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94回国会衆議院1981/02/28

予算委員会第四分科会 第2号

発言数
326
登壇者
36
会派数
5
開催日
1981/02/28

会議録

近藤元次自由民主党

○近藤(元)主査代理 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。  主査が所用のためおくれますので、私が主査の職務を代行いたします。  昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中農林水産省所管について昨日に引き続いて質疑を行います。  質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願い申し上げます。   質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願い申し上げます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武郎文君。

武部文日本社会党

○武部分科員 先日の物価の集中審議の際に農林大臣においでをいただきましたけれども、時間の関係で大変失礼をいたしまして、申し上げる機会がございませんでした。私は、いずれ改めて、この物価の中で大変大きな役割りを持つ野菜の問題について、物価の委員会でぜひ大臣の見解等承りたいと思っております。きょうは一つだけ要望をし、その際また改めてやりとりすることにいたしたいと思います。  きのう、二月の東京区部の数字が明らかになりました。全国の一月も明らかになりましたが、やはり野菜は下がっていないのであります。作付面積の拡大につきまして、われわれは一〇%を要求いたしました。結果は五%程度の作付面積の拡大ということになったわけです。特に野菜が天候に左右されるということが非常に大きな影響を持っておるわけですから、そういう意味で、ことし、五十五年度の物価上昇の中で野菜が相当大幅に上がった、それが数字の上にも影響してきたというようなこともございますので、五十六年度は、そういう意味からいうと一年間の反省の上に立って、来年の天候も干ばつなのかあるいは冷害なのか豪雪なのか、これまた全く予想ができないということでありますから、野菜対策というのは長期にわたって、一年間の展望の上に立って計画を立ててもらわないと、また物価の上昇に大きな影響を与えるというようなことがありますので、私は、以下四、五点について要望をしておきますので、御検討をいただきたいと思います。  まず、枠の拡大の問題については、やはり一〇%程度の拡大が必要ではないか、このように思います。しかも、作付面積の拡大が、一点集中主義的な大規模集団地方方式をとるということについては問題がありはしないか。それは天候に左右されるがゆえに私どもはこれを懸念するわけでありまして、大規模な作付面積あるいは集団的な、黒を指定するとか特定な地裁だというようなことをすれば、かえって効果が薄いじゃないかというようにも思うわけであります。むしろ、小規模産地の育成あるいは小規模産地に対する作付面積の拡大、そういうことを要請していった方がことしの経験からいうといいじゃないか。たとえば豪雪になって交通が途絶すれば品物が入ってこないというようなことにもなるわけですし、そういう必要を痛感をしておるわけであります。  もう一つは、都市近郊の農地の活用であります。都市近郊を離れて相当遠いところ、たとえば鹿児島だとか高知だとか、そういうところに大量の作付面積の拡大をするというようなことになると、さっきから申し上げるように天候、交通、そういうようなことに左右されたりするようなことになるので、都市近郊の農地の活用を少し考え直したらどうだろうか。  もう一つは青空市場の活用でありますが、青空市場というのは、都市では大変重宝がられておるのでありまして、そういうものにもっと積極的な対策を農林省としては立てるべきではないだろうか。  それから、もう一点は流通問題でありますが、この間、私どもは神田の中央卸売市場、青果へ行ったわけですが、大井に市場が移転するとかせぬとかということでいろいろやっておるようですけれども、むしろ、小規模流通市場というのは余り統合しないで、大都市近郊には残しておく必要があるじゃないか、そのことが流通面で非常にいい結果を生むのではないかというようにも、実は余り知識はございませんが、そういうようなことを考えて、余り大きな規模の卸売市場をつくることにはちょっと問題がありはしないか、こういうふうに考えたわけです。  もう一点、最後は輸入の問題でありますが、この一月ごろになってから緊急に台湾だとかニュージーランドからいろいろなことの輸入を考えたようですけれども、これは時間もかかるし、なかなかすぐには効果が上がらない。したがって、輸入の年間計画というようなものを、これは相手もあることですし、むずかしいことかもしれませんが、この輸入計画というのは長期にわたって計画を立てる。  野菜というのは余っても仕方がない。物価の指数を抑えるためには、安定させるためには、ある程度の犠牲もやむを得ない、こう思うわけでありまして、一万分の二百八十というウエートであっても、野菜というものは全部の家庭が毎日消費するものでありますから、影響が非常に大きい。そういう点にもっと力を入れなければ、来年の物価の指数も政府の公約におさまるというようなことも非常にむずかしいのではないか。私は、ことしの経験の上からいってもそのように思うので、冒頭に、先般の質疑ができませんでしたので、私はそういう意見を持っておりますが、一点だけ大臣の見解を承って、あとはまた別の委員会でやらせていただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 いろいろ適切な指摘をしていただきながらの御質問でありますが、農林水産省といたしましても、野菜の価格の安定ということ紀ついては全力を挙げておるわけでございます。相当な経費も使っておるわけでございます。ところが、御指摘のように天候に左右されやすいということで、その点非常な苦労をいたしておるわけであります。  それともう一つは、周年性の、食生活というものが向上してまいりまして、もう時季物というような感覚がなくなってきておるというふうなところでございまして、たとえば葉物、レタスとかあるいはホウレンソウでありますとか冬季間になかなか生産の困難なものの需要が非常に高い。そういうものが価格面に反映してくる、そういう点をどういうふうにカバーするかという問題も、実はこれから解決していかなければならぬということでございます。  それともう一つは、安くなると物価対策上はまことに結構なわけでありますはれども、今度は生産者の立場から見ますと、安ければもうつくったってしようがないということで、その作付面積をふやそうと思っても、なかなか容易じゃないという事態を現に経験をしておるわけでございます。と同時にまた、年間の大体の作付面積というものが、ハクサイについてはどのくらい、キャベツについてはどのくらいというようなことが、長年の経験上から一応ある数字が出ております。それよりも、実は去年野党の皆さん方から、一割多く作付面積をつくれというような御主張があったわけでありますが、それを農業団体並びに野菜関係の団体によく話をいたしましても、その一割という話を持ち込んでも、もう全然これは協力が願えないという問題が一つあるわけでありまして、それでやっと二%から五%程度のところまで作付面積を多くした結果がことしのような状態であるということでございますので、これの運転についても、今年も相当な天候異常になるのじゃないかという心配の向きもあるわけでありますので、その辺については十分生産者団体とも話し合いをいたしまして、そしてできるだけ生産者団体に大きな損害を一挙に与えるというようなことのないような方法を考慮しまして作付の安定を期していきたい、こう考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部分科員 それじゃ、あとの問題は改めてまたやらしていただきます。  きょうは大変短い時間ですから、私は、あと牛乳の問題についてひとつお尋ねをいたします。  二月三日の新聞に大々的に報道されました全国牛乳商業組合連合会、略称全乳連がスーパーの牛乳安売りを告発、奨励金を出した、そして阻もうと約六千万円の金をばらまいた。こういう新聞報道が出たわけであります。これを調べてみますと、事実であります。  この全乳連というのは、私どもは国会に何回か参考人としておいでをいただきまして、いろいろと意見を聞いたことがございますが、その内容は値上げの問題でありました。ところが、今回は全くケースが違うのであります。六千万円とこから金が出たかよくわかりませんが、六千万円の金を使ってスーパーの安売りに抵抗する、これは全く異常なことであります。消費者から見れば安いにこしたことはないわけですが、零細な販売業者にとっては死活問題だということでこのようなことがされたようでありますが、まさしく不当廉売は独禁法第四十五条違反であります。  一体、公取はこれをどのように調査をしておるだろうかと思いまして、公取を調べてみました。これは、主として近畿地方が多いようでありますが、奨励金を一件について二千円程度出す、だから告発をしろ、こういうことであります。公取柱告発を受けますと受け付けなければいかぬことになっているわけで、金額で言うならば三万件分出たことになるのです。六千万円で一つが二千円ですから、三万件も一斉に公取へ告発がなされた。こういうことで、公取自身もとても三万件を調査するようなわけにいかないし、全く困ったことだということで手を挙げておるというのが実態のようであります。  私は、この問題を、一体どこからこういう問題が出てきただろうか、こういう点を心配をしておるわけでありまして、特に牛乳問題というのは、私どもはずっと長い間取り上げてきた大変重要な問題でありますから、このことについてお伺いをしたいのであります。  公共料金の値上げとかあるいは物価の上昇で、いま零細な販売業者が大変苦境に陥っておる、こういう事態を私どもは承知をしておるわけであります。まさしくいま、零細な販売業者は青息吐息という状態のようであります。申し上げましたように、消費者は安いにこしたことはないわけですけれども、今日まで朝早くから牛乳を販売をし、営々とやってきた販売業者が安売りに対してこういうことで抵抗しなければならぬというような状況に追い込まれておる。この実態を農林省は知っておられるだろうかという点をまず最初にお伺いしたい。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘のように、まことに残念な事態だと思っております。  基本的な問題は、私、やはり牛乳の需給ギャップという問題があるだろうと思います。五十三、五十四と比較的順調に消費は伸びましたが、去年は冷夏の影響もありましたし、全体としては伸び率は低下してきている。それに対して牛乳の生産は、なお引き続きかなり堅調に伸びる力を持っているという実態があるだろうと思います。そういった状況のもとで、より有利な飲用乳に対して農協も乳業も非常に激しい販売競争を行っているということが一つの状況だろうと思います。  もう一つは、率直に申しまして、流通経路の大きな変革と申しますか、ビッグショップと申しますか、スーパーのバイイングパワーというものが非常に強くなってきた。そういう過程で起こってきている問題であろうと思います。  さらに、中期的に見ますならば、御案内のように、従来配達制になっておりましたびんの牛乳に対して、紙製容器の牛乳が決定的なシェアを持つような実態変革があったということだろうと思います。  私どもといたしましても、一つは牛乳の消費拡大をどうやって進めるか、もう一つは計画生産をどうやって誘導するかということに全力を投入しているところでございますが、同時に、やはり引き続き、スーパー等の強力なバイイングパワーを持った団体に対しての自粛という問題は、これからも考えていただきたいと思います。しかし、御指摘のような事態、これは自分たちの資金を集めてやっていることではございますが、いかがなものかという感じもいたしますし、公取にも大変いるいろ御迷惑をかけているようでございまして、判断は公取の判断に仰がなければなりませんが、私ども、そういう事態になるべくならないように、いろいろな面での努力はしなければならないと思っております。

武部文日本社会党

○武部分科員 大綱については御承知のようでございますが、私は、この六千万円の金というのは大変な金だと思うのです。全乳連の皆さんにとってみれば、経営が苦しい中で六千万円もの金を使ってでも安売りに抵抗しなければならぬというようなことは、大変なことだと思うのです。東京都の販売店は約千八百店あるようでありますが、去年一年間に何と約四百もの店がつぶれておる、廃業をしておるのであります。これはもう異常なことであります。どうにもやれないということで、千八百の店のうち四百がつぶれたということを私は聞いておるのであります。これは容易ならざることであります。確かにあなたがおっしゃったように、流通の経路が変わっておるということもよくわかりますが、こういう事態がある。  そこで問題は、このようなことが起きてきた背景は一体何だろうか。おっしゃるように牛乳の消費を拡大させたいというのは、農林水産省がずっと以前からそういうように提唱され、われわれも賛成をし、私どもの党は一日三合などということをかねて提唱したこともあります。消費の拡大は賛成しておりますが、一向にこの消費は伸びていない、このように思います。伸びておらないからこういうことになる、もし消費が拡大をしておれば、販売店はそういうスーパーと太刀打ちしてでも経営もやっていけるでしょうが、伸びないからどうしてもこういうようなことにしわ寄せをされてくる、こういうことになるわけですね。したがって、拡大のために一体何をやっておるのか、こういう点が問題になってくると思います。  したがって、消費の拡大のために農林水産省はいろいろなことをやっておるようですが、私は、時間がきょうありませんから、資料を要求いたします。そして改めてその資料に基づいて論議をしたいと思いますからお願いをいたしますが、何か消費拡大部会とかいうものが一つあるそうであります。それから社団法人全国牛乳普及協会というものが、ちょっと以前の二、三年前からつくられて発足しておるということを聞いております。この消費の拡大というものが、こういう全国牛乳普及協会だとか消費拡大部会だとかいろいろなものがあるけれども、全く有名無実ではないか、そこまで余り強く言いたくはありませんが、効果が上がっていないんじゃないだろうか、このように思います。  全国牛乳普及協会というのには、農林水産省やあるいは畜産振興事業団から相当多額の補助金が出されておるようであります。したがって、資料要求は、まずこの二つの部会と普及協会の組織、人的構成、役員報酬、予算、決算、補助金を含めましてこの資料をぜひひとつ提出をいただいて、それによってまた改めて論議をいたしたいと思いますので、これをひとつ約束をしていただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 別途資料を整備いたしまして、御要望の点について御説明させていただきたいと思います。

武部文日本社会党

○武部分科員 そういたしますと、この牛乳問題というのは、当面は公取に対する告発、しかもそれが不当廉売、独禁法第四十五条に抵触するかどうか、このことについて公取はいま検討を加えておるようでありますが、どうも法違反、四十五条違反ということにはならないようだ。それは価格が仕入れ価格よりも下回っていないというようなことを言っておるようであります。これはいろいろ調べてみなければわかりませんが、ひとつ農水省としてもこの問題について調査をしていただいて、資料の提出を待って改めて論議をいたしたい、このように思います。  そこで、もう一点の問題は肉の問題であります。かねて私どもは、この肉の価格の問題についていろいろとやりとりをしてまいりましたが、これは特に輸入肉の問題が主であります。  畜産振興事業団が一手に取り扱っておるわけでありますが、輸入肉の国内の卸売価格それから消費者価格、こういうものをずっと五十年から約五年間統計をとってみました。統計もあります。それを見ますと、輸入価格はぐんぐん下がっておるのであります。ことしの一月の価格は、五十年を一〇〇として四九・一でありますが、前年に対して二三・四弘も下がっておる、こういうかっこうになります、卸売の価格も同じように一〇%ぐらい下がっています。ところが、消費者の方の価格にいきますと、逆に、これは二けたまでいきませんが、一けた台で上がっておる、こういう数字がこの五年間の統計の中に出てくるわけであります。  一番最近の価格を調べてみますと、円高によって輸入価格は下がってくる、したがって卸売価格というものも下がっておる、こういう数字が一番新しい統計から出てまいりました。去年の一月の枝肉の一キログラム当たりが千四百九十九円、十一月になると千二百八十六円に下がっています。こんなに下がっておるわけです。ところが、小売価格を見ますと、東京都の区内で、百グラムで一月に三百三十四円だったものが十一月には三百四十円。卸売の方はぐんぐん下がっておるのに、小売の方は、大幅じゃないけれども上がっておる。全く逆な傾向が出ておるのであります。そういう事実を御存じでしょうか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 もうちょっと中期的に見ますと、実は必ずしも小売価格が卸売価格に連動しない傾向が出ております。つまり、五十三、五十四年等は、わりあいに輸入価格が割り高だったという時期にも小売価格は大体安定的に推移し、逆に、今度は卸売価格が低下傾向にあっても余り下がってこないという事実はございます。

武部文日本社会党

○武部分科員 これまたここでやりとりする時間はございません。そこで、改めてまたこれをやることにいたしますから、そのために私は次のような資料を要求したいのであります。  かつて私は、物特委員会で、畜産振興事業団の経理というものが余りにもずさんだということを述べたことを記憶いたしておりますが、調べてみるとまさにそのとおり。たとえば五十年の畜産振興事業団の当期純益金というものを調べてみますと、予算段階では十億、ところが、決算の途中の見込みになってくると、十一倍もふえて百十二億円、そして最終的な決算になると、何と百六十九億、ですから、予算の十七倍の決算になっておる。こういう大変な数字が出てきたのです。これは五十年であります。しかも五十一年、五十二年とずっと調べてみると、やはり大きな開きがあるのです。これは一体どうしたことだろうか。毎年同じことを繰り返しておる。このことは、予算段階で利益隠しをやっておるのではないか、こういうふうに疑われても仕方がないと私は思うのです。毎年何倍も違うようなこういう数字を、予算段階では低く出しておる。そして決算では何倍もにはね上がっておる。このことは、予算段階で余りもうけておるというような顔をしないようにやっておるのではないかとさえ疑われるのです。これはまことにけしからぬことだと私は思う。  そこで、先ほどの全国牛乳普及協会ですか、ここにも補助金を出しておるようでありますけれども、そのことに関連をして、私は以下資料をこれだけ要求いたしますから、ちょっと聞いておっていただいて、ぜひ出していただきたい。もう五分しかありませんから、読み上げます。  まず、資料要求としては、畜産振興事業団の輸入牛肉、これをチルドとフローズンに分けて、輸入単価、数量、金額及びその積算に用いた為替レート、これを予算段階、決算見込み段階及び決算段階、三つに分けて五十年度以降五十六年度まで明らかにした資料を御提出いただきたいと思います。  次、ことしは輸入はないようでありますが、指定乳製品の輸入、国内買い入れ及び売り渡し価格、さらに、いま非常にたくさん在庫があるようですが、年度末在庫の単価、数量、金額、これを輸入品と国内で買い付けました品目に分けて、これまた五十年度から五十四年度まででこれは結構であります、あとはわからぬと思いますから。決算によって明らかになった資料、これは決算の資料をお出しいただきたい。  三番目は、指定輸入牛肉の販売指定店の都道府県別それから都市別指定状況及び指定店の小売数量、チルドとフローズンに分けて。それに、指定店でのチルドとフローズンの小売目安価格、これを部位ごとに分けて、これまた五十年度以降明らかにした資料をお出しいただきたいのであります。  四点は、輸入牛肉の売買単価、数量及び金額をチルドとフローズンに分けて、これまた五十年度以降明らかにした資料。  五番目、輸入牛肉の売り渡し先別の数量を五十年度以降。大変たくさんですけれども、これがないと話にならない。  六番目、特別枠の割り当て先別の数量、これも五十年度以降。  次に、牛肉の需給の推移、これまた五十年度以降に牛肉がどのような需給の推移になっておるか、これをお出しいただきたい。  最後は、五十五年度、当年度の指定助成事業の対象事業の概要、これはいわゆる補助金であります。畜産振興事業団の補助事業がどうなっておるか、補助対象、金額、こういうものを明らかにしていただきたいのであります。  これがなければ、先ほどの予算段階、見込み段階、決算段階のこんなに大きな開きがどこから出てきたか、そしてその差益が何に使われておるかということがよくわからないのです。肉は、輸入が下がっておるのに、卸が下がっておるのに、消費の方は下がらない、むしろ上がりぎみである。これはおかしいのです。そういうことや、畜産振興事業団がこれだけの差益をふところに入れて何に使っておるか、国民の側から見れば、当然それは国民に還元されて、肉が下がるはずだ。これは単純な考え方です。消費者はそう思うのです。そういうことをやりとりするためにはとても一時間や二時間ではできませんので、いま申し上げた資料をぜひ早急にお出しいただいて、改めてこの問題について、牛乳普及協会の問題とあわせてやりたいと思います。いかがですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 別途資料をもって御説明させていただきます。  ただ、はっきり申し上げまして、差益でございますから、牛肉の国際価格自体が非常に変動しやすい、為替変動もある、国内の売り渡し価格も変動するということで、非常に予測困難なものであるという事情は御理解を賜る必要があると思います。したがって、国際価格の変動等も含めまして別途御説明させていただきたいと思います。  それから、小売価格の問題につきましては、資料として必ずしも明確にし得ない点があるだろうと思います。一つは、小売マージンが全商品を通じてかなり硬直化しているという実態があって、上がっても上がらないし、下がっても下がらないという傾向があるということ、もう一つは、小売店等で売られております品質の問題については、値段が高いときと安いときでかなり差があるということは常識的に言われていることでございますから、これは資料等はございません。そういう点もございますので、別途ほかの資料も含めまして十分説明させていただきます。

武部文日本社会党

○武部分科員 時間が来ましたから私はやめますが、為替レートのことは、確かに変動が多いわけですから、とらえ方がむずかしいと思うのです。しかし、ここが問題なんですから、これによって為替差益が出てくるのですから、この点はひとつできるだけわかりやすく説明していただきたいと思います。  ちょうど時間ですから、これで終わります。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)主査代理 これにて武部文君の質疑は終了いたしました。  次に、野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 総括なり一般質問で農林大臣の見解も聞いたわけでありますが、いまだ納得できない諸点がございますので、この分科会を通じて明らかにしてまいりたい、こういうふうに考えております。  総括なり一般で、大臣は、世界の食糧事情はきわめて窮迫をしておる、そのことは認めるし、紀元二〇〇〇年、そのころには輸入食糧、穀物、飼料等を含めて四千万トンも輸入をしなければならぬというようなアメリカ報告についても認めるということでありました。  そこで、わが国の食糧の自給をどうやって伸ばすんだ、こういうことが時の焦点になるわけであります。国会は食糧の自給力強化の決議をしておる。一方では、農政審は穀物の自給率は三四%、ことしは三三%、昭和六十五年は三〇%、こういう状況になる。そうすると、国会の自給力の決議と農政審なり閣議決定との違いというものが浮かび上がってくるわけでありまして、この農政審なり閣議決定を参考にはされますけれども、自然に流れればそうなりましょうけれども、亀岡農林大臣の手腕と力量を期待して、いわゆる農政ではなしに本当の意味の農民のための農政をやり、国民のための食糧自給率の向上のために、この六十五年の穀物自給率三〇%というものは政策的に直す必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、まず大臣の見解を承って、それから二瓶さんその他にお尋ねをします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 長期見通し、まあ見通してございますが、それは閣議決定いたしました。したがいまして、これを目標に農政を展開してまいるという方向を基本としたわけでございますけれども、やはり農林水産大臣といたしましては、その中においてもさらに決定した目標を、特に国会の決議もあったわけでありますので、三四が三〇になるという数字は示されておりますけれども、それに奮気をして、そしてその三〇以上に持っていくという努力を傾けることを拒んでいるものではないという考え方を私は持っております。したがいまして、一応閣議決定をいたした線ではありますけれども、その中においてもさらに一層の努力を重ねていきたい、こういう気持ちを持っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 大臣、目標としてはやはり高いものを選んで、それに向かって努力をしなければならぬというのが農林大臣としての責務じゃないかと思うのですね。したがって、あなたのお考え方としては、穀物自給率は六十五年に——しかも四千万トンも輸入をするというようなことでは困るわけですから、自給率を向上させるために、あなたのお考えとしてはどの程度を努力目標としてお考えいただいておるでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 えさも含めて五十三年が三四ということでございますから、これを維持できればいいなという気持ちもありますけれども、その点について農政審議会でもいろいろとあらゆるデータを集めて、分析に分析を重ね、検討に検討を重ねた結果が、どうしても三〇を維持することすら困難である、相当な努力をした上でこのようになるというきつい結論が出ておるわけでございます。この辺の実態をやはり国会においても厳しくとらえてあの決議がなされたもの、こう思っているわけでございます。したがいまして、このダウンしかけたものに歯どめをかけたのが国会決議であり、この歯どめをかけた国会の決議をもとにして全般の自給率が逐次少しずつでも上向いていくという方向に目標を置かなければならぬというわけで、農政審にも大分私どもの意見も申し上げたわけでありますけれども、しかし現実というものをそう感覚やあれでもって変えてはいけない、やはりちゃんと計算上出てくるものは出てくるということで一応受けとめなければならないということで、ああいうような二四が三〇という数字になることを私自身としてはのまざるを得なかった、こういう気持ちでございます。したがいまして、気持ちとしては、やはり十年後三四を維持することはむずかしいとしても、三〇よりは高い点で自給力をつけていきたい、自給率を保持したい、こういう考えでやってまいりたいと思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 いろいろ御答弁をいただいたわけですが、集約をして、現在の三四%は落とさないように亀岡農政としては全力を挙げていくというふうに考えてよろしゅうございましょうか。努力をしてもらわなければいけませんからね。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 落とさないという努力はいたします。しかし、私はそういうあらゆるデータをそろえてのあれじゃなくて、政治家の感覚として、落とさないための努力は、これはもう当然しなければならない、農林水産大臣に課せられた任務である、こう考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 わかりました。  この間も、これからの食生活は変化をして、肉の摂取量等が多くなるだろう、そのために一番困るというか、考えなければならないことは飼料対策だというお話を大臣から承りました。五十五年度は二千万トンという言葉を使われますが、飼料としては、外国からの輸入量は二千万トンですけれども、国内産の原料と輸入原料を使って濃厚飼料等はつくるわけでございますが、濃厚飼料のうち外国の原料は四百五十九万三千トンというふうに農林省の統計情報部の資料では承知をしておりますが、そういうふうに確認してよろしゅうございましょうか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の飼料自給の点でございますが、五十五年度で申し上げますと、濃厚飼料のうち国産原料は二百二十八万六千トンで、これはまさに糟糠類等が中心になっております。ただ、これ以外に輸入原料からしぼりました大豆かす等が三百三十一万八千トンあるという数字でございます。  六十五年の見通しにつきましては、確かに濃厚飼料等は全体として五百九十七万トンございますが、純粋の国産原料に依存するものは百九十六万トンという見方をしております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 いまあなたがお話しになったのは、可消化養分総量を述べられておるわけですね。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 そうでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 実数量でまいりますと、いわゆる国内産の二百二十八万六千トンは二百九十五万四千トンであり、それから外国の原料が三百三十一万八千トンが四百五十九万三千トン、実数量ではそういうことですね。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 さようでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 そうしますと、実数量で五十五年度の概算は、飼料は二千七百五十五万七千トン使うわけです。そのうち外国産の実数量というのは、大体二千五百万トンということになります。そうですね。いまおっしゃったとおりでありますから。二千五百万トンも飼料を入れて、わが国では大体三百万トンの飼料しかない。畜産は、畜産局長が力量と技量を発揮してだんだん拡大されてくる、えさは外国オンリーだということであります。えさというのは値段が非常に激しく変わっておりますね。この間も言いましたけれども、五十四年七月に、五十五年の一月に、五十六年の一月に、八千円から七千円程度だんだん上がっておりますね。大体ごとしは七月にまた上がる予定だったのですけれども、大豆や小麦が非常に少ないという意味で、四月にも上がるという傾向がありますね。その見通しはどうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御案内のように、実は昨年の十一月以降、アメリカの金利引き上げを契機として市況は軟調に転じております。ずっともみ合いの状態をそれ以前よりは比較的低い水準で続けているわけでございます。市場実態で申しますと、南半球自体の作況が非常に好調であった。それからもう一つは、ソ連の買い付けが完全に一巡している。アメリカの作況自体は、これは五月、六月にならないともちろんわからないわけでございますが、作付予想はかなり大きい。そういう点で私どもいまの実勢から見ると、五月、六月の天候にもよりますけれども、いまのままでいけば国際需給はさらにそう逼迫するという状況はないだろうと見ております。これ以外に為替レートの問題があります。したがって、四月以降現在の配合飼料価格を引き上げなければならないような状況はいまのところまずない、私どもはこのように思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 上がらなければ結構です。農協なり商系では、七月までは持たぬのではないだろうか、こういうようなお話も聞いておって心配しておるわけですが、畜産局長が見通しては上がらないということですから安心はしておりますが、上がったら責任をとってもらいますから、ちゃんと上がらないようにしてください。  そこで、二千五百万トンというような実情の中から、どうしても外国のえさの値段が上がれば日本のえさの値段も上がって、いつも外国の市場が日本を左右しておるということですね。だから自給率をどうやっても高めていかなければならぬというのは、農民でも国民でも、安定をするという意味ではやはり必要ではないかと思うのですね。そこで、飼料をつくるためにはどうするかということを考えていかなければならぬですね。何をつくればいいのですか。当面減反をするわけですけれども、何をつくればその飼料の原料がだんだん多くなりますか。つくりやすいもので農家の皆さんが希望をするもの、つくりたがるもの、それは何ですか、

