予算委員会第四分科会 第4号
- 発言数
- 321 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/03/03
会議録
○近藤(元)主査代理 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 主査が所用のためにおくれておりますので、主査が出席になるまで私が主査の職務を代行いたします。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中通商産業省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉原米治君。 〔近藤(元)主査代理退席、主査着席〕
○吉原分科員 最初に中小企業庁にお尋ねをいたしますが、御承知のように、石油販売業界を見ますと、その流通経路は元売り十三社から特約店九千四百社、その下に販売店二万一千八百の企業数、これはスタンド数に直しますと二万六千八百カ所ございますが、その下にもまた販売店と称する零細店舗が千九百店、こういうふうな流通経路になっておるわけでございます。流通経路が複雑化し、業者の手をくぐればくぐるほど石油製品の末端価格は低くならない。こういった現象は何も石油に限ったことではありませんけれども、こうした流通経路こそ合理化をする必要が物価対策上も重要だと考えられます。特に販売店を経営している業者というのは、ほとんど中小零細業者が多いわけでございます。したがいまして、今日まで中小企業庁の指導部としては一体どのような行政指導をとってこられたか。特に各県に中小企業団体中央会というのがございますが、そことも連携してどのような行政指導をされてきたのか、最初に明らかにしていただきたいと思います。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 流通の近代化ということは、国民経済にとりまして大変重要な問題でございますし、特に中小企業対策にとりましても非常に大問題でございます。取引の近代化というのは二つございまして、いま先生御指摘のいわゆる流通経路を短縮化する、あるいは簡素化するということがございます。それからもう一つは、取引条件の改善の二つの面でございますが、その前者につきましては、現在の日本の産業構造、特に流通構造の面から一挙になかなかいきがたい面がございまして、これはできるものからということで現在ソフトな指導をしております。したがいまして、昔の企業整備的に強制的にこうだとかあるいはこうなければいけないというような指導はいたしておりません。もし短縮することによりまして消費者の迷惑もないというようなものについて、それが可能な条件が整備されました場合は、できるだけそういった方向に対して助成をしていくということを心がけておるわけでございます。 ただ、その助成も個別助成ということにはまいりませんで、いろいろな流通の近代化のための勉強をするとか、あるいはみんなが寄って共同の施設をつくるとか、たとえば共同の運搬施設等でございますとか、あるいは共同でいろいろな事業をやりますが、そのものについての指導ということで、先ほど御指摘になりました中央会の指導助成ということがございます。中央会の指導に対しましては、国としては間接の対処をいたしておりまして、直接国が乗り出すということじゃございませんで、中央会に指導員というのがおりまして、それが組合の結成あるいは組合の活動という面でいろいろ指導をやっているということで、間接助成という方式をとっております。
○吉原分科員 間接指導をされておるようでございますけれども、その指導を受けて、実は販売店の皆さんが回ないし五業者が寄りまして協同組合を通産省の間接指導といいますか、各県の中央会の直接指導によって設立している。そして共同購買事業等々によりまして、それぞれ弱い経営基盤を強化していこう、そういうことで実は結成されたケースが全国でもたくさんあると思います。私は島根の出身でございますけれども、島根県でそういうケースが一件起きました。ところが、せっかく協同組合をつくって協業化をしながら経営基盤を強化しようといたしましたけれども、俗に石油二社と称する特約店との間で非常に摩擦が起きまして、特に特約店が大変協同組合をきらった形でもって、協同組合を破壊をするといいますか、解散をさせるといいますか、そういう意味の妨害をされたケースがございます。もちろん島根県内はこんな特約店ばかりじゃございません。良心的な、また販売店をよくめんどうを見、指導をする、そういう特約店もあるわけでございますけれども、どうもこのケースでは非常に協同組合を忌避するといいますか、いろいろな妨害を加えてこられた。 二、三例を挙げますと、特にイラン政変に端を発しました一連の石油の供給不安を材料にしながら、販売実績を盾に供給制限をしたり、あるいは販売店の側から言いますと、たび重なる値上げに際しては不当にマージンを上乗せをしておる、あるいは協同組合を脱退すれば安く石油製品を卸してやる、こういうふうなあらゆる手で組合の解体を強要したという事実が起きたわけでございますが、このことは単なる特約店と販売店との間の商行為上の問題であるとして見逃すことはできないと思うわけでございます。幸いこのケースは理解ある他の特約店に移ることによって、一応この事件は落着をしたわけでございますが、今後こうしたケースが起きた場合、中小企業庁の指導部としては、一体どのような対策を講じられようと考えていらっしゃるのか、ここら辺をお伺いしておきたいと存じます。
○児玉政府委員 具体的ケースとしてそういうことが起こったということはきわめて遺憾な事例でございまして、今後そういった事例の発生に対しましては、私どもも十分注意してまいりたいと思っております。組合をつくったからといって、すぐ取引の条件が有利になるということを期待することはちょっと無理だと思いますが、取引の地位の向上という点で客観的に逐次力を培養してまいるわけでございまして、その成果として、個別に取引をしていたときよりも非常に信用力がつくとかあるいは力の拡大ができるといったようなことで、また大量取引に、なれば取引条件も有利になる。そういった反射的な利益が出てまいるわけでございまして、直接組合結成によるメリットというものが短時間にすぐ出るということは無理がと思いますが、長期的に組合の活動の健全な発展によりまして支えられていく面が非常に多うございます。そういった面でプラスの面を十分引き出すような形で中央会の指導あるいは政府の間接指導はやっております。 いま御指摘の不利益処分という点につきましては、これは独禁法が厳然と存在しているわけでございまして、取引上の優越的地位の乱用という問題がありましたら、私どもは容赦なくこれを公取に摘発するということをやりたいと思っております。またそこまでいかない事例におきましても、やはり行政指導という面で、もしそういった組合結成によって不利益を受けるというようなことがございましたら、これは各原局の行政指導等もおかりいたしまして、中小企業の健全な組織化対策の推進を今後とも進めてまいりたいと考えております。
○吉原分科員 もう一度指導部にお尋ねするのですが、いまお答えになりましたけれども、協同組合をつくったから従来の個別店舗と取引をしておる条件から有利になる、それはおっしゃるとおりかもわかりませんけれども、協同組合を設立し維持していくためには一定の維持管理費といいますか、協同組合全体をまとめていく事務的な経費も、あるいは人的な経費も要るわけでございまして、そういう最小限度の協同組合を維持していくために必要だと思われる経費は、この特約店なるものが当然考えていいケースではなかろうか。販売店の皆さんが勝手に協同組合をつくったのだからおれたちは関係ないのだ、こう開き直ってもらったのでは協同組合の運営すらが立ち行かなくなる。そういう意味で、私は、二社が無理だとするなら元売りメーカー等々に対して、せっかく政府の指導によって協同組合をつくって、小さな販売店が協業化を図りながら経営の立て直しをやろう、そういうことでこの組合を結成したわけでございますから、その協同組合が最小限度維持運営されていくような配慮はしてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○児玉政府委員 共同化によりまして力がついてまいりますと、そういった、いままさしく先生御指摘のような交渉力がついてまいると思います。取引の問題でございますので直接介入はできませんが、そういったメリットも期待しながら私どもは共同化というものを進めているわけでございますから、取引に直接介入はできませんけれども、もしそれに対して不当な相手方の切り崩しその他が行われますと、そういったマイナスの面に対しては私どもとして十分監視をいたします。 ただ、プラスのメリットをせめて手数料分だけ、あるいは組合の維持管理費の分だけという直接的なあれになりますと、幾らぐらいは上乗せして、あるいはペイバックしなければいかぬとか、そういう非常に微妙な取引関係になってまいりますので、これについての指導というのは直接的には非常に無理があろうかと思います。
○吉原分科員 ここは大事な点でございますので、ちょっと指導部に再度しつこくお尋ねするのですが、少なくとも行政指導によって協業化が図られた、せっかく協同組合として運営をして、数店舗小さな販売店が寄って協同組合の実を上げようという努力をしておるのに、それに対して従前どおり個別の店舗と同じ取引条件では、とても筋同組合は立ち行かないというのは当然わかるわけでございますから、そういう意味で、取引の価格に介入することはできないというのは私もよくわかります。でありますが、少なくとも協同組合が立ち行くような配慮をしてやるべきではないか。またそういう指導を二社に対してやられてしかるべきじゃないかと私は思うのですが、そういう指導すらできないのですか。
○児玉政府委員 流通の合理化のメリットを合理化に努力した人に十分還元すべきであるといういわゆる一般的な指導はもちろんできるわけでございますが、個別のケースにつきまして、あなたのところは、下の組織に対してこれだけ従来よりも上乗せしてメリットを還元すべきではないかというような介入は非常にむずかしいと思います。ただ、ちょっと話がもとに戻りますが、いわゆる組織化のメリットは二面ございまして、そのことによって自分たちの営業活動自身が非常に合理化されまして、そしてそれによって受けるメリットと、それから対外的に交渉力が非常に大きくなりまして、それを背景にいたしまして、従来よりもおたくの手数は省かれるはずだから共同購入については幾ら幾らサービスしていただいてしかるべきだというきわめて理詰めな交渉力が発生するという二面がございます。これにつきましても、組織を結成した人たちの自己努力、それからそれがもし相手方の不当な仕打ちがありますときには、これを監視するという行政側のバックアップによってうまくやっていくべきか、このように考えております。
○吉原分科員 少なくとも協同組合をつくって、今回のケースでございますが、商品の一括購入、そして一括集全体制、こういうものを協同組合の責任においてするから、運営費の最小限度はひとつ見てほしいというのが今回トラブルが起きた問題でございます。 では、お尋ねするのですが、流通段階における中間の特約店と称する二社の果たす役割りといいますか、その意義といいますか、そういうものについて、時間の制約がございますからひとつ簡潔に説明してください。
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。 石油製品の場合に特約店が販売店の間に、油種によって違いますけれども多かれ少なかれ介在しております。一般的に申しますと、灯油であるとかガソリン、そういった家庭用の非常に小口の多数の需要を持つ、そういう油種の場合には特約店のウエートが高い、こういうことになっております。 特約店の機能でございますけれども、これも油種によって形態、規模その他違っておりますけれども、機能は、一口に申しますと、卸売機能それからマーケティング機能それから金融機能あるいは物流の機能、そういったいろいろな機能をあわせ持つものでございまして、販売店と元売りとの間に介在いたしまして、需要と供給との間を取り持ちまして円滑な供給を確保する、こういう役割りを果たしていると理解しております。
○吉原分科員 御承知のように、石油販売の系列形態は元売りから特約店それから販売店という形が大半でございますけれども、最近の一部元売りメーカーでは特約店制度を廃止して、元売りから直に販売店、こういう形をとっておるケースもあるわけでございます。また販売価格について見ましても、元売りから特約店に卸される場合、これは通産省において事前にチェックシステムがあって監督されておるようでございますが、特約店から販売店に卸す場合はノーチェックである。全く特約店の自主裁量に任せっ放してございます。この点については物価対策上も何らかの行政指導が必要ではないかと思われますけれども、私は特に価格の統制をしろとまでは言いませんけれども、余りにも放任といいますかノーチェックで、特約店の自主裁量に任せていくということについては、私は、ある程度の行政指導が当然必要になってくると思いますし、ちなみに、大体二社から三社に渡るマージンというものは、キロリッター当たり千円から千五百円でございますけれども、私が申し上げたこの事件のケースでは、現在一キロ当たりが五千三百九十円から五千九百円、特に元売りから二社に対しては、販売店分としてあなたのところはこれだけの販売をされておるのだからということで、キロ当たり千円の援助金というか助成金というか、そういうものも出されておりますから、合わせますと大体キロ当たり六千五百円から七千円、リッターに直しますと、六円五十銭から七円くらいのマージンが実はあるわけです。私は短絡的に計算をしますと、元売りから販売店に直接のコースをとるとすれば、末端価格はリッターで七円完全に引き下げることができる、こういうことに相なろうかと思いますので、特約店から販売店に卸す場合の価格の問題について、それはもう自由競争時代だから、全くノーチェックで業者にお任せしますという姿勢なのかどうかというのがまず第一点です。 それから、せっかく販売店が企業努力をして大口需要家あるいは得意先を開拓いたしましても、価格的に無理だと言って、特約店、その二社なるものが販売店を経由せずに直接販売してしまう。せっかく販売店が企業努力して市場開拓をしたけれども、その開拓した大口需要家に対しては特約店から直に製品が販売される。そういう二社の行動、行為というものが、ますます二社と三社の間を非常に険悪なものにしてしまう。現在でも、元売りからローリーでもって直接末端の給油所まで輸送して、その代金も元売りが示す四十五日サイトで払っておる。真ん中の特約店というのは伝票操作だけでマージンが入るという仕組みになっておる。こういうことはいささか不当だと思われます。そこで、いきなり元売りから販売店制度にしなさいということは私申し上げませんが、少なくとも、協業化された、協同組合化された販売店のクラスの方々には、この特約店と同等の扱いをすることによって末端価格を抑えるというか、低くするということが必要ではないかと思いますので、せっかく中小企業庁の指導部によって指導を受けながら協同組合化したそういう業者に対しては、特約店並みの扱いといいますか、そういうことを元売りメーカーに行政指導なされる意思がおありかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○志賀(学)政府委員 特約店と販売店との間の価格について価格チェックをすべきではないかというお尋ねについてのお答えをいたします。 現在、私ども、石油製品の価格については、先生御案内のように、元売り仕切り価格の引き上げに際しまして便乗的な値上げがあってはいかぬということから、その引き上げの幅とか時期とかについて事前に説明を聴取しているところでございます。本来私どもとしては、石油製品について、これは石油製品に限らないと思いますけれども、価格というのは基本的には自由な市場を通じて適正に形成されていく、これが価格についての基本的な私どもとしての立場というふうに理解をしているわけでございますけれども、灯油とかガソリンについては民生との関係が非常に深いということで、先ほど申し上げたような元売り仕切り価格の事前チェックということをやっておるわけでございます。 あと、流通過程についてはどうかということでございますけれども、この点については、末端において不当な売り惜しみとか便乗的な価格の引き上げとかがあってはいけないということで、消費者モニターその他を通じまして監視をやっておるところでございます。 そこで、特約店と販売店の関係についても、これは個々の取引は重なりあるいは取引条件によってまちまちでございますので一律にはいかないわけでございますけれども、個々のケースに応じまして、問題があるというときには、その苦情の申し立てによりましてケース・バイ・ケースで指導をしていく、こういう態勢で対応をしているわけでございます。 それから、販売店が新規需要を開拓したときに特約店がとってしまうというお尋ねでございますけれども、この点については、確かに特約店も、販売店に卸す反面、自分で直接売っておるということもやっておるわけでございます。その限りにおきまして、特約店と販売店というのは競合関係に立つ場合があるわけでございます。本来こういった取引関係について自由な競争というのがたてまえでございますけれども、ただ、その特約店の個々の販売活動について、たとえば不公正な取引方法に該当するといったようなケースの場合には、当然そういう行為というのは抑制されるべきものであるということで、そういうことがあれば公正取引委員会とも連絡しながら是正をしてまいる、こういうことではないかというふうに思っております。 協同組合について特約店扱いにできないかということでございますけれども、この点については、個々の元売りが特約店を選定するに際しまして、その店の企業の信用力なり販売力なり、あるいは情報力なり、そういったいろいろな力を総合判断いたしまして、どの企業を特約店にするかということを個々に判断をしてやっているわけでございます。したがいまして、協同組合であるからといって直ちに特約店扱いをすべきであるということには、なかなかそこまでの指導ということはできないというふうに思いますけれども、ただ、先生御指摘のように、協同組合というのは、これは中小企業政策の一つの重要な柱として協同組合化という方向が推進されているわけでございます。したがいまして、そういった協同組合の場合に、他面におきます中小企業政策的な要請との関係を十分考えながら、個々に、私どもとして必要があれば適切に指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○吉原分科員 もう一点、軽油引取税の問題についてお尋ねをしたかったわけでございますが、残念ながら時間が参りましたので、軽油引取税については、また後日改めて質問をさせていただき、きょうは割愛させていただきまして、最後に、大臣から決意のほどをお伺いしたいと思います。 大臣、お聞きになっていらっしゃったように、末端のこの中小零細企業、何も石油業界だけではございませんけれども、大変不安定な商売を続けておるというのが実情でございますので、これが育成強化に向かって一段と行政指導を強めていただくように強く要請をいたします。 この際、大臣の決意のほどをひとつお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○田中(六)国務大臣 この石油業界は、まさしく御指摘のように特約店から末端の販売店に至るまで非常に数が多うございまして、不安定であると思います。特に石油価格は対外的に原油が決まってまいりますので、その点を加速度をかけた面もございます。したがって、元売りから特約店それから販売店、私どもは販売店の協業化、共同化というものを進めてきておる政策を推進しておりますので、できるだけその点は理解を持ってこの政策を進めたいと思いますし、特約店と販売店とが十分話し合って協業組合についての理解を特約店が深めていって、円満な事業の運営ができるように私どもも十分な行政指導をしていきたいというふうに考えております。
○吉原分科員 終わります。
○武藤主査 これにて吉原米治君の質疑は終了いたしました。 次に、玉城栄一君。
○玉城分科員 現在通産省が実施しておられる海底石油並びに天然ガスの基礎試錐の目的と計画の概要について、概略御説明をいただきたいと思います。
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。 私ども日本の周辺海域におきます石油、天然ガスの探鉱開発というのはきわめて重要であるということで、従来からこの石油及び可燃性天然ガス資源開発五カ年計画、これは今年度から第五次に入っておるわけでございますけれども、そういう計画に従ってやってまいっております。 それで、その第五次の計画の中におきまして、特に今年度から日本周辺海域におきまして国がやります基礎調査の一環といたしまして、水深が二百メートルから五百メートルのかなり深いところでございますけれども、石油あるいは天然ガスの賦存がある程度予想されるといった海域につきまして国が自分で基礎試錐をやる、こういうことがこの計画において計画されておりまして、今年度からの五カ年間におきまして八本の基礎試錐を実施する、こういうことになっているわけです。 そこで、今年度その第一号といたしまして、宮古島沖におきまして基礎試錐を実施いたしました。この目的と申しますのは、石油あるいは可燃性天然ガスを発見するというためのいわゆる試掘というわけではなくて、むしろその地域におきます石油地質構造、そういったものを調査する、そういうことを通じまして将来の企業の探鉱活動を活発化していこう、誘導していこう、こういう目的でございます。そこで、宮古島沖で昨年の末からことしの二月までかかりまして試錐をやったわけでございますけれども、残念ながら石油あるいはガスの発見という面ではその発見に至らなかったということでございます。 ただ、いずれにいたしましても、この試錐によりまして沖繩堆積盆地の地質構造というのが恐らくある程度判明してくるだろうというふうに思っておりまして、今年度中にその基礎試錐の結果を解析いたしまして当省に報告をするということに相なっておるわけでございます。
○玉城分科員 この基礎試錐の目的は発見ではなくて地質構造等の調査であるというようなお話でございますが、具体的ないまの宮古島沖の実施状況について、その地質構造等についてはどれくらいが判明しているわけですか。
○志賀(学)政府委員 現在まで私どもが、これは御説明を落としましたけれども国がやるわけでございますが、これは石油公団に委託して実施いたします。私どもが現在まで承知しているところでは、そのガス徴あるいは石油の徴候といいますか、そういったものはなかったというふうになっているわけでございます。いずれにいたしましても、その試錐の結果コアがとれるわけでございますけれども、そのコアを分析いたしましてその上であの海域におきます堆積盆地の地質構造を評価する、こういうことになるわけでございます。
○玉城分科員 八本計画をして、第一号として昨年の暮れからやっていらっしゃるわけですが、これは当然予想される海域ということでの調査だと思うのです。しかしいまの御説明では、予想される海域での試錐の状況からすると、これは発見が目的ではないということですが、可能性は非常に薄いような御説明のように聞いているわけですが、そのように受けとめていいわけですね。
○志賀(学)政府委員 どこに基礎試錐を打つかということを私どもが考えていく際には、その前の物理探査であるとか、そういった結果を踏まえながらやっているわけです。その上で、一応石油あるいはガスの賦存の可能性がある、そういうところをとらえて基礎試錐を打っているわけでございます。いずれにいたしましても、一本基礎試錐を打っただけでございますから、この基礎試錐の結果油徴、ガス徴がなかったということでこの地域の有望性を云々するというのは時期尚早であるというふうに思っております。
○玉城分科員 そうしますと、あるいはもう一本基礎試錐をボーリングするということも考えられるわけですね。
○志賀(学)政府委員 この基礎試錐の目的と申しますのは、先ほどもちょっと申し上げましたように、国が先行的にその試錐を打つことによりまして将来の企業の探鉱活動を誘導していこう、これが目的でございます。したがいまして、この宮古島周辺海域にもう一本国が基礎試錐を打つということは予定しておりません。むしろこの基礎試錐の結果、あるいは従来からの物理探査あるいは今後の物理探査、そういったことを踏まえながら企業が今後の探鉱活動を展開していく、それを私どもはむしろ奨励し指導していく、こういう立場でございます。
○玉城分科員 時間がございませんので、この問題でもう一点。 いろんなデータの解明をされるというわけですが、先ほど本年度ということですが、それは三月いっぱい、今月いっぱいということになるので、その結果はちゃんとお知らせをしていただけるわけですか。
○志賀(学)政府委員 これは石油公団が実施をするわけでございますけれども、具体的にはこの海域に鉱業権を持っております個別の企業、これがさらにやっておるわけでございます。したがいまして、この結果は当然私ども公団からよく聞くわけでございますけれども、同時にまたこれは、この海域について鉱業権を持っております企業の企業機密にも属するわけでございます。したがいまして、差し支えない範囲での御説明というのはできると思いますけれども、詳細な、具体的な話になってまいりますと、個々の企業との関係が出てまいると思っております。
○玉城分科員 これは現地の記者会見等でもまた、国がそういうことをされるということで非常に有望だというような印象を与えているわけですね。ですから、その結果について、みんなどうなっているのだろう、本当に石油はあるのかという関心も当然ですから、その結果についてはぜひきちっとしていただきたいということを要望しておきます。 次に、わが国の石油備蓄の現状について、概略御説明をしていただきたいと思います。もう時間がないので、ついでに民間備蓄はどういうふうに行われているのか、できましたら日本列島の民間備蓄の分布を概略で結構ですから、それもあわせて御説明いただきたいと思います。
○志賀(学)政府委員 わが国の石油備蓄と申しますのは、先生御案内のように民間備蓄、これは石油備蓄法に基づく備蓄でございますが民間備蓄、それから国家備蓄と二本立てでやっているわけでございます。それで、国家備蓄の方は現在石油公団が備蓄基地を建設するということで作業を進めているところでございますが、ただいずれにいたしましても国家備蓄の備蓄基地ができ上がるまでに時間がどうしてもかかります。そういうことから申しまして、五十三年度から暫定的にタンカー備蓄という形で実施をしてまいっておるわけでございます。現在タンカー備蓄は二十六隻のタンカーによりまして実施をされておりまして、日数で申しますと約十日分のタンカー備蓄があるということでございます。それから一方、民間備蓄の方でございますけれども、これは九十日備蓄を目標にやってまいっております。それで、ことしの一月末現在で民間備蓄は約九十四日分ということに相なっております。したがいまして、民間備蓄と国家備蓄を合わせますと、本年一月末の備蓄レベルというのは約百四日ということになっておるわけでございます。 そこで、国家備蓄の備蓄基地の建設状況でございますけれども……(玉城分科員「国家はいいです、民間」と呼ぶ)よろしゅうございますか。 民間備蓄の方は、これは先ほど申し上げましたように備蓄法に基づいてやってまいっております。具体的には石油精製会社あるいは販売会社あるいは輸入会社、そういったいろいろな石油関係の企業がそれぞれに応じまして備蓄をやっておるわけでございます。実際どういうところに備蓄をしているかと申しますと、たとえば代表的なので申しますと、日石の喜入基地、これが約六百数十万キロリットルの規模だと思いますけれども、そういうところであるとか、あるいは共同備蓄という形でもやっておりまして、これが新潟の共同備蓄あるいは現在建設中でございますが東苫小牧共同備蓄、そういった幾つかの大きなプロジェクトが動いております。また、沖繩におきましても、CTSが二つばかりございまして、沖繩のCTSの現在の規模というのが約三百六十万キロリットルということに相なっているわけでございます。
○玉城分科員 その沖繩の方なのですが、そこを伺いたいのです。現在三百六十万キロリットルということですけれども、増設される分を合わせまして、ちょっと数字的に御説明いただきたいのです。
○志賀(学)政府委員 沖繩のCTSは、沖繩ターミナルというCTSと、それから沖繩石油基地というCTSと二つございます。この二つのCTSの現在の能力は約三百六十三万キロリットルということでございますが、最近沖繩石油基地につきまして三百七万キロリットルの増設につきまして都市計画法上の開発行為の許可が沖繩県において出されたというふうに理解をしております。したがいまして、この三百六十三万キロリットルにさらに三百七万キロリットルがふえるということで、両方合計いたしますとCTS二つで六百七十万キロリットルということに相なるわけでございます。
○玉城分科員 このCTS、それから製品タンクですね、その他増設されるのを合わせて約九百九十万キロリットルというような、これは完成したときにはそうなるという数字を沖繩県の方では発表しておるわけです。そこで、このことにつきましては従来も私何回も通産省にも質疑をしてきたわけでありますが、従来五百万キロリットル程度は沖繩の場合許容限度ではないかというような一応の線引きがされておった時期があったわけですね。この五百万キロリットルについては、どういうあれでそういう五百万キロリットルかということについてはいろいろな意見があるわけです。私は、やはり沖繩というのは亜熱帯で自然環境の、特に海はすぐれているところであって、やたらとCTSのそういう増設というものは好ましくないというような意味も含まれているのではないかと思うのですが、このようにCTS、製品、いろいろ合わせまして約一千万キロリットルを突破するのももう時間の問題ではないかというように非常に憂慮されるわけであります。もちろんこの石油備蓄というものが国にとって非常に重要なことであるというその認識の上に立って、こういうふうに一地域に非常に過重な形で備蓄をするということはいかがなものかというふうに考えるわけですが、この点については、いろんなこれまでの御説明等を承りましても、民間備蓄については民間サイドで、当事者、地元との合意のもとにするんだからというようなことなんですが、石油備蓄ということはもう国策であるわけですから、民間がやるんだからどの地域にどれぐらいつくろうが合意さえすればいいんじゃないかというものでは済まされないと思うのですが、その点いかがなものでしょうか大臣。沖繩の場合、一地域に非常にやりやすいから、そしてまた南だから、あるいはコストが低いからというような点で、どんどんこんな形でやっていきますと、さっき申し上げました自然環境とか、これは後でちょっと御説明をいただくわけですが、非常に問題があるという感じがするわけですが、大臣の御感想を言っていただきたいのです。
○田中(六)国務大臣 私どもは、原油を輸入する場合に、各国に分散しておいた方が安全だというような、たてまえでも本音でもあることを実行しております。それと同時に、備蓄につきましても一ところに集中するのはどうかなという気持ちもありますし、それから沖繩に集中することは、近くて、コストが安くて、周辺が島で、それを契約をするのにしやすい条件があるから、そういうようなことを民間の人たちがやっておるのじゃないか。もちろん地元の了解を得なければそういうことはできないわけでございますけれども、それだけ非常に地元の人が、違った観点から見れば弱いところがあるのじゃないか。それはひいてはいろんな経済条件、社会条件があると思います。しかし、それに便乗してそこに集中するということは、やはり私は問題があると思います、したがって、できるだけ輸入現地を分散すると同様に、やはり備蓄についても日本全国に散らばっておくことが安全保障という面からもいいような気がしますし、そういう点は確かに検討の余地があるのではないかというふうに考えます。
○玉城分科員 そこで大臣、このことについて、これだけ増設されていきますと、どうしても大臣の方にお願いしておきたい点がありますので、最後にちょっとお願いしたいのです。 そこで、消防庁いらっしゃっていると思いますから、ちょっと消防庁の方に伺っておきたいのですが、いまの沖繩のCTS基地等に関係しまして、過去にもいろいろな油漏れの事故だとかそういう点があるわけですが、CTSタンク建設の設置基準と、概略でよろしいですから、その安全の確保ですね。いまの沖繩の場合、特に地盤的に余り条件がよくないという話も聞いているわけですが、その点も含めて御説明をいただきたいと思います。
○椎名説明員 地盤的な問題でございますけれども、元来わが国におきましての大規模な石油基地の場合は、海岸あるいは埋め立て工事等で設置されるのが多いようでございますので、それに関連して消防法あるいは危険物規制に関する政令、規則、告示等につきまして、屋外タンク貯蔵所の技術上の基準について厳しく決められているわけでございます。その中におきまして、特に技術上の基準の中に、基礎あるいは地盤等につきましてはいろいろこの基準に従ってやるようになっております。したがいまして、その基準に従ってやっているならば保安上は確保される、そういうふうに信じているわけでございます。
○玉城分科員 それでは環境庁の方いらっしゃっていますか。いま申し上げておりますあの一帯の沖繩のCTSの周辺、いわゆる中城湾、金武湾一帯というのは非常に自然環境にすぐれているところだったわけですが、いまはそういうことでいろいろな環境汚染、破壊があるのです。あの一帯についての環境上の問題について実態を掌握されておりますか。概略で結構です。
○渡辺説明員 お答えいたします。 公共用水域の水質につきましては、公害対策基本法によりまして達成、維持することが望ましい基準といたしまして環境基準が定められております。公武湾につきましては昭和五十年三月に環境基準A類型、これはCODで言いますと二ppm以下でございますが、そういう当てはめがされてございます。 それから一方、水質汚濁防止法では、都道府県知事は公共用水域の水質汚濁の状況を常時監視することになっておりまして、毎年測定計画というのを策定しまして、それに基づいて水質測定を行ってございます。金武湾における昭和五十四年度の公共用水域の測定結果は、CODにつきましては、内湾の方は環境基準を若干オーバーして達成されていない状況でございますが、外洋の方は環境基準は達成されております。
○玉城分科員 時間がございませんが、もっと詳しく私はいろいろなことを現地で聞いてまいりましたので、水産資源の保護という立場から、あの一帯について問題はないのかどうか、お伺いします。
