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94回国会参議院1981/04/24

科学技術振興対策特別委員会 第5号

発言数
160
登壇者
13
会派数
6
開催日
1981/04/24

会議録

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。     —————————————

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 新技術開発事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は去る十七日に聴取してありますので、これより質疑に入ります、  質疑のある方は順次御発言願います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それでは、新技術開発事業団法の一部を改正する法律案、これについて幾つかの質問させていただきますが、中川長官にまずお伺いしたいんですけれども、私これについて少し遅かったんじゃないかと思っているぐらいなんです、こういうふうな考え方が前向きに出てくるのが。というのは、わが国の場合は、当然貿易立国みたいなことでずっとやってきたわけですが、やはり資源もエネルギーもないし、国土も狭いし、いるのは一億一千万以上の人口だけだと、これが一つの資源であると、こういうことになりますと、当然その頭脳をいかに開発し、それをいかに利用していくかというのが、今後われわれが生きていく一つの大きな道であろう、これはだれが考えてもそういうことになるんじゃないかと思うんです。そうしますと、頭脳開発あるいは頭脳の育成等も含めて考えていきますと、やはりそこに幾つかの方法が当然出てくるわけですね。  まず最初は、創造性豊かな頭脳を開発するという、つくり上げていくというのは大きな仕事になりますが、これは恐らく教育の仕事だろうと思います。したがって、教育そのものがいまの体制でいいのかどうか、中身をよく十分検討しなきゃならない。そういうことに一つはなっていこうと思います。  それからもう一つは、いまある頭脳をどうやって有機的に総合させて利用していくか、総合的な成果をその中から生み出していくかというのが、これは比較的手っ取り早い方法ですが、もう一つの方法であろうと、こういうふうに思うんです。これはもうだれでも恐らくそうだと思いますが、その点について長官どういうふうにお考えでしょうか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 松前委員御指摘のとおりでございまして、わが国の今日こういう経済繁栄がありますのも、いろいろのファクターがありますが、やはり技術を十分駆使したと、こういうことだろうと思います。しかし、中身は言われておりますように、外国の技術を改良したり吸収したりするといういわゆる改良技術が中心であったと。わが国の先端技術あるいは創造技術、基礎技術というものはおくれておったんじゃないかと。しかも、外国がなかなかそういった先端技術を日本にくれなくなってきたという事情もあります。  一方、資源が非常に有限時代を迎え、エネルギーが厳しくなる。これからなお日本の経済を発展さしていくという場合には、わが国の科学技術、とりわけ先端技術、創造技術というものを、日本みずからつくり上げていくことが、日本のために必要であると同時に、国際社会に対する日本の責任でもあろうと。こういうことから科学技術を見直さなければならぬということで、ことしは科学技術立国元年と。予算の面においても、あるいは総合調整費においても、わが党の重要政策ともなり、関係閣僚会議も連絡会ではありますけれども、つくられると。こういう背景もありまして、予算あるいは調整費と並んで若干遅かったけれども、創造科学を生み出すところの、しかも官学民がばらばらであったところに非常な問題があったが、これを有機的に結合して新技術あるいは先端技術、創造技術というものをつくり出す芽をことしの予算においてお願いし、これが予算の中に入れられたと。同時にこれを裏づける法案をお願いしておるわけでございますが、御指摘のように、重要性からいっても若干遅かったのではないかと思っておりますが、ひとつおくれた分はこれからまたしっかりふんどしを締め直して、追いつき追い越せでがんばっていきたいと思いますので、この上ともまた御指導御協力のほどをお願い申し上げます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 若干遅いということなんですが、遅いか早いがその辺については別にまた置いておくことにして、ぼくはもう十年以上遅かったんじゃないかと思うんです。しかし、こういうことが新たに取り上げられたのはいいことだと私は思います。  そこで、いままでの状況をずっと振り返ってみますと、大まかに分付でいわゆる技術開発というものが、たとえば企業の中で行われる場合ですね。これは企業目的、いわゆる営利目的に対する命令が研究者の方におりてきて、こういうものをやってくれとか、こういうふうなことで研究テーマというのが与えられている場合が非常に多かったんじゃないかと思うんですね。それから、さらに大学あたりですと、これは個人が博士号を取るとか個人の成績、業績を上げるために自由な研究が行われる、こういうことがあってその成果がまた外に出ていかない、こういうことがありますね。アメリカあたりですと、もう古くから産学協同という形が出ていたんですけれども、大学あたりですと、一時は学園紛争のとき、産学協同を言うのは敵だというふうな学生諸君の意向もあって、最近はそうじゃありませんが。そういうふうなことがあって、なかなか有機的な結合が研究体制の中でとられてなかったような感じがするわけですね。  ですから、もっと横の方から見ますと、いわゆる基礎的な研究、それと、それを応用して開発をして実用化をしていくというそういう一つの流れを考えましたときに、いわゆるリサーチの部分とデベロップの部分のジャンクションが非常にうまく機能してない。ということは、もっとはっきり言えば、いわゆるマネージャーが少なかった。研究マネージャーといいますか、そのめんどうを見る人が少なかった。めんどうを見る人というのは、ただ単に一つのテーマだけをやるんじゃなくて、あらゆることを広く見て内容を理解している人でないと、なかなかこれはめんどう見にくいと、こういうことなんですね。ですから、そういうところが改良されていって初めて総合的な開発につながっていく、こういうふうに私は思っておるわけなんです。これは恐らくそういうお考えだろうと思いますから答弁要りません。  そこで、国外からの技術導入というのを盛んにかつてはやった。たとえば、戦後のナイロンの技術だとかそういったようなものから始まって、ほとんどが外国技術の導入に始まった。日本はその面からいくと、いわゆる生産については品質管理を含めた生産技術というのは相当強い面があった。それがうまくかみ合って非常に今日のような工業国になってきたと、こういうふうに一言で言うと解釈できるんだと思うんですけれども、最近はどうも少し、たとえば電子技術なども相当進んだものですから、それに対する外国の警戒心の方が大きくなってきて、技術輸出というものを認めない、日本に対しては。特許その値もなかなか簡単には譲ってくれないし実施もできない。ここに書いてあるとおりだと思います。そういうことで非常に困ってきたと、困ってくるであろうし、もうすでに困ってきた事実もあります。だからやるという意味じゃなくて、だからこういうことをやらなければいけないんじゃなくて、本質的にやらなければならない国の運命なんですね、そういう意味で私は遅かったということを申し上げたわけなんです。  さてそこで、外国との技術交流ですね。技術の輸入それから輸出、恐らく輸入がだんだん減っていって、輸出がふえているのかどうかわかりませんが、少しはふえているんじゃないかと思うんですが、その辺細かい数字はいいですから、ちょっと最近の傾向をお知らせいただければと思うんです。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生の御意見よくわかる次第でございます。  最近の技術貿易の収支の状況でございますが、輸出受け取り総額は輸入支払い総額の二七%程度、これは昭和五十四年度の実績でございますが、受け取りは支払いの二七%程度しかございません。それで中身を分析してまいりますと、新規契約分では技術貿易収支は黒になっております。新規契約分では輸出の方がふえておるんでございますが、過去の累積がございます。特に過去の導入分につきましては、生産量に応じて払うようになっておりますもので、その累積額が全部響いてきておりました。したがいまして、数字はそういうようなかっこうになっております。いろいろ状況は逐年ごとに改善されておりますが、量的な規模につきましては、まだまだ非常に時間がかかる状況ではないかと思っております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、輸出もある程度伸びてきているということになりますか。いまのパーセンテージは、輸入が減って輸出が伸びるとがくんと変わってきますけれども、輸出の絶対的な額もわりとふえてきていると……。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) そうでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そういうことですね。そうすると、その内容をちょっとだけお伺いしますが、大体どういうところへ輸出されているか。たとえば開発途上国なのか、あるいは先進国間での輸出なのか、それだけちょっと。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のおっしゃいますような問題点を持っておるわけでございます。輸出は確かに最近ふえてまいっておるんでございますが、これは発展途上国への輸出につきましての受け取りがふえておる。アメリカとかそういう技術先進国に対しましてはやはり入超になっておる。トータルをいたしますとだんだん件数としてはふえてまいりまして、短期収支で最近を見ますと黒になっておる。総額からいくと依然としてマイナスの方が大きい。大体そういうかっこうでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 でもふえてきているということですから、少しは希望が持てるんじゃないかと思うんです。  新技術の開発でここに幾つかのテーマ、予測される四つのテーマですか、これもちょっと拝見をいたしておりますが、どうしてもこれから必要な新しい一つの研究あるいは開発をやるときに常にひっかかってしまう、どこかに関門があって常に壁にぶつかってしまうのは、どうもその基礎となる材料研究なんですね。これが非常にじみで評価をするのがむずかしいもんですから、派手な先端技術ばかりはみんなやりたがりますけれども、材料研究、基礎研究というのはなかなかやりたがる人が少ないわけなんですが、現実に見てみるとこれがどうしても最後には壁になってしまう。たとえば、核融合一つを挙げても非常に高い温度に耐えられる材料の開発、こういうものがやはり最後はひっかかるだろう。ほかのシステムはでき上がっても、それができないために全部ができないだろうと、そういう予測すらされているわけですね。ですから、そういう面からいくと、私は基礎的な材料研究というのは非常に重要じゃないかと、こういうふうに思うんですけれども、その点いかがでしょうか。今度、材料研究はある意味では入っているかもしれませんが。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のおっしゃるとおりでございます。新しい大きなビッグプロジェクトやりましても、材料の問題でいろいろひっかかって障害が出てまいります。材料技術の研究開発につきましては、科学技術会議の昭和五十二年の第六号答申でございますが、その中でも重要性が非常に指摘されております。材料関係も先生の御指摘のとおり期間と資金が必要でございますもので、国が中心となって推進すべきである、このように考えておる次第でございます。そういう点で科学技術庁の重要な施策の一つであると、このように考えております、現在でも材料関係は金属材料技術研究所、それから無機材質研究所、こういうところを中心に、それから先生の御指摘ございました核融合でも、かなりの部分が日本原子力研究所で材料の研究開発に費やされております。そういうことで材料につきましては、特に先生の言われました高温とか超低温とかいう極限での材料でございますが、こういうものを重点的にやっておる次第でございます。  このたび、私ども一応候補に考えております四つのテーマにつきましても、ある意味ではそういう極限のような状況におきます新しい材料の問題である、このように考えております。超微粒子といいましても、これも原子の数で数十個に近いような極端に小さいものでございますし、それから、特殊構造物質と申しますのも結晶状態が天然に存在しないような物質を前提として考えて追求しよう、こういうことで非常にそういう材料的な、しかも一種の極端な極限状態におきますような材料が中心になろうかと、このように考えておる次第でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 材料技術といえばもう材料技術そのものだと思いますから、先ほど申し上げたような基礎的な面の開発ですね、これがこの中に含まれている、これも結構だと私は思っております。それと同時に、これだけで全部じゃないでしょうから、あと毎年毎年新しいテーマ見つけてやっていかれるんでしょうから、これだけで全部だというふうに解釈してませんのですが、基礎研究の分野というのはいままでは非常にやる人が少なかった。ハイライトじゃないものですから、なかなかやりたがらなかった。こういうことが促進されてくると、比較的それに刺激されて、いろんな人が張り切ってやるようになってくるんじゃないか。ただ、非常にお金がかかりますので、その辺をじゃどういうふうに手当てをしていくかという問題があるんじゃないかと思います。  研究開発を行う場合のその人的構成ですね、この法案の中にも入っているようですが、人材を得るということが一番重要なんだと、こういうことが述べられておるわけですが、まさにそのとおりなんですが、この人材を一体どうやってねらい撃ちするのか、これが非常にむずかしい問題だと思います。研究者は非常に数が多いんですし、研究者の成果、情報等を確実につかまないとなかなかねらい撃ちができない。表面だけに出てきて常に話題になっている人だけねらい撃ったって、あるいはもっと隠されたところにいるかもしれない、いろいろあるわけですね。ですから、こういった人材をどうやって見つけ出していくのか、これがやはり非常にむずかしい問題だし、それによって大分成果が変わってくるんじゃないか、私はそう思っているんですが、その点はいかがでしょうか。どういうふうにおやりになっていくか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生御指摘のとおり、その辺が一番むずかしい問題だと考えております。実は、この制度の担当者といたしまして、新技術開発事業団を考えたのもその点でございます。新技術開発事業団が、従来の仕事の役目柄一番そういう研究者及びその開発に関係します企業、こういった技術関係の人と技術関係の情報を持っておる。  こういう点からこの担当を考えた次第でございますが、具体的に申しますと、有識者からのヒヤリング、それから広範なアンケート調査によりまして、まず、そういう新しいシーズと申しますか、そういう可能性のある研究開発分野を選んでいきたいと思っております。そういうのをかなり候補として選び出しまして、それを今度の新技術開発事業団の開発審議会、そこにお諮りいたしたいと思っておりますが、その審議会は十五人予定しておりますが、十五人の方々だけではやっぱり不十分な点もあろうと思います。より専門的な専門委員の方もさらに動員しようと思っております。  そういうことでまず開発分野を幾つか特定いたしまして、それを研究者に周知させましていろいろ具体的な提案、その分野についての具体的な研究計画の提案を受ける。その過程でプロジェクトリーダーと、研究計画の具体的なプロジェクトでございますが、この二つを選んでいきたい。最終的には幾つかの方法、具体的に面接いたしまして、本当に出向していただけるものやら、身分の問題やら契約の問題やらいろいろ出てまいります。そういうことを詰め合わせまして、最終的にもう一度開発審議会の意見を聞いて決める。大体そういうことで、この過程がやはり一番時間のかかる問題であろうと、このように考えております。ここは一つのデータで、特定の人がばらばらと出てくるような手段というものはございません。やはり大ぜいの有識者を集めましてだんだんとしぼっていく、こういう努力しかないんではないか、このように考えておる次第でございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 まさに人を集めるとき、適当な人が集められるかどうかというのが一番むずかしいので、私は適当な人材が集まって、その進め方が適切な進め方であれば、もう成果はある程度出ると思っているんです。その点、最初のスタートが非常にむずかしいんだと思いますが、そこのときにアンケート調査とか、グループとの接触とかいろいろあると思いますけれども、学会というのがありますね、あれはある程度限定された特定の分野で皆さんがお集まりになっておる。この学会との関係というのも、やはりある程度重視していかなければならない。ところが、実際学会というのは文部省がほとんどやっているんですね。その辺が私おかしくてしようがないんですが、文部省がやったり科学技術庁やったり通産やったり、いろいろなところが関連持っておられて、これもまた縦割り行政でばらばらになっておりますけれども、しかし、そんなことを言っておられないので、やはり学会とのコンタクトというか、これもおやりになって、人材を広く探し求めた方がいいんじゃないかと私は思っておるわけです。  それと大学ですね、大学は研究機関じゃありませんから、研究をすることを仕事としているところではなくて教育をしなきゃいけない。教育と研究、どっちがウエートがあるかというと、恐らく私立大学の場合だったら、教育の方が少しよけいにウエートを持っているんじゃないかと思うんですね。もしかすると、人材を得た場合の問題も、これも引っこ抜いてしまいますと、その人にかわる教育、その穴を埋めなきゃいけないという問題が出てきてしまうし、国の機関でしたら多少知らぬ顔していられるかもしれませんが、いわゆる私立学校のときは、その穴を埋めるのにお金がかかる。やっぱり経営しなければいけない、そういう面もありますが、これはしかし非常に少ない人でしょうから、そう神経使う必要もないといえばそれきりですけれども、そういった問題もあるので、その辺もひとつやる場合は検討していただいた方が、もちろんそれぞれの人が出ていくことは非常に結構なことですから、これについてとやかく言うことはないと思いますので、その辺をひとつ考えておいていただければというふうに思うわけです、これはそういうことで要望です。  それから、さっきちょっとおっしゃいました開発審議会の委員が十五名ですね。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) はい。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 この委員の任命は里事長が行うというふうになっているんですが、そういった審議会委員をどういうふうに選考されるのか、その辺ちょっとお知らせいただきたい。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 開発審議会の人選でございますが、現在は既存業務の関係で十名すでに任命されておるのでございますが、今度新しい法案通りました際には、もう一度十五名の人選改めてやってみたいと思っておりますが、これは理事長任命でございますが、内閣総理大臣の認可が必要でございます。したがいまして、役所との相談の上というかっこうになろうかと思います。  それで十五名の内訳でございますが、現在の段階では大体三つの分野に分けまして人選を図りたいと、このように思っております。第一の分野はわが国の経済社会、それから技術の動向、そういった長期的な総合的な視点に立って判断できる方、専門家というよりは広い視野を持った方を一つの分野として考えたいと思っております。それから第二番目の分野といたしましては、物理とか化学とかこういった基礎科学分野でございます。主として学会の方が多いのではないかと思っておりますが、基礎科学分野の方。それから第三番目といたしまして、電子工学とか機械工学、主としてテクノロジーの分野でございます。技術工学的なそういうテクノロジーの分野の方々、大体こういう三つの分野でいろいろ人選を考えてみたいと思っております。  もちろん、十五名で全体をカバーできるとはなかなか思えない点もございますので、その足りない分につきましては、専門委員ということで多くの諸先生をお願いしたい、こう思っております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうすると、そういう方々が委員で推進の母体になっていくわけですね。さらに総括責任者というもの、総括責任者は、英語で言うとプロジェクトリーダーでございますね、これを指定するということなので、これは選ばれた方々の中から指定する、まず指定して選ぶと、それどっちなのか。ちょっと指定して選ぶんだというふうに解釈したんですが、それは後でまたまとめてやらさしていただきます。  そういうふうなことで、一つのシステムというか、大きなシステムが動き出すということになろうと思いますが、その辺までで後はもう選ばれた人の能力に任す以外にないという形になるわけですね。そこで、問題が幾つかあるんじゃないかと、むずかしい点があるんじゃないかと思ったのは、企業の中から研究者を選ぶという場合があります。  この場合、企業というのは体質がちょっと国の研究所とか大学とは違っていまして、その企業のいわゆる目的のために研究者が入っている場合が多いんですね。ですから、さっき申し上げたように、設定されたテーマがすでに上からおりてくるという場合が多いんで、その独創的な頭脳はそちらの方にも使えるけど、個人として持っているそのほかの発想がなかなか適用されない、そういう意味からこれはいいんですけれども、逆に企業というものがある程度縛ってしまわないかという問題ですね。  たとえば、一人ある企業から出ていった、他の企業からも参加し、ある程度の研究成果が出て、それが一つの成果として認められたと。それを今度企業にフィードバックしなきゃならない場合ですね、フィードバックないのに出すというほどのところがあるかどうか知りませんが、必ずそれは企業ですからフィードバックしてもらいたい。そのときに一体どういうふうにするか、やはりひもつきの研究者というふうなことになりはしないか。その辺の問題がこれは初めてですし、予測ですから必ずそうなるとも言えないと思いますが、そういう心配が一つあるわけですね。それからさらに、複数の企業から出ていった場合、その成果を平等に分けるのか、あるいはもう公開してしまって、どこでもいいからとにかくやりたいところは乗っていらっしゃいということで企業化を図るのか、そういったいわゆる成果の公開の問題、こういう問題があるわけです。  さらに、もう一つ言いますと、これ一番むずかしいことで、これができれば非常に進んでいくんだと思いますが、この成果の評価をどうするかですね。やはりやった以上評価しなきゃいけませんが、この評価をするのがいままで非常にむずかしかったわけですが、これもまた、たとえば開発審議会が評価するのかどうか、その辺幾つか申し上げましたけれども、お知らせいただきたいと思います。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 企業から出てまいります研究者の問題でございますが、最近企業の方におきましても、いろいろ基礎研究の研究所を持っておられまして、優秀な研究者がおります。特に、企業の場合の研究者は非常に何といいますか、一つのハングリーな状態にあるといいますか、わりと新しい実用に向かってのシーズ探索に非常に意欲を持っておる点がございます。そういう意味で、企業におきます研究者を十分この制度の中に組み入れていきたいと、こういうように考えておる次第でございます。  そういうわけで、一つのプロジェクトリーダーのもとに、たとえば超微粒子でございますと超微粒子の一つの物性的な特徴から幾つかの小さいグループで研究グループを設けて、その上にプロジェクトリーダーが全体を指導する、大体そういうかっこうが想像されるわけでございますが、そういう下の小さいサブグループの中に、それぞれ関心を持ちます企業から出てくるような人たちが入る可能性が非常に多いと思っております。それで企業にしてみますれば、ただ出したんではもちろんメリットないわけでございまして、実はこの研究の成果と申しますのは、きわめて基本的な特許、成功いたしました場合でございますが、原理特許みたいなものになるんではないか、このように想像しておりますが、そういう特許権につきまして、事業団とそれから残り半分はそれに貢献いたしました研究者との共有にするつもりでございます。  そういうことになりますと、当該研究者はその工業所有権に名前を連ねることできるわけでございまして、その研究者を出しました親元企業は当該研究者から承継をする。大体企業の研究者はすべて職務発明で企業が大体取るような仕組みになっておりますので、そういう研究者、個人に与えました共有分は、親元の企業が承継する形になるのが普通ではなかろうかと想像するわけでございますが、そういう形で原理特許に、そういういい研究者を出した機関は参画できる、こういう形がとれるような仕組みにしております。  そういうことで、いい研究者を出せば、やはりそれなりに企業なりそういう法人なりは、一つのいい成果を引いてこれるわけでございまして、そういうのが一つの刺激になって企業の参加者は期待できるのではないか。私ども、この四つのテーマにつきまして実行を確かめるために一応いろいろ打診し、感触を得ておるんでございますが、その辺がやはり大きなポイントとして意識を持っておるように思います。そういうことで、一応その辺につきましては十分身分関係、雇用関係につきまして、弾力的な体制をこちらの方でとってやるということであれば、五年という限度もございますし、十分実行可能である、このように考えておる次第でございます。  成果の普及の方につきましては、先生ただいまお話し申し上げましたとおり、原理的な特許でございまして、これから実際に実用化にいくまでには相当のまた応用研究、開発研究が必要だと思います。それでこの応用とか開発研究になりますと、これは個人の集合体よりは、むしろ組織体でやった方がどうも得意である。日本の従来の産業なり何なりはまさにそういうことをやってまいったわけで、そういうところに実用化をむしろこちらからバックアップをいたしまして、普及を図る。それから、そういう制度に乗らぬ場合には、通産省なり何なり、応用なり開発研究についての助成制度はいろいろございます。そういうのを利用していきたい、こういうように考えております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 開発の基礎的な特許だということですが、原理特許みたいな、それに類似の特許だと思うんですね。そこまではいまおっしゃったようなことしか手はないんじゃないかと思うんですけれども、それに付随していろんな関連特許がその後続々と、恐らく一つのものを押さえるには特許一つや二つじゃ押さえられない。百も二百も取るわけですから、そういうことになると思うんですが、そういった一つの筋を考えたとき、一つのものができ上がった、それじゃ企業にそれをつくらせる、最後はプロダクションに移らなきゃ話にならないんで、そういうときの企業の選定などは、やはり人材を出したところが優先するのか、あるいは結果をある程度公開して、日本の企業だったらだれでも使っていいとか、もちろんその特許権、それから実施権の問題もあるでしょうから、そういう特定の条件をつけた上でやらしていくのか、その辺まあ先の話ですけれども、その辺はどういうことになるんでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) これは事業団が資金を出したものでございますので、半分は事業団の持ち分になるんでございますが、特許権の処分といいますか、措置につきましては、一義的に事業団に権限を持たせようと思っております。それで、個人が共有しまして、企業なり何なりが承継しました分につきましては、実施の段階で優先実施権を与えよう、こういうぐあいに考えております。あと、原理特許でございますので、これに関連しましてさらに周辺特許みたいのが、いろいろ出てまいろうかと思いますが、その段階で内容によりまして、今度はクロスライセンスだとかいろいろそういう形態が考えられる、このように考えておりますが、現段階ではそういう優先実施権を与える、そういうぐあいな考え方をいたしております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 いまさっき言われました四つの、ちょっと資料もいただきましたが、四つのプロジェクトというのは、これができたら大変なことになるんですね。恐らく世界じゅうの技術をあっと言わせるような物すごい出来事だと私は思うんです。できることを祈ってはおります。  こういった大きなプロジェクトをやる場合、五年間という期限が非常に短いような感じを持つんですね。どの段階から五年間と言われているのか、ちょっとよくわからないんですが、たとえば、人材を集めてきてチームを編成してから五年間なのか。研究がある程度自分なりに進んでいる人を発掘してきて、何と言うのか持参金持ちのお嫁さんみたいなもので、少し成果を持ってきたのを全部集めて、それから五年間か。要するに準備段階というのか、そういったような段階を含めているのか含めてないのか。含めているとしますとちょっと短いような、この内容が大きな内容なものですから、お伺いするんですが、この五年間というのはどちらなんですか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 私ども五年間というのは、実際に研究が具体的に進んでから五年間というように考えております。こういう基礎研究は、元来その底には非常に長い期間がございます。それで、ある程度これが熟成すると申しますか、かなりの準備ができてきた段階でこの制度に乗せていただく、こういうような形をとりたいと思っております。  そうでございませんと、基礎研究と申しますのは、やればやるほど興味がわいてくるというのが、研究者の実態でございまして、だんだんだんだん長くなってまいります。やはり多くの機関に属しておる人を集めておる経緯もございます。一定期間に集中的にやって、めどを最初にはっきり与えた上で計画を立てていただく、そういう意味で実行に入ってから五年、そういうぐあいに運用いたしたいと思っております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それだと、大体まとめという感じになりますね。ある程度やっていた人、ある程度成果が認められていた人たちを集めてきて、全体を総まとめにして一つのものに仕上げていく、その期間が五年というんですね。まあそのぐらいだったらできるんじゃないかと思います。  それからもう一つ、これは最後になりますが技術導入の問題、さっき冒頭にお伺いしたんですけれども、こういった研究の成果で技術がいろいろ確立されていく、さっきの特許の問題の関連で。こういうものを今度は外国に出していく、要するに輸出していく、そういう作業はこの事業団はやらないんですか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先ほど申し上げましたように、これで成果が得られましても、原理特許でございまして、それ自体では実用化まで相当の時間がございます。したがいまして、参画いたしまして共有分を取得しました企業には優先実施権を与えますが、その他につきましては狭い分野にこれを特定しないで、むしろ広く普及させるということで、その実施権は十分ほかにも与えていきたい、このように考えておる次第でございます。現在、新技術開発事業団は、すでにできました技術の企業化を既存業務としてはやっておるのでございますが、そういう点でいろいろ国際会議などもございまして情報交換、そういった関係も一応窓口は持っております。十分そういうことも可能だと思いますが、いまの段階で余りそこまで詰めた検討はいたしておりません。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 それでは、事業団関係についてはこれで大体終わらしていただきますが、いずれにしても、これは最初の試みですから試行錯誤もいろいろ出てくると思いますけれども、その辺は臨機応変にいろいろと有効な手段を考えながらやっていただきたいというふうに思うんです。  今度は長官、いままでのは非常にいいことなんですが、今度は余りよくないことなんです。よくないというのは二つあるんですが、幾つもある中の二つだけ。  最近、原発の問題とか、特に核エネルギーに関して、科学技術庁の最初の意気込みというのは、とにかく平和利用に関してはどんどん推進するんだと、これは結構だと思うんですけれども、どうもその結果が余り思わしくないいろいろ問題が出てきているというので、それについて、まず最初にお伺いしたいんですが、原子力発電所というのは、どうも私考えてみますと炉心、要するにエネルギーを直接取り出す部分ですね、原子力発電所の中心部、核心になるところ、これについては非常にシミュレーションもやったし、ある程度小さなモデル実験もやったし、いろいろなことをやられておるのですけれども、周辺機器まで含めたシステムというものについての総合的な検討が、どうもまだ確立されていないんじゃないか。だから前に私、標準化がされていないと申し上げたんですが、そういった意味で、これからまだたくさんの問題を抱えているんじゃないかと思うんですね。  特に最近の問題として、一々どこに何が漏れて、それが何ピコキュリーだったなんて、そんなことは言いません。問題は、人的な問題が非常に多くなってきたんですね。操作ミスですとか、そういったような問題が非常に多くなってきつつある。これはどうも突き詰めてみると、発電所側からしますと、とにかく稼働率を上げて大いにかせがなきゃいけない。これはもう企業ですから、そういうふうな一つの目的を持っておるわけですから、かせぐためには原子炉をなるべくとめないようにしようということですね。とめないためには、本当は故障しなければ一番いいんですけれども、往々にして故障すると、それを隠蔽してみたり、ちょこちょこっと修理して報告しなかったりというのが出てくるんです。  私は当然そういうことはある問題だと思っておるわけですが、特にその中で、直接教育を受けた職員が運転に対して全責任をすべての部分で負っているんならいいんですけれども、どうも下請があって、孫請があって、いろいろな下のものがその作業に従事している。もう極端に言うと、変な言い方かもしれませんが、土方みたいな人が原子力発電所で働いている可能性がある。その人は原子力発電に関する知識といいますか、いろいろ法律的な問題その他を十分教育されていない。ですから往々にして、たとえばあふれ出たら水で洗って流してしまえばいいんだとか、十倍ぐらい薄めればいいんだとか、そういう程度で処理してしまうと、今度のような問題が出るんじゃないか。いろいろと新聞などに出ておりますけれども、どうもあふれた水を薄めてマンホールに投げ込んだというのが真相じゃないかとぼくは思うんです。だれでもやりたいんです、それは。特に知らない人は平気でやるわけですね。  そういったことで、こういった原子炉のいろいろな問題、事故といいますか、故障といいますか、そういう問題全部含めて考えた場合に、その辺の問題が非常に大きな問題に今後なってくるんじゃないか、こういうふうに私思っておるわけです。ですから、機器そのものの標準化ですね、標準化というのは信頼度の高い機器を配置していくという問題、これも一つあります。  それと同時に、今度は人間の管理ですね、技術的な。これもちゃんとやっておきませんと、どうも下請、下請でずっとやっていきますと、末端の一番下の人は別にこわさも知らなければ何も知らない。作業をしさえすればいいという感覚になりがちなんです。その辺を少し気をつけて、今後指導するなり教育をする必要があると思いますが、その点いかがでしょうか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のように、今度の事故はどちらかというと注意が足りなかった周辺部分ですね、炉心部分については非常に細心の注意を払う仕組みになっておりましたが、若干その点、反省の材料だとは思っております。  それから先ほど、こぼれたからこれをマンホールに投げ込んだという御指摘でありますが、一般排水の方のマンホールに投げ込んだわけではないんでございまして、管理区域の中にある、そういったものが処理されるところにポリバケツでもって投げ込んだということですから、それ自体は悪いごとではないと思うのでございますが、作業員が素人が多いのではないかという御指摘ではございますけれども、やはり専門官も中へ入っておることでございますので、やはり専門家の不注意という点にあるんだろうと、事故が起きたことそのもの自体がですね。ではありますが、素人が作業している部分もなきにしもあらず、その辺もひとつこれから十分注意して管理体制を万全のものにしていきたい、こう思います。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 専門家がついていると言うんですけれども、作業員も専門家なんですよ、作業することにおいては。ですから、要するに何と言いますか、原子力の事業に関する規定、法律いろいろありますね、規制法その他。そういったものも含めて、安全に対する観念とかそういうものの教育が足らないんじゃないかとぼくは思うわけです。やっぱり作業する人は専門家だと思うんです、下請専門会社ですから。それはひとつのレベルから下の、下といいますか、作業する方向に向かってのいま見方をしたんですけれども、今度逆に上を見てみますと管理者というか、これは大分指摘されていますね、ずさんな管理であるということが。会社そのものが寄り合い世帯だとかいろいろ言われているんです。そっちの方もやっぱり少し洗脳しなきゃいけないんじゃないですか。これ古い発電所ですから、もう時間がたったからマンネリになってきたのかどうか知りませんけれども、いずれにしても、どこを見てもそういったびりっとしたところがないような感じを持つわけなんです。  ですから、作業員がいま申し上げましたマンホールに入れたとかいうのも、管理者が見てて指揮したのかどうかもわからないし、あそこの廃棄物処理の建物のところでブザーが鳴ったってだれもいなかったとか、そんなようなことが報道もされている。私はそれ本当かどうかまだ確認していませんけれども、そのような程度ですから、どうもこの辺少したるんでいるということに尽きるんじゃないかと、私はそういうふうに思っているんです。  ですからこの際、この前の原子力基本法が変わってから通産の方に移ったわけですが、これは通産省の責任ではっちりその辺を、何もここだけじゃなくて、これ以外の発電所も含めてそういった見直しといいますか、少したるんでいるのを引き締める、そういうふうな作業をやっていただかなければならないんじゃないかと私は思っているんですが、その点通産省の方はいかがですか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 本件に関連いたしまして、去る四月二十日に、私どもの長官から各電力会社に対しまして、一般排水路について管理区域からの放射性物質の漏洩、混入のおそれについての点検を行うとともに、放射能測定を行い、結果を報告するように求めております。また、原子力発電会社につきましては、この件の前の給水加熱器の件に関しまして、四月十日に同社に対しまして保安管理体制に関する総点検を指示し、また、今回の件につきましては職員を現地に派遣し、鋭意立入調査を実施しておるところでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 その辺少し事務的じゃなくて、もうちょっとがっちりと、ここだけじゃないですよ、起こったところだけやったって今度そこが直ったけれどもほかが起こりますから、起こる未然の策として少しその辺考えていただいて、技術的にどうのこうのということは、これはまたいろいろと問題がほかの委員からお出ると思いますけれども、私は基本的にそういったところをやっていかないとまずいんじゃないかと、まあ精神論みたいなことを申し上げましたけれども、そういうことでひとつお願いしておかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うんです。  それから、今度は長官「むつ」なんです。「むつ」については、私は前からいろいろとどうしてこんなことをいつまでも続けているんだろうという疑義があるんです。母港問題で外洋母港というのを今度提案されたというふうに伺っているんですが、この外洋母港というのは湾内じゃなくて、外側の直接外洋に接触している部分に母港をつくるという提案をされたわけですね。これはどっか場所をある程度頭に描いて、地名は一切ありませんが、描いておっしゃったのか、あるいはもう中に入れないからしょうがないから、外洋母港というものを建設しようということをおっしゃったのか、その辺のいきさつはどういうふうになっておりますか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 今度私が提案をいたしました外洋母港というのは、まず地域の住民の皆さん、県知事初め湾内は困るけれども、外洋ならよろしいという空気が強かったこと。それから、一つは四者協定で大湊を撤去する、こういう決め事の基本的な精神を尊重しなきゃならぬこと。もう一つ大事なことは、大湊湾内はお願いした昭和四十二、三年のころは、二億円程度のホタテ養殖であった。ところが、いまやもう七十億、加工を入れますと二百億産業になっておるという事実。しかも、漁民の皆さんが当時は出かせぎで非常に悲惨な状態にあったのが、いまは共かせぎができる。こういうことで、いまの漁場を大事にしたい、この気持ちが痛いほど現地視察をいたしまして感じ取った点でございます。  これらを勘案して、青森県内の外洋と、その上にむつ市長さんの意向を尊重しよう、これは知事さんから特に大湊に置いてほしいという市長さんの非常な意向もありましたので、協力的にやってくれている市長さんの意向も十分入れるべきだ。さらに、今回代表として入っていただきました県連、あっせん役をいただいた県連からも知事さんの意向を尊重して、むつ市の市長さんの意向を入れるということで、市長さんかどういう判断を持たれるか、あるいは適地がどこにあるか、今後検討していかなければならない課題であって、どこを想定したということでは現段階ではまだないわけでございます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 そうしますと、提案したというところで具体的にまだ決まってないと、そういうことですね。青森県知事がもしか外洋母港をつくるとした場合、これは五年ぐらいかかると言われているんですね、簡単にはできないと思うんです。その間どっか持っていって置いておかなきゃいけませんから、当然仮母港という形でいまのあれを使わざるを得ない。そうすると、五年間というのを待ってなきゃいけないわけなんで、その間にもしかすると出力上昇試験とかそういうものをやるんじゃなかろうかという想定をされて、くぎ刺されたんですね、出力上昇試験をそこで行うことは認めないということを言っておられるという報道があるんですけれども、政府としてこれを条件として承認されるつもりですか。