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御案内のように、現在輸入しております飼料穀物だけで千六百万トンの水準でございます。たとえば内地でこれを国産化するとすれば一体どれだけの耕地面積が要るかといういろいろな仮定を置いて……(野坂分科員「減反するだけのものの中で何をつくればいいか」と呼ぶ)そういう意味で、実は五百万ヘクタールも六百万ヘクタールもなければこの輸入はカバーできないという数字になるわけでございます。そこで、与えられた稲転の中で何を考えるかということは、やはり優先順位をつけて考えていかなければならない、そうすると、わが国の立地条件なり畜産経営の受け入れ条件を考えると、やはり飼料作物、大家畜のえさを中心に考えていくのが本筋だろうと私ども思っております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 そこで稲転の問題が出てくるわけですけれども、この間は二瓶局長からにべもないお話をいただいて非常にショックであるわけですけれども、きょうは二瓶らしからぬ御答弁をいただきたいと思っておるわけです。  この二期対で、湿田でつくるものは一体何が一番いいか。飼料作物をつくるべきだというような畜産局長のお話でありますが、いまの湿田等では普通の飼料作物がなかなかつくりにくいのですね。しかも、あなたは、今度傾斜配分は二五%にして、水田面積は七五%で二期対をやられましたね。それはそれなりに済んだことでありますから、もう後を振り返ってもしょうがないわけですけれども、割り当てられたものはやはり湿田も含めて各県や市町村は割っておるわけですから、そこに定着をさせるために何がいいかということになると、いま農家の皆さんはやっぱりえさ米と言っておるわけです。私たちのところはそうなんです。この間、遠藤太郎さんというのがNHKの教育テレビに出て一時間ばかりお話しになっておりました。引き合うじゃないかというお話です。大臣のお話によりますと脱粒があると言うが、JC・10というのは余り脱粒はしないということでありました。これについてわれわれはやはり考えていかなければならぬのじゃないか、農民が期待するものについて考えていかなければならぬのじゃないかということであります。二瓶局長は、農事試験場がいろいろと試験をしてみて、その段階で決まったときにどうするかをやるんだということをお話しになりましたね。二瓶さんもいらっしやいますが、局長はああいうお話でしたけれども、早急にえさ対策としてのえさ米というものは技術的にも経済的にも考えていかなければならぬとおっしゃっておりましたですね。私はそれもそうだと、官民一体論というものについては肯定はしておるけれども、まず責任を持たなければならぬということを強調されたわけですから、国の農事試験場だけで全部その成果が上がるとは限らぬわけですから、文字どおり官民一体で面積を広くやらなければならない。面積を広くやる場合に、民間から土地を借り上げていく、あるいは協力をしてもらう場合は、当然それだけは減反として認めるというか、それは二期対の中に入れてもらわなければ、農家の皆さんは貸せるということにならぬわけです。貸せるだろうと思うのですが、それは使用料も国が払うわけですから、当然減反としての取り扱いはしてもらうということになるのでしょうね。これは大臣でも局長でも結構です。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 転作カウントの問題でございますが、これは一般的にカウントすることは困難であるということは、過般申し上げたわけでございます。ただいまのお尋ねはそうではなくて、国の試験研究機関を中心に研究を進めますけれども、その際も官民一体となったというような角度で、たとえば国の試験研究機関が民間の圃場を借り上げてそこで試験をする、そうすると、その貸すたんぽはやはり転作目標面積にカウントしないと農家の方がなかなか貸したがらないというような現実が出てくるだろう、したがってそういうものについてはカウントするようなことは認められぬかというお尋ねでございます。こういう面につきましては十分検討さしていただきたい、研究さしていただきたい、かように考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 お話はわかりました。官民一体で研究するということはまず決まっておる、それから国の農事試験場だけではその面積も確保できないし、農民全体の期待にこたえるためにも早期にこの問題については結論をつけたい、こういうこともよくわかりました。そのためには、借り上げ面積は当然稲転としての面積カウントはするように検討するということでありますが、当然しなければ農家は自分の土地を貸してくれませんからね、大臣。何にもならぬのでは貸せない。使用料をもらわなければいかぬということと、それから面積カウントはしてもらうということは当然だと思います。  そういう意味で、広く国とあるいは県と農民との間に連絡をとりながら、そういう試験田というものは国の中に、各地区にどんどんといいますか、ある程度先進県というところに指定をしてやるということになりますれば、農林大臣が考えておられる成果は出てくると私は考えておりますし、また農民の皆さんも、官民一体で農業発展のために、えさ対策を十分やるためにこの圃場というものはお貸しをする、またやってもらいたいという要望があろうと思います。その点について農林大臣は、いま二瓶局長は検討する、研究するということでありますが、積極的に先進県等と話し合ってそういう措置をしてもらいたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 局長から申し上げたとおりでございまして、とにかく事務的に検討をして結論を出せ、こう言っておりますので、事務的にこれから十分検討させていただいて結論が出るものと考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 ありがとうございました。  次に、二期減反の問題なんですが、一番初めに三十九万一千ヘクタールでしたかやられました。そのうちに、三カ年計画だったのですけれども、これを二年目までやって、三年目はたしか十四万四千追加をされて、目標面積を引き上げられたわけですね。そして五十三万五千ヘクタールにされた。今度は十四万二千で六十七万七千ヘクタールでしたか、そういうことにされた。この二番目のときには、この公平確保のための必要最小限の措置といいますか、そういうものはやられなかったわけです。いわゆるペナルティーは課さないということになりました。それは農林省が約束をしておって、今度は約束を破ってというとまた二瓶さんが頭にきますから言いませんけれども、この約束を破ってこの十四万四千をおっかぶせたということになるわけですね。だから、その辺が非常に微妙になってくる。一期対策の一年、二年というのは、示された面積よりもたしか上がっておりましたね、一二一%程度上がったと思うんですが、そのとおりでしょうか。ついでに十四万四千追加をした場合のいわゆる今年度分、五十五年度分はどの程度目標面積を達成されましたか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先生おっしゃるとおり、五十五年度は十四万四千、やむを得ざる措置ということで上積みをせざるを得なかったわけでございます。それから五十六年度から二期に入るということで、二期のベースといたしましては十四万二千上積みをする、こういうことで六十七万七千ヘクタールということでございます。ただ、初年度の五十六年度につきましては、広範かつ深刻な冷害等もございまして、五十六年度は四万六千ヘクタールほど上積みを減らしまして六十三万一千ヘクタールということに相なっております。したがいまして、翌五十六年度の増加といたしましては大体一一八というような姿になっております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 私が聞いておりますのは、第一期対策の際の目標面積の達成率それから十四万四千上乗せをしたときの達成率、それを聞いておるのです。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 達成率は五十二年度が一一二%、五十四年度一二一%、五十五年度はまだ実施見込みでございますけれども一〇九%でございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 おっしゃるように、一年度は一一二、次が一二、このときはいわゆるあなたの得意なペナルティーがついておるわけですね。この五十五年の実施見込み面積のときはペナルティーを取っておるわけですね、大臣。だから、今度も農民を信頼をして、ペナルティーをつけなくてもちゃんと目標面積を達成しておるわけですから、その画については十分いままでの経緯を踏まえまして、不満ですけれども、亀岡さんが農林大臣に就任されたことですし、そういう意味で過去の実績を踏まえて、ああいうペナルティーというようなものはこの際はつけない方がいいじゃないか、取ってもいいじゃないかというふうに私は思うのですが、これは局長ではなしに、政治家同士として話し合いをするわけですから、亀岡農林大臣に政治家として農民を信頼しておるかしていないかという問題でありますから、ぜひお答えをいただきたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私は就任以来、やはり土に種をまいてそこから実を取るという、そこに喜びを感じて、いろんな不利な条件はあっても農業をやろうという人を心から信じております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 だから、ペナルティーをつけなくてもいいということですね、信じていらっしゃるわけですから。——いや、大臣に聞いておるんだ。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 そういうふうにすぐに結びつけられると大変困るわけであります。信頼している農民といえども、やはりかわいい子には旅させろということもあるわけでございますから、そういう道をくぐってこそ、一面において私は農民のプロ魂、百姓魂、農民魂というものをやはり全国民に見てもらって、そうして将来国家投資をもっともっと農業面につき込んでいかなければ、生産性の高い農業とかなんとかいっても、全国民にわかってもらえるような農業を展開していくためにはさらにいろんな全国民的な協力を得なくちやいかぬのだから、それを得るためにもやはりかわいい子には旅させろといったような気持ちも、私は実は就任当時から申し上げてきておるわけでございます。その調整をどうとるかということが、われわれ行政官の法律で与えられた範囲内での裁量権をどう行使していくかということだろう、こう思っておりますので、その辺はまあ堪能な事務当局に十分相談をしてやってまいりたい、こういうことでございます。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 事務当局に相談をされなければいかぬというようなことはいかぬですからね。藤尾労働大臣なんというのは、きのう聞きましたら、すかっと、途中でおまえたち黙っておれと言っておりますし、実に明快そのものですよ。おれが大臣だと言っておられますから。そういうかっこうでやっぱり進めてもらわなければならぬ。いいですか。  かわいい子には旅をさせる、農民を私は信頼をしておる、こういうことです。だから私の言っておる目標については協力をしてくれるだろう。それでは、ひとり歩きをさせても大丈夫だ。それなればそういう処罰や手かせ足かせをするようなことは私はやらぬ。農民を信頼している農林大臣、農林大臣を信頼する農民、そういう相互信頼の上に立って、そのような、悪いことをするんじゃなかろうか、悪いことをするんじゃなかろうかというような、そういう考え方はこの際亀岡農林大臣は脳裏から捨て去るであろう。そういう意味で、私はあなたのおっしゃった言葉というものは、事務当局とお話し合いをされるのは何ら否定しませんけれども、そういう立場に立って今後の二期対というものはお考えいただくというふうに考えてよろしゅうございましょうか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 お答え申し上げます。  大筋は大臣からお答え申したとおりでございますけれども、水田利用再編対策におきましては公平確保措置というものを採用したのが特色でございます。したがいまして、公平確保措置というものは、これは一期にしろ二期にしろ採用をいたすわけでございます。  ただその際に、第一期の際に三十九万一千ヘクタールという転作等目標面積について公平確保措置をとったわけでございますが、一期三年目にやむを得ざる措置として十四万四千上積みをした。これは原則固定と普通言っておりましたところを十四万四千上積みをするということでございましたし、またその方が目標の達成をしやすいということもございましたので、公平確保措置は三十九万一千ヘクタールベースに適用するということにいたしたわけでございまして、この段階におきましても公平確保措置はあったわけでございます。  第二期は五十六年度から入るわけでございますが、これは正規の目標として当然考えておるわけでございまして、これは六十三万一千へクタールなり六十七万七千ヘクタールベースで公平確保措置を適用するのが当然であると考えております。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 まことに官僚的な御答弁をいただきまして恐縮をしておりますが、二期対策でも一期対策でも、やるときにはあなた方は通達を出しておりますね。昭和五十三年四月六日、農林事務次官の通達。一番やらなければならぬというのは、大臣聞いてもらわなければならぬのは、まずそういう稲転をやる条件をどう整備するかというのはあなた方の責任ですよ。そうですね。「条件整備」というのは「国は、水田利用の再編を図るための転作を総合的かつ計画的に推進するため、土地基盤の整備、農業近代化施設の導入、価格安定等の各般の施策の総合的な展開を図るほか、その条件整備のための特別の事業を実施するものとする。」これが条件整備の条件なんです。ところが、地下水から地下七十センチまでのところ、ほかのものが何でもつくれるというようなものは十分に整備していないんですね。この間も指摘しましたように、この土地改良十カ年計画でも金額は八三%になっている。しかし、畑の土地改良というのは一三%ですよ。たんぽの面積を土地改良やったのは四四%ですよ。こんな条件を整備しないでおって、片一方ではペナルティーをつけてやっていくというようなことでは片手落ちなんです。しかも排水の対策はわずか二百八十三億円じゃないですか。全く微々たるものじゃないですか。こんなことで条件整備をしたとは言えません。だから、いままでそういうペナルティーがついていなくても一〇九%のいわゆる実績というものを示しておる日本農民に対して、かわいい子に旅をさせるという意味で、農林大臣は農民を信頼する、こういうふうにおっしゃっているわけでありますから、それらの点については十分配慮して、二期対については農民等の理解と協力を得て、法措置をやってないわけですから、そういうことのペナルティーはつけるんだという何の法律の裏づけもないわけですから、理解と協力、納得というものが第一義的であるという認識の上に立って、このペナルティー方式については十分配慮をされることをお願いしたいと思いますが、最後に、農林大臣のそういう周囲の情勢、実情というものを踏まえての御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 米が余ってそれがいかに国家に大きな影響を与えているかということは、農家の諸君も農業団体の皆さんもよく理解をいたしております。したがいまして、この水岡利用再編対策は自分たちのためにも行わなければならないという気持ちを持っていただいておるものですから、いままでいろいろと農林水産省がお願いした筋はよく受け入れていただいて協力をしてもらった。したがいまして、これからもいままでと同じような気持ちで対処してまいりまして、農家の皆さん方から、あるいは団体の皆さん方から、自治体からも協力をいただいて、そしてこの農政の危機を突破するようにしなければならぬ、こう考えておりますので、いま先生御指摘のように本当に理解と納得の上にということで、私もこの二期対策を進めるにつきましては、事務当局とも、何と申しますか納得いただけるような案をつくるためにえらい苦労をしながらやっておるということも御理解をいただきたい、こう思うわけであります。

野坂浩賢日本社会党

○野坂分科員 まだ不安ですけれども、これで終わります。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)主査代理 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。  次に、斎藤実君。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 わが国の酪農は、牛乳が生産過剰になっているということは農林大臣も十分御承知だと思うのですね。いまさら私が申し上げるまでもなく、酪農農家は自主的に生産調整をしたり、あるいは価格は低く抑えられているし、生産資材の値上がりというので、いまだかつてない危機感を持っているわけです。ところが、それに加えて昨年一年間でいわゆる擬装乳製品が大幅に輸入されている。酪農農家は大変な不安を持っているわけなんです。  昨年一年間で擬装乳製品の輸入が大幅にふえまして、調製食用油脂は、生乳換算で十六万七百トン、前年対比一三二・六%と上回っているわけですね。ココア乳製品は、加糖物で五万九千四百トン、一二二・八%とふえている。これに乳糖、カゼインなどを含めた乳製品関係では六十五万二千三百トン、膨大な生乳換算になるわけですね。乳製品の総輸入量に対して二七・四%を占めているわけなんです。私は、こんなにふえているということについて理解ができないし、こういう状態ではわが国の酪農振興などということはとてもおぼつかない。一体、これはどういうふうに農林省は認識しているのか、伺いたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 いわゆる擬装乳製品でございますが、調製油脂については、若干数字は私どもの通関統計では違いますが、昨年に比べて三二%の増加になっていることは事実でございます。  御案内のように、特にこれは洋菓子等の消費が大きいわけでございますが、最近の消費の拡大と消費の高級化ということから、従来のマーガリン、ショートニング需要が大幅にこれに置きかわってきているということだろうと思います。しかし、そのことがやはり国内のバターの消費の抑制に働いているということも、私は否定できないだろうと思います。  ココア調製品につきましては、実は砂糖の国際相場が変動いたしますときは、一般的にほかの商品でもかなり変動する本質を持っておりまして、加糖物は御存じのように砂糖のウエートが高くて、乳製品等のウエートは非常に低いわけでございますので、これをもって判断できませんが、五十五年には確かにふえております。しかし、これは私ども一時的現象だろうと見ております。  これに対して無糖の、いわゆる行政指導をしておりますココア調製品については、おおむね横ばいできております。ココア製品の全体の消費の伸びの枠内程度でございまして、非常に低い伸びです。むしろその前二カ年は全体の消費も落ちたから、これも輸入が減っているという形になっているわけでございます。  乳糖、カゼインにつきましては、乳糖は前年に比べて減っております。カゼインもまた同様に減っております。そういう状況でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 確かに乳製品がふえているということについては私の見解とも同じなんですが、農林水産省は、昨年十一月から調製食用油脂を輸入割り当て品目、IQ品目と言っておりますが、こういう方針を固めてニュージーランド、ベルギー、オランダなど関係国に通達をした、これは事実だろうと思うのですが、これらECやニュージーランドなどの関係国の反応は一体どうだったのですか。交渉経過について簡単に……。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 昨年九月中旬から十月の初めにかけまして、ニュージーランド、EC等に対しまして自由化品目としての調製食用脂の関税分類解釈を変更いたしまして、乳脂肪含有率三〇%未満のものに限るとして、三〇%以上の混合油脂は、ミルクを主成分とする調製食料品として取り扱い、IQとして扱うということを通報を行ったわけでございます。  これに対して、はっきり申し上げますと、ニュージー、ECからはっきり、わが国に再考を求める、ガット提訴も辞さないという強い反発が出てきておりまして、協議は暗礁に乗り上げております。  具体的に申し上げますと、ニュージーランドからは、本件措置の取りやめとガットに基づく二国間協議を申し出てきておりまして、強行する場合はガットの場に提訴するという通知が来ております。それからECからは、日本とECの貿易インバデンスを指摘し、本件措置に反対することと、なお強行する場合はガット上の権利を行使するという通告があったわけでございます。  しかし、これ以外にきわめて重要な周辺的事情といたしましては、昨年十一月に開催されました関税協力理事会のいわゆるCCCの品目分類委員会におきまして、調製食用脂の関税分類についてわが国の主張と全く反対の表決が多数決で行われたわけでございまして、国際社会全体の中で見通しが非常に、単に輸出国だけではなくて、暗くなってきているということは否めない事実でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 確かに輸出国の問題もあるしガットの問題もありますし、私はなかなかむずかしいと思います。しかし、農林省が輸入非自由化にするという方針を固めてそして交渉に臨んだ。いろいろな各国の反発もある、いろいろな問題もありますが、こういう一連の輸出国の関係、ガットの関係も含めてむずかしい問題があるとしても、農林省はIQ品目にするというこの基本的な姿勢は、今後もあらゆる障害を乗り越えて貫くという意思があるのかどうか、お伺いいたします。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 率直に申し上げまして、こういった措置自体が国際的にどうやって了解をとることができるか、そのための努力をどうやってやり、またその効果をおさめることができるかどうかというふうに、やはり具体的に考えていかなければならないと思っております。その意味で、先ほども申し上げましたように、いわゆる狭義のIQ制度をともことについてはかなりむずかしい状況になったことは事実として踏まえて打開策を考えなければ、むしろ輸入を有効に規制し得るということはむずかしくなるのではないだろうか。  しかし私どもは、ただいま先生御指摘のように、本製品が一元輸入を迂回する制度としての側面を持っている国際的にも例外商品である。またわが国の乳製品が膨大な過剰在庫に悩んで、市況も低迷しているということは事実でございます。こういう視点に立ちまして、これから相手国、いま現にニュージー、ECと実は交渉を継続中でございますが、こういった交渉を踏まえまして各般の措置を講ずることによって、何らかの形で本品の輸入を有効に規制し得る具体的な解決策をできるだけ早く考えてまいりたいという努力中でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 関税分類を変えてIQに移すことは、国際的に見てなかなかむずかしい。  それから、いろいろな問題があるけれどもこれから努力をするという答弁ですが、いまあなたの答弁を聞いていますと、このIQ品目にするという方針はもう放棄した、これはむずかしいというふうに私は受けとめるのですが、これは農林省の基本方針がここで変わったのかどうか。もしそうだとすれば、酪農業者の将来にとってきわめて重大な進路の変更になるわけです。もう一遍答弁してください。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 先ほども申し上げましたように、私どもはどうやって調製食用油脂の輸入に歯どめをかけていくかということが本来の政策の目標であり、そのためには事情が許せばIQを採用できるということが最も好ましいということは、全く先生の御指摘のとおりでございます。ただ、IQを採用するということについて、客観的に見まして現在の時点で、国際的に了解を得るということはほとんど困難な状況になっているということもまた事実でございまして、この事実を無視することもまたできないわけでございます。  しからば姿勢論だけで、従来どおりにただがんばっていけばいいのかどうかということが、やはり行政といたしましても一番頭の痛い、決断を要するところだろうと私は思っております。そういう意味において、とにかく原点に返って調整油脂の輸入に歯どめをかけるということを頭に置きまして考えていく、そのためにあらゆる努力をするということでございます。  いずれにせよ、現在国際的に交渉中の問題でございまして、現にニュージーとは交渉を継続しております、今日いまの時点で。そういう意味において、交渉に触れる問題でございますので、これ以上の細部については御報告することを避けさせていただきたいと思います。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣、いま答弁を聞いていますと、なかなか悲観的なむずかしいという、こういう答弁に私は受けとめるのですが、これは大臣の基本方針にも、わが国酪農の振興、育成についてはたびたび大臣から私も伺っておりますし、かつてない酪農の危機にいま直面しているわけでございますので、このIQ問題についてどういう姿勢、決意で取り組まれるのか、まず大臣から率直な答弁をいただきたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私は就任以来、この擬装乳製品と申しますか、ああいう問題は実は私自身の心証を非常に害するわけですよ。七割もバターであと三割のマーガリンを入れて、これはバターじゃありませんと言って売ってよこして、そしてそれはバターじゃないのだから日本で決めた規則なんか知るもんか、こういうことでやられてこられたんじゃ黙ってはおれませんよ。  これは、とにかくそういう影響をこうむっている日本の酪農産業は、いま非常に大事なときなんです。規模もちょうどヨーロッパ並みになり、大きな負債に悩みながらもとにかく国際的に競争できる酪農をつくり上げていこうという、私は日本農業の先駆者となって酪農が走り続けていてくれるという認識を持っているものですから、これは少しそういう面で理解ある酪農製品の貿易ができないと、これをほっておくと将来紛争の種になるなと思うものですから、日本の立場は立場としてきちんと言うべしということで、このIQの案を持ち出した張本人でございますから、私としてはいまでもその気持ちに変わりはございません。とことんまで話し合っていく、そしてお互いに理解できなければ、あるいはガットの場に出て話し合いをさらに続行する。  私は、酪農先進国が日本の立場をわかってくれない法はないと思うのですよ。酪農国では、みずから自分の国でさえも、こういう擬装乳製品だ、食用油脂だなんということで取り扱いしてないのです。それが日本向け、ソ連向けにこういうものをつくっておるということ自体、私はもっと理解ある、信頼の置かれた話し合いができないものか、何でこういうふうになったのかなということで、いま業界筋あるいは商社筋に対しましても——かつて絹関係にもいや青竹だ、赤竹だということで、一元輸入の糸に対してちょっと青く染めて日本に持ってきて、お湯で洗うと真っ白の生糸になってしまうという、そういうものは生糸じゃありませんと言って入れてきた例があるわけです。これにはやはりよくない商社が介在しておったということもあるわけです。  そういう面も厳しく指導をしていきまして、この問題を安易に解決してしまいますと、これはお互いに感情問題が介在してくる要素を持っておりますので、こういう点には十分気をつけながらやるにいたしましても、やはりこれには多少時間が長くかかってもとにかくとことんまでがんばってほしい、こういうことを言っていま折衝をさしておる最中でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 IQ問題につきましては、関税評価、ガットにも違反するとか、あるいは輸出国の酪農事情もあるし、また国際的にいろんな困難な状況を踏まえて農林省としては方針を決定されたわけです。  私は、この間も酪農農民と懇談をしてきたのですが、農林省はかっこういいことは打ち上げる、甘い幻想を抱かして喜ばして、そして各国との交渉で輸入規制することはむずかしいということを農家に示しただけじゃないかというえらい反発がありました。  関税協力理事会の品目委員会で、日本とECが主張する品日分類を変更することに反対する国があるということは、これは最初からわかっていることであります。いま大臣から、どんな困難があってもこれは貫くという決意がありましたから、これはもうぜひひとつやっていただきたい。たとえば関税貿易一般協定の二十条で争うということもできるんではないか。交渉ですから、粘り強い交渉の結果どうなるか、これはやってみなければわからぬ。だから、むずかしいとかあるいはどうなるかということだけでは困る。だから、ガットと提訴されてもいい。本当にガットに違反になるかどうか、やってみなければわからぬわけですから、どうかひとつガットの場で日本の事情を訴えてわが国の主張を通すべきだ、こう思うんですよ。  それから、仮にガットに提訴された場合、勝ち目があるのかないのか、そのような判断はどうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘の点、一番最後にお触れになった点がやはり基本だろうと私は思います。ぎりぎり大臣のお答えのように、私どもも基本線に沿って努力したいという気持ちは変わっておりません。ただ問題は、具体的に国際的しかも多角的な国際交渉の場で、それが完全に明々白々な形、で、しかも相当格差を持ってわれわれの主張が認められなかった場合どうなるかということも、また同時に現実の情勢としてそれぞれの状況で判断していかなければならないむずかしい問題があるというふうに御理解をいただく必要があると思っております。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 先ほどあなたから、むずかしい場合はいろんな方法が考えられるという答弁がありましたが、それなら擬装乳製品の非自由化にかわる輸入規制の方法が、ほかに手だてがあるのかどうなのか。もしあるとすれば、どういうものを考えられているのか、伺いたい。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 私ども、ただいまも申し上げましたように、基本線に返って極力IQの実現に努力する、輸出国に明確な意味で歯どめをかけてもらうように要求する、つまり実質を片づけるという問題が基本にあると思っております。そういう意味で交渉継続中でございます。  有効な措置として他に何があるかということでございますが、これはそれぞれの状況に応じていろいろあると思います。また、一つ一つの手法ではなくて、いろんな手法を組み合わせましてやる方法があると思います。しかし、ただいま申し上げましたように、基本線に沿って、とにかく相手国が抑えてくれる体制をつくっていくことが基本だと思って、国際交渉中でございますので、どういう手法があるか等につきましては、いまこの時点で仮定の議論であっても私どもの立場から申し上げることはひとつ御堪忍願いたい、かように思います。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 通産省来ていますか。この問題につきまして、通産省や外務省は、単なる酪農製品の問題ではない、ECと自動車等の貿易摩擦も起きている状況の中で、EC各国の貿易の不均衡の是正を強く求めようとしている、通産省などは輸入規制に反対の態度を崩していないと聞いているのですが、通産省どうですか。

横山太蔵通商産業省貿易局輸入課長

○横山説明員 私ども本件、調製油脂の問題が酪農行政にとっていろいろ問題となっておること、十分承知をいたしておるつもりでおります。ただ、私どもといたしましては、わが国の国是とも言われております貿易立国、それのもととなっております貿易自由の原則といったような立場、あるいは諸外国との円滑な貿易関係の実現といったような点も、これまた考慮をされなければならない問題かと思っております。ただ、そういったような立場ではございますけれども、関係省庁と十分話し合って最も適切な対応策を見出していきたいということで、農水省を初めといたしまして外務省等関係省庁とも寄り寄り協議を続けておる段階でございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 通産省の立場はわからないわけでもないですけれども、結構です。亀岡農林大臣、酪農問題はこれで終わって次に入りますので、大臣の所見を伺いたいと思うのですが、御存じのように通産省の立場は立場でまたあるし、また大蔵省は大蔵省の立場もある。各省庁の意見調整というものはなかなかあると私は思うのですね。しかし、やはりわが国の酪農の基本にかかわる問題でございますので、いまのIQ問題について、酪農農民が期待しているわけでございますので、再度大臣の決意をひとつ伺いたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 どこの先進国でも工業国でも農林水産物資につきましては、特にその国の主農業といいますか畜産業といいますか酪農と申しますか、そういう面についてやはり相当手厚い措置をとっておるわけであります。ECで言いますと、バター等については外国から入ってくるものに対して三一一%の課徴金を取っておるわけです。脱粉なんか二七九%、さらには牛肉は一〇四%、トウモロコシ等についても九〇%の輸入課徴金を取っておる。こうしてやはり国内酪農業を守っておるということです。  しかも自由化しておると言いながら、ECではまだ自由化してないのがベネルックスで七ほどあるわけで、フランスで四十六、西独でさえも十四。もう日本はあっちの国から言われ、こっちの国から言われ、農業の後発国でありながら本当に血の出るような思いをして自由化に努力をして、そして二十七まで非自由化品目を少なくしてきたわけです。門戸を開放してきたわけです。そのうち農業品は二十二でありまして、やはりそういう点も外交の路線を通じて相手の国にある程度納得させるという努力を講ずべきであるし、自動車と同一視されて、農業製品を多少輸入を厳しくするからといって鉱工業製品と同じく取り扱われるということになりますとこれまた大変なことになりますので、やはりその辺は十分外交的な面で説得力を発揮をして、そうして言いにくいこともずばずば言って日本の実情というものをよく理解させる。  それから、何も擬装乳製品と言って入れてくるんじゃなくて、これはバターでございます、バターのままで買ってください、輸入するような方法を考えてくれ、こう言われた方がこっちも気持ちの上ではすっきりするわけですよね。だからそういう点、何でそういう経緯になったのか、まだ私事実をつかんでおりません。ですから、この点は国内の情勢を整備する努力をするとともに一なお執拗に根気強く、やはりこっちの主張を通すまでは一歩も引かぬというぐらいのつもりで対処することが、自由主義諸国家間の結束を固め、われわれの立場を将来平和国家として結びつけていく基本ではないか、そんなふうにも考えております。  私は、自由貿易でなければ生きていけない日本の立場というものはよく理解できるがゆえに、なおさら後発部門である農業というものを農業の先発国である諸国に説得力をきかすというのが私どもの任務ではないか、こう思って通産大臣、外務大臣にもその旨をよく話をいたしておるところでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 大臣、ひとつその決意でがんばっていただきたい。  それから、学校給食用の牛乳の供給問題についてお尋ねをします。  五十六年度予算で、二百cc当たりの補助単価が六十銭切り下げられて五円二十銭となった。この単価引き下げ分六十銭の負担は一体どこでするのか、メーカー側がするのか、あるいは生産者団体が負担をするのか、父兄の負担になるのか、この辺伺いたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 現在、極力父兄負担が増大しないよう指導中でございます。  具体的には、私どもことしから原乳価格は、学校給食の補助要綱というものについて改正しなければいけないだろうということで、現在改正作業を進めているところでございます。全体の飲用乳の流通の中での、学校給食用の生乳の供給という側面があるわけでございまして、需給の実勢なり過当競争の実態から、全体の飲用乳価格も崩れてきているという実態も頭に置かなければならないと思います。また同時に、従来の学校給食が、えてして多少事業者に有効な競争刺激を与えるような制度になっていなかった、固定化しがちであったという点もありますので、そういう点も考えなければならないと思います。さらに、一番問題になります集送乳の経費をどう扱っていくかという問題もあります。そういう点につきまして、要綱を改正し、その線に沿って業界を指導し、できるだけ企業努力で吸収するようにということを指導していきたいと思っているところでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 私の聞いているのは、単価が六十銭切り下げられたわけですね。この負担は一体どこがどう持つのかということを聞いている。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 いま申し上げましたように、原則として、いわば学校給食用の牛乳の供給事業のやり方を直すことによって、流通加工の合理化という形で極力吸収することを基本として考えてまいりたい、しかし、一部生産者にも及ぶ点はあるだろうかと思っています。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 メーカー側は、取扱実施要綱の原則に戻すことによって、自主的に現行より安い買い取り乳価にするということで大分論議されているようなんですが、この問題についてはいかがですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 これは何と申しましても、酪農家、農民とメーカーと、それからユーザーである学校側と三つあるわけでございまして、それぞれの利害が対立して、具体的な問題としては交渉が行われることは事実だろうと思います。私の申し上げているのは、国の大きな枠組みの中で、極力父兄負担をふやさないという原則、また極力流通加工の合理化なり、またそれを裏づけるような要綱の改正でそれを担保していくということで、国が指導してまいりたいということでございます。

