予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 326 件
- 登壇者
- 46 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1981/02/27
会議録
○武藤主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりましたので、よろしくお願いを申し上げます。 本分科会は、昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中経済企画庁、農林水産省及び通商産業省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 昭和五十六年度一般会計予算、昭和五十六年度特別会計予算及び昭和五十六年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
○亀岡国務大臣 昭和五十六年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 各位の御協力を得て御審議いただくに当たりまして、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 言うまでもなく、農林水産業は、国民生活にとって量も基礎的な物資である食料を安定的に供給するという重要な使命を担っております。同時に、農林水産業は、多くの人々に就業の場を提供し、国土や自然環境を保全するなど多様な役割りを担っております。 翻って、今日のわが国農林水産業の現状を見ますと、農業は米の過剰を初めとする農産物需給の不均衡、経営規模拡大の停滞等の問題に直面しております。また、林業は木材需要の伸び悩み等による林業生産活動の停滞等の厳しい情勢にあり、水産業も燃油価格の上昇等による漁業経営の圧迫等の困難な局面を迎えております。 このような情勢に対処して、総合的な食料自給力の維持強化と農林水産業の健全な発展を図るためには、農林水産施策を一層強力に推進していくことが必要であります。 特に、昨年十月に農政審議会から内閣総理大臣に答申された「八〇年代の農政の基本方向」と「農産物の需要と生産の長期見通し」を尊重し、長期的な視点に立った政策の推進を図ることが重要であると考えます。 そこで、昭和五十六年度の主な農林水産施策について申し上げます。 第一に、農業につきましては、農業構造の改善を図るため新たに農用地利用増進特別対策事業を実施する等農用地利用増進法を中軸に据えた構造政策を推進するほか、依然として過剰基調にある米需給の実勢に対処して農業生産体制の再編成を促進するため水田利用再編第二期対策を発足させるとともに、高度な畑作経営転換農家を育成しつつ、転作の一層の推進と定着化を図ることとしております。 また、地域ぐるみで農業生産の再編成が図られるよう、制度資金の総合的融資方式として地域農業再編整備資金制度を創設するとともに、新農業構造改善事業、地域農業生産総合振興対策等の推進に努めることとしております。 さらに、需要の動向に即応した農業生産の振興を図るため、水田利用再編第二期対策の実施と相まって、小麦、大豆、飼料作物等の生産拡大、排水対策及び畑作の振興に重点を置いた農業生産基盤整備の推進、農業技術の開発、普及の充実を図るとともに、野菜、果実、畜産物等につきましても、それぞれの需給事情に応じた対策を講ずることとしております。 また、米の消費拡大対策を推進するとともに、食品産業対策の強化、食料品の流通対策の充実を図ることとしております。 このほか、農林漁業を基盤とする住みよい農山漁村を建設するため、総合的な環境の整備と地域社会づくりについての住民の合意形成を促進するとともに、農業者年金制度の充実等農林漁業者の福祉の向上に努めることとしております。 第二に、林業につきましては、国内林業の振興と森林の公益的機能の発揮とを調和させつつ、森林、林業施策を推進することとし、林業生産基盤の整備、林業構造改善対策、マツクイムシ被害対策等を計画的に進めるとともに、新たに緊急に間伐を必要とする森林の集団的、計画的な間伐の促進と流通加工体制の整備等を行う間伐促進総合対策を実施するほか、木材工業の原料供給の安定化、林業の担い手対策の拡充強化を図ることとしております。 第三に、水産業につきましては、二百海里時代の到来に対処してわが国周辺水域の漁業の振興を図るため、沿岸漁場の整備開発、栽培漁業の振興等の施策を推進するとともに、燃油価格の上昇等最近における漁業経営をめぐる厳しい状況にかんがみ、漁業用燃油対策特別資金等の融資の拡充、業界による自主的な生産構造再編推進のための助成等経営安定対策の充実を図ることとしております。 以上、申し上げました農林水産施策の推進を図るため、昭和五十六年度農林水産関係予算の充実に努めた次第であります。 昭和五十六年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管の関係予算を含めて三兆六千九百二十五億円で対前年比三%、一千八十五億円の増加となっております。 以下、この農林水産関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○武藤主査 この際、お諮りをいたします。 ただいま亀岡農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略をいたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔亀岡国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明いたします、(地域の実態に即した構造政策の推進と農業生産体制の再編成) 第一に、地域の実態に即した構造政策の推進と農業生産体制の再編成に関する予算について申し上げます。 農業構造の改善と需要の動向に即応した農業生産体制を確立するためには、地域の実態に即しつつ、農用地利用増進対策、水田利用再編対策等の積極的な推進を図る必要があります。 このため、農用地利用増進法を構造政策の中軸に据えて地域農業の組織化と生産性の向上が図られるよう、農用地利用増進事業に積極的に取り組もうとする地区において、土地基盤、農業近代化施設、集落環境の整備等を総合的に行う農用地利用増進特別対策事業を新たに実施することとし、八十一億円を計上しております。 また、地域に立脚した農政を推進し、構造対策、生産対策、農村整備対策、農村の就業改善対策等を総合的に実施するため、農村地域農政総合推進事業を推進することとしております。 次に、水田利用再編対策につきましては、五十六年度から五十八年度までの三年間にわたる第二期対策を実施することとしておりますが、転作の一層の推進と定着化を図るため、転作等目標面積の拡大、団地化加算及び地域振興作物加算の新設等を行うこととし、奨励補助金等として三千四百二十九億円を計上しております。 また、これに関連して、新たに、転作田の連担団地化、高度な畑作経営転換農家の育成を図る事業を実施するなど、転作条件の整備の一層の推進を図ることとしております。 さらに、水田利用再編第二期対策、農用地利用増進法の実施等を踏まえつつ、地域ぐるみで農業生産の再編成が図られるよう、制度資金の総合的な融資方式として地域農業再編整備資金制度を創設することとし、三百五十億円の貸付枠を確保しております。 このほか、新農業構造改善事業、地域農業生産総合振興対策等につきましても、引き続きその計画的な推進を図ることとしております。(需要の動向に応じた農業生産対策等) 第二に、農業生産対策等につきましては、需要の動向に応じて実施することが肝要であり、このため、小麦、大豆、飼料作物等の生産拡大を進めるとともに、野菜、果実、畜産物等につきましては、それぞれの需給事情等に応じて、きめ細かな生産対策、価格対策等を講ずることとしております。 五十六年度予算に関しては、特に麦、野菜及び肉用牛について御説明いたします。 まず、麦につきましては、品質の向上と物流の合理化を図るため、生産の団地化を促進するとともに、新たに中小規模産地のばら流通施設の整備を行うこととしております。 また、野菜につきましては、集団的な野菜産地の整備育成を推進するとともに、野菜の作柄の安定を図るため、新たに、作柄の変動要因を診断、解明し、産地の実情に応じて、土層改良、地方増強施設の整備等を総合的に実施することとしております。 さらに、肉用牛につきましては、生産の一層の振興を図るため、新たに、肉用牛生産の中核となる地域における繁殖経営の規模拡大、稲作転換地域における肉用牛経営群の創設等を行う肉用牛生産振興特別対策を実施することとしております。 なお、これらの生産対策と併せて、大豆、飼料穀物の備蓄の充実を図ることとしております。(農業生産基盤の整備) 第三に、農業生産基盤整備の推進であります。 国の公共事業関係費につきましては、厳しい財政事情にかんがみ、引き続き抑制を図ることとし、その総額において前年度と同額にとどめることといたしたところでありますが、農業生産力向上のための基礎的条件である農業生産基盤の整備につきましては、需要の動向に即した農業生産の再編成等現下の農業を取り巻く諸情勢に対応して、排水対策、畑地帯の整備、農村環境の整備等に重点を置いてこれを積極的に推進することとし、前年度を若干上回る八千九百九十七億円を計上しております。(住みよい農山漁村の建設と福祉の向上) 第四に、農林漁業を基盤とする住みよい農山漁村を建設するため、生産環境、生活環境等の総合的な整備を推進するとともに、地域住民の福祉の向上に努めることとしております。 このため、農村総合整備事業、農村地域定住促進対策事業、第三期山村振興農林漁業対策事業等の積極的な推進を図るとともに、新たに、自主的な共同活動計画の策定等を通じ、地域社会づくりについての住民の合意形成を促進することとしております。 次に、農業者年金につきましては、財政再計算を実施して給付水準及び保険料の見直しを行うとともに、保険料割引措置の適用を受ける後継者の範囲を拡大する等の制度改正を行うこととしております。 また、沿岸漁業者の福祉の増進と漁業の担い手の確保に資するため、新たに漁業者団体が実施する自主的な漁業者老齢福祉共済の推進を図ることとしております。(流通加工対策等) 第五に、食料品に対する需要の多様化に対応して農産物等を適正な価格で安定的に供給するため、生産対策等とあわせて、流通加工の合理化、消費者対策の充実に努めることとしております。 このため、食品産業の一層の近代化を進めることとし、中長期の展望に立った食品産業政策のビジョンの検討確立、大学、国公立研究機関との連携による民間企業の食品工業技術開発の推進、国産原料調達の安定化、地域食品工業の振興、外食産業対策の強化等の施策を総合的に推進することとしております。 また、生鮮食料品流通の要となる卸売市場の計画的な整備を推進するため、百七十一億円を計上しているほか、生鮮食料品等の域内流通、消費の促進に必要な施設の整備等を進めることとしております。 次に、総合的な食料自給力の維持に資するためにも、わが国の風土、資源に適合した日本型食生活の定着を図ることが必要であります。 このため、米につきまして、地域に密着した米の消費拡大を推進するとともに、学校給食用米穀の値引き売却等による米飯学校給食の計画的拡充、米食の啓蒙普及活動の展開等を進めることとしております。(農業技術の開発) 第六に、農業技術の開発につきましては、未利用資源を食料、エネルギー等として利用するためのバイオマス利用技術の研究に着手するとともに、野草の牧草化、超多収作物の開発等試験研究の充実強化を図ることとしております。 また、筑波農林研究団地への専門別試験研究機関の移転を機会に、各機関で開発された高度な技術を素材とした新しい農業技術体系を確立するため、農事試験場を廃止して、新たに農業研究センターを設置することとしております。(金融の拡充) 第七に、金融につきましては、農林漁業金融公庫資金及び農業近代化資金の所要の貸付枠を確保するほか、先ほど申し上げましたように、地域ぐるみで農業生産の再編成が図られるよう、これらの資金の総合的な融資方式として地域農業再編整備資金制度を創設することとしております。 また、農業改良資金等につきましても一その充実を図ることとしております。(森林、林業施策の充実) 第八に、森林、林業施策に関する予算について申し上げます。 森林、林業施策につきましては、国内林業生産の振興と森林の公益的機能とを調和させつつ推進していくこととしております。 まず、林道、造林及び治山事業につきましては、二千八百七十八億円を計上し、計画的にその推進を図るとともに、新林業構造改善事業、マツクイムシ被害対策等を拡充することとしております。 次に、森林資源の整備充実を図る上で間伐の総合的、計画的な促進が緊要であることから、新たに、集団的な間伐の促進、流通加工体制の整備等を総合的に実施する間伐促進総合対策を発足させることとし、五十七億円を計上しております。 また、わが国木材工業の原料供給の安定化に資するため、南洋材等の代替原料の開発利用の促進を図るほか、国産材の供給体制を整備するために必要な国産材産業振興資金の貸付枠の拡大等林業金融の充実に努めることとしております。 さらに、基幹林業作業士の育成等の担い手対策、森林組合の育成対策につきましても、その拡充強化を図ることとしております。(水産業の振興) 第九に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 まず、本格的な二百海里時代の到来に対処して、わが国周辺水域内の水産資源の維持培養と高度利用を図り、つくる漁業を積極的に推進する必要があります。 このため、沿岸漁場の整備開発を促進するとともに、新たに、地域の実態に即した栽培漁業の推進を図るための拠点づくりを行う事業を実施する等栽培漁業施策を充実することとしております。 また、サケ・マスふ化放流事業、新沿岸漁業構造改善事業、内水面漁業の振興対策等を推進することとしております。 次に、燃油価格の上昇等によりきわめて困難な状況にある漁業経営の安定を図るため、漁業用燃油対策特別資金及び漁業経営維持安定資金の貸付枠の拡大を図るほか、五十六年度の償還に係る漁業経営維持安定資金等について中間据え置き期間の設定、償還期限の延長の措置を講ずるとともに、業界による自主的な生産構造再編成推進のための助成を行うこととしております。 また、漁港施設につきましては、一千六百五十二億円を計上し、その整備を促進するとともに、新たな海岸事業五カ年計画に基づき、漁港区域内の海岸の整備事業を推進することとしております。 さらに、海洋水産資源や海外漁場の開発、確保、水産物の流通加工対策の充実等に努めるほか、漁船船主責任保険の本格実施を図ることとしております。(特別会計予算) 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、先ほど申し上げましたように、米の消費拡大を一層積極的に推進するほか、本年四月から米麦の政府売り渡し価格の改定措置を講ずる等食糧管理制度の運営の改善に努めこととし、一般会計から調整勘定への繰入額を五千六百七十億円に減額したところであります。 また、五十四年度から計画的に実施している過剰米の処分に要する経費として一般会計から国内米管理勘定へ八百四十七億円を繰り入れることとしております。 国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとし、事業運営の改善合理化等の自主的努力とあわせて、国有林野における造林、林道事業に対する一般会計からの繰り入れ及び財政投融資資金の導入の拡大を図ることとしております。 また、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。(財政投融資計画) 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等総額八千四百八十三億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和五十六年度農林水産関係予算の概要の説明を終わります。 —————————————
○武藤主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○武藤主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いを申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願い申し上げます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君、
○安井分科員 トップバッターで、わずかな時間ですけれどもお尋ねをしていきたいと思います。 農林水産の基本政策に関する問題点、とりわけ政府のいわゆる減反政策について、私どもは非常に大きな問題点を意識しています。しかし、きょうは時間がありませんので、水田利用再編対策といううたい文句にはなっていますけれども、現実にはたんぼを減らしさえすればいいという減反政策になっているという、そういう問題点の指摘だけ一つしておきたいと思います。 分科会の短い時間ですから、ごくコンパクトにいわゆる減反奨励金の問題にしぼってきょうはお尋ねをしたいと思います。 いわゆる二期減反の割り当てはいま全国で進捗しているわけですが、転作奨励金は、五十五年度の当初予算では五十三万五千ヘクタールに対して、たしか三千億円くらいだったと思います。ところが、転作面積が五万ヘクタールも実際ふえたために、補正予算が組まれて約三千六百億円ぐらいの計上になっていたと思います。ところが五十六年度は、転作面積が五十五年の実績の上に四万六千ヘクタールもふえているわけですけれども、奨励金の予算は三千四百億円ぐらいしかのっていないように思います。どうもこれは数字が合わないような気がするわけでありますが、これで間に合うのですか、それとも何か考えるところがあってですか、伺います。
○二瓶政府委員 転作奨励補助金の水準でございますが、これは米と麦、大豆などの主要転作物との相対収益性、具体的に言えば所得でございますが、この格差、ギャップというものを埋めるというようなことなどを基本として定めることにいたしておるわけでございます。そういうような考え方に立ちまして、五十六年度から始まります第二期対策、これの奨励補助金の水準なり体系をどうしたらいいかということになったわけでございますが、その際には近年におきます相対収益性の動向、それから転作の定着化の一層の促進というようなことを考慮いたしまして見直しを行ったわけでございます。 そこで、新たに団地化加算制度というようなものを設けることにしたわけでございますが、その一方で米と転作作物との相対収益性の格差、これが大分改善されてきておる、その差が縮まってきておるというような傾向を反映させまして、基本額、これは一律に五千円引き下げました。それから計画加算額につきましても、所要の引き下げを行ったというような次第でございます。したがいまして、ただいま先生からお話ございましたように、五十六年度の奨励補助金の予算額が——五十五年度の奨励補助金の所要額、これは昨年予備費支出等もやりまして約三千六百億円になったわけでございますけれども、これと今度の予算三千四百億程度、弱でございますが、それと比べますと、確かにおっしゃるとおり減少いたしております。その原因としては、主としてただいま申し上げましたような基本額と計画加算額の単価の見直し等を含めた体系整備といいますか、そういうことを行った結果というふうに考えておるわけでございます。
○安井分科員 とにかく、減反面積がふえたのに奨励金ががったり減るわけですから、非常におかしいわけですね。 ところで、いまの御説明にもありますように、新しい転作奨励金は団地加算という要素が加わったということで、大きな変化を来しているわけです。五十五年の転作における団地化の状況はどうなっているのか、また五十六年度の転作では団地化についてどういう見通しをお持ちですか、それを伺います。
○二瓶政府委員 五十五年度のこの団地化の模様はどうなっておるかということでございますが、これはまだ最終的に転作のも締めておりません。五十四年度のは調査をいたしておりますので、この調査の結果を申し上げますが、五十四年度におきましてはいわゆる計画加算というのをやっておりましたときに、計画加算金の対象になっておりますものが約八割でございます。七九・三ということで大体八〇%。その中で一応まとまりがある団地といいますか、そういうことで一応見た団地化率というのが六六・五%ということでございます。ただ、この団地化といった際に連担の程度といいますか、その質的なものに着目いたしますと、その中でもほぼ完全に連担しておる団地というのが三七%程度というような状況でございます。 今回第二期におきまして、団地化加算というものを創設をすることにしたわけですが、その際の団地化といいますものはむしろ連担団地化ということで、完全連担というようなものを頭に置いたものを一応考えたわけでございます。したがいまして、同じ団地化といいましても、その質的な面につきましては非常に厳しいといいますか、ものを考えて団地化加算を考えた。したがいまして、パラレルに、五十四年度で申し上げましたものとストレートにイコールという概念ではございません。 そういうことでございますので、これは今後、五十六年度は現在市町村別配分をほぼ終わって、あと農家別配分をやっているところでございますから、この団地化というものが加算の対象になるものがどの程度出てくるか、これは農家の意欲等も関連すると思いますが、その辺はいまのところ確たることは申し上げかねるわけでございます。
○安井分科員 連担団地で栽培される転作物、これは原則として二作物以内、ただし二ヘクタール以上の場合には三作物というふうにされているわけです。しかし、畑作に転作すると、輪作の体系には必ず緑肥、牧草を入れなければいけないということになると、二作物のうちそれを入れれば、あと一つしか残らない。もっとも知事が農政局長等と協議をして、作物を必要な場合は増加をできるというやり方も書かれているようであります。ですから、もっと弾力性を持った運用を当然やるべきだと思いますが、どうですか。
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話がございますように、団地化加算の要件として作物統一要件といいますか、作物要件を付加いたしております。その要件は、ただいま先生からお話がございましたように、一つの団地に栽培される転作作物、これは原則として二作物、二ヘクタール以上の団地の場合は三作物ということにしたい、こう思っております。 大体これでやっていただけると思っておりますが、ただいま先生からも御指摘がございましたように、いろいろな地域の問題なりあるいはそこでの作物の輪作の関係等からして、この二作物ということでやることがかえって輪作体系の面から見てどうしても不合理だというような場合は、これは個別に知事さんの方と地方農政局長、北海道の場合は農蚕園芸局直接になりますが、協議ということで事情を聞かしていただきまして、これはやはり輪作体系の維持からすればかえっておかしいというようなことが明確でございますれば、それは二作物を超えても差し支えないというような運用をいたしたいと考えております。
○安井分科員 転作奨励補助金等の算定に用いられる基準収穫量の問題ですが、統一基準収穫量として市町村単位に一本化されるという方針だというふうに聞いています。その理由は、事務の簡素化、転作田の平準化だということだそうでありますけれども、これは従来あったただし書きの方が今度は本則になるというようなことになっているのではないかと思います。 しかし、私どものところへ地方から実情の開陳がいろいろあるわけであります。たとえば北海道の空知支庁管内のある町では、基準単収が最高の水田で五百六十二キロ、最低のたんぼで四百二十二キロ、その差が百四十キロもあるんだそうです。百六十キロも差のあるところもあります。ですから、そういう大きな差があるのを一本にしてしまえば、上がる人は喜ぶかもしれませんけれども、下がる人が当然出てくるわけで、北海道は四九・九%も転作なものですから、大変な広い面積を減反に協力している人もいるわけです。だから一人で三十万円も四十万円も減収になる人も出てくると聞きます。ですから、これにもただし書きを置いて、市町村長の判断で従来のような方式がとれるという可能性を残しておいてはどうかと思うわけであります。 事務の簡素化といったって、その市町村の転作田の基準収穫量をはじき出すことがこれまた大仕事になって大変な事務量です。簡素化にも余りならないのじゃないかと思います。ですから、市町村単位でという大きなやつよりももう少し、少なくとも集落単位ぐらいの収穫量の設定というようなことをただし書きにつけた方が私は実情に沿うことになるのではないかと思うのですが、この辺は二瓶局長どうですか。
○二瓶政府委員 奨励補助金の基本額の算定に用いられます基準収穫量、これは現在も事務の簡素化ということからいたしまして地域基準収穫量というような方式でやっております。それにつきましては、現在はただし書きがついておるわけでございます。市町村一本でできない場合に、農業者ごとにもやれるというただし書きでございます。今回は二期対策に入りました際に、一体これをどうするかというときに各県の意見等も聞いたわけですが、北海道を初めといたしまして各県ともやはり事務の簡素化をしてくれということで、もうただし書きなど取ってもらった方がいいというぐらいの線が非常に強かったわけでございます。そういうことで、従来も設定単位の統一化というのをやっていますが、それをもっと徹底しようかなということで検討をしていったわけでございます。 ところが、最近になりまして、特に北海道等から、ただいま先生からもお話ございましたように、非常にたんぼごとの単収が高いところと低いところとがあるので、それを統一されると非常に基本額の実入りの方に影響があるということで、何か再検討といいますか、考えてもらえぬかというような強い御要請が来ておるのは事実でございます。したがいまして、このただし書きを完全に落とし切るかどうか、この面につきましては、さらに十分実情等も伺いまして検討して、その上で結論を出したいというふうに考えております。
○安井分科員 県の方あるいは道の方では、十分に農村の実情あるいはそれらの具体的な意見を聞かないで、いままでお話し合いをしていた向きもあるのじゃないかと思うのですけれども、現実にぶつかってみますと一本化するということでいろいろ問題が出てきて、たとえば減反割り当てを地域の中でする場合に、いまよりも基準が、平均値が上がるところと下がるところができれば、いままでよりも手取りが減る方の人は、おまえの方は今度上がるんだから、この減反をおまえのところみんなしょってくれというようなことで、割り当てそのものにずいぶんトラブルが起きているという話も聞きます、ですから、少しいろいろ実情をお調べいただいた上での対応をお願いしておきたいと思います。 そのほか、農林水産省が示している団地化加算の支給要件が大変むずかしく、基本額と計画加算からそれぞれ五千円ずつ差っ引いてそれを団地化加算という形で乗せて、十アール当たりの金額は表は同額になっているわけですけれども、実際は一万円の団地化加算はもらえない。これは府県でも北海道のような広いところでも同じような言い方がなされていて、何か団地化加算というのはなるべく出さないようにつくったので、奨励補助金を減らすための見せかけの金ではないか、そういうふうな悪口も出ているような状況でございます。したがって、それらのいろいろな問題点をもう少しお考えをいただければいいと私は思うのです。 たとえば、都道府県道を間にしての連担は認めないというけれども、県道とか道道とかいいましても、最近は新しい農道がたくさんできていまして、それよりももっと幅員も狭く人通りもなくて、実際は農道並みに使われている道路もあるわけです。あるいは一級河川というけれども、その支流も入るわけですから、幅二メートルの川までが一級河川という名前がついているところもあるわけです。だから、道路とか河川の法令上の格づけを機械的に取り入れて連担か否かの線引をするということは実情に合わないのではないか、そういう陳情もかなり私どものところに来ています。 あるいはまた、連担田と連担田の一辺が完全に接触するということを要件としているようでありますけれども、そのたんぼとたんぼの間に農道あるいはまたそれに類する通路が走っている場合には、それによって転作田と転作田が接続できるわけです。作業の連続性というのが可能になるということに力点があるのだとすれば、そのような実質的なものは団地化ということで見てもよいのではないですか、こういう話も来ています。あるいはまた山間地の特例もあるわけですけれども、しかしその山間地というのは山村振興法による振興山村であって、そり振興山村の中でもさらにごく限定した地域だけが対象だというような指導をされているようであります。これも機械的で、こういうふうな認定はひとつ知事に任せてはどうなのか。 こういうふうな三つか四つの例を私は挙げましたけれども、こういうようなさまざまな問題点が地方から私どものところに出てきているわけです。したがって、これからも各都道府県の当局と話し合いが行われることになるのではないかと思うわけでありますけれども、もう少しこの団地化なるものの運用を弾力的にするように再検討してはどうかと思うのですが、どうですか。
○二瓶政府委員 団地化加算の要件につきましては、これは生産性の高い転作を育成するという観点から、いわゆる地続きの団地ということを頭に置いて加算制度を仕組んでみているわけでございます。したがいまして、そういう意味では従来の計画加算の団地というのとは大分違った、よりレベルの高いそういうものを要請しておるわけでございます。 基本的な物の考え方、たとえばいま先生が三点ほど申されましたが、そういうようなことにつきましても、基本ラインは変えるつもりはないわけでございます。 ただ、ただいま御指摘のあった中でも、国道なり都道府県道あるいは一級河川なり二級河川で分断される場合は、これは地続きと見ないというようなことがございますが、これもいろいろ考え方としてレベルを下げる気はございません。ただ、実態を聞きますと、一級河川となった際に、河口の方から本当の源の方までみんな一級河川になっておる。下は川幅が広いが上の方は狭い。それは、下の方はこれは一級河川だからわかるのですが、上流に行くと小川であるという場合がある。それから都道府県道も、都道府県道といってもりっぱなものだけに限らぬで、どうもりっぱな市町村道があったり、広域農道みたいな農道でもいいというのですが、そういうのがあるというようなことがどうも伺いますと確かにあるようでございますので、この面はやはり河川の川幅だとか道路の幅員というようなことも考えて要件を決めるのがむしろ実態に合うかなというようなことで、この面は検討したいと思っております。 あと、山間地の問題なりあるいは一辺が完全にくっついておるといいますか、そういうような要件はそのままにやりたいなというふうな考え方で現在おるわけでございます。
○安井分科員 私は、一、二の例だけを申し上げたわけですけれども、これはどこの県でもかなり陳情が上がってきていると思います。私どももそれらをどうさばくかというので、いろいろ農林水産省の考え方も伺っているわけでありますけれども、いまの局長の御答弁では、そうさまざまな現地要求を満たし得るような答えにもなっていないようですね。その辺一層、県からの話がいよいよ進む段階に入ると思いますので、慎重に話し合いを進めておいていただきたいと思います。 それからもう一つ、転作物の地域振興作物の問題ですが、たとえば北海道の場合では小豆などが可能性のある作物だということですでに話し合いが進んでいると思うのですが、各県ともそれらがあるわけですね。それらについてはいつごろお決めになるのか。これは地方局と県との話し合いの段階にまだあるのじゃないかとも思いますけれども、早く決めないとこれも困ると思うのですが、いつごろ、決定時期の問題その他についてどうでしょう。
○二瓶政府委員 地域振興作物加算の対象となります作物、これは都道府県が国と協議をして決める、こういうような形にいたしております、 そこで、現在各都道府県におきまして、県内の市町村なりそういうところの希望なり意見なりを聞きながら、わが県は何を地域振興作物加算の対象の作物にするかというようなことをいろいろ話し合いをし、詰めておるところでございます。したがいまして、この作業をなるべく早く急がせて各県ごとにこの対象作物を固めたい、こう思っております。なるべく早くと思っておりますが、いずれにいたしましても正式には、この予算が成立をする、その直後にはもう指定が行われるというようなことに、遅くなってもそうしたいというふうに考えております。
○安井分科員 大臣に最後に伺いますけれども、いままでの話し合い、内容が細かいものですから、大臣の耳まで入っているかどうかわかりませんけれども、いずれにしても新しい第二期減反なるものの、その奨励金についての不満だとか疑問というのが、団地化加算の問題を中心にして山のようにいま来ている段階であります。したがって、十アール当たりの基本額、加算額全部合計してみれば、従来とは同額だということに表向きはしていながら、実際上は農民の手に入らないようなそういう仕組みを無理やりつくっているような、そういう印象を農民の側は受けとめているわけですよ。ですから、この運用は、いま局長はわりあいかたい話なんですけれども、大臣の政治的な判断もこういうときにこそ加えていただかなければならぬと思うわけでありますが、どうでしょう。
○亀岡国務大臣 局長の話、かたいというばかりじゃなくて、やはりいままでも何回も申し上げておりますとおり、これは自治体、農業団体、それから農家の皆さん、それから農林水産省と、それぞれの立場立場の理解をし合いながら協力を得た上でないと、この二期対策というものの成果は上がらない、こういう点。 それと同時に、やはり日本の農政、言いかえれば農家の生活というものを将来どういう方向に進めなければならぬかというようなことも、農家の皆さん方も十分了承していただいておるということでありますので、転作をずっと続けていくためには、いつまでも国の補助金をもらわなければいかないといったような立場じゃなくて、やはり国は国として、土地改良なり何なりでも努力をする、農家の皆さん方は農家の皆さん方として、やはり自立して自分の経営を確立するという努力をする。その間の格差が現実にある間は、補助金として国がその農家の不足取り分を埋めていくという処置、現在の補助金を出していくわけであります。 私も、農家の協力を、国の方針と農家の立場というものを十分調整をしつつ、その接点を求めながら行政を進めていくということが大変大事であろうと思いますので、その点は御指摘のように、十分行政庁としても考慮しながらやらねばならぬことと申しますか、もう本当にこうしなければいけませんぞという一点張りじゃなく今日までもやってきたつもりでありますし、これからもそのような気持ちで進めてまいりたい。
○安井分科員 非常に抽象的なお答えなんですけれども、大体、農民は何つくってもいいわけですよ、たんぼでも畑でも。それを規制する憲法の規定もないし法律もないわけですよ。それを、米が余っているんだからあなたは米以外のものをつくりなさい、こう言うわけです。それを、しかも、法律も何もなしに強制しているわけです。そういうことから言えば、農民の側も、もちろんいまの米づくりの状況の理解の上に立った対応というものも当然必要だと思いますよ。必要だと思いますけれども、しかし、国の方が強制して、おまえさんやめなさい、ほかのものをつくりなさいとこう言うのですから、その強制に見合うだけの措置というものはやはりなければおかしいと、私はそう思うわけです。 そういう意味で、具体的な問題点はさらに県と役所との詰めということがこれからまだ残っていると思いますので、それにひとつ期待をしておきたいと思います。そういう段階で、十分な地元からの要求にこたえ得るような対応をぜひしておいていただきたいと思うのでありますが、そのことに対するお答えをいただきたい。 それからもう一つは、五十五年度は水田利用再編推進特別交付金という市町村に対する支給がありました。ついこの間行われているわけですね。米価のときに決まったあの制度であります。これは水田利用再編のための推進特別交付金なのですが、五十六年度についてはどういうふうなお考えですか。ですから、その対応の問題とその奨励金の問題と、この二つを伺います。
○二瓶政府委員 まず第一点でございますけれども、団地化加算なり地域振興作物加算なり、これの物の考え方というものが一応基本にあるわけでございますが、この基本線というものは崩したくないと思っております。またそういう国の基本線というものを理解をして、県の方ではむしろ県単事業等で、国の基準から外れるものを県費計上などを現在やっているわけでございます。ただ問題は、私たちがこういうレベルのものと考えたものも実態を聞きますと、そのこと自体が霞が関におるためによくわかっていないということもございますので、レベルを下げるつもりはございませんが、そのレベルがあれすることがおかしいという実態がございますれば、その面は多少の補正はやるのは当然であろうかと思っております。したがいまして、そういう実態につきましては、今後とも県の方からよく聞かせていただこうと思っております。 それから第二点でございますが、特別交付金、これは百六十七億、米価決定の際に五十五年度限りの措置ということで支出が決定をしたわけでございます。したがいまして五十五年度限りでございますので、五十六年度におきましてどうなるかという問題につきましてはあり得ないと思いますが、むしろこれはまた米価決定の際の段階においてどうなるかということはあろうかとは思います。
○安井分科員 大臣のお答えを聞いているのです。局長のお答えはさっきから何回も長い間聞いたことだから。
○亀岡国務大臣 いま局長から申し上げたとおりでございますが、五十六年産米価につきましては、その時点においていろいろ情勢を考慮して決定さるべきもの、こう考えております。
○安井分科員 時間がありませんので、終わります。
○武藤主査 これにて安井吉典君の質疑は終了いたしました。 次に、井上普方君。
○井上(普)分科員 ちょうど座長の座席に前の農林大臣がお座りになっていますので、私、実は全農の土地の不正取得について二年前にお伺いして、去年もお伺いしている。まだ私のところに十分な報告が来ていない。全農が持っております子会社、あれは組合貿易といいましたか、これがどうもかずのこや水産物までも手を出して、あるいはオレンジの輸入もやっており、チェリーの輸入もやっておる。これは不届きじゃないか、こういう質問をしたことは座長もお知りだろうと思います。それの報告がまだない。一体、農林省は何をやっているんだ。大臣、こういうような二年前からの懸案がまだわれわれのところに回答が十分来ないということは、農林省は予算審議あるいは国会審議というものに対する認識が足らないのじゃないか、このように思います。大臣、いかがでございます。
○亀岡国務大臣 国権の最高機関の国会の、しかも、委員会中心主義のその委員会で各委員から要請されました問題について、その結果を出すために努力するのが政府の役割りであり、これは国民に対する義務でありますから、そういうふうな理解のもとに、私もいま初めてで、実は申し送りを受けておりませんでしたために大変恐縮いたしておりますが、その点については報告を申し上げるように私といたしましても努力をいたします。
○井上(普)分科員 とかくそのような態度をいままで農林省はとってきた。どこに原因があるのか。やはり全農、農協との結びつきが深く過ぎるのじゃないだろうかと私は感ずるのであります。大体、農協課なんていうのがありまして、これが監査するようでありますけれども、役人が農協に、全農に天下りしているのじゃないですか。あるいは農協の外郭団体にまで入っています。こういうようなことがあるから、私は、どうも農協と結びつきが濃過ぎるという感を深くしておるのであります。こういう点は十分に今後姿勢を正していただかなければならないと思います。いかがです。
○亀岡国務大臣 私も、その辺の事情にはずいぶん詳しいつもりでおりますが、農林省から天下りしたという人事は、農協に天下りした例はちょっとないのじゃないかな。もし間違いであれば、これは人事をやっております官房長の方から訂正させますけれども、大体、農協は、地方に参りましても、農家の立場それから組合の自主性、そういうことから、組合長を決める、役員を決めるという場合にも農家でなければなりませんし、学識経験者としてあるいははいれる余地はあるわけでありますけれども、そういう意味においても学識経験者として役員に入ること自体も非常にむずかしい雰囲気があるわけであります。ただ、農林中金等には、特殊法人でありますので役所から就任している者もおりますけれども、単協、県段階の農協それから全国段階の農協には、あったとしても非常に少ないのではないか、こう考えております。
