国に行く予定だったのに、何でそこで上げられたんだということになりはせぬかと、そういういろいろな問題がこの中に潜在をしておるのですね。これはいますぐここで判断して、どういうふうにしろということは言えない、できないと思いますけれども、こういった点について、救助する側の立場に立った判断についての何らかの根拠、ある程度の根拠があれば非常にやりやすくなるのじゃないか、救助するかしないかの問題も含めて判断しやすくなるのじゃないかと思うのですが、その点についてどういうふうにやろうというふうにお考えになっているか、それをお伺いしたいのですが。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) ベトナムを、船を買って脱出した難民、かつその船がかなりしっかりした船であるというような場合に、付近を航行する第三国の船舶としてあるいは船長としてどういう義務を負うかということかと思いますけれども、その点については先ほど来申しましたように、実数としては二十万近くいる者で船舶に救助された者は八千六百名ということでございますから、ほとんどの船は無事と申しますか、一応目的の地に漂着しているというように解釈できょうかと思います。  他方、船長としての義務の問題になりますけれども、委員御案内のとおり、公海条約がございまして、公海条約の第十二条で、「いずれの国も、自国の旗を掲げて航行する船舶の船長に対し、船舶、乗組員又は旅客に重大な危険を及ぼさない限度において次の措置を執ることを要求するものとする。」と、その中に第一項として、「海上において生命の危険にさらされている者を発見したときは、その者に援助を与えること。」、「援助を必要とする旨の通報を受けたときは、当該船長に合理的に期待される限度において、可能な最高速力で遭難者の救助におもむくこと。」という規定がございます。これを受けまして、委員御案内のとおり、船員法の十四条で同じような趣旨がある、したがいまして、やはりベトナムからのボートピープルが「海上において生命の危険にさらされている」という判断をするかしないかということは船長にゆだねられている問題であろうというように考える次第であります。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 この救助の問題、そうですね、確かに船長が一番権限を持っている、最高権限を持っている、こういうことですから、船長が救助するべきだと判断すればそれでいいと思うのですけれども、これはいまの公海条約とか船員法の問題との兼ね合いもあると思いますが、まあこれは日昇丸の場合はそうはいかなかったのですね。そういうことで今後いろいろとそういう問題があると思いますから、その辺も少し詰めておいていただければと思うのですけれども。  それから、さらに今度は、では救助をした、そして救助をした人たちを船に乗せて運んでいくという場合ですね。これもまた、たとえば日本に直接帰ってくる日本の商船の場合は、これは日本サイドの方との連絡をとればいいのじゃないかと思うのですが、たとえば寄港するような場合がありますね。たとえば台湾に寄るとかあるいはその他の港に入る。そういった問題についてやはり相当ややこしい時間のかかる手続あるいは検討が必要なんだというふうなことも聞いておるわけです。その点は実際にはどういうふうになっておるのでしょうか。その点ちょっとお伺いします。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 委員御指摘の二つのケースに分けて御説明いたしますと、本邦に入港する場合は、まず難民の生命の安全を確保するということが最も重要な条件でございますから、食糧等を供給していただいて、救助人数、それから入港地、入港予定日等を海上保安庁等関係当局に通報していただく、そうすれば本邦到着後遅滞なく検疫等の入国手続を済ませた上で本邦に上陸が許可される、そして一時上陸にかかわる各種のセンターに収容されるということでございます。ちなみに、六月二日までの一時上陸の累計は四千七百二十九名ということになってございます。  第二のケース、すなわち、たとえば邦船がヨーロッパあるいは中東に航行中、要するに南シナ海を南下している場合に、漂流難民船を見つけた場合、そのために日本へ帰ってくるというわけにいかないということで、その場合にはフィリピンとかあるいはシンガポールというところに、近隣の第三国に一時上陸の許可を求めるということでございます。過去において若干手間取ったケースがございますけれども、現在のところ、たとえばシンガポールであれば一日か二日でシンガポール当局から一時上陸の許可を得ているということでございます。一時上陸の許可を得て上陸できました難民については日本政府が引き取るという保証を出しておりまして、そういう難民については大体二ヵ月か三ヵ月以内に日本で引き取って、先ほど申しました一時上陸センターにこれも収容されているということでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、これは日本の国籍といいますかね、日本の船舶が難民を救助した場合、いま南に行く場合には最寄りの国で、寄港したところで一応預ってもらうということですね。最終的には日本に引き取っていかなきゃならない。そうしますと、細かい話なんですが、たとえば船籍が日本にない船が救助した場合は一体どうなるのか、その辺ちょっと……。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 実体的に日本人が船主であるいわゆる便宜置籍船の場合にも、私のいま申しましたような措置、すなわち近隣、たとえばシンガポールならシンガポールに要請いたしまして、一時上陸を認めてもらって、その当該船舶については予定どおりの航行を続けてもらうという慣行と申しますか、手続ができ上がっております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますると、それは船としては預ってもらう国に対する交渉、これはもちろんやらなきゃいけない、さっき二日間とかいうお話がそれだと思うのですが、と同時に日本との連絡といいますか、そういう状況に対する報告その他もしなきゃいけないのですね。これもやはり一つのどうせ引き取らなきゃならない、最終的に引き取るべきボートピープルだということですから、日本が全部責任を持つということになるわけですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 南下しつつある日本船舶が漂流難民を発見し、救助した場合に、たとえばシンガポールに入港予定であるという場合には、直ちにその船舶の船長から東京に連絡がございまして、外務省を通じて在シンガポール日本大使館がシンガポール当局と交渉する、交渉する過程において、シンガポール当局から、たとえば三ヵ月以内に日本が引き取ってくださいという保証書の提出を求められますので、それを保証する文書を発出する、その間当該船舶がシンガポールに入港して一時上陸が認められる、そうしますと、三ヵ月以内に日本政府は当該難民を引き取るということになっております。ただ引き取る場合に、日本に定住を認めるということではなくて、一時上陸を認めるということでございます。多くの難民については、定住希望先はアメリカとか豪州とかフランスでございまして、日本というケースはわりあい少ないものでございますから、日本にのみ定住を認めるということで難民を引き取るという場合には難民の意思に反するということになりますので、いま申したようなシンガポールから引き取る場合には、一時上陸を日本に認めるという形になるわけでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 難民とか流民とか、そういったような方々が日本に定住を余り希望しない、アメリカとかその他の国に行くので日本は全く通過する一時的な腰かけみたいなそういうふうなことに結果としてどうもなっているような感じがするのですが、これは恐らくいろんな問題があると思いますけれども、私、これ本きのうから読んでいるのですが、「流民」という本なんですけれども、これには相当痛烈に日本の入管の冷たさについて書いてあるわけですね。そういうふうなこともあるし、非常に流民、難民に日本として冷たく当たっているというふうなそういう印象が口づてで伝わっているのじゃなかろうかと思うのですね。ですから、たとえばいまこの条約あるいは議定書、これが決まりますと日本の国内法も変わってくる、難民、流民等に対する扱いというのが公式に日本として扱っていくようなかっこうになってくると、またいろいろな情報が伝わってくると、あるいはそのボートピープルも含めてふえてくるのじゃないかという気もするのです。ですから、この辺ちゃんとしておきませんと、いま何人だから、非常に少ないから大丈夫なんだと、大丈夫というか、予算措置その他もいいだろうと思っていても、それは後でもってどんどんふえた場合どうするかということも考えておかないとならないような気も私はしておるのですし、また同時に、いま船のことを盛んにお伺いしたのですが、これは私が一つの実例を持っていると申し上げたのは、関連しているところ、調査船があの辺を調査する場合の問題でしてね。もしかボートピープルに会ったらどうしたらいいかという問題が出たものですからね。ある政府筋に聞きますと、なるべく会わないようにしてくれというような話もありましたし、これは冗談でおっしゃったんだろうと思いますが、そんな問題がいろいろあったものですからお伺いをしたわけなんで、やはり遭難をしている、いわゆる救助する、した以上責任があるということになろうと思います。その点をわれわれとしても今後しっかりと見きわめていかなきゃならない問題たくさんあると思いますから、それと関連してお伺いしたのです。  さてその次に、条約と議定書の問題なんですが、国によっては条約に加入をしていない国があるわけですね。議定書だけ、あるいはその逆という国が幾つかあるということですけれども、これについてはこの両方とも加入しなくても、たとえば議定書、後の方から取り決めをするというこれだけに加盟したとした場合に、その効力といいますかね、これについては変わらないものかどうか。大体条約そのものがどうもこれ古いのですね。もっぱらヨーロッパを対象にできている条約ですから、そういうものに加盟をしなくても議定書だけ加盟すれば実質的には問題はないというふうになるのかどうか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいまの点でございますが、御指摘のように、議定書と申しますのは一九五一年の一月一日以前に生じた事件の結果ということ、時間的制約というものを取っ払っておるわけでございますので、そういう意味では議定書がカバーする範囲というのは非常に大きくなって、その意味で、時間的制約も全くなくして対処し得るという意味では、議定書が非常に重要な意味を持っておるわけでございます。条約は一方、これは御指摘のように、発効は先で、大分前でございまして、五一年一月一日以前に生じた事件のみを扱っている。ただ、これまた御指摘のように、議定書のみに署名しております国、それから条約のみに署名しておりまする国がございます。御希望がございましたら一々国名を申し上げますけれども、それはあえて省略させていただきまするけれども、そういう意味では議定書に加入するということが一番大事であるという御指摘は御指摘のとおりでございます。ただ、いま申し上げましたように、条約のみに加盟しておる国もあるということから申しますると、それらとの国との協力関係、そういったものを考えますると条約に加盟する方が万全であるということはやはり言えるのであろうと考えております。  ちなみに申し上げますると、議定書に四十二年以降に加入した国が三十ヵ国ございますが、そのうち条約を実質的に同時に締結した国が二十八ヵ国あるということは、やはりこの問題に対する大勢を示すものであろうと、こういうふうに考えております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そこで、ちょっと条約と議定書と二つ、いろいろ何も難民の問題だけじゃなくてあるのですけどね、これは拘束力といいますかね、それはどっちが上なんですか。

栗山尚一外務大臣官房審議官

○政府委員(栗山尚一君) 一般論で申し上げましても、また今回の難民条約あるいは議定書との関係で申し上げましても、国際法的に申し上げますと、おおよそ国家間の法律的な権利義務関係を約束し合った文書ということでございまして、これは名前が条約とか議定書とか協定とかいろいろ使用されますけれども、国際法的、法律的に見ますれば、その拘束力は条約であろうと議定書であろうと何ら相違はございません。今回の難民条約と議定書との関係につきましてもそのとおりでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 いろんな呼び方があって、どれかが非常にウエートが重いのだという感じをどうも持ちそうなものですから、では全く国際間の取り決めであって、どれがグレードが高いとかそういうことはないということですね。  それで、今度難民と流民の問題、これについてお伺いしようと思うのですが、まず最初に難民のことなんですが、難民に対する定義の中でここで非常に判断がむずかしい定義、「迫害を受けるおそれがある」という項目がございますね。これが受け取る側あるいは決定をする側にとって非常にこの判断がしにくいのじゃないか、非常にむずかしい。人種、宗教、国籍あるいは社会的集団の構成員である、あるいは政治的というふうな問題もたくさん含んでおるわけですから、これについての判断というのがやはり相当やりにくい、幅があり過ぎるというような感じを私持っておるわけなんですが、これについてはどういうふうに取り扱いますか、この判断。これはどなたが判断するということはこの前お伺いしたのですが。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 難民認定は法務省が担当されるわけでございますが、いま御指摘の点でございますけれども、一番大事な点は、迫害を受けるおそれがある、あるいは迫害を現に受けておる、そういう事実関係を客観的に立証する、これが一番大事な点でございます。その原因、因果関係としては、いま御指摘の諸点との因果関係というものを証明する必要があるわけでございます。これはやはり難民の発生原因、あるいは難民の現に置かれております状況というものが多岐多様にわたることは十分想像されるところでございまして、認定はそういうことを十分踏まえてケース・バイ・ケースにと申しますか、十分難民の個々の事情を十分に勘案して認定を行う必要がある、かように考えております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そういう場合が往々にして、ばっちり決まったものがないものですから、解釈のしようによってはえらく誤解を受ける場合もある。さっき最初に、「流民」という本が出ていると申しましたが、これなどもやはり非常に冷めたい扱いだということを終始して書いてあるわけですね。そういうふうなことでやはり温かく扱うということを前提としてそういう幅広い解釈をするということが残されているのだろうと私は思うので、これは外務省が判断するのじゃないでしょうけれども、その辺は今後期待をしたいと思っているわけです。  それから流民についてですが、これは定住地がインドシナ三国にあるということが条件になっているような感じを受けるのですが、これはインドシナ三国だけしか対象としないのですか。その辺はいかがでしょうか。

伊藤卓藏法務大臣官房審議官

○説明員(伊藤卓藏君) 最近言われております流民という言葉でございますけれども、非常に広い意味で使われている場合もございますし、また狭い意味で使われている場合もございますが、最も狭い意味での流民というものにつきまして、私ども以下申し上げるような人たちと理解しているわけでございます。  それは、インドシナ三国の政変前後に、それまでインドシナ三国に生活していた人が、政変、戦乱を逃がれて第三国、大部分が台湾でございます、タイの場合もございますが、第三国に逃がれまして、そこである程度の定住を認められ、かつ台湾なら台湾の正規の旅券の交付を受けまして、それでわが国への観光ビザあるいは通過ビザを取りまして、観光客あるいは通過客ということで入ってきまして、在留期間を超えてなお不法残留している人たち、こういうぐあいに理解しておりますが。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 正規のパスポートを持ってきた人ですか、たとえばタイ国とか台湾とかに密入国して、それでさらに日本に入ってくる場合、偽造パスポートを持って入ってくる、日本の入国の方は、それわからないから入れてしまう、そういうことになると、密入国と不正入国二つ繰り返して来ているわけなんですね。こういう人たちは、結局よく調べてみると、その途中の過程はどうあろうと、国を出国するときに何らの保障もなしに出国しているわけなんですね。日本に最終的には入ってきてしまったと、こういう人たちも流民に当たるわけですね。