石渡鷹雄科学技術庁原子力局長

○政府委員(石渡鷹雄君) 中川大臣からの提案の内容でございますが、外洋母港の建設を考えると。しかし、先生御指摘のように、数年の建設期間がかかるわけでございますから、その間大湊港に入港停泊させていただきたいと。また、その入港停泊に当たっての取り扱いについては、別途協議をさせていただくということで、それぞれ持ち帰って御検討をお願いしているところでございます。ただいまの御指摘の件につきましても、この別途協議の内容でございまして、これから相談させていただくという事柄の中に入っていると考えております。  なお、御指摘の知事さんの御発言の内容は、仮母港での出力上昇試験は、外洋母港着工以前には認められないのではないかといったような御発言の内容であったと承知をいたしております。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 仮母港の中でやるなということだと書いてあったんでね、これはやはりひとつの条件として提示されたんじゃないかというふうに私は思うんです。しかし、やらないとなるとまた延びるんですね、五年間。そういうことですから、その辺また頭の痛いところでしょうけれども、しかし、問題はたくさんあるんですけれども、たとえば、ことしの十月にできるんだと、修理が終わるんだと言ったのが、どうも延びそうだと。これは何か船体にひずみが出たということですが、これが延びるのは一体どのくらい延びるかというと、どうもいままでの感覚でいきますと、一年ぐらい延びるんじゃないかとぼくは予測をしているんです。  とにかくこういうことで延びできますと、四者協定も五者協定も全部踏みにじったかっこうになってしまって、もう政府の言うこと信用できないというふうな感じに、どうも一般の大衆がとられるんじゃないかと私は思っておるわけなんで、もっぱら信用はなくなっちゃったんだというふうに考えておいていただいていいんじゃないかと思うんです。ですから、これからの交渉は、十一月に内閣改造があって、中川長官またずっとやられるかどうか知りませんけれども、とにかく責任持ったやり方をやっていかないと、これは原子力発電の場合と全く同じですから、隠していたりあるいは隠蔽とか、いみいろな問題でだんだん信用がなくなってくると、そういうことなんで、今後の計画というのは、よほどきっちり見通しを持ってやられないと、これは大変なことになると私は思っているんです。  それはそれとして、大体「むつ」というのが、建造してから大分時間もたっておりますし、諸外国の場合見ても、たとえばオット・ハーンとかサバンナ、そういった原子力の商船等は、潜水艦を除いてほとんど実際には終わってしまっているんですね、テストも終わったし、新たにつくる傾向もない。砕氷船とかそういうのはまた違う目的ですから、ソビエトのやつはまた違うと思うんですが、そういうことで、果たして原子力商船というのが今後必要なのかどうか、そういう問題も検討されなきゃいけない、もう一遍見直してみなきゃいけない時期にも来ているだろう、  それで、しかもいままで相当金食っているわけですから、いま行政改革とかいろいろおっしゃって、とにかく小さな政府とおっしゃるんだったら、この際、ひとつ思い切ってこれを廃船しちゃった方がいいんじゃないですか。いつまでも問題を爆弾みたいに抱えていて、頭痛いのをいつまでも抱えるよりも、あるいはどこかの時点でこれを打ち切ると、どこまで成果が確認できたら、それで終わりだというふうな一つの見通しを立ててやらないと、メンツばっかりでずるずるずるやっても金ばかり食ってしようがない、こういうことになるんじゃないかと思うんです。  その辺これは政治決断をして、中川長官にやめたって言えといったって、なかなかそうはおっしゃれないと思いますが、言えたら大したもんですね。これは大したもんです。私はもろ手を挙げて万歳を中川さんのために叫んでいいと思うんですけれども、そういったようないろんな問題を抱えながら今日まで「むつ」がきていると思うんですが、舶用原子炉の問題というのは、私はどうもその順序を間違ったような気がしてしようがないんです。  小型原子炉として、陸上でもってコンパクトで、しかも、庭先に置いてもいいようなものと言ったら極端でしょうが、そういったものをつくり上げてから、船に載せていくという段取り、この方がどっちかというとあたりまえのやり方じゃなかったか。急ぐ余り、初めから船に載っけちゃったと、やってみたら放射線が漏れたということですから、その辺の進め方についても、過去のこと言ってもしょうがないんですが、非常に大きな問題があったんじゃなかろうかと。それとも原子力潜水艦を将来つくろうというなら話別ですよ、これは一生懸命やらなきゃいけないでしょう。  しかし、そういった武器に通じるのはこれはまた問題で、平和利用という問題でしょうから、それはちょっと論外としまして、いままで金を食ったということと、今後の計画というのが非常にまだ時間がかかるということですね。そういう問題を含めて、長官、いかがでしょうか。私さっき申し上げたように、やめるとおっしゃっていただければ一番いいんですけれども、そうも言えないでしょうから、どういうふうにお考えなのか、その点を。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) まず一つは、やめたらどうかということでございますが、しかも外国はオット・ハーンにしろもうやめているじゃないかと、こういう御指摘ではございますが、これは試験研究から実用の段階までりっぱにやり上げて、成功して休んでいるわけでございます。その点日本では全く初歩の段階にしかいまないということでございますので、外国がやめたからやめるというものではないということでございます。  それから、将来それではどうなるのかということになってくると、確かに実用船、商船化するのはないではないかという意見もありますが、私は必ずしもそうはならないのではないか。やはり今日の厳しいエネルギー事情からいけば、原子力の舶用炉に頼る時代が来るであろうと、こういうことを考えるときに、せっかくここまでやってきた基礎実験をやめてしまうというものではなくして、そういう事態に備えて、いままでやった試験研究を成功さしたいと思っております。  なお、陸上でやった方がよかったんじゃないかという議論もあります。陸上であれどこであれ、放射線が漏れるということはよくないことでありますので、その点残念だったと思っておりますが、これからも「むつ」は「むつ」なりの開発研究を進めると同時に、基礎的な陸上での実験等も並行してといいますか、並んで行い、将来は経済性を含んだ第二船へ挑戦をする、こういうことで、若干の金と時間はかかりますけれども、やはり国民経済的に見るならば、これを中途でやめるよりは、長期的な観点から言うならば、この研究を進めることの方が必要ではないか、こういう気持ちでやっておりますので、問題の多い「むつ」ではありますけれども、何とか成功させたい、その芽を在任中に何とか形をつけたい、こう思ってやっておりますので、ひとつやめろということは言わないように御理解いただきたいとお願い申し上げます。

松前達郎日本社会党

○松前達郎君 まさかやめるとおっしゃらないと思いますから申し上げたんですけれども、かかってくるのはいつも母港問題とか、そういうことが非常に多いのです。人間等の信用の問題とか、そういった問題がほとんど絡み込んだ問題です。  これは原子力発電所の立地の問題も同じですけれども、そういった核に関する一つの大衆の運動といいますか、こういうものがあるのですから、その辺がどうも引っかかるんじゃないかと思う、私は前にちょっと暴論かもしれませんが、無人島へ持っていって港をつくってやったらどうかということを申し上げたような気もするのですけれども、しかし、いずれにしても、さっき申し上げたように大分時間がかかっているということですね。  それから、外国の原子力船が実用化試験を終わったというのですが、このデータは、技術導入という得意の日本の手があるんですから、これはやろうと思えばそこから買ってくればいいので、売らないかもしれませんけれども、そういったこともできないことはない。しかしせっかく始めたんで、最後までやり通すというふうにおっしゃるんでしたら、たらい回しなかっこうじゃなくて、きちっとした一つのプログラムを組んで、そのプログラムでここまでいったらこれで成果が出たと、ですからこれで終わりなんだと、後その成果を蓄積しておいて、必要なときまたやればいいんだというふうなことで、そういった将来計画も含めたプログラムを国民に提示しませんと、いつもあちこちうろうろして、「さまよえるオランダ人」みたいになっているわけです。  ですから、そんなことがどうも信頼を失うようなかっこうになっているのじゃないか。これも全く原発の場合と同じなんだというふうに思うので、その辺はひとつ十分検討していただきたい、こういうふうに思うわけです。そのことをひとつ最後にお尋ねしまして、質問を終わらしていただきます。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 先ほども申し上げたように、実用化までの研究開発を進めたいという流れでございます。先ほど言ったように、経済性も含めた第二船への挑戦もしたい。またその間には、陸上における基礎研究もやりたい。曲がりなりではありますけれども、「むつ」もここまで来たことですから、これの研究開発も仕上げたいと、こういうプロセスでかなりの紆余曲折はありましたが、そういった軌道に乗せていきたいと、こういうふうに考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 最初に、新技術開発事業団法の一部を改正する法律案に関して質問いたします。  いただきました資料によりますと、戦後の革新技術開発は、アメリカが圧倒的に多い。これは通産省の「八〇年代の通商産業政策」、一九八〇年版の資料のようでありますが、一九五三年から七三年まで二十年間において革新技術を発見した数、アメリカが六三%、イギリスが一七%、そしてその次が日本と西ドイツで大体七%と、こういうようになっておるわけでありますが、GNPにおいては世界第二位のわが国として、革新技術の数が非常に少ないような感じがいたしますが、こういう点がどういうところに原因があるとお考えになっておるのか、伺います。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) ただいま先生のお話のとおり、確かに日本独自のオリジナルな技術というのは少なかったように思いますが、その理由といたしましては、日本の研究者にそういうオリジナルな発想がなかったんだということではなくて、むしろ敗戦後のどん底から国民経済の発展と生活水準を上げる、こういうところに官民ともに関心が集中しておりまして、基礎的な時間のかかる研究をやっておるというよりは、アメリカあたりのこういう発展する技術のシーズと申しますか、そういう芽を導入いたしまして、それでこれを非常に発展させていった。  たまたま日本は職員にしましても、労働者にしましても、平均的な水準としては非常に高い能力を持っておりますし、導入した技術を消化し、発展させるという点につきましては、きわめて顕著な効率的な傾向を発揮したわけでございます。特に日本の場合、年功序列制と申しますか、終身雇用制で、集団に対する帰属意識が非常に強い社会でないかと私思うんでございますが、そういう縦割り社会の組織の中できわめてこれが有効に働いてきた、こういうことであろうと思います。  そういう中で、こういう時間のかかる長期的な個性のある研究者が個々にオリジナルな発想をいたしましても、それを生かしていくような雰囲気もありませんでしたでしょうし、そういう環境も乏しかったのではないか、このように考えておる次第でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 一九五三年から七三年の間に日本で生まれた革新技術は三十四件と、この資料にあるわけでありますが、この三十四件というのは官学民で分けた場合、大体どういうところで発見されたものであるのか。また、同じ資料ではそのうち非常に日本の独創的な画期的な技術が二件とありますが、この二件は官学民と分けた場合に、どういうところから出ておるんでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のおっしゃいますデータは、たしかアメリカの全米科学財団の世界の新しい技術五百件についてのデータではないかと存じますが、その中で日本は確かに数少ないんでございますが、このうち大部分のものは大きい改良技術である、いわゆるオリジナルな革新技術というのは、たしか二件だということになっておりまして、あと大部分は改良技術、この二件もたしかエサキダイオードといいますか、何かそういったものでございまして、官学民と申しますと、大部分の場合は民間が中心になったケースである、このように考えておる次第でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 いま宮本局長から、わが国の戦後革新技術開発がおくれておったのは、一つは基礎研究よりも応用研究あるいはアメリカの導入技術をいかに日本の生産に結びつけていくか、そういうところに重点が置かれたためで、決して日本民族が頭が悪いとか頭脳が優秀でないとか、そういうことではない、こういうお話で、私も非常に心強く思うわけでありますが、確かにわが国は、今日までいわゆる国全体の研究開発費、そういうものを見ても民間企業に依存する部分が非常に多い、国から出す研究費が非常に少ない、基礎研究のようにあるいは将来不発に終わるかもしれない、そういうような研究に、利潤を求める企業がある程度以上の力を入れるということはできないんではないかと思うわけでありますが、そういう意味では、やっぱり新しい種を生むには、どうしても基礎研究を進めていかなくちゃならぬ。これが一つの今回法案を出された趣旨ではないかと思うんですが、わが国のそういう企業とそれから国とに分けた場合の研究投資の状況は、いまどうなんだろうか、諸外国に比べていまどういう状況になっているのか、これを伺っておきます。

園山重道科学技術庁計画局長

○政府委員(園山重道君) わが国の場合の研究投資におきます政府と民間の負担の割合という御質問かと存じますが、各国との比較をいたしてみますと、    〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 統計がそろっております五十三年度のデータで見ますと、いわゆる国防関係の研究費を除いてみました場合にも、政府の負担割合というのがアメリカは三五・八%、フランスが四六・六%、西ドイツが四二・九%というような数字でございますが、わが国の場合は二七・五%ということで非常に低くなっております。  これは五十二年度の数値でございますが、五十四年度におきましてもやはり二七・二%ということで、この傾向は変わっておりません。それぞれ国情の違い、あるいは政府の役割りの違いということもあろうかと思いますけれども、わが国の場合、御指摘のように、明らかに民間の負担が大きくて、政府の負担割合が低いということは否めない事実であろうかと思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そういう基礎研究を有能な学者がある程度自由にできるために、今回の流動研究システムというものが生まれたわけで、私たちもその趣旨には非常に賛成でありますが、しかしいま言ったように、国全体の基礎研究の研究投資をふやさないで、今回も流動研究システムへの予算は五億円と聞いているわけですが、五億円ぐらいで、なるほどねらいはいいわけですけれども、まさにスズメの涙、二階から目薬というか、そういう感がしてならないわけですが、そういう点はどう考えておるのか。  それと、いわゆる基礎研究を国全体としてふやしていくために、財政の厳しい状況の中ではありますが、いわゆる政府としての研究投資というものをどのようにふやしていく御決意であるのか、目標というか、そのあたりをお聞かせいただきたい。後の方はできれば長官からお伺いしたいと思います。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 今度の流動研究システムの制度で、確かに五億円程度ということになっております。科学技術会議にお諮りいたしまして、具体的な金額は決めたいと思っておるんでございますが、本制度は、このように法案御審議いただきました後で、いろいろ具体的な計画、それから具体的な枠組みをどういうようにやっていくかというきわめて実務的な問題が非常に多いのでございます。そういうことで、実際に先ほど松前先生からお話ありましたような研究が本当に実施に入るという段階を考えますと、私どもといたしましては一月ぐらいからではないだろうか。それまでに準備を整えて十月からいろいろ折衝に入る、そういうような感じでおります。  そういう点で初年度といたしましては、決して多いとは思っておらぬのでございますが、この程度からまず発足をさせたい。五十七年度におきまして、ちゃんと研究制度としてまとまったものに仕上げていきたい、このように考えておる次第でございます。