○井上(普)分科員 いずれにいたしましても、農協と農林省との間が余りにも密接に結びつき過ぎている。私は、これは武藤主査は御存じだろうが、去年例を出して御質問した。土地の取得の問題であるとかあるいはまたその子会社、果たして全農は農民のために仕事をしているのだろうか、私は大きな疑問を持っている一人であります。 しかし、農協というのは、御承知のように農協法によって国から手厚い保護を受けておる。それをいいことにしてどうも経理が明確でないというような声が内部でも起こっておる、各地において起こっています。これは例を挙げれば切りがございません。小さい問題を私は申し上げる気持ちはございませんが、しかし、各地で不正事件が起こっておる。私の県内にも起こっております。これはやはり農民のために農協が働いてない証拠じゃないか、あるいはまた、組合長なんかはそれは農家でなければできませんが、その農協の理事の選出につきましても不明朗なところがたくさんある。 このことはまた改めて法務委員会で申し上げてもいいと私は思っておるのでありますが、まずそれはおきまして、今後農協の民主化と申しますか、本当に農家のための農協になってほしいという私の願いである、またこれが本当の姿であるということを今後の御指導の上にあらわしていただきたいことを申し上げておきたいと思います。
○亀岡国務大臣 その点は、御指摘のような点もあることを私自身も知っております。経験もいたしております。土地の問題あるいは果汁関係の柑橘類の貿易上の問題等そういう点は十分注意をし、本当に農民のための農協であるための指導というものは厳しくやっていかなければならない、こう考えております。なお、そういう面につきましては厳しく指摘をしていただくことが大変ありがたいことだ、こう思っております。
○井上(普)分科員 その具体的な例は、時間をとりますので、また場を改めまして御指摘申し上げたいと存じます。 さて、日本の農業は曲がり角に来たと言われてから久しいのでございますけれども、日本の農産物の自給率を高めるという意見が片一方にあります反面、財界からは国際協業で行くべきである、こういう意見も根強く残っておるようであります。昨年でしたか、国会におきましても国内食糧自給に関する決議というのがなされました、しかし、六十五年見通しですか、あれを見ますというと、やはり国際協業主義が非常に強く残っておる。一体どうなんだろうかと私らは思うのですが、大臣、これは国会の決議があるから国内自給率を高めるんだ、こう言わざるを得ないんだろうと思うのでございますが、腹を打ち割った話、日本農業というのはどういうような方向に持っていくか。比重の問題であるとは思いますけれども、あなた、どうお考えになりますか。
○亀岡国務大臣 御指摘のとおり、私も本気になって国会決議をやっていただく方に回って一生懸命やった一人でございますから、やはり独立国家として、日本でできるものはできるだけ日本で割り安にいいものをうんとつくりたいというのが偽らざる心情でございます。しかし、御承知のとおり、国土も狭小、農地も狭隘、こういうことで何もかにも全部つくるというわけにはまいりませんために、十年という限られたこの期間の中に数字はいかようにも並べることはできるかもしれませんけれども、しかし、それでは現実問題として真剣にどういう生産体制をとっていくかということになりますと、えさ関係は増産をしていくにしてもどうしても十年の短期間ではできない、これは相当長期の計画を立ててまいらなければならない、こんな考えでおるわけでありまして、農政審でもその点、いろいろ私の方からも意見等も申し上げさしていただきまして、そしてあのような閣議決定をさしていただいた、こういうことでございます。本心は、できるだけよけい日本国内でつくっていきたい、こういう気持ちでございます。
○井上(普)分科員 「農産物の需要と生産の長期見通し」というのを農政審は答申されていますが、むしろ穀物自給率なんかは低下したんですね。これは一体どういうわけなんです。それをまた農林省はお認めになっておるということになると、自給率の向上と背反するように思われてならないのですが、どうでございます。
○亀岡国務大臣 私から申し上げますと、国会で決議をした一員として今度は農林省へ参りまして、農政審がいま盛んに検討していただいておる、こういうことで、どんな数字が出そうなんだと言って事務当局から聞きましたところが、どうも十年後には、幾らがんばっても、幾ら努力をしてみても、えさ関係の穀物、トウモロコシとかあるいはマイロとかコウリャンとかそういうものの生産は、どんなに分析し検討してみましてもとても無理である、やはり輸入に頼らざるを得ない、こういう結論になったわけでございます。やはり肉類をもっともっと提供しなければいかぬという見通しを立てておりますために、飼料の輸入が増大をする。しかし一面、小麦等については輸入量は相当少なくする見通しにもなっておるわけでございまして、やはりえさの問題が穀物の自給率を低めておる、こういうことでございまして、食糧だけの穀物ということになりますと、この自給率は五十三年度と変わらないという見方を立てておるわけでございますので、その辺はむしろ日本農政の厳しさ、日本農政の困難さをこの数字は教えているものということで、その数字でとにかく関係者が奮起をしていかなければならないというふうに私も考えまして、そういう答申が出るのもやむを得ないかな、こういうふうに相なった次第でございます。
○井上(普)分科員 飼料の問題である、こう申されましたが、その他の食物については五十三年度と同程度、こう申されます。しかし、それじゃ、精いっぱいの努力をしてもこれはできないのだ、これ以上できないのだ、あるいは日本農政の厳しさあるいは困難さというのはひしひしと感ずるのだ、こうおっしゃいますが、日本農業の厳しさ、困難さの根本は一体何にあるのですか。
○亀岡国務大臣 私から言わしてもらいますと、米を食わなくなったということがやはり大きな変化であろう、私はこう思います。やはり六百五十万トンという米を過剰にしておるというこの現実を見逃すわけにはいかない。これがいろいろな面でいまの日本農政の一つのネックになっておるというふうに申し上げることができると思うわけでございます。
○井上(普)分科員 日本人が米を食わなくなったそのことだ、こうおっしゃいます。私もそこには一つ大きな原因があると思うのです、もう一つありはせぬか。それは何を申しましても、農林省が、言葉というのは便利なもので、生産基盤の拡大、こういうようなことを言われますが、土地の狭小さにあるんだ、生産基盤の狭小さにあるんじゃなかろうかと私は思う。 しかし、米を日本人が食わなくなった理由の一つには、学校給食が国民にパン食生活を慣らしていったところに一つの大きな原因があるので、学校給食に対しての対策をやらなければならないと私は思う。それには自治省あるいは文部省からの抵抗もありましょう。しかし、民族の将来を考えますと、やはり自給率を高めるということに中心を置くならば、これらの問題解決に農林省も真剣になって——私はまだ努力が足りないように思う。この点を御努力願いたい、米を食わなくなったんだから日本人にもう一度米を食うようにしていただくには具体的にどうすればいいか、あなたのプロジェクトチーム、検討チームをつくったようでありますけれども、新聞記事を見てみますと、およそ農林省は検討ばかりしておって政治ないじゃないか、まさにノー政だといってひやかされておるようでありますが、それはともかくといたしまして、これが具体的にどうやったらいいのか、これが一つ、 それからもう一つは、生産基盤がやはり低過ぎる、同時に、土地の価格が余りにも高過ぎる、私はここに原因があると思うのです。それは、いままでの農政の方向が兼業農家を育成する方向にもあったし、また、日本人自身に、土地というものは高騰していくのだ、一つの財産として持っていきたいというような考え方が根強く残っておる、ここにも原因はあろうかと思います。 これはいま頭の中でひょっと思いついたので申し上げますが、私らのくにでございますと、どんな農地でありましても売買価格が反当たり三百万円ぐらいはしています。三百万円しますというと、金利で計算しましても、銀行預金にいたしましても大体二十四、五万の純益がなかったら引き合わない。そうしますと、それだけの純益が、反当で二十四、五万円上がる農産物というものはあるだろうか。これは経済至上主義から考えますとできないのじゃないか。 そこで、いかにして農地の価格を低くするか、あるいはまた農地の流通をいかにしてよくするかということを真剣に考えなければ、日本農政は立ち行かないのじゃないか、こう思うのですが、大臣、どうでございますか。
○亀岡国務大臣 井上議員の御主張はもっともなことと思います。確かに日本は、先進国並みになり、所得も多くなり、したがって、生活水準も上がり、土地の需要も非常に旺盛になってくるというようなことで、土地の価格は上がってきておるわけであります。しかし、優良農地を確保するという立場から、農振法並びに農地法等によって農地の売買等については実は厳しい規制を加えておるわけでございます。しかし、潜在価格がいま言われたような非常に高い価格になっておるということも、これは否定するわけにはまいりません。そういうところで農業をやって自給をしていかなければならないという点も、やはりこれは日本農業の持っている一つの宿命でありますし、それも克服をしていかなければならない、こう思うわけでございます。 それがためには、まず、一番よくできて一番生産性の高い米を十分に食ってもらうということが何といっても大事なことになるわけでありますが、確かに、昭和二十年代あるいは三十年代においては、学校給食に対する政府自体の努力が不足しておったと、率直に私は言わざるを得ないと思います。 実は私も、官房副長官のころ、学校給食会というものは粉ばっかり食わせる、アメリカの農業政策の手先になっているのじゃないかとさえ当時申し上げたくらいなわけでありまして、学校給食会も、そういう機関は政府機関としては必要ない、法人としては必要ないということで閣議決定までしたわけでありましたが、それでもぐるっとまた生き返ってくるという強いものを持っておるわけであります。その職員が、とにかく三十年かかって、米を食えばばかになる、米を食えば脳溢血になる、米を食えばどうとかこうとかということで、米が一番悪い食物のような宣伝をしてしまった。それに乗っかって、パンにバターをつけて食えば何か文化人にでもなったような気になったのかどうか知りませんけれども、とにかくパン食にぐんぐんと引き込まれていったことは事実でございます。 ですから、三十年かかってこれを米に返さなければならない。すぐに返すのは容易じゃない。しかし、努力を続けていこうということでやった結果、やっと一週間に二回、学校給食に米を使うというところまで来ましたので、農林省としても、まず教科書を直してほしい。小学校、中学校の教科書に農業、水産業のことが書いてありますので、そこで、一番よくできる一番いい食品なんだから、まず米を食べて、足りない分はそういうことをするのが本当じゃないかといったような教育をして、学校給食会の米をこなす日にちをよけいにする、そういう努力をいましておる最中でございます。
○井上(普)分科員 学校給食会がそんなに政治力が強いとは私は知らなかった。少なくともそういう政治力が及んでおるのは、政権を持っている自民党に政治力があるからでしょう。これはよほどお考え願いたいと思うのです。これは国務大臣としてお願いいたしたいし、自民党の領袖の一人としてひとつお願いしたい。 学校給食で週二回行われておりますけれども、私は、まだまだ努力が足らぬように思います。果たして給食それ自身がいまの時代に合っているのかどうか、私も一つは疑問を持っておりますが、それは別の機会に申し上げます。いずれにいたしましても、日本型食料の何とかというプロジェクトチームをつくられたようでございますけれども、この点につきましては、農林省が指導する、役人が指導するというのはおもしろくないのですが、ひとつせいぜい御努力を願いたい。 問題は、私は基本的には土地価格だろうと思います。持っておればどんどんと値上がりする。だからインフレヘッジには最もいい、こういう気持ちが農民の間にはある。あるいは農民の間には土地に対する執着もありましょうが、これはやはり農地価格というものを低く抑えるような政策が必要じゃないか。農振地域におきましても、農業委員会が中間に入って土地の流通を促進するようなことをやっていますが、実際は皆さん方の手元に報告しているよりもはるかに高い値段でやられているのですよ。それでなければ税金がかかるとかなんとか言いまして、かなり高い取引をやっている、あなたも農村地帯でございましょうから、土地価格というものは御存じだろうと思うのです。これにはやはり土地政策も大きく影響してくるでしょう。建設大臣を経験せられておる農林大臣でございますので、都市政策等々が大きな影響を及ぼしてくるのだと私は思いますけれども、土地の価格を安定させ、かつまた引き下げる努力をしない限り、日本農業というのは立ち行かぬのじゃないか、このような気がしてならないのです。これに対する農林省の取り組みはいかにやられておるのか、この点ひとつお伺いしたいのです。
○亀岡国務大臣 御指摘の点はよく理解できるわけであります。農林省といたしましてもやはり土地政策というものは大変大事である、それは価格面がその中心であるぞという御意見でございますが、私どもも実はその点を十分考慮いたしておるわけでございます。昨年、国会で農用地利用増進法という待望の、いわゆる農地の流動化を促進するための措置を講じていただいたわけでございます。そういう面からも、日本農業の将来の発展のために、規模拡大の政策を強力に推進してまいりますための足がかりをつくっていただいたわけでございますので、まず、農地の貸し借りが円滑に容易にできるような指導を強力にしてまいりまして、いわゆる規模拡大を図って日本の農政の進展を期していきたい。法律制定後昨年十二月までの間、この法律に基づく農地の流動化が非常に成果が上がるという見通しを持てる実績を示しておりますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
○井上(普)分科員 流動化それ自身につきましては、私は異論もありますが、ここでは申し上げますまい。しかしながら、土地価格を安定あるいは押し下げる努力をしなければ、日本農業としては経営が成り立たないと私は考えます。この点についての農林省の取り組みは、価格面での抑制がなされてないのではないか。私は、ここに大きな問題があると思うのです、この点いかなる方法を考えていらっしゃいますか。
○亀岡国務大臣 その点につきましては、農地取得金融で非常に低利長期の資金の貸し付けを行っておるわけでございます。しかし、ただいまお話のありました一反歩三百万という農地を一町歩持とうとすれば三千万になりまして、農家が農地を取得しようと思っても非常な困難性が伴う。その辺に確かに日本の農政の進展を阻害している要素があろうかと思います。この点は今後十分検討をさせていただきたいと思います。
○井上(普)分科員 時間が参りましたのでこの程度にいたしますが、このプロジェクトチームは四つほどつくられたようでありますが、その点が欠けておるのではないかと私は思うし、農林省自身の政策にもその点があらわれていない、こういう点をひとつ御考慮願いまして、今後の御努力を私は期待するものでございます。 終わります。
○武藤主査 これにて井上普方君の質疑は終了いたしました。 次に、佐藤誼君。
○佐藤(誼)分科員 私は、土地改良事業について質問いたします。 まず、土地改良長期計画の進捗状況はどうか。金額ベースと面積ベースでどうなっているか、お答えいただきたい。
○杉山(克)政府委員 現行の土地改良長期計画におきますところの昭和四十八年度から五十六年度までの投資額、五十六年度は見込みを含むことになりますが、約十兆七千百三億円と考えております。土地改良長期計画の総額は十三兆円でございますから、その事業量に対する進捗率は八二・四%と見込まれるわけでございます。計画期間は五十七年まであるわけでございますので、ほぼ計画に近い実績を上げているということが言えるかと思います。 いま先生が御指摘になりました面積ベースでどうかということになりますと、とり方がいろいろむずかしいのでございますが、私ども概算を押さえましたところ、五十六年度末時点で約四割程度の達成率になると見込まれます。計画に比べて相当程度遅延している状況でございますので、今後とも所要の事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
○佐藤(誼)分科員 この長期計画を見ると四十八年度から五十七年度までですから、年度で言いますとあと一年度しかないわけですね、面積ベースでかなり落ちていますが、いろいろな理由があると思いますが、主要な理由は何ですか。
○杉山(克)政府委員 面積ベースでの進捗が遅延しております理由としては、計画が四十八年度に立てられているわけでございますが、この時点と今日では、たとえばオイルショック後における大幅な物価の高騰の影響が出ていることが一つ考えられるわけでございます、 それから、特に最近におきましては、そういう物価の上昇等々考えますと、公共事業予算の伸びが望ましいわけでございますが、財政事情等もありまして相当きつい抑制を受けているわけでございます。そういう面がありますのと、現実に行っておりますところの圃場整備なり畑地総合整備につきまして、計画時点で考えましたよりも排水対策について大幅に強化が図られている。それから道路の舗装などもかなり舗装率が高く実施されるようになってきている。それから水路の装工、舗装に相当するものでございますが、そういったものもかなり向上しているというようなことで、いわば実質的な整備水準の上昇もあるということが一つございます。それから農用地の造成につきましては、開発対象地がだんだん便利なところが少なくなって奥地化する、そういうことから単価が上昇するというようなこともあるわけでございます。そのほか用地調達がむずかしいとか自然保護の要請があるので、そういったことにも配慮して単価が上がってくるというようなこともあって、いま申しましたように面積ベースではかなりおくれが見られるような状況になっているわけでございます、
○佐藤(誼)分科員 いろいろ理由はあるけれども、端的に言えば物価の高騰、地代の高騰が主たるもの、一番大きな理由こう考えでいいですか。
○杉山(克)政府委員 物価の高騰は一番大きいかどうかわかりませんが、きわめて大きな要素であると考えております。そのほかに先ほど申し上げましたような新しい事態に即応しての整備水準の上昇というのもかなり大きな要素になっているのではないかと思いますが、計数的にどちらがどの程度ということは、そういう調査もございませんのでちょっと申し上げにくい状況でございます。
○佐藤(誼)分科員 時間も限られていますから、以下、私は計数的な点で若干項目を挙げて質問いたしますからよくお聞き取りいただいて、長い答弁は要りませんから質問に対して簡潔に結論をお願いしたいと思います。 その一つは、昭和五十年度以降、各年度ごとに県営灌排事業及び県営圃場整備事業における十アール当たりの事業費はどうなっているか、また両事業費の合計も含めて答えてほしいというのが一点。 二番日。昭和五十五年度の新規採択の県営灌排事業及び県営圃場整備事業について十アール当たり農家の負担額は幾らか、両事業費合計も含めて答えてほしい。また関連して、農家負担額を公庫から借りた場合の総償還額は幾らか。 その次、昭和五十年産米以降各年度ごとに水稲十アール当たりの所得は幾らか。 以上の点について簡潔に答えてください。
○杉山(克)政府委員 初めに五十年以降の県営灌排それから県営圃場整備の十アール当たりの事業費でございますが、これはそれぞれの年度におきます採択地区の平均の単価で申し上げることになりますが、五十年度は、県営灌排が十三万円、県営圃場整備が四十万四千円、合わせて五十三万四千円。五十一年度は十七万九千円と四十六万円、合わせて六十三万九千円。五十二年度は十四万三千円と四十九万八千円、合わせて六十四万一千円、五十三年度は十三万八千円と五十五万円、合わせて六十八万八千円、五十四年度は十九万九千円と六十三万五千円、合わせて八十三万四千円。五十五年度は十七万三千円と七十七万円、合わせて九十四万三千円。こういう金額になります。 それから、五十五年度の採択の場合の県営灌排と県営圃場整備の十アール当たりの農家負担額は幾らかということでございますが、まず県営灌排について申し上げますと、事業費は先ほど申し上げました金額十七万四千円ということになります。この農家負担は、国庫補助それから都道府県等の助成を差し引きますと、通例四万三千五百円程度ということになります。これの年償還額は、現在の公庫の融資条件は据え置き期間が十年で、その後十五年間で支払うということで考えておりますが四千六百三十円。一遍に払うとなかなか負担が苦しいということで、長期低利の融資を考えておるわけでございます。総額ということになりますとこの期間中の元利合計ということになりますが、期間が長いので九万七千六百七十円という額になります。 それから県営圃場整備の場合は、事業費が七十七万円、農家負担額が二十一万一千七百五十円、年償還額は二万二千五百二十円、それから総償還額は四十七万五千四百四十円ということになります。合計でございますが、年償還額ですと二万七千百五十円、それから総償還額ですと六十五万三千百十円ということに相なります。 それから所得の問題につきましては統計情報部長から答弁していただきます、
○関根説明員 五十年産米以降の水稲十アール当たりの所得を申し上げます、一 昭和五十年産九万一千五百三十四円、五十一年産八万二千五百八十九円、五十二年産九万一千二百六十六円、五十三年産九万二千四十九円、五十四年産八万一千九百二十四円でございます。
○佐藤(誼)分科員 私の方で入手した数字と若干違うようですが、念のためもう一度聞きますけれども、昭和五十五年度の新規採択の県営灌排、圃場整備事業、これの十アール当たり農家の負担額、両事業の合計、これは幾らですか。これと農家負担額を公庫から借りた場合の両方の合計した総償還額は幾らですか。もう一度念のため、その部分だけで結構ですから。
○杉山(克)政府委員 先ほど申し上げた数字にあるいは誤りがあったかもしれません。ちょっと合計のところをもう一遍申し上げます。 まず圃場整備のところから申し上げます。 農家負担のところは二十一万一千七百五十円、それから合計額が二十五万五千二百五十円。年償還額は……(佐藤(誼)分科員「年償還額は結構です」と呼ぶ)それから総償還額で言いますと、県営圃場関係だけですと四十七万五千四百四十円、それから総償還額は、県営灌排を足しますと五十七万三千百十円ということになります。
○佐藤(誼)分科員 そこで農林大臣にお尋ねしたいのですが、いまのお答えでも明らかなように、県営灌排事業、県営圃場整備事業、これは年々高騰を続けている。昭和五十年度十アール当たり五十三万四千円ですか、昭和五十五年度は九十四万四千円、四千円ですか、三千円ですか。
○杉山(克)政府委員 三千円でございます。
○佐藤(誼)分科員 五年間で七六・八%上がっています。年平均で言うと一五・三%の上昇。このままでは五十六年度は百八万近くになる計算です。当然農家の負担額が年々増大しているわけですが、これを昭和六十年に推計していきますと、十アール当たり百七十三万となるわけです。ですから、これは大変な上昇ですね。いま十アール当たりたんぼはどのくらいするか。先ほどの農林大臣の答弁ですと大体三百万くらいですか。その中で六十年に百七十三万という推計といいますと、事業として大変な負担になってくるわけです。当然これは何割かの地元負担、農家負担になっていくわけですから、こういう年々増大していくという事態に対して農林大臣はどう考えますか。
○亀岡国務大臣 政治の最重要課題として物価対策を取り上げて、物価の上昇を食いとめる最善の努力をするということを私どもやっておりますことは、あらゆる面において物価の上昇が諸経費の増高の基をなしておる、こういう立場から、まず物価対策を強力に進めて物価の上昇を防止してまいるという基本的理念の上に立って、やはり今後土地改良はやらなければならないと私は思っております。土地というものは農業生産を上げる一つの精密機械工場であるということでございます。まだ人間が食糧を合成するまでの科学技術の開発はできていないわけでありますから、それまでの間はやはり太陽エネルギーを土地によって、農地によって食糧に化してまいりますための精密工場である。したがって、高度な農業経営をやる上においても、あらゆる面における基礎条件を整備していくことは国家としてもなおざりにはできない重要な課題である、こう私は認識をいたしているわけでございます。したがいまして、土地改良長期計画というものは来年で一応計画を終わるわけでございますので、私も就任早々来るべき土地改良長期計画をどのようにしていくべきか、どのように取り組んでいくべきかという検討を直ちに事務当局に命じておるところでございまして、いま各方面からいろいろと取り組んでおるというところでございます。 と同時に、農業以外の産業は一面でどんどん発展をせしめていかなければならぬわけでありますから、これらと並行して農業基本法の精神で農家が所得をふやしてまいりますためには、やはり農家の規模拡大、経営の拡大等も図ってまいらなければなりません、そしてこれらの土地改良をやる負担にもこたえていけるような農家を造成していかなければなりませんし、同時に、高度所得国家になればなるほど農業に対する資金の融通と申しますか、融資制度の改善というものを図っていかなければならぬのではないか、私はこういうふうに考えておる次第でございます。
○佐藤(誼)分科員 農業基盤の整備、土地改良の必要性、これは私は大筋の点ではそう反対はないと思うのですよ。進め方の問題でいろいろ問題があると思うし、いま私が土地改良事業費について聞いたのは、負担する農家はいま悲鳴を上げているのですよ。先ほども言ったように、くどいようですが、五十五年度で九十四万三千円でしょう。来年になりますと推計百八万ですから、百万を超すわけですよ。しかも一つの区切りになっている六十年を見ますと百七十三万。しかもさっき物価の高騰を抑えると言ったけれども、それは意気込みとしてはいいですよね。集中審議でもやられているように、六・四%ですか、いまもう実績が八%近いでしょう。こういう状況です。恐らくいまのオイルショックの状況のずっと後を見ますと、物価を抑える努力はいいにしても、結果的にはかなり上がるだろう。そうなれば、当然この事業費はさらに上がっていく。そうすると、その土地改良の意義はわかるけれども、農家の負担が限界にくると私は思うのです。そうすると、この点について具体的にどういう手だてをするのか、この辺あたりが土地改良事業の今後の行方を占う重要なポイントだと私は思う。したがって、重ねてでありますが、その辺についてどうですか、何とかこの事業費を抑える方途について考えていることがあったら……。
○杉山(克)政府委員 先ほど先生の御指摘になりましたように、過去五十年から五十五年までの工事費の上昇というのはきわめて大きなものがございます。その理由については先ほど申し上げたわけでございますが、この間の上昇率が七六・八%。これはむしろ私ども過去の経験からしますと異常に高い期間であったと思っております。今後その上昇は多分あるだろうとは思いますが、これほど大きな形で上昇を続けていくというふうには見ておらないわけでございます。 それから、それにしても年々増高していくではないか、それに対してどう考えるかということでございますが、一つはやはりこれは農家自身の御判断で農家自身がそれで引き合うかどうかということで申請をするという性格の事業でございますので、本当に引き合わなければそこら辺が新しい問題として出てくるのではないかというふうに私は思っておるわけでございます。現在までのところ、やはり長期の観点から土地改良に伴う投資効果はきわめて大きいという御判断からか、一般的には負担の増高はありますもののかなり要望が高いという状況にあるわけでございます。 それから私どもは、個別の事業の将来負担を見ていきます場合、投資を償う効果があるかどうか、それからその農家の年所得額の中から償還ができるかどうかというようなことを審査の内容といたしております、 それからなお、御指摘のようにできるだけ負担軽減を図っていくということは当然でございますので、私ども今後できるだけ適正な整備水準、不必要とは言いませんけれども、過度に充実した整備水準まで望まないように、適正な水準を維持していく、それから工期の短縮、それから事業によっては、あるものは早くあるものは遅くということでは困りますので、そういう跛行をなくすようなことを考え、効果の早期発現を図りながら事業費の適正規模を図り、節減に努めるということに努力いたしたいと考えておるわけであります。
○佐藤(誼)分科員 回答には満足しませんが、問題がありますが、時間が何しろ迫るので先を急ぎます、 そこで問題は、それでは支払う方の農家の収入がどうなっていくかという問題ですよ。いまの工事費の上昇ですね。これは先ほども答弁をいただきましたけれども、たとえば十アール当たりの所得を見ると、先ほど報告のあったように昭和五十年から五十四年まで見ると、これは先ほど言われたとおり単収ほとんど横ばいか下がっていますね、 その次に、東北地方の稲作単一経営農家の農業粗収益を見ますと、同じく昭和五十年から五十三年、これをずっと見ますと、昭和五十年が二百三十九万です。それからずっと下がっていって五十三年には二百三十万になっているのです。そうでしょう。それから全国稲作単一経営の農業所得を見ると、これまた五十年には百六万なんですよ。ところが、ずっと下がっていって五十四年には八十一万に下がっている。このことから言えることは、まあ稲作単一経営地帯というのはおしなべて横ばい状態がよくて、下がっているということですよ。それではこれは将来ぐんと上がっていく可能性があるかというと、総トータルで言えば私はないと思うのです、いまの米価の推移の問題、いまの減反の状況を考えれば。そうすると、工事費はどんどん上がる、農家の支払うべき収入の方は下がる。これはいまの推移から言えば明らかですよ。これは恐らくまた五十八年ですか計画されると思うんだけれども、この辺今後の土地改良を見た場合に順調にこれが進めていけるかどうか。私はいま農家の皆さんが非常に大きな問題を提起しているのは、これは先のことを考えたらむべなるかなと思うのですよ。その辺はどうですか、農林大臣。
○杉山(克)政府委員 確かに農家収入の動向というものは十アール当たりそれほど大幅にふえるというふうには考えにくい状況にあると存じます。 ただ、全体の土地改良の効果というのは労働時間の短縮ということが非常に欠きゅうございまして、そういった面で農家収入にはあらわれない形での効果というものも一面出ておるということがあるわけでございます。 それから先生おっしゃられるように、確かに負担の問題はできるだけ合理的な水準で考えていかなければならないということで、現在でも長期低利の融資ということで、その年々の償還ができるようにそれなりの手当てはしているわけでございます。現在の十年据え置き、二十五年償還ということで、私はそういった点については、土地改良長期計画はもちろんでございますが、個別の事業計画につきまして将来の採算を十分考えて事業の採択に当たっていくべきだというふうに考えております。
○佐藤(誼)分科員 それじゃまた違う角度から質問しますが、今度は投資効果の問題です。このままでは事業費の高騰が今後も続くだろう。これは明らかだと思うのですよ。農家の立場から見た場合に、果たしてこれだけの投資効果があるだろうかということです。 具体的な農家の素朴な疑問として四点ばかり申し上げますけれども、その第一は、土地改良事業に伴う転換率の実施は協力要請なのか義務なのかという疑問です。これはいままでいろいろな予算委員会その他でも答弁しているのですが、この点がやはり一つあるのです。二番は、土地改良の結果米が増産された場合に、それを政府が買い上げてくれる保証があるのかどうか。三番は、転換率によって水田から畑作にかえても、現在の流通機構や価格の現状では収益が保証されるのかどうかですね、ある町を見ると、いまの畑、現在畑がありますね、転換率によって出てくる畑がそれに匹敵するというのです。それ以上あるというのです。いまでさえメロンやスイカが売れなくて困っているのにどうなる、簡単に言えばそういうことになる。その次に、先ほども答弁の中で言われましたが省力化、確かにこれは投資効果の大きな意味は省力化にあると思う。ところが、省力化された労働力を吸収する雇用の場が地域にあるかということです、どの地域でも悩んでおる問題ですね、そうなれば、余剰労働力が出れば、機械代も払わなければならぬとなれば、勢い出かせぎということになる、ただでさえ問題の多い出かせぎに全部なだれ込んでしまう、こういう問題を持っているわけです。したがって、その辺についてどのように考えるか。時間もありませんから、いまのことをお答えいただきながら、農林大臣にも答えてもらいますよ。 私がいま述べたように、土地改良事業は、事業費の高騰、農家負担の増大、投資効果など今後検討さるべき幾つかの問題があると私は思うのです、現在の土地改良計画も、先ほど答弁があったように来年度で終わります。今後新しい計画を策定する時期に入ってくると思いますが、以上のような時期に当たって、今後の土地改良事業の推進をどのように考えるのか、最後に農林大臣からまとめて答弁をいただきたい。
○亀岡国務大臣 土地改良についていろいろと御質疑いただいたわけでございます。とにかくいろいろな問題を包蔵しておることは十分私どもも承知をいたしておるわけであります。しかし、やはり土地改良をしなければということで、土地改良に対する、特に圃場整備あるいは畑地灌漑、用排水路の整備等農家の要請というものも非常に強いわけでございます。したがいまして、現在予算計上をしたものが奪い合いというようなことで、新規の地区も新たに指定をしていかなければいかぬ。そのためにもう県営でありましても、施行期日が非常に期間が長くかかりまして、その投資効果をもっともっと早めなければいかぬという問題も実はあるわけでありますし、地価上昇は努力をしても相当上昇するであろう、農民の負担はどうするんだ、収入は少ないじゃないかということでの御指摘ですが、確かに米だけではなかなか容易じゃないというふうに考えるわけでございまして、戦後積寒法等をつくりまして裏作をやろうということであの当時やったときには土地の利用率が一三三%くらいまでいったわけであります。ところが最近の土地の利用率というのは一〇三%とか四%といったようなことで、そういう面でもなぜそういうふうな土地利用率がダウンしてきているのかという問題に対する検討、分析等も進めなければならないと思いまするし、いずれにいたしましても、一番先に申し上げましたように今後の土地基盤整備という計画を立てますに当たりましては、いみじくもいま佐藤委員が御指摘になりました農村の地域社会における雇用の問題、これを度外視しては今後の農政はあり得ないという感じを私は持つわけであります。したがいまして、土地改良計画を立てます際にも、そういう農村の地域社会の整備並びに雇用の問題等をやはり頭に置いてつくっていかなければならぬのではないか、そんな感じも持っておるわけでありまして、そういう点の私の主張も事務当局には十分話をしまして検討をさしておる。専門的な知識を持っておられます佐藤委員からも今後いろいろ実態等の御見解を承りまして、そして日本の将来の農政を進展せしめていくための基本になる問題だろうと思いますので、りっぱなものをつくる意味においても私どもも検討いたしまするし、また御教導も賜りたい、こう思う次第でございます、
○杉山(克)政府委員 お尋ね受けました項目、直接私どもの局の所管でないものもございますが、便宜答弁させていただきます。 まず第一点の土地改良事業に伴う転換率、これは協力要請か義務かということでございますが、お願いしているという点からはぜひ達成していただきたいと思っておりますが、これは地域の実情によっては必ずしもそうできないところもある。そういう地域に対しては、私どもだから補助金を取り上げるとかあるいは今後出さないというような、そういう補助と絡め合わせた義務とはいたしておりません。協力要請でございます。 それから二番日の予約限度数量の配分に当たって土地改良事業による単収増加を反映させるかということでございますが、これは食糧庁の方の政府に売り渡すべき米穀に関する政令に基づく配分の基準があるわけでございます。それは簡単に申し上げますと、四十二年から四十四年までの実績を基礎にしておりますけれども、この場合作付面積が変動するとか収量が増加する、そういったことによってこの基準に当てはめることが適当でないと認められる生産者につきましては、市町村長はその事情を考慮に入れて所要の修正を行うことができるということになっております。土地改良事業によって単収が著しく変動する場合も、そういう修正要素の一つとして予約限度数量の配分に反映されるということになっておるわけでございます。 それから価格なり将来の流通の問題でございますが、これは私どもというか農林水産省全体としてあらゆる施策の面を通じてその円滑な実現を図っていかなければならない。できるだけ農家の所得の増大に貢献をするように努力するということでございます。 それから雇用の問題でございますが、安定兼業農家のたくさんおられるところではむしろ労働力がないから土地改良事業をやって機械化することが必要だ、そういう要請が出ておるわけでございますけれども、中には東北、特に先生の方の裏日本あたりは安定兼業化はそれほど進んでおらない、むしろ余剰労働力は出かせぎに出ざるを得ないというような事情もございます、そういったところに対しましては農村工業導入あるいは定住対策というような措置を講じまして、できるだけ地場で就労の機会を設けるようにするということで施策上もいろいろ努力しているところでございます。
○佐藤(誼)分科員 終わります、いずれまた機会をとらえて……。
○武藤主査 これにて佐藤誼君の質疑は終了いたしました。 次に、大橋敏雄君。
○大橋分科員 質問に先立ちまして、ちょっと調べた資料を大臣に手渡したいと思いますので御了解願います。 いま物価問題は、政府の重大な政治課題であるし頭の痛いことであろうと思います。また消費者にとっても、高い物価は本当に財布が傷む問題でありまして、私も政治家の一人として非常に責任を感じ、物価問題には関心を持っているわけでおりますが、最近特に生鮮魚介それから野菜を中心とした総理府の統計局が発行しております消費者物価指数をずっと調べてまいりましたところが、驚いたことには北九州市が異常なと思えるほどに高値安定を続けているわけです。その北九州市の状況を一枚の用紙にまとめてまいりました。いま差し上げたのがそれでございますが、それに従いまして私いまからいろいろと御説明申し上げますので、よく見ておっていただきたいと思います。 用紙の左端の方には五十五年一月からずっと十二月まで年月を示しまして、下の方に五十五年平均、それから五十四年度平均、五十三年度、五十二年度、五十一年度、五十年度平均をしたためております。その右の方に全国総合消費者物価指数という欄を設けてあります。その右の方は北九州市総合消費者物価指数という欄になっております。その右の方は魚と野菜の全国と北九州市の指数をあらわした個としているわけであります。北九州市の関係の数字の下の方に、丸で囲んだ1とか2という数字が入っておりますけれども、これは県庁所在都市四十七と川崎市と北九州市が含まれておりますので四十九都市の中に占める順位、一位とか二位とかということになるわけでございます。これは物価の高い順位でございまして名誉なことではないわけでございますが、それを示したものでございます。 さて北九州市の総合消費者物価指数の欄を見ていただきたいのであります。五十年を一○○としたわけでありますけれども、下の方に書いてありますけれども、昭和五十一年度の平均一一三・五、これが一位ですね、それからその上の五十二年度平均も一二一・九で一位、その上の五十三年度平均も一二六・二、これも一位です。そして五十四年度平均も一三三・○で一位ですね。四年間も全国ナンバーワンということであります。それから五十五年の平均を見てまいりますと、全国平均が一三七・二に対しまして北九州市の平均は一四一・一、これは二位ですね。二位でございますが、その最下位は松山市で一三二・七、これに比べますと北九州市は七・四も高いという大変な状況にあるわけであります。 また、上の方に行きますが、五十五年、本年を一月からずっと十二月まで見てまいりますと、北九州市の総合物価指数の欄では、八月からずっと十一月まで連続四カ月間も一位を示しているわけですね。それから第二位に位置しているのが一月ですね。そして四、五、六、七と五カ月間も続いて二位が記されているわけでございます。とにかく北九州市の物価の高いのには驚き果てるという感じが、この統計の資料で明確にあらわれたわけです。 実は、いまお見せしております統計資料は、関係当局者の事務局の方にも差し上げまして見てもらいましたところが、赤で修正している一カ所がありますね、それ以外皆この数字は間違いないという返事が来ておりますことをつけ加えておきます、 そこで、私は、昨年の三月六日のやはり予算分科会で同じように北九州市の魚の問題を取り上げまして、非常に高いがどうなんだというような趣旨の質問をいたしましたときに、そのときは武藤大臣が「いろいろそういうお話を承って、事務当局でも実はその原因がどこにあるかをいま検討いたしておりますが、引き続いてひとつ検討し、もし私どもの方で何か行政指導できるようなことがあれば善処したいと思います。」という明確な答弁を実はいただいたわけであります。そこで私は、生鮮食料品の流通、価格安定のために、その原因の調査と措置をお願いしたわけでありますが、一体どのような対処をなさってきたのか、まず初めに聞いておきたいと思います。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕
○渡邉(文)政府委員 御指摘のように、CPIの数字自体はそのようになっておると思います。 私どもの方で所管しておりますのは食料でございますので、若干食料につきまして別な観点からの数字を申し上げてみたいと思いますが、五十五年で申し上げますと、先生御指摘のように、総合では北九州市の場合は一四一・一、五十五年の平均でそのようになっております。全国平均が一三七・二でございますので、青森に次ぎまして第二位ということでございますが、これを食料の部門だけで見てみますと、過去五年間の数字を調べてまいったわけでございますが、過去五年間のうち五十一年は北九州市の方が全国をやや下回っております。その後はやや上回って推移してきておりまして、五十五年につきましては、全国が一三〇・五に対しまして北九州市は一三三・九とやや上回っておりまして、食料の分野で言えば全国で第六位ということではなかろうかと思います。
○大橋分科員 要するに、去年私がその実態を示しながら、どうも魚の流通に問題があるのじゃなかろうか、そのほかに問題があるのじゃないかというような趣旨の質問をしたわけですけれども、確かに現地に派遣されたようでございますが、結果的には少しも改善されていないという数字がまた出ているわけですよ。むしろ逆に上がり続けているということが、この統計で明らかでございます。 見ていただきたいのですけれども、上の方の生鮮魚介の欄ですね、全国指数と北九州市指数というのがあるわけでございますが、この指数の欄を見てください。五十年を一〇〇としまして、五十五年の一月が、全国が一五五・一に対して北九州市は二〇八・五ですよ。すごいでしょう。二月が、全国が一五二・九に対しまして北九州市は一九三・七で二位、これは岐阜が一位で、二位になっていますね。三月、これは私が質問したときですよ。全国一五三・六に対して北九州市は二〇一・六、べらぼうに高いでしょう。そして質問した次の月の四月は、全国平均が一五八・三、それに対して二二二・四で一位ですよ。この後も全国平均というのは大体一五〇台ですね。それに比して北九州市は、大体二〇〇台でずっと位置してきているわけでしょう。こういうことを見れば、一体どういう手を打たれたのだろうかなと、実は疑問を持ちたくなるわけであります。 いまもあなたが説明なさったように、北九州市の魚も過去の例を見ますと確かに決して高くはなかったですね。生鮮魚介の全国指数、これは一番下の欄を見てもらうとわかるのですけれども、四十五年を一〇〇としまして五十年度が二一一という数字が出ております。これに対して北九州市は一八七・九ですから、下から数えて五番目で非常に安い状況にあったわけですね。それが五十二年度から急に上がりまして、五十二年度の欄を見てもらいますと、全国平均が一四〇・四に対して北九州市が一四四・一と、ぐんと十位に上がっているでしょう。そして五十三年度平均が一七三・五で一位に上がって、五十四年度平均が一九九・六で一位です。そして五十五年平均もいま私、調べてきたところ、一九八・六というのは一位だということですから、三年連続してこのような状態が続いてきているわけです。 大臣、考えてみてくださいよ。こんなに高値を続けている北九州市の物価、特にお魚ですね。これは一体どこに原因があるのだろうか。私が考えるには、魚や野菜の出荷が非常に少ないのじゃないか、物が足りないのじゃないか。ですから、どんどん出荷されるように中央卸市場の整備をしてもらいたい。あるいは物流を円滑にするための大型の倉庫といいますか、あるいは冷凍庫などが不足しているのじゃないか、また、地域間の魚の流通調整が十分ではないのじゃないか、こういう点をしっかり調べてもらいたいと私は思うわけですね。そして、それなりに手を打っていただきたいと思うわけでございますが、これはひとつ大臣にお願いをしたいと思います。
○今村政府委員 私の方からちょっと状況を御説明申し上げたいと思いますが、先生からこの前御質問がございまして、私たち、すぐ担当官を派遣いたしましていろいろと調査をいたしたわけでございます。 いまお示しいただきました数字によりましても、生鮮魚介類は北九州市では非常に高いわけでございますが、ただ、五十五年に入ってからは、だんだん落ちつきを見せておるということは言えるのではないかと思います。五十五年平均では一九八・六で、前年に比べまして二%の上昇でございまして、全国で見ますと約五・三%、東京都区部では三・五%という上昇率でございますから、年間の上昇率をとってみますと、この上昇率を下回っておるという状況に相なっております。 ただ、御指摘のように、北九州市の生鮮魚介のCPIが非常に伸びが高いわけでございますが、それでは小売価格はどうかということをいろいろ調査をいたしてみたわけでございますが、大体十魚種について東京都区部と比較をいたしますと、五十五年の平均価格で北九州市が高いものとしては、アジ、カツオ、カレイの三魚種でございます。魚価の水準としては北九州市が特に高いというふうには見えないのでございますが、一つは嗜好といいますか、魚に対する選好が非常に東京などと比べて違っておるのではないかと思います。アジ、カレイ、イカのような、一口に高級魚と言われておりますものの消費の動向が非常に強いということでございます。 もう一つは、先生御指摘のように、北九州市は下関と福岡にはさまれまして、市場の集荷力が弱いのではないかということは確かにあると思います。五十年に中央卸売市場を開場したのでございまして、やはり成熟度といいますか、それが劣っておるということは言えると思います。 第三点は、これは決して言いわけを申し上げるわけではないのでございますが、実はいままでイカはスルメイカをとっておったわけでございますが、スルメイカの価格動向がとらえられなくなったものでございますから、五十三年にケンサキイカ、いわゆるアカイカをとったわけでございます。したがいまして、私たちの分析によって、もし五十一年のようなスルメイカにウエートを置いたとした場合とケンサキイカに置いたとした場合を比較いたしますと、イカのウエートが全体三五四のうち七二ございますから、それの上昇率というのが非常に高く出てくるわけでございます。たとえば五十三年のCPI、これは年でございますが、北九州市は一六七・四、五十一年は一一二・三でございますから、その上昇率の四九%のうちイカのウエートが二六%を占めているということでございます、これは品目のとり方によって、その点が異なってきたということの影響があるかと思います。 いずれにいたしましても、全体を掌握いたしまして、先生御指摘のような対応策について十分検討いたしたいと思っておるところでございます。
○大橋分科員 ちょっと大臣に答弁をいただく前に、いまの答弁に対して私の意見を申し上げますと、品目別に見ていくとイカが特に高いとかなんとかという話があったのですけれども、私がいま話しているのは全国平均の話をしているのであって、たとえば昭和五十三年度の全国平均は、生鮮魚介一二九・九に対して、北九州市は一七三・五ですよ。一位でしょう。五十四年度平均を見てください、一四九・九に対して一九九・六ですよ。べらぼうでしょう。いま五十五年のことをおっしゃいましたけれども、五十五年も全国の生鮮魚介の指数は一五四・〇ですよ。それに対して一九八・六でしょう。安くなったとおっしゃるけれども、五十五年十二月は確かに落ちてきておりますけれども、これは品目云々じゃなくて平均しての数字ですからね、 だから、これは普通じゃないですよ。ここのところをしっかりと理解をしてくださいよと言っているわけですよ。単なる品目の多い少ない程度ではなくて、総合的に北九州に出回っているお魚が少ないのではないかと判断をされるわけですよ。私は、水産物関係に総額二百五十億円も予算が取られていることは知っております。 〔近藤(元)主査代理退席、主査着席〕 卸売市場施設整備費百七十億ですか、それから水産物流、それから調整対策経費といいますか、これが五十三億円も計上されているわけですから、私はこれを徹底的に調査していきますと、そういうところの不足が見えてくると思うのですよ。もしそういう事実がはっきりしたならば、こういう予算をどんどん北九州市にはつぎ込んでもらいたい、こういう気持ちを含めていま大臣にお答え願いたい。お願いします。
○亀岡国務大臣 大橋委員が毎年北九州市における物価の動向に関心をお持ちになられまして、いろいろと分析をされておる結果を承ったわけでございます。 私の感じといたしましては、いま御指摘になりましたような点の整備充実という問題、中央卸売市場さらには流通機構あるいは貯蔵施設容量でありますとか、いろいろな問題があろうかと思います。そういう問題につきまして、これは市が直接指導しておるわけでございますので、市当局とも十分に緊密な連絡をとり、県当局ともこれまた事実究明を行いまして、やはり毎年毎年農林省に言っているけれども一つも改善されないという御不満に答えなければならぬという感じも強くいたすわけでございますから、ひとつ私は私なりに事務当局を督励いたしまして、来年再びこういうことを私の次の大臣が大橋先生から言われないように、その成果を上げるような努力をやらせていただきたい、こう思います。
○大橋分科員 確かに品目別にいけば、北九州市の方は特別にアジとかイカが需要が多く高いのかもしれませんけれども、その高さが違うのですよ。たとえば昭和五十五年の一月から十二月までずっと見てもらうとわかるのですが、生鮮魚介は全国指数が一月は一五五・一に対して北九州市は二〇八・五、これも一位ですよ。二月、一五二・九に対して一九三・七、二位です。三月、一五三・六に対して二〇一・六、このときは岐阜が一位で北九州市は二位です。四月、一五八・三に対して二二二・四、一位です。五月、一五七・一に対して二〇五・一、これも二位です。六月、一五三・八で二一二・一、これも一位。七月も一五五・一に対して二一〇・六。これを見てもらってはっきりするように、とにかくその高さが違います。 確かにいまも言いましたように、また局長も言っておりましたように、物が足りないと思うのですよ。魚の方は、五十五年平均ではついにこれも一位になりましたが、月別に見ますと、十二月の指数を見れば一六六・七とやや下がってきたことは好ましいことです。私は、このまま下がっていっていただきたいと期待するわけでございますが、その反面、今度野菜の方を見てください。これが急に上がり始めてきているのですよ。 下の方の欄を見てもらうとわかるのですが、五十二年度から五十四年度平均では、北九州市はむしろ全国平均よりずっと下回っておりますが、五十五年七月ごろから急に上がり始めて七位になっております。八月は、全国平均の野菜が一四〇・四に対して北九州市は一九五・八、これもとうとう一位になりました、五十五年平均でも、全国指数で一五五・二に対して北九州市は一六九・八、全国平均は野菜の方は六位でございます。 魚が幾らか下火になってきたかなと思ったら、今度野菜の方がぐっと上がってきております、これもやはり野菜の量が少なくなってきたのではないかと私は判断するわけであります。したがいまして、野菜の方も出荷奨励金制度というのがあるでしょう。野菜関係は総額百二十五億円が計上されているはずです。野菜価格安定、流通加工対策費、そして野菜生産出荷安定資金造成事業費ということで百二十五億円が上がっているはずでございますが、こういう野菜出荷奨励金制度を多く活用していただいて、魚にせよ野菜にせよ、特に北九州市は高値を続けておりますので、特段の調査と配慮をしていただきたい、もう一度、大臣に答弁をお願いしたいと思います。
○亀岡国務大臣 先ほど申し上げたように、データのとり方それから手法等にも、いろいろ問題なきにしもあらずというような面もあるようでございますので、やはりこれは市当局、県当局とよく緊密な連絡をとって処理もしたい、率直に申し上げてそういう気持ちでございます、その結果、いろいろ予算関係の条件に適合するような情勢であれば適用させていただくということにいたしまして、とにかく私は私なりに自分を納得させることのできるデータを市当局、県当局とよく打ち合わせさしてみたい、こう思います。
○大橋分科員 最後に一言申し上げますが、私の判断では、いま言ったように物が足りない、不足しているのだという理解をいたしております。それだけにいま言いました卸売市場の設備の整備、あるいは水産物の物流調整対策として倉庫だとか冷凍庫だとかは確かに不足していると思いますので、そういう点も十分調査対象にしていただいて、大いにそういうところに予算を回していただきたい、また、地域間の魚の流通調整というものがうまくいってないのじゃないかという点も含めて、市当局とよく相談をしていただいて、いま申し上げましたような予算がせっかく農林水産省で計上されているわけですから、それが十分生かして使われるように、特に北九州市の高値を安くさせていただくようにしかと要望して、終わります。そして、来年またここでやりますときに、果たして先生がここに座っているかどうか知りませんけれども、後の大臣が困らないようにひとつよろしくお願いいたします。
○武藤主査 これにて大橋敏雄君の質疑は終了いたしました。 次に、林百郎君。
○林(百)分科員 私は、今度の豪雪の被害のうちのことに折損木の除去の問題について亀岡さんにお尋ねしたいと思うのです。 東京ではちょっと想像がつきませんので、農相も行ってごらんになったでしょう。こういう状態なのですね。それは福井県ですが、そういう状態でございます。 問題は、そういう状態になっている折損木を除去しないと、次の植林ができないわけです。ところが、その除去の資金がないので、農相は、初め激甚法の改正よりも先に考えられていたのは、特別立法をやったらどうか、農水省でやるかあるいは議員立法でやるかということはありますけれども、そうお考えになっていたようでございます。それがその後二十四日の閣議で、激甚法の改正で対処していきたい、与野党共同で議員提案する方針を明らかにした。これは農業新聞の二月二十五日に出ているのですが、これについては大臣、どういうお考えですか。
○亀岡国務大臣 とにかく今回の豪雪による折損木の状況というものは、私も見てまいりましたけれども、全く想像もつかないほどの大きな被害で、十年、二十年あるいは三十年、所によっては五十年も過ぎた杉の大木が真ん中からぽきんと折れている、しかも一本、二本じゃない、全山無残なる姿をさらしておる、こういう情勢でございます。いま仰せのごとく、これを処理しなければ植林ができない、こういうこともそのとおりでございますので、現行法だけで十分なる手当てができるだろうか、こういうふうに私自身は思ったわけでございます。 事務当局ともいろいろ詰めてみましたけれども、やはり特別な措置を法律的に講じていただいた方がより万全の対策を期することができるのではないかということと、何といっても、私も現場に行ってみまして、この状態を見てもう木を植える気がしない、もうばからしくなるという声も実は若い諸君から出ているわけでございます。ですから、相当万全の措置をとりませんと、人のいなくなった山からさらに人がいなくなるということになったのでは、日本の治山治水、植林政策上大変なことになりますので、最低限、木を植えてやろうという気持ちを起こさせるだけのことはどうしてもしなければならないな、そんな感じを持っております。 そこで、現行法で十分そういうことができるかということを検討いたしておるわけでありますが、なかなか十分ではないという感じ。ではどこがどうなのだ、こう言われますと、まだ雪が全部解けておりませんので、どういうふうにしてどれだけ経費がよけいかかって、どの点に経費をつぎ込んでいけばいいのかというような点が計数的に積み上げていけませんので、とりあえず天災融資法の発動はやりますよということで、融資の措置をとることができるような手配はいたしましたけれども、あとは党の方ともよく相談をいたしまして、できれば法律で手厚くやってやるべきではないかというような気持ちを申し上げたわけでございます。
○林(百)分科員 私の方の党としてもいろいろ検討してみたのですが、林業改善資金というのがありまして、これは五年間で無利子なのですが、これは融資ですから返さなければいけないということになるわけですね。 そこで、農相が二十四日の閣議でおっしゃられたように、どうしても激甚災害法を改正して、その中に折損木の除去搬出、これは営林の方は入っているわけですけれども、豪雪による切損木の除去搬出の項目を激甚災の中に入れるというお考えはないのでしょうか。二十四日の閣議であなたが言われたことについて前向きな検討をなさっているのでしょうか。わざわざ閣議後の記者会見でおっしゃっているわけですからね。
○亀岡国務大臣 誤解をされないように申し上げておきますが、その新聞の記事柱、実は私は閣議で発言したわけではございませんで、閣議後の記者会見でたまたま豪雪に対する各党の動きなり何なりの話題が出まして、大臣としてはどう思うかというような質問がございましたので、こんなふうな方法もあるのかなということを申し上げたのが、そういうふうになって新聞に出たということでございます。
○林(百)分科員 こういうような方法もあるのじゃないかというあなたの発想は非常に結構だと思いますが、それはその後前向きに具体的な検討はされているのでしょうか、それとも、それはそれで終わりなのでしょうか。
○亀岡国務大臣 それも含めた検討は、事務当局なり林野庁の方で進めておると思いますが、やはりこれは国会の方で——政府提案とするためには、もっと広範な全国的にわたった問題であればという感じもいたしておるわけでございますので、その点はまだ結論を出しておりません。したがって、議員立法になじみやすい地域的な問題でございますので、私としてはその方が当然の道ではないかなという感じを持っております。
○林(百)分科員 議員立法でそういう方向を検討してもらえないかというような話を私もあなたから受けました。そうすると、全国的な被害がわかれば、政府も激甚災の一部に折損木の除去搬出の項目を入れることも考慮するが、できるならば議員立法という方法でやってもらえたらなおいいがといういまのお考えなのですが、それは自民党の方にも伝えてあるのですか。共産党の私の方ばかりに言われても、主に与党の方に言ってくださらないと進みません。
○亀岡国務大臣 その点は、もちろん与党にも私の希望として申し上げでございます。
○林(百)分科員 わかりました。 あなたも先ほど言われたように、これは非常に重要な問題で、植林をするには、いまとりあえず写真をごらんいただきましたような折損木を除去しませんと、植林ができません。聞くと、福井県というのは、昨年は天皇までおいでになって植林祭をやったというところなのです、その折損木の状態を見ますと、もう営林事業の意欲がなくなるということをみんな言っている、これは大臣が先ほど言われましたが、そういう状態でございますので、政府が提案するにしてもあるいは議員立法になるにしても、まず折損木の除去搬出ですね。植林をするためにはまずここを考えてやらないと、これは費用も大変かかりますので、その点をぜひひとつ前向きに検討してもらいたい、こういうふうに思うわけです。 その次の問題はつなぎ融資の問題なんですけれども、農家でいろいろの借入金をしておりますので、それについてのつなぎ融資が非常に重要だと思うのです。 一例を申し上げますと、富山県の富山市の呉羽地区で、四十七年から永年転作に取り組むために幸水というナシに取り組んできたのですが、これが豪雪によって全滅に近い被害を受けて、植えかえなど回復には三年から五年かかる。ここでは今回の豪雪の被害のほか、五十五年には冷害、五十四年の九月には台風の被害を受けて、十四戸の農家だけで千五百十万円もの借金をしている。また、共同選果場も千四百トン処理を目標に建設したが、五十四年には、千四百トンの目標処理のうちの五百トンしか処理できず、また五十五年には、七百三十五トンと半分以下の処理で、建設費の返済も絶望的な状態になっておるわけです。 そこで、政府はつなぎ資金についてどういう措置をされていますか。一応こういう資料はありますけれども、大臣から正式に答えてもらいたい。
○松浦(昭)政府委員 私の方から先に御答弁を申し上げます。 つなぎ融資につきましては、先生も御指摘のとおり、今回の災害の程度から考えましてぜひ必要であるというふうに考えまして、また、何回かの累積した災害をお受けになった方に対します既貸付金の償還猶予の問題も非常に重要だというように考えまして、ことしの二月二日に、経済局長名をもちましてつなぎ融資と既貸付金の条件緩和の依頼の通達を出してございます。これに基づきまして、各都道府県におきましてはつなぎ融資の状況を、その後どうしているかということをわが方もとっているわけでございますけれども、これにつきましては、依頼通達に基づきまして、二月二十六日現在で申し上げますと、福島県あるいは岩手県などにおきましてすでにつなぎ融資の制度を設けたという報告を受けておりますし、さらに関係機関におきまして、既存の災害制度資金を利用するといったような形でつなぎ融資の実施を検討しているというふうに聞いております。 なお、この状況はさらに的確に把握をいたしまして、今後とも適切な措置が行われるように、私どもといたしましても指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○林(百)分科員 農林水産省の経済局長名でつなぎ融資の問題について、昭和五十五年十二月以降の降雪等による被害農林漁業者に対するつなぎ融資及び既貸付金の条件緩和等の依頼についてという依頼が出ておりまして、この要旨は、もう私が言うまでもなくそちらで御存じだと思いますが、これは全国銀行協会連合会にも出しておりますし、全国相互銀行協会にも出しておりますし、地方銀行協会、信用金庫協会と、まあ農林関係の行政の範囲ならば農林省の通達が権威を持ち、それを遵守すると思いますが、こういう農林省の行政外の金融機関の受けとめ方はどうなのか。 これは非常に技術的なことですから、経済局長と大蔵省の日向さんに、この通達を受けたかどうか、受けてどういう措置をとっているか、現在はどうかということをお答え願いたいと思います。最初に経済局長、どういう実情か。先ほどちょっと説明があったのですが……。
○松浦(昭)政府委員 先ほど御報告申し上げましたように、各都道府県におきましては、すでに依頼通達に基づきまして、福島、岩手などにおきましては融資制度を設けて、実際上つなぎ融資を開始する体制をつくったわけでございますが、先生お尋ねの全国銀行協会あるいは相互銀行協会、これはいわゆる市中銀行からの貸し出しもいたしておりますので、それにつきまして同じように依頼をしたわけであります。 私の方といたしましては、先般の冷害の際にも同じようなところに同様の通達を出しておりまして、これらの市中銀行におきましても、この通達を受けまして所要の措置をとっていただいておりますので、これにつきましては、その趣旨は十分に徹底しているというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○日向説明員 ただいま農林水産省の方から御答弁があったとおりでございますが、私どもといたしましても、二月二日に、豪雪被害農林漁業者に対する天災融資法発動までのつなぎ融資及び既往貸付金償還猶予等につきまして、農林省の方で適切な通達を出されたことはよく承知しておりまして、それに基づきまして、私どもそれと軌を一にいたしまして、いま先生御指摘の各市中金融機関の協会あてに、農水省の御要請に協力して円滑につなぎ資金及び既往貸付金の償還条件、返済猶予等について適切な措置をとるように指示をしたところでございます。 この結果につきましては、ただいままでのところ、私どもといたしまして詳細な報告は入手しておりませんが、事態の推移を見ましてその実施状況等につきまして十分な報告を得たい、こう思っております。
○林(百)分科員 局長、すでに岩手そのほかで現実にこの通達に基づいていろいろの申し出があると言いますが、このつなぎ融資の条件はどういうような条件なんですか。何をどうしろということなんですか、
○松浦(昭)政府委員 このつなぎ融資は、先ほども申し上げましたように、いろいろな融資機関がいろいろな形でもって融資を行っていく形でございますから、したがいまして、画一的なつなぎ融資の金利あるいはその他の貸付条件は決めておりません。むしろ、そのケース、ケースに応じまして適切につなぎ融資をしてほしいということで通達をしておる次第でございます。
○林(百)分科員 大臣、どうも今度の豪雪の被害、これは雪が解けてみないとわかりませんので、まだ雪は積もっておりますから。これの損害を補てんするためには、どうしても五十五年度政府予算の中にある予備費を支出していかなければならないんじゃないかというように思うわけなんですけれども、そういうようなことについては、閣議としては何か検討されておりますか、あるいは農水省なり建設省なり申し入れて、大蔵大臣の方の何かそれに対する反応があるわけなんですか。予備費の支出についてはどうでしょう。
○亀岡国務大臣 林先生もいまおっしゃられたように、何しろ被害の現況というものをきちんとつかんでみませんと——それ一つと、それから現在のところ、予備費使用まで果たしていくのかどうかという検討、これもやはり被害の実態、現実というものをつかまないとどうしても決めようがないという点がございますために、大変苦労しているわけです、実際。したがって、やはり雪解けを得たざるを得ないということでございますので、予備費使用については、いまのところまだそこまで考えておりません。
○林(百)分科員 局長にお尋ねしますが、今度の豪雪害で、農林関係の被害は大体どういう数字ですか。
○矢崎(市)政府委員 二月十六日現在で、これは各都道府県からの報告でございますが、林業関係以外にも、お尋ねの農業関係につきましてもかなりの被害が報告されております。 現在、私どもの手元にございますのは、農作物、野菜あるいは樹体、家畜等でございますが、九十四億ほどの農作物、それ以外に農業用関係のいわゆる園芸ハウスでありますとか畜舎でありますとか蚕室でありますとか、この種の被害が九十七億円ほど報告されております。 水産関係で申しますと、これは昨年の十二月におきます暴風雪が主でございますが、養殖物中心にいたしまして七十六億ほど、それ以外では、漁港等の施設につきましても、別途七十億ほどの被害が報告されております。
○林(百)分科員 私の方で農林省からいただいたのを見ますと、都道府県報告分を全部合わせますと千八十三億円という数字が出ております。これはそのとおりでしょうか。
○矢崎(市)政府委員 そのとおりでございます。二月十六日現在の都道府県の報告でございます。
○林(百)分科員 大臣、そういう大きな数字が農水省だけからも出ておりますので、これはどうしても将来やはり予備費を支出するということを大蔵省からも腹を決めてもらわなければならないので、これはちょっと日向さんにお聞きするのは無理でしょうね、そういう基本的な方向、どうでしょう。大蔵省はどうお考えになっておりますか。
○的場説明員 必ずしも私が全部担当ではございませんけれども、法令の規定に従いまして、被害が判明し、予備費を支出する必要があれば、それは十分御相談いたしたいと思います、ただ、農作物あるいは折損木につきましては、保険制度もございますし、直ちに予備費に結びつくものではない。農林水産省の御意見をよく聞いて、政府部内で検討するようにしたいと思います。
○林(百)分科員 折損木だけでなくて、今度の豪雪によるいろいろな被害があるわけですね。農水省はもちろんですけれども、建設省もあれば、また文部省もあれば、国鉄もあれば、いろいろある。そういうような被害が、自治省では特別交付金やいろいろで見るかもしれませんが、そういう全体の豪雪の被害を埋めるために既設の制度資金だけでは不十分だ、あるいは既設の制度資金を補充するためにも予備費を出さなければいけないというような条件が出てくれば、予備費を出さないとは言わない、出すことも検討する、こういう回答でいいですか。
○的場説明員 折損木だけを申し上げたのではなくて、全体の被害の状況を調べて予備費を支出すべき要件が整えば、それは被害の状況を伺いながら検討すると申し上げたのでございます。ただ、農林水産関係の立木あるいは農作物の被害については、保険制度もございますし、あるいは融資制度もあるので、そういう状況になるかどうかということは、農林水産省と御相談をしないと、現段階では判断できないということを申し上げたわけでございます。
○林(百)分科員 結構ですよ、各省といろいろ御相談なさって、制度資金があればそれを全面的に運用するのも結構ですが、ただ、あなたのただしというところが問題なんで、ただし以下はあたりまえのことなんです。そういう点もいろいろ検討して、どうしても資金が足りないという場合には、予備費を出すということも大蔵省としては腹を決めないとは言ってはおりませんよ、こういうことですか。ただし以下は省いて、そこのところだけ答えてください。
○的場説明員 仰せのとおりであります。
○林(百)分科員 次に、国鉄の関係をちょっとお聞きしたいのですが、このたびの雪害で、国鉄が雪に対して非常に弱いということがいろいろの面で出ておりまして、それがローカル線ばかりでなくて、幹線あるいは新幹線までが米原の辺でとまって行き来などいたしておりますが、ローカル線に至ってはいわんやです。どうしてこんなに国鉄が弱いのか。そして今後どういうように改善しようとお考えになっておるのか、その点をまず説明願いたい、どこに問題点があったのか。
○伊能説明員 御説明いたします。 この年末から一月、二月にかけましての豪雪で、いろいろ運休その他ありまして、御迷惑をおかけしておりますことを恐縮しておりますけれども、その一番の原因は、何といっても三八豪雪以来の豪雪であるということ、それと同時に、三八のときは里雪でございまして、平野部が大部分でございました。今度は里雪ばかりではなくて、山の方も両方降ったということで、被害が非常にひどくなっておる。それが列車の運休に非常に影響を与えまして、御迷惑をおかけしていることの一つの大きな原因は自然現象でございます。 鉄道が非常に弱いではないかという御指摘があったわけですけれども、確かにいろいろ反省してみますと、年末年始の多客期に、最初年末に来たものですから、何とか帰省客を運びたいということで、列車を無理に出すと申しますか、初動態勢に、われわれ反省してみて、もう少し勉強する余地があったのではないかと反省しております。 それからもう一つは、普通それほど多雪でない地区、福井県の地区は、大体ロータリー車までは使わないでラッセル車での除雪で間に合うようなところが、今回はロータリー車をどうしても入れなければならないところが出た。敦賀−米原間あるいは福井地区というところが非常にネックになって、北陸線で非常に御迷惑をおかけしたということがございます。その点、条件が非常に悪かったということでございます。 それから、その他そういう地区での防除雪設備、機械というよりも、むしろ流雪溝の設備が十分でなかったのではないかということを非常に反省しております。ただ、その問題の中で、流雪溝の設備がありましても、今回のようにそういうところで降りますと、取水がなかなかできなくなってしまった。川がうまく流れない。取れない。これを今後は何とかしていかなければならない。今後のところでまた御説明申し上げますけれども、水の問題が非常にうまくいかなかったという問題がございます。 それから、沿線の環境がいろいろ変化してきまして、家が非常にふえてきたものですから、ロータリー車で捨てようと思ったときに、ここは捨てては困るというところがふえてきた、それで思うように稼働しなかった、 それから、除雪作業員を除雪協力員として毎年お願いしておりますけれども、今回の場合は、各人の家の屋根雪をおろすので、家がつぶれてはいけないというので、どうしても自分の家が主体にならざるを得ない、そういうことで思ったように集まらなかった。除雪協力員でことしも五万人以上の協力員をお願いしたのですけれども、なかなかうまくいかなかったという点がございます。それで……
○林(百)分科員 それで結構です、あと質問がおりますから。 私は、ことに幹線について聞いたのですが、その点で、通常の運行でも今度の豪雪で非常にひどい目に遭った地域住民があるわけなんです。それは小諸−軽井沢間を走る信越線の列車ダイヤの問題なんですが、軽井沢発十時五十三分の次は普通列車で十五時八分といって、五時間も間があるのですね。その間、普通列車に乗る人はこの寒い中一体どうして待っていたらいいのか。それから今度は、小諸から軽井沢の方へ行くのは、十四時五十四分から十七時二十一分まで三時間も間があるのです。一方は五時間も間があり、一方は三時間も間がある。しかもこの時間は、ちょうど地域の住民や高校生が通学をしあるいは授業が終わって帰宅する時間なんですね。その間二時間も三時間も、場合によっては五時間も、ただ駅で待っているというわけにいかない。そしてまた、クラブ活動もできないというようなことで、非行問題ともつながって、いま父兄や先生間で深刻な問題となっておりまして、この前大会をやりましたら、千二百人近くの父兄の人たちが集まったわけなんです。そういう豪雪だとか冬季、ことに軽井沢、小諸というような長野県でも最も寒いところで、こんな不合理なダイヤを存続させるというようなことをやめるわけにいかないか。 具体的に一つ提案しますけれども、たとえば軽井沢発十三時二十分の信州1号を小諸あるいは上田までの各駅に停車させることによって、この二時間、三時間というような、地域住民や学生が通学し、帰宅するのをただ寒空に待たせるようなことをさせないような方法ができるのじゃないかということもありまして、非常に具体的な問題なんですが、これはどなたですか、御答弁願いたいと思うのです。
○有馬説明員 お答えいたします。 特に寒い雪害の時期はそうでございますが、実は基本的なダイヤで先生おっしゃるような状態になっております。この区間は大体七往復普通列車がございまして、四千二百人ぐらいの座席があるわけでございますけれども、全体としましては片道で千五百人ぐらいのお客さんが御利用になるということで、乗車効率からいいますと三七%ぐらいになっておりまして、輸送力的には非常に余裕があると申しますか、お客さんの流れの少ない区間なんでございます。もう一つは、信越線のちょうど真ん中になりますものですから、列車がいろいろの使命を持って動いておりますので、いまおっしゃいましたように、たとえば土曜日の日に学校が終わってお帰りになるのに夕方しかお帰りになれないとか、クラブ活動をすると非常に夜遅くお帰りになるしかしようがないというようなダイヤになっておるわけでございます。私どもも、増発等でそういうものに対処するということも検討いたしておりますけれども、これはなかなか要員とか車とか、こういうものの増備を必要といたしますし、それから、ダイヤを変えていくということも勉強いたしておりますけれども、これは真ん中でございますものですから、全体を動かさないとなかなか改正できない、御要望に沿えないという状態でございますので、いますぐそのダイヤで処置をいたすというのがなかなかむずかしゅうございます。 ただ、私どもとしましては、五十七年の春に上越と東北の新幹線が開業いたしますときに全面的な改正を考えておりますので、その中で、特に学校の生徒さんのお帰りの時間が問題だというのは私ども十分よく承知しておりますので、すべてではございませんけれども、何とかできるだけの御要望に沿えるようなダイヤができるようにいま検討しておるところでございます。 それから、急行を途中の各駅にとめてという先生の御提案でございますけれども、これはずっと先まで行く急行でございまして、途中で各駅にとめますと、やはり到達時分とかそういう問題もございます。ほとんど直通のお客さんがお使いになっているというのが実態でございますので、料金の問題等にも絡んでまいりますけれども、私どもとしましては、急行につきましては、一部区間について定期で急行料金をお払いいただいてお乗りいただくというシステムは導入いたしておりますので、そういう面も含めまして検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○林(百)分科員 これで終わりますが、いまの問題は非常にいろいろ御苦心なさっていると思いますし、また、われわれは専門家じゃありませんから、ダイヤを一つ変えるにもなかなかあれこれ考慮しなければできませんからね。しかし、父兄たちの切なる願いによりますと、二時間、三時間は、家へ帰るまであるいは学校へ行くまでの間、ただ駅で寒いのに待たなければならないというのは、これはまた大変なことでございまして、やはり国鉄が国民の国鉄になるためには、どうしてもこういうのを地域住民の便利になるようにも御検討を願いたいと思います。 それから、ローカル線につきましても、今度の豪雪で、ローカル線がやはりその地域の人たちの命の綱だという認識に改められましたので、ローカル線の廃止の問題についても、こういう豪雪地帯にどういう役割りを果たしたということも要因として検討される、そしていま言った小諸−軽井沢の問題はひとつぜひ前向きに検討していただきたい、これを御回答願いまして私の質問を終わりたいと思います。
○有馬説明員 学校側、それから御父兄もいろいろ御苦労なさっておるということも十分承知しておりますので、厳しい経営の中でございますけれども、御指摘の趣旨を検討させていただいて、なるべく御趣旨に沿うようにしたい、こう考えております。
○岩崎説明員 ローカル線問題は、鉄道輸送の機能を代替し得る道路が存在するということが前提でございますので、御趣旨を体して十分検討させていただきたいと思います。
○武藤主査 これにて林吾郎君の質疑は終了いたしました。 午後一時十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ————◇————— 午後一時十一分開議
○武藤主査 休憩前に引き続き、会議を開きます。 農林水産省所管について質疑を続行いたします。小沢貞孝君。
○小沢(貞)分科員 私のところへきのうだかおととい案内状が来て、これに私毎年出ているんだが、亀岡農林大臣や国税庁もぜひ出てもらいたいんだが、これは盛会なんですよ。純水酒を楽しむ会というのがあるのです、三月十八日に。去年は何か参議院の鳩山何とかいう人が来てでかく演説をぶっていたり、押すな押すなの大盛況で年を追うて盛況になるわけで、また学士会館、純水酒を楽しむ会が盛会になってきて、私の方の長野県もそれに気がついて、去年の暮れに長野県の酒屋が寄り集まって純水酒を楽しむ会をやったらこれまた大変な盛況ということで、純水酒のムードも大変上がってきておると思うわけです。 私は、きょうの質問は、ぜひお酒はお米でつくってもらうようにしてくれないか、こういうことの一点だけで、国税庁も見えているし、大臣もいるから、よしやりましょうと言えば一分間で私の質問は終わってしまうわけで、ぜひそういうようにさせていただきたい、こう思うわけであります。 私の頭の中に入っているごく大ざっぱな数字で言うと、お米ばかりでお酒をつくればお米が百万トン要ります。ところが、五十万トンがお米で五十万トン分はアルコールでございます。半分は輸入してきたアルコールを使っているわけです。それで、もしお酒をみんなお米でやっていただくならば約十一、二万ヘクタールに相当するわけですから、その分だけ転作奨励金が助かることや、いま農家が挙げて転作に取り組んでいる最中でありますが、このまま続けば第二次水田再編の後の第三次ということになると、恐らくこれ農林大臣あれじゃないですかね、ことしあたりが大体四分の一減反ですよ。二割五分ぐらい、平均そうです。今度第三次ということになると三分の一の水田を転作するということは、これはもう大変な事態になってくると思うので、農林省もどこも米の消費拡大ということに大変力を入れていただいております。おりますが、私はやはり手っ取り早いことは、お酒を全部お米でひとつやるようにしてもらえないか、こういうことなんです。やり方は三つ、四つあると私は思います。 一つは大変めんどくさいことになりますが、お酒の中に、お米の中に幾らアルコールを入れてよろしいかという基準があるわけで、これは大蔵省がつくっているわけです。このことを承認基準と言うわけです。それがいまのところは昭和四十八年に決めたままになっております。使用白米一トンにつき二百八十リッターの範囲以内、こういうことであります。昭和三十七年ごろは二百二十リッターというときもありました。昭和三十七年のときの方がアルコールを入れる量が少なかったわけです。四十八年に決めたままになっているわけですから、一つの方法としては、この二百八十リッター入れてよろしいというのを三年か四年計画で、来年は百八十リッター以内とか再来年は八十リッター以内とかその次のときにはゼロにしてしまえとか、そういう方法もあると思います。これは大蔵省令で大蔵大臣さえ腹を決めてもらえばそれでできるわけです。これは一つの方法です。ただ、これをやるとお酒が一升につき百十二円から百十五円ぐらいでしょうか、そのくらい値上げしないと、これはお米が高いものだからそれだけの値上げをしてやらなければいけない、こういうことになります。これが一つの方法であります。承認基準を大蔵省がひとつ二百八十リッター、もう十年も前に決めたものですから、最近の米の過剰の社会的な情勢を考慮して、徐々に減らしてもらう第一の方法であります。 第二の方法は、百十二円値上がりするのは大変気の毒だから、それを上げないためにはお酒の税だけその分だけ、いまちょうど酒税法が国会にかかっていますが、これも大変国税庁の御理解で、ウイスキーとかビールは値上げは二割五分だったですね。二割五分近かった。特級酒がやはり二割五分近かった。一級が一割五分、二級は一割というような上げ方で、お酒について大変御配慮をいただいておることは私どもも重々感じておるわけで、全国の酒屋さんもこれは感謝をしておりますけれども、ほかの果実酒とかそういうことと比べるとまだずいぶん高いわけですから、お酒の税率でもってそれをカバーしてやればこれは値上げしないで済む、これが第二の方法で、これも大蔵省サイドだけでできることであります。 三番目の方法は、どうしても全部米でお酒をつくれと言っても困ることは値が上がること。だからひとつお酒の分については値引きをして売ってもらう。値引きをして売るのにいろいろの方法がまたあるわけで、いままでは一般の値段と同じように売っておったのを全体をくるめて安くするか、あるいは五十四酒造年度を基準にして、それ以上お米をたくさん使ったお酒屋さんに対しては特別割引をするか、ちょっと私考えてその三色ぐらいがお酒屋さんもよし、それから消費拡大にも通ずる方法ではないか、冒頭そういうことを申し上げておきますが、逐次具体的にお尋ねをいたします。 昭和五十三年一月二十日に過剰基調を強めている米の需給を均衡させるため云々ということで、「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」ということで閣議了解事項があるわけでありますが、項目がたくさんある中で1の(3)に「米加工品の消費の拡大を図るとともに、米の新規用途の開発普及、清酒の製造における米の使用量の増加等を図る。」これはいまからもう三、四年前の昭和五十三年一月二十日の閣議了解事項であります。私は、この了解事項を大変ありがたいことだと思って聞いておったけれども、大蔵省、農林省、この了解事項に基づいて一体どういうことをしていただけたでしょうか。これは事務当局でも何でもいいですが、御答弁願います。
