運輸委員会 第2号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1981/02/26
会議録
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨年十二月二十三日、青木薪次君及び瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君及び小柳勇君が選任されました。 また、二月二十四日、柳澤錬造君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。 —————————————
○委員長(黒柳明君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 まず、運輸行政の基本施策に関し、運輸大臣から所信を聴取いたします。塩川運輸大臣。
○国務大臣(塩川正十郎君) 第九十四回国会に臨みまして、当面の運輸行政の諸問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御理解と御支援をお願いいたしたいと存じます。 一九八〇年代に入り、わが因経済は、国際的なエネルギー問題や国の財政再建等困難な問題を抱えながらも、安定成長路線へ向けて歩み出しつつあり、高度成長とそれに引き続く二度の石油危機を経験した激動の七〇年代から大きく変化する過程にあります。 運輸行政におきましても、このような経済社会情勢の基本的な変化に対応して、長期的、かつ、総合的な観点に立った新しい交通政策の確立が急務であり、現在、運輸政策審議会で御審議願いながら、鋭意検討を進めているところであります。 申すまでもなく、運輸行政の基本的課題は、国民の求める安全で良質な輸送サービスを将来にわたって安定的に確保することにありますが、このためには、陸海空の各交通機関が、エネルギー、環境、国土空間等厳しさを増してきている社会的諸制約に適切に対処しつつそれぞれの特性を発揮できるような効率的な交通体系の形成を図ることが必要であります。 私は、このような基本的考えのもとに、行政の効率的展開に配慮しつつ運輸行政を進めてまいる所存でありますが、当面する諸問題につきましては、次の方針により、積極的に所要の施策を実施してまいる考えであります。 まず第一に、日本国有鉄道の再建であります。 国鉄の再建につきましては、一昨年十二月に国鉄再建対策が策定され、昨年末には、その実施のための法的措置として日本国有鉄道経営再建促進特別措置法が制定されたところであります。今後は、これらを基礎として、国鉄経営の重点化、要員の合理化等国鉄自身の徹底した経営改善努力、適時適切な運賃改定、これらを補完する国の行財政上の支援等を総合的に実施することにより、昭和六十年度までに、ぜひとも国鉄の経営の健全性を確保するための基盤を確立することとしたいと考えております。この際、国鉄経営の重点化を進める上で重要な課題である地方交通線対策につきましては、地域住民を初め関係者の十分な理解を得られるよう格段の努力を払いつつ、その実施を図っていく所存であります。 私は、国鉄が今後とも国の基幹的交通機関としての使命を全うできるようその経営再建に全力を傾注して取り組んでまいる考えでありますので、よろしく御協力を賜りたいと存じます。 第二に、運輸関係社会資本の着実な整備であります。 わが国の産業活動及び国民生活の基盤である運輸関係社会資本につきましては、経済情勢等を踏まえつつ、長期的観点に立って、着実にその整備を推進してまいる所存でありますが、特に、港湾、海岸及び空港の整備について、昭和五十六年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定し、事業を実施していくこととしております。 まず、港湾につきましては、物流の合理化、定住条件の整備等に留意しつつ、引き続き、流通拠点港湾、地方・離島港湾、エネルギー港湾の整備等を推進するとともに、大阪湾圏域において、新たな事業主体により港湾における広域廃棄物埋め立て処分場の整備を促進することとしております。また、港湾内の海岸を保全するため、海岸事業を推進してまいります。 次に、空港につきましては、将来の航空輸送需要に適切に対応できるよう、長期的観点に立って航空輸送網の整備を進める必要がありますが、とりわけ新東京国際空港の機能の充実を図るとともに、関西国際空港の建設や東京国際空港の沖合い展開につきましても、早期着工を目指して格段の努力を払う所存であります。 さらに、新幹線鉄道につきましては、東北、上越両新幹線の早期開業に努めるほか、整備新幹線についても所要の調査を継続するとともに、投資採算性、地元の協力体制等を勘案しつつ、公的助成の方法及び地域の負担に関する制度の整備等を待って工事に着工することとしております。 第三に、地域交通政策の推進であります。 国民の円滑な日常生活に必要な輸送サービスを確保するため、今後とも地方公共団体と協力しつつ、地域における公共輸送の維持整備に努めてまいる所存であります。すなわち、都市交通の分野におきましては、省エネルギーを初め環境保全、空間の有効利用等の見地から、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進め、公共交通を中心とする効率的な交通体系の確立を図る考えであります。