科学技術振興対策特別委員会 第6号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/05/22
会議録
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十五日、江島淳君、大河原太一郎君、関口恵造君、高橋圭三君及び成相善十君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君、長谷川信君、岩上二郎君、鈴木正一着及び西村尚治君が選任されました。 —————————————
○委員長(太田淳夫君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射能漏洩事故に関し、政府から報告を聴取いたします。資源エネルギー庁高橋審議官。
○政府委員(高橋宏君) それでは、敦賀発電所に関連します一連の事故につきまして御報告申し上げます。 日本原子力発電株式会社敦賀発電所におきます一連の事故は、幸いにも周辺環境に対する影響がないことが明らかになっておりますが、いずれにいたしましても、国民の原子力発電に対する信頼を裏切るものとしてきわめて遺憾なことと考えている次第でございます。 当省といたしましては、二回にわたる立入検査の結果及び会社から提出されましたてんまつ書を踏まえまして、去る十八日、最終的に事故の原因、日本原子力発電株式会社に対します運転停止命令を含む厳しい措置及び安全管理行政に対する所要の措置につきまして発表を行いますとともに、十九日の総合エネルギー対策推進閣僚会議で、その概略につきまして御報告をいたしまして御了承を得たところでございます。 当省といたしましては、今回の事故の教訓を十分踏まえまして、今後とも原子力発電の安全の確保につきまして万全を期していきたいと存じております。 以下、報告書に沿いまして概要を御説明いたします。 お手元に十八日付の報告書が配付してございますが、それの二枚目、「はじめに」というところがございますが、ここの(2)、(3)に二つの事故につきましての集約が書いてございますが、まず五十六年一月に二回にわたり第四給水加熱器胴側でドレン水漏れが発生いたしました事象につきまして、監督官庁であります当庁に対しまして報告を怠った上、保修工事に関し適切な施工を欠き、かつ、所要の法的手続を行わなかった日本原子力発電株式会社の措置は、保安管理体制がきわめて不十分であったということに起因するものであると考えられます。 さらに、本年四月に明らかとなりました一般排水路への放射性物質の漏洩事故につきましては、立入検査の過程で、廃棄物処理旧建屋内のフィルタースラッジ貯蔵タンク室内で、三月にオーバーフローした放射性廃液が一般排水路に混入したものであるということが判明いたしました。この事故を総合的に評価いたしますと、廃棄物処理旧建屋の設計施工管理上の問題に、運転管理面の人為的ミスが加わって発生したものと言うことができるわけでございます。 こういうことを踏まえまして、とりました措置につきまして御報告いたします。資料で三十七ページ以降でございます。 まず、日本原子力発電株式会社に対します措置でございますが、敦賀発電所原子炉の運転停止命令を発動することといたしております。これは今回の一連の事故に関し、保安規定遵守義務違反の事実が存在したということが判明したことに伴いまして、原子炉等規制法三十二条の規定に基づきまして、停止六カ月の行政罰を科する、こういう措置でございます。 それから三十八ページ以降でございますが、さらに今回の事故にかんがみまして、行政指導といたしましての以下の改善命令を直ちに続けて出したところでございます。 まず、第一番目に、給水加熱器関係の問題でございますが、これにつきましては今後定期検査におきます徹底的な点検を行いまして、これに基づきまして所要の措置を速やかに指示することといたします。と申しますのは、すでに第四給水加熱器につきましては、原因究明調査を行っておりますが、他の給水加熱器全部で十ございますけれども、これらにつきましても非破壊検査等十分チェックいたしまして、その結果で適切な指示をする、こういう趣旨でございます。 次に、旧廃棄物処理施設の改造の指示でございますが、まず、洗たく廃液ろ過装置室につきましては撤去いたしまして、別途新設する指示をいたしたところでございます。と同時に、この制御監視装置あるいは警報装置等に不十分さがあったということにかんがみまして、この旧建屋内の制御関係をすべて廃棄物処理新建屋の方の制御室に全部移す、集中するということのほか、発電所の中央制御室にも所要の表示監視を設ける等、制御監視警報装置等の改善措置を命令したところでございます。 三番目に、汚染土壌の回収を指示いたしました。漏洩経路に従いまして、そして一般排水路に沿いまして汚染されているものについて、その回収を指示したところでございます。 それから旧建屋内の下を通っておりました一般排水路につきましては、すべて閉鎖を指示いたしました。 四十ページに参りまして、五番目の措置としまして、同社の保安管理体制の抜本的改善の指示でございますが、すでに四月十日に総点検の指示をいたしておりますが、今後その結果の報告を求め、必要に応じ厳正な監査を行う等によりまして、改善のチェックをすることにいたしました。 それから、六番目でございますが、以上のような措置とあわせまして、原電に対しましては地元におきます魚価低下あるいは民宿等のキャンセルといったような本件に関連します被害、実害につきましては、補償問題等に誠意を持って対応するように指示したところでございます。 同時に、本件の情報、原因等につきまして、原子力発電所を持っております他の電気事業者に対しましてこの報告書を送付いたしまして、他の電気事業者に関しましても、それぞれの保安管理体制について、みずから厳しいチェックを行うように指導したところでございます。 以上が原電に対する措置でございますが、行政当局、私ども自身につきまして、今回の経験を謙虚に反省いたしまして、所要の措置をとることをこの報告書で明らかにいたしております。四十二ページの第三章にございます。 まず、技術基準の整備充実でございます、特に液体放射性廃棄物の漏洩の早期発見、拡大防止等の観点からの基準の整備充実を図るつもりでございます。 二番目に安全審査、三番目に検査でございます。原子炉本体あるいは廃棄物処理設備の方の基準のほかに、これをたとえば一般建屋あるいは一般排水路といったような周辺のものとの関連を十分審査し得る、あるいは検査し得るような所要の改善措置を図りたいと考えております。 それから、運転管理専門官制度でございますが、これにつきましても、日常の業務態様の明確化及び教育訓練の充実に基づきます資質の向上について、所要の改善を図ると同時に、一方発電所の保安規定の方にも、原子炉主任技術者の役割りを明確化させると同時に、これと運転管理専門官との業務のリンクにつきまして明確化する指導をいたしたいというぐあいに考えております。 最後に、事故、故障の報告関係でございますが、報告すべき事故、故障等についての分類の明確化等の改善を図るというぐあいに考えております。 以上報告を終わらせていただきます。
○委員長(太田淳夫君) 次に、科学技術庁赤羽原子力安全局長。
○政府委員(赤羽信久君) 科学技術庁としましては、今回の日本原子力発電株式会社敦賀発電所におきます事故に対しまして、環境放射能調査を所管する行政庁としての立場及び原子力安全委員会の事務局としての立場の双方の立場から対処してまいりました、 まず最初に、環境放射能調査の結果につきまして御報告申し上げます。 去る四月十八日、浦底湾のホンダワラ及び敦賀発電所の一般排水路出口だなの土砂から、平常より多いコバルト6〇が検出されたことが明らかになりまして以来、科学技術庁は担当官を現地に派遣するなど、福井県と密接な連絡を保ちながら協力し合って、放射能調査を実施してまいりました。 この調査は、今回の事故により漏洩した放射能が、周辺環境にどのような影響を与えたかを明らかにすることが目的でございまして、浦底湾と敦賀湾の魚介類等の海産生物、海水及び海底土合計九十試料以上につきまして分析評価を行ったわけでございます。その結果につきましては、その都度公表してまいったわけでございますが、五月十八日最終的な評価の取りまとめを行いました。その結果がお手元の科学技術庁としました一番大型の資料でございますが、これに記載してございます。 これはやや長くなりますので、簡単に要約して申し上げさしていただきますと、次の三点に要約できるかと思います。 まず第一に、魚市場に水揚げされました敦賀湾産の魚介類や海水からは、コバルト6〇、マンガン54等の放射能による汚染は検出されておりません。 第二に、狭い方の浦底湾におきまして採取されましたホンダワラ及びムラサキイガイの一部からは、今回の事故の影響と見られる微量の放射能の検出がございました。これらの海産生物は、通常食用には供されないものでございますが、その放射能レベルをわかりやすく把握するため、仮にホンダワラ四十グラム、ムラサキガイ二十グラムを毎日摂取したとしますと、それにより受ける年間の放射線量は、法令で定めております許容線量五百ミリレムの一万分の一以下でございます。したがいまして、これによる人体への影響はないと言えるわけでございます。 さらに、第三点といたしまして、海底土等の分析により通常に比べ高いレベルの放射能が検出されておりますが、その検出の範囲は、浦底湾の奥の一部に限定されているということが判明しております。 主な結果は、以上の三点でございますが、このことと五月十八日に通産省が提出いたしました最終報告に示されております推定漏洩放射能量と、それから一般排水路の閉塞をしたということ等の汚染拡大防止対策をあわせて総合的に評価いたしますと、漏洩放射能による周辺公衆への影響は、今後ともないものと判断し、五月十八日原子力安全委員会に報告を行い、了承していただいたわけでございます。 次に、原子力安全委員会の事務局の立場から、同委員会におきます本件敦賀発電所給水加熱器及び一般排水路放射能漏洩事故に関する調査審議の結果をご報告させていただきます。 原子力安全委員会は、四月二十日以来、関係行政庁からの報告について、特に審査委員の参加を求めるとともに、四人の委員を現地に派遣し、現場において両行政庁から具体的な説明を受けるなどいたしまして、慎重に調査審議を進めてまいりました。 五月十八日には、通商産業省から今回の事故に関する立入検査結果及び今後の対応策等について、また科学技術庁からは、敦賀発電所の放射能漏洩にかかわる影響評価について最終的な報告を受け、これまでの調査審議の結果をも踏まえまして、両行政庁からの報告の内容につき、調査審議を行いました。その結果、お手元にお届けしました委員会決定を行うと同時に、見解を取りまとめて発表したわけでございます。 原子力安全委員会の決定の内容は、次の三点でございます。 第一は、本件に関する両行政庁の報告を受けまして、これらを了承したことでございます。 第二は、通産省の報告に示された安全規制行政の強化対策等の実施に関しまして、今後、行政庁から報告を求め、その内容をダブルチェックしていくとしたことでございます。 第三は、本件事故の教訓を踏まえまして、主要な液体状放射性廃棄物処理施設にかかわる安全審査指針の充実を図ることとしたことでございます。 また、原子力安全委員会の見解は、ただいま御説明申し上げました委員会の決定の内容を敷衍するとともに、関係者の注意を喚起したものでございます。 その内容は、第一に、通産省の報告により本件事故の原因及び経路が解明されたものと判断すること。 第二に、科学技術庁の報告により本件事故にかかわる漏洩放射能による周辺公衆への影響は、今後ともないものと判断することを述べております。 第三としまして、各関係者の注意を喚起しております。まず日本原子力発電株式会社に対しましては、原子力の安全確保の第一義的責任は事業者にあるとの観点から、今回の事故を厳しく反省して、経営責任者を初めすべての関係者が責任を十分に自覚し、安全管理体制の抜本的改善を図るべきとしております。次に、規制行政庁に対しましては、これまでの安全規制行政の十分な反省に立って、安全規制行政の強化、事業者の指導、監督等に万全を期すべきであるとしております。さらに、日本原子力発電株式会社以外の電気事業者におきましても、この教訓をみずからのものとして受けとめ、廃棄物の安全確保に遺漏なきを期するよう求めております。 第四に、原子力安全委員会自身としまして、先ほどの決定で示した今後の対応策の実施等を通じ、原子力の安全確保に一層の努力を傾注する所存である旨の決意を示したものでございます。 なお、この決定及び見解は、関係行政庁に通知し、その周知徹底を図ることとしております。 以上で終わらせていただきます。
○委員長(太田淳夫君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松前達郎君 ただいま敦賀の原発に関連して、御報告を承ったわけであります。また同時にパンフレットもいただいたわけなんですが、ここにも一連の事故についてある程度書いてあると思うんですが、敦賀原発に関しては、どうも次々と事故が判明をしてくる。これで終わりかと思うとまた一つ出てくるというような現状が続いてきたわけでありますけれども、私としましても余り次々と出てきますので、またしかも、事故そのものがいますぐ起きた事故ではなくて、古いというか、かつて起こった事故も含めて報告をしてなかったというようなことですから、どうも時間的に前後が非常に混乱しているわけなんですね。恐らく今後もあるいは出てくるかもしれませんが、最初に簡単で結構ですから、これらの一連の事故について整理をして、今日まで判明をしているものについて、簡単にひとつ順を追って説明していただけますか。
○説明員(平田辰一郎君) それでは御説明申し上げます。 事象発生年月日順ですと非常にわかりにくいものですから、公表もしくは発表年月日順に申し上げますが、まず、ことしの四月一日以降に限らしていただきますが、四月一日に第四給水加熱器胴側ドレン水漏洩、これはことしの一月十日に起こったものでございますが、これがまず最初に公表されました。それから、それに引き続きまして一月二十四日に、同じように第四給水加熱器のドレン水漏洩があったということは、その直後に判明いたしました。それから御承知のように、四月十八日の朝、ホンダワラ及び一般排水路出口の放射能測定結果が公表されました。それから四月二十日に、これに関連しまして三月八日の日に、旧廃棄物建屋において、放射性廃液のオーバーフローの事実があったことが公表されました。それから四月二十五日の日になりまして、一部の新聞におきまして、ことしの一月十九日に新廃棄物建屋におきまして、濃縮廃液貯蔵タンクD、Eの加熱用蒸気配管つけ根より廃液の析出が発見された旨が報道され、これにつきましての公表が行われました。それから五月二日の日に一部テレビにおきまして、敦賀において過去内部被曝の実績ありという報道があったわけでございますが、これについてはどうも事実が確認されませんでした。それから五月十四日に一部テレビにおきまして、「原子力代行」の報告書による報道といたしまして、旧廃棄物建屋におきまして濃縮廃液貯蔵タンクCの出口配管からリークがあったと、これは五十年一月十日のことでございますが、五十年の六月十四日から二十八日の間に除染及び保修作業が行われました。これについては、被曝は特に問題ないという公表を行っております。それから五月十五日に、この前日の五月十四日の報道に引き続いて、同じタンク、先ほどはCだったわけでございますが、Bにつきまして四十九年三月から四月、それから四十九年の八月から九月の二回にわたり同様の保修が行われた旨報道されました。それから五月の十九日になりまして、一部新聞におきまして、五十五年の十一月二十三日から二十九日の間に復水器の保修に関しての報道でございます。これは中間点検終了後の起動時に復水器のチューブと管板のはめ合い部の拡管工事が行われたことが報道されたわけでございますが、この点につきましては通産省、県、市に対しましても連絡して実施されたものでございまして、点検作業の一環でございまして、事故というものではないとわれわれ解しております。 以上、先生御指摘の点につきましては、整理して申し上げたわけでございますが、これらの一連の事故、トラブルのうち、当省といたしましては給水加熱器及び一般排水路漏洩事故以外の事故につきましては、すでに原電に指示しております保安管理体制に関する総点検の中に含めて報告を求めることとしておりまして、当省としましては今後同社からの報告を踏まえまして、必要に応じて厳正な監査を行うとともに、原電の保安管理体制全体に対し抜本的な改善を早急に行うよう強く指導していく所存でございます。
○松前達郎君 次々といまだけで八つありますね、項目で。そういうふうに次々と出てきたということなんですが、そこでさっきの五月十八日に通産省から出されました最終的な報告、敦賀原子力発電所事故に関する報告ですが、これによりますと、その冒頭に、(4)というところですね、ここに「いずれの事故も原子力発電の安全管理にかかわる問題ではあるが、原子力発電の安全性の基本にかかわるような性格のものではないと考えられる。」、こういうふうに述べられておるわけなんですね。その基本にかかわるものというのは、一体どういうことなのか。また、その逆にそうでないものというのが一体あるのかどうか、基本にかかわらない逆の意味であるのかどうか。これについて通産省の見解をひとつお伺いしたい。
○政府委員(高橋宏君) ここに書きました表現でございますが、私ども安全性の基本にかかわるという解釈は、このレポートにおきましては、いわゆる原子炉本体の基本的な安全設計概念を変更しなければならないような、そういう性格のものではない、こういう趣旨で書いたわけでございます。もちろん、私ども本件で反省させられましたのは、原子炉本体部分の安全性、これはもちろん一番大事でございます。 しかしながら、廃棄物処理設備等の附属設備につきましても、その管理に不行き届きがあれば、結果的には微量だったわけでございますけれども、放射性物質が環境に放出されると、こういう経験をしたわけでございまして、こういうものをひっくるめまして、発電所全体としての安全管理あるいは審査におきましても、そういう全体のバランスにおける対策が必要だということは身にしみて感じたところでございまして、先ほどるる御説明しましたような対策、原電側の対策及び監督行政側の対策によって対処していきたい、こういうぐあいに考えておるところでございます。
○松前達郎君 そうしますと、簡単に言えば、基本にかかわるものというのは、リアクターそのものに関する、原子炉本体に関する安全設計の概念、そういったような意味で使われているということですね。それから、かかわらないものというのは、ちょっと表現がおかしいかもしれませんが、それ以外のものについては附属設備ですから、今回の場合はこの附属設備ということに該当するんだろうと、こういうふうな分類になるわけですね。そういうふうに解釈したということでよろしゅうございますか。
○政府委員(高橋宏君) 論理的に言いますと、そういうことだと思います。私ども基本的にはやはり原子炉の安全というのは、原子炉本体を中心としたもので、これをAクラスどいうぐあいに評価しておるわけでございます。ただいま先生の宣言葉を別の意味で私どもちょっと表現させていただきますと、本件は先ほど申しましたような設備の改善及び管理体制の抜本的な改善によって今後防げるはずであると、こういうようなことを一方では言っているわけでございまして、私ども防ぎかつ十分こういうことのないような措置については厳重にやりますけれども、十分対策によって防げる、そういう種類のもの、こういうぐあいな解釈をいたしております。
○松前達郎君 また同時に、今回伸一連の敦賀の原発事故について見ますと、いまおっしゃった日本原子力発電の管理体制がどうもずさんであったということもあろうと思うんです。そういったことが原因であるということだけではなくて、これはまた監督官庁である通産省の安全審査あるいは検査などの体制、こういったものの不備があるのではないかと。そこにまた一つの責任があるということですね。その二つがどうも基本的な問題としてクローズアップされてくるんですけれども、その点ひとつ通産省として行政上の管理責任、これを一体どういうふうに感じ取っておられるのか、その点お願いします。
○政府委員(高橋宏君) 率直に申しまして、私ども御指摘のとおり、一義的には、原電の安全に対する基本的な考え方から先に直していくということが必要だと思っておりますが、一方では、率直に申しまして、私どもの安全管理行政につきましても抜かるところなかったかと、あるいは心の緩みはなかったかという点含めまして率直に反省いたしております。私どもの責任をどう受けとめ、とるかという御質問でございますが、私どもはそういうことを率直に反省いたしまして、今後規制行政のいろんなメカニズムあるいは私どもの行政官の資質向上を含めまして、そういうものを率直に反省して直していくというところから出発すべきだろうというぐあいに考えております。 その具体的な措置につきましては、この報告書にもかなり細かく問題点と改善すべき方向につきまして書いておりまして、この線に沿って、今後庁内におきまして改善措置を講じてまいります。ものによりましては、改善措置そのものにつきまして、原子力安全委員会の御意見あるいはダブルチェックを受けて、新しくかえていくという必要性のあるものもございますが、できるところから早く改正、改善をしてまいりたいというぐあいに考えております。
○松前達郎君 いま責任を感じているということをおっしゃいましたけれども、まさに許認可その他を含めて、通産省の方が今後責任を持つわけですから、その点ひとつ十分反省しただけじゃだめなんですけれども、対策等も考えていただきたいんです。 この一連の事故の原因と、それからさらに報告義務ですね、どうも報告がほとんどされてないということなんですが、報告義務を怠ったという事実があるわけですけれども、これを踏まえて、今後通産省として日本原子力発電に対してどういう措置をとろうとしておられるのかということ、これはとる措置が決まっておれば、具体的にひとつその内容を明らかにしていただきたい。 それから通産省がとろうとしている措置が、今後これと類似の事故の再発を防ぐ上で十分であると一体考えておられるのかどうか、この点についても説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(高橋宏君) まず、報告関係でございますけれども、冒頭に先生が御指摘されましたように、本件が地元の方々含めまして皆さん方に大変原子力に対する不信感を与えたわけでございますが、次々と隠されたものが明らかにされていくということが、そういう不信感の原因の一つだと私どもも思っております。どんなささいなことでも明らかにして公表されておれば、それなりの理解と対応もあったかと存じますが、そういう点で、報告関係につきましては今後私どもが行政をやっていく上に、あるいは電気業者自身が発電所を運転していく上に、いわばPAと申しますか、国民の理解と協力を求める基本だというぐあいに考えております。 ただ、現在問題になりましたのは、罰則が担保されております報告義務で言う事故の範囲というのが、一体どこまでを言うのかという点につきまして、必ずしも規制法及び電気事業法において明らかでない点もあるんではないかと、こういう問題が起きてきたわけでございます。したがいまして、一方ではどんなささいなものでも公表していくという指導方針は貫くつもりでございますが、一方では、この報告義務のかかる範囲の明確化ということが、一つのポイントになろうと思います。そういう趣旨の改善措置を、これはむしろ行政側で考えていくつもりでございます。 そこで、原電に対して具体的にどういう措置をとるかという御質問でございますが、そういう報告問題、それから一連の事故の原因の発生したよって来るところ等をいろいろ総合勘案いたしまして、厳正な措置という観点から検討いたしまして、先ほど申しましたように、これは規制法三十七条違反による三十三条発動という行政罰を科す。これは企業にとりましては前科一犯ということになるわけでございまして、そういう措置をとることによってずさんな管理体制を罰し、一方では原電に抜本的な対策をとらせることによってエネルギーの供給に復帰させる、こういうための種々の改善措置を行政命令でやる。この二つを原電にかするということによって再発を防止すると、こういう考えでやったわけでございます。 そういうかっこうで今後再発防止の措置をとると同時に、こういうような一連のことを、他の電力会社にも通報いたすことによりまして、他の電気業者に対しましてもみずからこういうことがないような措置を厳重にとるように、なお一層安全に力を入れるようにと、こういう指導をしているところでございます。