斎藤実公明党・国民会議

○斎藤(実)分科員 最後に、答弁要りませんが、乳価のダウンによりまして、生産者の乳価水準ダウンにはね返ることだけはぜひひとつ防いでいただきたいと思う。このことを御要望申し上げて、時間が参りましたので終わらしていただきます。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)主査代理 これにて斎藤実君の質疑は終了いたしました。  次に、横手文雄君。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 私は、二月四日の日に予算委員会の総括質問の中でわが党の塚本書記長が触れられました問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  その内容は、繭糸価格安定法のもとに蚕糸事業団が運営をされ、そしてわが国の養蚕業者の皆さん方を救っていく、外国の安い糸が無制限に入らないように一元化輸入し、これを保護していく、こういうことで運営をされておるわけでございますが、塚本書記長も指摘をいたしましたように、今日この事業団が抱える在庫がすでに十四万俵を超した、そして、その価格にして千二百億円、こういうことが言われておるわけであります。あるいは今後金利、倉敷料、そういったものを見ても、年間百二十億円、つまり、一カ月キロ当たり輸入糸で百三十円あるいは国産糸で百五十円かかろう、こういうことが言われており、さらにこの在庫の量はふえようとしておるわけでございますが、こういった状態に対する大臣のお考えと、それかも、これら在庫量の問題等について、今後の見通しについてまずお伺いを申し上げたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、現在事業団には十四万俵の生糸在庫が存在をいたしております。  今後どうするのかということに相なるわけでございますけれども、この事業団在庫は極力軽減をしていきたい、こう思っております。そのためには、何といいましても生糸、絹需給の改善というものを進める必要があるわけでございます。そのために、末端絹需要の拡大措置として、蚕糸事業団の功成事業三億八千万円弱ほど五十五年度に予定しておりますが、こういうものによります需要増進対策を進める、あるいは生糸、絹製品の供給をセーブするということで二国間交渉などもやっておりまして、五十五年度では大幅にこの協定数量を圧縮をするというようなことをやってきたわけでございます。  今後ともやはり需給改善をするというのが一番大事だろうと思います。そういう努力と、今後の景気浮揚策の進展というようなことによりまして糸価の上昇を待って、国産生糸の買い入れを停止したりあるいは輸入生糸の売り渡しをやっていくというようなことで、逐次事業団在庫が軽減することになろうかと思います。そういう点で努力をしていきたい、かように考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 私は、そういった御努力もなされなければならないと思いますけれども、養蚕業者の皆さんあるいは製糸業者の皆さん方等に話を聞きましても、いまおっしゃったようなことで何とかという、祈るような気持ちを持っておられることは事実でございます。  私は、この制度というものを決して否定するわけではございませんし、これは大変重要なことだというぐあいに思っておるわけであります。しかし、実態として見ましても、この一元化輸入がなされてから日本の養蚕の実態はどうなったかというと、携わっておられる農家の皆さん方もどんどん減ってきておりますし、あるいは生産数量等も減ってきておるわけであります、それにもかかわらず、毎年開かれる決起大会等では大変激しいことが言われておるわけでございまして、今後大変暗いのではないかという見通しも一面持っておるわけであります。  大臣も、先般の答弁の中でそういったことにも触れておられるわけでございますが、私は、同時に、その生糸を使って産業を興しておるいわゆる絹業の皆さん方の立場というものも考えていかなければならないというぐあいに考えておるのであります。そのために実需者割り当て、いわゆる実割り、こういった制度等も形の上では行われておるわけでございますが、この中間安定価格が順調に機能していたころはそれがうまくいっておりましたけれども、今日のような状態になってきたときにそれが機能しなくなってきた、こういう実態があるわけですけれども、これについてどうお考えでございますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 実需者売り渡してございますが、これは五十一年度から実施をいたしております。一種の絹業者対策ということで進めておるわけでございます。確かに先生おっしゃいますように、五十一年度以降五十二年度まではうまく滑ってまいったわけでございますが、五十四年度につきまして三万俵という枠があるわけでございますが、これが現在時点におきましてなお二万四千俵が未引き渡しという形になっております。非常にこの実勢糸価が基準糸価に張りついたような形で推移をしておるというようなことから未引き渡しという形になっておりまして、私たちといたしましても、現在の中間安定措置が正常に機能しておるというふうには考えておりません。何かその辺の打開策を考えなければならぬだろうという認識は持っております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 何かと言われるその何かというのは、一体全体何なのですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 現在も各業界等からもいろいろな御要望なり御提言等も受けております。いろいろそういうような提案等も具体的に内部で検討をやっておりますが、いろいろな問題がございましてなかなか簡単ではないということで、何らかの方策を考えなくてはならぬだろうということは考えておりますけれども、具体的にいまの段階でこういうものというところまでの成案は得ておりません。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 大臣は、先般の答弁の中で、「養蚕農家と製糸と織物業界と、これはいままで利害相反するということでなかなか一致しなかったのです、一致して、死なばもろともでやっていかなければこの業界は生きていけません」、こういうことを言っておられるわけでございますが、それは間違いございませんね。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私は、いまでもそのとおりに思っております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 そうしますと、いまいろいろと打開策をと言っておられるわけでありますけれども、私がいろいろな人の意見を聞いてみますと、この事業団のあり方というものは、養蚕業者を救っていかなければならない、こういうことで一元化輸入をする。しかし、これがさらに、いま大臣おっしゃいましたように、業界の皆さんと一体になっていかなければならない、これが織物業界を殺すというようなことになってはならない、つまり、角をためて牛を殺すようなことが断じてあってはならない、これが私は大変大事なことではないかというぐあいに思うわけであります。  そうしますと、業界を生かしていくために、業界をさらに活発化していくために実需者割り当てという制度がつくられて、いわゆる両方の肺でこれは飛んでいる性質のものであろうと思うわけであります。ところが、現実の問題として、この実需者割り当ては、五十四年度分も三万俵の割り当てはしたけれども、そのほとんどすべては倉庫の中で眠っておる。機屋さんはこれをちょうだい、ちょうだいと言っても、それは法律に基づいて出せません、糸価がかくのごとくでございます、こういうことであります。そうしますと、私は、どうも片肺飛行になっていく、その行き先ほどうであろうか、養蚕業者を救うことができるのであろうか、こういうことを大変危惧をしておるわけであります。  ちなみに申し上げますと、今日までは日本の国産ででき上がりました生糸、これの供給を上回って国内で糸をつぶす、いわゆる業界の使用する糸、国内引き渡し、これはいままでずっと国内の生産量を上回ってきたわけでございます。たまたまおととしの七月はこれは逆転をいたしましたけれども、ほんのわずかであります。ところが、去年の六月以降、これはずっと下回って、つまり生産よりも需要の方が下回ってきておるわけでございます。こういうことでどんどんどんどん積んでいくということになると、私は、養蚕業者を救うということにならない、こういうぐあいに考えておりますが、いかがでございますか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 ただいま先生おっしゃいますように、国内の生糸生産量、これが月別に五十五年をながめますと、生糸引き渡し量との対比におきまして、五十五年の五月までは引き渡し量の方が多かった。要するに需要の方が多かったわけでございますが、六月以降はむしろ生産の方がオーバーするというような姿になってきております。これは前年産の繭が増産であったということで、持ち越しの繭等も多かったようでございます。そういう面もあったろうかと思いますけれども、とにかく生産の方が需要を上回るという形でございます。その後もいろいろ指導しまして、この一月は逆転しまして、需要の方が生産をオーバーするという姿にやっとなってきておるというような状況でございます。今後とも、この需給の関係はやはり十分バランスをとるように努めるというのが必要であろうか、かように考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 この一月の数字、これは生産量が極端に低いわけですよ。だから、需要がふえて、そして生産を上回ったということになっていませんよ。そうでしょう。そこはどうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 需要の方が生産を上回るという形には一応数字的に見るとなりますが、ただ一月というのは、相対的に生産の方も需要の方もレベルとしては非常に低いレベルになるわけです。まあ年末年始の休みというのもございますし、そういうこともあろうかと思います。したがいまして、一月の数字がこうだということで息を抜くということでなしにやっていきたい、こう思っております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 そういうことだろうと思うわけですよ。先ほど来申し上げましたように、こういう傾向が続いてくる。こういうことになってくると、先ほど大臣が、そのとおりでございますとおっしゃいました絹業の皆さん方とまさに表裏一体といいますか、大臣は「死なばもろとも」という言葉をお使いになっておるわけでございますが、これはまさに一体であろうと思うわけでございます。  ところが、一方では実需者の割り当て、これで何とか業界の皆さんがんばってください、そして死なばもろともというのがこの制度でございますと言われるけれども、これがこちらが割り当てはしたけれどもほとんど出ていない、機屋さんは大変欲しいのだ、ところが糸値が出てこないものだから、法律に基づいて出せません、やがてそれは出せる時期があるでございましょうと言われるけれども、しかし実際は、国内の生産高すらこの業界の皆さん方が糸を使っていないというこの事実、皆さん方が今後に期待をすると言われるのと、現実は後ろ向きに後ろ向きに走っているような気がいたしますが、この辺、大臣はいかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 その辺に私どもの非常に苦慮をいたしておる問題があるわけでございます。いま横手委員の御指摘されたとおりの感じを私自身も実は持っておるわけであります。この糸価の低迷しておる状態を何とかして動かせないものかというようなことで、いろいろと苦心をいたしてやっておるわけでありますが、事態はなかなか改善をされてきておらないわけであります。したがいまして、五十六年度の糸価、いわゆる養蚕、糸価、絹業対策というものをどうやっていくかというような問題については、基準糸価を決定しなければならない時期も日前に迫っておるわけでありますので、その辺を踏んまえて、先ほど局長から申し上げたような何らかの措置をとらなければなるまいということで、鋭意あらゆる面から検討しておるということでございます。  同時に、一月から実割りを出しておりましても、糸価にはそう大きな影響がないという実態も一月、二月で出ておりますので、少しでもこの勢いが三月、四月とこういってくれることを期待しながら、どういう施策を講ずればこの勢いを増していくことができるかというようなことを検討をしている最中でございます。もうしばらく時間をかしていただきたい。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 私は、この事業団というのは存続させなければならないという前提に立っておるわけでございますけれども、しかし、いまのような憂うべき状態であるとするならば、先ほども言ったように角をためて牛を殺すようなことになってくる、結果的には養蚕業者の皆さん方にも大変な迷惑をかける、国家に、いわゆる政治に裏切られた、こういう感じをお持ちになるのではないか、したがって、いまのうちに何らかの手を打たなければならないという気がするわけであります。  そして、巷間、私はそんなことはないと思いますけれども、言われておるのは、いま事業団が持っておる糸、これは昭和五十二年ごろから在庫がたまっておるわけですか、米で言うたら古々米、古々々々米ぐらいになってくる、だから品質そのものも大変落ちてきておるのではないか、こういうことが心配をされておるわけですけれども、その点についてはどうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 品質の面のお尋ねでございますけれども、これまでの試験研究の結果等から見ますと、保管条件の相違によりまして品質変化の速度や程度がかなり違うというふうには言われておりますが、適正な保管を行った場合は相当期間、少なくとも五年程度は実用上支障は起こらない、こう言われております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 私は、専門家の方が保管をされているのだから余り心配することはないと思いますけれども、しかし、私自身紡績工場でずっと働いてまいりました。いわゆる絹も携わってきたわけであります。そのときに上司からいつも怒られたのは、特に生糸というのは読んで字のごとくなま糸と書く、生きた糸だ、こういうことで、保管については大変なおしかりを受けてきたわけであります。したがって、その生き物を粗末にするな、生き物をそのままにしておいたのではやがて死んでしまう、死んでしまったときにこの糸は死に糸と名前を変えなければならない、生糸ではなくなってくるのだ、こういうことで大変注意を受けたことをよく覚えておりますし、現場におってそのとおりだというぐあいに考えておりました。  あるいは綿なんかにいたしましても、私ども現場で使っておるサンプルが来る、試験にかける、古い綿でも使えるか、安いから買うてきたがどうだということで入ってくるわけです。試験機にかけます。そのときにほとんど影響はないわけですが、現実に紡績をしてみますと大変調子が悪いわけであります。調子が悪いということは、品質が落ちるということになる。そういった点について憂慮するものでございます。  まあ、完全なものだと言われれば、私も現物を見ておりませんので、そのとおりでございますかと言う以外にないわけでございますけれども、その点について、私自身繊維産業の中で長い間たっぷりとつかってきた、そして繊維産業を愛してきた者の一人として、そのことを強く申し上げておきたいと思う次第であります。  そこで、この打開策の問題について、たとえば今後絹業界を活発にしていく、業界の動きを活発にしていく、それがひいては養蚕業者も潤ってくる道だというぐあいに思うわけでありますが、これだけ業界が冷え込んでしまうということになってくると、これは養蚕そのものも大変なことになってしまう。それで、五十四年度三万俵の割り当てが行われたけれども、ほとんど倉庫に入ったままだ、五十五年度の割り当てすら行われていないようでございますが、これはどうですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 五十五年度の実需者割り当て、これはどうする気か、こういうお尋ねでございますが、ただいま申し上げましたように、五十四年度分、これがまだ二万四千俵未引き渡しということでございます。したがいまして、まず何といいましてもこの五十四年度分の引き渡しができるように需給改善の努力を払っていくということが先決であろうかと思います、そして、五十四年度の未引き渡しのものが引き渡しのめどがついた段階で、むしろ五十五年度の割り当てをどうするかということを具体的に検討するという手順にすべきではなかろうか、かように考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 この要求については、特に業界の皆さん方から大変強いことになろうというぐあいに思うわけです。業界の皆さん方にしてみますと、一元化輸入をする、そのことによって国際糸価よりも高いということを覚悟の上でやる、しかしそれでは業界が死んでしまうだろう、そこで実需者割り当てという制度をつくる、こういうことで、五十一年には商工委員会において、「輸入生糸については、実需者が低廉な価格で迅速に入手できるよう、一元輸入制度の運用を改善する」、こういう決議がなされ、五十一年の八月には、大蔵、農林、通産、三省の了解事項で、この実需者割り当てについて、可能な限り多くの数量が輸入価格に所要の経費を加えた額で速やかに実需者に渡るように一元化輸入の運用を図る、こういうことが繰り返し繰り返しいろんなところで確認をされ、閣議でもこういうことが決められてきておるわけでおります。  業者の皆さん方にしてみれば、一元化輸入というのは必ずしもありがたいことではないけれども、しかし、日本の農業を守る、養蚕業者を守る、その立場に立って、これはもうやむを得ないことだ、しかしわれわれにも、年間三十万俵ぐらいの消費をする、そのうちの三万俵はそういう形で実需者割り当てが来るんだ、それならばお互いしんぼうしようじゃないか、閣議でも決められたではないか、こういうことが救いの道として今日まで来られたと思うのです。ところが、先ほども言いましたように、これが片方がとまったということになると、完全な片肺飛行に入って、業者の皆さん方に対する救済の道、それは閉ざされた。それで日本の養蚕業者は成り立っていくのだろうか、こういう気がしてならないのでございますけれども、いかがですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先ほど来申し上げておりますように、このマル実が五十一年度からスタートして、五十三年度までは順調に滑ってきた、五十四年度から、五十四年六月からの糸価の低迷によって、まだ三万俵のうち二万四千ほど未引き渡しになっておるということは、これは正常な姿ではないというふうに私は考えております。したがいまして、何らかの需給改善等をやりまして、こういうものが円滑に滑っていくような、そういう姿を現出しなければならぬだろう、そのためにはどういう施策が必要か、それをいろいろいま検討をしておるわけでございまして、生糸というものはこれは中間製品でございまして、織物なりになりませんと意味のないものでございます。したがいまして、まさに蚕糸絹業一体でこれは進めるべきものというふうに考えております。そういうことで現在鋭意検討中でございます。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 その御苦労を歩といたします。大変御苦労さんでございます。  そこで、私は、具体的にそれらの問題について、いま実需者割り当てが出てこない。たとえば神戸で開かれるあのポート博覧会等についても、輸入業者が絹織物の見本を展示するようなところをつくりたい、こういうようなことが言われて、二俵でいいからちょっと事業団の糸を回してもらえぬだろうか、こういうことをやったんだけれども、それはこの法律に基づいてだめだということで断られた、こんな話もあるということを聞いたわけです。これはうそか本当かわかりません、まあそういうたとえとしてですね。  そこで問題は、私は、その絹業者の皆さん方の業界を活発にしていかなければならない、そのためには絹業界の皆さん方の要望にもこたえる道をつくってあげなければならない、こういう気がするわけであります。その道を閉ざしておるのは何であろうか。それは法律の第十二条の十三の三第二項、第三項の弾力運用によるのもその大きな一つだというぐあいに考えておりますが、いかがですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 先生のおっしゃっておりますのは、輸入生糸の売り渡しの問題で、いわゆる基準糸価条項がございます。それから三項の方でコスト条項というのがございます。この辺の弾力的運用ができぬか、こういう御指摘かと思います。  第二項の基準糸価条項の問題につきましても、現行法の範囲内におきまして、マル実を売り渡す際もいわゆる下べそを上回ってないとだめよ、こういうようなことでございますけれども、何かそこは「おそれがある」ということの読み方なり判断の問題になるのでございましょうが、単なるそういう基準だけでなしに、やや特例的な角度でやれないかというぎりぎりの検討もいたしまして、マル実なども出せるような仕組みを考え、この一月、二月にそういう特例措置でマル実を放出したということでございます。  それからコスト条項、これは当然こういう規定になっておりますので、当面の問題としては、コストは確かに金倉はどんどんかかっていくことは事実でございますけれども、まだこの条項に抵触して売れないというような事態にすぐなるというふうにはいまのところ考えておりませんが、将来の問題としてはないわけではない。ですから、その辺は今後の検討課題であろうというふうに考えております。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 いまおっしゃいましたように、糸価はこの基準どおりいってないけれども、下べそ価格あるいは基準糸価、この間であっても一月と二月は千俵ずつですか、出してみた。冒頭、大臣がおっしゃいましたように大きな影響もなかったというようなことでございますけれども、私は、そういうことで運用をされるということが現実の問題として行われているのであれば、いっそこの第十二条の十三の三の先ほど御指摘のあった糸価の問題について、これを弾力運用できるような形にこの際変えていく。たとえば特別の事情のある場合は政令で定める、こういったような条項を入れて弾力運用をすべきだ、第三項についてもそのようなことをやるべきだということを塚本委員も提案をしたことでございましたけれども、その点についてぜひ検討していただきたいというぐあいに考えておるところであります。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 絹業者の方々には私もお会いしまして、いろいろ実情も聞かせていただいておりますし、御要望も承っております。  問題は、基準糸価条項等を改正して、基準糸価を下回って売る場合でも売り渡せるようにというような改正という御要望も承っております。しかし、これはやはり中間安定価格帯に実勢糸価をおさめようという制度の趣旨からいたしますと、これに背馳する姿の改正になるわけでございます。したがいまして、現行の中間安定措置をとっておる根幹との兼ね合いがございます。安く出すにはそういうような方法もあろうかと思いますが、これだけではなくて別ないろいろな手だてはあり得るのではないか。そういうものも全部いろいろ各界の要望も承り、また、内部といたしましても、それぞれどういうやり方が現実的でまた適切なものかということをいま検討しておる、こういうことを申し上げた次第でございます。

横手文雄民社党・国民連合

○横手分科員 時間が参りました。  私は、一貫して申し上げてまいりましたように、この制度の存続について、養蚕業者を守っていかなければならないということについては承知をいたしております。しかし、その精神は、あくまでも先ほど大臣が披瀝されたような決意、それが根底になければならない、片肺飛行になってはならない、政治が業界の皆さん方にうそをついてはならない、こういった立場で見解をただしたわけでございます。今後ともに、私もこのことについて重大な関心を持っておりますので、これからまた別の機会でもさらにお考えをただしてまいりたい、私自身の意見も申し上げてまいりたいと思います。終わります。

近藤元次自由民主党

○近藤(元)主査代理 これにて横手文雄君の質疑は終了いたしました。  次に、中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣、減反政策でも、減反をしても減反をしても米の生産がむしろ伸びてきている。それはやはり狭くなるから手入れがうまくいくという点もあると思うのです。したがって、減反政策一本やりというのはもう限界に来たんだと私は認識している。農林省でも十二分に検討もしているのだろうし、農水の委員会でもいろいろ質疑も行われているのだろうけれども、この際、少々無理があっても食管法でも改正をして、そして転作に魅力を持たせるために、酪農であるとか、その他を食管法の対象にするということも考えてみなければならないだろうし、えさ米についても総括質問等で大臣のお答えを聞いているわけですが、やはり日本農民というのは生産能力というものも非常にすぐれているわけで、えさ米の生産も、いろいろと努力をするとこれは採算がとれるような生産も可能となっていくだろうし、さらにまた地域的に流通をさせて、そして畜産、酪農等と結合させた複合経営というのですか、そういったようなことをやっていくということになってくると、地域の発展というもの、また日本農業の体質改善というものにも役立っていくのではないかというような考え方、それから御承知のとおり昭和二十八年だったか、政令で、酒をつくるのにアルコールを含有するということになったのですね。本来酒というのは米または米こうじをもってつくるということになっている。それに米が非常に不足しておったから、二十八年にアルコールを含有させることができるというようなことになって、政令でいまやっている。     〔近藤(元)主査代理退席、山田(耻)主査代理着席〕 もうこんなに米がだぶついてくるのだから、アルコールを含有しないでやると五十万トンくらいたくさん使う、十三万ヘクタールくらいは減反をしなくてもよろしいという数字が出ているようですが、これもまた議論されたのだろうと思うのだけれども、そこらあたりに対して考え方というのはどうなのか、それから大蔵省は管理休耕というものを主張しているようだけれども、農林省としては、この大蔵省が主張している管理休耕というものに対してどのような考え方を持っているのか、それぞれの点についてお答えを聞いてみたいと思います。

渡邊五郎農林水産大臣官房長

○渡邊(五)政府委員 総括的ないろいろな問題がございますので、私の方からお答えいたします。  減反政策につきましては、御承知のように五十六年度から第二期対策に入るわけでございまして、この方策の推進につきましては、御承知のように市町村なり農業団体等の理解と協力を得て進める、幸いこの第二期の対策につきましては大方の御理解を得ておりますし、同時にこの減反政策とあわせて価格政策自体についても私どもは充実していく、それぞれの農産物の性格によりまして価格政策のとり方は違っておりますけれども、やはり減反政策とあわせまして価格政策を充実していくということは、これはこの前の農政審の審議でもそういうことになっておるわけでございます。  えさ米につきましては、先般来大臣からもお答えしておりますように、やはり技術上の問題、収益性の問題あるいは主食との識別等の問題がございまして、特に技術的な問題等については、具体的に長期的な課題として試験研究段階としてこれを進めていくということで考えております。  食管法の改正につきましては、今国会に提出すべく目下準備をいたしているところでございます。  なお、休耕の関係で管理休耕というような考え方が現在の生産調整対策の中にあるということは私ども了知しておりますけれども、やはりこれから農業で不足すべきものに重点を、過剰なものから不足なものへという生産再編の方向並びに農家の実態からしましても、できるだけ休耕状態はとりたくないということでむしろできるだけ転作を進めていくという考えに立っております。酒米等の問題については関係省庁ともよく話し合って、私どもとしてはできるだけ米の消費の拡大に努めるように努力はいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 これは大臣にお答えをいただきたいのだけれども、研究する、関係官庁とも話し合いを進める、農林省としてはそうできればいいだろうけれども、またこれは酒の値段が高くなる、酒税を下げなければならぬという問題が出てくるだろうと思うのです。しかし、やはり最大限に実現を大臣としても大蔵大臣と折衝していく価値のある問題じゃないかと思うんですね。それから、食管法の改正は私が指摘しましたような、そういった内容のものか、これは局長からで結構ですが、大蔵省の管理休耕の問題については大臣から、これは適当ではないという考え方でもって臨まれるのか、その点はいかがですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 やはり農地は食糧を生産する大事な基盤でありますから、これを休ませておくということはいろいろと国家投資もしておるという立場から言って適当ではないし、不足な物があるわけでありますので、そういうものをつくらせていきたいということでございます。  酒のアルコール添加率の引き下げにつきましては、大蔵省とも協力しながら酒造業界の方にもいろいろ要請をいたしておるところでございまして、できるだけうまい酒、純水酒とでも申しますか、それが当然の姿であるということでもございます。しかし、これを一遍に改善をするということもいろいろ事情がございまして、年々その方向に近づけていくという努力はいたしているところでございます。  さらに、食管法の改正につきましては、いま御指摘の酪農品とかそのほかの農作物も含めてというようなお話があったかと思いますが、そういう考え方は今回は取り入れてはございません。今回は、やはり食糧管理法という国民の大事な食糧を取り扱っておりますところの基本法でございますので、これは消費者からも生産者からも大変大事な法律であるわけでありますので、この法律はやはり法文どおり守られておるという姿にしたいという立場から、食糧券の問題、それから縁故米等の問題、それから自主流通米を法定をして全量米はきちっと食管法で管理してまいりますという食管法の根幹をなすこの米麦の扱いについては、全国民に責任を持って供給をしてまいるという立場の条文の根幹をそのままにいたしまして、そして現実と法文が乖離しているような面についての改善を図っていきたい、こんなところで大体今国会に提案をさせていただきたい、こう思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 創意工夫、ありとあらゆる施策を講じていくということじゃないと、食糧にしても、食べ物がなくて餓死状態にある者が七億もある、それからソ連にしても中国にしても、世界的に穀物不足という状態にある。日本は穀物の自給率が三四%、もっとそれを割っているという状態ということを考えてみると、やはり高度な立場に立った対処の仕方というものが必要であろうというように私は考えます。そうしないと、国際的な日本に対する信頼というものがなくなっていく、私はこう思いますよ。  それから大蔵省の言うような管理休耕、これは局長お答えのとおりです。これ以上農地を荒廃させるとか農民の心を荒廃させるということをやってはいかぬ。だからその点は、いまの考え方を強力にひとつ推進してほしいと思います。  それから転作に伴って土地改良の問題であるとかあるいはまた畑地農業というものを推進していくためにも、小規模基盤整備事業の採択基準というのが数年前からずいぶん緩和してきたんだけれども、それでは不十分なんで、私の長崎県なんか御承知のとおり勾配が強く、かつ農地が狭いから、県独自で特別の採択基準をつくっているのです。だから大変な出費でもあるわけですが、この際、農林省としても採択基準を大幅に緩和をしていく、是正措置も講じていくということが必要だろうと思うのですけれども、この点は問題がありますか。ただ金の問題だけでしょう。いかがですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 いま先生もおっしゃられましたように、採択基準については従来からいろいろ緩和措置を講じてまいっておるところでございます。特に振興山村、過疎地域、こういった立地条件に恵まれないところにつきましては、団体営の事業について特段の採択基準の緩和ということが行われておりますし、それからまた、最近におきましても農村基盤総合整備事業を五十一年度に創設いたしております。この中でかなりな小規模のものまで採択できるようになっておりますし、それから小団地の農道、用排水路、圃場整備、こういった事業を一体的にやるためには、いま申し上げました事業で、総合的に土地改良総合整備事業という形で救済できるということもございます。ただ、個別具体的にそういう総合的な事業が組めるかということになってまいりますと、それはやはり個別に具体的に当たっていかなければならないということはあろうかと思います。  なおまた、最近におきましては排水対策が特に重点事業であるということで、これは転作等との関連もございますが、私ども一般の用排水事業とは別に、排水対策特別事業というものを五十四年度から起こしております。この事業は実質的に相当大幅な採択基準の緩和になっていると思うわけでございます。今後とも補助率そのものを引き上げるとか新たな採択基準の大幅な緩和ということはなかなかむずかしゅうございますが、いま申し上げましたような仕組みの中で、できるだけ現地の状態に適合した採択基準の適用を図ってまいりたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 まだいろいろお尋ねしたいこともあるんだけれども、時間の制約がありますから……。  南総の問題は、大臣も頭が痛くてしようがないというところだろうと思う。私も、これはメリットとデメリットがありますから、正直に言ってやめなさいと大臣に言うほどの勇気というか、そういうものが出ないのだけれども、メリットという点については、塩害でずっと周辺の農民が非常に困っておるんですよ。だからあれを干拓するとその塩害はもう解決するんですね。この点が一つと、それから浅水海の漁民は沿岸漁業の振興のために南総反対というけれども、ヘドロでどうにもならないのです。ヘドロで、沿岸漁業の振興なんということで南総反対というのは筋が通らないんですよ。だからヘドロを何とかしないと、これから十年くらいで湾内の浅水海の漁民というのはお手上げなんですよ。そういうことでは、この際締め切り干拓というものを考えてみなければならないという実情でございます。ところが水の問題も、これは灌漑用水といったような点について、ことしのように干ばっがひどいということになってくると灌漑用水というものは必要だと思うんですね、そういったような点等がメリットでしょう。  ところが、デメリットというのがあるんですね。浅水海というのは産卵地になっていますね。それから稚魚というのは本能的に浅いところへ、浅水海のところへと行くんですよ。そうしないと、深いところにおったらえさになってしまうものですから、これを締め切られると、稚魚が行く場がなくなってみんなえさになってしまう。したがって、それが大きなデメリットということになるのです、そういう面では、佐賀県漁民と長崎県の湾外の漁民と若干違った事情ではあるけれども、それで賛成、反対といま大変で、きょうもたしか島原で、佐賀県も参加して南総反対総決起大会というのが開かれている。いまごろがその時間だろうと私は思っているのです。  さて、どうなるものだろうかということなのですが、湾内の十二漁協の中で頑強に抵抗している瑞穂、小長井という二つの漁協がある。小長井は三分の二の特別決議があるいは可能になるのではないかと思うのだけれども、現状において瑞穂は不可能なのです。九〇%くらい賛成、そういう実情です。これは湾内が反対ということになれば、どうにもしようがないということになります。そういったような実情、メリット、デメリットがあるわけですから、環境問題もあることだろうし、慎重にやっていかないと、飲料水の方は浅水海の真ん中からとると非常にきれいな水がとれるんですよ。これは諌早市が必要とします。五億トンぐらい流れ込むので、その層の下からとると日量五万トンくらいとれます。長崎市は飲料水はそこは必要がない、大村湾から浮きドックにして水をとることができると言っていますから。そのようなことですし、これはやはり慎重に対処していくということでないといけないだろうと私は思っております。率直に申し上げた方がよろしかろうと思いますから。大臣の考え方としてどういう態度でお臨みになるか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 前の大臣からもいろいろ申し送りもあったわけでございまして、これは長い間の懸案の問題であるわけでございますから、よく地元の気分が一致して、結論は知事さんの方でお出しになると思います。これはもう農林水産省の方からどうしてもというような筋合いのやり方じゃなく、一応慎重な立場で、いまそれぞれのところで努力されておる向きもあるわけでありますので、それぞれの事態を見守って最終的な結論を出したい、こう思っております。当分静観をしたい、こういうことでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間の関係もありますから、これ以上この点は申し上げません。私は、客観的な立場に立って意見を申し上げましたけれども、どうかそこらあたり十分勘案して、間違いのない、誤りのないような方向で対処してください。  次に、水産振興の問題でお尋ねするのですが、いまの水産庁、農水省の漁業対策は資本性、企業性に少し傾斜し過ぎていると私は思います。もう少し沿岸漁業に力こぶを入れていかなければならない。漁民の中には、いま遠洋漁業に対しての対策をストップして、沿岸漁業中心になったら魚は治岸に集まってくる、そういうことすら沿岸の漁民は言っているくらいです。そのくらいに沿岸漁業は軽視されている。経済水域二百海里の時代でもあるわけですから、沿岸漁業にもっと力を入れてほしいと思います。  それから、密漁船対策ですね。国内の密漁船と韓国の密漁船、これで対馬なんかではシイラづけであるとか、あるいは根つき漁業が根こそぎやられてしまう、これは海上保安庁も監視船、巡視船といったようなことでいろいろやっておるようですけれども、何せ夜のことですからどうにもならないんですね。特に力を入れてほしいと思います。  それから、できるだけゆっくりまとめて言いますけれども、韓国の漁船は集魚灯の規制がないのです。大きい集魚灯をたくのですね。魚が集まるのです。日本の場合は集魚灯に規制をするといったようなことで魚が集まらないというので太刀打ちができないというような状態にあるわけです。これを少し緩和する必要があるのではないか。それらの弊害も、問題点もいろいろまた出てくるんだろうと思うのですけれども、考えないと、これは本当に漁民としてはたまらないのですよ。韓国の集魚灯が大きいものだから、何とかしてくれという悲鳴を上げたいというような気持ちです。  それから、油の値上がりでこれまた韓国と太刀打ちできないんですね。韓国は助成措置を講じておりまして、油の値段が日本の半分ぐらいで、漁民に対して供給しているんです。だからこれまた何とか助成措置を講じてくれというのも無理からぬことだと私は思っています。  それと漁民年金の問題、これは私が最初に提唱したんだそうですが、漁民の数が少ないというので年金というのは問題があるようですが、調査費をおつけになっている。調査費をつけてやっているのですから、どういう方向に進めていこうとお考えになっておられるのかということです。どうしてもそれがだめだというと、長崎県の信漁連がやっている漁民年金貯金制度というのがなかなか評判がよくて、長崎方式というのを全国でも大分取り入れているんですね。問題点はやはり補助金がないということです。県は一億五千万円ぐらい出している、それから漁連も出しているというので、漁民年金をカバーしている。国からも、補助金整理の問題が財政再建という点からいろいろ言われているときではあるのですけれども、こういう必要なところの補助金は私は考えてもよろしいのではないか、考えるべきではないかと思うのです。その点に対してのいわゆる年金の問題、それからそれが無理であるということになってくると、長崎方式に対する国の助成、そういうものを考えていくべきではないかと思うのです。まとめてお尋ねをいたしましたが、それぞれお答えをいただきましょう。

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 本格的な二百海里時代を迎えまして、先生のおっしゃるように、沿岸漁業の振興はきわめて重要なことでございます。私たちも、いままでのとる漁業からつくり育てる漁業へということで、いま沿岸漁業整備事業、構造改善事業、その他の事業を積極的に推進をいたしておるところでございまして、今後ともその推進については特段の努力を払ってまいりたいと思っておる次第でございます。  それから密漁、特に韓国船の密漁の問題でございますが、最近、韓国船の日本の国内規制区域におきます操業が非常に多くなっておるわけでございます。御承知のように、日韓漁業協定に基づく取り締まりは旗国主義でございますから、日本の取り締まり船がこれを拿捕することはできないということで、やはり韓国として相手国の国内規制を尊重するという思想で対処をしてもらわなければいけないわけでございまして、これについては外交ルートを通じて、あるいはまた農水省としても厳重に韓国に対して申し入れをいたしておるわけでございます。あわせまして海上保安庁と協力をして、関係水域に取り締まり船を重点的に配置をして監視に当たっておるわけでございます。今後とも韓国におきます。そういう操業については、韓国の適切なる処置を求めると同時に、海上保安庁と協力をして重点的に取り締まり監視をいたしたい、かように考えておる次第でございます。  油の値上がりによる漁業経営の圧迫は御指摘のとおりでございまして、漁業経営がそのために非常に圧迫をされておるわけでございます。これについて漁業関係者の間では補給金を出してほしいという強い要望があることも承知をいたしておるわけでございますが、水産は特に油を使うわけですけれども、水産だけに補給金を出すという、そういう施策をとり得るかどうかという点に一つ問題がございますので、私たちとしましては、今年度の予算において燃油資金を一千億、それから漁業経営安定資金を六百億用意をいたしまして、油の資金については特に三分あるいは三分五厘という金利によりまして対処をいたすことになっております。  なおまた、経営の安定のために五十六年度に償還をすべき燃油資金及び経営安定資金については、二カ年の償還猶予の措置を講じておるわけでございまして、政府としてもできるだけの対策を講じながら漁業者の経営の安定合理化を図ってまいるつもりでございます。  なお、集魚灯の規制の問題につきましては、韓国との問題では先生御指摘のようなことがあるわけでございますが、これがまた同時に、これを緩和することになりますと沿岸との関係が非常に出てまいりますので、それらの点を含めまして、ひとつ検討させていただきたいと思います。  それから、漁民年金につきましては、長崎県においてはいろいろと非常に進んだ制度をとって喜ばれておるということはよく承知をいたしております。水産庁としましても、そういう制度について従来検討してきたのでございますが、その検討の結果を踏まえまして、全漁連では系統を運営主体とします年金的な仕組みとして漁業者の老齢福祉共済を五十六年から発足をさせることにいたしております。これについては、私たちとして、事務運営費あるいは普及推進に必要な経費等について助成をいたすことに相なっております。長崎県の制度につきましては、あわせて県単独のそういう制度について助成をするかどうかということになりますと、これはなかなか問題がございますので、やはり国全体の制度の仕組みとしてこれに助成をしながら、同時に長崎県のそのいい点も生かしてもらうという取り進め方にしたらどうかというふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大体時間が来ましたが、いろいろ申し上げたのですが、問題あり、問題ありということになってくると前進なし、それと、行政を惰性とかメンツで進めないように、やはり現実を直視して、南総の問題にも言えることですが、本当になるほどと国民が納得するような政策を推進する。油の問題にしても、政策的な価格というものも考えなければならないだろうし、灯油なんかには通産省もずいぶん力こぶを入れているのですが、やはり沿岸漁業の振興のために、あるいは零細農業の振興のためにという立場から、政策的な価格の設定も必要だろうと私は思います、そういったような点について、非常に重要な農水産省のお仕事ですから、大臣を中心として積極的な対処の仕方をそれぞれやってほしいということを強く要望したいと思いますが、最後に大臣のお答えをいただいて終わります。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 示唆ある御指摘をいただきまして、そういう点も十分考慮しながら、特にこの漁業関係における燃油問題については、ますますこれは高騰が予想されるということでもありますので、五十六年度はとにもかくにも二十億の資金措置も講じまして、ただいま長官から申し上げたような新制度に対処したわけでございます。これで十分かということにつきましては、今後推移を見まして対処をしていきたいと考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 終わります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)主査代理 これにて中村重光君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後一時開議