園山重道科学技術庁計画局長

○政府委員(園山重道君) 若干私から数字的などころを申し上げさしていただきたいと思いますが、先ほど御説明申し上げましたのは、わが国の全体の研究開発投資でございまして、この中におきます政府の負担割合が低いということを申し上げたわけでございます。  一方、先生御指摘の基礎研究関係について見てみますと、一般に統計におきましては、基礎研究、応用研究、開発研究といったような区分でとっておるわけでございますけれども、これも諸外国と比較いたしてみますと、これは五十二年度の数値がそろっておりまするが、わが国の場合、基礎研究が一六%、それから応用研究が二五%、開発研究が五九%ということで、基礎研究は一六%ということでございます。この数値は、フランスの場合二一%、西ドイツの場合二一%、これよりは低いわけでございますけれども、アメリカは一三%でございまして、これよりは高い。それからイギリスはやはり一六%で日本と同じであるということでございます。  ただ、これは先ほど申し上げましたように、全体の研究投資における比率でございますので、やはりこの中でそれぞれ官民の負担というのは、政府の負担が低いということはあるわけでございます。今後やはり、先生御指摘のような基礎研究の重視ということが非常に重要かと思われますので、ただいま振興局長御説明いたしましたような制度上の問題とともに、基礎研究に対する特に国の負担というものを上げていくという努力が必要かと思っておるところでございます。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) この新しいシステムによる研究費は、ことしは四項目、四つの柱ですが、五年をめどに完成をする。それからもう一つは、大体一研究、一テーマについて二十億から二十五億ぐらい予定しておるわけでございます。したがって、四項目取り上げると八十億から百億ぐらいが予定される。そして、でき上がるまで何もしないかというと、やはり毎年四項目ぐらい新規のものも並行してやっていく。こういうことになりますので、五億程度ではとてもできませんで、五年間で八十億から百億ですが、それが重なって五年先ぐらいになると、やはり八十億から百億に近いものが毎年かかる、一番ピークになればですね。そんな形で流れていけばなあと思っておりますが、何分にも財政当局もあることでありますので、厳しい中ではありますがわれわれとしてはそんな形で進めたいなあと、こう思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 その点はぜひ科学技術庁長官に、今後鈴木内閣の中において鋭意がんばっていただきたい、このことを要望いたします。  私が先般の委員会でも質問したいわゆる石炭液化のプロジェクトですね。これなどは開発研究になるんじゃないかと思うんですが、これもアメリカと西ドイツと日本がやると、けれども余りメリットがないんじゃないかということで、アメリカも西ドイツもしり込みしておる。ところが、そういう研究にどれだけの金が出るかというと、一年間に百何十億のお金が出る。ところが、これからの日本の将来を決めていく大事な研究に五億円と、そういう点で私は研究費というものに非常にアンバランスな点がある、そういう感じがしてならないわけで、そういう私の気持ちを述べて、今後こういう限られた研究費が最も効果的な配分になるように、私は科学技術庁としても大いに気を配ってもらいたい。このことを要望しておくわけであります。  それから次に、この法案の内容でございますが、ことしは四つの研究テーマが選ばれておるわけでありますが、こういうテーマはだれが選んだんですか。どういう方法で、いかなる理由によって、だれが選んで、この四つのテーマが決まったのか。やっぱりこういう研究システムにおいて、どういうテーマを選ぶかということですね。それからどういう人を集めるかという、このあたりが非常に大事じゃないかと思うんです。ところが、ことしの予算はまだ制度ができる前に四つのテーマがぱっと決まっておるわけですから、非常に手回しはいいわけですけれども、だれが決めたんですか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) まだ始まっていないものに四つのテーマという、確かにそういうことでございますが、私どもといたしましては、今度の研究枠組みは、日本の縦割りと申しますか、そういう社会の体制、慣行といいますか、その中では非常に新しい研究の枠組みでございます。いろんな機関に帰属する人たちを横断的に集めると、こういうシステムでございますので、やはり具体的な一つのテーマの試案を持ちまして、それで具体的に当たり、その上でいろいろ問題点を出しまして、そういうことで集まる人たちが、集まる上においての制度的な障害について対応する措置をいろいろ考えまして案を固めてまいったわけでございます。そういう意味でこの四つの候補テーマも、正式には、この法案を御審議いただき、御了承いただきますれば、開発審議会にかけまして御承認得ぬといかぬのでございますが、一つの試案としていろいろ当たり、問題点を探って案を固めてきたと、こういう経緯でございます。  それで、この四つのテーマにつきましては、やはり新技術開発事業団が、国の試験研究の研究者が多いんでございますが、そういう人たちの持っておる特許権等を企業化するという業務を従来長い間にわたってやってまいりました。    〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 そういうことで、どういう研究者がどういう研究をやっておるか。それが具体的にどういう段階に来ておるか。そういうことを企業化したいと希望する企業はどういうぐあいにあるかと、こういう情報も実はかなり現実に持っておるわけでございます。  それで、そういう中で集まりました情報をもとにいたしまして、基礎理論的な研究につきましては相当熟成しておると、すでにそういう関連いたします研究分野、たとえば超微粒子でございますと、金属の微粒子につきまして、いろいろ理論研究なり実際に研究をやっておられます先生や企業研究者がかなりおるわけでございます。そういう研究がかなりのところに来ておる。それで、五年間程度で一つの大きな最終的な結論が得られるんではあるまいかと、こういうような情報を持っておるわけでございます。そういう情報をもとにいたしまして、事業団の知る限りの中で、しかも、現実性があり得るという観点でしぼってまいりましたもの、これが現段階で大体四つ程度、こういうことでございます。  したがいまして、この法案を御了解いただけました後は、このシステムをもうちょっとシステム化いたしまして、組織的に広範にしぼってくる、こういうことを開発審議会を中心にいたしましてやらなきゃならぬのではないかと、このように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 宮本局長が最初言われたように、確かにわが国の場合は終身雇用制で、企業への帰属意識が強いと。確かに企業としては、製品をどんどんつくって売ると。余り壊れない製品、五十年も百年ももつような製品をつくっておったんではなかなか売れないわけで、ある程度は適当に壊れ、あるときには適当に古くなっていくような陳腐化政策というか、そういうことは当然あるわけです。だから、そういうような弊害、壁を破って、横の連携をとって新しいそういう研究家集団をつくる、こういう点がねらいにあるようにいま理解をしたわけで、それは非常に私はいいと思うんです。けれども、やっぱりテーマの選び方において、あるいはどういうグループをつくるかという、こういう点についてはどうなんですか。公募というか、あるグループがぜひこういうテーマで、この人を中心にこういうのをやりたいと、そういうような国民全体から広く公募をすると。広く公募しなくても、そういう申し出があったときには、事業団としては積極的にそれを冷静に検討し、大いに採用する方向にあるのかどうか、その点どうでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のお気持ちよくわかる次第でございます。私ども今後研究プロジェクトをどういうぐあいに選定するかというプロセスといたしまして、やはり広くアンケート調査、もちろん研究者に対するアンケート調査を実施したいと思っております。それから学界で有力な方々、そういう学識者のヒヤリングを行いまして、テーマというよりはもうちょっと広い範囲の対象分野をまず候補として決めていきたいと、このように考えております。  先ほど申し上げたと思いますが、新しい将来の技術の種になりますような、オリジナルな技術の種になります分野と申しますのは、先ほどもちょっとお答えした点がございますが、いわば極限技術と申しますか、超高温とか超低温でございますとか、それから結晶構造が天然にないとか、超微粒子でございますとか、そういう極限的な分野が一つの今後の新しく技術開発の種になるんじゃないか、こういういうぐあいに一般的に見られておりますし、私どもの科学技術会議の答申などでも、そういうことを言っておるわけでございます。そういう分野の中で、理論研究が先行いたしておりますわけですが、そういう理論研究はどの程度までうまくでき上がっておるのか。その上で、新しい何か実用化できるような種が発見できる可能性というぐあいにしぼってくるわけでございます。  そういう観点から、まず候補分野をしぼりまして、それで特定しました分野の中で、さらに個々の研究者から研究プロジェクトの提案を受ける、こういう形でさらに問題をしぼっていく、こういうことを実は考えておるわけでございます。問題がきわめて専門的な基礎的な研究でございますので、公募というのは若干問題があろうかとは思いますが、広く研究者間にアンケートを求めて、その中からしぼり上げていきたい、このように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私はこの四つのプロジェクト名を見せていただいたわけですが、超微粒子とか特殊構造物質とか、ファインポリマー、完全結晶、よくわかりませんが、これを読んだ感じではいろいろ材料ですね。太陽電池に使うとか、コンピューターに使うとか、そういうようなこの四つとも発想が非常に似通っているわけですね。やっぱり発想の転換も非常に大事じゃないかと。たとえば、石炭を液化するいまいろんな方法が、日本の企業やあるいはアメリカ等において研究されておるわけですけれども、私の知人のまた知人の話では、たとえば褐炭という非常に質の悪い石炭をバクテリアで分解をさして石油をつくる、そういう技術を研究しておると、そういうような話もちょっと聞いたわけです。これは確かめたわけじゃないんですが、確かにアルコールだって、言うなれば酵素で植物からアルコールをつくる。こういうように材料も大事ですけれども、バクテリアとかそういう方面も大いに研究すべきじゃないか。  そういう意味で、やっぱり上から決めちゃうと枠が決まるんですよ。ある程度公募の形もとっておけば、その中には変なのも来るかもしれませんけれども、案外いいのも来るんじゃないかと。そういう意味で、できるだけ広く全国の学者あるいは中には素人もいるかもしれませんが、やっぱり英知が結集できるような、そういう体制をぜひつくってもらいたい。すぐには無理にしても、そういう方向に努力をしてもらいたい。これはどうでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) ただいま先生から御指摘ありましたように、私どもも候補としております四つのものにつきましては、いずれも基本的な物質の物性を特徴にしたものでございまして、若干先生のおっしゃるように物質の方に四つ偏っている点がございます。超微粒子はその中でも若干生物学との親近性を持たせたグループが一つ入ってくるんでございますが、確かに物質中心になっております。  それで、私どもといたしましては、この次の今後のテーマといたしまして、やはりもう少し生命現象と申しますか、先生のおっしゃいましたバクテリアなどもその一つと思いますが、そういう分野、たとえば遺伝子工学における技術的な基礎に関するものとか、それから海洋生物の生理の制御物質とか、いろいろ生命現象の方に根源を持ちますものについても取り上げていきたい、このように考えております。そういう意味で、私ども決して物の方に偏ったつもりはございません。広い範囲から問題を取り上げていきたい、こういうように考えております。  そういう意味で、先生のおっしゃるように非常に広い範囲にアンケートを広げまして、いろいろ論文を発表しておる方は学会誌も多うございますし、たくさんございます。そういう方々からアンケートを集めまして、それで問題をしぼっていきたいと思っております。私どもこの四テーマは、当面新技術開発事業団が持っております情報の中でしぼり込んだものでございますので、確かにそういうような状況はあろうかと思います。ひとつ今後は広くやっていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 これを新技術開発事業団の業務に新しくつけ加えて、流動的な研究システムを推進していくように承っておるわけですが、新技術開発事業団もパンフレットをちょっと読ましてもらったわけですが、いろいろな技術をそれだけでは企業化できない、要するに危険があると、そういうものにある程度資金を与えるなり融資するなり、成功したら返しなさい、不成功なら残念だけど返さなくていいよ、こういうようなシステムになっているようなんですが、やっぱり研究費もこれは国民の税金ですから、私は長い目で見れば、新技術開発事業団がいろいろ投資したお金、あるいはまた今回の流動研究に使ったお金というものが、長い目で見れば新技術開発事業団にも返ってこなくちゃいかぬし、さらに広く国民全体にもプラスしていかなくちゃいけないと思うんですが、現在のところ、新技術開発事業団は三十六年発足以来二十年もたっておるわけですが、研究投資の回収というか、すでに開発費の回収金等が新しい開発に使われているように聞いておるわけですが、そのあたりの回収状況はどうなのか、将来の見通しについてはどう考えておられるのかお尋ねをいたします。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 現在の新技術開発事業団の委託開発制度でございますが、現在これは五十五年度、前年度の予算でございますが、大体四十億近い融資をやっておるのでございますが、そのうち回収しております資金が十六億で、事業収入はまだ二億何がしてございます。事業収入は実際の商品が売れました場合、そのうちの一%でしたか、何かそういう実施料が若干の収入でございます。回収しておるのがその程度でございます。  それで現在二十年で開発委託件数が百八十一件やっております。そのうち成功いたしておりますのが百二十件で、成功率は非常にいいんでございますが、成功したものが実際に商売として成功しておるというものは、まだまだ限られた分野でございます。したがいまして、実際の収入はまだまだ少ない状況でございます。今後もう少し底辺を広げていかなきゃいかぬのではないかと思っておりますが、回収金を事業収入だけで全体が転がるというようなものにするにはなかなか時間がかかる、こういうことではないかと、このように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 そういう方向で、それは決して目的ではありませんけれども、結果的にはそうなるように努力していただきたい。  それから開発審議会の委員ですね。現在十人いらっしゃるわけですが、大学の教授が四人、それから企業から鉄が一人、電機が一人、石油関係が二人、あと病院と銀行から一人来ているわけですが、こういうメンバーから見る限りは、余りそういいアイデアは生まれそうにないメンバーで、銀行屋さんが開発審議会の委員に決まっているのもどうかなと、この中に私の大学の先輩も一人おりますので余り悪口は言えませんけれども、いわゆる政府の審議会というのは、税制調査会にしても何にしても、何か政府の隠れみの的なあれではないかと世間で言われていると同じような感じを私は抱くわけなんですが、そういう開発審議会のメンバーは、今度新しい流動研究も加わるわけですから、もうちょっと再検討すべきではないか。その点はどうなんでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 確かにいまの事業団の開発審議会の委員は、既存業務が研究者の持っておりますすでにでき上がった特許権の企業化、こういうことにあるものでございますので、銀行の方とかそういう企業化開発ということに向いた感じで人選ができておるように思います。今後この法案御承認いただきました場合には、こういう非常に基礎的なレベルの研究でございますので十五名と、これに五名を新たに加えるということだけじゃなくて、もう一度十五名を新たに改組いたしたい、全面的に選び直したい、こういうぐあいに考えております。  その選び方といたしましては、先ほどちょっと申し上げましたが、全般的な技術の動向につきまして広い視野を持つ方、これが第一分野と申しますか、それから第二分野といたしましては、物理とか生物とか化学とか、そういう基礎科学の分野、それからもう一つはテクノロジーの分野、工学関係の電子工学、材料工学こういった方々、大体この三つの分野から人選をしたいと思っております。これは政府の審議会じゃございませんで、事業団という事業を実施する上での審議会でございますので、そういう点は実施体制に十分貢献できる方を選びたいと思っております。  それから非常に範囲の広い基礎研究でございますので、正直のところ十五名の方で全部をカバーするということは、非常に無理であると考えております。そういう点で、専門委員の方を相当大幅にお願いいたしたいと、こういうぐあいに考えておる次第でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 長官にお伺いいたしますが、今回の流動研究システムが発足をするということで、私は日本の将来にとって一つの画期的なスタートになってほしいと。五億円で少ないですけれども、小さく産んで大きく育てるということわざもあるように、中川科学技術庁長官の時代に生まれたこのシステムが、今後日本の国をさらに幸せな国にしていく大きな出発になったと、こう言えるような、そういう運営のよろしきをぜひやっていただきたい。  科学はよく言われるように両刃の剣で、悪用すれば人類の破滅にもつながるし、また一方、使い方によっては人類の福祉になる。また、ある一方では国民全体の幸せにもなるし、ある一方では特定の独占した人たちの金もうけにも使われていくと。こういう両方があると思うんですけれども、私はこれは本当に平和と、そして日本国民全体の福祉につながっていくような、そういう方向に導いていかなければいけないんではないかと、このように思うわけでありますが、そういう点についての長官の御決意を承っておきたいと思います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のとおりでございまして、今日日本がこれだけの繁栄をしておると。外国から見れば経済大国だ、うらやましい国だと言われるぐらいすばらしい成長を遂げたその背景は、やはり科学技術をりっぱに駆使したということだろうと思いますが、ただしその中身は改良技術であった。しかも、導入技術で外国から入ったものであった。こういう点に反省をし、また、先々これからの展望として、資源が有限時代であると。エネルギーにも非常に問題が出てきたと。さらに、経済をよくしていく上に、あるいは暮らしをよくしていく上においては、科学技術が必要だということは言うをまたないところでございます。  そこで、問題のあった導入依存型あるいは改良型から脱却をして、そして創造研究、基礎研究、先端研究というものをやって、わが国の経済に新しいものを生み出していく、経済活動をより広いものにしていく。こういうことを通じて国民の福祉に貢献していきたいというのが、今度のお願いした趣旨でございます。これが平和を乱したり、あるいはひとりの者にひとり占めされると、こういうようなことはあってはならない。まじめな意味で、国民全般の福祉の向上、生活の向上、こういう点に大いに役立たせたいと考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 次に、これも中川長官の御感想をお伺いしたいわけでありますが、最近高知県において原子力発電の建設をめぐり、窪川町でございますか、リコールあるいはまた町長選が行われたわけであります。その選挙結果について長官がどういう感想を持たれておるのか。  それともう一つは、敦賀の日本原子力発電所における今回の事故あるいは事故隠しというか、こういう一連の事柄に対して、どういう感じを持っておられるのか、これをお伺いいたしたいと思います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) まず最初に、窪川町の選挙結果についてでございますが、御承知のように、先般原発推進の町長リコール選挙がありまして、残念ながらリコールが通過をしたということで、原子力を担当する者としてはさあ困ったなあと思っておりました。ただしその当時も申し上げたんでありますが、必ずしも原発反対が勝ったのではない。そういう一面もありますけれども、町内の政治的な要因も相当加わったものではないか。いずれにしても残念な結果であったと思っておりましたところ、今回の町長選挙におきましては反対派が破れた。そして原子力に前向きの町長が当選したということは、前回とは逆に原子力担当いたしております大臣としては、非常によかったなという率直な感想を持っております。今後は町長が民主的な町民の意思を反映して、窪川町において原子力発電が推進されるよう期待いたしたい。まずまずよかったなあというのが偽らざる心境でございます。  次に、原電敦賀発電所の放射能漏れについてでありますが、わが国が原子力平和利用に積極的に取り組み、特に省エネルギー、代替エネルギーが世界的な政治課題となっており、エネルギーの自給率の少ない日本にとっては、どうしても原子力の平和利用、発電への利用ということを避けて通れないと、こういうことでございます。  そこで、原子力発電で何が問題かというと、安全性であるというこの一点。必要性については国民の皆さんが大方理解していただいておりますけれども、安全性について納得が得られない面が相当あるということでございますので、原子力行政イコール安全行政と言ってもいいぐらい大事にしてやってきたつもりでございます。しかるところ、今回ああいった事態が発生したことはきわめて遺憾でございます。今後調査をして災いを転じて福となすと、安全性がさらに一段と守られるという仕組みにしていきたいと、こう思っております。ただ幸いだったのは、この事故が一般住民あるいは魚介類といったようなもの、周辺環境に影響を与えなかったということは、せめてもの幸いでありましたし、また作業員等の被曝も許容限度をはるかに下回る程度のもので処理がされたということは、まずまずよかったなあということでおるわけでありますが、いずれにしてもああいった初動的なミス、バルブを締め忘れるというような初動的なミス、あるいは構内にあってはならない一般排水路があったというようなこと、さらには報告義務を怠ったと、こういうことは本当に反省の材料でございまして、この点は深く国民の皆様におわびをすると同時に、今後かかることのないように十分注意して、国民の信頼を得るようにいたしたいと、こう思っておる次第でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私は高知県の選挙の結果について、最初のリコールのときには中川長官も行かれ、自民党の幹事長等も現地へ行って安全だ安全だと、そうするとリコールが成立し、今回はだれも行かないで住民の判断に任したようでありますが、原子力発電反対反対という、そういう論が破れたわけですね。やっぱり国民の意識というのは、絶対原子力発電というものは安全だ、安全だと言うと抵抗がある。やっぱり危険だけれども、慎重に運転をしていかざるを得ないんじゃないか。