○松前達郎君 具体的な問題として質問をさせていただくんですけれども、一般排水路の上に廃棄物処理の建屋を建設をする、増設をするというんですか、この認可を通産省がしていると私は理解しているんですが、行政上の問題として、今後の改善にとって、これらの認可のための確認というものが非常に重要じゃないか。下の方にあって全然わからなかったとか、そういうことも言われておるわけですけれども、この確認というものが非常に重要だと私は思っておるわけなんです。ですから、その点確認なしにこれ認可されたのかどうか。その経過をちょっとお聞かせいただきたいんです。
○説明員(逢坂国一君) 廃棄物処理設備の増設にかかわりまして、一般排水路等の関係につきましてどうであったかということでございます。これにつきまして御説明いたします。 一般排水路は雨水とか生活排水を排水をするものでございますが、それ自体は電気事業法の第四十一条の工事計画の認可の対象ということではございません。ただ、他方廃棄物処理設備は重要な対象物でございますので、これにつきましては工事計画認可を要する電気工作物というふうに考えております。敦賀の一号については五回増設をしておるわけでございますが、これにつきましては、当然廃棄物処理設備としては認可の対象ということで私ども審査したところでございます。 この審査は詳細設計のものでございまして、添付書類も全部内容が決まっております。ただ、一般排水路は、先ほど申しましたように、電気工作物ではないということでございますので、その添付資料の中にもそういう記載がなかったというのが実情でございます。そしてまた、わりとそういうことが常時あるということであれば、漏洩の可能性があるということであれば、審査官は気がついたということもあり得るわけでございますが、非常にまれなケースということもありまして、本件につきましては、その存在について知るところではなかったというのが実情でございます。 今後の問題でございますが、この報告書にもございますように、今回の事故の教訓を踏まえまして、工事計画認可の際に、処理設備を審査する際に、関連のそういうものにつきましても、十分検討できるように添付資料その他がとれるような方向で検討を進めているところでございます。
○松前達郎君 そうしますと、いまおっしゃったことでは建物そのものを建てることは対象にならないということで理解していいと思うんですね。いわゆる建築の問題ですね、いかがでしょうか。
○説明員(逢坂国一君) 一般排水路の問題とそれから建屋の問題と若干違うわけでございますが、現在の審査の対象は設備でございます。設備を設置する施設につきましては、技術基準に若干の記載がございますが、工認の段階では耐震性につきましては見ておりますが、それ以外の漏洩の観点につきましては若干欠けている面があるということで、建屋の漏洩防止対策という観点からも、その辺の若干の補強をしたいというふうにいまは考えておるところでございます。
○松前達郎君 建屋の内容については、今回の場合、スラッジ貯蔵タンクが設置されているわけですね。ですから、これは設備ということになるわけだと思うんです。ですから、その建物の内容の審査ですね、建物自身の構造とかそういうものは、これは建築上の問題であるから問題ないけれども、しかし、処理の設備等に関しては、やはり内容的な問題まで含めた審査というのを行う必要があるということになるんじゃないかと思うんですが、その審査がどうも十分じゃなかったというふうなことも感じるわけなんですね。その点、いかがですか。
○説明員(逢坂国一君) 率直に申しまして、先ほど審議官が答弁したところでございますが、本来やはり電気事業者が自主保安体制の基本であるということで、自主保安という観点から十分な注意を持ってやるべきであるということはたしかでございますが、行政サイドとしても、もう少しこの辺につきまして注意を払えるという制度の方が好ましいといいますか、反省に立ちまして、そこの制度の点につきまして十分充実してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○松前達郎君 そういうことであれば、今後安全審査というものに関する考え方を基本的に多少見直していくということも含まれるというふうに受け取れるんですけれども、先ほども言われましたように、基本にかかわるもの、これは原子炉本体の安全設計概念の問題である、その他は附属設備であると、Aというふうにおっしゃいましたけれども、本体そのものはいわゆる核反応を起こすところでありますから、これは非常に重要だというふうな考えで、十分な安全に対する配慮をするというのはわかるんですけれども、それ以外がどうもそうでもないから、適当にやればいいんだというような感じも抱かざるを得ないわけなんですね。 ですから、原子炉本体はより高度な技術的な検討が必要である。そういう面からの検討を行い、それに対する対策を立ててきた。したがって、それについてはより専門的な安全審査を行うといった配慮がいままで行われてきている。しかし、廃棄物処理段階になりますと、いま申し上げたように気を許しがちになると、一言で言うとそういうことになるんじゃないかと思うんです。そういう面から考えて、全般的な意味も含めて、通産省として今後安全審査の基本的な考え方というのを私は見直してしかるべきだろうと。いまちょっとそういうことについても触れられましたけれども、私はそういうふうに思うんです。その点はいかがでしょうか。これは全体としての問題、システムとして考えた場合ですね。
○政府委員(高橋宏君) 先ほどお話しいたしましたが、こういう附属設備におきましても、原子炉本体との関係において有機的につながりを見ていかなければいけない。あるいは放射性廃棄物設備と建屋との関係におきましても、タンクとパイプだけではいけない。要するに建物なり他の一般のものとの関係を有機的に見ていかなければいけないという、そういう教訓が一つでございます。 それからもう一つは、発電所、特に原子力発電所というのは何重にも防護装置があって、漏れても次々ととめていくんだと、こういう説明がございますけれども、この多重防護とリダンダンシーの考えというのは、基本的には原子炉本体について非常に神経質に適用していく、そういう概念でございます。こういうような附属設備におきましても、ある程度その考え方自身は取り上げていかなければいけないんじゃないか。そういう意味で保護装置、警報装置、制御装置についてこういう附属設備のあり方、それと中央制御室のあり方、そういうようなことが私は今回の設備の設計、施工、管理の上の教訓ではなかったかというぐあいに考えております。 御指摘のように、内蔵放射能自身は原子炉本体と廃棄物とでは全くけたが違うほど違うわけでございますが、安全の考え方というのは、そういう全体に有機的な中で考えていく。そのために、不足した対策を電力会社自身にもとらせますし、私どもも今後見直していくと、強化していくと、こういう基本的な考え方で、安全審査の改善についても取り組んでまいりたいというぐあいに思っております。
○松前達郎君 安全審査の面は、これでいいという最終的な審査の仕方というのは、いつでもいろいろ問題が新しいことですから出てくるわけですね。ですから、それに応じながら改良していくということになるんじゃないかと私は思うんです。そこで、事故が次々と出てきた。さっきもちょっと冒頭にお伺いしたわけなんですが、しかもそれが隠れた事故、事故隠しという問題が非常に大きな問題になってきているわけですが、今回の給水加熱器あるいは一般排水路への放射能のリークと、こういったような事故のほかに、また数多くの事故があったというふうに想定もされるわけですね。その一部はもう出てきておりますけれども、このほかにもまた出てくるんじゃないかと私は思っておるわけなんです。しかし、これらの一連の事故について、最終報告書には全体としては記載されていないんじゃないかと思うんですが、これらについて今後通産省として明らかになってくる事故があると想定されますので、そうなったときに一体それをどういうふうに処理していくのか、その点をお伺いをいたしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほど冒頭の一連の事故の経過を御説明申し上げました中で、若干触れさしていただきましたけれども、当省といたしましては、給水加熱器及び一般排水路漏洩事故以外の事故につきましては、すでに四月十日付でエネルギー庁長官から原子力発電会社に対しまして指示しております保安管理体制に関する総点検の中に含めまして、報告を求めることを四月二十五日になりまして追加の指示をしております。すなわち、過去において起こった事故、トラブルであって報告がされていないもの、あるいは検査とか認可とか届け出を必要とするものであって、これが漏れていたようなものについては、さかのぼれるだけさかのぼって報告するようにという指示でございますが、これを四月二十五日付で行っております。 当省といたしましては今後、原電からこれらの報告を踏まえまして、必要に応じまして厳正な保安監査を行いまして、同社の保安管理体制全体に関して抜本的な改善を早急に行うように強力に指導していく所存でございます。
○松前達郎君 どうもこの事故そのものがぼつぼつぼつぼつ出てくるものですから、またかまたかと思うんですね。私は最初にお伺いしたのもそういうことで、私自身も混乱したわけなんですけれども、そういったことで四月二十五日に追加指示をして、過去のものも全部出せというふうな指示をしてあるということですが、これは全部出てきているんだというふうに通産側としては考えてそれに対する措置をとると、こういうことですから、その報告が来ないと恐らく措置の仕方も出てこないし、また新たなものがその中にどんどん入ってくる可能性もあるということですから、報告が来ましたらひとつまたその点を教えていただきたい、かように思っておるわけです。 さらに、こういったことがずっと起こってきた場合に、いろんな罰則とかさっきありましたけれども、そういったような問題に関連して、通産省が日本原子力発電に対して聴聞会を開くというふうなこと、これは新聞で報道されたんですが、停止命令出そうとしてよく見てみたら聴聞をしなければいけないと書いてあったと、そういうことでいろいろとごたごたあったようでありますけれども、これは法的に明記されているので、聴聞会を開くということになろうと思うんですね。これらについて、原子力発電に関する問題の法律関係も含めて、もうちょっと勉強してからやっていただいた方がいいんじゃないか、醜態をさらしますね。そういうことが一つです。 それから、聴聞会を開くといいますけれども、その具体的な内容は一体どういうふうにしてやるのかということ。もう一つ、これはちょっとよけいなことなんですが、これ聴聞(ぶん)会と書いてあるんですね、字としては。ところが、さっきちょっと調べてもらいましたら、聴聞(ぶん)と書いて聴聞(もん)とは読むけれども、会がつくと聴問会になると、問という字になると。これは最近どうも語句の解釈で、日米同盟もそうでしょうし、いろいろな問題が出ております、これはよけいなことですけれども。そういった聴聞会を開くということについて、内容を一体具体的にどういうふうにやるのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 聴聞に関します手続に関しましては、私ども六十九条の規定に基づく停止命令をかける処置の中で、このような処置が必要ということを十分認識いたしまして、聴聞会を開く予定にしているわけでございますが、聴聞は行政機関の適正な処分を確保するとともに、処分の相手方及び利害関係人の権利または利益が不当に侵害されることのないようにすることを目的としているものでございます。 今回の敦賀発電所の原子炉の停止命令処分に先立ちまして実施する聴聞は、原子炉等規制法第六十九条の規定に基づくものではございますが、聴聞の開催日等具体的な内容につきましては、現在鋭意準備を行っているところでございます。
○松前達郎君 これも法律で決められていますから、当然やらなきゃいけないことなんですが、その聴聞会やったとしても、恐らく結論はもう出ているんじゃないかと私思うんです。だけれど、ここでこういうふうなことをやるんだということをおっしゃいますと、聴聞会やる前に言うわけにいかないと思いますから、それはまあ大体私は推察をいたしておりますが、それについてはお伺いしないことにいたします。 敦賀発電所の二号機ですね、これに関連して廃棄物処理でいろいろ問題が起こったわけなんですが、私、前にもこの委員会でも何回か申し上げたと思うんですけれども、どうも原子力発電そのものを見た場合に、さっきもちょっと私申し上げましたが、トータルシステムとしての標準化ができていないと、炉心関係については、原子炉本体については相当な研究はされただろうけれども、あるいは相当の対策が講じられていただろうけれども、技術的に見てまだ管理体制とかあるいはその附属設備、施設等に関するものについては十分な検討が行われていないから、こういうふうなことが一つは起こるだろう。 それからさらに、もう一つは取り扱う人ですね、これがやはり下請とかそういうものが取り扱っていくから、本体のところを下請が取り扱うことはないと思うんですね、やっぱり附属施設だからそういうことになるんじゃないか。その辺の一つの教育とかいう問題についても前に申し上げたと思うんですが、そういったようなこともどうもずさんな面があるんじゃなかろうかと、これは通産省がやる仕事じゃないんですけれども、そういうことも私、感じておるわけなんです。ですから、敦賀発電所の二号機について、まだまだこういった問題が十分検討されていないんだとすれば、管理体制も含めて当分の間、その安全審査を延ばすべきだと私は思っているんですが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(高橋宏君) 結論を申し上げますと、おっしゃるとおりだと思います。 敦賀二号機につきましては、当初におきまして規制法に基づく安全審査を一応終了いたしておりまして、昨年の九月三日付で原子力委員会及び原子力安全委員会に諮問いたしておるところでございます。現在、両委員会でダブルチェックをやっていただいているところでございますが、御指摘のように本件につきましては、日本原電におきまして何よりもまず、保安管理体制の確立を図るということが緊急の課題であろうというぐあいに考えております。
○松前達郎君 原子力発電については実は原子力基本法のとき、もう何年か前ですが、そのときも私まだ十分検討すべきことが残っているんだと、科学技術庁から通産に移るときの話ですけれども、そういうことで議論したことがあるんですが、しかし、たとえば一例挙げるとステンレスパイプあたりでも、三年から五年ぐらいで腐ってしまうわけですね。これは中に入っている溶液そのものの性格にもよるわけですけれども、実際ステンレスというのはそんなものじゃないんです、普通に使われる場合は。もっと長もちするべきわけですね、腐食しないのでステンレスといっているんでしょうから。そういうことなので、そういった技術的な問題というのは、まだまだ出てくるんじゃないかと私は思っておるわけてす。 そういう意味で、関連の附属施設等についての標準化というのが、まだまだ行われてないんじゃないかと私は見ておるわけです。蔵しい言い方を言えば、まだ未完成だというふうな言い方になると思います。しかし今回の事故、これを教訓にして今後の安全対策の中に生かしていただきたい。よく政治的な場では、再度再び起こらないようにと何回も言いながら起こっています、最近いろいろなことが。ここで申し上げますが、再びこういうことが起こらないように、十分な対策をしていただきたいと私は思っておるわけですが、担当官庁としての通産省の決意を最後にお伺いします。最後といっても質問の最後じゃなくて、通産省としては最後にお伺いしたいというわけです。
○政府委員(高橋宏君) いま先生からお話があったわけでございますが、私も実際にやっておりまして、原子力は十分実用性のあるエネルギー供給手段だとは思いますが、ただ、その技術の過程においてまだまだ成熟していくべき項目がある、そういう過程の技術だというぐあいに考えております。 今回、大変こういうことで遺憾なことでございましたけれども、こういうものを今後よりいいものにリファインしていくために生かしていく、この教訓を生かしていくといったてまえから、いろんな原因の追及と、それに対する技術的な慎重な検討を踏まえた改善措置というもの、これを次の施策に生かしていくと、こういう態度で臨みたいと思っております。私ども、今回の事故を貴重な教訓として謙虚に受けとめまして、再びこういうことを発生させないように、そして原子力に対する国民の信頼を回復するために、今後とも安全性の確保に最大限の努力を傾注していく決意でございます。
○松前達郎君 敦賀発電所の事故に関しまして、今度は科学技術庁にお伺いしたいんですが、五月十八日、さっき提出されましたパンフレット、通産省から出された敦賀発電所事故に関する最終報告書ですね、これについて原子力安全委員会は一体どういうふうに受けとめておられるか、その点をひとつお伺いしておきます。
○政府委員(赤羽信久君) 原子力安全委員会は、本件が起きますと同時に、通産省及び科学技術庁から報告を逐次聴取いたしまして、問題の解明、対策等につきまして議論を行ってまいりました。その過程でいろいろ考え方が出され整理され、根本的に考えるべきこと、一般論として考えるべきことまで議論したわけでございます。そして、具体的な面につきましては、その議論を通じて通産省及び科学技術庁の報告にかなりその精神が取り入れられているということも言えるわけでございまして、その観点から言いまして、両省庁の報告は、これでよろしいという形で了承したわけでございます。 ただ、将来の対策につきまして基本的方向が示されておりますが、具体的なものにつきましては、なお今後検討の結果出される予定になっておりますので、その段階で逐一報告を受けまして検討をしていきたいという立場をとっておるところでございます。
○松前達郎君 この報告書の内容なんですが、内容を見ますと、どうも通産省の規制行政強化ということが中心になっているんじゃないか。その対策がほとんどだというふうに私思うんですけれども、原子力安全委員会として、その点はいかがでしょうか、見解は。
○政府委員(赤羽信久君) ただいまの行政庁におきます規制の一貫化という体制がとられまして以来、安全委員会はむしろダブルチェックの立場に立っておるわけでございます。その観点から今回の事故の直接の調査、あるいは直接の対策、これは一貫して責任を持つ通産省に第一義的に責任があるということでゆだねてあったわけでございます。 ただし、いわゆる炉の新設のときのダブルチェックのように、通産省の審査が済んだら、それを改めて別の観点から見直すという立場では本件は対応できませんので、先ほど申し上げましたように、むしろ議論の過程では一緒になって審議をするという形で、積極的に意見を申し、ときには指導をしてきたわけでございます。そういう意味で責任の形式的なあり方としては、通産省に全部受け持ってもらうわけでございますが、実質におきましては、十分一緒に議論をしてまいったということでございます。 なお、最後にございますように、安全指針につきましては、通産省の具体的な施策の基本ともなるべきものでございますから、今回の問題に対処できるように、より充実さしていくという決意を出しておるところでございます。
○松前達郎君 敦賀の原発に関してはそのぐらいにしまして、今度は原子力船「むつ」に関して、長官、この前も私は申し上げたんですけれども、母港移転問題なんですが、これは新聞報道なんですが、正式決定したというふうな新聞報道がなされているわけですね。むつ市の大湊港の再母港化というのをあきらめて、外洋に新しく母港を建設するということになるんじゃないかと思いますが、外洋に建設するということについての見通し、これについてちょっとお伺いしたいんです。
○国務大臣(中川一郎君) 御承知かと思いますが、大湊を再母港化できないかと要請しておりましたのに対して、地元から原子力船「むつ」の開発に反対ではないが、ただ一点湾内には貴重なホタテ漁業があるので、ここを避けてほしいという漁民の切なる言い分でございます。私も理解できましたので、それでは外洋に設置をする、それまでの間は大湊に入港、停泊をさしていただきたい。入港、停泊に当たっての取り扱いについては十分協議してまいる、こういうことの基本方針を政府で決定をいたし、先般地元に御提案申し上げたわけでございます。二十四日、あさって地元において合意を得るべく着々進めておるところでございます。 そこで、外洋ということについて、私の方としては地元の首長、むつ市長の意向を尊重するということを基本にして対応してまいりました。地元の同意を得られるならば、むつ市の外洋である関根浜をお願いしたいと、こういうことで提案をし、大体側同意が得られるのではないか。いままで専門家その他、内々の調査では関根浜に港をつくるということに支障があるとは聞いておりません。御同意が得られましたならば、港をつくるべくこれからいろいろの調査をして実施に取り運んでいきたい、こういう形になっておるわけでございます。
○松前達郎君 そうしますと、最終的にある場所を設定して、そこが決まって、それで着工するというふうな合意がまだとれてないわけですね。まだ最終的にはそこまでいってない。二十四日に決着をしようと、そこで大体決まっていくということだと解釈してよろしゅうございますね。
○政府委員(石渡鷹雄君) そのとおりでございます。
○松前達郎君 そこで、前にも私申し上げたんですが、「むつ」が進水したのが四十四年ですね、たしか。ですから、相当な時間がもう経過をしておるわけです。時間を経過したから、この前廃船したらどうかという提案まで申し上げたんですけれども、それはできないということであれば、今後の原子力船開発スケジュールというものをある程度はっきりして、国民に提示しておかないと、何だかわからないという状況でいつまでも引っ張られていくというふうな印象をまた持ってしまうわけですね。 ですから、そういう面も踏まえて、外洋につくる新母港が一体いつごろ着工の見通しなのか。着工するにはそれ以前にまだいろいろな問題、解決しなきゃいけないと思いますけれども、着工すると大体どのくらいで完成するのか。その間は「むつ」は大湊の方に入っていて、そこへ係留するということをいま申されたわけですが、港の建設の問題と、「むつ」の今後の各種試験計画ですね、これは一体どういうふうになっているのか。なっているというか、どういうふうに計画されているのか、決まっておりましたら、その点をひとつお聞かせいただければというふうに思います。
○政府委員(石渡鷹雄君) まず今月十二日、中川大臣から地元側三者に御提示申し上げました基本的な提案に対しまして、現在地元青森県当局、むつ市当局、また青森県漁連、それぞ札のお立場で検討を進めておられる段階でございまして、できれば、先ほど御紹介ございましたように、二十四日には何らかの結論という段取りになっているわけでございます。 そういうことを前提にいたしまして、まず調査ということから始まるわけでございますので、このためには地元の御了解というのが大前提になるわけでございます。その御了解を得られたならばと、またここに一つの問題があるわけでございますが、立地あるいは港湾建設に関する調査が始まるということでございます。御案内のように、自然条件によりまして工法、さらにスケジュール等が決まってくるわけでございますので、いまの段階で今後のスケジュールについてまだ申し上げられる段階にないわけでございます。 ただ、鉛そのものにつきましては、先生御指摘のように、進水いたしましたのは昭和四十四年でございます。その後いろいろございましたが、保守点検につきましては万全を期しておりますので、まだまだ十二分に試験船としての使用にたえ得るという状態になっております。炉の部分につきましては現在修理中でございます。遮蔽を中心に修理をいたしているわけでございます。この修理が済みました段階で大湊に回航いたし、そこでいろいろ地元との御相談を経ながら何らかの研究活動は続けてまいりたい。一方、港湾の建設が進む。そして新母港に回航の後、実験航海等を計画しているわけでございます。 何分にもそのもとになります新定係港の問題につきまして、まだ全体のスケジュールを確定できる段階にございませんので、いまの段階では全体のスケジュールがどうなっているかという点につきまして、明確に申し上げる段にないという点につきまして、ぜひ御理解を賜りたいと存じます。