山田耻目日本社会党

○山田(耻)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産省所管について質疑を続行いたします。土井たか子君。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 きょう私は、農業者年金の問題について少しお尋ねしてみたいと思いますが、一時は三ちゃん農業と言われまして、お母さん、主婦の労働力なくしてもはや日本の農業は成り立たないということが全国各地で課題になり、そしてその貴重な労働人口である農業者の家庭にとりましては大切な女性の労働力、この問題に対してどのように保護するか、保障していくかという問題がひいては大変大きな問題となってきたわけです。いま大体、全国平均女性の農業に対する就業人口というのは、男性に比べて多いんですか少ないんですか、いかがですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 これは年別に女性の比率が高まってまいっております。昭和三十五年からの推移を見ますと、五十五年今日現在は、総数六百九十七万人に対して女性が四百三十万人ということで六一・七%を占めています。昭和三十五年ごろは、千四百五十四万人中女性は八百五十五万人ということで五八・八%ということでございます。  それから、ただ人数だけではよくわからないところがございます。従事日数という点で見てみますと、最近では女性の農作業に従事する日数も長くなっておりまして、百五十日以上従事する者がちょうど男と女同数の百五十七万ずつおります。  ただ、まだ現在でも週間就業時間で見ますと、時間的には男性の従事者の方が長く農作業に働いておるということは見られますが、こういうふうに絶対数においても傾向にいたしましても、女性のウエートは高まってきておるところでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いまのお話のとおりなんで、女性のウエートがだんだん農業経営においては高まってきているというのが実情だろうと思うのですね。  時間数の問題について申しますと、やはり家事、育児等々が女性にはございまして、直接農業に従事している時間数から言うと、男性に比べて同じような基盤で考えるわけにはいかないという側面がまだございますから、その辺は正確に、これは対置して比較するということにはなかなかならない要件もあることを考えた上で、しかし女性なくして農業は成り立たないことだけははっきり言えると思います。まあ、何においてもそうでありますが、特に最近は農業経営についてそういうことを注目しなければならないと思うのです。  この農業者年金ですが、ほかの年金と全然わけが違うのですね。どういうところが農業者年金の特徴なんでしょうか、いかがですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 ほかの年金は、いわば加入者の老後の安定を図るというようなことを主眼にして、生活の面でこれを大きく手当てするということになっておるわけでございますが、もちろん農業者年金にそういう面はあるわけでございますけれども、政策的にむしろ農業経営に着目いたしまして、現在経営を支えておる年齢が高年齢化している、これをできるだけ若返りを図りたい、そういうことのために経営移譲を進めるということを考えているわけでございます。若返りのための経営移譲の促進、それからそういうことを通じまして経営規模の拡大に資する、こういう農政上のいわば政策年金としての性格を強く持っておって、これがほかの年金と大きく異なるところでございます。  もちろん、こういうことで経営を移譲した従来の経営者が、老後になって経営を手放したばかりに生活が不安定になったら困るということで、その点年金という形で手当てをする、その点はほかの年金と同じような生活上のめんどうを見るといいますか、支えになるという点で同じ性質は持っておるところでございます。  なお、これは独立した年金ではなくて、国民年金に加入している者を加入資格として課しておりまして、そういう点では国民年金に対する付加年金という性格を持っておるところでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いま最後に、国民年金に対する付加年金と言われましたが、従来国民年金というのは厚生年金などの被用者年金に比べて低位である。国民年金だけで老後の生活が成り立たない。老後の主たる所得は年金で賄わなければならないという生活状況を考えていくと、国民年金で賄い切れない。したがって、それをどうするかということは非常に大きな課題になっていくわけですが、そういう点からすると、むしろ国民年金というのは補完的意味があるんじゃないか。  そして大抵は厚生年金、共済年金、その他等等、それぞれずっと勤めているところで問題にされている年金というものを主たる老後の所得の基本に置いて、国民年金というのは考えるべきものだということでいままで一般に言われ続け、われわれもそのことを考え方の大前提として考えて今日に来ておる。  そういうことから言うと、農林漁業者の老後の生活というものはいまの国民年金では十分に貯えない、保障するものではないということもあって、老後の生活に対して新たにこれを維持するに足る年金という意味を十分に持たせた農業者年金でなければならない。この年金の性格というのはそういうところにもあると私は思っておるのですが、大臣どうなんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 事実の説明だけ申し上げたいと思います。  国民年金の性格でございますが、これは厚生年金の別に補助的な年金ということでなく、それ自体独立した基本年金であるというふうに私どもも理解いたしております。自家営業に従事しておる者、あるいは無職の者、そういう人を対象にしておるという点で厚生年金と対象は違いますけれども、それらに対して基本的な老後の生活を安定させるために年金を支給するということで、性格としてはまさに基本年金だと思っております。ただ、厚生年金と格差があるではないかという問題、年金全般の問題もございましょうが、私どもは基礎年金であるところの国民年金、これを一つのベースにいたしまして、付加的に現在の農業者年金を加算していくという形での年金制度を設けているところでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、農業者の老後の生活というのは国民年金を基本に考えるわけですか。国民年金を基本に考えて、そしてそれに対して付加する意味で、補完する意味だけにこの農業者年金というのはあるのですか、どうなんですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 付加年金といいましても、内容は非常に複雑といいますか、いろいろな性格を持っておるわけでございまして、国民年金は御存じのように六十五歳にならないと受給資格が生じません。六十五歳から受けられる。ところが、先ほど申し上げましたような農業政策上の要請からすれば、もっと早い時期に経営を後継者に譲ってもらいたい。それから、一般的に農業労働者は体の痛みがほかよりも激しくて老齢化が早いというようなこともあって、できるだけ早い時期に支給してほしいというような話もあったわけでございます。そういうことから、六十歳から六十四歳までの間は、先ほど申し上げました農業政策的な性格の強い経営移譲年金を、これは要件にかなった場合でございますが、交付するということにしております。その意味では付加年金とはいうものの、六十歳から六十四歳までの間は独立した経営移譲年金が支給される。  それから六十五歳以上になりますと、国民年金に加入しておる人を対象にしております関係で、国民年金が基礎としてもらえる。ベースとしてもらえる。そういうようなものですから、その後は加算的に農業者老齢年金、それから経営移譲年金を六十歳から六十四歳までの間の十分の一に減額した金額、これを加算いたしまして、全体としては通常の国民年金だけの場合よりも若干有利になるような形での年金支給を行うということにいたしておるわけでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いまの御説明のとおりに、しかし農業者にも恩給をという四十二年の総理の公約から端を発してできたのがいまの農業者年金の制度であるというふうにわれわれは理解をいたしておりますから、その中身についてはいろいろこれが農業経営の若返りであるとか、規模を拡大することであるとか、移譲をスムーズに行わせていくとかの効果をどれほどこの年金自身が発揮しているかどうかというのは、実態を見ていったときに疑義なきにしもあらずなわけです。  現に、この年金に対して若い人たちがどれほど入っているかということになってまいりますと、これは少ないのです。若い人たち、二十歳から二十九歳、三十歳から三十九歳、これは非常に少ない。それが老齢化すればするほど激増いたしておりまして、五十歳から五十九歳という年代になると大変に入っている人たちの数が多い。こういうことが数字を見た上だけでも出てくるので、果たして若返りを促進することになるかどうか。それからスムーズに移譲するというふうなことが、この年金を創設したことによって果たして期待やきるかどうか。大変問題点が多いと思うのですが、大臣、どのように受けとめていらっしゃいますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 この制度が始まってからそう長くないわけでありますので、当初加入した方々が年金を受給する年代に達してくる、そういう方々が当初この制度ができたときに加入されておる。その後そういう方々が、これは経営主が入ることになっておりますので、一軒の農家で年金に加入しております経営主が後継者に譲らないうちは後の加入者が入れない、こういうことになっているために、そう多く加入者がふえるということはなかなか期待できない特質を持っておる、こういうふうに私は理解しております。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 いま大臣が言われましたとおりでございますが、若干補足いたします。  この制度が発足いたしましたときに、大体年齢人口構成のままに加入が行われたわけでございます。ただ加入をする人は、比較的近くどうしても引退する可能性のあるような人、こういった人が将来のことを考えてということで、経営主が大部分でございます。いまでも経営主の加入が大部分でございますが、若い人でも経営主がおられますけれども、若い人は経営主というよりは、むしろ後継者として経営主と一緒に入るということも制度としてはできることになっております。  ただ、大臣も申し上げましたとおり、経営主が健在でおる限り、後継者がそれと一緒になって入るということはなかなか一家の事情としてもないということと、若い人自身が農業に定着する方も少ない、さらに将来ずっと農業に定着してやろうというような意欲を持って入ってくる人も少ないということもありまして、現在確かにおっしゃられるように、一々数字は申し上げませんが、若い人の加入者数はきわめて少ない状態で、将来の問題としても非常に心配されるところがあるわけでございます。こういったところの加入を大幅に促進していくということが、たくさん問題はありますけれども、この年金の最大の問題の一つであろうと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 ただいまおっしゃった経営主と同時に後継者がこれに加入することは、なかなか困難が多いのが農村の実情だろうと思うのです。  同じようなことが、女性の立場からすると言われ続けなければならない。いま女性の中で、この年金の加入希望者というのが実は多いのです。しかし女性に対して、制度上は道を閉ざしていないのだけれども、事実上は入れないということがございますが、どういうことで入りたくても入れないということになってきているか。どういうことが原因になっているかというところを大臣、どのように理解されていますか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 農業者年金の加入資格でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように国民年金の付加年金だということで、国民年金に加入しているということをまず第一の前提にしております。これは女性の方といえども、自家営業の方なりあるいは家庭の奥さん、それぞれ入っておられます。ところがもう一つの加入要件として、実際に経営主として農業経営を行っている人ということがあるわけでございます。具体的には地権者、農地等の所有権あるいは利用権を有する者というのが加入資格として課せられております。  ところが実際には農作業を行っていても、農業経営全体の責任を持って負担していても、名義はおやじさんであるとかあるいは御主人であるというような家庭がたくさんあるというようなことで、所有権を持つような形で経営まで実質支配するというのは女性の場合比較的少ない。比較的というよりはきわめて少ない。その関係がありまして、加入者は女性の場合は、率で言えば四・五、六%にとどまっている現状でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いまお答えのとおり、女性の場合は、経営主、地権者、利用権者に名義上なっていないというのが大半で、これが加入を阻害する理由になっている、このように考えていいと思うのですが、最近農業に専従する女性の側からすると、年金加入について道を開くようにという要求が非常に強まってきているのは大臣御承知のとおりなんです。何とかこれに対してこたえようとするならば、何らかの方策がございますか、どうですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 この年金のただいま申し上げました加入要件、資格を関係者に正確に知っていただくことが、加入促進を図る第一であろうと思います。そういう意味では、たまたまきょうの日本農業新聞にも出ておりましたが、そのことを知らない農業者がおられる。それによって、女性の加入できる人でありながら加入していないというのが相当多くあるというような記事を見てまいったわけでございます。その意味で、この制度はまだ新しゅうございますので、必ずしも普及徹底してい狂い面もございますが、従来から市町村あるいは農業委員会、そういったところを対象に、本当に経営の実権を担っている女性の方には、できれば所有権を、いろいろ農村には因襲等もありましてそれがなかなかむずかしいというのであれば、使用収益権、借地権でもいいから与えて加入されるように進めてほしいということで、PR、普及の指導方を図ってまいっておるわけでございます。  具体的に個々の町村におきましては、かなりそういった運動をやりまして、所有権の移転まではそんなに多くは出ておりませんけれども、親子の間で、子というのはその場合女性ですが、あるいは夫婦の間で、夫から奥さんに使用収益権の設定を図るというようなケースが相当出て、その関係でも加入者の増加が見られるというような町村もあるわけでございます。そういうことがまず第一じゃないか。そういうことを行うことは非常に有利なことなんです。  といいますのは、御主人が厚生年金に加入している場合、名前だけ経営者でありますと、奥さんは実際に農業経営をやっておられても加入できない。ところが御主人が厚生年金に入っておられましても、奥さんは国民年金に加入さえしておられれば、農業経営の実権を持てば農業者年金に加入できるわけでございます。そういう意味で、プラスの相当大きな年金制度の恩典にあずかることができるのだということをわかっていただければ、相当加入を促進していく効果は上がってくるのではないか、そのことを通じてまた逆に農村における婦人の地位向上にも寄与し得るのではないかと考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 理屈からおっしゃればまことに御無理ごもっともで、事はそのとおりに運んでしかるべきですが、なかなかそういかないのが本当のところ問題なんです。  いままで指導というのはいろいろな点で、生活普及改善とかそういう活動を中心にやってこられていると思いますけれども、いままでどおりだと余り事は進展しそうにないのです。もう一たびいろいろな点で力を入れてやっていただかないと、農村の因襲と申しますか農村のいろいろなしきたりと申しますか、これは深く強く生活を覊束いたしますから、そういうことからすると、その中で実際は主婦がやっている、女性が一番よく農業経営の中では働いてはいるんだけれども、しかし年金の加入者の当事者たり得ないという状況を打破することはどうもむずかしいようであります。  大臣、どうなんでしょうね、これはたとえばいまも御説明承っていて、そのとおりだと私は理屈の上では思うのですが、夫が農業従事者ではない、勤労所得者であって、妻が本当のところは農業従事者である、しかしながら名義は、収益権にしても利用権にしても夫であることのために、したがって夫しか加入資格がないというふうな場合には、これは名義の書きかえなどについて農協を通じて、市町村もちろん結構でありますけれども、そういう指導に当たるべく、さらにこれを強化するという方向で省としてはお考えになるというお気持ちはないのですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 局長から詳細にお答え申し上げた事実になっているわけでありますので、確かに女性なくして日本農業は成り立たないというお言葉もあったわけでございまして、安心して農家の女性の方々に働いていただくという、老後の保障というような点を考えますとき、もっともっと女性の加入がしやすいように処置を講ずるということは私どもとしてやらなければならないことである、こう考えておりますので、今後いろいろ努力してまいります。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 農業経営というのは非常に重労働なんですよ。平均寿命からいいますと、さらに大臣、これは女性の方が寿命が長いのですね、男性に比べまして。大抵は、遺族として残されている顔を見ますと女性でございます。そういうことからいたしまして、これはいかがなんですか、保険料というものを見た場合に決して安いとは言えないのです。一生懸命に働いた中でいま月額四千百六十円ですね。ところが先の見通しを見ますと、五十七年一月以降どんどん一般保険料というものが上がってまいりまして、六十一年一月以降には六千七百円という額を目指して、段階的とはいえどんどん値上げをしていくということがもうすでに予定をされている。安くない。これをずっと掛けていって、そして加入をしていない女性に対しては、加入者である夫が死んだときに、いわゆるほかの一般の年金で考えられる遺族年金というものが何らないということは、やはりちょっとおかしいと言わざるを得ないのですね。この点の手当てというのは、どうしても必要だと私は考えます。  ほかの年金とまるで違う年金制度ですから、これに対する独自の取り組みをどう考えるかということは、ほかの年金を考えてその上でというわけにはいかない点がここには出てくるわけでありますけれども、再三再四、この問題を取り上げられて国会でも論議をされた模様でもございますし、先年、五十五年の三月五日に衆議院の農林水産委員会での一致した附帯決議の中でも、家族経営体としての特性等を考慮して遺族年金の創設に努めるようにということを、一項としてちゃんと入れられております。これはぜひとも遺族年金のあり方というものをこの農業年金の中に考えていただきたいということでありますが、大臣、考えていただけますか。大臣が御在任中にぜひこのことを実現させていただくということがありますならば、非常に画期的なことだと私は思うのですが、大臣、御努力願えませんか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 そう言われましても、なかなかこの制度の成り立ち上、経緯から言いまして、農業者の妻に対する老後の保障は、妻自身が国民年金に加入することにより個人単位で行われることとなっておるわけでありまして、それに加えて農業者年金は、先ほどから申し上げておりますとおり、農地の権利、名義の移譲を適切に行った者に対して給付を行うという趣旨がありますので、これはどうしても遺族年金といったような趣旨のことで他の自営業をやっておる方々との均衡等も考えますとちょっと困難ではないか、こういうふうに考えているわけでございます。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 保険料の話が先ほどございましたので、一言だけ申し上げさせていただきます。  現行は四千百六十円で、全回財政再計算によって給付の改定も行いますと同時に、将来は保険料を引き上げていくことになっております。一遍に引き上げると負担が大変だということで若干の手当てをしまして、五年がかりでさらにその後五年で、通算十年がかりで引き上げていくことにしております。同時にこの保険料につきましては、ほかの保険料にはないところの国庫負担の制度がございます。一般保険料についてはその額の七分の三、それから特定保険料についてはその額に相当する額、これを国から助成するということになっております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 いま大臣の方から非常に消極的な御答弁が出たわけでありますけれども、農村におけるいろいろな因襲というものをどんどん打破していくというところにも、この年金自身が果たす役割りはあると先ほど局長お答えになったとおりで、その点から考えていった場合にいかがなんですか。後に取り残された女性は、営々とそれまで農家経営で働いてきて、経営移譲を前提としたこの年金で、さらに経営移譲された子供なり後継者のところに国民年金だけの生活を携えていくというかっこうになるんですよ。やはり遺族年金として保障されている部分があるのとないのと、これは断然違うのです。農家で営々として働いてきた一人の女性の生活の老後を考えますと、大変違う。  この点、後継者とともに生活をする、後農業経営を移譲した人と生活をともにするという生活状況があるとしても、やはり一個の人間としてその生活がどれほど保障されているかという部面を考えないでおいて、農村に伝わるところの因襲を打破するということを現状についてやっていくことはなかなかむずかしいですよ。一人の人間として尊重するというのは、どこまで行ったって男女ともに基本なんですから。したがって、女性についても老後の生活については、人間らしい生活というのは人格権の尊重から出発をするという点で、この節、先ほどの消極的な御答弁で終わってしまうのではなくて、大臣としてはひとつ誠意を持ってこの遺族年金のあり方に取っ組んでいただくことが必要だと思いますけれども、再度御返答お願いします。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございまして、国民年金が支給されますし、また中小企業等においても、自営の仕事をしておられてやはりだんなさんが亡くなったという場合に国民年金でやっていただいている、そういう方々とのバランス、そういう方々もやはり苦労しながら生活をされるわけであります。そういう方々も国民年金でやっていただいておるということになるわけでありますので、遺族年金を創設をするということについては大変問題がある、こういうふうに私は考えております。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 そうすると、衆議院で満場一致の附帯決議に対しても、大臣としてはそれはだめだという気持ちなんですか。国会での附帯決議に対しては、やはり誠実に実行せんがために努力されるのが私は大臣の職責だと思っています、どうなんですか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 国会の決議は尊重はいたしますけれども、先ほど来申し上げてきておりますとおり、農業者年金の仕組み並びに当該者が死亡した際の遺族に対する年金につきましては、これはよそとのつり合いの関係上、農業者関係にだけ遺族年金を創設をするということはいまのところは考えておらない、こういうことでございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 非常に年金制度そのものにこだわって御答弁をされているようでありますが、農業経営というものを活力あるものにするために、そして働くことに対して意欲を持って働ける条件をつくることのために、さらには農村の続いてまいりました因襲というものをなくしていくことのために、女性が農業労働者として貴重な労働力を提供しているという現状からもこういう状況を考えていただいて、いまのようなだめだ、だめだというふうな御答弁ばかりじゃなくて、ひとつ前向きで考えるということをお約束いただけませんか。これどうです。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 いままでお答え申し上げたとおりでございまして、この現行制度で十分やっていけるもの、こう私は考えておる次第でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 もう時間ですから、最後に一言だけ。  これは全く別の話なんですが、さきの予算委員会でも私は取り上げさせていただいたのですが、男子五十五歳、女子四十五歳というぐあいに定年に対して差を設けている就業規則をいまでも持っている農協が全国にございます。これは、もうすでに行政指導というふうな形で通達をお出しになったということは聞いておりますけれども、しかし、単協に行ったら、その実情は、それは通達とは別にどういう取り扱いをやっているかはわからぬというようなかっこうにもなったりいたしておりますので、ひとつ全国に、そういうことに対してどういう取り扱いがなされているかということを調査をお願いしまして、この定年制に対して女性に差を設けているということをなくするための是正に農林省としては一層の御努力をお願いしたいと思うのですが、よろしゅうございますね。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 ただいま先生の御指摘のございました農業協同組合等におきますところの労務管理、特に定年制の問題でございますが、ただいま先生もおっしゃられましたように、昭和五十五年の三月に農林年金の改正に伴いまして局長通達を流しまして、男女の差別をなくすようにということでもって指導いたしておるわけでございます。もちろん、この実態も時に応じまして調査をいたしておりまして、その内容によりまして今後ともこの差別の解消と申しますか、定年制につきましての特別な女子の取り扱いの差別というものをなくしたいというふうに考えておる次第でございます。

土井たか子日本社会党

○土井分科員 終わります。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)主査代理 これにて土井たか子君の質疑は終了いたしました。  これより沢田広君の質疑に入るのでありますが、同君の質疑に際し、参考人として農林中央金庫理事斎藤七郎君に御出席を願っております。沢田広君。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 せっかく参考人においでをいただいておりますので、参考人に関する問題について先に処理をして質問をしていきたいと思います。  われわれがこの委員会でいまも質問をしてお答えいただいておりますが、こういう場合、お互いにそれぞれの地域の実情あるいは世の中の不公正、そういうものを幾らかでも公正さを求めあるいは政治の信頼を取り戻そうという努力の気持ちでわれわれは質問しているわけでありますので、ひとつ現状に固定することなく、前向きに一歩前進をしていく、また、そういう考えについて同意するところは素直に同意してもらってそういう改善を図っていただく、そういうことの気持ちでこれからまた農林大臣にもお答えをいただきたいと思います。  実は、農林中央金庫に御質問するのは、法律に基づくと農林中央金庫は次の各条に定めるものに、時間がありませんから簡潔に言いますが、貸し付けることができるということで、それぞれ項目があります。また、関連事業という項目がありまして、関連事業に関してはこれもまた貸し付けをすることができるということなんです。農林中央金庫の性格からすれば、ここに法律にもありますように、農業あるいは農業関連あるいは農林振興、こういう重点目標なんだと思うのであります。  ざっくばらんに結論から私は言いますが、現在の貸付状況は、いわゆる所属団体、信連であるとか農協であるとかという所属団体の貸付金額よりも関連事業の貸付金額が倍くらいになっておる。その現状はどう考えておられるか、まずひとつ簡単にお答えをいただきたい。望ましいのか望ましくないのか。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 お答えをいたします。  私どもも農林中金の監督をいたしております立場でございますので、その立場からの御答弁を申し上げたいと思いますが、確かに現在農林中金の関連産業に対する貸し出しが相当大きいということは事実でございます。しかしながら、本来の貸付業務というものは、やはり組合の系統に金を貸し付けるということが本来の業務であることは言うをまたないところでございます。ただ、農業それ自身が発展してまいりますためには、関連産業に対して貸し出しをするということが農業そのものの発展にもつながるというふうに考えておりまして、さような意味で、私ども、主務大臣の認可を前提にいたしまして相当広範な関連産業に対する貸し付けを行っておるわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 実は、これは平和相互銀行などに関連をいたしておりまする冨士工という企業に、返されたということにはなっているようでありますが、二億円も貸してあるわけです。この会社はどこに農業との関連性があるのかということが問題になるわけでありますが、官庁工事やマンション建設、造成工事、民間工事、それから自社のマンション建設、販売、これは二部上場の会社でありますが、そういう会社なんです。農林とどういうつながりがあるのかということが一つ問題なんです。  それから、この会社は、いろいろと世間からも言われているように、借入金額だけでも五十億九千六百万円というようなことだし、この雑誌から見ますると、今度のいわゆるグループのヂーゼルやあるいは今度の問題の誠備グループというようなところにも関連している。そういうところへなぜ農林中金が、返されたと言いながらそれを貸し付ける事態に至った経緯というものはどういうのかということ、また、この冨士工さんというのは三百五十万株も買い占めをやったり、あるいはその他いろいろと問題もあった会社であったことももう昔から明らかだったと思うのです。これの決算書を見ましても損益計算書その他を見ましても若干実は問題があるのですが、きょうはその時間がありませんが、その点はどういう経緯でこういう会社に農林中央金庫の金が出ていったのか、その理由をひとつお聞かせいただきたいと思います。

松浦昭農林水産省経済局長

○松浦(昭)政府委員 先ほど、主務大臣の認可を受けて農林中金が関連産業貸し出しをするということを申し上げたわけでございますが、その場合の認可の対象といたしましては、いわゆる貸し出しの対象となる法人の範囲の基準というものを出しておるわけでございます。これは農林大臣がそういう形で基準を示しておるわけですが、その主な産業として、一つはもちろん農林水産業の生産に必要な資材、たとえば肥料とか農薬をつくってもらう、こういう関連産業、それから農林水産物を原料とする物品の製造加工、それから農林水産物……(沢田分科員「それくらいで、項目を並べなくてもいい、この問題だけに答えてください」と呼ぶ)  この問題につきましては、第五にございます農林水産政策または農林漁業者の組織する団体に関連のある事業を営む法人というのがあるわけでございます。これの中身といたしまして私どもが貸出基準で考えておりますことは、一つは、国または地方公共団体の農林水産政策に基づいて計画的に行われる事業の工事の請負、それから、農林漁業者が組織する団体の業務遂行上必要とする施設の製造の事業を営む法人または当該施設の工事を請け負う法人、こうなっておりまして、これに該当するということでございましたので貸し出しが行われたというふうに考えております。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 公庫の斎藤さん来ておられますから、斎藤さんから、このときの貸した理由はどういう理由でお貸しになったのか。ああいう規則を並べてごまかそうということじゃ困ってしまう。この場合の冨士工の仕事は何だったんですか。そして、その何であった仕事に、五十億も相当借金を持っている、そして企業としても余り芳しくない、そういうことはわかっていたのでしょう、わかっていてなぜ二億、何の仕事で貸したのですか。

斎藤七郎農林中央金庫理事

○斎藤参考人 冨士工に対しましては五十二年三月に融資を開始したわけでございますけれども、その前期は冨士工は黒字でございました。それから、ただいま御質問ございましたどういう事業がという点につきましては、この会社が圃場の整備とかそれから流通センターとか食肉処理施設の工事を請け負っていましたものですから、そういうものの運転資金として融資した次第でございます。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 これだけの借金があって、今度どうやら返されたということでありますけれども、その分は振りかえて、結局現在の貸借対照表では百十何億かの借入金を持っているわけですね。きょうは時間がないからこれ以上詰めることはやめますけれども、いわゆる農林中央金庫としての性格から著しく逸脱をした、あるいは逸脱をしているように思われる。畜産ということだったが、それは載っかってない。海外工事の追加工事とかあるいはその他カリビアの設立なんということでうわさしているけれども、株価の上下動が著しいし、総体的には非常に不良な状況である、しかも三井からは二十九億、住友からは二十三億、東海から二億六千万、幸福相互から七億、三和から二億、端数を省略しているのですよ、あと三井から三億、生命保険四社から九億、こういう借り入れをやっている中へ農林中金がぶち込むということは、農林中央金庫という性格からして望ましい状況ではないというふうに、どんな理由があるにせよ、私にはそう思われます。  ですから、きょうの答弁はこの辺で勘弁しておいてあげますが、中央金庫もただ利息欲しさにわけのわからない貸し出しをしないように注意して、きょうの質問はとりあえずこの程度にとどめておきます。この程度の答弁では私は満足しないのですよ。その責任も若干あると思うのですけれども、それはきょうは勘弁して、時間がなくなってしまいますから、これで終わりにします。  次の問題に参ります。  農林大臣の方にお伺いするのですが、市街化区域というものを都市計画法で設定しました。農林大臣御存じですね。これは昭和四十三年に法律ができたわけです。市街化区域については農地の転用については届け出によって行う、こういうことになっていますね。これも御承知でしょうね。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 はい承知しております。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 では次に、その場合に農林省の規則で、農地法の規則で「市街化区域内の農地を転用する場合の届出手続」というのが第四条の二にあるわけなんです。そこには届け出る者の氏名、住所、職業、土地の所在ということが書いてあって、その次に、「土地の所有者及び耕作者の氏名又は名称及び住所」、こうなっております。これは届け出の手続ですから、しかも規則ですから、都市計画法本法の届け出によって農地転用は可能であるという条項を阻むものではないと解釈していいですね。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 要件ではありますが、阻むものではございません。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 その場合に、これは賃借の場合と売買の場合と二つありますが、賃借の場合にたとえば相続がまだ行われてない、そしてそこの地元にいる長男なら長男の人が管理をしている、そして賃借権を設定をして民法上の契約をして転用の届け出をした。相続が完了しておりませんから、子供が七人いれば七人が相続権者であることには間違いない。しかし、その土地がだれのもとにいくかわからない。そこの地上権を設定することは届け出によって可能である。私は、民法とこの都市計画法の方が優先するというふうに考えますが、この点はいかがですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 この届け出によって民法上の関係まで変更するあるいは規定すること、そこまでの力は持っておりません。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 だとすれば、農業委員会が全部の相続権者の印鑑証明を添付しなければだめだということは、行政権のいわゆる家督相続をする家裁への介入である。だれが相続するかということが不明だからそうなっている。それを管理している者が民法上の契約をすれば、法律的にはその方が有効でしょう。そうですね。——首を縦に振っているから、これはイエスと判断します。そうすると、届け出で農業委員会が拒否するということは届け出書類が不備ということですか。そういうことによって拒否することは民法と都市計画法に違反しているということになるのではございませんか、どうですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 別段都市計画法なり民法なりに私どもは違反しているとは考えておりません。届け出の性格というものは、本来の権限を有する者が届け出るということによって届け出としての法的な意味、効果を持つものと考えております。その意味で、申請の権限を持っておる者はだれかということは私どもとしては直接は確かめようがない、それなりの証拠をそろえて法定上の手続に従って御提出を願うということになるかと存じます。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 そこで、市街化区域というものは、おおむね市街化としての整備条件を具備し、その市街化の形成を行うことをこの都市計画法としては求めて、いわゆる地域の秩序整然たる市街化の形成、これが日本の国としては望ましいということでいっているわけですね。農林省の規則でそのことを妨げたり、あるいはそのことによってブレーキをかけるような行為を行うことは越権じゃありませんか。しかも、家族の中の構成が、だれがそこの土地の所有者になるかは家裁が決めることですよ、あるいはそれの親類縁者が決めることですよ、相続権者が。農林省の方がそのことによってブレーキを、正式の届け出書類になっていないから農地転用を妨げるということは、法のもとにある市街化の形成にかえってブレーキをかけているという結果になりませんか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 市街化区域は、確かに都市計画法によって現に市街化されている区域あるいは十年以内に市街化が予定されている区域ということになっております。ただ、これは現実の問題として、社会現象としてそうなるということを考えているわけでございまして、別段そのことについて農地法上の届け出の制度を持つからといってそれを阻害するとかあるいは違反するというような性格のものではないと考えるわけでございます。むしろ私どもは、いまの届け出の問題に関しましては、相続自体をそれによって強制的にその時点に行わせるとかなんとか、そういう本来の権限関係をどうこうするというようなことではなくて、それはまさに関係者の間でもって同意が得られて、その間の話し合いがついたならば、その実態に従って手続を済ませて、そして申請の権限がある形にして届け出をしてください、そういういわば条件の整備されたものを前提としてその後の手続をとりますということを言っているわけでございます。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 これはもう時間の関係があってこれ以上追及できないのですが、いき言われているようなことでは基本的な問題は解決しない。だから、結果的には都市計画法で届け出てよろしい、市街化区域内は。届け出のところにいって今度は規則で——届け出というのはるくまでも届け出なんです。届け出ればいいのです。その届け出る中身を農業委員会が審査をして適否を決めて許諾を与える、これは届け出以上のものでしょう、許認可の問題は。届け出という法律行為といわゆる許認可という法律行為、規則によって届け出を抹消する権限を持つということは、少なくとも法体系としては問題がある。問題があるということだけはお認めいただけるだろうと思うのです。それだったならば、この都市計画法ができるときに、農地法第四条あるいは第三条でもいいですが、この農地の転用については農業委員会の許可を得なければならないとなぜ入れなかったのですか。規則なんかのこそくな手段でブレーキをかけているということは許されることではない。なぜ法律で規制しなかったのですか。国民は皆そう思っていますよ。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 現在でも、農地法に基づく三条なり五条なりの農地の権利移動あるいは転用についての規制はございます。したがって、本来的には許可を要するものということになっているわけでございます。ただし、市街化区域については、転用の場合は届け出をして、その届け出が正当なものであると認められたときは許可を要しないということになっているわけでございます。ですから、制度的には許可を要するものであるということにおいては変わりございません、それをやわらげるためといいますか、市街区域の実態に応じて一々の許可でなく済ますということでの届け出という制度をとっているところでございます。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 だから、結論的には届け出によって行えるというのが法律ですね。これは都市計画法ですね。そして規則であなたの方は、これは重複している質問をしますが、一回建設省の段階でもぼくは聞きますけれども、四十三年のときには建設省が先に走った。農林省は全然文句も言わず、条件もつけずに、勝手にやってごらんなさいという式に、四十三年のときに農林省はそっぽを向いていた、そして後になっていろいろ条件をつけ始めた。だから、いまの市街化区域内は虫食い状態に全部なっている。しかも、それは雑地であり、あるいは埋め立てが行われており、本当の農業の経営条件が整備されているかといったら、されてない。とにかく現行法律体系の矛盾の一つ、盲点です。一応これで質問は終わりますけれども、とにかく一方は届け出で建設省は宅地化していいのですよ。しかし、これは国会で法律で決めたことだから、届け出によってどんどん宅地化して、おおむね十年以内に市街化して、そこへは水道も入れればガスも入れれば下水道も入れますよ、そして都市施設を整備しますよという法律をつくったわけです、ところが、一々農業委員会が、相続ができてないからだめだ。相続ができているかできてないかは家裁で決めればいいのです。何も農業委員会がそれを一々指図する機能はない。しかもこれは規則です。政令でもなければ農林省の規則でそれを縛っている。農林省が法律で勝手に縛り上げている。建設省は何と言うかと思うと、これについてはほとんど口を閉ざしている。こんなばかな制度がありますか。政府全体の責任の問題なんです。  時間がないから、大臣から、今後これは検討して整合化を図る、どっちになろうと構いません、とにかく片方は規則で片方は法律なんですから整合性を確保する、こういうことだけはひとつ国民の前にお約束できますか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 私もここで本当の短い時間で事実関係をお伺いしたばかりでありますので、事実を明らかにいたしまして、そして法律上市街化地域にしたわけでありますから、何としても市街化地域として、市街地として将来適正に明発され、利用されるような方向に持っていかなければならないわけでありますので、そういう立場から検討を進めてまいりたいと思います。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 限られた時間になりましたが、簡単に質問しておきます。  実は農林漁業金融公庫の資金の取り扱いでありますが、いまの問題とも関連をするわけでありますが、調整区域に農林漁業資金は重点的に資金を適用する、こういうことを農林漁業金融公庫では言っているわけです。それはそうですか。