伊藤卓藏法務大臣官房審議官

○説明員(伊藤卓藏君) やや広い意味で申しますと、いま御指摘のような、不正にパスポートを入手した人あるいは他人のパスポートで来る人たちも含めて流民と言っている場合もございます。そういう場合は、これは不法入国ということになろうかと思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、不法入国に結果としてはなるわけですよね。しかし、そういう人たちの問題もいまいろいろと出ている。それからパスポートを正規にもらったというのは、これは本来は、たとえば台湾のパスポートを持ってくる場合は台湾が発行したから責任は台湾にあるのだ、台湾のパスポートで来れば当然日本は受け入れざるを得ないと、こういうことになりますね。それはそれで一つランクが違う問題だと思うのですが、いろいろな事態があるので、その辺の取り扱いをやはり相当幅広くしようというので、今度たとえば法務省でもいろいろ考えておられるようですから、その辺さっき冒頭でも申し上げましたように、温かい扱いというのをできるだけしていくという方向で、こういうものの解釈を今後されていった方がいいような感じを私持っておるわけなんです。ですから、そうなりますと、今度難民に対して社会保障制度は適用されていくということになりますが、流民に対してはまだその適用を考えられてないだろうと思うのですが、これは厚生省は――外務大臣は前の厚生大臣でしたから、もう全くちょうど同じですけれども、流民に対して社会保障制度を今後、全面的かどうかは別として、適用されるような方向で進まれるかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 今度難民条約へ加入いたしますと、国民年金法、児童諸手当関連法等における国籍要件を撤廃するわけでございますから、難民のみならず、すべての外国人に対し、社会保障に関し、国民健康保険を除き日本国民と同一の待遇が与えられることになりますから、難民と流民の区別はないと存じます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、流民への社会保障もある程度は実現さしていこうというお考えだと伺います。  そのほかございますけれども、ちょっと時間が参りましたので、最後にこれは外務大臣にちょっとお伺いしたいことがありますので、実を申しますと、当委員会のスタッフとアラブ諸国の代表の方と懇談会をやったわけなんです。この懇談会をやっていろいろと意見を聞いてみますと、大きく考えてみてやはりアラブ諸国の問題の中心はパレスチナ問題である、これはもう御承知のとおりでありますが、このパレスチナ問題というのが民族の問題あるいは宗教上の問題ですね、そういうふうに区別できて、宗教が違うから対立するのだとかいうふうなことでの見方もあると思いますけれども、あの人たちに言わせますと、そうじゃないのだ、もっぱらこれはパレスチナのシオニズムの問題であると、こういうふうなことを言っておったわけですね。しかも、いま中東でレバノンが非常に危機をはらんだ状況に入ってきている。ですから、日本の政府としてぜひとも中東問題を考える場合に、中東というかアラブも含めてですね、経済的な問題だけで考えないでもらいたい。政治的な問題ですね、こういう問題については日本はまだまだ、これらの問題についてはまだ浅いからこれをもっと深めてもらいたい。ではどうやって深めるかといえば、これは国連というものがあるから、その場を通じてぜひ日本が医者になってもらいたい。そして診断書を書き、まあ、診断書は書けるかどうかは別として薬を出してもらいたい、こういうふうな要望があったわけなんです。近々大臣行かれるわけなんで、その点についての御感想をひとつお伺いして終わりたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 中東問題の解決はいまおっしゃいましたパレスチナ問題の解決なくしてはとうてい考えられません。したがいまして、このパレスチナについては日本は米国と同一歩調をとっておりません。また、とらないことが中東の和平のためでもあり、米国のためでもあると、こう考えてしばしばこれは各国に意思表明してきたところでございます。私が特使として参りましたときにフランスの前大統領が来ておられまして、パレスチナ問題に対するフランスの方針を示されましたが、幸いそれ以前に私が文書をもって声明しておりましたので、世界ではわりに誤解されておりますが、日本の方が一番パレスチナ問題については理解ある態度で一番先に進んでいると私は自負しておるわけでありますが、いまの御発言はそのとおりでありますから、今般参りまして、向こうから来られましてもできるだけのことはやりたいと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 本日の議題は難民条約の審議でございます。通常国会も間もなく終わろうとしておりますし、今国会は、特に外務委員会等を通じてさまざまな問題が山積する中で、あるいは未解決のままでと申し上げた方がいいかもしれませんけれども、終わろうとしております。私もきょうは難民問題に、あるいは難民条約に直接入ろうと実は思っておりましたけれども、本論に入ります前に、この二、三日来の動きがやはりいろいろ激しく変化をしておるようでございますので、それらの問題をまず最初に確かめながら外務大臣の所信をお尋ねをしてまいりたい、こう思うわけでございます。  そこで最初に、先般の連合審査の際にも私、若干触れましたけれども、事前協議の問題についてまたざわざわとさざ波が立つようなアメリカ側の発言が伝えられております。特に元アメリカの大使館の参事官であったザヘーレンさん、これは私も面識がございます。非常に日本語の達者な方でございまして、日本のことについても相当精通されているというふうに私自身は理解をしております。その方が、端的に申し上げれば、けさの報道を通じてそれをまとめて私なりに整理をして言えば、アメリカ側としては核の存否は政策上明かすことはできない、一方日本側においては、あくまでも核の持ち込みについては事前協議の対象である、それぞれの国内事情というものがいみじくもそこで明確に反映している表現で彩られているのじゃないか。とどのつまりは妥協の産物である、こういう受けとめ方がされているようでございます。妥協の産物ということになりますと、アメリカ側の政策がやはり優先するというような印象を持たざるを得ない。そうなりますと、しばしば議論されて不明確なままにこの核の持ち込みについては終わろうとしているこの問題が、どうしてもやはりひっかかりを持たされるというのが実感ではなかろうかというふうに思えてならないわけでございます。外務省としてはすでにこの言明については、米国内の国内政策が優先するとは考えられない、こういうふうに表明されたと伝えられておりますが、果たしていかがなものであろうか。  まず最初に、この辺の経緯とその中身について、本当に私たちが疑惑を持ち続けてきたところへまた水をかけられるような思いのするザヘーレンさんの言明、非常に何か真実味を持った印象を私持っておりますだけに、いかがなものであろうかというふうに思えてなりませんので、まずこの問題を最初にお尋ねをしておきたいと思います。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) いま渋谷委員が御提起になりました問題は、アメリカの核の政策は核のあるなしについて否定も肯定もしない、したがって事前協議を求めてくるはずがないじゃないか、こういう点に尽きるかと思います。  この点については、連合審査の際に私の方から御答弁したとおりでございまして、昭和三十九年と四十九年の二回にわたりまして、アメリカ側にこの二つの点について問い合わせをしております。四十九年のアメリカ側の公式の見解は次のとおりでございます。  まず、合衆国政府は核兵器の所在を高度の機密性を有する国防情報とみなしている、合衆国政府は核兵器の所在を確認することも否定することもできないとの立場を種々の機会に明らかにしてきた、かかる合衆国政府の立場は、原子力法の規定を含め上記の情報を保護するためのアメリカの国家安全上の条件と合致するものである、しかし一九六四年十月に合衆国政府が明らかにしたとおり――これは日本側の問い合わせについて明らかにしたことを引用しておるわけでございますが、合衆国の原子力法またはその他のいかなる国内法も正当に権限を付与された合衆国政府の官吏が事前協議に関する約束を履行することを禁止したりあるいはこれを妨げるものではない、という回答を得ているわけでございます。したがって、日本とアメリカの関係について言えば、安保条約及びその関連取り決めにおいて核の持ち込みについては事前協議の対象となるということになっておりまして、この条約関連取り決めはすべて国会の御承認を得ているわけでございまして、アメリカが国家として行政府のみならずアメリカが約束しましたこういう約束については誠実に実行してきている、そのためにこの、しかし、以下の点に書かれているように事前協議の実行を妨げるような規定は何らないのだ、こういうのがアメリカの回答でございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 おっしゃるとおりだとは思います。しかし、非常に微妙な印象を与えるような表現で、それが一言一句正確に伝えられているものとするならば、受けとめる方の側にしてみた場合に非常にやっぱり微妙な食い違いがあるのではないだろうか。もう大分前のことでもありますので、そのときにどうだこうだということをいま蒸し返ししたいとは思いません。いま淺尾さんの答弁をそのままそのとおりかというふうに素直に受けとめられれば、これは問題は何にもないと私思うのです。しかし、またもかというようなこうした発言が続いている、恐らくまたこれからも出るのじゃないかという、そういう可能性すらも暗示するような昨今の情勢を考えますと、やはりこの点は日本政府としても明確に私はすべきではないだろうかと思う。妥協の産物なんということを言われますと、これはもう紛れもなく核の持ち込みというものはあり得るのだ、ただ明かさないだけだというふうに明確にもう受けとめざるを得ないというふうに、すぐ短絡的にイコールという答えを求めればそういうことになりはしまいかというふうになることを非常に心配をするわけです。  アメリカ側としても今回の一連のライシャワー発言を中心とした発言については、あるいは非常に憂慮している面もあるやにも伝えられておりますけれども、あるいはアメリカ側として見れば、この際にむしろ日本としてもはっきりした方がいいのじゃないかという、そういう脅えというものもあるのではなかろうか。そうでなければ、どうしてこの短い期間の間に次から次へその立場の違う人が、立場が違ってもザヘーレンさんは元国務次官補代理の方であります。そしてまたアメリカの大使館の参事官までやられた方ということになりますと、いかがなものであろうか。そういう方々についての発言というものを全く一刀両断で信頼できないものか、これはまた蒸し返しになります。  一方、これも報道でございますけれども、国によっては明確に事前協議を規定している国も、もちろん、日本といまこれから言おうとしているオーストラリアの場合は中身は違うと思いますよ。しかし、明確に規定されているのですね。むしろイエスの方に重点を置いている、そういう判断がなされるわけであります。国によっては事前協議というのは、もう必ず協議をした上に合意を得なければ、核を積載している、あるいは搭載をしている航空機の通過だとか、その国に立ち入ること、あるいは領海の通過なんかは認めない、簡単に申し上げればそういうような取り決めがある。日本だけがどうしてそういうことが明確でないのだろうか。何回も何回もそれを確認をせざるを得ない、そういうところにも国民の疑惑を招く大きな落とし穴があるのではないだろうかというふうに思えて実はならないわけであります。やはり国によって違いますか、淺尾さん。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) もちろん、日本のように事前協議制度というのが確立している国は、私の知る限りほかにはないと思います。いま渋谷委員が御引用になりましたアメリカと豪州との取り決め、これはダーウィンの豪州空軍の施設をつくるためにできた交換公文でございますが、そこで言っているのは、豪州の施設を使う目的として、アメリカのB52あるいはKC価という飛行機が何をするかという目的が書いてございまして、それは偵察とそれから訓練である、こういうことがその交換公文で明記されて、もしそれ以外の目的のためにダーウィンの施設、区域を使うという場合には豪州の同意を求めるのだ、こういうことでございまして、日本の事前協議制度とは性格を異にして、ここで力点を置いているのは、あくまでも施設、区域の使用の態様について決めているわけでございます。もちろん豪州とアメリカとの協定でございますので、私たちが有権的に解釈することはできないわけでございますが、交換公文あるいはその後にフレーザー首相が言っていることからすれば、豪州が施設、区域を提供するに当たって、その提供の目的をはっきりさせて、それ以外の目的のために施設、区域を使うときには、あらかじめアメリカから同意を得るのだと、こういう趣旨でございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 この事前協議の問題については、恐らく結論が出ないままに、そしてまた核の持ち込みについても疑惑を残したままというふうにいかざるを得ないかもしれません。きょうは本題ではございませんので、余りこれのやりとりをしておりますと本題から外れることにもなりかねません。  そこで、外務大臣が六月十九日、マニラを訪れた際にヘイグ国務長官と会われる予定をいま考えておられるようであります。すでに衆議院の外務委員会において、連合審査でお約束をなさった核の持ち込みについての確認を求めるという発言がまたお変わりになった。いろいろと御事情がおありになったのだろうと私は思います。ヘイグさんとは初めて会うので、余り生臭い話を冒頭からするのはいかがなものであろうかというようなお気持ちであったように受けとめているのですが、実際はそうではないだろうというふうに私は思えてならないわけであります。しかし、いま私が難民条約の審議に当たって、本論から外れてあえてその問題を提起した理由というものは、ますます広がりを見せるであろうこの問題の、ある意味における決着といいますか、恐らくアメリカ側としても大変迷惑なことだと受けとめているかもしれない、日本にとってはもっと大きな迷惑だという、そういうものが交錯しているわけでございますから、やはりそうした問題を一刻も早く解消することが日米友好の上にとってまことに大事な課題ではなかろうか。たとえ初めてでおありになろうと、お約束のとおり、お会いになって確認して、そして疑いを晴らすということが日本国民に対しても大事なことであり、アメリカ側に対しても、そういったことを鮮明になさることが、あるいは誤解が解けたというようなことになればまことにありがたいと私は思うのでありますけれども、やはり衆議院の外務委員会で御答弁なされた御意思を曲げるいまおつもりはございませんか。いわゆる連合審査の際にお約束をされたことへ戻るお気持ちはございませんか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いまの問題は、連合審査のときに答えましたことと昨日の委員会で答えたこととは、私いささかも変更はしていないつもりでありまして、こういう問題、現在はライシャワー発言を前提として米国の方から意思の表明があって、いままでどおりの解釈で米国はこの約束を守ると、こういうことで両政府がこれについて確認をしているわけであります。したがいまして、これをいまどうこうということは前々から考えておりません。ただ、こういう問題でありますから、ある時期にはやはり話す必要があると思いますと、こういう意味のことを連合審査では答えておりまして、マニラでヘイグさんと会ったときに話しますという約束は、議事録ごらんになっても、どこにも言っていないつもりでございます。  そこで問題は、マニラで会う約束ができました。これはアジアを中心とした国際情勢あるいはサミットその他、全般の問題で意見の交換をするつもりでおりますけれども、この問題は御承知のとおりに、これも連合審査でも外務委員会でも言っておりますが、日米相互の信頼と理解に基づくことでありますから、これはゆっくり話し合って、それぞれ意思の疎通をする必要があるということは考えておりますが、それはいまこの問題の起こっている最中にやるのはその時期ではありませんと、こういうお答えをしたわけで、マニラでそういう話を私の方からするつもりはございません。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 確かにいま御答弁なさったとおりだと私も記憶しております。しかし、時期を得てということもございましょうし、今回が不適当な時期であるかどうかは別にいたしましても、もしヘイグ長官の方から、いろんな話し合いの中で、いまお国ではなんということで気楽に話が出された場合、どうしますか。出される可能性はないとは言えないと私は思うのです。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 向こうから話が出れば、黙っておるわけにはまいりませんけれども、しかしいまのところでは、向こうからもその問題を出される可能性はないと存じます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 これもこの程度にとどめておきたいと思います。しかし、私の気持ちとしては、せっかくのチャンスでありますので、将来に、余り長い将来に延ばすことじゃなくて、できるだけ早い時期に問題解消のためにお取り組みになることが願わしいのではないだろうか、こう思います。  次に、非常にきょうは断片的にいろいろ、外務大臣とお目にかかるのも、あるいはきょう一日ぐらいでございますので、確かめておくことは全部確かめておきたいと思いますが、きょうのこれは報道でございますから、その内容をここで確認をさしていただきたいと思うのですが、日米地位協定第二十四条二項の規定に基づいて、米軍に対する新規の施設も提供するというような趣旨のことが伝えられているのでございますが、この点の内容というのはどうなんですか、真実は。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 地位協定の二十四条をお読みになりますと、第一項で定めてあるのは、合衆国軍隊が負担すべき経費、それから二項は日本が負担すべき経費ということでございまして、その二項で言っていることは、たとえば施設、区域であるとか、あるいは三条に言う路線権、そういうものを米側に提供する、負担をかけないで提供するということでございまして、さらに一番最後のところで「施設及び区域並びに路線権の所有者及び提供者に補償を行なう」ということが合意されているわけでございます。したがって、経費の負担については、アメリカ側が負担すべきものが第一項、第二項として日本側が負担すべきものというふうに明らかに規定されているわけでございます。  昨日も御質問のございました、いわゆる大平答弁というのが昭和四十八年の三月の十三日にございます。そこで大平大臣が言っておられることは、そのときにその前段がございまして、岩国あるいは三沢の隊舎の建てかえという問題が起きまして、その建てかえということを政府が無制限にやるのじゃないかという御質問がありまして、それに対して大平大臣が答えられているのは、「地位協定第二十四条の解釈につきましては、先般来御説明申し上げたところでありますが、」ということで、そこでは二十四条の、先ほど私が申し上げたような一項、二項の点について御説明し、「この際、政府としては、その運用につき、原則として代替の範囲を越える新築を含むことのないよう措置する所存であります。なお岩国、三沢の施設整備につきましては、右の点を踏まえまして日米合同委員会に臨み、その決定を経て実施」したいということでございまして、これはあくまでも代替の場合に、代替の場合は既存の施設、設備を取り壊すけれども、その範囲を越えないのだと、こういうことが明らかにされているわけでございます。  それをきのう実は質問がございまして、そうすると新規の施設については地位協定でできないのじゃないかという御質問がございますが、これも四十八年の三月の二十三日、その大平答弁が出た後に、当時の北米局長が答えておりまして、それは二十四条の二項によってできるのだという答弁をしているわけでございます。  それならば、それでは新規の施設あるいは区域を提供し、または既設の施設、区域内に新設の工作物等を建築するのは無制限にできるのかどうかと、こういうお尋ねがあるわけでございますが、これは安保条約の目的それから財政の負担及び地元の御理解と、こういう三つの制約がございまして、その三つのカテゴリーを勘案して政府としてはどの施設、区域を新たに提供するとかあるいは既存の施設、区域内に新しい工作物をつくるということを決定するわけでございまして、その決定したものは毎年予算に計上して国会の御承認を求めると、こういうのが慣例でございまして、たとえば地元から非常に御要望の強い消音施設であるとかあるいは屎尿の措置、屎尿処理機関というものをこういうことで提供している例は幾つもあると思います。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 いままでの政府の答弁はそうであったと私は思います。ただ、あるいは一部に誤り伝えられたのかどうかわかりませんけれども、要するに新規に積極的に作戦基地も提供するのだと、こういうことはないわけですね。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) それは作戦基地という言葉にもよるわけでございますけれども、たとえばすでに本年度の予算でお認めをいただいた嘉手納におけるシェルター、これは防御的な施設でございますが、シェルターについては安保条約の目約から考えて基地の効果的使用の上に必要であるということから五十六年度の予算に調査費は計上してある、しかし、あくまでもそれは野放しであるわけでなくて、いかにして安保条約を達成できるのか、あるいは財政の範囲内かどうか、あるいは地元がそういうものを設けることについて御賛成いただけるかどうかといういろんな要素を勘案し、慎重にケース・バイ・ケースに考えているということでございます。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) ちょっと先生、いまの問題で誤解が少し起きていますから私からも発言しておきますが、いまの代替工事のことはこれは御承知のとおりでありまして、私が前大臣のときもしばしば議論した問題であります。そこで、代替工事で、代替の工事はよろしい、いままでになかったところにつくる場合には、それが代替であって、日本の方の都合やその他でいまのところじゃ不便だ、あるいは道路の邪魔になるという場合に、話し合って、代替であるならば、その代替で予算も同じものなら場所が違ってもよろしいと、こういう枠がはまっているわけでございます。これについては政府の統一見解も申し上げたし、国会の方でもそれならばという御意見でいままで来たことは事実であります。  そこで、代替工事についてさえもそういう厳しい御意見があるわけでありますから、それでは代替工事でない一般のものは自由自在にやってもいいのかと、こういう誤解があって、そのどきの事務当局の説明がやや明確を欠いておったわけで、そこで何か新しい解釈をした、拡大解釈をした、新規のものは自由だと、こういうことに誤解されておるわけでありますが、これはいま事務当局が説明しましたとおり、新しいことについては諸手続を経てそういうものはやると、こういうことでありまして、無条件に野放しにやってもいいということではございませんから、念を押しておきます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 重ねて恐縮でございました。  さて、これもちょっと気がかりで私が触れた問題の一つ、いよいよミッドウェーが明日入港でございます。地域住民の方々を何か逆なでするような動きも一方においてあるみたいなことが伝えられるおるのでありますが、政府としてはとにかく摩擦を解消し説得をして理解を求めるというのがあのときの答弁であったろうと記憶をしているのでありますが、もちろんそれには変わりはないと思いますけれども、一方において盛大な歓迎式もやろうなんてことになりますと、かつてなかったようなことをやろうということになりますと、これはいかがなものであろうかという心配の種がまたそこに起こるという、これはいかがでございましょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) すでに航空母艦の入港は、フィリピンを出発をして、そして明朝には横須賀に入港する予定で事態は進行中でございます。思わざる問題が起きないように願いつつ、地域の方々の御理解を得ようと努力をしているところでございます。  歓迎式その他については、これは御承知のとおりいままでもあったわけでありまして、この歓迎の方と反対の方とのトラブルが起きないように希望いたしております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 この問題はこれ以上触れませんけれども、とにかく横須賀市長あたりも大変心配した声明を出されておるようでありますので、不測の事態が起きないように特段の配慮をやはりすべきではなかろうかと念を押してきょう申し上げておきたいと思うわけであります。  さて次に、いよいよ訪欧の時期も迫ったようでございます。いろんなことが話し合われるでありましょう。自動車の問題もあるだろうし、もう大体日本政府として、最初の鈴木内閣としてのコミュニケーションの場としていろんなことがいま考えの中に入っているだろうと思います。もちろん政府の基本方針に変更はないであろうと思いますけれども、非常に大ざっぱな聞き方で申しわけないのですけれども、今回鈴木総理が行かれた場合に、何を特に要望するのか、ただ単に会って、こんにちは、さようならで帰ってくるわけではないだろうと私は思うのですね。いま日本とヨーロッパの間には大変険しいいろんな問題がやはり横たわっておるわけでございますので、もうすでにその青写真というものができ上がっておるであろうというふうに思うのですが、特に力を入れる問題点は何がございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 何といってもまず経済問題、これが一つの大きな問題で、日本はややもすると米国との間の経済問題が解決をすればそれでよろしいということではありませんが、そうとられるようなことを過去においてやってきておりまして、ヨーロッパからはそういう批判も受けているわけであります。実際は私はやはり経済問題その他もヨーロッパ各国と理解しく合うということ、経済問題そのものが単なる二国間の利害関係ではなくて、世界経済をどうやっていくかと、こういうことになってきますと、やはり各国がよく率直に話し合う。ECと申しましても国々によってまた違うわけでありますから、こういう意見の交換が一つ。  それから何といってもこういう事態でありますから、国際情勢に対する意見の交換、特にフランス新政権ができ上がった状態でありますから、このフランスを中心にしたドイツその他の周辺の国々の御意見等も承る必要がありますが、この国際情勢の分析については、これはどこの国も願うところはやはり西側陣営はソ連に対する脅威をお互いが足並みそろえて抑止しようということは、これは大体一致しておるようであります。が、また同時に、足並みをそろえてソ連をたたこうなどという意思はどこの国にもございません。やはり日ソ間、東西問題の重点である日ソの間を何とか厳しい対決から緩和の方へ持っていこうという動きがあることは、これは先生御承知のとおりでありますが、そういうことに対する意見の交換。  それからもう一つは、サミットに対してどういう意見を持っているか。それからサミットと申しましても、次は南北サミット、カンボジア会議、こういうのがありますが、これはお供して行った私がいろいろ意見を交換することだと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 恐らく来月に予定されているオタワ・サミットに向けての根回しというものも含まれることがいまお話がございました。今回は画期的な政治課題が俎上に上るであろうということが前から予測されているわけでありますけれども、そこでその問題に関連いたしまして、ミッテランは核実験の再開をやると大変物騒なことを言い始めましたね、いわゆるムルロア環礁でもってやるのだと。最初はやらないということを言っておった。またその前言をひっくり返して再開をする。これはこの機会に日本の国是を貫く意味からも明確にミッテランに対して申し入れを行う、ぜひとも回避してもらいたいという、そういう要請はいまなさるおつもりがありますかどうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) わが日本は終始一貫いかなる国でありましょうとも、いかなる目的でありましょうとも核実験には反対の態度を一貫してとってきております。したがいまして、その一貫した姿勢を貫くつもりでございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 一貫した姿勢の中には、ぜひとも核実験をやめてもらいたいということの要請も含まれるというふうに理解してよろしゅうございますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) その意思表示並びに要請等は一つの方法ではなくて、各種のできるだけの方法はやりたいと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 最後の方はちょっと歯切れが悪くなっちゃったな。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) それではもう少し言葉を加えて、誤解ないように。  首脳者会議でその問題を出すか出さないかはそのときの状況によりますけれども、あらゆる機会をとらえ、あらゆる方法を通じて核実験反対の意思と要請を表明いたします。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 わざわざ先ほど十月に予定されている南北サミットまでお触れになりましたけれども、これは難民条約の問題に関連して私お尋ねをしたいと思っておりますので、それでは本題に入らさしていただきたいと思います。  最初に難民の受け入れの現状について御説明を願いたい。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) 先生のお尋ねはインドシナ難民の受け入れの状況かと思いますので……

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 当然日本に関連する問題でございますから、当面の課題としてはそれでございます。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) その点御説明申し上げます。  インドシナ難民の受け入れに関しましては現在閣議了解という根拠によりまして政策として受け入れをやっております。  二つの種類に分けられると申しますか、一つは定住難民の受け入れでございます。これは昭和五十三年四月の閣議了解によりまして、いままでかってなかった制度としてのインドシナ難民を受け入れる政策に踏み切ったわけでございますが、現在までのところ定住許可総数二千二百七名、実際に本邦に定住を完了した総数千四百三十五名という実績がございます。  また、もう一つのカテゴリーは一時滞在難民と言っております。また俗にボートピープルなどと申しておりますが、これは海上で救助されてわが国の港に到着したインドシナ難民のことでございます。その一時滞在難民に関しましてはUNHCR、国連難民高等弁務官事務所とそれからわが国の宗教団体、慈善団体、社会事業団体その他の施設が直接に契約を結びまして援護措置を行っているわけでございます。現在までのところ、わが国に到着した一時滞在難民の総数は四千五百九十八名、すでに第三国に定住のために出国した難民の総数が三千三百四十名、現在日本の各地、各施設に滞在している一時滞在難民は千三百二十名という実績でございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 いま御説明のありました中で、特に公共施設の場合もありましょうし民間施設の場合もございましょう。これは助成の状況は国としてどうなっていますか。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) 助成でございますか。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 ええ。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) 定住難民に関しましては、政府の事業といたしましてアジア福祉教育財団に委託して運営をしております。施設といたしましては定住促進センターというものを全国に二ヵ所、神奈川県の大和市、それから兵庫県の姫路市に置いてやっております。それに関する委託費は外務省、文部省、労働省三省から委託費という形で支出されておりまして、本年度は約六億八千万円でございます。  一時滞在難民に関しましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、主として民間の宗教団体、社会事業団体、慈善団体などがやっておりますが、全国約三十ヵ所施設がございます。そのうち総数にして、つまり収容能力、実際の実績の半分以上を占める一時滞在難民の世話をしている収容施設を運営しているのは日本赤十字社でございますが、日本赤十字社に対しては補助金という形で、約二億六千万円が厚生省から補助金として交付されております。これが実情でございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 難民受け入れというのは、従来きわめてなじまないというのが日本の国情であったろうというふうに思うのでありますが、それだけにその受け入れの内容につきましてもいろいろ配慮をしながら今日まで取り組んでこられたであろうと思うのでありますが、いろいろ問題がやはりあるようでございますね。いわゆる定住、一時滞留等々その区別なく、ともあれいろいろ問題がある。その一つは、日本に対する認識と理解というものが絶無に等しいというようなところから始まるのだろうというふうに思うのですが、それだけに手厚い配慮というものがこれからも望まれていくことは当然だろうと思うのです。これはちょうど昭和五十四年の委員会のときにも、まだこの条約案件がもちろん提出されない状況の中で、若干私がこうした問題についてお尋ねをしたことがありますが、その後時間の経過とともにいろいろ内容的にも変化が出てきたことは事実でありますし、重ねて難民の実態について、いわゆる日本へ入ってきてからの状況について、たとえば就職の状況であるとか、あるいは就学の状況であるとか、老後の保障問題であるとか、医療の保障問題であるとか、これは当然連動して出てくる問題でありますし、今回の条約についても内国民待遇を与えるということで、その点が非常に格差解消の上で大きな役割りを果たすことになることは当然であろうと思いますけれども、にもかかわらずいろいろなやっぱり問題点があるだろうというふうに思えてならないわけでありますが、いま申し上げたような問題、わかりやすく簡潔で結構ですから、その状況について御説明いただけませんかね。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) インドシナ難民対策の枠内で、実情を簡単に申し上げます。  先生御指摘のとおり、難民問題はわが国の社会がかってないあるいは先例のないと申してもよろしいと思いますが、大事業に取り組んだわけでございます。したがって、これは政府の政策のみならず、地方公共団体の理解及び政策の段階、さらに進んでは個々の地域社会の十分の理解と対応がなければ最終的な解決はない、巨大な問題だと心得ております。  そういう枠内で現在まで政府がやっております施策の内容を申し上げますと、定住難民に関しましては、先ほど申し上げましたとおりの施設において、具体的にはまず三ヵ月の日本語の教習、もちろんこれは十分ではございません。しかし日本の社会に対して何らの知識なく、また日本語に関して何らの知識がない方々が大部分でございますので、その方たちのための入門という意味で集中的な教習をやっております。また、その後約三ヵ月をめどといたしまして就職のあっせん、就職の世話、それからいろんな企業あるいは公共の職業訓練機関と連携をいたしまして職業教育をやっております。これが定住促進センターの事業の概略でございます。  それから、先生就学状況とか就職状況をお尋ねになりましたので、この点についてもちょっと御説明させていただきます。  定住難民の就学に関しましては、これは当然特定の地域社会に定着するのが目的でございますから、これは文部省の指導により県の教育委員会などを通じて、小中学校に関してはその地域の小学校、中学校に入学するようにアレンジしてございます。そして現在のところ特に問題なく、定住促進センターを出た方々の子弟は就学を実現しております。  他方、一時滞在難民に関しましては、この方々たちは日本に定住をする意思がなく、第三国に定住したいという明確な希望を有する方々でございまして、そういう意味で日本の施設に一時滞在しておりますが、この方々の子弟に対しても、これも文部省の指導により、特に希望がある場合、それから日本における一時滞在が比較的長期にわたると見込まれる場合、その他いろいろな事情が許す限り就学をあっせんしております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 そこで、就学は大体いまお答えをいただいた状況の中で、逐次いい方向へ向かうであろうという、私自身も推測ができるのですが、問題は就職でございまして、ことに、元留学生と言われている七百四十二名ですか、それも難民と一応認定されたわけでしょう。いままで、もうここ二、三年来の新聞報道あたりを通じて知るよすがしかないのですけれども、非常にやっぱり苦労している。一言で言えばね、大変苦労している。暮らしがかかっておりますから、もう働かなければならない。しかるに適当な職場がない。だから、恐らく工場勤務だとかしている人なんかまだいい方かもしれませんけれども、たとえばバーだとかスナックだとかそういうところを転々として、職を変えながら生計を立てなきゃいけないとか等々、さまざまなそういうことが伝えられているわけですね。こういう背景をずっと追い詰めて考えると、七、八年から十年近く日本にいるような元留学生の場合に限定して考えてみた場合、日本語も非常に上手になってくる、日本の実情についても理解が深まってくる、いま置かれた自分の立場というものも何であるかということを深刻に感じている。そういう中で今度自分が日本に定着をして生きていくためには、やはりよりどころになるのが職業でございますのでね、そのためには職業訓練だとか、さまざまないままでの制度的なものをフルに回転してその人たちが困らないようにという配慮がなされてきたことも知っておりますけれども、しかし、一方においてはそういうような問題がやっぱり相当残っている。そういうことから日本に定着するのはいかがなものかといってアメリカを目指していく人があるかもしれないし、その辺はいかがですかね。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) 先生お尋ねの点は定住難民、一時滞在難民とはいわば別なカテゴリーと申しますか、別な形で日本に定着、定住を目的として残ったインドシナ出身の元留学生とか修習生とかその他の人々のことかと存じますが、実は、現在政府のやっておりますインドシナ難民対策の対象とはなっておりません。実情を申し上げますと、その中には先生御指摘のとおり七百四十二名という具体的な数字でございますが、この方々は昭和五十年四月以前に入国して、わが国のインドシナ難民対策が発足したその時点においてやはり迫害その他の理由で本国に帰るわけにいかないという方々、こういう人たちの日本における滞在を、言わば長期滞在を特に許可した、そういう方々でございます。それからそれ以外の方々は先ほど来話題にもなっておりますが、いわゆる流民という方々かと思います。  そこで、それでは七百四十二名のいわゆるインドシナ難民という、統計上では難民の内数に数えてございますので、その難民に対して特別の配慮と申しますか、特別の政策がないか、なければやるべきであるという御示唆かと思いますが、この点は非常にむずかしい問題でございまして、先ほど申し上げましたとおり、わが国として余り経験のない、また歴史のない事業を始めました。したがって、率直に申し上げれば、試行錯誤を重ねておりまして、決していまの状況が理想的なあるべき姿であるとは認識しておりません。改善すべきところは多々あるのかと思います。これはいまの政策の理念に基づいて具体的な施策を通じていくうちにその経験則によって解決していかなければならないというのが私どもの基本的な認識でございます。  そこで、七百四十二名の留学生をどう考えるかということでございますが、率直に申し上げますと、この方々はすでに日本に何年も、いろいろばらつきはございますけれども、相当期間居住された方々でございます。したがって、日本の社会に対する入門というものは多かれ少なかれ終わっている方々かと思います。日本語に関してもそのように感じております。したがって、この方々に対して、たとえば就職の世話だとか、それから生活上の相談だとかは、これはインドシナ難民対策という範疇ではなくて、一般の行政の中において解決を求めるのが筋道ではないかと感じております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 いまの問題は、これからもケース・バイ・ケースということで適切な対応策というものを考えていかなければならない内容を含んだ問題であろうというふうに思います。いま直ちにこうしろとかああしろとか一律的に申し上げるようなことはできないと思います。私自身もそう感じます。  次に、先ほども御説明がございましたように、日本に定住する割合というのは非常に少ない。それはいろんな関係でもそうかもしれませんけれども、一時滞留して、行き先はどこかというとほとんど米国ですね。ところが、最近の傾向として、申し上げるまでもなく、米国はいま失業率が非常に高いわけです。なかなかそれがまだ解消されるような方向へ進んでいるとは思えない。    〔委員長退席、理事大鷹淑子君着席〕 いわゆる、米国民自身がすでに職を見つけることに非常に難儀をしている。そこへまたこちらから行くわけでございますから、もうそれは連動して、向こうへ行ったはいい、適切な仕事がない、困っちゃった、どうにもならないというような環境に置かれている人がふえつつあるということも伝えられているようであります。また、中には、向こうへ行った人からこっちへ、日本にいる人に、難民に対して手紙が来る。で、アメリカの移民局に対して移住の申請をしつつも、それが認可がおりるまで半年か一年か一年半か、長い人で何か三年ぐらいかかるそうですね。その間に日本になれ親しんで、今度は愛着を持ち、むしろアメリカへ行くよりも、なれたこの日本で、いわんや手紙を見た、向こうへ行っても大変厳しいらしいと。こうなると、その辺の状況というものはこれからも相当ふえるのではないかなという感じがしますね。つまり、一時滞留から、今度、逆に定住をしたい、そういうような傾向は最近ありますか。また、そうなった場合に当然認めてあげなくちゃならぬというふうに思いますけれども。

