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94回国会参議院1981/04/28

外務委員会 第6号

発言数
71
登壇者
9
会派数
5
開催日
1981/04/28

会議録

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十七日、永野嚴雄君、田中寿美子君及び立木洋君が委員を辞任され、その補欠として浅野拡君、川村清一君及び下田京子君が選任されました。     —————————————

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 北西太平洋における千九百八十一年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。伊東外務大臣。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) ただいま議題となりました北西太平洋における千九百八十一年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、昭和五十三年四月二十一日にモスクワで署名された漁業の分野における協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定に基づき、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲の手続及び条件を定める議定書を締結するため、本年四月六日以来、モスクワにおいて、ソ連邦政府と交渉を行ってまいりました。その結果、四月二十日にモスクワで、わが方魚本駐ソ大使と先方カーメンツェフ漁業大臣との間でこの議定書の署名が行われた次第であります。  この議定書は、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年の日本国のサケ・マスの漁獲について、漁獲量、禁漁区、漁期、議定書の規定に違反した場合の取り締まりの手続等を定めております。なお、本年の北西太平洋のソ連邦の距岸二百海里水域の外側の水域における年間総漁獲量は、昨年と同じく四万二千五百トンとなっております。  この議定書の締結により、北洋漁業において重要な地位を占めるサケ・マス漁業の操業を本年においても継続し得ることとなりました。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことをお願い申し上げます。