そういう意味で、私は今回の結果もやっぱり高知県民の良識の判断じゃないかなと、そういう感じがするんです、だから、私は政府としてもこの選挙で勝ったから調子に乗ってというのではなしに、この判断は慎重に事故のないようにやっていけという判断じゃないかと思いますので、今後ともひとつ慎重に対処していただきたい、このことを要望しておきます。  それから敦賀の事故について新聞の報道では、二十一日の閣議で科学技術庁長官と農林大臣等が非常に意見の衝突があったと。農林大臣は非常にけしからぬと言ったけれども、科学技術庁長官はちょっと騒ぎ過ぎると、ホンダワラをこれだけ食べても大丈夫じゃないか、そう大した住民に被害もないのに騒ぎ過ぎるんではないかというような、そういう意味の発言をされたやに報道されておるわけですが、その点はどうなんでしょうか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 新聞にそのようなことが書いてありましたが、真相は通産大臣から事故のいきさつについて報告があり、いま調査中であり、調査結果を待って万全の対策を講じたい、こういう趣旨の発言がありました。農林大臣からは、せっかくの原子力行政がこの段階において、こういう事故が起きたことはまことに遺憾である、こういう趣旨の話がありました。  私からはまことに遺憾ではあるが、この事故の内容が余りに誇大に伝わることもいかがかと思うと。真相は真相で究明をしなければならぬし、真相は国民に明らかにしなければならないけれども、これによって大変魚に影響を与えて、人体に影響を与えるというような受けとめられ方をしまして、これまた原子力行政が真に理解をされない方向にいっては困ります。  原因については、一つはバルブの締め忘れであり、一つはあってはならない一般排水路が構内にあったと。それから三番目によくないことは、報告義務を誤ったことである。こういう実態でございますし、被害については幸いにしてなかった。特にあそこにホンダワラという海草があるんだそうですが、これは人間が食べられませんけれども、もしこれを食べられるものとして毎日四十グラムずつ、しかも、これを三百六十五日間連続して食べても、人間に与える影響は〇・〇七ミリレムである。そうすれば許容の範囲が五百ミリレムでございますから、算術計算すると約一万分の一ぐらいの量でしかない。  こういうことでございますので、被害がなかったという点も御理解をいただくことがいいのではないか。科学技術庁は安全性について責任を持ち、また調査もいたしておりましたので、調査結果を御報告したまでであって、それに対してけしからぬとか、けしかるとかということはありませんで、皆さん御納得をいただいたのでありまして、閣議で議論があったというようなことではございません。事故についての反省については、同じくみんなが持っておりますし、それから被害の範囲について御報告を申し上げ、御納得をいただいたと。御納得というか、御理解をいただいたと、こういうことでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 確かにそういう放射能、あるいはその受けた放射能の量というものはまあ心配ない。そういう点は私も理解はできるわけです。しかし、今回そういういろいろな事故を隠しておったと、そういう体質というか、こういうものは、これは非常に騒ぎ過ぎても騒ぎ過ぎることのないぐらいに許されないんではないか。この点はどうなんですか。これは科学技術庁の所管ではないかもしれません、通産省の所管かもしれませんけれども、そういう事故をやりながら、それを隠そうとしたこういう体質についてはどう思いますか。これはよくないでしょう。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 事故隠しということは許されないことでありますし、徹底的にこの点は調査をいたさなければなりません、そしてまた、そういう事実が明らかになったら、それはそれなりの責任をとってもらわなければいかぬことだと思います。  ただ、私たちが知っている範囲内では、やっておられる人は管理区域内のことであると。外部に漏れたわけではなしというような安易さで、余り罪の意識がなかった。内部で処理をして、しかも、その被曝が五十六人で大変だと書いてありますけれども、この被曝の量も五十ミリレム程度で許容範囲内である、こういうようなことから、そんなに大それたことをしたという意識がなくて、やったのかなというところがありまして、この点はこれから調査をいたさなければなりませんが、いずれにしても、ああいった事故は報告をしなければならないことになっております。これを報告しなかったということは、どうも弁解のできないところである、こういうことで、今後さらにどうしてああいうことを報告しなかったのか、一段と究明してただすべきはただしてまいりたい、こう思います。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 きょうは余り時間もございませんので、深くはお尋ねをいたしませんが、今日まで米国のスリーマイル島における事故のときも、わが国においても、もし何かの事故があっても、二重三重の安全装置が働いて、決して発電所敷地外の一般大衆、環境に影響を与えるようなことはありませんと。私たちもそのことを信頼をしておったわけですけれども、今回、環境にまで漏れた、量は少ないにしても漏れてしまった。先ほど松前先生からお話がありましたように、炉の運転には非常に安全装置がうまく働いておるのに比べて、その周辺の部分に非常におろそかな点があったんではないかと、こういうような御意見、私もそのような気がいたします。  それで、やっぱり人間ですからミスはあると思うんですね、二重三重のそういう安全装置がなくちゃいかぬ。また発電所に働く人は全部善人ばかりじゃない、中には悪い人間も何年かに一人は出てくるでしょうし、故意に事故を隠そうという人もいる。けれども、そういうような人がいてもそれができないような体制、システムをつくっていかなければいけないんじゃないかと思うんですね。そういう意味で、ある特定の場所に異常な放射能が出れば、所内においてもちゃんとモニタリングによってぱっとキャッチできる。あるいは従業員の人が被曝を受けた、何人か放射能を異常に受けた、日常の作業からいえば異常に高い値なわけです。そのように、作業員の人は毎日フィルムバッジを持って作業をしているわけでしょう。帰るときにはそれを預けていくんですから、そこで働いた従業員のその日その日の放射線を幾ら受けたかというデータあたりがぱっと集まるような、いま銀行あたりは全国コンピューターシステムで、広島に置こうがどこに置こうが、いつでもあれを入れればお金がぱっと引き出せるし、預金すればぱっと本店に入るわけです。そういうように、日本の科学技術の粋を行く原子力発電所ですから、そういうような従業員の方々の被曝量の管理など、もうその日のうちにすぐわかる、しかも通産省の現地派遣になっている人にもそういうデータがわかるような、こういうふうにやっぱりもうちょっと科学的なシステムをぼくは考えるべきじゃないかと思うんですが、そういう点はどうなんですか、通産省としては。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 二点ございます。まず、敷地から放射能が出る前に検出する体制を整備すべきではないかという御指摘でございますが、原子力発電所の放射線管理につきましては、原子炉等規制法に基づき実施しておりまして、敷地外に放射能が漏れるような事態を監視するためのモニタリングを、御承知のように行っております。今回のように一般排水路が廃棄物処理建屋の地下を通るようなケースはきわめて特殊な事例でございまして、直ちにモニタリングシステムを見直す必要はないと私ども考えておりますが、立入検査の結果も踏まえまして、改善すべき点があれば改善したいと思っております。現在までの調査のところでは、敦賀発電所を除く他の発電所については、このような例は発見されておりません。  それから従業員の被曝管理の点でございますが、現在、各発電所におきましては、管理区域内に入りました従業員につきましては、TLDという熱螢光線量計、もしくはポケットドーズメーターですね。ポケット線量計を用いて、フィルムバッジと併用いたしまして管理いたしております。ポケット線量計の場合はどうしても人間が肉眼でこうやってのぞかなければなりませんから、これはみずから手で記録いたしますが、TLDの場合にはコンピューターシステムに連関いたしておりまして、作表も自動的に行われるようになるわけでございます。だんだんポケット線量計からTLDに変換されつつございまして、もうすでに一部の発電所におきましては、コンピューターによって完全に管理されるような状況にもなっているわけでございます。先生御指摘の点につきましては、今後とも私ども積極的に指導をしていきたいと考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今回は大体どこの段階で隠しとったんですか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) どこの段階というと非常にむずかしいんでございますけれども……。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 通産省じゃないでしょう。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 現在、立入検査を実施して事態を究明しておるところでございますけれども、私どもに対しましては、この原因となるような、あるいは原因と推定されるような事象については、いずれも報告されていなかったというのが実情でございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 一つは、安全審査というものを科学技術庁所管の安全委員会においても審査をしたわけですが、いわゆる一般排水路というか、海へ流れ出る古い排水路というものが、マンホールがあるのにそういうものが全然知らないであった、このように新聞でも報道されておるわけですが、科学技術庁は基本設計だけを設計するんですから、そういうところに穴があるとか、すき間があるとか、そういうふうなことは科学技術庁の責任ではない、こういうようなニュアンスのようでありますが、しかし、いずれにしても安全審査の一つのルールというものは、当然科学技術庁あるいは原子力委員会、安全委員会でつくるわけですから、もうちょっと安全審査というものも改善をしなければいけないんじゃないか。こういう点は科学技術庁としてはどういう考えを持っていますか。今回の事柄を通して安全審査のあり方についての反省はあるのかどうか。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(赤羽信久君) この廃棄物の処理施設が建設されました当時は、まだ前の原子力委員会の時代でございました。安全審査をやったわけでございますが、いまから見ましても、基本的な考え方だけを認めただけでございまして、このような実際の工事、設計につきましては、全部通産省に渡したというりが実情であったようでございます。  現在はどうかと申しますと、現在はむしろ通産省の安全審査を安全委員会がダブルチェックするという形になっておりますけれども、そうすると、やはり基本的な設計だけにとどまってしまうというおそれがございます。したがいまして、現在の運用といたしましては、安全委員会がダブルチェックをして認める段階では、特に注意すべき事項を指摘いたしまして、設計、工事段階以降も報告をもらいながら、意見を述べていくという体制をとっておりまして、途中に穴があかないように注意しているわけでございます。  なお、本件につきましてはまだ調査中でございますので、結論的なことを申し上げるのはいかがかと思われますけれども、御指摘のように、審査に当たっての基本的な考え方を述べるという責任がございまして、その点に必要があるかどうか検討していきたいと思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 今回この事件で、今後の安全審査においては、敷地内のいろいろな流れた水寺が不用意に敷地外に出ないように、そういう点に十分配慮をしていかにゃいかぬということは一つあると思うんですけれども、しかし、そういうことだけじゃなしに、もうちょっといろんな面から検討していけば、あるいは抜けている点もあるんじゃないかと思うんですね、そういう点で、今回のような事故のないように、今後ともさらに努力をしてもらいたいと思います。  それと最後に、新聞見ると何とかピコキュリーというのが出てくるわけでありますが、ピコキュリーといってもなかなかよくわからぬわけですね、われわれ。参議院の科学技術委員会の理事の私がわからぬぐらいですから、一般国民の人はさらにわからない点もあると思うんですが、ピコキュリーとかレムとかレントゲンとか、こういうようなのをもうちょっとわかりやすく、いろんな表現をもっと統一するとか、そういうような点はどうなんでしょうか。ピコキュリーとかレムとかレントゲンというのは、どういうことなんですか。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(赤羽信久君) 確かに同じ系統でもいろいろな言葉が使われるという問題、日ごろ私どもも感じておりまして、できるだけ規制当局は同じ言葉で統一し、むずかしい概念は何かわかりやすいたとえ話で説明していくということを心がけているわけでございます。ただ、このキュリーと申しますのは、放射能の能力といいますか、放射能の大きさをあらわす量でございます。一キュリーというのは、ラジウム一グラムの放射能を基準に出てきた単位なわけでございますが、これだと環境問題を扱うときには大き過ぎるものですから、だんだん小さく単位を詰めていって、マイクロ、百万分の一というものをつける。さらにそれの百万分の一、マイクロマイクロというのが一時使われました、これが一兆分の一になるわけでございます。これをピコキュリーといっているわけでございます。たしかマイクロとピコがまざるだけでもいけないなという感じもしております。  それで、これはちょっと俗なたとえで恐縮でございますけれども、電球にたとえますと、放射能は電球に当たる。したがいまして、キュリーというのは電球の強さに当たるわけでございます。そしてレントゲンというのはそれから出てくる光の強さでございます。さらに、それが人間に当たった場合に、人間が取り入れるエネルギー、それがラド。そしてこれに放射線の種類を加味したものがレムというような関係になっております。ラドは複雑ですから、複雑というより多種類になりますから使わないようにしておりまして、キュリーとレントゲンとレム、私どもの方はできるだけそれに統一していきたい。  それではキュリーがレムにどういうふうに関係するのか。これもすぐには計算できないのでございますが、暗算をするときに簡単にやっておりますのは、一キュリーの線源がありまして、それから一メートル離れたところに一時間立っていますと一レム当たると。これは正確ではございませんけれども、暗算をするときの計算にはそんなのを使っておるところでございます。できるだけもっとわかりやすい方法で表現していきたいと思って努力しておるところでございます。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) いま言いましたように、一キュリーの一兆分の一ですからね。ですから一兆分の一というと、この間出たのが一番多いところで一万二千ピコキュリーですか。ですから一兆分の一、下にゼロが十二ついた上に一万二千ですから、これはもう本当に少ないものだ。しかも、一キュリーから大体一レントゲンという量のものが出る。その一レントゲンを受けるのが一レムであると。受ける方の力ですね、人間に及ぼす影響が一レムである。  それじゃ今度大変な被曝というから、被曝はどれぐらいかというと、一レムの千分の一を一ミリレムというんですね、それが五十ミリレムですから、一レムの二十分の一ということになる。われわれが普通でも一年間に百ミリレムは被曝しておるといっているわけです。それからレントゲン写真が一枚ぴかっと光ったときに出る量も大体百ミリレムを受けると。ですから、あそこで作業をしておる人はレントゲン半分ぐらいのものを受けたと、一枚の写真の。  それから一般排水路の中にあった量は、ミリレムにすればほんの少しのものしか出ないと。さっき言ったあそこにあったホンダワラというものを、四十グラム三百六十五日間食べても〇・〇七ミリレムであるということで、単位が非常に小さいところまで大事にするものですからやっておる。ところがその単位が小さいのに、数字が上に大きく百とか千とか一万とかというのが乗っかるものですから非常に大きく見える。  それから、もう一つわかりにくいのは被曝という言葉でございます。被曝があった、何十人、こう言うと被曝イコール何か爆弾にでも当たったような感じを持つ人が多いので、これはひとつ国民にはっきりしてやってくれという人が多いんです。われわれも常時先ほど言った一年間に百ミリレムの被曝を受けているわけですし、レントゲン写真を受ければ一回に百ミリレムの被曝を受ける。ですから被曝はあったけれども、先ほど言ったように最高五十ミリレムであって、ほんの少ないものの被曝を受けたにすぎない、被曝事故と被曝とが一緒になっているという感じがあって、この問題が相当大きく映るところにわれわれの悩みがあるということでございまして、弁解ではないんですが、ちょっとわかりやすくというか、描写的に補足さしていただきます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いま大臣が発言されましたことに関係するのですが、恐らくいま言われたことは科学技術庁長官に就任してから教えられて、そして理解をされて、特に政治的に効果がそんな大きくないんだと、小さいことを政治家なりに強調されたのだと思うんですが、私は科学の問題としまして必ずしもその一面の強調ばかりではいけないし、中川さんはそれを強調することをよくやられるものだから、いろいろ誤解を受けるのだと思うんです。先ほどこれは塩出議員からも指摘がありました閣議でのやりとり、これは真意ではないということのようですけれども、ただ青森以来の発言ですね、裸で抱きついたけれども何ともないとか、そういうような発言をされるものですから誤解を受けると思うんです。  そこで私、一つ指摘したいのは、今回の事故の重要性、その認識が大事だと思うんです。というのはコバルト6〇とかマンガン54、これは自然界には存在しない物、要するに人為的にできる物ですね。それが自然界にあったということ、要するに漏れたわけです、いままでこれは外へは漏れない、漏れてはならないし漏れないものだと言われておったのですが、漏れたという点で私は大変な問題だと、そういう御認識があるかどうか。ある意味では、いままで政府が安全だと言っておったその安全性が神話だということになったと思うんですけれども、そういう点の御認識はありますか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) いま御指摘のあった物質は、確かに自然界にはない、原子力発電所で生成される物である。これは外部に出ない、出さないということでありますけれども、今度の場合、一般排水路が中にあったというレアケースで漏れたものである、しかし、その漏れた量も人体に与える量としてはきわめて少ないものであるということを、さきに申し上げたわけですが、量は非常に少ないが、漏れたこと自体は非常に問題であるということで、大いに反省をしなきゃならない、こう思っております。  したがって、ほかの方もそういうことがないようにいま点検をしておるところでございますが、この事故は一般排水路があったことと、もう一つは操作員が誤操作をしたということが重なり、しかもそれを報告をしなかったと、三重の問題があるわけでございます。そういう意味では申しわけないなと大いに反省して、こういうことのないようにさらに万全を期さなきゃいかぬ。ただし、御指摘の弁解するからだめなんだというのも一つの理屈かもしれませんが、また安全であることについて国民に知ってもらう責任も私たちにはあるわけですね。弁解はしませんけれども、努めて真相をお知らせすることについては努力していきたいと、こう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 レアケースだとおっしゃったのですけれども、いつも事故が起きるとレアケース、あり得べからざることであり考えられないと、みんなそう言うわけです。予想できないようなことが起きるわけですね。しかも、その中身はごく初歩的な問題、今回も一般排水路の上に廃棄物処理場があったという、これまた考えられないことですね、前に関電で起きたのは、ネジを金属と間違えたために溶けてしまったとか、ここでも全く初歩的なミスだと思うんです。原発に行ってみれば、中に入るときには二重、三重の大変なチェックで、物すごいわずか一ミリレムでも出るぐらいの大変厳格な管理がある反面に、片方には物すごく初歩的なミスが隣接するわけですね。われわれが言うのはそういう初歩的なミスが隣接するということ、そのこと自身の中にまだ安全性が確認されていない一つの証拠がある。だから、もっと安全性を確立するために一生懸命やるべきであり、現在、そこにこそ重点を置くべきだということを強調しておるわけであります。そういう御認識をいただきたいと思うんですが、ただ、今回こういう事故が起きてしまった。  そこで大臣にお聞きしたいのは、こういう事故が起きるにはやっぱりそれなりの背景というもの、直接の原因はまだ究明中ですけれども、もう少し大きく見た管理上の問題とか、あるいは電力会社の姿勢の問題、あるいは政府自身の問題とか、いろいろあると思うんですけれども、いま大臣がお考えになっている事故が起きた背景、原因、これについてはどうお考えでしょうか。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) この点については、いま責任官庁であります通産省が立入検査で厳重な調査をいたしておりますから、その結果を待たなければ正式なものとして申し上げる材料がまだないわけでございます。  ただ、言えることは誤操作というもの、何でバルブをすぐ締めなけりゃならぬものを締めなかったのか、やはり気の緩みがあったのかなという感じを一つ持ちますし、それから排水路の問題については、増設というこれまた特殊なケースで審査もそれほど厳重なものではなかったと、本体をつくるのに比べればですね。そういうことが重なったということ、あるいはあそこの原電がパイオニアであった、一番最初にできたものであった。そしてエリートが集まってあそこでいろいろと専門の技術屋が勉強する場でもあったと、各電力会社のですね。そういうところから若干気の緩み、エリート意識があったのかなという感じを持ちますが、いま言えるのはその程度でございまして、さらによく調査をした上でまた判断したいと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ここで通産省にお聞きしますけれども、今回一般排水路の上に廃棄物処理場が増設されたわけです。もちろん第一の責任は、これは日本原電にあることは間違いないわけですが、私はもう一つそれとのかかわりにおいてメーカーにも責任がある、この工事を請け負った側にも問題があるんじゃないかと思うわけですが、そこで、三回にわたる増築の時期とその工事請負業者、そして、この業者及び日本原電がこの場所に一般排水路があったことを知っておったのかどうか、その点はいまの調査の段階ではわかっていますか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 敦賀発電所の廃棄物処理建屋の増設工事は、昭和四十六年から五十五年にかけて五回行われております。具体的な請負会社については承知しておりません。しかしながら、原子力発電会社及び請負会社は、一般排水路が廃棄物処理建屋の下になることは当然知り得る立場にあったんではないかと考えております、