○亀岡国務大臣 大変ありがたい御指摘をいただいているわけですが、実は私も五つのときから酒を飲んでずっときているものですから酒にはやはり関心がありまして、どうも子供のころ飲んでいた酒はアルコール臭くなかった。ところが、最近の酒はどの銘酒を飲んでもアルコール臭い。結局アルコールが添加されているわけでありますが、純水酒と申しますか、そういう酒を飲ませれば少しは米の需要がふえるんじゃないか。就任したばかりのときは残念ながらその閣議決定というのを知らなかったのですが、大蔵省の方に聞いたらなかなかどうしてむずかしい理屈を言いまして、なかなかこの添加率を下げることができないということを発見したのです。それでいろいろと折衝いたしておるわけでありますけれども、できるだけ純水に近づける努力はしてみましたけれども、就任早々でもあったため、また政治力のなさのために突破できずに今日に至っておる。まことに実態は小沢委員の指摘されるとおりであります。 いろいろあれしてみますと、現実的にはやはりうまい酒をつくらなければということでアルコール添加を自主的にと言ったらいいんでしょうか、なくするような方向が見えてはきておるわけでありますから、政府といたしましても、今後もいろいろ環境を改善いたしまして御期待に沿うような方向に持っていきたいものである、こういうふうに考えております。
○岩瀬説明員 それでは国税庁の方から補足して御答弁申し上げたいと思います。 いま先生の御指摘の三点のうち、まずアルコールの承認基準引き下げの点でございますが、これは先生の御指摘のとおり現在アルコールにかえて米を使用することにつきましては制度上何らの制約はありませんで、各製造者の自主的な判断にかかっているわけでございます。したがいまして、アルコールを減らしましてその分光を増加させるかどうかは各企業の自由ということでございますので、この問題につきましては商品設計とか製品価格といった企業経営の基本に触れる問題でございますから、当局といたしましてこれを強制することはいかがかというふうに考えておる次第でございます。 それで、閣議了解の一つでございます清酒製造業における米の消費拡大について、それではどういうことをやっておるかということでございますが、私どもといたしましては、基本的には清酒需要の拡大ということを通じて米の消費拡大をやっていくのが筋ではないかというように考えておりまして、清酒の需要拡大につきまして政府が助成しております清酒製造業の信用保証事業の運用益を使用して、日本酒センターの設立等酒造組合中央会の行う需要開発事業に対しまして積極的な支援を行っているほか、清酒製造業の近代化とかあるいは振興対策等に力を注いでおるようなわけでございます。 それから、これは国税庁の所管外でございますが、税率の面で配慮をどういうふうにやっておるかというようなことでございますが、先生の御指摘のとおり、今回の税制改正案におきまして一般の酒類におきましては原則二四・二%の増税率でございますが、清酒の一、二級につきましては生産あるいは消費の実態というものを考慮いたしまして、これを他の酒類よりは相当低いものに抑えておるということでございます。こういうふうに税率の面での配慮が税率改正のたびに積み重なっておるわけでございますので、今後税制改正によって清酒の相対価格というものがほかの酒類に比べて安くなるということを通じて清酒の需要拡大に資していくのではないか、かように考えておる次第でございます。
○松本(作)政府委員 大臣のお答えを補足して申し上げますと、ただいま御指摘がありました米の使用の増加を図りますために、御案内のように自主流通米によります流通を主体としております酒米につきましても政府米の売り渡しを行っておりますが、この政府米の売り渡し量を年々拡大いたしておりまして、五十四年の実績が八万六千トンでございましたものを五十五年度計画におきましては十二万五千トンというように拡大をして相対的に有利な価格による米の販売を行っておる次第でございます。それによりまして、アルコール添加量につきましても、先ほど大臣がお答え申し上げましたように四十八年で一トン当たりのアルコール添加量が二百七十リッター程度でございましたものが五十四年度には二百五十リッター程度に低下しておるということでアルコール添加の実質的な減少が図られておるというふうに考えておるわけでございます。
○小沢(貞)分科員 国税庁の方から御答弁のあったように確かに税のことでもいろいろ御配慮をいただいておりますし、政府米を売り渡すことでも御配慮をいただいておりますが、さらに一歩を進めてやっていくべきではないか、私はこう思いますが、それにはやはりコストベネフィットというか、幾ら元をかけてどういうように効果が出たかということも貴重な国家財政ですから考えなければいけないと思うのです。たとえば古米処理には幾らかかるかといろいろ計算をしてみたら、古米処理には歴年のを積み重ねていくものだからそれを全部合わせてみると一トン三十五万の税金をかけて古米を処理していくわけです。学校給食ですが、私数年前に長野県の烏川の小学校でやっているのを見てきて、これはいいことだと思って一生懸命文部省や大蔵省に働きかけて、いま学校給食に農林省も大変力を入れていただいたり文部省も力を入れていただいておりますが、学校給食に幾らかかるかというと、五十六年度の予算を見ると百九十三億の予算をとっておって十一万四千トンの見込み。農林大臣、これは農林省の予算ですよ。百九十三というと一トン当たり二十万近いですね。五十四年度の実績は幾らかというとようやく七万一千トンくらいの実績になるようです。これはやはり一トン二十万くらいかかっているわけです。こういうような目で見て、後ちょっと私お尋ねをしたいわけですが、工業用あるいは輸出用あるいは飼料用にはトン当たり幾ら損失をしているか、それからいま水田の転作奨励金は一トン当たり幾らかかっているか、この四つだけだれか事務当局答弁をしてもらいたいのです。
○松本(作)政府委員 ただいまのお尋ねの数字について申し上げますと、水田利用再編対策で奨励金を交付いたします場合の財政負担はトン当たり十一万五千円でございます。それから古米、過剰米を処理いたしております際のトン当たりの平均は、これは実は評価額から見た差損でございますが、工業用で十二万円、輸出用で十六万円、飼料用で二十万円ということになっておるわけでございます。このほかに持ち越しの経費等については別にかかってくるということでございます。
○小沢(貞)分科員 わかりました。それでその持ち越しのいろいろな経費、保管料が毎年毎年二万前後かかっているわけでしょう。だから五年間持っていたものをその値段で処理するということは十万円の損失がその上にかかっているということですね。だからいまの御答弁のように工業用に十二万当該年度で損をするということは、五年持っていた氷なら二十二万損しているということです。輸出用が十六万損するということはトン当たり二十六万の損失です。だからえさに二十万円で出しているということは十万円プラスすると三十万円。だからこれは農林大臣、ぜひ考えてもらいたいが、何とか消費拡大ということでやっても、学校給食にはトン二十万かかっている。それから古米処理には二十万から三十万かかっているということですから、これだけの財政を——私は出る方法はさっき言ったように三つもあると思います。税の減免をしてやってもよろしいし、あるいは直接ある基準年度以上にお米を使ってアルコールを減らしてくれるとわかったところには特別補助金を出すという方法でもよろしい。大体これだけのコストをかけて古米処理、学校給食をやっているのだから、大蔵省やあるいは農林省という立場でなくて政府として最も安いコストでもって米の消費が進み、減反の量を減らすことができる、こういうことですから、そこが私は一番ポイントだと思うのです。せっかくの貴重な税金を使うわけですから。どうでしょう。
○松本(作)政府委員 先生御趣旨もよく理解できるわけでございますが、やはり価格のバランスというような点を考えますと、学校給食には確かに非常に多額の財政負担をしておりますが、これは直接的な消費の拡大だけではございませんで、将来にわたる国民の食生活を変えていく、米を中心とした食生活を青少年のうちから植えつけていくというような教育的な効果をねらった制度でございますので、直ちにトン当たりのコストということでの比較はいかがかと考えております。 また、先ほどお話がございました古米の処理等につきましては、これは過剰になってしまったものをやむを得ず処理する場合でございますので、今後の米の価格のあり方といたしましては、やはり一般の消費者の主食用の価格とのバランスというものをどうしても考えていかざるを得ないと思っておるわけでございます。同様の御趣旨のお話は、主食用についてももっと値段を下げれば消費ができるのではないかというような議論とも関係をいたすわけでございますが、やはり主食用とのバランスという点から考えますと、酒米だけ、特に新米につきまして値を下げるということについてはわれわれは抵抗があろうと考えておるわけでございます。古米につきましての問題は考えられるかと思っておりますが、むしろ古米というものは、酒の利用という点については業界筋から難色が示されておるというような実態でございます。
○小沢(貞)分科員 青少年のうちからやるのだから先の投資になるということになると思うのだけれども、お酒だってそうなんです。お酒に全量お米を使わなくなったのは、戦時中で米の足りなくなったときからです。そして、このお米の過剰のときでもアルコールをそのまま入れるように続けておるのですが、これをもしお米が過剰になり出したときからまた純水のお酒でなければいかぬということで変えてもらっていたならば、やはりそれもまた若い人でも何でも、お酒を飲むときに酒の味はこういうものだということになるのですから、子供が学校で御飯を食べることとお酒が定着することとは同じだと思うのです。どうも国税庁の意見を聞いていると、アルコールの入った、薄いというかああいう味のものが定着してしまったから直すといかぬのだ、こういうことを盛んに言って言いわけにしているようですが、これからお酒屋さんの生きていく道は、やはり純水酒というものにしてそれを一般に定着させていかなければいかぬ、こういう方向だと私は思うわけです。 きょうは時間がありませんし、理屈はいろいろあると思いますが、お酒屋さんは大変いま苦しい経営をしている。全国で二千八百ぐらいあるというお酒屋さんのうちで、税引き前の粗利か何か知りませんが、十万円ぐらいしかないところが七、八割だというわけです。お酒屋さんの経営が大変苦しいということは、私はよくわかっておりますので、お酒屋さんのコストがかからぬような方法で、喜んでお酒屋さんが参加する道を開いてやればいい。私は希望者だけでいいと思うのです。その場合に、増加してもらった分についてだけ割り引いてやればよろしい。どういう方法でもあると思いますから、これは取り組んでもらえさえすればその道は打開していくと思うわけです。 農林大臣、私は三つ申し上げましたが、それ以外にも道は幾らでもあると思いますので、これはもうぜひ真剣に取り組んでいただくように、即刻ぜひ始めていただきたい、お酒を全部米でやろうじゃないかという請願書を私がそこらじゅうに配り出したら、署名が集まってくるわ集まってくるわ、わが長野県でも一万も二万も集まってきて、全国からも、私の方もやらしてくれやというわけで集まってきて、請願書が大蔵委員会に行きますけれども、一月か二月の間に何万と集まってきてしまっているのです。なるほど、それはそういうことだというわけですから、大臣、ぜひ積極的に取り組んでいただくように、ひとつやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○亀岡国務大臣 先ほど大蔵省から話もありましたけれども、現実としてはいろいろ問題もありますので、大蔵当局とよく相談をいたしまして善処していきたい。私もこれは賛成なことですから努力をいたしていきたい、こう思っております。
○小沢(貞)分科員 それでは大臣、ひとつよろしくお願いします。 そこへ、いまから一年前の四月五日の日本農業新聞の「お米とお酒交換します」というスクラップを差し上げておきましたが、この下の方を見ると、食糧庁企画課の話でも、これは合法的だ、国税庁酒税課の話でも、それならよろしい、こういうわけですから、村にあるお酒屋さんに農家が米を持っていって、これには「上級米三十キロで二級十一本手」とありますが、それで交換してやるだけならちっとも差し支えない。どう見てもそういうように見えますから、合法であるかどうかは後で御答弁をいただくとして、農林省予算にはお米の消費拡大という予算が膨大にとっておるわけですから、こういうこともひとつ消費拡大の宣伝としてやって、交換してきたものを売っちゃいかぬぞとか、何かあると思いますけれども、そういうめどだけはきちっとつけて、大いに宣伝をしてもらいたいと思います。 一つは、合法であるかどうか、食糧庁と国税庁からお答えいただきたい。一つは、これも宣伝の材料に大いにしていただけば、お酒屋さんも助かるし、農家も助かるということになるのじゃなかろうか。どうでしょう。
○松本(作)政府委員 ただいま御指摘がございました愛媛県の例につきましては、その米穀の所有権が移らない限りにおきましては食管法上も違法ではないというふうに考えております。ただ、このような委託醸造方式が実質的に売買行為になることだけは注意していかなければならないと考えておりますので、その数量の問題でありますとか、その対応した部分が戻されておるかどうかという点とか、ないしはそういうものが意図的に使われてこないかどうかというようなことなどについて、食糧事務所が市町村の協力も得て確認してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○岩瀬説明員 清酒メーカーが農家の保有米と清酒を交換することは、酒税法上は、結論的に申しますと問題ないと思います。 二つの点がございまして、一つは、製造委託をするというその委託が製造免許上問題ないかという点でございますが、これは免許を受けた製造業者が委託製造するという点については問題はないと考えられます。 もう一つは、販売免許の問題になるのでございますが、委託をした農家が自家消費をするということであれば、それは先生御指摘のとおり問題はない。それを農家がどこかに販売するということになりますと、これは若干販売免許の問題が出てこようかと思いますが、現在のこの数量程度でございますと自家消費の数量の範囲内と考えられますので、問題ないと考えております。
○小沢(貞)分科員 食糧庁、これを宣伝するかどうか、そういうことをちょっと……。
○松本(作)政府委員 日本酒の利用によりまして米の消費を拡大することは、先生から御指摘ございましたように非常に重要な消費拡大の問題でございますので、この具体的な内容につきましては、こういったものが適正に行われる限りにおいてはこういう例もあるというようなことについて宣伝をすることもやってもいいのではないかというふうに考えております。
○小沢(貞)分科員 それでは時間ですから私はこれで終わらしていただきたいと思いますが、国税庁も、農林大臣もそうですが、これにはネックもあります。杜氏の問題、そういうネックがある。精米設備がもうどこかへいっちまってないぞというところもあります。だから、そういうところにはぜひ国で融資なりなんなりの便宜を図ってもらわなければいかぬ。そういうネックがあります。それもぜひ打開していただきたいと思います。 それから、私も意外だと思いましたが、アルコールをつくっておる協和醗酵だとか宝酒造だとかそういうところで、非常に大変なことだといって私のところに言ってきたのだが、よく調べてみると、これは宝酒造とか協和醗酵の総生産の中の一割までいかないのですから、これはむしろ通産やそういうところでやっているアルコールを、国でやっているものを民間にやらせるみたいなことをして、そのネックは打開できるのではないかと私は思いますので、要は農林省と大蔵省と決意さえしてもらうならば、大いに普及していくのではないかと思いますので、格段のお力を入れていただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。
○武藤主査 これにて小沢貞孝君の質疑は終了いたしました。 次に、吉原米治君。
○吉原分科員 主として、えさ米対策についてお尋ねをいたします。 申し上げるまでもございませんが、いま農民は、年々増大をします農畜産物輸入の圧力と、いやおうなしに減反面積を拡大される水田利用再編対策によって、生産意欲の減退と農業に対する将来展望を持ち得ないままに、はかり知れない不安と焦燥感にさらされております。そうした追い詰められた農民は、やむなく自衛手段として、水田を荒廃させずにまた減反をしなくてもよい農業を確立しながら食糧の自給率を向上させる最良の方法手段として、実はえさ稲づくりの実験に夢を託していま全国各地で積極的に取り組まれておることは、農水省も認めておられるところであろうと思います。秋田の例に見られますように、単収一トンの実績を上げておる事実を見ましても、イタリア産のアルボリオJ1、J10、この栽培が日本国内でも適応した有望な品種であることは間違いないと思われるわけでございます。 そうした農民の試作運動に対して、農水省は全く及び腰の姿勢のように見受けられます。八〇年代の農政のビジョン、すなわち過般の農政審の答申の中でも、穀物の自給率は、現行三四%から昭和六十五年度には三〇%に下がるという分析をいたしております。つまり、飼料米の具体化促進などには触れられておらない。必死になっていま試作に取り組むこうした農民の熱意と期待になぜ政府は、農林省はこたえようとしないのか。このことに対して、最初にひとつ農水省の考え方、見解といいますか、また、いやそれは農水省としても研究しておるんだとおっしゃるなれば、その経過をお尋ねをしておきたいと思います。
○二瓶政府委員 えさ米についての考え方でございますけれども、確かに先生おっしゃるように、えさ米というものができますれば水田をそのまま利用できるとか、あるいは農産物の輸入に不測の事態が生ずるというようなことになりました際にも食用にも転換できるというようなこともあろうかと思いますので、そういう面では食糧自給力の維持強化、穀物自給率の向上という面でプラスになるというふうにも考えられます。 しかしその反面、現在使われております飼料穀物の価格水準、大体トン当たりトウモロコシ三万数千円というような価格水準から見ますと、収益性が非常に低いわけでございます。物財費も償わないというような状況でございます。また、えさ米ということで、在来種のものにいたしましても、あるいはただいま先生からお話ございましたアルボリオJ1なり、J10、これはやや大粒である、粉状質であるというような特性があるようではございますけれども、一般の主食用の米との識別というものがつけにくいという問題がございます。 それから、多収穫として注目されております。ただいまのアルボリオJ1等につきましても、一トンとれたというようなお話もあるようでございますので、確かに注目すべき品種だとは思いますけれども、これは脱粒しやすいというようなこともございます。そういうような技術的な問題もございますので、現段階におきましてその本格的な生産を見込むということは困難である、かように考えるわけでございます。 したがいまして、このえさ米の問題といいますものにつきましては、当面は超多収品種の育成を図る、品種も固定いたしましてしかも超多収になる、耐冷性だ耐病性だという問題の方も大丈夫だというものに仕上げないといかぬと思います。そういう試験研究を推進するというのが一つ。それから先ほど申し上げましたような穀物自給率の向上に寄与するということもございますので、これの流通の仕組みなりそういうような問題をどうするか、ひとつ長期的な課題ということで取り組んでまいりたいということでございます。
○吉原分科員 それでは、農水省としては具体的に研究はなさっていらっしゃるのですか。
○川嶋政府委員 えさ米と言われているものにつきましての技術的な現状につきましてお答えいたします。 先ほど先生御指摘のように、民間におきましてはえさ米ということでいろいろ試験研究を行われていることは十分承知をしております。全農あるいは全中等の団体あるいは農家等におきまして、外国品種等を用いた研究が行われております。先ほどお話しのような大変いい結果ということで、いろいろ報道されていることも承知をしております。 ただ、私どもが国の立場でこれはいいという形で指導奨励するということになりますと、いろんな点につきまして十分な吟味をしませんと奨励いたすことはできませんけれども、現在いろいろと試作をされておるものにつきましては、その品種の特性ですとかあるいはいろいろと判断をするための調査の方法ですとか、いろいろな点につきましてなお私どもとしては十分な判断資料を持っていないという点もございますので、いま直ちに言われているようなことが一般的な栽培の中で実現できるものであるかどうかにつきましては、判断をする段階に至っていないと考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、そういう点につきましては十分承知をいたしておりますし、関係の方々とは、試験研究のレベルではいろいろ情報交換をいたしております。 国におきましてどういう段階にあるかということでございますが、そういういろいろな民間等の状況も十分考慮しながら、国といたしましては農事試験場等の国立の試験研究機関におきまして、すぐれた育種素材の探求ですとか、あるいはすでに外国品種と日本品種との交配、そういったようなことで鋭意品種の改良を進めているわけでございます。 ただ、現在までのところですと、従来の日本稲と言われているものにつきましては、栽培のしやすさですとか病害虫に対する問題ですとか、そういった点については安定性があるわけですけれども、何分にも収量性が伴わないということがございます。それから、外国品種につきましては、韓国ですとか、言われている品種につきましていろいろ検討してみますと、先ほど申し上げましたような脱粒性の問題ですとか病害虫の問題ですとか耐冷性に対する問題ですとかにいろいろ問題がございます。また、外国稲と日本稲との交配は、まだ手がけて日が浅いということもございまして、品種としてまだ世に出す段階に至っておりません。 以上、そういうようなことでございますので、国の試験研究の段階におきましては、農家に本格的に栽培を励めるような段階に至ってい広いわけでございます。こういう事情でございますので、五十六年度にはより一層関係の研究機関を督促いたしまして、多収性の品種の開発に一層努力をしてまいりたいと考えております。
○吉原分科員 政府の側としても、それぞれ研究機関で鋭意やるという決意のほどが述べられておりますけれども、現実は民間がもう数年前から取り組んでおりまして、研究、試作という手段、方法は民間が先行しておることは事実です。また、秋田県の例を挙げるようでございますが、こうしたえさ米づくりに市町村や農協が助成金を出してまで支援をしている、こういう事実もあります。また、秋田県だけではございません。私は島根の出身でございますが、私の県でも農協と市が和協議をいたしまして、食糧米をつくると同額の奨励金を出しておる、そうまでして実は推進を図っておるわけでございます。 そうした試作運動は、結果的に米の生産調整の実を上げることにつながっておるわけで、同時にまた、単に試験場で研究するという栽培の仕方でなしに、具体的に本田におろして栽培するわけでございますから、非常に現実的な研究が進められる、こういうことにも相なるわけでございます。つまり、生産調整と研究が同時に進められるという、一石二鳥といいますか、もっと言いますと、それがさらに畜産振興につながるわけでございますから、一石二鳥というよりも一石三鳥になるんじゃないか。特に、畜産農家が余り好まない青刈り稲等に対して転作奨励金を出していることを思えば、むしろ農水省側から、調査研究費は出しますからひとつ大いにやってください、こう奨励をしてしかるべき問題だと思いますが、こういった民間が先行して試作をしておるそのものに対して調査研究費、こういうものを出される気はあるかないか、これはひとつ農林大臣からお答えできますか。
○亀岡国務大臣 農林水産省といたしましても、このえさ米の問題については、研究はしていないわけじゃございません。農業試験場で品種の固定化の実験はずっとやっておるわけであります。ただ、すぐにそういう新品種が固定化できるわけでないことは、もうよく吉原分科員も御承知のところでございまして、一つの固定化された脱粒しない品種をつくり上げるということになりますと、どんなに早くいっても三年ぐらいかかる。それから増収品種をこれまた固定化していくためには少なくとも五年は時間がもらいたい、こういうことを筑波の試験場の諸君は言っておるわけでございます。 したがいまして、現時点におきましてはとにかく脱粒性が激しくて、私も見てまいったわけでありますが、せっかくできた稲でも打撃を与えるとばらばらと落ちてしまう、これは南方系の稲の特徴なんだそうでありますが、こういうことで、脱粒しないような品種にしていかなければ、もう日本の水田経営といいますか稲作経営の路線の上には乗っけられないということが一つあるわけであります。 私もいろいろ考えました。こういうのを転作作目としてもし政府が奨励したと仮定して、政府が奨励したんだからとわっとみんながやる。ところが収穫時期になって、ばらばらとみんな三割も四割も落ちてしまうということになると、何でこんな品種を政府が奨励したのかということで大変な騒ぎになる。そういうことを考えますと、私は、そこを押して転作作目に指定をしていくということはとてもとてもする勇気がなくて、まず新品種、固定品種をつくりまして、そして、その上にしかもえさ用ということでやりますと、最初からえさという作目としてつくり上げていくわけでありますから、超多収の品種をつくっていかなければならない。なぜかと言えば、価格が、えさとしての価格とすれば、米との差が非常に大きくなってくるわけであります。 しかもこれは、粉にすれば米にもなるということになりますと、さなきだに米が余っておる折から、いわゆるえさ米の流通上の処理方法と申しますか、そういうものも詳細に仕組みをつくりまして、これなら絶対大丈夫というような線を確立しないと、ただえさ米が水田の生産力をあれするための一番いい方法だから転作作目に指定していくというようなことは行えないな、私はこういう自分なりの判断を持った次第でございます。 したがいまして、いろいろと民間の方々のやっておることも、農業改良普及員を通じて情報、データを見ておりますけれども、まあいろいろ、よくいっておるところもありまするし、まだまだだめなところもありますし、しかし、転作作目として指定するまでにはまだまだ不十分なところが多過ぎる、こういうのがいま農林水産省としての見解でございます。 しかしやはり、水田を活用していくという面において大きな意義があることは、先ほど局長から申し上げたとおりでありますので、これはえさとして超多収品種を創生できればもう大変な国益をもたらすもの、こういう見通しも立てられるわけでありますから、そういう方面に対して少し長期的な展望に立った上で五十六年度の予算を要求いたしまして、そうして御審議をお願いしておる、こういうことでございます。
○吉原分科員 大臣のお答えの中に三年ないし五年という話がございましたけれども、その三年ないし五年という期間は、いまでさえも民間はかなり先行してそれなりの実を上げておるのですが、三年も五年もかかって結論が出る——いま私が言っておるのは、直ちに転作作物に指定をして転作奨励金を出しなさいということを言っておるわけじゃないのです。少なくとも国立の試験場が小規模な試験田でやられるケースとかなり気候、風土が違った、全国にばらまいていま試作が進められておるわけでございますが、そういう意味で三年ないし五年、政府が自信がつくまでは転作品目に指定はできない、したがって奨励金は出せない。こういうことでなしに、現実にいまやられておるこの試作運動というのが先行しておるわけでございますから、いま前段に申し上げましたように、関係の単協、農協自体も一生懸命になって、食糧米と同額の奨励金を出してまで取り組んでおるというこの事実を無視されずに、転作奨励金じゃなくて調査研究費だ、こういうことでひとつお考え願えないものなのかどうなのか。 私は、いま直ちに転作作物に指定をしてほしいということを言っておるわけじゃない。もちろん、国立の試験場でも試験はやっていらっしゃるだろうけれども、現実に農民がそういう運動に取り組んで、そうでなくても転作条件が整わない多くの水田をそのまま利用してえさ米をつくっておる。つまり水田管理が容易であって、しかも飼料用穀類の輸入依存度をも低める。大局的にはさっき大臣もおっしゃった国益につながっておるわけでございまして、畜産経営の安定の上からも、あるいはまた一たん有事の場合はすぐさま食糧米に切りかえられる。いいことずくめのような感じがしてならぬ。そういう意味で、ひとつ試験研究費を助成すべきじゃないかと思いますが、再度大臣の決意をお願いしたいと思います。
○川嶋政府委員 一般的な基本的なことは、先ほど大臣からお答えしたとおりでございますが、いまの研究の助成につきましてお答えいたします。 先ほど申し上げましたように、国としてはいま全力を挙げてこの問題に取り組んでおるわけでございまして、先ほど先生御指摘の特定の品種につきましては、私どもも十分検討さしていただく予定にしております。すでに検討しているわけですけれども、特性を検定する規模、種類、こういったようなものも十分本格的な検討をしてまいりたい。国が県に委託をしております試験場がございます。そういったようなところと十分協力をいたしまして、これから検討を進めてまいりたいと思っておりますので、先生御指摘のような形での助成ということは、私どもはいま考えておりません。 それから、一般的なことで大変恐縮でございますけれども、いろいろな場所でつくるわけでございますから、いろいろな特性について十分な検討をいたしませんと農家にお勧めできないわけでございます。一口に稲の品種は、従来の経験からいいますと、交配を始めまして十年というのが最小限の単位でございます。こういうことでございますので、鋭意その年限の短縮には努力をいたしますけれども、やはり十分な検討をしてからでないとできませんので、これは国が責任を持ってやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉原分科員 しつこくお願いをしてもどうも聞いていただけないようでございますが、それでは百歩譲って、調査研究費は出せないとおっしゃるなら、せめて減反面積には入れることはできませんか。
○二瓶政府委員 現在、農家の方がえさ米ということで試作をしておられる、そういう試作の水田、これについて転作実績にカウントできないかというお尋ねでございます。 先ほど来、このえさ米という問題についての考え方を申し上げたわけでございますが、現段階においては超多収品種の育成に関する試験研究を推進するということで考えておるわけでございまして、しかもその研究につきましては国の試験研究機関が中心で、一部県の試験場に委託するというようなやり方で進めるという方向で考えております。したがいまして、現在農家の方が試作というようなことで考えておりますものを、そのまま転作実績に算入をする、カウントするということにつきましては、現段階においては困難である、かように考えております。
○吉原分科員 また秋田の例を言うようですが、秋田県では知事が県議会で答弁しておるのです。転作面積に算入されるように国に働きかけますというふうに知事が答弁しております。私は現実に言って、この水田をそのまま利用しながら生産調整の実を上げておるという、そういうメリットな部分を考えてみるときに、さっきから奨励金を出していただきたい、調査研究費を出していただきたい、こう申し上げたのですが、それができぬならせめて減反面積に繰り入れるというのがなぜできないのだろうか。いまのお答えでもちょっと納得しかねます。しかねますが、どうも時間が迫ってまいりましたから、若干まだ一、二質問なり努力要請をしておきたい点がございますので、えさ米問題についてはひとつ早急に政府関係機関に働きかけていただいて、結論を出していただきますように強く要請をしておきたいと思います。 それから、これはえさ米問題ではございませんが、過疎地の農村地帯ではいわゆる挙家離村、こういった問題が主たる原国だと思いますけれども、あるいは農業労働者の労働者不足というものもあるでしょうが、非常に荒廃農地が至るところにございます。所有者が村外におりまして、売りもしないしまた貸しもしない。したがって、雑草が茂って病害虫の発生源となるという。そのほか、農道の整備や圃場整備に大変支障を来しておるというケースがございます。 ところで、農水省の各担当課の方で調査をさせていただいておりますが、これらの対策に対してはりっぱな制度なり施策がございます。御案内のように農用地有効利用のための利用増進法、これは昨年九月から施行されておるわけでございます。それ以前からも、この種の問題に対する施策が行われておるようでございますが、どうも末端の段階まで浸透してないきらいがある。せっかくでき上がった、こういった問題に対処するのにふさわしい法律ができておるのにもかかわらず、不在地主が売りもしない貸しもしないということで、末端の単協等では困っておるという例がございます。ぜひひとつ農用地利用増進法、この周知徹底方について、私どもも政治家の末席を汚しておるわけでございますから努力はいたしますが、農水省としても努力をしていただきたい。 それからもう一つは、農業労働者に対する災害補償制度でございます。 現在ございます労災に対する特別加入が、制度として昭和四十年から行われております。年々この改善をしていただいておりますけれども、まだまだ不十分な点がございます。特に畜産とか養蚕作業、こういう段階とか農作業全般に起こる事故というものが絶えないわけでございます。ぜひ、いまの労災の特別加入制度の対象範囲といいますか、限定する機種だけでなくて、やはり農作業全般に範囲を拡大される必要があるんじゃないか、このように思いますが、見解をお聞かせ願いたいと存じます。
○杉山(克)政府委員 離農者、離村者の残された農地が不耕作のまま放置されているという。ことは、まことに残念なことでございます。そういう解消に努力してまいっておりますが、一部にまだそういう地域が見られるということは事実でございます。こういうことに対処するため、先生も言われましたように農用地利用増進事業、これが前にはいわゆる農振法の体系のもとに進められておりましたけれども、昨年新農地三法の成立を見まして以来、さらに一段とその事業の推進に努めているところでございます。 徹底方が十分ではないのではないかという御指摘でございましたが、五十三、四年ごろからかなり浸透して理解が進み、賃貸借の実績も相当程度上がってまいっております。特に、農地三法の施行を契機に、市町村、農業団体等が積極的にこの事業に取り組んでおります。私どももそういう末端の盛り上がりを一層活用し、離農、離村者が安心して貸せるんだということをよく理解してくださるようにし、そして、その同意を得て有効に活用させていくことをぜひ進めたいというふうに思っております。
○二瓶政府委員 労災の制度の問題でございますが、先生おっしゃるとおり、四十年から特別加入制度というのが認められまして現在に及んでいるわけでございます。この対象機種の拡大ということにつきましても逐次改善をいたしまして、昨年の四月新しく五機種追加されまして、現在十八機種になっておるわけでございます。 ところでお尋ねの点は、特に家畜なり養蚕など、そういういわゆる農業機械作業以外の作業でけがをしたとかあるいは死亡したとかという場合に、この労災制度というものをさらに広げて対象にできないかということでございますけれども、この面につきましては、労災制度そのものの所管は労働省でございますけれども、具体的な問題としては認定の問題があるわけでございます。家畜にけられたとかいろいろな場合でけがをするのがあるのですが、これが本当に生産の場でけがしたのかどうかということの認定がむずかしいというようなことがございまして、農業機械以外の分野につきましてまでこの労災制度を拡大をするということは困難である、かように考えておるわけでございます。
○吉原分科員 時間が参りましたから終わります。
○武藤主査 これにて吉原米治君の質疑は終了いたしました。 次に、渡部行雄君。
○渡部(行)分科員 大体、今回の豪雪雪害問題に的をしぼって、農林水産大臣にお伺いいたします。 実は、大臣も今度の豪雪災害につきましてはつぶさに視察、調査をなされて御存じのとおりであると思いますが、まさに今度の被害は想像を絶するものがあるわけでございます。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕農民は農業に対する情熱を失い、あすへの営農意欲すら消沈しているというのが実態ではなかろうかと思います。これは日本の食糧安全保障の立場からいたしましても、また、食生活全体の安定化という視点から申しましても、あるいは農業の維持発展という角度から考えましても、非常に重大な問題であると思うのでございます。 そこで、大臣はこの現状についてどのように御認識をされておられるのか、また、これらに対するどのような対策を講じようとなされておられるのか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 昨年十二月中旬以降の大雪によりまして、東北、北陸地方を中心に農業施設関係の災害あるいは水産施設の災害等、相当被害があり、特に造林木に対する激甚な被害のあったことはよく承知をいたしておるわけでありまして、二月十六月までの各県からの報告を見ましても、千億を突破しておるというふうに承知をいたしておるわけであります。したがいまして、二日に天災融資法の発動を決意いたしまして、そしてつなぎ融資の通達を出し、各金融機関に御協力を願うことにいたした次第でございます。 特に、今度の東北、北陸の被害の中で、前に冷害を受けた地域がまた造林木に大きな被害を受けておるという事実を、私もまた先般行って見てまいったわけでございます。渡部委員御指摘のように、本当にただ茫然とたたずんでおる。卒塔婆が立っていますよという説明を私にしてくれた。その阿武隈山系の連山見渡す限りずっと本当に白い塔婆が立っておるような感じで、そして、山が泣いていますよ、こういう説明も聞かされてきたわけでございます。百年の間にこういうあれはなかったというような話も聞いておるほど甚大な被害を受けたわけでございますので、やはり造林意欲、営農意欲というものを農家が失わないように、その対策については万全の措置をとらなければならない、こういうふうに理解をいたしておる次第であります。
○渡部(行)分科員 ただいま御決意のほどを承って、非常に心強く思ったわけですが、そこで、それではどういうふうに具体的に対処したらいいのか。私は、法律的に考えた場合は二つの方法があるのではないかと思います。その一つは、まず現行のあらゆる関連法の手直しをしてこれに対処するという考え方、もう一つは、現行法ではとうてい処置できない、そういう分野について新しく立法措置を講じてその対策をやる、こういう方法だろうと思いますが、大臣はこの辺はどのようにお考えでしょうか。
