科学技術振興対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/04/08
会議録
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中川科学技術庁長官。
○国務大臣(中川一郎君) 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、国際科学技術博覧会は、昭和六十年に茨城県筑波研究学園都市において開催されることとなっております。 本博覧会開催の目的は、二十一世紀を展望し、人類の豊かな生活を創造する科学技術のビジョンを示すことにより、国民の科学技術に対する理解を深めるとともに、科学技術を通じて人類に貢献せんとするわが国の姿勢を内外に訴え、同時に国際親善にも寄与しようとするものであります。また、本博覧会の開催を契機として、筑波研究学園都市を広く世界に紹介するとともに、その一層の整備を図り、これを世界的な科学技術の中心地として育成し、もってわが国の科学技術の画期的な振興に大きく寄与いたしたいと考える次第であります。 政府といたしましては、その国民的な大事業である国際科学技術博覧会の準備を促進するため、この法律案を提出することとした次第であります。この法律案は、日本万国博覧会及び沖縄国際海洋博覧会の例にならい、博覧会開催の直接の責任者である国際科学技術博覧会協会に対し、資金調達、人材確保等の面においてできる限りの協力と応援とを行うことを明確にして、博覧会の開催のための体制を早急に、かつ一段と強化しようとするものであります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一は、国が、国際科学技術博覧会協会に対し、博覧会の準備及び運営に要する経費について、予算の範囲内において、その一部を補助することができるものとしたことであります。 第二は、国際科学技術博覧会協会の行う資金調達事業に関し、国及び三公社の援助に関する規定を設けたことであります。すなわち、その一つは、郵政省が、博覧会の準備及び運営のための資金に充てることを目的として、寄付金つき郵便切手を発行することができる旨の特例を設けたことであります。その二は、日本専売公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる製造たばこの包装を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。その三は、日本国有鉄道が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる国鉄施設を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。その四は、日本電信電話公社が、博覧会準備運営資金に充てることを目的として行われる電話番号簿を利用した広告事業に対し、便宜を供与することができるものとしたことであります。 第三は、日本住宅公団の業務の特例として、本来の業務の遂行に支障がない範囲内で、外国政府等の本博覧会への参加に伴って来日する外国人従業員に住宅を提供できるものとしたこと及び国際科学技術博覧会協会の委託により、博覧会会場の用に供する敷地の造成等を行うことができるものとしたことであります。 第四は、国際科学技術博覧会協会の業務の円滑な運営を期するため、国、地方公共団体及び三公社から適任者を採用する場合が予想されますが、こうした場合の人事交流の円滑化を図るため、これらの者が国際科学技術博覧会協会の職員から再び国等の職員に復帰した場合には、公庫、公団等に出向した後復帰した場合と同様に、共済年金等に関し在職期間を通算する措置がとられることとしたことであります。また、国際科学技術博覧会協会の業務の厳正を期するため、同協会の役員及び職員は、刑法等の罰則の適用について、公務員とみなすこととしたことであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(太田淳夫君) 以上で本案の趣旨説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(太田淳夫君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査中、科学技術振興のための基本施策及び昭和五十六年度科学技術庁関係予算に関する件を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉田正雄君 ただいまの法案の趣旨説明の大臣の様子を見ておりますと、かぜか何か引かれたような感じでありまして、そういう点で私のこれからの質問ではよく耳へ通りますかどうかちょっと心配をいたしておりますけれども、またきょうだけの質問ではございませんので、きょう御答弁いただけない点は、また後日ひとつ御答弁をいただきたいと思います。 きょうは大きく言って三点にわたって質問をいたしたいと思います。 第一点は、原子力に関する安全確保の問題ですね。最近、スリーマイルアイランド事故以後も相変わらず事故が絶えないということでありますので、そういう点できょうは動燃の東海再処理工場の事故と、それから原電の敦賀発電所の事故、この二点にしぼってお伺いをいたしたいと思っております。 それから大きな第二点といたしましては、レーガン政権の原子力政策について幾つかお尋ねをいたしたいと思っておるわけです。なお、これと関連をいたしまして、日韓の間における原子力協力がどういうぐあいになっておるのか、そういう点にも触れてお尋ねをいたしたいと思っておるわけです。 さらに、これは別の項目になるのか、いま言った関連でお尋ねをしたらいいのかわかりませんが、廃棄物の処理、処分がどうなっておるのか。それからそれに関連をして、昨年来問題になっております海洋投棄がどうなっておるのか。ますます国際的な環境というのは、日本に対して厳しいものがあるんではないかというふうに思っておりますので、これについてお尋ねをいたしたいと思うわけです。 最後に、これは去る三十日の日に決算委員会でわが党の野田議員の方から、日本において原水爆製造に関しての秘密研究が行われてきた、これに関して質問が出されたんですけれども、出席した大臣以下、その事実を余り御存じなかったようで、どうも明確な回答は得られなかったようでありますが、きょうは八日でありますから、問題指摘からほぼ十日間たちますので、大臣もその秘密研究パンフレットは多分お読みになったんじゃないかというふうに思いますので、この点についてお尋ねをいたしたいと思いますし、なお、日本の原子力基本法や非核三原則との関係でもお尋ねをいたしたいというふうに思っておるわけです。 ただいま申し上げた項目はどれ一つをとっても大変時間のかかる内容でありますから、二時間という短い時間でこれだけ大きな問題をきょう全部お尋ねし、回答をいただくことができるかどうか非常に疑問でありますが、できるだけ当局側も簡にして要を得た御答弁をひとついただきたいというふうに思っております。 それでは最初に動力炉・核燃料開発事業団の東海村再処理工場の事故についてお尋ねをいたします。これについてはすでに衆議院の科学技術委員会でも質疑が行われてきたと思うんですし、私どもも動燃事業団と、それから科技庁の担当者から一応の説明もお聞きをし、また社会党の調査団が実際にこの東海再処理工場に行って、一応現地において関係者からも事情を聞いておりますけれども、必ずしも事故の経過やあるいは原因等についてはいまだもって明確にされておりません。 そこで、以下幾つかの点にわたって御質問をいたします。御承知のように、この東海再処理工場というのは、四十六年の六月に建設が開始をされまして、五十二年の九月から試運転に入り、そしてことしの一月十七日に本格営業運転に入ったわけです。この本格営業運転に入るまでにどれぐらい事故が起きたのか、一々詳細は要りません、事故件数程度でもいいんですが、どれくらい事故が起きましたか。
○政府委員(赤羽信久君) それまで各種の試運転を行ってまいりました。試運転を通していろいろなことが発見されたり、あるいは思わぬ故障が起きたりということが数々ございました。一番大きいのは蒸発がんの故障がございました。ただいまトータルで件数がどれだけかはちょっと集計してございません。必要でしたら後ほど調べてお答えいたしたいと思います。
○吉田正雄君 いまもちょっとおっしゃったように、五十三年八月に酸回収蒸発がんの事故があったわけですね。これで約一年半とまっておったわけです。それから、五十四年の二月には四トンの放射性廃液というものが川へ流された、外部へ流されたということがあるわけですが、大体八十件近い被曝事故というものが今日まで起きておったわけですね。いまこれからお尋ねしようとするこの一月に入ってからの事故以前の段階で、いま言ったように八十件に及ぶ事故があったわけです。これらに対して県や地元に対する動燃側の事故の報告が大幅におくれておったり、報告漏れがあったり、きわめてずさんなものであったりということで、地元から非常に強い苦情がたびたび出ておったわけですけれども、科技庁としては、と言ったらいいのか、今度は安全委員会といったらいいんでしょうか、動燃事業団に対して今日まで一体どのような指導、監督を行われてきたのか、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(赤羽信久君) この設備が研究開発段階にあることも含めまして、いろいろなトラブルが生ずるということはやむを得ないことかと思いますけれども、事柄の大小にかかわらず、特に地元の方の不安がございますから、科学技術庁はもちろん地元への連絡をよくするということを基本的な指導方針にしてきております。ただ、現場の事情等ありまして、それがおくれたことが何回かあったのは御指摘のとおりでございます。そういうことのないよう積極的に連絡するような指導をしてまいりたいと思っております。
○吉田正雄君 実はいまの答弁を聞いておってもわかりますように、今日までの事故とこの一月以来の事故が発生をした基本的な原因としては、物質的な問題もさることながら、私はやはり動燃事業団、それから科学技術庁の再処理運転に対する姿勢なり態度、そういうものの基本的なあり方について問題があった、これはこれから徐々に質問していく中でだんだん明らかになる、そういうふうに思っているんです。いまの答弁を聞いてもきわめておざなりな答弁であるわけなんです。 そこで一月十七日から本格的な運転に入ったわけですが、一月十八日に使用済み燃料の溶解槽から次の工程へ溶解液を送るジェットポンプのパイプに目詰まりができたということで、四本のパイプのうち三本がとまったと、ある期間を見ると四本が次から次へとまったわけでして、全部のパイプが詰まっているわけですね。そういうことで、そこの部分に関する事故の経過と、それから原因の内容について、現在ではどのように原因等も解明をされておるのか、お聞きをいたしたいと思うんです。
○政府委員(赤羽信久君) 溶解槽で溶かしました液体を、次の工程に送るための水蒸気のジェットを利用した特別なポンプの詰まりでございます。この詰まり、三本詰まったわけでございますが、一本はジェットノズルの先の方の詰まり、それからあと二つは吸い上げるところのパイプの詰まりであったわけでございます。現在いろいろな手を打ちまして全部貫通しております。これは詰まっても再処理工程の一番初めのところがとまるわけでございまして、再処理工場の運転が不能になるという点では重要なトラブルでございますが、動かなくなるというだけで、それが次の安全問題に発展するということがございませんので、安全上は特別重要な問題として扱っておりませんけれども、やはり詰まってはいけないという意味の検討を続けてきたようでございます。その結果、原因になると思われる幾つかの事象がわかりましたので、今後はその点を十分に配慮しながら運転することによって、このようなトラブルは減るんではないかという見通しがついております。
○吉田正雄君 主要な原因は何だというふうにお考えになっていますか。
○政府委員(赤羽信久君) ノズルの方に詰まりましたものは、その詰まったものを摘出してございます。これは溶解のときに生じました金属片が紛れて入ってしまった、これが紛れて入らないような対策というのが幾つか考えられるわけでございまして、それを講じていく。 それから、パイプの方は何が詰まったかは必ずしもはっきりいたしませんけれども、いろいろなものが複合して詰まったのであろう。その詰まる原因としましては、溶解槽の方で完全に溶液化してないものが混入するか、あるいはパイプの下の方にたまっていて、それが吹き上げられるというような状況が考えられますので、そういう異物が溶液の中に出ないような装置あるいは操業の仕方、それから、もしたまっているものがあるといけませんから、これはふだんからよく掃除をしておく、そういった注意を払うことによって、液体以外のものが入らなくなるような対策が講じられるであろうということでございます。
○吉田正雄君 動燃側の説明でも燃料棒を勇断した溶けないジルカロイ、被覆管のチップスですね、これが詰まったんではないかというふうなことも言われておるんですが、その説明の中に、前投に二ミリメートルのフィルターが入っているという説明と同時に、しかしながら、実際にはすき間だらけだということで、そういう勇断くずというものがどんどんこの中に入ってきて詰まったんだという説明もあるんですが、そういうことはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(赤羽信久君) この網は二ミリでございまするが、もし細長いものがあるとしますと、二ミリの穴からも出てくるものがあるわけでございます。 それから、かごの上の方の操作をきちんとしませんと、すき間があく可能性があったということもわかります。異物は大体重いわけですから、慎重に扱えば下へ沈んで上へ吹き上がってこないわけでございまして、そういった総合的な面で各種の注意深い運転をすることによって防げるであろうということのようでございます。
○吉田正雄君 しつこく聞くようですけれども、この目詰まりというのは何回もいままで起きてるんですね、一回しゃないんですよ。したがって、これは設計ミスで今後も起きますよ。いままでも何回も起きている。今回もまたそれがあるわけです。ほかにもまだ原因があると思うんですが、これは後で聞きます。 そうすると、どういうふうにこれ解決をされるつもりですか、この目詰まりは。今後も同じことが起きてくることは間違いないです。
○政府委員(赤羽信久君) ただいま申し上げましたように、操業に十分気をつける、そして特に原因になりそうな部分というのの見当がついておりますので、その点を十分に配慮して運転することによって、今後は皆無とはいかないまでも、こういうトラブルは相当減らせるんではないかという見通しを持っておりまして、そういう操業を通して今後のノーハウを積んでいきたいと思っております。 設備的には、どういう形をやりましても、分離に当たりまして少し乱暴な操業をすればやはり異物は入ってくる、どういう形でもあり得ることではないかと考えられますので、やはりポイントをよくつかんで、慎重な操業をするということが大事じゃないかと思われます。
○吉田正雄君 いまの説明では、これは今後だって何回も起きて、解決策にならぬですね。というのは、従来もこういうトラブルが何回か起きておって、それで動燃の説明というのは、通水を続けることによって目詰まりが解消されているから心配がないんだということを、従来も繰り返し言ってきたんですよ。それで、また同じことが起きているわけでしょう。だから、私どもは基本的には一つの設計上の、ミスがあると思っているんですが、設計に関してはどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(赤羽信久君) 化学装置の一種でございまして、化学装置、特に不連続的に、扱う部分は、実際に動かしてみないとわからない要素があるわけでございまして、実際の運転を通してだんだんノーハウが蓄積されていく、そしてその結果うまく動くというのが普通のやり方かと思われます。 本件もこの経験を積んだ上で、第二再処理工場等の設計の場合に、この経験を反映した新しい設計というのが考えられることはあるかもしれませんが、現在のところ対策がだんだん立ちつつあるということは、この工場につきまして基本的な設計上の欠陥がある、この方法では絶対やっていけないというふうに考えるのは、まだ早いのではないかと考えます。
○吉田正雄君 説明は、この目詰まりの原因というのがいま言ったチップスですね。ところが、私たちのいろんな疑問に対してまだ幾つか答えていない点があるんですよ。いまの目詰まりもあわせて、後で設計上問題があるんだということで総合的にお聞きします。 いま化学的なとおっしゃった、化け学的な意味で化学的なとおっしゃっているんですが、私はやっぱり工学的なといいますか、機構的な面、この目詰まりなんというのは明らかに、溶けなきゃもちろんそうですけれども、溶けたものが来る予定になっているわけですね。それがいま言った剪断くずがフィルターを通してこの中へ入ってくるということは、まず工学的な、機能的な面での設計上の問題点、欠陥だろうと思いますし、それからもう一つ、パルスフィルターには何がたまっておったんですか。
○政府委員(赤羽信久君) 先ほど申し上げましたように、ジェットポンプ側の詰まったものは、二つの金属片であったということがわかっております。パイプの方の詰まりは、落としてしまうとそのもの自身をつかまえることができませんので、厳密な意味で解析はしてございませんが、しかし、入っていったであろうというルートがはっきりしておりますので、三種類程度の見当をつけておりまして、しかも、その一つのものだけで詰まったのではなくて、三種類が複合的に順次詰まっていったのではないか。三種類と申しますのは、切りくずの金属片、それから次がクラッド、これは燃料が原子炉の中で長く使われておりますと表面につくあかみたいなものでございます。それから三番目に核分裂生成物の中でも硝酸に溶けないものがございます。多分これは粉の状態になっていると思われます。こういったものが、たとえば、金属片がつかえた上にクラッドのかたまりがつっかえていくというような順をたどって、複合的に詰まったのではないかと想像されております。したがいまして、これらの発生すべてにつきまして注意を払うことによって、今後の詰まりが防げるのであろうというのが、先ほど申し上げました解析の結果でございます。
○吉田正雄君 そこで、いまおっしゃったように、切りくずとそのほかには被覆管に付着する腐食性水あか、いわゆるクラッドですね、それと核分裂生成分の不溶分、こういうものがたまったんだと、こういうふうにおっしゃっているわけですね。それ分析されましたか。どういうものが出てまいりました。
○政府委員(赤羽信久君) ただいま申し上げましたように、パイプを貫通させてそのものが元へ戻ってしまうわけでございますから、そのものをつかまえてございません。したがって、分析もしてないわけでございます。
○吉田正雄君 多分そういう答弁なさるんじゃないかと思ったんですけれども、きわめて重要な答弁ですよ。つかまえられなけりゃ原因の究明はできないじゃないですか。そのためのあれでしょう、パルスフィルターは、これはどういう役目を持っているものなんですか。つかまえられないというのは、何でつかまえられないんですか。
○政府委員(赤羽信久君) 先ほど先生おっしゃいましたように、これは化学プラントであり、いわゆる化学工学に属する設備かと思われます。こういう多相系と申しますか、水と溶液と固体とがまざった系統のものにつきましては、大体経験的に片づけていくというのが一つの化学工学上の重要な手法なわけでございますけれども、本件につきましても入ってくる固形物というのは大体見当がついておる。そうしますと、その固形物が一つずつ入らないような注意深い運転をする、それによって詰まりが起こらないという結果が得られれば、逆に帰納いたしまして詰まったものの原因がわかる。これは普通こういうものの運転をする際の、開発をする際の非常に重要な手法なわけでございまして、直接分析をしたからそれがすぐ解決に結びつくというものではございませんで、むしろ対策を通して正常に行うべきノーハウが得られていくというのが、開発の非常に重要な手法だと思われます。その手法をとっているわけでございまして、むしろそういう検討の結果を実現していくという方法の方が、この際大事だと思われます。
○吉田正雄君 局長、私の質問がわかっているんですか。物理的、機械的にその燃料棒を被覆管ごと切り刻んで、それを溶解液、硝酸で溶かしていく。ところが、その切りくずがパイプに詰まる。とこうが、詰まるものというのは切りくずだけじゃなくて、いま言った三つのものが詰まるということが考えられるとおっしゃっているわけですよ。ところが、そのパルスフィルターの中にはたまるわけですよ、わかりますか。したがって、それを取り出して分析すれば核分裂生成物、あるいはさっき言ったクラッド、水あかですね、そういうものが何であるかというのが化学的に分析できる。あるいはジルカロイそのものが酸化をしておるのかどうかということもわかるわけですよ。そのための三年間にわたる試運転だったんでしょう。しかも試運転期間中に何回も目詰まりを起こしているわけですから、当然化学的な分析をやるのは常識ですよ、そのための試運転なんですから。ところがそれやってない。これじゃ何の原因の解明にならないじゃないですか。手の打ちようがないわけですよ。だから、パルスフィルターを一体調べられたのかどうなのかと聞いているんですよ、さっきから。ただ、つかまえられない、つかまえられないというのは、そんなのは答弁になりませんよ。
○政府委員(赤羽信久君) いまパルスフィルターの方、パルスフィルターと申しますのは、このジェットポンプより後の工程であるわけで、そこに詰まったものを調べれば多分詰まったときのものも推定がつくではないかという御質問かと思われますが、ちょっと私、現在そのパルスフィルターの方のデータを承知しておりません。ただ、そこへ流れていくものは多少あることはわかっておるわけでございまして、そのうちのどれがどういうメカニズムで詰まるかということがわからないわけでございますから、必ずしもパルスフィルターでつかまえたものを分析することによって原因が明らかになるとは、これは私いま考えたことでございますが、考えられないようにも思われます。
○吉田正雄君 局長さん、全然答弁になっていませんよ、それは。いいですか。何回も起きている事故ですよ。だから、溶けない切りくず、ジルカロイがひっかかる、これはわかるんです。それだけじゃないだろうと、あなたのおっしゃたとおりですよ。幾つかのものがある。だから核分裂生成物の不溶分もあるだろう、あるいは被覆管に付着した腐食性水あか、いわゆるクラッドですよ、これもあるだろう。だから何で詰まったのかというのは、いま言った物理的に細いところへ通らないような大きなものが紛れ込んだということもあるでしょうけれども、いま言った化学的に溶けない不溶分が目詰まりを起こしたということも当然あり得るわけです。あり得るんじゃなくて、イギリスのウィンズケールの再処理工場の例の七三年八月の火災事故というのは、この核分裂生成分の不溶分がたまって、ここに熱が出て火災になったんです。もう原因というのはいろいろわかっているわけですよ。したがって、東海のこの目詰まりも、フランスのラアーグやイギリスのウィンズケールの事故の例で、あるいは西ドイツの例でわかるように、考えられておるわけです。そのための試運転をやってきたんですから、現実にいままで何回も目詰まりを起こしているんですから、当然いろんな検査をやるべきだ。したがって、いまこのフィルターにたまった、これはジェットポンプの後の方ですよ、ここにたまったものが何であるか取り出して、当然化学的な分析をやって、どういう物質がそこに入っておったのかということを、これを追跡するのはもうあたりまえの話でしょう。そんなむずかしいこと考える必要ないですよ。素人が考えたって、詰まったと言えば、何か水あかのようなものがたまったと言ったら、水あかというのは一体何だろうと言って、調べるのはこれは常識でしょう。そのことを聞いているんですよ。それを何で分析をされなかったんですかと、こう聞いているんですよ。
○政府委員(赤羽信久君) 私がいまそのデータを持っていないということでございまして、そのものがわかっているかいないかは、事業団の方に聞いてみないとわからないことでございますけれども、しかし、そういう個別のデータたくさん集めた結果、総合的に考えまして、ポンプのパイプの前に入るものを、これから異物が少なくなるような操業方法を十分講じていこうということでございますから、この結果を見まして、これで目詰まりが減るということになりますと、対策よろしきを得たということに帰納的になるんではないかということでございます。そこの分析に至る詳細を御説明するといたしますと、これは当事者、専門家を呼んできませんと、すべてを御説明することはちょっとできないわけでございます。
○吉田正雄君 総合的総合的とおっしゃいますけれども、総合というのは部分が集まって総合になるんですよ。全体になるんですよ。一つ一つの原因を解明しないで何で全体像がわかるんですか。しかも、最も重要な事故の原因を究明するポイントと思われるところなんです、ここは。いいですか、単に機械的に目詰まり起こしたんじゃないんですよ。それは画からも指摘をされてきているところなんですから、当然そこにたまったものについて化学的な分析を行って、次からそれがたまらないように研究をし、実験をするというのが試運転の任務であったはずですよ。いまの説明を聞くと、いままでの目詰まりの事故についても、全然解明をされておらない。だからまた今回目詰まり事故が起きたということなんですね。これはいまの局長の答弁ではっきりしたわけです。全然原因がわかっておりません。また今後だって起きますよ、これは。そういうことだからきわめて問題があるということなんです。 大臣、これはむずかしい話をしているんじゃないですよ。素人が考えたって、詰まったと、何が詰まったのか、取り出してそれを調べるのはあたりまえの話なんです。そうすると、いま局長はおっしゃいませんが、そこはなかなか放射能の強いところだから、簡単に取り出しなんてできないとおっしゃるかしらぬけれども、そうじゃないですよ。そのためのホットセルであり、いろんな機器があって、このフィルターから取り出せないことはないわけですね。これ、そうでしょう、取り出せるでし。よう。それだけ聞かしてください。
○政府委員(赤羽信久君) その部分を取り出せるかどうか、それはちょっと工夫を要するかと思いますけれども、ただいま先生おっしゃいますようにこの部分が重要なポイント、一つのポイントかもしれませんけれども、決してそれが唯一のポイントではなくて、もっとたくさんのポイントがあるわけでございまして、それをやっていないということではなくて、私が一つ一つ全部御説明申し上げるだけ現在承知していないということでございます。 ただし、重要なもとになる入口の方の対策はできるということで、一つずついま押さえられておりますので、この結果、かなり詰まりにくい操業が次の段階には期待できる。それを見てから、さらに考えていけばいいんではないかということでございます。というのが当面の結論だということを申し上げているわけでございまして、原因が全くわからないのをしゃにむにやる、また詰まったらどうするということでは全くございません。現在、より進んだ対策が講じられているということを申し上げているわけでございます。
○吉田正雄君 局長、いま科技庁の中には、動燃事業団のそういう事故について、調査をして分析をする能力のある職員は一人もいないんですか。あなたの説明を聞いていると、科学技術庁これだけ職員が大ぜい来ているけれども、全然動燃事業団に任せっ放しで、科技庁では分析する能力ありませんという、いまのあなたの答弁を聞いているとそういうふうに受けとめられるんですよ。それじゃここへ来て聞いてみたって意味がないわけですね。きょう、動燃事業団の関係者を呼んでおけばよかったというふうにちょっといま思っているところなんですけれども、しかし、呼ばなくたって、科学技術庁が安全審査をやって、許可をしたわけですよ。安全基準を設け、安全審査をやり、そして、過去に八十回もトラブルが試運転中に起きた。それについて、いろいろ調査も検討もされてきているわけでしょう、チェックをしているわけですよ。それを何ですか、いまの答弁なんというのは、素人の答弁じゃないですか。そんなのは全然答弁になっていない。で、なぜ答弁になっていないのかというと、全体、全体とばっかりおっしゃっておって、何が全体かと言うんです。私は、さっき設計ミスになるんじゃないかというふうなことも言ったんですが、御存じのはずだと思うんですけれども、中島健太郎さんてどういう方ですか、同姓同名たくさんいますけれども。
○政府委員(赤羽信久君) 動燃事業団の再処理事業担当の理事でございます。
○吉田正雄君 この方は専門家ですか。科学者ですか。
○政府委員(赤羽信久君) 出身のバックグラウンドは私もよく存じませんが、最近では再処理の仕事を長く、操業以来手がけてきている専門家と思われます。
○吉田正雄君 要するに、再処理に関しては動燃事業団の責任者、責任理事であるわけですね。これで間違いないわけでしょう。技術者でもあるわけですね。 そこで、その中島健太郎理事がどう言っていますか。皆さんだってお読みになっているはずですよ。「原子力工業」の去年の十月号に、理事がどういうふうなことを書いてますか。ここにちゃんと書いてあるじゃないですか。「四十六年六月着工後しばらくして、SGN社」、サンゴバン・テクニク・ヌーベル社ですね。これはラアーグであるとか、いまの東海再処理工場の設計を担当した会社ですよ。「SGN社よりCEA」、これは例のフランス原子力庁、「CEAからの意見として、「ラ・アーグのAT−1(高速炉燃料再処理試験施設)などでの経験では、燃料の燃焼度が高くなると、溶解液中にFPに起因するとみられる不溶性沈殿物が急に増加する。動燃の再処理工場では、不溶性沈殿物の除去用のサイクロンを設置しているが、これでは不十分散、至急対策を講ずる必要がある」旨申入れてきた。」と書いてある、動燃にちゃんと申し入れてきているんですよ。「当時、AT−1では、ラプソディ炉の数万」……、めんどうなことはやめて、「さらに、SGN社はCEAと協議し、サイクロンを遠心ろ過機、またはパルスフィルタに変更することが可能だが、その選択を採用するか否かを含めて動燃が決定することを求めてきた。」。それで、その後ずっと「英・仏・西独の工場を視察する機会があり、この件も調査した。」と。それで、そこではどういうことを書いてあるかというと「英国では無関心(ウィンズケールの溶解液中間貯槽は大きく、この中で分別されると考えていた)」か、余り関心を持っていなかった。西独でもこの問題に遭遇してトラブルが起きておった、と。「フィルタを付加するか、またはフランス方式のふっ素イオン添加によるかを仏・CEAと相談中であった。」、こうやってずっと来て、「よって動燃としては、確実に清澄化し得ること、遠心ろ過機のごとき機械的可動部分がないことを考慮して、パルスフィルタの採用を決定した。」、こうやって担当理事が書いているんですよ。あなた、よくわかっていませんじゃない。この設計そのものに当初から問題があるという指摘を、中島理事自身がちゃんとここに書いてあるわけですよ。だから皆さん方は、一体何を審査をしてきたかというんですよ。そんなに、専門家が一人もいなければ安全委員会は審査する機能がないということですか。何でもわかりません、いま研究中です、調査中です、——三年間、何をやってきたんですか、何を審査してきたんですか。 これ以上聞いても局長、あなたの答えは出てこないらしい。大臣は聞いていてもらえばいいですよ、かくのとおり、これが原子力安全委員会、科学技術庁の当局の能力なんですよ、はっきり言って。お任せだ、動燃に。お互いにもたれ合い。まさに親方日の丸という言葉がよくありますけれども、こんなばかな運営は許されませんよ。これは私はここに出席の各委員の皆さん方に十分聞いておいていただきたいと思うんです。これだけ膨大な金をつ込きんて、国家予算をつぎ込んで、一番肝心な監督をしなければならない、安全審査をやらなければならない国の最高機関の科学技術庁が、三年間にわたる試験中に八十件ものトラブルが起きてきた。しかも、いまのこの日詰まりというのは、過去にも数回起きてきておる。それから動燃の担当理事者がもう設計当初というか、建設当初からここには問題があると言って、フランス原子力庁と協議した結果として、フランス側から申し込まれてきているということで、もう問題点は指摘をされてきておるわけですよ。ところが、いま聞くとこのパルスフィルターにたまった不溶分については分析をいたしておりませんなんて、何の審査をやってきたんですか、一体。もうこれ以上あなたに聞いても、またこれに関連して幾つか聞きたいんですけど、どうもいまのやりとりを聞いておりますと、ちょっと期待できないというか、結局わけのわからぬ答弁しか出てこないと思います。そこで、この事故そのものについては、またさらに皆さん方に、次回になるかいつになるかはとにかくとして改めてお聞きします。いま私が指摘しているのだけはわかったと思いますから、議事録等も見てもらって、今度は答弁できるようにしておいてもらいたいと思うんです。 そこで、私もう一つお尋ねしたいのは、この再処理工場の認可に当たって、どういう審査をやられたのか。これきわめて重要な私は内容だと思うんですが、どういう審査内容だったんですか。これ全部オーケーだったんですか。理事みずからが問題があると言って指摘をしているような点については、何ら問題にならなかったのかどうなのか、これちょっと聞かしてください。