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 まだ工事関係人はわかってないようですが、私二十日に行って原電の常務に聞きましたらわからないんですね。調べてくれるように言ったけれども、まだ報告がないんですが、これは大変問題だと思うんです。  それから次に、事前審査の点で審査の側が一般排水路の存在を知り得なかった。知り得なかった理由というのは、この一般排水路というのは審査の対象外である、だからもともと出てこなかったんだと言うんですが、私はそのこと自身に問題があると思うんです。実際そのとおりかどうかということと、そうだとすれば、事前の安全審査が全く無力なものである。たまたま今回一般排水路の問題出てきたけれども、同じようなごく初歩的なミスが、審査の対象になってないということのために、漏れる問題はまだ無数にあると思うんですね。今回たまたま一般排水路から問題出てきたけれども、もっと先ほど申し上げたようなネジの問題とかいろんな問題が出てくる可能性があるんではなかろうか。そういう点で審査の項目とか、審査の範囲を広げるとか、審査の体制をもっと強化するとか、そういう必要があると思うんです。その点についてはどうお考えですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 先生御指摘の一般排水路は安全審査の対象であるかということでございますが、安全審査は先ほどから出ておりますように、基本設計と詳細設計に分かれております。恐らくこのような問題は詳細設計の問題であるというふうに考えられますが、詳細設計につきましては電気事業法の四十一条に基づきまして、工事計画の認可という制度がございます。ただ、この一般用排水路は四十一条の工事計画の認可の対象そのものではないということでございます。現在の制度がそういうことでございます。  しからば、全く対象にしなくていいかということでございますが、この廃棄物処理設備は、設備の本体の方は対象でございますので、その関連において、場合によってはチェックするということもあり得るわけでございます。ただ、本件の敦賀の場合でございますが、先ほど来から出ておりますように非常に特殊なケースでございまして、もともと工事計画の認可申請書の添付資料の図面には書いてはおりませんし、また非常に特殊だということで、審査官も恐らくそこまでは気がつかなかったというか、ですから知り得なかったということでございます。  なお、今後の問題でございますが、この調査によりましてどうなりますかでございますが、今後の調査の進展によりましては、この辺の問題を十分今後チェックできるように制度上の問題を考慮したいというふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 今回の場合に、これを明らかにしなかった日本原電側に現行法上責任が出てくる可能性というのは、これはないものですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 工事計画の認可申請をする場合には、添付資料というのをつけることになっております。しかし、添付資料も省令で決まっておりまして、その中には一般排水路の図面をつけなさいというふうにはなっておりませんので、その面では特に法律違反ということにはならないと思います。ですから、先ほど申しました制度上の考慮の中には、当然添付資料がこれでいいのかということも検討したいというふうに思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 現場へ行っての説明もそういうことですが、ただ、これ国民の側から見ますと、一般排水路の上にこんな廃棄物処理場という、まさに放射能そのものに関係のあるものを置くというそのこと自身の感覚の問題、それ自身が疑われるべき問題だと思うんです。これは通常の家庭でもそんなことをやりません。たとえば、汚いどぶの上に家を建てるなんということは、まずこれはないんです、今回はそれの道なんですけれども。だからそんなことが、物が大きくなった場合、全く忘れられている、忘れられた場合に、いまの場合には法律上問題ないと言うこと自身、本当におかしいと思うんですね。むしろこれは法律時点の問題として、常識的に日本原電の方で当然申告すべき問題だったんじゃないでしょうか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 廃棄物処理設備につきましての認可は、どういう観点からなされるかということを、まず御説明したいと思うわけでございますが、現在は発電用原子力設備に関する技術基準を定める省令というのがございまして、要するに通称技術基準といっております。これに基づいて審査をするわけでございます。その技術基準には、廃棄物処理施設はそのほかの処理設備と区分して設置するとか、あるいは漏洩のしないような構造であるというようなことの内容が決められてあるわけでございます。今回の場合、一体こういう観点から見てどうであるかということでございますが、ただ上にあるからというだけでは、すぐこの技術基準違反ということにはならないんではないか。しかし、今後詳細に調査してまいりますと、その辺がしっかりできていたかどうか、これは維持基準でございますので、そういう漏洩しないような構造として設備を維持していたかどうかということが、これから問題になろうかと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 次に、使用前検査の問題に入りますが、使用前検査ではどんな点をチェックするのか、たくさんあると思いますけれども、今回の事故に関してかなり狭めてどんな点をチェックするのか、ちょっとおっしゃってもらえますか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘の点は一般排水路についてだと思いますが、一般排水路というのは……