○亀岡国務大臣 豪雪に対しましては、森林国営保険及び森林災害共済の支払いを早急に行うとか、あるいは農林漁業金融公庫の造林資金の融資でありますとか、林業改善資金の融資による復旧でありますとか、あるいは激甚災害復旧造林による被災地の復旧というようなことが現行法にあるわけであります。しかし、これらの法律のよって来るところは、本当にあれだけの大きな被害を経験した上で立法されているのかどうかというところに、私もいささか不安点を一つ持つわけでございます。したがいまして、いま御指摘になりましたように、その辺のところは十分検討をいたしておるわけでありますが、これらの施策で手の行き届かないような点があるという感じが私はいたすわけであります。 したがいまして、その点については各党でいろいろと話し合いが進められておるということも聞いておりますので、政府といたしましても、現行法で十分かどうかというような点についての検討、これはずっと前からやらしておる次第でございます。中間的な報告を受けるところによりますと、林業施策の将来のことを考え、また、百年に一遍しかないという大災害のときには、やはり法律を十分検討して、できればさらに万全の施策が行き渡るような法律に改善すべきではないかなという結論に近づきつつある、こんなところじゃないかと思います。
○渡部(行)分科員 ただいまの御答弁の中で大変熱意をお聞かせいただきましたが、ぜひとも万全の法体制になることを念願いだすとともに、ぜひそのような方向で御努力を願いたいと思います。 そこで、具体的内容についてこれからお伺いするものでございますが、今度の被害は、ハウスあるいは果樹、中には家畜、そして今度は森林というふうに、特に森林については未曽有の損害が出ておるわけでございます。 そこで、先ほど東お話のありました天災融資法の発動あるいは激甚災害地の地域指定、そういうものによって融資の措置が講じられるわけでございますが、実際に現地の農民と話をしてまいりますと、昨年は冷夏の中で大変な冷害を受け、そして借金をしておる、そこにまたこの被害が加わって借金をしなければならぬとなると、どうせこのお金は返さなければならないお金でありますから、とても手を出す気になれない、恐ろしくて、このままいくともう農業というものはつぶれてしまうのじゃないか、こういう非常に先行き真っ暗な真情を吐露される農民が非常に多いのでございます。したがいまして、こういう一つの窮状と申しますか、この農民たちに対して、本当にありがたいな、そういう手当てをするにはどうしたらいいのか、この点がまず第一点。 それからもう一つは、農協とのつなぎ資金を借りる場合の契約によって、実際に天災融資法なりその他の制度資金が国から出てまいりますと、今度は、いままで借りたつなぎ資金の返済にそれを充てられてしまって、実際に手取りはなくなってしまう、こういうことを訴える農民も数多いのでございます。こういう問題について一体どうしたら本当に対策ができるのか。いまの融資といいましても、融資枠についても農民は非常な不満を持っておりますし、さらには基盤整備や構造改善等で借りた金、それの返済期に来ておる人たちは大変な借金返済に追われておる、こういうものについては特に延納の措置を講ずるとか、何らがその辺の手当の仕方はないものか。あるいは利子の補給をするなりあるいは別に無利息長期の金融制度を創設するなり、何らかの手を打たないと日本農業というものの将来に大変な事態を招くのではないかと私は思うわけですが、その辺については一体どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○矢崎(市)政府委員 主として金融中心の御質問でございますので、私からお答えをさせていただきますが、このたびの雪害によりまして、農林水産業、非常に大きな被害をこうむっておるわけでございます。これに対しましてはできる限り有利な条件で融資を中心とした措置を適用していく、こういう考え方のもとに、すでに天災融資法の発動を決めたことは御案内のとおりでございます。この天災融資法といいますのは、ほかの災害制度等と比べましても、金利の面におきましても最も有利な制度でございます。さらに、これで経営資金の方を手当てするのと同時に、ハウスその他の災害を受けた農家、林家等の方には、その施設を復旧するためにこれまた特に農林漁業金融公庫の中の災害資金、最も長期かつ低利の資金を適用して、できるだけ早期に復旧をしていただく、こういう措置を講じまして、現に指導をいたしておるところでございます。 特に、いま先生御指摘のように、そういう資金を借り入れるにしても、すでにいろいろとこれまでに借り入れをしておって、そういうものと重なって非常に返済が困難になる、こういうふうな方が確かにあるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう場合にはそれぞれの制度資金の金融機関の窓口に御相談をいただきまして、十分にその返済条件等で困難な方には弾力的に御相談に乗るように、こういうふうな指導もいたしておるわけでございます。まだ詳しい数字は把握いたしておりませんが、すでに早くそういった災害を受けた方々からはたくさんの申し出もございまして、もうすでにかなりの件数のものが現実にそういうことで償還条件を緩和するという措置を講じたというふうな報告も受けておるところでございます。農林関係は、そのほかにも特に災害に限らずいろいろな融資制度は比較的そろっておりますので、今後ともひとつこういう制度の運用、また将来におきましての改善等につきまして努力してまいりたいと考えております。
○渡部(行)分科員 そうすると、この制度資金等に対する償還期限は延長して、事情によっては延納も認める、こういうふうに解釈していいのでしょうか。
○矢崎(市)政府委員 借り入れ、貸し付けの契約は、金融機関と農家あるいは林家、漁家との契約でございますので、私どもの方で一律にどうするというわけにはまいりませんが、これは個別ごとに、今回の災害というものを踏まえて、従来の契約どおりでは償還が非常に困難になるという方に対しては、その実態を十分御相談に乗ってそれなりの弾力的な措置をとるように、こういうふうな指導をいたしておるわけでございまして、十分金融機関もその辺はわきまえておりまして、個別にそれぞれ御相談に乗っていく、こういうのが実態でございます。
○渡部(行)分科員 それでは次に、現実にハウスの被害というものを私見まして、もう千平方メートルくらいのハウスがばたばたやられているのです。こうなると、これをさらにまた建て直して、新築してトマトやキュウリをつくるとなっても、そういうものではもうその損害を補い切れない。こういうのに対して融資融資というと、もう先に一千万ぐらい借金をしている、そのほかにまた何百万か農機具とかその他で借金をしている、二、三千万の借金を抱えてここにまた融資となると、どうしても手がつけられない、恐ろしい、こういうふうになっているわけですが、そういう異常なものに対しては、どうでしょうか、助成という補助金制度、そういうものをやるか、個人に与えて問題があるとすれば、そういう一つの団体を対象にして考えてみてはどうかと思うのでございますが、その辺についてはいかがでしょうか。
○矢崎(市)政府委員 先生御案内のとおり、実はたとえばいま御指摘のありました園芸施設等につきましては、こういった災害に備えて共済制度を発足いたしておりまして、五十四年から本格的に実施に入ってまいったわけでございます。まだ十分の加入率がないという点は非常に残念な点でございますけれども、逐次これが浸透してまいっておりまして、私どもは、こういった災害というものを踏まえまして、今後一層不事の場合に備えての加入を促進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 個人支出あるいは個人の収入に対します補てん制度といいますのは、何と申しましてもこういった共済制度が中心になるわけでございまして、そのまま助成に結びつけるというふうなわけにはまいりませんので、そのかわりできるだけ長期の低利の資金で個人の施設の復旧等はやっていただく、こういうことでお願いをしておるわけでございます。 先ほど申しました今回の施設等の復旧資金と申しますのも、実は十五年にわたって償還をしていただけばいい、しかも、当面は据え置きをして償還もしないでいい、こういった非常にその点も配慮をいたした制度になっておりますので、十分に御活用願えるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○渡部(行)分科員 これは非常に問題があってもっと掘り下げたいのですが、時間がありませんので……。ただ、ハウスとか果樹ですね、リンゴなんか三十年を過ぎたのがぽっきり折れているのですよ。ところが、それをきれいに整理して次の苗木を植えるまでの段取りとか、あるいはハウスを片づけるその費用が大変だと思うのです。そういう一切きれいにする後処理と申しますか、そういうものについてそれを個人でなくて団体でやらせる、そういうものに助成するという考え方をひとつ検討してもらいたいと思うのですが、いかがなものでしょう。 そこで、時間がありませんからはしょりますけれども、もう一つ大きな問題になっているのは、今度の豪雪で山林労働者が失業して大変困っておるということでございます。これは、山林労働者の中には森林所有者との間に請負契約でやっておる方も相当おりますが、そういう人たちが自分の意思でなくてこういう天災によって就労できない、働くことができない、もう路頭に迷っておる、どうしていいかわからない、生活の方はどんどん金がかかっていく、こういう場合にこういう者を救済する方法はないものか、何らかの方法で、企業が雇用関係でやっておる失業保険とかそういうものを形を変えて適用できるような方策は考えられないものか、こういうふうに思うのですが、こういう山林労働者が自分の意思によらないで天災によって失業した場合に救済する措置についてひとつお伺いしたいと思います。これは労働省かと思いますが、関係の方にお願いします。
○守屋説明員 私どもの雇用保険は、これはもう先生も御承知と思いますが、雇用労働者に適用になる保険でございます。そこで、いまお話がありましたたとえば請負というような形になっておりますと、恐らくこれは雇用保険関係が成立してない場合ではないかと考えられます。 保険制度というのは、ただ一般会計から金を出すというような形での救措措置を臨機応変にとるというわけにはちょっとまいりませんで、事前に保険事故なるものを想定いたしまして、その事故に対応するところの保険料額を決定して、それで一定の被保険者期間、私どもは被保険者期間と申しておりますが、何がしかの保険料を納めていただく、そういう財源をもとにしてこの制度を運用しております。したがいまして、現在の雇用保険の場合には、一番短い期間でも六カ月以上の被保険者期間を必要といたします。もちろん、年齢等によっていろいろ差はございますが、一年から六カ月の被保険者期間がなければ保険金の支給はできませんし、また、職についてないという状態につきましても、再雇用を前提にしたところの離職の場合には、現在雇用保険の扱いの対象にはしないということになっております。やはりこれは一つの共済制度でございますので、この要件を簡単に変えるということは保険制度の財政そのもの、また、制度運用自体の根幹を揺るがすような問題にもなりますので、保険制度として対応することは非常にむずかしい問題であると考えております。
○渡部(行)分科員 これは確かに保険財政というものもあるし、いろいろなかかわりがあって、現行の保険制度では大変むずかしいと思います。しかし、現実に困ってどうしようもない者がいるのですから、政治というものはそういう者を見なくちゃならないわけで、だから、いまの制度にはないから仕方がないのだというのではなくて、そういう者をどういう法律でもいいから、私は法律の種類なんか問わないのです、何らか救済できる措置を考えていただきたい。これは要望しておきます。 時間がだんだん迫っておりますので、次に林野庁長官にお伺いいたしますが、今度の森林被害というのは民有林だけにとどまったわけでは決してないわけで、国有林についても同じようなことが言えるわけでございます。そこで、この国有林の被害の程度、被害面積、そういうものは一体どのくらいなのか、それを復旧するにはどのくらいの人員とどのくらいの年月を必要とするのか、その辺についてまず第一点お伺い申し上げます。 それから第二点は、これは大臣と両方になると思いますが、この被害を受けた山林をきれいに跡整理をして次の苗木を植えるには、大変な労力と、また、そこに必要なのは作業するための道路、そしてそれを運ぶ林道、こういうものの開設がないとどうしてもできない。そこで、そういうものについては一体どうお考えになっているのか、このことが第二点でございます。 それから、これはちょっと先ほど落としたのですが、この森林の跡整理をして次の復旧造林までの期間、災害復旧までの期間がいま三年になっておるようですが、とても五年くらいではできないのではないか、もっと長く、中には十年と言う方もおりますが、私は中をとって七年くらいにできないものか、こういうふうに思うのですが、その辺についてお伺いいたします。 それから三点といたしまして、苗木は一体どういうふうにしておられるのか、確保されておられるのか、また、確保されておるとするならば無償配付をする御意思はないものかどうか、こういう点についてお願いします。
○須藤政府委員 まず、国有林におきます被害の状況でございますが、民有林と同様に、立木の折損なり幼齢人工林の倒伏等が起きておるわけでございます。営林局からの報告によりますと、二月十六日現在、面積で約一万四千ヘクタール、被害額で約七十六億円になっております。このために、被害外分についての折損木の状況あるいは跡地の造林等につきましては、ほぼ三年を目途に計画的に復旧してまいりたい、ただし、倒木の起こしにつきましては、当然当年度に行わなければならないということでございます。 そこで、どの程度の人員が要るかといういまの御質問でございますが、現在まだ詳細な内容がわかっておりませんので、具体的な計画はまだ立案ができておりません。したがって、雇用量等の具体的な数量につきましては、まだ判明していないという現状でございます。 次に、そのための作業道、林道の確保をどうするかというお話でございますが、復旧に要します林道、作業道につきましては、当然十分確保していきたいというふうに考えております。 それから、現在の制度に激甚災害復旧造林というのがございますが、この復旧期間の現行の三年をもっと延ばせないかというお話でございますが、これにつきましては、今回の災害が非常に激甚でございますし、今後の被害の実態等を十分踏まえまして検討していきたいというふうに考えております。 それから、苗木の問題でございますが、どちらかといいますと、毎年造林面積が減っておりますので、現在苗木はわりあいに余裕があるということでございますので、今回調べましたところ、復旧造林の苗木は十分確保できるという見通してございます。 それから、無償配付というお話がございましたが、現在の激甚災復旧造林におきましても、苗木代も当然この補助の対象になっておりまして、しかも、一般の造林よりも高率の助成ということになっておりますので、その中で対応していきたいと考えております。
○渡部(行)分科員 量後にお伺いいたしますが、いま御答弁にあったとおり大変な今回の被害でございまして、これについて、一つは、いまの復旧期間を延ばすことを検討したいということは、延ばすというふうに理解をしていきたいと思います。 最後に、このような場合には、機動的に集中的にこの災害地に対して人員の確保なり事務の集中なりを図るべきではないか。そうしてまいりますと、現在、営林署内に行われておる行政改革、七つの営林署の統廃合、こういう問題は一時たな上げすべきじゃないか、特にこの該当地はこういうものはたな上げして、むしろほかから応援を頼んででも早目に復旧して、国の森林資源というものを有効に開発していく、あるいは育成していく、そういうことが一番大事だと私は思うのです。 また、これは農林大臣にも一言つけ加えてお願いするのですが、こういう状態の中で農林省の人減らしというようなことをこの際一時中止して、東北の被害農民の救済のために集中的にやっていただきたい、このことを強く要請して、最後の御決意をお二方にお願いしたいと思います。
○須藤政府委員 いまお話しの営林署の統廃合につきましては、事業の規模なり営林署の配置状況はもちろんでございますが、地域の実情等を十分に配慮した上で対象営林署を選定してまいりたいと考えております。
○亀岡国務大臣 渡部委員から種々今回の豪雪地帯の問題について御指摘があったわけでありますが、それらの点を十分考慮しながら、被災農家の諸君が営農意欲に影を落とすことのないように、また、林業者が造林意欲を失うようなことのないような万全の措置を講じていくために全力を挙げたい、こう考えております。
○渡部(行)分科員 大変ありがとうございました。
○近藤(元)主査代理 これにて渡部行雄君の質疑は終了いたしました。 次に、西中清君。
○西中分科員 最初に食管法の改正についてお伺いをしておきたいと思います。 大綱はほぼ固まったようでございますけれども、いずれにしても長い期間問題になってきたわけでありますが、時代に即応しての改正は当然であろうと多くの点で考えておるわけでございます。 ただ、農業者にとりまして二、三心配な点といいますか、お伺いをしておきたいと思うわけでございます。 どういうことになるのかわかりませんけれども、伝えられる範囲で、たとえば食管法第四条ノ二の改正、いわゆる生産者麦価の規定でございますけれども、こういう問題はいろいろとお考えもあろうかと存じますけれども、麦というものは水田利用再編対策の中では重要な転作作物であると考えておるわけでございます。現在の麦価水準ということも再生産にとってはそう高くない、むしろ不足である、こういうような声が多いわけでございます。あえてこの麦価の算定方式を変更し、結果的に農業所得を下げるんじゃないか、こういうふうに心配する向きが多いわけでございますけれども、その点についてはどういう御見解をお持ちか、お伺いをしておきたいと思います。
○松本(作)政府委員 麦の価格につきましては、従来から国内の自給率を高め、転作作物としての推進をいたしますために、法律のパリティ価格だけではなくて、パリティ価格に生産奨励金相当額も織り込む形で麦価を決めておるわけでございます。ところが、現在の食管法の麦価の規定の中には、一つは二十五、六年の価格を基準とするパリティ価格を下回らないという規定と、このパリティ価格を基準として生産事情その他の経済事情を参酌し再生産を確保することを旨として定めるというふうな二段階の規定になっておるわけでございますが、このうちの前段階の二十五、六年のパリティ価格を下らざるものという規定は、非常に過去の古い時代をとった基準になっておりまして、その後の生産事情の変化を反映しておらないという問題もございますし、また麦作の生産性が反映できないというような硬直的な面も大きいわけでございまして、他の畑作物価格の価格規定とのバランスもとれないというような問題もございますので、今回食管法を改正をいたします際に、この規定を実態に合わせて改正する必要があるのではないかというように考えておるわけでございます。
○西中分科員 趣旨はわかりますが、どうか農家の所得が低下しないように十分な配慮を願いたいと要望しておきます。 さらに、全国の農業者は麦価だけではなくて、今回の法律の改正案そのもののねらいは何か、こういう点で幾つかの心配を持っておるわけでございます。たとえて言うと、一つは生産者米価の抑制につながるのではないか。それから米の品質格差の拡大、低い等級の米は転作へ追いやっていくのではないか、こういった心配。また自主流通米が歯どめなく広がっていくのじゃないか、拡大していくのじゃないかという心配。また米や麦などの管理経費が生産者にかかってくるのじゃないか。大体いま四点挙げましたけれども、こういったような心配をしておるわけでございまして、ひいてはこれが生産意欲の減退にもつながるのではないかというふうにも考えるわけでございますけれども、御見解を伺いたいと思います。
○松本(作)政府委員 私ども、現在の食管法が先ほど先生からの御指摘もありましたように、実態と法律のたてまえが非常に食い違っておりまして、そのために結果的にこの食管法が崩れていくという心配を深く持っておりますために、こういった問題になってこない前に食管法がだれでも守れる食管法として秩序のある制度にしていきたいということで考えておりますので、従来から食管法が果たしておりました基本的な機能というものを発揮できるように考えておる次第でございます。 ただいま御指摘のありました価格の問題につきましては、今回の法律でも格別麦の価格以外、米価について価格規定をいじるという考え方は持っておりません。 品質格差につきましては、従来から食管制度の中におきまして、自主流通米ないしは政府操作米につきましても品質格差ということを織り込んで操作をしておりますので、消費者の需要の実態に合った管理をするという考え方に立っておるわけでございまして、不必要に価格を引き下げるというような考え方を持っておるわけではございません。また、自主流通米につきましても、ただいま申しましたように流通量の三分の一を占める実態を果たしておるわけでございますが、食管法上必ずしも明確にされておりませんので、位置づけを明確にしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、管理経費の問題につきましては、これは法律問題というしりも全体の食管制度の運営改善の中におきまして、われわれとしては全体として管理経費の節減の努力をすべき問題であろうと考えておるわけでございまして、むしろ管理経費全体についての合理化というものは食管を維持していくためにも必要であろうというふうに考えております。
○西中分科員 麦作の技術開発という問題でございますが、麦作の形態については従来よりの畑作、それから水田の裏作、さらにはまた転換による麦作、こういうように大きく分けて三つくらいあるのじゃないかと思っておるわけです。そしてさらに、銘柄の違い、コストはばらばらである、いろいろな問題があると思います。また、麦の品種改良については非常におくれておるのではないかというように認識をしております。この結果、米作と麦作のサイクルというものが従来と違って合わない。米は最近非常に速くなっておるということもございますし、そういう点からいきますと、ただでさえ少ないわが国の耕地というものがサイクルが合わないと十分利用できないという関係にもなるわけでございます。したがいまして、麦の品種改良に積極的に取り組んでいただかなければならぬというように思うわけでございます。そういった条件を整えた上で麦価というものも考えるのが本当ではないだろうかというような考えを私はしておるわけでございますけれども、こういう点についての御所見を伺いたいと思います。
○亀岡国務大臣 西中委員のただいまの御主張、全く私も同感でございます。やはり一時期小麦等についてのいわゆる品種改良——私は作物の品種改良というのは寸刻も休んではいけないというふうに考えておったわけでありますけれども、やはり行政面で何と申しますか、主役のような立場に置かれておる米というものを中心にして農業が展開されてきたせいでありましょうか、とにかく小麦に対する品種改良というものは確かに非常におくれております。この十数年の空間というものはまことに惜しい時を過ごしたなと思って、私も就任以来この点を強く指導いたしまして、もうとにかく麦の中でも特に小麦の品種改良にもっともっと力を入れるべきである。大麦は実はビール麦等の関係で品種改良がある程度ずっと続けられて、それなりの成果を上げてきておるわけであります。これはもう小麦、大麦に限らず、飼料作物にいたしましても、草資源の開発にいたしましても、やはり日本農業の最も希望の持てる部門と言っても差し支えないと思う面もあるわけでありますので、この点については十分な努力をいたしまして、いわゆる多収品種、良質の小麦の品種、大麦の品種等を造成することによってむしろ単収が上がれば、それだけ奨励金なんかもらわずとも自然に麦をつくりたくなるということによって、非常に低下しておりますところの農地の利用率も上げていくことができるということでありまして、いま御指摘を受けた点につきましては全くそのとおりのことでございますので、努力をしてまいりたいと思います。
○西中分科員 次は、林業の振興という点についてお伺いしたいのです。 林業白書等でも明らかにされておりますが、わが国の林業の実態は三十年代後半から外材が増大しまして、そのために国産材のシェフというものはどんどん下がって、現在三〇%程度という落ち込みでございます。まさしくこれは国産材そのものの危機というだけではなくて、治山その他水資源、いろいろな面で大きな問題であろうと私は思うわけでございます。 さらにまた、最近は住宅産業が非常に低迷いたしておりまして価格も落ち込んでおる、こういったことでございますが、農林水産省として国産材振興を図っていくことは急務だと私は思っておるのですが、どういうお考えであるのか、まず伺っておきたいと思います。
○須藤政府委員 国産材の振興を図るために、従来から素材生産流通近代化対策事業でありますとか、あるいは森林総合整備事業、あるいは国産材産業振興資金制度、新林業構造改善事業、林業振興地域整備育成対策等の施策を講じてきておるところでございまして、今後ともこれらの施策の推進によります林業基盤の整備や地域林業の形成を図るほか、五十六年度からは新たに総合的な間伐促進対策の実施、林業の担い手対策等の拡充に努めてまいる所存でございます。 なお、国産材の需要拡大につきましては、改良型在来工法住宅の見本住宅の展示でありますとか、あるいは在来工法住宅部材流通消費改善対策事業等も実施をいたしております。 また、住宅用本質材料の品質向上、新製品の開発、間伐材の利用開発等を目的といたしました技術開発研究等も行っておるわけでございます。また、間伐材等小径木の有効利用、利用拡大を目途といたしました間伐材等小径木流通加工需要開発促進事業の実施等を講じてきておるところでございますが、今後ともこれらの施策の充実に努力をしていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○西中分科員 いろいろな施策を講じていただいておるわけでございますけれども、なかなか困難な問題であるということも十分わかります。ただ、ここでちょっと聞いておきたいのですが、木材価格が非常に暴落しておりますが、これについては特に新しい何らかの対策はお考えでしょうか。
○須藤政府委員 現在木材価格が非常に下がっておりますのは、先ほど先生からもお話がございましたように、需要が著しく減退しておるということでございまして、特に木材需要の指標となります住宅着工戸数が非常に激減しておるという実態がございます。これにつきましては、根本的には地価対策なりいろいろな政策が必要でございますが、いずれにいたしましても需要の喚起ということが必要でございますし、また外材の輸入につきまして、将来ともわが国は外材を入れていかなければならぬ立場にあるわけでございますが、もう少し調整といいますか、これは十分図っていかなければならないと考えております。と同時に、国産材の産出を強力に推進していくことがどうしても必要であろうと考えております。
○西中分科員 これは一つの提案といいますか、これが完璧なものだとは思っておりませんけれども、住宅建設資金貸し付けの面から木材指向を強める方向を探る。具体的に言いますと、広島県ですでに実施をされておるわけですが、住宅建設資金貸付制度というものがございます。ここでは、木造住宅を優先としまして、少なくとも住宅の一定個所、これは決まっておりますが、国産材を使用するという規定を設けております。その上で利子補給等を行う。いろいろな要件があるようでございますけれども、すでに御承知のことと思いますが、こういった工夫も国産材の需要について一つの大きな足がかりになるのじゃないか、こう考えるわけでございます。したがって、国でこういったような制度を新たにまた考え出すというようなことはできないのか、こう思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○須藤政府委員 国産材の需要拡大につきましては、さきにも申し上げたとおり、従来からいろいろな施策を講じておるわけでございますが、ただいま先生からお話がございました広島県で住宅資金の貸付制度を実施しておるということも承知いたしております。また、高知県等でもやっておるように伺っております。 ただ、国の立場といたしますと、住宅政策上の観点から国が実施しております住宅金融公庫融資について、特定の資材の使用あるいは産業の振興を加味することについてはいろいろ問題があるのじゃないかということが考えられます。ただいまお話がございました木造住宅の推進という面からはなお工夫を要することであろうと思いますので、今後関係省庁とも連絡をとりながら検討していきたいと考えております。
○西中分科員 次に、林業従事者の社会保障制度を拡充させる点ですが、いま非常に林業従事者というのは高齢化している。先行き後継者の心配がございますから、その後継者の育成の意味からもぜひとも必要であろうかと思いますが、中小企業退職金制度に林業従事者を加えることについて、当初五十六年四月一日実施予定のものが時期的に少しずれ込んでいっておるように聞いておるわけでございます。関係者としては非常にこれに期待をしておる制度でございまして、できる限り早いスタートを要求したいわけでございます。見通しとしては、これはいつごろから発足する予定か、お伺いしたいと思います。
○須藤政府委員 中小企業退職金共済法に基づきます林業にかかります特例的退職金共済事業は、今国会に提出されております中小企業退職金共済法の一部改正案の成立を待って、昭和五十七年一月一日から実施される予定となっております。
○西中分科員 次に、大臣にお伺いしたいのですが、新聞等によりますと、いわゆるアメリカの二百海里水域でサケ・マスが、保護団体等の非常な反対でイルカ混獲はまずいという抵抗が非常に強くなって、へたをすると全面禁漁になるのではないかというような報道がなされております。これは日米加漁業条約のイルカ混獲猶予期間がこの六月九日で切れるわけでございまして、六月から始まることしの漁期に従来どおりの流し網漁を行うのはやはりアメリカの許可が必要だということでございますね。そういう点で、この問題についてはどういう見通しを持っておられるのか。それから、そのほかアメリカとの漁業問題につきましては、ズワイガニの禁漁の問題、これが北大西洋地域で割り当てがゼロになったとかいろいろとございます。さらにはスケトウダラのひもつき割り当てという問題、さらにブロー法とさまざまな問題を抱えておるわけです。非常に御苦労ではございますけれども、こういう重大な問題がいま日米の漁業関係について存在しているわけでございますが、こういう問題についてはどのような認識を持っておられるのか、伺いたいと思います。
○亀岡国務大臣 アメリカの二百海里水域内で操業するわが国の母船式のサケ・マス漁船による例のイシイルカの混獲問題については、いま御指摘のあったとおりでありまして、日米加漁業条約による混獲許可免除のもとに行っておるわけでありますが、この免除期間が本年の六月九日で終了するということになっておるわけであります。当該水域での操業を継続するためにはこの許可を受けなければならない、こういうことでございます。しかるところ、これもまた御指摘のアメリカの環境保護団体が日本にまでやってまいりまして、イルカの網を切って逃がした服役中の青年もおるというようなことでもおわかりのとおり、例の環境保護団体等が非常に強く活動をしておるわけでありまして、混獲許可を得ることができるかどうかということについては予断を許さないというふうに見ておるわけであります。 ちなみに、この環境保護団体というのはすさまじい運動力を持っておりまして、実は私のところにも毎日航空便で、これはイルカじゃございませんが、もう日本は捕鯨をやめるべきであるといったような九万通近くの手紙を毎日よこしておるということで、非常に熱心に、執拗に運動を続けておるわけであります。 こういう事態もありますので、政府といたしましては、今後とも関係漁業団体と緊密なる連絡をとりながら米側との折衝を引き続き行うことといたしておりまして、本年以降も引き続き関係漁業者が操業できますように最大限の努力を払っていかなければならない、また払っておるということを申し上げる次第でございます。
○西中分科員 大変な抵抗があるようでございまして、非常に御苦労でありますが、最悪の事態といいますと語弊があるかもわかりませんけれども、厳しい中でこの問題が解決できないということであれば、私は農林水産大臣が訪米をしてアメリカと十分な協議をして漁業者を守っていただきたい、こういうように思うわけでございますが、そのお考えはございますでしょうか。
○亀岡国務大臣 まだその時点になっておりませんので、その時点になって考えたい、こう思っております。 いずれにいたしましても、最大の、最善の努力を傾注してまいる、こういう気持ちでおる次第でございます。
○西中分科員 時間も参りましたので私の地元の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 京都府におきましても国営農地開発事業が推進をされておりまして、一つは国営丹後地域総合農地開発事業、また国営宇治山城地域総合灌漑排水事業、国営中丹地域広域農業開発事業がそれぞれ進行中でございます。地元では期待を持って積極的な対応を図り事業の早期完成を望んでおるところでございます。 そこで、確認といいますか、状況をお伺いしておきたいのです。 まず、丹後地域及び宇治山城地域の事業についてでありますけれども、五十六年度より全体実施設計に着手するというようにお聞きをしておるわけでございますが、この全体実施設計はいつごろをめどに完了を考えておられるのか。また、それに続く工事着工と完成をいつにしようとお考えなのか、大体のめどをお伺いしたい。 さらに、中丹地域の基本調査の完了は大体いつごろ終わるのか、その後の事業を具体化させるためにはどのような手続が必要か、こういった点について御報告をお願いしたいと思います。
○杉山(克)政府委員 従来京都府の農業基盤整備はほかの都県に比べておくれておったわけでございますが、いま先生御指摘のように最近そのおくれを取り返したいということで、基盤整備に対する地元の方々の意欲が非常に高まっております。いま挙げられました三つの調査事業、これはいずれもきわめて大型のものでございますが、やはりそういった意向を反映しているものと思われるわけでございます。私どもはこれらの事業を重点に考えて、全体としてできるだけ早期に実施完成に持ってまいりたいというふうに考えております。 まず、丹後地域の問題でございますが、丹後地域の中でこれは二つに地区を分けて東部、西部ということになっておりますが、東部地区については、すでに五十六年度に全体実施設計に移るという段階になっておるわけでございます。その期間はどのくらいかかって完了するのかということでございますが、私ども昭和五十八年度には事業着工ができるように努力したいと考えております。それから残りの丹後西部地区でございますが、これはいまの東部より一年おくれて五十七年度には全体実施設計に持っていきたいというふうに考えております、 それから、そういう着工にかかった後の完工までの期間はどうかということでございますが、これは予算の制約とか、そのときどきの技術的な事情とかいろいろありまして、必ずしも目標どおりにいかないというようなこともございますが、私ども現在のところ、工事期間はおおむね十カ年というふうに考えております。 それから宇治山城地区でございますが、これは五十三年度から調査を開始して、本年度に調査を完了し、先ほどの丹後の農地開発と同じように五十六年度から全体実施設計に移ることとしておるわけでございます。これは通常は二年か三年で全体実施設計を終えて後の工事にかかるということでございます。ただ、土地改良の仕事でございますので、これは何といっても受益者からの合意に基づく事業実施申請というのが前提になるわけでございます。そこで、そういう手続がとられた後事業着工になるわけでございますが、工事の期間は、これも先ほどの開発事業と同じように十年程度と想定いたしております。 それから中丹地域農業開発基本調査でございますが、これはいま申し上げましたような前二者の調査とは違いまして、その前提となるような地域の自然的、社会的諸条件を全般的に調査する、どういう事業がやれるかというようなことを調査する性格のものでございます。これは五十四年度から実施しておるわけでございますが、全体のそういう基本的な調査はあと若干、五十八年ぐらいまでかかるかというふうに思っております。ただ、その中で五十四年、五十五年、すでにこの二年調査を進めたところがあるわけでございますので、それらの調査の結果を踏まえまして、五十六年度はさらに調査の重点地域を定めて、ブロック別に調査精度を高めたもう少し具体的な調査を進めてまいりたい、そして開発熟度が高まった地区から順次事業化に持っていきたい、かように考えております。
○西中分科員 終わります。
○近藤(元)主査代理 これにて西中清君の質疑は終了いたしました。 次に、川本敏美君。 〔近藤(元)主査代理退席、山田(耻)主査 代理着席〕
○川本分科員 私は、まず林野庁長官にお聞きしたい。 植樹祭というのは、どういう目的を持ってやっておるのですか。
○須藤政府委員 植樹祭は、国民の緑化思想の高揚によりまして、国土緑化の推進とこれによる山村林業の振興等に大きく貢献させるということでやっておるわけでございます。
○川本分科員 本年の五月二十四日に、私どもの奈良県の奈良市で第三十二回全国植樹祭が行われるわけですよね。このテーマは、どういうテーマか御存じですか。
○須藤政府委員 ことし奈良で行われます植樹祭は、平城京の跡地内で行われるわけでございますが、テーマは「文化の遺産を緑で守る町づくり」ということになっております。
○川本分科員 植樹祭というものは、この三十二回の奈良の植樹祭で大きくその性格があるいは変わるのではないかと私も思うのですけれども、「文化の遺産を緑で守る町づくり」、これは林業の振興ではなくて、いわゆる都市緑化を目的としているのではないですか。
○須藤政府委員 もちろん、今回の場所が場所だけに、都市でやるわけでございますから、やること自体は都市緑化でございますけれども、都市緑化自体もやはりこの林業との関係が深いわけでございます。必ずしも林業と関係がないということではございません。それと同時に、今回の行事は植樹行事のほか、緑化功労者あるいは学校造林優秀校に対する表彰、あるいは全国林業後継者大会、人と緑展、部分林の設定によります記念造林、あるいは木材展、こういうものを一緒にやることに相なっておるわけでございます。
○川本分科員 そこで、自治省にちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、この三十二回の全国植樹祭に主催県である奈良県が要する経費は約三億五千万円。そのうち国土緑化推進委員会からの補助金が千二百万円で、宝くじからの補助金が千八百五十万円、合わせて三千五十万円程度の補助をいただけるようですけれども、そうなると残りの三億余り、これはまるまる主催県の県費負担になってしまう。こういう場合、自治省は、いわゆる特別交付税の配分とかで、こういう植樹祭の主催県に対しては財政援助を従来やってきていますか。
○池ノ内説明員 従来の例で申し上げますと、植樹祭そのものに対しまして特別交付税の対象とはしておりません。
○川本分科員 そうすると、今度も交付税の対象にはなっていないけれども、特別交付税として何か積算の中に加えるというようなことはないわけですか。
○池ノ内説明員 植樹祭もいまお話ございましたように、都市緑化あるいは林業振興の一環として行われるのではないかというふうに考えられるわけでございますけれども、経費の性格上、直接的に地方交付税においてその対象経費を算定するということは非常になじみにくいのじゃないか、かように考えております。