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 以上で趣旨説明は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ただいま外務大臣から御提案のありました日ソサケ・マス漁業の協定に関して御質問いたしますが、この内容はほとんどが昨年と同様でありますので、そう議論することもないと思います。ただ、大きく変わった点は、漁業協力費が昨年の三十七億五千万から四十億円と、二億五千万ふえたという点でございますので、この件を中心にして若干お尋ねをしたいと思うわけでありますが、この問題につきましては、各界からその立場立場においていろんな議論があるわけであります。その議論について質問いたしまして、政府当局の御見解を承りたいと思うのであります。  まず、国民一般的な議論といたしましては、この四十億にふえた協力費、これが全部業界が負担するならば何も問題がないと思うわけでございますけれども、政府が昨年どおり四五%負担するということになれば、さらにまた負担率が上がれば問題が生じてまいります。結局、政府が負担するということは、財政資金を使うということであり、それは国民の税金を使うということでありますので、これ以上税金を使うということは、現下の財政がきわめて厳しい折から、国民を納得させることは困難ではないかと思うわけでございます。  さらに協力費の増額が、これがはね返って魚価に影響する、魚価の値上がりにつながるということになりますれば、一層国民の了解を得ることは困難だと私は思うわけでございます。したがいまして、協力費が四十億にふえたことに対する政府の考え方、これに対処する方針、こういうようなものをまず承っておきたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 今回の交渉におきましては、ソ連側は、当初総クォータは四万トンの割り当てであり、漁期、尾数制限等の規制を強化すると、そういうことを前提にして四十一億七千万の漁業協力費を要求をしてきたわけでございます。これらの点につきましては、私どもといたしましては、四万二千五百トンの総クォータを確保する、それから漁期、尾数制限等の規制の強化を図るのではなしに、従来どおりの操業条件をもって操業ができるようにする、それから協力費につきましては、三十七億五千万以上の負担はできないということで交渉を行ったわけでございますが、最初の総クォータ及び操業制限の問題は従来どおりということになりましたけれども、お話しのように、協力費につきましては四十億ということで、二億五千万円の増額に相なったわけでございます。  これの今後の取り扱いでございますが、私は現在のような財政事情のもとにおいて、これを従来のように国が四五・三%を負担することはとうてい困難であるということは、業界代表の顧問の方々には十分お話を申し上げておるところでございます。したがいまして私の考え方としては、この増額分につきましては業界に負担をしていただくことが必要であり、またそれが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。  しかし同時に、御指摘のように、これは魚価の上昇につながるということに相なってはなりませんけれども、現在の需給の状況から見れば、昨年のような需給状況がたるんでおるということではございませんけれども、まずまず均衡した需給状況ということが想定をされるのでございまして、通常の水準で推移するものというふうに見ております。昨年は非常に当初から在庫が多うございましたから、全体の魚価の水準が低うございまして、それがいろいろ経営を圧迫したとかいう問題もございましたけれども、片やまた消費者の方からしては、サケが非常に安かったということで消費が伸びたということもございます。しかし、ことしは大体需給としては通常のベースということを想定をいたしておりますので、この二億五千万の協力費の増額が即魚価の上昇につながるというふうには考えていないところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 政府の方針は大体わかりましたけれども、一方業界側の方といたしましては、いま長官がおっしゃったこととは別な立場からの議論があるわけでございます。  それは、御承知のように七七年二百海里時代に入りまして、その結果、一九五六年に締結された日ソ漁業条約が解消されたと、そして新たに日ソ漁業暫定協定あるいは日ソ漁業協力協定が締結され、その結果北洋における漁業構造というものが大きく変わってきたわけでございます。その結果、サケ・マス漁業についても多くの減船措置がなされました。減船対象漁船に対しましては、この七七年の当時、国の減船補償がなされるとともに、業界におきましても、残存漁業経営者がその減船漁船に対しまして共補償をなしたわけであります。その共補償の金額もこれは莫大でございまして、水産庁からいただいた資料を見ますというと、大体母船式の附属独航船が百七十二隻、太平洋中型流し網が二百九隻、現在三百八十一隻ある。この三百八十一隻の一隻当たりのこの共補償のいわゆる融資を受けてやったわけですから、その残存負債というものが現在八千三百万円あると、こういうことなんですね。これは水産庁からいただいた資料によって申し上げているのですが、そういう結果、業界としてもこれ以上とても負担には耐えられないと言っておる、これが実情だと思うわけでございます。  この実態というものをわきまえて、認識してその上に立ってこのふえた二億五千万円については全部これは業界に負担させるというような御見解を持たれたかどうか、これもひとつ明らかにしていただきたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 確かにサケ・マス業界におきましても石油価格は高騰をいたしておりますし、それから昨年のサケ・マスの価格は非常に安うございましたから経営状況は必ずしも従来のような状況にないことは確かでございます。しかしながら、経営状況を見ますと、私は二億五千万の増額された協力費を業界は持てない負担能力がないということではないと思っておるわけでございます。  しかしながら、問題は今後一体協力費はどこまで上がっていくのかという問題の不安感といいますか、そういう問題は確かにあると思います。従来、サケ・マスにつきましては、政府としては、協力費という形で三十七億五千万のときに政府の負担が約十七億でございまして、相当手厚い措置を講じてきたという経緯がございますが、しかし、現在のような財政の事情のもとにおいてこれを継続し得るかどうかにつきましてはきわめて困難な状況にあるわけでございます。したがってまた、私といたしましては、現在の業界の負担能力及び財政事情を総合的に勘案をしました結果として、いま申し上げたように増額の二億五千万円分につきましては今回業界に負担をしていただくという考えを持っておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 次に、この水産業界といってもサケ・マスでなくて、遠洋漁業と言えばカツオ・マグロ業界等があるわけでありますが、その方面からのまた一つの声があるわけであります。と申しますのは、このカツオ・マグロ等の遠洋漁業はもうほとんど現在は大変な状態にあるわけでございます。これは御案内のとおりだと思うのです。燃油の価格はどんどんどんどん上がってきておる、それから資材費はまた高騰しておる、それから魚価は低迷しておる、こういうような中で四苦八苦の状態であると言っても言い過ぎではないと思うわけでございまして、このカツオ・マグロ業界、あるいは遠洋のイカ釣り業界等は自主的に調整せねばならぬ、減船やむなしと、こういうような状態にあるわけでございます。  こういう苦しい状態にある業界からはサケ・マス漁業に対してどういう批判をしているかというと、政府は北洋のサケ・マス漁業にのみ非常に優遇措置をしておる、めんどうを見ておる、これはサケ・マス漁業の過保護ではないかというような率直な意見も出てきておるわけでございますが、こういう意見に対して政府はどういう御見解をお持ちですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) いま御指摘のような批判につきましては、私も承知をいたしております。やはりわれら先人が血と汗で開発した北洋の操業を維持したいという一つの考え方と、それからもう一つは、協力費といいますことは、先生御高承のとおりサケ・マス資源の維持培養について日ソともにこれに努めることが双方の利益につながるというそういう考え方でスタートをいたしたわけでございます。したがいまして、協力費は入漁料とは性格を異にしておりますが、政府の援助ということから見れば、確かにサケ・マスについてはほかの業界の援助に比べまして手厚いものがあるということは確かでございます。したがいまして、サケ・マス業界におきましても、今回の交渉で痛感をいたしたところでございますが、秩序ある操業といいますか、そういう問題でありますとか、あるいはまた自分たちのやはり業界の体質の強化といいますか、そういうものにつきまして十分考えるべき時点に立ち至っておるのではないかと思います。と同時に、御指摘のようにカツオ・マグロ業界におきましても非常な困難な事態に直面をいたしまして、その体質の改善を図ろうと鋭意努力をいたしておるわけでございますから、政府におきましても本年度予算におきまして、特にそういう構造改善といいますか、体質の改善を図りますときには、従来の公庫融資の共補償に加えまして、特別な援助措置を講じてきたところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ただいま長官がおっしゃっておりましたように、この日ソ漁業協定、サケ・マス漁業協定の協力費というのは、入漁料であるとか、あるいは魚を買ってくる魚代といったような意味で支払うのではなくして、これは増殖事業に対する施設であるとか資材であるとか、あるいは技術協力であるとか、そういうものを給与するために実物給与するということで、意味が違うわけでございますことは当然であります。