○政府委員(赤羽信久君) 中島理事の指摘されましたパルスフィルターのことでございますけれども、これは後段に固形物が行かない、固形物が出ることは前からこれはよくわかっているわけでございますが、それをとめるところ及びとめるディバイスをどうするかということで、パルスフィルターをつくったということでございまして、これはポンプ対策とは直接の関係がないわけでございます。ただ、御指摘のように、それがあるからポンプが詰まったんであろうということの御指摘は、これは十分わかるところでございます。 それから科学技術庁の能力を疑われましたので、これはちょっとお答えしなきゃならないかと思われますが、私自身が必ずしも能力が十分でないんでお答えが不十分だった点は恐縮でございます。ただし、先ほどから申し上げておりますように、このジェットポンプのところが詰まりますと、工場がとまるという意味で経済上非常に問題でございますから、詰まらないにこしたことはないんでございますが、そういった操業を保つということは、役所の監督よりはむしろ動燃事業団の本来の任務でございまして、動燃事業団がしっかり検討をし、対策を講じ、自分の責任で稼働率を高めていくということが重要だと思うわけでございます。われわれがそれをとやかく言うよりは、専門的に現場で処理すべきものと思われます。 われわれの方の観点といたしましては、この問題が安全性の問題に、いますぐではなくても将来絡んでくる可能性があるかないか、そっちの観点からチェックいたすわけでございまして、その点ではジェットポンプが早目に詰まってしまうのがかえって幸いして、特別の問題にならないという判断をしておるがゆえに、技術的な細部にわたって少なくとも局長が全部を承知していないというのが現状でございまして、そこへ至る詳細な検討の結果を聴取し、それを解析するということは、われわれのスタッフとしては十分やっていることでございまして、それを全部局長が理解し、消化し、かつ御説明するまでの能力を持っていなかった不明はおわびしなければなりませんけれども、その途中の経過は私としては十分責任が持てる、しかも動燃としては稼働率を十分高めるだけの努力をし、そのめどが立っているということは、私もバックグラウンドが技術系の出身でございますので、そういう意味で一応了解できるところまでは来ているということでございます。 それから再処理工場の最初の安全審査のことでございますけれども、四十三年でございましたか、当時の原子力委員会の中に再処理施設安全専門部会というのが設けられまして、立地条件、放射線管理、環境安全、耐震性、そういった安全評価を総合的に行いまして、安全性が十分確保し得るという基本的な安全審査の結論を得たわけでございます。
○吉田正雄君 この問題は技術的な問題といいますか、政治の問題とはちょっと離れた問題なんですが、しかし、科学技術庁としては素人である科学技術委員にわかる説明をする任務を負っているわけですよ。いいですか。ここに出ている委員の皆さん全部専門家じゃありませんよ。その専門家じゃない委員の皆さんがああそうかと納得できるような説明がなされなければならない。ところが、どなたもおわかりでないと思うんですよ。全然わかってないですよ。 何回聞いたってあなたは三つの原因挙げている。チップスが詰まった、切りくずが詰まりました、そのほかに不溶性の物質が二つ考えられますと、この三つが総合しているでしょうと。だから残りの二つについては分析をして、不溶分というのは何ですか、どういうものなんですかというのを調べる必要があると。しかも、中島さんの言うのは何も後ろで全部取れると言っているんじゃないですよ。パルスフィルターでもって全部のものが取れると言っているんじゃなくて、そのパルスフィルターにたまるんだから、それを取り出してみれば、不溶分の内容は何か分析によってわかるだろうということを私は質問しているんですよ。とにかく不溶分がたまるということはすでにわかっておったと、当初から。そのことを言っているんですよ。だから、当然そのたまったものを取り出して、その不溶分の生成物が何であるか、化学的な分析をやるのが常識だと言っているんです。その常識のことをやっていないから、いつまでたったっても原因がわからぬわけですよ。個々のものを調べぬで何で総合的な対策が講ぜられますか。そのことを聞いているわけです。 そうすると、皆様方がやってきた安全審査もきわめてずさんな審査でしかなかったということが、そこから推測できるということを私は言っているんです。またこれからも起きますよ、まだまだ全然解決されていないんですから。これは長官、私、断言しますよ。また、目詰まり出ますよ、いまのままでいったら。必ず起きます、何回も起きているんだから。しかも何回も指摘してきたんですよ。そして起こしたんだからね。大丈夫だと言って太鼓判押しておりながら、一月十七日に本格操業に入ったら、もうすぐ翌日ぐらいからおかしくなっちゃったんですね。このことは長官よく頭に入れておいてくださいよ。 そこで、どうもこの問題はあんまり聞いても満足な答弁が得られそうもありませんが、聞きたいのは四点あるんですけど、もう一つだけ聞きます。 次に、二月の四日の午前七時半ころですか、今度はプルトニウム溶液濃縮工程で、プルトニウム蒸発がんからプルトニウムを含む溶液、これは濃度が〇・二四グラム・パー・リッター、一リットル〇・二四グラムだという説明なんですが、この約百九十リットルが次の凝縮水受け槽に、さらには中間貯槽へと移送された。これらの場所には、本来プルトニウムが入ってはならない場所なんですよ。これはプルトニウムがたまっても、臨界事故というのはめったに起きるとは想像できないんですけれども、しかしそれは万一ということは否定できないわけですよ。そういう点で非常に私は性質からして重大な事故だと思っている。ところが、新聞報道ではこれは非常に単純に報道したんです。しかも、運転員のミスということで片づけようとしたんです。これは、私は新聞報道そのものが悪いとは思わないんですよ。動燃事業団の説明がそうだから、新聞報道はただその説明を報道したにすぎないということなんで、私は非常にこれ危険だと思うんです。 そこでお聞きをしたいんですが、この原因は二つ挙げておりますよ。皆さん方の説明を正確に言わないとあれでしょうが、二つあるということをおっしゃっているわけですね。その原因の一つは、蒸発がんの中で抽出工程からの残存ヒドラジン、ヒドラジンが還元剤で使われているわけですが、それと硝酸が急激に反応して、皆さん方の説明では突沸、突然沸騰する、突沸現象を起こしてプルトニウムを含む液が凝縮水受け槽の方へあふれ出たというのが、一つの原因だと言っているんですね。さらにこの液を本来行うべきプルトニウムの濃度確認を経ずに、オペレーターが中間貯槽の方へ移送してしまったという説明を皆さん方はされておるんです。 そこでお尋ねをしたいと思いますのは、このプルトニウム蒸発がんでいま言った異常反応が起こったときに、オペレーターはこれに気がつかなかったのかどうなのか。
○政府委員(赤羽信久君) 恐れ入ります。先ほどのジェットポンプのことで、しつこくて恐縮でございますけれども、われわれの考えと先生のお考えに食い違いがかなりございますので、簡単に説明させていただきます。 後につけましたパルスフィルターというのは三ミクロンのメッシュを持っておりまして、非常に細かいものを取る。要するに、溶液の中にどろ水ほどではない、もう非常に細かい粒が溶けたような状態でいくものをつかまえるのがパルスフィルターの目的でございますところが、ジェットポンプの方はもっと太いパイプでございまして、ここへ詰まるについては、そういう細かいものが間接的には関係して累積するわけですけれども、直接の原因になるのはそういうものではなくて、もっと複雑なメカニズムになっているはずでございます。したがいまして、パルスフィルターのところの細かいものを調べたからといって途中がわかるという——もちろん参考データは十分得られるわけでございます。わかるわけではなくて、むしろパイプに入っていく前の方を十分管理すれば、そういう原因がだんだん抑えられていくんではないか。そうして入っていく原因になりそうなものというのが幾つか見当がついておりますので、それを抑えることによって、今後の結果を見たいというのが現在の結論ということでございますので、決していいかげんなことをしているんではなくて、十分自信を持った対策を講じているということをちょっとつけ加えさせていただきます。 それから、今度の御質問でございますけれども、突沸的な現象が起きたことを操作員はそのときは知らなかったようでございます。
○吉田正雄君 あなたの追加説明を聞くと、ますますけしからんと思いますよ。言っていることの意味の重大性を余り知ってないようですね。前の工程を管理すればいいんだなんといって、前の工程といったって事故が出てくるのは溶解槽から後でしょう。溶けたものの中には、何が溶けているかということがわかっていない。俗に言う水あかが何だかわからない。したがって、パイプもそこのジェットのところに水あかがくっついて、あるいは細くなっているかもわからない。原因はいろいろあるわけですよ。前の段階でものをそろえて突っ込んでやったって、突っ込む前は何と何だかわかっても、突っ込んでやってごちゃまぜにした後というのは、今度は逆に出てくるものを見なきゃわからぬわけでしょう。前でわかっているくらいだったら、とっくに原因はわかって、こんな事故は再び起きるわけはないでしょう。ところが、何回も起こしているということは、前の段階で入れる前のものを幾ら見てみたり、溶解槽へ入れるまでのことを幾ら考えてみたってわからぬから、何回も事故が起きているんですよ。したがって、いま言った不溶性の物質がどういうものであるかということを分析をして明らかにしなければ、相変わらずそういう不溶性物質がそこにたまるであろう、単に切りくずだけではありませんよということを言っているんです。それをまた、あなたはいや前の段階がわかればいい、前の段階がわかればいいと言って、また同じことを言っている。全然なってないですよ、そんな答弁は。まあいいです。これ以上わからぬ人から聞いてみたってしょうがない。 しかし大臣、これきょう聞くと言ってあるんです。衆議院でもやってきたでしょう。こんな程度の質問に答えられないなんて、これ一体どういうことなんですか、何をやっているんですか。これ局長だけじゃないです。一体安全委員会、安全局の体制というのは、どうなっているんですか。そんなばかな話ないです。だから事故起きますよ、これからだってもっと重大な事故起きるかもわからない。まあいい、これでやめておきます。 それからいまの、オペレーターは気がつかなかったようだということで、マニュアル、手順書を書きかえましたという説明が後で出てくるんですけれども、気がつかぬというのもおかしな話なんですね。手順書を書きかえれば、じゃ気がつくんですか。皆さんのいままでの説明ですと手順書が、マニュアルが悪かった、マニュアルを書きかえたからだいじょうぶだ。そんな文章幾ら書きかえてみたって、そういう体制になければ文章書きかえようと、手順書を書きかえようと事故は避けられません。これは運転員ただ一人のミスなのか、そこの管理体制はどうなっておったんですか。ちょうどあのTMI事故と同じようなことです。
○政府委員(赤羽信久君) 作業者が中の状況をすぐ把握できるような状態にはなっていないようでございます、ちょっとここ私も詳細知らないのでございます。ただ、別に制御系統の方ではわかるわけでございまして、その間の連絡が悪かったということ、そしてそれが次の分析をよく確認しろという指令を再度出さなかったということにつながっていったんだと思われます。
○吉田正雄君 しつこいように聞きますけれども、これは非常に無責任体制だから言うんです。マニュアルでは、いま言った異常反応が起きるかどうかというのは、液面の高さで判断すると。ちょうどあのTMI事故のときも、水位計だけを見てやったから、本当の原因というものがそれだけではつかめなくて、ああいう事故になっていったというのと同じことで、液面の上下だけで判断を下したから異常をチェックできなかったという説明なんですけれども、これは全くおかしな話でしょう。液面に異常を認めたならば、当然異常反応が出てくるということを疑うのは当然です、そのための液面の上下というのがマニュアルに書かれてあるわけですから。液面の上下がありましたと異常を認めておりながら、異常反応が出てるかどうか気がつかないなんて、そんなばかな話ありますか。じゃ何のためのマニュアルなんですか。
○政府委員(赤羽信久君) 液面は一つの現象でございますけれども、この場合のチェックポイントは、かん内の溶液の温度がチェックポイントなわけでございます。この作業員の心理状態、ちょっとわからない面がございますけれども、規定の温度になっていないのに、次の給液を始めてしまったというのが原因になっていると思われます。
○吉田正雄君 ですから温度が高くなれば液面が上がるでしょうし、沸騰もするでしょう。そんなの説明になりません、何を言ってるんですか。じゃ一体何人でチェックする体制になっておったんですか。
○政府委員(赤羽信久君) この場合、液面は関係ないようでございまして、あくまでもヒドラジンの反応が起こるのは温度によって起こるわけでございますから、温度のチェックをきちんとすれば、こういうことが起きなかったということになると思います。
○吉田正雄君 だから説明は温度が上昇して突沸が起きたと、だから温度が上がったということはだれも否定してないんだよ。温度が上がったから、そういう現象が出てきたっていうんでしょう。それを何で見るかといったら、皆さんのマニュアルでは液面の高さを見るんだというあれになっておるというんですよ。だからそのマニュアル自身が、そんなこと一つだけでは問題だろうということで、皆さん方は書きかえられたわけですよ。しかし、液面が異常に高くなったということは、異常現象がそこに起きているということなんでしょう。だから、異常というものはそれによって察知できるわけですよ。 大臣、ぼくは局長に科学的なことをいま聞いているわけじゃないですよ。これだけ事故が起きて、地元でも立入検査をやっておるのに、監督官庁である、責任者である安全局長が事故の経過についてもよく知っていない、全然問題を把握してない、これが問題だと言うんですよ。問題なんですよ、本当に問題だ。だからいま何人でチェック体制をとっておりますかというんです。オペレーター、運転員一人の責任に帰すような新聞報道、新聞報道というよりも、そういう説明を動燃事業団がやったから、新聞はただそのとおり書いただけなんですよ。新聞に責任があるんじゃない。逆に言えば世論を惑わすような説明をやったということなんだ。これが逆に地元市町村や県の怒りを買っているわけでしょう、非常にずさんであるということで。これは地元出身の議員もおいでになると思うんで、その辺の事情はよくおわかりだと思うんですけど、とにかく正確に報道しない、報告をしない、非常にずさんだと、管理が。いまの質疑を聞いておってもおわかりだと思うんです。これだけ重大事故、それも今回初めてじゃない。何回も言っているように、小さな事故からいったら何十回も事故を起こしている問題工場なんだ。だから、これほどの事故が起きたらその経過、原因というものを科学技術庁としては詳細にキャッチをしてなきゃいかぬ。ところが、とんちんかんな回答ばかりしておるじゃないですか。だから、この事故に対する認識が非常に低いというか、軽視をしているということのあらわれなんですね。このことが事故を起こす私は最大の原因だと言うんですよ。よく皆さん方言うじゃないですか、人災だとかね、TMI事故、あれは人為的な災害だみたいな言い方する。まさにこれそうだ、私に、して言わしむれば。 そこで、もうこれ以上この問題聞いても、まだたくさんあるんですよ、四点聞こうと思ったんだが、いま二点目でもってこれ以上やったって無意味だ。無意味だという意味は、大臣わかったと思うんです。いいですか。私は、とにかく局長には頼んでおきます。きょうはこれ以上、この問題について答弁要りませんから、次回によくわかるように調査をしておいてもらって、場合によっては文書でその報告を求めます。 いま言ったプルトニウム誤送についての事故の原因と今後の対策、これを明確にしてもらうということ、それから分析所で停電がありましたね。大したことがないというふうに思われたら、これ大変な話なんです。この問題についても、もっと内容について明らかにしておいてもらいたいと思いますし、それから酸回収精留塔の加熱部の穴あきと、それから蒸気捕集器、蒸気トラップの穴あきについても問題なわけです。穴の大きさがどれくらいだったのか、穴の数は幾つか、場所はどこか。それから酸の濃度が、動燃事業団の当初の説明と後の説明じゃ違ってきたわけだね。最終的には酸の濃度は二規定、二Nくらいです、という言い方をしてきた。二規定くらいということになると、三カ所程度の穴あきで済むわけない。今後も至るところに穴あきが出てくるだろうということになるんで、とにかく納得し得るような動燃事業団の説明ではない。科技庁に求めたらもっとわからない説明になりますから、聞かない、これ以上。 そういうことで、きちんとそれ調べておいてもらいたいということと、そこで大臣、ところが科技庁としては四月中に運転再開を認める方針だといって、新聞で報道されているんですよ。いまお聞きのように、原因も何にもわかっていない。私が指摘してるように、また事故起きますよと言っているんですよ。間違いなく起きるんです、このままいったら。にもかかわらず、四月中に運転再開を許可する方針だと、機器の部分的な改修とマニュアル、文章だけちょっと書きかえて、運転手順書をちょっと書きかえて、それでもって運転再開を認めましょうと、そういう方針だといって新聞で報道されてる。大変な話です。だからぼくは、やっぱり責任ある大臣としては、いままでの重大な経過にかんがみて、再開を焦るということがあってはいかんと思うんですよ。そういうことで、大臣としての責任をぼくはここで発揮をしてもらいたいと思うんです。 以上のことを大臣に言っておきますから、大臣の見解を聞きたいと思うんです。科学的なことじゃありません。 それで、いまの若干のやりとりでもおわかりのように、また、私たちが今日までの動燃事業団当局、あるいは現地調査からも明らかになったことは、動燃側の事故に対する説明には一貫性がない。それは基本的には真相を隠そうとする態度、あるいはまた事故軽視の安易な態度。さっき言ったように、新聞報道でも、非常にそれを軽視、あるいは運転員に責任があるというふうな、そういう報道をする、新聞発表をするということは、これは私はよくないと思うんですよ。 それから二番目として、日常的な管理がきわめてずさんであって、運転も安易な心構えで行われておるということが、今度の事故を通じてわかったわけです。 それから三番目として、このような基本的な態度が根本から改められない限り、マニュアルを幾ら書きかえ、あるいは機器を整備しても事故は絶えない、これは断言できますよ。 それから第四点として、三年間の試運転の経験が生かされていない、試運転のあり方そのものに問題があった。つまり、解決されるべき諸課題や問題点をうやむやにしたまま本格運転に入ったと言われても仕方がないいままでの動燃事業団や科技庁の私は態度だったと思うんですね。 第五点として、このような結果になったのは、動燃側のみに責任があるのではない。先ほど来繰り返し申し上げましたように、科学技術庁、安全委員会の従来の安全審査のあり方、審査基準、事故に対する検査や調査、動燃に対する監督がきわめて不十分だったということが、今回の事故を通じてのわれわれの調査で明らかになったと思うんです。 私は先ほども言ったように、つまり両者がもたれ合っておる。国家プロジェクトであるということから、自覚や認識が逆に裏目に出て、非常に甘えの私はここに構造がつくり上げられてきたんじゃないかと。少しぐらい事故が起きたって、みんな国で何とかしてくれるだろう。経済的な問題、予算の問題でも国がめんどう見てくれると、こういうふうな甘えの構造というものがあったんではないかというふうに思われるわけです。そういうことで、今後再びかかるような事故、しかもプルトニウムが環境にでも飛散をするというふうなことになったら大変な問題ですから、そういう点で大臣の今後に対する考え方といったらいいんですか、所見というものを、まずこの問題についてお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(中川一郎君) しばしばのトラブルでまことに遺憾なことだとは思っております。 ただ、試験段階、実験段階のことでありますから、いろいろなことがあるのも、これもまた経験として生かされるのではないか。とは思いますが、御指摘の点、いろいろわれわれも反省しなければならないところがあろうと思いますので、十分安全局を中心にして御指摘の点を取り入れて、国民の皆さんになるほどと思われるように最善を尽くしたいと存じます。
○吉田正雄君 文字どおりひとつの最善を尽くしていただきたいと思うんです。これ要望しておきます。 大分時間とったんですが、次に、原電敦賀発電所の事故についてお尋ねをいたします。 この事故についても、これは大臣、通産所管ですけど、まず基本的には同じような心構えの問題といいますか、そういうものがここにあるものですから、聞いておいていただきたいと思うんですが、私は、原電の敦賀の原発事故についても、現地に行っておりませんからわかりませんが、しかし、少なくとも、この新聞報道どおりであるとするならば、これまた東海のいまの再処理工場の事故に劣らず、きわめて遺憾な事故だと思うんですよ。三カ月間も事故を隠してきた、しかもこれは一次冷却水漏水という問題ですから大変な問題なんですが、そういう点で簡単にこの事故の経過、それから発電所側のとった対応について、通産側の見解をまずお聞きします。
○説明員(平田辰一郎君) 御説明申し上げます。 本件敦賀発電所の給水加熱器問題に関しましては、昭和五十六年四月一日午後、故障の疑いがありとする情報が当庁にもたらされたわけでございます。直ちに現地敦賀発電所に常駐しております私どもの運転管理専門官に調査を命じまして、それとともに電気事業法第百七条に基づく立入検査のための調査団を現地に派遣いたしました。さらに、同日午後六時四十五分には、定期検査開始予定を繰り上げて原子炉の停止を指示いたしました。 これまでの調査結果によりますと、五十六年一月十日及び一月二十四日の二回にわたりまして、同発電所の第四給水加熱器——二系統ございますが、B系統にクラックが生じ、蒸気漏れの事実があったこと、さらに蒸気漏れ防止のため、一月十四日及び一月二十八日から二月一日の二回にわたり補修工事を行っていること、さらにこれらの事実について現地に派遣されている運転管理専門官に対して会社側が何らの報告もしなかったことなどが判明しております。
○吉田正雄君 いまの経過そのものなんですけれども、そこでお聞きしたいのは、一月十日にひび割れが見つかったということなんですけれども、十四日の修理までの間、四日間放置をしておいたわけですね。相当水が漏れていることは確かなんですね。漏れた水の量とか放射能の量といいますか、そういうものがわかるのかどうなのか。調べられておるのかどうかということと、それから運転員——職員はこれを上司に見つけた段階で報告をしたのかどうなのか、それまずどうですか。
○説明員(平田辰一郎君) 敦賀発電所に対する立入検査の結果によりますと、当該給水加熱器が設置されているエリアの放射線領域の放射線量率計、それから外部への放射性物質の放出を監視しているスタッフの放射線量率計の記録確認によれば、蒸気漏れの発生した日時の前後において有意な変化はございませんでした。したがって、外部への放射能の影響はいままでのところなかったと考えております。 なお、漏れた量についてでございますが、定量的確定は困難でありますが、当該給水加熱器は保温材が覆っておりますので、漏れた蒸気は水に凝縮して水滴となります。一月十日の際はバルブを伝わって連続的に、文字どおりたらたらという感じでであると言われております。一月二十四日の際はぽたぽたと漏れていたとされております。 それから発見した者の上司への報告でございますが、上司に報告しているわけでございます。
○吉田正雄君 そうすると、第一回目のひび割れが、報道では約五ミリ程度ということになって、これを十五センチ、それから十センチ、縦横十五−十センチの鉄板でもってそこの部分を溶接をしたと。それから二回目のひび割れ、約十ミリほどのひび割れが見つかったんだけれども、この場合にはハンマーでたたいて延ばして埋めたと。これはしくあることなんですよ、大したことでない場合は。ちょうどこう薬張っても水漏れが防げるよりな状況と考えたのかどうかわかりませんが、ハンマーでたたいてひびのところを延ばして埋めたと。しかし、圧力もあり、それなりの温度もあり、きわめて放射能、一次冷却水ということなんですから、大変なんですが、こういう判断はだれが一体やったのか。これは上司も承知の上でこんな修理を許可をしたのかどうなのかという点なんですが、新聞報道ではいずれも所内で協議をしたというふうに書かれておるんですが、所内で協議をしたという場合に、だれが一体参画をしたのか、その協議にあずかったのか。この点まずお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほども申し上げましたように、現在電気事業法百七条に基づく立入検査を実施しておりまして、この辺の究明を急いでおります。大体の概要はわかっておりますが、これは法律に基づく立入検査でございますので、この辺の責任関係をきちんと明確にしなければなりませんので、もうしばらく勘弁していただきたいと思います。
○吉田正雄君 確かに立入検査という法的措置に基づく、強制捜査という言葉もないんでしょうけれども、そういう法に基づいた検査でありますから、先ほどの答弁と違っていいかげんなことは言えないということはわかりますが、しかし少なくともいままでの報道された限りにおいては、私はこれはもう電気事業法の百六条とかあるいは四十六条とか、いろんな関係法令、原子炉等規制法、あらゆる法令に照らしてみても、これは単にそうであったかと、今後注意しなさいという程度のもので済む内容ではないというふうに思っておるわけです。 特に現地発電所長の談話であるとか、あるいは本社幹部の話というのが、これは私が直接聞いたんでなくて、新聞報道でありますからわかりませんけれども、もしそのとおりの発言をしたということになりますと、事故に対する認識と申しますか、あるいは地元市町村や県に対する責任という観点からも、きわめて私は問題があるのではないか。たとえば本社の幹部が、これは四月七日の読売の朝刊の記事ですけれども、「今回の事件について、同社の幹部は、「報告は本社にも来ていない。しかし、大した故障じゃないから、運転を続けていたのだろう。現場の連中はみんな一生懸命やっているのに、内部告発でさされるなんてかわいそうだ」」なんて言って、何か内部告発をやったのが悪いみたような、こういう言い方になっている。私はこの認識がそもそもおかしいと思う。じゃ内部告発をしなかったら、この事故がそのまま見過ごされていくと、今後より重大な事故が起きる原因になっていくわけですよ。そういう点で私は本社の幹部の受けとめ方も受けとめ方ですし、それから現地の所長の発言も大したことのないような言い方をしているわけなんですが、そういう点で、もし言われているような事実が明らかになったならば、一体通産省としてはどういうふうな措置をとられるのかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 今回の件に関しまして法律上の違反行為があったか否かについての問題であると思いますが、今後立入検査の詳細な検討、日本原電からの事情聴取を踏まえまして判断することになりますが、いずれにしても厳正なる態度で臨むことにしたいと考えております。
○吉田正雄君 私は今後の安全行政という観点からも、こういう話を聞くんですよ。各電力会社の発電所等では、事故をできるだけ隠すことをもって会社に対する忠誠心のあらわれというふうな、非常に錯覚した持ち主の人間がやっぱり相当おるということは聞いているんですよ。下手に事故だなんと言って上司に報告すると、そんなものは一一言う必要はないと、適当にやれいということが過去いろいろあったということで、できるだけ事故というのは隠していこうと。いわんや新聞にでも報道されるようになったら大変だということで、そのことが私はまた逆に言うと今日まで事故を発生させる一つの原因になってきたというふうに思いますので、いまの答弁のように、事実関係が明らかになった段階でやはり法に触れると、そういう措置の仕方であったならば。これ今後再び起きることのない厳正な措置をこれはとるべきだと。人命にかかわる問題ですし、いわんやこれから大事故に発展したらこれは大変なことですから、そのことを要望しておきます。通産は結構です。 次に、レーガン政権の原子力政策についてお尋ねをしたいと思うんですが、外務省の方お見えになっておりますね。最初に外務省の方に伺いますが、レーガン政権の原子力政策といっても漢といたしておりますが、もう少し端的に言いますと、いままでのカーター政権の場合には核不拡散という立場から、たとえば日本における再処理等についても一定の規制を加えると、余り認めないという方向であったわけですね。また、アメリカ国内においても高速増殖炉の建設を中途でやめるとかあるいは再処理を認めない、工場が商業用のものは運転しないというふうないろんなことがあったんですが、レーガン政権になってからはこれが百八十度転回するのではないかというふうなことも言われておりますので、細かいことはいいんですが、基本的な点でレーガン政権の原子力政策がどのように変わると、特に日本に対してはどういうふうに変化がもたらされるかというような点に触れてお聞かせ願いたいと思うんです。