色摩力夫インドシナ難民対策連絡調整会議事務局長

○説明員(色摩力夫君) 先生御指摘のとおり、わが国における一時滞在難民は、長期的な傾向として入ってこられる一時滞在難民、それから第三国に出国される方々、その差、つまり、日本にやむを得ず滞留せざるを得ないという難民の数は漸増の傾向にございます。したがって、これは政策として、この問題を抜本的に、特に長期的に考えますと、何らかの解決をもたらさなければならないということは、これは御指摘のとおりでございます。ただ、これは大変な難問でございまして、実は、インドシナ難民対策連絡調整会議の枠内でも再三にわたり鋭意検討しておりますけれども、抜本的な、一義的な解決というのはなかなか見出せない、現在苦慮しているところでございます。  実績を申しますと、先ほど本邦に定住を完了した総数が千四百三十五名と申しました。そのうち、先生御指摘の元留学生が七百四十二名おりますので、それを引きますと、六百九十三名でございます。そのうち、日本にある一時滞在難民の収容施設から定住を希望して定住が許可されて定住が完了したという難民の数は六十五名しかおりません。一割にしか当たってないわけでございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 一割であっても、これからあるいはふえるかもしれないという、そういう場合にも当然頭の中に入れて対応措置というものを、絶えず機敏に、機能的にそれができるように、配慮をぜひお願いしたい。  さて、次に問題は、難民という、一口に難民という、流民の問題も当然ございます。すでに、入管庁の大鷹さんが三項目に分けてその辺を明確に規定されたやつをぼくは手元に持っているのですが、その認定の仕方というのは、これまた大変厄介でむずかしい問題だろうと思うのですけれども、下手をすると人権侵害ということになりかねない場合もある。その辺も十分配慮しながら、本当にこれは難民なのかというようなことの判定の仕方、言うべくしてなかなか困難だろうとぼくは思うのですけれどもね、これはどんなふうにやっていますかね。

伊藤卓藏法務大臣官房審議官

○説明員(伊藤卓藏君) 条約に申します難民の認定についての御質問だと思いますが、御指摘のように、非常にむずかしい問題だと私ども考えております。そこで、ただいま法務委員会の方で、御審議いただいております難民条約批准に伴う国内法の整備法案の一つといたしまして、出入国管理令の一部改正案を御審議をいただいておりますが、その中に、難民調査官というものを新たに設けましてこの難民認定の証拠収集に専属させたい、かように考えております。まだ経験もございませんのでこれからどうなりますかわかりませんが、大体は本人から詳細に事情を聞きまして、その供述を裏づける資料を外務省その他の御協力を得まして集めて、その上で認定することになるのではないかと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 パスポートの場合でも、偽造したやつだとか、あるいは人のものを持ってきたとか、これはそこまで考えたくないのですけれども、そういう場合もないとはしないという問題が一つと、それから一番やっぱり私どもが注意をしなければならない問題は、中には悪いやつ、一言で言えば、犯罪を犯しそうな、そういう人が紛れ込んで入ってくる、こういうのは本当は整理しなければならぬわけですね、当然のことながら。そういう点については先ほどもちょっと触れましたように、下手をすると人権侵害ということになりかねない。だけれども、それは拱手傍観してただ見逃してしまうということになると、日本社会に及ぼすまたいろんな意味での影響が出てくる。この辺を整理するというのは非常に厄介だろうと思いますが、いままでそういうような問題ありましたですか。

伊藤卓藏法務大臣官房審議官

○説明員(伊藤卓藏君) 重大な犯罪を犯したという人はまだ私ども経験しておりませんが、酔っぱらってけんかしたとか何とかという程度のもの、いわゆるボートピープルの一時上陸する人の中にはそういうのが二、三ございました。  そこで、現在の扱いは、ボートピープルが救助されまして日本の港に着きますと、船の上で、私どもの職員が行きまして二日がかりぐらいで審査しまして、そこからストレートに各慈善団体その他に収容しているわけでございますが、将来の問題といたしましては、先生御指摘のような犯罪者、あるいは伝染病患者がいるかもしれません。そこで、一時庇護センター、レセプションセンターのようなものを設けてやったらどうだろうかというようなことを関係省庁と目下話し合っているところでございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 基本的には、温かい気持ちで迎えてあげる、それを前提にしながらも、そういう問題にもやっぱり配慮していかなけりゃならぬ。ただ、相手の言い分を聞いて、ある程度認定するかしないかということを確かめざるを得ない。こういったところにもあるいはいろいろ確認の不行き届きな点があるかもしれない。これは、いまそれをどうしろこうしろと言っても、なかなかむずかしい問題だろうというふうに思いますね。しかし、日本の入管局というのは大変厳しい。これは世界的に有名かもしれませんので、その点落ち度なく今日までやってこられているだろうと思う。それを御信頼申し上げる以外方法はないわけであります。要するに、そういう問題を頭の中に入れつつも、いま重ねて申し上げますけれども、日本という国は非常にいい国だという印象を与えるような温かい気持ちで迎えてあげるということがこれは必要であろう、こう思いますね。それは要望です。  次に、今度は具体的な問題として、さっき最初に触れた社会保障、特に老後の保障と言った方がいいのかな、国民年金、厚生年金ということなんですが、厚生年金だけはこれはどうしようもない。きのうもいろいろと私厚生省の方にも聞いたけれども、場合によると掛け捨て、法律の定めるところによってこれはいかんともしがたいということでね。国民年金の場合はどうなのかという問題もある。それから国民健康保険の場合はどうなるか、確かに内国民待遇ということが与えられるとするならば、これはわれわれと何にも変わりがないはずでございますけれども、難民には難民のいろいろな事情があるわけですので、そういった点についてもいやな思いをさせないというような最大限の配慮というものが当然なされていいのではないだろうか。場合によっては経過的な措置ということを弾力的に考えてみる必要もあるのではないだろうかという思いがするわけでございますが、一々厚生年金はどうだのこうだのと言っている時間もなさそうでありますので、これは、いま私が申し上げたことをまとめて、いま厚生省が今回の条約締結に当たってこうこうこういう点が導入され、あるいは改められた、あるいはこうなります、児童手当の問題もありますわね、当然ね。そういった問題を含めて、どなたが答弁してくれますか。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) 社会保障の問題についてお答えを申し上げます。  ただいま先生御指摘のような厚生年金、健康保険等の職域の保険は、現在、日本人、外国人問わず適用対象になっているわけでございます。  それから、国民年金それから国民年金を補完するものとしての児童関係の諸手当につきましては、現行制度は対象を日本国民に限っております。  今回難民条約の加入に伴いまして、この対象範囲を拡大いたしまして、難民のみならず外国人一般に対して日本人と同様に制度の対象にするという改正案を、関係国内法の改正法といたしまして、現在法務委員会におきまして御審議をいただいております。  さようなことになっておりまして、年金、児童関係の手当につきましては国民と同様、こういう考え方でございますので、難民の方々に対しまして特例を設けるということは、逆に申しますると、日本人におきますところ現行の取り扱い以上の処遇になりはしないかというようなことでございまして、今回はそういうようなことは盛り込んでおりません。  ただ、恐らく厚生年金の期間の満たない場合の掛け捨て等の問題点をお考えのように伺っておりますが、そういう点につきましては、年金制度の基本的な問題でございますので、日本人も含めまして、今後さらに検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、国民健康保険の問題につきましては担当課長から御答弁します。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 ちょっと待ってください。  年金の問題、いまおっしゃるとおりだと思います。佐々木さんとおっしゃったね、非常に弾力的な御発言でしたね。元厚生大臣の園田さんもいらっしゃるんだから……。確かに日本人含めての問題なんだ、これはね。何か問題点がありそうな気がしてならない。特に難民条約を審議するに当たって、いまおっしゃったように、これは六ヵ月以上五年未満なんていう場合には、これは厚生年金に限ってですが、年金の支給はない、脱退手当金もない、加入中にけがだとか死亡の場合、障害手当、遺族手当は、これは支給されるんだな、等々あって、特に日本人の場合は、むずかしいながらもその仕組みというものについては、やっぱりこれは知っていかなきゃならぬという面がございますから、それはいいとして、難民の場合、なかなか日本のこういう制度についてはなじまないのですよ。ですから、いまおっしゃったように、むしろ日本人を含めて逆差別が起こってもいけませんので、これはやっぱりそういう方向に立って改正すべきものについては改正するということが必要ではないだろうか。これはいかがなものでしょうか。前の厚生大臣であった園田さんに、むしろその辺の政治的な配慮なんていうものは……。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおり、年金初め社会保障諸問題、あるいは国籍法の問題いろいろあるわけでありまして、    〔理事大鷹淑子君退席、委員長着席〕 内外民の国籍要件の撤廃という大きな筋は通りましたけれども、しかし国内法によってある内国民にもそういう恩恵をこうむらない者がおる。したがって国籍要件を撤廃された方もそれで恩恵を受けられない方がおる。ただし内国民と外国民、特に日本におられる韓国民の方とは事情が大分違うわけでありまして、これは来られるのも強制的に来られた方があるし、かつまた国籍は別でありましても、ほとんどこれはもう日本国にずっとおられる方でありますから、これに対して何らかの方法があるかという意見もあるわけでありますが、これはむしろ国籍要件を撤廃された内国民、外国民、これが国内法の改正によって逐次恩典を受けられるようにしていくべきだと存じます。ただし、財源の問題あるいは経緯の問題等で各省では根本的に骨組みを変えなきゃならぬことがあるものでありますから、なかなか困難であるとは存じます。しかし、難民条約に批准をしていただいて加入したからには、困難であってもそれを一つずつ外していく努力を各省はやってもらうべきでありまして、むしろそれを今度の条約批准、留保事項なしでやった、その中にこれはかからなかったから安泰だという逆の考え方を持っていただいては困る。こうなりますと、やはり主管がどこかわかりませんが、わが外務省が先頭に立って関係各省と相談をして、逐次撤廃の方向に努力する責任があると考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 厚生年金は工場だとかなにか五人以上の規模のところへ勤めれば、これは自動的に掛けなくちゃいけない。国民年金の場合、いま難民の場合、中高年者が多いのか若年者が多いのか、その辺私も詳しく存じ上げておりません。中高年者が多いんじゃないかという。そうすると、受給されるまでのいろんな矛盾というものが出てきはしまいか。五十歳になってから掛けなきゃならぬ、五十五歳になってから掛けなきゃならぬ、こういう問題も当然出てくるであろうというふうに考えられるわけです。そういう場合に、そういう方々に対する取り扱いというものはどうなるのか。  もうまとめて聞いてしまいます。それから先ほど触れたように国民健康保険も当然これは受けられるはずだと思いますが、どうなのか。児童手当の問題、生活保護の問題、これをまとめてそれぞれ簡単で結構ですから、内国民待遇となれば日本人が受けていると同じそういう待遇を受けることになるんだろうというふうに思いますけれども、ここで確認をしておきたいと思いますので、簡潔にひとつお願いします。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) お尋ねの第一点の国民年金の問題でございます。国民年金は、現行制度の中におきましても、老齢年金に結びつかない方が保険料の掛け捨てにならないようにという制度をすでに持っておりまして、そういう方々が加入された場合には、御自分の御希望によりまして脱退できるという制度がございます。したがいまして、中高年齢の方が国民年金の適用対象に今回なりました場合に、保険料の掛け捨てというような御懸念がある場合には脱退できる、こういう仕組みがそのまま日本人同様に適用になるわけでございます。その辺の周知は十分配慮してまいりたいと思います。  それから第二点の国民健康保険でございますが、国民健康保険は市町村が保険者になって自主的にやっている制度でございまして、現在条例におきまして外国人に適用の道を開いているわけでございますが、今回の難民条約との関連につきましては国の法令、具体的には厚生省令を改正いたしまして、難民はすべて国民健康保険の対象にする、かような改正を行うことにいたしております。  それから第三点の児童関係の諸手当でございますが、これは先ほども御説明いたしましたように、現行は国民に限っておりますのを難民を含めまして広く外国人に週刊を広げるということにいたしております。  生活保護でございますが、生活保護につきましては、現在、国民と同様の措置を一般外国人に対して措置をいたしておりまして、難民に対してもその対象になっている、かようなことになっております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 これは国民年金についていまおっしゃったとおりなんですけれども、地方自治体によっていろいろ取り扱いの中身が違う場合があると思うのですね。あんまりばらつきがあっても、加入される難民の人にとってみれば大分違うじゃないかという、そういうそしりを受けないように厚生省としても行政指導をその都度やはり注意深くやっていくだけの取り組みをぜひお願いしたい。  それから、ちょっと逆戻りしちゃって恐縮なんですが、法務省の方ですね、将来、難民の方が帰化したいと、その場合どうなるか、その場合の取り扱い、いまどんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。国籍を取得したい、日本人になりたい、将来やはりそういうことまで考えの中に入れていく必要があるだろうというふうに思います。