そこで、増殖事業によって資源がふえればこれを公海上で沖取りをする日本の漁業の漁獲する資源もふえるということであって、日本の国益にもこれはなるわけでございますので、そういう意味があるので、協力費を一概に拒否するということはこれは問題があると思いますけれども、同時にどんどんどんどん上がっていくということではこれはしようがないのであって、七七年はたしか十七億ぐらいであったと思うのですが、それが昨年は三十七億五千万になり、ことしはまた四十億になるというようなことになれば、一体これはどういうことになるのかということを私も心配せざるを得ないわけであって、そこの協力費のいわゆる適正なものは、もちろんこれはいろんな物価が上がっていくというと変わってまいりますけれども、現在のところ政府としては、この協力費というものはどのくらいが適正であると、こう考えていらっしゃいますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 協力費の適正な水準ということはなかなかむずかしいのでございますけれども、私の考えでは現在の四十億の協力の水準というのはもう相当いい水準に来ておるので、これが限度だとは言えないかもしれませんが、限度に近いものであるというふうに認識をいたしております。ソ連としてはクォータか協力費かというふうな交渉上の立場をとるわけでございますが、クォータにつきましても四万二千五百トンをもはやこれを減らすわけにまいりませんし、協力費ということを考えてみましても、恐らく四十億の水準というのは、私は、限度に近いものがあるのではないかというふうに認識をいたしております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 こういうような議論もあるのです。これは特に大手水産業界ですが、こういうような多額の協力費を払ってそうして北洋サケ・マス漁業をやる、これはむしろこのサケ・マス漁業というものを全廃して、その協力費をそれだけ払っているのですから、むしろそれでもってサケ・マスを買ってきた方がいいじゃないかといったような議論も出ている。これはほんの一部ですが、大手の方あたりにそういうのが出ておるのですが、こういう議論に対しては、政府としてはどうお考えになっておりますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 先ほど申し上げましたように、北洋のサケ・マス漁業というのは、われら先人が血と汗で築いた漁場でございまして、やはりこれを失うということは非常に耐えがたいことでございます。  それから同時に、サケ・マスの需給そのものから言いますれば、国内でのふ化放流が相当進みまして、七万トンないし八万トンの漁獲を得ておるわけでございますし、また輸入をしようとすれば幾らでも輸入ができるわけでございますから、サケ・マスの需給ということから考えますれば、別に不安はないわけでございますが、さればといって、いまの北洋を全廃するということになりますれば、やはり関連業界を含めまして二十数万人の職場をどうするかという問題もあるわけでございます。  それから第三番目に、そうなりますると、財政負担で減船をしなければいけませんし、そうなりますと、減船交付金というふうなものを考えましても、恐らくそれは数千億に達するわけでございまして、やはりそういうことを考えますれば、私は、現在の北洋サケ・マスの維持ということはきわめて必要なことであり、現在の規模においてこれを維持するということはぜひとも必要なことではないかというふうに考えておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 日本沿岸のサケ・マス資源の増殖事業でございますが、これが多額の財政投資もありまして、整備拡大されております。それから、技術も非常に進歩してまいりまして、回帰率が非常に高まってきていることは御承知のとおりでございます。ですから、年々資源が増加しつつあるわけです。  そこで、国内の需要量、必要量、これに見合ってサケ・マスの漁獲あるいは輸入ということを図ることが当然である。ある意味においては、そのために構造改善もしなければならないのではないかと私は思うのです。なかなかそれができないということは、ただいま長官のおっしゃった後段の、それをやるということになれば、結局減船対策として多額の国家資金をまた必要とする、いまの財政状態ではとうていそれはできるものではないというところに一番のウエートがあるのではないかと私は思うのでありますが、いかがなものですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のようにそれも非常に大きな要素でございますが、やはり北洋のサケ・マスを失うということは、われら水産に携わる者としては耐えがたいことでございまして、やはり現在の規模程度においてこれを維持存続させるということは、ただ単にサケ・マスの需給ということだけではなしに、それに関連する人たちの生活の問題等も考えれば、ただ単に、財政も非常に大きな要素ではございますけれども、それだけで考えていくわけにはまいらないのではないかというふうに考えておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 関連してお尋ねしますが、いわゆる国内の需要、必要量と、いわゆる国内産サケ・マス、そしていまの北洋のサケ・マス、そして輸入されてくるサケ・マス、この三つあるわけですが、やっぱり需要量に見合って、それはもっと流通の面において、特に私は強く言っておきたいことは、輸入量をもっと抑制すべきではないか、これはサケ・マスだけでないのですが、そのほかのたとえばマグロのようなものも含めてそう思うのですが、この点をどうお思いになりますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) まず、IQになっている物資につきましては、これは当然のことながら、国内の需給を考えまして必要な数量を輸入するという方針で対処いたしておるところでございます。自由化されておる品目につきましてどの程度コントロールし得るかということはなかなかむずかしい問題でございますが、たとえばマグロのようなものにつきましては、事前承認制ということで対処をいたしておりまして、そのもとで韓国と話し合いによって年間の輸入量を決定するということにいたしております。そのほかの物資につきましては、いろいろと輸入の秩序ある状況をつくりますために、たとえばウナギにつきましては台湾といろいろと話を進めるというふうなことをやっておりますが、全体として見まして、その秩序ある輸入というものをどういうふうにして自由化されております魚につきましてこれを措置していくかということは現在われわれに課せられた大きな課題であり、また非常にむずかしゅうございますが、そういう秩序ある輸入体制というものをつくり上げていかなければいけないということは十分認識をいたしておるところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 別な問題ですけれども、この漁業におきましてはアメリカの二百海里水域におきまして約一万トン近く漁獲することになっておるわけでございますが、流し網漁法によって操業いたしますと、どうしてもその水域においてイルカの混獲を避けることができないのであります。  そこで、このイルカの混獲に対しましては、アメリカ国内におきましては非常に強い反対運動が起きておるということがありますが、これに対して、水産庁長官は先般アメリカへ行っていろいろ話をしてきたようでございますが、その結果等につきましてごく簡単にひとつ御報告いただけませんか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) わが国の母船式のサケ・マス漁業によりますイシイルカの混獲問題につきましては、かねてから米側と協議の上で混獲許可証を取得するという方向で対処してきたところでございます。先般、二十四日の日に、行政審判官から本件に関する勧告がございまして、日本の申請のとおりに五千五百頭につきまして三年間許可をすることが適当であるという勧告が出たわけでございます。この勧告を受けまして、五月の八日にNOAAの長官がこれを決定するわけでございまして、従来の話し合いにおきましてはその勧告の線に沿って対処するということになっておりますから、本件問題につきましては今後許可証を取得するということで解決を見られるものと思っておるわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 この協定は昨年どおり総漁獲量が四万二千五百トン、そして総漁獲尾数が三千六百四十万匹、魚種別漁獲尾数が、これは公海に限りますが、シロザケが三百八十万匹、ベニザケが百十万匹、ギンザケが百二十万匹とこうなっておるわけです。そこでこの規制されたシロザケ、ベニザケ、ギンザケの総尾数は六百十万匹、総漁獲尾数が三千六百四十万匹、これを差し引きますと三千三十万匹というものがある。そこでこれは一体何かと、サケ・マスと言えば、サケはシロザケとベニザケとギンザケ、それでマス、マスノスケ、この五種類ぐらいだと思うのでありますが、これは公海だけになっておりますからわかりませんけれども、強くは申し上げません。この辺が問題ありますから、余り具体的に言うと差しさわりがありますから申し上げませんが、何といいましてもこのシロザケ、ベニザケ、ギンザケ、三種のうち一番高価なのはこれはベニであることは言うまでもないわけでありまして、総漁獲量が決まっておる、今度は船が先ほど申し上げましたように大変な隻数があるわけで、相当ノルマがあるわけで、そのノルマをもってとるためにはどうしても高い魚をとるというところに、そこに漁獲努力をするということはこれは常識なんでありますね。一番高いのは何か、これはベニザケですね。一番安いのは何か、これはマスですね。こういうような状態にありますので、しっかりと水産庁としてはこの秩序を守らせるように、交渉の内容をきちっと守らせるように厳重に不正を監視する、そういう態勢を持って臨んでもらいたいというのが私の意見ですが、いかがでございますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のように、魚種別クォータを定められておるわけでございまして、そのうちで最も値打ちのあるのはベニであり、その次に値打ちのあるのはギンでございまして、そういう意味合いにおきまして、今度の交渉等におきましても、その魚種別クォータをちゃんと日本が守ってないじゃないかというソ連の主張があったわけでございます。日本の網にはべニがよくかかるですねという話がありまして、それは日本の技術がすぐれておるのであるということを言ったわけでございますが、先生御指摘のように、そういう秩序ある操業ということがいままでも大切でございますけれども、いまからもますます大切になるわけでございまして、水産庁といたしましては、今後とも陸上及び海上におきます十分な指導、取り締まりによりまして秩序ある操業に遺憾なきを期してまいりたいと考えておる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 この協定の内容についての質問はこのくらいにしまして、この際外務大臣と農林大臣がおそろいでございますので、私は貝殻島コンブの問題についてお二人にいろいろ申し上げて御所見をお聞きしたいと思うわけでございます。  