加賀山國雄農林漁業金融公庫理事

○加賀山説明員 ただいまも御質問でございますけれども、調整区域が重点だということは間違いございません。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 重点だということは、市街化区域内においてもその適用を、資金を充てる用意はある、こういうふうに解釈してよろしいですか。

加賀山國雄農林漁業金融公庫理事

○加賀山説明員 先生も御案内のとおりでございますけれども、四十三年に都市計画法ができました後農林水産省の事務次官通達が出ておりまして、市街化区域というのは、御案内のとおり既成市街地及び十年以内に計画的に市街化される地域ということになっておりますが、そこに対しては基本的な投資はしないという事務次官通達が出ております。ただし、災害復旧でございますとか農地防災、それから土地改良事業の維持管理等につきましては、それと見合いましてその計画案を出す、そういうことでございますから、市街化区域にありましても、農林公庫といたしましては、その御趣旨に沿いまして、ただいま申し上げましたような事業につきましては融資をいたしております。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 それはそのとおりで、市街化区域でも、さっきの、市街化区域内の農地であっても農林省が管轄しているのだということになります。  次に、減反をした土地の管理はどこがやるのかという問題であります。  減反をいたしますと農業の耕作はできない。あるいは畑地にする場合もありますが、主としてわれわれ首都圏内にあるところでは埋め立てをやるというかっこうが起きてまいります。時間がありませんからいろいろ理由は述べられませんけれども、その埋め立てられた土地そのものの減反された後の土地は、それによっていわゆる遊水地がなくなるという問題が起きる。ほっておけばごみの捨て場になってしまう。ですから、地主は埋め立てて整地しなくてはならない。そうすると、その分だけ遊水地がなくなる。そうすると、その分だけが水路の溢水条件というものをより加速化させる、こういうことになりますが、減反によって生まれた条件というものは、農林省ももちろん責任があるのだろうと私は考えていますが、そういうふうに解釈してよろしいですか。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 減反と言われましたが、私ども転作ということで、ほかの作物を植えつけるということを主眼に米からの転換は指導しているところでございます。その転換がどういう形で行われるかということによって事柄の判断は差が出てくると思いますが、ただいまのお話ですと、ほかの農産物よりもむしろ埋め立てて他用途に転用されるというふうにも聞こえたわけでございます。転用ということになりますと、これは明らかに正規の手続を経て農地でなくなるということになるわけでございますが、そうなれば市街化、宅地化されたものとして農林省の行政の対象から外れていくということになるわけでございます。ただ、転作されて後が畑として農地として管理されているというのであれば、水についての需給の形は若干差は出てくるかもしれませんが、やはり本来的な農地としての性格を持っているわけでございますし、土地改良区の対象の地域でございます。しかも、水利権というような形で基本的には受益が残るということでございますので、やはり土地改良区が管理するということになってくると思います。  それから、溢水があった場合どうなるかということでございますが、これはまさに溢水の原因自体によって責任の所在はそれぞれ判断されてくる、具体的なケースに応じて考えるということになろうかと存じております。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 最後になりました。  時間が、前の土井先生が二分くらいオーバーしていますから、あと二分以内でおさめたいと思いますが、農林漁業金融公庫の貸し付けに当たって、土地改良区は法人ですね、それは承知ですね。——これも首を縦に振っているからもう立ってもらわないが、法人である。法人に金を貸し付けて役員個人が保証人になる。これも農林漁業金融公庫では、特別の法律では、それは個人の経営でやった場合は個人保証ということを原則としているのだろうと思うのですが、言うならば法人が金を借りて個人の役員が保証人になって、そしてさらに、今度は市町村が予算外義務負担の議決をする。こういう法人に金を貸した場合に、役員の個人の財産を担保に提供するということは、みずからの法人の権威を失墜させることになるのじゃないですか。これはやめてもらいたいと思う。法人が金を借りる、総会で議決をして全組合員が金を借りる、それを今度は保証するときには、全部の役員個人の財産が抵当に入る、こんなばかな話はないでしょう、考え方として。ですから、これは総会で議決をするのですから、当然全組合員の債務なんです。それを役員の財産を提供するということは不当というか、法体系として不備である、私はこういうふうにも考えられるわけであります。  一言言っていただいて、もう三十秒前ですから、内容はわかっていただいたと思いますから、とにかく法人が金を借りて、総会で議決をして、そうして役員の財産を担保に出して、それ以外に今度は市町村の予算外義務負担の議決をやる、こういうような農林漁業資金の扱いというのは少し屋上屋である、こういうふうに思いますので、その点の改善を求めて、イエスかノーかお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

杉山克己農林水産省構造改善局長

○杉山(克)政府委員 お尋ねの趣旨は、屋上屋を架するような厳重な担保をとるというのはどういうことなのかということかと存じます。  確かに、おっしゃられるような事実がございます。これは金を貸す立場から、債権の保全上どこまで万全を期するかということかと存じますが、御質問の趣旨もわかりましたので、関係当局にも、これは経済局が直接的には全体を所管しておりますので、相談してみたいと思います。これはただ、債権保全という立場からは、従来の慣行もありまして、なかなか困難な点が多いのではないかというようにも存じております。

沢田広日本社会党

○沢田分科員 以上で終わりますが、管理規則はこの前言いましたけれども、早急に進めてください。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  次に、有島重武君。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 初めに、雪害と森林行政のあり方についてということですが、今回の山林の雪害につきましてさまざまな報道がなされております。昭和三十八年度の雪害の場合と対比の上で、今回の雪害の特徴と申しますか、概要を御説明いただきたい。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 今回の豪雪によります森林被害は、関係県の報告によりますと、特に冠雪等によります二十年生前後の造林木の折損が非常に多いということが三八豪雪とはずいぶん状況が違っているというように考えております。  またさらに、まだ降雪中のところもあるわけでございますが、倒伏木、雪によって曲げられて押さえられる、そういうものがかなり大規模に出ているんじゃないか。これはまだ雪の下でございますので詳細はわかりませんけれども、そういうのが今回の災害の特徴であるというふうに見られております。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 やはり三十八年のときになかったような何か新しい雪害の現象というか、そういうことになりますか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 三十八年ももちろん全くなかったわけではございませんけれども、三十八年以降いままでに人工造林地が相当ふえております。しかも、間伐期に到達いたしました二十年生前後という外分が相当ふえておりますので、そういう関係もあろうかと思います。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 この被害の後の処理でございますが、これは相当きめの細かい処置をお願いしておきます。  そこで、いまの二十年生級の、これは杉、ヒノキの建築用材ということになりますかね、これを一生懸命植えたころの造林意識と申しますか、そういうものと、現在の造林の考え方というものは多少変わってきているんじゃないかというように私は思うのですけれども、そういった点について伺いたい。  それで第一番に、二十年生ということは、要するに昭和三十年代ということでございますね。安い外材が三十年代、四十年代日本に大量に輸入されてくるというようなことをその当時すでに見通しとして持っておられたのであろうか。この点はどうですか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 ちょうど三十年代はまだ外材がそれほど入っていない時代でございますが、その後の経済の高度成長によりまして木材需要が著しく伸びてきたということがございます。もちろん国内の森林資源の賦存状況等を見ますと、非常に若い人工林が多いということでございまして、やはり外材を入れなければその供給に対応できないというようなことで外材がどんどん入ってきておるわけでございますが、いま先生のおっしゃるとおり、いずれにいたしましても、日本の国は将来とも森林資源は非常に少ないわけでございますから、ある程度外材に依存せざるを得ない。したがいまして、資源政策上は当時もいまも変わっていないわけでございます。  ただ、先生のおっしゃりたいことは、当時は、とにかく森林は植えれば売れる、いまは外材がどんどん入ってきているから造林意欲が停滞しているんじゃないか、こういうような御意見かと思いますが、そういう意味では、残念ながらいま造林に対する意欲が非常に低下をしていることは事実でございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 国の方の造林奨励のスローガンといいますか、三十年当時のその一番の眼目はどこら辺にあったのですか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 ただいまも申し上げましたとおり、長期的に見て木材が不足するということは当時も予測しておったわけでございまして、やはり国内の成長量の非常に少ない森林を伐採をいたしまして成長量の高い人工林にかえていく、つまり、拡大造林ということで造林がどんどん行われたということでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 これはもう本当に素人だから基本的なことを伺うけれども、一般に造林の主要目的はどんなふうに考えていらっしゃいますか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 森林には、そういう木材を生産するという経済的な行為と同時に、森林を造成することによって、公益的な機能、たとえば水源資の涵養でございますとか、あるいは国土の保全でございますとか、さらには酸素の供給とか、そういうような公益的な機能も当然兼ね備えておるわけでございまして、当然その造林をするということは、森林所有者にとりましてはいわゆる木材を生産するという経済行為でございますけれども、結果としてはやはり公益的な機能を高めていくというような結果になってくるというふうに私どもは考えておるわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 国際的にも木材の不足ということは今後起こると思いますね。将来の需要見通しといいますか、そんなことについて、何年先ぐらいまで何か考えていらっしゃるものですか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 林業はまことに超長期的な経営でございますので、国といたしましても相当長期の見通しを立てる必要があるということでございまして、実は昨年の五月に閣議決定をされました。これは従来のものを改定したものでございますが、「森林資源に関する基本計画」「重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通し」というものを立てておるわけでございます。  この中で、今後、戦後植栽されました人工造林地が徐々に伐採期に到達することによりまして国産材供給可能量が逐次増加をしていくというふうに見ておるわけでございまして、外材輸入量につきましても、産地事情の変化等によりまして今後大きな伸びは見込めないというようなことから、国産材の供給量は、昭和五十一年の実績が三千八百二十万立方メートルでございますが、六十一年には約二割増しの四千六百二十万立方メートル、あるいは昭和七十一年には五割増しの五千七百七十万立方メートルというふうに増加していくというふうに見通しておるわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 私も東京の木場内というようなところにいるものですから、そういったことからも非常に興味を持つわけでございますけれども、外材ではできない、日本の木材でなければできないというような特徴を生かすというようなことも特に研究して——これは林野庁の範囲ではないと思いますけれども、農林大臣、特に国内材ですね、これの特徴を本当に生かすためにはどういうふうにしなければならぬということの御研究といいますか開発といいますか、そういうことに何か処置をおとりになっておるか、また将来おとりになるお考えがおありになるか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 外材と国産材、実はいままで入ってきております外材は、大きく分けまして、ラワンを中心とします南洋材、それから米材、北洋材を中心といたします針葉樹林がございますが、これはどちらかと言いますと大径材でございます。日本の木造住宅というのは従来からいわゆる柱を中心とした建て方でございまして、したがって、日本の林業は柱材を生産することを目標にやっておるわけでございます。したがいまして、林野庁といたしましては、在来工法、いまツーバイフォー工法とかいろいろ西欧の建築様式が入ってきておりますが、在来工法を今後とも伸ばしていくために、いろいろな林産事業の中でそういうような施策をとっておるわけでございます。どちらかと言いますと、日本の気候、風土に本当に合っておるというのは国産材であろうというふうに考えております。特に、外材の場合は大径材でございますし、辺材部分といいますか、日本の場合は細い丸太でございますから心材部分を含んでおる、強度的にも非常に強い、あるいは狂いも少ないというふうに私ども考えておりまして、できるだけ国産材による在来工法を進めるという方向に力を入れておるわけでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 それでは、学校給食における牛乳の扱いについてということで、わが国の牛乳の総生産、それに占める学校給食の使用量、こんなところの概要をお話しいただきたい。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 現在実施しております学校給食の供給量は、約六十万キロリットルでございます。これはわが国の全体の生乳の量、つまり飲用乳及び乳製品に振り向けられる量の約一割弱の数量でございます。飲用乳の中においては、御指摘のように非常に高い比重を持っております。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 文部省、来ていらっしゃいますね。——学校給食の目的といいますか、学校給食で牛乳を扱っておるこの趣旨といいますか、それを示していただきたいと思います。

奥田與志清文部省体育局学校給食課長

○奥田説明員 学校給食におきまして、特に牛乳を私どもが重視いたしておりますのは、特に成長期にあります児童生徒に対しまして栄養上不可欠な動物性たん白質やカルシウム、ビタミンB2といったような豊富な供給源であるというふうなことでございまして、そのために、私どもも子供の発達段階に応じましてその飲用を奨励いたしておるところでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 牛乳についての補助金は農林省のお扱いであるというふうに聞いておりますけれども、これはどうなっておるか、その概要を御説明いただきたい。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 補助対象になっておりますのは小中学校、盲学校、聾学校、養護学校及び夜間高校でございます。五十五年度の生徒数の約九三%が現在供給を受けて、先ほど申し上げましたように六十万キロリットルの消化が行われているわけでございます。  なお、補助単価は二百cc当たり、五十五年度までは五円八十銭ということになっておりましたが、五十六年度では五円二十銭ということで合理化を図ることにしております。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 これは学校給食の問題だから文部省の所管の補助金であってもよろしいような気もするのですけれども、農林省の補助となっているこの趣旨はどの辺にありますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 これは一つの歴史的経過がございまして、児童生徒の体位の向上、栄養水準の向上ということも一つねらいにあるわけでございますが、わが国の酪農業の健全な発展を図るために、何と申しましても学校給食の形で幼児期から飲用牛乳の消費の慣行をつけることが将来の飲用乳消費の安定的拡大につながる、こういう視点で、同時に酪農振興という視点も含めまして、十数年間実施された経過がありまして、そういう意味で、いわば一方においては教育上の問題として、他方においては酪農振興という視点から、農林省の予算として計上しております。  しかし、実施に当たりましてはそれぞれの県におきまして学校給食会、各学校と県が十分協議して実施しているわけでございまして、本年の予算編成に当たりましてもこのまさに御指摘のような点が議論になりまして、現在検討会で補助要綱を取りまとめ中でございますが、今後は学校給食会自体が契約の当事者になる方法を考えると同時に、業者の選定とか納入価格の決定等についても学校側、学校給食会の意見を十分県段階で聞いて処理をするという改善措置を講じたいと思いまして、現在要綱の改正を詰めているところでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 われわれ日本人の生活というのは、私が生きている五十数年間でもずいぶん変わったと思うのですね。住まいのことから、あるいは一番変わりにくいと言われている食生活もずいぶん変わったと思うのですけれども、こういうことを言われていますね。総合研究開発機構ですか、NIRAというあのシンクタンクの報告の中でうまいことを言っているなと思ったのは、農業段階においては腹の足しになるものを開発したというのですね。それから工業段階では筋肉の足しになるもの、便利な機械だとか道具だとかですね、そういうものを開発した。今世紀から二十一世紀に向かって心の足しになるような情報、文化、こういうことを指向するような段階になっているというようなことを言っておりますけれども、確かに私たちの生活というのはかなり密度が高くなってきて、いろいろな点で密度が高い。相当大量の情報がどんどん押し寄せてくる、これを消化している暇がないというようなことがたくさんある、いわゆるストレスが積み重なってくる、いらいらが起こる、かっとなるというようなことがある。こういう中でもって、やはり健康だとかあるいは教育なんというものは見直されなければならない、そういうようなことも起こっておりますね、食事に関しても、大ざっぱに分けて、腹いっぱいになればいいんだというか、とにかく腹いっぱいにならなきゃいかぬというような、その次に第二番目には、カロリーだカロリーだということで、カロリー計算をもっぱらにしたというような意識のときもあったと思うのですけれども、これがだんだん、さっき文部省からも言われたけれどもビタミンだとかカルシウムどとかたん白だとかあるいは金属ですか、そういったもののバランス、そういったようなものを重要視しなければならない、それからあるいはせっかく与えたものが吸収されるかどうか、そういうようなことも考えていかなければならない、そういうような時代を迎えているんじゃなかろうかと思います。  文部省にもう一遍伺っておくけれども、文部省でやっていらっしゃることの中で、いま一番重点的にはカロリー計算を実際にはやっていらっしゃるが、内容のバランスということについてはむしろ今後もっと重要視していかなければならない問題ではないかと私は思いますけれども、いかがですか。

奥田與志清文部省体育局学校給食課長

○奥田説明員 先生御指摘のとおりでございまして、私ども学校給食に当たりまして改良すべきことは多々ございますけれども、その中でも一番重要なことは必要な栄養量を確保するということでございまして、厚生省初め関係の方々のお力添えもいただきまして、私の方では学校給食に当たりましての栄養所要量というものを示しまして、それに合うような学校給食の内容にしてほしいという指導をいたしているところでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 厚生省来ていらっしゃいますね。学校給食というと子供の話になるけれども、今度大人の話でいきましても、いわゆる高齢化社会が間違いなく来る。それで、こうした経験はわれわれ日本じゃ持っていないわけですね。これは労働とか雇用とかいう問題あるいは余暇というような問題、いろいろなことがあるわけだけれども、これに先立ってやはり健康ということがその土台になろうかと思いますね。それで、長生きしたけれども寝たきりであるとか恍惚であるとか、これはかなわないのであって、老化現象の一つはカルシウムの代謝がマイナスになってくると申しますか、骨のカルシウムがちょっと溶け出す。骨に沈着しているカルシウムの分が多いということが、子供のときはプラスになってどんどんいく。五十過ぎると体重が軽くなってきたり背が低くなってきたり、これが老化現象と言われるものでしょうね。これについていろいろな条件があるのでしょうけれども、高齢化社会に対する食事のあり方みたいなものもやはり考えられなければならないのではないでしょうかね。  それでこれは厚生省に確認させていただきたいのだけれども、特にいらいらとかストレスの問題ですね、カルシウム分の不足ということと大変密接な関係があるというような報告があるようですね。  それからもう一つ、カルシウム分はいろいろな食品の中に広く分布していることは間違いないけれども、牛乳の中のカルシウムというのは私ども聞くところによればたん白質と結合している分量がかなり多い。ということは、吸収される効率がよろしいというようなことを聞いています。これは厚生省の御報告にもあったというふうに聞いておりますけれども、確認をしておきます。どうですか。

佐藤亘厚生省公衆衛生局栄養課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように日本人の食生活は戦後三十年大変変わってまいりました。戦前の歴史的な日本の食生活はきわめて穀類偏重で少したん白質不足ぎみ、脂肪も少ないというような食生活から最近は大変バランスがとれたいい食生活になってきておるわけですけれども、戦後の食生活の変わり方が特に西欧志向といいますか欧米先進国に追いつけ追い越せ的な栄養改善が進んでまいりまして、結果としてはかなり西洋の食生活に近い形に変わってきております。特にたん白質、脂肪のふえ方が大変急速にふえてまいりました。いまちょうどいいバランスのところへ来ておるわけですけれども、この脂肪のふえ方等は私どももちょっと心配をしております。特に老齢化社会を迎えまして成人病対策を進めていく上で、脂肪のとり方あるいは塩分のとり方等について配慮をしたこれからの食生活というのを目指していきたいというふうに考えております。  御指摘の年をとったらカルシウムの代謝がマイナスになってくるのではないかということですが、御指摘のとおりでございまして、年をとってくるとまた骨が弱くなって骨折をしやすかったり、あるいは歯を痛めたりというケースが大変多うございます。そういう意味でお年寄りに消化吸収しやすい形でのカルシウムの摂取というのが問題になるわけです。野菜からもとれますし魚からもとれますし牛乳からもとれるわけですけれども、先生おっしゃいますように牛乳の中に入っておりますカルシウムというのはたん白質とついておりまして、たとえば魚の小骨などからとれるカルシウムに比べますと大変消化吸収率がいいということでございます。そういう意味で、これからの高齢化社会における牛乳の位置づけというのもそれなりの位置づけがまた出てこようかというふうに考えます。  それから、最近のストレス社会で人がいらいらすることが多いということももちろんあるわけですけれども、御指摘のように人間の体の中のカルシウムが異常に減ってまいりますと、動物実験等で動物が興奮状態になるというような事実は確かにございます。ただ、人間の精神機構は非常に複雑でございまして、単純にカルシウムだけで説明できない別の要素もあろうかと思いますが、筋肉の働きを正常に保ったりあるいは神経の正常な機能のために血中のカルシウム濃度が一定の水準に保たれることが必要だということは言われておるようでございます。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 文部省の方の給食と牛乳のことですけれども、こういうような趣旨からいくと、今後いろいろな変化があるかもしれないけれども、牛乳を給食に使っていくということの行き方、それを拡大することはあっても縮小するというようなことはないと断定してもよろしいというふうに思っていいわけですか。

奥田與志清文部省体育局学校給食課長

○奥田説明員 先ほど申し上げましたように学校給食におきまして牛乳は非常に重要でございます。したがいまして、給食として一番望ましいやり方といたしましては、私ども完全給食と言っておりますけれども、米飯あるいはパンなどの主食それから副食そして牛乳が三つそろったものを言っておるわけでございますが、いきなり完全給食ができない場合にありましてもまずミルク給食からやってくれというふうな指導をしておりまして、特に牛乳の重要性から考えましてこの方針を今後とも続けてまいりたいというふうに考えております。

有島重武公明党・国民会議

○有島分科員 農林省の方に最後に一問だけ聞いておきます。  牛乳の価格の問題でございますけれども、いわゆる安い牛乳が相当出回っておる。これはいわゆるダンピングといいますか、何か一時的な現象であって長続きしないのか、あるいはかなり構造的な問題であって、そのためには何らかの措置をなさろうと思っている、こういう話であるのか、その辺のことを伺っておきたい、

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 率直に申し上げまして、やはり牛乳の需給ギャップが若干構造化しつつあることは否定できない点があるだろうと思います。最近の乳用牛頭数とか泌乳量とか、そういったものの動向からいろいろはじいてみますと、どうも生産は五%以上ほうっておけばふえる可能性がある。需要はほかの食料品に比べると一番活発ではございますが、飲用乳で四%前後、乳製品では二%前後ということで、やはり一つの需給ギャップがある程度生じつつあるということは事実であろうと思います。こういった状況を背景といたしまして、より有利な飲用乳に対して、農協も積極的に乳製品の販売努力を続けるという形で、かなり厳しい過当競争が生じつつあることは事実でございます。  もう一つは、市場競争が変化し、スーパーマーケット等の購入におけるウエートが非常に高くなったわけでございますが、他の食品以上に特に供給が過剰ぎみであるだけに、ことさらにスーパーマーケット等の小売のビッグストアのいわばバイイングパワーと申しますか、そういったものが非常に強くなってきて、乳業者、生産者がかなり厳しい状況に立たされてきていると思います。その意味で、私どもはやはり基本的にしっかりした姿勢でこれに取り組まなければならないと思っているわけでございまして、生産の過剰を招かないような節度ある乳価の決定、さらに当面の問題としては計画生産の励行、それからもう一つは乳業者、農協の協調体制の確保、さらに、すでに行政的にもいろいろ要請しておりますが、ビッグストア等に対する節度ある購入態度の維持、こういう問題はやはり各般にわたって行政努力を続けていかなければならないもの、こう思っておるわけでございます。