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 一般排水路じゃなくて、増築に関しての使用前検査。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 増築部分に関します一般排水路についてだと思いますが、一般排水路というのは生活用水、雨水等を排出する水路でございまして、保安の確保等の見地からは重要な工作物とは当然みなされませんから、使用前検査対象とはなしていません。しかし、増築にかかわる廃棄物処理設備は、当然使用前検査の対象とされておりまして、本件のごとく廃棄物処理設備の下を一般排水路が通るような場合については、廃棄物処理設備の使用前検査において、その設備との関連において施設方法が技術基準に抵触することにならないことが必要でございます。しかしながら、本件のごとく工事計画認可の記載事項でもなく、さらに地下に埋まっていて全く目に見えないものまで関連を持って検査をすることは事実上不可能だと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そうしますと、この廃棄物処理場増築の使用前検査に当たっては、このマンホールの存在、特に中に二つありますね、第二マンホール、第三マンホール、この存在について検査の段階では通産省としてはわからなかったのか、どうですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 本件の問題につきましては、使用前検査の記録を見ましたところ、特にその辺の記載がございません。ただ、私ども想像しますに、マンホールのようなものは検査官が気がついたんではないかと思いますが、恐らく明確な技術基準上の違反がなかったということで、そこは何の記載もしなかったんじゃないかと、これは予想でございます。で、検査の記録につきましては何もないということでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 この検査をした職員の名前はわかっておりますか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 現在手元にありませんのであれですが、調べれば当然わかります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは当然もうすでに調査をしていなきゃいけないことだと思うんですね。これほど廃棄物処理場の下に一般排水路があったということが連日問題にされておるわけですし、そこで、通産の責任があるいは科技庁の責任かということが盛んにマスコミで言われておるわけですね。私も実際第二マンホールも第三マンホールも行って見たんです。両方ともあけてみました。第三の方はごく平らなところにあるんですけれども、第二の方は恐らく地上と同じ高さの上にかなり出っ張っているんです。こういういすみたいに出っ張っております。となれば、かなりこれは構造上異質なものです。当然その存在がわかるはずですね。それがマンホールであり、中をあければちゃんと水が通っている。たどっていけば一般排水路であるということになりますと、これは常識的に大変な問題だと思うはずです。ということは、わかったけれども見逃したということは、当時はこの使用前検査の方法として、そんなことは一切お構いなしと、処理場の下に一般排水路があってもそんなことは一切問題ないと、これが検査側のいわば常識だったのかどうか、その点どうですか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先ほどは一般排水路について御説明いたしましたが、一般排水路とマンホールでは若干趣を異にすると考えております。一般排水路については、現に検査の際現認できないような構造になっております。一方マンホールにつきましては、先生御指摘のように、目視で容易にその存在を確認することができるわけでございます。その点につきまして、本件のごとく廃棄物処理設備に近接してマンホールが存在する場合には、廃棄物処理設備の使用前検査におきまして、除染廃液タンクの検査との関連で、同タンクの施設方法がマンホールの存在によって技術基準に抵触することにならないことが必要でございます。この点はチェックされるものと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ですから、いまの話を聞けば、チェックの対象になるべき重要な問題です。そうですね。特に第二マンホールのすぐお隣、壁一つ隔てた隣にはフィルタースラッジタンクがあって、今回のオーバーフローをした一番のもとですから、当然その下を通っている、第一と第二の間ですから。しかも、マンホールが施設内に発見できれば、当然排水路が下を通っているのはわかるでしょう。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 廃液除染タンクの検査と、それからフィルタースラッジタンクの検査とは別の時点で行われております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 いや、別の時点であっても、いわば増築して設備した段階で当然わかるはずです。たまたま時期が違うから、第二マンホールは別の時期に建てたものですが、当然前の記録はわかるわけでしょう。別のときに建てた記録を見、そして次の設計をやるはずですから、また検査をやるはずですから、前のことを全く無視してやるなんということは当然考えられない。というのは、これは後でも聞きますけれども、こういう大きな建造物を時期を違えて建てた場合には、これは不等沈下の問題が起きましょう。不等沈下の問題が起きる。となれば、特にこういう放射能に関する重要な施設であれば、わずかな問題でも大問題になるわけですから、となれば、当然そこまでも慎重を期した検査があってしかるべきなんです。だから秋は、排水路がその問題の個所の下にあったかなかったかわからないなんということは、これはとうてい言えないことだと思うんです。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先ほども申し上げましたように、一般排水路及びマンホールは保安の確保等の見地から重要な工作物とみなされていないわけでございまして、使用前検査の対象ではございません。その上にあるいはその周囲に置かれた廃棄物処理設備が検査の対象だったわけでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 法的な検査の対象であったかどうかという法律論議じゃないんです。いまわかったことは、とんでもないことが過去に起きたわけですよ、いま思ってみれば。それは当然使用前検査の段階でわかったはずだと、その存在が、それがたとえ法律上審査の対象になっていないにしても、当然当時わかって問題になったはずではないのか。もし問題になっていないとすれば、いわばこういう根本的にミスを見落としたという行政上の責任、法的に処罰の対象になるかどうかということではなくて、いわば行政的な責任の問題が起きるんではないか。そうだとすれば、当然そういったことを再び起こさないための対応策を考えるべきだ、そこで今度は使用前検査のまた検査項目とか、あるいは検査の体制その他で、いま再び見直すべき問題があるんではないか、そういう点で私は聞いているわけです。その問題を正しくやるためには、かつて検査をしたときのことについていまどういう反省があるか、反省なしに対策なんてできないわけですから、その当時もし見落としたとすればそれは問題であるとか、また見落とした原因とかその他をやっぱり正確に理解すべき必要があると思うんです。その点どうですか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先ほども申し上げましたように、一般排水路とマンホールとは若干異なるわけでございますが、マンホールについて申し上げますと、技術基準では液体状の放射性廃棄物の漏洩の拡大を防止するためのせきが設置されているということを要求しております。これにつきましてマンホールはその高さ約六十センチと言われておりますが、これは十分せきの役割りを果たすがゆえに六十センチの高さを設けております。別途この間、衆議院の科学技術委員会が行かれたときに発見されたナンバーXというマンホールは、これは固体廃棄物置き場ということになりますから、せきを設けることを要求されていないというふうに考えられます。そういう意味におきまして、除染廃液タンクが置いてある部屋に設置されます、すなわち液体状の放射性廃棄物を取り扱うタンクの設置されておりますところにありますマンホールにつきましては、そこに液体状の廃棄物が流入しないようにせきを設けていたという判断をして、明確な技術基準の違反はないというふうに判断したものと現在私ども類推しております。  もう一つ一般排水路につきましては、先ほども申し上げましたように、検査の段階におきまして地下でそもそも見えないわけでございますから、その点先ほども申し上げましたように、一般排水路の検査をしているわけではなくて、タンクの検査をしているわけでございますので、そういう意味で申し上げますと検査官にそこまで要求するのは酷かと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は恐らく当時の検査官の得ている知識または経験、そしてまたその当時の通産省の一般的な業務の関係から見ますと、私はその当時検査した検査官の責任を問う気はないんです。恐らく一生懸命やったと思うんですね。問題は体制としてこれほどのものを見落とした、そういう問題だろうと思うんです。先ほどから盛んにマンホールと一般排水路が違うようなことを言うんですけれども、第一マンホール、そして第二マンホール、その間に問題になったフィルタースラッジタンクがあるんでしょう。そしてまた、第二から第三のところに行くと廃棄物の置き場があるわけですね。そうでしょう。こっちに行くとここにマンホールがあると、第一、第二、第三と。となれば、全部大事な場所の下を通っているということはわかるわけです。それがわからないということ自身が問題なんですよ。マンホール自身にせきがあったとかなかったとかということだけれども、そんなこと聞いてないんですよ。  せきの問題はまた後で聞きますが、確かにマンホール、そこから水は入らないことになっている、特に第二はね。第三は入る可能性がありますね。だけれども、それが問題じゃなくて、むしろマンホールをつなげば排水路があるのはわかるんです。それがわからないという検査、これは素人から見てもおかしいですよ。一番大事な問題を見過ごしていかに細かな精巧なことをやったって、これは全然次元の違う問題ですね。特に今回の場合には、一般排水路にマンホール以外から入った可能性もあって、そしていま追及しているわけでしょう、下に漏れたかもしれぬと。だから、漏れたら困るようなものが下にある、そのことに気がつかなかったということについて、いま大きな意味の行政上の責任を感じないかと聞いているんです。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先ほどから審査課長ともども御説明申し上げましたのは、法令上の解釈及び適用について申し上げたわけでございますけれども、先生御指摘のように、現実の問題として、一般的常識として見て非常におかしいという点につきましては、私どもも同感でございます。現実に全国の先ほど申し上げましたように他の発電所、緊急に廃棄物処理建屋とそれから一般排水路との関係について点検いたしまして、現在まで報告されているところでは、そのような事実はほかの発電所ではないというふうに報告されております。その例を見ましても、敦賀の発電所におきまして廃棄物処理建屋を増設に増設を続けていった、その過程でこういう取り込みになってしまったということでございますが、一般常識論で見ても余りこれが好ましいと思われるものじゃございませんので、今後はこういうものがないように十分チェックできるような方策を考えてみたいと考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 そのように率直に答えてもらえば時間たたずに済むわけです。これからもそうしてもらいたいと思うんですが、そこでもう一つ、これは建設に従事した人からの告発がされておるんです。かなり工事の段階で手抜きがされたというんですね。これはまた赤旗ですけれども、最近赤旗の告発はずいぶん当たっておるんですね。大体指摘どおりずっとなっているんです。そういう意味では平田課長もずいぶん赤旗を精読しておるようですけれども、そこで今回告発された問題というのは、敦賀の各原電の建設に従事した労働者、「建設のときにも工期に追われ、配管にピンホールがあるのを知っていながら、平然と手抜きすることもあった。建設のときからそうなんだから、こんな事態になるのは、最初からわかりきっている」という指摘があるとか、それから「ピンホールなどがどうしても解消できない場合には、赤い浸透液を最初からかけないなどして、白い現像液を塗布、ピンホールを隠してしまうことがあった」と、こういう指摘もされておるんですね。そうしますと、また思わぬところから思わぬ事故が出てくる可能性があるわけです。となりますと、この機会にこういう問題まで含めて再点検してみる必要があるんではないか、こう思いますが、どうでしょうか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先生に初めてその点御指摘受けたわけでございますが、私どもそういう事実自身お聞きするのはいま初めてでございますし、実際問題としてそういう検討ができるかどうか、現在この段階でわかりませんので、足かなお約束は申し上げるわけにいかないと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 四月二十日の赤旗ですから、よく読んでほしいと思うんですね。  そこで、今度はこれが増設された後、あるいは一般排水路がそこにある上に廃棄物処理場がある、こういう存在が発生した後、今日まで通産省としてはその存在はわからなかったのかどうか。それから原電行って聞いてもどうもはっきりしないんですが、原電自身がそのことを知らないと、もっとも常務は何も知らぬことも考えられますけれども、原電としてはどうだったのか、そのことをお聞きしたいと思います。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先ほどの請負会社の質問でお答え申し上げたと思いますが、原電株式会社及び請負会社は、一般排水路が廃棄物処理建屋の下になることは当然知り得る立場にあったと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 通産は。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 先ほどから御説明申し上げておりますように、通産省としては知り得なかったものでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 やっぱりできた後の検査も専門官現地におるけれども、これはともかく報告を受けるだけと、また人員的にもそのようですね。これも新聞紙上に出ているとおり、専門的でない人が携わってきてい各という問題もある。それはそうでしょう。いままで農業の方やっておった人が来たという話もあるわけですから、そういう点で使用前検査だけじゃなくて、その後の常時監視体制、それも運転上の問題だけじゃなくて抜本的な問題、いわば基本設計との関係とかあるいは詳細設計、その辺とのやつを常にやはり見ていく。できてしまった後、運転を電力会社から報告を受けるというだけでは、これは万全でないということを、今回はしなくも暴露したのではないかと思います。  次へ行きますが、先ほどせきの話がありました。せきについては問題になっているフィルタースラッジタンクのところに三十センチのやつがあります。ところが、そこからお隣の部屋に穴があいていっているわけですね、そして、それがいく次のところに十センチの高さのせきがあるとわれわれは現地で聞いたんです。ただ当日はそこへ入れなかったんですが、その後衆議院の科学技術委員会が行って、その現場に行ったらば、十センチのせきがなかった。ですから、本当はせきがあればそこでとめられて外へ出ないものを、十センチのせきがなかったので、するするするすると排水路まで出てしまったという事態が判明したわけです。せきを設けるというのは、これは電気事業法上の義務ではないでしょうか。そしてそれがないと許可認可できないのではないか。どうですか。