実はこれは御承知のように、一九六三年、昭和三十八年でありますが、大日本水産会とソ連当局との間に協定が締結されました。いわゆる民間協定であります。これが一九七七年、二百海里体制下になりまして新しい時代を迎え、それで前の協定というものが解消されてしまいました。そこで、新しい協定ができなければ十四年間続いてきたそのコンブ採取というものができなくなった。そのために沿岸の漁民、当然それは北海道は根室の歯舞漁業協同組合所属の約三百隻の船でありますが、これが全然操業ができないということで大変な苦しい立場に立ってきたわけでございます。そういうような立場も私よくわかりましたので、実は昭和五十二年、いわゆる一九七七年のこの日ソ漁業暫定協定が成立しまして当外務委員会でいろいろ論議をされたときに、私が当時の鈴木善幸農林大臣に質問いたしまして鈴木農林大臣から御答弁をいただきました。その御答弁をコピーにしていま両大臣に差し上げたわけでありますが、そういう御答弁を鈴木さんがなさっておるわけであります。  そこで、大日本水産会にかわって北海道水産会が民間協定を締結すべく七九年以来ソ連当局といろいろ交渉を続けているのは、これは御承知のとおりの実態でございます。民間協定といいましても、これは当然政府の了解が必要なのであります。したがいまして、外務省の承認を得るべく、また外務省の承認を得られるような協定文をつくるために、そういう協定内容を盛ったものをつくるべく二年間にわたって北海道水産会は非常な努力を続けてきたのでございますが、いまだに交渉がまとまらないで今日に至っておるわけでございます。これは北方領土の問題が絡んでくるというのが一番の難点であり、これが妥結を阻害している最大の要因なのであります。しかし、この現地の状態はどうかというときわめて深刻な状態になってきております。ことしがだめだということになればこれで五年間このコンブ採取ができないということであり、漁民のいら立ちというものはもはや強行出漁もやむを得ないのではないかというような強硬論が支配的にもうなってきておるわけでございまして、そうなりますと、ちょうど一九六三年、昭和三十八年以前の状態にもう戻るわけでありまして、この歯舞漁業協同組合としましても、この漁民のいら立ちというものを、また強行出漁をするといったようなこういう動きを抑止することが非常に困難な状態になってきておりますし、またこのコンブが全然採取ができないために生活難はつのってきておる。こういう中からウニであるとかカニであるとかいったような資源の密漁船も出てきておる実態、これはまた当局、政府としては御承知のとおりであり、しかし、もしこれを強行出漁なんてするようなことになりますれば、これはまた大変な問題が起きてまいりまして、人身事故なども発生しかねないと、非常に私自身も憂慮しておるわけでございますが、こういうような状態の中から私といたしましては、ただいまお手元に差し上げました鈴木農林大臣のこの御答弁ですね、これはちょっと時間がありますから読んでみますが、私の質問に対する答弁でありますから。   もともと貝殻島のコンブの漁の問題は、高碕  先輩が大日本水産会の会長の当時、地元漁民の  要請にこたえ、これと一緒になりましてかち得  た民間協定としての操業体制でございます。私  は、今後におきまして、やはり民間協定として  この問題を処理してまいるように政府としても  温かくこれを支援をしていきたい、このように  考えております。  それからずっといって、この最後の詰めの質問でありますが、その質問に対しましては、   コンブの民間協定につきましては、先ほど申  し上げましたように、これは民間協定として長  く続けてき、また実績を持っておるわけでござい  ますから、この協定、基本協定等が成立をしまし  た時点におきまして、政府としても積極的にこ  の民間交渉を支援をして、今後においてこれが  できるように最善を尽くしたい。また、その問  における関係漁民の救済措置につきましては、  十分やってまいる考えでございます。  こういうふうに御答弁をいただいておるわけでございます。この鈴木農林大臣の御答弁というものは、これは当然現農林大臣、亀岡農林水産大臣もこれを受け継がれておるわけで、責任があると思うわけでございます。  この実現のために、実は私も野党でございますけれども、いろいろ努力いたしまして、数回にわたって外務省の欧亜局長であるとかあるいは第一課長ともいろいろお話し合いをしたり、あるいは水産当局ともいろいろお話をしてまいりましたが、なかなかこれはもう事務的には解決できない、事務的にはもはや解決できない、これはやはり外務大臣と農林水産大臣と十分ひとつ協議をされまして、両大臣の政治的な判断、政治的なひとつ解決を願うよりもう道はないと、かように判断いたしましたので、当委員会にちょうどお二人そろうものですから、この問題を提起したわけでございます。この問題の解決のために両大臣のひとつ努力を強く要請したいわけでございます。  もしもこの北海道水産会というこういうきちっとした団体でなくして、もし何者かが、何者かと言うと失礼ですが、これは日本人でございますが、勝手に一つの組織、団体をつくって、これがソ連と民間協定を結んできたとき、いわゆる外務省の、政府の口上書の必要もないというそういう民間協定をもしつくってやってきて操業したとするといたしましたならば、いまの国内法ではコンブ漁はこれは自由漁業でございますから、それを規制する国内の法律がこれはないと私は考えておるのでありますが、こういうようなことになりますれば、もはや無秩序、混乱してまいりますので、そういうこともやっぱり考えられないことはないわけであります。したがいまして何とか解決してもらいたい。これは一九七七年の二百海里に入って、それで日ソ漁業暫定協定あるいはソ日漁業暫定協定あるいは日ソの漁業協力協定ですか、いまのサケ・マスの協定ですね、この協定のいわゆる日ソならばたしか第八条、ソ日ならば第七条だと思いますが、それからこのサケ・マスの協定は第何条か忘れましたが、そこには、この協定を結んでも従来の両国政府の主張といいますか、それは何ら妨げるものがないと、こういうふうに規定されておりまして、あれだって北方領土にソ連が二百海里の線を引くのをやはり日本は認めたわけであります。それが大きな問題であり、それに対処して日本も暫定水域法をつくって二百海里法を日本にもつくり、そうして二百海里と二百海里を重ねて、そしていま先ほど申し上げましたように日ソ漁業協定あるいはソ日漁業協定というものをつくって漁業をやってきた。したがって厳格に私が詰めていけば、あそこにも問題があるわけでありますから、これらの問題を日本のいわゆる政府の主体性を失わない限りの中において何とか実現するように努力していただきたいということを強く御要請申し上げまして、そして両大臣の簡単でいいので御見解だけひとつ披瀝していただきたいと思います。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) きのうも川村先生から御質問ありましてお答え申し上げたのでございますが、まさにいま先生最後におっしゃった日本の主体性を失わないでという、ここが非常にむずかしいところでございまして、そこにかかっておるわけでございます。しかしそれはそれとして、私ども何とかしてこのコンブ漁の民間協定ができるようにということでソ連にもポリャンスキー大使にも話しましたし、今後もこれは長年の漁民の人の悲願でございますから、何とか実現したいということで、ひとつ一生懸命努力を今後もしてみたいというふうに私は思っております。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(亀岡高夫君) 前の鈴木農林大臣の答弁が示されたわけでございますが、これをやはり私も気持ちとしては十分強く持っておるわけでございます。しかるところ外務大臣から申し上げましたとおり、領土問題等基本的立場にやはり密接に関係した問題を含んでおるという御指摘もありましたとおり、なかなか事容易ならざる問題も関連しておるということではありますけれども、そういうものを何とかこう知恵を出せないものかなという感じもいたすわけでございます。したがって今後むずかしい非常に困難な問題でありますけれども、やはり漁民の立場を考えました際には、これも十分考慮していかなけりゃならぬという点もありますので、外務大臣ともども努力してまいりたいと考えております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 今村さん、水産庁今回の交渉まことに御苦労様でございました。今回のように早期妥結というのは、実務的になってきたと言われておりますけれども、考えてみればソ連側は円高、ルーブル安という現状から、四十億という今年度の協力費をルーブルに換算すると千百六十三万ルーブル、前年比一六%アップとなっていると言われておりますけれども、ソ連の国内を説得していく上においては不満ではない数字であると、こうも言い得ます。では日本ではどうかといいますと、六・六%のアップという現況から問題になりますのは、やはり協力費の点が大きな問題となってくると思うのであります。  そこで私は、協力費というのは、わが国の技術機械等を導入して将来は共同事業としての考えの方向で協力していくことが協力のあり方だというふうに思うわけです。そのことによって生産量もふえてくれば、こちらも国益になってくるという勘定になると思うのです。しかしソ連の方は補償費としての認識の上に立っているというふうに言われております。この点の私の考えが違っているかどうか、外務大臣、水産庁長官、御答弁をひとつ願いたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 漁業協力費につきましては、やはりサケ・マスの資源を維持、培養するということが日ソ双方の利益につながるという考え方のもとに、これに必要な協力を行い、ソ連に所要の機材の提供という形で協力を行っておるところでございます。この点の考え方は、日本もソ連も全然考え方は違っておりません。しかし実質、業界及び国がそういう協力費を負担するということは、外目で見ますと、まあ入漁料のような形に見えるわけでございますけれども、考え方といたしましては、私がいま申し上げたようにサケ・マスの資源の維持、培養が日ソ双方の利益につながるということで、そういう事業に対して協力を行っているところでございましくその考え方は日ソ双方ともに変わりはございません。