○松前達郎君 母港の建設については、まだ残された問題がたくさんあるというのはわかりますけれども、そうしますとそういう問題が解決して、場所も決まって全部合意して、それじゃいまから建設を始めようということになって着工いたしますが、着工後港ができ上がるのに一体どのくらい時間がかかるのか。そう簡単に一年とかそこらでできるものじゃないと私は思うんですが、その時間ですね、大体計画されているような港ができ上がるまでの。これはいつ着工という問題じゃなくて、建設の時間がどのぐらいかかるかという問題です。 それから大湊に回航後、新母港ができ上がる、その時点で実験航海を始める、こういうふうにおっしゃったわけですけれども、「むつ」の本来の実験計画から言って、ストップしているのは出力上昇試験のところでちょん切れているわけですね。ですから、当然出力上昇試験というのをやらなければいけない。これを一体どこで、どうやってやるのか。これはやはり基本的な問題だと思うんですね。だから、これをどこでどういうふうにするか、そういうものが済んでから実験航海に出ていくわけですね。そういうプログラム、ずうっと一連のものを見てみましても、どうも時期的に言って相当先の延びてしまうのじゃないかと私は思うんです。その点について、前にもお伺いしたことがあるんですが、大体煮詰まってまいりましたので、その点についてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 実験航海の前に出力上昇試験、その前に機能試験という段取りがあるわけでございまして、その辺についてどう扱っていくかということが、現在政府側が行っております三つの項目から成ります御提案の第三の項目でございまして、大湊におきます「むつ」の扱いについて、今後、別途協議をさせていただきたいということになっているわけでございます。したがって、今後万事がうまくいきましたならばということでございますが、地元の三者との御相談に入っていくということでございまして、私どもいろいろ希望はあるわけでございますが、とにかく御相談、協議の上、決めてまいりたいということでございます。 それから、先ほど申し上げました実験航海につきましては、むしろ新しい定係港に移った後にということが基本になるかと思っております。
○松前達郎君 港の建設は。
○政府委員(石渡鷹雄君) その辺も自然条件によりまして大きく左右されるというふうに理解しているわけでございますが、常識的には二、三年はかかるんであろうなというふうに頭に描いているところでございます。
○松前達郎君 そうしますと、実験航海が始まるのが、すべてがうまくいったとして、二、三年後ということになりますね。
○政府委員(石渡鷹雄君) まず、候補地は一応地元側にお申し入れしているわけでございますが、そこの地元の御了解が得られた段階で、まず調査を始める。調査を終えまして、建設に入る。先ほど私が申し上げましたのは、先生の御質問にもございましたように、建設に入った後、どのぐらいかということでございましたので、そのようにお答えしたわけでございます。
○松前達郎君 ですから、調査がすいすいといって一カ月ぐらい、そういうことはないかもしれませんが、でも、まあ二、三年以上かかるわけですね、すべてひっくるめて。それで実験航海がこれまた一カ月や二カ月じゃないと思います、数年かかるのじゃないか。そうしますと、このプログラムが最終的に終わるのは、一体いつになるかというのを計算しますと、大体全部で二十年近い、全体ですよ、できてから。それぐらいのところを見ておかないといけないんじゃないか。 ちょうど二十年になると船齢も年取ってきますから、もうだめになると思いますけれども、そういうことだろうと私は思っておるのですが、こういった計画というものはちゃんと立てませんと、やはり何か目標がなくて、出たとこ勝負というのじゃ話になりませんし、また同時に現在、諸外国の原子力船が一体走っているのか。たとえば、商船としてつくった原子力船オット・ハーンとかサバンナ、いろいろありますけれども、こういうものはもうみんなやめちゃっているわけです。 新しく、じゃ次に原子力船を建造するかというと、それも全然着手をしていない。砕氷船が多少動いている。ソビエトの砕氷船で、これは特殊な、北氷洋ですからね。帰還したり油の補給など、なかなかやりにくい場所でもあるし、高出力が必要だといういろいろな意味があって、これは仕方なく、仕方なくというか、政策としてやっているのだと思いますけれども、また同時に、北氷洋というのは非常にこれから重要な海になってくるわけですね、戦略上。そういう意味も含めて、やっているのじゃないかと思うのですが、そういうことを踏まえて見ますと、余り先へ延ばしていくというのは、何といいますか、まだやっているのかというふうな印象を受けがちであると私は思っておるので、廃船にするんなら、いまのうちなんですけれども、そこまで話がちょっと一歩踏み込んでおりますから、廃船というのは撤回をしてもいいんですが、しかし、そういったプログラムをしっかり立てていただいて、努力をしていただかなきゃいけないんじゃないか、金も大分つぎ込んだわけですから。そういう意味で、ひとつ今後の努力を期待をしたいと私は思っておるわけです。 原子力船「むつ」に関してはそのぐらいにしまして、その次は核廃棄物、要するに放射線を持った廃棄物の処分の問題なんですが、これもまたたくさん問題を含んでおるわけで、先ほど敦賀原発に関して、原子力発電所だけの範囲で、まだシステムとして完成されてないと私は考えていると申し上げたのですが、今度は一連の原子力発電全体を踏まえて見た場合、これは燃料の入手の問題から最終的な核廃棄物、放射性廃棄物の処分の問題、そこまでが一つの流れだと思うのですね。この処分の問題についても、各国ともいろいろと苦労しているようでありますけれども、最近、特に南方諸島、これも独立国になったところが多いんですが、そういうところから、太平洋投棄の問題で庭先に捨ててもらっちゃ困るんだと、試験投棄であっても。そういうふうなことで大分いろいろと請願みたいなものも来ている。 たとえば、グアム島選出のアメリカの下院議員が来たり、あるいは北マリアナの知事が来たり、あるいはサイパンの市長、私自身のところにはパラオからも来ましたけれども、そういった南方の皆さん方の反対というのは、非常に強いものがあるわけなんですね。科学技術庁だったと思うんですが、それに対しての説明といいますか、これを前にやられましたね。これは私は知らないですが、カリフォルニア大学のジャクソン・デービス、これはいかなる者かわかりませんけれども、こういう人がいろいろと報告書を出したり反論をしたり、指導もされているんじゃないかと、かようにも思っておるんですが、いわゆる海洋投棄について、これはいまでも試験投棄を何とかしてやろうというふうにお考えなのか、あるいはしばらく見合わしたのか。将来ほかの方法に切りかえていこうということにしたのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) すでに原子力委員会が決めておりますように、わが国の低レベルの放射性廃棄物の処分につきましては、陸上の処分と海洋の処分と両方検討していく。試験投棄を初めに行いまして、それから確認した上で本投棄に持っていく、そういう方針が出されているわけでございます。いままでこの方針にのっとりまして、海洋投棄の調査の方がやや先行してまいったわけでございますが、御指摘のように昨年の八月以降四回にわたりまして南方に説明団を派遣して、理解を求める努力をしてきたわけでございます。 その際、かなりの内容の理解、あるいはわが国がそういいかげんなことをしているんではないということを御理解いただいた面もございますけれども、やはりまだ原子力そのものについての認識が全然ない南方諸国のことでございますので、そう簡単に全面的に御理解いただけるというわけでもございません。われわれとしましてはすでに行いました安全評価等で、わが国国民を初め、南方の方々にも全く御迷惑をかけないという確信を持っておりますので、今後とも努力いたしまして、理解を得た上で試験投棄を初めとして進めていきたい、この方針は依然として変わらないところでございます。
○松前達郎君 海洋投棄の問題はいろいろ言い分が南方諸島といいますか、それぞれの国々の言い分があると思うんですけれども、ロンドン条約で直接魚をとる場所、漁場といいますか、そういうところなんだとか、日本人がとってそれを食べているから漁場なんだとか、いろいろ言い方も、見方もあると思うんですけれども、いずれにしても安全性の確認ということをしながら、投棄の問題は解決していかなければならないだろうと思います。 これはアメリカが海洋投棄した場合みたいに、浅いところじゃなくて、相当深い場所に沈めていくということですから、当然アメリカの実験のデータというのは参考にならないんじゃないかと思います。ですから、もしかやるんだとすれば、やはりそれなりの安全性の確認が必要であろう、いわゆるシミュレーションとかそういうものじゃなくて、実際に確認をしていくということが必要なんじゃないかと私は思うんです。というのは、いままでそれをやったことがないわけですし、それに対してどうなったという結論は出てないわけです。ですから、新しいことをやるんで、これについてはある程度確認をしていかない限り、どうも納得しないんじゃないかと私は思うんです。この確認、海洋投棄の安全性の問題に関する実験だとか試験だとか、そういう試験的に海洋投棄するという以前にやること、それについていまどういうふうにやっておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) 直接の確認ということになりますが、極端なことを申しますと、やや濃い物を投棄いたしまして、その放射性物質がどう動くかを追っていくというのが一番確かなわけでございますけれども、これはただいまの状況では仮に安全性があるとしても、そういう実験を非常にしにくい状況にあるわけでございます。 そこで、いままで行いました研究はその部分部分を分解してやっております。たとえば、セメントで一体固化しましたドラムかん内の放射性廃棄物が海水中でどうなるかということにつきましては、模疑の試験漕をつくりまして、ここに長時間実物のドラムかんを浸して調べております。たとえば、得られました知見の一端を申し上げますと、外側のドラムかんが約十年間前後もちそうだ。それから、ドラムかんがなくなった後、コンクリートから少しずつ中身が溶け出すわけでございますが、そのスピード、これは核種によって違いますけれども、余り早くないというようなことがわかっております。一方、投棄した場合にドラムかんがどうなるかということは、模疑のドラムかんにカメラをつけまして落として写真撮影をしております。 それから、海洋データでございますが、この件だけでなくて、すでにロンドン条約の基準ができるときに、世界じゅうのデータが集められて基準になっておるわけでございまして、その結果、四千メートル以上の平らな海、地形的な変化あるいは火山等の特殊な条件のない平らな海に捨てればよろしいという基準のもとになったわけでございます。これを踏まえまして、わが国ではさらに候補地点につきまして、他省庁の御援助も得まして海洋調査をしておる。 そのほか海洋学の方では、いわゆる生物が食物連鎖をどういうふうにしていくか、特に深い海ではよくわかってない要素がありますし、それから生物が非常に少ないわけです。それが表面にどういうふうに食物連鎖で出てくるかというようなことも、海洋学的に調べられてきておりまして、今日ロンドン条約でこのようなはっきりした基準が出されたのも、結局いままでのわが国を含めました世界じゅうのかなり分厚い研究の成果が実ったものと考えておりまして、その点では直接の実験をやらなくても十分に想像がつくと考えておるわけでございます。 しかも、安全評価をするに当たりましては、さらに安全サイドにとりまして十分余裕を持った評価をしたわけでございまして、その結果でも、周辺住民には目立った被曝がないという結果が得られたわけでございます。
○松前達郎君 海洋投棄に関して、これは安全だという想像がついたらやれると、その辺がちょっと問題になるんじゃないかと思うんです。やっぱりなるべくだったら確認した方がいいんですね。ですけど、非常に深い海に関しての確認の技術というのが、まだまだ直接そこへ行って見るわけにもいかないようですから、その辺の今後の対策というのを一体どうするか、この辺は私は課題じゃないかと思っておるわけです。まあその辺はひとつ十分考えておいていただきたい。 その海洋調査にしてもやり方いろいろあるわけで、たとえば陸上でもってタンクの中でシミュレーションをやるというのも一つかもしれませんけれども、それはある一定の条件のもとにやっていくわけなんですから、それは条件としてわかっている比較できるような条件を設定してやるんでしょうけれども、どうも最近はいろいろな予想しないことが余り多過ぎるもんですから、いままですべてこれは大丈夫であると言ってやられたやつがそうでない場合が多いんで、その点をひとつ十分気をつけていただきたい、かように思っております。 それともう一つは、海洋投棄だけではなくて、ほかに方法があるかどうかですね。たとえば、地中深く埋めてしまう、そういうことですね。海洋の場合でもまた二つの考え方があって、たとえば、太平洋という非常に広い海域にディフューズさせてしまうのかどうか、薄めてしまった方が安全だという考え方と、そうじゃない、投棄した以上いつまでも半永久的にそこにとどめさせるんだ、そこから一歩も放射能を出させないんだという考え方ですね。 その二つがあると思うんで、これはいろいろ考え方によって違うと思いますけれども、その点の問題とか、どうやら南方の方々が言っているのは、ディフューズさした方が安全だというようなことを言っている向きも考えられるんですね。ディフューズしないから、かえってそこにいつまでも置かれたら困るという、そういう考え方です。その観点によっていろいろ変わってくると思うんですが、それもひとつ検討していただかなきゃいけないことだろうと思います。 それと同じに、ほかの方法ですね、人工衛星を使って、ロケットで宇宙に打ち上げるというのは、これはとても大変なことで、高くてしょうがない。それ以外に何か方法があるのかどうか。その点をお伺いをしたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) 低レベルの廃棄物につきましての地中処分、これも海洋よりはややおくれぎみでございますけれども、やっぱり実験室的な試験を行っておりますし、また実際の土地、たとえば鉱山のようなところにおきまして、これは実物の試験ができませんので、地層内でのそういう化学物質の動き方というものの試験を進めているところでございます。ただし、この方が海洋の場合より、非常にその場その場の特殊条件が多うございまして、なおデータとりには時間がかかるかと思われます。しかし、海洋には捨てるのが適当でない廃棄物もございますので、地中も十分に力を入れてやっていかなければならないと思われます。 それから、海洋で下へ閉じ込めておくのと、広めた方がいいのかということでございますが、これは私どもの行いました安全評価の際は、安全サイドをとるという意味で、ドラムかんが海底に着きましたときに、中の放射性物質が全部水の中にさらけ出されるという仮定を置いて評価をしてございます。実際上は、先ほど申し上げましたようにドラムかんが十年もっと、中のコンクリートから溶け出すのにまた相当長期間かかるということでございまして、実際はほとんど溶け出さないと言っていいわけでございますが、極端にそういう仮定をしたわけでございます。 その仮定に基づきましてどっちが影響があるかということになりますと、これは普通の場合ですと、薄まって広い場合は、それだけ放射能に当たるといいますか、出会う魚の量が多いわけでございます。地中にとどめられておりますと、濃度は濃いけれども、それに出会う生物の量が少ないわけでございます。これは数学的に反比例の関係でございますから、どちらでも同じということに単純にはなるかと思われますけれども、実際は深い海を対象にしておりますと、深い海からの表面への食物連鎖、現在われわれが漁業の対象として食べております魚は、せいぜい千メートルから千五百メートルでございまして、それにプランクトン等の食物連鎖があっても四千メートル以上、六千メートルあたりからの食物連鎖はそう多くはないわけでございまして、そのことを加味いたしますと、深いところにとどまっていた方がはるかに表面の魚を食べる人間にとっての被曝は少ないという傾向が考えられるわけでございます。 ちなみに、私ども安全評価したときに、いろいろなモデルを作成いたしまして調べたわけでございますが、底層に滞留している場合のモデル、そしてそれが食物連鎖で上に人間にかかわっていくということをしましたモデルと、もう一つは、拡散がかなり活発に行われて広がっていった場合にどうなるかというモデルで、両方計算いたしてみますと、やはり海底に滞留している場合の方が、一般的には被曝がかなり少ないという結果が出ております。 さらに、何かほかの方法ということを御指摘ございましたけれども、低レベルでございますのでわりあい量が大きい、レベルは低いということでございまして、現在のセメントで固める方法がやや世界的には一般的でございますが、このほかにアスファルトで固める。わが国でも一部やっておりますが、アスファルトで固める、あるいはプラスチックで固める、あるいは焼き物に閉じ込めるというような形が処理の方法としては考えられておりますし、それから処分としましては、特別な場所というのがあればなおいいわけでございますが、わが国の場合は岩塩層とかそういう非常に安定した場所というのを見つけにくい状態にございますので、やはり海洋処分、それから陸地でもしっかり条件を把握した上での処分ということが重要になっていくんではないかと考えております。
○松前達郎君 まあ大体海洋投棄しかないということになるようですね。 そこで、もう一つだけお伺いしておきたいんですが、最近私が入手した対談の記事で、ソビエトの原子力発電について、これは現状は皆目わからないんですけれども、それについていろいろと話をしている記事があったんですが、これはソ連の外交スタッフである、イズベスチヤの政治評論員というのが日本にこの前来たわけですね。それからノーボスチ通信社政治評論員というのも来ている。この人たちが対談をした。これはだから専門家じゃないことは事実なんですが、これが原子力発電の三つの問題点がソビエトでもあるんだということを言っているんです。 その三つの問題点というのは何かというと、原発の効率を高める点で技術的な困難にいま直面している。これは恐らく事故とかそういうものも含めての話だと思います。あるいは原発そのものの安全性も含めてだと思うんですが、その内容としては、複雑でテクニカルな問題がある、こういうふうに言っているんですね、後でまた資料お見せしてもいいんですが。それから第二番目が、環境保護の問題があるんだと。それと、廃棄物処理と処分の問題はまだ未解決だと、ソビエトにおいても。あれだけ広いところを持っていて、人間が行ったことないようなところがたくさんあるにもかかわらず、そういうことを言っている。三番目というのは、原子力発電をどう見ているかということで、あくまでも一時的なエネルギー源であると。核融合が将来取ってかわるんだろうということを言っているんですが、これをまとめてみますと、アレクサンドロフというのがおるんですが、これはソビエト科学アカデミーの総裁なんですが、この人は原子力の専門家なんですが、そういうふうな人たちの指摘を見てみると、環境問題というのは最もいま重要なんだと。あれほどの国もそういうことを言いたしたということなんです。原発については、かつての楽観的なイメージは消え去ったと、はっきりこれを言っていて、思ったより複雑な問題を含んでいるんだというふうに結んでおるわけなんです。 これは恐らく私、環境問題とか技術的な問題で、いろいろいままでの経験上出てきた問題だと思っているんですが、これは技術屋じゃないものですから、そこから先具体的に何なのかというのは、これから推察する以外はないんですが、恐らく環境の問題であろう。原子力発電所が大事故を起こしたということを伝え聞くこともありますし、いろいろな問題があるわけです。ソビエトというのはベールに包まれていて、原子力発電わからないんで、私は科技庁にもちょっと事前にお伺いしたんですが、そういう情報もないようですから、この点、こういうふうなことを私がその対談の記事で知り得たということを申し上げておきたいと思うんです。 それで、最後になりますが、核の利用というのは、これはもう完全に平和利用ということに徹するということ。これは何回も総理初め大臣もおっしゃいましたし、まあ日本人として当然そうだと。これは原子力の基本法というもので、その基本的な。ものが決められているということになるんです。 それと同時に、最近また非常に問題になっている非核三原則の問題も出てきている。どうやら核というのがどうも最近の中心になってきたような感じを持つんですけれども、「持たず」というのは、これはわかるんですね。たとえば日本の場合、プルトニウムが生産されますから、当然核兵器をつくり得る原材料は十分あるわけですね、ある程度ある。しかも、技術的にもその開発に関しては、多分できるであろうという確信もある、やらないだけだと、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、まあ核を持たずというのは論外といたします。これはもう持たないということを言っているわけですから問題ないんですが、「持ち込ませず」というやつでいま非常に議論があるんですね。 これは解釈の仕方、いろいろアメリカと日本が相違しているというような感じも持っているわけでありますが、プルトニウムのことに関して言えば、潜在核保有国であるので、われわれとしては核兵器には絶対このプルトニウムを転用しないんだということが基本であるけれども、しかし、アメリカの核のかさの中にいる以上、核の持ち込みという問題は非常に大きな問題になってくる。こういうふうなことで、きのうあたりから、外務委員会でも私やったんですが、非常に議論の対象になってきたわけなんですが、特にアメリカ艦船、核を積んでいる艦船の日本への寄港とか領海通過の問題、いま盛んに議論されておりますけれども、これは中川長官にお伺いしたいんですが、いままでの各委員会での論議、恐らくごらんになっていると思うんですけれども、たとえば持ち込みに関する考え方ですね。日米でどうも食い違いがある、ライシャワーさんの発言との食い違いがあるけれども、私はどうもその辺、トランジットというのは、ただ単に核を積んで入ってきて出ていくんだと。ですから、当然アメリカの核のかさの中に入っていれば、そのぐらいのことはあたりまえじゃないかと、アメリカ側の考え方ですよ、私はそう思っているんですけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 非核三原則につきましては、いろいろ議論があります。特に「持ち込ませず」ということについては議論のあるところでございますけれども、政府の統一した見解としては、非核三原則を「持ち込ませず」を含めまして、国是として堅持しておる。これを国民の前に明らかにしており、この非核三原則を堅持することが、政府の一貫した方針であるということでございます。 そこで「持ち込ませず」の中で、寄港あるいは領海通過の問題は、アメリカの考え方との間にずれがあるんじゃないかとか、あるいはそれぐらいは認めた方がいいのではないかという議論もあるようですが、議論のあることは承知いたしておりますが、政府の統一見解としては、寄港あるいは領海通過を含めて「持ち込ませず」という見解をとっておりますので、政府の一員としてはそういうふうに考えておるところでございます。
○委員長(太田淳夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に間する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩出啓典君 まず最初に、きょう午前中の委員会で日本原子力発電敦賀発電所における一連の事故についての報告が、科学技術庁及び資源エネルギー庁からあったわけでございますが、それに対して質問をいたしたいと思います。 まず最初に、通産省にお尋ねをいたしますが、特に最初の事故である第四給水加熱器の構造の事故の問題等、報告すべきものがなかなか報告されていなかった、こういう点が指摘をされておるわけでありますが、これは故意に隠して報告しなかったのか、あるいは報告する必要がないと思って報告しなかったのか、あるいはこの程度の事故であれば大したことはないという、そういうことで報告はされなかったのか、そのあたりのいきさつはどうなんでしょうか。
○説明員(末広恵雄君) お答えいたします。 私ども、立入検査の後日本原子力発電からてんまつ書を提出させたわけでございますが、そのてんまつ書等によりますと、敦賀発電所内におきまして故障、トラブルがありました場合の連絡方法が、必ずしも明確に決められていなかったといった事情が第一点でございます。 それからさらに、連絡報告の重要性につきまして運転員あるいは当直員でございますが、そういった担当の職員の事故の重要性に関します理解が不足していたといったことから、実際に発電所の現場におきましては今回の一連の事故につきまして、非常に軽微なものというふうに判断いたしまして、報告する必要ないということで報告しなかったというふうに言っております。