また、地方交通の分野におきましては、地方バス、中小民鉄、離島航路に対する助成等を行い、地域住民の生活基盤として不可欠な公共輸送サービスを確保してまいる所存であります。 第四に、海運業の経営基盤の強化、船員対策の充実及び造船業の経営の安定化であります。 周囲を海に囲まれた資源に乏しいわが国にとりまして、海上輸送力の確保に努めることは、わが国の経済的安全保障の見地からも重要な課題であります。このため、海運につきましては、日本船の国際競争力を回復し、日本船を中核としたわが国商船隊の整備を図る観点から、引き続き利子補給を中心とする計画造船制度により外航船舶の緊急整備を推進するとともに、内航船舶の代替建造の推進等により、内航海運の近代化、合理化を図ることとしております。また、船員対策につきましても、船舶の技術革新及び船員の資格等に関する国際的動向に対応し、船員制度の近代化や教育訓練体制の強化を図るとともに、引き続き船員雇用対策を推進していくこととしております。なお、本州四国連絡橋の建設に伴う旅客船問題等につきましても、鋭意その解決に努力したいと考えております。さらに、造船業につきましては、国内船の建造の推進に加え、輸出船建造についても必要な財政資金の確保を図るなど、引き続きわが国造船業の経営の安定化のための努力を重ねてまいる所存であります。 第五に、運輸に係る安全防災対策及び公害防止対策の推進であります。 運輸省におきましては、安全防災対策、公害防止対策について、引き続き所要の施策を積極的に推進することといたしております。 まず、交通安全の確保につきましては、交通事故防止のため、交通安全関係施設の整備、輸送機器の安全性の確保、運行管理体制の充実等を図るとともに、事故発生時の救難救助体制の強化、交通事故被害者の救済対策の充実にも努める考えであります。また、防災対策につきましては、台風、集中豪雨、豪雪の監視体制、地震、火山観測体制の強化等気象業務体制の充実を図るほか、海岸保全施設の整備、海上防災対策の強化等の施策を推進してまいる所存でありますが、特に東海地震対策につきましては、地震予知のための常時監視体制の強化、港湾、海岸に係る地震対策緊急整備事業の推進等、防災対策に遺漏なきを期してまいる所存であります。 なお、今冬における豪雪対策につきましては、輸送の確保等について万全を期するよう、今後とも一層の努力を重ねてまいりたいと考えております。 次に、航空機騒音、新幹線鉄道の騒音、振動、自動車の排出ガス、騒音等の交通公害の防止対策につきましては、発生源対策や周辺対策を総合的に推進するとともに、長期的には、環境保全にも配慮した交通体系の形成を目指して努力を重ねてまいりたいと考えております。また、海洋汚染の防止につきましては、最近の国際的な動向を踏まえつつ、一層の規制の強化につき検討を行うとともに、今後とも、監視、取り締まり体制の強化、環境整備事業の推進等各般の施策を積極的に推進してまいる所存であります。 第六に、新海洋秩序への対応策の推進であります。 国際社会における新海洋秩序の定着に対応し、領海警備、二百海里漁業水域における外国漁船の監視、取り締まり等の業務を的確に遂行するため、巡視船艇、航空機の増強、支援補給体制の整備等を行い、海上保安体制の整備を進めてまいります。 さらに、資源と国土空間に恵まれないわが国にとって重要な課題となっている海洋開発につきまして、大型測量船の建造を初めとする海洋調査体制の充実強化、海洋利用技術の開発等を図り、着実にその基盤整備に努めてまいる考えであります。 第七に、国際問題への対応であります。 国際交流の活発化、国際社会におけるわが国の役割りの増大等に伴い、運輸行政の分野におきましても、国際的課題が増大してきております。 まず、最近重要性が高まりつつある経済協力、とりわけ、開発途上国に対する鉄道、港湾、空港等運輸関係基盤施設の整備に関する技術協力につきまして、積極的にこれを推進してまいりたいと考えております。次に、海運につきましては、国際海運秩序の変革が求められている状況にかんがみ、国際的動向を踏まえつつ、所要の方策を鋭意検討してまいる所存であります。また、航空につきましては、わが国国際航空企業の自立発展を図るとともに、必要に応じ航空協定の締結、改定を行い、わが国をめぐる国際航空網の充実に努めることとしておりますが、特に、懸案となっている日米航空問題につきましては、引き続き努力してまいりたいと考えております。さらに、国際観光につきましては、外客誘致の促進及び日本人海外旅行者対策等を推進し、その健全な発展を図ってまいりたいと考えている次第であります。 このほか、運輸部門におけるエネルギー対策の推進、運輸技術の開発、運輸情報システムの整備、観光レクリエーション施設の整備等を図るとともに、本年が国際障害者年であることにもかんがみ、身体障害者対策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 以上、運輸行政の当面の諸問題につき申し述べましたが、これらは申すまでもなく、委員各位の深い御理解と絶大なる御支援とを必要とする問題ばかりでございます。 終わりに当たりまして、重ねて皆様の御指導と御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