逢坂国一資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○説明員(逢坂国一君) 現在の施設であれば、漏洩防止のためせきを設けるという基準が適用されるわけでございますが、この技術基準は、先生御承知かと思いますが、昭和四十八年に東京電力の福島第一原子力発電所で、建屋の外へ少し漏らしたという、そういうことを契機といたしまして設けられた技術基準でございます。この技術基準はどの場所を適用するかによりますけれども、敦賀の場合には問題の個所というのはすでにできてしまった役といいますか、でございますので、その当時この技術基準があったということではございませんので、特に違反だったという事実はないと思います。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 一番危険な場所、フィルタースラッジタンクのところには確かにあるんです、三十センチね。だからそれだけなら問題はないんだけれども、穴がある。これは構造上の穴で、これはいくんです、またポンプに戻ってくるやつだから。そのポンプがあふれて出てきてしまった。お隣の部屋にはそれはなかったということで今回の事故になったんですけれども、大臣どうでしょう。こういう事故が起きたことを経験として、後でそういう設置基準が設けられたとなりますと、それを今度事前のいろんな設備について、もう一度設けるように一般的な指導をし、設けることをむしろ義務、づけるべきじゃないか。そうでないと、あるとき以降のものは安全だけれども、それ以降のものは安全でないと、同じような構造上の問題が出てくると思うんですね。それはむしろ指導すべきことではないんでしょうか。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(赤羽信久君) 一般的に新しい技術あるいは新しい経験に基づきまして基準が変わりますと、それを従前の設備にどこまでさかのぼって適用するかということは、そのケースによって判断が違うと思います。基本的な問題でしたら、相当の無理をしてもそれを適用しなきゃいけませんし、それから古い設備でほかの方法によって対処した方がいいと判断されるようなものについてはそれをするということで、その都度、いつも従前の設備に対する適用を検討しながら新しい基準をつくっているというのが実情でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 ですから前のものを、それが違法だということはないと思うんですけれども、せっかく新しい知見を得たわけですから、いままでのものをその機会に総点検して、それを設けるように指導しないといかぬということ、それが今回はしなくも暴露されたと思うんですね。それを行政としてはやるべきことじゃないんでしょうか。

赤羽信久科学技術庁原子力安全局長

○政府委員(赤羽信久君) 本件につきまして、どこまでいっているかいま詳細なデータを持っておりませんのでわかりませんが、基本的にはそういう指導をすべきものと考えます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 それから問題は、三月七日から八日にかけてオーバーフローしたというんですが、運転日誌には三月九日の故障機器という個所に初めて出てきたわけであります。この運転日誌というのは、われわれが要求して渋々出してきたものなんですね。  それで、私ここで思うのは、通産省がもっと早く、実際現地調査に入っているんですから、このことに気がついて調べておれば、もっと早くわかったんじゃないかと思うんです。このこと自身は事故の起きたときじゃなくて、九日時点ですが信号機に故障が起きたと、そういう報告なんですね。信号機に故障が起きて、そしてバルブがあいたままになっておったから、また締め忘れたこともあるんですけれども、そのことが今回のオーバーフローの原因になったわけです。そういう意味では、事故隠しの一つの証拠なんですが、しかし、本当に検査の側に力があり体制があれば、それを見てこれはおかしいと、ちゃんと故障機器という場所に書いてあるんですから、その故障からさかのぼっていけば、もっと早く発見できたと思うんですね。いや、笑っているけれども、そうなんです。私はこの間、九日の当委員会で、大体原電というものは物を隠すことに専念しているんだから、行ってしっかり調べると。その後の調査はすぐやってくれたけれども、徹夜でやってくれたそうですけれども、あの態勢でここまでずっと調べておれば、福井県の衛研がホンダワラから放射能を検出する以前にわかったと思うんです。むしろわかっておったんじゃないですか、どうですか。

平田辰一郎資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘の件は、運転日誌三月九日月曜日の欄の担当は二直でございますが、その欄の欄外、故障機器のところに書いてございまして、衆議院の方でも申し上げましたが、記載内容は「フィルタースラッジ・ライン・フラッシングバルブAO−△−275−L/SについてMRFL」と書いてあります。私これにつきまして、暗号論をよく言っているわけでございますが、「L/S」というのはリミッタースイッチ、いま先生が御指摘の信号機でございます。バルブが操作されますと、それに付随してスイッチが連動して動く、それによって遠隔に置いてありますところのランプがついたり消えたりすることによって、バルブの開閉が表示されるようになっているスイッチでございます。「L/SについてMRF」と書いてあります。「MRF」というのは、その後問い合わせてみましたところ、メンテナンス・リクエスト・フォーム、これの略でございます。日本語に訳しますと、補修依頼伝票というような意味だということでございます。それで、フィルタースラッジ・ラインのフラッシングバルブのリミッタースイッチが仮に壊れていたにせよ、これをもって大量の放射性廃液が流出することを予測することは困難であるというふうに私は考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私もそうは言ってないんです。ただ、徹底的に調査をすれば、故障個所に少なくとも記載があるんですから、とにかく原電は隠すという、こういう疑いをかけて調べる、ちょっとした問題でもそこから入っていく端緒にすべきだと思うんです。そういう意味ではこれはもっともっと徹底的に各原電に対しての調査が必要だと思うんです。  そこで、大臣、時間も来てしまいまして、あと五分しかないんで、今度は法案の問題やらなければいけませんけれども、その前に一言、いままでこれだけいろいろな問題お聞きになって、初めて聞いたような問題もあるいはあるかもしれませんけれども、大臣のこの種の事故に対しての御見解をもう一度お聞かせ願います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) この問題は私も非常に関心を持っておりまして、現状について世大分勉強したつもりでございます。ああすればよかった、こうすればよかったという反省の部分もなしとしません。言えることは、炉心部分については非常に危険である。スリーマイルアイランド事故にも照らして、そして多重防護ということを徹底してやっていると。しかし、周辺部門のいまの廃液の処理等についてはもうちょっと慎重を要したんではないかと。私はこれを機会にそういった方面についても多重防護の観点から、いずれ調査が出てまいりまして、安全委員会にも報告があるでありましょうから、安全委員会等とも相談をして正すべきは正すべきではないかと、こう思っておる次第でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 法案ですが、この法案はわが党も賛成できる結構な法案だと思うんです。賛成法案ですし、余り時間の関係でも質問できませんが、一言指摘をしたいのは、諸外国との比較においても、わが国の科学技術の発展は大変なものだと思いますけれども、ただ、一人当たり研究者に対する研究費、それはやはりアメリカ、ソ連に比べてかなり劣るわけです。  それからもう一つ、研究費が民間の方がずっと多い。そしていわば開発関係の方が相当多いということで、どうしても基礎研究に欠ける面があるんではないかと。今回はそのこととも関連しての一つの方策だと思うんですけれども、そういう面を充実強化するという面ではどうお考えでしょうか。

園山重道科学技術庁計画局長

○政府委員(園山重道君) 先生御指摘のように、わが国の研究開発費の中で、政府の負担が非常に少ないということが、諸外国と比較いたしますと言われるわけでございます。また基礎研究につきましては、数字といたしましては、国全体の研究開発費の中での基礎研究の占める割合は、諸外国に比べてそれほど低いわけではございませんけれども、やはり政府の負担分というのが全体に少ないわけでございますから、特に今後の基礎研究、非常に高度化してまいりました各分野での基礎研究というのは、政府が力を入れなきゃならないところでございます、したがいまして、ただいま御審議いただいております創造科学技術制度というのは、その一つの方策でございますけれども、研究資金という面におきましても、基礎研究に対してできるだけのものがつぎ込めるよう努力をしなきゃいかぬと思っているところでございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 終わります。

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 通産省、退席して結構です。     —————————————

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、長田裕二君、鈴木正一君、長谷川信吾及び西村尚治君が委員を辞任され、その補欠として江島淳君、高橋圭三君、大河原太一郎君及び成相善十君が選任されました、     —————————————