○説明員(金子熊夫君) レーガン政権の原子力政策につきましては、昨年の大統領選挙の最中からその後にかけましていろいろ言われておりますけれども、本年に入りまして新政権が実際に発足し、三月十日に発表されましたレーガン政権の予算案によりますると、エネルギー関係の予算は大方削減されたんでございますが、その中でひとり原子力関係の予算のみがかなり増額をされているということでございまして、こういった事実から見ましても、レーガン新政権が、たとえば高速増殖炉の開発、商業ベースの再処理といったような問題を中心としまして、米国内の原子力開発はこれを積極的に推進していくという姿勢であることは、ほぼ間違いないところだと考えられるわけでございます。 ところで、他方新政権の対外的な原子力政策、特に核拡散の防止の問題につきますると、これは新聞等いろんな形で種々報道されておりまするけれども、実際のところはまだ新政権の中で、いろいろ新しい政策のあり方を検討、作成作業をしている最中でございまして、この結果が出ますのにはいましばらく時間がかかるのではないか思われるわけでございます。でございますが、いずれにしましても核不拡散問題、核拡散防止の問題が米国政府の主要な外交目標の一つであるということは、基本的な点においては新政権も旧政権におきますと同じように、この点におきましては変更はないものと考えるわけでございます。 〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 ところで、先般伊東外務大臣が訪米いたしまして、その際直接ヘイグ国務長官に対しまして、わが国としての立場から原子力開発の重要性を指摘しまして、特にわが国の場合はウラン資源の有効な利用の促進というような観点から、わが国の使用済み燃料再処理の必要性等につきましてるる説明し、先方の理解を求めたわけでございますが、これに対してヘイグ長官も、核拡散の防止を前提としつつ、しかしできる限り前向きにかつ柔軟に検討したいということを申したのでございます。 具体的な問題といたしまして、わが国の場合は、六月一日以後の東海再処理施設の運転の問題でございますとか、第二再処理工場の建設の問題、使用済み燃料の英仏への移転にかかわる事前同意の問題等多々ございまするけれども、こういった問題につきましても、先般伊東大臣が直接先方に申し入れを行いまして、前向きかつ迅速に処理をしてもらいたいということを申し入れられまして、米国からもそのように前向きに早く処理したいという返事があったわけでございます。でございますが、現在のところまだ先方から具体的な形で解決策が提示されてきたということではございません。 いずれにしましても、冒頭で申し上げましたとおり、レーガン新政権は原子力開発を積極的に行うという基本姿勢を打ち出しておりまするので、今後の日米関係につきましても、これからの事務レベルの折衝等を通じまして、両国間の原子力に関する協力関係が一層緊密化するものであろうと期待している次第でございます。
○吉田正雄君 これ外務省でも科技庁でもいいんですが、ちょっと具体的にお聞きをしたいと思うんですが、昨年の十一月五日にケネス・デービスというベクテル社の副社長が来日をしているわけですね。これは御承知だろうと思うんですが、レーガン政権の原子力政策に関しては、直接政府のポストにはついておりませんけれども、それなりの影響力を持ったといいますか、政策立案に当たっての非常に重要な地位を占めている人であるわけですね。この十一月五日というと、ちょうど大統領選挙が終わって開票しているさなかであるわけですが、このときに、政府関係者ではどなたがお会いになっておりますでしょうか。また、どういう日本政府に対する要望が出されておりますでしょうか。それから民間ではどういう人と会って、どういう話をされたか、知っておったらお聞かせ願いたいと思います。 〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕
○説明員(金子熊夫君) アメリカの、先生御指摘のケネス・デービスさんは、実はその後アメリカのエネルギー省の副長官になられたということを伺っておりますが、この方は実は昨年十一月に東京大学の工学部の原子力工学科のたしか創立二十周年記念を記念いたしましたところのシンポジウムに招かれて来られたんだと思います。これはもちろん大学の催し物でございまして、私どもは直接関与しなかったのでございますが、この機会にぜひ話を聞きたい、政府としても話を聞きたいと思っておったんでございますが、あいにくと申しますか、ちょうどその講演をされた直後ぐらいに大統領選挙の結果が入りまして、とるものもとりあえずお帰りになったんでございまして、残念ながらこの時点ではデービスさんの御意見を伺うことはできませんでした。ただ、その後いろいろワシントンに行ったわが方の関係者等は会って意見を聞いております。ただ、先方からわが方に対して具体的な提案があったというふうなことは承知いたしておりません。
○吉田正雄君 十一月十三日、ワシントンで例の日米合同調整委員会というのが開催をされて、そこでカーター時代の原子力政策の目玉と言われた例の太平洋ベースンセンター構想実現のために、日米合同フィージビリティースタディーの実施を決めだということが言われておるんですが、それはそうですか。
○説明員(金子熊夫君) 確かにそうでございます。 かねてカーター政権の時代から、使用済みの燃料を再処理することなしにしばらく貯蔵しておこう、中間的に貯蔵しておこうということで、このアイデアが果たして技術的、経済的に成り立ち得るものかどうかということについて、日米で技術的な立場から検討したいということで、実はこれは一年以上も前から作業をしておりまして、その結果が大方まとまりましたので、御指摘の昨年十一月十三日だったと思いますが、ワシントンでこの共同研究を推進するに当たって設けられております日米間の合同委員会の第一回の会合が行われまして、その席上で、本件共同研究を行うことについての合意がなされたわけでございます。
○吉田正雄君 その主要な内容としては、韓国、台湾、フィリピンなどの環太平洋諸国の原発から出る使用済み燃料を不拡散の立場から、パルマイラと言ったらいいでしょうか、パルメラと言ったらいいですか、パルメイラとかウェークなどの太平洋の小島に数十年間一括これ貯蔵しようということで、アメリカとしては日本に対して資金と人材をともに折半でひとつやってくれないかということがそのときに話し合われておるということなんですが、これはそういうふうに受けとめておってよろしいわけですか。
○説明員(金子熊夫君) この計画は、先ほど申しましたとおり、そもそも使用済み燃料を再処理しないで、たとえば三十年ぐらいの間、中間的に貯蔵しておくということが果たして経済的に技術的に可能なものかどうかということをまず技術的に検討をして、その結果によって次の段階に移ろうということでございまするから、いまの段階で、これがもう可能なものとの想定のもとに、では実際にどこの国がどれだけそこの貯蔵所に貯蔵するかということではございませんで、したがいまして、韓国とか台湾を想定して作業しているということではございません。 それからまた、貯蔵する場所につきましても、確かに当初の段階では先生御指摘のパルマイラ島でございますとがウェーク、ミッドウェーというような特定の島が挙げられかかったことはございますが、その後いろいろの米側の事情もございまして、現時点ではそういった場所は特定しないで、一般的な客観的な条件と申しますか、そういうことを想定して研究を進めるということになっております。したがいまして、わが方に対して実際にこの貯蔵所をつくります場合に、どれだけ技術的に援助せよとか資金的に援助せよというようなことは、現時点では一切議論されておりません。
○吉田正雄君 なかなか微妙な内容を含んでおりますから、仮にそういう話であってもそうだとは言えないだろうと思うんですが、私はこれはアメリカのやはり原子力政策の一環に連なっていくんだろうと思うんですけれども、昨年の十一月の同じく十日から十一日にかけて、東京で第二回の日韓原子力産業セミナーというものが開かれたわけですね。これは第一回が七九年の四月にソウルで開かれておるわけですが、この昨年の第二回のセミナーに来日した韓国側代表団の顔ぶれ、それから日本側からの出席者、それからその会議の後、韓国側が日本の科技庁を初めとして政府関係機関に幾つかの提案といいますか、そういうものを持ち出しておるというふうに聞いておるんですが、その内容は何かということを簡単でいいですからお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。 第二回の日韓原子力産業セミナーでございますが、昨年の十一月十日、十一日東京において開催されました。韓国側からは金韓国原子力産業会議副会長ほか二十名が出席しております。日本側はやはり日本の原子力産業会議のメンバーが対応したというふうに聞いております。 このセミナーの終了後、十一月の十八日でございますが、韓国側のメンバーの一員でありました韓国の朴原子力委員会常任委員という方ほか二名が原子力委員会を表敬訪問されまして、両国の原子力事情に関して意見の交換を約三十分間行ったという事実でございます。その内容でございますが、両国の原子力事情を説明し合ったということでございますが、その中で雑談的に、日本が韓国の使用済み燃料の再処理を引き受ける可能性がありますかというような話題が出た。それに対して、少なくとも今日では非常にむずかしい話でしょうという程度の話が出たということを承知いたしております。
○吉田正雄君 私がこの会議がきわめて重要だと思いますのは、大臣は御存じなのかどうかわかりませんが、いま言ったこれは日本の原子力産業会議と韓国の原子力産業会議の第二回セミナーなんですよ。それが終わってから、いま答弁があったように原子力委員会と言ったらいいのか、まあ科学技術庁ということになれば大臣のところへ表敬訪問されるので、大臣御存じないようなんですが、とにかく原子力委員会へ行ったと。そこで、日韓の再処理事業の共同化、あるいは韓国の再処理事業を日本がやってほしいと。ところが日本の場合には、第二民営再処理工場がいまなかなか立地で悩んでいますよ、これ大臣御存じのとおり。したがって、むずかしい日本で工場を建てるよりも韓国の済州島の土地を提供しますから、ひとつ韓国の使用済み燃料の再処理は日本でやってもらえないかという要望というものをやられたと。なお、それは原産会議に対しても同様のことが行われたと言われているんですが、これに対して日本側は、一応戸惑いながらも、将来はアジア地域核燃料センターをつくり、韓国などの再処理事業の要望にこたえる必要があろうと、清成原子力委員会委員長代理が応じたというふうなことが言われておるんですよ。大臣、それは御存じですか。
○国務大臣(中川一郎君) そういう民間同士の話し合いがあったこと、またその代表者が私のところへ本当に表敬程度のごあいさつに参りました。発電所何カ所あるぐらいの話はありましたが、そういったような議論はされておりませんし、また、清成委員長代理がそういうふうに話したという報告は受けておりません。むしろそういうような話はなかったということでございますが、事務当局からさらに補足させます。
○政府委員(石渡鷹雄君) そういう新聞報道もございましたので、事実関係を相当厳しく調べたわけでございますが、まず原産会議に確認いたしましたところ、同セミナーの場においてはそういう韓国側からの発言はなかったということを申しております。 それから原子力委員会への表敬訪問の際、清成委員長代理以下原子力委員が対応いたしましたが、この席では先ほど申し上げましたように、雑談的にそんな話題が出たという事実はございますが、それに対して答えをしたという事実はございません。
○吉田正雄君 これは非常に微妙なあれですが、私どもがキャッチをしておるところでは、正式の場であるというふうに言ったらいいのか非公式の場であると言ったらいいのか、その辺はとにかくとしても、そういう問題が話し合われた事実は間違いないだろうというふうに思っております。まあ大臣はたな上げされておったのかどうかわかりませんけれども、中川大臣をもってしても、うっかりしているとたな上げされる場合がありますから、これ気をつけなきゃいかぬと思うんです。 そこで、時間が来たんですが、実は当初申し上げたように、まだいろいろ韓国問題についても聞きたいことたくさんありますし、日米の原子力政策についてもいろいろ私も聞いておりますからお尋ねしたいところがあるんですが、きょうもう時間がありませんから、当初言ったことで、これは大臣からきょうは答弁はいただけないと思いますが、次回というのがいつになるか、ちょっと法案との関係もありますからわかりませんが、いずれにしても大臣として答弁できるような、あるいはまた大臣の考え方もそれまでにひとつ固めておいていただきたいと思いますし、きょう答えられる考えがあればお聞きをいたしたいと思うんですけれども、実は当初に申し上げましたように、三十日の決算委員会でわが野田議員が取り上げたんですが、野田議員が取り上げるよりも前、私は昨年の段階で、実は「わが国における自主防衛とその潜在能力について」という、こういう秘密の研究レポートがあるということを聞いておったんです。ことしに入ってさらにその内容というものが明らかになると同時に、その秘密文書についても私の手元に入ってきたわけです。 一言で言いますと、これは一九六八年に出された秘密レポートなんですよ。前文とそれから五章から成り立っているんですね。第一章が「わが国の原水爆生産能力」ということで、これも五項目に分けて「ウラン型原爆…高濃縮ウランの生産について」、二番目が「プルトニウム型原爆」、三番目が「水爆生産の問題」、四番目が「非常に早い過渡現象の問題」、五番目が「核弾頭の組立」、こういうぐあいに第一章書いてある。二章が「ウラン資源とわが国の原子力開発」、第三章が「運搬手段の生産能力」、第四章が「核兵器と憲法、原子力基本法および国際条約について」、第五章が「各国の核兵器開発の経過と現状」、こうなっておるわけですね。 そしてこの前文の中では、自主防衛という立場から、アメリカとの同盟を廃棄をして中立的立場で防衛ということになると、非武装中立と武装中立の二つだと。武装中立ということになれば、究極的には核武装をせざるを得ない。非核国のうち、能力保有国としては西ドイツ、日本などがありますと。「その能力の実態についてはほとんど知られていない。」、こういうふうに書いてあって、「この報告は、わが国が自主的な防衛政策を行った場合、核兵器生産の技術的能力がどの程度あるか、という問題について検討を行ったものである。もちろん、これは全く純粋に技術的検討であり、われわれの立場は、核武装政策を支持しているわけではない。」と、こういうふうには言っておりますけれども、いずれにしても検討を行ったということについては——それあれでしょう、お持ちになっているでしょう、この文書。
○政府委員(石渡鷹雄君) まだ入手できておりません。
○吉田正雄君 まだ入手されておらないとなりますと、これ私非常に重大だと思うんですよ。 これが三十日の決算委員会で取り上げられたということについては御存じでしょう。
○政府委員(石渡鷹雄君) その委員会に私出席いたしております。
○吉田正雄君 一部新聞に報道されたこと、御存じですか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 承知をいたしております。
○吉田正雄君 大臣、これは実は驚くことにある古本屋に出ておったんですよ。これはなぜ古本屋に出ておったのかということも大体推測つくんですよ。これは推測つくんです。 そこで、この内容私全部読んだんですよ。読んでみて、いまの時点で見れば別段秘密にすべき内容ではないんです。しかし、たとえば人形峠の遠心分離機、あれについて研究開発すべきだと、パイロットプラントでやっていくべきだと。一次、二次、三次の改良型ということで、ちょうどいま人形峠の運転している、本格的運転に入った遠心分離機、その最初の遠心分離機についても性能から寸法から、これはもう極秘としているものがここにはちゃんと書かれている。それから世界各国の原潜の状況だとか、ICBM等の内容というものもここに書かれておる。したがって、単に自衛隊関係者だけで書ける内容ではない。科学技術庁だけでも、技術的な部分はとにかくとしても、その他の部分を考えると、これも純粋な技術者だけでは書けない内容なんです。つまり、広範なそれなりの地位にある人たちがプロジェクトチームをつくって、秘密裏に研究した研究成果をまとめたものがこの報告書なんです。したがって、月本が原子力基本法であくまでも平和利用をうたい、軍事利用はやらない。それから国是としての非核三原則というものを堅持していくんだということが、歴代の総理大臣あるいは科技庁長官によって繰り返し言明をされてきている。ところが、一方において秘密裏に、これを読んだらまさにあれですよ、ゴーのボタンを押せばあすにでも原水爆がつくれるという、こういう研究報告ですから、したがって、私は研究といえども非核三原則、原子力基本法の精神からして、かつての三矢研究ではありませんが、この研究自体がきわめて重大な問題を持っていると思うんです。しかも核に関しての、原子力に関しての国家の最高責任者である科技庁長官や総理大臣が、こういう研究が行われていることすらわからないということ自体が、また私は非常に大きな問題をはらんでおると思うんです。 そこで、大臣にちょっとお聞きをしたいと思うんですが、まず、この話を聞かされて大臣はどういうふうに、まずお思いになりましたですか。
○国務大臣(中川一郎君) 政府として、また私自身もかなりタカ派ではありますけれども、非核三原則あるいは核不拡散条約には賛成をいたしておりまして、そういった核武装をやろうという気持ちはさらさらありません。今後もそういった姿勢で科学技術行政、原子力行政に携わっていきたい。 ただいまの話を聞きまして言論の自由、思想の自由、学問の自由の国ではいろんなことを考える人がいるものだなあという感じがいたします。政府としてそういうことを研究することはいけませんが、民間にはいろんなことを研究し、考え方を持つ人がいるんだなあという感じを持ちますが、今後とも政府としてはそういうことには関係しない方針を貫いていきたいと、こう思います。
○吉田正雄君 大臣はタカ派だとかハト派なんてそんなことは関係なくて、この内容をまだごらんになってないから非常にのんきなことをおっしゃって、言論の自由だとか政府はやらぬでも民間がこういうことを研究するのは、かえってほめるべきことだぐらいみたいな印象に受け取れるような答弁だったんですが、そうじゃないですよ。これは現在の原子力基本法やそれから規制法から言っても、いま現に東海の再処理工場の重要な部分とか、それから人形峠の遠心分離機のあれは極秘にして見せておりませんよ。IAEA、国際原子力機関の監視員ですら、あそこの部分に立ち入っての調査だの検査なんというのはできない。そういう厳重な仕組みになっているわけですよ、核不拡散あるいは核防護という観点から。ところが、ここにはそういう内容が図面まで付して出ているんですよ。だから、私がお聞きをしたいのは、こういう研究が民間ならば許されるんですか。
○国務大臣(中川一郎君) 人形峠におけるノーハウその他について大事なものは外部に出さない、秘密ということになっております。これがもし漏れたとすればこれは重大なことでございますので、その本まだ読んでおりませんけれども、よく研究してみたいと思います。 ただ、私が言ったのはこれがあっていいとか結構なことだと言ったんじゃなくて、学問の自由というものはいろんなことがあるものだなあという感想を持っただけであって、これがあっていいといったような吉田委員の御指摘ですが、そういうつもりは持っておりません。ただ、そういうものだなという感じでございます。重ねて申し上げますが、人形峠その他わが庁の秘密と思われるものが外部に出されるということは、まことに遺憾なことですから、その点は厳重に処置をしてまいりたいと思います。
○吉田正雄君 そこから見たって見えないでしょうけれども、これは遠心分離機の一号機、二号機と書いて、さらに改良したのがいまの人形峠で動いているはずですよ。ここでは性能が全部書いてあるんですよ、いいですか。したがって、民間だから学問研究の自由だということ、これを原水爆製造に結びつけて総合的に研究しているんですよ。何も遠心分離機一つじゃないんですよ、ガス拡散法からあらゆるものがここに入っているわけですよ。そしてそれをつくり得る、やり得る能力を持っている企業名までここに挙げてあるんですよ、いいですか。大変なんです。民間の学問研究の自由で許される内容ではないんですよ。まさに原水爆製造に向けての秘密研究なんだ。したがって、私は大臣にこれは一体どういうところで研究されたのか、どういうチームだったのか、これは私は所管大臣としてはむしろ調査する必要があると思う。調査をやられるあれはありますか。そうでなかったらこれから核不拡散に名をかりたり、核物質防護に名をかりて情報公開法とは逆に機密保護法だなんて言ったって、こんなものが堂々とまかり通っているようだったらどうにもなりませんよ。
○国務大臣(中川一郎君) 科学技術庁を担当する者といたしまして、科学技術庁に所掌する機密事項が漏れて、それが著書になって出るとすればこれは問題であると。でありますから内容を見まして、もしそういう点があるとすればその経路とか、あるいはだれがやられたかということについては十分検討してみますが、それとは関係なしに、民間の人が純技術的にあるいは純学問的に研究する分野まで立ち入ることは、現在の憲法上問題があるかなあという感じがいたす、そういうことを率直に申し上げたまででございます。重ねて申し上げますが、もし科学技術庁に関する秘密、あるいは関係職員がこれに関係しておったということであれば、十分対処してまいりたいと思います。
○吉田正雄君 じゃあこれ一点だけ大臣の見解を聞いて質問をやめますが、繰り返し日本の核武装はしないという言明が国是として行われてきたわけです。学問研究の自由というていのいい言い方から、逐次核生産能力を持つ方向へと研究が進んでいって、そして世界情勢を理由にしてだから日本は核武装するんだということを、私どもは一番心配しているわけですね。そういう点で、研究が実ったからそれでは核武装をやりましょうなんて、こんなばかなことにならないと思うんですが、この非核三原則は今後とも私は不動のものとして堅持をされるべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(中川一郎君) その点はまさに御指摘のとおりでございまして、この議論は国民の間にも定着いたしておりますし、また政府も堅持しておりますし、またアメリカもこの点に着目して核不拡散と平和利用とが同時に満足できるようにという十分な監視機構もあります。レーガン政権になって平和利用が核不拡散という条件の中で満たされるのじゃないかということで、レーガン政権といえども、核不拡散については厳重な関心を持っていることは事実でございまして、そういった世界の情勢、国民の声、政府の姿勢というものは十分誤解を与えないように、原子力平和利用が核武装につながるのだというようなことになりますと、原子力の平和利用を推進する上にも重大な支障を来しますので、平和利用に限るという姿勢は厳重に守っていきたいと、こう思います。
○委員長(太田淳夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 —————・————— 午後一時五分開会
○委員長(太田淳夫君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、科学技術振興対策樹立に関する調査中、科学技術振興のための基本施策及び昭和五十六年度科学技術庁関係予算に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩出啓典君 きょうは科学技術庁長官の所信表明についての質問でございますので、まず、それについて伺います。 長官は所信表明の第一に、いわゆる「科学技術会議の総合調整機能の強化」、こういうことをうたわれておるわけであります。私たちもいままで科学技術会議というものがあることは知っておったわけでありますが、本当に総合調整機能を十分に果たしておったかと、そういう点は非常に存在が弱かったんじゃないか。いままでいろいろ答申とか意見書等も出してはいるわけですが、十分機能していない。そういうところから、この総合調整機能の強化というものをうたわれたんではないかと、このように思うわけでありますが、特に長官がこの問題を第一項目に挙げられた意図はどこにあるのか、これをお伺いしておきます。
○国務大臣(中川一郎君) 科学技術の必要性については、今日までも重要な役割りを示してまいりましたが、今後資源有限時代を迎え、厳しい経済情勢の中で科学技術というものはいよいよ重要である。これから国際社会の中に生き抜いていくためには、科学技術を振興しなければならない、こういう要請が出てまいったかと存じます。 振り返って、わが国でもかなりやってまいりましたが、一つは、研究費について世界的にまだ見劣りがする。GNP対比、アメリカ等が二・五%であるのに対して、わが国はまだ二・一五%である。二・五ないしは将来は三%ぐらい持っていくような充実を図らなければなりませんし、また国と民間の比率においても国際的に見て見劣りがする。五対五となっておるのに対して日本は三対七、国が三しか持っていない。こういうことでございますから、今年度の予算に当たりましても、厳しい中ではありましたが、九・〇%の実質伸びを示していただいたと。 これと並んで大事なことは、研究が調整のとれたものでなければならない。ところが、ややもすればこの点について欠けるきらいがあったと。特に科学技術会議、せっかくありながら調整すべきものもやっておりませんし、ということでこの活用を考えておりましたところ、一つは、やはり本当の調整をやるのには調整費を持つべきだということで、まあ将来は大きくお願いしなければなりませんが、ことしの予算で三十三億円、科学技術会議が中心になって調整機能を発揮する調整費をつけたことと同時に、科学技術会議の調整機能についてはもっと強化すべきだと、そして調整のとれた、官学民あるいは外国等とも十分協力し合う、こういうことで効率ある研究を進めてまいりたい、こういう観点から科学技術会議の強化ということをうたったわけでございます。
○塩出啓典君 私たちがいままで特に感ずるのは、いわゆる大学関係の研究ですね、そういうものについては、学問の自由あるいは大学の自治という立場で、科学技術庁も大変遠慮をして、官学民の中の特に官と学との間の横の連携というものが非常に弱いんじゃないか、こういうようなことを感じてきたわけでありますが、やはり科学技術会議の総合調整機能の強化ということは、そういう官と学、さらには民との間の研究のダブリとか、またお互いに研究成果の交流によって効率的にやっていく、そういうような意図も私は含まれておるんではないかな、このように思うわけでありますが、そういう点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 確かに御指摘のように、文部省関係、教育関係、学者関係につきましては、言論学問の自由ということで、一つの聖域であるという考え方がありまして、その辺の調整というものが非常にむずかしい問題はあります。私どもとしては、思想、信条とかはこれはもう自由であっていいし、基礎研究も自由であっていいと思いますが、実用段階の研究については、やはり一つの調整の中でやっていただくことがいいのではないかなという感じを持っておりまして、この辺のところも科学技術会議等で議論をいただいて、どういう範囲まで御協力いただけるか、これからの検討課題といたしたい、こう思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 これは科学技術会議長対する法律があるわけでありますが、今後はそういう法律改正の必要等はないのかどうか、その点はどう考えておりますか。
○政府委員(園山重道君) お答えいたします。 ただいま大臣からお話しございました、今年度の予算に計上されました科学技術振興調整費、これの活用につきましては科学技術会議の方針に沿ってということでございます。これを実施していくために特段の法律改正は必要ないと思っております。今後、全体の科学技術会議の機能強化をどうするかというときにあるいは法律改正という話も出るかもしれませんけれども、現在は、科学技術会議の中におかれまして、この振興調整費の活用を初め、今後の科学技術会議をどう強化するかということをいろいろ御検討をいただいておるところでございます。当面、法律改正が必要とは私ども承っていないところでございます。
○塩出啓典君 わが国の科学技術関係の予算、各省全部含めれば一兆数千億というように聞いて歯るわけですが、そういう中で科学技術振興調整費というものができた。非常にねらいはいいし、われわれももろ手を挙げて賛成をしたいわけですが、ともかく金額が三十二億円ということで、何かお互いの省の縦割りの中で残された部分を、そこだけを何かちょっと拾い上げるような、そういう感じが私はするわけなんです。まあもちろんそれも必要だと思うんですが、さらにもうちょっと、現在の縦割りの中の研究そのものが本当に効率的に行われているのかどうか、そういう横の連携をもっと強化していくという、なかなか言葉ではうまくしゃべれないわけですが、そういう方面で、いわゆる大臣の所信表明の第一にある「科学技術会議の総合調整機能」というものを、今年度の予算のようなものではなしに、もっともっと私は強固にしていかなければいけないんじゃないか、そういう気がするんですが、今年度の予算はともかくとしても、将来の方向土してはそのあたりどう考えているのか。
○政府委員(勝谷保君) この予算が研究調整局についておりますので、私の方から答弁さしていただきます。 この科学技術振興調整費は、先ほどから御説明ございますように、科学技術会議の総合的な調整機能の強化の一環といたしまして、従来科学技術庁が進めてまいりました特別研究促進調整費を発展的に解消いたしまして、これを一部に吸収した上で、新たに科学技術会議の方針に沿って重要所究業務の総合推進調整を実施するために創設されたものでございます。 このような本調整費創設の趣旨を踏まえまして、本調整費活用の基本方針に即し、長期的展望に立って、社会的、国家的なニーズの強い研究開発を促進することを通じまして、この調整費の充実を図ってまいりたいと考えているところでございますが、先生御指摘のように、三十三億というのは小さいのじゃないかというお話がございましたが、私ども従来十数億の特別研究促進調整費でも、産学官含めまして関係各省の国立機関、大学の一部、民間を含めてそれ相応の研究成果を上げてまいりましたが、このような研究に加えまして創造的な科学技術の問題とか、さらには科学技術会議が本来の各機関にまたがります総合調整を図るための調査の問題、さらには機能強化のために必要な事務局の充実等々につきましての予算がこの中から充当されるわけでございます。 私どものところで事務的に整理をしました段階でも、すでに百五十程度の新しいテーマが出てきておりますので、このような制度ができることによって関係各省は大いに、自分の省だけでやるのじゃなくて、総合的に関係各省集まり、しかも大学、民間を含めてやるような問題については積極的に出てまいっておりますので、そのような問題といいますか、需要を背景にいたしまして、科学技術会議で議論をしていただきますならば、先生御指摘のように、逐次このような分野の拡大が図られるのではないかと私ども期待をいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 「科学技術振興調整費活用の基本方針」というのが、三月九日に科学技術会議で決定をされておるわけでありますが、その中に、特に研究課題については事前事後の評価を十分実施する、あるいはこれじゃないほかのところにあったんですかね、そういう趣旨がやはり非常に大事なことである。どういう研究課題を選ぶかということが、本当により客観的に、より科学的に行なわれないと、いま文部省の科学技術研究費等につきましても、地方の大学等ではいろいろ、これは文部省のことではありますけれども、決め方がよくないと。いわゆるポストについている人はもらえるけれども、本当にやろうとしてももらえない。こういうような意見もいろいろあるわけですね。なかなか学者の世界というのも、政治の世界も封建的かもしれませんが、それ以上になかなか封建的なところもあるような気がしますし、そういう意味で私は、科学技術振興調整費の活用についてはテーマの選び方というものが本当に大事ではないかと思うんですが、できるだけ第一線の学者、有能な学者の意見等がどんどん反映されて取り入れられていくようなシステムであってほしい、このように思うわけでありますが、そういう点は具体的にはどういう方法を考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘のように、このたび科学技術会議で決めていただきました「科学技術振興調整費活用の基本方針」の留意事項の(3)のところに「研究課題の選定に当たっては、本調整費新設の趣旨を生かすため重点的配分に配慮するとともに、研究評価を反映した適切な配分を行うことにより調整費の効率的利用を図る。」ということがうたわれております。私どもこのような基本方針に基づきまして、この調整費の具体的運用につきましては、現在科学技術会議において審議をいただいております。 調整費のテーマ選定に当たりましては、いまのところ科学技術会議の中に産業界、各省の国立試験研究機関、大学等の学識経験者と、科学技術会議の学識経験議員からなる委員会を設けることが検討されております。研究調整委員会とも申すべきものを目下御検討でございます。この委員会におきましては、第一線で御活躍いただいております各界からの研究者等の意見を十分聴取するという方向で御議論をいただいているところでございまして、近くこの委員会が決定を見るという運びでございます。先生の御趣旨に従って運営してまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 それから同じくこの基本方針の中に「効率的な研究開発の推進を図るため、評価システムを確立し、」と、これはどういう意味なんでしょうか。