○川崎説明員 お答えいたします。 あの水域、特に金武湾等におきましては、沿岸漁種を対象とした刺し網とか定置網とかいう沿岸漁業あるいはモズクの採集等が行われております。この水域の主な漁場環境問題といたしましては、先ほども環境庁からありまして、そういういろいろな汚染というよりも陸上から流入する赤土の問題が非常に漁業に影響を及ぼしておる。魚介類や藻類の成育の阻害あるいは網漁具に赤土が付着しまして漁獲の妨げとなる、こういう問題が起こっておると承知しております。 水産庁では五十二、五十三年度に赤土の流出につきまして漁場環境に及ぼす影響を調査しましたが、基本的にはこれは陸域から赤土の流出防止対策を推進することが非常に重要であろうと考えております。たまたま沖繩県におきましては赤土の流出防止協議会を設置して検討なさっているようでございますので、水産庁としましても必要な指導を行ってまいりたいと考えております。
○玉城分科員 そこで、建設省の方も来ていただいておりますので、大臣、これは現地を御存じか。いまのCTSのあの辺は、沖繩本島の与那域そして約五キロぐらい離れたところに平安座島というのがありまして、そこに海中道路が約五キロできているわけです。これは一九七一年にできているわけです。そして今度は宮域島というのがあります。この宮域島と平安座島が埋め立てられてCTSができている。この海中道路ができているために、潮の流れだとか、それがヒューム管で穴はあけてありますけれども、非常に問題があるわけです。私たちも現地の要望で調べましたが、いろいろな問題がありまして、この海中道路は沖繩県が復帰する前にガルフ社がつくり上げた道路、現在これは村道になっておりますが、この道路をこのままにしておくというのは、環境上またこれだけ増設されていくということからして、地域住民からも、何とかこの道路を橋か何かに改修してもらえないかという要望が非常に強いわけです。村当局もそういう考え方でいるわけです。そこで建設省、その点について村道だというだけでは済まされない問題だと思うのですが、いかがでしょうか。
○駒田説明員 お答えいたします。 海洋汚染の問題につきましては、前々からそういう話がございまして、現在沖繩県においてずっと継続して調査をいたしております。したがいまして、建設省といたしましては、県における調査結果を待つ必要がある、こういうふうに考えております。
○玉城分科員 それでいま申し上げましたとおり与那域、いま町になっていますが、町当局から、現在、申し上げた海中道路について、その改良、改善といいますか、橋をかけて潮の流れが多少できるようにしてもらいたい――あれだけの基地を抱えて海中道路をそのままの状態にしておくことは不自然だと思うのです。ですから町当局のそういう要望が正式に出てきたときには、当然建設省としてもその件については検討されますか。
○駒田説明員 お答えいたします。 いずれにしましても、この問題の解決のためには、県における調査結果が明らかになることが必要でございますが、その結果を待って関係省庁とも相談して検討してまいりたい、そういうふうに考えております。
○玉城分科員 そこで、大臣にこのことでお伺いしたいのですが、いろいろ申し上げましたとおり、これからいろいろな増設をされて、あれだけの巨大なCTS基地が建設されて、それを結ぶ海中道路が旧態依然とした形で、それが潮の流れだとか海流にも異変を生じているということからしまして、この海中道路について何とかしてくれ、橋をこれよりも多少――多少というよりもできたならばりっぱな橋ですね、わずか五キロですから。そういう点について、これはひとり道路の問題で建設省だけではなくて、あれだけの石油備蓄という立場から、あの周辺を何とかやはりいろいろな公害問題等の解消という立場からして、大臣とされても、建設省にそういう機会がありますときにその点をお話をしていただけるかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 機会があるときというといまが機会がありますので申し上げておきますけれども、建設省の十分な調査、その結果に基づいて、住民の要望するようにできるだけしてあげたい、私どももそれを十分バックアップしていきたいというふうに考えます。
○武藤主査 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。 次に、塩田晋君。
○塩田分科員 田中通産大臣並びに通産省の局長、課長にお伺いいたします。 まず最初に、日本航空機製造株式会社についてでございますが、わが国の航空機産業の育成のために昭和三十一年度に国産化構想ができ、三十四年にはYS11が試作製造開始され、三十七年度には初飛行ということで非常に国民の期待が大きく、これにこたえて、またりっぱな性能のいい評判のいい航空機が国産機として開発されたということでございます。ところが、昭和四十八年度に入りまして、量産機百八十機を完成した後はこの製作を終了するという事態に立ち至り、そして最近におきましては、この日本航空機製造株式会社自体も整理に入るというようなことを開くのでございますが、まず日本航空機製造株式会社の設立の目的、その後の経緯、そして量産を終了され、事業の整理に入るという事態に至ったその原因、これらにつきまして御説明を願います。
○栗原政府委員 ただいま御指摘の日本航空機製造株式会社でございますが、昭和三十四年に設工されました。この会社は、目的といたしましては、民間航空機の開発、生産体制を援助するという目的のもとに設立をされたものでございまして、具体的には、ただいまお話しのYS11の開発、生産及び販売というものをこの会社が行ってきたということでございまして、その後の経緯といたしましては、昭和四十八年に量産業務を先ほどお話しのように終了することになりました。 現在何をやっているかということでございますが、その残りの業務といたしましては、YS11のユーザー、これは航空機会社でございますが、このユーザーに対します補用品の供給の業務あるいは技術的なサービスといったようなこと、これをプロダクトサポートというふうに言っておりますけれども、そういう仕事を現実に担当しておりまして、あと一部従来売りましたYS11の外国に対する債権の回収業務等を行っておるというのが現状でございます。 この会社でございますけれども、初めて日本としての民間航空機の製造を行った会社でございますが、従来から赤字体質がずっと引き続いておりまして、ごく最近の時点で申しますと、五十四年度末で七十一億円の累積赤字ができておるという状況でございまして、五十五年度末にはさらにこれが増加するというふうに考えておりまして、その後も年を追って赤字が累積するということが予想される状況におきまして、昨年の十二月末の閣議におきまして、この会社につきまして行革の全般の中の一環といたしまして、今後この会社の業務の民間移行を検討するということが決められたというのが現状の姿でございます。
○塩田分科員 この百八十機のうち海外に輸出された分はどのくらいございますか。
○栗原政府委員 ちょっといま手元に数字を持っておりませんが、ほぼ六、七十機ではないかと存じます。
○塩田分科員 今後の対策としまして、日本の航空機産業の育成をどのように考え、推進をしようとしておられるか、お伺いします。
○栗原政府委員 航空機産業でございますけれども、御承知のようにこれは付加価値も非常に高い産業でございます。また技術先端的な産業でございまして、その技術の波及的効果というものは非常に大きいという性格を持っております。いわば知識集約化産業の典型的な産業であるというふうに私ども考えておるわけでございまして、そういった意味におきまして、私どもは、この民間航空機産業の育成につきましては、これからのわが国の産業のあり方の中で非常に重要な高度化の意味合いを果たす分野である、そういった戦略部門である、そういうふうに考えておりまして、この分野につきましては積極的に振興を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 具体的に申しますと、私どもとして現在行っておりますプロジェクトといたしましては、御承知のYX開発というものを民間航空機の分野では、これはアメリカ、イタリア、日本の三国の共同開発で現在進めておりまして、すでに来年からはこの第一号機が飛ぶような段階に実はなっておりまして、私どもとしてもこれは非常にうまくいっているというふうに考えておりますが、このYXの開発というのが第一にございます。 それから第二に、ジェットエンジンの分野では日英で五十、五十で共同開発をしようというプロジェクトがございまして、これは一昨年の暮れの予算で初めてこれを実現することが決まりました。現在日本側と英国のロールスロイス社との間でこの開発が進められておるというのが二番目のプロジェクトでございます。 さらに、ことしの予算案におきまして、YXに続く新しいYXXとも言うべき飛行機についてのいろいろな研究開発費というものも認めていただくことになりました。こういったプロジェクトを通じまして航空機産業の発展というものをぜひ考えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。 なお、これからの航空機の開発体制はいかにあるべきかという問題でございますが、もちろん基本的にどうこうするという話はこれからまたいろいろ御検討いただくわけでございますけれども、当面私どもとして考えております考え方の基本は、まず民間航空機の開発段階というものは国で相当の助成をしなければならぬというふうに考えておるわけでございます。航空機産業というのはかなりリスクの多い産業でございます。開発段階におきましては相当の助成をしていく。ただし、開発が済んでこれが量産体制に入り、さらに販売段階に入ると、この生産、販売段階の点につきましては、わが国の航空機産業もある程度育ってきておりますし、また民間の活力を生かしたり、あるいは民間経営の効率性を生かすという見地から、これはやはり民間に主導的にやっていただくことが必要であろう、こういう考え方を持っておりまして、現在のYXあるいはジェットエンジンにつきましても、こういった考え方のもとにプロジェクトが進められておるという段階にございます。
○塩田分科員 大臣、わが国の重工業、鉄を初め特に造船業、戦前から戦後にかけまして世界に冠たる産業として発展をしてまいりました。いまや輸送の体系が海から空へと大きくシフトしつつある状況で、世界の大勢を見ましても、空の輸送ということが非常に大きな分野を占めてくるという中におきまして、わが国の航空機産業がかつての造船業のような位置にまだないことは残念でございます。先ほど戦略的と言われましたが、これをぜひとも日本の中心的な重要戦略産業として育てなければならない分野だと思います。しかも、これにはかなり巨額の研究開発投資というものが必要だと思います。せっかくYS11という国産機ができながら百八十機にして終わるということは残念でございますが、今後は民間の活力を利用して国の助成を思い切って行って、この航空銭産業の発展を図るということでございますが、この点について国が積極的に取り組み、助成、育成につきまして格段の御努力をお願いしたいと思います。この点について大臣の御見解をお聞かせ願います。
○田中(六)国務大臣 先ほど栗原局長から申し述べましたように、日本の輸出構造の将来あるいは国内産業の育成というようなことを考えますと、IC回路、コンピューターなどもありますが、次あるいはこれに並行して私どもが研究開発をしていかなければならないのは当然航空機と思います。したがって、技術先端産業という観点からあるいは複合先端技術、こういうものは国際的に非常に競合するし、将来のことを考えますとこれの開発には政府援助というものがまず大切ではないか、民間ではなかなかできにくいと思いますし、後マスプロに入ったり販売についてはまさしく民間の活力を利用すべきでございましょうが、当初はこの問題はやはり開発段階におきましては政府が助成するということが必要かと思いますし、すでに日米伊のYX、ロールスロイスを中心とする航空エンジンの共同開発を英国ともやっておりますし、私ども新年度予算にはYXXという航空機の開発も予定しております。そういうことで私どもひそかにどころか、もうその頭は十分ございまして、御承知のように戦前は日本の航空機というものは世界の水準に達しておったのは事実でございますが、戦争が終わりまして一ころよその国よりも十年、二十年おくれている点がございますけれども、日本の技術からすれば、これは政府がある程度助成していけば時間的な落ち込みの差は取り戻すのではないかと私は思いますし、鋭意これの育成強化にはできる限りの努力をしていきたいというふうに考えます。
○塩田分科員 大臣の積極的な前向きの御答弁を得ましてありがとうございます。ぜひともそのような方向で取り組んでいただきたいと思います。 これに関連いたしまして、航空機というものは、民間輸送のみならず防衛関係につきましてもこれが問題であるわけでございます。そこで、いまも言われましたように非常にリスクの多い産業でもございますし、非常に技術集約そして先端的なものでございますから、開発研究投資は非常に多額を要するという問題がございます。特に防衛に関しましては国産の方が防衛上の安全性が高いということで国産に力も入れていただかないといけないわけでございますが、余りにも技術水準が世界からおくれている部分につきましては、もちろん国産でもって追いつくために大いに力を入れてやっていただきたい、多額の予算もつけてやっていただきたいと思うのですけれども、なかなかそのギャップを埋められないというような部門につきましては、先ほどもございましたように諸外国の進んだ、すでに開発されたものにつきまして提携をするなりあるいは輸入するなり、そういったことも含めまして、あるいは国産の場合でも量産化によるコストダウンといったことを考えますと輸出ということもかなり力を入れていかないといけないと思うのです。そのために、いろいろなむずかしい問題はあると思いますが、そういった問題を克服されまして、航空機産業の大きないろいろな目的達成のためにぜひとももっともっと積極的に政府として取り組んでいただきたい、このことを強く要請いたします。 続きまして、設備共同廃棄事業に関して御質問申し上げます。 来年度予算の中小企業対策費が大幅に予算減になっております。その大きな項目は何かと調べましたところ、設備共同廃棄事業の出資金が二百十五億円減少しているというところが大きな項目であるわけでございますが、このように予算額を減少されて中小企業対策は果たして十分なのかどうか、問題じゃないかということを感ずるのですが、いかがですか。
○児玉政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、五十六年度の設備共同廃棄事業にかかわります中小企業事業団への新規出資は、五十五年度に比べまして形式上は二百十五億円減少しておりますが、実際の設備共同廃棄事業のための事業費は、既存の貸し付けの回収金等を原資といたしまして十分な資金量を確保しておりまして、実際に業界から事業実施希望が出ました場合には十分これに対応できるもの、このように考えております。 なお、いま先生はこれを減少して全体としての中小企業対策が大丈夫かという御指摘でございましたが、これを含めました予算の伸び率は二・六%でございますが、これを実質ベースに焼き直しまして先ほど申しましたように二百十五億円というものを控除した実質的な伸び率は一二、三%という水準にございまして、私どもが要求しておりました主な中小企業対策の項目はほとんどすべて認めていただいたという実情でございます。
○塩田分科員 それでは、中小企業振興事業団ですか、その政府からの受け入れ、それから来年度の融資事業の計画、これにつきまして概要を御説明いただきたいと思います。
○児玉政府委員 全体の金額はいまちょっと……。 まず先に、伸び率を申し上げますと、五十六年度が五十五年度に対しまして一六%の伸びになっております。それで実際の貸し付けの事業、いわゆる事業規模で申し上げますと、まず一般高度化事業が千四百三十九億でございます。それから特定高度化事業でございますが、これが千六百二十億でございます。それから若干細かくなりますが、先行取得事業が七十三億、それから繊維の構造改善事業が百三十三億ということで、合計で三千二百六十六億というのが五十六年度の水準でございます。
○塩田分科員 資金は十分に確保されているということでございますが、具体的に丸編みくつ下の設備共同廃棄事業についてでございますが、非常に予算が減額されたということで、業界の一部、業者の中には非常に不安がっておられる。買い上げを期待しておって、前の五十二年のときに参加しなくて、その次はということで期待しておったのに、予算が減ったためにそれが買い上げされないのではないかという非常な不安がございますので、その点について、新規の申し込みはこれからでも可能かどうかということについてお伺い申し上げます。 それと、買い上げの基準が、いろいろな事情もあるのでしょうけれどもかなり厳しいという意見もございますが、これらの点につきまして実態に即して買い上げを進めていただきたいと思います。
○若杉政府委員 先生御承知のように、丸編みのくつ下業界は五十二、三年度に実施いたしまして、ほぼ計画どおり達成したわけでございます。その後、業界で再度開きたいという声は聞いておりますけれども、まだ具体化したものとして聞いておりません、これは御承知のように、相当な国費もつぎ込むものですから、きちっとした計画なり実施計画なりをつくらないといけません。したがって、常時門を開いているという性格のものではありませんで、もし御希望があれば改めて議論をいたしたい。ただ、前回からそう日がないものですから、再びやるという問題についてどういう経緯なのか、よく聞きながらやりたいと思います。ただ、予算的に枠がないとかそういうことは全くありませんので、その点は御安心いただきたいと思います。
○塩田分科員 基準の問題は……。
○若杉政府委員 基準の問題につきましては、いろいろ議論はありますけれども、通産省としてはできるだけ廃棄しやすいように努力したいと思います。
○塩田分科員 そのような方向でひとつ取り組んでいただきたいと思います。 次に、宝山製鉄についてお伺いいたしますが、私は昨年の十二月、ちょうど大臣が北京へ行かれましたその後訪中いたしまして、また、上海郊外の宝山製鉄の現場にも行ってまいりました。ここに写真も撮ってきておりますが、当時からこの宝山製鉄は、一期工事は必ずやります、二期は先へ延ばしたい、こういうことは言っておりましたが、帰ってまいりまして、一月そして二月の末になりますと、二期工事のみならず関連の圧延、熱延、冷延ともに中止というようなことが伝えられて、私自身もショックを受けたわけでございます。これはいろいろ論者があり意見もありますが、大体経済界としてはビジネスはビジネスだという考え方、そして政府筋も、民間ベースに任せる方がいいのだ、こういうお考えがあるように聞いておりますが、この点いかがでございますか。
○真野政府委員 ただいま塩田先生御指摘のように、いま中国との関係におきましていろいろプロジェクトの中止問題が起こっている。その中で宝山製鉄所の件でございますが、私どもの現在見る限り、中国側がこの調整について日本側にただいま説明に来ております。具体的な話、向こう側の考え方、これがまだはっきりいたしておりませんので、中国側の代表と日本側の企業とのいろいろな話し合い、これが始まったばかりでございます。そういう話し合いの中でどういう考え方が出てくるか、それをつかまえた上でいろいろ対応策が最初に企業ベースでいろいろ出てまいると思いますので、その様子をいま注視しておる段階でございます。
○塩田分科員 当初は、中国側が非常に期待をし、三千五百万トンの全中国の生産量に対して六百万トンということで、しかも最新鋭の近代化の象徴として宝山製鉄の建設が非常に期待されている。日中ともに友好のシンボルとして期待されて進められてきておったところが、このような事態に立ち至ったことは非常に残念なことでございます。現地におきましても、当時建設が進んでおりました。基礎工事、くい打ちなんかももうかなり進展をし、大臣、圧延工場なんかはもう上屋もできてきているんですね。基礎工事に相当金もつぎ込んで進んでおるのをそのまま放置してしまいますと、これは大変な経済的な損失だと思うんですね。それはもう日中共同の損失でございます。これが将来再開されることになっても、相当な損失は免れないと思うのです。これを打開する道ですね、これは民間ベースだけではなしに、むしろ薬になるのだという民間の考え方もあるようですね。向こうの中国の事情で廃棄することになったのだから、みずからの責任でその後始末をすべきだという考え、このことが、経済ベースに乗せるむしろ薬になっていいことだ、つらくてもむしろそういうように中国に補償させた方がいいのだ、こういう考え方があるようですけれども、それは商売は商売の上での話であって、日中の悠久の歴史の関係から言い、そして中国に対して、戦時中は非常に迷惑をかけたということもあり、今後の友好の問題、世界の戦略、世界情勢の中から見ても、やはり中国との関係は、商売は商売としても、国は国として考えるべき大きな問題があると思います。この点につきまして、中国は補償するということまで向こうは言っておるわけですから、やはりその辺の本当の気持ちをくんで、日本政府として対応すべき問題じゃないかと思います。いろいろな方法があると思いますけれども、長期低利の借款供与とかいろいろな援助の形はあろうと思いますが、これをひとつ早急に検討されまして、私は、この問題は民間ベースだけではなくして、また罪の償いをするという単なる考え方から言っているわけじゃないのです。それを超えた大きな問題として、通産大臣、これに取り組んでいただきたいと思います。この点について大臣の御見解をお伺いいたします。
○田中(六)国務大臣 宝山製鉄所の第二期工事を中止したいという旨の伝達は受けております。先般このことをただしに大来代表が向こうに参りまして、鄧小平さんあるいは谷牧さんたちに会って話を確かめたところ、その内容の一部の中に合弁とかあるいは低利融資、そういうものを日本側が考えてくれるならば事業の継続もあり得るような話をしたということを私は聞いております。この点は、私どもが何でもかんでも切り捨てるというものではなくて、一応そういう意向が確かならばやはり頭に置いておかなければいけないことだ、長い歴史もありますし、これからも日中の友好関係、親善関係、それがひいては世界の平和につながるということになればなおさらのこと頭に置かなければいけないと思います。したがって、その頭に置く、考慮するということは私ども十分考えますけれども、やはり何といっても民間同士の契約でございますし、これがどのように進展するかということも第一に見ておかなければなりませんので、そういうことの推移を見守りつつ、冒頭に申し上げましたことを頭に置いて対処していきたいというふうに思います。
○塩田分科員 谷牧副首相を呼ぶということを外務大臣が言われたのですけれども、通産大臣は呼ぶなら呼ぶでいつごろを考えておられるのですか、この点お聞きしまして、質問を終わります。
○田中(六)国務大臣 いま向こうから三、四名程度来ておりまして、その人と詰めておりますけれども、資格を云々するわけではございませんけれども何となく物足りなさを持っておりますし、谷牧さんが来るであろうというようなことは、まだ私は確かめてもおりませんし知りませんけれども、そういう点も、もしもそれが事実進行中ならば、外務大臣とも十分お話しして、来られるということになりますと私どももその推進をしなければなりませんけれども、目下のところ私は確認はしておりませんし、正確なお答えはできない段階でございます。
○武藤主査 これにて塩田晋君の質疑は終了いたしました。 次に、岩垂寿喜男君。
○岩垂分科員 私は通産行政というのは素人でございますので、ちょっと教えていただきたいという気持ちをもって御質問をしたいと思うのです。 ぶしつけな質問ですが、通産大臣、セルヴァン・シュレベールという人が書いた「世界の挑戦」という本をごらんになったことがありますか。
○田中(六)国務大臣 拾い読みはいたしました。
○岩垂分科員 どんな感想をお持ちですか。
○田中(六)国務大臣 深く突っこんでおるというふうに言われておりますけれども、私は息子と二人で批判をしたのですけれども、皮相的なことが多いのじゃないかというように思っております。
○岩垂分科員 大変恐縮ですが、私がこんなことを申し上げるのは潜越ですが、二回ほど読ましていただきまして、私なりに最近珍しく問題意識を感じました。 それで、この中にある特に産油国と南北、つまり発展途上国と発展した工業を持っている国、その三位一体の関係を世界の平和という観点から、とりわけヒューマニズムの観点に立ってどのように位置づけていくべきかということがるる述べられている点に私はむしろ感激をいたしました。ただ、日本の企業について言えば少し買いかぶっているなという点を私なりに感じたわけですが、そういう点で私は、こういう問題の視点というものをぜひ通産行政の上で見詰めてほしい。なかんずくマイクロプロセッサーとかマイコンとかいうふうな技術、それがもたらすであろう雇用効果あるいは世界の人々に対する福祉、教育等々の面で非常に大きな役割りを持っているという点で私なりの所感を持ちましたので、日本の通商産業政策というものの上でかなり教えられるものがあるのではないかというふうに考えますので、その点でぜひこれらの点について重視をいただきたい、こんなことをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○田中(六)国務大臣 もちろん日本もそういう技術先端産業はだんだんEC諸国には追いついておりますし、アメリカとも競合しているわけでございまして、私どももやはりその技術だけを研究するということじゃなくて、その底に流れるヒューマニズムというようなものの開拓は、彼が指摘しているところはもちろん共感を呼びますし、私どもの通産行政についても、やはり常に自分のことばかり考えずに世界のことも考えて日本が進まなければ輸出そのものもうまくいかぬだろうし、かえって世界の反感を買って、日本日身が首を絞めるというようなことにもなりかねませんので、その本の精神については十分私ども体得しなくてはいかぬと思っております。
○岩垂分科員 私、いまここにある雑誌がロベール・ギランとシュレベールの対談をした原稿を見せてもらいました。これは通産省、珍しくなんて言うつもりはございませんが、ほめられているのですね。言葉をちょっと引用いたしますと、「日本の力は、第一に、その技術革新と生産性、創造力であり、第二に、日本がこれまでの島国心理から脱却して広く国際的な視野を持とうとしはじめたことです。すでに日本は世界の日本なのです。日本という島国はいわば航空母艦」というのもちょっと変なんですが、「航空母艦であり、その艦載機、すなわち日本の製品、あるいは日本の諸活動は世界中に普及しています。かつて、アメリカが多国籍企業で示したような活動ぶり。日本は、まさしくその野心的な試みに乗り出す時です。日本の国際化の潮流はもはや止めることは出来ません。日本は、そのことに気づき、国際化を受け入れ、それをわがものにすべきです。」というようなことが書かれておりまして、特に先端的な技術、マイコン、マイクロプロセッサーの技術というものをもっともっと発展させていく必要があるのではないか。そしてそのことを通して特に発展途上国に対する貢献、第三世界に対する貢献というものをやっていくべきだ。その上で最近通産省が公表した白書について触れておりまして、通産省がそういう考え方を持ったのは珍しいことだということも含めて指摘をしているわけです。 こういう点で私は、マイコン産業とかマイクロプロセッサーの産業というものが世界の非軍事的な面で非常に強調されるべき分野だというふうに考えますけれども、これは局長で結構ですが、マイコン産業の日本の将来あるいは今日までの通産行政のかかわりというようなものを簡単に御説明いただきたいと思います。
○栗原政府委員 ただいま御指摘のようにコンピューター産業の中でマイコンの分野というのは、私どもの位置づけといたしましてこんなふうに考えているわけでございます。 コンピューター産業の中で二つございまして、一つは大容量の非常に高速の大型のコンピューターの分野というのが一つあると思います。最先端の技術を生かしながら非常に高速、大型のコンピューターをつくっていくという意味合いで、これはこれで大いに発展させる必要があるということは御承知のとおりでございます。それと並びまして、やはりマイコンの分野、小型の分野でございますが、これはいろいろな産業面におきましても、あるいは事務機械の面におきましても、あるいはわれわれの個人消費生活の面まで、非常にすそ野の広い広がりを持った分野でございまして、これは先端的なそういうコンピューター、大型のものと並んで小型のそういうコンピューターが普及していくということは、その産業の発展にとっても非常に重要でございますけれども、関連する産業あるいは消費者、そういうユーザーの分野に対して非常に大きな広がり、影響を持つという意味におきましてきわめて重要な産業であるというふうに考えておりまして、こういった分野についても大型のものとあわせてわれわれとしてはこの育成に努力したいというふうに考えておるわけでございます。
○岩垂分科員 ちょっと問題が飛びますけれども、工場三法のことをここで指摘をしようとは思いません。それぞれの所管がございますから指摘をしようとは思いませんけれども、しかし私なりに勉強してみると、三法に対するいろいろな意見がいろいろな分野から出されていることは御承知のとおりであります。たとえば、私川崎でございますけれども、企業が地方に出ていかざるを得ないという状況が一方にある。工場が出ていった跡地をどういうふうに利用するかということになれば、大体最近ではマンションなどが多いんですね。マンションがそこに定着をいたしますと、今度は周りの企業が邪魔になるわけです。騒音だとか振動だとか公害だとかということでですね。そうすると、実際工場立地という点で周りはむしろいままでとは逆の立場に立たざるを得ないという傾向が実は一面で出ているわけであります。そういう点では、地方財政の面で言っても、税収などの点で地方財政がかなり困難になっているというような問題もございます。いろいろな調査のデータがございまして、ごらんになっていらっしゃると思いますから私からは申しませんけれども、そういう状況というものを考えたときに、私は、工場の地方分散ということは重要だけれども、それだけではなしに特に首都圏における工場立地、このことは考え直してみないといけない時期が来ているんじゃないかという感じもするのですが、これは私は大胆に申し上げるところまでまだ自信はございませんけれども、そういうことを考えないと、ロンドンやあるいはニューヨークのように活力のない、あるいはある意味で、スラムとは言いませんけれども、そういうような状況が生まれているということについての問題意識、つまりそういう産業政策のあり方、産業構造の位置づけを含めて御検討をなさったことがございますかどうか。その点、御答弁をいただきたいと思います。
○松村政府委員 いま先生から御指摘がありましたように、通産省の工業立地政策の基本はいわゆる工業再配置というところにあるわけでございます。これまで過度に工業が集積している地域からその集積の程度が低い地域へ工場を移転させる、あるいは新増設をする場合に、それらの誘導地域と申しますか、地方の方にこれを誘導していくということが、環境の整備でございますとかあるいは雇用の安定といったようなことから考えましても、最近言われております地方の時代といったようなものにも合っているのではないか。これは現在言われている三全総の問題にいたしましても、あるいは定住圏構想の問題にいたしましても、これと平仄を合わせているというふうに思うわけでございます。 ただその場合に、こういった再配置政策が基本でございますけれども、これを進めてまいります場合に、やはりいま先生から御指摘がありましたような大きな、たとえば首都圏でございますとか大阪、名古屋といったようないわゆる工業再配置政策の中では移転促進地域と言われている地域について、たとえば都市の活力の減退を生ずるのではないかといったようなお話が、これはいまお話ございましたようにニューヨークでございますとか、その他の世界の大都市の例を引いて論じられていることは、私どもも十分承知しているわけでございます。ただ、私どもやはり基本といたしましては、特に日本の場合には再配置政策というものが世界のどの国にも増して重要であろうというふうに思うわけでございます。また、都市の活力という点について申しますと、ニューヨークその他の都市に比較してみた場合には、やはり東京その他の大都市は活力が強いのではないかというふうに思うわけです。 ただ、お話のように、それでは大都市については全く問題がないかという点については、御指摘のように今後十分検討していかなくてはならないということは私どもも認識いたしておりまして、いま部内においても逐次検討を進めている、こういう段階でございます。
○岩垂分科員 工業等制限法によりますと、制限の対象にならないのは、もう私が言うまでもないのですが、たとえば牛乳製造業とか発酵乳だとかクリームまたは乳酸菌飲料の製造業とかアイスクリームとかパン、生菓子の製造業というぐあいに特定されていますね。つまりこれが都市型産業だと言わんばかりの形になっちゃっているわけです。これは私は少しおかしいんじゃないかと思うので、やはり都市型工業というものが首都圏を初めとするそういうところに定着する、そういうあり方というものをこの際は検討いただかないとまずいんじゃないだろうか、こんな感じがしますので、この点については、都市型工業の定着について三法とのかかわりを含めての議論になるのかもしれませんが、しかし三法はそのままにしておいても、弾力的な運用というようなことを含めて対応できる施策というものについてぜひひとつ御検討をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○松村政府委員 いまお話がございました首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律という法律がございまして、首都圏における工業の新増設について規制をいたしているわけでございますが、この法律については国土庁の方で主管しておりますので、私どもの方でこれについて申し上げることもないわけでございます。 私ども通産省の立場といたしましては、いま先生からお話がございました都市型工業をどうやって育成していくか、こういう問題が一つあるわけでございます。それと同時に、私ども立地を主管しております立場から申しますと、こういう過密と言われるような大きな都市においてどういった工業あるいはどういった雇用機会を創出していくかという問題は非常に大きな問題でございますが、一方では、環境問題というものもあるわけでございますから、その辺も含めまして十分検討してまいりたい、かように考えます。