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 外務大臣、後でまとめて答弁していただけばいいと思いますが、協力費について考えてみても、ソ連の方は漁業省の財政上の問題も相当逼迫しているという、悪い言葉で言えば火の車のような状態で、日本の協力費を毎年予算化して総合設備をしていって、協力費によってふ化事業の発展も考えていくというふうに考えられてくると思うわけです。  そういうふうなことを考えますと、この総合設備というものが完成されていって、漁獲量が将来はふえてくるということになりますと、これはわが国としても結構なことなんですけれども、さあその辺が今度はどのような交渉、折衝ということになるか、一つの問題が残されていくだろうと思うのですが、そこで今日までの五十三年度、五十四年度、大体その協力費の資材を供給しておりますが、この内容を見てみますと、五十三年度及び五十四年度は、大きく分けまして飼料プラント以外、航海機器、そういったようなものが大体中心になってきておりましたけれども、五十五年度になりましてからふ化施設を組み合わせる方向に変わってきているわけです。ということは、先ほど申し上げましたように総合施設をつくり、日本に劣らないふ化設備をつくっていこうと、いままでソ連になかったこと、それを新しくやっていくということのためにそういうふうになっていると私は思うのですが、こういう面から考えていきましてまず一つ心配なのは、大水会が窓口になって、そして業者に直接に資材の受注をさせ、要求されているものを直接に受注さしてやっているという形になって、窓口は大水会ということでありますけれども、その設備をやっている段階で何かの施設上の問題あるいはその他の問題等が起きた場合には、最終的には大水会じゃなくて日本政府がそれにかかわってくるのじゃなかろうかと私は思うわけですが、そういうことを考えていきますと、この協力費の五十三年度、五十四年度の中身を検討していきましても、サケ・マスのために協力することができたこの条約の中に、それ以外の施設の品物、器具、機械、そういうふうなものが含まれて、ソ連に協力費の内容として供給をしておりますが、こういう点なんかも考えてみますと、これは交渉の段階においてサケ・マス以外の要請については厳重にチェックしなけりゃならないのじゃないかと思いますがね。  いま、二つの点についてどんなお考えですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 協力費につきましては、お話しのように大水が窓口になりまして、ソ連の希望を聴取しながらどういう機材を供与するかということを決めておるわけでございます。それに二つございまして、一つは政府の補助の対象となっているものと、それから民間の拠出する協力で機材を提供するものというふうに分けられますが、政府の対象となっておりますのは、五十五年で申し上げますならば稚魚の飼育場の施設、要するにふ化場の施設でございます。それからもう一つは、飼料の製造工場の、要するにえさの製造工場の施設でございます。民間の対象となっておりますのは、御指摘のように直にサケ・マスのふ化に関係しないものも含まれておることは確かでございますが、これはやはりソ連のそういう希望も入れて、なるたけ弾力的に民間の協力の部分は考えるという趣旨もございまして、全く直接にサケ・マスのふ化、放流に関係ないものについても協力をいたしておるところでございます。  ただ、前回におきまして指摘がされましたように、たとえば魚肉ソーセージのようなものについて供与をしておるではないかというふうなお話もあったところでございますが、これは契約の段階ではそういうものは落ちておりまして、現在におきましては水産に関連する品目のみとなっておるところでございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 イカ処理機だとか魚群探知機だとかソーナーだとか、いろいろあります。これは一つずつ取り上げますと時間がありませんので割愛していきたいのですが、私が最初質問をいたしましたね、こういう機械を送り込んで施設をどんどんつくっていくようになりますね。そうしたときに何かの問題が起きたときに、だれが責任を負っていくのか。また、その作業をやっていく以上は今度は技術者というものを日本から送り込まなきゃならないでありましょうし、そうした場合にどのような形で進められていくかわかりませんけれども、この日本のふ化施設というものは大変優秀である、すぐれているということでソ連の人たちが勉強に来て、初めて本格的にソ連もやろうということで始めたと私は思われるわけです。農林大臣が直接案内してその施設等もごらんに供したということも聞いておりますけれども、いずれにしましてもそういったようなことで、ふ化施設、総合施設というものが徐々に完成されていきますと、その監督、技術指導、そういう面で、その中途においてあるいはその渦中において事故が起きた場合に、どういうふうな処理になっていくのか、どこに責任があるのか、そういうことを聞いていたわけですがね、その辺はどうなんですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) そういう設備を一つは提供をしておるけれども、それはそういう目的に使われていない、提供をしたようなもの、たとえばふ化場ということで機材を提供したけれども、それがふ化場として十全の機能を発揮していないという問題につきましては、これはちょっとソ連国内の問題でございますから、日本がそれに対して現場をチェックするわけにもまいりませんし、それを監督という形ではそのチェックはできないわけでございます。  ただ、技術協力につきましては、大水と向こうのソ連の関係省庁との協定によりまして、そういう提供をした機材、施設が十分に活用されるように、必要な技術協力はこれを行うことに協定を取り結ぶことに相なっております。  もう一つ、そういう機材の提供について瑕疵があった場合にどうするかという問題になりますればこれは、機材を提供する、現実に提供するものの瑕疵担保責任であるというふうに思われます。特に、国の補助対象となります施設の提供につきましては、これは、どういう品目について国の補助対象としてこれを提供するかということにつきましては、これは十分水産庁としてもチェックをしていくつもりでございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 私が申し上げるまでもなく、日本のふ化方式というのは湧水を主体にしていますわね。北海道の増毛には流水によってやっていくという行き方もある。その流水の行き方というものが、それがソ連に用いられるというふうなことだと私は思っているわけですが、そういうふうな上からこう考えていきましても、大手の商社あたりは当然こういうことをやっていくのには共同事業で進めていくのが適当じゃないかというふうなことを言っていることを聞いているわけですが、そういう面からも考えていきまして将来日本がこれだけの協力費で総合施設をつくっていくということになれば、当然その見返りというものも考えていかなければならないのじゃないか、こう思うわけですがね、どうなんですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) サケ・マスふ化の共同事業というのは日本がソビエトに提案したことがございますが、ソビエトはこれに乗ってきません。したがいまして、当面お話しのような共同事業という形でこれを実施することは、見通しはございません。やはり、ソビエトのクドリャフッェフも申しておりましたが、日本から提供を受けた機材については一銭もこれをむだにはしていないのだ、そして、行く行くはこれでふ化場をことし五十五年に一カ所つくり、また五十六年に協力費で一カ所つくるというふうにしてふ化場を拡充していきたいという考え方を述べておったところでございまして、そういう事業が適正に行えるように、日本としては技術援助につきまして、必要があればソ連の要請によりましてこれを行うことによりましてその効率的な活用を図ってもらうということに努めていきたいと考えている次第でございます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 大体ソ連の総合施設ができるめどというのは、送っている、資材を協力している点でおよそいつごろに大体でき上がるかということはおわかりですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 五十五年に協力費の対象となりましたのはもう着工いたしておりますから、それほど日時を要しないで一カ所はできると思います。五十六年度協力費は恐らく五十六年の末か五十七年になりましてこれを提供するわけでございますから、恐らくそれが完成するのは五十八年か五十七年の末ぐらいまでかかるのではないかというふうに想定されます。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 そうしますと、その大体の方向づけをされますと、それからかえってくるのが四年ということになりますと、大体どれだけの量ができてくるか。一応放流してみなきゃわかりませんけれども、いずれにしましてもまたこの協力費というものはそういうふうな施設の状況を勘案しながら考えていきますと、またさらに四十億以上のものが予算化されてくるのじゃないか。ソ連は予算で考えてくるわけです。  そうしますと、いま先ほどこの協力費の四十億の問題をちょっと同僚委員が触れましたけれども、大体業界側の負担が五四・七%、国庫補助が四五・三%、こういう形で今年度もいく、今回の議定書でそのような方向でいきながら、来年はどんなふうになっていくのかということを非常に心配をするわけです。この辺、どうなんですか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 協力費は議定書で決められておるわけではございませんで、別途決定をされておるところでございます。  それから、本年の四十億の負担につきましては、私はふえた分の二億五千万円についてはこれは業界で負担をしてもらいたいということを申し上げております。したがいまして、国と業界との負担割合は、そうなりますと、従来のように政府の負担が四五・三%で、残りが業界という負担割合にはならないというふうに考えております。  来年以降どうするのかという問題につきましては、これは交渉事でございますから、来年は幾らになるということは申し上げられませんが、私としては現在の四十億という協力の水準はもう相当いいところまできておるわけでございますから、そうそうこれをふやすということは日本の負担能力から見ましてなかなか困難な状況にあると思っております。