○政府委員(園山重道君) 先生御指摘のように、この研究評価を重視しなければならないということが、この基本方針でも示されておるところでございます。この研究評価システムにつきましては、先ほど先生の御指摘もございましたように、事前の評価と申しますれば、やはりいま御質疑ございましたような、テーマをどう選定するかということが、事前の一つの評価であろうかと思っております。それから研究の中途におきまして、特に長期間かかるようなものにつきましては、後の研究が所期の計画どおり進展しているかどうかという中間的な評価、あるいは研究が終わった後でのその研究がうまくいったか、あるいはどのような成果ができたか、あるいは計画したところとどうであったか、いろいろ事後の評価ということがあるかと思うわけでございます。 ただ、この研究の評価ということは非常にむずかしい問題であろうと思っているわけでございまして、いろいろいま科学技術会議の中でも御検討がされているところでございますけれども、大ざっぱに申し上げますならば、むずかしさというのは非常にこの研究というものが研究者の頭脳の働きというものを根幹に置いておるということ、それから研究というものがいわゆる基礎研究から開発、応用開発といったいろいろな段階がある。それぞれの段階における研究に対して、やはり評価のあり方というのはいろいろ違うんではなかろうか。たとえば非常に基礎的な研究におきましては、計画を立ててそのとおり実行していくということよりも、その研究途中におきまして当初の目的と違った非常に思いがけないような新しい成果が出てくるということも期待されるわけでございますし、そういった基礎研究の段階におきましては、研究している研究者が非常に意欲を持って研究をしておられるか、あるいはこの研究グループというものがすぐれた研究環境と申しますか、そういう雰囲気の中で研究しているかとか、あるいはそういった研究者を中心とするいわゆる研究支援のシステムというのが十分機能しているかとか、いろいろな点を踏まえた評価が基礎研究段階においては考えられなければいけないだろう。 一方非常に大型のプロジェクト化いたしましたような研究におきましては、相当多額の経費も必要とする、多くの人員も集めるということでございまして、当初の計画段階におきます十分な評価、研究計画というものが綿密に立てられなきゃならないと。中途におきましても、この計画がそのまま遂行していいか、あるいは方向を変える必要があるかというようなこと、それから研究が終わりました段階では、やはりこれが計画に照らして成功であったかどうかということが、また次のプロジェクトに対しましての経験を蓄積するという意味で、いろいろ必要になるというようなことで、いろいろ段階によっても評価のあり方というのは違うんではなかろうか。 いろいろむずかしい問題がございますので、これを最も有効に評価をしていくためには、どういうシステムがいいかということにつきまして、いま鋭意御検討をお願いいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 これは「諸君」という雑誌のことしの新年号に、名古屋大学の助教授の鈴木真一という人が「ああ、世も末か日本の大学」という、こういう文章を載せておるので、私も読んだわけでありますが、これは実は大学における研究費というものの使われ方について、この先生はたしか工学部の先生でありますが、いろいろな意見を述べておるわけですね。きょうは文部省も別にお越しはいただいてないわけで、私はこの問題は別の機会にまたいろいろ勉強していかなければいけないと思うのでありますが、ただ、今後科学技術庁長官は科学技術会議の運営会議の主宰者であり、また科学技術庁計画局長は、この科学技術会議の幹事会のいわゆる主宰者でもあるし、そういう立場で今後のこういう方向に取り組んでもらいたい。 そういう意味も兼ねてこの内容をちょっとお話ししたいと思うのでありますが、大学の研究費は経常費と、それから特別設備維持費と、それから科学研究費と、この三つになるそうでありますが、いわゆる経常費というのは、一講座教官二名で大体五百万ぐらいであると。年度末に収支決算の報告をするけれども、人別の詳細報告はしたがらない。そのお金を使ってどの程度の業績を上げたかの報告はされていないと。報告の義務ありとこれらを要求しても馬耳東風である。等額配分、同じ額を配分するゆえに、民主的に聞こえるが、「よく考えてみると妙なことに気づくであろう。研究活動の盛んな室では文字通り金に追われ、調度品はボロであり、居住性は余りよくない。ほとんど動いていない室では応接セットは立派であり、新式の冷暖房器具は完備している。その上雑用をする若い女まで偏っている。この金はすべて経常費でまかなわれている。真面目な研究室は汗みずく、遊んでいる室では平然と涼んでいる。教官はまだしも、これでは技官連中から不満が出るのは当然のことであろう。」、こういうように書いているわけですね。 それからもう一つ特別設備維持費があるが、これは非常に高精度を要求される場合がなり高価な装置が必要だと、そういう装置が億単位で購入されると、その装置運用のために支給されるのが特設維持費であると。これは業績のいかんにかかわらずそういう装置ができると毎年一定額が与えられるわけでありますが、業務報告も形式的であり、結局「業績報告の義務はないので、二、三の古手がグルになって山分けし、経常費に繰入れて使ったり、少し煩い教官の「頭をなでる」ための「政治資金」に流用しているようである。」と、こういうことを「諸君」という雑誌に書いているわけで、こういうことはほかの雑誌にもこの先生は論文を出しているわけです。私は、この先生、直接会ったわけじゃありません。しかし、いやしくも大学の助教授がこそこそ陰で話すんではなしに、こういうれっきとした出版物に名前を書いて出す以上は、私はその内容に多少の誇張はあるなしにかかわらず、そういう姿もあるんではないかと。こういうことは、やはり本当にまじめな意欲のある人たちの研究意欲をそぐことになるんじゃないかと。 そういう意味で、私は科学技術庁長官としても科学技術会議の調整能力において、徐々にそういう問題があるとするならば是正をしてもらわなくちゃいかぬ、そのように考えるわけですが、長官の御意見を伺っておきます。
○政府委員(園山重道君) 私からまずお答えいたしたいと思いますが、先ほど先生も御指摘ございましたように、科学技術庁は大学における研究に関してはいわば所掌外ということになっておりますので、その辺をいろいろ私から申し上げるのはいかがかと思いますが、科学技術会議は全体を見ておりますし、大学に関する研究につきましては、文部省からも共同事務局として出ていただいて、一緒にその科学技術会議の事務局を務めておりますので、先生の御趣旨をよく文部省の事務局側にお伝えをしたい、このように思います。
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘の点は、その学者だけじゃなくていろんな人から非常に公平の不公平というんですか、能力ある人もない人も、一生懸命な人も一生懸命でない人も均等にやると、この辺に問題があるということはわれわれもよく聞いておるところでございまして、大きな問題点かとは存じますが、いま局長から答弁がありましたように、科学技術庁は大学の研究についてはこれを除くと、こうなっております。しかし、科学技術会議等の議論の材料には今後なっていくのではないかと思いますが、何分にも大学は学問の自由、研究の自由、思想、信条の自由、他の何物にも支配をされないという一つの大きな壁もありまして、なかなかその辺のところはむずかしいところではございますが、問題としては十分受けとめておるところでございます。
○塩出啓典君 やっぱりこういう研究費も国民の税金でございますので、そういう税金の使い道については、これはわれわれとしても明瞭にしていかなきゃいけないんではないかと思いますし、そういう点についてはひとつ科学技術会議の総合調整機能を強化していくという、そういう立場で今後とも努力をしていただきたいと、このことを要求をしておきます。 それから、いままでのいわゆる時調費というものは、今回この科学技術振興調整費の中に含まれるそうでありますが、いままで時調費で五十五年度から東洋医学と西洋医学の結合を目指してという、そういう研究を始めておるわけであります。私たちもいま薬づけ医療というか、そういう中で東洋医学が見直されておる中で、東洋医学を非常に科学的に研究していくという科学技術庁の取り組みは最近にないヒットではないかと、このように期待をしておるわけでありますが、その後の研究の状況がどのあたりまで進んでおるのか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 漢方とか鍼灸、はりやおきゅうでございますが、鍼灸などのいわゆる東洋医学につきましては、古来経験的にすぐれた効果が認められておりましたものの、科学的な解明がおくれていましたために、その普及は必ずしも十分になされていなかったわけでございます。 近年、先生御指摘のように、西洋医学では対応できない分野等におきまして、医学界を初め広く国民の間に期待が高まっているところでございます。このために、科学技術庁といたしましては、昭和五十五年度から時調費を適用いたしまして、五カ年計画で特定の重要な総合研究というものを設けまして、その重要研究の一つとしまして、このテーマを充当いたしました。 科学技術庁、厚生省、農林水産省等の国立病院及び試験研究機関、大学、さらには北里研究所、東洋医学総合研究所等民間の研究機関等々の協力のもとに証、経穴の科学的実証及び生薬資源の確保に関する特定総合研究というものを推進することにいたしまして、目下この研究を進めているところでございます。ちなみに、昭和五十五年度の予算額は四千万円強でございました。そして、この予算のもとに次のような研究を進めております。 第一に、漢方治療に関する研究といたしまして、漢方治療において患者の体質、症状等を見て行います漢方に特有の診断法を科学的に解明をする。次に、漢方薬の治療効果及び有効成分の究明を臨床的に、あるいは動物実験等によって行う。 第二の柱は、鍼灸療法に関する研究といたしまして、鍼灸治療の効果の機構を臨床的に、あるいは動物実験等により究明する。 第三の柱は、生薬資源の確保に関する研究といたしまして、品質のよい薬用植物の国内栽培を推進するために優良品種を育種する技術を開発する。これは生薬資源、漢方薬でございますが、これに必要な生薬資源、必ずしもりっぱなものがないと、物によっては将来性が危ぶまれるというものもございます。こういうものについて有用なものを開発する技術の問題でございます。 この研究によりまして、東洋医学と西洋医学が一つの医療技術体系といたしまして融合をされること、あるいはそれぞれが相補った医療技術として確立されることが期待されておるわけでございまして、この研究を成功させますために今後とも努力をしてまいる所存でございます。 この研究期間は、第一期といたしましては昭和五十五年度から昭和五十七年度の三カ年計画、全体としましては五年間を予定して開始をしたわけでございます。ところが、昭和五十六年度は先ほど申しましたように、この時調費を発展的に解消いたしまして科学技術振興調整費の中に組み込まれたわけでございますが、新しい制度のもとでもこの研究を推進していくべきではないかということを科学技術庁としては考えております。 〔委員長退席、理事後藤正夫君着席〕 このために、従来の継続分についてはどうするかという問題を、実は科学技術会議で御審議をいただいておりまして、継続分についてはおおむねその内容についての御内諾がいただける方向でございます。近くその結論が出るのではないかと私どもは期待しておるところでございまして、昭和五十六年度は先ほど申しました四千万に対しまして、五割強アップの約七千万で事業を推進いたしたらいかがかということで、科学技術会議にお諮りをいたしておるところでございます。
○塩出啓典君 特にいま医療問題が非常に大きな問題になっておりまして、漢方薬も健康保険の指定薬に非常にふえてはいるわけですけれども、まだまだ国民の中には、健康保険きかなくてもそういう漢方的な治療のところへ行っている人も非常に多いわけで、そういうような点が早く科学的に解明をされて、やはり西洋医学重視ではなしに、伝統ある東洋医学もどんどん健康保険に認められ普及していくためにも、私はこの研究は今後時調費がなくなってもさらに力を入れてやってほしい、このことを長官に強く要望する次第であります。その点どうでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) ぜひとも前向きに進めていきたいと思っております。
○塩出啓典君 それから、いま鈴木内閣は行政改革ということを非常に大きな課題にして、五十七年度の予算においても増税のない財政再建、行政改革による財政再建ということを、大きな目玉としておるわけであります。鈴木総理も政治生命をかけるとまで言われているわけでありますが、当然科学技術庁長官も閣僚の一人として、この方針には大いに協力していかなければいけないのは当然じゃないかと思います。しかしまた、科学技術の研究というものは、やっぱり目先の費用にとらわれるというよりも、長い視野に立ってやっていかなくちゃならぬ。そういうような性格の点もあるんじゃないかと思うんですが、そういう意味で、科学技術庁長官として行政改革というものと研究投資の費用の増大、こういう問題についてはどういうお考えで進まれるおつもりなのか、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) 行政改革、財政再建は今日国民期待の最大の政治課題だと存じますので、私も鈴木内閣の方針に従って全面協力をしていきたい、こう思っております。 基本的にはそういう考え方でございますが、ただ一律に、何でも行政改革やって縮小するというのでは能がないのではないか。やはりそこにはめりはりがあって、将来に向かってぜひ必要なものはこれまた確保していかなければなりませんで、科学技術というようなものは、これは先々の日本の将来を考えるときに、安易にこれを縮小して将来を失うということは避けなければならない。財政再建もやはり必要なものは伸ばしていく、こういう背景がなければならないと思いまして、科学技術が聖域だとは申しませんけれども、やはり重点を置いて伸ばしていくものの一つになり得る大事な政策課題だろうと、こう思っておりまして、総論賛成、各論反対というわけじゃありませんけれども、科学技術については特別の配慮がなされてしかるべきと、こう考えております。
○塩出啓典君 ぜひそういう姿勢でがんばっていただきたいと思います。 それから、ノーベル賞受賞者の江崎博士がアメリカの全米工学アカデミー、そういうものを日本でつくるべきではないか、工学学士院というそういう仮称で、江崎先生があちこちでそういう論文を発表されておる。また、そのことに対して鈴木内閣の総務長官も非常に賛成である、これは個人的な立場だと思うんですが、そういうことを打ち上げておられるわけでありますが、この江崎博士が提唱しておる工学学士院というのはどういうものであるのか、またそれについて科学技術庁としてはどういうお考えであるのか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(園山重道君) 先生御指摘のように、江崎博士が工学学士院構想を出しておられます。私どもも何回かお会いいたしまして直接お話を伺ったところでございます。御指摘のように、日本では特に数少ないノーベル賞受賞者でいらっしゃいます江崎博士の御提言でございますので、その中からくみ取るべきもの、実現できるものはできるだけその方向で努力をしなければいけない、こう思っておるところでございます。 江崎先生の提唱しておられます工学学士院、ただいま先生御指摘のように、アメリカの工学アカデミーが一つの発想のもとにあったということを伺っておりますけれども、現在それを日本の中でどういう形で有効に機能させるかということにつきまして、江崎先生自身も大変研究しておられまして、現在その重点としてお考えになっておられますところは、一つは大学と企業、政府機関、これの横断的な交流あるいは協力といったことを、もっと強化する場に促したいということが一つ。 それからもう一つは、いわゆる基礎研究から応用開発につなげるところが、日本は非常に弱いというような御発想がございまして、特に応用開発は非常に得意としておるけれども、そのもとになる革新的な技術の芽というのがなかなか出ない。その辺のつなぎということを考えて、やはり基礎研究から応用開発まで緊密な連携をすべしということが、二つ目の目標でございます。こういった、もちろん科学技術関係研究者相互の意思疎通ということも、一つの大きな役割りとしてお考えになっておられるようでございます。 全体の構想といたしましては、いわゆる第一線で働いておられる工学関係の研究者、この中から数百名の規模でえりすぐった方々によって、この工学学士院というものを組織しようということで、特に重点としておられますのは、先ほど申し上げました日本では特にノーベル賞級のような革新的な技術の芽が出ない。それはやはり横断的な第一線の研究者相互の意思疎通と申しますか、切磋琢磨、そういった中から出てくるであろうということを非常に期待しておられるようでございます。 科学技術庁で今年度予算にお願いいたしました創造科学技術推進制度というものとも、ある程度共通したところがあるわけでございます。私どもは、いま先生のおっしゃっております、江崎先生のおっしゃっております工学学士院構想、当初に申し上げましたように、できるだけくみ取るべきものはくみ取り、実現できるものは実現したいということで、いろいろ研究をいたしておるところでございますけれども、一つには、先ほどの御指摘ございました、現在の行政改革といった動きの中で新しい機関というものをつくります場合には、当然現在ございます機関、類似の機関がいろいろあるわけでございますけれども、それの関係を整理しなければならないということが一つございます。 それから、江崎先生の発想の根本にもございます、アメリカにおいて工学アカデミーというのが非常に機能しているというお話でございますが、やはり国情の相違と申しますか、わが国での研究というのも、やはりそれぞれ組織帰属意識と申しますか、そういう機関帰属意識が非常に強いというような中で、こういう横の、横断的に集まりました研究者の人たちの場というものがどれだけ有効に活用するか、いろいろ問題ございますので、どういう方向で御提言にこたえたらいいか、現在いろいろ研究させていただいておるところでございます。
○塩出啓典君 私は、いま言われたように横の連携を密にして、切磋琢磨をして、お互いに競い、またみがいていくということは、工学関係の科学技術の進歩にも非常にプラスではないか。財政再建の折に非常にむずかしい点もあろうかと思うんですが、そういう点はぜひ科学技術庁長官としても、科学技術庁としても取り組んでもらいたい、このことを強く要望をいたします。 それから、石炭の液化の日米共同研究、これは通産省の方が進めていらっしゃるように聞いておるわけでありますが、これをもう中止——日米独でやると言っておったわけでありますが、ドイツが手を引き、アメリカの方も手を引くんではないか、こういうようなことが報ぜられておるわけでありますが、この状況を簡単に御報告いただきたいと思うんです。
○説明員(檜山博昭君) お答えいたします。 アメリカの政府は、御承知のように、一九八二——アメリカの会計年度でございますが、これは本年の十月から始まる会計年度でございますが、それ以降SRCIIプロジェクトをエネルギー省から合成燃料公社というところに移管して実施すると、こういうふうな方針を決定したわけでございまして、これが二月十八日に発表されたレーガン大統領の一般教書、それからその附属文書の中で明らかになったわけです。このSRCIIプロジェクトにつきましては、このような移管をするという場合には、現行の日米政府間協定、これがございますので、日米二国間の協議とそれから合意が必要であるということでございまして、今回の先ほどの発表に当たりましても、アメリカ側は一般教書の附属文書におきましてこの旨確認するとともに、協議が整うまでは現在の協定どおり、このエネルギー省予算でもってプロジェクトを実施していくということを述べているわけでございます。 また、西独の問題でございますが、西独政府は去る二月四日、閣議でございますが、そこで直接の担当省であります研究技術省、ここがSRCIIプロジェクトにつきまして、日米両国政府の態度を探るために両国政府と協議を開始すると、こういうことを決定しておりまして、近く協議が始まるわけでございますが、私どもの方は従来の方針に変更がないということでございますが、米国あるいは西独の事情も十分聞いて対処したいというふうに考えております。
○塩出啓典君 予算は大体年間幾らでございますか。去年五十五年度と五十六年度はどれぐらいになるんですか。
○説明員(檜山博昭君) 五十五年度の予算は約七十四億円でございまして、五十六年度の予算は百五十億になっております。
○塩出啓典君 これは科学技術庁長官にも御意見を承りたいわけですが、この石炭の液化の日米共同研究についてはいろいろ反対の意見もかなりあったわけですね。で、村田富二郎という立命館大学の教授、この人は石炭化学の権威者の一人でありますが、やはり「石炭液化には膨大な開発コストがかかり、メジャー自身も当分もうかるものでないことを承知しているからこそ、政府間の話に持ち込み、”国際協力”の美名のもと日本と西独を開発の共同事業者に引き込んで、費用を分担させ、さらに米国政府からも手厚い助成を得てリスク分散をはかっているのではないか。」、こういうように村田さんは言っておる。また、石炭を燃やすのに比べれば、エネルギーの半分以上失われるわけで、日米共同研究をやるメリットは余りないということを前々から言っておるわけなんですけれども、私は、この村田さんの話がすべて正しいということを言っておるわけではないわけですが、ただ、日米共同研究というものがいつの間にか決まって、そうして初年度七十四億、また今年度はさらに百五十億円、先ほど言っておりました新しい科学技術振興調整費はわずか三十三億円ですから、そういう点にも私は最も慎重に使われていくべきではないかな。そういう意味で科学技術庁長官としては、これは通産省の方だからおれは関係ないんだと、そういうわけにはいかぬわけで、そういうような点も含めて、研究予算の使い道についてはやはり慎重にみんなの知恵を出し合ってひとつやってもらいたい、そのことを要望するわけですが、長官のお考えどうでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 石炭液化の問題は、御指摘のように、通産省が日米共同研究ということで鋭意取り組んでおります。エネルギー問題はいま大変な時期ですから、原子力もやらなければならない、石炭もやらなければならない、LNG、ガスの開発もしなきゃならぬ、あるいはサンシャイン、自然エネルギーもやらなきゃいかぬ、総合的に取り組まなければならないと思いますが、私は、原子力を担当して、原子力も大きな大きな柱でありますが、相願わくは、石炭液化ということも、これは輸送の問題から言っても、あるいは石炭燃えがらの公害をなくすということから言っても、非常に質のいいエネルギーだと思っておりまして、これが成功するように、技術的に完成するように大いに期待をいたしておるのでございまして、積極的に進められることは私としても賛成をいたし、日米共同研究の成功を祈っておると、こういう考え方でございます。
○塩出啓典君 ちょっとその点は私の意見とはかみ合わないわけですけれども、私の言いたいのは、やはり共同研究も結構なんです。ただ、共同研究するにしても、限られた予算を最も効果的に使わなければいかぬわけですから、核融合の共同研究もやっている、あるいはこっちの方もやっている。そういう中でその決定をやっぱり慎重に、より効果的にやっていかなくちゃいかぬ。そういう意味で、ぼくはもう少し科学技術会議というものが、今後はそういう国際協力の必要性についても、ただある大臣が行ってはっぱっと政治的に決まるというんじゃなしに、やはり国内のいろんな学者の総意というものが反映をされて、そのバックグラウンドの上に共同研究も進めていくと、こういうようにあってほしい。その総意でやっぱり石炭の共同研究も大いにやるべきである、そういうことであればいいと思う。何も村田さん一人反対していあから全部やめるということではないわけですけれども、そういう意味を申しているわけで、長官もこの趣旨には賛成じゃないでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 確かに資金は効率的に使わなければなりませんし、またバランスがとれておらなきゃいかぬ。ただ、必要だから政治的に何百億というような決め方はよくないのであって、やっぱり技術者の意見等を十分取り入れた上で効率ある調整が必要だと、当然のことだと思います。
○塩出啓典君 次に、長官は所信表明の第二に「原子力研究開発利用の推進」と、そういうことをうたっておるわけであります。そこで、きょう午前中同僚委員からいろいろアメリカのレーガン大統領のエネルギー政策等について質問がありましたので、重複を避けたいと思いますが、一つは、一九七八年の米国の核不拡散法というものを改正をすると、このようにジェームズ・マローン国務省次官補が言っておる、こういうような報道があるわけでありますが、こういう見通しはどうなのか。 それと、東海再処理施設の運転に関する日米共同声明、共同決定合意は、昭和五十六年六月一日が期限となっておるわけであります。これを今後延長するための対米交渉、具体的なスケジュールとわが国の方針はどうなのか、これを伺っておきます。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答えいたします。 レーガン政権の核不拡散政策につきましては、まだレーガン政権の新政府の部内で検討中というふうに承知をいたしております。 また、法律の問題につきましては、米国議会の意向ということも大きく影響があるかと思いますので、そういうことをあわせて考えますと、ジェームズ・マローン氏の発言が何を考えたものであるか、そう軽々な話ではないだろうというふうに考えるわけでございます。特に国内におきます原子力政策については、相当前向きな姿勢に変わるであろうという見方が多いわけでございますが、核不拡散という国際政策につきましては、米国の新政権もやはり慎重な態度をとるであろうというふうに考えるのが至当であるかと思っております。いずれにしましても、わが国といたしましては、米国の一九七八年核不拡散法の改正問題も含めまして、今後の米新政権の原子力政策の動向は注意深く見守っていく必要があると思うわけでございます。 東海再処理の問題でございますが、先生御指摘のように、六月一日までという延長になっておりますので、六月二日以降どうするんだという問題は目前の問題になっております。その交渉と申しますか、それ以降どうしようかという意見の交換は、すでに外交ルートを通じては行っているわけでございますが、基本的には、東海村の再処理工場の操業に支障がないようにしてもらいたい、またそのように考えましょうという基本的な気持ちと申しますか了解は、それぞれの立場から了解していることでございますので、当面、六月一日以降異常な事態が起こるというようなことは一切予想していないわけでございます。ただ、どういうやり方でやっていこうか、また将来の問題もあわせてどんなスケジュールでやっていこうかというようなことにつきまして、現在内々両国政府間で相談中と、こういう現状でございます。
○塩出啓典君 それから次に、東海の再処理工場のトラブルについて、きょう午前申告田委員からいろいろ質問があったわけでありますが、事故というかトラブルというか非常に多い。しかも、それに対する安全局長の答弁も非常に歯切れが悪いわけで、われわれはよくわかりませんが、何となく心配になるような、こういう感じがするわけですけれども、前々から事故と故障というものにいろいろ論議はあるわけですけれども、やっぱり慢性になっておるんじゃないかと、私はそういう感じがするんですけれども、その点はどうなのか。 それと、これからいよいよもっと規模の大きい商業的なベースの再処理工場をつくるために、新しい会社も発足して、いま用地を探しておる状態だと思うんですが、そういうものをやるに当たって、技術的な面はほぼ確立されておると考えておるのか、科学技術庁の見解をお伺いしたいと思います。どういう問題点が残っているのか。
○政府委員(赤羽信久君) 先生御指摘のように、細かい専門的な事項につきまして十分な御説明ができなくて、もし御不安を与えたとしたら非常に恐縮に存じますが、結論的に申しまして、たとえばことしになって四つの主なトラブルがございますけれども、大別いたしますと、設備に起因いたしますものと、それから運転員の操作ミスがもとになっているものとに分かれるかと思います。 設備の点でございますが、確かに時間がたって弱ってきたというところも若干ございますが、いずれも開発途上に一つの教訓になるようなものでございまして、すでに対策がすべて動燃の方では立てられていると聞いております。 それからもう一つ、御指摘のような慢性になっているんではないか、特に人の面でございますけれども、決して慢性化してたるんでいるとは思えないんですけれども、やはりいろいろ新しい事態に対処していきますと、たとえば連絡体制が不十分であったり、そういう問題がないとは申せません。そこで、この幾つかのトラブルを踏まえまして、たしか二月の九日でございますけれども、私の方から動燃事業団に対しまして、設備面の対策をしっかりやって報告すること、それからそういう管理運営体制、それから安全体制、そういうものを総点検いたしまして、特にミスを招くようなことは、きちんと点検をしながら作業を進めるシステムをつくるように厳重な指示をいたしました。現在動燃側で検討されておりますが、近く報告があるものと思われます。報告がありましたら、現地へ検査員を派遣して検査をし、それから新しい体制について十分な検討を加えたいと思っております。
○塩出啓典君 それからけさの新聞では、きのうのニュースでもやっておりましたが、ゼネラル・エレクトリックの沸騰水型原子炉の冷却装置部分に重大な欠陥があると、そういうことで、きょうの新聞の見出しは、「GE原子炉に欠陥」、「GE製原子炉に欠陥」、もう一社は「GE社の沸騰水型炉に重大な欠陥発見」と、こういうように四段、五段抜きの見出しで報道されておりますが、その内容は科学技術庁としては大体見当はつくのかどうか、新聞の報道だけではなかなか見当がつきがたいわけでありますか。 〔理事後藤正夫君退席、委員長着席〕 それともう一つは、これは米原子力規制委員会が発表しておるわけでありますが、日米間には安全規制の情報交換の政府間協定があるように理解をしておるわけでありますが、そういうような情報が日本には来ないのかどうか。いきなり発表されて、そして事情のわからないままに日本の新聞でぱっと出る、こういうことはいかがなものかな。真実がわからないと何とも言えないわけですけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。