山田耻目日本社会党

○山田(耻)主査代理 これにて有島重武君の質疑は終了いたしました。  次に、伊賀定盛君。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 畜産基地建設事業というのがありますが、これの全貌について要点だけお知らせいただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 現在、兵庫県で行われることが予定されております基地建設事業でございますが、これについては豊岡市ほか十八町の但馬地域を対象といたしまして、未利用地、低利用地、これは山林原野が主力になると思いますが、ここに近代的な畜産経営の成立のための農用地の開発整備や農業施設の整備を図っていきたいということで、構想を練りつつあるところでございます。畜産物といたしましては肉用牛、豚、ブロイラーで、肉用牛については何といっても当地で従来から伝統を持っております但馬牛の育成、肥育過程を地域全体として育てていきたい、そういう感覚で、そういうプロットで現在必要な形成の基本調査に乗り出そうとしているところでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 そこで具体的にお伺いしたいと思うのですが、五十五年から始めて大体五十九年までいろいろな調査をして、そして六十年から着工しようというのですから、ちょうど六年かかるわけであります。確かに、肉質の需要増に国内生産が伴わないということでこれは適切な事業であろうと思いますが、それにしても少し息が長過ぎるではないか、それから、仮にいろいろな計数を考えましても、進歩の激しいときでありますから、計数も単価にしましても六年もたちますとまるっきり変わっちゃうというようなことになりまして、ちょっと息が長過ぎる。したがって、もっとこれを早める必要はないかと思いますが、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 一般的にこの事業については、方々からそういうおしかりを受けるわけでございますが、一つは主産地形成の基本調査ということでどういう生産団地をつくっていくのか、そこで何をつくってどういうふうな経営を実現していくかという、いわば経営に着目した、あるいは畜種なり何なりに着目した一つの構想をまとめる。これについては、特に白地に絵をかくわけでございませんで、地元の皆さんからもいろいろ話を聞きながらまとめていかなければならないわけでございまして、これが大体二年かかるというのが通常のルールになっております。  これがまとまりましたところで、いわば工事に入るための調査計画を通常二、三年実施するということになっておりまして、いろいろ御批判もあるかと思いますが、全体のこういった事業の進め方としては、やはりやむを得ないのではないだろうかと思っているわけでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 農林省から見ると初めてかもしれませんけれども、実際たとえば県あたりから見ますと、もうどこに適切などの程度のものがあってというようなことはほとんどわかっていますから、むしろ早めていただきたい、私はこれは要望意見としておきます。  そこで二番目でありますが、経営試算表というようなものがあってしかるべきだと思いますが、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 私どもも御指摘のとおりだと思います。そういう意味で作目をどうするか、規模をどうするか、いわゆる経営類型でございますね、それから経営費用、施設等の整備資金を含めました経営試算をぜひつくって、そこで一つのプロットをまとめていく、大筋の概要をまとめていく必要があると思っております。  但馬地域につきましては、この場合の調査作目、対象作目としては、先ほど申しましたように肉用牛と豚とブロイラーについてそういう経営試算というものをまとめていきたい、いま調査し作業を進めているところでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 私は、農林省に経営試算表を出してくれと言ったら、それはございません。兵庫県に向かって出してくれと言ったら、これは前の試算表みたいなものがありましてもらっておりますけれども、これでは役に立たないので、少なくとも今度の規模はかなり大きいようでございますから、それに対する試算というものがあって、これならもうかるし、これならやっていけないという目安がなければ、私は先行きはせぬではないかと思いますから、早急にひとつ農林省の方でまとめていただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 先ほど申し上げました基本調査の一環といたしまして、県の御意見も伺い、地元の御意見も伺いながら、作目別にそういう経営試算をまとめたいと思います。まとめました暁は、参考資料としてまた御説明させていただきます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 今度、さらに具体的に中身についてお伺いしたいと思いますが、土地です。牛で御承知のとおり一頭につき大体四反くらい草地が必要だろう。そうしますと、最低やはり二十頭はなければ団地はやれない。現に私のところは但馬牛で、局長御承知のとおり日本の和牛の原原産地です。現在でも個々の家庭が二十頭ぐらいは飼っておりますが、本当は二十頭では足らないと思うのです。そうしますと、団地というからには五十頭は必要だと思います。五十頭ということになりますと、一頭当たり四反要りますと二十町歩必要になってきます、そうすると、二十町歩というものがなかなかそこら辺にありません、たとえば九州の阿蘇山系とか岡山の蒜山とか北海道等々なら別としまして、特に兵庫県の場合は山が多いですから、二十町歩の一つの団地ということはなかなか困難です。  そうしますと、部落有とか国有林等がどうしても多くなってまいります。国有林ということになってくると、畜産局の担当ではなしにこれは林野庁、建設省等も関係が出てきますけれども、たとえば国有林の払い下げをするのかどうか、あるいはまた共同利用なら貸し付けはあるようでありますが、そこら辺はどうか、あるいは保安林になっておるときに一体その解除が可能なのかどうか、あるいはまたそこに植林をされておる場合、私ども通称毛上と言っておりますけれども立ち木、これが事業費の対象になるのかどうかというようなことについて直接の担当ではありませんけれども、畜産局としてはどういう考え方をお持ちなのか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 ただいま御指摘がございましたように、この地区につきましては、土地は大体四つくらいに区分されるんではないだろうか。一つは共有地、一つは個人の所有地、それから市町村有地、それに先生御指摘の国有林という問題が入ってくると思います。  大体いまのところ、二十二ぐらいの団地で農用地造成を四百二十ヘクタールぐらい考えたいということをごく基本のプロットとして調査に入っているわけでございますが、そういった調査をまとめる過程において、先ほど御指摘もありましたように、経営資産の前提となるべきそれぞれの規模を考えていかなければならないと思います。この点につきましては、たとえば肉用牛を例にとった場合でも、繁殖経営だけの方と、繁殖、育成経営、肥育経営を一貫してやもれる方と、それからまた、場合によっては肥育経営中心の方と分かれてくるわけでございまして、幾つかの経営類型とそれぞれの規模と所要面積を考えていく必要があると思っております。  そこで、保安林あるいは国有林の問題でございます。保安林指定が解除できるかどうか、これはもう少し具体的な計画に即して内容が決まった過程で決めていかなければならないと思います。  国有林を活用する場合には、御案内のように国有林野の活用に関する法律の定める手続を経なければなりませんが、そういったものは計画で固めて、その都度、私ども同じ農林省でございますので、営林局を初め関係部局と絶えず打ち合わせを続けていきたいと思っております。まだプロットができておらないわけでございますから、打ち合わせるところまではいっておりません。  そこで、立木をどう考えるかでございます。  はっきり申し上げまして、立木は土地代の中に含めて考えるわけにはいかないだろうと思います、また特に、どうも地元の状況を聞いてみますと、杉等の非常に優秀な美林も一部にあるようでござい事すから、そういったところは避けるのかどうかというふうな問題も具体的な話としては出てくるだろうと思います。この点につきましては、具体的な計画が詰まったところで、それぞれの団地ごとに積み上げまして協議を進めたいと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 次に、土地の取得資金なんですけれども、いま仮に五十頭と仮定して二十町歩、坪三百円としても千八百万円、坪五百円と見れば三千万、坪千円と見れば六千万要るわけです、買い取りの場合。貸してくれればいいですけれども。その場合、資金の限度があるのかどうか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 土地取得の一つの方法としては、やはり地区をまとめる意味では、農地保有合理化法人を使って買い入れ、売り渡しをする方法が有力ではなかろうかと私どもも見ております。これに対しては、農林漁業金融公庫から取得資金がございます。これは年三・五%で二十五年の元利均等償還でございます。貸付限度は個人で四千万円ということになっております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 それより超過した場合はどうなんです。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 これから超過した場合の問題については、具体的に考えなければなりませんが、これは一つは、制度としてございます現在の農地等の取得資金を将来どういうふうに考えていくか、また特認の運用等が可能かどうか。それから個人の場合と共同でやる場合はまた違いますので、やはりそういう事例に即して考えるし、また改善努力をすべきものはするということだろうと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 それから今度は事業費の中身になりますが、たとえば二十町歩なり五十町歩なりの造成費、それから道路、建物、家畜あるいは水の確保、排せつ物の処理、それから自動車、耕運機、それから防災施設等々が考えられるわけでありますが、この中で、幹線道路がありまして、団地がすぐ近くで、この距離がわずか一キロかそのくらいだったら問題ないわけです。ところが、幹線道路がこうありまして、団地がずっとはるかかなたの方にある場合、結ぶ道路ですね、連結道路。これは事業費の中に入るようでありますが、これを、たとえばなるべく公共事業を入れるということで国道認定はむずかしいと思う。そうすると、県道認定になるのか市町村道認定になるのか、林道か農道になるのか、おのずからそこには補助率が変わってきます。そうしますと、どうしても自己負担というものが出てくるわけです。この自己負担を一体どう考えたらいいのか。遠隔の場合はかなり大きなものになってくる。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 実は、ただいま御指摘の点はどの地区でも一番頭の痛い問題でございます。逆に制しますと、道路の投資が非常に大きくなければやれないし、その道路を県道とか市町村道として処理できないようなところでは、やはり経済条件として後回しになるという実態のあることも事実でございます。  これは多少抽象論で、私は何とも申し上げかねる点がございますので、具体的に——先ほど申し上げたように、恐らくいまの当初のプロットでは団地が二十二ぐらいに分かれるだろうと思うわけでございます。それぞれの団地の道路の条件の可能性というものを十分検証いたしまして、またその中で整理しなければならぬものがあり得るだろうという感じがいたしますので、もう少し具体的になった過程で詰めていきたい。私どもといたしましては、具体的な事業の実施の際には、やはり地元の御要望もあって行うわけでございますし、県も後押しされているわけでございますから、県道、市町村道等で処理できるものはできるだけ処理していただくという気持ちで処理いただき、それ以外のものは農道として、公団事業のいわば土地改良施設の一つとして、処理さしていただきます。   ただ、この場合どこまで——国の補助率自体は、六割ということで一律に決まっておりますが、これ以外に、やはりそれぞれの地元の市町村なり県の負担という問題もあるわけで、そういった点も含めながら具体的に、私どもも、もとより当事者になるわけでございますが、できるだけ親切に、皆さんの御要望を聞きながら具体的に詰めていかなければならないと思います。  なお、いままでの例で申しますと、比較的、実は農業用道路の中でかなり基幹的な部分は市町村道に将来移管することを前提にいたしまして、市町村が補助残を大体受け持ってくださっているケースが多いのです。そういったことも地元の市町村にお願いしなければならないだろうと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 その地元の市町村負担の問題ですけれども、これは全部が全部じゃありませんけれども、やはり今日の自治体というのは財政状況が非常に厳しいですから、表向きは市町村負担ということになっておりますけれども、実際は受益者に負担させるところも間々ありますので、今後この事業推進に当たりましては、ひとつ十分そこら辺の指導を強めてもらいたいと思います。これは要望としておきます。  それからもう一つ、これは細かい問題になりますが、耕運機でありますとかトラックなんかは、運搬施設としてこれは当然認められると思うのですが、乗用車です、乗用車は、そんなものは認められない。それはもっともです、認められないというのが、ところが、老人会が団地に入ってもこれは将来性がありませんから、どうしてもやはり青壮年が中核になるような団地構成でないといかぬと思いますが、このごろ若い者は乗用車、自家用車をあてがわぬと、お父さん、そんなのとてもいやだよと言う可能性が、これは一〇〇%と言ってもいいほどあるんですね。乗用車を事業費の中に含めるが当然だと思うのですが、どうですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘のお気持ちはよくわかるわけでございますが、私ども、農業用施設とか農機具の導入までは一定の補助なり融資対象にする、また家畜の導入についても制度金融の対象にするということにしておりますが、乗用車につきましては、これは本来の機能なり役割りから見まして、ここら辺はひとつ国の助成なり制度金融の対象にすることは、これはやはり御堪忍いただくほかはないんじゃないだろうか、こう思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 これは大蔵省がむずかしいと思いますけれども、大蔵省もこれくらいのことは考えませんと、今日の二十代の青年というものはまるっきり違いますから、せめて最初の一台ぐらいは認めるというようなことにひとつ運用をお考えいただきたい。これも要望意見としておきます。  それからもう一つは、事業量全体の資金の限界がありますか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 事業量自体に縛りはございませんが、問題は、最終的にどれだけの農用地造成を行えるかどうか、その場合、事業費が幾らになって、反当事業費がどのくらいかかるかということを、やはり受益者の償還可能額ということから当然議論しなければなりません。これはもう少し具体的な地区の内容が詰まり、事業の概要が詰まったところで、検討しなければならない問題だろうと思っております。  一般的に、事業費の限度を縛るというふうな性格のものではないと思いますけれども、やはり反当事業費が大変割り高につく、償還も困難であるということになれば、それは地区として採択上不適当であるという問題もあるわけでございまして、そこら辺は地区で、また同じ地区の中でも団地によって非常に違うと思うものでございますから、そういう点は現実的にこなさざるを得ないと思います。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 次は、採択条件ということになろうかと思いますが、一団地百五十ヘクタールと言われておりますが、先ほど申し上げますように北海道と違いますから、なかなかまとまった団地というのは事実上兵庫県の場合は考えられません。そうしますと、仮にたとえば鶏とか豚なんかは濃厚飼料が中心ですから、余り多くの草地を必要としませんが、特に和牛の場合は自給飼料ということで草地を必要とする。それで、いま言いますように、四反で二十頭といいますとこれは八町歩ですね。しかし鶏や豚と総合的な配分でいこうということですから、最低からいいますと十町歩でもいいではないかという感じが私はするわけであります。したがって、これをいま直ちに局長から何町歩でよろしいということを開こうとは思いませんけれども、弾力的な運用をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 現在の畜産基地建設事業の採択条件は、団地の合計が百五十ヘクタールということになっております。団地自体柱、どれくらいの規模かということは明確な基準は設けておりませんが、大体おおむね三十ヘクタールぐらいを原則にしていることは事実でございます。ただし、これについてはそれぞれの状況に応じて、多少の弾力的な運用は考えているところでございます。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 それから、次は家畜の導入の問題でありますが、たとえば牛というのは御承知のとおり、豚や鶏と違いまして一年に一匹しか子供が生まれません。そうしますと、最初に五頭入れて、それから何年かして十頭にして、一年に一頭ずつふやしてという漸増方式では、現実の問題としては困難であります。そうすると、一挙に二十頭なり五十頭なりということになるわけですが、その一挙に二十頭なり五十頭ということになりますと、御承知のとおり但馬牛というのは非常に単価が高こうございまして、本当に種母牛ということになりますと三百万、四百万というのはざらにあるわけです。仮に一頭百万としまして二十頭なら二千万、五十頭なら五千万ということになるわけです。これを全体の事業費の中でどういうふうに扱っていただけるのか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘のように、但馬牛は非常に単価の高い牛でございます。繁殖素牛でも七十万ぐらいすると見ざるを得ないと思います。私どもといたしましては、現在、先生も御存じのように家畜導入事業を実施しております。これについては、実は限度をかぶしておりますが、その限度を超えたものについては、また近代化資金等の活用も八割まで可能なわけでございます。そういう意味で、家畜導入事業と近代化資金を結びつけて運用される方向で考えたいと思います、ただ、導入単価も高いわけでございますが、できましたものも非常に高く売れるわけでございますので、その間のことはよく御了解を賜りたいと思います。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 この問題、もう一遍後で触れたいと思いますが、補助残の取り扱いであります。大体、財投で対応していこうということのようでありますが、財投になりますと利子が七%からになるわけでありまして、ちょっと農業用投資として七%というのは高いわけです。したがって、この財投の七%の利子補給を、国で考えるか市町村で考えさせるかあるいは県で考えさせるかは別にしまして、何らかのこの財投の七%を軽減する措置が必要ではなかろうかと思いますが、いかがでしょう。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 先ほど申し上げましたように、土地取得資金自体は非常に安い金利の金が用意されるわけでございます。公団の負担金につきましては、そのときそのときの財投の借入金利で金利は決めておりまして、実は六%から八・五%ぐらいの間で動いております。しかし、三年据え置き期間もございます。十七年償還というきわめて有利な償還方法になっている事情は、御理解いただかなければならないだろうと思っております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 まだ続きますが、この全体の事業費の中に運転資金というものが入ってないんですね。三頭や五頭ならいいですけれども、少なくとも団地と言われて、牛にしましても、豚、鶏にしましても、飼料が大変であります。飼料を運搬する運賃も大変であります。そのトラックなり自動車もこれは多額を要します、これらの運転資金をこの事業の中でどうお考えなのか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 御指摘のように、畜産経営を創設する場合とかあるいは施設園芸の創設の場合は、かなり中長期の運転資金が要ることは事実でございます。その意味で、実は農業近代化資金制度の中で特にこの二つにつきましては、創業資金という形で運転資金を認めております。一種の経営の創業資金といたしまして、運転資金を近代化資金のこの二つについては例外として認めておりますので、この活用を図ることが基本であろうかと考えております。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 それから、金額が非常に高まるわけでありまして、農地の場合はいいですけれども担保ですね、担保物件、これをどういうふうにお考えなのか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 これは公団営事業で実施いたします場合は、国が県に売り渡し、県から各農家に売り渡すという形になっております。これはいわば買い戻し条件つきで売り渡しておりまして、必要に応じて買い戻したり、あるいは転用した場合においては課徴金を取るという仕組みになっておりまして、担保を取っている場合もありますが、担保を取らないで当事者間の契約で払い戻し約款で処理しているのが通常でございます。     〔山田(耻)主査代理退席、主査着席〕

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 もう最後になりますが、先ほどの家畜導入事業であります、いま、この子牛、制度導入事業と改良——増殖事業と改良事業と二つに分かれておるというのですけれども、制度導入事業で雌牛の子牛が二十六万五千円、親牛が四十一万五千円、こういう数字になっておるわけです。  これと関連しまして、たとえばいま農家で一番問題になっておりますのは、雌牛を市にかけます。そうしますと、いま言いますように二百万、三百万という値がするわけです。農家から言いますと、本当はその雌を、自分のところの子供ですが、置いて、そして次の品種改良に持っていきたいわけですが、そうしますと自分のところの家計が賄えませんから、仕方なしにこれを売らざるを得ない。それを家畜導入事業とかなんとかに持ち込みましても、いま兵庫県が特別に扱いまして、何か六十五万ぐらいでやっておるようです。しかし六十五万では、いま言いますようにいい牛は残らない。これは中ぐらいの牛になっちゃいますね。いま国でお認めいただいたり、あるいは県が特別に配慮した六十五万、七十万では、中ぐらいの牛になってしまいます、そこで但馬牛に限りまして、そういう場合には二百万、三百万という限度を超えたものを認めてもらいたいというのが農家の悲痛な叫びなんです。  そんなばかなことはできないとおっしゃいますが、これは県にも家畜試験場があります、国の家畜試験場があります。それなら但馬牛のつる牛で三百万、五百万という牛を、県営の家畜試験場や国営の家畜試験場に持っていったからといってまともに飼育はできない。これは長年の経験と勘というようなものが必要であります。そうしますと、これは国の制度の増殖事業とか改良事業とかいう考え方でなしに、むしろ試験場だ、農家個人営の和牛に関する品種の改良等、個々の農家が試験研究をやっておるんだ、こういう解釈をすれば、一律の四十五万とか六十万とかいう限界が取っ払われるのではないか。またそのことが、日本の和牛の原原産と言われる但馬牛の一層の改良に役立つのではなかろうかと思いますが、この点ひとつ格別の御配慮をいただきたい。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 二つあるだろうと思います。  やはりこれだけの大きな地区で大きないろいろな経営を考える場合、但馬牛のつる牛のような系統のものを念頭に置いた高級な和牛の増殖、育成だけかどうかということは私いろいろあると思いまして、そこはやはり但馬牛の中にも特別のつる牛の系統を比較的……

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 ちょっと局長、それはいまの事業、畜産基地の方の問題ですし、いま私はその問題と離れたことを言っておるんです。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 その二番目の点でございますが、これは集団育種の推進事業というのを現在実施しております。この中では、実は雄牛の購入価格等は、兵庫の例で言いますと、先生御指摘のように実勢の価格水準にほぼ近いものになっておりますので、これはまた先ほど御質問のございました新しい営農団地の形成とは別の事業としまして、ひとつ具体的に詰めさせていただきたいと思っております。  私どもも御指摘のように、但馬牛のすぐれた遺伝的資質を活用して振興を図るということは、何といっても日本の肉用牛の形質の改良のためには一つの重要な問題だと思っております。その点は重視しておりますので、いわば改良増殖の事業として実施する問題については、別途の配慮が要るだろうと思っておりましてそういう措置もやっておるわけでございますが、これからも少し検討させていただきたいと思います。

伊賀定盛日本社会党

○伊賀分科員 最後に大臣に、私がいま最後に申し上げました但馬牛の場合にはちょっと限界が違いますので、これはよく局長と御相談いただいて、ひとつ今後前向きに格別の御配慮を御検討いただきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 御趣旨に沿って、但馬牛の振興のために国としてもできるだけの努力をいたしたいと思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤主査 これにて伊賀定盛君の質疑は終了いたしました。  次に、柿澤弘治君。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 きょうは、亀岡農林大臣そして須藤林野庁長官においでをいただいておりますし、関係の建設省の方々も来ていただいておりますので、現在深刻な不況に悩んでおります木材産業の問題についての農林省、林野庁の今後の施策を中心にお伺いをいたしたいと思います。  御承知のとおり、木材産業は戦後最大と言われる大変な苦境に立っております。一つには、住宅着工件数が減少している。この問題について今後政府としてどのような施策をとっていくか、大きな問題であろうと思いますけれども、同時に、これからの木材の供給源としての内地材そして外材、そうした問題についても、外交問題も含めていろいろとむずかしい問題が出てきております。その意味で、まず林野庁長官から、今後の外材輸入の中長期的な見通しとか、それから短期的に言いますと、逆にいまの需要停滞を反映して供給過剰になっているという問題があるわけですけれども、短期の問題としての外材原木並びに製品の秩序ある輸入体制の確立、さらにその他の木材産業を取り巻く問題について、基本的なお考えを伺いたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 外材輸入の問題、いま先生御指摘のとおりいろいろな問題を抱えておるわけでございますが、まず、今後中長期的に見ました外材輸入についての私どもの認識を申し上げたいと思います。  まず一つは、世界的に木材需給が漸塗逼迫の度合いを強めていくというふうに見られております。また、南洋材の供給力の低下、米材の二次林への移行、資源ナショナリズムの高まり等の産地事情の変化が予想されております。これらのことから、今後の輸入につきましてはかなり流動的といいますか、相当な変化誤予想されるわけでございます。しかし一方、わが国は、国内の森林資源の賦存状況等から、なお相当期間相当量の外材に依存しなければならない状況でございまして、このために国産材の供給力の向上に努めるほか、今後とも需要に見合った外材の安定輸入を確保することが重要というふうに考えておるわけでございます。  また、最近特に問題になっておりますのは製材輸入でございますが、製材輸入の見通しにつきましては、一つは、量近対日本材輸出国が自国の木材加工業の育成等の観点から、丸太輸出よりも製材輸出を志向しておるということがございますし、また、わが国の木材輸入に占めます丸太の輸入比率が先進国の中で特に際立って高いということなどから見まして、今後わが国の製材輸入量が増加傾向で推移するというふうに考えられることでございます。  また、最近の外材輸入の動向でございますが、昨年は、三月から六月にかけましての外材輸入の大宗を占めます米材、南洋材の輸入の増加と出荷量の減少によりまして外材の港顕在庫が高水準で推移しておりますために、昨年の夏以降輸入の抑制が行われまして減少傾向で推移しておるわけでございます。また、いまお話ございましたように、木材需要の大宗を占めます住宅着工が、地価の上昇でございますとか実質所得の伸び悩み等の要因から大幅な伸びが期待できないなどのことから、当面ことしの六月ごろまでにかけまして、外材輸入は引き続き低水準で推移するというふうに見ておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 いま長官からも、需要に見合った輸入体制の確立ということと、製材輸入を含めた供給国との秩序ある輸入体制の確立という話が出たわけですけれども、先に国内の問題をお伺いいたしますが、短期的に見ますと、現在は製品輸入を中心に過剰な輸入が需給を圧迫している。御承知のとおり、在庫も年内に入って減少をすると見込まれておりますがなかなか減少しないということで、市況を圧迫をしているということだと思いますが、その辺で、業界の内部からも、何とか秩序ある輸入体制をつくるという意味で、製紙業界といいますか紙パルプ等でできているような輸入組合を輸出入取引法によってやってもらったらどうか、さらには貿管令による事前確認というような方法もあるではないか、その辺についてもう少し林野庁として積極的に業界の保護育成といいますか、秩序確立のために取り組んでもらいたいという意見があるわけですけれども、私からもお願いをしたいと思いますが、その点についていかがでしょう。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 いまお話しの外材の安定輸入の一つの措置といたしまして、輸入組合をつくるとか、あるいは貿管令の発動とか、いろいろございますけれども、実は、この外材輸入の実態を見てみますと非常に複雑でございまして、従来は大手商社がほとんど扱っておりましたものが、最近では大手商社の占める比率が非常に少なくなってまいりまして、善しろ中小規模の卸問屋とか製材業の方々が直接これにタッチするということに相なってまいりました。それだけにこの輸入の指導につきましてもなかなかむずかしい問題がございまして、それらの点を十分御認識のある方々に、昨年の十一月から外材問題研究会を開いていただきまして、率直な意見の交換を進めながら今後の対応策をいま急選検討しておるという段階でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 長官おっしゃいましたように、従来であれば大手商社中心の輸入体制であったものが、大手商社のシェアがだんだん減ってきている、それだけに民間での調整というのがむずかしくなっているわけですね。ごく最近も、京浜米材協会を中心に四月の輸入調整をしようという動きが出ておりますけれども、その点でも林野庁が積極的な形で働きかけ、場をつくってもらう、その辺の行政指導というものも必要な時期に来ているように思うわけですけれども、それだけに積極的な姿勢が望まれるわけです。その点をぜひお願いをしたいと思いますが、いかがでしょう。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 ただいま申し上げましたとおり、この外材問題研究会におきまして、できるだけ早くいろいろな方途についての成果を御報告いただくことになっておりまして、これには私どもも加わっておりますので、なるべく早くそういう方途を見出していきたいというふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 時期的にはいつごろまでというふうに考えておりますか。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 研究会のスケジュールといたしましては、大体六月ごろまでに結論を出していただくということに相なっております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 それでは、もう一つの問題としての政府間交渉といいますか、木材の生産地における原料確保といいますか、そうした問題を含めていろいろと政府間の問題が起こっていることも事実だと思います。たとえばインドネシアでは、輸出の原木とその国内での原木価格といいますか丸太価格の間に二重価格が出て、それが国内での製品価格を引き下げて、それがまた輸出されて日本の製材業界を圧迫しているというような問題も出てきているわけで、その意味では工業化を焦るといいますか、工業化を推進する開発途上国の立場もわからないわけではありませんけれども、もっと秩序ある体制でいかないと、性急な形で原木輸入を規制する、価格を引き上げるということでは、かえって長期的に見て先方の工業開発をおくらせるという問題もあると思います。  最近の中国の経済開発の停滞というものを見ても、その点はいろいろと示唆するものがあるわけですけれども、亀岡農林大臣、鈴木総理と御一緒に東南アジア、ASEANを図られたときに、たしかインドネシアでもその点について政府間交渉をやりたいという提案をされたと聞いております。まだそれについて先方からは前向きな返事が来ていないということでもあるようですが、その辺もう少し積極的に話し合いの場をつくる、日米ですでにでき上がっているような形のものを東南ア諸国ともつくっていくということが必要だと思いますが、その点、大臣なり長官の御意見を伺いたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 いま先生からお話がございましたように、先般大臣がインドネシアにおいでになった際に、向こうに対しまして政府間ベースでの対話を提案しておるわけでございますが、外交ルートで返事をするということで、まだ返事は来ておりませんけれども、いずれにいたしましても、御指摘のとおり、急激な製品の輸入増加ということはわが国の製材業にとりまして大変な打撃になりますので、丸太輸入の急激な減少を回避するという意味からも、日米でもやっておりますし、またカナダともやっておるわけでございますが、インドネシアに対しましても今後積極的に政府間の対話を進めていきたいというふうに考えております。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 その際私も、柿澤議員がるる申し述べてこられましたように、わが国の森林関係をめぐっての木材業界が非常なピンチになっておるという事態にかんがみまして、ASEANのシンガポールを除く国々に対しまして、日本に原木を供給してくれておるわけでございますが、できるだけ丸太でよこしてほしいということをよく要請をしたわけでありますけれども、ところが、向こうは向こうとして一生懸命国づくりをやっておる、失業者が非常に多い、この失業者を何とかしなければいかぬ、そのためには製材業等は直ちに始めることができる、日本が買ってくれるならば、丸太で買うよりも製材で買ってくれ、向こうは本当にそれだけ強く主張をする、こっちは丸太だ、こういうことで、話し合いの結論としては、とにかく急激に全部製材で買ってくれなんて言われても、それは本当に日本の木材業界に首をくくれというようなものですよ、両国の親善関係を維持していくためにも、お互いに苦しいときは苦しいときでそれを切り抜けるような道を歩みましょうや、こう言いまして、とにかく政府間のベースでお互いに情報交換しながら、本当にお互いの立場を理解し合った上の貿易関係というものを続けていきましょう、こう呼びかけてまいったわけです。  心待ちにいたしておるわけでございますが、やはり相手のあることでございますので、こちらの大使館等を通じて一日も早く政府間で話し合いを続けることができるというようにすると同時に、私、今度ASEANを回って感じましたことは、業界の方々も非常にいろいろな面で熱心に接触をされておりますが、いままではどちらかというと、農林水産部門というものは政治的にも日の目を見ないような形で戦後三十数年間行われてきた、そのために、向こうの役所の人がいろいろ上の方に上げてやってもなかなかオーケーがとれないとか、仕事がうまく展開しないとか、いろいろあったわけでありますが、今度鈴木総理も行かれまして、ASEANに関してはとにかく何でもお互いに言えるという環境をおつくりになってこられたわけでございます。大使館等もそういう面で非常に積極的でありまするし、向こう側のインドネシア、フィリピン、マレーシア、タイ等におきましても、それぞれの国々の農業大臣でありますとか林業大臣でありますとか、そういう方々が非常にいままでと違った日本に対する感触を持ってくれた、こういうふうに理解しておりますので、業界ともよく連絡をとりながら、何としても森林業界、木材業界あるいは木材関連業界等々のピンチを切り抜けていかなければならぬ、こんなふうに考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 亀岡大臣がその点について十分な認識をお持ちになって、熱心に外交活動を今後とも続けていただくことをひとつお願いをいたしますし、その点で外務省の方は、現地の出先の外交官等もまだまだ認識不足だと思うわけですね。木材は、日本にとって石油に次いでといいますか、大きな資源でございます。資源外交という意味では一つの大きなポイントになろうかと思いますので、農林大臣初め農林省の方々のその点での御尽力をぜひお願いをいたしたいと思います。  もう一つだけ外交問題について、輸入材についてお話をいたしますと、特恵関税制度ですが、特恵関税という形で優遇された税率での製品が入っているわけですが、この運用についても若干業界として希望がある。たとえば枠の面で、金額で四十二億円と決まっている、しかし、製品単価が上がってくると量的には特恵関税枠で輸入が減ってきてしまうということで、その辺を数量での枠にしてもらえないかという話もあるようですし、それから、年度当初に非常にまとまって駆け込み輸入のような形になってしまう、その点についても運用について改善の余地があるのじゃないかという話もあるようですけれども、これは林野庁だけでなく、大蔵省の関税局といいますか税関の実務の面も関連してくるわけですが、その辺についてぜひ話し合いをしながら円滑な特恵関税制度の運用というものをお願いしたいと思いますが、その点いかがでしょう。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 十分実態をきわめまして、お話しのように円滑にいくように措置をしてまいりたいと思っております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 それから、国内の問題としましては、一つは、ある意味で、木材業界は製材も含めて一つの構造改革というものを必要とする時期に来ていると思うわけです。住宅建設の中での木造住宅率が徐々に下がってくる、そうした中で輸入材については製品輸入がふえてくる、そうなりますと、製材業その他の設備の過剰というものが顕在化してくるわけですけれども、その点では、林野庁としてこの際思い切って構造改革に取り組んで、長期的な木材産業の安定を図らなければいけないのじゃないかと思いますが、そうした点から見て、たとえば合板でも実施はされておりますけれども、製材業についても設備の買い上げその他による設備調整というものが必要な時期に来ていると思いますが、その点についていかがでしょう。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 方向といたしましては、先ほど申し上げましたように、製材製品の輸入がふえてくることがはっきりしておるわけでございますから、それに対応する措置をやっていかなければならぬと考えておりますが、やはりこれは業界のそういうお考え、皆様方が本当に一致してやるという雰囲気が出てまいりませんと、あちこちを向いておるようなことでは困りますので、業界とも十分御相談を申し上げながら今後の方向を見きわめていきたいと考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 この点については、たとえば繊維については設備の買い上げ、廃棄、その際政府からも助成がありましたけれども、業界からも、残った業者の方々がさまざまな形で課徴金といいますか、そういうものを掛けていくような仕組みをつくっていくことが必要だと思うわけです。業界の話し合いというか合意が必要だというお話がありましたけれども、業界の合意をつくるためにも呼び水としてといいますか、まず基礎として政府側でその点について無利子融資を出す、それから利子補給をする、さらには製材の場合には、製材の設備だけでなくて転廃業に伴う労務者の転業対策のための転業資金というものも必要になってくるわけですけれども、そうした問題について総合的に前向きに御検討いただきたい。  これは予算も伴う問題ですから、予算の必要な場合には私どもも何とか大蔵省にもお願いしたいと思いますが、その点、総合的な対策を早急に確立していただきたいと思いますが、林野庁長官のその辺での御意見、見通しをお聞かせいただきたいと思います。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 まずその前に、いまの事業転換の円滑な実施のためには、先ほども申し上げましたように、業界の協調によります自主的な構造改善を進める中小企業近代化促進法に基づきます構造改善制度、あるいは都道府県知事の認定を受けて事業の転換を行います中小企業事業転換対策臨時措置法に基づきます制度、あるいは事業転換に必要な資金の調達を円滑に行うための中小企業事業団によります貸付制度等がございますので、これらの適切な運用について積極的にまず指導していきたいと考えておるわけでございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 後段の方はどうですか、そのための設備調整措置といいますか……。

須藤徹男林野庁長官

○須藤政府委員 それも、いま申し上げましたような既存のそういう金融制度なり貸付制度があるわけでございますから、まずこれによってやっていただくということが第一段階であろうかと思います。その結果、何らかの措置が必要であるという段階に至りまして、業界とも十分意思の疎通を図りながら進めてまいりたいと考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 その点については、ぜひ早期に前向きに検討していただくようにお願いをいたしておきたいと思います。  それから、これからの木材産業を展望いたしますと、住宅対策といいますか、住宅の建設が促進されるようでなければ需要拡大にならない。特に同本の住宅は、戸数においては充足したという意見もありますけれども、ECからウサギ小屋だと非難されるほど、衣食住の中では一番立ちおくれた分野だと思いますし、その面で、これからの国民のニーズが一番高い分野であることは間違いがない。その点で、住宅着工その他が、さらには建てかえといいますか質の向上が足踏みをし停滞するようでは、国民生活の質的な向上に非常に大きな障害になる。その意味で、林野庁なり農林省の施策も大事ですけれども、建設省、国土庁も含めた政府全体としての住宅政策に対する本格的な取り組みが大事だろうと思うわけです。これは去年の予算委員会の総括質問で私も申しましたように、その点で従来政府の施策が十分であったとは言えない。国民の中に不満が、特に都市生活者の中に高いということをぜひ御認識いただきたい。  その点で、きょう建設省からおいでいただいておりますので、時間の制約もありまして十分お答えいただけないかもしれませんが、これからの宅地供給対策についてお伺いしたい。これが第一点。  第二点としては、住宅促進について、五十六年度予算では住宅金融公庫融資に所得制限が設けられるという形で、ある意味では後ろ向きといいますか、停滞をしているという印象を与えているわけですけれども、その面で民間住宅促進についてのもっと積極的な施策を講じてほしい。金利の引き下げもしくはさらにコストダウンといいますか、そういう点も含めての施策をぜひお聞かせいただきたい。これが第二点。  第三点としては、全体として不燃化住宅への志向が強くなっているわけですけれども、木造住宅について必要以上に強い規制が働いているのじゃないか。消防法の観点から、建築基準法の観点から、三階建てがなかなか建たないというような点については、もう少し規制の緩和があっていいのではないかということ、さらに木造住宅については、在来工法の面からどうしてもコストが高くなっているという点で、工法の改善についても積極的な施策が必要だ。その点で、ハウス55計画等でも非本質系が中核になっているわけですけれども、本質系の住宅についても一層の促進を図ってもらいたい。  宅地供給対策、住宅ローンを含めた民間住宅建設促進対策、さらに木造住宅の促進対策、その三つについて、済みません、簡潔にお答えいただきたいと思います。

市川一朗建設省計画局宅地企画室長

○市川説明員 第一点の、宅地供給対策につきましてお答えいたします。  現在、宅地の必要な量が十分に確保されていないということで、特に首都圏を中心に大きな問題があるという認識を私ども持っておりまして、これを解決するには農地、山林等の計画的開発が一つ、それから区画整理済み地その他の遊休地の有効活用が一つ、それから既成市街地の再開発等による高度利用、この三つをどの一つにも偏るのではなくて、いずれも同時並行的にやっていくということが非常に重要であるということを私ども認識しております。  そのためにはいろいろな公団を活用いたしましたり、あるいは民間の企業の力を活用いたしましたりして、私どもいろいろな政策をいままでもとってきておるわけでございますが、やはり先生御指摘のように、もっと思い切った施策展開が必要ではないかということで、今年度中に今後十年間の宅地需給長期見通しを首都圏、近畿圏、中部圏と圏域別に立てまして、それに即して新たな展開を図ってまいりたいと考えております。それができましたら、次は都道府県レベルでそういう需給見通しをやはりきちんと持っていただきまして、各地方公共団体にもそういう方面につきまして、とかくいままで必ずしも前向きでない部分もございますので、ぜひわれわれと同じ方向でがんばっていただきたいということを要請してまいりたい、そういうふうに考えております。

越智福夫建設省住宅局住宅生産課長

○越智説明員 御指摘のように、ことしの住宅の建設につきまして大いに振興してまいりたいと思いまして、五十六年度を初年度といたします第四期五カ年計画をこのたび策定をして、大いに進めてまいりたいと考えております。  公庫の融資につきまして先生から御指摘ございましたけれども、この所得の制限につきましては、国民の平均的な所得を大幅に上回る年収八百万円を超える方に対する貸付金利を財投並みに引き上げるということでございますが、これは厳しい財政事情のもとで援助の効率化を図ろう、こういうことでございます。この措置によりまして、公庫の利用者の実態から見ますならば、個人住宅貸し付けの中の三%程度の方が対象となると見込まれるのでございますけれども、対象者の所得等を勘案いたしますなら注住宅建設に大きな影響はなかろう、こう考えておるわけでございます。  それから、木造住宅の振興につきましては、木造住宅というのがわが国民にとって従来から非常に愛されて好まれてきた住宅でございまして、その結果、私どもの統計によりますと、新設の着工住宅の中の約六割、過半、また、持ち家にとりましては八割のものが木造住宅で占めておるということでございまして、木造住宅を振興してまいりますことは政策上大変重要なことであると考えております。従来から木造住宅につきまして、その工法の合理化を促進するために四カ年にわたりまして技術開発をしてまいりましたが、本年でそれが一応の成果を得ましたので、広く成果の普及に努めてまいりますとともに、地域の特性が住宅の場合非常に多くございますので、こういうものを生かしながら木造住宅の振興を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 その点で建設省全体として、住宅問題について一層の認識といいますか、国民のニーズを吸い上げた対策を大いに講じていただくようにお願いをいたしたいと思います。  時間も参りましたので、最後に、いままでのやりとりをお聞きいただいて、農林大臣、木材業界、これは大臣御想像以上に大変深刻な状態にあるわけです。取り扱い量の減少、さらには価格の低落、両方合わせますと前年に比べて売り上げ額で四割も減少している、半減しているというような状態もありまして、東京でも特に大きな集散地であります木場、これは新木場をつくって、一つの、日本の中でも一番大きな木材集散地になっているわけですけれども、大変苦境に立っております。  その点、いま申しましたように秩序ある輸入を確立するための法的な措置といいますか、ある意味では規制措置、それから転廃業に対する今後の助成措置の検討、さらに外交問題になりますけれども、政府間交渉の強化という点について、それぞれ大臣から、今後ぜひ前向きに検討するという御返事をいただきたいと思いますし、できましたら、木材業界の実態を御認識いただく上で木場へ御視察に来ていただきたいと思うわけですけれども、ひとつ大臣のお答えをお聞きしたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど来の論議によりまして、木材業関係の問題の所在というものがはっきりいたしたわけでありますので、私どもといたしましては、今日までもその辺の解決に努力をしておりますが、これからも、何としても一番先には景気回復という問題が大きく政策としてあるわけでございますが、財政再建の中でこの景気回復の政策をどう進めてまいるかということは、政府としても一番頭に置いておるところでございまするし、直接の農林水産省といたしましては、木材業の現況にかんがみまして、前向きに、積極的に、内地材の供給の面、外材の輸入の面、いろいろ厳しい処置を相手国に要求をする決意をどう発動をしていくかというようなことも念頭に置きながら、タイミングを見つつ処置をしていきたいと考えております。