○塩出啓典君 この程度の問題であれば軽微なもので報告する必要がないと、こういうことで報告しなかったとのことでございますが、いま現場の人たちの認識が足りなかったというお話がありましたが、この報告書を見る限り、この第四給水加熱器の事故の場合は、敦賀発電所の所長までは報告がいっておると。ところが、その後の一般排水路から放射能が漏れた問題については所長までいく前の段階でストップされておったと。そうすると、まずそのことが実際はどうであるのか。もし所長までいきながら、そこから報告されてないということになりますと、現場の人の認識の足りなさだけではないように思うんです。その点はどうなんでしょうか。
○説明員(末広恵雄君) 今回私どもが報告書を取りまとめました内容といたしまして、二点ございますが、第一点の給水加熱器の漏洩事故につきましては所長まで報告されておりましたが、日本原子力発電の本社及び私ども通産省には報告されてないという実態でございます。 それから、二番目の一般排水路への放射性物質の漏洩事故につきましては副所長まで報告されておりましたが、所長及び日本原子力発電の本社、さらに通産省に対しては報告がなされてないわけでございますが、通産省といたしましては五十二年三月に各電気事業者に対しまして通達を出しまして、軽微な故障といえども、いわゆる法律に基づく報告義務とは別に報告するようにということを申し渡しておるわけでございますが、こういった趣旨からいたしますと、当然そういった事象につきましては、本社を経由いたしまして私どもにも報告があるべき性格だというふうに考えております。
○塩出啓典君 その点どうなんでしょうか、五十二年三月の通達で軽微なものまで全部報告しろと、通産省はそういう通達を出しておいて、報告せぬかったらおまえのところ悪いじゃないか、そういうことが言えるわけですけれども、その故障というのはどこまでが故障であるのか、やっぱり報告すべきものはどこまであるのか、そういう点をもうちょっとはっきりさせた方がいいんじゃないかと。そうしないと、実際に各発電所の方としても困るんじゃないかと思うんです。 私は、特に原子力発電所の特殊性から考えて、放射性物質が漏れたとか、またそういう漏れる危険があるとか、そういうようなことと関係ない施設等、たとえば発電機が故障したとか、こういうようなことであれば、そういう方面は一般の火力発電所と同じようにしてもいいんじゃないか。そのあたりの基準をやっぱり通産省としても明確にすべきではないか、このように思うんですが、その点はどうでしょうか。
○説明員(末広恵雄君) 先ほども御説明申し上げましたように、従来法律に基づきます報告対象につきましてはもとより、法律に基づきます報告義務の対象とならない軽微なトラブルにつきましても、当省に報告するよう指導してきているわけでございますが、今回の一連の件を見ますと、やはり軽微な故障につきまして明確化する必要があるということを私どもも感じておりますので、今後、報告すべき事故、故障につきまして、安全確保上の重要性に応じまして分類を行いまして、たとえば、例示を用いるといった形で報告対象範囲をより明確化するという方向で検討したいと考えております。
○塩出啓典君 私たちの印象では、今回報告がありました第四給水加熱器における、いわゆるハンマーでたたいたとか、こういうようなことと、それから後の一般排水路放射能漏れの問題、これをこっそり処理しておったと、そういう二つの点を考えますと、後者の方がいわゆる一般大衆にまで影響を及ぼしたと、そういう点で事件の性質から言ってもより重大である、こういう感じがするわけです。 ところが、どうもいろいろ聞いてみますと、法律違反という点から見た場合には、前者の方が法律違反であって、後者の方は何ら法律には違反をしていない。そういう点では、そのあたり法律に抜け道というか、ちょっとアンバランスな点があるんじゃないかなという、そういう感じがするのでありますが、この点はどのようにお考えになっておりますか。
○説明員(平田辰一郎君) 法律のどこの条項かということにつきましては、報告の義務あるいは記録義務あるいは溶接検査を受ける義務というような、義務違反の問題ということになります。具体的に申し上げますと、その場合、溶接検査の検査を受けないで使用していたということが歴然としております。ほかのものにつきましては、先生御質問のように範囲が明確ではないという点で、どちらが悪い、いいというふうなものではなくて、どちらがより重要、重要じゃないということではなくて、どちらがはっきりしているかという点で、給水加熱器の溶接の方がよりはっきりしているというふうに私どもが言っているわけでございます。
○塩出啓典君 そういう意味で、私たちのいわゆる常識というか、素人の感覚とちょっと法律から見た考え方に食い違いがあるわけで、後者の場合はその報告義務というものははっきりしていないから、だから条例違反、法律違反が云々できない、そういうことではないかと思いますので、この点は先ほど今後明確にしていくということでございますので、ぜひそういう方向で努力してもらいたいと思うんです。 私はたしか何回か前の委員会でも申し上げたんですが、原子力発電所のいろいろな事故の報告がありましたですね、通産省に。その一覧表を検討いたしますと、ほかの発電所は、発電がとまらない事故まで報告されておるんですね。ところが、日本原子力発電所の事故は、全部ストップした事故しか報告になっていないんです。やっぱりとまるとこれは公に出てはっきりわかるわけですから、そういう意味で日本原子力発電所のそういう体質というか、一つの事故に対する認識の仕方が、ほかの民間の発電所と比べればやや軽く見ておるんではないか、私はそういうような認識を持ったわけですが、通産省としてはどのようにお考えですか。やっぱりほかの電力会社にも同じようにこういう感覚でやるのか、そこまでは考えなくていいのか、その点はどうですか。
○説明員(平田辰一郎君) その点につきましては、先般のたしか四月だと思いますが、こちらの委員会でも別の議員からお話がございまして私が御説明申し上げたと思いますが、たとえば九州電力玄海発電所の場合、去年一年間全くノートラブルで運転をいたしました。中国電力の島根発電所も発電開始以来、事故として報告されたものは二件のみでございます、それに比べまして、原子力発電会社の場合、敦賀の場合で、五十五年度までの累計で三十一件報告されております。全体が百九十一件でございます。二十二基でありますが、百九十一件の中の三十一件、もちろん敦賀が軽水炉としては一番古い発電所でありますから、その意味では若干考慮しなければいけませんが、他の発電所に比べてかなり事故の報告の回数が多いということは言えると思います。 それから他の発電所につきましては、先生の御指摘のとおり、運転を停止しないものであっても、事故として報告されるものが間々あることは事実でございます。
○塩出啓典君 それから後者の事故の場合に、いわゆるフィルタースラッジの発生量が当初の予想よりも多量であった、そのために五回に分けて増設をしておるわけでありますが、これはどうなんですか、なぜ当初の予想より多量になったのか。また五回に分けて細切れにちょこちょこふやしていくというのは、ぼくらの認識からすれば、経済効率から考えても一遍にやるとか、何か行き当たりばったりのような、そういう感がするわけですが、そのあたりはどうですか。
○説明員(逢坂国一君) 敦賀発電所につきましては、四十一年に設置許可いたしまして四十五年から使用開始して以来、五回の改造というか、増設をしております。それぞれ施設の増設している内容が違いますので、それぞれの理由もまた変わっているわけでございますが、第一回の増設はフィルタースラッジのものでございまして、これは申請書によりますと、当時の予想したよりも多くなったということでございます。多くなったものでございますが、申請書によりますと、機器ドレンのフィルターでありますとか、床ドレンフィルターというような関係のものがふえてきたということでございます。それから二回目は、希ガスのホールドアップ装置でございますが、これはALAPといいますか、気体の放出管理の規制が厳しくなったということで、そちらの施設の増設があったわけでございます。それから三回目が問題の洗たく廃液をろ過する装置でございまして、これはやはり液体の放出に関してできるだけ少なくするという趣旨から、従来そのまま捨てていたものをフィルターを通して捨てるということで増設をしたものでございます。それから、そのほかの四回目、五回目はむしろ洗たく場の増設でございまして、定検の作業衣服の増加がありまして、洗たく場が手狭になったということで増設しているものでございます。 いずれも考えてみますに、最初のフィルタースラッジの問題は、日本で初めての軽水炉ということで経験がなかったという面があろうかと思いますが、二回目以降につきましては、気体の放出についての規制といいますか、物の考え方が厳しくなって設備の増設をせざるを得なくなったというふうに私どもは見ております。
○塩出啓典君 これは通産省と科学技術庁の両方にお尋ねをしたいわけでありますが、原子炉等規制法に基づいて原子力発電所が建設される場合には、現在とこの炉が設置された当時とは多少制度の違いはありましたが、いずれにしても、これが通産省に出されて、原子炉等規制法に基づく設置許可申請、あるいはまた、その後においては変更許可申請というものが出されると思うわけでありますが、そういうものを出さなければならない対象であったのかどうか、後の変更の場合ですね。したがって、科学技術庁の原子力委員会、現在で言えば原子力安全委員会になるんですけれども、原子力委員会サイドにおいてはどういう審査をしたのか、両方からお答えをいただきたい。
○説明員(逢坂国一君) これの手続でございますが、五回の増設のうち一回目と二回目の増設につきまして、すなわちフィルタースラッジ貯蔵施設設備と、それから希ガスホールドアップ装置につきましては、原子炉等規制法に基づく設置許可の変更という形で設置許可申請がなされております。それからそれ以外のものは、軽微なものというふうに考えられまして、電気事業法の工事計画の認可という制度からスタートしているということでございます。最初の一回目、二回目のものも、もちろん工事計画はとっているわけでございます。 そこで、どういうものが対象と考えるかということでございますが、主として原子炉等規制法に基づく許可は、原子炉施設の主要なものの設備の基本設計の問題あるいは基本的な設計の方針に基づく事項につきまして審査されるものでございます。ここの三回目以降の問題につきましては、いまの洗たくしたもののろ過設備でありますとか、洗たく場とかということですので、基本的な設計の問題というふうに解釈されなかったというふうに、私どもはいま受け取っておるわけでございます。
○政府委員(赤羽信久君) 最初の設置許可のときに本文にどれだけのことが書いてあったか、それを変更するにつきまして本文に関係あることは設置許可の変更申請がございますし、ないことは工事計画の認可というだけで処理されていたわけでございます。いろいろな廃棄物処理系統がございますけれども、今回問題になりましたフィルタースラッジの貯蔵タンクの増設工事、これは設置変更の許可申請がございまして、四十六年に許可を認めたわけでございます。ただし、このようなものでございますので、詳細はほとんど工事計画の認可に譲るということでございまして、タンクを増設するその大きさ、そしてどういうつながりの系統になるかという程度の審査しかしてなかったようでございます。詳しいことは現在わからないんでございますが、大体そのようでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、今日までの経過を振り返りまして、科学技術庁の原子力委員会が、その当時は全部原子力委員会だったと思うのでありますが、昭和四十一年の一番最初の原子力発電を建設するときの安全審査はやった。しかし、それ以後の増設については、原子炉等規制法に基づく変更許可願いは出たけれども、安全委員会としてはまあ事務的に処理をしたと、そう理解していいわけですね。
○説明員(逢坂国一君) 私の説明が明瞭でなくて大変失礼いたしました。四十一年の許可の後、変更の許可は二回出ております。ですから、五回の変更のうち二回は許可申請がされている。普通この設置許可は発電所の単位で行われるものでございまして、その変更もたとえば一号機がありまして、二号機の場合も同じように変更の許可というふうに言っております。その変更の中身は、いろんな施設につきまして大きいものから小さいもの、いろいろあるわけでございますが、この二回の申請に基づく許可は、廃棄物の貯蔵及び気体廃棄物の放出管理に関する重要な施設であるというふうに判断したわけでございまして、決して軽々しく判断したということではないと私は思っております。
○塩出啓典君 私は別に軽々しくというんじゃなく、手続的なことを聞いているわけで、この原子炉等規制法では、最初の申請の場合は原子力安全委員会の審査も経なければいけないようになっていると思うんですけれども、後の変更の場合は、いわゆる原子炉等規制法に基づく変更の許可、変更の届け出をしても、それは通産省サイドで処理される問題であるのか、あるいは現在で言えば原子力安全委員会のダブルチェックを全部受けなきゃならないのか、そのあたりの法律的な解釈がどうなっているのかをお聞きしているわけなんです。
○政府委員(赤羽信久君) 最初の設置許可を申請し、受ける場合に、申請すべき内容というのがございまして、本文記載事項と称しております。ここに書いてありますことを一括して許可を受けたわけでございます。したがいまして、その事項に変更があります場合には、設置変更の申請をするということでございまして、たとえばフィルタースラッジの貯蔵タンクがそれに当たったわけでございますが、それは御指摘のとおり、当時ですと原子力委員会、現在ですと通産に申請し、安全委員会がダブルチェックということになります。記載事項にない事項でございますと、これは設計工事方法の方の認可を直接申請するということになるわけでございます。
○塩出啓典君 だから、五回の変更のうち二回は規制法に基づいて変更届けを出したわけですから、それについては当時の原子力委員会として審査をしてオーケーは出したわけですね。そう理解していいわけですね。
○政府委員(赤羽信久君) フィルタースラッジ貯蔵タンクと、もう一つ希ガスのホールドアップの装置、この二つに関しましては設置許可の変更として許可を出してございます。
○塩出啓典君 そこで、今回のこういう一連の事故を反省をして、通産省としてもいろいろな今後の処置を考えておられるわけでありますが、ただ反省していますという言葉だけではいけないわけで、どこが悪かったか。そうして、その悪いところを改めて繰り返さないようにしていかなければいけないんではないかと思います。 そういう点で、まず科学技術庁として、原子力発電所の場合は必ず安全審査をするわけでありますが、今回のこの事件を通して、科学技術庁としてはどういう点を今後改めていこうと考えているのか。特に先ほどの原子力安全委員長の見解の中に、安全審査指針に基づいていろいろな審査が行われるわけですが、その安全審査指針というものを充実さしていきたい、こういう意味の内容があったと思うんですが、具体的にはどういうことをお考えですか。
○政府委員(赤羽信久君) 安全委員会といたしましても、今回の事故に対しまして、関係者の一員としてきわめて遺憾と考え、またそう表明しているわけでございます。 ただ、直接の反省ということになりますと、やや直接的には解釈が困難なのは、当時は安全審査に係る事項が限られていた、あるいは審査内容の多くを設計工事方法の段階に譲りまして、そう詳しくチェックしなかったという事情にございますが、現在の新しい安全委員会ができてからは、このようなこともほとんどすべてダブルチェックの対象にしておりまして、現在ですとかなりしっかりした立ち入った審査が行われているということでございますので、いまから何をするという点が限られてくるわけでございます。 御指摘のように、見解等におきまして審査指針の整備を行うということを申したわけでございますが、現在固体廃棄物の処理処分、それから液体廃棄物の処理というところは、かなりしっかりした指針があるように思われます。このフィルタースラッジの貯蔵につきましては、本来は固体を貯蔵しておる。しかし、その上澄みの液体が流れ出るという両方合わさったものでございまして、このようなものにつきまして、あるいは濃い液体の貯蔵ということにつきまして、指針が必ずしも突っ込んでないということを反省いたしまして、この整備にかかろうということでございます。 内容につきましては、基準をつくる専門部会がございまして、そこで突っ込んだ一般的な審議を経た後に具体化したいと考えております。まだ原案は必ずしも固まっておりません状態でございます。
○塩出啓典君 通産省の場合は、いわゆる詳細設計あるいはいろんな工事の認可を出すに当たって、審査の基準になる技術基準というのがあるわけでありますが、今回の事件で一番問題になった一つに、建屋の地下に一般排水路があった。増設の場合に建屋の外にあったのが中に入って、それを全然知らなかった。そこを通して漏れたというわけで、そういう点詳細設計あるいは工事認可の段階でキャッチできなかったということが、一つには通産省の指導体制に手抜かりがあったわけで、それを直していくためには、どうしてもこの技術基準というものをより詳細に、抜け目のないようにしていかなければいけないと思うわけでありますが、そういう点はどう考えておられますか。具体的には今後どういうように改めていくのですか。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘のように、放射性廃棄物処理設備等原子力発電所の附属設備については、技術基準の整備、安全審査、検査等の面において徹底を欠いていたという点があったことは率直に認めなければならないことだと思います。それにつきまして、先生御指摘の技術基準の整備充実に関しましても、私どもは液体状の放射性廃棄物の漏洩の早期発見、それから漏洩拡大の防止及び外部への漏洩防止を図る観点から、液体状の放射性廃棄物処理設備等にかかわる技術基準の整備充実を図る必要があると考えておりまして、早急にこれの具体化に取り組みたいと考えております。
○塩出啓典君 液体を扱うのですから漏れることもあるわけで、そういうものが地下に入るとなると地下水にも関係があるわけですから、そういう床は全然水を漏らさない床でなければならないとか、そういうようなことはいま考えれば当然のことじゃないかと思うんですけれども、そういうような点をひとつ早急に整備をしてもらいたい。やっぱり人間ですから、間違いもあれば思い違いもあると思うんですね。やっぱり失敗もあると思うんです。しかし、そういう失敗があっても、水が漏れてもそこで防ぐとか、人間が徹夜マージャンして少しぼけておっても心配ないと、こういうように二重三重のシステム的にやっぱりきちっとしていかないといけないのじゃないかと、こういう意味で、技術基準の充実をひとつやってもらいたいと思います。 この技術基準については、科学技術庁としてはどういう対応をするのか。これは全部通産省任せなのか、あるいは原子力委員会あるいは安全委員会等がその内容に関与するのか、そのあたりはどうですか。
○政府委員(赤羽信久君) 一般的に申しまして、技術基準は全部通産省で整備していただくというのがたてまえでございますが、本件につきましては、先ほど御報告申し上げましたように、今度の通産省の報告で出されました改善の方向をさらに具体化するに当たって、安全委員会が再度チェックするということを申しておりまして、この技術基準の充実もその項に入っておりますので、当然そのときには報告があり、検討することになる予定でございます。
○塩出啓典君 それから、今回の事故を通して指摘されたことは、やっぱり従業員、従事者のレベルアップということが問題になったと思うんですが、現在原子力発電所の運転については、たとえば国家試験というか、こういう試験を通った人でなければこういう仕事をしてはならないという、こういう国家試験のような制度を導入すべきではないか、これを私も過去において当委員会においても意見を述べたことがあるわけでありますが、現在はどうなってるのか。
○説明員(末広恵雄君) 原子力発電所の安全確保を図るためには、従来から設備面の規制ということをやっておるわけでございますが、その設備面の規制とともに、発電所の運転員の的確な判断あるいは操作といった、そういった的確な動作を確保するということがきわめて重要だと私どもは考えております。原子力発電所の運転員につきましては、原子炉等規制法に基づきます規則におきまして、原子炉の運転に関し十分な知識を有する者でなければならないという規定があるわけでございますが、具体的には、各電力会社は運転員につきましては、運転訓練センター等に派遣いたしまして、訓練センターにおきまして十分な教育訓練を行いまして、所定の訓練コースを修了した者を発電所に配置しているというところでございます。 特に運転員の当直グループの中で、責務が非常に重要であり、また緊急時に迅速な判断と指揮能力が要求されます運転責任者、いわゆる当直長でございますが、この運転責任者につきましては、昨年十二月通産省といたしましては、原子炉等規制法の規則を一部改正いたしまして、資格認定制度を発足させております。具体的には、この資格認定制度そのものは規則で決められておるわけでございますが、民間の機関を指定いたしまして、その民間機関を活用いたしまして認定を行っておるところでございます。
○塩出啓典君 私たち飛行機に乗る場合には、やっぱり機長に自分の生命を任せるわけで、やっぱりしっかりした人に運転してもらわないと困るのと同じように、原子力発電所も、もし操作に誤りがあれば大変な事故になるわけで、そういう意味では、特に三交代、夜中ですね、そういう場合には会社の幹部もいないわけですから、非常にその責任は重大であり、また、その人に要求される判断力、知識力、そういうものは非常に厳しいものがあると思うんですね。 平常、順調にいっているときは何もしてないようでも、何かあったときの判断というのは、私はTMIの事故から考えても非常に大事じゃないかと思うんですね。そういう意味で、通産省としても資格認定制度をようやく出発さしたようでありますが、しかし、資格認定制度は出発したばかりで、この制度に通った人はまだ一人もいないと、あるいは試験は行われたのか、そのあたりはどうですか。
○説明員(末広恵雄君) 昨年十二月にこの制度を発足させたわけでございますが、ことしになりましてすでに三回試験を実施しております。まあ受験者対象といいますか、当直長は実際には発電所の勤務に携わっておりますので、しょっちゅう試験やるというわけにいきませんので、いろいろ発電所等の停止計画等を見まして試験を実施してるわけでございますが、いまの計画ですと年間四回程度試験を実施いたしまして、今後約一年間後、来年の五月末ぐらいまでには現在の当直長全員に対して試験を終了するという予定でございます。
○塩出啓典君 じゃ、三回の試験結果は、合格率は何%ぐらいですか。
○説明員(末広恵雄君) これまで三回の試験におきまして六十二名が受験しておりまして、この受験者はほとんど従来からの経験者でございまして、六十二名のうち六十名が合格しております。
○塩出啓典君 じゃ、あんまりむずかしい試験じゃないんですね。どうも資格認定制度が、国家試験でなしに民間に任されてるというところ、私はそれでもいいんですけど、ただかっこうだけの八百長試験にならぬように、将来はやっぱり国家試験ぐらいにして、この当直長というのはあれでしょう、たとえば三交代で二十四時間運転しているわけですから、その夜なら夜中の責任者が当直長になるわけですからね。それは一人ですね。さらには、もうちょっとそれぞれのセクションの責任者にも順次資格を設けていくと、そういう方向で私は検討した方がいいんじゃないかと思うんですが、通産省はそういう考え持ってますか、一遍にはいかないでしょうけど。
○説明員(末広恵雄君) いままでの三回の試験におきましては合格率が比較的いいわけでございますが、と申しますのは、いま経過措置期間でございまして、現在のところいままで長年にわたりまして当直長を経験してきましたべテランといいますか、それを中心に受験さしておりますので、必ずしもいままでの実績を見まして試験が甘いとかいう判断にはならないかと思いますが、いま先生御指摘ございましたその他の運転員につきましては、従来から運転訓練センターにおきまして教育訓練を行うと、所定のコースを修了いたしますと訓練センターにおきまして修了証を発行させまして、その修了証をもって一つの資格としてるわけでございます。
○塩出啓典君 この資格認定制度に通ると、給料とか手当は上がるようになってるんですか。
○説明員(平田辰一郎君) 残念ながら、現在の現状では上がるようになっておりません。