○川本分科員 そうすると、これはやはり農林水産省の関係になってくるわけですが、私は三十二回を迎えて、全国植樹祭というのはもうマンネリ化してしまったんじゃないかと思うわけです。年中行事化してしまって、そして林業を振興するとか、あるいは今後の日本の国土の保全をどうやるんだというような基本的な認識に農林水産省自身が欠けておるんじゃないかと思うのです。 そんなことで、日本の将来をどうするのかということについて、これは大臣の責任ですね。植樹祭がこのように従来ずっと三十一回まで続けられてきた、いわゆる林業振興といいますか、そういうものを基本の土台に据えた植樹祭から、都市公園、都市緑化、こういうことになると、これはもう建設省の問題ですよ。都市公園の問題です。そんなことにだんだんと変わりつつある。それを黙って見ているいまの林野庁あるいは農林水産大臣の責任は、まことに重大だと私は思うわけです。 最近林業というものが——先ほど来、私はさきの分科員の方々の質問も聞いておりましたが、それに対する林野庁長官の答弁を見ても大臣の答弁を見ても、私はまことに不満です。そこにいわゆる気魄もなければ責任感もないと私は思う。林業というものがいま軽視されつつある。日本の政治の中でも、あらゆる課題の中で林業というものがいまなおざりにされつつある、このことについての責任は一にかかって大臣にあり、林野庁長官にあると私は思うのですよ。 昨年の十一月二十日にも、参議院の農林水産委員会でわが党の村沢議員が大臣に質問していますよね。学習指導要領から林業というのが消えてしまった。小学校、中学校等の義務教育の教科書から、森林とか林業という言葉が全部消されてしまったわけです。林業を産業として認めないというところまで文部省の方では進んできておる。こんなことを農林省が黙って——農林省どころじゃない、最近は農林省でももう農水省と言いますわね。略称農水省。昔は農林省だったけれもど、いまは略称農水省だ、これも林が消えている。こういうようなことから見ても、いわゆる林業軽視というものが広くいま日本の国内に満ち満ちておると思うのです。このように林業が軽視される一番の原因は何だと思いますか、大臣。
○亀岡国務大臣 林業軽視の理由というのは、結局山林業がペイしないという時代に入ってきたということが一番の原因ではないか、こう私は思います。と同時に、いままで日本の山というものは、林業者のいわゆる林業経営に基づく経済的報酬とでも申しますか、そういうものを中心にして国がこれに助成をして林業経営が維持されてきた、こういうふうに見ることができるわけであります。その時代には山には山人と申しますか、本当に木を育てることに生きがいを感じ、山林を経営することに生きがいを感じた人たちが、プロパン革命によりましてまず薪炭林関係者が山を去るという事態になった。次いで外材が入ってまいりまして、材木の低迷ということによってだんだんと今度は林業関係の人が林業から去る。こういうことになって、実は日本の山はまさに荒れなんとすと、私は就任のときに記者会見で申し上げたわけでありますが、非常に憂うべき状態になってきておる。 私は、農林水産大臣就任の際に、実は六種類ございます教科書を全部読んでみましたところが、米と食糧と水産関係はちゃんと教えなさいと学習指導要領に書いてありますけれども、私が代議士になったときも全部私——あの当時、二十六種類の教科書がございました。そのときには山林関係については、指導要領にも教科書にもきちんと書いてありました。そこで今度は農林水産大臣になったのだから、日ごろ見ておけばよかったのですけれども、代議士在任中はそれ以来読んでおりませんので、大臣になってどういうことを小学校のときに教えているのだろうということで見てみましたところが、林業関係が入ってない。そこでもうすぐに、就任した三日目かに実はやかましく文部大臣に対して、この教科書を、指導要領を次のあれまで待たずに直してほしい、こういうことを申し入れたわけでございます。そういうふうに、やはり山関係は最も大事であるということを子々孫々にも教えていかなければいかぬということであろうかと思うのです。 これはもう本当に、よけいなことを言っておしかりを受けるかもしれませんけれども、やはり山がなければ水、緑、それから空気の浄化、酸素の補給等々、実は山林、森林はあらゆる公共的な役割りを果たしておるにもかかわらず、林業者の林業経営努力にだけ依頼しておったということで果たしていいのだろうか、山に対してもっともっと国民的な関心と国民的な投資をしていかなければならぬのではないかということを、就任以来、林野庁長官以下を督励をいたしまして、五十六年度の予算では間伐対策という新規の予算計上をさしていただいた、こういうことでございまして、先生からおしかりをいただくということは、これはもうある意味においてはやむを得ないところがあるのじゃないかなと、私自身、怒られてすっきりすると言ってはなんでありますけれども、そんな気持ちで現在おるわけであります、
○川本分科員 時間がありませんので、簡単に御答弁をいただきたいと思うわけですけれども、いまおっしゃるように、林業ではペイしなくなったわけですよね。その林業でペイしなくなった原因はだれがつくったのか、これは政府がつくったんです。一方でいわゆる日本列島改造、そういう中で工業化へ向けてのいわゆる過疎化、過疎地とそして過密地ができ上がるというような状態で、人口の大移動をやってしまったわけです。 その中で、森林の造林面積というものも、そういう政府行政の政策の中で年々だんだん減ってきていますよね。これは昭和三十六年に三十四万ヘクタール造林したというのが戦後最高。それから年々減少してきて、今日ではもう年間十五万ヘクタール前後ですよ、そういうふうに造林意欲も減退をしてきた。これは木材価格が低迷をしておる。そして間伐は進まないわけですよ。間伐適齢林の半分以上は、間伐ができて広いと思うのです。いまおっしゃったように、間伐に対するいわゆる補助ですね、あるいは小径木の活用、こういうことについて私たちは早くからこれを要求をしてまいりました。私は、すでに遅いんじゃないかと思うのですけれども、来年度の予算の中で間伐補助についてはどういう措置がされておりますか、林野庁長官。
○須藤政府委員 間伐対策につきましては、従来林業構造改善事業あるいは林業改善資金、金融措置、いろいろやってきたわけでございますが、御指摘のとおり、民有林の間伐が著しくおくれておるという状況から、五十六年度から促進総合対策を実施することにいたしておるわけでございます。 御承知のとおり、民有林の植栽面積というのは非常に零細でございますから、これを集団化して計画的に間伐を進めていく必要がございます。そういうことで、県がそういう基本方針を立案し、市町村が主体になりまして計画をつくる。また、これに対する選木、つまり間伐の指導等もやってまいらなければなりませんし、実行に対する助成もしなければならない。また同時に、出てきた間伐材の需要の開発も必要でございます。そういうことで、総合的にこれを五十六年度から実施をしていこうということでございます。
○川本分科員 私たちは、間伐については、少なくとも三分の二以上の補助を出さなければ間伐は進まないんじゃないか、こういうふうに従来要求をしてきたわけですけれども、来年度の間伐補助はどのくらいの補助率ですか。
○須藤政府委員 明年度の間伐そのものの補助につきましては、約二分の一でございます。
○川本分科員 国が約二分の一を負担して、そこに県とか市町村が若干の上乗せをして、そして三分の二くらいにしようということだと思いますが、そういう中で、いまおっしゃったように、今度は間伐が進めば小径木の活用の問題が出てくる。そういう点についても十分研究開発、需要の喚起、こういうことも林野庁が指導していかなければいけないと思うのです。 そこで、先ほど来大臣もおっしゃいましたけれども、私は、林業に対する考え方について若干大臣とは意見が違う。それはなぜかと言いますと、いわゆる林業者とか林業後継者ということを先ほど来もよく言われておりますけれども、私ども奈良県は民間林業の先進県ですけれども、大体林業家というのは、あるいは三百ヘクタールとか五百ヘクタールとか千ヘクタールとか、大きな林野を持った大山林地主なんです。そこで後継者が一人育ったからといって林業が守れるものではない。二百ヘクタールの山林地主の息子が一人林業に従事したから、これは後継者対策ができているんだ、そんなばかなことを林野庁は考えてないと私は思いますよ。 しかし、いま林業がこのように荒廃をして、林業が忘れ去られようとしている一番の原因は何かと言ったら、営林署の統廃合等で、国有林の合理化で営林署をどんどん統廃合するものだから、ああ国はもう営林署を統廃合してしまって、もう林業みたいな、山林みたいなものはどうでもいいんだなんという思想を国民に蔓延さした責任は、私は林野庁長官、農林水産大臣にあると思っているんですよ。そこで、やはりこれからもう一度これを根元から掘り起こしてこなければいかぬ。そのためには、私は、いわゆる山林労働者の雇用の安定を確保しなければ、林業に従事する人はいなくなると思うのです。 先ほど来の質問でもありましたけれども、物すごく高齢化している。私ども奈良県では、もう専業の山林労働者ばかりなんですよ、大臣。大臣は、この前参議院でもお答えいただいておるのを見ましたら、農業との兼業の労働者だというふうに認識をしておられる。私ども奈良県では、山と道と川だけしかない。田もなければ畑もない、そこに何千人という山林労働者が、一年じゅう山仕事だけで生活を支えておる人たちがいるわけです。その人たちの手によって今日まで奈良県の林業というものは、いわゆるモデル県として先進的な役割りを果たしてきておる。その中で一人や二人の林業家の息子を、後継者を育てたからといって、後継者対策できています、そんなことじゃ林業というものは守れませんよね、林野庁長官。 しかし、その山林労働者というのは、伐木にしても造材にしても、あるいは枝打ちとか下刈り等の撫育、植林にしても、現在すべてこれは日雇いですよね。雪が降ったら働けない、雨が降ったら働けない。一カ月に十四日や十五日働いて、若い者がどうして生活できますか。だから、もう五十歳代以上の、老齢化してしまって、二十歳代の山林労働者というのはいま私の奈良県では恐らく一人もいないですよ。そういうことで日本の林業の将来が守れると思いますか。私は守れないと思う。 そのためには、若い人が林業に従事してもらえるような雇用対策というものを、これは農林水産大臣の主唱によってそういうものをやはり制度として国がつくり上げていかなければ、林業ではペイしないんですから、林業家に負担せいと言ったってそれは無理ですよ。その点について考えたことありますか。
○須藤政府委員 ただいまおっしゃるとおり、私ども林業後継者というのは——いま先生、奈良県の例をおとりになりましたけれども、奈良県はまことに特殊な存在でございます。あそこは大山林所有者がおりまして、いまおっしゃるような専業の林業従事者がおるということでございまして、私どもが林業後継者と言っておりますのは、ああいう大山林所有者はもちろんでございますが、このほかにも中小の農業と兼業の林業経営者がおるわけでございます。その方が大多数でございます。現在、林業後継者のグループが、十万人を超したグループがございます。林研グループというのがございますが、そういうものを対象に考えておるわけでございます。 それと同時に、いまお話ございましたいわゆる林業従事者、これはいまおっしゃったとおり、確かに年々高齢化をいたしておるわけでございまして、若年層の参入が非常に少ないという実態にございまして、その点非常に頭を痛めておるわけでございますが、林業面の手当てはなるべくそういう後継者なり従事者の確保ということに最善の努力をしておるわけでございますが、いずれにいたしましても林業だけではなかなかやっていけない。やはり山村の振興ということを前面に掲げてやっていかなければ、それらの問題は解決できないというふうに私ども考えておるわけでございまして、そこで山村振興を中心とした施策についても、林野庁としていろいろ各省と連絡をとりながら進めておるわけでございます。
○川本分科員 奈良県は特殊だと言われましたけれども、奈良県だけじゃないと思うのです。高知県でも徳島県でもあるいは長野県でも秋田県でも、鳥取県に行っても同じような形があると私は思うのですよ。だからこれは、奈良県の特殊なものだといって片づけられたのじゃ、日本の民有林業というのは、民間林業というのは壊滅しますよ。林野庁長官がそんな認識じゃ根本的に間違っておる。 きょうは三十分ですから、いいかげんな答弁しておったって三十分たてばやめるだろうと思っておるのかもしらぬけれども、それなら私は改めて農林水産委員会に行ってでも決算委員会ででも、二時間でも三時間でも一遍やりますよ。少なくとも日本の林業を守ろうとすれば、その林業で働くという意欲を持つ若い人たちを何万人と育てなければいかぬわけですよ。林業家の息子、地主の息子あるいは木材業者の息子、そういう者が林研グループというものをつくっている。その林研グループさえ育てれば林業は守れるんだと思っておったら、それはもう根本的に間違いです。 その点について、山で働く山林労働者が振動病という職業病でもいま大変苦労しておる。国有林野については、いろいろ営林署を督励して撲滅の対策をやっておられるけれども、民有林の方はまだどんどん患者はふえているのだ。そんな状態を放置する中で、私は少なくとも日本の林業というものは守れないと思うのです。その点についてどうですか。山林労働者の雇用対策について、どのように農林水産省としては考えるか。私が言うように、いまのこのような形じゃ若い後継者は育たない、林業労働者は育たない。もっと雇用を安定させるという基本原則が——今度の奈良の植林祭を見ても、林業労働者は一人も地方の招待者の中に入っておりませんよね。山で肝心な木を植える人は一人も招待しないで、それで植樹祭、意味ありますか。
○亀岡国務大臣 戦後の日本をここまで育ててきたのは、やはり一生懸命働く者を大事にしてここまで日本はやってきたと思うのであります。したがって、当然私も山に関心を持ち、山の林業進展を図る責任者といたしまして、山で働く諸君の雇用条件はむしろ平場よりもよくしてやるという意識を持たないと山に人が集まらない。山に人が行かないということは、結局山をマツクイムシの巣にしてしまう。こういうことでは、本当に山ばかり荒れるのじゃなくて里も荒れてくる。農業にもやはり大きな影響を及ぼしてくる。 こういうことでございますので、その点につきましては私も大変川本委員から激励を受けて、山の問題で八カ月の在任中これだけ熱のある御質問をちょうだいしたのは初めてでございますので、よくひとつ御協力をちょうだいいたしまして、こういう山を治めるという大事業をどうしたらいいのか、こういう工業国家の中で生産性の低い第一次産業である林業というものをどうしたらいいのかという根本的な問題からやはり取り組んでいかなければならぬ、こういう考えを持っておりますので、林野庁、農林水産省といたしましても、その面に懸命の努力をいたしてまいりたいと思っております。
○川本分科員 あと一回だけ林野庁長官にお聞きしたいのです。 もう一つ、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、外材の輸入ですね。これが日本の林業に大きく、木材産業の倒産にも影響しておるのですけれども、外材輸入というものが野放しになっておる現状。南洋材は余り競合しませんよ、しかし米檜とか米栂だとかあるいはソ連材とかというようなものは、柱材あるいは割り物、特にそういうものの製品輸入が最近あるから木材産業は低迷しておるわけですけれども、外材輸入というものを野放しにする限り、国内林業の振興はあり得ないと私は思う、国内産の木材と競合するような外材については、これは農林水産省がやはり通産省とも話をして、どんなことがあってもこれの規制を加えるということでなければいけないと思う。この規制を加えない限り、私は日本の林業というものは振興しないと思うのですが、どうですか。規制を加える方途を樹立する決意がありますか。
○須藤政府委員 おっしゃるとおり、いま七割の外材が入っておるわけでございますが、その中で米材、北洋材それぞれ相当大量に入っておるわけでございます。私ども、今後の長期的な需給見通しを計算いたしますと、ここ当分の間やはり外材を入れていかなければ、日本の需要を満たすことができないということでございます。反面、確かに外材の輸入によって国産材が圧迫を受けておるということも否定できない事実でございます。 そこで、やはり従来から適正な量の輸入を目指して四半期別の需給見通しを立てましてこれを公表して、これをガイドラインにして輸入をしていただくということをやっておるわけでございますが、昨年はたまたま御承知のような需要の激減ということになりまして、港顕在庫が非常にふえたということが、またいまの木材業界に大変な問題を惹起しておるわけでございます。 今後、この外材の取り扱いをどうするかということにつきまして、外材問題検討会等を設けまして有識者にいまいろいろ御検討いただいております。その結果を踏まえまして、外材の調整について何らかの措置を講じなければいかぬだろうというふうに考えておるわけでございます、
○川本分科員 もう一回だけできると思うのです。 先ほどもお話があったように、住宅建設戸数が九・六%減少して、今度百万戸ぐらい割るのじゃないかと言われております。その中でも外材は必要ですよね。全然必要じゃないとは言わない。しかし、柱材とか割り村とか国内産のものと競合する部分については、やはり林野庁が毅然たる姿勢を保たなければいけないと私は思っているわけであります、 最後に、一つだけ要望しておきたいと思う。今度林業労働者の共済法、先ほどお話があったあれが来年一月から実施されます。しかし奈良県は先進県ですから、十年ほど前から林業労働者の共済制度ができておるわけです。それで、中小企業退職金共済法に入っておるのですが、ことしまで県が補助しておった一日労働について一人二百円の積み上げが、来年度の予算では五百円にふえるわけです。そういうことになりますと、一カ月一人当たり掛金が、市町村や本人負担、林業家の負担全部合わせまして四千円くらいを目標にやっておるわけです。ところが、国の制度とは別個でいくことになっておりますから、国の補助対象にもなっていない。いままで三年間、一人月二百二十五円積み立ててきましたよね、林野庁のあれも、奈良県の場合は全然もらっていないわけです。しかし、やはり植樹祭も行われることですから、そういう林業労働者の雇用対策を進めるためにも、ほかの県には三年間助成しておるけれども奈良県には助成してないのですから、そういう意味のことも含めて林業労働者の雇用の安定化対策のために、やはり特段の措置を講じていただくように要望しておいて、私の質問を終わりたいと思います。
○山田(耻)主査代理 これにて川本敏美君の質疑は終了いたしました、 次は、木下敬之助君。
○木下分科員 早速お尋ね申し上げます。 シイタケの原木の確保についてお聞きいたしたいのでございますが、大分県は全国の二割以上の干しシイタケを生産する主産地でございますが、近年原木が不足し、一万一千立方メートルの原木を県外から移入している状態であります。シイタケ生産者にとって原木の安定確保は重要な課題でありますが、林野庁ではどのような対策を講じておられるか。
○須藤政府委員 シイタケ原木の長期安定的な確保を図るためにいろいろなことが行われておるわけでございますが、一つは、特用林産振興対策事業、それから造林事業でももちろんやっておるわけでございます。林業構造改善事業でもやっておりますし、シイタケ原木育種事業等によってもやっておるわけでございまして、これらによります原木林の造成あるいは原木育種などに努めておるわけでございます。 特に、当面しますシイタケ原木の需給の逼迫に対処いたしまして、優良原木の安定的確保を図るために、昭和五十四年度から特用林産振興対策事業におきまして、原木の伐採、搬出を行うための路網の整備、及び伐採跡地の樹林改良を内容といたしますシイタケ原木供給基盤整備緊急パイロット事業並びに同事業関連林道事業等を実施しておるわけでございます。さらに、特用林産物需給安定協議会におきましてシイタケ原木部会を設置いたしまして、長期的視点に立った原木林の造成なり整備のあり方を初め、当面する原木の需給、流通の問題等について検討を行っておるのが現状でございます。
○木下分科員 いまのお話で、長期の見通してございますが、どうですか。足らない時期を経ないまま何とか見通しがつくということでございますか。やはり幾らか足らない時期が出そうな感じでございますか。
○須藤政府委員 全国的に見ますと足りないということではございませんけれども、地域的にはやはり足りない地域が出てくるということでございます。
○木下分科員 それでは、大分県の実情でございますけれども、大分県の庄内町大字阿蘇野手西大原二千九百六十五の三は、クヌギ、ナラなどの立ち木が密生する山林でありますが、当地域は自然公園法十七条により特別保護区域に指定されており、県知事または環境庁長官の許可なくしては立ち木の伐採ができないものとされております。いままでも小規模の立ち木伐採が許可されたことはありますが、許可申請の手続の簡略化を求める声が関係者の間で非常に強いのです、環境庁に対して、立ち木伐採の許可に際し、いかなる手続を踏んで、一件につき平均どれくらいの期間を要しているのか、実情をお聞かせ願いたいと思います。
○田村説明員 国立公園等自然公園の中でのいろいろな行為でございますが、これと農業、林業との調整につきましては、公園の管理に当たりましては、この公園計画の策定に当たりまして、このランクづけにつきましても関係各省と協議をいたしまして、十分に配慮しておるところでございます。 先生御指摘のシイタケの原木の取り扱いにつきましては、そういう趣旨にのっとりまして、地場産業の振興という面から必要な行為であるという認識に立っておりまして、従来から前向きに対応してきているところでございます。 先生御指摘の許認可の絡みの期限の問題でございますが、こういう場合の行為につきましては、県知事に委任した事項とか、それから大規模な面積になりますと環境庁まで上がってくるということになりますが、基本的には林業との調整でございますので、森林計画と自然公園計画と調整をしておりまして、大部分は県知事限りとか私どもの出先で処理をするという形にしておるわけでございます。 なお、事務の合理化につきましては、従来いろいろ検討しているところでございますが、この点につきましても、今後ともなお一層推進をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 以上でございます。
○木下分科員 現場の人たちがいままでやってみた範囲で、非常に手続煩瑣で困っているということでございますから、どうぞその辺は実情に合わせてよろしくお願いいたしたいと思います。特に許認可事項の簡素化、合理化というのは、行政改革の重要な柱になっていることでもありますし、民社党が主張しております地方出先機関の整理といった観点からも、許可申請手続の改善を求めるつもりでございます、どうか今後の対応をよろしくお願いいたします。特にこのシイタケにおきましては、健康食品であり、長寿の薬として常用している人もおるようでございますので、需要にこたえられるように、その長期見通しの中で、途中の少しでも足らないような時期は、できるだけ簡単な許可手続のもとにやっていただきたいと思います。 それでは次に、日米の漁業問題についてお聞きいたしたいと思います。 日米間の漁業問題につきましてはたくさんの問題があると思いますが、イシイルカの混獲問題や、ベーリング海域のキングサーモンの混獲禁止に伴う六カ月間のトロール操業の禁止問題、ベーリング海ズワイガニの対日割当量ゼロ査定の問題等厳しい情勢であります。農林大臣には、みずから訪米して対処するということが考えられるのではないかと思いますが、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○亀岡国務大臣 二百海里時代の本格的到来に対処いたしまして、海外漁場におけるわが国の漁船の安定操業というものを確保するため、従来から種々努力を払ってきておるところでございます。 御指摘のとおり、日米間には幾つかの漁業問題が横たわっておることは十分承知をいたしております。イシイルカの混獲問題については許可取得の手続が進行中であり、また、ベーリング海のズワイガニ問題等につきましては、米国政府において目下検討中であると承知をいたしております。したがいまして、事務当局に対しまして、米国との折衝に鋭意努めるよう指示をいたしておるところでございます。今後とも、米国水域を含め、外国二百海里水域におけるわが国漁船の操業の安定的な確保を図ってまいるために努力をいたしているところでございます。 訪米して解決すべきではないかということでございますけれもど、いろいろ米国には米国の事情等もございまするし、しかも環境保護団体等の問題等もございますので、それらの点をよく見きわめた上で心を決めてみたい、こう思っております、
○木下分科員 この同じ日米漁業問題について、外務省の御意見もお聞かせいただきたいと思います。
○松田説明員 お答え申し上げます。 外務省といたしましても、日米間に幾つかございます経済的懸案事項の重要な一問題といたしまして、真剣に対処してまいっております。ただいま大臣から明確、御懇篤なお話がございましたが、私どもも、農林水産省に側面から協力するという形で、従来から対米折衝に当たってきておりますが、基本的には資源の最適利用、それから、わが国の伝統的な漁業に対する主張、それから、大臣も御言及がございましたが、米側の漁業振興を図りたいという事情、これらを総合勘案いたしまして、日米友好の枠組みの中で、わが方の利益追求のために今後とも最大の努力を続けていく所存でございます。
○木下分科員 そのほかにもブロー法の解釈を詰める等いろいろな問題があると思いますが、この漁業の問題は国民の台所にも直結しており、漁民、船員の生活がかかっていると思いますので、どうぞ今後の御活動を心から期待いたしておきます。 次に、柑橘類の振興についてお伺いいたします。 日米賢人会議の提言にあるような柑橘類の輸入拡大は、温州ミカンの減産に苦しむ果樹農家の実情を無視した偏った意見であると考えますが、政府の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○松浦(昭)政府委員 お答えを申し上げます。 日米賢人会議の報告書でございますが、これは農産物貿易に関する日米両国の互恵的な経済関係を維持発展させるという観点から、外国農産物に対する日本市場の一層の開放、より効率的で国際競争力のある日本農業の育成及び食糧安全保障の強化のための各種の提言を行っていることは御案内のとおりでございます。 今後、経済社会全体の中に農業あるいは農村を適切に位置づけまして振興を図っていくためには、そのあり方について内外の理解を得ていくことが重要でございまして、このような意味から、この提言も、農業と農政に関する議論をさらに一層深めるということのためには一助になるとは思いますけれもど、特に農産物輸入の量的規制の緩和あるいは撤廃の提案というものにつきましては、わが国の置かれております諸条件、特にただいま先生の御指摘になりました柑橘類の諸条件から考えますると、これについてはかなり問題のある提言であるというふうに考えておる次第でございます。
○木下分科員 そのとおりに大変問題があると私どもも考えておりますので、今後の対応をよろしくお願いいたします。 大分県の主要作物は、米、果樹、畜産と政府がこの二十年間農業基本法に基づいて奨励してきた品目でございます。選択的拡大が行き詰まった現状では、生産調整を円滑に進める一策として、果実加工品調整保管事業として五十五年産ミカン四万トンに対し助成を行うべきではないかと考えます。ちなみに申し上げますと、大分県下のミカンの暴落状況は惨たんたるものであり、政府の選択的拡大政策の破綻に対して農家の農政不信が渦巻いていると考えます。政府の対応についてお聞きいたしたい。
○二瓶政府委員 五十五年産温州ミカン果汁の調整保管への助成の件でございますが、先生御案内のとおり、五十五年産はミカンの裏年に当たるわけでございます。したがいまして、生産量は二百九十万トンということで、前年対比二割減という数量でございます。九年ぶりに三百万トンの大台を割ったわけでございます。そういうふうに生産が減っておるということ、それからもう一つは、大体この調整保管事業というものにつきましては、表年対策ということで位置づけられておるわけでございます。したがいまして、五十五年産の場合は、先ほど申し上げましたように裏年に当たるということでございますので、なじみがたいということでございます。 それから、裏年につきましても調整保管の助成をやるということになりますと、五十六年産はもう表年でございますので、またこれが相当の温州ミカンの果汁生産もあろうかと思います。そういたしますと万年過剰ということにもなりかねません。したがいまして、裏年の調整保管というものにつきまして助成をするという問題につきましては非常に問題があるというふうに考えられます。したがいまして、現段階におきましては、調整保管に対して国が助成するということは困難である、かように考えております。
○木下分科員 そういういろいろな事情があると思いますけれども、国の指導によってこういった形になってきているわけでございますから、その辺の責任というものを十分自覚した対応というものを私どもは望みたいと思います。 大分ではセミノールなどへの転換を進めているのでございますが、これについても長期的なビジョンと振興対策を明確に示して、選択的拡大の誤りを繰り返すようなことがないようにと考えるのであります。農家によりましては、何しろ政府や県の勧めるものと違うのをつくっておればもうかるのだ、こういう極端な言葉も吐かれるほどでございますので、そういったことのない信頼を取り返すためには、勧められたとおりにした農家が困っているときの助成というのは当然やっていただきたいと考えるわけであります。いま申し上げましたセミノール等いろいろな新しいものの長期的ビジョンというのは過去の反省の上に立ってはっきりやっておられるのかどうか、その辺をお聞きいたしたいと思います。
○二瓶政府委員 昨年十二月に、六十五年度を目標年度とする果樹農業振興基本方針というものを策定、公表いたしたわけでございます。したがいまして、果樹につきましては、温州ミカンを初めその他の晩柑類にいたしましても需要に見合った計画的な生産を進めるということが、特に果樹が永年性植物ということからいたしまして、これが何といいましても基本になろうかと思います。 現在、温州ミカンは過剰下にあるものですから、転換促進事業を展開いたしております。その際に、温州ミカンから何に転換するかという問題が出るわけでございますけれども、晩柑類にいたしましても、これも物によりましては、この需要と生産との関係からすると余りすぎ間がないといいますか需要の余地がないというものも相当ございます。ただいま御指摘のございましたようなセミノールなりあるいはカボスなり、あるいは最近はレモン、それからオレンジのたぐい、こういうものは相当国産のものも需要が強うございます。こういうものにも転換をしたらどうかということで、日園連等ともタイアップしながら果樹農家に呼びかけをしておるところでございます。
○木下分科員 後手後手にならないように、できるだけ長期の見通しを持ってやっていただきたいと考えます。 次に、和牛の振興に関する国の基本方針についてお聞きいたしたいと思います。 米国など諸外国からの自由化、枠拡大の圧力が今後さらに高まることが予想されておる現状で、肥育農家は将来に大きな不安を持っております。大分では、久住、飯里局原で豊後牛の放牧肥育を行うなど、豊後牛の肥育に県を挙げて取り組んでおり、国の和牛振興策の確立を強く期待しております。放牧は、草食により低コスト肥育に資するとされていますが、ヤマダニがついたり、肉質が黄ばんだりして家畜市場で買いたたかれるといった現場の悩みがございます。また、和牛肥育に不可欠の施策は、品種改良の充実であろうと考えます。こうした問題について政府はいかなる方針で臨んでおられるのでしょうか。
○森実政府委員 御指摘のように、和牛の生産振興には、今日の牛肉の需給の状況から見て、極力国内の供給体制を整備する意味で取り組まなければならないと私どもは思っております。そういう意味で、集約生産基地の育成、導入、改良増殖、飼料基盤の整備、子牛の価格安定等の対策を講じているところでございますが、特に本年度は、主産地並びに稲転地域における繁殖経営の創設あるいは規模拡大を図るための新規施策を講じております。 御指摘がございました幾つかの問題、たとえばダニの問題、改良増殖の問題は和牛の問題を考える場合、特に放牧経営を考える場合、非常に重要な課題だと思っております。 そこで、まずダニの問題と申しますか、結局ダニがもたらすピロプラズマの問題であるわけでございますが、これにつきましては、家畜伝染病予防事業による薬剤散布の実施、保健所による放牧衛生指導等以外に、私どもすでに助成事業を実施しております防除用の機器整備事業を通じまして、放牧場と牛体の薬剤散布をするための事業を組織的に進めていきたいと思っております。 品種改良の問題は基本的課題でございます。私ども、やはり一つの課題は造肉効率の高い牛をつくるということだろうと思いますが、ただいま御指摘がありましたように、放牧を頭に置いた場合においては、やはり何といってもそういった放牧に強いと申しますか環境に耐えられる系統の牛をふやしていくという問題、それからもう一つは、実は放牧によりまして脂肪の黄色化等の問題がありますので、そういった品質の問題等を頭に置きました系統の育成なり普及という問題については、種畜牧場を中心といたしましてこれからも施策を強化してまいりたいと思っております。
○木下分科員 放牧で肥育している農家にとりましては、できるだけいい品種で、できるだけいい肉で高く売りたいというのがその気持ちであろうかと思いますので、その要望にこたえるよう今後の品種改良等をよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、政府は水田利用再編二期対策で、新たに団地化加算、地域振興作物加算の制度を設けたようでございますが、その運用に当たっては地域の実情を十分に配慮して、地域の農業の再編成の趣旨に即した対応を図るべきであると考えます。現在の国の案では対象になるものがきわめて少ないのではないかと考えておりますが、この点どうお考えになられますか。
○二瓶政府委員 団地化加算、それから地域振興作物加算、これにつきまして、第二期対策の奨励補助金の中でこういうものを創設をするということを考えておるわけでございます。問題は、団地化加算にしろ地域振興作物加算にしろ、それぞれこの制度を新しくつくるについての考え方を持っておるわけでございます。したがいまして、こういう考え方を曲げるといいますか、そういうことはできないわけでございますが、ただ、そういう考え方に即しつつも、なお実態的な面から見て若干の補正というようなことが必要なことが万一あれば、そういう面については十分考えたいというような態度で、現在県の要望等も聞いておるところでございます。
○木下分科員 三ヘクタール以上が連担していなければということでございますが、大分等は平均しても〇・五ヘクタールぐらいでなかなかその対象になるものがないというふうに思っておりますので、そういった実情で、せっかくつくられたそういう加算の方向でございますので、ぜひその加算しようという気持ちが生かされるように考えていただきたいと思います。 次に、ローカルエネルギーの実用化の促進についてお聞きいたしたいと思います。 大分県では、以前から地熱水、温泉熱の農業利用が農家で活発に行われているが、広範な規模で実用化を進めるには幾つかの課題があると思います。たとえばパイプに詰まる硫化物の除去、熱交換の効率を高める技術の開発、大量の熱水を地域ぐるみで多目的に有効利用するシステムなどの問題は個別の農家レベルでは対応しきれぬものであり、国レベルでローカルエネルギーの有効利用に関する研究を推進し、実用化に向けて積極的に施策を講ずべきであると考えます。政府の御意見をお聞きしたいと思います。
○川嶋政府委員 ローカルエネルギーの利用につきましては、特に地熱、温泉熱、こういったものはいま先生御指摘のようなことで、大分県を初め、静岡県とか北海道とか各地で施設園芸あるいは魚類の養殖のエネルギー源として利用されているわけでございますが、また、御指摘のようないろいろな問題があることも事実でございます。こういった点につきましては、先般の四十八年のオイルショック以来、私どもいろいろと研究をしてまいっております。 特に施設園芸につきましてはその当時からやっておりますけれども、最近のエネルギー事情にかんがみまして、太陽熱あるいは風力、そういったようなものも含めまして、このようなローカルエネルギーの利用ということで研究開発を全国的な規模でやろうということで、目下私どもグリーンエナジー計画という略称で進めておるわけでございますけれども、特に探索技術の問題ですとか排湯の地下還元の問題ですとか、あるいは先ほど御指摘のようなもろもろの技術的な問題について実施しておるところであります、また、都道府県等で実施しているものにつきましても、いろいろと助成をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○木下分科員 資源エネルギー庁の方でも大分県ではいろいろなことを考えておるようでございますので、農水の立場からも大いに研究していただきたいと思います。 これにて私の質問を終わらしていただきます、
○山田(耻)主査代理 これにて木下敬之助君の質疑は終了いたしました。 次に、稲葉誠一君。
○稲葉分科員 時間の関係で要点のみをお伺いしたいと思うのです。 最初は水田の転作奨励補助金の問題ですが、これについては単価を六万一千三百円から五万三千六百円に引き下げて、そして逆に面積をふやしたわけですね。大蔵大臣は、減反をよけいやらせるには普通なら単価をアップしてやれということなのですが、いままではそういうことでやってきたのですが、単価を減らして減反をやれというのですから、これはかなりのことです。それで四百八十億円ぐらいの食い違いが出てくる。それで、財政再建のためですから四百八十億をあれするためにやっているということを言っているのですが、将来の見込みを一体どういうふうに立てておるのか。ことに日本の食糧の自給度との関係において耕作地をどのくらいにするとか、米作をどのくらいにするとか、そういうような全体の展望の中に問題を考えなければいけない、こう思うのですが、この転作奨励金の今後の問題についてはどういうふうにお考えであるか、お聞きをしていきたい、こういうふうに考えます。これは農林大臣にお答え願いましょうか。
○亀岡国務大臣 稲葉委員御承知のとおり、水田利用再編対策も第一期三年間やり、その前にもずっと経験を積んできておるわけでありまして、やはり転作作物の耕作についても相当な進歩を見、定着も見ておる。そういうことでありまして、米との収入の価格差というものがだんだん狭まってきておる、その狭まった分だけ五十六年度では単価を下げるべきである、こう考えましてその処置をいたした次第でございます。したがいまして、将来第二期対策は三年間やるわけでありますから三年間は続けますが、その後どうするかについては、その時点になりまして検討をしてまいりたい。願わくば、できるだけ早くこういう奨励金がなくとも定着して、日本の農業が生々と発展をしてまいるような事態に至ることを私どもは理想としながら努力をいたしておるということでございます。
○稲葉分科員 いま大臣の言われた後半の問題ですね、こういうふうなものがなくても日本の農業が発展していくようにしたいということ、これはそのとおりなんですが、それでは、国会での食糧自給の決議もありますわね、それとの関係その他を踏まえて、農林省としては具体的にどういうふうに農民を指導して、指導という言葉はどうかと思うのですが、していくのか、ここら辺をはっきりさせないと非常に困った問題が起きてくるのではないか、こう思いますが、そこをどういうふうにお考えでしょうか。
○渡邊(五)政府委員 御指摘のような事情がございますので、今回第二期転作の発足に当たりましては、農政審議会で一年半をかけまして御審議をいただきまして、農政の見直しの基本的方向を出すとともに、農産物の生産と需要につきましての長期見通しを打ち立てまして、こうした方向づけに従いまして特に重要な農業生産の再編成、その一環としての第二期転作を進める、こういう考え方に立って昨年十一月に農政の基本方向並びに農産物の生産及び需要の長期見通しを出したわけでございます。
○稲葉分科員 そういう抽象的なことでなくて。具体的にどうするのですか。では米は、農地としてはどのくらいが必要なんで、米はどの程度必要なんだというようなことから、それでは日本の農村人口をどうするのだとか、農業をどうするのだという具体的な一つの目標というのはあるのですか、ないのですか。その点は、ただその場しのぎでずっとやっていくということになるわけですか。日本全体が資本主義化して工業化していく中において、日本の農業はもういいのだという考え方を結局とっているのですか。どういう考え方なのです。一たん何かあったときに、日本の食糧自給というのは非常に大きな問題を起こしてくるのではないですか。ことに今後この冷害気候というのは十年間ぐらい続くと言われているんですよ、この気候が続いたときに、アメリカはソ連に対して、それから中国に対して、その他の国に対して、小麦や何かをどんどん売ってしまう。そういったときに、日本は現在のような状況で一体どういうふうになるのかということについて、明確な展望を持たないといけないんじゃないかと私は思いますが、その点についてはどういうふうにお考えですか。