○岩垂分科員 私はなぜそういう質問をしたかというと、テクノポリス構想についてちょっと伺っておきたいのです。 どんなスケジュールでお進めになるのかよく存じ上げておりませんけれども、地方分散という考え方というのは私は賛成をいたします。したがって、それは政策として積極的に進めていただくことが大事だろうと思います。ただ、これはアメリカなどの経験を見ても、たとえばシリコンバレー、ジリコンヒルというような経験を見ても、実はこれは日本経済新聞、大臣のおられた新聞ですが、一月三十一日に法政大学の清成教授がアメリカへ行って帰ってまいりまして「ベンチャー・ビジネス 米国の再工業化を担う」という新聞記事がございます。これはテクノポリス構想に対する一種のアンチテーゼみたいなものが出ているのです。それはどういうことかというと、これはジリコンヒルの経験から言っているわけですが、条件がいろいろあるというのです。それはジリコンヒルの形成の前提となっているインフラストラクチュアをやはり位置づけなければいけない。それには「一、研究開発の条件-情報をもった人間が集まりやすく、インフォーマルな組織が形成されること、大学や研究所も立地すること 二、生産の条件-多様な関連産業(とくにメカ)が集積されることと、質の良い労働力が存在すること 三、事業展開の条件―各種のプロフェッショナルが立地すること 四、研究開発技術者の定住条件-快適な居住環境の確保と子弟の教育機関の拡充」というようなことが述べられていまして、こうしたことを含めて言えば、「少なくとも、こうした条件を満たさなければならない。したがって、複合機能の集積が必要であり、かなりの人口規模でないと成り立たない。そしてハイ・テクノロジーを伸ばすために不可欠なのは、創造性を尊重する土壌であり、それを企業化する仕組みである。」こう書いてあるのですね。全くそのとおりだと思うのです。私は、テクノポリスというのは、こういう条件を満たさない限り少し偏った形になってしまうのではないだろうかということを強調しておきたいのです。しかしテクノポリスそのものについて、ここではそれ以上は触れません。 さて、そこでお願いをしたいのは、地方分散を前提としたテクノポリス構想だけではなしに、願わくは、さっき言った都市型産業ということとも関連するのだけれども、テクノポリスの都市型版とでもいいましょうか、そういうものが同時に考えられないと、本当の意味の先端産業を担っていく、そういう体制をつくることはできないんじゃないだろうか。この点でぜひ御答弁をいただきたいと思うのです。
○松村政府委員 いま私どもが進めておりますテクノポリス構想につきましては、お話がございましたように、産業と学術と住民とこの産・学・住の三つが有機的に結合した、そして地域の、つまり地方の豊かな伝統あるいは美しい自然、こういうものに現在の工業文明を調和させる、こういう一つの夢と申しますか、夢を持った構想を打ち出したわけでございますが、その構想につきましては各地方自治体において非常に関心を持っていただいているわけでございまして、今後これを進めていきたいと思うわけでございますが、いまお話がございました、たとえば都市型テクノポリスといったような考え方はないのかという点につきましては、いま私どもが考えておりますのは、やはり大都市についても経済的な活力を維持していく、あるいは雇用機会を確保していくということ、またその技術先端型産業を育成する場合に、御指摘がございましたようなある種の集積というものが必要になってくるということもあるわけでございまして、通産省といたしましても、こういった問題については、ただいま御指摘がありました点も含めましてやや長期的な視点に立ってこれを検討していきたい、かように考えております。
○岩垂分科員 余り長期的でなくて、地方分散型のものとできるだけ並行してやってもらわぬと片手落ちになると思いますので、その長期的という言葉だけが気になりますので、ぜひひとつその点は御配慮願いたいと思うのです。 同じ清成教授が指摘をしている文章の中で、アメリカがやはり物すごく再工業化といいましょうか、特にハイテクノロジーの体制を進めていくために努力をしていることが指摘をされています。つまり、いまのように大企業がそのまま再生をするとか、そこで雇用を広げるということは不可能だろう。かなり特殊な革新的な企業を除けば、大企業を含めて不可能だろう。その特徴としてハイテクノロジーに依拠する急成長型のベンチャービジネスという発想が出ているわけですね。これはやはりこれからの日本の将来ということを考えたときにどうしても避けて通ることのできない、アメリカの経験を決してアメリカだけのことだというふうに特殊化することはできないだろうという意味では、ぜひひとつそういう都市型テクノポリスということを御協議願いたいと私は思いますので、もう一遍御答弁いただきたいと思います。
○松村政府委員 やや長期的に検討してまいりたいと申しましたのは、五十六年の予算案の中でテクノポリス構想がございまして、とりあえずこれを処理する必要があるということが頭にあったものでございますから、それが見当がついてからというような意味で申し上げたわけでございまして、この問題そのものが非常に重要な問題でございますし、かつ、こういった最先端技術、最先端産業を進めていくということが八〇年代のビジョンといたしまして緊急な要請になっているということは十分承知いたしております。
○岩垂分科員 実は、そういうことを申し上げたのは結論がございまして、大臣はあるいは御存じかもしれませんけれども、日本マイクロコンピューターシステム工業会というのがございます。これはこの業界では唯一最大といいましょうか、そういう組織だというふうに私は理解をしていますが、その点は間違いないですね。
○栗原政府委員 いわゆるシステムハウスと言われますような、そういうマイクロコンピューターシステムを現実に営業としてやっておられる方々の唯一の集まりであるというふうに考えております。
○岩垂分科員 実はその工業会が川崎市に日本版ジリコンヒルという構想を持ち込んでくれました。川崎市長も全力を挙げてそれは応援しようということで、市の予算の中で一千万、それから業界が五百万ですが、要するに調査費を組みまして、それを委託をいたしまして、いま開発というか、それに取り組む基礎的な調査を野村総研を中心にしてやっております。これはもう私から専門家の前で申し上げるつもりはありませんけれども、いま私が言いましたアメリカのジリコンヒルの経験などということを踏まえて、そういうところが余り分散しないように一カ所に集まるということですね。それから同時に、川崎には、御存じのとおりに東芝もあれば、日電もあれば、富士通もあるという、いわばLSIメーカーがすでにある。川崎はいわば電気産業で今日まで来たといってもいいほど大きなウエートを占めている。そういう生産の工程もそこにある。技術者もいる。住宅の条件も首都圏、大学や研究所、機関もある。こういう条件を含めて、最近川崎は人口がどんどん減っているものですから、工業がちょっと地盤沈下をもたらしているものですから、それを再生させるという意味を含めて、雇用政策という面でも、それから同時に、地域の産業に対するその効果の広がり、こういうことを含めて共同でひとつ研究をしようということで、いま野村総研の仕事が始まっているのです。 これはいまのテクノポリスというところから見ると、ある程度自力でやっていかざるを得ないだろうという判断にならざるを得ないのですが、これはやはり国としても、飛行場は近いし、交通の便もいいし、いろいろな条件で川崎をお選びになったんだろうと思うし、川崎もそれを受けとめたんだろうと思うのです。 そこでちょっと伺っておきたいのですが、大臣、地方自治体が積極的にそういう取り組みをするということについて積極的な賛意をいただきたいのですが、その点はいかがでしょう。
○田中(六)国務大臣 人間で言えば人工透析といいますか、血の入れかえが必要である場合はどこでもあると思うのです。 テクノポリスそのものが地方分散というふうに考えることが正しいのかどうか、私は疑問に思っておりまして、これはやはり川崎市という特定をすることはどうかと思いますけれども、いずれにしても、都市の中、そこに血の入れかえをして、いまマイコンシティーですか、そういうようなことは私は非常にいいことでないかと思いますし、自然発生的にいろいろな条件が備わってそれが生まれたと思います。したがって、そういう自然発生的なものが、しかも先端産業、複合産業と言われている中に生まれたということは、これを育成するという観点に焦点を合わせることがやはり先決じゃないかと思いますので、いろいろな地方に分散、定住させるというようなこともありますけれども、私は、都市と地方、地方と都市というようなことは、やはり相互にいろいろ交流していくことが日本全体の将来のためにいいんじゃないかと思って、むしろいいヒントを与えてくださっているんじゃないかという気もしております。
○岩垂分科員 この工業会というのは、いまのところはまだ四十そこそこなんです。もちろん賛助会員で大企業も入っておりますけれども、どっちかと言えば、新技術を生み出すための一種のスピンオフという体制でつくっていく技術者が中心になった小さい企業なんです。だから、少ないところは五、六人みたいなところもありますし、もっと大きなところもございます。中小企業が自力でそういうことをやっていくということのためには大変いろいろ困難が伴います。問題はやはり資金的な問題が一つのポイントだろうと思います。 その点で、中小企業金融公庫などの金融措置について通産省から御通達を願っていることなども承っておりますが、私はできれば、やはりできるだけ長期で、できるだけ低利で、そうしてそういう企業がいわば国策に沿って対応できるようなそういう便宜というものを供与すべきではないかと思うわけで、その点で中小企業事業団の金融措置というものは、この事業、これは大体同じ産業に属するわけですけれども、御考慮いただけるかどうか、その点御答弁をいただきたいと思います。
○児玉政府委員 結論から申し上げますと、具体的なマイコンシティー構想ができまして、そして計画が上がってまいりますと、私どもはそれを検討することが可能でございます。と申しますのは、高度化事業自身が集団化あるいは共同化等の中小企業の構造の高度化ということでございますけれども、これにはやはり都道府県の資金というものが入りますので、都道府県のそういった構想についての賛意というのが当然必要になってまいります。国の与えられました条件と都道府県の考え方とが合致いたしまして、そこをバックにいたしまして業界が自主的にそういった条件を整備いたしまして具体的計画を持ってまいりました場合には十分これを検討したい、このように考えております。
○岩垂分科員 私、お願いできれば、マイコンシティーという形を対象にしたその枠組みの中での金融措置をとってほしいのですが、それはなかなか簡単でないとすれば、たとえば共同施設、展示場であるとか会議場であるとか研究室であるとか、あるいはそこに働く人たちの宿舎であるとか、そういうものももちろん融資の対象になるというふうに考えてよろしゅうございますね。
○児玉政府委員 若干細かくなりますが、たとえば会議室あるいは付随いたします従業員宿舎あるいは展示場、こういった細かいものも対象になります。
○岩垂分科員 最後に、これは大臣にお願いしたいのですが、神奈川県は調整区域のそういう場合の解除の条件として二十ヘクタールというめどを決めたんです。ところが、二十ヘクタールというのは大変広い面積なんです。だから、いろんなことを考えなければならぬと思っております。県の方もこれは積極的に受けとめようと、この間も長洲さんともお話をしましたが、それはそれとして、やはり中小企業だけでなしに大手の関係も含めて、そういう広い日本型シリコンヒルを何としてもつくっていきたい、こんなふうに思いますので、大臣もぜひいろんな意味で口をきいていただいたり御指導をいただきたいと思いますし、この工業会の代表と一遍会っていただきたい、そしていろいろ陳情を承っていただきたいと思うのですが、その点いかがですか。
○田中(六)国務大臣 岩垂さんの御意見ですし、日ごろから払いつも非常に新しい御意見を聞いておりますし、そういう人たちともできるだけ早くお会いして十分話を聞いて検討してみたいと思います。
○岩垂分科員 ありがとうございました。以上で終わります。
○武藤主査 これにて岩垂寿喜男君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢和秋君。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕
○小沢(和)分科員 私は、中小企業、とりわけ下請問題でお尋ねをしたいと思います。 中小企業は日本経済の中で非常に大きな役割りを果たしているわけですけれども、実際には大企業からいろんな面で圧迫を受けることが多いわけであります。とりわけ下請企業という立場に置かれている企業がそういうことが言えると思うのです。私の地元である北九州は、御存じのように、新日鉄とか三菱化成などの域下町と言われているところでありますけれども、こういうような企業を頂点にして下請系列化というのが非常に進んでおりまして、こういうような大きな企業などからのいろんな仕打ちをめぐって私どもにも訴えが多いわけであります。私はこの下請に対する保護をもっと強力にやっていただきたいという立場から若干質問をいたしたいと思うのです。 最初にお尋ねしたいのは、こういう下請中小企業などに対する大企業などのやり方についての問題をどうやって発見して解決しているかということなんですけれども、私がこの前お伺いをしたのでは、まず書面で調査をする、その調査の結果、問題があるところには立ち入ったりしてさらに詳しく調べるというようなことをお伺いしたわけです。ところが、その件数が今年度あたりは七万件。つまりトップクラスからかなり中小生言えるようなところまで全部同じように書面を出して調査をしておる。私はこれでは労が多くて効が少ないんじゃないかと思うのですよ。やはり問題は、日本でもトップクラスであるような大企業のこういう下請企業などに対する対処の仕方を正させる、このことが全体を正していく一番のかなめになるんじゃないかと思うのですね。そういうようなもっと重点的なやり方をとる必要があるのではないか。特にこういうような企業に対して随時皆さんの方が立ち入って検査をやったりしていただくということによって問題の発見に努めて指導していただく必要があるのではないかというように考えるのですが、この点いかがでしょうか。
○児玉政府委員 いま御指摘の点は一つの考え方だというふうに考えられますが、私どもはやはりできるだけ広くそういった事例に対する監督を厳正にやっていきたいということでございまして、いま申されましたように模範的なものあるいは一番大口のものについてだけ集中的にやったらということでございますけれども、法の厳正な適用ということになりますと、やはり法の前の平等という問題もございまして、あるものに厳しくそれからあるものについては一応手薄というわけにもまいりませんので、現段階ではできるだけ広くということで、通産省の場合で申しますと四万件ということでやっておるわけでございます。
○小沢(和)分科員 私ももちろんそこだけをやれと言っているのではありませんけれども、そういうようなまんべんなくというやり方は、結局のところ日本経済全体を動かすかなめをなしている大企業に対してもっと集中的に指導をして全体に及ぼすというような効率的な発想の妨げになっているんじゃないかというように考えるわけです。 その点でもう一歩進んでお尋ねしますが、この立入検査などはいま書面などで問題があったところに限ってやっているように伺ったように思いますけれども、そうではなくて、もっとそういう非常に影響力の大きいようなところに重点的に随時検査というようなことで立ち入るというようなことはお考えにならないということでしょうか。
○児玉政府委員 立入検査権はもちろんあるわけでございますが、やはり立入検査をいたしますときの一つの契機というのがございまして、これは一般調査をしました結果若干の非違事項の疑いがあるというものについて立入検査をするということに現在いたしております。 これは、考え方といたしましては、先生御指摘のように、あるきわめて超ビッグクラスについて抜き打ち的にという方法もあろうかと思いますけれども、全体として見まして、一番大きいところだけやればいいというものでもございませんし、また一番大きいところが特に何と申しましょうか、違反事例が発生しやすい――むしろその辺は若干逆でございまして、大きいものについて、相当名のあるものについては実は余り非違事項がございません。したがいまして、私どもとしてはできるだけまんべんなく数多くやる。ただ、その中である程度の傾斜をつけると申しましょうか、非常に細かい調査について若干大口のものだけをピックアップいたしましてそれについてやるということは今後考えていきたいとは思っておりますけれども、基本的な調査につきまして、あるいは基本的な立入検査につきましては、やはりいま申し上げましたようなステップを踏みまして着実に施行する、このように考えております。
○小沢(和)分科員 名があるところはむしろ守っているという認識は実態と違うと私は思うのですが、この点はまた後で議論したいと思うのです。 先日、この「下請中小企業のために」というパンフレットをいただきました。私これを読んでみたのですが、この中に「あなたの企業名を出さずに、親事業者を取締まることが可能ですので、」いろいろ問題が起こったときには、泣き寝入りなどしないで申し出てくださいということが書いてあります。私は、これは大変りっぱなことだと思うのですが、実際には末端の人たちは、いよいよ行政に駆け込むというような場合はもうその取引は棒に振るというような覚悟ができたときでないと行かれぬ、こういうふうに思い込んでいるんですね。だからここで、そういう人たちに安心してもらう意味でお尋ねしたいのですが、こういうような、秘密は守りますからというのは、どういう点で保障されているでしょうか。
○児玉政府委員 もちろん余り具体的にこうだということを申し上げることが適当かどうかの問題はございますが、迷惑をかけないようにやる、役所がそういう方針を立てましてやる以上は、迷惑をかけないということは信頼していただいて結構でございます。
○小沢(和)分科員 次に、建設省にお尋ねをしたいと思うのです。 私がいろいろ聞いたり知ったりしているところでは、下請の中でも、とりわけ建設業の関係についていろいろと問題を聞くわけであります。特にその関係の保護行政を強めていただかなければならないと思うのですけれども、実際には法的な仕組みなどを見てみても、実態を見ても、中小企業庁などがやっているものに比べても大幅におくれているのじゃないかと思うのです。私は、建設業法がその保護立法に当たるというふうに聞いたので、それも見てみたのですけれども、たとえば十八条などを見ると、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、」こういう文言になっております。そしてトラブルが起こった場合には、中央と各県に建設工事紛争審査会というのがあってそこで処理する、こういう仕組みになっているようなのですけれども、下請と親企業が一体対等な立場で契約ができるのかどうか。そしてまた、紛争審査会というものがあるからということで、行政が積極的にこういうような問題にタッチする姿勢が逆に消極的になるというような結果が起こらないかと私は心配するわけですけれども、建設省としては、こういうような考え方、また機構で、いまの中小企業庁並みあるいはそれ以上の対策を十分打てているというふうにお考えなのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○北村説明員 お答え申し上げます。 建設業関係の下請指導につきましては、昭和五十二年の十一月に策定いたしました元請・下請関係合理化指導要綱によりまして厳正にその指導を行っているところでございます。また、先輩格の通産省の中小企業庁さんには、私ども近ごろ特に密接な連絡をとりまして、下請保護の仕方につきましても、それぞれその横の連絡を厳正にとりながら指導に努めているところでございます。 また、元請、下請の紛争処理でございますけれども、ただいまお話に出ました建設業法に基づきます紛争処理機関があるわけでございます。中央には中央建設工事紛争審査会、それから各四十七都道府県にそれぞれの建設工事紛争審査会がございまして、あっせん、調停または仲裁等の業務を行っておるわけでございます。そのほか、随時私どもにおきまして、その所管行政によります元請、下請も含めました紛争がございます。それにつきまして相談業務を行っているわけでございまして、この辺につきましても、特に地方の方々が私ども中央まで参りましてお話しいただくのも大変でございますので、都道府県の相談業務を強化するという方向で、近ごろ特に力を入れて指導してまいっておるところでございます。
○小沢(和)分科員 最近中小企業庁にならって、いわゆる書面でそれぞれの建設業者がどういうような請負の仕事をやっているかというような実態の調査をしたというふうに聞くのですけれども、これが去年の九月にはまとまったという話ですけれども、その後それに基づいてどういうような活動をしているか。中小企業庁などがやっているような立ち入りの検査などは、それに基づいて何件中何件ぐらいそういうような事例があってやったかというようなこともちょっとお尋ねしたいと思います。
○北村説明員 私どもでやっております調査は、下請代金の支払いの適正化の調査と、それから特定建設業者、これは一千万以上の下請業者を使います、下請工事の発注をいたします業者でございます。これにつきましてその契約の実態それから下請代金の支払いの手形、現金の比率等を調査いたしまして、現在のところ、その調査結果に基づきまして書面による指導を行っている段階でございまして、まだ立入調査の段階までは至っておりません。
○小沢(和)分科員 そうすると、それは問題があるところをまだ発見していない、つまり何も問題がなかったという意味じゃなくて、問題のあるところはいろいろわかったけれども、それについて書面でやっている、こういう意味のようですね。
○北村説明員 そのとおりでございます。
○小沢(和)分科員 それから、いろいろ私の地元などでも話を聞くわけですけれども、さあそれを持ち込もうということになると、私が聞いているところでは、その窓口というのは、中央の建設省の本省の方にしかないということで、解決は非常にうまくいかないということが多いわけですけれども、実際にそうなっておりますか。
○北村説明員 正式な紛争処理を法的に解決する手段といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、四十七都道府県にもその紛争審査会というのがございますが……
○小沢(和)分科員 そうじゃない。行政の話……。
○北村説明員 失礼いたしました。そのほか行政側の対応といたしましても、各都道府県におきまして、それぞれ建設業担当の窓口がございまして、そちらの方で具体的な相談にはあずかっております。ただ、具体的な事例といたしまして、建設大臣の許可業者、それから都道府県知事の許可業者、この双方があるわけであります。元請につきまして、建設大臣の許可業者である場合には、私ども建設省以外に相談に来れないというような誤解も一部ございますが、私どもといたしましては、都道府県の方も指導いたしまして、たとえ相手方が建設大臣の許可業者であっても、都道府県において第一次的な指導を行い、それについて具体的な、たとえばその処理方針について御相談があれば、電話等で私どもに御相談をいただき、具体的な処理方針を御指導するというような形で処理しているわけでございます。
○小沢(和)分科員 それでは、ごく具体的なケースを一件出してお尋ねをしたいと思うのです。 私のところに、北九州市の隣にあります中間の小岳電気という業者から訴えが寄せられております。これによりますと、小岳電気というのは、日鉄電設という、これは新日鉄が一〇〇%出資をしている、この北九州ではきわめて有力な企業ですけれども、この日鉄電設から電源社という会社が受けたものを、また伊藤電気という会社が受けて、それを結局小岳電気が受けたという、いわばひ孫請に当たる企業なんですね。ここの会社が伊藤電気から仕事を、新日鉄構内の電源工事を請け負って、そして昭和五十二年の末にその工事をやって、代金七十六万九千七百五十円を請求しましたけれども、伊藤電気がどうも支払わない。それで調べてみたら、どうも危ないらしいというので、その一つ上の電源社には、かつてひっかけられたことがあるというので、直接親会社に行こうといって日鉄電設に、私のところが工事をやったのだから直接払ってくれませんか、こういって話を持っていった。ところが、いやうちは電源社に払うからといって追い帰されてしまった。ところが案の定、心配しておったとおり伊藤電気は蒸発してしまうし、電源社というものも倒産したということになってしまった。そこでまた、うちはいまだにもらってませんがと言っていったけれども、いやうちは電源社に払ったということで追い帰されてしまった。そうこうしているうちにもう一年以上たって、五十四年になって福岡県に相談に行ったけれども、日鉄電設というのは大臣の許可業者ですからというようなこともあってらちが明かぬ。そこで今度は五十五年に至っていよいよ建設省に話を持っていってみたけれども、これもうやむや。結局この七十六万円余りのお金はいまだに受け取ることができないでいるわけです。こういう曽孫請みたいなところが労賃、これはもう純然たる労賃ですね、それをもう三年以上もたっていまだにもらえていない。これは余りにひどいケースじゃないかと思うのですね。私は、建設業法の四十一条二項というのはまさにこういうような事態のときに発動して、払ってやりなさい、立てかえてやりなさいという指導が国なり県なりによって行われなければならないのではないかと思うのです。国にも話が去年来だというのに、あるいはおととしは県から国の方にどうしましょうかという相談もあったというふうに私は調べて聞いているのですけれども、何でその段階でそういうような手が打たれずに追い帰されて今日に至るというような状況になったのか。私はこれは余りにひどいケースじゃないかと思うのです。その点どういう経過が、またこういう事件についてはこれからどう処理をなさるか、お尋ねをしたいと思います。
○北村説明員 ただいまお尋ねの具体的事例につきましては、ほぼ元請、下請関係は先生の御質問のとおりでございまして、私ども、実は五十四年十二月にそのお話のあった時点では、お知り合いの方から間接的にこういうふうな話があるがというお話でございましたので、対応いたしました担当の者が余りに事例が古くてこれから調べることは困難であるがというようなことで応対したようでございます。ただ、その後ほかの方でもう一度調べ直して御連絡があるかということで待っておったわけでございますが、その後今回初めて再度お話があったということでございますので、今後具体的に地元の県と相談しながら、当事者の方から直接お話をお聞きいたしまして、円満解決の方向で対処してまいりたいと存じます。
○小沢(和)分科員 先ほど私がちょっと触れましたように、建設省の本省だけがこういうようなものの処理権限を持っているというようなことで、中央に来なさいなんというような指導をしてもらったのでは困りますから、これはあくまでそういう零細な業者に対する実態に即した指導、援助をしてやっていただきたいということをもう一言申し上げておきます。 それからこれと関連するのですけれども、手形の支払いの中身が大変悪いというようなことで業者が泣かされているということも私はしばしば聞くのです。いま私は日鉄電設という名前を挙げましたけれども、この日鉄電設は、別の業者からは、これもほとんど労賃なんだけれども三〇%、手形をもらう。しかもその手形は七カ月の手形だ。それで、この手形をもらうまでにすでに二カ月たっているわけですから、合わせると九カ月。いわゆる台風手形というのはこのことじゃないかと思うのですけれども、こういうような手形をもらっている。それで、第一次石油ショックのころからずっと、景気がよくても改善はしてもらえない、悪くなったときは悪いからといって延ばす。だから結局ずっと見てみると、この期間ずっと悪くなっておる、こういうような実態だというような訴えも寄せられておりますし、また、別の岡崎工業という、これは新日鉄の下請関係では最大手じゃないかと私、承知をしておる下請ですけれども、ここでは五〇%が手形で支払われて、そして期間は百五十日、五カ月だというふうにも聞いておる。そうすると、これはあなた方の立場で見ても、百二十日以上の手形というのは割引が困難な手形ということで、そういう手形を出してはならないということになっておる点から見ても、これは指導していただかなければならないものじゃないですか。先ほど中小企業庁の側は、名があるところはむしろ守っておるというふうに言われたのですが、いま私が名前を挙げたほかにもいろいろ来ておるのですが、この岡崎とか、また日鉄電設とかいうのは北九州ではまさに名があるところです。トップクラスです。そういうところがこういう状態なんですね。特に私は、労賃に当たる分は現金で支払うのが当然じゃないかと思うのです。なぜなら手形では賃金は払えないのですから。そうすると割ってもらわなければいけない。そうすると割引はどうなのかといって私が聞いてみたら、一番有利なところでも八・七五%、普通大体一〇%くらいは引かれるというのですね。そうしたらそういう零細な業者がまたそれだけ割引でかぶらされて、そしてこういう長期の手形をつかまされる。これは余りにもひどいじゃないでしょうか。こういう点についても実態を調べて改善していただきたい。私が名前を挙げたのはごく氷山の一角なんですが、いかがでしょうか。
○北村説明員 下請代金支払いの適正化については特に力を注いで指導しているところでございまして、先ほど申し上げました特定建設業者、これは主に一千万以上の工事につきまして下請を発注する大手の業者でございます。これにつきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、直接私どもで取り調べまして書面による改善指導を行っているわけでございますが、必要とあらば、内容によりまして直接私ども県を通ずるなり私ども直接なり改善の指導を行ってまいりたいと存じます。
○小沢(和)分科員 だから、私は指導していただきたいと言って具体的な事例を挙げておるのですから、ぜひ調査をして改善さしていただきたいと思うのです。 もう一点通産省側に、今度は各地に大スーパーが進出をしておる問題でお尋ねをしたいと思います。 北九州でも大スーパーの進出が相次いで、地元の商店街などが非常に大きな打撃を受ける事態が続出をしております。私のごく地元であります黒崎、この辺で言えば副都心の新宿にも当たるようなところだろうと思うのですが、ここにも一昨年そごうとジャスコが同居する大変な大型店が進出をした。このためにあの地元の商店街は売り上げが三割も減り、店が少なくともいままでに二十はつぶれたと私は聞いておるわけです。通産局やら地元の市などは、いやこういう大型店が来ると商圏が広がるから地元にもむしろ有利ですよなどと言ってこれを推進したわけですけれども、現実はこういう状態で、私は大スーパーの進出からもっと地元の業者を保護するような立場に立っての法の運用をやっていただかなければならないと思うのです。ところが現実には、大店法が五十四年五月に改正をされてから、かえって調整の期間などを非常に窮屈にして、事実上八カ月ですか、たったらもう見切り発車をしていくようにいま運用がなされておるような状態で、これは大変遺憾に思うのです。 きょう私が特にお尋ねをしたいと思うのは、この調整機能をさらに後退させるような通達がおととしの十月一日に通産省の大規模小売店舗調整官の名前で出されておるのではないかということなんです。この通達を見ますと、地方自治体などがその地域の健全な発展のためにいわゆる市街地再開発事業などをやって建築をしようとする場合には、そういうようなものについては調整する場合にも配慮しなければならないということを書いているわけですね。しかし、配慮するというのは一体どういうことになるのか。結局こういうような再開発事業というもので、そこに入居するような業者が最初にここで何平米ということが決まったら、それがもう調整するに当たっては一つの既得権みたいになって認められていくというようなことが配慮の内容であるとすれば、私は本当に大変なことになるんじゃないかと思うのですよ。この配慮という意味がどういう意味なのか、お尋ねしたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のような通達が五十四年十月に発せられております。先生ただいま御指摘のように、再開発事業の円滑な遂行に配慮をするようという趣旨の通達でございまして、まさに御指摘のようにこの法律は大規模店舗と周辺の中小小売業との調整を行う法律でございますから、その大規模店舗がどういうビルに入るとか、あるいはその店舗の設置者がだれであるかというようなことは、この法律の調整に当たって調整の内容に影響するような形で配慮されるべきものではない。これは法律の解釈から当然出てくると思います。 ただ、御承知のように、市街地再開発事業というものも非常にむずかしい状況のもとで公益的な目的を有しながら市街地のまさに再開発のために行われる事業でございますので、そういう事業に関しましては、その再開発事業の進行状況といったようなものを一応配慮しながら、たとえば商調協の審議等も、非常に俗なたとえで申し上げれば、いろいろな進行スケジュール等で可能な場合にはひとつ詰めて審議をするとかいうような形で配慮できる範囲内において配慮をして、双方の公的な事業ないし法の執行というのが余りぎくしゃくいかないようにしよう、しかしそのこと自体が中に入る大店舗と周辺の小売業との調整そのものに影響し、作用するような形で配慮することまでこの通達が期待し、予期しているものではございません。
○小沢(和)分科員 時間が来たようですからこれで締めくくりたいと思うのですが、北九州では小倉の駅前にそごうが進出するという計画がいま大きな問題になっているのですが、これがまさに市街地再開発の方式でやられようとしている。市の方もそこを再開発地域に指定もしているわけです。だから、この通達では地方自治体等と書いてありますけれども、実際に再開発組合がその主体になることが多いのですけれども、そごうの場合にはそこに土地も持っていますから、再開発組合の一員としてそれを推進するという立場にも立つわけです。 こういうようなことで、そごうを中心に推進された再開発ビル、それがもう都計審などでオーケーということになって、建ち始めてしまって、そして調整段階に入ったときに、もうビルが建ちつつあるからというようなことでそれを既得権扱いにしたのでは余りに不公平になる。いまあなたが、いやそういうようなことまでこの通達は言っていないというのだったら、私はむしろこういう通達を出したことによって無用な誤解を受けることになるのじゃないかと思うのです。あなた方の立場というのは、そういうビルが一方でどんどん建ちつつあったって調整は調整だから、そこで面積が削られてもしようがないという立場に立っているというのでしょう。それだったら、こんな通達を出したら、円滑な遂行に配慮というので、どうもそこいら辺、何か既得権扱いにさせやせぬか、こういうふうなあらぬ疑いをかけられる。そういう意味では私は、この通達は撤回した方がすっきりするのではないかと思うのですが、そういう意思はないか。なくても、しかしその点については十分保証するというのであれば、はっきりここで保証する考えだということをもう一遍お答え願いたい。