宮崎正義公明党・国民会議

○宮崎正義君 そうでなければならないと思いますけれども、大体考えてみますと、直接従事している海の人たちが    〔委員長退席、理事稲嶺一郎君着席〕 一万六千人、その家族等を含めて、この人たちの生活権というものを考えながらこの四十億の協力費に——これは全部税金の二重加算なり三重加算になるような形で国民はサケを買わなきゃならないわけです。そういうふうな面から考えていきますと、この冷厳なコストというものを明らかに国民にわからして、そして国民に納得させられるような行き方が大事ではないかということを私は申し添えておきたいと思うのです。  と同時に、その中にはもちろん燃油だとか資材だとかそういうものの値上がり、それらのこと等を考えながら、魚離れといういまの若者、若者ばかりじゃございませんけれども、それが年々多くなっているという現状の中からこういう点を考え合わせて——一説によると、五十四年は一匹当たり八十九円、五十五年は百三円、五十六年は百十円、これはソ連に支払うという勘定になってくるということを表面だけで国民が見ると、その協力費という国民が負担していかなきゃならないその高い魚をどうして買わなきゃならないのかという、それはこういうわけだという冷厳なコストというものを明確にしなければいけないのじゃないかと思うのです。  私はこれだけ聞きまして、あとは渋谷委員に質問をしてもらいますけれども、大臣のお考えとそして水産庁の長官のお考えを承っておきたいと思います。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 宮崎さんがおっしゃいました最後の点は、恐らく国民はほとんど知らないのじゃないかと思うのです。そういう協力費を払ってソ連の魚を食べているのだ、とってくるのだということは恐らく知らぬ人の方が大部分でございましょうから、そういうことはやっぱり知らすべきじゃないかというお考えは、私は拝聴に値する御意見だと思っております。協力費の問題はこれは農林水産省の仕事でございますが、いま伺っておりましても、やっぱり漁業者の負担の限度というものを考えなければならぬと、おっしゃるとおりだと私も思いますので、その点は次回の交渉で問題になるんでしょうから、農林大臣ともそういうことはよく御相談をいたします。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) ただいま外務大臣がお答えしたとおりでございますが、漁業協力費がどういう負担になっておるかということをよく国民に知らせるべきではないかということはお説のとおりであろうと思います。しかし同時に、漁業協力費というのがいまのサケ・マス漁業の存続になっておるということも確かでございまして、漁業協力というのはそういう観点からもやはり考える必要があるのではないかというふうに思っておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 関連して二、三、持ち時間も余りないようでございますから簡潔にお答えをいただきたい。  今村さん、いまサケ・マスが議題になっています。需要がふえているのか、現状維持なのか、減っているのか、この点どうですか、大変唐突な質問で恐縮でございますが。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) サケ・マスの需要そのものはふえております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 そうしますと、漁獲割当というものが将来ふえることが望ましいという判断に立っていますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 漁獲割当そのものはふえることは望ましゅうございますけれども、問題はそのベニ、シロ、ギンという値打ち物のクォータがふえることが大事なことでございまして、必ずしもそちらの方を減らされて総クォータがふえるということは望ましい状況ではないと思います。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 いずれにしても魚種によってはふやしてもらいたい、こういう判断ですね。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) ベニ、シロ、ギンのような値打ち物のクォータはふやしてもらいたいと思います。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 そこで問題は、さっき答弁をずっと聞いておりまして、いわゆるクォータと、それから協力費が微妙に絡んでいるわけですよ。協力費を断った場合どうなるのか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 恐らく協力費を出さないということになれば、日ソサケ・マス漁業の操業はできなくなると思います。    〔理事稲嶺一郎君退席、委員長着席〕

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 これは大変虫のいい話なんですよね、ソビエトの要求というのは。これは何とか別な次元から解消できないかということ。なぜかと言えば、先ほどからずっと議論されておりますように、協力費が設定されてから今日まで倍以上払っているわけですよ、はっきり申し上げて。先ほど四十億円がもうリミットではないかという長官の答弁があった。これからふえないという保証がありますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) ふえないという保証はございません。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 その場合、水産庁としてどんなふうな対応を考えていますか。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) 協力費をもはや上げないということで交渉をするとすれば、たとえ漁期を逸しても、五月一日の漁期に間に合わなくても、その線で交渉をがんばるか、それとも、協力費を上げないということで、四万二千五百トンのクォータを確保できるかどうかという、そういう問題になるというふうに思っております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 恐らくそういう答弁が返ってくると思いました。  昨年の暮れにも私、この点についてお尋ねしているのですけれども、いろんな見方があるわけですね、この協力費の使い方がどういうふうに使われているか。これはソビエト国内のことですからわれわれはとやかくどうこう言う立場ではないかもしれない。しかし、最近政府のある人がナホトカへ行ってみたというんですよ。それでオキアミをパックか何かに入れて売っていたというんですね。これが物すごく高い。ところが一方、オケアンあたりで売っている魚を見ると、値段が余り変わらぬというんですね。それはオキアミも恐らく高いままに変わらないのかもしれない。ところがオケアンあたりで売っている魚を見ると、大体魚価が変わらない。しかし生産費は上がっている。しかもソビエトの経済情勢も非常に深刻である。そういうような絡みの中で、疑うわけじゃないけれどもいわゆる日本の食管制度と同じように、逆ざやをカバーするために使われているのじゃないか等々、そういう見方もないではない。その辺をやっぱりはっきりしないことには魚価にはね返る、消費者も困る、生産者も困る。もう毎年毎年日ソ、ソ日でもって一年に二回あるわけだ、たまらぬわけですね、その都度。生産者も苦しむだろうし消費者もその影響を受ける。さっきの話じゃないけれども、魚離れがどんどん進んでいく。こういう状況の中で果たしてこれからのサケ・マス漁業というものが理想的な方向へ進むのだろうかという大変な大きな疑問を、それは長官のみならず、われわれも専門家じゃなくても抱きますよ。これは高次元からやっぱり解消しなきゃならぬ。いま時間のないところでやりとりしてみても始まりませんのでこれ以上のことは申し上げません。  いずれにしても、水産庁としても大変な苦労をされながら今日まで折衝に当たってこられたことは想像にかたくありません。今度折衝に当たって、伊東さん、政治的な配慮を必要とする場合、いままでは向こうは漁業相が中心でしょう。これは格式から見ると、政治局員、中央委員候補、それから漁業省大臣と、こうなるわけですね。日本で言うと局長クラスだ。だから、いままで日本の農林大臣が行って折衝するというのは本当はナンセンスな話なんだ。だから、もし政治的な配慮をもってやるとするならば政治局員あたり。やはりきちっとこれからのサケ・マスの漁業協定というものはどうあるべきかということを一歩踏み込んだ形で交渉に臨むべきではないだろうかというふうに私は思うのだけれども、伊東さんどうでしょうか。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 日ソのサケ・マスの交渉、これは歴史がずっとございまして河野農林大臣等のときからずっとあるわけでございます。やはり向こうの漁業大臣が向こう側の代表ということで最後はお会いするということになっておりますので、日本側から、おまえの方の地位が低いじゃないか、もっと上の方と、こういうようなことを日本側が言うというのはこれはまことに失礼なことでございますし、ずっと前からそういうことでやっておりましたので、いまやはり従来の形でやっていいじゃないかと私は思うわけでございますが、特に何か大きな政治問題で動きがとれぬとか、いろんな問題の場合にはまたしかるべく交渉をするということもあろうかと思いますが、私はいまの形でいいのじゃなかろうかと、こう思っております。