○塩出啓典君 これはエネルギー推進の立場として、長官にひとつ私はお願いしたいわけでありますが、やっぱり原子力発電所の運転員にはかなり高度の技術が要求されるわけで、そういう意味で国家試験の制度を充実さしていくべきではないかと、そうしてこの資格に通った者でないと運転できない、また、そういう資格があった場合には、わが国の企業において手当をふやすとか、そういう方向にいくべきではないかと。わが国の制度の場合は、いろんな資格取っても、それが直接収入に結びつかないっていう、国全体の一つの慣行もあると思うんですけど、私はそういうものはやっぱり改めていかなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。そういう意味で原子力発電所の場合は、そういう形で原子力発電所の運転に参加する人は誇りを持ち、日航のパイロットとまではいかなくても、やっぱりそれなりの手当も出していく、そういう方向に推進をしていくべきではないか、こう思うわけでありますが、閣僚として長官の御意見を承っておきます。
○説明員(平田辰一郎君) 前置きをやらしていただきますが、運転員の当直長、これの有資格者の待遇改善につきましては、先生御指摘のように、本人の職務に対する認識の向上、責任感の高揚のためにも大変好ましいことであろうと私どもは考えております。しかしながら、基本的にはこの問題は、雇用主である電力会社が率先して取り組まなければならないものではないかというふうに考えているわけでございます。
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘の気持ちはよくわかりますが、民間でいま一生懸命やっておりまして、いま言う待遇改善といいますか、十分の手当てをするというようなことと相まって、また研究さしていただきます。
○塩出啓典君 それから、今回の事故に対する通産省の処分として最初は告発をするとか、非常に通産大臣も威勢のいいお話だったんでありますが、最終的には六ケ月の停止、原子炉等規制法三十二条二項四号によって営業停止に踏み切る方向、もちろんその前に聴聞会をやって決定するように承っておるわけでありますが、この処分になった行為はどの行為を指すんですか。
○説明員(平田辰一郎君) 停止命令の根拠となりますのは、保安規定違反でございます。 それで、今回の一連の事故に関しましては、当庁の立入検査等におきまして明らかになったものといたしまして、数々の保安規定の遵守義務違反の事実が存在することがわかりました。このように多くの保安規定違反の事実の存在が象徴するように、原子力発電会社の保安管理体制はきわめてずさんでございまして、これがこれまでの一連の事故の大きな要因を形成したことは否めないわけであります。したがいまして、これらの保安規定の違反がきわめて重大であるということにかんがみまして、原子炉等規制法三十三条二項四号に基づきまして敦賀発電所の原子炉の運転の停止を命ずることとしているわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、この三十三条の二項の四号では、「第三十七条第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。」とありますが、私がいまお聞きしたのは、第四給水加熱器のひび割れをハンマーでたたいたと、そのことを報告せずに運転をしたと、その行為について処分をしたのではなくて、何か一連のもの全体にこういう処分をしたという、そういう感じだった。それでいいんですか。
○説明員(平田辰一郎君) いま申し上げましたように、問題なのはこの一連の保安規定違反が出てくるような同社の保安管理体制がきわめてずさんであるということでございますが、停止命令をかけます根拠となりますのは、あくまでも一連の細かい保安規定遵守義務違反、これを取りまとめまして命令をかける形になります。したがって、いまの給水加熱器の例で申し上げますと、たとえば保修のために原子炉の停止等の適切な措置をとらなかったこと、あるいは保修課長が保修時期について発電課長と協議せず、またコーキング等の措置について所長の承認を得ていなかったという具体的な保安規定の手続規定に違反するという点が問題になるわけでございます。
○塩出啓典君 これはじゃ第何条になるんですか、保安規定は。
○説明員(平田辰一郎君) 保安規定は原子炉等規制法三十七条に出ております。
○塩出啓典君 それで告発をしなかった理由は何か。刑事訴訟法の第二百三十九条の二項には、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と。やはり法律に触れる行為があった場合には、脱税の場合にしてもいろいろ告発をされるわけでありますが、今回告発をしなかったという理由は、新聞紙上等では、何か政治的な判断に基づいて告発をしないで営業停止にした、こういう感じがするわけですが、どう理解すればいいのか。
○説明員(平田辰一郎君) 通産省といたしましては、今回の一連の事故につきまして、種々の観点から総合的に評価を行ったわけでございます。 幸いにも、事故による周辺環境に対する特段の影響は存在しないことがすでに確認されているところでございまして、むしろ今回の事故に関する最大の問題点は、原子力発電会社のきわめてずさんな保安管理体制及びこれに起因する事故対応に誤りがあったことにあると考えております。 このずさんな保安管理体制の結果、今回の一連の事故の過程で、たとえば溶接検査を受けずに溶接を行うなど、法令に違反する疑いのある事実が発生しておりますが、これについては告発という手段に訴えることもさることながら、このような事実のよって来るところ、すなわち原子力発電会社のずさんな保安管理体制、事故対応の誤りに着目しまして、厳しい行政上の措置により対処することが最も適当な方法ではないかと考えたわけでございます。かたがた、原電に対しましては、会長、社長が責任をとって退陣することを明らかにするなど、すでに大きな社会的制裁が加えられていることは周知のところでございます。 このような考え方及び状況を踏まえまして、当省といたしましては原電に対しまして、かつて一度も発動したことのない炉規制法に基づく原子炉の停止命令という、会社にとって最も制裁効果の大きい行政処分を行うこととしているわけでございます。 いずれにしましても、今後通産省としましては、原電が今回の事故を深く反省し、原電が地元住民を初めとする国民の信頼を、一刻も早く回復するための最大限の努力を全社を挙げて行っていくように、厳しく今後とも指導監督していくこととしているわけでございます。
○塩出啓典君 私は、やはり日本の国は法治国家ですから、法律に従ってやっていかないと、いわゆる今日までの行政指導というか、そういうものが広がってくるということは、余り好ましくないと思うんです。そういう意味で、たとえば告発をすれば当然裁判が行われ、それに勝たなければならないと。それに足る十分な証拠がないと、やっぱり公判を維持するのは非常にむずかしいと。そういうことで告発をしないというならばまだ理解できるんですけれども、何か告発するよりも、むしろこういうような行政処分をした方が今後の原子力行政にはプラスなんだと、こういうような判断で告発を見送るということは私はちょっとおかしいんじゃないか、そういう感じがするんですが、どうなんですか、その点は。
○説明員(平田辰一郎君) その点につきましては、違法状態を具体的に解消しまして、行政目的を達成する手段があれば、行政処分ないしは要すれば行政制裁、そういう措置がとれれば十分であるというふうに考えておるわけでございます。それに加えまして、あえて司法制裁をとる必要はないというふうに考えたわけでございます。
○塩出啓典君 その点がどうもはっきりしないんですよ。新聞なんか見ますと、余り追求すると通産省の責任が問われるからだとか、あるいは原子力発電を推進する上に支障ができるからやめたんだとか、余り厳しくするとほかの電力会社も全部告発されるからできないんだとか、そういうようなことがいろいろ新聞紙上等で報道されておるわけですね。だから、なぜ告発しなかったのか。やっぱり何でもかんでも告発されたんじゃ国民もたまったもんじゃないし、役所はそう勝手に告発すべきもんじゃないと思います。やっぱりそれだけの証拠と法律的根拠があったときには告発しなければならないと思うんですが、今回の場合はそういう告発に値しない行為であると、こうこうこういう理由で。そして、こうこうこういう理由で行政処分六カ月の停止にしたという、そういうものをもっと国民の目から見てわかるように、なるほど通産省は筋を通してやってくれたと。何となくなれ合いじゃないか、こういう印象を持たれたんでは、私はその損失の方が今後の原子力行政にはマイナスになるんじゃないかと思うんです。 きょうは通産大臣が来ておりませんので、あなたに幾らここで言っても結論は出ないでしょうけれども、そういう意図を通産大臣に伝えてもらいたい、私は別に告発しろと言っているんじゃないんです。告発しなければしなくていいですけれども、なぜしないかということをもっと国民の皆さん、われわれがああなるほどやっぱりこれは無理だなと、そう納得できるようなそういうものを示してもらいたい、これはどうでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、原電に存在しますたとえば溶接検査を受けずに溶接を行う等の法令に違反する疑いのある事実、あるいは放射能漏れに至りました数々の不適当な状態、あるいは違法状態、これを解消するという行政目的を達成する手段があれば、行政処分ないし行政制裁処置をとることで十分である。それに加えて、あえて司法制裁である告発ということをする必要はないと考えたわけでございます。
○塩出啓典君 だから、ぼくあなたに答弁しろと言うのじゃなしに、いま私の言ったことをちゃんと通産大臣に伝えてくれと。だから、なぜ告発をしないかということを、もっとはっきり国民が理解できるように示してもらいたい。いまのあなたの答弁ではこれはちょっと理解できませんよ。行政指導で目的が達せられるなら告発する必要ないと。大幅な脱税をしておって、今後は脱税しませんという、行政指導で本人が言うことを聞いたんだったら、じゃ告発せぬでいいか、そういうわけにはいかぬわけで、今後は今後、過去は過去、過去に悪いことしておって今後は悪いことしませんから、もう告発せぬでいいかというようには、ぼくはいまの刑法はなっていないんじゃないかと思うんですけれども、そういう意味でその点を要望しておきます。 それから最後に、科学技術庁長官にお尋ねをいたしますが、今回の事故を通しても、いわゆるわれわれ国民の原子力発電所に対する安全性に対する感覚と、実際発電所に働いている専門家の感覚、こういうものにかなり違いがあるわけですね。専門家の方は何だ、これ大したことないじゃないかと、これだけのちっぽけな量なのに何を騒ぐんだと、報告する必要はないと、そういう感覚というもの、それとわれわれ国民の感覚に大きな開きがあると思うんですね。やつはり日本の国は被爆国であるという特殊な事情、そしてまた、放射線の量というものは少なければ少ないほどいいわけなんですから、放射線漏れについての非常に国民の厳しい感覚というものは、これは尊重していかなければいけないし、そういう意味で専門家の人たちの非常に安易な姿勢というものを、今後ますますそちらの方を改めてもらわなければいけないんじゃないか、このように思うんですけれども、こういう両者の感覚の違いについてどう考えるのか。さらに、むしろ国民の感覚を尊重して、専門家も十分配慮していかなければいけないという私の意見についてはどう思われるのか承っておきます。
○国務大臣(中川一郎君) 今回の事故は許されない間違いが数々あったと思います。ただ御指摘のように、技術屋、専門家から言うと、世間が言うほど大きな事故を起こしたという罪の意識というか、そういう被害意識というものは非常に少ないんではないかという感じが持たれます。そこに届け出の怠りがあったり、措置が軽率であったりと、こういうことだろうと思うんです。これは大いに改めなければならないことだと存じます。いささかの事故があっても大変だという感覚でもって対処しなければならない一面は十重言えると思います。だから、今度いろいろとまた改善をし、改めるものは改める、処罰するというか、停止命令で罰するものは罰するということになったんだと存じます。 また、一方国民側も少し過大に神経質になり過ぎてはいやしないかという点もあるんじゃないかと。たとえばピコキュリーなんと言われても、国民はどんな大変なものが出たのか、莫大なピコキュリーが出たと、こうなると、何か命でも落とすような大変なものが出たような感覚で見たり、あるいは被曝という言葉を聞くと、爆弾の事故でもあったんじゃないかというような感覚で見て、余りにも必要以上に原子力発電というものを恐れるということ、その結果これに反発を感ずるということも妥当ではないのではないか。やはり実際の被害は実際の被害として実態を受けとめる、こういう訓練というか理解もいただければなあというふうに私は率直に思うわけでございます。 いずれにしても、今度は事故を起こした側に原因があることでございますから、大いに反省をし、なおかつ、国民の皆さんにも理解が得られるように原子力の内容というもの、あるいは実態についてもそういった努力が必要がなあと、こんなふうに考え、今度の事故は大いに反省しなければならないが、だからといって原子力行政を否定をするというところまで行くのは行き過ぎたことではなかろうか、こう思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 神奈川大学の川上教授という方の書いた本の中で、やっぱり原子力発電には、いわゆる科学的な安全性と社会的な安全性が必要なんだと、専門家が見て本当に安全だからといっても、その地域社会がある程度受け入れてくれるそういう安全性、そういうものがなければいけない一そういう御意見で、私も非常に賛成なわけでありますが、そういう意味で、ただ科学技術庁としても科学的な安全性のみに頼るんではなしに、やっぱり住民の理解、国民の理解、そういうものはなかなか一遍には変わっていかないわけでありますから、徐々にそういう理解を求めて、社会的な安全性も確保できる方向に努力してもらいたいと思います。 それでもう一問だけお尋ねしますが、これは先般の日米首脳会談において、核の再処理の問題について、レーガン大統領と鈴木総理との話が共同声明に盛られたわけでありますが、再処理の問題についての交渉の状況はどうであったのか。さらに、今後第二再処理工場の建設については、新たな日米間の合意が必要なわけでありますが、その点の見通しがどうであるのか。それともう一点は、日米会談の後カナダに参りましてトルドー首相との会談の中で、日本がCANDU炉の研究一設計等に入ることを約束したような報道が一静新聞には流れておったわけでありますが、その会談の真相はどうであったのか。CANDU炉については原子力委員会がさきに一つの見解を示しておるわけでありますが、その後の見解は変わっていないのかどうか。この点をお尋ねして終わりたいと思います。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。 まず日米再処理問題についてでございますが、今回の日米首脳会談におきましては、鈴木総理から、わが国におきます原子力開発に対する考え方、特にウラン資源の有効利用という観点から再処理が重要であること、このために東海再処理工場の運転継続及び第二再処理工場の建設等の日米間で従来議論されております再処理問題を解決するために、本格的な協議を早急に開始したいという御意見を申し上げられたと承っております。この発言を受けまして、最終的には、わが国の核燃料サイクルのかなめでございます再処理が特に重要であるということ、そういう認識及び日米再処理問題の早急かつ恒久的な解決を図るために、速やかに協議を開始するということについて、両首脳間で意見の一致が見られたというふうに承っております。 今後の問題につきましては、また後ほど大臣からお答えがあるかと存じますが、日カ首脳会談におきますCANDU炉の問題につきましての新聞報道がございましたので、私どもも外務省にその事実を問い合わせたわけでございます。今般の鈴木総理とトルドー首相との会談におきまして、CANDU炉につきましては、トルドー首相の方からCANDU炉についての調査を継続するという知らせを受けており喜んでいるという御発言があったと、これに対して総理は特段の御発言をなさらなかったというふうに連絡を受けているところでございます。 CANDU炉導入問題に関します昭和五十四年八月十日の原子力委員会決定、すなわち導入ということについて積極的な理由を現段階において見出すことはむずかしいという、この決定の精神は現在もそのまま受け継がれているというふうに私ども考えているわけでございます。
○国務大臣(中川一郎君) 今回の共同コミュニケに、わが国にとって再処理が特に重要であるとの総理大臣の見解と、これを受けて米大統領が支持をすると盛り込まれていることは、きわめて大きな収穫であったと思っております。今後は、この共同声明を踏まえて、わが国の核燃料サイクルの確立のため、日米再処理問題に関する恒久的解決を早期に図るべく、米側と精力的に折衝を進めてまいりたい、こう思っております。 なお、恒久的な解決を得るまでの間、当面、東海再処理施設の六月二日以降の運転、いま約束をいたしておりますのは六月一日まででございますから、六月二日以降の運転については、本年十月三十一日までその期限を延長することについて、日米政府間で実質的に合意に達し、現在、所要の手続を進めておるところでございます。
○近藤忠孝君 きょう報告をされました敦賀発電所の資源エネルギー庁の報告書、冒頭には、今回の事故は「原子力発電に対する国民の信頼を裏切るものとしてきわめて遺憾な出来事であった。」、こう指摘されておりますが、これは中川大臣も同じ御認識でしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 先ほども社会的安全性という御指摘がありましたが、そういう意味では、国民に対して非常に不安を与えたという意味で申しわけなかったと。ただ、それでは環境周辺の人に害を与えたかというと、その点はなかったということも、これまた知っていただきたいと思っております。
○近藤忠孝君 「原子力発電に対する国民の信頼」と言うんですが、となると一つの信頼があったと言うんですね。 〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 どんな信頼がいままでこの発電所に対して国民は持っておったのか、そして今回それがどのように裏切られたのか。もともと信頼がなければ裏切られるもないわけで、その点についてはどうですか。
○国務大臣(中川一郎君) 信頼があったからこそ、今日まで二十二基の発電所も設置されておりますし、今後五千百万から五千三百万キロワットの発電を十年間に達成すべく、それぞれの地域で理解を得てかなり進んでおったという、その後の事実が信頼があったと、こういうふうに受けとめておるわけでございます。
○近藤忠孝君 その認識についてはいつも申しておりますけれども、やはり今回の事故について、安易な信頼というものでなく、逆に厳しく見ていってくれということを冒頭申し上げたいと思うんです。 そこで、通産省にお伺いいたしますが、これは午前中も指摘がありました。まあ、相次いで八件の事故が連続して起きたわけでありますが、この八件のうち、最初の発見者が通産省であるものは何件ありますか。
○説明員(平田辰一郎君) 発見者というのを、会社を除きまして報道機関あるいは新聞、それと通産省、県というような形で区分いたしてみますと、一月十日の第四給水加熱器胴側のドレン水漏洩、これにつきましては、一月二十四日に起きました給水加熱器のドレン水漏洩を調べました結果、そもそもそれより前にもう一つあったということが判明したわけでございまして、これは会社を除けば通産省が発見者ということは言えると考えております。 それから、これは事故というよりもむしろ点検作業の一環ではございますが、一部新聞で五月十九日に報道されました復水器の保修の件でございますが、これにつきましては点検作業の一環でございますので、私ども発表はいたしておりませんでしたけれども、昨年の十一月二十三日から二十九日にこの工事を行ったことにつきましては通産省、県、市とも会社側から連絡を受けておりました。 以上でございます。
○近藤忠孝君 実質的に見てみますと、県が三件、通産省は一件と、そのほかは民間と、こういうことになるわけで、問題は、通産省というのは最も強い権限を持っているわけです、原子力行政監督について。それがやっぱり一番発見という面ではおくれをとっているということについては、率直に私は反省をすべきだと思うし、今回の報告書の一番後の、これは自分自身に対する反省の部分ですが、冒頭に書かれておってもしかるべきだったと、こう思うんです。これは指摘だけにとどめておきます。 そこで、安全委員お見えになっていますね、どうも御苦労さまです。まず、安全委員会の任務というものをどう御認識になっていらっしゃいますか。
○説明員(御園生圭輔君) 原子力安全委員会の任務につきましては、安全確保の政策についての決定、それから安全確保に関する部分の規制の実施、その他フォールアウトに関することと、あと二つぐらいございますが、今回一番重要なことは一と二であるかと思います。
○近藤忠孝君 ダブルチェックも重要な機能だと思うわけであります。それからさらに、十分な審査が行われているかということを見ていく場合の安全審査基準そのものを常に点検し見直しをしていくと、こういう点もお仕事の一つだと思いますが、いかがですか。
○説明員(御園生圭輔君) おっしゃるとおりでございまして、現在、原子力安全委員会の下には安全基準専門部会というのがございまして、原子力安全委員会が発足いたしました次の年早々に審査指針の見直しを命じてございます。たまたまその後スリーマイル島の事件が起こりましたので、それにつきましても追加の指示をいたしまして、現在審査が行われております。一部のものにつきましては中間報告が出まして、それによって安全審査並びに規制に当たっておりますし、新しいものとしては、昨年、火災防護についての指針が出ております。それ以後の審査にはそれを適用しております。 〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 現在スリーマイル島の教訓についての幾つかの指摘事項がぼつぼつ上がる段階にきております。そういうものは答申を受け次第、審査に反映さしていく所存でございます。
○近藤忠孝君 私は、すぐれた先生方を委員にお迎えしながら、しかし実際は十分に機能を発揮してないと、こういう国民の不満が出ていることを大変に遺憾に思うんです。そしてやはり、実際そういう面があるんじゃなかろうか。 私はその一つに事務局体制があると思うんですね。これは行政機構的には内閣に属する委員会でありますけれども、事務局は科技庁に置かれている。事務局の強化なり、あるいはその辺の体制をもっと充実する、こういう点について先生方の御意見はないんでしょうか。
○説明員(御園生圭輔君) 大変むずかしい御質問でございますが、現在は原子力安全局が直接の事務局を担当しております。御承知のとおり、原子力安全委員会は諮問委員会でございますので、アメリカのNRCなどとは若干異なった性格を持っておりますし、わが国の実情におきましては、諮問委員会という性格の方が、より中立的な科学的な観点から審査するのには、ダブルチェックをいたすのには非常にぐあいがいいんではないかと私たちは判断しております。 事務局の体制の中で、何と申しましてもTMI以来、それから安全審査のダブルチェックという仕事がだんだん重なってまいりますと、確かに人手が不足であるという実感は私たち持っております。何とかして安全委員会の事務局がもう少し強化されれば、もう少し能率が上がるんではないか、またわれわれの得たい資料も十分に得られるんではないかというような感じは持っております。
○近藤忠孝君 これは昭和五十三年四月十九日の衆議院科学技術特別委員会、ここで委員の質問に答えて当時の総理大臣が、将来は独立の事務局を設置するように努力をすると、こういう答弁をされておるんですね。いまの委員のお話もございましたけれども、どこが担当するかは別問題としまして、いまのところはいわば仮宿のような感じ、遠慮しいしいですが、いまのような御指摘があったわけです。この点について、これは国民の要望でもあるんですが、長官としてはこの面について御努力をなさるお気持ちはありませんか。