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 法案について二、三点質問さしていただきます。  私は、以前から申し上げておりますように、何とかして新しい技術を日本がたくさん貯金をしていかなくてはならない。将来は製品の輸出じゃなくて、むしろ技術の輸出ということで、世界各国に喜んでいただけるような、そういう日本にならなければいけないという話を何回もさしていただいたと思います。そういう意味では、まさに新しい一つの形ができるんではないかというふうに期待するところでございますけれども、一点まずお願いしたいわけですが、この研究開発の将来の見通しといいましょうか、これ恐らくいろんな分野があろうと思いますので、特に大学関係あるいは一般産業関係あるいは科学技術庁でやっているいろんな私は分野があると思います。  そういう意味では、せっかく新しい一つのシステムができ上がるわけですから、この際どういうような分野から、どの程度の研究開発といいましょうか、基礎研究といいましょうか、そういうものが出てきているんだといいますか、その辺をある程度現状分析として押さえておかないと、特に私はこの間、日立製作所あるいは帝人さんの研究室、局長と一緒に参ったわけですが、特にそういう感じを持ったわけであります。そういう意味で、これから先大学の協力も得るということでございますので、特に私は大学の協力を得やすいような一つのグループというものを考えていかないと、なかなか大変ではないか。そういうことを思いますので、その辺の御理解の程度を答えていただきたいと思います。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 私ども実はこの制度、先ほど大臣御説明いたしましたが、ただいま候補としては四テーマ程度、これを大体四つないし五つぐらい毎年順番に積み上げていくと。それで五年間でございますので、恒常化いたしますと、一年ごとに断面を切りますと大体二十ぐらいのテーマが動くと、こういうような構想でやっておるんでございますが、それをどういう分野からどういうぐあいに取り上げるかという全貌まで、まだ実は計画ができておるわけではございません。  ただ、われわれ考えておりますところは、本件の研究は物質とか生命現象などの特性、際立った特性とか特徴、こういうものを導き出しまして、それが何か実用につながるようなものになり得るんではないかということを源流探索的に追っかけていく、こういう考え方でございます。したがいまして、さしあたりは物質のテーマ、四テーマでございますが、これから先は非常に生命現象に近づいたようなもの、物質と生物とのかかわり、それから生物現象、さらに生物からもう一つ入っているようなものもあろうかと思いますが、そういう関係で取り上げていこうと思っております。  したがいまして、今回は物質関係を取り上げております関係上、民間の企業の研究者の方が大分多いんでございますが、その分野の取り上げ方によっては学界の方のが多いんではないかと。    〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 生物関係になりますと、直接企業というよりは学界の方が多いと、こういう点があろうかと思います。私どもとしては、学界が長い間基礎研究やっておったんでございますけれども、実業界の橋渡しという点考えますと、民間の研究者の方が非常に意欲的でございますので、制度的には民間を中心にした制度、研究者を中心にした制度を考えたわけでございますけれども、今後のテーマの取り上げ方によって、若干その辺のニュアンスは変わってくる可能性はあろうかと思っております、  現時点では、全貌について大体そういうような予想程度の段階でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 その辺のところが、実は将来の日本の産業ということで考えますと、私は研究テーマの選び方によってずいぶん変わってくるんではないかなという気がしているんです。つまり、日本はどちらかといいますと工業国といいましょうか、鉄にしても船にしても電気製品にしても、あるいは車にいたしましても非常に金額の張るものですね。こういう分野をずっと追求してきたと思うんです。  いま局長さん言われましたように、生命現象というようなお話、あるいはこれから先は恐らくがんの問題であるとか、あるいは脳溢血の問題ということになりますと、かなり医薬品関係を追求していかなければいかぬと思うんですが、その辺のところが金額的にといったら語弊があるかもわかりませんけれども、日本の将来の産業ということでいきますと、こちらに挙げていますような金属、その他の非常に工業に関係するような研究分野が当然必要だと思うんです。  一方では、いまさっき申し上げましたように、生命現象ということになりますと、金額はそれほど国に利益を与えないかもしれないけれども、技術的には非常に海外に喜んでいただける、あるいは日本もその意味では技術が発展する。その辺の選択の仕方というのが、恐らくこれから先いろんな専門家によって私は選ばれるんだと思うんですけれども、そういうことをよく考えておかないと、どうも単年度でひとつ予算を決めてそれやれという、五年間で実績がないからもうあなたはさよならというような感じに研究者をとらえてしまえば、    〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 次に優秀な人材が入って来にくいという感じがちょっとしているものですから、最初の研究開発をやるというのはよくわかるんですけれども、最初の方向づけ、この辺が私は非常に大切な問題ではないか、そのようにとらえておるんです。その面はいかがですか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のお考えよくわかる次第でございます。私ども先ほども申し上げましたが、新しい研究の枠組みでございますものですから、新技術開発事業団の現段階での情報をもとにして選んでまいりました。やや物質に偏っているわけでございます。それで、今後におきましては、たとえば私どもの同じ監督下に理化学研究所がございます。ここではライフサイエンス関係をかなりやっております。これも単に生物だけでなくて、最近では高温高圧のもとでの化学反応も、こういう生物を使いますと常温常圧で有機物を合成する、たとえば光の合成なども研究しておるわけでございます。そういうわけで、むしろそういう方面の研究テーマをむしろ考えたい。遺伝子工学の基礎などもその一つでございますし、そういうことを考えておる次第でございます。ただ、この法案御承認いただいた段階で開発審議会も全面的に改組し、今度そのテーマの選定をもう一度システム化いたしまして、その上でそういうテーマを十分取り上げていきたい、このように考えておる次第でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 先ほど敦賀の原子力のあれが出てまいりました。私は、こういう研究開発というのは、当然人間が携わってやるべき分野だというふうに考えておるんですね。ですから、コンピューターを使おうとどんな道具を使おうと、やっぱり人間の発想といいましょうか、独創性といいますか、そういうものが非常に大切だと思うんです。一方では学者グループといいますか、研究グループというのは、案外人間関係でハッスルするし、相手がどうも学説が逆であったりしますと、疎外してしまうという部分が、恐らく研究者の中にこれから先非常に大きな葛藤になって出てくるんじゃないかという多少心配もしておるんです。  ですから、メンバーを選定するときに非常にその辺のところを考慮しておかないと、私はかえってプラスどころかマイナスになってしまうんではないかという心配をしておるものですが、そういう選ぶときの一つのめどづけというんでしょうか、先ほどのお話ではいろんな学会とかその他で著名な方といいますか、いい研究を出しておられる方に当たってみると、そういう話をお伺いしましたんですが、その辺のところはどうなんでしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 実は研究の具体的なプロジェクトと、それからプロジェクトリーダーとの関係は、大体プロジェクトを決めればプロジェクトリーダーになる方も大体しぼられてまいるような関係があろうかと思います。それで、プロジェクトの選び方については、先ほど申し上げましたように、開発審議会でプロジェクト自身をもうちょっと広い範囲の分野を、まず選定をする。それで、その中でプロジェクト提案を受ける、こういうかっこうでしぼるわけでございます。  それで、人の問題でございますが、人の問題につきましては、いろいろ学会や何かで発表しておられます論文というものを非常に重視してみたいと思っております。一つの分野が決まってまいりますと、当然それに関連した分野におきましての論文発表、研究論文を整理してまいります。たまたま同じ私どものところの科学技術情報センターに、いろいろ論文の集積もございます。そういうところで整理いたしまして、論文を重視いたしましてその中で問題をしぼっていく。ただ、もちろん論文だけは一つの目安でございまして、それだけでということもどうかと思います。その辺でいろいろしぼった段階で面接をし、それからやはり研究の管理者でございますので指導力、そういうものも問題があろうかと思います。  そういうかっこうでしぼっていきたいと、こういうぐあいに考えておるわけでございまして、リーダーを一義的に選定できるような基準というものは、なかなか現段階では見当たらない。いろいろ提案はございます、アメリカあたりでございますと、発表しておられる論文の引用の数、これが多いのは優秀な論文であるという一つの証左と見るんでございましょうか、その引用の数で論文を審査すると申しますか、そういうことがあるようでございますが、日本の場合にはそれほど論文の引用が整理されておるようなデータもございません。そういうことでこの辺をどういうぐあいにやっていくか、現在においてはそういうプロセスを考えておるんでございますが、もう一度その辺は開発審議会の諸先生と十分検討したいと思っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 最初五億円の予算でやると。理化学研究所は、これは言ったら基礎研究といいますか、そういう分野を担当してもらっている。そして今度の新しい流動システムによるやつは、もう少し実用的な段階といいますか、並べてみると少し実用化に近い方といいますか、そういうふうに理解はできるんですけれども、もっと詳しくその辺の境目と言うんでしょうか、ちょっとわかりにくいんで説明願いたいと思います。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 今度の制度は、新技術開発事業団にやらせるわけでございますが、新技術開発事業団は自分自身研究者や研究組織を持っておりません。いわば新技術開発事業団は研究所でないわけでございます。いわば今度の研究システムは、横断的にいろんなところに属しておられる研究者を組織化する。それでそこに研究をさせていく。いわば新技術開発事業団は、舞台装置をつくる黒子役として考えておるわけでございます。そういう意味でどういう研究者がどういう研究をやっておるか、そういう情報を持っておるのが舞台装置をつくる機関として適当であるというので、新技術開発事業団を考えたわけでございます。  それで、理研自身はあくまで基礎研究が非常に多いんでございますが、応用研究的なものも相当やっております一つの研究機関でございます。完全な研究施設と組織を持っておるわけでございます。そこには、特定のテーマにつきましては非常に深い専門的な知識を持った研究者がおるわけでございますけれども、その分野はどうしても一機関でございますので限られてまいります。したがいまして、新技術開発事業団のような、そういう各方面に属しておる研究者についての組織化するような情報機能は、理研としては持っておらぬのでございます。そういう意味で、私どもはそういう組織化する機能を重視しまして、むしろ理研は今度新技術開発事業団がやります業務のときに、研究者を出す受け手の方になるのではないか、こういうぐあいに考えておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 いまテーマが四つで五億ということなんですが、当然これは長期計画に立った上で、さっき長官から一つのあれで二十億ぐらいということでお聞きしたんですけれども、長期計画に立った上でまず五億と、五億を四つに分けるかっこうですね。どういうところからそういう試算がやられるんでしょうか、もう一度教えていただきたい。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 四つのテーマにつきましては、五年間で大体こういうような装置が要るであろうと、これくらいの人数で一年目、二年目、三年目と、まあ大ざっぱなまだ計画ではございますが、その概要は持っておるわけでございます。初年度といたしまして、何しろ新しい研究、枠組みでございます。日本においては余りなれておらない枠組みでございますものですから、この計画のうちの一年度としてどの程度できるか、これは実は私どももはっきりしない点がございます。当然、事業団にお会いただきましても実行計画というのを立てねばなりませんが、その実行計画の段階で来る方の所属が民間企業あり、大学あり、給与体系もまちまち、自分は五年間いいが、この方は三年でないと身分上困るとか、いろんな関係が出てまいります。それを恣意的に条件も、給与体系も変えるわけにもまいりませんし、不利にしてはならぬと思いますが、御満足いくような一つのやっぱり体系づけをしてやっていきませんと公正も欠きます。  そこで、法案を御審議、御了解いただきました後、やはり一つのルールをつくっていかなきゃならぬと思っております。そのルールにつきまして、やはり財政当局とかなり詰めた議論をやっておかないと、今後いろいろ支障が出てくる、こう思っておりますものですから、その段階がかなりの時間を要すると。そういうことで、本当にそういう方が組織化されまして、研究に実質的に入るというのは、やはり一月ぐらいではなかろうかと思っております。そういうことで初年度は、第四・四半期ぐらいからというのはやむを得ないのではないか。  そういう点から考えますと、一けたの金額程度でまあまあやむを得ないのではなかろうかと、こういうように思っておるわけでございます。もちろん五億円、もうちょっと多い方がいいとは思いますけれども、この辺はこういったものでやっていっていいのではないかと。第二年度以降本格的に立ち上がる、こういうことではないかと。初年度は初めての経験でもございますものですから、準備段階に力を入れて、支障のないように十分なものにしておきたい、こういう気持ちでおるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 このテーマを見ましても、これだったらある程度いけるんじゃないかなという感じを私受けたんです。というのは、例の日立の研究所へ行きまして超LSI、その材料である珪素鋼ですか、非常にその金属というのは大切なんだと。しかも、純粋ないいものをつくりたいんだと。私はこのテーマを選ぶときに、大体そういうようないろいろな企業だとか研究所を見て、たとえば局長さんあたり見られて、これなら大体目安がつくな、グループリーダーはこの人に頼もうと、この先生に頼んで、こういうメンバーでやれば大体いけるんじゃないかなという、ある程度見通しを立てたテーマではないかなと。  ところが一方では、いま日本にはどういうものが本当に必要なんだという、もう少し違った観点から見て、研究の目標を決めていくという方法もあると思うんですね。だから、その辺のところがどうも私としては、これは五年もやればある程度一つの結論が出そうだとは思うんですけれども、もう一方では本当にやらなきゃいかぬ。しかし、どの機関でも予算的にできない、そういうものがもっとあるのではないかなという感じがしておるんですけれども、この選んだテーマについては、そういう意味での自信がおありだから、まず、これから手をつけてある程度成功をおさめてという、そういうお考え方でしょうか。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) これは基礎的な研究でございますものですから、ある程度すでに学会その他で理論面で詰められておりまして、これの四つのテーマに関連いたしました研究はかなりの蓄積がある、こういう関係がございます。したがいまして、この四つのテーマに関連いたしました研究は学会、民間企業その他いろいろ研究者がすでにおられるわけでございます。その方々同士ある程度学会を通じての意見交換や何かもございます。そういう方を組織いたしまして、これをもう一段極限的な分野に五年間引き上げて、一つの実用化への手がかりをつくろう、こういう感じでございます。  本来でございますと、もっと基本的なところからやるべきあれがあるかとも思いますが、基礎的な研究と申しますのは、やはり懐妊期間のような長い期間が必要だと思います。それを最初からやるということはなかなかむずかしくて、その段階はやはり大学なりそういうところで御研究いただかぬといけませんし、当方といたしましても、横断的に人を集めます関係上、期限というものをはっきりさせてやっていきたい。こういう一カ所に資金を投入いたしまして、研究の成果を推していくわけでございますものですから、やはり期限を考えないといけません。したがいまして、ある程度長い期間で理論面なり関連研究なりで相当熟成いたしましたものを取り上げざるを得ない、そういうかっこうでございます。  したがいまして、できやすいものを取り上げたという意味ではございませんが、基礎研究の中である程度原理的な理論的な面が解明されたものでないと、五年の間の問題としてはなかなか取り上げにくい。そういうところを一つのテーマを取り上げる際のやはり基準として考えざるを得ない、このように考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 投資の評価ですね、つまり五億あるいは二十億という投資をこれから積み重ねていくわけですけれども、それに対する具体的な評価という評価項目、どういうふうに考えておられるか、ちょっとお聞きしたいんです。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先ほど大臣から一テーマにつきまして大体五年間で二十五億程度ということでございますが、これの投資効果とおっしゃられますと、私ども実は何とも申し上げかねるわけでございます。そこでできました成果と申しますのは、申し上げますように原理特許的なものでございます。せんだって御視察いただきました半導体のLSIや何かございますが、私ども考えておりますような原理特許と申しますのは、ああいうもので言いますと、ちょうど終戦直後アメリカでつくりましたゲルマニウムのトランジスタみたいなもの、まあ今日考えればおもちゃみたいなものでございます。それが今日ああいうぐあいに、その後の応用開発研究で拡大するわけでございまして、私ども考えておりますのは、その一番基本になります種でございます。したがいまして、それだけでは投資効果というものは、なかなか測定できるようなものにはなりません。その後の応用開発研究の期間が相当必要なものではないかと思いますので、あくまでもそういう長期的な成果というものを見ておるわけでございます。したがいまして、具体的に投入いたしました金額との関係で、投資効果というものの評価なり測定まではしておらぬのでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 それは非常に大事だと思うんですね。いわゆる大学の研究者というのは、論文書いてそれがある程度認められれば、実用化しなくても学者としてはちゃんとそういう立場になっていくわけです。つまり大学の場合は、研究の先生は自由にやっていいわけですが、それとは全然違った科学技術庁としてやるということですから、もうちょっと何か現実化できるような、そこまで考えた上での一つの研究システムでないと、私はぐあいが悪いんじゃないかと思うんです。たとえば、実際に研究していただくのにグループでやる場合もあるでしょうし、お一人でやる場合もあると思います。やっぱり成果として特許なり発明、発見というものができればもっといいんですけれども、特許あたりを何件出していただいたとか、それを実際に産業界にこういうかっこうでアプローチしていくだとか、たとえば、日立から出てきて日立へ持って帰られたら困るわけですけれども、それは先ほど何か特許権ということで話を伺いましたからもう聞きませんけれども、そういうような研究者に対する一つ一つの評価は、やっぱり正しくしてあげるということが私は非常に大事ではないか。つまり、五年間ずっといて、ほとんどちゃんとしたものができなかったと。しかし、研究開発のある段階までは非常に苦労してやられた。あと一年か二年、別の人が来られたらすぐ完成したという場合がたくさん出てくると思うんですね。そういう場合の評価として、ちゃんと会社にこれだけのことをやっていただいたという何か形をしないと、幾らもうかったというところまではすぐいかないまでも、そういう評価項目だけはちゃんとやっぱりしておく必要があるんじゃないでしょうか。学会へ発表する機会もあるでしょうし、そういうことをお聞きしているんです。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 先生のおっしゃることはわかる次第でございますが、五年間でこういう基礎的なレベルの研究をやりまして、非常に成果が上がりました場合が原理特許という形で実るわけでございます、原理特許という形で実らずに、研究成果としては非常に進んだけれども、権利として確定できるようなものにまでは至らなかった、こういうケースもかなりあり得る、こういう感じでございます。  そういうことで、原理特許が確立しました場合には、当然研究者はその持ち分を親元機関に持って帰れるわけでございますが、そうでないものはどうするかということでございますが、その場合にはやはり一つの研究論文として発表させていく、それなりの成果を発表させていく、こういう形を考えるわけでございます。そういうことで、特許の場合、それから研究論文の場合、いずれの場合にも、それだけでは実用化への道にはまだ遠いわけでございまして、実用化に向けまして普及する、成果を普及発展させる、この努力がやはり新技術開発事業団としての一つの任務である、このように考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 つまり、その後のフォローが非常に私は大事だと思うんです。そうしないと、こういう一つの研究をやるんだといっても、トップクラスのいいのをよこしてもらわなきゃ、私は意味がないと思うんです。そういう意味では、恐らく研究者というのは、相当その分野につきましてはベテランの方といいますか、よく勉強していらっしゃる方ですから、グループリーダーの人が決まって、そしておまえひとつ来てくれないか、こう話をすると、あの先生だったら喜んで行きたいとか、あのメーカーのあの部長だったら喜んで行きたいんだと、こういう形で一つの班が編成されると思うんです。  しかし、やっぱり私は、その研究グループというのが非常にグレードが高くて、大した研究機関だということにならないと、もとの企業へ帰るとか大学へ帰るというのは非常にむずかしくなってくるんじゃないか、ましてや、優秀な人材というのは、企業も放したくないと思うんですよ。むしろ、企業の中でどんどん研究開発してもらいたい。そういうのを特に集めたいということでしょう、どうにもならない人を特にくださいというんではないでしょう。それだけに、私はそういう評価の仕方というのは、非常に大切な条件になるんではないか。特にその辺が私は気になっているんです。  そういう意味でいきますと、将来のお金に換算したら非常に大きなものになるという部分と、もう一つはお金にはならないけれども、非常に士気の向上といいますかモラルが上がったと。この間、日立の方もおっしゃっていましたように、帝人の方もおっしゃっていましたが、われわれが行くので、恐らくあれ一週間も十日も準備したんじゃないでしょうか。掛け図をきれいにつくって、わずか三分か五分しか聞いてあげられないんですけれども、帰るときにやっぱり所長さんおっしゃっていましたですね、非常に研究員がハッスルできるでしょう。私はそこが研究者の一番大切な刺激の仕方といいますか、評価してあげるべき分野じゃないかと思います。その辺のところを真剣にひとつ考えておいていただきたいということをお願いしたいと思います。  そして、このテーマというのは、さっき大臣が言われたように、将来はだんだんふえていくということですね。その場合、四つテーマですから四人のリーダーですね、その上には全体をまとめるという意味ではどういう形になるんでしょうか、その四人のリーダーをうまくまとめて将来の方向を示唆していくという。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) 今度のテーマは、四つでございまして、そのテーマごとにプロジェクトリーダーは一人ずつでございます。この四つのテーマを特にこれ以上まとめるとか、そういうことは考えておりません。むしろこのプロジェクト自身が、超微粒子でございますと、プロジェクトリーダーのもとにさらに具体的な一つの研究テーマを持ちまして、磁性の強いのを何か利用するとか、それから表面の活性度の強いものを何か触媒なんかに利用するとか、そういう小グループが四つか五つできるようになっておりまして、その上にプロジェクトリーダー一人、こういうかっこうでございます。ですから、超微粒子とかその他の特殊構造物質とか、そういうテーマごとに全体をまとめるとか、そういうことは考えておりません。すべてプロジェクトリーダーが計画を決め、さらにその下のサブリーダーを選定していく、こういう考え方でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 私は前にも一度大臣にお話ししたかもわかりませんけれども、物を考えていくときに、日本人の特性というのは、下から積み上げていくという方法でございますね。もっとわかりやすく言いますと、たとえば物を組み立てるという場合は、MTMという動作分析がありまして、できるだけ両手作業で、しかも距離が短くなればいいということで、組み立て作業というのは非常に早いですね。ところが、そういう物の考え方というのは一番レベルが小さいというか、低いんですね。むしろそういう作業をなくした方が、合理化が進むということだと思うんです。むしろそういうネジを入れなくてもいいようなデザインを考えていけば、もうその作業は要らない。  ところが、わりあい日本人というのは、学者もそうですけれども、一つ一つ実証を固めながら一つのものに到達していくわけです。その間にまた新しいものが生まれたりはしますけれども、私が考えているのは、もう少し研究の分野というのも、大げさに言えば世界平和から端を発するべきじゃないか。世界平和の中の日本の平和、そして産業界の発展のためにみたいな、どうもその辺研究者というのはちょっと抜けている部分があるんです。  それで、局長、ちょっとお聞きしますが、ワークデザインというテクニックを御存じですか、聞いたことございますか、ワークデザイン。これは突然ですが……。

宮本二郎科学技術庁振興局長

○政府委員(宮本二郎君) どうも私はそういう言い方はよく存じませんでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 これはナダラーさんという早稲田へ一時先生で来ておられました、十四、五年ぐらい前だと思います、いまの吉谷龍一先生という早稲田の先生が訳したりして出しております、つまり、レベルをどのレベルで考えるか、特にアメリカ人というのはそういう発想持っておられるんです。日本人というのはそういう発想がないんです。つまり、小さいものから固めていくという考え方ですね。研究者はまさにそうだというんですが、全然これ違うんですね。何か到達目標みたいな大きな目標を一つ決めて、そのためにはどういうものを制約条件の中でやっていくか、この辺が実は私は研究の成果上非常に重要ではないかなと、こう思うんです。  もうちょっと時間がありますから、しゃべらしていただきますけれども、たとえば百姓さんの場合に、ちょっと例がおかしいんですが、百姓さんの場合に生産性上げなきゃいかぬという一つの発想があります。どうするかといいますと、私も百姓のせがれでよくわかるんですが、あぜ道を削るんですね。真ん中にこうあぜ道がありまして、両サイドから削っていって、中側狭くなって、こうなるわけです。モグラの穴があいてしまうと、水がこぼれる、大体そういう発想ですね。ところが、ワークデザインという点からいいますと、広島のある一カ所でやりましたが、十四町歩という非常に大きなたんぽにしたんです、一枚のたんぼに。それはもう何十軒が一緒になりましてね。そうしますと、恐らくいま二人人間要らないんじゃないでしょうか。いままでは小さいたんぼ皆持っているわけですから、もちろん農耕の機械入れたって大して効率上がらない。同じように利益を上げるという、追求していくという物を考えた場合でも、先ほどちょっと言った、悪いですけれども、日本型の研究者というのは、できるだけあぜ道を削って、面積を多少ふやして、十本でも稲をたくさん植えたいという発想じゃないでしょうか、アメリカは違うんですね。いまのワークデザインというのは、まさにそういう発想なんです。  これちょっと余談になりましたけれども、そういう意味で、これから先の研究者というのは、むしろさっき申し上げたように、各リーダーはいてもいいと思うんです、それはその分野の専門家ですから、その上に一人マネージャーでも何でも結構ですから、むしろ外部からのいろんな情報調整して、こういうようなものをいま新しいものとしてぜひ考えていくべきじゃないかということを、これは長官に一番やってもらったらいいと思うんですよ、本来は、私はそういうものがなかったら、一つの分野だけがその先生によってどんどん進んでいくんだけれども、非常に大切な部分が取り残されていくんではないか。その辺をひとつ考えていただきたいんですが、これは長官に最後にお聞きします、決意をひとつお願いしたいと思います。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) 高邁な御意見ありがとうございました。  そういうふうにもっと高い次元から全般的に見るということが必要だと思いますが、大臣やれと言っても私全く能力がありませんので、恐らくその辺のところは、新技術開発事業団の理事長になるのかあるいは担当の理事か専門家、それから開発審議会の方もありますし、そういう横のつながり、高い次元からの調整というようなことは、その中から選ばなくても事業団がやっていかれるんじゃないかと思いますが、御意見ありがとうございました。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 もう一点だけ。  先ほどお聞きしますと、まだかなり年配者の人がリーダーになってやられるような感じもなきにしもあらずなんですけれども、皆さん御承知のように、本田技研なんかも、大体単車の設計やなんかというのは二十五、六ぐらいの人を筆頭にして、つまり、単車の感覚知らない人間がやってもだめなんですね。私は研究の分野というのは、そんなにお年取っているから優秀だということは当たらないと思うんです。むしろ自由な発想がある方が私はいいと思いますので、余り元何々というメンバーでそろえない方が、これは私もよくわかるんですが、学者である程度年取ってきて大家というような人は、なかなか相手の領域というのを受け入れない部分があるのです。もし相手の領域を理解するとしたら、おれの学説の中に入るんだということを、まず言った上でやるわけなんですね。そういう意味で私は、もう自由自在に、理化学研究所へ行きましても、非常に若い人が主任研究員でばりばりやっているわけですから、そういうような方々を中心の研究員という形で、ひとつまとめていただきたいことを要望して、終わりたいと思います。

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  新技術開発事業団法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 全会一致と認めます、よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました、  この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林君。

林寛子自由民主党・自由国民会議

○林寛子君 私は、ただいま可決されました新技術開発事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     新技術開発事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、革新技術の源泉となる萌芽を探索する上で基盤となる巾広い基礎研究を推進するため、研究投資の拡大に努めること。  二、青少年の創造性の涵養に留意するとともに、独創性に富む少壮研究者の着想が生かされるよう研究環境の整備に努めること。  三、優秀な人材を組織の壁を越えて広い分野から流動研究システムに結集させるため、大学をはじめ関係機関の理解と協力が得られるよう特段の配慮を払うこと。  四、研究の推進にあたっては、広範な領域からの研究主題の選定に努め、総括責任者の人選に適正を期するとともに、研究費の確保、研究者の処遇に十分配慮すること。  五、研究の成果を広く公開し、中小企業、農業等の振興を含め国民経済上有用な技術に発展するよう、普及の促進に努めること。  右決議する。  以上であります。

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中川科学技術庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川科学技術庁長官。

中川一郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(中川一郎君) ただいま新技術開発事業団法の一部を改正する法律案の御可決をいただき、まことにありがとうございました。  私といたしましては、ただいま決議をいただきました附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、創造的な科学技術の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田淳夫公明党・国民会議

○委員長(太田淳夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十五分散会

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