田中康久法務省民事局第五課長

○説明員(田中康久君) お答え申し上げます。  私どもとしては、現在、日本人になりたいという外国人の帰化申請につきましては、なるべく認める方向で処理をしております。ですから、特段素行上の問題があるとか、そういうことがなければ、申請があれば認めるということに多分なるだろうと思います。ただ難民の方々は、在留期間の関係で、帰化申請が出てくるというケースはいまのところないわけでございますけれども、いわば難民と認定された人たち、場合によっては難民と認定はされないけれども、それに準ずると考えられる人たちの帰化については運用上十分考慮を払いたいというふうに思っております。で、現在のところ私どもの方は国籍法の改正の検討もしておりますので、この帰化条件が現在のままでいいかどうかにつきましても、今回の改正の際にはあわせて検討したいというように思っております。ですからその際には難民として永住許可を受けた人の帰化についてどういう条件で帰化をさせるか、こういう点についても当然検討の対象になるだろうというふうに考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 これはぜひそのような方向でお考えをいただきたいと思います。  ただ日本の場合は帰化については非常に厳しいのですね。私も一遍韓国の方の御陳情を受けましていろいろとその手続上の問題を通じながらお願いをしたことがあります。相当期間が長いですね、承認されるまで。非常に厳しい。その辺もいまおっしゃっていただいたような非常に弾力的にこれから日本政府としても取り組むというその一環の中に、いや、ある面においては何もそれは野方図に何もかもみんな認めろということを私は申し上げているのじゃないです、犯罪者がいたらこれは困る場合があるわけでございますので。それは厳しい面は厳しい面として残しておくにしても、もっと合理的に迅速に本人の希望というものがかなえられるようにぜひ配慮を願いたいものだなというふうに思いますね。  そこで、さて次の問題は、難民というのはいま主としてインドシナ難民を中心として申し上げてきたわけでございますけれども、これは先ほども同僚議員の方からお話がございましたように、インドシナばかりじゃございませんね。パレスチナ難民もありますし、アフリカの難民もありましょうし、あるいは中南米における難民もございましょうし。恐らく想像できない、そんなことはないだろうとは思いつつも、この条約の精神に基づいてそれに該当すると認定された場合に、そういう地域の難民も受け入れるという判断にいま立っているわけですか、どうですか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 先生御承知のとおりでございますが、本件難民条約は国外におります難民を受け入れる義務を課するものではございません。したがいまして日本に対して難民として来られた方々に対してこれを受け入れるという問題でございますし、今後どういう展開になってまいりまするか、従来は御承知のように、インドシナ難民が大半以上でございますけれども、今後は事態の進展に伴いましていずこの地域から難民が来られるかということは予断できないところと思います。しかしどの地域から来られましても、難民認定を行いまして難民条約の趣旨に沿う対応をするということは変わりません。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 おっしゃるとおりだと思いますね。そういうことが将来起こり得るかどうかは予断を許さないと言えばそういうことになるんだろうと思うのですが、何せ数が多いのですね、一千万人以上、むしろもっとそれ以上あるのでしょうか。これは一九七九年十月二十三日の世界の難民ということで、アジア地域だとか、アフリカ地域、欧州地域、米州地域、中東地域、受入国と、どこから来たかという相手国と、それから人数、非常に大ざっぱな数だろうと思うのですが、この数を見まして茫然としました。これほどまでに、いわゆる難民と認定されるであろうとしか申し上げられません、それが果たして難民であるかどうかもわかりませんから、そういう一般的な難民と目さるような人の数というものは余りに多過ぎる。  そこでたとえば中進国、発展途上国、こういった国々においても相当数受け入れている。それは国土の関係あるいは民族的ないろんなつながり等々もあるようなことが理由になるんだろうと思いますけれども、そういう中では日本がわずかに定住枠が三千人、そうすると先進国家としての役割り分担の上から考えましても当然国連が中心になるというふうに思いますが、一体何をなすべきであろうか。いままでのような単なる経済協力という一般論的なことで果たしてこういう難民の問題というものを解消できるのだろうか。要するに、われわれとしてはその難民の方々が母国へ帰っていただくことが私はもうやっぱり一番理想だと思うのですね。故郷のことをまるっきりもう忘れ去ってしまって住みついたところが自分の故郷だと思う人もいるかもしれないけれども、だれもやはり郷愁というものはございましょうし、願わくはそれぞれの母国へ戻って安定した生活が営めるというふうなことが一番難民解消の基本ではなかろうか、こんなふうに思いますけれども、その辺の考え方、外務大臣としていかがでございましょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 難民問題を主宰しておる高等弁務官の方では、いまあなたがおっしゃったような目的をもってやっているような気がいたします。しかし難民の方々は環境によって実情が違いますので、ぜひ自分の国へ帰りたいという人と、もう帰りたくないという人と両方に分かれているわけでありますが、帰りたいという人はやはり定住の地を母国に求められるように努力してやることが大事だと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 それもそのとおりだと思うのですね。しかし帰るに帰れないという場合がございましょう。恒常的な飢餓状態あるいは部族間の戦いのはざまに落ち込んで、何にもかかわり合いのない庶民まで影響が出てくる。あるいは政治的ないろんな圧迫、これは将来ともにあるのかどうなのか、これもわかりませんけれども、しかしその辺の解消こそ世界平和への大きな足がかりになるのではないだろうか。さっきもパレスチナ問題が出ましたけれども、確かにそれもそのとおりだと思いますね。パレスチナ問題を解消することが中東の平和をもたらし、ひいては世界の平和につながるというのがアラブ諸国の大体共通した考え方のようでございまして、私は視点を変えまして、この問題の解消こそ世界平和への大きな足がかりになる問題ではないだろうか。それは言うべくして直ちにみんな母国へ帰すのだというふうなぐあいにはなかなか、いまそういう環境ではないだろうと思いますけれども、やはりそういう機能的な働きをなすのが国連であろうと思うし、実質的にはそういう問題に対する機能というものは、いろんな議論はなされても、実態的にどういうふうに一体それが促進されているのだろうか。恐らく難民はふえこそすれ減ることはないいま現状でございますね。政情不安、そういったことからもたらされるこういう問題。  そこで、私は、最初ちょっと触れましたように、いまこそ南北問題の解決というものはそれだけに重要な意義を持つものではなかろうか。どうすればいいか。アフリカなんかの場合でも、最近はやっぱり米ソ対立のはざまの中にあって、それでさらにそれが今度部族間の争いまで発展しちゃって、それであっちうろうろ、こっちうろうろ、もうそれでも食えなくなってしまう。土地はもう枯渇しちゃって物皆できない。もうこれがまた時間的な経過とともにさらに死亡者も出るだろうし、人口がふえることによって、今度食糧危機がやってくる。難民はふえこそすれ減ることは絶対にない。端的に考えましてもそういうような現在の世界情勢であろう。先進国家として何をなすのかということが問題であろうと思いますし、私はそういう面から、かつて予算委員会でもこれを指摘しました。願うことならば、やはり軍縮へ向けての世界の合意を得られるということが、軍拡にかける金があるならば南北問題の解消にもつながるでありましょうし、あるいはその地域の国の産業開発のためにもいろんな手段が講じられるであろう。むしろいまそういうところに視点を向けながら難民問題の解消ということを図ることが、現実対応として一番緊急を要する問題ではなかろうか。そんなふうに思えてならないわけですけれども、その辺はいかがでございましょうか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま外交問題はいろいろ問題があるわけでありますが、これを大きく分けますと東西問題と南北問題であると考えます。どちらが重要かということは別にして、南北問題がもう解決すれば東西問題の緩和というものも一つの道が開かれてくるわけであります。したがいまして、この難民条約というのは一つの国があって、よその国から来た人を差別的な待遇をしないということではなくて、日本の国が開放して、世界の国々と一緒になって南北問題を解決するという一つの開放された時期というものがこの難民条約だと、こう思うわけでありますが、南北問題についてはいろいろありますけれども、問題はこれに対する受け入れ対応も、受ける方も一つの面でありますが、さらに大事なことは難民が起きないような世界情勢をつくること。したがいまして、それが難民問題が一時は人道的な問題と言われておりましたが、いまや人道的問題をはるかに飛び越して、政治問題だと言われておることでございます。  これについては、いまおっしゃいましたように、国連を中心にして各国が相互依存、相互理解によって南北の対話、南北の紛争を解決すると、こういうことに絶えざる努力をしなけりゃならぬと思います。これについて、一つはアジアの問題ではカンボジア国際会議、これは私が数年前に主張してようやく軌道に乗ってきたわけであります。もう一つはメキシコで行われる南北サミットの問題。南北サミットは私は非常に大事だと、こう思っておりますが、いま第一にはどういう国々が参加をするか、なるべく多数の国々に参加をしてもらいたい、こういうことが第一の問題。  第二の問題は、この南北サミットで経済問題、政治問題を含んでこういう紛争や混乱の状態をなくしようと、こういうことでありますから、きわめてこれを成功させることが大事であり、一遍に成功しなくっても逐次その雰囲気をつくっていくと。たとえば南北サミットにはソ連の方はどうも出席をしないというか、アメリカの方は新政権で、私が現職の大臣が批判するわけにいきませんが、南北問題はやや後退してきたとこう思っておりますが、ただしフランスの新政権は外交問題は総論ははっきりしておりますが、具体的にはなかなかまだはっきりしない。しかし、この南北問題についてだけは非常に強い姿勢でございます。中には、米国ごときは条件つきで出席するという意向もあるようでございます。  そこで、そういう大事な問題でありまするから、八月の一日、二日行われる南北サミットの外相準備会議というものがありまして、これに対応する国々の姿勢はまだまちまちでありますが、私はヨーロッパ、ASEANの会議、あらゆる機会を通じてこれに対する理解を求め出席を要請するわけで、たとえばドイツなどはいまのところは事務関係を派遣しよう、よその国が熱心であれば場合によっては外相と、こういうなかなか微妙なところもあるようであります。そういう意味で、八月一日、二日の外相会議の準備会議には、私はまげてお願いをして私自身がこれに出席をして、これを推進していきたいと考えております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 これで私の質問を締めくくりたいと思うのですが、いまお話がございましたように、カンボジアの問題あるいは南北サミットの問題に対する考え方、私は全く同感だと思います。どうかいまおっしゃったことを強力に推進していただいて、米国のいまの取り組みよう、私もその点は認識は一緒であります。ソビエトが参加を拒否されたというようなことも伝えられておりますけれども、やっぱりそういう国々が一つのテーブルに座って、本気になって軍拡よりもこの南北問題について話し合うことが、先ほど来から申し上げているように、平和への足がかり手がかりを築く上からきわめて重要だと思いますので、いま申されたこの御主張についてはどうか最後まで、最後までといいますか、今後とも強力にその主張を展開し、実現を見るまで推進していっていただきたいことを御要望申し上げておきます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 五月十五日から日米合同演習が行われまして、日本海のマスはえなわが切断されまして、零細漁民の方々が非常に困っている現状でございます。その演習につきましては、大臣の中止の要請等ありまして中止はされましたけれども、その補償問題というものが五月の十九日ですか、閣議において今日までになってまいりましたけれども、今日までの経緯といいますか、報じられるところによりますと、ソ連がやったのじゃなかろうか、いや米国だけだとかいうようにボールを投げ合っているようなことも言われております。いずれにしましてもこの中にあって一番泣かされて困っているのは漁民でございます。私もこの難民条約に入る前に、大臣、今回の国会ではきょうがおしまいだということになれば、このことが気になってしようがありませんので一言伺っておきたいと思います。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○説明員(丹波実君) まず、事実関係の問題がございますので、私の方から最近の経過について御説明申し上げさせていただきたいと思います。  まず、本件のはえなわ切断事故につきましては、先生がいま言われましたとおり、関係漁民の方々にはまことに申しわけないことでございまして、政府として非常に遺憾と考えておるということは御承知のとおりでございまして、外務省としてもそういう観点から対外的な関係についてはできるだけのことをしてきたつもりでございます。  まず第一に、本件事故が起こりました後、アメリカの軍艦がこの事故を起こした可能性があるといういろいろな通報がございましたので、外務省としては直ちに在京アメリカ大使館にその旨を問い合わせて徹底的な調査を依頼したわけです。これに対して在京米大使館の方からは十六日と十七日、二回にわたりまして調査の結果を私たちに伝えてきております。それを取りまとめて申し上げますと、当時切断事故が発生いたしました海域にアメリカの軍艦四隻が確かにいた、したがってアメリカの軍艦がこの事故を起こした可能性がある、そういうことであるとすればまことに申しわけない、しかしながら、当時の状況を調査すればソ連のペトロパブロフスクという艦船も活動しており、かつあそこの海域で対潜水艦の作戦訓練を行っていた、したがって、アメリカとしては当時の状況を総合するとソ連の艦船によって引き起こされた可能性が非常に大きいと、こういうことを言っておったわけでございます。しかしながら、同時にアメリカの通報はアメリカとしてはアメリカが関係した分については責任を持つので、日本の当局が関係漁民の損害をまとめてアメリカ側に提起してほしいと、こういうことでございました。  この点は五月の二十日に園田外務大臣がマンスフィールド大使と会談された際にも、当方よりこの問題を提起してきちっと処理してほしいという申し入れをしたのに対しまして、マンスフィールド大使は本件事故は非常に遺憾であった、アメリカ側としてはすでに日本側にお伝えしているように、損害につき通報を受け、迅速に処理されることを期待しておると、こういうことを述べたわけです。  他方、ソ連側に対しましては、外務省の方からソ連の艦船が確かにあそこの海域で行動していたので、それを調査してほしいという申し入れをしたのに対して、ソ連側は一言で申し上げますと、日本漁船の漁具に何らかの損害をソ連の艦船が与えたとは考えていないという回答が五月の二十九日にございまして、わが方としてはこれに対して、今回のソ連側回答によってもソ連が今般の事故と全く関係がなくなったとは言えない、ということをその場でソ連側に対して述べておるわけです。  以上の状況でございまして、アメリカとの関係では、現在外務省としては水産庁が漁民の被害を取りまとめているということを聞いておりますので、本件事故は、基本的に公海上で起こった問題でございまして、純粋法理論としてはアメリカの海軍当局と関係漁民との間の話し合いになりますが、外務省としてはできるだけの協力はしていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) いま事務当局からお答えをしたとおりでありますが、米国は非常に好意的でありまして、私に対して向こうから、この被害についてはすでに米国の方は日本の関係省庁にどのような被害で、損害がどれくらいの額かということを具体的に調査して教えてほしいと、こういうことをやっておるということがございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 非常に漁民は調査の段階の中でも生活していなきゃならないのですから、その辺なんかはやはり考慮していただいて、早く解決されるように私は大臣にお願いしたいと思います。  それから限られた時間の中でございますのでもう一つ、公海上の問題なんですが、釧路管内の厚岸町の南公海上の大黒島というのがあるのですが、その付近で小型サケ・マス流し網漁船の網が切断されたということ、その漁民の報告によりますと、国籍不明な、アルファベットがたしか書いてあったというので、肉眼で見たんだから明らかではないけれども、潜水艦とそれから大きな貨物船のようなものがあるということを肉眼で見たと、これによって網が切断されたんだということを申し入れているわけでありますが、いま御承知のように魚群が北上している真っ最中でございますので、今後もこういう事件の問題が当然漁業をやっているうちにまた二度と繰り返すようなことがあるのじゃなかろうかという心配が非常に多いのです。これの補償に対してもどうしたらいいんだろうかということを漁民が泣いているわけですから、この点、この事情については大臣何か御存じでございましょうか。

丹波実外務省北米局安全保障課長

○説明員(丹波実君) 先生がただいま御指摘になられましたようなことは日本の一部の地方紙に報道されておりまして外務省も承知しております。海上保安庁が中心になって、一体どこの外国の艦船、もし外国のものであったとすればどこのものであったかを現在調査しておるという段階でございまして、もし特定の外国の艦船であるということが判明した際には外務省として適切な措置をとってまいりたい、こういうふうに考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 これはもちろん農水省の方の関係もありますでしょうし、海上保安庁の方の関係もありますでしょうけれども、よくその辺も、外国船であるというふうなことも言われているとすれば、やはり外務省としても大きな問題として漁民の立場に立ってからお考えを願いたい、このように思います。  それから、全く時間がございませんので、難民条約のことにつきまして、先ほど認定の問題が同僚委員からございましたけれども、これが大きな課題になってくると思います。それで私の方にも在日インドシナ流民に連帯する市民の会とかいう、その市民の会の方からもいろんな要請がございましてこの内容を検討いたしました。いずれにしましても認定をどういうふうに今後やっていったらいいんだろうかということで、これは私の考えでございますが、行政措置の一環として政府の機関の中に何か審議会のような委員会かなんか設けまして、第三者の意見を聴取してこの認定の業務に当たっていくような、第三機関のようなものを考えていったらどうか。これは外務大臣にも法務大臣にもこのことの御意見を伺いたいと思うのですが、いずれにしましてもこの難民問題につきましては園田大臣が五十四年の四月の閣議のときに、次期の通常国会でこの条約の問題を決めていきたいというような発言がありまして、そしてちょうど五十五年に法務委員会の出入国管理令の改正問題がありましたときに、私はこの問題を取り上げました。それ以前にも難民の問題につきましては非常に人道上から、言うならば地球民族主義という立場の上から大きな問題だと思いまして、かねてから取り上げてきておったわけですが、五十五年の法務委員会のときにこの問題につきましても質問をいたしておりますが、細かいことは省略いたしまして、園田外務大臣が先ほどもお話がありましたように厚生大臣におなりになりまして、ここがネックであったというふうにも伺っておりましたのが、厚生大臣になられてからこの問題に取り組まれて、今回の担当の外務大臣として、この条約を締結されるという面から考えますと、非常に大臣といたしましては意義の深いことだと思うわけです。そういうふうなことを考え合わせながら、いま私の申し上げましたような、認定はもちろん法務省がやってまいりますけれども、法務大臣が認定して、この入管令の、俗に言う四-一-十六-三というふうに言われておりますが、法務大臣が認定をして、そしてその不服を申し入れした場合でも法務大臣が処理するということになってきますと、初めからしまいまでストレートで一直線でいってしまうわけです。いろんな事情が、それぞれ複雑した個人個人の問題が介在している中ですから、ですからやはり、これは先ほども御答弁の中にありましたけれども、民間団体が、直接、社会医療だとか、市民団体が相当今日まで苦労してやっておられる。そういう人たちの中から、あるいは国際上の学者の中から法律学者等、そういう人たち等を含めて、一つの政府の審議機関のような、委員会のようなものをつくり上げていって、これに対処していくことがいいのじゃないかというふうに私は思うわけなんです。この点について大臣のお考えをまずお伺いいたしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) この難民の問題についていろいろ御指摘や御意見は、強くしばしば宮崎先生が発言されていることは私もよく記憶をいたしております。かつまた、いまの認定あるいは不服、その他について、広く学者とか民間人の意見を聞けということで、これは最も大事だと思いますが、委員会をつくって、その委員会の中に第三者を入れているという国は、いまのところは数多くはございません。よその国の例にならうわけじゃございませんので、いいことであればよその国のいかんにかかわらずやるべきことで、これはいまおっしゃいました、なるべく広く意見を聞くように、特にまた不服の申し立て、あるいは審査に対する異議、こういうものを何かフィルターにかける機関というものも確かに必要だなという気もいたしておりますので、いまのところまだ具体的なものを持っておりませんが、関係各省とよく相談をいたします。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 時間が私ありませんものですから重ねてお伺いするようになっているわけですが、衆議院では参考人をお呼びしたときに、その参考人の方から意見なんかありまして、その意見なんかも大臣ぜひ、お読みになったと思いますけれども、その中に、メキシコではすでにやっているようであります。そういうふうなこと等も私申し添えて、いまの大臣の前向きな御答弁に申し添えておきたいと思うので申し上げたわけです。

伊藤卓藏法務大臣官房審議官

○説明員(伊藤卓藏君) ただいまの認定機関の点でございますが、結論的には法務大臣が認定するということで現在法案の御審議をいただいているわけでございます。この結論を得るまでに私ども関係省庁ともいろいろ何回も協議を重ねまして、どういう形のものがいいだろうかということで検討もいたし、かつ法務省の入管の職員をわざわざヨーロッパまで派遣いたしまして、各国の認定機関、認定手続について調査させました。一番典型的と申しますか進歩的と申しますか、認定機関を設けているのが西ドイツだというふうに聞いております。  そこで、その西ドイツの場合はどうなっているかということでございますが、連邦難民認定庁というものがございまして、そこに認定委員会と異議決定委員会というものがあるようでございます。もっとも、この異議決定委員会は、後ほど御説明いたしますように、現在はないそうでございますが、そこでこの認定委員会、これは大体委員長と委員三人ぐらいから構成されているようでございますけれども、その実際の認定につきまして、一部の学者からは、これは独立性が保たれているということになっているそうですが、独立性のゆえに独善に陥るおそれがあるというような批判、また認定について政策的な配慮を加えるために恣意的な認定をするおそれがあるということを指摘しておられる学者もあるようでございます。  そこで、まずここで御理解いただきたいのは、難民の認定と申しますものは、これは難民条約一条の定めますところの要件に該当するかどうかという事実の認定でございます。その認定の結果在留を認めるかどうか、これはまた別個の問題と私ども考えておりますが、通常は難民と認定すれば在留を認めることになると思うのですが、理論的には、事実の認定が難民認定である。  ところが、ヨーロッパ各国は、この在留の許可と難民の認定を直結いたしているように私理解いたしております。そのために、法律の適用だけではなくて政策的な配慮、人道上の配慮というような観点から難民を認定しているやに聞いております。その点が私どもが現在考えておりますところの案とやや違っているのじゃないかというふうに思います。  なお、異議決定委員会、これは難民認定庁ができましたときにはあったそうでございますが、二年ぐらい前に廃止されたそうでございます。その廃止の理由は、なかなか結論が出ない、かえって手間取る、むしろ行政訴訟で結論を出した方がいいじゃないかという反省から異議決定委員会は廃止されたと聞いております。  それから、なるほど御指摘のように、異議の申し立ても法務大臣がやるという点は御指摘のとおりでございますが、実際に難民の認定を行いますセクションと、それからその認定に不服な場合に、異議の申し立てをした際に、それを扱うセクション、これはもう全然別個のセクションを私ども考えておりまして、異議の申し出がありました場合には別の観点からよく検討するということを考えている次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 時間がオーバーしましたのですが、この問題は将来にわたっていろいろふくそうしてくると思います。ですから、本来ならば、率直に言わせていただければ、外務大臣と法務大臣と相呼応してこの難民問題の認定というものについて深く調査をして検討されていかれればと私は希望するわけであります。  それと同時に、難民と流民ということは、上陸はしたけれども、違ったパスポートだとか、先ほどいろいろな話が出ておりますが、難民と流民というのは裏表みたいに、なかなかその、パスポートの有効期間が来たときに初めて発見するとかしないとかというような認定になってくるという例がいっぱいあると思うんです。そういうようなことから考えますと、難民、流民というのは裏表みたいな感じがします。そういったようなこと等も考えられてから、今後の難民の方々に温かい手を差し伸べてやっていただきたいということを申し添えて、私の質問を終わります。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 午後二時三十分に再開することとして、休憩をいたします。    午後零時三十分休憩    ――――・――――    午後二時三十二分開会

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 難民条約に先立って、私もいままでの関連で幾つかの問題についてお尋ねしたいと思うのですが、これは北米局長にお尋ねした方がいいかと思うのですが、アメリカとスペインの核持ち込みに関する了解がどういうふうになっているのか。それからノルウェーとNATOの間では、これは北米局長ではないのかな、外務省でどなたか、どういうふうになっているのか、おわかりだったら説明していただきたいのですが。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) スペインとアメリカもちょっと私の守備範囲かどうかわからないのですけれども、実はちょっと急なお尋ねで手元に資料がございませんので、また資料持ってお答えしたいと思います。  NATOとノルウェーですか、これは私全く知りませんので……。

立木洋日本共産党

○立木洋君 事前にあれでしたから、私の方で調べたのをちょっと述べさせていただきますと、アメリカとスペインの場合ですね。これは合意書が取り交わされているわけですが、ここではアメリカ合衆国はスペイン領土に核爆発装置あるいはそのコンポーネントを貯蔵しない、こういう内容になっております。これがさらに詳細な了解の内容が記載されているわけですが、それも、合衆国軍はスペイン領土にどのような有毒化学兵器、戦争のための窒息あるいは有毒化学部隊、戦争のための生物的手段、あるいは有毒兵器もしくは生物的にもあるいは化学的にも起因とする有毒部隊、さらに核兵器やその核コンポーネントを導入、貯蔵したりはしないと、こういう内容になっております。  それからノルウェーの場合には、これはノルウェーの政府が一方的に宣言したものですが、これもノルウェー政府は、自由意思により、独自に、平和時において、ノルウェー領に外国の軍隊は配置されることなく、またどのような原子力兵器もノルウェー領土に貯蔵されない、こういう内容になっているわけです。  こういういわゆる核の持ち込みの問題で、先ほど午前中アメリカと豪州の問題が問題になりましたけれども、見てみましても非常に明確なんですね。つまりここでは領土という表現、つまりソイルという言葉が明確に使われております。そしてストア、貯蔵しないという、そういう表現も明確ですし、それから部隊の規定もきわめて明確ですし、それから核兵器及び核のコンポーネント等々はっきり規定されているわけですが、その点にいきますと、日本の場合には繰り返し問題になっているイントロダクション・インツー・ジャパンというのは、いかにもその他の外国の核持ち込みに関する取り決めやあるいはそういう合意等々に比べてみてもあいまいだということは、こういう点からも言えるのではないかと思うのですが、そのいささかのあいまいさもないというふうにお感じになるのかどうなのか、外務大臣にひとつ御見解を述べていただきたいのですが。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) いまのアメリカ・スペインあるいはノルウェー・NATOというお話がございまして、その点について第三国である日本が有権的に解釈する立場にないわけで、しかも私手元にテキストそれ自身を持っておりませんので、コメントを差し控えたいと思います。ただ、日本の場合は、御承知のように、安保条約が改定になりましてから、事前協議の対象の三つのうちの一つとして、核の持ち込みというものが事前協議の対象に規定されて、それが岸・ハーター交換公文ということになっており、さらに藤山・マッカーサー口頭了解というものがございまして事前協議の主題となる、しかも、アメリカの歴代の大統領が、アメリカは日本に対する条約上の義務を忠実に遵守してきているということでございます。したがって、私たちとしては事前協議をアメリカが提起してこない以上核の持ち込みはないというふうに固く信じているわけでございますし、今回の例をとってみても、二十日の日にマンスフィールド大使の方から、ライシャワー証言によって日本国内でいろんな議論が起きているということを踏まえて、アメリカの日本に対する事前協議についての義務を忠実に履行するということを、ラロック証言の際のインガソルさんが安川大使に述べたことまで引用して言っておりますので、私としてはこの日米間での事前協議ということで、核の持込みについては非常にはっきりした約束が日米間にあるというふうに考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 淺尾さんに何回その点をお尋ねしてもあれでしょうが、たとえばスペインの場合には、オン・スパニッシュ・ソイルというように明確なんですね。つまり、直訳すれば、スペインの領土の上に、ですよ。インツー・ジャパンというのはこれはもういかにもあいまいもことしている。それでイントロダクションということになるから、ますますその持ち込みの内容がどうかということがあいまいになっておる。私はそれをどう政治的な立場でどうこうするかという問題よりも、少なくとも条約というのは解釈的にはやはり明確な、過ちを残さないような形での取り決めということがきわめて重要なんであって、これはどの国際間の関係を見てもそういう形になっていると思うのですね。それは解釈が違ってそれがいろいろトラブルを生じるというふうなことも決してないわけではないですけれども、しかし、少なくともそういうことにならないということが国際間の条約や取り決めとしては私は重要ではないかと思うが、伊達さん、いかがでしょうか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) ただいま立木委員がおっしゃいましたこと、まことに原則論としてそのとおりだと思います。条約と申しますのは、間違いがないようにしっかりとした合意をしておくということは条約を結ぶ場合における根本的な原則だと思います。ただこの場合は、日米間の第六条の実施に関する交換公文というものと藤山・マッカーサー口頭了解、そういうものの規定からいたしまして、わが国の考え方というものはアメリカとそごのあるものではなく、十分明瞭であるというふうに考えているわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 ちょっと角度を変えてお尋ねをしますけれども、よく聞いていただきたいのですが、一九六〇年以降アメリカの核積載艦船については無害通航の場合ならよいとされていたが、その他の通過、寄港は事前協議の一貫した対象であったというのは間違いないですか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 間違いございません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうしますと、核を積んでいても無害通航ならよいと、つまり事前協議の対象としないというのが一九六八年までそのようにされていたというわけですが、この核積載艦が無害航行ならよいというふうにされていたのはどういう形で日米間に確認されていたのでしょうか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) どういう形で確認されていたかといいますと、別に明瞭な文書にしたものがあるわけではございませんけれども、この無害通航と申しますのは、別に六三年にわが国が入りました領海条約によって初めてでき上がったものではございませんで、国際法上無害通航というものは存在していたわけでございまして、これは一般国際法上存する海洋利用国の権利として当然のこととして考えられていたということでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 領海条約が発効したのは、効力を有したのは六四年ですよね。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 六四年ではなく、昭和四十三年の七月十日にわが国について効力が発生しているわけでございますから……