○神谷政府委員 市街地再開発事業以外にもいろいろ他の公的な配慮要件というものについて配慮するよう、また別途の面からの御要請もございます。私どもは法律の目的ないし法律の規定の範囲内でしか私どもの行政というものはできませんが、しかしその精神なり基本的な考え方を妨げない限度においては、そのような公的なものを念頭に置き、配慮しながら、その法自身も法の目的と法の精神に従って遂行していくということは行いたいと考えておりますので、そういう趣旨に御理解いただきたいと思いますし、私、調整内容そのものがそういうことで左右されることはないということは、この場ではっきり申し上げておきます。
○小沢(和)分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて小沢和秋君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森分科員 まず最初に大臣に伺いたいと思います。 先ほどの委員のお話でもございましたが、最近大型店舗の各都市への進出が非常に目立っております。ある新聞社の調査によりますと、全国の六百四十六都市を対象に大型店舗の実態調査をしたところ、店舗面積は過去七カ年間に七四%も急増したとされております。そのために狭い商圏の中でのパイの奪い合いが激化するということで、地域の中小商業との間に非常に摩擦、紛争が絶えないという状況が起こっているわけであります。全国平均で三割、場所によっては八割近いシェアに大型店がなっているわけでありますが、小売業全体の店舗面積も七年間で三〇%増加したと言われておりますが、この間の勤労者の実質所得というのは、たとえばことしはほぼ一%減ですが、七年間で一〇%弱ぐらいの伸びにしかすぎません。そこで、こういうような小売店舗の増大、特にその中での大型店舗の増大というのは、そのままに放置できない問題であるというように思いますが、通産行政として大臣はどういうように考えておられますか。
○神谷政府委員 大規模店舗につきましては、いわゆる消費者のワン・ストップ・ショッピングに対する要請その他消費者ニーズの多様化等を反映いたしまして、御指摘のように大型店の占有率も逐次上がってきておることは事実でございます。また、現実に三条届け出等の状況を見ましても、近年かなり高い届け出件数になっておることは事実でございます。私どもこういう状況を念頭に置きながら、大規模店舗法に基づいての調整を進めて、大規模店舗と中小小売業との摩擦、そういうものをできるだけ回避しながら流通の合理化と営業の自由を確保し、維持していきたいというふうに考えておるわけでございます。もちろん大店法の調整に当たりましては、個々の案件ごとに中小小売業者に与える影響の度合いを勘案しながら調整を行うというのが法のたてまえでございますし、筋道でございますが、しかし全体として大型店がどのようにふえておるかというようなことは、やはり審議会の委員の先生方あるいは商調協の皆様方にも情報としては十分提供しながら、念頭に置いていただきながら調整を進め、全体としてできるだけ円滑に、しかも他の目的も達成しながら進めてまいりたいと考えております。
○正森分科員 大臣、むずかしく考えないで、政治家として答えてもらったらいいのですがね、役人だけに答えさせるのではなしに。たとえば造船業界が非常に不況だったときに、わざわざ特定不況産業安定のための特別措置法をつくって、三五%設備をばっとなくすのに国が非常に援助をしたのですね。それぐらい一つの基幹産業については国の努力で設備を減らすということまでやっているわけです。ところが、小売業というのは、わが国の業者の中でも中小企業が圧倒的にふえている。その商圏というのは、そういう方が明治以来営々として開拓したわけですね、そこへ近年になってから、すでに開拓された商圏の中へ大規模店舗が殴り込んできて、そしてわずか七年間に七十何%も店舗面積を拡大する。そのために倒産も出るというような場合に、いまあるものを国が金をかけてつぶしてしまうというようなことはできないにしても、これをどういうぐあいに認めていくかという点については、中小企業を守るという立場から、現在は届け出制ですけれども、大規模店舗法になる前には許可制だったわけですから、許可制に変えることも含めて、もしそれが早急に変えられないなら、商調協での協議等について一定の厳しい話し合い義務を課するというような、そういうことが政治的に必要だと思うのですね。いかがですか。
○田中(六)国務大臣 いま中小企業、中堅企業の人数は、日本では三千四百二十九万人ぐらいいますが、この中に、そういう大店舗と関係のある中小企業の店舗がかなりあります。したがって、私は、大きな鯨と小さなイワシが併存して海の中を泳ぐというようなことを理想としておりまして、中小企業の育成発展ということは、たとえば私どもいま経済成長率を五・三%と予測しておるのですが、その大半を背負っておるわけです。したがって、大事にしなければいかぬと思いますし、私自身、中小企業者の問題については大きな関心を持って通産大臣を当初からやっておるわけでございます。大店舗とそういう小規模の店舗との分野調整法とかいろいろございますけれども、長い伝統を持ち、しかも日本の中産階級が安定しているから、日本のあらゆる社会あるいは経済が安定しているということでございますし、そういう観点から、私は、かつて外国にも、日本の中小企業者を見てくれ、あるいはそういうシステムをとったらどうかとASEAN諸国にも実は宣伝しているようなぐあいでございますので、この育成強化ということには、私自身強い頭を持っておりますので、そういうそごのないように、大店法は届け出制を許可制にしろということでございますけれども、日本の活力というのは、やはりそういう民間企業が自由に濶達に創意工夫を持っていくということにあるわけでございまして、非常にむずかしいことだなという気持ちを持っておりますが、やはりこの争いあるいは競合というものを円満に解決するには何かの方法はあるまいかという気持ちではおります。
○正森分科員 いまの答弁を聞いておりますと、初めは非常によく、真ん中は悪くて、終わりの方はやや望みありというようなむずかしい答弁でありますが、後は時間の許す範囲で、具体例を挙げながら聞いていきたいと思っております。 警察庁、来ていますか。ほかの委員会に行かなければいけないそうですから、話の順番としたら後の方がいいのですけれども、先に聞いておきます。 私がこれから聞きます事例では、大型スーパーが進出する隣に小学校があるのです。それで、その地域で非常に問題になっておりますのは、スーパーが進出しますとどうしても万引き事例がふえるということで、教育関係で非常に心配しているのですが、私が入手しました五十四年四月作成の「少年による万引事犯の実態」という防犯部少年課の資料があるわけです。お手元に行っていると思いますが、これはどの当局が作成されたのですか。
○石瀬説明員 大阪府警察本部防犯部が作成した資料でございます。
○正森分科員 それでは時間の関係で、私がこの中の要点を述べますから、間違いないかどうか答えてください。 これで見ますと、万引き被疑者のうち、少年が六二%から六八%を占めるということが出ていますが、間違いありませんか。
○石瀬説明員 大阪の資料でございますが、そのとおりでございます。全国的には若干違うと思いますけれども、おおむねそういう趨勢でございます。
○正森分科員 万引き事犯の一般的傾向を見ますと、学生生徒が大部分を占めておる。それで中学生、高校生が八〇%近くを占め、非常に憂うべきことには、小学生もほぼ一〇%を占めているということですが、それも間違いありませんか。
○石瀬説明員 大阪につきましては、そのとおりでございます。
○正森分科員 いずれも大阪の例ですが、その犯行場所を見ますと、スーパーマーケットが大体六〇%台を占めておる。五十三年では六七%を占めており、かつ、各年とも九〇%が非行歴のない初犯少年によって占められているということは事実ですか。
○石瀬説明員 大阪につきましては、御指摘のとおりでございます。
○正森分科員 そのほか、犯行時間を見ますと、大阪では十四時から十八時の間、つまり学校がひけた後と思われる時間が全体の六八%と非常に多い。また、学校が休みであると思われる週末から日曜日にかけての犯行は、平日の二倍近くの発生を見ているということは事実ですか。
○石瀬説明員 大阪につきましては、御指摘のとおりでございます。
○正森分科員 それから、主な盗品を見ますと、大阪では衣料品が最も多くて五七・六%。そして犯行の形態を見ますと、大人のすりとか万引きというのは大体一人でやるものですが、子供は大体二人、三人と集まってやるのが多いと言われているのですが、大阪の例を見ますと、二人以上の犯行によるものが多くて、全体の六〇%近くを占めているというのは事実ですか。
○石瀬説明員 大阪につきましては御指摘のとおりでございますが、二人以上の共犯によるものというのが大体五割強というところではないかと思います。ちょっと六割まではいってないような感じでございます。
○正森分科員 ここの説明には、「六〇%近くを占めている。」と書いてあるよ。
○石瀬説明員 昭和五十二年中の状況で見ます限り五一・九%、五十四年中については五一・八%ということで、五〇%をちょっと上回るという程度であろうと思います。
○正森分科員 そういうことで、文部省、来ていますか。文部省も帰ってもらわなければいかぬかもしらぬから聞きますが、そういうようにスーパーが小学校のすぐ隣へ進出してくる、あるいは中学校のすぐ隣へ進出してくるということは、いま言ったような事情から言って余り好ましい状況とは言えないのじゃないですか。これはほかの委員会でも質問があったようですが。
○垂木説明員 ただいま正森委員がいろいろな数字を挙げられまして、児童生徒がスーパーマーケットなどで非常に犯罪を犯しておるのではなかろうか、こういう御指摘がございました。私たちの方も、最近の児童生徒の非行の状況を見ますと御指摘のとおりの状況でございまして、非常に心配をいたしておるわけでございます。スーパーマーケットなどにつきましては、商品の陳列の形態などから見まして子供たちに万引きを行わせるような誘惑が多いのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。そこで、学校の近くにスーパーマーケットなどが進出開店いたしますことにつきましては、一般的に申しますと、やはり静かな教育環境が害されるという面があるかと思いますし、あるいは児童生徒に対しましていろいろ犯罪を犯すような誘因になるというようなことも予想されますので、望ましいとは言えないと思うのでございます。しかし他面では、やはりスーパーマーケットはそれなりに国民の日常生活に対しまして役割りを果たしておるのではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございまして、そこでスーパーマーケットの設置などにつきましては、それぞれ個々の事例につきまして御判断いただくことになろうかと思いますけれども、教育委員会あるいは関係の行政機関とか、あるいは設置者とか地元の住民などがいろいろ御協議いただきまして、学校教育を行うのにふさわしいような環境が確保されるように取り計らってもらいたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○正森分科員 犯行とか非行はみずからの修養努力によって起こさないということが基本でありまして、もしそういうものがあるから犯行が起こるんだということになれば、世の中に財物がなければ窃盗は起こらぬという議論にもつながるわけですから、もちろんそういう極端な議論はできませんけれども、しかし特に小学生等低学年の場合にはわざわざ繁華街まで出かけていって万引きをするということは非常に少ないので、学校の隣にあれば帰るときにいやおうなしにその前を通らなければならぬ、しかも監視の店員もいないということになりますと、やはり機会が非常に増大するということは正直言って言えると思うのですね。そのためにみすみす補導少年をつくるというようなことは避けるべきであると私どもは思うわけであります。 そこでもう一度通産省に伺いますが、私がいま申し上げた事例は大阪の港区の事例でありますが、その港区では、いま大規模な店舗が進出し過ぎる、面積が大きくなり過ぎるというのとも関係するのですが、道を隔てて五十メートルの近距離に長崎屋という衣料を中心とするスーパーと、それからライフという食料を中心にするスーパーとが同時に出店する。その出店面積がまた非常に大きいという問題なんです。しかも、そういうのができますと、非常に販売の数量をとられるわけですが、この二つは、出店の前から、お互いにあいつらに負けるかというので競い合っていて、それで長崎屋というのは衣料が主なんで、ライフに衣料の点では負けるか、こう言っておりますし、ライフの方はライフの方で、おれのところは食料が中心で、食料に関する限りは長崎屋に負けるかというので、出店前からけんかして、近所でいろんなうわさになっているのです。こういうのが二つも同時に進出してお互いにそれぞれ得意な商品を、おとり商品といったらいけませんが、目玉商品にして、それで自分の不得意の方へもそれぞれ進出していくということになりますと、近隣のこれまでの中小商店の受ける損害というのは非常に大きいのですね。特に出店の衣料関係の面積を見ますと、港区のいままでの衣料品店の全部の面積を合わせたよりも今度の二社での面積規模というのは大きいということになっているのですね。これは大変なことである、こう思われるわけです。そして土地の商業団体の協議会が調べたところでは、両社は自分のところが出店しても年間販売量に占める割合は少ないと言っておるのですが、全国的なスーパーの平米当たりの売上高で計算しますと、この港区の年間販売高の大体四分の一を超える販売を占めるであろうというように考えられているわけですね。どんな店でも四分の一も商売をとられてしまいますと、平均ですから、ずいぶん遠いところまであるのですから、近くのところではもう三〇、四〇という被害を受けるおそれがある。特にこの港区というところは三万を海に囲まれておりまして通り抜けが大体できないわけですから、皆その区域内の販売高を奪われるという可能性が非常に強いわけで、そういうような場合には商調協で言う平均八カ月というようなものにとらわれないで、十分に地元の納得を得るまで論議を尽くすべきであるし、それから店舗面積についても、当事者は二割とか三割までならカットしてもいいと言っているようですが、そういうものにとらわれずに、地元の中小企業の公正な競争の機会を確保し得るような、そういう指導をすべきではないかと私は思いますが、通産省、いかがですか。
○神谷政府委員 御指摘の港区内に第一種大型店舗と第二種大型店舗が対面して立地する計画があり、現在事前商調協において審議が行われておるということは承知をいたしております。商調協の審議の中間的な内容も、先生の御指摘もございましたので、私どもの方では若干入手はいたしておりますが、結審する前に私がこういうところで、ここはこういう地区でございますのでということを申し上げるのは適当でないと思いますから控えさせていただきますが、商調協におきましては、商圏がどうなっておるか、商業人口の流出入がどのようになっておるか、周辺にどのような小売業があり、それにどういう影響を与えるかという点をできるだけ共通のベースに立って議論をしていただくことがやはり望ましいというふうに考えております。しかし、すべての点で見解が一致するとは限りませんので、できるだけ議論を尽くして、ある段階になりましたならば、五条の届け出その他で、大店法の手続に従ってやはり進めていただきたい。しかし、その過程におきましても、地元で納得が得られることが私どもとしては最も望ましいと考えておりますので、そのように商調協の運営を指導してまいりたいと考えますが、不幸にして意見が一致しない場合にはそれまでの議論の結果を、これは多数の意見であるとか少数の意見であるとかいうことではなくして、どういう立場の方々がどういう御意見を持っておられ、どういう主張をされておるかというのを大規模小売店舗審議会において公正に判断をしていただくようにいたしたいと考えております。その過程で八カ月ルールというものを一応私どもとしては指導指針ということで御指摘のように指示いたしておりますが、これはいつまでたってもめどもつかずに長引いておりますと、かえって地元にいろいろなトラブルを起こしかねないということもございますので、全国の平均としては大体このくらいでこういう審議を行えば八カ月で一応の審議はできるのだ、そこで意見が合わない場合には一応五条の届け出でさらに手続を進めていただきたい、その後も、通常でございましたら二カ月間の審議期間がございますし、延長も可能でございますので、正式商調協を勘案するともう少し長くなりますので、それをめどにお願いをしたいと言っておるわけでございます。したがって、八カ月になったらもうやみくもに何でもやめてしまえ、こういうふうに申し上げておるわけではございませんし、八カ月じゃなくて幾らでもいいからやれともここではちょっと申し上げかねるというのが実情でございます。 本件につきましては、二月の下旬に結審の予定だというふうに聞いておりましたが、商調協でまださらに議論があるということでございますので、議論をもう少し詰めたいというふうに承知をいたしております。
○正森分科員 できるだけ当事者の了解が得られるような状態にして先へ進むようにぜひしていただきたいと思うのです。特にそのライフというのは、安売りなんかをやりますと、町なんかでは自転車がもういっぱい来るんですね。そして交通の妨げになるのですが、このスーパーというのは自転車置き場なんか全然考えていない。そしていよいよ許可されてから、前の小さな花壇でもつぶしてこしらえるというようなことを言っているのですが、隣に小学校があるようなところは、そういう態度ではやはりもってのほかだと思うんですね。先ほどは交通安全対策特別委員会で自転車置き場設置に関する法律もできましたし、それで、これもある新聞の社説に書いてあるんですが、大型店が中心となって地域商業全体の振興を図るとか、文化的施設や憩いの場を市民に開放するなど、地域社会との協調にもっと本腰を入れて取り組んではどうかという提言まであるんですね。それが、もうかりさえすればいい、自転車が何ぼ来ても自転車置き場もつくらぬ、横に小学校があって少々非行がふえても構わぬというような態度では、これは商売全体だけでなしに地域社会になかなか溶け込めないだろうということを申し上げておきたいと思います。 それで、長官も来ておられるようですから、エネルギー問題について、残された時間一言だけ伺います。 SRCII、石炭液化計画については各党の議員が質問しておられますので、私は一序論から始めませんが、二つだけ聞いておきたいと思います。大臣も御承知かもしれませんが、日米科学技術協力のために福田さんがカーターさんと会われまして、当時日本では非常に黒字だということもあっていろいろ話が出たわけですが、そのときの経緯を見ますと、これは政府からいただいた資料ですが、「米国は、SRC-IIプロジェクトへの日本の参加を強く希望。(日本が、SRC-IIプロジェクト不参加の場合は、日本の優先プロジェクトである核融合に米国も協力しないこと、及びSRC-II、プロジェクトについては、西独も加え、日・米・西独の三国共同プロジェクトとしたい旨を米国が表明。)」政府側の資料ではこうなっていますね。 そうしますと、今度アメリカ側は、御承知のように、エネルギー省ではやらないということを言ってきているわけで、公団でやるというように言っているんですか。そういうことになりますと、私がお伺いしたいのは、核融合との関係では、向こうがこれをやってくれたらこっちやりますよと言っているのを、肝心のSRCIIの方は、自分の方はエネルギー省のあれでやらない、こうなっているんでしょう。そうすると、その関連はどうなりますか。
○森山(信)政府委員 SRCIIプロジェクトにつきましては、ただいま先生から御指摘のございましたように、日米科学技術協力の一環としてやっておるわけでございまして、いまお話しの核融合とは直接の関係はないというふうに私どもは理解いたしております。そこで、いま御指摘のように、アメリカ側がSRCIIをやめたら核融合との関係はどうなるかという御質問でございますけれども、私どもはアメリカ側がやめるというふうには理解してないわけでございますので、引き続いてこの問題については日本側の主張を続けていく、こういう姿勢をとっておるわけでございます。
○正森分科員 アメリカがやめるとは理解してないと言いますけれども、合成燃料開発公社ですか、なんかに移行するというんでしょう。規模は必然的に縮小されるんじゃないですか。また肝心のガルフは、そういうぐあいになればおれのところは困るというようなことを言っておるわけでしょう。西独は西独で、アメリカがそれならおれのところは困る、こう言っているわけでしょう。そうしたら、なかなか通産省が考えているようにうまくいかないんじゃないですか。
○森山(信)政府委員 アメリカ側では一九八一年の会計年度の予算はもう組んであるわけでございまして、いま議論が出ておりますのは、一九八二年の予算につきましてアメリカとしてはエネルギー省から合成燃料公社に移したいということを提案したいということでございまして、これはあくまでも日本及び西独との協議が調ったことを前提としてそういうことをやりたいということでございますので、私どもは協議を続けていきたい、こういう姿勢でございます。
○正森分科員 本年度の予算に百五十億をもう組んでいるから、そう答えなきゃうまくないからそう答えるのは当然だと思いますけれども、しかしそれが順調にいくということはなかなかむずかしいんじゃないかと思いますね。 通産大臣、最後に伺いますけれども、もうお耳に入っていると思いますが、ハーマン・カーンが主宰するアメリカのシンクタンクのハドソン研究所というのが報告書を出しているんですけれども、その報告書にはこう書いてあるんですね、この「エネルギー動員計画」には多額の資金がかかるので、日本と西ドイツを計画に引き込むのがよい。両国とも対米貿易黒字の解消を望んでおり、このような長期的投資の誘いは喜んで応じてくれるだろう。平和時には、生産された燃料を両国に一定価格で売ればよい。 この方法は米国にとって大きな利点がある。もし、(中東からの)石油禁輸、戦争などの非常時には、日本、西ドイツ両国への燃料売却を停止することによって、米国の燃料供給量を増加することができるからだ。これによって日本、西ドイツが困り果てることはないだろう。両国はどのみちOPECから何とかして石油を買わざるをえないのだから。こう言っておるのです。これは実に虫のいい話ですよね。金だけ出せ、そして平時なら売ってやる、一番要るときには売ってやらぬ、そうしたらアメリカは石炭液化の油がたくさん確保できてありがたい、どっちみち西ドイツや日本は金に任せてOPECから油を買わにゃいかぬから、それなら同じことじゃないか、こう言って自分のための危機の場合の予備的な備蓄量みたいに考えておるんですね。こんなところへ、しかも向こうは政府から金を出さぬと言うのに、頭を下げてどうぞやってください、やってくださいなんて言う必要があるんですか、大臣。それはもう日本の自主的なエネルギー政策にとって大問題じゃないですか、大臣。
○森山(信)政府委員 ただいまのハドソン研究所のレポートは私ども承知いたしております。それで、アメリカ側でそういう研究所の提案があったことは事実でございますけれども、私どもがSRCIIプロジェクトにつきましていわゆる政府間の協定を結びます際に一番懸念をした点はその点でございまして、せっかく資金協力、技術協力をやりましても油が現実に入ってこないというふうになりますと意味がございませんから、技術移転という意味はございますけれども少なくとも直接的な意味が失われますので、その点につきましては十分外交ルートを通じまして約束をしていただいておりますので、万々そういうことはないというふうに理解をいたしております。
○正森分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。 午後二時から再開をすることとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ――――◇――――― 午後二時一分開議
○武藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管について質疑を続行いたします。村山喜一君。
○村山(喜)分科員 私は、きょうは新大隅開発の問題を一つだけ取り上げてまいりたいと思っているのですが、きのうも新盛辰雄議員の方から環境庁長官を相手にいたしまして質疑をいたしたわけでございます。そこで、私も前に国土庁の全国総合開発審議会の委員をいたしておりまして、三全総の審議に当たりました一人でございますから、当時のことを記憶をよみがえらせながら問題の提起をいたしたいと思います。 そのときには、志布志のいわゆる開発の問題が論議をされたわけでございまして、下河辺局長を中心にして国土利用の総合的な計画がつくられる中で論議が行われましたが、たしか三全総の報告書の中には一行だけしか書いていない、こういうように記憶をしているわけでございます。ところが、今度鹿児島県が五十五年の十二月十八日に決定いたしましたものは、新大隅開発計画と称して大隅半島の全体的な調和のとれた景気の浮揚政策、それはすべての面にわたります一つの膨大な地域計画であります。 そこで、初めに環境庁にお尋ねしておきたいのは、この新大隅開発計画というものは県の決定でありますけれども、国の大規模工業開発地域の計画ではない。また、三全総に基づく計画は志布志湾の開発計画というものには若干の関係があるけれども、これは県独自の計画である、こういうふうに受けとめているわけでございますが、この新大隅開発計画なるものはどのような位置づけをしていらっしゃるのか、その点をまず明らかにしていただきたいと思っております。
○森下説明員 お答えいたします。 これは県が独自でおつくりになった計画ということに私どもは承っておりますし、資料という形で十二月にちょうだいしておりますけれども、県の御計画についていま県の方から直接お話を伺うというふうな段階にもなっておりません。
○村山(喜)分科員 いま環境庁はそういう受けとめ方ですが、国土庁はどうです。
○原田説明員 私どもとしましては、鹿児島県における今回の新大隅開発計画は一通り報告を受けておりますが、その作成過程において、関係市町村及び住民の意向を十分聞いた、また環境アセスメント等も行った、それからお隣の宮崎県との間の調整も行った、こういうふうに受けとめております。もちろんこれは県の計画でございますので、国土庁としましては、いま先生御指摘の三全総、また工業配置計画その他九州地方の開発促進計画、こういうものの中でどういう位置づけをするかという点につきまして、地元の意向を十分尊重しながら関係省庁とも協議を重ねて適切に対処していきたいと思っております。
○村山(喜)分科員 適切に対処するとおっしゃっても、位置づけを明確にしておかないと、現在の時点においては、国家計画の中でそれが位置づけられているものではないというふうにわれわれは受けとめているわけでございますが、検討はされても、いま結論が出ているわけじゃないわけでしょう。その点を明らかにしてください。
○原田説明員 ただいま検討をこれから始めるというところでございまして、国としての、国土庁としての結論はまだ出ておりません。
○村山(喜)分科員 そこで通産大臣、あなたにお尋ねいたしますが、この新大隅開発計画をお聞きになったことがございますか、あるいは現地を見られたことがございますか。
○田中(六)国務大臣 新大隅計画は志布志湾の問題のときに聞いたことがございます。しかし現地を見たことはございません。
○村山(喜)分科員 ここの公有水面の埋め立て免許取り消しを求めまして裁判が行われているということは御存じでございますか。
○田中(六)国務大臣 知りません。
○村山(喜)分科員 そこで、私はそういうような歴史的な経過を踏まえながら御理解をいただきたいと思うのでございますが、ちゃうどこの記録によりますると、五十五年の二月二十日に私も参加いたしまして、現地の志布志湾公害反対連協の役員の方々と一緒に石油公団を訪れました。そのときに佐藤公団理事と話をいたしたわけでございますが、現地圧民の反対があるところには石油備蓄基地は立地しないというような御意見をいただいたわけでございます。 そこで、この計画を見てまいりますると、これは大変な総合計画でございまして、単に志布志湾の工業立地を決めるだけの計画ではございません。もちろんわれわれも郷土の鹿児島のおくれております大隅半島の総合的な開発計画というものを進めることにおいては反対をしているわけじゃございません。やはり地場のそういうような条件を生かしながら、そして経済の浮揚政策をとるということは必要なことでありますし、農林水産業の発展やあるいはそれを素材にいたしました中小企業の発展を図るということや、あるいは福祉の水準を引き上げたり、そういうような交通網の整備を図ったりするようなことは、当然やらなければならぬことだと考えているわけです。 われわれがこの中で問題だなと思っている問題をいまから出してまいりますので、それについての将来の日本の産業構造の中における位置づけというものを明らかにしながらお答えをいただきたいのでございます。 そこで、まずこの計画によりますると、これは埋め立てを除きまして総額一兆四千三百八十六億の計画が部門ごとに事業費として計画をされているわけでございます。埋め立てまで入れるとざっと二兆円という、五十六年から六十五年までの十年の間にこういう大きな事業を行っていくという内容のものでございます。非常に膨大な計画でございまして、日本の国家財政が今日のような非常に厳しい状況の中にありますときに、果たしてこういうようなものができるであろうかということについてまず疑問をだれでも持つだろうと思うのであります。その中で問題になりますのは、やはり志布志湾の埋め立てあるいはそこに持ってまいります企業の問題でございます。この中身を見てまいりますると、一番大きなのはそこに石油の備蓄基地をつくる、そして石油精製工場を配置をする、あるいは造船企業や、あるいは内陸部には機械工業関係のものを持ってまいります。こういう工業の配置計画が出ているわけでございます。そこで私たちは、これは日本の産業構造の上から見て、将来の展望の中でその可能性というものが一体どういう程度まであるんであろうかということについての疑問を感じているわけでございます。 そこで、運輸省お見えになっていらっしゃると思いますが、運輸省は、志布志の港湾埋め立ての問題につきましては、五十五年の六月に、なし崩しの形で行われます九十八ヘクタールの埋め立てを認可をされました。この中には約二十ヘクタールの国定公園の指定地域が入っているわけでございまして、その背後等にもまた特別地域がございまして二十ヘクタールくらいあるわけでございます。この埋め立ての認可をされましたわけですが、五十五年の十月に志布志湾を襲いました中型台風によりまして、四月にできたばかりの第二埠頭が陥没事故を起こしまして、三千平米くらいの土砂が流出をしてそして損害が一億円出た、こういうことが報道をされておりました。この原因は一体どういう原因なのかということについて解明をされたのでありましょうか。というのは、これから石油の備蓄のために埋め立て工法をとり、出島方式をやるということが計画をされておりますので、石油公団の方でも調査に指定地として入られたと思いますが、そういうような意味から言いまして、ここは外洋に面しました荒海の大変波の高いところでございますし、避難港としていかりをおろすこともできないような、台風時等についてはそういうところでございますので、そういうふうに第二埠頭の建設をせっかくやられてつくったばかりのものがそのような陥没事故が発生をした、これは一体その工法によるところの欠陥なのか、あるいはサンドポンプにより埠頭周辺の海底が削り取られたのかというような問題については、専門家の方の意見をわれわれの方でも徴しているわけでございますが、この原因解明はなされたのでありましょうか。――担当者がおいでになっていないようでございますからおわかりにならない。それではまあいいです。 そのような状況の中で、県の方は、石油国家備蓄に当たりまして御承知のように出島方式で埋め立て工法によって、しかもそれは何というのですか、いわゆる半地下式のようなのでやってもらいたいという要請をしているわけでございますが、そのことを御承知でございましょうか。
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。 現在、公団におきまして国家備蓄の第三次分のフィージビリティースタディーの一部といたしまして、志布志縁か二地点についてフィージビリティースタディーを実施し始めたところでございます。このフィージビリティースタディーの候補地点の選定に当たりましては、地元の自治体とよく御相談をした上で、協議が調ったものについて取り上げたわけでございます。その際、鹿児島県の方から、志布志について、二百三十ヘクタールだと思いますけれども、東串良町の地先を出島方式で埋め立てる、それでタンクの形式としては半地下式にしたい、こういう御要望のもとにお申し出があったというふうに承知しております。
○村山(喜)分科員 二百三十ヘクタールの出島方式による埋め立て工法ですね、これは技術的にいかがなものだろうかということが気になってしょうがないのですが、環境庁にお尋ねしますけれども、それは水際から海洋に向かって一キロは国定公園の普通地域として指定をされているわけですね。石油部長の方で御検討されましたときに、その距離は、どれぐらいのところにそういう出島を築きたいということを申し出ているんでしょうか。
○志賀(学)政府委員 県からのお申し出の出島方式の場合に、先生いまお話がございましたように、海岸から一キロメートルの範囲内、これが国定公定の普通地域でございますね、その普通地域と、それからその外、これは国定公園の地域の外でございますけれども、両方にかかった形で埋め立てを、出島をつくる、こういうことでお申し出があったというふうに承知しております。 ただ、私ども公団の方でこれからフィージビリティースタディーを実施してまいるわけでございますけれども、その際に、もちろん県の御希望、御意思というものは、これは十分尊重しながらフィージビリティースタディーを実施してまいるわけでございますけれども、ただ、技術的、経済的側面に立って、これは各界にわたる専門家が集まってフィージビリティースタディーをやっていくわけでございますけれども、県の御意向はもちろん尊重いたしますけれども、そういった中でその技術的な可能性あるいは経済的な可能性があるかどうかということを検討していくということでございます。
○村山(喜)分科員 そこで、環境庁はそのことを知っていますか。自分たちの普通区域に食い込んでくるという計画を県がつくっているということを御存じですか。
○中島説明員 詳細には承知しておりません。