○委員長(黒柳明君) 次に、昭和五十六年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関し、説明を聴取いたします。三枝運輸政務次官。
○政府委員(三枝三郎君) 昭和五十六年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は二十一億一千五十一万九千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百七十六億四千八百三十四万五千円を含め一兆五千五百二十七億三千六百三十七万七千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で四・八%の増加になっております。 次に、特別会計について申し上げます。 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆五千九百十二億六千二百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千二百五十億八千四百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額三百五十三億六千万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千三百七十八億五千四百万円余をそれぞれ計上いたしております。 また、昭和五十六年度財政投融資計画中には、当省関係の公社・公団等の分として融資一兆三千八百七十七億円、政府保証債三千八百億円が予定されております。 運輸省といたしましては、以上の予算によりまして、まず第一に日本国有鉄道の再建を推進することといたしております。 国鉄の再建につきましては、昭和五十四年十二月の「日本国有鉄道の再建について」の閣議了解及びこの閣議了解を実施するための法的措置として、昨年末公布された日本国有鉄道経営再建促進特別措置法に基づき、国鉄自身の徹底した経営改善措置とこれを前提とする国の行財政上の措置とを総合的に実施することにより、昭和六十年度までに国鉄の健全経営の基盤を確立し、可及的速やかに収支均衡の実現を図ることといたしております。 このため、昭和五十六年度においては、予算人員一万一千人の縮減を初め国鉄経営の合理化を一層推進するほか、所要の運賃等の改定による増収二千十億円を見込むとともに、総額七千三百四十一億円の助成を行うことといたしております。 第二に、交通基盤施設等の整備を促進し、国民生活の安定、向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五十六年度を初年度とする新たな五カ年計画を策定し、それぞれの事業の計画的かつ積極的な推進を図ることとしております。 また、東北、上越新幹線の早期完成を初めとする鉄道の整備を推進するとともに、整備新幹線につきましては、工事着工のための所要の調査を継続するとともに、公的助成の方法及び地域の負担に関する制度の整備等が行われた場合には、所要の手続を経て工事に着手できるよう措置しているところであります。 第三に、海運、造船対策といたしまして、日本海運の国際競争力の回復を図り、あわせて造船業の需要を確保するため、引き続き外航船舶のうち高度合理化船及びLNG船の建造融資について利子補給を行うとともに、造船業の経営安定化のため、引き続き船舶輸出の確保を図るほか、過剰施設の処理に関する助成を行うことといたしております。 また、船員の教育体制等の充実を図るとともに、雇用対策についても積極的に推進していくことといたしております。 第四に、新海洋秩序に対応し、広域化、多様化する海上警備救難業務に対処するため、巡視船艇及び航空機の整備を引き続き推進するとともに、海洋調査の充実強化を図るため、大型測量船の建造等を行うことといたしております。 第五に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、確保に努めてまいります。 第六に、安全防災及び環境保全対策といたしましては、空港周辺対策、地震、火山対策、交通安全対策、交通被害者救済対策等の充実強化を図ることといたしております。 なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十六年度運輸省予算の説明及び昭和五十六年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして、昭和五十六年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。
○委員長(黒柳明君) 以上をもちまして、運輸行政の基本施策に関する運輸大臣の所信並びに昭和五十六年度運輸省及び日本国有鉄道の予算に関する説明の聴取を終わります。 なお、本件に関する質疑は後日に譲りたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十八分散会 —————・—————