○政府委員(赤羽信久君) まだ実は私どもも新聞報道の範囲しか入手しておりませんので詳細はわかりませんが、いわゆる原子炉のスクラム系に関する話である、そこでのパイプが破断した場合ということであることは大体見当がつきます。 そこで、疑問が二つあるわけでございますが、一つは、このパイプが破断したとしましても、スクラム系の駆動機構から原子炉の水が漏れてくるというのは、そう簡単にはたくさん漏れるはずはございませんので、当然ECCSが働けば十分対処できるはずのものと思われますし、またわれわれとしてはそういう解析をしておったわけでございます。報道によりますと、これは現実にそういうことが起きるというのではなくて、一つの論理としまして、安全解析をするときなどにこういうことを考えるべきだという指摘のようでございますけれども、それにしてもECCSで対処できるのではないかなと、われわれとしてはそう考えておったわけでございます。 それからもう一つ、これは点検をしてないから点検をするように注意喚起したんだという報道がございますが、アメリカで点検してないのかどうかわかりませんが、わが国では定期検査のときには十分点検しておるところでございまして、突然水が漏れてどうしようもならなくなるということはちょっと考えられないところでございます。 それから、一カ所の破断があったとしましても、駆動装置は別々にできておりますので、それが全体、手がつけられない状態になるということも、これも普通考えられないことでございまして、その点はさらに正確な情報を得た上で見解を出したいと思っております。 アメリカの規制委員会の情報は来るかという話でございますが、これは御指摘のような協定がございまして、当然参りますが、いままでの経緯からしまして、必ずしも事前に来るとは限っておりません。事後になる場合もあります。いま照会しております。ただし、アメリカの規制委員会の公式発表であるのか、あるいは打診程度の意見表明であるのか、そこもちょっとはっきりしておりませんので、その点も含めて今後調べたいと思っております。
○塩出啓典君 これは、もしGEの沸騰水型に欠陥がありとするならば、日本も半数がGE製あるいはそれを改良した型の炉があるわけですから、早急に対応し、国民の皆さんの不安のないように対処していかなければいけないのではないかと、このように思うわけでありますが、科学技術庁としては、あるいは通産省としては今後どうするのか。その点はどうでしょうか、今後の対応。
○政府委員(赤羽信久君) この報道によりますと、たとえばそのパイプの点検をよくやれというのがあるいは結論かと思われますが、その点ですと、わが国では先ほど申し上げましたように定期点検等を通しまして点検しておりますので、さらにそれに加えるべき要素があるかどうか、その点を正式の情報をもらった上で検討してみたいと思っております。 それから、先ほどの安全審査あるいはECCSの効き方というようなことについても、すでに調べてはございますけれども、これについても何か新しい指摘、新しい情報があるのでしたら、それを調べまして対処していきたいと考えております。
○塩出啓典君 長官にお尋ねしたいのですが、こういうニュースは流れてくるけれども、アメリカから本当の情報が流れてこないという、このあたりはどうなんですか。やっぱり向こうで何かあればすぐ日本の方にも情報が流れてくるように、そういうアメリカ政府の姿勢の問題あるいは日本の大使館も向こうにあるわけですから、そういう方面から流れてくるべきなのか。いずれにしても特に原子力に関する問題はやっぱり正確な、そういう科学技術に基づいた情報がぜひ流れてくるようでなければ、私は無用な混乱を起こすんじゃないか。そういう意味で長官として今後検討する用意はあるかどうか。その点どうでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) アメリカ側が発表される場合、情報はくれることになっておりますけれども、タイミングがやはり新聞の方が早いということで、正確なことが報道されない場合で非常に迷惑する場合もあるわけですが、今後一日も早く、なるべく早くいただけるような方向でお互いに話し合っていきたいとは思いますが、新聞に出ることの方が先になる場合の方が多いんじゃないか。わが国でも何か会議で決定したことを向こうへ知らせる場合、大使館を通じて情報を提供している、その日のうちに新聞に載るということですから、新聞より早くいくかどうかは非常にむずかしいところでありますが、情報の提供については前向きでお互い話し合いをしていきたい、こう思います。
○政府委員(赤羽信久君) 先ほどちょっとはっきり申し上げませんでしたのですが、マイケルソン運転管理分析部長はNRCのまだ公式見解として発表したんではなくて、検討している状況をマイケルソンがコメントとしてしゃべったという段階のようにいままでは伝えられております。そうだといたしますと、正式な検討が済んだ上でないと、公式ルートの情報にならないかと思われますが、これもまだやや未確認でございます。
○塩出啓典君 それではもう余り時間もございませんが、これは午前中にも論議があり、また衆議院の昨日の委員会でも論議のあった日本原子力発電敦賀原発一号機のいわゆる第四給水加熱器のひび割れの事故ですね。一月に起きた事故を報告せずに今日まできておったと、こういうことで、私たちも非常に理解に苦しむわけでありますが、なぜ報告を隠しておったのか。私が「TMI以後日本の各原子力発電所の事故歴(故障を含む)についての報告」をいただいてこれを見ましたところ、やはり敦賀の日本原子力発電所もときどき事故、故障の報告はしておるわけですね。ところが、今回のみこれを報告しなかったということは、軽微な故障として意図的に隠しておったのか、そのあたりの真意がつかめないわけでありますが、これは通産省としてはどのように判断しておりますか。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘の点につきましても現在立入検査で調査中でございます。
○塩出啓典君 運転管理専門官も現地に派遣をしておると、常時派遣をしておるように聞いておるわけですが、その専門官も全然知らなかったと、こう理解していいわけですね。
○説明員(平田辰一郎君) そういうふうに報告を受けております。
○塩出啓典君 私は、このようなことがありますと、一つは住民不信につながってくると思うんですね。 それからもう一つは、いろいろな事故の経験というものが、一つの教訓として同じタイプのほかの炉にも活用されるわけで、そういう意味から、今回のようなことはまことに残念と言わざるを得ないのでありますが、長官として今後どういう決意で進まれるのか、これを長官にお伺いをしたいと思います。 それともう一つは、これ通産省にもお伺いしたいんですが、私はこの報告書を見る限り、ほかの発電所は原子力発電所がストップしない事故でも報告しておるわけですね。ところが、日本原子力発電の敦賀の事故の報告は、原子炉がとまったのが全部報告になっておるわけですね。今回のこの事故も四日後に、少し後にほかでとまったのと一緒にしてそのときに直しちゃっているわけで、だから原子力発電がとまっちゃうと外にわかっちゃうからこれはもう報告せぬとばれちゃうと、そういうようなことで、悪く言うならばもっとほかにもいろいろ報告しないのがあるんじゃないか、こういうように思わざるを得ないんですが、その点についての通産省の意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) この問題は通産省が対応することになっておりまして、いま報告がありましたように立入検査を含めて調査中でございます。わが序としては、通産省の調査の結果を待ちましてどう対応するか、ダブルチェックとしての原子力安全委員会とも相談をして、わが科学技術庁においてやるべきことがあったら対応したいと思いますが、いずれにしても、この問題は報告がなかったということは本当に遺憾なことでございまして、今後かかることのないよう十分指導をしていただくように、通産省とも協議をいたしたいと存じます。 原子力は安全性が何よりも重要であるという観点でございますので、今後こういうことを慎むと同時に、安全性についてはさらに努力をしてまいり、ぜひ国民の負託にこたえたいと存じます。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘の点は二点ございまして、一点は敦賀発電所については全部事故というのはとまった場合だけという御指摘でございますが、この点につきましては、当該問題になっております一月十日の小漏洩、その後一月十四日に別の事故でとめたときに修理したというお話は先ほど申し上げましたけれども、その一月十四日の別の事故でとめたという点でございますが、これは格納容器内機器駆動用窒素補給量が増加いたしまして、それが異常でございますので、異常という形で報告されました。私ども電力会社と相談いたしまして、これは速やかに停止をして修理すべきものということで指示をいたしまして、電力会社が当然自主的に原子炉を停止し修理をしたわけでございます。必ずしも先生御指摘のように、事故で停止した場合のみ報告があるということではないわけでございます。 それから、敦賀発電所が事故隠しをして勝手に今回工事をやった、ほかにもたくさんあるんではないかという点でございますが、当省といたしましては現在この漏洩事故を起こした当該給水加熱器について立入検討を実施中でございます。今後、立入検査の結果を踏まえまして、敦賀発電所の保安管理体制につき、必要に応じ改善措置を講じさせるように原子力発電を強力に指導していくこととしたいと思っております。立入検査の中で、そういう先生御指摘のような事例があるかどうかについても、当然十分今後調べていくつもりにしております。
○塩出啓典君 原子力発電所の稼働状況は、最近は稼働率も上昇し、また運転上のいろいろなトラブル、事故等も徐々に関係者の努力で改善をされて、ときどきとまるにしても、事故、故障の内容も本質的には安全運転の技術は徐々に拡充されてきておると、私たちはそのように理解をし、関係者の御努力を多としておるわけでありますが、そういう中でこういうような事件が起こることはまことに残念であり、ひとつ今後こういうことのないように、ちゃんとしていただきたい。大分炉も古くなったわけですから、古くなれば多少そういう故障、パイプにひびもできるんですから、その点をよく徹底をしていただきたい、このようにお願いします。 最後に、今後の原子力発電所の推進において一番大きな問題は立地問題ですが、その公開ヒヤリング、これが先般浜岡発電所あるいはその前には島根あるいは柏崎等で行われておるわけでありますが、公開ヒヤリングに私は行こうと思ったけれども行けなかった。新聞等で読みますと、公開ヒヤリングで通産省なりの答弁が非常に難解である。確かに新聞等に出ているのを見ますと、非常に専門用語を使って難解なわけです。これはなぜかというと、やっぱり答弁時間が短い、十分とかね。限られた時間内で説明しようと思うと、余りわかりやすく言えない。こういうようなことで、公開ヒヤリングというものが必ずしも成果を上げていない。私は公開ヒヤリングというものを本当に住民の皆さんの合意を得る一つの手段としてもっと重要視し、ただ形だけやったというんじゃなしに、本当にいろんな問題点や意見がそこでぶつけられて、そうしてそこでみんなが判断をしていく。そういう意味においても、たとえば、一日だけじゃなしに二日ぐらいやってもいいんじゃないか。そういう意味で第一次第二次含めて、この公開ヒヤリングのあり方をもっと検討すべきではないか。この点についてのお考えを承ります。
○政府委員(赤羽信久君) 第一次が二回、第二次のヒヤリングがすでに五回の経験を経ました。この間、各種の御意見が寄せられまして、いろいろ対策は講じてまいりました。簡単に申しますと、公示期間を長くして準備ができるようにする。陳述人の人数をふやす。それから、質問を一回だけでなくて、答えに対してもう一度再質問ができるようにする。それから、資料の貸し出しもできるようにするというようなこともやってまいりました。 今回浜岡で行われました第二次ヒヤリングにおきましては、新しい試みといたしまして、いつも別々の人が同じテーマを繰り返して深くいかないものですから、同じ見解を持っている人をグループ化しまして、一つの討論方式を導入したわけでございます。この結果、議論が非常に活発になりまして、深さも深まったというまた一つの進歩があったと、まあ手前勝手でございますけれども、そういう面はメリットがあったと考えております。 難解であるという御指摘がありました。特に今回その問題が出ましたのは、浜岡では耐震問題がかなり重要なテーマになっておりまして、またグループ化の一つのテーマでもあったわけでございますけれども、ここで陳述人の方が非常によく勉強しておられて、かなり程度の高い質問をされた。それに対してまたそのレベルでお答えしたということで、一般の傍聴人の方にはかなりわかりにくい用語が出てきたということが一つあったんではないかと反省しております。できるだけ基本的な用語については説明を加えながらコメントをしていく、あるいは場合によっては事前に用語の意味がわかるような普及の方法も考えなければいけないというようなことを、現在われわれは反省しているところでございます。 それから二日、三日かけるということも確かに一つの考え方でございますが、いままで地元の県あるいは市町村等の御意見を含めまして検討した結果では、それからわれわれ自身がその会議を運営しました経験といたしまして、どうも二日は地元の方々がつき合いにくいという面もかなりあるそうでございまして、確かにお仕事のあるとき二日、それからかなり話が重複いたしますので、退屈という面もございました。 できるだけこの一日を能率よく使うという工夫をさらにしたらいいんではないかなと、いまのところでは考えております。それにつきましては、いままで図表やオーバーヘッドプロジェクターを使うという工夫もしておりますが、これをさらに進めるとか、あるいは事前の資料を配付するとか、時間の節約をし、かつ内容が濃くなるという配慮のために現在いろいろ意見を集めて、さらに向上のための検討をしておる段階でございます。
○近藤忠孝君 最初に総論的なことをお伺いしますが、科学技術庁関係の予算が一般、特別会計合わせて三千六百八十二億円、九%増ということで緊縮の中では大きな伸びとなっておるわけです。エネルギー開発に重点を置いた結果であると、こう思いますし、国の全体の予算を見ましても、エネルギー対策費は全体で四千九百七十五億円、一七・三%で一般歳出の約四倍という伸びで、またその中身を見ましても代替エネルギー開発、これを重視していると、これが科学技術庁の基本的な立場であると、こう伺ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) そのとおりで結構だと存じますが、エネルギー関係に重点を置いておりますけれども、科学技術全般についても前向きに対応しておると、こう見ていただいていいと思います。
○近藤忠孝君 そこで通産省にお伺いしますが、一昨日の夕刊の報道によりますとIEA、これは国際エネルギー機関ですが、先進工業国が九〇年までに石炭利用量は二倍、それから原子力発電量を三倍にふやす見通しを明らかにしております。特に石炭は今後九〇年までに全エネルギー消費量の中で大きなシェアを占めることになろう、この間のエネルギー消費量の伸びは三六%と予想されておりますが、石炭の利用量は一億九千八百六十万トンから三億四千四百五十万トンに拡大するだろう、また八一年後半には日本の全セメント産業が石炭利用に転換するはずである。こういう報道がされておりますが、通産省の見通しとしてはどうなんでしょうか。
○説明員(広瀬勝貞君) お答え申します。 一昨日の新聞報道につきましては、まだ私どもの方は確認をしておりませんけれども、世界のエネルギー需給の趨勢につきまして私どもの考え方を申し上げますと、もちろんエネルギー情勢非常に流動的でございまして、現時点で確たる見通しを申し上げるわけにはいきませんけれども、中長期的に見ますと、石油需給は非常に逼迫化の傾向にあるということでございまして、代替エネルギーの開発というのを進めていかなければいかぬというふうに考えております。 御承知のとおり、昨年のベニスサミットにおきましても、十年後一九九〇年には代替エネルギーの開発利用をサミット国だけで一千五百から二千万バレル、一日当たりでございますが、ふやしていこうということで現在の規模のおよそ倍増でございます。そうなりますと、石油への依存というのが現在は大体五〇%程度でございますが、四〇%程度に落ちるというようなことになるわけでございまして、それだけ今後のエネルギー需要の増大に対しまして、代替エネルギーへの期待というのが非常に大きいわけでございます。 代替エネルギーの中身といたしましては、やっぱり大規模なエネルギー源ということで、いま先生お話のありましたような石炭とか、原子力というものが中心になっていくだろうというふうに考えております。
○近藤忠孝君 結局、石炭と原子力が中心になるわけですが、原子力の場合には午前中以来ずうっとこの委員会で議論されてまいりましたし、石炭については余りいままで問題が出なかったけれども、最近注目を浴びてまいったわけであります。 最初に石炭の問題について触れまして、その後原子力について触れたいと、こう思うわけであります。 最近、たとえば朝日新聞の社説でも。「石炭復活で環境を汚すな」という記事が出ておりますし、その前段階としては、これは環境庁の関係で「エネルギーと環境問題懇談会提言」ということで環境問題について触れておるわけであります。私はすでに昨年の十月二十九日の通産関係の決算委員会ですが、そこで石炭火力による水銀など重金属による環境汚染問題、大変重大な問題を持っておるという提起をしたわけでありますが、その後こういう提言がされておるわけであります。 まず環境庁にお伺いしますが、この「エネルギーと環境問題懇談会提言」が出されるに、至った経緯、これをまず御報告いただきたいと思うんです。
○説明員(片山徹君) ただいま御指摘ございました「エネルギーと環境問題懇談会」でございますが、これは企画調整局の方で懇談会を開催しておるということでございます。 その経緯でございますけれども、これはただいまお話しございました石炭利用の増大という問題にかんがみまして、環境問題に対していかに対処していくかということについての御提言を、この懇談会でいただくということでございます。
○近藤忠孝君 そこでちょっと中身を御紹介しますと、エネルギー政策と環境政策の考えについての基本的な考え方について、こう触れておるんです。 まず第一に、人の生命・健康は何物にも代え難いものであり、いかなるエネルギー供給の事情変化があろうとも、その結果人の生命・健康を脅かす環境汚染が発生するような事態を容認するわけにはいかない。また、環境影響が人の生命・健康を脅かす段階に至らない場合であっても、エネルギーの使用に伴って生ずる環境負の増大により環境の改変が無秩序に、進み環境の総合的な良好さや長期的な安定が損なわれることも是認することはできない。 今までの経験からもわかるとおり、環境は有限で貴重な資源であり、公害や自然破壊は発生した後になってこれを除去・回復しようとしても、回復が不可能であるか又は厖大な費用をもってして、なおその完全を期し難いことがあることを、この際改めて強く認識しておく必要がある。 これが出発点になっているわけでありますが、科学技術全般にわたる問題でもあると思いますので、まず長官のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) エネルギーが国民生活にとって必要であることはもう言うに及びません。したがって、これの開発促進をしなければなりませんが、また同時に、これによって環境がおかしくなり生命や健康を害するということがあってはならない、この二つを同時に満足した上で開発を進めていく、こういう意味だろうと思います。
○近藤忠孝君 この提言の中で幾つか石炭に関して重大な点が指摘されておるんですが、そこで環境庁にお伺いしますが、まず石油に比べて石炭は排ガス量が二割程度多い。それからS分にしてもN分にしても多く、硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん等の濃度はかなり高い。それから三番目には、重金属などの多種の微量成分が含まれている。電気集じん機を通過しても大気中に放出される割合が多い。特に揮発性の高い水銀などの物質は、大気中に放出されるといわれている。四番目に、微粒子に付着して微量の自然放射性物質が放出されていることが知られている。こういう指摘がされておりますが、それは間違いないでしょうか。
○説明員(片山徹君) そのとおりでございます。
○近藤忠孝君 そこで科技庁にお伺いしたいのは、四番目に触れました微粒子に付着して微量の自然放射性物質が放出されることが知られているということで、これはそのものずばり科技庁の管轄の問題ですが、これについてはどうお考えですか。
○政府委員(赤羽信久君) 石炭の種類によって大分違うようでございます。まだ正確なデータをつかんでいるわけではございませんけれども、ざっとしたことでいきますと、石炭と普通の土壌とは大体自然放射能は同じというのが普通の考え方でございます。したがいまして、灰はもっと濃くなるわけでございますが、これでも花崗岩程度ということがよく言われております。 それで一般近隣に出るおそれのあるものとしましては、煙突からのばいじんとして出る可能性があるわけでございます。一つの試算がございまして九九%の集じん機、現在では余り性能がよくないかと思いますが、それが百万キロワットの石炭火力の場合に年間一・回ないし一・九ミリレムが周辺の人に当たるであろうという試算がございます。わが国の現在の除じん効率はもっと一けた高いかと思われますので、この星もずっと減ると思われます。 それから一・数ミリレムと申しますのは、日本の自然放射能、放射線が年間五十ないし百ミリレムでございますから、それの数%に当たる。これだけですぐに危険という量ではないかと思われます。石炭火力の集中的な立地というようなことになりましたら、現在私ども放射性降下物を調査しておりますので、また関係省庁とも協議しながら、調査の必要について考えるという段階がいずれ来るかとも思って知ります。
○近藤忠孝君 そうしますといまの答弁は人体や環境には影響はない、こういう御判断ですか。
○政府委員(赤羽信久君) さらに詳細調べる必要ありますが、いま申し上げましたような範囲、たとえば百万キロワットの発電所が一つあるということでございますと、集じん効率が高まった段階では、自然放射線の百分の一以下ということが予想されますので、それでしたら特に問題はないかと考えます。
○近藤忠孝君 百万キロワット一つじゃないんですね、大体。でかいところは四百万キロワットというのも計画されておるわけで、そういう判断私は甘いと思いますし、確かにいま局長言われたような意見もあるようです。しかし、それは懇談会提言の中では、特に危険性を有するものではないという学者の意見があると、意見があるというだけであって、安全だと言っていないんです。そして同時に、これは毎日新聞の記事でありますが、放射性物質対策は、本来科学技術庁の所管だが、この懇談会が石炭利用に伴う環境保全対策をテーマにする以上、この問題だけを切り離すことはできないとして環境汚染防止策を検討することになったと、科技庁の所管を環境庁が持っていってしまう。持っていくなんてそういう根性はないかもしれませんけれども、さしたる資料もまだ十分でない段階で安全だとしておることを、環境庁の懇談会でこれまた対策を考えなきゃいかぬ、こういうことになるんですね。私は安全だ安全だというのは、逆に危いということは従来から触れられておることですので、この問題についても第一歩から対応するということを求めたいと思うんです。 と申しますのは、石炭火力というのは、かつて日本が石油になる前に全部経験してきたから案外安心感があるのです。ところが、いま計画されておりますのは、全然けた違いのものです。戦前もしくは戦後のある時期までは大体十万キロワット、せいぜい二十万キロワット。いまは普通百万キロワットですね、一基。それが二百万、三百万、四百万と、けたが違いますと、放射能物質だけじゃなくて、ほかのものもそうですけれども、全く異質的な影響を持ってくるんです。そういう点で第一歩から虚心に臨むという、そのことが必要だと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(赤羽信久君) ただいま得ております情報での判断を先に申し上げてしまったのが恐縮でございまして、御指摘のように大型の発電所につきましては、まずばいじんの問題がございますので、いま非常に除しん率を高める設備がつくられつつあると聞いております。それならば放射能の方はかなり軽減されるであろうということで申し上げたわけでございますけれども、具体的なことあるいは対策につきましては、環境庁、通産省、その他関係省庁と相談の上で情報をもらい、あるいは対策について研究をしていきたいと考えております。
○近藤忠孝君 そういう消極的な姿勢じゃなくて、何しろ放射能は、これはもともと科技庁の所管なんですから、やっぱり環境庁や厚生省よりも積極的にこの問題に取り組む、こういう姿勢が大事であると、こう思うわけであります。そのことを特に要望したいと思います。 それから、これは放射能だけではなくて、先ほど申し上げた重金属問題でありますが、私が昨年指摘をしましたのは、これは外国文献によってはっきり出ておるんですが、百万キロワット級の石炭火力で石炭燃やしますと、年間五トンの水銀が出てくるんです。これは外国文献にはっきり出ているんですね。これは環境庁もそういう資料があるということは知っておるんですが、年間五トンという数字はどういう数字かと申しますと、いま計画中が大体二百万キロワットとすると、年間十トンです。それから三百万から四百万というと、四百万の場合には年間二十トンですね。水銀と申しますと、日本が最も深刻な公害を出した水俣病です。新潟水俣病です。いま新潟にも火力発重計画をされておりますけれども、その同じ地域に水俣病が発生したわけですね。それで水俣病の鹿瀬工場が排出した水銀が三十トンなんです、空気中に排出したのが三十トン。三十年間かかって三十トンです。いまのは年間で十トンから、場合によっては二十トンですね。三十年分を三年ないし一年半で達成してしまう。水俣病の場合には、空気中に排出されたその一部がおりて、そして川に流れ、魚が食べ、そして人間に入って、そしてあの水俣病になった。となりますと、この数字というのは、日本じゃこれだけでかいのはまだできておりませんから事実は出てないけれども、外国の文献上からの推定からいきますと、これは大変な話なんです。大臣、恐らくこの深刻な話は初めてお聞きになったと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のとおり初めて聞きましたんで、環境庁、通産省とよく勉強してみたいと思います。
○近藤忠孝君 そこで、これは科学技術庁の先ほど来問題になっている総合調整機能を発揮すべき一つの問題だろうと、こう思うんです。 そこで、環境庁にお聞きしたいんですが、昨年の決算委員会で私が指摘した幾つかの点ですが、一つは水銀など重金属の大気汚染への影響があの段階ではまだ十分つかんでいない、こういう状況であったが、現在もそうか。それから、水銀は集じん装置などで十分これを除去できない。というのは、大体三百五十度ぐらいの温度にしないと集じんが機能を発揮しないわけですね。三百五十度というと水銀が気化してしまう状況で、集じん装置が機能を発揮しない。これを除去する方法はあるのかないのか、またその技術がどこまで進んでいるのか、そういう質問に対して、その点も含め、今後調査する段階でございます、こういう答弁でありました。 それから、水銀を大気汚染防止法の規制対象にすべきだという問題がありますが、またそれは対象になってないので、それは調査中で四年、だからあと三年ですね。あと三年かかるという、それが前回の答弁だったんですが、これは現段階でも変わらない点でしょうか。
○説明員(卯木稔君) 昨年度から調査に入りまして、方向としては変わっておりません。
○近藤忠孝君 ですから大臣、これほど大問題である除去方法の問題、いやそれ以前の大気への影響あるいは環境への影響自身が全然わかってないと、だから水銀の大気放出を規制対象にすべきかどうかの調査もできてないと、そういう段階であるということをまず御認識をいただきたいと思うんです。 そこで、厚生省にお伺いしますが、昨年十月八日の朝日新聞の記事でありますが、疾病の疫学分布研究班の疫学調査結果が出ております。これはどういう経過で作成したものでしょうか。
○説明員(古川武温君) 昭和五十一年当時、産業活動と肺がんとの相関について国会で指摘され、これを受けて厚生省として五十一年より三年間、公衆衛生院の重松逸造疫学部長を班長とした疾病の疫学分布研究班を編成しまして研究を行ったところでございます。 ただいま御指摘の分布地図についてでございますが、この重松研究班の協力を得て、成人病の疫学分布研究協議会というものを安西先生を班長としましてまとめたものでございます。 その目的でございますが、こうした死亡の実態を小地域別、と申しますのは市町村別でございますが、そうした観察をするためにこの研究をまとめたと、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 私もその調査結果ちょうだいしました、りっぱな大変綿密なもので、全国的に、市町村別に地図を落としていると、私は大変いいと思うんですね。その結果、いままでわからなかった全体像がわかってきたということで、この研究に貢献された先生方が学会で報告しております。それによりますと、石油、石炭製品製造業を有する市町村には、これを有しない市町村に比べて肺がんの多い市町村が多いということ、それとか男の肺がんですが、男の高率地域には鉱業や重工業が有意に多いとか、また都市、郡部という意味だと思いますが、都部にかかわらず火力発電所、石炭亜炭鉱山、漁港を有している市町村群に高い、こういう結果が出ておりますが、これは間違いないんでしょうか。
○説明員(古川武温君) ただいま御指摘の点でございますが、その前提といたしまして胃がん、食道がんに見られるような著明な地域集積性は見られないがと、こう前置きして、幾つかの項目について調査の結果を申し上げております。一つは、東京、京阪神、北九州地方に中等度に高い地区が多い。それから二番目に、火力発電所、石油精錬所、金属精錬所、石炭鉱山を有する市町村では、これは御指摘のように男に限りますが、高い地区が多いと、こういうふうに言っております。
○近藤忠孝君 ですから、これはいわゆる裁判で因果関係を立証するというような段階の問題とはまた別に、もう少し大きな意味として疫学的にもかなり石炭の燃焼とか、そういう鉱工業との間にかかわりがある疑いが大変強いと、こういうことは一般論としては言えるのじゃないでしょうか。
○説明員(古川武温君) 産業活動と肺がんとの関係でございますが、これにつきましては、たとえばこれは死亡で見ておるわけでございます。そうしますと、いろんなほかの死亡というものがマスク効果、一応死亡率を隠すというふうな点もございます。また、小地域の統計でございますから、この場合に六年間の数字をまとめたものではございますが、その辺にいろんな誤差が入る。こういうふうなことも研究班で言っております。それで、研究班ではそれらを総括いたしまして、産業活動と肺がんとの地域差の意義についてはなお慎重な検討が必要であると、こうまとめております。
○近藤忠孝君 いま大事なことは、ここで発生者の責任を法的に追及しようという、そういう問題とは違って、国民の健康を守っていこうということですから、少しでも疑いがあれば対処する、そういうことが必要だと、こう思うので私は指摘するんですが、国立公衆衛生院の鈴木武夫院長、この方が「季刊環境研究」というところに論文を出しています。エネルギー転換と健康問題、幾つかの大事な点が指摘されておりますが、一つは、石炭や石油を燃やすと多環芳香族炭化水素、これは発がん物質ですが、これが発生し、この発生量は石炭が最も多いという指摘、それからアメリカの報告によれば、一人一年当たり石炭一トンの消費は男性の肺がん死亡を二〇%増加させる。そういう指摘がある。それから三番目には、水銀などの重金属、放射性物質を発生する、こういう指摘がされております。やはり石炭燃焼、しかも大量の燃焼が何らかの影響を持つと。そういう疑いを持って対処をするのは必要だと思うんですが、厚生省のお考えどうでしょう。
○説明員(古川武温君) 厚生省としましては、国民の健康を守るというのが責務でございます。きめきめにそれぞれの疾患の原因というものを病理的あるいは学問的に結論を出すという前に、国民の健康に影響があるというふうなものについては、国民健康を守る立場からこれに対処するというのが厚生省の姿勢でございます。