○村山(喜)分科員 ですから、この問題については、志布志の港の埋め立ての問題についても、なし崩しに県知事の権限の中で処理ができる分をまとめてやれば知事の権限外でありますから、部分的にこうして二段階に分けて処理をしてきたという過去の経緯もございます。そういう中からその特定地域まで含んでいるところまで環境庁は事後承諾をさせられるようなかっこうになってくる。今度も計画はその普通加入区域の地域も含めて出島方式でつくるということについても余り聞いていらっしゃらない。こういうような状況の中で、一体、国定公園が現実にあり、そういうような環境保全というものが厳格に守られなければならないにもかかわらず、どうも環境庁はかやの外に追いやられた形の中で無視されているんじゃないですか。そこら辺は、あなた方は志布志の問題以降は、今後そういう国定公園の問題についての埋め立てその他は認めませんよというようなことを前に言われたことがあるのですが、そこら辺については、いまどうなっているのですか。
○中島説明員 五十四年にできました港湾計画が港湾審議会で通過する時点におきまして、環境庁の方針としまして、安楽川以南につきましては、これ以上の大規模な埋め立てについては公園の存廃にかかわるような大きな問題であるという見解を表明しておりまして、そういう意味合いにおきまして、たとえば新大隅開発でうたわれているような大規模な埋め立てにつきましては、公園の指定解除にもつながるようなものであるという認識のもとに、非常に好ましくないという見解を表明しているわけでございます。
○村山(喜)分科員 その問題はいまでも変わりはございませんね。
○中島説明員 従前からの方針には変わりはございません。
○村山(喜)分科員 そこで、次に通産省の石油部長にお尋ねいたしますが、この計画によりますと、国家備蓄として一千万キロリットルですか、それから石油精製として三十万バレルですか、これの処理をするというような計画がございますね。石油有限時代と言われる中で、一体これからの石油の精製というような問題については、今日まで消費地精製主義というのが通産省の方針でございました。しかしこれから先、やはり石油が貴重な資源となるに従いまして、そうしてまた石油産出地域あるいは産出国のこれからの経済発展の中において日本の政府が協力をしなければならないという点等も考えましたときに、いままでの石油消費地精製主義というものがずっとこれからも貫徹されるということはむずかしいんじゃなかろうかと考えているわけでございまして、そういう意味から、いまの日本の石油の精製というものは、施設、設備から見た場合には、現地のスクラップ・アンド・ビルドの形の中で、耐用年数が過ぎようとするようなものについてはここで設備の更新をするということだけで、これから二十年くらい先まではいまの施設の能力で足りるのではなかろうかというふうに見られているわけでございますが、新たに石油精製の施設を特に消費地とも離れましたこういう地域につくらなければならない積極的な理由がおありでありましょうか。そしてまた、そういう将来の日本の石油産業のあり方を見渡したときに、必ずしもいままでとってこられた消費地精製主義というものをそのとおり守り抜いていくということだけでは国際的な情勢に対応できないんじゃないだろうかという気がするのでございますが、この見通しについて御説明を願います。
○志賀(学)政府委員 消費地精製主義と申しますのは、先生も御案内のように、産油国における現地精製に対する言葉でございます。確かに先生がただいま御指摘ございましたように、産油国側のダウンストリームへの進出の動き、そういった動きがございまして、日本の石油産業をめぐる環境というのは非常に流動的ではあろうと私ども思っております。ただ、日本の石油製品の安定供給、中間産品その他の安定供給ということを考えてまいります場合に、やはり原則的な立場としては、消費地精製主義というのはこれを維持すべきであるというふうに存じております。ただ一方におきまして、たとえば石油の輸入について国際的な管理が強まってきております。あるいは日本の石油需要自身がかなりその伸びを鈍化させておる、こういうような状況がございます。そういう面から考えてまいりますと、その新しい石油精製設備はある程度の必要性はあると思っておりますけれども、どの程度のものが今後必要かという点については、現段階において確たることはなかなか申し上げられないと思いますけれども、一ころのような設備の増加というのは、それを見通すということはなかなか困難ではないかというふうに思っております。 ただ、他方におきまして、たとえば重質油分解設備あるいは石炭液化油の精製設備、そういった新しい分野における設備投資というのは今後期待ができるのではないかというふうに思っております。
○村山(喜)分科員 運輸省の造船課長お見えでございますが、ここに造船企業を持ってくるということですね。鹿児島の市内に埋め立てをいたしまして、石川島播磨重工の造船企業が進出をしてくるというので、その埋立地を購入してもらいましたが、一向に来ないんですよね。そういう状況の中で、ことし三月の決算では、船会社年八分の配当になるのじゃなかろうかという状況になっているやに聞くのでありますが、現在購入をしているところにも進出をしてこないのに、また新たにこの志布志の二号埋立地に造船企業が進出をしてくる、こういう可能性というものが果たしてあるとお考えになっていらっしゃるんでしょうか。その見通しをどのように立てていらっしゃるのか、お聞きをしたい。
○今村説明員 お答え申し上げます。 日本の造船業はこのたびの深刻な構造不況に直面いたしまして、特定不況産業安定臨時措置法に基づきまして安定基本計画がつくられました。それに基づきまして、このたび日本の設備能力の約三五%という設備処理を五十五年の三月三十一日までに実施したばかりでございます。したがいまして、今後当分の間、造船能力の増大というものは期待できないかと思っております。しかしながら、造船業は常時国際競争場裏で戦っておりまして、国際競争力の維持、向上を図ることが今後とも変わらぬ課題でございます。たとえば生産性の低い既存の造船所が合理化を目的としまして近代的な生産性の高い造船所に脱皮するために立地転換、スクラップ・アンド・ビルドというふうなことをするということは十分予想されることでありますので、そのように考えております。
○村山(喜)分科員 時間がありませんので、最後に大臣から御所見を承りたいと思うのです。 閣議で決定をいたしたようでございますが、われわれは、鹿児島のローカル赤字線については廃止しないでほしいという陳情を熱心に申し上げておりましたが、宮之城線、山野線、志布志線、そのうち志布志線がこの中の基幹輸送形態として残ることになっている、それは今後整備強化をやってもらいたい、こういうことになっているのですが、それも赤字なるがゆえに、昭和六十年度までの第二段階で削ることになった。そういうような状況の中で、二兆円近くの膨大な投資は、今日の日本の経済の実態から見ましたときに、どうも現実的な計画でない。非常に現実離れをした気宇広大な計画であるということは言えますけれども、どうも実態に合わない計画をつくり上げているんじゃないだろうか。そういうような批判をすると、あれは少しおかしいじゃないかということでいろいろ御意見をいただくようでございますが、こういうような大型の国土開発計画、そして将来の日本の産業構造のあり方というような問題を踏まえましたときに、どうあるべきかということについて、私たちは、現実性のない問題を余りにも県は急ぎ過ぎて提起をしているのじゃないか、将来の展望という問題をもっと明確に見きわめた上で国の方と連絡をとり合いながらやるべきではないだろうかという考え方を持っているわけでございますが、大臣の所見を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
○田中(六)国務大臣 地方の時代あるいは田園都市構想あるいは三全総による定住圏構想というようないろいろな構想がございますので、国との関係で地方の時代とも申しておりますので、県並びにその市町村あるいは住民の意思というものが合致されて初めて地方の時代が生きるわけでございますので、私どもとしては、地方の構想がございますけれども、そういうものと地方住民の意向を十分踏まえた上でこの地方の開発あるいは総合開発計画というものが推進されるということを心から願っております。
○武藤主査 これにて村山喜一君の質疑は終了いたしました。 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)分科員 最初に大臣に基本的な考え方をお伺いしておきたいわけでございますが、西陣を初めとするわが国の絹織物業界、こういった和装製品につきましては生活様式の変化や消費者意識の変化というものがあるわけでございまして、現在のこの趨勢というものは非常に厳しい中でございます。そういう中でこの西陣を初めとする業界の振興という面について、通産省として、また大臣として基本的な考え方を最初にお伺いしておきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 私どもは伝統工芸の促進あるいはまた地場産業の育成という基本的な考えは持っておりますし、特に絹織物を中心とする西陣の織物はまさしく日本の古い伝統工芸の一つでございまして、西洋式の環境に圧迫されてこれらが、つまり端的に言えば着物が洋装に変わっていくというようなことで葬り去られることは非常に遺憾に思っておりますし、また絹が一元的輸入ということでこれまた外部からの圧迫というようなこともございますけれども、冒頭に申し上げましたように伝統的なものを維持する、あるいは地場産業の維持というような観点から、あくまでこういう絹織物、西陣織物というものは希少価値として守っていきたいというふうに思います。
○竹内(勝)分科員 この西陣産地におきましてもフォーマル化が進んで、そういう中で和装需要の総量というのはどんどん減少してきております。そういう中で、いままで通産省として、こういった絹織物業界等を含めて、こういった産地への対策としてはどういった面をやってきたのか、まずその辺から説明をしていただきたいと思います。
○若杉政府委員 まず、輸入問題が非常に大きいものですから、輸入数量の調整ということでかなり大幅なカットというようなことを逐次やってきております。昨年は特に三割弱削減しておるということで、輸入調整をかなりやっております。それから一元輸入の影響、生糸高という影響もありまして実需者割り当てという制度をやっております。さらに、やはりそれでもどうしても産業調整という問題が出ますので、設備の買い上げというものをやっております。それから前向きの施策といたしましては、絹業振興のために産地中小企業対策臨時措置法というものの指定あるいは伝産法に基づく指定等を行いまして、新商品、新技術の開発、需要の開拓等をやっております。それから構造改善協会にも需要開拓のための基金を設けまして着物需要の振興ということをやっております。いろいろな局面から従来からできるだけの対策は講じてきておる所存でございます。
○竹内(勝)分科員 そこで、着物以外のたとえば洋装品あるいは居住環境等の変化に適応した室内インテリア等の需要拡大、そのほかドレスだとかスーツだとかいろいろなものがあるわけでございます。そういう中でこの絹業の振興のためにどのような対策で取り組んでいく考えなのか、今後の方針を聞かしていただきたいと思います。
○若杉政府委員 まず需要の振興を一番当面取り上げたいと思って検討を進めております。特に需要の振興と申しますと、日本の絹需要の約九割というのは和装需要でございます。和装需要の振興ももちろんやらなければなりませんが、同時に新しい余地として先生いまおっしゃったとおり洋装あるいはインテリアその他の問題にどうやってアプローチしていくかということでいろいろ従来からやってまいりましたけれども、ごく昨今二つのことをやっております。一つは、来年度の予算におきまして試作、新しい商品の開発のための補助金あるいはいろいろな情報収集等の助成というものを新たに組み込みました。それから第二には、その程度では不十分であろうという認識のもとに、さらに糧需要の振興対策の委員会を設けまして、従来の既成観念にとらわれない各方面の委員を集めまして、現在せっかく検討をいたしておりまして、この成果はぜひ今後出していきたいと思っております。 需要振興以外の問題もたくさんございますが、これにつきましては従来からの路線だけでも十分ではないということを認識しておりまして、新しい観点から総合的、長期的な絹業の振興あるいは蚕糸も含めた振興ということを考えまして現在検討をいたしております。農林省等とも相談いたしましてぜひこの際思い切った対策を何とか実施していくための方策をいま検討しておる、かような次第でございます。
○竹内(勝)分科員 それでは次に具体的な問題に関して若干御質問をさせていただきます。 円相場の不安定、発展途上国の追い上げ、エネルギーその他原材料価格の高騰等、この産地を取り巻く、中でも中小企業を取り巻いておる内外の経済環境は非常に厳しいものがございます。こういった中で特に金融、税制の面、助成措置、こういった面がどうしてもこういった厳しい状況の中には必要でございます。産地組合が行っておる振興事業がございます。これに対しての助成措置、こういった面でこの振興事業の実効を期すため指定後三年目の産地に対する助成、こういったものはもとよりでございますが、産地振興対策費補助金の助成期間、これを各指定組合の計画期限まで継続ができる、継続の交付並びにこの補助額を増額していくことができるかどうか、こういった面に関して、最初に御答弁をお願いしたいと思います。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕
○児玉政府委員 お答えを申し上げます。 産地の中小企業対策につきましては、産地振興対策費補助金によって行われますところの三つの事業がございます。まず第一は、新商品等の開発でございます。それから第二番目は、いわゆる需要の開拓というものでございまして、これの中には輸出から内需への転換等のものがございます。それから第三番目には、人材の養成といったような事業でございます。これら三本柱の事業と申しますのは、産地の振興対策には欠かせないきわめて重要な項目でございます。かつまた、これらの事業は、計画的かつ継続的に行われるということによりまして、その事業効果が実効を上げ得るものである、このように考えております。 こういった見地から、昭和五十四年度以降指定産地の産地組合に対しまして継続して補助金の交付を行ってまいっておりますが、同一の産地組合に対しましても、現段階では三年間の補助金を交付するということでお願いをいたしておりまして、五十六年度におきましては、三年間の補助金についての話し合いがつきまして一応認めていただいたわけでございますが、今後五十六年度、ことしの指定産地の産地組合に対しましても、やはりこの三年間の継続した補助金というものについて私どもは予算措置において努力してまいりたい、このように考えております。 〔近藤(元)主査代理退席、主査着席〕
○竹内(勝)分科員 同じくこの産地中小企業者の事業合理化用機械等の特別償却制度の適用期間も延長すべきだと考えますけれども、その辺はどのような見解を持っておられますでしょうか。
○児玉政府委員 産地の中小企業者の事業合理化用機械の特別償却制度の適用期間につきましては、かねがねこれを延長すべきだという意見が非常に強うございまして、私どもも、中小企業対策上これは不可欠な税制制度であるということで、ことしの予算におきまして折衝を重ねまして、そして五十六年度の税制改正におきまして手当てをしていただきまして、新商品、新技術の開発等の合理化事業を計画的かつ速やかに実施するためのものとして、特別償却制度の適用期間をさらに二年間延長するということで現在実現を予算の中に盛り込んでお願いをいたしております。
○竹内(勝)分科員 さらに、この事業転換のための円滑化を図るため、中小企業事業転換対策臨時措置法、こういったものに基づく加速償却制度の適用期間の延長、この面に関してもぜひお願いしたいわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○児玉政府委員 いま御指摘の加速償却の問題につきましても、とりあえず二年間の延長ということで実現をお願いをいたしております。
○竹内(勝)分科員 そこで、こういった厳しい状況にある西陣等を含めての産地に対して産地振興貸し付け、こういったものについては、融資対象に土地を含めていただきたいとともに、建物に関しては特利対象にしていただきたい、こういった要望がございますけれども、この面に関してはいかがでございますか。
○児玉政府委員 産地の中小企業者が行います合理化事業の推進のために、中小企業金融公庫及び国民金融公庫の産地振興貸し付けにつきまして、かねがね建物を特利対象としてもらいたいということと、土地も含めてもらいたいという要望が非常に強いということを承知しております。産地の中小企業者が行います新商品開発等の事業の円滑な推進を図りますためには、私どもとしましても、金融面から万全の支援体制を図る必要がある、このように考えておりまして、いま申し上げました新商品開発等の事業に必要不可欠な建物の建設資金につきましても五十六年度から特利の対象資金とすることをお願いしておりまして、そのような了解を得ております。 また、以上のことにつきまして、今後さらに資金量の手当てその他も必要でございますので、この辺につきましても、五十六年度予算におきまして、現在、案として提出を申し上げております。
○竹内(勝)分科員 この産地内の事業転換貸し付け及び産地市場転換融資の取扱期間を三年間、五十九年の九月三十日まで、こういうふうになりますけれども延長することに関してはどのような見解を持っていらっしゃいますか。
○児玉政府委員 ただいま御提案のありました産地内の事業転換の貸し付け及び産地の市場転換融資の取扱期間につきましても、延長方の御要望が大変に強うございますので、種々折衝の結果、昭和五十九年の九月三十日まで、御提案の三年間の延長ということにいたしております。
○竹内(勝)分科員 そこで、京都といたしましても、こういった伝統的工芸品産業振興対策の充実等、こういった面から伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて、この伝統的工芸品の指定に当たってはできるだけ広義に取り扱ってもらいたい、こういった要望がございます。同時に、この振興計画事業の施行に際しては、ほとんどのものに国庫補助対象、こういったものに持っていってもらいたい、こういう要望でございますが、通産省の御見解はいかがでございましょうか。
○若杉政府委員 指定のためには、指定の関係の委員会で運営をいたしておりますが、われわれの気持ちとしては、できるだけ御要望に沿うように努力いたしておりますし、今後も努力していきたいと思います。 それから補助事業でございますが、従来は全国の協会に対する運営費補助あるいは各指定産地に対します人材育成事業というものを中心にしておりました。しかし、来年度から新たに需要開拓とか新商品開拓のためのもっと幅の広い補助金を創設いたします。ただし、来年度はまだ発足第一年度でございまして、産地の対象にはまだ若干数に限りがございますが、今後ともそういう幅の広い事業ができる補助金をさらに拡大をしていく所存でございます。
○竹内(勝)分科員 御承知のとおり京都市には京都市伝統産業会館というものがございます。この運営経費についての助成措置、こういった面で、国庫補助金としては、昭和四十九年度建設費補助として四千万円、昭和五十五年度伝統産業会館運営委託料として七千百万円、こういったものがついておりますけれども、今後の助成措置というものに関して、具体的な問題でございますが、どのような意欲を持っておるか、並びにいまのところどんなふうになっておるか、御説明いただければありがたいと思います。
○若杉政府委員 御承知のように、全国の伝統工芸品センターにつきましては、約二億五千万円ほどの補助金を計上して、来年は前年に比べてかなり大幅な伸びを示しております。それからさらに各地区の伝産会館につきましては、これも建設資金の一部を補助金で助成をいたしております。ただ、それぞれ全国各地に現在たしか本年度末で九つになりますし、毎年ふえていくわけですが、それの経常運営費の補助金をどうするかという問題かと思いますが、何分予算の制限もありますし、われわれとしては目下は先ほど申しました各産地で従来人材育成事業だけに限られていた補助金につきまして、幅の広い新商品開発とか需要開拓とかいう補助金を本年度から創設いたしまして、まずはそれをふやしていきたいと考えておりますので、運営費補助までは、金額の関係で、気持ちはありますが、まだなかなか手が回らない、かような状況でございます。
○竹内(勝)分科員 そこで、かねてよりの懸案の問題に関して若干見解を聞いておきたいと思いますが、昭和四十九年八月以降、生糸の価格と蚕糸業の経営の安定を目的として実施してきたいわゆる生糸の一元輸入措置、これは六年を経過しました。今日まで生糸を消費する側の絹業に対して次のような重大な影響を与えてきておる。その結果、現在においては当初の目的の達成すら危ぶまれる状態になっておる。その内容は、織物原料となる国内繊維の中で生糸だけが異常な高値となり、これに反して国内の引き渡し高は大きく落ち込んでいるわけです。つまり、価格面において他の繊維との競争から完全に脱落しておる、こういった面が一つにはございます。それから二番目には、生糸価格の大きな内外の格差が生じております。これを原料としたわが国の絹製品は国際競争力を失っておる。これは先ほど申し上げたとおりです。さらに三番目といたしまして、生糸の一元輸入制度のため、生糸を原料とする絹撚糸あるいは絹織物、絹の二次製品等より加工度の高い物の輸入増へと悪化し、これが国内生糸の消費減退を招いている。四番目といたしまして、需要の減退、輸入の増加等によって日本蚕糸事業団の在庫が異常に増大してきておる。五番目には、国産生糸の品質が著しくそういった意味から低下してきている。六番目といたしまして、輸入商社は本来の機能を果たせず、単なる手続屋に化してしまって、取引所筋は活力を失っておる、こういったものがございます。 こうした絹業の事情を踏まえて、政府としては、早くからこの絹業の被害救済を目的とする輸入生糸実需者売り渡し制度が設けられてきたわけでございます。そこで、国内生糸価格と無関係に今後これを売り渡すことができるようにこの問題を改正していく考え方はないか、こういった面での要望がございますけれども、いままでの経過も踏まえてひとつぜひわかりやすく御説明いただければありがたいと思います。
○若杉政府委員 御承知のように実需者割り当て制度というものが一元輸入等に伴います生糸価格の高騰に対処する方策として導入されました。しかし、同時に法律におきまして、国内の基準糸価を割り込むとか、あるいは割り込むおそれがある場合はその実需者割り当てもストップだという法制度になっております。したがって、なかなかスムーズにいかない面が実は法律的にございます。しかし、農林省の方ともいろいろ御検討いただきまして、できるだけ運用について弾力化を図るということで、弾力化を図るためのいろいろな改正があったわけですが、ようやく本年から多少動き出しておるというのが率直な現状でございますが、依然として相当量の実需者割り当ての生糸が事業団に滞留しておるという状況でございます。こういう国内糸価と全く無関係に実需者割り当てを彼しいという業界の御希望があることはわれわれもよく承知しております。この点につきましては、一方国内価格と連動しないで全く無関係にといいますと現在の法律、法制面との衝突が起こります。しかし、同時に生糸、絹織物関係については現在いろいろな矛盾点、問題点も非常に大きくなってきておりますので、制度の改正も含めまして何とかこういう絹業の要望あるいは対策というものを前進させたいという気持ちでございます。そこで、先ほど申しましたように長期的、総合的な絹業、蚕糸の対策というものを現在われわれも検討しておりますし、農林省も検討しておりまして、その一環におきましていまのような御要望についてかなり前進を見るように通産省としては努力してまいりたいと思っております。
○竹内(勝)分科員 もう一点は、この繭糸価格安定法改正というものを具体的に五十六年度ならば五十六年度で検討する、あるいはこういった面を具体的に手続をとっていくお考えはございませんでしょうか。
○若杉政府委員 実はこの法律は農林省の所管法律でございまして、私どもがいまこの場で、改正いたしますとか、いまの御指摘された問題点についてどういうふうに法律改正をするという立場にはございませんが、そういう御趣旨を踏まえまして、いろいろ農林省の方にも具体的に要請してまいりたいと思います。
○竹内(勝)分科員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 そこで、時間でございますので最後に伺っておきたい点がございます。西陣織の振興、こういったものは伝統的工芸品産業振興の観点からも非常に重要でございます。そこで、国としましてこの伝統的工芸品対策に今後どのような施策を講じていくか、その点を最初に述べていただいて、最後に大臣に、今後西陣を初めとしてこういった絹業あるいは和装製品について、またこういった業界に対して今後こういう厳しい中でどう発展させていくか、日本の伝統というものをどう守っていくか、そういった面での大臣としての御決意をあわせて伺って、質問を終わりたいと思います。
○若杉政府委員 おっしゃるとおり伝統的産業というものは古い歴史を持った非常なすばらしい産業でございますし、多様化時代に対応して逐次見直されてきておるという、新しい生命といいますか、発展の素地も十分ある産業でございまして、われわれといたしましては、第一は、いまいろんな問題がありますが、後継者人材問題というのが大きな問題でございます。それから、同時にやはり伝統的産業といえども需要開拓とか新しい商品開発というものが必要でございます。それとともに、やはり国民各層に広く知っていただく、よさを再認識していただくという意味でPRといいますか、いろんな展示、催し物といいますか、そういうことがぜひ必要かと考えております。 そのような二つの方向でわれわれとしては相当予算規模をふやしてまいりましたが、困難な財政事情でございますけれども、今後ともそのような方向で援助、助成を拡大していきたい、かように考えております。
○田中(六)国務大臣 伝統工芸産業でございますので、私が冒頭に申し上げましたようにこの育成強化というものは、私ども希少価値として守っていかなければならないと思っております。 そのためには、後継者の育成の資金つまり財政、金融、税制の各面からいままでもやってきておりますけれども、これをそういう財政、金融、税制というような面からより一層強固な守りに努めて、完璧を期して、この伝統工芸西陣織というものを守っていかなければならないと思っております。
○竹内(勝)分科員 終わります。
○武藤主査 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。 次に、中島武敏君。
○中島(武)分科員 私は、きょうは官公需の発注を中小企業向けに増大させる問題についてお尋ねしたいと思っております。 企業倒産件数は、東京商工リサーチ調べその他によりますと、昨年ついに史上第二位を記録したわけであります。しかも、その倒産の九割は中小企業が占めておるわけであります。中小企業はいま非常に苦境にあえいでおるのでありまして、私がこれから質問をしようとしております印刷産業も決して例外ではありません。こういうときこそ官公需法を活用して中小企業の振興を図ることが重要なことは申すまでもないわけであります。 そこで、きょうは電電公社、実は電電公社は、官公需総額は五十四年度で言いますと一兆六千百九十億五千九百万円、全部の省庁、全公団公社の中で最大を占めておるわけでありますが、この電電公社の問題についてお尋ねしたいと思うのです。 電電公社の中小企業向け発注は、ここ数年他の省庁、公社公団に比べて非常に低いのです。中小企業への発注率で見ますと、五十年度は、こう申してはなにですが、ワースト・ファイブです。五十一年度はワースト・フォー、五十二、五十三、五十四年度はワースト・スリー、それで中小企業向け官公需の中で印刷関係もこれは例外ではないわけであります。主要十省庁だけを見ましても、五十四年度はワースト・ワンであります。七三・四%となっております。電電公社の印刷の発注総額は五十四年度で三百二十二億九千万円、これは各省庁と比べましても一けた、けたが違うわけなんです。そういう中で占める電話帳印刷の発注額を見ますと、これは公社の方からもらった資料によりますと、東京電気通信局が四十二億六千万円、大阪電気通信局が二十二億八千万円、その他の地方は別としてこれは除いたとしましても、これだけで合計六十五億四千万円、約二割を占めておるわけでありまして、非常に大きな比重を占めているのです。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕 そこで、公社の方から出してもらった資料によりますと、東京電気通信局の電話帳印刷の受注先を見ますと、昭和五十年以来日本電話番号簿株式会社、大日本、凸版、共同、この四社だけになっております。 そこでお尋ねしたいのは、契約の方法は指名競争入札なのか、それとも随意契約なのか、この点をまず最初にちょっとお尋ねをしたいわけです。
○花岡説明員 お答え申し上げます。 電話帳につきましては、おっしゃるとおり日本電話番号簿会社のほかに、大日本、凸版、共同というところに随意契約で発注いたしております。
○中島(武)分科員 随意契約にされておられる理由をお尋ねしたいのですけれども、日本電信電話公社会計規程の四十二条によりますと、原則としてはこれは競争入札でなければいけない、だけれども随意契約することができるといって幾つかの場合を挙げておりますけれども、これのどれを適用しておられるのでしょうか。
○花岡説明員 お答え申し上げます。 先生の御指摘の会計規程は、その四十二条にあります五項目のうちの第五番目「その他事業運営上、特に必要があるとき。」ということでございます。それから、その前に四番目に「競争に付することが不利であるとき。」という項目もございます。四番目を主とし五番目を従として適用しております。
○中島(武)分科員 いまの四番目、つまり「競争に付することが不利であるとき。」それから五番目は「その他事業運営上、特に必要があるとき。」そういうふうにお答えがありましたが、具体的に言いますとこれはどういうことになるのでしょうか。
○花岡説明員 お答え申し上げます。 ただいまの御質問でございますが、電話帳につきましてはほかの印刷と違いまして、出た姿は電話帳でございますが、非常に多くのそれまでの役務と申しますか、たくさんの作業を必要としております。特に高速輪転機で印刷します場合には、世の中にA版とB版と紙がございますが、電話帳は全部A版にしておりまして、世の中で少数派の方であるA版の高速輪転機を必要とするということでありまして、これは業者が非常に少ないということと、一たんこれを受けると業務につきまして維持するのが大変ということもございまして、計画性を必要とするということと、それから電話帳をつくる前に、これは一年間に約千二百万件ぐらいでございますが、電話帳で、名前だとか住所とか電話番号とか、それから引っ越しをする、それから新しい機械に切りかえる、プッシュホンをつける、要するにいろいろなケースで掲載事項に変更を生じますが、その変更事項が一年間に千二百万件、月平均百万件くらいございますが、これを全部原版を改正維持するという作業が膨大でございまして、これは全部人手でやっておるということ、それは原版ができて初めて印刷にいくということで、印刷だけが取り上げられるしろものではないわけでございまして、非常にたくさんの一連の業務がくっついておる、それが避けられない現状でございます。 さらに、電電公社の発行計画というのはいま十八カ月に一遍でございますけれども、一般の印刷会社ではそういうものにうまく乗ってくることにつきましては非常にむずかしい。つまり、専用の会社で専用機を持っていないとできないという実態がございますので、どうしてもこれはやたらに競争というわけにいきませんで、随意契約と申しましょうか、特定の者に安定的にやってもらわなければ困るという実態でございます。
○中島(武)分科員 いまのお話にありました年間千二百万件ばかりいろいろ訂正、修正を加えなければならない、これはいま言いました四社でやっておられるのですか。それとも日本電話番号簿株式会社、ここでやっておられるのじゃないですか。そして結局そこからフィルムを他の大日本、凸版、共同に提供する、こういうやり方でやっていらっしゃるんでしょう。
○稲見説明員 事業担当でございますので、その立場からお答えをいたしますが、先生おっしゃるとおり、東京の場合につきましては、私ども電話帳の掲載事項の原稿維持、これをファイルにいたしますけれども、この仕事、一般的には、プルーフと私どもの方の内部では言っております。このプルーフの仕事は、先生おっしゃるとおり東京の場合は日本電話番号簿株式会社一社に、言うならば委託をしておるわけでございます。ただし、東京、関東のエリアを除きます大阪を初めその他全国の他のブロックも同様でございまして、電話帳の専業会社がございまして、そこでプルーフをやっております。それと同じレベルで、東京の場合も日本電話番号簿がやっておる。 そこで、その後の編集、印刷あるいは製本もあるかと思いますが、そういう作業の面につきましては、これは東京、関東地域以外はプルーフをやっておる同じ専業の会社が一貫してやる。東京の場合は、編集の後の特に印刷でございますけれども、印刷、製本のボリュームが先生御案内のように特別の大量でございますので、専業の会社でいままでのところオーバーフロー分というのがどうしても出てまいります。そういう実情がございますので、このオーバーフロー分について印刷以下の仕事ですね、これを東京関係で申せば民間の、これは大手になりますけれども、大企業の方の分類に入ると思いますが、三社に継続的に発注をしておるというのが状況でございます。
○中島(武)分科員 そこで、私はいまの御説明を受けて考えるのですけれども、確かにいま大日本、凸版、共同という三社で印刷以下の仕事、つまり製本までを含めてということをやっておられるようです。しかし、もう一つお話の中にありましたA版の高速輪転オフセット、これは何もいま言われている三社だけではなくて、中小企業にもないことはない。たくさんあるというわけじゃありません。だけれども、ないことはない。そういう点を考えますと、いわばフィルムをつくるのは、東京の場合で言えば日本電話番号簿株式会社がつくって、それをその三社に渡しているわけですから、その印刷以下の、つまり製本まで含めての能力ということになりますと、この三社以外でもその能力があるところがあるわけですね。 私は、この際、冒頭申し上げたように、いまいわば中小印刷は大変な時期なんですね、そういう点からいいますと、三社で独占しているというだけじゃなくて、これを分割発注をするということも含めて中小企業の印刷業者をもこの対象に加える、中小企業の方にも発注をするというそういうことを検討するべきじゃないかということを思うのですけれども、どう考えられますか。