渋谷邦彦公明党・国民会議

○渋谷邦彦君 締めくくり、もう一点。  そこでいま協力費が問題になっているわけです。さっきの長官の答弁聞いていらしておわかりだと思うのです。上がらないという保証は何もない、来年もまた上がる、こういう問題が一つある。これはもう政治的な決着をつけなきゃならぬ、必ずその時点が来る、それを一点申し上げておきたい。  それからもう一点。いま拿捕の状況はどうなっているか、漁船十一隻あるはずだ。それで、たしかハバロフスクでいま裁判にかけられているのが二、三人いるはずなんですよ。しかもそれで判決が下ると、罰金がもう物すごく多い。こういった措置についても、もう時間がないから答弁要らないが、とにかく迅速にやってもらいたい。

武藤利昭外務省欧亜局長

○政府委員(武藤利昭君) 従来から拿捕事件がございますたびに拿捕の理由について納得がいかない場合はその拿捕が不法だということで抗議をすることもございますし、また船舶や乗組員の早期釈放ということにつきましては、モスクワの大使館を通じまして最大限の努力をしているところでございますが、今後ももちろんできるだけ迅速に対応するということで努力を継続してまいりたいと存じております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いま議題になっております日ソサケ・マス漁業交渉の中で、長官もお話しになりましたけれども、協力費のことで今後どんどん高くなるという、その不安感があるのだということなんですけれども、このいわゆる漁業協力費というものをこのまま認めていくことは公正な海洋秩序を乱す大きな問題になるのじゃないだろうかと、こう思うわけなんです。  長官にお聞きしたい点は、とにかく、日ソサケ・マス漁業交渉の経過をずっと見てみますと、一九七七年に二百海里の水域設定がされまして、翌年から十七億六千万円ですか、それから三十二億五千万、三十七億五千万、そしてことしは四十億と、年々上がってきているわけですね。ソビエトはそういう形でもって漁獲量は一方で据え置きながら漁業協力費だけは上がってきているというふうな状態でありますし、また一方、アメリカの方を見てみますと、これは入漁料というかっこうでもって二百海里の水域の設定以来、当時十六億円の入漁料が現在また四十億円というかっこうで、これまたソビエトと同じような状態になっているわけです。ですから、この問題はやはり公正な海洋秩序をどう維持していくか、そして、隣り合ったそういう漁業専管水域の中で本当にお互いにその資源をどう活用していくのかということが重要になってきているのじゃないかと思うのですが、そういうお立場から交渉されているのかどうか、まずお聞かせください。