○近藤忠孝君 そういう姿勢ですが、ただいままでお聞きしたところでは、じゃどうやってこれをとめるのかという点では、まだ厚生省の段階でも環境庁の段階でもできてない、こういう状況です。大臣、診療所の関係ありますので、いまの話をお聞きいただいた感想でも結構ですけれども、石炭燃焼によって、しかも大量燃焼によって水銀あるいは発がん物質、放射性物質、こういうものが出てくる。しかもその対応策がまだまだきわめて不十分である。そうなりますと、私は、それこそ科学技術庁の総合調整機能を発揮して、まだ不十分な分野に光を当てていく、あるいはそこへ予算をつけていく。そういうことが必要だと思うんですが、大臣御所見いかがでしょう。
○政府委員(勝谷保君) 最初に技術的なことをお答え申し上げます。 石炭火力によります環境汚染の防止に関する技術開発、いわゆる技術の問題でございますが、その重要性については種々いま先生御指摘のとおりだと思うのでございますけれども、この分野につきましては、政府の中では先生も十分御認識いただいておるのでございますけれども、環境庁を中心に研究の推進が図られているのが現状でございます。したがいまして、科学技術庁といたしましては、科学技術の分野で必要に応じて今後お手伝いすることがあるかどうかということは今後の問題でございますので、とりあえずは環境庁を中心に技術の問題を含めて御勉強いただくということでいかがかと考えるわけでございます。
○国務大臣(中川一郎君) いま局長答弁いたしましたように大事な問題でございますが、環境庁も鋭意やっていると思いますが、われわれとしてもできるだけのことをしていきたいと、こう思っております。
○近藤忠孝君 次には、敦賀の日本原電の給水加熱器の事故についてお伺いいたしますが、すでにいままで中身の報告がございます。 まず通産省にお伺いしますが、報告はなかったということですが、これらはいずれも法律上の報告義務違反と、こう聞いていいんですか。
○説明員(平田辰一郎君) その疑いがあるということでございます。
○近藤忠孝君 これは地元紙によりますと、具体的に県が調査に入ったその結果が出ておりますが、それによりますと、一月十日第四給水加熱器の保温材から冷却水が漏れているのを発見したわけですね。そして、その後四日間放置したわけでありますが、ここでお聞きをしたいのは、この発見した段階で直ちに運転をとめて応急対策をとらなければならない、こう思うんですが、どうでしょう。
○説明員(平田辰一郎君) そのとおりだと思います。
○近藤忠孝君 それから一月二十四日、さきに修理した付近で再び水漏れを発見したと。しかし、運転続けながら四日後にハンマーでひび割れ個所をたたきつぶして応急措置をしたというんですが、こんなやり方はこれは通常考えられるんですか。
○説明員(平田辰一郎君) 技術基準に適合するやり方とは思われません。
○近藤忠孝君 そうすると、いまの答弁は具体的ないわば法律上の厳しい検査に入るまでもなくそういったことが言えると、そういうぐあいにお聞きしたわけでありますが、そうしますと、この問題の給水加熱器については、これはどういうぐあいになるんでしょう。こり加熱器自体は取りかえる必要があるのか、どうでしょう。
○説明員(平田辰一郎君) 給水加熱器につきましては、そのクラックの発生した原因、それから状況等を今後詳細に調査してみないとわかりませんが、場合によってはその取りかえも含めて検討する必要があると思います。
○近藤忠孝君 それから、事前の状況では有意の数値は出てなかったと、そういうような先ほど答弁でしたけれども、この故障のあった場所にはモニターがあったんですか。なかったのと違うんですか。
○説明員(平田辰一郎君) ございました。
○近藤忠孝君 これは七四年度版の「原子力発電便覧」、それによりますと問題になっている原子炉のモニター一覧というのが出ておるんですが、該当個所と思われるのは番号で言う記録計の二十七か二十八だと思いますが、まあ二十七だろうと思うんですが、タービン建物、低中圧給水加熱器室となっておるんですが、これ一階なんですね。今回事故の起きた場所というのは二階じゃないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) さらに詳細な調査がもちろん必要でございますが、現在までの調査のところでは、敦賀発電所の場合二階にローカルモニターがございます。
○近藤忠孝君 モニターがあればちゃんとこういう一覧表に出ているはずだと思うんですね。ないということは、もともとないんじゃないですか。
○説明員(平田辰一郎君) 立入検査の現在の結果では、当該給水加熱器が設置されている場所の放射線量率計、外部への放射性物質の放出を監視しているスタックの放射線量率計の記録確認によれば、蒸気漏れの発生した日時の前後においては、先ほどから申し上げておりますように、有意な変化はなかったわけでございます。したがって、外部への放射能の影響はなかったと考えられるわけでございますが、なお漏れた量につきまして、先ほどから申し上げましたように、非常に微量であるということで、モニターに感知されなかったものと考えられます。
○近藤忠孝君 この故障のあった場所には、元来モニターがあるべき場所と、こう聞いていいでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 現在までの調査のところでは、この場所にはローカルモニターが、先ほど申し上げておりますようにございます。
○近藤忠孝君 いや、あるべき場所はどこか、なけりゃならない場所。
○説明員(平田辰一郎君) 現実にモニターがございます。
○近藤忠孝君 じゃ、それどちらが正しいか、これは厳重な調査をしてほしいと思うんです。いまはモニターがあるかどうかの話ですが、あったとしても今回の場合働かなかったわけですね。モニターの性能そのものには問題ないんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) その点につきましても調査は十分する必要があると思っています。 それから先ほど先生おっしゃいました点につきまして、エリアモニターが感知していないということでございますが、エリアモニターは先生御指摘のように一階にございます。それから先ほど申し上げましたようにローカルモニターが二階にございます。そういう意味でエリアモニターについてはフロアが違いますから感知しなかったことも十分考えられますが、その辺は今後の詳細な調査を必要とすると思います。
○近藤忠孝君 じゃ次に、運転管理専門官の問題でありますが、これは必ず常時配置されているというものだと思うんですね、常時配置されているのに今回の事故がわからなかったと、こういうような状況で専門官を派遣しておってもわからなければ職責が果たせないんではないかと、こういうような気持ちがあるんですが、それについてはどう考えていますか。
○説明員(平田辰一郎君) 当省が各原子力発電所に派遣しています運転管理専門官の職務は、保安規程の遵守状況等をチェックすることでございます。具体的には運転管理専門官は事業者からの報告をベースとして職務を遂行しているわけでございます。本件のごとく電気事業者からの報告のないものまでも、把握することは実際上は困難かと存じます。しかしながら、いずれにしましても、当省としては今後このような事態が再び発生することがないよう、日本原電に対しより厳しい監督姿勢で臨みたいと考えております。
○近藤忠孝君 私は、事業者が一般にこういう事故やトラブルを隠したがるものだと、こういう習性があるんではないかと思うんですね。いままでも報告されている例もありますけれども、報告されていない例もある。たとえば、大変大きな問題では昭和五十一年、これは関西電力の美浜原発の燃料棒折損事故、これは三年半報告されていなかった、そのほかたくさんあるんではないかと思うんですね。まず事業者は報告したがらないものだと、こう考えて臨むのが私は行政の立場ではないかと思う。ところがいまの答弁ですと、まず事業者の方から報告が来ることを前提として、来たものをチェックするというんですが、この辺についての抜本的な対策が必要じゃないかと思うんです。 そこで私は一つ提案でありますけれども、今回こういう事故が起きたわけですから、これは通産省としてはまさにいままでの信頼関係が一挙に、しかも全面対に失われたと、相当頭にきているんだろうと思うんですね、通産省自身も。ですから、ここで法律百七条の立入検査に入ったわけでありますが、この立入検査というのは通産省が必要と思ったときにできるんでしょう、どうですか。 〔委員長退席、理事林寛子君着席〕
○説明員(平田辰一郎君) 法律の施行の上に必要な範囲内においてできると思います。
○近藤忠孝君 いまのところは、この信頼関係が失われたから検査権を発揮するんだと、こういうことですけれども、失われなくたって何かが失われているかもしれないんですね。となると、この機会に全国的に全事業者に対して報告漏れがあるかどうか、実態がどうなっているか、法律上の立入検査を実施すべきだと思うんです。いままで大体ちょっとしたことなら報告しなくてもわからぬだろうということで報告しない事例があったと思うんですが、しかし今回通産が必要と認めればいつでも検査を行うということが行われますと、これはどんなトラブルでも事故でも隠しておけぬということになって、必ず報告される。そういう意味では今回のはまさに一罰百戒と、こういう意味も含めて、ここの日本原電だけじゃなくて全体的にやるべきだと思うんですが、どうです。
○説明員(平田辰一郎君) トラブル、事故が発生したから立入検査するということではなくて、原則としていつでも必要があれば法律の施行の必要に応じて立入検査はできるわけでございます。
○近藤忠孝君 できるのはわかっているんだけれども、余りやってなかったんじゃないか。むしろこの機会に必ずやるんだと、どっかでこういう問題が起きれば必ず行われると。そうなると、隠しておったものが全部一斉にばれてしまう、そういう通産省の姿勢をこの接合に示すべきじゃないかというのが私の意見なんですが、どうですか。
○説明員(平田辰一郎君) 今回の敦賀発電所に対する立入検査の結果を踏まえて検討したいと思います。
○近藤忠孝君 それはどういう意味ですか、検査の結果を待ってというのは。
○説明員(平田辰一郎君) 現在立入検査を続けているところでございまして、この立入検査によりまして今回の事柄の真相が究明されるわけでございます、さらに事業者からもこの点につきましての説明を求めることにいたしております。その辺を踏まえまして、必要であれば先生御指摘のとおり、他事業者あるいは他の発電所も立入検査その化する必要があるわけでございます。
○近藤忠孝君 じゃ、ひとつそういう姿勢をもつと強くすることを求めたいと思います。 今回の事故は、先ほど報告のとおり、告発があってわかったというんですが、この告発がなければ、安全性無視の実態を通産としては把握できなかったんではないでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 現実問題として、報告がなければその運転中は発見できなかった可能性がかなり高いと思います。
○近藤忠孝君 この点については赤旗がすでに三月十八日に、この問題になった加熱器ですね、それについて法律上決められた耐圧試験をしてないじゃないか、だから放射能漏れの大事故のおそれもある、こういう指摘をしておるんです。恐らくこれは見ておると思います。それについては、東芝が原発検査の手抜きをしたんだと。 〔理事林寛子君退席、委員長着席〕 それからさらに三月二十七日の同じ赤旗では、東芝が工事費をピンはねしている、手抜きの上にピンはねしていると、こういう指摘をしておって、四月一日に赤旗記者があなたのところへ出向いて、今回の事故を告発したわけですね。そしてさらに、その赤旗記者が会社へ行って穐山常務ですかに言ったら、穐山常務もそれで初めて知ったというのですね。しかも、会社側は告発したことについて、先ほど吉田委員指摘のように、何か文句言っているというようなこともあるんですけれども、むしろこういう告発こそ大事なんじゃないか。むしろ通産とすれば先ほど言った専門官が十分チェックできないので、こういう告発こそ大いに歓迎し、そしてまた、そういうことに対する抑圧とかあるいはそれに対する反撃などは許さぬと、そういう姿勢を示すべきだと思うんですが、どうでしょう。
○説明員(平田辰一郎君) 今回の立入検査、先生おっしゃるように赤旗の記者の情報提供がございまして、それからわれわれが調査を開始した結果でございますが、このような話がほかにありました場合には、そのような情報を貴重な情報として尊重して、十分調査をほかの件でも進めたいと、かように考えております。
○近藤忠孝君 会社の側に告発を遺憾だというような言動があるわけです。そういうものについても、通産の方からひとつ注意をしてほしいと思うんですが、その点どうでしょう。
○説明員(平田辰一郎君) 先生御指摘の会社の幹部の発言につきましては、新聞では私も拝見しておりますが、具体的にどのような発言をしたかまだ会社の幹部から聞いておりませんので、その辺の事情を踏まえた上で十分慎重に対処したいと思っております。
○近藤忠孝君 これは赤旗記者ですから自由な立場で報道できるんですが、現場の労働者とかあるいはこういうかかわりのある人はなかなかできないわけで、よほど勇気が必要なわけです。そういう点では通産省のそういう基本的な姿勢が私は大変大事だと、こう思うわけであります。 次に、動燃の方の事故についてお伺いしますが、先ほど来指摘があったとおり、もともとこれは試験段階でもずいぶん事故があった再処理工場であります。私が指摘をしたいのは、この工場が最初にできたそのときの審査機能ですね、それが果たして十分であったかどうか、この点を指摘したいと思うんです。 そこで、まず使用済み核燃料処理施設についての知見がこの十年間ずいぶん進んでいると思うんですが、この点どうでしょうか。
○政府委員(赤羽信久君) 昭和四十三年から四十四年にかけまして、原子力委員会の専門部会で安全審査をしたわけでございます。そのときの安全審査の仕方は立地条件、放射線管理、環境の安全、耐震性、こういったこと、それから当然再処理施設の安全性、特に臨界に対する対策、こういう基本的な安全審査をしたわけでございます。その後、たとえば環境への放出量につきましては付帯的な施設をだんだんつけることによりまして、現在では当時の審査段階の数字よりけた違いに減らすことに成功しております。そういった意味の進歩はございますけれども、臨界対策を初め安全対策をするという基本につきましては、特に変わるべき要素はないと考えております。
○近藤忠孝君 そうすると、もう一度現在の知見に立って安全審査をやり直すおつもりはないんですか。
○政府委員(赤羽信久君) 安全審査はそういった基本的な考え方を審査する段階でございます。したがいまして、当時確認しました安全性が後の知見によって揺るがせられるような知見が出てくればし直さなければならないわけでございますけれども、そういった新しい変化があったわけではございません。したがいまして、基本的な考え方という意味での安全審査をし直す必要はないと考えております。
○近藤忠孝君 試運転段階からずいぶん事故があったし、また本格操業後本当にわずかで事故が起きたということは、もともと欠陥工場であり、先ほども指摘があったとおり、基本的な設計にも問題があるんじゃないかと、そういう指摘もあるわけですね。私はそうおっしゃらずに、念には念を入れるということで、そういう根本的な変化はないにしても、要するに十年後の今日、もう一度見直すということが必要だろうと思うんです。 それからもう一つ指摘をしたいのは、先ほど局長自身がうまく答弁できないで、大分指摘されておった点とも関係しますが、科学技術庁だけではなく、むしろ安全審査の陣容、それから体制、私はそこに問題が一つあるんではないかと、こう思うわけです。現在の専門部会の先生方、いずれも高名であり大変忙しい先生方です。しかし、今回の事故を見てみますといろんな個所に、予想もつかないような個所も含めて問題が起きてくるわけですね。となると、この安全審査というのはもっときめ細かく、もっと時間をかけ、もっとすみずみまで行うべきじゃないか、そういう点で安全審査の陣容、体制、これを改善して榎本的に見直しをすることが必要じゃないか、こう思いますがいかがですか。
○政府委員(赤羽信久君) 設計についての見直しでございますが、これは具体的な設計につきましては安全審査以降の問題でございます。現在のやり方では設計、工事方法、認可という形でやっておるわけでございます。これについて新しい経験が得られまして、必要なものは設計の変更をしていくということをすでに行っているところでございますし、今後もそういう申請があれば、十分チェックしていきたいと考えております。 それから特に設計の件かもしれませんが、審査をする体制ということで、これは専門家を網羅してやっておりますが、その段階のチェックとしては特に問題があるような、結果として間違いが出てきたとは現在考えられないわけでございます。今回起きましたトラブルというのは、そういう基本的な設計のチェックより細かい段階のトラブルであったと。したがいまして、事業者である動燃事業団が検討を行い、よりよい改善策を自分で考える、それが安全性に影響ないかどうか、それをわれわれの方でチェックする、そういう関係になるんではないかと思われます。
○近藤忠孝君 問題は基本的な問題だけではなくて、いま指摘をしたもっと細かな問題という点なんですね。まさにそのところが全く放置されているんじゃないか。いまも局長が言ったとおり、動燃だけに任されている。それに対して国のチェックもできない。またわれわれ専門家じゃありませんけれども、ほかになかなかチェックする機能がないものだから、国民の代表として国会議員が行きますね。専門的でないものだからそれ自身は不十分だと思うんですが、しかし、われわれがいろんな点を指摘しましても、あるいは聞きましても、たとえばこれは特許の関係で、フランスの会社の関係でそれ以上申せませんとか、あるいは時間が余りとってもらえないとか、そういう問題があってチェックを動燃だけに任している、そこに問題があるんじゃないでしょうか。科技庁として十分常時点検しチェックをするということをやってないものだから、午前中のような答弁になってくると思うんですよ。その点どうですか。
○政府委員(赤羽信久君) 再処理工場のトラブルにつきましては、二つの側面があると思われます。 一つは何といっても再処理工場を健全に動かし、当初の目的である再処理実績を上げていくという面があるわけでございますが、これは全責任を事業団が負うと考えてよろしいんじゃないかと思います。事業団が自分の努力で健全な装置を保ち、かつ改良していく、そのために事業団が存在すると言っても過言ではないと思われます。 それに対しまして安全性の面というもう一つの面がございまして、これも事業団が第一義的には安全なものを動かす、安全なものへより改良していくという責任があるわけでございますが、それは安全という重要な問題でございますから、重要な問題につきましては科学技術庁なり原子力安全委員会がわきからチェックをするという関係でございます。そして、法律的にはある程度以上の変更につきましては、逐一申請をさせましてそれをチェックし、かつ必要に応じては現場の検査も行って認めていく。認めた上でないと運転してはならない、こういう体系になっておるわけでございまして、動燃事業団自身の努力というものも十分認めていかなければならないと考えております。
○近藤忠孝君 そんなことは当然のことですね、そこが責任を負わなかったらこれはだれも負わないわけですから。ただそれをチェックしたり、あるいは原因究明を一生懸命やろうと、そういうものをむしろ排除しようという動きがあるんじゃないかと。たとえば私たちがこの間行って聞いたら、特許の問題でこれはお答えできませんと言う。それから十一時ごろ行ったんでしょうか、ちょっと聞き始めるともうお昼ですから食事にしてくれと。中身のことよりも飯だ飯だというのです。それから現場へ行ったら二時間限りと、そういう点はむしろもっと積極的にいろんな者が見、そして事故が起きないように、あるいは問題点をもっともっと解明していく、そういうことが必要だと思うんですが、どうもそういう姿勢ではない。なぜそういう姿勢をとるのか後で考えてみましたら、動燃の予算がかなりはっきり物語っておるんです。政府出資金十八億、借入金が八十七億、操業収入が百八億です。だからやっぱり操業していかなければいかぬ、そういう体質があるんじゃないか。その辺が外部からのいろんな調査とかチェックをなるたけ抑えて、そして自分たちだけでやっていこうと、そして思わぬ事故を起こす、そこへつながっていくんではないかと思うんです。 そこで大臣、午前中の答弁の中で動燃にたくさんトラブルがあるということについて、試験段階、実験段階だからトラブルが起きるんだと、こうおっしゃったんですね。しかし、現在はもう実験、試験段階ではなくて、実際操業をどんどんやっていますね。その点についてお聞きしますと、いや操業段階と試験、実験段階両方あるんだと、こういうのですけれども、しかし実際の運営上操業の方に力点が置かれているんじゃないか。力点が置かれているからやめてしまうと困るので、それで外からのいろんなことを抑えようという、こういうことになると思うんです。 そこで、もしも大臣の御認識が試験段階、実験段階というのであれば、こんな操業のことは余り考えずに本当に安全を第一に考える、そしていろんな専門家やわれわれも含めて調査や何かを受け入れていく、そういうことが必要だと思うんですがどうですか。
○国務大臣(中川一郎君) 現在の再処理工場は確かに操業もいたし、それぞれの量の消化もいたしておりますけれども、どちらかというとやっぱり試験、研究、実験ということも相当大きな柱になっておりまして、本格的なのは第二、第三の処理工場と、こういうふうになっていくのだろうと思います。そういう意味では、ここで得られたいろんなトラブルは大きなデータとして今後活用される、そういう意味で申し上げておるのであって、幾らトラブルがあってもいいというわけではありませんで、トラブルのないことに最善の努力はしなければなりませんし、今後もそういう方向でやってまいりますが、ここで得られたものは非常な経験になるということも事実だと存じます。
○近藤忠孝君 私は、現在の段階では操業の方よりはやはり実験段階、まだ基礎研究の段階、そういう点が大変強いと思うので、ひとつその点大いに重視をすべきことを求めたいと思うんです。 そこで、そういう点で一つの提案ですが、まだ基礎的な研究段階という要素が強いといたしますと、原研に再処理の研究をもっともっとさせていくべきじゃなかろうか、いまのところ動燃だけですね。かつては原研もやっておったようでありますけれども、いまは動燃一本やりと。そうすると再処理の問題がやっぱり起きてくるんですね、いろんなトラブルに対するわれわれの不信が。となれば、むしろ原研も並行して基礎研究を進めていくということをやった方がよろしいのじゃないか、こう思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 動燃の再処理施設あるいは再処理技術に対する認識でございますが、確かに初めての経験でございますから、いろいろな経験に基づいて、横文字を使わしていただきますとエンジニアリング段階の問題は、相当今後もいろいろな経験を積まなければいけないという問題意識は持っているわけでございます。そういう問題でございますので、実際動かしながらいろいろ経験もし、安全ということを大前提としながら、今後とも経験を積んでいって完成された技術に近づけていくという問題ではなかろうか、このように考えているわけでございます。 先生御提案でございますが、原研においても現在別の方法の処理技術の研究はやっているわけでございますが、いま原理的な問題あるいは非常に基礎的な問題に立ち返って研究し直さなければならないという技術課題は、現在のピュレックス法に関する限り、その段階を超えて次のステップにあるのではないか、このように考えているわけでございます。もちろん基本的な姿勢といたしまして、基礎研究をも合わせて考えるようにという御提言については、精神論としてよくわかるわけでございますが、現在の事態に対しましてはただいま申し上げたような考え方をとっているわけでございます。
○近藤忠孝君 時間が来ましたので結構です。
○小西博行君 大きく分けまして、二点ぐらい質問したいことが実はあるわけでございます。 まず一点は、原電の敦賀一号機の問題にわたりまして御質問さしていただきたいと思います。そして大きな二点目は、低レベル廃棄物の問題を少し時間がありましたらとらえて質問さしていただきたいというふうに考えます。 まず最初に、今回の原子力発電所の故障といいますか、事故といいますか、そういう問題に対しまして、何もこれは敦賀の一号機だけの問題じゃなくて、いままでもこういうような事故がたびたび発生していたという経過を、私も資料によって確認しているわけでございますけども、本来研究という分野になりますと、安全性の問題ということに対しましても、なかなかデータ的につかめないという問題がありまして、これは私は動燃のいろんな問題、特に研究開発の問題については、当然そういうことも起こってくるので、その対応については慎重に技術の積み重ねをぜひしていただきたいという感じでいるわけであります。 そして、実際に研究開発を終わった後、今度は実用炉ということで原子力発電所が全国に二十一基あるわけであります。そういう意味で考えますと、実際に実用化されているわけでありますから、むしろその辺の品質保証という言葉が当たるかどうか知りませんけれども、信頼性の確保という意味で、一般の商品につきましてもメーカーではデミング賞あるいは通産大臣賞、その他のいろんなシステムをつくりまして、品質保証に心がけているというのが実情じゃないかと私は思います。 こういった意味で、第一級の原子力発電所であるとか、何かそういう具体的な保証の制度は、これから光やっていこうと考えているのか。あるいはいままでこういうもので対応しているとかいうのがありましたら、ぜひ聞かしていただきたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) デミング賞のような賞ということでございますが、御承知のように、原子力発電所はようやく実用化の時期を迎えたばかりでございまして、現在まだ最大限の努力はしていますが、時折トラブルの発生を見ております。このような状況で、現在まだ先生御指摘のような賞を設けることはやってないわけでございまして、近い将来そういう問題が払拭すれば、当然考えなきゃいけない問題であろうと考えております。
○小西博行君 しかし現実問題は、一番古いのはもう十五年たっておりますね。この間私、島根の発電所へ行ってまいりましたが、ちょうど定期整備でございまして、いろいろ案内していただきました。島根が七年ぐらいですね。そういった意味ではかなり技術の蓄積があり、そして信頼性という意味で、何か一つの対応があってもいいじゃないか。きょういろいろ議論を聞いておりましても、検査の回数をとにかくふやさなければならないというのが、その議論の焦点のような感じがしてならないわけであります。しかし、私ここで通産の方がいらっしゃるのでお聞きしたいわけですけれども、いい品質、信頼性を得るために非常に細部的にわたってチェック回数をふやしていくことが、品質保証という意味で正しい方向がどうか、その辺の見解をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 原子力発電所の事故、トラブルの防止につきましては、検査をすればするほどよくなるというものではございませんでして、設計から運転管理に至る各段階にわたりまして、検査ももちろん一つは重要でございますが、念入りにやるということが重要なわけでございます。先生御指摘の中国電力の島根発電所につきましては、わが国の原子力発電所の中では非常に良好の成績を残しておりまして、昭和五十一年度に二件、事故、故障が報告されているのみで、昭和四十八年の運転開始以来非常に好成績で運転している原子力発電所でございます。
○小西博行君 そういたしますと、原子力発電所を建設する場合に、いろんなメーカーが入って建設をすると思いますが、いわゆるハードの部分の問題点が各発電所によってかなり異なるのか、あるいはむしろ管理体制といいますか、ソフトの部分の方が大切であるか、その辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。島根は非常にいいという表現でございましたが、島根発電所はつくったメーカーといいますか、技術そのものがよかったのか、あるいは後の管理体制が万全であるのか、その辺のところを聞かせていただきたい。
○説明員(平田辰一郎君) 私がすべてタッチしたわけではございませんが、私が聞いているところでは、島根発電所の場合、設計から運転管理に至ります各段階において、その持ち分に応じてそれぞれ最大限の努力をしたというふうに聞いております。
○小西博行君 大臣、一般の産業、たとえば自動車業界でも電気業界でもいいんですけれども、当初製品そのものが設計品質どおりうまく流れない場合、各工程によってトラブルがたくさん出るわけです。そういう場合には、不良品が出るということを前提にいたしまして、一番悪いのは全数検査というやつをやるわけですね。つまり、信頼性がないから一個一個全部、人間によってあるいは計器によって検査をして保証するという方式なんですね。ところが品質管理、つまり信頼性を高めるという意味では、不良品が出ないような工程の設計というのが、一番高度であるというように言われておるわけなんです。そういう意味では、いま原子力の中でいろいろなトラブルが起きるわけですけれども、大体トラブルの出そうなところというのは、ある意味では限られてきているんではないかというふうに私考えるわけです。 そういった意味で、たくさんの故障の中で主にどういうところ、たとえば今回故障がありました給水加熱器とその周辺ですね。つまり熱と高圧といいますか、そういう部分、特に溶接の個所であるとか、そういう部分に焦点が当たっているということであれば、その部分の改善なりあるいは材料の選択ということ、あるいは設計ということを、これからもっと追求していかなくてはならないというふうに考えるわけですが、その辺の様子はどうなんでしょうか、故障の場所ですね。
○政府委員(赤羽信久君) 御指摘のように、起きた現象を後から追いかけていく、そして点検の数もふやして事故を減らしていく。これは確かに初歩的な段階でございまして、たとえばわれわれ規制当局あるいは安全委員会におきましても、より信頼性を事前に高める、そして事前のチェックあるいは予防保全、品質保証、そういうことをしっかりやることによって、トラブルの起きる事前に全部抑えることによって信頼性の高い設備に持っていく、この考え方を早く導入しなければいけないということを奨励しているわけでございます。 御指摘のように、高熱部分、高圧部分、特にトラブルが溶接に関係しまして多いわけでございまして、これは現場でも、たとえば溶接についての事前のチェック、そして信頼性の高い溶接法の開発というのが着々進んでおりまして、そういうのが集積してだんだん新しい発電所がいい成績を上げているというふうに思われます。この方向をさらに品質保証の面で向上させていくのが安全性の基本になるという考え方をわれわれもとっていきつつある段階でございます。
○説明員(平田辰一郎君) 一例を申し上げさせていただきたいのでございますが、燃料のリークというの赤よくございまして、燃料棒に穴があきまして、炉水のアイオダイン、沃素の濃度が上がるわけでございます。初期の燃料につきましては、設計上の問題点あるいは製造上の品質管理の上での問題点がいろいろございまして、燃料の破損が非常に多かったわけでございます。そのため、初期の段階におきましては、定期検査ごとに燃料は一〇〇%のシッピング検査、要するに漏洩を検査するため吸って検査をするわけでございますが、そういう検査をやっていたわけでございます。しかし現在その後の運転を見ますと、現在燃料に穴があけば、必ず炉水の中の放射性沃素の濃度が上がると、沃素の濃度が上がるということで、その相関関係が明らかになりました。したがって、一年間運転して炉水の沃素の濃度が上がらない場合には、これは燃料に穴があいていないということで、これは明確でございますので、このような場合には何が何でも定期検査で令部見るということではなくて、こういうものについては燃料の漏洩検査を省略するような運用をしております。 これは一例でございますが、技術の進歩に応じまして、知見に応じまして加えるべきものは加え、やめていくべきものはやめていくということで、全体としてバランスのとれた定期検査が行われるように努力しているところでございます。