○亀岡国務大臣 その点につきましては、いま官房長から申し上げたわけでありますが、農政審議会の八〇年代の基本構想というものと、農産物の需要と生産の長期見通しというもので米は完全自給いたします。それに必要なために、いまやっております六十七万七千ヘクタールの生産調整を三年間続けてやってまいります。これが十年後に米を需給バランスをとって、そして農政審で答申を受け、閣議決定をいたしました長期見通しの目標を達成するゆえんであります。小麦は五十三年度が六%でありますが、これを一九%まで自給できるような体制へ持っていきます。それがためには、生産調整の中で小麦の作付面積はこのくらいのところまで実は持っていきますという、数字はちょっと私忘れておりますけれども、数字がそれぞれの作物について全部示してあるわけでございます、それを各県に示しまして、それぞれの地域で気候風土に最もよく合った地域性の高い生産性の高いものを選択して転作をしていただく、そういう指導をいたしておるわけでございます。 それでは、その際の国民の基本カロリーはどのくらいのところを目指しているのかということで、いままでは三千カロリーとか言っておったわけでありますが、それでは肥満体になってしまうというような厚生省の栄養審議会の答申もございまして、二千五百カロリーを基礎にして、たん白と含水炭素と脂肪というものの摂取率を、日本型の食生活の中において現在非常にいい状況にあるから、それを土台にしてひとつやっていこう、こういうふうに私どもは一応はそういう土台の上に立って現在の行政指導を進めておる、こういうことでございます。
○稲葉分科員 カロリーだけですと、日本で一番カロリーをとっているのは刑務所の囚人が一番とっているんですよ。刑務所の囚人はカロリーでいけば四千カロリーはとっている。そう簡単にはいかないのでむずかしいところがありますが、時間がありませんから……。そうすると、一つは、三年たったら生産調整はやめるのですか。そこはどうなんですか。
○二瓶政府委員 現在水田利用再編対策というものを五十三年度からおおむね十カ年の事業ということで展開いたしておるわけでございます。五十五年度で一期三年間終わりまして、五十六年度から五十八年度までの三年間を第二期ということでスタートしたいと思っているわけでございます。おおむね十カ年ということでございますので、さらに五十九年度から第三期に入るものと考えております、一応現在のところは、おおむね十カ年ということで、その間で水田利用再編対策を展開しているわけでございます。
○稲葉分科員 そうすると、今後第二期、第三期にいま入るということになると、どんどん金を減らしていくということですか。結局、農林省としてはがんばっても、大蔵省としては言うことを聞かないから、がんばって向こうでカットしていってしまうということにならざるを得ない、こういうふうに理解せざるを得ないということですか、結論は。
○二瓶政府委員 水田利用再編対策を進めております際に、現在米作所得と転作作物所得のギャップがございます。したがいまして、米からよその麦、大豆をつくれと言いましても、所得がごっそり減るのではだれもつくらない、そこでその所得ギャップを転作奨励補助金というもので埋めているわけでございます、ところで、麦とか大豆とかというものにつきましては、これは一つは、価格政策の面で、麦は食管法に基づきまして麦価は決めております。大豆はこれまた不足払いの方式をとっておりますが、基準価格を決めておる。これが逐次上がってきております。それから単収の方につきましても、いろいろな麦、大豆というものに対する生産対策、これは強化をしております。したがいまして、米作所得と転作作物所得とを比べますと、その所得のギャップが逐次縮まってきておるわけでございます。その縮まった範囲内におきまして第二期の奨励金も減らしたわけでございます。したがいまして、第三期を迎えます際に、また考え方としてはそういうことで、単収等も麦や大豆も上げまして余り所得ギャップがないような形にいま政策をとっておりますので、考え方としては三期以降も奨励金に依存しなくてもやっていけるような、足腰の強い転作営農を育てていきたいという考え方で現在施策を展開しておるということでございます。
○稲葉分科員 酪農の問題でお聞きしたいのは、一つは、大臣に、酪農振興に関する考え方、その決意をお聞きしたい。 それに関連して、二として、ことし学校給食用の牛乳供給事業が大蔵省の査定で削られましたね。これは申し入れをして復活した。しかし、供給量が一割増加した反面に補助単価が一割引き下げられて、予算は同額で百七十四億五千六百万円、結局同じになった。こういうことですね。それに対して大蔵大臣はこういうことを言っておるんです。「農林関係の予算も、減反予算を切ってはありますが、学校給食の酪農の補助金の百七十五億円を切りますよと、私が最後まで頑張ったものですから、各方面から、そこばかり攻撃してきた。そしてほかのことはおざなりになっちゃったから、ほかのほうを少し切りまして、そうしてそれじゃそれは元に戻して、そのかわり一〇%はカット、しかしそのお金をやるから、消費拡大に使いなさいとか、そういうことをやったわけです、この百七十五億円というのは、子供一人に五円八十銭の補助金を、牛乳二百ccに対してそれだけの補助金を差し上げますというものなのですが、零細補助金の典型的なものです。しかし集まってみれば百七十五億円になる。これはメーカーの中には、学校に納めるのが一番高いのがある。スーパーに納めるのは安い、学校より五円安い、そんなところは補助金を切ったらいいというのが私の意見なのです。ところが、零細な酪農組合は、おれらは学校に納めているから生きていけるのだ、ほかに売ろうたってなかなか高くは売れない。ほかに安く売ったらつぶれちゃうというわけです。それなら酪農組合の合併をしなさいというのです、大きな酪農組合は安く売っているのだから。小さい酪農組合はそれができないというのなら、合併をしたらいい。そこでその手はじめとして一〇%だけカットした。またこれは来年やりますよと、私はいっている。それがいやなら合併すればいい。そうすればやっていける。ただ組合長の数は減る。そのどっちかです。だから農水省もそういう方向で考えてくれということで、ことしはこれでよろしゅうございましょうということにしたわけです。」渡辺君はこう言っているんだ。 そこで、酪農振興に対するあなたの決意を第一にお聞きをいたしたいのと、この間の、いまの渡辺君が言ったところの経過をお聞きしたい。特にその中で、零細な組合というか酪農家はとにかく合併したらいいんだ、来年もまたやるんだ、こう言っているのですね。農水省はこういう点を大蔵省の言い分を唯々諾々としてのんだのですか。それに対してどういうようなことを一体考えているのですか。酪農農家、ことに零細な酪農農家の生活を守るということに対して、一体農林省はどういう考え方なのか、お聞かせ願いたいと思います。
○森実政府委員 まず、酪農の現状について簡単に申し上げます。 率直に申し上げまして、生産はかなり高い伸び率を持続しております。これに対して飲用乳消費並びに乳製品消費の合計はそれより低い。両方とも伸びているけれども、需給ギャップが生まれつつあるという状況でございます。そういう意味においては、やはり需給の均衡を回復するため生産調整もやっているわけでございますし、やはり抑制的に価格その他も考えていかざるを得ない実態があるわけでございます。 二番目の問題は、北海道が特に顕著でございますが、わが国の酪農の経営規模は相当大きくなってまいりました。生産性も上がってきたことも事実でございます。ただ、急速な資本投下が回収期に入っていることと、もう一つは、何と申しましても乳価の低迷ということがありまして、資金繰りがつらくなっているという事情がございます。そういう意味で、私ども本年度の予算でも自創資金の拡大等の措置を講じたわけでございますが、まあ一言で申しますと、資産もふえたが負債もふえたといういまの酪農の現実から、やはり負債の問題については取り組んでいかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 次に、学校給食の問題について申し上げます。大蔵大臣からそのようなお話があったことは私どもも伺っております。ことしの具体的な問題といたしましては、現実に、先ほど申し上げましたような需給実勢が非常に弱い、建て値も下がってきているという実態、そういう意味においては、相対的に見ると学校給食の単価の見方等が若干甘過ぎたのではなかろうか。やはり競争的な条件を頭に置いてやっていけば、また経費の節減に努めていけば、父兄負担を極力ふやさないような方向で単価の引き下げもできるのではないかという見方で今回の予算を組んだわけでございます。そういう意味で、現在研究会等をつくりまして新しい学校の牛乳給食についての合理化の対応策を詰めておりまして、近々に決めたいと思っておりますが、端的に申し上げますと、考え方といたしましては、やはり供給価格の見積もり等を明確に出させる、それから従来の定時配達の緩和等を考えて競争的条件の導入、もう一つは配送その他の合理化という形を通じて、この単価でやっていきたいと思っているわけでございます。 同時に、ただいま先生御指摘のように、消費量の拡大ということが重要な課題でございますので、本年の予算でも約一割の消費量の拡大を図っているわけでございまして、そういう意味で、新しい課題といたしましては、たとえば中学校では三百cc、小学校では二百ccというふうな供給限度を弾力化する問題とか、未実施校の解消の問題、あるいはさらにそれに関連して充てん機の設置に対する援助等の措置を講じていきたいということで現在検討しております。 今後の問題は、現実の状況の中で考えていかなければならないと思っておりますが、先ほど大蔵大臣のお話というところにもございました企業の合理化努力という問題は重要な課題だろうと思います。この十年間に八百三十二あった業者が六百六十九までに減ってきております。また一業者当たりの供給量も五百五十キロリットルから八百九十キロリットルまでふえております、しかし、まだまだ生産性向上を図るためには考えなければならないという問題がございますので、私ども、まず当面乳業メーカーの合理化という視点では、資材の共同購入とか施設の共同利用、受委託関係の促進、そういったことをできるだけ慫慂してまいりたい、合併の問題自体は企業の自主的な判断にまたなければならない問題だろうと思いますが、厳しい需給事情なり競争条件のもとで、やはり企業の合理化努力の一つの態様として合併問題が議論されることはそれなりに評価していかなければならないだろうと思っております。いろいろ状況を見ながら、そういった方向を頭に置いて努力をすべきものであろう、このように思っております。
○稲葉分科員 いろいろな合理化の話をいまあなたがされて、非常にむずかしい話といえばむずかしい話をされたわけですが、現実には、零細な酪農農家というか組合というものは、もう合理化によって切り捨てられていってもしようがない、こういうふうにあなた方の方としては、これは資本主義経済だから、資本主義経済というのはそういうものだといえばそれまでのことだけど、そういうような考え方は、官僚的な発想かもしれぬけれども、非常に冷たいような考え方だと思いますね。もっと温かい目をもって酪農の振興全体のために今後とも農林省としても十分対処してもらいたい、こういうふうに考えるのです。できなくなったら合併してしまえ、小さいものは大きいものに入っていくのはあたりまえの話なんだ、資本主義経済の基本だと言えばそうかもわかりませんが、それでは問題は解決つかないのではないか、こういうふうに私は思うのです。 そこで、この点については、酪農家の人々、これは北海道だけじゃないですよ。ずいぶんいますよ。福島県にも酪農をやっている人がいますよ、渡辺君の地元にもいっぱいいるんだから。ぼくも同じ選挙区だけど、そりゃ彼はうんと強いからのんきなものだけど、那須の山の方とかいっぱいいるんですよ。そこの酪農家の人たちはそういう点でずいぶん困っているのですから、大臣としても、中小零細の酪農家というか酪農組合に対してもっと温かい指導というか日をもってやっていく、こういうことについてお考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 戦後、種々の酪農政策といたしましては、いま稲葉委員から御指摘のありましたとおり、とにかく厳しい中での道をたどってきたわけでございます。最近におきましては飼養頭数も大分ふえてまいってきておるわけでありますし、自給飼料の供給等についても自己努力が大分なされてきておるわけでありますし、政府といたしましても、建て売り牧場と申しますか、相当大規模な酪農経営のモデル等も各地に造成をいたしましてやっており、両々相まちまして、どうにかこうにか酪農も国際競争の水面に顔を出しかけたかなと思うようなところまで来ることができたわけであります。しかし環境は、いまそれぞれお話申し上げたように、まことに厳しい環境の中にあるわけであります、特に外国からのチーズの攻勢でありますとか、バターの攻勢でありますとか、乳製品の輸入問題等を通じまして厳しい環境にあるわけでありますが、そういう中にあっても、やはり日本の酪農家をしてさらに国際的な地位を確保させていくためには、いま御指摘のあったもっと温かい気持ちでひとつ行政をやれ、こういう御指摘があったわけでありますが、そのような気持で私としては就任以来やっているつもりでございます。しかし、なかなか環境が厳しいということで思うとおりに進んではおりませんけれども、しかし気持ちだけは、挫折せずにとことんまでひとつやってみたいな、こう思っております。
○稲葉分科員 別な話になりますが、アメリカはベトナム戦争が終わりました後に食糧増産体制を徹底的にやったわけですね。それで、食糧を戦略物資として考えてやっていくという形をいまやって世界を制覇しようという、それだけじゃありませんが、それを一つのあれとしてやっていることは間違いありませんよね。選挙のときもあれじゃないですか、カーターかな、ソ連に対する穀物輸出は禁止するなんと言って農民の反感を食ったこともありますし、だからアメリカとソ連との穀物の供給関係、それから米中の関係ね、それの穀物協定はいまどういうふうになっておるのですかね。それから日本とアメリカとの関係で、日本がアメリカに余りにコミットしていくことは私は考えものだと思いますが、必ずアメリカが日本に食物を輸出をするということは、これは何ですか、ある限度、ある金額については、これは保障はあるのですか。どういうふうになっているのです。気候が変わったり何かしたときにどうなんですか。日本が非常にとれなくなったときに、米が少なくなったときに、アメリカが日本に対して、じゃ小麦や何か余り輸出しないぞと言ってやられたんじゃますますアメリカの言うことを聞かざるを得ないという状況になってくるでしょう、そこら辺を一体どういうふうに考えたらいいのでしょうか。 〔山田(耻)主査代理退席、主査着席〕
○亀岡国務大臣 アメリカとの関係につきましては、大平さんとカーター大統領のもとに共同声明の中で合意ができまして、それに基づいて毎年いわゆる次年度の食糧の輸出と輸入の問題についての政府間の話し合いをするということにいたしまして、今年度分は去年の十二月の上旬に農林省から経済局長以下参りまして、向こうの政府ときちんと話し合いをいたしておるところでございます。その際、政権がかわってもその点は十分に引き継ぎをする、こういうことも確認をいたしておるわけでありますが、しかしレーガン政権になりましてから、今度総理もおいでになるわけでありますし、その辺の事情はレーガン政権としてはどういうふうに今後考えていくのかというふうな点を十分慎重に把握をしながら日本の立場を決めていきたい、こう考えております。 アメリカが確かに食糧を戦略物資として考えたかどうか、私はその点までは理解する資料を持ちませんけれども、とにかく農産物がアメリカの貿易上非常にプラスになるということを考えて徹底的な農業投資をやってあれだけの供給国になったということは、やはりアリメカの考え方が、何と申しましょうか、非常にある意味においては堅実な面があるというふうに私は見ておるわけでございます。 アメリカとソ連との関係、それからアメリカと中国の関係につきましては、経済局長の方から、これは事務的にお答え申し上げます。
○松浦(昭)政府委員 米ソの穀物協定につきましては、先生御案内のように、一九七五年の十月二十日に締結になりまして、ことしの中ころに切れるはずになっております。 それから、中国との関係でございますが、これは非常に最近でございまして、昨年の十月二十二日に締結がされまして、米中間におきましてもこのような穀物の供給の協定があるという状態でございます。 ただ、日本との関係におきましては、これは先ほど大臣が御答弁なさいましたように、昔、安倍・バッツ協定というのがございましたけれども、これにかわるものとして、定期協議ということでその供給の保障をとるという形で運用しておりますので、特に米中あるいは米ソのような、いわゆる友好的な関係にあったりなかったりするそういう関係の国と日本は違うわけでございますから、このような協議の枠組みをもちまして十分に今後の供給は保障できるというふうに考えている次第でございます。
○稲葉分科員 私の言ったことがちょっと誤解されたかと思うのです一それはそれとして、逆に、アメリカからの食糧の輸入がなくても日本の人口を十分長期的に養えるように、そういう対策を立てるべきではないか、全然ないというのもあれかもわかりませんようんと減らしても日本の経済なり何なり、食糧、民生が全部やっていけるような体制というものを農林省自身も立てるべきではないか、こういうことを私は考えておるわけです。その点については、時間がありませんので別の機会にさせていただます、 終わります。
○武藤主査 これにて稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。 次に、野口幸一君。
○野口分科員 私は、主として農業排水の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 去る五十五年の十一月十四日ですか、環境委員会におきまして若干御質問を申し上げました際にもお答えをいただいておる向きもあるわけでありますが、なおもう少し突っ込んでその問題を解明するというよりも、私自身も理解をしなければなりませんし、また農林省自身もそのことについてお答えがいただけるはずでございますから、そういった意味で突っ込んだ論議ができればと思っているところでございます。 前置きはそのくらいにしまして、いま農業排水、特に水田を中心にいたしますが、仮にそれに畑作も全部入れましても結構でございますけれども、農業排水という問題の中でいろいろと今日、河川、湖沼だとかの水質に及ぼす影響ということが巷間言われているわけでございますけれども、この前の質問の際に「御承知のように、農業というのは、食糧を供給する機能とともに、一方では環境を保全する機能をあわせ持っております。」こういう前提のもとに、流出している農薬あるいはまた肥料の中で、特に窒素、燐などが汚染の原因のように言われているけれども、そんなにないのだ、こういうような観点の御返事をいただいているわけであります。ただその点は、私どももずいぶんまだ疑問が解けないのでありますが、特に行政指導の中心といいますか、農業排水の水質改善という問題をとらまえまして、農林水産省の方ではどうような視点を持ってこの問題をとらまえていらっしゃるか、ひとつその辺をお伺いしたいと思います。
○杉山(克)政府委員 農業排水が水質汚濁の原因になっているのではないかという意見が一部にあるわけでございますが、一般的に農地は水をむしろ浄化する機能を持っているという面もございまして、栽培期間全体を通して見れば、農業生産が原因となる窒素あるいは燐の流出というのはきわめて少ないのではないかというふうに考えております。しかし、時期を区分して見てみますと、田植え期等、一時的には農地からの排出がある程度見られる、そういう時期におきますところの肥培管理につきましては、私ども構造改善局だけでなしに、生産原局であります農蚕園芸局でありますとか、あるいは畜産関係等も関連してくるわけでございますので畜産局でありますとか、そういう関係部局と連携をとりながら、農業排水の水質保全に十分配慮するように指導の徹底を図ってまいりたいということで、従来から臨んでおるわけでございます。
○野口分科員 いまも同じような答えをいただいたわけでございますけれども、だがしかし、農業排水が水質汚濁の原因になっていないと言い切ることができるかと申しますと、これは必ずしもそうではありませんで、特に私の出身県であります滋賀県において調査をいたしました場合に、これは調査の方法だとかいろいろなものも仮にあるかもわかりませんが、調査の時期等も問題があるということならばそうでありますけれども、少なくともそういうことも加味して調査をしているはずでございます。特に、窒素において総合的に二二%の流出率、いわゆる原因の中に農業排水がある、こういう数字を出しております、これは天然のものを入れた数字でありますから、天然の雨水を差し引きましても、相当のいわば率を上げている部分がございます。 したがって、そういうことを考えますと、農林省が全然そういうものには関係しないのだと言い切るためには、少なくとも何かデータをお示しいただいてこうなんだということで、余りうちは責任ないんだよとおっしゃるならおっしゃるだけの何かお示しをいただかないと私どもとしては納得いたしかねる、こういうことになるわけですが、その点はいかがでしょうか。
○杉山(克)政府委員 いま先生がおっしゃられました具体的な農業関係からの排水が二二・一%、水質汚濁に、これは窒素、燐としてでございますが、責任あるのではないかというようなことを言われたわけでございますが、これは琵琶湖の調査の例でございますけれども、確かに私ども、その内容がどうなのかということをさらに詳しく検討する必要があろうかと思っております。 先生非常に詳しくて、雨水の問題もこの中に含まれているというふうにおっしゃられたわけでございますが、そのとおりだと思っております。その分がどのくらいあるかとか、さらに畜産関係の分がどのくらいシェアがあるとか、あるいはさらに農業関係の用排水は、御存じのように実は最近におきましては、生活排水も一緒になって農業用の水路から湖等に流れていくというようなこともございまして、そうするとそういう生活排水も一部一緒にカウントされているのではないかというようなことがいろいろあると思いますので、そこら辺の分析からまず始めなければいけないというふうに考えておるわけでございます。 私どもは、全然農業には責任がないというようなことは申し上げているつもりはございませんで、むしろ現在の体制の中でも、できる部分についてはそれなりに指導等を通じまして措置いたしておるつもりでございます。ただ、何分にもやはり実態について把握をするということが必要でございます。そこで、従来から技術的、専門的な試験研究は技術会議の方でやっておりますけれども、現場的な実態調査ということでは、私ども従来からかなり多くの地域で、たとえば窒素、燐について施肥量と流入量、流出量、差し引き排出量といったようなことについての実態調査を行っております。 時期も、各期間に分けての調査などでございますが、この調査を見ますと、これは正直申し上げまして、私はこの質問を承って事前に少し調べてみたわけでございますけれども、この数字は非常にばらつきが多くて、この中から法則性を見出していまの段階でもって御説明できるというほどのデータになっておりません。この状況からすると、この研究調査というものはかなりむずかしいのではないか。しかし、むずかしいからといって放置することは許されないので、データもかなり集まってまいっておりますので、もう少し専門的な分析をいたして、その責任といいますか、農業のしょっている問題を十分明らかにして、また問題が明らかにならないと責任の果たしようもございませんので、その上でまた対処してまいりたいというふうに考えております。
○野口分科員 恐らく農林水産省自身が一定の調査をなさって、その結果が非常にアンバランスといいますか、ばらつきがある、どうも本当のところがつかめない、こういうのが真相だろうと推察するわけですけれども、ただ先ほど申しましたように、滋賀県が二二・一%なら二二・一%の窒素、燐の流出によって、その汚濁の責任を持っているということを仮に言いましても、それはまた滋賀県の土壌の性質なり置かれている風土それから地形、あるいはまた農業用水の流出機構といいますか、いろんなかかわり合いがありまして出てきておるものでありましょうし、またおっしゃったように家庭雑排水が全然含まれていないかといいますと、それじゃその部分をしかと分離をして調査されていると言い切ることができない部分も持っているだろうと思うのであります。 ただしかし、概括的に言えることは、今日のすべての調査が十二分に行われていないといいますか、少なくとも自信を持って農業排水は水質汚濁の主たる原因ではない、少なくとも責任を免れることができる、こう言い切ることのできない背景があると思うのですよ、そのためにはまた農林水産省としても、十分な調査をもっと徹底的におやりになる必要があるのじゃないだろうか。 今日わかっております状況の中で、たとえばA地点ではこういうようなものが出ている、B地点ではこういうようなものが出ているというようなものが、中同報告といいますか、そういう形でもしもおわかりになりますならば、顕著なものだけでもいいですから、ひとつかいつまんでお示しをいただきたい。たとえば、琵琶湖と同じような数字が出ているところが仮にあるとすればどこどこでそういうものが出ている、あるいは逆にどこどこでは全然考えられないというような形の中で、土壌吸収が多くて流出なんかほとんど認められないというようなところはどういうところかということを、もしもお示しがいただけるならこの際お教えをいただきたい。
○杉山(克)政府委員 技術的、専門的な調査は、これは技術会議の方からまた別途御説明いただきますが、私どもの事業場の調査による結果は、四十九年から五十二年までのまとめられたものがここにございます。一部、もっと新しい五十三年のものも含まれております。こういう結果を見てみますと、先ほど申し上げましたように、数値を申し上げることはかえって誤解なり混乱を引き起こすのではないか、もう少しこの辺についての内容の分析なり、あるいは調査方法にも問題があるというようなこともあり得るものですから、検討してみたいというふうに思っているわけでございます。 ただ、その調査の結果がどうかということでございますれば、これは別段秘密にしているわけではございません。たとえば、単位水田の収支法というような調査方法によってやったところが十二カ所ございまして、茨城県の阿見町でありますとか、新利根村とか、阿見町の別な地区でありますとか、愛知県の東郷町について六カ所でありますとか、そのほか茨城県、埼玉県、長野県といったようなところもそれぞれ行っております。それから水田群収支法というグループにまとめて調査をしたところは、滋賀県の大中竜王でありますとか、彦根でありますとか、茨城県の新利根でありますとか、その他全体として十一地区ですか、調査したものがございます。調査した機関は、農林省もございますが、環境庁あるいは建設省、農事試験場といったようなところのものも一部含まれるわけでございます。 こういったものを全体まとめた表はございますが、この席でもって一つ一つの数値は非常に煩瑣でございますから、もし何でしたら後ほど資料としてお出ししてもよろしゅうございます。
○野口分科員 それじゃ別に秘密じゃないとおっしゃっていますから、その資料を後ほど私の部屋に届けていただけば、検討さしていただきたいと思います。 そこで、たびたび言われておるのでありますが、数字を言うということは混乱を起こすことがあるとおっしゃる。確かに数字だけを見ておりますと、私どもの疑問を持つ要素のある数字もあるのでありまして、私もちょっと仄聞をいたしております。そうしますと、調査方法に問題があるのか、あるいはもっと広域な調査をしたらまた違った数字が出てくるのか、どういうわけでそういういわば自信のない数字しか出てこないんだろうかということについて、いまの時点ではどうおつかみでしょうか、
○杉山(克)政府委員 先ほど申し上げましたように、汚染源が一定しない、地域によって非常に大きな差があるということが一つあろうかと思います、それから、土壌問題について見ましても、窒素とか燐をよく吸収して外に出さない、そういう性質の土壌もございますし、逆にそういったものを通り抜けでもってすぐに流し出してしまうという土壌もある。そういう個別の地域差というものが非常に大きいのではないか。 それからもう一つは、時期の問題があろうかと思います。やはり時期によって、そういう汚染源、それから土壌の性質にも差も出ますけれども、農作業自身が汚染源となるような物質を使う時期というのは、ある程度限られてくるわけでございます。その時期に当たったところとそうでないところはまた差が出てくるということで、もろもろの事情が考えられます。これは個別に調査の前提条件をきちんと調べてみた上でないとなかなか物は言えませんけれども、いま申し上げましたような要素があるというふうには考えられます。
○野口分科員 わかりました、 たびたび同じようなことを聞いて申しわけないのですが、私は確かに個別のいろんな条件が違えばこそ、実はデータが出てきたものが必ずしも把握——全体のものとしてどれだけの流出なら流出量、あるいはまた窒素、燐の発生負荷量といいますか、それのパーセンテージといいますか、そのものが農業に起因するものであるというようなことがつかみ切れない、あるいは言い切れないということにつながっていくだろうと思うのであります。 そのことは理解するのですが、そうしますと、実はこの国会で湖沼の水質保全法なんというものが提出される予定になっておりますけれども、これもやはり水質の基準なんかも一定に、全国一斉にどこの湖沼も同じ率というわけにはいかないわけでございまして、それぞれ置かれている湖沼の状況だとか、あるいはまたそれの用水の差だとか、たとえば飲料水に使っている部分が非常に大きい湖沼だとか、あるいはまたそれにはほとんど使われていないような部分だとかということによって違うと同じように、非常に地域的な差があるということは私どもも認めるのです。 だから、その地域的な差が認められたら認められたなりに、そういった形の御報告はいただけないだろうか。少なくともこの地方ではこういうような流出量といいますか、その責任の度合いを感じさせられるといいますか、そういうものの数量が認められる、この地域ではほとんど認められないというような報告でも私どもにいただかないと、私どもとしましても、それがたとえば農業に主たる原因があるんだよということを言い切ることもまたどうかと思いますし、言えないとするなら言えないだけのデータというものをお示しをいただいて、他に原因があるとするならばその他の原因を探さなくちゃならない。たとえばいまおっしゃったように、家庭雑排水も入っておるじゃないかとおっしゃることでありますならば、それはまだその部分としての調査をさらに深めなければ原因究明はできないわけでありまして、そういった意味では、水質基準を高めるという立場に立って、いろいろ調査をする場合に、もう少し積極的な調査というものが農林水産省の方で御計画いただけないものだろうかという気がするのですが、これは私の思い過ごしでしょうか。局長、どうなんでしょうか。
○川嶋政府委員 全体的な量的な問題を正確に把握するという点につきましては、先ほどから構造改善局長がお話ししてありますように、いまの段階では非常にむずかしいということは、私どもの試験研究の段階からきわめて明確に言えることでございます。しかし、最近のこういう状況からいいますと、先生御指摘のように、この点については放置できない問題でございますので、いまいろいろと研究を進めているところでございます。 従来、耕地の流入、流出の問題等につきましては、これは利用するという立場からの研究は物すごくございます。しかし、流出をした後の環境の問題につきましては、これはごく最近のことでございまして、この研究の手法からいろいろ問題がございます、年間を通して、ある一定の広がりを持った地域で、ちゃんと収支合うような形で数字を出すということは大変なことであろうということを、いま私どもは痛感をしているところでございます、そういう点につきましては、なおこれから研究を進めてまいります。 もう一つは、御指摘のように、これは大変地域的な問題がございます。全国的な調査研究の手法の開発と同時に、それぞれの特定の地域につきまして、かなり広がりと時間を持った調査をしていかなくちゃいけない、これは国だけではできませんので、各都道府県等の御協力を得てやっていきたいということで、いま五十六年度がちそういったようなことをやろうということで検討を進めているところでございます。
○野口分科員 わかりました。 私も、決して農林水産省だけを責めているわけではないわけてあります。しかし、いま私どもが非常に頭を悩ませている問題の湖沼の水質保全という立場で物を考えていくときに、その原因究明といいますか、それを追跡調査をしなければ確たる対策が立てられないということで、その中にある一つの町が、たとえば工業排水ですか、それから家庭雑排水だとか、あるいはまた、いま申し上げましたように農業排水とか、いろいろな立場のものを究明をして、どういう対策を立てれば本当に水質の保全ができるのかという立場で、いまいろいろな方面に対してといいますか、いろいろな立場で検討さしていただいているし、私どもも研究さしていただいているわけでございます。 そこで、先ほど来何遍も言われておりますように、農林省もことしあたりからもう少しく腰を入れて、この問題について究明しようとされておることは非常に結構でございますが、私が申し上げます中で、最近の問題として、特に淀川水系における農業排水の水質の問題というのは、特に皆さん方の方からも御助力をいただいて、少しく進んだ研究をしているようでございますが、これを一応どのような認識でと言うとおかしゅうございますが角度で、研究内容も含めて、そのことを農林水産省が認識しておられるのか。また、それを今後どういうふうに進めてこうとされているのか、その辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○杉山(克)政府委員 全体的な認識についてはいままで申し上げたところでございますが、具体的な淀川水系——まあ、淀川水系といいましても琵琶湖周辺ということになりますが、その水質保全の関係の調査について申し上げますならば、農業地域内の水質を汚濁する物質について、いつ、どこから、どれだけの量が発生して流出していくかということを明らかにするための、汚濁源負荷量調査というものを実施いたしております。それからまた、農地から排出される窒素、燐の量を削減するための一つの方法として、農地排水を一カ所に集中しまして再利用する、いわゆる循環灌漑の効果とその手法について、五十四年度から、これは滋賀県でございますが、調査を実施しているところでございます。今後ともこういった調査を拡充しまして、琵琶湖の水質改善、水質保全といいますか、に努めてまいりたいと思っております。 そこで、これはいままでやっていることでもございますが、これからどうするかということについては、五十六年度におきましても引き続き同じような調査を続けていくということで、琵琶湖全体の水質保全のための調査費として一千三百万円、そのうち循環灌漑について五百万円を要求しているところでございます。
○野口分科員 予算措置の問題もお聞きしようと思いましたら、先にお答えいただきましたので結構なんでございますが、私も現地で調査をしているところを見せていただいておるわけでございまして、私は、こういった調査が多角的に、いろいろな立場から検討されることは非常にいいことだと思っております。特に、水質問題に先鞭をつけております滋賀県が、御案内のように関係条例まで設けまして、積極的に琵琶湖の水を守っていこう、そのためにはどうすればいいかという施策を探究するために、一つにはこういったものにも力を入れて調査をしたいということでございます。私の方にもたびたび要求がございますのは、この種の調査に対して関係省庁の一つの御助力をいただきたい、こういうことをたびたび言われるわけでございまして、この機会に申し上げておきますが、どうかこういった調査について格段の御助力をいただきたい。そして、この種の調査がさらに効果を上げるように、御尽力をいただきたいということをつけ加えさせていただきたいと思います。 そこで、調査の内容のことについて若干申し上げますが、いま調査の中心を窒素、燐発生負荷量の調査、それから窒素、燐流出機構と浄化要因解析、それから窒素、燐流出削減実証と実用化技術の確立、この三つに主体を置いてやっているということでございます。これは私は非常にいいと思うのですが、農林水産省の方は、このほかに何か、先ほどおっしゃったような土壌関係とかいろいろなものについてのもう少し深めた調査といいますか、そういうものをする必要があるだろうということはお考えにございましょうか。
○杉山(克)政府委員 直接水関係につきましては、いま申し上げましたような調査を考えているところで、そのほか特別にということはちょっと思い当たらないのでございますが、ちょっと別な答弁になって恐縮でございますが、琵琶湖の水質保全の問題につきましては、実は、農業関係からの排水について、まあ責任ないとは全く言えないわけでございますので、できるだけ浄化を図りたい。その意味では、調査的なものも含めまして生活環境整備の事業がございますので、これでもってできるだけ排水の浄化を図るということを予算措置で講じているところでございます。 〔主査退席、近藤(元)主査代理着席〕 これにつきましては、滋賀県が非常に積極的でございまして、いろいろな情報をくださる。わが方も、そういう情報に基づいて、どうしたら農業集落の排水について、これは生活排水が主になるわけでございますが、浄化が図れるか、一番新しい、しかも経費的に見て安上がりの方法はどうかというふうなことは、これは共同して開発してまいりたい、事業を実施しながらそういう調査研究を進めて水準の向上を図りたいというふうに努力しているところがございます。
○野口分科員 だんだん、少しずつわかってまいりましたが、私は、きょうはこの辺で質問をやめますが、実はこの種の問題で、きのうもそうだったのですけれども、私の考えているというか、あるいはまた言わんとしている部分と、農林水産省の方でお答えをいただく部分とのかみ合いが、まだかっちりいっていないのです。というのは、私が素人だから質問の要旨がわからないといいますか、質問の角度がわからないのじゃないかと思うのですけれども、ただ、私はこの点で言いたいのは、何といっても農業排水が水質汚濁の原因になっていない、こう言い切るためには、もっと確たる資料を持った調査というものをおやりにならないと、私どもはその原因解明について、そうでございますかという肯定の言葉が出ないということだけは確かでございます。そこで、やはりもっと広域的にといいますか、さらに多角的にといいますか、調査をぜひとも深めてもらわなければならぬ、このことは言えると思うのであります。 どうかそういった意味で、いまの淀川水系の調査も評価をしていただいておるようでありますけれども、さらにその調査ももっと深めるといいますか、対象地域をさらにふやすといいますか、そういった点で、いい資料がよくきちっとまとまってくるように御努力をいただけないだろうかということを、もう一度申し上げてみたいと思います。
○杉山(克)政府委員 私は、淀川水系の調査に関してのお答えということで申し上げたわけでございますが、ほかの地域でも同種の調査、琵琶湖に限らず霞ケ浦等の事業においても、同じような調査をやっております。 それからまた、水質広域管理システム調査というようなもので、これは前年度の予算が三千二百万円でございますが、四千八百万円というように大幅な増額を図って、これは何も閉鎖水域への排水ということだけではございませんが、農村地域を対象として広域的に水質管理ができるシステムについて策定するというような調査も行うことといたしております。 それから、大変恐縮でございますが、先生の御質問とわれわれのといいますか、農林水産省の姿勢との間にギャップがあるという御指摘、これは一つは、率直に申し上げまして、先ほど技術会議の局長からも申し上げましたが、むしろ農業は水を浄化するという一つの考え方が先行して、従来から確固としてあったということと、それから農地はむしろ生活排水等の汚水を受けて被害者であるというような意識も一部あったのだろうと思います。しかし、先生御指摘のように、最近においては必ずしもそうばかりではない、確かに汚染源としての責任も一部あるわけであります。その実態をますます今後明らかにしていくことはわれわれの責任であると思っておりますので、一生懸命やってまいりたいと考えます。
○野口分科員 もう時間がございませんので申し上げませんが、確かに実態としては、たとえば日曜に農業をやる。そのときに部落が総出で施肥をする。その数日後に雨が降る。それが即座に流出をして湖沼に入る。とたんに赤潮が起こる。確かに因果関係がそれだとは言い切れませんけれども、そういう現象面だってあるわけでありまして、そういった現象面だけをとらまえて言うならば、決して農業関係の排水が水質汚濁に対してゼロであるということは言い切れない部分があるのだろうと思うのであります。 〔近藤(元)主査代理退席、主査着席〕 だから、先ほど来も申し上げましたように、それがゼロである、あるいは余り関係ない、むしろ浄化のために役立っているのだということがきちっと言われるならば、それに対応する資料はぜひとも私どもは欲しいということになるわけでありまして、その点で、私はきょうその調査の強化についてお願いを申し上げたのであります。 以上、終わります。
○武藤主査 これにて野口幸一君の質疑は終了いたしました。 次に、清水勇君、