○稲見説明員 先生のおっしゃられる御趣旨は私どもも非常によくわかるのでございますが、先ほど先生御自身の方からもお話しございましたように、電電公社の印刷に限って申し上げれば、印刷の発注というのは、電電固有の電話帳、これは確かに年間百二十億を超えるぐらいの大きな額ではございますけれども、これだけではございませんで、それ以外に二百億程度の一般の印刷発注がございます。おっしゃるように中小の事業者に対する政策的な配慮というのはまさしく必要なことでありますし、私どもも十分認識しておりますが、固有の電話帳に関しましては、実際問題として、固有の電話帳の方の計画的なかつ効率のいい発行というものを確保する上では、これを発注先を広げていくということは適当ではあるまい。それで、先ほど申し上げましたように相当ボリュームのある一般の印刷発注の方で、今後とも中小企業者に対する配意というものを続けてまいりたい、こういうふうに思っておるわけであります。 なお、東京は確かにオーバーフローがありまして、印刷以下の仕事を一般の印刷業者の方にもお願いをしておるわけでございますけれども、私どもは基本の考えとしましては、やはり逐次体制を整備していって、東京以外の地方と同じように、できれば円滑に専業業者の方へ収束をしていきたいというふうなことも考えております。と申しますのは、東京につきましても、もうすでに御案内のように、かなり使い勝手の悪い電話帳になってきておりまして、ある時点では東京二十三区一本というものをある程度――これはお客様の声もいろいろ聞きながらやっていかなければなりませんけれども、言うならば各地方で県を二つあるいは三つに分けて発行しておるような方式というものもとらざるを得ないんではないかというふうなことを考えております。分けますと、途端に発注量は減るわけでございます。そういったようなことも考え合わせまして、しかるべき時期には収斂をしていくということも検討せざるを得まいといったようなことも考えております。 そういうことを考えますと、先ほど私どもの方の資材局次長が申しましたように、言うならばふところの深くない事業者の方へきわめて間隔の長いといいますか、周期の長い発注をある時期に行うということは果たして長い目で見ていいことかどうか、その辺も私ども危惧をしておりまして、したがいまして、やや結論めいたことになりますけれども、固有の電話帳というものを一応これは横に置かしてもらって、その他の一般的な印刷発注の方で今後とも配慮をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○中島(武)分科員 電話帳以外のもので中小企業発注をふやす、これはぜひひとつやってください。 それから、電話帳のことに関しての考え方をいま聞きましたけれども、どうもだんだん収斂をしていくという方向ですから、ますます中小企業の方には、行く方向とは逆行していくということになるわけですね。現在も各省庁、公社公団の中で、そう言っちゃ何ですけれども、中小企業に対する発注率が一番低いですよ。だから、そういうところは、不可能なら私は何もこんなことを言うんじゃないのですけれども、可能だということは認めていらっしゃるんだから、そういう方向をもう一度検討してもらいたいというように思います。きょうこの問題だけをやるわけにもまいりませんので、公社の方にはいまの点をよくもう一度再検討してもらいたいということを申し上げて、ちょっと関連しますが、次の問題に移りたいのです。 いまお聞きでわかりますように、また印刷業界というのは大変不況にあえいでいるわけでして、そういう点から言いますと、この官公需法による印刷は特定品目でもあるわけです。だから私は、特殊なものを除いて、これは一〇〇%中小企業に発注しても悪くないというように思っておるわけであります。積極的に一〇〇%の方向に向かって努力をするということのために、各省庁ごとにも、公社公団を含めてですけれども、目標を立てて、努力をするべきではないかというように思うのですけれども、この点、長官の見解を聞きたいと思います。
○児玉政府委員 御指摘の趣旨は十分私ども理解できるわけでございますが、また私どもとしましても、できるだけ官公需の発注に当たりましては中小企業向けの率を〇・一%ずつでもとにかく上げていくという努力を現在やっております。これは中小企業者に関する国等の契約方針というものを毎年閣議決定をいたしておりますが、この閣議決定の意味は、まさしく政府全体としてそういう方向で努力しようという連帯責任をあらわしているわけでございまして、私どもはその庶務的な事項を預からしていただいているわけですが、関係各省庁ときわめて緊密に、さしでいろいろとお話をいたしまして、できる限りの率のかさ上げをやっていただく、また目標をその各担当部局でも立てていただいて、そしてできるだけその目標達成に邁進していただくようにということをやっているわけであります。 特にただいま御指摘のございました特定品目でございますが、これは一般の品目より以上にきめの細かい配慮をしながら一つずつ実効を上げるということが眼目に立てられた制度でございまして、これにつきましては、発注計画、これはタイミングを十分考え、受ける中小企業者側の便宜も考えて、そしてたとえば四半期ごととかいうようなことで発注計画をきちんと整理をいたしまして、そして情報を中小企業者に流していくとか、発注者側のそういった計画的な努力と、それから受ける側の体制整備、先ほど来電電の方でもお話がございましたが、やはり物事の処理に当たりましても、高度化とか合理化ということも必要でございます。そういった受け入れ側の体制整備、これを両方あわせまして、結果として受注機会のできるだけの向上を図っていく、こういうことが一番大事なことというふうに考えております。また現在のところ、各関係省庁及び各機関におきましても大変に御努力を現実に積み重ねていただいております。 ただ、お申し越しのように一〇〇%これをやるようにという点でございますが、この点につきましては、特に官公需につきましては予算という問題でございまして、やはり予算のもう一つの目的でございます効率的な使用と申しますか、適正な予算の消化ということも十分考えなければいけない問題であります。その範囲内におきまして、そういった留意をしながらもできるだけ中小企業向け比率を上げて、先生のおっしゃいますようにできるだけ一〇〇%に近づけていく、そういう努力をしてみたいと思っております。
○中島(武)分科員 私さっき申し上げた中に、特定品目ごとに各省庁、公社公団を含めて目標を立てたらどうかということを申しましたが、これについてはどう考えているか。 それからもう一つあわせて、これは閣議決定の中で言われていることですが、「落札価格等契約結果に関する情報の提供」これがうたわれておるのです。私どういうものがこのいわゆる落札ニュースとして出されているのかと思って、中小企業庁からいただいたのがあるのです。これは国税庁長官官房会計課法人税勘定科目内訳明細書、これを見ますと、製本様式、印刷様式がわからないんですね。それから日本専売公社調達部資材課「たばこと私」これを見ましても、紙の種類とか色数とかページ数とか製本様式がいずれもわからない。これは私、やっぱりわかるようなものにしなければいかぬのじゃないかということですね。回数ももっとふやすとか、いろいろと中小企業に役立つような、そういうふうに改善を図るべきではないかというように考えるのです。 時間の関係もありますので、ひとつ結論的に簡潔にお答えをいただきたいのです。
○児玉政府委員 まず、後でおっしゃいました落札価格等の情報提供のやり方でございますが、この点につきましては、今後とも具体性を持ちまして、回数もふやす、その両面につきまして御指摘のような方向で関係省庁等に対しても要請してまいりたい、このように考えております。 また、実際に官公需の特定品目等につきましては、各省庁の内部における目標でございますが、これは各省庁それぞれの内部の目標ということで御努力願うということは私どももやりたいと思っております。ただ、これを外に出してということになりますと、どうしてもその目標設定についてかえってリジッドになりまして、やはり実績ということも頭に置かれますものですからかえって効果が十分でないということもございまして、その辺は自主的な努力目標ということであります。しかし結果的には、各省庁で、私どもが定めます全省庁の目標達成にそれぞれ分担に応じまして努力をしていただく、こういうことで対処したいと思っております。
○中島(武)分科員 最後に、適正価格による発注という問題についてお尋ねしたいのです。適正価格とは一体何なのかという問題があるのです。これは少なくとも材料費や人件費を割るというものは適正価格とはいえないと思うわけであります。ところが、会計法二十九条の六第一項ただし書き、いわゆる二番札ができるというこのただし書きに基づく予法令の八十五条で、必要があるときは基準を設けることになっております。これは御存じのとおりです。一体どんな基準をつくられているのかと思って各省庁にこれを求めましたところ、全省庁でこの基準を持っているところというのは自治省と建設省と文部省と総理府と最高裁だけだということがわかりました。最高裁は別としまして、他は全部予定価格の二分の一から十分の八の範囲内という基準になっているのですね。最高裁は予定価格の三分の二です。これでわかってきますことは何かといいますと、大多数の省庁には基準は存在しないということであります。言葉をかえて言いますと、どんなに低く入札してもチェックされない、よいということになるのです。それから基準のあるところも、最高裁は別ですけれども、二分の一から十分の八の範囲内でということになりますと、予定価格の半値でも基準内であるということになるのです。しかし長官、これは予定価格の半値で人件費、材料費を割らないかということなんです。これはだれが考えたって人件費も材料費も貯えないということになるんだと思います。しかし、これを逆に考えればどうかというと、もし半値でも材料費それから人件費を割らないのだということになれば、実はまるまる半分はもうけなんだということも言えないことはない。これはそういう問題であります。それから基準を設けるのはこれまた一千万円以上の契約に限られておりまして、一千万円以下は幾ら低くてもよろしいということになる。そうしますと、これは現在競争が非常に激しい、仕事がない、だから出血でも受注をする。あるいは新顔が参入しようとすると、出血で受注して新顔の参入を防ぐというような話も聞きます。 そこで最後に、時間がなくなりましたので、まとめてちょっとお答えをいただきたいと思うのです。それはいま申しました基準の二分の一、これは出血受注にならない、つまり適正な価格を保証するという上からいいましても、この二分の一というのは道理に合わないのじゃないか、これは改定すべきだというふうに考えられないかという問題であります。 第二は、すべての省庁が基準を設けるべきだとは考えられないかということであります。田中通産大臣のところの通商産業省もこの基準がないわけなんです。これはどう考えられるかということです。 それから三番目は、印刷の場合には一千万円以上という契約は、実はさっきの電電公社なんかは別ですけれども、大体においてはもっと少ないんですね。ですから、この一千万円を引き下げるべきではないのかということであります。 そして最後に、随契ができるのは製造の場合に二百五十万円、物品の場合に百六十万円ですが、これを実情に即してもっと上げることによって適格組合などにも仕事が出せるようにすべきではないかというように考えるわけです。 時間を幾らかオーバーしぎみでありますけれども、以上の四つの点について長官と、できれば大臣の方からもお答えをいただきたいと思います。
○近藤(元)主査代理 時間をオーバーしているので簡潔に答弁願います。
○児玉政府委員 まず適正価格の問題でございますが、これは御趣旨のようなことでございまして、私どもも適正価格で発注をするように、出血受注の結果にならないようにということで各省庁との連絡会議の場を通じましてその徹底に努めてまいりましたが、今後におきましてもやってまいるつもりでございます。一つの省庁といたしまして、五十五年度の閣議決定におきまして、中小企業者への発注に当たって適正価格での発注に配慮するようにという新しい項目を追加をいたしております。この線に即して努力してまいりたいと思います。 それからいわゆる二番札の問題でございますが、二番札につきましてはこれは予算制度上の問題でございまして、先ほど先生おっしゃいました十分の八ないし二分の一の間ということにつきましては、たとえば私どもも建設省の規則でそういった定めをしておるということは承知をいたしております。ただ、これにつきましては実際の適用は直接工事費以内である場合というような適用、いわゆる仮設工事費を除いたというような両方二者択一というようなかっこうのものもございまして、どちらが原則がといいますと、むしろ直接工事費以内にある場合はこれを落とすということの方が優先適用になっておりまして……(中島(武)分科員「総理府は違いますよ」と呼ぶ)別のあれはそうかもわかりませんが、少なくとも建設省の運用につきましては以上申し上げたようなことでございまして、それぞれの予算の特性というものがございまして、私どもつぶさにこれがいい悪いという判断を申し上げる立場にございませんけれども、そういう事情があるようでございます。 それからさらに適用の対象を一千万円以上というものを改善するという問題でございますが、これもずっと以前から一千万円ということでやっておりまして、これをさらに引き下げるということになりますと事務量その他大分いろいろな問題が出てまいりまして、予算執行上の合理性の問題という面も問題点としてございます。したがいまして、この点についてもいま直ちにこれを引き下げるというようなことにつきましてもここで申し上げる立場にございませんけれども、御指摘の点につきましては関係各省にも私ども十分相談はしてみたい、このように考えております。 それから各省がすべてこういった制度をとったらどうかという第四点でございますが、この点につきましては、たとえば通産省はまだこういうものを定めておりません。それは二百万円以上の工事につきましては直轄工事ということでやられるというようなこと、あるいは一千万円以上というものについての具体的例が非常に少ないというようなこともございまして、そういった事情がありまして必要がないということで現在は定めておりません。もちろん必要があれば、こういった許容条項がございますので、この線に即して定めてまいるつもりでございます。
○田中(六)国務大臣 御承知のように官公需の発注というのは非常に幅が広くて、しかも大小、多数さまざまでございますので非常に困難な部分もございますが、できるだけ中小企業向けの分割発注を心に置いて、そして適正価格で運営するということを頭に置いて、各省庁とも十分連絡をとって遂行していきたいと思っております。
○中島(武)分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 次に、馬場昇君。 〔近藤(元)主査代理退席、山田(耻)主査 代理着席〕
○馬場分科員 水俣病の対策につきましては、異例なことですけれども、関係閣僚協議会をつくっていただきまして、昭和五十三年六月二十日に「水俣病対策について」という閣議了解事項がございます。これは異例なことだと言いましたけれども、世界の公害の原点ですから、当然過ぎるほど当然なことだと思うわけでございます。 まず大臣に、御存じのことと思いますけれども、この「水俣病対策について」という五十三年六月二十日の閣議了解事項は、第一は認定業務を促進しよう、第二はチッソ株式会社に対する金融支援措置を行う、第三点は関係行政機関、業界等によるその他の支援措置を行う、第四は水俣・芦北地域の振興を図る、この四点が閣議了解事項として申し合わせをされておるわけでございますが、新しく就任された大臣ですけれども、特に九州出身ですからこのことは十分御存じだろうと思うのですけれども、その点について大臣御存じであるかどうか、後で質問する関係もございますので、念を押しておきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 水俣病は悪い方で非常に有名な話でございますし、熟知というまでにはいきませんけれども、強い関心を持っておりまして、特に熊本県のことでもございますし、私も強い関心を持っております。五十三年に国が全面的な責任を持って熊本県債を発行するという閣議了解を得ておることも知っております。
○馬場分科員 この四点についての閣議了解事項があるのですが、質問する関係で状況を申し上げておきますと、第一の認定業務の促進については、これは裁判で五千人ぐらい滞留しているわけです。救済法とか補償法は速やかに被害者を救済するとなっているわけですけれども、五千人も審査待ちという状態が続いておる。これは行政がやるべくしてやらない不作為の違法だという判決が出ております。今日の状態でも五千人以上滞留者がおる、審査できない人たちがおる、こういう違法状態が認定についてあるということをまず知っていただきたいと思う。 第二は、チッソに対する金融支援措置につきましては、すでに五回にわたりまして百二十七億円熊本県は県債を出して支援しておるのですが、これが減りそうな状態には全然ない。だんだん続けていかなければならない状態に、なっておるということが第二の問題です。 そこで、きょうは第三の問題で通産大臣に質問したいのですけれども、第三の問題といいますと、さっき言いましたように関係行政機関、これは特に通産省、通産大臣に一番関係のあるということで表現してあるのです。「関係行政機関、業界等によるその他の支援措置」について第三項目で申し合わされておるわけでございますけれども、それについていま大臣も言われましたように熊本県債、異例中の異例、熊本県民に言わせますと、知事もそうですが、緊急避難措置だと言って五十三年にこの県債を出し始めたわけですけれども、五回にわたって百二十七億出しているわけです。なぜこの金融支援措置をするかということは、閣議了解事項に書いてございますけれども、チッソの経営基盤を維持強化するという目的で金融支援をするのだ、県債を出すのだとなっております。では、チッソの経営基盤の維持強化は何のためにするのか。これは第一が患者に対する補償に支障を来さないためにこういう異例の措置をとるんだ、第二の理由としては、水俣・芦北の地域経済、社会の安定に資するためにこういう異例なことをするのだ、こういうことになっているのです。 ところが、この閣議了解事項が果たして守られていてうまく効果を上げているかどうかということについて大臣に質問するのですが、きょう通産省の方から資料もいただいたのですけれども、三年にわたって百二十七億も金融支援措置をしておりますが、その目的が経営基盤の維持強化にあると言われておるのですけれども、チッソ株式会社が、こういう支援措置をしたのにかかわらず経営基盤が維持強化されたかどうかということなのですが、大臣、五十三年は年度の経常損益で三億円の赤字です。五十四年は二億円の黒字になっておりますけれども、五十五年は上期一千万円ぐらいの黒ですが、下期はものすごく落ち込んでまた赤字、経常損益もマイナスという状況ですし、特別損益は毎年五十億、六十億出ておるわけでございますし、累積の損失は、県債を発行しましたときに四百三十九億、五十四年は五百二億、五十五年は五百三十億円と赤字がたまりにたまっておるのです。こういう状況を見て、異例な県債を発行しておりますけれども、目的たる経営基盤が維持強化されたかどうか。この経営基盤の直接の指導は通産省ですからその責任者は通産大臣、この資料をごらんになって、チッソの経営が維持強化されたかどうか、どう判断なさっておられますか。
○田中(六)国務大臣 五十五年度で累積が五百三十億にもなっておりますし、また従業員も百名以上減っておるというような状態でございますし、私どももこの点につきましては経営基盤が強化されておると判断はできませず、むしろ弱体化しておる。これは、私どももいろいろな指導はしておりますけれども、自主的なものがなければなりませず、体質改善ということを強く申しましても、チッソの水俣工場そのものがもう少ししっかりしなければいけないわけでございまして、窒素工場全体、全国的なものを見ておりますとかなり健全にいっておりますけれども、熊本の工場だけがそういう立場にあるということは私ども残念でございますし、その点の注意を十分しておるつもりでございますけれども、現実に累積赤字が増加し、従業員も減っておるということは、非常に遺憾であると言うことだけでは済まされない気持ちであるのが現状でございます。
○馬場分科員 私はここで余り議論しようと思わないのですけれども、いま大臣おっしゃいましたように、熊本県が百二十七億も県債を出してチッソに金融支援をしておる、これは経営基盤の維持強化のためたと言うのですが、そのことはこの閣議了解事項の線が何年たっても効果を発揮していないし、かえって悪くなっておるということをいま大臣も遺憾なことだとおっしゃったわけですけれども、そういうことをぜひ頭に置いていただいて、次に対策を質問したいと思うのです。 そこで、いまの状況は、経営基盤を維持強化して、患者の補償には遺憾のないようになっているのですね。ところが、地域の経済の安定には資していない。だから、県債というのは補償金を立てかえ払いしておるというだけの効果しか上げていないということに現在なっております。そこで、いま大臣も触れられましたけれども、地域の経済、社会の安定に資したかどうかというと、大臣は資していないと言われました。その中で従業員の数も減っておる、こういうことをおっしゃいましたが、そのとおりでございます。実際きょう通産省からいただきました資料によりましても、五十一年は千百九十二名、五十二年が千百二十五名、五十三年が千六十六名、五十四年から千名を割りまして九百九十四名、五十五年が九百四十七名、ずっと千人を切って減っております。何か聞きますとこれは嘱託が入っておる数字だそうで、私が調べました数字は、五十一年が千百五十九名、五十二年が千九十七名、五十三年が千四十八名、五十四年が九百七十五名、五十五年が八百八十七名、毎年六、七十名ずつ減ってきておるわけでございます。大臣、そこからごらんになっても、これは、上のグラフは水俣市の人口の動態、下がチッソ水俣工場の従業員の数なんです。昭和三十一年、古い話ですけれども、水俣病が始まったころの話ですけれども、従業員の数が三千五百人くらいおりました。そのときは水俣市の人口は五万人を超しておりました。それがだんだん減りまして、今日チッソの従業員が千人を割ったという段階の中では水俣市の人口は三万六千です。三万七千を切って、まさにチッソの従業員の数が減ったのと水俣市の人口が減ったのは、大臣、このグラフをごらんになってもちゃんと比例しておりますでしょう。このことをぜひごらんいただきまして、結局従業員数の減が水俣市の人口の減に比例しているわけですから、せんじ詰めて言うならば、閣議了解の「地域経済・社会の安定に資する」ということは、従業員をそんなに減ら・さないんだ、こういうことがその中の大きい柱ではないか、こういうぐあいに思います。そのことは私だけがそう思うのではなしに、熊本県議会が異例な緊急避難的な県債を発行したのが五十三年ですが、そのときに県議会は附帯決議とか委員長報告で次のように言っておるのです。「水俣工場の体質改善にあたっては、それが雇用減退、地域の混乱を伴うものであってはならない」五十三年の附帯決議意見です。その次が「水俣工場の経営改善にあたっては、新規事業の積極的な導入につとめ、雇用の安定・確保を図るべきである」これが五十四年県債を発行するときの県議会の意見です。それから五十五年の県債を発行するときには「チッソは水俣工場における新規事業の導入について、最大限の努力をして、雇用の安定をはかること」このことは、地域経済社会の安定はチッソ従業員の雇用の問題が重点だということを県議会が意見として決めている。そして熊本県知事は、このことをそのたびに政府とチッソ工場に対して申し入れをしておる。こういう関係もございまして、通産大臣にお聞きしておきたいのは、閣僚会議の一員でございますから、やはりこの閣議了解事項の「地域経済・社会の安定」というのはチッソの従業員雇用の問題がその主な柱である、そういうぐあいにお考えになって、だんだん従業員が減っておる、このことはやはり問題である、そうお考えになりませんか。
○田中(六)国務大臣 地域経済の安定、それからこの会社そのものの体制の整備、したがって雇用の確保というものがそのまま地域経済の安定にもつながりますということは十分認識いたしております。
○馬場分科員 そこで、これは前の大臣、前からの通産省の方針として、私も数回国会でただしておるわけでございますけれども、チッソが水俣工場を強化し、再建をするという計画を現在検討中でございます。これは後でもちょっと言いますが、現在だけでなしにもう六年も七年も前から水俣工場の再建計画を出す出すと言って出さないのですよ。そういう中で閣議了解事項がございましたから、その直後、私は通産省に、チッソが水俣工場の再建改善計画をつくるときには、ちょうど五十三年に閣議了解事項がこういう地域の経済安定と出しているわけでありますから、閣議了解事項の精神に基づいて、そのときのチッソの従業員数は千四十八名、通産の調べによりますと千六十六名になっておりますが、とにかく千名体制を維持しておったわけでございますので、チッソの再建計画を出すというその基盤には閣議了解事項、熊本県民の意向を含めましてその千人体制を守るという基本態度で再建計画をつくるべきだ、こういう形で指導しなさいというようなことを何回か質問いたしましたが、通産省としてはその千人体制を維持するという基本態度でチッソの再建計画を指導する、こういう御返事をいただいておるのですが、現大臣もそのような基本方針で指導していただくかどうかということについてただしておきたいと思います。
○小松政府委員 いま先生お話しのチッソの再建計画の問題でございますけれども、患者に対して補償を支払い続ける、また、さらに地元の社会経済の安定のために雇用の確保を図る、これは非常に大事な問題でございまして、そのためにはチッソ自身が体質改善を強化していかなければいかぬということで、私どももチッソに対しまして体質改善についての基本的な計画を出すようにという話をいたしております。それからさらに、先生からいまお話がございましたように、熊本県の方からもそういう意向がございまして、それを受けましてチッソも昨年の六月に水俣工場の体質改善計画の基本的な考え方というのをつくりまして、これを熊本県及び関係省庁にも説明してきているわけでございます。ただ、これはあくまでも基本的な考え方でございまして、これを具体化するということになりますといろいろむずかしい問題がございます。そういう意味で、今後体質改善を進めていきますためには、既存の事業については、特に不採算部門については合理化を図らなければいかぬ、また縮小も場合によってはしなければいかぬ。ただ、同時に雇用の安定のためには新規事業の導入についてもいろいろ考えていく、そういう過程の段階で、ときには雇用人口が若干減る、新規事業が導入されればまたふえるというようなことで、これはあくまでもチッソの再建、それからチッソの経営体質が維持強化されることを前提といたしませんと、チッソがつぶれてしまいますと雇用問題も何もかもなくなってしまうわけでございますので、チッソの今後の経営見通し、それから経営再建についてのいろいろのチッソの自己努力、さらにわれわれの方のいろいろの助成問題、こういうものをあわせて、先生が言われたような雇用の安定についてできるだけ努力していきたい。ただ、何名を維持するかということをここでお約束することは非常にむずかしいと思いますが、できるだけ地域社会の安定のために、雇用の安定のためにもチッソも努力し、私どももできるだけ協力していくという立場を続けていきたい、かように考えております。
○馬場分科員 あなた、非常に従来の基本方針より後退した答弁をなさっているようですけれども、閣議了解があったとき、第一回、五十三年、県債を出したわけです。そのとき熊本県はこういう県債は出したくなかったわけですよ。しかし、この県債を出すことが患者の補償がうまくいく、水俣の地域経済の安定に資する、ならば仕方なしに出そうじゃないかということになった。そのときにちゃんと千名体制というような言葉が出ておりまして、そのことについて国が閣議了解事項で――何もチッソ、企業なんかに金を毎年六十億、七十倍貸す必要はないわけですから、そういうことがあるからこそやっているわけですから、そういう意味でこれは大臣、速記録をごらんになるとわかると思います。そういう指導方針、通産省の指導、それにチッソが従うか従わないかは別ですよ、それは後でまた従わなければいろいろな対応措置があるかもしれませんが、通産省としては、この千名体制というのを維持するというような方向で基本計画をつくりなさい、こういう指導をするということを三回くらいにわたって国会で答弁してあるのです。この原則を大臣は貫かれますかという質問をしているのですが、まだ質問しないようなことを局長は答弁しましたけれども、大臣に、従来の千名体制を基本方針として――それが何名か上下することはあるかもしれませんよ。しかし、それを基本方針として指導するということの方針は変わりませんかどうかをお尋ねしたい。
○田中(六)国務大臣 閣議了解の方針で千名体制を維持するということを実は私、内容を確かめて括りませんけれども、そういうことが事実でありますならば、一つの了解事項でございますので、それに努力することは当然だというふうに思います。
○馬場分科員 閣議で千名という数が出たわけではございません。それは閣議で決定するとき、地域経済安定ということが出ました。そのときが千名以上でしたから、だから私がこのことは千名体制ではありませんかという質問をいたしまして、通産の方から、御指摘のような千名体制は守るという基本姿勢を貫きたいと考えておりますというのがいままでの答弁でございました。その態度は変わっておられませんね。
○田中(六)国務大臣 もちろんそういうことで努力することは、私ども一生懸命努めなければならないというふうに思います。
○馬場分科員 そこで、いまから質問するのですけれども、やはりこの千名体制とかなんとかというのは、第一義的な企業のチッソが努力しなければならぬのは当然でございますね。ところが、このチッソは私が見る限りほとんど努力をしていないというような感じがしてしようがありません。いまから三年前、その三年前、六年前に、組合とも、たとえば従業員を減らさないとか不採算部門を切り捨てるときには新規事業を持ってくるとか、いろいろなことを協定で約束しておるのです。この協定をほとんど守っておりません。そして、すでに五十三年、この閣議了解事項が出てからも、計画をつくる計画をつくると言って全然計画を出してこないのです。先ほど局長が言いましたのには、去年の六月に熊本県に方針だといって資金の裏づけもない、決まっていないようなことを文書で出してきただけでございます。そういうことでもって、このチッソというものは、全然水俣工場を再建強化しようという意欲は見られないというのが私の感じです。そしてさらに勘ぐって言うならば、だんだん毎年百人ぐらいずつ自然退職していっておるのですから、たとえば最近閣議了解事項があってからもう三年ですよ。そこで毎年六、七十人ずつ減っております。また一年計画がおくれますとまた減る。だんだん減って自然につぶれてしまうということを待っていると言っても言い過ぎではないようなチッソの態度でございます。だから、そういう点につきまして企業が非常にこの問題について責任を感じていない。異例なこんな県債まで出しているのに、再建については意欲と責任を感じない、こういうことでございますので、これは局長でもいいですけれども、さっき千名体制への指導方針を大臣言われましたが、この計画を一年延ばせば百人ぐらい人数が減るのですから、いつまでに出させるつもりか。もうことしで県債の発行期限は切れるのですよ。この後は、来年以降はどうしようかということを五十六年中に議論するという状態になっているのですよ。実はこれを発行するときに計画ができて、それに基づいて経営維持強化をして、もう現在では強化されておらなければならぬ。その計画も出ていない。また、次のことをどうするかということを五十六年中に計画するようになっている。そういう段階のときに、チッソの水俣工場の再建計画は、千名体制はわかったのですが、いつまでに出させるつもりか、こういう閣議了解事項に基づいてどういう指導方針を持っておられますか。
○小松政府委員 いま先生お話のございました体質改善計画といいますか、再建計画といいますか、これをいつまでに出させるかということでございますけれども、企業としては、現在の水俣工場が非常に赤字体質になって、企業全体の収益を圧迫しているわけでございますので、この体質改善はぜひ図らねばいかぬということで、通常の意味での合理化努力はしているわけですけれども、さらに今後雇用の安定問題も含めた形で新規事業を導入するということになりますと、どうしても資金の裏づけが必要なわけでございます。資金の裏づけがありませんと、先ほど先生から御指摘がございましたように、方針としては立ちましても、具体的な再建計画という形のものまで詰めるということにはまいりません。ところが、資金の問題につきましては、現在チッソの場合には収益状況も非常に悪い。それから経常利益その他が出た場合には、それは補償金の支払いの方に充てていくというようなこともございまして、どうしても資金面で何らかの対策を講じませんと計画の具体化はむずかしいということで、現在企業自身も関係のところにいろいろな相談に行きながら努力をしておりますし、私どもといたしましても、関係省庁、熊本県その他とも相談をしながら、チッソの資金の確保対策について何か名案がないかということで現在一生懸命勉強している段階でございます。こういうものをある程度煮詰めながら、できるだけ早く再建計画のめどを立たせ、企業にそういう計画のできるような環境をつくっていきたい、かように考えております。
○馬場分科員 実は三年前から、できるだけ早く、できるだけ早くと常に答弁なさっているのですよ。私は毎年質問していますが、できるだけ早くやります、できるだけ早くやりますと言って今日になってきているのですよ。そこでいまちょっと言われましたけれども、時間がございませんので、大臣、実は閣議の了解事項、そのときに各関係省庁の次官が集まりまして覚書というのをつくっているのです。その下というと語弊がありますけれども、その具体的な作業をするところに関係の各局長、熊本県の副知事をメンバーとしますチッソ株式会社に対する金融支援措置に関する協議会というのができている。そこで実は、県債をどれだけ出すかという計算方式があるのです。計算方式を見てみますと、利益を上げれば皆県債を減らす方向で使うということになって、私はこれを質問しますと、さっき言いましたようにあのチッソの企業というのは無責任だし、経営努力が足らぬということを基盤に持っているのですが、責任を持って経営努力をするという前提の上に立って言うならば、その計算方式というのは資金が出ないような計算方式になっていますから、やはりそれを出すような計算方式に変えなければいけないのじゃないかという点が第一点。 もう一つは、水俣工場の再建のための資金、これを政策として通産省が日本開発銀行ぐらいに、世界の公害の原点水俣病の対策をするために、これだけの水俣工場の再建の資金について開発銀行に融資をしてもらうということを関係閣僚会議にお諮りになって、政策としておたくが出して、さっき局長が言いましたような金融関係の支援をしていったらどうか。これについての大臣の見聞を聞きたいのです。