立木洋日本共産党

○立木洋君 国際的に効力が発効したのは。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 国際的に効力が発効いたしましたのは六四年、昭和三十九年でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 国際的に効力が発効した。無害通航権というのはそれ以前なんですよ、この六〇年というのは。だから核が積んであっても構いませんということは、そういう核を積んであっても構いませんということが特別に取り決めがなかったとしたら、つまりアメリカの艦船はどのようなものであろうとも日本の出入りは自由でございますという、いわゆる地位協定に基づく内容がこれに当たるというふうに理解していいのですか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) お答え申し上げます。  先ほどもちょっと触れたのでございますが、一九六四年にこの領海及び接続水域条約いわゆる領海条約というものが効力を発生したことは事実でございますけれども、この条約と申しますのは、一般国際法、国際連盟以来続いております一般国際法の法典化という事業の一環として領海制度というものについての法典化が試みられたわけでございまして、この条約によって初めて無害通航権ができ上がったとか確立したとかということではございません。国際慣習法として無害通航権というのはそれ以前からずっと存在していたものでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それ以前から存在しておっても、国際的に効力が発生したのは六四年なんですよ。ですから先ほど私があえてお尋ねいたしましたように、核積載艦の日本に対する寄港、通過は一貫して事前協議の対象であった。ところが無害航行はよいとされていた。そうすると、無害航行がよいとされていたという確認がなければ一貫して事前協議の対象だったということにならないし、一貫して事前協議の対象だったということが明確にされないならば、アメリカとの間で無害航行ならよいという取り決めがなければこれは全く矛盾したことになるのじゃないですか、伊達さん。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) またお言葉を返すようで恐縮でございますけれども、六四年にこの領海条約が効力を発生したから初めて無害通航というものが国際法上有効になったということではございません。それ以前から、いつからということは申し上げにくいほど昔から船舶の他国領海における無害通航権というものは一般国際法として確立していたものでございます。  そこで、日米間ではその無害通航権というのは当然の前提として考えられていたということでございまして、これにつきましては別に両国間に文書による了解というものは必要とされなかったほど明快であったということだと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 淺尾さん、伊達さんの言っているのはおかしいと思うのですよね。一九六〇年から寄港、通過、これは核を積んでいる場合には事前協議の一貫した対象だと、これはアメリカとの間で話し合いしておって、藤山・マッカーサー口頭了解以来一賛して事前協議の対象になっている、こういうわけでしょう。そうすると、同時に無害航行なら核を積んでおっても結構なんですよということのアメリカ側との話し合いがなければ、これは一方では通過はだめなんですよ、一方では通過は無害航行ならいいのですよ、これはどういう取り決めになっていたのですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) いま条約局長が御説明しましたように、無害通行に当たる通過ですか、それについては国際法上日米間で特段の取り決めをすることはないほど明々白々であったということで、その点について日米間で格段の取り決めがなくても当然それは除かれていたということではないかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 つまり、そうするとこれは日米安保条約の地位協定第五条のいわゆる出入りの自由、船舶航行のね、これは特定に核積載艦というふうな、あるいは核搭載機というふうな固定した名称は全くないわけで、どの艦艇、どの船であろうと全く自由であったということと理解していいわけですね、淺尾さん。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 地位協定については、これはアメリカの艦船の出入りを規定しているわけでございまして、そこで要するに艦船の装備には着目していない、他方、事前協議の方はまさに装備に著目しているわけで、ですから装備の点で事前協議の対象になるものは事前協議の対象にして、仮に地位協定上入れるということになってもそこは装備の方で抑えていく、こういう考えでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そこで堂々めぐりをしておってもあれでしょうから少し先へ進めますけれども、つまり、一九六八年、昭和四十三年以降、核を常時積載しておる艦船は無害通航ではないとされたわけですね。ところが、この無害通航ではないとされた領海条約、この領海条約の中には事前協議制もあるいは事前通告制もこれは全くないわけだ。そういう取り決めというのは領海条約そのものにはないわけですよね。そうですね、伊達さん。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) おっしゃるとおりだと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、核を積んでいる船が無害航行でないとされた、その結果いわゆる核を積んでいる艦艇の無害通航に、つまり一時的な通過であるものであっても今度は核持ち込みになり、事前協議の対象になると、こう言われるのは、私はきわめて作為的だと思うのですよ。これは条約的に言えば、無害航行でないとされたのは領海条約上での問題ですね。ところが、領海条約上での問題が直ちに日米安保条約上で言う口頭了解の核持ち込みになり、事前協議の対象になるというのは、つまり領海条約上で日本が領海条約に加盟したときに態度を表明したならば、今度安保条約上の問題としては、改めて事前協議の対象になるかならないか、これは確認されなければならない問題ではないか、条約的に言えばそうなるだろうと思いますが、いかがですか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 領海条約上、無害通航ではないという立場を四十三年に日本政府がとったというところが若干私がひっかかるわけでございまして、領海条約は一般国際法における無害通航というものを法典化したものにすぎない、したがって領海条約にこだわることなく、国際法で存在する無害通航というものに対して、何が無害通航とみなされ、何が無害通航とみなされないかという問題があるわけでございまして、これはやはり沿岸国が第一義的な判断を持つのだということから、四十三年当時に日本が非核三原則を採用するに至ったということから、わが政府としては、核を積んだ船の領海内通航は無害通航とは認めないという立場をとったわけでございます。  そこで、立木先生のおっしゃるお話として一つ私によくわかりますのは、確かに、安保条約上の事前協議制度と領海条約というのは本来別の制度であって関係ないではないかと、これはまさにそのとおりなんでございます。ただ、日本に関しましては、無害通航ではないという観念といいますか、立場をとりましたとき以降において、今度は問題は、日米間の、つまり日米安保条約を初めとする一環の取り決めとの関係においてこれを見れば、これはもう無害通航ではないわけでございますから、したがって物理的に日本の領域に核を持ち込んでいるということになるわけでございまして、そうすればそれは当然のことながら事前協議の対象となるということになるわけでございます。核の持ち込みは事前協議の対象であるということは、安保条約の当初から政府側が説明しているところでございますので、そういう論理的な帰結としてそうなるということになるのだと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 だけれども、安保条約上の口頭了解の内容では通過という表現が一切使われていないわけですよ、四十三年に領海条約でいわゆる核積載艦は無害航行ではないとされたときに。それから後、やはりそういうふうに宣言したのだからということになりますと、私は二つ問題があると思うのですよ。  一つは、これは確かに、あなたがおっしゃるように、沿岸国が無害通航であるかないかということを第一義的に決めるわけですから、それは宣言すればいいわけだ。しかし、日本とアメリカの間には日米安保条約という特定の条約がある。この領海条約の中でも、第二十五条に「この条約の規定は、すでに効力を有する条約その他の国際協定の当事国間においては、それらに影響を及ぼすものではない。」とはっきりされているわけです。だから別の条約なんだから、別の条約、一方の領海条約でそういう態度をとったならば、別の条約に対してそれをどういうふうにするのか、当然話し合いをしなければならない、これが条約上としてはいわゆる正規の手続じゃないですか、伊達さん。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 正規の手続であるかどうかはともかくといたしまして、日米間に了解の相違がないということは従前から政府が説明をしているとおりでございます。そのことは四十九年の際の政府統一見解のときに、事前協議との関連で御質問がありましたので、よりはっきりと政府統一見解としてお示ししたわけでございまして、その当時におきましてもアメリカとの間に別にヒッチは起こっておりません。したがって、アメリカも当然のことながらそれは了解しておったというふうに考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや伊達さん、一番最初の、それはともかくとしてではなくて、そこが大切なんですよ。あなたは条約局長ですよ。だから、条約というものはどうなければならないかということに一番精通されていなければならない。そうでしょう。私は条約についてはある意味で言えば素人ですよ。だけど、考えたって明確なんじゃないですか。領海条約で日本側が確かに宣言することができる、これからは核積載艦は無害航行とはみなさないと宣言した。ところが、別に日米間には安保条約という取り決めがあった。米艦船は第五条で自由に出入りができる。ましてやそれ以前は、アメリカの艦船は無害通行ということがはっきりされておる。これは一九六四年ですよね、六四年八月、まだ領海条約が問題になる前ですよ、日本が審議される前。「合衆国軍艦の無害通行権」、これは明確にエード・メモワールに明記、記載されております。それからよく、この間問題にされましたが、一九七四年十三月二十五日、いわゆる統一見解として出された内容に見てみましても、後段の部分では「日米安保条約のもとにおいて、米国軍艦は、一般的には同条約及び関係取りきめの規定に従って自由にわが領海通航を行なうことを認められているところ、」と、こうなっているわけですね。「ところ、核の持ち込みが行われる場合」、こうなっています。だから明確に、それまで日米安保条約の関係にあったアメリカとの間では、アメリカはどんな船でも自由に出入りができた。これはあなたは先ほど、とりわけ無害通航権と、核を積んでおってもそれは無害通航は結構ですというふうなことを取り決めたことはないと言われたけれども、それはそうかもしれないけれども、しかし日米安保条約上によっては、第五条で全部自由に入ってきたのですよ。核積載艦なんという固定で除外していないわけですよ。それが、この領海条約の審議によってこれが無害通航ではないとされたわけですから、そうすると日米安保条約上で明確にそのことをはっきり取り決めなければならないと私は思うのです。  先ほどの伊達さんのおっしゃり方によりますと、日本の国会で無害通航ではないと宣言したと、その宣言したことによってそれ以外の条約でいままで行われたことが消滅したり変更したりするようなことが条約的にはあるのでしょうか、あったら例示していただきたい。日本の国会で述べて、それ以外の条約でいままで行われておったことが消滅したり変更されたりするような事例が国際的な条約上にあったらお示しいただきたい、あるかないかで結構です。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 一般的に、私も全部の条約を承知しているわけでもございませんし、それほど歴史に詳しくもございませんので、いまの御質問に対しては間違えるといけませんのでお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 伊達さん、もうきょうで今国会終わりなんですよ。またしばらくしてほとぼりが冷めてから顔を合わせて、やあやああのときの議論はなんて言ったってもう話に熱が乗らぬじゃないですか、伊達さんだって、いま最も重要な時期ですよ。  外務大臣、大臣のお考えを示していただきたいのですよ、いいですか、日本の国会で、領海条約で述べた発言がそれ以外の条約のいままで履行されていた内容が消滅したり変更したりするということが国際条約上あり得るでしょうか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) どうも大臣にお尋ねになりますと私がお答えするような細かい問題でございますので大変困るのでございますけれども、やはり例があるかということになりますと過去の例など調べてみないとわかりませんし、ここで間違えるといけませんので、先ほどの御答弁の繰り返しで恐縮でございますが差し控えさせていただきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 伊達さん、そういうときにはこういう答弁の仕方もあるのですよ。私がいままで知っておる範囲内ではそういうことは記憶にございません、という答弁の仕方もあるのですよ。調べてみないとわかりませんじゃなくて、あなた知らぬから答えられないのだから、私のいままで知っている範囲内で、日本政府の外務省の条約局長が知っている範囲内でそういうことはないということをあなたがおっしゃればいいのですよ、そうでしょう。ありますか、あったら例を示してくださいと言っているのだ、ないなら、私がいままで知っている範囲内でございませんと言えばいいんです。どうです。それほど私は丁寧にお尋ねしているのですから、これほど答えやすい答弁はないでしょう、どうです、どうでしょうか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 私の承知しております限りではそういう例をただいまお示しすることはできません。ただ、私の知識と申しますのは余り広いものではございません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いやそういうときに御謙遜なさらなくて結構なんです、伊達さん。日本政府の外務省の条約局長といったらあなた天下でも名の売れたところでありますから、あなた、そういうときにやっぱりちゃんと威厳をもって御答弁なさった方がいいと思うのですよ。だから、そういうことになりますと、あなたがそういう例は御存じないと、だとすれば領海条約で日本の政府が態度を変更したということは、別の条約、つまり日米安保条約上いままで認められてきた問題、いわゆる通過の問題ですよね、核積載艦は無害航行ならよいとされてきた、これがだめだというふうに変更されたのだ、そして事前協議の対象になるとまでいままであなたから繰り返し答弁なさってきたのだから、核持ち込みになるとまで答弁されてきたのだから。だけどこれは全く領海条約の概念ではないんですよ、日米間の日米安保条約に基づく口頭了解、この概念なんですよ。だとするならば、日米安保条約上の口頭了解に影響しないと領海条約でもちゃんと述べているわけですから了解するはずないのじゃないですか。そうすると、通過という言葉を明確に提示してアメリカ側と話し合わない限り問題の解決はないと、外務大臣いかがお考えですか。

伊達宗起外務省条約局長

○政府委員(伊達宗起君) 領海条約上無害通航の考え方を変えたというふうにおっしゃるのでございますが、細かい点でございますけれども、領海条約の審議の際に一般国際法上の無害通航制度というものについての無害通航の考え方というものを日本政府として明らかにしたということでございます。そこで、わが国はその際に無害通航というものに対する考え方を変えていたわけでございます。  他方、日米間には、核の持ち込みは事前協議の対象であるという了解があるわけでございます。そこで、日本が無害通航は、つまり核を積んできた船はもはや無害通航ではないのだということになりますれば、当然のことながら核の持ち込みということで事前協議の対象となるというのは大変自明の理である、そしてその点についてはアメリカ側と了解は差異はないというふうに考えているわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それが自明じゃないのですよ。だって、先ほど来もう繰り返し私は言って、あなたはそういうふうな他の条約上の問題ではあり得ない、他の条約に影響を及ぼすことがない、そういうことを謙遜されて知らないとおっしゃった。だから、この無害通航権という問題はこれは領海条約上の、国際的に言うならば領海条約上の概念として明確にされたものじゃございませんか。  あなたは先ほど、日本とアメリカの間に無害通航権を、無害通航なら結構でございますということを特別に話し合ったことはございませんと言ったわけでしょう。日米間で話し合ったことがないわけだ。無害通航権という概念は、まさに条約上で言うならば領海条約の概念ですよ。この問題で無害通航権に対して、アメリカが持っておった無害通航権に対して規制を加えた、核積載艦は無害通航ではないと。それならばこれが事前協議になりますよというのは、事前協議というのは領海条約にないんだから、そんな制度は。そうすると、日米安保条約上によって、口頭了解によって事前協議にかけるかかけないかという他の条約上の問題だから、当然その問題は明確にしなければならない。  外務大臣、これで私、質問を終わりますから、だから最後やっぱり大臣、少しでもおかしいなとお感じになるのか、それともいままで伊達さんや淺尾さんが言われたのが全く正当で、一〇〇%間違いないとお考えになるのか、もう少しよく考えてみたいとおっしゃるのか。この間も午前中、この間の連合審査のときに大臣おっしゃいましたよね、今度会う機会があるときに話し合ってみたい、いろいろごたごた問題をいつまでも残すのはまずかろうと。私はあのとき、やっぱり園田さんかなと思って聞きましたよ、連合審査で。私はここまで事態を明らかにしたのです。ですから、私は、この問題の最後の質問ですから、大臣の率直なお考えをひとつお聞かせいただきたい。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私が申し上げましたのは、会った機会にという意味ではなくて、そういう問題は日米の関係で確かめるところは確かめる必要がありますから、だから機会があればと、その機会はいますぐではございません、こういうふうにお答えしたわけです。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや、大臣、いまのやりとりをお聞きになっての感想も含めてひとつ……。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 私は、両局長の答弁は、それが口頭了解であるかどうかということはありますけれども、一応日米間で了解を得ている点でありますから、それはそれでいいと存じますが、さらにそういう問題は日米の深い関係から、もっと相互理解を求めて話し合う機会があれば時期を見てそれを話した方がいいとは思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや、大臣、そこまでまだ私はお尋ねすることになってなくて、つまり条約上の問題としておかしいなというふうにお感じになるかならないか、その印象で結構なんですよ、もちろん外務大臣が条約の最大の専門家だと私は思っていませんから。だけれども、多少なりともいまお聞きになっておかしいなとお思いになるかどうか、条約上の問題として。そういう疑念が全くないというふうにお感じになるのか、その点もちょっと一言……。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 個人の関係と同じで、やはり国と国との関係はそれぞれの関係には特性があるわけであります。日本と米国との関係は相互理解と信頼から出てきた関係でありますから、したがってそれが条文にされておるか、口頭了解になっておるかどうかは別として、いまのところは口頭了解で了解している、こういうわけでありますから、理論上から言えば間違いはない、こう思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 きょうこれ時間がありませんから、これ以上この問題については、後の条約の問題もありますから。核通過の問題というのは、本当に私はきわめて重要な問題だと思うのです。これは現実的にもあるいは論理的にも私はやはりいままで政府がお答えになってきたというのはすべて矛盾しておる、どの国民の方々にいまの外務省のお立場をお述べになったってこれは本当にだれ一人納得しないですよ。本当に非核三原則を徹底して守るというためには、これは外務大臣がおっしゃいましたように、もっと緩めろというのから、いまのままがいい、もっと締めろという三つがあるけれども、まあ真ん中がいいというのが私の認識だというふうに衆議院ではおっしゃったようでありますけれども、私は、本当に非核三原則を日本の国是として被爆国の日本の国民としてこれはやっぱりやっていくためには、こういう問題というのは本当に一刻も早く正しく解決をして、日本の国民の納得と理解を得るように日本の国是を貫き通すという立場を私は努力していただきたい。この点で大臣にお願いをいたしたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大屋(園田直君) 基本的な問題は、疑ってかかるか、疑惑を先にするか、あるいは相互信頼を土台にして考えるかということが基本的な分かれ目だと思います。しかし、御意見もよくわかります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これ以上もうやりとりしませんが、だけど、本当は疑ってかかるか、最初から信頼関係があるかといったって、警官というのはまず疑ってかかれというのがどうも――総監がここにおいでになるからわかりませんが、やはりすべて事実に基づいて判断しなければならないというのが、私は捜査の鉄則だと思うのですよ。信頼してかかってちょろりとなめられて変なことになってしまえば、これは日本の外交として大変な失態ですから、そういう意味ではやっぱり自主性を持たなければならない。疑いだとか信頼性ではなくて、自主性を持つ、その点ではやはり何よりも大切なのは私は事実だと思うので、このことだけを申し述べて、この難民条約に移らさしていただきたいと思います。  先ほど来同僚議員からもいろいろとお尋ねがありまして、難民条約の問題については、条約が出されてからもうすでに長期、議定書が出されてからも十四年ですか、という事態が経過をしてきているわけですが、これはいままでも、私たち、この外務委員会においても繰り返し議論されてきた点だと思うのです。この条約を批准するに当たって、やはりいま難民問題というのが大きな国際的な問題になっているから、国際的な体面上というふうな意味ではなくして、やはり真に人間の基本的な権利、この問題に立脚した立場からやっぱりこの問題の批准ということを真剣に考える必要があるだろうと思うのです。もちろん、そういうふに外務大臣もお考えになっていると思いますが、この条約を批准するに当たっての外務大臣の基本的なお考えをまず最初にお聞きしておきたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) この条約の中身を一々言うことは避けますけれども、基本的な問題は人権規約から発するすべての人々が自分の欲する自分の望む地域において住まい、そして平和を求めることができるというところから出発しておると思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから、これは法務省の方にお尋ねしたいのですが、きょうも先ほど同僚議員の方からお尋ねがあった点ですが、これは難民として認定するという、これは「難民の定義」がございますから。だけど、実際には先ほど来議論されておりますように、これが「難民」というふうに規定されるかどうか、これはこの条約の内容によりましても、この「迫害を受けるおそれ」のあるという具体的な事実関係に基づく認定というのは、きわめてやはりむずかしい点があるのではないか。  午前中のお話では、外国ではそういうことをいろいろよりよく正当に認定ができるように、日本ではこれは法務大臣が決めるというふうになって提案されているわけですが、これがやはり必要な委員会を構成して、これは民間人を含むかどうかは別として、委員会制度を構成してやるという方がやっぱりより妥当な面もあるのではないか。午前中の伊藤さんのお話では、そういうふうにやったところも、後で訂正し直したというふうな事例も出されましたけれども、しかし、法務大臣がすべて認定をするということがやはり万全だということにはならない面もあるので、これは外務大臣の方では、さらにその問題についてはよく関係省庁とも話し合ってみたいという先ほど来の答弁もあったので、これをやはり今後よく検討してほしい。どういうふうにすることが難民条約を、難民の規定ですね、難民であるかないかということを規定する上でより合理的に、より正確に行われるやり方をさらに検討、研究してほしいという意見ですが、いかがでしょうか。