○清水分科員 きょうは、同和対策事業に関連をして若干の御質問をしたいというふうに思います。 大臣もよく御存じのとおり、八十七通常国会で同和対策特措法が改正といいましょうか、三カ年延長された際、附帯決議として衆参本会議でもそれぞれ確認をしておりますが、政府は今後の同対行政を進めるに当たって、実態把握の上に立ってしっかりやっていく、そうして法の総合的改正にも資する、こういった方向づけがされております。 そこで、まず最初に、農林水産省として同対事業を推進するに当たって、今日どの程度の実態を把握されているか、まずこの点を明らかにしていただきたい。
○杉山(克)政府委員 同対事業を実施するに当たりましては、やはり何といっても同和地区の農業それから農家の実態がどういう実情にあるかということを把握する必要があると思います。 私ども、昭和五十年に国が行った全国同和地区調査によりますと、同和地区以外の農家に比べますと、幾つかの特徴といいますか、問題点が見出されるわけでございます。第一に、経営規模が零細であるという点、それから第二に、二種兼農家が多いという点、第三に、耕地の立地条件がきわめて悪い状態のものが多い、こういったところが特に指摘できる点であろうかと思います。 それから、同和対策事業特別措置法延長に際しての附帯決議がございますが、それに基づいて行われた実態把握の一環として、必要事業量の把握とあわせて同和地区農業の実態についてさらに関係府県から事情聴取しているわけでございますが、それらの結果についてもできるだけ早急に取りまとめたいというふうに考えております。
○清水分科員 いまお話しのポイントは、五十年調査というふうに言われているわけでありますが、私は、五十年調査のことはよく承知をしておりますが、そうではなしに、例の三カ年延長の際の附帯決議に沿って、まず何よりも実態を正しく把握をする。その上から必要な同対事業を措置をしていく、これがなければならぬと思うのですね。その点では、私は、目下都道府県等に依頼をして調査を進めているというのでは、いささか取り組みが消極的ではないのかというような感じがいたします。 しかし、そういうことであれば、私の方から多少申し上げたいというふうに思うのですが、確かにいま言われるように、非常に零細性が強い、二種兼が多い、条件が悪い、どう悪いか、たとえばこれは五十四年末、全国同和地区の約三分の一に近い六百地区についての調査の結果が出ているのですけれども、これによると、同和地区の場合には耕地が十アール未満が八・四%、十アールから三十アールが三四・一%、三十から五十アール未満が二五・三%、これだけトータルすれば実に五十アール以下が七〇%を占めておる。私は長野県ですけれども、長野県の場合でも、反別で言うと四・四くらいしかない、そういう非常な零細性であることが明らかになっておるわけですね。しかもなお、全体として農林省がお進めになっている集約化の方向、これもなかなか進まない。だから、たとえば園芸にしても畜産にしても、いろいろの意味で努力はされております。わが県の場合でも一部進んでいるものがございます。ですから、それはそれとして評価をすることにやぶさかではないのでありますけれども、しかし、樹園地はさきの調査で言うとわずかに三・七%しかない。こういう現実の実態というものを正しく把握をして、その上に立っていま言われるような、たとえば零細性が強い、二種兼が多い、非常に困難な状況にあるといういわゆる部落農業というものをどうするのか、これが方向づけられなければならないと思うのですけれども、この点はどうでしょう。
○杉山(克)政府委員 まさにいま先生が言われたとおりのことでございまして、私ども数字では一々申し上げませんでしたが、似たような全国につい、この数値をここに持っておるわけでございます。実態の認識については何ら差はございません。ただ、そういうものを公表できる全体としての取りまとめはまだできておりませんので、それは申し上げなかっただけでございますが、できるだけ早い時期に取りまとめを行いたいと思います。 そういう実態の正確な認識に立って、私ども今後ともおくれている同和地区の農業振興を図っていくことは必要であると考えておりますので、そのための対策を講じてまいりたいと考えております。
○清水分科員 それではこの際、労働省にちょっと承りたいと思います。 いまのやりとりでも明らかなように、非常に二種兼業農家が多い、大部分と言っていいと思うのですね。無論私もつかんでいる資料がございます。必要なら後で申し上げますが、こうした同和地区の二種兼業農家における就労状況はどうなのか、これが非常に問題だと思うのです。だから、まず最初に、どのように就労状態の実態を把握されているか、お聞かせいただきたい。
○田代説明員 ただいま先生から、二種兼業農家のいわば兼業の実態ということで、就業の状況はどうかという御質問をいただいたわけなんですが、労働省といたしましては、農家というようなつかみ方で統計を使っていくという形にはなかなかなりませんで、私どもの方はやはり有業者か無業者か、あるいは就業しているのか失業しているのか、こういう中で実情をつかんでいく、こういう立場に立っております。そういう意味では、現実に二種兼業で農業以外に働いている方、これはいろいろな形で衝かれているわけですけれども、二種兼だけを取りまとめて見てみるというわけにはわれわれの方もなかなかいかない状態にございます。 ただ、私どもがつかんでおります実態で申し上げますと、いわば就業者の中で農業従事者というものをわれわれの方は一つの単位でつかんでいくわけですが、その場合、全国の平均と比べますと若干高い割合を同和地域の場合は持っておりますし、それから、大ぜいでやっているか小人数でやっているか、いわば零細であるかどうかということにもつながるわけですが、そういう場合は一人でやっている率が高いとか、そういった特徴的なことは幾つかございます。
○清水分科員 ある意味で、労働省だけに同和地区における二種兼業農家の就労実態はいかんと聞いても、あるいは無理かもしれませんね。だから、こういう点は農水省ともタイアップをしてもらいながら正しい実態をつかんでもらう、こういうことが必要だと思うし、また、そういう正しい実態が掌握をされなければ、適切な職業指導だとかあるいは就労対策を推進するということもまたベターにはならない、こういうふうに思うわけであります。 そこで、労働省の方針はその点についてどういうふうに考えているかということをいま聞きたいと思いますが、ついでですから申し上げてしまいますと、たとえば長野県などの場合に、これはやや正確を欠くデータかもしれませんが、同和地区における二種兼業農家のいわば就労実態というものを点検をしてみますと、どうも日雇い的な、そういう肉体労働が七〇%近いのじゃないかという数字が出ている。さっき私が申し上げた五十四年末の調査で見ても、単純作業者というのが三九・七%という数字が出ている。あるいは生産工とか技能工という言い方でくくられている者が二九%、やはりこれもトータルをすると七割に近い数字なんですね。これは大体において不安定就労者というふうに私は見ていいと思うのですが、たとえば同和地区における二種兼業農家の経営規模を思い切って拡大をすると言ってみてもそう簡単にいくわけではないのでありますから、後でも提案をいたしますが、そういう中で安定的な農家経営を確保していくためには、できるだけ近代的な産業、安定的な職場に就労のできるような状況というものを、環境づくりから始まって、いわゆる労働省の方針なら方針として進められていかなければならないのじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。
○田代説明員 二種兼業農家の基本的な指導方針、これは農政の分野だと思いますので、私はその話は避けまして実情を申し上げますと、先生御指摘のように、確かに日雇い、臨時的な就労が多いのではないかと御指摘になられたわけでございますが、私どもの方も、二種兼業、こう限らずに全体を見てみましても、同和地域の場合にいわば臨時、日雇いの不安定就労というのは全国平均よりも高い姿を示しているわけです。これもやはり結びついている姿だろうとは思います。 それから、先ほど先生、生産工程従事者すべてが不安定だとは私ども思っておりませんけれども、おっしゃられたような前提で私ども考えてみた場合、私は二種兼業については詳しい知識の持ち合わせはございませんけれども、いわば収入の主たるものが外で働く収入であるとしましても、その労働形態が完全に農業と離れてあるのか、御本人自体もまた農業に幾らか関与してそれが労働力として必要なのか、この点によっても私どもの方の対策が違ってくるわけでございます。と申しますのは、完全に農業から離れて、ただ一家の中の生計は自分も出して維持しているという方であれば、これを安定就業に図っていくということは御本人の希望にもマッチしていく形になりますけれども、私ども公共職業安定所の窓口を通じて聞いておる限りにおきましては、御自身も農業に関与する、そうなりますと、農繁期等は休みなり休暇なり何らかのものがやはりあわせてほしいと言われる要望がありますと、それが季節的労働なり臨時的労働にもつながってしまう、こういうような形も出てまいります。 そこで、労働政策としましては、一つはいわば離農、転職ということを完全に希望される方にはそれなりに方策をしいて、私ども相談員等も置きまして御相談申し上げて進めていきますし、それから、先ほど私が申し上げましたように、不安定就労だけれども本人の事情から言えば安定化はし得るということになれば、労働行政の同和対策としましてそういったいわば技能を高めて、いわば無技能だとなかなか常用労働化はむずかしくても、ある特定の技能を身につけていきますと、それによって工場、事業場等に十分就職していく、こういうようないわば職業講習制度等もしいて進めております。そういう点では今後農林水産省からいろいろお話を聞いて、御相談を承った場合はそういう前提に立って十分対策を進めてまいる、かように考えております。
○清水分科員 実は、長野県なんかの実情を申しますと、片足たんぼの労働者とよく言われるような半労半農的なウエートが非常に高いのですよ。だから、同和地区の場合に、たとえば土地への執着が強い、片手間で農業もやっていたいという場合にはどうしても安定的な雇用はむずかしいのだと言われるけれども、それはおかしいのですよ。全般的に半労半農的な状況にありながら、たとえばある部分は公務員であり、ある部分は近代産業に就労し、ある意味で安定的な雇用関係を有している、そうして日曜百姓といったようなことをやったり、母ちゃん農業というようなものが再生産されているわけです。同和地区の場合に限って、たとえば農業を片手間にやっている場合にはどうしても季節労務者的になりかねないなどと逃げられたのでは、ぼくはこれはちょっと言葉が足りないのではないかというような気がする。 少なくとも部落の完全解放を目指す、その中での同和地区の農家の経営の安定をどう図るかという場合に、やはり一般的なレベルとの兼ね合い、これにどう到達させていくか、こういう努力が払われなければ、これは部落解放ということを口で言ってみても、同和対策ということを口で言ってみても、百年河清を待つようなことになるわけだ。これは希望です。希望だけれども、ちょっと見解を聞かしておいてください。
○田代説明員 先生おっしゃるとおりで、一番はいわば安定した常用労働というのを労働省としては考えますけれども、当然その就業の形態の中には、パートでむしろうまく立つというような場合ももちろんございますし、そういう点では先生おっしゃるとおりでございます。そういう点では、私どもも十分そういう状況を踏まえて考えてまいりたいと思います。
○清水分科員 さてそこで、耕地面積、経営規模が非常に小さい、零細であるあるいは耕地の条件も非常に悪い。勢い二種兼というような方向に向かわざるを得ないが、いま議論をやっておるような隘路が大きい。そういう中で、ぼくは大ぜいの同和地区の皆さんともいろいろと話し合う機会がございますが、農業で生きていけるならばそれで生きたい、こういう気持ちがあるのですよ。ところが、いわゆる生活を支える基盤が弱いものだから、どうしても土地への執着性、農地への執着性というものが非常に強い。だから仮に、よく言われるように全体として耕地を流動化しあるいは集約化をしていくと言ってみても、同和地区の場合にはなかなかそれが円滑にいきませんね。そこで、たとえばそういう意味で部落農家の経営規模の拡大をどうするかあるいはそういう可能性を有するかということが一つの課題になるのだと私は思うのです。 そこで、これはどうしても大臣に政治的にも判断をしてもらわなければならぬということなんですけれども、たとえばこれは私の選挙区じゃありませんが、長野県に佐久地方というところがある。御承知のように、高原野菜がたくさんつくられている。この高原野菜は、釈迦に説法ですから私は申し上げませんが、連作がきかない。仮に連作を続ければ連作障害が起こる。レタスなんかにしても球にならない、つまり結球をしない。そこで、客土だとか深耕だとかいろいろな努力はするのですけれども、決定的にはやはり土地が少ない。営農規模が小さいためにそういうやり方をやってもなかなか家計を支えるような条件にはならないというケースがあるわけですが、そういう場合に、佐久地方なんか、周りを見ると国有林野がいっぱいあるわけですね。ですから、その場合に、そういう国有林野の一部を開放して、たとえば部落農家に対して地上権の設定を行う。ただで貸せというわけじゃない、しかし、できるだけ安い方がいい。たとえばそういう面で言えば、同対事業との兼ね合いでそういう借地といったようなものも勘案配慮しながら、そういうものを通しながら全体として経営規模の拡大に努めていくといったようなことが農水省の政策として考えられていいではないかと思うのですが、どうでしょう。
○須藤政府委員 いまお話しの同和地区の農業に対する経営規模の拡大のための国有林野の貸し付け等の問題でございますが、農林業同和対策事業により実施される農用地の造成あるいは近代化施設の用地に供する場合には、国有林野の活用に関する法律に基づきまして国有林野の活用ができることになっておるわけでございます。これまでも要望に応じて適切に対処していっておるところでございます。 なお、国有林野の活用は、地元産業の振興、地元住民の福祉の向上等に資するため適正に行ってきたところでございますが、今後とも国有林野の活用に関する法律の規定に即しまして、国有林野事業との調整を図りながら、一層適正かつ円滑に活用が図られるように行ってまいる所存でございます。
○清水分科員 国有林野の一部を開放してその利活用を図るという制度がある、貸し付けるという意味で、そういう制度があることは私も仄聞をいたしておりますけれども、たとえばいま申し上げた高原野菜づくりの農家が、現実に一部貸し付けをしてもらえないかというような折衝をすると、あれこれという制約が前提にされて、これが借りられない。あるいは牧草地などに一部を開放してもらえない年たとえば農水省の同和事業でのてこ入れを通じて、佐久地方なんかにも牛が約一千頭、豚が約二千頭飼育されている、こういうケースがあるのですけれども、御承知のように近来えさが大きな悩みなんですね。そういう面で、たとえば牧草地なんという問題が出てくるのだが、これがなかなか開放されない。 そこで、でき得べくんば、林野庁長官の方から今後長野県内——これは長野県だけのことを私は言っているのじゃなくて全国のことを申し上げているわけですか、全国的にそういう強い要望が出た場合、できるだけ前向きにこれにこたえてもらう、こういうことをお約束願えますか。
○須藤政府委員 実は、先生が長野県でございますので、長野県の分を調べてきておるわけでございます。 実は、活用の要望が三件出ておりまして、それぞれ対応すべくこちらでは準備をしておるわけでございますが、一遍御要請があったきり、その後何もないという状況でございまして、私ども、対応すべく準備はしておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、国有林野事業にはいろいろ制約はございますけれども、積極的に対応していきたいと考えております。
○清水分科員 要請する側がいささか消極的だからうまくいってないみたいなお話ですが、実際に承ると、そうはおっしゃるけれどもなかなかあれこれ、たとえばこれは保安林だ、やれこれは何だと言ってうまく話がつながらない。これはむずかしいななどというかっこうであるいはストップしているのかもしれませんから、せっかく皆さんがそういう前向きに対応されようというならば、これはこれで私の方でもよく実態を調べて、それを利活用したいと思いますから、今後はあるいはやかましく要請をするかもしれませんが、前向きに処理を願いたいと思います。 私は、えさの問題でも若干申し上げたいことがあるのです。たとえば、昔から畜産をやっている農家と違って新しく同対事業の枠で畜産を始めた、まだ基盤が固まっていないといったところでは、仮に全国配合飼料供給安定資金といったところへ掛金をかけて入って、値上がりの場合にはそれをカバーしてもらうといっても、先立つ資金がなかなか思うようにならないということで、正直言うとその制度を利用できない。だから、去年のように一月以降トン当たり九千六百円もたとえば値上がりをする。しかし、現実の問題として値上がりの分をもろにかぶらなきゃならないというようなことで、悲嘆に暮れているというようなケースがある。ぼくは、過渡的で結構だと思いますが、そうした場合にはある程度これをカバーをするといったような配慮ができないのかどうか。時間が余りありませんから、簡潔でいいですから、どうぞひとつ。
○森実政府委員 現在、契約時にトン当たり四百円負担していただいておりますが、メーカーの負担は実は八百円から千三百円ぐらいございます。そういう意味において、特に積立金の農家負担が過重であるというふうには見ておりません。現在、九割近くの農家が加入されているわけでございますし、今後とも加入の促進ということについては十分指導してまいりたいと思いますが、ただいま申し上げたような実態なり、それぞれの農協なり商人との契約関係から考えまして、特別の負担制度というのはちょっと無理ではないかと思います。
○清水分科員 さて、もう時間があと五分ぐらいしかありませんから、大臣に締めくくりの所信をお聞きしたいのですが、実は一昨年、福岡県の八女郡内のある農協での差別事件がございました。これは比較的うまく前向きに解決しているケースなんです。その結果、たとえば福岡県内の各単協に同和担当の職員が置かれるというようなこともございました。しかし、全体としてはまだ計画的に進めてもらわなければならぬ分野が残っていると思うのです。それから、先ほど来お話しのように、実態をきちっとつかんだ上で基本的な目標を立て、具体的にどう推進をしていくかという計画を樹立し、これをたとえば年次計画なら年次計画で推進をしていく、こういう必要性というものは、農水省の分野でもまだかなりあると思うのです。 きょうは時間がなくて残事業量のことについて言えなかったのですけれども、私がつかんでいる資料によると、たとえば五十五年以降の残事業量、これは農水省関係の行政の関係でありますけれども、大阪だとか岡山県以下の十四県だけを見ても、千三百五十一億円という数字が残っている。その他のものをトータルすると、同和地区を抱えている府県で、恐らく農水関係だけで三千億くらい残っているんじゃないか、こういう調査がございます。だから、それやこれやのことを考え、さらに加えて、先ほど来申し上げているように、まだ実態に即した有効な施策が遂行途中にあるわけですから、そういうときに、私は率直に言って、今月の同和対策特別措置法が来年一年を残すだけで失効になるなんというようなことになりますと、これはまさに竜頭蛇尾に終わるし、加えて、そこからまた新しい同和地区農家といいましょうか、農業の経済的差別の再生産といったようなことにつながらないとも言えない。かたがた、最近悪質化する意識の上での差別事件が残念ながら多発をしているんです。ねたみがあったりしていろいろ言辞を弄する部分もあるでしょうけれども、多発をしている。それやこれやを考えたときに、私は、少なくとも二年前に附帯決議をもって確認をしているような、むしろこの法律の強化改正の方向をこそ選択をされてしかるべき道筋じゃないのか。というような感じがするのでありますが、日ごろいろいろと前向きに対応されておられる亀岡農林大臣として、この点についてひとつ御所信をお聞かせいただきたいと思います。
○亀岡国務大臣 同和地区内における農業の実態について、あらゆる方面から種々実例を挙げて御主張を掲げられながらの御質問、よく私も理解することができておるわけであります。したがいまして、法の期限がもう来年一年、こういうことでありますので、政府といたしましても、関係府県から事情をよく聴取をいたしまして、そしてこれはたしか総理府が担当であったと思いますので、総理府を中心にいたしましてよく検討をしてまいりたい、そうして一日も早く差別と思われるような点のなくなるようにしてまいりたい、こう考える次第でございます。
○清水分科員 最後に一言だけ。 せっかくそういう所信が披瀝をされたのでありますが、たとえば労働大臣等も、まだまだこういう問題が山積をしている以上は、やっぱり閣僚としても個人としても決意を新たにし、何としても同和対策事業というものを推進しなければならない、法の強化とか延長とかというようなことも含めてがんばらなければならぬというようなことを言われているわけであります。大臣個人として、強化延長というような方向について、むろん反対だとは思いませんが、積極的に御推進をされるという所信の一端を最後にお聞かせをいただいて、私は終わりたいと思います。
○亀岡国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、担当閣僚が総理府でございますので、総務長官にも私の気持ちを十分申し上げまして、そうして先ほど答弁申し上げたような、とにかく日本にいろいろな地域的在あれによって差があるなんというようなことのないようにしなければならぬというのは、もう人一倍強く思っておるわけですから、その辺でひとつ御理解をいただきたい、こう思います、
○清水分科員 終わります。
○武藤主査 これにて清水勇君の質疑は終了いたしました、 次に、草川昭三君。
○草川分科員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 まず環境庁にお伺いをいたします。 いま冬でございますけれども、伊勢湾に赤潮が大発生をいたしまして、ノリ養殖に大変な打撃を与えている。プランクトンが冬場に異常繁殖をしておると言われておりまして、これが例年の二倍になると伝えられておりますが、環境庁は事実をつかんでおみえになるでしょうか。
○渡辺説明員 お答えいたします。 伊勢湾におきまして近年赤潮の発生件数が増加傾向にございます。いま先生が御指摘のように、冬場にも発生しているという状況は把握しております。
○草川分科員 非常にむずかしい問題ではございますが、ぜひ私は、総合的な対策を至急立て、漁業関係者の心配のないようにしていただきたい、こうお願いをするわけであります。 その次に、実は昨年の夏ごろでございますけれども、伊勢湾に背曲がりの魚——魚の背骨が曲がりまして、しかもそれが大変不規則に魚が変形をいたしまして、これはもう大変な実は問題になったわけでございます。私は、その問題について、根本的には水産庁の内部だけで問題を処理するのではなくて、専門の獣医師等の意見を聞きながらぜひ対応策を立てていただきたいという趣旨でこの問題を少し取り上げてみたいと思うわけです。 これは天然のハマチだとか、あるいはそのほかサバなんかにも連日水揚げで数百匹にわたるわけでございますが、背曲がりの魚が水揚げになりまして、大変関係業界の方々に大きなショックを与えてきたわけです、ところが、その後県の方なんかの指導によりますと、どうもこれは寄生虫が原因であって、この寄生虫は人体には余り影響がないからいいのではないだろうかというような、こういう一つの報道も新聞等でなされまして一安心をしたわけでございますが、実はどうもこの寄生虫の原因説というのは怪しいのではないかという意見が一つ出てきていまして、しかもこれは水産学界の学者先生の間でもかなり論争がいま起きておるわけでございますので、水産庁というのですか農林水産省といたしましては、伊勢湾の背曲がりのサバだとかハマチの本当の原因は何か、あるいはこれは全く人体に無害なのか、そういう結論をつかんでおるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山内政府委員 伊勢湾におきましてマサバを中心といたしまして変形魚が出た、こういうことが新聞発表にもなっておりますし、わが方も承知しておるわけでございます。 この問題につきまして関係漁業者、県から、水産庁の養殖研究所が三重県にございます関係でその原因等についての究明の依頼があったことも事実でございます。養殖研の中にいま病理部という急病の担当の部局がございまして、そこでいろいろ調べた結果、背曲がりの原因といたしましては、原生動物の一種の胞子虫がサバの神経に寄生じてその刺激によって筋肉が収縮して生じた、こう判定しておるわけでございます。胞子虫の種類はいろいろございまして、水産庁の研究所でやっておる胞子虫の種類とその他学者の先生との多少の食い違いがございますが、いずれにせよ神経系統に胞子虫が寄生じたことによる背曲がりである、こう断定されているわけでございます。 この安全性の問題でございますが、これらの魚種につきまして重金属等につきまして調べた結果、重金属等につきましては一般の魚介類と何ら関係が変わらない、こういうことも判明したわけでございます。 さらに胞子虫につきまして、それがもし人体内に入った場合にどう影響を及ぼすか、こういう問題につきましても、現在のところ胞子虫の生存温度が人体の生存温度と違うということと、過去において胞子虫が無害である、こういうような研究結果から、食生活に充てても支障はないであろう、こういう結論になっておるわけでございます。
○草川分科員 過去で無害であるというような実験データというのは、どこから出たのでしょうか。
○山内政府委員 これは東大の江草先生、いまやめておりますが、その先生あたりも胞子虫につきましては人体等について問題はない、こういうことを伺っておるわけでございます。
○草川分科員 いま江草先生の名前が出ましたが、私どもが調べた範囲内では江草先生も決してそういうことを言っておみえにならないわけでございまして、しかもこの前私は衆議院の一般質問でも申し上げましたが、実は急病の専門家というのは日本に限られておって、ほとんどお見えにならないと言ってもいいくらいに数が少ないわけでございまして、私はこれはひとつ真剣に対応を立てていただきたいと思うのです。 しかも、私ここに長崎大学の熱帯医学研究所の業績で、文部省の五十三年度の科学研究費補助金(研究成果刊行費)をもらっておる宮田先生の本があるのです。これは正規の報告書でございますが、「寄生原生動物 その分類、生態、進化」という、非常にむずかしいものですが出ております。これは専門的なことになりますと私どもわかりませんが、ごく簡単に申し上げますと、いま申し上げられました微胞子虫というものについていろいろな種類がある、しかし一つの種類については動物の中に入って肝臓の中からも発見をされておりますよ。あるいはラット、マウスというようなところからも発見をされておる寄生虫ですよ。しかもこれはコルシカという島でございますが、十七歳のある少年の脳髄膜を冒して三日後に死亡したのだけれども、死ぬ前に脊髄液を採取したところ、脊髄液の中からこの微胞子虫の一つの種類が出たというデータがこの中にはあるわけであります。だから、私も決してすべてがすべて人体に影響するとは申し上げませんけれども、そういう説もあるわけですから、いま水産庁の方から簡単にこれは人間に影響がないとおっしゃったわけでございますが、それは動物実験をして水産庁がはっきりと安全宣言ができるものかどうか。ただ、どこかの東大の先生が一人言ったからという程度では私は問題があると思うのですが、その点どうでしょう。
○山内政府委員 現在この問題につきまして寡聞にして動物実験をやって完全に安全である、こういう結果は得ておりません。ただ、先生からそういうことを伺ったということでお答え申し上げたまででございまして、今後の課題であろう、こう考えております。
○草川分科員 いまおっしゃったように、それが本当だと思うのです。だから余り簡単に、どこかの先生が言っておったからいいだろうという程度で、この魚の奇形という問題を見逃すわけにいかぬと私は思うのです。一部では沖繩の方にもそのような魚が出たとか、あるいはその他の地域でも発見されたというようなこともあるわけですから、これはぜひ水産庁として基本的な取り組み方が必要ではないだろうかと思うわけです。 ぜひ基本的に何か少し大がかりな対応を立てていただきたいと思いますが、その点についてもう一回、今度は大臣からこのことについてお答え願いたいと思うのです。
○亀岡国務大臣 これから養殖漁業を大いに発展せしめていこうということ、それから漁業の安定を図っていこうということで、安全なたん白質を国民に届けるということではこの魚は大変大事な食品でありますから、これが病気を持ったものというようなことでありますと本当にほうっておけない問題であるわけであります。 農林水産省におきましても、昭和五十三年から学識経験者によりまして急病対策総合検討会というものを設置いたしまして、ずっと検討を進めてきておるところでございます。急病対策におきましては、急病の技術者の養成、何と言っていいのでしょうか、急病技術者と言うのか無医と言っていいのでしょうか、そういう点はいままでは正式の魚のお医者さんというような立場の意識が少なかったことは確かでございます。五十三年度に初めて水産庁としてもそういう対策のための機関を設置したというわけでございますので、四十八年以来何といっても急病技術者を養成しなければならぬということでいろいろやってきておるわけでございます。五十五年度からは、さらに高度の知識、技術を修得した技術者を養成するため長期のコースを設けるほか、五十四年から養殖業者あるいは漁業協同組合の職員を対象として地方講習会を実施するなど、その充実を図っているところでございます。 御指摘にもありましたとおり、大変大事な問題を含んでおるわけでありますので、水産庁にだけ任せておくのじゃなくて、農林水産省としてどのような態勢をとっていったら最も速やかに結論が出せるか、対処していきたいと思っております。
○草川分科員 実は私、いまの答弁の中で非常に問題があると思うのは、水産庁だけで魚の病気の対策をするということが基本的に間違っておるのじゃないだろうか。実は昭和五十二年五月の第八十回国会の農林水産委員会で出ました獣医師法の一部を改正する法律案の附帯決議に、実は魚の病気そのものは獣医師の問題だ、こういって附帯決議が出ておるわけですよ。いまのお話では魚だから全く水産庁だと言うんですが、枠から言いますと、専門のお医者さんは獣医師なんですよ。この獣医師法の改正案の中にもいろんな附帯決議があって、最後に「今後における急病対策の重要性にかんがみ、急病に対する教育内容の充実及び急病技術者の養成に努める」というのが五十二年の八十国会の附帯決議に入っているんですよ。だから、それをやっていただかないと、それだけはひとつはっきり間違いないようにしておいてもらいたい。
○亀岡国務大臣 いや、この検討会の中にはもちろん獣医師も入っておりますので、この点は誤解のないようにしていただきたいと思います。
○草川分科員 ついでに、文部省も来ておみえになりますが、文部省も、いまのこの附帯決議について、どのような急病対策の各講座が開かれておるのか。私どもが調べたところでは、急病の問題で正式の講座を持っておるのは国立大学では一カ所しかないんですね。これはさらにふえていくんですか、どうですか。簡単に答弁してください。
○前畑説明員 お答えをいたします。 いま先生御指摘のとおり、獣医師法の改正がございましたときに、私どもといたしましては、国家試験に対処するために学部四年と修士二年、これを一貫して教育をやる、こういうことに対処する必要に迫られたわけでございます。そこで、急病の問題につきましては、大学院の方で臨床獣医学と並んで応用獣医学というのをやるようにいたしておりますが、その中で急病の授業科目を開設するようにということで関係の大学に指導いたしたところでございます。 御案内のとおり、五十二年から入学して始まるわけでございまして、大学院には五十七年度から入るわけでございますが、五十七年度になりますと、各大学におきまして大学院で急病の授業科目が開設される、このように承知をいたしております。
○草川分科員 とにかく先生がいないからという話ですが、そういうことにもなるんでしょう。 先ほどの微胞子虫の問題についても、ある地域ではもう大変なショックなんですから、一体どうなるのかわからぬでうろちょろするということについても、ぜひ早急な検討をしながら、そして漁民の方にもあるいは消費者の方々にも安心できる対応をぜひ早期にとっていただきたいことを強く要望をして、この奇形魚の問題は打ち切りたい、こう思います。 第二番目に、実はこれも非常に問題になるわけですが、狂犬病、犬のワクチンを検定を受けずに販売をしたということがいま問題になりつつあるわけでございます。しかも、この狂犬病というのは今度は人間にも直接害を及ぼす病気でございますから、ワクチンというのは非常に大切なんですけれども、検定を受けずに販売をした、しかも、製造したというところは、最近不正入学で、あるいはまた同じ大学で土地の不正流用で社会的な問題になって批判を浴びております北里大学に関係をいたしますところの、正式な名前は何というんですか、社団法人北里研究所、ここで大量の、一説によりますと三十五万匹分、こう言っておりますが、全国にワクチンが散らばっておるのですけれども、検定を受けずに販売をした。このほかにもう一つ、松研薬品工業というのも同じようなことをやったというわけでございます。これは薬事法の四十二条に完全に違反をするわけでございますが、農水省としてはどのような処分なり対応を立てられたのか、お伺いをします。
○森実政府委員 御指摘のございました事案について、まず簡単に経過を申し上げます。 昨年七月立入検査を行ったところ、御指摘のように、北里研究所と松研工業の薬事法違反の事実が明らかになったわけでございます。内容は、端的に申しますと、自社の製品の中で効力が低いものを、かわりに効力が十分であった製品で検定を受けまして効力の低いものを売っていたという、まさに御指摘のように薬事法違反の事案でございます。 これにつきましては幾つかの対応策を講じたわけでございますが、北里研究所の場合で申しますと、まず八月に狂犬病ワクチンの販売停止と国家検定申請中のものの取り下げを指導いたしました。その後、薬事法七十六条の規定で聴聞会を十一月に聞きまして、十一月二十六日に、過去の事案等も考慮いたしまして薬事法第七十五条の規定に基づき昭和五十五年の十二月一日から十二月三十日までの三十日間の製造業務の停止命令を北里研究所に出しております。また、北里研究所の製造管理者と製造担当者の責任が問題になるわけでございますが、これにつきましては、同研究所は直ちに責任を自覚いたしましてこの担当者を変更しております。また、今後こういった問題がないように、私どもも十二月に各県の薬事監視員を集めて監視の徹底を促したところでございます、
○草川分科員 その被害というのですか、対象の犬は何頭か、あるいは製造金額は幾らか、あるいはそれは局地的なのか全国的なのか、具体的にお伺いをします。
○森実政府委員 一万九千本について不適当なものを発見しております。 それから、被害報告が出ましたのは、やはり静岡県等特定の県に限定されております。六県でございます。
○草川分科員 ちょっとお伺いしますが、特定六県ということは北海道も入っているわけですし、大阪も入っているわけですし、これは特定の地域ではないんでしょう。
○森実政府委員 北里研究所のワクチンにつきまして配付先になっておりますのは、群馬県、東京都、神奈川県、新潟県、長野県、愛知県と大阪府でございます。
○草川分科員 松研薬品というのは過去に一回同様な事故を——事故というのですか、同じようなことをやっているわけですね。いま不適当なものだとおっしゃいますが、非常に言葉やさしいんですが、結局インチキなんでしょう。どうですか。
○森実政府委員 効力の低いものを偽って検定を受けたわけでございますから、まさに違法な行為でございます。
○草川分科員 だから、私は柄が悪いからそれを称してインチキだと言うんです。 これは犬ですからどうでもいいようなことだと思いますけれども、問題は犬の問題ではなくて、もし狂犬病という病気を持った犬が人間にあるいは子供に被害を与えたときにまさしくこれは大変なことになるわけでございます。しかも、私ちょっと信じられぬのですね。北里大学というような有名な歴史を持つ大学の付属機関が、とにかく審査のときだけはいいものを出しておいて別なものを売るというのは、いまのような態度でこれはおさめることができるかどうか。しかも、松研というのは二回もやっておる。いかに行政指導というのですか、監視体制がずさんだったか、これは許しがたい問題だと私は思うのですよ。もしも自分の子供が犬にかまれた、飼い主はいやワクチンが打ってあったからいいです、ところがそのワクチンがインチキだった、こういう事例があったら、これは完全な傷害罪になると私は思うのです。警察庁の方はどのような御関心を持っておみえになるか、お伺いしたいと思うのです。
○中島説明員 ただいま御指摘になりました事件につきまして、私どもまだ的確に事実を確認いたしておりません。早急に事実を確認いたしまして的確な措置をとってまいりたい、こう考えております。
○草川分科員 私は、いま申し上げましたような立場から的確な措置をぜひ早期にとられて、私どもどちらかといえば目が届かないというのですか、そういうところでかかる異常なことが起きておることについては、監督官庁であるところの農林水産省が厳重な対応を立てていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 しかも、この二つのメーカーの全国の生産量のシェアというのは、お伺いするところによると北里が二〇%、松研が一五%。これは間違いないですね。そのようなシェアでございますから、これは全国的に影響を及ぼすことだと私は思っております。しかも、この北里研究所の担当理事は獣医師会の会長だというふうに私伝え聞いておるわけでございます。そういう方々で、一体いまの運営というものが果たして信用できるかどうか。直接の責任がある、ないということは別といたしまして、担当者でございますから重大な問題があると私は思うのですが、その点についていかがお考えになっておられるのでしょうか。
○森実政府委員 御指摘のように、北里研究所、松研とも六社のうちの二社でございまして、合わせて四割に近いシェアを持っているわけでございまして、はなはだ残念なことだと思っております。そういう意味で、私どもも薬事法に基づいて厳しい処分ということで全面的にそれぞれ三十日、五十日の営業停止を行うと同時に、自主的な人事交代を行わなかった松研工業については管理者の解任も行っておるという経過がございます。これからも都道府県を通じまして薬事監視の徹底にはできるだけの努力をしたいと思っております。 北里の理事の問題でございますが、法的には、先生御指摘のように医薬品製造管理者なりワクチン製造担当者の問題であろうと思います。これは解任しているわけでございまして、この責任は明確にさせたわけでございます。 研究所の理事の一員であるということで現在の獣医師会の会長さんの責任はどうかということでございますが、これは端的に申し上げますと、個人的な道義上の問題ということはあるいはあるかと思いますが、広い意味でのそういった判断はできるとしても、役所としてそういったそれぞれの立場における適格性の判断ということにはいささか問題もあると思って状況を見ているわけでございます。
○草川分科員 私は率直に申し上げて、監督官庁としての指導がいままで手ぬるかったと思うのです。これがもし厚生省関係で——いまは特に薬事法改正で非常に厳しい対応が迫られておるわけですよ。同じものですけれども、農林水産省という場になると、相手がこういうものでございますから多少目こぼしというのですか、しかもやっておることはきわめて低次元でしょう。許せないことなのですよ。少しの過ちだとかミスだとか失敗という次元と違うわけですよ。根本的な問題があるわけですから、遠慮なく声を大にして厳重にやるべきだと思うのです。いまはそういう点についての道義的な責任というのは非常に強いわけでございますから、最後になりますけれども、時間がございませんので、大臣からこの問題についての御見解を賜って、終わりたいと思います。
○亀岡国務大臣 こういう薬事法違反の事態を引き起こしたという責任は私にあるわけでございますから、今後こういうことの再び起こらぬようにあらゆる点から検討を加えまして処置をいたしたい、こう考えております。
○草川分科員 以上で終わります。
○武藤主査 これにて草川昭三君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十八日午前九時三十分より開会し、農林水産省所管について質疑を続行することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十四分散会