○小松政府委員 いま先生お話しの問題点は、私どもも今後のチッソの資金確保を図っていく上に非常に大きな問題だというふうに考えております。そういう意味で、その支払い方式の問題その他につきましても関係のところと今後相談していく用意はございますし、また、資金確保について政府関係機関または一般の金融機関に対していろいろな要請をしていかねばいかぬものですから、そういう点について具体的にどういうことが可能かということで、現在関係省庁、関係機関でいま一生懸命勉強しているところでございますので、できるだけ早く結論を得たいということで今後も努力したいというふうに思っております。
○馬場分科員 大臣、いまの日本開発銀行に対して政策融資というようなかっこうで、チッソ水俣工場の再建資金というかっこうで金融措置を考えていただく。それを関係閣僚協議会で実は環境庁長官は出すと国会で私に約束しているのです。通産大臣の方からもそういう考えがあるかどうかをお聞きしたい。
○田中(六)国務大臣 先ほど千名体制を私が確認したというふうに馬場委員おっしゃっておりますけれども、五十年から五十六年までの統計の数の減り方を見てみますと、私どもがまた千名体制を確認するというふうに、率直に申し上げまして私は責任が持てない気がするわけでございます。しかし、これは長い間各通産大臣が千名体制を確認したとおっしゃるようですから、私もそれは内閣の継続性というような点からそうあらねばならないとは思っておりますけれども、それ自身が非常に無理なことになってきておるんじゃないか。したがって、馬場さんのおっしゃるように、この金融体制というものを確立しなければ、千名体制に戻すということはおろか、ますます下がっていく、これは必然の統計でわかりますが、それならば金融体制をどうするか、開銀の融資を約束しろということでございますが、この県債もまれに見る異例なこととをやっておるわけでございまして、熊本県並びに県民の方々も、非常に皆さんの負担に戻ってくるわけでございますので、これは県会、県知事、全県下を挙げて考えるべきでございましょうし、もちろん国がインドースして閣議了解をしたわけでございますので、私どもはそういう面の、もうこれは五十六年で終わるわけでございますので放置するわけにいきません。全体の責任として、私どもも大きな責任を感じなければなりません。したがって、各省庁と十分連絡しなければなりませんが、通産大臣として、開銀から融資をするという約束は実はできません、これは大蔵省の専管事項でございますので。しかし、大蔵省と十分話して、そういう措置は一生懸命努力しましょうということはお約束できると思います。
○馬場分科員 そこで問題は、その千人体制というのは、あなたが言われるように、現在の状況はもう八百名くらいに減っているのですから非常に困難だ。しかし、私はそれは行政の怠慢だと思うのです。あくまでもあなた方の指導方針の中にはそこを置いておいて、怠慢でこうなったのはチッソがけしからぬ、あるいは行政がやはり怠慢であったという反省をしていただきたいと思うのです。そういう意味で、やはり開銀の問題についても、ここで私が出すといま言いにくい点はわかりますが、いま言われましたように、大蔵とか関係の方とよく相談していただきたいということを私を言っておるわけでございますし、もう一つは、資金のめどということがすなわち再建計画のめどでしょうから、少なくとも今年度中にはそれは出ますでしょうね、これだけ聞いて終わりたいと思います。
○小松政府委員 努力はいたしたいと思いますけれども、先生も先ほどおっしゃられましたように、なかなかむずかしい問題が幾つかございますので、そういう問題をできるだけ早く詰めて、先生の御要望にこたえるように努力していきたいと思います。
○馬場分科員 終わります。
○山田(耻)主査代理 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 次に、横手文雄君。
○横手分科員 去る二月四日の衆議院の予算委員会におきましてわが党の塚本書記長が、繭糸価格安定法のもとにつくられております蚕糸事業団の運営のあり方、こういった点について政府の考え方をただしたわけでございますが、私は、その点についてお伺いを申し上げたいと思います。 このときにも明らかになりましたように、今日の事業団が抱えてしまった生糸の量は十四万俵を超した、そしていわゆる農林中金からの借り入れは千二百億円を超し、あるいは金利、倉敷料は年間百二十億円と言われておるわけであります。このことは、日本の蚕糸、養蚕業者を守るという立場で始まったこの事業団ではございますけれども、こういうことで一体いいのであろうか、こういう気がするわけでございますが、まず、大臣の見解をお伺い申し上げます。
○田中(六)国務大臣 日本の織物業、特に絹を含めましたそういうことにつきましては私ども十分強い関心を持っておりますし、日本のいままでの伝統的ないろいろな品物もそれからつくられております。しかし、日本の生活様式と申しますか、そういうものがすっかり変わって、和装が洋装あるいはそういう舶来物の衣服に乗っ取られるというような環境にございます。そしてまた一元化の輸入というようなもの、原料高の製品安というようなことなど、いろいろな陸路がございまして、非常に困難な状態にございますけれども、織物業あるいは絹糸、そういうものにつきましては長い間の伝統がございますし、また、いつどういうふうに社会情勢が変わるかもわかりませんし、そういう観点からも伝統産業の一つとしての関連がある、こういうものについては、いままでもそうでございましたが、これからも、対外的なものも含めまして、私ども十分頭に入れて対処していきたいと思います。
○横手分科員 私は、現状のことをお聞きしたわけでございますけれども、これに対して、将来展望も含めてお答えをいただいたわけでございます。しかし私は、政治というものはただ単に期待をするだけでは政治ではない、それに対して的確な施策を行っていく、そしてそれぞれこの業界に従事しておられる人たちに対して、希望を与え、そして発展をさせていく、これが政治でなければならないと思うわけであります。しかし、このことにつきましては、養蚕の皆さん方の方からも、そして生糸をつくっておられるいわゆる絹の業界の皆さん方からも大変憂うべき事態である、こういうことを言われておるわけでございますけれども、この点についていかがお考えでございますか。
○若杉政府委員 率直に申しまして、いま先生のおっしゃるとおり、絹業の方からも養蚕の方からも、非常に危機感といいますか、このままでは両方共倒れになるのではないかという危機感が出てまいっております。そこで抜本的な対策を何か考えてくれという声が日増しに強くなっていることは事実でございます。われわれの方もそういう要望を十分承知しておりますので、現在基本的な、長期的といいますか、総合的な対策は何かということを関係省庁とも連絡をとりながら検討している次第でございます。
○横手分科員 私は、この制度というものは、養蚕業者を守ると同時に、いわゆる絹業を守っていく、こういう性質を持たせなければならないと思うわけです。御承知のとおり、すでに国際価格の倍以上の価格のする日本の生糸を使って、そして諸外国と競争していく、このことについて業界の皆さん方にとりましてはたえられないことであろうと考えております。そういった点について塚本書記長が御質問申し上げたわけでございますけれども、大臣はそのときの御答弁の中で「御指摘のように絹織物の原料の生糸は一キロ当たり一万四千七百円という原価でありますから、これを糸にして染めて織って反物にして着物にするわけでありますが、それが一反三十万とか四十万とかということになる。その原料代は、農家に渡るのが一万二千円そこら」あるいは「日本の養蚕農家は高いから、もう外国からの安い生糸だけでやればいいじゃないかということになれば、日本の養蚕農家が全滅すれば、絹は現在の日本の綱よりももっと高くなるであろう。」こういう危惧を込めて答弁をなされておるわけでございますが、その点についてどうお考えになりますか。
○若杉政府委員 これは農林大臣が予算委員会でお答えになった趣旨だと存じます。実際問題としてそういう面もあります。ありますが、確かに着物離れというものが進んでフォーマル化しておる。礼装用といいますか、晴れ着用に特化して、ふだん着用がなくなってきているということで、完成品といいますか最終製品と生糸の原価との間にはかなりの格差が確かに生じてきているということも事実でございます。それから同時に、仮に日本の生糸が壊滅するということになれば、中国が独占的になるということも事実でございます。しかし、だからといって、それでは現在のような値差があって、激しい競争をやっていくのにどうかという問題はまた別の観点から当然存在するわけでございます。したがって、農林大臣の御答弁も、確かにそのとおりの事実はございますけれども、だからといって、絹業なり蚕糸について現在の制度をさらに再検討してよりよい運営改善といいますか、よりよい方向に持っていく努力を怠ってはならない、われわれはこう思っておるわけでございます。
○横手分科員 私はここに、少し古い資料でございますけれども持っております。問題は、いま絹織物業界の皆さん方からいろいろな陳情を通産省はお受けになっていることだろうと思うわけです。この大臣の答弁を見ますと、最も苦しんでおられる絹織物業界の皆さん方を説得するにはちょっと飛躍し過ぎたような議論に聞こえてならないわけであります。 と申しますのは、なるほど一万二千円そこそこの繭が生糸になり、そして着物になるときには三十万円になっておる。その原価わずか――農家の皆さん方にはこんな程度じゃないか、この比較というのはちょっと短兵急過ぎるといいましょうか、そういう気がしてならないのです。と申しますのは、最も苦しんでおられる絹織物業界の皆さん方のその付加価値と糸の値段を比べてみる、こういうことでなければならないと思います。農家と、そして最後のところと比べてこれだけ違うじゃないか、こういう議論はちょっと乱暴過ぎるような気がするわけでございまして、これで見ましても、昭和五十一年度の数字でございますけれども、和装の関係で生糸の値段が約三千百十億円、そして機屋さんが、織り元が出された数字が六千四百七十三億円、こういうことでございまして、すでに半分くらいしかないわけでございますので、これは農林大臣の答弁を聞いておると、糸の値段が少々変わっても末端では大したことにならないというふうに聞こえてならないのですけれども、現実に糸を買って織物をつくって織物を出しておられる人たち、その比較をしますとこのような数字になるわけでございまして、こういうことが国会の中で論じられておるということについて、私は業界の皆さん方はお怒りになるのではないかという気がするわけでございます。 そういった点についていま申し上げたわけでございますが、そのことを特に議論するつもりはございませんので、ただ意見として申し上げておきたいというぐあいに考えるわけでございます。あるいは価格の問題にいたしましても多少物足りないような答弁でございますけれども、予算委員会における大臣の答弁もございます。しかし、それでは業界の皆さん方を納得をさせる見解にはちょっとならないんじゃないかという気がいたします。以上申し上げておきます。 ただ私は、この法律がだめだと言っておるのではございません。この法律ができて、日本の養蚕業者は一生懸命に努力をしておられる。しかし、日本の場合にはコストが非常に高い、土地が狭い、こういったことで外国の生糸には勝てない。だから、それがどんどん入ってくると日本の養蚕業者はみんなつぶれてしまう。だから、これを保護するために一元化輸入の道をつくられた。そのことは当然のことだろうというぐあいに私は思うわけであります。しかし、そういったときに、その生糸を使っていわゆる産業活動を行っておられる絹業の皆さん方に対しても同時に配慮をしなければならない、こういうことで、その人たちのために実需者割り当て、こういった道が聞かれてきたわけでございますけれども、しかしそれが今日では、一応割り当ては済んだけれども、たとえば五十四年度分がまだ二万四千俵実需者割り当てが行われていない。機屋さんが欲しくないのかというと、そうではない、のどから手が出るほど欲しいのだけれども、これが法律によって出されていない、こういう事実があるわけでございますけれども、その点についていかがお考えでございましょう。
○若杉政府委員 先生御承知のとおり、いまの一元輸入下における原料高という問題に対応するために実需者割り当てという制度を設けまして、安い輸入原料が入るようにという措置が図られたわけでございますが、現実はなかなかうまくいきませんで、特に法律におきまして基準糸価を下回るまたは下回るおそれがある場合は放出してはならないという制限がありますのでなかなかワークしない。農林省ともいろいろ話をしましてできるだけの運用改善ということを図ってまいりました。何回かやりましたが、なかなかうまくいかない。ようやく昨年の暮れの段階で一案ができまして、本年度から多少のものが放出されている。しかし、これもそう大きなものではないということでございます。 この問題は、蚕糸業と絹業の両者の調和を図るためにどうしても必要な大事な制度でございますので、今後とも、通産省といたしましては農林省とも連絡いたしまして、できるだけこれがスムーズになるように、制度改善を含めまして要請なり検討をしてまいりたい、かように思っております。
○横手分科員 五十五年度の実需者割り当てはどうなりますか。
○若杉政府委員 先生御承知のとおり、五十四年度の実需者割り当て量がまだほとんど残っていて、細々と月千俵程度出ているという状況でございますので、五十五年度につきましては、現在実需者割り当ては実施しておりません。
○横手分科員 私は、何遍も申し上げるようでございますけれども、今日の蚕糸事業団の一元化輸入、そのことは日本の養蚕業者を守るために必要なことだということで行われているわけですけれども、冒頭にもお伺いをいたしましたように、今日ではその機構、その機能というものがむしろ大変な憂うべきようなことになってしまっているような気がしてならないわけであります。 御承知だと思いますけれども、たとえば五十五年の六月以降の数字を見ますと、生糸の国内生産量と国内の引き渡し量を見ますと、これは国内生産高の方が上回っておるわけであります。国内消費の方が少ない。こういうことであれば事業団の糸はもうどんどん積み重ねられていく。そうすると、蚕糸価格がいま急に上がる見通しはほとんどないのではないか。そうすると、実需者割り当てというのは絵にかいたもちみたいなもの、あるいは約束はしても、いま御答弁ありましたように、五十四年度分が残っておりますので、五十五年度分はしておりません、できませんということですけれども、これは五十六年度もできなくなってくる、こういうおそれが生じてきたような、数字から見てそういう気がしますけれども、どういうぐあいに見ておられますか。
○若杉政府委員 率直に言いまして、なかなかむずかしい問題がございます。基本は、御承知のような大変な着物離れという、需要減退というのが背景にあるわけでございます。同時に、生糸及び製品としての絹織物輸入も、先生御承知のとおり相当圧縮をしてきておるわけです。そういう段階でなおかつ需給バランスがうまくとれないというのが現状でございます。したがって、われわれとしては、この問題については小手先の対策だけでは木十分である、相当抜本的な展望を開かなければならぬ。それには、場合によっては一部苦しい処方せんになるかもしれませんけれども、かなり抜本的なことをせなければいかぬということでいま検討しておるわけでございます。したがいまして、いま先生御指摘のとおり現状のままの状況で推移すれば、おっしゃるとおり実需者割り当てというのは、まあ絵にかいたもちと言うと変ですけれども、余り大きく機能しない、これは五十六年度も五十七年度もそういう状況になるおそれがあるということは十分承知しております。したがいまして、これを何とか打開するために抜本的な対策は何かというのを現在検討しておる状況でございます。
○横手分科員 いま御答弁を聞いておりますと、絵にかいたもちでは言葉が過ぎるかもわからないけれどもというようなことでございますけれども、絵にもかかないわけですよ。これは若干の問題どころじゃないという気がしますけれどもね。絵にかいたもちというとちょっと語弊があるかもわかりませんけれども、何とかこれをやっていかなければならない、こういう希望的な観測を述べておられるわけですけれども、五十五年度は絵すらかけなかったのです。そして今日の消費量と生産高の関係を見ますと、いま御指摘申し上げたようなことなんです。これをどういうぐあいに見られますか。
○若杉政府委員 全く実施してないわけではございませんで、先ほど申しましたように、月千俵程度は出しておる……(横手分科員「一月、二月ね」と呼ぶ)はい。今後もこれをできるだけ維持していきたいと思っておりますが、やはり法律の制約がありますので、現状の状況ではこれを全く無視して自由に出す条件にはないということは御承知のとおりでございます。したがいまして問題は、需要改革なり、さらに輸入を調整するなりして需給を改善していく方法と、制度自身を改正する方法と二つあるわけですが、やはり基本は何といいましても、結局需給というものを改善いたしませんとどうにもならないわけでございます。したがいまして、制度もさることながら、基本は需給を改善していかなければならぬということが蚕糸にとっても絹業にとっても前向きの対策になるわけです。いろんな観点から、とにかくぜひ有効な方法を打ち出したいということでございます。
○横手分科員 角をためて牛を殺すようなことになってはならないということを私は申し上げておきたいわけでございますが、いまそういう答弁でございますけれども、しかしどうなんでしょう。全部じゃございませんけれども、今日まで衆議院の商工委員会等でいろいろとこの問題について議論もなされてきた議事録も少し手元にあるわけでございますけれども、これは四年も五年も前から通産省の答弁としては、ともかく養蚕業者とそれから機屋さん、この両方とも長期的に共存共栄を図っていける体制にしなければいかぬという認識につきましては、私ども農林省も全く一致しているわけでございます。直ちにこれらの打開策について具体的な検討に入っていきますというような答弁がまたここでも、この両者が両々相まって共存共栄できるようなやり方としてはどういうような方法があるかという立場から、ぜひ私どもとしてもこの一元化輸入制度をもう少し見直しをしてみたい、多少時間がかかりますが、どうぞ期待してください、こういうような答弁がずっとなされてきておるわけですけれども、きょうもまたこれは同じような答弁になりましたけれども、どういうことなんでしょうね。具体的にどういう手があるということなんでしょうか。
○若杉政府委員 過去の答弁はわれわれも承知しておりますし、また先ほど来申しましたように、われわれがさらに現在熱心に検討しておることも事実でございます。横手先生のおっしゃる点はよくわかります。無責任かもしれませんが、一言で言うとこの問題のむずかしさというものが実は根底にあるわけでございます。率直に言って、蚕糸業と絹業の未来は、その両方の共存共栄というところでは一致しておりますけれども、各論になれば蚕糸業はできるだけ糸価を上げて高くしたいという潜在的希望があることは当然でございますし、絹業の方はできるだけ原料コストを安くしていきたいという相矛盾するものがあります。それをかぶせれば両方繁栄する、きれいごとにはなるわけですが、非常にむずかしい問題が横たわっております。したがいまして、その両方をうまくさばく案が現実になかなかできない。もちろん、極端に言えば、お金が何ぼでも国から出せるという状況なら、仮にそれが永久に続くかどうかは別としまして、ある程度におきまして相当な解決は見るわけでございますが、そこも現在の財政事情でなかなか思うに任せないということでございますので、従来いい知恵がなかなか出なかったということは、努力はしておるけれどもいい知恵は出なかったということだと思います。しかし先生御指摘のように、現段階におきましては共倒れになるのじゃないかという危機感が両方に満ちておりますし、それから現実に事業団の在庫も、危機的と言っては変ですけれども、非常に憂慮すべき状況に達しております。これを何とか打開しないとどうにもならぬという状況にきておることも事実でございますので、ひとつ今後の検討を見守っていただきたいと考えております。
○横手分科員 さらに在庫積み増しの問題、在庫の品質の問題等についてもいろいろと言われておるわけでございます。私自身ずっと繊維産業の中で働いてまいりましたので、それらのことについて非常に憂える一人であります。きちっと保管はされておることだろう、そしていろいろ試験機にかけたりしながら品質の保全は行われていることだろうと思いますけれども、しかし大変心配をしておる一人でございます。 なお、業界の皆さん方からちょっと出た話でございますけれども、これは品質が落ちると、放出はできないけれども、品質保持のために買いかえることはできる、こういうことで、この間月一回くらい行われたけれども、国の方の買いは一万四千七百十円で五百俵買う、そして売りの方は、国の持っておる輸入糸、いわゆる一般輸入糸を競売に出す、そうするとこれが一万五千百円で落ちていった、こういうことなんですね。一体全体どういうことなんでしょうと言うと、これは日本ではできない十四デニール、あるいは日本でできるけれども国産では間に合わない二十一デニール、こういったものが機屋さんとしては欲しくてたまらぬのです。だから入札してでもこの糸に飛び込んでいくんだ、こういうような話でございますけれども、何か胸が痛くなるような話ですが、いかがですか。
○若杉政府委員 先生御指摘のとおりの事実がございます。 一つには、日本の製糸の形態というのがやや変わってきたということもありますが、同時に、事業団の規格品というものを効率よく生産するというような生産体系にある程度なっているということも事実でございます。 それから第二に、やはりどうしてもできないかと言われれば、ある種の糸は国産でもできるわけですが、かなりプレミアムをつけなければ買えない。そのプレミアムをつけますと、最終製品として競争力が問題になってくる、もう先生百も御承知の矛盾といいますか、こういうような苦しい問題が横たわっておるわけでございます。したがって、いまある程度輸入糸を前提とする生産体系というものになっていることも事実でございます。そういうものを踏まえまして、蚕糸と絹業を両立するものとして実割りという制度ができておるわけでございまして、ぜひこの問題は今後解決しなければいけないというふうに強く認識しております。
○横手分科員 もう時間が参りましたので最後の質問になります。 私は、先ほど来申し上げておりますように、日本の養蚕農家を守っていくのも大変大事なことであろうと思います。しかし、そのことと同時に、実割りというのは、業界の皆さん方も生きてもらわなければならない、こういった両方の肺で飛んでいったのが、今日では実割りが落とされて片肺飛行に入ってしまったのではないか、こういう気がしてなりませんので、その点を指摘をしておきたいと思います。 そういう矛盾をなくしていくためには、御承知のとおり、この法律改正をしなければならないというぐあいに考えておるわけでございまして、この第十二条の十三の三の二項並びに第三項の弾力的な運用、こういうことがなされなければならないのじゃないか。御指摘のとおり、この根本的な解決のためには、絹織物業界がその需要をふやしていく、こういうことが大変大事なことだと思います。 それはどういうことによって可能かというと、業界が活発化してこなければならないわけであります。業界が欲しい糸がその倉庫の中に入っておる、買いかえのためにこれが競売に付されると、高いけれどもそれに飛びついていく、あるいは国内でつくってもらおうと思ったらプレミアムをつけなければならない、こういったことで、業界の皆さん方がこれが売れるということで活発化してきたところに絹の需要があるし、そして発展の道があろうと思います。それがあっちからもこっちからも閉ざされておるような状態になりつつあるというぐあいに御指摘を申し上げるわけであります。それで一体絹織物業界の将来があるんだろうか。幾ら期待をすると言われても、そのような業界の皆さん方の気持ちに背を向けたようなことが現実の中にあったのでは、絹織物業界の将来はなくなってしまうということを大変危惧しておるわけでございます。したがいまして、ぜひともお願いを申し上げたいのは、たとえばポートピアで輸入組合の皆さん方が絹織物の展示会を出したい、こういうことでやって、そして事業団に二俵だけ分けてもらえませんかと言ったけれども、これもアウト。法律にかなっていない、こういうことでアウト、こういうことでございます。業界の皆さん方は、絹織物を生涯の仕事としていきたい、そのためには皆さんに着てもらいたい、だからせめて外国へ出す見本、こういったものについては実需者割り当てを特別に出してもらえないだろうか、こういう希望もありますけれども、第十二条によりますと、これもアウト、こういうことでございます。これらの点について、ひとつ勇気を持って取り組んでいただける、それが日本の養蚕業者、そして絹織物業界の将来を救うたった一つの道だというぐあいに信じております。どうかその点について、最後の質問にいたしますので……。
○田中(六)国務大臣 私どもは、業界の発展こそ願うものでございますので、そういうふうに、御指摘のように、手かせ足かせをやっておる現実ならば、これを撤廃するように一生懸命努力していきたいと思います。
○横手分科員 ありがとうございました。
○山田(耻)主査代理 これにて横手文雄君の質疑は終了いたしました。 次に、三浦久君。
○三浦(久)分科員 私は、産炭地域における地方交通線の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、運輸省にお尋ねをいたしますが、きょう閣議決定で特定地方交通線の廃止の基準について政令が決定されたわけでありますけれども、これによりますと、第一次、第二次というふうに段階を設ける、さらに六十年度以降廃止をされる、だから全体を通じて乗車密度四千人未満の地方交通線は三段階に分けて廃止をされる、そういうことになったと思います。いままで運輸省の政令案というものがあって、例外が三つありましたね。その例外に一つ加わりましたね。それだけであって、結局乗車密度四千人未満の地方ローカル線を廃止する、バス転換をするという点は全然変わってないわけでしょう。どうですか。
○金子説明員 先生御指摘のとおりでございます。
○三浦(久)分科員 そうしますと、全国的なことをお尋ねしていると時間がありませんので、筑豊の関係にしぼってお尋ねいたしますが、今度の政令によりまして、筑豊関係ではどこの線が廃止をされるのか。たとえば五十七年度までの分、六十年度までの分、それ以降の分に分けて御説明をいただきたいと思います。
○金子説明員 特定地方交通線の選定につきましては、国鉄再建法の第八条第二項の規定に基づきまして、選定は国鉄において行うことになっております。選定に当たりまして、今後国鉄におきまして代替道路の整備状況とか、あるいは開発計画等による旅客の輸送量の増加見込みといったようなものについて確認をすることになっておりますので、まだ確定している段階ではございません。私ども現段階で路線名を明らかにすることは社会的な混乱を招くおそれがあるということで、具体的な路線名を明らかにするのは適当ではないというふうに考えておる次第でございます。
○三浦(久)分科員 きょう運輸委員会でもらっているのですよ。これは各委員に全部配付になりました。ですから、秘密でも何でもないと思いますね。ただ、正式には、確かに国鉄が選定をして、大臣の承認は受けていないという段階ですけれども、ずっと積み上げてきているわけですから路線名も皆わかっているわけです。 じゃ、私の方から言いましょう。たとえば第一次、五十七年度までに廃止される予定は、室木線、香月線、添田線、漆生線、これは間違いないでしょう。それと第二次、上山田線、糸田線が廃止の対象になる。六十年度以降はまだ不確定要素があるので、路線まではっきりできない、こういうことですからお聞きいたしませんけれども、いまのは間違いないでしょうか。
○金子説明員 先生の御指摘の線かと思いますけれども、先ほど申し上げましたようになお未確定な要因がございますので、今後変動することがあり得るという留保条件つきでございます。
○三浦(久)分科員 通産大臣にお尋ねをしたいと思うのです。 筑豊はほとんど壊滅状態なんですよね。これは乗車密度二千人以上四千人未満というものを入れますと、ほとんど全減という状況であります。いままで大臣にもいろんな陳情が行われたと思います。私のところにも、ローカル線を廃止しないでくれという陳情がたくさん来ております。ですから、こういう政令の決定を見まして、筑豊の人々は、何だ、おれたちはいままで何のために陳情してきたんだろうかということで、怒り心頭に発しているんじゃないかというふうに私は思っておるわけです。 いままで通産省も、産炭地域振興臨時措置法によって、産炭地域の実施計画というものをつくってきましたね。それに基づいて筑豊の復興というものをずっと行ってきているわけでありますけれども、その実施計画では、鉄道に関しては、「この地域の輸送需要の動向に対応しつつ、既設鉄道の整備を図ると共に、油須原線の建設を行う」こういうのが必ず入っているわけですね。ところが、今度の国鉄再建法では、油須原線の建設はもうできません。四千人以上の乗車密度が見込まれませんから、これはもうだめですね。そしてまた、いま私が申し述べましたような線が廃止をされてしまうということになるわけです。 そうすると、国の方針として、いわゆる油須原線をつくるとか、既設鉄道の整備を行う、こういうものがあるわけです。ところが私は、いまの国鉄再建法のやり方というのは、こういう通産省の方針に真っ向から反するものじゃないかと思うのですね。私、非常に乱暴だと思います。それは法律的には、後法が前法に優先するというようなことがあるかもしれませんけれども、いまこの実施計画というのは現実に生きているわけなのです。その生きているものを廃止もしないで、それと全く相反するようなこのローカル線の廃止というものがぼんと打ち出されてくる。こういう問題について、大臣はどういうふうにお考えになっていらっしゃいましょうか。
○田中(六)国務大臣 ローカル線の廃止問題と産炭地振興関係と相矛盾する施策が行われておるということにつきましては、私もきょう閣議でその矛盾点をついたわけでございまして、何が選択的に大事かという国家目的からすれば、現実の三Kの赤字対策というものの大きな一つでございます国鉄の再建、赤字解消というものが選択的に大切であるということになったわけでございまして、その点の解明については今後の具体的な案件の処理に入るわけでございますけれども、選択性の順位というものが国家目的に関して行われたわけで、そこが各論と総論というような違いからも出ておるのではないかという気がしております。
○三浦(久)分科員 大臣も筑豊の出身ですから、筑豊の状況というのは、大臣は私より以上によく御存じだろうというふうに思うんですね。失業の問題、生活保護者の問題、さらに鉱害復旧の問題、炭柱改良の問題、また商店街の売れ行きが激減をしているとか、非行少年が非常に多いとか、いろいろな閉山の後遺症というものが残っているわけですね。そういう中で国もその復興のために一定の力をかしてきていますし、また、地域の住民も自治体も一緒になって、ずっと復興のために、地域開発のためにがんばってきているわけですね。それで山田市なんかは、いままで市としては一番人口が少なかったわけですが、最近はようやく少ない方から二番目に上がってきた。要するにいままでの国とか市の自治体のそういう施策というものがこれからようやく効果を出し始めてきた、こういうときにローカル線をすぽっと打ち切ってしまうというようなことは、私は、地域開発の意欲、住民が立ち上がろうという意欲、これをそいでしまう結果になるのじゃないかというふうに考えておるわけであります。 それで私も、そういう観点で国鉄再建法が審議をされましたときに運輸委員会で質問をいたしまして、そのときに資源エネルギー庁の石炭部産炭地域振興課長の鈴木さんにおいでいただきました。私の質問に対してこう答えています。「産炭地域の疲弊が完全に解消しておるとはなかなか言えない状況にあると思っております。したがって、今後私どもも産炭地域の振興につきましては最大限の努力をして」まいりたい、「産炭地域の国鉄路線の選定」についても「実情を勘案いたしまして国鉄、運輸当局で十分」「協議してまいりたい」と思う、こういうふうに述べられておるわけであります。これは当時運輸省が運輸省案として発表しておりましたローカル線廃止基準そのものには反対だ、そのままでは受け入れられない、こういうことを表明されたのだと私は思っておるのですが、その後、通産省はどういう立場で、またどういう内容の改善を要求して運輸省と御折衝になったのか、御協議になったのか、この点を承りたいと思います。
○福川政府委員 この特定地方交通線の選定に当たりましては、法律が施行され、政令の段階で私どもも運輸当局と毎日と言っていいほどいろいろ折衝を重ねてまいりました。私どもといたしましては、産炭地域につきましては、今度さらに十年の延長の法律を提案をしておるという事情もございまして、少なくとも当初選定する路線からはこの産炭地域におきます特定地方交通線は除外していただきたいということを事務ベースでもあるいはまた関係閣僚のベースでもいろいろお願いを申し上げてまいりました。しかし、この法律のたてまえから申しまして、なかなかそれが法制的にそのようなかっこうでは抜きにくいということでございまして、いろいろ折衝を重ねました末、先生も御高承のとおり、石炭につきましての輸送は当初の選定から外す、あるいはまた今後輸送需要がかなり見込める線につきましては除外をするというようなことに運輸当局と話し合いが進んだ、こういう経緯に相なっております。