○小西博行君 私この間ある人にお伺いいたしました。たとえば火力発電所ですね、火力発電所も大体構造的には蒸気を発生して、その蒸気によってタービンを回して発電するという、こういう仕組みにおいてはそう変わりないというふうに聞いております。その段階でもこういう蒸気の漏れであるとかあるいは水の漏れというのは、まあかなりしょっちゅう発生する問題であるというふうに聞いておるわけなんです。実際は、そうなんでしょうか。
○説明員(廣瀬定康君) 御指摘の点でございますが、火力発電所も特に戦後非常に急速な進歩を遂げているわけでございますが、御指摘のような技術の進歩に伴いまして、いわゆる品質管理というものも向上しております。ただ、そういう漏洩が皆無ということではございませんで、そういう事態が生じました場合には、これをなるべく事例を取り上げて、標準化の中に組み込むというような形でいままで消化しているというのが進歩の実態でございました。
○小西博行君 私は今回の蒸気が漏れたという問題に対しまして、人によりましては大して安全上心配なかったんだと、まあ故障程度というようなことで解決してもいいんじゃないかという話があるわけでございますけれども、しかし、何としてもどうも気になるのは、本当に設備そのものの信頼性という面から言って、一般の先ほど申し上げた火力発電とは材質的にはかなり違うようでありますけれども、これは過去私もちょっとタッチしたわけでありますが、たとえば日立金属あたりでやっておりますボイラーの問題で、ステンレスを使って溶接をして、そうしてボイラーをつくっていたわけであります。ところが、どうしてもその溶接個所が弱くて、最終的には溶体化処理して、そうして対策を講じたという一例があるわけでございます。日立と言えば、相当技術的には私は高度でないかというふうに思っておるわけなんですが、それでもなおかつ、そういう技術的な問題が出てくるのではないか。いままでの事故の個所というのを、私もまだ新参者ですから十分把握はしていないわけでありますが、どうも溶接の個所であるとか、あるいはそれが下部の方であるとかいうようなことを見てみますと、何かしらそういう溶接、つまり熱を加えることによってその辺が材質的に弱くなっていたんではないだろうかなと、こういう感じがするわけでございます。まだ調査中かもわかりませんけれども、その辺に対する技術的な検討、対策というのをいまとるべきではないか。そうしないと、現実こういう問題が一つ起きますと、これから先の原子力の問題、ずいぶんまたおくれてしまうんではないか。積極的に私は推進すべきだというような立場で、もちろん本人自身もそういう気持ちでおりますので、その辺のところをあわせて考えていただきたいと思いますが、答えていただけますか。よろしくお願いします。
○説明員(平田辰一郎君) 御指摘のとおり、原子力発電所はたくさんの溶接個所によって構成されています。現在の軽水炉のこれは宿命でございます。それで、溶接につきましては非常にむずかしい問題がございますので、そのために通産省の検査でも溶接だけを別の形に切り離しまして、溶接検査というのを電気事業法上も別途設けているわけでございます。 それから、原子力発電所につきましては、最近までに非常に多かった事故といたしましてはSCC、応力腐食割れでございます。これのために相当長い期間炉が停止し、その補修に当たり、また各電力の技術者も悩んだわけでございますが、ようやく最近になりまして材料の改善、運転条件の改善あるいは溶接施工技術の改善ということで、これを克服できつつある時点でございます。このようなことは一つの技術進歩の例かと存じます。
○小西博行君 今回のそういう事故に対しましてどうも気になるのがやっぱり会社の指示、命令系統をどういう形で流しているのか、そして現実にそういう問題が発生したときに日誌でたとえば報告するなり、あるいは口頭ですぐ上司に報告するなりという、そういう職務の文書化が十分なされていなかったんではないか、あるいは何かそこに手違いがありまして、そして上への報告、あるいは通産から常駐されております検査官、いまは常駐じゃございませんですね——常駐ですか、この検査官の方にどういう形でそれが報告なされるのかという、これ私いつも申し上げておりますようなソフトな問題だと思うんですが、そういう安全に対するシステムというのが、会社内部あるいは通産との関係でどういうふうになっているのかなと、その辺私はちょっと心配になるもんですからお尋ねしたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 先生の御指摘のとおりの疑いがございますので、その点につきましても立入調査でいま厳重に調べておるところでございます。
○小西博行君 どちらかといいますと産業は産業の中、事業所は事業所の中で完全な品質保証体制をつくっていただきたいというのが私の気持ちなんです。なおかつ、こういう問題が出てきまして、厳重に今度は通産の方から一々そのチェックしなきゃいかぬというのは、必ずしも解決にならないというふうに私は考えておるんです。できればやっぱり内部でそういうものを正確に把握されて、しかも、チェック個所というのはもうちゃんと決まっていると思うんですね。そういう意味で、もう一回そういう文書規程なり、あるいは責任の範囲なりを内部で一回よく検討していただいて、二度とそういう故障があってもすぐ報告ができて対処とれると、こういう形にぜひ持っていっていただきたいと思います。 さて、具体的にちょっとお聞きしたいわけですが、今回のこういう事故によりまして、現実その周辺にたとえば環境汚染したとか、あるいは被曝を受けたとか、何か具体的なそういうことはあったんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 先ほどからほかの先生にもお答え申し上げたわけでございますが、立入検査の結果当該給水加熱器が設置されているエリアの放射線量率計、外部への放射性物質の放出を監視しているスタックの放射線量率計の記録確認によれば、現在までのところ、蒸気漏れの発生した日時の前後におきまして有意な変化は認められておりません。したがって、外部への放射能の影響はなかったと現在のところは考えております。また、これも今後さらに、詳細に調べてみる必要があると思います。 また、クラックの影響を考えてみますと、急激な破壊のメカニズムとしましては、低温脆性破壊と急激な延性破壊というものがございます。当該給水加熱器の使用温度は百七十度C前後でございまして、低温脆性破壊はとうてい考えられません。また、給水加熱器の胴の肉厚が均一にきわめて薄くなった場合は、たとえば約一ミリ程度になった場合には、急激な延性破壊も考えられますが、当該給水加熱器の胴の肉厚は十ミリ以上ございますので、急激な延性破壊も考えられません。しかしながら、今回の件に関しましては、放射能の漏洩を防止する観点から原子炉をとめて修理を行うべきものであったと考えたわけでございます。
○小西博行君 ぜひ対応といいますか、これから先の問題として、今回の事件を大きな教訓にひとつしていただきたいと思います。現実には直接の被曝者というのはなかったと、こう理解していいわけですね。 そういう意味で、私は一般のメーカーあるいは産業についていろんな疑問を持っておるわけなんですけれども、たとえば日産自動車あるいはトヨタ自動車あたりが車をつくっていると、わが広島にも東洋工業というのが実はございます。会社によりまして当然下請というのはたくさんあります。一次下請、二次下請あるいは名もない下請というのがあります。したがいまして、何かこういう整備をやったりする場合には必ず下請の事業者といいますか、そういう方の応援を願わなきゃいけないということがあると思うんです。つまり、私が言いたいのは、製品そのものが一級品であるということは、そこで働く作業者も一級品であるはずなんです。ときどきそういうのが問題になりまして、欠陥車というのも当然出てくるわけでありますから、原子力全体を考えましても、下請化という問題をよほど慎重に技術的に検討していかなくてはならないんではないか、それは総合的な品質ということになるわけですね。 前回、この委員会でも少し指摘さしていただいたわけですが、特に定期検査というのがございますね。そのときにはできるだけ検査の条項を減らせ、通産あたりが行ってチェックする条項を減らせというのが私の意見だったわけですが、それは外部にお任せする、あるいは下請にお任せするという前提、あるいは事業者にお任せするという前提があるわけですが、あくまでも非常に質のいい作業員あるいは検査員がチェックするという前提に立って申し上げたわけであります。今回のそういう事故を処理する場合、あるいは溶接をする場合、その他いろんなことがあると思いますが、そういう下請に対しては適切な指導というのは十分なさっているんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 通産省が下請に対する指導を直接するという問題と、それから電力会社が下請に対してきちんと指導するという問題がございますが、通産省から直接下請を指導することはなかなか現在の制度では困難かと存じますが、電気事業者をして下請に十分な技術指導を行うように現在強く行政指導中でございまして、各電力会社中心になりまして、それぞれ補修センターというようなものを現在つくりつつあります。それから、幾つかのメーカーがそういうものを同じように考えているわけでございます。
○小西博行君 今回の事故は原電の敦賀一号炉ということになるわけですが、先ほど中電ということでお聞きしたわけですが、全国の発電所の管理体制というのはかなり上級といいますか、そう言いますと、今回のは特別悪かったみたいな表現にもなるんですが、そういう意味じゃなくて、全国の発電所の管理体制というのはかなり進んでおるものなんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) TMIの前と役とを比較いたしますと、TMIの直後に私ども総点検を命じましたし、また特別保安監査も実施いたしました。それから、いろいろ米国及びわが国内で検討、指摘されてました事項を反映いたしまして対策も講じさせております。したがって、管理体制は最近はかなり上昇しているというふうに私どもは考えたわけでございます。
○小西博行君 恐らく今度の事故で地元住民の方々も全部情報としては知っているわけですから、ずいぶん心配されているんではないかということを、一番私は懸念するところなんです。長官にこの問予算委員会でも質問さしていただきましたように、かなりハイピッチでこの九年間、六十五年度までやらなきゃいかぬと、百万キロワットアワーを毎年二、三基ずつふやしていってもなかなか間に合わない。いまの時点でそれが決定してないと、五千百とか五千三百万キロワットアワーという目標に到達しない。そういう意味では、今回のこういう問題を契機にいろいろ住民の方々の反論というのはあると思うんですけれども、それに対する信頼性の回復というんですか、この辺に対してはどういうふうに対策をとられるようにお考えでしょうか。
○国務大臣(中川一郎君) 安全性につきましては御承知のように、原子炉等規制法による安全のチェックあるいは原子力安全委員会におけるダブルチェック等を実施しておりますけれども、何といっても一番国民の信頼をいただくのは既設発電所が安全に運転していると、こういうことだろうと思います。そういう意味で、今回のトラブルは本当に遺憾なことだったと思いますが、今後ともこういったトラブルが起きませんように、最善を尽くして国民の信頼をかち得ると、そして五千三百万キロワットの目標が達成できるように、われわれ一致結束して最善を尽くしていく以外にないと、こう思って努力いたしており、今回のことは本当に残念だったと思っております。
○小西博行君 この質問は最後にさしていただきたいと思うんですが、とにかくこういう機会といいますか喜ばしくない機会、ずいぶん金のかかる信頼性回復という意味で、困った機会がこのたび出てきたわけでありますから、これを契機にして何としてもそういう内部の管理体制というのを、第一義的にやっぱり考えるべきだと思いますので、どうか事業者に対して適切な指導をしていただきたいなと。私は一つの会社ということですから、内部事情というのもいろいろ特徴があってしかるべきだというように考えますけれども、管理体制というのは一般の原子力以外だってずいぶんあるわけです。したがいまして、やっぱりトップマネジメントの方がいかにして会社の体制をちゃんと整えていくかというのは、私非常に大切な問題だと思いますので、その辺のところの御指導をぜひお願いしたいというふうに考えます。 それでは次の質問に入らしていただきます。放射性廃棄物の問題を少しとらえさしていただきたいと思います。実は、いま低レベルの廃棄物が、正確には私存じてないんですが、大体ドラムかんで二十八万本前後あるんではないかというふうに報告を受けているわけなんですけれども、それほどの大量の廃棄物が出てくるわけであります。恐らく年に五、六万という数字が出てくるんではないかなという感じを私はしているわけなんです。これがまた発電所がどんどんふえできますと、もっともっとこの量が多くなっていきます。海洋投棄というのがいま論議の焦点になっているわけであります。私は、そういう中から全国の発電所、つまり二十一基いま稼働しているわけですが、そういう発電所の中でもう少し可燃物については焼却をして、そして容量を小さくしていくという積極的な対応がどうなんだろうかなということを素朴な疑問として考えてみたわけです。そういう意味で、現在ある二十八万本の中で実際の可燃物、燃やすことが可能なもの、これは二十八万じゃなくても構いません。毎年、たとえば五、六万出てきておる中で、大体どのぐらいは完全に焼却できるんだということを、もしわかれば教えていただきたいと思います。
○説明員(平田辰一郎君) 資料の関係で昭和五十五年三月末の原子力発電所に関するものでお答えさしていただきますが、放射性固体廃棄物の累積保管量は二百リットルドラムかんで約十九万本、その他の種類が二百リットルドラムかん換算で約七千本、全体でドラムかん換算十九万七千本でございます。そのうち焼却可能な廃棄物は約七万本、全体の三十数%を占めております。
○小西博行君 その中で、いま二十一基というふうに申し上げたんですが、これは電力所ごとにあるいは二基あるところもありますから、焼却炉をぜひつけたいと申請した場合には、これは通産の認可を受けなければならないんですね。そういう意味で、現在焼却炉のない事業所というんでしょうか、それをちょっとお聞きしたいんです。
○説明員(平田辰一郎君) 焼却炉設備につきましては、原子炉設置許可の変更が必要でございます。それからさらに工事計画認可が必要でございます。現在焼却炉設備を設置しております発電所は、問題になりました敦賀発電所とそれから美浜発電所の二発電所でございます。さらに今後の設置計画では中部電力の浜岡発電所、関西電力の高浜発電所、大飯発電所、九州電力の玄海発電所、これが現在工事中でございます。さらに焼却炉を設置することを考えている発電所が福島第一発電所、伊方発電所、島根発電所、川内発電所ということでございまして、東海発電所を除く各発電所、現在動いている発電所ではすべて焼却炉を置くことを計画しているわけでございます。
○小西博行君 これ焼却をして灰にしますね、その灰を今度セメントで固化する、こういうようなシステムが普通じゃないかなというように私思うわけなんですけれど、実際に発電所へ見学なんかに行ってみますと、全部裸になりまして、そうして向こうの作業服みたいなのを着せていただいて中に入りますね、手袋はめて。そうして帰るときにフィルムでちゃんとチェックして出てまいったんですけれども、あの手袋あたりは全部低レベル廃棄物として処理するようになっているんでしょうか。私はそういうように中電の場合はしましたけれど、これは法律か何かでちゃんと決まっているんでしょうか。
○説明員(平田辰一郎君) 手袋その他の可燃物でございますが、もちろん可燃物といいましても、仮にそれについている放射能が非常に強い場合には問題になります。したがって、はかりましてこれが問題ないものである場合には可燃物として燃す形になります。 それから、先生先ほど御指摘の灰の処理方法でございますが、現在までのところはコンクリート詰めにしているわけではなくて、灰のままドラムかんに詰めているわけでございます。
○小西博行君 そうしますと、実際に使ってカウンターでチェックして大丈夫なものは洗たくするなり何なりで再使用ということをやっているわけですね。——ああそうですか。私は何にもなかったんですが、これはもう廃棄物ですということで処理していましたので、そのことによって低レベルがどんどんふえるような感じになるんではないかというのを疑問として持ったものですから、そういうふうにして再利用されるということだったら、私は全然問題ないなと、実はそういうように思います。 さて、何としてもそういう意味で、低レベルの廃棄物に対して何とか減容、つまり容量を小さくするような研究はないものかなということを思いまして、そうしてセメントを詰めると言っても、そのセメントの量なんというのは別に規定がないんですね、具体的に。各事業所でセメントを詰めてやるなり、あるいは原研でやるなりということで、セメントの量と実際に詰められる物体との容量の割合というのは別にないんでしょうか。ないというように聞いておるんですが、どうでしょうか。
○政府委員(赤羽信久君) ただいま正確な数字で申し上げる用意がございませんけれども、セメント固化する場合には灰が一番性質がいいわけでございますけれども、液体あるいは薬品類、そういうものがまざっている場合等はまぜ方が違ってくるわけでございます。最終的には海洋投棄をするか陸上投棄をするかによりまして、要求される強度を出すためにはどこまで入れられるか、この基準を最終的に設定いたしませんと、条件に合うことができないものですから、多くの発電所では一部は固化をしているものもありますけれども、物によっては灰のままドラムかんにためてしばらく保存し、投棄の固化基準を待って固化をするという方針をとろうとしておるところでございます。
○小西博行君 何としても現在の時点では廃棄物そのものの容量がどんどんふえるから、何とかして処理していかなきゃいかぬということですから、この問題は国会の中でも審議して、将来の対策として一つの方向が決まると思うんです。試験投棄一遍やってみるとか、何とか容量そのものを小さくして保管できないのかということを、これは科学技術庁で研究やる分野になるんじゃないかと思いますから、ぜひその辺に手をつけていただきたいと思います。 さて、原子力発電所関係の低レベルのはその程度にとどめておきたいと思いますが、その他の低レベルということで、医薬品関係とかあるいは産業、この辺のところをいろいろ聞かしていただきたいわけなんですけれども、実際にはトータルからいたしますと、圧倒的に原子力発電所関係の低レベル廃棄物が多いわけですね。しかし、医薬品関係、医療機関というふうに書いております。あるいは教育機関とかあるいは研究機関あるいは民間企業、こういうような分類の中で、しかもタンクそのものが四十リッターの場合もございますし、五十リッターでしょうか、五十リッターというのもございますから、一概にはいかないと思うんですが、医療関係で出る量なんかについてはどうなんでしょうか。ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(水田努君) 医療関係から出ますRIの廃棄物でございますが、五十四年度の実績で申し上げますと、固形物は三十一・大立方メートル、不燃物が二百四十八・四立方メートルとなっております。
○小西博行君 これらの廃棄物の処理の仕方をちょっと教えていただきたいと思います。
○説明員(水田努君) 御承知のように、医療用のRIは身体の深層部にあります病巣を的確に把握するために大変有効な方法でございますので、最近、放射線医学の中でかなり積極的に取り入れられているようになっているわけですが、インビボと申しまして、放射性物質を体内に注入しまして、ある媒体を使いまして、その病巣に定着さしてシンチレーションカメラでこれを撮っていく。もともと体内に注入するわけでございますので、ごく低レベルのものでございまして、大体テクネシウム99を主体に使っておりまして、半減期が六時間ぐらいというきわめて低レベルのものを主として使っているわけでございます。 その処理の方法でございますが、インビボの場合でございますと、アンプルから注射器にとりまして体内に注射するわけでございますが、そのアンプルそれから当然使用した注射器、注射針、それから注射しますと当然注射した後に脱脂綿で押さえますのでその脱脂綿、こういうものが廃棄物として出てまいるわけでございますが、これらのうちの固形物はすべて社団法人アイソトープ協会に回収をお願いをいたしているということになっております。 それからインビトロと言いまして検査用にも使っているわけでございますが、液体のものにつきましては、法令で決めました基準以下に希釈をして廃棄処分をする、こういう形がおおよその医療機関におけるRI廃棄物の処理の仕方になっております。
○小西博行君 全国の医療関係で、放射性のものを使っている資料をいただいたんですね。病院ごとみたいな感じでして、非常に数が多い。そして、各地域で実際にどのくらいの量が出ているのかなということも、私勉強さしてもらいたかったんですけれども、なかなか地域ごとの容量というのがつかみにくいということなものですから、また機会がありましたらそういう量をひとつ教えていただきたいと思うんです。 と申しますのは、先ほど申されましたように、アイソトープ協会というのが一年に一回ぐらいずっと巡回してそれを回収し、原研へ持っていくというような作業ですね、これは非常に厄介な作業じゃないか。しかも、長いやって大体百二十日という半減期、これはめったにないことで、物によっては何十秒で全部半減期、なくなってしまう。そういうものも同じようにアイソトープ協会にお願いして、しかもそれが原研に行って、原研で処理していかなきゃいかぬ。その周辺の住民というのは、日本全国からごみを持ってきているじゃないかと、そういうような言葉が強く出ているということもちょっとお伺いしたわけですけれども、何か具体的にその地域でやるという考え方はございませんでしょうか。
○説明員(水田努君) 医療用のRIの廃棄物は、先生御指摘のとおりに、きわめて半減期が短いものでございまして、自然界に存在しているもの、特に医学部の先生方から私どもかみつかれているわけですが、君が飲んでいる湯のみ茶わんに含まれているマイクロキュリー以下のものを何できちんと保管し、高い金を払ってアイソトープ協会が回収すると、どうしてそういうむずかしい法律の仕掛けになっているんだということを、よく質問を受けることがあるわけでございますが、医療機関における需要も年々ふえてまいっておりますし、またその処理の仕方も東海村だけになかなか依存できない面が一面にございますので、これの処理の仕方というものにつきまして、いま厚生省の中にRI検討委員会というものを設けて、管理のあり方あるいは廃棄物の処理の仕方、その他を総合的にいま御検討をいただいておりまして、その結論を待ちましていろいろと実情に合うように対処してまいらなければならないと、このように思っているわけでございます。
○小西博行君 ですから、一つの病院でそれぞれが処分しなさいということになりますと、管理費用はかえって高くつくということもありましょうから、容量その他を一遍チェックする、あるいは内容によっては細菌性のものがある場合もあると思いますので、そういうのを各地域別にある程度大枠して、そして乱やっていくべきじゃないかと。アイソトープ協会が回収に要した費用その他も本当は聞きたいわけでありますけれども、具体的に費用の面ということになりますと出にくいんではないかと思います。 したがいまして、そういう実際的な費用も含めて、これから先の方向について私はいい対策をひとつとっていただきたい。全然何にもないものを同じように原研へ持っていってやると、アイソトープ協会の人そのものだって、車ではるばる回収に行くわけですから、何もないやつをなぜという気持ちもまた逆にありまして、そうは言っても病院の中ではそういうものに対する管理がずさんであってはいけないと、私は非常に慎重にそういうものに対して管理やらなきゃいかぬという前提ですけれども、これからの処理について、もうちょっと考えていくべきではないか。むしろ原子力発電のさっきの低レベルよりもっと処理しやすい問題ばっかりでございますので、この辺もあわせてひとつ考えていただきたいというふうに思います。 最後に、これは中川長官にもちょっとお伺いしたいと思うんですが、研究機関ですね、特に私は理化学研究所に大変興味を持っておりまして、すでにこの委員会でも一回行き、その後も行かしていただきました。ちょうど文教の方の委員もしておりますので、その関係がありまして大変興味があります。きのう文教委員会では国立学校設置法の一部を改正する法律案ということで、ここでもやはり研究機関、つまり国立大学共同利用研究機関というのをうたっているわけですね。 文教でもそういう質問をちょっとやらしていただきましたけれども、科学技術の場合は理化学研究所という非常に優秀な学者がたくさんいらっしゃる、そういう機関があります。そして、いろいろ聞いてみますと、やはり予算ですね、これが非常に実際的にむずかしいんだという話です。これは具体的にどの先生と言ったら語弊があるかもわかりませんから申しませんけど、いま世界的にトップレベルにある学者が数人あそこにはいらっしゃいます。そういう数人の方が何としても研究したいんだということで予算要求されてるわけです。ところが、どうしても全体の金額からいきますと思うとおりにはならない。たとえば、十四億の機械を買いたいと、トップをいま走っているので研究やりたいという場合に、一つのシリーズの研究の設備が要るわけですね。そういうものをいろいろ請求しても、やっぱり金額の大枠で抑えられるもんですから、ことしは三億だけでしんぼうしなさいというのが現実にあると。そうなりますと、どうしても研究が二年、三年おくれてしまうという問題があるようであります。特にトップの方というのは海外へ出る機会も非常に多いし、講演その他で引っ張っていかれることも多いわけです。海外への頭脳流出の一つの原因として、そういうものがあるんではないか。 ところが、文部省の方では、国立大学共同利用機関ということで、幾つかの分野を一つに統合するとかいうことをうたっておるんです。それで、私はこれはどこが理化学研究所と違うんだろうということできのう質問しましたら、自由な発想によって自由自在に研究するのが文部省の研究機関であるという定義なんですね。そうしたら、理化学研究所というのは自由な発想によってやってないかといったら。現実は自由な発想があると思うんです。理屈をつけるならば、何か目的を与えて、それによって研究開発をやりなさいという言葉になると思うんですね。そういう一つの研究機関、これは宇宙開発の問題もそうだと思うんです、まさに。文部省関係にもちゃんと東大ということでありますね。そういうものが全部ダブって、しかも内容的に見ると余り変わらない。 たとえば、基礎研究を大学でやるということをうたってるんですけど、理化学研究所も基礎的な研究ですね。あの腸内菌なんか見ても、あれもまさに基礎的な研究だと思うんです。そういうところがみんなばらばらなんですね。私は長官に一番最初、新人で初めて質問さしてもらったときに、何とかその辺の技術開発ということで、なぜもうちょっと機能中心型の体制は組めないんだろうかということを質問さしていただいたと思うんです。 そういう意味で、ちょうどいい例として、理化学研究所という例題で質問さしてもらうわけなんですけど、それを積極的にやるのは結構なんですけど、この文部省の調整、きょうは文部省頼んでおりませんけれども、何かもっと機能的に、もっと投資効率のいい、そういう研究をむしろ科学技術庁が中心になってやらないと、片や教育の自由といいますか、自治というか、そういうもので縛られている部分があるもんですから、もっと具体的にやっていただきたいと。湯川先生にしたってそうだし、朝永先生だって客員教授ということで、大学から入っていったわけでしょう。何ら私は変わりがないんではないかという素朴な疑問があるんですが、それに対してはどういうようにお考えでしょうか。
○政府委員(園山重道君) お答えいたします。先生御指摘のように、理化学研究所は非常な長い伝統を持っておりまして、戦前と申しますか、かつて非常に多くの業績を上げられた。戦後の解体、さらに財政的な行き詰まりから特殊法人化ということで、今日特殊法人という形できておるわけでございます。扱っております分野といたしましては、基礎研究というのが一つの重点になっておるかと思っております。やはり先生御指摘のように、大学の先生方も客員として入ってきておられます。したがいまして、一つの基礎研究というものを扱うという形におきましては、大学の研究所とある種の共通した雰囲気があるかと思っておるわけでございます。予算の問題になりますと、理化学研究所の中でやはりいろいろ重点配分ということも考えていただかなきゃいけないかと思っておるわけでございます。 一方また、先生御指摘のような、同じようなところが方々にあるというお話でございますけれども、基礎研究的なものにつきましては、やはり効率的に体制を組むということも大事でございますが、こういう分野におきましてはある程度競争原理というものが働くことも有効であるかと思っております。したがいまして、そういいましても非常に財政も厳しいところでございますから、今後、そういった理化学研究所、あるいは国立試験研究機関、あるいは大学というものが、どういう関係で、どういう分担を持って、全体としてできるだけ効率を上げていくかということにつきましては、科学技術会議等におきまして十分御検討をいただかなければならない問題かと思っておりますし、現に科学技術会議におかれましても、そういった問題意識のもとにいろいろ御検討が行われておるところでございます。
○小西博行君 私の素朴な疑問というのは大体わかっていただいたと思うんですけど、むしろ、科学技術の所管の中で、理化学研究所のような部分というのはわりあいそういう意味では拘束がなくて、一つの方向性に対してさらに深い研究を積み重ねていくということで、私はそういう形が理想ではないかというふうに前から思ってるんです。目分自身が大学にいても、やっぱりそういう分野があると思うんです。ややもすると教員というのは、これはまあ小学校、中学校、高等学校、全部そうですけど、わりあい専門ばかに陥りがちだというふうに考えるんです。したがって、いま科学技術の中ではエネルギーの対策を何とかしなきゃいかぬという、一つの大きな国民的な課題があるわけですから、その中で、つまりそういう目的に対してもっともっと有効な機能の発揮のできるような、あるいはがんに対してどういうふうにこれから先研究していくかという、これも大きな私は問題だと思うんです。 そういうことを各省庁で縦割りの世界の中でそれぞれやってるんですけど、もう少しそれを機能化してやっていかないと、ずいぶん時間のおくれをとってしまうんではないか。私はたまたまその意見を理化学研究所の中のある研究者から聞きました。これいまやトップクラスなんだけど、どうしても三年間、その設備のためにおくれるかもわかりませんよという話はやっぱりしているわけです。そういう非常に私は焦りがある中で、しかも海外へ出るチャンスがたくさんあるということになりますと、どうしても研究者というのは自由に研究したいという気持ちがあるわけでありますから、海外へ出てしまうと、そういう感じを非常に痛切に、いままでも幾つかそういう事例、私の友人もおりましたから、そういうのがあるだけに、もう少し科学技術の中でその辺を思い切ってやっていただきたいなと。というよりも、長官、あそこへ行かれていろんな実態をやっぱり私は知っていただきたいなと。研究予算なんていうのは、当然あそこの所長さんあたりから出たものをある程度、上の調整でもって決まっていくと思うんです。だから、個々の内容について、本当に必要かどうかということは、これは長官が設定する問題ではないかと思うんです、最高の責任者でありますから。文部省の場合はなかなかそれができないわけですから、そういう面では長官の分野でそういうことを一日も早くやっていただきたい。 われわれ自身が委員として行っても、非常に言葉もむずかしいですし、できるだけやさしく言ってくださいいったって、もう言葉そのものがむずかしいわけですから、研究者の方はごくあたりまえのように言ってるわけですけど、それだけに把握しにくいと、研究業績についても。特に、あれは二百四、五十人ぐらい学位持った人がいるわけですね、あの四百幾らの組織の中で。それだけに、あれをもう少し有効に使ってあげればと思います。いまは何かしら、原子力ばっかりにどうしても焦点がいきますけど、その分野のところもあわせて考えていただきたいということを要望さしていただきまして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(太田淳夫君) 本調査に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。 —————————————