今村宣夫水産庁長官

○政府委員(今村宣夫君) お話しのような立場で交渉をいたしております。おりますが、二百海里施行以後各国の態度は、海洋法の余剰原則とか伝統的漁獲実績の尊重とかいうこともさることながら、それを相当オーバーをして二百海里の魚は自分のものだという観念が相当強くなっておるわけでございます。そこに非常に交渉のむずかしさがあるというふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 外務大臣、いまの海洋秩序の問題なんですけれども、かねてよりわが党も主張してきておりますけれども、共同管理方式というような形で積極的なそういう外交といいますか、進めていかないと、新たな海洋資源の大国同士の分割、独走というかそういうものが出ていると思うので、これは一つの大きな柱に据えて、やはりこれからの外交を進めていただきたい、こう思うわけなんです。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 下田さんのおっしゃる共同管理方式の詳細知りませんので、まことに申しわけございませんが、恐らく二百海里時代になりまして、沿岸国主義といいますか、資源を沿岸国がまず利用して、そして余剰があれば他国にも利用させる、しかし伝統的な漁業は尊重するというようなことが二百海里の場合にいろいろ言われるのでございますが、おっしゃることは恐らく沿岸国主義というところにその伝統的な漁業との調和の問題をおっしゃっていると私は思うわけでございまして、日本の遠洋漁業も他国の二百海里海域でずっとやっていたものが多いわけでございますから、その中で相手国の漁業と合弁をやるというような地域もございます、あるいは入漁料でやっているところもございます、いろいろ国によって違うわけでございますが、沿岸国とうまく話し合いをつけてやれというお話は、私はそれなりにわかるわけでございます。共同管理方式というのは詳しく知りませんのでそのことについては御返事申し上げませんが、いまのような考え方で日本の遠洋漁業もその国その国の沿岸の考えとどう調整し、どううまくやっていくかということが大切だということは私も同感でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まあ共同管理の中身まで触れる時間もございませんが、いま大臣からお答えいただきましたように、要するに、やっぱり隣接諸国間の中で出ておりますいろんなトラブル、それを入漁料や何かで、それで解決していこうということになりますと、どんどんどんどん財力あるいは軍事力に物を言わせて問題が大きくなりますので、やはり特定の海域あるいは魚種、漁場、漁期、そういうところで重なっている問題で、共同の資源としてどうするかということで研究してほしい、こういうことを言っているわけなので、ぜひ研究いただきたいと思います。  次にお尋ねしたい点は、はっきり申し上げまして米原潜の当て逃げ事件問題なんです。これをなぜいま私は問題にするかと言いますと、御承知のように二十二日ですか、午後、津軽沖でもってソ連による無通告の艦砲射撃訓練が行われました。これは報道されております。当時、漁民がその周辺で漁をしていた事実があるわけですね。一方で、四月の九日の午前十時三十分ごろ、米原潜の当て逃げ事故問題が起きた。要するに、日本の近海でこういう事件が米ソ間でしょっちゅう起きるなんということになりましたときに、果たして安心して漁ができるんだろうか、そして本当にこういう平時の中でさえ人命が尊重されてないような事態が繰り返し起こったらどうなるんだろうか、そういう点からぜひともこの問題は明らかにしていただきたい、こう思うんです。  第一にお尋ねしたいことなんですけれども、大臣は、あしたですか、マンスフィールド駐日米大使とお会いになって、この問題でいろいろ話し合いをする、こう報道されておりますけれども、それに当たってどういう立場で話し合いをされるのかということをお聞きしたいわけなんです。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 何回も会っておりますけれども、あさって会うことになっております。  それで、この事件につきましては、日本側は日本側で調査をしておるわけでございまして、これは海上保安庁がやっておられる、まだ私ども結果は聞いておりませんが、日本側はそうやっている。それからアメリカに対しまして、この事件が起きて通報があるとすぐ、日本としてはどうも国民に納得できないことがある、まず一つは、事故防止、再発防止という意味で、どういう原因でこういう衝突事件が起こったのだろうか、通報がおくれた、なぜおくれたのだろうか、人命救助その他はどういうことがあったのか、向こうのステートメントだけではわからぬから、むしろ疑問に思われる、ひとつ至急調査をして日本に知らしてほしい、あわせて応急処置、損失補償等を含めた応急処置については、これはちゃんとやっぱりしてもらいたい、そうでなければ日米関係の信頼関係ということに傷がつくおそれがあるということを当初から私はアメリカ側に要請をしたわけでございます。  その間、いろいろな経緯がありましたが、私は中間報告もと言ってやったのでございますが、何日でございましたか、ロング米太平洋軍司令官と会って話しましたときに、中間報告は無理なんで、三十日ぐらいで調査を完了するから待ってほしいということでございました。そのかわり、補償その他のことは別途進めるというふうな話があったわけでございまして、三十日ではちょっと遅いということを言ったのでございますが、その次の次の日、一日置いてマンスフィールド大使がレーガン大統領の親書を持ってこられまして、その親書には、日米首脳会談の前までに双方で必要なことを十分に満たすような進展があることを自分としても期待しているというような親書がございまして、異例のスピードで調査はするから、出た真実はそのまま伝える、うやむやにするようなことはない、補償は別途早く交渉を始めるというふうなことがございましたので、私はそれを、向こうの誠意を評価して、いま待っているところでございますが、その後も向こうに催促はしております。あさって会いましても、そういう態度で、ひとつ早く、大多数の国民が納得するような調査報告をよこしてもらいたい、補償はそれと並行して早くやってもらいたい、海軍の長官も責任は海軍にあるといって補償は始めておるわけでございますが、またその調査の結果の催促を私はするという考えでおります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 なぜ事故を起こしたのか、なぜまた救助しなかったか、なぜ通報がおくれたかという問題と同時に、補償は別途明らかにして国民が納得いく方向でやりたいのだと大臣お話しになりましたが、とすれば、こういう抽象的なことだけではなくって、いまも大臣みずからが、日本側は調査中だということですが、相手側に調査を依頼している以上は、日本で早く調査をまとめると、同時にいままでわかっている日本側の調査に基づいてすでに明らかな部分について明確に伝えるということをおやりいただきたいと思うのですよ。  その点で第一にお願いしたい点は、とにかく十二日ぶりに野口船長と松野下一等航海士の遺体が見つかったわけですね。これはもう遺族の方々はもとより、国民の多くの方々の中に新たな怒りと悲しみを広げていると思うんです。私も、特にまだ九つの坊やがお父ちゃんの遺影に向かって、涙を流しながら手を合わせる状態を思い浮かべたときに、もうじっとしておれない気持ちになったわけなんですね。そこで、これははっきり言ってほしいのですけれども、視界が不良という条件で、当該海域の捜査を行ったけれども、当該船舶が遭難の様子もないまま航行し去るのを目撃したとか、あるいは視界不良のため視界から消え去ったとかという、とにかく米側の言い分はそういう形で言っていますよね。しかし事実、海上保安庁の調査によれば、当時必ずしも気象状況は良好ではなかったけれども、海難救助ができないような波風の状況ではなかったと、こう言っているわけなんです。とすると、そういう点でここはみんなこう言っていると、それはどうなんだという言い方をやっぱりすべきだろうと思うのですね。これが一点です。  それから二点目には、たとえばこれははっきり大臣が代弁していただきたいのですけれども、九日の午後四時から五時までですか、ドーンという音があって、その後シュルル、シュルルという音があったと。このことについては、軍事評論家等見れば、それはもうドーンというのはサブロックであり、シュルルという音は、これは水面すれすれに飛ぶ魚雷の発信音だとかいろいろありますが、とにかくそういうことを聞いていると、これはどうなのかというふうな問題点をやっぱり明らかに伝えて、向こうの言い分を聞いてもらいたい。  それから三つ目には、時間がないからまとめてお聞きしますけれども、ニューヨーク・タイムズ四月二十三日付の報道を見ますと、全文どうこうということではないのですが、中間にベッセルノットオンユージュアルミッションというのがありまして、艦は通常の任務ではないという見出しで書いて、以下、日本の基地から出動したアメリカのP3Cオライオンとともに訓練していたとかということがいろいろ書いてあるわけです。そういう点で、ニューヨーク・タイムズ等で報道されているそのことの事実関係はどうなのかと、こういった三点について、ひとつ三十日、マンスフィールド駐日大使とお会いになったときにはっきりとお伝えいただき、向こうがどう言うかは別として、大臣の姿勢として明確に詰めていただきたい。これが一つです。  それから、それを受けての結果になると思うのですけれども、日米首脳会談に総理みずからこの問題はお話すると言っていますから当然おやりいただけると思うのですが、その際にも姿勢として米側の調査を待ってというのではなくて、繰り返しになりますが、日本サイドでいままで明らかになった問題点をまとめて、やはりはっきり申し伝えていただきたいという点なんですが、まとめて御答弁いただきたいと思います。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 海上保安庁からまだ私ども報告をいただいておりませんので、日本側が決定的にこうだということを私申し上げる段階じゃないのでございますが、新聞等でも出ていたし、あるいは海上保安庁の政府委員の人が当時国会でも答弁された中に、視界は二千メーターぐらいあったのじゃないかということを生存者の人が言っておられると、それからいま下田さんの言われたいろんなことを聞いたというような人もあるというようなことを新聞等で私は見ております。でございますので、こういうことはアメリカも当然知っていることだろうと思いますし、もう一つは向こうのリッチという大佐が機関長とか航海士、生存者の四人の人に会いまして話を聞いているわけでございますから、当然向こうも知っていると思いますが、催促をしますときにこういうことがあるということは私も言うことはやぶさかでございません。  それから、ニューヨーク・タイムズのことは、これはもう向こうに照会をすぐしました。どういうことになっているかと言いましたら、向こうは調査中で、こういうことについて一々申し上げる段階じゃないということでございまして、まだわかりませんが、そういうことを内容にした調査が当然私は日本に来るものだと思っておりますし、アメリカに行きましたとき、その前に私は大統領の親書もあるのですから、ある程度のわかる調査報告が来ることを強く期待しているわけでございますが、もちろんそれだけで、向こうのものだけでということじゃなくて、日本側の調査と違うところはこういうふうに違うということを、これは当然はっきり突き合わせをするとか話し合いをするということはあたりまえでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 訪米に当たっての……。

伊東正義自由民主党外務大臣

○国務大臣(伊東正義君) 訪米に当たりまして、総理が向こうへ行かれる前に両方で必要なことが十分明らかになる、満たされることを期待しているということをレーガン大統領は言っておられるわけでございますから、総理が行かれる前にある制度のことはもちろん私は来ると強く期待しているわけでございますが、当然日本側の調査もその場合に話せということでございますので、食い違いがあるところはこういうふうに違うということは、だれに話すのが一番いいのかは別にしまして、私としてはやっぱり国民の大多数の方が納得されるような調査でないと、日本側はこうだったのに全然違うということでは私は問題があると思いますので、その点は十分に突き合わせば両方でしたものはしてみたいと、こう思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 よろしいです。     —————————————

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、安孫子藤吉君、中山太郎君及び浅野拡君が委員を辞任され、その補欠として谷川寛三君、名尾良孝君及び田沢智治君が選任されました。     —————————————

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  北西太平洋における千九百八十一年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秦野章自由民主党・自由国民会議

○委員長(秦野章君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十分散会      —————・—————

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