柿澤弘治新自由クラブ

○柿澤分科員 ぜひ業界の実情をごらんいただきたいと思いますが、ひとつよろしくお願いをいたします。

武藤嘉文自由民主党

○武藤主査 これにて柿澤弘治君の質疑は終了いたしました、  次に、金子みつ君。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私は、きょうは時間の関係もございますので、酪農の問題でございますけれども、それを牛乳にしぼりましてお尋ねをして、御意見を伺いたいと思っております。  まず初めに御意見をいただきたいと思っておりますことは、学校給食の問題でございます。学校給食のことは、もういまさらここでいろいろと申し上げることもないと思うわけでございますけれども、昭和二十二年にアメリカから輸入した脱脂粉乳を使って児童に牛乳を飲ませるということが始まった、これが学校給食の始まりでございますね。なぜ牛乳を飲ませることにしたかという問題はそのとき論議されたのだと思うのでございますけれども、牛乳は、もういまさらここで申し上げる必要もありませんけれども、完全食に近い栄養要素を含んだ食べ物であるというふうに理解されております。それで、小さい赤ちゃんあるいは子供にとっては、お米に次ぐ重要な食べ物であるというふうに考えておりまして、大変にいいものなのですけれども、たった一つだけ欠点があるのは、変質しやすいと申しますか、腐りやすいと申しますか、この点がせっかくの牛乳に大変に大きな障害を来している問題だと思います。  しかし、その問題も、いずれ後ほどまたお話し合いさせていただきますが、牛乳を飲ませることで大変に意味があると思いますことのいま一つの問題は、厚生省が五年ごとにいたしております国民栄養調査がございます。国民栄養調査の結果によりますと、国民の栄養も、だんだんだんだんとその摂取の内容がよくなりまして、最近の調査の結果では、たん白質にしても脂肪にしても、あるいは含水炭素にしてもビタミンにしても、とにかく基準のところまで大体追いついてきている、こういうわけです。ところが、たった一つだけ足りないものがある。それがカルシウムなんですね。それで、日本人の食生活の中にはとてもカルシウムが不足であるということが指摘されたわけでございます。学校給食も牛乳を使っておりますけれども、最近、子供たちが大変に簡単に骨折をするということも問題になっていることは、すでにお聞き及びのことだと思うわけです、そういうようなことを考えますと、もっともっとこの牛乳を普及させて、子供の学校給食だけでなくて、日常生活の食生活の中にもそれが入っていくようにすべきである。言葉をかえて申し上げれば、農林水産省の政策としてはもっともっと需要にこたえて普及をしていかなければならない、普及のための政策をしっかりと立てていかなければならないというふうになってくるのじゃないかと思うわけです。  それで、私は学校給食の問題では、子供に牛乳を飲ませるということの目的が、いま申し上げましたようにもともとは子供の健康のことを考えて栄養補給という目的で行われたことだと思います、しかし、最近は栄養補給だけでなくて、農水省の立場から考えればこれは大きな消費拡大である、その対象になっているというふうに考えてもいいのじゃないかと思います。ですから、現時点ではただ単に栄養補給ということだけではなくて、消費拡大の大きな対象というふうに考えていいと思うのですが、この二つに意味があると私などは思いますが、それはどうでしょう、間違っておりますでしょうか。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 まさに御高説のとおりだと思っております。私どもといたしましては、やはり国民の体位向上という視点から学校給食を牛乳について進めることは今日的状況でも非常に重要な意味を持っていると思いますし、また酪農の安定的発展のためにも基本問題だろうと思っております。そういう意味で、私どもも学校給食を中心に消費拡大については努めているところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 ところでその学校給食の問題なんですが、五十六年度のいま審議しております予算を編成されるに当たりまして、学校給食のために畜産振興事業団を通して毎年政府から補助金が出されておりましたね。それで、五十六年度も百七十三億五千七百万円ですか、補助金を出すことになっておりましたのが、最終段階に入る前にこの補助金を打ち切ろうという話が、これは大蔵省の見解でございますが、補助金はもう要らないじゃないかということが言い出されたという事実がございました。私どももびっくりいたしまして、大蔵省へそんなことをしては困るということを申し入れにも参りましたし、必要性などにつきましても依頼に出かけていったわけでございますけれども、その結果こういうことになったのですね。二百cc当たり五円八十銭の助成金だったのが五円二十銭に単価が下がったわけですね。単価が下がったけれども、伺ってみましたならば予算額は変わらないというのですね、もともと百七十三億五千七百万円で、二百cc当たりの単価が下がった。それじゃ量がふえたのかといえば、確かに量が七万トンふえたというふうに伺っております。ですから、もし七万トン量がふえたとするならば、このふえた量をどういうふうに消化しようという政策を持っていらっしゃるかというのが一つです。  それからいま一つは、なぜ大蔵省が補助金を切ろうとしたのか、大蔵省は、ことしの予算の編成では国の財政再建ということが大きな目標になっておりますので、各方面のものをできるものは少しでもということで補助金整理ということが考えられていたことはわかっておりますけれども、金額にしてもこれだけの金額しかありませんし、それから金額の割りには非常に大きな効果を上げている学校給食の補助金を打ち切ろうとした理由が私にはよく納得できなかったのですけれども、そのことが後ほどわかったわけです。そのわかった理由といたしましては、予算編成される時点あるいは少し前のころからスーパーで安売りの牛乳がどんどん出ていたのですね。そこで大蔵省は、あんなに安く牛乳が売られていて主婦もそれを買っているじゃないか、だから学校給食にだって安く売られるその牛乳を回してもらえばいいじゃないか、補助金なんか要らないじゃないかと考えたというふうに後で私どもは聞いているわけでございますけれども、この牛乳価格の問題についてはまだ後ほど聞きますが、そういうようなことで補助金を打ち切られようとしたという事実がございます。これに対して農林水産省となさってはどのように受けとめていらっしゃるかということとの二点をお尋ねしたいと思います。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 まず、学校給食用の牛乳についての消費の拡大でございます。  私ども、いま専門の方や消費者の代表の方等も参加していただきまして検討会を開きまして、報告がようやくまとまりました。私どもはこの検討の報告に従って新しい事業の実施要綱を定めたいと思っております。  ポイントになります点は、一つは、従来小学校二百cc、中学では三百ccを供給限度としておりましたが、この限度については弾力的運用を図るということが一つの基本でございます。それからもう一つは、未実施校の解消と中学校等における三百cc飲用の普及、供給日数の拡大、調理用使用の拡大等についての啓蒙活動という問題でございます。また、こういったことを客観的に促進するために三百ccの牛乳補給の充てん機の共同設置、資材の共同購入について推進を図りたいと思っております。なかなか一挙に一割をふやすということはむずかしいことだろうとも思いますけれども、まさに先生御指摘のように重要な課題と思っておりますので、私どもも従来の要綱を離れて新しい考え方でその拡大を図るために努力をしたいと思っておるところでございます。  次に、予算編成の過程でございます。予算編成の過程でございますからいろいろなことがあったのも事実だろうと思いますし、また、それぞれのお立場でいろいろな議論があったことも事実だろうと思います。私どもとしては客観的に見て、従来二百cc五円八十銭の単価が五円二十銭に切られたわけでございます。その理由としては、もう御高承のように、いままた御指摘のように全体として飲用乳の価格、特にスーパー等における価格が下がって消化できるではないかという御指摘のあったことも事実でございます。私ども、そういった意味で、やはりこの単価の切り下げがあっても父兄負担はふやさないようにする、できるだけ生産、流通の過程の合理化で考えていくということが私どもに課せられた使命だろうと思っております。  そこで、先ほどの研究会におきましてもいろいろな議論を願ったわけでございますが、一つは、業者の選定についても学校側や学校給食会の意見もよく聞くと同時に、しっかり見積もりを出してやろうじゃないかとか、あるいは集送乳経費のプール制を採用しようじゃないかとか、さらに従来の実績、サービス等も十分勘案していこうじゃないか、また、価格についても十分市場全体の価格の動きを頭に置いて決めていこうではないかというふうなことを決めまして、やはり今日の市場経済が変わっている姿ができるだけ反映できるような形で運用を図ることによって、また、そういった形を通して流通、加工面での企業努力を通じてできるだけ父兄負担をふやさない形でこれを吸収していきたいと思って努力をしたいと思っておるところでございます。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 サンケイ新聞がアンケート調査をとりまして、そしてお母さんたちに質問しているわけですね。いま子供たちは月曜日から金曜日まで給食で牛乳を二百ccずつ飲んでいますね。土曜日はないのです。土曜日に飲んでいない。土曜日にも子供たちに牛乳を二百ccずつ飲ませるという問題についてこれは調査をしているわけですが、母親たちの回答は、六二%が土曜日もぜひ飲ませてもらいたい、こういう回答になっているのですね。私は前々から言っていたのですけれども、牛乳の消費拡大と言っているのに、なぜ学校が金曜日で切ってしまうのだろうかといままでも思っていました。農林省のお立場からだったら、普及拡大するのだったら、土曜日一日ふやしただけでもずいぶん大きいと思うのですよ。計算していただいたことがありませんので、どれくらいの分量が土曜日一日ふえたためにふえるのか知りませんけれども、しかし朝から昼まで勉強している子供たちが土曜日に学校から帰るときはおなかをすかしている時間なんですね。だから健康の上からも土曜日におなかをすかしたまま帰さないで、給食を食べるのではなくて牛乳一本だけ飲まして帰すということをすればどれだけ健康の上にもいいか、それと同時に牛乳の普及にもなるのではないかと前々から思っていたのですけれども、なかなかそれが実現できない。今度サンケイ新聞が調査したら、お母さんたちは賛成しているのですね。それはどうですか、政策としておやりになる意思はおありにならないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 それは非常にいい考えで、いままでそういうところに気がついてやっていなくちゃならぬはずなのに、やられてないことがかえっておかしいと思いますので、御趣旨の点が実行できるように事務当局とよく相談してやってまいりたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 それでは次へ移りますけれども、いまの学校給食のことで一つだけ御要望を申し上げたいことがございます。  それは大蔵省から入ってくる国の補助金がことし削られましたよね。このようにして毎年へずられていくかもしれませんし、あるいは逆にふえるかもしれませんね。その辺はわからないわけですけれども、ふえた場合は話は別といたしまして、減っていった場合に、この補助金は必ず畜産振興事業団を通して出ているわけですね。ですから、補助金が減った分だけは事業団のお金を使うのかどうか知りませんが、父兄には負担にならないように、先ほど局長おっしゃいましたね。負担にならないようにしたいと思っていると。これは五十六年度初めてのことですから、どのようになされるのかな、これで負担が出てきたら、局長のおっしゃったことは違っていましたねと申し上げなきゃならなくなるなと思っていたのですけれども、もしことしそれを実現していただけるのならば、この次もしへずられた場合でもそのことはできるというお見通しはおありになるかどうかの問題です。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 なかなかむずかしい問題でございますが、先ほど申し上げましたように私どもは極力父兄負担をふやさない、流通加工の合理化で考えてもらいたいということで、またそれを可能にするような競争的な仕組みを入れていきたいということでやっているわけでございます。一部加工メーカー以外に生産者に関連してくる問題もあると思いますが、おおむねは父兄負担をふやさない方向でできるのではないかと思って、いま努力中でございます。  来年以降の問題は、まさに先生御指摘のように状況の変化の中で具体的に考えなければなりませんので、私いま即断するわけにはまいりませんが、やはり学校給食の牛乳も市場経済の中での価格なり需給の関係で動いていく本質があることは頭に置く必要があると思います。  それからもう一つは、事業団の金を使ったらどうかということでございますが、これは従来の経過もありまして、私は、一般交付金が減ったから、一般会計の金が減ったから事業団の金を使うということは、従来の予算その他の折衝経過から見てなかなかむずかしい問題だろうと思います。これから単価がどうなっていくかという問題は、やはり具体的な状況の中でまたことし一年の努力を踏まえてひとつ判断させていただきたいと思っております。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 ことし、これからのことですけれども、私がお願いしておきたいと思いますのは、父兄負担にならないように行政として政策上も考えていただきたい。それを御依頼申し上げておきたいと思います。まあことし終わってからまたもう一遍……。  次の問題に移りますが、次の問題はいま初めて取り上げることではなくて、実はちょうど四年前になりますけれども分科会で取り上げましたロングライフミルクの問題でございます。  きょうは持ってきてお目にかけようと思いましたが、御専門の方ばかりですから持ってまいりませんでしたけれども、このロングライフミルクの問題は、結論から申し上げれば、もうこの辺で常温流通はしていいのじゃないかなということを言いたいわけですよ。四年前だったのですからね。四年前に、LL牛乳というものをどのように位置づけしていくかルールづくりをしていくことが大事じゃないかということでいろいろと努力をしております、生産者、乳業者相反する意見があったわけでございますが、いまテーブルに着いて話をしていただいておるところでございます、そのときの農林省の答弁としてこういう御回答をいただいているのですね。ですから、それから四年たったわけですね。一体その後どうなったんだろうというのがまず一つの疑問なんですね。そして御承知のようにその四年の間に社会はじっとしてないのですね。実態の方はぐんぐんぐんぐん進んだわけです。  それで、前々からみんな考えていたとおりだと思いますけれども、たとえば新島だとか式根島だとかあるいは与論島だとか、そういう島々の学校はもうLLミルクを使っております。写真がございますから後でごらんいただいてもいいと思いますけれども使っておりますし、そのほかの僻地、離島それから自衛隊とか船舶、南極の観測隊も持っていったようでございますね。とにかく長い期間保存できるのですし、常温で保存できるのですから、こんな便利なものはないわけでして、いままでの牛乳の欠点を全部カバーしちゃったわけです。それがもう実際の社会の中ではどんどん出回ってきております。それから牛乳も出て市販されております。私なんかも一人で住んでいるものですからしょっちゅう買い物に行かれませんから、LLミルクをちゃんと使わせていただいているわけです。そんなふうに利用する道は非常にたくさんあるわけで、実際にそう使われているわけでありますけれども、どうもなかなかこの常温流通に関する決断がつかないようなんですね。  それで、以前に伺いましたときには、厚生省の方でオーケーが出ればという話だった。厚生省の方に聞いてみたら、農林省の方でオーケーが出ればと、こういう話で、何だかボールの投げ合いをしているような感じで、一体どこが責任を持ってこのことを決めてくださるのだろうと思いました。ですから、きょう御質問いたします前にもう一遍厚生省の意見をただしてみましたらば、厚生省はずっと同じ考えなんだけれども、改めてLL牛乳の品質を検査しております、三月中にはこの検査の結果が出ますから、そうしたら自分の方では結果によってはオーケーです、こういう考え方なんですね。  私自身は牛乳・乳製品懇和会のメンバーでもありますので、牛乳関係の方たちからいろいろなことを伺います。伺いますと、認めないでいるのは、全乳普及協会あるいはそのほかのいろいろな団体がありますね、そういう団体との申し合わせで農水省が抑えているからなんだと、こんなことまで聞かされるんですよ。それはおかしいと思いましたけれども、そんなことまで流されているということでございますと、大変にまずいと思うのですね。ですから、その辺のところをひとつきちんとわからせていただきたい。四年間何をしていらしたのか、そしていまどういうふうに考えていらっしゃるのか、お願いをいたします。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 まず、御指摘がございました関係者の合意事項を御報告いたします。  これは非常に詳細にわたっておりますが、要点を申し上げますと、飲用牛乳の供給は普通牛乳を基本とするということ、ロングライフミルクの輸入には反対するということ、ロングライフミルクの要冷蔵要件は現行の取り扱いを維持するということ、生産者団体と乳業者は今後とも必要に応じて協議する、五番目は販売量は当面年間五万キロリットルの範囲内とするということで、実は生産者と乳業者の代表の間で合意された経過がございます。現在LL牛乳の消費量は実は五万キロリットルになっておりませんで、二万五千キロリットル強という実態でございます。  さて、今後どう考えるかという問題でございます。私ども、一般的な問題としては、要冷蔵要件の撤廃という問題は食品衛生上の問題であるということはまさに御指摘のとおりだろうと思います。ただ、経済的に見ますと、今日の状況では、端的な表現で恐縮でございますが、要するにコストが安くて生産拡大のエネルギーの大きい北海道の牛乳の販路拡張という主張と、それから都道府県の牛乳の既存の販路の調整という問題で、遺憾ながらいわば生産者相互の間で利害が激突する様相を呈しているということは事実でございます。特に、生乳の需給が御案内のように過剰ぎみでございまして、どうも生産の伸びに消費の伸びが追いつかないという事態があるだけに、この調整は難航しております。しかし、われわれといたしましても、やはり関係者による話し合いの場をいまも設けて意見の調整を図っておりまして、今後とも根気よくその努力を続けてまいりたい。厚生省が割り切ればできる、農林省が割り切ればできるということだけではなくて、基本的にはやはり酪農産地間の非常に激しい利害の対立という、それを調整するのが農林省じゃないかと言われればそれまででございますが、そういう実態があることはひとつ御高察いただきたいと思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 私がお尋ねしないうちに先に御返事なさったみたいな感じですけれども、四年間も何もしなかったとは私は申しませんが、四年前も理由は同じことですよ。だから、私はそういう点、非常に不審に思うのです。時間もありませんからいろいろ申し上げられませんけれども、輸入をしないというのは、もう初めからわかっています。いまどきそんなものを輸入しようなんて国が考えるとは私は思いませんから、そんなことは考えておりませんけれども、要冷蔵を撤廃しない、維持するという考え方は私は全然わからないと思うのですね。それで北と南の問題になっているわけです。長いことこの北と南の問題は続いているわけですから、いま局長がおっしゃったように、そういう問題を北と南の生産者と消費者の問題だけではなくて、その間に介在するいろいろな関係者の関係がございますでしょう。ですから、そういった関係者は、言葉をかえればみんな農水省の指導監督下にあるわけですから、農水省が指導してこのことをおさめてくださらない限りどこもできないと思うのですね。ですから、これはどうしてもやっていただかなければならないと思うので、大臣、これはもう長いことかかっているのです。もしこれで要冷蔵の維持を撤廃することができれば消費はぐっと拡大しますよ。これはもううんと拡大します。だから、生産に消費が追いつかないといまおっしゃいましたけれども、これをやっていただけばうんと広がると思いますので、ぜひその御決意を伺いたいのですが、いかがでしょうか。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先ほど局長から申し上げましたとおり、わが国酪農の現状は、北海道と内地とは経営規模なり経営環境なり経営状態なり、そういう面の間にまだ大きな差があるというところに問題があるわけでありますので、この差を縮めていくためには相当な、これは一年や二年でその差を縮めるというようなことは容易なことではございません。四年で何もしないと先生おっしゃられますが、やはり条件の違う酪農業者に対しまして、片っ方の酪農経営がLL牛乳の攻勢に遭えばもろくも酪農を放棄しなければならぬというような実態をみすみす見逃すわけにはまいらないわけでありまして、そういう点を一日も早く、足腰の強い酪農業者になってもらう努力をいましておるわけでございます。したがいまして、一方厚生省から、常温でやってはまだいかぬという情勢にもありますので、彼此相まってLL牛乳が将来、何年先になるかわかりませんけれども、先生の御主張のような点までいけるような努力をいましておるというふうに御理解いただきたいと思うのです。  ただ、私なんかも牛乳はとてもだめなんで、中学時代までは飲めたのですが、四十過ぎてからはどうしても体が受けつけないんですね。ですから、牛乳はとてもこわいという意識を持っておるものですから、やはり牛乳は冷蔵庫に入れておかないとこれは大変だなという意識がどうしても抜けません。これは冗談でございますけれども、先生のお気持ちも十分わかるわけでございますので、全力を挙げて努力をいたしたいというふうに思います。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 年をとったらよけい牛乳は飲まなければいかぬのですよ。四十過ぎたらお飲みになっていただいた方がいいです。高齢化社会に入るのは四十歳からですから、お勧めしておきます。  それで、そういう方は御自分で飲めないかもしれませんけれども、料理の中に入れるとかという方法があるわけでしょう。そして普及のために料理講習会を一生懸命にやっているわけですよ。全国牛乳普及協会、ここには国からも大きな助成金が出ておりますよ。それでやっておられる。その助成金と一緒に、その中から今度は日本乳業協議会が毎年料理講習をやっているわけです。これは大変評判よくて、普及に大きな貢献をしているのですけれども、全国牛乳普及協会はこの乳業協議会に今度助成金を出さなくしようとしているのだそうですね、どういう理由だかわからないけれども。おかしな話だと思うのです。この辺の詳しいことはわかりませんけれども、そういうようなことがあるのかないのか。これは農林省の直接のお仕事ではございませんけれども、そんなに一生懸命に料理講習会をやったり講演会をやったり真剣に努力しているのに助成金を出さなくしようなんと考えるというのは、この牛乳普及協会そのものがおかしい。牛乳普及協会というのは一体何をしているのだろうか、どれぐらいのお金を集めてどれぐらいの仕事をしているのかと思って資料をいただこうと思ったら、結局何も出てこない。金額、予算は出てきたのですけれども、何をやったか、その成果は一つも出てないのですね。過去三年間一体何を成果としてやってきたのか、それが知りたかったのです。でも、きょうは時間がございませんからそれは別といたしますけれども、そういうようなことが絶対にないように一度よく御指導をいただきたいと思います。  もう時間がなくなりましたので、あと一つ一緒にお返事いただければありがたいので一つだけ申し上げますが、ごらんになっていると思うのですが、二月三日の朝日新聞に載っておりました。  スーパーが安売りをしているので、それを阻もうと思って販売店に一件について二千円ずつの奨励金をつけてスーパーの安売りを告訴するように指導していた団体がございます。これは新聞に載っていますから秘密にすることはないと思いますが、全国牛乳商業組合連合会というところですね、これは全国組織です。そういうことをやっていて、六千万円ぐらい金を使っている。それで御本人は、販売店が生きるか死ぬかのときに自分たちの金で活動するのは当然で、この資金はすべて自前なんだから文句の言ようはないじゃないかと言って開き直っている感じの話をしておられるのです。しかし、この話はほっておかれていいかなということで非常に問題だと思うのです。  スーパーの方の話を聞けば、原価を割っていないのだ、原価を割っていれば話は別だけれども原価を割ってはいないのだから問題にされるのは理解ができないという言い方をしておりますし、公正取引委員会にはきょうはお願いしておりませんでしたけれども、新聞によればスーパーが企業努力でカバーできる範囲内で売っているのだからこれは問題はないと言っております。  そこで、農林省の方では、このことについて、多額の奨励金を払っているというのは初耳だ、実情を調べたいとおっしゃっているのですが、実情をお調べになったのでしょうか。お調べになった結果はどうだったのでしょうか。これも一緒に、行政指導としてやっていただきたいと思いますので、その二つをお願いします。

森実孝郎農林水産省畜産局長

○森実政府委員 まず第一の料理講習の話でございますが、これに関する問題は私も実はいろいろな方から伺っております。検討させております。消費活動についての経費が減るというのは、国や事業団が助成している事業にかかわる分は減らすつもりはございませんが、民間の拠出が乳業関係の経営状態が非常に悪いものでございますから減っている、そこから支出していた事業は縮小されるということのようでございます。そこで、その事業を国としてどう評価するかということで、何らかうまくこなす方法はないかと思って検討中でございます。  それから、二番目にスーパーの問題でございます。はっきり申し上げまして、現在スーパーの安売りがかなり過当な状況であるのと、乳業、農協のそういった過剰な状態を背景とした競争のもとで、また一方ではスーパーのバイイングパワーが先生も御存じのように非常に強くなってきているという実態を反映して、安く仕入れて安く売るという形がかなり出ていることは事実でございます。そういう意味で、従来の牛乳の小売店の皆さんが、シェアがずっと減ってきてスーパーに圧迫されているということで、自分たちの独自の生活保護、生活権擁護という視点でそういった運動をされていることは知っております。しかし、公取の判断を待たなければならないけれども、公正取引委員会にもなかなかごめんどうをかけていることは事実のようでございます。また私ども直接関与している問題ではございませんし、皆さんが独自に自分の営業活動を守るということでやっておられることですから奇妙な形で介入すべきものではないと思いますけれども、やはり社会世論があると思いますので、行き過ぎにわたることのないよう先般指導したところでございます。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 最後に一つお答え申し上げますが、牛乳も生産調整をやっておるわけでありますし、酪農も非常にピンチになっておるわけでございまして、先ほど来のお話のとおり国民ももっともっとカルシウムをとらなければいかぬという御指摘等もあり、私も常々——私自身は牛乳はそのままではとても体が受けつけないのですけれども、この牛乳の消費拡大には人一倍努力をいたしているつもりでございます。特にこの生活改善普及員の諸君に対しまして、どうやって米と牛乳をうまくメニューの中に取り入れて日本の食生活の構造をつくり上げていくか、これは二十一世紀に向かっての新たな発想としてそういう立場からやっていかなければ日本の農畜産業は並立してともに発展することはむずかしい。小麦がよくできる風土ならいいわけでありますけれども、モンスーン地帯でお米がよくできるわけでありますから、お米と牛乳——私はしたがって、しょうゆ汁に牛乳を入れる、お汁に牛乳を入れるというふうにして飲んでおりますが、何か牛乳を料理に入れると先ほど仰せられましたが、やはりそういう点、日本人の食生活というものはまだまだ研究が不十分でありますし、普及が至ってない、こう思います。そういう面に努力することによって牛乳の消費はぐんと伸びると私は確信いたしておりますので、農林水産省としてもその点については十分努力してまいります。

金子みつ日本社会党

○金子(み)分科員 そういうことに努力をしている団体があるのに、その団体の事業を阻害するようなことのないように、ぜひ指導していただきたいと思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤主査 これにて金子みつ君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 大変短い時間ですから、私は、まず最近のパイン問題について一点、それから野菜問題、時間があれば森林資源の整備の問題、この三点でお尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  最近になって、またパインの問題は第二の危機の時期を迎えたと言われているわけですが、この問題につきましてはこれまでもたびたび取り上げてまいりましたし、また、大臣初め関係局長にもお会いをしたりいろいろ御要望も申し上げてきたのですが、国内消費の問題その他あって、非常に深刻な事態を迎えていることは御承知のとおりです。  そこで、現在の市況の状況は一体どうなっているのか、特に沖繩の生産面あるいは滞貨問題を含めて、ひとつ状況を御報告をいただきたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 現在のパインの市況というお尋ねでございますが、グローバル品なりあるいは冷凍パイン、パイナップルからつくりますかん詰め等につきましては、在庫の状況等はしかく明確ではございません。ただ、全体的にこのかん詰めの状況をながめますと、確かに現在沖繩パインの在庫の関係が再び増勢に転じておるということでございます。具体的に申し上げますと、五十五年の十二月末、これが八十七万八千ケースということで、前年の五十二万四千ケースよりも大分ふえてきておるという状況でございます。したがいまして、この在庫の解消という問題につきましては、どういう手だてを考えるかという問題になろうかと思います。  これにつきましては、一つは何といいましても輸入代理店に対しまして早期引き取りをやっていただく、やってもらうということが必要であろうと思います、そういうことで強く要請をしているというのが一つ。それから、下期のグローバル品の発券をまだやっておりません。近々やる予定でございます。もちろん、数量面では整合したやり方でやりたいと思っておりますが、その際に沖繩品の消化をあわせ行うように指導する、いわゆる抱き合わせ販売といいますか、そういうような指導もやりたいというようなことで、早期解消を図っていきたいというふうに考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 いまお答えありましたことについては、これまでもある程度知らされているというか、すでに報道されている面もあるわけですが、要するに、第一点としては国内のパインかん詰めの消費動向というものが、従来、年間二百七、八十万から三百万ケース程度と言われておった、グローバル、冷凍物、沖繩産を入れてですね。今後の見通しは、それは一体どう立てておられるのか。沖繩産がここまでだぶついているというか、ストックがふえているというのは、何といっても冷凍物の輸入増加というのが大きく影響していることは、これは否定できないと思うんですね、当初冷凍パインを入れるときには、かん詰め化しない、製品化はしないという、確たる条件ではなかったと思うのですが、そういうことでわれわれは理解をしておった。しかし、いつの間にかそれが製品化されて今日の状況を迎えている。いま御答弁がありましたように八十七万ケース、約九十万ケースのストックを抱えているわけですね。この対策を単に下期のグローバルの数量規制だけでやっていけるのかという疑問があります。もちろん、同時にこれだけのストックを抱えますと、金利の問題、倉庫料の問題など、短期的に対策を講じなければいかない、あるいは助成措置をやらなければいかない面があると思うのですが、ここいらの点についてはどうお考えなのか、もう少し具体的にひとつ明らかにしていただきたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 総需要量といいますか、グローバル、冷凍パインからできますパイかん、それから沖繩産のパイかん全体を合わせて、大体三百万ケース等が総需要量になろうかと思います。ただ、果物のかん詰め需要というものは、これはいろいろ競合関係もございますし、そういう中においてのパイナップルかん詰めでございますので、今後需要が伸びるというようなことは困難であろう、こういう見通しに立っております。  その際に、冷凍パインの輸入量につきましては、これは五十三年がピークでございまして、二万八千八百トン程度入りましたが、その後五十四年、五十五年と減っておりまして、五十五年は一万八百トンというようなことで、相当急激に冷凍パインの輸入の方は減ってまいっております。  まあそれはそれといたしまして、確かに相当の在庫があることは事実でございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、本土の代理店が引き取らなければ何ともなりませんので、引き取ってもらうということがどうしても必要ですし、引き取って、今度は沖繩で在庫しているものが本土で在庫しているだけでは意味がでございませんので、これは売っていただく。それには抱き合わせ販売というようなことをやってもらうということが必要であろうかということで、そういう面での指導を強力にやっていきたい、こう思っているわけでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 そこで、せんだって二月十二日に、この関係者が集まってパイナップルかん詰需給安定懇談会というのが持たれて、そこでもいろいろ対策、いまおっしゃるようなことが話し合われたと思うのですが、具体的にはどういう協議がなされたのか、その点を少し明らかにしていただきたいということと、また三月中旬ごろにも第二回の会合が持たれるようですが、そのときには一体農水省としてはどういう御提案というか提言をなさるおつもりなのかという点と、先ほど、五十五年度の下期のグローバル発券はまだやってないということでしたが、数量規制はおやりになるということはかねがねおっしゃっておりましたが、どのくらいをお見立てなのか、五十六年度の上期発券についてはどういうふうにお考えなのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 今月の十二日に、実はパイナップルの関係では全く初めてですが、関係者が一堂に会しまして、それぞれの立場も申し上げますとともに、またお互いにそういう立場も理解しながら協力し合うというようなことで、パイナップルかん詰需給安定懇談会というのを開いたわけでございます。同一のテーブルに着きまして、沖繩のパッカーの組合なり、あるいはグローバル品の輸入の協会なり、冷凍パインからかん詰めをつくっておりますパッカーの協議会等々がそれぞれお話し合いをしたわけでございます。お互いの立場は理解しながらも、やはりパイナップルかん詰めということに携わっておる者としてその面は話し合いを詰めていく、お互いに協力もしようということになったわけでございます。  そういうことで、それでは具体的にいろいろな今後の需要の見通し等について詰めていきましょうということで、ただいまお話しございました三月の中旬に、作業部会というような形で、そういう面をテーマにして検討をやっていこうという話し合いになっておるわけでございます。今後の具体的な需要の面につきましても、こういう作業部会においてそれぞれの見通し等も詰め合いながら、一応パインかん詰めの関係者としてはこの程度の需要量と見るのが至当であろうという点を出すというふうに聞いております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 お答えが少し抽象的な面があって理解しにくいのですが、パイナップルかん詰需給安定懇談会に沖繩側から提案されたのには、たしか一つには、かん詰め企業に対する資金あっせんをやってもらいたい。第二点目に、長期在庫を抱えているための金利の負担。三番目に、外国産かん詰めの、先ほどおっしゃっておった下期あるいは五十六年度上期の輸入割り当ての中止もしくは数量規制をやってもらいたい。四点目に、冷凍パインの関税引き上げ、これは今の経済状況ではなかなか困難な面もあろうかと思うのですが、こういう点が主に出されたのではないかと私は受けとめているわけです。これに対してはどうお考えなんですか。  先ほど、短期の対策としてどういうことをお考えなのかということで、特にあれだけの在庫を抱えているということになりますと、いろいろ資金繰りに苦労している、倉庫敷料の問題などあるので、そういった面に対する助成措置はどうなのかということに対しては、まだお答えがないような感じがするのですが、これは少なくとも企業努力なりいろいろな面でやらなければいけませんが、政府としてもできるだけのことはやらなければいけない時期に来ていると思うのです、改めてお答えをいただきたいと思います。