黒木忠正法務省入国管理局参事官

○説明員(黒木忠正君) 確かにこの認定の問題と申しますのはわが国にとりまして初めてのことでございます。したがいまして、私ども法務省の方でこの認定をお引き受けするということになりましたけれども、実は私どもも初めての経験でございますので、今後条約に入り、国内法を整備してこの認定業務を進めていきます上で、さらによりよい方法があれば、それは当然その方法を考えていかなきゃならないと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 先ほど同僚議員の質問に外務大臣から御答弁いただいて、その後伊藤さんが、まあそう言っても外国でも変わった例があるのだからということで、何か外務大臣が言われた意味が薄れたような感じがするので、もう一遍確認をしておきたいのですが、本来の意味で、この難民条約に加盟するというのはやはり人間の基本的な権利、これがやっぱり差別があってはならない。だから、本当に難民の方たちが十分に正しく認定されていかないで、もしくは間違った認定をされるというようなことがあれば、それはやはり好ましくないわけですから、条約を忠実に実行していくというたてまえから見ても、いまの問題、午前中、先ほどおっしゃった外務大臣のお考えでもう一度確認をさせていただきたいのですが。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 午前中に法務省で言われたのは、各国の例を引いて、メキシコとか、そういう委員会をつくっているところもあると。ただ、どちらがいいかということはなかなか疑問で、委員会があるためにかえって結論の出るのが長くなって、なるべくこれは早く即座に決めなきゃならぬことに支障を来すおそれもあります。そういうことも両方考えているということで、私も、法務省の意見も聞きながら今後よく両方で相談し合ってみたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それからもう一つ法務省の方にお尋ねしておきたいのですが、これも午前中来問題になっているのですが、難民と認定されなかった人ですね、いわゆるいろいろな形で言われていますけれども、流民と言うのですか、この場合に、前回のときも問題になったのですが、たとえばパスポートを全然持ってきていない、密入国といいますか、不正入国のような人の場合、あるいは旅券は持ってきているけれども、それが正規に入手した旅券である場合で、そして日本に滞在して、日本に引き続き永住したいというみたいな希望に変わる場合ですね、台湾から来たとか。それからまた、その入手した旅券が正当な手続で入手した旅券でない、不正入手の旅券を所持している場合だとか、いろいろなケースがたくさんあって、それぞれのケースですべてどうこうというふうには判断できかねるがという伊藤さんのお話が、前回あったのですがね。だけれども私は、それらの場合でもやはり基本的には、この条約で述べられておる人間の基本的な権利に差別が生じないように、またそれらの広い意味での流民の人々に対してもそういうこの難民条約の基本的な精神で対応するということが必要ではないだろうか。もう難民というふうに決められてしまって、そうでない人々に対しては一律にいわゆる厳しい態度で臨むというふうなことではなくて、そういう思いやりのある配慮が必要ではないだろうかというふうに思いますが、個々の具体的なケースは別として、基本的に対応する姿勢としてどのようにお考えになっているのか、お尋ねしておきたいと思います。

黒木忠正法務省入国管理局参事官

○説明員(黒木忠正君) 流民の問題にしぼって申し上げますか、それとも一般の外国人の入国滞在ということでお話し申し上げた方がよろしいかと迷うのでございますが、基本的には外国人の入国滞在と申しますのはその国の主権の発動によるもので、来たい人がいつでも好きなときに来れるというものではないことは、先生も国際的な問題として御承知のことだと思います。そういった人たちの中で、インドシナの政変を逃れて海外に逃れてくる難民の中にはいろいろの形態がございまして、一番端的に世間で承知されておりますのは、例のボートピープルと称する海上に逃れる人ないしは国境を越えてタイ領内に流れ込んでおるカンボジア難民とかラオス難民、そういった人たちがおりますけれども、そういった人につきましては、政府としてはインドシナ難民対策ということで定住を認め、一時滞在を認めるという方針で臨んでおりますけれども、そのもう一つ外側にと申しますか、いま先生お尋ねの流民と称する人たちがおるわけでございます。この人たちにつきましては、旅券の入手の方法その他についていろいろ問題がございますし、国際的にも、果たしていわゆる難民のカテゴリーに入る人であるかどうか、かなり疑問があるのじゃないかと思います。しかし法務省としましては、そういった議論はさておきまして、特定の、特段の理由のある人については、難民だから滞在を許可するという趣旨ではなくて、まさしく人道的な立場に立って滞在を認めることもある、こういうことを先般来御説明しているような次第であります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それから、この条文の第一条のFの(a)、「平和に対する犯罪、戦争犯罪及び人道に対する犯罪に関して規定する国際文書の定めるこれらの犯罪を行ったこと。」という、この国際文書というのはどういう国際文書があるのでしょうか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) いまのお尋ねの件でございますが、この国際文書と申しますのは、条約作成当初念頭にあったものとしては、たとえば国際軍事裁判所に関するロンドン憲章というのがございますが、その憲章六条で、平和に対する犯罪、戦争犯罪、人道に対する犯罪を一応規定しております。内容は省略させていただきますけれども、そのものを指しておるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 たとえばジェノサイド条約だとか戦時文民保護に関するジュネーブ条約だとか生物兵器禁止条約、こういうふうなものは当たるのでしょうか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいま立木委員が言われましたのは、集団的殺害罪の条約ですね。これについては、特にこの第一条の関係でそれに当たるという積極的な解釈はございません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 時間があれですから、最後に大臣にお尋ねしたいのですが、ことしの二月にECの議員と日本の国会の超党派の議員が意見交換をやったわけですね。そのときに出されたわけですが、ヴェルジエ議員が言われたのには、一九八O年にフランスでは四十億ドルのいわゆる累積債務があって大変な失業が出ておる、それで、潜在失業を含めて五千三百万人が失業している。それから食糧は、一九五〇年当時には一応自給ができたが一九七八年になると一千二百万トン輸入しなければならず、その後人口がどんどんどんどん急増して、きわめて深刻な状態で、栄養不良が続出し、餓死する人たちが後を絶たないという状態だという指摘がありました。  さらに加えまして、セトランジエ議員が発展途上国の開発援助の問題で、日本の軍事支出はGNP〇・九%だと聞いている、ところが日本の開発援助は〇・二八から〇・三%だ、ところがEC諸国のこれらの開発途上国に対する開発援助の支出はGNPの一・一八%にまで上っている、だからこういう点から見ると、つまり日本の倍率から言うと四倍にも当たる比率だけ出しているのだと。これは実数、数字じゃありませんが、パーセンテージとしては。ですから、そういう意味ではこうした問題についても十分に日本側が注目をして取り組んでほしいという要請がECの議員から出されたのですよ。  外務大臣、これからまたヨーロッパを旅行されたりいろいろなされるわけですけれども、こういう問題についてどのようにお考えになっておるのか、それからやはり日本の政府としていわゆる世界に広く目を広げた場合に、いまの南北問題、特にそうしたおくれた国々における餓死状態が依然として続いているという問題等々、やっぱり本当に真剣に考えていく必要があるだろうと思うので、この点についての大臣のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 非常に大事な問題でありまして、ヨーロッパといっても国々にそれぞれ違いがあります。ありますが、単にヨーロッパ諸国と日本との間の二国間の利害を含む経済問題としてとらえることは間違いであって、いまおっしゃいましたような南北問題、東西問題絡めてこれは考えるべきことだと思います。  そこで、たとえばポーランドにしても、これは東西問題ばかりではなくて、やはり食糧問題というのが一つの大きな問題になっているわけであります。したがいまして、このポーランドに対する何らかの日本が役割りを分担する手はないのか、  こういうことを考え、またアフリカについても、やや手薄ではありますが、おくればせながらヨーロッパの国々が困っている諸問題、アフリカ自体が困っている問題、こういうことに日本が、財政のつらいときでありますが、その中でもできるだけ分担を果たす、こういうことが私は東西問題、南北問題の解決の基礎である、こういうふうに考えておりまして、単にそれを二国間の、自動車だ、やれ貿易摩擦だというところにヨーロッパと日本がややもすれば対立をし、かつまた東西問題も何らか包囲をしてソ連を追い込めようなどということではなくて、いまのようなところに問題の解決がある。したがって、日本の政府はこういうことにもう少し検討をし重点を移していかなければならぬと考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 私は、せんだっての連合審査を踏まえた上で、私が聞きたかったことが時間の制約上聞けませんでしたので、あえて難民条約の審議に入る前にその問題について聞いておきたいと思います。  核を積載をする核積載艦船のわが国への寄港、通過については、政府は、園田外相、駐日マンスフィールド・アメリカ大使との間で寄港、通過も事前協議の対象にするとの再確認を盾にしまして、アメリカから事前協議の申し入れがなかった以上持ち込みはなかった、今後も日米信頼関係のもとに非核三原則を堅持をするということで議論を押し通されたわけでございます。しかしこの説明は、有事即応体制にある第七艦隊が寄港、通過に先立って海外の基地に核兵器をおろしてくるという、われわれ専門的な知識のない者でも常識的に考えてあり得ない前提に立っていることが、改めて浮き彫りにされたと思います。また、アメリカ側は核の存在について肯定も否定もしない政策をとっている上に、日本側には立ち入り検査ができない制約がある。したがって、持ち込ませずというこの条項は、検証をすることが不可能なんだという側面のあることも浮き彫りをさせたわけだと思います。  こうした状況の中で、鈴木総理は現在の状態が日米の納得できる接点だと答弁をされている。私の質問に対してこの答えが返ってきた。そして、良心に誓って核が持ち込まれていないと信じている、こう言われたのでありましたが、余りにもたてまえと現実が離れ過ぎておりまして、これでいいのかということが改めて論議の的にならざるを得ない、こういう印象を私は深めたわけであります。これはこれとしてきょうはおいておきます。  さらに、きょう伺いたいこと、問題として考えなければならない点として、核抑止力による安全保障の実態、そして将来の方向についての総合的な見方が、せんだっての連合審査においてもう少しなされた方がよかったのではないか、こういう印象でございます。日本政府は、これまでの説明で日本本土内に核を持ち込まなくても十分に抑止力は生ずると説明されてきた。しかし、一九七〇年代以降、核兵器の性能向上は著しいものがあります。こういった変遷は、結果として戦略核、戦域核、戦術核の総合的な均衡と効果的な運用が重視されなければならない状況を好むと好まざるとにかかわらずつくってしまっている。これが現実です。  かつては、米ソが核ミサイルを撃ち合うという想定でしか考えられなかった核戦争、こういうものであったのだが、アジアではソ連が中距離移動式核ミサイルSS20あるいは超音速中型爆撃機バックファイアを極東に配備するに至って、その危機感はきわめて大きいものになりつつある。つまり、日本列島がその射程にすっぽりと入ってしまったからであります。これに対応するアメリカ側の抑止力というものは、一つはポラリス型原潜をして戦域核的な運用をするというやり方で対抗をしているようだけれども、このポラリス型も聞くところによると来年じゅうには退役をするということです。そして、こういうものを補う意味として巡洋艦に戦域核ミサイルを積載することを検討をしている、こういうことも私は聞いているわけでございます。つまり、アメリカ政府は、アジアでも局地的、限定的な核戦争に対応できるような近代的戦域核の体制の確立を痛感し始めていて、統合的な戦域核戦力の改善計画に着手しているようですね。こういうことが言えると思う。こういうように戦略核とか戦域核とかあるいは戦術核が複雑に絡み合った形で抑止力が形成をされているし、されようとしている。ここまでが前提であります。  そこで、その核抑止力による安全保障の実態と将来の方向をどう認識したらよいかということ、これは、きょうは防衛庁の方おいでになりませんから、外務省的な立場での御認識を私はいただきたい。きょうで委員会終わりですから、私も突っ込んだ質問をしたつもりでありますから、ひとつ外務省も大臣も、こういった、つまりいま言ったような複雑な形で絡み合った抑止力が形成をされている現在、またされようとしている、そういう中で核抑止力による安全保障の実態をどう認識されて、将来の方向をどう認識したらいいかということを、せっかく最後の委員会でありますから、外務大臣に伺っておきたいと思う。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 私も軍事的な専門家でございませんので、それほど権威を持って述べることはできないわけでございますけれども、やはりいま木島委員が言われましたように、確かに戦略核、戦域核、戦術核、そういうものがそれぞれ発展してきているということは事実でございます。かつてアメリカは大量報復戦略あるいは柔軟戦略、いろんな戦略を考えておりましたし、ヨーロッパにおいては核の敷居をなるべく低くするということで、通常兵力も増強するあるいは戦域核を配備するという、いろんな考えをしております。しかし、必ずしも戦域核に対しては戦域核で、あるいは戦術核に対しては戦術核でということでなくて、やはり戦略核、戦域核、戦術核を含めたあらゆる核の抑止力があるということで現在の米ソ間の戦争というものが抑止されているということでございまして、私たちとしてはたとえばポラリスの潜水艦がグアムから引き揚げても、その後にはトライテントが西太平洋には来る――グァムに配備されるかどうかわかりませんけれども、あるいはロング司令官が言っているように、アメリカの海軍として戦術核の配備も考えているという、あるいは戦域核ということを言った方が正確かと思いますが、そういうような時代になってきているのは事実でございますが、先ほど申し上げましたように、全体としての核の抑止力、これに総合的に依存するという態度というもの、あるいは今後もそういうふうになっていくだろうというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 私も軍事専門家ではございませんし、専門的な知識はございませんけれど、常識としてそれでは伺います。  戦域核に対しては戦域核、戦術核に対しては戦術核、そういう対応するような方策は要らないので、全体、つまり総合された抑止力に頼るという、その辺がちょっと不明確なんで、あるいは問題、つまり質問が飛躍をするかもしれないけれど、ある意図を持った国が決断をして、たとえば日本に戦域核あるいは戦術核と言った方がいいかもしれませんね、直接侵略をしてきた場合に、これは防衛庁の御範囲になるかもしれませんけれど、外務省の御認識としてひとつ聞いておきたい。日米安保体制があるから、つまり戦略核そのほかによる総合的な抑止力があるから大丈夫だと言っていられるかどうか。その前提として、有事の際の核の持ち込みはすべてノーだという、こういう前提に立ったときに、それだけのお言葉で安心ができるかというのは、やっぱりこの辺も私は常識的な疑問だろうと思うのですね。この辺の認識をどういうふうに外務省はお持ちになっているのだろうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 日本の防衛政策というのは自衛力と、それから安保条約という車の両輪がございまして、安保条約に依存しているのはまさにアメリカの核抑止力を初め、通常の戦争の場合でも限定小規模、それ以上に出る場合にはアメリカの核抑止力に依存するということでございます。したがって、まず第一に最近の考え方というのは、戦争が始まる前の抑止ということに非常に重点が置かれているということで、この抑止が破れるような状況になるということは、これはもう最悪の場合でございます。したがって、あくまでも抑止を高めていくという意味から言えば、やはりある一定の状況のもとで、戦域核だけを使うという場合に対して、これに対して戦略核でもって対抗することもあり得ましょうし、あるいはむしろ通常兵力をもって、その事態によっては通常兵力それ自身が抑止力になって効果を発揮するということもあるのじゃないかと。したがって、具体的に一定の状況のもとでどういう状況が展開するかということについては千差万別でございまして、ここでそれを議論する能力は私にございません。しかし、大事なのは前提としてそういう状況にならないような抑止という効果というものがやはり一番重大じゃないかなということ。  それから、後段のお尋ねの核の持ち込みがなければそういう抑止力は働かないのじゃないかという御質問に対しては、アメリカの抑止力に依存することと、日本に核を持ち込むということは別個である、したがって、持ち込まなくても、それは抑止力が働いていくのだというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 私も素人でございますから、あるいは的外れな質問になるかもしれません。お許しをいただきたい。そしてこれから質問をすることは、だからといって核を持ち込むというような大前提で私は話しているのじゃない、やっぱりそういうことも想定をして議論をすることが安全保障なり日本の外交のためにいいというそういう前提で御質問をしたい。  たとえば、それでは戦域核で来た場合に、日本に戦域核というものが十分になかった場合に、アメリカがそれに対抗するに戦略核で対応したとした場合に、アメリカもまさに核戦略の中に巻き込まれる危険性を多大に持っているわけですね。キッシンジャーがはっきり言っていますね、戦術核で来たときに戦略核をもってしたら、これはもう世界の破滅だと、こう言っている。そんなことはあり得ないということならば、やっぱり相対する戦術核なら戦術核、戦域核なら戦域核というものがそごにあって初めて抑止力というものが完全になるのではないかという専門家の見方もございます。私も素人でありますからそれ以上のことはよくわかりませんけれど、ここで北米局長にお尋ねをしたいのだけれど、そういう状況のもとで日本の非核三原則と安全保障との整合性というものがもう一つどこか欠落をしている。だから大丈夫なんですよという、だからの部分が総合的とか何となくという言葉の中で説明されてしまうものだから、どうしても素人の私にはわからないのだけれど、その辺は御聡明なしかも非常に御説明のうまい北米局長だったら、どういうふうに私に教えていただけるか、どんなものでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) まさに私も全然そういう点では素人でございます。したがって、どういうふうに御説明すればいいのか、なかなかむずかしい点でございますけれども、要するに日本に手を出せば結局その国はアメリカから攻撃を受けるのだと、そういう抑止力が働けばいいわけでございます。その抑止力の働き方ということはいろいろあるかと思います。私はそういう戦術まで入る立場じゃございませんけれども、効果的にアメリカの抑止力が働くというかっこうさえ置いておけば、それでいいのじゃないかなという気がいたします。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 その場合に、効果的な抑止力を発揮させるために、アメリカの側に立ったときに、緊急避難すら許されないというようなことで、果たしてアメリカが本気に日本のことを考えてくれるだろうかという疑問もここに当然起こってくるのですね。何も私はアメリカ側に立って親米的な発言をしているのでも何でもない。むしろ至極常識的な疑問をぶつけているわけですね。その場合どんなものなんでしょうか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) これは戦略というか、むしろ政治の面に入っていくわけで、やはりアメリカが日本を守るに値する国であるという認識をアメリカの国民一人一人が持つと、そのために日本としても努力をしていくということが必要であるわけです。もちろんその前提として安保条約がございますから、五条に基づいて、アメリカは日本が攻撃されたときに日本へ来援する義務は負っております。ただ、それをさらに有効的なものにするためには、アメリカがやはり日本へ来援するのが日本を守るだけでなくてアメリカの国益にもなるというふうに考えるということが一番重要じゃないかと思っております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 私は日本をしてアメリカの核戦略の中に組み込ませてしまう、その前線基地とするようなそういった考え方は余りとりたくない。そこで、園田外務大臣も衆議院の本会議でこれからお忙しいということも伺っております。私が申し上げたいことは、有効な核の抑止力というものをつくっていく上で、私どもは非核三原則を厳守しながら、有事の際、緊急避難の場合には将来の問題としてイエスもありノーもあるという事前協議の申し入れに対する権利を留保しておくことが、日米関係の将来の友好のためにも、また日本の安全のためにも、もう一つ国益のためにもいいのではないだろうかということを私ども申し上げているわけです。決して二・五にしようとか二にしようと言っているのじゃないのですね。三原則プラスアルファ、そうすることが持ち込ませずというその項目を形骸化さない、空洞化さない、より具体的な御提言ではないだろうかというのが私どもの考えなんですね。外務大臣、御経験も深いし、世界の情勢を洞察されていらっしゃる外務大臣として教えてくださいよ。どう見たらいいのですか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) お教えする能力はありませんが、ただ私考えているところを申し上げますと、すべての問題は政府部内各省意見が統一されておるべきだと思います。しかし安全保障については外務省と防衛庁はそれぞれ責任と分担が違うことをお認め願いたいと思うのであります。  そこで、防衛庁の責任と分担というのは、結局最悪の場合、日本で核が使われあるいは混乱が起こったと、戦争に巻き込まれたと、最悪の場合の方に重点がいき、これを起こさせないという方がまあ従になる。わが外務省が受け持つべきことは、いかなる場合でもそういう事態を起こさせてはならぬ、核、中距離であれ遠距離であれ、戦術であれ戦略であろうとも、日本に核が使われる場合には私は日本としては生き延びる道はないと、こう考えます。これはヨーロッパも同じでありまして、いまヨーロッパでは一方には、東西から言えばヨーロッパは国境を接しておりますから、あの国境でソ連の方が戦術核の配備は大体終了しているような感じがいたします。これに対してアメリカの方は必ずしもこれに準備がいってない。そこであわててアメリカはこれに対して対応して、西側の方にもソ連と対応できる配置をしたいと、またヨーロッパも願っている。ところがヨーロッパが願っておるのは、その配置をして、そして西に向けた核と東に向けた核がババンとこうやっても大丈夫だと、こういう理論ではなくて、互角の体制をつくりながら、その中で願うのは、七〇年代のデタント、八〇年代のデタント、これは違います。七〇年代は平和に引き延ばすことが戦略上から言えば、ベトナムその他においてアメリカは非常な負担があって弱みがあった、だからソ連と事を構えない方がアメリカの方では有利であったから、アメリカはデタント、デタントでいった方がよかったのかなと、これは戦略的に見ると。今度は八〇年代は逆でありまして、ポーランドそれから中東の方、どの面を見ましてもソ連の方がやや負担を抱えております。かつまた経済的にも東西両方つらいが、やっぱりソ連の方が相当つらいと、こう見ているから、八〇年代におけるデタントというのは、どちらかと言えばソ連の方が有利だと。そこでソ連の方は、米ソの関係が対決する方に進むはずはない、なるべく平和的な方に話を持っていきたいとにらんでいるのがヨーロッパの国々であります。  そこで、米国をどうしてそのソ連と話し合いに移していくかということが今後の世界各国の考えている問題であって、その移していく背景に核の抑止力をどう使うかということであって、もし日本で使われた場合にはどうこうということは、これは考えてはならぬし、またわれわれが考えるべきことじゃない、これは防衛庁の方が専門的にひそかに考えられることはあるが、外務省はあくまでそういうことではなくて、いかなる場合でも日本で核が使われないような国際情勢をつくること、そのためにアメリカと提携をし、日米安保条約を基軸にしてこの核のかさの抑止力を使おうと、こういうことでございますから、いざという場合にそれで役に立つか立たぬかという議論は、われわれが考えている面とはやや立場が違うので、しかしおっしゃる御心配はよくわかります。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 それではもう一分、ちょっと外務大臣、恐れ入ります。  私もいまの七〇年代のデタントと八〇年代のデタントとは、ヨーロッパにおいての考え方というのは決定的に違うと思います。私も全く認識を一緒にさせていただきます。そして戦域核なら戦域、戦術なら戦術をそこに設置をするそのことは、もう破滅の状況にまで持っていってしまってはいけないという、そのことが互角に渡り合ってバランスをとる上で、積極的な平和戦略を進めていこうという前提でなければならないことも私はもう全く同感でございます。だからここでもう一度最終的に申し上げたい。  外務省はそういう戦争にならない状況をどうやってつくっていったらいいかという世界情勢の認識をお持ちになり、そういうことを御認識になってそれを具体的に施策をするのが防衛庁であるならば、現在の日本とアメリカとの日米安保条約、せんだってから総理を初め外務大臣がおっしゃっているアメリカへの対し方というものが、本当に互角にすべきそういうバランスをどこかで足を引っ張ったり欠落をさしている部分があるのではないかという心配を私は実はしたわけです。私もずいぶんきょうはっきり申し上げさしていただきたい。衆議院の本会議がおありになるので大変だと思いますけれど、そこのところをひとつもう一回答えてください。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 御心配いただくことはよくわかりますし、またその御心配もありがたいことだと思っております。ただ一言言いますと、ヨーロッパと日本は地形、国境、環境が違います。イデオロギーと戦略というものは地形によって変わるものでありまして一律に決まるべきものではありません。したがって、ヨーロッパが東の方が核を並べるならば西の方も核を並べてそして互角の中でデタントへ持っていこうという考え方。日本の方はそれは通用しないと、こういう地形と環境の相違からくる意見の相違だと、私はこう思います。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 北米局長済みません、もう少しこれを引き取らしていただきます。  私も専門家でないのでどうこれから詰めていったらいいか。いま非常にヨーロッパと日本とは置かれている状況も違う、地形それから環境も違うのだということ、そういう中で、つまりあいまいにされている部分が何かカバーされているような印象を私は持つのでありますけれど、北米局長その辺をどうカバーなさいますか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) あいまいにされている部分というのはよくわからないわけでございますけれども、やはり私としては外務省の役割りは、大臣の言われたように、戦争にならないような外交的な努力というのが大前提で、さっき私も申し上げているのはそういう前提に立っているわけでございまして、そのためには日本としてできる外交的な努力というものをこれからも全力を挙げてやっていかなくちゃならないという気がするわけでございまして、特にアジアに位置する日本としてアジアでの役割りというものは十分認識してやっていかなくちゃならない。これはいささか私の守備範囲を逸脱するわけでございますけれども、そういうような積極的な役翻りというものがこれから日本に求められるのではないか、そういう気がいたします。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 有事があってはならないという前提は私も全く同じでございます。そして平和でありたいと願う気持ちは私にも十分ございます。しかし、これまでとってまいりました日本の政府の対アメリカ、また安全保障、せんだって来論議をされたああいった議論を聞いておりますと、何か虚構の上に虚構を重ねながらお互いにだましだまし、あうんの呼吸とでも言うのでしょか、そういうことで何となく今日まで来てしまったけれど、こうした厳しい国際情勢、特に核がさっき言った大きく変遷をするそういう中で、果たして日本の対応がこれで十分なんだろうか。外務大臣もおっしゃった。つまりもう戦争しちゃいけないのだと、そういう状況をつくる前にどうしたらいいかというその手だてを認識をすることであり、つくり出すことなんだということから考えるならば、北米局長、日米の関係というのは、アメリカ側から見ると腹立たしく思うのじゃないかしら。こんなことで本気で日本を守ってやれるかという気持ちにならないものかどうか。私はさっきも言ったように何も親米とか親ソとかというそんなことじゃない。本当に日本の国益を考えたときに客観性を持った見方がそれでできるだろうかということをもう一回、済みません、北米局長、聞きたいです。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) 最近のアメリカの世論調査、もちろん今回の一連の事件の起きる前でございますけれども、アメリカの世論の中にも日本はやはり非常に信頼する国で、日本に対して、日本をいざというときには助けに行く国である、安保条約は日本のみならずアメリカのためにも役立っていると、こういう認識が広まってきているという傾向は肯定できるかと思います。  そこで私たちは、そういう日米間の揺るぎない関係というものを今後も軸として外交をやはり展開していかなければならないというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 それは日本がアメリカにとって信頼できる国であるということは、戦略上から見た日本の必要性なのか、それともこれからの世界に果たす日本の平和戦略を含めた、また経済的な力を含めたそういうものに対する信頼なのかどうか、その辺の前提だけをちょっとおっしゃってください。つまり、いまの局長のお答えは、日本のひとりよがりであり過ぎるような気がするのですね。そんなことはないですか。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) これは先般の首脳会談でも、アメリカはいろんな国と同盟関係にあるけれども、その中で日米関係というのは最も重要な同盟関係だということを言っております。その前提にはやはりいま委員が言われたように二つの点、これが両方含まれるのじゃないかという気がします。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 どうも済みません。多少素人論議で申しわけなかったと思いますけれど、お許しをいただきたい。  さて、難民条約に絡まる問題についてお尋ねをしたいと思います。難民条約第二十四条では、合法的に領域内に滞在する難民に対して、自国民に与える待遇と同一の待遇を与えることとする事項としまして、報酬とか社会保障、こういったものを挙げております。  そこで、その社会保障についてでございますけれど、国民年金、児童手当等については完全にこれは内国民待遇を与えるという場合、生活保障にまでそれが及ぶのかどうか、まずこの辺をお尋ねをしておきたいと思います。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○説明員(加藤栄一君) お答えいたします。  生活保護制度は昭和二十五年に現行法を制定されましたのでございますが、その二十五年以来、外国人の方に対しましては行政措置によりまして、日本人の方と同様の給付の保護を行っております。今回の難民条約への加入に際しましても、従来どおりの取り扱いを続けることによりまして、難民の方には当然日本人と同様の給付の保護が行われます。そういうことでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 難民条約批准に伴う入管令等改正案、これはB案では難民条約を受けて、その国民年金法あるいは児童手当法等の国籍要件を外していることは、これは評価できると思います。しかし、国民年金の支給要件ですね、六十歳までに二十五年間の加入期間が必要であるということを考えますと、三十五歳以上の在日外国人、その大半は韓国籍あるいは朝鮮籍、中国籍でございますけれど、こういった人は切り捨てられてしまう。これらの人々の救済措置をとらなければ難民条約の趣旨は生かされないのではないだろうかと、こういう基本的なことでございますけれど、お答えをいただきたい。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) 今回の法改正の趣旨でございますが、ただいま先生お話ございましたように、難民条約への加入に伴いまして同条約の定める内国民待遇を実現するために措置をすると、かような趣旨でございます。ただいま年金からの支給対象から漏れる人間が出るのではないかというようなお尋ねでございますが、その問題は現行制度のもとで日本人にもあるわけでございまして、外国人に対してだけ特別の措置を行うということはむずかしいということから今回の改正には盛り込んでいないわけでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 それでは、日本にいる在日韓国人等にしぼって伺いますけれど、日本にいる在日韓国人等の多くは納税の義務をも果たしているわけですね、こういった方々の税金もその一部は国民年金への国庫負担金に回っているということも言えるわけです。それであるのに、国民年金への加入を認められないのは公正を欠くのじゃないだろうかということ、在日韓国人等は、みずから望んで加入しなかったのではなくて、制度的に加入できなかったからですね。また、三十五歳以下の世代の人でも、一方でその年金を払いながら、他方では年金のつかない両親のめんどうを見ることになり、重荷を負うことになる。政府は何らかの救済措置をとるべきじゃないだろうかというのは、私自然の発露のように思いますけれどね、どんなものでしょうか。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) 国民年金の制度は二十年前に発足をいたしましたわけでございますが、その際国民皆年金という旗印のもとに実施をされまして、外国人をその対象に含めるということは、当時問題にされていなかったわけでございます。その後、日韓の法的地位協定が締結されました際も、韓国人を対象にするということについては問題とされなかったわけでございますが、今日難民条約加入に伴いまして、外国人にこの対象範囲を拡大するということによりまして、将来にわたりまして年金が支給される道が開かれるわけでございまして、その意味では国民年金制度にとりまして一つの大きな前進と申しますか、転機と申しますか、そういうような踏み切りであるというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 厚生年金に加入している人々につきましては、国民年金との通算が認められていることになりますけれど、たとえば在日韓国人等の人々はまだまだ差別意識が残っているせいもありまして、厚生年金の適用のあるような事業所等に勤めている人に比べて、自営業をされている人が非常に多いというふうに思いますね。こういうふうに認識をしております。こういう実態からも、やはり救済措置が必要じゃないだろうかと私は思いますけれどね。重ねて伺います。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) 通算の制度から現行制度では漏れているということはまさに御指摘のとおりでございまして、国民皆年金体制のもとで各種年金の間の通算が行われるのに対しまして、外国人は国民年金の加入対象とされていないということから通算制度から漏れているわけでございますが、今回この制度で国民年金に外国人が加入するということが認められました場合においては通算措置が行われますので、従来から非常に御要望の強かった年金の通算措置についても措置をされるということになるわけでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 昭和五十四年に批准をしました国際人権規約の中にも在日外国人に基本的な人権を認めるべきだとうたつておりまして、当参議院外務委員会でも附帯決議においてその促進を要求をしておりますね。在日外国人に対する社会保障の適用もすでにこの条約によって義務づけられていると言えないだろうか。政府の努力は認めますけれど、少し遅過ぎたのではないかというふうに私も思います。  さて、最後になりますけれど、難民条約批准を契機にいたしまして、在日外国人、とりわけ日本と深いかかわりを持つ在日韓国人等の人々に対する国民年金の全面的な適用について政府は十分に前向きの姿勢で検討をしていただきたいということなんですけれど、たとえば空期間を置くとか、あるいはこういうことができるかどうか、特例納付措置をとるとか、経過措置をとるというようなことまで考えられるわけでありますけれど、お考えを聞かしていただきたい。とにかく前進をさしていただきたい、全面適用をしていただきたい、こういうことね。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) 具体的な措置の方法の御提案も含めまして承ったわけでございますが、先ほど来お答え申し上げておりますとおり、この問題は外国人、とりわけ韓国人というような問題だけではございません、日本人に共通する問題でございまして、そういう観点で考えました場合には、現行の年金制度の根本にわたりまして手をつけなければならぬという問題であるわけでございます。御承知のように国民年金はすでに二千八百万人の受給者を擁しまして、年間、現在でも約二兆円の給付を行っております大きな制度でございます。この制度の根幹にわたる改正に手をつけるということについてはよほど慎重に考えないといけないという問題でございますので、先生の問題への御趣旨はよくわかるわけでございますが、外国人適用の問題ということではなしに、わが国の年金制度を将来どういうふうに考えていくか、持っていくかという問題の一環としては、やはりいろいろ考えてみなければならぬのじゃないかという意味におきましての検討はさせていただくつもりでございます。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 最後にもう一言。特に在日韓国人の場合には、その置かれている立場というものが、いろんな歴史を変遷してきている、並み大抵のものではない、そういう事情も勘案をされてお願いを申し上げたいと、こういうふうに言っているわけですから、そういった置かれている事情、置かれてきたその特別な立場、日本の歴史の中で、日本の国の政治の中でそういうものも十分に配慮をしながらひとつ前進的な措置をとってもらいたいと、こういうことです。もう一回その辺ひとつ答えてください。