○政府委員(赤羽信久君) 確かに独立の事務局を設けることによりまして、まさに中立的な仕事ができるんではないかという御関心がかなりあることも承知しております。これを考えますには、両方の面があるかと思われます。 現在、原子力安全局の中で純粋に事務局の仕事をしております安全調査室というのがございますが、実際上は安全局全体がそれぞれの専門に応じ、あるいは所掌に応じて事務局の仕事を分担している状態にございます。そのことを逆に考えますと、幾らでも定員がとれ、しかも幾らでも教育ができるという状態なら別でございますけれども、現在のように人材も定員も限られている状態ですと、縦横の分担が組み合わさっていた方が非常に能率よくいけるんではないか。経験上はそう思っておるわけでございます。 御園生先生の御指摘もございましたように、今後とも事務局の質的、量的増強には努力してまいりたいと思いますが、ある限度はやはり目下の情勢ではやむを得ないかと。その限度のもとでいかに能率よく運営するかということにも意を注いでまいりたいと思っております。
○近藤忠孝君 そこで、今回の事故に関してお伺いしますが、五月十八日付で原子力安全委員会から今回の事故に対する見解、二通の文書が出されました。安全委員会といたしましては、今回の事故については一応これで終わりということになりますか。
○説明員(御園生圭輔君) 安全委員会の決定にもございますように、それから後の見解の中にもございますように、これから通産省の方から原電に対する措置につきましても、一応報告があることになっております。また通産が安全規制体制の見直し、その中に幾つかの事項を指摘いたしまして、こういうことをやりたいというのを申しております。それに対しましてもわれわれのところに報告することになっておりますし、また安全委員会自身といたしましても、液体廃棄物の処理場につきましては見直しをしようということをやっておりますので、事故そのものについては終わりかという御質問の意味でございますが、レッスングラウンドという意味から言えば終わりではないと考えております。 それから、まだ御承知のように、通商産業省の方では原電に対して見直しを命じておりますので、その結果が出てまいりますというと、それに対してわれわれ報告を受けてまた対応せねばならぬと考えております。そういう意味で給水加熱器並びに一般排水路への放射能漏洩そのものについては、事故そのものの解明については、一応ピリオドを打ったということになりますが、レッスングラウンドにつきましては終わりではございません。
○近藤忠孝君 先ほどお話しのような実情ですから、先生方の能力が十分に発揮できないという条件の中だとは思うんですが、率直に申し上げまして通産省の報告書と、それから原子力安全委員会の見解と比べてみまして、原子力安全委員会独自の調査がどのようになされ、独自の検討がどのようになされたのか、この辺がどうも判然としない。いわば通産省の報告を受けただけではないか。そして余り十分な調査や検討もなされないまま出されておって、本来あるべき原子力安全委員会の機能が今回十分発揮できなかったんじゃないか、こういう心配があるわけです。 また、現に報道でも御承知のようにそういう指摘があると思います。実際現地へ行かれて調査されたという御努力をされたわけですが、初めてごらんになって、やっぱり現物を見てよくわかったという発言があったとかいうような問題も指摘されておるわけです。大変失礼な言い方ですけれども、そういう点でいわば今回の場合ダブルチェックというような面から見まして、そういう不満をわれわれ感じるんですが、その点はどんなものですか。
○説明員(御園生圭輔君) 先ほど申し上げましたように、原子力安全委員会というのは諮問委員会でございまして、ダブルチェックをするという機能を持っております、それは御指摘のとおりでございます。今回のことにつきましては、四月の十日に通産から立入検査の結果を受けまして、それから最後まで七回正式の委員会で検討しております。その間四月二十日と四月三十日の二回にわたりまして委員長談話を発表して、その当時の状況についての見解を示しております。 さらに、五月の八日から九日にかけまして、御指摘のとおり現地視察をいたしております。これは通商産業省から出されました中間報告につきまして、さらに見解を広めるためと、幾らか中間報告のときに委員の方から質問が出ておりましたので、それについて確かめをするというような目的で、現地の視察をいたしました。その際、四人の原子力安全委員会委員だけでは欠けるところがあるとまずいと思いましたので、安全審査会の先生方、御都合のつく方お二人同行していただきまして、御一緒に検討願いました。帰りましてから、これは正式の委員会ではございませんが、非公式には、毎日この問題についてどういう対策をとったらいいかというふうな討議を進めてきておりましたので、われわれのできる限りの審議はしたというふうに私たちは感じております。
○近藤忠孝君 今回表明されました見解の第一項目、「一般排水路への放射能漏洩の原因及び経路は解明されたものと判断する。」、第二に、「周辺公衆への影響は、今後ともないものと判断する。」というんですが、確かに穴から排水路へ行くような調査をして、一つの原因は突きとめたと思うのです。しかし、またほかの原因もあるかもしれないのに、なぜこの一つだけに限定されて解明されたという判断をされたのか。 それからまた、周辺への影響も、やっぱり科学者の集まりであれば、もっともっと慎重であってしかるべきであったんじゃないかと、こう思うのですが、この点はいかがですか。
○説明員(御園生圭輔君) 通産の報告につきましても、放射能漏洩の方でございますが、そこだけが原因であったとは断言しておりません。ほかに可能性があることは必ずしも否定はしておりませんが、現場を見まして、それから水が出た量、それから回収された量、それから漏洩したと思われる量の推定、実験に伴った推定その他から判断いたしますと、誤差がもしあったといたしましても、大体これが主な経路であろうという点では、まあそう申してもいいんじゃないかというふうに私たちは受け取りました。 それから周辺に対する影響でございますが、御承知のように、通常時でも一般の放水路でなしに本当の放水路の場合でございますが、これからは希釈された許容量以下のものが放出されております。そういうものの従来の分布の状態、それから今度一般排水路から異常な放出があった、そういうものの分布の状態、過去の長い十年近くにわたります調査結果というものを総合評価いたしますというと、現在のものがこれから先、周りに影響を与えるようなことはないであろうという判断をしたわけでございます。
○近藤忠孝君 今回問題になりましたフィルタースラッジタンクの増設の問題ですね。これが廃棄物の第一回の増設であったわけです。先生の立場からごらんになって、いま仮に増設の申請があったとするならば、それの審査の一環として原子炉安全専門審査会ですか、そういうのがございますね、そこに諮問をして決める、そういうような対象でしょうか。
○説明員(御園生圭輔君) なかなかむずかしい御質問でございますが、いわゆる変更申請についての御質問かと思いますけれども、そういう従来なかったものがつくられるという場合には、ちょっと技術的なことで細かいことを申しますが、最初の設置許可の申請をいたしますときに、いわゆる本文記載事項と申しまして、申請書の本文に記載してあるようなことにつきましては、変更申請の場合に必ずダブルチェックをしなければいけないことになっております。そのダブルチェックをする場合に、新しいものがつくられるというような場合には、必ず審査会に一応審査をいたさせます、現在の体制でございますが。同じような申請が方々から出ておりまして二回、三回とそういう経験が積まれたという場合、それから設計内容等がほとんど変わらないというものについては、委員会単独で判断をする場合もございます。 したがいまして、現在の体制と当時の原電ができた時代の審査体制とは若干差があるかと思いますが、恐らく従来の設計と似たもの、同じものであるというよな場合には、現在でも委員会だけで決定する場合もあるということでございます。
○近藤忠孝君 しかし、今回の事故が起きた反省としますと、当時正式には原子炉安全専門審査会ですね、そこにかけて慎重に審査をしておいた方がよかったと、こういうことは言えるんじゃないでしょうか。
○説明員(御園生圭輔君) スラッジタンクの方は、御承知のようにすでにA、Bというのが設置許可のときに設置されておりまして、それが満員になったという関係でC、Dというものが増設された経緯があるようでございます。構造その他が完全に、完全という言葉は語弊がございますが、似たような機能を持ち、似たような構造を持っている場合には、必ずしも炉安審にかけなければいけない事項とは限らないと思うんです。 今回の事故の場合の一番問題点は、スラッジタンクの部屋がつくられたときにあるのではございませんで、むしろスラッジタンク室をつくりました後で、せきなんかのかさ上げをやったりしております。そういうふうな放射能の液体を漏らさないという思想が一方にあるときに、今度洗たく廃液の建物をつくりましたときに、あそこに俗称ネズミ穴という穴をつけまして、その穴をあけたということと、それからせきを設けるということとはフィロンフィーが建っておりまして、そういう点では、第一にそういう建物をつくることに責任を持たなければいけない原電の設計そのものにミスがあったというふうに私は考えております。
○近藤忠孝君 しかし、今回の場合にはフィルタースラッジタンク自身の機能の問題ですね。あふれた後またもとに戻ってきてしまうという、こういう問題とか、下に一般排水路があったとか、後で見てみたらこれは大変な欠陥が出たわけですね。 となりますと、法律的には必ずやらなきゃいかぬものかどうかは別として、科学者として見られまして、そういう審査をさらに専門的にやっておけばよかったということは言えるんじゃないでしょうか。
○説明員(御園生圭輔君) 御指摘の点、ちょっと違う意見を述べるようでまことに恐縮でございますが、フィルタースラッジタンクが満杯になると、それがドレンタンクに、ドレンタンクのAがいっぱいになるとBに、Bの方がいっぱいになるとオーバーフローする結果になります。そうすると、それがサンプピットに入るわけでございます。サンプピットに入った場合に、あるレベルになれば警報が鳴りましてモーターが回って、いま御指摘のとおりもとのところに戻すわけでございます。 今度の事故になりました直接の原因というのは、洗浄するときの弁を締め忘れたということでございますし、それからせっかくサンプピットのモーターが回り出したときに、運転員がこれを余り重要視していなかったということ。それからピットがハイハイの信号を出したときに、ニューラドの方の運転操作室に人がいなかったという、私はむしろそっちの運転管理、保安管理の方の抜けが非常に大きかったんだというふうに考えております。 機械の方としては一応二段、三段構えの安全がとられていた。いかに機械の方で安全をやりましても、これを守る方の側が抜けてしまったんでは、どんなにやっていてもこれはなかなか守れないということで、そういう点で、保安管理体制というところに、今度の事故の大きな特徴があろうかというふうに私は考えております。
○近藤忠孝君 その議論になりますと、結果的に同じタンクへまた何回も何回もきますから、水が出る分だけよけいあふれてしまう。別のタンクへ行かない仕組みになっておりまして、私はその辺は十分に審査の対象としてチェックしておくべきだったと、こう思うんです。 しかし時間の関係で次へ進みますが、これは科技庁になるのか通産省になるのか、担当どちらでも結構ですが、この第一回増設について「原子力委員会月報」によりますと、昭和四十五年十一月十二日、原子力委員会委員長から内閣総理大臣に対して、この設置変更についての件ですが、「標記に係る許可の申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第二十四条第一項各号に掲げる許可の基準に、適合しているものと認める。」ということで答申をしているわけですね。しかし、これをさらに見てみますと、諮問のあったのが四十五年十一月十二日、答申のあったのが同じく十二日、全然審査やっていないんですよ。いま御園生先生にお聞きしたとおり、原子炉安全専門審査会の審査が必要かどうかという問題がありますね。この場合には省略してしまって、もう即日答申を出してしまったんです。ということは、それを除いたこと自身問題もあると思うけれども、たった一日でこれだけ重要なものが審査できるのかどうか、この点どうなんですか。
○政府委員(赤羽信久君) 当時の運用につきまして、この日の審査事項が詳しくどうであったか必ずしも現在つまびらかでございませんが、一般的な運用から申し上げますと、諮問を原子力委員会が受けた場合に、原子炉安全専門審査会におろすか否か、これは原子力委員会がその場で判断して決めるということでございます。その場合に、ただいま御園生委員から話がありましたような現在と同じような考え方で、すでに前例があれば委員会限りあるいは軽微なもの、基本設計の考え方に重大な変更がないものを軽微なものと考えるわけでございましょうが、そういったものにつきましては、委員会限りで審査を終えるということも、当時ずいぶんあったわけでございます。 この場合の申請内容は基数の変更、すなわち貯蔵タンクを二基から四基にする。それに伴いまして貯蔵容量が二百六十立米から六百六十立米に変わる。これだけでございまして、また、このようなものにつきましてはむしろ実態的なものを見て調べた方がよいという判断で、具体的な事項は工事計画の認可段階で審査を行うと考えたものと思われます。そういうことでございますので、このような議論は一日の正式の会議で議論されて結論に至るということもあり得るかとも思われます。 ただし、形式的にそうでございましても、実際は非公式な会議もこれはしょっちゅう開いているわけでございまして、そこで下調べがされていたか否か、現在からではちょっと手繰りようがないのでございます。表にあらわれた形ですと、ただいま申し上げたようなことでございます。
○近藤忠孝君 この法律の二十四条は四項目あって、次の各号に適合しているときでなければ許可をしてはならないということで、一つは、平和目的の関係。もう一つは、その許可をすることによって原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。それから三番目は、その技術的能力。四番目には、原子炉施設の位置、構造及び設備が核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物または原子炉による災害の防止上支障がないものであること。いわばこれが実質的な中身なんですね。事前に打ち合わせがあったかどうかということですけれども、これは調べてみれば、会社から増設許可申請があったのが十月三十一日です。十日ばかりで、これは事務手続をやっていればすぐたってしまうわけです。だから事前の打ち合わせもくそもない。要するに、全然これは審査なしに、何も調べないで前と同じだ、本体と同じだということで許可をしてしまったということが、ここで明々白々じゃないでしょうか。こういう事実がある以上、いや実際こういう審査をしましたという反証が挙がって、これは当時原子力委員会になりますね、その責任において審査をしたということなんですが、全然やってないということがこの点で明らかです。反論ありますか。
○政府委員(赤羽信久君) 当時の事情が現在すべて残っているわけでございませんので、特に反論を申し上げるという証拠もないわけでございますが、この委員会月報を見ますと、当日の決定はこれ一件のようでございます。通常の場合、委員会は三、四時間にわたって行われます。そして、その議論をする前には事務局が下調べをしまして、十分な調査資料に基づいて説明して御判断をいただくというのが一般的運営でございます。そのことから考えまして、何もしなかったということにはならないんではないか、これも想像でございますけれども考えられるわけでございます。
○近藤忠孝君 もちろん敦賀原電の会社の責任が第一だと思うけれども、こういうほとんど審査なしに素通りしておったという、そのこと自身に対する私は行政の側の反省、これがあってしかるべきだと思いますし、そういう意味で、私はこの報告書の冒頭に書かれてしかるべきだと思うんです。そういう点で、これはひとつ大いなる反省を求めたいと思うんです。 こういう最初の審査からしてそうですから、私はその後の問題点、中身にわたってもずいぶんあると思うんです。時間の関係でどこまで指摘できるかわかりませんが、気のついたところから申しますと、三十七ページに、「サンプ水位高高の警報装置の作動を適切に監視できなかったこと」ということであります。それで、よく職場の状況を聞いてみますと、警報は鳴る仕組みにはなっておるんですが、警報が鳴るのがしょっちゅうだ、こういうことですね。だから、警報が鳴ったけれども切ってしまった。そして、このあふれたのがわからなかった。こういうことにつながってくると思うんです。その点はどうですか。
○説明員(末広恵雄君) 警報の件でございますが、サンプ水位高高の警報につきましては、これが作動いたしますと廃棄物処理新建屋の制御盤の警報表示灯が点滅いたしまして、それと同時に警報音が発生いたします。これはサンプ水位高高の警報だけではございませんで、ほかの警報もそういった表示と警報昔の二つから成っているわけでございますが、通常運転員はこういった事象を見つけますと、これにつきまして当直長に報告したり、あるいは所要の措置をとるために次に確認ボタンを押します。ここで確認ボタンを押しますと、警報音はとまるわけでございます。ただし、警報音はとまりますが、警報表示につきましては点滅しておりますのが点灯状態に変わりまして、引き続き警報としての機能は果たしているわけでございます。 こういった警報の点灯につきましては、異常が継続している限りにおきましては消すことはできません。その後、改善措置によりまして異常状態が消滅いたしますと、今度はこれを知らせる音が出まして運転員に知らせることになっています。それで、運転員がそれによりましてリセットボタンを押しますと、警報表示が消えるという仕組みになっているわけでございます。したがいまして、設備上は警報音につきましては、確認後に消すということができるようにはなっているわけでございますが、警報表示は直ちに消すということにはなっていないわけでございます。 ただ、原子力発電所はこういった警報システムをとっているわけでございますが、こういった警報の取り扱いにつきましては、警報のシステムというよりもむしろ指によりまして確認を励行する、いわゆる指呼確認ですね、指呼確認といったことをやるとか、あるいは警報の操作のやり方につきまして十分教育、訓練をいたしまして徹底するといった、そういったことによりまして、むしろ運転員のなれによるミスを排除するという方が必要なんじゃないかというふうに考えております。
○近藤忠孝君 この報告書の二十二ページによりますと、「表示灯がつくとともに警報が鳴ったものと考えられるが」云々とありますね。そして、その次のページによると、「A班運転員hもランプ表示、警報については記憶がないとしている。(本警報は確認のボタンを押さない限り鳴りやまない。)」となっている。となると、だれかが警報を鳴っているのをボタンを押して消したわけです。そしてこの事故になってしまったんですね。警報がありながら警報を役立てなかった、こういう事実があることはこれで明白なんです。問題は、よく職場の事情を聞いてみますと、むしろ警報鳴るのが常態化しているんだと、そういう事実あるんですか。
○説明員(末広恵雄君) 敦賀発電所におきまして警報がしょっちゅう鳴っていた、いわゆる常態化していたという事実につきましては確認しておりません。
○近藤忠孝君 これも私たちが調べた結果によりますと、警報にもいろいろあって、変化が起きた場合に警報が鳴るということだが、危険なものでなくとも鳴る警報もあるようですね。そういうものがあることは事実です。しかも、危険なやつも鳴っておるんだと思うんですが、しかし、中で働いている人々に言わせますと、むしろ警報が鳴っているということは、正常に動いていることだと言って安心しているというんです。ここが問題なんです。だから、エネルギー庁の報告にあるとおり、消しちゃうわけですね。それで、知らぬ顔していると大問題が起きるんです。 一つは、それほどいつも警報が鳴っておるという証言と同時に、もう一つ大事なことは、危険な警報とそうでない普通の変化を示す警報、もっとも変化が変化を生んで危険になってくるんだと思うんですけれども、そういうものが混然としているという実態、だから警報が鳴ってもみんなびっくりしないということが、今回の事故の一つの大きな原因であろうと思うんです。だから、警報が警報でなくなっているというんですが、その点についてはここで指摘ないんですね。これは私一つ報告書の落ちている点だと思うんですが、そういう点については、今後の改善問題としてどうするつもりですか。
○説明員(平田辰一郎君) この報告書の三十九ページの2のところが制御機能の問題でございますが、今後、先生御指摘の制御機能のより一層の向上対策についても、あわせて検討するようにすでに指示したところでございます。
○近藤忠孝君 それから、次にそのすぐ下のところに、「運転員が洗浄系弁の開閉表示装置の異常を発見しながら直ちに当直長に報告しなかった」というんですが、私は、これは単に担当職員のミスの問題ではなくて、あそこの制御室自身の設備の問題があると思うんです。 それで、通産省もずいぶん調査に入っておったんだから目についたと思いますけれども、現場に行ってみますと、ちょうどこれを管理する機器のところに、フラッシングストップ、三分ではなく五分でやれと、要するに必ず締めることを忘れるなということのようですね。そしていままでは三分でよかったけれども、一定の時期から五分かけてやれということは、その機器が壊れておった証拠じゃないですか。正確に作動しないから、そういう申し送り事項があって、ちゃんと紙張ってありましたよ。その紙が張ってあったものは見ていますか。
○説明員(平田辰一郎君) 立入調査に行った者たちがその紙を見ております。 それから、三分と五分の問題でございますが、これにつきましては、三分では十分移送後残ったパイプ内のスラッジが取り切れないので五分に改めたと、過去において改めたというふうに聞いております。
○近藤忠孝君 この報告書でも、制御室の機能をこれから十分やれということが指摘されておるんですが、今回の事故についてはそれが十分機能してなかったし、また、同じ関係の機器がこちらの右端の方にあったり、左端の方にあったり、大変不便なもので、十分に機能を発揮しないと、こういう結果があったことは事実ではないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘のとおりでございます。
○近藤忠孝君 それから三十七ページの下の方に、「重要な警報装置の取り外しに際し」違反があったということですが、この「重要な警報装置」というのは、どこの部分ですか。
○説明員(平田辰一郎君) 五十六ページにサンプ水位高高の警報についての図が書いてございますが、この取り外された警報は、新廃棄物処理制御室から原子炉建屋内にある中央制御室に至る廃棄物処理系の、私どもは一括警報と呼んでおりますが、一括警報でありまして、これが五十四年六月に取り外されていたことが判明したわけでございます。これが仮についているといたしますと、仮にサンプ水位が高高位になりますと、サンプ水位高高の信号が廃棄物処理新建屋内の制御室にもたらされます。そして、先ほど先生御指摘のように、警報が鳴りランプが点滅するわけでございます。そのような状態になりますと、サンプ水位高高信号が働いたという情報はもたらせませんが、何らかの信号が発生したということが中央制御室にもたらされることによりまして、何らかのトラブルが廃棄物処理系の中で起こっているということが中央制御室にもたらされるわけでございます。 したがって、これをフローチャートの中に、運転員が鳴っていたかどうかわからなかったとか、いろいろ記述がございますが、仮にそのようなことがございましても、中央制御室のランプの点滅、警報が鳴るということによりまして、中央制御室のたくさんの運転員が、この問題を確認することが可能になっているわけでございますが、今回の場合、残念ながら五十四年六月に、その警報装置の回路が取り外されていたということが、今回の立入調査で判明しているわけでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、今回の事故と重大なかかわりがあるわけですが、これは外してはならない警報装置だったわけですか。
○説明員(平田辰一郎君) この点につきましては、これがないと中央制御室でもってそういうことを把握できないという問題になりますから、取り外してないことが望ましいと考えます。
○近藤忠孝君 ですから、この場合にはなけりゃならない警報器は外してしまう、現にある警報器は鳴っても切ってしまうということで、この場合には警報が本当に警報としての機能を発揮してなかったということを指摘せざるを得ないわけで、こういう問題はここの発電所だけじゃなくて、ほかにもあるんじゃないかと思うんです。これ全体に対する指導として、そういう措置をとるべきだと思いますがどうですか。