小坂隆雄農林水産省農蚕園芸局果樹花き課長

○小坂説明員 去る十二日に、パイン問題の懇談会を開催したわけでございますが、そのとき、先生の言われるような沖繩側としての御要望の趣旨は伺っておりますけれども、やはり懇談会自体は、どのようにしたならばわが国のパイン全体を安定できるか、共通の認識に立とう、こういうような観点に立って話し合いを持たれたわけでございまして、そのような長期的な関税引き上げの問題なりさらにまたグローバルの発券の問題については、協議会というよりもむしろ行政の側でこういったものをどのようにとらえるかということに私ども受けとめておりまして、そういった問題を踏まえながら今後さらに、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、いわゆる作業部会等でこれからの需給問題を詰めてまいりたいと考えておるわけでございます。  それから、沖繩の在庫が最近ふえておる、短期的にこれをどのように解消をするのかという問題でございますが、これは先ほど局長が御答弁しましたように、沖繩パインアップル缶詰協会の代理店の方々を呼んで、ひとつできるだけ早く本土へ引き取っていただきたい、こういうことを中心に私ども業界を指導しておる、こういう実態でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 下期、上期の輸入量については、どういうふうな御計画なのかということを、これは局長からはっきり答弁してください。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 五十五年度下期につきましては、一つ祖、輸入かん詰めと沖繩品と抱き合わせでもって売るということによりまして、沖繩品の在庫解消に資したいという話もございます。そういう観点が一つ。それから、完全に五十五年度下期をゼロにいたしますと、これは行政指導の限界といいますか、そういう面もあろうかと思いますが、入ってこなければ、それでは冷凍パインを入れてかん詰めをつくろうという動きも出てきかねないという問題があるだろう、それからASEAN諸国との関連からいたしますと、下期の発券がまだない、どういうわけだというようなことで、マレーシアを初めとして相当強い要請も来ておるというようなことからいたしますと、やはりこの際は数量は若干抑えてやりたいと思っておりますが、近々発券をいたす予定にいたしております。  五十六年度上期の問題につきましては、これはまだ先の問題でございますので、その発券をする時点においてさらに情勢を踏まえて検討したいと思っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 先ほども申し上げましたように、たくさんのストックを抱えて金利負担あるいは倉庫料という面で、これはいま沖繩県も県議会が開かれておりまして、いろいろな面で県自体も相当助成措置をやりながらやっていることは御案内のとおりだと思うのです、そういうことに対しては、全然政府としての対策はお考えでないのですか。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 在庫に対する金倉の面につきましては、沖繩県庁の方ともお話ししてはおりますが、これは県単事業等によって対処したいというふうに県当局も考えておりますので、国としては金倉を負担する考えは持っておりません。

上原康助日本社会党

○上原分科員 いまのところ、そういうことはお考えでないということですが、やはりこの問題については、国側ももう少し真剣に受けとめていただかなければいかぬと思うのです。後ほど大臣の方からお考えを聞きたいと思います。  御承知のように、地場産業あるいは農産物の自給向上とかいう、いろいろな基本政策なり農政審の答申などはあるにもかかわらず、どんどん輸入化をしていって、その影響で今日の事態を招いてきていることも、これは否定できないと思うのです。もちろん、企業サイドの努力なり生産性の向上なり品質改善、そういったものは私は必要だと思うのですが、何といっても政府のこの種の問題に対する姿勢といいますか、農業政策に大きく起因しているという面は否めない事態だと思うので、そういうことはいま少しひとつ深刻に受けとめていただきたいと思うのです。  同時に、今度琉球殖産の久米島工場の閉鎖問題がすでに持ち上がっておりますね。これは久米島の仲里、具志川両村にとっては大きな地域問題であるし、生産農家としても大変な不安をいま持っている。これも単なる地元の問題、地域の問題として片づけていいことではないと思うんですね。この件についてはどういうふうな受けとめ方、あるいはまた対処策をお考えなのかということと、さらに今回、先ほど言いました全体的な懇談会が持たれたというようなこともあって、かねがね沖繩県でも問題になってまいりました工場の統合問題も、改めてそういった機運が出てきておりますね。そういうことに対しても的確な行政指導をいまこそやって、沖繩の危機的状況にあるパイン産業を何とか健全化していくという施策というものを明らかにすべきだと私は思うんですね、国としても県や関係市とタイアップすることによって。こういう長期のパイン産業の対策といいますか、これについてはどういうふうなお考えでやっていかれようとするのか。これは局長並びに大臣の方からお答えいただきたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 久米島工場の閉鎖問題といいますか。何かそういうあれがあるということは聞いておりますが、これの具体的なことにつきましては、十分県の方とも話しまして、その実情等も伺った上で考えたい、こう思っております。  それから、パイン工場の合併統合でございますけれども、これにつきましては現在八社十一工場あるわけでございます。もちろん、ここに来ますまでにも、大分合併統合が行われてここに至っておるわけでございますが、県の方におきまして五十年の二月に、パインかん詰め企業合併基本構想というのを打ち出しております。したがいまして、沖繩県のパイン産業の体質強化を図るということが急務でもございますので、この県の基本構想が実現するよう、国としても指導といいますか協力もしていきたいと思っております。  これにつきましては、いろんな融資措置等もあるようでございますが、具体的な面につきましては沖繩開発庁の方からお答えいただきたいと思っております。

川嶋烈沖繩開発庁総務局調査金融課長

○川嶋説明員 ただいま農林省の方から、融資の制度についてどういう資金があるかということをこちらからということですので、御説明いたします。  一般的にパイン工場の合併ということで申しますと、二つ、制度としては資金が出せる制度がございます。一つは、これは中小企業一般の話になりますけれども、中小企業資金の中に企業体質改善資金というのがございます。ここで、合併について所要資金につき二億二千万円までを限度として出し得る、その場合は八・四%の金利というのがございます。  それから、沖繩のパインということで的をしぼりますと、沖繩公庫の本土産米穀資金特別勘定というのがございますけれども、この中に、パインかん詰め類の製造業を営む者の合併もしくは当該製造業の営業の譲り受けに伴う合理化に必要な資金について貸し付けることができるということになっておりまして、この場合には所要資金の八割までを四%の金利で貸すという制度がございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 大臣お答えになる前に、ぜひこの下期のグローバル数量については、数量規制の問題とひとつ抱き合わせでやっていくということ。さらには冷凍物は一昨年がピークで、だんだん下降現象なんだというのですが、場合によってはまたこれは上昇しないとも限りませんね。そういう面、優先消化というものに対して徹底した行政指導をやるという前提でこの問題はやっていただきたいし、いま工場閉鎖の問題なり、短期、中期、長期の見通しの面でも大変深刻な事態になっておりますので、これは何とかひとつ健全化の方向に持っていくように特段の努力をしていただきたいと思うのですね。まとめてこの件について、大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 沖繩はパインとサトウキビで沖繩農業を支えるものというふうに考えまして、政府としても農林水産省としても、あらゆる努力をいたしてきておるわけでございます。したがいまして、これからもそのような立場で、沖繩のパイン産業、パイン農業が健全に自立していくことのできるような努力を重ねていきたい、こう考えております。したがいまして、下期の割り当て等につきましても、十分その辺をにらんでやっていきたいと思います。  なお、つけ加えて申し上げますと、ASEANのそれぞれの国に参りました際、マレーシア等においてあるいはタイ等において、これからもお互いに農業生産を上げるについては、アジアでせっかく生産をしても、お互いの農業というものの立場を傷つけ合うような、競合し合うようなことをしたのでは、これはもうお互いが政治的な損失になるわけだから、その点はひとつよくお互いに常時話し合いをして、摩擦の起こらないような農業政策の遂行をしていくような努力を続けましょうということで、一応各国ともそういった合意をしておりますので、この点をつけ加えて申し上げておきます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 時間がなくなってしまいましたので、簡単に野菜問題に触れておきたいんですが、最近沖繩の農業もかなり経営規模といいますか、あるいは体質改善がなされつつあることは御承知のとおりです。  そこで、これからの省エネ問題とのかかわりで野菜の供給地域としての、生産地としての位置づけというものをもっと明確にしていただきたいということ、契約栽培にはいろいろ問題があるようですから、農家の方でも価格の問題等、そういう面で。  そのときに一番大事なことはミバエ対策なんですね、ウリミバエ、そういった面で。これも久米島をモデルケースにして進めてきておるわけですが、いまのような状況でいきますと、あと五、六年かかるんですね。そういうことについてももっと真剣に、積極的にやって、沖繩の亜熱帯農業を二次振計の中には位置づけて、もっとこの地域のそういった農業というもの、第一次産業というものが振興できるように、ひとつ特段の努力をいただきたいと思うのですが、この件についての御所見を伺いたいと思います。

二瓶博農林水産省農蚕園芸局長

○二瓶政府委員 沖繩におきますウリミバエの対策でございますが、四十七年以来薬剤防除、これはキュールア誘引剤等使いましてやってきたわけですが、ただいま先生からもお話ございましたように、五十年から久米島において不妊出放飼法という方式によりまして防除をやりまして、五十三年に根絶に成功したわけでございます。そこで、五十三年度から慶良間諸島にやはり同じような方式でもって絶滅のための防除を実施をしてきております。さらに、将来の問題としては、沖繩全島もやらなければならぬわけでございますが、まずその前に宮古島をたたきたいということで、現在宮古島を対象に本虫の根絶を目的といたしまして、五十五年度から大規模な不妊虫増殖施設ということで、この施設を本島の農業試験場に設置をするということで現在工事をいたしておるところでございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 もう時間がなくなりましたので、また残余の問題については別の機会にお尋ねしますが、ひとつ野菜団地の問題については十分明るい見通しが立っているわけですから、その点はもうとっくに御理解いただいていると思いますので、沖繩農業の振興に特段の御努力をいただきたいということを強く御要望を申し上げて、時間ですから終わりたいと思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤主査 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君。

関晴正日本社会党

○関分科員 農林大臣に御質問申し上げます。  昨年の農業災害に当たりましては格段の御奮闘をされまして本当に御苦労さんであった、こう思います。その際に私からいろいろと施策をお願いした中に、何としても農民に安い価格でお米の払い下げができないか、もともと農民は自分の米は自分でとっているわけですし、さらに米をつくり、売って、そうして生活をしている人ばかりだ、それが、売る米はもちろん、自分の食べる水もないというときに、これらの方々に対する一つの施策としては、当然に低廉な価格で支給するような方策を講ずべきである、それがためには、今日の食管法の改正を必要とするならばその改正を図るべきではないか、あるいは災害対策特別立法の中に含めなければならないというのならばそういう方向もとるべきではないかということを申し上げました。  食糧庁長官は、卸売価格で出すのが精いっぱいであります、こういう答弁でありました。それではいかぬのだ、何とかして法改正のことに農林大臣は踏み切られないか。いまの内閣の中では憲法までも改正しろなんという勇ましい大臣もおる中だから、そのまねをしろとは言わないけれども、農民の立場に立つならばそういうところに踏み切る法改正をすべきではないか。特に外国に対しては、一般国民の買う価格の四分の一であります。そうして十年間の据え置き、二十年間の償還、合わせますと三十年もめんどうを見て四分の一の価格で売っているわけです。他の人々と違いまして農民の場合は、買って米を得ているわけじゃなくて、つくってみずからのものとしているわけです。災害を受けた者は皆同じだということにならしまして、そうは扱えないんだという理念があるようだけれども、そこから脱却して、生産農民の立場、そうして安んじて農業の生産に励め、こういう期待と励ましを持って臨む姿勢が大事なんではないか、こう私は思うわけなんであります。  こういう点で、何か近いうちに食管法の改正もあるとかと聞きますが、間に合うならばその中にそういうような意向も取り入れて出していただけないものか。間に合わないとするならば、ことしのうちにでも、五十六年度の間にでも、大臣の任期の間にそのくらいのことをして残していく、こういうような御決意なりお気持ちなりがあってしかるべきではないだろうか。ことしの災害であのころ大体五万トンくらいは必要になるんじゃないだろうか、こう私は申し上げておったのですが、幸いに三万五、六千トンでおさまった、こう聞きます。こんな大災害があってもその程度のことしか需要がないんだと考えるならば、法改正あるいはそういう援助策というものに踏み込んでもいいんじゃないだろうか、こう思いますので、その点についてのお考えをいただきたい。

亀岡高夫自由民主党農林水産大臣

○亀岡国務大臣 先般の災害対策特別委員会でも答弁いたしたわけでありますが、飯米確保のための配給は主食用としての供給でありますから、過剰処理の場合の輸出用あるいはえさ用等の価格で供給することは、現行食管法上問題があり、きわめて困難であると申し上げたわけであります。同時にまた、一般消費者とのバランスなどの事情を考えますと、どんな災害の事態においてもこういうことをした前例もございませんし、新たに法律をつくるということにつきましても適切ではない、こう考えましたので、実は特別の安売りという現行法のぎりぎりのところでできる範囲内の処置を講じさせていただいたわけでございます。  なお、昨年の冷害に伴う被害農家の飯米確保につきましては、特に被害が甚大で収穫が皆無または著しく減収となって飯米を確保できない被害農家に対して、知事の要請に基づきまして特別売却を実施してきたところであります。また、その代金につきましては、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律に基づきまして一年以内の延納措置をとることといたしたところでありまして、このことによりまして、実際に被災農家が取得した価格は一般消費者向けよりも相当程度安い価格で入手をしていただいた、こういうふうに考えておりまして、食管法改正の中にこのようなことを織り込む意向は、いまのところ私は持ってはおりません。

関晴正日本社会党

○関分科員 大変残念であります用意向もないなんということになると、まことに情けなく思います。先ほども意見を申し上げましたように、自分の米は自分で持っておる存在の人と買わなければならない存在の方と、同じように考えなければならないというその考え方にやはり問題があるんじゃないだろうか。これはいずれまた農林水産委員会等がある場合にゆっくりとやりたいと思いますので、きょうはその点については以上にしておきます。  二番目にお尋ねをしたいと思います。  それはイカ釣り漁業の問題についてでありますが、イカ釣り漁業者の方々がことしほど、年が明けましたから去年になるのですが、こんなに安いイカに泣かなければならない年はない。油は高く買う、そうしてイカの値段は全く安い、これまで十キロ四千円もしたものが二千円という安値である、まいってしまった、こういう嘆きが大変に強いわけであります。そうして同時に、希望として出ておるものは、イカの流し網漁法というものを全面的に禁じていただけないだろうか。このことについては今日、北緯二十度以北、東経百七十度以西においては禁止区域にされております。しかし、それ以南^それ以東についてはそれが許されている、こういうわけであります。そこで流し網漁業の諸君たちは、この許されている地域に行くのだと称して、実は禁止区域で平気で操業をしているわけであります。  私の聞きたいのは、禁止区域の設けられた精神というものと、禁止区域外ならばやってもいいだろうというこの考え方について、どうすればそういう考え方が出てくるのか。しかも、イカ釣り漁業者は良心的にイカの抱卵の時期においては休漁しておりますが、この流し網漁業の方々には休漁がありません。三百六十五日とりっぱなし、やりっぱなしであります。しかも禁止区域内でやっているのが大方であります。禁止区域外にはそういうイカはほとんどいないであろう、そこへ行くと称してさような漁業を平気でやっておる。  こういうことを考えますと、やはりこれは意味のない地域の許可ということになるのじゃないだろうか。何でその地域ならば行ってもいいというふうに考えるのだろうか。それが悪用されて禁止区域でこのように操業されているという実態について、年々違反船が多いわけです。統計的にも二割ぐらい出ております。実際はほとんどが違反船じゃないか、こうイカ釣り漁業者の諸君は言っているわけです。そういう意味から、これに対する一つの考え方、そうか、わかった、全面的に規制しよう、こういうふうにお考えになっていただけないかどうか、お尋ねします。

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 イカの流し網漁業は五十三年ごろから操業が始められたわけでございますが、急速に拡大をしてきたわけでございます。そこで、漁業調整と資源保護という見地から、いま先生がおっしゃいましたような東経百七十度以西の太平洋の海域、北緯二十度以北の海域での操業禁止という措置をとったわけでございますが、残念ながら、その操業区域で操業していただければ問題はないのですけれども、その操業区域に至るまでの禁止区域で操業するという実態がございます。その違反につきましては、私たちとしましても相当の力を入れまして取り締まりの実施をいたしてきましたし、また、海上保安庁におきましてもいろいろと御努力を願っておるところでございます。  この禁止区域を設けます前の処理として考えればいろいろな考え方があり得るわけでございますが、一たんそういう操業区域で操業を認めたという事実の上に立ってみますと、それぞれ、イカ釣り漁業の立場からいいますといま先生おっしゃるような主張がございます。同時に、今度イカ流し網漁業の側からいいますといろいろな主張があるということで、その間の意見の調整といいますか秩序ある操業といいますか、そういう問題は非常にむずかしい問題でございます。  私たちは、そういう両者の十分な調整の上に立って、秩序ある操業が行われるということを確保するためにいろいろ努力をしてきたわけでございますが、残念ながら、いままでそういう状態に相なっておりません、しかしながら、五十五年の末から両業界の話し合いを重ねるうちに歩み寄りの姿勢が見られてまいりまして、水産庁としては、両漁業が成り立ち得るように、できるだけ両業界の合意を得て問題の解決を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。

関晴正日本社会党

○関分科員 この問題についての踏み込みが非常に不十分なものがある、こう思います。実は統計の問題についても、違反統計についての御報告を初めいただいたときも、水産庁の方の統計と海上保安庁における統計とがプラスにならないまま当初御報告がありました。わずか六隻だ。後刻訂正されまして三十二隻、こう出てきました。私は、六隻だという認識が相当に考え方を支配しておったのじゃないだろうか。大したことがない。問題は、見つけたのが六隻、見つけ方の問題でありますし、その方法は大変な苦労だと思うのです。東経百七十度ということになりますと、わが八戸から参りますと二千六百キロのかなたです。その向こうならよろしい、こう言っておるわけです。その向こうになりますというと、ハワイの近くにそんなにイカがおるわけでもないし、そこまで油をたいて行かなければならないということもまた経済的に成り立たない。やっぱり操業禁止区域が一番いいわけなんです。  これは海上保安庁と水産庁と、季節的にこの船の状態を把握しようといって、一大掃討作戦と言ったら変ですけれども、発見作戦といいましょうか、取り締まり方法というものを強化したならばみんなひっかかるであろう、こう言われています。みんなひっかかるのを見たくないものだから軽くやっているのじゃないだろうかとも、反面見られるわけであります。  ですから、私の言いたいことは、操業禁止区域をそんなに広げておりながら、なお向こうならよいというこの考え方、向こうにはイカがおるからそちらのイカならとってもいいという考え方なのか。そちらならばイカもおらぬから行っても大したことはあるまい、こういうことで許可をしておるんだというふうにわれわれは見ておるのですが、その辺についてはどう踏まえてそちらならよいと言っているのですか、お答えください。

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 操業区域にイカがいないからそこにおまえとりに行ってこい、そうすれば問題なかろうという考え方で操業区域を設定したのではございませんで、やはりその操業区域にもイカがおるわけでございます。ただ、非常に残念なことは、その操業区域に行って操業してくれればいいのですが、お話のように、行く前にちょっと見つからなければやってやろうかというようなこともございまして、違反が非常に続出する。これにつきましては釣り業界の強い要望もございまして、私どもも航空機を飛ばしたりして取り締まり官には非常に御苦労を願っておるわけです。海上保安庁も同様でございますが、お話のように違反がやまないという状況でございます。  そこで、これを将来どうしていくのかという問題でありますが、これを全面的に禁止してしまうという考え方が一つございます。太平洋じゅうのイカ流しをやめてしまうということがありますが、これはしかし、一番最初にああいう操業区域を認めて操業を始めたわけですね。そうしますと、もし全面禁止をするということになると、一体他業種への転換をどうしていくのだ、それから、相当の乗組員もおるわけでございますから、そういうふうな失業問題をどうするのだという非常にむずかしい問題に当面をするわけでございます。  そこで、私の方としましては、両団体とも十分な納得の上に、たとえばいまのイカ流しの操業期間をどうするか、それから操業隻数をどうするか、そういう問題をよく話を詰めまして、そしてお互いの納得の上で秩序をもって操業するという事態をつくり上げなければいけないのじゃないかというふうに思っておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、昨年の末から大体両団体ともそういう機運になってまいっておりますから、これをとらえて私どもの方としましては鋭意そういう話し合いを続けておるわけでございまして、その話し合いができれば、そのベースの上に立って秩序ある操業ができるのじゃないかというふうに考えておるところでございます。

関晴正日本社会党

○関分科員 とにかく実態調査に当たって、真剣になって当たっていただきたい。  それから、そこが操業禁止だというふうになった場合どうなるかという御心配があるようですが、流し網漁業をやっている方々というのは大体強い丈夫な方々ばかりで、サケ・マスの方に主力があるし、さまざまな方にあるわけです。それらの方々に年間操業のそこまでなおまたサービスしてあげなければならないかどうかということもひとつ考えてください。あとの方々というのは、何といったって三カ月や四カ月休んでいるわけで、それも一つの種族保存のために、資源保護のためにという前提に立っているわけです。彼らにはそれが何ら考慮されることなくなんということは適当でない。しかも、広いからといって、海のギャングみたいなかっこうで十二、三キロもあるような流し網をじゃんじゃん立てられた日には、これは資源保護のためにも立たないと思うのです。  遠くてだれも見ていないからいいだろうというようなことは許さない、こういう構えで水産庁においても当たっていただきたいし、また実態調査になお力を入れていただきたい。三百六十五日それらの諸君のムラサキが揚がってくるわけです。イカ釣りする諸君たちはいま休んでいるわけです。彼らはとっている。許可地域でとっているというけれども、だれもそれを信じていません。みんな禁止区域でやっているんだ、こう見られているだけに、ひとつ格段の決意をもって当たっていただきたいということを要望しておきます。  第三点に入ります。第三点は、福井県の三国町にある三国港漁協というものがありまして、福井県の知事が底びき網の禁止ラインの中にこの三国港の漁協に対してはエビこぎの網漁業を許可する、こういうことを言い出して、そうして港湾計画の埋め立て問題に御協力してもらうように実は進めました。一月二十六日にこのことが福井の海区漁業調整委員会にかかりました。大変な話になってしまいました。どうです。底びき網の禁止ラインの中にエビこぎの網を許可するなんという話まで持ち出して、そうして自分たちの備蓄基地の埋め立て事業というものをかち取るために違法なことでも平気でやり出そうというこの不法な行為、これは許されないことだ、こう思うのであります。試験操業ならいいだろうなんと言っておられるようです。こうしたことが勝手にできることなんでございましょうか。そういうようなことで調整規則の改正の措置を求められた場合は、水産庁は認可してあげるつもりなんですか。どのような指導あるいはこれに対するお考えを持っていらっしゃいますか。先にお聞きしたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 漁業法によりますれば、都道府県は漁業調整規則を策定いたしますが、それは農林大臣の認可を要します、したがって、変更の場合も同様でございます。その漁業調整規則に基づく試験操業の許可というのは都道府県知事の権限に属しておりますが、しかし、試験操業をどういう場合に認めるかというのは規則に書いてございます。福井県の場合ですと、試験研究、教育実習または培養殖用の種苗の供給のための水産動植物の採捕について知事から許可を受けたものというのが試験研究許可枠の内容になっております。  したがいまして、どういうことが試験研究の内容であるかという問題に相なりますが、私どもといたしましては、小型機船底びき網漁業の試験操業というのは非常に慎重にしなければいけないというふうに思っておりますので、長官通達を出しまして、試験研究等に対する特別採捕の許可は、試験研究、教育実習等のためにすることが明らかであるものに限ってこれを行うようにという指導通達を出してございます。  県の方も、いろいろ経緯があったようでございますが、一応県の漁業調整委員会に付議するというような態度をとっておるわけでございます。当初のような態度ではないというふうに承知をいたしております。私たちは、昨年末その話を聞きまして以来、福井県の考え方を聞いておりますが、試験研究に関しましては、私がいま申し上げたような方針で指導をいたしておるところでございます。

関晴正日本社会党

○関分科員 試験研究というのは、言うなれば営業行為というものが含まれないもの、教育的なもの、研究的なもの、まさに試験的なもの、業にわならないもの、こういうふうに実は私は認識をしているつもりであります。そういう点からいきますと、十四隻に試験操業だなんというやり方、それからまた、底びき網の禁止ラインの中にそれを設けるというむちやなやり方、エビこぎ網漁業というのは同じものです。しかも、隣接の漁協には何ら了解もなく、とんでもない紛争をまき散らしているわけでありますから、そういう点についてはひとつ間違いのないような指導をしていただきたいし、いやしくも政治的なあるいはそういうことに乗って水産庁まで進めるようなことの、エビこぎならぬ船こぎにならぬようにしていただきたい、私はこういうことを希望申し上げておきます。  その次には、実はこの港湾の仕事、埋め立てが進められまして、あの漁港の町の一帯に大変な漂砂が押し寄せておる。このことについて、水産庁としては漂砂による漁業の非常な影響をどのように認識されておられるのか、ひとつ実態調査に当たっていただきたいものだ、こう思いますので、その点についてのお考えを聞いておきたいと思います。

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 ちょっと失礼なんですが、先生のおっしゃる漂砂というのはどういう内容のことでございましょうか。

関晴正日本社会党

○関分科員 もし環境庁が来ておれば環境庁の方でお答えになってもよろしゅうございますが……

今村宣夫水産庁長官

○今村政府委員 もし差し支えなければ、課長に答えさせていただきます。

伊賀原弥一郎水産庁振興部沖合課長

○伊賀原説明員 ちょっと御質問の内容がわからないので勝手に言わしていただきまして申しわけございませんが、先生のおっしゃっている漂砂と申しますのは、防波堤を出しますと、従来防波堤の根元まで海岸線がありましたのが、砂が寄ってまいりまして砂が上手に入るとかあるいは囲いますとその囲いの中に砂が入ってくる、そういう問題でございますか。

関晴正日本社会党

○関分科員 その影響を受けてあの越前の海岸一帯、三国の町の海岸一帯に漂砂が一時的にたどりついている。そうしてまた、時とすると流れていくわけです。大変な被害を受けているわけです。これじゃウニも何もたまったものじゃない、こう言っているわけです。ですから、水産庁としては漂砂の問題について実態調査をしたことがございますか。ないとするならば、ひとつこの際これからでも十二分に調査をしていただきたい。

伊賀原弥一郎水産庁振興部沖合課長

○伊賀原説明員 ちょっと長たらしくなりますけれども、日本海は波浪の出方が春とか冬とか非常に違います。したがいまして、一俊的に申し上げまして、防波堤を出しました場合に、冬場のある時期に非常に砂がたまりまして春先になりますとまたその砂が逃げてしまうというような事態もございます。御指摘のございましたこの港湾区域周辺についての漂砂の問題、私ども余り承知をいたしておりませんが、話がございましたのでよく調べるようにいたしたいというぐあいに存ずるわけでございます。

関晴正日本社会党

○関分科員 これは昨年の八月二十一日の三国漁協の調査の写真がございます。三国町米ケ勝地先の海岸の漂砂の様子がございますので、これを差し上げますから、ごらんになってひとつ対処してください。  もう一点質問がございます。それは、越前海岸一帯を襲った廃油ボールの問題でございます。これは昨年の十二月十五日です。これについての原因をどう把握しておるのかということで、これは海上保安庁でもよろしゅうございますし環境庁の方でもよろしゅうございます。  それから、環境庁の方としては、こうしたような問題についてひとつよくよく吟味をされまして、特に今日あそこのところに備蓄基地を設けるというので、埋め立ての許可に当たっての環境アセスがはかられると思っておりますから、環境庁においてはこれらの実態、そうしてあの辺一帯の漁業に及ぼす影響、海底から波からいま申し上げた漂砂からひとつ御検討していただきまして、これもまた軽はずみな返事なんかが出ないように、向こうの埋め立て工事に合わせて仕事が進むんじゃなくて、漁民の実態というものに合わせて事が進められるように、どんなに時間がかかっても十分な環境アセスに当たっての対処を私はお願いしたい、こう思うのでありますので、この点についての考えているところをいただきたいと思います。

杉本康人環境庁水質保全局企画課長

○杉本説明員 廃油ボールは船舶から排出された油に起因するものというふうに考えられるわけでございますが、これら船舶から排出されます油によります海洋汚染の防止を図るためには、油の排出規制が厳正に遵守されるように関係者、関係業者を指導監督するということが必要でございますし、また、監視取り締まり体制の一層の強化も必要でございます。  そういうことにもかかわらず、越前海岸には廃油ボールが海上に浮遊し、また、海岸に打ち上げられるという事態が起こったわけでございますけれども、こういうことにつきましては、漁協あるいは民間関係者等が除去作業を現在行っておりまして、聞くところによりますと、今月中には大体除去できるというふうに聞いております。  廃油ボールによります海洋汚染は環境保全上きわめて重要な問題であるというふうに考えておりまして、環境庁といたしましては、こうした事態が発生いたしました場合には直ちに情報を集めまして、先ほど申しましたような廃油ボールの発見そして処理、こういったシステムが適正に行われているかどうかをチェックしまして、不十分なところがありますと関係省庁に連絡をしてきちっとやっていただくというふうに努力をしているところでございますが、今後ともこうした問題につきましては、必要に応じまして関係省庁と緊密な連絡をとりつつ、海洋汚染の防止を図っていきたいというふうに考えております。

森下忠幸環境庁企画調整局環境影響審査課長

○森下説明員 お答えいたします。  あそこの埋め立てにつきまして、いま運輸省の方から御相談を受けておるところでございまして、環境庁は三つの観点からこれを審査しております。  一つは、埋立地ができますから、そこで海域がなくなってしまう。そこの海域がなくなるということでいろいろな生態系にどんな影響があるかとか、あるいは海の流れが変わります先ほどおっしゃいました漂砂の問題もありますから、そういうことにどんな影響が出るかということをいろいろ見させていただいておる。  それからもう一つ、そういった大きな工事をいたしますから、工事中にどんな影響が出てくるか。あれは何回かに分けて施工しておりますから、いままでの工事方法がよかったかどうかというようなこともあわせて検討しておる。  それから三番目に、そこの埋め立てました上に石油の備蓄基地ができるということでございますので、その基地の活動、油を揚げたりおろしたりする、そういった活動に伴ってどんな影響が出るかというようなことについて、いま詳細にやっております。  昨年の十一月に意見を求められておりまして、少し時間がかかっておるわけでございますけれども、なお慎重に検討してまいりたいと思います。

関晴正日本社会党

○関分科員 もう時間がないのですが、私、最後のところなんで、ひとつお許しいただきたいと思います。  この廃油ボールの大きさは、本当にドッジボールの球みたいな大きさなんです。普通はパチンコの球程度のものなんですが、あそこに来たものはドッジボールの球みたいなものが出てきている。これはどこから来たのだろうか。これはよほど長い期間を経て来たものなのか、それともあの地域から出てきたものなのか、犯人はわからないままになっているでありましょうが、廃油ボールの発生の経路、これについての研究も相当に進んでいるようだけれども、まだまだ不十分なような気がいたします。すべてバラストのせいだのなんて簡単に片づけてもならないだろうし、大方スラッジではないか、こういってスラッジだと決めつけてしまってもまたなかなか問題もあるようですが、これは十分研究が必要だということを一つ申し上げたいし、あの地域にドッジボールみたいな廃油ボールが上がったということについては、ひとつ重大な関心を環境アセスの方においては持っていただいて、この上そこに三百三十万キロリットルの備蓄ができたならばどうなるだろうかという不安にこたえられるような調査と対処の仕方というものを検討されて、ひとつ誤りのない報告を出すようにしていただきたいものだ、こう思います。  このことについても、実は環境庁としてどの程度調査に当たっているのか、実態調査のためにどのくらいの人が現地へ行っておられるのか、だれも行っていないというならば大変だと私は思うのでありまして、ぜひひとつ、そういう実態調査のためのことについてもなおかついまあるわけで、幸いにいまのところまだ解け出す春を待っていませんので、春になるならば解け出すだろう、そうなるとまた再汚染と申しましょうか、そのおそれが十分あるだけにひとつ気を配って当たっていただきたい、こういう希望を申し上げて終わりたいと思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤主査 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、来る三月二日月曜日午前九時三十分より開会し、経済企画庁及び通商産業省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十六分散会

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