佐々木喜之厚生省年金局年金課長

○説明員(佐々木喜之君) ただいま御指摘のいわゆる歴史的な経緯ということにつきましては、私どもも十分承知をしておるわけでございます。ただ社会保障という観点からこれを見ました場合には、特定の国籍の、かつ特定の年代の方に特別の措置をとるというような考え方がなかなか出てまいりません。今回の改正も外国人一般に適用範囲を拡大するという方法で処理したわけでございます。したがいまして、一般的な社会保障制度の中ではおっしゃる趣旨はなかなかむずかしい問題があるということは御理解いただきたいと思います。ただし、今回の改正によりまして相当多数にわたる外国人の方々に対して年金制度が開かれますので、そういう適用については十分窓口等の指導が行き渡るように周知徹底が図られるように心してやってまいりたいというふうに考えております。

木島則夫民社党・国民連合

○木島則夫君 今度のこういったことを契機にしましてひとつ大きな前進のための飛躍にそのことをつなげてもらいたい、このことを希望をして、私の質問を終わります。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 難民条約がいよいよ批准せられることになったわけでありますが、難民の問題が最近非常にクローズアップされたのは、ベトナム戦争が終了いたしまして、そしてベトナムからいろんな事情によって逃げ出すといいますか、とにかく逃げ出すような人が非常に多くなった。アメリカ等はこの救出、それから難民の救済に対しまして非常に積極的でありました。    〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕 私どもは何度かアメリカへ行ったことがありましたが、たとえばイノウエという日本人二世の議員なぞも、日本はもう少しベトナム難民の問題に対して積極的にやってくれというようなことを言っておりましたが、とにかくベトナム難民の発生以来非常に問題になってきた。それで私どもはその当時アメリカ人に言ったのですけれども、日本はとにかく国が狭いし、人口が多いし、難民の受け入れといってもそう簡単にはいかない。特にベトナム難民というものは、これはアメリカはやっぱりあのベトナム戦争をやって、難民の問題に対して相当責任もあるだろうけれども、日本は必ずしもこの問題に対して責任はないのだと、だから、純粋の人道的見地から当然なすべきことはなすけれども、ただ人口の状態、国土の状態から言って限界があるのだということを申し上げたわけですね。私はいまでもそのとおりと思っていますけれども、やはり難民条約が批准せられたことはベトナムのみならず全世界の今後起こるべき難民問題、現にある難民問題、これはいずれにしても先進国が中心になって解決しなきゃならぬ問題に対して、日本が積極的に批准するという態度を、遅まきながら、決定したことは非常によろしいと、こう思っているわけであります。  それで、日本はさしあたりインドシナの難民を三千人収容する。難民条約においては、とにかく逃げてきた者をいろんな居住に伴う権利を与えるのだという非常に人道的な抽象的なものでありまするが、三千人引き取るという決定をされたと聞きましたが、その人数の問題はどういうことによって決定するのですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、日本は、国土が狭隘で人口が多いということに加えまして、難民受け入れの伝統がないという事情が一方にございます。他方、昭和五十四年の初頭以来、インドシナからの難民の流出が急増いたしまして、それに対して日本としては、国連機関インドシナ難民救済計画等についてかなり大幅な拠出をしたわけでございますけれども、同時に、日本自身としても、インドシナ難民の定住受け入れについて真剣に検討すべきであるという意見が内外から出てまいりました。たしか五十四年の四月に五百名という定住枠を設定したわけでございます。五百名の定住者の定住条件も規定いたしまして、いわば日本におけるインドシナ難民受け入れの計画が発足いたしまして、昨年その定住枠を千名にいたしました。本年四月二十八日に三千名ということにさせていただいたわけでございます。五百名から千名、千名から三千名というのは、大体許可件数がその枠に達したということで措置させていただいたわけでございます。ただ、四月二十八日の三千名の中には、インドシナ戦争終結以前から日本に留学していた者、あるいは研修していた者という者がおりまして、その方々もいわばその難民の定住枠に算入しようということで、そういう方が七百四十二名おります。ということで、千名から三千名ということで、かなり大幅な枠の拡大をいたしたという次第でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 現に、定住難民と言うのですか、日本に定住する難民ですね、それをこの条約でいろいろ日本人に近い権利を与えて生活させるということになったわけですけれども、なお千句百人か余裕があるわけですけれども、これはどういう見込みですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 現在の定住者につきましては、先生御指摘のとおり、千百三十一名ということで、まだかなり余裕があるわけでございます。現在、政府といたしましては、東南アジア、ASEAN諸国あるいは香港に一時滞在しているインドシナ難民で日本の定住条件に合致する者について、できるだけ受け入れるべく、すでに十回にわたって、いわば定住難民発掘という、言葉は適当でございませんけれども、そういう調査団を派遣しているということでございます。  他方、けさほどから御議論がございました一時上陸難民というのが、現在、千三百二十九名日本に滞留しておりまして、この人たちの中からも日本に定住を希望する人々がいれば、定住者として受け入れたいというように考えております。したがいまして、三千名の枠をいつごろ達成できるかという見通しについては、現在のところ具体的な見通しは持ち合わせていないという状況でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 国際情勢がいろいろ激動しているときですが、この難民の定住希望者というものが場合によっては非常に激増するというような可能性もあるわけですね。そういう難民を定住させる数は、いま、閣議で決定しているわけですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) インドシナ難民定住枠というのは、枠の変更をいたします場合、拡大いたす場合には、閣議了解ということで御承認いただいているわけであります。    〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 今後、この条約ができますと、いろんな地域から、やっぱりこの条約の何条かに書いてある資格のある人が定住を希望してくるということが考えられますけれども、この資格、何条かにある資格、この資格について、十分御審議願ったかもしらぬけれども、もう一度御説明を願えますか、定住難民の資格ですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 宇都宮委員の御質問は難民の定義の問題であると思います。これは第一条の第二項に詳細な規定がございますが、その重点だけを申し上げますると、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることができないもの又はそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まないもの」というのが重点的な定義でございまして、ただいま申し上げましたように、迫害を受けるおそれがあるかあるいは迫害を受けておるということと、それとの因果関係において、人類、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見が理由になっておる、こういう関連性において定義が構成されておるわけでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 つまり、「人種、宗教、国籍若しくは特定の社会的集団」に属するがゆえに政治的意見等を理由に迫害を受けている、そういう意味ですか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいま宇都宮委員のお読みになったとおりでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 わかりました。  それで、これは英語で言うとレフュジーというのですか、つまり難民というのは。そうですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) はい。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 日本では昔から亡命という言葉がありますね。亡命、たとえば孫文なんかも日本に亡命していたし、いろいろな亡命者がいたわけですが、亡命ということと難民ということはどう違いますか。

栗山尚一外務大臣官房審議官

○政府委員(栗山尚一君) 御説明申し上げます。  いま宇都宮先生おっしゃいましたとおりに、難民と申しましても、亡命者と申しましても、英語ではレフュジーという言葉が一般的に使われているわけでございます。それで、それでは日本語で使った場合に、難民あるいは亡命者というのがそれぞれどういう概念に基づいて使われているかということになりますると、これは、別に法律的に非常に厳密な定義があるわけではもちろんございません。従来から政府が機会がありますと御説明を申し上げておりますことは、レフュジーというものの庇護、ある国が亡命者をあるいはレフュジーを受け入れるかどうかと、そういう庇護という観点に着目して論ずる場合には、亡命、亡命者という言葉で論ずるのが普通である、それから受け入れた者についていかなる待遇、保護を与えるかという観点から論じます場合には、これを難民という言葉を使って議論をするというのが通例であろうと、それ以上明確な法律的な区別が国際法的あるいは国内法的にも存在するわけではございませんということを従来から御説明申し上げておりますが、そのとおりであろうと思います。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 そうすると英語では全く同意だけれども、日本語でちょっとニュアンスの違いがある、こういうことですね。しかしながら、この条約は日本で普通考えられている亡命者も当然これは対象に入る、こういうことですね。

栗山尚一外務大臣官房審議官

○政府委員(栗山尚一君) 元来のレフュジーという言葉は、御承知のように非常に広い概念でございまして、この条約にございますような種々の理由によります迫害を逃れて外国に行く者のみではございませんで、御承知のように戦争とか内乱とか、あるいは飢餓であるとか干ばつその他の経済的理由で母国を離れていくという者につきましてもレフュジーという言葉で呼ばれておるわけでございますが、いま先生の御質問の亡命者という観点から申し上げれば、そのうちでも、先ほど御説明申し上げました第一条の定義に該当するような迫害を理由に逃れてくる者、これは当然条約の対象になるということでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 いろんな理由、たとえば刑事犯罪人なんかで逃げてくる者、こういう者は当然対象にはならぬわけですね。刑事犯罪人、たとえば人殺しとかどろぼうとか、そういうことで逃げてくる者は当然対象にはならぬ、こういうわけですね。

栗山尚一外務大臣官房審議官

○政府委員(栗山尚一君) この条約では、先ほど申し上げましたようなことで、一連の理由で迫害を受けるおそれがあるということで、その迫害を逃れて第三国の保護を求めてきます場合に、たまたまその難民が犯罪を犯しておる、いま先生の御指摘のような刑事犯罪を犯しておるからということだけでは、難民として認められないということには必ずしもなりません。条約には規定がございまして、重大な犯罪を犯した者についてはこれを難民として認められない、難民条約を適用しないということが書いてございますが、そこから申し上げられることは、軽度の犯罪を犯した者であっても、先ほど申し上げましたような迫害を恐れて逃れてくる者であれば、難民条約の適用を受ける、こういうことでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 それで出国そのものが当然違法なわけですがね、ビザも持たず、もちろん出国旅券を持たないで来る者、その者も来た以上はもう難民である、こういうことですね。重罪、たとえばジェノサイドとか、そういうことに関係しない者は、つまりその相手の国の出入国管理、こっちの出入国管理に違反しても、入ってきた者はすべて難民である、こういうことですね、特別な重大な犯罪でない限りは。