○説明員(平田辰一郎君) この報告書の四十ページに、「他の電気事業者に対する周知徹底及び指導」というのがございますが、この報告のとおり昨日各電力会社、原電以外の各社についてもこの報告書を手渡すとともに、この報告書の趣旨をよく体して、今回の一連の事故の原因等について十分理解して、それぞれの保安管理体制に遺漏がないように、十分チェックするようにすでに指示したところでございます。
○近藤忠孝君 それから、さらに具体的な日本原電に対する措置の指示として、「旧廃棄物処理施設の改造の指示」という中で、洗たく廃液ろ過装置室を撤去しろという指示で、これは適切なる指示だと思うんです。問題はこれを撤去した後のフィルタースラッジタンク室ですね、その建物、ここに影響がないかどうか。もちろん穴は埋めるんでしょうけれども、あそこに大きな出入り口をつくってしまったですね。恐らくこれは、この洗たく室をつくるときに、そこへの通路として厚い壁をくり抜いて、割ってつくったものだと思うんです。そうしますと、今度この洗たく場を撤去してしまうと、直接外へつながっていくわけです。そうすると、今度は建物の構造上大変心配が出てくるんですが、その点についての特別の指摘はないようです、これは大丈夫なんですか。
○説明員(逢坂国一君) 敦賀の改造計画につきましては、私ども項目について指摘したところでございますが、具体的な工事につきましては、これから原電の方でつくりまして、その中身についてこちらに提出があるものというふうに思っております。ですから、先生御指摘のような問題につきましては十分注意いたしまして、私ども指導したいというふうに思っております。
○近藤忠孝君 それは今後の問題として十分な監督を要望します。 それから同じところで、「フィルタースラッジ貯蔵タンク室の押込管路を閉そくするとともに、それまでの間、同タンクへの新たな移送を行わないよう指示する」というんで、これも当然のことですが、問題はこのタンク、先ほど来問題にしているとおり、これは欠陥タンクだと思うんですよ。このタンクをどうすると、こういう指示は全然ないようで、私はこの報告書並びに指示の重大な欠点だと思うんですが、これはどうするつもりですか。
○説明員(逢坂国一君) 今回の事故につきましての原因があるわけでございますが、その原因の主なものを設備上のものに限ってみますと、一つはタンクの移送関係の監視制御関係の問題、これは先ほど来先生が御指摘のところでございます。それからもう一つは、スラッジタンク室の床及び壁、せきまで含めたところの問題、それから三つ目は、隣に移った後、漏れた後で一般排水路に流れたと、一般排水路の問題、この三つにすることが大体できると思います、そういうことから考えますと、このタンク室のタンク設備そのものは、私どもは別に問題があったというふうには考えておりません。 ただ、制御監視装置につきましては問題があるというふうに考えておりまして、それでこの2で書いてございます「廃棄物処理施設の制御機能」というこのところで問題の解決に当たりたいというふうに思っております。
○近藤忠孝君 この2のところというのは、制御室を全部新建屋の方に集中をして、ここを充実しようということでこれは大変結構なことですね。 ただ問題は、たしかタンクそのもの、タンクの部分そのものの欠陥ではないけれども、そのタンクが有効に機能するためのいわば附属設備でしょうね。それが設計上十分な機能を発揮しないということ、再三これは指摘した点ですね。要するに何回も繰り返しますけれども、結局はあふれたってもとのところに戻ってしまうわけですから、それを改善するということは、私は根本的なことだと思うんです。そういうことは今回するんですか、しないんですか。
○説明員(平田辰一郎君) 先生の御指摘の点につきましては、この報告書のいまの2のところの「制御機能のより一層の向上対策についてもあわせて検討するよう指示する。」で読むわけでございます。
○近藤忠孝君 じゃ、ここに含まれているということで、ひとつ今後一層の向上対策を要望したいと思います。 それからもう一つ、これは被曝の問題ですが、あそこの中へ入ると大変厳重なチェックがありますね。そのときにいろいろ線量計などを持って、自分でのぞいて記録していくわけです。ただいろいろ調査してみますと、どうもその記録が正確にとどめられないんじゃないか、あるいは改ざんされるんじゃないか。だから会社にある記録だけでは被曝の状況はわからない。中川大臣は口ぐせのように大した量じゃないとおっしゃるけれども、それは数字上そうなっているんで、実際の被曝はもっと多いんだということを指摘する向きが大変多いんです。その点はどう認識していますか。
○説明員(平田辰一郎君) 放射線作業従事者につきましては、電力会社が原子炉等規制法に基づきまして、雇用主が労働安全衛生法に基づき、それぞれ十分な放射線被曝管理を行っているところでございます。具体的には、電気事業者は保安規定により管理区域への出入り管理、被曝管理台帳の整備等の措置を講じております。それから労働者の被曝を一元的に登録管理するために、昭和五十二年には放射線従事者中央登録センターが発足しております。 当省といたしましては、被曝管理の重要性にかんがみ、一層管理の徹底について電気事業者を指導しているところでございまして、要すれば非常に進んだ会社におきましては、ポケット線量計からTLDに、熱螢光線量計にすでに改善しておりまして、この場合にはコンピューターで記録処理がなされますので、先生御指摘の改ざんの点についても十分対処できるというふうに考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 そういう改善の一つとして、これは最も初歩的なことですが、入っていくときには鉛筆で記入しますね。鉛筆なんです。あれをボールペンなり絶対消えない、跡のつくそういうものにかえるように指示をすること、これは大切なことじゃないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) この点については先生の御指摘のとおりだと思いますので、十分そのような方向で検討してまいりたいと思います。
○近藤忠孝君 これは私の経験では敦賀だけじゃなくて全体的にそうのようですから、この機会に全発電所に対して記録は絶対消えない方法でやると、消しゴムで消えるようなことはだめだということを強くやってほしいと思うんですが、どうですか。
○説明員(平田辰一郎君) まず全発電所の実態を十分調べまして、先生の御指示に沿うように努力したいと考えております。
○近藤忠孝君 それから一番基本的なことに戻りますが、この報告書の冒頭の方で、原子炉本体の安全審査を変えなきゃならないほどの問題ではないということで、これは基本的な炉の設計を変えなきゃならないほどの問題ではないということですが、これは衆議院でもわが党の瀬崎議員から指摘されているとおり、日本原電自身が当初の段階で炉そのものの十分安全性はしっかりいくと、ただむしろ廃棄物の方がまだまだ解明も不十分で問題があるという指摘をしていますね。そういう文書もあるし、当然読んでいると思うんです、むしろ日本原電自身がそういうことを知っておった。当然通産省もあるいは科学技術庁もそういうことは知っておったと思うのですが、となれば、私は、こういう本体の安全審査を変えなきゃならないほどのものでもないから大丈夫だという認識が、むしろ問題ではないか。基本的には、もっともっと大問題、廃棄物処理そのものが大問題だという認識が私は必要だと思うのです。そういう点では大事な点を落としているんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○説明員(逢坂国一君) 先生御指摘の点につきましては、午前の審議の中で私どもの審議官がお答えしたとおりでございます。 この内容といたしまして答えましたことは、まず原子炉本体の基本的な安全設計思想、こういうものを変更しなきゃならないというものではなかっだということが一点でございます。これは多重防護という物の考え方、原子炉本体には非常に厳しく適用しておりますし、その辺の問題があったということではない。それから廃棄物処理施設は、潜在的危険性の度合いといいますか、内蔵放射能の量から言いましても、かなり低いということはよくわかっているところであります。 それともう一点は、今回の問題は廃棄物処理設備そのものの問題というよりも、むしろそれの周辺の問題、一般排水路の問題でありますとか、それを納めてあります壁、せき、そういうような問題が、設備上の問題であるというふうなお話をしたわけでございます。 それと次の点は、今回の事故は原子力発電所の保安管理体制の重要性といいますか、充実強化の必要性を認識させたということでありますが、この対策を十分にとることによって、保安体制を十分直すことによって、今後の安全確保というものは図れる、図れる見通しがあるという趣旨でございます。 以上でございます。
○近藤忠孝君 時間が来ましたんで、最後に他の委員も触れましたなぜ告発しないのかという問題と、なぜ聴聞会を見落としておったのかという問題ですね。私これはやっぱり大事な問題だと思うのです。告発しない理由としては、原電に対して厳しくいろいろなことを要求しつつ実現させることが大事だと言うんですが、私は原電が再槻可能かどうか、それ自身が問題だと思うのですよ。 通産省の気持ちの中には、告発してしまうと相手も開き直ってしまって、なかなか思うように言うことを聞いてくれないというような気持ちもどこかにあるかと思うのですが、私はそれでは逆になめられると思うのです。結局通産省、何だかんと言いながらも、原電に対してやっぱり認めていくんだなという気持ちですね。問題は刑事告発も行う、それほどこれは大問題なんだ、そんな再開が可能かどうかさえ問題くらいの大問題だという姿勢を厳しく示すことが、私は必要ではないかというのが第一点です。 それから聴聞会を見落としたのは、小さな法律上のミスという見方もあるかもしれませんが、大体原発の事故というのは小さなミスの積み重ねです。これは技術的な問題あるいは管理上の問題も含めてですが、私は今回これ見落としたことの中にも、通産省の原発行政に対する態度が象徴的に出ておったんじゃないかと。だから、どこでこんなことずっと見落としてきたのか、その原因はどこにあるのか、そのことをやはりここで解明をして、こういったことをなくしていくということにしなきゃいかぬと思うのですが、そこを具体的にお答えをいただきたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほど逢坂がお答え申し上げましたように、今回の事故は幸いにも事故による周辺環境に対する特段の影響は存在しないことはすでに確認されているところでございまして、むしろ今回の事故に関する最大の問題点は、原子力発電のきわめてずさんな保安管理体制及びこれに起因する事故対応に誤りがあったことにあると考えているわけでございます。したがいまして、先生御指摘のようなやり方よりも、むしろ保安管理体制を根本から改めさせるということに最大限の努力を払わなきゃならないものと考えたわけでございます。 それから聴聞のことでございますが、聴聞につきましては、聴聞を行わずに仮に停止命令をかけてしまえば、これは先生御指摘のとおりミスでございます。しかしながら、先生御承知のように、私どもの最終チェックシステムが正確に働きまして、命令を出す前に聴聞会を開くという措置が十分とれるようなことになったわけでございまして、確かに先生御指摘のように、非常に際どいところではございましたけれども、その点につきましては辛くも法律に照らして正しい対処ができるようになったわけでございます。
○近藤忠孝君 最終チェック機能が出てきたから一言申しますと、いわば野球で言えば滑り込みアウトかセーフかわからないというような、そういう際どい状況で辛うじてセーフになったんだと思うんです。こんな大事な問題が、そんなアウトかセーフかというような際どいところじゃ、やっぱりいかぬと思うんです。これは当然わかっておるはずのことがわかってなかったと、課長もわからなかった、その他も全部わからなかった、だから普段勉強してなかったんじゃないかと思うんです。その点はお認めになりますか。
○説明員(平田辰一郎君) 知らなかった、勉強してなかったということではなくて、私どもこの命令ということの手続を順次法律を照らしてとっていくわけでございますが、その中でこれについて聴聞を開く必要があるということを認識して、聴聞を開くようにしたということでございます。
○近藤忠孝君 ふだんは認識なかったということの自白でもありますが、これで終わります。
○小西博行君 私も敦賀の問題について何点か質問させていただきたいと思います。敦賀の問題は先ほどから各委員からかなり個々の設備についての質問がございましたので、余り細かい問題については触れません。 その前に長官にちょっとお尋ねしたいわけでありますが、けさのサンケイ新聞で私は拝見したわけですが、例の「むつ」の問題です。あの問題につきましてはわが党、もちろん私もこの間の法案については賛成いたしまして、できるだけ早く修理をして次の対策をということで、法案通過ということでいま修理しているところでございます。そういう意味で大変私は期待しておりました。同時に長官に対しても、何とかこの納期までに、つまり十月十五日までに修理をしてと、できるだけ努力してその意に沿いたいというようなお言葉もいただいたと思いますけれども、けさの新聞見てみますと、一年間修理が延びるという新聞報道でございましたけれども、しかも、それを佐世保に対して申し入れると、こういう実は報道があったわけですが、それは事実でございましょうか。
○国務大臣(中川一郎君) けさ私も新聞見ましたが、まだそういうことを決めておりません。いまのところは新母港決定と、一方佐世保との約束もございますので、長崎県当局はもちろんですが、鋭意そちらをやっておりまして、それの見通しを得た段階、もう二十四日、あさってには見通しを得られる予定でございます。その段階でどうなるか検討した上で長崎側と話したいと、こういうことでございまして、一年間延びることに決定をしてお願いをするという段階ではございません。
○小西博行君 できるだけ早く対処していただきたいと思います。むしろ何か延びたことをかえって喜んでおられるのかなという感じも実はしていたんですけれども、つまり次の母港がなかなか決定されないでしょうし、早く修理が終わっても持っていくところにずいぶん困るんじゃないか、そういう心配を私ちょうどしておるときにけさ新聞でちょっと見たものですから、心配になって御質問させていただいたわけです。 それからもう一点、これ敦賀とは全然関係ございませんけれども、実はこの間、内閣委員会で筑波にございます農林関係の研究所へ行ってまいりました。そういたしますと、私も実はびっくりしたんですけれども、理化学研究所でいろいろ研究やっておられますですね。遺伝子の組みかえあるいはインターフェロン、全く同じことをやっておられたですね、研究所で。私いつも大臣にも申し上げておるわけですが、これは研究の領域が違えばまた別だと思います。そして、同じ研究の領域であっても深さとかいう問題もございますから、そういう場合には、私は別に構わないと思うんですけれども、どうも説明の内容が理化学研究所でやっておられることとまさに同一、しかも、同レベルのような内容を詳しく説明をわれわれたまたま受けまして、あれは一体どうしたんだろうかなという感じを実は持って帰ったわけです。 そういう意味で科学技術の分野、この委員会では主に原子力関係、しかも安全ということばっかりの討議になっておりまして、それは本意ではないというふうに私自身は考えておりますけれども、特にそういう科学技術、しかも、人間の生命に関するような非常に重要な研究をやっておられる理化学研究所にいたしましても、農林関係の研究所にいたしましても、これを一度、そういう研究部門の調査を科学技術の分野でしていただきまして、むしろその辺をうまく有機的にやっていただいた方が研究開発には非常に効果的ではないかなと、そういうふうに実は考えたわけです。私個人が一々行って調べるということはなかなかできないものですから、実はそういう科学技術の中で、その領域を一遍整理していただきたいというように考えるんですが、返事あるいは決意はどうでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの問題ちょっと補足しますと、決して工期を延ばすとかいう問題が政治的に扱われるものではなくて、純技術的に、修理の全きを期すためにはどうかという判断だけでございます。何分にも一年半、私が就任してから着工、改修の工事ですね、そういうことでございますので、純技術的に判断をして対処していきたい、こう思っております。 それから御指摘の試験研究のダブりについてでございますが、これもいろいろ御批判のあるところでございまして、科学技術庁はそういったことの総合調整をやる官庁であるというところから、科学技術庁の機能を強化すべし、こういう意見もございます。そして、全体として調和のとれた研究をやるべきだ、こういう意見もございますが、一方基礎研究になりますと、あながち一カ所だけに集中するということが妥当かどうか、基礎的な分野においては、同じようであっても別々にやることによってどちらかが成功するという場合もありますし、あながち統一して重複した試験研究はあってはならぬという物差しはないかとは思いますが、そういったダブりについて節約できるというか整合性を持たせる、こういう必要があろうかと存じますので、その点については配慮して、これからの課題として取り組んでいきたい、こう思っております。
○小西博行君 私も必ず二つあるから全然効果的でないというような表現じゃなくて、もう少し内容的な検討をされて、私は一つに統合すべきものはした方がいいんじゃないか。 と申しますのは、ずいぶん前でございましたけれども、やはり理化学研究所の中の腸内菌の研究開発をやっている先生がいらっしゃいますけれども、この方にお聞きしたんですけれども、いまは世界でトップクラスの研究をやっている、しかしいまの予算の都合で、どうしても一つの研究をもう一つ先へ進めてやろうと思うときに、大変たくさんの金がかかってしまう。それが全体の予算で抑えられるものだから、どうしても三年間でワンセットということになって、その分だけ研究がおくれてしまうんだと、そういうような話を聞いたものですから、もしそれが共同で使えるという形にすれば、もっと研究は進むのではないか。われわれ政治家の段階で、内容を余りわからぬのに二つを一つにしなさいと言うのは、これは全く無暴でございますし、いま長官が言われたように、確かに二つあった方がいいと、これはよく調べた上での検討をひとつしていただきたいというふうに考えます。 さて、それでは敦賀の問題に少し入っていきたいと思うんですが、この報告書をきょういただきまして、もっともっと検討させていただかなくてはならないわけでございますけれども、ここにたくさんの条件といいますか、整備すべき問題点が掲げられております。 そこで、まず第一点なんですけれども、今度の事故あるいは故障、こういうものの一連の責任というのは、これは原電の敦賀の発電所といいますか、ここにすべての原因がある、責任がある、このように理解してよろしいんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) おおむねそのとおりだと思います。
○小西博行君 ではほかの省庁、たとえば科学技術庁あるいは通産あるいは地方の自治体、こういう各省庁の関係というのは、全く責任がないというふうに断言していらっしゃるんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 主要な原因がどこにあるかという点で申し上げたわけでございまして、もちろん先生の御指摘のように、当庁、通産省含めまして十分その責任は痛感しているところでございます。
○小西博行君 実は原子力という問題は、特別にいろいろ国民の関心を呼ぶところだと思うんですけれども、たとえば例題を出してみたいと思うんですが、一般の会社、これは飛行機をつくっている会社もございますし、あるいは製鉄会社もあるし、あるいはボルトナットをつくるような会社もあると思います。そういう各企業の中では、JIS規格というのがございますね、工業規格。このJISの認定を受けると、それがマークに入り、一般の市場に出すときに、この品物は大変りっぱであるというような保証のマーク、JISマークというのが入るわけですね。 そういう場合に通産のいわゆる監査といいますか、通産が入り込んでいって監査するということもございますね、ときどきチェックすると。そういうマークをもらっている会社というのは、一年に一回必ず管理図をもってこのようにりっぱな製品をつくっておりますというものを報告しておりますね。そういう意味でいきますと、私ちょっとよくわからないんですが、たとえば、飛行機をつくるという非常に人命にかかわるような大変なものをつくっている、そういうものに対する管理体制というものは、相当厳しいものが要求されるんではないだろうかなあと思うんです。それから製鉄会社で、たとえば鉄板なんかの厚さとか、あるいは亜鉛ののりぐあいだとかいうものをやっぱり規格で決めておりますね。これとは大分検査基準といいますか、厳しさが違うんでないだろうか。 そういう面でいきますと、この原子力発電所という問題に対しては、大変これは厳しく管理しなければいけない、このように私は考えておるわけです。そういう意味で、一般の会社のそういうチェック機能と、それから今度の原子力発電所、敦賀ということを焦点合わしても結構ですが、そういうものとのチェックの仕方というんでしょうか、その辺に対する認識について、通産省の方にちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘のJISにつきましては、工業標準化法という法律に基づいて行っているわけでございますが、この場合は主として一般の製品が対象でございます。もちろん原子力発電所で使うパルプ等の機器につきましても、JISの指定を受けているものもございます。しかしながら、こういう一般の製品にかけられています工業標準化法のほかに、原子炉等規制法、電気事業法に基づきまして、設計の段階から運転管理に至るまで一貫しまして、厳しい特別の規制がかけられているわけでございます。
○小西博行君 今度の事故をずっと調べてみますと、たとえばパイピングの溶接個所の割れであるとか、あるいはスラッジタンクの壁面に穴があいたとか、そういうような比較的想定のつく部位といいますか、そういうところのわりあい故障といいますか、事故が多いような感じがするんです。そういった意味では、そういう設備がもう安全であるということであるなら、通産省が入り込んでいって検査しなくていいはずなんですね。いわゆる検査専門官というのを入れているということは、相当不良品が出る可能性がある。つまり事故が出そうだから、そういうところへ専門官をわざわざ入れて、その監視をしていただくと、こうこういうかっこうになっていると思うんですが、その認識は間違いないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 保安につきましては、事故が起こりやすいから検査をするのではなくて、事故を未然に防止すると、事故が起こらないようにするために検査をしているわけでございます。
○小西博行君 それはよくわかるんですけれども、それなら今回の事故の場合に、専門官の職務分担といいましょうか、仕事の範囲、何をやったらいいかというようなことが余り明確にされてなかったために、専門官が知らないうちに実際に事故が起きてしまったというような、そういうような不都合が起きたんでしょうか。
○説明員(末広恵雄君) 先生御指摘の運転管理専門官でございますが、この運転管理専門官制度につきましては、昨年発足いたしまして約一年を経過しているわけでございますが、今回の事故につきましては、専門官の業務態様とは直接的には関連してないとわれわれは考えております。 ただ今回、敦賀におきましてこういった事態が起きましたので、今回の事故を十分分析いたしまして、この教訓を踏まえまして、専門官業務のあり方ということにつきまして検討を進めていくことにしております。
○小西博行君 最初の発電所を建設する場合の許認可というのは大変複雑で、しかも厳しいものだというふうに私も理解しているわけなんです。 そこで、実際問題どうなんでしょうか。いろいろ通産省が管理されておりまして、現在の原子力発電所二十二基ということが実はあるわけでありますが、その中でABCというランクですね、つまり管理体制がいい悪いといいますか、そういうもので大体ランク分けというのはできるもんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 今回敦賀発電所におきまして給水加熱器、それから放射能漏れ等のトラブル、それからけさほど私が申し上げましたように、まだ解明されてない幾つかの事故が判明いたしまして、これからいたしますと、二十二基のうち他の二十一基はともかく、敦賀発電所についてはAクラスとは申し上げにくい状況だと思います。