○三浦(久)分科員 そういう御努力をされたということはわかりますね。宮田線が第一次、第二次からも外されておりますからね。しかし、これから地域開発が行われる、たとえば学校が建つとか住宅ができるとかそういうようなことで一定の交通需要が見込まれる、それも考慮に入れるということなのですが、しかし乗車密度が四千人未満という、そこは変わっていないんですね。そうしますと、これは宮田線でも昭和六十年度以降、乗車密度が四千人以上になるというのはちょっと大変なことだと思うんですね。いまでも、たとえば宮田線は乗車密度が千五百六十一人ですから、あと二千五百人ふやさなければならない。乗車密度ですから、一キロについて一日それだけふやさなければいけないということですから大変な努力が要ると思うんですね。ましてやほかの線、たとえばこれは二千人以上四千人未満の線区ですけれども、正確に言うと六十年度以降廃止を予定されるものになると思うのですが、これでも、たとえば後藤寺線、これが一番多くて三千八十八人ですから、あと千名、これは乗車密度を高めなければならないんですね。それからあと伊田線でも二千八百七十四名、田川線でも二千百三十四名、日田彦山線が三千二百八十名、日田彦山線は、ラッシュ時の片道一駅当たり千人以上、これに入って除外になるだろう思います。これは北九州から出ておりますからそういうことになるだろうと思うのですが、ほかの後藤寺線、伊田線、田川線ですやこれもやはり四千人以上に乗車密度を高めませんと、これは行く行く六十年度以降廃止されてしまうということになると、もう筑豊本線と日田彦山線しか通らない、そういうかっこうになってしまうんですね。これは私は、ゆゆしき一大事だろうと思っているのです。ですから、通産当局がいろいろと御努力されたということはわかりますけれども、その努力が結局実っていないのじゃなかろうか。大臣、政策の選択性の問題だとおっしゃいましたけれども、いままで努力されたことが形では多少残っているけれども、しかし実際にそれを運用するという場面になりますと、これは余り効果を上げていないのじゃないか、こういうふうに考えているのですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○田中(六)国務大臣 三浦先生が頭に描いていることより以上のことを私は閣議で主張し、十年間の産炭地振興の延長の中身、それから産炭地復興、御指摘の生活保護者の問題、筑豊地帯の人口が鳥取県に等しいような人口で、その予算は二分の一、その予算も筑豊地帯で使うのじゃない、北海道も常磐もその他もあると、微に入り細に入り、私の日ごろ考えていることはぶちまけておりますし、政令の中に一応書かれておりますけれども、また次の段階で不可能を可能とすることが職業としての政治家の務めならば、そういう面も努めていこうと思っておりますので、三浦先生も十分、私と同じ地盤でありますし、同じ考えでございますので、一致共同して次の段階にはまた御努力願いたいと思います。
○三浦(久)分科員 大臣はいま、できれば政令の内容もある段階では変えていきたい、そういう趣旨のことを言われたと思うのですけれども、私はこう思っているんですよ。昭和六十年度までに廃止をされる路線が出している赤字というのは、いままでは九百九十五億円だと言われたのです。ところが、今度例外事項が一つふえましたので、五線だけまた残るようになりましたね。そうしますと、どのくらいの赤字がというと、一年間で六百八十六億円なんですよ。東海道本線が一年間に出している赤字は千三百億円です。ですからその半分しか出してないのですよ。国鉄の赤字は八千四百億円くらいあるわけでしょう。そして政府の助成がなかったら一兆三千億か四千億くらいあるわけです。その中のわずか六百八十六億円しかないのですよ、こんなに住民の抵抗を押し切ってぶち切っても。これは赤字の原因にメスを入れて国鉄の再建をするという方向になってないということなんです。国鉄がどうして赤字になったのか、これは自動車との競争に負けだということです。これは政府も認めていますね。自動車との競争に負けた。負けたのなら勝つようにしなければいけないと思うのです。政府がずっとモータリゼーション政策を推し進めてくる。ですからもう国鉄は全部借金でその金利まで払わなければならぬ、こういうことになるわけですから、どだい競争の基礎条件が全然違ってきているわけですね。そういうことで自動車との競争に負けたということがある。一年間に八千四百億円も利息を払っているわけです。一日二十三億円ですかの利息を払っている、そんな状態なんですね。この赤字の原因にメスを入れてない、特に借金政策をやめさせなければだめですね。毎年、今年度だって一兆二千億円くらい借金をして設備投資をするわけでしょう。ですからまたその利息を払わなければいけない。こういうことをやっておったのじゃ全く国鉄の再建なんかできないと私は思うのですね。そういう根本的な問題にメスを入れずに、わずか六百八十六億円の赤字をなくすために住民をこんなに泣かせる。閣内不統一まで出るような荒療治までやる。私はこれは政治じゃないのじゃないか、そういうふうな気持ちを本当に強く持っています。 きょうは運輸委員会じゃありませんから、ここで国鉄の再建論議を通産省とやろうという意思はございませんけれども、しかし私は通産省にもボタンのかけ違いがあったのじゃないかというふうに思っております。というのは、たとえば五十四年、おととしの十二月に国鉄再建についての閣議了解ができています。閣議了解ですから当然通産大臣も承認されたと思うのですね。ここでは、国鉄をどうするか、今後まず三つの仕事に限定しよう、一つは都市間の旅客輸送、新幹線のような都市と都市とを結ぶ旅客輸送と、大都市圏内の旅客輸送、東京とか大阪ですね、それにもう一つは大量定型貨物輸送、この三つの仕事に限定しよう、そのためにローカル線は切ろう、そしてその閣議了解の中には、一日の乗車密度二千人未満のは切ろう、こうなっているのですね。まず第一に、これを通産省が了解されたということ、ここに大きな問題があったのじゃないか。そして今度の閣議決定ではどうかというと、閣議了解の線よりももっと拡大されているわけですよ。乗車密度四千人というのは閣議了解の中にはないのです。今度は乗車密度四千人未満も切る、こういう政令に賛成をされる。心から賛成じゃないと言われるかもしれませんけれども、政策選択としてそうせざるを得なかった。そのためにさっき言いましたような後藤寺線とか伊田線とか田川線とか、こういうものまでも対象になります。ですから私は、やはり最初にボタンをかけ違ってしまったのでずっとかけ違ったのじゃないかというふうに思っているのですけれども、その点についてはどういうふうにお考えでございましょうか。
○福川政府委員 国鉄再建問題というのは先生も御指摘のようにいろいろ政府部内でも論議があり、いろいろな経緯を踏まえまして今回の法律の制定となり、それでまた法律の実施という段階を迎えたわけでございます。もちろんこの体系の中で貨物輸送をどうするか、あるいは地域開発との関連をどのようにするかということは、私どもも政府部内でも十分主張すべきは主張していかなければならないと存じますし、また、今後産炭地域振興臨時措置法の延長が制定されますれば、今後この地域の発展ということにつきまして、総合交通体系のあり方ということから十分検討を加えていかなければならないと思いますし、また、今回第二段階での線の選定あるいは六十年度以降の選定、これまでには経済社会情勢にもいろいろな変化があろうかと思いますので、今後の変化を踏まえながら、運輸当局と私どももその事態を踏まえまして十分私どもの主張も申し上げ、調整に入っていきたいというふうに思っております。
○三浦(久)分科員 そういう綾でひとつ御努力を賜るようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、鉱害復旧の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 臨時石炭鉱害復旧法、略称臨鉱法と言っておりますけれども、これは五十七年の七月に期限が切れますね。それまでにいわゆる鉱害復旧が完了するというふうには私には思われないわけですけれども、通産省はこの点どういうふうに御認識になっていらっしゃるのでしょうか。
○福川政府委員 昭和四十七年に策定されました鉱害復旧長期計画の進捗率を見てみますと、五十五年度末で大体七割程度になるのではないだろうかというふうに私どもも予想をいたしております。鉱害関係二法の期限が御高承のとおり五十七年七月ということでございますので、これを完全復旧を行うことができるかということにつきましては、私どもも厳しい状況にあるものと考えております。このために現在全国の鉱害量調査を実施をいたしておりまして、その見直しを行いますとともに、鉱害関係二法の期限切れの措置につきまして今後どのような施策をとっていくべきかということについて現在内部の検討を行っておりますが、やがて関係の審議会の御審議を煩わして、その後の政策のあり方を御検討願うということにいたしたいと思っております。
○三浦(久)分科員 五十六年度の予算を見ますと、予算額が四百七十一億円、工事額六百三十九億円、これによってどの程度復旧率が上がることになりますか。いま、五十五年度末では七〇%くらいとおっしゃいましたね。五十六年度末ではどのくらいになりましょうか。
○福川政府委員 今後、工事量の推定でございますからはっきりしたことは申し上げかねますが、大体八割程度になるのではないだろうかというふうに思っております。
○三浦(久)分科員 そうすると大体一年間で一〇%くらいの進捗率、こういうことになりますね、そうすると、五十七年の七月に切れるわけですから、五十七年の四月、五月、六月、七月というこの四カ月間で残り全部やる、この法律が生きている間に全部やるということはちょっと不可能じゃないか。いま残存鉱害量をお調べになっていらっしゃるということですけれども、調べればこれは減ることはないと思うのですね。四十七年に調査をした残存鉱害量よりもふえることはあっても減ることは絶対にないと私は思うのですね。というと、もういまの時点で、いまお調べになっている結果を見なくても、この法律が生きている間に鉱害復旧を完了させるということはまず不可能だという結論が出るのじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
○福川政府委員 先ほど申し上げましたように、私どももこの法律の期限内、五十七年七月までに四十七年につくりました鉱害復旧基本計画の鉱害復旧事業を完了するのは厳しい状況にあるというふうに考えております。したがいまして、現在鉱害量調査を実施いたしておりますが、その調査結果も踏まえまして、その後どのような形でこの法律の延長を考えるかどうか、その後の施策につきまして近く私どもも関係審議会の方に御審議を煩わすというようなことの手はずにいたしたいというふうに思っております。
○三浦(久)分科員 なかなか延長するということは言えないのでしょうけれども、残存鉱害量があるにもかかわらず臨鉱法を期限切れのままにしておくというようなことはできないのでしょうね。どうでしょうか。
○福川政府委員 私どもも鉱害の復旧ということの必要性はかねてから認識をいたしております。今回もそれがさらに残っておるということでございますれば、その後の施策はもう何もしなくてもいいというふうになるとは私ども考えておりません。
○三浦(久)分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 当予算分科会も私で最後でございますので、大臣も相当長時間お疲れだと思うのですが、最後の質問でございますから、どうか積極的にすかっと御答弁いただくことを期待しておりますし、また関係の政府委員の方、御答弁いただく際、恐縮ですが非常に時間が限られておりますので、御答弁は要点だけ簡潔に御答弁いただくことを最初にお願いをする次第でございます。 まず最初に大臣にお伺いいたしたいのは、いま日本とアメリカとの貿易摩擦が非常に大きな問題になっているわけでございますが、日本とアメリカにかてて加えてと言ってはちょっと表現が悪いわけでございますけれども、最近の報道等を見ておりますと、欧州共同体との関係も非常に懸念される問題が出てきているのではないか。先日の二月十七日の十カ国外相理事会でも、日本の国との貿易不均衡の問題がまた大きな不満が論ぜられるということが報道されております。 そこで協議した結果が伝えられておるわけでございますけれども、一つは、輸入が急激に増加しておる日本の製品、中でも乗用車、カラーテレビ、数値制御装置つき工作機械、いわゆるNCですね、この三品目が非常に問題だ、これから一月から三月の輸入分について数量の監視をする、いわゆる監視制度の導入ということが言われておりますし、もう一点は、今度ごとし六月のカナダのオタワのサミットでは、日本とECとのこの問題を貿易摩擦として議題として取り上げる、こういうことが報道されておるわけでございます。やはりこういう問題をこのまま放置しますと、日本にとっては非常に憂慮すべき事柄ではないか。御承知のように、三月一日のその後のニュース等によりますと、日本が早急に対応策を出すべきだ、出さなければ今後は事前輸入承認制度や政府ガード、いわゆる緊急輸入制限を発動する可能性も示唆されているようなことが伝えられております。日本の国は貿易立国でございますので、こうなってまいりますと日本の経済、国民生活に与える影響は非常に懸念されます。この問題について大臣いかが対処なさるか、まず冒頭にお伺いしておきたいと思います。
○田中(六)国務大臣 対米貿易摩擦、またECとの摩擦、カナダも含めていろいろ――まず当面の自動車問題は頭の痛いことでございますが、私も近く、時期はまだ決まっておりませんけれども、対米自動車問題については渡米をしてこの解決に当たりたいというふうに思っております。 〔山田(耻)主査代理退席、主査着席〕 ECに対しましても、わが国の貿易量を見ますと、わが国の方が百億ドルぐらい黒字でございます。これがまた大きな問題になっております。特に自動車の問題が他の諸機械あるいはTVその他の問題よりも大きくこれまたクローズアップされております。しかし、私といたしましては、まず言うべきことを言わなくてはならない、そういう腰だめは持っております。と申しますのは、やはり日本の自動車産業というのは、直接に六十二万人の雇用者がいますし、下請企業から関連、ディーラーも含めますと五百万人さえいると言われております。しかし、アメリカも日本の自動車が行くことによって二十万、三十万のレイオフ、失業者が出ると言っておりますし、アメリカのことを考えますと、戦争が終わって以来アメリカはあらゆる角度から日本を助けておりますし、現在も貿易量の四分の一以上はアメリカに依存しておるわけでございまして、そういう点を考えれば、アメリカの立場に立ってまた考えなければなりませんし、EC諸国におきましてもやはり同じことでございます。 と申しますのは、日本は自由貿易、開放貿易でこそ生きられるわけでございまして、各国が保護主義貿易になっていきますと、その結果日本自身が首を締めるようなことになりますので、貿易立国、技術立国としての立場というものを考えるときに、やはりここで日本もがまんしなければならないところはがまんしなければなりませんし、そういう点は私ども――フランスでも三%くらいに抑えておる。ベルギーでもいろいろな問題がございますし、イタリアでも車の台数を制限しておる。いろいろなことがございます。結構ガット違反を適当にやりながら、言うべきことだけを言っているというような印象も強く持っておりますけれども、そこは交渉によって特定の地域に集中豪雨式な輸出というものはできるだけ避ける。日本もある程度の秩序ある輸出をやっていくんですよというようなことを事実の面でもあるいは交渉の面でも説明して、できるだけ円満な解決策を持ちたいというふうに考えております。
○薮仲分科員 きょうはこの問題が主眼でございませんのでこれにとどめておきますけれども、こういう貿易摩擦は自動車に始まって、これで終わるのではなく、次には潜在的にいわゆる集積回路、これもアメリカあるいはEC等々と大変大きな課題になってまいりますので、どうか大臣の賢明なる施策によりまして、その一つ一つの問題を解決し、日本のいわゆる経済発展のために安定した成長が望めるよう御努力を重ねて望んでおく次第でございます。 次に、問題をがらっと変えまして、これも大臣に冒頭にお伺いしたいのでございます。私は、エネルギー問題の中でも、特にLPG、プロパンの問題について何点がきょうはお伺いしたいと思っておるわけでございます。 資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給暫定見通し」等によりましても、これから六十年、六十五年、七十年度とLPGに対する需要というものは増加するであろう。五十二年度の実績で七百三十九万トンのものが七十年度には三千三百万トン、全エネルギーの中で占める割合が五・九%、このようにプロパンの占める割合がだんだんふえてまいります。しかも、家庭、業務用等も安定した形で増加の傾向をたどっておるわけでございますが、やはり日本の将来のエネルギーバランスといいますか、エネルギー対策の一環としてプロパンの位置づけを大臣としてはどのようにお考えになるか、その辺を最初に伺っておきたいのでございます。
○田中(六)国務大臣 いましPGの需要世帯数でございますけれども、千八百万世帯から二千万世帯あるわけでございまして、小売業者が四万一千軒あるというふうに言われて、利用者も非常に多く、また将来は、ただいま議員御指摘のとおりの状態でございます。私どもは、これはどちらかというと、日本の代替エネルギーにおきましても非常に重要な要素を占めておりますし、クリーンでもありますし、そういう点は十分配慮してこの育成には万全の努力をしていかなければならないというふうに感じております。
○薮仲分科員 重ねて大臣にこの点だけは確認をしておきたいのでありますけれども、いわゆる家庭、業務用という点をちょっと申し上げましたが、いま大臣お話しのとおりでございまして、プロパンが約二千万世帯、都市ガスが一千六百万世帯、いまのところはプロパンの方が特に家庭用では使用量が多い、二千万対一千六百万です。しかし、これは今後の通産省の指導によってはあるいは逆転するかもしれませんし、あるいは五分五分でいくのかという点は非常に大事な点ではなかろうかと思うのでございますが、都市ガスとLPガスとのバランスを大臣としては今後の行政の中でどうお考えになるか、その点いかがでしょう。
○田中(六)国務大臣 私の基本的な考えを申し上げますと、都市ガスの侵食あるいは圧迫が現実にあるようでございますけれども、あくまでLPG、これの拡大並びにこれの安定というものを堅持していきたいという基本方針でございます。
○薮仲分科員 それでは、これは担当の部長にお伺いしたいのでございますけれども、いま大臣の御答弁で都市ガスとLPのバランスについてお話がございました。公益事業部長お見えだと思うのですが、ここでお伺いしたいのは、いま常々世間で言われる考えの中に、都市ガスの方が安全だという認識、あるいは都市ガスの方が使いやすいですよ、こういう潜在的な意識があるやに私も感ずる面があるわけでございます。公益事業部長としては、都市ガスの方がプロパンより安全性でも使いやすさでもすぐれているとお考えかどうか。ちょっといやらしい質問ですけれども、いかがでしょう。
○森山(信)政府委員 公益事業部長は直接のお答えはしにくいと思いますので、私からお答え申し上げたいと思います。 いま御指摘のございましたプロパンと都市ガス、どちらが安全かということにつきましては、私どもは差別は全く考えておりませんで、供給形態が違っておりますので、ユーザーの方の選択ということが基準になりますけれども、どちらの方が安全だからどちらの方にいった方がよろしいということは言うべきことではないというふうに考えております。
○薮仲分科員 じゃ、重ねてお伺いしましょう。いまそちらの御答弁の中に消費者の選択の自由という言葉がございました。これがいま業界の中では非常に大きな問題になってくるわけでございますが、その問題は後でお伺いします。 いわゆる消費者の選択の自由という立場に立ちますと、供給機器の変更、プロパンから都市ガスに変えるときに、都市ガス側の立場で物を申すときに、これは消費者の選択の自由ということが前提です、消費者の方が都市ガスを使いたいんだ、だからプロパンから都市ガスに変わることはやむを得ないんだ、このような説明があるわけでございますが、いまのお話を伺った上で、少なくとも消費者の選択の自由というとき、じゃ通産省としては、なぜ消費者の方がプロパンより都市ガスを選択なさる、そういうお言葉をお使いになったから言うわけでございますが、なぜ都市ガスを使うような選択をなさるとお考えか、その辺の見解をお伺いしたいです。
○石井政府委員 これはまことにお答えしにくい、若干主観が入るところでございまして、これが果たして客観的に正しい見方がどうかわかりませんが、家庭のすぐわきに発生設備を持っているのがLPGの形態でございまして、やはり一般的に危惧感といいますか、そういうものが内々あるんではなかろうかというのが私どもの推察でございます。もちろん都市ガス事業の場合に導管をもって供給いたしておるわけでございまして、その限りにおいて野外から引き込んでおることはまた同一でございますが、何かそういうような印象があるんではなかろうかというふうに推察をいたしております。
○薮仲分科員 いまの問題は後でゆっくりほかの委員会でやらさしていただきます。きょうは時間がありませんから、言われたとおり承っておきます。 これは大臣にお伺いしたいのです。大臣、都市ガスはいわゆる公益事業でございますが、都市ガスとプロパンと、いわゆる公益性という観点から考えると、どのような御認識に立たれるか、ちょっとお伺いしたいわけでございます。公益事業の定義は、もう大臣先刻御承知のように、いわゆる労働関係調整法第八条に出ております。「公益事業、その指定、」というところで、「この法律において公益事業とは、左の事業であって、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいふ。」公衆の日常生活に欠くことのできないものが公益事業です。ここに「運輸事業」、「郵便、電信又は電話の事業」、「水道、電気又は瓦斯供給の事業」、「医療又は公衆衛生の事業」等が出ておるわけでございますが、その次にこう出ております。「業務の停廃が国民経済を著しく阻害し、又は公衆の日常生活を著しく危ぐする事業」を一年以内ならば総理大臣は公益事業と指定してもよろしい、これがこの第八条に出ているわけでございます。これを踏まえまして、いわゆる「公衆の日常生活に欠くことのできない」あるいはその事業が「国民経済を著しく阻害し、又は公衆の日常生活を著しく危ぐする」という観点から考えますと、このプロパンというものは著しく公益性の高い事業である。片や公益事業、片や一般の事業です。そこに大きな差別はありますけれども、公益性という観点からだけ論ずるならば何ら都市ガスとプロパンに公益性の差異はないと私は思うのですが、大臣いかがでしょう。
○田中(六)国務大臣 私も委員御指摘のように、公益性という観点から見れば全く差別はないと思います。
○薮仲分科員 私も全く大臣の御答弁どおりだと思うのでございます。 それでは次に、もう少し具体的な例でお伺いをしたいと思うのでございますが、今度は都市ガスとプロパンの組成面であります。公益性では変わらない。それではガスの本体の組成では一体どの程度違うのか。これはもうここにおいでの大臣初め御承知のように、都市ガスは天然ガスとか石油系のガス、石炭系のガス、いろいろございます。特に天然ガス、LNGを使っておりますのは東京瓦斯とか大阪瓦斯とかほとんどが天然ガスを使っておりますが、ほかの中小のガス会社は石油ガス系であるとか石炭ガス系でございます。このガスの組成から見てまいりますと、いわゆる天然ガス系、通産省の言い方でいきますと改質ガス系ということになりますが、こういう点で見てまいりますと組成の上でどれほどの差があるのか。いわゆる燃料カロリーでは御承知のようにプロパンの方が立方当たり三万四千キロカロリー、都市ガスの方が三千六百から一万一千キロカロリー。これは通産省の資料ですから、間違いないと思います。比重はどうか。プロパンは床をはいますよ、都市ガスは上がりますよ、こう言いますけれども、都市ガスの中でもブタンを主成分としたブタンエアは比重が一・二です。比重もこれは余り変わらない。毒性、爆発性等いろいろ問題がございますが、そういうことは抜きにしまして、いわゆる燃焼に要する組成面からいきますと、都市ガスとLPGの差というものは、原料が同じ石油系ガス、改質ガス等であろうかと思いますのでそう大きな差異はないと判断しますけれども、その点いかがでございましょう。
○志賀(学)政府委員 先生いまお話のございましたように、都市ガスの中にも天然ガス系あるいは製造ガス系、ブタンエア、いろいろございます。かなり差異がございますけれども、ただいま先生御指摘のように、成分の組成につきましていろいろ数字をおっしゃいましたけれども、大体お話のとおりでございます。 プロパンについて申しますと、大体一般家庭に配られていますのがプロパンが八〇%以上ということになっております。それから都市ガスの天然ガス系でございますとメタンが八八%。それから改質系でございますと、これはナフサ、ブタン、石炭、原料によって違ってまいると思いますけれども、大体水素それからメタン、この辺が中心でございます。それから一酸化炭素が入っている。それからブタンエアの場合にはブタンが二二%ぐらい、あと窒素が六二%ぐらいということになっております。比重あるいは発生熱量、その点については先生の御指摘のとおりでございます。
○薮仲分科員 結論として組成面ではそう変わりないという判断でよろしゅうございますか。
○志賀(学)政府委員 ただいま私の申し上げたとおり、何をもって組成というかということでございますけれども、たとえば一酸化炭素は改質系の都市ガスには入っているけれどもLPGについては入っていないとか、比重について、ブタンエアは確かに空気中の比重は一・二で空気よりも重いわけでございますけれども、ただ、都市ガスの中でブタンエアの比重というのは一割ちょっとでございます。それに対してプロパンは一・五、都市ガス平均として見ますと〇・六ぐらいでございますから、都市ガスとプロパンとはかなり性格が違うということになろうかと思います。
○薮仲分科員 御答弁としてはその程度が一番よろしいところだと私は思います。 それではもう一点、いま公益性と組成面を伺いましたが、次は安全性の面で石油部長と公益事業部長お二人からお考えを聞きたいと思っておりますが、結論を言えば、安全性で都市ガスとプロパンをどうお考えかということです。いま石油部長の御答弁にもございましたように、都市ガスには一部を除いて二%から八%の一酸化炭素が入っております。いわゆるガスによる中毒死という問題になりますとプロパンでは中毒死はございません。爆発等による事故はあるかもしれませんが、中毒死はありません。中毒による死亡者数は都市ガスの方が高いと言えるかもしれません。また、消防庁の消防白書を調べてみました。昭和四十五年から五十三年の間の百万戸当たりの発生件数ですが、ガス器具及びガス設備の事故による年間火災発生件数、これは消防庁の資料でございますが、LPガスが二百十六・七件、都市ガスが二百七十六・九件、都市ガスの方が火災発生件数は多いわけです。 それでは災害の規模は一体どうなのか。私は静岡です。きょうは余りこの問題はいたしたくないのですが、昭和四十五年、御承知のように大阪の駅前で地下のガス爆発がございました。亡くなられた方が七十名、負傷された方が三百八十三名という大事故でございました。私の地元、静岡の駅前でも地下街の大爆発がございました。大変心の痛む事故でございまして、亡くなられた方が十五名という大惨事が発生しております。こういうものを見てまいりますと、都市ガスの災害規模というものもきわめて大きいのじゃないか。都市ガスが安全かというと、事故が一たん発生したときの問題を見てみますと、安全性で都市ガスが安全ということが果たして断定できるかどうか。火災発生件数等を含めまして、いわゆる安全性の側面から都市ガスとプロパンは差があるのかどうか、この点大変御答弁しにくいと思うのですが、両部長を並べておいてこういうこともいかがかと思うのですけれども、お二人からお考えをお伺いしたいと思います。
○志賀(学)政府委員 最初に申し上げておきたいわけでございますけれども、私はLPガスの所管でございますが、都市ガス、LPガスともに安全確保ということは私どもとして最大限に努力をしていかなければなりませんし、業界におかれても最大限の努力をしておられると思っております。したがって、どちらが安全かということを比べることは果たしていかがかという感じがするわけでございますけれども、消防白書に災害件数の数字が出ております。先ほど先生がおっしゃいました数字は、消防白書の災害件数を百万戸当たりに引き直した数字だろうと思っておりますけれども、そうしますと先生の御指摘どおりでございますが、生の数字で申し上げますと、たとえば消防白書、同じ火災でも火災Aと火災Bというふうに分けて発表しておるわけであります。火災Aと申しますのは、漏洩したガスによって爆発的に火災になったという件数でございます。火災Bと申しますのは、ガスを使用中に発生した火災でございます。それを分けて出しておるわけでございますが、生の数字で申しますと火災Bの方は都市ガス、LPガスほぼ同じぐらいの数字でございます。火災Aの方は、LPガスの方がかなり多い数字でございます。ただ、世帯数が違っておりますからこれを百万戸当たりに引き直しますとその差は火災Aにつきましても生の数字ほどには違っていないという形になるわけでございます。この辺の数字でございますけれども、いずれにしても、プロパンガスの場合には爆発限界の空気中における濃度がかなり低く二・二%ぐらい、それに対して都市ガスの方は、ガスによっていろいろ違いますけれども四・三%ぐらい、その辺の違いが出てきているのかなと思います。ただ、一方におきましては一酸化炭素中毒、こういった中毒件数になりますと都市ガスの方がはるかに多いということになっておるわけでございます。ガスの特性によって事故の内容もまちまち、こういうことでございます。
○石井政府委員 両方の比較につきましてただいま石油部長が御答弁いたしましたのであえて私から申し上げれば、都市ガスの場合におきましては、市街地、特に密集地及び市街地として計画的に開発された比較的都市部に敷設されておる関係上、一たん起きますと大きな災害になるという意味におきまして、先生御指摘のとおり、私どもとしてはガス事業の運営におきまして保安の確保を第一義として指導いたしております。御指摘のような事故が起こり、またそう画然たる事故件数の減少が見られていないという意味におきましてはきわめて遺憾に思っておりますが、私どもとしては都市ガス事業あるいはLPGそれぞれにおきまして、それぞれの機器の特性に即した安全確保の手段を極力追求してまいりたいと思っております。
○薮仲分科員 いずれにしても両方とも安全確保に努めて安全に供給し、結論としては安全ですとおっしゃれば簡単でございますから、そうおっしゃればいいのです。そうでなければ困るのです。 それで、最後ですし、時間がありませんから、まとめて大臣にお伺いします。 なぜ私がこういうことをお話しさせていただいているかといいますと、都市ガスとプロパンというのは、細かい点で言えばいろいろ差があるかもしれませんが、公共性、組成、安全面、これは両方ともさらに努力を重ねてよりよい供給体制、そしてまた国民生活の上にさらに寄与していただきたい。これは私も考えは同じです。ただ、いつもトラブルが起きてくるわけでございますのでわざとこういう問題を質問させていただいたわけでございます。この問題は、この次また当該の委員会等で質問させていただきたいと思いますが、都市ガス、ガス事業法でガス事業者が供給区域を変更してまいります。供給区域の設定というのは一体何のためにあるのか。私が問題にしたいのは、いまの公共性等を考えますと、プロパンの業者の立場ということもこれから供給区域を変更するときに十分配慮していただきたい。確かに現在公聴会を開いております。反対陳述をいたします。陳述しただけで何らそこでしんしゃくされず、供給区域が変わってまいります。いままでずっと公聴会の例を調べて意見を聞いてみましたけれども、プロパンの立場というものについては、反対意見を述べるということなのです。なぜかといいますと、ガス事業法の供給区域というのは導管の設定についてやってまいります。導管で供給するのは都市ガスですから、プロパンとは全然供給形態が違いますから一切しんしゃくしなくてもいいとは言いませんけれども、そういう考えがなきにしもあらずです。この点どうか大臣、今後の検討課題として心にとどめておいていただきたい。そして、今後プロパンとの競合という問題を先ほど申し上げたエネルギーバランスの上から、特にいまの公益事業部長のお話のように都市部において問題が起こるわけです。山間僻地はプロパンで供給しております。しかし、人口三十万、四十万という都市で、都市ガスとプロパンとの間で必ずしも円満な関係にございませんし、これを何とか競合あるいはトラブルの起きないように検討を重ねていただきたい。どうバランスをとるかということです。 三番目は、いわゆるこのガス事業法と液石法、この法律の本旨でございますけれども、ガス事業法は、ガス事業者の育成ということがまず本法の一番最初に出てまいります。液石法の方は、高圧ガス取締法から出ておりますから、やはりガス供給、販売、器具等の規制という言葉が出てくるわけです。片や頭から規制です。片や育成です。そこに両業種間に本質的な法律の弱さといいますかそういう考えがどうしても潜在的にございますので、私は、そういう点のガス事業法と液石法の整合性を大臣にぜひともお考えいただきたい。 それからもう一つは、いつもトラブルが起きますのは、費用負担の問題がございます。ガス事業法では、ガス事業者の負担する部分と消費者の負担する部分が明確になっております。液石法では、必ずしも明確になっておりません。その契約の時点ではっきりしなさいと石油部では指導していただいておるようでございますけれども、しかし現場では必ずしも明確になっておりませんので、こういう点、私、四点ほど申し上げました。私は、日本のこのエネルギーバランスの上に立って、都市ガスとプロパンというのはやはり共存共栄といいますか、好ましいバランス関係をどうしても通産大臣の指導の中で、両業種を育成そして国民生活を守るために役立たせていただきたい。こういう観点から、最後に大臣の決意を伺って、私の質問を終わります。
○田中(六)国務大臣 ガス事業法とそれから液化石油法の関係の法律、この運用につきましては、十分その運用の適正化を図っていかなければなりません。と言いますのは、御指摘のように都市ガスとLPGのガスとの競合というものは、私どもは、あくまで、私が冒頭に申し上げましたように、郡市ガスの侵食というようなことのないように努めなければいけないということを申し上げたはずでございますが、そういう点を十分勘案していくということには変わりありません。ただ、やはりここでLPGの関係者の人々も、消費者のニーズに沿うような近代化、合理化というものは常に頭に置いていってほしいという願いを持っております。その他のことにつきましては、薮仲委員御指摘のように、十分気をつけて対処してまいりたいと思います。
○薮仲分科員 終わります。
○武藤主査 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中通商産業省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の特段の御協力によりまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後五時四十四分散会