○委員長(太田淳夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として大木浩君が選任されました。 —————————————
○委員長(太田淳夫君) 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○八百板正君 お尋ねいたしますが、時間が余りありませんから、決まり切った御返事でなく本当のところをひとつお答えをいただきたいと思います。 この博覧会が「人間・居住・環境と科学技術」の国際博覧会と、こういうふうな位置づけのもとに国際博覧会条約に基づいて日本で開かれるわけですが、その辺のところ少し薄れておるんではないでしょうか、いかがですか、大臣。
○政府委員(園山重道君) この博覧会のテーマにつきましては、先生御指摘のように「人間・居住・環境と科学技術」ということで国際的に登録されております。具体的にはこれから登録いたしますが、登録したものでございます。具体的に「人間・居住・環境と科学技術」というテーマのもとに、どのように博覧会の展示会場の展開、展示物を考えていくかということにつきましては、現在各界の有識者にお集まりいただきまして計画を立てていただいておるところでございますので、具体的にどういう展示になるかということは、まだちょっと申し上げられませんけれども、基本的な考えは「人間・居住・環境と科学技術」、つまり人間と科学技術のかかわり合いということを考えていくという博覧会にしたい、このように考えておるところでございます。
○八百板正君 名は体をあらわすということは言えますが、この博覧会は「科学万博−つくば’85」と、こんなふうに略称をつけましたが、こんなにあっさり片づけてしまうというと、一体日本における博覧会がどういう位置づけのもとに行われるかということについての肝心なところが吹っ飛んでしまうんじゃないかと思うんですが、そんなふうにお考えになりませんか。
○政府委員(園山重道君) やはりこれは博覧会でございますので、できるだけ多くの方に見ていただくということの配慮が一つ必要かと思っております。したがいまして、できるだけなじみやすい言葉ということで科学万博というような言葉を使っておりますけれども、実際の展示等につきましては、これは国際博覧会でございますので、諸外国にも実際にどういう展示をしてもらいたいかということを出しますので、そのためには具体的な展示内容というのは、先ほど申し上げました「人間・居住・環境と科学技術」という線に沿って展開していくことになるわけでございます。そういった中身をできるだけ多くの方々に見ていただきたいということで、まあなじみやすい言葉ということで、科学万博というような言葉をいわばニックネーム的につけておるところでございます。
○八百板正君 よけいの人に見てもらいたいとか、そういうことはここでそんな話をしてもしようがありませんので、もっと基本的な博覧会の位置づけ、性格というものをまず頭に畳み込んでおいて、その上でいろいろ具体的な多く見せるためにいろんな工夫をする、お金をどうするというように考えていただくことが大事じゃないかと私は思うんであります。 いままでの偉大なる科学者は、一生懸命いろんなことを発明したりなんかしましたけれども、相当の年齢に達しまするというと、自分の学問や研究の成果が、果たして自分の願ったことのとおりの成果をおさめたか、あるいはまた自分の学問、研究の成果が自分の考えたように人間の幸せに役立ったかというようなことについて、もうほとんど共通して反省しておるんであります。学者の願いに反して悪用される、あるいは戦争のために利用される。人間の幸せを求める心とは逆な形に科学の成果がそれてしまっておるということは大きな問題だと思うんであります。 ノーベル賞、御承知のノーベルも、これは言うまでもなくダイナマイトの発明者でありますが、そしてたくさんのお金を遺言に基づいて後進のためのノーベル賞というふうに発展してまいったようでございますが、ノーベル先生は遺言でもってそのお金の使い方を書いてあります。いまちょっと初めて見たんです、あわてて急にこの本を見ました。何と申しましょうか、平和のために、人間の幸せのために、そういう一つの大きな目標に基づいて私の遺産が活用されることを期待する遺言状を書いております。これが今日のノーベル賞のもとになっていることは御承知のとおりであります。 また、御承知のように原子物理学ですか、核爆弾なんかのもとになりましたオッペンハイマー、なかなかこの人の性格は複雑でありまして、一口にどうこうとは言えない複雑な動きを感じるのでありまするが、アイゼンハワーの原子力委員会に対する協力をあるときには断わったり、あるいは飛行機に核爆弾を積むことに反対したり、そんなことがはっきりいたしております。また、日本の原子物理学のノーベル賞の湯川さんなんかも、最近ということはございませんけれども、何か非常に人間的な、日本の伝統美とか、そういうふうなものに心を引かれて、平和というようなことに非常に強いかかわり合いを持った心境にあるように思われます。 日本の科学技術が、ある意味合いにおいて世界の相当の水準に達しておることは御承知のとおりでありまするが、それが一口に申しますというと、企業のいわば突っ走りと申しましょうか、集中豪雨型の輸出とか、そういうものと絡み、そういう中で今日の日本の科学技術の進歩が一面においてあるわけであります。そういうふうな日本の集中豪雨式の科学技術の急速な進歩と、その企業化と、海外進出というふうな、一つのこういうふうな形の日本の科学技術の進歩というものが、果たして人間の幸せとどういうかかわり合いを持つものだろうか、果たしてこれが人間の文化なり人間の幸せ、進歩発展のために本当に正しい意味で役立っておるもんだろうかと。こういうものに対する一つの新しいあすを見詰めた反省、そういうふうなものが何かしら日本の上に課せられておると、求められておると、問われておると、こういうふうな感じがいたすのであります。ある意味合いたおいては、だからこそ日本は少し頭を冷やせと、科学技術について本当に人間の立場から、住まいの立場から、環境の立場から見直せと、こういうふうな一つの世界的な目が日本の科学技術の上に向いているのではないか。だからこそ博覧会の中で、そういうテーマが日本のこの博覧会に対して位置づけられたのではないかと、私はそういうふうに考えるのであります。 そういうふうな配慮と考え方が、何かぱかぱかっと「科学万博−つくば’85」というようなかっこうにしてしまうというと、全然そういうふうな日本の基本的な問題が吹っ飛んでしまう、こういうことになりやしないかと。もちろん博覧会でありまするから、やっぱり人を大ぜい集めて入場料も取らなくちゃいかぬし、いろんなことが伴ってまいります。しかし、何と申しましょうか、日本の今日の科学の進歩発達、技術の進歩、そういうものが文明史的に見て日本のどういう問題であるかということを、まずひとつつかまえて、その上で現実の科学博を組織しなくちゃいかぬと、私はそういうふうに思うのであります。 この辺のところ、ちょっと中川さんの感覚と私の感覚は違うかもしらぬけれども、もし違うとすると中川さんの方が年とっていて、私の方が若いということになるからもしらぬけれども、ひとつお答え願います。
○国務大臣(中川一郎君) まあ御質問に対してすれ違いになるかと思いますが、人類の幸福というものの前提には物心両面というものがあるんではないかと思います。物の面で豊かさがあり、精神面でのまた豊かさがなければならない。これが両両相まって真の幸福というものがあるんではないかと。どちらかというと、科学技術というのは物の面で非常に豊かさをもたらすものであると。もたらし過ぎてこれが輸出振興になり、洪水というところまでいっておるという非難もありますが、また、こういう資源のない国ではやはり科学技術を取り入れたからこそ世界レベルの物的な生活、最高のレベルの物的な生活ができるようになったんだなという意味では、非常に高く評価していいんじゃないかと。 ただ、それが心を忘れて戦争につながるものをつくっていったり、あるいは外国に迷惑をかけて構わないというところまでいったんでは行き過ぎであろうと思いますし、また、それとは別の次元で、日本人には精神面、心の面の成長というのが非常におくれているんではないかと。そういうアンバランスがありますと、科学技術が逆に悪用されると、こういう心配もありますから、やはり物心両面の均衡のとれた発展があって初めて科学技術も生きてくるものであろうと。若干古い思想になるかもしれませんが、あるいはすれ違っておるかもしれませんが、そういう調和が必要であろう、こう判断しておるところでございます。
○八百板正君 どうもやっぱり私の方が若いような感じですね。やっぱりそういう意味で、国際条約に基づいて日本に位置づけられたこの科学博覧会というものは、ここにも書いてあるように、種類は「国際博覧会条約に基づく特別博覧会」、テーマは「人間・居住・環境と科学技術」、「基本構想原案」としてあります。この辺も言葉や文字を取り上げてどうこう言うわけではございませんけれども、何か、「基本構想原案」なんていうふうに出しているところを見ると、こんなのはどうでもいいんだと、変質することがあり得るというようなニュアンスが何となくここからにじみ出るんでありまするが、やっぱりいまの科学技術が進歩した中で、どういうことが問題になっているかということを、単に科学技術の進歩発達というだけでなくて、それが人間と住まいと環境の中にどういうかかわり合いを持って、果たして人間の進歩発達、進化に役立つ形に進んでおるかどうかというふうな点を反省しながら取り組んでいくというのが、この博覧会の私はテーマだと思う。だからこういうふうな形で、これ英語のあれを見てもそうでしょう。フォー・マン・アット・ホームとしまいに書いてありますね。ということは、われわれが幼稚な英語で理解する感覚からいうと、フォー・マン・アット・ホームのためにでしょう、この科学博覧会の目的は。ということになると、かなりニュアンスの違った博覧会として、この博覧会をつかんでいくのが筋じゃないかと思うんです。 ただ、科学技術の進歩をこれ見よがしに見せびらかして、そして何か日本の企業の進んだCMみたいに考えて取り組んでいくという問題ではなさそうに思うんです。その辺のところは十分もう検討をお考え済みだと思うんですが、博覧会の印刷物、きれいなのを見るというと、大分かっこうのいいことが書いてあるんです。だから、十分そういう点は念頭に置いて進んでおるんだと思うんですが、何となくそういう感じがぬぐい切れないもんですから、この際に基本問題としてちょっと伺っておくんです。
○政府委員(園山重道君) 先生御指摘のように、非常に科学技術の進歩が急速に進みまして、それに伴っていろいろな問題も生じておるということで、先生御指摘のように、この博覧会基本構想、まだ原案の段階でございますが、これは協会がつくっておりますけれども、その中で「光の影」というような言葉を使いましてそのことを言っておるわけでございます。 やはり科学技術を考えます場合に、いま一番われわれの発想の中心にございましたのは、非常に科学技術は進歩したけれども、そのことによって非常に世界も狭くなると申しますか、よく言われております宇宙船地球号というようなことで、地球には限りがある。特に資源には限りがあるということが、大きく人類の前途にのしかかっておるというような危機感がございまして、これをやはり解決していくのも科学技術の力をかりなければならないだろうというようなことが発想の原点にあるわけでございます。 しかし、科学技術全般ということをとらえまして博覧会をやる手もあるわけでございますが、御承知のようなこの博覧会条約に基づきまして、国際博覧会、特別博覧会というものは分野を限定いたしましてやるということになっております。特に来年アメリカではエネルギーをテーマにいたします博覧会が開かれます。それから日本の一年後ではカナダで交通を中心にした博覧会が開かれます。したがいまして、そういった博覧会と仲よく分担いたしまして、科学技術というものを考えていくという意味におきまして、国際事務局ともいろいろ相談いたしまして、「人間・居住・環境」というような言葉が出てきたわけでございます。またサイエンス・アンド・テクノロジー・フォー・マン・アット・ホームというのが英語で出ておりますが、これもカナダが一年後にマン・イン・モーションということで、交通のために、そういう言葉をつくっております。したがいまして、両方仲よくひとつ、マン・イン・モーションというのと、マン・イン・アット・ホームというのと、いわば二つで一つになるような形を考えようというような経過もございまして、こういうテーマをつくったわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、決して最先端のものを並べまして日本の技術の粋を誇るというようなことだけでなくて、やはり伝統的な工芸、芸術等との関係とか、あるいは西洋の科学技術だけではなくて、東洋的な科学技術の考え方といったものとの接点を求めるとか、いろいろ工夫をしておるところでございます。 全体といたしまして、人間がこれから科学技術というものをどう伸ばしていくべきか、どう扱っていくべきか、科学技術はまた人間のためにどうあるべきかというようなことを考える場になれば非常に成功ではないかと、こう考えておるところでございます。
○八百板正君 あくまでも人間のための科学と、もちろんそういう考えで取り組むんですけれども、やっているうちに人間のための科学でなくなってしまって、お金もうけのための科学、企業の利潤追求のための科学、あるいはまた相手はおれよりも下だというふうに位置づけをして、そしてより高い立場に立って相手を支配するための科学と、戦争なんかは特にそういう極限された形であらわれるわけです。そういう形になる危険を持っておるわけであります。上に立って下の者を支配する、あるいは発展途上国に対してより進んだ科学技術の製品を売りつけることによって、いわば不等価交換を通じておくれた者を支配すると、こういうような関係のために科学というものが位置づけられておるというのがこれは率直に言って現状なんです。だからそういうものに対する反省、あくまでも人間のための、人間といっても日本人われわれだけじゃなくて、やっぱり地球に住んでおる全人間の幸せ、そういう立場で科学というものは見直されなくちゃいかぬと。日本は少しそういうところを忘れて突っ走っているんじゃないか、そういうものに対する一つのいわば反省の機会として、この科学博というものをやっぱりつかまえて、そういう立場からこの科学博というものを成功に導いて、「つくば’85」ですか、これを機会にして、非常に大きな一つの歴史的ないい方向が出てきたというふうな、そういう博覧会にしてもらいたいというのが私の気持ちなんです。 ただ、きらびやかにいいところを出していばったって、それは決して人類の進歩、発展に役立つ企画には私はならないと思う。そういうふうな点を考えながら、人事構成だのいろいろなのを見まするというと、何かアクセサリーみたいに大事なところはなっておって、結局はやっぱり企業のこれ見よがしの展覧場みたいな形になってしまうのじゃないかというような感じがいたしてなりませんので、この点はこの法案に賛成するに、当たって、ひとつ大前提として強く意見を述べておきます。一言何とか言ってください。
○国務大臣(中川一郎君) 中身につきましては、いま各界を代表する皆さんに御審議をいただいております。せっかくの大先輩の御意見でありますから、十分散り入れていきたいと存じます。 どうもありがとうございました。
○塩出啓典君 それでは二、三。 まず、この国際科学技術博覧会の意義として「特に青少年に未来の科学技術を正しく理解させ、優秀な人材を科学技術の分野に誘引する。」と、こういうようなことが第一に書いてあるわけですが、ぜひ青少年に科学を理解させるためには、この博覧会に大いに来てもらいたいわけですけれども、なかなか来れない人もいるし、来てもなかなかたくさんの人が一遍に来ちゃうとゆっくり見れない、そういうようなことがあの大阪の万博でもありましたし、ポートピアもそういうような感じがするわけですが、そういう点で、これは具体的な今後の運営になると思うんですけれども、特に青少年に焦点がある以上は、一人でも多くの人によく見てもらうと、そういう点で何か対策は考えてますか。
○政府委員(園山重道君) お答えいたします。 やはり先生御指摘のように、青少年にできるだけたくさん見てもらいたいという希望を持っております。このためにはやはり青少年の見た人が非常によかったというものでなければいけないかと思っておりまして、このためにはできるだけ何と申しますか、よく参加型というようなことを言っておりますけれども、単に見るというだけではなくて、科学技術の真髄というものに感覚的に接することができたと、できればある種の感激を持って接することができるような工夫を十分ひとつしなければならないと思っております。 もう一つは、やはりその中から青少年たちが科学技術というものに対して一つの意欲をわかしてもらうようなことも十分考えなければいけないだろうというようなことが、これは具体的にどのような展示をしていくかということで、今後知恵のある方々にいろいろ頭をしぼっていただきたいと思っておるところでございますが、運営面におきましてもやはりできるだけ青少年の入場料に対する配慮でございますとか、あるいは学校行事として修学旅行等に組み込んでもらうようなこともお願いもしなければなりませんし、なるべく込まないウイークデーに見ていただくような方法を関係方面にお願いしなければいけない。 そのようなこともいろいろ考えまして、内容と運営両面におきまして青少年に魅力あるものにしたい、このように考えておるところでございます。
○塩出啓典君 各館を映画にでも撮って、後各学校で上映する。いまの計画では二千万人でしょう、全世界から。全世界と言っても日本がほとんどでしょうけれども、子供も大半がやはり見れないのが多いわけだから、そういうようなことも考えたらどうか、そういう考えはありますか。
○政府委員(園山重道君) はい。現在基本構想なり会場計画の中でもいろいろ考えられておりまして、特に非常に進歩しております各種の情報手段を活用いたしまして、直接来なくても見れるというようなことも考えなければいけませんでしょうし、また、先生御指摘のようないろいろ映画、記録等につきまして、これを学校その他で見てもらうような努力ということもしなければいけないと思っております。 基本構想の中では「情報・通信・輸送会場」というような新しい言葉をつくりまして、現地に来る人だけではなくて、情報手段を活用して外からでも見れる、あるいは会場に来る輸送機関の中でもある種の会場の延長的なものを考える。いろいろ新しい知恵がいま出てきつつあるところでございます。
○塩出啓典君 博覧会のいろいろな費用を回収するには、確かに一人でも多くの人が参加してくれることが望ましいわけですが、しかし参加した人が疲労と余り見れなかったという思い出で帰るようではこれはいけないと思いますし、そういう点を大阪万博あるいはまたポートピアの例等も参考にして、そしていい思い出を持って、しかも大ぜいの人が参加できるように、そういう万博になるように最善の努力をしてもらいたい、これを要望しておきたいと思います。 それから、閣議決定事項がここにあるわけでございますが、財政問題ですね。直接経費が七百五十億、関連公共事業費が七千三百億、合わせて約八千億の費用が要るわけでありますが、それに対しても閣議決定で余り国は特別な財政は負担をしない、こういうような内容のように思うわけでありますが、そうなるとかなり茨城県を初めとする県なり市町村の地元の負担が大変なんじゃないか、そういう点は心配ないのかどうかですね。皆地元賛成、賛成——賛成はいいんですけれども、始まったらたくさんの負担金というんではこれは困るんではないか、その点はどうなっているんですか。
○政府委員(園山重道君) 御指摘のように、一昨年この博覧会ゴーをかけていただきました閣議了解でいろいろ厳しい方針が示されております。ただ、これは特段にその前の万博等と比べて厳しいというよりも、非常に財政の厳しい折でございますから、いろいろ条件をきちんと決めてゴーをかけたということでございます。したがいまして、補助率等につきましては大体この前の万博等を例にして決めておるところでございます。しかし、まあ大変財政厳しい折でございますから、地元にも応分の負担は当然していただかなければいけない。また、公共事業につきましても、特段のことをするんではなくて、既定計画の要すれば前倒しの中でやるということが決められておるわけでございます。今後も財政は厳しいということが予想されますので、私どもはやはりできるだけ知恵を出しまして、全体としての経費が少なくて、かつ有効なものにしていくという努力を続けなければいけないと思っております。当然地元に応分の負担はいただきますけれども、そのほかにも、やはり民間の負担等につきましてもいろいろお願いをいたしまして、地元に著しく過大な負担がかかるというふうなことは避けなければいけませんが、何分にも全体の規模というものを、できるだけ金が少なくて、しかもりっぱなものになるように科学技術的な頭を使っていかなければいけないかと思っておるところでございます。
○塩出啓典君 最後に、特に多くの諸外国が参加できるように、なかんずく発展途上国ですね、そういう国々が積極的に参加が得られるというふうに努力してもらいたい。また、この博覧会の出品についても、大企業の先端技術のみでなしに、やっぱり伝統産業、そういうものも参加させるとかいうことが必要なんじゃないかと思います。先ほど八百板委員からもお話がありましたように、やっぱり科学技術というものは両刃の剣と申しますか、使い方誤れば人間のマイナスになるわけですけれども、過去のわれわれ先輩の、いま考えてみてもなかなかすぐれているなあというようなものはいろいろあるんじゃないかと思いますね。 たとえば信玄堤というようなこういう堤防の技術、水を治める技術というのは、本当にいま考えてみても非常に自然を利用したすばらしい技術である。そういうようにいまから見ても過去の人間は非常にすばらしかったな、そういうようなものも私はいろいろあるんじゃないかと思うんですね。だから、何も新しいものばかりじゃなしに、過去を振り返ってみても、本当にわれわれの先輩たちのすばらしい知恵というか、知恵も科学技術の始まりじゃないかと思いますけれども、そういうようなことも間に入って、やっぱり人間は前を向くとともに後ろも振り向いてみる、こういうようなものに十分配慮をしていただければありがたい。そのことを要望いたしまして、長官の御決意を承って質問を終わります。
○国務大臣(中川一郎君) 先ほども八百板委員から内容について高適な御指摘がありましたが、また塩出委員からも心に触れる御指摘がございましたので、十分意にとめて中身のあるものにしていきたいと存じます。
○近藤忠孝君 いまも問題になりました博覧会の準備運営に要する経費について、民間の負担も考えているということは、寄付などを考えているんでしょうか。
○政府委員(園山重道君) 施設参加というような形をとることも多いかと思いますが、具体的にはやはり寄付ということを考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 寄付の問題につきましては、昭和五十年の沖縄の国際海洋博覧会の際に、三十億円を寄付した団体が通産省、運輸省との間で、海洋博覧会終了後跡地を無条件譲渡する、そういう密約が結ばれておったという事実が指摘されて、そのことが後で沖縄県議会などで問題になった、こういう事実があるんですが、これ知っておりますか。
○政府委員(園山重道君) 存じません。
○近藤忠孝君 これ知らぬとまたその二の舞を繰り返すことになりかねないんですね。この問題は船舶振興会なんです、三十億円出したのは。そしていろいろ約束がされたらしくて、結局、用地や海洋博覧会施設はすべて自治体からの無償供与とする、さらに土地造成、給配水工事、進入道などの整備、それから浜辺、内水面、港湾施設の利用、それに伴う漁業権補償などもすべて自治体の責任で行って、運用はこの船舶振興会が金を出しているBG財団——ブルーシー・アンド・グリーンランド財団というんだそうですが、そこに全部任せようと、そういうようなことが出まして、あの海洋博覧会中の間からそのことが問題になって大反対運動が起きた、こういう経過があるんですね。となりますと、私は、寄付をもらうのもいいけれども、もらう相手が問題だし、と同時に、こういう密約つき跡地利用、これ問題になりますけれども、跡地利用についてのそういう密約などはあってはならない、こう思いますけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(園山重道君) 今回の博覧会につきましては、先ほど御質問ございました一昨年の閣議了解におきまして、用地の取得と跡地の処分につきましては、県の責任で行うということが決められております。また、寄付につきましては、いわゆる公営競技団体から今回もやはり応分の御寄付をお願いしたいということを考えておりますが、それに伴って御指摘のようないろいろ困った話にはならないように、これは十分協会等を指導していきたいと思っております。
○近藤忠孝君 ですから、この問題はもらう際にそういう条件をまずつけないということが一つと、同時にやはり相手をよく選ぶということ、金をくれるから何でもいいという、そういう姿勢ではいかぬということを申し上げたいと、こう思うんです。 それから最後に中身の問題で、結局これはテーマと展示によってその基本が決まると思うんですが、それにつきましてはこれ未定稿ですが、「基本構想原案」というので、ここで申しますと、「実験・行動」の分野が一番どうしても中心になろうと思うんですね。 そこでやっぱり五類と八類。五類が「豊かに生きる」ということに関する部分。この面についてはわが国はやっぱり世界に冠たるものだと思いますし、先ほど来問題になっておるように、世界に誇るべきものずいぶんあろうかと思うんです。私はその点はこれは余り心配していないんですが、問題は第八類の方です。八類の方については先ほどの質疑でも指摘したとおり、現在置かれている環境破壊や人体への影響のおそれに比べて、やっぱり日本の対応策は大変弱いし、またきわめて不十分な段階なんです。恐らく世界からもそういう面の関心はあると思うんですね。大体、イタイイタイ病にしても、水俣病にしても、それから四日市公害などにしても、ああいう人体被害までいった。しかも、大量にいったというところはまだないわけですから、そういう点ではその辺の技術がどうなっているのかと。私は一面は正直にやっぱり出す面と同時に、もう一つは、この面にやっぱりひとつ大いに進むような、こういう方向をひとつ打ち出すべきだと、こう思うんですが、その辺のお考えはどうでしょうか。
○政府委員(園山重道君) 先生御指摘のこの「分類表(未定稿)」、これまた相当変わってくるかと思いますけれども、いまこれによって御質問ございました環境関係、八類でございますか、私どもも日本はこの環境関係の技術というのは、このところ非常に進んできておるという感じを持っております。したがいまして、いよいよ地球上の人口稠密を加える場合におきまして、そういう環境をいかにその中でよくしていくかという技術につきましては、日本の誇るべきもの、人類の参考になるものは展示していくことになろうかと、かつ、そうすべきだろうと、こう考えておるところでございます。
○近藤忠孝君 もちろんそれあるんですね。これほど人体被害までいっているんですから。同時に、やはりいいところはかり見せて、現状の不十分な面、これからむしろ開拓し、大いに対応すべき面、そういう方向が、私は一つの重要な分野だろうということを指摘いたしまして、質問を終わります。
○小西博行君 最後になりますから一点だけ要望させていただきたいと思います。 確かに、科学技術博覧会ということになりますと、どうしても最高のものが各メーカーあるいは研究家から出てくるんじゃないかという気がするんです。これは大人といいますか、ある程度そういう能力のある人から見ますと、非常に感心させられる面も同時にあるわけですけれども、どうしても塩出先生おっしゃったように、青少年の方々というのもずいぶんたくさん見えられるというふうに考えますので、どういうふうに具体的にやるかというのは、まだ全然素案がないわけですから、申し上げるわけにいかぬと思うんですけれども、やっぱり子供さんなら子供さんのルートというのが一つやっぱりあって、そして、その中にも多様性が要求されるんじゃないかと思うんです。それをずっと一通り回ったときに、何か自分で物を考えなきゃいかぬというものが、やっぱりそこに一つのトータルでないと、ただ人ばかりいで、最高のものがあったというだけの私は博覧会にすべきじゃないんじゃないか、万博見てもそういうものをちょっと感じたわけなんです。そういう意味で特に人間自身を考えるという大きな一つの考え方でもってやっていただきたいなと、このように考えますから、その点だけ要望しておきます。
○委員長(太田淳夫君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田淳夫君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田淳夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、八百板君から発言を求められておりますので、これを許します。八百板君。
○八百板正君 私は、ただいま可決されました国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国際科学技術博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、国際科学技術博覧会が国民の理解と協力のもとに成功を収めるよう、広く各界の意見を聴いて企画を進めること。 二、博覧会への招請は、できる限り多くの諸外国に行うとともに、特に発展途上国からの積極的参加が得られるよう努力すること。 三、博覧会への出展については、中小企業特に伝統産業等が積極的に参加し得るよう配慮すること。 四、博覧会の開催を契機として、筑波研究学園都市における研究活動が広く内外に紹介されるよう適切な措置を講ずること。 五、博覧会の関連公共事業は、地元の地方財政事情に十分配慮しつつ推進するとともに、博覧会場への観客輸送の円滑化を図るため十分な輸送対策を講ずること。 六、会場跡地の有効な利用を図るため協力支援措置を講ずること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(太田淳夫君) ただいま八百板君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田淳夫君) 全会一致と認めます。よって、八百板君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 この際、中川科学技術庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。中川科学技術庁長官。
○国務大臣(中川一郎君) ただいま国際科学技術博覧会の準備運営に関する特別措置法案の御可決をいただき、ありがとうございました。 私といたしましては、ただいま議決をいただきました附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、国際科学技術博覧会の成功のために全力を尽くしてまいる所存でございます。
○委員長(太田淳夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田淳夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十九分散会 —————・—————