栗山尚一外務大臣官房審議官

○政府委員(栗山尚一君) 先ほど来御説明申し上げております定義、一定の理由によります迫害を逃れて来るという、そういう事実が認定される限りにおきましては難民でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 日本に入ってきた外国人というものが、特殊の人を除いてはそれが旅券等正規に所持しない場合、ほとんどすべてこれは難民あるいは亡命者としてのこの条約による権利を取得すると、こういうわけですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいまの御指摘の点でございますが、そういう人であっても難民の条件に合致する者はこれは難民でございますが、そうでなければ難民にはならないということになります。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 難民にならぬのと難民になるのと、いまいろいろ聞いたのですけれども、どういう違いがあるのですか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 難民と難民と認められない人たちの区別でございますが、これは実は詳細に申し上げますとかなり細かい問題になってくるわけでございますが、難民該当者と難民に該当しない人たちの区別でございますが、これは一々御説明いたしますか、主要な点だけを御説明いたしますか。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 大体、何というか、細かいこと言わずに総括的に言ってください。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 条約にもろもろの細かい規定ございまして、相互主義の適用の免除というのが難民のフェーバーとしてございます。  それから条約八条に、ちょうと細かくなりますけれども、例外的措置の適用の免除でございますとかあるいは条約十二条に属人法関係で難民の属人法、これについては法令の適用の除外例を設けております。これは難民のためのまたフェーバーでございます。  それから社会保障の関係は先ほど御説明がございましたけれども、国民健康保険の加入等については、市町村によっては、条約、議定書上の難民にしか恩典が及ばないということもこれはございます。  それから条約二十八条の旅行証明書でございますが、これは難民と認定された者に旅行証明書が与えられるという一つの規定がございます。  それから、これはノンルフルマンの原則ということで、御承知のとおりでございますが、迫害の待ち受ける国には送還しないということも条約上は難民で初めて与えられるものでございますが、この辺は実際の運用としては現在難民でない方々についてもこれを適用しておりますが、こういった点で差異は出てくることは事実でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 そうすると、難民及び類難民といいますか、難民に類した者、これはつまり自分の意思に反して本国の請求があっても送還しないと、こういうことですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいまの御説明は、繰り返しになりますけれども、条約上はそういうことでございますが、現実の取り扱いとしては、ノンルフルマンの原則というものは難民でない方に適用をしておるのが従来やってきておるわけでございますから、この点は実際上は差異にはならないと私は思いますけれども……。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 何、もう一度……。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 実際上は難民とそうでない者について差異はないということでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 差異がないと。差異があるのはそうするといろいろ日本人と同一の権利が与えられぬとか与えられるとかという、社会福祉上の問題も少しあるでしょうけれども、定住する者として難民として認められた者がこれは出国する場合、出国するビザに類するもの、ビザというか旅券に類するものは与えられるわけですか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) これは難民旅行証明書というものを新たに発給する制度ができるわけでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 先ほど申し上げた類難民はそういう旅券に類するものは発行されないわけですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) これは法務省の管轄のことでございますが、私の方から申し上げれば、その場合にはやはり再入国の許可を出すとかそういうような便益を図りまするけれども、これは非常に細かくなりますけれども、難民旅行証明書の方はこれは条約上の証明書でございますから、それなりに第三者に対抗する力というものは、この証明書は強く持っておるわけでございますが、恐らく再入国の許可書の場合には、これは日本の国内関係の出すものでございますから、そういった点では難民旅行証明書に比べて、いわゆる何と申しますか、後者が尊重されないという意味ではございませんけれども、より国際的な性格を備えておらないということは言えるかもしれません。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 それで、日本にはかっての植民地であった台湾とか朝鮮とか、それらの国の人々が、中には徴用された人もあるわけです、強制的に、そういう人々が住んでいる。しかしながら、韓国国籍を持った者はきちっと国籍を持っていますけれども、北朝鮮に祖国を持ちたいという人は、これはこういう難民の問題なんかの場合にどういう考え方で関連されますか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 委員のお尋ねは、難民条約上、わが国で難民として認定された者については難民旅行証明書が発給されるのに対して、日本におります在日朝鮮人あるいは在日台湾人の人の渡航に関する要件については問題、遺漏があるのではないか、差異があるのではないかというお尋ねかと思いますけれども、在日外国人、在日朝鮮人を含めまして在日外国人が海外渡航をする場合には、再入国許可申請をしてその許可を受けて出国する、そのための旅行文書というものを発給するということで、実質的な差異が難民と在日朝鮮人あるいは在日台湾人の間にあるということにはならないというように承知しております。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 そうすると、それはいままでと難民条約に入っても変わりないのですか。少し取り扱いはよくなるのですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 難民条約に加入することによりまして、難民と認定された者については難民旅行証明書というものが発給されて、それが渡航文書として当該難民が使用できるということでございます。  他方、難民条約と同町に、現在御審議いただいている出入国管理令の改正案におきまして、再入国許可を与えられた外国人でやむを得ない理由によって旅券を所持していないときは、旅行文書として再入国許可書を発給するという制度が導入されることになっております。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 それから韓国の問題ですけれども、たとえば金大中事件なんかがあったわけですね。金大中事件は、当時は亡命という問題に対するしっかりした法制もなければ決まりもなかったわけですけれども、韓国の人で、そして日本にいながらこの条約で言う政治的な反対者として迫害を受けている何人かの人が私はいると思うのです。そういう人たちは、韓国籍であるけれども韓国の旅券というものを取り上げられているのですね。それは、まさにこれは難民みたいなものなんだけれども、これに対してはどういうお考えですか。

渡辺幸治外務大臣官房外務参事官

○政府委員(渡辺幸治君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、条約と同時に御審議いただいている出入国管理令におきまして、やむを得ない理由によって旅券を所持していないときは、旅行文書として再入国許可書を発給するという制度を新たに導入することになっておりますので、委員御指摘の点は、この新しい制度によってカバーされる、そういうように承知しております。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 それでは、難民条約に関する質疑を終わりまして、これから、大臣も見えましたから、日本の外交の基本に関する二、三の問題をお尋ねしたいと思うのです。  きょう、大臣ごらんになったかどうか知りませんけれども、日本経済新聞という新聞がありますが、そこにアメリカが、国連が肥大化している、国連がですね。肥大化しているから、これは予算を抑えて、職員を削減するというようなことが出ていますね。こういうことは外務省の方にそういう情報が入っているかどうか、これをひとつ御説明願いたい。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 本日の日本経済の記事を私も拝見したのでございますが、アメリカが国連の、何と申しますか、肥大化という言葉が適当な言葉であるかどうか存じませんけれども、国連の機構がどんどんふえて、より大きな予算を食うようになっているということについて冷静な態度をとっておるということは、特にレーガン政権の成立以来言われておったところでございます。  具体的にそれがどういう形であらわれているかということでございますが、特にわが政府にそういう趣旨の通報があったわけではもちろんございませんで、アメリカの個々のいろんな場面における言動からそういうものを察するということになるわけでございますが、たとえば国連の財政を取り仕切るようなジュネバ・グループという存在がございますが、これは国連の各専門機関等の予算に対して歯どめをかける役目を持っておるグループでございますが、そういったところでアメリカがやはり野方図な予算の膨張というものに対して明確に警報を鳴らして、各専門機関の協力を求めるとか、そういう局面におきまして私どももアメリカの考え方は承知しておる次第でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 国連局長はもちろん御存じだと思いますけれども、昨年度の国連の予算、アメリカがそれにどれだけ拠出したか、それをちょっと教えていただきたい。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) いま正確な数字を持っておりませんので、ちょっといま調べております。  御承知のようにアメリカの国連分担率は二五%でございまして、これはその国のGNPとか、そういう物差しと一切関係なしに二五%ということをアメリカだけに専権的に決められている率でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 二五%はいいんですけれども、パーセンテージの金額を言ってください。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 国連予算の額は二年単位になっておりますが、一九八〇年、八一年度で十三億三千九百万ドルでございます。八二、八三年度には一四・七%ふえまして、十五億三千六百万ドルということでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 これはあれですか、国連全予算ですか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) これは、いま申し上げ―ました数字は国連のいわゆるアセスト・コントリビューションと申しまして、いわゆる国連本部予算と申しまして、自発的拠出金以外によって賄われ、各国の割り当てが強制的なパーセンテージによって賄われている分の額でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 国連の全活動を支えているお金は、もっとほかにそれ以外にあるわけですね。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) いま申し上げましたのは国連が、日本でございましたら九・五八%、アメリカでございましたら二五%というふうに強制割り当てによって各国が拠出している部分から成っておる予算がただいま申し上げましたものでございまして、その他、機関によりましては自発的拠出金ということで賄われている機関もございます。    〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 国連の大部分の活動が大体十五億ドル程度でなされている、こういうことですね。これは世界の平和を維持したり、世界の人権を進めたり、非常に重要な国際的機関ですね。それが十五億三千万ドル。それがまだとにかく多過ぎるなんと言っているアメリカの雰囲気というのは、私は本当言いますと理解できないのですね。大体あれでしょう、アメリカは今度宇宙衛星みたいなものを飛ばした。あれが百億ドルかかっているのですね。それから、最近原子力潜水艦、これの最新型をつくったそうだけれども、それが五十億ドル近くかかっている。日本で言えば一兆円近くかかっている。そういう状況で、十五億ドル程度の国連予算に対して、予算を抑え職員削減などと言っているアメリカの態度というものは、これは日本がやはり国連第一主義ということをずっと言ってきて、平和憲法を持ち非核三原則を持つ国家、その外務省が世界各地で活躍している。国連にもとにかく出しているのですけれども、こういうことをアメリカが言っている。もし本当に言っているとすれば、私はちょっと許しがたい感じがいたしますね。外務大臣、これに対してひとつどう思われますか。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 国連の今日までのあり方については、運営についてはいろいろ問題があります。それは、大国が自分たちの気持ちというか、自分たちの意図を達成するための一つの駆け引きの舞台としてきた。国連というものはそういうものではなくて、小さい国々が平等で互角で議論をして、平和と各国の繁栄とをやるべきときであって、私はいま国連の使命というのはますます・大きくなってきた。南北問題、経済援助の問題等がこれであると思います。  アメリカとしては、私まだなったばかりでわかりませんが、以前のあれからすると、とかくこういう国際的なものに対する負担を軽くしてよそに何か持たぬかという気配がないでもありませんでしたが、これは私はパートナーのアメリカのなさるべきことじゃない。出すもの出さないでだんな面するということは、日本だってこれはだれも信頼されぬわけでありますから、アメリカはやはりそういう点はもっと反省をされたい。この点については、事あるごとに正式にアメリカに私は意見としてアドバイスをするつもりでおります。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 日米安保条約、これが日本の安全の重要な要素であるということを言われているわけです。大体、安保条約というものに対してこれは結ばれる前にいろんな意見があったのですよ。意見があったのだけれども、しかし結ばれてしまって、それはそれなりに役割りを一応果たしているということをこれはまあ認めてもいいです。認めてもいいし、いまあえて反対しようとは思いませんけれども、しかしながら、この日米安保条約というものは、やっぱりこれは国連の集団安全保障の地域的取り決めなんですね。で、アメリカが日本を防衛するとか、あるいは抑止力によって守るとかいうことは全部安全保障条約に基づくわけでしょう。外務大臣、ひとつお答えください。

淺尾新一郎外務省北米局長

○政府委員(淺尾新一郎君) もちろん安保条約の前文にございます「両国が国際連合憲章に定める個別的又は集団的自衛の固有の権利を有していることを確認し、」ということ、あるいは「国際連合憲章の目的及び原則に対する信念並びにすべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、」という前文がございます。それから安保条約の十条の中にも国連に言及した点がございまして、「この条約は、日本区域における国際の、平和及び安全の維持のため十分な定めをする国際連合の措置が効力を生じたと日本国政府及びアメリカ合衆国政府が認める時まで効力を有する。」、こういうことでございますので、アメリカの行動というのはもちろんこの国際連合の集団的自衛権あるいは個別的自衛権ということを前提にしているわけであります。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 第二次大戦後にアメリカが中心になって国連をつくりまして、国連による国際平和ということに対して非常な理想と熱意を持って当たったことは間違いないと思いますね。それは現在でも続いている、細々にしろ太々にしろ、続いていると思うのだけれども、とにかく安保条約で日本が守られている、こういうことを言うのですけれども、いまアメリカ局長が言われたように、安保条約すら国連の集団安全保障のいわゆる地域的取り決めとしてできていることは間違いな明いわけですね。国連局長にひとつお尋ねします。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) 安保は国連憲章五十一条の――国連憲章に基づく地域的取り決めでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 ですから、国際連合というものが現に演じている役割りというものは、安保条約一つ見たって非常に重要なわけですね。ですから、今後日本は上平和憲法を持ち、非核三原則を持つ、そう言う以上、国連のこの安全保障機能というものをできる限り強くしていく、そういう努力をしなきゃいかぬと思いますが、国連局長は当面の局長ですから、そういう国連の世界の平和を守り安全を、日本の安全も保障する、そういうことに対して国連を強化するという努力をされていますか、現在。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) お説のとおりでございまして、国連の政治的な、平和維持機能を強化するということがわが国にとっても非常に重大な課題でございまして、これは具体的な提案といたしましては、一昨年の国連総会において当時の園田外務大臣が演説で申されたことでございますし、昨年の国連総会でもまた若干アングルを変えまして伊東当時の外務大臣が提案された点でございまするけれども、国連の平和維持における事実調査機能の強化ということを提案されているわけでございます。これは紛争が発生いたしますると、その事実関係を正確に把握するということがまず第一でございます。それがなければ対応ができません。事実関係の調査のためにたとえば調査団を安全保障理事会が派遣するという場合には、従来はこれは拒否権の対象でございまして、仮に、例でございますが、ソ連が拒否権を行使するという例もあったわけでございます。    〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕 そうなりますと、事実関係が明確にならないままに審議が行われまして、結局のところうやむやになってしまう。これでは平和維持の活動はできないということで、そのような事実調査の関係については拒否権を自制したらどうかという提案をされたわけでございます。これについてはかなりの反響がございまして、その後も国連において憲章改正関係委員会とかその他のところで多くの国から支持を受けております。これをどのようにさらに進めるかというのは今後の課題でございますが、同時に、ソ連がそういったような提案に対しては当然反応は否定的でございまして、この辺をどういうふうに加盟国の世論を反映さして日本の提案を実現に導くかという点は、今後の課題でございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 まあとにかく私どもが見るところでは、日本の外交がそういうことのために積極的に努力したというのは、この前の国連総会で園田現外相が非常にいい演説をされた。それくらいなものであって、その演説そのものをやっぱりこれは国際社会で現実のものにするような努力を、外務当局は各公館等を利用して、もちろん、大使館その他はもう当然ですけれども、大使の数だってこれは大変にいるのだから、そういう者を督励して、そうして、ああいう園田演説のようなものを少しでもアメリカの外交とか、あるいはソ連の外交とか、ECの外交とか、そういうものに反映さしていく努力が必要だと思いますけれども、そういう努力をされましたか。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) ただいまの御指摘のあった大臣の御演説というのは、いろいろな御演説があると思いますが、恐らく軍縮総会における御演説……

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 もちろんそうです。

賀陽治憲外務省国際連合局長

○政府委員(賀陽治憲君) あるいは二年前の、ただいまおっしゃいました総会演説等でございますが、その中にはいろんなことが盛り込まれております。そういった意味では、わが方といたしましては、国連においてそういった提案を具体化するためには、御指摘のように各国の協力がなければできないわけでございますし、特に非同盟諸国の協力がなければ、数というものを一応決定の論拠にしております国連においてはいかなる提案も雲現しないということでございますから、非同盟諸国との協力関係、これは特に現在安全保障理事会、日本は非常任理事国になっておりますので、しかも、十五のメンバーのうちに七つ以上の非同盟諸国がおるわけでございますから、それとの連携なしには有効な活動ができないわけでございますから、その点は最近はわれわれとしては特に意を用いてやっておるつもりでございます。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 非同盟諸国の話が出ましたね。中国に言わせると第三世界というような言葉を使うわけですが、この第三世界の重要性を日本の外交もだんだんわかってきて、アラブ外交にしろ、あるいはアフリカ外交にしろ、だんだんわかってきているように見えますけれども、とにかくあなたがおっしゃるように、国連の活動を強化するためには第三世界の協力が絶対必要であることは間違いありません。  それからまた、おっしゃるように、常任理事国の五大国の拒否権が国連強化のために非常な妨害になっておることも明らかですね。しかし、どういう国連における努力も、とにかく日本が戦争に巻き込まれて国民の生命、財産を維持する努力より、どのぐらい容易で、どのぐらいお金がかからないかということはこれは明瞭でしょう。これは、もう少し日本の外務省はしっかりやってもらいたいね。変にアメリカあたりのタカ派なんかへおべっか使わないで、しっかり言うべきことは言う。そういう姿勢でやらなきゃ、これは結局、日本は笑われますよ。  ひとつ外務大臣にお答え願いたいと思います。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 以前からそういうふうに私考えておりますから、全力を挙げて努力をいたします。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 大いに期待しています。  それから、もう一つ伺いたいのだけれども、やっぱり世界にいろんな危険な発火点がありますね。まあソ連が日本をいきなり攻撃するなんということは、これはちょっと気違いじみているのであって、日本の政策いかんによってはそういうこともあり得るかもしれないけれども、いろいろな発火点があります。  非常に危険な発火点は、やっぱり依然として私は朝鮮半島であると思いますね。そして、私どもは日韓条約が結ばれる場合に、とにかく南にだけむやみによくして、北を全くすっぽかすというような政策は、朝鮮半島の、平和のためによろしくないということを言って反対したのだけれども、ついに通っちゃったわけですがね。  この前ちょっとお話ししたけれども、北京に参りましてね、鄧小平副主席ですか、あの人に会って、そして国際情勢全般について話したときに、朝鮮問題の話を私の方から出したわけですがね。そのときに、彼はこういうことを言ってましたね。朝鮮政策、朝鮮に対する現在のレーガン政権の態度というものは、どうも賢明を欠いている、率直に言うと愚かである、ということをこれは言っていましたね。アメリカ局長、こういう重要なことは君も聞いておいてもらわなければ困るのだ。  それで、なぜ愚かかといいますと、自分は金日成というものに対しては非常にこれはよく知っているのだと言うのですよ。それで、金日成は八時間でモスコーに行けるのです。飛行機でモスコーに行けます。それで、八時間で行けるけれども、金日成は二十年間モスコーに行ったことないのだと、こう言っているのだ。しかるに現在のアメリカの政策というものは、カーターの時代には少なくとも初めは朝鮮の撤兵を言った。今度の政権になってから撤兵のての字も言わない、そして、韓国に軍事・経済援助、特に軍事援助を濃厚にしている。金日成は、南を侵略する意思はもちろんないけれども、能力もないと、こういうことを言っていましたね、彼は。これは、能力もないという話は金日成にとってはおもしろくないかもしらぬけれども、そういうことを非常に率直に言っていました。  もしもいまのようなアメリカの朝鮮半島に対する政策を続けると、金日成を八時間でモスコーに行かせることになる、こういう意味だと思いますがね。私は、これは相当やっぱり私らは、日本の安全というもののためには朝鮮半島の安定というのは非常に必要であると同時に、朝鮮半島の背後に、もしも三十八度線というものの緊張を目指して中ソ両国の軍事的一枚岩というものが復活すると、これは非常に危険である。ほとんど、軍事的にアメリカも、日本を守る戦略的な立場をはっきり日本に、うそじゃなければ、言うことできませんよ。そこに例のニクソン・ドクトリンなんというのが出てきたわけですけれども、そういう状況のときに、そういう重大な危機が、日本の真の脅威というものがわあわあわあわあ言っているうちに、わけのわからないことを言っているうちに北の方に発生してしまうということが私は一番危険だと思います。  時間が来たそうですからこれでやめますけれども、ひとつ外務大臣、いままでの外務省の朝鮮半島に対する考え方、それからアメリカの考え方では世界の、平和のためにこれは危険ですよ。特に日本の安全のために危険なんですから、これはしっかりした態度をとって変更すべきものは変更するという方向に行ってもらいたいと思いますけれども、外務大臣どうお考えになりますか。これは答えたくなければ答えなくてもいいのですよ。

園田直自由民主党外務大臣

○国務大臣(園田直君) 日本のためにも、アジアの平和と安定のためにも朝鮮半島に平和と安定が構築されることはきわめて重大であります。その意味で、わが国が朝鮮半島における平和と安定を希望し、北、南両方が真に納得のいく話し合いが進められるよう希望いたしております。

宇都宮徳馬新政クラブ

○宇都宮徳馬君 終わります。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 以上で質疑は終局したものと認めます。   ―――――――――――――

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として名尾良孝君が選任されました。   ―――――――――――――

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、難民の地位に関する条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、難民の地位に関する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   ―――――――――――――

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) これより請願の審査を行います。  第八号婦人差別撤廃条約批准促進に関する請願外百六十五件を議題といたします。  まず、専門員から説明を聴取いたします。山本専門員。

山本義彰常任委員会専門員

○専門員(山本義彰君) 今国会中外務委員会に付託されました請願は全部で百六十六件でございまして、種類といたしましてはお手元の表のとおり十一種類でございます。  まず、八号、九九六号及び次のページの一〇六七号は、いずれも婦人差別撤廃条約を速やかに批准し、関係国内法を改正することを要請するものであり、そのうち一〇六七号は、あわせてあらゆる分野に婦人が全面参加できるよう特別措置を図ることを要請しております。  次に、三ページ目の二五七四号は、婦人関係のILO条約を批准し、労働条件を国際水準に引き上げること及び看護職員の雇用、労働条件等に関する百四十九号条約を早期に批准されたいというものであります。  次に、一八六号は、ソ連に抑留中に死亡した日本人の遺骨送還をソ連政府に即時、正式に要求し、その実現を期されたいというものであります。  次のページの二六八四号は、国連を改造強化して、全人類の平和と安全を保障する民主的な平和維持機構への移行の早期実現を期すべきであるという内容の世界恒久平和の確立に関する決議を国会でされたいというものであり、また、三六一〇号は、伝統的な日本精神を改めて認識し、過去の過ちを反省して、真の世界平和を実現するため努力するという内容の日本国平和宣言を国会で決議してほしいというものであります。  次に、三一八八号は、日ソ沿岸貿易の取引業務の急増にかんがみ、ソ連極東貿易公団日本駐在事務所の開設を許可されたいというものであります。  次に、三七五四号は、難民条約の加入承認に当たり、人道的見地から難民条約の実施・運用を図り、特に民間の声を反映した公正な認定機関を設置すること及びすべての在日インドシナ難民に対し難民条約に言う難民と同様の法的地位を与えることを内容とする決議をされたいというものであります。  次のページの四三二八号は、安保条約を廃棄し、わが国が中立を宣言することを、また、四九四五号は、安保条約を廃棄し、日米軍事同盟を解消すること及び核兵器全面禁止と全面軍縮を目指し、アジア・太平洋地域を非核武装地帯とするために努力することを国会が決議するよう要請するものでございます。  以上でございます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 以上で説明を終わりました。  これらの請願につきましては理事会において協議いたしましたところ、第八号婦人差別撤廃条約批准促進に関する請願、第一八六号ソ連地区抑留死亡者の遺骨送還に関する請願外六十五件、第九九六号婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の批准促進に関する請願外十七件、第一〇六七号婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の早期批准に関する請願外二十四件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二五七四号婦人関係のILO条約批准に関する請願、第二六八四号世界恒久平和の確立に関する請願外二件、第三一八八号沿岸貿易の拡大に伴う「貿易事務所」開設に関する請願外十三件、第三六一〇号日本国平和宣言に関する請願外十一件、第三七五四号難民の地位に関する条約の人道的運用に関する請願外十二件、第四三二八号安保条約廃棄に関する請願外十一件、第四九四五号日米安保条約廃棄等に関する請願は保留とすることに意見の一致を見ました。  この理事会の協議のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   ―――――――――――――

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   ―――――――――――――

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱い等を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時八分散会

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