○小西博行君 その辺がどうも私もわかりにくいんですけれども、この原電敦賀というのは大変古い発電所でありますし、大変パイオニア精神といいますか、日本の原子力発電の中では、トップクラスでスタートしたというように聞いているわけなんです。そのことが、一般の発電所の大変いい教本になったというように理解を実はしておったわけなんですね。そういうことで管理体制、保安管理だけじゃ実はないんではないか。保安管理体制がうまくいってないのに、経営システム的にうまくいっているということは、まずないというように私は考えておるんです。 そういうことを考えてみますと、いわゆる技術者といいますか、専門官は非常にすぐれた人がいたんじゃないか。現在もいるんではないか。それから一般の作業者の方に対する訓練というのは、ややなおざりの感があったんではないか。一番悪いのは、管理の中心にあります中堅の管理者の本来の業務というものが、案外明確に設計されていなかったんではないだろうかな、そのように私なりに考えるわけなんですが、その点に対してはどういうお考え持っておられますでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 報告書の四十ページに、「保安管理体制の抜本的改善の指導」というところに、その旨は詳細に分析しておりますが、今回の一連の事故は、いずれも原子力発電会社全体の保安管理体制がきわめて不十分であったことから生じたものと考えております。「具体的には、今回の事故が運転管理上のミスによるところが大きかったという事情を踏まえ、教育、訓練の強化等を通じ、管理者を含む職員全体の意識の向上、とくに運転員の資質、技能、意識の向上を図るとともに、発電所内及び本社発電所間の情報処理体制の整備や発電所内における保安監査機能の強化等、会社全体の保安管理の徹底を図る必要があると考えており、これらの諸点を中心に見直しを求めていくことと」しております。
○小西博行君 ですから平田課長、そのことは私結構だと思うんです。そういうように本来あるべきじゃないかというように私も考えます。教育訓練というのは絶対大事だと思っておるんです。ところが、どうなんでしょうか、六カ月一応ストップしてそして再開されるわけですが、この六カ月の間に、こういう訓練体制あるいは保安は絶対大丈夫だというようなシステムをつくって、それを十分機能するだけのそれぞれの作業員、あるいは監督者の教育という問題が残っておるわけですね。あるいは人材をよそからすぐに持ってくるということは、恐らく不可能ではないかと思いますので、現在ある能力でベストを尽くしてすばらしい管理体制、保安体制、これができるんじゃないかという私は見通しじゃないかと思うんですけれども、現実問題は大変乱はむずかしいと思うんですが、どうなんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) すでに会長、社長が退任し、新しい会長、社長になり、新しい副社長がほかの会社から来るということがすでに発表されております。それから、一番発電管理のポイントになります本社の発電管理部長でございますが、これも先日更迭されまして、新しい発電管理部長が別の会社から入ってきております。このようにトップマネージメントから末端に至るまで、人事の刷新あるいは教育訓練の早急な強化ということが必要と考えておりまして、この点につきましては抜本的改善を早急に行うよう強く指導していく所存でございます。
○小西博行君 全く結構だと思いますが、これは長官、どうなんでしょうか。もちろんトップの人事はかわったと思いますが、トップの人事がかわったらすぐ六カ月ぐらいでそういう体制が本当に組めるんだろうかということは、実は私心配するんです。さっき通産に御質問申し上げた中で、それだけ非常に重要なものをつくっているという、しかも危険性がある、しかも一般の世間にとっては大変ニュースバリューの大きいような問題だけに、通産なりあるいは科学技術庁あたりが相当協力して、その体制をうまくつくれるまで指導していかなければ、なかなかすぐにはという感じが私はするんですけれども、長官どういうようにお考えでしょう。
○国務大臣(中川一郎君) この問題は通産省が責任を持って監督し、また指導していく立場にございますので、私の方は関与すべき立場にございません。ただ、私ども横から聞いておった感じでは、技術屋としては非常に優秀である、それだけに管理部門については手薄であった、あるいはなれがあったというようなことで、そうむずかしいことでない初歩的なミスの重なりである、こういうふうに聞いておりまして、新陣容によって管理部門の重要性ということを認識し、特にこれだけ世間を騒がせたことですから、心構えも変われば、また通産省も十分指導していけば、半年の期間にはしっかりした体制ができるんではなかろうかと、こういう感じを持っておりますが、私はこれにとやかく言う立場にはございません。
○小西博行君 昔は科学技術の方で、かなりそういうチェック機関があったわけですね。通産の立場というのはどちらかといいますと、できるだけ稼働率を上げていただいて、そしてどんどん有効な電力を発生してもらう、これが言うなら指導の本来の私は対象だというふうに考えておるんです。 そういう意味では、特に今回の場合は、恐らく通産だけで十分できればいいんですけれども、なかなかむずかしいんではないだろうかなあと。恐らく六カ月ストップして、次の再開になって別に問題がなければ、これはよかったということになると思うんですけれども、もしまた非常に初歩的な、さっきの管理体制といいますか、そういうもので問題が出ますと、これまた大変なことになってしまうんじゃないかという感じがいたしますので、私は各省庁の間の関係というのはよくわかりませんけれども、国の行政の方からいろんな指導体制だけはとってあげなくては、ちょっとむずかしいんではないだろうかなあと。 本来私の考え方というのは、もちろん国がいろいろ行って検査をいっぱいやれば、絶対大丈夫だという物の考え方というのは、逆だというように考えているんです。できればノー検査で、自主管理をやっていただくというのが、これは本質だと思うんですね。ところが、現実論としてはいろいろ問題があって、そして中に迷いがある。たとえば、ちょっとした漏れがあっても、それに対する対策というのは、ちゃんとシステム的に報告制度が行き渡り、それからトップからこういう指示が来て、そしてこういうアクションをとっていくという体制が十分できてないわけなんですね。その辺がわずかの期間の間にぴちっとできればいいんですけれども、私は一番おくれるのは人間じゃないかというように考えているんです、設備だけは新しく、今度建屋も一つつくるということですから、その辺は問題にしてないんです。むしろそれを扱っていく人間の方に大きなウエートを置いて考えていかなくては、同じような問題が出てくるのではないかということで、あえてちょっとくどくこの問題を取り上げて話しているわけなんです。 そういう意味で、これは平田課長に決断を急げというようなことも、ちょっと無理だと思いますけれども、その辺のところをよく通産の中で一遍審議していただきたいと思うんです。何も一名だけをつけるというように限定しなくたって構わないじゃないかという気が実はしておるんです。いろんなサポートの仕方もあると思いますけれども、その辺をひとつ確認していただけますでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 原子力安全委員会が十八日に出しました今回の件に関します見解の中でも、非常に重要な点といたしまして、「原子力の安全確保の第一義的責任は事業者にある。事業者におけるこのような責任の自覚を前提として、規制行政庁」、具体的には私どもエネルギー庁でございますが、「と事業者との間に信頼関係が保たれて、初めて安全確保が確立されるものである。今回、このような信頼関係が覆えされるような事態が発生したことは、誠に遺憾である。日本原子力発電株式会社においては、今回の事故を厳しく反省して、経営責任者を始め全ての関係者が、安全確保に関する責任を十分に自覚し、安全管理体制の抜本的改善を図るとともに、この信頼関係を回復するよう最大限の努力をすべきである。」「規制行政庁は、今回の事故の教訓を踏まえ、これまでの安全規制行政に関し、十分な反省にたち、」「安全規制行政強化等の対応策の具体化及び事業者に対する指導、監督について万全を期すべきである。」というふうに見解を述べられておりますが、まさにこれは先生がいま御指摘されたとおりでございまして、私どももその点を十分肝に銘じて、今後行政に当たりたいと思っております。
○小西博行君 通産と実際の原電との組織の対応の仕方ですね、いろんな設備についてはこうやるということがいま報告の中にちゃんとあるわけですけれども、中のソフト的な、つまりシステム的なそういう改善というものは、国と原電の中での対応の仕方というんでしょうか、こういうものは通産も一緒に参考までにいろいろ意見を出すという機会はございますか。
○説明員(平田辰一郎君) 設置許可のときに、技術的管理能力というのは十分審査いたしますし、それから、運転に際しましても保安規定の認可ということによりまして、保安管理体制全般に関しまして指導できるようになっておりまして、そういう個別の認可等の行為のみならず、私どもが監督している事業者でございますから、日々行政指導によりまして保安管理体制全体に対して十分チェックでき、また指導もできるような体制になっているというように考えております。
○小西博行君 その辺のところをよく指導してあげていただきたいと思うのと、あとは訓練だと思うんですね、つまり、いろんな現象が起きたときにどういうふうに早く対応していくかという。なかなか組織だけは、私自身いろんな企業を診断指導をしてシステムを組んでも、それが有効に機能するというのは、やっぱり二、三年かかるのが実は現実なんですね。そういう意味で、恐らく長い間、十二年ですか、やってきた発電所だけに、従来のいろんな形にもうでき上がってしまっている部分があると思うんです。したがって、その中に、だれかがやっぱりそれは間違っていますよ、こういうふうにしなさいと言うような一つのスタイルをしばらく指導してあげることが非常に大事じゃないかなと、このように私は考えるわけです。ですから、一つのあれができたら、もうそれでうまくいくんだというんじゃなくて、むしろ不良品を出す可能性のある会社なんですから、チェックを十分にやっぱりしていただきたい、その点をひとつお願いしたいと思います。 それから、時間がちょっとなくなりましたが、四十三ページのところに、先ほど説明をいただきました一番の「技術基準の整備充実」という問題があります。この問題についてもう少し詳しく御説明願えませんでしょうか。「液体状の放射性廃棄物の漏洩の早期発見」ということを書いてあります。具体的にどういうことなのか。
○説明員(逢坂国一君) 今回の主に漏洩事故に関連いたしますことで、技術基準の整備を図りたいというふうに考えております回 それで、「液体状の放射性廃棄物の漏洩の早期発見」ということは、計器関係を充実させたい。漏洩したときの検出をできるようにしたい。警報ももちろんいまあるわけですが、その辺のことも考えまして、検出器の設置ということを考えております。 それから、漏洩拡大の防止及び外部への漏洩防止を図るという観点から、この設備の置かれる施設——設備につきましては十分対象になっておりますが、関連の施設、せきでありますとかみぞであるとかサンプであるとか床であるとか、こういう問題につきましても、十分配慮した技術基準を整備したいというふうに思っております。 なお、そのほか若干の改正をしたいというふうに思っております。
○小西博行君 さっき近藤委員の方からちょっとお話がありましたように、チェックを厳重にしようと思ったら、いっぱい計器をつけて、いっぱいランプがつくようにして、ブザーがしょっちゅう方々で鳴ると、わりあいそういうことをやりがちなんですね。私は、人間工学的に非常に見やすい体制、これから先新しいそういう設備の場合は、下へもぐり込んで見なきゃわからぬような計器の設計というのは、そもそも間違いだというふうに考えているんです。 そういう意味で、できるだけ見やすいような体制にひとつしてあげていただきたい。ややもすると、技術屋の場合には、できるだけ使いにくいような装置をつくることを得意とするような方が非常に多いんで、できるだけ見やすいようなかっこうに指導してあげていただきたいと思うんです。そして、これはたくさんつけたらいいというものじゃないと思うんです。肝心なところは、やっぱり適材適所にうまく配置する。そして、これを上手にチェックしなきゃいけませんから、その辺のチェック機能と計器類の限界というのは、当然出てくるわけですね。朝から晩まで計器ばかり見て歩かなきゃいかぬのが、十人も要るというのじゃ、とてもかなわないわけですから、むしろ予防保全的なことを、ときどきチェックしてやるという方に重点を置いた方が、私はいいんじゃないかなと、このように考えます。必ず故障というのは起きるものですから、そういうことも想定してお願いしたいと思います。 それから二番の「安全審査の改善」ということについても、どんどんこういうことを徹底してやると、ずいぶん時間を食ってしまうんじゃないかなと、そういう感じがするのですが、これに対してはどういうふうにお考えでしょうか。
○説明員(逢坂国一君) いま申しました技術基準の改正と、それから今回問題になりましたせきを設けたんですけれども、途中の穴から漏れだというような問題、こういうことについて十分チェックできるようにしたいということで、添付資料の追加を要求すると、それと説明書のようなものもとりたいというふうに考えております。 それから、問題となりました一般排水路との関係につきましても、チェックできるようなことをしたいということでございまして、いずれにしましても、まだこの辺は全部決まったということじゃなくて、そのようなことを考えておるということで御了承願いたいと思います。
○小西博行君 自治省の方来ていただいておりますでしょうか、時間がなくなりますので、質問さしていただきます。 先ほどのエネルギー閣僚会議で、自治大臣の方から地方自治体に原子力発電所の規制に関する権限の一部を与えるべきじゃないか、こういうような発言があったというふうに私も聞いているわけなんですが、実際の見解といいますか、考え方はどうなんでしょうか。
○説明員(田中暁君) お答え申し上げます。 御承知のとおり、現在原子力発電所の安全規制につきましては、原子炉等規制法と電気事業法に規定が置かれておるわけでございますが、その権限はすべて国が行使するということになっているところでございます。今回発生いたしました日本原電の放射能漏れ事故につきましても、実は福井県が法律上認められたものではない、自分の判断でやっております環境モニタリングによって、最初に発見されたというように聞いておるところでございまして、このような経過を見ますときに、やはり原子力発電所の安全監視につきましても、所在の都道府県というものが、法律上何らかの関与をするのが望ましいのではないかというように考えておるわけでございます。 したがいまして、今回の発生事故の教訓にかんがみまして一この際、原子力発電所の安全監視体制におきます役割り分担と申しますか、国、都道府県それぞれの法律上の役割りあるいは権限、こういったもののあり方について再検討いたしまして、必要な措置を講ずべきではないかと考えておるわけでございます。 また、当面とるべき措置といたしまして、少なくとも原子力発電所に対します立入検査につきまして、所在県の判断によりまして国の職員の派遣を求めるとか、あるいは国の職員の立入検査に当たりまして県の職員も同行する、あるいは立ち会いを行うといったことを励行するとか、こういった方法によりまして、この監視というものを国と地方団体とで補完し合うといいますか、そういった体制をとることが望ましいと、こう考えておるわけでございます。 先般の総合エネルギー対策推進閣僚会議におきましての自治大臣の発言も、こういった趣旨からであるというように心得ておる次第でございます。
○小西博行君 確かに発電所関係、特に原子力関係というのは、地元の協力という意味では大変私は大事なことだと思いますので、そういうコンセンサスを得るために、もろもろのモニタリングその他についてやっぱり監視をしていただく、こういうことはかえってこれからの原子力行政にとっていいことではないかというように私は考えているわけですが、同時に、この間のいろんな問題をあわせて、私も個々について調べてみたんですけれども、新聞の出しておられるいろんな記事というものは、必ずしも内容と一致しない部分というのがかなりあるわけですね。 もちろん、その発電所にいたしましても突然のことだし、それにちゃんと対応でされば正確な情報も流せたんじゃないかというように私は思うんですけれども、そういうきらいも実はありまして、私は、そういう権限を持っていただいて、そして地方の皆さん方に十分理解してもらうための活動というのは非常に結構だと思うんです。同時に、責任の分野もそれだけ大きな問題に私はなってくるんじゃないか、そのように考えておるんです。ぜひともこの立入検査とかあるいは報告の義務といいますか、そういうものも要求されるということは結構なことなんですけれども、後も皆さん方に十分伝えていくという責任も同時にお願いしたいと、そういうように考えます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 通産の方の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 原子力発電の安全確保を図るために、当省といたしましては規制法、それから電気事業法に基づきまして審査、検査、運転管理について所要の規制を現在まで行っているところでございます。原子力発電所の安全に関しましては、地方自治体と緊密な連携を図ることはきわめて重要でございますが、安全規制は高度に技術的、専門的でありまして、全国的に統一的な安全管理のもとに一貫した規制行政が必要であると考えております。 すでに地方自治体においては、原子炉施設設置者との間に、立入調査権等を含む安全協定を締結し、地域住民の健康と安全を守る立場から、原子力発電所の立ち入りを行っていると聞いております。当省といたしましては、今後とも地方自治体の立入権につきましては、現行の安全協定の枠内で、これが円滑に運用されるよう電気事業者を指導していく所存でございます。
○小西博行君 最後にちょっとお伺いしたいと思います。 大臣、これから先原子力発電というのを計画によりますとずいぶんたくさんつくっていかなくてはなりませんし、これは大幅におくれているわけなんですね。そういう意味で、これから先の発電の設備についてのいわゆる設計とかあるいは施工という問題が出てくると思うんです。設計は、確かにその当時は最新鋭のやつを設計したということになるわけですが、これは現実には十年とか十五年先にそれを設置するということですから、まさに「むつ」と同じくらいの年増になってしまうという感じも実はあるわけですね。 そういう意味で、現在設置されているいろいろな原子力発電所もかなり古くなっている。一番古いのは十五年ぐらいにたしかなるというふうに聞いておりますが、大変古くなっております。そういう意味で、一回材質的な検査なり予防保全的な何かチェックを一遍やってみる必要があるんじゃないだろうか、そのように実は感じるわけです。同時に、敦賀のさっきの保安体制という問題がありましたから、特に進んでいるそういう電気事業者といいますか、電力会社を一つのモデルにして、そしてお互いにディスカッションできるような、そういう場をできれば電力業界の方を集めて、通産の肝いりか何かでひとつやっていただくと、ずいぶん変わってくるんじゃないだろうかなという感じがしているわけなんです。大変私はその辺を心配しております。 科学技術というのは、むしろ新しいものをどんどん開発していくという分野にあるわけですから、そういう面で、新しい材質の開発という問題も私は必要になってくるんじゃないか。溶接の個所がさびで切れる、これはもう昔からあることです。ステンレスの場合なんかでも、必ず溶接の個所がボイラーなんかいかれるわけです。これはだから溶体化処理を必ずやらなければ、材質的にもう危ないというのがわかっているわけですね。しかも、ステンレスじゃない材質でやっているわけですから、その辺もあわせて、これから新しい発電所をつくる場合には、そういう新しい技術の対応というものを十分考えて私はやっていく必要があるんじゃないか。日立あるいは東芝にはお互いには相当技術の差もあるというように私は聞いているものですから、そういう面もあわせて、科学技術の方はそういう指導も具体的にやっていかないと問題がまた出てくるんではないか。そういう意味で、科学技術の新しい分野のお答えと、それから通産の全体の発電所に対する指導といいますか、そういう心構えについてお聞きして質問を終わりたいと思います。
○説明員(逢坂国一君) 先生御指摘の、これまで最初許可したものから実際に運転する期間を経るごとに旧式化するといいますか、そういう問題に対する対策は十分かというお話かと思います。 原子力発電所の安全性を考える場合に、一番大切なことは第一歩のステップとして、安全設計につきまして余裕を持って設計するということだというふうに私ども理解しております。従来、安全審査をやる場合にも、最新の知見を適用するわけでありますが、その知見がもしはっきりしないというようなことになりますれば、できるだけ余裕を持った設計をするということで対処をしております。現在までのところ、私どもとしてはそういう基本的な安全の設計の問題につきましては、十分対応できているというふうに考えております。 ただ、先生御指摘のようなチェックといいますか、それは十分かということもお話でございますが、いまの電気事業法の体系では、定期検査ということもございますし、設備面あるいは立入検査という制度もございまして、運転管理の問題につきましても、逐次見直しながら運転さしているということでございます。ただ事業者関係で、もうちょっとこういう問題について、技術進歩といいますか、問題を十分検討して、それで次のステップに役立てるべきだというお話、これは私どもも同感でございます。 今回の敦賀の例につきましても、早速事業者にこの関係の研究委員会といいますか、検討のための委員会を設けさしたところでございますし、これからもその辺の最新の技術的知見が、原子力技術に入っていけるように十分指導したい、そのように思っております。
○政府委員(赤羽信久君) ただいま逢坂課長から御説明ありましたように、確かに基本的に初めから余裕を持った設計で、少しぐらい。いろいろあっても十分同じ性能が出していける、これが原子力を考える場合の基本であると思われます。その点ではほかのプラントとかなり違った、言うなればぜいたくな設計をする。そして、安全審査をする場合にも十分余裕があるという確認をその都度して、安全審査をしているわけでございます。 ただ御指摘のように、技術進歩がございましたり、新しい経験を積むことによりまして、たとえば指針なり基準が変わるということがございます。これを古いものにどういうふうに適用したらいいかということが、世界的にもいつも議論されるところでございますが、基本的な考え方といたしましては、全く新しいもので古いものにもそのまま適用できるということがはっきりしている場合には、たとえば機器を追加するとか、材質を取りかえるということで済む場合には、次の定期検査なりで計画的にそれをやっていくということが一つあるわけでございます。現に沸騰水型の発電所で、数年前に起こりました応力腐食割れという現象は、解明されまして対策も出ましたので、現在計画的に改良をしている、こういう例があるわけでございます。 しかし一方では、物理的にそのままでは新しい基準を取り入れられないという場合もあるわけでございまして、その場合には、安全性というのはいろんなものが総合的にかみ合ってできるわけでございますので、どういうふうに適用したらいいかということをその都度検討いたしまして、別の方法によって同じ性能を得られるとか、あるいはそれに加えて人間の管理を充実することによって同等の安全を得られるとか、そういう検討を加えながら、常に結果としては最新の水準に保つという努力をしていくべきだ、これが安全委員会でも原則的な考え方でございますし、関係者みんなその方向でさらに努力するよう推進してまいりたいと思います。
○小西博行君 終わります。
○委員長(太田淳夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時七分散会